P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
122回国会衆議院1991/11/18

国会等の移転に関する特別委員会 第2号

発言数
25
登壇者
9
会派数
4
開催日
1991/11/18

会議録

金丸信自由民主党

○金丸委員長 これより会議を開きます。  国会等の移転に関する件につきまして調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として作家堺屋太一君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸信自由民主党

○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

金丸信自由民主党

○金丸委員長 この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ御出席をいただき、まことにありがとうございます。何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、議事の順序でございますが、最初に三十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。  それでは、堺屋参考人、お願いいたします。

堺屋太一作家

○堺屋参考人 御紹介にあずかりました堺屋太一でございます。着席のまま発言させていただきます。  本日は、国会等の移転に関する特別委員会にお招きいただきまして、まことにありがとうございます。  私は、二十数年前、昭和四十三年に「日本の地域構造」という書物を書きまして以来、この地域構造の問題、特に東京一極集中の問題につきましては種々研究を続けてまいりました。その結果、いろいろな手法がございますけれども、今や日本を新しい発展に向かわすためには、国会等の首都機能の体系的移転が不可欠だと考えております。これこそ、平成の日本が二十一世紀の繁栄を続けるために最も重要な政策の一つだろうと考えております。  首都機能移転の必要性については、今さら申し上げるまでもないほど多くの議論が行われております。東京集中の弊害につきましては、第一に、東京の土地価格の高騰、通勤距離がどんどん長くなることなど、過密過大の問題があります。今や東京は、単なる過密都市ではなしに、現代の技術、生活から見て過大な都市になっていると考えております。幸いにして目下のところ土地価格は停滞しておりますけれども、金融情勢が変わればまた騰貴する可能性は十分にあります。この結果、江本の金融政策が土地価格によって縛られるという極めて困難な状態に直面しております。今や世界の経済大国。金融大国になりました日本が、この東京の土地価格で政策の自由を失っているというのは極めて重要な問題だと思います。その観点からも一極集中を改めなければならないと思います。  逆に、第二の問題といたしまして、地方の衰退、特に地方の文化の喪失が重要な問題になっています。このため、地方の住民の方々は、未来に対して非常に不安を抱いておられます。現在、自分たちは立派な職業、企業を経営するとかお勤めをするとか農業をするとか、立派な職業をお持ちになり安定した生活と立派な住居を持っておられる方々も、息子の代には東京へ出て行くんじゃないか、そのときには大変高い値段で住宅を手当てしてやらなければならない、これが地方の人々の大変な不安になっています。息子のできがよくて偉くなればなるほど親不孝になるという、もう自動的にそうなる仕組みができてしまっている。いい子供を育てれば親元を離れるという悲劇的な現象が起こっています。そして、地方には現在文化がない、特に住民の多様性がないというのが大きな問題です。  第三番目に、日本の経済効率が著しく悪化しているという問題があります。これまで東京一極集中は、地価の高騰や地方の衰退など社会的な問題はあるけれども、経済的にはみんなが集まっているから効率がいいんだという説がございました。しかし、現代においては、これは明らかに間違いでございます。  お手元の簡単な資料の中にも書いてございますけれども、現在日本は、一人当たり国民所得は高い国になっておりまして、先進国の中でも、人口千万人以上では最高レベルに達しております。しかし、一人当たりの労働生産性を見ますと、日本はOECD、先進主要国の中で下から二番目に下がってしまいました。一番低いのがスウェーデンでございまして、その次が日本。イギリス、スペイン等、余り生産性が高いと思われていない国でも、勤労者一人当たりの生産性は日本を上回っております。フランスやアメリカ、カナダに至りましては、日本を三割も上回るほど効率がよくなっています。しかも日本は、一人当たりの労働時間が二千百五十九時間と極めて長いのです。西ドイツなどは千六百三十八時間でございますが、それに比べて非常に長時間労働をして、なおかつ一人当たりの生産性が低い。それにもかかわらず一日本が一人当たりの国民所得で高いのは、全国民に占める労働化率、働いている人の率が高い結果であります。  現在、日本の労働化率は四九%、全国民のうちの約半分が仕事を持って働いています。これが、スペインでございますと三〇%にすぎません。子供さん、専業主婦の方及び引退した老人が非常に多いのですね。それに対して、日本などは四九%が働いている。この結果、高い数字が出ています。ちなみに申し上げますと、スウェーデンは五二%でございまして、最も労働化率が高いから一人当たりの国民所得は高いのでありますが、生産性は低くなっています。やがて日本も高齢化社会が進みますと、労働化率は低下する傾向が出てまいりますから、このまま推移すれば日本の経済効率は著しく悪い国になってしまうだろうと思われます。  その一方で、日本の輸出は非常に好調でございまして、ことしも経常収支が大きな黒字になりそうだと言われておりますが、それは地方で行っている規格大量生産の工場だけが飛び切り生産性がいいのです。自動車や電気製品に代表されるようなものは非常に効率がいいのです。ところが、東京に集中しております金融業、情報業あるいは流通関係に至りましては、非常に効率が悪い。金融、手数料なども非常に高くせざるを得ないのは東京集中の悪弊でございます。  また、東京に集まっているからみんなすぐ集まれる、非常に便利がいいという説がありますが、これもどうやら間違いのようでございまして、企業全体の年間出張旅費は今や十四兆円に達しました。アメリカを上回って世界一でございます。アメリカは日本の人口の二倍あるわけなんですけれども、それでも出張旅費は日本と同じだという状態であります。いかに東京陳情が多くて非効率化しているか。本社機構が東京に集中しているために、社内の地方の工場との連絡に金がかかっている。あらゆる面から見て非常に非効率になっています。もちろん、東京における交通渋滞あるいは土地、家賃の高さ、そういったものも大きな影響を与えています。この経済的な効率の点で東京一極集中が非常に悪くなってきているという点も忘れてはならないと思います。各企業にとりましては、東京集中が現状においては、ミクロの世界では有利であります。これはあたかも路上駐車のようなもので、それぞれの人が自分の家の前に路上駐車をするのは便利ですけれども、全員がそれをすると道路全体が動かなくなる、そういうようなことに似た状態を起こしているのではないかと思います。  第四番目に、東京集中の大きな問題は、情報環境が一つに埋没していることであります。特に行政関係の方々は東京にのみお住まいでございまして、東京情報ですべてを判断する、地方の情報はなかなか入りにくいという状態を引き起こしています。地方の知事さん、市長さんあるいは政治家の方々がいろいろと実情を陳情されますけれども、それらが中央官庁に集まりましたときには、いずれも細いパイプからいろいろな地方の色彩が入ってくる、大きな中央官庁の行政視点ではこれが混合して全部灰色一色になってしまうというような実情があります。アメリカでは五十州のうちで最大の都市に州の政府、州庁がございますのはコロラド州一州でございまして、あとはことごとく小都市に置いています。その最大の理由は、行政官僚が一都市の情報環境に埋没しないこと、これが重要な条件になっております。きのうの新聞に出ておりましたけれども、フランスも行政学院という、フランスでは最高に権威のある大学ですが、これをストラスブールに移転するという話が出ておりましたけれども、この情報が重要になってくるとぎに、一地方、一都市の情報環境に埋没する結果、行政や文化の多様性が失われるということは、将来の創造力を発展させる上で極めて大きなマイナスになろうかと思います。その意味で、政治行政機構が東京の情報環境から独立した、全国を中立的に見られる地域に置かれることが今や極めて大切だと思います。  第五の問題としては、よく指摘されることですが、災害時の被害が非常に大きいということです。地震等の災害の場合、被害が第一次被害から第四次被害まで区分して言われております。第一次被害とは、ぐらっと地震が来て建物が倒れる、その下敷きになる、そういうような被害であります。第二次被害は、それによって発生する火災等の被害であります。従来、この第一次被害、第二次被害についてはかなり研究もされ、議論もされてまいりました。しかし、大都市における大きな被害、それをはるかに上回る大きな被害は第三次被害であります。第三次被害と申しますのは、エネルギーや水、食糧等の供給がとまることによりまして、その町の生活が破壊されることをいいます。  私は、昭和三十九年の新潟地震のときに通産省工業用水課におりまして、この再建に現地へ行ったのでございますけれども、当時の新潟程度の規模でございますと、全国の消防ホースを集めまして、水道の来ているところから町じゅうに並べてつじつじで供給するというような方法で約十日間しのぐことができました。