運輸委員会 第6号
- 発言数
- 219 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/04/21
会議録
○久間委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、船員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林恒人君。
○小林(恒)委員 久方ぶりに御質問させていただきますので、御答弁もお手やわらかにお願いを申し上げながら、非常に大事な、四つの海に囲まれた我が国の経済施策の基軸ともいうべく船員に係る法律の一部改正でございますから、その意味では慎重に議論をする必要がある、こんな認識に立って少しく勉強させていただきました。 まず最初に、先週四月の十五日に出されました新経済五カ年計画の基本的な考え方の検討の方向について、新聞でも新経済五カ年計画の要旨が既に四月十六日付報道をされておりますけれども、何点かお伺いをして、これがある意味では基本になるのかなという気がいたしますので、前段認識をさせていただきたいと思っているわけです。 引き続き、今回の船員法の一部改正に直接関係する内航海運問題、それから今回の一部改正法の内容について時間の許す限り質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 申し上げましたように四月の十五日、生活大国づくりに向けた平成四年度からの新経済五カ年計画を策定しているようでございまして、経済審議会の総会で新計画の骨格である基本的考え方の検討の方向を決めましたが、その内容についてどのようなものだと考えておられるのか、まず冒頭、経済企画庁からお答えをいただきたいと思います。
○糠谷政府委員 お答えを申し上げます。 今先生御指摘ございましたように、去る四月の十五日に経済審議会の運営委員会というところからでございますけれども、「新しい経済計画の基本的考え方と検討の方向」というものを公表をいたしました。これは一月の十四日に総理から今後五カ年間の新しい経済計画の策定の諮問を経済審議会が受けました後、現在まで審議を続けてまいりました成果を中間的な取りまとめとして公表したものでございます。 その内容でございますけれども、今後の我が国の基本的課題といたしまして、地球社会と共存する生活大国への変革が必要だという基本認識のもとに、生活大国の実現のためには、個人を尊重することを基本といたしまして、生産者中心の視点から生活者、消費者の視点を重視することが必要だ、こういうふうに言っているわけでございます。 具体的には「労働時間の短縮」「土地・住宅問題の解決」「生活関連を中心とする社会資本の整備」などを行うことを掲げております。 それから地球社会との共存のためということでございますが、地球的規模の視点に立って対外的な貢献を行うとともに、我が国経済社会を国際的に調和したものとしていくということが必要だというふうに述べてございます。 経済審議会運営委員会の責任におきましてこういう内容のものを公表したわけでございますけれども、これは先ほど申し上げましたように中間段階の見取り図のようなものでございますので、具体的な肉づけはさらに今後経済審議会において議論を深めていく、こういうことになろうかと思っております。
○小林(恒)委員 最終報告は六月下旬ごろをめどということでございますから、そんな意味では大して時間があるとは思われません。 この報告は政府の施策の進め方の一つの目標を具体的に示したものだ、このように理解するわけですが、一方では、新聞の報道によりますると「課題は時短、土地問題解決」、しかし中見出しとして「政府の強力施策なければ 絵に描いた餅に」なるぞ、こういう大きな文字が新聞記事の中に躍り始めるわけであります。 せっかく経済がこれだけ成長してきているさなかにこうした方向を示唆することになるわけでありますから、もちろんこの種の報告の持つ意義というものは私は大きいと思いますし、各行政庁はどの程度の方向性あるいは拘束力を持つことになるのか、絵にかいたもちにならないような視点というものを心棒にしながら、基軸にしながら確立をしていこうとしているのか、決意のほども含めて経企庁にもう一度お尋ねをしておきたいと思います。
○糠谷政府委員 お答え申し上げます。 経済計画は政府の中長期的な経済運営の指針ということでございますので、経済審議会の答申を受けますと、従来、毎回それを閣議決定いたしまして政府の計画とするということにいたしております。今回新たに策定を予定しております経済計画も、最終的には答申を受けました後、閣議決定という運びになろうかと私ども考えております。 したがいまして、新しい経済計画の内容は中長期的な経済運営の指針として、関係行政機関の経済開運施策の指針になっていくものと私ども考えております。
○小林(恒)委員 運輸省としてはいかがですか。
○戸田政府委員 ただいま経済企画庁からお答えがありましたように、最終的に閣議決定されるという予定でもありますので、運輸省につきましても諸政策につきましてその指針となるものと考えております。
○小林(恒)委員 この報告の骨格は述べられておりましたが、現在、一つには大きな変革期であり、二十一世紀への貴重な移行期と位置づけ、二つ目には経済規模に見合った国際的な役割を果たさなければならないという課題があり、そして三つ目には国民一人一人を尊重する生活大国の実現を目標としているということであります。 また、その具体的な内容としては労働時間の短縮が大きな柱になるのだと思いますが、労働時間短縮、具体的には考え方はどのように持っているのか。週四十時間、年間千八百時間を目標とする、こういう基本があるのかとは思いまするが、現行実態が非常に大きな段差があるという実情の中で、御見解を賜っておきたいと思います。経済企画庁にお願いします。
○糠谷政府委員 お答え申し上げます。 労働時間の短縮につきましては現在の経済計画、「世界とともに生きる日本」におきましても大きな柱となっていたところでございますけれども、先生御指摘のように、現在まだ年間労働時間二千時間を超えるという状況になっているところでございます。 今回新しくつくります計画でどのような目標を掲げるかということにつきましては、これからの経済審議会での御議論を待つということでございますけれども、先般発表いたしました「検討の方向」におきましても「計画期間中に達成すべき具体的な目標を示し、その実現のため、労働基準法の改正により早期に法定労働時間週四十時間制への移行を実現する。また、所定外労働の削減を図るため法定割増賃金率の引上げについて具体的に検討する。」というような検討課題を掲げておりますので、この「検討の方向」に沿ってさらに経済審議会で審議を進めていく、こういうことになろうかと思っております。
○小林(恒)委員 運輸省にお尋ねをいたしますが、さきの俗に言われる九一・運政審答申によりますると、昭和六十三年度で全産業の年間労働が二千三百時間、トラック、内航海運を見ますると二千八百時間、今回の今まで御報告をされている骨格を見ますると千八百時間ということになりますると、少なくとも一千時間の段差がある。そういたしますと、新五カ年計画では千八百時間目標となると運輸省のいろいろな具体的な施策の変更も考えなければならないのではないかという気がいたします。この点についてはどのように考えているのかということが非常に心配です。 千八百時間になった場合に、陸海空それぞれどのくらいの運輸関係の労働人口が必要になると考えられているのか、また現在と比較するとどのくらいの労働人口が不足すると考えておられるのか、この点についてお伺いをします。
○大塚(秀)政府委員 運輸省関係の労働者の労働時間が現在なお大変長時間であるということで、それが労働力不足の原因になっており、私どもも今後できるだけ労働時間の短縮と労働条件の改善を図って労働力不足問題を解決していかなければならないと考えております。 ただいま先生御指摘の、今後労働時間を短縮することによってどの程度運輸関係従業者の要員が必要かということにつきましては、例えばトラック運転手につきましても、営業用トラックは約八十万台のトラック車両に対して八十万人ぐらいの運転者が現在おり、またそのほかに作業員等を含めますと百万人になりますが、このほかに自家用トラックというのが八百万台、軽を入れますと二千万台ございますので、その辺の運転者、自家用運転者との関係において今後どの程度必要かという問題もございます。 また、他の内航船員等が現在不足しておりますので、今後労働条件を改善していけばさらにどれだけ要るか、現在省内で検討委員会を設けて検討しておりますので、今後そういった数量的なことも明らかにしていきたい、勉強していきたいと考えております。
○小林(恒)委員 労働時間短縮問題は前回の経済計画にも盛り込まれておりますが、この問題は政府がよほど思い切った施策、私は先ほど新聞の記事のことを申し上げましたけれども、よほど思い切った施策に踏み込んでいかなければ達成できないのだろう。年間労働時間千八百時間の目標も、実現のための具体的な有効策を明示しなければむなしい結果になってしまうのではないかと考えられます。 運輸省としては、この点はどのような対策をしようと考えているのでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 運輸関係の事業というのは労働集約的なものが多く、それだけ労働者が必要になってまいります。労働者の確保のためには労働環境の改善ということも必要でございますが、同時に省力化、例えばターミナルについては省力化ターミナルの整備等も図ってできるだけ効率的な運営を行うとともに、労働環境の改善についての諸施策を展開していきたいと考えておるところでございます。
○小林(恒)委員 新聞記事で大変恐縮なんですけれども、一方に経済運営というものがあって、景気の動向というものがあって、輸送というのはある意味では大きく影響を受ける、しかし物流という存在を無視をして経済運営というのは生まれてこないという、こういう裏腹な問題なんだと思います。 もちろん経済企画庁にしても運輸省にしても政府は一体の認識から、その点、経済成長率をも十分考慮されながらこの五カ年計画というものを六月に向けて策定しようと考えておられるのだと思いますが、少なくとも向こう五カ年間の経済見通し、それからこれだけ高度に進んだ経済運営の中から、より二十一世紀に向けた国内外の安定経済政策というものが生まれ出てくる出発点にならなければいけないと思うんですけれども、運輸省の側は経済成長はあんまり心配していませんか。
○大塚(秀)政府委員 運輸行政としましても、経済計画に沿って運輸事業の発展等を図っていきたい、それによって全体の日本の経済が円滑に成長していくように努力したいと考えております。
○小林(恒)委員 経済大国への実現、豊かさの実現ということで、しかし一方では急激に経済が成長する、業務量が突如としてふえる。その後がもう見通しがないから、例えば企業ごとに見まするというと、要員の拡大ということを極力避けて超過勤務などという措置でもって処理をする、こういうことが往々にしてあるわけでございます。そういった繰り返しか、戦後の経済活動の中で巨大な経済成長を実現する過程と、それから一方では労働時間の短縮という課題が遅々として進まなかった、こういう相関関係を生み出したんだと思っているわけであります。 そういう意味では、今回私は、生活大国への、あるいは豊かさを実現することに向けての労働時間短縮の問題というのは緊急な課題であると位置づけられた六月答申に向けて大きな期待を持っているわけです。五カ年計画総体にかかわって、運輸大臣の今後の対応に向けての考え方と御決意をまずお伺いをしておきたいと思います。
○奥田国務大臣 本当に小林先生の御指摘のとおり、このゆとりある生活大国、こういったところを目指すために一定の経済成長はやはり不可欠である。となれば、国民に豊かな生活、それを実現するための物流の機構というのはますます要請が多くなってくることは当然です。 そういった形になりますと、裏腹に、この三K職場で象徴されておるように、特に陸運にしろ海運にしろ労働条件が一般のほかの職場と比べて非常に厳しい条件にあるという事実、これがさらに拍車がかかっていくということになると、これは片方で、国民の豊かな生活を実現するために陸運、海運に従事されている勤労者へ負担が大きくのしかかってくる。こういった悪循環の中で、本当に課題は大きいし難しい問題だなという実感を持ちます。 何とかこれをやるためには、やっぱり労使間の話し合いもさることながら、荷主、それに国民の理解あるいは輸送システムの改善、ソフト、ハードの両面からこの問題を解決しなければ絵にかいたもちになるおそれなしとしない、そういった大変厳しい認識を持っております。 したがって、今回の五カ年計画におきましても、特に陸運、海運関係の物流従事者に対して意識の改革、そして何とか新しいシステムを構築するための国の積極的な指導助成、こういったものが大変大切な問題点としてやってくる、何とかしてそういった問題点を解決するために、魅力のある職場づくりのためにどういう対応が必要であろうかという形で、今後とも、絵にかいたもちにならないように、何とか三K職場からの脱皮を図るためにいかに政策的に対応すべきかという問題に関しては真剣に検討してまいりたいと存じます。
○小林(恒)委員 経済企画庁の皆さん、ありがとうございました。お忙しいところをどうもありがとうございました。 そこで、本題であります船員法の一部改正に入るわけでございますが、内航海運の抱える多くの問題点を御指摘をしながら質問を続けさせていただきます。 我が国の内航海運業は、今日まで石油、鉄鋼、セメントなど産業基礎物資輸送の大半を担い、我が国経済の発展のために重要な役割を果たしてきたと言えます。しかしながら、その事業形態は中小企業者が大部分を占め、企業体質が脆弱であり、慢性的な過剰船腹を抱え、他産業に比べ相対的に不安定な経営状態に置かれているのが実態であろう。このような内航海運業の構造改善を図るため、昭和三十九年には内航海運業法、内航海運組合法が制定をされ、昭和四十二年度には事業許可制が導入をされ、今日に至りました。 現時的における内航海運業者の実情はどのようになっているのか、さらに内航海運をめくる労働人口はどのように把握をしているのか、またその労働人口不足はどの程度あると考えておられるのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○大金政府委員 お答え申し上げます。 内航海運業の実態につきまして、今先生から御指摘いただいたとおりでございますけれども、内航海運業といたしましても独自の構造改善のための努力はこれまでも行ってきたところでございます。その結果といたしまして事業規模、これは少しずつではございますが拡大してまいっておりますし、また事業者の数、これは減少をしてきております。 しかしながら、まだ私ども現段階におきまして構造改善が全くもう実ったというところまでは考えておりませんで、今後も構造改善は引き続き進めていく必要がある。 本年三月に海運造船合理化審議会から答申をいただきましたけれども、ここにおきましても、これまでの構造改善につき一定の評価は与えつつも、引き続き今後なおかつ構造改善の努力を続けるようにという指摘をいただいておりまして、私どもその線に沿って努力をしていきたいと考えております。
○金子(史)政府委員 内航の船員の数でございますが、現在の数といたしましては約四万五千名が内航に従事していると私どもは考えておりまして、今後のことでございますが、小林先生御指摘のように、経済成長がございますので、そういったことに伴っての船腹量の増大の問題あるいは船員の老齢化というような問題、年齢構成が非常に高齢化しておりますので、そういったことから将来的にそういった老齢者がやめていく、こういったことも考え、かつまた時短の問題、こういったいろいろな問題を考えていきますと、私ども数としてはつまびらかにまだいたしておりません、それは今後の研究課題とさせていただきたいと思っておりますけれども、いずれにいたしましてもそういった不足要因というのが山積いたしておりますので、かなり厳しいことになる、ますます厳しいことになるんではないかというふうに考えておりまして、船員教育機関を初めとする船員の養成の問題、確保の問題に私ども引き続き全力を挙げていきたいというふうに考えております。
○小林(恒)委員 船員四万五千名、内航海運四万五千名、若干私どもの調査した数字と五千くらいの差があるのか、私ども約五万くらいおられるのかなという認識でおりましたが、法案の提案理由説明の中でも、特に小型船については労働形態の特殊性からということを理由にして特別な扱いをされてきたという経緯がありますね。 しかし、そういうことの結果が例えばどういう問題を今日残しているかといえば、これはもう御多分に漏れず船員の不足と高齢化ということが現実の問題としてあからさまになってきているわけです。 ちなみに五十歳以上の船員が約三五%くらいいらっしゃるという数字が示されておりまするけれども、一万六、七千名ということになりましょうか、単純にこの人たちが今後十年間に退職をするということになりますると、年間千七百名くらいの補充が必要になる。しかし、小型船の労働形態の特殊性、こういったことが言われれば言われるほど、若者の海離れという現象も非常に激しい。 ちなみに海員学校の入学定員は四百四十名おるわけですが、そのうち卒業生が二百三十名、四百四十名入学して、卒業するときは二百三十名。その中で内航海運に就職した者は百二十名、半分くらいになってしまうわけです。さらにそのうちの半分くらいは一年程度でやめてしまう、こういう数字も示されてきているわけです。これは小型船の労働形態の特殊性、こういうことが放置をされてきたゆえんなのではないだろうか。運輸省としてはこのような実態をどう把握をし、今後どのようにしようと考えておられるのでしょう。
○金子(史)政府委員 先生御指摘のように、内航の労働力人口の老齢化といったことが大変問題になっておりますので、私ども現在そういう問題にどのようにして取り組んでいくかということで、労働条件の改善の問題あるいは休暇、給与の問題あるいは職場環境の問題、三K職場と言われているような職場環境の問題、そういった問題を、やはり荷主とか内航海運事業者あるいは労働者側といったようなメンバーから成る内航船員不足問題を考える懇談会といったものを去る三月に発足させまして、検討を進めておるところでございます。 そういった船員不足の数量的な問題等につきましてもそういった中で検討して、それとともにその対策といったようなことについてもそういった場を通じて荷主、事業者、労働者側一体となって取り組んでまいりたい、政府としてもそういった方向づけをしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○小林(恒)委員 職場に誇りを持つ、そういう職場をつくっていく、こんなことはごく当たり前のことでありまして、私自身も現場の第一線で油や泥にまみれて仕事をしてきた経験を持っているだけに、しかし最近俗に言われる三K職場と呼ばれっ放しのようなそういった職場というのは、これでいいのかなという気がするのです。少なくとも、油にまみれたり泥にまみれたり、勤務が非常にきつかったり、肉体的にも大変な仕事を強いられる。しかしその中にやはり仕事に対する意欲であるとか生きがいであるとか、それは一体何で働く者自身を変えていくのかといえば、私は技術なんだと思うのです。おれは技術屋なんだぞという認識の中から、人様が見れば三K職場なのかもしれない、しかしそういう職場に誇りを持って汗水を流せる、こういう生きがいをつくっていく、そのことが内航海運業全体を通じて日本の経済を支えているんだという自信を持たせる、そういう職場にしていかなければいけないんだろうと思う。 理念を持った具体的な施策というのは、経済企画庁が立てる五カ年計画というものとはまた別に運輸省という監督官庁が具体化をしていく、その意を正確に受けて企業の側はみずからが雇用する船員に対して誇りを持っていただけるような職場の環境をつくっていく、こういうものがいささか欠けているのではないだろうか。非常に理念のない、むなしい施策だけが、ちょっと言葉は悪いんでありますけれども羅列をされているような気がしてなりません。その意味では、私はやはり運輸省の皆さん方にもう少し血の通った情熱あふれる施策の展開というものを期待したいと思うのでありますけれども、御見解ございますか。
○戸田政府委員 先生御指摘のとおり、内航の職場あるいは内航で働く人々にどういう意欲を持ってもらうかというような点については、確かに現時点で多々問題があると認識しております。 先ほど船員部長の方からも御紹介申し上げましたが、内航船員問題懇談会におきましてはそういったものも全体含めまして検討を進めているところであります。やはり労使間で、我が国の経済を支えている大動脈である、そういう重要さを認識していただく。また、この懇談会には荷主さんも入っていただいておりますが、荷主さんにもこれから船員問題が非常に重要な問題になっていくということを認識していただく。そういったことを通し、先ほども大臣からお話がありましたように職場環境その他につきまして、ハード、ソフトを含めてこれから内航輸送を近代化していく、そういうような方向で、できるだけ急いで問題解決のために努めていかなければならない、そういうふうに認識しております。
○小林(恒)委員 しつこいようですが、先ほど申し上げましたように海員学校の入学定員、卒業数、そのうちで内航海運に就職した者の数、これはもう半分、半分、半分になっているんですね。こういう実態というものを正確に見きわめた上での施策の展開というものが私は必要だと思っています。加えて、漁船からの転職者も多く期待できない、普通高等学校卒業者の育成あるいは活用を考えることも検討しなければいけないという実態、これは私は、ある意味では船員というものの存在そのものが目標として立ててきた、政府が具体化をしてきた、その内容と実態がこれだけ変化をしているんだと言わざるを得ない。 船員育成のコストを考えてみた場合、未経験者の船員スペースをを確保していかなくてはいけないという、こんな実態にまで追い込まれていることについて、お考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
○金子(史)政府委員 海員学校の定員につきましては確かに四百四十名でございまして、先生おっしゃるように卒業するのが半分、そのうちまた内航に行くのが半分という従来のパターン、御指摘のとおりでございます。 ところが、今年度変化が初めて見られまして、従来の長期低落傾向といいますかそういったことから変わった情勢になってまいりまして、ことし初めて四百四十名の定員を上回った入学者が入ってきたわけでございます。私ども大変意を強くしているわけでございますが、これも教育関係者を初めとする努力あるいは内航海運総連合の資金的な面の協力、PR活動への協力とか、いろいろな地道な努力が実り始めたのかなという感じがいたしているわけでございます。 それと、私ども昨年の海上安全船員教育審議会の答申に基づきまして教育制度を改革いたしまして、例えば海員学校につきましては、乗船訓練の期間を延長いたしまして卒業する期間を半年ずらしたわけでございますが、そうすることによりまして四級の免状が取れるようになりましたので、それによりまして、内航でいえば例えば船長とか機関長の資格を海員学校を卒業すれば取れるといったような制度の改革もやりました。それと、またさらに一般高校から海員学校の専修課程、そこに入る道というものも随分太くしておりまして、そちらの方の制度改正も同様にいたしておりますので、一般高校から内航の道、あるいは海技大学校の方で初心者の課程というものも新しく設けましたので、それも一般から内航に入ってくる道、いろいろな多様な道を開くというような制度の改革もやっております。またPR活動もやっておりますので、少しずつ効果があらわれているのかなという感じがいたしております。
○小林(恒)委員 一つには職域環境、政府の施策、それから経済大国と言われている国家内での部分的な産業の中における非常に特殊な実態というものをできるだけ取り除いていく、そして公平で、かつ実り多い職域をつくり上げていく、こういったことというのは非常に大切なことなんだと思うんです。 それにつけても、悪い悪いという部分ばかりを指摘してみてもしようがありませんけれども、船舶職員法によると二百総トン以上の船舶に甲、機それぞれ二名の海技資格者の配乗を義務づけております。一昼夜以上の航海では十二時間の当直をすることになる。実際には無資格者が当直しているのが現状でありますけれども、その実態を運輸省は承知をしているのでしょうか。なぜ無資格者が当直業務ができるのか、乗り組み定員の実態はどのように把握をしているんだろうか、いささか疑問に感じます。御答弁をいただきたいと思います。
