厚生委員会 第3号
- 発言数
- 138 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/09/12
会議録
○委員長(田渕勲二君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十一日、堀利和君が委員を辞任され、その補欠として大渕絹子君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(田渕勲二君) 社会保障制度等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○勝木健司君 おはようございます。それでは、四十分でありますけれども質問させていただきたいと思います。 先月ですか、平成四年度の予算編成に向けて各省庁から概算要求が出されたのでありますが、大幅な税収増を支えてきたこのバブル経済の恩恵を受けたここ数年とは打って変わって、景気減速による税収の伸び悩みによる歳入不足を危ぶむ声があるなど我が国の経済、財政を取り巻く環境はこれまでになく厳しいものがございます。その厳しい状況の中で、社会保障予算は増額が認められた数少ない分野でありますが、それでも年々ふえ続ける老人人口を考えますと決して満足のいくものではない。また、国民の間からは今まで以上に我が国の経済力に見合った生活大国の実感を求める声が高まっております。二十一世紀を目前に控え、本格的な高齢化社会が迫りつつある中で、高齢者対策また看護婦不足対策、出生率低下対策など福祉、医療関係の課題は極めて多岐にわたっておりまして、より重要度が増しておるわけでございます。 そこで、この概算要求に当たり厚生省としてどういう項目に重点を置いて概算要求をしたのかお伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(大西孝夫君) お答えを申し上げます。 平成四年度の概算要求に当たりましては、現下の緊急の行政課題に対応するため重点的な施策の拡充を図りたいと考えているわけでありますが、その重点項目を具体的に申し上げますと、第一点は廃棄物処理対策等生活環境の整備でございまして、廃棄物処理施設の整備、ごみ減量化・再生利用対策を総合的に推進するための廃棄物処理総合対策事業の創設等を盛り込んでございます。 第二点は、保健医療・福祉のマンパワー確保対策でございまして、看護職員の就業促進、養成力の強化等の対策を充実いたしますとともに、ホームヘルパーの処遇の向上、社会福祉施設職員の勤務条件等の改善を図りたいと考えております。 第三点は、ゴールドプランの第三年次分の着実な実行でございまして、在宅、施設両面のサービス等を計画的に拡充いたしてまいりたいと考えております。 第四点は、障害者対策におけるきめ細かな施策の充実。 第五点は、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりということでございまして、これらにつきまして引き続き積極的に推進を図ってまいりたいと考えております。 なお、このほかにも健康づくり対策でありますとか疾病対策、輸入食品や医薬品の安全性の確保、国際協力の推進等々多面にわたっておりますが、これら重点項目についての予算を獲得してまいりたいということでございます。
○勝木健司君 高齢者対策についてでありますが、これは何といってもマンパワーの確保が一番犬切であり難しい課題じゃないかというふうに思います。計画を立てても、それが実現し、消化できないのであれば何の意味もないわけでございまして、在宅福祉対策の核となりますホームヘルパーを十万人にするという計画でありますけれども、これまで順調に確保されてきているのかどうか、また今後の確保策はどうするのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(岡光序治君) ホームヘルパーについてのお尋ねでございますが、平成十一年度までに十万人の目標を立てておりますが、これまでおおむね予算で考えました数字を上回るような実績で推移をしているところでございまして、こういったペースを続けまして十万人の目標達成をいたしたいと考えておるわけでございます。 この確保策でございますが、一つは手当額の引き上げ等の処遇改善、それから仕事を進めていきます場合のチーム方式の推進等ヘルパーの能力を十分に活用して効率的な業務運営を図りたい。それから三番目には質の高いホームヘルパーの確保を図るというための研修の充実、それから市町村におきましてマンパワーの発掘、こういったことを支援する施策、こういったものを総合的に推進してまいりたいと考えている次第でございます。
○勝木健司君 次に、看護婦対策でありますが、看護婦の再就職対策を進めるということで伺っておるわけでありますけれども、医療技術の進歩あるいは病院のサービスレベルの向上に対応していけるのかどうか、かつての状況から医療自身もまた病院自身も大きく変化してきておるわけでありまして、その事態に対応するためどういう対策を考えておられるのか、お伺いいたしたいというふうに思います。
○政府委員(古市圭治君) 従来からナースバンクの制度を持っておりまして、この事業の一環といたしまして看護力の再開発講習会を開催してきました。これを強化するということで、平成三年度予算におきましては開催回数を年三回から五回にした。それからまた、来年度はこのナースバンクをナースセンターということで内容雇充実、機能を強化いたしまして、訪問看護の人たちのために潜在看護婦さんというものが要望されているわけでございますが、この潜在看護婦職員の再教育も含めて事業を拡充、推進していきたいと思っております。
○勝木健司君 次に、出生率の対策でありますが、近年の出生率低下は極めて深刻でありまして、我が国の国家の将来にかかわる重要な問題であろうかというふうに思います。その際、児童手当、母子医療対策あるいは育児休業、保育所整備など、いろいろな施策を総合的、体系的に進めていくことが必要じゃないかというふうに思うわけでありますが、この出生率低下対策を厚生省としてどのように考えられておるのかお伺いをしたいというふうに思います。大臣にお願いします。
○国務大臣(下条進一郎君) 委員御指摘のように、昨今の出生率の低下は極めて憂慮すべき問題だと私たちの方も受けとめております。将来の日本の健全な社会構造を構築していくためにも継続的に一定した出生率を保っていくことが非常に肝要である、このようにも考えておるわけでございます。そこで、家庭を築き子供を産み育てていく人々がより喜びを感じることのできる社会づくりが必要でありまして、このためには御指摘のとおり総合的、体系的な取り組みがまず必要である、このように考えております。 こうした観点から、政府といたしましては、関係十四省庁から成る連絡会議を内閣に設置いたしまして、本年の一月に、仕事と家庭生活の調和の確保、子育てに伴うさまざまな負担の軽減、子供を育てやすい住環境等の整備を柱とする関係省庁にまたがる総合的な対策の取りまとめを行ったところでございます。厚生省といたしましては、その趣旨を踏まえまして、本年七月に対策室を省内に設けまして取り組み体制を強化するとともに、多様なニーズに対応する保育サービスの充実、児童手当制度の充実、これはもうこの前倒審議いただいたとおりでございますが、育児に関する相談支援体制の整備等の対策を進めているところでございます。今後とも関係省庁とも連携をとりながら総合的に諸施策を推進していきたいと考えております。
○勝木健司君 ありがとうございました。 厚生省の人口問題審議会でありますが、人口減少問題について基本的な対策を講じるための審議を開始したとのことであります。また、労働省も出生率の低下で今後労働力不足となることから、中長期的な視点での雇用労務対策を審議する雇用問題政策会議というものを開催されたとのことでありますので、そこで、この審議会なり政策会議ではどのようなことが今論じられておるのか、またどのような対策がいつごろ打ち出されるのかということ、またそういう見通し等々も含めて大まかな概要についてそれぞれ御説明いただきたいというふうに思います。
○政府委員(大西孝夫君) まず、人口問題審議会の関係についてお答え申し上げたいと思います。 御指摘のように、去る七月十二日に会議を持ちまして、そこでは出生卒低下がもたらす社会経済と国民生活全般への影響について検討を行っております。今後ともこの問題に関してさらに検討を重ねるということになっております。なお、出生率対策ということになりますと、結婚でありますとか出産というように個々人の価値観にかかわる問題でもございまして、行政が直接介入すべき性格のものではないということもございますので、主として行政の側としては結婚や子育てに意欲を持つ人々を支えるような環境づくりということを推進したいというふうに考えておるわけでありますが、審議会でもそういう観点を踏まえて、いろいろな影響などについての分析を中心に今後検討を進めていく、こういう方向を向いております。
○説明員(野寺康幸君) 雇用問題政策会議につきましてお答え申し上げます。 雇用問題政策会議は昭和五十四年にできたものでございまして、労使を初め消費者団体等各界の代表を広く集めております用地方自治体の長も入っているわけでございまして、雇用問題という広く社会的な影響を大きく持つようなポイントについて国民全般のコンセンサスをつくるというようなことを目的としております。 現在開いております雇用問題政策会議では、特に今先生がおっしゃいましたように人口が減っていく、そして労働力人口もこれに伴って減っていくわけでございますけれども、そういう労働力供給側の制約が明らかになっている条件のもとでどういうふうに産業界、労働界あるいは消費者の側でこの問題に対応していくべきか、そういう意味のコンセンサスをつくるというものでございます。例えば不要不急のサービスについては甘受するとか、あるいは高いコストを払うとか、そういったような問題を現在議論しておりまして、おおむね来年の初めには結論が出るんじゃないかと思っております。
○勝木健司君 次に、出生率と年金財政の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 年金財政は、その基盤になる合計特殊出生率が二・〇〇を前提としていると思うのでありますが、昨年は一・五七、ことしは一・五三、そしてこのままいきますと、一・四八と低下していくわけでありますが、急速に二・〇〇に回復するのはちょっと無理ではないかと思うわけであります。そうしますと、現行の制度のままでいきますといずれは年金財政に大きな狂いが生じてくるんではないでしょうか。将来、年金の抜本的な改革が求められてくるというふうに思いますが、出生率と年金財政の問題について現在どのように分析をされておるのかお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(加藤栄一君) 平成元年の年金財政再計算におきましては前回の人口問題研究所の推計を使っておりまして、二〇二五年に二・〇〇まで出生率が達するということで再計算しております。本年の六月に発表されました暫定人口推計によりますと、出生率の低下によりまして将来の生産年齢人口の規模が相対的に減少すると見込まれております。しかしその一方、そうした場合に、高齢者雇用でありますとか、あるいは女性の職場進出につきましては平成元年の財政再計算の予測よりも進展していって、これらが出生率低下と相殺関係になるということも考えられます。 したがいまして、雇用動向などを総合的に考慮する必要がございまして、出生率低下の影響のみで現在論じ、また結論づけていくということは適切でないというふうに考えておりまして、このように出生率のみならず、雇用動向でありますとか経済状況を総合的に勘案いたしますと、年金財政が従来の見通しよりも著しく変動していくと一概には言えないのでございますが、今回の暫定推計の結果あるいはさらには来年春ごろ発表の予定されております新人口推計の結果を踏まえまして、年金財政に影響を与える各般の要素に十分検討を加えまして次期財政再計算を行ってまいりたいというふうに考えております。
○勝木健司君 高齢社会の中で社会保障制度の役割というのは国民生活の安定を図ることでありまして、総合的にまたかつ均衡のとれた体系として構想されなければならないというふうに思います。それゆえに、今日の我が国の社会保障制度のあり方を老人福祉に重点を置いてとらえることは極めて大切でありますけれども、一方では次代を支えていく子供たちの健全な育成にも深い関心を払わなければならないんじゃないかというふうに思います。 そこで、乳幼児の時期は人間形成の基礎となる極めて重要な時期である上に、また育児に伴う生活上の制約が大きく、親の年齢も若く、また物心ともに負担が大きいところであります。通常国会でも児童手当法を改正し、三歳未満の時期に経済的支援の重点化を図ったわけでありますが、一方では地方自治体においても各種の支援が行われていると伺っております。その中で、地方自治体が行っている乳幼児医療費に対する公費負担事業についてお伺いをいたしたいというふうに思います。 これはもちろん医療費への経済的な支援の一環として行われているのでありましょうが、支給年齢あるいは公費負担額、支給対象など地方自治体によって格差がある、また公費負担を行っていない地方自治体も多いように聞いております用地方自治体で行っている乳幼児の医療費に対します公費負担事業の実態についてまずお伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(土井豊君) ただいまお尋ねの自治体による乳幼児医療の公費負担の現状でございますが、平成三年七月現在の状況を申し上げます。一この制度を実施しているのは四十都道府県七指定都市というふうに承知をしております。ゼロ歳児までというのが二十三県と三指定都市、一歳児までというのが四県と一指定都市、二歳児までというのが四県と一指定都市、三歳児以上というのが九県と二指定都市、そのような状況に相なっております。 なお、中身でございますけれども、入院、通院に分けまして、その双方を対象としておりますのが三十九県七指定都市でございまして、入院治療費のみを対象としているのが一県というような状況に相なっております。
