農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 209 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/11/22
会議録
○高村委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。東力君。
○東(力)委員 ガット・ウルグアイ・ラウンドも去年の十二月に最終的に合意ができるかどうかということでありましたが、ちょうど一年たって再び最終的局面を迎えていると思うのですが、このようなときに、政府の首脳及び自由民主党の元総理を含む派閥領袖クラスの非常に実力のある方々が柔軟な発言をしているように、つまり、米についてはある程度開放しても仕方がないんじゃないか、新聞等によっては、五十万トン程度、一部開放することも仕方がないんじゃないかというような発言が相次いているのですが、これにつきましては、ベーカー国務長官とかヒルズ米国通商代表等が来日しましたときと軌を一にしているわけでありますけれども、これにつきまして政府のポジションを聞いていきたいのです。 まず初めに、宮澤総理やあるいは渡辺外務大臣、さらには羽田大蔵大臣等にヒルズやベーカーは会われていると思いますが、また、田名部大臣も会われたのかどうか。そして、その内容に、日米に密約といったものがないのかどうか、この点につきましてお尋ねいたしたいと思います。
○田名部国務大臣 十六日に、ヒルズ通商代表と私もお会いしました。この際、従来からしばしば国会あるいは予算委員会でお答えしておりますように、とにかく日本の事情というものをよく御説明申し上げました。密約は、そうした話は全くございません。包括的にウルグアイ・ラウンドをまとめなければならぬ、むしろ私の方からウエーバーをどうされるか、実はいろいろな質問をいたしたわけでありまして、決してそのようなことはなかったわけであります。もちろん、総理あるいはその他の閣僚とも同じような話だった、こう思います。 なお、十三日に政府と自民党との会合もございましたが、そこでも米については、国会決議を体して、従来どおりの決意であることには変わりはございませんということで、はっきり申し上げております。
○東(力)委員 その十三日の政府・与党の話し合いということでありますが、総理や官房長官等も出られているというふうに承っております。その確認した基本的方針というもの、従来の基本的方針というものを簡潔にここで一度述べていただけませんでしょうか。
○田名部国務大臣 従来の基本方針というのは、私どもは減反政策三割、農家の皆さんにお願いしておる。日本は、こういうものに輸出補助金をつけて外国に出すということは、農産物に限ってはいたしておらぬわけでありまして、そういう立場から、この自由化につながるような関税化というものは受け入れるわけにはまいりません。 しかも国会決議が三度にわたってなされているわけでありまして、いずれにしても、自由化につながるようなことになりますと食管法の改正が伴ってくるわけであります。この改正は、決議をされている現在の国会の中ではこれを可決するという見通しが全く立たない、立たないものをお引き受けいたしましてもむしろ国際的に日本の不信につながる、もっとたくさんありますが、そういうことを申し上げましたのと、それから全体的に見ますと、私の方は大変な食糧の輸入国であります、と、特に大麦、小麦等は八五、六%、トウモロコシは九九%、大豆は九八%、もうこれほど輸入に依存しておるという実態から、全体的に見ると大変な輸入国でありますので、その辺のところもヒルズ代表にひとつ御理解をいただきたい、こういうようなことを申し上げておきました。
○東(力)委員 国会決議もあり、また十三日には政府・与党で、農林水産大臣はもちろん、総理も入られて従来の基本的方針をしっかりと確認したということでありますが、一方で、一部開放してもというような発言が相次いでいるということにつきましてどういうふうにお思いか、また、そういうことを言わないようにしっかりと言うべきときではないか。つまり、ウルグアイ・ラウンド等のような難しい交渉を長年にわたってやってきて、その最終局面で、自由民主党、政府・与党、その首脳とかあるいは政府の高官がいろいろ発言するということは、内容はともかくとして、それ自体非常に差し支えがあるのじゃないかという気もするわけですね。こんな国はどこかあるのかどうか。その点では日本は非常にだらしないのじゃないかという気がいたしますが、この点につきまして、米の最高責任者である農林水産大臣はどのように、これからの一週間があるいは数週間がわかりませんが、きちっと政府・与党につきましてもポジションを明確にして、そしていたずらに国際交渉に邪魔になるようなことを言わないようなことをすべきだと思うのですが、その点につきまして御意見を伺いたいと思います。
○田名部国務大臣 就任早々のテレビでも、いずれにしても国会決議を満場一致でされておりますから、その決議をされた国会の先生方が決議と違うことのお話をされることはまことに遺憾であります、慎んでいただきたい。今、現に交渉をいたしておりまして、どういう方向でこれが進むかというのは、恐らくだれもこれはわからぬことでありますが、日本の主張というものは、従来のことから一歩もはみ出した交渉、主張、そういうものはいたしておらぬわけであります。 ただ、国内でいたずらにいろいろな方向づけをするような発言をしたり、あるいは私どもの全くわからぬところでマスコミの方に出たりということでは、現にジュネーブで交渉されている我が国の代表にすると、一体 国内は方針が変わってきたのだろうかという心配等もされるということは、これは我が国にとっても大変なマイナスになるわけでありますから、この際は、従来の主張で皆さんが一致して態度を明確にしておいてあげるということは、私は大事なことだ、こう思いまして、何人か、いささかマスコミで私も聞いておる、わかっておる程度でありまして、お会いしますと、必ずしもどうも正確にそのことも伝わっていないという面が随分多いなということも感じておりまして、一々そういう都度私からお願いをして、ひとつ一切所管大臣の私にお任せをいただきたいということをお願いいたしておる次第であります。
○東(力)委員 時間が参っておりますので、最後に一言お願い等をいたしたいと思いますが、今の大臣のお考え、しっかりと自信を持って、そして実現していただけるようにお願いいたしたいと思います。 私も去年、農林水産政務次官をしておりましたときに、七月十六日にカーラ・ヒルズ、七月十九日にヤイター農務長官とも会っていますが、彼らの言い方は、ウルグアイ・ラウンドが貿易体制を守るために非常に大切であって、長年努力してきた、特に農産物しか輸出するものがないような低開発国にとって、これが妥結されることが非常に大切でありますが、日本だけが反対してパアになっちゃった、こういうことになると大変問題になるのではなかろうか。今度も同じことを言ったと思うのですが、一方で、ECとアメリカの間にも輸出補助金の削減、その期間とか削減率、さらにはアメリカにおけるウエーバー品目の削減といったこと、たくさん問題があると思うのです。 仮に、日本としては、ポジションとしてはウルグアイ・ラウンドはやはりちゃんと成立していかなければいけないのかどうか、その場合に、ある程度の譲歩をしなければいけないのかどうか。もし仮に、そういうことから農民に対して何かの影響があるようなことがありましたら、三年半前に牛肉とかオレンジの輸入自由化を決定したときには、非常に国内的に手厚い措置をとったわけでありますけれども、大臣に、あくまで世界の流れがあると同時に、日本の農業、農民を守っていただくというかたい、強い決意を披瀝していただきたいと思うわけでございます。
○田名部国務大臣 全く委員お話しのとおりでありまして、各国とも非常に困難な問題を抱えて、これはもう実は難航いたしているわけであります。 私どもは、従来から申し上げてまいりましたように、基本的な食糧は自給による、この方針を貫き通す、農家、農民のためにこの点は絶対譲れないということを今もって確信をして、これを主張しておるところであります。
○高村委員長 岩村卯一郎君。
○岩村委員 一昨日、二十日から次官級での会議がウルグアイ・ラウンドで行われております。まさにこの交渉は大詰めの段階を迎え、正念場に差しかかっておる、こう申してもいいと思うのでありますが、とりわけ米の問題を初め、今後の我が国農政の帰趨を左右するというものでありまして、農業交渉に対する国民の関心は今ほど高まっているときはない、こう思います。 つきましては、まず第一に、このような農業交渉の現在の現状について、大臣はどのように認識されておるのか、これをまずお伺いしたい。
○田名部国務大臣 一昨日から実務者会議が始まりまして、政策レベルでの判断をすべき段階に入った、こう見られておりますが、何といっても一昨日の会合では日程をどうするかという話し合い、昨日からドンケル・ペーパーが、ペーパーというのか、たたき台のようなものが出されまして、いろいろと検討が始まっているようであります。いずれにしても、今後の交渉というものは年内決着に向けて精力的に行われるであろうというふうに認識をいたしております。
○岩村委員 いずれにいたしましても、今の御答弁がありましたように、年内決着という方向づけはかなり強く固まっておるように、私自身もそう思います。一ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉につきましては、実にさまざまな報道がなされております。全く虚偽のような報道もありますし、あるいはまた一部歪曲されたような報道もありますし、さらにまた国民世論を扇動するような、そういういろいろな報道があるわけでありますが、最近の報道によりますと、米国とECの歩み寄りによって日本の主張を反映しない形での年内の早期終結が図られている、こういうふうに伝えられているものもあります。 すなわち、十一月中にはいわゆるダンケル・ぺーパーが出され、その中で米の完全自由化につながる例外品目なき関税化が盛り込まれるのじゃないか、そういう可能性が強い、日本が孤立化するのではないかといったような報道さえなされております。また最近では、関税化の協議や部分自由化に踏み切る方針を固めたといったような報道もなされております。 しかし、このため、ラウンドは農産物貿易の歪曲性すなわち輸出補助金が最も基本的な問題であって、アメリカ、ECのたび重なる協議に見られるように、その解決は全く容易でない、このように認識をするものであります。 私自身は、米については、食糧自給率が極めて低くて世界最大の農産物輸入国である我が国にとりまして、その食生活上あるいはまた地域経済上、さらには国土環境保全上の格別の重要性から、今後とも国内産で自給するという基本方針はこれは当然だ。先ほど大臣も言われたとおりでありますから。 しかし、今なお、生産者はもちろんでありますが、国民全体の中で非常に迷っておる。不安な状態が今ムードとして国内を覆っているわけでありますから、今さら改めて大臣に確認という意味で申し上げるわけでありますけれども、田名部大臣は農政については格別の理解を今まで政治生活の上において持ってこられ、しかもスポーツマンとして極めて明快な発言をなさる方である、さらにはまた高い識見を持っておられるというふうに私どもは尊敬をしておるわけでありますが、信念のかたい新大臣でありますので、大臣から改めて、先ほど我が筆頭理事からも御質問がございましたけれども、また確認の意味で、もう一度しっかりした信念のかたいところをお聞かせをいただきたい、こう思います。
○田名部国務大臣 委員お話しのとおりでありまして、このウルグアイ・ラウンドの最大の問題というのは何といっても輸出補助金、これが最大の問題だと私は認識をいたしておるわけでありますが、これが撤廃されないで輸入数量制限のみが撤廃されるなんというのは、これは我が国だけではありません、先般もカナダの経済大臣あるいはオーストリアの農林大臣、いろいろな方々がおいでになりますが、特に十一条二項同、そうしたものは何としてもこれは反対をしていかなければならぬ、日本も一緒になってひとつ頑張ろう、こういうお話でありまして、非常に難しい問題を抱えておりますが、何といっても私どもの日本を見ると四八%、カロリーベースで自給率というものはもう非常に低い。穀物で見て三〇%。これはもう驚くべき状態なんですね。わずかに米だけが〇・五%輸入しておるだけでありますけれども、ウルグアイ・ラウンドは何も米だけではなくて包括的にやっておるわけでありまして、そういうことからいっても、全体を成功させなければならぬというのはこれは私たちも別に異存のあるところではありませんが、ただ、米については、先ほど来申し上げましたように、国土の保全でありますとか自然環境の保全、また地域経済に不可欠の役割を果たしておるもろもろのことから、現状では自由化につながるような方法では、これは一切受けられないということを再三私から、外国からおいでになる方々にも申し上げてきたところでありまして、この気持ちは最後まで貫き通す覚悟であります。
○岩村委員 大臣から、幾つかの理由を挙げられまして、従来の基本方針どおりきちっと貫いていく、こういう力強い御答弁がありました。 この基本方針を貫くための幾つかの理由を挙げられましたが、私はその中でさらにつけ加えたいのは、そもそも我が国の農産物市場は世界で最も開かれた市場であるということが言えると思うのです。今春の牛肉・オレンジの輸入自由化を初めといたしまして、我が国はこれまでもかなりの農産物市場の開放をやっているわけであります。ウルグアイ・ラウンド開始後、農産物について思い切った自由化をやったのは我が国だけでありまして、特に昭和三十七年に百三品目もありました農水産物の輸入制限品目は、来春には十三品目にまで減らす、こういうことになっておりますね。これは米国の輸入制限品目十六、ECの可変課徴金対象品目六十四と比べますと全く遜色のない水準である、こう思っておるわけであります。 したがいまして、こういう点からいいましても、これ以上の輸入ということは絶対に避けてよろしい、こう思いますし、また、国民世論を別な角度から見てみますというと、最近の世論調査によりますと七三・二%が米の自給方針に賛成をしておる、こういうことでありますから、いわば国民の大半の合意によって、この輸入制限というのは貫くべきである、こういう世論形成がされていると言ってもいいわけでありますので、どうぞ、この先ほど大臣が言われました基本方針はあくまでも貫いてほしい、こういう強い要望をさらに申し上げまして、御要望申し上げておきたいと思います。 以上のように、我が国の農業を取り巻く情勢は、国の内外ともに非常に対応の厳しい、難しいさまざまな問題を抱えているわけでありますが、一方、国内の農業、農村の現状を見てみますと、より一層深刻な幾つかの問題がございます。その中で一番大きな問題は、何よりも農業の担い手の脆弱化でございます。 本年の八月に発表された農林水産省の調査では、新規学卒就農者が昭和五十五年七千人が平成二年度では千八百人、三十四歳以下の離職就農者が昭和五十五年二万一千八百人だったわけでありますけれども、平成二年では千九百人にすぎない。こういったような実情の中で、高齢化、兼業化の進展している現状にありまして、まさにこれからの我が国の食糧の安定供給を担うべき人材はまことに心細い限りと言わざるを得ないわけであります。 一方、中山間地帯等におきましては、耕作放棄地が十五万一千ヘクタール余、後継ぎのいない農家の経営耕地面積は四十一万七千ヘクタールなどの増加に見られますように、地域の農業生産の維持が極めて困難になっておるのが実態であります。また、過疎化の深刻化、若者の流出等、一連のこれらの問題の中で、人口が自然減になっている市町村が全市町村三千三百の中で四割強を占めております。また、平成元年には人口減少県が二十一県に及ぶなど、地域社会の活力の低下もより一層深刻な問題に進みつつあります。 このような状況に対応して、農家が将来に明るい展望を持つということこそ最も大事な問題でありますし、また国土環境保全あるいは伝統文化の保持、継承等の公益的な機能を含めた農業、農村の維持発展を図ることができるように、また同時に食品産業や消費者のニーズにも対応できるよう抜本的な、かつ、総合的な政策を打ち出すべきであると考えるわけであります。 幸いにいたしまして、農水省では本年五月、政策の見直しを含めた検討本部を設置されて鋭意努力しておられると聞いておりますが、国民はこの検討の中身がどのようにして新しい政策として出てくるのか、非常に大きな関心を持っております。この際、農水省の検討の目的あるいはまた内容、さらにはまとめのめどはいつごろになるのか、極めて重要な事項でありますので、率直にひとつお聞かせをいただきたい、こう思うわけであります。
○田名部国務大臣 岩村委員の今のお話、私どももこれからの日本の農政の方向というものはどうあらなければならぬかということで、かねがね前近藤大臣がこのことを大変心配をしておられて、今お話しのように、本年の五月に新しい食料・農業・農村政策検討本部を実は設置をいたしたわけであります。 御案内のように、農業就業人口がだんだん減ってきておる。これは一極集中にも大きな関係があって、農業に魅力のない若い人たちが都会へ都会へ出てくるという中で、地方の、私たちの方もそうでありますけれども、残っておるのが、お年寄りの皆さんが夫婦で農業を経営されておるというのが実態で、こうした方々、高齢者の皆さんが引退をされることになってまいりますと、耕作の放棄地というものが増大するわけでありまして、何かここで若い人たちにもっと魅力のある農業、私はかねがね申し上げておるのですが、もっと経営とか管理とかというのは近代的に、農業も若い人たちが研究する場所もあって、そして規模も拡大しながら何かやっていけるような方向を見出していかなければならぬのではないかということを、実は私自身もそう思っておりました。 この新政策本部は、何といってもやは力国民の理解を得なければならぬということもありますが、我が国の経済社会の基盤としてのこの農業、農村の位置づけ、これをやはり明確にしていく。その中で中長期的展望に立って、何といってもやはり担い手の育成、これが非常に大事だし、生産体制の確立と農業技術の革新ということも進めていかなければならない。生産調整政策と需給管理のあり方、こうしたものも見直していかなきゃいかぬだろうし、あるいは地域政策の展開、何といっても今回の台風を見ましても、農産物あるいは林業、漁業、地方はこういうものにしか依存しておりませんので、この影響というものはもう県、市町村財政まで影響が出てくるというほど大変な事態になるということから見ても、地域経済に及ぼす影響というものは、自由化などということになると、同じように大変な影響が出てくる。そういう日本の社会の構造になっているというところで、さっき申し上げたように一極集中をこれ以上やっておりますと、さらに農林水産、第一次産業というものは全く弱い、それを何とか希望を持てるように展開していこうというのがこの考え方であります。 もちろん食品産業の政策でありますとか流通あるいは消費者対策、こうしたものも新たに展開をしていかなきゃならぬ、これらを課題に論点を整理、方向づけをして、平成四年の春を目途に行おうということで、今鋭意作業を進めておるところであります。
○岩村委員 大臣のおっしゃる新しい検討課題というのは、先ほども申し上げましたように国民的な大きな関心事であり、いわば我が国農政にとって本当に抜本的な改正につながる、こう思いますので、誤りなきよう、そしてまた、しっかりした新政策が提言されますように頑張っていただきたいとお願いを申し上げます。 最後でございますが、松くい虫の被害対策であります。 この対策につきましては、昭和五十二年に特別措置法が制定されてから対策が実施されまして十四年を経過しました。かなりの成果を上げていると聞いておりますが、被害量はピークどき二百四十三万立方メートルでありましたけれども、最近では百万立方メーター近くになったと言われております。かなりの成果は上がっておると思いますが、しかし特に広島、福島、島根、岡山、山口、新潟などに多くまた残っております用地域によってばらつきがありまして、雨が少なくて高温のときに多発をする、こういう状態でございますから、被害量が減ったからといって安心はできません。まさに予断が許されない、こういう状況にあるわけです。北海道、青森の二県を除いて四十五都県に及んでおるわけでありますから、注意していただかなければならぬ、こう思います。 現行の松くい虫被害対策特別措置法は残念ながら平成四年三月末で失効する、効力を失う、期限切れになるわけでありますが、被害の現状は先ほど申し上げましたように依然として激甚の様相を呈しておるわけでありますから、この特別措置法の中身の拡充強化を図るということが第一点。それから期間の延長を図るべきである、この二点でありますが、これこそこの被害対策の重要な部門でありますので、まずそのことについて、林野庁長官なりあるいは大臣なりで結構でありますが、被害の現状と今後の対策はいかようになされるおつもりなのか、率直にお聞かせをいただきたい、こう思います。
○小澤政府委員 ただいま先生御指摘のように、松くい虫の被害につきましては、松くい虫被害対策特別措置法等に基づきまして鋭意進めてきたところではございますけれども、平成二年度におきます被害量につきましてもピーク時のなお四割程度ということになりまして、一定の成果は上げてはおりますものの、まだ百万立方近いという異常な被害が生じているというところでございます。また、地域的な状況もございます。 このような状況を踏まえまして、学識経験者等によります松林保全対策懇談会を開催いたしまして、今後の松林の保全対策のあり方等につきまして専門的な見地から検討していただいた結果、被害対策につきまして必要な見直しを行い、継続すべきであるとの、法律につきましての話でございますが、対策の継続という報告を得ているところでございます。 具体的には、保全する松林の区域を明確にいたしまして徹底した防除を行いますとともに、保全する松林の周辺地域にございます松林を広葉樹林等へ樹種転換をすることによりまして保護樹林帯を造成いたしまして、異常な被害の終息を図る必要があるというのがこの懇談会の報告の骨子となっているところでございます。 私どもはこの報告を踏まえまして、平成四年の三月末で失効いたします松くい虫被害対策特別措置法の改正につきまして検討を進めますとともに、所要の予算措置も行っているところでございます。
○岩村委員 御答弁にもありましたとおり、保全する松林の区域を明確にし、徹底的に防除を行うということでありますが、松くい虫被害対策を今後積極的に推進する上でより効果的な防除方法の研究開発が重要ではないか、この点についてどのように考えておられるのか。また、樹種転換、松林の保全等を円滑に進めるためには、被害木などの松材の利用促進、これもまた欠かせない問題であるわけです。 時間がございませんので、この二点に絞って最後の質問にさせていただきますが、予算措置その他についても万全の対策をやっていただきたいと思うのでありますが、この対応について明確に御答弁を願いたい、こう思います。
○小澤政府委員 被害対策でございますが、これを効果的、効率的に進める必要がございまして、私どもは今まで適用してまいりました技術の改良をいたしますと同時に、天敵の利用などの新たな防除技術の研究開発等によりまして一層の効果が上がるものというように考えておるわけでございます。このため、天敵利用等いたします生物的防除技術の研究あるいは被害発生予測技術の研究を進めるということで対応をしてまいりたいと考えております。 なお、被害木等含めました松材の適切な利用は資源の有効利用上も大変重要でございますので、この点につきましては積極的な利用を図りますために、木材チップ業界なりあるいはまた森林所有者等の関係者によります計画的な利用を推進いたしたいと考えておりますが、さらにまた、被害木の木炭化を進めるというようなことも含めまして、利用の促進に努める考えでございます。
○岩村委員 終わります。
○高村委員長 金子徳之介君。
○金子(徳)委員 我が国の興亡をかけて取り組まなければならないガット・ウルグアイ・ラウンド、我が国の農政にとっては、米の関税化、市場開放をめぐる厳しい情勢下にあって、勇断をもって対処されることを、その決意を表明されました田名部大臣に心から敬意を表したいと存じます。そして、大変なときの農林水産大臣、御就任をお祝い申し上げますとともに、これから国民世論とともに、我が国の先進国の中では最も低くなってしまった食糧の自給率、日本の食糧、世界の食糧と連動している中でのこれからのしっかりしたあるべき姿ということをぜひ頑張ってほしい、主張してほしいと心から念願をいたす次第でございます。 ところで、現在の、一昨日からまた次官級交渉が行われているわけでありますが、聞くところによりますと、わずか一時間でこれが終わり、塩飽審議官が急遽行ったにもかかわらず、大分分厚い資料等の提供で終わっている、そんなことも伺っているわけでありますけれども、大臣は、先ほど先輩同僚委員からの質問にもお答えをされてすべて尽きているわけでありますが、もう一度私も念を押して伺っておきたいわけであります。この現状をどのように先行きとして考えておられるか、御所見のほどを伺いたいと存じます。 また、ECとアメリカの間では、輸出補助金等の問題やあるいはEC独自で行っております六十四品目にもわたる大変なそれぞれの保護政策というものに対して簡単に解決できるとは思えないわけでありますが、これらについてもあわせて御所見を伺っておきたいと思います。
○田名部国務大臣 お答えをいたしますが、この農産物の問題は、長い歴史の中でそれぞれの国がいろいろな方法をとって今日に至っておる。言ってみれば非常に難しい部分があるのですね。しかも、もう現状でもアメリカも反対という声も非常に強い、あるいはヨーロッパでもEC等これについてまた非常に反対運動が起きておる。事さように、この問題というのは非常に難しい問題があります。 先ほど申し上げたように、どの国も、わけてもこの日本はそうですが、地方に農業を依存しているという実態から見て、他にかわるべき産業というものがないわけです。これに手をかけていきますといよいよ一極集中、大都市に集まってこなければ生活ができないという状況の中で、私どもはどういう政策をとるかというのが一つ。 それから世界全体で、ヒルズ代表にも申し上げましたが、こういうものは、世界の食糧と人口というのは密接に関係があります、したがって開発途上国の人口がどんどんふえていっておる、この食糧を一体だれがどこで確保するかという大きな問題を抜きにして語るわけにはいかぬでしょう、さすれば自給できるような日本も外国にこれを依存するということになると、一体この問題というのはどういうことになりましょうかというお話も申し上げました。 もう先ほど来申し上げておるように、従来の基本方針、再三にわたる国会決議を踏まえて、これには応ずるわけにはまいりません、交渉妥結を可能にしようとするのであれば、各国の最低限の利益を損なわない、そういうことが不可欠であって、輸出国の一方的な話でこれを進めるということは私はいかがかと思う、輸入する立場というものも十分尊重されてこうしたものの解決のために努力をするべきではないでしょうか、したがって、基礎的食糧等については例外措置を設けることが必要なんですということも申し上げてまいりました。 委員お話しのように、この精神を踏まえて今交渉中でありますので、しっかりと私どもの、国民の意思を体して、審議官も現地で最大の努力をいたしておるところであります。
○金子(徳)委員 まことに力強いお言葉をちょうだいしまして、ありがとうございました。どうか、もうあらゆるもろもろの、これから多くの報道やあるいは国際的な世論、これらに訴えていく手段も講じながら、どうか大いに頑張ってほしいと心からお願いをしておきたいと存じます。ありがとうございます。 次に、ちょっと角度が変わるわけでありますが、今この農業部門での議長を務めますドンケルさん、この方はスイス人であるということを伺っているわけであります。このドンケル議長の出身国のスイスにおける現在の農産物貿易で、数量制限品目、それからこの数量ですね、どんなことをスイスでは行っているのか、これは事務方からお答えをいただきたい。
○川合政府委員 スイスにおきます輸入制限でございますけれども、スイスはガットの加入に際します議定書に基づきまして、免責条項の適用を受けて輸入制限をいたしておりまして、その品目は八十八品目、その中身を例示いたしますと、小麦、大麦等の穀物、牛肉、豚肉、羊肉、バター、粉乳等の酪農品、あるいは切り花、野菜、果実というようなものをその対象としております。
○金子(徳)委員 そんたにたくさんの数量制限品目をスイスは持っているわけであります。アメリカとECの過剰農産物生産のはざまの中で、ドンケルさんまことに御苦労いただいております。日本のことも御心配をいただいている。いつ例外なき関税化のペーパーが出るかというようなことがうわさされているわけでありますけれども、日本の米のことについても格別御心配をいただいておりますけれども、このスイス国は一年分の食糧備蓄もあるというふうに聞いているわけでありますが、そこで大臣、ドンケル議長が日本の米の市場開放を進めるのならばまず御自分の国が先におやりなさい、そういったことをぴしっと言ってやりたいという気持ちが私どもはあるわけであります。 これは外交上の問題ですから礼を失することのない御質問で申し上げますが、これらのことをやはりしっかりと、EC、ヨーロッパの中でECに入っていなくても、スイス自体も、ドンケルさん、あなたはそうじゃありませんかというようなことをぜひ言っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○川合政府委員 ドンケル事務局長は確かにスイス人でございますが、御承知のようにガットという国際機関の役人と申しますか職員でございまして、そういう意味では国際的な視野に基づいて采配を振るっているということだろうと思います。 まあスイスのことはともかくといたしまして、いずれにいたしましても、先ほど大臣からも申し上げましたように、我が国のような輸入国の立場というものは、体制的には、あるいは発言の大きさからいいましてどうしても輸出国の声が大きくなりがちでございますが、やはり日本のような輸入国の立場というものがこの交渉に反映されることが最も現実的であり、かつ交渉を成功に導く道であると私ども考えておりますので、そういう観点に立ちまして今交渉に臨んでいるということでございます。
