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122回国会衆議院1991/11/14

予算委員会 第2号

発言数
308
登壇者
30
会派数
6
開催日
1991/11/14

会議録

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  予算の実施状況に関する事項について、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ――――◇―――――

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁三重野康君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中山正暉君。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 おはようございます。  新しい内閣が誕生いたしまして初めての予算委員会でございますが、総理大臣に心からおめでとうございますと、改めてこの委員会として御就任に祝意を表したいと思いますし、宮澤内閣、第一次内閣にお入りになりました閣僚の皆さんにも、重大な責務を果たしていただくその栄光の座にお座りになった皆様方に、これまた改めておめでとうございますと、ひとつ御健聞いただきたいということをまず祝意とともに敬意を表したいと思います。  宮澤総理は、まず終戦のころには津島寿一大蔵大臣の秘書官として焼け野が原の中で大変御苦労なすった長い長い歴史を持っておられると思います。御自身も衆議院議員を務められた御尊父様の跡を継がれたということもございましょうが、宮澤三兄弟それぞれに大活躍をしていらっしゃいます。特に、私も九段の宿舎に住まいをしておりますが、あのすぐそばにフルブライトの事務所が、古い建物が残っておりますが、あの苦しい中で、終戦の中から、長い間御努力をなすってフルブライト試験に合格をされて、大蔵省と外務省で取り合いになって大蔵省にお入りになったという宮澤総理でございます。  まず、二十八年に参議院議員に御当選になりました。そのお若いころ、個人的なことで恐縮でございますが、私の参議院のおやじが緑風会におりまして、ちょうど議員会館の部屋が隣の部屋であった。大蔵省の分室なんか聞いたら、お若い宮澤総理が気軽にすっと入ってきて教えていただいたというようなことを本当にきのうのことのように思い起こすわけでございますが、総理大臣としてこの席にお座りになって、特に、難しいこれからの世界の中の日本、あのころ、終戦のころの日本とは全く立場が変わったわけでございますが、新総理として、これから世界に向かって日本がどんな務めを果たすか。特にこの国会は、三十六日間の会期の中に、PKOというものを主眼にして世界に貢献をする、日本がいかなる立場をこれからとるかということを審議する国会でございます。  まず、宮澤総理に、御所信と申しますか御抱負と申しますか、いかなることを考えておられるのか承りたい、かように思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 御丁寧なお言葉をちょうだいいたしまして、恐れ入りました。どうぞよろしくお願いをいたします。  今、世界は大きな激変のさなかにございます。これは恐らく何世紀に一度というような変化であろうと存ぜられますが、私は、これを冷戦後の時代と言われておりますことから、さらにいわば新しい世界の平和秩序がつくられる、そういう構築の始まりであるというふうにとらえたいと考えております。しかも、その際に、我が国は世界に起こりますほとんどあらゆることに大きな影響を与えるような地位に立つに至りました。このような新しい平和の構築について、我々の貢献に期待されているところは極めて多いと存じます。したがって、私は、そのような我々としての責任感、意識あるいは世界観を国民と御一緒に持って、この事態に前向きに我が国が対処をしていかなければならないという歴史的な時代が参ったと存じております。  また、国内的にも、そのような体制に立たなければならないということを初めとして、緊急な問題でございます政治改革でございますとか、あるいはまた社会資本の整備でございますとか、社会における公正の実現でございますとか、そのような従来からさらに一歩を進めましたいわば品格の高い国家の国づくりをいたさなければならない、そのような意識を持ちまして、国民の御理解を得て、微力を尽くしてまいりたい、このように考えております。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 ありがとうございました。  特に、ことしはハワイ真珠湾の事件が起こりまして五十年の記念の年を迎えようといたしております。一番大事なのは日米関係であると思いますが、世界はブロック化に向かうといいますか、ヨーロッパはヨーロッパ、アジアの中で日本が大きな責任を果たす、それから世界のためにどうしても頑張っていただきたいアメリカ、この三つの大きなブロックが南をいかに、これから軍事費をどんどん削減して、そして今世界じゅうで使われている軍事費をもし文化面に使うとしたらアフリカ全土が大文化圏になるだろうと言われております。  そんなときに、この間の総裁選挙では百二十票おとりになって、堂々たる副総理・外務大臣に御就任になりました、大変重みを加えておられます外務大臣も、早速韓国に行っていただきました。一衣帯水と申しますか、本当の一衣帯水、お隣の国は韓国であろうと思いますが、その韓国には三十六年間、日本が併合するということで大変御迷惑をおかけしたわけでございますが、APECの会合からお帰りになりましたその御感想も含めて、副総理として総理候補にスタンバイされたわけでございますので、渡辺副総理・外務大臣として、これまた総理を補佐してこれから党内一致結束、日本のために御努力をなさるという副総理の御所信も伺っておきたいと思っております。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 ただいま訪韓の感想を述べよというお話でございます。  国会の皆さん方の大変御理解をいただきまして、二日間韓国を訪問し、APEC、つまり環太平洋の外務大臣あるいは経済大臣会議に出席をしてまいりました。私は、非常にこういうような点でも世界は変わりつつあるなという気がしました。御承知のとおり、中国と香港とチャイニーズ・タイペイ、つまり台湾・澎湖諸島の地域、これが一緒に同じテーブルでそういうような会議に参加をする、現実的に経済の問題は一緒になってやろうと、画期的な私は会議であったと思います。  本当に我々は戦後四十五年、戦争始まって以来五十年を迎えるわけでありますが、私は日本もここで大きく生まれ変わっていかなければならないんじゃないか。三百年の徳川の歴史が終わって、帝国憲法のもとで約八十年、日本は富国強兵のもとで大きくなったが、八十年弱で大日本帝国は壊滅したと言っても私は過言じゃないと思います。それから新憲法ができて四十五年たつわけでございます。  大体何年ぐらい国の盛衰というものは、全部二百年とか百年とか、短いのは十数年とかありますが、日本の繁栄というものは一体どれぐらいこれからもつんだろうか、もたせるためにはどうしたらいいのか。かなり発想を変えていかなければ、日本という国も老化現象が全体として起きているんじゃないか。こういうような点につきましても、開かれた日本、新しい世界国家日本としてやはりある程度の発想の転換が必要だし、政治においてもそうだろう、地域においてもそうだ、そういうような印象を殊に深めて帰ったわけであります。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 ありがとうございました。  確かに、今繁栄をいたしております日本でございます。平和は情熱を殺し、不安は情熱を生むということわざもありまして、平和がかえって緊張感を欠く。この繁栄、経済繁栄の日本、今副総理がおっしゃったように、こういうときこそ私はよほど心を引き締めて世界のために対応する日本でなければならないと思いますし、ヘーゲルという人の言葉に、神は世界を統治する、その統治の内容、その計画の遂行、それが世界史であるという言葉があります。長い間、一九一七年に革命が起こりまして、神様は死んだと言われておりました、世界の大きな部分を占めます、日本の六十六倍もありますソビエト、ロシアに神様がよみがえったわけでございます。  これからが大変日本はその対応が大きな責務を要求されると思うのでございますが、総理大臣がお座りになっているそのお席は、一人で何代もおやりになった総理の代を数えませんで数えますと、二十八人目でいらっしゃいます。昭和十一年の十一月七日、ちょうどその年には二・二六事件が起こりまして、この国会がまだ開設されておりませんときに、軍隊がこの中を通り過ぎていった。その後、天皇は近衛文麿に大命を降下なされますが、近衛文麿はこれを断ります。そして、これまた宮澤喜一総理とは大変御縁の深い吉田茂、広田弘毅さんと大変仲のよかった方でございますけれども、この方と近衛さんが、広田弘毅にぜひ引き受けてくれということをおっしゃるわけでございます。吉田茂さんはどう言ったかといいますと、軍服を着た者は困る、背広の似合う人がいい、こうおっしゃって、三月の七日に御要請を受けられて総理大臣に御就任なすったのが広田弘毅さん、そして初めてこの国会ができてお座りになったのがその席でございます。しかし、残念なことに、ついにA級戦犯で六人の将軍と一緒にたった一人の政治家として絞首刑になられました。  昭和十一年あたり、特に二・二六事件というのは、自由主義政治家がみんな殺されたんです。高橋是清というような財政通の政治家がいました。この人は日露戦争のときにも、ロシア皇帝がユダヤ人をいじめるならば、日本がそれに対して戦ってくれるならば金を貸そうといって、クーンロエブとかシフとかいうような大財閥が協力しました。日露戦争の戦費は十八億円でございます。外債が六億円、国内債わずか四億でございます。そうして、世界的なお顔のあった高橋是清のような人が気の毒に昭和十一年の二月の二十六日に亡くなっていかれました。  それから昭和十六年の十二月八日に至るわけでございますが、ちょっと外務省にお願いをして、今アメリカで出ている、これが全部は通るわけじゃございませんが、大体二十三本ぐらい日本関係の法案が出ております。その中に、ハワイ真珠湾での式典を盛大にやろうというパールハーバー追憶の日と定めるものというのが大変たくさん出ております。ハスタード決議案、これはハスタード下院議員、アメリカのイリノイ州、十二月七日をパールハーバーの追憶日と定めるもの、これが下院の郵政委員会、これは郵政委員会というのは切手を出すためで、記念切手が出る。まあ残念なことでございます。記念切手が出る。それから公務員委員会、五月の二十九日に下院を通過いたしまして、六月の二十六日上院を通過して、七月の九日に成立をいたしておりますが、まことに十二月七日、ハワイでの集会が気になります。ブッシュ大統領が日本にお越しいただいて、私は、多分日本で、きのうも大変いい演説をしてくださっています、日本にお越しになって、もうそういう日米の問題を改めてお互いが傷つけ合うようなことはやめたいというようないい御演説をなすっていただいて、それを日本でやられて、それからハワイヘ行かれて真珠湾で演説をされて、世界に日米の関係を強調していただくのだと私は思っておりましたが、お越しにならないことになってしまいました。  私は、この日米開戦というのは、オタワ協定といいますか、四十五カ国で障壁をつくって日本を入れないということにしたために、第二次世界大戦の遠因はそこにあったと思います。ブロック化して経済をやると、それが日本が東南アジアの石油を押さえに行こうとか、有本も急速な経済発展をしているときでございましたからどうしてもエネルギーが要る。そこへ手を出したということが私は大変まずかったと思うのですが。  しかし真珠湾、これは国会図書館で借りてまいりましたのですが、「滞日十年」というアメリカのグルー大使の回顧録の中に、何と一九四一年一月の二十七日「東京では日本が米国と断交する場合、大挙して真珠湾を奇襲攻撃する計画を立てているという意味のうわさが盛んに行われている。私が、これを米国政府に報告したことはもちろんである。」何と十二月八日の開戦を既に一月の二十七日、グルー大使の日記帳にもう書いてあるのです。  これは、私が調べましたら、昭和十六年の一月の九日、新しく連合艦隊司令長官になりました山本五十六さんが、豊後水道にとまっていた戦艦長門が連合艦隊の旗艦でございましたが、その旗艦の艦長室で及川海軍大臣に対するハワイ真珠湾攻撃の上申書を書かれたようでございます。それはもうアメリカの諜報部は一月の二十日に入手していたそうです。真珠湾攻撃って本当に奇襲攻撃だったんだろうか。特に昭和七年にアメリカ大海軍がハワイの攻撃を想定した大演習をやっておりますが、若き山本五十六はそれを海軍武官として実地に視察しています。その計画のとおり真珠湾攻撃をやっています。一体どういうことだったんだろうか。実に残念でございますが。  もう一つは、リヒャルト・ゾルゲ、これはドイツのフランクフルター・ツァイツングという新聞社の新聞記者で、それがドイツのナチス党の党員で右翼だと思われてました。ところが、それが上海時代に、尾崎秀実という総理大臣のかばんを持っていた人とスパイ行為をしたわけでございます。今のちょうど国会図書館のありますあたりがドイツ大使館でございました。オットー大使はそのリヒャルト・ゾルゲに満幅の信頼感を置きまして、秘密書類を広げたまま外へ出る。ゾルゲは、この間NHKがそれを二日間にわたって放映をいたしましたが、リヒャルト・ゾルゲが全部スターリンに知らしていた。戦後スターリンは、ソビエト革命以来最大の英雄であるというので、ゾルゲ通りという通りを、ゾルゲ通りへ行きますと、レーンコートの襟を立てていかにもスパイらしい銅像が立っております。さすがお墓へ行っても彫像だらけのソ連らしい、大変思い出のある銅像だと思って感慨深く眺めてまいりましたけれども、そのゾルゲもアメリカに全部通報をしておりました。  また情けないことに、ドイツは六月二十二日にスターリンを、モスクワを攻撃を始めました。その後七月の六日に、日本の東条英機その他将軍連中はドイツ大使館に呼ばれまして、日独秘密協定があるので、ドイツがソ連を攻めたら日本はシベリアを攻撃してくれ、こういう約束になっているから攻撃してほしい、こう言ったのに対して、将軍連中はそっぽを向きました。それは、昭和十四年の五月の十二日、ノモンハン事件でございますが、このノモンハン事件の陸軍参謀本部の攻撃計画から目的、全部これは総理大臣のかばんの中からソ連に行っていたわけでございます。二万五千が二万人全滅いたしました。それに懲りていた将軍運中はそっぽを向きました。  そのそっぽを向いたのを隅っこで見ていたリヒャルト・ゾルゲが、九月の十二日でしたか、ソ連に対して、日本軍シベリアを攻撃せずと、その通信を受けたスターリンは、ザバイカルの軍団、戦車師団三個師団と二個師団の狙撃師団が全部レニングラード攻防戦に移りました。そのためにドイツは、十二月六日に冬将軍に襲われてUターンを始めました。そのUターンを始めた二日後、それはドイツにいた大島大使、この人が、日本の大使なのにナチスの党員になっていたわけでございます。これが日本に、ドイツが負けているということを通報しなかった。ドイツが負け始めて、特にゾルゲと組んでいた尾崎秀実というのは、日本がシベリアを攻撃しなくてもドイツが勝ったらぬれ手でアワでシベリアが手に入るということを言って、内閣の閣員を説得したようでございます。その十二月六日にUターンを始めた二日後に真珠湾を攻撃しているのです。  歴史というのは、後から悔いてもこれはどうしようもないものでございますが、非常に残念な歴史といいますか、日本の失敗の歴史、私がここで申し上げるのは、もう私でも六十でございます。私が小学校三年生のときに戦争が始まりまして、私が中学一年生のときに戦争が終わりました。爆撃の中を学校へ、飛行機が飛んでいったら空襲警報が出るというような私どもの子供の時代でございました。あっ、アメリカの飛行機飛んでいるからきょう学校休みだと言うと、その後ふうど空襲警報が出る、そこまでいっていました。  そんなことでございますから、私は、お若い代議士さんもたくさんふえていらっしゃいますので、そういう日本の歴史も反省、歴史は、昔は吾妻鏡、増鏡、大鏡なんていって、鏡というのは机の下からときどき出して自分の顔を映してみるというので、歴史は繰り返すと言われますから、古きをたずね新しきを知る、これのために、せっかくこんな機会をお与えいただきましたので言っているわけでございます。  そのアメリカとの関係というのは、日本にアメリカは憲法を押しつけました。それからソ連との関係でも、ヤルタの秘密協定というのがあります。それからもう一つは、今私どもがサンフランシスコ平和条約、宮澤喜一総理も随員として行かれましたサンフランシスコ平和条約のときの国連は五十一カ国、国連諸国五十一カ国でございましたが、それが今は百六十六にふえております。五十三条と百七条に敵国条項というのがまだ残っています。ですから、私はこの間アマコスト大使にお願いをして、この三つを何とか、これは十二月七日五十周年を記念して大統領に、何とかこの三つの問題をアメリカから物をおっしゃっていただけないだろうかと、日米議員の会合があったときに申し上げたのでございます。これは私は、憲法を今何とかしろということを言おうと思っているんじゃございませんが、一九一〇年にハーグ条約というのがありまして、陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約というのがあって、相手の国の陸上戦闘をやって占領をしても、その国に法律を押しつけちゃいかぬ。これは前の平和維持協力法案が昨年出ましたときにも、フランス憲法の話をいたしました。八十九条には、外国の軍隊が国土の一部または全部を占領している間に改正した法律は無効である。フランス憲法は、そのハーグ条約を全部憲法の中に入れています。  そんな意味で私は、これはハーグ条約に違反をしたんだということを日本もちょっと、アメリカで五十周年で、日本がだまし討ちをしただまし討ちをしたと言われるときに、やはり日本もちゃんと主張すべきは主張するのが必要ではないか。ノーと言える日本なんていう言葉がありますが、ノーと言い続けている日本なんて、米の問題で言われています。全く逆の評価になっているわけでございますね。ですから私は、その三つの問題に総理大臣がどうお考えであろうか、それから外務大臣、どうお考えであろうか。  それから私は、十二月八日に、社会党の田邊委員長からは国会決議をしようというお話があったのでございます、この間本会議で。ところが、国会が戦争したわけじゃありません、政府が戦争したのですから。ですから私は、国会で決議するというのは一体どういうことかなと実は思っております。  実は国会は大政翼賛会というようなものになって、まあ恐縮でございますが、私のおやじはちょうど進行係をそのときいたしておりました。斎藤隆夫さんが東条英機に対する反軍演説をして、斎藤さんが除名になるというときに私のおやじは反対をしました。弁護士でございましたから、その死刑の判決がおりても執行までには間があるはずだ、それをすぐやめさせるというのは間違いだと言ったために、私のおやじも国会の廊下で東条英機に腕をつかまれたそうでございまして、ついに非推薦、昭和十七年の選挙で。十六年の選挙が十七年に戦時体制で延びて、その選挙で惨たんたるありさまで、大都会でございましたから、落選をいたしました。ですが、国会にはそういう議員もたくさんいたのでございます。  ですから私は、国会が決議して謝るということは、戦争に反対した人たちに対して失礼であろうと思っております。ですから、今の人たちの感覚でその当時を、国会決議ということですべてを包含して、何か日本の国会が全部が一致してアメリカと戦争することに決めたみたいな決議案には私は反対でございます。――多数決とおっしゃる、いつも多数決の癖のついていない方が。日本の国会は政党多数決だと思っておる。私は、国会議員の多数で決めるならば、野党もちゃんと、数を国民からあずかっている自民党が主張したときにはちゃんとそれを解決してくださってこそ数じゃないですか、民主主義。今は政党の数で、政党多数決で、まあこれはNHKが放送しているのにNHKに言って悪いのですが、NHKの討論会を見ていると、私なんかもういらいらして切るときがあります。自民党が一人と政府から一人、あとは小さな政党、まあ小さな政党まで、だけれども院内では二十人以上ないと発言権がないということになっているのに、今まで自民党が配慮をして、十七人でも国会で演説をしてもらったりしてきました、長い間の歴史。だけれども、それは普通の政治問題では私は結構だろうと思っているのですが、戦争を五十年たって国会で決議するのは間違いで、私は、政府が声明を出していただけないだろうか、国会の意思も酌んで。  ちょっと長くなってしまいましたが、さっきの三つの問題と、それから、総理がいろんな知恵を出して、私は、アメリカのハワイ真珠湾の日に日本の政府としておわびをすることはおわびをする、しかし、過去を振り返るのではなくて、新しい未来に向かって日米が歩こうというようなひとつ政府声明を出していただきたい、かように思っておるのでございますが、いかがお考えでございますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 ただいま二・二六事件以来の出来事を回顧されましていろいろお話がございました。御趣旨の意味は、同じ過ちを繰り返さないためにも、現実に過去に起こったことをよく一遍考えておく必要がある、こういう御趣旨であると、意義深い御発言であると承りました。  で、考えてみますと、五十年という年月はまだまだ歴史として定着するのには短過ぎるのであろうと存じます。それらのことは、いずれ先の将来において学者が学者の立場から歴史として述べていかれることであろうと存じますが、現実に我々が今日このような国になって世界的にも大きな貢献をしつつあるということ、そういう現実とそれとを一応混同をすることなく、私はこれからの日本の歩みを考えていくべきであろうと思っております。  真珠湾のお話がございました。まことに不幸な戦争であったわけでございますが、五十年たちまして、幸いにして日米は深い親善関係を結び、価値観を共同にし、また世界的な貢献を一緒にしようとしております。  御指摘になりましたように、私も実は、ブッシュ大統領が来られまして、そしてその後に恐らく真珠湾に行かれるものと考えておりましたので、東京で、今中山委員の言われましたようなことを含めました東京宣言とでも申すべきものを両国でつくりたいと、実は野におりますときから考えておりまして、この仕事につきましてから、外務当局も米国の国務省当局も同様な気持ちがありまして作業が進んでおることを知りまして、さもありなんと思ったわけでございます。  そこで、ブッシュ大統領の日程が訪日延期になりましたこととの関連で、この問題をどうすべきかということがまだ残っております。日程が延期後のことにつきましてまだ確定をいたしておりませんので、そういうことも考えながらどうするかを決めなければなりませんが、いずれにいたしましても、この五十年という機会はそういうことを申すべき機会であろうと、私は同感でございます。  それから、国連の敵国条項につきましてもお話がございました。これは昭和四十五年ごろから我が国はその都度この条項について注意を喚起しておりますし、今年も外務大臣がそのことを言われたところでございます。したがって、この敵国条項というのがまことに時代錯誤であるということは万人の認めるところでございますけれども、国連憲章全体の改定ということは御承知のように大変に厄介な問題を含んでおります。加盟国の数もふえましたので、安保理事会というようなものはこれでいいんだろうかというようなことから始まりましてたくさんの問題がございますので、したがいまして、これはその一環として我が国は言い続けるということであろうと存じます。  ただ、それはそれといたしまして、今日国連に対する我が国の貢献、また国連から期待されている我が国の責務というのは現実に極めて大きなものでございますし、また我々はそれを果たしつつございますので、そういう現実はやはり我々として誇りに思ってもいいし、また責任を感じていくべきではないかと考えております。  それから、憲法の問題についても御指摘がございました。憲法のつくられました環境は御承知のようなことでございますけれども、しかしこの憲法が持っております自由、民主主義あるいは基本的人権、国際協調等々、それらは国民が広くこれを支持し、またその下に育ってまいったものでございますから、現実にこの改正が政治の具体的な日程になるとは考えておりません。  したがいまして、今中山委員の言われましたことは、すべて大変に有意義なことでございます。やがては歴史家が歴史としてそれを書いていくことになるのであろうと存じますが、現実の我が国の事態というものは、それはそれとして極めて我々が誇りに感じてもいい、また世界から大きな期待を寄せられている今日の我が国ではないかと、このように考えております。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 ありがとうございました。  私も今の課題であるとは思いません。先ほど申しましたように平和は情熱を殺しますから、憲法までいじって新たな政治的対決を生もうなんということは、その情熱を傾ける時期ではないと思いますが。  これはマッカーサーが言ったから、いざというときはおれが何でもしてやるというので、日本の憲法というのは世界の憲法の中で珍しい例で、戒厳令規定がありません。これは、こんな不思議な憲法を持っている国というのは、これは日本にエリツィンを呼んできても、クーデター解決できなかったでしょうね。ですから、戒厳令規定のない憲法を持ってのうのうと閣議だ何だとやっていていいんでしょうかね。  ですから、そういうことはやはり治にいて乱を忘れず、治にいて乱を忘れずで、考えておかなきゃいけませんし、私は、脳生理学の、これは中央教育審議会の委員をされた時実利彦先生という先生がある講演をなさるどころの控室で、非常に貴重な話を聞いたことがあるんです。中山さん、日本国憲法は前文から間違っていますよとおっしゃる、脳生理学的見地から見て。平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼をして、この憲法を制定するというけれども、人間が生まれたままの脳の中には殺しの本性しかありませんとおっしゃいました。人間だけが人間を殺す。オオカミはオオカミを殺さない、ライオンはライオンを殺さないけれども、人間だけが親が子を殺し、子が親を殺す。これは尊属殺人なんというのが、親殺し、子殺し、毎日一緒に寝ている夫婦が夫を殺したり妻を殺したりするんですね。この本性をちゃんと私は見ておかないといけないんじゃないか。  これは総理と同じなんです。私も今どうのこうのということじゃありません。今ここで言っているのは、私が昭和十一年のことを知りたがるように、また何年か後に若い代議士が新しく当選されてこられて、PKOという初めて国際協調やったときには予算委員会でどんな議論があったのかな、速記録読んでいただきたいだけの楽しみでやっているみたいなものでございます。  その意味では、この間お亡くなりになりました安倍先生、心から哀悼の意をこの機会に表したいと思いますが、安倍晋太郎先生のお供をして私はアメリカヘ安保三十周年記念に昨年党を代表して行かせていただきました。そのときに、五百億円基金、安倍基金というのができまして、今さらながら天に上られました安倍先生に本当に御苦労さまでございました、お体お悪いのにお医者さんまで連れていらしてアメリカヘ行っていただいた。本当に日米のために、外務大臣も長い間されましたが、貢献をされました安倍先生に、この場をかりて心から敬意を表したいと思います。  そのアメリカとの関係で、私は、日本が務むべき役割というのは、ちょうど今情熱をかけてすることができたんじゃないかと思うのですが、それはちょうど広島から総理大臣が生まれられました。私は、この間平和協力法案のときにも海部総理と、兄貴が外務大臣をしておりましたが、その兄貴に提案をしたのでございますが、日本が軍縮機構を広島につくったらどうか、核軍縮、特に全体の軍縮ができないか、通常兵器まではちょっと無理かもわかりませんが、核軍縮の国連機構みたいなものを広島に置くべき機会が、広島から御出身の総理大臣が出たときには私はタイミングが非常にいいんじゃないかというような気がしてなりません。これは私、前の国会で言いましたら、広島からすぐ飛んできてくださいまして、何で大阪の代議士が広島のためにそんなことを言ってくれるんだみたいな話がありましたが、私は国会議員として、選挙区は大阪でも、沖縄から北海道までの、法律的に言えば委任代理関係ではなくて法定代理人だと思っていますから、私は全世界のためにそういう発言をしたのでございますと言って、広島の方はもう土地も全部用意して、そんなときがあったらそうしようということで準備している、こういう話がございましたのですが、総理大臣いかがでございましょうか。  このちょうど真珠湾五十周年、日本に原爆が落ちて、日本がその惨禍の中からこれだけの立派な国をつくって、国連に協力するという形の国家をつくってきました。私は、広島が原水協とか原水禁とか、アメリカの核は怖いけれどもソ連の核は怖くないなんて言っていた人の仲間同士の争いの場所になっているというのは私は耐えられないのでございます。ソ連のシベリアに、私、自民党の青年局長として六十人ぐらい御一緒したときに、私はブラーツクというシベリアの市の市長と、私と同い年でございましたが、やり合ったことがあります。それはどういうことかというと、日本はアメリカに原爆を落とされて気の毒だとおっしゃったのです。冗談じゃないですよ、落としましょうか、どうしましょうかとスターリンに聞いたら、どうぞ落としなさいと言ったのはスターリンです。だから、ルーズベルト、ルーズベルトは四月の十二日に脳溢血で死んでいますが、トルーマンとスターリンとが一緒になって日本に原爆を落とした。その上に、チャーチルは、日本の戦争に参加できないから何とかしてくれと言ったので、それじゃ君のあだ名をつけた原爆を落としてやろうというので、広島に落ちたのはちょうど丸い形をしていましたから、チャーチルのあだ名をとってファットマンという名前がついています。長崎に落ちたのは、それじゃ長崎には何をつけようかといったら、チャーチルが乗っていた箱型の自動車、ボックスカーというあだ名がついています。ですから、スターリンとトルーマンとが一緒になってチャーチルを落としたと思ったらいいわけです。  そんなことがあったものでございますから、あえて広島に何か、広島出身の、特に池田勇人先生という大変御立派な先生にもおつきになっていた、その池田総理が昭和三十五年から上を向いて歩こうの時代を築かれた、その師匠筋に当たられる池田総理も広島の出身であられたわけでございますが、そういうお考えはありませんでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 所信表明の際にも申し上げましたが、いわゆる東西の冷戦の終了によりまして核兵器についての軍縮の動きが非常に早まってまいっております。米ソお互いに戦術核をお互いの立場から大幅削減をしていこうというような動きが自発的に出てまいっております。それから、そのような動き、また他方で、国連が中心になりまして、我が国などが提唱して、いわゆる武器の輸出入についてこれをモニターをしようではないかという動きもございます。  したがいまして、そのような動きがいわば本格的な動きになりまして、またそれが国連の行政上非常に大事だということになりますれば、我が国がそういう役割を引き受けることはもちろんやぶさかではございませんし、場合によりまして象徴的な意味で、広島が各国に対してそういう一種の説得力と申しますか、そういう力を持つ名前、歴史に残りました名前であろうかとも存じます。具体的な問題になっておるわけではございませんが、他方で、いわゆる原爆症等々の医療関係では、これは広島がかなり世界的な貢献をいたしております。そういうこともございますので、将来の問題としてそうなりましたらまた考えさせていただきたいと思います。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 実は、私は、さっき言いました、外務大臣もおっしゃいましたが、将来の日本が心配だとおっしゃった。私は、このまま日本が平和憲法を持っていくならば、日本がつぶされないような国にしておかなきゃいかぬ、それには国連の機構を一つでもいいから日本に引っ張ったらどうだろう、これが本当のねらいでございます。まさか、日本に国連の機構があるのに日本を攻撃しようなんて言ったら、世界じゅうから非難をされる。私は、その知恵を出さなきゃいけないと思うのです。だから、核軍縮の機構が置いてある日本に原爆は落とせない、そんなこと考えておかないと、このちょっと精神の緩んできたといいますか、何となく日本は目標を失う。  これは、山本七平先生がある会合でおもしろい話をされましたのは、昭和二十年から昭和三十五年まではわだつみの時代、戦争反省の時代。それから十五年は、今さっき言いました池田総理の経済繁栄の、上を向いて歩こうの時代。それから後の昭和六十五年まで、平成の二年までですね、これが、この十五年が歴史と伝統を見直す時代。確かに、何かお祭りが復活したり、何か琴や三味線とか民謡の大会がたくさん持たれたり、そういう三つのブロックが過ぎたら、日本は目標を失う。日本の目標って一体何だということになってくる。ですから、私は、次は何かと、つぶされない算段をしなきゃいかぬ。  私はさっきちょっと爆撃の話をしましたが、これ、ちょっと写真で大きくしました、昔の十円でございます。十円札、これはイノシシ、有名なイノシシのマークがついています。大正七年ですかね、イノシシは、和気清麻呂という人が、例の弓削道鏡が孝謙天皇、女の天皇様でございましたが、二回天皇についておられますが、女の天皇様を天皇にしようとしたんですね、それを何とか阻止しようとして宇佐神宮へ行かれて御託宣を受ける。そのとき、暗殺、テロが来るのですが、そのテロをイノシシが救ったんですね。イノシシがそのテロに体当たりしたわけでございますね。そのために、イノシシをここに入れてあるわけであります。この十円、これは昭和十七年ですか、法律で金の兌換を停止したのが、大蔵省が停止したのが。昭和六年ごろに本当の兌換は停止されていますけれども、これ。  それから、終戦になりましてからはいろいろな十円が出ました。もうそれはひどいもので、お金を見ればその国の勢いがわかるといいますけれども、本当に今のルーブル紙幣みたいですね。それから、これ見てください、十円札、いいときのは番号も全部組番号まで入っているのですが、さあ戦争が済むころになると番号もなくなってしまうのです。それで、証紙が張られた。これはソビエトでは貨幣の切り下げができなかったんですね。みんな床下貯金をやっていたんです。それを三日間でやりましたが、それでゴルバチョフも大変苦労をした。日本は進駐車の命令でございますから、「この場所にごみを捨てるな、マッカーサー」なんという、私子供のころに忘れられない言葉が書いてあるのを見たことがありますが、それで今度は十円札が出てきました。これは昭和二十一年、何とこれが今でも通用しているんですね、大蔵省さん。  何書いてあるか、このお札は。これはこっち側は米と書いてある、こっちは鎖が張ってありまして、中に天皇の鳳凰を閉じ込めて、ここを二つに折りますと、進駐車がヘルメットをかぶって横顔、金網の中で天皇を閉じ込めたということになります。そして、この国会議事堂の前に植え込みがあるのは、これは戦艦大和が沈んでいくところをデザインしたそうです。それから、裏にぽちぽちがあります。四十八あります。そのときアメリカが四十八州だったんですね。何でこの米国と書いたお札が今でも大蔵省で通用しているんですかね、これもうぼつぼつやめたらどうですか。今でもこれ、コイン屋さんで買ったら千五百円です。きのう安いのを買って、これは千五百円ですね。上に値札が張ってあります、千五百円、十円札。  アメリカは、なかなかお札にマークを入れるのが好きです。これは一ドル紙幣ですね。一ドル紙幣には、こっち側にピラミッド。これはアラブの代表がここに入っています。そして、神様の目玉というのが入っています。そこの上にラテン語でANNUITCOEPTISと書いてありますが、これは大蔵省で調べてもわからなかったのですけれども、国会図書館で一生懸命調べましたら、神は我が事業に好意を示すということだそうです。このピラミッドの下にNOVUSORDOSECLORUM、ニューワールドシステムだそうです。それから、ピラミッドの下にはMDCCLXXW、一七七六年、アメリカ建国の年。それが、ピラミッドが途中でとまっています。これはアメリカが未完成である。しかし、こっち側はイスラエルのマークが入っています。アメリカというのはアラブとイスラエルを踏んまえている国だと。キリスト教とユダヤ教とそしてイスラム教が仲よく住んでいたマドリッドでこの間中東和平会議をやった意味はそこにあるわけなんですが、そういういろいろなサインをつける。  そして、こっちはワシがオリーブの葉っぱと矢を握っていますが、これは戦争でも平和でもアメリカはどっちでもできるという意味だそうです。そして、このワシがリボンをくわえています。片一方はUNUM、単一、それから片一方は複数という意味が書いてあります。神は複数にして単一なり。ローマ字でONEと書いてあるのは、これは一ドルだけなんです。ほかは皆アラビア文字で書いてあるのです。EPLURIBUSですね、複数。アメリカ大使館でも、記者会見するときに後ろに大きなワシの大統領のマークが出ますけれども、あのワシがくわえているリボンは、片一方は単一、片一方は複数。  だけれども、私はアメリカとの関係は大事だというのは、これは珍しいお札でございます。これはアメリカが宣伝のために裏に宣伝文句を印刷して爆撃が終わった後にまいた十円でございます。これは竹下総理にも一対差し上げたことがあります。何と書いてありますかというと、「日本人諸君!銀行や債券に入れた金は何の役に立ちますか。今日の必用品、又は将来使用する様な物は今の中に買って置きなさい。残品は少くなりました。空爆の為こ空襲のためですね、「空爆の為、多くの店は閉ぢ、或ひは短時間しか開けられていない様になります。この困難なる時期を凌げる様、食物、着物、日常品等を買ひ給へ。お金は飢を癒やしたり、着物としては使用出来ません。債券で泣く幼児をなだめる事は出来ません。賢者であればこ賢い人であれば、「今金を貯めず、品物を買ふでせう。今はお金の時代ではありません。物の時代です。」と書いてあります。  片一方、こっちは何と書いてあるかというと、「軍閥が」、そのころ使っていた言葉ですからお許しをいただいて、チャイナというのはいいのですが、隅っこの国という名前をつけてしまった、日本語で支那と呼んだのがいけなかったのですね。チャイナというのはいいのですが。支店の支と書いて国と書いたから中国の人が怒ったので、この支那と書いたのも日本人のおごりでございましたが、「軍閥が支那と戦争を未だ始めて居なかった昭和五年には十円で次の物が買へた。」と書いてあります。「上等米二斗五升 或ひは夏着物八着分の反物 或ひは、木炭四俵 支那事変勃発後の昭和十二年には十円で次の物が買へた。下等米二斗五升 或ひは夏着物五着分の反物 或ひは木炭二俵半 世界の最大強国を相手に三年間絶望的戦争を続けた今日、十円で次の物が買へる。暗取引にて上等米一升二合 木炭少額(買ひ得れば)木綿物なし以上が諸君の指導者の云ふ共栄圏の成行きである!」と書いてあります。これが空襲が済んだらぱらぱら、ぱらぱらと空から降ってきたんですね。  これは、私どもマリアナ通信なんというのをよく見ました。マリアナ通信には、「大阪、神戸は灰の山、花の京都は後回し」なんて書いてありました。塩川先生じきりにうなずいておられますが、そのアメリカと今、米でもめているのですね。これは本当にどうしたらいいのか。  この間も、農林水産大臣になられる前のときに、ちょうど掃海艇部隊が帰ってきました。掃海艇部隊のまた指揮官の落合さん、あの人が何と沖縄で最後の海軍こうの中で自殺をされた大田少将の御令息だそうでございますね。私はくしき因縁だな、後世沖縄に特別の配慮を。沖縄開発庁長官がこの間特別措置法がもう切れるので何とかしたい、これも今ついでのことに申し上げておきますが、この間テレビでお話を伺わせていただきました。その大田少将、六月の十六日に海軍こうの中で「大君の御旗のもとに死してこそ人と生まれしかいぞありける」という辞世の句を詠んで亡くなっておられます。  田名部農林水産大臣、大変御苦労でございますが、本当にこれ総理大臣がお書きになったものを読んでみますと、もしウルグアイ・ラウンドで関税化するならば七〇〇%になると書いておられましたですね。私どもは、これは大都市から出ていますので、安い米を買えたらいいななんという人がたくさんいます。それからまた、これはアメリカのことを米国なんて名前をつけて、米を売りに来たって怒っているのもおかしいななんて言う人がいます。第二次世界大戦には、戦略物資というのは二十一あったんです。二十一あったうちで、アメリカは十七持っていました。それは戦争に勝つ国ですから、十七持っていました。日本は何を持っていたかというと、一つだけ持っていた。米です。米を持っていて戦争に勝てたかという話が聞こえてまいります。  ですから、これ、いろいろと難しい問題。私どもがこれからアメリカとかヨーロッパと協調していかなければならないときに、食べる、食事というのは、食という字はこれは人によいものを、事という字はこれは占いの易学でぜい竹をぱっと決めて一本すっと抜くときの字が事という字でございますから、これは食事というのは、人によいものを占って決める。今回〇%が米を食べていまして、三六%はもう麦になってしまいました。  昔は食管制度の中で、私は食管制度という自由主義経済の中で社会主義経済をやっていたら、それは国鉄と同じで、国鉄も国が金を失うと書いて国鉄と書いてありましたが、ついにJR。JRになると何となくジェニアールと聞こえるような気がするのですが、とにかく米の問題は、アメリカも米を入れてどうのこうのということは私はないと思うのです。これは象徴として扱われると思うのですね。ですから、その象徴として扱われるものに対して日本人が心意気を示さないと、いろいろなところでまたいろいろな反発が出てくるので、そういう言葉を聞きますが、私は党の方針に従って、党員でございますから進みますけれども、そういう話が聞こえてくるのに対して、田名部農林水産大臣、大変難しいときに農林水産大臣になられて本当に御同情を申し上げておりますが、これまた難儀があると書いてありがたいと言いますから、これを乗り越えられるとあなたはもう国際的な大政治家になられると期待をしておりますが、ちょっと御答弁をいただけますか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 お答えをさせていただきますが、いつも先生のこうしたお話を聞くのは大変楽しみでありまして、なかなかああいう日にちやいろいろなことを知っておられるというので、先生のお話はいつも楽しみにしておりますが、米の問題に関する限りは、日本の実情を申し上げますと、三〇%の減反を農家の皆さんにお願いをしておる、また世界で最大の農産物の純輸入国でありまして、世界の農産物の貿易の安定、拡大に大変な実は貢献をいたしておるわけであります。  ちなみに申し上げますと、小麦で八五%輸入に依存しております。大麦で八六%、大豆で九八%、トウモロコシで九九%、もうほとんど外国のこうしたものに依存しておる。わずかに米だけは〇・五%ほど輸入いたしておりますけれども、これだけが輸入いたしておらない。これを今いろいろとウルグアイ・ラウンドの中でお話が出ているわけでありますが、カロリーベースで見ましても食糧の自給率が四八%、穀物の自給率で三〇%、こういうことから食糧の安保論というのが出てくるんだろうと思います。また、米については私ども国会で三回にわたる決議を。いただいておりまして、この趣旨を体して米は国内産で自給するということでありますので、今後ともそういう考え方で対処してまいりたい、こう思っております。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 二、三日前に不思議な事件が起こりまして、三年以下の懲役、三百万円以下の罰金なのに、川崎さんとおっしゃいましたかね、食管法違反だということでみずから自首をして出られる。何か動きがあるのかなと疑ってみたくなるほどタイミングのいい話が出てきております。これは事件の経過、今自首されてきたところでしょうから、すぐにお話を伺うというわけにもいかぬでしょうから。  ちょうど三重野日銀総裁も御出席を、十時のお約束ちょっと前にお越しいただいておりましたようでございますので、最初に財政問題をやるつもりでございましたが、ちょっと段取りを変えました。  そこで、もう皆さん大変三重野総裁がここへ見えるのを待っておられたという感じがいたすわけでございますが、本当に、昨晩お帰りになったようで、国際的な中央銀行総裁の会合に出てこられて大変御苦労さまでございました。  まず、これは経済企画庁でございますが、今緩やかに減退しながら引き続き拡大しているとの景気判断をしておられるんですね。だけれども、現実の国内景気というのは大変後退局面に来ていると思います。これは、企業収益というのは非常に急ピッチで下降しておりまして、全産業ベースで経常利益、これはある新聞社の調べでございますが、九〇年度下期にはマイナス二三・四%、前年同期比で、九一年度の上期はマイナス二八・三%。鉱工業生産の伸び率はもう急激に低下をしておりますね。それから、大企業が相次いで設備投資の大幅削減案を発表している。日立が二〇%削減、ソニーが三〇%削減、住友金属が三〇%削減、トヨタが一〇%削減、こんな雰囲気になってきておりますが、きょうもう朝八時半の記者会見をやられたそうでございますが、公定歩合いよいよ引き下げられるということで、ひとつ御報告なり、きょう記者会見でおっしゃったようなこと、国民の皆さん方がお知りになりたがっていると思いますし、中小企業、この経済繁栄の中から急に冷え込んでいくのは年末の冷え込とその歩調がそろっていくのに心寒い思いをしていらっしゃる方がたくさんいらっしゃると思いますので、ぜひひとつ三重野総裁から、お忙しゅうございましょうから、御答弁、お教えいただきたいと思います。

