大蔵委員会 第1号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/12/03
会議録
○委員長(竹山裕君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、租税及び金融等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹山裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(竹山裕君) この際、羽田大蔵大臣並びに青木大蔵政務次官及び村井大蔵政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。羽田大蔵大臣。
○国務大臣(羽田孜君) 先般、宮澤内閣の発足に当たりまして大蔵大臣を拝命いたしました羽田孜でございます。 内外に数多くの重要課題が山積している中で、財政金融政策の運営の任に当たることとなりまして、その責務の重大さを改めて今感じております。今後とも政策運営に遺漏のなきよう全力を尽くしてまいる所存でありますので、よろしく御指導をお願い申し上げます。 なお、本日は当委員会におきまして、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げるために一言申し上げさせていただきたいと思います。 まず、最近の経済情勢と当面の経済運営について申し上げさせていただきます。 現在の我が国経済は、住宅建設の減少などに見られるように、拡大のテンポが緩やかに減速しておりますが、個人消費や設備投資に支えられまして、総じて底がたく推移しております。また、雇用情勢につきましては、有効求人倍率が高い水準にあるなど、依然引き締まり基調で推移しております。このような状況から判断すれば、我が国経済はいわば完全雇用を維持しつつ、持続可能な成長に移行する過程にあるものと考えられます。他方、物価の動向を見ますと、国内卸売物価は引き続き落ちついており、消費者物価についてもその騰勢は鈍化しつつあります。 このような情勢のもと、企業家等の心理に及ぼす影響についても留意しつつ、先般、公定歩合の引き下げが行われたところでございます。今後、この引き下げがこれまでの市場金利等の低下と相まって、内需中心の自律的成長を息長く持続させることに資するものと期待しております。 政府といたしましては、今後ともインフレなき持続的成長を確保していくため、内外の諸情勢を総合的に勘案し、適切かつ機動的な経済運営に努めてまいりたいと考えております。 国際経済情勢を見ますと、先進国では、全体として見れば景気の減速局面からの緩やかな回復が見られます。他方、累積債務問題につきましては、前進が見られるものの、なお解決に向けての努力を必要としております。また、今後の世界的な資金需要の高まりに対処するため、世界的な貯蓄増大が重大であると指摘されております。 ウルグアイ・ラウンドにつきましては、他の主要国とともに、年内に成功裏に終結するよう努力することが重要であると考えております。 ソ連につきましては、連邦及び共和国が経済・金融面で深刻な問題に直面しておりますが、国際金融機関の協力を得まして、適切な調整・改革政策を実施していくことが重要であると認識しております。我が国としましても、他の先進主要国と協調しつつ、こうしたソ連の自助努力に対し、適切な支援を進めていくことといたしております。 このような国際情勢のもとで、世界経済の安定を確保していくためには、各国が協調して対応することが極めて重要であると考えます。先般開催されました世銀・IMF総会等一連の国際会議におきましても、国際経済及び金融の諸問題につき意見交換が行われ、引き続き経済政策協調を支持していくことが確認されたところであります。 次に、財政改革と平成四年度予算編成について申し上げます。 我が国財政は、巨額の公債残高を抱え、国債費が歳出予算の二割を超えて政策的経費を圧迫するなど、構造的な厳しさが続いております。加えて、税収動向につきましては、これまで増収をもたらしてきた経済的諸要因が流れを変えてきており、三年度税収は当初見積もりに比べ二兆八千億円程度の減収が生じるものと見込まれ、またそれを土台とする四年度税収も極めて厳しい状況となることは避けられません。 しかしながら、今後の財政運営に当たっては、社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応していくために、高齢化社会に多大の負担を残さず、二度と特例公債を発行しないことを基本として、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくことが重要な課題であろうかと感じます。 平成四年度予算編成に当たりましては、このような考え方に沿って、まず制度や歳出の徹底した見直しに取り組んでまいりたいと考えております。 次に、金融・資本市場の自由化、国際化について申し上げます。 金融・資本市場の自由化、国際化は、国民の金融に対するニーズにこたえるとともに、我が国経済及び世界経済の発展に寄与するものであります。また、金融に関する制度、政策について国際的な調和を図っていくことは、国際的に期待される我が国の役割を果たす上でも大きな意義を有するものと考えます。 このような観点から、政府といたしましては、逐次各種の措置を講じてきているところであります。 特に、預金金利の自由化につきましては、金利自由化の定着状況等を見きわめつつ、極力早期に、定期預金金利については遅くとも今後二年程度で、また、当座預金金利を除くその他の預金金利については今後三年程度で自由化を完了すべく努力しているところであります。 また、我が国の金融制度、証券取引制度のあり方につきましては、金融・資本市場における有効かつ適正な競争を促進し、市場の効率化、活性化を図ることにより、内外の利用者の利便性の向上をもたらし、国際的にも通用する金融制度及び資本市場を構築することは極めて重要であると考えております。 このため、金融制度改革を着実に進めていく必要があり、政府といたしましては、本年六月の金融制度調査会答申及び証券取引審議会報告等を踏まえ、よりよい金融制度及び証券取引制度をできるだけ早期に実現するため、所要の措置を講じてまいる所存であります。 次に、一連の証券及び金融をめぐる問題について申し上げます。 先般の証券及び金融をめぐる一連の問題によって、我が国の証券市場や金融機関に対する内外の信頼が大きく損なわれたことは、まことに遺憾であり、極めて深刻に受けとめております。 大蔵省といたしましては、一連の証券及び金融に関する不祥事の実態の解明、再発の防止策等について検討を行い、先般の臨時国会においては、緊急に措置すべき事項として損失補てんの禁止等を内容とする証券取引法等の改正案を提出し、成立させていただくとともに、金融機関の内部管理体制の総点検を早急に行うことなどを内容とする対応策を講じたところでございます。 さらに、一連の不祥事をめぐる問題につきましては、先般、行革審から、「証券・金融の不公正取引の基本的是正策に関する答申」として、我が国証券市場及び証券・金融行政のあり方について抜本的改革の諸方策を示していただくとともに、国会におきましても、不祥事の再発防止に向けて所要の検討を行い、適切な措置を講ずべき諸事項について決議がなされております。 大蔵省といたしましては、行革審答申及び国会における諸決議を最大限に尊重して各般の検討を進め、このような不祥事の再発防止及び我が国の証券・金融市場に対する内外の信頼回復を図るため、法制上、行政上の総合的な対策に取り組んでまいる決意であります。 委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。 以上であります。
○委員長(竹山裕君) 次に、青木大蔵政務次官。
○政府委員(青木幹雄君) このたび大蔵政務次官を拝命いたしました青木幹雄でございます。 至らぬ者でございますが、皆様方の御指導をいただきながら一生懸命務めてまいりたいと思います。よろしくお願いをいたします。
○委員長(竹山裕君) 次に、村井大蔵政務次官。
○政府委員(村井仁君) 先般、図らずも大蔵政務次官を拝命いたしました村井仁でございます。 厳しい財政情勢の折から、その職員の重大さを自覚いたしまして誠心誠意職務の遂行に当たる所存でございます。よろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。 —————————————
○委員長(竹山裕君) 租税及び金融等に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○本岡昭次君 それでは、大臣を中心に質問させていただきたいと思います。 まず、羽田大蔵大臣、御就任おめでとうございます。期待をしておりますので、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。 宮澤内閣が発足をいたしましてはぼ一カ月を経過しようといたしております。宮澤総理の所信表明演説を聞かせていただきました。その中で私が一番印象に残っていることは、世界が今大きく動いている、冷戦から和平へ、対立から協調へということで、国連を中心に平和でそして共存共栄できる新しい国際秩序をつくっていく時代になった、こういうふうに宮澤総理はおっしゃったわけで、私も文字どおりそのとおりだ、こう思っています。時の政府と私たち野党の立場にあるものが基本的な点で認識が一致できるかできないかというのは極めて大事なことであります。そういう意味で、私はその点において一致できだということは非常にいいことであった、こう思っております。 そこで、そうした国際的な新しい秩序を、日本だけが経済的に豊かになるんじゃなくて世界の人々全体をと、しかもそれを国連に軸足を置いてと、こう私たちが考えていく場合に、それを支えていく経済的な力をこれからも日本が持続できるかという問題があろうかと思います。今も大臣がごあいさつの中でお話しになりましたように、日本の経済、いろんな指数をとってみても、下降ぎみでございます。そのことから、来年の歳入のかなめであります税収もかなり落ち込むのではないかということが新聞等でも出ておりますし、きょうもそのことをお伺いしたいと思っております。 国際的に協力はしたい、しかし国内の経済が下降ぎみにある、こういうふうなことで、大蔵大臣にとっても大変厳しい財政運営を強いられることになる、こう思います。しかし、先ほど言いましたように、総理大臣がみずからこれからの日本の進むべき進路にかかわっての基調を述べられましたその国際協調という問題、それは当然日本の国民の暮らしも大切にしていくということと相償わなければならぬわけで、国民の生活を犠牲にして国際協調というふうなものもあり得ない、こう思うわけであります。 そういう意味で、これから羽田大蔵大臣の肩にかかってくる財政運営上の重大な問題は、国民の暮らしをしっかりと守っていきながら、向上させていきながら、国際協調の面でも積極的な役割を果たすという問題に直面されるわけでございますが、そうした問題についてどういうふうな決意を持っておられるか初めにお伺いをしておきたい、このように思います。
○国務大臣(羽田孜君) ただいま御指摘のございましたように、この間の本会議におきましても宮澤総理から所信の表明がありました。その中心になっておりますのは、現在の状況というのがまさに何百年に一度起こるかどうかというような大きな一つの転回というものがあるであろうということが御指摘ございまして、そういう中にあって一体日本がこれからどう生きていくのかということであろうと思っております。 その一つの柱、これは総理のお考えと私どもの考え方を照らし合わせまして、大体私も総理がずっと言われてきたことと同じだというふうに考えておりますけれども、まず、確かに日本は経済大国になった。これはもう私が大蔵大臣に就任いたしましてからも、一体外務大臣になったのかなと思うぐらいに実は世界各国のそれぞれの重要な立場の方々が大蔵省に訪れてくる。このことを経験しながら、改めてそのことを感じております。 ただ問題は、それじゃ国民生活というのが大きく見られているものと本当に一致しているかといいますと、例えば職業戦士の皆さん方が往復で三時間とか四時間かげながら役所にあるいは企業に通っていらっしゃるという実態、これが本当にどうなんだろうか、あるいは社会資本の充足率あるいは住宅、こういうものを考えたときに一体どうなんだろうかということがございます。こういったことを表現されまして総理は生活大国というものを目指さなければいけないということを言っていらっしゃいまして、私も全くその点は同感でございます。 それからもう一方で、今私が冒頭に申し上げましたように、国際的に日本の地位というのは非常に高くなってきておるということも、これも現実であるということでございまして、世界の国は日本に対して、今までの東欧と言われた地域の皆さん方もあるいはそのほかの地域の皆さん方も、日本に対して協力を要請してきておるということがあります。一方では、環境問題のように、これから人類が本当に長期にわたって平安に生きていくためには環境というものもきちんと整備しなければいけない。この地球環境に対するものに対してもやっぱり日本に対して求めているということがあります。 もう一つは、日本は敗戦という経験をしたわけでありますけれども、それ以後日本は新憲法によって今日まで歩んできたということで、平和というものをつくり出すためにやっぱり積極的な努力をしていかなければならないんだろう。これも私は、総理が国際的な役割を分担すると言われたことの基本にはそういう考え方があるんであろう、私も全くこの点は同感をいたしております。 ただ、私たちは求めなければならないそういう理想というものがあるわけでありますけれども、日本のそれじゃ現在の景気あるいは経済状況がどうかということを見詰めましたときには、私自身が国会の中でも御答弁申し上げてまいりましたとおり、百六十八兆円近くなるところの公債の累積残高があるというようなこともございますし、また、このところ四、五年非常に好調に経済は伸びてまいったわけでありますけれども、しかし、このところ、そういった経済のうまくいってきた諸要因というものが少し変わってきたということも現実であろうというふうに思っております。 そういう中で、私たちは今申し上げたようなことにこたえていかなければいけないということでありますから、そういうことを考えましたときに、過度なといいますか、これ以上公債の累積残高というものをふやさないということがやっぱり基本の中にあるということで、これからの財政運営に当たりましては、めり張りをつけた財政運営というものをしていかなければならないんであろうということを私たちみずからに言い聞かせなければいけないんじゃなかろうかというふうに思っております。 そういう中で、今申し上げましたような二つの大きな目標を達成していかなければいけないということで、大変難しいところでございますけれども、委員の皆様方のいろんな御指導をいただきながら、私どももせっかくその目標を達成するために努力してまいりたいということを申し上げたいと存じます。
○本岡昭次君 今も大蔵大臣が答弁されましたように、片や新しい平和な国際秩序をつくっていくために日本は積極的に貢献をしていくんだ、片や生活大国と言われるように生活の質を向上させていくんだ、国民の暮らしというものに重点を置いていくんだ、こういうことで、このことは私たちは先ほど言いましたようにもう全く異論のないところでありまして、お互いに力を合わせてそうした目標、目的が達成できるように頑張りたいと思います。そういう意味で大蔵大臣に御期待を申し上げていると、こう私は冒頭ごあいさつで申し上げたようなわけでございます。 そこで、国際的な新しい秩序をつくり上げていくというそのことは、多国間の場合もあり二国間の場合もあり、いろいろありますが、やはり国連というものに軸足を置いてやっていくということになっていこうかと思います。 そこで、国連の機能は大きく分けまして平和の維持と安定、そしてもう一つは自由と基本的人権ということで、丸めていいますと平和と人権ということになろうかと思います。そういう問題に対して国連が十分に機能を発揮できるかどうかということになってこようと思うんです。 それで、日本も国連に対して一一・三七%ですか、大変な負担割合を維持して大きな協力をしております。また、さまざまな角度での財政支援を国連に対して行っているわけでありますが、相対的な比較においては日本はよくやっているということになります。しかし、絶対的なものにおきまして果たして、国連が千二百七十億余りのお金であの本部を切り回している。言ってみれば、日本の国内の五十万前後の都市と同じ予算規模でしかないということを見ると愕然といたします。だから、そういう意味で日本がこれからの新しい平和な国際秩序をつくっていくという場合の協力をすべき対象は、やはり私は国連のそうした機能を強化するために一体どうやるのか、何をなすべきかということになると思います。 羽田大蔵大臣の所信の一端として、そうした平和やあるいは人権という問題にかかわる、いわば国連の傘とも言うべきこの機能を強化していくことに対して、これからどういう日本として協力し支援し貢献することがあるとお考えか、抽象的な点でも結構でございますので御意見をいただければありがたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) ただいま本岡委員の方から御指摘がございましたように、国連の機能といたしましては、まさに一つの平和、また人権を守っていくということにあろうと思っております。その意味で、特にこの面で例の湾岸戦争というものを経験しながら、やっぱり国連というものが世界の中から改めて私は注視されるようになってきたんじゃなかろうかというふうに思っております。その意味では、国連というものが果たす機能というのはこれからさらに大きなものになっていくであろうというふうに考えております。私どもとしまして、日本としても相当大きな、最大とでも言ってもいいような負担をいたしておるわけでありますけれども、こういったものは本当に有効に活動できるような体制というものを組んでいくという意味で、これはいろんな角度から協力するということがあり得ようと思っておりますけれども、一つはお金の面というものなんかをこれからどう充実させていくのかということがあるでしょうし、また人的な面においてお手伝いをしていくという面があろうと思います。また国連というものがどういう機能を果たすんだよということについて日本自身が積極的な発言というものもしていくことがあろうと思っております。 ただ、本岡委員がまさに事務局長をおやりになりながら、各党超党派の議員連盟というのをつくっていただいたわけでありますけれども、この間、国連の人権委員会にお勤めになる方のお話をお聞きいたしましても、まさにどうも国連の人権委員会に勤めている人自身の人権を我々は守ってあげなきゃいけないんじゃないのか。人権を守るためのいろんな連絡ですとかあるいは通達を出すとか情報をつかむとか情報を分析するとか、そういうことにあっても、今私たちの事務所なんかでも大分いろんな新しい機械なんかが入ってきておりますけれども、あそこの人権委員会はそういったものすら実はないというようなことでございまして、ファクスじゃなくて手紙で、一々手書きで何かやっておるんだなんという話も聞きました。こんなところなんかも、私たち今の国連がどうあるのかよく見きわめ、また私たち自身も分析しながら、本当に必要なこれから機能をしてもらわなきゃならない部分なんかについて、こういったところをめり張りをつけながら日本としては発言していく必要があるんじゃないのかなと、その面では特にまた御指導をいただかなきゃならぬと思っております。
