運輸委員会 第8号
- 発言数
- 352 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/05/22
会議録
○久間委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として国際観光振興会会長丹羽晟君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○久間委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 —————————————
○久間委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中沢健次君。
○中沢委員 おはようございます。 私は地方行政委員会に所属をしておりますが、本法案は自治大臣も主務大臣でございまして、しかも運輸大臣の奥田大臣は、かつて自治大臣当時、私も大変個人的にもお世話をいただいた間柄でもございまして、わずか三十分でありますけれども、幾つか質問をさせていただきたいと思います。 最初に、自治省を呼んでおりますので、自治省の方に幾つか簡単に質問したいと思います。 まず一つは、自治大臣も本法案の主務大臣の一人になっている。いろいろ私なりに勉強もしてみましたけれども、主として自治大臣が主務大臣になったということについては一応理解をいたしますが、確認の意味で二つほど聞いておきたいと思います。 今度の法案は、国の責任と、それから都道府県あるいは市町村の責任がそれなりに明確になっておりますけれども、特に国としてはこの法案の趣旨に基づきまして基本方針を策定をする、それを受けた形で都道府県知事が基本計画を関係市町村と協議をしながら決定をする、こういう法律の枠組みになっております。したがって、ついこの間も建設委員会で地方拠点都市法の審議の際に、私も質問に立ちましたけれども、いずれにしても、法の趣旨その他いろいろありますが、やはり趣旨からいいまして、いわゆる地方の自主性、具体的には基本計画を策定をする、北海道でいえば北海道の知事、あるいはいろいろな行事をこれから展開をするわけでありますけれども、関係市町村長の、いわゆる地方の自主性の尊重は極めて大事でないかと思いますので、確認の意味で、そういうことについて自治省はどのように考えているか。 それからもう一つは、自治省サイドの具体的なこの法案に対する財政的な対応として地方債をもって対応したい、こういう内容が明らかになっておりますけれども、地方債ということでは、今度のこの法の趣旨からいって新しい地方債ということをつくり出してそれに対応するのか、あるいは既往のいろいろな地方債があります、例えばまちづくり債でありますとか、私の出身め夕張のようなところは過疎債の適用にもなるわけでありまして、そういう意味では既往の地方債を適用するのか、こういう問題についても少し確かめておきたいと思います。この二つ、まずお答えをいただいておきたいと思います。
○滝政府委員 ただいま私どもに二点お尋ねがございましたので、お話を申し上げたいと存じます。 まず第一点の地方の自主性の問題でございます。 私どももこの法案の運用上、地方の自主性を確保するということは大変重要なことだというふうに考えております。そのような意味で、運輸省当局からも私どもの自治大臣に主務大臣になるように、こういうようなことがあったというふうに承知をいたしているわけでございまして、基本的には主務大臣が基本方針をお示しし、それに基づいて都道府県が基本計画を作成する、こういうことでございますけれども、その基本は、この条文の後段にもございますように都道府県は市町村に協議をする、こういうことにもなっております。 そのようなことで、基本的には何といっても今回のこの法案は、地方におけるいわば国際的な観光拠点の新しいものをつくる、あるいは公益的な立場からそういうものを推進しよう、こういうことでございますので、都道府県というものが主体でございますけれども、その前提としてはやはり市町村も基本的にこの問題に関与する、こういうような仕組みでもございますし、私どもといたしましても、先生から仰せのように、何といってもそういうような仕組みを通じて地方の自主性というものを尊重しつつ必要な支援をしていくというのが主務大臣としての自治大臣の立場ではないだろうか、こういうふうに考えているところでございます。 それから、二点目にございました地方債につきまして、新しい仕組みをつくるのか、それとも既往の仕組みをこれに適用していくのか、こういうような御趣旨でございます。 これにつきましては、仰せのとおり、私どもとしてはこの法律の条文に基づきまして、必要がございますれば積極的に特別の配慮をする、こういうことでございますけれども、それはあくまでも既往の諸制度をできるだけ組み合わせてこれに対応していく、こういうことでございまして、お話にございましたようにまちづくり債あるいは過疎債、こういうことも含めまして私どもは考えております。さらに言えば、ふるさと創生でやってまいりました中で一番主体となっております地域総合整備事業債というものがございますので、こういった事業債の一般分、特別分あるいは地域づくり特別事業ということで三種類の枠がございますけれども、こういうような枠をできるだけ活用して対応させていただく、こういうふうに考えているところでございます。
○中沢委員 もう一つ簡単にお尋ねをしたいと思います。 今、総務審議官の方から、ふるさと創生事業ということについても関係があるというような意味での発言もございました。実は奥田運輸大臣が自治大臣当時にふるさと創生事業が発足し、今も続いております。とりわけ地方の国際化の時代ということにも重点を置きまして、おかげさまで平成四年度地方交付税で相当程度地方の国際化の費用について措置をされました。 国際化という中身でいえば、観光の国際化ということも入ってくるわけでありまして、観光ということになってくると運輸大臣の所管でありますから、ぜひちょっと聞いておいていただきたいと思うのでありますけれども、特に交付税措置は、既に法案を衆議院を上げまして今参議院で議論中でありますが、平成四年度は、単純に言いまして従来よりも大体三割増し国際化の経費が引き上げになりました。 特に私は北海道の出身でありますから、後で直接運輸大臣にお尋ねをしたいと思っておりますけれども、今度の法案でいいますと郷土の伝統芸能ということが中心でありますが、北海道の場合はやはり開拓の歴史が浅い、正直言いまして余りとりたてての伝統芸能というのはないと思うのです。しかし、今アイヌ民族の問題ですとか、あるいは聞くところによりますと北海道としてはぜひひとつ江差追分あたりを、全国的にも評価がありますから郷土の伝統芸能として取り上げてもらいたいという動きもあるやに聞いております。 その議論はまた後にいたしますけれども、いずれにしても観光を含めた地方の国際化というのが非常に大きなテーマで、自治省もそのことをしっかり受けとめて交付税も引き上げをされている、私はそのことは高く評価をしたいと思うのであります。 ただ問題は、自治省サイドでそういうことをやっておりますけれども、ぜひひとつ改めて総務審議官に確認の意味で聞いておきたいのは、例えば今度の立法の趣旨で、また公益法人をつくろうということになっておりますが、自治省としては、昭和六十年に地域活性化センターというのを財団法人で既に発足をさせて、これは地方のいろいろなイベント、観光のイベントも含めて、そういうことにも協賛金を事業全体の費用の中で支出をしている、こういうことも聞いております。 したがって、後ほどの議論にも関連をすると思うのでありますが、昭和六十年に発足をいたしました地域活性化センターという既に持っている組織が、今度の法案の中で言うところの公益法人には直接該当はしませんけれども、センターの事業として今度の立法の趣旨に沿いまして伝統芸能云々という活性化行事、いろいろまた改めて出てくると思うのであります。そういう内容について具体的に、例えば協賛金を配分する対象として考慮をするのかしないのか、確認の意味で聞いておきたいと思います。
○滝政府委員 昭和六十年に設立いたしております地域活性化センターについてお話がございましたので申し上げたいと存じます。 おっしゃるとおり、この地域活性化センター、基本財産二十億円で都道府県及び市町村が主体、それに民間企業、民間団体の御賛同を得て出発をいたしておりまして、その中に、おっしゃるように発足以来いろいろな事業をやってまいりましたけれども、この法案とのかかわり合いで申しますと、各種イベントの支援業務を行ってきております。 したがって、お話のございましたように、この法案で予定いたしております支援法人ではないかと存じますけれども、事実上の問題として、当然のことながら私どもとしては、この地域活性化センターもこの法案成立の暁にはできるだけこういった法案の実質的な支援をさせていただくという立場から、ひとつ国際的な観光事業に重点を置いたイベント支援というものを地域活性化センターで行うように私どもからも要請をしてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○中沢委員 ありがとうございました。自治省の方はもう私は質問ありません。ありがとうございました。 さて、以下残された時間、運輸大臣を含めて運輸省にお尋ねをしたいと思います。 今も若干議論があったのでありますが、今度の立法の中では、聞くところによりますと運輸省と通産省の関係団体でこの事業の受け皿として公益法人をつくりたい、こういう話を伝え聞いておるわけであります。例えば、船舶振興会だとか競輪の団体とかということになるのでしょうけれども、具体的にどういう団体を対象として公益法人として考えているかというのが一つ。 それからいま一つは、この種の団体をつくった場合には、いろいろな事業がこれから展開されてくると思いますが、率直に申し上げまして具体的な支援事業としてどういうことを考えているか。例えば今自治省の方から活性化センターの話がありました。地方ではいろいろな観光のイベントをやりまして、これは全国で、基準があるのでありますけれども大体一年間で七十件ぐらい、一件当たり五十万、金額にして三千五百万、それほど大きな金額ではないかもしれませんが、例えばそういうことも既にやっている。伝統芸能云々ということになってくると数もたくさん出てくるし、恐らく五十万ということにはならないのかなという感じもするのでありますが、どういう団体を含めて公益法人をつくろうとしているか、具体的に支援の内容について、今一つの例を申し上げましたけれども、どういうことを考えられているか、二つまとめてお答えをいただいておきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 この法律において予定されております支援事業実施機関は、地域伝統芸能などの観光資源としての活用に照準を絞って、より専門的にその活用事業を支援していこうとするものでございます。また、地域伝統芸能などを活用したイベントの支援を行うことによって、観光振興と地域商工業の振興とを同時に図ろうとするものでございますので、地域伝統芸能等の活用行事に関する専門性とともに観光振興、地域商工業振興の双方を考慮に入れた知識、ノウハウといいますかそういったものの蓄積が必要不可欠でございます。 現在のところ、このような要件をそのままの形で備える団体は運輸省においても通産省においても見当たりませんので、このような要件を持ってこの法律を推進していくための法人を新たに設立する必要があるのじゃないかと私ども考え、そういった新たな法人が設立されまして支援の実施を円滑に実施していく、そういうふうに考えております。 また、この支援事業実施機関の指定に当たりましては、そうした地域伝統芸能等を活用した観光、地域商工業の振興に関します事業を専門的に適正かつ確実に行うことができる法人を指定する必要があるということでございますので、そういう指定要件に合うような形の法人をこれから内容を検討していくという段階でございます。 それから、この法人を設立するに当たっての資金的な面でございますが、これから関係者が民間の資金を集めて、この新たにつくる法人の基金とするように努力していくことになろうかと思います。その中には日本船舶振興会の拠出金等も要請していくつもりでございます。どの程度の額になりますかはこれからの関係者の努力によりますが、できるだけ資金を集めて、そういう資金の中から伝統芸能等の支援措置を講ずるように考えているところでございます。
○中沢委員 そこで、運輸大臣の方に基本的な問題をまず一つお伺いしておきたいと思います。 主務大臣は五人の大臣ということでありますが、運輸委員会でこの法案を審査している、大体中心は運輸大臣ではないかというふうに私は考えるわけであります。特に観光行政の所管大臣でありますからそういうことになると思うのでありますが、法の二条によりますと、今局長からお話がありましたように、伝統芸能等を活用して観光の振興や特定地域の商工業の振興を図る。私は、先ほどちょっと触れましたように、「伝統芸能等」という「等」に特にウエートを置きましてお尋ねをしておきたいと思うのであります。 北海道は、開拓のくわが入りましてまだ百年をちょっと超えた、極めて歴史が浅い。伝統芸能といっても余り特別なものはないのではないか。しかし、将来を考えますと、金の卵か銀の卵がはわかりませんが、将来的には伝統芸能になり得るような、埋もれたそういう伝統芸能的な素材はある。同時に、この七月から、大臣よく御承知のように千歳の新空港のターミナルが供用開始になりまして、いよいよこの北海道が国際化へ向かって大きくジャンプをする、こういう時代。文字どおり観光の国際化の大きな基地として北海道は国家的にも役割を果たすのではないだろうか、あるいは果たす必要がある、北海道の出身者としては、そのことを強く感じているわけであります。 ですから、伝統芸能ということだけにとらわれますと、北海道の伝統芸能といったって、簡単に言えば大したことない。しかし、今言ったこれからのことを考えますと、埋もれた伝統芸能だとかあるいは観光の国際化という観点でいうと、相当運輸大臣としても北海道のことを視野に入れていただいて、できるだけやはり指定の事業についても拾い上げていただく、こういう努力をぜひやっていただきたいと思います。 夕張の国際映画祭の問題は後で触れますが、一般論として、基本的な問題としてそのことについての大臣の決意のほどをぜひ聞いておきたいと思います。 〔委員長退席、坂本(剛)委員長代理着席〕
○奥田国務大臣 中沢先生とは、地行委のそういった形の中で大変なお世話になってまいりました。今回の、今御提言になった趣旨の中で、将来の北海道、特に千歳の空港整備、それに引き続き、まさに国際化の拠点基地としての北海道等々を考えての御発言であったと思います。 私自身、この法案の趣旨は、ふるさと創生事業によって地域の皆さん方が自分たちの考えを生かされて、地域活性化に積極的に取り組んでいただけるという形の中で、これは後押しできる法案にしたいなと思っておるわけです。 ということは、この運輸大臣を拝命して以来、最近の国際的な外客の増大、そしてこれらの皆さん方が案外、東京を中心にして主要都市だけが日本だ、そういった形の中で、非常に我が国の伝統なり国民性なり文化に対する理解というのが中途半端な形で終わってしまう。本来我が国が国際社会の、外客にも含めて紹介したいのは、もっと根っこの深い、そして大地に足を踏みつけて長い間立ってきておる、そういう素朴な中から生まれてきた伝統に対して、何とかこれを掘り起こしてそういう人たちに宣伝をする、そして国際的なイベントにまで持っていく、それがひいては国際客の日本の理解にもつながる、こういう形で、自治省は自治省なりで本当に今大きな財政措置も講じて、すばらしい方向に来ていると私は思っています。それを今度はソフトの面から、もうこれだけの輸送機関、これだけの観光業者、地域の商工業者も入れて、それらをイベントに持っていくために、ソフトの面で、企画、運営まで知恵で応援しよう、宣伝力で応援しようという形からやっているわけです。 したがって、今先生が御指摘になった、御出身地の夕張の市長さんにも私はお会いして、あのユニークな発想、そして、あの夕張の炭鉱閉山の中から、灯の消えた町を何とかひとつ活性化の灯をともすために、世界の注目を集めるようなイベントを国際映画祭という形でやっておられます。あれも最初はどえらい計画だなと思いながら年とともに定着して、しかも海外のそういっ立派な名優、監督あたりもお祭りに参画されるような形になってきております。これなんかは私はすばらしいことだと、これは先生の言葉をかりれば、今はまさにまだ芽を出す段階だけれども、必ず大きな幹となり花を吹かす、金の卵になるという期待を持っております。 ですから、この「伝統芸能等」の活用というこの「等」に意味があるのは、そういった新しく芽生えた形で将来国際的なイベントの大きなものにまで発展し得る、そんな行事も含めてやっていきたいな、それを応援したいな。そういう形で外客、国際交流の一助にもなりますし、または地方活性化の一助にもなりますし、そして決してこれは上から無理にあれするのじゃなくて、地方から盛り上がる形で、知事らのそういった助言、提言、計画等も受けながらお手伝いをしていこう、そういったことで考えておるわけであります。御協力をいたします。
○中沢委員 自治大臣当時、わざわざ夕張にも直接お見えをいただきまして、私も現地を御案内をして、しかも今「ゆうばり国際映画祭」、運輸大臣としてもいろいろな側面で応援もしたいという趣旨のお答えでございまして、大変感激をしておるのであります。 残された時間わずかでありますが、せっかくでありますから、この際「ゆうばり国際映画祭」の関係につきまして、もう一度大臣からお答えもいただきたいなということで、状況について少し説明を申し上げたいと思うのです。 おかげさまで国際映画祭は三回目になりました。残念ながら夕張はもう炭鉱は一つもございません。人口は最盛期十二万が今は二万と大変な状況です。しかしみんな頑張っているわけですね。やはりそういう地方が自分たちの知恵と力で町を活性化しよう、ふるさとを大事にしよう、私はすばらしいことだと思うのですよ。 第三回は二月、札幌の雪まつりの後四日間夕張で開催をしまして、外国からも有名な映画監督、例えばロバート・ワイズさんというのが、世界的には映画の神様である、「サウンド・オブ・ミュージック」という映画、若いころにごらんになった方もたくさんいらっしゃると思いますが、そういう映画の監督をされた方も来ていらっしゃる。映画関係者だけで三十名前後、外人の観光客ということでいいます二百名前後おいでになっている。しかも今度は千歳の空港駅から夕張駅まで臨時列車を出していただきました。たまたまJRの北海道の社長の大森さんが夕張の出身でもあるということも含めて、随分御配慮もいただいたわけであります。 しかも大臣、実は外国からおいでになる皆さんにギャラは全然払っていないのですよ。普通はギャラというのは、人によっては何千万単位で提供しなければなかなか夕張くんだりまでは来ないのでありますけれども、やはりこれは国内の映画界の善意、国外の映画の関係者の善意に支えられている。しかも費用でいいますと、もう時間がありませんから多く申し上げませんが、大体総額一億八千万ぐらいで上げているのですね。自治省のふるさと創生事業で約一億ぐらい、これが大きな資金源で、あとはもういろいろなところから、私も直接お手伝いをしていますけれども、企業からいろいろお金をもらってきて、そして成功をさせている。 ですからこの際、自治省は自治省なりに恐らくふるさと創生事業、形を変えてずうっと続いていくと思いますが、せっかく運輸大臣も今御答弁されましたけれども、非常にローカル的なとはいいながらも一生懸命町おこしのために頑張っている、北海道の国際化に向けての一つの先取りの観光イベントとしてやはり全国的に、運輸大臣としても改めて高く評価をしていただいて、何とかひとつ、これからいろいろな運輸行政はたくさんあると思います、後ほど参考人の国際観光振興会の方もお見えになるわけでありますが、そういう関係団体挙げまして、ぜひひとつ「ゆうばり国際映画祭」、長くそして立派に成長させたいと思っておりますので、改めてひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。一言だけで結構であります。
○奥田国務大臣 一言だけと言わずに、少し答えさせてください。 私は、夕張の皆さん方があの炭鉱閉山の苦しみの中で新しい形でのふるさとおこしに努力している姿に、本当に涙が出るほど感激しているのです。それで、特に夕張は、炭鉱が閉山されたとはいえ自然景観は立派ですし、先生が指摘されたように千歳の国際ハブ空港としての体制は整ってまいりましたし、こういうことからいうと、成田や羽田のそういった現状を考えるときに、あれだけ整備されて、まさにハブ空港としての態様を整えているというのは千歳が最大だ。そしてまた、施設においても世界に誇り得る形になっていくということを期待しています。 ですから、夕張もそういった形の国際化の進展に伴いまして、何とかあそこがリゾートになり、そしてこれから新しく地域の伝統的なイベントをつくって、そして外から来るお客さん方に、夕張へ行ってこれに参加した、あるいは北海道へ行ってこの行事、このイベントを見てきて感激したというような形になってほしいなというのが心からの願いです。 ですから、毎年千百万も海外にこちらから出かけていく、受け入れる外国のお客様は三百五十万。しかし、これも理由もあります。日本に定期便、直行便で来たいという国がまだ四十三カ国も順番を待ってひしめいておるというような現状。今後、国内のイベントとしても大事ですけれども、国際客の目玉になるようなイベントがやはり欲しい。そしてまた、そのことが今後の国際交流に役立つだろう。そういった意味で、今までいろいろな苦労をされて、資金的にも苦労されて、自治省も頑張っておられますし、現在の運輸省もこの法案通過によって応援もしてまいりたいし、PRもしたいし、また、他省のことではあるけれども、通産省はもちろんこれに対しての支援策というか地域商工業の支援策をまた講じてくれるでありましょう。 私は、今言ったような有名監督等々のお招き等にも本当は経費がかかっているのに我慢されているのだと思いますけれども、これらは外務省の国際交流基金枠の中でこういったすばらしいイベントに対しての海外からの文化人招待等々には力を入れてくれるべきであろうし、ひとつみんなで知恵を出し合って、このイベントが日本国内だけではなくて世界に誇る、そういう方向にまでいけるようなイベントになるように、先ほどもお約束をいたしましたけれども、ひとつお手伝いをさせていただきたいというのが、私の気持ちでございます。 〔坂本(剛)委員長代理退席、委員長着席〕
○中沢委員 質問の時間を超えておりますけれども、大臣から大変人間味あふれる温かいお答えをいただきました。我々も一生懸命頑張りますけれども、ぜひひとつ今後ともよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○久間委員長 竹村幸雄君。
○竹村委員 近年、我が国は高度経済成長政策の中で急激な経済発展を遂げてまいりました。かつては、アメリカがくしゃみをすれば日本が風邪を引くと言われた時代から、今では世界最大の債権国になり、経済大国になったのであります。 経済の成長がなければ国民生活の向上も国家の繁栄もないということは、東欧、旧ソ連の現状を見るまでもなく明らかでありますから、その点から見れば一応の成功を見ているわけでありますけれども、そのために大切なもの、日本人のよさをたくさん失ってきたこともまた事実であります。東京一極集中に見られるように、過密過疎の問題、家庭や地域の触れ合い、能率化、効率化、シェアの拡大、合理化を求める余り人間疎外を生み、公害問題や地球環境の破壊が進んでまいりました。九〇年代から二十一世紀に向けてゆとりと豊かさを求める声が大きな高まりを見せております。 そのときに当たり、通産省や運輸省が中心となって五省が協力をして、各地方の固有の文化、歴史と伝統、気候、風土の中ではぐくまれ育てられてきた伝統芸能の活用と振興、地域商工業を振興するため、さきに成立した伝統産業振興法の姉妹法とも言える本法案を提出された意義は非常に大きいと思います。特に、先ほども申し上げましたように、五省が中心となって国を挙げて伝統芸能、地域商工業の振興に取り組まれることを高く評価したいのであります。しかし、五省共管であるため、その内容も微妙に食い違い、責任の所在があいまいになり、もたれ合いになるのではないかと危惧されておるところであります。 まず、運輸省、通産省の所信についてお伺いをいたしたいと思います。特に運輸省につきましては、二十一世紀に向けての国内観光、国際観光に対する基本的な考え方について、あわせてお答えをいただきます。
○大塚(秀)政府委員 今回の法律は、地域における観光の振興、商工業の振興等を目的としておりますために、運輸大臣のほか通産大臣、農水大臣、文部大臣及び自治大臣が主務大臣となっておりますが、これら関係省庁におきましては連絡を密にして、一致してこの法律の推進に努力していきたいと私ども考えているわけです。法律が成立しましたら、それぞれの省の関係局長から成る連絡会議等を設けて、この円滑な実施のための連絡調整を図るつもりでございます。 また、第二の御質問でございます二十一世紀に向けての国内、国際観光施策の基本的な考え方でございますが、我が国がゆとりと豊かさを実感できる生活大国への歩みを進めている中で、国民生活に占める観光の比重は先生御指摘のとおりますます大きくなっております。 平成三年におきまして日本人海外旅行客数は、湾岸危機の影響のため若干減少したものの、平成二年に引き続き一千万人を超えて一千六十三万人に達しております。また、平成三年における訪日外客数は、平成二年に引き続き三百万人を超え、過去最高の三百五十三万人に達しております。 国民生活の充実を図るため、観光に期待される役割は今後一層大きくなるものと考えられますので、運輸省といたしましては九〇年代観光振興行動計画、TAPと呼んでおりますが、また昨年七月に策定しました観光交流拡大計画をいわば観光政策の車の両輪といたしまして、国内、国際観光政策を総合的、計画的に推進しているところでございます。 その中でも特に、地域の活性化と地方の国際化を目指した観光立県推進運動を展開するために、中央及び各地方ごとに観光立県推進会議を開催し、観光振興に関する具体的施策を提言し、それを幅広く実行に移すこととしておりますとともに、その他国内観光に係る施策として、観光レクリエーション地区の整備等に努めているところであります。 また、観光交流拡大計画におきましては、アウトバウンド、インバウンド双方向の観光交流の拡大、また、日本人海外渡航者の海外旅行の質的向上のための施策を展開することとしており、海外旅行促進ミッションの派遣による新しい観光地の開拓とか国際観光振興会の外客誘致活動の充実等に努めているところでございます。
○麻生政府委員 近年、ゆとりと豊かさを求めます消費者のニーズというのは非常に多様化をいたしております。したがいまして、商工業の振興ということを考えます場合にも、それぞれの地域の特色を生かした個性のある振興策を追求していくことが大切になってきております。その場合に、地域コミュニティーの核でございます地域の伝統芸能などを活用した行事の開催ということは、特色のある製品の開発とかにぎわいの創出、あるいは特色のあります商店街の形成というようなものになってくるわけでございます。そのような観点から、地域伝統芸能というのは非常に大切な役割を果たすものと考えております。 したがいまして、通産省といたしましては、本法にございますような形で地域伝統芸能を活用しましたいろいろな行事を的確に行う、効果的に行うということによりまして特定地域の振興を図ろうということでございます。 当省といたしましては、このような時代の要請でございますゆとりと豊かさに対応いたしました施策の一環といたしまして、関係省庁とも十分協力をしながら本法の円滑な実施に努めてまいりたいと考えている次第でございます。
○竹村委員 今、基本的な考え方を承りました。今までの我が国の産業優先、企業優先の政策から、地方の固有の文化を高め、豊かさとゆとりを共感できる政策へと転換を図っていただきたいと思います。 そこで、法案について質問をいたしたいと思います。 ここで言う活用行事の対象となる地域伝統芸能等とは国、都道府県、市町村の文化財の指定があったものでなければならないのかどうか。私の手元の資料では、地域伝統芸能等とは、地域の伝統的な民族芸能及び風俗慣習をいうということでありますけれども、具体的にお答えをいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 地域伝統芸能等とは、法律にも規定しておりますが、地域の民衆の中で受け継がれ、その地域固有の歴史、文化等を色濃く反映した伝統的な芸能及び風俗慣習を指すものでございます。 具体的には、田植えの際の踊りから発生しました田楽、あるいは風流と呼ばれるような太鼓踊り、念仏踊り、盆踊り等、また三河万歳のような語り物、それから能、狂言、これは全国的なものは地域伝統芸能とは言えませんが、地域独特のようなもの、また歌舞伎についてもそれぞれの郷土歌舞伎と言われるようなもの、また浄瑠璃、人形芝居のようなもので郷土独特のもの、地域独特のもの、また民謡、小うたのたぐい、太鼓、三味線等の演奏、こういったものでその地域に受け継がれているものが伝統的な芸能であり、また伝統的な風俗慣習と申しますのは、その地域独特の年中行事として、例えば秋田県のかまくらとか静岡県のたこ合戦とか長崎県のペーロン、こういったものが入ると思われます。また、市と呼ばれるようなものの中で地域の特色を持ったえびす市、ホオズキ市というようなものも入るのじゃないかと思います。 なお、その多くは文化財保護法上の民俗文化財である民俗芸能及び風俗慣習に該当いたしますが、それ以外のものも含まれるものと考えております。
○竹村委員 私の手元には京都府や京都市が指定をいたしました無形民俗文化財の一覧表がありますけれども、さらに明治以前から年に一度の陶器市が盛んに行われておりますし、毎月二十一日には弘法さん、二十五日には天神さんというように弘法市、天神市が開かれ、大きなにぎわいを見せております。 また、各町内には子供の安全を願ってお地蔵さんが置かれておりますけれども、年に一度、八月の後半に町内こぞってお祭りが行われているのであります。町内ごとに行事の内容は異なっておりますけれども、屋台を組み、あんどんをつくり、今ではともすれば疎遠になりがちな地域の人々の話し合いの場にもなり、夏休み最後のレクリエーションの場にもなっております。 また、京都には数多くの花街がございまして、伝統芸能を伝承、発展させておるのであります。第一回の京都博覧会の余興として企画されました都をどりを初めとして、宮川町の京おどり、上七軒の北野をどり、先斗町の鴨川をどり、祇園東の祇園をどり等々がございますけれども、これは伝統芸能を観光事業として今行われており、今日では京都を訪れる修学旅行の生徒や学生が、神社仏閣も回りますけれどもこうした踊りも観光コースに組み入れて大変なにぎわいを見せておるのであります。その他六斎念仏とか壬生狂言とかあるいは大文字や各地域における祭りなどが数多く行われております。 本法が施行された後、こうしたイベントを行う実施主体は具体的にはだれになるのか、今までどおり主催者に任せて支援するのか、都道府県になるのか、市町村なのか、第三セクターなのか、または各地にある観光協会を中心としてやるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 先生御指摘のとおり、京都は古い歴史を持ちますので、伝統芸能、伝統的な風俗慣習の宝庫であろうかと考えられます。そういう実施主体もさまざまかと思いますが、この法律案に基づきます活用行事の実施主体につきましては、営利を目的とした会社以外のものであれば、それが観光協会であれあるいは保存会であれ市町村等であれ、この対象になると考えているわけでございます。
○竹村委員 今回、法施行に当たって各地各地の観光協会の果たす役割は大変重要であろうと思います。私の地元京都も年間四千万人の観光客が入洛をし、日本一の文化観光都市と言われております。これは一つ一つ例を申し上げる時間はございませんけれども、こうした日本一の文化観光都市と言われておりますのも、京都がもちろん古い都であって、そして観光資源が非常に多い、いろいろな行事があるというふうに言われておりますが、観光協会の大変な努力や関係業界の人々の努力、またそれを支える京都市民の協力のおかげでございまして、本法における観光協会の位置づけについてお伺いをいたしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 この法律案は、観光及び特定地域商工業の振興を目的といたしまして、地元の観光協会などの関係者が一体として活用行事などを推進していくことをねらいとするものでございます。 したがいまして、この法律案の施策の推進に当たりましては、御指摘のとおり地域における観光協会の役割は大変大きいものと考えております。基本計画の円滑な実施が促進されるよう、この法律の第七条の第三項におきましても、観光協会を含めた関係団体が主務大臣や関係地方公共団体などと相互に連携を図りながら協力しなければならない旨を規定しております。私どもも、観光行政を推進する立場といたしまして、今後とも地方の観光協会がこの法律が円滑に実施されるときに積極的な役割を果たすよう指導していきたいと考えております。
○竹村委員 各種イベントの実施主体が決まった場合、活用行事に対する基本計画をつくるのはだれになるのか、お答えをいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 基本計画は都道府県が定めることとなっております。なお、その際、都道府県は関係市町村に協議することとしており、基本計画の内容が地域の特性や実情に即した適切なものとなるように配慮しているところでございます。
○竹村委員 その基本計画で定められる活用行事の規模はどれくらいのものになるのか、非常に大きなものになるのか、小さいものでもそうした中に入るのか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 法案におきます活用行事は、地域伝統芸能などをそのテーマとして活用するものの中で、国内観光及び国際観光、それから特定地域商工業の振興に相当程度寄与すると認められるものでございます。 したがいまして、観光の観点からいいますれば、この法律案による支援措置を講ずることで都道府県レベルまたこれを超えたレベルでの観光の振興を図ることができると認められるものを想定しております。したがいまして、これも相対的な意味でございますが、余り小さなものは対象にならないのじゃないか。また、これは大きさではございませんけれども、既にこの法律で支援しなくても十分全国的に知られてにぎわいを見せているようなものは取り上げられないのじゃないか、そういうふうに考えております。
○竹村委員 今言われた活用行事を行うについて、それに要する資金はどのように確保していくのか、また国などからの資金援助もあるのかどうか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 活用行事を行う場合には、実施主体、その場合には地方公共団体も入ると思いますが、実施主体がその費用を負担することが原則でございます。 ただ、実効性を確実にするために必要に応じて最大限の支援をしたいと考えておりますが、今回国からの直接的な財政支援を行うことは法律上想定しておりません。ただ、主務大臣の指定しました支援事業実施機関に対しまして、民間の資金を活用することにより資金の支給などを行い、活用行事に対する支援を行わせることとしております。
