証券及び金融問題に関する特別委員会 第6号
- 発言数
- 245 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1991/09/06
会議録
○委員長(平井卓志君) ただいまから証券及び金融問題に関する特別委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 証券及び金融問題に関する調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁三重野康君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平井卓志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(平井卓志君) 証券及び金融問題に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野別隆俊君 おはようございます。 私は、ただいまから証券・金融問題に関して質問をいたしますが、質問に入ります前に、去る二日前の新聞で公表がありました自治大臣の関連会社の追徴金問題について、まず吹田自治大臣に質問をいたしてみたいと思います。 新聞によりますと、あなたの関連企業が税務署調査で六千二百万円の脱税が発覚をいたしまして、麹町税務署に修正申告をしたと報道されておりますが、これは事実でございますか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(吹田愰君) おはようございます。 野別先生の今御指摘になりましたことにつきましては、私が政治改革問題と取り組んでおる主管大臣としまして、特に政治と金の問題について、これを正していこうという責任者であります私の関係する企業が、こうした税金問題で報道されたということは事実でありますし、まことに申しわけないというふうに思っております。
○野別隆俊君 今の答弁は、事実だという答弁のようには聞こえておりませんでしたが、責任があることになりましたという答弁でありますから、事実といたしまして私は第二問を続けたいと思います。 今回、このような不祥事件の中でとりわけあなたは地方自治体や地方税の主管相におありになります。また、いろいろ発生する諸悪の問題を取り締まるための国家公安委員長という職でもあるわけであります。しかも、リクルート汚染に対する政治反省の上に立って今回政治改革三法を提案している主管大臣でもあるわけであります。 そういう面からいたしますと、政治的道義的責任は極めて大きいと思うのでありますが、今後これに対して厳正に対処していかれるかどうか、どのように対処をされるおつもりか、ここで明確にしていただきたい、あなたの所信、出処進退を明確にしていただきたいと思うのであります。
○国務大臣(吹田愰君) この点は非常に私も厳しく受けとめておりますし、まことに申しわけないことであると思っております。 ただ、若干のことを申し述べさせていただくとすれば、お許しをいただければ、今回のこの事実関係につきましては、実は私が県会議員時代から持っておりました広栄物産という商事会社、この会社にはいわば企業やあるいは役場等を定年退職した方々を入れてお手伝いしていただいておるわけでありますが、その方々が私が国会に出ました後におきましての政治活動に自主的に協力をしてくれているということで、もちろん企業の仕事をするんですけれども、そういうお手伝いを好意的にやってくれているということで、私の方も実はずっと当選以来三期にわたって税務署の調査をその都度受けているわけであります。 したがいまして、その際は、すべて日時もはっきりしておりますが、調査官も皆はっきりしておりますけれども、これでよろしいという指摘を受けないできたものですから、実は三年前にもこれでいいものだというふうな解釈をしたことが今日、ことしの二月調査で指摘を受ける、四月に受けるということになりまして、私も、御案内のとおり、今先生のおっしゃるように国務大臣としましても、特にその国務大臣の中でも大事な役割を二つ持っておるという大臣を引き受けており、これから政治改革に取り組もうということだけに、何としましてもこれは遺憾千万であると思っております。 しかし、いずれにしましても、そういう事実が出ましたが、このことにつきましては、後援会にそうした政治的活動に協力しておる、自主的な応援をしておるという職員は、これは会社としては認められませんよということの指摘を受けたものですから、素直に直ちに訂正しなさい、そうしてきれいに一切手を引かせなさいという指示をしまして、これで一件落着の形で、四月にきちっと整理をして認めていただいたところではあったわけでございますが、それにいたしましても大変申し開きのできる話ではありません。私もこの責任の重大さというものは非常に強く受けとめております。 しかし、別にそのことでどうこうというふうに御理解、御解釈をされると非常に困りますが、これだけ大きな報道をされるということになりましたことを考えますと、政治とお金という問題についての今日の社会の厳しい目というものはさらに強く受けとめておりまして、ますます今の政治資金規正法等を中心とする政治改革というものは実施に移していかなければならないなという感じを受けとめておるところでございます。
○野別隆俊君 次に、きょうは総理がお見えでございません。官房長官が来ていただいておりますが、ただいま私が自治大臣に質問いたしましたように、きょうあなたは総理の補佐役という立場に立っておいでいただいておるわけであります。秘書の賃金などが政治活動資金のすりかえになって、こういうことが脱税となって発覚をしたわけであります。政治改革、浄化の法案を提案されるわけでありますが、国民は、このような状態の中でそういう政治浄化をやるなどといっても、小選挙区などを持ち出すようなことでの政治改革では、とても今国会で認められるものではないと思うのであります。 しかし、政治改革はやらなきゃならぬ。当面政治改革には定数是正などもあるわけでありまして、それ以上に重大なのは、今自治大臣から申されましたように、国会議員の秘書の定数は今二名です。それに対して二十名も三十名も置かなければやれないような政治情勢であればこういった今度のような問題も起こってくるわけで、そうであるならば、やっぱり今度の国会で一番大事なことは、政治浄化、選挙資金の問題を徹底的に解明すべきではありませんか。そして選挙に金のかからない政治、これを確立することが今ほど大事なことはない。これは国民から見ても、金を出す側のいろいろな財界から見ても、諸悪の根源がやっぱり政治と絡んでいるというところにあるわけでありますから、ぜひひとつそういった面からの政府の責任ある答弁を求めたいのであります。官房長官。
○国務大臣(坂本三十次君) ただいま自治大臣から、追徴を受けた件についてはまことに申しわけがない、今後厳しく反省をしていきたいという答弁がございました。指摘を受けて一応自主的に修正申告して、この問題は一応けりがついたと言っておりますが、しかし、今あなたがおっしゃった政治と金にまつわるこの問題、これを解決せずしては国民の信頼は得られない、これが今度の政治改革の原点になっております。政治七金の関係をきちっとするという政治資金規正法の改正案が出ておりますが、しかし、それほど政治と金の問題で批判をされるということは、政府・自民党としては、そのほかの選挙制度の問題にも原因が潜んでおるのではないかとかというような点につきまして今政治改革を進めさせておるというわけであります。 とにもかくにも、政治と金にまつわることで政治の信頼を失うということは、これは絶対にあってはならぬ、そういう気持ちから今度の政治改革に吹田自治大臣を先頭にして今頑張っておるというわけでございまして、あなたのお気持ちについては全く賛成であります。
○野別隆俊君 時間がございませんから進みますけれども、官房長官はすぐお帰りのようでございますから、もう一つここで伺っておきたいと思います。 今回の証券・金融のスキャンダル、この問題の解明、これについて、あなたは代理でございますから、政府としてどのような態度でこの解決に臨むか、そして再発防止にどのような考え方で対処をしていくか、これをちょっとお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(坂本三十次君) この証券問題に関して今後どういうふうな対策をとるかというお話でございますが、私は担当大臣でもございませんし、詳細にわたっては大蔵大臣初め担当の閣僚から十分お答えすることと思います。しかし、この厳しい世論の中で証券特も今こうして開かれておるわけでありまして、この議論の中から国民の真に期待するものを吸い上げて、そして再発の防止に全力を傾ける。 今、具体的にどのようなとおっしゃいましたけれども、これはまあひとつ私から具体的に申し上げることは差し控えさせていただきまして、大蔵大臣その他から御答弁をされることと思いますが、とにかく政治も経済も一般的な我が国の今の風潮は、確かに経済は発展しておりますけれども、そういうお金の点について政治も経済ももっと、やはり社会的存在として相当なウエートを持っておる企業などについては、原点であるモラルというものですか、企業の倫理性というものがその基礎にあってこそ初めて経済の発展にもつながるわけでありまして、このたびのような問題につきましても厳しく反省をして、その再発防止に全力を尽くしていくという気持ちだけは間違いありません。
○野別隆俊君 次に進みます。官房長官は結構でございます。 東急株の大量推奨販売に野村が出れば、他の証券会社が追随するのは一強三弱と言われた証券界の野村の力から見て、これは当然であり、買い注文がふえるのは当たり前でありまして、買い注文が多かったから株価操縦はしていないという考え方の証券局長の答弁が行われてきたのでありますが、この三日間の経過を見てみましても、これはまさに株価操作があったんではないか、あったと私どもは言えるのではないかと思うのでありますが、もう一回証券局長の答弁を求めたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 東急電鉄株につきましては、確かに平成元年の十月から十一月にかけまして非常に価格が急騰し、売買量もふえておるわけでございます。その過程で野村証券のシェアが非常に高く、各証券会社からも注文が出ているわけでございます。 株価操作と申しますのは、証取法の百二十五条の二項一号というのを通常株価操作と言っているわけでございますけれども、この百二十五条二項一号という法文は、株価操作につきましてはまず有価証券の売買取引を誘引する目的というものが一つ要素にございますし、次に、一人であるいは他人と共同して行う、さらに相場を変動させるような注文を行う、あるいはそれの注文を受託するというようなことがこの百二十五条の構成要件になっているわけでございます。 私ども、現在特別検査で検査をしているわけでございますが、確かに野村証券が東急株を取り上げて推奨し、営業店の中には非常に高い買い付けシェアを示しているというところがあることは私どもも把握をしております。したがいまして、その推奨の仕方というものについて非常に問題意識を持っているわけでございまして、そういったものを全体の姿をつかまえて、今申し上げましたような百二十五条の株価操作に該当するような事実をこういう構成要件に当てはめていくということがこの事実を収集した後の私どもの作業になるわけでございます。 現在のところは、御指摘のように、野村証券がかなり推奨をし、その結果非常にシェアが高くなり、多くの投資家が参加しているということではございますけれども、そういう状況になっているという点については私どもも事実を把握し、非常に問題意識を持って百二十五条に該当するような事実関係が集められるかどうかというのを現在検査でより詳細に事実の収集を進めているところでございまして、現時点において百二十五条に触れるというふうに断定することはできないわけでございますが、一連の事実関係を集めた後に百二十五条の適用可能性について検討をしてみたいというふうに思っているわけでございます。
○野別隆俊君 証券局長の答弁では、なかなか事実関係がまだつかめていないということでありますが、どの証券会社にも大部分当てはまる話でありますけれども、特に野村の場合は暴力団稲川会会長あたりを利用して相当額の株の操作をやる、しかも稲川会は三千万株という株を取得しておるわけでありまして、そして株操作などもやっている。ただ、百二十五条に的確に当てはまるかどうかが今証券局長の御答弁の中では明確でないのでありますが、これは国民や政治に携わる方々、この特別委員会でももうほとんどそういうふうな見方に立っていると思うのでありますが、常識的にはそうでありますから、徹底した調査をしていくべきではないか。何か野村に少し取り込まれたような状態があるのではないかという気がしてならないのであります。 また一つ、私は、次に申し上げますけれども、東急株の株操作をカムフラージュするために野村は、私鉄各社の含み益と、レジャー時代を想定いたしまして他の私鉄株を一緒に買うわけであります。そして他の私鉄株も幾分かつり上げている。東急株だけが極端に上がったというような形をとらないようにこういったことをやっているのです。それは両方からつかもうというようなねらいを持った証券政策をやってきているのでありまして、そういうものをよく判断していただかなければ、他の会社も上がっていたので東急株だけが極端ではなかった、それはたくさんの人が買っていたんだ、こういうような逃げ方に誘われていっているのでありまして、この辺についても相手側の野村の証券政策も十分加味してやっていただかないと、裏にそういうことがあってやっているわけであります。 極端に見えないような工作をやられているということがあるわけでありますから、その点についてもう少し局長は、野村側に立つのではなくて本当に正しい立場に立って解決をしてもらいたい。裏のいろいろな工作、こういうものがあったのではないかということもよく調査をして対処することが大事ではないか。ここがはっきりしませんと、うやむやな解決をしていくとまた再発する。そういうことになるわけですから、ぜひひとつ的確な判断をして、疑わしいものはやっぱりはっきりしていくということが大事だと思うんですが、もう一回この点について御答弁をいただきます。
○政府委員(松野允彦君) 御指摘のように、この時期ほかの電鉄株も、東急電鉄ほどではございませんけれども上昇を見ております。その件につきましても、私ども野村証券がどこまでそういうものに関与しているかという点も含めてこの検査の対象にもちろんしているわけでございまして、いろいろな問題意識を持ってこの百二十五条の適用の可能性について総合的にいろいろな材料を集めている最中でございます。決して大勢の投資家が注文を出しているから百二十五条に当たらないというふうなことを考えているわけではございません。 ただ、大勢の注文が出ているということは、百二十五条を当てはめる際に非常に難しい問題があるという点は御理解をいただきたいわけでございまして、特定の投資家あるいは特定の証券会社が自己売買あるいは投資家の注文によって価格が操作されておりますと、これは非常に判断がしやすいわけでございますが、東急電鉄の場合、あるいは御指摘のようにいろいろなほかの株、電鉄株等の問題もございますが、やはり大勢の投資家が参加しているという点につきましては、先ほど申し上げた百二十五条を当てはめる際にはかなり事実関係を詳細に詰めていかないといけないという点があることを御理解いただきたいというふうに思うわけでございます。
○野別隆俊君 私は、後で本州製紙に絡んで申し上げるつもりでおりますが、時間の関係でどうなるかわかりませんが、この東急株の場合も横井英樹氏、それから誠備グループの加藤目高氏、小谷光浩氏、許永中氏等の株買い占め屋グループの暗躍がこの当時あるわけであります。そういった株買い占め屋の暗躍のあったことはもう証券局長も十分御承知と思いますが、そうしたことで買い注文がどんどん出てくることはこれはもう当たり前であります。 買い占めの動きは証券局長が押さえているようなことでありましょうけれども、買い注文が他の注文が多かったから野村の株操作が薄らいでいくようなことになっては大変なことでありますから、これはやっぱりいろいろな条件を十分満たして、そういう横からも縦からも検討しませんと、これは、株、証券界ではもう最高の上手な寝わざ師でもあるわけでありますから、その辺を十分考えて的確にこの問題の解決に当たっていただきたい。 今後、どのような考え方で進まれるか、お尋ねをいたします。
○政府委員(松野允彦君) 先ほどお答え申し上げましたように、現在検査におきまして、あらゆる事情、投資勧誘の実態あるいはそれにまつわるいろいろな事実関係についても全力をもって把握に努めているところでございます。そういったようなすべて検査の中で把握されました事実関係をもとに、私ども百二十五条の適用可能性について真剣に検討をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
○野別隆俊君 ここで、法務大臣に来ていただいておりますが、このような証券業界それから金融業界の不祥事に、この会議を開くこと自体も正常な状態であれば大変なむだであり、そしてああいう業界の方々も来ていただいて大変な金を投入してこの問題解決に当たっている。これはやっぱりその時々の処理がうまくいっていませんと、リクルート事件の処理も完全でなかった。しかも、今度の処理はただ単に普通の証券、株を取り扱う人だけではない、暴力団まで介入しているわけでありまして、この介在を許したということは大変であります。しかも、それは証券業界の皆さんが一緒になって頼み込んで暴力団を介入させてきているのでありまして、これは今後の日本の経済活動に重大な影響を持ってくるのではないかという心配をいたすのであります。 そういう面から、野村証券の田渕氏が検察庁に出頭を命ぜられて調査を受けたと聞いているわけでありますが、株操作、損失補てん、こういったことに法律上の疑義があると見て検察庁は呼んでいるのではないかと思うのでありますが、その点にまず第一点は絞ってお答えを願いたいのです、そうであったのかどうか。
○政府委員(井嶋一友君) お答えいたします。 委員ただいま仰せのように、野村証券に絡みますいわゆる株価操縦事件あるいは損失補てんに絡む事件というものが東京地検に告発をされておりまして、現在捜査をいたしておるわけでございます。 過般、田渕節也氏が証人として取り調べを受けたということを重言されたわけでございますが、私ども直ちに確認をいたしましたが、その事実はございます。調べを受けておられます。しかし、これからそういった形で捜査を続けてまいりまして、告発事実の有無につきまして、適正な証拠に基づきまして適正な判断をするものだというふうに期待いたしておるわけでございます。
○野別隆俊君 では、法務大臣にお伺いをいたします。 これは法務大臣は、特に厳正公平な立場に立って、法律を中心に判断をして進められると思いますが、今回こういう事件が発生いたしました。今後、この証券、金融だけではありません、日本のすべての業界にこれだけ暴力団の介入などがあれば正常な運営ができにくくなる。しかし、起こった場合にはこれは法務大臣がやられるのでありますから、起こらないような、やっぱり警察関係も担当されて、警察は直接ではありませんが、法務省として今後この事件の問題解明にどのような決意で臨まれるのか、この点をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(左藤恵君) ただいま刑事局長の方からも御答弁申し上げましたが、そうした暴力団の問題を含みます事件につきまして、東京地検が証券取引法違反の告発を受けて現在捜査中であるわけでありまして、この法の適用につきまして、検察当局としましては、国会におきます御論議なり、あるいはまたマスコミの報道とか、そうしたものを十分参考にして、そして真相解明のために全力を尽くしてくれるものと、私はこのように信頼をしておるわけであります。 そして、そうした問題につきまして適正な事件の処理をすると同時に、そうした点で法的にもなお問題があるということになれば、またこれは法改正の問題も検討しなければなりませんが、まず第一に現行法におきまして、今の問題の真相を十分解明する努力をしていかなければならない、このように考えておるところでございます。
○野別隆俊君 ありがとうございました。 次に、私どもの調査によりますと、野村証券が東急電鉄株を大量に推奨販売を始める前に、実は関西方面の営業所が、野村証券の営業所でございますが、関西系暴力団に約六百万株野村証券が株を売りつけていたのでありますが、しかし思うように株価が上がらなかった、買った当時。この暴力団は野村証券に対して何とかしろとおどかしたということになっておりますが、このようなことがあったのかどうか。この事実関係について警察庁刑事局長にお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(國松孝次君) 現在までのところ、当庁といたしましてはそのような事実は承知をいたしておりません。
○野別隆俊君 事実関係を刑事局では把握していないということでありますが、また聞くところによりますと、この六百万株というのを野村証券はとうとう引き取らされたんですね。買っていた暴力団から野村証券にまた返されたようなことになっているのであります。この六百万株を石井氏に泣きついていったわけです。石井氏も二千四百万株その当時持っているようでありますから、資金はない。そこで巨額な資金を野村があっせんして石井氏に買わせる。そこから石井氏と仲よくなってきているのでありますが、そして石井氏が積極的にこの株を買い付けに回ってくる、こういうことになってきているのでありますが、この点についても捜査当局はどのように認識をしておられるか、お尋ねをいたします。
○政府委員(國松孝次君) 石井前会長が保有しておりました東急株というのは約二千九百万株に上るわけでありますが、私どもとして、その大半につきましてはその入手経路、資金の流れというものは突きとめたつもりでおるわけでございますが、残りの一部につきましてはまだもう少し詰めなければならないという点があるのは事実でございます。 ただ、委員ただいま御指摘のようないろいろな事実関係というものは私どももちょっと承知をしておりませんので、そうした石井前会長の株入手の我々がまだ解明していない点につきまして、それが六百万株かもうちょっと少ないのか、その辺はちょっと正確にはわかりませんが、そういった解明の過程であるいは出てくるのかもしれませんが、今御指摘のような具体的な事実につきましては私ども承知をしておらないところでございます。
○野別隆俊君 石井氏が所有をして、今二千九百万株とこうおっしゃるわけでありますが、そうかもしれません、私は約三千万株と思っておりますが。そのうちの六百万株はさっき申し上げましたようなことで調達をしたと私は思っているのでありますが、我が党の久保議員の質問にありましたように、警察庁刑事当局の答弁ではただいま解明中であるというようなお答えが出ているのでありますが、この問題もまだ解明ができていないのかどうか、ちょっとお尋ねをいたします。
○政府委員(國松孝次君) 私ども、その六百万株云々ということにつきましてお尋ねがあったのは今が初めてだというように思うわけでございますが、いずれにいたしましても、ただいま申しましたように、現在二千九百万株を石井前会長が担保としてではありますが持っておる。それは一体どういう入手経路であったかということについては我々暴力団対策上大変関心があるわけでございます。その入手経路、資金の流れを解明しておる。まあ六百万株が、もうちょっと少なくなっていると思いますけれども、そういった株についてはまだちょっとその入手経路なんかについてはわからないところがございます。そういうところにのいては現在解明をしておる、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
○野別隆俊君 では、この点については解明を急いでいただきたいと思います。 次に、石井前稲川会会長が亡くなられましたが、このことによって東急電鉄株をめぐる疑惑捜査に影響が出てくるようなことはないか。出てきたら大変でありますが、亡くなった方でありますから、いろいろな面で調査がしにくい面もあるの一ではないかという心配がされるのでありますが、この点について自治大臣と、法務大臣は帰られたようでありますが、法務省の見解をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(國松孝次君) 大変実務的な話でございますので私からお答えをさせていただきます。 石井前会長は死亡したわけでございますが、彼は岩間カントリークラブの会員資格保証金預かり証というようなものによります資金調達、あるいは今回の、今お話しになりました一連の東急株の購入につきましては中心的な人物でございます。したがいまして、その者が死亡したということでございますので、今後の捜査を進める上で少なからず影響が出てくるということは否定ができないところであると思いますが、私どもといたしましては、今回の事態の重大性にかんがみまして、その他いろいろな関係者からのいろいろなお話あるいはいろいろな証拠の収集によりまして、今回のいろいろな資金の流れなどにつきましては鋭意引き続き実態解明を進めてまいる所存でございます。
○国務大臣(吹田愰君) ただいま捜査責任者から御答弁申し上げましたように、石井前会長が亡くなったということは捜査上からいえば確かに大きな痛手でございます。けれども、捜査陣といたしましては、先生の御指摘がありましたように、これだけ大きな問題でございますからこれからも全力を挙げて解明に努力をするという覚悟でおりますし、そういった意味で私もこれから国家公安委員長として大いに督励してまいりたい、こう思っております。
○野別隆俊君 次に、大蔵省と東証は本州製紙の株動向、販売手口には疑惑がないと発表されておりましたが、今日までの証人喚問、参考人の答弁等から見ても疑惑がないとまだ思われているのかどうか、まずこの点をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 本州製紙株につきましては、平成元年の十一月から二年の八月までの間に株価の急騰、売買高の急増が見られたところでございます。当時、その状況を踏まえまして、取引所と協力をいたしまして売買状況のチェックをしたわけでございますが、当時の調査では、多くの投資家が参加しているということで、特定の投資家による株価操作というような証拠を見出すことはできなかったわけでございます。 私ども、今回の証言の内容を分析いたしまして、もし新たな事実があり調査を再開するという必要があるということであれば調査を再開したいと思っているわけでございますが、現在のところ、証言内容等から考えまして、当時の調査は主として市場面で行われているわけでございますけれども、当時としてはそういう判断をした、それで確証を得られなかったということは事実でございます。今後、新たな事実あるいは調査を必要とするような端緒が出てまいりましたら調査をしたいというふうに思っているわけでございます。
○野別隆俊君 大変時間がなくなりまして、質問は非常に多いのでありますが。 この問題は特に今までも調査をされて、調査の進行状態の中ではあろうと思いますが、重大な問題でありまして、これは多国籍企業も絡んでいる問題でございますから、それが利用された、利用したというような問題の中にもある問題であります。 これは日本の株、証券界に重大な影響を今後ももたらすことになるわけでありますから申し上げますが、本州製紙の株は、急騰急落を繰り返しておりながら特に五千円という大台に入ってきておりますが、長い間高価格が続いた。それから兜町でもこういう問題については専門家の話でも、本州製紙の株に関してはなぜ信用取引の規制が入らなかったのか、通常の場合に比べて著しく遅くなっている、これは薄気味の悪い株だというような表現さえされてきたのでありますが、大蔵省は信用取引に対する規制は通常のような状態でかけてきたのかどうか、この点についてお尋ねをいたしたい。
