労働委員会 第2号
- 発言数
- 170 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1991/09/19
会議録
○委員長(向山一人君) ただいまから労働委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に山中郁子君を指名いたします。 —————————————
○委員長(向山一人君) この際、小里労働大臣より発言を求められておりますので、これを許します。小里労働大臣。
○国務大臣(小里貞利君) 労働大臣の小里でございます。 今臨時国会から従来の社会労働委員会が分割されまして、勤労者の労働条件の向上と福祉の充実、雇用の安定の確保等重要な課題を取り扱う委員会として労働委員会が新たに設置され、第一歩を踏み出すこととなりました。この機会に委員の皆様に一言ごあいさつを申し上げますとともに、今後の労働行政について所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。 我が国経済の長期にわたる持続的な景気拡大に伴い、人手不足感の一層の広がりが見られ、中小企業や特定の産業、職種において労働者の確保、定着が大きな課題となっております。一方、勤労者生活について見ますと、我が国の高い経済力をゆとりある豊かな暮らしの実現に結びつけていくとともに、職場の安全を確保し、健康で快適に働くことができる環境を形成していくことが求められております。 このような課題にこたえ、勤労者一人一人が働きがいと豊かさを真に実感できる社会を実現するため、以下の事項に重点を置きつつ労働行政の積極的展開を図ってまいったところでありますが、来年度の概算要求に当たっても種々新規施策を要求しているところでございます。 第一は、二十一世紀に向けた総合的な労働政策の展開であります。 今後、労働力供給の伸びが鈍化することが見込まれる中で、労働者の意欲や能力が有効に発揮されるような環境をつくるとともに、産業活動、企業活動、生活慣行等のあり方を見直し、人間を中心とした経済社会システムを形成していくことが重要であります。このため、二十一世紀を展望した総合的な労働政策の推進に取り組むとともに、労働力尊重の時代にふさわしい、人間を中心とした経済社会システムの構築に向けたコンセンサスの形成を図ってまいります。 第二は、労働力不足基調下の雇用情勢に対応した労働力確保対策の推進であります。 労働力不足問題が厳しさを増していることに的確に対応し、経済、産業の活力の維持、国民生活の安定に寄与していくことが重要でございます。このため、介護を初めとする福祉分野のサービスに対する需要が増大する中で、その担い手である介護労働者の育成、確保に向けた対策が重要な課題となっており、そのための対応を図ってまいりたいと考えております。また、建設業等労働力不足が深刻となっている分野における雇用改善への取り組みの促進を図ってまいります。 第三は、労働時間の短縮と勤労者福祉対策の総合的な推進であります。 労働時間の短縮は、豊かでゆとりある勤労者生活を実現する上でぜひとも達成しなければならない国民的課題であります。このため、週四十時間労働制の実現に向けての対策を推進するとともに、年次有給休暇の完全取得の促進、連続休暇の普及拡大、所定外労働時間の短縮等、労働時間の短縮に全力を傾注してまいります。また、勤労者の余暇・リフレッシュ対策、財形制度の充実、中小企業勤労者対策の拡充等、勤労者福祉対策の総合的な展開を図ってまいります。 第四は、安全の確保と健康で快適な職場づくりの推進であります。 勤労者の安全を確保し、健康で快適な職場を形成していくことは勤労者が安心し、充実感を持って働くための基盤となるものであります。このため、死亡災害を初めとする労働災害撲滅のための対策の一層の推進を図るとともに、健康で快適な職場づくりに取り組んでまいります。 第五は、本格的な高齢化社会の到来に向けた高齢者対策の推進であります。 我が国においては、諸外国に例を見ない速度で高齢化が進展しており、今後の経済社会の活力を維持していく上でも、高齢者が長年にわたり培ってきた知識、経験を生かし活躍することのできる社会システムを構築していくことが必要不可欠であります。このため、六十歳定年を基盤とした六十五歳までの雇用の場の確保、シルバー人材センターの拡充等高齢者対策の着実な進展を図ってまいります。 第六は、女性が働きやすく、能力が発揮できる環境の整備であります。 育児休業法の円滑な施行等仕事と家庭の両立を図るための就業援助対策を推進するとともに、男女の均等な機会及び待遇の確保対策、女性の地位向上対策、パートタイム労働対策を推進してまいります。 第七は、経済社会の発展を担う人材の育成であります。 労働力尊重の時代において勤労者の自己実現ニーズの高まり、サービス経済化、技術革新、情報化等時代の要請にこたえ、企業、労働者の自主的な職業能力開発の促進、公共職業訓練システムの刷新を図るとともに、技能が尊重される社会の実現を図ってまいります。 第八は、障害者雇用対策の推進であります。 国連障害者の十年の最終年を翌年に控え、障害者の雇用については一定の改善が見られるものの、なお重度障害者を中心として雇用の立ちおくれが見られるところであります。このため、職業リハビリテーションを含めた障害者の雇用対策を総合的、計画的かつ段階的に推進することとし、重度障害者対策を初めとした施策の充実を図るほか、精神薄弱者、精神障害者に対する施策の前進を図ってまいります。 このような施策の展開に加え、国際化の進展に対応し、国際協力、交流の積極的展開、外国人労働者問題への適切な対応、外国人研修生の受け入れの拡充等国際社会の積極的貢献を進めてまいる所存であります。さらに、良好な労使関係の維持一発展を図るための環境づくりにも努めてまいります。 以上、当面する労働行政の重点事項について、私の所信の一端を申し述べましたが、今後とも、本委員会と十分に連携をとりながらこれらの課題の達成に向け全力を尽くしてまいりたいと考えております。皆様方の御理解、御協力を再度お願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。
○委員長(向山一人君) 次に、松浦政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。松浦政務次官。
○政府委員(松浦孝治君) 労働政務次官の松浦孝治でございます。 ただいまも大臣の方からいろいろお話がございましたように、女性の職場進出、高齢者の雇用対策、人手不足、労働時間の短縮など労働行政には重要な課題が山積をいたしておるわけでございます。これらに対しまして、的確かつ迅速に対応していくことが現在労働行政に強く求められておるところでございまして、私も微力ではございますが、小里大臣とともに労働行政推進のため全力を尽くしてまいりたいと考えておるところでございます。どうか委員長初め委員の先生方のなお一層の御指導なり御協力を賜りますようにお願いをさせていただきまして、簡単でございますがあいさつとさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。 —————————————
○委員長(向山一人君) 労働問題に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○細谷昭雄君 百二十一合臨時国会から新たに設置されました委員会では、労働政策の重要性が急速に高まっております社会的要請にこたえるという形で、ここに籍を置いておる私ども議員も極めて重い責任というのを負っておるというふうに考えておる次第でございます。向山委員長を中心にしまして、新労働委員会が国民の負託にこたえられるよう、相協力してよきルールと伝統を築き上げたいと念じておるものでございます。質問に当たって、委員長と同僚委員の皆さん方に今後の御指導をお願いいたしたいと思います。 ただいま労働大臣から、二十一世紀に向けての八項目にわたる今後の労働行政の柱について御所信の表明がなされました。これを受けてお尋ねいたしたいと思うのでありますが、来年度、平成四年度の予算編成期に入っている今、当面来年度予算の要求の目玉、これを挙げるとすれば、大臣、何でありましょうか。大臣の今考えておられるこれだという二つ三つで結構でございますので、あわせてお願いしたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 先ほど、基本的な私ども労働行政の考え方の一端を申し上げましたその中でも若干触れさせていただいたところでございますが、まず最も注目しなければならないことは、いわゆる我が国経済社会は、中長期的に見ましてもやはり労働力供給の伸びの鈍化、これが厳然として見込まなければならない事情下にあるということであろうと思います。なおまた、高齢化、国際化あるいは高度な技術革新等々、さらにまた情報化の進展等いろんな私どもの労働行政の内外の情勢は変化、起伏が非常に富んでまいってきておりまして、そのような観点から、私どもは情勢の推移を的確に把握をし、かつまた的確な施策を怠らないように努めていかなければならないと思っておるところでございます。
○細谷昭雄君 具体的な目玉をお聞きしたかったわけですが。 次期通常国会に政府が提出を予定しているというふうに伝えられておりますものの一つに、労働時間の適正化の促進等に関する法律案、これは仮称なようでありますが、考えられておるようでございます。この法律の性格と内容の概要について御説明願いたいと思います。これは事務方でも結構です。
○政府委員(佐藤勝美君) ただいま御質問の法的整備の具体的内容につきましては、今後審議会に検討をお願いする予定でございますが、現段階で私ども考えておりますのは、一つは、中小企業等によります地域、業種ごとの自主的な取り組みを支援するというために、労使の申し出によりまして一定の地域、業種ごとに労働時間や休日に関します指針を策定することができる制度を創設する、つまり同一の地域、業種の中である種の申し合わせに似た形での指針をつくるということが一つ。それから、この実施につきましては、強制的な措置によるのではなくて、そのグループの中で実施をするということで、例えば地方労働基準局長が勧告をするというようなことも必要かというふうに考えております。 それから第二に、企業内での適正な労働時間管理や労働時間適正化推進計画の作成を促進する必要がございますので、企業内におきまして例えば労働時間適正化推進委員会といったようなもの、あるいは労働時間適正化推進者を設置するというような方策を検討しているわけでございます。 なお、労働基準法につきましては、これは最低基準を罰則をもって担保するという性質のものでございますが、今考えております御質問の予定法案の内容はそういうものではなくて、あくまでも労使の自主的な申し出に基づく指針、これめ実施ということを中心に考えておる次第でございます。
○細谷昭雄君 労働基準法との関係、これは一体どういうふうな関係があるでしょうか。
○政府委員(佐藤勝美君) 新たな法的整備は、労働時間短縮のための環境の整備、それから中小企業等の努力に対する支援を目的としたものでございます。一方、労働基準法は御承知のように最低基準を定めまして、これを実施しない使用者に罰則をもって担保するという内容でございますが、その辺が性質の違いがあろうかというふうに思っております。
○細谷昭雄君 つまり、労働基準法をいわば五カ年計画で千八百時間ないしは週四十時間制度、これに到達させるために労基法の改正というのが当然出てくるわけですね。それとの関連がどうかというふうに聞いているんです。
○政府委員(佐藤勝美君) 労基法の改正につきましては、既に現在中央労働基準審議会において検討をお願いしておることは御高承のとおりでございますけれども、今般、現在考えております仮称労働時間適正化法ができますれば、これによりまして中小企業を中心にしまして時短が進むということで、この基準法の最低基準が円滑に実施をされるための基盤ができるものというふうに考えております。
○細谷昭雄君 平成四年に千八百時間の実現、これは今のままでいきますと実現できますかね。非常に悲観的じゃないのかというふうに思いますが、この点の見通し。 それから、今御説明いただきました促進の法律案、これによりますと企業の理解というふうな点でかなり予算もつけるようなあれだと思いますけれども、もっとやっぱり企業側に対する努力義務というのをきちっとする必要があるのじゃないのかというふうに思いますが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(佐藤勝美君) 今御指摘のように、目標千八百時間ということでございますが、一方、平成二年度の水準で二千四十四時間ということでまだ相当差がございますが、労使が特に労使間の問題として非常に熱心にこの問題に取り組むようになってきていること、それからことしの四月から法定労働時間が従来の原則四十六時間から四十四時間になりましたこと、それから中小企業につきましての有給休暇の付与日数が、現在段階的に引き上げている経過の最中でございますが、これが六日から八日になったこと、あるいは先ほど出ました人事院勧告によりまして公務員につきまして完全週休二日制の速やかな実施が勧告をされているというふうなことによりまして、今後労働時間短縮のテンポが早まるというふうに期待をいたしております。 しかしながら、いずれにしましてもこの目標に近づくためには非常な努力を要するというふうに認識をしておりますので、特に中小企業の集団を対象にいたします指導、援助に努めてまいりたいというふうに思っております。
○細谷昭雄君 改めて委員長にもお願いしたいんですけれども、来年は、次期国会はかなりたくさんの法案が提出されるというふうにお聞きしておるわけであります。したがって、事前にいろんな点でその準備のための委員会もあわせてひとつやっていただきたいというふうに私も考えておりますので、よろしくお取り計らいのほどをお願いしたいと思います。 それで、行政需要が非常に伸びてきておるということは最近の傾向でございますが、特にその中でも労働政策、これは社会政策の根底をなすものだというふうにまで思うわけでございますが、現在の労働省の定員、これの定数、定員で一体その需要にこたえることができるのかどうか。これはずっと今までのいろんな事象に照らしまして私は不可能だというふうに思うわけでございますが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(齋藤邦彦君) 我が省のいろいろな施策と申しますのは、周囲の経済情勢の変化によりましていろいろ変化してまいります。したがいまして、いろいうな解決すべき課題も時代時代に応じて異なってくるというようになるだろうというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、我が省の政策の基本は第一線機関を通じて実施に移されるというところでございまして、それに伴っての必要な予算を確保するということはもとよりでございますけれども、やはり組織、定員が確保されなければならないということが基本だろうというふうに考えております。 従来から事務の合理化、効率化ということを図りながら、あわせまして増員それから組織の再編整理というようなことに努力をしてきたわけでございまして、今後とも合理化、効率化を図りながら、あわせまして必要な職員の確保について努力をしてまいりたい、このように考えております。
○細谷昭雄君 来年度から第八次の定員削減計画というのが始まるというふうに聞いております。労働省の場合はもう既に閣議決定でありますので、この五年間で労働省の定員が千三百九十一人、これが定員削減される。これはもう大変だと思うんですね。私自身は、予算委員会その他で今までも何回か労働省の定員をふやすようにということを総務庁ないしは行管関係にも言ってきているわけですけれども、にもかかわらずどんどん削減されておる。しかも、来年から五カ年で千三百九十一人、これを割りますと三百人ぐらい毎年減ってくる。これでは到底やれないと思うんです。 そこで、大臣にお願いしたいんですが、こういう行革の一律削減方式というのは、これはもう現状に適しておらないというように思うんですよ、特に社会政策の根底をなすこの労働行政に。ですから、大臣、こういう定員の削減に対してやっぱりきちっとした態度で削減をやめさせる、増員を要求するということについていかがでしょうか。
○国務大臣(小里貞利君) 端的に申し上げまして、先生御指摘のような状況下でございます。やはり、政府全体としての一律に行革そして定員整理、その辺の厳しい波をもろに各省庁共通に受けておるところでございますけれども、しかしながら一面におきましてその行政需要というのは、私ども労働行政は他に劣らず極めて日々重要に質量ともに求められておる、こういうふうに考えております。 そういう観点から、ただいま特に先生御指摘のように、労働行政という立場から責任ある仕事を遂行する上で関係各省庁に対して一段と腰を据えて強く交渉するべきではないか、そういう督励でございますが、率直に申し上げまして、そのような気持ちで明年のいわゆる平成四年の予算編成の概算要求枠の協議の前後にも、再三関係大臣等にも私自身足しげく足を運びまして話をいたしたところでございます。年末の予算編成におきまして、その辺がつまびらかに出てくるであろうと思うのでございますが、かなり私は響きを与えておる、かようにも考えておるところでございます。
○細谷昭雄君 先ほど、大臣の所信表明といいますか、ごあいさつもありましたけれども、要するに労働行政の原点は何かと申しますと、私はこう考えております。憲法に保障されております基本的人権、中でもやはり労働者の働く権利、こういう勤労者の権利というのを保障するというところに労働省の原点があるというふうに思うわけでございます。労働省は、そういう意味では勤労者の常に味方、しかも駆け込み寺というふうな性格をきちっとこれは持っていただきたいというふうに私どもも思いますし、大臣も恐らくそうお考えだと思うんですが、一言で大臣のこれに対する抱負経綸、これをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) まさに先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもの労働行政の基本は何かと言われますと、申し上げるまでもなく、ただいまおっしゃるように労働者の保護あるいは労働基本権を保障する、これ以外に仕事はございませんと申し上げても言い過ぎでないぐらいの私どもは認識とそして使命感に燃えまして仕事に当たらせていただいているつもりでございます。
○細谷昭雄君 よろしくお願いしたいと思います。 次に、ちょっと具体的な問題でございますが、九月四日に中央労働委員会の総会が開かれまして、懸案でありましたJR各社の採用差別事件について、会長総会発言というものが出されたというふうにお伺いしております。この経緯と会長発言の真意と申しましょうか、言わんとするところの御趣旨をひとつお聞かせ願いたい。労働委員会の事務局長においで願っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○説明員(石岡慎太郎君) 中央労働委員会といたしましては、多数のJR事件を抱えているわけでございますが、この事件につきましては労使関係者の意向を踏まえまして、当事者間の話し合いを基本とした円満な解決を図ることが最も望ましいという方針のもとにJR東日本の国労関係の出向事件に取り組んでまいりました結果、去る七月三日、労使間で合意が成立いたしまして、これらの事件を凍結することとなるなど、出向事件につきましては一応の解決を図ったところでございます。 その後、中労委といたしましては、七月中旬、下旬にかけまして労使関係者から意見を十分お聞きしまして、これに基づいて今後の方針の検討を重ねて安いりました結果、今御指摘がございましたように、九月四日、会長が総会で発言いたしまして、中労委といたしましては大変難しい問題ではございますが、近く関係者から事情を聴取するところから、最も重要な問題である採用差別事件に着手することを決定したところであります。 今後、中労委といたしましては、この方針に基づきまして全力を挙げましてその解決に努力したいと、かように考えておる次第でございます。