○金子(史)政府委員 まず、乗り組み定員の実態はどうなっているのかということでございますが、現在、就業規則に定員が記載されて届けられておりますものの平均は以下に申し述べるとおりでございまして、まず五百トン以上七百トン未満、これは総トンでございますけれども、五百トンから七百トンの船舶につきましては甲板部が三・九名、内訳は職員が二・一、部員が一・八の合計三・九でございます。機関部が平均二・八名、これは職員が二、部員が○・八、合計しまして二・八、事務部が、これは司厨も入っておりますけれども、事務、司厨が〇・五名という平均で、合計で七・二名という配乗実態でございます。 それから、二百トンから五百トン未満の船舶、これにつきましてはほとんどが四九九というのが中心でございますけれども、これにつきましては甲板部が三・一名、これは内訳としましては職員が二、部員が一・一ということで三・一でございます。それから機関部が二・三名、これは職員が一・九、部員が○・四ということで二・三、それから事務部が○・二ということで、合計で五・六名が平均乗り組みの実態になっております。 それから、先生御指摘の無資格者が航海当直等に立っておるではないかということでございますけれども、考え方といたしましては、確かにおっしゃるとおり職員が航海当直に立つということが望ましいわけでございます。これはSTCW条約等を見ましても、確かに議論の過程では職員が一名船橋に立っていることというような提案もございましたけれども、最終的には船橋を無人状態にしないというようなことが現行条約の中にあります。これは私どもの理解といたしましては、あるいはその条約の作成経過からいいましても必ずしも職員が立つ必要があるというふうには考えておりませんで、部員が立つこともあり得るという前提に条約も立っておりますし、また、国内法の体系でも部員が当直に立つ場合の資格というものを船員法の施行規則でもって事細かに規定いたしておりまして、部員の中でどういう資格を持つ者が当直に立たなければいけないかという資格を定めておりまして、そういう資格を持っておれば当直ができる、法律的にはそういうことになっておるわけでございます。
○小林(恒)委員 乗り組み定員の実態なんか、運輸省の側ですから全体を平均すると七・二名とか二・八名とか、人間一人を零コンマ以下で割るなんということはできないわけで、小数点以下になった場合の船というのは一体どういう状況になるのかということを考えますと、今報告されているような数字では一層厳しさを増さざるを得ない、こういう気がしますよ。 問題は平均値ではなくて、上限をどれだけ上げていくのかというのは一つあるでしょう。しかし、平均値以下のところを正していくための指導監督をどれだけ施していくのか、こういう視点がなければ、あなたが先ほどから三K職場などとみずからおっしゃっている職場を脱却するというのは非常に難しいですよ。 そんな意味では実態が非常に厳しい、乗組員が休暇をとるときの交代要員というのは、今あなたがおっしゃられたような数字で十分とれるものなのかどうなのか、今後労働時間短縮が進んでも対応できるのですかとお尋ねせざるを得ません。
○金子(史)政府委員 内航船員の休暇をとる際の交代要員の確保は十分か、こういう御質問がと存じますが、御承知のように、海運業は装置産業ということもございまして船舶を極力休ませずに運航するというのが通例でございますので、このため船員が休暇をとるためには、休暇をとる船員にかわる交代要員であるところの予備員というものが不可欠でございます。 先生御指摘のように、労働時間の短縮に伴いまして、週四十八時間制の場合には五十二日でありましたところの年間休日が、週四十四時間制では七十八日、週四十時間制では百四日と増加することになります。このために現状の運航形態を継続したまま労働時間短縮を進めることになりますれば、交代要員たる予備員の必要数というものも当然増加してまいるわけでございます。 したがいまして、船舶所有者としましては荷主やオペレーターの協力を得まして、できる限り運航の効率化とかスケジュール化といったもの、あるいは場合によってはそういうことに伴いまして航海日数の削減を行うとか船内作業を陸上の方に荷役作業等を移管するとか、そういった方策を進める必要があるわけでございますが、そういった方策によってもなおかつ労働時間の短縮を吸収できないために必要とされるところの新規の予備員につきましては、船舶所有者が実情に応じて確保、養成に努めるよう今後とも船舶所有者を指導してまいりたいし、私どもといたしましても、先ほど申し上げました懇談会の場を通じて、荷主、船舶所有者等も含めた中でそういった問題に取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○小林(恒)委員 そこで、船員の労働条件の改善の前提となるものは、一つは、商行為を行っているわけですから適正な運賃や用船料の確保ということは必須の課題でありまして、内航海運組合法による船腹量の調整により需給バランスをとることで適正な運賃や用船料を確保しようとしてきました。その実情はどのようになっているのか、それをどのように評価をしているのか、この二点についてお答えをいただきます。
○大金政府委員 まず、先ほどからいろいろ御指摘いただいておりますように、内航海運事業者はほとんどが中小企業者でございます。しかも特定の荷主との取引によりまして経営が成立しているというケースが実際上多いわけでございまして、なかなか内航海運事業者が荷主に対して輸送に係る適正コストを要請するということ、これは難しいというのが実態であろうと存じます。 ただ、現状について見ますと、近年の景気拡大の傾向、これが内航海運業界にも非常にいい結果をもたらしておりまして、輸送量の増大に伴い船腹量も逼迫ぎみに推移しております。このため、運賃、用船料も着実に上昇傾向を示してきておると承知しております。ただ、最近景気の陰りが言われておりますので、こちらの方は十分注意する必要があろうと存じます。 基本的には、先ほど申し上げたようになかなか海運事業者が荷主に対して適正コスト負担の要請をするというのは難しゅうございますけれども、一方で、御指摘ございました船腹調整等の活動によりまして慢性的な過剰船腹の処理を行うというようなことで業界の体質強化も図ってきております。この効果といたしまして、運賃につきましても関係業界との話し合いの場というのは確立されてきておると考えておりまして、その意味で運賃、用船料の健全化の方向へ動いているという認識を私ども持っておるところでございます。
○小林(恒)委員 最近の内航海運における船員不足そのものが非常に深刻だということを前提にしながら、特に内航海運業の大部分は中小企業者が占めている、労働条件、労働環境、そのイメージなどの点で他業種と比べて相対的に低い。こういう状況で推移をすれば、船員不足により安定輸送の確保やトラックから海運へのモーダルシフトの推進にも支障を生ずるおそれがあるのではないかと心配をされます、 このため、船員不足問題を内航海運における構造的な問題として認識し、厳しい船員労働の実態を踏まえ、早急に船員の労働条件、労働環境の改善、向上を図り、もちろん今お答えのあった運賃、用船料の適正化に努めるなど内航海運の一層の健全化を推進する必要があると考えますが、そのための運輸省の方策というのは何か具体的に説明できるものがありますか。
○大金政府委員 適正運賃の収受という関係あるいはその健全化という観点からの私どもの考えを御説明申し上げたいと存じます。 先ほど申し上げましたように、近年、内航海運業界と荷主との間で話し合いの場というのは確立されてきておるということでございます。荷主におきましても、物流コストに係る認識は深まりつつあると聞いておりますし、内航海運についての荷主からの理解、これは深まりつつあるものだと考えております。 また、本年三月の海運造船合理化審議会の答申におきましてもこの点が取り上げられておるわけでございまして、荷主においては内航海運事業の体質強化、安定的な船員確保というものが安定輸送を確保するために必要不可欠な前提条件であることを十分認識する必要がある、特に輸送に係る適正コストの負担につきまして荷主の深い理解が望まれるという指摘がなされておるわけでございまして、私どもこの答申の趣旨に沿いまして内航海運業界と荷主関係業界、この話し合いの場を活用することによりまして適正なコスト負担、これが実現されるように必要な指導を行ってまいりたいと考えております。
○小林(恒)委員 運輸大臣、以上のような議論を聞いていただいて、関係法令の厳正な運用、遵守、徹底、それからもっと言えば指導教育、こういったものがなければ三K職場を脱却することは非常に難しい、しかし余りにも課題が多過ぎるわけですね。しかし、そういう実態をも克服しながら船員法を一部改正をして生き生きとした海運行政というものをつくっていかなければならないという非常に難しい課題なんだと思うんです。 これをやり遂げなければ新しい五カ年計画に見合う運輸省側の対応、職場の対応、それぞれの荷主を含めた企業の対応というのはできづらいのかなという、こんな難しさも非常に感じますけれども、御感想をいただけますか。
○奥田国務大臣 私は過日の委員会でもお答えいたしましたけれども、海こそ我が日本の命だという原点に立ってこれからの国民生活に一番関係のある物流、とりわけ海運の問題について意識改革をすべきであろうと思っております。 荷主の問題、船主の問題それぞれありますけれども、私は、海に囲まれた日本であればこそ海上運賃というのが輸送コストにおいていかに安く国民生活に寄与しているかという、その原点をPRすべきであるということは当然であろうと思っております。陸上輸送の十五分の一ないし二十分の一、航空輸送の百五十分の一、二百分の一、これだけ大量の海上輸送の恩恵があればこそ今日の我々の生活があるんだという原点に立って船舶運航、船主も荷主も、私はまだまだ改善の余地があると思います。 そして、若者に本当に誇りと魅力を持てる処遇改善、これは急務であると思います。特に内航の、船舶公団の共同運航方式も含めて、船の設備、船内の住居環境、そういった問題点等々も含めまして、海運なくして国の経済も国民生活の豊かさもないということは事実なんですから、この原点に立って、私は、三K職場にした原点というものを徹底的にもう少し追及というよりも調査し、そしてお互いに意識改革をして誇りある職場にしていくことは可能である、またしなければならぬ、そういう気持ちでおります。 若者に誇りを持たせ、海の男に対する尊敬と敬愛の念が国民の間からほうはいとして起こるようなそういった風潮もとても大切なことであろうと思います。運輸省の今後の行政指導も、この海運業、特に内航海運、外航海運に働く船員の皆さんのそういった処遇も含めて私たちは今後積極的に指導、対応をしてまいりたい、そういう決意でおります。 先ほどから先生の御意見を聞きながら、過重な労働条件の中で御苦労している船員の立場に立っての御発言の趣旨は本当によく心に通じます。そういった気持ちを大事にしながら今後そういった行政面に当たっていきたいと思っております。
○小林(恒)委員 そうした前提を踏まえながら、今回の船員法の一部改正の主要な内容が、一つは「船員法の労働時間等に関する規定の適用範囲の拡大関係」があり、二つ目には「定員に関する規定の見直し関係」があり、三つ目に「その他」となっておりまするけれども、本改正案の提出に至った経緯と趣旨はどこにあるのかについてお尋ねをいたします。
○戸田政府委員 今回の改正につきましては、ただいま先生の方から御指摘ありましたように、第一の点は労働時間等に関する規定を内航小型船にも適用する、それから第二点は定員に関する規定の見直し、この二点になりますが、まず第一に、総トン数七百トン未満の内航小型船につきましてはこれまで船員法第六章の規定の適用が除外されておりまして、同法第七十三条の規定に基づきます小型船に乗り組む海員の労働時間及び休日に関する省令により、労働時間等の規制が行われております。 同省令制定後二十年余りが経過しましたが、この間、船舶設備の能力の向上に伴い、小型船の運航形態及びこれに乗り組む船員の労働形態が変化してきておりまして、船員法の労働時間等に関する規定を小型船にも適用し得る労働実態が整ってきたと認識しているところであります。 このような状況にかんがみまして船員法の一部を改正し、同法の労働時間等に関する規定を内航小型船にも適用することとするものであります。 それから第二の点でありますが、近年の労働時間の短縮、船員不足の深刻化などの状況の変化や船舶設備の向上に対応しまして、定員規制の充実、一律的定員規制の廃止等定員規制の見直しを行うものであります。 この二点、いずれも平成三年一月に船員中央労働委員会から答申をいただいている内容を盛り込んだものであります。
○小林(恒)委員 そこで、全日本海員組合という組合があります。ここの組織船社では昭和四十九年以降、労働協約により、週平均労働時間おおむね四十時間を協定いたしております。外航海運、旅客船、カーフェリー、九〇%の組織率を全日本海員組合は有しておりまするけれども、内航海運については残念ながら三〇%程度の組織率しか持たない、こういう実態です。しかし、問題は未組織内航海運分野が約七〇%ある中で、その一部に組織船協約の準用が見られるものの、多くの問題を抱えているという実態が報告をされております。 この未組織内航海運分野の時間短縮を実効あらしめる方策について、法文の中には船員の過半数の皆さん方と協定をする、こう相なっておりまするけれども、これは形式ですね。運輸省としては具体的に各船社に対してどういう御指導をされようとしているのか、お伺いします。
○金子(史)政府委員 未組織の分野におきますところの労働時間短縮等の労働条件の改善の問題、これはなかなか難しい問題でございますが、労働時間の短縮の問題につきましては、何と申しましても労使間の自主的な交渉が基本であろうかというふうに考えております。 では、国は何をするかということでございますが、側面からこれを支援して、できるだけそういった雰囲気を醸成していく、事業者団体に対する例えばPRとかあるいは講演会の開催、今度船員法の改正に至るまでも随分こういった講演会とか事業者団体あるいは荷主等に向けてのPR活動を私どももやりました。そういったことの開催等によりまして時短の意義とか必要性について関係者の認識を深めつつ意識の向上を図る、そういったことが大事だと思います。 それと、私ども船員労務官がおりますので、船員労務官によりますところの監査を通じて法令の遵守の徹底を図るといった措置を従来から講じております。 また、未組織の分野におきましては先生御懸念のように労使の自主的な取り組みが弱いのではないか、こういう御心配、御懸念もあろうかと思いますが、船員不足、とりわけ若年船員の不足が深刻化しております今日、組織船の労働条件と比較して未組織船において顕著な差があるということになりますと、事業運営といいますか企業経営に支障を来す、人が集まらない、こういったことから、そういった認識というものが船舶所有者の中に内航の分野で非常に急速に浸透いたしておりまして、今回の船員法の改正、小型船にも時間短縮等の規定を適用していく。今回の法改正も、そういった事業者における認識が深まってきたんではないか、そういうことが背景になっていることは間違いないところだと思っております。 私どもといたしましても、今後とも中長期的な展望に立ちまして労働時間の短縮あるいは船員の労働条件の改善に努めますよう、引き続き船舶所有者に働きかけを強めてまいりたいというふうに考えております。
○小林(恒)委員 船員法では、船員の稼働を休ませないという船員労働の特殊性から、乗船中の就労は一日八時間、週平均五十六時間労働をやむなしとしつつ、新たに基準労働期間制というものを設けて一定の期間内に休日、休暇を付与することで労働時間の調整を図ってきているわけです。時短の実効性に係るポイントは、できる限り基準労働期間の短縮を図ることであろうと思います。 そのためにはこれに対応できる十分な交代要目が必須であり、そのための予備船員の確保が必要だと思います。交代要員の確保、充実に対するその実情と対策についてお考えをお聞きをしておきたいと思います。
○金子(史)政府委員 まず、基準労働期間の関係、これは短縮を図ることが望ましいという御指摘でございますが、基準労働期間につきましては船員法の第六十条の第三項の規定に基づきまして命令で定められておりまして、航行区域及び定期、不定期の別によりまして、現在基準労働期間は一カ月、三カ月、六カ月、十カ月及び一年、こういう五種類になっております。その見直しにつきましては、御指摘がございますれば、船員法の昭和六十三年改正の附則第六条に基づいて行われるいわゆる三年後の見直しの際に、船員中央労働委員会においてまず御審議いただくということで始めたらどうかなというふうに私ども考えておるところでございます。 また、後段の御質問の予備員の不足に対してどう考えるかということでございますが、御承知のように内航は外航に比べますと予備員というものが極端に少ないといいますか、予備員率としては内航全体としては二割を割っている状況だと思います。これで時短等を進めていきますと交代要員というものを確保しなければいけませんので、そういった問題につきましては今後時短の推進あるいは一日当たりの労働時間が適正に運用されるように、私どもといたしましては船舶所有者を引き続き指導してまいりたいというふうに考えております。
○小林(恒)委員 商船分野での時短が進む中で、漁労則適用船員の格差が拡大することも懸念をしなければなりませんし、もちろん放置できない問題であります。加えて、過労死問題が社会的に大きく取り上げられている中で、漁船労働はまさに丸ごと過労職場ともいえる状況下にあり、いつまでも放置できない問題でありますが、今日的情勢も考慮して労働時間、休日問題の法的整備に取り組むべきであると考えまするが、運輸省並びに水産庁の考え方をお伺いしておきたいと思います。
○戸田政府委員 漁船に乗り組む船員につきましては、その労働形態の特殊性から、労働時間等に関しましては先生も御案内のとおり指定漁船に乗り組む海員の労働時間及び休日に関する省令、通常漁労則と呼んでおりますが、これによりまして商船とは異なった規制を行っており、また有給休暇については法令に基準が定められていないということであります。 このような漁船乗組員の労働条件の改善につきましては、昭和六十三年の船員法の改正に当たりまして衆議院及び参議院の両運輸委員会におきまして附帯決議がついております。この附帯決議も踏まえまして当面漁船船員の労働実態を把握するための調査を進めてきているところでありますが、まず第一に、漁船における労働の特殊性があります。それから、最近の水産業界を見ますと非常に厳しい環境にあるという状況にありまして、労働条件の改善を進めるということにつきましてはなかなか難しい面もあるかと思っておりますが、先生御指摘のとおりこの問題は非常に重要でありまして、漁船船員の高齢化等に対応して若年労働力を確保するためには現状の労働条件では不十分であるという認識を持っております。 したがいまして、有給休暇、労働時間等の労働条件に関する規制の取り扱いについては、水産業界を取り巻く状況の推移、それから漁船乗組員の労働形態の特殊性などを勘案しながら、なお一層実態の動きといいますか、そこを十分に把握しながら、労使双方の御意見もよく伺いながら早急に解決の道を探らなければならないと考えております。
○島政府委員 ただいま先生の御指摘のとおりでございまして、水産庁といたしましてもでき得る限りその特殊性というものを排除して一般的な適用というものに心がけるべきである、そういう原則論ということにつきましては異議はないわけでございますけれども、ただいま運輸省の方から御説明のとおり、漁業労働につきましてはその特殊性、労働が不規則であり、また一時期に集中する。というような現象もございますし、計画的な労働管理が非常に困難であるといった一般船舶にはない非常に特殊な性格を有しておりますので、一般船舶に係る労働基準を一律に漁業労働に適用するというものはやはり実態にそぐわないという結論に立ちまして今回の改正から除外したものでございます。 なお、時短等漁船労働に係る労働条件の改善につきましては、漁業種類ごとにその労働実態等も十分把握いたしまして、漁業労働の特殊性を踏まえて労使双方の御意見も十分伺い、さらに運輸省と十分協議、調整を図りまして適切に対処してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○小林(恒)委員 お言葉ですけれども、内航海運の場合も特殊性、この言葉一つで取り扱いをされてきだ。今水産庁のお話を伺いますと、漁船というのはより特殊性を持っている、こうおっしゃられているわけですね。特殊性を持っているがゆえに法整備をして労働者の労働時間というものを短縮をする、労働条件を改善をしていく、そういうことが必要なんだと思うのです。 運輸省と同じように労使双方のと言うが、それでは伺いますけれども、漁船の労働組合組織率というのは一体何%あるのですか。 それと同時に、労働組合からだけお話を聞けばいいというものではなくて企業側あるいは働いている代表の皆さんから御意見を例えばいいのでありましょうけれども、特殊性だからこそ豊かさを確立をしていく、底上げをしていくために、そういう言葉だけで処理をされるというのはちょっと迷惑なんですよね。もう少し表現の仕方はございませんか。
○島政府委員 先生のおっしゃるとおり、特殊性だけで片づけるというのは好ましくないのはよくわかるわけでありますけれども、それでは漁業種類ごとにその条件を定めていく、こういうふうにいたしたい、こういうふうに考えます。
○小林(恒)委員 余り時間もなくなってきましたので、ちょっと不満はありますけれども、前段に長々と議論をしたのは非常に条件の悪い職場だからこそ変えていかなければいかぬのだよというそういう議論をしているわけですよね。今日に至っても、前向きにどうやって難しさを乗り越えてそこに働く人たちの時間短縮をする、休暇を付与するという法的整備を図っていくかという議論をしているさなかに、いまだ難しいからなんという、こんなことはかり言われたんじゃとてもかなわないのです。もう少し前向きに議論をさせてほしい、このように思います。 小労則の本法一本化によって七百総トン未満の船舶も法第七十条関係の適用を受けることになり、一方同条第一項の航海当直をすべき甲板部員六人の員数規定も廃止をされることになります。今回の改正により七百総トンの線引きがなくなり、すべての船舶を対象に航海の安全が確保できるよう海員を乗り一組ますこととしているわけです。 この場合、法第六十九条関係の労働時間を遵守するための定員と航海の安全確保のための定員との関係をわかりやすくするための措置を講ずべきであると考えますけれども、その点はどのようにお考えでしょうか。
○金子(史)政府委員 改正法の七十条と六十九条の関係をわかりやすくということでございますが、船舶に乗り組む定員につきましては法定労働時間の遵守の面が一つ、それからもう一つは航海の安全の確保の面、この二つの面から定員が決定されるというふうに考えております。 労働時間を遵守するための定員につきましては船員法の第六十九条が規定しておりまして、六十九条は船舶所有者に対して一日の労働時間の基準を遵守できるような定員とすることを求めておりまして、その一日の労働時間は御承知のように通常八時間でございます。 船舶の個々具体的な状況等に応じて異なってくるものでございますが、これを一般的なケースに当てはめてみますと、二十四時間以上航海する船舶におきましては三直体制を組む必要がありまして、例えば甲板部につきましては三人以上の要員が必要ということが原則になるわけでございます。 それから、航海の安全を確保するための定員ということにつきましては改正法の第七十条が規定することになるわけでございまして、航海の安全を確保するためには航海当直の実施、船内保守整備作業それから荷役業務とか荷役の準備作業等の作業が適切に遂行できるような定員が乗り組んでいる必要があるわけでございます。 航海当直の実施につきましては、基本的には航海当直基準という告示がございますので、これが遵守できるということでなくてはいけませんし、航海当直基準を遵守できるような定員について具体的に申し上げますと、例えば船橋は無人の状態にすることができません。また、総トン数七百総トン以上の大型の船舶では複数当直ということが基本でございます。 これを一般的なケースに当てはめますと、複数当直が必要な七百総トン以上の大型の船舶では、二十四時間以上航海し三直体制を組む場合におきましては、甲板部につきましては三掛ける二で六人以上が乗り組むということが原則になりまして、私どもそういった指導基準で今後運用してまいりたいというふうに考えております。
○小林(恒)委員 水産庁、結構でございます。どうもありがとうございました。 今回の改正法の第七十条第一項関係で、七百総トンの船舶については法律上は部員の配乗員数の規制がなくなることになります。このために、改正後は一斉に減員が行われるのではないかという心配があり、本改正案の審議に当たった船員中央労働委員会の答申文でも、「改正の趣旨を逸脱して航海の安全を損なうような定員削減が行われないよう適正な指導を行う」、このようになっているわけですね。運輸省としては、その定員の削減申請がなされた場合にどのようにチェックするおつもりでしょうか。