○政府委員(松野允彦君) 信用取引に対する規制は、まず注意銘柄に指定をするというところがあるわけでございます。東京証券取引所に注意銘柄指定の基準というのがございまして、これは公表をされているわけでございますが、その基準は、信用取引全体の、例えば信用取引の売りがどのくらい、つまり発行株数に占める比率がどのぐらいになるか、あるいは買いがどのぐらいになるか、それから買いに対する売りの残高の比率というような三つの要素がございます。この三つの基準に照らして注意銘柄に指定するかどうかというのを決定するわけでございますが、この三つの基準に照らして本州製紙株の信用取引の状況を判断して、平成二年の七月九日に注意銘柄に指定をしております。 七月九日に指定いたしましたのは、最後の信用買い残高に対する売り残高の比率が六〇%を超えるという基準を適用しているわけでございますが、今申し上げましたこの三つの基準のうち一つを満たしたということで注意銘柄に指定をしているわけでございまして、そういうことからいいますと、注意銘柄に指定した七月九円というのが必ずしも遅い時期であるというふうには考えられないわけでございまして、公表された基準に従って指定が行われたというふうに報告を受けているわけでございます。
○野別隆俊君 先般の衆議院で松浦議員の質問に対して、東急株の売買状況に対する大蔵省の内部資料が出されたのでありますが、本州製紙についても同じように私は資料の提出をお願いしたいと思いますが、どうですか。
○政府委員(松野允彦君) 東急株につきまして御指摘をいただきましたものは、私どもの内部資料がどうかというのは私確認できないわけでございます。そこで指摘されましたいろいろなグループが売買に参加しているという事実関係につきましては、あのとき私も大蔵省としてそういう事実を把握しているということをお答えしているわけでございますが、その資料そのものにつきましては私どもの内部資料であるという確認を私はできないし、またそういうことをしたわけではございません。 本州製紙につきましても、今申し上げましたように、我々問題意識を持って調査をし、取引所と協議しながら、現段階におきましては株価操作という確証が得られていないわけでございます。 なお、先ほど申し上げましたように、新たな事実、新たな調査の必要性というものが出てきた場合には調査を続けるつもりでございますが、そういう事情でございまして、内部資料というものを私どもは特に東急電鉄についても確認をしたということでもございませんし、御提出申し上げたということでもございませんので、そこは御理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。
○野別隆俊君 次に、本州製紙の株取引に対して、シンガポールの大財閥が本州製紙の株を大量に買い占めるという加藤目高氏グループの話が十二月の初めの新聞で明らかになっております。マスコミで報道された中には、十一月の三十日に売買契約を結んだという報道が出ているわけです。 そこで、そういう報道が事実であったのかどうかということであります。しかし、報道によって株はああいうふうな状態になってきたわけでありまして、株価にどのような影響が出たかということは、さっきも話がありましたが、ここは後でまたお答えを願いたいと思います。 そのように株価が意図的につり上げられた。こういう話によって、新聞に大々的に出たものですからこの株は非常に有利だというような考え方になって株価のつり上げを意図的にやった、こういうことになってきておるのでありますが、これは証券取引上はまたどういうふうになるのか、この点について二つの面についてお答えを願いたい。
○政府委員(松野允彦君) 御指摘の本州製紙株のシンガポールの大実業家による大量買い付けということでございますが、これは実は平成二年の十一月三十日に、本州製紙株の発行済み株数の約三三%に当たります株につきまして株の買い取り権を取得したという報告があったわけでございます。これは、当時も施行されておりました例のいわゆる五%ルール、大量保有の届け出ということで大蔵省に届け出がなされたわけでございます。十二月七日に大量保有報告書が提出をされております。これにつきましては、私どもその大量保有報告書が出されましたときに買い取り権を買い取ったということについての契約上のチェックも一応行ったわけでございまして、その段階でそういう買い取り権を大量に保有したということで報告が出されたわけでございます。この買い取り権は権利の行使期間が平成三年の二月二十八日までということになっておりまして、平成三年の三月一日になりましてその買い取り権の権利行使をしないままにその期間が終了したということで、今度は大量保有株がゼロになったという変更報告書を大蔵省に提出してきたわけでございます。 したがいまして、これはいわゆる大量保有株の報告書というものが出され、あるいはそれが、先ほども申し上げましたように、最終的には権利行使をしないということで報告がされたということで報道がなされたわけでございまして、こういう報道によって、あるいはこういう大量保有報告書が出てまいりますと、これは公衆縦覧に供しますのでそれによって明らかになり、株価に影響を与えるということは当然考えられるわけでございますが、私どもとしては、そういう大量に株を保有する状況というものをできるだけディスクローズして一般の投資家に知らせるというのが五%ルールの趣旨でございますので、そういった意味からいいますと、この報告書が出されてそれが報道され、一般の投資家にそういう状況が明らかになったということでは、当初の大量保有報告書の制度を導入した趣旨というものが文字どおり生かされたというふうに考えるわけでございます。
○野別隆俊君 時間がございませんので、大蔵大臣やその他まだたくさんの質問をすることにしておりましたが、答弁書を書かれた皆さんに大変御迷惑をおかけいたしましたが、この問題は私もまだ引き続き今国会でやれると思いますが、これは重大な関心を持って取り組むつもりであります。この本州製紙の問題がこのままうやむやに過ごされるようなことのないように、これは株操作に大きな影響を与えている、こういうふうに考えておりますので、次回に回したいと思います。 ありがとうございました。
○種田誠君 おはようございます。 きょうの質問に先立ちまして、昨日、旧埼玉銀行元次長の外山さんが協力預金にまつわる不正行為によって逮捕されました。と同時に、実は大臣はおられなかったんですが、きのうのこの委員会で参考人の富士銀行の橋本頭取からも、協力預金はやめる、紹介預金も禁止する、こういうふうな発言がなされました。さらに、過日は全国銀行協会連合会の会長さんが、ノンバンクの協力預金は自粛をする、こういうふうな談話を発表しております。 この一連の不正行為と、きのうの参考人の橋本さんのこれらの御発言を承って、大蔵大臣としてどのようなお考えを持ち、今後の証券・銀行行政にどのように反映させていくか、その辺のところをまず伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一点御理解をいただきたいのは、本特別委員会が発足をされるその大きな目的の中に、私ども大蔵省自身に対する責任の追及というものもあると私は思います。そして、その中で証券業界あるいは金融業界に対しましてもその責任の追及が行われている。そして、そのプロセスの中における証人のあるいは参考人の意見というものについて、私どもがそれに直接感想めいたことを申し上げることは控えるべきであると思います。 ただ、一般的に申し上げまして、私は、金融界としても今日の事態というものは真剣に、関係のある銀行、金融機関のみならず、全体が真剣にこの問題の中から業界としての反省を酌み取っておられると思います。そうした中におきまして、今委員が指摘をされましたような幾つかのポイントを含め、金融界が正常な姿を取り戻し、それによって国民の信頼を回復しようとする努力に対しては、私どもとしてもその方向を注意深く見守っていくべき責任がある、そのように考えております。
○種田誠君 もう少し私は積極的な姿勢があってもいいんじゃないかと思うんです。大蔵大臣もまたあらゆる関係者においても、協力預金やまさに紹介預金のこの制度がノンバンクとのかかわりにおいて今回の大きな社会問題の原因になっているとも言えるわけでありますから、見守るんじゃなくて、大蔵省の行政としてこれからの証券・金融業界に関してどうあるべきか、むしろ積極的にこれらの発言を受けて、これらの事件の反省の上に立ってむしろ新たな行動を起こしてもらいたい、そう思うわけであります。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、参考人あるいは捜査当局の対応の中からお尋ねをいただきましたので、ある意味では大蔵省自身も本委員会においてその責任を問われているという立場、それを踏まえてお答えを申し上げました。 それを切り離してもしお答えをさせていただきますならば、私は今まさに委員が御指摘になりましたような問題点を含め、そうした正常化に向けての努力、金融界が信頼を取り戻すべき努力、それに対しては積極的に我々もこたえていかなければなりませんし、また殊に、ノンバンクというお言葉が出ましたけれども、現在、御承知のように、大蔵省の与えられております機能の中でノンバンクに対する対応というものには一定の限界がございます。しかし、それを超えて、今、今後どうあるべきかについての積極的な対応も考えているさなかでありまして、その御指摘の方向に向けての努力は全力を挙げて払うべきもの、そのように思っております。
○種田誠君 協力預金や紹介預金というものにおける問題性が指摘されているわけでありますから、かつまた昨日の橋本参考人のみずからの禁止という言葉もあるくらいでありますので、ぜひとも大蔵行政としてしっかりとこれをむしろ進めるような形で御指導をお願いしたいと思います。 それでは、次の質問に参りたいと思います。 私、実はきょうの質問に先立ちまして大蔵省の方に、いわゆる証券局と証券各会社との定例懇談会に関しての八九年の十一月から直近までの実態を報告してくれと、このように申してきたところ、今の段階になりまして私のところへ持ってきたのが何と四社長会との懇談会だけの、しかも今ここで慌てて書いたようなメモを持ってきただけなんですね。これはあらかじめ大蔵省においても、当然四社長懇談会、十社社長懇談会、四副社長懇談会、それから株式部長懇談会、さらには二カ月に一回は株式本部長との懇談会、債券本部長との懇談会、引受本部長との懇談会、国際本部長との懇談会、これをやっているわけですから、このことについては省庁の皆さんがきょう何時にどこどこへ行ったということははっきりしていると思うんです。なぜそれが出せないんでしょうか。局長、お願いします。
○政府委員(松野允彦君) 御指摘のように、幾つかの会合を証券業界との間で定期的に開催をしてきたわけでございます。ただ、この会合は、実はその議事録というものをつくるわけでもございませんし、定例的とはいいましても、過去にさかのぼって正確な日付をという御要求でございますと、なかなか正確な日付を記録した記録がないというような事情もございます。御要求がございまして、今その中で調べているところでございます。 比較的、社長会のようなものでございましたら、これは局長以下が出席いたしますものですから記録が残っているわけでございますが、各担当と課長とのレベルの定期会合というものの場合には、必ずしも正確な日付が過去にさかのぼって記録がされているというわけでもございません。現在それを調べているところでございまして、その点は御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変申しわけありません。今、局長にも指示をいたしましたが、仮に正確な日付が確定できないにせよ、わかる限りの資料をできるだけ早くお届けいたします。申しわけありません。
○種田誠君 よろしくお願いします。 それでは、きょう私のところに届けられたこのメモ書きに従ってのみお伺いしたいと思いますが、後日、十社社長との懇談会、四社副社長との懇談会、それから株式部長との懇談会、毎月一回なされておりますね。それから株式本部長、債券本部長、引受本部長、国際本部長、これは別々に二カ月に一回なされていますから、そのところよろしくお願いします。 それでは、四社社長会議、手元にある資料によりますと、一九八九年は十一月二十四日、十二月十五日に開かれたということ、そしてもちろんその前もありますが、九〇年に入りまして一月十二日、二月十五日、三月三十日に四社長との懇談会が開かれてきているということのようであります。 それで、まず四社長との懇談会はどこで開かれるんでしょうか。それから、ここでの話し合いの内容というのはどういうものが話し合われたのか。そして最後に、この会費などはだれが負担するのか。教えていただきたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) この四社の社長との懇談会でございますが、これは四社の社長だけで懇談をしているところに私どもが参加をする形をとっておりまして、具体的に申し上げますと、ホテルオークラで会議室を向こうが用意し、向こうが懇談をしているところに私どもが出かけていって行政の考え方を説明するという形をとっております。当然、昼食会を兼ねる場合が多いわけでございまして、そういうことで、証券会社側が用意した昼食会ということで私どもが出かけていっております。 それから、これは全く四社の社長と私どもここに出ております局長、審議官二人のメンバー合計七人だけでございまして、それ以外の人は全然入っておりませんので、特にメモをとるあるいは議事録をつくるというようなことはございません。主として私どもの方から行政の考え方を説明し、その理解を求めるということで、私どもが出かけていってそういう機会を利用しているということでございます。
○種田誠君 そうしますと、この辺のところが問題なんですが、実は一昨日の大和証券の同前社長さんの証言によりますと、この懇談会においてはいわゆる情報の交換ぐらいなんだということ。そして過日の、田渕証人だと思いますが、衆議院の方でも出てきていな言葉ですが、いわゆる情報交換までもいかない単なる懇親のようなものなんだと、こういうふうな発言もあったんですが、実際のところは、松野局長が今言われたように、大蔵省の考え方を理解してもらったりこれからの証券行政に関しての理解を賜るんだと、こういうふうなものとしてむしろ位置づけられていたわけですね。どうなんでしょうか。
○政府委員(松野允彦君) 毎月一回定例的に会合を行っておりましたものですから、会合によっては、私どもの考え方を特に強調して説明をしなきゃいけないような時期に開かれた会合もございます。あるいはそうでなくて、比較的そういう問題、課題が少ないというような時期もあるわけでございまして、そういったことからいいますと、出席されておりました各社の社長の受け取り方がややまちまちだということはあろうかと思います。 私どももできるだけ行政の考え方で理解を求めなきゃいけないものはその会合で説明をし理解を求めているわけでございますが、必ずしもすべての会合の場合にそういう理解を求めなきゃならない課題が常にあるというわけでもございません。それは程度問題でございまして、もちろんいろいろな重要な問題があるときは私どもとして懸命に説得あるいは理解を求めるというようなこともございますが、場合によっては市場の環境あるいは外国の情勢というようなものの意見交換をするというようなものもございます。
○種田誠君 今まさに局長が言っていることが私はやはり人が集まったときの素直な話し合いだと思うんですよ。にもかかわらず、証券会社の社長さんがかたくなにそこを否定するということが、こういうことがまた国民に疑惑を招く一つの原因になるわけなんですよ。 それで、ここで伺いたいのは、今回の損失補てん禁止の、さらには特金の整理のための通達、これは八九年の十二月二十六日に出されていますね。十二月は、先ほど申し上げましたように、十五日にお会いしていますね。そうすると、十二月の十五日、直前ですよ。その日に通達の話も当然出て話し合われるのが人間の情だと思うんですよ。ですから、この辺のところ、十五日の昼食会では一体通達の中身の話をされたのかされないのか。そして、通達を拝見しまして、第一項は私も素直にすっとわかるんです。ところが、第三ですね。まさに「特定金銭信託契約に基づく勘定を利用した」云々ということになりますと、じゃ実際どうしたらいいのかということで当然そのときの四社長さんの中で悩める人も出てくる。当然大蔵省としてはどうするのかということに関して指導しなきゃならない。多分、局長さん、こんなことを言われてもこれは一気にすぐにできるわけじゃないでしょうよとか、ちょっと時間をいただけませんでしょうかとか、もしくは、いやこれは顧客の方も考えなきゃいけませんので何かしかるべきいい方法はございませんでしょうかとか、こういう話が出て私はしかるべきだと思うんです。いかがなものでしょうか。
○政府委員(松野允彦君) 平成元年十二月十五日に開催されました四社社長との懇談会におきまして具体的にどういうふうな話し合いがなされたかというお尋ねでございます。 これは必ずしも私、詳細まで説明を受けているわけではございません。ただ、確かに直後に通達が出るわけでございますから、基本的に営業特金の適正化という問題について問題意識を持って行政の立場を説明したということは、これは推測になって恐縮でございますけれども、私それは全くなかったというふうに申し上げるつもりはございません。 ただ、当時の四社社長会のむしろメーンテーマは、当時、金融制度見直し、証取審の議論が大体一区切りを迎えようとしていたわけでございまして、したがいましてその関係で銀行と証券との相乗りというような問題が非常に大きな問題として意識をされ、その点についてかなり精力的に四社に対して、やはり銀行だけではなくて一般的に免許制のもとにおいても参入を認める必要があるという点についての説得に非常に力を注いだという報告を受けているわけでございまして、もちろん振り返ってみますとどちらが重要かという問題はあろうかと思いますが、やはり当時の状況では恐らくその制度問題というものに証券局の側は非常に大きな意味を持って、これを何とかまとめなきゃいけないということで、むしろ社長会をそういうものの理解の場としてフルに利用していたという点があるということは御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○種田誠君 今のお話を伺っていると、局長はその当時局長じゃなかったんですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) それは、当時松野局長は証券局長ではございません。
○種田誠君 どういう立場で当時はおりましたか。
○政府委員(松野允彦君) 平成元年十二月のころ、私は銀行局担当の審議官をしておりました。
○種田誠君 その点は身分の問題はよろしいとして、問題は、十二月の二十六日に通達が出された。そして、実は一昨日のここでの同前さんの証言の中にあったわけでありますが、証券会社としてまさに苦渋の選択をした。特金にまつわる適正化もしなきゃならない、そうすれば解約もしなきゃならない、株はまさに一月、二月、三月と大暴落をしておる、そういう中での苦渋の選択をした。そして、実はそのときにまた重要な発言があったわけであります。これは山岡先生の質問にも出ている答えでありましたが、当時証券業界の関係の中で、平成二年じゅうに特金の適正化を目指そう、そういうふうな話になっておったんだけれども、大和証券は十二月に特別おしかりを受けておるし注意も受けておるということで、ほかの証券会社に先んじて三月までには特金の適正化を図りたい、そういうことで努力したがゆえになお一層損失補てんとのかかわりにおいて苦しい選択であったんだと、こういうような証言があったわけであります。 そうしますと問題は、平成二年の十二月までに特金を適正化するというような努力目標を立てたのは大蔵省なんでしょうか、それとも証券業界なんでしょうか。
○政府委員(松野允彦君) 大蔵省といたしましては、平成元年の十二月に通達を出したときにあわせて事務連絡を出しております。通達では原則として投資顧問づきに移行するようにということが書いてあるだけでございまして、期限については書いてございません。ところが、それに対して事務連絡の方には、営業特金の適正化、これは顧問づきに移すあるいは例外的に確認書をとるというものでもいいということが書いてあるわけでございます。それにつきましては、既存の契約については平成二年の十二月末までに適正化をするようにということを事務連絡では書いてあるわけでございまして、そういう意味では、平成二年の三月までにというのは、我々の考え方というよりはむしろ大和証券としての経営判断ではなかったかというふうに考えるわけでございます。
○種田誠君 そうすると、その出どころは、この間は同前社長さんは忘れちゃったというふうに言っておったんですが、今のお話だというと大蔵省の方からむしろ努力目標を提示しておいたというふうに理解して、問題は、大和証券、先ほど申し上げましたように、三月中に解消、適正化をしたい、また確認書をとりたいということで、その特金の問題点の対処に当たったというんですが、大和証券の八九年の十二月の問題のある特金の数と、それから九〇年の三月時点で努力をした結果どのようにそれが推移したか、教えていただきたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 大和証券の営業特金の適正化の状況でございますが、私どもに出ております報告によりますと、平成二年の三月末におきますいわゆる営業特金の口座数が二千五百八十六口座ということになっておりまして、そのうち適正化が行われているものが三百五十二口座ございます。したがいまして、いわゆる適正化率一三・六%ということで、この適正化といいますのは、私どもの考えでは、投資顧問づきになりますとここから落ちてしまいますから、投資顧問がないままの形でいわゆる確認書をとったというものが一三・六%あったということでございます。 これは、その同時期九〇年三月末におきます四社の平均では適正化率が七・七%でございますし、本省が直接監督しております証券会社二十二社の合計では四・四%という数字になっておりますから、そういうことからいいますと、大和証券の場合には三月末に向けてかなり適正化に努力してその率が高くなっているということが言えると思います。
○種田誠君 そういうふうに理解もできるし、逆に一三・六%といいますと、損失補てんのあの発表された金額など、また損失補てんを受けた会社の数からいいますと、果たしてこれが最大限努力をした苦渋の選択として行った成果だろうかと言わざるを得ないわけですね。苦渋の選択をして三月中に解消したいということでやったわけでありますが、特金の適正化は進まない、損失補てんだけがなされている。といいますと、結局この国会で苦渋の選択をしたとか特金の解消のために補てんをやったんだということが非常に薄い印象しかなくなってくるわけですね。逆に、特金は残したまま損失補てんをやった行為が今回の事件だったと、そういうふうに言わざるを得ないような印象も持つわけなんですけれども、非常に残念です。 と同時に、むしろ本日の日経新聞などにもありましたけれども、果たしてどこまで特金の適正化がこの間なされたんだろうかと国民はますます疑惑を持っておる。しかも、今のような発言だとしますと、何か九〇年三月のあの証券会社の損失補てんの金額というのは、結局損失を受けた大企業に、大口顧客に補てんをするためのテクニックだったんじゃないかな、何の進展もないそういう中でのテクニックだったんじゃないかな、まさにばかを見たのは小口投資家であり、私たち国民がばかにされたと、そういうふうにまでなってしまうんで、この辺のところは、通達を無視され、しかも結果的に今のような状況だといいますと、これは大蔵省は甘く見られている、また大蔵省は弱腰じゃないか、一体大蔵省の指導はどうなっているんだと、こう国民の目に映らざるを得ないと思うんですよ。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) そうしたおしかりは先般来あらゆる角度から受けてまいりました。そして、証券行政というものにつきましての御批判、今我々は甘受しなければならないと思っております。ただ、その中から、今例えば通達のすべての見直しに着手しておること、あるいはその他の努力というものを払いつつあるということもどうぞ御理解をいただきたいと思います。
○種田誠君 そのことは私もよくわかるんです。ただ問題は、具体的な数字がその努力の成果をあらわしていないから、国民の目から見ますと、大蔵省、一体何をやっているんだと、一体何なんだと言われてしまいますので、この数字を前提にしてもう一度証券業界に対する指導監督を検討していただきたい、こう思うわけであります。 次に話を進めていきたいと思いますが、この問題との関係で、私一つ、おとといの大和証券の同前社長さんとのやりとりの中でこれは重要な問題だなと思ったことがございますので、そのことをお聞きしたいと思います。 八九年の十一月に大和証券関係の損失補てんが明るみになりました。このやり口について、ごく簡単で結構ですから、一証券局長、この手口を説明していただけませんか。
○政府委員(松野允彦君) 平成元年十一月に明らかになりました大和証券の補てんでございますが、これは昭和五十年代前半ごろから大和証券の事業法人部におきまして顧客との損失、証券取引により生じた損失というのが発生していたわけでございます。それの一部を三協エンジニアリングという会社ほかに肩がわりをさせるというような形でその損失を簿外で置いていたという格好になっていたというふうに聞いております。それを簿外取引によって転々と、最終的に三協エンジニアリングという口座に集約をした、肩がわりさせたわけでございます。それについて大和証券の関連会社の株の取引を通じてそこに利益を補てん、損失を埋めるというような形で補てんが行われたということでございます。
○種田誠君 そうしますと、ここで重要なことは、三協エンジニアリングという会社が直接その損失の補てんをしてもらうとかということじゃなくて、その前に幾つかの会社の損失の補てんがあったのをまさに三協エンジニアリングという大和証券とは緊密な親しい間柄にある会社にすべてを肩がわりさせた。その手段としてとるために若干時間もかかったし、そしてまたテクニックが必要だったわけであります。そうしますと、このことについて、これは明らかに有価証券報告書の虚偽記載罪にもなるだろうと思われますし、その他の犯罪を構成すると思われるわけなんですが、大蔵省はこれにどのように対応いたしましたか。
○政府委員(松野允彦君) この件につきましては、その事実関係が明らかになりました、つまり損失補てん行為が行われました昭和六十年九月期の有価証券報告書について訂正をさせたところでございます。あと、証取法の五十三条に基づく営業報告書というものも我々取っているわけでございますが、それにつきましてもやはり同じように訂正をさせております。
○種田誠君 証券局長、五十三条違反は何ですか、訂正で済むんですか、それが一つです。五十三条違反には二百五条というれっきとした処分があるんじゃないんですか。なぜしなかったんですか。 それからもう一つ、このような三協エンジニアリングを使ってのやり方というのは、別なところに損失を発生させたのを全部まとめて持ってきて、ある一つの事業所に全部おっかぶせて、それでもってこれを損失補てんでございましたと言いますと、前の事業所は全部見えなくなっちゃうわけなんですよ。ここが問題なんですからね。 まず、二つ答えてください。なぜ処分をしなかったのかと、今のことと。
○政府委員(松野允彦君) この六十年九月期の営業報告書の問題でございますが、これは平成元年十一月には既に時効が成立していたということで虚偽記載という問題として取り上げることができなかったというふうに報告を受けております。 それから、確かに集約をいたしますと、その集約前の顧客というのが判然としなくなるという御指摘は、まさにそのとおりでございます。私どももこの点については、この問題が発生いたしましたときに大和証券にいろいろと事情を聞いたわけでございますが、大和証券自体も五十年代前半からいろいろな損失を徐々にそういうふうな形で集約していったということもございまして、必ずしも全貌を把握できないというようなことで、その最終的な補てん口座というのははっきりするわけでございますが、それ以前の集約前の補てんといいますか、損失が発生した口座というのは完全には把握できないというようなことになっているわけでございます。