○細谷昭雄君 このJRの採用差別事件というのは大変難しい問題で、今お伺いしましたところ、非常に労使間の主張の隔たり、もろもろの要因、こういうのがございまして難しい処理であったと思いますが、出向事件が解決をした。そして各地の地労委やないしは中労委の事務局を中心とした労使間の皆さん方の大変な御努力で、いよいよ採用差別事件に向かっておるということをお聞きしまして、大変に皆さん方の御努力に対しましては敬意を表したいと思うわけでございます。 中労委の皆さんに特にお願いしたいと思いますのは、会長発言を契機にいたしまして、労使双方が一日も早くテーブルに着いて、そして具体的な解決に向かい、一日も早い円満な和解がこれはなされますよう、そして事務局長から本委員会にそのことが報告される日が一日も早からんことを、これを期待したいと思うわけでございます。なお一層の御努力を要請いたしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 事務局長、どうもありがとうございました。 一方、不幸にして、就職を希望しながらJRにまだ採用されない、それを待ち続けるという千四十七名、これは北海道と九州が大部分だというふうに聞いております。この人々を初め、その家族の生活というのはもう大変な貧窮な状況に陥っておる。私どもにその奥さん方からちょいちょいお手紙がございます。聞くも涙語るも涙というふうな状況でございます。これはまさに社会問題としまして放置できないところまで来ておるというように思うわけでございます。労使がどっちがいいとか悪いとかということを論ずるのではなくて、国家意思に基づいたこれは政策の変更によって生じたひずみだとも言えるわけでございまして、私どもは、国会もそれから政府もこれは当然その事態の解決に責任を負わなければならないというふうに考えておる者の一人でございます。また、国鉄の分割・民営によって設立されましたJR各社も、言い分はいろいろあろうかと思います。 しかし、昭和六十一年の十一月二十八日の参議院日本国有鉄道改革に関する特別委員会における関連七法案の可決に際しまして決議された附帯決議、これは皆さん方のお手元に差し上げております。この附帯決議の九項の特に一項目、九項の(一)、これは、もう全く与野党全会一致で国会の意思として決議されたものでございますので、この趣旨の意を酌み、新生JRの発展のためにも労使間の正常化というものがこれは条件になっておるわけでございます。 社会的にも大変なマイナス要因になっておりますこの事件を一日も早く解消する、そして、社会的に要請されておるこのJRの社会的責任というものを十二分に果たしていただきたいというふうに思うものでございます。国会は言うまでもなく国権の最高機関でありまして、この附帯決議は与野党一致の国権の意思でもあり、重みのある国民の意思でもあると思うのでありますが、いかがでしょうか。労働大臣として、この国会の意思を外し、この懸案事件の一日も早い解決に、労使双方の歩み寄りのために、条件整備と申しまし。ようか、労働環境の整備と申しましょうか、この際労働大臣の知恵と汗を流していただかなければならない、このように思うわけでございます。 これまで、昭和六十三年の第百十二回国会から平成二年の百十八国会まで、衆参両院の各委員から九回ほど委員会で質問がございました。しかし、残念ながら、当局の答弁といいますのは、第三者機関つまり中労委で審理中であるからという理由で、全く逃げの答弁でございました。しかし、ここまで来た以上はやっぱり潮どきというのがあります。労働大臣は逃げるのではなくて一歩踏み込んで、中身の濃い労働行政、環境づくり、よい意味での労使ルールを積極的につくる、これは一肌脱いでいただかなければならないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小里貞利君) 端的に申し上げまして、ただいま細谷先生が問題の実態あるいはそれに対する感想、中でも、一つの流れも長きにわたっておる、そしていよいよこれを労使双方のために円満な一つの集約といいますか妥結を図ることは最も大事ではないか、これは労働者あるいは使用者がいいの悪いのというそういう本質的な論議も大事だけれども、それを超えてもう一つのタイミングじゃないか、そういうお話でございますが、私は率直に申し上げまして、私ども国会関係者のみならず、あるいはJR労働組合の皆さんのみならず、広く国民の間におきましてもそのような観点から本当に心配をし、憂え、そしてまたこれが円満にまとまらんことを多く期待しておられる状況だ、私はそういうふうに認識をいたしております。 はばかりがあるかもしれませんけれども、一応中労委の立場というものが原則はありますから、この機関の立場あるいは機関の審議あるいは調整の推移を大事に尊重して見守りながらも、なおかつ一つの政治という立場からもあるいはまた踏み込んで行政という立場からも何とかその方向でできないものだろうか。私は、そういう気持ちを持ちながら、率直に申し上げまして中労委の皆さんにも非公式ではございますが、雰囲気としてそのような気持ちをお伝え申し上げたいきさつもございます。 残念ながら今日におきまして先ほど先生お話しのような状況でございますが、どういたしましても、せっかく分割・民営化をいたしまして新鉄道としていわば新しい体制へ踏み出しましてもう既に四、五年経過するわけでございますから、今日、そのJR各社の労使のいわゆる関係が将来にわたって安定するためのその辺の基礎的な整備をするためにも私はもういい時期ではないか、そういう感じを持っておりまして、先ほど中労委の話もございましたが、この立場を尊重しながらさらに私どもも積極的に協力申し上げていかなけりゃいかぬ、また督励も申し上げてまいらなけりゃいかぬ、さように思っております。
○細谷昭雄君 大臣の大変心強いお話をお伺いいたしました。期待いたしておりますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。 この採用差別事件は、直接の監督官庁というのは運輸省でございます。なかんずく、ことしは組織改正がございまして、運輸省では鉄道局というのが新設されたそうでございます。したがって、きょうは鉄道局の次長においで願っておりますので、よい労使環境づくりという点で、今労働大臣と同じように直接の監督官庁であります運輸省からも十二分に知恵と汗を流していただかなければならない、こんなふうに思いますが、運輸省の腹づもりといいますか、このほどをお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(黒野匡彦君) 本件は、今御議論ございましたとおり中労委において係争中の問題でございますから、私どもといたしまして発言は差し控えることが適当であるとは考えております。 ただ、しかしながらJR各社の労使関係が将来にわたって安定しますことは、旅客に対しまして良質な輸送サービスを確保するあるいはJRそのものの経営を安定させるという観点から極めて重要な問題であると考えております。したがいまして、運輸省といたしましては、この問題につきましては中労委の方々の方で大変な御努力をいただいておりますので、当事者が少しでも事態を進展させることを期待しますとともに、円満な解決が図られますよう、労働省とも緊密な連絡をとりながら今後とも環境の整備のために努力してまいりたい、かように考えております。
○細谷昭雄君 何とぞ、運輸省からも労働省からも、潮どきというのがございますので、本当にもうこれを逃したらなかなかまた容易でないというふうに思いますので、十二分にそこら辺をしんしゃくいたしまして御努力をお願いしたいというふうに思います。NTTに次いで株式上場を考えておるというふうに伝えられておりますJR当局でございますので、これは大乗的な見地から早期解決を、そして関係労働組合もこれまた社会的な要請を考えながら落としどころというものを計算されまして、双方ともに打開するという心を求めたいというふうに思っております。どうか政府関係当局にも、繰り返すようでございますが、労働委員会、中央労働委員会の努力が実りますようにあらゆる努力等を傾けていただきますよう、附帯決議の名において御要請申し上げたいと思います。 これまで四十年間、労働委員会は地方労働委員会、中央労働委員会とも多くの事件を取り上げてまいりました。しかしながら、この努力にもかかわらず不幸にして勧告や命令を不服として地方裁判所に提訴したという事例も決して少なくはなかったと思います。労働委員会は調停、仲裁の中立機関でありますので、これは不服があればいたし方がありませんけれども、問題は、日本の裁判は三審制でございます。せっかく労働委員会がこういう結審をしまして和解勧告ないしは命令を出しても、嫌だと言うと十年かかるわけです。そうなりますと、この十年の歳月というものは、これはせっかくの労働者の権利擁護、救済、これは結果としてできなくなってしまう。大変な残念な問題でございます。憲法の規定というのがありましても空文に終わってしまう。労働者の不当解雇、不利益の救済というものを実効あらしめるための方策というものを四十年になりましたこの時期にもう一度やっぱりこれは振り返ってみなければならない、検討を加えなければならないというふうに思うんです。 例えば、ヨーロッパ等ではそういう場合の労働裁判所というのが設置されております。二、三年で決着をするというふうにもありますが、例えばこういうふうな補完機関を設けるとか、こういうふうな点が必要であろうかと思うんですが、労働省はこの点につきましてどのようなお考えでありましょうか。
○政府委員(清水傳雄君) ただいま御指摘のございましたように、労使間の紛争につきまして解決に長期間を要する、そういう例もございます。また、中労委自身もたくさんの案件を抱えて非常に御苦労も願っているところでもあるわけでございまして、そういった意味合いから今先生御指摘のような御意見も含めまして審査の迅速化、こういった点について非常に強い御意見のあることは承知をいたしておるわけでございます。 これはもう御承知の事柄かと思うわけでございますが、ただいま労働裁判所というふうな例をお引きになりながらの制度のあり方についての御検討の御提言があったわけでございますが、日本のこうした労働案件の処理、それから裁判所制度、そのあり方、一つは憲法に御承知のように特別の裁判所はこれを設けてはならない、こういう規定がございます。そういうこととの関連からどんなふうなあり方が適切なのか、民事との間の境目をどういうふうにするのかとか、あるいは訴訟手続をどういうふうにするのか、事物管轄をどういうふうにするか、いろいろそうした諸問題もございます。やはり裁判所における裁判を受ける権利というのはこれは国民がすべて持たなきゃならないわけでございまして、そういう筋を通しながら、かつ現実的なあるいは迅速な処理を図っていく。 端的に申しまして中労委制度というものは司法による黒白の判断をつけるということじゃなくて、やはり具体的な処理、これをその大きなねらいとして存在し、またその機能を発揮していくべきものだと考えるわけでございまして、これが非常に両々相まってうまくいくことによって、究極的には裁判による権利も保障しつつ現実的な、かつ迅速な処理を図っていく、こうした建前をいかにやっぱり維持し、機能アップを図っていくかということが我々として努めていかなければならない事柄であろうかと思うわけでございます。先般も国労委、それから中労委の統合の際にも公益委員の増員を大幅にお願いをいたしまして、あるいはまた審査職員の増員等も逐年これを図ってまいってきております。 確かに、昭和五十年代の終わりから六十年代の初めにかけまして、相当案件がたまりまして、非常にいろいろな面で御面倒をおかけいたしましたが、着々とその面につきましては逐次解消が図られつつあるという面もございます。私どもといたしましては、さらに具体的な審問の方法その他の改善努力等もいたしておりますし、そういった形での迅速化という点についてさらに一層の努力を重ねてまいりたい、このように考えているところでございます。
○細谷昭雄君 こういう不当労働行為とか、ないしは労働者の権利が損なわれたというのを救済するという機関のそういう働きというのは非常に重要なわけでございますが、今言いましたように非常に時間がかかり過ぎる、しかもそれは、今言ったように必ずしも受けなくてもいい、裁判という道も一つある。こういうことで、現に例えば今の採用差別事件でございましても、千四十七人中三人が亡くなっちゃっているという実態があるんですね。ましてこれから十年ということになりますと、もうかなりの皆さん方がそれぞれ実際効力を失っていくということでございます。 根本的には、今局長がお話しのとおりのいろんな検討が必要だと思いますけれども、もう一つの側面は、私はやっぱりこういうこともあるんじゃないかと思うんです。えてして地方労働委員会等に出ていく不当案件というのは、近代的な感覚を持たない経営主のもとで、大変な、何といいますか、非常識な労働条件の中でそんなことが発生するというのもございます。これはもう実際の事実でございます。 そこで、何といいましても、労働行政の基本というのは、これは勤労者一人一人、これは大臣が言っている言葉の中であるんですが、勤労者一人一人が働きがいと豊かさを真に実感できる社会の実現、そのためにはやはり共通の理念がなくちゃいけないと思うんです。こんなことをするのはこれは労働慣行に反するのか、こういうきちっとした一つの常識がなけれはこれはならないと思うわけです。 その意味で問題の提起をしたいと思うんですが、社会全体の共通理念というのは、人間重視の正しい雇用関係、そして正しい労働関係、労使関係、これがなければならないと思うわけであります。このような労使の社会常識の根底になるような教育、これが日本ではほとんどなされておらなかったのではないか、学校教育でも、それから地域の教育でも、企業の中の教育でも。そういう教育というのはやっぱり今後は必要だと思うんですね。そういう仲裁機関もあるけれども、仲裁機関に行く前に、社会の共通理念としてこういうことがあってならないという、そういう点でひとつ労働省としてのこういう教育に対する考え方、これは大臣で結構です、大臣、ひとつお考えありませんか。
○国務大臣(小里貞利君) 先生の突然のお尋ねでございますが、ただいまお話をお伺いしながら直感的に感じましたことを申し上げますと、なるほど先生がおっしゃるように、豊かな人間関係あるいは健全な労使の関係、あるいはまたその関係を健全に、かつまた合理的に、そしてまたその周囲の国民、各界各層も納得いただけるような、そういうような一つの原則というものを確立していくためにはもっと積極的に踏み込んで、まあ教育という言葉が適切であるかどうか、私どもの立場から申し上げますとあるいははばかりがあるかもしれませんけれども、先生が意図せられる、御指摘になるような一つの業務、役割と申し上げますか、督励と申し上げますか、さようなことも必要なのではなかろうかなと、そういう感じを持たないでもございません。 せっかくの御指摘でございますので、十分留意しながら、そのような原則を本当に大事にしながらさわやかな人間性あふれる雰囲気というものもつくる必要がある、さように感ずる次第でございます。
○細谷昭雄君 最後の問題でございますが、実は一昨日、九月十七日に、私ども全国出稼組合連合会では調査団を派遣いたしまして、埼玉県の草加市の旭町地先ですかね、ここに綾瀬川という川がございまして、槐戸橋のかけかえ工事現場に行ってまいりました。実は、この橋脚部分をつくる工事の最中に、九月七日の土曜日の午後三時ごろだそうでございますが、川を仕切って鋼矢板で囲ったその中で働いておった五人の人力が鋼矢板が崩れまして生き埋めになった。三人は助け上げられましたが、二人が埋没いたしまして、そして現在も被災者を収容できないでおるわけでございます。 その現場に行ってまいりましたけれども、この現場は建設省のこれは直轄工事だというふうに聞いておりますが、いかがでしょうか。
○説明員(日野峻栄君) 御説明申し上げます。 この工事は、先生おっしゃいますように、建設省の関東地方建設局が発注をいたしました直轄工事でございます。
○細谷昭雄君 工事の概要と、それから発注者はどこで、建設省だと思うんですけれどもね、それから請負関係、こういった概況についてお知らせ願いたいと思います。
○説明員(日野峻栄君) この工事の概要でございますが、先ほど申しましたように、関東地方建設局が発注をいたしておりまして、草加市の市道の十九号というのがございますが、その道路の橋でございます槐戸橋のかけかえ工事でございます。 この橋は、先ほど先生もおっしゃいましたように、綾瀬川という川にかかっているわけですけれども、この綾瀬川は、御案内のとおり、江戸川の支川の中川のまたその支川の綾瀬川でございまして、川幅は現在非常に狭くて水害をいつも受けているところでございますので、河川改修をする必要がございまして、川幅を広げる河川工事を現在やっております。それに関連しまして、この槐戸橋をかけかえて橋を長くする工事をやっておりまして、そのための橋脚の工事でございます。全体では、橋台を二基と橋脚を二基設置して、いずれその上に上部の橋げたをかけるという予定でございますが、そのうちの一つの橋脚で今回の事故が起こったものでございます。 請負金額は三億円余でございまして、浦和土建工業と契約をいたしておりまして、工期はことしの三月二十日から十二月二十日の予定で発注をいたしておるものでございます。この工事の監督は、関東地方建設局の江戸川工事事務所が担当をいたしております。
○細谷昭雄君 工事の概略はお聞きしました。現地の事務所からも直接お聞きしましたけれども、何としても問題なのは生死不明の二人がまだ救出されておらないという問題なんです。二次災害の防止という意味から、しかも技術的には非常に難しいということで、私たち素人でございますのでそれが妥当なのかどうかということはわかりません。わかりませんが、ごめ説明を承っておりますと、二十四時間昼夜兼行で救出作業を進めてもなおかつ十月の十二日でないと到達しないというお話なんです。 九月七日の事件で生き埋めになったまま十月の十二日というのは常識的に我々ちょっと考えられないという状況がございますし、周囲の市民の皆さん方もそんな話をしておりました。草加市では伝統のあるお祭りがあるそうでございますが、被災者の家族の心情を考えるとこの草加のお祭りは中止だといって中止になったようでございます。しかもそれを十二日まではっておいているわけじゃないんです。昼夜兼行で救出の工事を進めておる。私たちも見てきましたが、何とかならないものかという気持ちがいっぱいでございます。建設省の対応に市民はちょっと不信の念を持っているようでございます。そんなにかかるのかと。これは建設省が技術的には十二分に考えた問題だと思うんですけれども、どうでしょうか、その点は。
○説明員(日野峻栄君) 先生おっしゃいますとおり、この鋼矢板が崩れたわけですけれども、それを支えております。その切りばりという鋼材が横に張っているわけですが、これが現在散乱をしているような状況でございます。潜水夫による調査もいたしましたけれども、やはり現状のままで捜索をするというのは二次災害のおそれが非常に大きくて潜水作業をこれ以上続けるということは非常に危険だということで断念をいたしておりまして、現在は崩れた鋼矢板の外側にもう一重矢板を打ちまして、それでこの倒壊した矢板を取り除きながら捜索をするところでございます。 現在、その作業をそれこそ昼夜懸命に急いでいるわけですけれども、捜索の前段階として必要な復旧の外側に打つ土どめ工は来週の半ばぐらいには終わる予定でございますが、その後、横に支える切りばりというのを施工いたしまして、順次旧の壊れた仮締め切りを撤去しながら捜索を続けていきたい。二次災害にも配慮しながらできるだけ早く捜索を終えたいというふうに考えております。
○細谷昭雄君 被災者の家族を考えますと大変悲痛な気持ちになるわけでございます。原因の究明とか再発防止策というのは今十分検討されておるようでございます。何よりも早く二人の、これは出稼ぎ農民なんです。この出稼ぎ者を早く家族のもとに返すことができるように最大の努力を要求したいと思うわけでございます。 労働省に対しましても、現地の埼玉の労働基準局、それから春日部の労働基準監督署の皆さん方にいち早く対応していただいております。原因究明その他もこれからだと思うんですが、労働災害の補償の点、再発防止の点、こういう点では強く労働省の皆さん方に対しましても対策をお願いしたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(佐藤勝美君) 大変痛ましい災害が起こったわけでございますが、最近、特に建設業におきます死亡災害の現象がとまっているといいますか、あるいはこの五年ぐらいをとってみますと若干ふえてきているような状況にございまして、大変私どもといたしましても懸念をいたしておるわけでございます。 建設業につきましては、私どもも安全衛生対策の重点対象分野として取り上げておりまして、例えば今回事故の現場になりました埼玉県におきましても、埼玉の局では全体の労働基準監督指導の四五%ぐらいを建設の事業所に充てておるという状況の中でこの事件は起こったわけでございます。 一般的に申せば、工事の安全を確保するためには、まず計画段階での安全衛生の確保ということが一つございます。それから、現場におきましては元請、下請が混在して作業するわけですけれども、そういった元請、下請を含めました安全衛生管理体制の整備ということが第二に必要でございますし、さらに、そこで用いられます工事用の機械、設備に係る安全性を確保するということも重要でございます。さらには、労働者あるいは事業者に対する安全衛生教育ということも必要でございます。 こういったことにつきましては、御承知のように法令上いろいろな、主として事業者に対しまして遵守事項を設けまして、これを守っていただくように日ごろから周知に努めているとともに、それが実際に守られているかどうかということにつきましては立ち入り監督をいたしたり、あるいは集団的な指導をしたりしておりますのと、それから御承知のように、各産業、特に建設業では大きいわけですけれども、労働災害防止団体というものを各県に設けておりますし、またその支部もあるわけでございます。そういった事業主の災害防止活動のための団体を通しまして、各事業主がこの災害防止のために活動を活発にやるというふうなことをお願いしておりますし、そのためにいろんなことをやっておるわけでございます。 しかし、こうした事故が引き続き起きているというような状況でございますので、私どもとしましても今後、とりわけ建設業におきます安全衛生管理体制というものを見直すとともに、これまでにも増しまして監督指導の充実に意を用いてまいりたい、かように思っておる次第でございます。
○細谷昭雄君 残念ながらこの草加の労災事故なんかは、これは後を絶たないわけでございます。今いろんなお話がございますけれども。こうした悲惨な事故というのは、大体圧倒的に建設業現場に多いということもこれは事実でございます。しかも、こうした三K部門に働く人たちは、出稼ぎの農民を中心にしまして臨時的、季節的な労働者に依存しておるというのが実情でございます。 二十一世紀を目指す労働行政の八つの柱という輝かしい未来というのを先ほど大臣からお話がございましたが、この未来とは似ても似つかぬというのが現在の、いわゆるこの人力の労働条件でございます。はいずり回っておるというのが零細企業や未組織労働者と言われるこの方々の現在の状況でございますが、この人力に光を当てなければ私は未来がない、本当の意味の労働行政の明るさはないというふうに思っておるぐらいでございます。 そこで、お尋ねしたいと思いますが、私が百二十回国会の予算委員会で問題提起いたしましたが、こういう労働者の日給月給制、賃金制度ですね、日給月給制というのをこれはもう検討することが絶対必要だと。時短になり、しかも週休二日制になるに従って収入が減るというのがこの労働者の実態なんです。したがって、この日給月給制の解消、この解消を何としても政府部内で検討してもらいたい。官房長官は労働省がこれは当たるのが至当であろうという答弁でございましたが、この点がどのようになっておるのか。 それからもう一つは、まとめて聞きますけれども、週四十時間制、有給休暇の完全消化、それから連続休暇制度、これはもうさっき大臣のお話の中にあったわけでございますが、こういうふうな日給制の人力にとっては、これは夢のまた夢であるわけですね。そこで、この週給制という、賃金制度の上の週給制です。週給制にするか月給制にするかということは極めて重要な問題でございますので、時短ということと関連しまして、労働省はこれをどう引き上げていくつもりなのか。 それからもう一つは、労働条件の改善の中で有給休暇制度、これはもうもはや通達の時代ではなくなったというふうに思うわけです。なるべく早い機会に、来年度予定されておる、先ほど私が提起しました法律案なり労働基準法の改正の際にきちっとこれは法制化するべきであるというふうに思いますので、この点も含めて労働省の今後の考え方、こういう人力に対する考え方、これをお聞きしておきたいというふうに思います。