東京の場合には、これは全く不可能でございまして、もし水道が破壊されるようなことになりますと非常に大きな問題になります。関東大震災のときには、東京の当時の区部は今よりもずっと狭かったのでありますが、その中で十万本の井戸がございました。したがって、飲み水供給は確保できたのでありますけれども、現在は千本もございませんから、たちまち困難になる。しかも建物の構造も変わって、水洗便所等必要なものが多くなりました。電力、ガスが停止したときの第三次被害は深刻なものになると思います。  さらに大きな問題は、第四次被害と言われるものであります。第四次被害といいますのは、一つの地域が機能を停止したときに、全国的な経済、文化、情報のバランスが崩れることを申します。現在の日本の構造でございますと、東京に被害が出て担当官僚あるいは各企業の緊急職員の出勤が困難になったといたしますと、このバックアップ、これを復興するための司令塔がございませんので非常な困難に陥るでしょう。これを分散しておきますと、非常に被害が軽減されるという大きな効果があります。大体都市の規模の四乗に比例して第四次被害が出ると言われております。例えば、普賢岳が不幸な災害に見舞われておりますが、あれが東京であったらどれぐらいの被害が全国に及ぶか、これはもう国際金融市場を大混乱に陥れるような問題になるでしょう。そのとき、混乱した東京の中にある行政機構がこれを救済するということは極めて困難であります。したがって、分散しておく、政治行政機構が別にあって司令塔ができている、バックアップができているということは、大きな効果があると思います。  以上の観点から見て、東京一極集中を防止し、首都機能を移転することは極めて重要な問題になっていると思います。  一方、首都機能の体系的移転の効果でございますけれども、東京集中問題を抜本的に解決し、二十一世紀にも繁栄した日本をつくるためには、首都機能の体系的移転以外にはあり得ないと私は考えております。  さまざまな話が、提案があります。  例えば、東京を大規模に改造して一極集中に耐える大都市にすべきだという、いわゆる改都論というのがございますが、これは現実的には全く不可能であります。  私は、東京都の委員会の委員長をしていたことがあるのですけれども、このとき、東京都という組織のイメージ、いわゆるシティーアイデンティティーをつくってくれという話がございました。その中に、東京都の職員の方々が希望されたテーマといたしまして、「迅速な行政」というのがあったのです。迅速な行政の例を挙げてくれと言ったら、幾つか書いてこられた中に、新宿通りをわずか二十四年で広げた迅速さというのが出ております。これが戦後の記録だそうなんでありますけれども、大体今、東京で一本の道路を広げるには、かなり早くやって五十年かかるという形になっています。現に行われている虎ノ門通りであるとか桜田通りであるとかいうのは、三十数年、四十年かかってまだ五割、物によっては着工すらできないという状態でありまして、少なくとも東京の改造には百兆円以上の金と五十年以上の時間がかかる。その間にまた集中が起こりますから、これは全く解決にならないでしょう。  また、展都案と申しまして、首都圏の周辺にいろいろな機能をばらまくという議論があります。埼玉県、千葉県、神奈川県等に機能をばらまくというのがありますが、これが行われますと、かえってその間を大勢の人が行き来しなければならなくなりますので、大変効率が悪くてそのための費用もかかるし、施設も大変費用がかかる、建設費用がかかることになります。そういう意味でこれは余り効果がありません。  それから、一つ一つの官庁を分散するという案もありますが、これはイギリスで一部やっておりまして、イギリスの環境庁はウェールズに移転するとか、現在、既に中央官庁の二五%がロンドン圏外に立地しております。しかし、日本でこれを行いますと、国会等の審議に全国から集まってくるとか、一つの工場を建てるのに許認可に全国を歩かなければならないとか、そういう意味で行政機関をばらばらにするのにはかなり疑問を感じざるを得ません。  それに比べまして、集中的移転、国会とそれに関係する国政分野の行政機構を移転することは極めて効率的、財政的にも非常に安上がりで、期間的にも非常に早くて現実的な可能性があると思います。そして、それを行いますと、東京はさらにいい都市になって、日本じゅうが繁栄すると思います。まず、首都機能の移転が本格的に動き出せば直ちに予測効果が働きまして、東京への仮需要が減少いたします。これによって供給される住宅やビルの量は非常に大きなものになると思います。  現在、東京は事務所ビルが満杯だとよく言われるのでありますけれども、実際問題といたしまして、あいているビルの量、住宅の量はかなり大きいようであります。不動産協会などの調べは、現在あるビルのうちで今借家人を、新たなテナントを探している率を掛けておりまして、これは一%とか、最近かなり上がっておりますけれども、低いと言われておりますが、実際には、使われていない、貸しにも出していないうちの会社もやがて事務所が大きくなるだろうからワンフロアはあいたままで置いておこう、うちの息子が結婚すれば東京に住むかもしれないから、家を買ったままで貸しもしないで置いておこう、この仮需要が約一〇%と見られております。消防庁などで、火元責任者などで調べた抜き取りサンプル、これは正確ではございませんけれども、感触からいうと一〇%ぐらいが仮需要だ。これがどんどんとふえることによって東京への需要が集中します。ところが、首都機能が十五年ないし二十年先に移転するのだということになりますと、東京のみがどんどん拡張するという意識がなくなりますから、この仮需要の防止に直ちに役に立つ、即効性のある対策だと思います。  第二番目に、東京の問題は、現在三千万人の人がいることが課題であるということもありますが、同時に集中速度が速いことです。これまでの東京議論を振り返りますと、集中がどんどん進む、したがって住宅を供給してくれ、事務所ビル、商店を供給してくれという要求が非常に強くて、都市計画が間に合わないのです。よく西ドイツのBプランなどと比較されるのですが、西ドイツのBプランがうまくいっておりますのは、例えばその代表例になっておりますケルンという町は、一年間に人口が三千人ぐらいしかふえません。これくらいの発展テンポでありますと、時間をかけて都市計画をやって、インフラストラクチャーを整備してビルを建てて住宅を建てても間に合うのでありますが、東京圏のように十万人、二十万人の規模でどっと入ってきますと、この人たちの住宅を供給するために計画を立てている暇がない、この発展テンポが問題であります。首都機能の移転が決定いたしますと、東京への集中が関西圏もしくは名古屋圏ぐらいの比率になりますから、十分な計画で対応できるという非常に大きな利点があります。  第三番目に、日本のように経済が豊かで技術が進んだ国がこの体系的な移転を行うとなりますと、世界じゅうの英知が日本に集まってまいります。日本でこういう技術を使ったらどうだ、こういうような素材がある、あらゆる国々から提案がございます。都市技術というのは、今後発展途上国の人口爆発に備えまして極めて重要な未来技術でございます。これを日本が持ち得る、これは情報収集ではなかなかできないことでありまして、やはり情報というのは、それを買ってやるという経済的な裏づけがないと集まりません。そういたしますと、現実的な手法として、日本が技術集積をし、これから重要になる、今までは軍事技術というのが一つの国際的なメルクマールになっておりましたが、それにかわる平和的な都市技術、未来を発展させる都市技術を日本が最大限に収集できる効果が非常に大きいと思います。  第四番目には、各行政機関が新しい機構と組織を真剣に考えるということであります。後に具体的な手法として申し上げますけれども、現在官庁は、明治以来、昭和の終戦のときに多少の変更はありましたが、大体同じ形の行政を踏襲しておりまして、必ずしも今日の情勢に一致していない部分もなきにしもあらずであります。しかし、現状においてはこれを改めようという内部の必要性がありません。組織を活性化するためには、常に組織に対して揺らぎを与えなければならないと言われますが、この物理的な移転を行うということになりますと、どういう分野を移転すべきであるか、どういう分野は地方自治体に譲るべきか、どういう分野は地方支分局、財務局とか通産局とかに置くべきか、真剣な議論が内部から起こってくる。これがなければ、なかなか日本の行政の近代化は進められないのではないかと思います。そういうきっかけとして、移転するのは先でございましても、それを各官庁が真剣に議論していただけるという効果があると思います。  第五番目に、新しい首都機能の所在地が誕生いたしますれば、情報発信機能が多元化いたしまして、文化の多様性が回復し、世界に誇る新日本型生活様式、いわばニュー・ジャパニーズ・ライフというものが生まれるでございましょう。この点は特に重要でございまして、我々は今、経済の進んだ国、経済大国と言っておりますけれども、世界の国々に日本人のライフスタイルとして誇れるものを持ち合わせておりません。イギリスが世界を支配する、世界に影響力を発揮いたしました十九世紀の後半から二十世紀の初めにかけては、ブリティッシュ・ウエー・オブ・ライフという、午後には紅茶を飲み、クリケットを楽しみ、競馬を見、スポーツを行うあのイギリス生活というのがアジアの人々にもアフリカの人々にもあこがれられたのです。だから、イギリスは先進国として比較的抵抗なく受け入れられました。  アメリカが二十世紀の中ごろに世界で最も豊かな国になったときには、アメリカンライフこそアメリカ文化の中心でありました。