○竹村委員 今、国から直接資金の援助はないということでありまして支援事業実施機関からの資金が支給されるということでございますけれども、その額といいますか、相当な額になるのかどうか、あるいはまた、その他でこの法律によってどんなメリットがあるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 支援事業実施機関につきましては、これから法人を設立して民間から広く資金の供給を仰ぎ、それを基金として資金の支給をしようというような仕組みを考えておりますので、この法人及び関係者の努力によってどれだけ資金が集められるか、私どもとしてはできるだけ集めたいと考えておりますので、今の段階で幾らぐらいということは申し上げられないところでございます。 ただ、この資金の支給のほかに国の支援としましてはいろいろございまして、まず、計画活用行事に関します通訳案内業を営もうとする者に対して通訳案内業法の特例を設けること、基本計画に基づいて施設整備その他の事業を行う中小企業者に対して中小企業信用保険法の特例を設けること、地方公共団体が基本計画を達成するために行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債について、法令の範囲内において資金事情等が許す限り特別の配慮をすること、こういうことが法律上書いてございます。 その他にも、国としましては、そのような活用行事がより円滑に実施されるために、運輸省で申しますれば鉄道、航空等の交通事業者がPRあるいは列車の増便、航空機の増便、また旅行業者がツアーを組む、そういった形での積極的な支援も行っていきたいと考えておるところでございます。
○竹村委員 今のお答えをいただいて、支援事業実施機関という機関の役割というのは非常に重要であろうというふうに思うわけでありますけれども、これはどれくらいつくられるのか。五省ですから、各省別に一つずつつくって五つになるのか、あるいは通産省と運輸省で一つつくって、あとの省はまた自分でつくるのか、あるいはつくらないのか、そしてそれは、今どのような想定の中でこの支援事業実施機関を考えておられるのか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 支援事業実施機関につきましては、支援事業実施機関の事業として法律上挙げられております情報の収集とか資金の支給等の事業が行えるものを指定することになっております。そういう機関として、今運輸省と通産省が中心となりまして新たな法人をつくろうということで準備中でございますので、これが一つでございます。 そのほかに、このような事業が行える既存の法人があれば指定ができるような形にはなっております。現在、そのままの形でこれらの事業がすべてできる法人はないかと思いますが、既存法人でこういう業務目的を持っている者が内部体制を整え、こういった業務をやるというように準備をいたしますれば、指定の対象になるんじゃないか。ただ、いずれにしましても、数は限られたものになると思っております。
○竹村委員 今の御答弁で、将来そういう要件が整ったら、農水省は農水省で、あるいはまた自治省は自治省でそういう支援事業実施機関ができるというふうに判断していいわけですか。
○大塚(秀)政府委員 そういう形で考えていくことになろうかと思います。
○竹村委員 自治省、おいでになっていますか。 この法律で、地方公共団体はイベントに必要な経費を充てるために地方債を起債できることになっておりますけれども、その起債の対象はハード部分に限るのか、あるいはまた、この場合起債の限度額があるのかどうか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○滝政府委員 まず、起債の対象事業でございますけれども、地方債を充てる場合には、当然その起債を充てることが適当かどうかという適格性の問題がございまして、私どもとしては基本的にそれはハードの施設に限定をしてきておりますので、そういうことでソフトというよりもハードだけ、こういうことに考えているわけでございます。 それから、二番目にお尋ねのその起債の限度額というものがどうなっているか、こういうことでございますけれども、この事業は、私どもが地方債計画上予定をいたしております各種の事業債を組み合わせて総合的に判断をして、その事業にふさわしい種類の事業債を充てる、こういうことでやっております。したがいまして、その中には例えばまちづくり事業債というようなものもあるわけでございますけれども、こういった事業債には当然昔から限度額を設けておりますから、その事業の中身によって限度額が伴う、こういうものがございます。 それから、それじゃすべてそういう限度額があるかと申しますと、例えばふるさと創生事業の基本をなしております地域づくり事業債、こういったものは限度額を原則として設けておりません。事実上の常識的な限度は当然あるわけでございますけれども、建前としての限度額は設けておりませんので、そういう意味では、その中身によりまして基本的にはそう限度額にこだわる必要はない、こういうふうに考えております。
○竹村委員 最後に、戦後我が国は、官民挙げての努力によって次々と主力産業を開発、発展させてまいりました。あの敗戦の廃墟の中からわずか四十数年で、今や世界のGNPの一五%を占め、あるいは世界最大の債権国になる、まさに世界一の経済大国になったわけであります。働き過ぎと先進国からのクレームを受けるほど長い労働時間、最低の労働分配率、経営者の給料も欧米と比べて決して高くないわけであります。さらに、配当率もまたこれは世界で一番悪く、最低であります。 要するに、働く人も、経営者も、株主も、みんなが犠牲となってひたすら企業の拡大強化のみに邁進いたしてまいりました。その結果、巨大な企業集団ができ上がり、今や、政府の輸入拡大のかけ声や努力が行われておりますけれども、それにもかかわらず我が国のみが巨大な黒字を拡大し続けておるのであります。 我が国の産業構造あるいは社会構造が黒字拡大の構造になってしまっておるのでありまして、こんなことがいつまでも続いてよいわけがないわけであります。今こそ発想を大きく転換して、我が党が主張しているように産業最優先の政策から国民生活最優先の政策、世界の人に評価される日本をつくらなければならないと考えるのであります。 そのときに当たりまして本法が提案されました。さきに成立をいたしました伝統産業振興法とともに、地域における固有の文化を再認識し、新しい価値を見出し、地方の時代、文化の時代、個性の時代をつくり、潤いと豊かさに満ちた国民生活を実現すると同時に、世界の人々に日本の歴史、伝統、文化を紹介し、日本人の心を理解していただくための第一歩を踏み出したものと高く評価をしたいのであります。 後世の人が、日本のルネッサンスは奥田運輸大臣、渡部通産大臣によって始まったと評価されるような格段の努力をしていただくことを期待をし、運輸大臣、通産省の決意をお聞きをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○奥田国務大臣 先生も御指摘いただきましたように、国際的地位と申しますか、我が国の経済的地位が大きくなったのに引きかえまして、果たして国民の生活はゆとりと豊かさを実感できる状態であるか。そういったこと等も踏まえて、本当に自分のよって立つ原点を振り返らなければいかぬ時期に来ているんじゃなかろうか。そしてしかも、今日本の置かれている立場の大きさに比べて、本当に我が国の、日本人、そして日本文化に対する理解がどれだけ浸透しているだろうかということを考えると、本当にこのまま行った場合、むしろ日本人の本当の伝統的なよさを理解されないままで、何か経済優先一点張りで突っ走っていく、世界の中からはまさに孤立化の道を歩んでいく結果になるんじゃなかろうかということを強く恐れます。 したがって、我々は他国の文化吸収には非常に熱心であります。その証拠に、外国へ行く年々歳々の旅行客はまさに一千百万人を突破し、恐らくここ数年の間に二千万人の海外渡航客を生んでいくような状況にあります。しかし、振り返って、じゃ、入ってきてゆっくり日本の国民性なり文化なりそれに触れていただいて、日本を訪れるお客さんはどうかということになりますと、これも年々増大はしておりますけれども、まだまだ一方通行の感が多いということであります。したがって、私たちは本当に地方にもう根を生やした、そして生活の中から芽生えてきた伝統なり芸能なりというものを一人でも多くの外来の外客に知ってもらうことによって真の日本のよさというものを理解してほしい、そういった思いからこの法案をお願いしておるわけであります。 したがって、先生の御指摘になったように他省間ともお互いに縦割りの行政の弊を打ち破るような気持ちで横の連絡を密にしていくことは当然でありますし、ローカル、地方の文化、芸能の問題、これはやはり地方から沸き上がってきたものを吸い上げていくというような方向での運営も考えなければなりませんし、今後地域商工業、京都の場合のような日本の文化の宝庫、そういったところと違うもっと泥臭い意味の点を想像しているわけでありますけれども、そういったところの形を掘り起こしてあげたい。そしてそこで伝統的なものを、お土産も含めてつくるような素地を何とか応援してあげたい、そういったソフト面のことにもお手伝いできるような、そういった形の法案で効果を上げていきたいなと考えておるわけであります。 いずれにしても、もう国際的評価が定着しているような、しかも日本文化の集積地であるような、先生は京都でございますからあれですけれども、ともかく京都だけが日本のあれじゃないのだ、まだほかにもいろいろこういうところがあるのだという形で、むしろそういった形でのイベント、伝統を掘り起こしてまいりたい。京都はもうトップですから、京都が日本という形で代表されているわけですから、しかし外客にはもっとバラエティーに富んだ、もっと土臭い形でも結構ですから、そういう形の中で何と魅力のある国日本、観光日本の土台というのはすばらしいという方向に持っていかせたいと思っているのですから、ぜひ御理解、御支援のほどをお願い申し上げます。
○麻生政府委員 この法律の精神、意図につきましては今大臣の方からお話があったとおりでございます。私ども通産省といたしましても、大臣の方からお話がありました線に従いまして、鋭意協力しながら運用に努めていきたいと考えます。
○竹村委員 終わります。
○久間委員長 佐々木秀典君。
○佐々木委員 時間が限られておりますので、なるべく同僚議員のお尋ねになったことなどについては割愛をさせていただいて質問させていただきたいと思います。 まず大臣にお尋ねをいたしますが、本法の趣旨は、さらっと見たところ大変結構だとは思うのです。ただ、本法については大変長たらしい名前がついているのですが、俗称でお祭り法案と聞いておるのですけれども、お祭りを大事にし、それを地域の活性化につなげようとして全国各地いろいろ創意工夫を凝らしながら、そしてまた地域の方々の活力を出してそれでお祭りづくりをしよう、あるいは伝統芸能を伝承しこれを発展させよう、それぞれに努力をしていることは言うをまたないわけであります。 本来そういうような伝統芸能とかというようなものは、あるいはお祭りというものはやはり地域の住民が主体になって長い時間をかけ、みんなで創意工夫し、力を合わせてつくり上げていく、そこに大変大きな意味合いがあり、またすばらしい要素も出てくるのではないかと思われるわけで、今さら官側でどうこうしなければならないというようなことではないはずだと思うわけです。 私の地元であります北海道の旭川市、自民党の今津委員もいらっしゃいます、同じですけれども、一昨年は開基百年でございました。さっき中沢委員お話しのように、実は北海道というところは開拓のくわが入ってからまだ日が浅いわけですね。百年余しかないわけですから、何百年もというような時間をかけた地域伝統芸能などというものはなかったわけで、あるいはいろいろなところからの入植者の方が多いわけですから、それぞれの方々がかつて自分のふるさとであったそこの伝統芸能、それを持ち込んでさらにそれを新しく発展させるというようなこと、あるいは全く新しいものをつくるというようなことがいろいろ出てきているわけであります。 そういう中で皆さんが大変苦労しているわけです。もちろんそれに対して行政が援助をするということは決してマイナスではないと思うのです。しかし、そういうような本来地域の自主性というものが基本になるような伝統芸能あるいは地域の文化というものに余り国などが介入をするということになると、そのよさが損なわれることになりはしないか。むしろそういう人々の望んでいるのは、国や行政というのは金は出してもらいたいけれども口は余り出してもらいたくないというような気持ちの方が多いのではないかとさえ思われるわけですね。そういうことで、本法の実施によってそういうようなせっかくの地域のイベントなどが官製的な色彩を強めて、自主性を損なうというような心配はないのかどうか。 それからまた、主務大臣が五人ということで、この大臣の権限は同等だというように読めるわけですけれども、そういうことで、これは船頭多くして船山に上るなんということになりはしないのか。しかし、その中でも主管の大臣はこの法の趣旨からいって運輸大臣ということになっておられ、きょうも現に他の省庁の大臣はお見えになっていない、奥田運輸大臣だけがお見えなわけですけれども、運輸大臣、むしろこれをリードしていくような立場でこの辺の調整をうまくやっていけるものなのかどうか、その辺のひとつお考えをお聞かせいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○奥田国務大臣 一番先に、船頭多くして何とかという形で主務大臣が多いじゃないかという御指摘でございます。しかし、この問題は、単に資金面を援助するというそういった形の中で縦割りの弊害というものはほとんどないと思います。ということは、私たちはむしろこれをソフトの面で支援したい。一口に伝統の芸能といいましても、それには文部省、また地域に根差した風俗慣習の中から農水省、また地域のにぎわいというものから考えると地域の商工業、そして一番大きく関与しているのは結局地域の自治体のいわゆる財政面を支えておられる自治省、そういったことになりますと、これはみんなそれぞれの所管に関与してくるわけでありますが、ねらいは何かということになれば、地方でできるだけにぎわいを創出していきたい、そして、そのことが地域の商工業にも伝わり、文化の再認識にも伝わり、かつ、私たちの担当面からいえば、これは国際観光交流の面にも役立てたいということが願いであります。 したがって、これらの面に関して各省庁がそういった縄張り的な形で問題を起こすことはないだろう。しかも、地方から推薦されて出てくる中から選んで、そして相談をし合いながら一つの国際イベントにも通ずるようなものにも持っていきたいなという形ですから、決して上意下達式な運営にはならないだろう。むしろ根っこは、既にもうあるもので、しかもそれを地域の皆さんが大事に育てておられるものを、さらにこれをPRなり運営なり企画なりの知恵とお金を、そしてあれを応援していきたい、そしてもっと大きなものに育てでいきたいということでございますから、決して上からのそういった指導的なものにはならないだろう。 むしろ、我々の分野でできることは、国あるいは世界に対して観光PRの面でむしろ応援できる機会も多いでしょうし、日本に何月おいでになるならここにはこういうおもしろい日本を理解でき得る行事がありますよというイベントとして世界にも紹介できるし、海外外客にもそういった情報を提供でき得るという、いろいろな意味で、先生の御懸念なさる方向、いわゆる地方の自主性、地方が育てている、皆さん方のそういった伝統を守ってこられたその本質を決して見失ってはいけませんし、と同時に、地方の自治体に対してそういった余り口出しし過ぎて、関与し過ぎて、金もろくに出さないのに口ばかりというようなそんな弊は絶対ないように心がけてまいりますし、そういった意味合いで他省庁との融和も、むしろその地域のにぎわい、本当にふるさと創生の実を上げるための応援法案であるという形で御理解を賜りたいと思います。
○佐々木委員 とにかく上から下へというよりは、先ほどのお話でも、主務大臣が基本方針を策定する、基本計画については都道府県の知事、都道府県の知事が基本計画をつくるに当たっては市町村などと十分協議をするというお話でしたけれども、むしろ出発は市町村など地域の方から上がってくるものを十分に尊重していくんだというようにぜひやっていただきたいものだと思います。今の大臣のお話でその辺のことは十分に御認識だろうと思いますので、その辺をひとつ十分これからも配慮していただきたいものだ、こう思っております。 それから、先ほど、ここに書かれているいわゆる「地域伝統芸能等」の定義についてのお話がございましたけれども、この「等」という範囲がかなり広いようだということは認識をいたしました。伝統芸能というと相当な時間が経過しているものというような印象が強いものですから、それだけでもないのかなという感じはするわけですが、冒頭私が申し上げましたように各地域でいろいろなイベントづくり、お祭りづくりをしているわけです。例えば今札幌の雪まつりなんというのは大変有名になりましたけれども、あれも戦後のものでありますし、私のところの旭川でも、それをまねてといったらなんですけれども冬まつりをやっている。網走では流氷まつりなんかもやっている。それから富良野という市では北海道の真ん中だということでへそ祭りなんというのをやって、これはもう十年くらいですけれども、大変なにぎわいなんですね。しかし、これが果たして伝統芸能と言えるかというと、ちょっとどうかな。しかし、長い時間をかければ伝統芸能というような位置づけになるんだろうと思われるのですね。 そうした点で、今度の基本方針で定める事項の中で、「文化財である地域伝統芸能等の保存に関する事項、」というのが一つあります。これは、保存ということは今まであるものを保存するというふうにも聞こえるわけですね。同時に、今申し上げましたように新しいものの創出あるいは育成など、こういうことのためにも今度の法律は生かされるべきだと思うのですけれども、この辺についてのお考えはいかがですか。
○大塚(秀)政府委員 本法律上、地域伝統芸能等とは、地域の民衆の生活の中で受け継がれ、その地域固有の歴史、文化等を色濃く反映した芸能及び風俗慣習をいうということになっております。ただ、伝統という言葉も相対的な意味でございまして、時代から時代へ受け継がれていくということでも、新作芸能もやがて古典化するという言葉がございますように時代とともに伝統化するということが一つございます。したがいまして、文化財保護法上等の伝統文化、伝統というのは相当な期間を要するようでございますが、それに比べて、私どもはもうちょっと弾力的に考えられるのじゃないかということが一つでございます。 それから、今申し上げました定義に入らないような現代芸能とか、雪まつりのように伝統とまでは言えないようなものについても、むしろにぎわいの創出というような点から考えますれば、伝統芸能等とそういった他の観光資源、雪まつりのようなものを組み合わせることによって全体的な効果を上げるというようなイベントが非常に有効ではないか。そういう知恵を出していただければ、私どももこの法律上でいろいろバックアップができると考えております。
○佐々木委員 観光、地域の活性化あるいはその地域の商工業その他の発展との関連づけで幅広く考えていくんだというように承りましたので、ぜひそういうことで活用していただきたい、こういうように思っております。 ただ、それとの絡みで、その地域の観光のために非常に大きな役割を負っているけれども、しかし法律との関係、特に憲法との関係で問題になりはせぬかと思われることもあるわけです。 と申しますのは、憲法二十条あるいは憲法八十九条で特定宗教に対する財政支出その他については国の援助、これは制限されていますね。実際には、例えば宗教団体は随分あるわけですけれども、大きな宗教団体などがその地域でいろいろなイベントをやる、それがその地域の活性化あるいは観光のために大きな役割を負っているということも実はあるわけですね、いろいろ聞いておるわけですけれども。しかし、これは憲法上の制約の問題もあるのですが、この辺の仕分けといいますか、あるいは伝統芸能でも特定の神社だとか宗教行事と非常に深くかかわっている、従来それを実施する主体がそういう宗教団体であった、現にあるというものもあると思われるのですけれども、この憲法上の制約との関係でどういうようにこれは選択をしていくのかというあたりはどうでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 地域伝統芸能等の中には、祭礼、神事の際に、地域住民の参加によって行われる行事で伝統的な風俗慣習となっているものが多くあり、それらも本法の国等の支援措置の対象となり得ると考えております。 すなわち、本法に基づく支援措置は、その目的が観光及び特定地域商工業の振興を図ることにございまして、宗教的意義を持つものではないということ、また、特定の宗教を援助、助長し、または他の宗教に圧迫、干渉を与える効果を持つものではなく、政教分離の原則を定めた憲法第二十条及び宗教団体に対する特別の財政援助等を禁じた憲法第八十九条にこの法律上抵触するものではないからでございます。
○佐々木委員 今のお答えだと問題が出てきはせぬかと思うことがあるのですよ。 御案内のように、今宗教に対する国の財政支出として、大した金額ではないけれども、津の地鎮祭訴訟だとか、最近でも玉ぐし料の支出の問題で、これはまだ裁判でも区々の判決が出ているということもあるのですが、しかし、今申し上げましたようにある団体が例えば何とかの火祭りなんというのをやっているのは、観光目的ということよりもむしろその宗教団体としての存在を誇示する、あるいはそれによって人を引きつける、宗教活動の、伝播の活動の一つとして利用するというような側面もかなりあるわけですね。同時にそれが観光の面で役に立っているという側面はあるわけです。しかし、その目的あたりから考えると、どうもそういうことに対しても、観光の面を重視して援助の対象にするということになるとやはり憲法の問題が出てきはせぬか、これは場合によってはまた裁判が新しく起こるんじゃないかとさえ思われるのですけれども、その辺どうやって征服していきますか。
○大塚(秀)政府委員 今のような問題を踏まえまして、本法の運用に当たりましては政教分離の原則を侵すおそれが生じないように十分配慮することといたしまして、このために、地域伝統芸能等のうち宗教行事と関係するものにつきましては、原則として文化財の指定を受けたものまたはこれに準ずるものを活用行事の対象とする等考えていきたいと思っております。
○佐々木委員 そう承りまして、次に進めていきたいと思います。 先ほど私は伝統芸能については保存ということを申し上げましたけれども、地域の伝統芸能というものの発生、その後の育ち方などを考えてみますと、これは大体農林水産業と非常に深い結びつきを持って生まれてきたものが非常に多いと私は思うのですね。ところが御案内のように、今これらの第一次産業地域というのはいずれも疲弊しております。環境問題を含めて今新たな問題を提起しているわけですけれども、大体山村地域に人がいなくなってきている、漁村でも人がいなくなってきている。そうすると、かつてあったその伝統芸能も、農林水産業の担い手の不足と同時に、それを伝承する、受け継ぐ人々がだんだんだんだん減ってきているということになるわけですね。だから、せっかくあったいいものも受け継ぐ人がいないままに廃れてしまうということも心配されているわけですね。 ですからそういう面で、先ほど基本方針では保存に関する事項があると申し上げましたけれども、この保存の面というのをもっと大事にする必要があるのではないだろうか、あるいはその育成、伝承ですね。どうも今度のこの法律ではむしろ、こういうように書いてはあるけれども、今まであるもので活用できることを観光に生かしていくという側面がちょっと強過ぎて、この廃れかけているものについてどう保存し、それを育てていくかという側面がちょっと薄いのではないかと思っておるのですね。 それとあわせて、これは農林水産省の管轄ということになるだろうと思いますが、基本方針及び基本計画の所定事項として「保存に関する事項、農山漁村の活性化に関する施策との連携」ということが書かれている。この具体的な内容としてどんなことが考えられているのか、お尋ねしたいわけです。 特に、物産展などのイベントということも一つの具体的な例として挙げられているようですが、こういうようなイベントを行うときに、特に地域の農林漁業関係の特産物を活用するなどということも大変大事になってくるのではないだろうか、こんなことについてひとつどういうようにお考えになっているか、具体的な内容などを、これは農林水産省がいいかと思いますけれども……。
○海野政府委員 まさに御指摘のとおり、伝統芸能というのはほとんどのものが農林水産業の営みを通じてはぐくまれてきたものでございます。それから、先ほどおっしゃいましたように、現実に伝統芸能自体の担い手もふだんは農林水産業に従事している人であるというようなことでございます。そういう意味で、農林水産業が廃れてくる、さらには、農林水産業の業としてはあっても人数として減ってくるということになりますと、伝統芸能自体がおかしくなってくるということが一つにはございます。 それから、先ほどおっしゃった、その際にいろいろな展示即売をやるというものも、場所によっては、当初はその地方でとれたものないしはその副産物を通じて加工したものを並べておった、いつの間にかその地方ではできなくなってよその地域から、場合によったら外国から輸入してきたものを加工して並べるというようなことになってしまっては本当にその地域の味というものが出てこないというようなことがございます。 そういう意味で、伝統芸能の保存とその地域の農林水産業の振興ないしは農山漁村としての活性化というものは本当に密接な関係を持つものでございますし、また逆の意味で、ここで本当に行事が振興されて観光客がふえてくるということによって、かえって農山漁村の社会の健全な発展との調和を欠いてくるということがあってはいけないというような、その辺の配慮をすべてにらみまして、農山漁村の活性化に関する施策との連携に関する事項というのをわざわざ置きましたのは、そういう意味での伝統芸能の担い手の確保、そこでの出品する農林水産物の関係、さらには観光客の増大と地域との関係というようなものを踏まえた基本方針なり基本計画なりをつくるべきであるというような観点から考えているものでございます。
○佐々木委員 仄聞をするところによりますと、本法の作成、立案、これは運輸省の観光部が主導的にやってこられて、どうも農林水産省は後からこれに加わっていったというようにも聞いているのですけれども、私が今お尋ねしたような趣旨、そして御答弁がありましたような内容からいくと、もっと農林水産省のやるべきことが本法の実施に絡んでも大きくあるのではなかろうか。農山漁村が廃れて地域での伝承、あるいは伝統芸能なんというものも育ちようがないわけでありまして、私はもっと泥臭い、そしてそういう民衆の中から育ってきたもの、それから町や村、その自然の中からつくられるもの、こういうものを大事にしなければならない。その土壌が今非常に疲弊している、崩壊しつつある、これをしっかりすることが大事だろう、こういうように思っているわけです。 これはもっと大きな国土保全的な問題ともあわせた、農林水産業の発展の問題と絡むわけですけれども、こういうところも十分念頭に置いて農林水産省にひとつ積極的に取り組んでいただきたい、こんなふうに思っている次第です。 そこで、この事業を進めるについていろいろ連携協力すべき関係団体というものがあるわけですね。連携強化しろ、こうやっているわけですが、この協力関係を持つべき団体として想定されている団体の中に農林漁業関係の団体などは想定されているのかどうか。これを具体的に基本方針などでは位置づけるおつもりがあるのかどうか。それとまた、地域の伝統芸能なんというのは担い手が、働く人が中心になっていかなければならないと思うのですが、そういう働く人々の団体あるいは労働組合などというものの位置づけについてはお考えがあるのかどうか、この辺をお聞かせいただきたいと思います。
○海野政府委員 伝統芸能の保存ないしは実際の芸能そのものの実施におきまして、場所によっては農林漁業団体そのものが本当にその伝承や保存の主体となっているというところも多いわけでございます。そうでなくても、先ほど御議論ございましたように、伝統芸能の担い手というのは大体農林漁業者でございます。そういう意味で農林漁業団体との関係というのは非常に深いわけでございます。 そういう中で、基本方針その他にどういうふうな格好で書いていくかというのは現在検討をしておりますけれども、そういうことを十分踏まえた上で、本当に彼らの意向が反映した格好でいけるようにしたいと思っております。
○佐々木委員 この協力団体として、先ほどもお話がありましたけれども、もちろん観光協会だとか商工会議所なんかが当然頭の中に浮かんでくる、これは当たり前だと思うのですが、私はそれだけではやはりだめだと思うのですね。さっき言ったような地域特産物の活用などということも絡み合わせて、そしてそういう産業の振興発展にも寄与するというようなことでなければならない。そうだとすれば、農業団体の協力というのは私は絶対に必要だと思うのです。林業、森林組合もそうですし漁業協同組合もそうですし、それとやはり労働組合も無視していただいては困る。 ところが、黙っているとこういうものは案外外されそうになるのですよね。観光協会だとか商工会議所ばかりが中心になっているという弊が今までどうもなきにしもあらずなんで、むしろ基本計画の中で、都道府県などにもこういうことを示唆していただいて、はっきり書いていただくことが必要じゃないかと思うのですが、大臣、この点はどうですか。
○奥田国務大臣 特に御指摘になったように、お土産一つでも農水加工のそういった形で御協力を仰がなければいかぬことは当然でございますし、そのことがひいては地域の商工業振興にも役立つ、こういった視点に立っておったわけであります。それで、最初にも申し上げましたように、地方におけるにぎわいを創出をすることによって国際交流の役にも資したい、そういった観光振興にも役立てたいということでございます。 お祭り行事なんというのは、根源をたどれば、伝統的な形ということになれば、これは本当に農山村、そして水産、これらに関係しての結晶であろうと思うのです、そういった民俗文化の伝承としては。だから先生とちょっと違うのは、やはりこれらの伝承者、確かに後継者の問題、これらを保存育成、そしてそれらを掘り起こしていくという形は自治体、府県、そしてまた文部省、文化庁あたりももちろん真剣に取り組んでもらわなければいかぬことでございますけれども、今回の場合のものは、そういった形も尊重しながらにぎわい創出という形の点に力点を置いて考えたことが多少御指摘を受けるような面の考慮に欠けておったかなと、そういう点において今反省しておるところでありますけれども、当然そういった形にも配意してまいりたいと思っております。
○佐々木委員 ぜひこれからの基本計画の策定に当たっては、今私が申し上げたような趣旨を生かしていただいて明記していただくと、また一段と生かされてくるのではないかと思いますので、御検討いただきたいと思います。 時間がなくなりました。最後に一点だけ。 通訳案内業法の特例を今度は出した。これはさっきもお話しのように一つの目玉になっておるわけですね。通訳案内業の業者の資格の要件、これを大分緩和されておられますね。これは、この法の目的に沿ったような働きをしてもらう人について、できるだけたくさん通訳を各地域ごとにつくっていきたいということのようです。そういう趣旨から見ますと、この資格の要件、特に認定欠格事由を見ますと、「一年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者」は認定欠格者になっているのですが、これは私はちょっと厳し過ぎるのじゃないかと思うのですよ。 というのは、御案内のように「刑に処せられこというのは執行猶予の判決、判決で執行猶予がついている者も入るのです。ところが、「執行を受けることがなくなった日」というのは、執行猶予期間が過ぎてしまったということになるわけですね。ところが、執行猶予がついている判決は、この執行猶予期間が過ぎると判決の言い渡しはその効力を失うという建前になっている。にもかかわらず、それからなお「二年を経過しない者」なんという条件をつけたら、これはそういう通訳をたくさんふやしたいと思っているのに、なかなかそうはいかなくなるんじゃないかと思うのですよ。 例えば、法定刑で一年以上の懲役、禁錮というのは、犯罪の種類からいっても、刑法犯でも相当あるのですよ。例えば刑法の二百十一条、業務上過失傷害、これは五年以下の懲役、禁錮ですけれども、業過というのは交通事故も入るわけです、交通事故でけがさせた場合ですね。いろいろな法律を見たら、懲役一年以上というのは結構あるのですよ。道路交通法の百十七条だと、酒気帯び運転でもこれは二年以下の懲役になっておるわけですからね。こういうものもこの通訳の資格に欠格になるのかというと、ちょっと問題があるのじゃないか、厳し過ぎるのじゃないかと思うのですが、この辺のお考えはいかがですか。
○大塚(秀)政府委員 今回の地域伝統芸能についての通訳案内業の認定制度と申しますのは、一般の通訳案内業に対して、地域、期間、対象業務を限定することによってその認定の水準を緩和しようということでございますので、一般的には今回の特例の導入によって通訳案内の質を低下させないという見地から、欠格条件については通訳案内業法の欠格要件をそのまま採用したものでございます。 これからこの趣旨を徹底して、できるだけ認定を受ける方々をふやすことによって、先生御指摘の御心配がないように努力してまいりたいと思います。
○佐々木委員 御心配はわかるのですけれども、片方でこういう通訳をふやしたいということなものですから、余りこれに枠を絞っていくと、これは車社会の中でだんだん難しくなるということもあるのではないかと思うのですよ。そういう犯罪歴を持つ者が通訳業務をやるのにふさわしくないかというと、そうじゃないということもありますから、破廉恥罪だとかなんとかの場合だったら別ですけれども、ちょっとこの辺はしゃくし定規過ぎるのではないかという考えもしないではないということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○久間委員長 安田修三君。
○安田(修)委員 大変ユニークな法案が出てまいりまして、そこで国会もワッショイワッショイやっておればいいのでしょうけれども、何か役所の方がちょっとはしゃぎ過ぎの感がありまして、かなり新聞報道でも前からお祭り法案と出ました。名前は伝統芸能とかた苦しいけれども、俗称がお祭り法案、ところが中身は、どう言いましょうか、なかなかちょっと雲をつかむようではっきりしないところもある。このままお祭りの後のように何もなくなってしまうということもまた寂しい話でありまして、そういう点で若干お聞きしたいと思います。 すぐ法案の中身に入りますが、第四条関係で基本計画、そこで本法案が成立した場合に、基本方針の策定に要する期間、これは国の場合ですね、さらに各都道府県が基本計画をつくるのに要する期間は大体どの程度と今見ておられるのか、こういう点をまず先にお聞きしたい。
○大塚(秀)政府委員 本法の施行は成立後三カ月以内で政令で定める日となっておりますが、施行後、基本方針は関係省庁で相談しましてできるだけ速やかに策定したいと思っております。 また、基本計画の方につきましては都道府県が策定するものでございますので、どの程度の期間を要するか、これはそれぞれの都道府県の状況、事情もございますので現時点ではわかりませんが、ただ、この仕組みとしましては、活用行事を実施するには実施主体を初め多くの関係者が連携する必要があり、また関係市町村の意見も聞かなければなりませんので、ある程度の期間を要するものと考えております。ただ、各都道府県から既にこの法律の情報を得て要望も出ておりますので、相当熱心に基本計画を策定する都道府県が出てくるものと期待をしております。