○金子(史)政府委員 今般の第七十条第一項の甲板部員六人の一律的な乗り組み義務の廃止は、実態に合わず不合理になっておりますところの規制を実態に合わせたものにするということを目的といたしておりまして、この改正によって安全性を無視した安易な人員削減や労働強化が行われることがあってはならないことは言うまでもなく、法改正後も適正な定員確保については第六十九条と新七十条によりまして担保されるということになるわけでございます。 昨今、我が国の海運業界におきましては、先ほどからの御議論のとおり船員不足の深刻化とか船員の高年齢化といったものが顕著になっておりまして、船員確保のためには船員の労働条件の改善といったものが急務であるという認識が関係者の間に浸透してきております。 今般の法改正も、このような認識に立ちまして、適正な労働条件を確保するためには実態を十分踏まえつつ定員規制を充実するということが必要であることから、労使による適正な定員確保のための取り組みの強化や行政官庁による審査の強化等を図ることにしたものでございます。 このように、目下官労使が一体となって適正な定員確保のために努力しているところでございますので、安易な人員削減や労働強化が行われるという一般的な状況にはないと思います。 法第六十九条及び新第七十条は十分遵守されるものと考えておりますが、万一違反が懸念されるような場合には、就業規則の審査とかあるいは雇い入れ公認の際の審査、さらには必要に応じ船員労務官の監査を活用することによりまして適切に対処してまいりたいと思いますし、また極端な減員が行われる場合には特に目を光らせて審査に当たりたいというふうに考えております。
○小林(恒)委員 航海当直に関連して起こっている海難が非常に多い。現在、航海の安全確保についてはさしあたり告示で示されております航海当直基準、先ほど若干触れられておりますが、航海当直基準を遵守できる乗り組み体制が必要であろうと考えますけれども、運輸省はどのように考えているのでしょうか。 この航海当直基準の中で「見張りを行う者の任務と操舵員の任務とは区別されるものとし、操舵員は、操舵中にあっては、見張りを行う者とみなされてはならないこと。ただし、操舵位置において十分に周囲の見張りを行うことができる小型の船舶において、夜間における灯火等による視界の制限その他の見張りに対する障害のない場合は、この限りでない。」このように明記をされ、「甲板部の航海当直を行う職員は、単独で見張りを打ってはならないこと。」基準の中でも結構厳しい基準が示されておりますが、このとおり遵守されているのかどうなのかということが一番問題でしょうね。いかがですか。
○金子(史)政府委員 まず先生おっしゃいました見張りに関する部分でございますが、STCW条約の基準に準拠いたしました船員法の第十四条の四に基づきますところの航海当直基準、これには「見張りに関する原則」という項がありまして、そこにおきまして見張りを行う者の任務と操舵員の任務は区別されるものというふうにしております。 IMOのSTW小委員会、訓練当直基準小委員会というのがございまして、ここにおきましてこの基準を定めた際、自動操舵装置、オートパイロットが設備された船舶において自動操舵装置を使用しているときには船橋にいる者は操舵中の者として取り扱わない旨、議論、確認されているところであります。 そのような議論を踏まえまして我が国の航海当直基準も運用しているところでございまして、操舵員と見張りは区別していないのではないか、こういう設問のような事例でございましても、自動操舵装置を設備し使用している場合には航海当直基準の違反ではないというふうに考えております。 ただ、先生御指摘のように自動操舵に任せて事故というような、居眠りとかそういったようなこともないわけではございませんので、今後海上保安庁とも連絡を密にしながら指導に当たってまいりたいと考えております。
○小林(恒)委員 あと簡単に二、三点御質問申し上げます。 法第七十一条第一項第三号関係ですが、同法によれば、海員が断続的作業に従事する船舶は労働時間等の規定の適用を除外することとなっております。その理由はいかなるものなのか。また、その適用除外を行政官庁が許可する場合の基準については、例えば海員組合等の意見も聴取する必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょう。
○金子(史)政府委員 お答えいたします。 法第七十一条第一項第三号で、いわゆるはしけ運送船等を適用除外する趣旨でございますが、海員が断続的作業に従事する船舶につきましては、これに乗り組む海員の労働が著しく断続的であることから、実労働時間や労働密度の点で通常の船舶と異なり、一律の法規制による労働保護を図るということよりも、個別に審査して労働保護を図る方が望ましいことから適用除外とするものでございます。 なお、これらを適用除外とするに当たりましては行政官庁の許可に係らしめることとしておりまして、許可の際に十分審査を行い、労働保護に遺漏のないようにする所存でございます。 また、適用除外の許可の基準いかんということでございますが、御質問の許可基準につきましては、これは適用除外される海員の労働保護に支障を来すことのないよう、現行の小労則の適用除外の許可基準や労働基準法の類例を参考としつつ、全日海等の労働者側も入りました船員中央労働委員会での審議も踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。
○小林(恒)委員 船員法の履行の確保、就業規則の適切な整備を含めて、労働時間短縮の一層の促進を図るため、船員労働監督業務の徹底、必要に応じた船員労務官増員など船員労働行政の一層の充実強化の必要があると考えますが、この点についてはいかがでございましょう。
○金子(史)政府委員 お答え申し上げます。 船員労務官による監査体制につきましては、従来から逐次その充実強化を図っているところでございまして、平成四年度におきましても苦しい中から一名の船員労務官の増員をお認めいただいたところでございまして、現在地方運輸局等に百四十四名の船員労務官を配置いたしております。 しかしながら、船員労務官の監査体制につきましては、なお一人配置支局がある等改善を要する点がある一方、船員法の改正等によりまして業務内容が複雑かつ多様なものになってきておりますために、その一層の充実強化を図ることが必要と考えておりまして、今後とも引き続きその体制の整備に十分努力してまいりたいというふうに考えております。
○小林(恒)委員 最後に、今回の改正法の公布から施行時期、関係者への受け入れ態勢等に至る今後のスケジュールをお伺いをしたい。 それからもう一つは、今回の改正に伴う省令などの整備に当たっては、今まで質問いたしました内容及び関係者の意見を十分に勘案をし適切に対処していただきたいというぐあいに考えますが、施行時期については関係方面の受け入れ態勢など諸般の事情に配慮することを要望をしたいと考えているわけです。 この点について御意見解を賜ると同時に、最後に奥田運輸大臣の御決意をお伺いし、質問を終わらせていただきます。
○金子(史)政府委員 まず、改正法公布後施行までのスケジュールの関係でございますが、今般の改正法を施行するには関係省令等の改正が必要でございまして、そのためには改正法の公布後、船員法第百十条に基づきまして関係省令等の改正につきまして船員中央労働委員会に諮問を行いまして、その審議を経て答申をいただいた後に偶係省令等の改正を行うということになるわけでございまして、その後関係者への周知を経て平成五年四月一日に施行するというスケジュールを考えております。 法改正後の関係省令等の整備に当たりまして関係者の意見を反映させるべきではないか、こういうことでございますが、今般の改正法を施行するに当たりましては関係省令等の改正が必要でございますので、これは労使関係に密接にかかわるものでありますことから、船員中央労働委員会に審議をお願いいたしまして、労働者側、使用者側等関係者の意見がその際船中労の場でもって十分反映されるものというふうに考えておるところでございます。
○奥田国務大臣 内航海運は本当に国民の生活を支えていただいておる重要な役割を果たしていただいております。陸上勤務の職場と違いまして、もう海運の職場に従事されておる皆さん方は、やはり安全の面においては今もかけて働いておられる職場でもあります。私自身、小学校のころから、お父さんが船乗りである、わけても機関長や船長さんをやっておられるという友人の家庭を本当にうらやましくかねがね思っておりました。 そういった形で、海の職場というのはやはり小さいころから私たちは男の中の男の職場である、そして今日はやはりそれにふさわしい待遇なり労働環境条件なりというものは当然整備されていかなければなりませんし、荷主さんもようやく大きな意味で意識改革が行われているということも聞いておりますし、また船主さんの方も、今日の状態の中で何とかしてこの海運労働者に対して応分の形の処遇をやらなければ、企業自体としても人手が集まらない、若者に魅力がない状態に立ち至っていることも現実でありますから、それらの面を含めて、本当にかつてのみんながうらやましがる、魅力のある職場に持っていくように全力を挙げて取り組んでまいりたい、そういった決意でおります。
○小林(恒)委員 ありがとうございました。以上で終わります。
○久間委員長 緒方克陽君。 〔委員長退席、今津委員長代理着席〕
○緒方委員 ただいま船員法の一部を改正する法律案について審議がなされておりますが、非常に中身的には内航海運、わけても内航船員問題と重要な絡みがあるということでありまして、そういう問題に絞りながら質問させていただきたいと思います。同僚議員からの質問があった部分もありまして、二、三ちょっとダブる点もあろうかと思いますが、その点についてはぜひ回答をまたお願いしたいと思います。 内航海運は、長距離大量輸送という特性を生かして我が国経済と国民生活に極めて大きな役割を果たしております。先ほど議論のとおりでございまして、鉄鋼やあるいは石油製品、セメント、自動車、石炭などでは、トンキロベースで九〇%以上の輸送のシェアを持っているわけでございます。一方では、環境問題などで自動車輸送、トラック輸送の制限ということの中で、さらにこの内航海運への期待とそして重要性というものが高まっているわけであります。 そういう状況であるにもかかわらず、先ほど議論がありましたように、その条件たるや非常に労働条件は厳しいということで若い人が集まらないということでありまして、船員の不足によっていつ船がとまるかということでXデーということがよく言われます。そういうことすら内航海運の状況には言われるという現状にありますので、私の認識でいいますと今でもちょっと手おくれじゃないか、早急に対策を立てないとXデーというのが来かねないというふうに思うわけでありまして、そんな意味で以下質問をさせていただきたいと思います。 それで、質問を通告しておりました順序からいいますと一番最後の方からになりますけれども、大臣に一つだけ、近海船業の問題についてお尋ねをしたいと思います。 近海船をめぐりましては、ドルショック、その後公団共有船としての建造など、さまざまの過程を経てきたわけでありますけれども、最近では近海の大宗貨物でありました南洋材等の荷動きの鈍化があります。あるいはアジアのNIESというふうに言われる国々の低コスト船の進出で大変な苦境に陥っているわけでございまして、近海船業をめぐる情勢は非常に厳しいということでございます。この現状の認識と、そしてそういう厳しい状況の中でいろいろな助成策、対策が立てられなければならない、そのことについても政府としては当然検討をされていなければならないというふうに思いますけれども、その内容について明らかにしていただきたいと思います。
○大金政府委員 近海船の問題につきまして、状況の認識と、それに対する助成の問題、私の考えをまず述べさせていただきたいと存じます。 近海海運が大変厳しい状況にあるということ、これはただいま先生御指摘のとおりでございまして、繰り返しになって恐縮でございますが、大宗貨物である南洋材、これが産出国の原木輸出禁止措置もございまして急激に減少したということ、それから東南アジア諸国等のいわゆる競争相手でございますが、これが非常に進出してきておるということ、さらに日本船につきましてはやはり運航コストが高いということ、あるいは円高の影響もございまして経営環境は大変厳しいという認識を私どもも持っておるところでございます。 このような状況に対処いたしますために、私どもとしては近海船の増加をまず抑制しなければいけないということで、原則といたしまして既存船の代替建造の場合を除いては近海船の建造を許可しないこととしてまいっております。と同時に、国際競争力の確保という観点から、日本人船員と東南アジア等の船員とのいわゆる混乗でございますが、関係者の理解を得ましてこういったコスト低減のための対策も実施しております。 それから、近海海運業は中小企業が非常に多うございます。そこで、中小企業対策の一環といたしまして特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法であるとか、あるいは特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法、こういった中小企業あるいは特定不況業種の特別措置法の対象業種として指定いたしまして、所要の助成措置は講じてまいりました。 それから、この近海船の事業者、船舶整備公団の共有建造で建造いたしております。事業の経営状況が非常に悪いものでございますから、公団に対する使用料の支払いがなかなか難しいという事態が一方で起こっております。ただ一方、船舶整備公団自体も非常に経営状況が悪化いたしましたために、六十二年度以降政府から補給金を受けているというような状況でございまして、なかなか使用料の軽減を行うということは船舶整備公団の経営という観点からの難しさもございます。 ただ、船舶整備公団も、個別の船主ごとの御事情につきましては十分その事情を伺うように私どもの方からも指導しておるところでございますし、今後さらにどのような対策が可能かにつきましては、関係者の意見も聞きながら勉強してまいりたいと考えております。
○緒方委員 状況認識は一緒ですけれども、既にいろいろなところから要請も出ているということで、今から勉強したいということではなかなか間に合わないのではないかということで、もう少し具体的に答えてください。
○大金政府委員 私どもも近海船がなかなか今のままで経営を続けてはいけないという状況にあることは認識しておるわけでございますけれども、まず何より基本的に必要なことは、今後近海船の経営について前向きの見通しが出てくることだろうと考えております。 そういった意味では、南洋材は今申し上げたような事情でなかなか今後荷動きの増加が期待できません。そこで、例えば南洋材にかわって木材製品の途上国からの輸出がふえておる、あるいは中国との間の輸出入貨物の運送、こういった面で近海船は活躍できないだろうか。それはそれなりの適当な船型の船舶を持つことが必要になってくるわけでございますけれども、一つはこういった前向きの対策、これにつきまして関係者の意見を伺う場をつくりまして、今後の前向きの対応が可能かどうか、この検討をひとつさせてまいりたいと考えております。 それからもう一つ、いわば後ろ向きの措置でございますけれども、これは、今船舶整備公団の経営状況を申し上げました、なかなか難しい面がございます。ただ、個別の近海海運業者の方の御意見あるいは御事情を伺うように公団を先ほど申し上げたように指導しておりますので、そのお話し合いの中で解決の方向が見出せれば大変よろしいというふうに考えております。
○緒方委員 いや、具体的に要望が出ていることについて検討する余地はないのかということを聞いているのですよ。端的に答えてください。
○大金政府委員 具体的な御要望をいただいている件もございますが、これはある特定の事業者の救済だけで終わる問題ではないという認識を一方で持っております。したがいまして、特定の御要望のあった事業者について御事情は伺いますけれども、その特定の事業者だけの対応を私どもとしては考えにくいという点、これは御了解をいただきたいと存じます。
○緒方委員 そういう要望が出ていることについて十分検討してもらいたいと思います。 そこで、内航海運問題に入っていきますが、もうそれぞれ船員不足の問題については議論が出まして、本当に若い人が入ってこない。ただ、ことしは海員学校の入学定員を上回ったとかあるいは卒業生が平成四年三月で二百九十名、そのうち内航には百三十六名というふうに聞いておりますが、どんどんやめられていく。過去の例でいくと半数ぐらいはやめられていくということになっているわけでありまして、本当に若い人たちに海に来てもらう、あるいは年齢の高齢化が極端に進んでいる。後ほど具体的な例は、私も現地を見てきましたので質問したいと思いますが、そういう認識を本当に深刻に考えであるのかどうか、後の質問との関連もありますので、確認をしておきたいと思います。 〔今津委員長代理退席、委員長着席〕
○金子(史)政府委員 内航の船員不足の状況とそれから高齢化の問題が非常に深刻であるということから、私どもといたしましては昨年運輸省の中に船員部長、私をキャップといたします内航労働力確保対策会議というものを設けまして、そこで昨年の秋に一応の結論を、中間報告の取りまとめを行いまして、その中では役所として当面できるというおよそ三つの政策を取りまとめたわけでございます。 それは、一つは時短の推進でございまして、船員法の改正の関係もありますし、昨年やりました政令改正で時短を進めていくということもございます。 それから二点目は、漁船員の内航転換の問題でございます。これは内航転換の奨励金という形で平成四年度予算で国会でもお認めいただいて予算に計上していただきまして、漁船員が内航転換しやすいような政策が今後とれるようになったわけでございます。そういった内航転換奨励金の問題。 それから三つ目といたしましては、いろいろな船員教育制度の改善ということで、先ほど来御説明申し上げていますように船員養成の教育機関に人が入りやすいように、また内航等に行きやすいように仕組みを変えていくというカリキュラムの改正とかあるいは奨学金の増大とかいろいろな手を打ちまして、とりあえず当面できる対策を取りまとめたところでございます。 しかしながら、私ども検討の中でそれだけではとても不十分だという認識ができまして、これはやはり海運事業者にも入っていただいて、組合にも入っていただいて、さらには運輸省としてはかなり画期的なことで荷主さんまで、鉄連とか石連とかいろいろなケミカルの荷主団体あるいはセメントの荷主団体、そういったところの代表者も加える形でもって内航船員不足の懇談会というものを設けまして、これに今必死で取り組んでいるところでございます。 労働条件の問題、賃金の問題あるいは船内職場環境の問題、そういった問題を個別にテーマを決めまして会議をやって積み重ねていくということで、実は昨日も船内労働環境の問題につきまして第二回目の懇談会を開いたところでございまして、今後とも引き続きそういった懇談会あるいはそり下のワーキンググループのようなものでもって細かいところを詰めてまいりたい、少しでも着実に改善していきたい、こういうふうに考えております。
○緒方委員 部長、私が質問したのは、若い人が入ってこない、そして高齢化が進んでいるということを本当に深刻に考えているのか、手だての問題をいろいろ言われましたけれども、深刻なら深刻なような手だてが本当にされているかどうかということで彼ほど質問しますから、本当に深刻に考えているかどうかというそのことだけ答えてください。
○金子(史)政府委員 ちょっと言葉足らずだったと思いますけれども、私どもとしては非常に深刻に事態を考えておりますがゆえに、従来やっていなかったそういった荷主まで範囲を広げました懇談会を設けて解決策を探るというところまで踏み切ったわけでございますので、その意のあるところをお酌み取りいただければと思っております。
○緒方委員 船員部長としてはそういう発言をされますけれども、果たして本当にそうなっているのかなということで、これから具体的に少し入っていきたいと思います。 それで、海員学校を卒業されて内航船員になる方の率が半分ぐらい、そして半数ぐらいやめていくということになりますと、先ほども小林同僚議員の質問でも出ましたが、毎年千六、七百ぐらいは補充をされていかないと船がとまる、そういう事態になるのではないかと言われている中で、七、八%ぐらいしか補充ができないというのが現実の姿ですね。九二、三%は一体どうなるかということで、これからずっとXデーに向かって進んでいくという認識を私は持っているわけです。 そこで、なぜそうなるかということでありますが、まず第一は海員組合に入ってない船員の労働条件が非常に劣悪であるということです。まず第一は賃金が安いこと、また長時間労働であること、そして何よりも最近の若い人は休みたいと。賃金がある程度あっても、日曜日が休み、土曜日が休み、そこにちゃんとレジャーを楽しみたいというようなことで、休みがちゃんとないところでは一定の条件があっても人が来ない、そういう現実がおかの上でもあるわけですね。そんな中で休暇はまとめてしかとれないということで非常に陸上での休暇が少ないということ、それから退職金制度がほとんどないと言って過言でないということで、ほとんどないということ、それから災害の場合の補償も大変不十分であるということが挙げられると思います。 内航船員の賃金は、組合に入っている船でも陸上の高卒男子賃金よりも劣っている。それから未組織船ではさらに低い賃金となっているわけです。組合員の乗船する船では所定内労働時間は週四十時間に近づいてはいるわけですけれども、年間総労働時間は二千二百時間に達しているということであります。これが非組合員の船、未組織船では三千時間に及ぶというようなものもあるという実態があるわけです。また、陸上休暇は非組合員船では六十日程度というものもあるわけであります。こういう状況の中で、幾ら若者に海に魅力をということで来てくださいと言っても来るわけはないわけであります。 そこで、具体的に政府の方にお尋ねをいたします。内航船員の今日の賃金水準について、その労働実態の特殊性を考えた場合にどのように考えておるかということについてお尋ねをいたします。
○金子(史)政府委員 お答えいたします。 現在の内航船員の平均賃金は、平成二年の平均値で航海日当を含め月三十七万七千六百六十九円となっております。 内航船員の賃金水準がどの程度がよいかという問題はなかなか難しい問題でありまして、例えば個々人の労働条件とか労働時間、生活環境あるいは事業者の経営状況、支払い能力等の問題も勘案いたしまして算出されるべきものと考えております。 この問題は基本的には労使の問題と考えられておりますが、しかしながら家族、社会から切り離された海上労働の特殊性にかんがみまして、内航船員不足の解決のために今後の改善が期待されるところでございます。 私どもも、この賃金の問題というのは先生御指摘のように休暇の問題、労働時間の問題あるいは船内労働環境の問題と並びまして最も重要な問題でございますので、先ほどの内航船員不足懇談会におきましても、やはり荷主に入っていただきませんとどうしてもこういう問題というのはなかなか解決がいただけない問題でございますので、そういった懇談会におきまして集中的にその問題も取り上げておるところでございまして、一定の荷主等の御理解もいただいて用船料、運賃、そういうところにはね返らせていくというようなことがこういった船員不足の折から筋道ではないかと考えておるところでございます。
○緒方委員 次に、運輸省は昨年の三月に船員職安の求人票をまとめて「こうすたる」として発表してきたわけでありますが、この中の求人票細目にセールスポイントとして退職手当などの記載欄があり、掲載されているわけであります。その二百三十三社、これは船種別、職種別求人会社の総数でありますけれども、その中で退職手当ありとした会社はわずかに二十社しかないことになっております。 そこで、運輸省にお尋ねいたします。 内航海運会社全体で退職金制度のある企業は何社なのか。また、海員組合に入っていない会社では何%その退職金制度があるのか。三つ目に、その制度は国家公務員の退職金制度、これは定年退職の場合で結構ですが、レクのときには平成二年度と言っておりましたか、最近のところで結構ですけれども、何割くらいに当たるのか。この三つについてお答えをいただきたいと思います。
○金子(史)政府委員 お答えいたします。 最初の一つ目と二つ目をまとめて申し上げます。 まず、退職金制度のある会社はどれくらいか、中でも未組織についてどれくらいか、こういうことでございますが、内航三団体加盟の百五十八社、これは全日海との労働協約によりましてすべて退職金制度はございます。 未組織の会社につきましては、船員法に基づき就業規則が届け出されている会社百社をサンプリング調査いたしました結果、額の問題はいろいろあろうかと思いますけれども、百社中七十四社が退職金制度を一応制度としては規定していたということでございます。 それから、次の三点目は国家公務員との退職金の比較の問題かと思いますが、これは平成三年度の内航二団体の労働協約によりますと、高卒で就職し定年退職、五十九歳でございますが、定年退職した部員の退職金は千四百四十万円であり、高卒で就職し定年退職した国家公務員の海事職部員の退職金の約六割程度でございます。
○緒方委員 それで、大変厳しい認識はされているというふうに言っておりますけれども、退職金の制度があるかないかのサンプリング程度しか調査されていないのですか。
○金子(史)政府委員 まことに申しわけございませんけれども、実態は先ほど申し上げたとおりサンプリング調査しかございません。
○緒方委員 そこで、もっと労働時間の問題とも絡めて運輸省の姿勢をただしたいと思うのですが、そんな中で内航船で特に未組織の船員の中では三千時間というような長時間労働があるということがあるわけですけれども、そういう実態について運輸省は承知でしょうか。