○勝木健司君 今説明がありましたように、人間形成の基礎となる極めて重要で最も支援の必要性の高い時期に、社会全体で支援をしていかなくてはならない時期に、このように地方自治体によってかなりの格差があるということであります。この実態について厚生省はどう受けとめられておるのか、御見解をお聞きしたいというふうに思います。
○国務大臣(下条進一郎君) ただいま局長から御説明申し上げましたように、それぞれ地方自治体においての状況に異なりがあるのは事実でございますが、この乳幼児医療費の公費負担について、その間にいろいろと状況の異なることを踏まえてそれぞれ自治体が対応しているという結果だと思います。すなわち、乳幼児死亡率の高い低いとか、それから受診機会の多い少ないだとか、また医療を取り巻く状況や財政事情等によりまして当然差が出てくるものと存じておるわけでございます。 乳幼児の医療費につきましては、医療保険制度が全国民をカバーしているという状態の中で、疾病が長期化すると一般の疾病より負担が大きいとされる特別の疾病につきまして、未熟児の養育医療、身体障害児の育成医療、小児がん等の小児慢性特定疾患等を重点的に対象にいたしまして、治療費の公費負担を国の制度として実施しているわけでありまして、そういう見地から、現状の把握といたしましては、国としてはナショナルミニマムを確保しておる、このように考えておるわけでございます。
○勝木健司君 ナショナルミニマムを確保しておるということでありますが、本来こうした措置は地方が行うものじゃないんじゃないか、国が責任を持って行うべき施策であります。自治体がこうした施策を行うのは単なるばらまきというものじゃないか。乳幼児の医療を経済的な理由により妨げることのないように、また乳幼児を持つ家計の負担を医療費の面で軽減をして、安心して子を産み育てることのできるような条件を整備しようという趣旨で行われているものと理解すべきじゃないかというふうに思います。そうであるとするならば、国みずからがやはりこの特別疾病について、今お話がございましたけれども、乳幼児の医療費無料化というものを決断、実施することが必要じゃないか、そういうことがまた出生率の向上にもつながっていくものだというふうに思うわけでありますが、大臣の見解をお伺いいたしたいというふうに思います。
○国務大臣(下条進一郎君) ただいまの説明の中で申し上げたつもりでございますけれども、乳幼児の医療費につきましては、疾病が長期化する等特に手厚い援護が必要とされる特別の疾病につきましては、ただいま御指摘のような従来から未熟児の養育医療などを対象に治療費の公費負担を実施しているわけでありまして、これをそのまま一般の疾病に拡大するということ、すなわち委員御指摘のような無料化を直ちにするということについては、まだ我々の方の立場としては取り上げるわけにはいかないような状態でございます。
○勝木健司君 それでは、次にゴールドプランについてお伺いをいたしたいというふうに思います。 このゴールドプランの達成のかぎとなるのは、何といってもホームヘルパー等マンパワーの確保であろうかというふうに思います。福祉の実施主体となる市町村の財政、マンパワー両面の体制整備ではないかというふうに思いますが、そのほかにも大都市の施設整備にかかわる用地取得の問題など種々の問題が挙げられております。平成十一年度までに達成するためには、どうも現行の施策だけではまだまだ不十分ではないかというふうに思うのでありますが、いかがでありましょうか。 また、新たに検討されている施策があるのかどうかをお伺いいたしたいというふうに思います。
○政府委員(大西孝夫君) 二十一世紀の高齢化社会を健康で生きがいと喜びを持って過ごすことのできる長寿社会としていくためには、社会保障の面だけではなくて、やはり雇用でありますとか教育、住宅などの施策において必要な対策を講じなければならないというふうにまず考えております。そのため、総合的な対応につきましては、昭和六十一年六月に閣議決定されました長寿社会対策大綱に基づぎまして、関係省庁間で密接な連携を図りながら施策の総合的推進に努めてきたところでございます。 その中で厚生省としましては、先ほどお触れになりましたような高齢者保健福祉推進十カ年戦略の着実な実施に努めるということを今大きな柱にしているわけでございますが、そのほかの面につきましても、例えば今回の老人保健法の改正により導入されます老人訪問看護制度の普及でありますとか、それから看護・介護を重視して老人の心身の特性にふさわしい診療報酬を設定するとか、老人保健事業の計画的な推進、さらには介護機器の研究開発、普及などもあわせ行いまして、全体としての充実を図っていくという考え方に立っておるわけでございます。 さらに、平成五年度からは各都道府県市町村におきまして設定されることになっております老人保健福祉計画というものがございますので、その策定に向けて現在鋭意準備しております。今後とも、明るい長寿社会建設のため関係省庁間と連携を保った上での努力を一層努めてまいりたいと思っております。
○勝木健司君 先月の総務庁の行政監察結果によりますと、ホームヘルパー事業の実態について報告をされておりますが、早朝や夜間、休日に派遣している市町村はゼロである。また、平日でも事務整理などを理由に派遣していない日時を設けている市町村が二一・二%ある。派遣希望世帯の要求にこたえていない実態が浮き彫りにされております。これはお役所仕事の最たるもので、こうした発想で仕事をする市町村がある限り、高齢者福祉対策は充実できるものではないのじゃなかろうかというふうに思います。 そこで、厚生省は先月ですか、平成四年度の保健医療・福祉マンパワー対策大綱を発表されまして、看護職員、社会福祉施設職員、ホームヘルパーの確保が緊急を要する課題とされております。しかし、在宅福祉対策の核とも言えるホームヘルパー事業の体制整備はマンパワー確保以前の課題じゃなかろうかということで、早急に取り組まねばならないものと思うのであります。厚生省は、この総務庁の結果報告をどう受けとめておられるのか、そしてこのマニュアル等を作成、指導していく考えはないのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(岡光序治君) 御指摘のような行政監察結果でございまして、これについて私ども正面から受けとめまして、市町村の御理解、それから体制整備も進めながら、できるだけ実態に即したサービスの提供が行われるように持っていきたいと考えておる次第でございます。 どうしてこういう状況になっておるかということでございますが、率直に申し上げまして、ホームヘルパーの事業につきましては、従来家事援助型が中心でございまして、かつ、行う市町村と行わない市町村のばらつきがあったわけでございます。その辺の足並みをそろえなきゃいけないということでございまして、先生も今おっしゃいましたが、平成五年の四月からはすべての市町村で老人保健福祉計画、保健と福祉両面にわたる計画を策定していただく、こういうことを考えております。こういった計画とあわせて実施体制の整備も含めまして、ヘルパー事業を初め各種の在宅対策であるとか施設対策であるとか、体制を整備したいと思っております。 御指摘がありましたように、早朝であるとか夜間であるとか、こういった場合におきましても、ニーズに応じてヘルパーが派遣できるような体制も整備するという方向で対応したいと考えておる次第でございます。
○勝木健司君 今、福祉関係者の間には、この保健福祉対策について市町村格差の拡大が危惧されておるということであります。市町村は全国に三千二百五十余りありまして、人口規模また行財政力あるいは行政需要などによって千差万別であるわけであります。要介護老人、障害者などマイノリティーとも言うべき声なき声の人々の声をどれだけ自治体行政に反映するのかということが憂慮されておるのであります。 先ほどの総務庁の行政監察結果においても、各地方自治体の高齢化対策の総合調整が徹底しておらない、また対策の対象者が不明確である、高齢者や介護者の望む対策が行われていないことなどが厳しく指摘されておるわけでありますので、この結果を厳粛に受けとめていただきまして、ゴールドプラン、社会福祉関係八法改正の本旨を実現するために、自治省などと連携を図るとともに、所要の行財政措置に万全を期していただきたいというふうに思います。市町村分権の結果、市町村によって福祉にばらつきが発生したり、あるいは後退、低下してきては何にもならないわけでありますので、先ほどからありますように、平成五年度四月から老人保健福祉計画の策定が義務づけられておるわけでありますので、この厚生省の計画の策定に際してどう指導されていくのか、具体的にちょっとお尋ねをしたいというふうに思います。
○政府委員(岡光序治君) この計画づくりに当たりましては、国としましては技術的な援助を行う、それから計画策定につきましてガイドラインをっくりまして、実際に計画をっくってもらう場合の参考にしてもらうということを考えております。それから市町村だけでは非常にそういう意味では不十分になる可能性もありますので、県計画もつくってもらいまして、各市町村と県との相連携を図ってもらって、県の応援も得ながら市町村格差が生じないようにしていこうじゃないか、こういうことを考えておるわけでございます。 なお、この計画策定を促進するために在宅福祉サービス推進事業費というものを設定いたしまして、調査のやり方であるとか計画づくりであるとか、そうした調査なり計画をつくるための研修であるとか、こういった事業を実際に予算化することによりまして具体的な支援もしたいと考えておる次第でございます。
○勝木健司君 次に、労働省にお尋ねをいたしたいというふうに思います。 高齢者介護についてでありますが、高齢者介護は国民的な課題であるわけでありまして、女性の就業が増加し、家族の状況が変化する中で、年老いた親の介護の負担は男女労働者にとって身体的、精神的、また経済的に大きな問題となっております。労働者の間では介護のための休業を要望する者が多いわけでありまして、介護休業制度の普及は重要な課題となっておるわけであります。そこで、介護休業制度の普及状況についてまずお伺いをいたしたいというふうに思います。
○説明員(藤井龍子君) 働く人々が自分の親などを介護するために休むことのできる制度、介護休業制度でございますが、これは平成元年二月、私どもの調査によりますと、従業員三十人以上の事業所の一三・六%が導入されているという状況でございます。
○勝木健司君 介護を必要とする高齢者の数は年々ふえ続けていることは各種資料が示すところであります。国民の福祉動向によりますと、六十五歳以上で介護を必要とする高齢者の数は一九九五年度には八十五万人、二〇〇〇年度には百万人と予測をされておるわけでありまして、このような高齢化予測のもとにあって高齢者介護は家族あるいは地域社会、企業、公的システムがそれぞれの役割を果たさなければ対処できない大きな問題だろうというふうに思います。 この中で家族による介護については、その家族構成の職業生活の継続という観点からも障害になってきております。現状では在宅介護の多くは女性が介護負担の大半を担っておるわけでありますが、男子労働者にも四十代、五十代では要介護者を抱える人が三ないしは五割いるとのことであります。 そこで、育児期と同様に、高齢者介護を抱える労働者の就業を援助するための一定期間の休業を認める介護休業制度の普及促進を進めるべきではないかというふうに思うわけでありますが、労働省はこの普及促進を図るために奨励金制度のようなものを含めて早急に検討すべきであるというふうに思います。また、法制化の必要性についてもあわせて見解をお伺いしたいというふうに思います。
○説明員(藤井龍子君) 先生御指摘のとおり、高齢化の一層の進展それから女性の職場進出が増加するに伴いまして、介護休業制度の必要性は大変高くなるものと思っております。 労働省といたしましては、平成二年度から介護休業制度の普及促進事業に取り組んでいるところでございます。具体的にはパンフレット等を作成し企業等に配布、それからシンポジウムを全国で開催する等を行っているところでございます。さらに、本年度におきましては、介護休業制度を中心にいたしまして、企業内の介護に関する労働者福祉制度、これについてのガイドラインを策定したいと考えておりまして、実態調査の実施、さらにガイドラインを検討する会議の開催を行っているところでございます。 それから、法制化の問題は検討すべき将来の課題ではあると思っておりますが、私ども当面は今申し上げたような普及促進事業に最大限の努力を傾けたいと考えているところでございます。
○勝木健司君 平成四年度の保健医療・福祉マンパワー対策大綱における施策を強力に推進するために、厚生省は次の通常国会に看護職員の人材確保を図るための法律案及び社会福祉施設職員、ホームヘルパーの人材確保等を図るための法律案を提出する予定と聞いております。超高齢化社会が目前に迫っておりまして、保健医療・福祉の人材確保は緊急を要する課題でありますが、ぜひともこのマンパワー確保に実効性のある法律案にすべきであると思うわけであります。この大綱と提出予定の法律案はどのような関係にあるのか、御説明いただきたい。 また一方、労働省もマンパワーの確保関連の法案を現在検討しているとのことでありますが、厚生省の考えている法案とはどのような関係にあるのか。また、同じような内容の法律案なら両省で調整をいただいて一本化するべきではないかというふうに思うわけでありますが、それぞれ厚生省、労働省の御見解をお伺いいたしたいというふうに思います。
○政府委員(大西孝夫君) 今先生御指摘のとおり、次期通常国会に看護職員の人材確保を図るための法律案と社会福祉施設職員、ホームヘルパーの人材確保等を図るための法律案の提出を予定してその準備を現在進ませているところでございます。 お尋ねの平成四年度保健医療・福祉マンパワー対策大綱とこの法案とのまず関係でございますが、今申し上げました対策大綱は、看護職員、社会福祉施設職員、ホームヘルパーという当面緊急な確保対策を講ずることが必要な職種につきまして、予算面、それから財投といいますか融資の面、税制等非常に総合的な各般にわたる対策を掲げまして、そのうち法律的な裏づけが必要であるとか、あるいは法律に規定することが望ましいというような項目を取りまとめたものを法案としてまとめたい、言うならばその大綱のといいますか、総合的な対策の一環として法案も位置づけてまいりたいというふうに考えております。 それから、労働省との関係につきましては、現在、事務レベルでいろいろ話し合いをさせていただいておるところでございますが、それぞれ私どもも先ほど申しました方向で法案を用意しておりますし、法を形式的に一本にしてしまうということは、これから検討の課程で議論することではありますが、いろいろまだ内容的にも難しい点もあるようでございまして、むしろ私どもとしては、それぞれの法案が内容的に十分整合性がとれてそれぞれが補完し合って目的達成に寄与するというようなものにしていきたい、そういう方向で両省間今後とも十分調整を図りたいというふうに考えております。