○本岡昭次君 ありがとうございました。平和と人権を大きな軸にして動いている国連の機能を、そこの面で日本の顔が見えるようにということで、私たちも民間に働きかけ、やはり日本としての大きなかかわり合いをつくっていきたい、こういうようなことも思っておりますので、大蔵大臣のひとつ積極的な御協力をお願い申し上げておきたいと思います。先ほどの答弁、非常にありがとうございました。 それで、具体的な問題に若干入っていきたいと思います。先ほどのごあいさつに既にあったことにわたるかもしれませんが、それはお許しを賜りたいと思います。 まず初めに、最近の景気の動向であります。 経済企画庁は、今回の大型景気はイザナギ景気の五十七カ月を超えて、減速しながらも戦後最長記録を達成したというふうなことをずっと言ってきております。しかし問題は、その減速というものが一体どういう中身を持つのか。スピードを落とすということでありますが、これは落としぐあいによっては失速するわけでありまして、適度な減速であればそれはそれで別の効果をもたらすことになります。 そこで、大蔵大臣として、先ほどもお触れになりましたけれども、現在の景気の局面を、経済企画庁が言っているように、減速しながらも、スピードは落ちたけれどもなお拡大していっているんだというふうに見ておられるのか、既に景気そのものとしてはやっぱり後退局面にあるんだというふうにとらえておられるのか、私たち素人ですのでなかなかそこのところはつかみにくいんです。大蔵大臣としてどちらの局面にあると判断したらいいのか、また別の局面があるというふうにとらえるべきなのか、そこのところ、いかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては、見方というのは大変やっぱり難しいのかなという、率直に実は思うところでございます。というのは、今までこの数年来の成長というのは非常に速い速度で成長してきたということ、しかもこれが数年間という長きにわたりまして持続してきたということがあります。しかし、この中で、まさにバブルと呼ばれたように土地あるいは株式、これによって利益を得ておったという面がありますね。ですから、企業なんかの場合も、こうやって分析していきますと、例えば製造業が物をつくって利益を得る、これ以上に今のいわゆるキャピタルゲインみたいなもの、これが非常に大きかったということが言えようと思っております。ただ、このところ、昨年の秒あたり以降ですか、ここらあたりからはこれが剥落したといいますか、はげて落ちたということでございましょうか、そういう中で、今までの急成長の諸要因というものが大きく変わってきたなということが言えようと思っております。 ただ、私どもこうやって見詰めますと、確かに住宅なんかも落ち込んでおります。自動車なんかの売れ行きなんかも落ち込んでいるのは事実であります。ただ、割合と景気のいい時代は住宅なんかの建築戸数というのは圧倒的に高かったわけです。それから自動車の販売台数なんかも高級車を含めまして景気のいいころに相当の実は台数が買い込まれている。そして今の水準はどうなのかと見てみますと、その四年、五年前を見てみますと、そのときよりまだ少し高目にあるということを考えたときに、決して全体のあれは落ち込んでないんじゃないのかなということを感じます。それと、いわゆる消費動向というのがまだ安定しておるということ、それから物価の水準が非常に低目にずっと、ちょっとこのところ野菜等の問題がございまして高目になっておりますけれども、割合と安定しておるということを考えたときに、私たちは冷静にこれを見きわめたときには、まだ底がたいものがあるんじゃないのかなというものを率直に持っておるところでございます。 いずれにいたしましても、経済全体としては確かに調整局面というものがしばらく続くと思いますけれども、底がたく推移していくのではないか、巡航速度で推移していくのじゃないのかなということを私たちは考えておりますし、またそのことを強く期待いたしておるというところであります。
○本岡昭次君 今、大蔵大臣のそういうお話でございますけれども、実態的にはいろんな問題が噴出をしているわけですね。特に、これからの問題を考えていくときに、どうしても昭和五十年代後半の財政運営状況を私たちは振り返って考えてみなければならぬのじゃないかと私は思っております。 というのは、あのときは財政が極度に悪化をしていったという状況で、それを支えていったのが金融政策の面で、財政が出動できないから金融が援助していった、支えていった。それの象徴的なのが、昭和五十五年三月の九%から六十二年二月の二・五%まで十次にわたってずっと金利を引き下げてきて、ある意味では過度の金融政策依存というふうなことが言われる結果となった。それがいわゆるバブル経済というものが発生し、破綻をしたんだ、その後遺症が今至るところに出ている。こういうふうに評論家的には言われているわけで、私たちもいろんな経済の本を読み、経済学者の話を聞くと、まとめるとそういうことになるんではないか、こう思うんです。間違っていれば間違っているとおっしゃっていただければいいんですが。 そこで、今大臣はそう心配することはないとおっしゃいますけれども、そういった非常に厳しい状況になってからではこれは立て直しは難しいのであって、やはり今のうちに先を見通して財政運営に誤りのないようにしていかなければならないという局面にあると考えます。そういうときに、金利をずっと下げていって景気を刺激するとか、あるいは土地対策問題で総量規制をやっておったのを、これを緩和してどんどんとお金を土地であろうが何であろうが使っていいんですよと言って個々の面で緩めるとか、苦しいからといって金融政策依存の形をとっていけば、また同じようなことになっていくのではないかと私は思うんですが、そうした金融政策の面で過去余りにもそこに依存し過ぎたんではないか、これからはそこのところはよく考えていかなければいけないというふうに私は見ております。そのあたりの大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 御指摘のとおり、たしかプラザ合意ですか、あれによりまして大変円高になったということで、これは円高不況というものを国民ひとしく恐れたと言ってもよろしいんじゃなかろうかと思いますけれども、こういったものに対応しなければいけないということで、あのときにいわゆる金融政策というものが非常に強く持たれたということであります。こういったものが活用されてというか利用されてといいますか、そういった中で不動産投資ですとか株式投資なんというもので、ともかく思う以上に大きく膨らんでしまったということがあったこと、これは私たちは一つの事実として振り返り、常に反省したりしなければならない問題であろうと思っております。 そうかといって、それじゃ今度の場合の、今の状況は底がたいと言うけれども、しかしミクロに見たときにはいろんなところに問題があるよという中で、財政出動ということ、これは方々から実は言われておるのが現状であります。 ただ問題は、御案内のとおり、税収が今度も非常に厳しい状況にあるという中にありまして、もしこれで財政出動ということになりますと、今度は逆に過度にいわゆる公債等に依存しなければならないということになりますと、先ほどもちょっと所信の中で申し上げましたように、百六十八兆というもの、それで年間の予算の中で二割を超すような元本、金利等について返済する、それによって財政が非常に硬直していくという状況、これはやっぱり私たち次の世代、次の世代というよりはそんな遠くない将来、高齢化社会が到来してくるのに対応したときに、これは大変なことになるんじゃないか。 こういう言い方はどうかと思うんですけれども、アメリカなんかも今金利を大分下げましたね。これでもどうにもならぬというので財政をと思ったんですけれども、財政はもう大きな赤字を抱えておるということで、今もう財政出動がなかなかできない状態になってしまっておるということを考えたときにも、いわゆる公債依存度というものが高まるということが相当恐ろしいことなんだなということを私たちは本当に考えなければいけないんじゃなかろうかと思っております。 そういう意味で、私たちもやっぱり景気の動向というのは注意深く見守りつつも、今景気を刺激するような策をとることがどうなのかなというふうに思っております。決してこれは企業も何も私は放漫経営をしてきたとかなんとかということを申し上げるわけじゃありませんけれども、やっぱり景気のいいときというのはどうしてもかさんでいってしまうということがありましょうから、全体的にこれを引き締めることを考えていただきながら、この今の状況、多少減速しているものを巡航速度にきちんとインフレなき持続安定成長というものを目指して対応していただく、そんな努力を企業の方でもしていただかなければならないんじゃないのかなというふうに考えております。 そしてもう一点、今総量規制のお話があったわけでありますけれども、この点につきましては、土地の価格というものを引き下げるために金融を特別に引き締めるやり方というのはこれはわき役であって、やっぱり主役というのは本来は土地政策、基本的には土地基本法をうまく活用していくこと、あるいは国土政策というもの、こういう中でやっていかれるということが一番重要なことであろうというふうに思っております。 ですから、緊急的にとった措置は、これはただいつまでも続けていいものじゃないということを私たちも承知しながら、ただし土地の動向をどうかと見ますと、確かに東京の場合はわずか下がっているということ、割合と高値で安定しているかちょっと下がったというところですね。それから関西の方は大阪を中心にして少し大きく下がっておる。しかし、地方都市を見てみますとまだ二けただというような状況もあるのが現状なんです。ですから、そういう意味で、私どもそうかといっていつまでも緊急でとった措置をずるずる引きずっていくということは、これはやっぱり好ましいものじゃないだろうというふうに思っておりまして、今国土庁さんの方で相当精査をするために、二度目になるんですか、相当細かく今調査をしていただいておるということがございますから、それがそんな遠くないうちに出てこようと思っております。 ですから、そのときに総量規制の金融政策というものを一体どうしたらいいのか。私たちはやっぱり機動的に対応できるように正確な分析と判断というものをしなければならないときであろうというふうに考えております。
○本岡昭次君 最後の総量規制問題、私たちもずっと各地域を歩いておりますと、相当効果は上がっている。だからこそ皆が厳しい、何とかしろと、こういう逆の形になってあらわれてきていると思うんです。だから、今大蔵大臣もおっしゃいましたように、緊急的にやったものだから、恒常的にやるということでない。ただ、そのタイミングが非常に難しい、こう思うんです。苦しくなったからさあそれでは解除、まただめになったからまたそれをやるという繰り返してはどうしようもないわけで、やはりいかに緊急的な措置とはいえ、その目的を完全に果たして、またそうした緊急措置をとらなくてもいいような状態になったかどうかという見きわめ、そうしたものをきっちりとやっていただいて、現場は現場として非常に厳しいようですから、それに対する救いの手を差し伸べるというそのタイミングの問題、ひとつ間違いのないようにお願いしたい、このように要望しておきたいと思います。 そこで、今財政出動というお話もございました。私は経済の専門家ではありませんが、常識的な立場から見て、財政出動というものをやはり今回は強調していくべきではないかという立場をとりたいと思っております。 財源の一番中心の税収が大幅に不足をして、新聞等では要調整金額が六兆円だとか。この間まで何か四兆円とか四兆五千億と書かれておったのが、最近になるとそれが六兆円と、何かまたそれが八兆円になるかもしれないというふうなことで、非常に不安な気持ちになってくるわけです。税収の落ち込みとそれから当然必要な予算、歳出を組んでいくということとの乖離の問題なんです。実際のところ、今見きわめろと言っても無理な話かもしれませんが、四兆円が五兆円になり、五兆円が六兆円になり、八兆円になるかもしれぬというこういうことではなくて、今のところほぼこのくらいのところで落ちつくんではないかということ、ここで確定的なことを言えなくとも、ほぼこの程度でないかということを御説明願えればありがたいと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(羽田孜君) 平成四年度の税収の見積もりにつきましては、まさに予算編成の一環といたしまして、その時点までに課税の実績ですとかあるいは政府経済見通しの諸指標、こういったものを基礎にいたしまして個別税目ごとに積み上げを行っているところでございまして、今先生からも御指摘のございましたように、大体このくらいの規模になるであろうということをここでちょっと予測申し上げることはひとつ差し控えさしていただきたいというふうに思っております。 しかし、いずれにいたしましても、平成三年度の税収の不足見込みというのは二兆八千億ということがおおよそ実は見込まれて、この前後ぐらいであろうということが見込まれておりますから、これが土台になっての見通しですから、決して甘いものじゃないということを私たちは考えなければいけないというふうに思っている。そこでひとつお許しをいただきたいと思います。
○本岡昭次君 まあ六兆円というふうに今のところはなっているんだと認識させていただきたいと思います。 そうすると、要調整額が六兆円というのは大変なことでありまして、一体歳出との関係をどう調整していくのか。これは、今そうしたら景気を浮揚させて税収をいきなり上げるというふうなことはもう間に合わないわけでありまして、現実は現実として直視しなければならぬ。そのときに一番簡単なのはそれだけ一般歳出を削ればいい、バランスをとればいいということですが、そうなれば生活大国を目指すんだということとの中でとても国民の合意は得られないだろう、こう思います。そうしたら、これは地方交付税などの歳出要因をどんどん下げていけばいい。しかし、これも地方自治体にとってそう簡単なことではないだろうということになるわけです。それなら増税をやったらどうかと。後ほどお伺いしますが、増税という問題もそう簡単にできる条件ではないだろう。 ということになれば、今度の補正予算の財源として出されているように、建設国債の限度いっぱいですね、将来は五%にせよというふうな指標があるにしても、背に腹はかえられぬということで建設国債を出していくというそこのところ。建設国債も、これは今大蔵大臣がおっしゃったように、私たちの子や孫の代にその借金のツケを残していくことになるではないかということがあったとしても、赤字国債とは性格を異にするし、やはりこの問題はこの問題なりに国民の間の合意というものも可能な面もあるので、この建設国債というふうな問題の発動、あるいはまた財政投融資の、第二予算と言われている。こうした問題を念頭に置きながら平成四年度の予算編成、生活大国を目指すんだという問題のところに陰りがないように私はやっていただかなければならぬ、こう思うんですが、大臣の所信はいかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 私ども、今申し上げたことを総じて今度あれしますと、じゃどこでやるんだということになると、確かに一体縮減をどこの部分でやったらいいのかということに実はぶつかるわけであります。ただ、確かに難しいことではありますけれども、経常経費等について今年度についても各省の皆さん方に御苦労をいただきながら、歳出を少しずつでも縮めてもらいたいということをお願いしてございます。また、平成四年度につきましても、でき得る限り歳出の縮減というものを図ってもらいたい。これが何といってもまず基本にあろうというふうに思っております。 しかし一方で、どうしてもそれに対して不足する。それとまた公共臨時なんかで二千億円というものをあれするというお約束をしたり、また生活関連の予算、これも二千億円を公共事業で確保しようというようなことでございまして、私どもはそういう中で対応しなければいけないといったときに、建設国債まで全面的に否定しちゃうなんということは、これは実際の運営としてなかなか難しいことであろうと思っております。 ただ、基本としては、これ以上の公債残高というものを累増させないということを何とかひとつ、念頭に置きながら適切に対応していかなければいけないであろうというふうに思っております。 いずれにしましても、今御指摘のありましたことを、これから予算編成にありましても私ども念頭に置きながら対応していきたいというふうに存じております。
○本岡昭次君 それで、今から申し上げることも盛んに新聞等で私たちが情報として知らされている部分です。というのは、財源がないので増税という問題になってきておりますが、その一つに湾岸関係特別税の延長という問題が論議され、もう一方では、消費税の暫定措置として置かれた自動車の六%を、これもさらに延長すればどうか。ある意味ではこれは増税なんですが、こういう発想はいかがなものかと思うんです。それぞれ理由があって暫定措置となり、あるいはまた湾岸関係は九十億ドルを捻出するためにということで設けられた措置が、その目的が達成されてもなおかつ財源がないのでそれを延長さしていくというふうなことをやれば、国民の信頼を失うと思うんです。そのときどき必要なものは身銭を切ってでも出そうじゃないかといって協力する態勢が、一たん出したらこれまたずっと持続的に政府側の既得権みたいな形で取られてしまうということになれば、私は税と国民の信頼関係という観点においてまずい、こう考えるんです。 政府の気持ちはわからぬでもない。税収がないんだから何かという気持ちはわかりますけれども、こうした問題を続けていくということはぜひとも私はやめるべきだと思うんですが、どうですか大臣、新聞で出されているのは、これは大蔵省の本音なんですか。
○国務大臣(羽田孜君) この点につきましては、ちょうど政府の方でも税調が進みまして、また私ども与党の方でも税調が実はちょうど開始されて審議が始まっておるというところでございまして、そこで御審議をいただかなければならないということであろうと思っております。 しかし、今御指摘がございましたように、湾岸の石油税ですとかあるいは法人税ですとかの問題、これについても変な既得権だという考え方は慎まなければいけないということ、あるいは自動車税、消費税のときのいきさつがあって六%というのを継続して、これがちょうど今年度で終わるというこの経緯は私ども実はよく承知いたしておるところでございます。そういう意味で税というのは信頼というものが非常に大事なものであるということ、これをやっぱりわきまえなければいけないなあということであります。 それから、消費税につきましても、今御指摘ありましたけれども、ちょうどことしの十月からでございましたか、例の教育、あるいは葬儀ですとか医療関係、こういったところについての措置がなされたところでございまして、こういったものはやっぱり定着をさせなければいけないということで、簡単に、安易に税率をどうこうと言うことはできるものじゃない。むしろ消費税については、いわゆる直間比率というもの、直接税、間接税というもの、こういったものを国民がどちらを本当に選ぶんだということ、このあたりをやっぱりきちんと見きわめなければならないものであろうと思っておりまして、いろいろなことが書かれたりなんかしておりますけれども、安易な道というものはとるべきではないということ、これは私たちも厳に慎まなければいけないものであろう。いずれにしても、国民の御意思というものを尊重、そんたくしていかなければいけないというつもりであろうというふうに思っております。 いずれにしましても、この問題につきましては今税調の方で御審議をいただいておりますので、私どもとして今どうこうですなんということは申し上げるときではないということもひとつ御理解をいただきたいというふうにお願いしたいと思います。