自動車を使い、ホットドッグを食べ、ジャズを楽しみ、陽気なアメリカ生活というものがやはりアジア・アフリカの人々のあこがれでありました。私たちも若いころはアメリカンライフにあこがれたものであります。  ところが、今、東南アジアの方々あるいはアフリカの方々に、日本の生活に見習い、そのために日本的な政治、日本的な行政、日本的な産業を興せと言えるものが何もないのです。君たちは通勤時間二時間ぐらい満員電車に揺られて、三LDKのマンションを買うことを人生の目標とすべきだと自信を持っては言えないんですね。したがって、彼らは、日本がどう言っても、日本に見習うことが自分たちの幸せにつながるとは思いません。これが、日本が成長すれば成長するほど国際的な摩擦を大きくしている原因であります。もちろん日本人自身としても、豊かな生活が実感できない大きな問題が存在しております。  そういう意味で、新しい都市をつくり、そこに日本的な理想をつくる、またそれによって東京の拡大速度を低下させまして、東京にも新しい都市生活をつくっていく、そういう余裕を生むことが非常に大切だと思います。  最後に、大災害のときのバックアップ機能、特に先ほど申しました第四次被害を小さくし、復興機能を迅速にするという意味でも、これは大きな役割を果たすと思います。  これらのことはすべてアナウンス効果がございますから、すぐそれが実現に向かっていく、この点が非常に重要なことで、首都機能移転といいますと、二十年も先の迂遠な話に思われるかもしれませんが、現実には直ちにこれがアナウンス効果で伝わってくる。これが地域構造、都市問題の最も重要な特徴であります。地下鉄が一本つくというだけで、もう完成が十年先でも、すぐその付近に開発が始まるわけでありますから、国家が明確にこの点を打ち出せば、日本の問題の大半が解決するのではないかという気がいたします。  ところで、この首都機能につきまして最大の問題は、これを実現する手法が今明確でないということです。首都機能移転の困難さは、財政問題でも土地問題でもありません。これらはよくよく考えますと、非常に容易な問題であります。  問題は、まず第一に、国民の間にその実現性が信じられていないことであります。第二番目は、前例がなくて手法がわからない、どこから手をつけていっていいかわからないということであります。  昨年、国会決議をしていただきまして、国会が移転する、これは大変大きな意思決定であったのですけれども、本当に国民がどの程度それを実現あるものとして信じているかと考えますと、極端なことを言えば、半信半疑ならいいのですが、一億九疑ではないか。信じるのが一で、疑うのが九ぐらいではないか。最近ようやく、国会決議をしていただいたので三信七疑ぐらいになったかなという感じでありますが、これが半信半疑まで行きますと、あらゆる民間企業から提案が出てきて急速に盛り上がるだろうと思います。  第二番目に、手法の問題でございまして、何度も首都機能移転については言い出されたことがあるのでございますけれども、実現の手法がないので現状調査でいつもとどまっております。特に本日は、これを実現するためのプログラムについてお話ししたいと思います。  まず第一は、基本プログラムを作成するということであります。  マスタープランの作成ということはよく言われます。日本は建設投資が盛んでございますので、マスタープランという発想はあるのですが、マスタープログラムという、もっと根底の問題が欠如しておりました。したがいまして、まず基本プログラム、マスタープログラムを策定すべきだと思います。首都機能の移転は重大な大事業でございますので、物理的な場所や配置に入る前に、その手順、手続、手法を定め、目標日程を設定する基本プログラムを策定することが大事だと思います。  その中には、まず新行政機能、政治行政機能を移転する都市の性格を明確にすべきだ。どんな性格にするのか。例えば政治、行政に特化した都市にする。そこには最高裁判所等の司法機能はどうするのか、日本銀行以下の金融機能はどうするのか。私の考えでは、さしあたりは、少なくとも発足してから十年、二十年は政治行政機能に特化した都市でいいのではないかと思っておりますが、この都市機能の性格を明確にすることであります。  第二番目には、おおよその目標年次、例えば国会移転を完了する年、二〇一〇年とか二〇〇五年とか、そういう目標年次を定めることであります。  そして三番目には、その年までに移転する行政機能の比率、どの程度のものを持っていくのか。都市は発展するものですから直ちに全部できるわけではありません。例えばイギリスがやっておりますように、本省職員の五割程度を目途とするとか、その程度の目標値を定めるべきであります。  そして、この年までに移転する行政機能の比率を定めました後で、その後の予定を組んでいくわけです。それで、それに至るまでの段階を定める。例えば、場所の決定は何年までに行う、それから着工目標年次は何年ごろとする、こういうような基本プログラムをつくります。  そしてその後の移転速度、例えば国会が移転されてから何年後にはどれぐらいまで持っていくとか、こういうような手法が必要だと思います。  そして、これらを実現するための方法論を決定する必要があります。例えば国会と政府にそれぞれ審議会を設けて場所を決めるであるとか、あるいは各省に、最初に移転する機能の検討をするための省内研究会を発足させるとか、そういった手法をまず定める。これは大問題でございますので、いささかも疑念があってはならないと思います。特定の業界、利害で決まったと言われることの絶対ないように明確な手法を最初に決めておく必要があります。場所の決め方は、こういうような基準でこういうような人たちがこういう段階を経て行う。だから、まず基準を決める人と最後の決定をする人とは審議会の場所も変えるとか、いろいろそういう手続法を明確にしておく必要があると思います。これは決して難しいことではございません。むしろ難しい問題をその後に送るわけですが、明確な手法が決定していることが国民の支持を得ることだと思います。  これまで、ワシントンがアメリカの首都となりましてから、幾多の首都移転が行われました。そのいずれもが、まず移転するという意思決定を明確にし、次に手法を明確にして、そして最後に場所を選んだのです。オーストラリアがキャンベラをつくりましたのは比較的最近でありますが、最初に移転を決定し、それから手法を定め、そしてその場所はメルボルンとシドニーの間と、かなり広範なものをだんだんと詰めてきて、最後は双方を二つの候補地の支持者の議員がサーベルで決闘した写真まで載っておりますけれども、そういうぐあいに条件をだんだん詰めて、全国民的合意を得られるような手法を明確にすることが必要だと思います。  第二番目には、首都機能移転調査機構というようなものを設立いたしまして、首都機能の移転には多様にして困難な問題がたくさんあります、場所の決め方、規模の決め方、財政の問題、既存法令との調整の問題、具体的プログラムの問題などいろいろありますが、これをやはり研究したものを蓄積していかなければなりません。現在の官僚機構でございますと、人事が非常に異動が多いものでございますから、十五年ないし二十年かかるようなものをずっと継続的にやっていく形にはなっておりません。したがって、前に調査したことをまた調査する、そして調査で終わってまた始まるというやり方が非常に多いですね。したがいまして、この手法を政治の立場からマスタープログラムをつくっていただきまして、それに基づいて首都機能移転調査機構というようなものを設立して、ここにノーハウを蓄積していくということが必要なのではないかと考えております。これができますと、その中でいろいろと基礎資料を集め、世界の英知を蓄積していくというようなことになるでしょう。現在、ちょっと大きな事業を行いますときには、民間企業でもまず調査会社をつくって、それをやがて事業会社に転換するという手法がよくとられておりますが、この問題も、いきなり事業会社に持ち込むよりは、むしろそういう調査機能を早急に、これなら早急にできますから、早急に設立して、それによって全国民的な同意を取りつけていく、国民に信じてもらう、そういうような手法が必要だと思います。ここでは三年程度を目途といたしまして問題点を洗い出し、その解決手法のプログラム、財政問題、既存法令との調整問題、具体的なプログラムなどを検討していただければいいのではないかと思っております。  最後に、以上のようなことを含めまして、この国会で、首都機能といいますか国会等の機能を移転する基本法というべきものを設立していただく、設置していただくのが第一段階ではないかと思っております。国民全体に首都機能移転が行われることを周知させ、信じてもらうというために、まず場所とか規模とかいうようなことの前に基本法を定めて、こういうような手続でこの程度の年次を目標にして調査研究をして、そして実現していくんだ、それについては、こういう機関をつくり、こういうような場所で検討していく、こういう基本法をまず定めまして、そして具体的な問題は、調査研究が進み、合意ができた段階でそれぞれ決定していく、まずこの首都機能移転基本法ともいうようなものを国会で制定をしていただきまして、これには上記の基本プログラム、手法と日程、そして首都機能移転調査機構の設置、それに対する財政的な援助、これは調査でございますからそんな大きな金額ではございませんけれども、そういうものを組み込んでいく。そういたしますと、全国民がそのつもりになって真剣にこれを検討していろいろな提案が出てくる、世界じゅうからも提案が出てくる、非常な勢いで盛り上がっていくのではないかと考えております。  この問題の重要性、必要性はいろいろな方々から言われておりますが、特にこの前進さすための具体的な手法として私の考え方をつけ加えさせていただきました。どうもありがとうございました。(拍手)