○金子(徳)委員 しっかりしたそうした立場、これはそれぞれの国益が絡んでいる問題でもあり、また世界の食糧という観点からの問題でもあるわけでありますが、少なくともスイスという国は、日本の農家の十倍の農用地を有しているわけでありますが、あれほどの数量制限品目を持っているわけであります。まあドンケルさん、国際公務員的なそういう立場で物事を判断されるとは思いますけれども、スイスでさえ、あの厳しい自然条件の中で、仙岳農業、酪農が主でありますが、日本の生産性と比べても厳しいということから、これは当然輸入制限をしておる。先ほどお話ありましたアメリカはウエーバー条項で十四品目、そして牛肉、乳製品を加えるならば十六品目になるわけでありますけれども、これらの輸入制限をしているわけであります。 そうした観点からいいますと、今度の農業問題を論じていく場合のこの交渉というもの、それぞれの国のエゴとエゴのぶつかり合いの部分というものが当然輸出国の立場を強調しながら日本に迫ってきているのではないかな、そのようにも感じられないわけではないわけであります。そうした意味で、このウルグアイ・ラウンドの農業交渉、どうしても日本に米を押し売りしようとしているというような印象を受けざるを得ない。これは率直に稲作農家は感じているところでございまして、アメリカは何といっても農産物の一大生産国でございますし、輸出国でもございます。しかも輸出補助金をつけておる。ECの可変課徴金等も同じことであります。 そうした中で、ドンケルさん、一生懸命国際平和あるいは食糧安保なきそれぞれの自由化、そうしたことの押し売りをしてきているような感じてしょうがないわけでありますから、どうかそうした観点で、これからもいわゆる次官級交渉の中でも交渉スタンスというものをしっかりと守っていただくように心からお願いを、御要望を申し上げておきたいと存じます。 ところで、日本は稲作の文化で歴史がつくり上げられてまいりました。昭和四十年初期以降のたかだか二十年間がいわゆる生産が消費を上回ってきたということでございますけれども、場合によっては食管が輸入をいたしてきておる実績もあるわけであります。沖縄の泡盛についてはタイの方から約一万トン。加工、菓子類ですね、米を原料とした菓子類については、ビーフン等あるいはあられのような形でアメリカ等から入って、合計五万トンほど入っているわけでありますけれども、この米を一粒たりとも輸入しないなんということはだれが言い出したのか。少なくとも農林水産省ではないわけであります。必要な米は食管では買っているわけでございます。そうですね。 そうしたことで、米問題についてこれから国境措置の譲歩が果たして行われるのかどうかということについて、私は、この譲歩は向こうでは行わないだろう、これほど日本で自由化、農産物の自由化している食糧の輸入大国でありますから。そういった点について、これからその譲歩があるのかどうか。その先のことは、その対処方針については伺いません。譲歩があると見通されるのかどうか、これはちょっと伺っておきたいと存じます。
○京谷政府委員 御承知のとおり、今回のウルグアイ・ラウンドの中で各国が抱えているいろいろな問題を包括的に交渉によって考えていこうということになっておりますが、その中で、ただいま先生から御指摘のございましたアメリカのウェーバーあるいはECの可変課徴金の問題については、御承知のとおり関税化という方式に転換して保護していってはどうかという論議が行われておるわけでございますが、我々としては、包括的な交渉の中で解決されるべき問題であるけれども、我が国の米というのは食生活あるいは農業において格別の重要性を持っているということに着目をして、国会決議等を踏まえて解決を図る必要があるという主張をしておるところでございます。 その中で、具体的に各国が抱えている問題、実は国境措置とあわせて我々が重視をしておりますのは輸出補助金の問題でございます。これらを踏まえましていろいろな交渉が行われておるわけでございますが、最終的にどういう決着が行われるかということについて、この場で、私現時点でその予測を断定することは大変困難でございますので、御容赦をいただきたいと思います。
○金子(徳)委員 了解いたしました。 次に、角度を変えまして、今回米の問題がウルグアイ・ラウンドで大きな課題になっておると同時に、国内の消費問題についてちょっと伺っておきたいと存じます。 大蔵省が二十日、大幅な赤字となっている食管の、これから改善という言い方はこれはちょっと当たるかどうかわかりませんが、学校給食用の米の値引き措置を来年度予算では廃止する方針を固めた、農林省と協議を進めておるということでございます。 今米の生産調整が行われ、三年に一遍は、あるいは四年に一遍は一粒もつくるなという政策をやりながら、大変な苦労をしてまさにガット十一条二項の同に該当するものになっているわけでありますが、消費拡大ということがやはり必要であり、また、教育的な見地からも、そうした伝統的な米の文化あるいは水田の遊水機能なりそうしたものをしっかりと子々孫々に伝えていく役割があると思いますけれども、これについて、これはきょうは文部省からも御出席をいただいているはずでありますが、この問題をどのようにとらえておられるのか、お伺いをいたしたいと存じます。
○富岡説明員 先生御指摘のとおり、米飯給食は昭和五十一年から導入いたしまして、おかげさまをもちまして逐次推進が図られているところでございます。 米飯給食は、食事内容の多様化ということはもちろんでございますけれども、日本人の伝統的な食生活の根幹でございます米飯の正しい食生活を身につける等のいろいろな教育的意義がございまして、その推進を図ってまいったわけでございます。 そのようなときに、一部の報道におきまして、値引き措置につきましての報道がなされました。文部省としては、まだ具体的に聞いておらないわけでございますが、このようなことがございますと、保護者負担増ということはもちろんでございますけれども、学校給食におきます米飯給食の円滑な推進に大きな障害がある、こういう認識を持っておるところでございます。今後、所管の食糧庁とも連携をとりながら適切に対応してまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○金子(徳)委員 時間が参りました。 文部当局には、特にそうした教育的な見地、そしてまた米飯給食というものが実は日本の歴史、伝統、そしてこれから日本の国が本当の意味で主権国家らしく自分の食糧をしっかりと守っていくという観点にもつながっておりますので、どうか財政主導型で腰砕けにならないようにぜひお願いをいたしたいと思います。 それから、ぜひ農水省の方にお願いしたいのは、米飯給食の普及の役割は終わったという言い方をしておるというふうに伺っているわけです。私から言わせると、まだ全国平均で一週間に三日以上の給食は実現していないわけでありますので、これについても強く当たっていただきたいし、これは非常に多くの問題を醸し出す原因になる可能性があるということを申し上げ、まことに御無礼な御質問を申し上げた点もあったかと思いますが、お許しをいただき、終わります。
○高村委員長 目黒吉之助君。
○目黒委員 田名部農水大臣と質疑を交わすのは初めてでございますが、大臣は自由民主党の中でもきっての農政通というふうに承っております。ぜひ農業再建のために、いろいろ議論のありました問題についてダイナミックな農林行政を展開されるように、冒頭に御期待を申し上げておきたいと思います。 いろいろお話がございましたように、ガット・ウルグアイ・ラウンドの年内の合意を目指していよいよ最終局面に入っておる、これほどなたも認識が一致しておるところだろう、こんなふうに思っておるところであります。 もともとガット農業交渉は、世界的な農産物の輸出競争の中で、補助金つき輸出競争は公正な貿易を最も害する元凶になっておると私は思うのでありますけれども、そのために農産物市場が大混乱をしている、悪化をしている。時には戦争につながるような世界的な混乱の原因になりたのは事実だというふうに思っております。こういったことがもとになりまして始まったわけでありますけれども、今日では、やはり新たな国際情勢に対応した解決も求められておる、こんなふうにも思うわけであります。 それは一つは、冷戦の時代が終わりましたから、新しい市場と申しますか、ソ連や東欧圏なども対象に入れた秩序づくりというものも当然にこれは含まれておる、こんなふうに思っておるところです。 それは別といたしまして、そのような問題を抱えながらも、今中心的な問題にされておりますのは、申すまでもなく、一つは国内支持の削減の問題、二つは国境措置の問題、三つ目は輸出補助金をどう削減していくかという問題、あるいはまた、その他我が国から提起をした新しい非貿易的関心事項についての解決の問題等々も当然これは含まれておるというふうに思っておるわけでございます。 ともあれ、この中心になっております三つの課題について、今のところ各国の主張は、大臣も認識されておりますようにまだまだかなり大きく食い違っておる。年内に果たして合意ができる段階にあるのかどうかということについてもだれもちょっと予測できない段階だろう、こんなふうに思っております。しかしそういう中で、先ほどのお話にもありましたようにいろいろな情報が乱れ飛んでおりまして、あたかもこういった問題について一定の合意が間近に迫っておるような報道がなされております。多くはどうもいろいろと意図的な内容を持ってある国から出される、交渉相手国から出されたり、こちらの方から出したりというようなことで、どうやら翻弄されておるようにも思いますけれども、しかし現実はかなり動いており、特にECとアメリカの間で水面下の交渉というのがかなり進んでいるというように見ていかなければならないのじゃないか、こんなふうに思っております。 大臣はその辺の事情は一番よく知っていらっしゃると思うのですね。二十五日から東京で日本とEC、ヨーロッパ共同体の閣僚会議にECのマクシャリー、日本でいえば農水大臣ですが、農業担当委員が来て大臣とお会いになる予定になっておったわけですね。それが急遽取りやめになった。中身を聞いてみますと、やはりこれはガット・ウルグアイ・ラウンドに関連をしておる。今のところどうも主たる理由は、アメリカとの農業交渉に備えるためだ、したがってこの時期に、アメリカとマクシャリー大臣との水面下の交渉なんでしょうね、たまたま日本に来る予定が狂いましたからこのことが表へ出たわけですけれども、水面下の交渉に入っていくだろう、こんなふうに認識をいたしております。これはやは力極めて大きな出来事なんじゃないかというふうにも思われますが、大臣はこの辺、直接連絡を受けていらっしゃるかどうか知りませんが、急遽予定が変更になり水面下の交渉に入るといったような事態について、どのように受けとめていらっしゃいますか。
○田名部国務大臣 お答えをいたしますが、マクシャリー委員がなぜ取りやめになったか、こういうことにつきましては、EC内における共通農業政策及びウルグアイ・ラウンドに関する閣僚レベルの協議を継続しなければならなくなったということで来日が困難になったというふうに聞いております。
○目黒委員 そのことはまた後からちょっと触れさせていただきますが、大体現段階でアメリカとECがどの部分をどのように詰めるかという課題についてはほぼ出そろっておるわけでありますけれども、いわゆる補助金の削減等については、かなり伝えられるように譲歩するんじゃないだろうか。しかも、ブッシュ大統領がもう既に声明に加わってこの方向について出ておるところでありますが、これは交渉技術の問題や交渉に与える影響等を考えた部分の方が私はちょっと大きいんじゃないかと見ております。これは後からちょっと申し上げますけれども。 そういう意味では、まだ本格的な中身に入っていないという見方もあるようですけれども、この辺、大臣はどう見ていらっしゃいますか。 〔委員長退席、杉浦委員長代理着席〕
○川合政府委員 若干、事実関係でございますが、私、最初に答弁させていただきます。 米・ECの歩み寄りの問題でございますが、率直に申し上げまして、私ども十分把握しておりません。 御承知のように、先日首脳会談が行われたわけでございますが、この共同宣言では、幾らかの前進をしたという部分と、残された相違点を埋めることは容易でない、簡単ではないという表現がなされております。今も御指摘がございましたけれども、輸出補助金につきまして、その削減幅についてアメリカ側がかなり歩み寄りを見せたというような報道もございました。しかしながら、これについて一部否定したアメリカ側の報道などもありまして、先ほど申しましたように定かではございません。 しかしながら、両国とも交渉の決着に向けましてかなり精力的な動きをここのところ見せているということは事実でございますので、そうした中で現実にどういうふうに進んでくるかということを私ども注視していかなければいけない、そういう段階であるというふうに考えております。
○目黒委員 ダンケル事務局長が政策レベルの貿易交渉委員会に提起したペーパーというのは、これまでの交渉を踏まえて、何と申しますか幾つかの柱にまとめ、議論の対象となる部分を整理した、こんなふうに理解いたしておるところでございます。 この中身は、既に御案内のとおり、一つは関税化を含む市場アクセスの約束の方式の問題、二つは国内支持の削減約束の対象から除外される直接支払いの問題、これはやはりECの所得補償と申しますか所得に対する支払いなども含まれているというように思いますが。三つ目は、輸出競争の分野における削減約束の対象となる政策の範囲、四つ目は支持と保護を削減する量あるいは額あるいは基準となる年次及び削減の期間といったようなものに実務的に集約されておるようであります。関税化の問題につきましては、市場アクセスの分野における関税化の概念が改革プロセスの基本的な柱になったとしか表現をしていないということ。になってございます。 今私申し上げました四つの集約された問題について、どうも交渉方式というのはこの四つの柱を、残っておる問題をまた幾つかに整理をして一つ一つの課題について各国の意見を聞くと申しますか聴取をすると申しますか、出し合ってまとめていくような方式のように承っております。当然この中には我が国が主張した食糧安全保障の問題あるいは懸念されるような関税化の問題等々も議論の。積み重ねとして記載をされておるということですから、こういう事態を見るときに、やはり相当大詰めかなあという感じが実はひしひしといたすわけであります。 なかなかダンケル・ペーパーというのはわかりにくいのですけれども、ともあれ一つ一つの課題についてラウンドで意見を聴取するというか、それは水面下でやるのもありましょうが、いろいろな形でやおのでしょうが、そういう段階にある、こういうふうに認識をしているのですが、これはどうですか、そのとおりでいいですか。
○川合政府委員 ガットの貿易交渉委員会で報告、整理されました現状評価は、先生今御指摘の四つの点が指摘されているわけでございますが、これは一と二と三の部分はそれぞれ市場アクセスの問題、国内支持の問題、輸出競争の問題ということでございますが、四つ目の問題は、これを横断的に、削減する量あるいは基準年をどうとるか、そして削減する期間をどうとるかという問題でございますので、縦横の関係と申しますか、そういうふうになる問題だろうと思います。これが政治的決断を要する事項というふうに指摘しておりますように、これのそれぞれがやはり主要な問題でございますので、これについてそれぞれの国の意見、ポジションというものを聞くことによって交渉の妥結へ向かわせようというふうにしてくるものと思っております。 ただ、過去の経緯からいいまして何度かの挫折がこの交渉で行われておりますので、そういう意味では物事の進め方を非常に慎重に行っているという面もうかがわれるのではないかというふうに思っております。
○目黒委員 いずれにしましても、そういう段階の中で、先ほど来少しお話が出ておりましたが、国内で国論がどうも分かれているかのような強い印象を今、日本は与えていると思っております。特に、大変恐縮ですけれども、最近自民党の大物と言われる議員の皆さん、金丸元副総理、小沢元幹事長、竹下元総理といったような方々から、何かしらここへ来て我が国が一定の譲歩をしないと孤立するような言い方で米問題を発表しておられる。例外なき関税化を避けるためには仕方がないんだといったような言い方になっておるわけであります。しかも、米については国内消費量の五%、五十万程度の部分開放を行うべきだなんという、私に言わせていただきますれば、ウルグアイ・ラウンド交渉の進展やその対象となる課題に比べれば、これは全く次元の違った話を持ち出している、あたかも譲歩しないのが悪いような言い方になっておるわけでございまして、この点は非常に私は我慢のできないところであります。 確かにアメリカ側は、これまで一貫して例外なき関税化ということで日本に強く迫っております。そればかりじゃなくて、ガット十一条二項(C)、日本でこれだけ減反をしておる米については輸入が猶予されるという条項を廃止しろ、こういう要求さえ実はしておるわけでありますから、まさに理不尽というふうに言わなければなりません。しかし、先ほどもダンケル・ペーパーなるものも紹介をいたしましたように、例外なき関税化などというのは、まだ交渉のテーブルの中でようやく概念として柱になっておるという認識になっておるわけですね。 こういう中で、一つ一つの課題について交渉をしておる、やりとりをしておる、アメリカと日本とのやりとりもありましょうし、ECとのやりとりもありましょう、現地ではですね。その最中に日本で、部分自由化と言ったらいいのか部分開放と言ったらいいのかわかりませんけれども、それに近い発言があるということは、私はあらぬ予見を相手国に与える、もう与えておる、これは重大だと思うのですね。これは日本政府が、国際社会の中である意味では醜態をさらすことにつながりかねない、こう思うわけでありますが、大臣はこれらの行動や発言に対して一体どう対処されようとしておるのか、改めて伺っておきたいと思います。
○田名部国務大臣 最近の報道でいろいろなことが言われておりますが、何といいましても実態をよく把握されていないそういう発言もありますし、あるいは直接お会いしてお伺いしますと、どうも新聞で報道された内容と、言っているのが違うというのもありまして、私はその場に立ち会っておるわけではありませんので、新聞の内容も各紙違う、報道内容もばらばらというのもありまして、ただ、お会いしてお話を申し上げておるわけでありますが、いずれにしても、どういう形であってもこういうことが出るということは、交渉している者にとっては大変な障害になるということでありますので、今後ともひとつ国民の皆さんにお願いしたいことは、やはり国を挙げてこういう姿勢で取り組んでおるという姿勢というものを私からもお願いをしておかなければいかぬし、国会議員については再三にわたって決議を、満場一致のはずでありますから、それに参加された方々はその趣旨から外れた発言、行動というものは慎んでいただきたいということであります。 重ねて申し上げますけれども、いろいろなことを言われているその真意がどんなものかというのは、逐一その場に私が立ち会っておりませんので、その辺のことは確かめもいたしました。確かめると、あの趣旨とはちょっと違っておるということでありますので、なかなか真意のほどをはかりかねるわけでありますが、いずれにしても今申し上げたようなことで、これからの交渉に全面的なバッグアップをしていただきたい、こう願っておるわけであります。
○目黒委員 せっかくのお答えでありますけれども、きょうも米開放問題で、宮澤首相が関税化に二の足を踏んでおる、こういう報道がなされております。一々読み上げませんけれども、交渉の場で、ECとアメリカが頭にあるようですけれども、一定の譲歩ができたときには日本も何らかの譲歩をしなければならぬというのが頭にあるのですね、米についてですよ。譲歩する分野なんというのは米だけじゃないのですから、そうでしょう。十五分野の進展状況につきましては、外務省いらっしゃいますから後から聞きますけれども、ともあれそういう認識があってそしていろいろな記事になる、報道になる、これが消費者、生産者に対する影響はやはりはかり知れないものがこれはあります、ガット交渉だけじゃありません。 私は、きょうは官房長官に来ていただきたい、こういうふうに申し上げたのですが、どうも今大臣がおっしゃった決意と官邸側の思惑というのはちょっと開きがあるんじゃないか。官邸側の思惑、あるいは農林省あるいは交渉しておる当事者などの実務者との間には相当大きな認識の開きがあることは、これはもう間違いありません。国内がこんな姿勢であったのでは、これはやはり今終局を迎えている交渉に少なからぬ影響を与えることは確かであります。したがいまして、大臣がもうどう言われようとも、こういったものがやはり影響し合って一つの結果が出るわけでありますから、もし日本の方針が通らないということになりますれば、政府・自民党の責任というのは非常に実は大きなものになっていくのじゃないか、挙げてもう反対をしておるわけですから。やはりこの点は官邸側ともう少しコンタクトをとって、ばらばらな思惑があるような思われ方をされないように努力される必要がある。 きょうは、加藤官房長官が見えましたら真意をただしてそのことを強く申し上げようと思っておったわけでありますが、大臣に聞くしかありませんけれども、この点はその必要はありませんかどうか、お伺いをしておきたいと思います。
○田名部国務大臣 先般も政府と自由民主党の農林関係者との話し合いがありまして、そのときにも自由化につながるようなこの関税化というものは、国会決議を踏まえてこれには反対をいたすということを明確にしておるわけでありますから、どういうところでそういう発言になるかというのは私なんかも定かではありませんが、私たちも注意していろいろ記者の方々とお話をするのでありますが、この姿勢というものは一貫しているのですが、何か言っていると別な方をちょっととらえて報道されるという面もありまして、しかし公式の場でやはりやられたということをこれをひとつとらえていただいて、政府もきちっとした態度であるというふうに御理解をいただきたいと思います。 〔杉浦委員長代理退席、委員長着席〕
○目黒委員 ここにいらっしゃる皆さんはみんな一生懸命頑張っておられる皆さんばかりでありますから、そうじゃないところでいろいろな音を出されるものですからこれは困るわけでありますけれども、そこらあたりはどうしてもおっしゃったような趣旨でひとつ徹底をしておいていただきたい、こんなふうに要望しておきたいと思っております。 そこで、言われておる中で、日本が米ばかり守っておると国際社会から孤立するという認識は、交渉なんだから余りかたくなになるなよという立場で感情がわくみたいなのはあるのだろうというふうに思いますけれども、私は米の問題につきましては決して孤立をするなんという次元の問題ではない。 これはもう大臣は十分に御承知だと思いますが、米そのものは世界に出回る貿易量というのはたかが知れている量であります、千三百万トンぐらいしかないわけでありますから。それなりに需給に変動を来したというようなことになってまいりますと、経済に及ぼす影響と申しますか、米価、米の価格、世界の国際価格そのものもやはり非常に大きく動かすことになります。仮に我が国が全都市場開放した、千三百万トンしたと仮定をいたしますと、千三百万トンをどこかから買ってくるということになりますれば、これはもう紛れもなく米の国際価格は上がってくるでありましょう。そうなった場合に、発展途上国や低開発国で食糧さえ購入できない人たちにどのような影響を与えていくかということになりますれば、まさに人道上そんなことはできないという結論になってくるのだろうと私は思うのですね。 そういう性質を持ったいわば商品であるわけでありますから、ガット交渉というのは工業製品の貿易ルールの確立が主軸であったにもかかわらず、いつの間にか農産物がのってしまった。今私が申し上げましたような農産物貿易をルール化するについて、こういった課題については余り議論されないで来た節がある。したがって、各国が抱えておるもろもろの困難な問題というふうに表現されておる中身は、これは今申し上げましたような問題に通ずるがゆえに解決されないで残っておる課題になっているというふうに思っておるわけであります。したがって、日本はむしろ米をしっかりと守って、そしそ積み重ねてきた技術などを世界の食糧増産に寄与していくという、農業サイドの国際貢献の大きな分野を占める一つの課題じゃないのだろうかというふうに私は常々思っております。 そういう観点からいいますと、米を守っておって国際的に孤立するなんという発想から出た譲歩案というのは、これは断じて拒否をしていかなきゃならない、こう思っておりますが、ひとつ大臣の決意のほどをここでも伺っておきたい、こう思います。
○田名部国務大臣 私もそのように実は思っている一人でありまして、先ほども申し上げましたように、地球的規模で食糧というものは議論しておく必要がある。不足すれば米の価格が高騰する、これは当然のことでありまして、先般来台風の影響を受けて野菜等が我が国は不足して輸入をいたしておる。前倒しもいたしておりますが、現実に台湾の野菜というものは大変な高騰をした。台湾の国民に迷惑をかけた、結果としてはそういうことになるということ等も踏まえて、やはり日本における立場というものは、それぞれの国がそうですが、やっぱりある程度自給できる体制というものをとる。しかし、どうしても体制ができないものがあるわけですね。国土の八割から山に囲まれた日本というものは、一億二千万、これ全部自給で賄えるかというとこれは不可能でありまして、現実に先ほどお話し申し上げましたように大部分は輸入に依存しておる。しかし、少なくとも自給できるものはそれぞれの国でしっかり確保しておきませんと、特にヨーロッパのように陸続きの国と違いまして海に囲まれておる日本というのは、これは下手をすると食糧が戦略に利用される可能性もなしとはしないということから見れば、おっしゃるとおり私もそのように考えておりますし、日本の貢献の仕方というものは輸入ばかりではな くて、諸外国に日本のすぐれた農業の技術というもので、特に食糧の困窮しておる国々、現にいたしておるわけでありますけれども、そういうことで立派に果たしていく、それらも議論の中に十分踏まえてやっていかなければならぬものだ、そのように考えております。
○目黒委員 この際、特にアメリカの米問題、米扱いについて申し上げておきたいというふうに思っておりますが、御案内のとおり日本は二千年来民族の主食としてやってまいりましたから、深く生活文化に結びついておる米であるわけでありますので、そういう意味ではまさに生きるために生産をした。アメリカの場合は、あるときつくってみたら売れそうなので生産をどんどんと拡大するという商業生産から入っているものですから、確かに認識はうんと違うと思うのですね。やはり外交交渉ではそういった認識の違いというものは、詰めていく過程の中で一つの結論が出る部分もあるのだろうと思うのですが、ぜひこの点は、日本や韓国や中国やタイやビルマ、インドなどと違った、やはりモノカルチャー的な米であるわけでありますから、ぜひこの点は一つの認識の合意が得られますように努力をお願いをしたいというふうに思っております。 私は今、大臣からいろいろな角度からの質問に対してお答えをいただきましたが、ウルグアイ・ラウンドが大詰めを迎えて、そしていろいろな情報が流されておるという中で、問題はやはりECとアメリカがどう折れるかということになっていくのだろうと思うのでありますが、大臣に重ねての質問で大変恐縮ですけれども、米について仮にこれから交渉が進んで、包括的な合意案に何らかの形で対応策が求められた場合、一般的に言われておりますのはやはり関税化対象とか、日本の国内で、先ほど私が申し上げましたように部分開放とかというような求め方で包括合意案なりに載せられるというような場合になりましても、昨年十二月の閣僚会議で拒否をされたような姿勢をとられる決意があるのかどうか、ここで改めてお伺いをしておきたいと思っております。 もう一度申し上げますと、関税化にしろ部分開放にしろ、米については応じられない、こういう御決意があられるかどうか、お伺いをしておきたいと思います。
○田名部国務大臣 今、交渉のさなかでもありますし、この先いろいろなことを想定しての御質問、言ってみれば仮定の話でありますのでなかなかお答えしにくいのでありますが、いずれにしても、今まで再三お答えを申し上げてきたところでありますが、何といっても日本の構造的特質というものが先ほどから申し上げておるとおりでありまして、どんな努力をしても、内外の価格差の縮小といっても相当の時間もかかります。新しい食料、農業、農村ということを検討しているのも、そういう将来的な日本の農業というものをしっかりしたものにしていかなければいかぬというさなかでもあって、そういうところにどんな形であれ自由化につながるような例外なき関税化というものは、これは一切認められないということを再三申し上げているわけです。 しかも、そういうこと、米が入ってくるということになると食管法の改正が伴うわけでありますから、この改正というものが国会で御審議いただけると私は思っておりません。したがいまして、できないものを安易に妥協するとか受けるとかいってみても、できなければ結果的には世界に対して日本への不信感というものをもたらすだけでありますから、関税化は受け入れられないと考えております。