○説明員(野寺康幸君) 先ほど申し上げましたように、一般的に労働力が非常に不足している状況でございます。さらに、今後労働力人口が絶対的に減ってまいる状況の中でこの分野の労働力を確保するというのは大変難しいというふうに思っております。労働力の確保につきましては、もとより労働省設置法上全体的な義務を負っているというふうに考えておりますけれども、過去におきましても、個別対策として不況業種でございますとか炭鉱でございますとか、あるいは建設業でございますとか、各種の対策を講じてまいりました。 この看護・介護の分野につきまして現在労働力の不足が生じているわけでございますが、その一つの大きな原因は、労働条件を初めとする雇用管理の立ちおくれにあるというふうに思っております。労働省といたしましては、そういった観点から、この分野の雇用管理を改善する、そしてその上で労働力需給のミスマッチをなくす、つまり資格を持っていながら働いていないような方々が働きやすくするような条件づくりをするといったようなことが必要であるというふうに思っております。 そういう意味で、雇用管理の改善を中心とした法案を考えておりますが、厚生省との間におきましては現在折衝を行っておりますけれども、厚生省がお考えになっている福祉マンパワーの確保あるいは看護婦さんの確保対策が内容的にオーバーラップするものがございますれば、これは同じものについて複数の法律をつくる必要はないわけでございますから、そういうことであるならば両者が一致協力して、両者の政策を動員して一つの法律をつくるべきである、こういうふうに思っております。
○勝木健司君 時間も来ましたので、最後にお尋ねをいたしたいというふうに思います。 年金福祉事業団の関係でありますが、証券会社が損失補てんした法人の中に年金福祉事業団の名前があったわけでありまして、証券不祥事の渦中にこの年金福祉事業団の名前を聞こうとはよもや夢にも思わなかったわけでありまして、私たちにとっては一様に驚いてまた心配をしたというのが実感ではないかというふうに思います。その後衆参の関係委員会で大臣を初めとする厚生省の御説明をお伺いいたしまして、事のてんまつが大方公になったと思いますが、この際ちょっとお伺いをいたしたいというふうに思います。 本格的な高齢化社会に突入しつつある今日、年金福祉事業団の責任はまことに重大じゃないかというふうに思います。厚生大臣も、さきの参議院証券・金融問題特別委員会におきまして、大きな取引を短期間に集中してやるのは自粛するよう指導すると述べておられますが、この年金加入者や年金受給者が将来に不安を覚えることのないように、また国の年金行政が国民から不信の目で見られることのないように、当厚生委員会におきましても改めて厚生大臣の見解をお伺いいたしておきたいというふうに思います。 それと、もう時間がありませんけれども、国民年金でありますが、滞納者が多いとか、あるいは保険料を免除されている人もおるということで、公的保険制度が形骸化していく危険性があろうかというふうに思っておるわけであります。それと同時に、また学生も今回強制加入になったわけでありますが、加入率もまだはかば、かしくないというふうに聞いておるわけであります。そこで、年金福祉事業団の業務に資金運用事業、施設事業、ほかに融資事業というのがあるということでありますので、この融資事業の中に学生向けの年金貸付制度を創設すべきじゃないかというふうに思います。 この学生の保険料徴収率が低いということでありますので、こういう形骸化を防ぐ意味でも、二十歳のときの加入率を上げておかないとますます国民年金が形骸化をしていくわけでありますから、年金福祉事業団が学生に融資を行うことによりまして、国民年金の形骸化を防ぐことができれば、一連の証券不祥事の問題からの信用回復にもつながるわけであります。また、国民の間にある年金福祉事業団が受けた損失補てんを社会に還元すべきじゃないかという声にもこたえることができるのではないかというふうに思うわけでありますが、厚生大臣の御見解なり御答弁をお伺いして、私の質問を終わりたいというふうに思います。
○国務大臣(下条進一郎君) 国民の大事な年金のいわば基本である資金をお預かりしている年金福祉事業団の件についてのお尋ねでございますが、この問題は既に衆参の予算委員会その他の場所でお答え申し上げまして、そこで大体概要は御理解いただいておると思いますけれども、長期的に貴重な資金を安定的に運用して、年金を掛けていらっしゃる方々に御不安のないようにしなけりゃならないというのが年金事業団の本来の目的でございます。 もちろん、その付随業務といたしまして融資制度とかその他の業務もございますけれども、長い目で見れば何が大事かといって、やはりお預かりしているその年金を大事にしていく、こういうことでございます。 その運用は、御承知のように自家運用、自主的に扱える分野でございまして、これが一兆二百三十億、この分については投資顧問会社のサゼスチョンを受けて自家運用をするということでございますので、しかも、それが公債その他のものに限定されておりますので、株の投資その他には活用できません、制度上。したがって大きな損失を受けることはないわけでありますけれども、また同時に大きな利幅を稼ぐこともできない、こういうことで、非常に堅実な運用をしておったわけでございます。したがって穴をあけたことはほとんどないというのが現実でございます。 ただ、御承知のようにどうやって利幅を稼ぐかということになりますと、市場の動きに応じてこれを活用するということでございますので、活用できる資金が今申し上げたように一般の投資家よりははるかに規模が大きいわけでありますので、その規模の大きい立場から少ない利幅をいかに有効に利用するかということであるならば、これは当然その相場相場の場所を敏感にキャッチいたしまして、それを活用して利幅を稼いていける取引ということに相なるわけでございます。これがいわば先ほど御指摘がありましたような日ばかり取引と申しましょうか、そういうその日のうちの大口の取引ということになるわけでございまして、これが一時期に集中したということで、これは不正常ではないかということをもう一方の証券の方の立場から、あるいは税の立場から言われておるというのは事実でございますので、これは年金事業団としては適切な処理をしておりましたけれども、そちらの通念がもそういう御指摘があるならば、これはやはり誤解を受けることのないように今後そういう分野は自粛してはどうか、こういうことを私が申し上げたわけでございます。 今後も、大事な資金をお預かりしている立場でございますから誤解を受けることのないように、そして長期に安定的に国民の大事な年金資金をお預かりしている立場から確実な運用をしていくように相努めなければならない、そのように指導してまいりたいと思っております。 それからなお、自家運用というのは私は非常に大事だと思います。これがまだ始まって期間が短こうございますけれども、今後もこの分野は私は国民のためにも充実していく必要がある、このように考えております。 それからもう一つは、御指摘の国民年金の問題でございますけれども、その中の学生の年金の問題についての加入率が十分に伸びていないじゃないかという御指摘でございますが、これは委員御承知のようにことしスタートしたばかりでございますので、まだPRも不足の部面もあろうかと思いますし、その他ことしのスタートの結果をもう少し様子を見た上でさらにこの普及にこれからも取り組んでまいりたい、このように考えている次第でございます。
○政府委員(加藤栄一君) 学生適用に伴いまして学生の保険料の問題でございますが、学生本人とその親元世帯全体として負担能力の有無を判断いたしております。負担能力のない学生さんにつきましては特別の免除基準を設定いたしまして免除することにしておりまして、また免除されました学生さんについては就職後等に保険料を追納いたすということで、保険料計算上も損にならぬように考えておりますので、こちらの方を主体として対応してまいりたいと考えております。
○沓脱タケ子君 それでは、しばらくの時間でございますので問題点を絞ってきょうはお伺いをしたいと思います。 ちょうど年に一回の敬老の日が目前に迫っております。敬老の日を前にして、本当に明るく豊かな長寿社会というもの、これはお年寄りはもちろん国民全体から切実に求められているものでございます。そういう中で私はきょうは、高齢者の切望する課題の一つであります白内障、とりわけ老人性白内障の眼内レンズ――人工水晶体ですが、これの保険適用の問題に絞ってお伺いをしたいと思います。 大阪の堺市に住むひとり暮らしの高林さんという七十六歳の女性がこう言っているんです。手術をした方の目は世の中がぱっと明るくなるようによく見えます、でもお金が足らぬからまだ片方だけしかしてないんです、こういうふうに寂しく話している。実にせつない話であります。既に衆議院でも、また本院でも我が党の上田耕一郎議員の質問主意書が出ておりますが、いろいろとその御答弁を伺っておりまして、どうも納得しにくいものですから改めてお伺いをしたいと思います。 まず、高齢化社会を迎えまして、老人性白内障というのは全国的に見ますと、程度の差こそありますが二百万から二百三十万程度に上っているんではないかと言われております。現在、白内障の手術をしておりますが、そのうちの八割から九割ぐらいが眼内レンズ、いわゆる人工水品体の挿入術がやられているというのが眼科の専門家の推定数でございます。その数というのは年間二十万から二十五万と言われておるようでございますが、これは厚生省の御認識と違いませんか。どうでしょうか。
○政府委員(黒木武弘君) 白内障眼内レンズの状況のお尋ねでございます。 私たちは直接調査をいたしているわけではございませんけれども、諸統計から推計いたしますと年間の眼内レンズの手術の件数は約二十万、それから白内障手術全体の件数が二十五万というふうに考えられますので、御指摘のように白内障手術後の眼内レンズ装着率と申しますか、普及率は八〇%程度ではないかというふうに推測をいたしております。
○沓脱タケ子君 厚生省はちゃんと調査をしてないけれども八〇%程度だとおっしゃっておりました。私、大阪のこれはある総合病院でございますが、大変よくやっておられる眼科で白内障の手術の件数を調べてみたんです。 そうしますと、平成元年は、白内障の手術の総数が千五百四十八件ですが、そのうち眼内レンズを入れたのが千四百五十二件で九三・七%です。それから平成二年の統計を見ますと、総数千五百三十四件の手術の中で千四百七件、率にいたしまして九一・七%です。ここの眼科は、一般的に白内障の手術患者を全部開業医の先生方も紹介するようなところのデータでございます。厚生省は詳しい調査をなさらなくても大体八割程度と言っておられる。よくやっている眼科のところで見ますと九割を超しているというのが実態だと思うわけでございます。こんなによく普及しているというのに、最初に申し上げたように高齢者の嘆きが出てくる。片方はやってもろうたからよく見えるけれども、片方はお金が足らぬからまだ手術してないんだ、こういう嘆きが出てくるというのは、やはり保険適用がなされなくて自費診療になっているからこういうことになっているんだと思うんです。 そこで具体的に聞いておきたいのは、厚生省はこの片眼の手術で眼内レンズ挿入の手術をしていくとどのくらい経費がかかっているというふうに把握しておられますか。
○政府委員(黒木武弘君) 眼内レンズの埋め込み手術にかかる患者負担でございますが、いわば料金でございますけれども、片眼当たり手技料で約十万円、レンズ代が五万円、計十五万円程度だというふうに承知をいたしております。
○沓脱タケ子君 大体その程度のものになっているように私どもも伺っております。 この人工水晶体、眼内レンズというのは一九八五年に承認許可されてから急速に広がったんです。八五年以降はまだ十年たってないんですが、数年の間に大変急速な普及がなされた手術のようでございます。眼科医の御意見を伺ってみますと、手術が大変安全だ、もう安全性が確保されている、しかも手術をすると大変治療効果が顕著に上がる、それは特殊な手術じゃなくて多くの医療機関でやれるようになっている、そういうことがあるので急速な発展を見たと言われておりますが、この点は厚生省はどのように認識をしておられますか。
○政府委員(黒木武弘君) 私どもも、諸統計で見る限りにおきましては、この普及というのは相当な勢いで進んでいると思っております。
○沓脱タケ子君 そういう点では、ほぼ基本的な状況については厚生省と認識が一致しているということを確認しておきます。 私は、従来型の手術でどうなっているのかなと思って、眼科のことがさっばりわからぬものだからいろいろと聞いてみましたけれども、従来の手術でございますと、水晶体を摘出したら視力がほとんどなくなるわけです。特殊な人以外はほとんど見えなくなるそうです。だからやむなくソフトコンタクトレンズを入れるとか、あるいは眼鏡をつけるということをやって視力を補正してやっと日常生活ができるという状況のようでございました。 ところが、眼鏡は大変度が特別に厚くなるものだから、それを使うと視野がうんと狭くなるとか、周りがゆがんで見えるとかという大変な欠点があってお年寄りにはかけづらいという問題がある。それからもう一つは、コンタクトレンズは、これはソフトコンタクトレンズでなければお年寄りはとても扱えないものだからソフトを使うそうですけれども、これは大体一年に一遍ぐらいはかえなきゃならぬそうですね。しかも、かえるまでほっておくんではなくて、時々は眼科へ行って洗浄してもらって入れ直してもらうとかというふうなことを継続的にやらなかったらとてもじゃないけれどもこれは使えない。もうだんだん面倒になってきて結局はコンタクトレンズを外してしまう。だから、片眼の人はよろしいけれども、両眼になるとほとんど日常生活も不自由なままになるという状況があるそうでございますし、下手に扱って角膜潰瘍を起こして、そのために逆に失明を起こすというふうな欠点もあるんだということを専門家から聞いております。 そういう状況の中で、医学医療の進歩によって、眼内レンズを埋め込むということによって従来の欠点がすっかり取り除かれるという、治療効果が抜群の高さになったので急速な普及を見たと考えるんです。私どもの同僚議員の中でも眼内レンズを入れて視力を回復して非常に喜んでおられる方、あるいは私どもの周辺の友人、関係者の中にもそういう方々がたくさんおられます。そういう点は、従来のやり方よりは格段に治療効果の上がるものだということは厚生省御認識になっておられますか。