○本岡昭次君 それは形の上ではおっしゃるとおりでしょうけれども、本音のところは大蔵省にあると思います。 これ以上大蔵大臣をいじめるのをやめておきますが、消費税の問題にお触れになりましたので、消費税の問題ではっきりとさせておいていただきたいことがあります。 これは定着したかせぬかという問題があります。大蔵省なんかは定着したとかこうおっしゃっておられるようですが、しかし私たちは定着していない。消費税に対する不信感というんですかね、不公平感、あるいはまた成立の過程における国論を二分したあの状態、これは依然としてずっと続いているわけであります。そこのところの認識が大事だと思うんです。だから私たちも、この消費税問題はもう一遍抜本的に考え直さなければならぬというふうに考えております。 そこで、消費税ができたときに竹下総理にも、その後の期間が短うございましたが宇野総理、そして海部総理と続いていくわけですが、それぞれの総理大臣に、消費税は私たちとしては認められない、これはなくしたいという立場であるけれども、現状三%という形で薄く広くという形でしいたこのものを、国民が一方心配しておるのは、やがてこれを五%、一〇%と上げていくんではないか、だから最初は低くしているのではないかという心配がある。だから、あなたはどうなんですかという質問をするときに、歴代の総理大臣は私の総理大臣の間は上げません、三%をさわりませんと、こういうことを皆おっしゃってこられたわけなんです。 それで、その間はそれはないだろうということで国民は一応の安心をするということであったわけですが、宮澤総理大臣は、この間の所信表明演説に対する質問の中で、そういう答弁をされていないんですね。税率の引き上げは念頭にないということで、いつ念頭に出てくるかわからぬということで、私が責任を持っている内閣の時代にはこれは引き上げないというふうに従来の総理大臣がおっしゃっていただいたような答弁を私たちは期待しておりました。しかしそうではなかったのであります。 それで、その直接の責任者であります羽田大蔵大臣の立場で、私の大蔵大臣在任中は税率を上げるようなことは考えませんということをおっしゃっていただければ、非常に私たちは安心すると思うんですがいかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 今、本岡委員の方からこの税が定着した定着しない、これはいろんな見方があろうかと思っております。 私も率直にこの税についてどうなのかな、いろいろな方々とお目にかかる機会がありまして、そういった皆さん方に問いかけてみる。しかし、所得税という形、いわゆる直接税であれされるものより、使うことによって税がかかる、この方がいいのかなという言い方をされる方が割合と多くなってきたのかなという意味で、私たちは定着したという実はとらまえ方をしております。ですから、先ほどちょっと私から御答弁申し上げましたように、この問題についてはやっぱり国民の御意思といいますか、国民が間接税がいいのか直接税がいいのか、これの御意思というものを私たちは尊重しながら、またそういうお気持ちというものをそんたくしながら対応していかなければいけないのじゃないかというのがまず基本の考え方であります。 なお、前総理あるいは元総理お二人の皆様方が、私の内閣の間はということを実は言われたことでありますけれども、竹下内閣のときには、またその後の内閣の場合にも、まさに定着しているかしていないか、始まったところであったということでありますから、ここでまた税率を上げますということではこれはとても国民の理解を得られなかったろうというふうに思っております。そして、私も先ほどから申し上げておりますように、安易にこの税をどうこうするということは考えるべきじゃないというふうに思っております。 ただ問題は、やっぱり国民がこちらの方がいいというような方向が見えてくるということとか、あるいはときどきの、その時代の経済情勢というもの、こういうもので動き方を見詰めながら対応すべきものであって、たしか総理は今私の念頭にありませんということを言っておられたと思うんですけれども、割合と私は率直な気持ちが短い言葉の中にあらわされていたのかなというふうに思っております。 いずれにしましても、ただ機械的に私の内閣のときはやりませんよということだけでは、実際に財政需要なんかが出てきてどうにも対応できないときに対応していかなければならない問題です。ただし、私どもあの選挙でもう手ひどい目に遭ったことをよく承知いたしております。ですから、やっぱりきちんと国民の理解の得られるような対応というものが必要なんであろうということを申し上げて、今絶対に私の在任中はやりませんとかなんとかということを言えないこの立場もひとつぜひ御理解をいただきたいなというふうにお願いをしたいと思います。
○本岡昭次君 消費税を導入するときに、私たちは打ち出の小づちだと、こう言ったんです。これは苦しいときのまさに打ち出の小づちになると。一%上げることによって一兆五千億とか、場合によっては二兆円とかいうふうな税収を確保することができる。その打ち出の小づちたるこの税率の問題、これは本当に僕は大変な力を持っておる、こう思うんです。だから、大蔵省としても財源がないときは非常に魅力にこれは感じるでしょう、一振り一兆五千億ですから。取られる側にしたら、今でさえ大変だと思っているのに、これ以上上げられたら。 羽田大臣は消費税定着したじゃないかとおっしゃるけれども、私なんか最近お茶を飲みに行って、三百円と書いてあるから三百円出した。いや消費税をつけましてというんで一円玉をチャラチャラと出されたときに、はあと。それで向こうの人も済みませんね、いつまでこんな一円玉を出さにゃいかぬのでしょうねとおっしゃりながら、まああきらめというふうなことも一方ありながら、それでもなおかつ飲食料品、それが日常生活の小さなところにもかかっていることに対する不公平感というものはそう簡単に解消できるものではないと私は見ておりますので、ぜひともこの消費税の税率を上げるということを安易にお考えにならないようにここで厳しく申し上げておきたいと思うんです。 なお、私が心配しますのは、雑誌にだれが書いたからといって、それはそれだけのことであります。しかし、小沢さんが文芸春秋の十二月号に、消費税の税率を上げるべきなんですよ、お金がなければ。国民が少しずつ負担するということでは消費税がベストだ、これを上げたらいいんだというふうなことをこういうところにお書きになる。今、小沢さんの力が自民党の中でどういうものかということを私たちよく知っているだけに、こういうことが自民党の中の基調になって政府を動かして、苦しい来年の税収のところにやっぱり消費税しかないというふうな踏み切りを絶対にやってもらいたくない、こういう考えで私は申し上げたようなことでございますが、この文芸春秋に書かれてある小沢さんの文章、大蔵大臣お読みになりましたか。お読みになりましたら、御感想でもあればお聞きしておきたいと思うんです。
○国務大臣(羽田孜君) 小沢前幹事長、私は長い、まさに同期の桜でございまして、ずっとおつき合いをしてきておりますけれども、彼は割合と端的に物を言われる方であるといいますかね。ただしかし、彼は増税のことを触れたその前の段階で、いわゆる年金ですとか医療ですとか、あるいは社会福祉全般、それから公共事業ですとか社会資本の整備、こういったものの行政需要というものがふえてきている。そのときに、どうにも財政がならぬときに、これを考えなきゃならぬときにはやっぱりそういったものを国民の理解を得なきゃいけないだろうという意味で実は言われておって、決して安易に税を上げろということではないというふうに私はよく理解をいたしております。 しかし、いずれにしましても、私は先ほどいわゆる公債というものの発行残高というものをこれ以上累増させちゃいけないということを申し上げたわけでありますけれども、特にその中で赤字、いわゆる特例公債、こういったものをふやすということは非常に危険だよということで、厳に慎まなければならないという実は思いを持っておりますけれども、それと同じような意味で安易に消費税を上げるということに頼るということに簡単にいっちゃうというより、先ほど申し上げたように縮減できるものはやるんだという、そういう努力というものが私は重要なんであろうというふうに思っておりまして、今御指摘の点は私どもよく腹に置きながらこれからもこういった問題に対応していきたいということを申し上げておきます。 いずれにしましても、税調の方で今御審議いただいておりますので、ひとつその点はお許しをいただきたいと思います。
○本岡昭次君 それでは細かい点、細かいと言ったら怒られるかもしれませんが、パート減税の問題を残された時間議論させていただきたいと思います。 といいますのは、私たちもいろんな方にお会いしながら税の問題についての話を聞きますが、最近パートとか内職とかいうふうな形態が、以前私たちが認識していた状態とさま変わりをしてきている、こう思うんです。一つの中小企業、零細企業とか言われる企業が、例えば機械を二十台置いでそこに人を二十人雇用して働いているという形態から、その二十台の機械をそれぞれの家へ持ち帰ってそして家でその人が自分の持っている労働力というんですか、余力をそこで目いっぱい使って製品をそこに納めている。結果として一つの事業所に二十台の機械を置いて二十人雇用して働いてもらうのと同じ結果を生むというよりも、むしろ生産高はその方が上がって、企業の収益もその方がいいというふうな状況を最近生み出しているようです。特に私が住んでおります兵庫県なんかは、地場産業というものが非常に多いのですが、最近特にそういう形態になってきているんです。 そうすると、その方々は家で内職というけれども、本来一人前の労働者としての雇用形態にあるような仕事を家へ持って帰ってやっておられる、こういうことです。しかし、それは内職という形態を占めるものですから、今のパート減税の百万というところに限度を置きながら、製品をまだつくれる力があるのに、これ以上物をつくると私の収入百万超すからもうつくらないということで、労働力が不足しているという問題を加速している状態があるんです。もっとつくってもらいたいけれどもつくってもらえないという、雇用問題、労働力不足の問題と非常に深い関係を最近持つようになったというふうに思っているんです。 どんどん物をつくってもらいたい、仕事をしてもらいたい。一方はもっともっと仕事をしたい、やれる時間がある。しかし、百万円というところでもって仕事をやめてしまうというここの現実、何とか突破できないかという話を最近は大変多く私は耳にするようになって、それはそれなりに今まで上がってきた経緯を説明し、なぜそうなのかということを私たちなりの知識でもって御説明を申し上げて納得してもらっておりますけれども、しかしなおかつ何とかならないかという気持ちがあるわけです。だから、日本の雇用状況、労働状況を見たときに、税制面からの整合性というものとやはり何か工夫をもう一工夫できないかということを私は痛感しております。 そこで、もう簡単に言えば、百万を百五十万ぐらいに上げてもらえればもっと働いてもらえるのに、もっと生産高が上がるのに、こういうことになってくるわけなんです。だから、このパート減税問題、今日まで大蔵省がいろいろと努力してこられた経過は評価をいたします。そして、そのことがいろんなところでよい効果を生んでいることも私も見ておりますが、さらにそれを引き上げていって、もっと新しい労働形態の中で対応している人たちの要求というものをかなえてやっていただけないか。それは今言いましたように、単に内職とか、昔の内職といえば封筒ののり張りとか本当にちっぽけなことでやったんですが、今ではもう既にそうではないと私は見ております。 この点、今すぐどうこうというわけにまいらぬと思いますが、現にパート労働者の総数が六百七万人というふうに労働省の統計では出てきておりますし、パート労働の中で占める女子の割合が四分の三ということで、女子の社会参加、そして女子の地位の向上、男女共生のこの時代の中における重要な位置を今占めつつあるわけです。だから、そうした問題も検討しながら、所得税の非課税限度額という問題とにらみ合わせながら改善ができないかということでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(羽田孜君) これはもうよく御承知で、また皆様にもお話をいただいているわけでありますけれども、例の、先般の税制改革によりまして配偶者の特別控除の創設の拡充によりまして一応そのパートの問題については解決したというふうに理解をいたしております。 そして、いわゆる課税最低限というものを上げるということになりますと、またいわゆる税の負担の公平というものを欠いてしまうという実は問題があろうかと思っております。しかし、今お話のあったことは、ただ所得の問題というだけでなくて、それによってやり得べき仕事というものもできなくなってしまうんじゃないのかというようなことなんかもございまして、これはもう少しいろんな角度から検討してみなきゃいけないのかなという感じがありますけれども、課税最低限を上げるということについては、先ほど申し上げましたように不公平を呼んでしまうということになるんじゃないのかなというふうに思います。
○本岡昭次君 もうちょっと説明してください、当局の方から。
○政府委員(濱本英輔君) 大臣のお答えにつけ加えさせていただくことは何もございません。
○本岡昭次君 何にもないなんて、えらいそっけないな。 それでは以上で、ちょっとまだ質問あるんですが、四分ではできませんので、これで終わります。
○前畑幸子君 きょうは、羽田新大蔵大臣の所信表明をお聞きしまして、私の先輩の本岡議員からも頑張っていただきたいという声ですけれども、私も、このバブルのはじけた後の、大変税収も下がってきた、厳しい時代を迎えておりますが、大事なときの大蔵大臣として、大変ですけれども国民の期待にこたえていただきたい。日本の国がこれから世界に貢献していくためには大変財源も必要で、いろいろそういう事情もわかりますけれども、大変な時期ですが頑張っていただきたい、お願いしたいと思います。 私も最初、今後の大臣の財政運営の目標を少し細かくお聞きしたいと思います。 今御説明のあったように、最近、経済の低迷のために大幅な税収不足が生じてきてしまっております。九一年度の補正予算を見直さなければならないという事情も起きているようですし、また九二年度の予算も、今御説明のあったように六兆とも八兆円ともに及ぶ歳入不足が予想されるということで、九二年度の税制改正論議がスタートしたところでございますけれども、この税収不足を背景にして、湾岸の企業増税をそのままに据え置くとか、相続税の見直しを柱とした増税路線を盛んに新聞でもちらつかせているということは御承知のとおりだと思います。私も、今本岡議員がおっしゃったように、目的を限定して決めたものを、そのままなし崩しで持っていってしまうということは許されることではないと思います。 宮澤首相は、九二年度の予算編成について税収はさらに厳しくなると見通しを示された上で、優先度の低い歳出の思い切ったカットをするとか、公共投資十カ年計画などの国際公約実現のため、建設国債の発行をせざるを得ないであろう、それから国民の理解が必要な増税は安易に考えてはならないという基本方針を示されたと思います。 そこで、第一番の優先度の低い歳出のカットということでございますけれども、じゃ今まで予算を与えてきたその中で何をカットすることができるのかという具体的なお考えがあったら御説明をいただきたい。そしてまた、先ほども申されたような湾岸貢献策として一年限りということで国民が納得して実現された法人臨時特別税、それから石油臨時特別税などの継続というものは、私はこの際きちっと一度廃止に踏み切っていただきたいと思っております。 それから、先ほども出た消費税の普通・小型自動車の消費税率六%を延長するということでございますけれども、私としては消費税全部の見直しもまだきちっと対応されていないという気もある中で、車というのはある意味では二年に一遍、三年に一遍という——六百万、七百万という高級乗用車が今大変売れている時代ですから、御負担をいただきたいという気もありますけれども、やはりそれでは筋が通らないわけで、もう少し根本的に消費税全体の見直しの中で取り組むべき問題ではないかなという気がいたしております。 また、たばこの一本五十銭という値上げもうたわれておりますけれども、どういうふうに今後大蔵大臣として対応されていかれるのか。 歳出カットとしては、その対象として地方交付税交付金が一番挙がっているようでございますけれども、地方税収が好調だとはいえ、地方税というのはどうしても課税時期が翌年に一期すれていくわけですから、ですから、景気とか収益の変化がおくれて出てくると思われますので、今年度後半から来年度にかけてどういう動きが出てくるかまだきちっとつかめられていない中で、安易に考えていただいてはいけないのではないかと思います。そしてまた、むしろ大都市に限って事業税の税収も下がってきているということは、企業収益が落ち込んできているということを反映することだと思いますので、その辺もきちっととらえていただきたいと思います。 先ほどおっしゃいましたように、自民党の税調会長が先日も、平成四年度税制改正作業のスタートに当たって、バブル経済の崩壊により経済の状況は相当変わってきている、ですから、税制の見直しはできる限り広範囲にわたって行うべきだということを述べられております。九二年度税制改正作業が単に実質増税路線にとどまらないかもしれないということをお示しになっているのではないかと思います。このように増税論議が焦点となっているような気がいたしますので、大蔵大臣としての見解をもう一度お聞きしたいと思います。財政が厳しいと増税にすぐ走るという財政運営を念頭に取り組まれることのないように、これからの目標を御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) ただいま御指摘いただきましたのは、大変広範にわたっておられるわけでありますけれども、まず財政削減というものをしていくんだ、縮減をするんだという話だけれども、具体的にはということであります。まさに予算編成のときに当たりまして、これから各省と率直な話し合いをいたしていくということでありますけれども、いずれにしましても、まずあらゆる分野におきまして既存の制度あるいは施策につきまして厳しく見直していくということで、従来以上に徹底した歳出の節減合理化、これに取り組んでいく必要があるんじゃなかろうかというふうに思っております。 ただそのときに、先ほどちょっと本岡委員の方からも御指摘がございましたように、生活関連ですとかあるいは社会資本の充足ですとか、また国際的な役割の分担ですとか、こういったものには一つのめり張りをつけていく必要があろうかというふうに思っております。 また、そういった中で、財政が厳しいということで増税路線を歩むんじゃなかろうかということでありますけれども、率直に申し上げまして、我々も議員という立場でございまして、何とか余り国民からしかられることあるいは理解されないことはやっていきたくない、これはもう率直な思いであります。 ただ、本当にこれから切れるものは切る、しかし実際に切れない部分どうするのかといったときに、公債等について考えなければいけないんでしょうけれども、この公債の部分につきましても、やっぱり次の世代に残してはいけないということ。そして、例えば特例国債みたいなものでございますと、一たんこれを許してしまうと、どうしてもまた次のときにもまた特例国債を発行すればいいよ、公債を発行すればいいよということになって、これは歯どめがなくなっていってしまうというおそれを私たちは常に感じ、戒めなければいけないというふうに思っております。 そういう中で、それでは不足するものを一体どうするのかということでございまして、これは先ほども申し上げましたように、政府並びに党の方でも税調が開かれまして、今度の新しい四年度に向かっての税はどうしたらいいのかということが検討されております。もちろんそれぞれの皆様方も安易なものを選択するということはない、国民の理解の得られるものを議論されていくんじゃなかろうかというふうに私たちは思っておりますけれども、今この問題について私どもがどうということを触れることはお許しをいただきたいと思います。 それから、消費税につきましては先ほど申し上げましたようなことで、これもやっぱり国民の皆さん方が一体直接税を受けるのか間接税を選択するのか、そういったものなんかもきちんと見きわめなければいけないということであって、国民の御意思というものを尊重しながら、またお考え方をそんたくしながら私たちは適切に対応する必要があろうということを考えておることを申し上げさせていただきたいと存じます。