○目黒委員 関税化の場合は拒否をする、これについては大臣も今まで述べていらっしゃいますから、きょうもまたお答えをいただいて大変心強く思うわけでありますが、問題は、日本の置かれておる立場でずっととってまいりました米の国境措置について、何らかの譲歩を求めようというのがやはり最終的なターゲットになってくるのだろう、こう思います。したがって、ここの部分がやはりどうしても踏みとどまらなければならない課題の一つの山になってくるのだろう、こう思います。 それで、新聞等で伝えられるところは、部分開放なのか、関税化、ミニマムアクセスなのかといったようないろいろな一部米輸入、実態として出てくる事態について、いろいろな思惑があって発言されておるようでありますし、もう一つ加えますれば、今大臣が言われましたように、ガット農業交渉の先行きを見通した場合に、かなり時間もかかるし、日本的な配慮といったようなものもその都度やはり示しておかなきゃならぬといったような部分も、百歩譲ってあるいはあるのかもしれません。しかし、ここは公式の場でありますから、やはりこの点についてはもうはっきりしていかなきゃならない時期に来ているのじゃないかというふうに私は思いまして、改めて念を押させていただくわけでありますが、部分開放について大臣は、日本の現状からしてあるいはまたガットの条項からしても日本がこれに応ずる必要はないというふうに私は受けとめるのですが、いかがでございましょう。ガット条項で日本は免除されておる、さらに二十一条に例外を設けろといって主張しておるわけですから、そのことぐらいははっきりしてもいいのじゃないでしょうか。
○田名部国務大臣 御案内のように、現在全水田面積の三割を減反、生産調整を実施している。それを考えてみると、極めて部分的といえどもこれは困難なんですね。それと、先ほども申し上げましたように、国会の決議というものもこれはあるわけでありますから、そういうことを踏まえて、国内産で自給する、こういう基本方針というものがありますので、このもとで対処してまいる所存であります。
○目黒委員 承知いたしました。 次に、今各国間でいろいろと動いておる問題の中に、輸出補助金についての交渉が水面下でかなり進んでおるというのが毎日毎日いろいろな形で伝えられております。私は、先ほど申し上げましたように、輸出補助金はどう見たってガットの場で最優先的に解決をされなきゃならない不公正貿易の元凶になっておる、こう思います。 それで、ECとアメリカの間で、五年で三〇%、六年で三五%削減する、こういう案で妥協しようというような向きの報道がなされておるわけでありますが、しかし、ガット農業交渉の趣旨からいえば、このような形で輸出補助金を残したまま一つの妥協点に達するといったようなことになりますれば、見方としては輸出補助金の温存じゃないか、こういう見方も私はできると思うのですが、一体政府はこの点について今どう受けとめておられるのか。また、我が国には輸出補助金というのは農産物にはありませんけれども、政府は交渉の場で、輸出補助金の削減についてどのような要求と行動をしておられるのか、あわせてお答えを願いたいと思います。
○川合政府委員 今御指摘のように、ウルグアイ・ラウンド農業交渉の発端は、何と申しましても八〇年代の過剰生産を背景とする輸出競争でございます。それに、そうした背景によります輸出補助金の増額競争というものが農産物貿易を歪曲したということは紛れもない事実でありまして、今回の交渉におきまして、この問題の解決なくしてウルグアイ・ラウンド交渉の成功ということはないというふうに私ども考えております。 したがいまして、我が国といたしましては、まずこの問題が優先して解決されるべきであるし、やはり削減を通じて撤廃にまで持っていくということがこの問題の真の解決であるという立場に立ちまして、そうした主張を繰り返しているわけでございます。 一部報道で輸出補助金の削減幅についてアメリカ側がかなり歩み寄りを見せたと言われておるわけでございますが、先般ヒルズ通商代表が大臣のところに参られましたときに大臣からもその点を質問していただきましたが、そのような報道については否定をいたしておりました。 しかしながら、先ほども申しましたように一番重要な問題ということでございますので、今後ともその帰趨について十分注視してまいりたいと思っております。
○目黒委員 ちょっと時間もなくなって大変恐縮ですが、あたかもウルグアイ・ラウンドが農業問題の解決が合意のかぎみたいに報道されております。しかし、その他の分野の交渉というのもまだまだ残っておるわけでありまして、この点について、きょう外務省からおいで願っておりますので、これまでの交渉の中でどのような課題が農業以外の分野で残されておるのか、あるいは交渉進展の見通し等々について、この際お伺いをしておきたいと思っております。 特に、新しい課題もつけ加わっておりますから、なかなか理解しにくい、単純労働の移動の問題だとかいろいろな問題があるわけでありますが、これらについてひとつ状況をお答え願いたい。
○北島説明員 ウルグアイ・ラウンドは工業品、農産物の貿易、サービス、知的所有権、投資等の国際的経済活動のほとんどすべての分野を対象にして、二十一世紀に向けて多角的自由貿易体制の再構築を目指す交渉ということで行われているわけです。 そもそも十五の分野で交渉が進められてきたわけですけれども、ことしの四月から市場アクセス、農業、繊維、ルール及び貿易関連投資措置、貿易関理知的所有権、制度的問題、それからサービス、この七つの交渉分野に再編されて交渉が進捗してきております。農業以外の交渉分野に関しましては、合意に向けて大きく前進した分野もあれば難航している分野もあるということでございます。 十一月七日に貿易交渉委員会が開かれまして、ダンケル・ガット事務局長より、ラウンドを本年中に終結するとの立場から早急に解決されるべき懸案事項を説明したわけですけれども、これを受けて早期に各分野で合意案を作成するということを目指した交渉が現在精力的に行われているということでございます。 具体的な状況を申し上げてみたいと思います。 新分野、これはサービス、知的所有権、貿易関連投資措置の三つでございますけれども、先生より御指摘のありました労働力の移動の問題、この問題はここで取り上げられているわけですけれども、この新分野では、一定の進展は見られますけれども、先進国と開発途上国との対立には依然根強いものがあるというふうに理解しております。 それから、ルール分野でございますけれども、大方の分野で争点の整理は終了していると思います。その中で、先進国と開発途上国の対立が最も先鋭化していたBOP条項、これは開発途上国に対しまして国際収支の困難に基づいて輸入制限を認める規定でございますけれども、このBOP条項の改善に大方の合意の方向が見られるといったように大きく進展した分野もございますけれども、他方、アンチダンピングそれから補助金のように、主要国間で基本的な対立があってそれほど進展していない、ウルグアイ・ラウンド全体の進捗待ちの状況にあるという分野もございます。 それから、市場アクセス交渉でございますけれども、これにつきましては、農業交渉の進捗待ちという雰囲気もございますけれども、他方、繊維といった難しい分野で米・EC間で対立打開に向けての動きがあるといったことも申し上げることができるかと思います。
○目黒委員 最後に、これは、これからの日程見通しも含めて、実はきょう、ECとアメリカの農業交渉の中心課題になっております補助金削減の問題等についての見通しとあわせて、いろいろなやはり政治情勢の中で進展をしていくわけでありますから、そう簡単に進まないだろうということは安易にわかるわけでありますけれども、一つ一つの交渉にはそれなりのハードルを越えなければならないものが出てくるわけであります。 それで、政治状況としては、伝えられておりますように、アメリカでも農業交渉については具体的な中身もさることながら、それぞれの業界あるいは分野からいろいろな違った意見が出てきておる。例えば、スーパー三〇一条の問題などでは必ずしも一致しているところか、むしろ表に出れば出るほど開きが大きくなる、あるいはウエーバーの問題についてもそうでありますが、特に私は三〇一条の問題について考え方をひとつお聞かせ願いたいと思っております。 私は、ガット・ウルグアイ・ラウンドでどんな取りまとめをいたしましても、アメリカの三〇一条が残っておる限り、結果としてガット交渉で合意されたその上に三〇一条があって、そして米でやられましたように三〇一条を通して、通してと申しますか、政治的な圧力でウルグアイ・ラウンドにのせられてしまった。これがある以上、どんな取り決めをしても公正な貿易を確保することはできないんじゃないか、こう私は思います。したがって、ECは三〇一条の機能の停止と申しましょうか、撤廃に向かって非常に強い姿勢で交渉に臨んでおるというふうに承っております。日本はこの三〇一条についてどのような要求を出しておられるのか、これが一つ。これは経済局長でも結構でございますから。 それから、もう一つはウエーバーですけれども、この間の新聞では、ヒルズ通商代表が、私実際そこに立ち会っていたわけではありませんから、受けとめ方、ニュアンスがちょっと違っておるように思いますが、あれはもう今どきちょっと古くなっておるという言い方なのか、いろいろと譲歩ができればウエーバーも撤廃してもいいという考えがあるのかどうか、ここらあたりの認識は一体どうされておるか、この二つについてお伺いをしたいと思います。
○川合政府委員 まずウエーバーにつきまして、ヒルズ通商代表と大臣との会見のお話が出ましたが、あの場ではヒルズ代表は、ウエーバー品目についても関税化しなければならないという物の言い方をされました。それは支持を失うところもあるけれども、支持をより多く得るところもある、全体のパッケージとしてプラスになるという方向でやらなければいけないというような発言であったと記憶しております。 したがいまして、ウエーバーについてもやらなければいけないという問題意識だろうと思いますが、今お話しのように、業界その他につきましては、反対のあることはそのとおりでございます。 三〇一条につきましては、外務省の方が正確な御答弁ができるかと思いますので……。
○北島説明員 日本政府としまして、三〇一条等に代表されるガットの手続を経ない一方的措置、これはガット紛争処理制度に対する各国の信頼を損なう最大の要因であるというふうに考えまして、ガットの手続を経ない一方的措置の行使及び右措置を用いた脅迫、これを放棄することが合意されるべきであるということで、ウルグアイ・ラウンド交渉の場で一貫して主張してきているわけであります。 ウルグアイ・ラウンドの制度的問題交渉グループというのがございますけれども、この場において、ガットの紛争処理機能の強化を目標に、共通テキストをベースに交渉が現在進捗中でございます。ガットの手続を経ない一方的措置の行使及び右措置を用いた脅迫の放棄の問題は残された最大の論点でありまして、日本それから先生御指摘のECを含め大多数の国は、かかる放棄に合意することを強く主張しているわけでございますけれども、アメリカのみが強く反対して、合意を得るに至ってないという状況なわけであります。 今後の私どもの交渉の考え方としまして、一方的措置の問題は、ガット紛争処理手続に関する交渉における最重要問題であるというふうに考えております。今後とも活発な交渉が行われるものと考えられますけれども、我が国としてはみずからの主張が十分反映されるように今後とも積極的に交渉に臨んでまいりたい、そういうふうに考えております。
○目黒委員 終わります。
○高村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三分休憩 ――――◇――――― 午後一時一分開議
○高村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。佐々木秀典君。
○佐々木委員 けさから同僚議員よりガットをめぐるさまざまな動きについての御質問が既にあります。私も、きょうの質問はこのガットをめぐる問題、特に米を中心にした問題、集中的にお尋ねしたいと思います。 とりあえずですけれども、実は私の最も新しくお聞きした情報として、けさほど出がけにNHKのテレビのニュースを見ておりましたところ、二十日からジュネーブ現地においてこの農業分野での主要国、これは八カ国だろうと思いますけれども、いわゆる次官級クラスによる農業交渉、これは非公式交渉と言われているようですけれども、これが始まっている。その中で昨日、日本時間でいえば昨夜からきょうの未明にかけて二日間にわたっての協議が進んできている。この協議の冒頭で、議長役のドンケル事務局長から、農産物の輸入の規制措置は関税に置きかえた上で削減を図っていく、輸出補助金は削減するということなどを含めて、これまでの交渉の論点をまとめた文書が示された、その中には例外のない関税化が市場開放を進める上での基本であるということが強調されておる、こういうような報道があったわけであります。最も新しいニュースというふうにお聞きいたしまして、これがかねて言われているドンケル事務局長が取りまとめのペーパーを出すであろう、いわゆるドンケル・ペーパーというものが予定されているのですけれども、それそのものではなかろうとは思いますけれども、仮にこの報道が真実だといたしますと、これは相当今後の交渉の方向というものに一定の指針を与えるようなものではないかと受けとめざるを得ないわけですけれども、この報道の事実関係、当局としてどの程度正確に掌握されておられるのか、現地からの報告も受けておられると思うわけですけれども、これについて、まず冒頭お尋ねしたいと思います。
○川合政府委員 二十日から次官級と申しますか高級事務レベルの非公式会合が行われております。実はこの会合自体が非公式の会合でございまして、その内容等については、非公式でございますので部外秘という国際的なお話し合いの上で進められております。したがいまして、その内容につきましては詳細は差し控えさせていただきたいと思いますけれども、昨日の会合で議論の素材としての資料が配られました。これにつきまして議論が行われております。 いずれにいたしましても、私どもは今お触れになりました例外なき関税化ということは受け入れられないというポジションを持っておりますので、そうした点につきましては従来からの基本方針に基づきましてこの会議に臨んでいるところでございます。 それから、この資料は今も申しましたように論議の素材ということでございまして、いわゆる当初ダンケル・ペーパーと言われていたものはある種の強い方向づけ、取りまとめの文書というふうに言われたものでございますから、そうした文書とは性格の異なるものであるというふうに私どもは認識しております。
○佐々木委員 非公式会議だということですけれども、主要国の一つとして当然日本も入っているわけですね。具体的にお聞きして恐縮なんですけれども、そうすると日本側の代表としてはどなたがこの非公式会議に出ておられるのですか。
○川合政府委員 私どもの方は塩飽審議官、東国際部長、それから外務省は遠藤大使でございます。
○佐々木委員 そうすると、その出席されておられる交渉担当の方々からは外務省あるいは農水省に対して報告は入ってはおるわけですね。
○川合政府委員 概略一報告は受けております。
○佐々木委員 けさの報道はNHKのテレビだったわけですけれども、したがいまして時間の関係もあると思いますが、各新聞紙朝刊にはまだ記事内容としては出ておりません。しかし、どうもこのNHKの報道の内容など、これがまた恐らぐきょうの新聞各紙夕刊などでも取り上げられる、あるいはまたあすの朝刊などでも取り上げられるのではなかろうか。後にまた報道との関係はお尋ねしたいと思いますけれども、先ほどの目黒委員の質問にも出ておりますけれども、そしてまたそれに対する大臣のお答えもありましたけれども、どうも報道が果たして事実関係をありのままに伝えているかどうかということについてはさまざまな問題があるというようなやりとりもあったわけです。これがまた、今後のガット交渉、特に農業交渉をめぐっての一つの何か大きな指針をもうここで決めてしまうのだというような報道がなされやせぬか、それがまた国内の世論の形成にいろいろな影響を与えるのではないか。私どもが考えるよい影響ならいいのですけれども、あしき影響が出てきやせぬかということを大変心配しておりますので、川合局長から今、これは非公式なので必ずしもつまびらかにはできないというようなお答えがございましたけれども、場合によりますと世論形成の上でゆゆしい問題にもなりかねませんので、国民の皆さんに対して公表できるものは公表していただいて、その世論に誤りなきを期していただきたいと思いますので、報道に対する対応の仕方についても十分に御配慮いただきたいと思うのですけれども、その点についていかがですか。
○川合政府委員 ただいま申しましたように、国際的な約束の中で行われている会合でございますので、私どものそうした態度をお許しいただきたいとは思いますが、今申しましたように議論の素材としての資料でございますので、私どもはこの資料につきまして私どもの立場を述べることも主張することもまだ十分できると思っておりますので、これまで御説明してまいりました基本方針を踏まえまして最大限の努力をしてまいるということで考えております。
○佐々木委員 この農業分野での非公式協議、次官級レベルの協議、これは今のスケジュールでは、きょうは二日目ということですけれども、まだ今日も続いているわけですね。どのぐらいまで続く予定なんですか。そしてその後閣僚級の会議も予定されていくというようなスケジュールになるのでしょうか。その辺の見込みはどうですか。
○川合政府委員 現地時間で金曜日、きょうまでの予定は決められておりますけれども、来週の予定は今のところ決められておりません。それから今お話しの閣僚級の会議は、これは、全くそういう予定は今のところできておりません。
○佐々木委員 その辺については了解いたしました。 そこで、このガット・ウルグアイ・ラウンドですけれども、本来ならばこの交渉のめどというのは昨年いっぱいということになっていたわけですね。昨年の暮れ、重大段階を迎えるということで、実は私も社会党の代表団としてブリュッセルに参りました。自民党の方からも、今大蔵大臣をやっている羽田さんあるいは官房長官をやっていらっしゃる加藤さんなどなど、自民党の有力な農業関係のいわゆるベテランの議員さんたちが代表団としてやはりお出かけになって、私どもブリュッセルの現地でもお互いに話し合いをし、協議をし、協力をしながら、この交渉のいわば応援団として臨んだということがあったわけです。しかし、去年の暮れ、ついに成立に至らないで年を越してしまった。去年の年内いっぱいでこのガット交渉をまとめるということが至上の命題だったとされたがら、今日に持ち越し、しかも年が明けてもう既に去年から一年たっているにもかかわらず、先ほど来のお話を聞きますと、なかなかに各分野、難しいというようなお話もあるわけですね。 で、このガット・ウルグアイ・ラウンドの合意形成は、これは昨年でも言われていたことですけれども、これは農業分野だけではない、もちろん十五分野にわたってさまざまな問題を抱えている。外務省からのさっきのお話によりますと、分野によっては相当に交渉が進んでいて、合意形成の一歩手前まで来ているというような分野もある。あるいはとてもそこまでいかない、いっていない、いろいろなネックがあってまだまだ打開の道を探らなければならない分野も農業以外にもたくさんあるようにもお聞きをしたわけですけれども、しかしこの交渉というのはあくまでもこの十五分野すべての問題、ワンパッケージとして解決を目指すんだということが昨年も確認されていたと思いますが、この方針というものについては現在もまったく変更はないわけですね。その点についてお確かめをしたいと思います。
○川合政府委員 ウルグアイ・ラウンドにつきましては、夏のサミット以来本年末を一つの目標にして、各国とも精力的な交渉が続けられてきているわけでございます。そういう経過の中で、包括的な妥結を目指して、現在各国が努力をしているという、そういう状況であるというふうに認識しております。
○佐々木委員 だとすると、ダンケル氏が出すであろうと巷間言われているペーパーというものは、あくまでも十五分野を網羅した包括的な文書なのであって、農業交渉、農業問題だけに限ってのものではないという予測ですね。この点間違いないですか。
○北島説明員 佐々木先生御指摘のとおりでございます。 ウルグアイ・ラウンドが開始されましたのは一九八六年九月、ウルグアイのプンタデルエステというところで開始されたわけですが、当時採択されました宣言の中に、いろいろな分野の「交渉の開始、実施及び結果の実施は一個の事業全体の一部分として取り扱われる。」というふうに書かれております。ウルグアイ・ラウンド交渉は全分野、去年までは十五分野、ことしから七分野ということで再編成されたわけですが、その全部の分野を一つのパッケージとして解決するということでやっております。
○佐々木委員 ということになりますと、例えば十五分野のうち十四分野では合意が形成されたとしても、残る一つの分野が、どことは言いませんけれども、合意の形成を見ないということになると、これはやはりウルグアイ・ラウンドはこれで終わったということにはならない、こういうことになるわけですね。そういたしますと、この農業分野というのはあくまでも十五分野のうちの一つ、十五分の一、しかもその中で今取りざたされておる米の問題というのはさらにまた特定の品目の問題になるわけですから、ほかにもいろんな品目をめぐる交渉が農業分野でも行われているのは間違いないわけでありまして、そういたしますと、この米の問題というのは十五掛けるX分の一の問題にしかすぎない、こういうことになるはずですね。にもかかわらずこの報道などでは、あたかも農業分野の成り行き、なかんずく米をめぐる動向、特にそれに対する我が国の対応というものが、先ほども応答がありましたECの輸出補助金あるいはアメリカのウエーバーなどをめぐる駆け引きの中で何か米の問題が揺れ動かされている。そして、その米をめぐって日本が相当な大幅な譲歩をしなければこの農業交渉というものはデッドロックに乗り上げる、それがデッドロックに乗り上げるということがとりもなおさず今度のガット・ウルグアイ・ラウンド全体にも消長を来すかのごとき報道がなされているということは、私どもとしてはまことに納得がいかない思いがするわけですけれども、実際問題として、この米の持っている交渉の中での比重というもの、そして言われるほどにそんなに大きな比重を占めているのかについての認識、これによっても対応がいろいろとまた違ってくるのではないかと思ったりするのですけれども、他の国々とのこれに対する見方だとかあるいは日本に対する主張だとかいうものとの絡みもありますけれども、そんな中でどうとらえておられるのかについてお聞かせをいただきたいと思います。
○川合政府委員 今御指摘がございましたように、農業交渉はある単品の農産物について交渉を行っているということではございません。ただ、先ほど来申し上げておりますように、この交渉の端緒になった問題は輸出補助金であり、その問題はまず解決されなければならないという認識ではございますが、国境措置につきましてはアメリカは非関税措置をすべて関税化するという提案をしておりますし、ECは条件づきで関税化ということを言っております。そういう意味では一つの大きな地域と一つの大きな国が関税化ということでは近い関係にあるということで、先ほど来話題になっておりますような例外なき関税という考え方が大きく出てきていることも事実でございます。そうした意味で、この問題が農業問題の一つの問題であるということは否定できないと思っております。全体十五分野、今七グループに統合といいますか整理されておりますけれども、それぞれの分野で幾つかの問題点があることは、先ほど午前中に御議論があったことからも御承知いただけると思いますが、そうした中でございますので、農業分野はもちろん七グループの中でも難しい問題を抱えた分野ではございますが、やはり全体のパッケージの中ではいろいろな問題もあろうかというふうに私どもは考えております。
○佐々木委員 とにかく国内外において、両方そうなんですけれども、どうもこの米の問題が実際問題として以上に大きな比重を持っているように取り上げられ、しかもそれが何か政治的な色彩を帯びさせられているように思えてならない。アメリカではヒルズ通商代表などだけではなしに、ブッシュ大統領までが米を挙げるなんということは、一国の大統領としていかがなものかと私ども思いますし、それから先ほども目黒委員からの厳しい質問にもありましたように、国内においても金丸さん、竹下さんあるいは小沢さんというような自民党の中でも有力な方々が問題発言をなさるというようなことで、殊さら米の問題というものを政治問題化しているように思えてならないわけでありまして、この辺については、これは自民党の方々、他党のことを申し上げて大変恐縮ですけれども、農政部会あたりでももっと厳しく対処していただいて、党内世論の統一を図っていただかないとゆゆしいことになるのではないかと思います。 そこで、今度のガット交渉もお話のように各分野においてなかなか大変だ。年内合意を目標にと言うけれども、こんな状況で果たして年内合意できるんだろうか、率直なところ、そういう感じがいたします。 実は前のラウンド、ガットのラウンド、東京ラウンド、これについてもやはり目標の期間内には交渉合意に達しないで、二年くらい東京ラウンドは延びたと思いますね。しかし一応まとまった。その中でもやはり農業分野というものはあった。だけれどもそのときには、米の問題というのはそんな大きな問題として焦点にはなっておらなかったようにも思われるのですけれども、それを含めて全体的な観点から、前回のラウンドとそれから今次のウルグアイ・ラウンドとを比較した場合に何か特徴的な相違点というものが見られるのか、そしてまた交渉成立に向けての見通しですけれども、困難性の難易度と申しますか、こういうことで前のラウンドと今次のラウンドとで比較することはできるだろうか、特徴点ほどんなところにあるだろうかなどについてお話をいただきたいと思います。
○川合政府委員 ウルグアイ・ラウンドの農業交渉は、これまでの交渉が関税の引き下げを中心にして行われたということと異なりまして、今お話がございましたように、非関税措置の関税化とかその他輸出補助金の問題あるいは国内支持の問題というふうに、今まで取り上げられなかった問題を取り上げているということで際立って異なっているものがあると思っております。したがいまして、難易度ということでございますれば、今までも当然のことながらかなり難航したラウンドでございましたけれども、それ以上にそうした難しい問題を抱えているということは事実でございます。 ただそうした中で、これは各国ともそこを承知の上で始めたラウンドでございますので、今最終局面に近づき精力的に取り組んでいるというふうに私どもは考えております。
○北島説明員 農業以外の分野について申し上げたいと思います。 今回のウルグアイ・ラウンド、ガットのもとでの八回目の大きな交渉でございます。前回の東京ラウンドにおきましては、それまでの関税中心の交渉に加えてダンピング、補助金、基準認証、政府調達といった関税以外の措置が取り上げられたという意味でそもそも画期的であったわけですが、今回のウルグアイ・ラウンド交渉では、そうした東京ラウンドで新たに取り上げられた分野を再度取り上げるとともに、東京ラウンドのときに十分に合意に至らなかったセーフガード問題が取り上げられております。 それから、従来ガットでは規律の対象とされてませんでした、私ども新分野と申し上げていますけれども、知的所有権の問題、貿易関連投資措置、それから非常に難しい分野でございますけれども、サービス貿易が新たに取り上げられてきているということでございます。したがいまして、一般的に申し上げまして、先ほど佐々木先生から交渉の全体が一つのパッケージだなという御指摘があったわけですけれども、交渉分野が多くなればなるほど、各国間の全体的な利害得失の均衡、バランスでございますね、これをどうやって図るのかということが難しくなりまして、したがって最終パッケージを組むのが困難になるという事情があるのではないかというふうに思います。 先ほど申し上げました新分野のうちで特にサービス交渉、これはガットにとりましては未知の世界、新しい経験ということで、特に交渉を難しいものにしているというふうに実感しております。