金丸信自由民主党

○金丸委員長 ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。     —————————————

金丸信自由民主党

○金丸委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  この際、委員各位に一言申し上げます。  質疑につきましては、時間が限られておりますので、委員各位の特段の御協力をお願いいたします。  なお、委員長の許可を得て御発言をお願いいたします。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 堺屋先生のお話にも参考資料にも出ているのですが、地方の実情に合った行政や文化の多様性という視点を示されておりますけれども、この点で私が考える基本的な問題は、何といっても現在、国の官僚機構が余りにも膨らみ過ぎてきてしまっている。したがって、そういうものを地方分権の精神に基づいて、地方の特性に基づいて事務、事業の移管を思い切りやっていくということが先生のおっしゃることに通じるのではないかというふうに思うわけです。つまり、国の機構というものを思い切って身軽にしていくということが並行的にあるいは結合して行われないと、この移転問題の本質は変わってこないんじゃないかという気がいたしているのですが、その点についてのお考えをお聞きしたい。  もう一点は、いろいろな移転問題が出ていますけれども、現実には東京の臨海部開発、現に行われているわけで、先生も御承知のとおり、夜間人口で六万人以上、就業人口で十一万人以上という、そこへ鉄道が乗り入れる、車が乗り入れるということになりますので、文字どおり大変な事態になるのじゃないか。東京の都民の自動車の保有台数を見てみますと、大体年間で十五万台から二十万台ふえているわけです。そういうことをあわせ、あるいは各県からの流入ということを考えてみますと、この臨海部開発によって道路あるいは鉄道というようなものが全くパンクしてしまうのではないかというふうに私は考えるわけですが、その点の御見解を。  もう一点は、何といっても東京の環境が非常に悪くなっておりまして、地震や災害に対しても対応できない。鉄とコンクリートの町になってしまっている。そういう中で、二十三区内の都民一人当たりの公園面積を見てみますと二・三一平米、これは東京都の全体の平均から見ましても、世界各国どこにもこんな町はないわけでして、私は常々、町中公園をつくる必要がある、二十三区の町の中にそれぞれ公園、広場をつくって、そして少しでも緑をふやし、また一時避難場所あるいはお年寄りや子供が憩える場所というようなことで、そういう環境もやはり三番目に考えていく必要があるんじゃないかというふうに思います。  移転の問題に直接つながるかどうかわかりませんが、先生の御見解をお聞きしたい。

堺屋太一作家

○堺屋参考人 お答えさせていただきます。  まず第一の地方への分権、分散、権限委譲の問題でございますが、私もこれは本当に進めるべきだと考えております。  しかし、現実を見ますと全く逆になっております。私も通産省に二十年ほどおりましたけれども、各地方支分局、通産局とか財務局とかにあった権限が物すごい勢いで東京一極集中したのです。それはこの二十年間に起こっております。形式的には都道府県に権限を委譲いたしましたものの、事前協議という名で余り実効を上げていないという例が少なくありません。例えば、都市計画決定は県知事の権限になりましたが、事前協議という形で従来と事実上ほとんど変わらないほど往復が激しくなっております。  これはなぜかということをいろいろと考えますと、やはり日本の行政機構が東京一極に集中していることと大変関係があります。特にこの十数年前から、地方に移転する官僚がほとんど単身赴任になってしまいまして、地方での生活的感覚を持たない人がふえてまいりました。それに伴って全国一律の行政が行われるということで、地方に権限を分散してもどうしても形骸化するという問題が出ております。     〔委員長退席、村田(敬)委員長代理着席〕  例えば、私は沖縄開発庁の初代那覇事務所通産部企画調整課長をしたのですが、復帰のときは、まだ沖縄については特別だから現地で判断し処理すべしということが非常に多かったのでありますが、現在ではほとんどすべて東京に来なければならなくなりました。現実の問題として、これだけ多くの方々が地方分散を叫んでいるのに、実態はどんどん中央集中になっている、このことを考えますと、ただ地方分散を進めると言っても非常に困難ではないかと思います。  ところが、首都機能を移転するということになりますと、国会が移転しだ最初のときには、少なくとも、どの部分を国会と一緒に移転し、どの部分を移転しないかという議論を各省真剣に考えなければいけません、全員のマンションが一遍にできるわけではございませんから。そうすると、今何とはなしに政策部門から業界指導部門、発注部門まで一つの局でやっているのをどこかで切ろうということになりますから、この地方分散の実を上げるのには、この政治行政機能の移転という契機が絶対に不可欠だと考えております。これは現に見ていただくと、この二十年間あるいはこの十年間でさえもどれほど集中しているかというのを見れば非常によくわかると思うのです。テクノポリスなども通産省がやりました。ところが、テクノポリスにつくられた研究所は実験所になりまして、単身赴任の人しか行きません。なぜかというと、やはりことごとぐ東京の情報圏の中に集中したがる、個人的な期待もそれに含まれていると思います。その意味から、ぜひ日本に情報発信機能を持った東京以外の町が必要だと考えております。  第二番目の臨海部の問題でございますが、私は、東京に機能が集中している限り物理的な箱を抑えても意味がないと考えております。例えばこの臨海部を住宅にしろという話がございます。私もこれの委員会に呼ばれたことがございまして、事務所ビルをやめて住宅をふやせということを盛んに申し上げたのでございますが、都市計画上いろいろと問題がございまして、そうもいかないというのが東京都庁の見解でありましたけれども、仮に住宅をつくったといたしますと、事務所ビルの需要があれば、住宅が事務所に使われることになります。現在、東京都内のマンションの数万戸が事務所に使われております。多く言う人は十万戸くらい事務所に使われている。結局、事務所を抑えて住宅をつくるということは、使いにくい事務所をつくっている結果になっているのです。  したがって、どうしても機能を分散しなければ、機能を東京に集めておいて箱だけ抑えるというのは余り積極的な効果をあらわさない、したがって首都機能は移転するんだよという、東京以外は成長しないで東京に全部集まるんだという神話をどこかで打ち切ることが重要だと思います。その意味で私は、臨海開発もさることながら、それよりも早く首都機能の移転ということが国策として位置づけられてくれば、この問題も大幅に解決するのではないかと思っております。  最後の環境問題でございますけれども、確かに東京の環境は必ずしもよくありません。それにもかかわらず、大勢の人が東京へ来たがります。特に、最近では七十歳以上の高齢者の方々が東京に集まる傾向が非常にふえてまいりました。仕事がなくなれば、住むのは東京だというんですね。これは、やはり地方の文化が多様性がないということと関係があると思うのです。その東京の環境が悪いのは非常に悲惨な問題でございますが、首都機能が移転いたしますと、それに伴いましてかなりの空地ができてまいります。その中で、公務員宿舎のような、住宅地にあるものは住宅地として転用する。官公庁の跡でありますとかそれに伴います研修施設その他は、東京の環境をよくするのに非常に効果があるでしょう。また、それを替え地として持っておりますと、道路建設とかそういうときにも非常に役に立つ。大公使館だけが全部出ていきましただけでも、これを公有地にいたしますと、大変いい場所に多くの土地がありますから、これをそのまま使ってもよろしいし、これを替え地としてどこかを計画どおりつくるといっても、非常な前進があると思うんですね。そういう意味で、首都移転は非常に効果が高いと思います。  ちなみに言いますと、現在の公務員宿舎だけでも、新住宅を全移転職員、公務員に平均百平米、平均百平米といいますと、独身者もおりますから、家族持ちの方々には百二十五平米ぐらい与えられるのでありますが、それくらいのものを建てたといたしましても、現在の公務員宿舎の売却費用だけですべて充てられる程度になりますから、かなり東京をいい町にすることができる。これは東京都民のためにも最高の贈り物になるだろうと思います。  なお、ちなみに申しますと、先ほどちょっと言い忘れましたけれども、国会並びに中央官庁が移転いたしましても、首都としての権威と名称、これは東京に残していいのではないかと思っています。オランダは、首都機能自身はハーグにございますが、憲法によりまして首都はアムステルダムと定めておりますが、東京はやはりそういう権威のある町として繁栄を続けられるんじゃないかと思っております。