○政府委員(佐藤勝美君) 御指摘の点は、実際に行われている実態からしますと大変難しい問題でございます。 特に、日給制の労働者に対しまして、週休二日制を導入するということになりますと、休日増に応じて所得が減少する、ほかに何の措置もとらないとそういうことになるわけでございますが、そのことが休日増加の阻害要因になるということがあろうかと思います。実際に休日を増加させた産業、あるいは特に建設業等の状況を見てみますと、やはり休日を増加する等の労働時間の短縮をやるに当たりまして、いろいろ生産工程の見直しであるとか設備の改善とかをやりまして生産性を上げるという努力を実際にやっておるということで、そのことによって賃金水準の維持を図るというような努力も行われている。それから、日給者の賃金を保証するという観点から、月給制への移行であるとか、あるいは日給額を引き上げるというようなことを実際にやっている企業もかなりあるようでございます。 こういった問題につきまして行政としてどう取り組むかということでございますが、これは毎度申し上げておるわけでございますけれども、賃金形態、具体的な企業内での賃金形態をどういうふうにするかというのは、これは基本的には労使の間で決めなければいけない問題であろうかと思います。 労働省といたしましてもそういった賃金体系、賃金形態の改善のために必要とされるいみんな知識、事例というものにつきましては種々研究会等で研究をいたし、それの産物として各企業の使用に供するような資料もたくさん出しておりますし、また都道府県の労働基準局それから労働基準監督署におきまして賃金相談室というものも設置をいたしておりまして、そういった問題について事業主等からの御相談があれはこれに応ずる、例えば賃金の問題の改善につきまして御相談に応ずるというような体制をとっておるわけでございます。こういった業務を充実させることも必要であろうかと思いますし、今後ともそういった指導に役立てるための資料の整備というものには極力努めてまいりたいというふうに思っていることが一つでございます。 それからもう一つは、有給休暇の問題でございますけれども、御承知のように我が国の場合に実際に与えられている有給休暇の権利が行使されるのは、大体日数にして半分ちょっとを超えるぐらいという状況にございます。こういうことでございますので、六十三年から実施をされております改正労働基準法におきましても年次有給休暇の計画的付与制度というものを新たに認めております。 それから、最低付与日数を従来の六日から原則十日、これは中小企業につきましては猶予措置が先ほど触れましたようにとられておったわけですが、最低付与日数を引き上げたというようなことが法的には措置されておりますし、また年次有給休暇の完全取得あるいは連続休暇の普及ということにつきましては、連続休暇取得促進要綱というようなものも労働省で策定をいたしまして、これに基づく指導をしておるというような状況でございます。 なお、その他の有給休暇をめぐりますいろいろな法律の問題、これほどうあるべきかということにつきましては、既にことしの四月から改正労働基準法の附則の七条に基づきます法律の見直しをやっております。これは週四十時間労働制の問題も含めまして労働時間法制全般にわたる検討を行っているところでございまして、そういう中でも有給休暇につきましての議論が既に幾つか出てきておる。これからもその議論が本格化するわけでございますが、そういうところで妥当な結論が得られるものというふうに期待をしているところでございます。
○細谷昭雄君 終わります。
○西野康雄君 社会党の西野康雄です。よろしくお願いをいたします。 ある統計によりますと、平均寿命を職種別に見ますと一番長生きをしているのがお寺の僧侶だそうでございます。次に長生きをしているのが政治家でございます。私も初当選をいたしましてここへ来たときには、高齢化社会を先取りしているようなところだな、こういうふうな感じがいたしました。ただ、ほかの高齢化社会のお年寄りと違うところは、はつらつと元気で頑張っておられる、こういうところが一般社会と違うところじゃないかな、そんな感じがいたします。 調べてみると日本の六十五歳以上の高齢者は千五百万人、総人口の一二%を超えております。高齢者のいる世帯も千三十万世帯、これは全世帯の二七%に達しております。こういう高齢化社会になりますと八十五歳のお年寄りを六十五歳の娘さんが見る、高齢者が高齢者の面倒を見る、そういうふうな光景が当たり前のようになってきました。しかも、その介護というのがほとんど女性にゆだねられております。片一方で女性の社会進出だ、あるいはレディス・ハローワークだ、そういうふうなことを言われながらも、家庭での老人性痴呆の患者あるいは寝たきり老人を介護する、そういった介護の務めというのがすべて女性にゆだねられているような気がしてならないんです。 最近、企業のサイドで介護休業制度、こういうものを導入する企業が少しずつふえてまいりました。私自身も大賛成なわけでございます。従業員に一定期間の休暇を認め、配偶者や両親の介護に専念させる制度でございますが、その企業が行いつつある介護休業制度でございますが、現状報告、例えば実施企業数だとか給与体系あるいは期間、対象としている家族、こういうふうなものを少し、労働省が把握している部分をお教え願えませんか。
○政府委員(高橋柵太郎君) 先生御指摘の介護休業制度についてでございますが、労働省の調査によりますと介護休業制度を導入した事業所は徐々に増加をしておりまして、平成元年二月には従業員三十人以上の事業所の一三・六%が介護休業制度を実施しているところでございます。 その実態でございまするけれども、財団法人の婦人少年協会の調査によりますると、介護休業中の賃金については無給とするという企業が七割近くございました。介護休業の最高付与日数につきましては、これを決めているというもののうち三カ月未満とする企業が約三分の一、六カ月未満とする企業が過半数を占めているという状況でございます。また、対象となる家族の範囲についてでございまするが、本人の親というのが約九割でございまして最も高く、次いで配偶者、子供、さらに配偶者の親というような順になっているところでございます。
○西野康雄君 無給が七割ということで、もう少し充実させていくべきじゃないか。ただ単に首にしないだけですよ、こういうふうな感じがするわけですが、この制度を充実させていくべきだと私は思いますし、また法制化するところまで踏み込むべきではないか、そのような感じもいたしますが、その辺は労働省としてはこの介護休業制度をどのようにおとらえでしょうか。
○国務大臣(小里貞利君) 高齢化の一層の高まり、あるいはまた女子の就業増加が顕著になってまいっておりまするさなかでございます。そういう状況の中で、ただいま先生おっしゃるいわゆる介護休業制度の必要性は日増しに高まってまいっておる、さように認識いたしておりますが、労働省といたしましても平成二年度よりシンポジウムの開催あるいはパンフレットの作成、そして配布あるいはまた企業に対する介護休業制度の導入の促進、先ほどもお話し申し上げましたようにそれらの事業にただいま取り組んでいるところでもございます。 先生ただいまお話しの介護休業制度の法制化についてでございますが、現在同制度の普及率はお話ございましたように一割程度、そういう状況でもございますので、啓発広報や行政指導によりまして同制度の普及促進に一段と努めることは最も現段階におきまして必要なことではなかろうか、私どもはさように考えておるところでございます。
○西野康雄君 ということは、法制度まではただいまのところ時期尚早である。最終的には法制度までいくのか、その辺のお見通しはどうでしょうか。
○政府委員(高橋柵太郎君) 介護休業制度につきましては、制度的にもなかなか難しい問題がございます。例えば対象となる家族の範囲をどこまでとらえていくのか、あるいは介護の休業期間というのをどのようにとらえるのか、あるいはその回数というのはどういう形で与えられることが適切なのかというように、まだまだ民間で導入した企業におきましてもより適切な姿をいわば模索しているといいますか、試行錯誤の状況にあろうかと思います。 したがいまして、私ども実態調査にこれ努めますとともに、企業の中でこのような制度が早急に導入されるように、企業におきます介護休業に関します福祉制度のガイドラインをつくりたいということで現在実務家、さらに学識経験者等を集めて検討会議をやっているところでございます。そういうようなものの結果を受けまして、民間企業におきますいろいろなこの制度の導入を図り、そのノーハウを蓄積しながらいろいろとこの問題についての対応を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○西野康雄君 この介護休業制度、今御報告にあったとおり期間も三カ月未満であるとか、あるいは今申しましたとおり無給であるとか、随分と欠陥があるというんですか、不十分であります。法制化するしないにかかわらず、この制度を現在各企業が行っているだけでは非常に不十分だと思います。ホームヘルパー制度あるいはショートステイ制度、そういったものとうまく組み合わせていかなければならないと思いますが、その辺の御研究は進んでおりますか。
○国務大臣(小里貞利君) 在宅介護のいわゆる施策といたしまして、先生御承知のとおり、厚生省におきましては寝たきり老人等日常生活に支障がある方々に対しまして家事、介護等を行ういわゆるホームヘルパーを派遣する事業、寝たきり老人等を一時的に特別養護老人ホーム等に預かる制度等を実施いたしておりますことは承知いたしておりますが、これらのホームヘルパー制度、ショートステイ制度と介護制度、介護休業制度と申し上げますか、をうまく組み合わせてそして活用する。そういうことによりまして老親等の介護のための負担を軽くしていく、あるいは負担を負っている労働者が介護と仕事の両立を図ることができるようにより容易となるようなことは非常に望ましいことと考えておりまして、労働省といたしましても、ただいま申し上げましたような観点から介護休業制度の一層の普及促進を積極的に図ってまいりたい、かように思っております。
○西野康雄君 これからの労働行政というのは福祉の観点というものを重視していかなければならないと思っておりますし、またそのような方向で労働行政はなされておると承知をいたしておりますが、身体障害者並びに精神薄弱者の雇用状況を承りますと、まだそのガイドラインに達していない企業だとかも随分と多いようでございますが、そのあたりの雇用状況はどうなっているのか、また企業に対してはどのような指導をしているのか、御教示願いたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 平成二年六月、昨年の六月一日現在でございますが、障害者の雇用状況を見ますと、一・六%の身体障害者雇用率が適用される一般の民間企業に雇用されている身体障害者及び精神薄弱者数は二十万三千六百人余りでございまして、前年に比較いたしまして八千三百五十八人の大幅な増加となっております。一般の労働者数も増加いたしておりますから、実雇用率で見ると一・三二%で前年と同率である、そういう結果でございます。 労働省といたしましては、従来から雇用率未達成企業に対しましては指導に取り組んでおりますが、特に適正実施勧告が出されているにもかかわらずなかなか履行されない。そういう企業に対しましては企業名を公表する、そういう強力な指導等によりまして、それを前提として再度の指導を行いまして、適正実施勧告の対象とはならないが特に不足数の多い大企業に対しましても本省幹部による特別指導等を実施いたしておるところでございます。
○西野康雄君 一九六〇年代にデンマークのミッケルセンさんが第二次世界大戦中のナチスドイツの強制収容所の経験をもとにノーマライゼーションというすばらしい理念を発表されました。一九七〇年には国連で精神薄弱者権利宣言、七五年に国連における障害者の権利宣言が採択をされております。そして国連障害者の十年というものが樹立されて、我が国もこれに呼応していろいろな施策を講じておるわけで、九二年の最後の年をやがて迎えようとしております。 労働大臣の所見でございますが、今までも平成元年十一月十六日の社会労働委員会で福島労働大臣が堀委員に対してお答えになったものがございます。福島労働大臣は、御自身も障害を持つ子供さんがおられるという経験から、障害者が健常者と同じように自然に働ける社会を実現するということが障害者対策の基本である、そのためには自立に向けて努力する障害者を支える具体的な政策を展開することにある、こういうふうな答弁をなさっておられますし、また橋本大蔵大臣は、御自身のお父さんが下腿障害を持つ障害者であったということから、その父親の言葉から必要と考えられるものは、一般の国民の中に障害者に対するいたわりの気持ちと、そのいたわりの気持ちを踏まえた上で公平な競争機会を与えてくれるかどうかということが大事である、こういう答弁もなさっておられます。 また、最近では下条厚生大臣が、「身体障害者の方に対して社会が温かい気持ちで理解をし、そしてまた、障害者の方々の御不自由を少しでも少なくした形で生活ができ、また労働の機会も得るように持っていく社会的条件を整えることが極めて大事でございます。」と、こういうふうなことをおっしゃっておられます。きょう大臣のごあいさつの中にも重度障害者の雇用等の文言がございました。ひとつ大臣の力強い所見をお述べいただければと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 申し上げるまでもなく、明年、平成四年は国連障害者の十年の最終年に当たります。今新しいそういう強力な施策を打ち立てなければならない準備段階におきまして、明年の最終年に向かって、この機会に御指摘になるような意味合いにおきまして、再度腰を据えて検討することは非常に意義がある、さように認識をいたしております。 障害者の雇用については、率直に申し上げまして一定の改善は見られるものの、まだ重度障害者を中心といたしました雇用の立ちおくれが見られることは御指摘のとおりでございます。ますます先生のだたいま御指摘いただきました問題等にも十分注意しながら前向きで積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○西野康雄君 ありがとうございました。力強いお言葉で本当にうれしく思います。 ただ、こういう福祉の問題というのは、障害者にとっては働きたいということと学びたいということは全く同一のことだと思います。労働省だけではなくて、身体障害者の社会進出には文部省あるいは厚生省の努力も必要かと思います。文部省において、身体に障害を持っている子供たちが義務教育を終えて普通高校へ進学する、その際に高校に対してどのような指導をしているのか、お答えを願いたいと思います。
○説明員(辻村哲夫君) 御指摘の点は大変重要な点であると認識しておりまして、私ども、具体的には高等学校の入学試験に当たりまして、従来から単に障害を持つということだけをもって受験の門戸を閉ざすというようなことがあったり、あるいは不合理な取り扱いがなされることのないように各県に対しまして指導を行っているところでございます。 具体的には、そのような指導を受けまして、ほとんどの県におきまして、例えば試験の際に別室で受験をする、あるいは受験時間を延長する、あるいは点字での受験、問題用紙を大きくして試験に臨む等の障害を持った生徒たちに対します受け入れに当たりましての措置が具体的に講ぜられているところでございます。大変重要な点でございますので、私ども文部省といたしましては引き続き各県におきまして適切な対応が行われますような指導を行ってまいりたい、このように考えております。
○西野康雄君 具体的に身体に障害を持つ子供たちの進学状況あるいは実態、把握している部分がございましたらお教え願います。
○説明員(辻村哲夫君) 私ども、例年、障害を持っておる子供たち、盲学校に学んでいる子供たち、聾学校に学んでいる子供たち、あるいは養護学校、これは肢体不自由とかあるいは病弱とかいろいろ種類があるわけでございますけれども、そうしたところの中学部を卒業した生徒たちがどのように高等学校に進んでいるか、あるいは中学校に特殊学級というのがございますけれども、そうしたところに学んでいると徒たちがどのように高等学校に進んでいるかという数字を毎年とっているわけでございます。 平成二年度の卒業者の例で見ますと、ただいま申し上げましたような学校に学んでおりまして、普通の高等学校に進みました生徒は、合わせまして二千二百三人という数字を私ども承知しているところでございます。
○西野康雄君 その中には筋ジストロフィーの子も入っておりますか。
○説明員(辻村哲夫君) 具体の数字までは承知はしておりませんけれども、この中に筋ジストロフィーの子供のいることは事実でございます。
○西野康雄君 大阪の例で、筋ジストロフィーの子供が、体育の時間は体育をもちろん受けることができませんので保健室で保健の先生に体を伸ばしてもらった力というふうなリハビリをしております。それが体育の単位として認定をされているようでございますが、そういうことは可能でございますか。
○説明員(辻村哲夫君) 個々具体の教科の単位の認定は個々の学校が認定をするわけでございますけれども、一般論で申し上げますと、心身に障害のある生徒につきましてはそれぞれの生徒の実態に応じて適切な指導をするということが学習指導要領の中に書いてございます。具体的には、体育の評価に当たりましては、単に運動の技能の観点ということだけではなくて、運動に関します知識、理解でありますとか、あるいは運動に関します関心や態度というようなものも含めまして総合的に評価をするというようになっているところでございます。
○西野康雄君 そうすると、例えば仮定の話でございますが、中学校からとある高校へ行きたい、普通高校へ入りたい。そうしたときに、受験に際してあなたは身体に障害を持っている、体育が単位は取れませんよというふうな形で入試を拒んだり、あるいは合否の判定に影響を及ぼしたりというふうな措置をとられたとしますと、今文部省が指導なさっている部分から大きく逸脱をしているんじゃないか、そういう措置は不適切ではないかと私は思うんですが、どうでしょうか。
○説明員(辻村哲夫君) 先ほど御説明いたしましたとおり、個々の判定は個々の学校が判定をするわけでございます。そして、その生徒の障害の程度、これがどのようなものであるかということにつきましても区々でございまして、それらを総合的に判定するわけでございますが、私ども学習指導要領で示しておりますのは、単に運動の技能の観点だけではない、総合的に判定をするんだということはこれは間違いのないところでございます。
○西野康雄君 運動の技能だけではない。私も体育というのはそのようなものだと思います。首しか動かせない子供は首を一生懸命回す、それが私は体育だと思います。百メートル十秒で走れ、それが体育なんだと言われたら、日本全国ほとんどの者が体育の単位は履修できない、こういうふうなことになってしまうわけでございます。 もう一つは、例えば障害者の子供たちに門戸を開く際に、受け入れ施設がないんだ、エレベーターもないんだ、スロープもないんだというふうな事柄は、それは受験をさせない、あるいは合否判定に影響するものなんでしょうか、そういうふうなことで門戸を閉じるということは許されるべきことなんでしょうか、文部省の見解をお伺いいたします。
○説明員(辻村哲夫君) ただいまの御指摘の点でございますけれども、合否を決定いたします際には、それぞれの合否を決定する権限のある立場の者といたしましては、受け入れた後適切にその子供を受け入れてそして卒業させる、そういう見通しがあるかどうかということで総合的に判定をするわけでございます。したがいまして、施設設備がどの程度に整っているかどうかということも、その生徒の心身の障害の程度の状況等との勘案の中で総合的に判定されるわけでございますけれども、施設に支障があるかどうかということは学校教育を安全に円滑に行う上で重要な要素でございますので、そのことが要素になり得るということはこれは考えられることであろうというふうに思います。
○西野康雄君 例えばとある学校で障害のある子が受験をしたいということで行きました。その子の受験理由の中に、前にも車いすの子供がそこを無事に卒業しているということが前提条件としてございました。ところが、校長先生は受け入れ施段としてそういうものはないんだという理由で断ってきたといたしましたならば、これは私は、文部省の指導だとかの部分においては大きく逸脱しているんじゃないかと思いますが、どうですか。
○説明員(辻村哲夫君) ただいまの御質問は非常に具体的なことでございまして、全体としてその生徒の心身の程度をどういうふうに判定するのか、それから受け入れる側の責任者として生徒を安全に、そして適切に指導していくだけの施設が整っているかどうかということにつきましても責任を持つ者として厳密に考えるということも、これはこれで否定できない面があろうかと思います。 したがいまして、具体的にその施設設備がどうなっているのかということの中に入りまして判定をすべき事柄というふうに思われるわけでございまして、一般論として申し上げておりますのは先ほどのような点でございますが、具体的に個々の生徒がその学校に適切かどうかということは、これは個別の判定をする立場の人が御判定をいただくということになろうかと思います。