○佐々木委員 お話しのように、各分野にわたることと同時に、前ラウンドに比べてもそんなにたくさんの新しい分野が交渉の対象になっているということなんだから、これはもう交渉が難航するのは当たり前のことだろうと思うので、前のラウンドでも二年おくれた。今度は一年オーバーしてしまった。しかし、お聞きをすると農業だけではなくてほかの分野もなかなかに大変だということもよくわかるわけですが、にもかかわらず、どうも、特に日本国内の新聞だとかマスコミの報道を見ると、専ら大きく報道されているのはこの農業交渉の分野、特に米なんですね、集中して報道されている。もちろんほかの分野についても報道がないとは言わないけれども、農業、米に比べると非常に報道の比重が低くなっているように思われてならないわけです。 この間も私びっくりしたのですけれども、ぱっと目に入って、読売新聞の十一月十九日、一面トップですものね。米部分自由化の方針を政府・自民が固める、こう書いてある。ところが中を見ると、政府・自民党は「関税化の協議に応じるとともに、当面、国内消費量の五%に相当する年間五十万トンの輸入による部分自由化に踏み切る方針を固めた。」とあって、その後に「複数の政府・自民党筋が明らかにしたものでこというような書き方、これは読む者としてはまことにわかりにくいのです。「複数の政府・自民党筋」というのは一体その政府の、例えば大臣なのか議員なのか、あるいは事務方の皆さんの中の、複数というのだから二人以上ないしは機関だったら二つ以上ということになるのでしょうけれども、そういうことなのか、これがさっぱり明らかでない、つまりニュースソースが明らかになってないのです。ところが見出しとしては大きく「政府・自民固める」、こうなっているんですからね。ですから、これが違っているのだとすれば、政府にしても書かれた自民党にしても、何だという上」とをやはり言ってもらわなければ非常に困ると思うのですよ。 そして一方、また昨日、十一月二十一日付の日本経済新聞を見ると、これは、アメリカとECとで「コメ含む関税化案合意へ」、こういう大見出しかまたついていて、ところがまた読売のさっきの十九日とはちょっと違うわけですけれども、これもアメリカとEC間の合意がもう大体できちゃったというふうにどうしたってこれだったら受けとめられますよ。だけれども、当局の皆さんにお聞きをすると、いやいや、そんなことはきちんとは聞いておらない、そんな情報は入っておらないというわけですしね。報道の仕方によってもまちまちなのです。全くこういうことでは今大事なときに困ってしまうので、これは報道関係の皆さんにも、とにかく真実を伝えるということで、余り予測記事などは書かないでほしいと思うのです。正確にやってほしいと思うのです。そのことをぜひ報道機関の皆さんにもお願いをすると同時に、それから政府の方も自民党の方も、私たち社会党も心いたしますけれども、できるだけ公の発表というものを、これだけが本当なんだということを、しかし隠さずに有権者というよりも主権者である国民の皆さんに真実を伝え、国民の皆さんとともにこの交渉に当たるんだということをお互いにやはり認識し合ってやっていく必要が今本当にあるのではないかということを考えますので、そのマスコミ対応についても、政府としても、それから各省としてもぜひひとつお考えをいただいて臨んでいただきたいということを特に申し上げたいと思うのです。 先ほどの次官級交渉における我が国の交渉体制について、どういう方がお出になっているかということについては経済局長から先ほどお話がありましたけれども、局長あるいは外務省にもお尋ねをした方がいいかと思いますけれども、現地では、この各分野にわたる交渉について、縦割りではなくて相互に連絡だとか協議だとか十分にとり合いながらしっかりやっておられるのでしょうね。交渉体制、どうなっていますか。 〔委員長退席、金子(徳)委員長代理着席〕
○北島説明員 ウルグアイ・ラウンド、去年まで十五の交渉分野、ことしの春から七つの交渉分野ということでございますけれども、外務省、調整官庁といたしまして、国内の関係省庁間での調整を済ませてジュネーブの代表部に訓令を送るということをやっているわけでございます。 それから、現地におきましては、先ほど川合局長から御説明がありましたとおり、現在開かれている次官級協議では、農水省の塩飽審議官、東部長と一緒に、二人三脚で協力する形で遠藤大使が交渉に参加しているわけですけれども、農業以外の分野におきましても、関係省庁から非常に多くの出張者がおいでになっています。そういう出張者の方と代表部、それから外務省本省からの出張者、その間で毎日のように連絡会議を開き、お互いのポジションを調整しながら交渉に携わっているということで、十五の交渉分野、そのほとんどの分野について外務省の人間がスポークスマンという仕事をやらせていただいています。問題によっては、関係省庁間の調整がそれほど難しくない、例えば繊維交渉であれば通産省が非常に大きな役割を担われているというようなことがございますけれども、先ほど申し上げました非常に難しい分野であるサービス交渉分野、これは国内では十幾つもの省庁が関係されているものですから、国内調整もジュネーブにおける連絡調整も非常に難しいということですけれども、非力ながら外務省としては、東京においてもジュネーブにおいても誠心誠意調整して、国全体として当たるということでやっております。
○佐々木委員 私も昨年ブリュッセルに行きまして、とにかく大きなホテルの中で、我が国の各省庁から出かけられておる皆さんが本当に朝早くから夜遅くまで、時には夜を徹して一生懸命交渉の準備をなさり、そしてまた各省庁間の連絡、協議に当たり、御努力なさっている様子を目の当たりにして、私どもも敬意を表していたのです。しかし、そういう忙しさの中で、しかも各省庁からたくさんの人が行っておられるということもあるから、さっきの報道の関係等もあわせて、マスコミ対応なども、マスコミの方々もその中で早く情報をつかもうということで一生懸命御努力なさっているのだろうと思いますけれども、そういう忙しさの余り不正確な情報が伝わっては困る、また、交渉に臨む態度が各省ごとにばらばらになってしまうようなことはないとは思いますけれども、あってはならないことだと思いますので、その辺、なお一層御配慮いただいて対処していただきたいということを各省庁に御要望を申し上げておきたいと思っております。 それから、我が国の国内の世論もさることながら、当面農業交渉をめぐって、あるいはその他の分野でもそうでしょうけれども、かねてアメリカとECとの間の対立が最も大きな問題だ。これも先ほど来のお話で出ているわけですが、ガットの方は、とにかく米の問題を中心にしながら日本の報道が毎日毎日非常に行われていますから、日本の国内で相当多数の方々がガットというものについては認識を持ち、この交渉の成り行きを注目しておられると思うのです。しかし、どうもアメリカの国内では、日本でこれだけ報道されるほどにテレビだとか新聞、特に有力新聞というとニューヨーク・タイムズとかワシントン・ポストとかになるのだろうと思うのですけれども、向こうにおられる方などに聞くと、そんなにガットの問題、特にこの農業の問題だとか、まして米の問題なんというのはアメリカのマスコミでそんなに取り上げられているようではない。したがって、アメリカの国民の大方はガットというものにそれほどの大きな関心を持っているように思えない。どうもブッシュ大統領を中心に政府首脳だとか議会あるいは一部の議員などがいろいろと踊っているというか動いているというような状態なのではないかというようにも言われる向きがある。 そしてまた、実はアメリカの家族農業の会の代表の方が最近こちらに来られまして、私たちお話を伺う機会もあったのですけれども、そうした方のお話を聞くと、決してアメリカの農業事情というものも政府の高官などが言っているようなこととは違う。規模的に言うと、家族農業といってもアメリカの家族農業の場合、例えば耕作面積などについても、日本の家族農業戸当たりの耕作面積とは大分違う。もっともっと大きい。だけれども、内実から言うと、やっぱり家族農業が置かれている立場というのは日本と非常に共通するものがあるというお話を伺いましたし、それからまたマスコミの対応だとか報道の仕方などについても、今私が申し上げたようなことをその方がらも聞いて、どうして日本でそんなに米の問題を中心にして大騒ぎをしているのだろうか、アメリカの農業者、米の生産者にしても、生産者そのものはそんなに日本が米の市場開放をすべきだということを主張しているようには思えないというお話を聞かされたのですけれども、外務省、アメリカの大使館などを通じてそうしたガットをめぐるアメリカ国内の世論といいますか、報道の状況といいますか、そういうことについて掌握されておられましたらお知らせいただきたいと思います。
○北島説明員 ここ一年間を振り返ってみますと、佐々木先生御指摘のニューヨーク・タイムズとかワシントン・ポストといったアメリカの主要紙でございますけれども、昨年十二月のブラッセル閣僚会議の直前までウルグアイ・ラウンドに関する記事がそれなりに多く見られたということだと思います。ただ、その後、ことしになりまして、ブラッセルの閣僚会議が失敗したということでウルグアイ・ラウンド関係の記事もそれに伴って減ったわけでございますけれども、ことし五月末にファストトラックの延長がなされたということで、それに関連しての記事がその後非常にふえたわけですが、遺憾ながら北米自由貿易地域、メキシコ、カナダとの関係の交渉でございますが、その関係の報道が非常に多かったということで、ウルグアイ・ラウンド関係の記事はそれほど多くはなかったわけですが、ここに来て、ここ一、二カ月ぐらいの間、ジュネーブにおける交渉の活発化、これを反映して非常に数はふえております。ただ、どういう形の記事が多いかと申し上げますと、やはり米・ECの間の調整でございます。これは農業もございますし、それ以外の分野もございますけれども、米・EC間の調整の状況がどうかという関係の記事が比較的多いのではないかというふうに分析しております。
○佐々木委員 時間の関係もありますので次の質問に移りますけれども、先ほど来の質疑答弁の中で大臣からも、国会決議、米については国会決議もこれありというお話が出ました。私も昨年の九月二十六日、当委員会において、この国会決議の尊重の問題について当時の山本農林水産大臣にお尋ねをいたしましたけれども、内閣がかわったわけですので、ここでももう一つ確認をさせていただきたいと思います。 と申しますのは、先ほど田名部農水大臣も、国会決議は尊重していくのだというお話をされて、その点で私も意を強うしておるのですけれども、しかし、なおそれでも心配が残るというのは、どうも宮澤内閣総理大臣の言動が本当に田名部農水大臣がおっしゃっているような決意と全く一致しているのかどうかということについて、やや若干の疑念が残らざるを得ないからなわけであります。これは、先日の内閣発足に伴いましての宮澤首相の所信表明、それからまた社会党の私どもの代表の田邊委員長の代表質問、これに対する御答弁の中で、どうもここのところが一つはっきりしなかったからであります。 歴代の総理大臣の御発言と比べてみますと、これは実は十一月十二日の日本農業新聞でその点が要約されて比較をされておるのですけれども、中曽根首相、竹下首相、宇野首相、海部首相、いずれもこの米については、国会決議等の趣旨を体して国内産で自給する方針を堅持する、この自給の方針ということをはっきり言っておられるわけであります。あるいはこれは、国内産自給だけではなくて食糧安保論という姿勢もやはりその御発言の中でそれぞれ打ち出されておられる。海部内閣の場合も、この点はかなりはっきり言っておられたと思うのです。それに対して宮澤総理大臣の場合は、十一月十一日のこの答弁で、米についてはこれまでの基本方針のもと、相互の協力による解決に向けて最大限の努力を傾注する、こういうような答弁内容になっておられるわけです。ここをもう一つ踏み込んで、なぜ宮澤さんは、まあ御性格によるのかもしれないけれども、もう一つはっきりとこの食糧安全保障の観点から基礎的食糧である米について自給体制を堅持するのだということをはっきりおっしゃれないのか。 そういう点で、本当はきょうは総理大臣ないしは加藤官房長官にお出ましをいただきたいとは思っていたのですけれども、それがかないませんでしたので、農水大臣、その点心配がないのかどうか、総理大臣からそこのところを何かの機会にもう少しはっきり言ってもらえないのか、その点いかがですか。
○田名部国務大臣 基本的方針のもとということで従来の言っていることをくくったものですからそういう懸念をお持ちにたった、こう思うのでありますが、先般の予算委員会でははっきりと、国会決議に沿って対処いたします、こういう御発言をされておりました。私どもも、党との懇談のときにもそのことは明確に、これは総理も官房長官も私も、従来と全く変わっておりませんという確認もいたしております。いずれにしても、国会決議の趣旨を体して今交渉中でありますので、また、私たちの意を体して交渉団は一生懸命努力をしている、こういうことでありますので、従来と少しも私は変わっていると思っておりません。どうぞそういうふうに御認識をいただきたい、こう思います。
○佐々木委員 農水大臣のそのお言葉は私も信じたいとは思うのですけれども、実際にはやはり内閣を統括する総理大臣宮澤さんの口からはっきりとそのことを言っていただければ、どんなにか周りの者は安堵するであろうか、納得するであろうかと思うのですね。どうも宮澤さんはその点では、確かに本会議での答弁から予算委員会では、私どもの同僚議員の質問でかなり、そこをもっとはっきりさせろということで、少し前向きになってきたかなあとは思うのですが、なおもう一つうやむやしたところがあるんじゃないのかなという懸念があるものですからこういうお尋ねをするわけで、何とか総理大臣から、私どもが安心できるような御答弁をぜひどこかの機会で御発言いただければよろしいのではないかと思ったりいたします。 それにつけても、やはり国会決議というものは非常に重いものだということを認識していただかなければいけないだろうと思うのですね。これも私、前のこの委員会での質疑で法制局とやりとりをしたのですけれども、国会決議については、内閣の不信任決議などのように憲法の上で特別な条項を設けている以外の決議については、法律的な拘束力ということについては、そういう条項のあるものとは違うんだというような議論もあったのですけれども、しかし何といっても、申し上げるまでもなく、国会というのは国権の最高機関であるわけですし、その院を構成する議員は直接に主権者である国民から選ばれた者であるわけです。しかも、この米の問題についての決議は、三度にわたる決議がありますけれども、衆議院でも参議院でも全会一致で行われているのですね。いわば、衆議院、参議院それぞれの決議の上に、両方あわせて国会の決議が満場一致で、全会一致で行われているんだ。ということは、とりもなおさずこれは全国民の総意がこの決議にあらわれたんだということで、私は、もう特別に重い意味を持っているだろうと思うのですね。これは非核三原則などについての決議も同じようだと思いますけれども。 そういたしますと、法的な拘束力はともかくとして、これは法制局もそれからそのときの山本大臣もはっきりと述べておられる。それからまた、歴代の総理大臣も国会決議の重みについてはやはりお述べになり、そして、これについては少なくとも大きな政治的な責任があるということを言われておるわけですね。ですから内閣としても、この決議というものはある限りは絶対に尊重してもらわなければいけない。仮にそれに反するような行政をするというようなことになれば、これは内閣不信任の理由になるだろうと思いますし、それだけではなしに、むしろ国民に対して信を問うべきものであろう。むしろ国会を解散して、衆議院を解散して、この決議に反するような行政をやらざるを得ないのだけれどもこれについてどうかということを選挙に問うて、主権者である国民の皆さんに問うべき、それほどの重みを持ったものだと考えておるのですけれども、これは違いますか。大臣、どう思いますか。
○田名部国務大臣 国会の解散のお話になりますと、これは総理の専権事項でありますので何とも申し上げられませんが、いずれにしてもこの国会決議というのは、今お話しのように政治的な責務を負うものだということでは非常に重い決議、これがありますだけに、私ども、今度のウルグアイ・ラウンドの交渉の中でも、この決議に沿って全力を挙げさしておるわけでありますから、ぜひそのように御理解をいただいて御支援を賜りたい、こう思います。
○佐々木委員 ぜひこれについて、また閣内でそれと違うような言動を行う人が出るようなことのないように、農水大臣、ひとつ踏ん張っていただきたいと思うのですね。特に大臣は、スポーツマンとしてこれまでも頑張ってこられて、特に激しいスポーツだと言われるアイスホッケーの名選手であり監督であった方ですから、いろいろな障害だとかそういうような不正なものに対しては敢然と立ち向かっていくファイトをお持ちだろうと思っており、期待しておりますので、どうかそのことをひとつ貫いていただきたい、こういうように御要望申し上げておきます。 そこで、先ほど目黒委員の質問で御確認をいただけたろうと思いますけれども、仮にこのダンケル・ぺーパーなどというものがこれから出て、例外なき関税化の方向などというものが打ち出されたとしても、これには乗っていけないよ、自由化につながるようなこの関税化というものは日本の立場としては変わることがないということ、あるいはこの部分開放、こういうことについてもそういうような方向には行かないよ、この二つの点、もう一度御確認いただけますか。
○田名部国務大臣 そのとおり全力を挙げて努力をいたします。
○佐々木委員 ただいまの答弁を重く受けとめました。どうかひとつその姿勢を堅持していただきたいと思います。 ところで、これも昨日の新聞各紙ですけれども、今私の持っておりますのは毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞それから私の地元の北海道新聞などなどですけれども、これによりますと、大蔵省が一昨日、十一月二十日、財政制度審議会第一特別部会で、明年度予算の小中学校の給食用米飯の国庫負担措置それから自主流通米に対する助成金を大幅削減するという方針を明示して、近く農水省と調整に入るということが大きく報じられております。こういうようなことが事実であるのかどうか、これについてお伺いをしたいと思います。 私、これも以前この委員会で、学校給食の大切さといいますか、重要な意義ということについてお尋ねをしたことがございます。どうも、これも言われておることですけれども、私ども日本人にとっての主要な食糧である米、基礎的な食糧である米、しかし、残念ながら私どもの周りにはいろいろな食べ物が豊富にある。そのためにだんだんこの自給率というものが減退をしてきている。そしてまた、子供たちの中でも米離れというような現象も出てきているというようなことがつとに言われ、米の消費の拡大による自給率の増大ということが大きな問題になっているということだったと思います。そのときに、文部省の学校健康教育課、富岡さんが御答弁いただいたと思いますけれども、米飯給食の推進というのは大変大事だという認識を持っている、こういうお答えがあったわけです。人間の食味とかあるいは食べ物に対する嗜好というのは、本当に小さい、幼少のうちにつくられてしまうということはよく言われておるわけで、私はまことにそのとおりだと思っております。ですから、なるべく小さいうちにお米のおいしさ、お米の大切さというものを知らせるためにも、この学校給食における米飯給食の位置づけというのは極めて重大なものがあるだろう。特に、まだ地方においては、私どものように北海道に住む場合には、仮にその両親が共働きであったとしても、住んでいるところと働くところとが割と近いということもあって、お母さんが子供たちのためにお米を中心にした食事を調えてあげるということもできないではないわけですけれども、このような、東京だとか大阪のような大都会にたって、しかも今日の住宅事情、土地事情からしてずっと遠くにうちを求めなければならない、そのローン返しのためには一生懸命夫婦して働かなければならないなどということになると、どうしても子供のための米飯の食事などもつくってやるということがなかなかできにくくなっているという状況の中で、子供たちに米飯を味わわせるという意味でも、大都会における学校での米飯給食というものが大変大事だろう。そのために、この国庫負担、助成というのは非常に大きな意味合いを持っていただろうと私は思うわけです。 それから一方、自主流通米に対する助成も、これはやはり農家の皆さん、稲作農家の皆さんがいいお米をつくって消費者にお届けしたいということで本当に御努力になった。私どもの北海道も、かつては北海道の米というと厄介米なんて言われて、いい米なんてできないと言われたのですね。大臣もかつて長く北海道におられたからおわかりだろうと思いますけれども、確かに昔の北海道の米はまずかった。しかし、本当にこのごろいい米ができるようになりました。きらら三九七なんておいしいですから。召し上がったこともあろうかと思いますけれどもね。こうして御努力になっている農家の方々に対して、この自主流通米に対する助成金の大幅削減なんということが出てまいりますと、そうでなくても毎年毎年このところ米価は下がっているのに加えて、なおこういうような措置なのかということで非常に落胆される向きが多い、生産意欲もそがれるのじゃないかということで私は非常に心配しておるわけですね。 この二つの問題、まず文部省に、学校給食の普及の実情、これは新聞によると普及率が九八%からになって目的をもう達したのだなんということを言っているけれども、私はそう一律のものじゃないだろう、むしろ大都会においてはそんなになっていないのじゃないかということを思うわけなものですから、簡単で結構ですけれども、その実情等、それからこの大蔵の方針に対する文部省の態度。それから農水省、食糧庁の方でしょうか、この米飯給食の問題に対するこれからの対応といいますか、それと、それから自主流通米に対する助成金についての対応ですね、この辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
○富岡説明員 先生御指摘のとおり、日本人の伝統的食生活の根幹でございます米飯給食の大事さということを私ども認識いたしまして、その推進に努力しているわけでございます。週三回程度ということを目標にいたしておりまして、現在やっと週平均二・五回に達したところでございます。先生御指摘のとおり、都市部につきまして多少平均より下回っているという状況がございますので、今そこを一生懸命努力しているわけでございます。 そういう努力に当たりまして、米飯導入のためのいろいろな施設設備等の更新、そして米穀の値引き、そういうような大事な措置によりまして進めてきた、こういうように考えておるところでございます。したがいまして、そのような報道を私ども直接お聞きしているわけではございませんけれども、この大事さということについて十分腹に入れまして、所管省庁の農林水産省とよく連携しながら適切に対応してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○京谷政府委員 まず米飯学校給食の問題でございますが、ただいま文部省の方から御答弁申し上げましたとおり、教育上の観点で一定の意義を持つのとあわせまして、私どもの立場から見ましても、米の消費拡大、そしてまた生育期からの米を中心としました日本型食生活の定着という観点からも大変重要な役割を果たすものだと考えております。その一層の拡人定着を図っていくことが必要であるという認識を持っております。 ただ、この米飯学校給食に対する値引き助成の問題につきましては、先生御承知のとおり、昭和五十八年の臨時行政調査会の答申等以降、財政負担額が総額で約二百億円にも上るとか、その割に一人当たりの助成額が極めて少額のものであるというふうな問題がございまして、その見直しが求められておりまして、平成四年度予算の編成に当たりましても問題提起がされておることは事実でございます。ただ私どもとしては、先ほど申し上げました米飯給食の重要性、役割というものを踏まえて、所要の措置を確保していかなければいけないと認識をしておりまして、どのような形でこれを進めていくか、最終の予算編成に向けて今後引き続き努力をしてまいりたいというふうに考えております。 それから、二つ目の自主流通助成の問題でございますが、これも先生御承知のとおり、自主流通米の適正な集荷あるいは円滑な流通を図る、あわせてまた、生産農家の意欲確保ということも踏まえて発足した制度でございますが、状況の変化に応じてこれまでもその仕組みについていろいろな見直しをしてきておることも事実でございます。来年度予算の編成に当たりまして、財政当局から、今日、自主流通米が全体の米流通量の約七割を占めてきておる、あるいはまたその中で、御承知のとおり昨年から自主流通米の価格形成の場を設けて入札取引が定着をしつつある、そういう中で自主流通米の価格形成力が大分高まってきておるというふうな実態認識、そしてまた、財政負担の額も御案内のとおり一千億円を超えるというふうな規模になっておることも踏まえて、この仕組みの改善なり財政負担の軽減という課題があるのではないかという問題提起を受けておるわけでございます。 私どもとしては、自主流通米の流通の実態等を踏まえながら、今後長期的に米の管理をより適正円滑なものにしていく観点から財政当局と協議を行っておりますけれども、結論を得る状況にはいまだなっておりません。いずれにしましても、この自主流通米の集荷、販売等にかかわります関係団体とも協議をいたしまして、慎重に検討、対処してまいりたいということを考えておるところでございます。
○佐々木委員 時間が参りましたので質問としては終わらせていただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、米をめぐる情勢がこんなに厳しいときでございます。国会決議にもありますように、食糧安保の見地から、そしてまた国内自給でいくんだということを考えた場合にも、やはり生産農家の皆さんは、一体米づくりというものがどうなるんだろうかということを非常に危機感を持っておられ、後継者もない、そういう先行きの見通しがないというところからなかなか担い手も育たないということも含めて心配をなさっておられる。そこへもってきて、財政状況が悪いということで、こういうところの予算め削減といいますかそれをねらってくる。私は本当に納得がいかない。それは確かに米飯給食にしても、これをやめた場合に子供たち一人当たりの負担額というのは月百五十円くらいなんだ、そのくらい大したことはないんだというような見方がないわけではないかもしれないけれども、やはり国としてこれだけの助成をしているんだ、それがなくなるんだということは、その後の影響力というのは、経済的な問題だけじゃなしにその付随的なマイナスの効果というのは物すごく大きなものがあるだろう。そして、それは自主流通米の奨励金についてもやはり同じようなことが言えるのではないか。それが減ればその減った分だけ生産農家の手取りが減るわけですから、それが生産意欲に大きな影響をもたらすのは間違いないことなのでありまして、そういう安易な財政的な観点からだけではなしに、もっと大きな立場に立った、それこそこの米をめぐる国会決議の点を生かすような方向での対応の仕方ということをやはり考えていかないといかぬのじゃないかと私は思っております。この制度をそれぞれ私どもとしてはどうしても存続すべきだ、こういう見地でこれからも皆さんが大蔵との交渉に当たる場合にはむしろ応援団としてやっていきたいし、私たちもそれぞれの制度についての存続を強く主張していきたいと思っておりますので、どうかその点御認識をいただきたいと思います。大臣もひとつその点、どうかよろしくお願いします。 以上申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。
○金子(徳)委員長代理 堀込征雄君。
○堀込委員 けさ以来いろいろ議論されてきて、私も答弁をずっと聞かせていただきました。それから新聞報道もいろいろなされているという中でありますが、どうもまだ交渉の現状、実態というのが明確にといいますかしっかり私どもとしても把握できない点がありますので、先に交渉の現状についてもう少し正確な実態をお尋ねしてみたいと思います。 今、佐々木委員の質問で、二十日からですか、次官級会談、非公式会談が開かれている、こういうことでございましたが、第一日目は日程が話し合われて、第二日目は出されたペーパーについて話し合いがされている、午前中の岩村委員の質問について大臣からそういう答弁がございました。この出されたペーパーについては非公式であるから部外秘だ、こういうことでありますが、このペーパーの中には、いわゆる例外なき関税化というようなものが議論のたたき台として入っているのではないか、そのことに対して日本などの国が頑張っているのではないか、午前中以来の議論をお聞きして、私はそういうふうに想定をするわけでありますが、間違いございませんか。
○川合政府委員 非公式会合が行われているわけでございますが、先ほど来申し上げておりますよ うに、大きな問題の一つは輸出補助金であり、そしてもう一つはアメリカが主張しておりますすべての非関税措置を関税化するという提案でございますので、こうした会合におきまして、当然その二つの問題、それにプラスいたしまして国内支持の問題が討議されているということでございます。
○堀込委員 一般的な答弁でございまして、輸出補助金の出されているペーパーのベースについて後でお尋ねいたしますが、今の答弁でほぼ例外なき関税化が含まれ、そういうものをたたき台にしながら議論をされている、こういうふうに理解をせざるを得ないというふうに思いますが、一応再確認したいのですが、そういうふうに理解をしてよろしいですか。
○川合政府委員 国境措置につきましては、もちろん一般関税の引き下げという問題もございます。それから、私どもが主張しております基礎的食糧の問題、そして十一条二項(C)の見直し問題、そして関税化問題というふうにあるわけでございますので、こうした問題が主要な問題であることはそのとおりでございます。
○堀込委員 なかなか言いにくいことはわかりますけれども、いずれにしても、今私ども日本の立場からそういう問題が総合的に議論されるべきだという答弁だというふうに受けとめざるを得ないわけですね。しかし、今の状況としては、午前中以来のいろいろな答弁をお聞きして、今の非公式会談ではどうやら例外なき関税化などが提案をされて、それではだめだという意見を含めていろいろな議論が行われているのではないかと私ども推測せざるを得ないわけで、そういう意味では厳しい交渉で、これから大いに国際世論を盛り上げながら頑張らなければいけない事態になっているのじゃないか、こういうふうに推定ができるわけであります。 そこで、もう少し交渉の現状について確認をしてまいりたいと思いますが、外務省の方にお尋ねをいたします。 午前中、目黒委員の質問で、農業交渉以外の進展度合いに対する説明がございました。これも再確認をいたしますが、十五分野七グループのうち、特にアシチダンピング、補助金、あるいは市場アクセス、繊維などと並んで農業交渉分野、つまり非常に詰まってはきているけれども非常に難航している、こういう現状にあるというふうに確認をさせていただいてよろしいですか。