三重野康日本銀行総裁

○三重野参考人 お答え申し上げます。  今委員がおっしゃいましたように、けさ七時四十五分に公定歩合を〇・五%引き下げまして五%にいたしました。その背景をお話し申し上げることが御答弁になるかと思います。  現在の日本経済はやはり緩やかな減速が続いているというふうに思います。この減速という意味を考えてみますと、過去四年間五%成長が続きましたので、その後の景気の成熟期に入った調整でございますと同時に、日本銀行がずっと金利を上げてまいりました利上げ効果、この二つが減速を導いているというふうに思います。もっとも私どもは、この減速は、今までのスピードはやや速過ぎるわけでございますから、そのスピードが落ちてきて、むしろインフレなき内需中心の持続的な成長の路線にうまくつなげれば、それはむしろ好ましいというふうに考えております。ただ注意しなければならないのは、その好ましい調整でも、行き過ぎた場合は非常に不測のことが起きるわけでございますので、その点を注意して金融政策は運営していかなければならないと考えていたわけでございます。  金融政策は、ことしの七月一日に一度公定歩合を下げまして、その後一連の緩和策を講じております。と申しますのは、市場金利が下がるのを容認し、十月には預金準備率を下げる、こういうふうなきめ細かな金融政策を減速に対応してとってぎたわけであります。そして、その効果も含めてその後の情勢変化を注意深く見守ってきた次第であります。  そこで、最近の情勢をごく簡略に申し上げますと、景気でございますが、引き続き緩やかに減速はしておりますが、一時に比べますといわゆる製品の需給関係が緩んでまいりまして、それと同時に企業心理が慎重さを加えてきたということが言えると思います。二番目に企業金融でございますが、なおゆとりは残しておりますが、マネーサプライの伸び率は御案内のとおりかなり下がってきております。三番目に為替でございますが、これは幸いにして百三十円前後で、どちらかというと円高方向で比較的落ちついた動きをいたしております。物価でございますが、消費者物価はいま一つやや高目ではございますけれども、国内の卸売物価は一段と低下して落ちついた傾向になっております用地価は、これはやや鎮静化して、一部都市においては値下がりもございますが、今までが非常に高こうございますので、ここで満足するわけにはいきませんけれども、鎮静化の傾向はようやく出てきたということが言えると思います。  こういった情勢を踏まえまして、今までとった一連の緩和政策の一環あるいはその続きとして今回公定歩合を下げたわけでございまして、これによって、先ほども申し上げました息の長い成長を続ける、そういったものにうまくつながってほしいというのが私どもの希望でございます。  ただ、先ほど物価は大体いいと申し上げましたけれども、労働需給は引き続きタイトでございますので、いわゆるサービス価格等に対する価格の上昇圧力はまだ強うございますので、今後も引き続き物価安定というものを中心に据えた慎重な政策は続けてまいりたい。土地の値段につきましても、今申し上げましたように鎮静化したという、これでとても満足できませんので、その動向には注意深い目を続けてまいりたい、かように考えております。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 今お話を伺いまして、かつて私も、渡辺副総理に総裁選挙のさなかお供をして行きましたら、もっと早く公定歩合を引き下げろとおれは言ってたんだという話を何度か伺ったことがありました。今この時期にずれ込んだという印象で私ども見ているわけでございますが、やはり世界の動向として何か関連性があるのかなと。特に、東ドイツが西ドイツと一緒になったときに、これは大変な失業者、三百五十万とも言われておりますし、大変な大きな経済的な負担を、一兆二千億マルクですか、出さなきゃいけない。そうかといって東ドイツが喜んでいるかというと、東ドイツのよかったところが西ドイツのいいところとつながるんだと思っていたら、西ドイツのいいところが入ってこなくて東ドイツのいいどころがなくなってしまった。コール首相がバナナもらったので、バナナで釣られたということまで言う人がいました。東ドイツ、東とか面とか今言っちゃいけないそうでございますが、旧東ドイツはバナナ共和国になったなんという話を聞いたことがありました。  その意味で、ドイツは公定歩合を引き上げる、日本は下げる、アメリカも十九年ぶりに五%を割り込みました。そういう世界的な連動というのは、何かお話を聞かして――バーゼルでの中央銀行総裁の会議は秘密会議だそうでございますから、中身はおっしゃれないのかもしれませんが、日本人三重野として、これからの日本にどんな情報をこの席で国民の皆さんにお伝えを願えるのか、私はこれは重要なことだと思います。一瞬にして世界のニュースが世界の隅々までいくときでございますので。  日本人がこうして大変な預貯金持っておりますね。郵便貯金、それから銀行預金、それから金銭信託、生保、損保なんという、今すぐ取り崩せるようなものは、これは世界の預貯金の五〇%から六〇%ぐらい持っているんじゃないか。大変なこれは金持ち大国と形は見えておりますが、総理も御心配なすっておられるように、生活大国にしなけりゃいかぬ。何か日本は大きいけれども、何かおれたちは小さいな、そういう印象で、確かに企業は大きな経済力を持っていますが、個人にそれが行き渡ってないという、そんな不満感もあると思いますので、その辺のグローバルなお話を、お帰り早々でございますからホットなところでお聞かせいただけたらと思います。

三重野康日本銀行総裁

○三重野参考人 お答えします。  委員がおっしゃいましたように、BIS会議そのものは対外秘でございますが、会議の内外のところでグリーンスパン議長を初めとして多くの方とお話しする機会がございましたので、その印象を申し上げてみたいと思います。  アメリカは、委員御承知のとおり、つい先日公定歩合を下げました。これは発表文にありますように、インフレ圧力がだんだん鈍ってくるもとでマネーサプライあるいは信用が伸び悩んでいることと市場金利が下がったことについて、この二つの理由を挙げておりますが、その裏にはやはり景気が非常に悪いということがあると思います。それで、向こうの人のいろいろの話を聞いておりますと、この後一、二・四半期はまだ低迷が続くけれども、来年の春からは上向くだろう、これは恐らく期待もこもっていると思いますが、そういう話でございました。  ヨーロッパでございますが、これも既に委員が御指摘になりましたように、ドイツは、西ドイツがこれまでずっとブームでございましたが、やや景気が下がっている、旧東ドイツは大変なボトムにあった、これはようやく底を打った、そういう話でございましたが、ただ賃上げが非常にひどいので、ドイツは物価の先行きについて珍しく、ドイツというのは大体非常に物価がいいわけでございますけれども、ドイツだけは物価の先行きを心配しておりました。あと、イギリス、フランス、イタリアでございますが、イギリスはようやくリセッションが続いて底を打った。それからフランス、イタリアは緩やかに景気が上昇している、しかしその景気上昇のテンポはいま一つちょっと遅いという印象を受けました。ただ、ドイツを除いた各国は物価が非常に落ちつきつつありまして、この点は各国の総裁は自信を持ってきていたようでございます。  そういうふうに世界の各国の情勢はややばらばらでございますが、これはG7の声明にもうたってございますが、各国の情勢はややばらばらであるけれども、それぞれの情勢に応じてインフレなき持続的成長を遂げるための適切な政策を講じていくべきだ、そういうG7の声明に沿って各国がそれぞれ政策をとっているという感じでございまして、その少なくとも物価がだんだん落ちついてきているということについて、ドイツを除いた各国の総裁は自信を持ってきているようだ、そういうふうに感じまして、日本についても物価安定、ますます、特に経済大国で経済のウエートが大きいわけでございますので、それが大事だというふうに感じて帰ってまいりました。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 私は心配をしておりましたのは、ちょうど東ドイツと西ドイツが一緒になってヨーロッパの家がこれからできよう、ECというものができようとするときに、ドイツが混乱するとヨーロッパは混乱するのではないか。そのときに湾岸戦争が起こりました。これは大変だ、これで世界の経済がどんどんどんどんその戦費の方に引きずり込まれていくんじゃないかと心配をしておりました。これはむしろ何かからくりがあるんじゃないかなとさえ疑ってみたこともありました。しかし湾岸戦争、四日間でこれは終わりましたので、本当によかったなと。  ソ連は、不思議な行動をとったのは、国連では決議には賛成したけれどもヤナーエフさんなんかが行って、さあこれから湾岸の解決をしようかと思ったら、ちょっと待てと言って、軍事顧問団八千人もイラクの中へ置いている。不思議な行動をとったなと思いましたが、これも四日間で解決をしたことは、私は、アメリカの功績は大変大きい、世界経済に果たしたアメリカの軍事力の役割というのは私は大きく評価をしたのでございますが、今のお話を聞かれて総理大臣はどういう御感想をお持ちでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 我が国の経済動向につきましては、本会議でもいろいろお尋ねがございまして、私から申し上げておりましたことは、景況の判断について私どもも金融当局もそんなに違った判断をしておらないように存じます。殊に、金融当局が従来から長短金利の低目誘導をずっと続けてこられたことからもそれはわかることでございますので、しばらくこの際の金融措置については金融当局の御判断に任せることがいいのではないかということを申し上げておりました。今朝、三重野総裁が先ほど御説明のような公定歩合引き下げをなされましたことは、まことに時宜に適したことであるというふうに存じております。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 ありがとうございました。  そこでお伺いをしたいのですが、現実的に今のお話のように、ちょっと急ピッチで、見通しは明るいというお話を伺ったのでございますが、景気に対する何か政府で、ちょっとしばらくの間は景気が後退するよというような、そういう忌謹言葉は使わない方がいいのかもわかりませんが、何か国民に対してアピールを、年末にかけて宣言みたいなものをなさる必要がないのかとか、それから景気対策としては、日本銀行は七月一日の公定歩合の引き下げが六%から五・五でございましたが、お話もありましたマネーサプライ、M2プラスCDというのですか、現金通貨それから預金通貨、そういうものに対する減速が激しいようでございますが、これから、マネーサプライは戦後でも最低の伸び率になってきているようでございますので、マネーサプライの不振に銀行の貸し渋りもありますし、それから、マネーサプライが超低空飛行の中で政策金利下げだけでも、短期金利は下がってきましたが長期の方はまだなかなか問題があるようでございますし、これで景気対策というのは十分なのか。その辺の景気浮揚につながるかどうかという問題をどんなふうに考えておられるのかを、これは大蔵大臣でございましょうか。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 ただいまの中山議員の方から御指摘のございました点でございますけれども、今総裁の方からあるいは総理の方からもお答え申し上げましたように、確かに一般的には景気というものは後退しているということが言われ、事実、住宅ですとかあるいは自動車の販売台数、こういったものを見ましたときにも、相当前年対比では減速しているというのが現状であろうというふうに思われております。しかし、一方では個人消費の伸びというのは、このところやはりいまだに堅調であるということがございます。それと同時に、特に公共事業の建設等も含めまして、建設関係におきましては人手が不足しておるというような現状で、逼迫しておるということも言えるのじゃなかろうかというふうに思ったときに、私どもといたしましては、やはり現状をとらまえるときに、まだ日本の経済あるいは景気というものは底がたいということが言えるのじゃなかろうかという認識に立っておるということであります。  その意味で、確かに今御指摘のとおり、マネーサプライが確かに大変低いところに今落ち込んで、最近では最低のところへあれしているじゃないかという御指摘があったとおりでありますけれども、しかし一方では今申し上げたようなことがあるということで、私どもとしては今度の公定歩合の引き下げというものがどんな効果を及ぼしていくのか、そういったものを十分見詰めていくべきであろうというふうに認識しておることを申し上げたいと思います。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 英国あたりでは、BIS規制というものですね、国際決済銀行の自己資本の確保といいますか、英国では十一月に入ってからバークレーズ銀行を中心に民間銀行がイングランド銀行にBIS規制見直しの要請を行い出しているということが報道なんかで言われているわけですが、国内でのマネーサプライ傾向的伸び悩みの原因として、BISの自己資本比率という規制が九三年の三月まで最低で八%の自己資本確保ということに指摘されているわけですが、これを見直すというようなお考えはお持ちでございましょうか。いかがでございますか。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 今、BIS規制につきましては、お話がございましたように、銀行の経営を健全化する、維持するために国際的な合意であるということでございまして、現在主要各国におきましても一応その実施の方向、これに向けて努力をしておるということであります。ただ、金融自由化が進展する中で、金融市場全体が自己資本比率を銀行の一つの重要な指標としてとらえるようになっております。また、邦銀におきましては、国内貸出業務を収益の柱として位置づけ、収益の向上に努めるとともに、劣後性の債務、これの取り入れを図るなどの自己資本充実策を計画的に実施しつつあることから、BIS規制が銀行の貸し出し行動を通じて国内資金需要に悪影響を与えるというふうには考えておりません。  以上のことから、BIS規制の完全実施の時期を今延期する等の措置を講ずる必要があるとは考えられないということで申し上げておきたいと思います。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 まあ現行のBIS規制、自己資本規制というのは、信用リスク、いわゆる貸出先の倒産リスクなどですけれども、これに対応したものでございますけれども、これに加えて市場変動リスクですね、銀行の保有有価証券の値下がり損のリスクなんかに対応した追加的な規制の導入が検討されているということを聞いております。マネーサプライの伸び率をさらに抑制して、結果として景気対策の金融政策の効果を減殺するのではないだろうか、いわゆる金融政策として何かお考えがその意味であるかどうか、お願いをいたします。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 いわゆるBIS規制につきましては先ほど大臣から御説明申し上げたとおりでございますが、ただいまお尋ねがございました市場変動リスクにつきまして御説明を申し上げます。  このBIS規制はバーゼル委員会という場でいろいろと議論をされ、それから今後の見直しその他も検討されております。その一環といたしまして、市場変動リスクに対応した規制というテーマが一つの議論となっておりますことは事実でございます。  ただ、これはなかなかいろいろな議論がございまして、BIS規制のマネーサプライの伸び率に与える影響自体そもそも明らかでないところがございますほか、このような、御指摘にもありましたような考え方自体がまだ十分具体的に具体化されたものになっておらない、さらにいわんや、その実施時期のめども今のところ立っておらないという状況でございますので、そのようないろいろな検討段階ではございますけれども、その規制後のマネーサプライの伸び率に対する影響について、今現在なお具体的に議論できる段階には至っておらない、そのように見ておりますところでございます。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 バブルの再燃が気になるということで、日本銀行など景気対策として金融緩和策に慎重なようでございますけれども、総量規制をやった後で、これはぼつぼつ選択融資みたいなもので考えていただかないと、ノンバンクなんかの経営が非常に、緩和策が遅きに失するんじゃないかという、過剰引き締めということで、ファイナンス会社なんかのノンバンクに対する影響なんかはどう見ておられますでしょうか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 総量規制のお尋ねでございます。  この総量規制そのものは、昨年四月から導入いたしておりますが、不動産業向けの貸し出しの伸び率を貸し出し全体の伸び率以内に抑えるように自主的な金融機関の調整を求めるということでございまして、ノンバンク向けの貸し出しは、これはあわせて報告を求めるという位置づけでございます。そのようなことで、位置づけは不動産業向けの貸し出しとは差を設けておるところでございます。  現在のところ、むしろ問題は総量規制の不動産取引なり地価に与える動向いかんというようなことでございますが、この辺は御案内のように、この九月に国土庁が発表いたしました都道府県地価調査結果というのがこれまでの一つのデータになっておりますが、そのときの段階では、なお引き続き地価動向について注視することが必要である、注意して見ることが必要であるというのが国土庁の総合的な判断でございました。私ども、なおこの総量規制の今後につきましては、経済全般の動向、金融経済情勢、それから金融機関の融資動向、さらに基本となります土地政策全般の推進状況など総合的に勘案して、適時適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 これからの財政上、大分税収減が見込まれるということで、慎重な財政政策の運営がかえってこれまた悪循環になって税収不足を長引かせるようになるのではないかという懸念があるわけでございます。これからの財政政策の発動に、九一年度の歳入欠陥二兆円以上ではないかと言われておりますが、九二年度なんかになりますと五兆円の財源不足が生じるなんという観測がありますが、全体の見通しとしてどんなふうに見ておられますでしょうか。