○政府委員(黒木武弘君) 眼内レンズの適用の評価でございます。 これも私事で恐縮ですが、現に、宮崎の母ですけれども眼内レンズを入れまして、従来の眼鏡に比べて格段に視野も広くなったし明るくなったし便利だと申しておりますので、この技術の優秀性というのは私も実感として否定するものではないわけでございます。 ただ、これはもう沓脱委員の方がよく御存じでございますが、白内障の手術をいたします場合に混濁した水晶体を摘出いたします。これによって視力が回復するわけでございます。しかしどうしても視力低下の状態というのは残るわけでございます。これに対して、患者さんの症状によって、例えば子供さんであるとか、あるいは感染症があるという方には埋め込みレンズは無理だと聞いておりますので、いかにすばらしい。技術でもやはり限界はあるわけでございます。眼鏡あるいは不便でもコンタクトレンズ等々が必要な方もあるわけでございますから、優秀性は否定できませんけれども限界はあるというふうに承知をいたしております。
○沓脱タケ子君 聞いたことだけ答えてくれんと、時間短いんだから。私は眼内レンズを埋め込んだら治療効果が大変よく上がるものだということを認識しておられますかということだけ聞いた。そのことは、あなたのお母さんの例でもはっきりしているので認めざるを得ないでしょう。にもかかわらず、一〇〇%眼内レンズの手術になっていないということに問題があるんですね、あなたがおっしゃるところ。やっぱり眼球の構造上の個人差があるそうですし、あるいはその他の眼の疾患どの関係で入れられないという方もあるそうです。 だから、専門的に紹介をされて、何とか眼内レンズを入れてやってくれいって紹介されてきた患者さんでも、手術をしてみたら高いとろで九二、三%しかいっていない、それ以外の方々はしてあげたくてもできないという条件の患者さんがおるん一です。これは百も承知で聞いているんで、時間短いから余り尋ねんことを答えんといてくださいよ。本論へ行かんと余分のことを言うたらこっちもかなわんですがね。 それで、今日の社会で、医学医療の進歩によって治療効果が高くなるという、いわゆる医療行為とか医療技術、こういうものが確認をされてきたら、今日我が国では皆保険の時代ですから、当然のこととして保険適用がやられるのが当たり前だと思うんです。だから一日も早く眼内レンズ、人工水晶体を特定治療材料として健保に適用して、いわゆる眼内レンズ埋め込み手術、これの保険適用をするべきではないのかというのが、これは全く当たり前の考え方だと思うんですが、その点について御見解を伺いたいんです。今まではどうも妙なことを言っておられて、やる気はないみたいなお答えですから、その点どうですか。
○政府委員(黒木武弘君) 白内障の患者さんで視力を回復するために、先ほども申しましたように混濁化した水晶体を摘出するわけでございます。それに対して視力低下の状態が残存をしている、これに対しまして眼鏡とコンタクトレンズ、それから手段として埋め込みレンズがある、こういう形になっておるわけでございます。 確かに埋め込みレンズが普及いたしておりますけれども、私どもは、眼鏡は自己負担、それからコンタクトレンズも自己負担の形で給付外にいたしておるわけでございまして、そのバランスから見ましても、私どもはこれを直ちに保険導入していくことは非常に困難であるということで、かねがねからお答えを申し上げているわけでございますけれども、今もその考え方には変わりございません。
○沓脱タケ子君 およそおかしいんだよね。非常にすぐれた医療技術が明らかになって、世界的にも一般化してますから、それで患者さんの八割九割までもそれを受けて治療効果があって喜んでいる。だけれども、眼鏡もコンタクトレンズも保険適用してないからそれもやる気はありません、こんなもの通りませんね。本気で言ってるのかなという気がしますよ。 それじゃ同種のものはないのかといったら、人工臓器の埋め込みによって保険適用している事例はいろいろありますね。例えば心臓のペースメーカーだってそうでしょうが。あるいは心臓の人工弁の埋め込みの手術だってそうでしょうが。あるいは人工関節の埋め込みだってそうでしょうが。ほかのところやっているんだから、同じなのにどうして白内障のレンズの埋め込み手術だけは保険適用する気がないか、全然わからぬですね。私も医者の立場を離れたかて常識的に考えても全くわかりませんよ。 これらの既に適用されている事例から考えて違いは何かなと思ってみたら、数は圧倒的に違います、確かに。それは心臓の人工弁の埋め込みの率と白内障の数といったらもう格段に違います。それぐらいのことで、医学上の問題というのは何も遣わぬなと思うんですが、なぜいつまでもそういう同じこと言っているんですかね。私はちょっと不思議な気がしているんですよ。学問的にあるいは科学的に、また治療上も何も異議がないのにどうしてやれないのかな。 眼科医会あたりでも、私の調査した範囲では昭和六十一年の九月以来ずっと要求出ているんです。なかなか複雑な状況にあるようですけれども、出ているようです。それはそうですよ。もう世界じゅうで一般化していて、患者は喜ぶし、だれでもやれるというふうに技術が一般化している、安全な手術になっておるということになったら当然要求として出てくると思うんですが、なぜそれができないんですかね。 今ある白内障の手術、点数決めてますね。それに何が要るんやいって眼科の専門家に聞いてみたら、眼内レンズの費用と眼内レンズを挿入する技術料、その上に、これは私よくわからぬけれども、粘性物質の薬剤を入れるんだそうですがその費用、それが加算されたら保険適用ができるんやと、こう言っているんですが、なぜいつまでも、眼鏡とかコンタクトレンズは適用してないから――人工レンズの埋め込み術、全然眼鏡やコンタクトと違うんですね。体の中へ埋め込んでしまうわけですから、本人が出したり入れたりできるものじゃないんです。全く普通の手術なんですね。それを埋め込んで手術が完了する、完成をするという種類のものなんです。それをどうして適用するということにならないんですか。
○政府委員(黒木武弘君) この取り扱いについては確かにさまざまな見方、御意見があることは承知をいたしております。私どもの現在の整理で申し上げますと、繰り返しになりますけれども、白内障患者の混濁した水晶体、これで視力が低下しているわけでありますけれども、これを摘出するというところまでが医療サービスでございまして、これは給付でございまして、この摘出までは保険の対象にいたしておるわけでございます。さてその後は眼鏡かコンタクトかそれから眼内レンズかという選択になる。したがって、その後については、何と申しますか、そのバランス上からいって給付の対象外の扱いとせざるを得ないという形の整理になっているということでございます。これは確かに議論があるところで、何回も何回も各方面の意見を聞き、あるいは中医協でも御議論をいただかなきゃならないテーマだと思っております。 何度もくどいようですが、なぜだめかということでございますけれども、眼鏡なりコンタクトの適用の患者もおられまして、そのバランスからいって、片一方は自己負担、片一方は給付ということにはなかなか整理として私どもはならないという困難な壁があるということは御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○沓脱タケ子君 いや、それはずっとそう言っているんだね、眼鏡とコンタクトレンズには保険適用してないから、もし眼内レンズの手術を保険適用にしたらバランス上ぐあいが悪いんやと。両方考えたらええ。何も眼鏡もコンタクトもほっといたらよろしいと私は言おうと思ってない。しかし、八割九割に治療効果の上がる眼内レンズ埋め込み術を保険適用にして、ほかをほっとこうと思うからそんなことを言うんですよ。 だって、さっきも言うたでしょうが、ソフトコンタクトを入れるためには、患者さんは自分でできへんのですよ。何か一つが二万円ぐらいする高いものらしいです。それでも一年しかもたへん。一年たったらまた新しいのにかえてもらわにゃいかぬし、埋め込んだらそのままほっといたらええんと違うんです。再々眼科へ行って、外して洗浄してもらって、目に異常はないか、眼球に異常はないかということを検査してもらって何遍も何遍もつけているんですよ。それを今まで適用しておりませんと自慢みたいに言うたら困るんだ。何でほってたんや、逆に言うたら。コンタクトレンズの方も眼鏡の方も、特殊な眼鏡ですね、いわゆる特殊眼鏡ではないようですけれども、私や皆さんがかけている眼鏡とは質が違いますわね。そういうのをかけているのは御自由ですといってほってあるんですね。それをほってあるから、せっかく立派な手術が完成してもこれはできませんて、そんな理屈は通りませんで、本当に。 余り時間もたくさんないから少し具体的に聞いておきたいんですが、ちょっと角度を変えて聞くんですが、保険適用をすると大体金額はどのぐらいかかるんですか。さっき十五万ぐらいは眼内レンズを入れたらかかるとおっしゃいましたね。それで二十万件ぐらいやっている。そうしたら大体財政上から考えて、それ単純計算したら三百億になるんですね。三百億でしょう。そういう財政上の問題がネックになって余り理屈の通らぬような、筋の通らぬようなことを四の五の言って過ごしているのかなという感じがするんですが、大体金額は私が申し上げた程度ですか。
○政府委員(黒木武弘君) 全くの推計でございますけれども、一人三十万、一眼十五万でございますから二眼入れるとして三十万、患者数が年間十万ということで試算をいたしますと、三十万掛ける十万人で先生御指摘のとおり約三百億ぐらいの財政影響があろうかと思っております。
○沓脱タケ子君 患者十万、まあ十万でもええんだね。何人というより目が二つあるから、片方で済む人と両方せないかぬ人と病状によって違いますから。二十万件というのは二十万人じゃないんですね。だけれども、十万人と限定してしまうとぐあいが悪いんだけれども、二十万の目の手術をすると、二十万件で今おっしゃった三百億、その三百億というのが簡単じゃない、財政上の問題にネックがあるんですか。どうもわからぬのですが、それはどうなんですか。
○政府委員(黒木武弘君) 新しい技術だとか材料を医療保険に導入します場合に、私どもは財政上の影響というものももとより念頭に置くわけでございますけれども、医療保険の目的が患者さん方、被保険者の疾病とかあるいは負傷に対します、保険事故に対する保障でございますから、私どもは財政的理由よりもその導入の社会的合理性と申しますか、妥当性と申しますか、必要性というものですか、そういうものを重点的に考えているわけでありまして、今回の眼内レンズにつきましても財政影響からこれを保険外にしているということではなくて、先ほども申しましたようにどうしても一線越えがたしバランス論があるわけでございまして、ここのところに大いに議論を尽くさねばならない、こういうことでございます。
○沓脱タケ子君 財政上の問題はちょっと後で突っ込みたいんですが、局長、あなたずっと言っておるんです、バランス論バランス論といって。厚生省は随分やぼな態度を貫いておられるし、一方ではお年寄りは、お年寄りの社会的な状況からと言うけれども、お年寄りだから光を取り戻させてあげるということが最大の問題だと私は思いますよ。お年寄りやったら少々不自由な眼鏡でもコンタクトレンズでもあるのやからそれでやったらよろしいなんというような、そんな冷たい態度をとっちゃいかぬですよ。厚生省が余りおやりにならぬものだから地方自治体は見かねて、患者の要求にたえかねて随分いろいろ苦労しておられますよ。 これは後で数字も言いますけれども、私は、ことしの七月現在で入手をした助成の実施地区と助成内容を見ましてさすがだと思ったんです。眼内レンズだけの補助をしているというようなところの方が少なくて、大部分は、例えばこれは宇都宮市です。眼内レンズ一眼三万六千円、特殊眼鏡一対一万五千円、コンタクトレンズ一眼一万二千五百円と、ちゃんと三つの条件をそれぞれ保障しています。もちろんこれは所得制限等はありますよ。しかしそういうふうにやっている。あるいは千葉市でも同じです。眼内レンズ一眼三万五千円、特殊眼鏡一対三万円、コンタクトレンズ一眼二万五千円。船橋でもやはりその三つをちゃんと 並べて、金額はそれぞれ違いますけれども、眼鏡とコンタクトレンズは適用していないから眼内レンズもやりませんのやという厚生省の態度と違うんです。 三つの条件が要るからということで、地方自治体は大概苦労してみんなそうしています。眼内レンズの補助だけの町や地域もあります。大部分がそうしていますね。だから、厚生省何考えているんだと思うんですよ。だってさっき言うたように、コンタクトレンズなんというようなものをつけたら、二年で必ず入れかえんならぬ。一週間や十日に一遍は行って洗浄してもらわにゃならぬ。治療の継続なんですよ。そやのに何もしていないというのはおかしいじゃないですか。 私は、眼内レンズについては、それを挿入して手術を完了すると大変すぐれた効果が出るんだからこれは保険適用をして、眼鏡やコンタクトレンズなんというのは、これは療養費払いという制度も活用できるんだから、そういうことでアンバランスにならぬような対応を考えりゃいいじゃないですか。地方自治体はちゃんと先行して考えてやっていますよ。その点どうですか。