○安田(修)委員 皆さんのお答えというのは極めて漠然としたことでしかない。先ほどから聞いていましても、どの場面でもそうなんですけれども、既に皆さんの方で、役所の建前としてはそうなんでしょうが、一つの法律が成立すればどのような行政効果がどの時点でどう上がるかということは先に見据えて出しておられると私は思うのですね。もちろん国がお仕置きでやるということは困りますけれども、そうでなければ法律案をここで論議して速やかに成立するという必要もないわけですから、したがって今の場合も、既に新聞報道では、この基本方針、基本計画等がつくられて、そして今年度末があるいは来年度初頭にはこの法律の適用によるイベントが行われる、そういうことも新聞で既に皆さんの担当官の方から話が出ていることは、皆さんも新聞で御存じのとおりだと思います。また、中にはことしは一億円でイベントをやるんだというお話も他の省庁からも出たりしております。 したがって、そういう点からしますと基本方針が速やかにというのは、これは国のことですから皆さんが大体何カ月ぐらいでやりたいなというものはあると思う。それに基づいて今度は都道府県が基本計画をつくるのですから、少なくとも半年ぐらいでつくるようなめどを置いているとか、しかしそれは都道府県の自主性だからあるいはそれ以上かかってもやむを得ないとか、何らかのものがなければ、そんな雲をつかむようなお話で議論してもらってくれというのはおかしいじゃないですか。局長さん、どうですか。
○大塚(秀)政府委員 先ほど申し上げましたように、また先ほどの質問にもございましたように、この法律に基づきましてもこのようなイベントというのは国側から押しつけるものではございませんので、国からスケジュールをつくって早く出せというわけにはいきません。ただ、私ども想定しておりますのは、せっかく今国会で成立させていただくとすれば、この年度内に支援事業の一部も実施できるようになればということで、これは相当なスピードで支援事業実施機関なんかにも取り組まなきゃならぬと思っております。 また、それから考えますと都道府県、これは幾つの都道府県が出てくるかわかりませんが、基本計画も早くつくっていただかなきゃならぬ。また、それから考えますと我々の基本方針というのも秋口にはできるような、そういう形を想定して、今は法律の成立ということで私ども一生懸命になっておりますが、これから成立後は馬力をかけて作業にかかりたいというつもりでございます。
○安田(修)委員 要するに、基本計画の中にもあるように、やる場所とか時期というのは都道府県が決めることになるのですよ。だから基本方針というのを国が決めなきゃ基本計画は進まない。それから、都道府県が基本計画をつくった中にどの時期を持ってくるのかというのは、これは都道府県のいわゆる考え方。ですから、ただそういうものが行政の立場で、というのは、これは後から触れますが、予算の問題もあるのですよ、いろいろな関係で。それからまた支援センターの場合に業務実施機関、これは皆さんの場合、法案成立したらすぐ着手されることなんでしょう。 したがって、今おっしゃったように年度内には何とか、しかしそれは都道府県がやる。ちゃんとそういう腹づもりがあるんですから、やはりこういう法案審議の場合に出していただかぬと、我々も何のためにこういうことを皆さんとお話ししておるのか、わけがわかりませんですね。 そこで、それから逆算すれば大体出てくるんですよね。皆さんのつもりは年度内にはこういうものが、条件が整えばやりたいな、こういうことなんでしょう。どうですか。
○大塚(秀)政府委員 そういうつもりで努力するということでございます。
○安田(修)委員 そこで、基本計画を策定するに当たりましては、都道府県がやられることですが、その都道府県の策定過程ではいろいろな手法があります。都道府県だけでさっさとつくられる場合、各種の審議会、懇談会あるいは知事の私的諮問機関等をつくりながらやるとか、要するにお祭り法案ですから、できたら、先ほど奥田大臣はいわゆる泥臭さということを主張されましたが、やはり私はそれは大切なことだと思います。 そうするとかなりの面で、そういう従来の極めて洗練された人だけじゃなくて、やはりいろいろな方から意見を聞くという機会も必要なことだろうと思う。問題は、そういうことについて都道府県が策定過程ではどういう手法をとるのか。いや、しかしそれは全部都道府県にお任せなんだ、国は何もそういうことのくちばしは入れませんよということなのか。基本計画策定過程については法案では何も触れておりませんので、その点お考えをお聞きしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 この法律上、基本計画の策定は都道府県が行うこととなっておりますが、その際、関係市町村との協議を除きまして具体的にどのような手続を経て基本計画を策定するかにつきましては、具体的には都道府県の判断にゆだねられております。 ただ、活用行事の実施主体、これもその伝統芸能等によりまして実施主体はいろいろあると思いますが、こういった実施主体との調整は十分行われる必要があると考えておりますし、また、この基本計画に基づいて活用行事を実施する場合に、観光の振興、特定地域商工業の振興がより効果的にいくためにいろいろな方々の意見が反映するような基本計画になるように我々も期待し、またそのように連絡指導していくつもりでございます。
○安田(修)委員 そこで、本法案のかなり重要な部分なんでしょうが、基本方針で特定地域商工業の振興に関する基本的事項を定める、こうなっています。そこで、基本計画では都道府県がこの国の基本方針に基づいて特定地域商工業の振興に関する基本的な方針及びその他活用行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する事項を定める、こういうことになっておりますが、この商工業の振興です。この商工業の振興は、伝統芸能等の関連施設あるいは活用製品の開発・生産、関連する器具、物品の開発・生産ということになっておるわけでありますが、これらの特定地域商工業の振興という範疇には、今これらに列記をされておるような、今私が列挙をしましたようなそういうものに限られるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
○麻生政府委員 今先生の方からお話がございました伝統芸能等の関連施設の整備・運営あるいは活用製品の開発・生産あるいは器具の開発というのは、これは活用行事を円滑に実施していくというための特定事業というふうに位置づけられておりまして、これを中小企業信用保険の特例などによって支援をしていくということでございます。 これは活用事業をうまくやっていくというための手段でございまして、さらにこの法律で言います最終目的でございます特定地域商工業の発展という場合には、それはさらに広くなっておりまして、特定地域に、事業が実施されます地区におきます小売業あるいは卸売業、あるいはその地域におきます伝統芸能に使われます衣服とか器具あるいは伝統芸能の特色を活用しましたいろいろな製品、そういうものの製造を行います製造事業、そういうところまで広く目的にいたしておるわけでございます。
○安田(修)委員 ここら辺がなかなかわかりにくいところなんですが、要するに、特定地域商工業の振興と名前が非常にいいんです。特定地域商工業の振興と言うものですから、我々素人考えですと、そこの伝統芸能を持つ地域の商工業が、荷かそれこそお祭りと一緒にワッショイして振興のために持ち上げてもらえるのか、こういう考えを持つんだけれども、今審議官のお話を聞いても、いろいろとまた調べてみましても、その地域の小売業は、一応特定地域商工業として、別段これに対する恩恵というのはなさそうですね。 今おっしゃったような活用製品の開発・生産、そして今おっしゃったような関連する器具、物品、そういうものをつくっているところは中小企業保険法の適用等があって、そしていわゆる三点の特例、付保限度額の別枠、てん補率の引き上げ、保険料率の引き下げ、こういう恩典にもあずかる。他の方は余り恩典がないようだ。要するに人を呼んでやるからそこでとにかく、それでいいんじゃないかというような感じなんですけれども、そんなようなものなんですか。
○麻生政府委員 特定地域商工業の振興のためにこの法律で用意いたしております支援、これは中小企業保険法の特例、これが一番大きな、中核をなしておるものでございます。 ただ、そのほかに法律上の点ではございませんけれども、既存の商工業の振興施策、これもうまく活用してこの法律の所期の目的を達成していきたいと考えております。例えば地域商工業振興事業基本調査費というような予算がございます。これはいろいろな形でその地域の振興のための計画をつくっていくというようなことの支援のお金でございますが、これもいろいろなイベントをやっていく際の企画づくりというようなところに活用してまいりたいと思っております。 また、現在各都道府県ごとに中小商業活性化基金、これは基金総額が既に千三百六十億円に達しておりますけれども、その果実を使いまして中小商工業のいろいろな振興事業を行っておりますが、そのような予算の一部もこのための活用事業その他に向かってうまく使うという方法も工夫していきたいと考えている次第でございます。
○安田(修)委員 審議官、ちょっとあなた、かなり先走った答弁もやったようですけれども、要するに中小企業信用保険の特例以外でどのような支援があるかということを今おっしゃったわけですが、問題は、私がさっき聞いたのは、いわゆる製造をやっているような業種のものでなければ実際は余りメリットがないのかなあと、こう聞いたのです。 そこで、その他の支援策というのは、今イベント全体のものについておっしゃったのですが、私実は今おっしゃったことに関連してお話ししますと、せっかくやるのなら、中には金は出すけれども口は出さないということは新聞の中に出ていましたし、先ほど大臣は、いや口出しはしたくないということをおっしゃっておりまして、いいことなんですけれども、この法案の中身からしますと、後から触れますが、口は出すけれども金は出さない面が私はちょっと危惧されるのですよ。 例えば、せっかく商工業の振興をやるのなら、国には近代化資金、高度化資金、いろいろな制度がございます。それを都道府県が受けてやっております。それぞれ業種指定もあり、いろいろな縛りがあります。そこで、せっかくやるのなら、高度化資金をそのまま適用というわけにはいかないでしょう、これは。しかし、ハードなものですから共通点がありますが、せめてそのような制度があれば、例えば高度化資金の場合は待機期間がありますから返済期間が留保されている期間がある。それから、無利息の場合あり、低利があり。今は金利が安いからどうということはないのですが、また金利が上がればやはりいろいろ利用の仕方というのは違ってくるわけですね。今の場合は、これは保証だけでしょう。充当率が引き上がる、それに別枠、一億五千万、別枠化される、それに保険料率が下がる、それだけのメリットでしょう。 どっちみちワッショイやるのなら、商工業をやる人が、うんそうかと喜ぶようなことをやらなければ私はやはり余り意味はないんじゃないかと思う。だからそれは、何もそのことによってお祭りを国から何か縛るということにはならないです。皆さん、そういうことをやるのならお金をこういう面で、他の高度化資金並みのものをお手当てしてやりましょう、私、大いにそういうことは結構なんじゃないかと思うのですね。 ところが、そういうのは一つも出てこないのですね。だから私は、ワッショイワッショイやったって何も残らないんじゃないかというのはそういうことを言うのですが、そういうことの突っ込んだ議論というのはなかったのですか。というのは、法案としてせっかく出す以上は、やはり国に何らかのものがあるかなという希望を持ちますよ。ところが見たら、皆さんが信用保証協会へ行ってお願いしている、それの枠が広がって、充当率が一〇%上がって保険料率が一%下がっただけだ、余りメリットないなという感じがするでしょう。その点とうですかね。
○麻生政府委員 この法律では、いわゆる法律で書かなければいけない特例措置ということで、中小企業の信用保険の特例ということを書いてございます。しかし、今御指摘がございましたように、せっかく行います場合にはいろいろな形で支援をしていくということが必要であるというのは当然でございます。したがいまして、この保険の特例はもちろんでございますが、加えまして、できるだけ既存のいろいろな商工業の振興施策、予算がございますので、これをこの使用対象に加えまして活用してまいるということを工夫していきたいと考えておるわけでございます。 そのような意味で、直ちにそのような予算の使用対象という中に入れていくということで、例としまして、先ほど申しましたような基本調査費とかあるいは中小商業の活性化基金の対象事業の中に入れていくというような工夫をしていこうということでございます。また、今後この点については、実態の進展に応じましていろいろ工夫を積み重ねていきたいと考えておるわけでございます。
○安田(修)委員 中小商業活性化基金が出てまいりましたが、全国各都道府県で積み立てているものは一千三百六十億あるそうですね。その中からどの程度使うのですか。というのは、私、この観光振興基金で二十数億円というのは既に交付金として報道されておるのですが、それは事実かどうか後からまた支援機関のところで聞きますけれども、今のにぎわい基金の場合、中小商業活性化基金、一体どの程度想定されるのか。もちろん、皆さん実際お祭りがどの程度出てくるかわからぬということなんでしょうが、しかし、これはもしさっき局長がおっしゃったように今年度やるかもしれない、こうなった場合に、いやお金がありませんじゃできませんから、その点どうでしょうか。
○麻生政府委員 この商業の活性化基金でございますが、今この使途先といたしましては中小商業の活性化を目的といたしまして、一つはその活性化の事業のための調査あるいは計画策定、それからいろいろな活性化をを行います場合の商店のシステムあるいは商業のシステムというようなものがございますけれども、その商業システムの開発あるいはこれを具体的に実行いたしますためのモデル事業、これについての実施のための必要な費用というようなことでございます。具体的にはこれをどういうふうに使うかというのは、各都道府県が非常に自主的に決めるということになっております。 このようなことでございますが、さらにこのような使途に加えまして、商店街のにぎわいを創出するための事業、これも加えていこうということでございます。 そのにぎわい事業の中についてはいろいろな考え方がございますが、今後はこの法律で予定されておりますような活用事業、このためのいろいろな費用にも使えるという枠の拡大をやっていこうということでございます。ただ、具体的に幾ら使うかというのは、これは国が一々指示をするとか枠を決めるということではございませんで、まさにこれは地方自治の方でいろいろな自分たちの工夫をしながら配分を決めていくということになっておるわけでございます。
○安田(修)委員 とにかくにぎわい資金もそんなにたくさんないんでしょうけれども、しかしそうかといって、ちょっとした助成よりも多い額が出せる力がある。一説には一億円という説もありますけれども、とにかく何らかそこから出る、こういうことですね。 そこで、先ほど商工業の振興から聞いたのですけれども、この法律案の中に特定地域商工業の振興と、それからもう一つはその先に対象事業と二つあるのです。私もこれがなかなかちょっとわかりにくかった。どちらも同じことを書いているのですよ、中身を見ますと。いろいろな皆さんの資料を見ると、製品の開発・生産とか、それから活用行事に関連する器具だとか物品とかと。そこで私は、双方ダブっているところがある、事業という面ではどちらもダブるところがあるなということはわかりました。 その対象事業の中に、地域伝統芸能等の実演施設、展示施設、それから研修施設等の関連施設の整備・運営というものが予定されているように皆さん方の資料にもなっているわけです。それは何か。例えばそれは関連駐車場とかそんなようなものだというようなこと、そのほかにもあるぞ。それでは対象事業、先ほど言いました展示施設とか研修施設、こういうものは今までは公的な施設が多かったわけですね。例えば主として、大体先ほど大臣のおっしゃった泥臭いというところは、山間地とか平地でも平生それこそにぎわいかないからやるのですから、余り施設があっても商業上は成り立たない。だから大方公営のものが多い。だから体育館を利用したり、あるいは公会堂みたいなものを利用したり、あるいはその種の集会所を利用したり、それがだんだんイベントが大きくなると大きいものをつくらなきゃならぬ。そこで国のいろいろな、文部省関係の屋外体育施設をつくってみたりあるいは山村の集落センターをつくってみたり、いろいろなことを補助事業でそういうものをつくりながらこれをイベントの集まりに充ててきたという施設が多いと思うのです。 しかし今度は、対象事業というと、これは民間でしょう。民間が、さてそういうところにやれる力があるのかどうか、これがまず一つ疑問。しかし、関連施設というのはわかります、駐車場その他の関連施設。したがって、この地域伝統芸能等の実演施設とか展示施設、研修施設、それからそれの関連施設の整備・運営、これらの予定されているもの、どのようなものを予定されているのか。関連では私は駐車場その他ということを聞いておりますが、そこら辺をお聞きしたいと思います。 〔委員長退席、今津委員長代理着席〕
○麻生政府委員 ここで予定しておりますのは、地域の伝統芸能、これを具体的に実演する、このための施設、あるいはそのような伝統芸能、それにつきまして展示をして保存していくというような施設、あるいは伝統芸能をうまくやっていくというためには人材の確保が非常に重要でございますが、この人材の確保、研修のための施設、このような施設を関連施設ということで予定をいたしておるということでございます。
○安田(修)委員 そうすると審議官、ちょっと矛盾が出てくるわけですよ。というのは、今言った実演施設、それから人材研修施設、こういうものは民間でやれるのでしょうか、このにぎわいを今つくらなければならぬというところに。そうすると、先ほどの中小企業信用保険法の特例の適用をせっかくいただいても、どうでしょう、実はできないということなのですよ。そういうものは、これは後ほど自治省の方がかえっていいのでしょうけれども、とにかく法案にはそういう点の矛盾がある。いや、そういうものは国の方で、それは文部省にも係らないし、どこになるのでしょうね。施設のそういう補助対象があるのだというのは別ですよ。これは民間でやれますか、どうですか、ちょっと聞きますが。
○麻生政府委員 確かにこのような施設は公共的に整備されるという場合もいいわけでございますが、ただ、企業の中には自分の事業の関係とか地元のいろいろな関係とかいうようなこともございますし、また商店街ぐるみというような形もございまして、実演施設とか展示とか人材養成というようなことについて、金を出してもやっていこうという企業もございます。そのようなものにつきましてはこの形で支援をしていこうということでございまして、確かにこのようなものは公営がいいという点につきましても事実でございますが、民間でもやはりやろうという意欲のところは決してないわけではないというふうに見ております。
○安田(修)委員 そこで私は、その点要望しておきますが、確かに民間でも山間地で最近はいろいろな施設をつくってやっております。ただこれは、法律上こういうものが出てきた場合に、文化とかそこの風土その他との調和、自然との調和で言うのですけれども、民間がやった場合は商業主義でなければ施設のペイができなくなってくる。そういう点で、せっかくイベントをやっても、イベントそのものが今度は商業主義に組み込まれていってしまうという危険性があるのです。ですから、その種の施設というのは、私は大方は公的施設でやられるのだろうとは思いますよ。なかなか商業ベースでやれるとは思いません。 それは魚を釣ったりキャンプ場をつくったりして総合的な施設をやるところは別ですが、そうでないところは年に一回のお祭りやあるいは芸能披露だけで、あるいは年に何回やれるか知りません、そんなにしょっちゅう、毎月やっておるというわけにはいきませんね、それは私の県にもあるし、隣の奥田大臣の県にもありますけれども、それは年に一回か、せいぜいやって二回ぐらいですね。大きいものは一回ぐらいしかやれません。 ですから、それが施設としてペイできるかどうか、それはかなり困難な問題。したがって、私はそこらあたり、もし民間がやるなら商業主義に走らないような、それからそれを防ぐためには、そういう施設があった場合には、公的な施設の場合には国が助成するようなことも考えていかなければだめだな、こういうことだけを一つ申し上げておきたいと思います。 さてそこで、自治省お見えでありますからお聞きいたしますが、地方公共団体が行う事業に要する経費に充てるため、地方債は特別な配慮をする、初めに中沢委員の質問に対して滝総務審議官からの答弁もございました。特別配慮という中にはいろいろな意味があるのでしょうが、地域総合整備債の特別分の適用が行われるのか。これは出てみなければということなのでしょうが、出てみなければという場合に、どの種のものが出たら適用になるのか、これを一つお聞きをしたいと思うのです。
○遠藤(安)政府委員 お答えをいたします。 地方債の特別な配慮の中身でございますが、都道府県が基本計画を作成する場合に、その中に地域伝統芸能等の実演をする、そういうものを公共施設でつくるというようなものが入ってくるということも十分考えられるわけでありまして、そういういわゆる公共施設を整備するために起こす地方債について、資金事情あるいは当該団体の財政事情の許す限り特別な配慮をするということでございます。 今具体的にどういうものがという御質問の趣旨かと存じますが、これは公共施設の種類あるいは性質によって違ってこようかと思いますけれども、その施設が、例えば地域づくり事業でありますとかまちづくり事業でありますとか、そういった事業に該当するということであれば地域総合整備債の要件に該当するということになりますので、地域総合整備債も地方債計画上は限度が毎年定められておりますが、そういった中において優先的にその地域総合整備債を充当していって御協力をしたい、こういう趣旨だと考えております。
○安田(修)委員 むしろこの方にみんながすがるのじゃないか。地域総合整備債の特別分に該当すれば、今おっしゃったふるさとづくり事業等に該当すれば、一五%先に事業費を見ていただいてあとは財政力指数に応じて三〇から五五の国が交付税措置をしていただくということになれば、七〇%から七五%ぐらいまでは、これは山村ですから財政力が弱いですから、そのまま施設がつくれる。 そうした場合に、例えば伝統芸能の山車を入れる物をつくるとかあるいは実演場をつくるとかいう場合に、これだったらそれが国の方の今の基準に当てはまれば大変助かる。これはむしろ自治省の方がそういう点では力を大いに入れていただいた方が過疎地の振興のために非常にいいのじゃないか。ですから、極力拾っていただいて、そしてこれの適用を受けていただいた方がいい、こう思うのです。そこで、ぜひそういう尽力をしていただきたい。 これは私たちも、伝統芸能関係の山間地を見ますと、こういう保存施設その他、それからまた実演施設というのはやはり一番困るわけです。しょっちゅう使うわけじゃないですから、実演施設にしたって、でかい体育館を使うといっても、平生山間地でそんなに使うわけない。しかし、金はかかるし困った。したがって、こういうのは今のような総合整備債の特別分等に該当していけば大変私はいいのじゃないかということで、これはぜひそういうことを要望しておきたい。 そこで、例えば民間、先ほども民間のことが出ているわけです、それからまた第三セクターで何か物をやった場合に、関連事業その他、ふるさと財団の資金の適用というのは、これも該当してくるんじゃないか。これも中身によってということになりますが、その点どうでしょうか。
○遠藤(安)政府委員 いわゆるふるさと財団からの無利子融資の問題でありますが、この法律に基づきます事業、官民協力して、あるいは民間でいろいろ事業活動をやっていただくというような趣旨からすると、これの活用というものが考えられるということであります。 ただ、このふるさと財団からの無利子融資というのは、やはり地域の振興といいますか、そういうことに役立つという観点がこの制度の中にありまして、それを私どもは、やはりふるさと財団から融資するときに、その民間の事業が行われることによってそこで従業員が一定数増員されるとか、そういう要件を一応定めておりますので、そういう要件に該当する民間事業に対して地方公共団体が、原則として二〇%であるわけでありますが、無利子融資をするということになれば、このふるさと財団による融資の制度というものを大いに利用していただいて結構ではないかというように思っております。
○安田(修)委員 わかりました。 そこで、私今聞いておりまして、ここが非常に微妙なんですけれども、これは後ほど最後に奥田大臣にお願いしておきますが、五省庁共管ですから、例えば商工業なりそれらの振興というのは通産の所管。しかし通産は今は金の出す道は非常に少ない。率直に言って中小企業信用保険法の特例しかない。ところが、自治省の方はふるさと財団持っておりますので、いわゆる無利子の融資が可能です。したがって雇用の創出は当然、例えば特産品をつくるというのは製品の開発・生産、これがあるわけでして、またそこでそういう特産品をつくって売ろうというのは通産の商工業振興の目玉にしておるわけですから、雇用の創出は当然これはなければならぬ。ないようなことをやっておるなら余り意味はないわけです。 したがって、今おっしゃったようなことからすれば、ふるさと財団の適用の方に飛びつく可能性はあると私は思います。飛びつく場合に、おいおい余り飛びつくようなことをするなと言ってもらっては困るので、やはりいいものはいいものとして大いに五省庁が協力して、そしてやる。そのうち通産の方も高度化資金のような無利子の、あるいは低利の、そしてあるいは返済期間を留保期間を置いたそういうものを通産もつくっていくということを研究されるそうですから、お互いいいものを出し合っていく、こういうことはぜひやっていかなければならぬと私は思うのです。 ふるさと財団の適用については、そういう点では今審議官は、適用対象になる、あとはそれぞれの雇用創出とかそういう条件がありますが、非常に結構なことだと私は思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。 そこで、次に支援実施機関の方に少し入りますが、先ほど既に質問があって答弁が出ておりました、今度の活用行事と支援事業実施機関、これが指定された場合に幾つぐらいかという質問が先ほど出ておりましたが、局長の答弁は極めて漠然としておりました。 しかし、これも私不思議なことなんです。さて、幾つも指定してもいいという、それはそれでいいのですが、しかし先ほども、では省ごとにかという話も質問の中に出ておりました。今とりあえずは運輸省、通産省関係で一つ考えたのでしょうが、では、特産の農山漁村の振興策をも割り込んで加えた、これは当然なんでして、農林省の方も何か考えられるのじゃないかと思いますし、あるいはまた、今お話しのように自治省も金の面では、かなり自治省の方は今度は交付税措置それからふるさと財団、そういう面ではむしろ金の方では自治省の方がかなり範囲が大きいと私は思うのです。そうしますと、こちらの方もまた一つつくりたいな、こうなってくるのかな。 さてつくって、そこで、では指定を受けようとする法人が申請するときはどうですか。事務的には、五省庁の大臣全部、五つ並べるんだそうですね。幹事省が運輸省で、いやこれもなかなか面倒な話ですね。それこそ役所へ行ったら、どこかの窓口に行ったら、あっちの窓口だ、こっちの窓口だといってなかなかつかめぬということを我々よく住民から苦情を聞くんだけれども、この申請書を出すのに五人の大臣を書かなければ申請できないという、これまた不便な話。そこでそれほど、共管として出された今度の法案の取り扱いの難しいところがあるのだろう、仕事の面であると私は思うのです。 さて、実際、俗称支援センター、ずばり言って、将来は別として今幾つつくるのですか。これはなぜかといいますと、新聞報道には既に、これが先行すると報道されておるのです。そこから局長、お伺いします。
○大塚(秀)政府委員 今具体的に考えておりますのは、運輸省と通産省が中心になって、民間資金の拠出を仰いで新しい法人をつくる、これが一つございます。
○安田(修)委員 とりあえず一つ。そこで、将来そんなにたくさんできるものではないとは私は思うのです。というのは、支援センターが指導助言、そして資金の援助というのに、将来おれのところはどれの支援センターに指導助言を仰ぐかという、事実そんなことになるのかならないのか。商工関係だから主として通産や運輸関係の方の業務内容を持っておるそこの支援センター、農山漁村の関係の水産物加工その地やるんだからひとつ農林省関係に縁の深いそちらの方に行こうかなということにもなるのかなと思ったりするのですが、そんなことではちょっと国民の方が困るのでして、どこかきちっとしていかなければならぬ、その程度のことは考えてもらわなければならぬと思います。 そこで、規模はどの程度になりますか。といいますのは、これは今度は、「助言、指導、資金の支給その他の援助」となっています。こうなりますと、今度は伝統芸能というものの指導助言でしょう。普通の他の役所とは違うのです。それからまた、いわゆる普通の技術屋とは違った分野ですから、こういうものの見れる人というのは、一億二千七百万の中にはかなりおるけれども、では、役所で今度は支援センターを世話役でつくってやるときに、そういう条件に合うそういう法人ができるということになると、その法人そのものはかなりこうした、いわゆる高度の仕事をこなす人を持たなければならぬ。今は持っておる人は少ないと思うのです。だから、前に局長、他の答弁のときでも、そういうものに該当しないのもあるのじゃないか、だから新しくつくるという話も出ておりましたが、こうした嗜好や技術や力を持った職員をやはり置かなければならぬ。したがって、規模それから専門的なそういう人を置くのかどうかということ、その点をお聞きしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 このような法人をつくります際に、当然その運営に要する職員というのは必要でございますが、今回の場合に、伝統芸能についてのノウハウの必要な要員が別途必要になってくると思います。ただ、こういったいろいろな全国の伝統芸能についてノウハウを持った方をすべて職員として雇うということも大変規模が大きくなると思いますので、従来観光関係のいろいろな機関でやっておりますように委嘱するとか委員会の委員にするとか、いろいろな形でできるだけ効率的にノウハウというものをこの支援機関に集中していけるような方法を考えていきたいと思っております。
○安田(修)委員 そうすると、委嘱するというと規模は小さいのですか、支援センターの規模というのは。例えば職員数というのはわずかなのですか。 〔今津委員長代理退席、委員長着席〕
○大塚(秀)政府委員 もちろん私どもとしては小さく産んで大きく育てたいという気持ちは持っておりますが、当初民間資金を仰ぐというようなことから考えて、職員数というものはできるだけ効率的な活用ということで最小限に抑えて、しかもいろいろな事業ができるような方法を考えていきたいと思っております。
○安田(修)委員 そこで、これは民間の機関とはいいながら、役所はこういう新しいものは世話役をやらなければならぬ、それから既にあるものはいろいろな助言を受けながらそれにふさわしいものをやっていかなければならぬ。これは役員人事ということなのですが、とかく中央官庁がやるとそこの外郭団体的なことになって、天下りの場ということで極めて評判が悪い。 そこで、もちろん専門の人は大いにその知識を生かされるという点ではだれも反対しないのですけれども、単なる役所の後々の始末をされるだけの場所ということになると困るのです。だからそういう点について、役員構成等はもう初めからずばり民間からやられるのかなと思うのですが、その点どうでしょう。
○大塚(秀)政府委員 今申し上げましたように、発足当初から少数精鋭ということで運営していくということでございますので、いわゆる天下りというようなものの余地はほとんどないと考えております。
○安田(修)委員 そこで、この支援事業実施機関、センターに対して主務大臣は立入検査を行うことができるということになっているわけです。そこで、この立入検査をするという理由は何なのでしょう。
○大塚(秀)政府委員 支援事業実施機関の事業は、活用行事などに対して国が行う支援と連携して実施されるものでございます。また、一般から集めた資金を複数の実施主体に対して支給するなど、その業務がこの法律に基づいて公益性を有するものであり、またさらに、国際観光の振興に関する事業を国の施策の一環として行っております国際観光振興会に対して情報提供をするという業務があり、こういう業務というのは国際観光振興会の国際的な信用にもかかわるものであり、業務が適正かつ公正に行われることが担保される必要がございます。 こういった意味から、支援事業実施機関に対して国が適切な監督を行う必要があり、御指摘の立入検査規定もこの趣旨から設けたものでございます。地法においても同様な規定を置いた例としては、貨物自動車運送事業法の中の適正化事業実施機関等の例がございます。
○安田(修)委員 これは私ちょっと、反対、賛成とかというのは別にしまして、この種の機関に対する立入検査というのは、今の時点でどう判断すべきかはちょっと私もわかりにくいのですけれども、ただ、今おっしゃった貨物自動車運送業等その他いろいろありますが、立入検査をやる以上は、国とかあるいは地方自治体が一つの基準を決めていますね。基準を決めて、それに対して反していないか、誤っていないか。あるいはまた、いろいろな禁止行為をやっている、こうしてはならない、こうしてはならない、それに対して反していないか、誤っていないか。そうしたときには私は立入検査が必要だと思うのですね。例えば、従業員名簿を備えなさいと言っておるのに備えているかどうか、あるいはこれこれしちゃいかぬというのにやっていないかどうかとか。 ところが、今の場合は、この支援センターは事業内容が五つ、その中で一番問題は資金の援助なのですが、それにしてもこれは純然たる民間団体でしょう。普通の行政指導でおさまる。 私はなぜこんなことを言うかというと、国の監督権はあった方がかえって余り変なことにならないでいいのじゃないかなと思うけれども、ただ、にぎわい創出あるいはお祭り創出ということで、口は出さないけれども金は出して全部やるのだ、こうおっしゃっているにもかかわらず、これで縛りをかけると国のいわゆる枠づけの中に大体全部入ってしまうということなんじゃないかという極めてきつい——とにかく立入検査というのは、それは今おっしゃった貨物運送業という運輸行政でも根幹をなしているところだけとか、それから届け出料金とか認可料金とか、あるいはかつての風営法、今は風俗営業の適正化に関する法律、これは風俗関係ですから、これでさえいろいろな問題があったけれども立入検査があるとか、とにかく限定されているのですよ。 したがって、この法律にこれが出てきたということについて、後の通訳の特例の場合に認定機関に対する立入検査があることについては私はなるほどと思いますが、この場合はどうもなじめないな。したがって、この理由がはっきりしないと、おまえら国会で何を議論したと、将来、法律上問題になってくることじゃなかろうか、こう思うのですよ。 したがってお聞きするのですが、その点どうですか。局長、今おっしゃったことでは私は納得できませんね。どうでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 先ほど申し上げましたように、この支援事業実施機関におきましては、都道府県の基本計画に基づく活用行事で地域伝統芸能等の情報を収集してノウハウを蓄積していって、そのノウハウをまた提供するというようなことで、特に国から指定して、都道府県も信頼して情報を提供する、そういった性格を持った機関でございますので、やはり業務が適正に行われて、そういう情報提供、情報収集というのがこの法律に基づいた公益的な目的に使われるという必要性もあり、そういった意味で立入検査規定を置いております。 ただ、先生御指摘のとおり、それぞれ立入検査についてもその機関によってどの程度やるべきか、しょっちゅうやるべきか、それとも過剰な干渉にならないような立入検査にとどめるべきかというようなことがあると思います。先生御指摘のような点を踏まえつつ、慎重に立入検査の規定についても運用していきたいと思います。