○前畑幸子君 ここ数年来、非常に景気がよくて自然増収が多額にあったときには、財政再建を優先するということで減税は数年余り行われずに来たと思います。それで、個人のサラリーマンにおきましては、大変税の負担、そしてまた社会保険等の負担というものも随分伸びてきているような気がいたしますけれども、バブルがはじけて税収に不足が来たということで即増税というのでは、中期的、そして長期的な視点に立って今まで財政再建に向かっての方向づけがなされていなかったのではないかという気がしてなりません。いろんな雑誌にも、大体九二年度は実質増税路線でいく、そして来年七月の参議院選挙が終わった時点で消費税が浮上してぐるのではないかという経済学者の言葉があらゆるところで出てきているようですけれども、その辺、来年七月以降のことで、税調これから論議するわけですけれども、何度もくどいようですけれども、大蔵大臣として、これからの中期、長期的な見通しとして税制をどういうふうに見ていかれるかということをきちっとお答えをいただきたいと思うんです。 そして、良好な財政状況のときには、私どもは国民負担率を抑制されずにずっと負担をしてきたわけですので、やはりこれ以上負担をしていくということは大変難しいと思います。そうしたときに、企業からの税収が不足だからといって、どこに今度は求められるかということが今全然私どももつかめない状況でいるということは、大変不安な気がしてなりません。公債依存度の低下の状況と、それからこうした国民負担率の抑制をどのように調和させていかれる所存か、大臣の御意見を聞きたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) この点につきまして、国民負担率が近年上昇しているというお話でございましたけれども、二年度三九・七%、三年度におきましては予算額に基づけば三八・九ということで、低下しております。これもうちょっと下がるかなという実は感じがございますけれども、私は可処分所得についてはむしろきちんと堅調に推移しているんじゃないのかなというふうに思っております。 これは当然もう先生も御存じの数字であろうと思っておりますけれども、我が国の租税負担及び社会保障の負担の比率というものを見ますと、確かにアメリカより日本が少し高いかなという感じがありますけれども、イギリスの五一・一、あるいはドイツの五二・二、フランスの六二・〇、スウェーデン七五・九ということで、いわゆる負担率そのものは日本は非常に低いところに位置しているんじゃなかろうかと思っております。ただ、これほどんなサービスが国から行われるかということの差がありますから、この率だけ見てどうこうということはなかなか難しいわけでありますけれども、負担率としては日本は割合と低いところにあるのではないか。 しかし、この点につきましてもたしか行革審で、高齢化社会の進展に伴って国民負担率は長期的には多少伸びていくものであろうということでありますけれども、第二次行革審の最終答申でも一つの方向が示されているところでございまして、私どもはそういったものをよく見きわめながら対応していかなければいけないというふうに思っております。 しかし、いずれにしましても、財政運営そのものを我々は進めるときに、安易な道にはまり込むということは厳に慎みながら対応していかなければならないということを常に私たちは心がけながら進んでいかなければいけないであろうということ、今の御指摘も十分私たち念頭に置きながら対応していきたいというふうに考えております。
○前畑幸子君 安心していいのか、大臣のお言葉ですけれども、宮澤首相から、先ほどの答えじゃないですけれども、要するにきちっとした確約はとれていないし、大蔵大臣もきちっとしたことはおっしゃらないということは、大蔵省としては赤字国債発行に追い込まれるような事態になる前にはやはり消費税の見直しということを考えられていると思うんです。消費税が入るときの御説明は、これから高齢化社会に向かっての財源として大変必要なんだからという御説明のもとに理解した方もあると思いますけれども、今の時点ではやはりそれもされていない。今大臣のおっしゃったように、将来がスウェーデンやノルウェーのように安心してお任せできるという財源ならば私ども国民も納得がいくと思うんです。ですから、やはり消費税のある一部というものは高齢化社会、先に向かっての財源として別会計で枠をはめていくということの方向のお考えはないかどうかということ。 そして、短期的課題にどうも目がとらわれ過ぎているような気がいたしますので、税というものは短期的になぶるものではなくて、もっと長期的な目で見るべき政策を出していただきたいというふうな気がいたします。その辺の御意見を聞きたいと思います。
○政府委員(濱本英輔君) お答え申し上げます。 前畑先生の御指摘の中で、消費税に関連いたします部分につきましてはたびたび大蔵大臣の方からお答えを申し上げておりますとおりでございます。 御指摘の中に、税制のあり方についての論議は長期的な視点を踏まえたものでなければならない、そのとおりであろうと存じます。政府の税制調査会におきます論議の中でも、年度年度の税制改正の論議というものがもちろんございますけれども、それらを貫く中期的、長期的な税制のあり方の論議というものが常にございまして、現にそういったものの上に先般の税制の抜本改革の論議が組み上げられたというふうにお考えいただいてよろしいかと存じます。 今後の税制のあり方につきましてもたゆまず論議が続けられていくもの、論議をお願いできるものと我々は税制調査会に対して期待をしているわけでございます。
○前畑幸子君 ここに、週刊ダイヤモンドに、九二年度に入ると米開放に伴う農家補償措置や六月の国連環境開発会議のための地球環境資金を捻出しなければならない、それからカンボジア復興資金、また対ソ金融支援、要するに日本の国際貢献に伴う資金需要がこれからどんどんと出てくると思われるわけです。日本は国際社会から大変大金持ちということで期待がされているわけですし、財政的に見ても貢献できる国はほかに少ないわけで、どうしても日本は頼られてしまうと思います。厳しい状況が世界の中の日本として待ち受けているわけですけれども、そうしたのに対して、これからバブルがはじけて税収が日本の国の中でも厳しくなったときに、どう乗り切っていかれるか御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) これは先ほど本岡委員の冒頭にも申し上げたわけでありますけれども、確かに日本に対する世界諸国の依頼といいますか要請というものは、これからやっぱり相当大きなものになってくるであろうということは私どもも考えております。ただ、景気というものは、確かにちょっと今までと経済成長の諸要因というものが変わってきたという現実があるわけでありますけれども、巡航速度で成長というものは見込まれるであろうというまだ私たちは理解をいたしておるところでございます。 そういう中で、私たちは今御指摘のございましたような新たな財政需要というものにもこたえていかなければならない問題であろうというふうに考えておるところでございまして、こういったものについてまた国民の皆さんが一体どんなふうに考え、日本として世界の中で生きていくためにはどうしたらいいのかということをまたこういう過程の中で考えていただける問題であろうというふうに思っております。そういうものをあわせながら対応していくことが重要であろうというふうに考えております。
○前畑幸子君 税制と同時に、財政再建も長期で考えていただくべき大変大事なテーマだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 金融政策で、最近金利が下がっているわけですけれども、これも金融政策にのみ景気政策を任せていくということもどうかと思いますが、金融政策に依存した財政運営というものはまた再びバブル経済の傾向につながるということはないか心配をいたしますが、大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 今御指摘のとおり、金融政策、これの運営いかんによってはまた過去にあったような事態を引き起こしてしまうという実は可能性というものも私たちは十分心得ながら対応していかなければならないであろうということで、金融とか財政ですとかあるいは財投なんというものも含めて考えながら、こういった流れというものをきちんと的確に見きわめながら適切な対応が必要であろうということで、今御指摘のあった点等につきましても私どもよく念頭に置きながら対応してまいりたい、かように考えております。
○前畑幸子君 次に、株のことをちょっとお聞きしたいんですけれども、昨日の二日の月曜日の日経新聞に「株価低迷打つ手なし」という本当に大変厳しい株の世界が書かれております。バブルが崩壊して、証券不祥事、そういうものから証券市場の低迷がずっと続いてきたわけですけれども、この冷え込んだ状況というのは想像以上に大変な様子がわかるわけです。二十三年ぶりの九日間続落ということ、そして新規公開もほとんど延期、それから利下げをきっかけに資金シフトが進むかと期待をしたけれどもそれも効き目がない、そしてむしろ相場回復の望みが薄いということで処分売りを出し始めている、宮澤政権がこれといった景気政策を打ち出していない不満もあるということが書かれておりますけれども、この状況に関して大臣はどういうふうに思われますか。
○国務大臣(羽田孜君) 確かに、株価の低迷につきましては、今御指摘がございましたように、このところ低目でこれが割合と続いだということは現実であります。この原因についていろんを言われ方がされるわけでありますけれども、まずは、このきっかけをつくったのは、ちょうどボーダーレスという時代で、国境がないというようなことで、ニューヨークにおける株式が相当落ち込んだということ、これを反映して日本の市場がすぐそれに連動したというきっかけがあったということは間違いないというふうに思っております。 しかし、それ以上に、これだけずっと続いておるということ、これはもう率直に申し上げてアメリカの景気の回復というものも予定よりは大分おくれてしまっておるという現状もあったと思います。それと同時に、日本の場合にも経済全体が命までとちょっと違った動きになってきておる。いわゆる土地ですとかそういったものなんかのバブルがはじけたという現状、そういう中で公定歩合の引き下げをやり、しかも金利の低目誘導といいますか、低目に向かって今進んでおるわけでありますけれども、それがまた顕著にあらわれていないというようなこと。いずれにしましても、これはいいなというような新しい局面というのがまだ出てこないというところに、株価というものが一遍に暴落するというんじゃないんですけれども、徐々に徐々に下がってきてしまっておって、昨日あたりは二万二千円を切ってしまったということであります。きょうの九時十五分のあれでは百三十一円ほど戻しまして二万二千百二十三円ということになっております。 しかし、いずれにしましても、株というものは一つの実体経済をあらわすものであるということでございますので、私たちは株式市場の動向についても十分見きわめていかなければいけない、慎重に見詰めていかなければいけないというふうに思っております。 それからもう一点ございましたのは、確かに、例の証券界の不祥事といいますか損失補てんなんということから始まった問題につきまして、これは一般大衆投資家等においてもこれに対して多少不信というものをやっぱり持っだということは現状であろうというふうに思っておりますしかし、この自由主義経済の中にあっては、株式市場というものは資金を確保しなければならないときに活用される場所であるということで非常に重要なものであるということで、私どもは一日も早く証券市場というものに対する信頼を取り戻すための対応をしていかなければいけないであろうというふうに思っております。 ですから、株価の低迷というものに対して私たちは注意深く見守ると同時に、市場というものが本当に信頼を呼び戻すようなそういう体制をつくるためにこれからも懸命に努力してまいりたいということを申し上げたいと存じます。
○前畑幸子君 そうしますと、大蔵省が財源の一つとして考えていらっしゃいましたJR株とかNTT株の売却の問題が大変厳しい状況にあると思うんです。JR株の上場は見送りとなったようですし、それからNTT株の方はどのような取り扱いになるのか御説明をいただきたいと思うんです。 今年は五十万株売却予定のようでしたけれども、現在の株式市場の状況ではかなり難しいと思われますが、可能なものかどうか、その辺もお聞きしたいと思います。 そしてまた、この二十三日の新聞によりますと、NTT自体も今期は前期に比べて一〇%の減益が発表されておるわけです。業種の上でも伸び悩んでいるいろいろな要素があると思いますけれども、設備投資の面とか金利の面とか、そして第二電電との問題とかいろいろな問題、要素はあると思いますけれども、期待に陰りが少し出てきてしまっているのではないかと思われます。無理やり放出することはどうかなという気もいたしますけれども、その辺お聞きしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) NTTの株式についてでありますけれども、今五百万株がまだこちらの方で未処分で持っているわけですけれども、そのうち二百五十万株を毎年五十万株ずつ市場に出していこうという授権を得ておるわけでございます。 しかし、今御指摘がございましたように、市場が確かに冷え込んでおるという中で、今ここで売却するということは、もともとがもう市場にある株でございますから、そこにさらにこれはふやされるということになりますと、これは下がってくるということがあろうと思っております。その意味で、私ども年度内にはこれを売却できるよう市場をよく見きわめつつやっていかなければいかぬと思っておりますけれども、確かに御指摘のとおり、年内にこの五十万株を放出することについては考えなきゃいけないのかなというふうに思っております。 それから、NTT、昨年がたしか四千百四十億円ぐらいですか、このくらいの益を出しておったものが、今御指摘のとおり一割ぐらい減ということになっておりますけれども、しかし御案内のとおり、NTTそのものの利益はまだ三千七百五十億ほどあるということでありますし、これからの全体の情報通信の発展というものを見きわめますと、いろんな分野の多岐のサービスというのがあるわけです。これは、アメリカその他に比べましても、日本の場合にはまだ私は開発されている部分が非常に低いんじゃなかろうかというふうに思っておりまして、NTTのこれからの会社の発展というものはさらに大きいものがあるのかなという実は理解をいたしております。その意味で、今期は確かに減益になっておりますけれども、まだきちんとしたものが残っておる、そしてまたこれから先発展する可能性というものはあるであろうというふうに理解をいたしております。
○前畑幸子君 JR株の上場は見送りということですけれども、これも今後の方針といいますか、売却方針についてもしありましたら御説明いただきたい。 たばこ産業は、鈴木和美先生が心配されておりますけれども、こちらの方ももしわかったら御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) JRにつきましては、今までいろいろと喧伝されてまいったわけでございますけれども、現時点におけるスケジュール、これはことし売却するということ、今年度売却するということは、私はやっぱり断念せざるを得ないであろうというふうに思っております。 しかし、JR当局としましても、みずからやっぱり自立していくということのためには、広く国民の皆さんの理解を得るためにも株の売却をしながら進めていきたいという実は希望を強く持っておるということも私ども承知いたしております。その意味で、今後とも、どんなときにどんなふうにできるのかということについて少し詰めを行っていかなければいけないであろうというふうに思っております。 また、JT、たばこの方につきまして、これは実は民営化いたしましたときのいきさつ等もございまして、またそういった皆さん方の理解も得ていかなければならないことであろうというふうに思っております。その意味で、これからのJTの会社の運営といいますか、企業の実績ですとか、そういったものも見きわめながら、また関係の皆さん方の理解を得る中でこれも対応していかなければいけない問題であろうと思っておりますけれども、今私、この問題についてどうだということを申し上げるものを持っていないことを申し上げさしていただきます。