○北島説明員 先生の御指摘のとおりでございます。 若干補足させていただきますと、多岐の交渉分野が取り上げられていて、それなりに進展を示しているところ、そうでないところとあるわけですが、強いて申し上げれば、やはり一番おくれている分野、これは農業とそれから先ほど御説明しましたサービスでございますね。サービス交渉はとにかくガットが初めて取り上げているということで、産みの苦しみということがございますのでなかなか難航しております。ただ、おおむねそれ以外の分野では、非常に簡単な言い方でございますけれども、それなりの進捗を示しているということではないかと思います。
○堀込委員 もう少しお尋ねをいたします。 その中で、アメリカのスーパー二〇一条についての交渉の問題でありますが、一応けさなどの新聞によりますと、スーパー三〇一条の復活法案がアメリカ下院商業委員会を通過したという報道があるわけでございまして、今自由貿易のルールを決めるガット交渉の最中にアメリカ議会でそういう動きがあるというのは、非常にこのガット交渉そのものをアメリカ議会自体が否定をしている行動であろうというふうに思わざるを得ないわけでありますが、この点について、ガット交渉上、今どういう交渉になっているか、あるいは経過があるか、お尋ねをしたいと思います。
○北島説明員 きょうの午前中の御審議で申し上げたことの繰り返しに若干なるかもしれません。恐縮でございます。 日本政府といたしまして、三〇一条等により代表されるガットの手続を経ない一方的措置は、ガット紛争処理制度に対する各国の信頼を損なう最大の要因であるというふうに考えまして、そうした一方的措置の行使及びそうした措置を用いた脅迫、これを放棄することが重要であるということで、ウルグアイ・ラウンド交渉の場で一生懸命努力して主張してきているわけでございます。きょうの午前中の審議で申し上げましたとおり、日本はECそれから開発途上国の多くと協力してそうしたポジションをとってきているわけですけれども、アメリカのみが強く反対して、合意を得るに至っていないということでございます。 先生の方できょうの新聞報道について言及されたわけであります。三〇一条の方は、現在なお効力を有しているわけでございますけれども、いわゆるスーパー三〇一条は、八九年、九〇年の二年間に限り適用されるということになっていたものであって、現在は既にその適用期間を終了しているわけですけれども、それを再度復活させるという法案が現在米議会に提出されているという状況でございます。 いずれにしましても、本件は、我が国、ウルグアイ・ラウンドにおける最重要課題の一つとして、私どもの主張が十分反映されるように今後とも積極的に交渉に取り組んでまいりたい、そういうように考えております。
○堀込委員 そういうことで、いずれにしても、世界の最大の大国であるアメリカがリーダー役を果たしながら、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉をやっている。にもかかわらず、そのアメリカ自身がこのスーパー二〇一条復活法案を今、国会で審議をしているというような異常な事態にあることでありますから、これは何としても理屈の通らないことだというふうに私どもは思うわけであります。 それからもう一点確認をさせていただきたいと思いますが、日本の報道によりますと、十一月九日にアメリカ・ECのトップ会談が開かれています。ここでは、日本の新聞、報道機関の報道では、農業交渉、関税化で合意というような報道が大部分でありましたが、この会談では農業分野以外などについても総体的に、トップの会談ですから、話し合われたというふうに私は思うのでございますが、そういう点についてどういうような進展があったのかなかったのか、把握をしておられますか。
○北島説明員 十一月九日にオランダのハーグで米・ECサミットが開かれたわけでございますけれども、そのときに発出されました共同宣言では、まず全般的な話としまして、ウルグアイ・ラウンドを年内に成功裏に妥結するために柔軟性を示す用意があるということ、さらに、必要に応じて米・EC双方の首脳レベルで介入する用意があるというふうにしていることを私ども注目しております。 それから堀込先生の御質問で、農業以外の分野ではどうであったかという点でございますが、このときの共同宣言におきましては、ルールの分野で米・EC間の合意が近いということ、それから市場アクセス交渉、これは関税の引き下げ交渉でございますが、この分野で進展があったこと、それから知的所有権の交渉の実質合意の諸要素につき事実上の合意が存在していること、それからサービス交渉においては具体的な市場アクセス交渉の重要性、それから金融サービスがウルグアイ・ラウンドのサービス交渉の中にはっきりと含められるべきであることといった諸点について、意見の一致があるということを明言しております。こうした点を私どもとして注目しております。
○堀込委員 ちょっと再確認をさせていただきますが、そのときアメリカ・ECのトップ会談で、農業交渉分野で国境措置は関税化をし、六年間で三五%削減をするのだという報道がなされましたが、これは私が常識的に考えましても、トップ会談でそういう数字を議論をし、まとめるということにはならぬだろうというふうに思いますが、そういうことはなかったというふうに確認してよろしいですか。
○川合政府委員 農業分野につきましては、今御指摘の首脳会談では、一部報道で、輸出補助金の削減幅についてアメリカ側がかなり歩み寄りを見せたという報道がありました。このことに関しまして、先ほども御答弁申し上げましたけれども、ヒルズ米国通商代表に対しまして大臣から質問をいたしましたところ、米・ECの間では具体的な合意があったわけでなく、討議の中で種々の案が検討されたということである、その一部がそのような報道になったという御説明がありました。 関税の方につきましては、こうした情報を私どもは得ておりません。
○堀込委員 大体、交渉の現状、いろいろな情報が錯綜しているわけで、いろいろな場面で交渉が展開をされているから無理もない点もあるかと思いますが、およそわかってきたというふうに思います。いろいろな情勢を総合しますと、かなりアメリカ、ECの接近が図られでいるということで、かなり私どもも心してかからなければならない事態だというふうに認識をするわけであります。 そこで、そうした状況を踏まえて、幾つがその背景などについてお尋ねをしたいわけであります。 先ほど来、例えば日本の国内でトップクラスの方々がいろいろな発言をしている、そのことに対する質疑がありました。答弁もございました。私は大臣にお尋ねをしたいのですけれども、そのほかに、特に最近日本の財界首脳からいろいろ意識的な発言が、つまり日本の自由貿易体制を守るために農業交渉分野で多少の譲歩はやむを得ないのではないかという発言がなされています。それで、今情勢でわかりましたように、今度のウルグアイ・ラウンド交渉は、十五分野、今七グループの交渉になっているわけでありまして、財界の方で利害に絡む分野もたくさんあるわけであります。そういう意味で、むしろ自分たちの譲歩の問題をなしに農業について譲歩すべきだという発言を私どもはどうも理解もできないし、そういうことをさせるべきではない。ぜひこれは、通産大臣を含め閣内統一をしていただいて、やはり財界にもそういう、少なくも農業分野をどうしろとかいうような立ち入った発言は差し控えさせるような努力をしていただきたい、するべきではないかというふうに考えるわけですが、いかがでしょうか。
○田名部国務大臣 一連の閣僚の発言もあります。従来の閣僚の皆さんもこの件についてはいろいろな発言がありました。ありましたけれども、今回は自由化につながることは、これはだめだという発言が多いんじゃないでしょうか。そういう面では、今回の閣僚の皆さんは、そこのところはきちっと踏まえて発言をしておられる。ただ、一般的に言うと、自由貿易の中で日本がこんなに大国になってきたという発言なんかはありますけれども、それはまあその部分はそのとおりだと思う、あるいは農業もその恩恵を受けておると言いつつも、しかし自由化につながる、そんなことは認められませんよという発言が多いようであります。私も事あるごとに閣僚の皆さんには、とにかく所管の大臣である私にお任せをいただきたいということをお願いしておるところであります。
○堀込委員 もう少し背景についてお尋ねをしたいわけでありますが、今そういう情勢、昨年末にまとまらなかった交渉がここへ来てかなり急速に進展しつつある。これを考えますと、まあECはECなりに来年統合だとか、アメリカは大統領選挙を控えておるとか、そういう国内情勢が一つはある。もう一つは、アメリカ、ECの接近、特に輸出補助金をあいまいにしながら全体の交渉をまとめていこうという接近、総合的な情報をまとめるとそういうふうに分析できるわけであります。 この背景は、やはり最近日本の貿易黒字、つまりEC、アメリカから見ますと対日貿易の赤字が拡大をしている、そしてそうした問題についてなかなかこれは二国間交渉でも進展をしない、金融やあるいは今度の交渉でも知的所有権、関税などの分野、いろいろな交渉が行われておるのでありますけれども、要するに全体に対日貿易の黒字削減が可能になるような、そういう全体の動きになってない。ですから、この際日本の弱い農業などについては、特に国境措置などについてはきちんとアメリカ、ECが、まあ悪い言葉で言えば共同戦線を組みながら、つまり対日全体の問題として今度の農業交渉のまとめに入っているのではないかという想定も私どもとしてはある意味でせざるを得ないというところに来ておるのでありまして、特にECがあれほどまで輸出補助金について保護のリバランシングだとかいろいろなことを言ってきた、ここへ来て特に急速に接近しているというこの背景についてはそういう想定をせざるを得ないというふうに思うのでございますが、この辺はどういう分析を政府としてはされていますか。
○川合政府委員 私ども農業交渉の面から見ますと、もちろん今のような貿易のバランスの問題ということが背景にないということではないとは思いますが、やはりECとすれば農業問題におきます財政問題ということが一つ大きく横たわっているのではないかという感じはいたします。これはアメリカも同様の問題を持っているわけでございまして、両国の農業政策の改革という面からこのウルグアイ・ラウンドに期待するところがあるのではないかということは背景として一つ言えるのではないかと思います。ただECは、この農業問題の解決に際しまして、全体の包括的なパッケージとしてバランスのとれた形でなければならないということも一方で言っておりますので、そうした面につきましてもECは考慮の中に入れているのではないかと思っております。 最近の接近は、ウルグアイ・ラウンドをやはり年内にまとめたいという両方の首脳の意向などを受けまして精力的に動いているわけでございますが、やはりこのままずるずるいってしまったらウルグアイ・ラウンドは成功しないという、そういう全体としての気持ちも一方ではあるのではないかというふうに考えております、
○堀込委員 それでは輸出補助金について御質問いたします。 アメリカの輸出補助金、これは輸出奨励計画、EEPと言われるもの、それから特定輸出助成計画、TEAPというようなものでかなり膨大な額が支出されている。ECも輸出払戻金等々大変な輸出補助金を支出しているわけであります。午前中の質問にもございました。これを三〇%削減程度で自由貿易のルールをつくった、だからそれに見合う国境措置を関税化しろ、こういう要求というのは全く筋が通らない、どうしようもない主張だというふうに私どもは思うわけであります。どうしてもこれからの自由貿易のルールをしくとしても、公正、公平な自由貿易体制ということが大事だというふうに思うのでありまして、例えば日本の米について、アメリカ提案でいきますと七〇〇%の関税をかけるというふうに言われるわけであります、一次関税。しかし一方で、輸出補助金による輸出が行われれば国境措置の関税化というのはかなりしり抜けになるし、意味がだんだん相殺をされていく、こういうことになると思うのです、輸出補助金については私どもとすればそういう認識でいるわけでありますが、この輸出補助金の削減に見合う国境保護措置の削減、こういうものについては認められたい態度でいく、こういうことでよろしゅうございますか。
○川合政府委員 輸出補助金は、やはりこの農業交渉の最大の問題であるという点では我が国は常に主張している問題でございます。 今御指摘のように、国境措置を何らかの形で維持したとしても、輸出補助金を高額で出すことになればそのシステムを当然乗り越えるというようなことになるわけでございますので、その間には重大な関係があるわけでございます。したがいまして、国境措置におきますアクセスの改善ということを要求するとすれば、それはまず輸出補助金の削減ないし撤廃というところから始めたいと、そういう意味では不公正であるというのが私ども の主張でございます。
○堀込委員 今答弁ありましたように、しかも輸出補助金というのは今アメリカ、ECで行っている。特にアメリカの制度は特定の国、地域をねらい撃ちできるようなそういう輸出補助金の制度になっているわけでありまして、これを三〇%削減というようなあいまいなことでまとめられるということについては、たとえ高関税という措置が保証されても、私どもは、決して歯どめにならないし納得のできるものではないという認識をしているわけでありまして、そういう立場で頑張っていただきたいというふうに思います。 輸出補助金はそもそもダンピング輸出そのものだというふうに理解もできるわけであります。しかもこの間、交渉の始まった一九八六年から去年、ことしまでにアメリカは物すごい額で輸出補助金をふやしてきている。交渉初年度に比べて三倍、四倍に達する額になっている、こういう実態がございます。それからECも、交渉開始年の一九八六年から去年で二倍弱、一・八倍程度に輸出補助金を伸ばして猛烈な輸出競争をしてきたという実態があるわけであります。そこで、今ガットの交渉で輸出補助金の議論が行われているわけでありますが、アメリカは九一年、九二年を起点に削減を提案している。その基準年でありますけれども、アメリカは八六年―八八年を主張しているというふうにお聞きをしています。それからEC位基準年をもう少し後ろの方へ持ってくる、こういう主張をしているはずであります。 そこで、例えばアメリカの主張のように八六年―八八年を基準にして輸出補助金を、仮に今報道されていますように五年間で三〇%削減というようなことになった場合に、現状の輸出補助金というものは、交渉を出発した八六年に支出をしていたアメリカの輸出補助金の額を実際に減らすことになるのかならないのか。私は、輸出補助金は、この基準年のとり方によって減っていかたいというふうになるのではないか、減らす交渉をしているのに、実際はそうならない理屈を立てて提案をしているのではないかというふうに理解をするのですが、この辺はデータ、ございますか。
○川合政府委員 ウルグアイ・ラウンドが開始されました一九八六年以降、輸出補助金の額は、今御指摘がございましたように、アメリカが三・五倍、一方ECは、ECの方がベースがそもそも非常に大きいわけでございますが、一・四倍ということでございます。したがいまして、この一九八六年のレベルまで削減するとすれば、かなりの削減を必要とするわけでございますので、先生のような御指摘もあろうかと思います。 いずれにいたしましても、この補助金の削減ということは、私どもは、最終的には撤廃に通ずるところまでやるべきだという主張でございまして、特に基準年の問題は、輸出補助金だけではなくて、他の保護措置の撤廃にも非常に重要な問題でございますので、そうした観点から、この基準年をどこに置くがということについては、私どもも重大な関心を持って交渉に臨んでいるわけでございます。
○堀込委員 確認をいたしますが、アメリカの提案している輸出補助金、合意をされたという報道をされています輸出補助金、八六年―八八年を基準年にして、五年間で三〇%減らしていくという輸出補助金の、アメリカ、ECで五年間で三〇%減らすという案が仮に合意をしていたとすれば、アメリカの輸出補助金は、交渉初年度の八六年水準を減ずるものではない、オーバーするものだ、こういうアメリカの主張になりますね。
○川合政府委員 輸出補助金の問題としてもう一つ難しい問題がありますのは、この輸出補助金は、当然のことながら国際価格の水準と連動しているわけでございます。昨今非常に輸出補助金がふえていますのは、小麦の価格を中心といたしまして非常に下落をして、その中で競争が行われてきたということで輸出補助金がふえておりますので、実際には国際価格の動向というものも一方でにらまなければいけないと思います。ただ、先生御指摘のように、そこのところを固定的に考えますれば、八六年まで下がるには相当の削減でないといけないという状況になろうと思います。
○堀込委員 そこで、輸出補助金問題をもう一つ整理をしておきたいのでありますが、つまりアメリカは、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉が始まった八六年から輸出補助金を削減するんだ、そしてそのために今日本などは米を自由化しろ、国境措置については関税化しろ、こう言っているわけでありますが、みずからが一番国際市場を乱している輸出補助金については、つまり今の提案自身が八六年水準を下げるという提案になっていないという、極めて不当な主張、交渉が今行われている、こういうふうに私は分析できると思うのです。 そこで、そういう輸出補助金交渉の中で、例えば三割削減という話が出ているわけでありますが、これは量で削減をするのか、あるいは額で削減をするのか。アメリカ、ECの立場が違いますから、おのおの対立があると思うのであります。特にECは穀物在庫を抱えていますから、できれば金額の削減を主張するとか、いろいろな主張があると思うのでございますけれども、この辺の、輸出補助金について量削減をするのか、金額削減をするのかという妥協の見通し、成立する見通しなどは今の交渉過程の中で出てきているのでしょうか、どうでしょうか。
○川合政府委員 輸出補助金の削減につきまして、今先生三〇%という数字を御指摘になりましたが、私どもはこの数字が両者の間でかなり近い形で出ているというふうには今のところまだ受けとめておりません。そのことをまず申し上げたいと思います。 それは別といたしまして、この削減の方法につきまして、何を対象として約束するかということがアメリカとECの大きな対立点でございまして、アメリカの方は財政支出、それから輸出補助金の対象となる数量の両方を削減すべきだという主張を従来からしております。ECの方は、この約束の方法については、従来は必ずしも明確にしないまま、何らかの形で削減をするというような言い方で終始してきておりますが、昨今どうも財政支出の方でやるのなら可能ではないかというような情報が出てきているわけでございます。したがいまして、この方法につきましては、なかなか両者の間でまだ隔たりがある問題ではなかろうかと思っております。 もう一つ、私どもの関心がありますのは、補助単価、単価という問題。これは先ほど先生お話がありました、例えば国境措置との関係で考えますと、この補助単価の問題が実は非常に大きい問題でございますが、残念ながら、私どもがそれを主張しているわけでございますが、両者の間にはそういう考え方というものは今のところないようでございます。
○堀込委員 今の答弁で明らかになってきたというふうに思います。つまり、アメリカ、ECとも輸出補助金、ある程度減らそうという、まだ余り接近していないという今の答弁もございましたけれども、しかしその基準年のとり方、あるいは額、量の減らし方、あるいは補助単価ではやらないというようなところへ議論がいってないというような状況を考えますと、やはりアメリカ、EC、世界の農業貿易で一番障害になっている輸出補助金について極めてあいまいな形で、どうも世界が納得するような形での交渉が行われているとは言いがたいということが私は明らかになったというふうに思うのです。 このままいきますと、八六年水準よりもむしろ輸出補助金が多いというような状況で妥協がされる。日本などはいろいろな措置で、例えばオファーリストを提出をしながら、八六年から削減をしているというオファーも出しているわけでありまして、そういう意味では極めて納得のできないものだというふうに指摘せざるを得ないと思います。 そこで、次に国境措置問題についてお尋ねをいたします。 新聞報道、けさから否定をされておられます。アメリカ提案は当初、国境措置の関税化によって十年で七五%削減、そして今度の報道では五年で三割削減だ、そのほかにミニマムアクセス三%を設けて、五年後に、三〇%削減していくんだ、つまり三・九%にするんだというような、かなり具体的な報道も実はなされているわけであります。 確認をいたしますけれども、こうした国境措置の関税化交渉については、午前以来議論がございましたが、アメリカのウエーバーの撤廃、食肉輸入法の改正、こういうものは前提としてアメリカは約束しているのかいないのか。その点、交渉の入り口として、そういうことがあるのかないのか、これを明らかにしてください。
○川合政府委員 先ほどの輸出補助金で、一点だけつけ加えさせていただきたいと思いますが、輸出補助金の削減につきましては、いわゆるケアンズ・グループ、開発途上国の輸出国グループも重大な関心を持っているということを一つつけ加えさせていただきます。 国境措置につきまして、ウエーバー、食肉輸入法などでございますが、これにつきましては、米国はすべて関税化するという提案をいたしております。
○堀込委員 そこで、ウエーバー品目の中にいろいろな品目があるわけでありますが、日本の現在の米のいろいろな製品輸入だとか、そういう五万トン前後の日本の米の輸入量よりも低い品目がアメリカにもECにもたくさんございます。例えば落花生などについては日本にもかつて随分自由化をアメリカ自身迫ったわけでありますが、このアメリカの輸入比率などはまことに低いものであります。あるいは綿花もそうであります。あるいはECについても、例えば脱粉だとか豚肉だとか一%以下という輸入比率のものがあるわけでありまして、こうしたものは、確かに今前提としてウエーバー撤廃、食肉輸入法の改正などを言っているというふうに言われますけれども、果たしてアメリカ国内情勢、ECの国内情勢などを考えて、ミニマムアクセスの改善、こういうことは、どうも報ぜられる限り日本の米と並んで、あるいは日本の米以上に困難な問題を抱えているのではないかというふうに私どもには思われるわけでありますけれども、この辺は国際交渉の中では約束をしているんでございましょうか。
○川合政府委員 アメリカのウエーバー品目のそれぞれの品目に関します輸入比率は、かなり低いものもあることは御指摘のとおりでございます。現在のアメリカの主張は、こうしたウエーバーを関税化するためにも例外をつくらないですべての非関税措置を関税に切りかえるのだという説明をいたしております。そういう意味では、アメリカもウエーバーはその対象にすると言っているわけでございまして、アメリカの関税化の中のミニマムアクセスについては、その提案は必ずしも明確でないところがありますが、当然提案の中ではそういうことを言っているわけでございます。ただ、御承知のように、ガットの農業交渉の中では日本の米のような具体的なものが具体的な形で取り上げられていないということを御説明いたしましたが、それと同様に、アメリカのウエーバーの個々の品目について議論の対象になるというような交渉にはなっておりません。
○堀込委員 国境措置については、そういうことで非常に私どもとしてもアメリカ事情、EC事情を考えると理解のできない主張がなされているというふうに思わざるを得ないわけであります。 それと、ミニマムアクセス部分で、例えば今度一部報道で合意をされたとするミニマムアクセス部分の関税相当量、この五年目以降、当初のアメリカ提案では十年目以降の、この部分についてはさらに削減が要請をされてくるだろう、あるいは再交渉になっていくだろう。結局完全自由化につながる。つまり関税化というのはそういうものだ。いろいろ二つの提案を絡ませながら、ミニマムアクセスを絡ませながら提案をしているけれども、完全自由化につながるものだ、こういうふうに理解をしていますが、それはそういうことでよろしゅうございますね。そういう認識ですね。
○川合政府委員 一昨日でございましたでしょうか、新聞の米・EC合意案と言われておりまして書かれた数字につきましては、私ども当然そういう情報を得ておりませんし、ああした具体的な形で両者の話し合いが進んでいるというふうに私ども今の段階ではどうしても考えられません。それは明確に申し上げられると思います。ただ、米国の今の案は、そういう意味では関税化につきまして二次関税、いわゆる関税相当量でございますが、これにつきましては十年かかって削減していくという提案が一方で入っておりますので、そういう意味では、十年たつと関税、今の提案の関税化が一般の関税になるということの提案でございますので、その提案どおりに行われるとすれば、先生のような御指摘の状況になろうと思います。
○堀込委員 それでは国内支持について一、二お伺いをいたします。 要するに今まで輸出補助金でも国境措置問題でも何かこう一方的に、私どもが見る限り自分だけ都合のいい提案をされ、もし伝えられるような合意があるとすれば、非常にそういう一方的なアメリカ、ECの大国による都合のよい合意がなされつつあるんではないかという意味で非常に危機感を感ずるわけであります。国内支持政策の分野でこれはどういう状況になっていますでしょうか。アメリカの不足払い制度あるいはECの生産者補助金などはこれは黄ということになるんでしょうか。あるいは、今昔のボックスヘほうり込まれるというようなことでせめぎ合いが続いている、こういうことでございましょうか。いかがでしょうか。
○川合政府委員 今御指摘のうちの不足払いは、これは黄色の政策になるということについてはほぼコンセンサスがあろうと思います。ECの場合の生産者補助金は、これはいろいろなケースがありますので、そのことだけではどちらとも言えないのではないかと思います。
○堀込委員 そこで、この日本の米、麦それから牛肉や加工原料乳の不足払い制度ですね、これは黄色になるのか青になるのかという問題があるわけでありますが、どういう態度で今交渉に当たってますでしょうか。
○川合政府委員 そういう政策的な形で色分けいたしますと黄色に近い形だろうと思っております。ただ、日本の提案、それからECも同じことでございますが、国内支持の削減につきましては、御承知のAMSというような保護の計量手段を使いまして削減するということになっておりますので、削減は具体的にはそちらの計量の手段の方で行われるということになろうかと思います。
○堀込委員 そういう意味で実際にはAMSでやる、こういうことでありますが、水田にかかわる転作奨励金あるいは自主流通米の助成金などなどもこれは議論になるというところだろうというふうに思いますが、そういうものをひっくるめて全体でこういう削減を議論していく、こういうことになるというふうに理解してよろしいですか。
○川合政府委員 国内政策の保護の問題は非常に難しい問題が一つございます。といいますのは、農業が置かれた各国の状況というのはかなり違いがございますので、それに根差した各国の政策は必ずしも共通性を持たないものもございますので、それの中で削減をしていくということになりますと、非常に物差しが当てにくいものがかなりあるわけでございます。そうしたことから申しますと、今お話がありましたような点というのはかなり議論のあるところでございまして、例えば転作の奨励金、これは作物を例えば生産制限をしながらほかのものに移行するというようなもののどの点、例えば生産制限をすること自体は比較的貿易歪曲効果が少ないというような判断はあるとしても、転作の先の作物についてどう考えるかというような議論などがございまして、なかなか具体的に政策を当てはめてまいりますと難しい点があるわけでございます。そこで、私どもはなるべく政策展開の弾力性を得るべく、こうした基準の決め方について日本の考え方は弾力性を政策適用につきましてなるべく確保するということを一つの主眼にして交渉に臨んでおります。
○堀込委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。 それからもう一点だけ。ガット十一条二項(C)の強化を主張しているわけでありまして、アメリカはこれは廃止を主張している。しかし、実際に擬装乳製品が入ったり、いろいろな問題が出ているわけであります。この点について、現段階の交渉、それから見通し、簡潔に御答弁ください。
○川合政府委員 この問題は、実際に十一条二項(C)を運用している国とそうでない国との間ではかなり考え方に隔たりがございます。 具体的には、日本あるいはカナダというようなところはこの条文を具体的にその根拠といたしておりますので、この見直し、明確化あるいは維持ということにつきまして関心が強いわけでございますが、そうでないところ、例えばECなどは、この条文には若干の関心はありますが現在余り使ってないというようなことで、やや消極的というようなところがございまして、一方の関税化の議論と相対峙しておりまして、なかなか難しい問題をはらんでおります。しかしながら、十一条二項(C)の明確化ということは非常に大事なことでございまして、これは御承知のように生産制限を行うということが一つの条件でございますが、生産制限を行うというためにはこの条文がぜひ必要かつ明確化が必要でありますので、私どももこの点につきましては最大限の努力をなお続けたいと思っているところでございます。
○堀込委員 生乳が入らなくてもほかの加工でいろいろ入ったり、擬装乳製品がいろいろ入ったりというような状況がございます。ぜひこの点は明確化するように交渉の中で頑張っていただきたいというふうに思います。 そこで、午前中以来いろいろな議論がございました。自由貿易体制、ガット体制、これはしっかり守らなければいけない、日本の利益にかなうことだというふうに思うわけであります。しかし一方、例外なき関税化ということは何としても私どもは認めることはできないということでございます。ガットの包括合意案というものがいつできるか、どういう形でできるかというこの中身の問題、時期の問題があるわけでありますが、大臣、この包括合意というようなところに至る受け入れ条件、あるいは私どもはこういうものであれば拒否するという条件、今はなかなか言いにくいと思います。しかし、要は、米を自給する条件が壊されるとき、あるいは伝えられるような、例えば例外なき関税化、こういう事態のときはきっぱり拒否をする、こういうことでよろしゅうございますか。