○安田(修)委員 そして、主務大臣が立入検査を指示するわけですね。 例えばこれはどうなんでしょう。五省庁で話し合って、そしてその場合はだれが指示するのですか。そしてその場合はどこの職員が行くのでしょうか。実務上のことについてちょっと……。
○大塚(秀)政府委員 これはその指定法人の監督をしている官庁にもよると思いますが、先ほどから申し上げておりますように、この指定については五省庁の大臣が共同で行うということになっており、またその運用についても連絡会議等を行いますので、共同で立入検査をやるか特定の省庁がやるか、その立入検査の目的にもよりますけれども、ばらばらにならないように、また効率的にやるように連絡会議等の場で調整していきたいと思います。
○安田(修)委員 さて、支援機関の資金の問題も先によく読んできましたが、一説に二十数億円の観光振興交付金を出すのだという話も出たりしております。どうですか、皆さんの方で一定のある程度の想定額というのはあるのですか。これはちょっと大きい金が出ておりますが、それは全然デマなんですか。
○大塚(秀)政府委員 今先生が御指摘された点については、私ども全く今のところ考えておりません。 民間資金の拠出等についてはできるだけ集めたいということで、その目標額についても今のところ特に決めておりませんが、少なくとも、小さく産んでといっても最小限の職員というものと業務の実施というものが必要ですから、それだけの金は当初から集めるように今運輸省、通産省において関係業界にもいろいろ話を始めつつある。これは実際にやるのは法律が成立してからでございますけれども、そういうところに期待しているところでございます。
○安田(修)委員 そこで、この法案によりますと、今も局長おっしゃったように、支援実施機関というのは情報のノウハウの提供をやる、イベントに対する助成も行う。それからもう一つ、活用行事の実施場所というのは、地域伝統芸能が伝承されてきた市町村に限らずその他のところでも実はあり得るというように言われておるわけですね。 そうしますと、この二つをかみ合わせますと、一つは情報のノウハウを提供する、これはいいことだけれども極めてまた危険性もあるのです。なぜかといえば、今手づくりの、大臣さっき泥臭さ——これがどこかの支援センターから一定の情報ノウハウをというと、みんな、あれはいいかこれはいいか、結局画一的なものに流れやすい。それから、そこで手づくりでやってきたものが、隣の市あたりで大々的にやると、そこの伝統が失われて今度は人の来るようなものに演出されていく、そうすると極めて画一的なものに流れやすいということなんですが、その点どのように考えておられますか。
○大塚(秀)政府委員 まず、イベントに関するノウハウの提供というのは、確かに先生御指摘のように一方で画一化される、どこでも同じような形での宣伝が行われるという危険性をはらんだものでございますから、そういうことを慎重に考え、画一化されないようにそれぞれの地域の個性、独創性が出るような形でバックアップするということに配慮しなければならないと思っています。 それから、イベントの開催につきましては、御指摘のとおりそのイベント等を地域伝統芸能等が伝承されてきた市町村以外の場所で行うことも想定はされますが、活用行事の実施場所につきましては、地域伝統芸能等の由来等を勘案しながら、この法律の定義にもありますように適切な場所が選定されることが望ましいと考えております。 また、この地域伝統芸能等を活用するに当たりましては、今申し上げましたように内容が画一化されないように、文化財の保存という意味で文部省とも十分御相談していき、それぞれの地域の歴史や文化が反映されるような形で伝統芸能が保存されていくということも念頭に置きたいと思っております。
○安田(修)委員 そこで、文化庁にお尋ねいたします。 伝統的芸能としてかなり広範囲なものを今度は予定しておるわけですが、その中でも、神楽、歌舞伎、田楽などが大規模イベント化された場合、いわゆる形式的に洗練されたものがありますね、そうしたものが大規模イベント化された場合に、その演出のためにその地域に伝わってきた風俗とか形式と異なったものになっていくという可能性が極めて大きい。そこで、そうしたものを私たちは現に今まで地域でも見てきておりますし、本来の伝統芸能の保存という点からして、文化庁はこれの歯どめをどういうぐあいに考えておられるのか、これをお伺いしたいと思います。
○吉田(茂)政府委員 御指摘のように、地域伝統芸能等を活用した行事などの実施形態あるいは方法のいかんによっては、今日まで伝承されてきました伝統芸能につきまして影響を及ぼすということがあると我々も考えておるわけでございます。例えば芸能の上演の順序、これは次第、順序と申しますか、あるいは芸能の内容や態様、いわば芸態、あるいは衣装、用具、こういったものに影響を及ぼすという心配があるわけでございます。 私どもといたしましては、国があらかじめ定めます基本方針あるいは都道府県から協議を受けます基本計画、この対応の中で本来の伝統芸能のあり方というものから外れるということのないような対応をしてまいりたい。例えば踊りなり芸の所作、本来の所作から離れたオーバーな演技、こういったものに流れていくことのないよう我々としても十分対処、配慮してまいりたいと考えております。
○安田(修)委員 時間が来ましたので、それでは最後に大臣に、こうした伝統的芸能を広く見たい、見せたい、今言ったようにいろいろな問題点がたくさんあるわけですが、問題は、文化という側面を軸にしていくか、あるいはまた人を寄せる、それからまた商工業を振興する、いわゆる経済の面ですね、そういうものを軸にしていくかによって、同じやる枠内でもかなり違ってくると思うのです。そういう点では、やはり文化、特に芸術性の高いものがありますから、そういう点のものが守れなければ、幾らイベントをやっても、初めは人が来ても後は来なくなってしまう。したがって、そこら辺のいわゆる調和というのは極めて重要だと私は思うのですね。 そこで大臣にその点、政府としてどちらに軸足を置いていくのか、観光も大事だけれども、まず文化的なものを守り発展させるということを軸足にしながらいくということなのか、まあどうであれ、人が来てワッショイワッショイやろうじゃないかというようなことなのか、そこら辺、政府の方針を最後にひとつお聞きしておきたいと思います。
○奥田国務大臣 安田先生ですからこれは率直にお話ししますけれども、実際この法案をやろうとして目指したのは、本当に地域の活性化、そういった地域のいわゆるにぎわいを創出していく、それに対して観光、観光でも国内客という観点よりも、それも大事ですけれども、できることなら、これだけ交流が盛んになってきた流れに沿って外国から来るお客さんにも日本の伝統行事、そういったものを広く紹介してあげることによって少しでも日本国有の文化なり国民性の理解に役立てることになっていってほしいな、そういった形の中で通産も、もちろん自治省、今先生が御指摘されたように実際のハード面の主役はそちらであると思っておりますけれども、文部省、農水省、五省庁の共管になったわけであります。 しかし、端的に言いますけれども、軸足をどっちにかけておったのだということになると、実際はいわゆる地域のにぎわい、観光、そうして商工業、いわゆるお土産産業の振興等々を考えると、最初の意図は軸足はやっぱり経済的側面にあった。しかし先生の御論議を踏まえ、ずっとこうして質疑を通してのお考えというものの中で伝統文化、本当に根づいてきた形の長年の歴史、そして固有な形をそう簡単ににぎわい、お祭りだけで軽く見るという形はこれはとても大きく間違いを起こす、やっぱり軸足は両方にかけて自然体で伝統文化の忠実な紹介も兼ねながら、そしてできることなら外国客にも理解もでき参加もでき得るという形の中では、多少そっちの面を薄らぐ形にもするかもしれませんけれども、今までどちらかというと経済的な商工業とか観光の面に軸足を置いておったのを、やっぱり文化と経済的な側面というものは両立する方向の中で努力してまいらなければならぬなと思ったところであります。
○安田(修)委員 大臣の理念を生かしていただいて、ひとつやっていただきたいと思います。終わります。
○久間委員長 細川律夫君。
○細川委員 これまでいろいろな質問が出ておりますので、なるべく重複しないような形で御質問をさせていただきたいと思いますけれども、重なる部分もあるかと思いますので、その点はよろしくお願いをしたいと思います。 まず、この法律の題名からいたしまして三つの主題があります。地域伝統芸能等を活用した行事、これが一つ。それから観光、そして三つ目が特定地域商工業の振興、この三本立てといいますか、三つが主題になっておるわけなんですけれども、このそれぞれの三つの関連及び効果についてどういうことを想定しているのかということについてまず御説明をしていただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 今日観光については、旅行の一般化に伴います質的向上の要請などから、個性豊かな観光地づくりへの取り組みが求められているところでございますが、地域伝統芸能等はこのような地域の特性を反映したものが多く、これをイベント化して活用することによりまして、観光の振興に大きな役割を果たすことが期待されております。 他方、特定地域商工業については、最近の消費者ニーズの多様化、高度化に対応して地域の特色ある資源を活用することによりにぎわいを創出し、地域の特性を生かした振興をすることが求められておりますが、地域伝統芸能などは地域の特性を反映した固有の資源であり、かつコミュニティー活動の核でもございますので、これを活用してにぎわいを創出することによりまして、地域の個性を生かした特定地域商工業の形成に寄与するところが大きいと期待されております。 また、観光の振興が図られることによりまして地域への観光客の来訪が促進されれば、観光客によりますお土産品のショッピングなどを通じて特定地域商工業が活性化することが予想されますし、さらに特産品の開発などにより特定地域商工業の振興が図られるということがその地域への観光客誘致にも寄与すると考えられる、そういう意味で相互に貢献し合う効果を生じ得ると思います。
○細川委員 この法案そのものにつきましても運輸省の主導でつくられているわけなんですけれども、運輸省の目玉であります観光についてお伺いします。 この法案自体によりますと、それぞれ地域伝統芸能とかあるいは活用行事、特定事業、特定地域商工業とかいろいろ定義をきちんとこの法案の中でしているわけでございます。新しい法律案でありますから、この観光という点についてこの法案の中にきちんとした定義がなされていない、これについて一体どうして定義がなされていないのか、説明をしていただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 本法におきます観光とは、一般に言う観光の範疇を逸脱するものではないために、特に法律上定義を置いていないものでございまして、観光を他の用語等と比べて軽視しているわけではございません。 観光についての一番基本になる法律として観光基本法がございます。この観光基本法には観光についてのいろいろな施策が列挙されておりますが、観光そのものについての定義は置かれていない、観光基本法の中で全体として観光というものがどういうものなのかが浮かび上がってくるということになっておりますので、この法律でも置いていないということでございます。
○細川委員 この法律案は、地域の伝統芸能を活用した行事に対して、いわゆるイベント事業に対して国が法律を制定して積極的に支援をする、こういう仕組みの法律案なわけなんですけれども、まず最初にお聞きしたいのは、こういう法律をつくることが果たして必要なのかどうかという点でございます。 この地域伝統芸能、これは御承知のように地域で地域の人たちが脈々とこれらを支えてきたいわば地域の文化であろうと思います。そういうものに国が積極的に関与していくことがいいのかどうか、特に伝統的な文化に対して、こういういわば伝統的な芸能などをイベント化するあるいは観光化する、こういうことが果たして必要なのかどうかという基本的な問題もあろうかと思いますけれども、したがってこの法律をつくる必要についてお聞かせいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 地域伝統芸能、伝統的な風俗慣習を活用して観光や特定地域商工業の振興を図るに当たりましては、地域の幅広い関係者の協力を得ることが必要であり、かつ、広域的に観光客や消費者を誘致するものであるために、国が中心となった支援を行う意義は大きいものと考えられます。 また、地域への外客の誘致に当たりましては、国際観光振興会との連携、通訳案内業法の特例等、国としての総合的な施策として位置づけることが不可欠でございます。 また、特定地域商工業の振興を図る上で地域の中小企業の果たす役割は大きいものがあり、この点でも中小企業信用保険法の特例を設けて国レベルで支援を行うことが適当であると考えております。 このような施策を行うに当たりましては、通訳案内業法の特例、中小企業信用保険法の特例など既存法律の特例を定める必要があり、これらを踏まえ、今回法律という枠組みの中で国としての支援を積極的に行っていくこととしたものでございますが、先生御指摘のように、地域が主体的に計画をつくって国がそれをバックアップするという形で、国が干渉するというような形で運用されないように我々も配慮していかなければならないと考えております。
○細川委員 この地域伝統芸能、それらは無形民俗文化財ですか、そういう形で指定を受けているものもたくさん、五千以上あるようなんですけれども、そういったくさんある中から事業としてイベントとしてそれらを選ぶ、選んで事業を行うということになっていきますと、たくさんある地域伝統芸能の中で非常にイベント化して有名になるものもあれば、そういうのに選ばれなかったところはだんだん廃れていくのじゃないか。特に若い人たちがそういういわゆる伝統芸能を承継していくためには、そういう選ばれるものと選ばれないものとがありますと、選ばれなかった方はこれはもう自然的に消滅をしていくのではないかというような心配があるわけなんですが、そのような点ほどういうふうにお考えでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 この法律に基づきまして地域伝統芸能等を活用してどのような行事を行うかは都道府県の判断にゆだねられておりまして、都道府県が作成した基本計画が基本方針に即しているか否かについて協議を受けることが必要であることなどから、現時点においてどういう活用行事が選ばれるかということは判断できないわけでございます。 ただ、この法律というのは地域の伝統芸能、風俗慣習等を活用して地域の活性化を図るということが目的でございますので、いろいろな文化財の保護、文化財に当たる地域伝統芸能の保存というようなことについては、文化財保護法等もございますので、また別途な観点から対策が講じられると考えられます。
○細川委員 この地域伝統芸能等を活用した行事、イベントというのはどういうような規模のものかというそのイメージがちょっとなかなかまだわいてこないのですけれども、どういうようなものをどういうような規模で具体的な活用行事として行えるのかどうかという点。 それから、これもちょっと質問が出ておりましたが、この法律が施行された場合、ことしじゅうには実際こういうことが行われるのかどうか、あるいは行われるとするなら何カ所くらい全国で行われるのかという点についてお聞きをしたいと思います。もし今年度じゅうになければ、じゃ来年度ではどういうことをどれくらい行われると想定しているのか、その点をお聞きをしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 活用行事と申しますのは、法律上、地域伝統芸能、風俗慣習をそのテーマとして活用したイベントでございまして、国内観光及び国際観光並びに特定地域商工業の振興に相当程度寄与するものということになります。実際に地域伝統芸能を実演するだけじゃなしに、それが太鼓祭りとか何とか祭りというような形で全体としてイベントになるというようなことを想定しております。また、そういった伝統芸能などに使われる器具等を展示して一般に公開するような行事、そういうことを想定しておるわけでございます。 また、どの程度の規模にするかというのはケース・バイ・ケースで、それぞれの行事によって違ってくると思いますけれども、先ほども申し上げましたが、都道府県のレベルあるいはそれを超えて観光の振興などを行うということから考えまして、余り小さな規模のものは対象にならないんじゃないかと考えております。 それから、これから都道府県が、法律ができ、基本方針ができた後で基本計画をつくるということになりますので、本年度どの程度出てくるかということはちょっと私ども予想できませんが、今、相当要望書が出てきておりますので、基本計画をできるだけ早くつくっていただいて、年度内にも幾つかのものが実施されるということを期待しているわけでございます。
○細川委員 実際にこのイベント事業が行われた場合に、その規模にもよると思いますけれども、大きな規模になりますと観光客もたくさん来る、そういうことからにぎわいが創出されるわけです。その際、車の混雑とか道路交通の問題あるいはまたごみだとか騒音の問題とか、そういうようなことも実際問題として想定をされるわけなんです。そういうものについてはどういうふうな対応をされていくのか、その点についてどういうふうに考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 行事の具体的な内容につきましては都道府県の作成する基本計画で明らかになるわけでございますが、ただいま先生御指摘の、活用行事によって道路が過度に混雑するとか環境問題へ悪影響を与えるというようなことが生じないように、基本方針におきまして観光美化や道路交通の円滑化に配慮する旨の事項を記述しますとともに、これらに関係する行政機関ともその都度十分調整を図ってまいりたいと思います。
○細川委員 ちょうど区切りのいいところですから、ここで終わりたいと思います。
○久間委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十五分休憩 ————◇————— 午後一時二十八分開議
○久間委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。細川律夫君。
○細川委員 続いて質問をさせていただきたいと思います。 次に、「定義」のところでお聞きをしたいところがございます。それは、第二条におきましてそれぞれ定義がなされておりますけれども、第二条第一項の「「地域伝統芸能等」とはこという定義でございます。この定義は大変重要なところであろうと思います。この定義によりますと「地域の民衆の生活の中で受け継がれ、当該地域の固有の歴史、文化等を色濃く反映した伝統的な芸能及び風俗慣習をいう。」こういうようになっているわけであります。 そこでお聞きをいたしますけれども、これまでの答弁をお聞きいたしておりますと、局長の答弁では、文化財保護法に言う文化財及び文化財に準ずるものというような答えもあったわけでありますが、私が考えるには、法律そのものが違うし、もちろん目的も違うわけでありますから、この「地域伝統芸能等」というこれが文化財とそれから文化財に準ずるものという定義ではどうもおかしいのじゃないか、整合性に欠けるのではないかというふうに思います。いま一度その「地域伝統芸能等」はどういうことを言うのかお聞かせをいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 先ほど私が文化財またはそれに準ずるものと御答弁したのは、政教分離との関連で、宗教色の特に強いものについて基本計画に盛り込むかどうかという点については、宗教行事に係るものにあっては文化財及び文化財に準ずるものというようなものを対象として考えたい、こうお答えしたわけでございまして、この定義は先生御指摘のとおり、文化財保護法とはこの法律は別な目的を持っておりますので、定義に書かれておるとおり、文化財保護法に言う民俗文化財以外のものも含まれていると考えております。
○細川委員 それでは文化庁にお聞きしたいと思いますけれども、この地域伝統芸能等と文化財とのかかわり、この法案に言う地域伝統芸能等と文化財とはどういうようなかかわりになるのか、この点をまずお聞きをいたします。
○吉田(茂)政府委員 地域伝統芸能とはまさにこのとおりの定義でございますが、一方、文化財保護法におきます民俗文化財は、「衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、」というジャンルが一つございます。もう一つ、農村歌舞伎あるいは田楽などといいました民俗芸能、この二つが民俗文化財の大きなジャンルでございます。 いずれにいたしましても、「我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの」という定義になっておりまして、したがいまして、概念といたしましては地域伝統芸能等の多くは民俗文化財に該当するものと考えておりますが、もちろん民俗文化財には該当しない部分も当然に存するのではないかというふうに思っております。
○細川委員 この地域伝統芸能を活用した行事を行う、いわゆるイベントを行うということが主たる目的になっておりますけれども、それでは具体的に、地域の伝統芸能の中でどういうようなものをどういうふうに活用しようと考えているのか、これは文化庁の方ではどういうふうに考えておるのか、お聞かせを願いたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 どういう地域芸能あるいは風俗慣習を取り上げるかにつきましては、この法律上、都道府県が関係市町村の意見を聞いて基本計画をつくるというその中で決まるものでございますから、第一次的には都道府県が判断するということになります。 これも先ほどからお答えしておりますが、地域伝統芸能等のうち余りにも小規模のものは、これは都道府県レベルあるいはそれ以上にわたって観光の振興等を行うということに不適当になろうかと思われますし、また他方、既に十分国民に周知されていて、大いににぎわっているような地域伝統芸能あるいは風俗慣習というのを取り上げても法律上の支援の効果がないのじゃないか、その辺は一つの判断基準になるかと思います。その他は都道府県が実際に基本計画をつくるときの判断になろうかと思っております。
○細川委員 文化庁の方で、地域伝統芸能などの文化財としての指定状況を見ますと、国の指定あるいは都道府県、市町村それぞれ指定がありますけれども、こういういわゆる文化財としての指定が行われ、しかもその中から選ばれてイベントが行われるとしますと、伝統的な芸能が観光化することによって変形をしていくのではなかろうかというような心配もいたします。 また一方では、たくさん指定をされている文化財、去年の五月現在では五千六百四十三あるようなんですけれども、その中から一部選んでイベント化して観光化されていくということになれば、その選ばれたものが非常に隆盛をきわめるといいますか、しかし、一方で選ばれなかった方については、せっかくの文化財が消滅といいますか衰退をしていくのではないかというような心配もされるわけなんです。その辺については文化庁の方ではどういうふうに考えておられますか。
○吉田(茂)政府委員 御指摘の観光化に伴う影響につきましては、私どもといたしましても、そのことによりまして伝統芸能本来の文化財としての価値が損なわれるということのないよう努力をしてまいりたいと思っております。例えば衣装や用具等が本来の形を失って非常に華美になっていくというようなケースも考えられるわけでございますが、それに対してはいろいろな段階で伝統的な価値の保存ということを基本的に努力をしてまいりたいと思っております。 それから、基本計画で選定されないというようなことで、そういった地域伝統芸能等が選ばれたものと選ばれないものの中で違いが出てくるのではないかという御心配でございますが、私どもといたしましても、こういった地域伝統芸能全体に対するいろいろな施策というものは従来から進めておるわけでございます。文化財保護法等によりまして、例えば形のない、無形の民俗文化財の指定であるとか、現地公開あるいは発表会等に関する事業に対する補助であるとか公開活動の支援、こういった地域伝統芸能等の保存、活用に努めてまいっているわけでございますので、今後ともこういった措置、配慮を進めまして、無形の民俗文化財あるいは伝統芸能全般の充実に対して力を入れてまいりたいと思っております。 また、最近設置がなされました芸術文化振興基金の中におきましても、こういった無形の民俗文化財に対する援助というものが少しずつではございますが始まっておりますので、そういったものを総合的に見ながら全体の充実に努めてまいりたい、かように考えております。
○細川委員 今、文化財の保存などについて徐々に予算的な措置もとられている、そういうことも言われたわけなんですけれども、実際に文化財に大体どれくらいの予算措置が年間でとられているのか、その点についてちょっとお伺いします。
○吉田(茂)政府委員 文化財全体の中からいわゆる民俗文化財、それも無形の民俗文化財に関する国の予算といたしましては、現在平成四年度予算では一億四千七百三十七万円という計上がなされております。内容は、一つには国が直接無形の民俗文化財の調査あるいは記録作成を行うための経費五千百二十六万円、それからもう一つは国が都道府県あるいは市町村、民間の保存団体、こういったものに対しまして補助をして民俗文化財の伝承者の養成あるいは現地公開、各種調査、記録作成等を行うための経費九千六百十二万円がその内容になっております。 このほかに、先ほど申し上げましたが芸術文化振興基金からの助成が始まっておりまして、三年度ではこれが四千万円ということで、こういったものが現在の無形の民俗文化財に対します予算措置等でございます。
○細川委員 無形の民俗文化財について一億四千万ぐらいの予算措置しかとられていない、大変少ないという感じがするわけなんですけれども、今回のこの法律案が通過をしまして実際に実施をされますと、このたくさんある文化財の中でも特に選ばれてイベント化された文化財については大変ないろいろな援助があってよくなるだろう。そうでない文化財についてはちょっと心配があるわけなんです。そこに差が出てきますけれども、どうなんでしょうか、本法が、法律案が通るということによって文化庁の方の文化財に対する予算措置というのは変わってくるのでしょうか。違ってくるのでしょうか。
○吉田(茂)政府委員 文部省としての予算措置という面につきましては、この法案に基づきまして新たな財政的な援助ということは考えておらないわけでございますが、文化財全体の充実のためのいろいろな努力というもの、文化財保護のためのいろいろな援助措置の充実のための努力というものはさらに続けてまいりたいというふうに考えております。 ただ、御案内のとおり、文化財の中でも史跡であるとか建造物であるとかあるいは美術工芸品、いろいろなジャンルがございまして、無形の民俗文化財もその中の一つということでございますが、私どもとしては文化財全体のいろいろな財政的な措置の充実にこれからも努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
○細川委員 次に、基本方針と基本計画の関係についてちょっとお伺いをしたいと思います。 既にいろいろな質問も出ておりますけれども、主務大臣が定めることになっております基本方針、それから都道府県で決めます基本計画、この二つがどういうような相互関係になっているのか。これについてはこれまでにもいろいろ出てきましたが、まずちょっとこれをお伺いいたします。
○大塚(秀)政府委員 基本方針は、活用行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関します基本的な事項、活用行事及び特定事業等の実施に関する事項等について国が定めるものでございます。 一方、基本計画は、基本方針を指針として都道府県がその都道府県における観光及び特定地域商工業の振興に関する計画として定めるものでございまして、個別の活用行事に関する基本的な事項、どういう地域伝統芸能等を取り上げるか、その実施場所、実施時期、実施方法といったような具体的な基本的な事項が定められるものでございます。 一方、基本計画の作成に当たりましては、基本計画は国の定める基本方針に則したものであることを確認する必要がございますこと、基本計画と国の施策との調整を図る必要があること、支援事業実施機関の支援の能力との調整を図る必要があること、国が措置する通訳案内業法及び中小企業信用保険法の特例との関係で基本計画の内容を検討する必要があること、こういった観点から基本計画については国が協議を受けることとしております。
○細川委員 この基本計画についての四条についてお聞きをいたしますけれども、その五項に「都道府県は、前項の規定により主務大臣に協議しようとするときは、あらかじめ関係市町村に協議しなければならない。」こういうような規定になっております。こういうような規定がなされた理由と、「あらかじめ関係市町村に協議しなければならない。」というこのあらかじめ協議をすること、その協議の内容は一体どこまで協議をするのか、この点についてお伺いします。
○大塚(秀)政府委員 活用行事とは、地域伝統芸能等をそのテーマとして活用したイベントでございまして、その実施に当たりましては市町村が大きな役割を果たすことは言うまでもございませんので、市町村の同意を得ずして基本計画を策定することは適当でなく、関係省庁の協議に先立ちまして市町村に協議していただく必要があると考えております。 この協議の内容については、基本計画の内容すべてでございます。
○細川委員 次に、「国等の援助等」の関係についてお聞きしたいと思います。 まず、第七条についてお聞きをいたします。この七条の「国等の援助等」、まず具体的にどういうのがあるかをお聞かせください。
○大塚(秀)政府委員 法案第七条第一項におきましては、国等が「活用行事等の確実かつ効果的な実施に関し必要な助言、指導その他の援助を行うよう努めなければならない。」旨を定めておりますが、具体的には政府を含む関係者が行う観光キャンペーンにおける重点的な宣伝、国際観光振興会による外国人観光客に対する重点的な宣伝、また運輸省が実施しております観光立県推進会議においてこのようなテーマを取り上げる、こういったことを考えているわけでございます。
○細川委員 次に、七条の二項についてお伺いいたしますけれども、「地方公共団体が基本計画を達成するために行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債」というような規定になっております。この経費というのは具体的にはどういうような経費をいうのか。 それから次に、この後半については「法令の範囲内において、資金事情及び当該地方公共団体の財政状況が許す限り、特別の配慮をするものとする。」というこの「特別の配慮をする」という規定がございます。したがって、この特別に配慮をするというのは一体どういうことをいうのか、この点についてもお伺いいたしたいと思います。
○滝政府委員 まず、第七条第二項の「経費」の問題でございますけれども、具体的には恐らくは、伝統芸能等の実演を行うための施設整備をするということになりますればそういうものが基本計画に定められてくるはずでございますし、そうした場合にはこういったハードの整備事業費、これが二項に言うところの「経費」、こういうことになろうかと存じます。 それから、後段で「特別の配慮」、こういうふうに表現をいたしておりますけれども、これはいろいろな地方債計画にのりましたいろいろな事業債の中から、その地域とその事業にふさわしいものを選んで起債を認めていく、こういうことになろうかと存じます。したがって、その際にその事業にふさわしいものでその地域に合ったものということでございますし、また内容的にもできるだけその地方団体に有利なもの、こういうことになるわけでございまして、具体的に申し上げますならば、地域総合整備事業債という事業債がございますけれども、この事業債のうち地方団体に有利な特別枠分をできるだけ優先的に充当していく、こういうようなことを考えている次第でございます。
○細川委員 次に、第三項についてお伺いいたしますけれども、この三項には「主務大臣、関係地方公共団体、関係団体及び関係事業者は、基本計画の円滑な実施が促進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。」こういう規定になっております。それで、このそれぞれの関係者あるいは関係団体、相互に連携を図りながら協力をするというのは具体的に一体どういうようなことを意味しているのか、その点についてお聞きをいたします。
○大塚(秀)政府委員 活用行事、いわゆるイベントは主務大臣、都道府県、関係市町村がそれぞれの立場からとる施策のみならず、地元の観光協会、商工会などの団体とか土産品の製造業者等特定事業を行う事業者、これらの関係者の密接な連携があって初めて盛り上がり、成功し得るものと考えられるために、この第三項ではこれらの関係者が協力、連携するという努力義務規定を設けたものでございます。
○細川委員 それでは次に、支援事業実施機関関係についてお伺いをします。第九条関係になるかと思います。九条の前にまず第八条になりますか。 この支援事業実施機関、これはこれまでの審議の中で一体幾つぐらい予定をしておるのかということが審議されまして、その中では今のところ一つが予定をされていて、その後はどういうのかまだはっきりしていないような答弁であったと思います。 もう一度お聞きをいたしますけれども、この支援事業実施機関、運輸省と通産省の方では一緒になって一つつくるということはお聞きしました。この数の問題については、いろいろこの後も質問したいと思いますけれども、大変重要だろうと思います。大変多くてもおかしくなりますし、また援助、支援ということになればできるだけ多いのもいいというようなことも考えられますし、一体幾つ予定をしているのか、その点をまずお聞きをいたします。
○大塚(秀)政府委員 支援事業実施機関の指定に関しましては、第八条にございますように、第九条の事業を「適正かつ確実に行うことができると認められるもの」を申請により指定するとなっております。 この第九条一号から五号までいろいろな事業が書いてございます。計画活用行事等の実施に関する情報の収集、また収集した情報を提供する、また行事の実施に関し必要な助言、指導、資金の支給その他の援助を行う、国際観光振興会に情報を提供する、またこれらの観光振興、特定地域商工業の振興に関する催しを実施し、調査、研究、広報を行うこと、現在ございますような法人でこの各号すべてを事業として「適正かつ確実に行うことができると認められるもの」はないと考えております。 そこで、今運輸省と通産省が中心になりましてこのような事業を行う目的の法人を新たに設立しようと考えているわけで、したがって現在具体化しているのは一つでございます。ただ、既存の法人の中でもこれらの各号の一部を既に実質的に実施しているものもあると考えられますので、そのような法人が体制を整備して各号すべての事業ができるような形になり、申請をすれば、それも指定することができる。ただ、そういうものが幾つも出てくるということは余り予想ができないというような状況でございます。