○前畑幸子君 ありがとうございました。 次に、BIS規制についてちょっとお聞きしたいと思います。 現在、銀行というのはこのBIS規制の達成に大変苦慮しているわけです。新規貸し出しどころではないというような現状も考えられるわけですけれども、銀行の経営にとって自己資本比率というものが健全性に資することは否定できないわけですけれども、絶対的な効果を発揮するものかという面では疑問視する向きもあるということが書かれております。各国の銀行検査体制が異なっているにもかかわらず、要するに、自己資本比率というものが一律の規制として定められているところに問題があるのではないかと思いますけれども、この辺、銀行の貸し出し姿勢と自己資本比率規制の関係について大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) BIS規制につきましては、今御指摘がございましたように、銀行経営の健全性、これを維持するための国際的なまさに合意であろうというふうに思っております。現在、主要各国におきましてその実施に向けましてさまざまな努力が行われているというふうに聞いております。 なお、銀行の貸し出し動向につきましては、そのときどきの金融政策や企業側の資金需要、これにも影響されておりますけれども、各行とも国内貸し出し業務を収益の柱として位置づけておりまして、健全、優良な貸し出し、これにつきましてはまだ意欲を持って引き続いてこの貸し出しについて旺盛であるというふうに私どもは理解をいたしております。それぞれの銀行につきまして収益性の向上に努めるとともに、いわゆる自己資本充実策を計画的に実施しつつあることから、BIS規制によりまして銀行の貸し出しというものが減少を生じておるとは考えがたいというふうに思っておるところでございます。
○前畑幸子君 そうしますと、我が国として規制の基準の内容を見直すという意向は今ありませんか。
○国務大臣(羽田孜君) 現在の状況では、銀行の方もこの点をよく理解をしながら、また、これによって貸し出しというものが縮小といいますか、抑えられているという理解はございませんので、私ども今これをどうこうというよりは、むしろ国際的に信頼を高めるためにもこれは続けていくべきであろうというふうに認識をいたしております。
○前畑幸子君 十一月二十八日の日経に、「財投九千億円上積み」ということで、大蔵省の方針で開銀、輸銀などを対象に出すということが新聞に載っておりますけれども、その政府系金融に対する融資をしていただくという期待が日本の中でも大変高まってきていると思うんです。そうしたのは、要するに、銀行か今規制がかかっているということでなかなか貸していただけないということから、政府関係のこういう金融に頼らざるを得ないということだと思いますけれども、今金利を自由化しようという金融改革が行われようとしているときに、この問題は相反するものが出てこないか、大蔵省の見解をお聞きしたいと思いますけれども。
○政府委員(土田正顕君) 政府系金融機関につきましては、年度の進行中で、当初見込みました以上に旺盛な資金需要が出ておりますものもございますので、ただいま状況をいろいろ検討し、さらにその対処方針について省内で意見を調整しているところでございます。 BIS規制との関係につきまして多少御指摘がございましたが、先ほど大蔵大臣から申し上げましたように、各金融機関とも国内の貸し出し業務が収益の柱であるというふうに位置づけておりまして、健全、優良な貸し出しに対する意欲は引き続いて旺盛であるというふうに私どもは理解しております。 ただ、この政府系金融機関にそのような資金需要が出てまいります原因は、一つはこれが固定金利であり長期の貸し出しであるということでございまして、金利が昨今だんだん急速に下がってまいりましたので、この際長期固定金利によって貸し出しを受けるというメリットは相対的に増大しているわけでございます。これに対しまして、民間金融機関はなかなか一定の金利を固定して長期間貸し続けるということは資金の構成上困難が多いわけでございます。そのようなこともありまして、自由化の進展ということも多少はございますが、政府系金融機関にはこのような金融情勢のもとでは資金需要がふえているんではないかと私どもは考えております。
○前畑幸子君 私の狭い範囲の判断ですけれども、今要するに市中銀行か非常に貸し出しを渋っているのでこうした政府系金融機関に頼らざるを得ないということで融資の依頼がふえていることは確かですけれども、政府系の金融機関というのは今の時点ですと銀行より金利は少々高いと思います。国民金融公庫といえども銀行の貸出金利よりも少し高いと思います。しかし、金利が上がっていくときには固定をされているわけですので助かるんですけれども、今市中銀行の場合は固定を選ぶか半年に一度の金利見直しをするかという二本立てで取り組んでいると思うんです。それは、今少しずつ金利が下がっていくからそういうのがとられていると思うんですけれども、そうしたときに、これは金利の自由化というものの中で市中銀行と政府系金融機関との競争といいますか、次元が違うかもしれませんけれども、金利の面でちょっと私は納得のいかないような気がいたすのです。政府系の金融機関を景気の支えとしてバックアップすることは民間金融の補完としての立場を越えることになりはしないかなという気がいたしますけれども、この辺、大蔵当局の見解を伺いたいと思います。
○政府委員(土田正顕君) 現在の時点におきまして政府系金融機関の貸し出しとそれから民間の一般金融機関の貸し出しかどちらが有利であるかというのは一概に申し上げがたいのでございます。委員御指摘のような事実も否定はいたしませんが、他面、例えば現在の長期プライムレートは六・九%でございます。これに対しまして、全国銀行の貸出約定平均金利、その中の、総残高ではございませんで新規貸出約定平均金利というものをとっておりますが、これは九月現在、長期短期の総合で七・五五六%でございます。このような数字を見れば、政府系金融機関の方が有利であるという局面もあろうかと思っております。 そこで、政府系金融機関に期待されます役割というのは、一つには、国民金融公庫とか中小企業金融公庫のように、なかなか通常の民間の資金供給ルートでは十分な資金の供給を受けることが難しい、殊に質的に難しいというような部面、それからさらには、これは開発銀行その他のように、巨額の資金を必要とし、かつかなりの資本投下のリスクもありますので、これまた民間金融が一概に乗り出し得ないような部面、そのような部面において民間金融を補完するということがその主な存在意義というか役割になっておりますわけでございます。 民間金融の方は、御指摘のように自由化が進んでおり、それに伴いまして競争も激しくなり、また取引先との間に活発に条件変更その他のネゴを繰り返すということもございますが、その点は政府系の金融機関はあらかじめ定めました長期固定金利によりまして安定した資金を供給するというメリットがございますので、確かにその点で政府金融機関の持つ長所が見直されているということもあるかと思います。 しょせん民間も政府金融機関もそれぞれの役割を持って今日に至っているわけでございますので、ただいま申しましたようなそれぞれの長所を発揮しながら全体として資金の供給に円滑を期することを期待したいというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○前畑幸子君 今後は融資枠を拡大されていく方針でいられるんでしょうか。
○政府委員(土田正顕君) 当面の情勢について御説明申し上げますが、先ほど御説明いたしましたように、年度当初に見込みましたものを上回る資金需要が見込まれる機関も幾つかございますので、ただいまその実態を調査中であり、その結果に基づきまして今後しかるべき財投追加その他をお願いするというようなこともあり得るかと考えております。
○前畑幸子君 私の場合は開銀とか大きいところではなくて国民金融公庫にお頼りしたい場合が多いわけですけれども、これからもお願いしたいと思います。 それから、不動産融資総量規制の解除についてお聞きしたいと思います。 四月に先輩の和田議員が質問されたときにお答えをいただいたのですけれども、解除については「土地騰貴再燃の可能性がほぼ消滅したというふうに認められますような時期を待つ」ということをお答えになったと思うんですけれども、十二月中旬に国土庁がまとめる臨時地価調査の結果を見きわめた上で不動産融資総量規制を解除するということが伝えられておりますけれども、大蔵省はどのような政策的な効果を期待されたのでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 当時の状況といたしまして、異常な土地の高騰、これを抑えるといいますか、なければならないという中におきまして、緊急な措置としてとられたものであるというふうに理解をいたします。そして、これにつきましては、総量規制によって地価を抑えるということはこれはやっぱり緊急避難といいますか、特別な緊急の中でとられる措置であるということでございまして、私どもとしまして地価の動向というのを十分見きわめながら対応していかなければいけないであろうというふうに思っております。そして、今日、国土庁の方で各地の土地状況というのを精査を実はいたしておるということでございまして、こういうものを私どもは見きわめながら、その結果というものを見きわめながら適宜対応すべきであろうというふうに思っておりまして、緊急でやった措置であり、しかも総量規制というのはあくまでも土地に対する対策としてはこれはわき役であるということでございますから、そういったことを十分認識しながら対応していかなければいけないであろうというふうに思っております。
○前畑幸子君 要するに、まだ規制がかかってから半年ぐらいだと思うんです。私は名古屋でございますけれども、この平成三年度の二月、三月ごろに中心で三千万ぐらいの坪単価のところが、今一千五百万でも銀行の貸し出しか厳しいので買えない、売れないという状況にあるわけですけれども、融資が急増しないということを大蔵省は判断されて外されるわけでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 今のところ、地価の動向を見ておりますと、東京は微減といいますか少し低くなったということでありましょう。また、大阪を中心として、ここは二けたぐらいで下がっているというふうに見ております。それから、一部地方におきましてはまだ二けたで地方都市なんかの場合には上がっているという動向もあるようでございますけれども、全体的にはやっぱり落ちついてきておるということ。それから、総枠の貸し出しに対して間違いなく土地に対する貸し出しというのは鈍化しておるという実態もございますので、私たちはその辺をよく見きわめて機動的に対処していきたいということを申し上げておきたいと思います。
○前畑幸子君 恐らく大臣も依頼をされていると思いますけれども、今不動産業界、建築業界、そして生命保険業界、いろいろなところから、要するに不動産に対する総量規制を解除してほしい、緩めてほしいという声が多いことは確かだと思いますけれども、これによって金融機関の貸し渋りが少なくなると判断をされているのか。私は、まだちょっと、上がり過ぎたところに関しましてはもう少し落ち着かないといけないのではないかなという気がしているわけです。 といいますのは、私の名古屋市名東区ですと、住宅地が二百五十万ぐらいまでいっていたんですけれども、今百五十万でも売れないんです。例えば百五十万でも、六十坪買いまして九千万、家を建てますと一億二、三千万になるわけですから、それではサラリーマンの手の届く範囲ではないわけでして、やはりサラリーマンの手の届く範囲というと五、六十坪で一億を切る、八千万ぐらいにならなきゃいけないということになりますと、もう少し待つのもという気もいたしますけれども、そのあたりは大変大きく上がったところとそれから地方都市、そんなにむちゃくちゃになっていないところの差がありますので一概にこれは言えないと思いますけれども、大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 地価問題につきましては、先ほども前段で申し上げましたように、金融による対策といいますか対応というのはこれはわき役であろうというふうに思っております。ですから、それぞれの地域における都市計画ですとかあるいは国土計画というもの、これがやっぱり中心になって動いてもらわないといけないところでございまして、今先生から御指摘のようなところまでということになりますと、ただ金融政策だけというわけにはこれいかないわけでございまして、そのあたりを私どももそれぞれの関係省庁とも十分連絡をとったり、また自治省なんかは地方自治体なんかともよく連絡をとっていただきながら、そういった対応というものをやっていかなければいけない、そういう中で土地というものの対策をしなきゃいけないだろうと思っております。 ただ、もう一点あれしますことは、私ども、ただ引きずっていることはいけませんよということを申し上げたわけであります。それで、適時適切に対応しますということを言っておるわけでありますけれども、解除してまたちょっとたったら上がってしまうというようなことになると、これまた厄介な問題でございまして、これはいろんな方からも御指摘がございまして、トリガー方式、こういったものを導入したらどうなんだというようなことがございます。こういったことにつきましても、具体的な仕組みにつきまして現在我々は検討を進めておりまして、例えば金融機関の不動産向けの貸し出しの伸びと総貸し出しの伸びというものを比較して、前者が後者を一定期間の間に一定数値を上回った場合、まず金融機関の注意を促すとか、あるいは、さらに一定期間一定数値をまたこれ上回るというようなことになった場合には、金融経済情勢等を総合的に勘案しながら総量規制というものが、自動的といいますか、発動できるような体制というものもつくって、私たちはわき役ということを申し上げましたけれども、常に注意深く見守る、それと同時にそういう面においても機動的に我々としても対応していかなければいけないであろうというふうに考えておりますことを申し上げたいと存じます。
○前畑幸子君 しっかりとその再発動の条件を厳しくチェックしていただいて、二度と再発のないように取り組みをしていただきたいということをお願いしたい。もちろん、土地というものは金融政策だけで抑えることができないことはわかりますけれども、どうしても今までの状態を見ますと、土地が投機的な意味で動いたところに一番今回の原因があったと思いますので、その辺の総量規制の再発動の条件をきちっととらえて厳しく監視をお願いしたいと思います。 以上です。ありがとうございました。
○委員長(竹山裕君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時四十五分まで休憩いたします。 午後零時六分休憩 —————・————— 午後二時四十七分開会
○委員長(竹山裕君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 租税及び金融等に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○白浜一良君 羽田大臣、御就任おめでとうございます。公明党の白浜でございます。どうかよろしくお願いいたします。 質問に入る前に、私一つだけ確認をさせていただきたいんですが、午前中の質疑で、財源不足ということで安易な消費税の税率アップをしてはならない、こういう質疑がございまして、なかなか大臣慎重なお答えをされたわけでございますが、昼のニュースで、大臣の答弁に関しまして非常に消費税税率アップに含みを残す、こういうふうに報道されました。これはその報道のまま受け取っておいていいんですか。
○国務大臣(羽田孜君) どのように報道されたか私見ておらないんですけれども、私が申し上げましたのは、従来からのあれを申し上げたわけでございまして、ただ、文芸春秋の小沢さんの発言についてこれをどうだと問われたときに、その背景といいますか、そういったものを説明した、そこのところがあれなのかなというふうにも思いますけれども、いずれにいたしましても、消費税は十月に例の国会の議員立法によりまして修正をされたところでございます。こういったものがどう定着していくのか、これを今見きわめる段階であろうということであります。 そして、私が申し上げたことは、直接税、間接税、いわゆる税の体系についてどうなのだという国民の理解というものは必要であろう。ただ、私が申し上げたのは、その中で消費税というものはある程度定着されてきただろうということ、そして今後それをどちらを選ぶのかということは、まさに国民の皆様方の御意思というものを私たちは尊重してやっていかなければならないということを申し上げたところでございまして、いずれにいたしましても、十月に議員立法をしていただいたものの定着を見きわめていくというのが今一番重要なことであろうと思っております。 そして、私が申し上げたもう一つの例は、いわゆる特例公債というものを一回発行してしまうと、これがこのまままた歯どめがなくなってしまって次から次とそういったものが求められるようになったらこれほどうなるのだろうか。それと同じように、こういう消費税というのは、税率は本当にちょっとこうやって上げればどうにでもなっていく話でございますから、そういったところと全く同じようなことでございまして、私どもは慎重にこういったものに対して対応しなければいけない、そして、国民の御意思というものを十分尊重していかなければならないということを実は申し上げたわけでありまして、私自身は従来のトーンと全然変わらずに申し上げたつもりであります。
○白浜一良君 これは報道ですから、いろいろな主観があるわけでございますけれども、従来の総理にしても、朝も質疑がございましたが、私の代は上げませんと、かなり単純明快におっしゃったわけでございますが、羽田大臣の場合は長々と説明せないかぬというこの部分が非常にわかりにくいということでございます。含みがあるんじゃないか、こういうふうにあれになると思います。 いずれにいたしましても、私どもは消費税に関しましては不公平税制であるという立場は変わりません、いろいろ当初も論議したわけでございますが。ですから、財源不足、ただそれだけで税率を上げるということは、当然不公平であるということが拡大されるわけですから、財源不足ということで安易にそういうことにならないように要求をしておきたいと思います。 それでは本題に入りまして、若干午前中も審議されたわけでございますが、事務方の方にいろいろ伺いましたら、今大蔵省としては景気対策は必要ないんだと、そういうことをおっしゃるわけでございます。昨日も、宮澤総理が党との懇談の中で、景気対策は大事だと非常に積極的な発言をされているわけでございますが、大臣、どうですか、いわゆる大蔵省として今後の景気対策、必要と考えていらっしゃるのかどうか、まずこの点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) これは午前中にもお答え申し上げたところでございますけれども、現在の我が国の経済、これまでのやや高目の成長というものに比べますとテンポが非常に緩やかになっておるということ、多少減速しておるということ、これは私は事実であろうというふうに思っております。ただ、この点は、例えばバブルの部分がはげ落ちておるというようなことなんかもございます。しかし、実際に、有効求人倍率なんかも高目であるということ、そして労働の現状というのは逼迫しておるというのが現状であろうと思っております。そういう意味で、例えば財政なんかが出動しながら景気をてこ入れするというような状態じゃない、むしろ巡航速度に向かういわゆる調整期であろうというふうに私どもは判断をしておるというのが率直なところであります。