○政府委員(黒木武弘君) 地方自治体はそれぞれの立場からそれぞれの目的でいろんな政策を展開されておると思いますけれども、私どもは国の施策として整合性ある形で施策を考えざるを得ない立場であるわけであります。つまり、保険給付としての公平性とか妥当性の見地から発想をしていかざるを得ないわけでございます。 コンタクトレンズ、眼鏡等も保険の範囲に入れたらというような御指摘もあったわけでございます。私どもは、従来からこれについては給付外にしているわけでありますけれども、どちらかというとコンタクトレンズ、眼鏡等は日常生活上矯正的機能を有する器具としてお使いになっておるということでございまして、疾病、負傷に対する治療という本来の保険目的からやや外れた概念として整理をいたしているわけでございます。かてて加えて長年給付外に、もちろん外国では給付にしている国もあるわけでありますけれども、我が国の長年の医療保険の考え方はそういう形での整理をずっとしてきているという、私どもはそういう枠組みの中でこの問題をどうするかということを考えざるを得ないわけでございます。 確かに地方自治体では意欲的に取り組まれ、私どもにもこれが医療保険適用方の再三御要望もいただいていものは事実でございます。さらにいろいろ問題を残しているわけでございますけれども、検討は続けなきゃならない事項だというふうに思っております。
○沓脱タケ子君 それで、時間が残り少なくなったのでさっきの財源問題、財政問題をちょっと聞いておきたいんですが、結局三百億、現行の二十万件で三百億ですけれども、高齢化社会でどんど人ふえていくことはもう予測にかたくありませんよ。それが四百億になり五百億になっていくに違いないと思うんです、現行はきっちりした数字はわからないけれども。そうすると、診療報酬でこれをやるということになったら大変だなと思うんです、私率直に言って。だって、眼科医療の領域というのは総医療費の中のせいぜい四%前後でしょう。四%内外ですね。だから、十八兆の四%いったら七千億前後でしょう。六千億から七千億ぐらいでしょう、眼科全体のものは。もっとあるんですか。その中で新たな医療費として四百億、五百億という金が要るということに、加えられるということになると、この窮屈な診療報酬の枠の中で他の眼科分野の医療費はどうなるか。値上げは抑えられぬのと違うか、改善してもらわなきゃならないところが改善できなくなるということの圧迫は当然出てくると思うんです。 これは私も具体的には言いませんけれども、いろいろやっています。日本医師会だって他の科に影響されたら困るから、これはもう今までの枠の外でやってもらわぬと困るというようなことも言っているそうですね。それほど医療費というのは事細かくやられているのが現況でしょう。それ答えますか答えませんか。私、知っている範囲だから言っている。 だから、この六千億や七千億の中で四百億、五百億という眼内レンズ手術が保険適用されるということになったら大変やということになって、眼科医会でも問題になり、医師会に言ってもそんなものえらいことやなと。内科や外科みたいな大きなパイを持っているところやったら少々はいいけれども、眼科みたいな小さい科ではパイも小さいから大変なんやし、これはやっぱり枠の外へ出してもらう以外にないよという、こんなやりとりばっかりしているんです。 これは私非常に大事な点だと思うのは、患者が切望していて、もう医療技術としては安定して、しかも治療効果は抜群、安全性が確立しているというふうなこんな優秀な技術を、四百億や五百億、そういう金のために保険適用を抑えて、冒頭に申し上げたように、片方は手術したけれども片方はお金がまだないからできませんというようなことを放置することは今日の日本の社会でいいだろうかと思うんです。その辺で私は一つ考えなければならないのは、眼科の領域というか、診療報酬の範囲の眼科の中でその分を何とか考えようといったって絶対無理です。だからその枠の外で、高度に発達した医療技術を保険適用して、国民皆保険の時代にだれでもが適用できるように、享受できるように早く道を開くべきであると思うんですが、まず局長、御見解を伺っておきましょう。
○政府委員(黒木武弘君) 医療費の財源、私どもから申し上げれば貴重な財源をどういうところにどういうふうに配分するかという問題でございます。 診療各科のバランスあるいは病診のバランス等々を含めましてまさしく中医協で熱心に御議論いただき、将来のあるべき医療の姿を念頭に置いて御議論いただいた上の結論ということを私どもはちょうだいした上で診療報酬点数の改定という形で行政を進めさせていただいておるわけでございますけれども、いろいろ御示唆に富むお話もいただいたわけでございますけれども、私どもも真剣に今後の医療費の配分あるいは医療の方向を見定めながら検討を続けてまいりたいというふうに思います。
○沓脱タケ子君 もう時間ありませんので、最後に大臣にお伺いしたいんですが、大臣ずっとお聞きをいただいたとおりでございます。この問題に対するお年寄りの要求の強さというのは、光を取り戻したいという要求の強さというのは大変強いんです。そういう強い要求に押されて、地方自治体が苦肉の策でさっきも申し上げたように随分たくさん施策をやっています。 これはことしの八月の調査ですが、全国で二県、三十四市区町で助成を実施しています。きょうの報道によると、東京都も知事が助成の検討をするということを言われたそうです。地方自治体の決議、それを何とかしてくれという決議が百十九自治体です。保険適用を求める政府への意見書、これが二百七十件です。この間、大阪府の市長会でもちょっと聞いたら、厚生省への要望の中にことし初めて眼内レンズ挿入移植術を保険適用にしてもらいたいという要望を掲げた、こう言っているんです。国民の切望、これはもう本当に広がっています。 したがって、地方自治体等で実施もし、あるいは決議もしているというようなところでは世論は整ってきています。患者は切望しています。さっきからお聞きのとおり学問的には全く問題がなくて、眼科医会からも要望が出ているし、不安がない。金をどうするんやという財政問題だけでこれがどうも踏み切れないというのが随分慎重に発言をされている局長の御答弁からも読み取れますが、そういう点で大臣、敬老の日目前なんです、冒頭に申し上げたように。お年寄りに本当に光を与えるという大切な仕事なんです。これはお金の問題もあります。財源問題が一番大事なんですから、そこがネックなんです。そういうことを御理解をいただいて、大臣、責任を持って来年の診療報酬の改定までに踏み切ってもらいたいと思うんですよ。四百億や五百億の金で全国の数百万のお 年寄りたちの光を奪ってはならぬと思うんですよ。そういう立場でひとつ決断を大臣にお願いをしたいと思いますので、大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) 委員も眼鏡をかけていらっしゃいますし、私も眼鏡をかけておりまして、目の悪い立場の気持ちは相通ずるものを持っていると思います。今御議論の中で、ポイントは眼内レンズを保険上の取り扱いにせよというお話でございますけれども、これは全体的に言えば診療報酬の中での問題と、このように受けとめておりまして、従来より中医協において幅広い視点からその合理性について御議論いただいているところでありまして、どのような医療技術、医療材料を保険給付の対象とするのが適当かという点を含めて今後も十分に御議論を、いただけるものと考えております。 眼内レンズの保険適用については、既に局長からも御説明申し上げたような問題点もあることから、このような問題点を検討しつつ、中医協の御議論も踏まえまして適切に処理をしてまいりたいと思っております。
○沓脱タケ子君 それじゃ終わります、時間ですから。
○粟森喬君 まず、私は障害者福祉問題についてお尋ねを申し上げたいと思います。 来年、一九九二年は国連障害者の十年の最終年でございます。これへ向けまして、七月三十一日に中央心身障害者対策協議会が、この対策本部が総理府に設けられていることもありまして、総理大臣あてに提言をしているわけでございますが、私もこれを読ませていただきまして、もちろん本問題は単に総理府の問題というより厚生省が主たる行政として推進をしなければならない性格だと思っています。そんな立場で基本的なことやあるいはこれからのあり方について幾つかお尋ねを申し上げたいと思います。 まず一つは、過去の論議の中でも何回も出ているわけでございますが、アメリカでアメリカ障害者法、いわゆるADAというものがつくられました。これに対して日本は、今の現状、心身障害者対策基本法があるからこのようなものは要らないという過去の答弁でございます。ここで非常に重要な違いがあるのは、日本の心身障害者対策基本法というのは、国や地方公共団体の責務、心身障害発生の予防、保護、教育などをやる。ADA法は明確に障害を持つがゆえの社会的な差別を禁止する。ここに私は目的の違いが明確にあると思うんです。私はこの違いというものを前提にしたら、この答申の中でも幾つかのところでは抽象的にその種のものが必要ではないかというような表現がございますが、厚生省として最終年に向けてその基本的な考え方、ADA法に準ずるようなものをつくる考えはあるかないか、そこをお尋ね申し上げたいと思います。
○政府委員(末次彬君) お答えの前提といたしまして、若干このADAについて御説明をいたしたいと思います。 ADAは、一九九〇年七月に大統領の署名を得て発効したわけでございますが、この法律は障害の種類を問わず雇用、公共交通機関、公共的施設、電信リレーサービスといった四つの分野におきまして障害に基づく差別を禁止するという内容を持っておりまして、これらに関しましては合理的な理由なくして障害を理由とする差別を禁止すること、それから公共の用に供する交通機関、これにつきましては障害者が利用できるように駅舎、車両等に必要な配慮を行うこと、それからホテル、レストラン、劇場、図書館等の公共の用に供する施設につきまして障害者の利用について必要な配慮を行うこと、電話会社に対しましては電信リレーサービスの提供を行うこと、こういった個別の限られた分野につきまして個々の事業者においてその負担でこうした措置を講ずるように求めたものでございます。 他方、心身障害者対策基本法、これは今委員御指摘のとおり、障害者対策に関する国、地方公共団体の責務を明らかにすると同時に、障害の発生予防に関する施策、医療、教育、雇用、年金等非常に広範囲な分野にわたりまして障害者に関する施策の基本となる事項を決めて、障害者対策の総合的推進を図るという目的を持って制定されておりまして、これを受けまして、個々の分野におきましてはこの理念に即しまして、例えば福利の分野では身体障害者福祉法、精神薄弱者福祉法、雇用の分野では障害者の雇用に関する法律、こういったそれぞれ関係各省庁におきましてこの理念を生かすために必要に応じまして制度的あるいは財政的な措置を講じまして障害者対策の推進を図っていく、こういう体系で取り組んでいるわけでございます。 そこで、七月に中心協から答申をいただきまして、政府におきましても八月に障害者対策推進本部におきまして、この答申に即して実行していこう、こういう決定をいたしたわけでございます。その中に今申し上げましたような分野、必ずしもすべてではございませんが、そういった分野につきましても積極的に取り組んでいこうという取り組みの方向が決定をされておりまして、それぞれ関係省庁におきましてこういった個々の分野におきます施策の推進について取り組みがなされる、こういうふうに理解をいたしております。
○粟森喬君 今幾つか説明されましたが、基本的なことが違うんです。幾つかの措置をやるというのはそれはそれなりに意味があります。そうじゃなく、社会の中で障害を持つ人たちに対して企業や社会の枠組みとしてその人たちを差別してはならないというのがこのADA法の特徴だと思います。この違いは、心身障害者法を今見ても、幾つかの施策を推進するということが書いてあるけれども、そういう障害者に対する社会的な差別をしてはならないということを法的な規定概念に持っていないわけです。このことを明確に答えていない、そんなたくさんあるとかということじゃない、基本的な目的が違うということについて認識されているのかどうか、もう一度お答えお願いします。
○政府委員(末次彬君) 基本的にはただいま御指摘の理念に即して実施をいたすわけでございまして、それの個々の施策のあらわれとして、いろんな分野で障害者に対して必要な施策を講じていくということを通じてそういう理念の実現を図っていくということがこの対策基本法の基本的な考えであるというふうに考えております。
○粟森喬君 私は目的というのは、理念を法のもとに明確に書くというのが法だと思います。心身障害者対策基本法にはそういう理念はこの目的の中に書いてございません。それを書くというのがこの国連障害者十年の最終年に当たってやらなければならない厚生省なり政府の責任ではないか、こういうことを申し上げているんで、理念があるということは今社会的常識になってきている。社会的に常識になっていることを法にするのは、この種の障害者問題を取り組むときのまず政府の基本的な姿勢として極めて大事なことだと思います。このことについて厚生大臣、考え方、これからの処理についてお尋ねを申し上げます。
○国務大臣(下条進一郎君) お尋ねのADAに関する件でございますが、そこで取り上げられております雇用、公共交通機関、公共的施設、電信リレーサービスの分野における日本での対応については、中央心身障害者対策協議会の意見におきまして、「最近における国内外の動向に対応した新しい障害者施策の展開を検討する必要があるので、引き続き当協議会において検討」を行うこととされておるわけでございます。政府といたしましても、障害者の完全参加と平等の理念の実現を目指しつつ、同協議会の検討をまって対応すべきものと考えております。 なお、国連障害者の十年の最終年に当たり取り組むべき障害者対策につきましては、去る八月の政府の障害者対策推進本部におきまして、中央心身障害者対策協議会の御意見を十分尊重して進めるとの決定がなされたところでありまして、積極的にこれからも推進してまいりたい、このように考えております。
○粟森喬君 私もう一度申し上げますが、施策を推進するということじゃないんです。立法概念の中に障害者を社会的に差別してはならならいという言葉が入らないと、これから言葉の問題ちょっと申し上げますが、精神薄弱者という言葉がいいか知恵おくれがいいかという問題、これは差別用語なのか何かということを言われたときに、今までの津島厚生大臣の答弁も聞きました。それは社会の概念が非常に大事だというふうに言っておるわけです。その社会概念規定というのは、障害者を差別してはならないということを一つの法にしなきゃ、施策じゃない、立法として明確にしていかなかったらこの問題の社会的な根幹の問題は変わらない、このことを私は主張しておるわけです。施策の問題じゃございません。 再度そのことについて、今後の取り組みについて明確にしてもらいたいと思います。