濱本英輔大蔵省主税局長

○濱本政府委員 お答え申し上げます。  平成三年度の税収の動向でございますけれども、現在、九月末の税収までが判明しておりまして、前年の九月に対比いたしますと、九月は〇・九%の増、九月までの累計で比較いたしますと、予算の伸率が二・八%でございますのに対しまして、逆に三角の二・三%という状況にございます。  現在、予算全体に対します進捗割合を見ますと、昨年の同月で三〇・二%でございましたのに対しまして二八・七%と、一・五%下回っている状況にございます。  そういう状況でございますけれども、これを私どもがどう見ておるかということでございますが、確かに株式でございます上か土地の取引の低迷がございますし、企業収益もこれまでに比べますと総じて減少しておる。これまで税収増をもたらしてまいりました経済的な諸要因の流れが変わってきておるということは確かであろうと存じますし、その結果として低調な収入状況になっているというふうに思います。私どももその厳しさというものを感じております。  ただ、これがこの先どうなるかということにつきまして見通しを述べろということでございますけれども、今の状況がそういう状況でございますだけに慎重な調査を続けておりまして、いずれある段階におきましてはこれをまとめるつもりでございますけれども、なおしばらく時間をおかしいただきたいというふうに存じます。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 先ほども申しましたように、まだ補正予算の提出も何もありませんので、余り立ち入った財政論議はかえって余りいい結果を生まないのではないかと思いますが、ひとつ財政当局、懸命に対応をしていただきたい。特に手当てをするのに、今累積赤字百六十八兆ということで、民間は金を持っているけれども政府は大きな借金で苦しんでいるということでございます。またこれに赤字公債というようなものを出すようなことになったら大変でございますが、そのこれからの財政政策にひとつ万遺漏なきを期していただきたい、かようにお願いをしておきたいと思います。  時間の関係がございますので、先に財政問題をやってそれから外交問題と思っておりましたのですが、逆になってしまったのでございますが、そこで今度は、大事なことはソビエトの問題、あと三十分しかございませんので、ちょっとソビエトの日ソ交渉の問題についてお話をしておきたいと思うのでございます。  一番疑問に思っておりますことは、私ども今、日ソ交渉の中で、ソビエトと戦争をしたはずなのになぜロシアと条約を結ぶ交渉をするのか、これが大変大きな疑問でございます。この間もソ連のチジョフ大使とちょっと席を同じくすることがありましたので、日露戦争というのは明治三十八年にやって四十年に済んでおりますが、我々はソ連と戦争をした覚えはありますがロシアと戦争をした覚えはありません、どうでしょうかと言ったら、それは問題ですねというお話がございました。どういうふうにお考えでございましょうか。外務大臣、お願いします。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 これは政治の世界ですから、実際どこが権力を持つかということだと私は思います。あなたもこの前、私と一緒に行ってエリツィンと会見をしたときに、五月であったが、既にそのときから彼は、連邦の権限をどんどん減らして自分たちの権限をふやすんだということを言っておりました。我々は、果たしてそんなことはできるのかねという疑問を実際その当時は持っておったのですが、八月のクーデター失敗後、共和国の権限がだんだん増大をされてくる。そういうようなことになって、今後問題は、どういうふうに連邦と共和国が権限を分かち合うのか、そういうことだと思うのですね。それがまた実際ははっきりと決まっていない。したがって、そういうことを見ながら今後対処していくということにならざるを得ないだろうと思います。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 この間、五月の三日の日にソビエトへ渡辺代表のお供をしましてモイセーエフ参謀総長とお目にかかったときに、モイセーエフ参謀総長という人はクーデターで失脚してしまいましたが、話の途中で、我々軍隊から見ると北方領土は軍事的に返せないというお話をなさいましたので、私は、外務大臣も御承知のように、それはおかしいのではないですか、真珠湾攻撃をして四年戦ったアメリカが二十年前に沖縄を返してくれた、それも一万八千人、沖縄戦闘ではアメリカ人が戦死して、バックナーという司令官も日本の狙撃兵に撃たれて殺されている。それなのに島民を全部住まわしたまま占領したが、あなた方は戦争が済んでから三日たって攻めてきて四十六年間そのままいる、それは大きな軍事力を置いているからではないだろうか、こう言いましたら、いや第十八機関銃砲兵大隊しか置いていないとおっしゃるので、私は、いやそれは私の聞いているのでは第三自動車化狙撃師団一個師団一万五千と、それから第百十四国境警備隊三千五百、そしてミグ戦闘機四十八機、こう言いましたら、あなたの情報は、それはアメリカの情報だとおっしゃったから、そうです、私のはアメリカの情報、あなたのはソ連の情報、日本の国会議員は何も知りません。ですから、どうでしょうか、私は衆議院の安全保障特別委員会の委員長をその時点でやっていましたので、野党と御相談して、これは上田哲先生が理事でございますので相談をして、北方領土を、ちょうどゴルバチョフが来てビザなしで行けるというので視察をさせていただけませんかとお願いをしました。その後帰ってきて野党の皆さんとも御相談して手紙を出しましたら、断ってきました。  ところが、今度は新しいソ連の国防次官がまたきのう同じことを言っております。   「四島」返還は核戦力に打撃 ソ連国防省が   文書   十二日の情報紙インタファクスによると、ソ  連国防省は、日本に南クリル(千島)諸島を逐  還した場合、ソ連の核戦力が打撃を受けると警  苦した文書を、このほどロシア共和国議会に提  出した。   八月のクーデター事件後、ソ連国防省では保  守派に代わってシャポシニコフ現国防相ら改革  派の主導で軍改革が進められているが、北方領  土の軍事的側面に関しては、冷戦思考的な見  方がなお省内に根強いことを改めて示した形  だ。   文書はもし国後、択捉両島を日本に返還すれ  ば、両島間にあるエカテリーナ海峡は完全に日  本の管理下に入り、米国と日本の潜水艦のオ  ホーツク海への通過が障害なく実現されると指  摘。その場合、「ソ連戦略核戦力の堅固さを著  じく低下させることになる」と文書は結論づけ  ている。   このほか、ソ連軍が最近二年間で極東の兵力  を十二万人削減したのに対し、「日本の側から  対応する動きがない」としている。と、同じことを言っているわけですね。  私は、外務省がソ連との交渉でどんなふうに交渉しておられるのか。一九五六年、二島返還という話がしきりに出ておりますけれども、ソ連の国会でゴルバチョフが報告した文書によると、一九五六年、平和条約を結んだら二島を返すという条件が外れている。四島を返すという話を進めていく話に変わり、条件が外れています。日本では平和条約で二島と最初言っておったのが、今度は四島へ広がったんだから、平和条約を結んだら四島が返ってくるのだと錯覚を起こしているようですが、全然印象が違うわけでございますね。  私は、ソ連とは理詰めで話を進めていかなきゃいけないんじゃないか。例えばあの終戦の年の二月の二十二日にもう佐藤尚武大使はモロトフさんを訪問して、何とか仲よくしたい、四月二十五日にも中立条約存続を希望しています。それから三月二十二日、三月二十四日と、もう終戦の話を一生懸命にされておられますが、全く話に乗ってこられておらない。  一九四五年二月の十五日にはもう宮川船夫さんというハルビン総領事をしておられた人がマリク駐日代理大使を訪問して調停を依頼してますし、日魯漁業の田中丸さんという人で、これは広田弘毅さんの側近でしたが、この人が交渉してますし、それから重光、東郷外務大臣がスウェーデンのバッケ公使に頼んでいます。これはもう早い段階、三月の段階で始まっています。  それから、六月からは岡本清福陸軍武官が中心でスイスのバーゼルにおられた加瀬公使とか吉村為替部長さんとか、そんな方がもう打診をしている。五月の中旬になると東郷外務大臣が梅津参謀総長とか小沢軍令部長とか河辺参謀次長とか、それから六月三日には、そのところ空襲を避けて箱根に疎開をしておられたマリクのところへ広田弘毅、後の総理大臣が行っておられますし、四日には夕食を食べてマリクは広田を逆に招待され、六月十七日には広田の招待を今度は逆にマリクが拒否しております。六月二十四日には広田に対しマリクが態度を変えた。七月十三日は病気見舞いを拒絶されました。  もう、その終戦に向かっていろいろソ連に対してお願いをしていたのですが、スターリンが演説をして日本が戦争に降伏をすることに決まったと言っているのは、何と九月の二日でございます。日本は八月の十五日に戦争に負けたということになっておりますが、アメリカの戦勝記念日は九月の二日、それからソ連の戦勝記念日は九月三日になっております。  さっきヤルタの秘密協定の話をいたしましたのは、そのヤルタで米大統領ルーズベルトとソ連のスターリンとチャーチルとが相談をしたときに、日本との戦争に参加してくれたら、満州、樺太それから千島、そして三十八度線からの北、これは武装解除をどこの軍隊にするかという形で引き渡すということになっておったようでございます。それが八月十六日の占領行政命令第一号には千島列島が入ってなかったわけでございます。その千島列島が入ってなかったことを激怒したスターリンがトルーマンに手紙を出してやりとりをしていますが、らちが明かないものですから、八月の十八日の午前二時半に占守島に攻撃をかけてきました。  私は、自民党の北方領土対策特別委員長というのをやらせていただいて、北方領土基金、国から八十億、それから北海道から二十億、今利息が六億七千万ぐらいになっていますが、北方領土返還運動の灯を消さないようにというのでやったものですから、いろいろその当時のことを勉強してみたのでございますが、ワシレフスキーという極東軍の司令官がカムチャツカ半島のペトロパブロフスクというところにいたグネチコ少将に緊急に命令を出して、日本の三宅坂にあった参謀本部は、十七日の午後四時半で戦闘を停止しろという命令を出しております。その後の攻撃で、択捉、国後には樺太から第三自動車化狙撃師団、今もいる軍隊ですが、それが急速に来て、択捉、国後を押さえてしまいました。米軍はいないかと機関銃を構えて、米軍がいないのを見透かして居座ってしまったという形でございますので、そういう終戦当時のやりとりとか中立条約を踏みにじったソ連の態度とか、そんなものに対して理詰めの交渉が行われていないんじゃないかな。何か一九五六年二島返還論から外務省は交渉しているように見えるのでございますが、その辺は単なる危惧でございますか。理詰めていけば、私はソ連がそのまま取っていること自体に対して理屈で合わなくなってくるんじゃないかと思っています。  外務大臣、これからの交渉でございます、まだおなりになったところでございますから、この間ゴルバチョフ、エリツィンに会われたとき私も同席させていただいて、大変御立派な態度であったことを思っておりますので、これからの決意を聞かせていただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 交渉の今までの経過は、事務当局で実際にやってきた人から後がち説明をさせます。  我々といたしましては、北方四島は日本国有の領土であることは、歴史的事実、国際法、いろいろな面から見て明らかであります。ただ、ソ連の上層部は、今までは口を開けば北方四島は解決済みと言っておったわけですけれども、最近これは未解決であるということを認めておるし、話し合いに応ずる態度を示しつつあるということであります。  ソ連国民は、その北方四島がどういういきさつで自分たちの領土になったかということについての正しい認識はないと私は思います。ただ、世論調査をやれば、それは返した方がいいか返さない方がいいかといえば、返さない方がいいという人が圧倒的に多いのは私は当然だろうと思います。したがって、やはりグラスノスチ、情報公開というのを彼らは一つのスローガンにしているわけですから、我々は友好関係を進めつつ、その正しい、今までの日ソのいろいろな条約、そういうようなものをソ連のマスコミを通してどんどん宣伝できる立場になりつつあるわけですから、そういうのをうんと利用して世論を変えていくということも並行的に、法律の交渉は法律の交渉、しかし実務面のそういうような世論の変化をつくるという別な動き、こういうことも大いにやっていかなければなるまい、さように思っております。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 時間がだんだんなくなってきましたので。  アジアの中で空白の部分があるという感じがするのは台湾でございます。中華民国、台湾の問題ですね。ところが、この間ベトナムが中国と話をしたときに、中国政府が唯一の合法政府であり、台湾は中国の不可分の領土であることを認める、中国側はベトナムが台湾と民間の経済協力を進めることに理解を表明した、こういう、台湾に対する中国の態度が少し変わってきたように思いますし、APECのお話でも、台湾の台北政府が席を同じくしたという話を伺いましたわけでございますが、二千万人の人たちが台湾に住んでおりまして、私は、韓国も一つで国連に入ると言っていたやつが二つで北と南が一緒に国連に入りましたので、今度は統一を目的にして、台湾と中国が一緒に統一をするということで国連に復帰するということに日本が努力できないのかな。  特に、中華人民共和国とは日本は百八十億ドルぐらいの貿易をやっておりますが、六十億ドルぐらいの日本が赤字でございます。台湾は二百四十三億ドルでございましたか、そのうち向こうが七十六億ドルの赤字になっていると思います。向こうから見たら日本が一番の貿易相手、日本から見れば向こうが四番目という。それから、麻薬のことなんか考えてみましても、各省の麻薬担当の方々が、課長以上が台湾へ行けない。これでは麻薬捜査に大きな空白ができるのではないか、そんな思いもするものでございますから、私は、中国に対して日本があっせんをして、統一を目標に国連に復帰させるということをして、国連尊重の日本ならば、大きな空白をアジアにつくっておいたらいけないのではないかな。  特に、フィリピンのクラークフィールドとかそれからスビックとかが撤退をして、十二万七千人アジアにいる軍隊がアメリカの二五%削減でどんどん減っていくということになりますとその辺の心配もあるのでございますが、そんなことに関して、特に中国に、鄧小平さんにお願いをして、武力解放はやらないということをひとつ世界に宣言をしてもらったら、そうしたちアジア情勢というのは、ラオス、ベトナム、カンボジア、国交のない国に日本は努力をし、北朝鮮にも自民党の中から有志が行ってくださって、関係のない国とどんどんと調整をしてきているわけでございますから、私は、あと残っているのは長い御縁のある中華民国といいますか台北政府、そこに対して中国との間にあっせんができないものだろうか。これはどういうふうにお考えでございましょうか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 日中の問題は既に共同声明で原則を確認をし合っております。したがいましてそれの線を外れたことはできない。また台湾当局でも、国連加盟ということについては消極的のように考えております。台湾の中でも統一委員会というものをこしらえて、大陸とのいろんな自由往来あるいは投資等についてももっとやっていこうという機運になっておるのが大勢であって、ごく一部の野党などに国連加盟とかあるいは独立とを言う者がありますが、それはごく一部の人の言い分であるというように我々は理解をいたしております。  しかし、台湾と中国本土との経済交流等が盛んになることは大変結構なことでございまして、我々はできるだけのことはやりたいと思っております。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 ありがとうございました。  独立運動派は、単独で独立して国連に入ろうという話でございます。私が聞いておりますのは、統一を目的にして国連加盟ならば、中華民国政府は大いに進めたいというふうに理解をいたしておりますので、あとは武力解放をしないという大きな約束がアジアのために大変効果があるのではないか、日本の安全のためにも、私はこの方向はもうぼつぼつ中国本土の理解を得て進めていくべきではないだろうかと思っておりますので、これはひとつお願いをしておきます。  私も郵政大臣を拝命させていただいたときには、八千二百億のODA、六十万回線と天津-上海間の光ファイバー、これは向こうへお邪魔をして楊泰芳という郵電部長さんとお話し合いをしてくる、私もその中国の政府にお招きをいただいて、釣魚台にお招きをいただいたというようなこともあるわけでございまして、この空白の部分を何とか埋めていくという意味でひとつお願いをしておきたいと思います。  それからあとは、今郵政省関係で話をいたしましたが、これからの電波行政の関係で少し最後に お願いをしたいと思っておるのでございますが、電波というのは見えない。神様というのは電波とそれから空気には色をつけておられない。この電波というものが高度情報社会の今日を支えてきて、ドイツが民主化したのも、壁が崩れたのも、私は電波のおかげではないだろうか。世の中が混乱の時代が来たら天から弥勒菩薩が舞いおりる。日本では不思議なことに、世の中の音を見る神様で観世音菩薩なんという神様がいらっしゃるわけでございますが、ヨーロッパでも最後には救世主が舞いおりる。舞いおりるというのは、これは私は電波じゃなかったかという感じがいたしますので、この高度情報社会の今日を支える便利な、またかつ簡易な通信媒体で国際化の進展に不可欠なものといいますか、また、国防とか治安維持において電波を利用した情報管理、これは死活問題でございます。  したがって、良好な電波利用の確保というものが国民全体の福祉の増進につながることでありまして、国としてこれは重大な責務があると思っておりますが、その責務を果たすために必要と考える三つのことですね。同じ場所で同じ電波を出すと混信が生じますし、結局はどちらも使えない。このごろは同じ電波を出し合って音を消すなんということも考えられるようになってきましたが、一方、電波と呼ばれるものは、現在使用できる範囲は限られております。その電波が足りなくなる事態も予想されるわけですが、このまますべての国民が便利に電波を使い続けていくようにするためには、使える電波をふやすこと、それから、貴重な電波資源をより効率的に使うという努力が必要ではないかと思っております。  電波は不心得者による妨害を受けやすい、それからまた、電波妨害は過激派による重要通信施設の妨害とか、それから社会的な影響が非常に大きいわけでございまして、罰則とかそれから取り締まり努力があることはもう御承知のとおりでございますが、電波妨害はふえる一方だということで、電波に関して、物理的な特性を持つものでありますので、きちんと管理する必要がありますが、現在、電波行政の課題と取り組みについて郵政大臣からひとつ御答弁をいただいておきたいと思います。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 今中山先生御自身でおっしゃいましたように、郵政大臣としてはまさに先輩でいらっしゃいまして、先生が御在任の当時に大きな実績をおさめておられますことをまずもって心から敬意を表する次第でございます。  電波というのは、おっしゃいましたとおり、まさに国民共有の財産だ、しかも有限、希少価値のある財産でありまして、みんなで大事に使っていかなければいけないだろうというふうに思っているわけでございます。まさに先生のおっしゃったとおりでございます。  この有限、希少財産を大事に使うためには、新しい電波の開発研究ということもさることですが、今現在、我々が開発した電波をとにかく利用者がさらに大切に使っていくために、その管理、あるいはまた円滑に使える、まさに無法者にそういうことを許さない、そういった環境づくりをしていかなければならないだろうと思います。そのために、来年度予算に対しまして、実はこの電波利用料金制度というものを何とかひとつ御理解をいただいて、後世のためにこの財産の共有と継続を図っていきたい、こんな気持ちでございますので、よろしく御指導、御理解をいただきたいと思っております。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 ありがとうございました。  いろいろ時間の調整の関係がございますので、最後に、この国会はPKOの国会でございます。これからPKOというのが大変大事な、日本の使命として重大になってくると思いますが、ユーゴスラビアというところでは今大変な混乱が起こっておりますが、ユーゴスラビアというところでは、戦争が終わらないような憲法があります。「何人も、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国またはその一部分へ降伏を承認または署名し、占領を受諾したりまたは承認する権利を有しない。何人も、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の市民が、国家を攻撃した敵とたたかうことをはばむ権利を有しない。そのような行為は、違憲であり、反逆罪として処罰される。反逆罪は、人民にたいする重大な犯罪であり、重大刑事犯罪として処罰される。」何が書いてあるかというと、国民として降伏文書にサインしたやつは反逆罪だということでございますから、ユーゴスラビア憲法というのは、玉砕精神、最後の一人まで戦え、だれかがサインしたらそれは無効だ。そんな国があるわけで、ユーゴスラビアをECが入って、一生懸命に十一カ国が一緒になって調停をしても終わらないわけはこの憲法だという感じがするのでございます。  ですから、こういうところにもPKO活動というのはこれから本当に重大な役割を持ってくると思うのでございますが、日本の国会でも今PKO問題で、少し野党の方々のお言葉の中に、私は、国連軍とそれから国連平和維持活動、これは国連憲章にも載ってないものでございますね、国連憲章にも載ってないものでございますが、総理の御答弁と野党の党首の方とのやりとりの中に、ちょっと国会の承認という問題があることでこのPKOの先行きに不安があるわけでございますけれども、これは、平和維持活動というのは日本から出した途端に国連の支配下に入ってしまうわけですから、シビリアンコントロールの面で国会の承認をという話がありますが、そこから先はもう国連の事務総長の下に入るというので、その辺の相違が、ちょっと誤解があるのではないか。それに対するはっきりした御所信を伺って、少し時間を調整の関係で切り上げて質問を終わりたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 ユーゴの憲法にそのような規定があることは承知をいたしておりますが、他国の憲法解釈の問題でありますから、これはこの場でコメントすることは差し控えたいと存じます。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員 そういうことで、他国の憲法でございますが、はっきりとだれも降伏文書にサインできないという、国を批判するのではなくて、そんな国があるからこそこれから国際紛争というものが、これもことわざに、幽霊と平和というような言葉はあっても本物はいない、幽霊をつかまえた人はいないし、平和をつかまえた人はいないということわざがあります。その意味で、ひとつこれから平和国家日本として総理大臣、外務大臣そのほか閣僚の皆様方の御健闘をお願いをいたしまして、以上で私の質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて中山君の質疑は終了いたしました。  次に、山花貞夫君。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 冒頭総理に、就任おめでとうございます。祝意を表したいと思います。  前置きを抜きにして、差し迫った決断と対応が求められている幾つかのテーマについて先にお伺いしておきたいと思います。  まずは、何といっても米の問題です。  実は、所信表明以来、総理の米に関する一連の発言は極めてわかりにくい。肝心なところがあいまいで、聞けば聞くだけ不信が募るというのが実感であります。所信表明では、これまでの基本方針とおっしゃいましたけれども、同時に一方では、ダンケル・ガット事務局長が十一月中にも例外なしの関税化の方向を打ち出すと伝えられている中で、年内には成功裏に終結するよう努力する、あるいは欧米が譲歩すればそれに見合った譲歩をする用意があるという趣旨の発言をされています。  自由化問題について一体何を譲歩するのか、総理の腹は固まっているのでしょうかどうか、この点について伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 先ほど農林大臣から中山委員にお答えを申し上げておりましたが、米の自給につきましては国会の御決議もございます。そのような基本方針を崩すということは考えておりません。  私の申しましたのは、農業農産品全般につきまして申しますならば、ECには課徴金の問題がある、またアメリカにもウエーバーという非常に大きな問題がございます。それらのものについてこれらの国がどのような譲歩をするつもりであろうか。あるいはそのもっと奥に輸出補助金の問題がございます。輸出補助金が一番自由貿易をゆがめておる問題でございますので、これらのことについてもそれらの国がどのような、いわば態度を新しくするのかといったようなことを見ながら、この最後の段階で私どもとしても、このウルグアイ・ラウンドが失敗をしないように、できることめ協力はしていく、こういう考えを申し述べております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今の話を伺いましても、基本方針は堅持するとお話しになっていますが、従来の政府の答弁から比べますと、まず第一には、食糧安保論が一体どこに行ったのか、そして米の基幹産業としての、基幹農作物としての性格がどこに行ったのか、そして三回の国会決議、繰り返し繰り返し最重要課題として国会で決議がされている、こうした問題について全部省かれて、基本方針と、こうお話しになった。しかも今のお話でも、そこのところは守ると言いながら、最後のところでは、やっぱり譲歩をしてということを考えているのではなかろうか、こういうニュアンスで私は今聞いたわけです。  改めて伺いたいと思います。米自給、この問題についての国会の三回の決議については断固として守る決意をお持ちかどうか、この点について明快にお答えいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 国会の御決議につきましては、それを基本方針とすることに変わりはございません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 この守り抜くという趣旨を含めてと伺いましたけれども、もしこのことに違反して政府の方向というものが少しでも揺らぐということがあったとするならば、その政治責任はまことに重大であるということについてこの際指摘をしておきたいと思います。  農水大臣にも伺っておきたいと思うのですが、実は、全国の農協中央会の水田についての研究資料によりますと、米の生産が生み出す関連企業を含めた雇用は二百七十万人、仮に一〇%の市場開放がなされるということになりますと二十七万人が雇用を失い、三%だとしても八万人が雇用機会を失うといった調査とか、あるいは東大の研究者十人が集まった米の政策研究会の研究によりますと、もし米が自由化された場合には、関連産業を含めて百六十三万人が失業をして、地域別では、産地の大半が崩壊し、十一兆四百六十四億円の生産減をもたらす、こういう勉強の結果も出ております。こうした関連産業を含めての影響について農水省として検討されているかどうか、この点について一言つけ加えて伺っておきたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 お答えをいたしますが、自由化につながるようなことは、これは断じて受けられません、こういうことでありますので、そういう検討はいたしておりません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 ある意味でははっきりしておりまして、昨日の打ち合わせ会議におきましても基本原則を守ると言った。今の御趣旨は、国会決議を断固守って頑張るという決意の表明として伺いました。ここでも私は総理に申し上げましたけれども、米の問題については、もしこの国会決議に少しでも反して動揺するようなことがあったならば、その政治責任は内閣全体としてまことに重大であるということを繰り返して申し上げておきたいと思います。  実はもう一つ問題があります。今度は魚の問題、流し網漁禁止の問題につきまして、今月の初め、これはアメリカから来た報道ですけれども、もしブッシュ大統領が日本にいらっしゃった場合には、この問題について日本はアメリカに全面的に譲歩をするという報道が伝えられました。流し網漁禁止の問題は、背後に日米の摩擦の問題があり、そして同時に、多くの漁業関係者は、これからの日本の漁業全体に対してどういう包囲網が引かれるかということの中で、目を凝らしてこの問題に関心を集中しています。  この問題について、先月国連に日本も決議案を出しているはずでありますけれども、そこでの動向について農水省はどう把握しておられるのか。ブッシュ大統領がいらっしゃったならば、この問題について日本が譲歩してあきらめるということが伝えられているけれども、その事実についてはどうかということについて伺っておきたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 お答えを申し上げますが、流し網漁業につきましては、従来から環境保護団体、混獲の問題がありまして、イルカとか海産哺乳動物あるいは海鳥、そうしたものの観点から、これは全面禁止だ、こういうことを言われておるわけであります。アメリカは、十月の九日、明年六月をもって公海の大規模流し網は全面禁止をするということを国連に提出をいたしました。我が方は現在まで、科学的知見によれば、適切に管理された流し網漁業というものは環境保護との両立が可能であるという認識のもとで、効果的な資源保存管理措置がとられる場合にはモラトリアムは課さないという一昨年の国連決議を再確認する決議案を十月の十一日に国連に提出をいたしておるわけであります。  このことにつきましては、水産庁長官もアメリカに参りまして、いろいろと日本の立場というものを主張をいたしておるわけでありますが、なかなか鯨のときと同じように、海産国ではないたくさんの国が反対をするという中で、非常に厳しい状態にあることは事実であります。特に大規模な流し網、日本の場合は五、六十キロ網を流すわけでありまして、フランスでありますとかそういう国は五キロとか二・五キロとか、そういった程度でありますので、日本に対する風当たりというものは非常に強いということを感じております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 日本の各地の水産業界、大変関心を持っている大問題であるだけではなく、これからの我が国の食生活にもかかわってくるテーマであります。私が承知している限りでは、この問題について国連の状況というのは、いわば一言で言って敗色濃厚である、一体日本政府は何しているのかというのが関係者の声であります。今の大臣のお話でもなかなか厳しいということでありましたけれども、こうした大きな問題だけにさらに一層の努力をこの問題について傾注していただきたい、このことを要請しておきたいと思います。  関連して、とにかく野菜が高くて食べられない、食卓に載せられない、こういう家庭の主婦の声を代弁してこの問題について伺っておきたいと思うのですけれども、一昨日、私たちは社会党の新しい体制としてのシャドーキャビネット委員会、築地の市場に行って状況について関係者の皆さんから聞いてまいりました。先ほどの質疑の中では、物価については大体安定しているというお話があったのだけれども、野菜は違いますね。調べたところでは、前の五年間平均と比べますとホウレンソウでキロ二百八十円が千十四円、三・六倍です。白菜が三十三円が百九円、三・三倍、レタスが二百二十三円が五百十四円、キャベツ六十九円が百三十九円と、二倍ということであります。だから二倍から三倍になっている。この数日、入荷の状況がちょっぴりよくなったという関係者の説明もありましたけれども、年内を見通すと、やはり見通しは暗いということであります。  この問題についてだれも考えるのは、台風、長雨、天候不順の影響だろうということなわけですけれども、果たしてそうなんだろうかということを含めて、この点については構造的な問題も背景にあるんじゃなかろうかと私たちは調査の結果把握してきたところですけれども、対策についてどうなっているか、緊急対策やっているか、これからどうするか。年末年始を迎えます。この点について、これまた農水大臣の方からお返事をいただきたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 お答えをいたしますが、最初に、野菜価格の見通しについて申し上げますが、結論から申し上げますと、総じて高値で推移をいたしております。今お話にありましたようなその原因というものは、長雨でありますとか日照不足、台風、それから各産地で大規模な被害が発生をいたしたためであります。特に、ホウレンソウ、ネギ等の青物類を中心に市場への入荷が数量が減少いたしておるわけであります。  今後の対策でありますが、これは出荷の前倒しをお願いしておりますし、野菜供給安定基金による緊急輸入や契約野菜の市場放出などの出荷対策をいたしております。いま一つは、卸売市場関係者に集荷努力の要請でありますとか小売店に対する協力の要請をいたしております。それから、こういう長雨でありますとか台風の影響を受けておりますので、病害虫の防除等の技術指導、これの徹底を図っておるほか、園芸施設資材の確保等の生産対策、こういうものを内容とする野菜の供給確保の対策を実施をいたしておるわけであります。  今後の野菜の価格は一体どういうふうに見ておるかということは、白菜、ネギ等台風などによって主産地のダメージが大きかった品目については年明けまで影響が残る可能性が強い、こういうふうに見ております。それから、キャベツ、レタス、キュウリ等台風などの影響の少なかった地方もありまして、そこにこれからずっと移行してまいりますとこれが若干いい方向に向いていくと見ております。総じて見れば現在の水準よりも落ちついてくるものと見込まれますが、今後とも価格動向を注視をして機動的に対策を講じてまいりたい、こう思います。  御指摘のように、構造的なものもあるのではないだろうかという御指摘でございますが、野菜指定産地を中心とした野菜産地の育成の整備が必要であろう。特に関東周辺は減少しております。そのかわり、東北、北海道、南九州、この地域を重点的にこれから整備を図る必要があるということと、いま一つは労働力の不足があらわれておりまして、そのためには機械化の体系、そうしたものを確立をしていかなければならぬ。そのほかに、土壌の診断でありますとか、何といっても農業は土づくりが非常に大事だということで、この辺についても政策を総合的に推進することにいたしております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 この十一月の入荷について聞いたんですけれども、ホウレンソウはちょっと持ち直すようです。ただ、その他のもの、大体白菜で四六%ぐらい、レタスで六六%、キャベツで七〇%台、こういう調子で十一月もちょっとだめじゃなかろうか、年末年始もなかなか難しい、こういうことでありまして、この点については、農水省の関係者の皆さんが御努力されていることは私たちも認めるわけですけれども、この対症療法的なことだけでいいのかということを強調しておきたいと思うのです。  実は、さっき申し上げました長雨、台風の関係ということだけではなくて、これまでの昭和五十年代から最近までの相対価格の流れということで見ると、野菜の場合には大体年率〇・七%ぐらいだったわけです。昨年、これが一七%ということで急激に上昇しました。したがって、値上がりというのはことしだけじゃなくて、一般の物価に比べて生の野菜については昨年あたりからこの値上がり傾向が特徴的になって消費者物価を押し上げています。これが家庭の主婦の台所を直撃しているという問題になっています。  今お話ありましたけれども、大体申し上げました年代で考えると、農家の数が七五年から八五年で二二%減って、八五年から九〇年にかけましてまた二八%減っている。労働力の問題があります。高齢化、六十歳以上の従事者が七五年二一%から八五年でも二九%へ、もっと高齢化しています。重量野菜はできなくなってしまっている、大根なんかだめになっちゃった、こういう状態であります。作付面積で見てもここ五年間で約五万ヘクタール減っています。そして、大都会の近郊の農家におきましては線引きの問題があって、もうとても野菜つくってはいられないだろう、こういう状況もある。ということですと、今お話しになりましたお話の中心は、私たちも認めている今の、現在のいろいろな努力でありますけれども、限界があります。  輸入の問題もありました。台湾からキャベツ千トン持ってきたという。じゃ一体どうなったか。台湾の皆さんは、経済大国日本が札びら切って私たちのキャベツを持っていったというのがあちらの印象じゃないでしょうか。あちらの主婦の皆さんはやっぱり今までと比べて、日本にキャベツを持っていかれてしまったから値段が二倍になったと泣いているという話を聞きました。したがって、輸入についても限界があるんじゃないかと思います。  こうした今後の問題については、どんどん大蔵省に予算請求されて、構造的問題について、指定産地といったって土壌改良の問題、連作によるいろいろな問題も出ているわけでありますから、この問題について対応をしっかりしていただきたいと思いますが、念のため農水大臣にこの点もう一遍伺っておきたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 お話の趣旨はよく理解いたしました。私どもも手をこまねいているわけではないんでありますが、何といっても全般的に農業の衰退、高齢化、担い手が育っていない、いろんな構造的な問題があるわけでありまして、この辺のところを十分踏まえながら努力をいたしてまいりたい、こう思っております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 次に、本日も大事な交渉が控えていると伺っています人事院勧告関係の問題について伺っていきたいと思います。  八月七日に人勧が出されて以来三カ月が経過しました。政府はいまだに閣議決定していないことは極めて遺憾であります。さきの百二十一国会におきまして国会法が改正され、通常国会の召集日程というものが一月になりましたけれども、この点についてやりとりは皆さん御記憶のとおりでありまして、政府は、国家公務員の給与の取り扱いについて、従来の年内確定、差額支給という経過を尊重して対処したいと答弁されました。一日も早く人事院勧告の完全実施を閣議決定して給与法の改正案を国会に提出すべきだと思っています。この点についてどうなっているか、伺いたいと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 ただいまの山花議員の御質問につきましては、昨日、久保亘参議院議員さん初め代表の皆様方からも――亘先生、シャドーキャビネットのそちらの方を担当されていらっしゃるようでありますけれども、わざわざ私どものところにおいでになりまして、早期実施とまた完全実施ということで実はお話をいただいたところであります。  ただ、私ども、今までと違いまして、このところ税収不足というような調子で、財政の事情が非常に厳しいというようなことがございます。そういったことで、私どもとしても今検討を進めておりますけれども、しかし、人事院勧告制度の尊重の基本姿勢、これは変わりないということでございまして、私ども慎重に検討しながらも、できるだけ早い時期に一つの方向を出していくこと、これをひとつ進めていくことを申し上げておきたいと思っております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 どうも大蔵大臣の発言、歯切れが悪いというのが印象でして、今までと随分変わって慎重になったのじゃないか、こういう気がしておるところでありますけれども、歯切れよぐ実は言っていただきたいと思います。  同時にもう一つ、ことしの人勧は、給与の改善と同時に、国家公務員の完全週休二日制の実施についても含まれています。この勧告についても当然尊重して、給与と同時に閣議決定すべきであると私どもは考えています。総理は生活大国を目指すとおっしゃいました。ゆとりの問題、今大きな関心事です。この宮澤内閣の姿勢からしても、一公務員の週休二日制は、公務員のみならず我が国全体の民間を含めてのゆとりの問題に大きく関係するものとして、勧告の趣旨を踏まえ、平成四年の四月実施ということについて決断すべきだと思いますけれども、この点については、生活大国を目指しておる総理からもお答えをいただきたいと思います。

岩崎純三自由民主党総務庁長官

○岩崎国務大臣 お答えをいたします。  国家公務員の完全週休二日制の実施につきましては、基本的に望ましいものと考えております。勧告当日に週休二日制・閉庁問題関係閣僚会議を開催いたしまして取り扱いの検討に着手をいたし、現在検討を進めておるところでございます。条件整備の状況を勘案しながら、人事院勧告制度の趣旨を尊重しつつ、国家公務員の完全週休二日制を速やかに実施できるよう検討を進めておるところでございます。  基本的な考え方といたしましては、国家公務員の完全週休二日制の実施につきましては、職員の勤務条件の改善という観点からいたしましても、また労働時間の短縮を推進してゆとりのある国民生活を実現するという観点からも、基本的に望ましいものと考えております。政府といたしましても、経済運営五カ年計画におきまして、公務員につきましては「完全週休二日制を実施するよう努める。」としておりまして、また平成二年四月からは、国家公務員の完全週休二日制の実現に向けた検討の一環といたしまして、交代制等職員の週四十時間勤務体制の試行を実施してまいったところでございます。  現在取り組んでおる状況につきましては、週休二日制に関する人事院勧告を受けまして直ちに週休二日制・閉庁問題関係閣僚会議を開催いたしまして、その取り扱いの検討に着手をいたしております。現在、民間団体からも意見の聴取を行っておるところでございます。  今後とも、交代制等職員の週四十時間勤務体制の試行の状況、国民世論の動向等を勘案しながら、人事院勧告等の実施を尊重しつつ、国家公務員の完全週休二日制を速やかに実施できるよう検討を進めておるところでございます。  今先生からも御指摘がございましたとおり、生活大国と申しましょうか、国民生活重視の行政の実現、こういう方向とあわせまして、完全週休二日制が一日も早く実現できるよう最善の努力をいたしてまいりたいと考えております。  以上でございます。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 人事院制度ができましたゆえん並びに今日までそれが果たしてまいりました役割は私自身もよく存じておりまして、大切にしなければならないと基本的に思っております。大蔵大臣の言われますように、財政の事情もございましょうし、また今岩崎長官の言われましたように、後段の問題は国民生活一般にも関係もいたしますので、閣僚会議を開きまして、それらのこともよく検討して決めてまいりたいと思っております。余り時間がかかりませんように結論を出したいと考えております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 一般論については繰り返し伺っているものですから、いったということを私どもは伺いたいと思っているわけでありまして、一日も早くという中身については、平成四年四月実施というぐちいの意気込みだというふうに私どもは受けとめておきたいと思っております。  政府は、公務員などを対象とする育児休業法の取り扱いにつきまして、来年四月一日、平成四年四月一日の官民同時施行を約束しております。ところが、民間につきましては既に第百二十通常国会で法律が成立しておりますけれども、公務員関係につきましては、人事院の意見の申し出から七カ月経過した後もまだ閣議で決定されておりません。早急に閣議決定をしてこの臨時国会に法案を提出して、官民同時施行がなされるように措置すべきだと思いますけれども、この点について伺っておきたいと思います。

岩崎純三自由民主党総務庁長官

○岩崎国務大臣 お答えを申し上げます。  育児休業制度の問題につきましては、さきの国会におきまして民間でその法案の成立を見たところでございます。人事院からも、一日も早く、平成四年四月一日にという意見の申し出もいただいておるところでございますので、私どもといたしましては、育児休業のその持つ意義あるいは国民生活に与える影響等々を踏まえまして、可能な限り今国会に法案を提出をいたし、民間の育児休業制度の施行とあわせまして、すなわち平成四年四月一日に同時施行できるよう精いっぱいの努力をいたし、今国会に法案を提出いたすため、鋭意今日努力をいたしておるところでございます。  以上でございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 以下、総理の所信表明を念頭に置いて質問を続けたいと思います。  新政権発足に際して、各マスコミが世論調査を行いました。かなり支持率が高いということで、胸なでおろしているということについても伺っているわけでありますけれども、総理御自身、みずからに問うていただいて、一体これ、支持率が高いのはどこに理由があるのか。  もう一つ、同時に国民は懸念していることが二つあります。  一つは、宮澤総理は派閥の中から生まれたから、みずからの政治理念を国政で国民に訴えることができなくて、いわば宮澤カラーは出てこないのじゃないだろうか、派閥の中の政治しかできないのじゃなかろうか、これが一つ。  もう一つはリクルート事件のかかわり、恐らくこの後段につきましては、世論調査、ある新聞によれば、前者は約七〇%の人が宮澤カラーは出せないのじゃないか、後者につきましては六四%の人が、ということですから、六、七割の皆さんが今の二つの懸念を持っています。この懸念についてどうお考えなのか、いいところと悪いところについて総理御自身、どう考えているかについて伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 世論調査の結果を承知いたしておりますけれども、まだ発足をしたばかりでございますので、その結果に一喜一憂するというようなことはいたさないつもりでございますが、強いてと仰せられますれば、世界が大きな激変の中にございますし、また、我が国もそれに対応して大きな責任を負わなければなりません。国内にもいろいろのたくさんの問題がございます。その問題にこの際前向きに取り組んでいこうと私が呼びかけておりますことについて国民の御期待がある、そういうことであろうかとみずから戒めつつ、その御期待に背かないようにと考えております。  それから、政権の発足につきましてでございますが、私どもの党内で御承知のように総裁公選が行われまして、君子の争いをいたしたつもりでございますし、開かれた形で国民にいろいろ議論を聞いていただいたということは有意義であったと存じておりますが、その結果、かねて候補者たちが誓い合いましたように、党の全力を挙げて国政に当たろうということで、内閣の組織につきましても、有能な人材をおのおの適材適所に就任をしていただいたと存じております。  後段の問題は、国民の御心配がまことにごもっともなことでありまして、十分長く気をつけておりましたつもりでございますけれども、不行き届きのために御心配をおかけして、このことはまことに申しわけないことに思っております。私自身が一生心を戒めるべきことでございますが、これによって、まあいわばみそぎができたかできないかというようなことは、これは私が申すべきことではなくて、国民の側でそういうふうに考えていただけるかどうかという、本当はそういうふうに考えるべきことだと思います。  過般の選挙におきましては、私の有権者たちは、二度と過ちを繰り返さないように心を改めて努力をせよと言われたものと私は考えております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 総理は君子の争いとお話しになりましたけれども、多くの国民は、君子は豹変するのではないか、あるいはしたのではないか、こういうように心配しているわけであります。  あの総理の所信表明を拝見いたしましても、総論の部分は共感を持つところがございます。何百年に一度という大きな変化の過程にある今日を「冷戦後の時代」であるとしまして、「新しい世界平和の秩序を構築する時代の始まり」、こういう時代認識を示されました。この点については、その後、これまでの日本の政策、とりわけ核の問題について我が国の主張というものが世界の皆さんに認めていただけつつある、こうお話しになった部分につきましても、これは宮澤総理のこれまでのお考えを述べている、こういうように伺ったわけです。  実は、その先の具体的な各論になりますと、もう豹変を始めているんじゃなかろうか、こういう問題点を感じ、きょうはこの問題について後ほど伺っておきたいと思うわけですけれども、この実は格差の問題について、私ども一番感じましたのは、大きな部分が欠落しているんじゃなかろうか、こういうことなんです。  実は、今日の時代認識について述べられましたけれども、その前提が必要なんじゃなかろうか。「冷戦後の時代」、こう説明されておりますけれども、じゃ一体冷戦というのは何だったのか、何をもたらしたのか、冷戦の終えんというものは一体何を意味しているんだろうか。一言で申し上げますと、冷戦時代を検証すると申しますか、そこのところがないと、正しい時代認識の上に、冷戦終えん後の新しい国際関係の中で、総理がおっしゃっている世界の平和の秩序の姿というものは見えてこないんじゃなかろうか、こういうように思うわけであります。そうしたテーマのもとに、具体的な政策課題については伺っておきたいと思うのですけれども、そうした総理が信念に基づいて政策を国民に訴えたといたしましても、やっぱり一番大事なものは国民の政治に対する信頼、その回復という前提がまだ整っていないのではないか、こういうように考えざるを得ません。あの二つの懸念ということが二重写しになって、実はこれからの問題について考えざるを得ないという気がいたします。  まず、前段で伺っておきたいと思うんですけれども、今も総理触れましたけれども、実は今度の自民党の三役の構成、閣僚の構成、ロッキードとリクルートが花盛りじゃないか、政治改革の原点は一体どこに行ったのかという声については受けとめてもらわなければいけないと思っております。実はそういう意味では、内閣がスタートした直後、私たちは、閣議の方で、初閣議で派閥の離脱について総理の方が基本姿勢を示して確認した、官房長官が記者会見していますけれども、こういう話を聞いていますけれども、これは官房長官に伺いたいと思うんですけれども、総理の指示によって初閣議で派閥離脱を確認したということについてどういう記者会見をやったんですか。新聞報道を通じてだけではなくて直接伺いたいと思います。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官・通商産業大臣臨時代理

○加藤国務大臣 閣議の中で、総理の説示というものが初閣議のときにございます。その中で、綱紀の粛正のために頑張ろうとかいろいろな心構えが総理の説示として出てくるわけですけれども、その中に、閣僚は派閥の帰属をやめていただきたい、そして今後活動するときに派閥的な意識で行動をなさってくださることのないように、それからいろいろこれから、政治家でございますから、全国各地に選挙応援に行かれるわけですけれども、その場合には党の指示に従って行ってください、そういう趣旨のことを説示の中に述べて、その旨を記者会見いたしました。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 伊東正義、後藤田正晴両長老が努力いたしまして、政治改革について、自民党政治改革をまとめられまして、今日まで努力をしてまいりました。内容の非常に大きな部分については、私たちは対立した意見を持っていますけれども、リクルート事件の反省の中で一つの方向、とりわけ自民党にとっての政治改革の視点というものは、あの中に示されているのではなかったかと思っています。  この政治改革についての自民党政治改革の大綱、幾つかの問題点、今日の国民の政治不信解消のためには、まず金権政治をなくしていかなければいけないということの結びとしてあったのは、今話題となった派閥解消の問題です。まず第一に「最高顧問は派閥を離脱する」、第二番目「総裁、副総裁、幹事長、総務会長、政務調査会長、参議院議員会長、閣僚は、在任中派閥を離脱する」、三番目「派閥の実務者間によって、実質的にあたかも党機関にかわる意思決定と誤解されるようなことはおこなわない。」、これが自民党政治改革の原点であったはずです。  我々は我々の立場で政治改革を考えます。自民党は自民党の立場で政治改革を考えた。あらゆる今日のさまざまな政治不信の最大の原因の一つに派閥の問題があるということについて確認をされました。宮澤総理は、今私が述べましたような自民党政治改革大綱における派閥問題についての取りまとめを記憶されておるかどうか、この点について総理に伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 そのような申し合わせがありましたことを存じております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 こうした政治改革についての原点、自民党政治改革大綱があるにもかかわらず、まず総理は、最高顧問から始まりまして、ずっと今私が派閥離脱ということについていろいろ指摘をいたしましたけれども、そういう問題について恐らく閣僚の皆さんは知らぬ顔して今日まで至っているのじゃないですか。どなたか派閥を抜けた人いらっしゃいますか。一人もいないでしょう。今、間違いないというお声もありましたけれども、まさにそのとおりだと思います。総理が派閥を離脱ということを説示したんだけれども、だれ一人守っていない。政治改革の原点は一体どこに行ったのかと言わざるを得ないと思っています。宮澤総理は政治改革の幕引きをする役割を担っているのですか。このことについては、リクルート、ロッキード等の問題についても同じでありまして、この問題については、私は一体どこに行ったのかということを改めて伺っておきたいと思います。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官・通商産業大臣臨時代理

○加藤国務大臣 山花委員、今、閣僚は初閣議で決めた説示の方針をだれも守ってないじゃないかとおっしゃっておられますが、それは閣僚は全員守っております。それで具体的に派閥の帰属にならない、帰属は離れてほしいということを申しましたし、それから派閥の例会、それから派閥が行いますパーティー等……(発言する者あり)

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 お静かに願います。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官・通商産業大臣臨時代理