○白浜一良君 ただ、宮澤総理はそういう雇用の問題おっしゃっていますけれども、例えばパートにしたって残業の形態にしても、非常に内容的には落ちている、そういう面から見なきゃならないと、報道によりますと総理はそういうふうにおっしゃっているわけです。この点はどうなんですか。
○国務大臣(羽田孜君) 今私は労働力というものが逼迫しておるということを申し上げましたけれども、確かにパートの部分ですとかあるいは残業の部分ですとか、そういったものが少し落ち込んでおる、落ち込んでいるというより、今まで残業なんかあったものがなくなってきておるという現状はあろうと思っております。ただ、積極的に今財政がこれについて行動するといいますか動くという、そういってこ入れが必要であるというふうには私たちは判断をいたしておらないということでございます。 ただ、やっぱり経済は生き物でございますから、私たちも十分これは総理なんかからも御指摘がありました点なんかも含めまして注意深く分析し、そしてその動向というものを見詰めて、そして対応していかなければいけないであろうというふうに思っております。
○白浜一良君 もう一点確認しておきたいんですけれども、きょうも所信でお述べになりました、いわゆる設備投資も個人消費も非常に堅調であるという表現をされたと私記憶しておりますけれども、経企庁の情報によりましたら、例えば設備投資なんかも、GNPの速報で見ましたら、本年の四月から六月期が前期比で横ばいである。それまでずっと上昇していたわけです。横ばいであるというのは円高不況のときの八六年の一月から三月期以来である、これは経企庁がこういうことを言っているわけでございます。 また、個人消費を見ましても、本年の七月から九月期の消費動向調査によりましたら、消費者態度指数が四−六月期に比べて二・七%低下している。経企庁は、消費マインドの悪化を示していると、こういうふうに言っているわけでございますが、ちょっと御認識が違うんじゃないかと私は思うわけでございますが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(日高壮平君) 先にお話がございました設備投資についてでございますが、先生御承知のように、設備投資につきましては六十三年度、元年度、二年度、三年間にわたりまして二けたの伸びを示してきた、そういう状況にございます。したがって、そういう状況から見れば伸び率が鈍化していることは否めないわけでございますが、先ほど大臣が申し上げましたように、現在の状況から見て、伸び率が鈍化してはおりますけれども、その水準としてはまだ底がたいものがあるということであろうかと思います。 特に、今回の景気拡大期におきまして、いわゆるかつての景気拡大期に見られました能力増強投資といったもののウエートが下がってきている。むしろ将来を見込んだ研究開発投資あるいは労働需給の逼迫状況を反映した省力化あるいは合理化投資、そういったものがかなりのウエートを占めている。そういう状況から考えますと、そういった投資については企業としてもそう簡単に落とすわけにはまいらない状況にあるだろうというふうに考えているわけでございます。 それから個人消費でございますが、個人消費につきましては、現在、雇用者数も着実に増加しておる、それから現金給与総額も堅調に推移しているということでございまして、なおかつ、個人消費に大きな影響を与えております物価の状況につきましても、午前中大臣からお答えいたしましたように、野菜の高騰という一時的要因はございましたけれども、全体として物価水準は落ちついている。そういうことから考えまして、個人消費につきましても全体として堅調に推移している、そういうふうに判断しているわけでございます。
○白浜一良君 だけど、私、これ経企庁のデータを言っているんですよ。経企庁のこのコメントに対してはどうですか、消費に関して。これだけでいいですから、言ってください。
○政府委員(日高壮平君) 私どもが消費についての動向を見るときの数字といたしましては、いわゆる家計調査あるいは大型小売店販売といったものがよく引き合いに出されるわけでございますが、そうした数字につきましては、現在のところ堅調に推移しているという状況でございます。
○白浜一良君 同じことを何回も言われても私困ります。経企庁がこういうふうに言っているから、二・七%低下している、消費マインドの悪化を示している、こういうコメントに対して、どう思いますかと私は言っているわけですよ。
○政府委員(日高壮平君) 経済企画庁がどういう形でどういう方向でコメントしたかというのは私も存じておりませんけれども、私どもが経企庁と月例経済報告等を決める上で御相談している限りにおいては、私どもと経済企画庁の見方には差異はございません。
○白浜一良君 何かようわからぬ話ですね。 そうしたら、次に伺いますが、非常に今は堅調である、底がかたい、こう言われています。今までちょっとバブルだったんだと、こうおっしゃるわけでございますが、しかしそうしましたら、私ちょっとここに矛盾があるんじゃないかというふうに思うわけです。非常に経済が堅調になっている、今まではバブルだったと、こういう仮定にしましたら、何で堅調になっていわゆる税収欠陥が起こるのか、こういうことになるわけです。だから、大蔵省の財政中期展望を見ましても、いわゆる国債の依存度にしても要調整額にいたしましても非常に低目になっている。この低目になっているこれを考えられたときは、バブルであるということをもう十分わかった上で立てられたんですか。今、堅調になって税収が不足しておるということは、この計画そのものがバブルの上の計画であるということなんですか。これほどうなんですか。
○政府委員(小村武君) 大蔵省が毎年予算編成後お出しをしております財政中期展望における歳入の見積もり、税収の見積もりのところでございますが、これは一定の成長率四・七五%に弾性値一・一を掛けて機械的に算定をしてお示しをしているものでございまして、具体的にそうした積み上げで見積もり、将来を見通した数字でない。仮にこういう前提を置けば財政状況がどうなるかということをお示ししたものでございまして、特定のバブル等々の観点から数字を操作したものではございません。
○白浜一良君 いや、操作したとは僕も思いませんけれども、仮に、自動的に計算して出した数値である、決してそういう中期展望と言われるような目標でも何でもないんだ、そういうことですか、これは。
○政府委員(小村武君) 私どもお出ししておりますこの中期展望は、ただいま申し上げました歳入については一定の前提を置きまして、成長率四・七五%に弾性値一・一を掛け、そういう前提を置きます。一万歳出につきましては、現行の制度、施策を前提にいたしまして後年度とういう姿になるかということを推計したものでございまして、特定の政策、方策を盛り込んだものではなしに、仮にこうした姿であれば中期的に財政がどうなるであろうかという一定の仮定のもとでの計算をお示ししたものでございます。
○白浜一良君 ということは、これ平成元年から五年度まで出された自動的な数値かもわかりませんけれども、これそのものが今後中期展望の数字としては変わり得るということなんですか。この点はどうですか。
○政府委員(小村武君) 毎年お示しをしております財政の中期展望は、毎年の予算編成を終わりました後見直しを行います。それには、要調整額を解消し、新たな制度、施策のもとで将来の財政需要を推計し、一方税収につきましても確定した実績をもとにさらに一定の前提を置いて税収の見積もりを立てるという作業でございますので、毎年その姿は変わり得るというふうに御理解を願って差し支えないと思います。
○白浜一良君 そういう意味で言えはよく理解はできるんですけれども、ちょっと見方が間違ったから変更しなければいかぬという、そういういいかげんなことでは、国の一番大事な予算に携わっていただいているわけですから、非常に私不安なものを感じるわけでございます。 例えば、一般の家計で言いましても、毎月三十万月給があると。何か競馬で今月は二十万入ってきた、また来月は何かで入ってきた。そのときは五十万なり六十万なり月の収入があるかもわかりませんけれども、その五十万、六十万をベースにして家計そのものは考えられないですものね。給料が三十万であれば三十万がベースになるんです。私、だからそういった面で、時間がないのでもうやめますけれども、七兆円、五兆円と自然増収があった時期に、これはいろいろ考え方の差は当然出ますけれども、私から言えば非常に政策財源に使われ過ぎた、そう思うわけです。 本年度の税収不足を見ましても、当然ですが所得税はきっちりと入ってきているんです。法人税とか有取税とか印紙税ですか、あれなんかは当然落ちているわけでございまして、景気の動向によってそういったものの税収がふえたり減ったりするのは当たり前なんです。ですから、いいときには悪いときを補充するために、例えば地方自治体では財政調整基金というようなものを設けて、いいときにためておいて悪いときに充当していこう、そういう考えがあるらしいのですけれども、もっとそういう景気の波をスムーズにするような財政運営というのはできないものなんでしょうか。
○政府委員(小村武君) 御指摘の構想は地方財政等にとられておりますが、財政の景気調整機能を充実させるために一つの有力な考え方だと存じます。 ただ、こうした場合におきましても、財政の歳出規模というのは非常に下方硬直性でございまして、税収がいいからためておくといった状況というのはなかなかとりがたい面もございます。一方、現在巨額の国債を抱えておりまして、現在なお建設公債も発行しております。したがいまして、片方で公債を発行しながら一定の資金をプールしておくというのも財政的には非効率であるということでその制度をとっておりません。 理想論からいいますと、御指摘のように一定の資金を積み上げておきますと、歳入欠陥を生じた場合に特例公債の発行という事態を回避できるとかそういったメリットは一方にございますが、現在の財政状況におきましてはそうしたものもとり得ないというのが現在の状況でございます。
○白浜一良君 私、なぜそういうことを言うかと申し上げましたら、確かに百六十八兆円、公債の依存度が非常に高いわけです。これは決して軽く考えたらいけないわけですけれども、そうおっしゃるんですが、結局これだけの二兆八千億欠損があるといったら、それは特例公債じゃないけれども、また建設国債は目いっぱい出さなきゃいかぬ、また来年もそうしなきゃいかぬと、こういう論議になるから私言っているわけです。 ちなみに、本年度の景気動向というのは、これはいろんな学説がございましたが、この四月、本年度予算を予算委員会で審議したときに、私もいろんな本を読んで政府見通し三・八%は難しいと。大方がそうでした。私、当時橋本大蔵大臣でございましたが、質問したんです、重ねて。だけれども大臣は、「私は十分我が国はこの三・八%の成長率を達成できると信じております。」、確かにこうおっしゃいました。これは見通しですから確かなことはだれも言えないわけでございますが、だけれども、これだけ確信を持って言っておいても、悪くなったからもうこれはしょうがないんや。これでは要するに、責任回避とは申しませんが、そういう安易な財政運営をされては困るということで私はちょっとしつこく聞いたわけでございます。 それでもう一つちょっと伺っておきたいのは、補正を今考えていらっしゃるんですが、と同時に、きょう午前中ちょっと話も出ておりましたが、開銀とか輸銀を通して六千億ほど財投を追加しようという話がございます。これは一種の景気対策であるわけでございますが、明年度の予算編成も大変税収面で厳しい面もございますし、預金が郵貯にシフトしているという現状もございますが、明年度予算で財投にこういう点に力を入れようとか、何かそういうお考えがございましたらちょっとお聞かせ願いたいんですが。
○国務大臣(羽田孜君) 御指摘の点につきましては、私どもといたしましても開銀ですとかあるいは中小企業金融公庫ですとか国民金融公庫ですとか、いわゆる追加的な需要のあるものにつきまして、私どもとして的確にひとつ対応していきたいなという考え方を持ってこれから進めていきたいというふうに考えております。
○白浜一良君 もう時間がございませんので、あとちょっと具体的な点を二点だけお伺いしたいと思います。 まず一点は、相続税の見直し問題でございます。 これはきょうの新聞に報道されておりましたが、特に東京なんです。大阪も一部土地が高いんですが、住居用のそういう不動産、土地家屋なんかも非常に都心部の場合は高いわけです。今回は特に相続税の評価、公示価格の七〇から八〇に上げられるわけです。上げられた方が妥当なんですが、それで当然税率が上がっていくわけですね。いろんな資産があっていいわけでございますが、やはり家に関しましては、最低限住むために大事なわけです。 ですから、私、きのう大阪から東京へ来たんですが、週刊ポストを読んでいまして、大臣、インタビューに答えていらっしゃいます。二百平米ぐらいの家を相続したと、子供一人が三億で全部合わしたら十億だ、結局家を売らなきゃいかぬ、もうこんなのでは相続税も追い出し税だ、少なくとも、二百平米とか五十坪や七十坪、そういうところは課税から外すべきだというような意味のインタビューに答えていらっしゃいましたが、公示価格の比率が特に上げられるということもございまして、小規模の住居用に関するいわゆる軽減措置、当然今もとられているんですが、今以上にとるべきじゃないか。大臣の追い出し税だとおっしゃる意向から受けても、私はそのように思うわけでございますが、その点に関してお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(濱本英輔君) お答え申し上げます。 小規模の宅地につきましての相続税の課税のあり方をどうすべきかということにつきましては、旧来から議論がございまして、先般の抜本改革のときにも、通常の評価額から減額いたします割合を居住用につきましては三〇%から五〇%へ、それから事業用の宅地につきましては四〇%から六〇%へそれぞれ大幅に引き上げたところでございます。 ただ、二百平米以下の土地と申しましても、これは土地として貴重な資産でございまして、これが有利に生かされて活用されるということが大事であるというのが先般の土地対策の非常に重要な論点の一つでございました。そういう意味におきまして、土地の有利性というものを縮減するということが土地税制あるいは相続税も含めました土地に係る税のあり方として大事なポイントであるわけでございまして、現在行っております減額割合というものはそのあたりのバランスをとったぎりぎりのところではないかというのが私どもの判断でございます。
○白浜一良君 田舎と申しますか、地方はいいんです。特に都心部、東京は一番大きい。私大阪ですが、大阪でも中心部は相続したらもう本当に売って出ていかなきゃいかぬ。都市が空洞化する、健全な都市の発展につながらないわけでございまして、そういうところを特に対象を決めて、全国一律はそれは非常に問題があると思います。だけれども、そういう大都市、都心部の住居用に関しまして配慮すべきでないかということだけを訴えておきたいと思います。答えてくれますか、何か。
○政府委員(濱本英輔君) 仰せのとおり、この問題はすぐれて都市の問題かと思います。結局、二百平米の土地というものが住居を定めますものとしての使用価値において非常に貴重なものでありますと同時に、それが高価な資産価値を持つものでも同時にありますわけでございまして、その二つの価値というものをどこで調和させるかということであろうと思います。都市にあります居住地につきましては、これを大幅に課税を緩和するということになりました場合に、どういう現象が起こるであろうかということは先生御想像のとおりでございまして、その当時も議論されたことでございますけれども、一定の区画の土地につきましては居住用である限り非課税であるということになりますと、そういった土地というものがより好んで求めて保有されるようになるであろうということもその当時議論されました。いろいろな税制の及びます効果というものを考えてみる必要があろうと存じます。 しかし、いずれにいたしましても、ちょうど今回の平成四年度の税制改正の論議が始まったばかりでございまして、相続税の論議というものはこれからでございますので、そういった中での論議を我々としては注目させていただきたい、かように存じます。
○白浜一良君 住居用でございますので、生きるために最低限必要なことでございますから、その点からお考えいただきたい、このように思うわけでございます。 次に、さきの国会で金融・証券問題でいろいろ具体的な問題が起こりました。私大阪でございますので、東洋信金の話をちょっとしたいと思います。 一応捜査が終わりまして、明年から東洋信金に関しましては裁判が始まる、こう聞いておりますが、当局といたしまして、尾上縫被告の現在の借金、また保有資産はどのくらいあるか、この辺は把握されておるんでしょうか。
○政府委員(土田正顕君) 尾上被告にはメインバンク的ないわば日常の取引を全体として見ております金融機関も存在しないようでございますので、私どもが関係の金融機関筋から情報を得ることは困難でございます。 いずれにいたしましても、司法当局におきまして事実の解明が行われてきておりますこと、また東洋信用金庫の偽造預金証書とは無関係の借り入れも見られるようであることなどから推しまして、私どもとしてはこの方の資産、負債状況の全貌については把握できておりません。 なお、これは直接のお答えにはなりませんが、大阪地検の起訴事実によりますと、現存する偽造預金証書は十四通、三千五百三十億円であるということは承知しております。
○白浜一良君 わかりました。 それでは、今残務処理ということでいわゆるノンバンクと東洋信金の間で尾上の借金の肩がわりをめぐり、当然ですが、非常に対立しているわけでございます。この辺はどのように調整されるお考えか。何かございますか、そのお考えが。
○政府委員(土田正顕君) ただいま御指摘のように、現在いわゆるノンバンクと東洋信用金庫との間で話し合いが行われておりますことは承知しております。ただ、その問題はあくまでも当事者間で自主的に話し合って結論を見出すべき事柄であると考えております。 このような民事問題につきまして当局が調整すべき立場にはございませんが、ただ、いずれにいたしましても東洋信用金庫が深く関係することでもございますので、今後とも当事者間の交渉を注意深く見守ってまいりたいと考えております。
○白浜一良君 地元では大変大きな問題になっております。非常に難しい問題もあるんですね。よく監督していただきたいと思うわけでございます。 もう一点だけ。この問題が起こりましてから興銀さんが手を引いてわっと債権回収に走ったわけでございます。これはもう既に報道されております。これは事実であるかどうかという点。事実であるとして、それでもなおかつ興銀系のノンバンクにそういう残余債権があると聞いておるんですが、それはどのくらいあるか御承知されておりますか。
○政府委員(土田正顕君) この問題につきましては、参議院ではございませんが、衆議院で八月三十日に黒澤頭取が参考人として発言をしたことがございます。そこにもございますが、残高は、当人に対しまして、興銀本体では二百億円、興銀リースが四百億円、興銀ファイナンスは残高ゼロであるというような発言がございます。その後、状況の変化があるとは承知しておりません。