○種田誠君 じゃ、ちょっと角度を変えまして、過日、毎日新聞に「補てん額二十億円以上の取引事例」というのが大蔵省の資料に基づいて発表になりましたですね。この発表を見まして、私あれと思ったんですよ。今までの国会での議論はほとんどが株の大暴落があって特金の適正化も大変だ、損失補てんもしなきゃならないということで生まれてしまったんだと、こういう説明で国民の皆さんに納得をしてもらいつつあったわけですよ。ところが、これを見まして何だと思ったのは、八八年の二月、八八年の九月、八八年の四月、八八年の十一月、八七年の十二月、八九年の十二月、いずれも株がまさに堅調で極めて健全なときにとんでもない損失補てんがなされているわけですよ。これは単なる株の暴落があったためにやむを得ず事後保証、事後補てんをしたというんじゃなくて、逆にこういうことがあったということは暗黙のうちに、もしくは合意の上にあらかじめ話し合いの中で損失補てんがなされてきたということを如実に私は物語っていると思うんですね。このことをはっきりさせないと今回の新たな出発はできないということだと思うんですよ。まず、このことについて局長、いかに思いますか。
○政府委員(松野允彦君) 御指摘の損失補てんのケースにつきましては、私どもも実はそういう株が好調なときになぜ大量の損失補てんが必要だったのかというような点についての問題意識を持っているわけでございます。 現在までのところでは、証券会社からの報告は、そこに出ております口座に補てんをしたということでございますけれども、私どもはやはり今ちょうど検査に入っております。御指摘のような問題意識を私どもも持っているわけでございまして、その点については検査の過程でできるだけ明らかにしていきたいというふうに思っているわけでございます。
○種田誠君 その辺のところをはっきりさせていただきますと、まさに利益の保証だとか利回り保証だとか、今まで暗黙のうちに大蔵省も認めてこざるを得なかったようなことが全部浮き彫りになると思うんです。その上に、日本の証券業界のあり方、国際的にも信頼されるようなあり方をこれからつくらなければならないわけですよ。 今、私たちは何でこんな苦しい委員会を維持しているかというと、日本資本主義の発達の中で証券・金融業界の過去のあり方においてはいろいろ問題があったと、しかしながら、国際化社会の中でこれから私たちは信頼されて透明性があって公平な証券・金融業界をつくりたい、そのためにこの議論をしてお互い血を流しているんだろうと思うんですよ。そういう意味で私は大蔵省に真剣に対応してもらいたいと思うんです。 委員長、ここでもう一つ、私は発表の中で重要な問題があると思うんです。山一総合ファイナンスを見てください。八八年四月十一日、同日これは売り買いですね、外債・ストリップス債。買いが約四十億、売り付けが七十六億と書いてあります。差益が三十六億一千二百万。 山一総合ファイナンスというのは山一証券の子会社ですね。
○政府委員(松野允彦君) 山一総合ファイナンスは山一証券が五%出資しております、私どもで言う関係会社ということになります。
○種田誠君 私わからないのは、自分の関係するまさに子会社になぜ三十六億一千二百万円もの損失補てんをしなければならないのかということですね。これは先ほどの大和の三協エンジニアリングと同じように、いわゆる引っ越しと言われる形態をとっているものではないだろうかと思わざるを得ないわけなんですよ。そうなってきますと、いろいろ前にあったものをここに全部まとめて補てんをしてきたという、極めて悪らつ、悪質な手口でもあるわけです。まさに先ほど出てきた、時効になってしまったと言われましたけれども、これも時効なのかどうかわかりませんが、有価証券報告書の虚偽記載罪もしくは背任罪に十二分に該当するし、ここを究明することによって私は新たな事実が確実に出てくる、そう思うんですが、局長、いかがでしょうか。
○政府委員(松野允彦君) 確かに御指摘のように、この山一総合ファイナンスの三十六億円に上る損失補てんにつきましては、この前払、どこかのところで御答弁申し上げましたように、私どもとしても時期的に見てどうしてこんなに大量の損失補てんがこういう時期に必要になったのかという点については非常に疑問を持っているところでございます。御指摘のようなことも十分念頭に置いて今検査で内容を精査しているところでございます。 証券会社の報告では、関係のファイナンス会社が赤字決算になるというようなことで補てんをしたんだという説明を受けているわけでございますけれども、その中身、ファイナンス会社が銀行から資金調達をして有価証券運用したんだということでございますが、我々としては検査の中でさらに詳細に中身をチェックし、御指摘のようなことで事実がないかどうかという点については十分調査をしていきたいというふうに思っております。
○種田誠君 ぜひこの問題は、今局長がおっしゃられたように、株の暴落で損失補てんをしなきゃならない苦渋の選択のときじゃないんですよね。そういうことも含めまして、しかも三協エンジニアリングでは時効という壁がありましたけれども、今回そうでないんですから、真剣に取り組んで明らかにしてもらいたいと思います。 それから、先ほど犯罪の話が出たんですけれども、私は今回の各取引などにおいて補てん金を生むための行為は背任罪に十二分に該当すると思うんです。というのは、今までの国会での答弁の中で、トータルとして見ると会社に損害を与える行為ではない、むしろ会社の利益を生む行為なんだ、だから犯罪ではないと認識をしていた、また犯罪ではないと、こういうふうなことでしたけれども、犯罪というのはトータルとして見るんじゃないんですよ。こういう特別背任罪にしても背任罪にしても、もろもろの犯罪はその実行行為のときに犯罪だったかどうかということが問題なんであって、会社にとってきょうこれを、朝例えば十億円で売ったものを夕方五十億円で買い取る、そして四十億円の損害が発生した、そのこと自体が実行行為でありますから、そのことによって犯罪かどうかを決めるんであって、二年先、三年先、半年先の会社の利益としてトータルで見て正しいとか正しくないという見方じゃないんですね。したがいまして、その意味では私は十二分に、今回損害が発生していろんならば、これは会社に対する犯罪であるし、株主に対する犯罪なんですよ。いかがなもんでしょうか。どちらでもいいです、刑事局長でも。
○政府委員(井嶋一友君) お答えいたします。 先ほども申し上げましたけれども、野村証券に係ります損失補てん事件につきましては、現在、野村証券の株主から田渕節也氏と田渕義久氏、両田渕さんを被告発人とする告訴がなされておりまして捜査しておりますから、その件に絡んで私がここで正否を申し上げますと、また大変大きな活字になってしまいますのでそれはできませんが、今先生の御議論も一般的にということで申し上げますと、もう委員御案内のとおり、特別背任罪と申しますのは、いわゆる三つの構成要件が必要でございまして、本人または第三者の利益を図る目的、または本人、つまりこの場合会社でございますが、会社に害を加える目的をもって任務に背いて会社に財産上の損害を与えるという要件が必要でございます。この場合のいわゆる図利加害の目的につきましては、委員今御指摘のように、その犯罪の成立時点において考えるんだと、あるいは財産上の損害もそうなのだと、こういう御意見でございましたけれども、判例の動きあるいは実務上私どもが考えてやっております考え方とは少し違うところもございます。 いずれにいたしましても、図利加害の目的があるかどうかということが大きなファクター化なるわけでございますが、まあこれは一般論として申し上げるわけでありますが、今回の取引ではなくて、いわゆる一般の取引には損して得をするというようなものもあるんだというようなこともあるわけでございますから、そういった意味で、その辺を実態、証拠に基づいて認定していくことが特別背任罪の捜査の重点になるわけでございます。本件については申し上げませんけれども、そういったところに問題点があるということでございます。
○種田誠君 ありがとうございます。 まさに私も今局長が述べられたとおりだと思うんですよ。ただ、ここで重要なことは、昭和三十五年の八月十二日判決もございますから、その意味では決してトータルとしての損得を前提に犯罪を考えるようなことがないようにぜひお願いをしたいと思うんです。 さらに、今告発、告訴のことが出てまいりましたものですから続いて伺いますが、暴力団関係、東急株売買に関して暴力団関係の一連の犯罪について、現状の捜査状況はどうなっておりますでしょうか。
○政府委員(國松孝次君) 今回の東急株の大量購入問題につきましては、これは兵庫県警が行っております外為法違反の捜査の過程で出てきたものでございますが、この外為法違反につきましては引き続き捜査をしておるところでございます。また、この東急株の買い占め問題につきましても、現在その過程において何らかの刑罰法令に触れる事実があるかどうかということを中心にして実態を解明しておるところでございます。 一般的に申しまして、暴力団の親分が大量の株を買った、その直後に大変株が上がったということになれば、捜査当局としては証取法百二十五条も含めて捜査をするというのは、これは当然のことでございます。ただ、その証取法百二十五条に触れるような事実が集まるかどうかということにつきましては、その構成要件との関係上大変難しい問題があるということでございまして、この点につきましては、先ほど証券局長の方からもるるその御認識が披瀝されたところでございますが、私どもとしても同じような難しさを感じているところでございます。 ただ、先ほど申しましたような一般的な着眼点に立ちまして、私どもとしては、暴力団稲川会の前会長の大量株買い占めという問題に絡む実態解明ということを暴力団対策を進めていくという立場からやってまいりたいというように考えておるところでございます。 〔委員長退席、理事斎藤栄三郎君着席〕
○種田誠君 今、証取法百二十五条が一つの容疑であるということでございます。この構成要件は本当に難しいのでなかなか大変だと思いますが、日本の新しい証券秩序をつくるためということで御努力をお願いしたいと思うわけであります。 もう一つ、刑事事件に関して、関西の尾上縫関係の事件がもう既に起訴になっておるんですけれども、これに関して一体余罪その他は現在捜査されておるのかどうか伺いたいと思います。
○政府委員(井嶋一友君) お答えいたします。 お尋ねの東洋信用金庫の不正融資事件でございますが、去る九月二日に、東洋信金の今里支店長でありました前川朝美及び料亭経営者尾上縫につきまして有印私文書偽造、同行使、詐欺で大阪地検特捜部は大阪地裁に公判請求をいたしました。さらにその翌日、株式会社大信販の社員早田栄一郎につきましても、尾上と共謀の上の背任ということで公判請求をいたしております。 この起訴しました事件につきましては、それぞれ日本興業銀行大阪支店及びセントラルファイナンスに対する三百億円ずつの偽造の定期預金証書を用いた担保差しかえ名下のいわゆる担保に入っておりました債券類の騙取事件として起訴しておるわけでございますが、巷間言われておりますとおり、この関係ではその他にまだたくさんの偽造証書が出ておるということでございまして、相当膨大な額に上ると聞いております。これにつきましては、現在大阪地検で引き続き捜査をして全容の解明に至るものと考えております。
○種田誠君 この件についてもぜひとも、先ほど申し上げましたように、犯罪が成立して厳しく処罰されるということによって社会の公正が実現される、正義が取り戻せるということでありますから、大変だと思いますが、総員努力の上ぜひ頑張っていただきたいと思います。 そして最後に、これは大蔵大臣にも伺いたいわけでありますが、まさに今回のこの一連の事件を見できますと、日本の暴力団その他の不当な不公正な団体が証券・金融界にもここまで入り込んでしまったのかという感を多くの国民は合していると思うんですね。まさにマネーロンダリングが日本でも始まりつつあるのか、始まったのか、こういう不安もあると思うんですね。このことは単に証券会社、銀行、そういう個別企業に頑張れ、注意せいというだけではなかなか難しいと思うんですね。私も弁護士をやっておりましたが、率直に言いまして暴力団の関係者のところへ示談交渉に行くときにはやっぱり若干びびります。 そういう状況があるとすれば、これはやはりある程度法的にはっきりとこの辺を対抗していかないと将来大変なことになってしまうということが一つ。そのための証取法改正案は今どのような段階に来て、どういう骨格のもとにつくられようとしているのか、そしていつごろ国会に提出されるのか、このことについてまとめて答弁をしていただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一点、証取法改正案の具体的な内容につきましては、まだ現時点で関係省庁などと協議中の部分を持っておりまして、細かい御説明が申し上げられるところまで残念ながらまいっておりません。 私どもが考えております一つの大きな問題点は、証券会社による損失保証、これはもう当然ながら法律で今までも禁じております。損失補てんにつきましては、これを禁止すると同時に刑事罰を適用したいと考えております。ただ、この条文のつくり方については苦慮しておる部分が確かにございます。というのは、個別の手口を列記いたしました場合、そこに入っていないものはいいということになっちゃう。そうかといって余り包括的な規定にいたしました場合に、例えば具体的な部分を政省令にゆだねなければならなくなれば、これは罪刑法定主義の観点からこれは許されない。この辺の隘路になお苦しんでおるというのが率直な状況であります。 また、証券会社に対して違法行為を求めるような悪質な顧客に対しても、これは刑事罰の適用問題を含めて種々検討をいたしておるさなかであります。また、損失補てんの温床となりやすい一任勘定取引につきましてはこれを禁止する、そして違反については行政処分の対象としたいと考えております。 そこで暴力団につきまして、当初から私が外国の反応を申しましたときにも、暴力団との不明朗なかかわりということを各国が非常に心配を示したと率直に申し上げました。我々としてはこの事態を今後どうするかということを真剣に悩みながら、捜査当局にも助言を仰ぎ、御相談をしつつ今日あります。 こうした中、八月二十八日に警察庁から金融及び証券取引などにおける暴力団の介入排除についての各業界団体あて要請を行いたいという御連絡をちょうだいいたしました。私どもとしても、この趣旨を踏まえて各業界団体にその要請を受けて努力するよう今指示しております。いずれにしても、今後捜査当局との緊密な御相談、助言を得ながら努力をしてまいりたい、そのように考えております。
○種田誠君 どうもありがとうございました。
○吉田達男君 この委員会は、損失補てんの全容を国民の前に明らかにする使命を持って発足して努力しているのでありますが、今日なお全容を解明し尽くしておりません。一日も早くこれを解明してと念じておる次第でございます。その解明の中身というものは何かというと、結局損失補てんの全容がつかめない、こういうことであります。 これについては大蔵省も格別の努力を願いたいと思いますが、一つは、この損失補てんを組織的、大量に集中してなしたというこの作業をだれがどのように指示し、連絡し、やったか。ここのところが不明のために全容解明に至らざる印象が強いのであります。 いま一つは、補てんというものの概念についてでありますが、実質的な補てんというものは、営業上これまで個々にはたくさんあったわけであります。個別補てんは営業マンにおいていろいろトラブルがあったりして、それを会社運営の中で処理する場合は、損失責任準備金等の措置をして、損金に計上して処理をされる適切な方法でもって個別な補てんは事実なされてきておったわけであります。その補てんと今日における補てんの概念とはやや違うのであります。あの大きい取引をした者が損をしたら補てんするというけれども、得をしても補てんする。小口の者は補てんを全く受けないということについて国民の中で不満が残る。補てんの概念が違っておって、この補てんの不明朗な結果を何とか処理しようとするのに対して、どの範囲で補てんをやるかということをまずはっきりしなければならぬと思うのであります。 そこで質問でありますが、今回の補てんの手口としての四つの手法をワラント、公債あるいは転換社債、株式等々の販売を通じて、大口顧客に対して九〇年の三月期の決算の目前で偽装取引に近いやり方で実施をしたのであります。個々の内容もだんだんと明らかになっておりますが、このような補てんをしなければならなくなったというその背景をどう大蔵省は考えておられるのか、所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) プラザ合意以降の経済的な流れというものにつきましては、本委員会におきましても私は過去に触れてまいりました。そして、その中における反省を込めた原因というものは既に申し上げてまいったと思います。 もう一つ、私は今違った角度からお答えをさせていただきたいと思いますのは、過去に損失補てん行為と目されるものが証券検査の中で何回か発見をされたという経緯がございました。そして、それは検査官たちの努力によってその事実が把握をされ、しかしそれが証券行政の中で行政全体への教訓として生かされず、発生した証券会社に対しその行為に対する処分を求める、あるいはその業務の遂行に対しての是正を求めるという内部の指導にとどまっておりましたことが、個別の証券会社の問題意識としては存在をしながらも業界全体に対する警告となり得なかったという部分はあろうかと思います。そうした問題も損失補てんという行為に対する倫理上の観念というものを希薄にさせた要因の一つではないか、昨今の御審議を振り返りながらそのような印象も持っております。 より直接的には、やはり私は、プラザ合意以降の経済情勢の変化の中で生じてきた問題点を中心に考えるべきであろうと思います。しかし、行政の側から全言ったような反省も当然のことながら必要だと、そのように思います。
○吉田達男君 そのような背景があるにもかかわらず、八九年の十二月二十六日の通達を大蔵省は出されたのでありますね。この通達を出されるに当たって、さっきも質問を通して追及がありましたが、結局業界の意見は聞いたのか聞かなかったのか。あれだけ会合していれば当然聞いているはずだが、どのように聞いたのか。本当に聞いていないのか、そこをはっきり願いたい。
○政府委員(松野允彦君) 当時の状況からいたしまして、当然、まず営業特金の適正化といいますか、要するにこのトラブルが起こるようなもとになる営業特金をできるだけ適正化しろということをこれは指導してまいったわけでございます。これは別に十二月になって急に指導を始めたわけではございません。営業特金というものが昭和六十年以降すっとふえてまいっております。その過程において常に問題意識を持って、営業特金についてやはり投資顧問会社につけるなり、何らかの形で適正化をすべきであるということはずっと指導をしてまいったわけでございまして、そういった点について十二月に通達を出したときに、それをきちっと適正化するようにと、しかも一年の期限を切って適正化をするようにというようなことを明らかにしたわけでございます。 それとあわせまして、損失補てんについてこれを慎むようにということを通達したわけでございますが、これにつきましても、先ほど大臣から申し上げましたように、過去に検査において、断片的ではございますが、大口顧客に対する利益供与というような取引事例があったわけでございまして、それに対しましては検査の都度対応してまいったわけでございますが、この大和証券の多額の損失補てんというものは、そういうふうな断片的な現象というよりはかなりやはり大規模かつ会社としての損失補てんだという問題意識を持ったわけでございまして、そういったことからこの通達において事後的な損失補てんも慎むようにということを明らかにしたわけでございます。もちろん、事後的な損失補てんについては通達が出る以前から今申し上げたように指導はしていたわけでございますが、やはりかなり重要な業界全体にとっての問題だという認識を持って通達であわせてそういうことを明らかにしたということでございます。 営業特金の適正化という問題はかなり前から指導はしていたわけでございますが、正式に通達として出たのは元年の十二月ということになるわけでございます。
○吉田達男君 それで、業界の意見を聞く機会が公式非公式、幾つか当然あったわけでありますが、結局は業界の意見を、この通達を出すに当たって全然聞いていないまま出したのかどうか。
○政府委員(松野允彦君) 通達を出すに当たりまして、営業特金の適正化というのは、今申し上げましたように、過去から指導をし続けてまいっておりますし、それについては機会あるごとに適正化を進めるようにということを業界に指導を、会合などの機会にも指導をしていたわけでございます。 損失補てんの点につきましても、今申し上げましたように、過去断片的に見られたものについては、こういうことをしないようにということを検査で指導してまいっていたわけでございまして、十二月二十六日に通達を出しますときの判断としては、当時、株式市況がまだ年末に向けて非常に好調な事態でございました。したがいまして、通達を出す時点の判断では、営業特金の適正化ということが順調に進む、あるいはそれを進めなきゃいけないというような考え方で、それに対して特に業界からそれはできないというような意見があったというふうには聞いていないわけでございます。 二年の一月から株価は急落したわけでございますが、通達を出す時点の判断では、営業特金の適正化を進めるということと損失補てんという、これはもう当然従来からいけないと言ってきたわけでございまして、その点について特に業界から異論があったというふうなことも聞いていないわけでございますし、また業界としても我々の考え方に基本的にそれに対して異論を唱えるというようなことは事の性質上ないということで、そういう通達を出したわけでございます。
○吉田達男君 損失補てんはしてはならぬ、営業特金は適正化すべしと。これはかねてからしておったから、この十二月二十六日の通達は当然なさるべくしてなしたという流れにおっしゃっていますが、それじゃ、このような通達を出したらどのような影響が起こるんだろうということを全く考慮に入れられずに出したのか。どのような分析が大蔵省の中ではなされたのか。
○政府委員(松野允彦君) 当時の通達を出すに当たっての判断といたしましては、先ほども申し上げましたように、株式市況の好調、特に元年の十月以降非常にまた活況を呈していたわけでございます。そういった中において営業特金の適正化もある程度円滑に行われるというような判断があったわけでございまして、むしろこういう時期にこそ営業特金の適正化をやってもらう方がいいんじゃないかというような考え方、あわせて損失補てんについてもやや大規模なこういうようなものが出たということで通達で明らかにするというようなことをしたわけでございます。
○吉田達男君 それじゃ、株価の好況は続くと、こういうふうに大蔵省は判断をしたと。 〔理事斎藤栄三郎君退席、委員長着席〕 そして格別なことでやらなかったので、業界にとっては当然知ってはいるはずだろうけれども、出来事としては寝耳に水であったと、こういうことになりますか。
○政府委員(松野允彦君) 営業特金の適正化につきましては、その内容が二つございます。 一つは、投資顧問会社に持っていけと。これは営業特金でなくなるわけでございますが、それが一番望ましいわけでございまして、通達は、原則としてそういうふうに適正化をしろと、こういうことを言っておるわけでございますが、事務連絡ではそれにあわせて、どうしてもそういう急に投資顧問会社に持っていけないものについては、少なくとも損失補てんの温床となるようなものにとどめておかないような措置をとる、つまり確認書をとるというような措置もあわせて認めているわけでございまして、当時の考え方としては、こういうふうな形での営業特金の適正化はその当時の市況の中では十分可能であるという判断をしたわけでございます。
○吉田達男君 通達の出されたのには期限を切ってなかった、日にち、さきの答弁の中で通達と補完文書とを出されたということのその差を、若干の説明がありましたが、その受け取りが証券会社の中に差を生んだのではないか。証券会社は当然顧客のことを考える。証券会社は、顧客の法人における決算期を想定する。決算期は、十二月であれば三月の末が多いわけであります。そこで、十二月というのが三月に向けての作業として残り、最終的に三月の末に、それらについて利益の想定をしながら、詰めて三月末に作業ラッシュが起こったのではないか。そういうような考え方は成り立つのか、あるいはそういう分析は全く意味がないと思われるのかどうなのか。
○政府委員(松野允彦君) 通達と同時に出しました事務連絡におきまして、先ほど申し上げましたいわゆる適正化というものについて、平成二年の十二月末までに適正化をするようにという、より細かな指導が書かれているわけでございます。これは、当時の判断としては、やはり急に投資顧問づきに持っていく、あるいは確認書をとるというのも、なかなか事務的にも口座が多いということもあって、若干の余裕期間が必要だということで平成二年の十二月末という期限を設定したということでございますが、平成二年の十二月末という設定をしたのは、私どもとしてはそういうような考え方で適正化の期限を決めたわけでございます。 ただ、受け取った証券会社の中には、それを二年の三月末までに適正化を進めよというような判断をしたところもあったというふうに聞いているわけでございますが、私どもとしては特に二年の三月末ということを念頭に置いてそういう指導を十二月の通達で始めたということではございません。やはり、今申し上げましたように、若干の経過期間が必要だということで一年間の余裕期間を与えて、それの間に適正化に努力するようにという指導を始めたわけでございます。
○吉田達男君 それでは、さきの反対の見方でありますね。既にその当時、例えば仕手戦の空中戦をやったけれども、その人は株は下がると、大蔵大臣がおっしゃったように、外国の国際的な経済情勢、金利の差異等々を分析すると下がる、その相場の下げは予測したんだと。それによって力のないお客さんは倒れてしまうけれども、営業特金においても力のない細かい特金の解約はしたがって容易になってくる。大口のお客については、この場合は必要最小限補てんを済ませて、理想的にも特金をもう解約して新しい営業体系をつくる、こういう格好にしなければならぬという合意が実際には大蔵省あるいは四大証券の間になされていたのではないか、こういう見方もあるんですね。この見解についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○政府委員(松野允彦君) 確かに、当時の営業特金、非常に急増していたわけでございまして、これに対する問題意識を行政当局として非常に強く持っていたということは事実でございます。 営業特金について、できるだけ証券業務上トラブルのもとにならないように、あるいは損失補てんの温床にならないようにというようなことで、営業特金をなるべく早く適正化するのが望ましいということについての行政当局の判断、これは各証券会社に対してかなり当時指導をしたということは事実でございます。 しかし、それが損失補てんというものを行ってもいいから営業特金を適正化しろというような指導をしたということでは決してございません。通達を出したということは、一方で損失補てんはしないようにということ、それから営業特金をなるべく早く適正化しろという二つのことが書いてあるわけでございまして、行政当局の考え方としては、やはり営業特金の適正化も問題意識を持ち、それから会社としての損失補てんというものを抑える、あるいは会社としての損失補てんというようなものは行わないという点についての問題意識も非常に強く持っていたわけでございます。 したがいまして、通達発出の時点ではそういったものが両方とも業界として十分対応してもらえるということで指導を始めたということでございます。
○吉田達男君 そこで、苦渋の扱いをしたという表現なるものが出てくるわけでありますが、私の方に中小の方の証券会社だと思われるもので、苦情に悩まされている、こういうようなことで連絡等をもらったケースもございます。 先般、ここの質問の中でも、日本証券業協会に対して、トラブルについて苦情がたくさん出ている、日に二百件だと、こういうふうな報告もありましたので、その二百件はどのように処理されているのか。零細小口の投資家を無視してはならぬという現在の大蔵省の指導であり、当然の義務でありますが、苦情内容はどのようになっているか。資料も提出願いたい。
○政府委員(松野允彦君) 証券業協会に苦情処理をする担当部局がございます。そこに寄せられた苦情の件数は、御指摘のように相当な件数に上っております。通常、証券業協会の場合にはその苦情を聞き、関係のあります各証券会社に対してその内容を伝達し、できれば証券会社と苦情者との間の話し合いで解決ができないかということでいろいろとその相談に乗っているわけでございまして、証券業協会に参りました苦情を一体どういうふうに処理したのかという点について資料をということでございましたら、後ほど作成いたしまして御報告申し上げたいと思います。