○細川委員 結局抽象的な答弁で、具体的な数についてはお答えがなかったわけであります。 それでは支援事業実施機関を指定する場合に、この手順といいますか、「申請によりこというふうになっておりますけれども、どこにどういうふうに申請して、どういうふうな決め方でこの指定が行われるのか、あるいは主務大臣がたくさん、五人ということになりますが、これは全員一致が必要なのかどうか、そういう点についてはどうでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 これは主務大臣に申請し、主務大臣が連名で指定を行うことになります。ただ、その手続等についてできるだけ簡素化を図るために、主務大臣であります各省庁において局長クラスの連絡会を設ける等の形で意思疎通を綿密にやるということでございます。 全会一致かどうかということにつきましては、連名で指定するというのはそれぞれの判こが要るということでございますので、すべての大臣が指定するという意味合いでございます。
○細川委員 先ほど、既存の法人の中でもこの第八条の趣旨に沿った「事業を適正かつ確実に行うことができると認められる」、そういうものがあれば認めていくというようなことも言われたわけなんですけれども、それは例えばこの主務官庁になっております五つの省、運輸、通産、農水、文部、自治、この五省に関係のある機関が指定をされるということになるのでしょうか。それともこの五省と関係ない機関でも指定をされるということがあり得るのかどうか、その点についてお伺いします。
○大塚(秀)政府委員 この第八条、第九条の条文上は、特にどこの省庁所管の法人ということにはなっておりませんが、現在申請がされる可能性があるというようなものは、おのずからこの法律に関係のある省庁の中にあるとすればあるというように予想しております。ただ、そういう限定は法律上ございません。
○細川委員 それでは、この点についての最後の質問になりますけれども、この支援事業実施機関の数についてはいろいろ考え方もあろうかと思いますし、数が多いということになればこれはまた取りまとめにいろいろ苦労もされるというようなこともあろうかと思います。 そこで、この支援事業実施機関を指定するに当たって慎重に対応すべきまとめ役として、運輸省なわけなのですけれども、運輸省としては一体数をどういうふうに考えていくのか、あるいは考えておられるのか、簡単にひとつお願いいたします。
○大塚(秀)政府委員 先ほども申し上げましたように、支援事業実施機関につきましては現在新たな法人を一つ設立を考えております。また、支援がより効果的にいくという前提で、これらの事業を実施し得る、かつ申請をしてきた法人があれば、それも関係省庁が御相談して指定できるのではないかと考えておりますが、今のところは新たに設立する法人一つを考え、この法人の設立に向けて今後準備を進めていきたいというつもりでございます。
○細川委員 それでは次に、通訳案内業の特例のことについて質問をしたいと思います。 この法案によりまして、特別に地域伝統芸能等の通訳案内業というものを創設されるわけなのですけれども、これを特例として創設する背景なりその理由についてお伺いをしたいと思います。そして、従来の通訳案内業とはどういうような相違点があるかについてお聞きします。
○大塚(秀)政府委員 この法律案におきまして通訳案内業法の特例を設けましたのは、通訳案内業が東京圏及び近畿圏にかなり集中しておりまして、こういった地域伝統芸能等の活用行事が特に行われると思われますような地方においてガイドを確保することが困難である反面、地域伝統芸能等を地域の特性を生かした観光ポイントとして楽しみたいという外国人観光客がこれからふえてくるのではないか、そういう意味におきまして、通訳案内業法の特例を設けることによりまして、地方における地域伝統芸能等を活用した行事を外国人に案内する者の増加を図っていこうとする理由でございます。 それから、現在の通訳案内業とこの法律案におきます地域伝統芸能等通訳案内業との違いでございますが、第一に、案内ができる期間、区域、対象につきまして、通訳案内業は特に制限がございませんが、この法律に基づく地域伝統芸能等通訳案内業は計画活用行事の実施期間内に限り、その計画活用行事が実施される市町村区域において、その計画活用行事についてのみ案内できることとなっております。 それから、案内業を営むためには、通訳案内業は運輸大臣の試験、これは実際には国際観光振興会による代行で行っておりますが、この試験に合格すること、そして都道府県知事の免許を受ける必要がございます。一方、地域伝統芸能等通訳案内業は一定の知識及び能力について運輸大臣の認定、これは指定認定機関が代行する予定でございますが、その認定を受けることとなっております。
○細川委員 具体的には、それではこの特例の通訳案内業者といいますか案内業、これはどういう内容のものを、どれくらいの人数を予定しているのか、それからまた、従来の通訳案内業者はどういうふうに活用をしようとお考えになっているのか、その点についてお伺いいたします。
○大塚(秀)政府委員 この活用行事が実施されます地域におけるガイドの数とか活用行事の規模などによって地域伝統芸能等通訳案内業を営む者が実際にどの程度必要か変わってくると考えられます。実際に活用行事が余り行われないとニーズがございませんので、認定を受けようとする者も出てきませんし、そういうものが活発に行われるところではまた認定を受けようとする者も出てくるし、一方本来の通訳案内業が相当いるところではそのニーズがない、そういうことになってくると思いますが、それぞれの需給を見つつ、今後十分な案内体制の整備が図られるように配慮していきたいと思います。
○細川委員 この特例の案内業者は、この法案では有償で案内業が行われる、こういうことになっているわけなのですけれども、そういうことはプロとしてこれを認めるということでありますから、それなりにきちんとしたものでなければいけないと思いますし、プロとして有償であることが担保できるような、そういう仕組みになっていなければならないと思います。その点はどういうふうにお考えになっておりますか。
○大塚(秀)政府委員 この特例に基づきますがイドにつきましては、地域伝統芸能等を活用した行事に関する案内を行うために必要とされる能力につきまして、講習または試験の方法により適切な要件を設けて審査することとしており、また特例ガイドは、行事の実施される期間内に限り、行事の実施される市町村の区域においてのみ通訳を行うことができることとするなど、その業務内容にも限定をかけているところでございます。したがいまして、今回の制度の導入により、通訳案内業一般の質が低下するものではないと考えております。
○細川委員 それでは次に、もう結びにしたいと思いますけれども、前にも質問が出ておりました今後のスケジュールの問題についてお聞きをいたしたいと思います。 附則の第一条には「この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」こういうことになっております。今後法律が施行されて、そして基本方針が制定をされ、基本計画がまたつくられ、そして実際にイベントが行われるというような、そういう一連のスケジュールについて、今後の見通しについてお伺いいたします。
○大塚(秀)政府委員 法律をできるだけ早く成立させていただきたいとお願いしているところでございますが、成立しますれば、三カ月以内の期間で政令で定める日から法律が施行されます。施行されれば、直ちに基本方針を関係省庁の間で固めましてこれを策定する。それから、それに基づきまして今度は都道府県が、要望のあるところは基本計画をつくって国に協議するわけでございます。 先ほどもお答えいたしましたが、今年度に関していいますれば、まず今年度中に支援事業実施機関の業務を一部でも実施したいと考えております。そういう意味におきましては、都道府県の方から幾つかでも基本計画が出てきて、それをバックアップするということを今年度やりたい、そういう意味で、いろいろな通達類も含めて我々全力を尽くして準備を進めていくつもりでございます。
○細川委員 最後に、大臣にお聞きをいたしたいと思います。 この法案についていろいろ積極的に評価をされる方もあると思いますし、また一方で、地方文化について危惧をする方もあるいはおられるかと思いますけれども、私は、日本各地にある伝統的な芸能というのはまさに日本の文化であるというふうに考えます。この伝統芸能というものはそれぞれの地域に住む人たちが自主的に守り育ててきたものでありまして、本来、この自主性を尊重しなければいけないというものであろうと思います。しかしまた、地域の伝統芸能などに対しては、国が行き届いた施策を側面から援助するということも必要であろうと思います。 そしてこの法案の中身をいろいろ吟味してみますと、私が一番心配をいたしますのは、地域伝統芸能がイベント化され、あるいは観光化されることによって、極端に言えば金になる伝統芸能なのかどうかというような評価あるいは取捨選択がそこでされていくのではないかというような気がいたしまして、そういう点では大変心配もするところでございます。一方で、観光化されない伝統芸能が見捨てられ、あるいは衰退をしていくのではないかというような気もいたします。 そこで、大臣は常々、風格ある日本をつくり上げていく、そういうことも言っておられますし、まさに日本が文化国家として進んでいかなければならないときに、この法案は非常に重要な意味も持っているものと思います。そこで、この法案を施行していくに当たって、大臣、どういうような決意なのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○奥田国務大臣 先ほど安田先生の御質疑にもあったところでございますけれども、先生も御指摘のとおり、長く伝わってきている伝統芸能というのは、本当に地域の風俗慣習、長い間の生活の結晶で来ているものですから、この本質を余りイベント化をして、先ほど文化庁の心配なさるような方向に行くということは決して好ましいことではないということは当然です。私はかねがね、経済大国としての地位は確保することはできたけれども、果たして世界に、これだけ交流の多くなった世界の皆さんに対して、日本を訪れる外来客に対して、文化国家であるというその一面がどうしても認識がされていないように思います。やはり経済大国である前に文化経済大国でなければならぬ。その両輪のうちの片方がまだそれだけの理解がされていないということをまことに残念に思っているわけでございます。 したがって、観光も現在盛んにはなってまいりましたけれども、出ていって外国文化を理解し吸収する力は物すごく強いが、向こうから訪れる客、その数はまだ少ないと同時に、逆に果たしてそれらの外国客に対して日本の文化紹介、理解ができたのだろうかという点においても、私は何か片側通行といいますか一方通行の感なきにしもあらずということで、そのことも残念だと思っております。 ですから、外国人にこういった日本国有の伝統なり文化なりの理解、そして日本の本来の国民性というものがまだ周知できないのは何だろう。やはり言語の面もあると思うのです、日本語は特に難しいですから。ですから、そういった意味で、そういった形の紹介をするという、簡易な通訳といったらおかしいですけれども、その文化紹介ぐらいはできる、一般日常語にプラス、その程度の形の人を配置することも大事じゃなかろうか、そして町のにぎわいを創出して国際交流に役立てたい、そして本来のもっといい面を紹介したい、これが願いでございますから、地域商工業の振興にも役立つと同時に文化の紹介にもなり、そして地域活性化の地域おこしにもなり、そのことがひいては国際交流の一助にも役立つと思います。 この法案は、今御指摘されるようにまだまだ不備な面、御指摘される点、考えなければいかぬなと先ほどから思いながら聞いておる面もございましたけれども、しかし、この目指すところは、私は一石三鳥にも四鳥にも、文化か経済かと言われると困りますけれども、文化も尊重しながら経済的な側面にも役立つという方向の中で何か実りあるものにしていただきたい、そういったことでぜひ御理解と御支援を賜りたいと思う次第であります。
○久間委員長 山中末治君。
○山中(末)委員 質問に入ります前に、一言委員長に意見を申し上げて、要望をしておきたいと思います。 今回のこの地域伝統芸能等活用法というのは、五省が相関連した法案であります。この審査に当たりまして、一部関係省の政府委員の出席が事情によってできないというようなことが起こりました。法案審査上まことに遺憾であると同時に、どういう御用事があるのか聞いてはおりますけれども、やはり運輸委員会のかなえの軽重を問われるのではないか、このようにも私は思いますので、委員長に、今後の対応については必ず政府委員が出て説明なり答弁なりしていただけますように、一段の御努力をお願い申し上げたいというふうに存じます。 それで質問に入りますが、同僚議員の質問が相当進みましたので、私は簡単に御質問申し上げて、また明瞭にお答えをいただきたいと存じます。 まず一つは、最近における外国人の訪日旅行者及び日本人の国内旅行者の状況及び今後の見通し等についてお伺いします。
○大塚(秀)政府委員 平成三年におきます訪日外客数は、平成二年に引き続き三百万人を超え、過去最高の三百五十三万人に達しております用地域別に見ますと、上位から、アジア地域が六二・一%、北アメリカ地域が一七・五%、ヨーロッパ地域が一四・七%となっております。目的別の内訳は、観光が五九・六%、業務等が三八・〇%、その他二・四%となっております。また、平均滞在日数は十三・二日でございます。 これらの訪日外客は、過去三十年間にわたり着実に増加傾向をたどっておりまして、特に昭和六十二年以降は毎年一〇%から二〇%の増加率を示しております。また、最近はアジア地域、特に韓国、台湾からの訪日外客の割合が増加しております。 今後も訪日外客数の増加傾向は変わらないものと考えられます。特にアジア地域からの外客数も、これらの地域の経済発展に伴います国民所得の向上などにより、今後ますます増加していくと予想しているところでございます。 それから、国内旅行者についてでございますが、平成三年の宿泊観光レクリエーション量、これは泊まりがけで行く旅行でございますが、宿泊観光レクリエーション量は延べ人数二億一千四百万人、国民一人当たり平均一・七三回と推計され、前年比一二・三%増となっております。これからも宿泊観光レクリエーション量の増加傾向は余暇の増大等と相まってますますその傾向が顕著になってくると思われますし、また目的地や形態も多様化していくものと予想しております。
○山中(末)委員 それで今度の法案でございますけれども、私の友人の議員が最近フランスへ行きまして、そしていろいろな話をしたらしいですが、日本の国民はバカンスということを知らぬのかという議論が相当強く出た、こういうことが報告にございました。 今大塚さんがおっしゃったように、日本へ一年間で来る外国人は三百五十三万人ですね。そして滞在日数は十三・二日ということで非常にふえてきて、これはいいと思うのですが、日本人の国内旅行というのは二億一千四百万人、こういうことですね。おのずからこの旅行、バカンス等の中に占める日本人の国内旅行の比重というのは、これは言わなくてもわかるほど重い、このように思います。そういうところから考えてみますと、先進諸国に比べて日本人は余りにも働き過ぎだということでいろいろな国際問題にもなっています。労働時間を縮めないかぬとかいうことも大きな流れです。 こういう中で、私はせんだっての運輸委員会の一般質問の中で特に運輸大臣にお願いをして、観光に関係のある省庁というのは十七省庁ということを申し上げました。その後、お調べ願ったことを聞きますと二十一省庁だそうです。二十一省庁といいますともうほとんどの省庁が関係がある。この省庁がそれぞれ国民のためのレクリエーション、バカンス、こういうものを考えて、施設づくりも含めて頑張っておられるのだと思います。そういう中で、これは本当に二十一省庁がそれぞれの分野で走っていくというのはなかなか迫力はあるでしょうけれども、まとまりがうまくいかないのじゃないか。実力大臣だと言われています運輸大臣に、その先頭に立ってひとつ機関車の役割を果たしていただきたいということを申し上げた。機関車の役割を果たせとおっしゃるなら機関車の役割を果たしましょう、こういう力強い確約を得たわけです。 それで、それと今度の法案とを比べてみますと、残念ながら国内のレクリエーションあるいはまたバカンス、そういうものについての予算が非常に少ない。国際観光の場合は約三十億でしょう。そのうちの八割、二十四億が団体に出ているわけですね。そういうことで、運輸省に残っている、観光交流という面だけでありますけれども、残っているのは本当にごくわずか、約六億程度で すね。非常に少ない。 それからもう一つ、別の、今年度の予算、どういう予算を観光、バカンス対策というようなことで組まれたかということをお聞きしますと、去年が約三億ですね。ことしか六百万ふえて三億六百万ですね。それで新規事業を一つ含めて三つの事業を進めていこうとしておられる。これは政府予算だけの話で、あと無利子の貸付金、財投の資金等がありますから、それでどのように進めていかれるのか。その額は予算にのっていませんから、ですからよくわかりかませんけれども、とにかく日本人向けの対策というのが非常に少ない。 それで、そういう状況の中で外国から来られるお客様に対して、国際交流も含めて、大臣のお言葉をかりますと日本が文化大国であるということをよく知ってもらいたい、日本も文化大国であるべきだ、こういう決意を込めてのお話が先ほどありましたけれども、それもいいのですが、例えば外国の人が日本へ来る。先ほどちょっと大塚さんおっしゃっていましたけれども、私の調べた範囲では、外国の方が日本に来てどこへ一番多く行くかというと東京ですね。そしてその次が大阪、その次が京都、奈良、福岡。東京が六七・七%、大阪が三五%、京都が二六%、奈良が一一%、福岡が九%、とにかく外国から日本へ来る人が、ダブっている場合もこれは入っていますけれども、そういうものが出ています。 そういうことだけではいかぬから、何か文化的なものを掘り起こしてということだろうと思いますが、文化的なものを掘り起こして三百万もの人が全部そこへ行くのかどうか。やはりそれは日本人の旅行客が家族連れで行って、そしてあそこはいいよというふうなことを自分の目で見てきて、それがいろいろなPRの波に乗って外国まで行く。国内の場合もそういう宣伝もされるということになってまいりますので、まずやはり優先は日本人の観光旅行の問題、いわゆるバカンスの活用の問題となってくるのじゃないかなというふうに私は思います。 これは余り否定できないと思いますが、そのように思いますので、私は国内での日本人のバカンスというのは、これはある団体も本を発行しておられますけれども、生存権の次はバカンス権だぐらいの位置づけが必要じゃないか。そういう趣旨で私はこの前一般質問をしたのですが、その点について、またおさらいみたいになりますけれども、ひとつ大臣の御決意を承って、そして国民のバカンス権というものを確立していく。そのためにはいろいろな施設等もつくらなければならぬし、いろいろな方法も講じなければならぬということで、各省庁と御連絡願って、ひとつ機関車として走っていただくという決意を込めての御答弁をお伺いを申し上げたいと思います。
○奥田国務大臣 先生からバカンス権という形の新しい言葉を今教わったわけでありますけれども、確かに観光の魅力、旅ということになりますが、私はやはりその土地土地の文化や風物、慣習を通じてふるさと再発見と申しますか、そういったことが本来あるべき旅の魅力でなければならぬな、観光もそこが根っこでなければならぬなと思うわけです。 では、振り返って自分の感覚をたどってみると、本当に先生の御指摘のとおりに、何かバカンス、ゆとりとかゆっくりした、そういった形の休養、そういった面というのに本当に縁遠い生活、日本国民の大半がそういう方向でやっておる。たまに休みということになっても、時間をつぶすのは何が食べることとか買い物とか、何か忙しい形の中で、本当のバカンスとか旅のそういったものに浸るという気持ちというのはなかなかなじめない。そういった点で、恐らくフランスの旅に立たれてフランス人のいわゆるバカンス生活をエンジョイされている形と日本人を比較されてのお話もございました。 私は、確かにこれから、まだなれないですけれども、そういった生活慣習というもの、時短で休日も休養時間も多くなる形を、できるだけそういった心のゆとりと申しますか生活のゆとり、そういうことを通じて、もっと風物、文化に関心を持っていくというか、そういった形の中で自分を見詰め直す時期に私たち自体も来ているな、そのことはつくづく思います。 ところで、観光に関する関係省庁の数の多さを言われましたけれども、省庁の多いのは、これは生活と文化に関係しておりますから、それはほとんどの役所が関係あるといえば関係あると私は思います。しかし、これは先生の言われたとおり、今までの各省の縦割りの縄張りだけでは解決できない大きな政策でありますから、なれど言われれば私は機関車にもなります。だけれども、今度の法案は、その機関車になるべくした最初の、一輪か両輪か知らぬけれども、あれだということで御認識いただきたいなと思うのです。 今度の場合確かに、ではイベントをやる、伝統芸能を振興する、お金はどこでやるのだ、そういった形になっていくとなかなか心もとない。しかも各省庁間の協議を経てそういった自治体からの計画を吸い上げなければいかぬ等々、難題は今のところいろいろありますけれども、ハードの問題、お金の問題というのは、恐らくこの五省庁が歩みを一にして、そして本当に地域の文化創造、にぎわい創造、そういった形につながっていけば必ず解決でき得る問題だと私は思います。 この中に自治省が大きく関与されておるのも、やはり地域のふるさとおこしのそれぞれの個別的な予算措置を盛っておられるわけですし、自治省の場合は一般的に全国自治体全部に平等に目を配っていかなければいかぬ。しかし、その中からこれだと吸い上げたものに対して、またそれぞれ具体的にハードの面で力になっていただくこともできます。そのために他省庁は持てる力をそれぞれ出し合って、根っこはどこだということになると、これはまた各省庁間でおかしなことになりますけれども、ともかく大きな花を吹かせることは必ずできる。 そういった意味合いで、私は、観光という大きな分野を通じて国際交流の一助にもなり、地域おこしの一助にもなり、いわゆる伝統文化のそういった形における紹介にもなるという形でこの法案に大きな期待を寄せておるわけでございますので、どうかひとつ御理解のほどをお願いいたしたいと思います。
○山中(末)委員 リゾート法がバブルの破裂によって今宮に浮いたような格好になっている、こういう時期が発想を転換するのに非常にいい時期だと私は思いますので、一段の御尽力をお願い申し上げたいと思います。 それから、きょうは国際観光振興会の丹羽会長さんにお忙しいところお出ましをいただきました。丹羽会長さんに御質問を申し上げますが、先ほど観光の関係の予算のことを申し上げました。運輸省で組まれている三十億の中で二十四億が振興会の方へ行っているわけです。時間が余りありません。規定の時間に終わらぬと後の党の方にちょっと申しわけないので、そう思っておりますが、その二十四億が主としてどこへ使われているのかということと、それで不足しているのか、足らぬのか、もっとふやせというのか。それともう一つは、この法律に関係してどのように今後御活動なさろうとお思いなのか、この三つについて、簡単で結構でございますから、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○丹羽参考人 お答え申し上げます。 第一の、国庫補助金の二十四億四千八百万円強の使途でございますが、補助対象事業という形で私どもその事業を遂行させていただいております。 簡単に申し上げますと、まずは海外観光宣伝事業というのがございます。外国人の観光客の来訪を促進するための事業でございまして、例えば世界各国に十六の私どもの事務所がございますが、その観光宣伝事務所による宣伝を初めとしまして、そういう意味での日本の宣伝をしていくという仕事。 それから海外宣伝資料の作成。大きな項目だけ申し上げますと、いろいろなパンフレット類あるいはポスター、映画、ビデオといったようなものを作成いたしまして、それを外国の方にお見せして、日本に行きたいという意欲を起こしていただく、そういうような仕事もございます。 それから三番目としまして、それを受けました日本側の受け入れ対策の一番大きなものといたしましては、私どもの総合観光案内所、ツーリスト・インフォメーション・センターというのがございますが、そこで日本においでになっている外国の方に対して日本の国内でのいろいろな関係の情報提供をいたします。 それから二つ目の大きな柱といたしましては、国際会議の誘致事業というのをいたしておりますが、いわゆるコンベンション、日本で国際的なコンベンションを開いていただくようなことのいろいろな促進活動を行っております。 それから先ほどもちょっと触れましたが、別な柱といたしまして、受け入れ対策事業という言い方でございますけれども、ホームビジット制度といったものの拡充とかミニガイド、これは簡単なガイドブックみたいなものでございますが、そういうものの作成、そういったようなことがございます。その他、調査研究といったようなことを行っておりますが、この辺が今の国からいただいております二十四億の補助金の使用の主な柱でございます。 それで、先ほど先生のお言葉の中にも三十一億五千六百万円強の全体の事業費のことがございましたが、そのほか、補助対象になっていない事業といたしましても、外国人の観光客の日本への誘致に関連すること、あるいは国内でのいろいろな接遇の向上、そういったようなことの仕事をやっておりますし、また、地方公共団体とか一般の民間の方々とも一緒に共同して仕事をしていくとかそういったような関係もございます。 簡単にということでございましたので、第一の点につきまして簡単にお話し申し上げました。 それで、そのような予算で多いのか少ないのかということでございます。その辺のところのお話につきましては私も非常に答えにくいわけでございますけれども、貴重な二十四億強の予算をいただいておりますので、これにつきまして私どもとしてはできるだけ効率的な、効率の上がる、そういう仕事をやらせていただいておりますし、政府も私どもに対する補助金につきましては大変力を入れていただいて、年々増加が図られております。 それからもう一つ、私どもとしましてはお国からいただくだけではございませんで、他の地方公共団体初め民間の皆様方からのいわゆる賛助金というような形での御協力をお願いいたしまして、こちらの方も大変私どもとしては一生懸命努力しておりますし、これからもそういうことにつきまして大変な努力を続けてまいりたいと思っておりますので、この辺のことでこれからもまた政府にもさらに一層の仕事の拡充のための予算措置をお願い申し上げますし、また関係の民間団体の方々にもお願いしてまいりたい、こんなふうに考えております。 それから第三番目の先生の御質問の、この法律が成立した場合にどのような対応をしていくかという関係でございますけれども、私たち国際観光振興会という形で法律上今の組織ができましたのは昭和三十九年でございまして、ほぼ三十年近くにわたって私どもがやっておりますのは、先ほど来の予算の説明の中にもございましたが、大きく言って二つございます。 海外からの観光客の誘致事業と、それからおいでになった外国人の観光客の受け入れ対策、まあ接遇の向上というような言い方もございますが、そんなようなことをやっているわけでございます。その間の三十年近い経験に照らしますと、この法律で規定されているような日本の、我が国におきます地域伝統芸能、こういったものにつきましては外国の方々にとりましても大変興味深いということだと私どもも認識いたしております。 それで、この法案の第九条第四号というところに私どもの関係がございまして、それで支援事業実施機関からの伝統芸能に係る計画活用事業等に関する情報の提供、こういったことを受けることになっておりますので、今後私どもといたしましても、外国人観光旅客の来訪を促進するために海外で開催される博覧会への参加とか外国報道機関への記事の提供、そういったことによります宣伝活動、あるいは国内での外国人観光客の接遇の向上を目的といたしました先ほど来申し上げております観光案内所での旅行情報の提供活動、そういったようなことでこの情報を大いに活用させていただきたい、かように考えております。
○山中(末)委員 今大臣のお話にありましたように、日本人に対する偏見とか日本に対する偏見、これをなくするような要素も十分ひとつ海外の方へお願いを申し上げたいと要望いたしておきます。 あともう時間がなくなりまして、ほかの議員も質問がありましたけれども、関係五省の各大臣が主務大臣としてイコールパートナーのような形でそれぞれ業務を執行していくというのは、言葉は割合きれいなんですが、本当はこれはやはり主務大臣ばかりでなしに主管大臣が要るのじゃないか、これをひとつ御質問します。 それから、この法律の、都道府県から計画等が出てきますが、その窓口はどこにあるのか、これを二つお願いします。
○奥田国務大臣 もちろん五省庁協議で運営をしていくわけでありますし、府県が窓口になって取りまとめていただくことを吸い上げていくわけでありますけれども、主管大臣は運輸大臣でございます。
○山中(末)委員 それでは、主務大臣が五名おられて主管大臣が運輸大臣でございますから、都道府県との窓口、これは運輸省と考えて間違いございませんね。
○大塚(秀)政府委員 運輸省が窓口を務めさせていただきます。
○山中(末)委員 わかりました。 時間、約束守りますから。 宗教それから観光に国及びその機関がかかわることに対して一定のけじめが必要ではないかと私は考えています。 それで、この二冊の本を読ませてもらったのです。文化財保護法で保護されているものに限定すれば割合はっきりするのですけれども、それ以外のものが後にちょっと書かれています。特に、風流とか作り物風流とか行列風流とか、こういう文字も出てきまして、私はこの問題のために国会図書館へ行って風流を大分勉強したのです。資料がたくさん出てきまして、本当はきょう時間をいっぱいもらえたら風流談義をここで一回やってみたかったのですけれども、注意すべきことは、風流というのは何か風雅なようでいいような感じですが、いろいろな辞典とか古典を引っ張り出してみますと、必ずしも風流というのは文化にかかわったとかなんとかいうことじゃなしに、色事とか女遊びとかいうふうな解釈も出てくるのです。 こういうものを想定、まあ想定しながらではないのですけれども、こういうものを頭の中に入れながらこの本を読みますと、風流、作り物風流、行列風流というような表現が書かれていますから、これはよほど精選といいますか詳しく選んでもらわぬと、先ほど申し上げた宗教と観光と国及びその機関のかかわり方について問題が出てくるのじゃないかなというふうに実は心配しています。これは一定のけじめをどうつけられるか御質問をしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 先生御指摘のように、日本における伝統芸能というようなものは、例えば田楽をとりましても、その発端は田植えにおいて豊作を神に祈願するという神事から出発して、それがだんだん独立の演者になって今のような娯楽性を持った田楽になってきたというようなことがございますし、踊りについても、先生御指摘のとおり、もともとは悪魔退散あるいは豊作祈願、そういった神事にかかわるものが多かったと思われます。ただ、その後そういったものが神事を離れて一般民衆が参加することによって娯楽性を持ってきた、あるいは民衆の中の生活の一部になってきたというものが多うございますので、現時点でどういう形かということを考えなければならないとは思っておるわけでございます。 本法におきます地域伝統芸能等は、地域の民衆の生活の中で受け継がれ、その地域の固有の歴史、文化などを色濃く反映した伝統的な芸能及び風俗慣習でございましで、具体的には祭礼とか神事の際に、地域住民の参加によって行われる行事で伝統的な風俗慣習となっているものも対象となり得ると考えております。 すなわち、本法に基づきまして神事、祭礼に際して行われている地域伝統芸能等に対して国、地方公共団体等から講じられる支援措置は、その目的が観光及び特定地域商工業の振興を図ることにあって、宗教的意義を持つものではなく、また、特定の宗教を援助、助長し、または他の宗教に圧迫、干渉を与えるおそれはないものと考えておりまして、憲法の政教分離の原則に反するものではないと考えております。 しかしながら、本法の運用に当たっては政教分離の原則を侵すおそれが生じないように十分配慮することといたしまして、このため、地域伝統芸能等のうち宗教行事と関係するものにつきましては、原則として文化財の指定を受けたものまたはこれに準ずるものを活用行事の対象とすることとしたいと考えております。 なお、神官、僧侶など宗教内部の者が中心的役割を果たしている行事、進行が宗教上の教義にのっとって行われる行事、特定の宗派の信徒以外の者の参加が許されない行事、こういったものは「民衆の生活の中で受け継がれ、」という本法の定義に照らして、本法の対象としては必ずしも適切ではないんじゃないかと考えております。
○山中(末)委員 それじゃ、憲法二十条その他の項目に抵触しないようにやる、こういうことだと受けとめていいですか。それでいいですね。
○大塚(秀)政府委員 憲法を遵守することは当然でございます。
○山中(末)委員 とうとう時間が切れました。 では、自治省を初め四つの省に、政府委員の方にお出まし願って御質問するということを通告いたしておきましたので、御出席願っている各省の方に御質問をいたしまして、これで終わりたいと思います。 今度の法案の中に各省庁の設置法の一部改正がございます。それとあわせてどのような仕事を各省がなされるのか、これがまず一つです。それから、各省が独自でこの活用行事等支援事業実施機関をおつくりになる予定があるのかどうかということが二つ目。それから三つ目は、自治省におかれては、そのほか具体的な例としては地方債の起債に関する特別の配慮ということがありますが、これは先ほど自治省の方から答弁されたのを聞きましたので省略していただいて結構です。他の各省につきましても、運輸省は別ですが、ここへ来ていただいているその他の通産、文部等の省につきましても、この設置法の一部改正と、これからこの法案が成立した場合にどのように対応していかれるのか、一言すつお伺いをして質問を終わりたい、このように思います。
○滝政府委員 まず第一点の自治省の事務内容でございますけれども、これは各省庁共通の事務ということで、基本方針等について私どもも参加させていただく、こういうことでございますけれども、法律案にございますように、自治省プロパーの問題といたしましては、当然七条にございますような地方債の事務がございますので、これについて私どもも特別な配慮をする、こういうことでございますから、これの事務を推進する、こういうことが主たる内容になってこようかと存じます。そのための特別な事務体制を私どもはとるわけじゃございませんで、従来の中でこういったものをこなしていく、こういうことを考えております。 それから、二番目にございました支援機関の問題につきましては、私どもとして特定の支援機関をつくることは現在考えておりません。