山口敏夫自由民主党

○山口(敏)委員 ちょっと目先の処方せんて恐縮なのですけれども、先ほど堺屋先生が、東京の地価の高騰を抑制するために、世界に誇る日本の金融市場が大変機能麻痺を起こしている、これはバブル等いろいろな経過もあったわけですけれども。きょうは国土庁も来ているんでしょう。いわゆる総量規制という問題で、首都移転とちょっと違いますけれども、要するに、総量規制という政策があって、これはいわゆる一定の総量の基準を設けて、それを超えているから総量規制するわけですね。  ところが、実際は総量よりはるかに下回ったところで今不動産関係の融資はとめられているわけですね。銀行か、今不動産に貸すばかはいないから、とまっているわけです。にもかかわらず、総量規制という形の政策が取り外されない。これは、一つには、それを取り外せば東京の地価がまた高騰する危険性があるという理屈と、いま一つは、率直に言えば、マスコミが批判するから、ちょっとこの際、バブル的制裁を加えているときにまだ時期尚早だ、こういうような見方とかあるわけですけれども、実態とすると、日本経済において、総量規制を取り外したときが日本の経済に非常に大きなショック現象が私は起こると思うのですね。  それは、銀行とかノンバンクが貸し出している融資の金額と担保量が逆格差が出て、実際融資した金額よりも担保に預かっている土地の値段の方が下がっているという実態が明らかになって、そこで一つのショックが起こる。しかし、そこを底値として安定したといいますか、バブルを反省したところの持続的拡大の景気を運営していかなければならない。そのためには、公定歩合ももう〇・五%ぐらい下げなければならないという経済政策をとらないと、二兆円、三兆円と言われている税収不足はもっと、あるいは四兆円近い税収不足という危険性にもなることも心配される。  そこで、国会移転とは違うのですけれども、東京の地価の抑制という問題を、目先の当面の処方せんとして、いろいろ政策的問題、矛盾を調整しながら、首都移転に至るまでの東京の地価の抑制のための具体的な処方せん、特に自由経済、市場経済、特に金融経済のメカニズムを生かしながら、そういう抑制的な政策というものはあるのかないのか、この点の先生の御見解といいますか、参考意見を聞かせていただければ大変ありがたいと思います。

堺屋太一作家

○堺屋参考人 土地というのも、基本的にはやはり需要供給の関係で値段が決まる、需要供給の関係で上昇すると思うので投機がくっついてくる、こういう関係だと思うのです。二十年ほど前に、列島改造論のときに土地が値上がりしたことがございました。このときには別荘地開発が非常に盛んでございまして、全国の土地の値段が上がったのですね。ところが、八〇年代後半のバブル経済と言われるものでは、全国の七五%の地価は値下がりをしておりました。農地も値下がりをしておりましたし、山林も値下がりをしておりました。本当に値上がりしたのは国土面積の約五%ではないか、こう言われておるのですね。それも最初は東京から始まりまして、東京に土地を持っていた人たちが金融力をつけて、それで地方の土地を買ってこれもつり上げてしまった、こういう順序になっていると思うのです。  だから、東京の土地が投機の対象にならない、つまり東京の土地が完全な需給アンバランスだと思われない、こういう政策をとっておれば、金融を緩めても土地投機が起こらないと思うのですね。二、三年前の土地のめちゃくちゃな高騰というのは、東京の土地は限界があってこれ以上供給されない、それに対して機能はどんどん集中してくるから、とにかくこれさえ持っておれば最後は売り手市場で幾らでも取れるというような発想がどこかにあったと思うのですね。したがいまして、まず首都機能自身が移転して、土地があくのは十五年ないし二十年先でも、そんなに東京に集中するもんじゃないよ、十五年たったら地方の中核都市でも国際的な仕事ができるよ、こういうことになりますと、まず激しい投機の対象でなくなると思います。  そういうことと同時に、総量規制を外しますと、やはり合理的な経済判断で行われる。今たくさん、現在の時価を上回るお金を貸してしまった金融機関にはまことに気の毒でありますけれども、やはり見方が、本人が悪かったと思うのですね。これを救済するのは、別途どうするかという方法はありますが、合理的な範囲内で土地の価格を抑えるためには、東京集中という神話が悪の根源だったと思うのです。別荘地は今度の場合そう上がりませんでした。だから、これは需要供給の関係がよくわかったと思うのですね。  したがって、日本が繁栄すれば東京だけという思想を根底から打ち消した方策、これを首都機能の移転でお考えいただくと同時に、金融は、総量規制とかそういうものじゃなしに、できるだけ市場経済に任す方に移転していくべきだ。これが同時並行的に、恐らく時期的には金融緩和の方が先でございましょうけれども、今急に、金融緩和したからまたバブルが起こると思いませんから、次のバブルが発生する以前にこの首都機能移転の問題を明確にしていただければ、日本はフリーハンドを回復して異常な土地高がなくなると思うんですね。

山口敏夫自由民主党

○山口(敏)委員 西田前長官もおられますけれども、国土庁の皆さんに、これは大蔵省が決める政策であるけれども、総量規制を撤廃すると相当、一時的には経済混乱が起こるけれども、やはり国土庁と大蔵省で十分協議して、総量規制というのは、来年の景気動向とかいろいろな今の経済の税収不足等を考えますと、一日も早く、これはもう総量を超えているところに過剰融資しているなら別だけれども、全然これは、総量をはるかに下回るところで融資しているのに何でまだその総量規制が必要なのか、こういう論議はこの委員会になじむかどうか私はわかりませんが、関係者がおりますのでぜひひとつ参考にしていただいて、早急に検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 お話を承りました。私どもは、首都を移転するという場合、国会だけ移転をして行政がそのままというわけにはいかないだろう。行政を移すということになりますと、現在の官僚機構、なかなか大変でして、これを移すのは難しいな。その場合、とすれば、今お話があったように、この中央官庁の持っております権限を思い切って地方に委譲して、そして官庁の権限をスリム化して移転しやすいようにするのがいいかな、こう思うわけなんですが、しかし今のお話を聞いたり、それからエコノミストの特集号で堺屋さんがお書きになっている文章も拝見しました。あれを見ると、むしろ中央官庁は業界団体をつくって、業界団体をつくればその業界団体は東京になきゃならぬ。そういった業界団体を通じてさまざまな指導をやっていく。さらには日米繊維交渉の際に、むしろ大阪にあった繊維会社の本社を、東京に来なきゃだめですよというような強制に近いような形をとって、現にそうやったというようなお話等を見ますと、これは権限を地方に委譲して中央官庁をスリム化するというのはなかなか難しいかな。そうしますと今のお話では、むしろスリム化するために首都を移転するということをきちっと先に決めて、そうしてそういう中で官庁がスリム化せざるを得ないような状況に追い込むということがいいとお考えですか。  それからいま一つ、今、新行革審で細川さんが中心になって権限委譲をやっておるようですが、どうも官庁がみんな抵抗して、ろくな答申ができそうもないというような報道がきょうの新聞にもありまして、まあそういうことなんだろうなと思いましたが、通産省という中央官庁におられた経験で、その辺の地方への権限委譲ということをやるためには何が肝心なのかという点があったら、ひとつお示しをいただきたいと思います。