○金子(史)政府委員 内航船員の労働時間は、船員労働統計によりますと平成二年九月における五百総トン以上の船舶で月間二百二十五・九時間という平均になっております。これをもとに年間労働時間を推計いたしますと二千三百四十三時間ということになります。 ただし、内航小型船の現行の法定労働時間でございますところの週四十八時間労働を年間を通じて行った場合は所定内労働時間だけで約二千五百時間となり、時間外労働を加えれば御指摘のように三千時間程度になるということも場合によってはあろうかというふうに考えられまして、一部の内航船におきましてはそのような著しい長時間労働も行われているということを言われておりますので、私どもといたしましても総労働時間の短縮について今後とも機会あるごとに引き締めて指導をいたしたいというふうに思っております。
○緒方委員 それで、今船員部長がお話しになりました船員の年間総労働時間というのは、内航船で平成二年で二千三百四十三という数字だったわけですね。これはきのうもらったのですけれども、五百トン以上ということは言われましたけれども、対象人員は幾らになるのでしょうか。
○金子(史)政府委員 船員労働統計、労働時間の先ほど御紹介いたしましたところの対象の人数でございますが、これは六千七百六十五名ということで、商船船員の一割程度が調査対象ということでございまして、調査方法は調査票を送付いたしまして回収いたしたわけでございますけれども、回収率は八割程度でございます。
○緒方委員 そういたしますと、五百トン以上ということになりますと、内航で今一番問題になっておりますのは四百九十九トン型とかそういうものが非常に労働条件が厳しいということで問題になっておりまして、その下の百九十九もそうですけれども、一番肝心なところが入っていない統計というはこれはもう統計にならないんじゃないか。一番船員の労働条件が悪い、賃金も厳しい、それから船室、船員の皆さんが休憩する寝室も本当に狭い。もう本当に狭いですね、私見てきましたけれども。そんな状況の中で、一番厳しい人たちのところが入っていない労働時間の推計というのがこれは調査として適当かどうかということに私は疑問を感ずるわけですよ。深刻に内航船員の労働条件は厳しい、何とかしなければならぬと言うけれども、実態を全然つかんでおらぬじゃないですか。どうですか。
○金子(史)政府委員 御指摘まことに恐縮の至りでございまして、私ども従来五百トン以上ということで船員労働統計上はやっておったわけでございますけれども、ただ私どもそれなりにつかんだ数字を、先生に資料をお届けいたしておるところの七百トン未満の小型船の労働時間につきまして、年間の労働時間についての調査としては行っておりませんけれども、所定内労働時間についての調査は行っておりまして、御参考までにその結果を申し上げますと、平成二年におきまして全体の七百トン未満の、五百トンじゃなくて七百トンという刻みで恐縮でございますけれども、七百総トン未満の小型船の五七%が週四十四時間制を達成いたしておりまして、これは平成二年においてでございますが、週四十六時間制を達成しているのは八九%に上っております。週四十八時間制にとどまっておりますのは一一%ということで、今のところこういったような数字しかございませんでまことに恐縮でございますが、先生の御発言の趣旨を体しまして、私どもとしてもそういった調査統計資料の充実にこれからも一層努めてまいりたいというふうに考えております。大変恐縮でございます。
○緒方委員 それで、年間休日数の分布というのも確かにきのう資料をいただきました。しかし、それでも結局就業規則とアンケートでこれもとったんだというような回答でありまして、それは就業規則は規則であって、それ以外にたくさんの残業がされている。資料というのは、本当に肝心な実態をつかまないで一番上のところだけを集めてそうですよという議論をしているのは、これはもう砂上の何といいますか、とにかく空中戦みたいなもので、実態とはかけ離れた議論になると思うのですね。 ですから、私が一番最初に言ったように、本当に内航船員の労働実態を知っているというならばこういう調査にならぬのじゃないか。本気で改善しようと思うのであれば多少金はかかるでしょう。それをしないで、口先では内航海運の労働者は日本の動脈を担っている、大変な仕事をしている、きつい、家にも帰れない、そういう状況であると言っていながら、実態はちっともつかんでいない、これは問題じゃないですか。 ですから、私はここで言いたいのですけれども、大臣にお答えいただきたいのですが、やはりこういう実態をつかんでいない資料でいろいろ議論しても皆さんにもぴんとこないし、本当に内航海運で苦労している人たちの皆さんのことがわからないと思うわけです。ですから、多少は金がかかったとしても本当に全部に対してアンケートをとるべきだ。きのうそういう話をしましたら、いや一杯船主さんというのですか、一人で親方でちゃんとやっている人はもう一カ月も帰ってこないということですが、そうであれば二カ月待ったっていいじゃないですか。そして船というのはちゃんと役所に届け出てやっているわけですから、個人の車とは違うわけですから、そういう雇用者の人も役所が求めればちゃんと調査には答えると思うのですよ。 ですから、私は運輸省の調査のあり方をもっと実態に近いようにしなければ、もう質問できないわけですよ、はっきり言って。できないわけですよね。そんなわけで、いや部長言っておりますけれども、改善に向けて、大臣どうですか、この辺については何らかの検討をぜひすべきだと思うのですが、その辺どうですか。
○金子(史)政府委員 率直に申しまして御指摘のとおりでございまして、従来、労働時間等につきましては内航小型船は船員法の体系の対象外だったわけでございますので、今回それも取り入れようということで労使が同意いただきまして、船員中央労働委員会からも御答申をいただき、今回の船員法改正案までこぎつけたわけでございますので、これを機会に、私どもといたしましてもそういった統計類の整備につきまして一層の努力をしてまいりたいと思いますので、ひとつ御理解を賜りたいというふうに思っております。
○緒方委員 一層の努力といっても、予算の関係その他あるだろうし、どこまでの努力がわかりませんけれども、少なくとも実態に近いようなものにしなければならぬというふうに思うのですが、今の部長とのやりとりを聞いておりまして、大臣さっき随分決意をいただきましたので、そういう調査をする予算もちゃんとつけてやるべきだというふうに私は思うのですが、その辺の感想についてはどうですか。
○奥田国務大臣 実態の調査について予算面の問題があるというようなことを言っているなら、そんなことはないと思います。これはもう積極的に調査させるということはお約束いたします。 ただ、現状を厳しく認識している点においては船員部長も一緒でございますし、日本の物流の大動脈を担っておられるという形の認識、しかもそれが勤務条件を含めて今大変厳しい情勢にいるという、当然運輸省として船員のそういった形の実情認識のデータを把握することにそんな経費は惜しみなくやるのは当然だと思っております。 私は、経済大国の土台を担っておられる内航がだめになったときは、極端に言えば日本がだめになるときだというくらいの認識でおるわけです。外国人雇用の問題等々も今後また問題になってくるでしょうけれども、何としても最低必要限の内航船員の確保、そのために国としてどういった施策を講じていったら一番雇用確保に貢献できるのだろうという形は、全く真剣に先生と一緒の気持ちで対応してまいりたいと思います。
○緒方委員 それでは、そういう各種統計については実態に近いものを出すということで、今大臣からも予算についてはそんな問題ではないということですので、実態に近い調査をすることについては、きょう議論をする時間がありませんので、ぜひ今までよりもさらに進んだ調査をしてもらうということを約束されたということで次に移りたいと思います。 それで、次に内航船員に若者が来ないということで、あるいはすぐ退職してしまうということで、幾つかの賃金の問題とかありますけれども、私は居室の問題を取り上げたいと思います。 実は、残念ながら、私も船にはフェリーとかその他は乗っていたのですが、四百九十九トン型と千六百トン積みの船というのに乗ったことがなかったものですから、先週晴海とそれから朝潮に出かけまして見せていただきました。そうしたら船員の居室はわずか四・一平米から四・七平米ということで三畳もないというところで、しかも条件が悪いから窓も全然ない、電気がついている、そこにベッドがあって机があってということで、棚にも本が落ちないようにされているところを見たのですけれども、附帯設備も非常に悪いわけですね。 それで、ちょっと計算してみたのですけれども、仮に十八歳で入って六十歳まで四十二年間船で働いたということになりまして、さっき言いましたように条件の悪い、年間三千時間も働いているというようなところでは、年のうち二カ月しか陸上におれない。十カ月は船の上ですね。そうすると居室にいるわけです。そういたしますと三十六年間あの部屋で過ごすあるいは仕事をするということになるわけでありまして、実に計算したら人生の半分をその居室で過ごすというにしては、ちょっと今の規格は問題じゃないかということをしみじみ思ったわけで、これを何とかしなければならぬというふうに船室を見て思いました。皆さんきれいに片づけてありますけれども、本当に狭いし天井も低いし、そういう条件です。 それを見た明くる日に新聞を読んだら、宮澤さんが自民党の婦人局の研修会でカラオケを歌わずに帰られだそうですが、その最後の言葉が、婦人局の皆さんに、皆さん二晩泊まると家はどうなるんですか、私は意気地なしですからその方が心配になるというようなことを、総理大臣は二晩あけるのにも言われているぐらいでございますが、この人たちは人生の半分をそういう狭いところで過ごしているということでありまして、何とかこれは改善をしなければならぬというふうに思うわけでございまして、居室の床面積は最低でも七・五平米、四畳半以上とすることとか、あるいは食堂、娯楽室、浴室あるいは通路など、居住区全体の面積を約八十平米以上にすることなどが必要だと思います。 そのために、具体的に次の三点について御回答をお願いしたいと思います。 一つには、いろいろな方策を講じなければできませんが、まず積み荷の容積を減ずるということが一つなければならぬでしょう。それから二つ目には、総トン数が、結局今まで七百トン未満ということでしたので六百九十九トン型とかあるいは四百九十九トン型とか百九十九トン型とかいうことでされておりますが、それにこだわらないところでいって居室を確保するということが必要ではないかということ。そして、次に船舶測度法の見直し、これは国際的にもいろいろ関連もあるということですが、それを見直しをしなければならないということであれば、それを見直すということも含めて検討しなければならぬ。そうなれば船員居住区の一部を総トン数の算出から除外をするということも当然検討されるべきではないかと思いますが、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○戸田政府委員 船内の居住スペースを大きくしてゆとりを持たせる、これは先生御指摘のとおりに大変重要な問題であると思っておりまして、最近の船舶整備公団などの新しい船では相当広くしてきている。もちろん私は、居住設備に関連して、先生おっしゃられました浴室とかあるいはその他食堂、そういった関係もいわゆる住まいに関するすべてについて相当余裕を持ったスペースにしていかなければならない。それからそこに、当直でないときにそれ相応の娯楽施設なりそういったものも必要であろうと思っております。船内で快適に過ごせる住空間、そういうものはぜひとも必要になってくると思っております。 それからもう一つ、船内の労働環境の問題になりますが、船内作業を簡便化するとか負担を少なくする、あるいはもやい取り作業などをより簡単にする、そういったことも考えまして、大幅な自動化の取り入れなども重要な課題になっていると思います。自動化につきましては、荷役その他につきましても相当ハードの面では進んできておりますから、これから実際に荷役作業を行うに当たって、荷主さん側とのやりとりなども考えまして、より合理的な作業ができるようにすべきではないかと思っております。 それから、先生御指摘になられました、現在百九十九トンとか四百九十九トン、そういったあるところで非常に船の隻数が多くなっている、そういう区切りがついているということにつきましては、船舶職員法の資格が変わるとか諸規則が変わる、そういうところでどうしても一つの仕切りが出てくるのはいたし方ないことではありますが、居住環境の改善ということを考えますと、船型をより大型化して経済的なものにするとかあるいは設計上の配慮をしてその居住設備を広げる、そういうような解決策も可能ではないかと思っております。 それから、測度法の問題でありますが、この問題は大変難しい問題でありまして、我々も今までたびたびそういうような指摘を受けてきているわけであります。この船舶の総トン数というのは、単純に言いますと船のどんがらの大きさ、これは居住設備その他も含めてでありますが、がらの大きさを表す指標としまして海事関係制度の中で使われておりまして、公租公課、手数料、それから乗組員の基準、そういったものがすべてそれにかかっているというようなことであります。 もともとこのトン数の測度につきましては各国がなりまちまちであったのを、一九六九年に統一しまして国際条約をつくっておりまして、それに基づきまして計測をしてトン数を算出するというようなことになっておりますので、船の大きさをあらわす極めて基礎的なインデックスになっているということでありまして、これを居住区域とかそういったところでいじっていくということは非常に難しいと思っております。 ただ、先ほども若干申し上げましたが、船の設計その他につきましては、例えば最近のエンジンは非常にコンパクトになっているというようなこともありまして機関区域を小さくするとかそういった工夫をしまして、設計上は積み荷のスペースを小さくせずに総トン数を同じに抑える、そういうことも可能であろうと思っておりまして、機会をとらえて造船業者あるいは内航海運業者などにキャンペーンしているという段階であります。
○緒方委員 キャンペーンを張るということではなくて、やはり例えば六百九十九トン型とかいうのは一定の数量で船が製造されていくということでありますので、可能であるというような一般的な答弁でしたが、きょうはもうあと時間がありませんけれども、これは先ほど言ったように、居室というのは、私も入ってみて、これはもう大変だ、何とかしなきゃならぬ。ただ、じゃ一平米ふえたからよくなるかということでもないし、全体の問題であるけれども非常に大きな要素だということですので、ぜひ前向きにいろんな機会をとらえて、あるいは懇談会などでもこの方法でどこまでいくのかということで真剣に検討していただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。 次に、タンカー船の問題についてでありますが、内航タンカーは国内輸送で非常に大きな役割を果たしているわけでありますが、実際には、そこで働いている人たちは逆に厳しい条件の中で仕事をしなきゃならぬということになっております。これは、先ほども言われた数字がと思うのですが、内航タンカーは石油類や石油化学製品をトンキロベースでいくと八九%も運んでいるということで、もうまさに日本の血液を運んでいるということでありますが、その乗っている乗務員の労働環境は非常に問題があるということであります。 その理由を簡単に言いますと、船舶運航とは別に、乗務員による完全な荷役作業があって特に忙しいということ、そのためにカーゴとか普通の船では上陸できるところもできないということ。それから、火気使用制限や製油所などの関係で遠くに出かけて、町から遠いということで交通が大変不便だということ。三つ目には、危険物積載船として行政やあるいは製油所に敬遠されて、着岸の機会が少ないこと。そして四番目に、船員職業に対する荷主や陸工作業員などのべっ視風潮があるということなどが今までも言われてきているわけでありまして、何とかこういうものが改善をされなければタンカーもまたとまるということであります。 そこで、具体的に三点について御質問をしたいと思います。 荷役の陸上移行についてはさまざまな問題があって、現状では容易にはできないということもいろいろあると思いますが、タンカー船員の問題を考える場合に、船員本来の職務である船舶の運航という姿に取り戻せるように一層の努力をされるべきではないかというふうに思いますが、その点についてお答えをいただきたいのです。
○戸田政府委員 内航タンカーにつきましては、先生御指摘のとおり一番問題のある船種ではないかと思います。危険物のタンカーも含めてでありますが、やはり船内での労働時間が非常に長い。それから大体タンカーの積み荷は危険物でありますから、作業に非常に注意を要する。そういったことでありまして、昨日も内航船員不足問題を考える懇談会でこの問題を検討していたところでありますが、その船内労働を幾らかでも軽減するため、陸上受け入れ側とその荷役作業などについてどういう分担でどれぐらいを陸に移せるか、そういったことを一つ一つこれから検討し、解決を図っていく、そういうことが必要であろうと思っております。 基本的には、着岸地点が町から離れているとかそういったこともありまして、船員が陸上に上がれない、それから労働時間が長いということにかりますので、この問題についてもやはり荷主さんも入っていただき、それから組合側にも入っていただき、船主さんからもいろいろ御意見をいただいて、これから具体的に早急に問題を解決したいと思っております。
○緒方委員 次に、公共バースにおける危険物積載船の着岸について、港湾の自動化などによってその基準の緩和とかあるいは着船できるようないろいろなことを関係省庁など、あるいは自治体と協議して改善をしていただきたいというふうに思いますが、この件について、これはきのうの段階で海上保安庁が所管だということで話をしましたら、海上保安庁は一定の規定をされた中での対策をするということであって、全体のバースを、そういうところをふやすというようなことについては私どもの管轄ではございませんというような話でございまして、そうなれば一体どこが回答するのかということで、これは運輸省自体の中でどの局が回答されるかわかりませんが、回答をしていただきたいと思います。
○金子(史)政府委員 公共バースについて一定の基準を設けてタンカーあるいはケミカルタンカー等が使えるというようなことの可能性についてどうか、こういうようなお話かと思いますが、現在、先生もいろいろ実態を見て回られたので御承知と思いますけれども、タンカーあるいはケミカルタンカー、そういった危険物については市街地からかなり離れた私設バースに着岸しておるといいますか、させられているというか、安全確保といった観点からそういった実態が圧倒的に多いわけでございます。 そうしますと、内航船員が、着岸しようと思ってもなかなか一定の時間帯にしかできないし、あるいは市街地に行くにも非常に距離が遠くて、またそういった製油所とかの中は構内が非常に広いわけでございますからタクシーも乗り入れ禁止というような場合もありますし、なかなか来てくれないというようなこともありますし、足の便がありますし、そういった問題もあります。また、ちょっとたばこを買うとかいってもなかなか売店もないといったような、内航船員が非常に不便な状態である。近くに青い灯、赤い灯が見えてもなかなか上陸できないで沖待ちさせられている、こういったいろいろな問題があるようでございまして、昨日の懇談会でも二時間にわたってこの問題がほとんど取り上げられまして、荷主も含めて、何とかこの問題を解決していかなければいけないということで、例えば自動化の問題とかあるいは荷役がどの程度自動化できるか、軽量化できるかとかそういった問題、あるいは今のような内航船員の足の便とかいろいろな問題がこれからきめ細かに議論されていくところでございはして、私どもも、船員不足の折から、特にタンカーは一番船員不足がひどい状況でございますので、その辺を特に重点的にこれから懇談会の場でも議論していきたいと思っております。 その結果、懇談会の結果として他の行政機関に係るような問題が仮に出てくるとすれば、関係先にもそういった懇談会の結果というものを十分お伝えしたい、働きかけをしたいというふうに考えております。
○緒方委員 先週お話を聞きに行ったときの話ですと、とにかく食事も六人で自分の分は自分でつくるということですが、結局冷蔵庫に一週間分買い物をしなければならぬということで、個人個人入れているというわけですね。肉だって魚だって一週間も、それは冷凍しておけば別だけれども、そんな状態で仕事をしているわけですね。そういうことを考えると、今言われるように懇談会でいろいろ議論が出て行政に何か問題提起が出ればということの話ですが、そんな問題じゃもう追っつかない状況が来るんじゃないかと僕は思うのです。 そういたしますと、今言われるように例えば自動化の問題とか、あるいはそういうものをやるためにいろいろな技術開発とか助成とかそういうものをやはり早急に検討しないと、どうもここが一番最初にとまるということになりかねない、タンカーが。そういう認識ですので、懇談会でも出るでしょうが、役所自身としてもそういう自動化問題などを能動的に検討してもらいたいと思うのですが、その辺はどうなんですか。
○戸田政府委員 懇談会での結論を待つというようなことではなくて、途中での議論の段階でいろいろな方策がとれるだろうと思います。そういったことで船主さん、荷主さん、そういった方に我々の方も強く訴えて、ただいまの食事の問題などにしましても例えば陸上から差し入れるとかそういったことも可能でありますし、あるいは着岸した際に食事は陸上でとるとかそういったことも可能ではあるかと思いますから、さまざまな工夫を集めて解決できる問題から解決していきたいと思っております。
○緒方委員 それでは、そういう具体的な答弁ですので、それにはいろいろな会社の協力とか技術的な問題、人の問題、お金の問題あると思いますが、ぜひ前向きに対応していただきたいと思います。 この問題の最後ですが、それにしてもこれは長期的に対応しなければいけない問題もあるわけでありまして、これからのそういう問題を考えた場合には、港湾管理者に対して危険物積載船を含めた内航タンカーの専用の着岸バースの確保を図るべきだというふうに思うのですが、その際には特に港湾の整備、新しい港湾の建設の段階からやっていかないと、もう十年先二十年先、まあ十年先でも遅いんじゃないですかね。もっと先のことを計画する段階からやっていかないと間に合わないと思うわけであります。その辺について十分配慮すべきだと思いますが、どうでしょうか。
○上村政府委員 一般的に申し上げまして船舶の係留施設につきましては、港湾管理者が利用者の要請を踏まえながら港湾全体の利用上、安全上等の観点からその規模、配置などを定めまして、これを港湾計画に位置づけた上で建設するということになっております。 先生が先ほどから取り上げられておられます危険物積載船を含めました内航タンカーの着岸バースにつきましても、既に東京湾の諸港など幾つかの港では港湾管理者が港湾計画に位置づけた上で整備を行っております。しかし、先生から今御指摘もございましたので、私といたしましては改めて港湾管理者に対しまして、今後ともこのような要請があれば適切に対応するよう注意を喚起する措置をとりたいと思っております。
○緒方委員 次に、内航船員労働力の安定的確保についてお尋ねいたしますが、その具体的な対策をひとつ示していただきたいということと、それから、ちょっとさっきも出ましたけれども、とにかく人が来ないということになると訓練が必要だということになりますので、一般の高校卒で基礎的訓練を受けた人たちなどが、内航もちゃんと船室もよくなったよあるいは賃金もいいよ、労働時間も短縮されたよという条件が出てくればあるいは人も来てくれるでしょうし、また働きかけもしなければできないというふうに思うのですが、そのためには未経験者船員のスペースをつくるということが必要だと思いますが、その二点についてお尋ねをいたします。
○金子(史)政府委員 お答えいたします。 まず、内航船員の安定的確保のための具体的施策という点でございますが、内航船員の将来にわたっての安定的な確保に関しましては、御承知のように高齢化の進展等非常に厳しい状況があるわけでございます。 具体的な解決の方向といたしましては、陸上労働と比較いたしまして相対的に魅力の欠ける内航船員の労働条件、労働環境等を改善することが急務であるというふうに考えまして、内航海運事業者が努力することはもちろん、そういった内航海運業者等の努力を運輸省としても環境づくりの面から支援するといったことから、そういった趣旨もありまして懇談会も設けさせていただいたわけでございます。 また、ただいま御審議いただいております内林小型船の船員の労働時間の短縮に資するところの船員法の一部を改正する法律案、こういったことにつきましても内航の船員に魅力ある職場にするといいますか、そういったことに資するのではないかと思っておりますし、また、先ほど申し上げましたように予算的にも漁業労働者の、漁船員の内航転換奨励金制度というものも新設いたしましてそういった取り組みもやっております。 また、海員学校とか海技大学校を内航船員向けの要するに養成の場とするということで、従来海員学校は御承知のように外航の部員向けの教育機関であったわけでございますけれども、それを教育制度を改革いたしまして内航向けの養成機関にするといったようなことをやっておりますし、また先生御指摘のように、一般の高校等から内航船員になる道というものも開くということも、例えば海技大学校に五級の資格を卒業したら取れるところの初級の養成研修講座といろもの、そういう課程というものを新しく設けましたし、それから海員学校の中にも専修科という、これは一般高校を卒業してから入るという課程、これを今どんどん充実拡大しておりまして、定員的にもこれは着実に入学者が定員を上回っておりますし、またこれのいいところは、高校を卒業しますと人生の進路というものが、中卒者と違ってかなり確たる自分の将来の見通しというものがありますためにやめる人がほとんどいないということのメリットがあるわけでございまして、そういった海員学校の専修課程、一般高校を出た人、これはもうほとんど全員が内航の方に行きます。そういったことがありますので、そういった施策を一層進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○緒方委員 次に、みなし船関係の問題について質問をしたいと思います。 内航海運業法の第六条の「許可の基準」、その第二号で、内航運送業については運輸省令で定める一定の船腹量を超えるものであるということが定められているわけでありますが、最近このこととみなしの関係あるいは海造審の先日の答申などで非常に問題が深刻になっておるのではないかという認識を私は持っております。 そこで少しお尋ねをいたします。まず第一は、内航以外のフェリーとかあるいは旅客船とかあるいは外航海運で船員を雇用していない海運業者はいるのかどうか、お尋ねをいたします。