○加藤国務大臣 そういうものには出ていただかないようにという方針は、その後閣僚にはお守りいただいております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今お話ししたことはごまかしかあるのですね。派閥から離脱して、そうしてもう派閥政治の弊害をなくしていこうというそのことと全く変わった考え方の派閥の問題という説明じゃないですか。  昨年の総選挙、政治不信の背景を徹底的に探って、その克服の上に立った新しい政治のあり方を政治改革の大綱としてまとめて自民党は選挙を行ったということを、昨年十二月二十五日、政治改革基本要綱、これは原点からスタートして、かの小選挙区比例並立制の問題をも含めた改めて自民党の政治改革についての確認です。選挙の公約だった。派閥解消のために政治改革大綱に決めた派閥離脱やりますということを選挙の公約として選挙をやって、終わったら全部空証文ですか。総理、どう思いますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 自民党がみずから戒めましてそのような申し合わせをいたしました。今日までその努力をいたしておるわけでございますが、同時に、派閥というものがよって来るゆえんをいろいろ考えてみますと、それは選挙制度にも実は関係があるという認識から、政治改革につきましての三法案を国会にも御審議を願うために前国会に提出をいたしました。そういう意味で、制度にさかのぼりましてそのような弊害を除去しようという努力を私どもいたしておるわけでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 派閥の問題と同時に、私は、三役の皆さんをも含めて、一体ロッキード、リクルートの問題に対してどう反省しておるのかということについて、もう疑問に思いますね。  一番最初、三役が決まった後、佐藤孝行総務会長は記者会見しました。司法、検察に対する批判を行いました。疑惑を持たれたことは深く反省している、こうおっしゃった。あの人は疑惑を持たれたんじゃないんですよ。裁判で有罪になって、そのことを認めて、みずから有罪であることを認めて、また政界に戻ってきた。疑惑を持たれたんじゃなくて、判決を受けているのです。その人が、「願わくば健全な司法、健全な検察を期待している」と言うのはどういう言い方ですか。あの判決の中身、私は高裁判決を見てみましたけれども、裁判官は怒り心頭ですね。これだけはっきりした有罪なのに、偽証工作をしているじゃないか、反省の気持ちが全くないじゃないか、本来実刑だということをあの高等裁判所は言っているのです。そうした経過がありながら、検察、司法、裁判に対して批判をするというこういう姿勢は、全く反省の色がないじゃないですか。  総理は先ほど来、国会の始まって以来、この問題について戒心しておるとおっしゃった。一つの姿勢を示しているのですよ。開き直って検察、司法を批判する、こういう人が総務会長。この問題について総理はどうお考えですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 個々のケースについて私が申し上げることは適当でないと存じますが、私の同僚たち、私と同じような気持ちで過去について反省をし、また将来過ちを繰り返さないように決心をしておられるものと考えております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 派閥離脱の問題の説示と同じ、こうした問題については戒心していこうという総理の気持ちというものは伝わっていませんね。伝わっていないのです、実際には。私たちは、こうした問題に対する懸念というものが、さっき世論調査で高い支持があるのだけれども、二つあるうちの一つの大きな部分だというように思っています。その意味におきましては、みそぎを受けたということについてお話しになる方もおりますけれども、従来の選挙制度のもとにおいて相変わらずの金権選挙と言われました。汚れた水でお清めをしてもみそぎにはならないということだと私たちは思っています。  この問題については、とりわけ総理御自身がまだ荷物をしょっていらっしゃる。私は、荷物をおろして問題をすっきりとお話しになっていただいたらと思っています。  よく新聞で宮澤語録が引用されていました。ずっともう昔の時期ですけれども、宮澤総理は、政治家が一番気をつけなければいけない問題というのはお金の問題だ、変なところからお金をもらっちゃいかぬ、去年もお歳暮にもらった菓子折りの中に百万円入っていたのだけれども、返そうとしたけれども名前がなかったので、原警視総監に立ち会ってもらって銀行に預けであるけれども、政治家というのはこんなところに危険があるから注意をしなければいかぬ。これが総理のお気持ちだったでしょう。  私たちはそういう方だなと思っておったのだけれども、リクルート事件の中で実はそうではない状況を目の当たりにしました。問題が始まって初めの段階、ノーコメント、新聞見たら十三回繰り返したと。そうだったのでしょう。その後幾らがこの場におきまして釈明をされた。全く関係のない方の名前を出してつくり話をされましたね。総理がしたんじゃなくて秘書の服部さんから聞いたということだったかもしれないけれども、全く関係のなかった民間の人を引っ張り出して、その人は河合さんです、みずからでたらめの話をあちこちしたじゃないですか。気の毒だったと思いますよ。そういう責任を全く関係なかった人にも与えておきながら、一回、二回、三回、四回、五回、六回と発言を訂正した。あの当時の記憶、私たちは残っています。ということであるならば、重荷をおろして新しいスタートを切っていただきたいと思います。  二つテーマがあるのじゃないでしょうか。一つは、これまでのリクルートにとって、疑惑を持たれた問題につきまして、正確にこの場でお話しになる。国民の前に、こうだった、この点については反省しでいるとお話しになったらいかがですか。もう一つの問題は、政治改革の問題について、既に政治改革の原点を忘れ去ろうとしている自民党の中で、やはりこの問題大事だということについて改めて決意を固めて、まず政治倫理の問題から手をつけていくというこれからの姿勢。この二つのテーマがあるのじゃないかと思っています。  前段の大事なテーマ、みずからの釈明ということにつきましては、いわゆる三点セットの問題がありました。  ドゥ・ベスト社と宮澤総理本人の名前の売買契約書があったんじゃないだろうか、この点については、署名とあるいは捺印についてあかしを立てるということから出していただかなければならなかった問題です。第二番目は発言を裏づけるための売買の報告書、第三番目は受け渡しの計算書、取引の明細書。その他三点セットと言われた一切の関係資料について、当時大蔵大臣おやめになって、何も出さないで、釈明なしで今日に至っています。  この問題について、三点セットを現に提出した中で、実はこうだったんだということについて最後の、今後修正することのない説明をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 この問題につきまして、私が当時秘書をいたしておりました服部氏から聞きましたことを国会に申し上げました段階において、何度も私の御説明が間違っておりましたことはまことに申しわけないことでございました。最後の段階になりまして本人から直接話を詳しく聞きまして、それを国会に御報告を申し上げましたが、しかし、何度がにわたって誤った報告を国会に申し上げた政治的責任は、これは私は当然とらなければならないと考えまして大蔵大臣をやめさせていただいたところでございます。これにつきましては、今でも申しわけないことであったと考えて、おわびを申し上げます。  で、それにつきまして関係の資料、実は私自身も、この問題を自分として知っておきますために資料をきちんといたしたいと考えておりました。時間の経過の中で、自分が満足できると考える資料がほぼ明らかになってまいっております。この問題につきましては、その当時も非常に御議論がございましたことでございますし、また、ただいまもお尋ねのあることでございますので、これから委員会がこの問題についての御議論をなさいます。その御状況を拝見しながら、また、その取り進め方について委員会でお決めをいただけますならば、私もその線に沿いまして誠意を持って対応をいたしたいと存じます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 国会におきましても、国会の審議に当たっては誠意を持って対応するということについて繰り返しおっしゃっておったわけですから、審議が始まったこの段階でそうした関係資料について出していただきたいと思います。  この点について、委員長のよろしくお取り計らいをお願いしたいと思います。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 暫時休憩いたします。     午前十一時五十一分休憩      ――――◇―――――     午後二時三十一分開議

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、委員長から申し上げます。  次回の予算委員会までに山花委員の要求する資料を委員長に提出していただき、これを委員長が預かることとしたいが、総理にお考えをお伺いいたします。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 ただいま委員長の御発言のとおり、最善を尽くします。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 質疑を続行いたします。山花委員。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 理事会の協議の結果もありますので、委員長の指示に従って質問を続行いたしたい と思います。  いわゆる三点セット問題について、今のような措置をしていただくといたしましても、資料は資料として総理に伺います。  前回、一番最後に答弁なされたところがどこが違っておったのか、どこを訂正するのか、この点について、資料なしでも結構ですから、後で資料に基づいて点検をいたします。説明をしていただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 前回、十二月一日に最終の答弁を申し上げております。この答弁の内容につきましては、相違がございません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 ある、なしにつきましては、いずれ資料が出た段階で改めて質問させていただきたいと思っております。  実は、総理のリクルートとの関連につきましては、株の問題だけではなく、その他にも資金を受けているというように考えております。その他、どの程度の資金をどのような形で受けられたのか、この点について、この際伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 私といたしまして、そのようなことを存じておりません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 株取引以外、私どもの調べておりますところでは、リクルート側から受けている金額として昭和六十二年三月二十三日開いた宏池会三十周年記念の会に五千万円。内訳はリクルートコスモスの小切手で三千万、リクルートの小切手で二千万、次は同年三月二十六日銀行振り込みで五千万を受けているはずであります。こうした事実について御存じないのかどうか、伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 宏池会関係のことをちょっと私だだいまお答えする記憶、記録がございません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 宏池会の関係については事務局長等がやったとするならば、後段の五千万のお金につきましては、宮澤総理の個人のそこの大和銀行の口座に入っていたお金であります。私どもはそう把握しております。これは個人の口座。したがって、大臣官房からの振り込みもあれば、テレビその他の出演料についても全部振り込みがあります。したがって、これは政治資金として受けたものではない。個人のだれでも、議員ならば銀行に通帳を持っているでしょう。テレビに出る、出演料が入ってくる。そうしたものについて全部お金が入ってくる中に五千万が振り込まれております。御自分の口座について入ったことについても認めないのかどうか、この点について伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 ただいまにわかのお尋ねでございますので、ちょっとわかりかねております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 私の調査したところでは、個人の口座、そこの口座ですけれども、これはプライバシーにわたるかもしれませんので、口座の番号については省略をいたしますが、内容については、これは明らかに、いろんなお金が入っていますけれども、議員の個人の口座である。五千万入っております。日付は二十六日。そしてこのお金は、五月の十五日に五千万まとめて出金されている。個人の口座に入ったお金なんですから、これは政治資金でしょうか、そうではなかったんでしょうか、この点について御説明いただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 ただいま申し上げましたとおり、ちょっとわかりかねます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 わかりかねるというお話ですけれども、この五千万につきましては、私は、配り方については総裁選挙で配った金であるということのようです。しかしこれは、あくまでも個人の口座に入った個人の金であるとするならば、一この問題については、当然五千万について所得税がかかってしかるべきだ、こういうように考えております。  国税に伺いたいと思いますけれども、一定の金額以上所得があった場合には公示されるということになっています。幾ら以上の場合に公示されるのでしょうか。総理については、例えば過去五年間、事件とすれば四年ぐらい前の話でありますから、五年間の間公示されておったかどうか、国税関係についてその点について伺いたいと思います。

冨沢宏国税庁次長

○冨沢政府委員 お答えいたします。  現在の所得税法の規定によりますと、所得税の税額が一千万円を超える者につきましては、住所、氏名、税額を公示することとなっておるわけでございます。  宮澤総理につきまして、過去五年間の各年分については、いずれの年分についても公示はなされておりません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 大体単純な試算で、議員の歳費収入等を含めて二千七百八十万円以上の所得があった場合には税金の申告をしなければならない。公示がないということは、この五千万については全くの裏金であって、表に出ないお金であって、政治資金の届け出もしていなかったことはもちろんのこと、じゃ一体個人の所得として正しく申告をしておったかということになると、していなかったということになる。どういうことですか、これは。個人の口座なんですから知らないでは済まされないと思っております。この問題についてはきちんと答えていただきたい。  総理は国会の質疑において、リクルート絡みの問題については誠意を持って対応するとおっしゃった。三点セット出なかった、じゃ一体この問題についてどうなのかということについては、これは伺わなければならないと思っております。五千万の個人の所得についてどういう取り扱いをされたのか、この点について重ねて伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 急なお尋ねでございますので、私全くそれについての知識がございません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 この間、戒心をして資料等についてもずっと調べてきた、こうおっしゃっていました。おっしゃってきたとするならば、当然調べているでしょう。リクルートの入金があった、この問題についていろんな皆さんが、一体パーティーその他幾らもらったのか、あるいはどうなったのかということについて調べたはずであります。総理は、とりわけ今度の総裁就任に当たりまして、やはり身辺整理というものは当然調べているはずであります。わからないというのはおかしいですね。私は納得することができない。小さなお金ではありません。小さなお金ではなくて、しかもそれが個人の口座に入っている。あの、そこの銀行ですから、皆さん一冊ずつ持っているでしょう、その口座にきちんと入っているのですから。このことについて、秘書官の方と打ち合わせていただいても結構ですよ、この機会にきちんと伺っておきたいと思う。こうした問題について整理をするということが、総理が新しくスタートする出発点じゃないでしょうか。  私は冒頭に申し上げた、二つあると申し上げました。やはりきれいになってスタートしてくださいよという、こういう私たちの要求です。もう一つの問題は、これからの政治改革、政治倫理、どう取り扱うかということになるけれども、こうした問題についてはすきっと説明をしていただかなければ納得できません。どうかお答えをいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 ただいまの御指摘は、私が個人としてそういう全員をもらったかということであれば、そういうことはございません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 個人でもらってないということはどういう意味なんでしょうか。口座に五千万振り込まれていること自体も知らぬということですか、全く知らないということでしょうか、この点について確認したいと思います。だれからも報告を受けていないということですか、今日までの間に、この点についても。この二点について答えてください。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 私としては、そういう事実を存じません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 政治家が身辺をきれいにするということにつきましては、悪いところから金をもらっちゃいかぬということもあるでしょう。じゃ、一体自分の収入はどうであったかということについて金銭管理できなくて、どうしてきれいな、身ぎれいにすることができるでしょうか。自分の通帳を知らないのですか。じゃ、そういう口座が銀行にあること自体総理は御存じないのか、この点について伺いたい。通帳はあるけれども、五千万振り込まれたことについては知らないのか、その点について正確にお答えいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 私の個人の収入としてそういうものがなかったことは確かでございますし、申告もいたしておりません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 そうしますと、今の通帳には例えばテレビの出演料、日本放送協会あるいはフジテレビあるいは日本テレビ放送網等々、これは当たり前の、政治家がテレビなどに出演した場合の収入です。あるいは大臣についての、これは正確でないかもしれませんけれども、ずっと日にちはおくれてまいりますけれども、十二月二十三日には「オオクラショウダイジン」という片仮名で振り込みがあります。百五十万九千二百円。恐らくこれは、大臣をおやめになった直後でありますから、大臣としての退職金じゃないでしょうか。  伺ってみたならば、六十三年の十二月九日退職されましたけれども、大臣就任期間は二十九カ月、三年未満でありますと、大体総合所得の一・二カ月というのが大臣の退職金。ちょっと計算が、所得税の計算その他合いませんけれども、ということであるならば、これは大臣の退職金です。退職金が入っている口座なんか見たことないんですか。まさにこれは、明らかに個人の口座に五千万入っている。なおこうした問題について、含めて全く知らないとおっしゃるのですか。テレビその他の出演料も入ってないと、こういうことも知らないのですか。退職金が入っているのも知らないのですか。そういうことについては知っておるけれども、五千万だけは知らないということなのか、この点について伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 率直に申しまして、政治活動をしておりますと、そのような出演料でありますとか、あるいは大臣をいたしました場合の歳費等々は私の事務所の方で扱っておりまして、いわゆる私の私経済に関する口座とは全く違いますので、そういうことは私、一々報告を受けておりません。もちろん、税金の申告をいたしますときの所得の資料は、これは報告を受けております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 一般に、政治家が政治資金の収支について事務所の秘書あるいは後援会の事務局出納責任者に通帳も預ける、その金銭の出入りを預けるということについてはあり得ることだと思います。こうした個人の収支まで入っているものについて全く預けて、そういうものは知らぬというのは通用しないのではないでしょうか。しかも金額が五万、十万、百万ではない、五千万のまとまった金が入っている個人の通帳です、一般の政治資金の通帳とは違うのですから。ということであるとするならば、総理は身辺きれいにして戒心するとおっしゃったけれども、この程度のこともしていないということなのか、こういうように総理の発言について不信感を持たざるを得ません。この問題について総理としてはどうお答えになりますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 五千万円の個人の収入があったということは私は存じませんし、そういう事実はなかったと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 あったとすればどうしますか。今なかったと明言されました。あったとしたらどう責任とりますか。この点について伺います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 ないと存じております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 私は銀行の口座にある振り込みを見て、振り込みの写しを見て申し上げているんだ。なかったと思うじゃなくて、そういう私は責任を持って指摘をしておる、そのことに対して、なかったと思うだけじゃ済みません。この問題については調査をするとか、調査してあったらどうするとか、こうした問題について正確な対応について伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それは個人の収入ということでないことは明らかでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 じゃ先に進みましょう。個人の収入でないとおっしゃった。個人の収入でないということについて答弁があったことについては確認しておきます。  では、一体そういう収入がリクルート関係であったかどうか、この点についてはどうですか。改めて伺います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 冒頭に申しましたとおり、私は自分で取り扱っておりませんので、今にわかにお答えをすることができません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 かつてリクルートの問題のときに、秘書が秘書がという弁解がありました。妻が妻がという弁解があった。政治家みずからそうした問題について責任とろうとしなかった。このことに対する世論の批判から始まったのがリクルート事件であったんじゃないでしょうか。全部秘書がと言って、何千万あるいは何億のお金について政治家本人は責任とろうとしない。ここに政治家の倫理が問われているというのがリクルート問題の一つの問題、焦点だったんじゃないでしょうか。私は、今回総理が総理になるに当たって、リクルートの問題調べないはずがない。調べなかったとするならば、そんな怠慢は許されないと思います。そのことに対して責任問われます。もし知らないとするならば、これまでの長い期間あったのに、調べなかったこと自体責任を問わなければならない。  振り返っていただきますと、総理は御記憶ですか、ロッキード事件の反省として、国会で苦労して政治倫理綱領をつくりました。政治倫理審査会をつくった。そのときの一番最初のメンバーに選ばれて、会合に出席したことを御記憶ですか。この点、伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 さようなことがあったと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 一番最初に、ロッキード事件の反省として政治倫理審査会が設置された。何年間もやったけれども、自民党多数であったものですから、ついに一回も開かれることなく終わりました。総理はそのときの一番最初の委員。一番基本的なところは何かといえば、政治倫理綱領をつくって、政治家一人一人がこの政治倫理綱領に基づいてみずからの身を律していこう、政治の自浄能力というものは、何といっても一人一人の政治家のそうした政治倫理綱領を守るところから始まっていく、そのことについてはみんな確認したんじゃなかったでしょうか。まさにそうしたロッキードの反省として、一番最初の政治倫理審査会のメンバーであった総理がそのことを知らないはずがない。その中には、疑惑を持たれた場合には、政治家はみずから率先して疑惑を解明する努力をするとあった。そういう心がけをお持ちですか、伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 そういうふうに考えております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 政治家が疑惑を持たれたならば、みずからその疑惑について解明するということについてそう考えておるとおっしゃった。ということであるとするならば、きょう私は幾つかの問題について提起をいたしました。確認もさせていただきました。こうした問題について、総理は改めて政治倫理綱領に従って、みずから疑惑解明の努力をしていただきたいと思います。そして、そうした問題について調べがついたならば、三点セットについてこうだったということを含めて、ある機会をつくって御報告をいただきたいと思っています。  この方法につきましては、また理事の皆さんに御相談いただくということになりますけれども、そのことについて、どういうことに段取りを組むかということについてお約束をいただかなければ、質問を先に進めることがなかなかできません。この点について、委員長のお取り計らいをお願いし、たいと思います。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 理事会において検討いたします。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 理事会において、いわばこれからスタートする総理の身辺の問題、政治倫理綱領に従って、あるべき姿のひとつ見本を示すというくらいの気持ちで、出したくないことだって全部きれいに出して、さっぱりしてスタートしていただきたい、こういうように期待をしておきたいと思います。  次に、政治改革絡みに入りましたから、関連して伺っておきたいと思いますけれども、政治改革につきましては、これまた総裁選挙のさなかの発言と、その後の発言というものがかなりわかりにくいというのが実感です。一年めどにとおっしゃいました。  改めて伺っておきたいと思いますけれども、政治改革というのは一体何なんだ、このことについて、総理はある場所で、政治改革の概念を明確にする必要があるともおっしゃった。ということであるとするならば、総理は一体政治改革というのは何だとお思いですか。私は、ずっときょうは、そのスタートにある倫理の問題を伺ってまいりましたけれども、そうしたことを含めて、政治改革の概念、総理は概念とおっしゃったからそういうかたい言葉を使いますけれども、一体何を頭の中でお考えになっているのか、この点について伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 非常に広い意味で申しますならば、政治改革には国会制度等々、あるいはその運営等々も含まれると思いますけれども、狭い意味で申せば、やはり政治倫理というものが個人の問題として中心になると思います。そしてその上で金のかからない政治活動をどのようにやるか、選挙はどういう仕組みで行うのがいいか、そういったようなものを含めましたものを政治改革と言うと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 一年めどにとおっしゃいましたことについては、いろんなテーマがあります。私たちは政治改革について、政治倫理の問題あり、そして政治資金の問題あり、国会改革もあるでしょう、そして定数是正の問題もあり、その先にはあるべき選挙制度を検討することもあるんじゃなかろうか。非常に広い範囲で考えています。単に今日の党利党略ではなくて本当に日本の民主主義を考える、こういう観点からそのすべてについてこれから検討を進めていかなければならないと思っています。  そうしたことを考えた場合には、一年という期限を絞ったことの意味がなかなかわかりにくい。すべてについて一年で全部決着つけるということはなかなか困難であるということについては、与野党ほとんどの方がそういう気持ちを持っているんじゃないでしょうか。過日の国会の経過もあります。一年ということについては政治改革のすべてについてということなんですか。それともできるものからやっていくという野党の主張に対しても耳を傾けるおつもりなのか、この点について伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 政治倫理の問題、資金のいわゆる透明性の問題、それから資金の使途の問題、選挙区制の問題、みんな相互に関連をいたしておりますので、そこで政府としては三つの法案を前国会に御審議を願ったわけでございます。私どもは、ですから、その三つのものはお互いに関連をしているというふうに考えておりまして、協議会において、したがってこれをたたき台に御協議を願いたい、こういうふうに申し上げておるわけでございます。その中の一つであります選挙区制の問題は、別の観点から一票の格差ということが非常に厳しく議論をされておりますので、そのこととの関連もございます。いつまでも時間をかけていいわけの問題でもないということから、一年をめどにお願いできないかということを申し上げておるわけでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今のお話を整理して伺いますと、まず三つ、そろって三点セット出したんだけれども、倫理の問題から始まるんじゃなかろうか、そしてこの選挙制度の問題については違憲判決もこれあり、とにかく一年ぐらいのめどで定数是正の問題についても決着をつけなければいけないのかと、こういう趣旨に受けとめましたけれども、よろしいですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 御議論としては、選挙制度の問題としてまず御議論をいただきたいというのが本意でございますが、他方で、その問題は一票の価値というものともいろいろに関係をいたしますので、そういう意味で全体の問題に一つの日限があるのではないかと、こういう読み方をしておるわけでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 選挙制度とおっしゃった。ということは、この政府提出三法案をたたき台にと、こうおっしゃったところと関連して伺っておかなければならないと思うのですけれども、政府三法案のうちの選挙制度の部分、小選挙区比例並立制についてはこれをこの与野党の協議会でたたき台として議論をしてもらいたい、こういう趣旨ですか。確認しておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 これは御協議にお願いをしておる問題でございますから、結論がどうということを申し上げるわけにはいかないのでございますけれども、私どもとして協議に臨む立場から申せば、党としてでございますが、前回廃案になりましたが、あれだけいろいろ御議論があって、御議論の蓄積がございますから、まずそれを出発点にしていただいてはどうかと、こういうふうに念願をしておるわけでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 出発点にすることは我々はできません。これは前国会の終了、そして御承知のとおりのいきさつで与野党の協議に持ち込まれたとき、与野党関係者集まりまして、幹事長、書記長、この問題についてはどこからスタートするかということを含めて議論が行われました。はっきりしておりましたのは、自民党は政治改革の火種を絶やしてはならないとおっしゃった。その限りではそのとおりなんですけれども、本心は小選挙区比例並立の火種を絶やしてはならないということではないだろうか。それはだめなんですということははっきり申し上げました。また、他の野党の皆さんからは、小選挙区比例並立について再協議から始まるということはないんですよということについても確認をいたしました。  そうした中で、政治改革のテーマ、四つのテーマが選ばれまして、この問題について議論していくということになった。この経過からするならば、小選挙区比例並立、政府が前回出した選挙制度についての改革案をたたき台にするということは全くその土俵に上がっていなかったはずであります。この点御存じなんでしょうか。こうした与野党の協議の経過を尊重していただきたい。議会制民主主義、与野党の信頼関係、そのことが基盤です。与野党が相談した問題について、内閣がかわったならば全く違ったテーマで持ってくるということでは信頼関係はできません。  こう伺いたいと思います。与野党の協議の経過については総理は尊重するかしないか、この点について伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 御協議が始まりましてまだ日が浅いのでございますから、ひとつ私どもの申し上げることもお考えいただきたいということでございますが、御協議の結果は、それはもとより尊重いたします。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 協議を尊重していただくと同時に、私は念のために伺っておきたいと思うのですけれども、この問題については閣僚の皆さんの間にもいろいろ御意見があるということについてはマスコミで報道されているとおりです。官房長官苦労なさって、そうした閣内不統一出さないようにと協議会つくるというようなお話もあるようですけれども、小選挙区比例並立、こうした選挙制度につきましては、話題となりましたのは、そのいわば本質をあらわしたものとして、前の小沢幹事長の著書にありました「二〇一〇年霞ケ関物語 日本の政治はこう変わる」の中で発言をされているところがよく知られております。「今の自民党の政治改革法案で選挙をやれば、自民党の圧勝だ。三百の小選挙区は自民党がほとんどとって、四百前後の議席を得るだろう」「野党を一度、木っ端微塵にやっつける」とおっしゃった。これは小選挙区比例並立のいわば正体として私たちは考えています。総理自身も、小選挙区制については批判の御意見持っておったんじゃないでしょうか。こうした意見についてどうお考えでしょうか、見解を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 これについてはいろいろな議論があることは確かでございますけれども、私といたしましては私どもの党の党議を尊重するという立場をとっております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 冒頭に総理が君子豹変されたのではないか、こういうように申し上げたところがこういうところに実は出てきているわけでありまして、実はもうずっと以前の段階で総理が「社会党との対話」という本をお書きになりました。大変参考になって勉強させていただきましたけれども、当時から選挙制度については一見識お持ちでしたね。小選挙区制というのはこういう問題点があるんだ、だめなんだということについてお触れになっている。総理の本心じゃないですか。小選挙区比例並立についてどうお考えですか。総理の御意見をこの点についてもう一遍伺っておきたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 佐々木更三委員長のころに出しました本かと存じます。それは、選挙区制はメリットばっかりという制度はございませんで、やっぱりメリットもデメリットもある、そういう立場で私は申したことがあると思います。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 この問題については、もともとが組閣された直後テレビにお出になりました各大臣の御意見、これは自治大臣含めてかなり違ってましたね。ナンバーツーの副総理の御意見も私はどうも違っておったんじゃなかろうか。お一人お一人伺うのは省略しますけれども、もともとこの法案につきましては随分努力された経過については知ってますけれども、自民党内の意見すらまとまっていなかったというのが前国会、もう先々月の早くに廃案宣言出されたというそうした経過だったんじゃないでしょうか。という経過を踏まえるならば、小選挙区比例並立につきましてはあの時点においての一つの議論ではあったかもしれないけれども、これからの議論としては、与野党の協議のテーマとなっているそれぞれについて真剣に議論をする。  きょうも政治倫理の問題から始まりました。政治倫理の問題等につきましてはやろうと思えばできることがたくさんある。みずからの疑惑を解明する努力をして政治家がきれいにやっていこうという努力をする、政治をきれいにするという国民の金権政治の批判に対してこたえていく、そういう問題からでも、与野党で協議ができ上がったものについては一つ一つ公選特で成立させていく、こういうことがあってよろしいんじゃないでしょうか。全部、三点セットで、三点セットが全部できるまでは政治倫理の法律についても手をつけない、政治資金についても手をつけないということでは、とても政治改革、一歩二歩と前進することはないのじゃないでしょうか。  三点セット、たたき台、こうおっしゃいますけれども、そうではなくて、できることからやるということについて、総理のお考え、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 私どもは、先ほど申しましたように、おのおのの要素がみんな関連していると考えておりましたので、前国会に三つの法案を御審議を願ったわけでございます。それはやはり関連いたしておると思います。  ただ、先ほど言われましたように、協議会の協議の結果を尊重するかとおっしゃいますれば、それは尊重すると申し上げざるを得ません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 質問を先に進めたい、こういうように思います。  冒頭でちょっとお話ししましたけれども、私は、総理の「冷戦後の時代」、そしてこれからあるべき平和な国際的な秩序をつくっていく、このことについては大方共感を覚えるところがある、こういう趣旨の発言をさせていただいたのですけれども、やはり大事なところは、じゃ一体どこからどういう形で新しいスタートを切るのか、ここのところを質問させていただく場合には、総理のいわば歴史観と申しますか、この点についてぜひ伺っておきたいと思っております。  実は、総理のいろいろな御発言、拝見しましたけれども、何よりも現状を正確にとらえる中で将来どうするかということを考えていこう、ここのところが強いですね。過去の問題についてあれこれとらわれない。これは先ほどの佐々木委員長との対話時代、いろいろな言葉の端々に出ておられます。しかし、それでいいのだろうかという問題については、改めてアジアにも平和の秩序をつくっていきたいというそうしたお気持ちからするならば、改めて問われる問題点があるのじゃないでしょうか。  先ほど来、パールハーバー五十年ということが言われます。同時に、私たちの戦前の歴史を振り返ってみるならば、中国の東北地方に侵入したいわゆる満州事変以来六十年の歴史、そしてその前さかのぼれば日韓併合条約以来八十と一年、この八十年、六十年、五十年の戦前の歴史に対して、どのような反省をお持ちなんだろうか。ああした侵略と戦争に対してどのような歴史観を持っているのかということについて、まず総理に伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 我が国あるいは我々日本国民は、我が国の過去における行為がアジアあるいは太平洋を初めとする地域の人々に大きな苦痛と損害を与えたということを深く自覚しております。そして、二度とこのような不幸な歴史を繰り返さないことを決意をいたしております。戦後、平和国家としての道を歩むとともに、国際社会の平和と繁栄に積極的に貢献すべく努力いたしてまいりましたのも、そのような反省の反映であると考えております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 この点については、外務大臣にも同じ質問で伺っておきたいと思います。  日韓併合条約以降の戦前の日本の歴史に対して、外務大臣はどのような歴史観をお持ちか。これはいろいろ大臣の発言、勉強させていただきましたけれども、この点に触れたものはなかったですね。どうお考えなんでしょうか。改めてこの点を伺っておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 総理のお答えと結局は同じなんですが、明治時代、帝国憲法のもとで富国強兵の時代がありました。それも大東亜戦争に突入をして、大日本帝国は敗れて、憲法は廃止をされ、新生国家日本が生まれた。それから四十五年をこれは経過をしておるわけであります。我々は過去の歴史をよく反省をし、その間いろいろな戦争を通じて拡張政策をやってきたが、このために近隣諸国に多大の御迷惑や被害や損害やいろいろなものを与えてきたのであります。それはよく率直に我々は反省をして、二度とそのようなものにならないという決意をしてスタートをしたわけでありますから、それによって今繁栄をしておる。  しかし、今後は、さらに今までと違って、自国だけの利益ということよりも、やはり新しい世界国家としてのあらゆる面での物的、経済的な国際貢献というものをしていかなきゃならぬ。先ほど総理からあったように、もちろんその中には経済協力というようなものがありましょうが、麻薬や環境の問題も含め、あるいはPKOやこの間の掃海艇の派遣というような人的貢献もやっていかなきゃならぬ。やはり国連の見直しを私はすべきである。あるいは日本が戦争敗戦直前にできたことではございますが、今やはり国連というものはもう一遍見直されていっていいんじゃないか。特に冷戦、米ソの対立というものが、ここで完全解消はしませんが、そういうような面にかんがみて、やはりそういうような国連中心の考えというものを持って今後世界に臨んでいくことが必要だ、そう思っております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 掃海艇問題その他、賛同できない部分もあります。しかし、戦前の一つの歴史の見方ということについては、総理、外務大臣のお気持ちを披瀝していただきました。ということである とするならば、私はこうした問題点について提案をし、御検討をいただきたいと思うのです。  日本政府は、これまで過去の侵略と戦争について、公式かつ明確に反省と謝罪をするという義務を果たしてきておりません。いろいろな機会にアジア諸国から問題提起をされますと、批判が表面化いたしますと、そのときだけ反省の弁を述べる。しかし行動では、その後それをひっくり返すということがどうも繰り返されてきたというのがこれまでの歴史ではなかったでしょうか。  まず第一に、教科書問題など、侵略と戦争の責任という歴史的事実を薄めたり、かえってアジア諸国から反発を受けてきました。第二番目、被害を受けたアジア諸国を公式訪問した際、これはこれまでの元総理を含めてす、その国の国民的墓地とか象徴的な記念碑などに礼を尽くすというようなことについても欠けておるのじゃないかという非難もありました。例えばついせんだって、ゴルバチョフ大統領が日本にいらっしゃった。来日の前にシベリアに立ち寄って、日本人の抑留者の墓参をしてから来日しております。この辺がやはり大事なんじゃないでしょうか。前総理がシンガポール公式訪問の際に、そうした行為が欠けておった。日本の総理は口ではきれいなことを言うんだけれども、一体どうなんだろうかという批判があったことについて私たちは反省しなきゃならないのじゃないでしょうか。後に触れたいと思いますけれども、新しい中期防衛力、中期防の関係あるいは今年度の防衛白書の問題等々、日本は軍事大国になるんじゃなかろうか、そうした不安をアジアの諸国に与えているというのが現実です。ということを考えてみると、私は以下の点について総理のお考えを伺いたいと思います。  国会、本会議におきましては、田邊委員長の方から国会決議の問題について提唱をいたしました。総理の答弁は、国会の問題なんだからかれこれ私が申し上げる筋ではないのかもしらぬといった、こういうお返事もありましたけれども、幾つでも段取りがあるのじゃないかと思っております。  例えば、宮澤首相が国会において、アジアの諸国民に対して戦前の侵略と戦争について公式の謝罪演説を行う。あってもよろしいのじゃないでしょうか。私はたまたま、日朝の関係について国交回復の前段階、一生懸命仕事をした経験を持ってます。随分かたかった相手国の気持ちというものが、一昨年の三月の末だったでしょうか、当時の竹下総理がこの問題について予算委員会の場におきまして、いわば総理として公式な意見を表明しました。このことが今日、日朝の国交交渉が始まっているスタートにあったということを身をもって体験してきています。一言もごめんなさいと言わない、謝罪をしていない、そこからは何も動かないのです。そのことについてやってこなかったということであるとするならば、まず総理が国会の場、公式にこの問題に対して日本政府を代表して意見を言うということがあってよろしいのじゃないだろうか。  第二番目の問題としては、そうした問題について国権の最高機関である国会の決意として反省、謝罪そしてこれから平和国家として、総理がおっしゃっているアジアの中でもリーダーシップを持って、日米のパートナーの中身もそこのところが私は枠組みとして大事なんだと思っていますけれども、平和の問題に対する決意を込めて国会の決議をしていく。当然あってよろしいんじゃないでしょうか。先ほどの与党を代表してのやりとりの中で、国会決議というのは筋が違っているというお話がありましたけれども、筋が違っていると言う方がこれは筋が違っているんじゃなかろうかと私は考えるところでありまして、そうしたことがあって初めて信頼関係、できるんじゃないでしょうか。  三番目の問題提起として教科書の問題、この問題は文部大臣にも伺っておきたいと思うんですけれども、教科書問題については、アジアの諸国との関係で引き続いて繰り返し問題が提起されております。一体、日本は政府としてこの問題にどう取り組んできたのかということが問われる。部分的な、その時点における弁明絡みの教科書問題取り上げではいけないんじゃないでしょうか。こうした問題についてお互いの国同士の学者の交流を行うとか、相互に研究を進めるとか、あるいは社会党としては提案しているんですけれども、歴史研究所というようなものを日本がリーダーシップをとってつくって、将来の平和のために過去の戦争、侵略について学んでいかなければならない、教科書問題についても、そうしたことについてお互い次の若い世代が戦争の時代の苦しみや反省というものを学んでいかなければならない、そうした研究所をつくったらどうか等々のことも提案させていただいているところです。  三つの問題をお話ししました。総理がみずから正式な謝罪を、国会の決議を、教科書問題などについては研究機関をつくったり研究者の交流をということについてお話をさせていただきましたけれども、総理の見解を求めたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 我が国が過去において、戦争を通じて近隣諸国等の国民に対し重大な損害を与えたことは事実でありますし、かかる我が国の過去の行為について、侵略的事実を否定することはできないと思います。この見解は総理大臣がしばしば過去において表明をいたしておりますし、私も同様に考えております。また近くは、昨年の五月でございますか、海部前総理大臣がシンガポールにおいてそのようなことを公式に言われました。政府の立場は海外に対しても明らかになっておると存じます。  教科書につきましては、以前に具体的な問題が起こりまして、その結果として、教科書の記述方法について、改めて過去の事実を率直に認めるような記述に改めましたことは御記憶のとおりであると思います。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 要するに三つの提案についてやるかやらないか、こういうことについて検討するかしないか、こういう観点でお話を伺いたいと思うわけですけれども、ちょっと総理にもう一遍お答えいただく前に、これは文部大臣の方に、こうした教科書問題についての見解を伺いたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 教科書の問題につきましては、今総理からお話がありましたように、昭和五十七年ごろにいろいろ国際的な問題があって、官房長官談話が出ておりますが、その官房長官が宮澤先生、当時官房長官ということであります。そして、教科書の記述方法について、「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること。」というその新しい検定基準をつくったわけでありまして、その結果、教科書も変わっていったわけであります。  先生御承知のように、新しい学習指導要領は、小学校が平成四年、中学五年、そして高校は平成六年から学年進行で新しい学習指導要領に移っていくわけですが、今回の指導書に、「これらの戦争において、中国をはじめとする諸国に我が国が大きな損害を与えたことについても触れること」というふうに指導書に書き込んであるわけであります。したがって、今教科書は作成中ということでありましょうけれども、現実に、昨年度検定を実施した小学校用の教科書においては、過去の戦争においてアジアの人々に大きな損害をもたらしたことなどの記述が従来の教科書よりも増加をしているということ、これは実際資料があればごらんをいただければありがたいと思っております。  ただ、先生がお話しになりましたその教科書について、例えば日中あるいは日韓でしょうか、日朝ということも将来あるかもしれませんが、教科書とかあるいは教育についてのこの共同研究ということになりますと、我が国は国で教科書をつくっているわけではありませんから、国定教科書ではなくて、これは韓国は歴史に関しては国定教科書だと聞いておりますし、中国も国定教科書だろうと思いますが、我が国の場合は民間の方に執筆をしていただいて、これを文部省が検定さしていただくという仕組みをとっておりますから、この教科書の内容について政府レベルで相談し合うというようなことは、我が国の検定制度から見てなじまない制度だと思います。したがって、そういうようなことをやる意思はありませんが、ただ、民間同士でお互いの教科書を研究し合うような、そういう具体的な会合等が実施されていることは承知いたしております。  以上でございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 学者の交流あるいは研究活動等について民間ベースを含めて進んでいくだろう、進めなければならない、こういう問題についてはあっていいことではなかろうか、やるべきではなかろうかと思っております。制度は違ったとしても、当然そういうことが土台となって、その国定教科書といっても、各機関そしてそれぞれの学者の良心がある。あの日本の場合にも、それぞれの学者がそれぞれの観点で研究を行っているわけです。こういう問題については、この点についてはなお私たちはいろいろ問題提起をこれからもしていきたいと思っております。  改めて総理に伺いたいと思いますけれども、国会の場で過去の戦争、侵略の時代に対する正式の総理としての謝罪演説をする、これは、ちょうどその意味におきましてはパールハーバー五十年、日中戦争六十年、そして日韓併合条約からは八十一年ということでありますけれども、ことしを逃したら意味がないんじゃないでしょうか。来年になったら、もうその意味では意味が薄らいでまいります。宮澤首相がいわばその意味におきましては激動の時代、何百年に一度というような時代を新しい時代のスタートとしてとらえた、その場合には、過去のそうした歴史に対するきちんとした総括の上でスタートを切るという意味でも、私はあり得ることではないかと思いますけれども、重ねて、大事な問題ですので、くどいようですけれどももう一遍総理に伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 先ほど申しましたように、いろいろな場において公式に総理大臣が内外に向かってこのことを申しております。それをもって足りると存じます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 この問題につきましては、ことしの歴史的な位置づけ、太平洋戦争からも五十年である、こうした時期における問題の整理の仕方ということを強調しているわけでありまして、そうでなかった場合には、来年、再来年、この問題がずっと繰り返しアジアの諸国から出てきた場合には反省するんじゃないでしょうか。改めてこの問題について一貫して我々の主張を続けたいと思っております。  もう一つの問題がある。今総理も、そうした問題については機会あるごとにやったではないかとおつしやいましたけれども、諸外国の場合、とりわけドイツなどの場合、個人の補償問題についてもいわば国家としてきちんとした処理をしてきた、こういう歴史があります。ドイツ、当時の西ドイツでは、ワイツゼッカー大統領の有名な演説がしばしばいろいろな場面で引用されておりまして、御承知のとおりです。ナチの支配下に強制労働によって苦難を強いられた外国人個人に対して国とし一での補償が行われてまいりましたし、現在も行われています。そのためにはドイツでは法律をつくり、国の制度として個人補償を実行してきています。アメリカ、カナダでも、戦時中の日系米人、カナダ人の強制収容について公式に、また個人に対して謝罪と補償を行いました。  これに対して日本は、中国との関係におきましては、国家間の賠償は中国側の好意によって支払わなくてよいということになりましたけれども、個人補償の問題は横に置かれました。いろいろな事情がその背景にあることを承知しつつ、このことについてはそう言わざるを得ないと思っております。  韓国との関係におきましては、経済協力の形で決着されまして、個人補償についてはあいまいなまま放置されてきております。この問題についても、やはり日本の国としての、政府としての対応は、何か院が言われた場合にそのことに対して対応する。強制連行の問題についても現在そうじゃないでしょうか。盧泰愚大統領の要求によって強制連行の名簿について調査が行われまして、これまで判明した九万余名の分については、その都度韓国側に渡されていると聞いています。  相手方の要求があるから、そこにだけは、いわばつじつま合わせと言っては失礼かもしれませんけれども対応するんだけれども、そうでない一般的な問題については全くご札まで放置されたまま。それではこれから問題がどんどん起こってくるんじゃないでしょうか。こうした政府間の賠償、請求権の問題などで処理できない個人に対する補償について、国として一定の方針を持つべきだと思います。これはやはり日本の道義を世界に示すこと、そのことに対して各国がどう評価するかというところからお互いの信頼関係というものはでき上がってくるんじゃないでしょうか。この点について総理の見解を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 我が国が平和を回復し、今日に至ります過程の中で各国と平和条約を結び、あるいは共同宣言等をいたしました。協定もいたしました。その中におきまして、各国との関連におけるただいまの問題は、法的に解決されておるものと考えております。唯一朝鮮民主主義人民共和国との間にはまだそのような国交の正常化がございませんので、ここはそういう意味では問題が残っておると言えるかもしれませんが、他は全部法的には解決をされておると考えております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今のお話は、恐らく前提としてサンフランシスコ条約から説明されまして、そして法的に解決していると、こういう前段が省略されてのお話じゃなかろうかと伺っておりましたけれども、しかし、それはあくまでも国家間の問題の整理ということでありまして、今、国家とは別に、個人のそうしたいろいろな思いが形となってあらわれている。これは整理できないと思いますよ。この問題について、今後この問題については我々は主張をしていきたいと思います。  先に進めたいと思っておりますけれども、日米関係について伺いたいと思っております。  ブッシュ大統領の来日は延期されましたけれども、きのうのあの大統領の演説等も含めて早い時期に実現するかな、こういうような状況ではなかろうかと思っております。私たち日本社会党も、日本の外交の基軸というものはアメリカにある、日米関係にあるということについてはそう考えております。それだけに、実は今度ブッシュ大統領が来日した場合には、これからの日米関係についてどういう話し合いの基盤ができるのかということについて大きな関心を持っておりましたけれども、若干時期は前に延びたということのようです。この問題について、ブッシュ大統領の来日問題につきましていろいろ報道はありますけれども、総理としてはどうお考えになっているのか、この点について伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 ブッシュさんが当初の予定では、ちょうど先ほどもお話のありました真珠湾五十年の直前に日本に来られるという当初の予定でありましたので、先ほどもお触れがありましたが、五十年間を回顧して今後の日米の将来を展望するような共同声明のようなものを考えることは意義が深いのではないかと思っておりました。そういう意味で、訪日が延期になりましたのは残念なことでございますし、できるだけ早く訪日をされるようにベーカー長官にもせんだって希望を表明いたしたところでございます、明確な御返事があるわけではございませんが。その場合、先ほどのいわば何と申しますか、東京宣言とでも申しますか、そのような共同文書をどのような形でどのようにすればいいかということは、その時期にもよることでございますので、まだ明確な結論を持っておりません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 恐らく将来どういう形になるのか、首脳会談開かれた場合には、やっぱり基調としてはこれから将来に向けての日米のグローバル・パートナーシップ、地球規模での協力関係ということについての枠組みづくりというものが会談の中心的なテーマになると思っています。  実はそうしたことを考えた場合には、冷戦後の時代の見方につきまして、ブッシュ大統領の発言と宮澤首相の発言、際立った問題点の違いがあるということを感じておりました。ブッシュ大統領は世界新秩序の構築ということを説きます。宮澤総理は過日の所信表明で、新しい世界平和の秩序の構築という、こうした発言をされました。世界平和のと、とりわけ平和の問題について総理が強調されたところに一つの総理の政治理念というのがあらわれているんじゃなかろうか、こういう気がいたしました。単なる新しい秩序をつくる、冷戦後の国際秩序をどうつくっていくかという問題だけではなく、そこのキーワードとして「平和」の二文字が入っているところを私は注目して拝見しておったわけでありますけれども、このところの意味合いについて総理の政治信条を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 ブッシュ大統領がスコウクロフト特別補佐官と話をされて世界新秩序ということを言われたわけでございますけれども、その後どういうための新秩序かということの展開がなかなか見えませんで、私もそれをいろいろに考えておりましたが、その新しい秩序というものは、今の流れからいえば、決して余り楽観的になってはいけないとは思いながら、それはやはり平和構築のための新秩序であろうと、そう思いまして、私はそういう発想と表現をいたしたわけでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 よく言われておる、日本の外交にはアメリカの影は見えるんだけれども、日本としてのプリンシプルは見えないんじゃなかろうか。こうした意味におきましては、この新しい秩序をつくる一つのキーワード、平和の問題を掲げたというところは、私は非常に意味があるんじゃなかろうかと実は考えておりました。  この点について、昨日ブッシュ大統領がアジア協会で演説をいたしまして、ポスト冷戦後の時代に対する包括的なアジア政策について発言をしているということについて報道されていましたけれども、要するにアメリカのアジア政策というのはどう展開していくのかなということについて非常に総花的で、まだまだ正確にとらえることはできない。これは日米首脳会談でもっとざっくばらんな話があるんだとは思いますけれども、総理としては、あの昨日来の報道にありましたブッシュ大統領のアジア政策、どの辺にポイントがあるというふうにつかんでおられますか、伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 少し長くなって申しわけありませんけれども、ブッシュ大統領がアジア・太平洋地域を見るときに、非常に最近プラスになって展開しつつある要因と、そうでない要因があるという分析をしておられると思います。  プラスの方の要因ということでは、例えばカンボジアにおける展開であるとか、あるいは朝鮮半島における両国の国連同時加盟であるとか、あるいはやがてベトナムの動向もそうであるかもしれません。それらのことはプラスの要因と数えられますし、他方、プラスでない要因ということになりますと、例えば我が国とソ連との間に国交、平和条約がない、北方領土の問題がなお存在している。あるいはミャンマーの情勢は必ずしも安定と言えない。また、これは見方によりますけれども、アメリカから申せば、中国との関係は必ずしも満足なほど円滑ではないということもあるであろうと思われます、我が国とはそういうことはございませんけれども。  そういう中で、太平洋地域のこれからの将来は、ブッシュ大統領の頭の中で、そのような今まだまだ未解決の問題をとにかく早く解決をしなければならないということが一つ。その次に、このアジアの地域に、しかしヨーロッパのような、CSCEのような共通の屋根といいますか、そういうものができるかといえば、なかなか急にはできないであろうというのは、国々が非常に多様でございますし、異なる歴史と異なる経済の発展段階を持っておりますから、ヨーロッパにおけるようなことは考えてみても実現性はないであろう、急には。そうであるとすれば、むしろアジア・太平洋地域の将来は、それらの国々がおのおの多様な多様性を発揮して、開かれた自由な形で二国間、多国間のつき合いをしていくことが基本的に望ましい。アメリカはそういう意味で、自分の国もアジアの国であって、そういうための協力をしていきたい、大体私はそういう構想というふうに了解をしております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 私どもとしては、これからの、おっしゃったアジアの秩序を考える等々を含めまして戦後ということを考えた場合には、冷戦後という言い方と、あるいは湾岸戦争の後という言い方とどちらを強調するのか、この二つの戦後について、そこのところの意味合いというものがかなり違っている時代認識があるんじゃなかろうかと思っております。  私は、あの所信表明の冒頭にありました「冷戦後の時代」ということの中で、新しい世界平和の秩序の構築、こうおっしゃった宮澤総理の政治信念を生かしてもらいたい、こういうように期待をするところでありますけれども、そこでの関係でちょっと心配といいますか問題点として出てまいりますのは、そうした若干の食い違いがどう整理されるかということを含めて、日米のギャップの問題についてです。  これは世論調査が出ていまして、最近はマスコミもいろいろな問題について日本の世論、アメリカの世論ということを調べて、これが参考になりますけれども、ちょっと前の世論調査ですけれども、日米関係については良好かどうかということについて、アメリカで四二%、日本で四一%、良好という世論の結果が出ている。ところが信頼度、アメリカが信頼できるかという日本の世論調査は五六%、高いのです。ところが、アメリカ側で日本信頼できるかといいますと、わずか一四%。五六%と一四%で随分大きな差がありますね。じゃ一体将来よい関係を保てるかということにつきましては、アメリカ六五、日本六二、ほぼ同じぐらいです。同時に大変関心を持ちましたのは、摩擦の問題について双方に責任があるという見方はほぼ同じぐらいですね。  こうした中でこうした意識のギャップ、こうした問題について、一つにはアメリカ側が日本に対する信頼度が非常に少ない。国民の世論です。同時に、摩擦については双方が摩擦を考えているということであるとするならば、きょうは米の問題とか流し網の問題についても伺いましたけれども、こうした問題について日本がしっかりとした原則を持って日米の外交に臨む、そのことは決して障害にならないんじゃなかろうか、国民の世論の結果からそういう気がしたわけですけれども、こうした日米の世論調査の状況について総理はどうお考えになりますか、この点伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 詳しく分析をしておりませんので正確に申し上げられませんけれども、今のお話を伺っておりまして、どう申しますか、アメリカという国は、もし望むならば自分だけでも生きていける国でございます。しかし、我が国の場合には、やはり日米間というのは我が国の外交にとって基本的な枠組みであるという意味で、多少お互いの持っている意味合いがお互いにとって違うということは、これは自然のことであろうと思います。  ただ、そうではありますけれども、両方の国がこれだけ大きな経済を持ち、また、基本的な価値観を同じくしているということが、これがお互いにとって一番大切なことであって、したがいまして、いろいろな摩擦がありますときには率直に話をし合うということが一番大切な解決の道である、そういう信頼感はお互いの間に深く存在していると思います。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 ということの中でもう一つ、外務大臣が先ほど国連重視という方向についてお話しになりましたけれども、これは私たちも同感です。では一体、このところについてはやはりアメリカとギャップがあるんしゃないでしょうか。  実は、ついせんだって日本に来ておりましたジョン・ボルトン米国務次官補の発言が新聞に載っていましたけれども、国連というのは、冷戦の時代には第三世界の国々に利用されてアメリカを非難する道具になっておった、しかし、それが今変わりつつあるんじゃなかろうかということで、国連に対してアメリカも関心を持っているということについてお話しになっていましたけれども、こういう言い方もしています。国連は最も効率的な紛争解決の手段の一つであるこアメリカはそれを利用したいと思っているだけであって、もっと適切な手段があるときはそれを使うことになるだろう。この辺のところに私はアメリカ側から見た国連に対する姿勢というものが一つ出ているんじゃなかろうか、こういう気がしました。  経済的な問題はありますけれども、国連の通常予算等について、アメリカ、日本は大きな負担をしていますけれども、アメリカはこの問題について滞納を随分しているんじゃないでしょうか。これは国連関係について外務省の担当の方から伺いたいと思いますけれども、一九九一年のことしの段階で、国連に対する費用の負担問題について現状どうなっているのか、アメリカはどうなっているのか、あるいは日本はどうなっているかということについて御説明をいただきたいと思います。