堺屋太一作家

○堺屋参考人 官僚機構というのは常に権限を求めるのは当然でございまして、権限こそは役所の資本金でございますから、これは減資するわけにいかないというのは当然なんです。この地方に移転するという場合でございますけれども、地域構造的な意味と、それから行政的な意味とがあると思います。  地域構造的にいいますと、明治時代は中央集権でございましたが、一極集中ではございませんでした。各地方の支分局が非常に権限を持っておりまして、東北地方なら仙台にある地方局、これが相当自主判断があったわけです。今この問題として、中央官庁にあります権限を都道府県や市町村に譲るべきものと、地方支分局に譲るべきものと、それから市町村までおろすべきものと、三種類あると思うのですね。この移転に対しましては、例えば業界指導などというようなものは本来地方支分局にあったものであります。その方がいいと思うのです。それを東京一極で、本省で指導しようとするものですから、業界団体もどんどん集まってこざるを得ない。これは昭和十六年に戦時政策として決められた政策なんですね。それ以前までは非常に地方支分局の権限を大事にしておりましたし、また知事さんの権限もあった。知事は任命制という意味で中央につながっておりましたけれども、行った知事はそれぞれの地方で権限があった。こういう仕組みになっていたわけです。  この問題を考えますと、本省に集中しておくべきか、地方支分局、自治体に分散すべきかというのがまず第一なんですね。したがいまして、私の考えでは、移転したときに全部がもう瞬間的にかわれるわけでございませんから、国会等に特に関係の深い政策部門を移転させる。それ以外の窓口、業界指導であるとかあるいは入札関係であるとかあるいは規格基準の指導であるとかいうのは、地方支分局にまず第一次的に分散する。そういたしますと、東京の支分局が一番大きくなりますけれども、それでも九州の局、中国地方の局、東北地方の局にかなりの権限、判断基準が出てくる。これが判断基準を持ツてまいりますと地方の実情に合った政策ができるのではないかという気がいたします。  もう一つつけ加えますと、現在の交通通信機関はことごとく東京一極集中につくられています。したがって、東京へ行く必要がないところには飛行場がないのです。例えば福島県とか静岡県には、東京へ汽車で行けばいいというと、もう飛行場がないのです。そうすると、九州の人が福島県に行く、北海道の人が静岡県に行くのは非常に木便なんですね。ところが、現状でございますと、福島県に飛行場をつくりましても乗り手が非常に少ないんですね。新しい行政機能をつくりましてそこに飛行場をつくりますと、その福島県とそことの間に必ず一つの便ができる。したがって、本当のネットワークが完成するのです。新しい政治、行政だけの都市をつくって、業界指導までも地方に分散してしまうと、そこはブラジリアのようなおもしろみのない都市になるのではないかということをよく言われるのですけれども、幸いなことに、いろいろな予測から見まして、国会が開設された都市には二千万人ぐらいの見物人、観光客がやってまいります。これが非常に交通機関の頻度を高めてくれるわけですね。花博程度の観客は十分予想されるわけでございます。  したがって、日本のような過密で物見高くて経済の豊かなところでは、決して行政機能が陸の孤島にならない。したがって、それに相応した文化も同時に供給できるという利点があります。このことは、地域構造のネットワークという点で考えますと非常に重要なことで、それだけのお客さんがあるということは、頻度の高い交通機関を全部の県庁所在地とつなげることになりますから、かなり便利のいい都市がつくられる。したがって私は、この首都機能の移転とそれから行政機能の改革と全国地域構造のネットワーク化と、この三つが三位一体、三点セットだと考えております。

平田米男公明党・国民会議

○平田(米)委員 ちょっとお伺いします。  地方分権が必要である、そのために首都の移転をする、全部は一遍に移転できないから徐々に移転をするとなると権限の配分ということを考えなければいけない、そこの過程の中で地方分権ということが考えられるのではないかという御趣旨がと承ったわけでございます。  その場合に、今道州制というような議論があちこちで出ておるわけでございますが、今の都道府県の体制はまさに明治以来のことでございまして、実情に合わない部分もあるということですが、私もそのように感じております。やはり地方分権の中で道州制というような議論をどのようにお考えなのか、また首都移転との関係性でとらえておいでになるのか、これが一点でございます。  もう一点は、首都を移転するとしましたら、先ほど、分都も展都もよくないというお話でございました。新しく別のところに首都機能を移転するとしまして考えられるのは、全く新しいところに、何もないところに新都をつくるという手法と、ある程度都市機能を持っているところに首都機能を別途持っていって都市を拡大するといいますか、改造するということが考えられると思うのです。またさらに別の第三の道もあるかもしれませんが、それについてのお考えがありましたらお願いいたします。

堺屋太一作家

○堺屋参考人 まず道州制でございますが、私も、現在の都道府県の範囲は狭過ぎるという考えは持っておりますが、この道州制へのアプローチが、語る人によって正反対なんですね。一つは、都道府県連合のような発想の方々、もう一つは、北海道開発庁や沖縄開発庁のような上からの道州制という考え方とがございます。  私、去年だったと思いますけれども、各省の課長クラスの方々十数人、雑談の席でこの道州制のお話をいたしました。出席しておられた五つぐらいの役所の課長さんたちがほとんど全員、道州制賛成だ、けれども、問題は霞が関のどこにそんなにビルが建てられるか、九州庁も東北庁も建てるとしたら、霞が関大高層化だね、こういう話なんですね。いやそうじゃなしに、九州庁は福岡か熊本に、東北庁は盛岡か仙台に、とにかく現地に建てるんだ、いやそれは建てるよ、建てるけれども、北海道開発庁を見ても沖縄開発庁を見ても、そんなの機能しないこと決まっとるやないか、全部それは知事さんの権限を霞が関に集めることになるのは、従来の例から見て、全くそれ以外にはやっていないんだから必ずそうなるという言い方するんですね。この危険がやはり私は道州制にはあると思うのです。  道州が、例えばECのように、九州の県あるいは近畿地方の県が集まってそこから徐々に芽生えてくるものであればいいのですが、国が、例えば財務局単位とか建設局単位でつくりますと、北海道開発庁のような、あるいは沖縄開発庁のような形になりがちだという心配をいたします。したがって、首都機能の移転と同時にこれを解決いたしますと、これを政策部門、国会とかかわりの深いような政策部門は新しいところへ、そしてそれ以外は道州単位で行うから県の方も対応しろ、こういう形になりますと非常にいいんですけれども、現在のままで、東京に置いたままで道州制を実行しますと、やはりお役人も人の子でございますから、できるだけ単身赴任は避けたいという意識がございますから、みんな集まってきちゃうんですね。結局地方にあります地方事務所、例えば沖縄開発庁那覇事務所、北海道開発庁札幌事務所というのは、あれは書類受け付けの郵便局だ、何の権限もないから二重に行かにゃいかぬのだというような話になりがちなんですね。ちょっと極端に言っております。全部がそうではありませんが、なりがちなんです。  その点で、道州制の実行と首都移転というのはやはり同時並行的に研究されるべきものだ、道州制に限らず地方制度ですね、市の問題、市町村の問題もございます。地方制度は考えられるべきものだと私は思っております。  次に、既存の都市にくっつけるのがいいのか、それとも全く新しい都市をつくるのがいいのかという議論でございますけれども、私は、現在の日本では、全く都市がないところというのは逆に少ないんですね。だから、どこかの都市にはくっつくと思うのですが、それが地方中核都市ほど大きくなくていいと思っております。都市というのは、今までの都市は徒歩を前提としてできましたものですから、都心からドーナツ型に順番にこうバームクーヘンのようになっておりますが、今度つくる都市は機械動線、自動車なり鉄道なりを前提としておりますから、あるところに国会、中央官庁等の核がある、住宅地はそこから農地や山林、緑地を経て五ギロ離れていても、あるいは十キロ離れていてもほとんど妨害にならないんですね。だから、現在のように一つの都市を中核部門を中心にした同心円あるいは正方形という発想ではなしにいろんな固まり、クラスターと呼びますけれども、こういうものがあっていいんじゃないか。そのクラスターの間に既存の都市が挟まっている、あるいは既存の村落が挟まっている、農地が挟まっている、そういうのがあっていいと思います。これは関西学術都市などはそういう発想でつくられておりまして、渋滞がなければ十キロとか十五キロくらいは決して時間がかかりませんので、そういうような新しい構造を考えると、あえて大都市の周囲に置く必要はないと思っております。

木間章日本社会党・護憲共同

○木間委員 堺屋先生の方から、麻痺寸前の東京を少し風通しをよくしよう、それにはまず隗より始めようということで国会も去年特別決議をして、いろいろ先生方のお話も聞いておるわけですが、新たにつくられる首都圏、首都機能といいましょうか、そこにまた第二の東京をつくってはこれまたいけないと思いますし、そうなりますと、どの程度の規模をお考えなのかということが一つ。  それといま一つは、東京都が風通しかよくなりますと、またいろいろな形で集中が始まるだろう。私は富山出身なんですけれども、富山の進学率は大変高いのですが、それぞれ大都市の学校へ進みますが、卒業してもなかなか戻ってきません、きてくれません。そういった点では、今三千万が集中しておりますこの首都圏、一つは事業所の再配置が必要じゃないだろうか、それと高等教育機関の再配置も必要じゃないだろうか、このように考えるものですが、きょうは首都機能の問題に限って先生のお話を聞いたわけですけれども、そういった事業所の再配置なり高等教育機関の再配置についてどのようなお考えを持っておいででしょうか。