○吉田達男君 同じく苦情の処理の中で、私の聞いております個別の補てんの問題、これについて、このたびの四つの組織的な補てんの形式に入れていないけれども、大きい証券業者が特に補てんの手口としているものについてただしてもらいたい。これは大蔵省の指導運営にもかかわることでありますから質問をいたしたいと思いますが、それは新規の公開株の扱いであります。年に何件ぐらいありますか。
○政府委員(松野允彦君) 新規公開株の関係はちょっと今資料が手元にございませんので調べて御報告いたしたいと思いますが、この証券業協会に参ります苦情の処理というものは、現在問題になっております損失補てんとは少し性格を異にしております。 これはいわゆる証券事故ということで証券会社の営業員と顧客との間に生じたトラブルでございまして、このトラブルの処理に当たりましては証券事故という形で処理をされます関係で、これは証券業協会に積み立てております取引責任準備金を取り崩してその補てんに充てますものですから、これは現金で処理をされるという形が通常でございます。
○吉田達男君 個別のトラブルの解決としての補てんは適正に行われなければならぬ、それは法に保障されている営業の姿であります。しかし、実質的な補てんの中で全言った新規公開株が実際には使われている。年間数十件に上っているわけでありますが、この新規の公開株はほとんどは四大証券が引き受けて幹事証券としていわばお得意さんに、銀行もありますが、信用のおけるところに配る。その中に実際には損をさせた人に補てんするという作業も含まれておる。あるいは、より反復継続する取引を願って、手数料でもって将来利益が入るだろうという人にその割りつけがなされている。本質的にはこれは公開抽せんという手続であるはずでありますから、その点については若干の見方のひずみもあるかわかりませんけれども、これも実際に損失の補てんという個別銘柄による今出されておる四つの手法以外にあるとするならば、大蔵省はこの新規公開株の適正な扱いについて格別の指導をなされなければならぬと思うのでありますが、この点についてはいかがですか。
○政府委員(松野允彦君) 御指摘の新規公開株の配分の問題でございます。 これは過去、例のリクルート事件でいろいろ問題になりまして、入札制を導入しております。入札をいたしまして、その落札の平均価格というものを公開価格といたしまして、それを各証券会社、引受証券会社が顧客に配分するわけでございますが、配分につきましてもルールができておりまして、もちろん上場、つまり公開会社の特別の利害関係人に対する配分は禁止をされておりますし、配分株数につきましても一投資家当たり五千株の範囲内というふうなルールができております。実際には、各社はその中でさらに千株というような社内ルールをつくっているところが多いというふうに聞いているわけでございます。 この公開株の配分が損失補てんの手口として使われたのではないかという御指摘でございます。こういうようなかなり厳格なルールでございますものですから、公開株そのものを大量に集中的に配分するということになりますと、これは明らかにルール違反になるものですからそういったケースはないわけでございますが、転換社債につきましてはそれほど厳格なルールがございません。これは引受業者のある程度の裁量というのが認められているわけでございまして、新発の転換社債の集中的配分によるものというものは補てんの手口として私ども把握をしているわけでございますが、新規公開株につきましては今のようにリクルート事件にかんがみまして相当厳格なルールができ上がっておりまして、そのルールを破ってまで集中配分をする、それによって損失補てんをしているというようなケースは現在まで私ども把握していないわけでございます。
○吉田達男君 堂々とやればつかまりますから、そこが証券業界の中の四大証券の圧倒的に強い力の中で生活の知恵のようになされているということをそれらの人たちが見ているのでありまして、適切な指導の中でそのようなことがなされないような指導を願いたいと思います。 次に、ノンバンクについてお尋ねをいたします。先ほどの質問の中で既に相当部分尽くされておりまして、重ねてでございますが、重複を避けながら若干違った部分についてお尋ねいたします。 ノンバンクという表現の中にはいろいろなものがありまして、リースもありますればクレジットもありますし、また本日問題になっておりますような銀行系のノンバンクもございますし、多種あります。これらの実態についてお伺いいたしたい。 それは、既にノンバンクというシェアが日本の経済界の中で相当な勢力を得てきた。その貸付残高では六十兆になるんですか、全体の金融機関等が持つ四百二十兆に比してもう一五%に及ぶシェアを占めるようになっている。この実態をどのように大蔵省は掌握していらっしゃるのか、まずお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(土田正顕君) 実態についてのお尋ねでございますが、ただいま委員御指摘の数字の点についてまず御説明をいたします。 このノンバンクといいますか、これは私どもはいわば貸金業としてとらえておるわけでございますが、その全体の貸付金は、近年のいわゆる金融緩和基調を背景にいたしまして金融機関の貸出金の伸びを大幅に上回って増大をいたしました。その残高は、これは業者の数が多数なので多少統計がおくれますが、平成二年三月末現在で六十九兆四千億円でございます。これはその時点、平成二年三月末におきまする全国銀行の貸出金残高、これは四百二十四兆円でございますが、それの約一六%に相当いたします。それで参考までに比較として申しますと、第二地方銀行協会加盟行、これは四十四兆六千億円、それから信用金庫五十三兆八千億円でございますが、そのような業界の貸出金残高を上回っている状況であります。 そこで、それについての実情把握でございますが、いわゆる貸金業者一般に対しまする私どもの法律上の関係は、貸金業規制法という法律がございまして、それによって一定の監督権限が与えられております。 この貸金業規制法の制定の目的は、その法律にございますが、専ら「資金需要者等の利益の保護」、つまり借り手を例えば不当な取り立て行為から守る、借り手の被害を防止するという目的で制定されたものでございます。ただその後、御指摘のようなノンバンクというもの、殊にその中の数は少のうございますが比較的大型のノンバンクが我が国の金融システムの中で無視できない大きな比重を占めるに至ったという問題、それから殊に昨年の御議論でございましたが、土地融資問題につきましてやはりノンバンクの活動というものにもっと注目をしなければいけないという問題その他が意識されまして、この通常国会の最後の法改正によりまして、本年九月以降新たにこの事業報告書その他の報告を求めることができるようになりました。ただ、その改正法の規定によりましてそれらの活動は土地関連融資の実態把握及び適正化のため必要最小限度でなければならないという規定がございます。 したがいまして、法律的には当局はノンバンクによる一般の貸出金の内容その他業務の実態についてまで詳しい報告を求める法的権限は認められていないというふうに考えられるわけではございますけれども、さらにその後、今国会その他におきまして大きな議論になりましたいろいろな事件、それからいろいろな問題にかんがみまして、やはり我々もノンバンクの業務の実態についてできる限りその実情把握に向けて努力してまいらなければならないと考えております。ただ、これはいわば法律的な位置づけとしましてはノンバンク側の自主的な協力を前提とするという位置づけになろうかと考えております。
○吉田達男君 ノンバンクのいろんな種類のうちで、やはり社会的にいろいろ課題があると政治問題になります。先般は消費者金融の中でサラ金というノンバンクが大変大きい課題になって、貸金二法といいますか、あれで押さえ込もうということでやりましたけれども、これは権限を地方自治体の方にやって、大蔵省ではないのではないかと思いますが、これらのものがある。今度のノンバンク事件というのは銀行系のノンバンクでありますから、銀行系のノンバンクは一体のものでありまして、本来銀行が貸していいものでありますが、銀行よりも金利の高いノンバンクの方にその融資をして、さらにそこで実行させだというのは、ノンバンクは担保があれば経常の収支は問題にしないで借りることができる等々をやりながら膨れてきたわけでありますね。膨れた中で土地と株が集中的に扱われたんですが、右上がりの経済曲線のときには何とか吸収できたけれども、ダウンしたものですからこういうことになったというものについて規制をするのはどうかということであります。大蔵省も指導をするということではありますが、銀行の指導であってもノンバンクそのものの指導はできない、こういうことになります。 外国の方で若干のものを見てみると、このような実情の中でフランスなどでは、監督責任を持つということで監視機関を設けて、その中で大口の信用供与については規制をするとか、あるいは流動比率ということで、資金繰りのリトマス試験紙みたいなものでありますが、流動比率規制をするとか、あるいは自己資本に対してどうかということで自己資本比率等々で監視をやる。あるいはスイスなんかでは、特に例を挙げますが、銀行系のノンバンクについては親銀行と連結ベースにして決算を出させて、それによって監督指導をしておる。このようなことを私どもも若干の資料で見るわけであります。 そういうことを見ると、今の局長の報告によると、ほとんど今規制する方途がないままに金融業界の残高の一五%を占めるシェアについて限定的な事業報告をなされるということを求めるだけではやっぱり指導が徹底しないんじゃないかと思うんです。これについてはもう一度当局の判断をお伺いしたいと思います。
○政府委員(土田正顕君) いろいろの論点がございますが、最初にちょっとこれはマイナーな話でございますが、貸金業規制法の権限というか所管問題について申し上げます。 これは、一つの都道府県内に事務所を持っておりますものについては都道府県知事の所管でございます。それから二つ以上ということになりますとこれは大蔵大臣、具体的には財務局が所管をしておる。そういう構成になっております。 さて、その次に、ノンバンクの活動についていろいろな問題点があるわけでございますが、一つには担保があればもう頭から貸すんではないかというようなビヘービアのお話がございましたが、これは実はノンバンクにも例えば消費者金融向けのものと事業者金融向けのものといろいろございます。 消費者金融向けのものは、やはり小口の多数の一般大衆、勤労者などを相手にいたします関係上、どうしても銀行の窓口による取り扱いにはいろいろな制約、限界がございますので、より簡便にという消費者のニーズにこたえるということで、これは言葉としてはサラ金という悪い言葉を生みましたけれども、そのようなものでもない、いわばカード、クレジットその他の健全な消費者金融業者はそれはそれなりに存在意義があると考えております。 それから、その次に事業者金融でございますが、これが実は近年急激に貸出金の規模を拡大させた主な原因でございます。これにつきましては、実は土地金融それから若干は株その他の財テク金融もやっておるかと思います。 これについてどのように規制をするかということでありますが、まず第一に、例えば銀行系のノンバンクがいろいろあるのだから金融機関を経由する指導はどうかというのは、確かに一つの論点でございます。ただし、これにつきましては、これは他日どこかで、この委員会がで申し上げたこともあると思いますが、いろいろ限界がございまして、殊にこの金融緩和期にノンバンクが金融機関から、ないしは他のノンバンクから資金を借り入れることが極めて容易に行われましたために、そのノンバンクに対する親銀行のコントロールの力が著しく低下したということは事実でございます。それからまた、個別のノンバンクはそのようにして何十という銀行やノンバンクから金を借り集めております結果、それを一体的に見る親銀行というものは実際上いなくなっているという現象が見受けられるわけでございます。そのようなこともございますので、親銀行と金融機関系統のノンバンクとの関係は千差万別でございますが、あるものにつきましては銀行を通じてコントロールすることも実際上可能でございますが、それが全部とは限らないというのが私どもの経験しておる現実でございます。 そこで、しからばその次に規制をするのに、例えばフランスとかスイスとかそういうようなやり方もあるぞという、これは貴重な御指摘でございますが、ここはそれぞれの国情がございまして、例えばフランスなどでは、貸金業をする者につきまして公共的な監督の必要を見出しております。その点は、日本が預金を集めるというところにつきまして免許業種としての主なメルクマールを見つけているのと制度的に多少考え方が違うようでございます。ここのところは国情もございますので、貸金業につきまして全面的に免許業種としての銀行と同じような監督をする、そういう仕組みをつくるということはなかなか日本では行われがたいし、いろいろな問題もあるであろうかと思います。 そこで、これらの法制上の問題点は、実は貸金業規制法は制定当初より与野党関係の議員の方々によって熱心に議論されました結果、議員立法として制定され、改正されてきたという経緯もございますので、今後なお立法府の御意見などを拝聴しながら私どもも考えてまいりたいと思っております。ただ、その間は多少業界の自主的な協力を期待するという前提つきでありますが、いろいろな自主的な節度ある行動に期待したい、それで私どもとしてはできる限りのことをやってまいりたいと考えておるわけでございます。
○吉田達男君 生活の知恵を使ったようなノンバンクの動きの中で、土地の資金、総量規制をやっても抜けてしまったりするようなこともあるんですから、法制度の生きを期して検討を願いたいと思います。 時間が来ましたので、暴力団についてお伺いいたします。 現在たくさんの事犯が世の中にはあるんですけれども、この証券・金融問題に関連をして、経済事犯といいますか、そのようなものの実態は、捜査しでおるものあるいは既に起訴しておるもの等々についてどういう状況にありますか、お伺いいたします。
○政府委員(國松孝次君) 現在、この国会で問題になっております一連の証券・金融問題に関連して、暴力団が絡む事件といたしましてはいろいろございますけれども、一つは兵庫県警察が捜査をしております外国為替管理法違反というのが、これは容疑はもうはっきりいたしておりますので、最後の詰めをしておるというのがございます。また、その他、これはまだどれがどうということははっきりはしていないのでありますが、稲川会の前会長の東急株の大量取得に関する金の流れ、あるいは岩間カントリークラブの会員資格保証金預かり証によって得た三百八十四億円の金の流れ、そういったものの中で刑罰法令に触れる事実がないかどうかということを捜査いたしておるというところでございます。
○吉田達男君 状況を深くというわけではありません。暴力団の現在の活動のやり方が経済方面に進出して、企業舎弟等々の名前のもとにさらなる組織的なことをやる、これについて社会的に我々がどう対応するかということは大事な課題であります。 そこで、今の暴力団の資金を何としても捕捉して断つべし、こういうことは一つの大きいテーマであろうと思います。先般も衆議院の方でございましたか、国家公安委員長の方では、このようなやくざの、暴力団の所得については吐き出させるような特別な立法措置等々も考えながら対応するような御発言もございました。 そこで、この暴力団の現在の資金の摘発といいますか捕捉、これについてまた課税をしなければなりませんが、どのような状況になっているか御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(冨沢宏君) 国税当局といたしましては、すべての納税者の適正な課税を実現するという観点から、暴力団についてもあらゆる機会を通じて課税上有効な資料、情報の収集に努めて、問題があると認められる場合には実地調査を行うということで適正な課税の実現に努めておるわけでございますけれども、御指摘の暴力団の所得につきましては、一般の納税者に比べますと課税の端緒がつかみにくく、調査に対する協力も得にくいという困難があることも事実でございます。 これらの点にかんがみまして、従来から警察当局との協力関係を緊密にいたしまして暴力団の課税に関する情報の提供を受け、これらを活用することによって暴力団に対する課税の適正化に努めておるところでございまして、今後とも警察当局等と緊密な連携を図って、引き続き有効な資料、情報の提供を受けるなどして公正適正な課税の実現に努力してまいりたいと思っております。
○吉田達男君 警察庁の方で掌握しておられる件数は多いと思うんです。私もその方面から聞いたんですが、例えば系列に百十の組を持つ大きい暴力団は月に百万円の上納金を出させる。そうすると、全部では一億一千万の所得がある。年にはそれの十二倍あるわけであります。そのようなものがたまれば、またそれを投資して増幅させようという経済的な働きも起こってくる。そこの捕捉が的確になされて課税をされなければならぬ。 暴力団は、結構裕福な生活をしながらほとんど徴税の対象となっていない。このようなことでは市民が納得できません。また、当局に対しても不信感が発生してしまうわけであります。警察と十分な連絡をしながらぜひともこの暴力団の資金源を断つ、これは、大蔵当局はもちろんでありますが、国全体の問題でありまして、日本のやくざというものに対して今や世界が大きい懸念を持って見ておるのでありますから、これを経済の面からシャットアウトする、こういう基本的な腹を固めて立ち向かっていただきたい。決意だけをお伺いいたします。
○委員長(平井卓志君) 答弁は簡潔に願います。
○政府委員(冨沢宏君) 先ほどもお答えいたしましたように、警察当局とも緊密な連絡をとり合いながら適正な課税のために努力してまいりたいと存じます。
○委員長(平井卓志君) 午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十七分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十分開会
○委員長(平井卓志君) ただいまから証券及び金融問題に関する特別委員会を再開いたします。 証券及び金融問題に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○村田誠醇君 私は、九〇年三月期以降の補てんの有無について質問をさせていただきたいと思います。 証券局長にお尋ねをしたいんですが、現在株価が低迷をしている中で、株式に切りかえるチャンスのないまま権利行使期限が切れようとしているワラントを大手証券会社が特定の投資家から買い取っている、こういう事実が指摘されているわけでございます。御存じのとおり、権利行使期限が過ぎたワラントというのは紙切れ同然、無価値なものでございますが、事前に幾つかの例を挙げまして調べていただくようにお願いをしてございます。 一つは、日興証券が扱っておりますタテホ化学工業、権利行使期限が九一年一月、株式権利行使率ゼロ。大和証券の扱っております住友特殊金属、権利行使期限九一年五月、同じく株券にかえる権利行使率ほぼゼロ。野村証券、クミアイ化学工業、権利行使期限九一年の七月、これも同じく権利行使率ゼロ。この三つのワラント債の売買について明らかに無価値と思われる、あるいは権利行使期限直前の段階で買い取っているということが指摘されておりますが、これは事実でしょうか。
○政府委員(松野允彦君) このワラント、確かに御指摘のように権利行使期限が過ぎてしまいますと全く紙くずに、無価値になってしまうわけでございます。 御指摘の三件について私ども証券会社を調べたわけでございます。 まず、最初のクミアイ化学のケースから御説明したいと思いますが、これは野村証券でございますけれども、これは権利行使期限が平成三年、ことしの七月十二日ということになっておりまして、昨年の十一月ごろ、大体行使期限の六カ月前ですからことしの一月ごろでございますが、その六カ月後に権利行使期限が迫っているというのをワラントを持っている各顧客に、営業マンが訪問してそういうことを顧客に対して申し上げたというふうに聞いております。その結果六十名程度のお客から幾らでもいいから買い取ってほしいという要望があって、野村証券としては当時、権利行使期限が六カ月ぐらいあるということで、その間の六カ月あるいは七カ月ということになりますと全く無価値というわけではなくて、まあ可能性がゼロというわけではございません。そういったことでワラントを〇・五から一ポイントというようなことで買い取りをしたという報告を受けております。 このポイントと申しますのは……
○村田誠醇君 わかっています。
○政府委員(松野允彦君) よろしいですか。 それから二番目のケース、住友特殊金属のケースでございます。これは、大和証券でございますが、権利行使期限がことしの五月六日でございまして、これにつきましては大和証券は行使期限の一年前、六カ月前、三カ月前という各時点でお客を訪問し、権利行使期限が迫っているという説明をいたしました。その結果、十七名のお客から買い取りを行っておりまして、これは一ポイントで買い取りを行っております。 それからタテホ化学工業、これは、日興証券のケースでございますが、権利行使期限がことしの一月十六日でございます。これにつきましても六カ月前にお客に連絡をし、去年の十二月からことしの一月にかけまして、合わせて九名の顧客から、これも一から一・五ポイントという価格で買い取りをしております。
○村田誠醇君 この権利行使期限直前に買い取るという行為は、明らかに株が上昇傾向を示しているんであればわかるんですよ。しかし、現在の株価の中でいけば明らかに株券にかえる権利行使が実際にできないということを前提条件にして買ったとしか考えられない。だから明らかに補てん行為をしたんだ、しかもタテホでは約百万円、住友特殊金属では二百万円程度、クミアイ化学に関しては約一千万ぐらいだろう、こう言われているんです。しかし、これは発行体が少ないからこれでいいわけです。これから、この秋から来年にかけでどんどんとこういう権利行使期限の迫ってくるワラントがいっぱいあるわけですけれども、これを正当な取引であるとすれば、これ以降発生するワラントの買い取りについて、こういう行為が是認されたら何億円もの金で買い取るということがルールとして決まっちゃうような形になりますので、これについてははっきりと補てん行為なのかどうなのか大蔵省の方できちんと判断して、補てん行為と疑わしい、もしくは補てん行為であるならばこのワラントを売った先を公表していただきたい、これは確約できますでしょうか。
○政府委員(松野允彦君) ワラント、これは権利を行使して株を買い取る権利でございますが、このワラントの価格というものはいろいろな要素があります。確かにおっしゃるように、権利行使期限間近になって権利行使の可能性が非常に小さくなっているというような状況になってまいりますと、これはこの買い取り価格というのは適当かどうか、適正な価格かどうかというような問題があるわけでございます。 ワラント一般につきましては、これは昨年の九月から日本相互証券というところを通じて業者間売買価格をはっきり公示し、その業者商売買価格を基準にして顧客との取引価格を決めるという仕組みを導入しているわけでございますが、この行使期限が間近に迫ったワラントというものについての価格というのは確かに非常に判断が難しいわけでございますけれども、私どももそういう点については問題意識を持っているわけでございまして、現在行っております検査の中でも、明らかに権利行使期限間近のワラントを、しかも理由がつけられないような値段で買っているのかどうかという点についても十分調査をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
○村田誠醇君 これは既にことしの二月に指摘されておりまして、そのときに大蔵省の証券局は、業務課とはっきり名が入った新聞報道には、自己責任の原則から見ると証券会社が買い取るのはおかしな話だとはっきり説明しているんですよ。ですから、このところについては事実関係をはっきりさせて、これが補てんであるかどうか、きちんと判断をして国会に報告をしていただきたいと思います。 次に、株式の売買による補てんの手口についてお聞きしたいと思うわけであります。 八月二十日の衆議院予算委員会で、証券局長は次のような説明をなさっております。損失補てんの二番目に大きい手口として自己売買による利益をお客に付与したものがある。こういう説明をしておるんですが、これは後で説明しますが、ハナがえという行為を使って補てんをした行為なのかどうか、証券局長にお尋ねしたい。
○政府委員(松野允彦君) ハナがえという言葉の意味が非常に難しいわけです。これは業界の慣用語でございまして、通常ハナがえと申しますのは、顧客の注文があったにもかかわらずその注文をそのとおり執行しなかったというような場合を指すわけでございます。御指摘の自己売買による利益をつけかえるという行為が損失補てんの手口の中で認められたということは事実でございまして、それが業界の言葉のハナがえに該当するかどうかという点については、私自身ハナがえという言葉の厳密な定義というものが必ずしも明らかでないということでございます。 いずれにいたしましても、この手口の説明をいたしましたときに自己売買による利益をつけかえたということは御説明を申し上げております。
○村田誠醇君 大臣、ちょっとわかりづらいと思うんですよね、自己売買で確定した利益をお客につける。簡単に言いますと、九月四日に毎日新聞に一部出ました大口の補てん先、このうち国債の先物を使ったものが日興、野村、山一、大和と四社載っているんですが、こういうふうにやるんですね。朝方の寄りつきの一番最初の値段で、同一銘柄同一数量で、これはまあ斎藤先生が専門でございますけれども、反対売買を立てるんです、証券会社が。これは向かいが反対でございますからプラス・マイナス・ゼロ、そして市場価格が変動しできます。そして最終の引けのところかあるいは価格が一番開いたところで、今度は朝行った売買と反対の売買を、朝売ったんであれば夜買い、朝買ったものであれば夜売るという行為をするんです。そうすると、これはどこを見ても証券会社はプラス・マイナス・ゼロなんです。しかし、片一方には必ず利益が出て、片方は必ず損が出る。しかし、自分の売買ですからプラス・マイナス・ゼロになる、こういう行為があるんです。これを日ばかりの中で繰り返すんです。それが九月四日にやったケースなんです。 私は東京証券取引所に聞きました、確認しました。この証券会社の名前で、この商品を使って、買い付け日もこれ、買い付け金額、売り付け金額の金額も一緒、数量も一緒で、反対売買が出ていたのかと確認しましたら、この五本についてはいずれも出ておりますということなんです。つまり、このハナがえという取引行為を日ばかりでやったんです。一日でやったんです、これ。そして確定した利益の部分だけ、損失と利益が同時に立っていますから、この利益分を売買注文していないお客さんにくっつけたんですよ。現金を口座にほうり投げたのと同じ行為なんです。非常にこれは悪質なやり方なんです。こういう行為ができるんだったらこれは反対売買で生じた損失をお客にくっつけることもできるんですよ。だから、お客さんの注文と自分の売買をする勘定というのは完全に区別して、お客の注文はお客の注文で処理し、自分のところのディーリングするのはディーリングとしてきちんと分けなきゃいけないのをだれかが意図的にこの二つの口座、勘定を取りかえたんです。だから経済犯罪なんですよ、これは。 そこで、証券局長に聞きたいんです。これは証券局の検査なり調査でわかったことなんでしょうか。それとも証券会社から自主的に公表して、こういう行為でやりましたと言ったんでしょうか。それとも国税庁の検査の中でこの売買だけは認めないと否認されたものなんでしょうか。どちらなんでしょうか。
○政府委員(松野允彦君) 今御指摘の自己売買、特に先物を利用しての自己売買による利益をつけかえるという行為でございますが、これは、今度問題になっております損失補てん、私どもの検査では平成元年十月に入りました山一証券の検査からこういった大量の損失補てんというのを把握したわけでございますが、その中においてこういう取引が検査においてどうも疑わしいという指摘をした事例はございます。 ただ、検査の中におきましては、事後的にすべてそういう、つまり委託売買という形になっておりますものですから、確証といいますか、伝票が後から改ざんされたというような確証までは得られなかったわけでございます。