丹波實外務省国際連合局長

○丹波政府委員 お答え申し上げます。  国連の分担金の問題でございますけれども、先生御承知のとおり、アメリカの分担金は二五%で一番、それからソ連は、ウクライナと白ロシアを足しますと現在一一・五七%で二番目、日本は一一・三八%で三番目ということになってございます。  それから、この延滞額というものを、たしか先生おっしゃるとおりアメリカは持っておりますけれども、九一年の九月の末で五億三千万ドルの延滞額というものを持っております。しかしながら、アメリカは昨年から五年かけてこの延滞額を全部完納するという計画を立てて、その支払いを始めております。したがいまして、アメリカはこういう面からも最近やはり国連を重視し始めたと私たちは受けとめてございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 お話ありましたとおり、ことしの九月の段階で国連全体の滞納額は七億二千万ドルである、そのうちの七〇%以上はアメリカが滞納している、こういう状況になっているわけでして、今お話しのとおり、国連に対する見方は変わりつつあると思うのですけれども、私たちは日米関係重視ということと同時に、国連に対しても、さっきもちょっとお触れになっていましたけれども、改革の問題等については積極的に、これはお金も出すけれども口も出す、こういう格好でいいんじゃないかと思いますけれども、国連に対してどう対応していくかということについて、日米関係をにらんだ上でどういうお考えをお持ちか、お話しをいただきたいと思います。  外務大臣、これはひとつお願いします。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 御無礼をいたしました。  我々は、先ほども申し上げましたとおり、歴代政府が国連中心主義ということで外交政策を進めてきておりますので、日本としては、国連の費用等については、応分の費用は負担をする。応分ですよ。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 極めて手短にということでありますけれども、とにかく国連を重視して努力をするという、こうした気持ちは持っているのだということで先に進めていきたいと思いますけれども、日ソ関係についても伺っておきたい、こういうように思います。  十月八日、政府は総額二十五億ドルの対ソ支援策を決定されたと聞いております。過日の所信表明におきまして、対ソ政策について総理の見解が出ましたけれども、従来政府がよくおっしゃっておりました政経不可分というよう宣言葉がなかったということは注目をしておったところです。金融支援問題を含めて、総裁選挙のさなかにも、この問題についてそれぞれのお立場から話がありましたけれども、改めて、この二十五億ドル問題等々、どのような基本でこれからの対ソ関係ということについてお考えになっているか。連邦の関係、共和国の関係、通産大臣いらっしゃったそのことの報告などいろいろな機会に聞いてみますと、なかなか難しい、こういう状況です。こうした問題について、これから冬場を迎えてまた改めて食糧問題その他が起こってくるのじゃなかろうかと思いますので、この点について、基本的な姿勢について伺っておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 二十五億ドルの決定は私の以前でございますので、当時からそのいきさつを知っておる事務当局から報告させます。

兵藤長雄外務省欧亜局長

○兵藤政府委員 ソ連は、今委員の御指摘どおり、大変な状況を迎えております。その中で、七月のサミットの際に合意されましたソ連の民主化あるいは市場化努力をできるだけ支援していくという立場から、あるいは喫緊の課題となってまいりました食糧あるいは医療事情の逼迫化ということを踏まえまして、二十五億ドルの対ソ支援策を決定したわけでございますが、現在、この二十五億ドルの中のいわゆる人道的な部分、これは五億ドルを限度とするわけでございますが、この実施の前に、一億ドル既に去年約束をいたしました。この一日も早い実施を実行したいということで検討を進めておるところでございます。  なお、その他の二十億ドルの経済活動円滑化のための支援、これは貿易保険が十八億ドル、その他の輸銀信用供与が二億ドルでございますが、これは当然事柄の性質上、それぞれの案件、具体的な商談の進展に伴って出るべきものであるわけでございます。  そのほかに、技術あるいは知的支援があるわけでございますが、この方は大変順調に今進めております。きょうも四十名のマクロ経済、経済計画あるいは経済政策を学びたいという大きな団体が着いたところでございますし、先週は日本の労働事情、労使関係を勉強したいという大型のミッションが参っている、そういう状況でございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 きょうもお昼テレビを見てましたならば、アメリカの方は軍事費を削って十億ドルの支援を決定したということが出てました。各国のそうした支援の体制の中で、今日本の二十五億ドルについて説明していただいたわけでありますけれども、ちらっと触れておったとおり、昨年の一億ドル、決めたんだけれども何もやってないんじゃないですか。一体どうなっているんですか、これは。この点について伺いたいと思います。

江沢雄一大蔵省国際金融局長

○江沢政府委員 お答えいたします。  御指摘の一億ドルを上限といたしますソ連に対する食糧等援助のための輸銀融資でございますが、これはソ連側から融資対象品目の提示がおくれまして、また、ことしの八月にクーデターがございまして、連邦と共和国との関係が不明確になった。したがいまして、借入人あるいは保証人の法的地位の確認等が必要でございます。このために実施がおくれているものでございまして、現在ソ連側とこれらの点について詰めているところでございます。先方の事情によっておくれていることは大変遺憾でございますが、ソ連側との合意が得られ次第、本件融資を実施することになるわけでございまして、我々も可及的速やかに実施できるよう努力をしているところでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 もう一年たとうとしているのにまだ詰めておるという状態ですから、相手の責任だ、こう言っておりますけれども、こうした問題について、じゃまた二十五億ドルということだけではやはり問題が残るんじゃなかろうか。こうした問題につきましては、もちろんこの経済支援の問題というものは、そのことが国民の関心である北方領土の問題を解決するためにも大変大事なテーマであるというように考えるところでありまして、同時に、この問題については、何か経済の問題で領土を買うという印象を与えることも、これは間違っておるということだと思っております。  経済援助問題は、領土の問題と切り離して、ソ連の安定が世界の平和、アジアの安定につながる、こういう視点から考えるべきだと思うのです けれども、その辺は魚心水心というようなことじゃなくて、きちんと整理して政府の方針として考えていただかないといけないと思うのですけれども、この点について、外務大臣、いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 領土返還の問題からいたしましても、何かお金で買うというようなことは、お互いに国民感情というものがありますから、そういうような悪い感情を起こさせることはいけない。したがって、我々は、当然日本の固有の領土でありますから、法と正義の建前で、それはそれとして請求をしていく。  それからもう一つは、やはりソ連の民主化を支援するという点でいろいろな支援をしようという点については我々も西側と同様でございます。ございますが、今もお話があったように、権限がはっきりしない。ましてその商売の輸銀の金を使うというような場合は返してもらわなければならぬわけですから、だれが責任者なのかどうかわからぬわけですね。したがって、速やかに内部のごたごたがなくなって、連邦と共和国と各州とか企業体とか、どこがどれまでどういう権限でどうするんだということがわかってもらわないと、実際は大型な支援などはできないということでございます。  しかしながら、我々は、この間本会議で言ったように、領土が返ってくるまでは一切もうだめなんだ、ちょっとした支援もできないよということでは、もうずっと四十五年間やってきたわけでございますから、これはだめなんですよ。したがって、我々ももう困ったことに対して数億ドルのお金も出しましょう、それから向こうも、領土問題解決済みじゃありません、一緒に解決しましょう、少しずつ歩み寄っていく、それをわかりやすく言ったまででございまして、何分よろしくお願いいたします。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 領土問題、もうちょっと別の観点でも伺っておきたいと思ったのですが、法務大臣に伺いたいと思うのですけれども、これは政府レベルの対応はいろいろ今お話があったような姿勢で努力をしていただくということを前提として、サハリン州や北方領土の住民の世論の支持、理解というものが深まらなければ、この問題についての解決は難しいと思います。  政府は、北方領土に住んでいるソ連の皆さんの生活保障や法的地位などの問題について法務省等は検討しているのでしょうか。永住の問題あるいは日本国籍取得の問題等を含めて、将来解決しなければならない問題だと思っています。住民の不安に対してどういうような整理が必要なのか、この問題について検討しているところがありましたならば、法務大臣の方に伺っておきたいと思います。