○白浜一良君 結局何もお答えにならないということですね。わかりました。 じゃ最後に御質問しますが、これも先日新聞に報道されていたわけでございますが、いわゆる三菱銀行か不良債権の公表、公開、ディスクロージャーに踏み切った、こういう記事が載っておりました。ところが、記事によりましたら、大蔵省が非常に消極的だと。不良貸し出しか多い金融機関の内容が世間に公開されると市場に動揺を与えかねない、こういう見解がもわかりませんが、非常に消極的だというふうに伺っておりますが、この点はどうなんですか。
○政府委員(土田正顕君) 御指摘の記事は私どもも見ましたが、やや腑に落ちかねる点もございます。私どもの方から御説明を申し上げます。 いわゆる金融機関のディスクロージャーでございますが、これは有価証券報告書、届け出書等は証券局が所管しております証券取引法の世界で行われておりますし、それからいわゆる決算短信のようなものは、これは証券取引所の方でしかるべく調整をしておられると思いますが、私どもの方で所管しておりますのは、銀行法第二十一条に規定されておりますいわゆるディスクロージャー、説明書類の縦覧の規定の運用の関係でございます。 そこの総論につきましてはいろいろ申し上げることもございますけれども、まずその前に、三菱銀行はこのディスクロージャー書類を毎年発行しているわけでございますが、かねがね同行の一つの方針として、延滞貸し出しとか貸倒引当金等の記述を載せております。それから最近の例でも、三菱銀行は米国の証券取引所に上場しております関係でいろいろな書類を調製いたしました。その関係で、連結財務諸表というものをいわば米国基準によりまして調製したものをディスクロージャー書類に載せております。その中で貸出金に対する未収利息不計上の貸出金及びリストラクチャート貸出金の比率というような項目の計数も掲げておるわけでございます。このように三菱銀行は、いわば同行の独自の判断でそのような、米国基準ではございますけれども財務データをディスクローズしております。 これに対して、日本の全体の銀行のあり方としましては、先ほど申しました銀行法二十一条の規定は、いわば金融機関の自主的判断にまつということでございまして、全銀協の方でそのガイドライン的なものを決めておりますけれども、その具体的基準をどうするかということにつきましては、私どもとしては今後充実の方向で指導していきたいと思っております。 全般的にこのような状況でございますので、要点を申し上げますと、三菱銀行は今申し上げましたような方向でいわば不良債権のディスクロージャーをしております。 それから、私どもの方で担当官などに聞きましても、個別行のディスクロージャーに当局が難色を示したというような事実はないというふうに私どもは了解しております。
○白浜一良君 結局証券問題も、企業に都合の悪いことは隠してしまおうという、まあいいことはどんどん流れていいわけでございますが、そういう体質がやっぱりあれだけの大きな問題になったわけで、金融・銀行関係は特にそういう問題は起こらなかったわけでございますけれども、今局長おっしゃったように、そういうディスクロージャーという面に関しましても、きちっとした一定のルールを明確にして、信頼ある銀行行政をしていただきたい、このことを要望して質問を終わりたいと思います。
○近藤忠孝君 持ち時間が非常に少ないので、証券・金融問題と税務行政の問題に絞って御質問をいたします。 午前中の大臣の所信表明でも、金融資本市場について、有効かつ適正な競争、それから国際的にも通用する市場ということを目指して金融、証券両審議会の答申に従って進めていく、こういう発言でありました。私は、要するに銀行、証券の垣根をただ低くして相互乗り入れを進めていくことは逆に危険じゃないかということを十月二日の証券等の特別委員会で指摘したところであります。見直すべきじゃないかということも申しました。このことに関してまず質問しますが、一つアメリカの事例です。 アメリカ議会ではグラス・スティーガル法を改正して、六十年ぶりに銀行の証券業務への参入を認める金融制度改革の議論が行われておったようです。しかし、大詰めに来て審議が難航いたしました。結局銀行の証券参入などの大改革は修正、削除されたわけです。そして結果的には預金保険の拡充などに的を絞った法案が成立をした。これは最近の十一月二十一日です。これで少なくとも今後二年間は垣根が維持される、こういう見方が強まってい産す。アメリカでこの金融制度の改革がこういう小さな改正に終わった理由は何でしょうか。
○政府委員(土田正顕君) 外国のことはなかなか的確な御説明は難しいのでございますが、私どもが感じておりますことを率直に申し上げます。 この米国における金融制度改革の提案は、もともとは米国の財務省でドラフトを公表し、それに基づいて包括的な改正を盛り込もうとした法案を審議しておったようでございます。しかしその後、いろいろな米国の議会の中の事情によりましてそのような包括的な改革の内容というものが逐次見送りになり、さらに下院の中には銀行の業務拡大について反対する声がありまして、銀行の証券業務参入を実質的に阻止するようなファイアウオールが盛り込まれようとしたために、自由化推進の立場に立つ政府とか銀行界がその法案に反対に回ったということが法案が成立しなかった背景にあると言われておるわけでございます。すなわち、当初はかなり大幅な改革を考えた法案が出たのでございますけれども、その後逐次国会の審議を通じて修正され、最後にはいわば自由化推進にとってむしろブレーキとなるというような内容になりましたために、政府方もむしろ反対の意向を示したということのようでございます。 私どもとしましては、いずれにしましても、このような事情ももちろん参考にするわけでございますが、ただ、この世界的な規模の業務自由化の大きな流れというものとアメリカの国内事情と、そこは区別して考えなければいけないと思っております。
○近藤忠孝君 この銀行の業務拡大阻止の動きが強まっていわばそれが成功したというのはなぜなのか、ここが大事だと思うんです。アメリカにおいて金融機関に絡む不祥事があちこちで表面化したために、銀行により大きなリスクを負わせ、また銀行に大きな競争力を与えることになる証券業への参入は望ましくないという考えが強まり、それが支配的になったからです。 じゃ我が国の場合どうか。今回の証券・金融の未曾有の不祥事が明るみに出ましたのは、まさに六月の金融制度調査会それから証券取引審議会の最終報告書が出された直後だったんです。だから、当然これ踏まえてこの改革を全面的に見直すべきじゃないのか。これは前回も指摘したけれども、そのことについてがまず第一点。 それから、とりわけ金融機関は現在におきましても既に証券会社の系列化を進めています。系列の証券会社と一体となって株式取引などに手を染めているという実態があるんです。 例えばこれは金融財政事情の調査によりますと、住友銀行の場合です、住銀自身は系列の明光証券に対して、独禁法の関係で四・二%しか持っていませんが、しかし関連会社も含めたグループとしては四二・三%保有しているんです。事実上これは住友の証券会社です。役職員の派遣、融資、こういったものを通じて密接な関係がある。これは当然予想されますが、その実態はどう把握しておりますか。
○政府委員(土田正顕君) 前半のアメリカで起こったことの意味、それから我が国の制度改革との関係につきまして、とりあえず私の方から申し上げます。 アメリカでいろいろ金融不祥事が頻発したというお話でございますが、それは確かに八〇年代の規制緩和が今日の例えば貯蓄貸付組合の経営破綻の急増を招いたとかいうようなこともございまして、銀行の業務範囲を拡大することが銀行に新たなリスクを負わせて銀行の経営破綻につながることを恐れる声もあることは事実でございます。そのような新たなリスクを負わせることの当否というのが、たまたま実は本件とワンセットの問題としてアメリカの預金保険制度の基金の残高が非常に欠乏を来した、それを補充することが最優先的な課題であるというようなことともにらみ合わさりまして、とりあえずその預金保険機構の拡充強化を図ると同時に、他方において業務範囲の拡大を制限するという整理になったものと思われます。 その辺は、銀行の自由化の進め方、リスク管理のあり方などにつきましてアメリカと日本ではいささか、日本には日本流のやり方もあると自負しているわけでございますが、必ずしも同日の談ではなかろうと思っております。 それから、制度改革の議論でございますけれども、これは金融制度調査会、証券取引審議会で数年来、金融制度の改革について審議を行いまして、本年の六月に今後の方向づけの答申ないし報告を出したわけでございますが、その後確かに事件が起こったことは御指摘のとおりでありますけれども、そのような事件に関連いたしまして、これは行革審の答申とか、それから衆参両院の特別委員会の御議論にもございますように、今後金融資本市場における有効で適正な競争を促進していくために、やはり金融制度改革を推進することが必要であるという御議論が入っておったかと思うのでございます。 この夏前の議論にあわせ、ただいまさらに金融制度調査会も再開しており、証券取引審議会も新たな議論を続けておるわけでございますが、そのような議論を集約いたしまして、やがて改正の方向について御審議をいただきたい、私どもはそう思いまして作業を続けているわけでございます。
○近藤忠孝君 私が指摘したのは、答申が出た後ああいった事態があったわけですから、それをさらに反映すべきだということを申し上げておきます。 それから、アメリカにおいては現在でも例外規定で証券子会社を持っている銀行かあります。しかし、銀行業務と証券業務の間にはかなり厳しいファイアウオールが設けられています。それに比べて、我が国ではこのファイアウオールがほとんどないと言ってもいいくらい緩やかです。そのために、証取法六十五条違反ということが実態としてかなりやっておるわけです。この質問としては、その実態について調査をし、ファイアウオールを強化すべきではないかということ、これは銀行局長でしょうかね。 それから、これは私の方で銀行局に対して調査を依頼している東京銀行の件です。まさにこの事例は証取法の改正を先取りして銀行か証券業務に深くかかわった例なのです。 事件の概要は、もう既にお示ししたように東京銀行かワリトーを保有しているある個人に対して証券取引をあおりました。数十億の株取引資金を次々に融資しまして、最初は野村、次に太平洋証券、最後には東京銀行系列の大七証券へと東京銀行か証券会社と一体となって一任勘定的な株式取引を行い、その結果暴落もちょうど重なりまして、この方は返済不能となって担保としていた不動産すべてを失うという悲惨な結果になって、それで調査をお願いしたわけです。 この事例は、私が今まで指摘してきたような、我が国の金融制度改革にとって、やはり銀行かこれに絡むことは問題だという格好の事例じゃないのか、大蔵省としてもその事実関係についてよく調査をしてくれと言っておきましたが、その結果、これは時間の関係でごく簡潔で結構です、御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(土田正顕君) このファイアウオールの問題は、具体的には銀行局、証券局両局において今後協議すべき問題でございます。金融制度調査会の方では、「制度見直しの意義を減殺しないように必要最小限のものとすることが重要」だという意見を出しております。他方、証券取引審議会の方では、「市場機能が歪められるということがあってはならない」「実効性ある措置を講ずる必要がある」ということでございまして、この辺を具体的に調整してまいるのが今後の仕事でございます。 それから、その次の東京銀行の関係のお話でございまして、これは事実そのものについての御説明は私どもも伺ったわけでございますが、何分にもこのような問題につきましては、事実関係につきまして当事者の意見に甚だしい食い違いがございます。例えば、この個人が株式投資を始めたのはそのときからであったのかずっと前からやっておられたのかとか、この融資は一体どちら側にイニシアチブがあったのかとか、一任勘定というような事実があったのかとか、その他もろもろでございまして、大変このような民事的なトラブルにつきまして、私どもとして個別取引についてコメントをすることは差し控えたいと思っておる次第でございます。
○近藤忠孝君 大体物事というのは個別事例を通じて行政のあり方あるいは銀行の行き過ぎが明らかになるんですよ。抽象的に議論してもしょうがないんです。 改めて私は問題点を指摘します。 まず過剰融資です。個人に対して総額二十六億円の融資、これは過大だと思いますね。東京銀行でも大口個人融資は、これは大型フリーローンという商品がありますけれども、それでも限度は一口三億円です。それなのに、この人の場合は融資額がこの限度を上回ることが多かった。一遍に十四億の融資もしたことがある。これは問題じゃないのか。 二番目に、本人の意思を無視した融資。これは水かけ論とおっしゃいますけれども、実際そうじゃないんです。これよく調べてほしいんですね。最初本人はワリトーを解約することを求めたんですが、東京銀行はこれに応じなかった。これを担保に融資することにさせてしまったんです。取引が始まって以降、東京銀行は本人の預金通帳を預かったままだと。これは事実関係を確認できるでしょう。しかもローンの契約書も、あらかじめ本人の印鑑だけ押した白紙契約書を銀行か預かっておったんです。必要に応じて融資を実行していたという、こういう事実。 三番目に、一任取引の疑い。個々の株式の売買について本人の指図はほとんど無視された。東京銀行と野村、大七など証券会社の意のままの取引がなされていた疑いが大変に強いんです。 四番目に、証取法六十五条違反の疑いが強いと思うんです。これは東京銀行池袋支店長室でまず野村証券の課長らと一体となって株取引の話が進められておったというんですよ。系列の大七証券をうちの子会社と言って取引を進めて、そして東京銀行か大その支店長、課長に指示する形で取引が進められておった疑い。 正式に指摘しましたので、これはぜひ調査をしてほしい。これは今答弁無理でしょうから、調査はしていただけると思うんですが、どうですか。
○政府委員(土田正顕君) ただいまのお話も私どもは一応論点を整理いたしまして、甚だ両当事者の主張に開きがあるということを発見したわけでございます。いずれにいたしましても、この御当人の弁護士と銀行側が接触を始めておるようでございますので、当面その状況を見てまいったらどうかと思っております。 なお、証取法の問題は私どもの所管ではございませんので、答弁は控えさせていただきます。
○政府委員(松野允彦君) お尋ねの点でございますが、私どもも証券会社から事情を聞きまして、もし証取法に触れるような行為がございましたら、それは厳正に対処したいと思います。
○近藤忠孝君 こういうものは当事者同士に任せておったんじゃ、なかなかこれらちが明かないので、また具体的に指摘をしますので、そういった際には銀行局としてのひとつ指導性を発揮してほしいと思います。 あと時間がわずかですが、税務行政です。 この間、十月三十日から委員長を先頭に静岡、愛知を視察しました。その際、納税協力団体との懇談会があったんですが、納税協力団体というのはどういう性格の団体なのか。あわせて、納税協力団体があるんですから納税非協力団体というのもあるやに聞いておりますが、これほどんなものか、そういう概念自身国税庁お持ちなのかどうなのか。
○政府委員(坂本導聰君) 税務行政は本来適正な課税の実現を図るということを目的として公平に執行されるというものであり、特定の団体に対しまして先入観念を持って行うべきではないというのが国税庁の基本的なスタンスであります。したがって、まずどのような団体に対しても国税庁としては中立の立場で税務行政を行う、こういうことでございます。 ただ、現在の申告納税制度のもとで納税者が自主的に適正な申告納税を行うことが最も重要であるということから申しますと、納税者が自主的に適正な申告納税を行う基盤をつくることは私どもの税務行政にとって大きな課題でございまして、これはひとり私どもの国税職員だけでなし得るものではない。したがって、税理士会等の関係団体の御協力をいただいて納税申告制度の定着を図っているということでございます。 したがって、あえて一般論として納税協力団体はということでございますならば、それは納税者が自主的に適正な申告納税を行う基盤をつくる上で理解と協力が得られる団体という抽象的な概念に終わるわけでございます。
○近藤忠孝君 例えば民間団体が自主的に記帳講習会を行って、それで納税を適正に行う、これは好ましいことだと思うんですよね。うなずいておるからそうだと思うんです。 ところが、これは六十年九月二十四日、金沢国税局の直税部長が金沢税務署へ視閲というんですか、行ったときの資料なんです。その一つに、「能登信用金庫七塚支店において、河北民商の記帳講習会を八月二十五日に開催した事実をつかみ、坂田副署長」、これは実在の人物です、「副署長が同金庫役員を呼び出し、注意した」、記帳講習会をやっているところに貸したことを注意したというんです。そして、その信用金庫の役員は、「九月九日付で全支店に対し、会議室の外部使用禁止を通知した旨連絡があった。」という報告であります。 この文書もお示ししたので、これは間違いない。だってこれ直筆、筆ですよ。本人が書いたに間違いないんですよ。我々これは間違いない一つの文書知っています。こんなことをやっていいのか、あわせてお答えいただきたい。
○政府委員(坂本導聰君) 今、委員御指摘の資料は、平成元年三月二十八日の当院の大蔵委員会において御指摘のあった資料と同じものだと思いますが、御指摘のありました資料につきましては、金沢国税局金沢税務署が作成したという御指摘でありますけれども、元年当時、金沢国税局に指示いたしまして調査させましたが、そのような資料は確認できなかったと聞いております。
○近藤忠孝君 時間が来ましたけれども、確認できなかったんです、そのときなかったんだけれども、六十年九月二十四日にあったんですよ、その後処分したかどうか知らぬけれどもね。今言った、税務署が金融機関にそんな民間団体に貸すな、民商に貸すなというようなこと宣言っていいのか悪いのか、それだけでいいです、答弁。
○政府委員(坂本導聰君) 私どもは、先ほども申し上げましたように特定の団体に対して特定の先入観念を持って当たるものではございませんので、あくまでも中立的な立場で臨んでおります。
○池田治君 最後の一人になりましたが、よろしくお願いします。 現在の景気動向とか金融・証券問題、大蔵大臣の増税発言等につきましても質問通告はしておりましたが、先輩議員の御質問がありましたので、重複を避けるため省略をさせていただきます。 そこで、私は所得税の減税問題から入りたいと思います。 所得税減税は平成元年度以来三年間見送られております。政府は、税制改革で大幅な減税をしたのであるから当分の間減税はする必要がないと考えておられると思いますが、これはまた大変な間違いだと思っております。 所得税は、物価が上昇して賃上げによる名目所得がふえできますと実質増税が着々と進行する性質を持っております。それは減税の方法として各種の控除額を引き上げない限り、名目所得の伸びにより課税所得の伸びが上回って、しかも累進税率によって賃上げが上がれば上がるほど税額は大きくなるということでございます。したがって、国税庁が平成二年分の民間所得の給与実態を明らかにされましたように、サラリーマンの平均給与は五・七%上がっておりますが、平均税額はこれを大幅に上回り一一・二%という数値を示しております。その結果、可処分所得の伸びはわずか一・五%にとどまっております。ことしは物価は野菜等を除いて安定しておるということでございますが、ことしの春闘でも平均五・六六%の賃上げをしておりますし、勤労者の絶対数も増加しているわけでございますから、給与所得者の所得税というのは相当額の増税になっていると私は思っております。 そこで、本年度の給与所得税はどのくらい増収になっているか。この増収分は実質増税による分も相当含まれていると私は思っておりますが、大蔵省もそのように理解されておりますか。三番目に、給与所得者の所得税減税をする方針があるかどうか。この三点についてお尋ねいたします。