○麻生政府委員 通産省でございますが、第一の実施業務でございますけれども、これは主務大臣という立場で、まず第一に基本方針の策定ということがございます。また、基本方針にのっとって都道府県が指針の策定ということがございます。また、都道府県が策定する基本計画、これにつきましては協議を受けるということになります。また、通産省特有の事業といたしましては、第六条の中小企業の信用保険の特例の運用ということがございます。そのほか、支援事業実施機関でありますセンターの指導監督というようなことが私どもの中心的な業務になると考えております。 それから第二番目の、独自に実施機関の設立の計画があるかどうかということでございますが、これは独自のものはございませんで、今予定いたしておりますのは運輸省の方と一緒になりました機関でございます。
○吉田(茂)政府委員 文化庁、文部省の事務処理につきましては、一つは、国の基本方針の策定の際に、文化財であります地域伝統芸能等の保存に関する事項として、例えば芸能の演目の種類あるいは実施場所等について定めるということ。二番目に、都道府県が市町村と協議して策定する基本計画の協議を他の主務大臣とともに受ける際に、その場合も、活用される地域伝統芸能等のうち文化財であるものの保存に関する事項、芸能の内容その他につきまして指導助言ということをやっていくということが中心になろうかと思います。 また、独自に支援事業実施機関を単独でつくるということは考えておりません。
○山中(末)委員 終わります。
○久間委員長 春田重昭君。
○春田委員 まず、この地域伝統芸能活用法案、その趣旨について述べていただきたい。
○大塚(秀)政府委員 この法律の「目的」にもございますが、最近において観光需要が増大し、観光に対するニーズが多様化する中で、地域における観光というものを振興するとともに、地域の商工業の振興を図るために地域の伝統芸能、風俗慣習というものを活用した行事、これを基本計画に盛り込みまして、そういった行事を通じて観光の振興、地域商工業の振興を図るということがこの法律の目的でございます。 そして、そのような行事に対して国等が支援をする、またその支援のための実施機関をつくるというようなことを内容としてきております。
○春田委員 大臣にお伺いしたいと思うのですが、強いてこの法案で力点を置くとすればどこに置くのか。一つは地域伝統芸能に置くのか、また観光の振興に置くのか、また商工の振興に置くのか、また農村の活性化に置くのか、どちらでしょうか。
○奥田国務大臣 当初この法案を提出したその中核、これはやはり増大する国際客にできるだけ日本の文化、国民性を理解する一助にしたい、そのためにはイベントを通じて、催し物を通じた形の中での行事、これをできるだけお伝えすることから日本理解を深めていただきたいなという気持ちがありました。そして、そのためにはできるだけ地域のにぎわいも創出する、そして外来客、外国人旅行客にも喜んで参観、見学していただく、それに、欲を出せば地域の商工業、商店街振興にも役立つ、こういったことから多面的に非常に夢を大きく膨らませていったわけであります。 したがって、先ほど来ほかの先生からの御質疑にもありましたように、伝統文化、芸能に軸足を置くのか、それとも経済、そういった地域振興に重点を置くのかという形で、非常に私も答弁に困りまして、両方に軸足を置くようなお答えをしたわけでありますけれども、実際やはり伝統行事、伝統芸能といっても、これはもう国民の長い間の生活慣習の結集でございますから、これらを素朴に紹介していく形の中で日本の文化、国民性というものを理解してもらうのが一番大切ではなかろうか、そして地域のいわゆる地域おこしにもつながるイベントに持っていきたいな、そういった形で、お答えが多少、商店街振興に置くのかどうかということになるとまことに答弁に苦しむわけでありますけれども、そういったことで軸足を両方に置きながらやっていきたいと思っておるわけであります。 〔委員長退席、坂本(剛)委員長代理着席〕
○春田委員 運輸大臣の本音としては、観光の振興というのが本音じゃないかと思うのですが、しかし海外から日本を見た目というのは、やはり日本は経済アニマルである、文化とか芸術とか教育は非常に程度が低いという見方をされているのですね。そういった中でこの法案、確かに地域伝統芸能を生かしながら観光の振興、地域商工の振興、こう言われておりますけれども、どうしても力点が観光の振興や商工の振興の方に置かれがちなのです。したがって、せっかくの文化的価値がそういった観光資源とか商工資源に変質するおそれがある、その助長策がこの法案ではないかという批判もあるのです。 私は、真の豊かさは経済的な豊かさじゃない、やはり精神性を高めていく、これが今日本に問われている海外から見た日本の大きな価値ではないかと思うのですよ。そういった面で、観光の振興とか地域の商工の振興というのはそれぞれの省が今までいろいろな振興策をとってきているのです。運輸省にしてもこの観光の振興策について従来いろいろな施策をとってきているのでしょう。どんな施策をとってきているのですか。
○大塚(秀)政府委員 運輸省としましては、これは戦後の長い歴史の中ではいろいろ変遷がございます。観光基本法ができ、それに従ってやってきた時期もございますが、最近におきましてはテン・ミリオン計画といって、日本の国際収支の改善にも資するということで日本の海外渡航者をふやしていくというような計画を立てました。 またそのアフターケアとして、最近におきましては観光交流拡大計画、これはアウトバウンド、インバウンド双方向の観光を促進して国際相互理解の増進を図ろうというもので、その内容としましては、日本からの海外旅行においても従来のようなショッピングの渡航というようなことから、その国の文化や歴史を知るというような質的な向上を図っていこうということで今進めておるわけでございます。またインバウンドについても、各国から来られる方々は従来の通り一遍の観光じゃなしにもっと日本の日常生活とか伝統文化を知ろうというような、深く知る旅というようなものが重要になってきておりますので、地方で実際の生活とか伝統文化を見ていただくというような仕組みを今後進めなければならない、そういうことで国際観光振興会というような観光宣伝機関も持っておりますが、いろいろな施策を合わせて全体的な観光政策を進めているところでございます。
○春田委員 この法案のスキームをよく見てみますと、国が基本方針をつくる、都道府県が基本計画をつくる、その都道府県のもとで実施団体が具体的な行事を決める、その具体的な行事は小さなイベントではない、いわゆる大変大きなイベントであり行事である、こうなっておりますね。となれば、どうしてもやはり伝統芸能、伝統や歴史というのがかすんでしまって、いわゆる観光の方に力点が置かれがちなのですよ。文化が失われていくのですよ。 そういった面で、従来から運輸省はいろいろな施策をとってきている、また六十三年四月にも九〇年代観光振興行動計画を策定して、それに基づき観光立県推進会議なんかを進めてきているわけでしょう。それらを中途半端にしながら、いわゆる伝統芸能に悪乗りとは言わないけれども、利用しちゃって観光振興を図るなんというのは私はおかしいと思うのですよ。本来運輸省としては、観光振興というのは従来あるものをどんどん進めていったらいいのじゃないか、このように一言苦言を申しておきます。 ところで、現在都道府県から運輸省に、伝統行事として採用してほしいという要請件数があるやに聞いておりますが、何県からどれくらい出ているか、お示しいただきたい。
○大塚(秀)政府委員 公式、非公式、いろいろございますので果たしてその数を言うのがいいかどうかわかりませんが、二十数県から要望が出てきておると聞いております。
○春田委員 私が運輸省からいただいた資料の中では、二十五県から四十八のいわゆる要請がされている。この中で全部が全部採用されるかどうか、いろいろとセレクトされていくと思いますが、法案がまだ審議もされていない、成立もしていない段階から、かなり各県からこのように出てきている。都道府県の関心が高いのか、それとも運輸省が法案成立を促すために意図的にやっているのか私はわかりませんけれども、運輸省としては、地方では関心が高いのですよと大いに宣伝しております。 これらの中で、今まで質問もございましたけれども、憲法に絡んでどうもちょっと抵触するのじゃないかというそういった要請案があるのかどうか、お答えいただきたい。
○大塚(秀)政府委員 実は、先生にもお見せしております要望というのは正式に聞いたものでもございませんし、各県がこういうものがありますよというのをただ私ども受け取っただけなので、実際に名前しか知らないようなものもまだ多うございます。これから十分その内容等を聞かないと、歴史も経緯も現状もわかりませんので、ちょっとその内容については今の段階では御勘弁いただきたいと思います。 〔坂本(剛)委員長代理退席、委員長着席〕
○春田委員 さて、地域伝統芸能には特定宗教の色彩の強いものがあります。憲法には第二十条で信教の自由、政教分離の原則がうたわれております。さらに八十九条では宗教行事に対し公の財産の支出を制限すると定められております。この憲法の規定に抵触する行事が出てくるおそれがあり、ないと言えない。運輸省の御見解をいただきたい。
○大塚(秀)政府委員 地域伝統芸能また伝統的な風俗慣習の中には、祭礼、神事の際に、地域住民の参加によって行われる行事で伝統的な風俗慣習となっているものが多くございまして、それらも本法の国等の支援措置の対象となり得ると考えております。 すなわち、この法律に基づきます支援措置は、その目的が、先ほどから大臣も申し上げておりますように観光及び特定地域商工業の振興を図ることにございまして、宗教的意義を持つものではなく、また、特定の宗教を援助、助長し、または他の宗教に圧迫、干渉を与える効果を持つもめではなく、政教分離の原則を定めましたただいま御指摘の憲法第二十条及び宗教団体に対する特別の財政援助等を禁じた憲法第八十九条に抵触するものではないからでございます。 しかし、本法の運用に当たりましては、政教分離の原則を侵すおそれが生じないように十分配慮することとしまして、このため地域伝統芸能等のうち宗教行事と関係するものにつきましては、原則として、文化財の指定を受けたものまたはこれに準ずるものを活用行事の対象とすることといたしたいと今考えております。 なお、神官、僧侶等宗教内部の者が中心的役割を果たしている行事、それから進行が宗教上の教義にのっとって行われる行事、また特定の宗派の信徒以外の者の参加が許されない行事は、「民衆の生活の中で受け継がれ、」という本法の定義に照らし、本法の対象としては適切ではないのじゃないかと考えております。
○春田委員 ただいま局長から、文化財の指定を受けたものまたは準ずるものを本法の活用行事の対象とする、こういう答弁でございますが、きょうは文化庁がおいでになっておりますので、文化財保護法が昭和二十五年に制定されておりますけれども、この関係につきまして文部省の御見解を伺いたいと思うのです。
○渡邊説明員 先生の方から無形の民俗文化財の指定、特にその中の宗教的な意義その他のお尋ねかと思います。 文化財保護法上、無形の民俗文化財と申しますと、年中行事などの風俗慣習、それからいわゆる民俗芸能と言われるものの中で我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないものを指しております。こういうものの中にはどうしても信仰や年中行事に関するということで宗教行事とのかかわりが決して少なくないことがございます。ただ、私ども文化財の指定に当たりましては、我が国の芸能の歴史等に照らしまして非常に参考になるもの、変遷の過程を示すものとか、あるいは我が国民の生活、文化の基本的な部分に深く根づいているもの、そういった観点から文化財の指定をいたしているわけでございます。 したがいまして、今運輸省の方からお話もありましたように、宗教と非常にかかわりの深い、色彩の濃い部分というようなものにつきましては、文化財保護の趣旨ということから見ましても余り指定にはなじまないというふうにも考えているわけでございます。 全体的に見まして、しかし、こういうものの中にも本来の信仰的な意味というのはだんだん薄れてまいりまして、現在ではむしろ芸能的な要素が非常に強いというものについては、この辺のところ諸般の状況を十分勘案して慎重かつ適切に指定作業を行っていくということでございます。
○春田委員 都道府県が市町村と協議する、こうなっておりますが、市町村の段階でいわゆる教育委員会の方が基本計画の中に当然入ってまいりますね。これは間違いないですか。
○渡邊説明員 市町村が協議を受けるに当たりましては、市町村の内部で教育委員会が文化財保護行政を担当いたしておりますので、その十分な内部での連絡調整が行われ得るものというふうに理解をいたしております。
○春田委員 重ねて大塚さんに聞きますけれども、この活用行事の実施主体が宗教法人であるものについては今回の支援の対象にしない、こう確認していいですね。
○大塚(秀)政府委員 実施主体について宗教団体が中心的役割をするものは対象にしないように考えたいと思います。
○春田委員 さらに、本日は通産省と農水省の方にも御出席いただいておりますが、それぞれこの法案で関係するものの中で憲法との絡みでどうお考えになっておりますか、簡単で結構でございますから御所見をいただきたい。
○麻生政府委員 憲法は国のもとでございますものですから、当然この法案は憲法の線に、内容に沿ってつくられたものと確信をいたしております。
○本儀説明員 私どもも農村の活性化という観点から伝統芸能等の伝習とかそういうことをやっておりますが、これはあくまで農民がやるものでございまして、宗教色が問題になるようなケースは今までございません。
○春田委員 さらに自治省の方にもおいでいただいておりますが、自治省の方、さらにこの憲法問題につきましては同僚の山口議員から後でまた具体的に質問させていただきますので、後に回していきたいと思っております。 さて局長、伝統芸能の行事を行うには文化財の指定を受けたもの、これに準ずるものを対象とする、もちろん憲法第二十条、八十九条には抵触しない、こう言われましたけれども、厳格に運用をするためには、計画するのは都道府県であり市町村でございますから、そういった地方公共団体に徹底すべきだと私は思うのですが、どうでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 先ほど申し上げましたのは、地域伝統芸能等のうち宗教行事と関係するものについてでございます。 本法の運用に当たりましては、政教分離の原則を侵すおそれが生じないように十分配慮することとしておりまして、その趣旨の徹底が市町村レベルまで図られるよう、実際に基本計画を作成する都道府県に対し通達等により十分指導してまいりたいと考えております。
○春田委員 通達はだれの名前で出しますか。
○大塚(秀)政府委員 関係省庁連名で、例えば局長通達にするか、その辺はこれから考えますが、いずれにしてもハイレベルの通達にしたいと思います。
○春田委員 ひとつより厳格に、慎重にやっていただきたいと思います。 次は、都道府県が基本計画をつくるのですが、その基本計画の過程につきまして簡単に御説明いただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 これは実際の内容につきましては法律の第四条の二項に書いてございまして、基本方針に基づいて実際にその都道府県で実施いたします地域伝統芸能等に関する事項とか、その実施主体、実施場所、実施期間、実施内容に関する基本的な事項、それから土産物など特定事業に関する事項とか、こういったことを書くわけでございますが、このような基本計画をつくります際には当然実施主体との調整も必要でございますし、法律上特に関係深い市町村に協議をするということになっているわけでございます。
○春田委員 この実施主体でございますが、いかなる団体、関係者を想定しておりますか。
○大塚(秀)政府委員 これはいろいろな地方で千差万別になると思いますが、私どもが想定しているものとしては、観光協会とかその伝統芸能の保存会あるいは市町村そのもの、こういったものが行事の実施主体になると考えております。
○春田委員 この実施主体に国等の援助を行うということになっておりますけれども、この援助の内容について述べていただきたい。
○大塚(秀)政府委員 第七条によりまして、国等はこの行事について必要な助言、指導その他の援助を行うとなっておりますが、実際にはこの条文の内容としましては、観光宣伝のあり方についての助言とか旅行業者のツアーとの連携のあり方についての指導とか、それから私どもでいいますと観光立県推進会議等でそれを取り上げて進め方、推進の仕方等について議論する、いわばこういったノウハウのようなものあるいは宣伝のようなものを考えております。
○春田委員 次に、地域伝統芸能の行事を支援する機関として仮称活用センターをつくるとおっしゃっておりますけれども、どんなセンターなのか、その概要について述べていただきたい。
○大塚(秀)政府委員 この支援実施機関と申しますのは、法律の第八条と第九条にございまして、民法上の公益法人であって、九条の事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、申請により指定するとなっております。 九条の事業と申しますのは、このような活用行事の実施に関する各地方における情報を収集してそのノウハウを蓄積する、また二号では、そういった収集した情報をノウハウとして提供する、また三号では、必要な助言、指導、資金の支給その他の援助、これは民間から集めた資金等に基づいて一部資金の補助をするというようなことも含めており、あるいは器具等物資のあっせん等も場合によってはあると思います。それから四号では、国際観光振興会に情報を提供して、国際観光振興会が海外で観光宣伝を行うというような業務、それから五号では、これらの振興に関する催しを実施することとか調査、研究及び広報を行う、こうなっておりますので、こういう事業の内容の法人を新たにつくるか、既存の法人でこういうものを行うものを指定するかということになると思います。
○春田委員 新たにつくるか既存のもので行うかという話でございますけれども、どれぐらい想定しているのか、またこれを運営するための資金の額、またその調達の方法、あわせて御答弁いただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 ただいまこのような事業をすべて行う法人がありませんので、運輸省、通産省が中心になってそのような目的を持った法人を新たにつくろうということで検討中であり、法案が成立いたしましたらその準備にかかりたいと思っております。また、その後、既存法人等でその業務内容、体制等を整備して各事業に当たるというものが申請してくれば、またこれは関係省庁で相談して指定することもあり得ると思っております。 新たにつくる法人の資金の調達でございますが、これは運輸省、通産省両省におきまして関係事業者に民間資金の拠出をこれからお願いするということで、どれだけ集まるか、これはなかなか予測がつきません。多ければ多いほどいいのですが、当初発足する際には最小限の職員でできるだけ効率的な運営をしていこう、先ほども申し上げましたように小さく産んでできるだけ大きく育てたいという気持ちを持っておりまして、年度内に最初の支援事業ができるぐらいには、スケジュールは厳しゅうございますが、何とか努力していきたいと思っております。
○春田委員 この法案の一つのポイントは、やはりこの活用センターだと思うのですよ。活用センターを新しくつくるためには、運輸省としては当然それなりの下準備もされただろうし、いろいろな関係機関にも当たっておられると思うのですよね。要するにそれが全然なしに、通ってから年度末に向かって整備させていくのはやはり遅い。どうなんですか。例えば、聞くところによると船舶振興会とか自転車振興会とか、それから観光に関係するとすれば鉄道事業者とか航空会社とか、いろいろなところにいろいろな寄附金を仰ぐという話を私は聞いているわけでございますけれども、感触はどうですか。
○大塚(秀)政府委員 関係事業者あるいは今先生御指摘の日本船舶振興会等については、法律が成立すればという前提でございますけれども、こういう構想について御説明し、その中ではいい感触を得ているものもございますが、どのくらいの規模のものが得られるか、あるいは賛助会費のようなものが得られるかというようなことにつきましてはこれからの問題になろうかと思います。
○春田委員 どれだけの資金が集まるかによって援助額も決まっていくと思うのですが、この新しい公益法人と、既存のものは自治省が持っております地域活性化センターですか、これを利用するとすれば、既存の法人と、もし新しい法人ができた場合、この二つでもっていわゆる実施団体、主催団体には要するに資金援助していく、こう考えていいのですか。
○大塚(秀)政府委員 仮に二つ以上できた場合でございますが、それぞれの法人の特色ある業務をやっていくとともに、重複を避けるために、これは指定もその他関係省庁がいろいろ連絡をとり合いながらやっていきますので、関係省庁で連絡して、効率的な運営が複数の団体で行われるように指導していきたいと考えます。
○春田委員 資金の原資として、私が今言ったように、航空会社、鉄道会社からも寄附を仰ぐとお考えになっているみたいでございますが、今回のイベントは、当初言いましたように大変大きなイベントである。そこでやはり新たな問題が出てまいります。 例えば、そのイベントを行う地域にどっと車が入ってくる、いわゆる交通渋滞、さらにごみの問題、さらに騒音の問題といういわゆる環境問題ですね、こういった問題も出てまいりますし、さらにこの四月の十一日には、長野県の諏訪大社で行われた御柱祭の会場で、御柱の丸太が倒れてその下敷きで一人が亡くなった、数名の方が負傷した、そういった事故も出ているわけでございます。今回の法案でも、そのように国内は全国から、海外からも相当集めようとお考えになっているみたいでございますから、いわゆる伝統芸能、質素な伝統芸能よりも観光客の興味を引くために、より観光イベントとしてのインパクトをさらに強めるという意味からかなり無理した行事にもなりかねない、そういった面では公安当局、警察等の協力も仰ぐ必要がある、こう思っております。このように関係省庁等の御協力が必要になってくると思うのですが、これについてどうお考えになっておりますか。
○大塚(秀)政府委員 行事の具体的な内容は都道府県の作成する基本計画で明らかにされるところでございますが、ただいま先生御指摘のような問題が生じないように、基本方針において観光美化、環境問題、道路交通の円滑化に配慮する旨の事項を記述いたしますとともに、それぞれの基本計画の実施に当たっては関係行政機関とも十分調整を図ってまいりたいと思っております。 また、危険な行事、それも世間の批判を浴びるようなものは対象にしないということになろうかと思いますが、事故等の問題が生じることのないよう十分注意して対処いたしたいと考えます。
○春田委員 ひとつ基本計画で綿密な計画を練っていただきたい、要望しておきます。 次に、通訳案内業法の特例制度についてお伺いしますけれども、運輸大臣が指定するこの認定機関、これは一体どこなのか。
○大塚(秀)政府委員 この法律案に基づきます特例に関します認定を実施するに当たりましては、個別の地域伝統芸能などに関する情報の集積が不可欠でございますので、指定認定機関としては、今回新設を予定しております支援事業実施機関を同時に認定機関にも指定するというふうに考えたいと思います。
○春田委員 この特例通訳制度、すなわち特例通訳案内業、すなわち特例ガイドさんでございますが、この資格を得るための条件というのがあると思うのです。どんな条件なのか。
○大塚(秀)政府委員 まず第一には、伝統的な芸能及び風俗慣習の分類及び分類されたそれぞれの起源、歴史、文化財としての価値などについて受講の完了によって認定したいと考えております。それから、それぞれの地域伝統芸能等の起源、歴史、文化財としての価値についての知識を有していることを試験により認定するものとします。最後に、必要な外国語の能力の認定でございますが、これにつきましてはスピーキング、ヒアリングの試験を実施して認定したいと考えます。
○春田委員 歴史、伝統の受講をして一定の試験をする、こういうことですね。この受講の際に教える先生、認定員というのですか、だれをお考えになっているのですか。
○大塚(秀)政府委員 今申し上げましたような内容からいいますと、一つは伝統的な芸能、風俗慣習、こういったものについての学識経験を有しておられる方、もう一つは外国語についての学識経験を有しておられる方、こういった方々、多分大学教授からになると思いますが、そういった方を委嘱したいと考えます。
○春田委員 この支援活用センターは一カ所ですよね。いわば地域伝統芸能というのは全国に相当あるわけです。学識経験者という御答弁ですが、外国語は別として、地域の伝統芸能というのはそういった特定のいわゆる学識経験者がすべて精通しているのかどうか心配するわけですよ。むしろ、先ほど文化庁の方から御答弁いただいたように、いわゆる教育委員会の方々の方がそういった地方のいわゆる地域伝統芸能というものにははるかに精通している。それは大丈夫ですか。
○大塚(秀)政府委員 先ほど申し上げましたように、その認定を受けた方が案内する地域の伝統芸能だけではなしに、それより、より基礎知識でございますが伝統芸能一般ということも必要でございますので、その両方の兼ね合いもございますけれども、これから認定申請が出てくる場合によっては、そういった地域の伝統芸能、ある部分に関しての専門家ということも、これは試験問題の作成とか講習のテキストの作成に委嘱するのか、あるいは実際の試験そのものに立ち会っていただくか、これはもう少しただいま先生御指摘の点を踏まえて検討させていただきたいと思います。
○春田委員 当然すべてに精通する先生がいればいいのですけれども、全国北は北海道から沖縄までのそういった地域の伝統芸能というのはいろいろな深い歴史がございますから、そういった意味ではやはり一般的なそういった伝統芸能、歴史とともに、地域のそういった歴史については別の方の先生を仰いで受講させていくということも大事ではないかということを踏まえていただきたいと思います。 このいわゆる特例ガイドの方たちがそういった資格を得るために受講する外国語の試験がある、こういうことでございますが、この受講料とかいわゆる試験料といいますか、これはどれぐらいと考えているのですか。
○大塚(秀)政府委員 認定に関します手数料につきましては、現在のところまだ決めておりませんが、現行の通訳案内業の手数料に比べて認定申請者に過重な負担をかけないように配慮したいと考えております。
○春田委員 現在の通訳案内業の方が六千六百円です。これより安いということですか。
○大塚(秀)政府委員 こういうものを勘案して、これより過重な負担にならないように考えたいと思います。
○春田委員 何か意味のわからない答弁でございますけれども、例えば通訳案内業では再交付とか書きかえの手数料が三千三百円となっております。特例ガイドはこちらの手数料はどうなりますか。
○大塚(秀)政府委員 受験手数料、再交付手数料とも、私が申し上げましたように、従来の通訳案内業に比べて過度な負担にならないということが前提だと思います。
○春田委員 特例ガイドはボランティアではないと思うのですが、報酬は幾らぐらいと考えているのか、通訳案内業と比較して述べてください。
○大塚(秀)政府委員 これは特に規制がございませんので、その地域あるいは通訳案内の内容等でケース・バイ・ケースで決まってくると思いますが、もしそれが利用者にとって過大な負担になるとかいろいろ問題が出ましたら、我々が行政指導しなければならないと思います。
○春田委員 報酬の額は自由であるといっても、やはり特例ガイドの方たちは通訳案内業の方に比べて安いというのが相場になってくると思うのですね。そういった面から考えたら、やはり受講料といいますか認定料といいますか、手数料も当然通訳案内業と比べて安くすべきである。報酬が全く一緒で、要するに試験のそういった内容も非常に厳しくて、そして資格も同じような資格が与えられれば私は手数料は同じでもいいと思うのですが、一定期間、特定地域のみの特例ガイドでございますし、そういった面では十分そういった手数料については御配慮いただきたい、さらに要求しておきます。 この特例ガイドの方たちは、社団法人日本観光通訳協会に加入できるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 日本観光通訳協会は公益法人であり、まだこういう制度がございませんので、現在の規約上はそういうことを予想しておりません。しかし、こういう認定案内業者が出てまいって、それも会員にするということになれば規約の改正になると思います。私ども、特にそれを拒む理由はないと思っております。
○春田委員 この受講料と認定料が入った場合、これは全部この機関に入る、そう考えていいのですか。
○大塚(秀)政府委員 代行機関でございますから、そうなります。
○春田委員 もし認定機関が業務停止処分を受けた場合、この業務停止処分の中でも取り消し処分を受けた場合は認定事務はだれが行うのですか。
○大塚(秀)政府委員 これは代行機関でございますので、そういう場合にはもとに戻って運輸大臣が行うということになります。
○春田委員 運輸大臣が行うということですね。その場合、この受講料、認定料はどこに入っていくのですか。
○大塚(秀)政府委員 その場合は、認定を行う国に入ってまいります。
○春田委員 この認定機関は公益法人でありますが、この認定機関の事業計画、事業報告またこの収支の予算、決算等については公表されるのかどうか、お答えいただきたい。
○大塚(秀)政府委員 これは運輸大臣の認可事項に保っておりまして、必要なものについては公表することも考えております。
○春田委員 必要なものについては公表する。今言った事業計画と報告、収支の予算と決算についてはどうなんですか、はっきりしてください。
○大塚(秀)政府委員 その事業計画、収支予算につきましても、必要に応じこれを公表することについて検討させていただきたいと存じます。
○春田委員 本来、運輸大臣が行うべきその職務を、職権を代行してこの認定機関がやるのですから、非常に公的な機関というか、公的な性格を有している、こう思います。したがって、私は公表すべきであろうと思いますし、運輸大臣としても定期的に帳簿等の検査も必要であろう、こう思いますが、どうお考えになっていますか。
○大塚(秀)政府委員 当然、代行機関として適正な運営を確保するために定期的に監査をしなければならないと思っております。
○春田委員 それでは、あと具体的な問題につきましては同僚議員が質問しますので、私はもう一つの問題を残りの時間やらせていただきたいと思いますが、最後に大臣に、この法案、地域伝統芸能を生かす、観光の振興、商工の振興、農村の活性化、この趣旨はわからないわけではないのですけれども、憲法の問題といいますか、環境問題、治安問題をも含み、私はより厳格に、より慎重に取り計らってもらいたい、このように強く要望する次第でございます。 大臣の強い決意を聞いて、この問題については終わりたいと思います。
○奥田国務大臣 地域おこしにつながる、また国際交流に役立つ、そういった形では将来において大変期待している法案ではございますけれども、特に先ほど来の委員の御質疑の過程にございましたように、宗教色、政教分離の原則をよく踏まえた上でこういった形の行事を認めていきたいと思っております。
○春田委員 それでは、残された時間が十分少々ございますので、旅行業法に係る問題として、せんだっても当委員会で質問がございましたけれども、株式会社ミヤビワールドツアーズ倒産事件につきまして私なりの質問をさせていただきたい、こう思います。 大阪市に本社を置きますこの旅行代理店ミヤビワールドツアーズが本年三月十七日、事実上倒産しまして、予約のお客さんが約七千人、被害総額八億円という旅行業界では考えられない大変な巨額の被害を受けたわけでございます。ゆとりの時代を迎えて、余暇社会の充実を図る上で旅行は大きな比重を占めていることは論をまたないのですが、こうした流れに悪乗りしての詐欺まがいとも言える今回の事件を許すわけにはいかない。私は、監督官庁としての運輸省の責任が強く問われるところであろうと思います。 さて、この企業は顧客確保のために会員制度を設けて得意客の確保に努めておりましたけれども、顧客誘引について旅行業法に問題はなかったのかどうか、限られた時間でございますから、ひとつ簡潔にお答えいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 旅行業法においては、旅行業を営む者の適正な連営を確保することによって旅行者の利便の増進を図ることを目的として、登録制及び三年ごとの更新を義務づけております。 また、登録及びその更新においては、資本金、営業保証金等が確実に旅行業法で定めている最低限度を上回っていること等について厳格な審査をしているわけでございます。 特に、利用者といいますか旅行者の保護のために、営業保証金、旅行業協会に入りましたときには弁済業務保証金になるわけでございまして、これが一番中心になりますが、たまたま今回の場合は大変詐欺的と申しますか、前例のないような手段で多額の金を集めたということで今までに例を見ない多額な債務が残ったということで、従来の仕組み、保証金ではカバーが十分できないという状況になっているわけでございます。
○春田委員 大変な詐欺まがいの商法をやっているわけでございまして、消費者は倒産の前日までツアーの申込金をするようにということで、お金を集めた。翌日電報で倒産という本当に悪らつな商法をやっていたわけでございまして、業者仲間の間でも、また関係の業界の中でも、この問題については半年前から、非常に問題である、支払いが滞っている、そういったことで経営内容は非常に悪化しておることも情報を得ておるのです。 それから、旅行業協会でも調査を行っていたと言われるのですけれども、今言ったように直前までお金を集めている、消費者が知らない、こういった面で、消費者が非常に情報を知り得ないという点で問題があったんじゃなかろうかと私は思うのですが、運輸省としてはそういった報告を受けていたのかどうか、お尋ねしたいと思うのです。
○大塚(秀)政府委員 私どもとしては、今回倒産をするまで全く報告を受けていなかったわけでございます。まことに遺憾な事件でございますが、意図的に集められた金ということで、今まで旅行業者の倒産その他にはなかったようなケースが新たに発生したものと認識しております。
○春田委員 現行の旅行業法における弁済制度というのはあるのですが、登録の開業時に営業保証金として三千七百五十万円を供託する。営業所が一カ所ごとに三十万円ですか、上積みされる。一年を経過した後、日本旅行業協会に供託金の五分の一でございます七百五十万円を供託すればいい。営業所は一カ所増すごとに五万円という形になります。事故が起こったならば三千七百五十万プラス営業所掛ける三十万がそういった弁済金として還付される、こうなっているわけでございますけれども、今回、今言ったように被害総額が大体八億円ぐらいと言われているのですね。それで営業所がここの会社は二カ所でございますから、三千七百五十万プラス三十万掛ける二とすれば三千八百十万ですか、これが還付金になるわけです。 これではどうしようもないのですが、私は、営業保証金についてはやはり営業実態といいますか営業の規模に応じて供託金も上げるべきではないかと思います。これからどんどんサービス産業が非常に伸びてくる中で、私は一つの教訓としてこの弁済制度をもっとしっかりしたそういった制度に確立すべきではないか、こう思っておりますけれども、運輸省としてはどうお考えになりますか。