○政府委員(末次彬君) 委員御指摘め点は、差別を禁止するという角度からの御指摘でございますが、心身障害者対策基本法におきましては逆に個人の尊厳という観点からとらえておりまして、「すべて心身障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有するものとする。」という規定が置かれておりまして、いわば障害者の立場から見て尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する、こういうとらえ方をしておるわけでございます。個々の差別といいますか、いろんな障害を持つがゆえに受ける不利を解消していくということにつきましては、個々の施策でただいまの個人の尊厳というこの趣旨を生かして施策を展開していく、こういうふうに考えているわけでございます。
○粟森喬君 明らかに法の目的と施策の仕方が違うということがこのことで明らかになったと思うんです。具体的にこのことをこれからどうするかということは私は再三にわたってこれからもやるつもりですから、基本的な理念についてはそのぐらいにしておきます。 そこで、幾つかのことについてちょっとお尋ねします。 平成三年の九月六日に発表されました精神薄弱者に対する運賃割引について、これはいわゆる公共交通機関が割引をするということを決めたわけです。この間の質問の中でも、同僚議員からもエレベーターの設置の問題やいろんなことをやられたわけですが、まず厚生省の見解をお尋ねしたいのは、一つは認可が必要だというのがなぜなのかということ。私が察するには、本来割引をするというのは、ほかの人も全部同じ料金で乗っている中でいわゆる障害者に対して割引をする、こういう規定でございます。今まで精神障害者には規定をしていなかったのを入れるということでございます。 ところが、各公共交通機関と言ったって、ごく一部を除いて民間でございます。これは利用者がその料金を結果的に負担をするという感じになるわけです、割引を認めるということは。私は本来社会保障政策というのは国全体の施策、さっき施策と言いましたから私はあえて言います。それは個別の企業にあるいは個別の交通会社にそのことを負担させて、厚生省としてはよくやってくれたという評価はあるんでしょうが、基本的には社会保障政策としてやるならば何らかの格好でそれをやったところに対して補助を出すとか、そういう施策に対するさまざまな援助というか、そういうものがあってしかるべきだと思いますが、この問題について厚生省の見解をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(土井豊君) ただいま精神薄弱児者に対する運賃割引の問題でございますが、本年の十二月から実施されるというような予定に相なっております。お尋ねの点は、なぜそういったものに国として税制的な、税金を用いた形の助成、そういったようなことがないのかというような趣旨がと承りました。 私どもは障害者対策につきましては、政府全体としてそれぞれの各省庁が取り組むというような基本的な責任分担で担当してきているというふうに考えております。したがいまして、運賃割引の問題につきましては、基本的には公共交通機関の運営の責任を有している運輸省、ここでその問題についての総合的な判断、そういうような形で処理をしてきてまいっておりまして、もう御案内のとおり、昭和二十五年から身体障害者について同じような割引制度が認められておりますけれども、そのような形で定着しておるところでございます。したがいまして、今回の問題につきまして、私ども円滑な実施のためにいろんな努力をしてまいることは当然でございますけれども、お話のような形での財政支出ということは考えていないところでございます。 なお、なぜそうなのだというような点かと思いますけれども、例えば運賃以外でもNHKの放送受信料の問題とかいろんな問題、それぞれのところでこの問題について対処していく、処理をしていく、そのような形で取り扱っているわけでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
○粟森喬君 私は、そういうやり方をすることによってどんな問題が出ているかというと、これは単に精神障害者だけじゃなく、内部疾患と言われる、非常に心臓の重い病気にかかって完治が不能の人などなども入れて、内部疾患者も含めたそういう運賃割引制度をやってほしいというのがまず基本です。ところが、それが精神障害者に限定されてしまった。こういうことというのは、結果として各省庁に任せておくというこのことに一つの欠陥があるのではないか、こういうふうに私は考えるわけでございますが、その辺のところについて見解を明らかにしてほしいと思います。
○政府委員(土井豊君) ただいまお話しの内部障害者については、たしか昨年の初めに身体障害者に準ずるという形で対象に取り入れられたというふうに私ども伺っております。 それから精神薄弱児者につきましては、ことしの暮れからというスケジュールでございます。なお、精神障害者についてまだ残された問題があるということは承っております。 ただ、先生御質問のポイントは、各省庁ばらばらではないかというような点かと思いますけれども、むしろ政府全体がそれぞれの仕事すべてにわたって障害者の問題に取り組むという姿勢もまたどうしても必要な事柄ではないか、そういうスタンスで臨んでいるところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
○粟森喬君 言葉の問題で、確かに精神障害者という言葉の問題と薄弱者といつ問題、それから内部疾患者という言葉の問題、これらはいろいろと使い方、使われ方、それぞれの人権を尊重していろいろと考えられておるのはわかります。しかし、私どもが考えたときに、精神薄弱者というのは一つの言葉の概念として既に日本の社会の中では定着をしているけれども、果たしてこの言葉が適当なのかどうかという問題。私たちがほかのこの種の運動に取り組んでいる人たちのところへ行くと、知能障害とか知的障害とか、言葉の使い方にもかなり配慮をしている。私は、一つの言葉が社会的に定着をしたと言うけれども、精神薄弱というのは、言葉のいろんな意味のとり方がありますが、ちょっと気の弱い人も精神薄弱者かもしれない。これは広義な意味でございます。ここは特定の障害を規定した言葉として使われているわけでございますが、私は、先ほどの日本の心身障害者対策基本法にそういう理念、概念が明確でないことが、幾つかのこれからの施策の中でそういう基本的な理念のところで整理がされ尽くしていない、このことが一つの大きな問題だと思っているんです。 したがって、これからの問題で、その種の言葉の使い方、それからあと残った内部疾患の問題を含めましてどうお考えになるか、ひとつ見解をいただきたいと思います。
○政府委員(土井豊君) ただいま精神薄弱者、精神薄弱という言葉についての御指摘かと思います。 先生御指摘のとおり、私どもも、関係者の中で適切な言葉遣いではないんではないか、よりいい言葉がないかというような御意見、御議論があることを承っております。また、これまでも当委員会を初めいろいろ国会の中でも御議論があったと承っております。現在、関係者の中でこれにかわるべきいい概念をあらわす言葉としてより遣切な表現がないかという議論が重ねられていると承っておりまして、私どももそのような団体におけるいろんな御意見を踏まえながら、今後適切な表現があります場合には積極的に対処してまいりたいというふうに考えているところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
○粟森喬君 次に、保育の問題についてお尋ねを申し上げたいと思います。 先ほど来、同僚委員からも日本の出生率が減った原因やその環境をどう改善していくかということがありましたが、私は保育所の問題は非常に重要だと思います。といいますのは、今社会的な要請でもあるし、男女雇用均等法がつくられて、いわゆる労働力の問題もある、あるいは社会的な地位のある女性の方が長く働き続ける、もちろんそのときには育児休業法なども必要でございますが、そのときには保育所といいますか、これの設置というのがかなりきちんと整備していかなければならない。 ところが、今保育所の実態を見ますと、確かに長時間保育と称しまして朝早くから夕方、夜までというふうにいわゆる私立、あるいは公立の一部もそういうことを採用していますが、少なくとも女性の方が子供を産まれて、自分が仕事をしながら、もちろん仕事だけではありません、仕事が終わったら社会的なおつき合いもいろいろございます。そういうときに、今の保育体制というのは基本的には保母さんの労働条件を基本にして社会的なニーズにこたえていくという、保育をしてほしいという人たちのニーズに必ずしもマッチしてない、かなりミスマッチしているんではないか、こういうふうに思います。このことがちゃんとされないと、働きながら女性が子供を産み育てるということは完結していかない、こういうふうに思うわけでございますが、現状についていかがな認識を持っているかお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) 全体的な保育の問題、これは今の新しい若い御家庭の中、あるいはさらに子供さんがある程度ふえてきたというような御家庭の中におきましても、これは充実していかなきゃならない重要な問題だと受けとめております。 乳児保育、夜間保育等の特別保育対策の推進にそういうことで努めておりまして、平成三年度におきましては、それらの一層の拡充を図ることにしております。今御指摘のありました夜十時ごろまでの長時間保育、従来は時間を若干延長するだけでありましたけれども、本年度からは夜十時ごろまで夜間保育という別枠で実施することになっておりまして、これは全国二百カ所、この十月から実施するということで、そういう御要望を取り入れることにいたしております。また、一般の保育所では対応できない深夜や休日における保育施設の運営を企業が児童福祉施設を経営する社会福祉法人に委託して行う企業委託型保育サービスを新たに実施することといたしております。今後とも社会経済情勢の変化等を勘案いたしまして、就労と育児の両立が可能となるようきめ細かな保育サービスの充実に努めてまいりたいと考えております。
○粟森喬君 その上でさらにここは意見をもっとお尋ねをしたいと思います。 いずれにしても、保育問題がそういう意味で重要性があるという認識では一致をしているわけですが、現状を言いますと、一つは保母さんの労働条件の問題もそういう意味で言うと事実上二交代制ぐらいにしないとできないとか、それが保母さんそのものの労働条件としてどうなのかという問題もございます。 それからもう一つは、措置費は公立も社団法人も全部一緒でございます。ところが実際は、公立のところはいわゆる公立にしたところがかなり負担をしてやっている。私立て社団法人的にやっているところは、建設費から全部コストを計算して、措置費の中からその分を引くわけでございますから、これは保母さん自身の労働条件も物すごく違う。その条件も違うということで、措置費のあり方や現状についてもう少し統一的にやりながら全体に広げていくということをしなかったら、今保育所の状況というのは、例えば保母さんというのは、公立以外の勤続年数が看護婦さんと一緒です。だんだんだんだん勤務年限が短くなっているというのは、労働条件が措置費の枠の中で決められて、その分でやるわけでございますから必ずしも高くございません。措置費の実態も、市町村でいろいろとまたやりくりして、それを平均にしたりいろいろやっていますが、それでも不十分でございます。 だとすれば、現状を調べて、そして今大臣が言われたような体制に持っていくための具体的な調査というか、やり方の立場というのを明確にしていかなければならないのではないか、そういうふうに思いますので、そのことについてどういうふうにするか、簡単で結構でございますから、答えてください。
○政府委員(土井豊君) ただいまお尋ねの保育行政の根幹であります保母さんの労働条件、非常に大事なことだと私どもも認識をしております。 まず、実態が公私でかなり違うじゃないかというような御指摘、私どもも間々承っておりまして、例えば勤務時間について見ますと、措置費の上では週四十四時間ということになっておりますけれども、今年度から四十三時間三十分というふうに改善を図りまして、さらにこれを四十二時間に持っていきたいということで努力したいと思っております。 また、その他のいろんな給与を中心とする実態につきましては、数年間に一度実態調査をしまして、必要な手当てを行うというような形でできるだけ現状に合うように措置費の仕組みを改善していくというような努力をしてまいっておりますけれども、今後におきましても、市町村からの御意見等も承りながら、そのような形の検討はいたしてまいりたいと思っております。
○粟森喬君 労働時間を短縮すればそれだけたくさんの保母さんを確保しなきゃならぬ、こういう問題もございますから、その辺はこれからも十分やっていただきたい、こういうふうに思います。 そこで、在宅福祉、いわゆる福祉マンパワー対策について幾つかちょっとお尋ねをしたいんですが、先ほど勝木委員も言ったんですが、私も総務庁の報告書を見て、これは実態をかなり正確に反映していると思ったんです。この総務庁の行政監察局が出した中で、「在宅対策では、老人家庭奉仕員派遣事業等の一部事業において利用目標数が設定されている程度であり、需要の予測が困難あるいは需要がないことを理由として計画を策定していない都道府県及び市町村も多い」、こういうふうに書いてあるわけです。 さっき真摯に、謙虚に受けとめるというふうに言われたけれども、一方で、平成四年度保健医療・福祉マンパワー対策で具体的に今潜在的にそういう需要がどうあるかということの確認が本当にできているのかどうか。マンパワー対策と言われているけれども、私はマンパワー対策の実態を見ても、ホームヘルパー、ショートステイ、デイサービスの利用率などを見ましても、六十五歳以上の人全員がそれが必要じゃないという意味ではわかります。しかし、これは年間で見たら、この数字に挙がっているだけでも、恐らく現実にそれを求めている人の、これは具体的に人によって違うんでしょうけれども、在宅でやっている人で何とかしてほしいという人は十日に一回回ってきていただければいいんじゃないかという、これは数字の上からはっきりしています。 ですから、もうちょっと具体的に、その該当者がどのぐらいいて、どういうふうにしなければならない。初めから十万人でしょう。十万人でいいのかどうかという問題、ほかの制度をどう組み合わせるのかということも含めて、私はこの行政監察局の指摘は極めて適切だと思う。そのことに対して厚生省が平成四年度以降にどう受けとめてやっていくのか、このことを見解として明らかにしてほしいと思います。