堺屋太一作家

○堺屋参考人 規模の問題につきましては、機能の問題と密接に関係しております。私は、少なくとも当初においては、国会、中央官庁が移転するときにおいては、規模はそれほど大きくない方がいいと思います。  これがまた第二の東京のようになるのじゃないか、どんどん集中するのじゃないかという心配でございますけれども、実を言いますと、歴史的に調べますと、東京一極集中が起こり出すのは戦後でございます。戦前は、東京、大阪その他の都市がバランスをしておりまして、成長率から見ても、それほど東京が極端に大きいわけではございません。横浜とか札幌とか、あるいは工業都市なんかで東京を上回る人口増加率を示していたところがたくさんあったんですね。  それが戦後になって東京一極集中が進んだのは、昭和十六年に定めました東京一極集中政策、当時の言葉で言いますと有機型地域構造の形成というのが非常に大きく影響していると思います。その中で、各業界団体を東京に集めようという政策もありました。第二番目には情報発信機能を東京に集めようといたしました。これは当時の文部省思想局というのがかなりそういう思想を強く持っておったようでありまして、例えば当時の唯一の電波機関であります日本放送協会、今のNHKでございますが、これなども、東京だけから発信するようにしろ、そうすると検閲などが便利だというようなこともあったようでございます。  そういう、政府があるということよりも、その政府がやってきたことの蓄積が非常に効果があるんですね。だから、政府機関が移転して再び同じことをしない限り、それについて産業界がどっと移転するとは考えにくいと思います。  これは必ずしも学問的に正確な統計でございませんけれども、三つぐらいのメーカーで社内情報というのをとりますと、官庁から出る情報というのは二%ぐらいなんですね。大体六割は社内のやりとりの情報が多いんですね。それからお得意さんとか商売なんというのがほとんどでございまして、官庁情報というのはそれほど多くありません。そして、その中で政策的な情報というのはごくわずか、わずかは当然でございまして、政策情報が民間にそんなに漏れていっても困るのでありますから、入札とか行政指導にかかわる情報が非常に多い。これは本来、地域支分局がやるべき行政なんですね。だから、それほど大きな移転にはならないだろうと思います。  したがって私は、発足当初は、人口にいたしまして二十万人程度、就業者にいたしまして七万人程度でいいのではないか。これは、大体ボンやキャンベラの規模であります。ボンがそれより十万人ぐらい多いのですが、これはもともとボンに住んでいた人がいての数なんで、それを除きますと二十万人程度。それで、やがてだんだん大きくなってまいりまして、地域の流通の中心になるとか、あるいはリタイアした方々がお住まいになるとかして、十年たつと三十万とかそれぐらいの規模。そこに従来おられた町の方、村落の方、これほどの程度かわかりませんが、それを除くとその程度の移転規模だろうと思います。  東京への再集中ということでございますけれども、これはあくまでも東京の持っている機能でございまして、機能がなければそう東京に来るとは限らないんですね。ある程度首都機能が移転して、すき間がてきたところに国際機能とか文化機能とか、そういうものは、やはり東京にもう少し世界じゅうの人々が自由に活動できる場があっていいと思いますけれども、これによって東京が今日以上に大集中を来して土地高騰を招くような状態にはならないと思います。ただこの場合、十分注意しておくべきなのは、首都機能の移転によってかなりの土地があきますが、これは首都機能が移転するまでには十分時間がございますから、跡利用その他につきましても時間をかけて研究をして、東京が再び過密にならない対策に使えるというようにすればいいんじゃないかと思っています。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 首都東京問題については、一極集中問題ですね。これはどこでも、立場の違いを超えて大議論になっていることはもう御承知のとおりでございますね。自然にこうなったのではないということもはっきりしておりますね。堺屋さんが昨年、この衆議院の議院運営委員会の協議会でいろいろ話されたのを私も読ませていただきました。  確かに、戦後百以上の地域開発の法律がいろいろの形で出された、これも事実だと思うんですね。そういう中で四全総なんかもその一つになる。つまり、一極集中を加速させる、こういう役割を果たしちゃうんですね。一極集中は命令ではないが、条件をつければどんどん広がってきた。それでもう飽和点に達してどうしようもなくなって、だれかがしゃべり出して、ひどい、ひどいと。振り返ることはしないで、あれこれ先のことを話すという一つの傾向もあると思うんですね。  そういう中で、今お話もあったようですし、先生の御答弁を聞きましたけれども、私は、東京の臨海副都心の開発計画というのは、結論から言うと全く無謀だと思うのです。これは御承知と思いますが、今年の春の知事選挙のときにもこれは大問題になって、そして知事選直前の都議会では予算計画が否決されるんですよね。そういうときに見直しを約束させられる。それで終わった後、結局、いろいろなことがあるのですが、一九八八年から九八年までの十カ年が計画の期間なんですね。それから予算も、最初は四兆でいくだろう、これがもう十兆なければだめだというところまでくる。それから就業人口の問題や居住者の問題、お話にあったようですけれども、一日に出入りする人の数というのは四十五万、これもまあ都が言っているものなんですね。そういう中で何を見直ししたかということになると、住宅をちょっとふやそう、三千人ぐらい余分にふえるようにしよう、こういうようなみみっちい、こそくなことをやって、ただ期間は二年延ばそう、これが一番大きいんじゃないかというようなことです。それから、就業人口も多いから七千名ぐらい減らしたらどうかというような、こういうことをやるわけですね。しかし実際問題として、金融、情報、最初の計画の機能は変えないわけです。  この問題で、確かに全体から見れば小さいかどうか、いろいろ先生も御意見があると思いますが、今どんどん進行しちゃうわけで、もう再見直しは、私は、都民の圧倒的な世論だと思うんですね。しかも最近は都市関係の学者あるいはまたいろいろ識者の中から、単なる見直しはだめだ、抜本見直しが中止せざるを得ないだろうというところまであるわけなんです。私はそういう意味で、郡市問題には大変造詣の深い堺屋さんですから、こういうのは抜本見直しをしなければだめなんた、このまま野放しで、あれよあれよというようなことを続けさせてはだめなんだという、この点はどうですか。

堺屋太一作家

○堺屋参考人 先ほども申しましたように、東京集中は建物が問題なのか機能が問題なのか、これが一番根底にあると思うのです。  例えば東京に金融機能がこの十年間著しくまたさらに集中しました。その一つは、東京証券取引所だけに許可されているという、外国株の上場とか、いろいろそういうものもあるわけです。それで、内閣では一省庁一機関地方分散なども行われました。ところがその一方では、超電導研究所は江東区ですか、バイオテクノロジー研究所は新宿区にある。それを移転したものの数倍のものを次々とつくられておるわけですね。そうなりますと、その機能に従事する人、その機能に関係する建物、会社、事務所、これはやはり不可欠なんですね。  したがって私は、建設関係の問題の前に、フランスでもやっておりますように東京への新しい機能、新しい団体の設立については、少なくとも国の予算、国の権限にかかおるものについては抑制すべきだろうと思うのです。これをやりますと、湾岸、臨海副都心をやろうとしても、入り手がなかったとしたらできないわけなんですから、やはり住宅にしようということになると思うのですね。今、一方では地方分散を言いながら、工場は確かに地方分散いたしましたけれども、他の機能については東京集中が現に進んでいる。それに対して、国も国自身の機関も、国がつくられる財団法人や公益団体も、あるいは国が補助金を出され関与しておられるようなイベントもことごとく東京へ持ってくるんですね。  フランスでは、パリに新しい機関を、国のかかわる機関を設立することに制限をしておりまして、どうしてもバリにつくらなきゃいけないと証明しない限りパリにはできない。ところが日本では、具体的に予算要求いたしますと、必ず東京につくれという結論になってしまうんですね。なぜかといいますと、東京の土地は国有地である限り、ただとみなしているんですね。これをもし土地まで買ってつくるという予算要求をしたら絶対に通らないと思うのですけれども、ここに大きな矛盾がありまして、機能の集中ということがまず第一である。  だから、この東京集中の当面の防止策といたしましては、各官庁が東京に新しいものをつくってはいけない、もしつくるとすれば現に東京圏にあるものを一つ出さなければ——よく組織のときにそうですが、事業団を一つつくるならどれかつぶせという一のがありますが、どれか一つ東京圏から出さなければ新設させない、こういうような方策をとりますと機能がとまる。機能がとまればビルもとまる。ここの関係が、建物だけをとめて機能を集中してくるとやはり住宅が足りない、建物が足りない。建物が足りない、事務所が足りないとマンションもどんどん事務所にしていくわけですね。ここに矛盾がありますので、臨海のときも大議論になったのは、住宅をどんどんつくれと言う人と、そんなことをしたら住宅が全部事務所に借りられてしまう、そこまで一体監督できるのかという議論とがありまして、だからやはり私は、確かに今の臨海には問題があると思いますけれども、機能抑制と同時にやっていただかなければいけないのじゃないかという問題意識を持っております。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 現状で見ると、部分的なことばかりやっておるという面もありますけれども、まだ進行過程で、始まったばかりなんですね。だから、でき上がってからよかったとか悪かったとか言っても、これはもう後の祭りで、ですから今、堺屋さんの御意見だというと、このまま進めていくということについては異論があるということで、きょうは理解しておきます。  問題は、この一極集中の中で、結局事後処理ですから、個別問題ばかりになるんですね。水とうしますか、とこうやる。上水道、下水道と。こういう点は何も臨海部の開発だけではなくて、一万人入るビルができました、上水道、下水道どうします、ごみどうしますかといったら、その企業が全部やらなければいけない。水源地から東京までなんかできっこないんだから、これはみんな行政にかぶせるわけですね。それにまた応じていったらバンクですよ。だから、交通問題もそうだし、ごみなんというのは、ごみだけの対策というのはできないんですよ。だから、ごみは発生源からどうして処理からどうすると体系的にやらなければ、ごみはどんどん生産させておいて何とかこれをつぶせみたいなことはだめだし、これはほかの点も、私は、そういう点で抜本的に一極集中は見ていかなければならぬ。  そこで、その次の問題でちょっとお聞きしたいと思うのは、ややもすると議論が東京の一極集中の是正イコール首都移転とか国会移転、これが万能薬みたいな形で、だれだれじゃないのですけれども、しゃべる人がいっぱいいますね。そうすると、夢みたいなことを書く人もいるし、空想ではないか、できっこないじゃないかというようなのもみんな出てくる。  そういう中で堺屋さんはかなり専門的にこれを追求され、社会経済国民会議の新都建設問題特別委員会の委員長として、これを全部読ませてもらいました。そういう上で若干のことなんですけれども、一つはこういう問題があると思うのですね。国会等、「等」というのは政府機能、行政も入ると思いますが、これを移転しても人口は減らないというのは先生よくおっしゃっているとおりなんですね。国会と中央官庁が移転してもせいぜい二十万人程度だということは、これはほかにも言っている学者もありますけれども、そういう中で、実際に減らない、むしろ入ってくるのは幾らか緩くなる、しかし徐々にふえるという傾向になると、一極集中というのはもちろん人口ばかりじゃなくていろいろなものがあるわけですから、その点は短絡的に私も考えませんが、いずれにしても、一極集中の是正というのは、短絡的にこれこれで移転ですというのは、それは正しくないと思います。  そういう中でもう一つ感ずる点は、首都移転、特に国会等政府機構、行政機構の移転という場合に、私は、現状の中でこういう点ほどうかと思うのは、国会及び政府に対する請願権、陳情の権利ですね。それからいろいろの要望、要求、交渉、こういうものは当然保障されなければならない。紙に書いて保障するのではなくて実態だと。といいますと、いろいろ出ているように、東京にはたくさんの、業者団体があると思います。中小企業も各種の団体も、本部といいますか、それは東京にある。農業関係についてもみんなあります。米の問題といっても、それは農協中央会もみんな東京に事務所がある。それから青年団その他婦人関係の組織もみんなここにあるし、障害者の各種団体の本部も東京だ。労働組合も、全国的な組織の本部はみんな東京にあるわけですね。こういう機能をどうするかというときに大事な問題は、私は、国権の最高機関である国会の機能を低めるのではなくて、国民全体を対象にするわけですから、低めるのではなくてむしろ高めていくというときになると、いろいろ検討する角度を間違うと、民主主義の根本まで影響してくるのじゃないですか、こういうふうに思いますが。