○大塚(秀)政府委員 先生ただいま御指摘の旅行業協会にその会員が納める分担金と補てんのための弁済業務保証金というのは、保険料と保険金のような関係でございますので、保険料を上げて保険金の額を増やすかという問題につきましては、一般の旅行業者にとっては今回が異例のことで、そういう異例な業者のために保険料を上げるのかという問題もございます。 そこで、私どもこれが異例なのか、また、保険料を上げるとか保険金に当たる弁済用の保証金を上げるよりも、もっと旅行業の仕組みとして、例えば予約金の納付と旅行を実施する時期というものを短くしてお金がたまるのを防ぐとかそういう方法で解決できないか、もちろん弁済業務保証金の問題もあわせてこれから旅行業協会の中で関係者で検討を進めてもらおうと思っているところでございます。
○春田委員 この会社は昨年の八月時点では年商百億円ぐらいの売り上げをしていた、こいうことでございますから、被害額も相当やはり大きいのですね。しかもこの申込金というのは大体普通一割みたいですけれども、この会社はもう一カ月以上前からほとんど全額納めなさいという形になっていたみたいでございまして、こういった納付方法についても問題があろうかと思っております。 さらに、この保証金の還付を受けるための手続が非常に複雑で難しい。例えば債務者の印鑑が必要であるとか、先着順に支払うという形になっているのですね。私は、こういった点はやはり改善する必要があるんじゃなかろうかと思いますけれども、どうお考えになっておりますか。
○大塚(秀)政府委員 社団法人日本旅行業協会の弁済業務保証金の還付を受けるに当たりましては、同協会に対し債権の認証の申出書を提出する必要がございますが、みずからの債権を証明する書類は領収書では足りないこととしているなど、一般消費者にとっては還付の手続が複雑過ぎるという御意見が今回あったことを承知しております。 この点につきましては、認証手続の確実性と救済の迅速性、この両方の要請のバランスを考慮する必要があるのではございますが、今後他の同様の立法例などを参考にしつつ、いかにすれば消費者の保護が進むかという観点から見直しを進めていきたいと考えております。
○春田委員 この問題については先ほど答弁のあるとおり、運輸省も倒産の直前まで何の情報も得ていなかったということでございますが、現在の旅行業法は消費者にとっての観点が非常に希薄であります。旅行業者に対しては経営の情報公開を今回の事件を一つの契機として業務づけるべきではないか、そう思いますが、運輸省はどうお考えになりますか。
○大塚(秀)政府委員 旅行業者の経営状況につきましては、運輸省において登録の更新の機会などを活用してその把握及び改善の指導に努めているところでございますが、経営状況の開示を旅行業者に義務づけることについてはなおいろいろ検討すべき問題もあろうかと思います。 ただ、登録の更新回数等旅行業者の経営の安定性の指標となるものについては、今後その公開、つまり今までどれだけ更新して継続してきたかというようなことを利用者の方がわかるような方法を考えていきたいと思っております。
○春田委員 最後に大臣に一言コメントをいただきたいと思うのですが、時短の促進、週休二日、学校五日制、こういったことで非常にレジャーといいますか、余暇の過ごし方がこれから加速化されてくるわけでございまして、一億総レジャー時代に入ってくるのではなかろうかと思っております。 そういった面では今回の事件というのは将来に対する大きな教訓である、そういったことで運輸省としては万全の対策を講ずべきことを今回の事件を通してひとつ決めていただきたい、こう思っておるわけでございまして、大臣の御決意をいただいて、私の質問は終わりたいと思います。
○奥田国務大臣 確かに余暇時代と申しますか、そういった時代が到来していることは大変喜ばしいことでありますけれども、反面、こういった旅行業者が出るという形になると、これはもう旅行者、消費者にとってみると、旅行業者は、当然信用すべき業者がこれくらいの多数に大きな被害を与える、倒産前日まで金集め、人集めをやっておったというような状況は、もう常識では考えられないくらい悪質な事件であります。 そういったことで、先ほどから先生も御指摘のように、これは二度とあってはならない教訓でもありますし、今後の旅行を希望される消費者にとって本当に不愉快な、監督官庁としてもまことにこれは情報不足だけでおわびできないくらいの厳しい反省が必要でございます。したがって、先ほど来弁済保証の限度額等々についてももうお触れになっておられましたが、こんな悪質なやつが何回も出られたんじゃかなわぬですけれども、ただ、果たしてこういった保証金、積立金の五倍という弁済保証額の限度でいいのかどうか、このことはまた大いに検討する必要があるのじゃなかろうかと思っています。 大変たくさんの被害者の皆さんにこういった状態、事件を巻き起こした監督責任者として大変残念に思うと同時に、遺憾に思い、おわび申し上げたいと思います。
○春田委員 終わります。
○久間委員長 山口那津男君。
○山口(那)委員 春田委員の質問に関連をいたしまして、私の方からは政教分離等の原則との関係について御質問をさせていただきます。 本法律は、地域伝統芸能等をいわゆる地域おこしのために活用しようという趣旨でありますから、その趣旨自体は大いに望ましいことでありまして、私も賛同をいたすものであります。しかし、この地域伝統芸能等には、宗教あるいは信仰とその生々発展あるいはその保存のさまざまな段階で非常に深い関係があるものがあるわけでありまして、それらのものについては憲法の政教分離の原則、ひいては信教の自由を確保する、こういう大事な原則とのかかわりが問題とされるわけであります。 そこで、慎重な法律の解釈及び運用を期待したいと思うわけでありますが、いわゆる地域伝統芸能に当たるものの一例として、諏訪大社で行われている御社祭、先ほど春田委員の方からも引用されておりましたけれども、この祭りは、その観光あるいはその地域の商工業の振興にとっては現在でもかなり有名でもあると同時に、非常に活用もされており役に立ってもおるという現状だろうと思います。しかしながら、現行法のいわゆる文化財保護法あるいはその他の法令によりまして(今のところ保護の対象にはなっておらないようであります。それは、この祭り、この伝統芸能に何らかの性質があるからだろうと思うわけでありますが、現在のところ保護の対象になっておらないその理由は何でしょうか。
○渡邊説明員 諏訪大社の御社祭でございます。大変歴史の長い行事であるように伺っておりますが、先生御指摘のとおり、現在のところ文化財保護法上の無形の民俗文化財として国も地方公共団体も指定はいたしておりません。 文化財保護法上、無形の民俗文化財についてさまざまな保護措置を講じている中で指定措置を行っているわけでございますが、我が国民の生活、文化の基本的な部分に深く根づいているということで、全国的に見て代表的なあるいは典型的なもの、そういうものを指定し、保護を図っているわけでございます。 御柱祭につきましては、その行事の態様あるいは参加者がかなり大多数というか、ほとんど氏子の方であるというような宗教的色彩の問題もございます。そういう意味におきましても、無形の民俗文化財として国として今後保存、伝承を図る目的で指定をするということにはなじまないのではないかということで、現在いたしておりませんし、また全国的ないろいろな観点からの調査も必要であろうと思っております。そんな理由で、現時点では指定はいたしていないところでございます。
○山口(那)委員 先ほど同僚議員の質問に対する答弁の中で、いわゆる津地鎮祭に対する最高裁の判決の中の目的効果説というのが引用されておったようでありますが、これは司法府の判断でありながら行政府も原則としてこの基準に沿っていくという、こういう御判断だろうと思います。 さて、その上でこのいわゆる目的効果説に立った場合に、今言われた御社祭、宗教性の点の指摘があったようでありますが、この基準に照らした場合に、果たしてどういう点で問題があることになるのか、その点の御見解を承りたいと思います。
○渡邊説明員 先生御指摘の最高裁判決なども私どもいろいろ十分勘案をさせていただきながら、もちろん文化財保護法の執行に適正に当たっているわけでございます。 ただ、この御社祭のどの部分が直接この判決のどの部分に触れるかというようなところまでは正直言って私ども調査は不十分でありますが、先ほど申し上げましたように、やはり国として保存を図っていくということ、将来に向かって継承していくということになりますと、その祭りあるいは芸能の担い手である方々、あるいはそれを取り巻く社会環境といったものを総合的にいろいろ判断をしていかなければなりません。そういった観点で、現在のところは指定をいたしていないということでございます。
○山口(那)委員 必ずしも明確な回答ではありませんが、この最高裁の基準が一般的になっておるということでありますから、この当てはめとしてそれぞれの宗教性のあるものについての具体的な判断、例えば目的がどうなのかあるいはその効果が、いわゆる特定の宗教に対する援助、助長等の効果があるのか、そしてはたまたその他の宗教に対する圧迫、干渉等の効果があるのか、これはやはり具体的に論証するということがなければいけないわけであります。その点で、さまざまな判決も、それから過去の答弁も甚だ説得力を欠いているというのが私の印象であります。 さて、そこで確認的に伺いますが、本法で言う地域伝統芸能の概念と、それからこれまで文化財保護法等で言われてきたいわゆる民俗文化財と言われるものの定義といいますか、観念の異同、どこがどう違うのか、それをお答えいただきたいと思います。
○渡邊説明員 この法律案におきます地域伝統芸能等は、地域の民衆の生活の中で受け継がれ、その地域の固有の歴史、文化等を色濃く反映した伝統的な芸能と風俗慣習であるということになっております。一方、文化財保護法におきます民俗文化財、特に無形の民俗文化財が関係があるわけでございますが、衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能で、そのうち我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないものという定義づけになっております。 したがいまして、この法案におきまする地域伝統芸能等のかなりの部分が民俗文化財に該当するというふうに思っております。ただ、概念的には外れる部分もあるということで、それには、ある程度概念的になりますが、比較的成立の時期が新しい民俗的な芸能でありますとか、あるいは民俗芸能の中でも無形の民俗文化財に当たらないものでありますとか、あるいは無形の民俗文化財に当たらない風俗慣習といったようなものが概念的には含まれるというふうに理解をしております。
○山口(那)委員 今のお答えですと、大部分は民俗文化財と重なるものである、そして現に文化財保護法等で指定を受けておる、こういうものが大部分であるとすれば、既に法律上のいわゆるフィルターにもうかけられたものが本法の対象となっていくわけでありますから、その点ではさほど問題がないのかもしれません。 そこで伺いますけれども、現行法のもとで、例えば文化財保護法あるいは日本芸術文化振興会法等の法令で文化財保護の対象となっているものが、宗教あるいは信仰と非常にかかわりが深いというものもあろうかと思います。そこで、政教分離の観点からこれらを指定の対象とするか否か、これをどういう基準で選別をされておられるのでしょうか。
○渡邊説明員 お答えいたします。 先ほど私、地域伝統芸能等と民俗文化財を申し上げましたが、必ずしも指定されているものには限りません。指定をされているものは、民俗文化財の中でまたかなり限られた部分であるということで、それだけをちょっと補足させていただきます。 その民俗文化財の中の宗教的な色彩を帯びているものについてどういう取り扱いをしているのかということでございますが、信仰あるいは年中行事に関します風俗慣習というものを民俗文化財としてとらえておりますので、どうしても宗教行事とのかかわりというのは深いものも少なくない現状でございます。文化庁といたしましては、これの中から重要なものを重要無形文化財に指定をいたしているわけでございますが、その指定に当たりましては、いわゆる我が国の生活、文化あるいは芸能といった文化財的な価値の観点に着目をして指定いたしているわけでございます。 宗教的な性格を有します無形の民俗文化財につきまして指定をして保存、伝承をしようとすることになりますと、信仰に関するものというのはかえって人々がそういう面にかかわり過ぎる面がおのずと出てまいります。そういうことから、指定の制度にはなじまない部分もかなりあるのではないかというふうに考えております。 そういう観点で、宗教的な性格を有するもの、かなり多いわけでございますが、文化財として指定するに当たりましては、宗教的な色彩というものが非常に色濃いという部分については外していくとか、そういうことで文化財保護の趣旨に沿った措置をとるようにいたしております。 ただ、これらのものの中には今一概に申せない部分もございまして、本来の信仰的な要素がかなり薄れているというようなもので、現在ではむしろ芸能的な要素であるとかあるいは年中行事的な地域の楽しみのようなものになっているという部分もこれまた否定できないものでございますので、そういう意味で宗教的な色彩というのは大変多種多様であろうと思っております。 そういうことから、文化財の指定に当たりましては個々具体の事例に即しまして、どういう人が参加をしているかあるいはどういう人がそれをリードしているかあるいは次第でありますとか順序でありますとか、そういったことを総合的に判断をいたしまして、慎重かつ適切に指定作業を進めているというのが現状でございます。
○山口(那)委員 宗教性が薄いとか濃いとか、あるいは強いとか弱いとかというのは非常にあいまいな基準でありますから、もっと具体的な、明確な基準がなければ正しい選別はできないはずであります。その点で、今の御答弁ではまだ物足りないところがあるように思います。むしろ、先ほど引用されておった津地鎮祭の判決の方がもっと立ち入って基準をいろいろと述べているわけでありまして、もっと突っ込んだ検討が望まれるところだろうと思います。 さらにつけ加えるべきところはありますか、文化庁さん。
○渡邊説明員 重要無形民俗文化財の指定に当たりましては、これまでも私ども慎重に扱ってまいりました。特に宗教に関連するものが大変多い現状から、やはり私どもは文化財としての価値に着目をして指定をし、それを後世に伝えていくというのが使命でございますので、そういう観点に立って、ただいま先生の御指摘のありました津の判決なども十分頭の中にそしゃくをしながら、これからも慎重に運営、運用をしてまいりたいというふうに思っております。
○山口(那)委員 さて、先ほどの定義でもあらわれておりましたが、民俗文化財の中で、国または地方公共団体のレベルで指定の対象となり得るものというのはある程度特別な価値のあるものであろうと思いますから、民俗文化財であってもすべてが指定され得るというものではないわけですね。 しかし、それがこの本法で言うところの地域伝統芸能等として活用され得る可能性はあろうかと思います。それからまた、比較的成立時期の新しいものについては、現在のところ文化財保護等の指定の対象にはやはりなり得ないだろうと思います。しかし、これも地域伝統芸能等には含まれ得る、そういうことでありますから、民俗文化財で指定の対象となり得ないものでありながらその地域伝統芸能であるものについては、運輸省がこれに対して、その宗教あるいは信仰とかかわりの深いものについてどういう基準で選別をしていくのか、この点について御答弁いただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 これは、一つは神官とか僧侶など宗教内部の者が中心的役割を果たしているような行事、また進行が宗教上の教義にのっとって行われるような行事、さらに特定の宗派の信徒以外の者の参加が許されないような行事、これらは「民衆の生活の中で受け継がれこというこの法律の定義に照らして、本法の対象としては適切ではないのではないかと考えております。
○山口(那)委員 今、るるお話がありましたが、先ほど申し上げられた津地鎮祭の判決の基準、それとの関係についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○大塚(秀)政府委員 基本的には、地域伝統芸能等の中には、祭礼、神事の際に、地域住民の参加によって行われる行事で伝統的な風俗慣習となっているものが多くおり、それらも本法の国等の支援措置の対象となり得るものと考えております。 ただ、本法の運用に当たって、政教分離の原則を壊すおそれが生じないように十分配慮することとしまして、このため、先生の御指摘のように、宗教行事と関係するものにつきましては、原則として文化財の指定を受けたものまたはこれに準ずるもの、先生先ほど指摘されましたように、文化財としてはまだ年代が浅いがこの法律の対象になるようなもの等でございますが、それを活用行事の対象としたいと考えているわけでございます。
○山口(那)委員 今、文化財あるいはそれに準ずるものとお話しになりましたが、準ずるものというのを今のように御理解されますと、結局はその地域伝統芸能等の対象になるものすべてというふうになろうかと思うのです。何ら絞りにはなっていないように思うわけでありますけれども、その準ずるものの範囲というのをもうちょっと明確に言っていただけますか。
○大塚(秀)政府委員 文化財に準ずるものということではなしに、指定を受けるものに準ずるものというようなつもりで申し上げたわけでございます。 それで、準ずるものというのは、一つは、本来なら文化財の指定も受けるであろうが、文化財についてはある程度、私が聞いておりますのに、三代、九十年程度の継承が必要ということでございますが、本法ではもう少し年代が浅くてもいいのではないか。それから、現時点で指定の準備段階だというような、前段階というようなもの。それから三番目に、同じ種類のものが複数あるときに代表的、典型的なものだけを指定するというようなことがあって、指定されたものと同じ種類ですが、別なところでは指定されていないという、踊りなんかでそういうものがあるようでございます。それから、これは当然指定されるべきだけれども、文化財保護法上の管理等の手続がいろいろあるのでこれを回避したいということで指定を受けたくないといいますか、指定を受けないというようなものもある。こういうものはやはり本法で、だからといって除外することはないので、ただ、それが文化財の指定のときと同じように政教分離の判断についてはそういう観点から物を見るというつもりでございます。
○山口(那)委員 ちょっと話がそれてしまったのですが、本来の質問に戻しますと、地鎮祭の判決の中では、目的効果のその効果というところ、ここの判断が私は非常に重要だと思っておるわけであります。例えば主宰者がどうかとか、特定の宗教儀式にのっとっているかどうかという外形的、形式的な基準だけではなくて、それが特定の信仰あるいは宗教を信仰する人にとってどのような効果をもたらすか、そして、それ以外の方々にどういう効果をもたらすか、ここの厳密な検討が私は必要なんだろうと思います。そういう基準に対してどのようにお考えになっておられますか。
○大塚(秀)政府委員 現段階では先ほど申し上げましたようなもののほか、実施主体として宗教団体が中心的な役割を果たしていないというようなものも入ると思いますが、その地やはりケース・バイ・ケースで、文化庁等とも十分相談して文化財の指定の例に倣って慎重に対処しなければならないと考えております。
○山口(那)委員 そこで、本法の四条二項五号、ここで「地域伝統芸能等のうち文化財であるものの保存に関する事項」という規定がありますが、この面では地域伝統芸能と文化財保護の対象とが重なる部分、つまり、既に文化財の指定を受けておって、そして地域伝統芸能としても活用する、こういうものがあろうかと思います。この点で、両方の法律の目的は異なるわけでありますから、文化財保護の現行の保護の仕方を見てみますと、これはある地域伝統芸能、あるお祭りの、必ずしも全部とは限りません、そのうちのある部分だけを対象として保護する、こういうものもあるわけですね。 例えば、本法の適用に当たって、各自治体から活用してほしい、そういう要望の出ているものが上がっております。その中に長崎くんちというのがあるわけですが、これは既に文化財保護として国の指定を受けているものであります。国のその指定の対象としてはこれは長崎くんち全部ではなくて、長崎くんちの奉納踊りというのが指定になっているわけですね。そこで、この文化財保護ではこういう部分的な保護というのが可能である、そして、宗教性の強いところとそうでないところを分離することが可能である、こういうふうに思います。 しかし、本法におきましては、むしろ地域活性化のためには宗教性のある部分も含めてトータルとしての、お祭りの全体性というものもあわせて保護あるいは活用した方が効果が出るというような観点もあるかもしれません。しかし、その場合に政教分離との微妙な関係も出てくるわけでありますから、文化財保護で保護の対象とする範囲よりもこの法律で保護する場合の方がやや保護の範囲が広がってくるのではないか、こういうふうにも懸念されるわけであります。この点について明確な御答弁をいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 いろいろなケースがありますので、この場で一律に申し上げるのも困難かと思いますが、地域伝統芸能等のうち、祭礼、神事につきましては、神官、僧侶など宗教内部の者が参加し、中心的役割を果たしている、そういった理由で宗教色の強い行事の部分がその中に存在するものもあると思います。これらについては、政教分離原則を徹底する見地から、文化財指定における運用と同じように、その部分は本法案の支援対象としないということもできると考えております。
○山口(那)委員 例えば、神社仏閣の施設の中で非常に信仰と強い関係を持った行事が行われる、そして、同じその場所で今度はもっと芸能的な、一般の人にも公開され得るような展開がなされる、こういう行事があったとします。それが連続して同じ場所で行われているということで、この点はなかなか微妙な点があろうかと思いますが、こういう行事があったとした場合に、仮定の質問で甚だ恐縮でありますけれども、どのようにお考えになるのでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 大変難しゅうございますが、常識的に言えば、それに参加する市民が分離して考えられるかどうかというのが一つの基準になるのじゃないかと思われます。
○山口(那)委員 以上、るる述べてまいりましたけれども、この宗教にかかわる部分というのは非常に微妙な、内心にかかわる重要な、憲法上の権利に裏づけられたものでもありますので、ぜひとも慎重な運用をしていただき、かつまた、本法の趣旨が十分に生かされますようにぜひ運用の適正を図られたいと思います。 最後に、大臣にお伺いしたいわけであります。 この法律の中で、いわゆる法律事項といいますか法律に規定がなければ国が実施できないものというのは、先週五月十二日の地方行政委員会でも私は同じ質問をしたわけでありますが、それに対する答弁によりますと、これは本法の中では中小企業に対する保険の適用の問題あるいは通訳の認定の緩和の問題ぐらいでありまして、数は甚だ少ないわけであります。それから民法法人の設立に対するものもあるかもしれませんが、それじゃ国が具体的に何をやるのかという点になりますと、例えば起債に対する特別な配慮というのがありますけれども、これは「法令の範囲内」でやるということでありますから、「法令の範囲内」で何か特別な配慮が具体的に、起債をしやすくなるとかどうなのかという点については甚だあいまいであります。それから、助言等のほかに「その他の援助」という規定がありますが、これは七条の一項でしたか、これについても、これが直ちに財政的な措置の根拠になるとは到底解釈できないわけでありまして、国が一体どんな支援をするのかということは明確ではないわけであります。 そこで、果たしてこのような法律がなければ地域の伝統芸能を活用していわゆる地域おこしというものができないものなのかどうか、この点については若干の疑問がございます。 そこで、先日の地方行政委員会でも、自治大臣が本法の主務大臣のお一人でありますので質問したわけでありますが、塩川自治大臣は、かねてから日本では法律の数が多過ぎるという御意見の持ち主であります。そして答弁の中で、本法についても果たして必要なのかどうかという点について閣議でも疑問を挟んだ、しかしながら他の閣僚には入れられなかった、このような発言もされております。そして、最近の新聞報道によりますと、実効性を失った法律を大いに整理しよう、その根拠としては、内部的な政令や省令でいいものまで法律化されているとか、閣議決定で済むような政策の基本方針まで立法化されているとか、本来は予算措置だけで済む補助金制度まで一々法律があるからではないかとか、さまざまな見解があるようでございます。 塩川自治大臣のそういう御見解ではありますが、運輸大臣として本法の必要性とその実効性についてどのような御見解をお持ちであるか、お答えいただきたいと思います。
○奥田国務大臣 確かに塩川大臣の持論でもありますし、私も全く同感でありますけれども、実効性を失った法律がたくさんある、ある意味においては日本は法律の匪賊のような国ではないかという悪評さえあるくらい各省の法律が多いということの実態は事実であります。 ですから、私たちもできるだけ、各省がそれぞれの形で出す法律じゃなくて、こういったある程度のモデルになるような、各省庁がお互いに補完し合って実効的な効果を上げていくという意味においては、この法案は確かに形は小さくて具体的な資金支援策においては何か具体性を欠いておるというように見られますけれども、私は、いろいろな意味においてこの法案の持っている意味は大きいなと思っております。 特に、この法案の意図するところは、伝統芸能、文化のイベントを通じて地域のにぎわいを興しながら地方のいわゆる産業振興にも役立ちますし、ある意味においては国際交流の理解の促進にも役立つという一石二鳥、三鳥をねらったという形、そして各省庁が持てる力をこのイベントを成功させるために力を合わせてやっていただけるということ、ただそこで、先ほど来の委員の御指摘のような、宗教色に関係なく参加できるイベントでありたいということも基本に据えながらやっていきたいと思っておるので、ほかのたくさんの法律で廃止すべき法律はあろうと思いますけれども、この法案は今後のいわゆる行政改革の趣旨に決して逆らっていないし、むしろ今後、法案の単一化、簡素化で各省庁が力を合わせて地方のいわゆる振興に貢献をしていこうというそのステップの法案であるということで御理解を賜りたいと存じます。
○山口(那)委員 先ほど政府委員から、小さく産んで大きく育てるという御答弁もあったようでありますが、ぜひとも今の大臣の御趣旨を踏まえて大きなステップにしていただきたい、このようにお願い申し上げて、私の質問を終わります。
○久間委員長 佐藤祐弘君。
○佐藤(祐)委員 この法案は、地域の伝統芸能、こういうものを活用した行事によって観光の振興や地域の商工業の振興を図っていく、そのための支援措置を講ずるということであります。 私たちは、この法案によっても、何よりも地域の振興発展が基本に据えられなければならないというふうに考えております。逆に言いますと、観光目的のイベントが先行して、地域伝統芸能の特色がゆがめられるとか自然環境が損なわれるということがあってはならない、そういうふうに考えておりますが、最初に、この基本的な点について大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○奥田国務大臣 私は、先生の御指摘でありますけれども、車の両輪だと思うのです。地方の風俗、生活、それの長年の結晶してきた伝統芸能、文化を生かしながら、もちろんねらいは地域の活性化、つまり地域商工業の振興にも役立ち、そしてなおかついわゆる国際交流、観光にも大いに寄与するといった意味合いにおいて、これらはまさに車の両輪となってこのイベントを通じてにぎわいを創出していくという形でございますから、決して矛盾しないのじゃなかろうかと思います。ねらいは、少なくとも最後のねらいはふるさとおこしであり、ふるさとの活性化につながっていく、そういった形で寄与したいと私は思っております。
○佐藤(祐)委員 今おっしゃったことに関連して、また後ほどもさらにお尋ねしたいと思っております。 文化庁にお聞きをしたいと思います。 まず、地域の伝統芸能、郷土芸能とかいろいろな言い方がありますが、多様でありますし、大変数も多い。一時期、一九六〇年代から七〇年代にかけてだと思いますが、減反政策で出稼ぎが急増するという時期には大変危機が叫ばれた。伝統芸能の危機ということが叫ばれた時期もあったと思います。しかし、その後Uターンとかという時期もありまして、村、町に帰った若者たちが何とか村を再興しよう、町を再興しようということで、村おこしとか地域おこしの運動が活発になりました。そういう中で伝統芸能、郷土芸能が見直されて復活していったというケースもあると聞いております。 同時に他方、この過疎化の進行とともに、伝承者がいない、そのために行事が行われなくなるというようなこと、あるいはそういう伝統芸能に必要ないろいろな用具につきましてもなかなかつくれなくなっているというようなこともあるのですね、わら細工などを含めまして。そういうことから廃れていっているというものも少なくないと聞いております。 両面あるということでありますが、そういう現状、それから文化庁としてどういう問題点があるというように考えておられるのか、まずそのあたりを御説明をいただきたいと思います。
○渡邊説明員 最近の民俗文化財を取り巻く状況がどうだというお尋ねでございます。 民俗文化財と申しますと、国民が日常生活の中でこれまで生み出して育て、そして受け継いできたそういう民俗芸能あるいは年中行事、祭礼等を指すわけでございますが、先生も御指摘のとおり両面ございます。 一つは、どうしても最近の農山漁村の過疎化でありますとか若者の都市への流出、あるいは生活様式が何といっても近代化してしまったこと、それは材料の問題にもあらわれてくると思いますが、資材の問題とか、あるいは工業化の進展等によりまして衰亡したり大変大きく変わってしまっているというようなこともございます。例えば一例を申し上げますと、今まで海の上で鯨を突くようなそういう行事が、舟に乗ってやるというようなものがあったわけでございますが、その舟のこぎ手である若者がどんどんいなくなってしまったということでできなくなってしまったというような例も私ども聞いているわけでございます。 一方、そういう悲観的な面だけではなくて、明るい展望といたしまして、先生の御指摘もございましたがUターンのような現象もあるし、あるいは余暇時間が大変ふえてきたというようなことを背景とします国民の伝統文化への志向の高まりといいますかそういう方面への関心が非常に高くなってきたという面もございまして、村おこしとか町おこしの中核としてこの民俗文化財が使われた文化活動が積極的に展開されているという例も聞いているところでございます。
○佐藤(祐)委員 私は民俗芸能の関係者の方とか自治体の文化財保護関係者の方々から実情と御意見も聞いたわけでありますが、今回の法案との関係で期待を持っておられる面と不安といいますか懸念を持っておられる面とがあるようであります。 今回の法案は、地域のいろいろな芸能あるいは風俗慣習、そういうものを観光に活用していくということですね。その場合に、人集めがしやすいといいますかそういうものはどんどん使われていく、そういう意味で役に立つものは使われていく。しかし、そうでないものは対象にされない。逆に言うと切り捨てられるといいますかそういうことになるのじゃないかという懸念が一つあるのですね。幾つもある中で一つが対象になって脚光を浴びていきますと、あとのものがかえって衰退していく、そういう問題、そういう懸念がある。 それからもう一点は、着目されて対象にされたものが、その場合にも本来のよさというかそれが十分に守られなくて、イベント化する過程でショー的になっていくとか、部分だけが取り上げられて服装も派手なものにされるとか、また結局それは伝統芸能のよさとは反するような方向に行く危険があるのじゃないか、こういう懸念をお聞きしたわけですが、こういう問題について文化庁はどう考えておられるのか、まずお聞きしたい。
○渡邊説明員 まず最初の、この法案の対象になります地域伝統芸能とそうでないものとの間で何か格差のようなものができるのではないかということでございます。この対象になったものがスポットライトを浴びて、それ以外のものが何か端っこの方へやられてしまうという御懸念だと思いますが、この法案の対象になる伝統芸能がどれくらいの数になるかというのはまだもちろん私どもわからないわけでございますけれども、いろいろな観点から見まして現在我が国の民俗芸能というのは相当の数に上っておりますし、都道府県、市町村、国会わせて文化財として指定しているものも五、六千の数に上っているわけでございます。 そういう指定の文化財につきましては、これからも文化財保護の立場から、現地公開でありますとか発表会に対する補助でありますとかさまざまな措置を講じることによりまして、決してそのようなことのないようにまた留意をしてまいりたいと私どもは思っております。また、取り上げられたものにつきましても、もちろん無形の文化財の場合には公開をしていくというのが保存のあり方の大きな態様の一つでもございますので、そういった面でも積極的に考えていきたいというふうに思っております。いずれにしても、地方公共団体に対してもこういうことについて十分配慮していくように要請もしていきたいと思っております。 また、二番目のお尋ねの、イベント化することによって文化財としての価値が失われていくのではないかという御懸念でございますが、そういう観点から私ども文部省もこの法案の中に主務大臣として参画をしているわけでございまして、先生御指摘のように確かにその行事の実施形態や方法のいかんによっては、芸能の上演の順序でありますとか内容、態様でありますとか衣装も今先生お話しのように大変華美になったり、それから所作もオーバーになったりというようなことがないように、そういうことで、この法律案では国があらかじめ基本方針を定めることになっておりまして、その中で文化財の保存のあり方を示すことになっております。また、都道府県がおつくりになります基本計画の中でも、市町村と十分協議をしておつくりになるということでございますし、また、国に協議をいただく際にも、私どもそういった観点から適切に対応してまいりたいと考えております。
○佐藤(祐)委員 今の点は運輸省にもお聞きしたいと思うのですが、一、二例を言いますと、例えば花巻温泉というのがありますね、あの地方では鹿踊りというのが各地に随分たくさんあるのですよ。それが、活用とは私は言えないと思うのですが、温泉場で使われている。それは民俗芸能の関係者に言わせますと、がっかりしちゃうと言うのですよ。本来のよさ、さっき大臣、たしか泥臭いものとか掘り起こすというお話もありましたけれども、本来の伝統的なよさ、土のにおいとかいろいろあるわけですが、そういうものがなくなってしまって安手のショーになってしまっている。今回の法案を具体的に進めていく場合にはそういう危険があると私は思うのですね。その歯どめがどうしても必要だと考えていますが、そのあたりはどう考えていますか。