○村田誠醇君 そうなんですよね。私もこのハナがえという行為をあちらこちらに行って聞いてきました。どういうふうにやるのかも聞いてきました。答えは皆さんいずれも同じなんです。おととい来ていただいた証人の方も同じことを言っていた。昔はこういうことをやっていました。しかし、今はコンピューター処理をしておりますので、こんな伝票をつけかえたり改ざんしたりするような行為はできないはずです。大臣、ここからが大切なんですよ。でも、業界の中では頻繁に行われていると聞いておりますと言うんですよ。ほとんどの人がみんな言うんです、うちはやっておりませんがという前提つきでね。そして、今証券局長から答弁があったように、伝票が後からどうやら改ざんされているために検査に入ってもよくわからないと言うんですよね。ますますこれは犯罪行為じゃないですか。だれかがキャップになって、担当者から集まってきた情報をもとに、どこの企業をどの銘柄でいつやるかというのをかなり綿密に打ち合わせしないと恐らくできない行為ですよ、これは。 そうすると、補てんも何も要求していない企業に、勝手に証券会社がこんなことをばっとやるなんということは考えられないんです。利益保証を要求したのか、あるいは利益保証を約束していた会社、もしくは損失補てんを強く要求した会社にしかこんな方法ではやらないはずなんです。これは痕跡は残らないんです。一番悪質なのは、証券取引所に聞いても、反対売買というのは同一証券会社からよく出てきますので、証券取引所ではこの取引形態がハナがえなのか本当の意味での自己売買なのかは判別できませんと言うんですよ。ということはどういうことかといいますと、まさに意図的にマーケットの値段がつくられているということになってしまうんですね。 今まで問題になってきました補てんの手口は、ワラントでもそうでございますが、相対の取引なんですよ。お客さんの顔を見ながら、極端に言えば値段を幾らにするか売買価格を決めて、その売買価格の差だけお客に利益を補てんしたというのが圧倒的に多いケースですよ。証券局長も言っていますよ。売買価格差を利用した補てんが金額的に一番だと言っているのはそのことなんです。これは一番簡単なやり方なんですよ、お客さんの顔を見ながらやればいいんですから。しかし、この方式はそういうことをしないためにマーケットをつくって、そこでの売り買いを通してついた正式な、公式な値段が、それで売買していながらやはりこういう方法でやればできるということですと、マーケットの値段これ自体が、あるいはその決め方が異常なやり方ではなかったのかという疑問が出てくるんです。それは証券会社が意図的にゆがめたんですよ、これは。それが証券局の検査でも証券取引所の見ている人がいても、どっちだかわからないと言うんですね、会社の内部で最後に伝票操作しちゃいますから。だからこれは自主的に言ってきたからまあ間違いないんでしょう。こういうことですけれども、では、隠されたものがもっともっとあったんじゃないかということになるんです。だから私は、この手口が非常に悪質だし、あるいはマーケットに対して非常に重要な影響を与えるんですよ、それで大変だと言っている。 そのときに私は一つのことに気がついた。ここに、八月九日に「「損失補填」の概要」という証券業協会が、これは自由民主党の中にある証券問題の小委員会というんですか、そういった財政の合同委員会のときに配付した資料でございます。この資料によると、「損失補填の方法」の中には株券の売買取引を利用した補てんという項目がないんですよ。抜いてあるんです。そして、その部分を「その他」という項目と合わせて、「その他」というわけのわからない項目の中に入れ込んである。私どもがそのことに気がついて追及していったら、いやこの部分は非常に少ないからわざと「その他」という欄に入れたんですという説明だった。意図的に隠している。 それから、損失補てんの手口についてもここにきちんとA、B、C、D、Eと書いてある。この部分についてはすべて証券局長は説明していますよ、いろんなところの大蔵委員会、予算委員会、証券特で。しかし、ここにも株券を使った手口というのは一切書いていない。先物を使ったものは書いていない。なぜか。書いたらえらいことになるからですよ、自分たちが内部伝票を操作していたという。これがはっきり証拠がないと証券局長は言っているんですね。そうだと思いますよ、私もそうだと思う。しかし、その方式をとらない限りは、こんなでかい、一日に三十億も四十億も利益が特定のお客にマーケットを通して特定の金額をぴたっと当てはめる方法は内部伝票をいじったハナがえしかないんです。これは証券関係者に聞いても絶対これしかないと言っている。もう一つあるのはクロス取引というやり方がありますと説明している。しかし、これは証券局長がクロス取引は別だということをきちんと衆議院の予算委員会で説明している。とすればこの行為しかない、だけれども確証がない、これどうするのか、再発防止には何の役にも立たない、こういう実態なんです。 だから、このことについて再発防止、こういう手口が本当に行われていたんだとすればえらいことなんですから、関係者を呼んできて聞かなきゃいけないです。証券局長はわからないとはっきり言っている。事務関係者にもう一度国会へ来てもらわなければだめですよ。こんなことでは事態解明はできないですね。こんなでかい手口が、一日でこれがお客の注文でうまくぴったり当たりましたなんてだれも信用しないですよ、こんなでっかいやつ。これはマーケットの値段が逆に動いたらこの分だけお客が三十億も四十億も一遍に損する行為ですからね。こういうのは利益が確定してこそ初めてできる行為なんです。取引がないのに取引があったことをこの書類は明らかに物語っている。 証券局長にお聞きしたいんですが、こういう手口でもし行われているんだとしたら、再発防止のためにはどんな方法をとればよろしいんでしょうか、簡単にちょっと言っていただけますか。
○政府委員(松野允彦君) 私どももこの疑いというところにとどまっておりまして、したがいまして私が御説明した中では、例えば株価指数先物あるいは国債先物を使った日ばかり商いによる利益供与という例があったということはたしか御説明をしたと記憶しております。形の上ではそういう形に事後的にはなっているわけでございます。したがいまして、これをどうやって防ぐかという問題があるわけでございますが、私どもはまず今証券取引法でともかく事後的な損失補てん行為そのものをなるべく包括的に禁止しようとしているわけでございまして、事後的な損失が出た場合それを補てんするための目的で行う行為というのは包括的に禁止をするということでやっております。 御指摘のような先物を利用したつけかえというような行為というのは、損失補てんのために行われるあるいは利益供与のために行われるという場合が考えられるといいますか、そういう場合だろうと思うわけでございまして、そういうことからいいますと、この損失補てんを禁止するということによってまず根元が絶てるという感じがいたします。なおそれでもやはり御指摘のように非常に不適切な行為である、もしそういうことの確証があれば、これは非常に不適切な行為だということは確かでございまして、その辺については何らかの法令あるいは自主ルールの中で、取引所での売買の執行の問題でございますので、その辺は取引所とも協議しながら再発防止策を考えていきたいというふうに思っているわけでございます。
○村田誠醇君 私は認識が全然違うと思うんですよ。従来いろいろ取引の中で問題をよく起こしていると言われています商品取引とか商品先物取引というのはみんな同じようなことをやっているんです。反対売買を同じ日に両建てをしておいて、そして逆にやれば会社としてはプラス・マイナス・ゼロなんです。真ん中でその分手数料が入りますから、それを繰り返せば必然としてお客のお金はゼロになっちゃうんです。買わなかったり注文出さないのはこれは完全な詐欺行為だけれども、こういうやり方でお客のお金を巻き上げるので客殺しと言っているんですよ。本当なんです。これが免許が与えられた、大蔵省の許可という看板を持った会社がやっていたということになれば、これは大変な問題です。豊田商事以上の事件です。しかも、これはわからないんですよ。 だから、実行行為をどうやってやったのか。少なくともこのトヨタ自動車でやった大和、学習研究社でやった山一、日本石油でやった日興、丸紅の日興、それから昭和シェルの野村、各社の実務担当者を呼んできて、だれがキャップになって、どうしてこういう会社を選択して、その基準を聞いて、やった行為はわかっているんですよ。組織的、意図的にやったかどうかなんです。会社でるみのこれは犯罪行為ですよ、もし実証できるんであれば。そういうふうにやらなかったらこれは明らかにできないんです。一担当者が判断しただけじゃこんなのはできっこないんです。各ポジションの人間が寄ってきてきちんと打ち合わせしなきゃこれはできない行為ですよ。 委員長にお願いしたいのです。参考人なり証人として実務担当者を呼んでもらわなければ、具体的にどういうふうにやったのかを聞かない限り、これは犯罪防止なんかできないです。特に、コンピューターでやっているものであれば恣意的にしか入らないですよ、こんなでたらめな伝票は。意図的に何らかのコンピューターのシステムを改ざんするか利用してやるんです。もし利用してやったとすれば架空預金証書と同じですよ。一たん注文伝票を入れておいて、そしてそれを取り消してもう一回直すとか、こんなやり方しかできないんです。これには明らかに犯罪を犯した意図がありますよ。だから呼んでもらわなきゃいけない。ぜひ理事会で協議していただきたいと思います。
○委員長(平井卓志君) ただいまの御要求は、理事会でこれを預かりまして後刻協議いたします。
○村田誠醇君 今の問題について証券局長はお認めになりますかどうか、見解をちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 先ほど申し上げましたように、私どもも検査の過程でそういう疑いのある行為というものを指摘した事例がございます。これはやはり一日で結果として自己だけが先物で損をして客が得をしているというような状況を見ますと、そういうふうなことがあったのではないかという疑いはあるわけでございますが、あくまでもこれは伝票上は委託注文で執行されたということになっているわけでございまして、確証をつかむというのが非常に難しいわけでございます。しかも、株価指数あるいは債券の先物にいたしましても、一日のうちでの値動きが非常に激しいことがございます。そういったことを考えますと、今のように両建てをしておいて片一方だけを仮にお客につけるというような操作をいたすにいたしましても、そのこと自体が直ちに市場にどの程度の影響を与えるかという点は、私どもも非常にはかりかねているところでございます。 いずれにいたしましても、そういう行為があれば、先ほど申し上げましたように非常に不適切な行為である。客の注文がないというような前提で考えましても、恣意的に自分の自己売買益を相手につけかえるというような手段としてそういうことを行うというのは非常に不適切だというふうに考えるわけでございまして、これをどういうふうに防止するかというのは、先ほど申し上げたように、取引所と十分相談しなきゃいけないわけでございますが、そういう行為が残念ながら確証として得られていないという点は御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○村田誠醇君 大臣、今のやりとりなり私の説明を聞いて、詳しくは恐らく斎藤先輩の方が御存じだと思うんですが、どういうふうな御見解、感想をお持ちなのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私が委員にお尋ねをするのは大変おかしいんですけれども、今のお話を伺っておりまして一つ私が疑問に思いましたことは、今述べられましたようなケースの中に顧客そのものの売り買い注文の存在というものは前提になっているんだろうか、なっていないんだろうか、実はそこが一つの問題点ではなかろうか。そして、もし顧客の売り買い注文なしに証券会社が今お話しになりましたような行為を実行いたしました場合、これが顧客に損害を与えない場合はこれはまた別の問題かもしれませんけれども、仮に顧客に損害を大きく与えるような結果が生じた場合には、むしろ証取法ではなくて刑法上の問題が発生するのじゃないかという疑問を持ちながら今やりとりを拝聴しておりました。
○村田誠醇君 さすがいいところをお気づきになりましたですね。 要するに、お客の注文の意思、売買の意思がないんですよ、この時点では。そして、いかにもお客の注文が朝方からあったように書類がつくられるから幾ら検査してもわからないというんです。ところが、関係者に聞いたら、注文伝票は時間と日にちが入っていて、そんなのは後からつけ加えることはできませんよというんです。それでは、こういう行為はどうして一〇〇%確実にやれるのかといえば、やっぱり帳面を直していたんでしょうねと、こういう答えしか返ってこない。これしか考えられない。だから、この行為は極めて悪質だというんですよ。 それから、損失を与えてないから、そういうケースがないからいいんじゃないかというんですが、第一証券と第一汽船の金融子会社ダイイチファイナンス、こことの間にトラブルが起こっているんですね。自分の口座で無断売買された、これは午前中に同僚委員であります種田委員の方から指摘されました飛ばしという手口で、他との取引によって発生した損失をこの金融子会社に集めまして、集めたというか、寄せてきまして、ここで賠償した、無断売買をした、それで二十五億円払ったというんですよ。注文のはないと言っているんです。これもこういうケースで発覚したらしいんですね、発覚というか、当初株価が上がっているときには会社の方では損失が出なかったからどうも黙っていたらしい。ところが、株が下落をして損失が表面化したために冗談じゃないという形になってきた。だから利益が出ている間はみんな黙っているんですよ。損失が具体的になってきたときに初めておかしいと、こういうことが起こってきたわけです。だからこれは経済的なもたれ合いかもしれないんです。 こんなケースが実は幾つも見られるということになると、日本のマーケットは一体どういうふうに機能していたんだろうか。あるいは世界一だと胸を張る野村証券がいかにも前近代的なやり方をしていたんだということがはっきりわかるわけですね。だから、これはもう大蔵省で徹底的に調べるか、あるいは大蔵省でもわかりません、そこから先はわからないんだというんだったら、証人としてどんどんと来てもらって国会で調べるしかないですよ。この委員会を常設にして問題が解決するまで全部追及するしかないですよ。大臣、どうでしょうか、御見解をお聞きしたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今伺っておりまして、改めて現在進行いたしております四社の特別検査の持つ重要性というものを痛感いたしております。 私は、検査に当たっておる諸君は全力を尽くしてくれておると信じておりますが、今委員の御指摘をも含め、当然のことながら、本日までの衆参両院における特別委員会の御論議というものは十分に証券局としても認識の上で検査に当たっておると思います。 委員会をどうされるか、これは私のお答えすべきことではないと思いますが、現在行われております特別検査の重要性というものをいよいよ重く感じておる、率直にそう申し上げます。
○村田誠醇君 これは業界の中では常識なんですが、だれも実行行為をしたという人はいないんですね。それは自分で自殺行為をするようなものなんですよ。だから言わないんですよ。しかし、その方法でない限りはできないんだということも関係者はみんな言うんです。だから根が深いんです。これを直さないと、幾ら表面上罰則規定をします、百万ぐらいの罰金にしますといったって、三十億ももうけられれば、そのくらいは大したことないやということになっちゃいますよ、これは。しかも恣意的にやれるんですよ、損失が発生していようが、発生してなくても恣意的にできる。それは裏返して言えば、証券会社の損失をお客にくっつけることもできるんだということなんですよ。昔はそういうことをやっていたんでしょう。だから本委員会で一番先に斎藤先生が指摘した、近寄るなという高札が出ておるというのは、まさにこれをやられるからという意味で私は解釈しましたけれども、間違えていれば訂正していただきたいと思います。 大分時間も過ぎてまいりました。大臣、これは非常に重要な問題なんです。徹底的に調べて、わからなければ国会に関係者に来てもらってもう一度調査をしていきたい、きちんとしたい、そういうことを強くお願いすると同時に、委員長のもとでも十分論議をしていただきたいと思います。 次に移りたいと思います。 先ほど、始まる前にちょっと大臣の手元に資料をお送りしておきましたが、これは八月二日の本院での大蔵委員会の質疑のときに私が要求いたしました資料でございます。八九年の十二月末に局長の通達が出て、特金をやめると、そのときに業務課長の事務連絡で、特金の口座を調査、報告をしろ、あるいは顧問つきに切りかえる、あるいは顧問つきに切りかえられないものは損失の補てんの要求をしないとかそういう誓約書をとれという指示をした。それがどういうふうにやったかという資料をきのう夕方いただきました。したがって、正確にまだ内容を分析していないんですが、二、三気がっくことがございます。そこでお尋ねをしたい。 八九年十二月の局長通達の指示は、営業特金はなるべくなくせ、やめろ、こういう指導だったわけです。そして、四大証券の関係者が来たときも、すべてそれに努力しています、その結果として起こった損失については補てんしましたという説明をしているんですが、確かに営業特金は約二千ほど平成元年十二月からことしの三月末の間は減っております。「営業特金=顧問無」と書いてある、その真ん中のところでございます。ところが驚くなかれ、金額から判断いたしますと、平成元年の十二月末の営業特金で動かしていた金額は五兆三千九百七十億円、ことし三月末は八兆二千四十八億円、何と二兆八千億円もふえているんです。やめると言っているのにふえているんです。これはどういうことなんでしょうか。大蔵省の指導なんというのは馬耳東風ですよ。確かに件数は減らしていますよ、減らしたのが補てんを受けたところかどうか知りませんけれども。何で二兆八千億円もふえるんですか、理解に苦しむんです。この数字についてちょっと御答弁いただけますか。
○政府委員(松野允彦君) 手元にお届けいたしました資料は、事務連絡に基づいて当時提出をされました資料を集計したものでございます。 御指摘のように、営業特金、いわゆる顧問なし特金の件数、口座は減ってまいっておりますが、金額がふえております。これにつきまして、私どももどうしてこれだけこういうようにふえたんだということの原因を調査したわけでございます。 一方で、もう一つより正確な数字は、信託銀行が発表しております顧問なし特金の金額の数字がございます。証券会社の場合に、営業特金というものを受ける場合には、その一つのつまり企業が信託銀行に設定いたしました特金を幾つかの証券会社に分けて運用させるというようなケースが多いわけでございます。したがいまして、口座数は信託銀行が公表しております顧問なし特金の口座よりもはるかに多い口座になっております。 それから、問題は金額でございますが、これは証券会社の方は、企業から直接聞くか信託銀行から直接聞かない限り全体の営業特金、もととなる営業特金の元本額はわからないという事情があるわけでございます。最初に事務連絡で報告を求めたときには、必ずしも信託銀行あるいは企業から正確なもともとの信託元本という数字を聞くことができなかったというケースがかなりございまして、むしろ各証券会社が自分で受託した、現に自分が運用している金額を書き込んできた、あるいはわからないところは空欄にして提出したという経緯がございます。 その後、適正化を進めていくに当たりまして、事務連絡にも書いてございますように口座開設基準というようなものを設けて、文書でちゃんと口座の概要を調査しろというようなことになっているわけでございますが、その調査の過程で証券会社が企業に聞き、あるいは信託銀行に聞くことによって信託された営業特金の元本がだんだん明らかになってきたというような経緯があるわけでございます。したがいまして、私どもが事務連絡で受けております様式三の金額というのは、率直に申し上げましてそういう事情でかなり不正確な数字でございます。これは証券会社が提出するという立場にある以上、企業がその全体の額を言うことを非常に嫌がるわけでございまして、これはほかの証券会社にも当然その一部の運用を任せているわけでございますから、なかなかその数字を把握できなかった、適正化の過程で徐々に把握が進んできたということでこの金額が見かけの上ではふえてまいっております。 また、逆にそれは元本を各証券会社が重複して計上しているというようなことにもなってくるわけでございまして、実際私どもは、この口座数というところにむしろ重点を置いて監理しておりまして、営業特金そのものの、顧問なし特金の全体の額というのはむしろ銀行局に出ております信託銀行の報告というものの方がはるかに正確だというふうに考えているわけでございます。 したがいまして、この報告書の顧問なし特金の金額というのは、証券会社が調べられる限りでそのときどき調べた数字が記載されているというふうに御理解をいただきたいわけでございます。
○村田誠醇君 そういうことでしたら、八九年十二月の局長通達というのは余りにもずさんな指示だったということをあなた自分自身で言ったことになるんですよね。損失補てんの定義もしなかった、だから各社がみんなばらばらに出してきた。その結果として、事務連絡として出せといった特金の数字も、これもちょっと急遽出したからという形じゃ、もう資料として役に立たないじゃないですか。しかも、八月二日の私の質問には、これは証券会社の営業成績にかかわる問題だから出すのが嫌だということを何回も答弁なさったんですよ。その結果として出してみたら、実はこれはあいまいでございましてなんというそんなばかな話はないじゃないですか。 それでは、ちゃんとした数字を調べて出していただけますか。どうですか。
○政府委員(松野允彦君) 今申し上げましたように、私どもが当時重点を置いておりましたのはむしろ口座数の方でございまして、適正化がどういうふうに進んでいくかというのをこの様式三でフォローしていこうということでとったわけでございまして、全体の口座数のうち適正化されている口座がどの程度ふえていっているかというのを六カ月ごとにとるということで、二年の年末までの間にすべての口座について適正化、つまり顧問つきに移すあるいは顧問なしであっても確認書をとるというようなことでチェックをしたわけでございます。 金額が書いてございます。確かに金額は今申し上げたような事情で証券会社がそのときに把握できた金額というものには限度がございまして、結果的にこういう数字になっているわけでございますが、口座数そのものは、これは証券会社がみずから十分把握可能で、しかもそれについてどこまで適正化が進んでいるかということをチェックするということでは、口座数で我々は適正化の進捗状況をとらえていたということでございます。
○村田誠醇君 こんなでたらめな数字をもとに審議してくれといったってそれはできないですよ。正確な数字を出すように委員長の方からもちゃんと指示してくれなきゃ、これ質問できません。
○政府委員(松野允彦君) この事務連絡による様式三をとり始めたときの経緯は先ほど御説明したとおりでございまして、金額についてはそのときどき証券会社が把握可能な金額を報告してきているわけでございます。私どもとしては、この金額というものが不正確であるというのは、確かに証券会社がお客との関係でとれるには限度があるわけでございまして、そういった意味では、口座数を調べ、その口座の適正化状況をチェックするということで、この資料を十分活用していったということでございます。
○村田誠醇君 まず、その正確な数字を出してくださいよ。そうじゃないと審議できないんですよ。 特に大蔵の関係する業界が多いんですよ、これは。大臣、見ておわかりになりますでしょう。地方銀行、これは第二地銀も入ると思うんですけれども、これが約二千五百億円ふえているんですよ、元年十二月末と三年三月末を比較すると。信託銀行、これがちょっとよくわからないんですけれども、これも約三十倍にふえているんですよ、金額ベースでいくと。一番わからないのが長期信用銀行ですよ、長信銀。元年の十二月末には五十億しかなかった、営業特金の運用が。それが三年三月には何と驚くなかれ一千百八十一億、二十四倍に膨れ上がっているんですよ。さらに生損保、元年十二月には二千八十四億円、この額が三年三月末には一兆八千百一億、九倍ですよ。これは全部大蔵の管轄のところですよ。 この数字があやふやなんだと言ったら、これはどれを信用してやったらいいんですか。審議できないですよ、これ。調べてちゃんとやってくださいよ。
○委員長(平井卓志君) ちょっと速記をとめてください。 〔午後二時二十一分速記中止〕 〔午後二時三十四分速記開始〕
○委員長(平井卓志君) 速記を起こして。 ただいまの村田君の質疑の経過は御案内のとおりでありますが、明確にならない点がございますので、残り時間の質疑は明日行います。 以上であります。
○和田教美君 衆参両院の証人喚問が終わりまして、そしてまた今の論議を聞いておりまして私が非常に痛感することは、今回の証券各社による損失補てんをめぐって、大証券が大蔵省の行政指導に全く面従腹背であって、八九年十二月二十六日の証券局長通達を完全に無視したところか、全くインチキなようなことをやっておるという印象が強くなってきたわけです。 野村証券の田渕前会長は、三月中旬の専務会で営業特金の整理を進めるために補てんに踏み切ったということを証言いたしました。この通達には、なるほど営業特金を原則として整理するということが書いてございますけれども、同時に、その第一項で事後的な損失補てんの禁止も明瞭にうたっております。ところが、この損失補てんの問題については、どうも田渕さんの謹言は全く頭になかったと言わんばかりのことでございまして、この点は全く無視されたわけでございます。それから、今のお話ですと、営業特金の整理も全然進んでなくて、全体としては項目も金額もふえておるというふうなまことに不可解なことでございます。 こういうふうに通達行政がこれほど完全に無視された例というのは珍しいと思うんですけれども、大蔵大臣はこれについてどのようにお考えになってどのような責任をお感じになるか、まずお答え願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先般来御審議の進んでおります中で、ただいまも大蔵省として資料に対し誠実性を欠いた問題点があり、これはおわびを申し上げなければならないと思います。 同時に私どもとして、大蔵省が発出をいたしました通達にはそれなりの権威を持って受け取られるものという前提がありましたものが、今回において真っ向からこれが崩されました。こうした中で、今改めて通達というものを証券行政すべてについて私どもは見直しをいたしております。そしてその中において、今後自主規制団体にお預けをすべきもの、そして法律に明記すべきもの、我々としてはこれを仕分けしなければなりません。そして、改めてまたその部分につきまして法令化すべきものについては本院の御審査を受けるときがやがて参ると存じます。 また同時に、こうした問題を生じやすい口頭通達といったものは今後原則的に行わないという方針のもとに、通達行政というものへの反省を目下かみしめております。
○和田教美君 田渕さんはこの委員会での証言で、損失補てんという重大な決定をするのだから大蔵省にも報告する必要があると専務会で決めた、そして多分大蔵省への報告は三月の末に行ったというふうに証言されました。これはうそはないと思いますけれども、証券局長にお尋ねしますが、そういう報告がございましたか。そして、そのときにどういうやりとり、相談があったか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 野村証券からは、平成二年の三月二十七日の日に自主点検に基づく損失補てんの自主報告がございました。その際に、通達発出後もやむを得ず損失補てんをしたという報告を受けたわけでございまして、厳重に注意をするとともに、厳正な社内処分を検討するようにということを指示したわけでございます。
○和田教美君 ところが、田渕さんの話ですと、その専務会のときに既に、こういうことをやれば大蔵省の行政処分があるだろうからそれも受けて立つんだと言わんばかりの決定をしたという証言がございました。そうすると、どうも今の話を聞いていると、その筋書きが初めからできていたんではないかというふうな感じを非常に持つわけですけれども、いかがですか。