○大金政府委員 お答え申し上げます。 内航船以外のフェリー、旅客船、外航海運で船員を雇用していない海運事業者はいると考えております。ただ、私今正確な数字を把握しておりませんけれども、フェリーとか旅客船の場合にはこういった事業者は比較的少のうございますけれども、外航海運ではかなりの数に上ると認識しております。
○緒方委員 それは今の時点では明らかにならないのですか。どれぐらい調査には時間がかかりますか。
○大金政府委員 この数につきましては今までこういう調査をしたことがございませんでしたので、この数字を正確に把握するためにはちょっとお時間をいただきたいと存じます。
○緒方委員 同じような問いでありますが、運送業者で船員を雇用していない会社は何社あるのでしょうか。
○大金政府委員 ただいまの御質問、内航の運送業者と考えるわけでございますが、これも内航海運業者の関係の許認可は先生御案内のとおり地方運輸局の権限になっているものが多うございまして、そういった意味で正確な数字は地方局の持っております数字を精査しなければいけません。そういった意味でこれも多少時間がかかるのでございますが、実は御質問いただきまして昨日私、現在本省で把握できる数字でちょっと調べました。ただ、正確さという点では若干問題があろうかと存じますが、あえて申し上げれば、内航運送業者で許可の対象になっておりますものの一割ないし二割程度、これが船員を持たない事業者でございます。
○緒方委員 それぞれの数字については後ほど示していただきたいと思いますが、いいですか。
○大金政府委員 後ほど調査の上で御提出したいと存じます。
○緒方委員 次に、本年の三月九日に「今後の内航海運対策のあり方について」ということで内航二法ができて以来初めて政策答申がなされたわけでございまして、ここで船腹調整について大幅な緩和がなされたわけでありまして、当面の緩和としてローロー船、コンテナ船、自動車輸送専用船については四千DWT以上は引当船なしで一トン当たり十万円の解撤猶予金の納入で製造できるということになって四月からやられているわけでありますが、このことによって業界に過当競争が出始めていないのかどうか。 つまり、船員を雇用している運送業者あるいは貸し渡し業者と船員を雇用してない運送業者、オーナーとの間に船員コストの違いから運賃のダンピング傾向が出て、結局船員を雇用していない者が船を建造するということが出始めているという話を聞いておりますけれども、この実態はどういう状況でしょうか。
○大金政府委員 ただいま御指摘の海運造船合理化審議会の答申に基づく新たな船腹調整制度、それに基づきます内航船建造の募集要項、これは四月一日に出されたわけでございまして、現在内航総連がその申請の受け付けをやっておるところでございます。 私どもの方にその内容が出てまいりますのは、内航総連で承認を得た場合に次に事業計画変更の認可申請という形で私どもの方へ出てまいりますが、現在の時点はまだ内航総連が申請状況の全般的な把握を行っている段階でございまして、私ども具体的に今御指摘のような事例があるかどうか現段階では承知しておりません。
○緒方委員 この件についても、まあ確かにきのう、きょうぐらいが締め切りかというような話を聞いておりますが、締め切りはいつですか。特別に日にちがあるのですか。
○大金政府委員 昨日、四月二十日が締め切りでございます。
○緒方委員 状況はまた後ほどお聞きをしたいと思います。 時間が迫ってまいりましたので最後になりますが、内航海運の健全化と労働力確保のための労働条件を考えれば適正運賃の確立は極めて重要な課題であるというふうに思うわけです。運送業者が少なくとも今回の船腹調整緩和に係る船舶を建造する場合にはみずから船員を雇用して、内航海運業の適正コストをみずから自覚して適正運賃の確保に努めるということが不可欠であるというふうに考えるわけであります。 そのためには、当面行政指導としてはみなし船の通達を一部見直す必要があるのではないか。仮にこれまでどおりの運用を行えば船員を雇用していない業者がますます船を持つという傾向になって、労働力面では構造改善とは全く逆行するということになるのではないか。また同じように、みずから船員を雇用しない運送業者がふえれば、それぞれ彼らは分散して一隻ずつマンニング業者やオーナーに預けているので船員の分散化が強まって、業界の構造改善がされなければならぬわけですがそれと逆行するということになるのではないかというふうに思いますが、以上についてお答えをいただきたいと思います。
○大金政府委員 お答えを申し上げます。 まず最初にみなし船の規定でございますが、これは内航海運業法第六条の許可基準、この基準におきまして使用船腹として一定の船腹量を持つことを義務づけておるわけでございます。これに、船腹量の中のさらに一定の割合は自己の所有する船舶でなければならないという運用をいたしておるわけでございますが、実際にそういう船に船団を配乗するために一度裸用船で出しましてそれを期間用船でまた戻してきた場合、これも今の自己所有の船腹量としてみなしてよろしいという運用をやっておるわけでございます。 これは、むしろ経営の安定という観点からいいました場合には自己所有の場合と大きな差が赤い、同じく安定した経営に資するものと認められるという判断からの運用でございます。 ただ一方、適正運賃の確立という点、これはまさに私どもも重要なことであると考えておるわけでございます。 先ほど来御答弁申し上げましたように、海運造船合理化審議会の答申を受けまして、内航海運業界と荷主関係業界との話し合いの場を通じまして適正な運賃の確保が図られるよう指導したいと思っております。また、船員を持たない事業者の存在が適正な運賃水準の確保について問題を生ずることがないような指導、これは私どもとしてやっていく必要があると考えております。ただ、みなし船規定の取り扱いそのものは、私先ほど申し上げましたような観点からなされている運用でございます。 それから、マンニングの話も今御指摘ございました。これも船舶貸し渡し事業者がいわゆる期間用船契約という形で貸し渡す場合には、これは船員職業安定法上も船員労務供給事業の枠外として認められている行為でございますので、私どもとしてもこれを貸し渡し事業者として認めているということでございます。 今後私ども内航海運の構造改善というものを進めていく所存でございますけれども、その構造改善の過程におきましてこれらの問題をどのような位置づけにしていくのかということは検討課題の一つだと考えております。
○緒方委員 それで、先ほどるる申し上げましたように、このことが拡大することによって内航船の問題が人の問題、高齢化の問題で大変な状況になっているわけですが、そういうものがせっかく対応されたとしても、結局は構造自体が変わってしまって、景気のいいときにはそれなりの仕事ができるけれども景気が悪いときには結局知らぬふりというような会社が出てきて業界自体が大混乱をするのではないかという危惧を大変持っておりまして、このみなし規定については、みなし船の通達についてはやはり検討しなければならぬではないかということです。 それから通達というのは、法律がまず基本であって、その中で行政指導でこうこうやられていってそのことで結局法律の柱自体が壊されてしまうことになればこれは問題だというふうに思いますので、私は内閣法制局とかいろいろ問い合わせもしたのですけれども、結局は基本は法律である、その精神をいかに守っていくかということが政府の責任であるし、我々また国会でこういう仕事をしている者の責務でもあるというふうに思いますので、基本的には法律遵守の精神で、そこを柱に今日の状況について私が提起した問題もぜひ真剣に考えていただきたいということを申し上げまして、私の質問をこれで終わらせていただきます。
○久間委員長 午後二時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時三分休憩 ————◇————— 午後二時一分開議
○久間委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。春田重昭君。
○春田委員 船員法の一部改正案が提案されておりますけれども、まずその趣旨をお述べいただきたいと思います。
○金子(史)政府委員 お答え申し上げます。 今回の船員法改正案の目的は主として二つございまして、第一点は、七百トン未満の内航小型船の労働時間等につきましては従来船員法の適用対象を受けず、小労則と申しておりますけれども、そういった省令で比較的緩やかな規制をしておったわけでございますけれども、今回これを船員法の体系の中に取り込みまして時短、時間短縮等を図って推進していきたい、こういう大きな目的が一つございます。 それから二番目の点は、定員の規制につきまして、従来はこれは船員法の七十条の規定で甲板の部員について一律に六名以上というような規定があったわけでございますけれども、これは一九三六年のILO条約にそういった規定がございまして、それがILOの規定からもその六名という数字がとれました。それと船舶の実態などもだんだん効率的になってまいりました。そういったようなこともございまして、一律的な規制をするのではなくて船舶の種類とか大きさとか航行区域とかそれから船種、そういった実態に合わせて定員規制を行っていく、こういうことで従来七百総トン以上だけにかぶせていた六名以上という規定を取っ払う、一律的な定員規制を外すかわりにすべての船舶の航行安全を確保するために必要な定員を乗せなければならない、こういうふうに小型船について今までかかっていなかった部分についての定員規制をかける、こういった大きな二つの目的があるわけでございます。
○春田委員 ただいま御答弁がありましたように、改正のポイント、一つは労働時間の適用範囲の拡大の問題、第二点は定員の規制の見直しであります。 そこで、労働時間の問題につきましてまずお伺いしたいと思いますが、総トン数七百トン未満の内航の小型船も船員法の第六十条による労働時間が適用される、したがって週四十八時間制から四十時間制になる。既に大型船につきましては平成四年四月一日より実施されておりますし、小型船は今回の改正で平成五年四月一日よりなる予定でございますが、運用上全く支障がないかどうか、運輸省としては自信がおありなのかどうか、お伺いしたいと思います。
○金子(史)政府委員 小型船につきまして労働時間、四十八時間から四十四時間にするということで実態上支障はないのかという御質問がと思いますけれども、これは内航の現在の船員労働時間というのを船員労働統計をもとに陸上休暇または有給休暇の実績を勘案して年間総労働時間を推計いたしますと、内航貨物船で現在二千三百四十三時間程度でございまして、時間外労働は三百八十五時間ということで推計されるわけでございますけれども、四十四時間を達成しているものが七百トン未満の船で五七%あるという実績でございます。それから四十六時間まで範囲を広げますと八九%の船員がそれを達成している、こういうことでございますので、私どもとしてはこれから平成五年四月一日の施行まで期間がございますので、その準備期間、鋭意努力すれば達成できない数字ではないのではないか、こういうふうに思っております。
○春田委員 週四十四時間の労働ということは、年間にすれば総労働時間は何時間になるのですか。
○金子(史)政府委員 これはどのように有給休暇の日数を置くかということによっても変わってくるわけでございますので幾つかの前提を置かなくてはいけないわけでございますけれども、例えばの話でございますが、四十四時間はどれぐらいの年間労働時間に該当するかということで、有給休暇を十三日にすると二千百九十二時間ということになりますけれども、この十三日がもうちょっと、祝日その他も休むというようなこともいろいろ勘案いたしますと、これが例えば二千時間程度まで下がってくるとか、そういう一定の、どういう有給休暇の日数を置くかということによってまた変わってくるわけでございます。
○春田委員 条件がございますけれども、陸上と同じように有給休暇をとれば年間の労働時間というのは大体二千二百時間弱でございます。先ほど金子部長からも御答弁ございましたように、平成二年の内航船の総労働時間が二千三百四十三時間ということで、二千二百時間と比較しても百四十三時間がオーバーしているわけでございます。この時間は平均でございますから、さらに具体的にこの中身について御答弁ございましたが、週四十四時間労働をとっているのが全体の約五七%というお話でございますけれども、すなわち残りの約四割のところが四十四時間以上の労働時間になっているわけですね。 そういったことを考えたときに、要するに経過期間は一年間ですね、一年間で果たして週四十四時間が実行可能かどうか。総労働時間でも相当オーバーしておりますし、また全体のまだ六割しか達成していないという点からいっても、残りの四割が非常にやはりきついと思うのですよ。既にこの時点で八割とか九割までが達成して、残り一割か二割でありますから計画で経過期間を一年置いておけば十分達成可能ですというならばわかるのですけれども、約四割強がまだ達成していないわけですから、そんなことを考えたときに経過期間を一年しか置かないという点でかなり厳しいんじゃないかと私は見ているのですけれども、再度御答弁いただきたいと思うのです。
○金子(史)政府委員 率直に申しまして先生御指摘のとおりだと思います。小型船について四十四時間にするということを案として私ども選んだわけでございますけれども、途中の経過といたしましては、四十八時間が現在でございますので、一段階、四十六時間というワンクッションを置いてから四十四時間に進むべきではないかというような議論もありましたし、現に船主さんの中にはそういう意見もかなり零細な船主さんを中心に多かったわけでございますけれども、こういった御時世でございますし、やはりこの際思い切って進むべきだということで四十四時間ということを適用するという方向で進んでまいったわけでございます。 先生御指摘のとおりなかなか、四三%は現在でも四十四時間を達成されていないものが小型船の中にあるわけでございますから、それをこの一年の経過期間の中でやるということはかなりな難しさが伴うと思います。 先ほど時間外の話、三百何時間と申し上げましたけれども、一応その四十四時間の法定労働時間というのは所定内の時間の議論でございますので、それはそれとしてまた時間外労働を短縮する別途の努力は必要でございますが、四十四時間につきましても残りの四三%が、これは平成二年の十月時点における数字でございましてそれから多少時間が経過しているわけでございますから五七%、四三%というよりもうちょっと事態は進んでいる、もっと前進していると思いますけれども、それにしてもあと平成五年の四月一日まで全部が四十四時間という事態に持っていくには、私ども心を引き締めて、また講習会その他あるいは内航海運業者の団体等を通じての働きかけ、PR等、一層努力していかなければならないというふうに考えております。
○春田委員 時短促進はしなければならないという体面はわかるわけでございますが、もし守らなかった場合はペルナティーもあるやに聞いておるわけでございますから、そういった点ではやはり実態に合わせてこの運用をやっていただきたい、このように要望しておきます。 ところで、船員の労働時間を調べてみますと、ただいま部長からも御答弁がありましたように所定内労働時間に比べて時間外労働が相当高い。特に内航船と旅客船については高いのですけれども、これは運輸省としてはどう受けとめておいでになるのかお答えいただきたいと思うのです。
○金子(史)政府委員 ただいま先生御指摘のように時間外労働が内航ではかなり長いわけでございます。船員につきましては法的には時間外労働に対する規制というのはかなり厳しいことになっておりまして、例えば臨時の必要がある場合または特別の必要がある場合に一日の所定労働時間を超えて時間外労働をさせる、こういうふうに場合を限定しております。これは陸上の方は御承知のように労使が協定を結びますれば時間外労働はできる、こういう比較的自由と言っては何ですけれども労働者側の了解が得られればそういうことでできる、こういうことですけれども、船員につきましては、船員法の規定上、例えば濃霧が急に発生した場合とかあるいは航行が非常に危険を伴うような狭水道等を通過する場合とか、そういったような臨時の場合とか特別の必要がある場合とか船長が認めた場合に限ってだけ時間外労働をさせる、法律的にはこういうことになっております。そういう場合と、もう一つは補償休日において労働させる場合と、こういう二つの場合があるわけでございます。 この二つを分けて考えてみますと、臨時の必要がある場合とか特別の必要がある場合の時間外労働というのは運航の確保上行わざるを得ないといった性質のものでございますので、削減することはなかなか困難ではないかという気がするわけでございますが、一方で補償休日の労働の方につきましては工夫次第では削減の余地があるのではないか、従来に引き続きその削減に努力してまいりたいと考えております。 なお、その補償休日において労働させることができる日数の限度、これにつきましては三分の一ということで船員法の施行規則の方で限度が設けられておりますけれども、この短縮等につきまして御指摘があれば、昭和六十三年改正の附則第六条に基づきまして行われますところのいわゆる三年後の見直しの際に検討することにしたらどうかなというふうに考えているところでございます。
○春田委員 臨時の場合とか特別の場合、臨時の場合は濃霧の場合、特別の場合は航行が狭水道の場合、これは私もわかります。 ただ、三番目にお答えがございました補償休日の買い上げの問題ですね。これは労使間でこういった形になったと思うのですけれども、しかし補償休日の買い上げというのは現在の時短の促進の大きな障害といいますか弊害になっていますね。平成二年で時間外労働が内航船で三百八十五時間、旅客船で三百五十九時間になっておりますが、この中で補償休日の労働時間というのはどれくらいかお調べになっていますか。
○金子(史)政府委員 申しわけございませんが、つまびらかにいたしておりません。
○春田委員 この補償休日の問題につきましては過去からもいろいろと言われているわけでございまして、またいろいろな議論もされているということがございまして、私はこの問題についてはやはり将来見直していく必要があると思いますよ。 三年後というのは大体いつごろなんですか。
○金子(史)政府委員 六十三年の改正時からカウントして三年を経過する時点ということで、実は船員中央労働委員会にこの二年後の見直しということで今月諮問をいたしたばかりでございます。 それで、今度この船員法改正が仮にお認めをいただけるならば、それの論議とあわせてこういった問題についても船中労の場でもっていろいろ御議論いただきたい、こういうふうに考えております。
○春田委員 船中委で今後議論されていくと思うのですが、三分の一が買い上げになったときも、組合側としては五分の一ぐらいにしてほしい、経営者側としては三分の二、中をとって三分の一になったみたいでございますけれども、いずれにいたしましてもこの買い上げ制度そのものがやはり今日において時短の促進の障害になっているわけですから、そういった面ではどうか運輸省においても十分それを認識した上で、すぐなくすわけにはいかないとしても、順次四分の一ないし五分の一という形で考えていく必要があるんじゃなかろうかと思っておりますので、よろしくお願いしたい、こう思っております。 ところで、昨年の一月八日に船員中央労働委員会が「船員法の一部改正に関する答申」ということで当時の村岡運輸大臣に出しました案があります。 その中で「労働時間の特例」として二つが挙がっております。例えば「定期的に短距離の航路に就航するため入出港が頻繁である船舶」、もう一つは「海員の日ごとの業務に著しい繁閑の差が生ずることが多い船舶」については労働時間の特例を認めるべきであるという答申が出されておりますけれども、この答申を受けて運輸省としてはいかなる扱いをされようとしているのか、お伺いしたいと思うのです。
○金子(史)政府委員 労働時間の特例でございますけれども、この内容につきましては省令で規定することとなります。 その内容は船員中央労働委員会の今後の審議を経て規定されるということになろうかと思いますが、現時点における運輸省としての考え方を申し上げますと、まず第一点は、定期短距離船につきましては現在大型船について定められている規定を省令上はそのまま適用するということを考えております。また、通達で大型船についてもいろいろな条件を決めておりますけれども、例えば一日百キロ未満であるとか出入港回数が六回以上であるとか、そういったいろいろな定期短距離の具体的な基準を通達で流しておりますけれども、それについて小型船についてはどうするかということについては船中労の場でもっていろいろ議論をしていただきたいと思っております。省令上はとりあえず大型船の規定を小型船にもそのまま適用するということになろうかと思っております。 それから二点目の「海員の日ごとの業務に著しい繁閑の差が生ずることが多い船舶」、これにつきましては省令上一週間の労働時間を五十六時間以内とすること、これは最大限のアッパーリミットでございますけれども、それと一月当たり五日以上の休日を与えることなどを規定することを考えております。
○春田委員 答申に出された内容とほぼ同じで省令に規定したい、こう理解していいですね。
○金子(史)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○春田委員 次に、小型旅客船につきましては労使協定による時間外労働を認めるとなっておりますけれども、その中で「公衆の不便」云々とありますね。また「命令で定める船舶」云々ともありますけれども、いかなることなのか御説明いただきたいと思うのです。
○金子(史)政府委員 改正後の第六十四条の二により、労使協定による時間外労働を認められる船舶は具体的には命令で定めることになっております。この命令事項につきましては改正法案の成立後、船員中央労働委員会で御審議いただいた上定めることになるわけでございますが、現在のところ運輸省で考えておりますのは、「命令で定める船舶」として、例えば次の二つの点を満たす七百トン未満の旅客船を想定いたしているところでございます。 その第一点は、定期航路に就航する船舶であって、季節的要因等により一時的に輸送量が増大する場合には、増便を行って運航を維持する必要があること。これは離島航路なんかの場合に夏には非常にお客さんが多い、こういったような季節によって旅客の波動性が非常に高い、こういったものを考えておるわけでございます。 それから二点目といたしましては、そういった航路について増便を行うに際しまして、そのために必要な海員を臨時に雇用することが困難であること。つまり離島航路なんかで夏場だけお客さんがふえるというような場合、船員を臨時に雇うということによって対応するというのはなかなか難しい場合も多かろうと思いますので、そういったものを第二点目で規定する、こんなようなことを今のところ考えておるわけでございます。
○春田委員 労働時間は労使に任せるということでありますか。七百トン未満の小型船、これはやはり中小企業の方が多いと思うのですね。そういった意味では、組合もない、力関係からいけば当然所有者が強いということになります。その意味では、労使協定というようになっていますけれども、ある程度上限といいますか労働時間の限定時間といいますか、それをつけた方がいいんではないかと私は思うんですが、運輸省としてはどうお考えになっておりますか。
○金子(史)政府委員 労使協定により時間外労働をさせることができる上限は定めないのか、こういう御質問でございます。 今般労使協定による時間外労働を認めるという趣旨は、例えば離島航路に就航する旅客船につきましては、季節的要因等により増便する場合であっても臨時に海員を雇用することが困難な場合に労使協定による時間外労働を認める必要があるということによるものでございまして、このような公益的な観点から必要な時間外労働の程度は個々具体的なケースに応じて異なるためにその上限を一律的に定めるということは困難であろうかと思いますので、上限は定めない、こういうことにいたしたいと考えておる次第でございます。