○政府委員(岡光序治君) おっしゃるように、実情を正確に把握してそれにどう対応するかということに取り組まなければならないと思っております。具体的には、平成五年の四月から各市町村で、これは全部の市町村でございますが、老人保健福祉計画をつくってください、こういうことにしておりまして、平成五年からそういうことが進むように現在は準備、それから市町村の理解なり体制の強化ということを進めているところです。 どういうことをやろうかということでございますが、まさに御指摘のように、市町村管内のお年寄りがどこにどういうふうにいるのか、そしてそのお年寄りの状況はどうなっているのか、それから世帯の状況はどうなのか、そして住居、それから医療機関に受診をしているならばその受診状況、疾病構造、それから働いているとしたらその就業はどうなっているんだ、こういう現状を全部つぶさに把握してください、こういうことにしています。そしてその中から公的福祉サービスなり公的保健サービスを提供しなきゃならないわけで、現在そのメニューをそろえているわけでございますが、相手方にどういう需要があるのかという需要の総体を把握してください、そしてその市町村で提供できるサービスの現状はどうなっているのか、そしてニーズに達するためにはどういうふうに段階を踏んでニーズ達成の体制を整えられるのか、こういうことを把握をした上で達成のための整備計画をつくってください、こういうふうに私ども市町村に現在お願いをして進めているところでございまして、こういう計画の整備ができ、その体制が整っていけば、先生おっしゃったような姿に少しずつ近づいていくんじゃないだろうか、こう思っておるわけでございます。
○粟森喬君 私も市町村の関係者どこのことについて話をしたことがございます。潜在的な需要というのはどこまで言うのかということも含めて、これ全部掘り起こしたら、とてもじゃないがそんな十万なんかでやれるはずはない。厚生省はそんなことをまさか行政指導しているとは私は思わないが、現状を正確に把握をして、国なり行政がどう負担をし、できない部分をどうするのかということを明確にしていかないと、どうも私はゴールドプランというのがひとり歩きをし、在宅でできるだけいこう、施設をつくるということも一方でやりながらもできるだけ在宅で寝たきり老人をなくそう、そしてノーマライゼーションというものをつくっていこうということとどうも合致していない。まず現状を出してもらって、そこで真摯にお互いが討論をしながらそれをやっていかないとこれはだめだと思います。 特に、平成五年度へ向けて私は多少懸念をしているのは、町村が措置権を持ちます。措置権を持つということは、例えば県が措置県を持っていたのを町村にすれば、今までは県がある程度足らない分は何とかしてくれた。町村が単独で交付税と措置費の両方で全部やれといったら、それは私は町村と言われる六十五歳以上が比較的多いところ、それから行政の財政力も非常に弱いところ、そこにそれが集まってきたらそれはもう顕在化もしないですよ。希望があっても受理をしないという、そういうことに結果的になってしまうことを懸念していますので、これは関係者の中でどういう検討と準備をそのことについて立てているかお尋ねしたいと思います。
○政府委員(岡光序治君) 御指摘の小規模な町村の問題でございますが、確かに今までは県の福祉事務所がその仕事をされていた部分が多うございまして、戸惑われているのが事実でございます。したがって、そういった場合にどういう事務処理をするのかということを平成五年度までに県との役割分担ということもはっきりさせていこうではないか、そして現実の仕事に当たっては町村だけではできない部分があると思いますので、そこは県でも計画をつくってもらうことになっておりますから、そういう弱小な小規模な町村については県は積極的にどうするんだということも市町村計画とあわせて都道府県計画の中ではっきりさせていってもらいたい、こう考えておるわけでございます。
○粟森喬君 私は、きょうは時間が相当限られていますので、あわせてこれは検討でこれからもやっていただきたいと思います。私は、いわゆる寝たきり老人をなくすというふうないろんなこと、デイサービスとか、それから障害者のためのデイサービスも含めて、社会福祉法人のあり方というのをちょっと見直しをしてもらいたい。ノーマライゼーションという概念は、一つの地域コミュニティーにそういうものが一つ一つあればよろしいという概念ですね。そうすると、今の社会福祉法人で言うと、一定の財産、一定の施設基準、そういうものをつくってやるわけです。私は率直に申し上げて、デイサービスというのは普通の民家を借りて、一定の契約をして、責任者が決まってと、そういう条件があれば措置費を出す、そういうふうにやっていく方がむしろ地域社会の中になじむんではないか。施設をばかでかいのを地域の中に幾つかのところに拠点的につくるより、そういう制度にしていくというときに、福祉法人設立とか措置費のあり方に――分場方式をやるとかいろいろ言っているけれども、私は分場方式の問題も検討したけれども、かなり制約がありまして、これは問題がございます。 したがって、今後の問題として、この種のことについて見直しをしなから、措置費ならそういう責任ある体制は当然つくらにゃいかぬとしても、財産とか施設の基準というのを緩和していくというふうにしなかったら国も金が大変ですよ。そんなことだけやっていったらいけない、そういう立場もございますので、これは見直しをしていただきたいと思います。
○政府委員(末次彬君) デイサービスについてお触れになったわけでございますが、デイサービスにつきましては、そのサービス内容に応じまして一定の施設あるいは設備、この基準を設けて実施しておりまして、まずその基準を満たすことが必要になるわけでございます。 他面、社会福祉法人の認可の問題でございますが、これはやはり国から委託をするという事業の性質上、事業の永続性、安定性、これを確保しなければならないということで、原則といたしましては法人が事業を行うに必要なすべての物件につきまして所有権を有することが原則でございます。ただ、これによりがたい場合には、国または地方公共団体から無償貸与あるいは使用許可を受けている者というものにつきまして認可をするというのが原則でございますが、最近のこういう状況にかんがみまして、さらに都市部等土地の取得が困難な地域につきまして緊急に社会福祉施設を整備する必要があるというときにつきましては、不動産の一部につきまして国、地方自治体以外の者から無償貸与を受けまして事業運営を行うという場合には社会福祉法人の認可を認めるという基準を現在設定しておるわけでございます。こういった基準に照らしまして、個々のケースにつきまして適切に対処をしていきたいというふうに考えております。
○粟森喬君 今のような答弁を聞くために私質問したんじゃないんです。そういうあり方じゃならない。かなり簡便にやれる、その責任が明確なら。今の程度の範囲の話なら、別に過去の解釈と変わらないじゃないですか。変えうと言っているんだから。 もうきょうは時間がありませんから、最後に一つだけ別の問題で聞きます。アスベスト水道管の問題でございます。 アスベスト水道管は、WHOのガイドラインを見るとこういうふうに書いてあります。いわゆる呼吸器系統ではこれはがん出現率が高い、呼吸器では問題がある。消化器系は一つのそういう可能性を示唆しているけれどもそれが証明されていない、こういうふうに書いてあるんですが、この辺の解釈も非常にややこしいんですが、私は今でも現にアスベスト水道管が、これは当時かなり安い 値段でやれるということで特に町村単位ではかなりやられたというケースがございます。アスベストは発がん性物質であるということはどなたも承知の上の話でございます。確かに水道……
○委員長(田渕勲二君) 粟森委員、時間ですから簡単にやってください。
○粟森喬君 水道管にこれが流れていくということの証明などが幾つかの資料でありますが、このままでは、特に耐用年数が三十年と言われる中で、二十年たつと非常にアスベストの水道管が劣化をしますから、このことに対する強力な対策をつくることと、この問題に対する見解をお伺いして終わります。
○政府委員(玉木武君) ただいま御指摘ございましたように、アスベストは呼吸器系統に対しては発がん性が認められております。しかしながら胃腸系、消化器系については、確かに有意差がとった者ととらない者との間にあるんじゃないかという考え方とか、余り考えられないとかいろんな議論がありまして、我々としては、呼吸器に比べて消化器系への影響は非常に少ないんじゃないか、このように考えております。 しかしながら、この石綿管そのものが、現在一般的に使われております鋳鉄管また鋼管と比べて弱い、いわゆる事故を起こしやすい。事故というのは漏水とかそういう事故でありますが、そういうことを起こしやすいということもございまして、なるべく取りかえろというような指導をいたしております。特に昨年、平成二年度から新たに国庫補助制度を創設しまして、老朽管更新推進事業というようなことで新しいものに取りかえるということを進めさせる補助制度をつくりました。また、我々としましては、二十一世紀に向けましてすべての石綿管は取りかえるという方向で都道府県に対し、また水道事業者に対し強力に指導していきたい、このように考えております。
○委員長(田渕勲二君) 本調査に対する本月の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時十分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十分開会
○委員長(田渕勲二君) ただいまから厚生委員会を再開いたします。 老人保健法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取します。下条厚生大臣。
○国務大臣(下条進一郎君) ただいま議題となりました老人保健法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 本格的な高齢社会に向けて、国民が健やかで安心して老後の生活を送ることができるよう、お年寄りの保健、医療、福祉全般にわたる施策の充実を図っていくことが重要な課題となっております。 このため、高齢者保健福祉推進十カ年戦略を策定し、その推進を図っているところでありますが、老人保健の分野においても介護に関する総合的な体制づくりを行うとともに、老人人口の増加に伴い老人医療費の増大が見込まれる中で、国や地方も、お年寄り自身も、制度を支える現役世代もその費用の負担を適切に分かち合い、制度の長期的安定を図ることとし、この法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、老人訪問看護制度の創設であります。心身の機能の低下した状態にある在宅のお年寄りに対する総合的なケアの体制を整備するため、在宅のお年寄りが都道府県知事の指定する老人訪問看護事業を行う者から看護サービスを受けたときには、老人訪問看護療養費を支給する制度を導入することとしております。 第二は、国及び地方公共団体の負担割合の拡大であります。現在、国及び地方公共団体は、老人医療に要する費用の三割を負担しておりますが、今後の老人問題の中心的課題である介護の重要性にかんがみ、介護に着目して公費負担を拡充することとし、老人保健施設の療養費及び特例許可老人病院のうち政令で定める看護・介護体制の整った病院に係る入院医療費について、その割合を五割に引き上げることとしております。 第三は、一部負担の見直しであります。現在、一部負担の額は、外来の場合一月八百円、入院の場合一日四百円となっております。これにつきましては、老人と現役世代との負担の均衡、他施設や在宅の老人との負担の均衡、前回改定以来四年以上経過していること、高齢者の生活実態等を勘案し、定額負担制を維持しつつ必要な受診を抑制しない範囲でこれを改めることとし、外来については一月千円に、入院については一日八百円に改定することとしております。また、将来にわたり、老人医療費に占める一部負担の水準を維持して、老人と現役世代との間の負担の公平が確保されるよう、外来、入院それぞれ、一件当たり外来医療費及び一日当たり入院医療費の変動率をもとに算定した額が一定額以上の場合には、一部負担の額が改定される仕組みを法定することとしております。 さらに、初老期痴呆により痴呆の状態にある方も老人保健施設を利用できることとし、この場合の療養費の支給に関する規定を整備するため、健康保険法等の改正を行うこととしております。 以上のほか、老人の心身の特性に応じた医療サービスの提供が行われるよう、看護の方法や介護用具の研究開発に努めること、また、医療の質の評価方法の研究に努めること、医療に要する費用の額の算定のあり方についての検討等を行うこと、病院における付添看護に関する施策の推進に努めること等についての規定を設けることとしております。 なお、この法律の施行期日は、本年七月一日としておりますが、老人訪問看護制度に関する事項、老人保健施設の利用者の拡大に関する事項等は平成四年一月一日、その他の事項は公布の日としております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、衆議院において、公費負担拡大の対象に老人訪問看護療養費を追加すること、一部負担額の引き上げ幅を縮小すること、一部負担の改定措置の指標を消費者物価とすること等を内容とする修正が行われております。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(田渕勲二君) 次に、本案の衆議院における修正部分について、衆議院厚生委員長代理理事野呂昭彦君から説明を聴取いたします。野呂君。