○政府委員(松野允彦君) 通達を出しましたときに、そのときの担当官が各地に通達の説明会に参っております。そういう場あるいはいろいろな会合の場を利用いたしまして、事後的な損失補てんは一切しないようにということを強く指導していたわけでございます。行政指導、これは法令違反というわけにはまいりません。行政指導ということでございますので、野村証券の方でそういうふうな受けとめ方をしたということは、これは行政指導に対する一つの受けとめ方として理解できるのではないかというふうに思うわけでございます。
○和田教美君 田渕さんやそれから同時に証言をしました同前大和証券社長は、今回の公表リスト以後の九〇年四月以降においても損失補てんが行われていることを事実上認めました。また、日興、山一も可能性を否定しなかったわけです。 そこで、証券局長にお聞きしたいんですけれども、九〇年四月以降の一年間に四大証券、今特別検査に入っている四大証券で、損失補てんと認定できるものあるいは疑いのあるものは何件で、金額にしてどれくらいか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 現在、検査を続行中でございまして、現段階においてどの程度把握しているかということは、まだ私も報告を受けていない段階でございます。各検査官が全力を尽くして検査をしているわけでございますが、そういう事情でございまして、現段階においてどの程度の損失補てんが把握されているかという点についてはお答えできる状況にないわけでございまして、できるだけ早く検査結果をまとめて御報告したいというふうに思っているわけでございます。
○和田教美君 全部を公表できないというのであれば、その前期の状況とこの一年間を対比して、多くなっているか少なくなっているという感触ですか、その辺はどうでしょうか。
○政府委員(松野允彦君) 検査は、原則としてその主任検査官にかなりの裁量を与えて実施しております。 今回の検査の場合には、九〇年四月以降の損失補てんに加えまして、損失保証の有無、あるいは野村、日興の場合には東急株の問題等々の検査の重点項目がございまして、それについて主任検査官の判断で検査を進めているわけでございまして、損失補てんの部分についてだけ検査を先に進めるというような形には必ずしもなっておりません。したがいまして、私申し上げましたように、検査のおおよその感触もまだ報告が来ない段階でございます。大変恐縮でございますが、その点について御理解いただきたいと思うわけでございます。
○和田教美君 とにかく、早急に感触をつかんでいただかなければこの特別委員会の審議に非常に支障を来すというふうに思いますから、早急にひとつ報告をしていただきたいと思います。 さて、同じこの参議院における証言で、証人は今回発表した二年半にわたるリスト以前にも補てんが行われていたことを認める発言をいたしております。そこで私は、これは一種の商慣習としてずっと以前から行われていたという印象を持ったわけですけれども、大体いつごろから行われて、規模は今回の発表分に比べて大きいか小さいか、どの程度のものか、お答えを願いたい。
○政府委員(松野允彦君) 証券検査におきまして、損失補てんと申しますかあるいは特定の顧客に対する利益供与というようなものが把握されましたのは、大体昭和五十八年の証券検査のころからでございます。その当時は、特定顧客に対する利益供与、過当サービスというような観点で指摘をしていたわけでございます。 ただ、これは定例検査でございまして、証券会社の営業状況あるいは財務状況、内部管理、経営管理等々の全体の状況を見る中で、取引につきましてもいわゆるサンプル調査というような形になっておりまして、そういうサンプル調査の中で今申し上げたような利益供与と認められるような債券取引があったという指摘をしていたわけでございます。 したがいまして、非常に個別の具体的な取引について検査で指摘をするというような形になっておりまして、全貌を把握するといいますか、そういうような形になっていないわけでございます。ちなみに、そのころの検査で指摘されましたのは、一つの取引で例えば一千万とか五百万とかいうような形の利益供与というような事例があるわけでございます。
○和田教美君 それでは、全貌を把握する意思は全くないんですか、非常に重要なポイントだと思いますけれども。
○政府委員(松野允彦君) 今回問題になっておりますような損失補てん、つまり会社の意思によって行われたというものは、私どもはブラックマンデー以降ということで自主報告を求め、それのチェックをしているわけでございます。それ以前の分は、今申し上げましたように、個々の例えば債券取引の中でそういう過当サービスのようなものがあったというような形でございまして、それはいわば散発的に各営業部店等で行われたというような形のものでございまして、会社として損失補てんを大規模にかつ組織として行ったというようなものは見られないわけでございます。
○和田教美君 また、参議院の証言で、八九年十二月の通達が補てん禁止を強調しつつ一方で営業特金の整理を求めておるわけですけれども、このことが結果的に補てんが九〇年三月期に集中した遠因だという指摘がたしか日興証券の前社長からあったと思います。これは言葉をかえて言えば、九〇年一月に株価が大暴落をした、そういうあらしの中で営業特金の整理を進めるということになると、当然損をしたお客からクレームがついて補てんせざるを得なかったんだ、こういう言い方で、つまり大蔵省の二律背反的な通達にどだい無理があったんだということを言いたいものだと思います。確かにそういう面もあると思うんですけれども、大蔵省はどういうふうに反省をしておられますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員から仰せられましたことについて私なりの感想を申し述べたいと思います。 大蔵省としては、これ以前から営業特金の適正化というものに対しては業界に対しての指導を行っておりました。同時に、損失補てんという行為はもともとあってはならない行為ということで法律上にも規定をしておりませんでしたものが、その通達の発出直前にある特定の証券会社で大量の損失補てんが発見されたことから、法以前の問題と言いながら、改めて通達で禁止をしたということでありまして、今どういう反省というお言葉をお使いになりましたけれども、前々から適正化しろと言っていたこと、同時に業界の中で現実に起こりましたあってはならない行為に対して、改めて各社に注意を求めたことが私は間違っていたとは思いません。 ただ、結果としてそれが通達を破らなければ対応できないような状態に追い込んだとするならば、そうした点の注意が足りなかったという御指摘は我々も受けなければならないかもしれません。しかし、前がち適正化しろと言っていたこと、その問題を改めて強調したこと、本来やってはならないことが現に発生したためにやってはならないと言ったこと、それ自体が大蔵省がいけないと言われるお話とは私は違うと思うんです。これは御理解をいただきたいと思います。
○和田教美君 もう一つ、多くの証人が言ったことですけれども、損失補てんに当たって大蔵省から補てんとは何かという明確な基準が何ら示されなかった、各社ばらばらになっちゃったというふうなことを言っておられました。損失補てんとは一体何かということについて何らの基準も示さずにこういう通達を出したということは、確かに落ち度であったと私は思います。 そこで、近く政府が提出する予定の証券取引法改正案、ここで事前の損失保証とともに事後の補てんも禁止して罰則を設けるというふうにする場合に、この基準の明確化が特に大切だと思います。条文にどのような形で織り込むのか、大蔵省の現在の考え方をお聞きしたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 現在、証券取引法の改正案の作業中でございます。この中で、事後的な損失補てんにつきましてもそれ青行った証券会社に罰則を科すというような方向で検討を進めているわけでございまして、したがいまして罰則を科すということになりますと、事後的な損失補てんというものの定義を明確にすることが必要になっているわけでございます。 現在、その作業を鋭意進めているところでございますが、ただ、一方で個別、具体的な行為を掲げましてこれが損失補てん取引だというようなことを列挙いたしますと、その列挙をされていないものが利用されるというようなことにもなる。証券取引というのはいろいろな形のものが存在いたします。そういったことを考えまして、私どもとしてはなるべく包括的な定義をしたいということで関係省庁等々と議論をしていただいているところでございます。 なお、さらに顧客の側につきましても、要求して損失補てんを受けるというような悪質な顧客については、やはり同様にできるだけ罰則の対象にしたいというような考え方も持っているわけでございますが、いずれにいたしましても、損失補てんという定義につきましてはこの改正法の作業の中で現在鋭意詰めて検討を進めているところでございます。
○和田教美君 今回発表されました損失補てんのリスト、その中には営業特金だけでなく投資顧問つき特金についても多くの補てんが行われたというふうに聞いております。 そこで、投資顧問つき特金への補てんは何件あって補てん額の合計は幾らか、大蔵省から資料をいただいておりますけれども、一応この場でひとつお述べを願いたい。その場合に、投資顧問会社に運用の助言を求めている場合と一任している場合の区別もお答え願いたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 今回公表されました損失補てんの中で、投資顧問つきの特金に対して損失補てんが行われましたのは百五十二件ございます。そのうち助言契約だけのものが二十一件、それから一任契約のものが百三十一件でございます。補てん額の総額が百二十四億六千二百万円でございます。
○和田教美君 どうも納得がいかないんですけれども、八九年十二月の大蔵省通達は、営業特金を原則として投資顧問つき特金に切りかえよう、それを急げ急げということでこれだけの大騒ぎになったということなんですけれども、しかし今のお話を聞きますと、この投資顧問つきの会社に対しても補てん額が実に百二十四億もあるということになるわけでございます。 そうすれば、この通達で補てん行為を防げるというふうな前提、判断に立っておるわけですけれども、しかしこのように投資顧問関係の補てんが多いということであれば余り当てにならないのではないか、全然これは障壁にならないのではないかというふうに私は思います。特に証券会社の子会社あるいは系列会社の投資顧問会社が多いわけですから、それを投資顧問つき特金ということに切りかえたところで親の証券会社との間は依然としてツーツーではないかというふうに思うんですけれども、大蔵省はどうお考えなんですか。
○政府委員(松野允彦君) 確かに御指摘のように、投資顧問つき特金に対しても損失補てんが行われたという事実があるわけでございまして、私どもその間の事情についていろいろ事実関係の調査をしたわけでございますが、やはり親証券会社とその関係の投資顧問会社との間に十分な独立性が維持されていないという問題点が見つかったわけでございます。 こういった点につきましては、従来から投資顧問会社の独立性あるいは取締役の兼職制限等々の指導はしてまいっていたわけでございますが、現実問題としてこういう問題が出てまいったわけでございまして、投資顧問会社の親証券会社からの独立という問題について、さらに一層方策を考えていく必要がある。例えば、注文を出す場合も親証券会社への注文を制限するとかいうようないろいろなことを考えて、親証券会社との間の人的、資本的あるいは取引関係上の独立性をできるだけ高めるような方策を現在検討しているわけでございます。
○和田教美君 公取の委員長お見えになっていますか。梅澤公正取引委員会委員長にお聞きします。 あなたは、先日の衆参両院のこの特別委員会で損失補てん問題について、独禁法上は補てんという利益供与が不公正な取引に当たることは十分考えられるというふうに答えられました。しかし同時に、しばらくは大蔵省の措置や特別検査の結果を待ちたいと静観の態度を表明されております。しかし、これだけ補てん問題が世論の非難を浴びているという状況の中で、公取がいまだに静観の態度を続けるということに私は大いに疑問を持つわけです。仮に大蔵省が、今回のケースは事前の保証に係る証取法五十条、これの違反にならないというふうに結論をつけたとしますと、公取はもうこのまま独自の調査もせずにおしまいということなんですか、はっきりお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(梅澤節男君) この問題につきまして先般来御説明申し上げております要旨をもう一度申し上げたいと思います。 今回の証券会社によるいわゆる損失保証ないし損失補てんというのは、独占禁止法の観点から問題になるとすれば、それはそういった損失保証ないし補て人の行為が証券業者間の公正な競争を阻害するというふうに認められた場合に、独占禁止法に規定いたします不公正な取引方法に該当するということでございます。今回の事件につきましては、この不公正な取引方法に該当する余地はあるということでございます。 しかし一方、損失補てんというのは、証券取引規制の領域におきましては投資家の間における公正な取引ということに抵触する。つまり、損失補てん自体が証券取引法の規制領域では許されないという行為でございますから、第一義的にはこの観点から所管庁である大蔵省が規制なさるのが有効であり適切であるという観点に立っておるわけでございます。 と申しますのは、同じ事象が直接端的に規制される分野と、もちろん今回の場合独占禁止法による規制とが重複する部分が十分考えられるわけでございますが、行政機能の重複ということを避けるという観点からいたしますと、現在大蔵省が行っておられます特別検査の実施に当たりまして、公正取引委員会に対し、この問題については所管庁である大蔵省が事態の究明に当たり事態の是正を図るという御連絡をいただいております。 その観点からしばらく大蔵省の御努力を見守りたいということでございまして、後段の方で委員がおっしゃいましたように、仮に大蔵省が今回の問題について何ら結論を出さない場合に、公正取引委員会がこの問題を放置するのかという御質問でございますけれども、これには前提がございまして、当然大蔵省が御検査になり、そういうことに基づいた措置については公正取引委員会には御連絡があると思うわけでございます。私どもは、独占禁止法の観点に立って、その措置が今回の違反行為を完全に排除する措置として公正取引委員会としてなおかつ措置をとらなければならないということになれば、必要な検査を含めまして必要な措置を講じる、これは当然のことでございます。
○和田教美君 法務省の刑事局長にお尋ねします。 田渕野村証券前会長は、八月二十二日に三時間にわたって東京地検特捜部の事情聴取を受けたとこの席で証言をされました。田渕氏は検事から、損失補てん、株価操作、稲川会問題などを中心に質問を受けたということですが、一回だけであるということでございました。 そこで、お聞きしたいのですけれども、田渕氏の事情聴取というのは今後も行われる予定ですか。また、四大証券関係者で田渕氏以外に事情聴取をされた者がいませんか。世間では、株価操作問題について地検は、証取法百二十五条違反で立件するのは困難だというふうに見て、告発を受けたのだから形式的に事情聴取をしたのじゃないかなんという見方が早くも流れておるわけですけれども、それはどうですか。もしそうでないとすれば、百二十五条のほかに不公正取引行為の禁止に関する五十八条、さらには予防的監督命令に関する五十四条なども含めて本格的に捜査を開始したと我々は受け取っていいんでしょうか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(井嶋一友君) お答えいたします。 現在、この証券関係に関連いたします事件として東京地検が告訴、告発を受けております事件を整理して申し上げますと、三件あるわけでございまして、一つは東急電鉄株のいわゆる株価操縦と言われる事実についての野村証券を被告発人とする事件、それからいわゆる損失補てん事件としまして、野村証券の田渕前会長と田渕前社長を被告発人とする特別背任の事件、それからもう一件、新日本証券の岩瀬社長を被告発人とするいわゆる損失補てんに関連する特別背任という告発事件、この三件が係属しておるわけでございます。これにつきましては、従来ここで御説明しておりますとおり、東京地検は既に関係人の取り調べあるいは証拠資料の収集といったいわゆる捜査活動を展開しておるわけでございます。 一般的に申し上げますと、具体的な捜査事件のやり方と申しますか、取り調べの方法と申しますか、あるいはどなたを調べたか調べてないのかとか、あるいは調べた内容とか取り調べ事項、こういったことは、もう御理解いただいておりますとおり、捜査の秘密といったことにもなるわけでございますので、お答えいたしかねるところでございます。 ただ、先般田渕証人がみずから取り調べを受けたという事実をここでお述べになりましたので、私も早速確認をいたしました。その結果東京地検が、証言のとおり、八月二十二日に田渕節也氏から事情を聞いたということがわかりました。しかし、今後さらに調べるのか、あるいは四大証券の方々を調べたかと、こういったお尋ねでございますが、その辺につきましては、冒頭申しましたような事情でここで詳細に申し上げることは差し控えさせていただきたいわけでございます。いずれにいたしましても、捜査というのは関係があると思われる人については必ず事情を聞くわけでございますので、その辺はひとつお任せをいただきたいというふうに思うわけでございます。 なお、最後に申されました証券取引法百二十五条違反については、巷間もう難しいんだといううわさがあるじゃないかと、こういうお話でございますけれども、この委員会あるいは衆議院の委員会におきましても御説明しましたとおり、この百二十五条の構成要件というのは非常に難しい構成要件でありますし、現在協同飼料という事件につきまして最高裁でさらにまだこの解釈論が争われておるという種類のものでもございますので、この百二十五条というのは大変難しいんだということは私自身たびたび御説明しております。 しかし、これはあくまで一般的に申し上げておることでございまして、本件につきましてはあくまで適正な手段に基づきまして証拠を収集して、それによって東京地検がその正否を判断するわけでございますので、私はこの場所ではそういうことを申し上げる立場にはございませんが、そういったことで現在関係人の取り調べや証拠収集をやっておるわけでございますので、当面ひとつこれをお見守りいただきたい、このように思うわけでございます。
○和田教美君 公取委員長と刑事局長はもう結構でございます。 日銀総裁が先ほどからお待ちでございますので、順序を変更して先に日銀総裁にお尋ねいたします。 都市銀行など金融機関の相次ぐ不祥事件についてでございますが、まず協力預金、紹介預金についてお聞きをいたしたいと思います。 旧埼玉銀行が絡んだ金融不正事件で、旧埼玉銀行東京営業部の元次長が協力預金の仕組みを悪用してノンバンクから約四十億円をだまし取ったという容疑で東京地検に逮捕されました。また、五日の参議院証券・金融問題特別委員会では、橋本富士銀行頭取が、銀行が企業に不動産取引などの情報を伝えたときの手数料がわりとして、企業がノンバンクなどから金を借り入れて銀行に預金するいわゆる協力預金、これが不正融資の温床になることを認められまして、協力預金は今後やらないというふうに答えられました。さらに、紹介預金についても既に禁止しているというふうに答えられました。 日銀総裁は、この協力預金、紹介預金についてどういうふうなお考えを持っておられるか、また全国の銀行、金融機関に対してどのような指導をされるおつもりか、お答えを願いたいと思います。
○参考人(三重野康君) お答え申し上げます。 委員が今御指摘になりました協力預金その他のことでございますが、この菜務運営上のことは基本的には金融機関が自主的に決めることだと思っておりまして、私どもからそれを禁止するとかあるいはそれをやっちゃいけないというような具体的な指導はいたしておりません。 しかし、今回の一連の不祥事件は、顧みますと、この原因は確かに各金融機関の内部管理の不十分な点、さらにはその奥には経営姿勢、経営姿勢というのは例えばどういうことかと申しますと、業容あるいは収益においてとにかく量的拡大を最優先にする、そういった指導を行っている経営姿勢が支店に対して有形無形の圧迫となっていろんな不祥事件を起こしたということは事実でございますので、もちろん金融機関がみずから襟を正して内部管理の体制を見直すことは必要でございますが、私どもといたしましても、まず先ほど申しました経営姿勢の是正ということ、さらには内部管理の再発防止の徹底、例えば非常に重要なことあるいは例外のことに対するチェックは複数以上の人がやるということ、あるいは機械システムによる検証は万全か、あるいは金融機関の職員が事務管理をきっちりやるための教育は十分か、いずれもわかり切った当たり前なことでございますけれども、こういった点をさらに私どもの考査等を通じまして徹底させていくつもりでございます。
○和田教美君 これは新聞記事ですけれども、日銀がこの協力預金について自粛を指導へという記事が大きく出ておりますけれども、大体やめた方がいい、あるいは少なくした方がいいという方向でお考えなんですか。
○参考人(三重野康君) 今、一連の不祥事件は、委員が御指摘になったように、そういったことが一つの温床になっております。したがって、そういったことは好ましくないというふうに考えております。しかし、具体的に廃止とか禁止とかということはいたしておりませんが、精神はそういうことでございます。
○和田教美君 それから、一部の都市銀行における架空預金証書を利用しての不正融資事件、例えば富士銀行の赤坂支店で起こりました架空預金証書などを担保にノンバンクから二千数百億円の融資を引き出していたという事件、こういうふうな預金証書の作成というふうなことについてもまことにずさんきわまりないという印象を持つわけですが、こういった事務管理、さっきも触れられました銀行内部の管理体制の強化はもちろんですけれども、いわゆるダブルチェック体制というふうなものについても、これは抜本的な改革を十分しなければいけないと私は思うんです。その辺のところについて日銀総裁の専門家としてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(三重野康君) 今、委員が御指摘になったことはそのとおりだと思います。したがいまして、先ほど申し上げましたような事務管理体制のチェックというようなこと、これはもう当たり前なことではございますが、徹底して考査等において指導をしてまいりたい、かように考えます。
○和田教美君 日銀総裁はもう結構でございます。ありがとうございました。 次に、これは銀行局長にお尋ねしたいんですけれども、証券業者の間では、損失補てんはうちだけじゃない、信託銀行のファントラ、ファンドトラストにも補てんと見られる行為が行われているという指摘がございます。ファントラヘの疑惑がくすぶっている、またくすぶり出したと言っていいと思います。 ファントラは信託銀行が企業などから預かった資金を自己裁量で運用するものですけれども、株価の暴落によって元本割れが続出していると聞いております。そこで、補てんと疑われる運用方法は、異なる委託者のファンド間で取引の一部をつけかえる、そして各ファンドの利回りを調整する、大体同じ平均の利回りにする、こういう方法だというふうに聞いておるわけですけれども、銀行局長はこれは補てんとは言えないというふうなことを従来答えられておるわけですが、どういうふうに現在お考えですか。また、この問題、調査するお考えがありますか。
○政府委員(土田正顕君) ファントラについて再々お尋ねがあるわけでございますが、このいわゆるファントラ契約、これが特金と違いますのは、受託者である信託銀行、直接的にはこのファンドマネジャーが一人で何十というファンドを管理するわけでございます。そのファンドマネジャーに広範な運用の裁量権がございます。したがいまして、反射的にその運用責任も持っているわけでございます。その裁量権を行使いたしまして信託財産を保全する、そしてさらにその信託財産、これは何十というものを預かっておるわけでございますが、それのバランスのとれた拡大を図ろうという態度をとることは怪しむに足りないと思うわけでございます。ただし、それにつきましては、もちろんこの信託の本旨に従いましてルール違反ということがあってはならない。 そこで、そのルールとは何かということございますが、御指摘の論点に一番関係するものといたしましては、例えば忠実義務というのがございます。この忠実義務はそのものずばりを信託法令で規定してはおりませんけれども、この忠実義務の考え方を背景にいたしまして、信託財産、固有財産間の財産上の仕切りを規定した規定はございます。すなわち、その信託財産を固有財産としてはならないというような原則を定めた規定はございます。これが一つであります。 それからもう一つは、善管注意義務と言っておりますが、受託者は信託財産を善良なる管理者の注意をもって管理しなければならないという規定がございまして、これは学説上は自己の財産におけると同一の注意よりも強いものであるという規定がございます。そのほか若干ございますが、そういう受託者の義務に違反しない限度においていろいろな取引をすることはできます。 例えば、市場を通じてこのファンドの相互間の資産取引を行うということも日常の取引で起こり得るところでございますが、このファンドマネジャーの裁量権というものを例示的に申しますと、ある優良銘柄を見つけた、そのときに自分が何十とファンドを持っておるわけですが、どのファンドで買い付けることにするか、ないしは逆に、成績の悪い銘柄を処分したい、どのファンドから処分するか、それなどはすべてこのファンドマネジャーの判断でございます。それからまた、あるファンドで一部解約がありましたようなときに、その運用をしております証券を他のファンドで買い付けるというようなこともあり得るわけでございます。 そこで、御指摘のいわゆるつけかえというような話に入りますが、このファンド間の資産、いわば玉でございますが、それの売買につきましては、株式その他の証券の売買は必ず証券会社を通じてマーケットルールの中で行われておるというのが一つでございます。それからもう一つは、これはいわゆる零細一般の小口投資家というのはファントラの場合には余りございませんで、委託者はすべて大口顧客でありますし、いわば財務のプロでございます。その委託者に対しまして、原則は毎月でございますが、運用状況報告書が送られておる、それでそのすべての取引状況は示されておる。もし不審な取引があればいつでも指摘できる仕組みになっておるというような事情もあるかと思います。そのほかいろいろございますが、従来法令に違反するというようなケースを私どもは承知しておらないわけでございます。 なお、最後に一つ申しますが、株価の暴落で含み損の発生という議論は一義的には確かに方向としてはそうかと思いますが、このファントラの抱えております株式運用の比率は平均しますと二、三割、二割いくかいかないかぐらいではないかと思いますので、そこはこのファンドマネジャーの腕もございますので、株価の暴落による含み損の発生を少なくすることも運用のテクニックによっては可能であるように聞いております。そのほかいろいろ個別の例がございますので一義的には御説明することは難しいというふうに考えております。 少し長くなりまして申しわけございません。