堺屋太一作家

○堺屋参考人 御指摘の点はまことに重要なポイントだと思います。ただ、現に経済・文化都市と政治都市が分かれている国、例えばアメリカがそうでございますし、西ドイツもそうでございますし、そういう国がたくさんあるのですが、国民の請願権が妨げられているとは思わないんですね。ワシントンなんかでも、ベトナムのときなどはよく反戦集会がワシントンへ集合するのです。東京に集まりました団体がこの首都機能の移転のところに政治行政にかかわる分野の支店を出さなければいけない、支所をつくらなければいけない。これは新聞社も同様でございまして、支所をつくらなければいけないということがありますが、やはり一番中心の仕事は、先ほど企業の情報について申し上げましたけれども、中心の仕事は、その業界なら業界団体の連絡調整事務、労働組合なら労働組合の調整事務でありますから、政治とのかかわりの部分あるいは行政とのかかわりの部分は移転しても、大部分は東京に残ってそれほど障害にならないのではないかという気がいたします。これはアメリカの団体でも、ニューヨークにあるもの、シカゴにあるもの、いろいろなものがそういう形をとられています。  さらに申しますと、実はだからこそ移転の必要がありまして、すべてが東京から陳情される、東京の雰囲気で行政が決定していることに情報官庁の非常な偏りができているわけです。今行政官にお目にかかりますと、東京の話は非常に深刻に受け取られます。景気はいいか悪いかも東京の判断、したがって大企業の判断に依存しやすいんですね。地方の中小企業のオーナーの方々とかなり格差ができている。そういう問題が非常に多いものですから、むしろ中立的に全国から集まりやすいところ、そして集まっても、東京よりもホテル代も安いし食べ物も安いようなところの方が活性化するのじゃないか。またそういうような町づくり、交通体系に、先ほどネットワークということも申し上げましたけれども、そういうような機能を持たせていく必要があるのじゃないかという感じがするんですね。  では、なぜ現在、東京の一極集中を防止するために政治行政機能なのか。大学を移してもいいしほかのものを移してもいいのに、なぜ政治行政機能なのかといいますと、この政治行政機能だけが情報発信機能を持ち、また全国の情報を公平に受け入れなければならないものなのです。  今、若い人がみんな東京に住みたがる。口で聞きますと、やあやはり地方は緑が多くて家も広くて便利でいいですよと言っている人が、本当は東京へやってきてしまう。女性の方々も、自然豊かなところで伸び伸びと子供を育てたいのですとおっしゃりながら、御主人が自然豊かたところへ行くと単身赴任になってしまう。これは一体何なのかというと、やはり情報発信機能なのです。東京にありますればテレビでもすぐ出るものですから、余り大したことのない、珍しさのないお店でもすぐ情報が流れるものですから、私の住んでおります近所なんかでも、イタリア料理屋がテレビに出ますと、もう次の週から地方なまりの方の行列が物すごいのですね、これが二カ月ぐらい続く。それぐらいのものは、地方にももっといいものがあっても、いやテレビに出たところだからというので来られるわけですね。  ところが、この政治行政機能の都市というのは必ず情報発信機能を持ちます、外交機能も持ちます、そういう多様性を持ちます。だからそういうものがもう一つできますと、そうしたら国会のあるところの町はこういう情報、東京はこういう情報、じゃ大阪の情報も聞いてみよう、仙台の情報も聞いてみようというアメリカ型の多様化が起こるのですね。これがやはり私は重要なことだと思うのです。今全国テレビ、特に東京のテレビにのりますのは、地方の問題は事件と事故と伝統行事とスポーツと選挙だけてあります。したがって、東京の者から地方を見ますと、地方というのは事件と事故と滅び行く産業しかないような感じがするんですね。これは私たちも、例えば大阪でこういうイベントがあった、百万人出るようなイベントがありましても、それは東京では一切報道されません。逆に伝統行事であれば、わずかなものでも報道される。何か地方は古くさいというイメージ、これにあこがれて若者たちが集まってくる。これは今の政治の問題でも同様でございまして、金子先生がおっしゃった国民の請願権というのも、東京にいればできるけれども、地方のは非常に落ちるのですね。国民の請願権というのは、もちろん陳情書を出すとかデモをするという方法もありますが、そういう情報を通じているというのが今や大きなテーマであります。  その意味でいいますと、東京情報環境から離れた地域に政治行政の中心があるべきではないか。これができているところは、イタリアでもドイツでもアメリカでも、地方分散が非常にうまくいっているのです。したがって、イギリスやフランスも地方分散しているわけですが、政治と経済が離れているところがすべて今都市問題については有利な状態になっているのです。国民の請願権も活発なんじゃないかという印象を持っております。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 じゃ、最後に一言。  請願権それから陳情の問題は、人口の四分の一以上が首都圏にいるわけですからね、これは言葉や文字の上での権利でなくて具体的な問題、今情報問題がそこへ入りましたけれども、そういう点から、現状から見れば問題があるのじゃないか、これが一つです。  もう一つは、私が先ほど質問した中で、臨海部の開発の中で、情報機能がそのままここに行っているという問題があるわけですね。ですから、そういう点も関連づけて、魅力ある地方ということになると、一極集中はやはりいろいろなことがあっても産業中心にしてきて、それに付随しましたからね。魅力ある地方をこれから模索していくこと、具体的に提起していくことが大事だ、こう思うのですね。

村田敬次郎自由民主党

○村田(敬)委員長代理 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、堺屋参考人に一言お礼を申し上げます。  堺屋参考人には、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。参考人には、御退席いただいて結構でございます。     —————————————

村田敬次郎自由民主党

○村田(敬)委員長代理 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。本件調査のため、来る十二月三日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村田敬次郎自由民主党

○村田(敬)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次回は、来る十二月三日火曜日、委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時五十六分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