○西野康雄君 私の地元の兵庫県市立尼崎高校というところを筋ジストロフィーの子が受験しました。校長先生とも事前に会いました。そしてまた、脳性麻痺の子が三年ほど前に無事に卒業しているということも確認をいたしました。国立刀根山病院からは、三年間就学をする体力を有しておりますよという診断書も添えられました。その受験をしたB君は美術、体育、音楽を除きますと十点満点でオール十といってよいぐらい優秀な成績の子供でした。多くの友達とともどもに市立尼崎高校へ入りたい、病院も大丈夫ですよ、そして以前にも車いすの子が卒業していた。この子にとっては勉強すること以外努力することはないんです。ほかの努力はできないんです。一生懸命勉強しました。そしてその結果は、成績はよかったけれども体育の履修ができない、受け入れ施設がない、こういうふうな理由で入試が不合格となりました。 私は、先ほどから文部省の指導要領を聞いておりますと、できるだけ受験生には門戸を開き、そして体育の履修も技量だけではない、こういうふうなことを承りましたが、それではその趣旨がどうも市立尼崎高校の場合は徹底していなかったんじゃないか、こういうふうな気持ちを持ちます。この子、本当に何の罪もないのに、一生懸命勉強して十段階でオール十に近い、これだけの子供を救い得ない、これは文部行政としてはどこかに手落ちがあったんじゃないだろうか、そんな気がしてならないんですが、どうですか。
○説明員(辻村哲夫君) お尋ねの点につきましては、私ども入試が公正、公平、適切に行われるということが非常に重要だということで、担当の県の教育委員会からも事情等を報告を受ける等して随時指導してきたところでございます。 指導の中身につきましては、今先生からの御質問に私がお答えしたとおりの内容でございます。ただ、個々具体の生徒の個々具体の学校への合否をどうするかということにつきましては、文部省が直接それに言及するという立場にはございませんで、それぞれの手続に従って、この尼崎の学区の場合には尼崎学区総合選抜管理委員会という組織がございまして、そこで判定をするということになっております。 したがいまして、文部省がそれにつきましてどうこうという立場にないということと、今この件をめぐりましては訴訟も提起されているということでございまして、個々具体の判定につきましての判断というものにつきまして文部省として言及することは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○西野康雄君 私はそこで疑問に思いますのは、不合格の通知を受けて、そして県教委が報告を受けたのは四月八日でございました。そして八月に提訴をいたしました。その間随分と時間があるにもかかわらず、そして国際障害者年の仕上げの年が近づいているというのにもかかわらず文部省はどのような指導をしたのか。私は、それは裁判中ではありますし、だからこそ質問の中でも随分と仮定の話でということでやったわけでございますが、なぜその親子が訴訟までしなければならなかったのか。ここに私は文部省の障害者教育に関して熱意が足りなかったんじゃないか、こんな思いがしてならないんですが、どうですか。
○説明員(辻村哲夫君) 文部省といたしましては、先ほどからお答えをしているとおりでございますけれども、四月の段階から県の教育委員会を通しまして事情を聞き、先ほど申し上げましたような基本的な考え方を県の教育委員会を通して伝えまして市教委を指導してきたところでございます。 ただ、そのような文部省の指導を受けた後、個々の具体の生徒、その生徒を個々具体の学校に合格させるか否かということにつきましては、それは権限のあるお立場の者しかいわば決定をすることができないわけでございます。文部省といたしましては、先ほどのような立場に立ちましてるる指導をしてまいったわけでございますけれども、現状は残念ながら訴訟が提起されて今係争中になっているということでございます。
○西野康雄君 裁判中だからということで逃げるのではなくて、来年また同じところを受験するかと思います。そういった環境を整えていってやる、こういうことも一つ大事なことではないかなと思いますし、文部省の指導、言うことを聞かないなということも私はわかるんですよ。県の教育長は私のところに事情説明には来ますけれども、尼崎市教委の宮田という人は一度たりとも来ないし、電話をかけてもおらないというふうなことで、そしてまた市立尼崎高校の校長さんは木津さんといいますけれども、この方は差別事件が発覚してからというもの学校にも来ていない、つかまえようがないというのです。こんなたちの悪いのは私は本当に不愉快な限りでございます。 これは教育に対して、何というんですか、子供たちが校長先生、その学校で一番偉い人だ。教育長、その市の中の教育をつかさどるのに一番えらい人だ。こんなことでは、これは教育に対しての権威というものががらがらと崩れ落ちてくるんじゃないか。だからこそ、より一層裁判中にもかかわらず強力な指導、裁判だからといって逃げるのではなくて、強力な指導というんですか、そういうものが私は必要じゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○説明員(辻村哲夫君) 裁判が提起されました後におきましても随時私どもは状況等の把握に努め、先ほど申し上げましたようなことは繰り返して伝えてきているわけでございますけれども、きょうこうした大事な場での先生の御指摘でもございますので、このようなことにつきましては早速県の教育委員会を通しまして伝えたいというふうに思います。
○西野康雄君 時間もやってまいりました。いい知らせが舞い込みますことを願って、私の質問を終えさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(向山一人君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十分休憩 —————・————— 午後一時開会
○委員長(向山一人君) ただいまから労働委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、佐々木満君が委員を辞任され、その補欠として二木秀夫君が選任されました。 —————————————
○委員長(向山一人君) 休憩前に引き続き、労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○仲川幸男君 大臣、大変いいときにと申し上げてよかろうと思うんですが、こうして労働委員会が分離、独立をいたしました。何か私たちも長い間そういうことを言い、思いしてまいりました。この労働委員会が独立をして一つの常任委員会となりました。そのことは私は、日本全般の労働問題を考えておられる人に対しては大変大きな影響であったと思います。ひとつ御抱負、御所信、お聞かせをいただけたらと思います。
○国務大臣(小里貞利君) ただいま仲川先生お話しのように、今次、院の問題ではあられますけれども、私どもに直接関係のある労働委員会という、率直に申し上げまして私どもの労働行政を集中的に関心を持っていただき、そしてまた御検討いただく、そしてまた貴重な知恵なり御提言をいただくという、そのような一つの機構を整えていただきましたことは、私ども挙げて歓迎し、そしてまた強く御期待を申し上げておるところでございます。 せっかく院におきましてこのような基礎的な体制を従来以上に固めていただいたわけでございますから、そのお気持ちを尊重いたしまして、私ども行政機関といたしましても相呼応いたしまして十分おこたえいたさなけりゃならぬ、かように考えております。
○仲川幸男君 三つ四つお尋ねをいたし、またそれがそれぞれに関連もいたしておりますから、ちょっと後先になりますけれども、大企業の労働行政といいますか労働問題の指導といいますか、そういうことと中小企業の労働者に対するものというのは私は根本的に労働行政が違うとは思わぬのですけれども、私はこれは少し駄弁を弄する形になると思いますけれども、そのあたりの私の考え方を申し上げて大臣に御所見を承りたいと思うのです。 大企業は自分の組織の中で労働行政に近いものをやっておられるということであります。それは大きな経費もまた指導するノーハウも含めましてそういうことになっております。中小企業は片や大変な苦労をし、事業内訓練所をつくったりいろいろな形で地方自治体との関連も持ちながら、余りやりたくない、勉強したくないのを無理に引っ張り出しながら、まああめをねぶらしながらやっておるというのがもう率直な中小企業に対する労働者の技術、環境整備、あらゆるものがそうであると思います。 大変失礼な言い方をしたことがございます。労働行政は大企業に対してはブレーキを、中小企業に対してはアクセルをと、こういうことを言ったことがございます。ひとつそのあたりの問題、現在不足をしております後ほどお話を申し上げお尋ねしようと思っております外国人労働者問題、若年労働者の不足、そしてそれから起こってまいりますもろもろの厚生施設等々の問題等があると思うんです。 そこで、大臣にお尋ねをいたしたいのでありますが、作文的に言いますとそれは大いに、もちろん大企業も労働行政によって指導をしなきゃならぬでしょうが、私は労働省のあらゆるもの、福祉も含めまして、やはり中小企業を中心とする一つの計画をきめ細かく持っていただきたいと思います。このあたりで一応大臣のお話を承って、また個々の問題についてお聞きをしたいと思います。よろしくお願いをいたします。
○国務大臣(小里貞利君) ただいま先生の御質問の言外にも感じられるわけでございますが、大企業と中小企業の間には労働条件あるいは福利厚生等々さまざまなことにおきましていわゆる端的に申し上げまして大きな格差があることは否定できません。しかしながら、先生もただいまお話がございましたように、中小企業は我が国の産業経済を支えておりまするいわば主戦力でございます。また、労働者の雇用の面から見ましても統計数字の上で圧倒的にその重きをなしておりますことも御承知のとおりでございまして、いわば我が国経済社会の発展を、あるいは活力ある一つの振興を進めていく上におきまして非常に重要な役割を果たしているところでございまして、私どもはこの中小企業の活力を、あるいは役割というものをますます増進そして維持せしめていかなけりゃならないと考えております。 あわせまして申し添えますと、中小企業に働く労働者の皆様方も生きがいのある、そして働きがいのある充実した勤労者生活を送ることができるようにすることが大切である、かように認識をいたしております。 しかしながら、申し上げましたように中小企業と大企業の間には労働時間を初め福利厚生、労働環境、さまざまな面におきまして隔たりがあることも事実でございまして、このような規模間格差の解消を図ることが私どもの労働行政にとりまして最も肝要なことではなかろうか、かように考えております。
○仲川幸男君 労働力不足から今労働問題は外国人労働者の問題を論ぜないで労働問題が論ぜられないほどになりました。それでいろいろ政府の方も御配慮をいただき努力して財団が生まれました。もう私が長いお尋ねをするより、財団につきましての現在時点の問題を、局長からで結構でございますが、お答えをいただいてからにいたしたいと思います。
○政府委員(松本邦宏君) 先生御指摘の財団法人国際研修協力機構でございますが、これは設立の準備を進めてまいりまして、現在各省庁に設立認可の申請が出ております。早ければきょうじゅうにも認可ができるのではないか、こう思っておりますが、いよいよ十月一日から業務を開始するということになっておりまして、ここでは事業主あるいは事業主団体の行われます研修生の受け入れがスムーズにいきますように各般の援助を行ってまいりたい、かように考えておるところでございます。
○仲川幸男君 一口に外国人労働者問題といいましても、一つの大きな法務省の、かせと言ったら大変失礼かもしれませんが、かせがあってなかなか入ってこれないというのが現状でございます。さりとて、現代でこの問題を最もいい状態でというのは、西欧諸国もこの問題で見せていただきました。単純労務者を入れたことでこんなに後で困ることがたくさんできるかな。それは福祉の問題も含まれましょうが、特に老人対策の問題、教育の問題、もう数限りない問題が後遺症と申し上げていいであろう、そのときはそのときでおさめたけれども、後遺症が残っております。 さて、現代の外国人を入れるまでの背景をちょっと大臣にも御認識いただいたらと思うわけでありますが、まず東南アジア、中国、台湾といろいろございますが、一番大きな窓口は現在までのところは上海、広東、今の広州であります。一番大きいのは上海でありますが、上海で御記憶にあると思いますけれども、日本の日本語学校へ入るために入学金を十万納めたら二十万納めたら日本へ行って学校へ入ったことにして一日一万円ぐらいは稼げるんだよと、そういうことで募集をいたしました。 だれがいたしたかと言うと、それはもう全然わからない形で、手配師と私たち申しておりますが、手配師がいたしました。そうして二千人以上の人が上海に集まりました。それから全部お金を取り上げて、そしていよいよというときによくよく調べてみるとそんな学校もない。私は法務省も当然の措置であったと思うんですが、そこでぴたっとドアを閉めました。そして、あそこで大騒動が起こりました。その大騒動を、日本もそれぞれ水面下でも御努力をしたと思うんですが、上海、中国の当局が静めました。静めたところに何があったかといいますと、あんたたちが正常化になったら日本へ行かすようにしましょう、そして君たちが出したお金もひとつそろそろ返しましょう、こういうことで約束ができて労働者があの火の手を静めたわけであります。 そして、二億の金になるんですが、大体煮詰めて煮詰めて二億の金でありますが、この二億の金を、日本のそのことについては外務省も内々承知をいたしておりますけれども、ないのを学校だと言ったんだから、文部省も責任があると申し上げてもなかなか難しいところでございます。それで、いろいろ苦労をしまして、日本の外務省の外郭というのにもちょっと遠いような団体がお金を集めまして、そして現在一億近いお金を集めているんです、返すお金を。 先般私が参りまして向こうの当局者と話をしまして、全部集まらなくてもしまいにしないか、そうせぬと次の受け入れができないよ、うちは十月ごろに受け入れをする体制をづくりよるんだが、こういうことでいろいろお話をいたしました。それはまだ切りがついていないうちに、特に中国の労働者受け入れ問題がこれから起こるんだと。私、時間をとりましてこのことを申し上げたのは、余り表面に出ておりません話ですからあえて申し上げたわけであります。 中国にもやっぱり友好の団体がございまして、今度ごちらにつくります団体と、財団と同じようなものがございます。女の人でありますけれども、王さんという書記長がかなり細かく日本の情勢も知っておりますし、これで何とかしたいということで、今の二億の金が、全部皆さんに御迷惑をかけたものが片づいてしまわなくてもあらかたの見通しがなければならぬと思いますので、そのことは役所の中でするべき人にそのお話をもう少し細かくいたしますから、大臣、そのことを御認識いただきたい。 やはり何といっても今収入の格差からいいましても、中国の労働力というものが形はどうであっても私は受け入れをしなければならないと思うんですよ。それは技術を習得をする、そういうことが名目でありましても、本心は向こうさんもお金を少しでも持って帰りたい、こちらの中小企業も少しでも労働力を支援していただきたいという本音同士ははっきりとぶつかっておるんですが、そこに今難しい受け入れ態勢があると思うわけであります。 それでまずお尋ねをする問題は、財団ができました、今のお話ではきょうかあすかというお話ですが、十月一日財団ができました。そして財団がいよいよ動くでありましょう。災害の問題がございますので、これは保険の問題をしっかりしておきませんと、今企業はそういう問題が不十分だったら一人殺したら小企業はつぶれるという、それほどのときでございます。まして国際的に関連をいたしておる受け入れの問題でありますから、そのあたりも十分大臣監督下に置く財団で私はあると思います。 それは法務省がキャップで来られるんだそうですが、労働省が実質的の責任者でやられるということであれば、やはり法務省は一つの不法のようなものを見るということだけにとどまると思うんです。もう一つ、通産とか建設とか輸送船舶とかいうものは自分の方のところに利益のいいものにのみ目が行くと思うんです。両方の目の中に私は労働省がおると思うんです、大変重要なところだと思いますので、担当者なり大臣からひとつお考えのほどを承っておきたいと思います。
○政府委員(松本邦宏君) 先ほど先生がおっしゃいました中国の問題は、一つは就学という形で、日本語研修という形で入ってきた人たちの問題であろうと承知いたしておりまして、我々は入国の形としては就学、留学あるいは研修という形でいろんな形があるわけでございます。我々は今研修生という形での受け入れということで問題を処理しているわけでございますが、その中で御指摘ございました災害の問題につきましては、これは大変我々としても重要な問題だと考えておりますが、労働法の適用がございませんので労災保険が適用できません。 そこで疾病あるいは傷害の補償のための新しい民間保険を実は設計をいたしまして、今回この財団を通じて研修生の受け入れ等をなさる企業についてはこの民間保険に加入を勧奨するということで、料金等についても特別に安くするようなことで考えております。それ以外の研修生の入国から出国に至るまでのいろんな面での援助というものを、先生御指摘のように我が省が中心になりまして各省とも協力しながら進めてまいりたい、かように考えております。
○仲川幸男君 ちょっとこれ、図らずも昨日にその窓口でいいます外務のナンバーツーぐらいの人だと思うんですが、私との私信でございますけれども、構わないところだけ。出す方の側はこういう物の考え方をしておるということを御認識いただいたらと思うのです。 前段は略しますが、「さて日本経済新聞を読んでふと次の記事が気になりました。外国人研修生受け入れ年間百万人目標に国際研修機構九月に設立へ、それが今の設立へという、これは見出しか、もしや先生が前に言われておった事業と同じかどうか判断しかねますが、就学生と研修生とをきちんと分けてそれぞれ健全な道を進むようにしむけるのが現在の課題かと思います。財団法人国際研修協力機構が設立されればこの課題の解決に大きな尽力をされるものと考えられ、喜ばしいことです。私どもはこれに最大の協力をするつもりでございますから」、これはそこの一役人ではありません。中国というのは、上海もそうですが、割合大きな独立した国のような機構を上海あたりは持っておりますので、そこの外務省と似たところの責任のある人と二、三回外国人問題の交渉をした中でこのことが来ておりますので、その問題について大変期待が大きいということを御認識をいただいておいたらなおよかろうかと思います。 さて、その財団ができまして受け入れをいたしますと、ここから中小企業と大企業とが分かれるわけでありますが、大臣、大企業なんかもう全部ほっといても労働省がするより何倍も大きなことを各会社がやっておるんです。それは立派な家を建てて、研修室もつくって、そしていい宿舎もあてがってやっておるわけなんです。中小企業は三人か五人の人間をもらうことにきゅうきゅうと合しているんです。それをもらってやっていけるだろうか、災害が起こったらどうなるんだろうか、賃金はどうなるんだろう、法務省は賃金を払ったらいかぬと言うけれども、それはやっぱり研修と研修との合間に実習をするという実習一研修、実習、研修という、現場も知っててもらいたい、こういうことなんです。 それは労働省がやる仕事で、どこもほかの役所がやる仕事ではないんです、通産は通産として。入ってくればそのままA工場へ渡したらいい、B建設協会へ渡したらいい、こういうことになるんですが、そうでないところに、ここに私は財団が生まれたもののゆえんもあるし、労働省はこの財団に心血を注いで今の労働力不足を解消しなければならない。今までも労働力不足を解消するためにいろいろな訓練をやり、検定をやり、そしてたくさんたくさん技能士ができ過ぎた。名前だけおまえは何々一級技能士だよと言ってもこれを使ってもらえるところ、このことでメリットがないというのが今技能士の悩みであります。いいところでは、何でも構わぬ、免許を持って戻ったらその日から二百円だけは上乗せしてやるよというようなことをするように我々しむけておりますけれども、なかなかそういうことは難しい、こういうことであります。 そこで、その受けとめられる人数が三万になりますか五万になりますか、私は東京の大企業などに労働省がお世話をする必要は、また今度できます財団がお世話する必要はない。そこは保険もきちんと、また保険がなくてもその人たちがどんな状態に陥ってもそれに対応できる資金を持っておるんです、そのあたりが今お答えのあった保険の問題とも関連するんですが。仮に二年間の研修で受け入れるとしますと、そうすると今あなた方が指導して財団が発表しているか、財団が個々で発表しているのかわかりませんが、半年はひとつ教育をしましょう、そしてそれから出しましょう。そんなことではいけませんので、日本語その他の常識的なものを二カ月なら二カ月やって出して、現場でわからないことを帰ってきて座学で教える、また出す。この繰り返しの中に本音がここで動くわけでありますから、このあたりを間違えぬようにしないと、役所方の机の上でやっただけでは困る、こういうことであることをあえて申し上げておきたい。これが一つ。 もう一つは、そうしたら労働省の息のかかっておる使えるところといったら都道府県へ出るとどこがあるかというと、私は能力開発協会、それぐらいしかないと思うんです、労働省が各県に使えるところというのは。技能を習得させ、そして中小企業との日々の交渉があり、他のところにはないと思う。それは中央能開を中心とした労働省の監督下で十分細かい配慮をしていただきたい。 こういう席ですから余り手順の細かい話をいたしませんが、ひとつ十分御配慮をいただきたいと思います。