○和田教美君 次に、警察庁の方に来ていただいておりますから、今回のイトマン事件に関連する問題をお聞きしたいと思います。 イトマン事件を初め一連の金融・証券不祥事件、これに特徴的なことは、先ほどからも議論が出ておりますように、暴力団とか企業舎弟、さらにはそれにつながる地下人脈が表の経済舞台に躍り出て、中堅商社の役員に堂々と乗り込んだり、アングラマネーで巨額の株取引をするなどの動きが目立つことであります。このまま放置すると日本経済は暴力団などの黒い金に相当部分支配されるおそれさえあるという心配もするわけでございます。 そこで、警察庁にお聞きしたいんですけれども、経済界への暴力団などの介入を排除するために最近各業界に協力を求められたということでございます。しかし、例えば具体的に考えた場合、銀行の場合は企業舎弟などが仮に預金の取引を始めようと言ってきたときにこれをすべて見分けることは大変難しいことじゃないか、それをどうするか。あるいはまた、融資の申し込みを受けた場合、仮にその取引先が暴力団関係だとわかってもこれを断るということはそう簡単にできるのか。そのためには金融機関の責任者のかなりの決断が必要だというふうに思うわけで、具体的に考えていくとなかなかそう簡単なことではないというふうに思うんで、警察庁は一体どのような基準で業界を指導していく、そして実効ある排除策を打ち出すお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(國松孝次君) 証券・金融業界でありましても、ほかの業界でございましても、暴力団の介入というものをはねのけていくというのはなかなか困難な面があるのは私どもよく存じております。ただ、その困難をはねのけてまいりませんと、暴力団がますます経済取引へ進出してくるということかふえてくるわけでございますので、何としてもやっていただかなければならないことであると思いますし、今がある意味ではそのチャンスであろうというように思っておるところでございます。 そして、そのために具体的に私どもとして、暴力団対策に当たる警察といたしましてどういうことができるかということでございますが、先般、とにかく各業界においていろいろと自主的な暴力団排除組織をつくっていただくなり、その他警察に対していろんな形での協力の仕方と仕組みというものを考えていただくというようなことを含めまして、八月二十八日付で日本証券業協会長及び全国銀行協会長などに対しましても要請を行ったところでございます。私どもといたしましては、これからその要請に盛り込まれた諸施策を一つ一つ実務的に検討してまいりたいということでございますけれども、とにかく私ども警察と業界との間に情報交換のルールとルートがきちっと確立をいたしませんと、なかなかできません。 御指摘のように、預金をしてきたときどうするのかとか、あるいは株を買いたいと言ってきたときにどうするんだというようなことになりますと、なかなか難しい問題があるわけでございます。しかし、これは個々ケースケースでやってまいらなければならない問題でございまして、我々にも守秘義務というものがございますけれども、そういったものをクリアした中で我々として何ができるかということをこれから個々具体的に詰めていかなければならぬと思います。そのためにも、そうしたルールとルートをつくるという意味におきましても、各業界におきまして暴力団排除のための一つの自主的な組織というものをつくっていただくということがまず大事であろうというように考えております。 そういったことを手始めにいたしまして、もう既に関係業界とは接触といいますか連絡を始めておるところでございますが、そういったところをまず手始めにしながら作業を進めてまいりたい、私どもとしてできることはいろいろやってまいりたいと考えておるところでございます。
○和田教美君 これまた証券の問題に返ります。 次に、一昨年十一月ごろから去年の八片にかけて株価が急騰してバブル時代の最後の仕手戦というふうに言われました本州製紙株の株価急騰の経緯と、東急電鉄株をめぐる仕手戦との関連性についてお聞きしたいと思います。 先ほども本州製紙株についての御質問が出ておりましたけれども、この仕手戦には旧誠備グループ、地産グループ、安達グループの三仕手グループなどが参加をしておりますし、特に私が注目いたしておりますところは、この本州製紙株の仕手戦に参加したグループの多くが八九年の東急電鉄株の大量売買にも参加しているということが一つです。それから、これは仕手戦には珍しい相乗りの形というふうに言っていいかと思います。 それから第二に、東急株が急落した九〇年五月ごろから逆に本州製紙株が急騰を始めているということであります。そういう点から見まして、この二つの仕手戦には深い関係があるのではないかということが一般に言われております。また、玄人筋には、相乗りした仕手筋や証券会社も含めて、東急電鉄株のケース以上の相場操縦的な動きがあったのではないかという指摘もあるわけでございます。 それで、これらの関連性について大蔵省はどういうふうに判断をされておるか、お聞かせを願いたい。
○政府委員(松野允彦君) 本州製紙株につきましては、平成元年の十一月以降二年の八月ごろまで非常に売買高が急増いたしておりますし、株価も急騰をしているわけでございます。 当時、私どもは証券取引所と協力いたしまして、証券会社の売買動向等について、あるいは価格形成の状況について調査をしたわけでございますが、確かに御指摘のように、幾つかの複数の大口顧客あるいはグループの売買が認められますけれども、それ以外にも非常に不特定多数の顧客の売買注文が集中をしておりまして、価格形成上、特定の投資家による行為的な相場を形成するような注文というのはそのとき見つかっていないわけでございます。そういったこともございまして、相場操縦の確証が当時は得られなかったわけでございます。なお、その間、御指摘のような仕手グループの売買の存在も私ども把握をしております。 それから、東急株との関係でございますが、これは私どもも調べたわけでございますが、現在までのところ、東急株との関係といいますか、それを裏づけるような事実は見つかっていないわけでございます。いずれにいたしましても、この問題、いろいろ新たな事実が出てまいるというようなことも予想されるわけでございまして、私どもはそういう事実が出てまいりましたらさらに調査を深めていきたいというふうに思っているわけでございます。
○和田教美君 本州製紙株の問題につきましては、稲川会関係が買っておるわけですけれども、石井稲川会前会長が買った分については日興証券が扱ったということはこの特別委員会の証人もおっしゃっておりました。 そこでお聞きしたいんですけれども、それ以外に本州製紙株が九〇年春ごろから急騰する段階で目立ってこの株の大量売買を扱った証券会社はありませんか、その点をお聞きしたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 日興証券が平成二年の一月から八月にかけましては買い付けシェア一位でございまして、八%を占めております。その中では、一時一六%という月もございます。 ほかの証券会社でございますが、上位十位ぐらいのところでとって見てみますと、順序が毎月入れかわっておりまして、特に大きなシェアを占めている証券会社は目立ちません。四社クラスでも七、八%あるいは五、六%というような市場シェアでございまして、それほど目立った市場シェアの高い証券会社はないというような状況でございます。
○和田教美君 次に、野村証券による東急電鉄株の集中売買の問題についてお聞きします。 この八九年十月から十一月にかけての集中売買、田渕さんは株価操作に関する証取法百二十五条違反は絶対にないというふうにこの席で断言をされました。しかし、最近の証券局長の答弁を聞いていると、特別検査が進むにつれて違反の疑いがどうも出てきたというふうにも受け取れる発言が時々出てまいります。 野村証券が東急電鉄株を集中売買し始めたのは、今言いましたように十月十九日から。大蔵省からいただいた資料がここにございますけれども、これによりますと、確かに十月十九日のシェアが三八・九%など、十九、二十日、二十七日と、いずれも業界の自主ルールの三〇%以内という枠を超えております。さらに、それに先立って各営業所で東急電鉄株を推奨銘柄として大々的に取り上げたということは、これはもう御承知のとおりです。また、注目すべきは、野村の自己売買の市場シェアが四大証券の中で飛び抜けて多い日がこの大蔵省の調査した日から見ても何日か出てまいります。さらに、大蔵省の定期検査では、多数の営業店で短期間に東急電鉄株の反復売買をした客がたくさんいることを把握していると証券局長自身がおっしゃっております。また、八九年四月から八月にかけて、亡くなった石井稲川会前会長が野村、日興を通じて東急電鉄株を大量に買い付けておりますけれども、この後に野村の集中売買が続くというふうにも判断できるわけでございます。 このような全体の流れから見ますと、どうも相場操縦の禁止をうたった証取法百二十五条に違反する疑いがむしろ強まってきているのではないかと私は思うんですけれども、その点について証券局長の御見解をお聞かせ願いたい。
○政府委員(松野允彦君) 東急電鉄株の野村証券による大量の売買につきましては、御指摘のような事実を私どもも把握しているわけでございます。それが百二十五条に言います株価操作に該当するかどうかという問題でございます。 百二十五条は、まず誘引目的というのが一つございます。それから、「単独で又は他人と共同して」という要件があるわけでございます。野村証券の自己売買の市場におきますシェアというのはそれほど高くないわけでございますし、またそれの執行の仕方も価格を人為的に高めるとかいうような注文の仕方にはなっていないわけでございます。あと大量の投資家の注文が投資勧誘等を通じて出てまいっているわけでございますが、その大量の一般投資家の注文をどういうふうに判断するかというところが一つ大きな問題でございまして、私どもその投資勧誘の実態というものを各営業店で今検査を通じて把握しつつあるわけでございます。 百二十五条違反という問題につきましては、今申し上げましたような市場におきます相場を変動させるような作為的な注文があったかどうか、それが単独で行われた、あるいは他人と共同して行われたかどうかというような非常に立証の難しい要素があるわけでございますが、いずれにいたしましても、そういう問題意識を持ちながら今検査を通じて事実関係を把握し、その上で今申し上げたような点についての判断を下したいというふうに思っているわけでございます。
○和田教美君 もう私の持ち時間がなくなりましたから大蔵大臣にひとつお聞きしたいんですけれども、今回の一連の金融・証券不祥事について、これに対する抜本的な対策という問題について大蔵大臣はたびたび行政の責任を口にされて反省の弁を述べられるとともに、いわゆる再発防止策に全力を尽くすというふうに言われております。そして、いろいろな対策を散発的に述べておられるということでございますけれども、どうも我々から聞いておりますともう一つ全体像がつかみにくいというふうに私は思います。 そこで、この機会に今までの発言も整理されて、一体、全体的に抜本策の重点、骨はどこなのかというふうな問題について具体的に、しかも簡潔にひとつお答えを願いたいというふうに思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) できるだけ簡潔に申し上げたいと思いますが、一つだけでこれ全部が解決するというような妙手がないことは御理解がいただけると思います。 そこで、証券と金融とそれぞれに分けて申し上げたいと思いますが、証券につきまして第一の問題は、ルールの不明確性というものに対し、これを明確化するためにどうすればよいかという視点でありまして、これには証取法の改正問題がございます。また、行政通達の見直し、そして物によっては法律の中に、物によっては自主規制機関の方に移していくといった作業がございましょう。また、相場操縦的な行為の禁止に係る法令につきましてもさらに見直すべき点がないか、証券取引審議会の不公正取引特別部会に御検討を願いたいと考えております。 次の問題はルール違反に対するペナルティーの問題でありまして、これは現在準備中の証取法改正案におきましてもその内容を明示したいと考えておりますが、それ以外にも、例えば法人に対する罰金の引き上げといった問題につきましては現在法制審議会で御議論が行われておる最中でありますので、今回の改正とは切り離し、その結論が出次第もう一度その量刑の引き上げについてのお願いを申し上げることになろうかと存じます。 第三点の検査・監視体制の問題につきましては、今行革審に御検討をいただいておるところでありまして、私どもは新たな検査機構のあり方につきましてはこの行革審の結論を待ちたい、そのように考えております。 第四点は自己責任の原則の問題でありまして、これは本来、当然のことながらみんなが持っていなければならないことでありますけれども、改めて証券会社サイドにおきまして倫理綱領を策定していただく、あるいは経済団体等を通じて投資家サイドに広く理解を求めていくといった手順を必要といたします。また、このような考え方の一環として、損失補てんや損失保証を求めるといった悪質なお客さんに対するペナルティーの問題も考えなければなりません。 最後に、業界行政というものに対する我々の反省を込めて、これからいかにして金融制度改革の中で適正な競争原理を市場に導入するかという問題がございます。また、株式委託手数料の取り扱いは取引所のルールの問題でありまして、取引所がまず検討をしていただきたいと思いますけれども、その水準についての引き続きの機動的、弾力的な見直しをいたしますとともに、手数料制度のあり方そのものにつきましても、さまざまな影響はもちろんお考えいただかなければなりませんが、見直していかなければならないと思います。また、証券取引所等自主規制機関がその機能を強化していただくように御努力を願わなければなりません。 また、先刻来の御審議でも出ておりますけれども、投資顧問業者というものにつきましては、その体質が依存体質ということで指摘をされているところでありまして、投資顧問業者というものの独立性をいよいよ担保する方策を講じていかなければなりません。 また、大蔵省の高級職員の証券会社への再就職を自粛するということもその一環であります。 また、金融機関につきましての問題としては、第一点が金融機関の内部管理体制の総点検の問題がございます。これは先ほど日銀総裁も触れておられました。また、金融機関の公共性、社会性の確保という点につきましては、ただ単にその姿勢の問題のみではなく、経営内容のディスクロージャーの推進等努力をしていただく部分がありますし、また暴力団対策あるいは麻薬取引に絡むマネーロンダリング対策などが適切になされるような指導をいたさなければなりません。
○委員長(平井卓志君) 大臣、簡潔にお願いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) はい。ただ、大変大事な問題でありますので多少お許しをいただきたいと思います。 そして、三点目が行政の透明化と検査体制の充実でありまして、これは証券と同じような視点で私ども今考えなければならない問題点を持っております。特に、金融機関内部の検査組織との連携を図る必要がございます。第四点がノンバンクへの対応の問題でありまして、第五点目が金融システム全体の安定性の強化という視点をどうこの中に組み入れていくかということになりましょう。 本来ならもう少し個別に御説明したいところでありますけれども、これ以上の時間はとらないようにいたします。
○近藤忠孝君 当委員会でいろいろと審議を続けてまいりました。しかし、せりかく証人喚問をいたしましても、随所に証言拒否や偽証じゃないかと思われる、また証言食い違いが目立ちました。参考人の場合でも、答弁して当然と思われる事項も答えない。証券・金融不正の全容解明は本委員会の重大な任務であります。補てんの全容解明、株価操作の疑い、暴力団の関与などを徹底して今後も続けるべきだと思います。 〔委員長退席、理事斎藤栄三郎君着席〕 ということで、本日、私は理事会に十名の証人喚問を要求いたしました。社会党からも証人要求の御意思があるという意思表示もされました。他党からの同様の要求も期待をいたしておるわけであります。 次に、補てんの手口の解明、これが特に重大であります。したがって、証人喚問のときにも各証人に答弁を求めましたように、補てんの手口を示す資料、これを本委員会に提出していただく必要があると思います。また、大蔵省が現在把握している資料、これも当委員会に至急出してもらいたいと思います。委員長にこの点のお取り計らいをお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○理事(斎藤栄三郎君) 理事会でよく相談をいたします。
○近藤忠孝君 私は、まずバブルの被害が一挙に国民の上に襲いかかっているこの問題で、その原因は、一九八五年のプラザ合意以降の五次にわたる公定歩合の強引な連続引き下げによる超低金利政策、NTT株売り出しによる財テクのあおり立て、あるいは土地投機資金の貸し出しなどなど、そういう意味で私は、政府・大蔵省、財界が政策的に協力し合ってつくり上げてきたものだと思います。 そのうち私は、まず公定歩合の引き下げについて質問をいたします。一九八六年一月三十日、五%が四・五%になって、随時引き下がって、一年ちょっとの間に二・五%と引き下げられたわけであります。 ここで日銀総裁に御質問いたしますが、これは八六年十月三日の衆議院予算委員会で、当時副総裁であった三重野さん、この時期の公定歩合は三・五%で戦後最低であり、また外国と比べても低いということを強調された上でこう言っておられます。通貨供給量がふえ、株、土地のほかゴルフ会員権、貴金属、絵画までが値上がりしている。金余り現象が将来のインフレの芽となると見て注意している。慎重な金融政策が必要で、公定歩合は下げるべきでない。こう発言をしております。バブルが膨れ上がるのを非常に懸念した発言であり、私は今振り返っても正当な見解だと思いますが、いかがですか。
○参考人(三重野康君) お答えいたします。 まず、昭和六十年以降の金融政策の政策運営について、委員も今御指摘になりましたけれども、簡単にお話し申し上げたいと思います。 これは委員もう御存じなので多くの言葉は要しないと思いますが、プラザ合意後、日本は対外不均衡、要するに国際収支の黒字を減らすために内需中心の経済構造を円高をてこにして成就するという政策運営を行ったわけでありまして、先ほど委員が御指摘の一連の公定歩合引き下げもその流れの中で行ったわけでございます。 そして、私が十月三日の予算委員会でそう申し上げたことは事実でありまして、もう少し厳密に言いますと、今のところは公定歩合を下げるべきではないというふうに申し上げておりますが、そのときの判断といたしましては、既に三回公定歩合を下げでまた景気はそれほど、これ以上は悪くならないだろう、しかも三回の下げた効果はまだ出てくるだろうと。しかも、今先生がおっしゃったような状態のもとで、そのときは公定歩合を動かすべきではないというふうにお答え申し上げたわけでありますが、念のためでございますが、金融政策は医者みたいなものでございますから、相手の健康状態によって、そのときの状態で変われば変わるということだけちょっと念のために申し上げておきます。
○近藤忠孝君 その十月三日の直後、十一月一日であります。第四次の公定歩合引き下げが行われました。私は、総裁が指摘した経済情勢には変化がないのになぜ引き下げたのか、この間に一体何があったのか、お聞きしたいと思うんです。
○参考人(三重野康君) 私が予算委員会でお話しした後、十月下旬に日本銀行の全国支店長会議を行いました。そのときの報告によりまして、その前の認識が多少甘かった、と申しますのは、円高のデフレギャップがさらに浸透した、したがって輸出関連産業の設備投資抑制あるいは雇用調整とかが一段と進みまして、いわゆる円高のデフレ効果がさらに浸透する、そういう状況にありまして、かつ円高はさらにまだ非常に不安定な動きを示しておりましたので、金利を下げるということは内需中心の拡大をより強固にすると同時に、円高になることをある程度とめるというか緩和するということがありますので、そういう意味でそれから二回にわたり公定歩合を下げたわけであります。
○近藤忠孝君 十一月一日、三%、その後の二月に二・五%、第四次、第五次が行われております。一体だれのために行われたのか。大蔵大臣、これからが大事なんです。 当時の大蔵大臣であった宮澤さんは、文芸春秋の誌上でずばりとこう答えております。「最後の二回は不要という意見についてですが、あの時は意味がありましてね」、その意味は総裁の言う意味とはちょっと違うんです。「円高については本当に悩みましてねえ。そこで私は米国のベーカー(当時の財務長官)さんと話合ったのです。そしたら、ベーカーさんは米国もなんとか(日本の円高について)考えようとおっしゃいましてね。そのかわり、日本ももう少し公定歩合を下げてくれないかと言ってきた。『それは私にできることではない』と伝えたのですが、一方で、私は澄田さんに内々に(引下げを)頼んだのです」、澄田さん、これは当時の総裁です。「ただし秘密裡に事を運んでいましたから“澄田さんやってくれるかなあ”と考えていたところ、ちゃんとやってくれた。その時は米国との約束ごとだったので印象に残っています」。 要するに、大臣、第四次、第五次公定歩合引き下げはアメリカとの約束だと前任の大蔵大臣が言っておるのです。これが真相ではなかったのか。それぞれ簡潔にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 六十二年二月二十日の大蔵大臣談話を今手元に持ち目を通しております。そのようなことは全く書かれておりません。また、公定歩合の変更が日銀の専管事項であることは委員よく御承知のとおりであります。
○参考人(三重野康君) 私は、金融政策は各国それぞれの中央銀行の自主的な判断によって行うものと思っております。その二回についてもそういった判断でいたしました。
○近藤忠孝君 大臣、記者会見でアメリカとの約束だなんということを言うはずもないし、またそういうことは表に出ないこと。しかし、宮澤さんが「内々」だと言っておるんです。こういう事情でバブル経済ができ、このバブル経済が預金者には目減り、土地や株への投機資金を急増させて地価高騰により庶民の住宅取得の夢を破った。この責任は極めて重大だと思うんです。 さらに問題なのは、これは八九年五月から日銀が引き締めに転じてからも大蔵省はブレーキをかけたというんです。八九年十二月十九日の読売新聞は一面トップで、日銀、公定歩合上げ検討、週内にも〇・五%有力と報じております。これは三重野さんが総裁に就任した三日後のことです。これに対して橋本大蔵大臣は、金利調整を必要とする国内情勢にあるとは言い切れないと否定をいたしました。白紙撤回をさせる、既に指示をしたと追い打ちをかけております。それで、結果的に日銀が引いた形で総務部長の公定歩合引き上げは白紙という異例の記者会見がありましたね。これは当時この新聞でも、金融資本市場に日銀と大蔵省の角逐に大変振り回されて大混乱があった、要するに、公定歩合の変更に大蔵大臣が白紙撤回を指示したとちゃんと新聞記事に載っておるんですからね。 もう一つ。まだあります、越権行為。これは昨年の十月、株価バブルがはじけてこれは日経ダウが一時的に二万円を割り込んだときに大蔵大臣は記者会見をして、「金融政策の対応というものも考えなければならないかも知れない。これは日銀が株式市場の安定化についても十分配慮して金融調整を行うことが必要だということだ。日銀もこうした問題意識は十分持っていると受け止めている」、これは株価を維持するために日銀に露骨にこういう状況を迫っている。 この二つのことについて、この指摘をどうとっておりますか。簡潔にお答えいただきたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 第一点につきましては、確かに月例経済報告の会議の、朝刊であったと思いますが公定歩合云々という記事がございました。そしてその席上、私は三重野総裁にそういう御意思があるんですかと聞きましたら、いやそんなこどない、じゃ白紙ですねと、白紙ですということでありましたから、確かに私は、日銀総裁は白紙と言っておられたよということを会見でも申しました。その復しつこく私の行く先々についてこられた記者の方々にも、総裁が白紙と言っておられるんだから白紙であろうというやりとりをしたことは私も記憶をいたしております。 また、確かに今御引用になりました記者会見は十月一日ではなかったかと思います。一時的に二万円を下回るという事態がありました後、記者会見を求められまして、私はそのような意見を申しました。ただし、その後、金融政策の発動については今そこまで言うのはどうかという意見があるということも伝えております。そして、日銀も要するに問題意識を持っておられると思うという、委員が読み上げられたとおり、私は、金融政策を変えなければならないとは申しておりませんし、今委員が読み上げられたとおりでありますし、事態の認識は日銀も持っておられると思うと申しております。
○参考人(三重野康君) 前段は大蔵大臣の申し上げたとおりであります。 それから、株価について、いつも私ども株価のために金融政策を動かすことはございませんが、やはりいろいろ世の中の動きは十分見ているという意味では大蔵大臣のおっしゃったとおりだと思います。
○近藤忠孝君 いずれにしましても、大きな流れを見てみますと、政府の政策がバブル経済をつくり上げた一つの大きな要因であったし、そういう意味での大蔵大臣の責任もこれは大きいということを指摘だげして、次に入ります。 問題は、特金やファントラがなぜ急増をしたのか。これが急増したことが今回のバブルの大きな原因です。大体日本の株価高は異常でありまして、ピーク時株価収益率七十倍という時期がありました。これは企業の業績と全くかけ離れている。現在、暴落後でも四十一倍。配当率は、利回りは〇・四七。これはもう配当はゼロに近いということであります。 それで私が指摘したいのは、この異常さの原因が法人化現象と安定株主工作、新株の時価発行、四大証券の寡占による株価支配力にあること、これは既に斎藤委員などが指摘をしてきたことですが、さらに加えて、この投機と株価高をさらに異常なものにしたのが特金とファントラだということを指摘したいんです。 そこで質問です。これは一九八八年からの外人売りで株価は下がり始めた。大方の人はもうこれから上がらぬだろうという予想をしておったんですが、さらに大規模な株価引き上げになったのは、これは特金、ファントラが急増したからじゃないんでしょうか。
○政府委員(松野允彦君) 御指摘の六十二年十月のブラックマンデー以降、六十三年に入って株価が上昇に転じたわけでございまして、この上昇に転じた上昇過程の各部門別の投資の状況を見ますと、個人は売り越しになっておりますが、それ以外の銀行、生損保あるいは投資信託、事業法人等の法人部門はすべて買い越しになっております。 お尋ねの特金、ファントラでございますが、この残高が確かに六十三年からずっと増加をしておりまして、これが株式市場に流入したんではないかという御指摘、これはそういうことが十分考えられるわけでございますが、その特金、ファントラの増加資金のうちどの程度が株式投資に回ったのかというのは正確には把握できないわけでございます。いずれにいたしましても、六十三年に入ってからの株価の上昇は、法人部門が全部門において買い越しになったということで、いわば法人が全員参加したような形の株価形成になっているわけでございます。
○近藤忠孝君 要するに、特金、ファントラが異常に増加して、本来設備投資に向けられるべき企業の資金までもがここに大量に投機に回された。これがさらに異常な高株価になってもうずっと上がっちゃって、そのあげく暴落して今大衆投資家に悲惨な被害を与えておるわけであります。 それで、午前中、大臣はプラザ合意以来の問題について反省も口にされましたね。こういう部分もこれは反省されておりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどから日銀総裁も述べられましたように、プラザ合意以降の円高の進行をいかに食いとめ国内経済を安定させるかというところから金融政策、経済政策が運営されてきたということはそのとおりであります。そして、それがそれなりの効果を発揮したことも私は認めていただけると思います。 しかし、その反面、今委員が御指摘になりますような問題点について我々が十分目配りをしておくべきであったのに、その点に欠ける部分があったのではないかという御指摘であるならば、それは我々として受けなければならない御批判だと思います。
○近藤忠孝君 私は、その目配りが大変できていなかったし、間違っておったということをこれから具体的に指摘をしたいと思うんです。 その前提として、国税庁、八〇年に簿価分離を認める通達を出しましたが、その趣旨をごく簡潔に、皆さん知っているはずだから、言ってください。
○政府委員(冨沢宏君) 簿価分離と申しますのは、金銭の信託をした場合に、その信託金の運用として取得した有価証券について手持ちの同種の他の有価証券と区分して評価することができる、これを認めたものでございます。 その趣旨は、同一銘柄の有価証券については通常はすべて通算して評価をしなければならないわけでございますけれども、頻繁に資産の運用として売買されるこの信託に係る有価証券、これとそのほかの、企業が持っておる有価証券を通算するということは実務的に極めて大変だということで実際的でないということから、信託制度と法人税法上の取り扱いの調和を図って適正な課税の実現を図る、こういう観点から昭和五十五年に認めたものでございます。