○大塚(秀)政府委員 観光という言葉が高度成長期以来、比較的レベルの低いレジャーということで使われてきているということがあると思うのですが、私どもが進めておりますこれからの観光というのは、深く文化を知る、本当のよさを知る、そういう方向に行くのではないか。 したがって、今回の法律におきまして観光の振興と言っても、ただ人を集めればいいというのではなしに、そういった地域の伝統に根差した芸能や風俗慣習という本来のもの、本物に触れることによって皆さんが喜ぶという方向に持っていくべきではないか。そして、文化庁も入っていただいておりますので、残すべき伝統文化が変質することのないように考えなければならない。もちろん、伝統芸能の中にも時代の変遷によって徐々に改革されてきたものもあると思いますが、改革すべきでないものについてそういった今回のイベントの中で変質することのないようにチェックをしていく、そういう点では関係省庁でよく相談したいと思っております。
○佐藤(祐)委員 これもちょっと驚いた話を聞いたのですが、祇園祭というのは天下有名な行事ですね。日本の何大祭りに必ず入ります。あれも、鉾がありますね、これはかってはその地域地域の人たちが山車で引っ張っていくということだったのですが、京町衆とかいろいろな言われ方もするのですけれども、町の人が少なくなった地域では、中京区とかそのあたりなのですが、最近はアルバイトでやっているのだそうですね。これは京都府の文化財の担当者に聞いたのですけれども、アルバイトでやっていて、しかも外人のアルバイトもいるというのですよ。祇園の山鉾巡行が外人のアルバイトで動いているというのでは情けない話だなとも思うのですね。 だから、日本の伝統文化的な価値を持っているものを本当に守っていくことが大事で、今大塚さんの答弁もいただいたのですが、そういうよさがゆがめられないようにしていく具体的な保証といいますか、そういうものが必要だなと私は思うのです。 文化庁さんの答弁でもありましたが、法案では基本計画は都道府県が立てるわけですね。その場合に、主務大臣と協議するという際には市町村と協議しなければならぬというふうになっております。その際に、伝統芸能の当事者の皆さん、何々保存会だとかいろいろな形があるわけですけれども、そういう人たちの代表の意見をさらに十分に聞く、十分反映させていく、それが重要だと私は思うのです。ですから、実施の場合には具体的には実行委員会などをつくってそれが進むのですが、その前の基本計画を策定する段階からそういう保存会の代表とか自治体の文化財保護担当とかを協議のメンバーに加えていく、そういう方向で進めていく必要がある、進めていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 先ほども文化庁から、地方の教育委員会等にも協議があるであろうというお話がございましたが、基本計画を策定するに当たりましては都道府県は活用行事の実施主体から内容を徴する、この実施主体に保存会等も入る場合が多いかと思います。 それから、第四条第五項により関係市町村との協議を行うことになっております。また、第七条第三項により保存会を含む関係団体とも相互に連携を図りながら協力しなければならないこととなっておりますので、こういった条文によりまして関係の方々、保存会のような方々の意見が十分反映されるように運用していきたいと思っております。
○佐藤(祐)委員 私がその点を特に申しておりますのも、伝統芸能というのは長年日常生活の中でつくり上げられてきたものなんですね。その町、その村の人たちが守ってきた、育ててきた、そういうものでありますから、そういう人たちの意見がやはり尊重されること。もともとは見せ物としてつくったものじゃないのですよ。町の人たちがお互いに、最近の言葉で言えば連帯感、一体感、そういうものを確認し合うというか町を発展させていくという気持ちで、みずからが援助もする、用具もつくるという中でつくられてきたものでありますから、そこを大事にしていくという点で、そういう人たちの意見をむしろ土台にするぐらいのことでぜひ当たっていただきたいなと思います。 そういいますのも、例えばねぶた、七夕、竿灯とか、大きなお祭りがありますね。これがどんどん観光的にも発展してきている。全国からツアーを組んで見に行くとか、そういう発展はいい面もあるのですが、同時に、ちょっとどうかなと首をかしげざるを得ないことも現実に起きているのですね。それは、ねぶた一つつくるにも今は二百万とか三百万とか莫大な費用がかかるそうですよ。竿灯にしても、スケールが大きなものですからすごいでしょう。かつては町内会で出していたのですね。今は町内会だけでは出せなくなっている。大企業のスポンサーがなければ出せない。固有名詞を挙げませんけれども、大体大企業がスポンサーになって、今はコマーシャルつきの竿灯になってしまっている。やはりこれはちょっと違うのじゃないかという問題点なども生じているわけです。だから、今回のこの法案では、大体が観光資源として活用するということであるだけに、その辺をよく押さえていくことが本当に大事だなと感じるわけです。 そこで、関連してお尋ねしておきたいのですが、支援事業実施機関がつくられる。これは、財団法人とかいろいろ御説明がありましたからそこは繰り返しませんけれども、ここが事業主体に対して助言、指導、そしてまた資金の支給、援助、こういうことをやっていくことになっておるわけですが、援助とか指導という場合、どういうものを想定されているか、どういう限定の中でやろうとしておられるのか、これをお聞きしたいのです。
○大塚(秀)政府委員 例えば全国的な宣伝を行うのにどういう媒体機関がいいか、あるいは交通機関を活用してそのイベントの交通を便利にするにはどのような方法がいいか、そういった各地域の活用行事に共通に使えるようなノウハウを蓄積していくということを考えております。余りに活用行事そのものについての中身に立ち入るということは、先生御指摘のような画一化を招くということになりますので、その辺は十分注意しなければならないと考えております。
○佐藤(祐)委員 ちょっと今の答弁で大変気になるのですが、行事の内容に余りに立ち入ることは画一化を招くというような御答弁でした。そうしますと、かなり行事内容にも口を出すということですか。
○大塚(秀)政府委員 地域伝統芸能と行事というのはこの法律上別な概念でございまして、地域伝統芸能等を活用したイベントというのがその周りにあるわけです。このイベントというのはいろいろノウハウを提供する材料がある、ただ、伝統芸能そのものについては、果たしてそういうノウハウがあるかどうか、慎重に検討しなければ画一化を招くということで申し上げたわけでございます。
○佐藤(祐)委員 だから、画一化を招くようなことがあってはならないのは伝統芸能そのものなのですよね。それについては私は支援機関は口出しをすべきではないということを言いたいのです。それは一夜漬けで言えるものでもないのですよ、長年の歴史があるものですからね。しかし、ちょっとそこが懸念されるので、あえてそういうことをお聞きしたのですね。一方で金を出すということになっていますから、金を出すから口も出すのだというようなことになっていきますと大変損なう危険性があるということで、そこはそういうことじゃなくて、いつの時期がいいとか、そういうことで助言するというのはいいと思うのですよ。そこは厳格に区別してやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○大塚(秀)政府委員 ただ、これは支援実施機関ができまして、情報を収集し、提供する過程でいろいろなノウハウが蓄積されていくので、そういうものを見守らなければならないと思いますが、例えば地域伝統芸能等の器材、物資、そういうものについてあっせんするとかというようなことは、場合によってはこういった法人でもできるかもわかりません。 したがって、地域伝統芸能等に全く立ち入らないということになるのかどうか、画一化を招かないけれども、一方で地域伝統芸能等を保存するためのいろいろ人材の確保、物資のあっせん等において果たす役割もあるかもわかりませんので、その辺は先生の御指摘の趣旨を踏まえて慎重に対処していかなければならないと思っております。
○佐藤(祐)委員 そこはぜひ厳格にやっていただきたいというように、重ねて申し上げておきたいと思います。 若干また関連もするのですが、文化庁にお尋ねをしたいのです。 こういう伝統文化、伝統芸能を守っていくために、文化財の保護指定とかいろいろな措置を講じておられるということはわかるのですが、関係者の皆さんに聞きますと、やはり伝承者の問題、これが大きいわけですよ。笛を一つ吹くにしても、その特色を生かした笛が吹けるようになるには短期間では無理だとか、太鼓にしましても、太鼓なんというのは最近東京の町場でもかなり盛んになってはきているのですが、ですから、そういうものの講習会とかというようなことの希望がかなりありますし、現に地方によっては自主的にそういうものをやっておられるところもあります。そういう具体的な援助といいますか、それが私は求められているというふうに思うのですね。 その前に、そういうことでいえば、先日文化庁にお聞きしましたら、そういう郷土芸能的なものは全国に八万あるとも言われているし、二万だとも言われているというような大変幅のあり過ぎる状況認識なのだけれども、一度やはりこれは調査をする必要があるのじゃないか。実は一九七七年から十年ぐらいかけて民謡については調査をされたことがあるのですね。その結果を聞きましたら、三十道府県だったかで、民謡の曲数が十一万曲、そういうことも調査の結果わかったというのも聞いたのです。ですから、そういう実態を本当に把握するための調査もこれはやる必要があると思いますし、そういうものを保存、発展させていく上での具体的な援助の手だて、そこをさらに検討していただきたい、推進していただきたい、そう思いますが、いかがでしょう。
○渡邊説明員 無形の民俗文化財の調査につきましては、ただいま先生の方からいろいろ御指摘ございましたけれども、これまでも国として継続的な調査は幾つかやっております。その中で私どもは、指定をして保存をしていく上でも調査というのはどうしても不可欠なものでございますし、全国的なレベルで指定をするという観点からも必要であるということで、これは引き続き継続して調査をし、さらにはきちっと記録を残しておくということも大事だということで努力をしているところでございます。 それからまた、無形の民俗文化財を保護していく一番大事なこととして、伝承者養成の問題が御指摘のとおりございます。そういうことで、現在国では、地方公共団体が行いますこういった伝承者養成事業に対して重点的に補助をいたしております用地方によりましては、町々に伝承教室のようなものをおつくりになって、そこで講師を招いてやっておられるというものもございますし、それから、無形の民俗文化財は何よりも活用すること、つまり公開することが一番保存のために大事なわけでございますから、その発表会の場ですとかあるいは現地公開のための用具の手だてをするとか、いろいろな形でさまざまな観点から補助をしているわけでございます。また、全国の民俗芸能大会なども催しておりまして、そういうところへの補助などもいたしているところでございます。また、芸術文化振興基金というところでも、無形の民俗文化財の保存活用事業に対して一定の基準を設けまして助成をいたしているところでございます。 それで、先生るる御指摘がありましたように、無形の民俗文化財にはいろいろ懸念すべき状況もございますし、都市化の進展とか、特に若者の意識の変化というものもございますので、私ども、この法律案に基づきます地域伝統芸能等を活用した行事というものが適正に実施をされまして、それを通していろいろな保存団体の活性化あるいは地域伝統芸能に対します国民の理解促進などが図られるよう努力をしてまいりたいと思っております。
○佐藤(祐)委員 最後に、大臣にもう一度御見解をお伺いして終わりにしたいと思いますが、私がきょう質疑してきましたように、やはり伝統芸能、地域芸能、郷土芸能の本来のよさを大切にする、それを支えてきた人たちの自主性を尊重するといいますか、それが大事だという問題なんです。 提案理由の説明で、大臣は、「特に日本の歴史、文化、伝統等に対する外国人の理解を深め、国際観光を振興する観点からも、地域伝統芸能等の活用の意義は大きい」と言われた。これはそのとおりだと思うのですが、そういうことからいっても、ゆがめられたといいますか、変質させられたものを見せたのでは本来の趣旨にも反するわけですよ。そこを一番私は懸念をしているわけです、一つの問題として。だから、本当に大臣の言う泥臭いものは泥臭いもので、その地方地方の特色があって歴史もある、そういう本来のよさが十分生かされたようなものでやっていかないと、外国人の正しい理解じゃなくて外国人に誤解を与える結果にもなる。そういうこともありますから、そういう点を本当に重視して推進をしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○奥田国務大臣 それは、先生の御指摘のように伝統とはいえイベントを成功させていくために光の面と影の面がある、光の面を少し頑張ってやろうとすれば宣伝臭等が激しくなって派手になって昇華していくという懸念、そしてまた、かたくなに今度は伝統芸能の面だけでやっていくと国際観光に資する外国人客の理解が全く難しいという面も出てくるという面もあります。 ですから一概に言えないわけですけれども、確かに先生の御指摘されるように伝統を尊重しながら何とか風格のあるイベントに持っていきたいな、それが地域おこしにもつながる方向であってほしいな、そういった意味からすれば、先生の御指摘されるようにこれまでその伝統芸能を守ってきた、保存に当たってこられた皆さん方の御意見もよく聞いた上で、できるだけ光と影のバランスがとれるような方向でこの法律運用を期したいと思っております。
○佐藤(祐)委員 終わります。
○久間委員長 高木義明君。
○高木委員 最初に、我が党は、本法案が持つ地域の伝統芸能を積極的に活用していく、そしてまた育成していくという意義にかんがみまして、賛成の立場を明らかにしたいと思います。その上で以下幾つかのお尋ねをしてまいりたいと思います。 まず、政教分離の点についてでございます。この法案で支援するとされている地域の伝統芸能につき、例えばその中で神事など宗教と関連があると見られるようなものがございます。しかしながら我が党は、一部で言われておりますように、このことに対して政教分離というような憲法上の疑義があるという立場はとりません。 といいますのも、最高裁の判例であります目的効果論を引くまでもございませんで、このことはケース・バイ・ケースではありますけれども、地域の伝統文化というものは宗教という側面を持つ場合があることはもとより否定できませんが、この実質といいますか本質というのは極めて習俗的なものであり、ここで憲法論を出すのは妥当ではないのではないかと私は思うからでございます。 このような判断があって政府は、事業の実施主体を分離するなど相応の歯どめを講じたものと私たちは受け取っておりますけれども、ここで、念のためにこの点につきましての政府の御見解をお聞きしておきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 本法におきます地域伝統芸能等は、地域の民衆の生活の中で受け継がれ、その地域の固有の歴史、文化などを色濃く反映した伝統的な芸能及び風俗慣習であり、具体的には祭礼、神事の際に、地域住民の参加によって行われる行事で伝統的な風俗慣習となっているものも対象となり得ると考えております。 すなわち、この法律に基づき、神事、祭礼に際して行われている地域伝統芸能等に対して国、地方公共団体等から講じられる支援措置は、その目的が観光及び特定地域商工業の振興を図ることにあって宗教的意義を持つものではなく、また、特定の宗教を援助、助長し、または他の宗教に圧迫、干渉を与えるおそれはないものと考えており、御指摘のとおり憲法の政教分離の原則に反するものではないと考えております。 しかしながら、本法の運用に当たりましては、政教分離の原則を侵すおそれが生じないように文化庁とも御相談し、十分配慮することとしており、地域伝統芸能等のうち宗教行事と関連するものについては、原則として文化財の指定を受けたものまたはこれに準ずるものを活用行事の対象とすることとしておることは先ほど来御答弁の中でも申し上げたとおりでございます。
○高木委員 この点につきましては十分なる御配慮をお願いしておきたいと思います。 次に、法案では地域の特性を生かした観光振興あるいは商工業の振興のために、特に伝統芸能や風俗慣習を取り上げたのはなぜでありますか。まず、その点の理由につきましてお答えいただきたい。 また私は、地域の伝統文化を考える際に、歴史的な町並みあるいは伝統的建造物、こういったものを積極的に活用することも大切な要件ではないか、一考すべきものだと思っております。この法案ではその辺のところについてどの程度配慮がなされておるのか、あわせてお答えをいただきたい。
○大塚(秀)政府委員 地域の伝統的な芸能及び風俗慣習は、その地域の歴史、文化、自然、住民の生活などが凝縮して表現された地域固有の資源でありまして、これを活用してにぎわいを創出し、地域社会にゆとりと潤いを与えることは観光の振興にとっても極めて重要と考えられます。 また、地域伝統芸能等を外国人に積極的に紹介し、これを訪日した外国人に直接見てもらうことは日本の文化や歴史、伝統などを外国人に理解させる上でも極めて重要であり、国際観光の振興の観点からも地域伝統芸能等を魅力ある観光の対象として活用する意義は大きいと考えておるわけでございます。 それから、歴史的な町並みや建造物の活用につきましては、こういったものも極めて重要な観光資源でございますので、伝統的芸能及び風俗慣習を活用した行事を行う際には、このような歴史的な町並みや建造物も関連した観光資源として連携して行うことがより効果がある場合が多いと思われます。そこで、基本方針におきましても、そういう効果がある場合には今先生御指摘のような他の観光資源とも連携するように内容を定めたいと考えております。
○高木委員 次に、文化庁も来られておりますので、現代芸能の取り扱いについてお尋ねいたします。 いわゆる音楽、演劇、こういった現代芸能は地域性が希薄である、こういうことから、この法案の中にのるかのらないかという意味におきましては非常に難しい問題があるかとは思いますが、これとて現代日本のれっきとした文化でございます。どのような分野を選定するかという困難な面もあるでしょうが、イベント等に対する活用方法として何らかの方策はないのか、私はこのように思っております。 もちろん芸術文化の育成は単に観光だけの問題にとどまりませず、日本のいわゆる精神文化の保護育成のために重要な問題だと私は思っておりますが、この振興のためにも積極的な現代芸能の支援についても必要だと私は思っております。 以上の点についていかがお考えであるのか、お示しをいただきたい。
○中西説明員 先生御指摘のように今日、国民の文化に対する関心というものは非常に高まってきております。私ども文化庁といたしましても、国民一人一人が芸術に親しみ、あるいは文化活動に参加できるという環境を醸成するということは大変大切なことだと考えておりまして、従来からその面での施策には意を用いてきたところでございます。 例えば地方におけるホール等の整備もそうでございますけれども、現在ではハード面の整備のみではございませんでソフト面、つまりそのようなホール等を本拠にいたしまして各地域が特色ある芸術活動を行えるような配慮をするための文化拠点の設定というような施策もことしからやるようにしておりますし、あるいは単なるホールではなくて、音楽とか演劇とか、それぞれのジャンルに即した活動ができるようなハード、ソフト両面からの整備というものも行ってきております。そのほかにも、平成二年の三月にできました文化芸術振興基金というようなものを通じまして、その中での多彩な芸術活動あるいは文化活動への支援を積極的に行っているところでございます。 今後ともこのような芸術文化を育成するための施策を充実してまいりたいというふうに考えております。
○高木委員 将来において芸術文化をつくっていくんだ、まさにこれからそういうものをつくっていくんだという観点も私は忘れてはならないことだろうと思っておりますので、ぜひ積極的な支援をお願いしておきたいと思います。 次に、各省の調整についてでございます。 この法案は、御承知のとおり主務大臣として運輸、通産、農水、文部、自治、非常に多くの省が列記をされております。このような多くの関係省庁がありまして円滑な事業の推進ができるのか、こういう心配も一部にあるわけであります。恐らく大丈夫だというお答えが返ってくるとは思いますけれども、具体的にどのような調整をしてうまくやっていくのか、この点についてのお考えを聞いておきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 この法律案は、観光及び特定地域商工業の振興を目的としておりまして、そのために運輸大臣、通産大臣、農水大臣、文部大臣及び自治大臣の関係五大臣がそれぞれの立場から本法案の施策を推進していくこととなっております。 各大臣は密接な連携を図ることとしておりまして、局長レベルでの協議会を設ける等緊密な連絡をとり合って、この法律案に基づく施策を円滑に推進していきたいと考えております。また、基本方針の協議等を通じて関係省庁とも調整を図るなど、施策の連携には万全を期すつもりであります。 それから、都道府県の関係におきましては、運輸省が都道府県の窓口となることにより、業務の円滑な推進と手続の簡素化を図ってまいるつもりでございます。
○高木委員 私は、支援策がありまして、その支援のイメージというのがいまいちわいてこないのであります。この行事の実施主体は、その名のとおり地方が中心になるものだと思います。しかし、具体的なイメージといいますか、これがわかないのが今の私の偽らない気持ちでございます。 例えば、私の地元長崎でも、先ほども出ておりましたが、有名なおくんちあるいは精霊流し、そしてまた夏にはペーロンといった地域行事があるわけであります。例えば、このような行事に対して国が基本計画の策定を初めどのようなかかわり合いをしていくのか、またその基本計画にのった行事を実施する際にはどのような支援措置を考えておるのか、また国が基本計画の策定についてどのような観点から協議を受けたり、またどういった事項を定めていこうとしておられるのか、そういう意味で、例えば今後の指定の数あるいは今後のスケジュールといったものもあわせてお考えをお尋ねしておきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 国の基本方針としましては、観光及び特定地域商工業の振興の意義や理念、それから活用すべき地域伝統芸能等の性格、活用行事の要件、それから特定事業等の実施に関する基本的な指針といったことについて、具体的ではなしに基本的な事項を盛ったものになると思います。 それに対しまして基本計画というものは、これは法律にもございますが、まずその都道府県におきます観光及び特定地域商工業の振興に関する基本的な方針を列挙するとともに、どういう活用行事を取り上げるか、その実施場所、実施時期、実施方法、それから他の観光資源との連携に関する事項、そういったことを相当具体的に盛り込んだことになろうと思います。この基本計画の段階において、長崎県がおくんちとか精霊流しをお取り上げになる場合には、そういうものが具体的に出てまいることになると思います。こういう基本計画を都道府県がつくりましたときに、市町村とも協議した上、主務大臣に協議をするわけですが、協議を受けた主務大臣は、その内容が支援に適しておれば支援実施機関のいろいろな支援をしていただくように指導していく、こういう仕組みになろうかと思います。 これからのスケジュールでございますが、法律が成立して三カ月以内に政令で施行期日を定めます。施行されましたらできるだけ早く、一日も早く基本方針を国が定めまして、これは主務大臣、関係省庁協議をして一本の基本方針を定めるわけですが、この基本方針にのっとって希望する都道府県が基本計画を出して、市町村に協議した上で国に協議を持ってくる、こういうことになるわけでございます。支援実施機関につきましてはできるだけ早く設立して、本年度中にその支援の一部ができるようにしたいと思っておりますので、逆算しますと基本計画もなるべく早く出していただかなければならぬということで、成立した後におきましては私どもも一生懸命作業をするつもりでございます。
○高木委員 大体そういう手続が進みましたら、例えば来年度全国でどのくらいの指定の数になるものか、その辺の見当がありましたらお答えをいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 これは都道府県がどの程度の基本計画を出してくるかということにもよりますし、これから設立します支援事業実施機関の能力との関係において、どの程度その中で支援ができるかということとも関連しますので、今余り数というものを念頭に置いておりませんが、私どもとしては、要望が多ければ相当数は対象としてそういうものに支援ができるような体制ができればと思っているわけでございます。
○高木委員 要望が多ければ多いほどと言いますが、やはり支援に対する予算の裏づけというのも大きな要件ではないかと私は思っておりますので、これ以上この問題については申し上げませんけれども、できるだけその点につきましても十分な御配慮をしていかれるように要請をしておきたいと思います。 次に、通訳案内業の問題ですが、これは第五条関係になります。 通訳不足に備えまして通訳案内業の特例を設ける、そして通訳案内業に係る試験を簡単なものにするということを聞いております。この措置を導入するに当たっては、特定の地域や期間を区切って特性に応じたものとして行うとされておりますが、通訳という職業が、報酬を受けて外国人に付き添い、外国語を用いて旅行に関する案内をするということからすると、ここで大切なのは、その質の低下があってはならないという懸念であります。つまり、通訳の需要が見込めるからといいまして、一定の制限があるとはいえ安易に試験を易しくするということは、報酬を前提にしていることから、より慎重でなければならないと思っております。 通訳を行う方々は、いわば民間の外交官ともいうべき人たちでございまして、日本における窓口ともなる大切な役割を持っておりますので、今後日本の観光にとってこのような重要な役割を担う人たちが、案内をするのに十分なものか、この辺については真剣な対応が必要ではないかと私は思っておりますが、この点につきましてどのようにお考えであるのか。
○大塚(秀)政府委員 この特例に基づくガイドにつきましては、地域伝統芸能等を活用した行事に関する案内を行うために必要とされる能力につきまして、講習または試験の方法により適切な要件を設けて審査することとしておりますし、また、行事の実施される期間内に限り、行事の実施される市町村の区域内においてのみ通訳を行うことができることとするなど、その業務内容にも限定をかけているところでございますので、今回の制度の導入により、通訳案内業全体の質を低下させるものではないと考えておりますが、先生御指摘の点も踏まえてさらに慎重に運用していきたいと考えます。
○高木委員 よろしくお願いいたします。 次に、英語以外の施策でございます。運輸省、法務省の統計によりますと、これはさきの法案審議のときにも明らかになりましたけれども、日本への観光客は非常にふえておる。そういうことから、ホテルを含めて英語を対象とした対策についてはそれなりに考慮されておりますが、例えば通訳の数とか、あるいは質の向上とか、その他の外国語に対しての配慮というのはまだまだ不足しておるのではないかと私は思っております。この法案がいわゆる地域の国際化という観点からも寄与するものであるならば、そういった点についても十分な配慮がなされるべきだと私は思っておりますけれども、この点はいかがでしょう。
○大塚(秀)政府委員 むしろ一般の通訳案内業者の方も、英語をしゃべる通訳案内業というのは相当数いるのに対して、最近、アジアからの外客がふえたのに対応した韓国語とか中国語のガイドの方が少ない、特に地方では少ないという状況だと思います。したがいまして、今回の特例のガイドも、九州あたりの伝統芸能等についてのガイドとしては韓国語とか中国語といったような認定ガイドの方が出てくることも期待したいし、またそのような方向で指導していきたいと考えております。
○高木委員 中小企業の支援についてお尋ねしますが、地域の伝統芸能を支援する方策を考える際、いわゆる地場の中小企業の活躍というのは大いに期待できるところでございます。さらに申し上げますと、地元に密着した中小企業の方々は、そういったニーズにきめ細かに対処できるものではないかと私は思っておりますし、まさにそういったものを進める中核になると思っております。 しかしながら、よくあることでありますが、中小企業が金融機関から事業資金を調達しようとする際に、担保力あるいは信用力の不足から資金の借り入れが困難な場合が非常に多いということがございまして、せっかくやる気があり、そしてすぐれた企画もなかなか花を吹かせない、こういう事態がよく聞かれておるのであります。中小企業者のそういったやる気をさらに高めるために、この際、十分な措置がぜひ必要であります。 といいますのも、この法案においては信用保証協会が債務保証を行うものとされておりますが、実際にこういった支援策についていかにお考えなのか、この際明らかにしていただきたいと思います。
○麻生政府委員 中小企業関係者に対する支援でございますが、第一には、この法律の中に規定いたしておりますように、中小企業信用保険法の特例を設けるということでございます。具体的には、伝統芸能などを実際に実演いたします施設の整備、あるいはこの芸能を実施いたします場合に用いられます衣服あるいは器具の開発・生産事業、あるいは伝統芸能の特色を生かしましていろいろな製品を開発する事業、こういうものにつきましては実際にお金がかかりますが、その担保力を補完するという意味でこの信用保険の特例を設けておるということでございます。具体的には限度額の別枠、あるいはてん補率の引き上げ、あるいは保険料率の引き下げというようなことをこの法律に基づいて特例的に行うということになるわけでございます。 このようなことに加えまして、ほかに予算措置で中小企業対策、中小商業対策をいろいろ行っておりますが、そのような予算の中で、この方面に使いやすいものにつきましては対象の拡大を行いまして、この事業の実施のために使途を広げていくということをやっていきたいと考えております。具体的には、中小商業の活性化基金というのが設けられておりますが、そのようなものにつきまして使途の対象を拡大し、これに使えるようにしていくというような点を講じていきたいと考えておる次第でございます。
○高木委員 最後になりますけれども、私はこの法案に対して賛成の立場からそれぞれお尋ねをしてまいりました。この法案が成立をし、そしてその期待に沿って今後、地域の伝統芸能活性化、あるいは観光、商工業の振興という上においてどの程度の寄与を考え、そしてまた推進に当たりましてはどういう決意で臨んでいかれるのか、その点について最後に大臣の所見をお伺いして、終わりたいと思います。
○奥田国務大臣 伝統と風格を大切にしたイベントを通じまして我が国の歴史、文化、伝統を海外から来られる皆さんにも理解していただくように、国際的な交流の促進にも役立つと思いますし、また地域のにぎわいを通じて、地域の観光のみならず商工業の振興にも大きく寄与するものと思います。そのことはひいては地域づくり、ふるさとづくりを通じての活性化をもたらすと確信をいたします。 五省庁が関係しておりますけれども、それぞれの分野において、ソフトの伝統面を大切にする、PRを担当する分野、企画、支援、そういった知恵を出す分野の省庁、また、自治省を含め、ハード面を担当したり資金面を担当される省庁、これら各省が持っておる力を、この法案の成果を本当に発揮するようにお互いに協力して、各省の特性を生かして協力し合えば、この法案はある意味において日本の一つの文化掘り起こしと同時に、地方の活性化の起爆剤になっていくということを確信いたしております。
○高木委員 終わります。ありがとうございました。
○久間委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○久間委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久間委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○久間委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、村田吉隆君外四名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。村田吉隆君。
○村田(吉)委員 ただいま議題となりました地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律案に対し附帯決議を付すべしとの動議につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の事項について配慮すべきである。 一 本法の施行により、地域伝統芸能等の本質が損なわれることがないよう配慮すること。 二 支援事業実施機関の指定に当たっては、その数を含め、慎重に対応すること。また、行事等の実施の支援に必要な機関による援助、指導、資金の支給等については、その適正な運用に努めるとともに、地方自治体等の自主性を損なわないよう機関を指導すること。 三 本法第七条の国等の援助等を行うに当たっては、特定宗教色の強い行事等を対象とすることのないよう配慮するとともに、その趣旨を地方公共団体に徹底すること。 四 基本計画の策定に当たっては、関係者の意見が十分反映されるようにするとともに、活用行事の実施主体が公共性を有するものとなるよう都道府県を指導すること。 五 活用行事の実施による観光の振興を図るに当たっては、自然景観、伝統的建造物等他の観光資源との調和に配慮すること。 六 活用行事の実施による特定地域商工業の振興を図るに当たっては、既存の商工業の振興施策との有機的な調整・総合に努めること。 七 活用行事の実施に当たっては、交通渋滞、地域の環境悪化等をもたらさないよう配慮すること。 八 関係省庁は、本法に基づく施策が円滑かつ効果的に実施されるよう相互の協力に万全を期すること。 以上であります。 本附帯決議は、当委員会における法案審査の過程におきまして、委員各位からの御意見及び御指摘のありました問題点を取りまとめたものであり、本法の実施に当たり、政府において特に留意して措置すべきところを明らかにし、地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に遺憾なきを期そうとするものであります。 以上をもって本動議の御説明を終わります。
○久間委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 村田吉隆君他四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久間委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。奥田運輸大臣。
○奥田国務大臣 ただいま地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律案につきまして、御熱心な御審議の結果御可決をいただきまして、まことにありがとうございました。 また、附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。 ありがとうございました。 —————————————
○久間委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久間委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○久間委員長 次回は、来る二十七日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十四分散会