そこにやはり中小企業と大企業との物の考え方を根本的に違えてくださいよ、こういうものが一つあるわけでございます。ひとつ御認識をいただきましてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) まず基本的なところを私の方から大づかみに申し上げまして、その後局長の方から補完していただこうと思います。先生もお話の中でそのことを認識しながらいろんな項目を多彩にわたってお話をお聞かせいただいておるところでございますが、研修とそして外国人労働者の調達の問題とは、これは区分しながら払お答え申し上げなければならぬ立場だと思う次第でございます。 まず、先生の方からお話がございました外国人研修生の問題でございます。これはもう先生もお話しのとおり、我が国が国際社会に貢献をする数多くの要件の中の重要な項目の一つであることはお話しのとおりでございます。今回研修財団をつくりまして云々の話でございますが、先ほど局長も若干触れておりましたように、また先生も非常に憂えていらっしゃる問題点が幾つかあったようでございますが、お話をお伺いいたしておりまして、その。辺を的確にお答えしなければならぬな、こう思います。 例えて申し上げますと、先ほど中国のお話がございましたが、そういう労働者が出てまいりまする、研修生が出てまいりまする母国がその人の身分をきちんと確認する、こういうことも今度は必要な項目の中の一つだろうと思います。逆にまた、成田に着いたときには、その受け入れ側の日本の一つの国という立場におきましてその身分を確認をする。それから、一定の機構の中に入れまして研修も行いますが、研修はこれから具体的に話をするかもしれませんけれども、そう長きにわたっての研修というものも必要であるんだろうか。 私どもはむしろ基本的に日常の生活に事欠かないといいますか、最小限必要な語学なり生活慣習なりあるいは労働慣行等を若干基礎的にマスターさせて、そして後は、先生もお話がございましたように、その事業の現場に、言うなれば座学から離れまして研修として実際に出ていきまして、そして就労をして、そしてこれも公然と報酬を支給いたしまして、一定のその研修生の生活なりあるいは生活設計の一部を満たしてやるという、そういう考え方があると思う次第でございます。 同時にまた大事なことは、一定の研修、そしてまた実務の期間が経過いたしましたときには、きちんと政府の窓口におきまして責任を持って成田からお帰りをいただく。その間には日本の高度な生活習慣なりあるいはいろいろな面にわたるノーハウというものを習得していただくという大きなメリットもあり得るわけでございますから、そういう一つの考え方を持っております。同時に、先生の方からもお話がございましたように、いわゆる今非常に有効求人倍率が高いという日本の状況でございますから、これが第一義的な目的ではございませんけれども、その面も結果的に私どもは補完できるという複合的な効果が期待できる、こういうふうに実は考えておるところでございます。 なおまた、先生の方からお話がございましたように、実際問題として大企業偏重になってはいかぬよ、中小企業というのが非常に重要なんだから、この面がまた人材が枯渇しておるんだから、この辺を十分配慮してやる必要があるんじゃないかというお話でございますが、全く先生の御指摘のとおりだと考える次第でございます。 なおまた、能力開発協会の活用の問題でございますが、これはまた先生はこのことについても精通いただいておる立場の方でございますが、それぞれのノーハウなり経験なりあるいはこの実態について通じていらっしゃる開発協会でございますから、いろいろと直接間接提携いたしまして協力をいただき、進めていかなければならぬ、私はさように思う次第でございます。
○仲川幸男君 局長に時間とらせてはいかぬと思いますので、大胆な提言なり御発言を私は大臣がおっしゃられたと思うので、それはそのとおりにやってもらえれば、そのほかの細かい説明は要りません。いろいろありましょうから、各省との連絡もありましょうが、ひとつそれでお願いをいたしておきたい。そのことはそういうことです。 この間、大臣の部下が出ておるある会でも私は申し上げて説明をしたときに、一番大事なものを、白書から始まってずっと落としているじゃないか。それは、今労働者が何を考えておるか。家を持ちたいな、せめて自分の家を持ちたいなと考えておる。そのことに対して大きな見出しかないではないのか、あなたがたは。これは怠慢じゃないかなとさえ私が言ったわけでありますが、それはそれとして内容はこのようにございますという御説明もありました。ありましたけれども、やはり名は体をあらわすというのか、体は名をあらわすというのかどうかわかりませんが、そのあたりのところをきちっと——私は住宅問題が労働者の今の願いでは、番付をしたら第一位ではないかなとさえ思うわけであります。 そういう意味合いにおきまして、対応としましても今の五百万の財移住宅、あれは五百万が制限であったと思うのですが、あれを来年は何が何でも一千万にはしてもらわなきゃならないが、これは恐らくきょうおいでになる与野党の先生方も、そちらにお並びにたっておる建設省も同意見で、これはもう皆さん反対がないと思いますから、ひとつ大臣、我々もできるだけ支援いたしますから大運動を起こしまして、きちんとそのころが来たときに値切られないように、一千万というちゃんとしたけたでお願いをするようにひとつ努力していただきたいと思います。 私があえてきょう正式な場で、記録に残るところで発言をさせていただいたものでもございますが、その問題もあわせまして住宅問題について、皆さんの感覚もそうでないかと思うんです。一時期さっと労働者の住宅という問題が頭を上げましたけれども、このごろ一向その風が吹いていないし、中小企業者がそのことを利用して住宅を従業員につくるということにならぬのです。それは大企業はいっぱいホテルより立派なような住宅をつくって今それで人を集めておるんですよ。このあたりひとつ知恵を絞ってください。 実はもう一つ最後に、先ほど西野先生のお話の障害者の問題について、弱者についての配慮というものでかなり細かいお答えがあったようですから、これは私がそちらへ申し上げておりましたことをあのお答えのような形で、それは一例を挙げてお話がありましたけれども、労働省の中にエレベーターを世話しよる障害者が二人おりました。十年前には実は古い建物でございまして、あの中にいすに座ってエレベーターをやっていた、それが労働省であったということで、昔私が労働問題七一番初めに発言して大変そのことをお褒め申し上げておいた記録があると思うのです。 これもひとつ、企業の発表をするとかというお答えもありましたが、それ以前に企業の教育を労働省はきちんとしなきゃならない。我々元気な者がこうして働かせていただいておる陰に、弱い者と一緒に前を向いていくということが、これが世の中の一つの原則なんですよ。それをぬくぬくと何千億もの不明な金が出たりするような企業が、そういうところへ一つも目をやっていないなどということについては、やはり労働行政の中の一つとして私はそのノルマも自分たちで十分やっていないというのは怒りを込めて申し上げておきますので、このことについてはひとつ十分御配慮をいただきまして、大臣の御答弁をいただいて私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) まず前段の住宅貯蓄の非課税限度額五百万円、現行額でございますが、引き上げの問題、委員会のたびごとにそれぞれの委員の皆様方から強くお聞かせをいただいておる問題でございます。 率直に申し上げまして、明年の予算編成、概算要求、その基礎計算作業の過程におきましても、実は私、労働省内で関係局長あるいは責任者の皆さんとしばしば論議をいたしておるところでございます。実は、けさほども先生方からこのような質問があるということであらかじめのトレーニングをいたしまして、その中で現段階におきまする事務当局間の交渉の状況はどうかというお話も聞いてまいったぐらいのところでございます。どうしてもこれはいろんな物価、経済の変動の趨勢から見ましても、五百万という額を決定いたしましたのは昭和四十九年でございますか、そういう経緯等からいたしましても今次は是が非でも改正しなければならぬと、私はそのようにお説のとおり考えておるところでございまして、労働省を挙げましてぜひ御期待に沿うように頑張るつもりでございますが、またあわせまして委員各位の、与野党の皆様方の御協力を心からお願いも申し上げておく次第でございます。 最後にお話がございました障害者の雇用率未達成企業に対しまする私どもの対応の問題でございますが、従来もいろいろな観点から、午前中も御説明申し上げましたような具体的な施策を講じてまいったつもりでございますけれども、御指摘のように大企業になればなおさらと申し上げていいぐらい非常にその達成率の成績が悪い、そういう状況でございますから、一段と踏み込んで強硬な一つの強い熱意を持ちまして対応していかなければならぬと思っております。また、先生のただいま御発言のニュアンスにもありましたように、強烈にもっとその辺の効き目のある、実効の上がる方策等も知恵を絞ることを怠っちゃならぬ、こういうふうに考えておるところでございます。
○仲川幸男君 ありがとうございました。
○田辺哲夫君 先ほど大臣、政務次官から労働行政に対します抱負を聞きました。大変決意のほどに敬意を表しますとともに、期待申し上げたいと存じます。 私は時間がございませんから介護労働、また婦人と労働の問題、この二点に絞りまして原則的な問題をお聞きしたいと存じます。 先ほど大臣のごあいさつの中にも看護労働者の確保につきまして立法措置を議したい、このような発言があったわけでございます。その立法措置につきまして現在の現況、見通し、特に国会への提出の時期等につきましてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 現在、労働省におきましては、看護・介護労働力の確保等を図りますための総合的な対策を検討いたしているわけでございますが、看護・介護労働に関しましては、全体として雇用管理の改善に立ちおくれが見られるということが各方面から指摘されているところでございますので、雇用管理の改善を図りながら看護職員、社会福祉施設職員あるいはヘルパーあるいは家政婦等関連するすべての職種につきましての労働力確保対策を講ずる必要があるだろうというふうに考えているところでございます。 具体的には、第一といたしまして、雇用管理の改善でございます。労働条件面での改善でございます。第二点は労働力需給調整システムの改善でございます。第三は人材の育成と申しますか、能力の開発向上と申しますか、そういったものの促進に関する措置でございまして、こういったような措置を講ずることによりまして看護・介護労働力の確保を図りますとともに、そういった看護・介護労働者の雇用の安定、福祉の向上を図ることが必要だというふうに考えているところでございます。 そこで、ただいま先生御指摘ございましたように、次期の通常国会に法案を提出することも含めまして、現在総合的な対策を検討いたしておるところでございます。これらの施策を実施いたしますに当たりましては、当然のことでございますけれども、医療行政、社会福祉行政を所管しております厚生省との連携が何より重要でございます。 そこで、厚生省との間におきまして現在事務レベルで調整を行っているところでございますが、現在検討中の対策につきまして、厚生省が考えておられます福祉マンパワー対策というものと内容的にオーバーラップする点が出てまいります場合には、両省協力してこの項目を十分話し合って整理していかなきゃならないというふうに思っておりますが、まだお互いにそれぞれの考え方を議論している段階でございまして、もうしばらく時間をちょうだいしたいというふうに思っております。
○田辺哲夫君 その立法に対しますところの趣旨というものは今御説明あったわけでございます。理解するところでございますが、この看護労働者、多種多様でございますが、大別いたしますと大きく二つに分かれると思います。一つは、病院の看護婦さんと保健医療に従事する方または社会福祉施設に従事する方、これが特に主体でございますが、これらの労働者につきまして、この立法措置によって何を留意するのか、一般の労働者に比べましてどういうところに現在不利益があるか、それをどのように助長し保護するのかというような目的があると思いますが、それらにつきまして原則的な点をお答えいただきたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) まず看護職員、社会福祉施設職員の関係でございますけれども、これらの労働者の従事いたします。務が人を相手とする業務でございまして、サービスの客観的な評価に基づく処遇の改善が進みにくいこともございます。また、周辺部分はともかくといたしまして、なかなかこれは機械化の難しい、省力化の難しい分野でございまして、俗に三K労働と言いますけれども、そういった言葉が適当かどうかわかりませんが、そういったものに似た職種だというようなことがよく指摘されているところでございまして、先ほど申しましたように雇用管理の改善がおくれているところでございます。この雇用管理のうち特に福利厚生面でも病院内の保育施設でございますとかあるいは夜勤の職員のための寮、こういったものも整備が必ずしも十分ではないということでございます。 したがいまして看護・介護職員の確保ということにつきましては、こういった雇用管理の改善を促進することによりまして、やはり働いている人にとって職場を魅力あるものにしなければならないということでございますので、私どもといたしましては、病院等の事業主の自主的な雇用管理の改善の努力を側面的に促進していく、こういった対策を講ずる必要があるだろうというふうに考えているところでございます。
○田辺哲夫君 もう一つの介護労働者の類型といたしまして、家政婦さん等の職種があるわけでございます。これは特に民営職業紹介所、これを通じまして、個人に雇用されまして働くわけでございますが、この方々は一般労働者に比べまして非常に保護が欠けておるわけでございますが、どういう点が欠けており、どういう点をこの立法によりまして助長し守るのか、時間がございませんから簡潔にお願いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 家政婦と言われる方方、その相当部分が介護に従事しておるわけでございますけれども、約十六万人ぐらいの方が働いておるわけでございます。これはただいま先生御指摘のように、民営職業紹介というようなルートで個人の御家庭等に行って働いているわけでございますが、この人たちにつきましては、個人なりあるいは御家庭で雇用されているというようなことになりますと、どうしても家事使用人ということになるわけでございますので、労働基準法等の適用がなされない。仮にそこで労災事故というものに遭いますと、労災保険の対象にならないというような問題があるわけでございます。こういったような家政婦さん等は今後とも介護労働力の面で非常に大きな力を発揮しなければならない方々でございますけれども、やはりこういった方々の労働条件というものをしっかりいたしませんと、新しくそういった分野に入ってこられる方が少なくなるということでございます。 したがいまして、こういったような問題の解決のためにどういったような雇用形態にすればいいのか、あるいはどういったような需給調整システムをつくるかというところがポイントであろうと考えておりまして、現在そういった観点で、どのようにしたらはこういった方の雇用環境と申しますか、労働条件と申しますか、こういったものを保護することができるか、そういった観点での検討を進めているところでございます。
○田辺哲夫君 次に、高齢者の介護と家庭との関連、これにつきまして私見を交えながらお尋ねしたいと思います。 今、家庭の介護力が低下しておる、一般的にこういうことが言われております。これも一面から考えますと、勤労者が離職をするとか転職をすることを防ぐ、要するに労働者の保護、このために外部的な介護力の充実ということが必要である、これは私ももっともだと思い、またこの立法に賛成する立場でございます。それを前提にいたしまして、家庭の介護、この問題も頭から離してはいけない、こんなことを考えるわけでございます。理念におきまして、外面的な介護力の充実とともに家庭の介護という問題もやはり充実させなければいけない、このような考えでございます。 実は、九月十四日でございますが、総務庁から、老人の生活と意識に関する国際比較調査というのが発表されました。私は新聞で見たわけでございますが、これによりますと、日本と韓国とアメリカとイギリスとドイツ、この五つの国を昨年の十二月に調査したようでございます。日本におきますと、親族と同居したい、これが幸せであるというような考えの方が五三・六%、韓国では六一・四%、ドイツは一五・四%、英国が三・九%、アメリカが三・四%、このようなパーセンテージでございます。ですから、日本の国民意識というものは家族と一緒に生活したいというような意識でございまして、それが人生の幸せである、このように理解できます。これを新聞等は同居型と言っておりまして、そして欧米の型を別居交流型、こんなような名称で呼んでおりましたが、私はこれは外国の例が、このパーセンテージが少ない国が進歩的国である、必ずしもそうは思いません。 それは国の民族の歴史、経過、社会構造、いろいろなものが重なりましてこのような意識があらわれる。ですから、同居型が多いから後進国であるということは言えない。別居型が多いから進歩した国であるとも言えない。要は、私はそのような国民意識というものを踏んまえまして、国民がそれが幸せである、大多数が幸せである、半分以上がそう言っておるわけでございますから、この介護の問題につきましても、家庭的な介護とそして外部的な介護、これを両立させる、そして仕事と介護というものを両立させるということが非常に大切ではなかろうか、このような見解を持っておるわけでございます。立法措置におきましては、ひとつ家庭的な介護という問題も理念としていただきまして、そして考えていただきたい、このことをお願い申し上げますとともに、またお答えを聞くわけでございます。 もう一つ、今度は最近総理府の国民生活に関する調査というのがございまして、それの事項の中に、要するに日常生活の充実感、幸せ感、こういうのがございました。これもやはり同じように家族団らんのときが一番充実感が味わえるということが出ておりまして、これは四五・五%、約半分、これがトップでございました。外国は大分遣うんですが、日本は家族団らんのときがもう人生で一番幸せであるというような調査も出ております。このような日本人の意識というものを十分配慮に入れながら、私は立法措置を講じていただきたい。ひとつ大臣から御所見を簡単にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 先生の御発言の趣旨、十分理解できるところでございます。また、お話がございました調査の結果も私も見させていただいておりますが、要するに家族の直接的な介護は望ましい、しかしながらやむを得ざる事情によって第三者の介護というものもあり得るわけでございまして、御指摘のように我が国では老後を家族と一緒に暮らしたい、そういう一つの国民的傾向と申しますか、その割合が高くなっておるわけでございまして、高齢者の介護についてはただいまお話しございましたようなことも十分参考にしながら配慮するとともに、介護の必要性あるいは介護担当者の就労状況などそれぞれのケースごとに異なる場合も、そういう事情も存在いたしますわけでございますから、より多様な対応が慎重に求められる、そういうふうに考えております。 特に、先生からお話がございましたそういう働き盛りの勤労者が直面する、あるいは肉親、家族の介護等に対処していくという観点からは、そういう仕事と介護の両立をより合理的に条件整備ができるように考えるべきであろう、さように考えております。
○田辺哲夫君 ちょっとこれ、観点が変わって失礼でございますが、特にこれは厚生省の実は問題が多いわけでございますが、スウェーデンで総選挙がございまして、先般発表がございました。これはもう朝日新聞が九月十八日にこの選挙につきまして社説を掲載しております。これは新聞の社説の中身でございますが、これはただ単に選挙の勝敗にとどまらず、非常に大きな福祉の問題から意義を持っておる、世界的な視野から考え狂ければいけ広いというような社説でございました。 なぜ負けたかといいますと、思考、価値観が変化してきた、それが第一、勤労意欲が減退した、連帯感というものが非常に薄れてきた、社会または家族の連帯感、そして勤労意欲が減退した、そして今その価値観というものが世界的に変わってきた、こういうものが福祉のモデル国と言われましたスウェーデンに現象的にあらわれている、こういうことを朝日新聞の社説が言っておるわけでございます。これは私ではございません。私、この社説を見まして合点できる点も実はあるわけでございます。 私は、日本の国で福祉を後退させろ、こういうことは絶対言っておるわけでございません。まだまだ前進させなければいけませんが、前進させる上におきまして本質的に考えなければならない点があるのではなかろうか、連帯感を強めるとか、または労働意欲を減退させないとか、何かしら私どもも他山の石としなければならない点があるのではなかろうか、こういうことをその社説を通じまして感じたわけでございます。そして高福祉、高負担、これも考えなきゃいかぬ。 例えば消費税に当たる付加価値税が二五%、スウェーデンは。このような高率な称金だったらやはり私は労働力というもの、労働意欲が減退するのは無理ではなかろうというように感ずるわけでございまして、ひとつ労働省も厚生省とタイアップいたしまして福祉をどんどん前進させていただくわけでございますが、前進する上におきまして、本質的に福祉とは何か、民族の活力を助長しながら福祉をどうするか、このような基本的な理念というものをこの際考えたければいけないような気がするわけでございます。これは朝日新聞の社説を通じまして、若干私の私見を織りまぜながら申し上げ、大臣の簡単な所感をいただきたい。 そして最後に、時間がございませんので、婦人の労働の問題でございますが、男女雇用機会均等法とか育児休業法とか、立法措置で婦人の労働者の立場を守っております。徐々に前進しておりますが、まだまだ婦人の能力の活用ということが日本の社会で必要でございます。この点から、婦人の家庭でも、また仕事の場でも充実した生活をどうするかというような視点が大切であると思います。 この点につきましてもあわせお答えいただき、私の質問を終わります。