○近藤忠孝君 そこで証券局長、先ほど、法人買いがこの時期にふえたとおっしゃいました。これは要するに特金とファントラの両者が急増したからですね。この両者が急増したのは、今述べられた簿価分離の通達が出されたことが原因ではないでしょうか。
○政府委員(土田正顕君) 特金、ファントラ両方に共通するお話だと思いますので私から申し上げますが、確かに、今の法人税基本通達によって確認されましたいわゆる簿価分離によりまして、投資家が保有する有価証券の簿価に影響を与えることなく信託勘定における有価証券運用が可能となるということは、殊に株価その他が上昇しでいるようなときに企業側にとって非常にメリットがあるところであるということはその当時言われておったところでございます。 ただ、必ずしもその理由だけということもございませんので、やはり証券運用が非常に広く行われますようなときに、この有価証券運用に伴う事務、これはいろいろな、売買とか利子配当の受け取り、管理、記帳など、それを投資家ではなく信託銀行が行いますところから、投資家の事務負担が大幅に軽減されるということ、これが一つ。 それからさらに、ファントラの場合には信託銀行であり、それから顧問つきの特金の場合には投資顧問会社であるということになりましょうが、それらの高度な運用ノーハウを投資家が活用できる、そのような面もやはり特金、ファントラの増加した原因であるというふうに考えてよろしいんではないかと存じます。
○近藤忠孝君 およそは認められましたが、これ、実際ある信託会社の研修用資料にも、要するにこの特金は簿価分離の通達からスタートした商品である。こんな文庫本も含めていろんな本にも、結局これが決定的であったと。 どうしてそうなったかと申しますと、この簿価分離によって法人税が有利になることに目をつけて特金やファントラで大口の法人を勧誘した。法人がこの特金を法人税対策で有利だからということで利用したことから爆発的に売れました。それで大量の金が証券界に流れだ。このことがさらに株価を押し上げることになった。これは明らかじゃないでしょうか。
○政府委員(松野允彦君) 先ほどお答え申し上げましたように、ブラックマンデー後六十三年に入って株価が急上昇、上昇に転じたわけでございます。 その要因はいろいろあるわけでございまして、事業法人あるいは投資信託、生損保などの株式投資も非常にふえているわけでございますが、他方、特金、ファントラ、これは信託銀行という名前で株式市場に注文が出るわけでございますが、これも相当な増加となっております。そういったことから申しますと、いろいろな要因はありますが、特金、ファントラからの株式市場への資金の流入というのも株価上昇の一因であったということは認められると思います。
○近藤忠孝君 その一因が非常に大きな一因、主要な要因であった。これは専門家がみんなそう言っております。 大事なことは、金余りによる投機が横行しているときに、またこれから拡大しようとするときに、これを抑えるんじゃなくて助長する措置をとった。それがこの簿価分離ですよ。この通達を出せば、国税庁は国税庁なりの判断で、それは税務上だから別として、しかし大蔵省全体としては、この通達を出せば投機が過熱して既に異常な株高がさらに高騰すると、これは当然予測できたんじゃないですか。予測できたかどうか、これについてお答えいただきたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、簿価分離のルールの出されました時期とブラックマンデー以降の株価高騰の時期との間には相当な時間差があることを考えますと、必ずしも委員の御指摘のようにはならないのではないか、素人でありますが、そのように思います。
○近藤忠孝君 それは素人の考えでありまして、既にこの事態を予測し、これは大変なことになるぞということを言った人がおるんですよ。既にこの簿価分離が始まって五年ぐらいたった、五年ちょっとですね、八六年三月二十七日、この当時はファントラは大体残高五兆円。ゼロから始まって短期間に五兆円。 その後またさらに急激に伸びたというその時期に、これは八六年三月二十七日の大蔵委員会、当時の大蔵大臣は竹下さん、で、大蔵委員である近藤忠孝です、私がこういう指摘をしたんです。現在特金ブームというのがあるが、国税庁の通達によって一層勢いを増している。いろいろな弊害も出始めている。大臣、どうですか。この問題、簿価分離について、通達も含め、この運用の実態に対する的確な対応も含め見直しが必要じゃないか。資金の正しい流れを大蔵省がリードする必要がある。この現状をそのままほうっておけば日本経済にとってマイナスの方向に行くと私は指摘しました。 これに対する当時の竹下大蔵大臣は、どういう答弁をしたでありましょうか。――わからなきゃ紹介しましょう。議事録にはちゃんと書いてあるんです。「企業の余裕金の運用というのはまた新しい設備投資を生む原資にもなりますし、私は、自由経済の中でそれを目のかたきにして議論するという立場にはないということが基本的にございます」。この簿価分離の問題は「経理上の極めて合理的な措置というふうに素直に読むべき」と考えますという答弁であります。この竹下さんの言うような設備投資の資金でなかった。企業の余った資金が株など投機に大量に出回り始めておった時期にこういう答弁であります。 となりますと、特金の残高ゼロからあるいはちょっとわずかから始まって五年間で五兆円。さらにその後に飛躍的に伸びたんですから、仏その時期に、このままいったらこの簿価分離の通達がさらに利用されて大変なことになるという指摘をしました。私の指摘どおりですよ。さらに飛躍的に増大して、そしてピーク時に四十兆円ですからね、その後わずか五年で。そして、余り上がり過ぎてしまったんで今日の破綻をつくったわけですよ。 こういう状況に迎合し助長したのは竹下大蔵大臣。これを批判したのは日本共産党。ですから、このときに日本共産党の私の指摘に耳を傾けておけば、(発言する者あり)本当ですよ、今日のような株価暴落による被害を未然に食いとめ得た。そして、今回問題になっている通達無視の補てんの横行などという事態にも至らなかった。これが株価暴落の原因ですからね、上がり過ぎた。大臣、やはり日本共産党の意見にも大いに耳を傾けるべきだとこの事実がちゃんと示しているじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 近藤委員を含め共産党の皆さんの御意見にも常に私は敬意を表して、耳を傾けております。それはどこの政党であるとにかかわりありません。
○近藤忠孝君 単に敬意を表するだけじゃなくて、大事なことは取り入れるべきですよ。取り入れなかったことが今日の失敗のもとである、失政のもとであるということを申し上げて、次に入ります。 橋本大蔵大臣御自身の問題です。私、余りこういう質問したくないけれども、これはもうしょうがない。証券不正、銀行不正が頻発する中で、これに対する監督規制の頂点に立つ大蔵大臣にその資格があるのかどうか、これが問われている。本当に残念です。私も大分長いおつき合いですが、本当に残念だと思うんです。これは橋本大蔵大臣の秘書をしていた人物の不正融資事件関与問題であります。政治家と秘書は一体のものですね。 それで、まずお聞きしたいのは、これは、不正融資の発覚を恐れた富士銀行の中村元課長の転勤問題で、富士銀行の秘書室長に電話をしたという問題です。小林元秘書からどんな報告を受けておりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 一点まず言い直しをお許しいただきたいと思いますが、不正融資介入と仰せられましたが、私の元秘書でありました小林は不正融資に介入はいたしておりません。不正融資という報道をもしその当時知っておりましたなら、当然のことながらそういう話にはならなかったでありましょう。そして、富士銀行自身がその事態を御存じなかった時期において、中村という人物が偽造預金証書にかかわっていることを小林が知らなかったということについて、私は小林を責めることはできません。ただ、今御指摘になりましたように、小林自身に大蔵大臣の秘書という立場からいかにも軽率な行為がありましたことについては、既に私は本院でもおわびを申し上げましたし、その責任は痛感をいたしております。 そこで、今委員が御指摘になりました話について私が小林から聞きましたところ、中村という元富士銀行赤坂支店の渉外課長、この方が赤坂支店にとどまりたいという希望を小林が御紹介した関係の方に述べた。そして、その方から小林にそういうことが伝えられたということでありました。時期は、平成二年の十二月がことしの一月ごろだろうと。正確な日時について小林は記憶をいたしておりませんでした。そして、そのときその方に対して小林はお断りをしましたが、その後、富士銀行の当時秘書室長でおられたと聞いております衛藤さんという方に、そのような希望を中村元課長が持っている旨をお話ししたということであります。 〔理事斎藤栄三郎君退席、委員長着席〕 そしてその際、富士銀行の衛藤秘書室長、その方は小林に対しまして、銀行の人事はローデーションで異動させるものであり、そういうことは無理だよということを言われたと報告を受けております。まあ銀行が行内の大事につきまして外部からの要望を入れるということ自体が想像しがたいことでありますし、小林自身もそのようなつもりもなかったと存じますし、当然のことながら人事はローテーションで動くものであろうとそのときは素直に受けとめておったと聞いております。 しかし、いずれにいたしましても、小林の行った行為は好ましいものではございません。おわびをいたします。
○近藤忠孝君 不正融資で流れた金が迂回されていった、そのお金を紹介されたということですよね、正確に言えば。 それで、小林秘書はこう言っておりますね。別の用事で秘書室長に電話を入れたついでに、赤坂の中村さんはよくやっている、残ってほしいという声があるという言い方で転勤を延ばすように頼んだということです。要するに、何か別の話のついでにと。ところが、私きのう富士銀行の橋本頭取に確認しました。そうしたら、ほかの話のついでじゃなくて、中村元課長の転勤を延ばしてくれないかと、そのものずばりの話だったということで、小林さんの説明を否定されていますね。これは私たちが衛藤元秘書室長、今名古屋支店長です、じかに確認したところも全く回してあります。さらに、残ってほしい声があるというんじゃなくて、自分がアドバイスをいただいており配慮できないかと述べたというんです。これ、随分違うと思います。それで、その場で一応断ったと、先方もそう言っています。ただ、一応断ったが人事部の関係者には後日一応こういう電話があったと伝えたと。これ、衛藤さんの私の質問に対するお答えです。 課長クラスの人事権は上しゃなくて人事部にあるんです。この経過から見ますと、人事部に、丁重にお断りしたということであるけれども、しかし下へ伝えたわけですからね。となりますと、お断りしたというニュアンスよりも現職の大蔵大臣の意向と人事部では理解する、その可能性の方が強かったんではないか。結果的には小林元秘書の申し出とおり転勤を免れています。これによって不正がばれるのが四カ月もおくれた。となりますと、同体ですから、一体ですから、私は大蔵大臣の責任、これは出てくるんじゃないかと思うんですが、改めてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、当初から小林の軽率な行為について監督責任という点でおわびを申し上げております。 ただ、今委員がお述べになりました中で、私も昨日のやりとりの中で富士銀行の頭取がお述べになりましたのを拝聴いたしておりました。私は小林君から聞いたことをそのとおりお伝えしてまいりましたし、小林君自身も将来においてこういう問題が起こると思って一々記録をとっていたわけではございませんから、そのやりとり等について多少の言葉の違いは、それはあるのかもしれません。そして、それは富士銀行が責任を持って本院の参考人として頭取がお述べになりましたのなら、恐らくそうしたニュアンスであり、小林の記憶違いであったのかもしれないと思います。しかし、小林に対して富士銀行の衛藤秘書室長はお断りになりました。そして同時に、その電話によって異動がおくらされた事実はないということもどこかでお述べになったと私は聞いておりますが、いずれにしても、小林の行為というものが好ましいことでないということは当初から私は実は申し上げてまいりましたし、もっと慎重であってほしかったと思う気持ちとともに、その監督の責任の足らざるは当初から私は認めております。
○近藤忠孝君 私は、これは単に好ましくないというものではないと思うんですね。この人事介入は客観的には不正隠ぺい発覚をおくらせるための工作だと、これ客観的にですよ。そのために現職大臣の名が、しかもその最も緊密な関係にある、金庫番と言われる秘書みずからによって使われたというこのことです。これは問題ですね。 また、不正融資の問題で見てみますと、不正融資の相手は小林秘書の友人じゃなくて、料理屋尾花にしても津川雅彦にしましても、これは橋本さん御自身の友人です。昨日の発表によりますと、この料理屋さんの方は橋本大蔵大臣の政治団体がしばしば利用しているということも実際これ出ております。こういう状況にあるときに、証券会社にしても銀行にしてもみんな血まみれですね、傷を受けて。それが監督指導する方の大臣も同じ血まみれで同病相哀れむじゃ、これ証券行政、銀行行政の頂点に立てるのか、一刻たりともその職にとどまり得ない、そういう問題じゃないか。その御認識があるのか、私はこれをお聞きしているんです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 二点申し上げたいと存じますが、衆議院の証券・金融特別委員会で日本共産党児玉委員が同様の趣旨の御質問を橋本参考人にしておられます。そしてこの小林の問題について御質問になっておられます。 橋本参考人がお述べになっておられますのは、小林秘書から衛藤秘書室長の方に電話があって、そのために衛藤が内部で動いて転勤をおくらせたという事実はございません、現実の問題としてそのために転勤が延びているという事実はございませんと頭取が述べておられるということをまず申し上げたいと思います。 それから、津川さんは少なくとも私は友人だと思っております。それから、てんぷら屋の尾花さん、これは間違いなしに私の、時々私自身も、たしかことし一回使っておると思いますけれども、去年も二度ぐらい使っておるかもしれません、私の事務所もしばしば利用をしておるお店であります。 ただ同時に、大変失礼でありますが、不正融資という言葉を使われましたが、小林がその尾花さんの依頼を中村氏に伝え、そして中村氏が尾花さんにあっせんをされた融資というものは、結果として確かに富士銀行の正当な融資ではございませんでした。しかし同時に、尾花さん自身がそこを知る、不正のお金であったということを知る由もなかったということも、銀行自身が知らないのでありますから、お認めがいただけることであると思います。そして、その融資が富士銀行にわかりましたのも、尾花さんの方から一部の返済の電話を入れ、あなたにお貸ししているお金はありませんということを富士銀行から言われ、おかしいとなって富士銀行がその事実を把握し、しかも御本人が十分な資産を持っておられ、正規の融資に切りかえられている状況というものは、御説明が既に本院でも行われたと承知をいたしております。その事実はどうぞ個人の名誉のことでありますからきちんと御認識をいただきたい。 また、津川さんに対し、確かに津川さんの会社から御相談がありましたものを中村に小林が伝えたことも事実であります。しかし結果として、私が津川さんの事務所の方から伺いましたところ、津川さんの会社も幾つもありますから当初混乱をしておられたようでありますが、結局富士銀行からの融資は受けておられなかったということでありまして、この点は津川さんにおわびを私がしなければならない問題であります。どうぞその辺の事実を御確認の上個人の名前をお出しいただきたい。その方々のプライバシーにも、また名誉にもかかることでございます。ただ、いずれにしても、ですから小林の軽率な行為というものは私はおわびをしなければならないと思います。 しかし同時に、その銀行の支店の現に役席にある方がお電話をし、その方が現にその席で電話をとられ、そういう状況の中で中村という人が偽造預金証書を発行し、不正な融資をみずから行っていたあるいは仲介していた、そこまで小林に見抜けということは、私にはそこまでは言えません。ただし、それは私がこの問題に責任を感じていないということではないということは申し上げております。
○近藤忠孝君 いろいろ言われましたが、その立場を固執されるということは、私は、証券、金融に対する監督責任を果たし得ないんだということを指摘して、次に入ります。 本日付の日経新聞によりますと、大蔵省の営業特金に関する資料が出ております。これは先ほど村田委員が指摘された問題と同じ資料であろうと思います。その中の一つを確認しておきますが、一つは、さきに公表された損失補てんリストのうち百五十二件、約二割で、投資顧問会社が補てんに関与していたこと、二番目に、投資顧問会社が証券会社に補てんを依頼した例が五件あったこと、三番目に、大手四社の営業特金口座はことし三月末現在で七千四百一件あって、八九年十二月から二〇%しか減っておらない、残高ベースでこれは五二%増加しているということであります。最後の点は別として、二〇%しか減っていないところまで、この点について事実関係をまず確認します。いかがですか。
○政府委員(松野允彦君) これは大手四社、四大証券会社ベースでございますが、営業特金の口座数は平成元年十二月末で九千二百三十五件でございます。それが平成三年三月末で七千四百一件ということでございまして、この新聞記事の数字に間違いございません。
○近藤忠孝君 次の問題は、先ほど議論になった点であります。要するに、営業特金が残高ベースで逆にふえておった、その数字は不正確だという話であります。私はこの記事を見まして大変驚いたわけですね。今まで我々がこの委員会あるいは予算委員会、大蔵委員会等で議論してきたその根底が崩れてしまっているんじゃないか。これはもう一度第一歩からやり直す必要がある。 というのは、今までの説明の中でもあるいは証人の説明の中でも、営業特金の整理縮小のためにやむを得ず補てんを行った。これは四大証券会社共通の弁解ですね。ところが減っていない、あるいは減ったのかふえたのかわからない。これでは、要するに補てんの原因が何であるのか、今まで説明した根拠は全部崩れているんですから。私は、その基礎がはっきりして初めて、じゃどういう立場で補てんしたのか。だから、実際見てみたら営業特金の整理縮小のためでない補てんだった、そんなことだってある。一体どうして質問していいのか。先ほど村田委員も質問を留保されました。私も、ここが一番大事な点ですから、しかも今まで議論した根底から崩れるわけですから、質問を留保したいと思います。委員長、これ以上の質問できません。
○政府委員(松野允彦君) 平成元年の十二月に出しました通達は、通達では原則として営業特金を投資顧問っきにするようにという指導をしたわけでございますが、あわせて事務連絡におきまして一定の要件を満たすものについては、投資顧問つきにしない場合であっても損失補てんをしないというような書面による確認をとることという指導をしたわけでございます。それを両方あわせまして私どもは営業特金の適正化という言葉で表現しているわけでございます。 営業特金の口座数、確かに、先ほど申し上げましたように、まだ相当の口座数が残っているわけでございますが、これはすべて今申し上げた確認書をとっていわゆる適正化したものでございまして、平成二年の年末、十二月までに適正化をするように指導し、その年末、十二月末には九九・四%が確認書をとって損失補てんの温床とならないような形のものになっております。現時点ではすべてのものがそういう適正化が済んでいるということでございます。 平成二年の――三月の間に営業特金のそういう適正化をめぐって、あるいは整理をめぐってトラブルが起こって、それに伴って損失補てんをやむなくしたんだというような証券会社からの報告を私どもは平成二年三月の自主報告で聞いたわけでございます。営業特金は、通常の場合三月が決算期でございます。それに向けて今申し上げたような投資顧問に持っていく。投資顧問に持っていくということは、これは営業特金をやっております企業の同意が得られないとどうしてもできない問題でございますし、それから確認書をとるということも、売買一任的にしないあるいは損失補てんをしないということで確認書をとるということをその間進めたわけでございますが、その間営業特金の相場の下落によって営業特金の損失というものをめぐってトラブルが起こって、結果的にああいう損失補てんが行われたという報告を私どもは受けているわけでございます。
○近藤忠孝君 補てんをするなという通達を無視された、これもとんでもないことでありますけれども、私はその前提として、大体減り方少ないですよ、口数から見て。ところが、金額見たらふえている。果たしてやったのかやらないのか。場合によったらその後逆に営業特金をふやしている場合だってあり得るじゃないですか、金額がふえているんだから。その辺がはっきりしなきゃ一体どうして質問するんですか、この補てん問題について。ですから、理事会でぜひ協議をしていただきたいと思います。
○委員長(平井卓志君) ちょっと速記とめてください。 〔速記中止〕
○委員長(平井卓志君) 速記を起こしてください。
○近藤忠孝君 では、ちょっとペンディングにしまして、せっかく法務大臣がおいでですから、暴力団関係のことをお聞きして、残った時間は留保したいと思います。 証券会社に対する証人尋問の結果の特徴の一つは、野村も日興も最高クラスの者が稲川会というものが暴力団であるという事実を知って、子会社の野村ファイナンス、日興クレジットに融資させて、さらにその金が東急電鉄株や本州製紙株買いに使われたという、こういう事実です。しかも、これらの株購入を稲川会前会長のために両証券会社が行った。 こういう経過から見まして、暴力団の買い占めに協力するための株価操作であったという疑いが濃厚です。現在行われている捜査は、こういう観点を持っていると理解してよろしいでしょうか。
○政府委員(國松孝次君) 協力というお言葉を使われましたが、私どもはそういう認識は持っていたということはそのように承知をいたしております。
○近藤忠孝君 次に、稲川会との関係で、ウエスト通商にかかわる外為法違反事件を捜査している兵庫県警と警視庁とは合同捜査を進めておるようです。この両警察は、東京地検特捜部とこれらの捜査で協力関係にあるのかどうか、これらの捜査資料の提供を東京地検特捜部は受けているかどうか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(國松孝次君) 外為法事件につきましては兵庫県警察においてやっておりますので、神戸地検とは緊密な連絡をとってやっていると存じます。 なお、その具体的な資料を東京地検から受けたという報告は受けておりません。
○近藤忠孝君 この稲川会の石井前会長は恐喝で実刑判決を受けて服役していましたが、出所したのはいつか。また、少したって稲川会会長に就任しましたが、その時期はいつか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(飛田清弘君) 矯正の第一線の現場において受刑者の処遇に当たっている者は、行刑施設で服役して出所していくすべての者に対して、その人が円滑に社会に復帰し、社会のために活動していくようになることを心から願って送り出しているわけでございます。 したがって、矯正当局といたしましても、これらの人々が社会に復帰するに当たり、たとえ暴力団関係者でも、その社会復帰の妨げとなりあるいはその足を引っ張るような事実、例えばどこの刑務所で服役していたとかあるいはいつ出所したかなどという個人的情報については、立場王公にしない方針をとっております。また、これを公にすることは、その人や関係者の名誉、プライバシーに深くかかわることでもございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○近藤忠孝君 出所は五十九年十月、会長就任は六十一年五月と聞いております。だから、出所して間もなく会長になっちゃったんです。矯正云々と言いましたけれども、刑務所内における矯正教育は一体どうなっているのか、こういう人物についてはこれ全く無力なのかと思わざるを得ない。しかし、時間の関係でこの程度にしておきます。 法務大臣、この石井前会長が死亡したことによって捜査に影響があるかどうか。私は決して影響があっちゃいかぬと思います。それから、この事件の性格の重大性を法務大臣自身どう理解しているかという問題がいろんな認定にかかわると思うんです。 例えば、税務署は交際費と認定して課税しています。そうするとまた、各証券会社の小ツブも会社のための補てんだから背任にならない、こううそぶきもしております。しかし、税務署がどう認定しようと刑事事件としての認定には影響されないと思います。補てんをした者の認識がいかに会社のためと主観的に思っていましても、その客観的な違法性、証券市場の公正性という観点から見た会社の利益、これははっきり区別すべきだと思います。午前中も意見がありましたが、単なる損して得とれというような次元で考えるべきではない。しかも今回のは、証券、銀行が総汚染している中での日本経済総スキャンダルです。捜査当局がよほど腰を据え総力を挙げて取り組まなければならないと思いますが、この重大性についての認識、今私が幾つか指摘した問題についての法務大臣の認識をお伺いしたい。あわせて厳正な対処についての決意をお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(左藤恵君) 今回の一連の証券・金融スキャンダル、まことに法秩序を維持するという責任ある立場の私といたしましても遺憾な問題である、このように考えております。 そこで、今いろいろお話がございましたが、検察におきましては現に告訴、告発を受けている事件を捜査中であるわけでありますけれども、そうした段階におきまして、この国会におきます御論議なりまたマスコミの報道とか、そういったいろんな幅広い資料もあわせて検討してその検察に当たっている、このように考えておるわけです。我々としてはそれを見守っておるわけでありますが、もう申し上げるまでもございませんが、検察が刑罰法規に触れるような問題につきましては厳正に適正に対処するものと、このように考えておるところでございます。
○近藤忠孝君 大臣、結構です。 では、証券局長、営業特金の増減は通達後どうなっているのか、口数、金額についてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 営業特金、いわゆる顧問なし特金でございます。私の手元にございますのは、本省監理、本省が直接監督しております二十二証券会社のデータでございますが、平成元年十二月末現在、これは通達を出したときでございますが、顧問なし特金の口座数が二万二千四百八十五口座ございます。金額は八兆百二十六億円でございます。それから平成二年の三月末でございますが、口座数が二万二千五百四十六、金額が七兆八千七百九十億円でございます。それから平成二年の九月末は、口座数が一万九千二百八十五、金額が十兆六千五億円でございます。それから平成三年三月末現在でございますが、口座数が一万八千百二十二、金額が十七兆九百二十億円という、これは各証券会社の報告した数字を単純に全部足し上げた数字でございます。 先ほど申し上げましたように、十二月末現在で一万七千四百四十一口座のうち一万七千三百九十七について確認書がとられて適正化が済んでおりまして、九九・七%でございます。それから金額の方は、この三年三月末で非常に膨らんでまいっております。これは各証券会社が受託いたしました営業特金の元本額、これは信託銀行に企業が預けました元本額をすべて報告する仕組みになっておりまして、したがいまして元本額が重複して計算をされているわけでございます。
○近藤忠孝君 したがって、先ほど村田委員にお答えになったとおり、それは不正確であるということですね。イエスかノーか答えてください。
○政府委員(松野允彦君) 証券会社が把握したということでございますので、実際の営業特金の残高とは食い違っております。
○近藤忠孝君 では、これ以上質問できませんので、残った時間は留保します。
○委員長(平井卓志君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(平井卓志君) 速記を起こして。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十九分散会