○田名部国務大臣 何回もお答え申し上げているとおりでありまして、自由化につながることには応ずることはできません。あるいは、国会決議にあることもそのとおりだろうと思うのでありますが、それを体して私ども努力をしておるわけでありますから、全力を挙げてそのための交渉をただいまいたしておるということでございます。
○堀込委員 そういうことで頑張っていただいていることはよくわかるのです。しかし、いろいろな発言が出ていますし、私ども心配をするのはそういうことでありまして、国会決議も三回行われている。しかも五十九年の七月二十日の衆議院本会議、国会決議、提案者は、今問題発言のあった小沢一郎代議士が本会議で提案説明をしている。六十三年九月のときは三塚博議員が衆議院本会議で国会決議の提案をしているというような事態があるわけでありますから、いろいろな発言というのを非常に心配をするわけであります。少なくとも、今伝えられるような関税化は受け入れられない、米は国内自給産でやる体制を何としてもとる、場合によれば、いろいろな国際的な圧力があっても日本はその非難をかわしながら日本の米を守らざるを得ない、こういう決意でぜひひとつ頑張っていただきたいというふうに思います。 最後に、この問題をおきまして、ちょっと食糧庁の方にお伺いをいたします。 ことしの米流通で食糧庁も大変御苦労をいただきましたけれども、にせコシヒカリ事件が発生し、このことについては私も前回質問をさせていただきました。それから、ひとめぼれの流通の問題がございました。それから今回、富山の川崎さんという方が実に食糧行政に挑戦をする告発を求める行動に出ているわけであります。いろいろなことがあるわけでありますが、私は、食糧管理法が非常に形骸化をしている、その実態に対して何とかしてみんなでこれを守りルール化していこうということで、農林省はもちろんでありますけれども、みんなで努力をしてきたというふうに思うのです。にもかかわらず、こういう事態が出て、実態として法律に対するいわば挑戦行為が堂々と行われているわけでありまして、これはどうしても何とかしなければいかぬというふうに思うわけであります。これは行政としてももちろんそうでありますが、私ども法律をつくる立法府としてもこういう行為については何らかの措置をし、何らかの対応をしないと、これは大変な問題だろうというふうに思うわけでありまして、明確に対処方針を立てるべきだ、そしてきちっとした対応をすべきだ、こういうふうに考えておりますが、食糧庁の御見解を求めます。
○京谷政府委員 ただいま御指摘いただいたように、一部の不心得な行為によりまして、食糧管理制度全般について不信を招きかねない事態を生じておりますこと、私どもも大変遺憾であると考えております。しかしながら、大多数の生産者、流通業者の皆さんは食糧管理法を守り、常日ごろから不正規流通の防止のために御努力をいただいておるということもひとつ御理解を賜りたいと思うわけでございます。 いずれにいたしましても、御指摘のような事態につきましては米の流通秩序の確保、そしてまた御指摘のとおり食糧管理制度そのものに対する信頼確保という観点からも放置できない問題であると考えております。私ども、関係する各都道府県と協力をし、また、案件によりましては二部捜査当局による捜査が行われておりまして、捜査当局からの情報提供も受けまして、多少時間がかかっておって恐縮でございますけれども、現在事実関係の掌握に努めておるところでございます。 この結果を得次第、必要な是正措置、実情によりまして行政指導あるいは行政処分、さらに要すれば司法手続に進むというふうな内容になろうかと思いますが、それらの措置を、事実を掌握した上で的確に講じていくべく努力してまいりたいと考えております。
○堀込委員 食管法の問題に関連して、もう一つだけ最後にお尋ねをしたいと思うのですけれども、食管法がなし崩しになっている。今のようないろいろなことがございます。それからもう一つは、生産者米価が下がってきている、消費者米価がそう下がらない、こういう問題。これがやはり不正規流通を生んでいる。私、この前はちょっと米穀の管理計画のことで申し上げましたけれども、いよいよ消費者米価を決める時期に入っているわけであります。そういう意味で、食管法も維持し不正規流通をなくすという意味でも、生産者米価を下げてきましたから消費者米価をやはりある程度下げながら不正規流通に対応するような方策が必要だ、私はこういうふうに考えているわけであります。これは通告もしてございませんが、そういうことで消費者米価方針に臨んでほしいというふうに思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○京谷政府委員 消費者米価の問題につきましては、当然明年度予算の編成前にこれを食管法の定めに従って適正に決定をしていきたいというふうに考えております。 ただ、御指摘のございましたこの不正規流通問題が、いろいろな流通形態ごとに違う価格の問題によって誘発されておる、そのために価格を操作していくということは、必ずしも私適切なことであるとは考えておらないわけでございまして、もちろん正常な価格形成というものを考えながら、あわせて不正規流通の防止は防止として措置をしていくということで対処させていただきたいと思っております。
○堀込委員 終わります。
○金子(徳)委員長代理 続いて、倉田栄喜君。
○倉田委員 倉田でございます。 まず最初に、新大臣に大臣就任のお喜びを申し上げます。農水大臣としては非常に多くの重要な、困難な問題を抱える中で、農家、農民の方々の新大臣に対する期待は非常に大きいものだろう、こういうふうに思います。私もそういう観点から大臣に御質問をさせていただきたいと思います。 私は初めてこの農水委員会に所属をさせていただきましたときに一番課題として考えましたことは、いわゆる農家、農民の方々の農政に対する信頼、これをどう回復をするか、これが一番重要な課題である、こう自覚をいたしました。 そこで新大臣に、まだ新大臣から農政全般にかかわる所信をお伺いしたわけではございませんけれども、この重要な時期において、いろいろな課題を抱える中で、新大臣としてどのような問題意識、またさまざまな課題に対してどんな優先順位をお持ちになっておられるのか、お伺いをしたいと思います。 〔金子(徳)委員長代理退席、簗瀬委員長代 理着席〕
○田名部国務大臣 御案内のように、農業は食糧の安定供給、そのほかに地域社会の活力の維持でありますとか、国土、自然環境の保全、いろいろ多面的な、重要な役割を果たしてきておるのは御案内のとおりであります。特に私ども、この日本における経済社会の調和ある発展のためには、その健全な発展というものは不可欠だ。先ほど申し上げましたように、若干一極集中というもので国内の全体のバランスが崩れかかっておる、そのことがまた農村における人手不足でありますとか、一方では、高齢化が進展しておる。このままでは二十一世紀に向けて本当に豊かな農業社会というものをつくることはできないだろうということを心配をいたしております。 そこで、前大臣が着手をされました新しい食料・農業・農村、そうしたものを総合的に見直すというすばらしいアイデアを残してくれました。今省を挙げてこれに取り組んでおるところでありまして、何としてもこのことは立派に完成をさせたい、そう思っております。 農業団体の皆さん、たびたび陳情においでになるのですが、このことも申し上げまして、幾らかは皆さんの気に食わない案というものは出るやもしれぬ、しかし次の世代の子供たちにしっかりしたものを残したいということで多少我慢をいただくものがあるいは出るのかもしれませんけれども、とにかく皆さん全力を挙げて協力をしていただきたいということもお願いをいたしておるところであります。 また、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉につきましては、これは国を挙げて取り組まなければならぬ問題であります。また、我が国としては食糧の輸入国、最大の輸入国でありまして、基本的な立場が交渉結果に反映されるように全力を挙げてまいる考えであります。 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、二十一世紀に向けて農業者が未来に展望を持てる、将来を見通すことができる、あるいは誇りと希望を持って農業を営める環境づくりを進める、このことが大事であろうと思いまして、全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
○倉田委員 今大臣からもお答えをいただいたわけでございますけれども、二十一世紀に向かって誇りと展望を持っていける、そういうふうな農政を目指していきたい。私も最初のときに、農家の後継者の方々とお話をしておって、我々は農業というものに対して自信と誇りを持っているんだけれども、農政というものに対する希望が持てない、こういうお話を承ったことがあります。ぜひともそういう意味から大臣は、誇りが持てる、そして農政自身もしっかりと展望が持てる、そういうことを示していただきたいと思います。時間があれば、また新しい食料・農業・農政政策に関する検討についてはお伺いをいたしたいと思います。 そこで、将来の展望について一点だけ、私特に重要だと思っておりますいわゆる後継者問題について、後継者対策について、大臣どのようなお考えをお持ちなのか、お伺いをいたしたいと思います。
○田名部国務大臣 我が国の農業、農村にとって、意欲、能力の高い農業後継者を育成、確保することが何よりも重要であるわけでありますが、しかしながら、新規学卒就農者の減少、これは平成二年で千八百人、こういうものを見るときに、その現状はまことに憂慮すべきものだ、こう思います。 農業後継者の育成、確保を図るため、従来から各般の対策を実施してはおるわけでありますが、この問題を解決するためには、先ほど申し上げたように、農業、農村、これは魅力あるものでなくちゃいかぬということでありまして、このために新政策検討本部を設けて、今鋭意検討をいたしておるところであります。今後とも農業青年にとって農業が魅力ある産業とたるよう総合的にこの施策を展開していきたい、こう思っております。 私も、しばしば昭和三十二年からいろいろな国を訪れる機会が非常に多かったわけでありますけれども、本当にヨーロッパでもカナダなんかでもそうですが、農村の環境というものがすばらしくいいのですね。あれを見るときに、どうして日本の農村の環境をああいうふうにできないものかな、いつもそう思っております。都会に住むよりも農村に住む方が本当に環境がよくていい、そんな感じを持っておりますので、そういうこと等も、何とか日本の農村にもこのようなことを努力をして進めてまいりたい、こう思っております。
○倉田委員 後継者の問題、対策に関しては、ぜひとも具体的な、こういう制度があれば確かに農業、農政に対して未来の展望が持てるな、こういうものをお示しをいただきたい、こう強く要望しておきたいと思います。 続きまして、ガット・ウルグアイ・ラウンドの問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。 冒頭私は、この農水委員の一人として、いわゆる農家、農民の方々の農政に対する信頼をどう回復をしていくか、これが非常に大きな問題であり、また自分自身の課題でもある、このようなお話をさせていただきました。いわゆるその米の問題でございますけれども、この取り扱いいかんによっては、まだこれからの進展いかんによっては、非常に大きな農政不信をさらに増幅をすることになってしまう、これを私は非常に恐れるわけでございます。 そこで、私が思うことを十分言えるかどうか自信がないわけでございますけれども、率直に思うところを申し上げさせていただきたいと思うわけでございます。 米問題については、最近、特にいわゆる関税化、この議論がなされております。関税化については、先ほどまでの議論で関税化はできないという大臣の御答弁もございました。しかし一方では、例外なしの関税化で進んでいるという盛んな報道がなされております。 そこで、大臣にお伺いをいたしますけれども、大臣御自身として、関税化はどうしてだめなのか、どうして受け入れることができないのか、また、盛んになされておる報道に対して大臣はどのようにお考えなのか、この二点についてお伺いをいたしたいと思います。
○田名部国務大臣 関税化を受け入れられないという大きな原因の一つは、何といっても今の日本の米作農家、自由化につながっていくようなことになりますと一体どういうことになるであろうか。ただでさえ、もう今申し上げたような高齢化がどんどん進んでおります。そして、担い手は減少しておる。しかも、農村は何といってもやはり地方に多いわけでありまして、こういうところが自由化になったときに一体対抗してやっていけるだろうかということを考えますと、これが本当に取り入れられますと、恐らくさらに地方の過疎化というものがどんどん進んで、みんな都会へ都会へと若い人たちが出てくる、そういうことからも、私は、自由化につながることはなかなかできない、こういうことを申し上げているわけであります。 いま一つは、何といっても基礎的な食糧、しかも生産制限をしておるというときに、自由化というものにつながることというものは一体いいのだろうか。特に、地球的な規模で食糧問題というのは人口と密接な関係があるということからいたしますと、開発途上国はどんどんどんどん人口がふえていっておる、そこに食糧の不足を来しておるというときに、少なくとも、全部は自給できませんけれども、できるところはそれぞれの国が努力をしていく、余剰の農産物を持っているところがそういう不足を来しているところにいろいろとまた援助をしていくという体制をとっておきませんと、これは大変なことになっていくだろう。もろもろのことを考えてみると、今の状況で自由化につながる関税化というものは受け入れられない、こう申し上げておるわけであります。 いま一つは、マスコミ、世論、いろいろなことが言われておりますけれども、言われることはどれだけの認識で言われるかという、大きな差があるだろうと私は思うのですね。本当に専門的にいろいろな立場から考えてみると、これはいかぬと思う人もあるし、自由貿易の中で日本もこれだけの繁栄をしてきた、農業もそういう意味では繁栄の恩恵を受けている、これは当然そのとおりだと思うのです。それで、そういう観点の強い人はやはりそういう主張が出てくるであろう。しかし、全体的には国民の多くの人たちが、米は自給自足をするべきだ、こういう御意見でありますので、そういうことで取り運びをいたしてまいる所存でございます。
○倉田委員 今大臣はお答えになりませんでしたけれども、午前中の議論の中で、関税化ということになれば食管法の改正も必要である、とても食管法の改正ができるような状況ではない、こういうお答えもたしかあったと思います。 そこで、これはちょっと突然で申しわけないのですけれども、関税化の議論の中で、それを仮に想定をした場合に、食管法の十一条というのがございます。これは輸出入の規制の条文でございますけれども、関税化を受け入れるとなれはこの条文自体も変えていかなければいけない、このままではいけない、改正する必要があると私は思うわけでございますけれども、その認識でよろしゅうございますか。
○京谷政府委員 お尋ねの関税化の概念自体がまだ確定をしておるわけではございませんし、また俗に言われている関税化の考え方については、先ほど来大臣から申し上げておりますとおり、我々としては受け入れられないと考えておるところでございまして、具体的な検討の結果の結論を持っておるわけではございませんけれども、仮定の問題としてあえて申し上げますれば、そもそもこの関税化の問題というのは、個別の条文の改正云々という以前に、現在の食糧管理法の体系で構築をされております現行制度と基本的に両立し得ないものであるという理解を私どもはしております。
○倉田委員 これは既にもう大臣お答えになってはおるのですけれども、重ねてお伺いをしたいと思うのですが、いわゆるウルグアイ・ラウンドの全体の交渉の成功、これは大臣も命題である、このようにお考えになりますか。
○田名部国務大臣 政府全体としてもこのウルグアイ・ラウンドは成功させなければならぬ、それは米の部分だけに関したことではなくて全体として成功させよう。しかし、その中で、それぞれの国に問題点があってできないというものもあるわけでありますから、その辺のところは各国の体制というものをよくわきまえてもらう、あるいは輸入国の立場というものも考えて交渉をしていただきたい。輸出の方の立場ばかりでは困るわけでありまして、そういうことで、政府としても全体にウルグアイ・ラウンドそのものは成功させるために我々も努力をしなければならぬ、こういう考え方であります。
○倉田委員 昨年、我が党の農業基本問題特別委員会というのがあるわけでございますけれども、その中で、いわゆる部分自由化という提案をさせていただきました。午前中の議論を聞いておっても、なかなか、まだまだ大変だな、そういう思いをしながら実は聞いておったわけでございます。発表当初からもさまざまな御批判をいただきましたし、御意見をちょうだいをいたしました。私個人として申し上げれば、一粒たりと入れなくてもいいものであれば、その体制でできるものであればぜひともそうしていただきたい、こういう思いは変わらないわけでございますけれども、一方では、やはり日本の立場上ウルグアイ・ラウンドというのは成功させていかなければいけないであろう、そういうぎりぎりの思いの中で部分自由化ということを実は基本問題委員会案として提案をさせていただいたわけでございます。 この部分自由化論に関しては、実は私は誤解があるのではないのかというふうに思っているわけでございますけれども、私どもが農業基本問題委員会案として部分自由化を提言いたしたときは、それは決して関税化を念頭に置いたものではないということであります。冒頭申し上げましたように、とても私自身も関税化などということは受け入れられる状況ではないし、また受け入れてはならないものだ、こういうふうに思うわけでございます。 実は関税化と部分自由化は本質的に違う制度である。先ほど食管法の十一条を申し上げましたけれども、部分自由化というのはこの十一条の中でも十分対応できるものである。一方、先ほどの御答弁ありましたけれども、関税化そのものは食管法の枠組みそのものから見直さなければいけない議論である、そういうふうに思っておるわけでございます。今の時点で完全自給と申しますか、農水省の従来の方針で対応できればそれでぜひとも頑張っていただきたいわけでございますけれども、そればかり言っておって、かつての牛肉・オレンジのときみたいに一夜にして方針が転換をしてしまえば、私、一番最初に申し上げましたように、農家、農民の方々の農政に対する信頼、これがますます損なわれてしまうわけではないのか、これを心配するわけでございます。だからきちんとしたことは言わなければいけないし、きちんとした議論はさせていただいた上で説明をしていかなければいけない、こういうふうに思っておるわけでございます。 そこで、次に国会決議との関連についてお聞きをさせていただきたい、こう思うわけでございます。いわゆる我が党の基本問題委員会案の部分自由化ということに関しても、国会決議に反するんではないか、この国会決議をどのように思っておるのか、こういう御批判もいただきました。そこで私も、国会決議というものがどういうものか、よく読み返しながら勉強をさせていただいたわけでございます。一つ、大前提としては、先ほど申し上げました食管法の十一条は、これは基本的には輸入はできるような枠組みになっている。この輸入できるような枠組みになっているその食管法十一条に対して、国会決議で輸入してはいけないよ、こういうことはそもそもできないわけであるから、恐らく国会決議の趣旨はそういう趣旨ではないだろう、私論かもしれませんけれども、私はこのように考えました。 そこで、この国会決議に関する一つ一つの決議を見てみたわけでございますけれども、第九十一回国会、これは食糧自給力強化に関する決議、こういう表題でございます。いわば、国内でしっかりと自給できるような体制をつくりなさい、こういう決議であろうと思うのです。最近盛んに天候不順が言われております。天候不順というか、天候異変と申しますか、これから穀物が果たして世界全般的にどのくらいできていくのか大きな不安がある。たしか九十一回国会のときもそうだったと思うのですけれども、国内で自給できなくて韓国から緊急輸入をした、そういうことがあっては大変だから、しっかりと国内で自給できるような体制をつくらなければいけない。だからこの決議というものは、米の問題がどのように解決されたとしても、国内でしっかり、いざというときには自給できるような体制を維持していかなければいけない、そういう趣旨の決議であろうかと思います。だから、それから先は少し議論があるかと思うのですけれども、決して輸入してはいかぬのだぞ、そういうふうな決議ではないのではないのか。 それから、百一回の国会決議、百十三回の国会決議があります。百十三回の国会決議、これは特に参議院の方、完全自給という言葉がうたってあるわけでございますけれども、百一回の、国内で完全自給はできるような体制をつくるべきである、そういう趣旨を受けて完全自給という言葉を使ってあるんではなかろうか。それから、今伝えられるアメリカ内の我が国に対する自由化の動きというものはとても認められない、こういう趣旨であるわけでございますけれども、言葉の問題かもしれませんけれども、私どもが農業基本問題委員会案として提出をした部分自由化論というのは、関税化と異なって完全な自由化をにらんだものではない。制限的な食管法十一条の中におさまる。いわば一千万トンだとすれば九百五十万トンをきちっと守るための最大限五十万トン、その間に国内体制をしっかりした上での提言であった、このように私としては思っているわけでございます。 そういう意味で、大臣、午前中から国会決議の趣旨、それから完全自給、これはしっかりやっていかなければいけない、こういう答弁ございましたけれども、完全自給ということはともかく、いかなる状態があったとしても完全自給できるような国内体制をずっと維持していかなければいけない、そのためにはそれ相応の負担がかかるわけでございましょうけれども、私もそれはそのとおりだろうと思います。しかし、一方ではガット・ウルグアイ・ラウンドの成功というところもあるわけでございますから、ぎりぎりどこまでやれるのか。要求を入れることが、完全に一粒ともという議論が今あるかどうかわかりませんけれども、そういうところで切り抜けられるのであればそれはそれで非常にいいことだろうと思うのですけれども、それだけで突っ張っていていざそれができなかったときに、一生懸命やりましたけれどもだめでした、こういうことでは農家、農民の方々に対する農政不信の回復というのができるのかどうか、これは非常に重要な問題だろうと思います。この点大臣どのようにお考えになっておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○田名部国務大臣 国会決議については、私もこれは何回も読ましていただいておるのですが、「自由化要求の動きは、極めて遺憾であり、認められない。」というところが非常に私ども重く受けとめておるところであります。お話のように、一粒たりとも絶対とかという議論も国会の中にあります。世の中に絶対というのがあるかどうか、これはわかりません。大変な凶作、冷害、そうしたときは一体どうするんだろうかというのはだれでも心配をしておるところであります。韓国から米を返還していただくというときですらあれだけの問題になった。ただ、一方では減反が三〇%も行われておる。これがもう全部耕作をして不足を来すということならばまたこの議論というのは別な議論になるのかなとは思いますけれども、現実生産調整をしている中で自由化につながるようなことはと、こう申し上げております。委員のお話も私もよくわかります。わかりますが、今私どもは政府を挙げて交渉をさしておるということでありますので、お話はわかっても、あれもこれも持ち出すというわけにはまいりませんので、とにかく従来から私が申し上げているようなことで自給をしていくんだ、自由化につながることについては反対であるということを貫き通していきたいと思っております。
○倉田委員 今大臣お答えいただきましたように、今交渉の真っ最中である、こういう交渉の真っ最中に国論を割るような余計なことは言うなという御議論も私もよくわかります。ただ、冒頭申し上げましたように、農家、農民の方々の農政に対する信頼を今以上に損なうことがないように、ぜひとも大臣御努力をいただきたいと思います。そういう意味で五月から発足をしております新しい農政についての検討、次回の機会にまたゆっくりとお承りしたいと思いますので、ひとつよろしくお願い申したいと思います。 続いて、最後になりますけれども、閉会中に開いていただきましたいわゆる台風十九号関連の被災対策について、実は私は質問をさせていただきました。その続きを確認をさせていただきたいと思うのですけれども、あのときは、本当に農家の方々が、もう農業をやめようと、青森のリンゴにしても、あるいは全国的に果樹栽培に携わっておられた方々がそうお思いになってしまわれないかということを前大臣も非常に御心配になっておられました。私の方は、特に林業の方を見させていただいたものですから、山が荒れてしまうということ、また山が被害を受けたままで放置されてしまうということを、全般的な中で、特にその点を質問させていただいたわけでございます。 そこで、そのときに、林道、作業道とか山の回復に対する具体的な救済措置をぜひ強力にお願いしたい、これを申し上げたわけでございますけれども、この点についてはどのような対策がとられたわけでございましょうか。
○小澤政府委員 森林関係の被害は総額で二千億を超えるという甚大なものとなっておりまして、これの回復対策でございますけれども、まず森林被害につきましては、激甚災害法に基づきます森林災害復旧事業等の実施によります早急復旧を目指しているところでございます。なお、大量に発生しております被害木の処理でございますけれども、これを円滑に進めるために、高性能機械の導入の促進を図りますとともに、被害木の利用の促進を図ることにしております。 なお、森林国営保険と森林共済について、被害の迅速な確定及び保険金等の早期支払い、あるいはまた林地荒廃につきましては災害関連緊急治山事業等の実施によります早期復旧を行う所存でございます。 なお、被害を受けられました林業者に対する金融税制措置の適切な実施、これらの諸対策を総合的に推進いたしまして森林の復旧に努めたいと考えているところでございます。
○倉田委員 この方々はいわば山の守り手でございますので、この方々がぜひともまた何とかやっていこう、こういう気持ちが、希望が出てくるような対策をぜひとも引き続いてやっていただきたい、こう思います。 それから、もう最後になりますけれども、やはり山の回復に関する問題で、このままいわゆる奥深いところに、まだ林道、作業道が通じないところに倒された木が放置をされてしまいますと、あるいは崩壊をした山肌をそのままにしてしまいますと、これが非常に大きな二次被災の原因になってしまう。流木が川にひっかかって非常に大きな洪水のもとになってしまう。去年、熊本県の一の宮ではそういう被災がございました。こういう二次被災に対する対策は万全なのかどうか、まずこの点。 それから、この間の質問の中で、こういう二次被災が起こると川下の地方自治体も実は大変な迷惑をこうむる。そのためには、いわゆる被災を受けた川上の地方自治体に対して川下の地方自治体もきちんと何らかの形で協力、支援をしていくべきではないか、このような質問を実はさせていただいたわけでございますけれども、前大臣からは、自治省とよく協議をしてみたい、こういうお答えでございました。この点とうなっているのかお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○小澤政府委員 最初に、いわゆる二次被害の対策でございますけれども、二次被害をもたらすおそれのある箇所につきましては重点的に災害関連緊急治山事業等によりまして早急に復旧を図りますとともに、治山施設の被害につきましても早期に現地査定の上復旧を図ることとしているところでございます。具体的には、既に一部の地区につきましては関係機関との協議を下しまして事業の実施を決定しているところでございますし、残りにつきましても年内に協議を下しまして、二次災害の防止に万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。 なお、上流、下流の問題でございますけれども、森林の整備あるいは林業の振興につきまして上下流関係は大変重要であるというように考えておるところでございます。さきの第百二十国会で御審議をお願いいたしました森林法の改正に当たりましても、流域を単位にしましていわゆる森林の流域管理システムを確立し、上下流が一体となって森林の適切な整衡を推進していくこととしているところでございますけれども、今般の災害等に当たりましても、上下流関係につきましては関係機関との間でも情報交換を行う等の勉強を行わせていただきまして、上下流一体となって森林を守る、あるいは林業の担い手もしっかりと守っていくということに努めてまいりたいと考えているところでございます。
○倉田委員 終わります。
○簗瀬委員長代理 御苦労さまでした。 藤原房雄君。