○国務大臣(小里貞利君) 二つお尋ねでございますが、まず高負担、そしてまた高福祉、その社会ではいわゆる労働者の労働意欲を低下させるのではないかという面があることはしばしばお聞かせいただいておるところでございます。活力に満ちたいわば経済社会を実現し、そしてまた、勤労者の福祉の向上を図るためには、勤労者の高い意欲を生かしつつ、そしてまた維持しつつ、負担がバランスよく配分をされる必要があると、さように私どもは考えております。 また先生、女子の職場進出の問題でお話ございましたが、いわゆる女性の職場進出あるいはまた家族形態の変化、高齢化社会の進展あるいは労働力不足基調等の中で、女子労働者がその能力と経験を生かしながら仕事も家族も生活も充実した一つの生活を営むことができるいわば働きやすい環境づくりを進めることは、お説のとおり極めて重要な課題と考えております。本年の五月に皆様方の御賛同をいただきまして成立いたしました育児休業法等も、いわゆるこれが円滑な施行、仕事と育児に関する総合的な環境整備を行ってまいる上におきまして大きな役割を果たすのではないかとも考えまして、さような観点から来年の四月一日の実施に向かって今その準備を整えつつあるところでございます。
○針生雄吉君 私は、過労死をめぐっての質問と、時間があればパート労働者に対する非課税限度額に対する取り組み方あるいは公務員の育児休業法に関連しての政府の取り組み方についてお尋ねをしたいと思います。 初めに、特に作業現場などの事業所で多く行われていると聞いております労災隠しについてお教えをいただきたいと思います。指導監督すべき立場の労働省の考え方をお尋ねいたします。 また、いわゆる労災隠しということが行われている原因はどこにあるとお考えか、またその対応策についてお示しをお願いしたいと思います。
○政府委員(佐藤勝美君) 労働安全衛生法の百条に基づきまして労働安全衛生規則九十七条というのがあるわけでございますが、ここでは労働者が労働災害によって死亡し、または休業した場合に、遅滞なく労働者死傷病報告というものを監督署長に提出しなければならない、こういうことになっているわけでございますけれども、今お尋ねのいわゆる労災隠しと言われているものは、労働災害の発生事実を故意に隠すという目的でこの労働者死傷病報告の提出を行わだい、あるいはまた行ってもその内容が虚偽であるものというふうに理解をしております。 もちろんこういうことはあってはならないわけでございますが、今御指摘のように現実にあるわけでございますが、このため労働基準監督機関ではこういうことがないように従来からあらゆる機会をとらえまして事業者に対しましてはこういった報告義務があるのである、死傷病報告の提出義務について周知をするということをしておりますとともに、監督指導によりましてこれについて履行されていない場合の摘発をいたしておるといいますか、そういうことをしておるわけでございます。また、死傷病報告が出た場合にも、その内容が真実であるのかどうかということについて子細に調査をすることといたしております。 これがどのくらいあるかということは、これは隠しておるので率直に申しましてどのくらいあるかということはなかなかわからないわけでございますけれども、やはりそういう事実が出てまいる場合があるわけでございます。そういう事案を把握した場合には、厳正に対処をするということは当然でございますけれども、こういった労災隠し事案を含めまして、先ほど申し上げました安衛法百条に定めますこの死傷病報告の提出義務違反に対しまして、刑事責任を追及する目的で司法処分、要するに送検をいたしました件数を見ますと、平成元年で十五件、平成二年は三十四件というような状況にございます。労働省におきましては、もちろん今後におきましてもこういった労災隠しか行われないよう的確な監督指導を行いますとともに、万一そのような事案を発見した場合には厳正に対処するということで、このようなものができるだけ起こらないようにしたいというふうに考えております。 それから、なぜこういうことが起こるのかという御質問でございますけれども、これはいろいろ考えられるわけでございますが、一つにはやはり労災保険料の算定が災害実績に基づいて算定をされているものであるということと、それから災害を起こすというのは、これは率直に言っており格好のいいものではございませんので、やはり名を惜しむ企業はできるだけ外に出したくないというようなことがあろうかというふうに考えております。
○針生雄吉君 ありがとうございました。 私などの身の回りにおきましても、中間管理職者にしてみれば企業内で責任を追及されたくないとか、事業主であれば安全管理の評価が下がって指名入札の資格を失ってしまうからとか、いろいろ理由があるようでございますが、せっかく御説明いただきましたけれども、私は何も企業責任を追及しろとか、労働省の指導に力が入っていないとかということを申し上げたいというのではありませんで、こういった労災隠しと呼ばれる慣例的な現象を通じて、私は現代社会にはびこっている社会的な病理現象といいますか、社会活動を営んでいく上においていろいろな考え方があるということを言いたかったのでございます。 人間の生命活動にはいろいろな側面があるわけでございますので、社会正義、法秩序を守るために頑張るという人もいらっしゃれば、自由主義経済下で大いに金もうけに励もうという人もいて結構だと思いますし、またこういう弱者救済のための制度を悪用してうまくやっていらっしゃる方もいるようでございまして、そういういろいろな生命活動に伴う現象というものがあるけれども、やはり労災隠しというものに象徴的に見られる、一般論としていえば企業優先、経済優先、お金優先という考え方、また別の点からいえば生命軽視、人間軽視というそういう意識はやっぱり考え直さなければならない。各方面で言われている人間中心、生命の尊厳という考え方に立つように努力すべきであるということを主張したいと思うだけでございます。 その立場から労使を問わず、また指導監督の立場にある行政側におきましても根本的な意識の変革、つまり人間中心、生命の尊厳、国民のためにという視点で御努力をお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。 さて、いわゆる過労死をめぐる問題は数多くあるわけでございますけれども、きょうは認定ということに的を絞ってお尋ねしたいと思います。 昭和六十二年の十月に脳血管疾患及び虚血性心疾患に関する業務上外の認定基準の改定が行われたわけでございますが、労働省からいただいた手元のデータを見ますと、いわゆる過労死の認定件数というもの、これは過労死としての請求件数が出てこないこともあって一概には言えないのでありますけれども、認定件数だけをフォローしてみますと、昭和六十二年度は二十一件でありました。基準改定後の六十三年、平成元年、平成二年度にはそれぞれ二十九件、三十件、三十三件とふえてはおりますけれども、それほど認定件数が増加しているわけではないわけであります。 これはいろいろその間の複雑なファクターがあるとは思いますけれども、一面からいえば基礎疾患である脳血管疾患とか虚血性心疾患が予防対策、治療方法が改善され、前進したとはいえ、年間二十八万人程度の亡くなる方がおられるわけでありますので、全体的にはむしろ増加の傾向にあると考えていいと思うのですが、その中においておりふえていないということは、やはり六十二年度に改正されました認定基準ではまだ不十分ではないかという主張もむべなるかなと思われる点もあるのではないかと思います。平成二年にスタートして五年間勉強したいという、そういう構想で勉強中ということもあると思いますけれども、過重負荷のかかった期間の再検討なども含めて、認定基準の再見直しをするお考えはないか、早急に検討をするお考えはないかどうか、その点お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(佐藤勝美君) 御質問の中にもありましたように、いわゆる過労死として労災の認定の問題になりますものは、高血圧であるとか動脈瘤であるとかそういった成人病と言われるものの基礎疾患がもとにありまして、これが業務上の負荷によりまして増悪するということがきっかけになって発症するというふうに我々は考えておりますが、そういう問題に対しまして適切に対処をするために、六十二年に新しい認定基準、今お触れになりましたけれども、それをつくったわけでございます。その時点におきまして当時の医学的な知見を、専門の医学者多数に集まっていただきましていろいろ御検討いただきました。その結果できましたものが現在運用しております認定基準でございます。 したがって、今後とも新しい医学的知見の収集に十分意を用いて気をつけてまいる必要はもちろんございますけれども、現在この認定基準をまた改正する必要はないのではないかというふうに私どもは考えております。 最近、いわゆる過労死というものが報道にも非常に多くあらわれるようになりまして、世の中の関心を引くにつれまして、過労死ではないかということで労災の申請をされるケースが大分ふえてきておるわけでございます。その中には、率直に言いまして、要するに普通の御病気である、私病または私傷といいますか、そういうものも非常に多く含まれておりますので、その中で何件認定されたか、私どもの出先機関も含めまして真剣に適正な認定ができるように現在の認定基準を運用しておりますが、そういう中での数字でございますので、そのように御理解いただきたいと思います。
○針生雄吉君 現在、認定基準のマニュアルというものがありましておやりになっているわけでございましょうが、マニュアルどおりにやれば認定件数が増加するという保証はないわけでありまして、さっき局長もお触れになりましたけれども、医学的知見等に基づいてとか、医学経験上認められる負荷云々とか、解剖所見等により確認するとかというようなことを厳密にやっていけば、私はむしろ今まで隠れていた基礎的な疾患が、ボーデンになっている疾患が発見されて認定がしにくくなるというようなこともあるのではないかとすら思うわけであります。 さらに、現代の医学というものは、御承知のようにいわゆるウィルヒョウの細胞病理学的な考え方に基づいて、それにセリエのストレス学説などというものが加わって現代医学と言われるものが構成されつつあるわけでございますけれども、そういった現代医学の方法論では、ストレスあるいは精神的ないわゆるストレスと言われるものを数量的にキャッチすることはなかなか難しい。特に、さっきもちょっと触れましたけれども、いろいろな目に見えない生命の動きというようなものをキャッチすることはできない、そういう一面もございますので、そういった点も一言触れておきたいと思います。 さて、私は新聞報道によって読んだのでございますけれども、フランスでこういう方向でいわゆる労災における死亡、労災を取り扱っているという記事を読みました。「労働時間中に労働現場で発生した急性心臓死などは、反証がないかぎり業務上の事故と推定され、遺族が労災給付を受けることはかなり容易」であるという、これは新聞の報道記事でございますので申しわけないんですけれども、こういうふうな考え方でいわゆる過労死を労災として取り扱っていこうという考え方は非常に人間的で、一面からいえば生命の尊厳という立場からもいいのではないかと私は思うのでございますけれども、労働省の御見解はいかがでございましょうか。
○政府委員(佐藤勝美君) 諸外国にも労災補償制度はもちろんあるわけでございます。今お触れになりましたフランスもその一例でございますが、なかなか外国の例、特に今ここで御質問になっておられますいわゆる過労死と言われるものについても、これは単に法律の条文を見ただけではわからなくて、実際の運用の問題もございまして、率直に申しましてなかなか微妙なところが、わからない点はございますが、ただいまおっしゃいましたフランスにおける取り扱い、これは先生が今おっしゃいましたようなことで運用しているというふうに我々も承知をしております。 これはどういうところが特徴がといいますと、労働時間中及び労働の場所において生じた災害は業務に起因したものとして推定をされるわけでございますが、逆に言いますと、労働時間中でないあるいは職場の外で発症した、俗に言えば倒れたというようなことになりますと、これは業務とその発症との因果関係が幾ら立証されても、これは労災の扱いにならないというようなものでございまして、これは割り切りとしては甚だすっきりするとは私も思いますけれども、労災補償制度が業務上の死亡、負傷、疾病に対する補償であるということになりますと、どうもそういうこととの関連では非常に問題があるというように思われます。 御承知のように、我が国の制度の場合には、倒れた時間、場所にかかわらず、あくまでも業務との因果関係によって認定をする。職場の外で倒れる、御自宅で倒れられる場合もあります、勤務時間外に倒れられる場合ももちろんあるわけで、そういう場合も業務との因果関係が立証されれば労災と認めているわけで、その辺は非常に今御質問の中で引用されました制度と違うわけでございます。私どもは現在の労災補償の法律制度の中で私どもがとっている方法が当然の帰結ではないかというふうに考えてやっておる次第でございます。
○針生雄吉君 労災隠しの問題においても弱者救済のための法律を逆手にとって悪用するという人もいるというような、そういう方もなきにしもあらずでございましょうけれども、しかし、多くのそういういわゆる過労死で亡くなった方の御遺族というものは働き手を一瞬の間になくして大変な生活をなさっているわけでございますので、ひとつそういう方の申請の事務の手続であるとかいろいろ不案内なところを親身になってお教えしてあげるという、そういう行政側の態度、一家のために頑張ろうというようなお気持ちでやっていただきたいということをお願い申し上げます。 いわゆる過労死問題の最後に大臣の決意のほどをお聞かせ願いたいんですが、去る八月二十九日の国連の人権小委員会でも取り上げられた、これはNGOの一つであるIEDというインターナショナル・エデュケーション・デベロプメントという啓蒙的な運動をやっているNGOの一つでございますけれども、そのIEDの代表が国連の人権小委員会で日本の過労死を取り上げました。事ほどさように世界的にも日本の人は死ぬまで働くという、そういう表現で注目を浴びているわけでありますけれども、いわゆる過労死という問題にどう今後取り組むおつもりか、大臣の決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 今最後の方で先生お触れいただきましたように、労働時間と過労死の関係、これはもう本当に注目するべき事柄であると思っております。 まず一つは、いわゆる過労死と言われるような事態を防止する、そのことは私ども労働行政の最も重要な課題の一つである、かように日ごろ心がけてまいっておるつもりでございます。同時にまた、労働省といたしましては、ただいまお話がございましたように、長時間労働を削減するためにいろんな観点から、また各位から知恵もおかりしながら制度なりあるいは施策を進めてまいっておるところでございますが、やはり労働時間のいわば時間外労働の限度についてガイドライン、これをひとつきちんと策定いたしますと同時に、策定もいたしておるつもりでございますが、いわゆる所定外労働時間削減要綱によりまして、労使双方の自主的な取り組みも強力に督励しながら、また私どもの行政も常に怠ってはならない、かように考えておるところでございます。
○針生雄吉君 所定外労働時間の削減と同じように連続休暇取得促進要綱というのもあってお努めになっておられるようでございますけれども、こういったものにも法的な拘束力を持たせるような方向でぜひ強力な御指導を、指導策というものを立てていただきたいと思います。 もう時間がありませんけれども、最後にパート労働者に対する非課税限度額に対する労働省の取り組み方についてお尋ねをしたいと思います。 平成三年度の予算要求に際しては、労働省はかなり強力に要求しておりましたけれども、平成四年度の概算要求ではちょっとその力が足りないのではないかと思いますが、パート労働者に対する非課税限度額に対する労働省の取り組み方についてお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(高橋柵太郎君) 先生から御激励のお言葉をいただきましたけれども、平成四年度におきましても、パートタイム労働者を含みます給与所得者の税負担の軽減のためだ給与所得控除の引き上げを要望しているところでございまして、その中には当然最低控除額の引き上げも含まれているところでございます。これが実現いたしますれば、非課税限度額の引き上げ、すなわちパートタイム労働者にも減税が、効果が及ぶこととなるわけでございまして、精いっぱい頑張ってまいりたいというふうに考えております。
○針生雄吉君 時間でございますので、ありがとうございました。
○山中郁子君 まず最初に、大臣の御所見を伺います。 けさほど来からも触れられましたが、従来の社会労働委員会が発展的に改組されまして労働委員会と厚生委員会の二つの委員会に分離されました。これは、労働行政を取り巻く情勢が複雑で多様化し、さまざまな問題が山積している現在、私も時宜にかなったことであるというふうに積極的に受けとめている一人であります。 そこで本日は、参議院におけるこの労働委員会の初めての質疑でもありますので、それにしては大変時間が限られて残念なんですけれども、まず労働省の本来の役割を確認しておきたいと存じます。 労働省設置法によりますと、「労働省の任務」として第三条は、「労働省は、労働者の福祉と職業の確保とを図りこ云々とうたい、以下、労働に関する啓蒙宣伝、労働条件の向上、労働者の保護、労働者の安全衛生の確保、婦人の地位の向上、職業の紹介、失業対策等々が規定されております。労働省の基本的任務は、これによっても明らかなように、労働者の保護や労働条件や福祉の向上を図る点にあるということは明白であると存じます。 今の御質疑でも触れられましたけれども、今日、国際社会でも大きな経済力を持つに至っている日本の労働者の実質賃金の低さとか、あるいは長時間労働による犠牲の上に成り立っている結果としてあらわれているのが「カローシ」という国際的に通用する日本語に象徴されているような、そういう事態が背景にあることも私は大変大きな重視すべき問題だと考えています。今こそ先進諸国との比較の上でも、思い切った賃金の引き上げ、それから労働時間の短縮が求められていると存じますが、とりわけパート労働者、それから婦人労働者、中小企業労働者、これらの人々の状況をめぐっては早急に解決が図られるべきであると考えています。 以上、若干の所見も含めて申し上げましたけれども、大臣の御認識と、それから労働大臣としてその実現のためにイニシアチブを発揮していく御決意のほどを初めに承ります。
○国務大臣(小里貞利君) まず、前段で先生、今次の労働委員会新発足についての私の考えを問われておるわけでございますが、先生もお触れいただきましたように、今日急速な、しかも顕著な経済社会の広範かつ多様にわたる構造変化、これらの客観情勢に対しまして機敏かつ適切に対応するために最も妥当な、そして国民の期待にこたえられるような労働行政を展開させようという院の高度な御配慮のたまものである、私はさように認識をいたしまして、今次このような形で労働行政も、従来社会労働委員会で大変お世話になっておりましたが、より以上に集中的に私どもの労働行政を叱咤激励いただく一つの有力な窓が開けた、さように心から期待を申し上げておるところでございます。 なおまた、あわせまして、私どもの労働行政というものも社会の変化と同様に日進月歩でなければならない、かように考えております。そのような意味合いにおきまして、ただいま先生、労働時間短縮の問題等を掲げていろいろお話ございましたが、さような問題等と従来も取り組んでまいりましたが、さらに一層御期待に沿うように施策を展開してまいりたい、かように考えております。
○山中郁子君 大幅賃上げ、労働時間短縮ということで強調いたしました。 それで、労働省の来年度重点施策の中でも「働きがいと豊かさを実感できる社会」というサブタイトルがついて出されておりますけれども、労働者の側でも人間らしく働くことを求める、これは非常に大きな強い切実な願いになってきています。つまり、単に生きていくための、食べていくための賃金が取得できればいい、そういうことにとどまらない人間らしい職場、人間らしい労働環境、そういうものを求める願いというのが大変強まってきて、これは当然のことでありますけれども、したがって、さまざま多面的な労働行政での目配りが必要になってきていると思います。 時間短縮、それから中小企業の人手不足の問題、外国人労働者の問題、障害者や高齢者の皆さんの雇用促進、パート労働、人材派遣業、その化数え上げれば切りのないほどたくさんいろんな問題が出てきているわけですけれども、こういう状況のもとで全体としての国際化の問題も迫られているという状況ですので、労働省として対応していく広がりというのは一層大きなものになってきていますので、私はぜひとも、労働省の仕事がふえるというこの問題についてどういう具体的な認識をされ、そしてどのような仕事量として把握されているのか、お伺いいたします。
○政府委員(齋藤邦彦君) 私どもの行政、先生御指摘のように経済社会の発展、進歩に伴いましてそれぞれ即応していかなければならない宿命にございます。したがいまして、そのときどきによりまして対応する課題もそれぞれ異なってまいりますけれども、いずれにいたしましても今後ますます我が行政の役割というものは増大していくだろうというふうに考えておりますし、またそのように認識しております。したがいまして、このような増大する課題に対応し、国民の期待にこたえられるような体制を築き上げなければならないということが一つのまた大きな課題にもなっておるというふうに思っております。そのためにはやはり体制の整備、それに伴います必要な人員の確保、あわせて我が省の職員の質の向上ということにも頭を置いてやっていかなければならないんではないか、このように考えておる次第でございます。