田原隆自由民主党法務大臣

○田原国務大臣 お答えします。  北方四島に住んでおるソ連の人々の法的地位の問題は、おっしゃったような問題があるわけでありますけれども、まだ返還交渉の進捗状況がそこの問題に立ち入るまでに至ってないというのが実情でありますが、ただ、外務省を中心にした関係各省と協議してこれから検討することになっていくわけでありますけれども、現時点ではまだ今後の交渉の見通しなどについてはっきりした点がっかめませんし、今後耳をそばだてて外交当局と連絡をとりながら、今先生がおっしゃったようなことを中心に、今後具体的にどういうことをしたらいいかということを検討しなきゃならぬという姿勢で待ち構えているところでありますが、まだ具体的にはほとんど入っている状況ではありません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 姿勢ということはうかがえましたけれども、必ず出てくる大事な問題でありますし、これは世論対策あるいは啓蒙関係の問題点等とも絡んで、こうした法的地位問題等につきましては、北方領土の住民の皆さんの理解を求めるための努力というものはさまざまな観点から、経済問題だけではなくしていかなければならないのではなかろうか。きょうは、今の段階ですから、問題提起ということにさせていただきたいと思います。  次の質問に入りたいと思いますけれども、防衛問題について。  総理は所信表明で、「我が国の防衛政策についてはこ「節度ある防衛力の整備に努め」、こう簡単に触れました。この辺のところは、どうも総理が冒頭「冷戦後の時代」という基本認識を示したところと随分ギャップがあるんじゃなかろうか、こういうように思っています。「節度ある防衛力の整備」というのは九一年度防衛白書そのままの引用、そしてこの防衛白書は、昨年の米ソ戦略兵器削減交渉、STARTが始まる以前の状況認識について書かれたものです。昨年来のこの一年間、まさに百年間に一度というような出来事の時代、そういう出来事がある程度起こったけれども、まだ全く予想できなかった状況認識に基づいて書かれたものでありまして、確かにソ連の潜在的脅威というところから地域紛争というところに防衛力整備の軸足は移っているということではありますけれども、依然としてソ連軍が日本周辺の軍事情勢を厳しくしているということを前提としての防衛白書です。そうしてその上に日本の新中期防もでき上がっているということではないでしょうか。一言で言うならば、まさに冷戦後であるというのに、冷戦時代の昭和五十一年の内閣で決定された防衛計画の大綱の基本的考え方に従うものとして軍備の必要性を強調しているこうした防衛白書については、国民としては理解しがたいと思います。  この点について総理のお考えを伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それは、アメリカもそうでございますし、ソ連もそうでございますが、この二つの国が防衛力をふやす、ふやさないということで、これは世界的な影響がございます。そのくらい大きな防衛力を両国が持っておりますが、そういう意味では、我が国の防衛力がちょっとふえましても減りましても世界的な影響は到底ない。それは専守防衛の理由でもありますが、そのぐらいな、まさにおっしゃいました大綱のところの、いわばどうしても最低持っていなければならないものを専守防衛の立場から基盤的構想で持とうというのでございますから、この世界の動きですぐに日本のその基盤的なものが動くと考えるのは、それは実は、そんなに我々は人に大きな影響を与えるほどのものを持っていないという現実があるというふうに私は思っておるのでございます。  ですから、その流れそのものは確かに注意深く見てまいらなければなりません。それによって我々もいずれの日にかそれに少しずつ対応するということができればそれは結構なことだと思っておりますけれども、今の日本の防衛力程度では、世界がこうなったから急にどうこうということは私はすぐには起こらない。観念としてはわかっておりますから、明年度の予算編成についてもできるだけ効率的にとは思っておりますけれども、大まかに申しますと、私はそういう感じで見ておるのでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今の防衛力程度では心配与えないとおっしゃってましたけれども、最近話題となった具体的な例として、九一年度韓国の国防白書、防衛庁でも関係者、外務省ですか、派遣して、いろいろ弁解これ努めたということについて新聞にも載っていましたけれども、その第四節、「日本の安全保障と軍事体制」のところを見てみると、「日本は経済力に相ふさわしい政治、軍事的影響力の拡大を追求している。カンボジア平和維持軍への派遣検討等も含めて、日本は軍事大国を目指している。」こういう指摘があったことについては御承知のとおりです。日本の場合は、節度あるといったって、近隣諸国から見るならば、経済力を持った日本は軍事大国を目指そうとしているという、一番理解を求めやすい立場にある韓国ですら、公式のこうした政府の文書によってそのことに懸念を持っているじゃないですか。こうしたことに対しては、今の総理の説明では不十分だと思いますけれども、この点については外務省です か、防衛庁ですか、これはたしか、人を派遣して説明をしに行ったと聞いているのですけれども、御説明いただけますか。――それでは結構ですよ、時間がかかるのなら。  総理、韓国の国防白書でこう指摘されておった問題についてはどうお考えでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 我が国の防衛費の、大ざっぱに申しまして半分は人件費でございます。しかも、我が国の経済から見まして、給与水準は周辺の国よりはかなり高い。そのことがしばしば私は見逃されているのではないかというふうに、根本的にはそこの問題があるなということを感じております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 人件費だけではないですね。これからの中期防の全体の予算、大変ふえていきますね。しかも、全体としては既に外国からは、基盤防衛力の整備はもう十分いったじゃないか、防衛力整備計画の水準まで、大綱までいっているんだけれども、まだ日本はお金をどんどん使って軍備を増強しようとしていると見られているのではないでしょうか。一体この世界の軍縮の動きをどうとらえているのでしょうか。ブッシュ大統領のあの核兵器についての発言がありました。ソ連についても発言があった。ヨーロッパもしかり、NATOの動きもあります。こうした国際的な軍縮の動きをどうお考えになっているのでしょう。これは防衛大臣に伺っておきたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 お答え申し上げます。  先生は今、国際情勢の変化が急激でありますから当然中期防衛力整備計画を見直すべきでないかという御質問がと存じますけれども、この中期防衛力整備計画は、昨年の十二月の二十日に策定されたわけでございます。そのときに議論がございまして、今御指摘の五十一年度の防衛計画の大綱、これは今総理からお答えがございましたように、基盤的防衛力構想ということで、いわば脅威対抗論ではございませんで、平時における日本の防衛力のあり方を定めたものでございますが、これに基づきまして策定をいたしたわけでございますが、ただし、そのときに前提となる国際情勢、これは防衛計画大綱の中にも述べられておりますが、これは当時の基調としてはデタントを基調としたものでございましたけれども、その後具体的には大きな変化がございます。  我々の認識といたしましては、防衛計画の大網で示された国際情勢の認識というものは、これはデタント、あるいはそれまでの緊張状況にあったものが緊張緩和に向かっている基調という前提で策定したわけで、この方向性は正しかったと思いますので、これを今の状況に当てはめてみますと、具体的にはいろいろ変化がございますが、これをさらにレベルアップしたものだというように考えまして、中期防を策定する前日におきまして、平成三年度以降の五カ年計画の防衛計画の策定に当たっての基本的考え方というものをわざわざ国防会議並びに閣議で決定をいただいておるわけでございます。その中におきまして、ただいまお話しの防衛計画の大綱の国際情勢の変化と、それから今回定めました中期防の前提となる国際情勢のこのかかわりにつきまして、わざわざ閣議決定で今みたいな文書をこれは確認をしたわけであります。  そういうことでございまして、当然私どもとしては、この防衛計画の大綱に沿った、そしてまた世界の平和への傾向を考慮しつつ防衛計画の大綱に基づく防衛計画を策定したわけでございます。もちろん、今先生御指摘のように、多国籍軍のイラクの侵攻排除あるいはクウエートの解放問題、またその後八月のソ連におけるクーデターの失敗とその後の新たな国家体制の模索、今議論されているような、あるいはブッシュ大統領のイニシアチブにおける核兵器の廃絶問題等々、幾多の国際情勢が変化していることは十分承知をいたしておりますけれども、私どもといたしましては、このような国際情勢の動向等を慎重に見きわめつつやる必要がございますが、中期防自体を今現時点で直ちに修正することは適当でない、このように考えておるわけでございます。  そしてなお、先生が御指摘のありましたように、これは防衛計画の中におきまして三年後、つまり平成三年度からスタートする中期防衛力整備計画でございますから、平成六年度までに我々の内部において十分検討をいたしまして、つまりそのときの国際情勢あるいは必要に応じましてそういうものを勘案しつつこの計画の修正を行うという仕組みになっておりますので、防衛庁といたしましてもこういう国際情勢を十分考慮しながら年々これは検討していかなければならない問題だ、このように存じておるわけでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 実は、この中期防衛力整備計画が策定される関連の安全保障会議の経過について調べてみました。六十三年十二月二十二日第一回会議から平成二年十二月二十日までの間、十二回開催されております。すなわち、一番最後が平成二年の十二月二十日、昨年二十日までの段階です。いろいろ当時の報道を見ておりますと、書いている最中につぶれそうなSTARTがまたまとまりそうになったという格好で、かなり動きがあって何回も何回も書き直したということについても、実は伝えられているわけであります。  ことしになって新たに状況が違ったのです。これは米ソの軍縮ということだけではなく、アジアにもその流れがはっきりとあらわれています。アメリカは全体として兵力の五十万人削減、アジアから一万五千二百五十人、日本から四千七百七十三人減ずるという方向を打ち出しています。ソ連は兵力七十万人、ブッシュ提案にこたえてゴルバチョフ提案は七十万人、プラスして削減ということを発表しました。最近のアメリカでの報道一では、日ソ共同宣言を受けた北方領土のソ連の兵力の削減、アメリカも確認をしております。NATOの諸国が過日の新戦略におきまして、西ドイツ終みでは六十万人、東西の軍隊を二十三万人減らすことを決定しています。フランスあるいはイギリスも兵力削減について検討中です。こうして平和の配当は、軍縮の面におきましても具体的な戦力の削減ということでもこの半年間、随分進みました。  この点について、実は海部総理がこの前の国会で発言しておりますけれども、やはり中期防については変化を見詰め必要なら対応する、こうおっしゃいました。これは国会の正式な発言です。その前、いろいろマスコミで報じられているところでは、とりわけアメリカの大統領のアジアの軍縮基調などは中期防に対して影響を与えるのは当たり前である、こう発言しております。海部前総理はそうおっしゃっていました。もう昨年の古い段階にできた防衛白書じゃなくて、新しいこの半年の動きというものを的確に時代状況認識した中で、日本の防衛計画についても見直していくということを前総理はおっしゃっておった。  宮澤総理は逆戻りしましたね。この間の非常にコンパクトな、短い、言葉足らずということかもしれませんけれども、そうした世界の軍縮の基調については、やはり日本の防衛計画の中には当然影響出てくるべきじゃないのでしょうか。この点について総理のお考えを伺いたいと思います。海部総理は見直すと言ったのですけれども、総理は全く見直ししなくて、冷戦時代の五十一年の考え方でこれからもやっていくつもりなんでしょうか。この点、伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 先ほども申し上げましたけれども、自衛隊の諸君の生活状態を見ておりますと、ようやくお蚕ベッドから解放されようとしている。衛生的な施設とかそういうものは、実際随分がわいそうなと思うぐらいな暮らしをしておりまして、やはりこれからいい人が自衛隊に入ってもらうとすれば、人手不足の世の中にもなります。それは人並みの生活を私はしなければいけないだろうということをつくづく考えていまして、それはいわゆる後方と言えるものの充実なんでございますけれども、そういう意味で、決して日本の自衛隊はぜいたくをしているとか過剰の施設を持っているとか、私は言えないと思うんです。これが世界に脅威を与えているなんてことはさらさらないのでございますから。  おっしゃっていることは私、わかっています。世界の動きがこうなるんだから、その前方の方の設備についてあるいは武器についていろいろ考えていくことが大事だよとおっしゃっていることは、私もわかっております。それは世界の動きを見ながらやっぱりだんだんにやっていかなきゃならないことですが、同時に、この自衛隊の諸君の生活の環境というものはやっぱりもっと金を使っていってやらないと、私は日本のためによくないと実は思っております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今の問題につきましては、防衛費を大別しますと正面、後方、人件糧食費、こういうように三つに分類されていくんじゃなかろうかと思います。従来から今お話しの部分についてはかなりの比重を占めているわけでありまして、この問題についてはこの問題として私も考えるべきところがあるかもしれませんけれども、正面装備の問題については、はっきりと削減の方向を打ち出すべきじゃないでしょうか。  これは大蔵大臣に伺いたいと思うのですけれども、防衛庁の予算要求に対して、大蔵省は正面装備を中心として財政全体をにらんだ中で抑えるということについて、けさでしたか一部新聞が報道していましたけれども、この点についての大臣のお考えを伺いたいと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 基本的には先ほど総理からお答えしたとおりでございまして、確かに世界全体では緩和、いわゆる平和への方向というのは進んでいると思っております。ただ問題は、まだアジアの周辺におきまして一体どういう状況になっていくのか、こういったものも考えなければなりませんし、先ほど総理からお答え申し上げましたように、日本の正面装備というのはそんなに強固なものでもないという事情もあろうと思っております。  いずれにしましても、今この予算ちょうど編成を前にするわけでありますけれども、これは全体の予算の中で税収面尊厳しいということがあって、そういう中でいろんな議論をするということはあり得ようと思っておりますけれども、しかし今ここで日本の防衛についてもうカットしてよろしいんだということが、私ども財政当局として申し上げられる段階ではないというふうに申し上げておきたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 ちょっと補足してお答えを申し上げたいのですが、先ほど申しました中期防の前提になっております五十一年の防衛計画の大綱、これは先生御承知のように国際情勢あるいは事業内容の、機能その他の記述がございます。別表がございます。その中で一番問題になりましたのは国際情勢の判断でございますが、これは先ほど申し上げましたように、中期防衛力整備計画を策定した十二月の二十日の一日前に、今申し上げましたように三年度以降の基本的な考え方を記述してございまして、これは事実上五十一年当時の緩和の基調自体は正しいとしつつも、国際情勢についてはこれを一部修正をしておるというようにごらんいただいて結構だと思いますが、そのような前提で構築をされております。  それからまた、中期防の内容でございますけれども、これは詳細なまた御説明は避けますけれども、十八兆四千億の前期防衛力整備計画に対しまして二十二兆七千五百億という総額明示方式でこれが決められておりますけれども、今先生御指摘のようにこの防衛費の中身は、これは人件糧食が約四〇%でございますし、それから後方経費四〇%、正面装備が約二〇%ということでございまして、今総理からお話のございましたように、私ども隊員の生活環境その他を温かい目でこれを見直していかなければいかぬということで随分これには重点を置いてまいっておりますほか、人件糧食につきましては、今お話が総理からもございましたように、これは年々人件費の高騰等がございます。そしてまた定期昇給等もございまして、これは他国との比較でできない増加要因でございます。  それから後方につきましても、私どもは防衛計画の大綱で一応の水準といたしました数量的なレベルには達しましたけれども、しかし御承知のように、軍事技術その他は日進月歩でございます。旧式のものだけを数そろえておってもこれは抑止力としての作用はなさないわけでございますから、私ども新しい設備に更新をしてまいります。そういたしますと、その購入費に多大な金額がかかるということと同時に、またその訓練経費その他もかかりますし、また何よりも修繕をいたします場合に部品等が非常に高騰して、これが増高の原因になっておりまして、この今回の防衛力整備計画の中では、そういった後方経費の増が一番大きなものでございます。  正面装備につきましては、先生が今、削減すべきではないかという御意見でございますが、これは前期防衛計画におきましては正面装備はたしか七・七くらいの増加でございましたけれども、今回の中期防におきましては、これをたしかマイナス三・四%くらいのレベルでやっていこうということに相なっておりまして、こういう数字をあえて申し上げましたのは、昨年の策定された中期防というものは今の国際情勢の変化等を十分踏まえながら策定したものである、そしてその年次割りの平成三年度の予算を計上していただいた、私どもこのような理解をしておりますので、補足させていただいた次第でございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 長い御説明をいただきましたけれども、しかしこの新中期防、二十二兆七千五百億円というのは、この前の中期防に比べて二三・六%上ですね。質の向上、お金がかかると言いましたけれども、一つだけ伺っておきたいと思います。  新しい装備としてAWACSの購入というのにちょっと関心がありましたけれども、これはやるんですかやらないんですか、どうなっていますか。伺っておきたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 ただいまそれは我が国の防衛所要のために必要だと考えておりますけれども、詳細にその後の具体的な経過等につきまして、防衛局長から答弁をいたさせます。(山花委員「詳細なところは結構ですよ、時間があれですから。結論だけ」と呼ぶ)必要なものだと私どもは考えております。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○畠山政府委員 現在の中期防の中におきまして、AWACSを四機導入することを前提に考えていたわけでございます。現在の中期防といいますのは、これは年割り額は決まっておりませんが、我々の実際内々の考え方としては、平成四年度の概算要求におきましてそのうちの二機を計上することを考えておりました。しかしながら、この生産をいたしますボーイングとの関係で価格が著しく高騰したということも事実でございまして、そのような状況を踏まえて来年度、四年度要求にはこれを盛り込むことをしないということを決定した次第でございます。今後それの代替の飛行機を考える等によりまして、AWACSの機能というものは必要でございますので、今後慎重に検討させていただきたいと思います。  なお、ちょっと恐縮でございますが、先ほどの御質問で宮下防衛庁長官からお答えした中で、若干数字の誤りがございましたので訂正させていただきますが、前中期防におきます正面装備の契約額の年率の伸びは七・七%であるのに対して、今回の中期防の正面契約額の年率の平均はマイナスの二・三でございました。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 AWACS問題については、とにかく値段の関係で従来よりは何倍か、二倍以上ということも出ておりまして、見送ったというように伺っておりますけれども、正面装備の問題については、大蔵大臣、先ほど大変慎重な言い回しをしておりましたけれども、全体の中でやはり手をつけるのは正面装備のところじゃなかろうかと思っています。  この点について大蔵大臣、もう一遍伺っておきたいと思うのですけれども、正面装備も含めて手をつけると、手をつけるといいますか検討すると、こう伺っておいてよろしいですか。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 基本的には、今度の予算編成に当たりましてはともかく財政、いわゆる公債残高が百六十八兆もあるという中にありまして、また税収も厳しいという中にあって、全体的にやはり見直していきましょうという中でお話を申し上げて、厳しい要するに防衛関係費ということで御理解をいただいておいていただければよろしいかと思っております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 これ以上は大臣なかなかお答えにならないと思いますから先に進みたいと思いますけれども、という全体の問題の中で、やはり日本は防衛費の問題、そして自衛隊の削減問題についても真剣に検討すべきではないか、こう思います。何といっても、アジアの諸国から見た場合には、自衛隊の、特に陸上自衛隊の実質的な削減ということが非常に大きな影響を与えるのじゃないでしょうか。大体、全体、自衛隊としては充足率を考えてみた場合にも、例えば陸上自衛隊三万人減ということ、こういう措置をとっても現状充足率から考え札ばやっていけるのではなかろうか、こう思いますけれども、こういう点について防衛庁長官の方から伺いたいと思いますが、陸上自衛隊の定員、充足率の関係、一体どうなっているか、この点についての削減については全く検討していないのかどうかを伺っておきたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 お答え申し上げます。  陸上自衛隊につきましては、今十八万人体制ということで定数が決められておりまして、実際の運用上はたしか充足率は八四、五%だと存じておりますが、そのようなことで運用がされております。  一方、中期防の中におきましてこの陸上自衛隊の定員につきましては触れられております。これは先生御承知のとおりかと存じますけれども、これはなぜかと申しますと、今自衛隊員の募集その他の問題等もございまして人材の供給の制約等々の問題がございますから、中期防の中にはっきりと書いておりますことは、この中期防期間中は十八万人でなくて十五万三千人をアッパーリミットといいますか、シーリングにいたしておりまして、その範囲内で運用するということが書いてございます。そしてなおかつ、この中期防期間中にそれらの検討を行った上で次期防以降にその編成、組織等について検討をするということがうたわれておりまして、我々防衛庁といたしましてはその間に十分な検討をしてまいりたい、このように存じております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 総理、今お話しのとおり検討ということでありまして、五年たったら十五万三千人ぐらいにしていこう、こういうお話なんですね。しかし、世界の状況を見ていますと、五年たつ間に検討するということではなくて、もっと早い時期にこの問題については手をつけるべきじゃないでしょうか。陸上自衛隊につきましては、定員が七万三千八百三十五人、そして現員が四万七千七百三十六人、六四・七%です。定員に満たない数が二万六千だったと思います。要するにこの問題については、今陸上自衛隊を削減するという方向を出すことによって、これはいろいろな意味での影響が出てくるのじゃなかろうか。世界の軍縮の潮流、防衛力の削減、防衛費の削減、そしてこうした、とりわけこの陸上の軍隊について減らしていくということにつきましては、侵略はしないんだ、専守防衛だというこうした政府の立場からしても、五年たったら検討するとかじゃなくて、早い時期にこのことについて手をつけるべきではないだろうか。海部総理は、新中期防について再検討することになるだろうという趣旨のことをおっしゃっておったわけですけれども、宮澤首相の見解を承りたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 我が国の自衛隊の国際的な地位というものは先ほど申し上げたようなものでございますので、動いてまいります世の中の情勢を見ながら、今のような問題も中長期の展望を踏まえて常に考えていかなければならないと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今申し上げたことを含め、世界の各国が防衛費について削減をしている、そして兵力についても削減をしているということであるならば、私は、ソ連の脅威論から軸足が移った今日の日本の政府の考え方としても、自衛隊の削減問題については手をつける時期が来ていると思います。兵力の削減と全体の編成、北方領土に対抗して北海道にどういう部隊が要るのかということを含めて変える時期に来ているのじゃないでしょうか。  そういうことを含めて我々日本社会党は、PKOの問題についても、国際貢献については人的貢献を含めてやるべきであるということを主張しながら、自衛隊については、そのまま出すのではなくて、新しい別組織をつくる。昨年来の三党の合意の中にもそのことがはっきりとうたわれておった。いわば自衛隊のそのままの部隊を本隊、後方支援含めて出すということではなくて、そうじゃなくて別組織をという社会党の主張というものはそうした観点からも出てきているところでありまして、しかし同時に、今もう一つの問題は、自衛隊というのはわかりにくいということじゃないでしょうか。この前のPKO絡みの論議におきましても、いろいろ法解釈をやりくりをして従来とは違った見解を説明しようとされていましたけれども、自衛隊というのはわからない。過日の総理府の世論調査でも、国民の多くの皆さんが、五〇%以上の皆さんが、今の自衛隊はわからない、こうおっしゃっています。我々もわからない。なぜわからないのか。秘密を守って出さないのです。  防衛庁に伺いたいと思いますけれども、今防衛庁がお持ちの秘密保管、このことについては、我々国会議員が見せてもらいたい、教えてもらいたいと言っても教えてくれないような秘密についてどのくらいお持ちなのか、ちょっとお話しをいただきたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 防衛庁関係の秘密保管数、先生約百六十万というような御指摘でございますが、この防衛庁の保管する秘密事項といいますか、秘密件数といいますか、これは防衛秘密と庁秘の二種類がございまして、これらの合計は平成二年十二月末現在で十六万五千七百件でございます。また、一件の秘密につきまして同一の文書とかあるいは図画または物件を複数保管している場合がございますので、これらを通算した部数の合計は、同じく平成二年十二月末現在で約百八十五万六千九百九十部となっております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今お話しのとおり、百八十五万ですよ。我々がこの点について教えてくださいと言っても、百八十五万件については教えてもらえないのです。国会の場において議論しようと思って、この問題教えてください、見せてくださいと言っても、知ることができないのがそれだけあるということになりますと、自衛隊というのはわからないものだ。防衛白書には、国民の財産と書いてあるじゃないですか。国民の財産だときれいごとを言いながら、財産を見せないのですね、国民に。これではいけないと思いますけれども、こんなに秘密がたくさんあっていいものだろうか。総理にこれはちょっと伺っておきたいと思いますが。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 どうも数え方がよくわからないものですから、どうしてそういう数になるのかよく存じませんが、全体のうちどのぐらいになりますのか、よくまた私も聞いてみます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 とにかく百八十五万の秘密があるということは、私どもはもうこれは何十年来要求している一番中心にあるいわゆる統合情勢見積もりから始まりまして、聞けばわかるという問題について全く教えてもらえない。国会議員ですらそうなんですから、国民の皆さんだって全く同じ立場です。中身を知らされないで国民の財産と言ったり、そして、その自衛隊を丸ごと動かす等々の問題については、もっとオープンにする、そうした国民的な議論が必要だということを冒頭指摘した中で、以下PKOの問題について伺いたいと思います。  総理は、この点について、国連の常設軍の創設と全面軍縮という記事を拝見しましたけれども、この総理の言う国連軍構想というものは、もうずっと昔からお持ちのことですね。恐らく憲法九条、そのことは二十一世紀にも通用するんだ、こういう総理の考え方の中から国連軍構想が出てきているということであって、最近いろいろな格好で出てきているのでちょっと中身が、問題点が違っているんじゃなかろうかと思いますけれども、総理がおっしゃっている憲法九条というものは二十一世紀まで通用する考え方だということの中で国連軍構想というものをお考えになった。そこのところについて、ちょっとPKOの問題に入る前に御説明していただきたいというように思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 我が国の憲法が制定当時期待していました国際平和の姿というのは、国連というものが非常な責任と力を持ち、そして主権国家が米ソのような大きな軍備の争いをしないという、いわばかなり理想的な姿を考えておったと思いますけれども、現実には米ソは長いことああいう関係にありました。今に至りまして、ようやく国連の存在がこの一、二年クローズアップされてきたというのが本当のことであると思いますが、これはしかし非常に傾向としては結構なことである。  私が昔から国連常設軍というのを思いますのは、国連が世界のすべての国の信頼を担うような存在になって、大きな国々がみんな軍縮を徹底をいたしまして、そして国連というのがやや超国家的な、みんなの世界の平和を維持する、そういう仕組みになってくれる、またそれだけの実体を備えたときには、そこが一つの警察力といいますか、軍事力といっても差し支えないのですが、持って、そして世界の平和をそれが維持する。それは国際公務員としてそういう存在が、多少まだまだ夢のようではありますけれども、できた場合には、これは我が国民も一人の国際公務員としてそれに参加してもいいではないか。かなり理想主義的な考えでございますけれども、将来のいわばありたい姿として考えておるわけでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今の総理のお考え方というのは、要するにその根底にありますのは、国連軍の武器使用は日本の憲法が禁じている武力行使に当たる、したがって、武力行使を前提とする国連軍に自衛隊を直接参加させることは憲法に違反する可能性がある、したがって、国連軍に参加する日本人に対する指揮権が日本の政府から離れる、国際公務員的になるということによって憲法九条に違反しない形での国連軍参加があるんじゃなかろうか、こういうことだと私どもは理解しております。すなわちこの総理の考え方からすると、今のPKO法案というのは憲法に違反するんですね。この点について、総理、お立場があるでしょう。しかし、こうした総理の従来の政治的な考え方とは違った法案になっている。  したがって、例えばこういうことについても言えると思います。今度の総裁選挙のさなかといいますか、「戦後政治の証言」という本をお出しになりました。これを拝見しましたならば、総理が従来からおっしゃっている国民の合意、この問題について「戦後政治の証言」におきましては「国民的コンセンサスは「日本はカネは出す、汗も流す。しかし、進んで血を流すことはしない」」こうおっしゃっていました。すなわち、平和憲法の枠の中で人的貢献をすればいいのじゃなかろうかというのが、あの「戦後政治の証言」、まだちょっと前の時期の発言だった。  選挙のさなかになりました「宮澤ビジョン」、あの立派な本が出ましたけれども、これを拝見しますと、これが君子豹変だと申し上げたくなるところですけれども、こう言っていますね。「国民の合意というものは、今回の湾岸戦争に際して金だけでなく汗も流すべきだろうということだ」、こうおっしゃっているのです。最後の大臣の「血を流すことはしない」という言葉が「戦後政治の証言」と「宮澤ビジョン」では変わってしまったわけです。  「戦後政治の証言」におきましては、国民の合意というものは、血は流さぬ、こういうことになっておった。選挙が近づいたら、この点について、政府提案PKO法案の線に近づいてきてしまったというのが、総理のこのわずか一カ月くらいの間の変化であります。総理がいつも大事にしておる国民の合意という問題について、今政府が出しているPKFについても、自衛隊が部隊として参加するということについて国民的合意があると思いますか。社会党だけが反対しているのですか。そうじゃないでしょう。この問題については多くの国民の皆さんが疑問を持っている。  ついせんだってのマスコミの一部の世論調査でも出ていました。この問題について憲法上差しさわりがある、こういう見方が大変強い。とりわけ国会の決議の問題につきましては、今の法案に対して国会で決議必要だ、当たり前だという国民の世論が、ある世論調査では七〇%を超しておった。これが国民の考え方じゃないでしょうか。こうした国民の世論に対して総理はどうお考えでしょうか、見解を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 血と汗は違うと思うのでございますね、読んで字のごとく。ですから、私は何も矛盾することを言っておりませんので、いわゆるPKOというのは非暴力、非強制で、国連の説得力と権威のもとに平和の維持をやろうというのでございますから、この中には血を流すという要素は基本的には入っていないわけでございます。  そういう仕事に我々も携わろうではないかというのでございまして、湾岸危機のときにいろいろ議論がございました。我々は人を傷つけたり殺したりするために外国へ行くことはできないということがある反面、できないことはできないとして、できることは精いっぱいやらなければならぬではないか、金だけでは済まぬだろうというのが汗を流すという発想であったわけでございますので、今のPKOというのは、秋はまさにそれが日本の憲法が期待している我が国の国際協調への貢献だというふうに思っております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 後藤田正晴先生が、自衛隊の海外派遣をしかるということについての話を新聞で見ましたけれども、自衛隊は外国から見れば軍隊である、人を出すということは若者に血を流せということだ、世界は日本が軍事大国への道を切り開くことなどは望んでいない、こうした意味で、信念持ってずっと一貫してお話しになっていますね。  総理はそうおっしゃいましたけれども、この「戦後政治の証言」の中で言っている「国民的コンセンサス」、「血を流すことはしない」というのが国民のコンセンサスである、こういう言い方をされておりますけれども、このときのお気持ちは今のお話と違うのじゃないでしょうか。私たちは、明らかにここで食い違っている中で、今の法案に対して総理が従来の立場を変えて説明をされている、こういうように伺わざるを得ません。  問題点として伺いたいと思うのですけれども、さっきの国連軍参加の問題もそうでしたが、今度の平和維持軍へは協力ではなくて参加ですね。参加と協力の違いについて、総理はどうお考えでしょうか。この点について伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 何度も申し上げますけれども、私の頭の中では血という言葉と汗という言葉は分けて使っておりますので、これはどうぞひとつ御理解をお願いいたしたいと思うのです。  ですから、私は一貫して同じことを言っておるので、今度のPKOのようなものはまさに日本として、憲法がむしろ期待をしているような貢献ではないかと考えておりまして、その参加と協力というのは、PKOの場合、国連から依頼を受けて、要請を受けて、当該関係国の了承のもとに平和維持活動に我が国が出かけるわけでございますので、日本の立場からいえばそれはそういう国連の要請を受諾してそういう行為を行う、こういう意味だと考えております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 参加と協力ということで従来から何回か議論がありまして、お伺いしたことについてどうも総理に受けとめていただいてないようでありますけれども、従来から法制局の答弁あるいは前外務大臣の答弁等によりまして、参加ということは相手方の指揮系統の中に入ることである、当たり前のことだと思いますね。協力とは外から協力することである、こういうように一貫して説明がされてまいりました。  すなわち、自衛隊を今度派遣するというときには、参加させるということでありますから、国連の現地司令官の指揮命令の中に入っていくのじゃないでしょうか。その場合に日本の指揮権とどうかかわってくるのかということが一つの問題となってまいります。この点について総理はどう考えますか。国連の方の指揮、日本の自衛隊の方の指揮、二つがぶつかった場合にどうなりますか。危ないところは行かないといっても、こういう具体的な問題についてどう整理されておられるのか、総理のお考えを伺いたいと思います。

丹波實外務省国際連合局長

○丹波政府委員 事実関係の問題もございますので、総理の御答弁の前に一言事実関係を整理させていただきたいと存じます。  国連の考え方は、国連平和活動に参加してくる場合に、各国が提供いたします要員に対して国際連合は基本的に指揮というもののもとに置く。その意味は、配置、組織、行動、そういったことに対して国連は権限を有するということでございます。しかしながら、身分的な懲戒処分、そういったような身分の問題については本国の方にその指揮的なものが残る、そういう仕分けになってございます。  以上でございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 本国にということの仕分けですけれども、この問題については、改めてこれはまた委員会が開かれますので、詳しく伺いたいと思っておりますけれども、丸ごと参加ということの中で、今のような抽象的な説明ではおさまらぬという問題がたくさんあると思っているところです。  実は外務省に伺いたいんですけれども、去る五月五日、ある新聞にカンボジア和平問題について日本が発言をしたということについての記事が載っていました。この問題について、日本がそういうことをしたことがあるのかどうなのかということについて伺って、もしあるとするならば、どういう内容であったのかということについて伺っておきたいと思います。

竹中繁雄外務省アジア局長事務代理

○竹中政府委員 お答えいたします。  カンボジア和平について日本から何らかの和平案、和平の提案を行ったかという御質問がと思いますが、この問題につきましては、先月開催されたパリ会議におきまして御承知のとおり包括和平が達成され、新しい段階を迎えたわけでございますが、右に至る過程で、我が国も昨年六月にはカンボジアに関する国際東京会議を開催いたしました。これに加えまして、本年に入ってから、パリ会議共同議長と安保理常任理事国五カ国が中心になってまとめました和平協定を補強する目的で我が方の全く非公式な考え方を示しつつ、カンボジアの各派に対して、この和平協定を受け入れるよう働きかけを行ったことはございます。恐らくそのことをこの新聞は指摘しているのではないかと思います。  この我が方の非公式な考え方の内容につきましては、カンボジア各派間の交渉の内容に直接かかわることでもあり、コメントを差し控えさせていただきたいと思います。  ただ、プノンペン政権のフン・セン首相は、当時、この日本の考え方がプノンペン政権としてこの共同議長案を真剣に検討する背景として役に立ったということを述べており、我が方としても、このカンボジア和平の達成に少なからず貢献したのではないかと考えている次第でございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 という問題点と同時に、実は「カンボジア和平日本提案の全文」というのがそのときの新聞に載っておったわけですが、この内容を見ると、要するに、和平ができた、相手方が求める、中立の立場で入っていく、こういういわば今回のPKO法案と同じような前提をとった中で外務省からの提案、日本の提案は、「こうした取り決めにもかかわらず、和平協定に抵触する明白な軍事活動や武力行使が繰り返し発生し、UNTACの調査を通じて、それらの軍事活動がどの部隊の責任か判明した場合は、それと同じ勢力に属し、同時に指定宿営地域にとどまっている部隊は、暫定期間中、市民生活にもどることが認められない。」等々、和平ができて、求められていくんだけれども、なおこの意味することは、一派のいろいろな武力行使等々ゲリラを含めて紛争があるんじゃなかろうか、武力の衝突があるんじゃなかろうかということを心配された中身というのがこの提案の中には入っているわけです。  したがって、総理は、一言で言うならば、危ない戦乱に巻き込まれるわけにはいかないんだからといっても、PKOの問題というものはそうしたことで片づけられない非常に新しい事態、新しい事態に向かう。そうした事態の中で、いわば国会の承認もなく、二十一世紀の日本の若者に対しても白紙委任を与えるような、こんなことでどうして文民統制ということが言えるのかということを私は最後に指摘をしておきたいと思います。いずれこれから始まる委員会の中で改めて具体的な問題については触れさせていただきたいと思っております。  最後に、あと五分残っておりますので、一つ科学技術庁の方に伺いたいと思いますけれども、先般米軍の三沢基地所属のF16戦闘爆撃機が、訓練の途上で三沢沖に二千ポンド実弾二個を投棄したことが伝えられました。従来科学技術庁は、実弾を搭載しての訓練はない、こういうように答弁をされてきたわけですけれども、そうではなかったということが明らかになりました。もしこうした危険が使用済み核燃料再処理施設であったとするならば、そのことの及ぶ影響というものは、日本全土だけではなく国際的にも大変な問題が起こってくる。これが低レベル放射能廃棄物の処理施設でも、またウラン濃縮施設についても同じ問題だと言えます。現地の皆さんは、そうした中で、再処理施設はもとより、核燃料サイクル施設全体の建設を中止するようということを強く求める文書を科学技術庁長官にもお出ししているはずでありますけれども、この点について長官の答弁を求めたいと思います。

坂内富士男科学技術庁原子力安全局長

○坂内政府委員 お答え申し上げます。  六ケ所の核燃料サイクル施設の安全審査にあっての問題でございますが、施設南方約十キロの三沢対地射爆撃場、これは通称天ケ森射爆場と言っておりますが、そこにおいて模擬弾を使用して飛行訓練をしている航空機について、これが施設に墜落しても施設の安全性を確保するための防護設計が行われることを確認しており、安全上問題はないというふうに判断しております。  今回の事態につきましては、外務省から、航空機は天ケ森射爆場以外の訓練区域に向かうところであり、三沢基地離陸直後にトラブルを起こしたために、天ケ森射爆場沖合に飛行してその爆弾二個を投棄したということを聞いております。さらに、この天ケ森射爆場において米軍が使用している訓練用爆弾は、模擬弾であって実弾ではないということも再確認しております。  したがって、今回の事態により、天ケ森射爆場では、模擬弾を使用した訓練が実施されているとの安全審査の全体が変わるものではないということで、核燃料サイクル施設の安全性に影響を及ぼすものではないというふうに考えております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今、実弾と私は質問したのに対して模擬弾と答えましたけれども、実弾じゃなかったのですか。この問題については確認しておきたいと思います。

松浦晃一郎外務省北米局長

○松浦政府委員 先生の御質問が米軍の訓練でございますので、外務省からお答えいたしますが、先生が先ほど来御指摘しておられます模擬爆弾は、今科学技術庁からも御説明がございましたけれども、この天ケ森射爆場におきまして使用しているものでございまして、ここでは実弾は使用しておりません。今回先生が御指摘の事故は、三沢のF16が一確かに先生御指摘のように実弾でございますけれども、これは鳥島の射爆撃場に向けて出発したので、この天ケ森ではございません。  それから、念のために申し上げたいのですが、今回のは実弾ではございますけれども、非爆装置が施されておりまして、したがいまして、自動的には爆発しないというようになっているように米側から説明を受けております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 どうも今のやりとりを伺っておっても、初めのやりとりは非常にごまかしかありますね。実弾じゃなくて模擬弾と言った、そういうことだから地元の皆さんは心配なんですよ。この問題については、改めて担当の委員会で質問させていただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて山花君の質疑は終了いたしました。  次に、二見伸明君。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 宮澤さん、総理御就任、心からおめでとうと申し上げたいと思います。  私たちは野党の立場でございますので、日本の将来のために、宮澤政権のこれからの諸施策に対しては厳しいチェック、監視をしていかなければならないと思っておりますし、私も宮澤政権には、日本の将来を誤らない、きちんとしたかじ取りを心から期待をいたしているところでございます。  司馬遷が漢代の名将卒広をたたえた言葉に、「桃李言わざれども下自ら腰を成す」という言葉があります。これは、桃やスモモは物を言わないが、美しい花を吹かせ、美しい実をつけるので、人が自然と集まり、木の下には小道ができる。それと同じように、李広という人は、口は下手だったようでありますけれども、徳のある人、誠実な人のところには人が自然と慕い集まってくるという意味であります。  世界は激変をいたしました。日本も変わりました。世界の片隅で、世界の善意に支えられてひっそりと生きてきた日本が、今や世界第一の経済大国になり、経済力に見合った国際貢献を期待されるようになりました。一方、日本が政治的役割を増大することに理解を示しながらも、それが軍事九国化するのではないかという強い懸念の存在していることも私たちは見逃すことはできません。  日本は国際社会で信頼され、尊敬される国にならなければなりません。そのためには、世界の平和を守るために、また、世界から貧困を取り除くための具体的な行動、実績の積み重ねこそ私は大変重要だと思います。自分の国のことのみではなくて、他国、他国民の幸せに思いをいたす優しさと謙虚さというものが日本に求められているし、そうでなければならないというふうに実は考えております。そうした立場から二、三、宮澤総理にお尋ねをいたしたいと思います。  最初に、PKOについてお尋ねをいたします。  PKOに対する議論は、私は大変混乱をいたしておると思います。PKOは、いわゆる停戦の確保、停戦の監視、武装解除の監督など、軍人の知識を必要とする、文民では協力不可能なPKFと言われている分野があります。と同時に、選挙監視、文民警察、難民救済、医療など、文民で十分に対応できる分野があります。日本が文民で対応できる分野に積極的に貢献するのは当たり前のことであります。  問題は、相互不信が根強く、PKFが展開しなければ紛争の再発のおそれがあるという場合が、これは問題なわけであります。その場合、PKFが存在しているということは、難民救済、医療、選挙監視など、いわゆる文民で、文民が安心してできるPKO活動、それを確保するためにも、また、日本などがこれから戦後復興のためにいろいろな援助をしなければならぬ、そうした援助を安心してできるためにも、またそこに住んでいる人たちが戦争の再発におびえることなく安心して暮らすためにも、PKFの存在というのは重要であります。  しかも、PKFというのは、暴力は使わない、絶対に強制はしない。ですから、PKFというのはきつくて危険な仕事でもあります。国連及び紛争当事国から、日本にもPKFを出してもらえないかという要請があったときに、日本は文民の活動だけはやりますけれども、PKFはできません、こう言った場合に、結局日本というのは我々と苦労を分かち合おうとしない、危険なことは他人任せで、すべてを金で片づける国ではないかという批判を受けると私は思いますけれども、総理の御認識はいかがでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 基本的に二見委員の御認識と私の認識、一致をいたしております。つまり、PKFの中でもともとそのような平和維持活動が情勢上無理な場合、極端な例で申しますと、ユーゴでは国連の平和維持軍の来援を依頼をされたようでございますけれども、これは到底平和維持どころではなくて、戦闘そのものに巻き込まれるような状況でございますから、そういう場合にはPKFもPKOももちろん成立をいたさないのでございますので、したがいまして、そういうことを別に。いたしまして、国連が判断をし、当事者の合意があってのことであれば、そういう場合には、やはり日本もその部分について専門家が出かけていくということは大切なことであろうと存じます。     〔委員長退席、中山(正)委員長代理着席〕

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 カンボジア和平に対する調印、和平の調印が行われたわけであります。今国連からミッションがカンボジアに行っておりますけれども、和平が確定をし、そして国連から日本に対して、また関係当事国家の合意を得た上で日本に対して要請があった場合に、日本はどの程度までのいわゆる協力、参加が現実問題として可能なのか。PKFといっても、いろんな訓練をしなきゃなりません。そういうことを考えて、現実問題としてどの程度まで可能なのかお示しいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 詳細が必要でございましたら政府委員から申し上げますが、それはまさしくこれからカンボジアの和平というものが、本当に今言われているようなものとして成立していくのか、あるいはクメール・ルージュのようなものが言っていることとしていることと違うような状況になるのかによって判断をいたさなければならないと思います。  その判断は、しかし結局、国連、UNTACがすることでございますので、UNTACが判断をして、そういう心配がない、いわばUNTACの仕事になる、こういうふうに考えましたときに、関係者の同意を得て我が国に要請してくるかこないか、そこからが事の始まりでございますが、さてそのときにPKOの法案が、法律が成立しているかいないかということや、またそのような仕事が、仮に戦闘行為に巻き込まれることはないとしましても、それでも専門家の知識を要しますから、それだけの訓練を我が国のPKOがそれまでに受けておるかどうか、これはかなり長い訓練を必要とすると思いますので、そこらのところの総合判断ではないかと存じます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 だから、現実問題としてどの程度まで可能だというふうに認識されておりますか。