○藤原委員 与えられた時間、限られておりますので、順次質疑をさせていただきます。 きょう午前中から、ガットのことにつきましていろいろお話ございました。いよいよ厳しい面に立たされておるという認識では一致しておるわけでありますが、外交交渉、交渉事でありますから公の場で言えること、言えないこと、いろいろあろうかと思いますけれども、いずれにしましてもこの二十日から農業分野につきまして八カ国の次官級交渉が始まりまして、その内容が逐次明らかになって、大臣も午前中いろいろ言っておりましたが、新聞の報ずるところ、正確なことにつきましてはなかなか公には私も知ることはできないわけでありますが、新聞の報ずるところによりますと、包括的関税化という方向性が明確に記載されておる。包括的ということは例外なきということと大差はないのである、こういうことで、例外なき関税化というものが明確に打ち出されたのではないか、ドンケル議長の作業ペーパーには明確に記載されておる、こういうことが報じられているわけであります。これに対しまして大臣も、最終決定ではないけれども非常に厳しいというコメントまで入っておるわけでありますが、今日まではガットにまつわります諸問題につきましては隔靴掻痒といいますか、実態の把握ということからいいますと私どもにはまだ十分な把握をされていない面もある中で、いろいろな角度からこれを議論してきたところでありますけれども、いよいよこの俎上に上って具体的な方向性というものを明確にしなければならぬときが来た、こういう切実感といいますかそういうものを感ずるわけでありますが、大臣、このたびのこの作業ぺーパーのことに対しましてどのように受けとめていらっしゃるのか。午前中から、今日までの態度は不変であるということでありますけれども、今後の臨む態度等もあわせましてお聞きしておきたいと思うのであります。
○田名部国務大臣 どういう受けとめ方をしているかということでありますが、基本的にはこのペーパーが出される前から例外なき関税化ということが言われておりまして、そのこと自体は大変厳しく受けとめておるわけであります。ただ、出されたペーパーというものがどういうものかということを詳しく承知いたしておりませんが、いずれにしてもたたき台として審議の過程に何かなければならぬということでお出しになった程度のことなのか、大体そんな感じで受けとめているわけでありますが、それを基本として各国の意見を聴取しておる、あるいはそれぞれの国が自分のところの抱えている問題というものをそこで意見を申し上げておるということだろう、こう思います。 あと一両日この議論の推移を見ませんとどういうことになるかわかりませんが、ただ、我が国としては、従来から申し上げておりますように、何としても、三〇%にも及ぶ減反政策をしておるということから、どうしてもこの関税化そのものは受け入れられないということを申し上げて、それを基本として主張いたしておる。またもう一つは、米及び水田稲作の格別の重要性にかんがみて、国会決議等の趣旨を体して、国内産で自給する、この基本方針のもとで対処をいたしておるところであります。
○藤原委員 唐突にこれらの案が出たわけではございません。去年まで精力的な討議をしまして、これは合意を見ずして、本年またそれぞれの立場の方々との調整をしながら今度のこのたたき台といいますか作業ペーパーが出たわけでありますから、今までとは違ったやはりそれなりの重い意義を持ったペーパーであると思うわけであります。たたき台でこれからいろいろ話をするんだということではない、非常に重きをなす、今日までの議論を踏まえたものであろうと思うわけであります。そういうことでは非常に重く受けとめねばならぬだろうと思うわけでありまして、私どもも、こういう関税化ということで日本農業に壊滅的な打撃を与えるようなことがあってはならぬ。そういう中で、いろいろな非難、中傷のある中、やはり最小限度に食いとめる道はということで部分自由化についての議論もいろいろいたしたわけでありますが、ここに参りますと、本当に最終的な決断をどうするかという議論ではなくして、これから本当に実際的な結果としてこれをどういうふうに決着させるかという大事なところに来たんだろうと思います。 大臣も就任以来、ベーカー長官を初めとしましていろいろな方々に対して一生懸今お話ししていることは私もよく知っております。また、EC委員会のマクシャリー農業委員も近々いらっしゃるみたいなことも報じられておりますが、こっちの主張を言うというだけではなくて、やはりそれが向こうに説得力ある話で、その意見がやはりぺーパーなりなんなりに受け入れられるような方向性というものが出てこなければならない。日本の立場というのは孤立的なことで、そしてなかなか受け入れられない主張ばかつであるということでは相ならぬだろうと思います。そういうことからいいまして、これから本当に正念場を迎えまして、しかも大臣がそういう重要な立場に立って、その先頭に立つわけでありますが、ひとつ最大の御努力をいただきたいものと思う次第であります。 日本の農業を守るために、きょう午前中からいろいろ大臣のお話を聞いておりました。本当にそのとおりだと思いますし、そのことのためにこそまた頑張っていただきたい。また、農業といいましても日本列島北から南、いろいろな地域性があるわけでありますが、東北で実際にその地域の実情に詳しい大臣が農林大臣に就任なさったということにつきましては、私どもも心から敬意を表するとともに、本当にその実態に即した対応というものについて、だれよりも御努力いただきたいことを就任のお喜びとともに申し上げたい、こう思うわけであります。 時間もありませんので、次に入らせていただきたいと思います。 災害のことでありますが、これも今までにないスピードでいろいろな対応をしていただきましたこと、心から敬意を表します。年を過ごすのに大変だということや、出稼ぎのことや、現地に参りますとまだまだ大変なことがいろいろありますが、まずは激甚災、天災融資法によりましていろいろな手を打っていただきましたことは地元でも大変に喜んでおりました。過日、青森にも行ってまいりましたのですけれども、何といいましても被災樹園地の改植とか防風施設等の復旧を行うための緊急対策事業、こういうものをぜひひとつやっていただきたいとか、苗木でもう次の対策のために一生懸命汗を流しておるとか、こういう実情も見てまいりましたが、農民の意欲の減退をしないよう最大の、いろいろな現行法によります制度的なことはできたわけでありますが、意欲を持って取り組むような施策というものをぜひひとつお願いしたい。 前の近藤大臣にも申し上げたのですけれども、出稼ぎに行ってしまいますと、村を離れる。来年の営農計画というのは来年三月、四月になってから立てるのじゃない、今からその準備をしなければならぬ。村を離れるということはそれがおろそかにたる傾向にあるわけで、できるだけ出稼ぎせず地元でお仕事のできるような、昔、救農土木というのがございましたけれども、そういう形で地元で働ける、雇用の場ができるような施策をという、所管のいろいろなお話なんか聞きますと、相当出る方が多いようでございますけれども、家庭事情によってはやむを得ない方もいらっしゃると思いますけれども、それらのことにつきましてもきめ細かな施策をひとつお願い申し上げたいと思うのであります。 個々のことについてお尋ねする時間もございませんが、いろいろ実態を見ますと、後始末といいますか、後のことについては地方自治体がどうしても力を入れなければならない問題が非常に多い。こういう、ことから、今回の対策に対しての諸問題については、地方自治体に対しまして自治省から、公共土木事業等はそれなりの公共施設についての施策があると思うのでありますが、特別交付税を初めとします地方自治体に対する地方債の充当、こういう財政支援はどうなっているか、この点について自治省の方にお伺いしておきたいと思います。
○田村説明員 お答えを申し上げます。 今回の台風により被災した地方団体にありましては、資金繰りに支障を生ずる団体もあると考えられます。このようなことから、関係地方団体の要望を踏まえまして、去る十月十八日に全国九十三の市町村に対しましておよそ百七十九億円の普通交付税の繰り上げ交付を行ったところでございます。 それから、御指摘がありました台風災害によって被害を受けた地方団体、今後災害復旧事業を初め多大の財政負担が生じるわけでございます。国庫補助を勘案してもなおその負担額は多額に上る団体もあるわけでございまして、自治省としても、そのような団体が実施する災害復旧事業については災害復旧事業債などを措置しまして、後年度、その元利償還金に対しましても普通交付税によって措置をしていくということにしてございます。 それから、特別交付税でございますが、いろいろ措置を講じましても地方団体は予想されない多額の一般財源を必要とするわけであります。これに対しましては、災害復旧事業費、被災世帯数、農作物の被害面積などを勘案しまして、特別交付税の算定に当たり特別な措置を講じているところでございます。 今後とも、被害状況、地方団体の財政状況などを勘案しまして、被災地方団体の財政運営に支障が生じないよう適切に対処してまいることといたしております。
○藤原委員 同僚委員からもお話があったのでありますが、最近の米の流通のことにつきまして、これも時間が限られていますのであれですが、コシヒカリ、ひとめぼれを初め大変にぎわしておりましたが、北海道のきららにつきましても、新米についての違反の袋が見つかったということが地元でも報じられております。これは、都道府県におきます精米表示要領、これによっていろいろな手続があるのでありますけれども、いずれにしましても不正規流通というもの、食管の根幹を守るということは当然のことでありますけれども、法治国家であって法が形骸化しつつあるという、実態の方がどんどん進んでいるということが非常に問題だろうと思うのであります。 これは、先ほども同僚委員からお話がありまして、また食糧庁の方からもお話がありましたが、ぜひこれはひとつ、改善するものは改善する、またきちっと対応をとるものは対応するということでけじめをつけていただきたいと思いますし、そうであらねばならないと思いますが、食糧庁、いかがでしょう。
○京谷政府委員 御指摘のように、米の流通をめぐる不心得行為が最近続けて表に出ておりまして、食糧管理制度全体についての不信を招くというふうな事態になっておりますこと、私ども大変遺憾に存じておるわけでございます。しかし、大多数の生産者、流通関係者は食糧管理法を守って、不正規流通の防止にも私どもと一体となって取り組んでおる実情にあることも御理解賜りたいと思うわけでございます。 しかしながら、御指摘のような案件につきまして、やはり米の流通秩序を適切に維持をしていく、食糧管理制度に対する信頼を確保するという観点から、放置できない大変重要な問題と考えておりまして、関係都道府県と協力をし、また一部は捜査が行われておりますのでその方面からの情報提供も受けながら、事実関係の掌握に現在努めておるところでございます。 その結果に基づきまして、必要な行政指導、行政処分、さらに要すれば司法手続というふうな是正措置を講じていくように努力を続けていく所存でございます。
○藤原委員 話がどんどん移り変わりまして申しわけございませんが、次に漁業関係のことでございますが、日韓漁業操業の自主規制措置の改定問題であります。 年末になりますと、サケ・マス日ソ交渉を初めとします問題や、また日韓の漁業自主規制措置も改定の時期といいますか期限のときが参るわけであります。これは過日も前大臣にもいろいろ申し上げてまいりましたが、報ずるところによりますと、鶴岡水産庁長官が十五日ですか、伊水産庁長にお会いになって、交渉の促進、こういうことが合意されたということも報じられておりますが、十二月をもって一応の期限が切れることになっております。それだけに、行く末につきまして関係者の方々は非常に関心を持っておりますし、また水産庁の漁業外交といいますか、こういうものに対する大きな期待を持っているわけであります。 取り締まり権を沿岸国が持つということやそれから韓国に対する二百海里水域を完全に適用できない現状の中で、資源管理のための水域を設けるなどの基本的な問題についてのことが課題になっているわけでありますが、この会談に臨みましての、一応のテーブルに着くということになったのでありますけれども、交渉の経過と今後の見通し、それらのことにつきまして折衝に当たりました長官から御報告をいただきたいと思います。 〔簗瀬委員長代理退席、岩村委員長代理 着席〕
○鶴岡政府委員 去る十一月十五日に韓国を訪れまして、伊長官と、現在期限切れが間近に控えております自主規制措置をめぐりまして、いろいろ話し合いをしてきたわけでございます。 今回論議になっておりますのは、御案内のとおり資源問題、それから取り締まり問題、その二つをめぐりまして五回ほど実務者間で協議を進めてきたわけでございますけれども、特に取り締まり権をめぐります問題が率直に言いまして一つ、デッドロックに乗り上げておるというようなことでございます。 残された時間はわずかでございますので、その辺についてどこまで迫れるか、今後の問題でございますけれども、いずれにしましても、取り締まり問題につきまして抜本的な解決といいますか、措置というのは年内までには難しいのではないか。そういうことを踏まえまして、明年度以降も資源問題その他今後の両国間の漁業問題について話し合いを進めるということを前提にいたしまして、当面の自主規制措置、これは既に一部内容につきまして日本側から提案しておるわけでございますし、また、韓国側も取り締まりについて強化するというようなことを言っているわけでございますけれども、具体的な提案がないわけでございますので、それを早急に出してもらって、一部手直しすることができるのであればするというようなことで当面解決し、また来年以降も引き続き話し合いを進めるというようなことでやりたいということを話し合ってきたわけでございます。 それからまた、その際に、こういうせっぱ詰まった時期にお互いに庁長・長官会談をするのではなくて、もう少し定期的といいますか、春秋とか、定期的に協議をしておくことが大事なんじゃないかということで、そういう場をつくろうということも確認したわけであります。 それで、次の実務者会議でございますけれども、年末が迫っておりますので、今月中にもしたいということで、今外交ルートを通じて話をしているところでございます。
○藤原委員 これは漁業者間におきましても、過日は北海道でも協議をしたようでありますが、なかなか進展というのは難しいようでありますが、本年十二月末で一応の期限が切れますと、改定が行われないと自動延長といいますかそういう形になるわけで、年を越すということになると、それぞれの国々に選挙やいろいろなことがございます。韓国もやはり明年はいろいろお忙しいようではありますし、そういうことから言うと、できるだけ早くに決着することを望んでおったわけでありますが、時間をかけて着実ということなのかもしれませんが、これはきのうきょうのお話じゃございませんで長い間の懸案でもございますから、ぜひ強力に推し進めていただきたい。特に、大臣は自民党のこういう関係の要職にありまして、大変韓国問題等につきまして、漁業のことについても詳しいわけでありますし、何度か交渉にも当たられたと聞いておりますけれども、ぜひこれは大臣がこの立場にある間にひとつ何らかの方向性といいますか見通しを立てるような強力な漁業交渉といいますか漁業外交というものを進めていただきたいという強い気持ちを持っているのですが、いかがでしょう。
○田名部国務大臣 この問題、四年前にも三度訪韓いたしまして、思うような決着が見られなかったわけでありますが、ことし既に二回この交渉のために実は党から代表して行ってまいりました。いろいろな問題、あります。ありますけれども、何としても日韓の友好関係ということで、この漁業交渉のためにそれが損なわれるということのないようにということで、私どもも随分と主張をいたしてまいりました。いずれにしても、水産庁が鋭意今努力をいたしておる、私もまた及ばずながら全力を挙げてこの妥結のために努力をさしていただきたい、こう思っております。
○藤原委員 次は、私も前に申し上げましたが、日本海は今となりますと一つの大事な漁業資源を確保すべきところである、こういうことから考えますと、韓国でも済州島に国際的な栽培漁業センターをつくりたいというようなことも漏れ承っておるわけでありますが、こういう日本海の資源状況を見ますと、国際的な資源管理とか資源増大、こういうことに対しまして積極的な働きかけ、関係国との協議を初めとしますこういう資源管理ということについての具体的なことが進められることが望ましい、こんなことを思っているわけでありますけれども、こういうことにつきましても日本のできる技術、こういうもので応援できることは大いに応援する必要があろうかと思います。こういうことにつきましてもぜひひとつ考慮をしていただきたいものだと思います。 日ソ、ソ日の漁業交渉、これもいよいよ目の前に迫ったわけでありますが、長いお話をする時間もございませんから端的に申し上げますが、今まで交渉相手はソ連邦であったわけでありますが、今度は政変後、これらの交渉をする相手は一体どこになるのか。漁獲枠とかいろいろな問題について交渉する相手はロシア共和国、ソ連邦、こういうことでソ連の中でも今いろいろにこのようなことについては整理されつつあろうかと思うのでありますが、今差し迫った問題でもございますので、現状としてどういうことなのか、外務省にお伺いしておきたいと思うのであります。
○東郷説明員 お答え申し上げます。 十二月に予定されております漁業交渉につきましては、これは日ソ漁業委員会第八回会議ということでございますけれども、基本的には現在日本と相手国との間にございます日ソ地先沖合漁業協定、こういうものに基づいて実施されるわけでございまして、国としてはソ連邦が相手になるという状況というふうに認識しております。 では、具体的に当事者はだれになるかということにつきましては、これはまさに先生の御指摘のように現在のソ連ないしロシアの大きな変化の中で種々の動きがございまして、現時点で私どもが入手しております情報では、連邦の側に国家間漁業委員会、国際関係の調整及び共和国間の調整を担当する国家間漁業委員会というものが創設された。しかし、この人事、組織等はまだ固まっていないという状況でございますので、こういうものが一方の当事者としてあらわれ、実質的にはまたロシア共和国側から漁業省というようなものがつくられる方向にあるということでございますので、そういう方からも人が出てくるだろうというふうに考えておりますけれども、事態は日々流動的であるということでございます。
○藤原委員 そうしますと、実際例年ですともう交渉は始まる。十二月、来月になりますと大詰めを迎えるわけでありますが、そういう点ではまだメークアップしていないといいますか流動的な要素がある、こういうことですね。わかりました。 しかし、そういう中でありながら、外交交渉、外交ルートでいろいろな話し合いの素地というものはできるわけです。こういうことは実際にはやっていらっしゃることなのですか、どうなのでしょう。
○東郷説明員 まさに今申し上げましたように、国としての相手はソ連邦でございまして、ただ実際だれが出てくるかということに関してはいろいろな動きがございますけれども、事実上今モスクワにおいてもいろいろな人たちと話し合いは続けております。それを基礎にしまして、十二月の中旬にはほぼ交渉を始めようということで、一両日中には正式な発表ができる段取りになってきております。
○藤原委員 サケ・マス四カ国協定のことでありますが、日米加漁業協定、これは破棄されまして、本年九月に新しく日、米、カナダ、ソ連によりますサケ・マス四カ国条約、案文が確定したというふうにも聞いておるわけでありますが、これはどういうことであるのか、簡単にひとつ御説明いただきたい。 それから、ベーリング公海の漁業でありますけれども、アメリカとかソ連の規制が強まりまして、我が国の漁船が撤退せざるを得ないような状況の中にあるという、関係業界の方々も資源とかいろいろなことで困惑をいたしておるようなことも聞いておるわけでありますが、今後の指導方針といいますか、これらのことについてはどのようになっておるのか、お話をいただきたい。 それから、流し網の問題でありますが、これはアメリカが来年の六月全面禁止という国連提訴、これとの関係で日本もそれに対しまして決議案を提出したということを聞いておるわけでありますが、混獲ということで非常にいろいろ問題があろうかと思いますけれども、これは、ガットの先ほどの農業問題でもいろいろ申し上げましたけれども、確かに食糧という意味では農業も大事なことでありますが、漁業は貴重な太陽エネルギーを生かした再生のきく、そしてまたたんぱく質資源を大いに供給するということでは、漁業は非常に大事な食糧の位置づけの中にあろうかと思うのであります。 こういうことからかんがみますと、現在先輩が築きましたものが順次撤退に次ぐ撤退という現況の中にあるという国際情勢の中で、やむを得ないものもあり、そしてまた時代に即応して変えなければならないこともあろうかと思いますけれども、こういう状況の中にありまして、守るべきものは守り、そしてまた続けられる方向性、この努力というものは見出し得なければならないのではないか、このように思うわけでありますが、サケ・マスの四カ国協定やベーリング公海の漁業それから流し網漁業、これらのことについて一回ひとつ御説明いただきたい。 それから、これらの漁業が農産物、米を中心にして非常に問題になっておりますけれども、漁業の果たすべき役割というのも非常に重要でありますが、田名部大臣はこの漁業にも非常に明るい大臣でございますが、ぜひひとつこれらのことについても精力的なお取り組みをいただきたい。まさしく国会決議はこれらの食糧の自給、農作物を初めとします漁業につきましても食糧の位置づけの中で自給体制を確立せよということでありますから、ぜひひとつ強力な力を発揮して守っていただきたいものと思うわけでございますが、最後に大臣の説明を聞きたいと思うのですが、先にひとつ。 〔岩村委員長代理退席、委員長着席〕
○鶴岡政府委員 日米加ソ・サケ・マス四カ国条約につきましては、御案内のとおり本年九月にオタワにおいて開催されました四カ国会議において合意されたところでございまして、今後、署名、締結等の手続を経て発効する予定になっております。 この条約は、御案内のとおりでございまして、遡河性資源に関する母川国主義の定着という国際的な漁業をめぐる情勢の中での公海におけるサケ・マス漁の禁止でありますとか、他の漁業によるサケ・マスの混獲を最小にするとか、あるいは裁判管轄権の旗国主義を主たる内容としているものでございます。 この条約の発効により、我が国は公海におけるサケ・マスの沖取りは行えないことになりますが、そういうことと関連することになりますけれども、本年六月、前大臣が訪ソされました際に、日ソ漁業大臣間協議によりまして、日ソ双方の二百海里における操業機会の確保につきまして一定の合意が得られていること、また、国際漁業再編対策に基づきまして北洋サケ・マス漁業の再編成を進めていくというようなことによりまして、極力漁業者に対する影響を最小にとどめていきたいというふうに考えております。 それから、ベーリング公海のスケトウダラ漁業でございますけれども、このベーリング公海におきます漁獲量の急激な減少ということから、米ソ両国がこの海域における漁業の規制をすべきであるという動きを示しまして、本年二月、八月と二回にわたり会議を行ったわけでございます。 八月の会議におきましては、本年の漁獲の事情を踏まえまして米ソ両国はモラトリアムにすべきであるというような主張をし、漁業国側はモラトリアムには賛成できないというようなことで来たわけでございますけれども、第三回の会議がワシントンで最近行われたわけでございます。 〔委員長退席、岩村委員長代理着席〕 その会議におきまして、やはり沿岸国側は強力にモラトリアムということを主張したわけでございますけれども、漁業国側としては、漁獲努力量を減少させる必要はあるけれどもモラトリアムは問題であるというようなことで、短期的な合意としましては、漁業国側が漁獲努力量を実質的に削減するというようなことで、中長期的な問題につきましては今後検討を行うということで合意がされたわけでございます。 この公海におきます漁業につきましては、もう御案内のとおり漁獲量が急激に減少しているというようなこともございまして、現在出漁している船をそのまま出漁させるということは問題であるというようなことから、我が国といたしましてもこの漁業の再編整備が不可欠であるというようなことで、国際漁業再編対策に基づく特定漁業に指定しまして、所要の救済措置を講じていきたいというふうに考えております。 それから公海流し網漁業でございますけれども、これも二年前の国連決議に基づきまして、資源問題につきましていろいろな調査でありますとかそれを踏まえました協議を行ってきたわけでございますけれども、我が国、漁業国側と、それ以外の特に米国を中心とします国との間で話し合いがつかず、米国が十月九日に、明年六月末をもってモラトリアムとすべきである、全面禁止であるという決議を国連に出しました。 我が国としましても、直ちにそれに対抗する意味で二年前の決議を確認する決議を提出し、国連の場におきまして各国の理解を得べく積極的に行動を進めてきたわけでございます。 〔岩村委員長代理退席、簗瀬委員長代理 着席〕 それから他方、それと並行しまして私も訪米し、またベーカー長官が訪日の際に随行してきましたゼーリック国務省次官と話し合いをしたわけでございますけれども、意見の一致を見ないまま、今国連の場で多数派工作をやっているわけでございます。しかし、国連における状況は日本側にとって極めて不利な状況であります。 我が国としましては、今後とも最大限の努力を傾けていきたいというふうに考えております。
○田名部国務大臣 水産業界は大変厳しい状況にありまして、米の問題も大変でありますが、鯨に始まって、これにかかわってまいりました。クロマグロあるいは御案内のスケトウダラの禁止あるいはサケ・マスの禁止、全部これは、今イカ流しもそうでありますが、大目流し等の禁止問題が出ておりまして、大変厳しい状況にあるということはもう十分認識をいたしております。 しかしながら、わずかでもやはり生きる道を探してやらなければならない、そんな気持ちで、資源の管理をしながら漁業ができる状況というものを何とか見出していきたい、そのためにはつくり育てる漁業等も積極的に進めながら、我々のたんぱく資源、五〇%近く漁業に依存しておりますので、そういうことを含めて全力を挙げて取り組んでまいりたい、こう考えております。
○藤原委員 以上で終わります。
○簗瀬委員長代理 小平君。 〔簗瀬委員長代理退席、委員長着席〕
○小平委員 田名部農水大臣、まず御就任おめでとうございます。というよりは、農業情勢が厳しい折に、大変な時期に大臣に御就任、お祝いを申し上げると同時に、同情といいますか、御苦労さまですと申し上げます。しかし、だからこそ歴代農水大臣以上に頑張ってもらわなければならない、そのように強く御要望したいと思います。 特に、大臣はたしか青森県の御出身で、ということは、農業についてはその地帯の背景からいいましても御造詣も深く、さらには過去において当農水委員会で理事も歴任されまして御経験も豊富で、ベテラン中のベテランとして頑張ってこられましたが、この時期に当たってさらに御奮闘あらんことをまず強く御要望する次第でございます。 そこで、ラウンドの問題でありますが、当初ダンケル・ぺーパーが出るのか出ないのか、こんな状況で実は昨日までおったわけでありますけれども、ここに来て次官級協議において作業用ペーパーが非公式であっても出た、そういう情報を新聞等によって私どもも耳にいたしました。 そういうところで、過般の臨時国会冒頭のいわゆる総理の施政方針、さらには各党からの代表質問の答弁の中でも、この問題については基本方針のもとで各国との相互の協力による解決に向けて努力する、こういう発言であったのですが、これはいかにもトーンダウンした発言であり、これについては大臣初め関係各位から総理に向かって強く指摘をされた、こういうことも承っております。 そういうところで、大臣、ホットなニュースが出た段階で大臣のこれについての問題点と、さらには農政における基本的な御姿勢をまずお聞きしたいと思います。
○田名部国務大臣 再三お答え申し上げているとおりでありますが、最初にダンケル・ペーパー、これは議論の素材とはいえ、例外なき関税化の方向であるということは大変厳しい、そういうふうに受けとめております。しかし議論の素材ということでありますから、これから私どもの主張を、積極的に日本の立場というものを働きかけていかなければならない、そう思っております。 交渉の最中でありますので、いま少し時間をおかりいたしませんと、その辺の詳しい状況というのは把握できません。 いずれにしても私ども、総理もそうでありますが、日本の置かれている現状というものを認識した場合に、自由化につながるような関税化というものは、日本の国内、特に農家に相当の影響を与える、これは農家ばかりではなくて、これに関連した産業、特に地方によってはこれにほとんど依存している地方自治体、そういうところが相当の税収の落ち込みでありますとかいろいろな混乱が生じてくるということを考えた場合に、自由化につながるようなことだけは何としても反対を貫き通していかなければならない、そのように考えております。