○山中郁子君 私はさらに具体的にお伺いしたいところでありましたけれども、またこれは引き続き解明していきたいと思います。 今局長の御答弁の中でも明らかにたっておりますように、労働省の仕事というのはやはり大きくふえてきている、これからもふえる、したがってそのための必要な人間は確保しなければならない、こういう御答弁ございました。こういう需要の増大にもかかわらず、振り返ってみますと、一九六八年の第一次定員削減計画、ここから一九九一年にかけて約三千人の人間が減っているんですよね、労働省。この間だって、先ほど私も指摘し、また労働省の方もお認めになったさまざまな仕事の拡大ということがあるわけですから、現にこの間労働基準法適用対象事業所は約二・一倍、そしてまたこの対象となる労働者数の増加も一・七倍という数字を示していると私の調査では把握をしております。 したがって、要員増は当然であろうと思いますので、来年度概算要求でどのくらいの増員を要求されていて、そしてこの増員問題に取り組む、やっぱりどうしてもそういう増員というものを確保することがまず労働行政の今基本の問題の欠かせない一つであるという、そういう立場から大臣の方針と決意をこの問題についてもお伺いをしたい。
○国務大臣(小里貞利君) 労働行政は日増しに質的にも変化するし、そしてまた、率直に申し上げまして量的にも業務量は拡大の方向にある、これはもう午前中も申し上げたところでございます。それに対応する方策といたしましては、私どもは概して申し上げますと二つあると思うんです。 一つは、やはり事務機構体制の合理化、効率化というものをいわば政府全体の中から見ますと、労働省としても自主努力をいたさなけりゃならないと思っております。また、一面におきましては、どうしてもたえられない一つの質量ともに業務体制というものが増大をしてくる側面におきましては、先生御指摘のように定員削減等についてはできるだけひとつ交渉を関係機関等にいたしましてそして確保をする、このことも必要だろうと思っております。 後者の方の、明年の予算編成に対しましての、私どもはそういう観点から先刻概算要求のあの前後におきましても強く交渉をいたしました。今言うなれば十二月の予算編成に対しましていろいろと知恵も絞っておるところでございまして、精いっぱい十分な一つの労働行政執行かでき得る、それにたえられる体制をつくるように努力いたしておる最中でもございます。また、あわせまして先生方の御支援もお願い申し上げる次第でございます。
○山中郁子君 合理化とおっしゃった問題については、個々に多くの問題をそれ自体抱えていると存じます。そのことだけ指摘をして、細かく立ち入る余裕はございませんので、実質的に労働大臣自身もお認めになっているような労働行政の今取り巻かれている状況、その質の変化あるいは量の拡大、そういうものに本当に対応していく。これは何も労働省で働く職員の皆さん、労働者の皆さんだけの問題ではなくて日本の全労働者、全国民の問題だというとらえ方が大事だということを私は重ねて強調しておきます。 さて、具体的な問題として、来年度から施行される育児休業法の問題をめぐって質問いたします。 担当部局としては各県の婦人少年室が当たるというふうに存じておりますが、周知体制の整備など本年度内の取り組み、施行後の実施などどういう施策を考えておられるか、お示しいただきたい。
○政府委員(高橋柵太郎君) 施行に至りますスケジュールでございますけれども、この育休法につきましては平成四年の四月一日の施行に向けまして鋭意準備作業を行っておるところでございまして、去る八月二十九日にこの法律に基づきます省令案要綱を婦人少年問題審議会に諮問し、現在審議をいただいているところでございます。労働大臣が定めるべき指針につきましても、早急に同審議会に諮問できるよう策定作業を進めているところでありまして、これらの省令、指針について審議会の結論が得られ次第制定、公布の運びにしたいというふうに考えております。 また私ども、十月は育児休業制度普及促進月間でありますることから、この法の内容の周知徹底を集中的に図りたいというふうに考えておりまして、仕事と育児を考えるシンポジウムの開催や事業主に対する集団指導などあらゆる機会をとらえて周知活動を行ってまいりたいというふうに思っております。 さらに、法律施行直前の来年の三月の時期を中心といたしまして、法律、省令、指針の内容の周知徹底、育児休業制度の導入促進というものを鋭意図ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○山中郁子君 もちろんこの法律については、私どもはかっての社会労働委員会の中でも、原職復帰、代替要員の確保、有給保障あるいは義務規定の拡充など、そういう強化すべき問題についての必要を一貫して指摘してまいりました。当然今後これらの問題についてのより充実したものとしての発展がされるべきであるという立場に立っておりますが、まず何よりも、施行される法律の定着ということが重要な第一歩であります。その中で漸進的解決を図っていくという立場に立っておりますけれども、その定着の推進体制は具体的にどのように整えられるのか、この点について、今局長から御答弁がありましたことと実質的に関連する部分になるのではないかと思いますが、伺います。 まず一つは、婦人少年室で当たるわけですけれども、現在婦人少年室に何人配置されているのか、そしてこの新しい施策に当たる要員の増はどのように要求されているのか、どのように計画されているのか、お答えいただきたい。
○政府委員(高橋柵太郎君) 現在の婦人少年室の定員の現状でございまするけれども、平成三年度は二百六人ということになっているところでございます。私ども、先生御指摘のように、婦人行政の第一線機関でございます婦人少年室の体制整備を図る必要があるという認識をしておりまして、従来からも婦人行政の円滑な推進のために増員を図ってきたところでございますが、来年度におきましては、特に育児休業法の円滑な施行を図るために、事務の効率化とともに職員の増員、研修の充実ということで行政体制の整備を図るための一層の努力を傾注してまいりたいというふうに考えております。
○山中郁子君 この部署の具体的な人員増の問題はどうでしょうか。
○政府委員(高橋柵太郎君) 現在育児休業制度の導入につきましては、地方育児休業指導員というような形でこの制度の導入を図っておったわけでございますが、この法令化、法の整備ということもにらみまして、本年度は地方育児休業指導官というものの配置をこの十月からすることといたしているところでございます。明年度は、この地方育児休業指導官の増員を図るよう私ども現在関係当局の方に要求を出させていただいているところでございます。
○山中郁子君 細部にわたってさらにお伺いをしたい御答弁なんですけれども、時間が限られていますので後ほど個別にお伺いをすることにいたします。 前国会において育児休業法案が、さまざまな審議が熱心に行われたわけでございます。これが来年度施行ということで制定された背景には、やはりそういう事の重要性というものをそれぞれの立場で認識をして、何らかの形で切実な要求にこたえるべく努力をしなければならないというその結果としての法の制定がされたわけなんですけれども、この経過の中で、詳しく申し上げる余裕はありませんが、来年度の概算要求に出ている育児休業者職場復帰プログラム実施奨励金制度、仮称となっておりますけれども、この奨励金制度は今までの国会での審議に照らしても非常に重要な施策と認識をしております。したがって、この問題について具体的に二つの点をお伺いいたしたい。 一つは、この制度、つまり育児休業者職場復帰プログラム実施奨励金制度という長い名前なんですが、労働省が仮称として出しているこの制度は、育児休業を取得する労働者に過大な負担や義務などを負わせることなく実施されるものでなければと私は考えておりますが、この点についてはいかがでございましょうか。
○政府委員(高橋柵太郎君) 育児休業者に対します職場復帰プログラム実施奨励金は、事業主が休業期間中の労働者の職場適応性や職業能力の低下を防止して回復を図る措置を講じていただく、このような職場復帰が円滑に行われるようなプログラムを計画的に実施する事業主に対してその費用の一部を定額の奨励金として支給することを考えているものでございまして、その業種あるいは職場の実態等に応じまして情報提供の措置のほか各種の講習等の実施を期待しているところでございます。
○山中郁子君 ですから、私は、育児休業を取得する労働者に過大な負担や義務などを負わせることなく実施されなければならないというふうに思っているけれどもどうかという、そのお約束を求めておりますが、大臣からでも結構でございます。
○国務大臣(小里貞利君) これもすぱっと申し上げますが、ただいま先生が重ねて重ねて念を入れてお尋ねのそのお気持ちも十分私どもは参酌をいたしまして計画を立てたつもりでございます。ただし、率直に申し上げまして、前次の国会におきまして、あの法案審議の途中で、野党の皆様方からあるいは与党の先生方からもそれぞれいろいろな注文がございました。しかしながら、その中でおこたえできる問題と直接的におこたえできない問題もたくさんあったわけでございます。またその中で、ただいま先生一つのウエートをかけて御発言のようでございますが、それらの向きも、これから労使の協議を初め、さらに私ども行政という立場からもこれが完備したものではございませんので、必ずしも国民の納得のできるものではなかろうとも思われますから、鋭意研さんをいたしまして、あの当時申し上げましたように切磋琢磨して、そしてより多くあの当時満たすことができなかった問題もできるだけ可能なものにするように努力しなけりゃいかぬ、そういう気持ちでございます。 したがいまして、ただいま申し上げておりまするプログラム実施奨励金等も、私は実はできるだけ、原則はその趣旨でやらなけりゃならぬけれども、豊富なものにしてやろうじゃないか、そういう観点から督励もいたしておりますことも事実でございます。
○山中郁子君 すぱっとした御答弁の割にはいろいろと複雑な理解を必要とするという感想を持ちました。 それで、今大臣もおっしゃいましたんですが、最後に確認をしておきたいと思います。本制度の運用に当たりましては、労使協議を尊重するなど柔軟な運用を図るということのお約束と存じますが、それでよろしゅうございますか。
○国務大臣(小里貞利君) 原則としてそのとおりでございます。
○山中郁子君 終わります。
○乾晴美君 私も育児休業関係でお願いいたします。 この育児休業法案というのは五月八日に法制化したわけですけれども、そのときに大臣も大変お骨折りをいただいて御努力いただいたと思います。私も当時社会労働委員会に属させていただいておりまして、いろいろとかかわらせていただきました。 そのときの感想といたしましては、国民の皆さんが長らく本当に熱望されておった法案だったなというように思いますと同時に、一つの法案が生まれていくということはもう大変な努力と時間とそしてエネルギーが要るものだなというように思いました。この法案が法制化するということに当たりまして、何としてもこれが休業制度の中で実効性を確保したいということで、労働者に何らかの経済的な援助をしなきゃいけないということで、私だけではありませんでほとんどの同僚議員も繰り返し述べてまいりました。 そういうことで、四月二十五日の社会労働委員会におきましては、当時の対馬理事さんの方から五会派を代表する形で、小里労働大臣に対しまして、休業中の労働者に対する経済的援助措置ということで、「平成四年度予算要求において百億円ないし百五十億円程度の規模のもので要求する」ということで確認質問を行ったと思います。これに対して大臣は、「お話しの趣旨を踏まえまして、平成四年度の予算の中におきまして要求してまいる所存でございます。」というように御答弁をいただいたと、私もはっきり記憶しておるわけなんですけれども、この点に関しまして、今回労働省は、先ほど山中議員もおっしゃっていました、この育児休業者職場復帰プログラム実施奨励金制度と適用猶予事業所に対する育児休業奨励金制度を設けることにしておるわけなんですけれども一この予算規模がどの程度になったか、まずお伺いしてみたいと思います。
○政府委員(高橋柵太郎君) 育児休業法の施行に向けましての来年度の要求の内容でございまするけれども、この法律の円滑な施行を図りますために、第一には、育児休業法に基づきます助言、指導、勧告の実施及び啓発の指導の実施ということが必要でございます。第二に、先生御指摘の一つでございます同法の適用を猶予されている労働者三十人以下の企業についても、育児休業制度が早期に導入されるような育児休業奨励金、これを創設すること。それから第三に、この法律の趣旨を踏まえまして、育児休業者が円滑な職場復帰を図るための措置を講ずる事業主に対して、育児休業者職場復帰プログラム奨励金を創設する、こういう費用を予算要求しているところでございまして、全体といたしまして、平成四年度の要求額は約九十五億を考えているところでございます。
○乾晴美君 九十五億、いろいろ含めて九十五億ということでございましょうか。私はもう少しやはり百億を超えていただきたかった。できたら百五十億ぐらいまでなってほしかった。四月二十五日の大臣の答弁も踏まえて、このような要求結果に終わってしまった、百億を超えられなかったというのはどういうことなのでしょうか。なぜこうなってしまったのか、ちょっと聞かせていただけませんでしょうか。
○政府委員(高橋柵太郎君) 国会におきます審議のときにいろいろと御意見がございました。予算の点についても触れられたわけでございます。この予算につきましては、私ども十分に国会の審議等を踏まえながら、なおかつこの制度が四月一日から施行される、例えばその四月一日以降に出産をされたという方が一年間の休業をとるといたしますと、この職場復帰プログラムの事業主に対する奨励金は次年度、つまり平成五年度に支給をされるというような状況になるわけでございまして、秋以降ということになりますると、たとえ半年の休業をとったとしても同様の結果を生ずるということで、初年度ということも考えますると、私どもはこの制度に必要な額は十分確保しているというふうに考えているところでございます。
○乾晴美君 初年度だったからということなので、これから年次ふえていくというように理解させていただきたいと思います。 それで、この育児休業法というのは民間労働者だけを対象にしておったと思います。これは公務員についてはまだ法案が国会提出されていないわけなんですけれども、従来から育児休業というのは官民同時施行だということで申し上げてまいったと思います。平成二年十一月八日の参議院社会労働委員会の育児休業制度検討小委員会におきましても私が申し上げたと思うんですけれども、官民同時なんでしょうかというように聞かせていただきましたときに、官民も合わせてということで、そういうようにとらえておりますという旨のことを前島英三郎議員がおっしゃったと思います。 今度の国会改正法で通常国会が一月召集ということになってしまいましたから、次期通常国会に提出していたのでは予算審議との関係で十分な審議時間がとれないのではないかというように非常に心配しているわけなんですけれども、総務庁、自治省では国会にいつこの法案が提出されるのかお伺いしたいと思います。
○説明員(木内徳治君) お答え申し上げます。 公務員の育児休業制度につきましては、現在一般職の国家公務員に合わせまして、裁判官、地方公務員等に育児休業制度を導入するために総務庁のほか所管省庁において法案を準備しているところでございますが、これらの法案の足並みをそろえて国会に提出できるように、関係省庁においてまだ調整を行う事項が残っているという状況でございます。したがいまして、国会の提出時期につきましては、現段階ではまだ明確な見通しの立ったことを申し上げられないわけでございますけれども、いずれにいたしても総務庁としては、国家公務員の育児休業制度については民間の労働者を対象とする育児休業法の施行日、つまり平成四年四月一日に合わせて施行したいと考えておりまして、施行までの準備期間も念頭に置いて、できるだけ早く国会に提出できるよう努力したいと考えております。
○乾晴美君 官民同時施行ということで安心いたしました。 それではもう一つお尋ねしたいんですが、これは男女雇用機会均等法についてお伺いしたいと思います。この法律施行から丸五年たちましたが、労働省は見直す計画がおありでしょうか。
○政府委員(高橋柵太郎君) 男女雇用機会均等確保のための法的整備が行われましてから五年を経過したところでございまして、雇用の分野におきます男女の機会及び待遇の均等というのはかなり定着しつつあるというふうに考えております。しかしながら、一部に問題点もあり指摘をされているところでございますので、法令の施行状況等につきまして、的確な実態把握を行いながら問題点を明らかにし、実際上の男女の機会均等を確保するための方策につきまして幅広い検討を行っていく必要があるというふうに考えております。
○乾晴美君 この男女雇用機会均等法というのは、もともと募集だとか採用、昇進昇格というところで女性が差別されないようにというはずの法律だったと私は思っております。しかし、この法律が努力義務規定だということで違反しても罰せられないというわけですから、こんな法律というのは国際的に見ても余りないのではないかと思うんですが、現実には差別募集が技術系を中心にまかり通っておるというのが現実だと私は思います。労働省の平成元年の一九八九年度の女子雇用管理基本調査によれば、四年制大学の新卒募集で五〇・〇%、高校新卒で四九・九%と半分の企業が女性に門戸を閉ざしておるという結果が出ておるわけですね。しかも、その大多数が今後も方針を変えないと言っておるわけなんですが、労働大臣、この現状をどのようにお考えになられますでしょうか。
○国務大臣(小里貞利君) ただいま一定の調査の結果を引用してお話してございますが、私も残念ながらそのように認識をいたしております。問題のある企業に対しましては、都道府県婦人少年室などを通じまして徹底的に正確な一つ執行をしていただくように指導を積極的に行ってまいりたいと思っております。
○乾晴美君 それから、待遇の最も大きな柱というのはやっぱり賃金だと思うんですけれども、この均等法の施行以来コース別雇用というのがあるわけですね、一般とか総合とかといったような。そういったコース別雇用制度の導入とかでかえって男女格差が大きくなっておるわけです。一九七七年には男性の五五・八%だったのが一九八九年には五〇・三%になってしまいました。このことを労働省はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(高橋柵太郎君) 先生御指摘のコース別雇用管理に関しましては、一部に問題のある企業も確かに見られるところでございます。したがいまして、近くコース別雇用管理につきましての望ましいあり方というものを示しながら、これに基づいて企業において性別によらない雇用管理が行われるよう、私ども周知啓発に努めてまいりたいというふうに考えております。 ただ、コース別雇用管理の導入によりまして結果として賃金の男女の格差を生じているかどうかというのは、ちょっと正確な統計はないわけでございまするが、これは企業によってなかなか千差万別でございまして、今の段階で一概に言えるというような状況ではございません。ただ、一般的な賃金格差というものはいろいろな修正等を行いましてもあることは事実でございますので、なおそのような格差の縮小に向けまして私どもいろいろと啓発指導に努めてまいりたいというふうに考えております。
○乾晴美君 ことしの一月に日経連が発表いたしました労働問題研究報告というのがあるわけですが、それには女性についての原則深夜業の禁止などは意欲のある女性の活動の場を奪うものであり、速やかに是正すべきものであるというようにうたわれておるわけですね。つまり、労働基準法の女子に対する一般保護規定の見直しを求めているわけです。これに呼応するように、さまざまな職場で女子保護規定の見直し論議がなされておりますけれども、そのほとんどは女子保護規定が男女の雇用機会均等の妨げになっているというようなものになっておるわけなんですが、私はこのような論議を聞いたり、本を読ませていただくたびに非常に不思議な感じをしております。 それは、議論の基本認識に誤りがあるのではないかというふうに思うわけです。男女が同様の待遇を受けるために同質の仕事をするということを否定するわけではありません。しかし、だからといって仕事のために他のすべてのものを犠牲にして、いわゆる家庭も顧みられないような今の男性の労働に女性を引き入れて、それが嫌なら低い処遇に甘んじよとでも言わんばかりの論議には賛同するわけにはまいらないわけなんです。 かつて婦人局長でありました赤松良子様が、本院の社会労働委員会の論議の中で、男女を同じにするやり方は三通りあるが、できれば高い水準でそろえるのが望ましいと述べられておるわけです。それはこの高い水準というのはさまざまな問題がある。例えば、先ほどお隣の針生議員がおっしゃいましたように過労死の問題があったり、また慢性疲労の問題があったり、それから大臣がおっしゃっているように時間短縮をやろうじゃないか、ゆとり、豊かさを持とうじゃないかといったってそれがなかなかできないという、そういうさまざまな問題のある男性の労働に女性を近づけようということじゃなくて、むしろ働き過ぎの男性の方を女性に近づけてくるべきであると思うわけなんですが、労働大臣この点いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(小里貞利君) 時間外労働あるいは深夜業等におきまして、いわゆる男子の基準に女子の基準を合わせているのではないか。それを逆に女子の基準に男子の労働基準を合わせるべきだ、そういうようなお話かと思うのでございますが、労働基準法女子保護規定のあり方を考える際には男子を含めた全体の労働条件等労働環境を勘案する必要があるだろう、かように認識をいたしております。