○春田委員 労働省等で同じような条件の中で三六協定にいけばこの上限を告示として出しているんですね。こういうことで運輸省としても告示なり通達なりを出してある程度歯どめをかけなかったならば、この条文だけだったら相当な長時間の労働が出る場合だってあるんですね。その辺どうお考えになっていますか。
○金子(史)政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、労働省といいますか労働基準法の方では時間外労働について上限を告示で定めておるわけでございますけれども、先ほど御説明申し上げましたとおり公益的な観点から必要な時間外労働の程度は個々具体的なケースに応じて異なるためにその上限を一律に定めるということはなかなか難しかろうというふうに考えておりますので、上限を定めないということにいたしたいと考えているわけでございます。 このようにいたしましても、「公衆の不便を避けるため」といった限定が法律上も付されておるわけでございますので無制限に認められるわけではないわけでして、また労使協定で具体的な遵守措置を伴った上限を設けることとする予定でございますので、これは労使協定ですから労働者側の意見も聞いた上で労使でもって自主的に上限を定める、こういうことになるわけでございまして、したがって、労働保護の方から見ますと支障はないのではないかと考えております。 さらに、定期航路に就航する旅客船のみに認められるものでありますところから、時間外労働の時間数というものもおのずから常識的な線におさまるものと考えておりますので、基準を設けることは考えていないわけでして、実態上、現在時間外労働の届け出というのが小労則に基づいて行われているのを見ましてもほとんどが一時間ないし二時間の範囲内におさまっておりますので、あえて上限を告示で設ける必要性が実態的な理由からもないのかなというふうに考えている次第でございます。
○春田委員 別に法律をつくるわけじゃないんだし、要するに運輸省として告示なり通達なり出してきちっと歯どめをかけた方がいいと私は思いますよ。この問題につきましては船中委でも相当論議されているのですから、ひとつ今後の運輸省の課題として、検討事項として受けとめていただきたい、こう思います。
○金子(史)政府委員 先生の御指摘を踏まえまして、船中労の場でも必要があれば御議論いただければというふうに思っております。
○春田委員 さらに労働時間の問題で、漁船と帆船の問題ですね。漁船、帆船に従事する船員。これらの方たちは、七百トン未満の船舶を見ると、内航船の二万九千五百八十六人に対して六万六千六十人ということで約倍おいでになります。漁船、帆船に従事する方たちが非常に多いのです。ところが、今回の法改正ではこれらの船舶には船員法の労働時間が適用されませんね。これはいかなる理由なのですか。
○金子(史)政府委員 御承知のように、現在指定漁船につきましては船員法本体ではなくて漁労則という運輸省令の方でもって比較的緩やかな規制をいたしておるわけでございます。これは御承知のように、先ほど水産庁の次長さんからもいろいろお話がございましたように、漁業の就労実態を見ますと、一般の航海をしている間はいいのですけれども、操業中になりますと一日の労働時間とかそういうものにつきましても一般の内航船とかそういうのとはかなり違った労働時間の実態になっておるということでございます。 またこの問題につきましては、先ほど水産庁さんからのお話もございましたように、漁業が国際的にも非常に厳しい状況に置かれている中で、漁業経営の問題等、総合的に物事を考えなければいけないというお立場もあろうかと思いますので、今後ともそういった実態について、六十三年の衆議院の運輸委員会におきまして漁船の労働時間とか有給休暇の問題につきましては引き続き調査を進める、こういうような附帯決議もいただきまして、その後鋭意調査もやっているわけでございますが、そういった調査も引き続き深度を深めまして、かつ十分労使で話し合っていただきまして、そういった動向を踏まえながら検討いたしてまいりたいというふうに考えております。
○春田委員 答弁にございましたように、漁労則によって対応している。ところが、この漁労則によりましてもいわゆる労働時間それから有給休暇については適用されていない。これらの方たちについては休憩時間で対応しているということですね。 先ほどから言っているように船員さんの約半分以上はこの漁船、帆船に従事する方たちでありますから、船員全体の時短を促進するという意味では漁船、帆船の労働時間の短縮というのは非常に大きな課題ではないかと思うのです。六十三年の法改正のときにも附帯決議として盛られた、その後引き続き検討する、調査するということで、これは三年たっても同じような答弁なのですよ。これは何をやっていたかと言いたいのです。今回も附帯決議として再び出さざるを得ない状況になっているのですよ。 したがって、確かに漁船に従事する方たちの労働時間というのは非常に不規則な面もございますけれども、いつまでも慣習にのっとってやっていくというやり方では若者はついてこない、やはり三Kの代表となってしまうのですよ。そういった面で非常に厳しいいろいろな面がございますけれども、やはり一歩でも二歩でも前進するような対策というか対応を運輸省としてとっていかなかったならば船員全体のグレードは上がってこない、こう思います。強い決意を伺いたいと思うのです。
○金子(史)政府委員 六十三年の附帯決議以来どういったふうに取り組んできたかということも若干御説明させていただきますと、私どもの関係する団体に財団法人で海上労働科学研究所という団体があるわけでございますけれども、そこの全面的な御協力をいただきながら、学識経験者や労使双方の関係者の参加を得まして漁船船員の労働実態の把握に努めてまいったところでございますけれども、いまだその法的な手当てについて当局としても積極的な提案を行い得るというほどの実態面での改善が進んでいるとは必ずしも言えない、ちょっと口幅ったいような言い方で本当に申しわけないのでございますけれども、そういったこともございます。 それと、率直に申しまして、先生御承知のように船員の分野と申しますのは労使の意見の一致ということを前提に一歩一歩進めていくというような長い間の慣行というのがございまして、労働者側と使用者側が一致しないと物事が進めていけない。そのかわり一致すれば、労使両方とも了解した上でのものですから実行する段階になりますとかなり円滑に実行しやすくなる。短所、長所いろいろあるわけでございますけれども、そういった慣行もございますのでこの問題は引き続き、私どもばかりが先走ってもいけませんので、そういった労働者側、使用者側の意見も十分すり合わせをしながら進めてまいらざるを得ないという苦しい状況を先生もひとつ御理解いただければというふうに考えているわけでございます。
○春田委員 今回の改正で四十八時間が四十四時間になる。しかし、第六十条には最終的には週四十時間制へ移行する、こう明記されております。週四十時間の達成のスケジュール、運輸省としてはどのようにお考えになっているのですか。
○金子(史)政府委員 週四十時間制の達成のスケジュールといいますか目標につきましては、従来から国会でもお答えいたしておりますけれども、一九九〇年代のできるだけ早い時期に達成したい、こういう立場でございますが、だんだん世の中が時短について加速されてくるという状況を踏まえまして、私どもできるだけそれを前倒しする努力を一層強めてまいりたいというふうに考えております。
○春田委員 陸上の場合には一九九〇年代の前半の半ばという考え方ですよね。ところが今の部長の答弁では一九九〇年代の前半ということでありますから、若干微妙に違いがある。この辺は陸上と船員の場合につきましては若干のタイムラグがあるとお考えになっているのですか。
○金子(史)政府委員 おっしゃるとおり陸上と海の場合は若干タイムラグがあるわけでございますが、労働基準法並みに週四十時間制を早期に達成するということにつきましては、昭和六十三年の船員法の改正前は海上労働は実質五十六時間制ということになっておった実態でございます。その時点において週四十時間制に移行するために必要とされた短縮すべき労働時間は十六時間というふうに、弁明するわけではございませんけれども大幅であった。 こういったことなどから、船員の法定労働時間短縮のスケジュールは、陸上の方は四十八時間から四十時間ということでございますので、私どもは倍の努力をしなければいけないということで、そういう実態にかんがみますと陸上に比べ若干幅を持たせていただかざるを得ないのかなというふうに、これは弁明がましくて本来こういうところで申し上げるべきことではないのかもしれませんけれども、若干そういう事情にあるということはお酌み取りいただきたいと思います。 いずれにいたしましてもそんなことを言っていられないのでございますので、先ほど申し上げましたように陸上にできるだけ早く追いつくということで私ども前倒しの努力をいたしてまいりたいというふうに考えております。
○春田委員 いずれにいたしましても陸で働こうが海で働こうが変わりはないわけですから、そういった面では陸に近づけるそういった総労働時間の短縮の促進、陸に合わせるように一層の御努力をいただきたいと思います。 相当時間が経過しましたので、次に定員問題についてお伺いしたいと思うのです。 船員法の第七十条では七百トン以上の大型船は甲板部員が六名以上という乗船の義務があった。今回の改正で個々の船舶の状況に応じて船舶所有者の裁量にゆだねる、こうなったわけであります。となれば、所有者の判断次第で船員の過不足が生じかねないんじゃないか。現行の非常に船員不足が言われているときにこういった法改正をやることによって航海の安全に支障を来すんじゃないか、こんな思いをするんですが、運輸省のお考えをいただきたい。
○金子(史)政府委員 御指摘のようにその七十条の今回の改正、これは船舶所有者の裁量に任せるのは問題ではないかということでございます。 まずその前提といたしまして、改正が必要になった理由といいますか趣旨でございますけれども、私どもだけの説明ではなんでございますので、先生これはお持ちだと思いますけれども、これは全日海が内航船に対する援言というのを取りまとめていただいて大変示唆に富む中身になっておりますけれども、この中で七十条の改正の趣旨について四点ほど理由を挙げております。 一つは、「国際条約で人数の規定がなくなったこと。」これは先ほど申し上げましたようにILOの条約でもって、一九三六年条約で六人という数字が入っておったわけでございますけれども、これが国際条約で今は消えているわけでございます。そういったことが一つ。 それから二点目に挙げておりますのは、「航行機器の近代化により、甲板部員六人を画一的に規定することが必ずしも実態にそぐわないこと。」ということで、航行機器の近代化とか効率化によってそういった画一的に六人と定めるというようなことは実態に合わなくなってきている、こういったことを一点目の理由に挙げております。 それから三点目の理由は、有資格者、これは船舶職員、海技従事者でございますけれども、この「有資格者によって、船舶職員法の法定外職員として二等・三等航海士を配乗しても、現行法では」甲板部員「六人の配乗義務は緩和されないこと。」これはどういうことかと申しますと、部員のかわりに資格を持った職員を乗せてもこの六人という規定は緩和されない、要するに勘弁してもらえないということで、今実態はだんだん部員が減ってきて職員化をどんどんしている、職員の方の割合がふえてきている、こういう実態でございますので、どうしても船の場合、部員のかわりに職員を乗せるということも多いわけでございますけれども、その場合は部員として乗せなくてはいけない、職員の資格をおいておいてわざわざランクを下げて部員として乗せなければいけない、こういう矛盾があるわけでございます。 それから四点目に挙げておりますのは、「船員法上の雇入れ公認では、実際に機関部や司厨部の仕事をする場合でも、甲板部員で雇入れされているケースも見受けられること。」ということで、この甲板部員六人という規定がありますために機関部の人を雇うのでも司厨部の仕事を実際にするのでも、一応雇い入れの公認といいますかそういう手続は甲板部員として形式上は雇い入れる。要するに実態とかなり乖離している。これは全日海の御指摘のとおりだと思いますけれども、そういうような理由があって、要するに実態にそぐわなくなってきている。 こういったことから六人という一律的な規定を廃止するわけでございますけれども、ここにもありますように、「人命・船舶の安全上船舶所有者の義務として、必要な甲板部員の配乗を強く義務づけている。」御指摘のとおりでございまして、私ども今まで七百トン以上だけにかぶせていたこの六人という規制を全船舶に、これは漁船、帆船も含めた全船舶に航行の安全を確保するための必要な定員を乗せなければいけない、すなわち航海当直基準を守るだけの人数を、定員を乗せなければいけません、あるいはいろいろな荷役作業を行うための定員も必要ですし、船内保守作業を行う人数も必要ですし、そういった航海の安全を保つための必要な人員を乗せるという七十条の規定を全船舶に網をかぶせてしまうということで、そういった意味では定員規制を強化する中身になっているのではないか、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。 以上でございます。
○春田委員 先ほどの御答弁でも、午前中の答弁でもありましたけれども、雇い入れ公認とかまた航海の航行当直の基準とか、そんなものも照らしながら、労働時間八時間または航行の安全を守る、こういった点からも厳しくこの定員の問題については運輸省としては見守っていくという話がございました。 しかし、あくまでもそれは法律ではございませんので、また基準がないものですから、守られるかどうかがやはり不安があるわけであります。その意味では就行航路などの実態によりまして運輸省として一つの目安といいますか基準といいますか、そんなものが決められないかどうか。私は決めるべきではないかと思う。安易な定員削減は行われないと思いますけれども、もしあった場合、何らかの判断基準がなかったならば運輸省としては非常に指導しにくいんじゃないかと思うのです。そういう点でも行政指導というのはやはり限界がある。だからこの基準というものをつくって目安としていくべきではないか、こう思いますけれども、ちょっと時間がないから金子さんもぐっと縮めて、あなたようしゃべるから、縮めて答弁してください。
○金子(史)政府委員 具体的な基準を定めないとすると定員についてどういうふうにそれじゃ指導していくか、こういうお話かと思うのですけれども、船舶に乗り組む定員というのは二つの要素がある。一つは法定労働時間の遵守、それからもう一つは航海の安全の確保、この二つの要素から定員は決まってくるというふうに考えておりまして、その労働時間を遵守するための定員については六十九条が規定しておりまして、これは一日八時間の労働が通常は行われておりますので、例えば二十四時間航海するという船舶では三直体制を組むということで甲板部については三人以上の人が必要ということが原則になるわけでございます。 一方、航海の安全を確保するための定員につきましては改正法の七十条が規定するということになるわけですけれども、航海の安全を確保するためには、航海当直の実施とか船内保守整備作業あるいは荷役業務とか荷役の準備作業とか、そういった作業を適切に実施できるような定員が乗り組んでいるといったことが必要でございまして、航海当直の実施につきましては基本的には航海当直基準が守れるということの定員が必要なわけでございます。 具体的に申し上げますと、例えば船橋は無人の状態にすることができないわけでございますから、また七百総トン以上の大型船については複数当直をするというのが国際的にも慣行になっておりますので、これを一般的なケースに当てはめて考えますと、複数当直が必要な大型船の船舶で二十四時間以上航海して三直体制を組む場合におきましては、甲板部については三直掛ける複数でございますから二人でございまして六人以上が乗り組むということが原則になっておりますので、私どもはそういった指導を実際海上保安庁とも相談しながらやってまいりたいというふうに考えております。
○春田委員 時間がなくなってまいりましたので、定員問題についてはまだ深く突っ込んで質問したかったわけでございますけれども、いずれにしても今部長の答弁は実態に合わせて指導していくという話でございますが、決して安易な人減らしにつながらないようにひとつ厳しくやっていただきたい。また十人以下の従業員については就業規則は文書に出す必要はないわけですので、そういったところも十分監視しながら、ただ単なる口頭だけの指導じゃなくしてたまには監察なんかもやって、守られるかどうか、その辺のところは厳しくひとつ監視していただきたいと思っております。 次に、船員の確保の問題、午前中も出ておりました。若手船員を確保するためには労働条件の向上、労働環境の改善、また海といいますか船員に対するイメージアップ、また荷主の協力、いろいろな問題点がございますけれども、それ以外で私は、若手の養成機関でございます海員学校問題について若干お尋ねしたいと思うのです。 現在の養成機関でございます海員学校は何枚なのか、また一番多かった年の学校は何枚だったのか、まずこの点を御答弁いただきたいと思うのです。
○金子(史)政府委員 まず、海員学校の数でございますが、現在の海員学校は全国に八校ございます。一番多かったときの数は十三校でございまして、先ほど御説明申し上げましたように入学定員がだんだん満たなくなってくるという先細りの状態がずっと長年、戦後一貫してと言っていいくらいでございますけれども続いたためにだんだん閉校を余儀なくされていったという実態でございますけれども、ことしに入って入学定員を初めて上回ったということで、ようやく希望が、明るい日差しか見えてきた、こういう状況かと思います。
○春田委員 実はこの海員学校に入学する、卒業する、就職する、こういう制度になるんですが、実態を調べますと、海員学校を卒業した生徒が内航海運に就職してもなかなか定着しないという実態だというのですね。入学定員は四百四十名、ところが卒業者は約半分の二百三十名、そのうち内航海運に就職したのはわずか百二十名、また半分になっちゃうんです。その半分が一年間でもうやめちゃうというのですね。そういった形でかなり厳しい実態となっております。 昨年の六月二十七日の海上安全船員教育審議会の答申でも学生の問題とか教育の内容等についても改善の必要があるんじゃないか、こういった指摘もされているわけでありまして、今後の教育内容といいますか、講習等もやはり見直して、学校に、この養成機関に入った人が最終的にきちっとそういった海運業界に就職する、そして定着する、そういった要するに方向に変えなかったならば今日の実態からすれば何の意味もないのですね、これは。そういったことをどう真剣に受けとめているのか、お伺いしたいと思うのです。
○金子(史)政府委員 海員学校をやめていく人が多いとかあるいは卒業してもなかなか海の方に就職してくれない、こういう実態が確かに御指摘のとおりあったわけでございますけれども、最近に至りましてようやく、例えば卒業生の就職状況を見ましても四分の三程度はフェリーも含めますと内航の方に行っておりますので、そういった内航志向というものがだんだん定着してきたかな、こういう感じがいたしておるわけでございます。 それとまた、海員学校の中にも清水と波方は専修課程というのを持っておりまして、これは中卒ではなくて一般の高校を出た人を入れる、こういった教育をやっておりまして、それにつきましては非常に定着性がよくて、ほとんど脱落者はいません。これは、一たん高校を出ますと自分の将来の志望というのがかなり固まってまいりますので、そういった方々がどんどんふえております。専修課程の伸びというのは非常に著しいということで私ども非常に喜んでおるところでございます。 それと、海員学校について安教審の答申に基づいてどういう改正を行ったかということでございますけれども、海員学校の改善の趣旨は、近年の海運界における状況を踏まえまして教育の内容を改めるとともに、その教育の完結性といいますか、もう乗船訓練もそこで全部やってしまって一定の資格、免状もそこで取れるようにする、こういった問題とかあるいは他の教育機関との連携を行う、こういったようなことを含んでおりまして、要するに船員といいますか海員学校の魅力化を図っていく、それによって若者の海上志向を高めることによって日本人船員の確保、育成を図っていく、こういう趣旨でございます。 その主な内容といたしましては、主な改善点でございますけれども、海員学校の本科、専修科ともこれまでの外航船員の部員教育という外航向けの教育から内航の職員の養成ということに目的を変えたわけでございます。このため、本科につきましては、従来に比べまして六カ月の乗船実習科を付設することによりまして修業年限を半年延ばして三年六カ月といたしました。専修科につきましては、従来の修業年限を一年であったところを二年に延長することによりまして本科、専修科とも乗船実習を九カ月に拡大して、従来は海員学校を卒業した後に定められた期間実際に船舶に乗り組んで乗船履歴をつけない限り四級の資格はもらえなかったわけでございますけれども、今回はその乗船実習を海員学校にくっつけましたために、海員学校を出れば四級の海技国家試験の要するに実技も免除になりますし筆記も免除になります、面接だけでいい、こういうことになったわけでございます。非常にこれは生徒も喜んでおりますし、一層内航向けの供給がこれによって促進されるのではないかと私ども思っております。
○春田委員 時間があと五分になりましたので、船員さんの所得税の減免措置につきましてお伺いしたいと思うのです。 内航船の船員の減少に限らず、外航船員数もかつて昭和五十六年には約三万人の方が在籍していたのが平成二年の十月には約一万人ということで、相当大幅に減少しているんですね。海外ではこうした外航船員に対しては所得税等の減免等の負担軽減の措置を講じております。もう御存じだと思うのですが、イギリスでは年間百八十三日以上海外にいた場合には所得税が減免されている。ノルウェーでは課税所得の二三%が、オランダでは課税所得の三五%が控除になっている。その他これに近い措置をとっている国が多いのですが、我が国はそういった船員が減少する中でこうした所得税減税については今までとってない。今年度の予算要求では運輸省としては大蔵省にお願いしたみたいでございますけれども、時期尚早ということで対象にならなかったわけでございます。 これは時間がないからもう運輸大臣答弁してください。要するに今年度もひとつ要求して、要求じゃなくしてことしはから取ってもらいたい。これは大蔵省と相当強い交渉をしていく必要があろうと思います。奥田大臣はサンショは小粒でも大物大臣ですから、大臣在籍の間に何か大きな成果を上げるという意味ではこの外航船員の所得税の減税をひとつ来年度はから取ってもらいたいなと思うのですよ。どうでしょうか。
○奥田国務大臣 これはかねてからの要望でございまして、半年、一年と長期に家を留守にして長期航海に出られる人のために何とか控除を図ってあげたいということで毎年税制改正のたびごとに要望をしてきているわけでありますが、大蔵当局としては新しい制度創設に対してはなかなかもういい返事がもらえないといった現状でございます。 しかし、今日の船員不足の情勢、特に外航船員の長期間にわたる勤務条件等々を考えて、まさに海洋国日本の危機であるという認識の上に立って粘り強く大蔵省と折衝をしてまいりたいと存じます。
○春田委員 奥田大臣、ひとつ強い決意で臨んでいただきたい。亡き山村先生、本当に不幸にしてお亡くなりになったわけでございまして、心から哀悼の念を表するわけでございますけれども、あの山村先生が空の男として運輸行政に大きな歴史になっているわけですから、この所得税減税を奥田大臣のときにから取って海運行政の歴史に海の男奥田敬和と残るように、ひとつこの減税については強い決意で頑張っていただきたいことを強く要請して、質問を終わります。
○久間委員長 佐藤祐弘君。 〔委員長退席、村田(吉)委員長代理着席〕