○小平委員 私もまさしく同感であります。ただし、現実問題としてはこういう作業用ペーパーが出たということで、政府としても今後この対策の立て直しを迫られる、こういうことでありましょう。 しかし、私がここで申し上げたいことは、例えば過般、牛肉・オレンジの自由化問題がありました。このときも、後のいわゆる後悔として、あのときは自由化せぬせぬと言っておいて、結果的には押し切られてしまった。これが一つのいわゆる裏切り行為として、強く農民から不信を買った。同じ轍は踏みたくない、そういうことで今回の米問題については先にカードを切りたい、そんなような、いわゆる世論、特に農民に向けての環境づくりといいますか、そういう思惑が非常に強く感じられます。私はそういうところで、この問題はかってのこの牛肉・オレンジの自由化問題とは重み、わけが違う、今大臣いみじくもおっしゃいましたけれども、農村地帯に大きな影響があるどころか、国益を左右するような大問題であると思います。したがって、今回こういうぺーパーが、いわゆる作業ペーパーが出たからといって右往左往するのではなくて、毅然として、こんなことに浮き足立たずに頑張っていってもらいたい、こんなふうに思うのであります。 特に、私は今回の米の問題では、いわゆる米の自由化とかそういう問題では、相手があって譲歩するということは相対的なものですよね。例えば一部自由化するとか、あるいは関税化を受け入れるとか、それは相手があって、ウエーバーですとか輸出補助金とか、そこの譲歩によって我が国も譲歩する、それは相対的なものであると思うのですよね。しかし、私は、この問題は我が国にとっては国益上絶対的な問題であって、相手との交渉、これについてのものとは別である、そんなふうに強く思うのであります。 特に、今回のこの問題、やはり大きく背景にあるのは、貿易摩擦というものが常にその背景にあって、その対策上向こうさんのいわゆる御機嫌というか、そういう振り上げたこぶしをおろさせるためにこの問題で譲歩する、こういう意見が多々ありますけれども、私は、たとえ譲歩したにしても、それは単なるその場しのぎのことでありまして、これは根本的な解決にはならないと思うのであります。私は、貿易摩擦の根本的な解決というのは、これによって大きな黒字が出ております部門で今後きちんと対処をして、そしてこの貿易間の摩擦を解消に持っていく、このことが本来の姿であって、この肩がわりのために米が犠牲になることは必要ない。しかし、それは単に今日農民だけの問題ではなくて、日本国民全体の、今後の我が国の平和と安全、そして繁栄を保っていくために絶対譲れない最後の防波堤だと私は思うのですね。 そんな意味で、これについては各党からの前の質問でも既に出たと思います。したがって、これを私は強く要求いたしまして、そして次の質問に移らせてもらいます。 ところで大臣、前の近藤農水大臣は、農業基本法を含む農業政策それから農業制度の抜本的な見直しということに手をつけられた。いわゆる新しい食料・農業・農村政策、これについての対策本部を設置されておられます。そういうところで、田名部大臣、あなたも御同様にこの問題については、どのようにこれについて対処していかれるのか、その基本的な御姿勢をお伺いしたいと思います。
○田名部国務大臣 近年、我が国の食料、農業、農村、これをめぐる環境というものは非常に変貌を遂げてきておると思うのです。特に農業従事者の高齢化、これが大変な進行をいたしております。私の地元でもそうでありますが、もうお年寄りばかり農業をやっておる。若い者はみんな都会に出てきておる。ある村では、村長が五人子供を産んでくれたら百万円村で出すということを決めた村もあるほど、後継者あるいは出生率の低下、こういうものに悩んでいるわけでありまして、そういうことを考えてまいりますと、この高齢化だけを見ても、我が国の農業をどうするか真剣に考える、そういう時期に来ていると考えております。 前近藤農林大臣が中長期的展望に立った食料、農業、農村、これをめぐる制度、施策の総合的見直しに着手をされたことは、まことに時宜を得たものだと考えております。これを立派なものに仕上げてまいりたい。また、多様な担い手の育成、これが何といっても農業の基本でありまして、この育成のためにやはり若い人たちが喜んで、あるいは夢を持って取り組めるような方向にこれを変えていかなければいかぬ。お年寄りの皆さんがやったのをそのまま従来のことを踏襲してやるのではなくて、経営感覚あるいは管理、そうしたものが何か新しいことができる、そんな農業にしてやれば、若い人たちも喜んで残ってやっていただけるのではないかな、そんなことも考えております。 また、土地利用型農作物等の新たな生産体制の確立てありますとか新しい地域政策の展開など、現在検討されている課題は、いずれも二十一世紀に向けて農業者が将来を見通しつつ、誇りと希望を持って農業を営める環境づくりを進めていかなければならない、そのためのまた基本になるものでなければならない、そう考えております。 引き続き全力を挙げて検討をいたしてまいりますので、またよろしく御指導を賜りますようにお願いを申し上げます。
○小平委員 時間がありますれば、この作業途上、今どのような進捗状況かをお聞きしたいのでありますけれども、与えられた時間も短いのでありますので、この問題については私も非常に強い関心を持っております。したがって、本委員会等を通じて、今後も私からもさらに次の機会も見ながら、これについての意見を述べさせていただきますので、次の質問に移らせていただきます。 ことしは天候不順ですとか、さらには台風の被害等によって、今年産の米の作況は全国平均で九五といいますか、昭和五十八年以来の不作になっております。そういう中で、今予想されておりますことは、平成四年、来年十月に向けて持ち越し量は十分であるかどうかという問題が大きな不安材料としてあるわけでありますが、来年度の作付面積が今年産の作付面積と同様であり、また平年作であるとしましても、平成四年米穀年度末の持ち越し量は大体どのくらいと見込まれているのか、その見通しについてまずお聞きをいたしたいと思います。
○京谷政府委員 お話のとおり、平成三年産米につきましては十月十五日現在の作況九五ということで、生産量が計画よりも大分下回っておるわけでございます。ただ、平成三米穀年度末の持ち越しか約百万トン余ございまして、これと合わせますれば、平成四米穀年度の需給には懸念はないというふうに考えております。 ただ、今御指摘ございますように、平成四年度末、来年の十月末の三年産米等の持ち越し量というのが、実は平成四年の需要量の見通しが、私ども精査をしておりましてまだ確定はしておりませんので、ちょっと確定的には予測申し上げられませんが、平成三年産米の四年度末の持ち越し量のレベルというのは大体三十万トンから四十万トンのレベルではなかろうか、こういう予測をしております。
○小平委員 そうしますと、来年に向けては減反緩和といいますか、作付面積のいわゆる増加も考えられていくということでありますか。
○上野政府委員 ただいま食糧庁長官の方から話がありましたように、ことしの米の作柄が余りよくないということで、来米穀年度末の、来年十月末の持ち越し在庫が三、四十万というようなお話がございましたが、そういうことになりますと、来年度の転作等の目標面積というものを後期対策の八十三万ヘクタールという水準のままに維持をするいいうことは困難なのではないかというふうに考えておりまして、どの程度の調整を行うか、現在検討いたしておるところでございます。
○小平委員 であるならば、来年度の作付計画も農民には一日も早い方がよいわけで、早期にこれについては取り組んでいかれることが大事だろうと思います。 しかし、これに関して、ポスト後期対策にも絡むことになるのでありますけれども、今国内で政府の政策にのっとって農民は転作に協力をして、いわゆる米以外のものに大変努力して取り組んでおられるのが農家の皆さんの実態であります。しかし、そういうところで今局長のお話あったようなことでありますと、これが単に、たまたま来年に向けて持ち越し量が、在庫が不足するからだから来年だけ減反緩和をするんだ、いわゆる転作の緩和が一年限りのものであるとするならば、そんなような配分は困るどころか要らないというのが、私は北海道の人間でありますけれども、特に米作地帯であります北海道では、逆に迷惑だ、輪作体系が狂ってしまう、そんな意見もあるのが実態であります。これが長期にわたって減反緩和がされるのであるならば歓迎できるけれども、単に一年こっきりのものであるならば逆に迷惑である。また、実際に農家の皆さんにしても、物理的にも高齢化が進む中で、担い手が年々減少する中で、そういう面からいってもこれは非常に難しい問題をはらんでおるわけであります。 特にまた、ここ二年間の結果を見ても、作付面積、例えば平成二年産では二百八万ヘクタールの計画が実績では二百五万五千ヘクタールですか、今年産では二百七万ヘクタールの作付面積の計画が実際には二百三万三千ヘクタールと、とにかく予定まで届いておりません。これは、私が今申し上げましたように、農家の実態がそういう状況の中でなかなか計画どおりにはいかない面がある。ならば、こんなタイトにこういう計画を立てないでもっと幅を持たせて、そして特に今こういう気象状況です、かつての昭和五十五年、あのときには四年の間ああいう不作の状況が続きましたけれども、それが今後ともないとは保証できません。したがって、そのことを見越してもう少し余裕を持って対処するのが、とれがこの所管である農水省の大事な役目であお、こう私は思うのでありますが、これについていかがお考えか、御答弁を賜りたいと思います。
○上野政府委員 転作等の目標面積の緩和の問題につきましては、委員から御発言ございましたように、農家の中にできるだけ安定的にこの面積を実行していくべきだという意見があるというのは私どもも存じております。 ただ、先ほど申し上げましたような現在の需給状況から見ますと、やはり国民食糧の安定供給を図るために必要なお米を確保するといってとがすべてに先立つ大事な話なのではないかというふうに考えておりまして、必要な適正な在庫数量を緊急に確保するということのために、来年度の転作等目標面積の緩和を考えなければならないのではないか、かように考える次第でございます。 ただ、来年で後期対策の三年間が終わるわけでございまして、平成五年度以降どのような対応をしていくのかという問題はあるわけでございまして、来年になりますれば、先ほど先生のおっしゃいましたような生産の動向であるとか、それに加えてこのところの需要の動向等々、米の生産なり消費なりに関するいろいろなデータをもっと基本的にチェックいたしまして、後のことも考えてまいる必要はあろうかというふうに考えております。
○小平委員 時間が来ましたので、私は、今のことは局長の御答弁はわかるのですけれども、減反緩和をせんならぬ、これはよくわかります。しかし、それがいわゆる一年限りとか、そんなことではなくて、これはまるきりいわゆる見通しが狂ったその犠牲を農民が受け持つのではなくて、農民に協力させるためにはこれを今後、ポスト後期対策も絡めてもっと長期にわたってきちんと安定したものにしていく、そうすることが農家の皆さんも営農意欲を持ち直して、今後に向かって頑張っていくその大きな活力になる、私はこう思いますので、このことが今後もさらに起こり得ないとは保証できませんよね。ですから、こういう問題が起こったこの年に当たって、今後のポスト後期対策も含めてもう少し余裕のある形で、在庫数量といいますか持ち越し量をつくっていくことが安心ができる、そんな意味で、ぜひこれについて検討を今後続けていっていただきたい、こう申し上げまして、時間が来ましたので、私の質問は終わります。
○高村委員長 藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 ウルグアイ・ラウンドの最終局面に入る中で、米の輸入自由化問題が重大な局面になっておりますが、私はまず最初にこの問題からお伺いをしておきたいと思います。 改めて言うまでもありませんが、宮澤総理は、昨年七月の自社公民訪米団の団長として訪米して以降、再三にわたって米の関税化に対する対応に言及し、総理に就任して最初の記者会見で、米国とヨーロッパがどれだけ譲歩するのか、我々もそれに見合った譲歩をすることになる、このときは譲許という言葉を使っていらっしゃいますが、そういう発言をされました。歴代総理の中で初めてウルグアイ・ラウンドでの相互譲歩というものを明らかにし、そして所信表明演説では、これも歴代総理の中で初めて、米については国内産で自給するという表現をなくされたわけであります。さすがに予算委員会では、我が党の吉岡議員の追及に対しても、米に関する国会の決議を尊重すると述べられましたけれども、私は決して歯切れのいい御答弁だとは受け取れませんでした。 そこで聞きますが、所信表明演説で、米については国内産で自給するという表現をなくされたのは内閣の方針なのか、その理由は何なのか、また、農水大臣としてそれにどう対応されたのか、まず明らかにしてください。
○田名部国務大臣 お答えをいたしますが、これまで政府は、米問題について国会決議等の趣旨を体し、国内産で自給をすることを基本方針としてきておるわけであります。 総理の所信表明演説のことについてお触れになりましたが、どういうお考えでというものまでは私どもも定かでありませんが、最終段階を迎えておるこの現状で、各国とも農業問題に関してそれぞれ困難な問題を抱えておる、従来は二国間で交渉をやっておったわけですが、二国間ではこの交渉は行わない、ウルグアイ・ラウンドの中でこの交渉をするということになったものですから、困難な問題を抱えておるけれども、相互の協力による解決に向けて最大限の努力を傾注して交渉に臨んでいくことが必要である、こう申し上げておったわけであります。 しかし、米についてはその中で、ただいま申し上げましたとおり、今後とも国会決議の趣旨を体し、国内産で自給するとの基本方針のもとで対処してまいる所存である、そういうことを申し上げたわけでありますので、ひとつそのように御理解をいただきたい、こう思います。
○藤田(ス)委員 それではもう一つ聞きますが、今大臣もおっしゃいましたが、相互の努力、これは一体何を意味するのですか。 総理は十四日の衆議院予算委員会でも、最後の段階で、ウルグアイ・ラウンドが失敗しないように、できることの協力はしていくんだ、この譲歩というのは何を意味するのですか。「協力」、これはどういうことを意味するのですか。
○田名部国務大臣 総理の発言でありますので、余り細かいことを詰められてもお答えしかねますが、「相互の協力による解決」というのは、農業全般についての考え方を申し上げたのではないだろうか、こう思います。 しかし、米については、このような状況の中で国会決議をと、こう申し上げておるわけでありますから、それ以上に私から総理の言葉を、あるいは感情を申し上げることは不可能でありますが、ただ、自民党と政府との懇談会、この席では、明確にこのことは一つも従来と変更がありませんということを申し上げておりますので、そのように私は理解をいたしております。
○藤田(ス)委員 今国民が心配していることは、まさにその協力とか譲歩とかいう言葉が飛び出してくるから大変心配をしているわけです。私どもも、総理がその国会決議に所信であえて触れられないというのは、ウルグアイ・ラウンドの落としどころを考えているからではないか、こういうふうに思わざるを得ないわけであります。 先ほどから大臣は何度も国会決議ということを言っていらっしゃいますけれども、三度の国会決議はそれぞれ性質が違いますよね。八八年の国会決議というのは、RMAが日本の米需要量の一〇%の米輸入を求めて通商法三〇一条提訴をしたのを受けてなされたもので、その決議に「今般伝えられる米国内の我が国に対する自由化の要求の動きは、極めて遺憾であり、認められない。」と述べておりますように、このような部分開放についてはきっぱりとだめだという国会の意思を明らかにしたわけであります。 すなわち、米の国会決議は、部分自由化を含めて米の輸入自由化はだめだ、部分自由化も含めてだめだということを言っています。ウルグアイ・ラウンドでの米の譲歩は、国会決議に基づいて政府が対応するのであれば、一切あり得ない。相互譲歩を口にする宮澤総理が国会決議を所信で触れない理由も、私はそこにあるんではなかろうかと、あえて重ねて申し上げますが、しかしながら国会決議が厳然としてあるわけですから、この際、宮澤内閣として米の部分自由化さえも認めない、そういう立場をはっきりとしていただきたいわけであります。
○田名部国務大臣 これまでの基本的方針のもとでというところをもっと詳しく申し上げればよかったんだろうと思いますが、まあしかし、これで全部を申し上げていることになるわけでありまして、私がこうして本会議場、予算委員会そしてきょうの委員会で明確に申し上げておりますので、ひとつこれからも国会決議を体して全力を挙げて交渉をいたしておる、そのことをもって御理解をいただきたい、こう思います。
○藤田(ス)委員 はっきりと、私の質問に対して答えていただきたいわけです。米の部分自由化さえも認めないという立場をもう一度聞かせてほしいわけです。
○田名部国務大臣 そのとおり決意をして取り組んでおります。
○藤田(ス)委員 きょうは、ダンケル議長が作業文書を示された、四十ページにわたる膨大なものである、その中には国境措置、国内支持、輸出補助金、各分野ごとに構成されたものになっている、焦点の国境措置については、米など禁輸もしくは輸入数量を制限している品目について、すべての非関税障壁を関税化すると明記されている、こういうことが伝えられています。一方、問題の輸出補助金の方はどうかというと、これの方は削減の率、期間、基準年次など、数字にかかわる部分は空白になっている。私は、本当に随分ひどいものだなというふうにこのニュースを聞いて受けとめました。しかも、伝えられるところでは、アメリカ、ECは農業交渉で何ら突破口を見出せなかった、三日間にわたる協議に加わった高官がそういうふうに語っだということも伝えられているわけです。 私は、この作業文書なるものに対する政府の対応ということをここでもう一度お伺いしておきたいと思います。同時に、今後のスケジュールも聞かせてください。
○川合政府委員 今お話しのペーパーは、議論の素材として配付されたものでございます。私どもは、この配付された資料についての議論に参加するにつきましては、これまでの基本方針に立ちまして臨んでまいる所存でございます。 なお、スケジュールにつきましては、本日までの日程は決まっておりますけれども、来週以降の日程は決まっておりません。
○藤田(ス)委員 アメリカもECも、アメリカは来年大統領選挙がございます。ECは共通農業政策の改革とその国内事情で、ウルグアイ・ラウンドの決着に前向きであることは事実です。しかし、その決着の仕方というのは、双方痛みのないやり方、ECにすれば国内支持の引き下げがなされれば輸出補助金の削減もなされる、多少の輸出補助金の引き下げというのは、そういう枠内であれば可能だ。アメリカの方にすれば、彼らはみずからの輸出補助金である不足払いやマーケティンクローンについても輸出補助金ではない、こういう言い方もしているわけです。さらに言えば、アメリカの政府は、アメリカ議会がガットを批准しないのと同様に、輸出補助金やウエーバーの廃止について認めるわけがないとたかをくくっている面もあるわけで、双方に痛みのない合意は十分あり得るわけであります。 したがって、私は、宮澤さんが言われるような、アメリカやECが譲歩すれば日本も譲歩するというようなスタンス、また農水省自身も、アメリカやECが譲歩しない限り日本も譲歩しないというスタンスをとってこられたと思いますが、そういう姿勢こそまさに撤回をすべきではないかというふうに考えるわけです。 自由化に対しては、決して生産者だけが反対しているんじゃないのです。総理府の調査では七三・二%の人が反対だと答え、調査のたびにその比率は高まってきています。全国の都道府県の九五%に当たる四十五道府県、全市町村の八六%に当たる議会が米の輸入自由化反対の決議を行っています。まさに全国民の声なんです。 このように農産物の自由化に反対する声というのは世界的にも大きく広がっていて、世界の主な消費者団体のほとんどが加盟しております国際消費者機構が主催した、ことしの七月に開催されました第十三回世界消費者大会においてでも、それまで十二回までは自由貿易こそ消費者の利益につながるのだという考え方を持っていました。しかし、ことしの消費者大会では百八十度それが変わりまして、適切な質の基礎的な食糧を十分確保することはすべての人間にとって不可欠であり、その入手の保障は消費者の基本的な権利の一つである、消費者の権利だということで決議をし、農産物の国内自給が強調されているわけであります。 私は、それは当然だと思うのです。国際稲作研究所が、三十年以内に米の六〇%の増産がないと飢餓が生じてくる、こういうことを警告したことがありますが、日本は孤立するどころか、日本が基礎的な食糧は絶対に譲れないんだと言う態度こそ、まさに世界の世論の先頭に立つこと、世論にこたえるということであります。 私どもは以前から、ガットは裁判所ではないんだ、ドンケル事務局長も、ガットは加盟国の契約であって、解釈の主権はそのそれぞれの国にあるんだ、こういうことを言ったことがあります。私たちは、したがって、その国にとって受け入れられない問題は拒否できるし、過去にアメリカ自身がガットの裁定を拒否したこともある、そういう点では、米をガットの協議から外すことを主張してきました。 ウルグアイ・ラウンドの成功の名のもとに、国民も反対し世界の消費者も輸入自由化政策に反対をしている中で、日本は三度にわたる国会決議もあり、農業の現状、米の国土保全の役割、言えば切りがないほどの重要な役割を果たしている米については、関税化はもちろんですが、部分自由化さえもできないのだと堂々と主張していく、それが認められなければ合意をしない、そういう断固とした姿勢が求められていると思いますが、私はもう一度、大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
○田名部国務大臣 今お話しのようなことでありますので、私も一生懸命頑張っているわけであります。 そもそも、地球的な規模で開発途上国の人口がどんどんふえていっている、一体この食糧問題をどうするのかということも再三申し上げておるわけであります。したがいまして、国内産で自給するというこの基本方針のもとで対処しているのが我が国の立場でありますから、国際的にも、消費者団体がそうであればなおさらのこと、日本の主張というものを認めていただかなければならぬ、このように思っております。
○藤田(ス)委員 次に、同じウルグアイ・ラウンドで検討されておりますブッシュ大統領から提案された、貿易に影響する食品安全基準の国際標準化、ハーモナイゼーションの問題についてお伺いをいたします。 この問題は十一月十五日の全国消費者大会でも問題にされ、今、米問題とともに消費者の中で大きな関心を呼んでおります。それは、国際食品規格委員会のつくった食品安全基準以外の基準をそれぞれの国が設定した場合には、それは非関税障壁だとみたしてガットから罰則を受けるという極めて驚くべき提案であると言われているからであります。 食品の安全基準というのは、その国の食生活、食文化、また人種差等々から形成されるものであります。それを世界一律の基準で決めるというのは、全く暴論としか言いようがありません。ウルグアイ・ラウンドでは、日本などがそれぞれの国の特殊性を配慮すべきであると主張していると聞きますが、確認をしたいと思います。 そもそもこのような世界統一基準を認めること自身が、現在の食品添加物の安全基準の見直しにつながっていくことは必至でありまして、国民の食生活の安全上極めて重要な問題であることは明らかであります。厚生省にお願いをしておると思いますが、このような国際統一基準を認めることは必ず禍根を残す、したがって、これには合意をするべきではないと思います。同時に、厚生省は既に三千四百品目の安全基準とこの国際食品規格委員会の安全基準との比較検討作業の予算を要求していると聞きますが、一体目的は何ですか。
○織田説明員 食品の安全性確保は、基本的には各国政府の責任であると考えております。 FAO・WHO合同食品規格委員会では、食品が国境を越えて取引される現実を踏まえまして、各国の消費者の健康を保護し、食品の公正な貿易を確保すること等を目的として食品の国際基準の策定を行っております。 我が国といたしましても、各国から輸入される食品の安全性を確保することが重要であるとの認識に立ちまして、FAO・WHO合同食品規格委員会に参加し、国際食品基準の策定に日本の考え方を反映させるよう努力してきたところでございます。 なお、各国によりまして食生活のパターンあるいは衛生状況等が異なっていることから、国際基準より厳しい措置等をとることも必要な場合があるものと考えておりまして、ガットの場でもそのように主張しておりますが、今後ともこのような観点から食品の安全性確保に努めてまいりたいと考えております。 現在予算要求しておりますものは、今申しましたように、科学的基準、あるいは日本の特性に基づいて国際基準よりも厳しい立場をとる必要があるかどうか、そういうことに関しまして、この合同食品規格と日本のこれまで持っております基準の検討を行おう、こういう目的のものであります。
○藤田(ス)委員 時間がないので大変残念ですが、私はこの問題についてはまだ後日取り上げさせてもらいますが、国際統一基準を認めるということ自身がいわば外堀を埋めるようなことになって、必ずおまえのところは基準がきつ過ぎる、それが非関税障壁になっているんだということで、基準を緩和させられていくということになり、それは国民の健康破壊につながっていくという点で非常に消費者も心配をしているし、私は、そんなことがあってはならない、だから国際統一基準なんというようなものを認めてはならないんだということをもう一度申し上げておきたいというふうに思うんです。 時間が参りましたので、最後にもう一問だけお伺いいたしますが、生産緑地法に基づく指定問題であります。 現在、生産緑地法が九月から施行されて、三大都市圏でその都市計画決定に向けて大変な状況が進行しております。 問題点の大きな一つは、農業者が営農継続を希望した場合はすべて生産緑地指定をするべきであるという点であります。関係市町村によっては農地の指定を抑える動きも伝えられているということですし、都市計画決定までの期間も短い中で、農業者に対する説明もなおざりにされてはならない、そういうようなことがあってはならないというふうに思います。十分な説明と、何よりも農業者の意向を十分尊重し、営農継続を希望した場合はすべて生産緑地指定をするという姿勢が極めて大事であります。この点では、農水省が強い要望を関係各省に伝えていただきたい。とりわけことしは台風で野菜の値が上がって、いかに近郊農地が大事かということを身につまされております。私はそういう点からも、農水省にお答えをいただきたい。建設省は市町村に十分指導するべきであると思いますが、いかがでしょうか。 問題の第二点は、相続税問題であります。都市計画決定は来年の十二月とされている一方、相続は来年の一月一日に発生した場合から、申告限度が六カ月ですから、たとえ本人が生産緑地でやると言っていても、相続対象農地が宅地と同じ評価になってしまうわけであります。この点については固定資産税の方は還付措置をすると言っている中で、この相続税については余りにも配慮がなさ過ぎる。したがって、来年度については生産緑地指定に絡む相続は申告限度を延長するなどの措置をとるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○林説明員 生産緑地の制度は、都市の中の農地の持つ緑地としての機能を評価し、これを計画的に保全しようとするものであります。 農地は営農行為が行われているということによって初めて緑地としての機能を発揮し得るという性格のものでありますので、生産緑地の指定の際には、農地所有者等の営農意欲があるものについて、その意向を確認しつつ指定されるものであります。 このような制度の性格に加えまして、最近の都市内の緑地あるいはオープンスペースの整備水準は著しく低位になっているという現状もございますので、生産緑地地区の指定に当たりましては、指定を希望する農林漁業従事者の意向を十分に尊重して、積極的に指定してまいる所存でございます。 このことにつきましては、生産緑地法の施行に当たり都市局長から各都府県あてに出しました通達の中で、農林漁業に従事している者の意向を十分に尊重することとしておりまして、この趣旨に基づきまして関係地方公共団体を指導しているところでございます。
○海野政府委員 農林省といたしましても、建設省とも十分相談の上で、耕作者の意向を十分に尊重した指定が行われるように、市町村の農地担当部局はもとより、農業委員会、農業協同組合等が耕作者の意向を十分把握した上で、都市計画担当部局と相互に密接な連携協力を図っていくというふうに指導したところでございます。
○窪野説明員 御説明いたします。 先般の三大都市圏におきます特定市の市街化区域農地につきましての相続税の納税猶予の特例の適用廃止ということになっておりますが、相続開始時において生産緑地地区内に所在する農地につきましては、引き続き特例の適用を認めることといたしております。 そして初年度における経過措置といたしまして、平成四年中に開始した相続につきましては、 相続税の申告期限または平成四年十二月三十一日のいずれか早い日までに生産緑地と位置づけられた市街化区域農地につきましては、特例の適用を認める経過措置、これを講じているところでございます。 さらに、先般の土地税制改革の一環といたしまして、土地の相続税評価の適正化を平成四年から行うこととしておりまして、その一つといたしまして、土地の相続税評価時点を、従来は前年の七月一日というものでありましたが、これをできるだけ直近に近づけるという考え方から、地価公示価格の評定日であります当年の一月一日に合わせる、こういうことにいたしております。この場合には、政府の税制調査会答申におきましても、相続税の申告期限について何らかの環境整備が必要である、こういう指摘があるところでございます。 その具体的内容につきましては、今後税制調査会において、評価の適正化に伴う相続税の負担調整のあり方とあわせて御審議いただくことになると思いますが、平成四年におきます相続税の申告期限の取り扱いについても今後検討してまいりたいと考えております。
○藤田(ス)委員 時間が参りましたので、これで終わります。ありがとうございました。
○高村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時七分散会