丹波實外務省国際連合局長

○丹波政府委員 現在国連として考えておりますUNTACの活動の内容でございますけれども、基本的な項目だけちょっとあれいたしますと、停戦合意の遵守状況の監視、それからカンボジア各派の軍隊の再配置等の監視、それから武装解除が行われますけれども、そういったものの監視、それから武器の管理、それから選挙監視及び管理、それから警察行政事務に関する助言、そういったこと、それから行政事務に関する助言といったようなことがございます。  まさに今総理が申し上げましたとおり、こういうものがどのような態様で、どのような規模で行われ得るかということにつきまして、先生御自身もおっしゃいましたけれども、国連が調査団を送り、また送ろうとしている、複数の調査団が活動しておって、それが結果を持ってきて、国連で議論をしてこういうものでいくということを決めて、そのうちのどこを日本に要請してくるか、そういう状況。そのときに日本が、まさに今総理がおっしゃいましたとおり、この法案が成立しているのかどうか、それから国内的な準備が整っているのかどうか、そういう全体の総合的なものを考えて、どの分野でどの程度参加するかということを政府として決めるという段取りになろうかと思います。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 どうも話がかみ合わないのですけれども、それはその辺にしておきましょう。  PKO法案がまだ審議中ですから、成立を前提とした議論というのは難しいんだろうけれども、例えばカンボジアにおけるPKO――PKO法案の中に医療活動というのが入りますね。もし、カンボジアにおけるPKOで、私、見逃すことのできないのは医療活動だと思います。例えば、地雷がかなり敷設されているので地雷によるけが人もあるだろうし、マラリアが蔓延しているという話もある、それに対する医療活動というのは、これは大変重要であります。これは当然文民で、民間のお医者さんで対応できるんだけれども、湾岸戦争のときには、厚生省は大変苦労したけれども思うように集まらなかった。しかも、カンボジアの場合は、ジャングルの周辺など非常に衛生状態の悪いところに長期にわたって滞在して医療活動をしなければならないということになります。これは民間のお医者さんだけで十分対応できるかどうかわからぬ。ということになると、受け入れ側に喜ばれるような対応をするためには民間のお医者さんだけでは不十分なんではないか。  そうした場合に、もしPKO法案が成立し、日本から医療団派遣の要請があった場合にはどうするのか、いわゆる防衛医官の派遣もそういう場合には考えることになるのかどうか、その点はいかがでしょうか。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 お答え申し上げます。  ただいま御議論のございますように、UNTACの状況、それからその要請にもよりますし、また国内のその要請に対する準備状況等もございますので、ここでは一応の前提を置いてのお答えになると存じますけれども、この自衛医官の参加問題は、法律が成立いたしまして、今申しましたように国連の要請、そしてその具体的内容、その時点における状況等を勘案をいたしまして私どもとしては判断してまいりたいと存じますが、今、医官の方は約七百四十名程度おりますので、これは、業務の執行に差し支えない限り派遣するということで、法律にも要件が書かれてございますので、そういった角度で検討してまいる、こういうことでございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 それから、防衛庁長官もう一つ。  地雷の除去をしませんと、あそこで援助活動も何もできないんですね。これは、自衛隊の能力として、地雷の除去をする能力がありますか。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 地雷除去の要請があった場合にどうかということでございますが、自衛隊は、我が国に対する侵略があった場合に適切な防衛行動をとり得るように、地雷除去を含む各種の能力は保有しております。そしてまた、日ごろからその教育訓練に当たっているところでございます。  他方、カンボジアにおきますところのPKOといった具体的活動は、ただいま申し上げたとおり具体的には申し上げられませんが、いずれにしても、自衛隊の地雷処理の能力は、処理すべき地雷の種類、それからそのところの地形あるいは地質の状況、それから植生を含む地雷の設置状況等や、それからまた、それに即応した具体的な作業内容をどうするかというようなことがございまして、今ここで一概に述べることはできませんけれども、これは協力法案の趣旨に従って対応すべきものだ、こう考えております。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 実は総理、私はことしの七月にカンボジアヘ行ってまいりました。そして、いわゆるプノンペン政権からは、電力、エネルギーそれから橋や道路のインフラあるいは農業で日本に対する協力を期待をいたしておりました。プノンペンは、夜、電気が一時間しかつかないんです。そのくらい電力事情が最悪であります。また、ソン・サン派の方は、お米が不足しているのでこれを何とかしてもらいたいという要請もあったし、人材が不足しているので人材養成にも力をかしてもらいたいという要請がありました。  カンボジアは、対日賠償請求権を放棄した見返りとして、日本はプノンペンの真ん中を流れている大きな川に橋をかけているのです。日本橋というんです、通称。それをポル・ポト政権が破壊してしまって交通がもう全く途絶している、それをまあ何とかしてもらいたいという現地の要請もあるわけですけれども、そうしたいわゆる橋をかけることも含めて、私はカンボジア援助の全体像というものをぜひお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 カンボジアはやっと、今言ったように国連が管理をしていこうというやさきでございまして、これからいろいろ調査団を派遣をいたしまして、その過程において援助のことも考えていきたい。一番先に、目に見えて一番金のかからないのはあの日本橋。一カ所だけですからね、落ちているのは。だから、一番あれはいいんじゃないか、私もそう思って見てまいりました。  以上であります。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 PKO問題はこれから関係委員会で十分議論がされますので、とりあえずこれはおきまして、私は、日本が平和国家と信頼されるために取り組むべき課題というのは、南からの貧困の除去、もう一つは、地球環境の問題だというふうに思います。  私は、開発途上国における貧困なるがゆえの問題点というものを、いろいろあるけれども、二つ申し上げたいと思います。一つは子供の死、二つはエイズです。  今、世界では年間千二百万人の赤ちゃんが死亡していると言われます。そのうち生後一週間で死亡する赤ちゃんというのは三百万人。今の医療健康水準では、人間は五歳まで生きられればアフリカでも長生きできるそうであります。なぜその赤ちゃんが死んでしまうか。死亡の原因は、小児結核、破傷風、ジフテリア、百日ぜき、小児麻痺、下痢、これは予防接種や簡単な抗生物質があれば救える病気です。悲惨なのは、母親がへその緒を切ったときにそこから破傷風菌が入って母親が死んでしまったという例もある。私は、こうした開発途上国において赤ん坊の死亡率を減らすということは大変重要な仕事だと思う。そしてそのために基本的な医療サービスというものを充実する必要があると思いますし、その点で、日本は本気になって取り組んでいくべき大きな課題だというふうに思います。  エイズは、アフリカでは一般の住民にまで蔓延し始めたと言われています。二〇〇〇年までには世界で四千万人ぐらいの陽性者が出る。その多くはアフリカで貧困と結びついてエイズが広がっている。四千万人の陽性者の中で一千万人が生まれながらのエイズに感染した赤ちゃんだ。ほかにも、一千万人の赤ちゃんの両親はエイズのために死んでしまって、孤児になる。  WHO、世界保健機関は日本に何を望んでいるかというと、人と金と知識が一緒になった貢献を望んでいる。WHOへの日本の分担金はアメリカに次いで第二位だけれども、任意拠出金、テーマごとに出す任意拠出金というのはこれはかなり低い。例えばこれは今年度だと思うけれども、任意拠出金は総額で千七百九十五万五千ドル、日本円にして約二十三億円です。来年度予算の概算要求で現在概算要求されている額は、いわゆる新生児対策、赤ちゃん対策としてプライマリーヘルスケアなどを含めて十九億五千八百万円。私は、日本の新生児の死亡率を減らそう、エイズに積極的に支援しよう、こうした姿勢を示していくことが平和国家としての信頼をから得ることだと思いますけれども、総理の御見解を承りたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 まことに心の痛む話でございます。過日本会議で申し上げましたように、東西の冷戦の終結、軍縮というものは、その平和の配当はやはり南の人々が受けなければならない、一番大きな受益者でなければならないと思いますので、問題の規模はそのぐらい実は私は大きいんだろうと思います。ユニセフもWHOも一生懸命やっておられますけれども、エイズがもし今のようなことになりますととてもそんなことでは済まない話になりますので、我が国だけではございませんが、我が国もやっぱり本格的にそういう問題を考えておかなければならないと存じます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 環境問題ですけれども、総理大臣は「宮澤ビジョン」の中で、日本は地球環境保護のために積極的な貢献をしていくべきだと述べられております。私も同感であります。島根県の出雲市長の岩國哲人さんは、緑の平和部隊をつくって世界の森林保護育成のために、あるいは砂漠の緑化、砂漠を緑にするために派遣してはどうかという提案をいたしております。  先日のフィリピンの台風の惨害を見ましても、その大きな原因が森林の伐採によると報道されております。消え行く森林は一九九〇年四月のFAO、世界資源評価調査中間報告では年千七百万ヘクタール、日本の面積のほぼ半分であります。砂漠化は年六百万ヘクタール。九州と四国と同じ面積の規模で砂漠化が広がっている。ちょっと古いデータだけれども、一九八四年で砂漠化によって被害を受けた農村人口はどのぐらいかというと、一億三千五百万人であります。  私は、日本がこれらの問題に手をこまねいていたと言う気はありません。例えばフィリピンのパンダバンガンの林業開発やインドネシアの南スマトラ森林造成など、ODAにおける協力事例はあります。また、砂漠の緑化についても、JICAを通して海外青年協力隊の派遣を中心として植林協力などをしていることも事実であります。しかし、日本の経済力から考えたならば、私は、余りにも今までの取り組み方は不十分だと思います。例えば、ここは昔は砂漠だったんだ、日本の協力のおかげで今はこのように緑になったんだと語り継がれるような貢献をしてこそ日本が本当の意味での平和国家として認知されるのだと思うし、国際社会の中で信頼をから得るんだと私は思うのです。だから、森林の保護育成のためにも、砂漠を緑にするためにも、金と技術だけではない、欲しいのはそうした知識を持った人材の派遣なんだ。金と技術と知識を持った人材の派遣、これを一体とした具体的な像、具体的な方針、これを私は総理にお示しをいただきたいと思います。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 委員仰せのとおり熱帯雨林、毎年千七百万ヘクタールが、本州の面積の七割ぐらいのものが減っていってしまう。これらの熱帯雨林の破壊は、気候の変化でございますとか、生態系の変化とか、地球規模での環境に非常に悪い影響を与えるということが懸念されているわけであります。  環境庁といたしましては、この森林の保全と持続可能な管理に向けて、二国間の協力だとか多国間の協力をしてまいったところでございますけれども、これからも、開発途上国に対する支援、人材派遣、人の交流を通じた協力が重要であると考えておりまして、御指摘のとおり、環境庁といたしましては、外務省、国際協力事業団等と連携いたしまして開発途上国への環境専門家の派遣等、積極的に取り組んでいるところでございますが、このような協力をさらに強化してまいりたいと存じております。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 環境庁長官は今そういう御答弁をされますけれども、これに関して若干申し上げたいことがある。  私は、地球環境問題というのは、対外的な軍事力を持たない日本が世界をリードできる大きな分野だと思います。しかし、環境庁、庁では、今お話もありましたように、調整的な仕事が主となりまして、大きな事業をみずから実施することは困難であります。このような状態では、世界的政治課題の一つである地球環境問題の受け皿としては不十分であります。政府として一体的かつ総合的に対応していくのは非常に現状では難しいと思います。  世界を見ましても、イギリス、フランス、西ドイツ、カナダ、スウェーデン等は、環境省として大臣を置いた独立した組織として機能いたしておりますし、韓国も、昨年から環境省に格上げをしました。アメリカも、来年、省に格上げすると伺っております。私は、地球環境を最重要課題に日本が掲げるのであれば、庁を省に昇格をすべきだ。現在、ディレクターゼネラルという肩書だけれども、ミニスターとして、国際舞台でもって環境大臣に力を振るわせるべきだと私は思いますけれども、そうした省に格上げすることも含めて総理の御見解を承りたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 我が国は一九七〇年の初めごろに環境問題が非常に、ほとんど絶望的な状態になりましたが、その後、国民的な関心が高まりまして、比較的短い間にあの絶望的な状態をかなり改善した経験がございます。したがって、我々は、そういう意味でこの環境問題について一つの過去の経験を持っておりますから、今の世界環境の問題は、熱帯樹林であるとかあるいは緑地であるとか、我が国の問題とは少し異質でありますし、スケールも大きゅうございますけれども、我々にそういう経験と実績がございますので、貢献しなければならないし、殊に明年地球環境会議もございますので、余計そういうふうに思っております。そのための行政は充実をしてまいらなければならないと思いますし、また、関係各省の連絡会議なども緊密にやってまいりたいと思います。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 お答えいたします。  委員御指摘のとおり、近年、地球環境の問題を初めとする環境問題、極めて重要なことが多くなってまいっております。環境庁といたしましても、こういう事態に対処するために、組織体制の強化を図ってまいりましたが、今総理からもお答えございましたように、来年は国連のブラジルにおける環境サミットもございます。今後とも、環境行政の新たな課題に的確に対応するため、環境庁の組織体制の充実強化は必要であると認識しております。  省への格上げも組織体制の充実強化の方法の一つでありまして、国の行政組織のあり方にかかわる重要な問題でありますが、前向きに取り組むことが必要であると考えておりますので、どうか委員の御支援を賜りたいとお願いを申し上げます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 地球環境サミットには、ディレクターゼネラルではなくてミニスターでもってぜひ参加をしていただきたいというふうに思います。  ところで、政治改革について、やはりこれは宮澤総理の姿勢をたださなければならないと思います。  先ほど山花委員からも厳しい御指摘がありましたけれども、この経過だけは、どうしてこういうことになったか、経過だけはかいつまんで申し上げなきゃならぬと思います。  リクルートに宮澤さんがかかわってきた最初は、昭和六十三年七月六日、服部恒雄名義の株譲渡、株が譲渡されたという報道であります。そのとき宮澤さんは、全く知らない、服部秘書も知らないと言っている、これが最初であります。その後、七月十五日には服部秘書から報告が来たということで、この報道の事実を追認されました。  そして、八月四日の衆議院の予算委員会では、K氏は六十一年に株を――Kというのは名前はわかっていますけれども、あえて伏せます。K氏は六十一年に株を購入し、同様、同年十月末売却、二千万円余の差益を得たが、秘書は報酬など全く受けていない。これが八月四日。十月十一日、実はこれは宮澤さんの名義だということが報道、明らかになり、十月十四日、宮澤さんは衆議院の税制特別委員会で、服部秘書を通じてK氏に確かめたところ、株の取得が容易になると考え宮澤名義にした、取得の通知などは服部あてに行われたという答弁をされました。  ところが、十一月二十一日、江副さんの証人喚問があって、これは事実はK氏ではなくて服部さんだということが明らかになった。そして、十二月一日の再々答弁では、服部君は、六十一年九月三十日に宮澤名義で一万株の購入を申し込み、十月十五日にリクルート社の方の指示によりファーストファイテンスの銀行口座に三千万円払い込んだ。十月三十一日に、服部君は、自分名義で売却、五千二百二万円余が服部君の銀行口座に入金され、二千万円余の差益を得たという答弁があった。そして、十二月七日には、総理大臣は、購入契約から払い込みまでの間はファーストファイナンス社が仮払いとして処理していた等々の答弁があった。幾つか答弁が変わってきたわけです。  実は十二月一日には、九月三十日に宮澤名義であったけれども、実際このときには宮澤さんも服部さんも外遊しているということが明らかになっている。これは九月三十日じゃなくて、九月三十日付となった。そういう経緯で、実は昭和六十三年十二月七日、参議院の税制特別委員会で公明党の峯山昭範委員が、宮澤答弁を裏づけるためには、蔵相名義のリクルートコスモス株売買約定書、ファーストファイナンス社への株購入代金三千万円の払込証明、それから株式売却代金五千二百余万円の入金証明書、この三点セットがなければこの答弁を裏づけることができない、こういう要求を公明党の峯山さんがした。そして翌十二月八日、野党各党が公明党の峯山さんの主張どおりだということで一致をして、三点セットを要求することになった。その結果、翌十二月九日に宮澤さんは辞任をし、十二月九日の正午過ぎに記者会見が行われたわけであります。そのときに宮澤さんは、税制法案成立のために辞任したというふうにお述べになられています。  このとき宮澤さんがおやめになった理由というのは何なのか。税法を成立させるために辞任されたのか、リクルート事件でけじめをつけるためだったのか、公明党が要求した三点セットは提出できないからおやめになったのか、そのときの理由はいかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 一番私の気持ちの基本にございましたのは、理由はともあれ、国会に対して御説明をいたしてまいりましたことが幾たびか訂正を申し上げなければならなかったという、これは国務大臣としては極めて重い責任でございます。重い過失でございます。これが一番私がやめさせていただかなければならないと考えた理由でございますが、同時に、そのような私が税法改正を担当いたしておりますということは、この税法を御賛同いただくのに非常に差しさわりがあると考えました。したがいまして、もし自分が身を引くことによって税制を通過させていただくならばそれは望外のことであるという意味のことを申し上げましたが、基本的には、自分が何度も申し上げることをたがえて、訂正をしなければならなかったということについての重い責任を感じたためでございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 そうすると、答弁をたがえてきた、そのことに対する責任もある。ということになりますと、その答弁が、最後の答弁が間違いないものであったかどうかということは、これはやはり明らかにしなければならないと私は思います。  今の総理大臣の御答弁を伺っておりますと、やはりこの問題、三点セットを私たち野党は要求をした、それはそのまま、あいまいのままおやめになられた。そうすると、現在の心境としては、三点セットの問題についてはこれを国会に提出することがけじめとして必要だというふうにお考えになっているわけですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 当時、峯山議員からそういう御要求がございましたことをよく記憶をいたしております。その御要求に私が応ずることができませんでした理由は幾つかございますが、一つは、当時の状況の中で、御要求の書類の全部がそろわなかったと、いうことがございます。もう一つは、このことは私の取引でございませんので、いわば人のプライバシーに関係をしているということがございました。そのような理由がありまして、御要請にこたえることができなかったという事実がございます。  それから長い日にちがたちまして、私としてもこの問題についてきちっと真相を知っておかなければならないという気持ちもありまして、現在ほぼそれらの資料を整備しつつございますので、プライバシー等の問題は依然としてございますけれども、先ほど御質問に対してお答え申しまして、また、委員長からお話がございましたようなことで、私としては、最善を尽くして委員長の御要請にこたえなければならない、こう考えておるわけでございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 たしか昭和六十三年十二月八日のときに、報道によりますけれども、自民党が確認した方針というのは、売買約定書はいいが他は応じられないというものでございました。そのためにいろんな憶測が生まれまして、本当に三千万円振り込まれていたんだろうかとか、いろんな憶測が生まれた。私は、そうした疑念を払拭するためにも、改めて三点セットはきちんとこの国会にお出しになる、このことは必要だと思いますし、私も改めて要求をいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 既に委員長にお答え申し上げましたとおり、最善を尽くしたいと存じます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 ところで、政治改革について、総理は一年をめどにと答弁されております。与野党で協議して一年をめどにということなんですけれども、これは、総理のお考えは、与野党で合意したものからやろうというのか、あるいは例えば政治倫理、政治資金、それからもう一つは選挙制度、この三つがきちんと合意しなければだめだ、一括処理というふうにお考えになっているのか、それとも、選挙区制の問題はかなり論議が重なるだろうから、政治資金やあるいは政治倫理で与野党がきちんと合意できればまずそれから始めてもいいというお考えなのか、その基本的なお考えはいかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 本来私は、三つのことが相互関連いたしておりますので、そういう形で協議会で結論をお願いを申し上げたいということを望んでおるものでございますが、他方、先ほどもお答えいたしましたが、協議会が達した結論には従うであろうな、こういう御指摘に対しては、これは、国会が法律を制定していただきませんとこの改革はできないわけでございますので、協議会のお出しになりました結論には従います、こう申し上げておるところでございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 ということは、与野党で合意したものから始めるのであって、区制の問題は後になっても、それはやむを得ないという御判断と考えてよろしいですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 そこまで申し上げますと、私が希望を捨てたようなことになります。私の希望はやっぱり三つが相関係しておりますのでということを申し上げさせていただきたいと思います。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 一括処理にこだわりますと、一年めどではかなり難しいということを申し上げておきたいと思います。  ところで、選挙区制について、イギリスでは小選挙区制による二大政党に疑問が提起されております。総理は、小選挙区制と、国民の意思を比較的正確に反映するいわゆる比例制、あるいは準比例とも言うべき現行中選挙区制、また、総理は九月十一日のユートピア政治研究会で現行の中選挙区制における連記制の導入を提案しておりますけれども、これらについて、総理が最も好ましいとお考えになっている区制はどれでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 私は専門家でございませんので、余り深いことは申し上げられませんけれども、どの制度にもいいところもありいろいろ欠点もある、メリットもありデメリットもございます。連記制というのもかつても議論されたし、一つのメリットもある、しかしまたデメリットもあるというようなことで、議論いたしたことはございますけれども、要するに、政府といたしましては、前国会で御審議をいただきましたあれをひとつ協議会の最初のスタートにしていただけないものだろうか、こう考えております。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 廃案にしたものをスタートにするというわけにいきません。これはもう一度白紙にして議論をしてもらいたいと思いますが、参考資料ならともかく、これをたたき台というわけにいきません。いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 参考資料でも結構でございますが、意のあるところをひとつお酌み取り願いたいと思います。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 最終段階に来ている米問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  総理は、本会議で、これまでの基本的方針のもとに相互の協力による解決に向け最大限の努力を傾注する、こう答弁してこられましたし、十月二十七日の記者会見では、ウルグアイ・ラウンドが壊れてはならないので、各国とも相応の譲歩をしていくことが交渉の精神だ、ガット事務局長の案の内容を見て、各国の対応を参考に我が国の対応も考えていくというふうに述べられております。私も、何としてでもこの関税化だけは回避したいという気持ちでいっぱいでありますが、現実問題として、総理は最後まで、いわゆる一粒たりとも輸入は認めないという態度を最後まで貫き通すのかどうか、また通せるのかどうか、その点についてはいかがでしょうか。     〔中山(正)委員長代理退席、委員長着席〕

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 自給を基本方針とするという国会の御決議がございますので、その精神に沿っていかなければならないというふうに考えております。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 総理は記者会見で、ガット事務局長の案の内容を見てと言われていますが、いわゆるドンケル・ペーパーが、まあアメリカはECといろいろ議論されておりますけれども、ドンケル・ペーパーがウエーバー条項の扱いだとか輸出補助金削減で満足いくものであればオーケー、不満足であればノーということになるのか、あるいはすべてノーということになるのか、その点はいかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 ドンケル・ペーパーというものがいつ、どのような形で出されるのか、またそれはどのようなものであるかということについても、実は確たるはっきりした見通しというものはないわけでございますが、大切なことは、可変課徴金であるとかあるいはアメリカのウエーバーであるとかいうことのもう一つもとにまた輸出補助金というものが、そういう大変に難しい問題がいろいろございますから、アメリカなりECなりがそういうことについて大きく譲歩といいますか犠牲を払って、そうしてラウンドの成功に貢献をするという態度が見えませんと、我が国だけがいろいろなことをするというわけにはまいらない、こういう気持ちを申したものでございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 ドンケル・ペーパーのできぐあいによってはノーと言うこともあり得るというふうに理解してよろしいですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 と申しますよりは、別の表現で申せば、アメリカ、EC、我が国、みんなおのおの譲れるところは譲るということでなければこういうラウンドは成立しないという、そういう考え方を申し上げたのでございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 ウルグアイ・ラウンドは別に農業だけじゃなくて、いろいろな分野があるわけです。例えばスーパー三〇一条とアメリカは何かというと持ち出してくる。これはガット違反です。それだってアメリカはやめてもらわにゃならぬ。そういう点についても、私は、アメリカは要求するんじゃなくて、ウェーバーだってあれはガットに入るためにアメリカが勝手につくって、アメリカだけが利用している、こんなウェーバー条項だなんというものは、これは我々は認めるわけにいきません、そうしたきつい態度をとってもらわないと困るし、ですから、このできぐあいによってはノーだってあり得るんですよ、そういう厳しい態度をとらなきゃならぬと私は思います。日本だけが一方的に譲歩、これは許せるものではない。それは我々もウルグアイ・ラウンドは成功させなきゃならぬと思う。ふたをあけたならば日本だけだった、これは成功とは言えない。いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 今御指摘になりました二つのことは、ともに極めて大事な要素であると思います。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 いずれにいたしましても、米の置かれている客観情勢が厳しいことは事実であります。そうした厳しいということを前提として、今ここでこの議論をするのは多少早い感じもしないわけではないけれども、あえて将来のために伺っておきたい。  実は現行食管法十一条では、「米穀又ハ麦ノ輸出又ハ輸入ハ政令二別段ノ定アル場合ヲ除タノ外政府ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ」、こうなっています。私たちは関税化をぜひとも回避したいと思っておりますけれども、万々が一関税化というようになった場合には、いわゆる「政令二別段ノ定アル場合ヲ除タノ外」と書いてあるから政令を改正すればそれで済む問題なのか、あるいは食管法そのものを改正することになるのか、あるいは生産農家、農業団体、消費者等と相談をして新しい制度を検討しなければならないというふうになるのか。この点については、これは大変微妙な問題でもあるし、またこれから日本の農政を考えていく上に大変大事な基本となる問題なので、この点は余りあいまいにしないでお答えをいただきたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 お答えをさせていただきますが、仮定の話でありますので非常にお答えしにくいところがありますが、若干、反対している理由等も含めて御理解をいただきたいと思います。  今日までの我が国の主張というものは、何といってもこのウルグアイ・ラウンドの中で努力、解決すべきだ、今総理のお話のとおりでありますが、さらにその際、我が国にとって米が食生活及び農業等において格別の重要性を有しておる、このことを十分配慮してくださいよ、要すれば、輸出側の論理ばかりではなくて輸入する方の立場というものも考えなきゃいかぬというのが一つ。  それから、多面的な役割をこの稲作の場合には有しておるわけでありますが、特に構造的特質、これは、生産性をどんどん上げれば内外価格差が縮小するかというとなかなかこれは、アメリカ、タイ、非常に難しい問題を抱えておるわけでして、期間も相当かかります。また加えて、三割の減反をお願いをしておる。また、米の需給については量的にこの管理が必要だということで関税化は受け入れられません、こう申し上げてきておるわけであります。  そのほかに、何といっても純輸入額というものは、まあ輸入から輸出を引いた額でありますけれども、もう二百八十億ドルにもなっておる。これはソ連の百七十四億ドル、西ドイツの百三十五億ドル、イタリーの百二十六億ドル、イギリスの九十億ドル、こういうものに比べても日本が世界一の輸入をしておる。先ほども申し上げましたけれども、カロリーベースでも先進国の中では最下位なんです。全世界でも低水準にありまして、百六十四カ国の中で百四十五位という、カロリーベースで見てもそういう状況にありますので、そのほか小麦、大麦は大体八五から八六%の輸入に依存しておる。大豆、トウモロコシは九八から九九%、米だけはわずか〇・五、こういうことでありますが、丸裸になるわけにはまいりませんので、この辺のところは先ほど申し上げたようなことで対処してまいりたい、御理解をいただきたいと思います。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 アメリカの農業というのは、言うなれば大型、大規模農業で、日本は家族農業だ。アメリカの農産物というのはもともと輸出をするためにつくっているようなもので、まあ自動車みたいなものだ。それに対して日本の農業はそうではない。この力の差というか物の考え方の差というのは、これは大変な大きな違いだろうと私は思います。  そういう中で日本に、日本の農業が置かれている立場、苦しさというのは、それはもう深刻なものがあることは事実であります。ですから、私たちもいずれ完全自由化につながる関税化をそのまま直ちに受け入れるなんということはできないし、そんなことになれば稲作農家にとっては大変打撃が大きいことになるというふうに思います。だから私たちは、関税化を何とか阻止したい。そのために、例えばガット十一条二項の(c)の数量規制によって関税化を阻止することができるのではないか。それでもって何とか関税化を阻止する機会もあったのではないかというふうに考えております。今でも私は、関税化を阻止するための一つのカードとしてこれは考えてもいいのではないかというふうに考えております。一番厳しいのは関税化です。この関税化を避けるためにガット十一条二項の(c)の数量規制、これもカードの一つに考えてもいいのではないかと思いますけれども、この点については、これはやはり農林大臣ということになりますか、総理ですか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 お答えをいたしますが、どの道を選択をいたしましても、非常な国内の問題が伴います。国会決議を、どう私どもがこれを受けとめていくかというのが一つあります。それからいま一つは、どんな形でも、先ほどの御質問の食管法というものを手をつけずに進めるということは非常に難しい問題があります。国会決議をされた先生方が、これと反したことにお決めいただけるだろうか。いろんなことを考えてみますと、いずれにしても自由化につながっていく方法というものはなかなか難しいと判断いたしております。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 牛肉・オレンジのときも、絶対自由化は阻止すると言い切ってきて土壇場で変わってしまった。そうした都合のいいというか、耳ざわりのいいことは言うけれども、最後の段階でどでん返しを食う。これはやはり政治の不信につながっていくのではないか。事実は事実として、厳しければ厳しいという状況をむしろ率直に国民に語りかけた方が、長い目で見て信頼を取り戻せるのではないか、信頼は得られるのではないかと思うけれども、そういう点については、総理はどうお考えになりますか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 おっしゃるとおり、国際的な立場で自由貿易の恩恵を受けている日本という立場からすれば、先生のおっしゃりたいことはよくわかります。わかりますけれども、現状での日本の立場というものを、さっきも総理から御答弁ありましたように、まだどんなものが出てくるのか全く予測のつかぬそういうときに、先駆けていろいろ判断したり答えることはどうか、こう思います。  いずれにしても農家、農民の立場でこれを貫き通すというのが私の立場でありますので、御理解をいただきたいと思います。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 この問題については、最後まで御努力もお願いしたいし、また、最終ドンケル・ペーパーが出されて各国がそれぞれの対応をしなければならないときにも、誤りない冷静な判断をぜひともお願いをいたしたいというふうに思います。  防衛問題について一点伺います。  アメリカ国務省は九月十六日に、九月十日にさかのぼって日本航空電子工業に対し、「防衛装備品又は防衛サービスの輸出又は移転を認める全ての既存の許可及びその他の承認は停止される。」との制裁措置を発表いたしました。防衛装備品または防衛サービスの輸出または移転を認めるすべての既存の許可を停止する、移転は認めない。移転というのは、日本国内にある日本電子工業の倉庫からもあるいは工場の敷地内からも、ライセンス生産した部品は移してはいけないという厳しい規定であります。そのために、九月十日以降、いわゆる日本航空電子工業が生産をしたパーツは、三菱重工業ほか軍需工場にはそれ以後一つも入っていないわけであります。  私は、これをテレビの放映を見ながら知ったわけでありますけれども、これは日本の防衛力整備計画に重大な影響をもたらしてまいります。すなわち、防衛庁が来年度に納入したいと考えているF15の自動操縦装置あるいはミサイルASM1、これは私の記憶に間違いなければ飛行機から船を攻撃するミサイルです。それからSSM1、これは陸から船を攻撃するミサイルです。このミサイルにはジャイロというのがついている。このジャイロは日航電の部品が予定をされております。それ以外にも日航電がライセンス生産をした部品が相当数の兵器に使用されるはずでしたけれども、この国務省の通達によってこれはできなくなりました。  またもう一つ、日米でFSXの共同開発をしようとしておりますけれども、その共同開発の中にも日航電のパーツは重要な役割を占めていたはずでありますから、この日米共同で開発しようとしていたFSXにもこれは支障を来してまいります。  私は、今まで総理は、防衛力整備計画については今までどおりいくんだという答弁をずうっと繰り返してこられたけれども、防衛力整備計画というのは生産という面から軌道修正せざるを得ない状況に来たのではないかというふうに思いますが、この点についてはどういうふうにお考えになっておりますか。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、日航電のこの不正輸出につきまして、大変遺憾な事件でございましたけれども、アメリカが、今御指摘のように九月に日航電等にかかわるライセンス生産等の禁止の発表をいたしております。したがいまして、今先生御指摘のようにライセンサーとのライセンス契約で認められておりますところの技術使用でございますとかあるいは製造、修理あるいは販売等の日航電の行為、また米国企業から同社への部品の輸出等が停止されていることに相なります。  したがって、この国務省の九月十六日にとられました行政措置の防衛庁における装備品等の調達に対する具体的影響等につきましては、ただいま調査中でございますけれども、先生おっしゃいました点は二つございます。  一つは、ただいま調達しております航空機等についての慣性航法装置、ジャイロでございますが、こうした影響があるのではないかという御指摘と、それからもう一つは、FSX、これは今、共同開発をダイナミックス社とやっておるプロジェクトでございますが、この影響があるのではないかという点でございます。  一のジャイロ、慣性装置等の問題についての調達については、ただいま調査中でございますし、また、FSXの問題は、これは御承知のように三菱重工業が主契約企業として、その傘下に幾つかの企業の合弁体でこれを共同開発するわけでございますが、日航電はFSXの開発におきましても飛行制御の機構関係では有力企業でございます付れども、現在、この開発計画、設計の段階でございますが、ここで日航電の役割というのは具体的に決められたわけではございません。  そういった意味で、これは我が国のこれからの装備品の調達に多大な影響のあることはもちろんでございますけれども、防衛庁といたしましては、こうした調査の結果を踏まえまして、代替ソースがあり得るかどうか、その調達が考えられるかどうか等対応策を早急に実施いたしまして、同措置によりまして防衛力整備への影響のないように万全を期してまいる所存でございます。  また、今その調査をいたしておるところでございまして、先生御指摘のように防衛力整備計画は生産面において軌道修正せざるを得ないのではないかという御指摘、これも一面ごもっともな点ございますけれども、私どもとしては基本的にはそのようなことにならないのではないか、このように考えておる次第でございます。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 私たちは、国際情勢が激変した、そうした状況を踏まえて、日本の防衛計画そのものも軍縮という方向に軌道修正すべきであるという見解を再三表明してまいりました。私はそうした国際情勢の認識からも軍縮の方向で日本は進むべきだと思うけれども、また実態面からもそうせざるを得ない状況に追い込まれてきておるのではないかというふうに考えております。この問題はさらにこれからいろいろ問題が明らかになってまいりますので、後刻またこの点については議論をいたしたいと思います。  ところで、これは最後の質問になりますけれども、私は、総理、政治というのは何かなあと、こう考えてまいりまして、政治の究極というのは、考えてみれば安心して暮らせる環境をつくることだ、これはもう大変平凡な答えたけれども、そういうことだと思うのです。そうすると、例えば高齢化長寿社会を、本当の意味で長寿を喜べる社会にするためには、これは医療の面なんですけれども、国民が行政や医療機関との連係プレーにより、みずから病気を予防し、積極的に健康管理をすることが大切になります。国はその体制づくりを急がなきゃならないと思います。  私たちはそのために、健康カードを中核とした生涯健康管理システムの確立を提案してまいりました。これが健康管理カードの実物であります。これをもし光カードでやりますと、このカードの中に電話帳一冊分のデータが入ります。二見伸明、平成三年十一月十四日誕生、二千何百グラムで、血液型A型で、まずデータが入る。それから、いろんな検診のたびにこのデータが全部入る。病気になった、医者へ行った、何年何月どこどこの医者へ行ってこういう診断を受けてこういう薬を投与された、一切入ります。成人病の検診に行った。血圧は上が百四十三で下が八十七で、心拍が幾つで、肝機能がどうで、腎臓がどうで、血液検査の結果、尿酸値がどうで、ありとあらゆるデータがこの一枚のカードに入ります。  このカードの利点というのはどういうことかといいますと、このカードを持っていて医者に渡しますと、パソコンの画面に一切のデータが出てまいります。ですから、医者と患者がそのデータを見ながら話をし、医者も患者も両方ともどもに同意し、納得した治療が進められるというメリットがあります。また、過去にどんな治療を受けたかということもこの一枚のカードで全部わかりますから、適切な治療、投薬が可能になります。また、病院を変えた場合でも、再検査の必要もなく、薬を重複投与することも避けられます。また、旅先や事故のときも、このカード一枚あれば健康状態がすぐわかります。札幌で病気になった、これを持っていけば向こうの病院で全部わかります。ですから、速やかな適切な治療ができます。しかも、これは結果として膨大な医療費の伸びを抑制することもできます。  兵庫県の五色町、岩手県の沢内村はICカードのモデル実験をしてまいりましたし、山梨県の白州町では、文部省の予算で光カードの実験もしてきました。民間でも研究会がつくられるなど、研究は急速に進んでいます。記憶容量の面から見ると、これは将来的には光カードの方がいいと思う。しかも、これがもしですよ、大変夢物語だけれども、世界にこのネットワークができたときに、ロンドンで病気になっても、ニューヨークで風邪引いても、モスクワで下痢をしても、このカードがあれば、世界どこへ行っても安心した適切な治療が受けられるということにもなる。ただこれは、研究者によりますと、フォーマット、プログラムの規格を統一しなきゃならぬとか、あるいはプライバシーにかかわることがありますので、その点についての配慮とか、克服しなきゃならない課題はないわけじゃないけれども、研究段階は進んでおります。  私は、政治の究極の目的が、安心をつくり出す、安心して暮らせる環境をつくるということであるならば、老後も安心、これは年金です。病気になったときも、こうしたシステムで安心して治療が受けられる。そうしたことが、私は結局は政治の究極の目的ではないかなと思いますけれども、この実用化に向けて私はぜひとも踏み出していただきたいと思います。初めてお聞きになったことでしょうけれども、これは担当は、厚生大臣ならこの話はわかるはずであります。厚生大臣のお考えを伺い、最後に宮澤総理のこれに対する御見解を承って質問を終わりたいと思います。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 国民の健康をより正確に把握しておくということは大切なことであり、今のこのカードは非常に進んだすぐれた方法であることは私ども認めております。ただ、先生も御指摘になりましたように、例えばプライバシーの問題、あるいは入出力についてまだ研究しなきゃならぬ面も残っておりますので、今後これを進めてまいりたいと思っております。やれば、どうせこれは全国的な一つのレベルでやらなきゃならぬし、その普及の可能性について臣下探っておる段階でございます。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 御指摘のように、政治は人を支配することはできませんけれども、人を幸せにする環境をつくることはできる、それが政治の務めである。勉強いたします。