○政府委員(濱本英輔君) お尋ねがございました給与所得にかかります源泉所得税でございますけれども、私どもが月々把握をいたしております各税目別の税収の入りぐあいを見ますときに、源泉所得税という区分でチェックをいたしますが、三年度におきます源泉所得税収の動向と申しまするのは、判明しております十月末までの税収で見まして、十月分が前年比五・九%、四月から十月までの累計で前年比四・八%の伸びになっております。予算の伸び率は、ちなみに申し上げますと七〇%でございます。 御指摘の給与にかかる源泉所得税でございますけれども、ただいまもちょっとお話がございましたように、毎勤統計などによります月々の給与の伸びなどから推察いたしますのに、堅調な伸びを示しているのではないかと私どもも見ておりますが、傍らで、この源泉所得税という区分の中には株式市況の低迷によります株式譲渡分にかかります源泉所得税の減少でございますとか、あるいは金利の低下に伴いまして利子分の源泉所得税の伸びの鈍化といったような要因がございますので、源泉所得税全体といたしましてはただいま申し上げたような伸びになっておるということでございます。 ただ、その三年度の給与にかかる源泉所得税収の伸びをそれとして取り出して考えてみます場合に、二年度これは締めた段階ではきちっと所得区分ごとの収入状況がわかりますので、二年度の決算をいたしましたときに把握いたしました土台になりますものの額が、実は二年度の補正後予算に対しまして五千億程度決算額の方が土台増になっておる。つまり、補正後予算額をベースにしまして三年度の予算を考えたわけでございますけれども、その後に判明いたしました二年度の決算額というのが二年度の補正後予算に対して約五千億土台増になったということが判明いたしましたので、その分は三年度にも影響を及ぼしているということは考えられるわけでございますけれども、さらに具体的な数字ということになりますと、特に年度を通じての数字ということになりますと、この冬のボーナス等の要因を見きわめませんと、今の段階でそれ以上のことをちょっと申し上げる自信がございません。 それから、最後にお触れになりました所得税の減税の件でございますけれども、これは六十三年の十二月の税制改革におきまして、所得税、住民税合わせまして三兆三千億、九月の分を含めますと五兆五千億という大きな所得減税を実施いたしまして、その減税効果というのは平成元年から本格化いたしたところでございます。そういう状況が傍らございますし、また、いつもごらんいただいておりますことでございますけれども、主要諸外国と比較いたしましても、我が国の所得税というのは課税最低限は高こうございますし、最低税率が比較的低いということから、納税者の大半を占めております中低所得層の所得税負担が相対的に低い状況にあるということにも御留意いただきまして、今の厳しい財政状況というものも考え合わせていただきますと、ただいまおっしゃいましたような所得税の減税に向かえるような状況には全体としてはないのではないかというふうに私どもは判断いたしております。
○池田治君 厳しい財政下に置かれる所得税減税は困難を伴うということでございますが、確かに財政は税収が不足で大変なことだろうと思っております。しかし、株式譲渡とか利子税とか、こういうものについての所得税が減収されるので、それを給与所得者における減税までもひっくるめて減税をしないというのはちょっと残酷なように思いますが、この点はいかがでございますか。
○政府委員(濱本英輔君) 先ほど御説明が不十分であったかと思いますけれども、株式の譲渡益にかかる源泉所得税あるいは利子にかかります源泉所得税の伸びが低いということを申し上げましたのは、今の実態としまして利子のレベルが下がってくる、あるいは株式取引が一時に比べますと低迷しておるというような事情を反映してのことでございます。それを映し出したものでございまして、所得自体にかかります税負担としては別段両者の間に違いはないわけでございます。 所得税の減税は、従来もさようでございますけれども、考え方といたしましては、各所得区分を通じまして全体的にどのような水準にあるべきかということを基本に論議されてきておりまして、先生が今御指摘ございました意味が給与所得課税について厳しいという御指摘であるといたしますと、六十三年十二月の改正等の時点におきましては、特にそういう特定の所得にどう考えるというようなことではなくて、所得全体につきましての御議論のもとに減税の案がまとめられたということでございます。
○池田治君 六十三年の改正はそうかもしれませんけれども、給与所得者にとりましては一年一年増税感がひしひしと感じられる、こういうことでございますので、今の答弁はちょっと私には納得できないのでございます。 時間もありませんのでこの問題は後日またお教えを願うことにいたしまして、なぜ大蔵の人と仏とが意見が対立するかというと、給与所得者について我が国には特別な措置がとられてないからこういうことになるんではなかろうかと思っております。そこで、所得税の持つ特性、つまり減税をしないと自然に実質増税となっていく弊害を除去するためには、各種の控除額と累進税率が適用される課税所得区分を物価上昇にスライドしていくというインデクセーションを導入する必要があると私は思っております。 そこで、外国の事例をちょっと紹介しますと、アメリカでは八一年の経済再建租税法で、前々年度の九月から前年の八月までの間に消費者物価指数の平均が一九八六年九月一日から八七年八月三十一日までの消費者物価指数の平均を上回る場合は、その超過する割合だけ当年の税率適用所得区分及び人的控除、概算控除を改定する、こういう法律になっております。また、イギリスでも人的控除及び税率適用所得階級区分を小売物価指数の対前年上昇率分だけを引き上げ喝。ただし、そのときどきの財政事情、経済事情により必ずしも完全調整が行われるわけではない。こういう制度になっておりますし、フランスでも六八年度の予算法という法律で、消費者物価指数の対前年上昇率が五%を超えた場合は税率の適用所得階級区分を当該上昇率に従って改定する、こういう規定になっております。 日本でもひとつこれをぜひ取り入れていただかないと、給与所得者に対する実質増税というのは、今おっしゃいましたようにキャピタルゲインとか利子税とか、こういうものと一緒になってしまった所得税の考え方になってしまうので、サラリーマンのためにそういう制度をぜひ取り入れてもらいたいと私は思っておりますが、これはいかがでございましょうか。
○政府委員(濱本英輔君) 御指摘のインデクセーション制度の導入につきましては、従来から御議論のございますところでございますが、所得税の控除や税率につきましてインデクセーションを導入します場合には、同じように物価上昇によって影響を受けます他のファクターにつきましても同様にそれを加味しませんと非常に偏ったことになります。つまり、ある部分にだけ物価スライドを導入するというわけにはいかない問題がございます。 例えて申しますと、減価償却費でございますとかキャピタルゲインを計算します場合でも、それぞれにこれを加味するということにしなければなりません。それは大変複雑な、また困難な作業になると思われます。 それから、インデクセーションの導入に仮に成功したとしました場合に、税制の持っておりますいわゆる景気調整機能、ビルトインスタビライザーの機能というものはその分だけ阻害されるということになると思いますし、また同時に、すべてのものが物価の上昇に伴って一方の方向に動いていくということになりますと、インフレを前提にした経済社会構造というものがつくられてしまうおそれがあるということが従来指摘されてまいりました。この問題の指摘というのは、今の時点におきましても私どもは大きな問題であるというふうに受けとめております。 税制調査会におきましても、これまでたびたび御議論がございましたけれども、インデクセーションの導入につきましては慎重であるべきだというのが一貫した結論でございまして、ただそのことに対しまして、今御指摘がございましたような所得課税の負担がそれによっていびつになるということは許されないわけでございますから、社会経済情勢の推移に即応して適宜に見直しが必要であるということも同時に答申に指摘されているということを付言しておきたいと思います。 もう一つだけ、先生、先ほど私御答弁のときに申し上げるべきことを申し上げてなかったような気がいたしますけれども、国税収入の構成比というものを抜本改革の直前あたりと今とを比較しました場合に、給与所得にかかります所得税のウエート、税金全体を一〇〇とした場合に、給与分にかかる所得税のウエートというのは、例えば抜本改革前の六十一年をとりますと全体の二一・八%でございました。それが一七・三%にウエートを下げております。これはほかのいろいろな税目につきましての見直しが行われた結果でございますけれども、給与所得に対する税負担が構成比においてウエートを高めているということはございませんことを申し添えさせていただきます。
○池田治君 そうおっしゃいますけれども、民間調査機関による報道によりますと、一人当たりの平均給与が二十二万八千円アップになった、伸び率は前年度を一・一ポイント上回り五・七%ということでございますが、給与の伸びの一方で所得税額も一五・三%、大幅にふえた。納税者の給与に占める所得税割合はほとんど減税のなかったこともあって六・〇七%、前年度を〇・三四%上回り三年ぶり六%を超えたと、夫婦と子供二人の家庭で見ますと、平均給与が四百六十万としても実質可処分率の伸びは一・五%というぐあいになってしまって、給与を幾ら上げても、実質増税と物価上昇との関係がありますとサラリーマンは賃上げをもらっても何ら賃上げという感慨がないわけです。宮澤内閣は、生活大国を築こうとか豊かさを実感できる国をつくろうとか、こうおっしゃいますけれども、税率でごまかされてしまっては勤労者はたまったものじゃございません。もう少し考えはございませんか。
○政府委員(濱本英輔君) 御指摘の点でございますけれども、確かに年々の所得の推移、物価の上昇の度合い、それから社会的ないろいろな公的な負担のかかり方というものは年々きちんと見定めていかなければならない大事な点だと思っておりますけれども、今御指摘がございました点につきまして、私どもの手元の資料で確認できますことは、少なくとも可処分所得、残される可処分所得のベースで見まして、近時その伸びが実質でマイナスになっているという事実はございません。例えば平成元年、二年とも一・五%あるいは一・四%という伸びになっておりますし、最近、最も新しいところで見ますところでも、平成三年の四−六月の数字で見ますと実質でプラス三・六という数字になっております。こういった事実がございますことを御披露申し上げたいと思います。
○池田治君 そういう事実は知っておりますけれども、それでは春闘やったり一時金闘争やったりするサラリーマンは何のためにやるか、ゼロか三%ぐらい上げるために勤労者は頑張っているわけじゃございませんので、実質賃金が上がらない限りいつまでたったって春闘の激しさというものはなくならないだろうし勤労者の生活も豊かにならない、こう思っております。だから、マイナスではないからといって平然とされるんじゃなくて、生活大国とするためには少しでも所得水準を上げて、可処分率を上げていかれる、こういうことを頭に入れて税法の解釈をしていかれないと、我が国は生活大国にいつまでたってもならないと思います。宮澤総理の施政演説とも逆な効果になると思いますので、その点もう少しお考えを願いたい。 次に、いろいろ考えておりましたが、もう時間が来ましたのでこの程度で終わります。どうもありがとうございました。
○委員長(竹山裕君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度といたします。 —————————————
○委員長(竹山裕君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。野末陳平君。
○野末陳平君 委員派遣について、その概要を御報告申し上げます。 今回の委員派遣は、去る十月三十日から十一月一日までの三日間にわたり、静岡県及び愛知県に参りました。派遣委員は竹山委員長、前畑理事、白浜理事、大島委員、藤田委員、吉川委員、赤桐委員、近藤委員、池田委員及び私野末の十名であります。派遣地においては東海財務局、名古屋国税局、名古屋国税不服審判所、名古屋税関、印刷局静岡工場及び日本たばこ産業株式会社中部営業本部からそれぞれ管内の概況説明を聴取するとともに、納税協力団体との意見交換を行ったほか、花の舞酒造株式会社を初め地場産業等を視察いたしました。 まず、東海地域の経済状況等について申し上げます。 東海財務局の管轄区域は、静岡県、愛知県、岐阜県及び三重県の四県に及び、管内の平成二年十月における人口は千四百二十二万人で、全国比で面積において七・五%、人口では一一・五%と、いずれも我が国の約一割を占めております。経済の規模を見ますと、ここ数年の四県の総生産額、就業者数、小売業年間販売額、預金残高、租税印紙収入額及び地方財政歳出決算額のいずれも全国比でおおむねこれも一割のシェアとなっております。また、昭和六十三年度の一人当たりの県民所得を全国平均二百五十二万円と比較いたしますと、愛知県で二十七万円、静岡県で一万円上回っているものの、三重県及び岐阜県は、それぞれ十万円、十八万円下回っております。 産業構造の特色としては、第二次産業のウエートが全国と比較して一一・一ポイント高い四六・五%を占めております。中でも輸送用機械を初め、窯業・土石、パルプ・紙、家具・装飾、それに繊維の分野に特化しており、さらに、これらのうちでも洋食器六四%、繊維機械六一%、オートバイ四五%、楽器四二%、さらに自動車め四一%が輸出に向けられ、比較的海外の経済動向に影響を受けやすい経済体質となっております。 次に、意見交換及び概況説明について申し上げます。 地元の納税協力団体代表から要望、活動状況などを聴取するとともに意見の交換を行ってまいりました。まず、税理士会からは会員の老齢化が進んでいるので、若手の進出が期待できる試験制度に改められたいこと、また、法人会・間脱会からは、納税申告の事務処理の上から消費税に品目別の税率を導入しないでほしいことの要望がありました。このほか、納税貯蓄組合からは期限内納税等のPR、小中学生からのポスター及び習字の募集による租税教育の推進に努めていること、青色申告会からは法人成りがふえ加入者が年々減少してきていること、酒類行政連絡協議会からは、人件費の上昇でビール等の値上げによる収益増を図らなければ、卸・小売業の経営が成り立たなくなってきていることなどの状況説明がありました。 続きまして、東海財務局等六官衙から聴取した概況説明について申し上げます。九月の財務局のアンケート調査によると七、八月ごろから管内の地場産業の生産、出荷は減少し、収益も低くなって、毛織物を除いて各企業とも先行きの経済見通しは弱気になっているとのことでありました。さらに、名古屋国税局では七月に、税目別の局内組織を法人と個人とに区分した編成に改め、国税広報室を新設するなど納税者にわかりやすい機構にしたが、特に窓口の混乱もなく円滑に実施されているとの報告を受けました。 また、管内の平成二年度の徴税状況については、国税徴収額六兆五千七百二十三億円、対前年度比一八・三%の伸び率で、全国平均より約七ポイント上回っていること、査察件数は前年と同じ三十件であり、一件当たりの脱税額は約二億円と前年度より五割程度規模が小さくなっていることなどの説明がありました。特に、税務行政における特徴としては、租税教育に力を入れているとのことであり、平成二年度税務教室を開催した小中学校は、全国平均の三倍に達しております。 不服審判については、審査請求発生件数が平成二年度で四百十三件、そのうち三百四十五件が処理され、前年度より処理件数が百七十六件ふえております。名古屋税関管内では、三年連続して貿易額は一〇%ずつ増加しており、また、国際線の地方空港乗り入れによって名古屋空港への入港機数及び入国者は二、三〇%の伸びを見せておりますが、説明では、こうした増加に対し、限られた人員で迅速な出入国の手続と社会悪物品の摘発に努力しているとの御苦労の一端の披瀝がありました。 さらに、たばこ事業についてでありますが、平成二年度における四県の紙巻きたばこの販売数量は約三百十四億本、販売代金は三千四百六十三億円と、全国に占める比率はいずれも約一二%で、前年度比では全国水準より若干伸びております。一方、平成二年度の葉たばこ買い入れの状況では、一人当たり買い入れ代金は全国平均を二一%上回る四百三十一万円であり、一人当たり耕作面積は岐阜県を除いて全国平均規模より大きく、特に東海地域は耕作者の七〇%が葉たばこ生産専業農家となっているとの説明でありました。 最後に、視察先について簡単に御報告いたします。 まず、花の舞酒造株式会社でありますが、当社の出荷は九五%が静岡県内で、地酒としては静岡県一の生産量となっております。生産の増強、効率化のためにもろみ仕込み槽の温度管理の自動化等機械化、近代化を図っているものの、省力化できない酒こうじの製造過程における杜氏の確保が老齢化とともに困難になっているとの説明を受け、中小の酒造会社の経営環境が難しい局面を迎えているとの感を深めました。 次に、東海銀行貨幣資料館でありますが、ここでは紀元前から現代の貨幣まで一万五千点以上の貨幣が展示されており、民間としては日本一のコレクションということであります。当資料館で奈良時代の和同開珎、室町時代の永楽通宝、さらには江戸時代の大判小判が財政事情等から次第に粗悪化され、それに伴い貨幣制度の混乱や貨幣としての信用を失っていったとの説明を伺い、改めて貨幣制度の重要性を認識した次第であります。 また、徳川美術館を視察いたしましたが、当美術館は、私立美術館として初めて特定公益増進法人に認定され、美術館への寄附金は法人税等において寄附金控除の対象となり、これによる寄附金によって甲冑の補修ができたとの説明がありました。今後とも、この制度の積極的な活用が望まれるところであります。 このほか、トヨタ博物館、ヤマハ株式会社のピアノ生産部門、株式会社ノリタケ・カンパニー。リミテド及び日本たばこ産業株式会社名古屋工場を視察し、視察箇所は全体で七事業所に及びました。 以上概略を申し述べましたが、今回の派遣におきまして調査に協力いただきました関係行政機関、団体及び事業所の方々に対しまして、この席をかりまして厚く御礼を申し上げ、派遣報告を終わります。
○委員長(竹山裕君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時七分散会 —————・—————