○佐藤(祐)委員 内航海運は長距離大量運送に有利であるということで、我が国経済と国民生活の上で大変大きな役割を果たしているというように思います。ところが、内航船の九一・七%が七百総トン以下という小型船だ。これまでは船員法の適用も受けないということで、船員の労働条件や安全確保、こういった点でもいろいろな問題がありました。今回の法改正で海の労働基準法ともいうべき船員法の適用対象にするということになったことは、かねがねの課題でありましたし、我が党も積極的に主張してきたという経過からいいましてもこれは改善だというように考えております。 しかし、その法改正の中で部員定員を法定した第七十条も削除する。これは各方面に相当よくない影響が起きてくるというように私は思いますし、この点は納得できないということであります。七十条のあの規定というのはこれまで部員定員の下支えといいますか、こういう役割を果たしてきていた、そういう意味で私は非常に重要な規定だと思うわけです。これを外してしまうということは、船員の確保でありますとか船員雇用それから安全確保、こういった点で非常に問題が起きてくるということと同時に、特に労働時間の短縮、休日の確保ということは今緊急の重要な課題になっておる、こういうときにその条件をつくっていくということからいっても反するものだと言わなければならぬというふうに考えております。 そこでお尋ねしていきたいのですが、政府は年間千八百時間、週四十時間労働、これは法制化もするということで、一九九〇年代の前半半ば、早い時期に実現していくという方針で臨んでいるわけでありますが、運輸関係はほかの産業と比較してもともとかなり長時間労働なのですね。タクシーやバスの場合も二千五、六百時間以上とか相当長い。今回焦点の内航で見ますと、内航船員の年間総労働時間というのは三千時間を超える、そういう船もあるというように聞いております。少ない船でも二千二百時間以上ですが、多い船では三千時間を超える。 先ほどお話にも出ました全日海の出しました提言の中では相当大きな、年間三千五百三十六時間という推算の数字も出ています。非常に長い、長時間労働が一つの重要な特徴で問題点だと思うのです。仮に、この三千時間といいますと一日八時間労働とすると三百七十五日分になるのですよ。一年が三百六十五日ですね。一日八時間で換算すると三百七十五日分働いている、こういうことにもなるんですね。本当にこれは異常な事態と言わなければならぬ。驚くべき実態だと思います。 そこで運輸省にお伺いしたいのは、こういう実情が現にあるわけですね。一方で週四十時間という目標を施政方針として掲げている。これは相当具体的に手だてを講じていかないと絵にかいたもちになっちゃうんじゃないか。運輸省としてはどういう方針でこれを進めていかれるのか、その点まず御答弁いただきたい。
○金子(史)政府委員 週四十時間制の達成、かなり難しい状況の中でどのように進めていくかという御質問でございますが、先ほど来御答弁申し上げておりますように、四十四時間を達成している小型船の割合が五七%あります。それから四十六時間制を達成している内航小型船が八九%ございます。 四十四時間制とかいう目標は一応所定の時間ということでございますので、先ほどの二千三百数十時間という内航の平均の数字、これは御承知のように時間外労働も含んだ数字でございますけれども、そういった内航小型船につきまして必ずしも四十四時間が守られていないという部分が四三%逆に言えばあるわけでございますので、それにつきましては事業者団体等を通じていろいろ講習会をしたり今後いろいろPR活動、パンフレットもつくりますし、そういったいろいろな浸透活動あるいは船員労務官を通じての活動、そういった活動を通じでできるだけ指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○佐藤(祐)委員 今四十四時間を達成された数字を挙げられたが、後半おっしゃったように、これは達成されていないところが問題なんですね。だから、そこを本当に実現していくというのは私は相当な決意で臨まなければ進まないだろうと率直に思うのです。やはり具体的に実際的に考えた場合、労働時間を短縮するためには定員の確保といいますか、一定の働く人がいなければできないわけですよ、結局は。 そこで、私は七十条問題を重視しているわけなのですけれども、今回の法改正では、第七十条の改正で、船舶所有者は、「航海当直その他の船舶の航海の安全を確保するための作業を適切に実施するために必要な員数の海員を乗り組ませなければならない。」こうしているわけですね。これによって担保できるんだというようなけさ以来の答弁でありますが、私はここに非常に不安を持っております。必要な員数というのは一体だれが決めるのか。会社任せなのか、運輸省として指針なり何なりを出すのか。その点どうですか。 〔村田(吉)委員長代理退席、委員長着席〕
○金子(史)政府委員 七百トン以上に従来六人の甲板部員を乗せなければいけないという義務がかかっておったわけでございますが、今回の改正案は一律的な規制を改めまして、七百総トンとかそういう壁を取っ払って、すべての船舶に対して航海の安全を確保するために必要な定員を乗せなさい、こういう義務づけを行うわけでございます。 それをどのように確保するかということでございますけれども、まず就業規則の届け出という段階で一つはチェックできるかと思います。それからもう一つは、雇い入れ公認という段階でもチェックできますし、労務官の随時の監査、そういったようなことでもチェックできるというふうに考えております。 また、指導の基準がないではないかということでございましょうが、私どもといたしましては海上保安庁とも話し合っておりますけれども、七百総トン以上の船舶につきましては複数当直ということで、これは航海当直基準から複数当直基準ということで、例えば二十四時間以上航海する船舶につきましては、三直で複数ですから六名以上の甲板、これは部員、職員合わせてでございますけれども、乗せなさいという指導をしていくつもりでございます。それから、七百トン未満の船舶につきましては、例えば二十四時間以上航海するものにつきましては三直ということで、これは一般的には単独当直でも差し支えないわけでございますが、甲板の部員、職員計で三名以上乗せなさい、そういう指導をいたしてまいるつもりでございます。
○佐藤(祐)委員 必要な員数はだれが決めるのかというのにお答えいただきたいことが抜けておりました。 もちろん船の形態は多様ですからなかなか決めがたいという側面もあろうかと思います。しかし、チェックをすると言われる場合も、チェックするには何らかの判断基準が当然あるはずですよね、なければチェックができないわけですから。ですから私は、七十条の七百総トン以上の船についての定員規定、法定化、これはそのまま残しておいて、しかし船員法全体を七百総トン以下の船に適用していくという場合に、そこが引っかかりになれば、それは七十二条の三でかつてやったように、あれには我が党は反対しましたが、例外規定を設ければ整合性ができるわけですから、全体に適用するためにどうしても七十条を廃止しなければならぬということではないと思うのですね。 今お聞きしておりますのは、そういうことで結局必要な員数というのが非常に不安定なものになっていくのではないかという点なのですね。いかがですか。
○金子(史)政府委員 失礼いたしました。 定員を定めるのは船舶所有者でございまして、これは定員を定めた場合、例えば十人以上の従業員を抱える船舶所有者にありましては就業規則の届け出、今回その就業規則の届け出の中に定員というものを強制的な記載事項にいたしましたので、定員を届け出るに当たっては労使協議の上届け出る、こういうような仕組みになっておりますので労働組合の意見を聞いて届け出る、こういうことになりますので、そういった意味からも使用者側の意見のみではなくて労働者側の意見も踏まえた上での定員ということになろうかと思っておりまして、さらに私ども運輸局等でそういった定員を審査する、こういう仕組みであります。 この定員の六人を外すのはいかがなものかという御指摘でございますけれども、これは先ほども、私どものお答えばかりでは手前みそになりますので全日海の方で出していただいている提言、これでもってどういうふうに組合の方でもとらえているかということを簡単に御紹介いたします。 一つは、七十条の定員六人というのを外した理由としましては、国際条約で人数の一律的な規制がなくなったこと。これは過去六名という規定がILO条約にあったわけでございますけれども、これがなくなったわけでございます。 それから二点目は、航行機器の近代化により、甲板部員六人を画一的に規定することは必ずしも実態にはそぐわないこと。 それから三点目は、有資格者を乗せても現行法では部員六人配乗義務は緩和されない。資格者を乗せれば本来であればその部員の六人というのは緩和してもいいではないかと常識的には考えられるわけですけれども、法律で一応六名というふうに硬直的に定めているために、どんどん今職員の方がふえておりまして部員の方が減っておるという状況で、職員を乗せたくてもそれは部員の資格として乗せないといけない、ワンランク下げて乗せなきゃいけない、そういう矛盾がある、そういったことが三点目に挙げられております。 それから四点目は、船員法上の雇い入れ公認では、実際に機関部や司厨部の仕事をする人でも甲板部員で雇い入れているケースが見られるといったことで実態にそぐわなくなってきている、こういったようなこと。 その四つの理由から、今回六人の一律的な規制を廃止する、こういうふうな説明がなされておるわけでございますけれども、私どももそういったような事情は労使ともに認めているところではないかというふうに考えております。
○佐藤(祐)委員 私も提言は全部目を通してありますけれども、同時に海員組合では、今度の法律からの削除によって定員削減が行われる心配がある、だからそういうことはないようにということも答申で出しているという状況もあるのですね。 やはりけさからの議論でも、何といっても一番がなめは法律なのですよ。ですから、そこの歯どめが外れるというのは私は重大だというふうに繰り返して申し上げておきたいと思います。 労働者の意見も反映されるけれども、必要な員数の決定権は船舶所有者にある、この点での問題点としてもう一つ申し上げておきたいのですが、現状を基準に考えるといいますかそういうことに恐らくなりがちなんじゃないかと思うのです。現在の運航している実際の人員数ですね。 例えば、これはどこでも似たようなことですが、中国運輸局管内のある船の場合、四百四十九トンの船舶ですが、定員は航海士二名、機関士二名、甲板部員二名ということで、陸上休暇が一人年間三十日、それもいわゆる回り休暇というものですね。交代にだれか休みをとるということで、実際には五人で運航している、こういう状況があるわけですね。こういうところで実労働時間が三千時間近いとかいうのが実態なのです。それは一応六人でやれている、そういう前提で必要な員数というのを決めていったとすると、これは時間短縮どころの話じゃなくなってくるわけですね。現実には非常に超長時間労働になっている。これを短縮していかなければならぬという課題ですよ。そうすれば定員の増とかいろいろな施策が必要になるわけですね。しかし、恐らく船舶所有者が決定していく必要な員数というのは、現状より多目に必要な員数が出てくるというのは私はごくまれなことだろうと思うのですね。 こういう点では運輸省は当然調査をし、こういう小型船の実情把握はしておられると思うのですが、現状どうなっているかというのはどの程度御存じでしょうか。
○金子(史)政府委員 内航船の船員の配乗実態でございますが、私ども調査したものを御参考までに御披露いたしますと、例えば内航七百トン未満、五百トンから七百トンという区切りのところで見ますと、五百トン以上七百トン未満の船舶につきましては七・二名というのが職員、部員合わせた平均でございます。それから二百トンから五百トン、二百トン以上五百トン未満ということでございますが、これが五・六名というのが平均の船員数、それから二百トン未満のところでは三・四名、こういったのが配乗の実態になっておるところでございます。
○佐藤(祐)委員 今人数のことが出ましたからちょっとお聞きしておきますが、確かめておきたいと思うのですが、昨日いただいた資料でこういう資料をいただいたのですね。トン別で最人定員数と最低定員数というのをいただいたのです。ここで五百トン未満、これはランクが五から二十、二十から百、百から二百、二百トンから五百トンとあるのですが、最低定員数が一人という資料をいただいたのです。これはどんな場合ですか、一人というのは。
○金子(史)政府委員 これは船舶職員法に二十条特例というのがございまして、船がいろいろな特殊な運航形態等の場合には例えば機関長を省略できるとか、個別の船一隻ごとにそういった二十条に基づく認定、これは運輸省がやっておるわけでございますけれども、事実上は官労使の協議会でそれを判断した上でもって二十条特例を働かすか働かさないか個別に審査いたした上でやっておる、そういったことから、本来的には例えば船長と機関長を一名すっ乗せなければいかぬような一九九のものについても一名ということが二十条特例を働かせている場合にはあり得るわけでございます。
○佐藤(祐)委員 その船は運航はどういう時間帯の運航なんですか。
○金子(史)政府委員 これはその船個別には私どもちょっと今手元につまびらかにしておりませんけれども、例えばどういうようなケースかということを一般論的に申し上げますと、さっき二十条特例を働かすような場合、例えばこれは引かれて航行するような船舶、こういうものについては二十条特例で——これは法定配乗は一名の船舶でございます、失礼しました。先ほど二十条特例の話をいたしましたけれども、それ以外に法定配乗が一名の船舶というカテゴリーがありまして、それが引かれて航行する船舶とか譲渡手続のために航行の用に供されない船舶、これは法定配乗が一名の船舶でございます。 それから、二番目のカテゴリーとして二十条特例、船舶職員法の二十条に規定する乗り組み基準の特例により配乗義務が軽減されて一名になっている船舶でございますけれども、例えばこれは平水区域を航行区域とする同一人により操舵及び機関の運転ができる船舶、そういうカテゴリーが一つ、それから二番目として試運転を行う総トン数二十トン以上の船舶、こういったような船舶が一名の配乗特例、二十条特例が働いて一名になっているというカテゴリーのものでございます。
○佐藤(祐)委員 内航船では、とにかくコスト優先という中でどうしても人員を少なくする、少ない人員で運航するというのが強くあるのですね。だからよほど厳密にそのあたりはチェックが必要だということだと思います。 次に、時間がありませんので休日問題に移りますが、労働条件改善の上で、休日の補償も重要な課題だと思います。今実例を挙げましたように、小型船では陸上休日が三十日とか四十日しかとれないというところが実態としては非常に多いわけです。本来ならば私は陸上休日を基本に必要な休日を確保できるような体制にどう持っていくかというように考えるべきだと思うのですね。家族との関係などを考えても、一定期間ずっと家族と離れて暮らすとかですよ。船の上では実際にこれは休日になりませんから、たしか規則では陸上あるいは停泊休暇というのもありますけれども、停泊休暇というのは家族のいないところでただ船がとまっている間休みだよというだけですから、本当の休みにもならないと思うのですよ。そういう意味では本当に家族にも会える休暇という陸上休暇、そういうものを中心にそれをどうふやしていくかということで考えるべきだと思いますが、その点はどういうふうに考えていますか。
○金子(史)政府委員 先生おっしゃるとおりだと思います。
○佐藤(祐)委員 現状はしかし三十日、四十日しかとれないということですね。それで週休、週一日休む、それから祝日、年休と、これだけでも大体年間八十日ですか。今後は週休二日に移行していくということで、公務員の皆さんは五月から週休二日に入るわけだけれども、そうなっていくと休日は年百四十日ということになってきます。これを補償していくには私は予備員、交代要員、これはもうかねがね船員関係では予備員の重要性というのは指摘されてきて、外航の場合にはかなり高い率で予備員は確保されているという状況があるわけですが、内航の場合は現状の予備員は非常に少ないんじゃないかと思うのですが、現状と、これをどう増強していくかという点についてどう考えておられるか。
○金子(史)政府委員 内航の予備員率は二割弱だったと思います。たしか一九・何%だというふうに記憶いたしておりますけれども、今休日日数を確保するためには必要な予備員を確保するということが必要だ、これもまたおっしゃるとおりかと思います。 新規の予備員の増加を図る、これは各船舶所有者の所有船舶の内容とか雇用船員数によって異なってくるので、一律的な予備員率を設けるということはなかなか難しいかと思いますけれども、いずれにしても各船舶所有者の実情に応じて労働時間の短縮を着実に推進し得るための船員の確保、養成について私どもといたしましても十分考慮するよう今後とも船舶鞍に働きかけを強めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤(祐)委員 内航の場合で定員の何割ぐらい必要だと考えておられますか。
○金子(史)政府委員 お答え申し上げます。 先ほどちょっと申し上げましたように、一律の予備員を設けるというようなことはなかなか難しいのかなと思います。全日海の提言を見ますと、先生御承知のように四九%という数字を一応置いていろいろ必要な船員数等を試算しておりますけれども、どういう予備員率が適正かというのを、これは船の運航実態とか労使の協約があるところないところ、いろいろな問題がございますので、これを一律に定めるというようなことはなかなか難しいのかなという気がいたします。
○佐藤(祐)委員 一律にということを必ずしも言っているのではないですが、外航の場合は九六・五%ですか、非常に高い数字になっているわけですね。内航の方は一九・三%、非常に低いわけですね。今後内航の場合も労働時間の短縮とか休日の確保ということを進めていかなきゃならぬわけですから、当然概数でもおおよそどのぐらいが必要だという目標値は持っていなきゃならぬというように思うのです。 その点もう一度御答弁いただきたいのと、その休日の基本を陸上休日に据えるべきではないかという点についてどう考えておられるか。
○金子(史)政府委員 予備員率についてある程度目安のようなものというものを設けて必要な船員数とかそういうのを出す、こういう御提案かと思いますけれども、先ほど来の審議の中で船腹量見通しに応じた船員数というのをある程度算出できないかというお話がございまして、私どもとしても検討課題としていきたいというふうにお答え申し上げたわけでございます。そういう必要な船員数をはじき出す場合にも予備員率をどう見るかというのはある程度仮定でも置きませんといけませんものですから、その中で勉強してまいりたいというふうに考えております。 それから陸上休暇の問題、これは補償休日の買い上げの限度との問題ともあるいは関係してくるのではないかと思っておりまして、そういった問題は先ほど申し上げましたように六十三年のいわゆる三年後の見直し、その中で船員中央労働委員会の中で補償休日の買い上げ限度の問題というのは議論されていくのではないかと私ども思っております。
○佐藤(祐)委員 時間があと一分になったようですから、最後に大臣にお聞きしますが、本当に船員労働者の場合、非常に長時間の過酷な労働、陸上の一般の労働者と違ってなかなか家にも帰れないとかいろいろ困難な状況がある、その中でしかし国民経済を支える上では大きな役割を果たしているということですね。ですからこういった現状をやはり普通にいってもよりよくしていかなきゃならぬ。特に長時間労働については国際的な批判も強いということも一方にあるわけですが、とにかく日本政府としての方針を出している週四十時間、早い時期に年間千八百時間への移行ということ、その目標から見ると本当におくれた状況にあるわけです。これをどうしても改善していく必要がある。私たちはそのことを強く要望したいし、法律に書き込んだからとか、中心は当事者、労使の問題だというようなことでは実際なかなか進まないと思うのですね。強力な行政がないといけない。 ところが私たちの考えでは、今回の法改正でせっかく船員法の全面適用ということにしながら、歯どめになった法定定員を削除する、これはもう非常に問題があるから法改正全体については賛成できないということにならざるを得ないわけですけれども、大事なことは、前回も議論いたしましたが、安全の確保とやはり何といっても働いている人の労働条件をよくしていく、これがなければ三K職場から脱することもできないのですよ。新しい人も来ないと思うのですね。そういう点で、本当に船員の労働条件改善、労働時間の短縮とか陸上休日の確保、こういう問題にうんと力を入れていただきたい、そういうふうに思いますが、いかがですか。
○奥田国務大臣 陸上勤務条件と比較して大変厳しい条件にあるということの認識はまことに同感でございます。できるだけ早い時期に四十時間、週四十時間のそういった労働体制を何とか早く確立したいなと思っております。 しかし私は、海の職場を持つ男の魅力と申しますか、誇りも少しずつ回帰してきているように感じます。というのは、昭和六十三年、平成元年と一・一倍というような状態で海員学校の入学率もまことに低迷しておったわけでありますが、平成二年、三年、四年としり上がりに海の職場を目指す若者がふえてきつつあるということもこの入学率から見れば事実でございますし、もう最近に至っては競争率二倍、採用も八百名近い志望者の中からの四百七十名近くの採用でございますから、そういった意味合いにおいては私は今がチャンスだなと思います。 労使もさることながら荷主さんの御協力も得ながら時短を奨励し、待遇改善そして船上の働く環境改善等々に取り組んでいけば必ず明るい魅力ある職場として、私は決して夢を捨てちゃならぬと思いますし、またそういった時短を含めて今お話しになりましたような休日実行にも、私は船主の協力も得ながらこの方向を積極的に推進してまいりたいと思っております。
○佐藤(祐)委員 終わります。
○久間委員長 高木義明君。
○高木委員 船員法の一部改正に関連をいたしましてお尋ねをいたしますが、まず、内航船員の抱えておる諸課題についてでございます。 今、内航船員と言われる方々は約五万人と言われております。しかも五十歳以上の方々が実に三五%、一万七千名以上いる、こういうふうに統計でも出ておるのであります。単純計算でありますけれども、もしこの人たちが今後十年間にそれぞれ退職をしていくとしますと年間一千七百名という船員の方々の補充が必要になってくる、これはもう全く単純な計算でございますがそういうことが言われておりまして、こういう中で、先ほどからも話があっておりますように若年層の海離れあるいはまた船員離れというのも大変深刻な問題だ、しかし、中でも最近では海への魅力を改めて認識をするという意味で、徐々にではありますけれども、各界、もちろん国の施策も含めてその成果は出ておると私は思っております。 そういう意味でこの内航船員の不足について、また高齢化の危惧についてどのようにお考えであるのか、まずその辺についてお尋ねをしておきたい。と思います。
○金子(史)政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、内航船員というのは、ワイングラス型と称しておりますように年齢構成が逆ピラミッドどころか若年層、三十歳未満が一〇%程度しかいない、一〇未満しかいない、それで平均年齢も四十五歳から五十歳に今近づこうとしているといったような状況でございまして、先生御指摘のように今後十年で三分の一ぐらいがやめていく年齢に達する、そういうことも事実であろうかと思います。 こういったことから、私どもとしてはまず何といっても若い人に内航に来てもらうということが一番大事なので、そのためにはどうしたらいいかということでございますけれども、やはり総体的ないろいろな条件を改善するということが基本であろうかと思います。なかんずく労働時間の問題、休暇の問題あるいは賃金の問題あるいは船内労働環境の問題、こういったような点をどのように具体的に改善していくのかということにつきまして、内航海運事業者あるいは全日海の方々あるいは荷主まで含めまして今懇談会で具体的な事細かな議論まで積み上げていって解決方法を見出していこうとしておるわけでございますので、ひとつよろしく御支援のほどをお願いいたしたいと思っております。 高木先生、全日海の顧問をやっていらっしゃいますので、ぜひとも御支援をお願いいたしたいと思っております。
○高木委員 私は、内航船員が非常に好まれない理由はやはり何といっても労働諸条件の問題が最も大きいのではないか、賃金の面あるいは労働時間の面、陸上の休暇、そしてまた保障されているとは必ずしも言えない災害補償の問題、また退職金制度、そしてまた一方におきましては生活の基盤である船内居住区の環境あるいはまた港湾施設内における交通の不便、こういったもろもろの環境が他の産業、企業に比べると厳しい条件に置かれておる、このことが最も大きな一つの要因だろうと思っています。 そういう意味でこれらを一つ一つ解決していくことが今求められておるわけでありまして、例えば海員学校の拡充もさることながら、もちろんそれも今後さらに十分にやっていき、また新しい角度から検討していく必要もあると思いますが、同時に普通の学校の卒業生にもそういう道が開けるような工夫をしていく、これが私は行政としても最大限の努力をする課題の一つではないかと思っていますが、この点について再度お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○金子(史)政府委員 まさにおっしゃるとおりでございまして、例えば海員学校出身者、今定員四百四十名でございますので、先ほど先生、仮にという数字で年間千七百名ということをおっしゃいましたけれども、海員学校の出身者だけでは、仮に全部内航に行っていただいたとしてもこれはなかなか賄い切れるものではございません。 また、私ども漁船員からの転換ということ、漁船員の職場が国際的な規制によってだんだんなくなってまいりますので、それをぜひとも内航の方に来ていただきたいということで奨励金の制度を今度お認めていただきましたので、内航転換奨励金ということでもって、そういうことで漁業の方からも行っていただきたい。あるいは場合によっては水産高校、これ全国に五十一校ございますか、そういったところにもいろいろな働きかけ、内航はこういうものでございますのでよろしかったら来ていただきたいというようなことでPR活動に取り組んでいるところでございますが、そういったことでもなおかつ不十分でございます。数字的にどうしても足らないのでございますので、それは先生御指摘のように、若い人に来てもらうためには一般高校なりそういった一般からのルートを広げるという以外にないと思います。 そのために私どもは、先ほど来御説明申し上げますように主として二つの改善をいたしました。 一つは海員学校の専修課程を、これは一般高校を卒業してから入るわけでございますけれども、これについて卒業すれば四級の資格がもらえる、四級の資格と申しますのは先生十分御承知のように内航の小型船であれば船長、機関長の資格でございますので、そういった資格がとれるようにする、そういうことによって促進する。 それからまた、海技大学校と申しております、これは再訓練機関でございまして私ども運輸省に所属しておりますけれども、その海技大学校におきましても五級の養成コースということで、全くのと素人をそこに入れて一定期間講習を受けさせれば五級の免状がもらえるようにする、こういう制度も設けまして一般からの道を広くする、そういうことが今後ますます大事になってくるのではないか、そういうふうに考えておるわけでございます。