二見伸明公明党・国民会議

○二見委員 ありがとうございます。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて二見君の質疑は終了いたしました。  次に、金子満広君。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 限られた時間でありますから、単刀直入に質問をさせていただきます。  まず、リクルート疑惑、政治改革の問題であります。  宮澤内閣が発足してきょうで十日になりますが、二十一名の閣僚の中で、宮澤総理を初め十名がリクルート疑惑の関係者だということは、これは異常中の異常だと思うのですね。国民の普通の常識ではとても考えられないことだ、こういうことが一言えると思います。ですから、宮澤内閣発足の直後に行われたマスコミ、新聞の世論調査でも、問題ありというのが六四%もある。私は、そういう点でこの国会は、問題ありと国民が出しているこの問題を解明して、全部明らかにしなきゃならぬ、これが国会に課せられた責務であり、国民に対する果たさなければならない国会の義務だと思うのですね。  そこで総理は、きのうまでの衆参の本会議でも、自身の問題を含めて、今後国会の論議に際しては最善を尽くすということを繰り返し言明されてきました。私はそういう点では、言葉もいいですけれども、態度で示してほしい、これを特に宮澤総理には要求しておきたいと思うのです。  そこで、既に三年前から宮澤総理にかかわる宮澤喜一名義のあの未公開株一万株の譲渡についていろいろな議論がされてまいりました。きょうも、私の前にも幾人がからも質問がありましたけれども、あの未公開株の売買約定書を初め三点セットを提出せよというのは、これはもう国民的な要求だったと思うのですね。きょう総理は答弁の中で、委員会がお決めになれば最善の努力をしたいということを申されました。  そこで私は、これは衆議院手帖でありますけれども、どなたも持っているその中に政治倫理綱領があるのは御承知のとおりであります。その政治倫理綱領の第四項は次のように述べています。「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」総理、これは何も条件つきじゃなくて無条件で、総理はもちろん、すべての議員に義務づけていることだと思いますが、どうですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 さように存じます。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 そうしますと、委員会がお決めになる、お決めにならないにかかわらず、あなたが繰り返して言っておりましたように、とにかく国会の議論に対しては最善の努力をすると言うんだから、そしてほば整っているとも言っているんですね、先ほどはちょっと変わって、整いつつあるというような表現もされましたけれども、とにかくかなりのところあることはきょう言明されました。これを、もう院の議決があろうがなかろうが、ここに出すということはあなたに課せられた倫理綱領の義務でもありますが、持っているんだから出したらどうですか。なぜ出ないんです。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それは一つは、先ほどもちょっと申し上げましたが、やはりプライバシーの問題がございまして、私自身のことでないことでございますので、そういうことも考えておりまして、しかし、委員長の御指示でございますので、委員長のお手元に、準備ができましたら提出いたしたいと思います。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 総理はしばしば、国民に多大の 迷惑をかけたと言っているんですから、プライバシーの問題もあるけれども、国民全体に多大の迷惑をかけたということであれば、もうあれから三年たっているんですから、プライバシーの問題、だれとだれとで、私だって名前知っていませんで、大体。そういうプライバシーでかかわりのある人間というのは、話すか説得するか、私は総理の責任で出すべきだ、このことをひとつ主張しながら、次は、総理が大蔵大臣をおやめになったその後、新しくいろいろな問題が出た。これも既にきょう質問の中で出されました。一九八七年三月にリクルート社からあのパーティー券購入での五千万円の問題と、それから続いて五千万円の政治献金が国会の中にある大和銀行に振り込まれたという話は出ました。合わせると一億円になるのですけれども、総理はその点について知らないということで答えられました。  そこで、私はこの点だけひとつ確かめておきたいと思いますが、それでは総理、あなたの秘書であった有名な服部恒雄さんですね、おととしの五月に東京地裁で政治資金規正法違反で二十万円の罰金刑に処せられたのは御存じですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 そのことは報道もされたし、存じております。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 それは政治資金規正法の中でのどこの問題が追及されたんですか、何が。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 実は、先ほど山花委員からお尋ねがございましたことにあるいは関連するかと思いまして、今至急調べておりますので、委員会が終了いたしますまでにお許しを得まして申し上げます。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 それが国会内の大和銀行に振り込まれた五千万円の資金の問題なんですよ。その取り扱いが間違っている。規正法に違反したんです。だから二十万円の罰金だ。自身に関することで、おととしの五月三十日、これはもう新聞全体が大きな記事を書きました。ちゃんとこの中には、宮澤喜一元蔵相関係服部恒雄被告ということで、起訴の理由、そして内容が全部出ています。そういう中に、五千万円の振り込み送金はこれこれで、その中で百五十万円を超えたものを出してないという、こういう違反だということまで書いてあるのですから。総理が、自分の信頼する秘書で、知らない、これから調べるということでありますけれども、知らないんなら知らないということで、私は次に移ります。  いずれにしても、その五千万円がそういうことでありましたが、同時にこの裁判で、金を集めたわけですけれども、服部秘書はどういう目的で集めたかということも述べておるのですね。その服部調書によりますと、次のように言っています。江副から宮澤への寄附として受け入れた五千万円は、総裁選の裏工作資金として使うためだったと言っています。裏工作資金だということを宮澤さん、御存じですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 政治資金規正法違反で罰金を受けたことは存じておりますが、どういう陳述であったかということについては、私、存じておりません。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 服部調書は閲覧できるのでありますから、私どもは全部これを見ました。写してきて見ました。そこにすべてあるわけですから、それを宮澤、服部という仲で、密接不離とまで言われる関係で今日まで知らないというのは、知らないということはどういうことか、私もそれはわかりませんけれども、知らないとおっしゃれば、その次の問題です。  その資金集めというのは、服部調書によれば次のように述べています。「宮沢が自民党総裁の座をめざしていた昭和六二年ごろ宮沢の派閥である宏池会の当時の事務総長加藤紘一代議士に「財界の主だった人に総裁選に向で協力方をお願いして回るよう言われました。」」とありますが、たまたま加藤官房長官そこにおりますから、そのような指示を服部秘書にされたのかどうか。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官・通商産業大臣臨時代理

○加藤国務大臣 大分前のことですから、どういう発言したのかよく覚えていませんけれども、私は、当時派閥の事務総長でありましたし、そういうわけで、筆頭秘書の服部さんに、いろいろなところに、宮澤さんというのは今の時代の要請に合った立派な総理候補であると僕ら思っているから、そういう財界の人とのつなぎというのは、いろいろ関係があるわけだから、一生懸命PRしてくださいということを当然言ったと思います。今回も言いました、別の人にですけれども。いろいろな我々の仲間で、そのPR活動は一生懸命やったつもりです。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 加藤さん、ある程度肯定されておりますけれども、その加藤さんの言われたことを服部秘書は受けて、リクルートの江副氏に会って五千万円をいただいたということまで調書にはちゃんと出ているのですから。  さて、そういうことになりますと、加藤事務総長、当時ですね、その指示したいろいろのことを話した中で、結果がどうなったかということを報告を求めたことはあるのですか。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官・通商産業大臣臨時代理

○加藤国務大臣 一般的に、そうやって支持を求めてほしい、我々も努力するし、あなたもやってくださいと言ったわけで、それはいろいろな方に言いましたから、一つ一つ報告は受けておりません。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 非常に大事な問題ですから、そこで総理、あなたは自分が戦う総裁選挙を前にして、裏工作の金とまで言われ、そして決して小さな額のお金ではないですよ、忘れるような金額でも私はないと思うのです。こういう点で、総裁選挙を前にして、このようなことについて知ろうとしたのか、あるいは自分で何か指示したのか、そういうことはございませんか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 私は候補者でございましたものですから、そういうことを一々存じておりません。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 大変のんきな選挙をやっているような気がするのでありますが、どういうことかというと、服部調書では、その集めた金は宏池会の内外の議員数十名に配った、一人百万円から二百万円、五百万円という金額までこう出ているのです。そして、こういうところだというのも出ていますよ。こういう点について総理が全然知らないかどうか、このことどうですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 私は候補者であちこち動いておりますものですから、細かいことを実は存じておりません。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 そこには一人一人名前はありませんけれども、どういうところだというのはあります。そういう中でこういうように金を集め、金をばらまくということは、では、だれがやっているのか。宏池会では、責任者は知らない、あれこれも知らない。それで動いている人は調書でみんなあるのです。すると、だれがそこのところで動いているのですか、だれが。宏池会はそれを秘書に任じているのですか、どうです。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官・通商産業大臣臨時代理

○加藤国務大臣 派閥のことでございますので、当時事務総長を乱やっていたわけですけれども、それぞれの方がそれぞれの判断でやっているケースというのは意外に多いのです。  それで、やっぱりかなりの指導者の方ですと詳細なことは全部お任せのケースが多いですし、また、それぐらいでなければ、みこしにもなりながら派閥の長といいますかグループの長の機能というのはなかなか果たせないところがございまして、それぞれの方が独自の判断でやっているケースは多分にございます。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 今の社会、現状では、自民党の総裁選挙というのは内閣総理大臣の選挙を意味するという面もあるんだと私は思います、そういう意味を持ったものだと。そこで金をばらまくということが、好き勝手にやるということだけれども、贈賄罪の容疑があるんではないかというのは前からよく指摘をされていたことだと私は思うんですね。一九七六年に、当時当事者でもあった福田元副総理が国会の答弁で、このことを問われたら次のように言っているんですね、少なくとも道義的、政治的には贈収賄と同じような関係が成り立つと。総裁選挙というのはこういう重大なものだ、こういう認識だったと思うのですね。  ですから、宏池会というのは勝手にだれがばらばらにやっていますというだけで済む性質のものではありませんけれども、そうしますと、いろいろの、客観的なところから、言われるままに見ますと、結局秘書が中心になって動いているというようなことになっちゃうんだが、そうしますと、リクルート事件、この問題が出たときから、何か事があると、秘書が、妻が、弟が、兄が、親戚らがといってみんな人のせいになすりつける、第三者に。こういうのがうんとあったと思うんです。そして、自分だけは何もなくて、清潔で、我のみ清しと、みんなはたが悪いんですというようなことをやったら、これは政治倫理も何にもないと思うんです。こういう点で、赤信号もみんなで渡れば怖くない式に、とにかく過去のものにしよう、過去のものにしようというような空気があったら、私はとんでもないことだと思うんですよね。  結局、そういう中で私たちが思うのは、秘書が秘書がということでなくて、私はそこで、今度の国会で総理はよく選挙で信任を得たということを言われました。三点セットは出していません、具体的な内容を聞いても知らないんだと。そうすると、選挙では真実を明かさないで選挙をやったんだから、これで信頼を得たというのは自分では言えても、私は有権者は納得をしないだろう、こういう点ははっきりしていると思うんですね。したがって、このリクルート問題というのは、何も決着がついて、みそぎで、信任されたからいいというのじゃなくて、これから三点セットも出すということですから、出してもらわなきゃ困るわけで、そうしますと、これからが問題の解決をしていくということになりますから、そういう点では、ひとつ私どもの務め、国会の責務として真相解明に全力を挙げたい、こういうふうに思います。  そこで、もう一つ政治改革問題ですが、よく言われるように、また答弁もされていますが、政治改革の三つの法案をたたき台にして一年をめどにということですが、もっとわかりやすく言えば、政治改革ということで小選挙区制という制度を一年をめどに実施をしたいと。国会は廃案にいたしました。継続審議を主張した人はゼロであります。全員が廃案を主張した、こういうことでしたね。廃案になったのをここで、参考であろうがたたき台であろうがここに出すということは、議会制民主主義の立場からこれは間違っておると思うんですね。ましてや、各党で協議している政治改革協議会に、これ、せいというのを言うのは越権行為だというのは随分出ている意見でありますけれども、私は、たたき台ということであれば、総理は何回か本会議で、真剣に御討議をいただいたものでありますからとよく言われました。真剣に討議をしたことは事実だと思うんです。真剣に討議をして、そうしてたたいたんですよ、たたき壊れて台までなくなっているの、これ。台までなくなったものをここへ出そうとしたって、私は、閣僚の中でそうだと思っている人は少ないと思うのですよ。ようし、これでやろうなんて思っている、そんな元気のいい人はいやしないですよ、間違っているんだから、これ。  そういうことを考えたときに、廃案になったものを何とかここへ滑り込ませるという、そういうよこしまな考えでなくて、国会には現行中選挙区制のもとで定数是正行うべしたという決議があるのです。五年前にやっているんだから。この決議を実行する気はあるんですか、ないんですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 たたき台が、もうたたき台がめちゃめちゃになったとおっしゃいましたけれども、非常に御議論もいただいたものでございますので、また捲土重来ということもございますから、ひとつどうぞよろしくお願いをいたします。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 捲土重来というのはそこに使う言葉ではないんです。そういうところへ使うんじゃない。廃案になったものは、しかもだれかが継続審議要求したとかいうなら別ですよ。賛成ゼロなんだから、こういうのは廃案にするというのはみんな賛成で、継続なんて一人もいやしないんです。これ、事実はそうなんです。そりゃ外でどうかは知らぬですよ。そういう点で私が聞いているのは、国会の決議というのは、国会議員、政府を拘束する力を持っているんですよ。これは実行しなけりゃならないんだから、そういう点で言えば、一票の格差がこんなに離れているときに、一票の格差を一対二未満にする、そして一選挙区の定数は三から五にします、二人区・六人区はなくします、そうして合区、分区は同一都道府県内でやりますというこの方向をみんな出しておるわけです。国会決議なんだから、その気になればできるはずだ。ところが、いや、それをすると百近い選挙区をどうだこうだと言いますけれども、小選挙区制なんというのは一人区にみんなしちゃうんだから、二人区もだめですというときに一人区にするようなことを、皆さん、通るはずがないんです。こういう点で、ひとつ国会決議を実行するということを強く要求をして、時間が参りましたから、終わります。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて金子君の質疑は終了いたしました。  次に、中野寛成君。

中野寛成民社党

○中野委員 宮澤総理初め、各閣僚の皆さんにまずは御就任のお祝いを申し上げながら、質問に入ります。  まず、政治改革でありますが、通告質問の前に、二つ御要望を申し上げます。  先ほど来各党から要求のありました、総理のリクルート関連のいわゆる三点セットの書類を中心に、真相をまず明確にすること、政治改革については、選挙制度優先にこだわらずに、まずできることから誠意と熱意を持って取り組むことが大切であると思います。それが宮澤政権の政治姿勢の大前提でなければならないと思います。そのことについての御決意を強く要望をするものであります。  もう一つ避けて通ることのできない重要な問題、これはガット・ウルグアイ・ラウンドと米の問題であります。その交渉が大詰めを迎えた今日、事は自由貿易を守るという基本姿勢と日本農業を守るという国益の両立を図らなければなりません。事は極めて微妙な外交上の戦略、戦術にもかかわる問題でありますから、先走って妥協的とも誤解されるようなことを申し上げることは我が国外交の不利益を招くことになると思いますし、我々はここでそのことを多くのことを申し上げようとは思いません。ただ、米の自給を中心とする国会決議をあくまでも守り、全力を尽くされることを強く要望する次第であります。また、今こそ、内にあって総合農政を充実し、日本農業の構造改善と体質強化を急ぐべきだと思いますが、この二点について、総理の基本的な御決意をまずはお聞きしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 冒頭の御要望についてはよく承りました。  後段の点は、まさに私もそのように考えております。

中野寛成民社党

○中野委員 それでは、まず通告の問題、すなわち国際貢献と新しい国連のあり方についてお尋ねを申し上げます。  PKO法案につきましては、この予算委員会が終わりますと担当委員会が開催をされますから、そのことについて今多くを触れようとは思いません。ただ、先般来総理がおっしゃいます国連中心の新しい平和構築へのスタートの時点に立ちまして、まさに日本は国連の充実に全力を尽くさなければならないと思うのであります。第二次世界大戦の連合国を中心にして生まれた国連、その中で、日本にとっては例えば敵国条項のように不本意な部分もございます。これらを単に敵国条項を削除させるということだけではなくて、むしろそのP5、基本となります連合国の主導権のもとで国連がいつまで運営されることでいいのかどうかということを踏まえた国連の新しい見直しということを私は今考えなければいけないと思うのでございます。  ちなみに、ことし四月十九日から二十二日までの間、スウェーデンの当時のカールソン首相の主宰で世界の安全保障と運営に関するストックホルム会議というのが行われました。世界の有識者が集まっての協議でございまして、日本では大来佐武郎元外務大臣に出席要請があったようでございます。ここで一九九〇年代における安全保障、開発、環境等の世界的諸問題に関する国際協力のあり方について検討をされました。そして「一九九〇年代における共通の責務」と題する最終報告書を採択をされたのでございます。  その中で、実はいろいろなテーマについて協議をされております。平和と安全保障、開発、環境、人口、民主主義と人権、そして世界運営という項目がございます。すなわち「これまで広い意味で安全保障を捉える考え方が出てきているが、そうした考え方に基づき、国連は安全保障理事会レベルでの権限を拡張する。また、安全保障理事会の構成国と拒否権の発動について見直す。」また、「国連事務総長により強い地位と権力を行使する手段を与え、事務総長や幹部職員の任命方法を見直す。」「国連の出資方式を見直し、また出資方式に従わない国からは投票権を剥奪する。」等々幾つかの提言がなされ、そして最後に「一九四〇年代のサンフランシスコ会議やブレトン・ウッズ会議のような「世界運営のためのサミット」を開催する。」という提唱がなされております。  日本はいわゆる軍事大国による国連支配も避けなければいけませんし、一方では、中小国の言うならば数に物を言わせて大国に対する対抗手段を講ずるという、時にある意味ではわがままとも見える、自己主張が激し過ぎる場合には、そういうこともあるかもしれません。その両方の弊害が、ある意味では心配がと言ってもいいかもしれません、既に生まれてきているように思うのであります。その間に立って、まさに国連民主主義とでも申しましょうか、そういう新しい国連のあり方を確立するために、日本が積極的な提言とリーダーシップを発揮する時代を迎えていると思いますが、まずこの国連のあり方について総理の御見解をお伺いいたします。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 せんだって来、本会議でも、国連が重要になりました、しかし、その国連が真に全部の加盟国の公平な代弁者であるかどうかについてはいろいろ問題があるように存じますとまでは申し上げておるんですが、実は問題は、今おっしゃいましたようなことが非常にその中心の課題であろうと思ってもおりまして、私はそういう問題意識は共通に持っております。

中野寛成民社党

○中野委員 問題意識を共通に持っておる。それでは、総理は具体的に、まさに外交通とも言われますけれども、国際情勢を見て、積極的に日本が果たすべき役割というのは当然あろうと思います。就任早々ではありますが、総理が今日まで考えられた一つのプログラムや構想というものもお持ちかとも思うのでありますが、その幾らかの具体的内容もしくは総理が思っておられます姿についての御指摘をいただければと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 実は、今はしなくも中野委員が言われましたように、強国だけに偏ってもいけないし、場合によると、いわば小国といってはなんですが、数で、数の横暴になってもいかぬというところが一番難しいところであると思います。そこで、抽象的にすべての加盟国のよき代弁者であらねばならないということ、そしてそのことはまず、これもおっしゃいましたが、安保理事会のところから本当はやっていかないといけないのであろうというぐらいのことは、私もこの間うちからちょっと申しております。何分にも問題が太さゆうございますので、言っただけでできないことでは意味がございませんので、もう少し慎重にいろいろ考えさせていただきたいと思います。

中野寛成民社党

○中野委員 言っただけではできないことを既に総理はおっしゃっておられるのでございまして、国連常設軍などとおっしゃっているわけでございますが、いずれにいたしましても、まだそれをお持ちでないとするならば、早急に、やはり日本が国連中心主義を唱えるならば、国連のあるべき姿について積極的な構想をまとめ、提起し、その実現に向かって全力を尽くすこと、そのことが大事だと思いますので、この際強く御要請を申し上げておきたいと思います。  次に、景気動向と中小企業対策でございますが、本日、日銀による公定歩合の引き下げが行われました。しかし、それで十分であるというお考えをお持ちの方はいらっしゃらないと思います。既に製造業二百六十八社の経常利益について、前期に比べて一四・九%減少する見通しという報道が先般なされておりました。一方、政府の方は、それにもかかわらず歳入不足を理由に増収を企画している、考えている。これは増税を考えているということかもしれませんし、一方では湾岸地域の平和維持回復協力のための一年限りの法人税、石油税の増税等々、これについて、いわゆる臨時増税をそのまま継続させるということを考えているのかもわかりません。しかし、そういうことは、財政バランスという近視眼的な視点に立ては増税延長も一つの案でありますけれども、これはかえって経済減速を助長し、中長期的に税収を減らすことにもつながるわけであります。そういう意味ではこ臨時増税は約束どおり今年度で終わらせるというお約束をいただきたい。  また、時間がありませんから続けて申し上げますが、日本経済の立て役者である中小企業育成というのは特に重点的に取り組むべきであると思うのでありますが、しかるに中小企業対策費は、最高だった昭和五十七年度が二千五百億円、平成三年度すなわち今年度は千九百五十億円でございまして、昭和五十七年度に比較をいたしますと、何と二二%も減っているのでございます。こういうことで果たして、この先行きが心配されている状況で中小零細企業は乗り切れるのか、ことし年を越すことができるのかどうかと心配している企業も多いと聞いているのでございます。この際、国民金融公庫、中小企業金融公庫等の中小企業向けの融資についてのいろいろな配慮等々、あらゆる方策を講じて中小企業また国民生活を守っていかなければならない、こう思うのであります。また、その一助として、災害対策を被害者は待ちかねているその補正予算、これもまた景気対策にもつながるでございましょう。一日も早く補正予算もまた出すべきであると思うのであります。  これらの考え方と見通し、プログラムについてお聞かせをいただきたいと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 お答え申し上げます。  大変広範な分野にわたってのお話でございますけれども、まず経済運営でありますけれども、御案内のとおり我が国の経済、これは六十一年に底を打って、それから好転をしてきているわけでございますけれども、それからつい先ごろのように金融が緩和されたということもございましたり、あるいは、確かに国際化あるいは情報化あるいはお金が集まるというようなことで、東京を中心にして地価が大変高騰したという事実があったろうと思っております。そういう中にバブル現象というようなことが言われる、これは否めないことであろうと思っております。  いずれにしましても、今後の経済運営にありましては、このような経験を踏まえまして、経済の健全な発展、こういったものに留意しながら慎重、適切に対応していかなければいけ危いというふうに思っております。  なお、今お話がございましたいわゆる増税につきましてでございますけれども、特に湾岸臨時税ですね、湾岸関係の法人税あるいは石油税、こういったものにつきましては、いずれにしましても、税制についてこれから税調を私どもは開いていただきまして、そこで検討していただくということでありまして、今ここでどうこうということを申し上げるときではなかろうというふうに思っております。しかし、今お話がございました点につきましては、私どもも念頭に置きたいと思っております。  なお、中小企業対策につきましてでございますけれども、確かに御指摘のとおり、五十七年から二〇%ほど減じておるということがございます。 ただ、問題は、例えば中小企業をODAですとかあるいは防衛費ですとかあるいは年金ですとか、そういったものと同じように特別枠といいますか、シーリングから外すということはできないんじゃなかろうかというふうに思っておりまして、私どもといたしましても、平成四年の中小企業対策に当たりましては、効率化を図るということはございますけれども、真に必要な施策につきましては適切に配慮を払って、めり張りはやっぱりつけていく必要があろうということを思っております。  なお、災害対策を含んでの補正というお話があったわけでございますけれども、いずれにしましても、今災害の状況あるいはその他の財政の需要といいますか、そういったもの等を捕捉しながらこれをやるかやらないかということについても私どもとして検討してまいりたいというふうに思っております。  以上であります。

中野寛成民社党

○中野委員 実に与えられ、た時間が短時間でございますから、もう繰り返しては申し上げません。積極的な対策を講じられることを重ねて御要請を申し上げておきます。  もう一つ、厚生大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、保健医療マンパワー対策でございます。  これは、地方自治体からも大変強い要請が今来ていると思いますが、看護婦の不足それから介護に携わる人たち、これはそのサービスを受ける方々も高齢者保健福祉推進十か年戦略を期待していた。また、それをやろうとする人も期待しておった。ところが、地方自治体に大変大きな荷物を背負わせて、実態はなかなか進んでいないというのが実際の姿であろうと思うのでございます。  そこで、むしろ、私どもも先般、保健医療・福祉人材確保法を制定するようにという提言をいたしまして、法案要綱を発表させていただきましたが、福祉職給与法の策定による給与の改善、労働時間の短縮、職場環境の改善、有給の育児、介護休業の保障、退職手当共済制度の充実、代替職員の確保、再雇用の促進、ボランティア活動の促進、こういうことをきめ細かく織り込んだ新法でなければ、効果を発揮しないだろうと思うのであります。そういう意味で、厚生省のみならず各省庁協力をして積極的な効果のある新法を早急に制定すべきである、こう考えるわけでございます。これらのことについていかがお考えでしょうか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 来るべき二十一世紀の高齢化時代に、内容が非常に充実しているようなそういった保健福祉のサービス、これを我々は目指して、今いろいろと案をつくったり、努力をいたしておるのでございます。特にマンパワー、これにつきましては、いろいろ御指摘もございましたけれども、容易なことではない、現在の不足を充足するには。したがいまして、私どもは、例えば勤務条件の改善、あるいは養成力の強化とか就業の問題とか、総合的にひとつ考えていかなければならぬ。そのためには、どうしてもこれはやはり立法措置をしなければならぬということで、来るべき通常国会にこの立法措置を完了しまして出して、皆さん方にひとつお諮りいただきたい、こう思っている次第でございます。

中野寛成民社党

○中野委員 通常国会に法案を提出されるということでございますが、せっかくのことです。ぜひ内容の充実した、また私どもも具体的に提言をさせていただいておりますし、これからも御提言を申し上げていきたいと思いますが、中身の充実した、効果のあるものにしていただくことを強く要請を申し上げておきたいと思います。  最後に、総理は、生活大国の建設を掲げておられます。ずっしりと手ごたえのある生活ともおっしゃっておられます。これはきざな例えで恐縮ですが、トルストイが「アンナ・カレーニナ」で、およそ幸福な家庭は皆似たり寄ったりのものであるが、不幸な家庭は皆それぞれに不幸である、こう言っておられるのですね。しかし、この幸福な家庭もいろいろな幸福のつくり方があるだろうと思うのですね。また、イギリスの著名な作家によりますと、レジャーというのは、日本人はどうも間違っているのではないか、何か家族と一緒にとか友達と一緒にどこかへ出かけるということが念頭にあるようだけれども、家でじっと読書をしているというのもレジャーであると。言うならば、まさにゆとり、心に、時間にゆとりを持てるということが大切なわけであります。  そういう意味では、いろいろなところが、単純に申し上げましたけれども、それを政治的に、政策的に実現しようと思うとたくさんの宿題があるのですね。これを一言でまとめますと、サラリーマン生活充実のためのアクションプログラム、こう申したいのでございますが、それを策定し、実施をされたらいかがであろうか。そのために、サラリーマンの労働時間短縮のための中小企業などに対する助成策、長期休暇制度の普及促進、通勤時間短縮のための交通体系整備、新幹線も含めた通勤費全額非課税化、子供のゆとり確保のための学校五日制制度、学歴社会是正による受験戦争終結、主婦の自由時間確保のための家庭における家事分担への環境整備、公共住宅建設、貸し家世帯にも対象を広げた住宅減税の拡充、都市自然公園の建設、いろいろ数え上げると切りがありませんが、こういうふうに総合的な施策を積み上げていきませんと、総理の言われた生活大国やずっしりと手ごたえのある生活というのにはならないのではないかと思うのでございますが、そういうことを含めたトータルとしてのプランを作成しようという意気込みをお持ちなのかどうか、お伺いいたします。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 そういうことを具体的に考えていかなければならないと思っております。ただいま仰せられましたものは逐一ごもっともでございました。ただ、通勤費の免税というのが大蔵大臣がどのような御意見でありますかでございますが、そういったようなことが主な項目であろうと思います。

中野寛成民社党

○中野委員 ただいまのは一つの提起でもございますので、ぜひ積極的に御検討をいただいて、総理のおっしゃる言葉がスローガン倒れに終わらないようにせっかくの御努力を御要請申し上げまして、質問を終わります。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて中野君の質疑は終了いたしました。  次に、楢崎弥之助君。

楢崎弥之助進歩民主連合

○楢崎委員 まずは宮澤新内閣、御同輩、おめでとうございました。きょう一日お伺いしておりまして、政治姿勢の問題、宮澤総理にターゲットが絞られた感じがあって、やり玉に上げられております。公平を欠きますから、私は渡辺副総理にお伺いをいたします。  私は、あなたの総裁選挙のとき、本音の政治をやるんだ、あなたは正直な政治家だと私はそういう点では尊敬しているのですよ。私は、本音の政治というのは、つまり、政治家の要請は言行一致、自分でできないことは言わない、さるかわりに言ったことは実行する、これが本音の政治であると思いますが、時間がないから、その理解でいいならば首を縦に振ってください。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 大体そういうことだと思います。程度問題ですからね、程度問題。

楢崎弥之助進歩民主連合

○楢崎委員 これは昨年五月編「衆議院要覧(乙)」、皆さん持っておられる。渡辺さんのところを見ますと、著書に「国会議員七十歳定年制論」。まだこれ載っているんだから、取り消してないですな。それで、私は図書館から取り寄せてみた。これですね。間違いないですな。――えっ、改訂版が出た。出たらまた新しく見せていただきますが、去年載っておるんですからね。それで私は、その中のちょっと問題のところ、これは何ですか、初めのところ、「広く識者の御批判を仰ぎたい。」私は識者かどうかわからぬが批判をさせていただきます。  こう書いてありますね。七十歳のところ、「生き伸びても七十歳以上ともなれば、激務には適さない場合が多いということも事実である。高血圧、動脈硬化、脳軟化症、視聴覚困難、歩行困難、神経痛、リュウマチなどの疾病は老人に多いことは否めず、国会議員もその例外ではない。現に、参議院では保革伯仲の時代を迎えながら、常に病床にある議員が数人いるため、採決のたびにその人たちを議場にかり集めるのに大きな手数がかかっているのが実情なのである。」私が言っているんじゃないのですよ、あなたが言っているのです。次に、これは十六ページ、「永年勤続の栄典は」「老廃馬の鼻づらにニンジンの役割」、つまり、この永年勤続制度の栄典は「老廃馬の鼻面にニンジンをぶらさげて、「倒れるまで走れ」と言うのと同じくらい」、こう書いてある。そんな侮辱した話がありますか。  そうしますと、今皆さんがおそろいですが、この渡辺指摘に該当される方は、総理が七十二歳、自治大臣塩川さん七十歳、厚生大臣山下さん七十二歳、北海道・沖縄長官伊江さんが七十歳、渡辺さん六十八歳ね。総裁任期二年たったら七十歳、あなたは出られませんね。それから科学技術庁長官谷川寛三さん七十一歳。そのうち永年勤続議員三名おられますね。まず宮澤総理、五十四年八月三十日、表彰を受けた。このとき御年六十五歳、もうだめですね、これでいけば。塩川自治大臣、ことし十月一日、このごろでしたね、七十歳でございますね。これもだめ。渡辺美智雄さん、これは私より六カ月後、三年前、六十五歳であなたは永年勤続議員表彰を受けられた。あなたもこれでいけばやめられなければならぬでしょう。  さっき言ったように、ニンジンを鼻の前にぶら下げて走られたのですか、あなた方は。これは若げの至りかもしれない、あなたが五十二歳のときだから。しかし、今や六十八歳。あなた三木内閣のときにサミットへ出て、一番年寄りは三木さんで、これは六十八歳で一番上だ。あなたは今六十八歳だ。あのとき三木さんを非常にばかにされた。だから、しかとあなたの考えを承っておきたい。もしこれを実行されないなら、あなたはうそを言っていることになる。自分で言ったことは実行する。もし実行しないなら、あなたのお得意のも針で総選挙で票を釣ったんだ。あるいは総裁選挙で第二位になられておめでとう。しかし、その二位になられた票も毛針で釣られた。これをしかとはっきりさしていただきたい。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 まことに汗顔の至りでございまして、当時平均寿命が七十歳かそこらだったと存じます。私は、二回目の政務次官やって間もなくのころ、こんなに寿命が延びるとは夢にも考えていなかったわけでありまして、男が七十六歳、女性が八十二歳になるということは十二年前には考えていなかった。したがいまして、これは私も、それは持論であったのですが、選挙区でもその本を持っている人がありまして同じことを言われておりますから、これは憲法改正で謝る、こんなに寿命が延びるとは思わなかったので、定年は延長だということで謝っている最中でありますから、よろしくお願いいたします。改訂版を出します。

楢崎弥之助進歩民主連合

○楢崎委員 時間が来ましたからやめますが、じゃ、訂正されるのですな。(渡辺(美)国務大臣「はい」と呼ぶ)じゃ、やはり毛針ですね、あなたも。それだけ言って終わります。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて楢崎君の質疑は終了いたしました。  この際、宮澤内閣総理大臣より発言を求められておりますので、これを許します。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 先ほど山花委員から御指摘のございました五千万円の件でございますが、事務所に照会いたしましたところ、次のとおりでございます。一部私の思い違いもございましたので、おわびの上、御説明させていただきます。  当該五千万円は、御指摘のとおり、昭和六十二年三月に宮澤喜一名義の預金口座に振り込まれておりますが、この口座の出入りは、管理はすべて事務所で行っておるものでございます。  この五千万円については、検察当局の調べを受け、政治資金として認定されたものでありますが、政治資金規正法上の届け出をしていなかったため、同法違反で管理の責任者であった服部恒雄君、当時の私の秘書でございますが、平成元年五月、罰金刑二十万円に処せられました。政治資金規正法に違反したことは極めて遺憾であり、二度とそのようなことがないように、当時、事務所の者に厳しく言い渡したところでございます。  この五千万円のことは、当時報道もされ、私も知っておったわけでございますが、御質問の趣旨が、私個人の収入について何か別の五千万円というようなことではないかというお尋ねかと私が思い違いをいたしまして申し上げましたことが適切ではございませんでした。  事実は以上のようでございますので、おわびの上、訂正させていただきます。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後六時四十二分散会

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