○乾晴美君 労働時間の短縮だとか労働の安全衛生、さまざまな観点からとらえるべき問題だと思いますけれども、男女の労働のあるべき姿というのを念頭に置いて今後実態把握をしていろいろやりたいとおっしゃっておりますので、御検討いただきたいというように思います。 時間ですが、もう一点お伺いしたいと思います。 労働省は、この十月を人材派遣のいろんな苦情処理重点月間というようになさるということを新聞で見せていただいたわけなんですが、この人材派遣事業に関するトラブルの相談窓口を設置するということは、逆にそれだけトラブルが多いのではないかと私は思うわけなんですが、派遣法そのものに問題があるんではないかなというようにも思うわけです。なぜならば、なんでも相談ダイヤルというのがあるんですが、そこに寄せられてくるいろんなことを考えてみますと、せっかく労働省の方の指針で契約解除の事前の申し入れが明記されているにもかかわらず非常に安易な形で契約を解除したり、また打ち切りにしたり、雇用が野放しになっているというようなのをひしひしと感じるわけでございます。派遣先の責任をより明確にさせるなど、法改正も含めて検討の時期に入ってきているのではないかなと思うんですが、御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 労働者派遣事業につきましては、その法律に基づきます見直しが既に行われておるわけでございますけれども、中央職業安定審議会におきましては法律そのものの趣旨は全体としてその法律の制定の趣旨に沿って運用されている、こういう御判断でございまして、ただいろいろ改善すべき点については改善をしていくということで、ただいま先生御指摘のような指針も出しまして受け入れ先についての指導等を強力に進めているところでございます。 この中で、契約を解除されたとかあるいは契約の内容が違うというようなトラブルがあるということはいろいろなところで指摘されておるところでございます。この問題につきましては、私どもかねてから公共職業安定所等におきましてその受け付けを行って対応してきたわけでございますけれども、そういったことが報道されたりいたしておりますのでその取り組みを強化しなければいけない、また一般への周知等をさらに強めなければいけない、こういうふうに考えましてこの十月を苦情相談重点対応月間というふうにいたしたわけでございまして、労働者の募集広告等とあわせまして苦情相談の多く見込まれます東京都、大阪府等の全国十の都道府県におきまして特に重点的に対応をいたすことにいたしました。そして、この相談状況等を本省にも報告をさせる、こういうことで対処していきたいというふうに考えているところでございます。
○乾晴美君 この労働省が設置する相談窓口については、トラブルの多い順に十都道府県ということなんでしょうか。そういうことであるのでしたら、今後その相談事例とそれに対する具体的な指導について集約を行って、後ほどまた私たちに報告していただきたいということをお願いしたいと思います。 あとちょっと三十秒ぐらいあると思いますので、外国人労働の問題を一点だけお伺いしてみたいと思います。 先ほど仲川議員の方からも外国人のことについていろいろお話また御質問がございましたけれども、私は、この不法就労というか、観光ビザなんかで入ってきて就労している不法就労外国人の問題をお聞かせ願いたいと思うんですが、平成二年度の摘発者数は二万九千人以上だった、それが元年と比べて八割の伸びを示しておるということを見せていただきまして、このような驚異的な伸びは近年になかったことだったと思います。もし仮に、この数字が不法就労外国人全体の傾向を示しているというのであれば非常に問題があると言わなければならないと思います。このような数字の伸びについてどのように分析されておるのか。また、不法就労外国人の数は現在一体どれぐらいになっていると推定されておるのか、法務省の方に伺ってみたいと思います。
○説明員(大久保慶一君) 御質問の点にお答えします。 当局において平成一二年度に摘発し、退去強制手続をとった不法就労外国人は、先生御指摘のように二万九千八百八十四名で、対前年比約八〇%増でございます。このように不法就労外国人の摘発件数が増加いたしましたのは、昨年六月に不法就労助長罪の規制等を盛り込んだ改正入管法が施行されました。その影響で多数の不法就労外国人が入国管理局に出頭いたしました。それと、当局において不法就労外国人の摘発に努めたことによるものと考えております。 そこで、御質問にありましたこのような八割ぐらいにわたる増加が不法就労外国人の増加と一致するかどうかという点でございますが、このようにこの数値はあくまでも当局において摘発いたしました件数でございます。この増加率がそのまま不法就労外国人の増加率を反映しているとは考えておりません。不法就労外国人は現在も増加傾向にあるとは考えておりますが、その増加率は昨年の摘発件数の伸び率よりはかなり低いものと考えております。 そこで、それでは不法就労外国人の総数は現在どのくらいであるか、こういう御質問でございますが、この不法就労外国人の総数につきましては、その性質上これを正確に把握することは極めて困難でございます。どうやるかと申しますと、当局の電算統計により推定せざるを得ないわけでありますが、それによれば、先生御指摘のように昨年七月では約十万人でございました。それで、その後の推移につきましては、この統計上の推計結果を出して検討する必要がございますが、その検討をするに当たっての推計を行っている段階でございまして、なおその時間を要する状況にございます。したがって、現在その作業中であるために、申しわけないんですが、数値をここで申し上げることはできないので御容赦をお願いしたい、こういうふうに思っております。
○乾晴美君 外国人労働につきましては、不法を含めてもう本当に真剣に考えなければいけない時期に来ていると私は思います。時間が参りましたので以上でございます。 ありがとうございました。
○西川潔君 私は、本日はまず糖尿病患者の就職問題についていろいろとお伺いをしたいと思います。 我が国における糖尿病患者は実に二百五十万人を突破するものと推定されております。ますます増加の傾向にあるわけですが、特に最近は、子供や若い人たちの糖尿病も急激に目立ってきております。十八歳未満の子供たちで五千五百四十二人おります。幸いなことに、インシュリン注射の発見を初め、医学の著しい進歩によってコントロールをされております。完全に行えば普通の方と何ら変わりなく生活ができるわけですが、まず大臣は糖尿病につきましてどのように認識をされておられるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 糖尿病は、成人にとっても食事の制限などが厳しく求められておりまして、日常生活への影響も大きいわけでございます。さらに症状が進展した場合には心臓等、他の部位にも影響を及ぼして生命にもかかわる重大な病気であると伺います。小児期、若年期より糖尿病にかかっている御苦労は、御本人はもとより御父兄にとっても大変なものであると推察できるところでございます。したがって、小児・若年糖尿病患者の就職に当たっては、症状によってはさまざまな困難が伴い、御苦労があろうことは十分に推察いたしているところでございます。
○西川潔君 私は、先日高校生から三十歳までの小児糖尿病患者の方々の集まりがございまして、寄せていただきました。親御さんともお会いする機会がございまして、受験や就職、結婚についていろいろとお話を伺ってまいりました。幼いころは自分でなかなかインシュリンの注射が打てないそうでございまして、お母さんに打ってもらっていたという子供さんにも会いました。その子供が小学校一年生のときに注射を自分自身で打てることができたそうでございます。そのときの喜び。 また、三歳の子供さんがいらっしゃるお母様に会わせていただきましたが、この方は十六歳で発病し、自分の不運を嘆きながら将来に絶望していたそうでございますけれども、その後勇気を出して恋愛をし、結婚をし、妊娠、出産、育児と、ほとんどの女性がごく自然に経験できることを病気というハンディを背負いながら体験してきましたというお話を本当にうれしそうに、喜びを隠さずに、もう本当にすべてのお話を僕に説明してくださいました。僕も大変感銘を受けたわけです。 そこで、きょうはぜひ労働大臣を初め皆さん方に、この皆さん方の就職の問題をお伺いしたいと思います。 アメリカでは、一九八四年にレーガン大統領が毎年十一月を糖尿病の月とする法案に署名いたしているそうでございます。アメリカやヨーロッパの国々ではインシュリン治療者の数が大変多いわけですが、このインシュリン治療の歴史の長い国では多くの糖尿病患者が社会の第一線で大変活躍されているそうでございます。例えば読売巨人軍でガリクソンという投手の方が以前おられましたが、あの方があれだけ活躍されて糖尿患者であったというお話を後でお伺いしまして本当にびっくりいたしました。 しかし、日本では糖尿病者の就職は必ずしもまだ正しく認識がされていないようでございます。僕自身も聞いて驚いたわけですが、あるお母さんからお手紙——私、お手紙とかおはがきを大変たくさんいただくんですが、そういうものを参考にさせていただきましていつも委員会で質問をさしていただいておりますが、このお母さんのお手紙を少し読ましていただきます。 就職にハンディキャップをつけないでほし い。 (理由)現在、官公庁や大半の民間会社では 糖尿病患者は採用されておりません。かといっ て規則により一定の人数を採用してもらえる障 害者としても認めてもらっていません。小児糖 尿病患者は小さい頃から自己管理を行って育っ ています。決して職場に支障を来すようなこと はありません。しかし現実では、病気を隠して 就職している人がほとんどです。結果、医療費 は保険も効かないのでかなりの金額となり、給 料の大半は医療費に消えてゆきます。 また、就職ができないためにアルバイトをし て生活費を得ている人もあります。この場合 は、いつまでも家族に負担がかかってきます。 健常者でもなく障害者でもない。福祉の谷間 でゆれている小児糖尿病患者を、病気を隠さず 就職できるようお願いいたします。というお手紙をお母様からいただきました。 そこで、糖尿病患者が就職する際には病気を隠して就職をするケースが大変多いわけですが、例えば就職試験には身体検査で尿検査がございますが、この際にはお父さんやらお母さんの尿を出したという話もせんだってお伺いしました。そして何とか隠して就職がしたい、病気を隠して就職しなければいけない。健康保険を使うとこの病気がすぐに会社に知れてしまう。そのため自由診療で病院へ行くことが多々あるそうです。私自身も本当に知らなかったことですが、このような実態があるということを聞いて大変驚き、また勉強にもなりました。 そこで、こういう会に寄せていただき、またお手紙をいただいたものですから、早速にこの委員会で大臣にお伺いしてみようと思いました。何とぞ、いい意味での本当に心ある行政指導をしていただきたいんですが、今までのお話をお聞きいただきまして感想をお述べいただきたいんですが。
○国務大臣(小里貞利君) 大変大事な問題の提起でございまして、ただいまお聞かせいただいたところでございますが、お尋ねに対しましてはまた歯切れのよい答弁もできないような感じもいたします。 小児糖尿病患者につきましては一体どのようないわば職業上の制約があるのか、あるいはまたどのような仕事ができるのか、その辺の実態を踏まえまして事業主に対する啓蒙活動を行う必要もある、同時にまた的確な職業紹介を行うことも重要である、さようなことを感じておりますが、このために小児糖尿病患者の職業上の問題点につきまして今後とも具体的に検討をさせていただきたいと思います。
○西川潔君 本当にお年寄りの皆さん方の職業の問題、障害者の皆さん方の雇用の問題、皆さん方がお考えにならなければいけないことがたくさんおありですが、僕も本当にこの問題を聞いたときにはびっくりいたしましていい勉強になりました。これからこつこつではございますがお願いをしてまいりたい、こういうふうに考えております。 そこで、人事院に今度はお伺いをしたいんですけれども一この手紙にもございましたが、官公庁でも糖尿病患者は採用されていない、患者さん方はこういうふうに認識されておりますが、実際には国家公務員で、例えば一般事務の採用の場合などはどうなっているのでしょうか。
○説明員(尾木雄君) 各省庁がいわゆる一般事務職に職員を採用する場合につきましては、通常は試験合格者のうちからその省庁の採用希望を申し出た者に対して採用のための面接を行い、その際あわせて本人に健康診断書の提出を求める、あるいは各省庁みずから健康診断を実施いたしまして、これらの結果等を総合的に判断して採用が行われているということでございます。 人事院といたしましては、合格者の意向と各省庁における採用状況等を踏まえまして試験に合格した者の円滑な採用に配慮いたしておりますけれども、過去におきまして合格者から、私は糖尿病患者であるために採用されないというような苦情を申し受けたことはございません。
○西川潔君 ありがとうございました。 お医者さんにお伺いいたしますと、一般にインシュリン治療中の糖尿病者に不適当と考えられる職業の一つは、勤務中に重症の低血糖を起こした場合に本人だけでなく他人にも重大な危険を及ぼすおそれのあるもの、この中で特に国際的に絶対に禁止されている職業はパイロットだそうでございます。その他鉄道、バスの運転手さん、潜水夫の皆さん、そしてもう一つ不適当な職業は、糖尿病をコントロールするのが困難な職業として勤務時間が不規則な病棟勤務の看護婦さんや消防士さんなどがあるそうでございます。しかし、これらの皆さん方は自己管理のやり方によってはコントロールを乱さないで勤務ができるということで可能であるということでございました。 このようなインシュリン治療を行っている糖尿病者にとって不適当な職業が幾らかはありますが、よいコントロールの場合は原則的にほとんどの職業につくこどができるということでございます。 労働省としては糖尿病者の職業についてどのようにまた今後考えていただけるのか、事業主側に対してどういうふうな今度は認識を持って行政指導していただいたり配慮を行っていただけるのかというのをあわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) ただいま大臣からお答えがございましたように、こういった糖尿病の疾患を持っていらっしゃる方がどういうような制約要件を持っていらっしゃるか、どういうような仕事が可能か、私どもはその辺のところを具体的にいろいろな事例を集めて研究していかなきゃならないだろうというふうに考えております。 私どもは、いわゆる内部障害と申しますか、こういった方々の職業紹介を進めておるわけでございますが、やはりそういった研究調査をいたしまして、そういったものを踏まえて現在現場で職業紹介を進めているわけでございますが、この糖尿病を持っていらっしゃる方々の問題につきましても、具体的にそういった調査研究を進めさせていただきまして、それを踏まえて事業主に対する啓蒙、啓発あるいは具体的な職業紹介を進めていくように今後検討を進めていきたいというふうに考えております。
○西川潔君 子供さんや若者たちは糖尿病の克服を目指しております。そうした情熱と誇りを持った家族の皆さん方にお会いさせていただきまして、皆さん本当に、病気を隠さずに若い人たちが職業の選択ができるように、糖尿病者の就職について正しい認識が持たれるように、どうぞひとつお力添えをいただきたいんですが、最後にもう一度、大臣の方から言いただけますでしょうか。
○国務大臣(小里貞利君) 大変貴重な御意見を提起いただきましたので、先ほど御答弁申し上げましたような気持ちで集中的に調査研究をさせていただきたいと思っております。
○西川潔君 次に介護の問題に移ります。 九月の十四日、総務庁の発表によりますと、我が国の六十五歳以上の人口は千五百五十三万人、総人口の一二・五%と、先ほども先生方からいろいろこういうデータが出ておりましたですが。そこで、今度は介護休業制度の確立と医療・福祉分野で働く人材の確保問題についてお伺いしたいと思います。 高齢者のいる世帯は千三十万世帯、全世帯の二七%に達しておりますが、西暦二〇〇〇年には介護を必要とするお年寄りの数は百万人程度にたると推計されております。お年寄りに健康で生きがいのある老後を送っていただく、これが一番の願いでもあります。しかし、現実に寝たきりになって介護を必要とする方々がおられるわけですから、そしてその数は今後もふえていく一方でございます。介護のために仕事をやめざるを得ない、または仕事をかわらざるを得ないという例がたくさんあるわけです。 こうした問題に対して、企業による労働者に対する援助措置として肉親、家族の介護のために労働者が一定期間休業できる介護休業制度の導入が求められているわけですが、労働省でも全国でシンポジウムを開くなど、普及促進のキャンペーンを行っておられます。介護援助のガイドラインの策定、そして企業に対する相談援助の実施、また制度導入のための奨励金制度については今年度の概算要求には盛り込まれておりません。それから、検討されている具体的な対策について少し御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(高橋柵太郎君) 先生御指摘のように、介護休業制度につきましては、今後一層その必要性が高くなるというふうに考えますことから、平成二年度より各種の介護休業制度の導入の促進を図る事業を行っているところでございます。本年度におきましても、介護についての社会的関心を喚起するということで、九月十五日の敬老の日を中心といたしまして、「支えたい家族続けたい仕事—職場に介護休業制度を—」ということをキャッチフレーズとした集中的な広報活動等も行っているところでございまして、シンポジウムの開催等の事業も行っているところでございます。 このガイドラインの策定につきましては、現在その策定のための検討会議を開催しているところでございますので、今後はこのガイドラインをてこといたしまして、一国会業に介護休業制度が導入されますように普及促進の事業を行うことを考えているところでございます。
○西川潔君 次に、いろいろ資料、新聞などを読ませていただきまして、労働省と厚生省がそれぞれ法案をつくる準備をなさっているということで調整しておられるということでございますが、現段階ではどれぐらいの調整をなさっておられるのか、どういう方向に進んでいかれるのかというのをお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 労働省におきましては、看護・介護労働力の確保等を図りますための総合的な対策を検討しているところでございますが、看護・介護労働に関しまして、私どもは看護職員、社会福祉施設職員、ヘルパー、家政婦等関連するすべての職種についての雇用管理の改善を図りながらの確保対策を講ずべきだというふうに考えておるわけでございます。 具体的には、第一点として雇用管理の改善、第二点目は労働力需給調整システムの改善、第三は能力の開発向上の促進に関する措置を講ずることによりまして、看護・介護労働力の確保に資しますとともに、看護・介護労働者の雇用の安定、その他福祉の向上を図ることが必要であると考えておりまして、現在、次期通常国会に法案を提出することも含めまして総合的な対策を検討しているわけでございますが、これはただいま先生御指摘のように厚生省との調整が一番大事な点でございます。現在事務レベルで調整を行っておるところでございますが、私どもできるだけ十分にお互いに相談をし合ってということでやっておりますが、まだ現在そのプロセスでございまして、もうしばらく時間をちょうだいしたいというふうに考えます。
○西川潔君 かしこまりました。 それでは最後に大臣にお伺いしたいのですが、本当に我が国の人手不足は深刻化しておりますが、一部には早くも十か年戦略、ゴールドプランを危ぶむ声も、我々特に福祉の現場、老人ホームなどをたくさん訪問させていただいて皆さんのそういう心配な御意見もお伺いするわけですけれども、この問題は我々すべて国民の問題でありますとともに、みんなが一丸となってそれぞれが支え合ってやらなければいけない課題だと思います。ですから、ぜひとも国民にわかりやすい政策を展開していただきたいと思うんですが、この問題につきましてわかりやすく、また効率的な行政を行っていただき、今後政府部内におかれましても十分な調整をしていただきたいと思いますが、大臣の御決意を最後にもう一度お伺いしたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) ただいま局長の方からも御答弁申し上げましたが、先生また重ねて御指摘がございましたように、国民にわかりやすいそして実効の上がる一つの方策を、知恵を絞らなけりゃならぬと思っております。ただ、私ども労働省ひとりのみでできる問題ではございませんでして、実はせんだっても私は厚生大臣に対しましても、この問題は重要な国民の関心事項の施策の一つであるから、大いにひとつ虚心坦懐に話し合って、そして円満な調整のもとに進めていこうじゃないかということを実は督促も申し上げておきました。さらにまた、ただいま局長答弁のとおり、事務段階におきましても穏やかなそして真剣な雰囲気の中で話を調整いたしておりますので、しばらくお待ちを願いたいと思います。
○西川潔君 残りが一分になりましたのですけれども、現場を回らせていただきまして、本当に人手不足は大変でございます。そしてまた、そういう現場で働いていらっしゃる皆さん方がどうぞ将来に希望を持って、目標を持ってお仕事をしていただけるような、夢の持てるようなことを以前からずっとお願いをしておりますが、人事院の方もきょうはお越してございますので、ぜひ人事院におきましては福祉職というような俸給表もひとつおつくりいただきたいことを重ねてお願いをいたしまして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(向山一人君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十分散会 —————・—————