○高木委員 船員の労働諸条件、これの改善の前提は何といっても適正な運賃あるいは用船料、こういうことがいかに確保できるかということであろうと私は思います。 もちろんそういう船会社におかれましても、営利企業でございますので一定の利潤を上げるということは大切なことでございます。ただしかし、その場合に労働力の再生産という意味でやはり人の問題をないがしろにしては、私はそのもの自体が海であってもおかであっても産業が衰退していく大きな要因だろうと思っておりますので、ぜひこういった適正な運賃や用船料が果たして十分にとられておるのかということにつきましても大きな目を見開いていく必要があろうと思っております。 内航海運組合法によりまして船腹量の調整をして需給バランスを保つということで一つの方策が出ておりますが、余りうまくいっていないという話も聞いております。近年は好景気によりましてある程度荷動きがふえたと言われましたけれども、今言われておるところの景気の下降現象から運賃の抑制あるいは船腹の緩和の動きが出まして適正運賃、用船料というのが不安定であると思っています。 そういう意味で、それぞれの果たすべき役割はありますけれども、行政としてその辺の適正なレベル、こういうものにつきましては最大限の役割を果たしていくべきであろうと思っていますが、この点につきましてどのように考えておられるのか。
○大金政府委員 お答え申し上げます。 近年、内航海運におきます船員不足が深刻化しておるわけでございますけれども、その中で船員の労働条件の改善を図っていくために運賃、用船料の水準の一層の適正化が必要であるという点、これは私ども全く同じ考えでございます。このような視点を踏まえまして、海運造船合理化審議会に対しまして今後の内航海運対策のあり方について諮問をいたしまして、三月に御答申をいただいたところでございます。 この答申におきましては、ただいま先生触れられました船腹調整制度の今後のあり方についても援言がなされておるわけでございますけれども、ここで私特に申し上げたいのは、この答申におきまして船員の安定的な確保を図るため内航事業者と荷主との間で内航輸送に係るコスト負担を適正化することが望ましいという形の提言がなされておるわけでございます。 一方、最近の運賃、用船料の水準は、御指摘ございましたように内航船腹の逼迫状況あるいは荷主と関係業界との間での話し合いの場ができてきていること等を受けまして上昇傾向にあるということは事実そうであろうと考えます。しかしながら、景気の動向は先行き必ずしも楽観を許さない側面もございますし、私ども運輸省といたしましては、先ほどの海運造船合理化審議会の答申の趣旨に沿いまして今後内航海運業界と荷主関係業界との話し合いの場を通じて適正な運賃、用船料の確保が図られるよう業界を指導してまいりたい、このように考えております。
○高木委員 先日の新聞報道では、石油元売り最大手の日本石油は、十四日でありますけれども、特約店向けに毎月決めている石油製品の卸売価格に、これまで含めていなかった精製費、販売管理費、人件費、流通費などの間接コストの上昇分を上乗せする方針を固めた、七月以降卸売価格に転嫁していく予定で、これは他の元売会社もほぼ追随する見通しだ、こういうことが言われております。 この中で特に私が注目したいのは、流通費についてもそういうものに上乗せをしていく、これは私は適正運賃の一環ではないかと思っております。そういう意味で、適正な運賃にたとえ用船料が入ったとしても、これが即船員労働者の労働条件改善の原資になるかどうかというのは甚だ懸念が持たれておるのであります。 なぜかといいますと、現在一社当たりの雇用労働人数が少ないところにおきましては、近代的労使関係といいますか、これに反するような、構造改善が非常に望まれておる実態がたくさんございます。例えば休暇を付与するにしても、また経営の合理化をするにしても、先ほども申し上げましたようにやはり何といっても業界の構造改善が今大きく問われておるというふうに私は思っております。もちろん、過当競争ということについての弊害というのをなくすために私は申し上げるわけでございます。 そういう中でとりわけ大きな問題になるのが、内航海運業法の許可基準に関するみなし船規定というのがありますが、この立法の趣旨は、御承知のとおり電話一本で荷主とオーナー間の輸送契約を仲介するブローカー的運航業者をなくす。これは本当に自分の会社で船員を雇う、そしてその船員に対する労働条件の手当てをする、こういう考え方が十分に腹の中にあり頭の中にあるところでありますとそういう適正な運賃ということについても十分な配慮がなされた取り組みができるわけでありますが、そうでないところ、とにかくみずからの船員を雇用しないブローカー的運航業者がおりますと、いろいろな問題が過去にも出ておりますし、今後劣悪な労働環境というのはなかなか改善をされないのではないか、こういうふうに私は思うわけであります。したがいまして、こういったみなし船規定が十分に履行されるように一体どのようにされておるのか。 それからもう一つは、こういうものをむしろこの際廃止をしていった方が労使間のいろいろなトラブルが起こらないのではないかというふうにも思われておりますけれども、いかがでしょうか。
○大金政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの先生のお話のみなし船規定の問題でございます。 私ども船舶貸し渡し事業として認めております中に、先生御指摘のような、単なるブローカー的に他人の船を一つ持ってきてそれを回す、電話一つでそういうあっせんをするというような形の事業、これは船舶貸し渡し業として私ども認めるつもりはございません。いわゆるみなし船規定で認められておりますのは、期間用船契約という形で船を貸し渡す事業でございまして、期間用船契約の場合には、単に船を回すというだけではございません。それに船員を配乗する、船の運航そのものあるいは場合によりましては積み荷の積みおろしにつきましても用船者に対して責任を持つという形で船舶の貸し渡しか行われるわけでございまして、こういった意味では海運業としての実体も一部備えた事業であるという認識を私ども持っております。一方、これは船員労務供給事業には当たらないという形で船員職業安定法の方でも認められた行為でございまして、こういった観点から今申し上げたような期間用船契約という形での貸し渡し、これを事業として私ども認めておるところでございます。 ただ、今後私ども構造改善を進めてまいります場合に、こういったマンニング業と申しますかこれをどのような形で位置づけていくべきなのか、これは一つの検討課題であるという認識を持っております。
○高木委員 運輸省もいろいろ御多忙でございまして、また非常に幅広い業界でもございます、調査も大変難航をきわめると思いますが、私はまずマンニング業者の実態を十分調査していくことが大切じゃないかと彫っております。そういう調査の上に立って的確な指導を行うということが業界全体の発展につながると私は思っていますが、今後のそういう実態調査についてお考えをお聞かせいただきたい。
○大金政府委員 先ほど御答弁申し上げましたような問題意識に基づきまして、実態の調査もやる必要があると私どもとしても考えております。
○高木委員 では、労働時間の問題に移りたいと思います。 労働時間に関しましては労働基準法第三十二条で週四十時間労働制が規定をされております。その暫定措置として、第百三十一条では「四十時間を超え四十八時間未満の範囲内において命令で定める時間」とされているわけであります。しかし、これはあくまでも一時的なものでありまして、国会の附帯決議でも、労働時間の週平均四十時間制につきましては、可及的速やかに履行するため、労働基準法に基づく労働時間の段階的短縮の実情に配慮しつつその着実な達成に努めること、こういうふうになっております。 きょうは労働省にもおいでいただいておりますが、まず今日的課題であります時短のその後の推捗状況についていかがになっておるかお聞かせいただきたいと思います。
○朝原説明員 お答えいたします。 今先生お話しになりましたように、労働時間法制につきましては、昭和六十二年の労働基準法の改正によりまして本則四十時間ということになったわけでございますけれども、これは段階的に短縮するということでございまして、六十三年四月からは原則四十六時間ということでございます。さらに平成三年四月一日からは、これを週四十四時間に短縮したところでございます。これとともに、一応平成三年四月から、改正労働基準法附則の見直し規定に基づきまして、中央労働基準審議会におきまして四十時間制の問題も含め労働時間法制全般につきまして今検討を行っていただいておるところでございます。 労働省といたしましても、平成四年中には結論をいただくようにお願いしておりまして、その検討結果に基づきまして所要の措置を講じてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○高木委員 その際、船員法におきましても例外となることなく、陸上と同時に達成を強く求めたいと私は思っております。この点につきましていかがお考えであるか、同時に、週四十時間達成に向けての今後のスケジュールについてどのように考えておるのか、この点についてもあわせてお答えをいただきたい。
○戸田政府委員 船員の労働時間の基本的な問題についての御質問でございます。 ただいま労働省の方から一般の労働時間についてのお話がありました。船員につきましては、先生もよく御存じのとおり昭和六十三年に船員法を改正する前には実質五十六時間、陸上が四十時間まで八時間の差であったのが、十六時間の差があったということもありました。その後大変努力してまいりまして、現在、七百トン以上については四十四時間まで短縮してきているわけでありますが、七百トン以下につきましても明年から四十四時間に移行できるという見通しを我々は持っているわけであります。 陸上との乖離につきましては好ましいことではありませんので、今後できるだけ陸上に追いつけるように最大限の努力をしていくべきであろうと思っております。 一方で内航船員の不足の問題などもありますから、その点は、陸上と同じようにやっていけるようにできるだけ早い時間にこのギャップを埋めていくということは内航海運問題についても最大の問題であろうと思っておりますので、そういうような方向で最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
○高木委員 基準労働期間の見直しについてでありますが、先ほどからお話があっております。船員に対する労働時間の短縮の実効を上げるためには週の法定労働時間の短縮以外に、やはり何といっても基準労働期間の短縮というのが必要であろうと思っています。 船員の場合は、基準労働期間内において週四十四時間が達成されればよいことになっておりますので、一定期間まで週五十六時間労働を連続させて、基準労働期間の終わりの方でその分の休日をまとめて与えられれば週四十四時間が達成されたことになっております。そのため、やはり乗船中におきましてはどうしてもその実労働というのは極めて過酷な状況になっておるということもよく聞かされるわけでございまして、何としてもその基準労働期間の一層の短縮というのが時短の趣旨に合うものではないかと私は思っておりますが、この点についてのお考えをお聞かせいただきたい。
○金子(史)政府委員 御指摘のとおり、実際的に時間短縮を進めていく上には、内航の場合五十六時間働き通しに何週間か働いて、また一週間なり二週間なり休む、そういうパターンで基準労働期間内に週平均労働時間の四十四時間を達成すればよい、こういう陸上とは異なった考え方といいますか、そういう制度を導入いたしておりますので、基準労働期間を短縮するということは労働時間の短縮という効果をもたらしやすい一つの道かと思います。 ただ、この問題につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、六十三年の附則第六条の規定に基づいて行われるところの三年後の見直しということで、今回、この四月に船中労に見直しについて諮問をしたところでございますので、その見直しの中で労使中心に話し合われていく問題ではないか、こういうふうに考えておるところでございます。
○高木委員 時間もございませんけれども、あと一つ、船舶の乗り組み定員についてお伺いをしておきます。 法第七十条は、改正案におきましては七百トンの線引きがなくなるわけであります。すべての船舶を対象に航海の安全が確保できる海員を乗り組ますことになっております。現行の同条第一項の航海当直をすべき部員については六名の員数規定が廃止されるわけでありまして、これにかわって、船舶所有者は各船ごとの定員を就業規則で定める、そして行政官庁に届け出る、こういうことになっていくわけであります。 これに関連しまして、船主の中には早くも減員の動きがあるやにも聞き及んでおります。しかし私は、安全の上でも安易な乗組員の削減というのは決して許されることではないというふうに思います。もちろん輸送効率あるいは時代の要請に呼応するいろいろな企業努力、そういうことはこれは避けて通れることではございませんけれども、むしろ乗組員が休暇をとるときの交代要員あるいはまた今後の労働時間短縮に対応できる体制のために、安易にその職員を削減するということになりますと大変な問題になると私は思っております。 この場合、いわゆる法第六十九条の労働時間を遵守するための定員、これが一つですね、それからもう一つには航海の安全確保のための定員、二つの条件があるわけでございますが、これは大変大切な私はポイントだろうと思いまして、この整合性をどこに求めていくのか、置くのかというのが大切な課題でありますし、また、航海の安全を損なうようなことがあってはならぬ、そういう意味では早目にこの辺の指導も今後していかなければならない、そういう時期に立っておると私は思います。 そういう意味で、先ほど申し上げましたように労働時間を遵守するための定員と航海の安全確保のための定員、こういうことについてはどういうことで考えており、また、今後どう指導していこうとするのか、お考えをお聞かせいただきます。
○金子(史)政府委員 先生御指摘のように定員には二つの要素がございまして、一つは法定労働時間を守るための定員、それからもう一つは航海の安全の確保のための定員でございまして、前者の法定労働時間の遵守は六十九条の方で規定しておりまして、航海の安全の確保は新しい七十条の方で規定する、こういうことになっておりまして、どういうふうに関係があるかということでございます。 例えば六十九条の方の定員、これを守るために一般的なケースを想定してみますと、一日の労働時間は八時間でございますので、二十四時間以上航海する船舶においては労働時間八時間を守るためには三直体制ということで、例えば甲板部について申し上げますと三人以上の要員が必要、こういうのが六十九条の方からは出てくるわけでございます。 一方で、航海の安全を確保するための七十条の規定でございますけれども、これは、航海当直の実施とか船内保守作業とか船内の荷役準備作業、荷役業務とか、そういったものを適切に遂行するための定員が乗り組んでいることが必要でございまして、例えば航海当直の実施だけをとってみますと、これは基本的には航海当直基準が遵守できるための定員が必要でございまして、これを一般的なケースに当てはめてみますと、七百総トン以上はこれは複数の航海当直ということが航海当直基準上必要でございますので、これにつきまして複数でございますと、二十四時間以上航海する船舶は三直でございますから、三直を複数でということで六名の甲板部の人が必要、こういうことになりまして、航海の安全を確保するために七百トン以上のものは六名の甲板部の部員、職員合わせて必要だ、片や六十九条の方は最低限三人でいい、こういうことで、それぞれ六十九条と七十条、目的が違いますので、したがって今申し上げましたような具体的な例に当てはめてみますとそういったようなことになるわけでございます。 私ども、新しい七十条につきまして、今申し上げましたような考え方に基づきまして保安庁ともよく相談しながら指導を強めてまいりたい、こういうように考えております。
○高木委員 以上で終わります。
○久間委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○久間委員長 本案につきましては、日本共産党から討論の申し出がありましたが、理事会の協議により、討論は御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。 これより採決に入ります。 船員法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久間委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○久間委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、武部勤君外三名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。武部勤君。
○武部(勤)委員 ただいま議題となりました船員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議を付すべしとの動議につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 船員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、最近における内航海運の実情等にかんがみ、次の事項につき万全の措置を講ずべきである。 一 海上における労働力事情及び労働時間短縮の社会的要請も踏まえ、速やかに週平均四十時間労働制の実現を目指すこと。 二 船員法における労働時間短縮の実効を期するためにも、基準労働期間の短縮に努めること。 三 第六十四条の二の関係の「労使協定による時間外労働を認める場合」については、無理な時間外労働をさせないための適正な指導を行うこと。 四 漁船船員についても、今日的情勢を考慮し、その労働実態の把握に努めると共に、漁船船員の労働条件の改善を図ること。 五 新たな定員制度の実施に当たっては、労働時間の遵守及び航海の安全等を損なうような定員削減が行われないよう適切な指導を行うこと。 六 定員制度の改正が、船員制度近代化の推進に支障を生じせしめないよう環境整備等に引き続き努力すること。 七 就業規則の適切な整備を含め、船員法の履行を確保するため、船員労務官体制の充実を始めとする船員労働行政の強化を図ること。 八 内航海運の船員の高齢化に伴う人員不足を解消するために、抜本的な対策を講ずること及び若手船員養成機関としての、海員学校の体制整備充実に努めること。 九 内航海運における最近の深刻化する船員不足の現状を踏まえ、内航海運における船員の労働条件・労働環境の改善・向上を図るため、運賃・用船料の適正化に努めるよう指導すること。 十 内航海運業の一層の健全化を推進するため、関係法令の厳正なる運用及び遵守の徹底を図ること。 以上であります。 本附帯決議は、当委員会における法案審査の過程におきまして、委員各位からの御意見及び御指摘のありました問題点を取りまとめたものでありまして、本法の実施に当たり、政府において従前にも増し特に留意して措置すべきところを明らかにし、より一層の船員の労働条件の向上を図ろうとするものであります。 以上をもって本動議の御説明を終わります。
○久間委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 武部勤君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久間委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。奥田運輸大臣。
○奥田国務大臣 ただいま船員法の一部を改正する法律案につきまして、御熱心な御審議の結果御可決をいただき、まことにありがとうございました。 また、附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、運輸省として十分努力をしてまいる所存でございます。 —————————————
○久間委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久間委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○久間委員長 次に、内閣提出、国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。奥田運輸大臣。 ————————————— 国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○奥田国務大臣 ただいま議題となりました国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 現在の国際観光ホテル整備法に基づくホテル等の登録制度は昭和二十四年発足以来、外客接遇の充実を通じ国際観光の振興に大きな役割を果たしてまいりました。 しかしながら、この間の我が国を取り巻く国際環境は著しく変化してきており、それに伴い、我が国を訪れる外客も、その数が増大するとともに、その中でのアジア地域からの来訪の割合が急速に増加していること等から、宿泊ニーズについても一定の快適性を満たされることを条件に相当程度多様化してきており、従来の登録ホテル及び登録旅館だけでは十分に対応し切れない状況となってきております。また、今後は、宿泊施設のハード面のみならず、外客に対する快適なサービスの提供、適切な苦情処理等のソフト面についてもさらに充実していくとともに、外客の宿泊に関する利便の増進を図る観点から適切な情報提供を行っていくことが強く求められております。 このような状況の変化に的確に対応し、ホテル及び旅館に係る登録基準をハード、ソフト両面から見直すとともに、多種多様な外客の宿泊ニーズに的確に対応し得る宿泊施設、サービスの拡充等を図るため、この法律案を提案するものであります。 次にこの法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、法律の目的を、ホテルその他の外客宿泊施設について登録制度を実施するとともに、これらの施設の整備を図り、あわせて外客に対する登録ホテル等に関する情報の提供を促進する等の措置を講ずることにより、外客に対する接遇を充実し、もって国際観光の振興に寄与することとしております。 第二に、ホテル及び旅館の登録基準を見直し、ホテルまたは旅館の施設及び宿泊に関するサービスに関する登録基準の詳細については、運輸省令で定めることとし、また、登録ホテル業または登録旅館業を営む者に対し、一定の様式の標識の掲示を義務づけるとともに、外客に接する従業員の指導等外客の接遇に関する業務の管理に関する事務を行う外客接遇主任者の選任を義務づけることとしております。 第三に、運輸大臣は、指定登録機関に、ホテル及び旅館の登録の実施に関する事務の全部または一部を行わせることができることとし、その指定の基準等所要の規定の整備を行うこととしております。 第四に、運輸大臣は、指定登録機関が、登録ホテルまたは登録旅館の施設、料金その他宿泊に関するサービスに関する情報を提供する等の事業を適正かつ確実に行うことができると認められるときは、情報提供事業実施機関として指定することができることとしております。 第五に、運輸大臣は、登録ホテル業または登録旅館業を営む者を社員とする社団法人であって、その社員に対するこの法律の遵守に関する指導、外客に接する従業員の研修、外客からの苦情処理等の事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを指定することができることとしております。 なお、この法律の施行期日は、周知に必要な期間等を考慮し、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○久間委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る五月十二日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時十八分散会