○衆議院議員(野呂昭彦君) 老人保健法等の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正部分について、その内容を御説明申し上げます。 修正の要旨は、第一に、老人医療の公費負担割合を三割から五割に拡大する対象として、老人訪問看護療養費を耐えること。 第二に、一部負担金の額について、平成三年度及び平成四年度においては、外来は一月につき九百円、入院は一日につき六百円とし、平成五年度及び平成六年度においては、外来は一月につき千円、入院は一日につき七百円とすること。 また、一部負担金の額の改定措置は平成七年度から実施することとし、その指標については、総務庁において作成する全国消費者物価指標とすること。 第三に、この法律のうち、老人訪問看護療養費に係る部分を除く公費負担割合の拡大、一部負担金の引き上げ等については、平成四年一月一日から施行し、老人訪問看護制度及び老人訪問看護療養費に係る公費負担割合の拡大については、平成四年四月一日から施行すること等であります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(田渕勲二君) 以上で趣旨説明の聴取並びに修正部分の説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮崎秀樹君 やっと衆議院から参議院の方へ老人保健法の改正案が回ってきたということでございますが、私はまず最初に大臣にお尋ねしたいと思います。 昭和四十八年、医療保険制度それから老人福祉法、これをもとにしまして老人の医療費の公費負担制度が発足したわけでございます。そして、昭和五十七年にこの老人保健制度が創設されまして老人保健法ができたわけでございますが、その間、これのできた背景、意義、それから今までこの老人保健法が機能してきた、それは一つの歴史的事実でございますけれども、そういうことを踏まえて今趣旨説明があったわけでございますが、大臣どうでしょう、こういう制度をやることだけで果たして将来の超高齢化社会を乗り切れるかどうか。そういう歴史的背景を踏まえた中でそれの持つ意義等御所見がございましたらひとつお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) 今の制度に至るまでの歴史につきまして、委員御指摘のとおつの変遷を経たわけでございます。そういうことで今回、この老人保健制度がさらにこれからの長寿社会に対応できるように、長期安定的な運営を図るということとあわせて、若い方々の負担もこれ以上過重にならないようにという見地などを考えましで改正をお願いするということになったわけでございます。 老人保健制度は、それ以前のいわゆる老人医療費無料化制度が老人の受療を容易にした反面、種々の弊害を生じたことを踏まえ、壮年期からの疾病予防から治療、機能訓練に至る総合的な保健、医療のサービスを提供するとともに、必要な費用は国民が公平に負担することをねらいとして昭和五十七年に制定されたものであります。 今日、老人保健制度は老後における健康の保持と適切な医療の確保を図る上で極めて重要な役割を果たしていると認識しておりますが、同時に今後の高齢社会において老人医療費の増大が見込まれる中で引き続きその役割を担っていくためには制度の長期的な安定を図ることが不可欠であると考えております。今回の改正案もこうした観点に立って御提案を申し上げておるわけでございまして、この案を成立させていただければ非常に制度は安定してくる、このように信じております。
○宮崎秀樹君 私はことしの五月にスウェーデンに行ってまいりました。スウェーデンは、御案内のように国民負担率は今七七%です。これは皆さん御存じだと思いますけれども、租税負担率、社会保障負担率合わせて国民負担率。日本は平成元年三八・七%でございます。このスウェーデンが今六十五歳以上のお年寄りが全人口に占める割合が一七%です。日本は今一一%です。そこで、あと三十年たちますとスウェーデンも何と二三%、日本も二三%になるわけです。 そのスウェーデンが実はもう医療保険制度が破綻を来している、そういう状況にあります。と申しますのは、ことしの一月一日から、外来に受診をいたしますと、行くたびに子供さん以外は九十スウェーデンクローネを負担しなきゃならなくなりました。九十スウェーデンクローネと申しますと、一スウェーデンクローネが二十六円ですから、これは二千三百四十円です。それから老人の方が入院されますと、これはもう既に七十スウェーデンクローネ年金から自動的に減額されている。これは千八百二十円ですね。一般の成人の方が入院しますと、これまた七十スウェーデンクローネ、これは傷病手当金から減額されているわけです。 ですから、そういう状況を考えたときに、日本は国民負担率を五〇%程度でとどめるべきだ、こういうようなお考えがあることは私も承知しておりますけれども、その五〇%でとどめて、そして将来果たして、先進福祉国家であるスウェーデンが今そんなような状況でございます。特に租税負担率はスウェーデンは今五八%、日本は二八%です。その五八%のスウェーデンが、これは大変だ、要するにもうお金持ちは国外に逃げる、こういう状況を防止するために所得税の累進課税九〇%をことしから二〇%に切り下げました。ちょうど今月の七日にストックホルム大学のH・ルンドブラッド教授という方が経団連ホールで講演をなさっております。そこでは、高福祉高負担のスウェーデン、国民負担率七〇%を超えているスウェーデンが財源確保とサービス供給体制の調整の分岐点にもう来てしまったということをいみじくも発言されているんです。これは私は大変なことだと思うんです。 そこで、今、日本の行政として、国としてそういうことを見越して、それに対応すべくどういう施策を講じたらいいか、そういうようなプロジェクトなりそういうような将来の政策なり、そこをきちっとやっているかどうかということを私は大変色倶しておるわけでございますが、具体的にそういうようなことがされているかどうかということをまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(黒木武弘君) 高齢化の進展に伴いまして年金あるいは医療費用が増大いたしまして、各国ともその対応にいろいろ御苦労があるというふうに承知をいたしております。 我が国の将来につきましても、将来社会保障の費用がどうなるか、負担がどうなるかというのは、国会等で長期推計を示したり、あるいは福祉ビジョンという形で厚生省としての高齢化社会を踏まえた福祉あるいは高齢化への対応の基本的な考え方を年金、医療あるいは福祉サービス等を含めて御提案をしてきたところでございます。しかし、何分これからの高齢化社会に向かって費用負担をどうするかということは、つまり国のありざまにかかわる大きな問題でございます。厚生省も懸命に推計をしたり考え方を出しておりますけれども、今後のあり方を決めていくのはやはり国民のコンセンサスなり国民の選択にかかる部分が非常に多いんだと思っておりますので、これからも国会の御議論、関係審議会の御意見等を踏まえながら過ちのなきよう努力してまいりたいと思います。
○宮崎秀樹君 大変抽象的な御返事だと思いますけれども、それしかお答えが今できないというのは私はこれは仕方ないと思います。各省庁の局長さんなり課長さんなり担当になられた方が、今の現実だけ何とかやっていけばいいという考えじゃなくて、やはりずっと将来を見越した国家百年の大計、その一こまであるという考え方で一つはやっていただかないと私は大変なことになるということを申し上げておきたいと思います。 具体的な話ですけれども、国民医療費というのがございます。これは二十兆円だと言われている。その国民医療費は中身は何だといいますと、まず保険料です。それから患者さんの負担があります。地方の自治体の負担がある。それから国庫の負担がありますね、国の負担が。昭和五十七年、八年に全体の中のパーセンテージは、国庫負担は三〇%を上回っておりました。昭和六十二年には二四・九%に下がってきた。昭和六十三年、二四・五%です。平成元年が二四・七%。三〇%だったものが二五%を切ってきているわけですね。こういう財源確保ということをしっかりしておかないと将来、その辺は国全体の財政の中でもう医療というのはどんどん個人負担に持っていく、受益者負担に持っていくという一つの理念的な考えがあってやられることなら仕方がないけれども、全体的な構想というものがない中でそのときの状況でやられたんではたまったものじゃございませんので、私は三〇%はずっと維持していただく。なければどうしようかという発想がないと困るわけですね。 そこで、いろんな保険制度があります。医療保険制度というのは、御存じのように、政府管掌保険もあれば組合保険もある、国保もある、それから共済組合の保険もあります。それぞれ財源がばらばらでございます。私は国民全体のことを考えたら、この保険制度というのは一回壊して、そして一元化なり一本化をする時期にもう来ているんじゃないだろうか、そこら辺はどうお考えか、御答弁願いたいと思います。
○政府委員(黒木武弘君) 私どもは医療保険の一元化というテーマでこれまでも検討を続けているわけでございます。それぞれの制度にはこれまでの経緯、いきさつがあるわけでございますし、そしてまた、医療保険制度の運営から見ますと果たして国として一つの制度の方が効率的なのか、あるいは小集団主義の方が効率的なのか、さまざまな議論もまたあるわけでございます。この問題については関係者の意見が本当にさまざま分かれているわけでございますけれども、厚生省、私どもとしては、やはり給付と負担を公平にしていくという見地からのいわゆる一元化というものは必要だろうということでございまして、これまでも国保の改正、あるいは今回老健法の改正の審議もお願いしているわけでございます。そういうものの帰趨を踏まえながら、地ならし的な制度改正が終わった上で、これから本格的な一元化の検討に入らせていただきたいというふうに思っているわけでございます。 いずれにいたしましても、医療保険制度、まだ給付も負担もばらばらでございますけれども、これを公平なものにぜひしていくような制度改正に全力を挙げて取り組みたいというふうに思っているわけでございます。
○宮崎秀樹君 まことに結構なことでございまして、私はもうこれは早急に取りかかるべき問題だと思います。 それから、今度の老人保健法の改正の中で私は一つ非常にそれとは逆行しているようなことをやっていらっしゃるなと思うのは、厚生保険の特別会計ですね、そこから年金基金一兆五千億借り出しまして、その運用益をもって老人保健制度ができましたときに健保組合から拠出金を出しているんですね、老人保健に。その拠出金が一〇〇%になったというところで赤字が出てきた。これは弱小の健保組合です。その赤字を埋めるために運用益を補てんしていく。こういうことをやっていると、今お話しになったこととまさにそこで逆行しているんじゃないか。しかも、借り出したお金は返さなきゃならないんです。そうすると、これは赤字のところを埋めたけれども、こちらが赤字になるわけです、もとが、根っこが。こういうことをいつまでやっていても全く意味がない。この辺はいつまでお続けになるのか、そこら辺はどうなんでしょうか。
○政府委員(岡光序治君) 今回の老人保健制度の改正を行うに当たりまして、お尋ねのありました特別保健福祉事業につきましてそのあり方を含めて検討を行ったわけでございます。現在の老人保健をめぐる被用者保険側からの拠出金の負担状況からいたしまして、引き続いて被用者保険の負担軽減を行う必要があるんじゃないか、こう判断したわけでございます。公費負担の拡大、患者負担の見直し、こういったような制度改正とあわせまして、やはり被用者に焦点を合わせた負担軽減策を今後とも続けていく必要があるんじゃないかというふうに判断をいたしましたので、この特別保健福祉事業につきましては継続をしたいというふうに判断したものでございます。 おっしゃいますように、そもそもの一兆五千億という資金は厚生年金保険の資金でございますので、おっしゃるように制度としてはややいびつな関係にあるわけでございまして、今後の取り扱いにつきましては、今回の制度改正による影響とか効果、それから被用者保険の方の財政状況の動向、こういったものを総合的に見きわめた上でどのようにするか考えていきたいというふうに考えております。
○宮崎秀樹君 今、老人保健福祉部長さんがおっしゃったことで、保険局長さんとの絡みでございますが、ぜひこれは真剣にひとつ討議していただいて早く、こういう靴下の継ぎを当てるようなことをいつまでもやっていると、最終的には本当の靴下がどこにあるのかなと、全部継ぎはぎだらけになっちゃう、これじゃ困るわけですから、ひとつよろしくお願い申し上げます。 それでは、今度衆議院でいわゆるスライド制が修正されてきました。平成七年度から消費者物価指数にスライドする、こう言っております。今のところは一・四%という数字が出ていますから極めて安定した状況でございます。しかし、世の中いっとう変わるかわかりません。ソ連は御存じのように大変な変わり方をしております。日本は自民党が政権をとっているうちは大丈夫だと思いますけれども、私は野党に籍を置いたことがないのでわかりませんけれども、どんなふうに世の中なるかわからない。そういうときに、もし狂乱物価というようなことが起きたときにどう対応されるか、そこをちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(岡光序治君) 御質問の趣旨はスライドに用いる指数が非常に高くなって、そのままその指数を用いますと一部負担額がお年寄りにとりまして過大な負担になっていくのではないかという御懸念だろうと思っております。このスライド制につきましては、今回新たに導入される制度でございまして、その影響を慎重に見きわめるということが大切だと思っております。 御懸念のような事態が生ずるようなおそれがある場合には、国会の御判断も得て、そのあり方を総合的に検討することが必要であるというふうに考えております。
○宮崎秀樹君 この制度はそういうような状況があったときにやはり見直しをすべきところがあるんじゃないかと思います。 私は、これからの日本の高齢化社会を迎えるときに考えますと、財源というものは有限なものですから、どうやってその財源を確保するか。高負担をしていただくというようなことも一つでしょう。それからまた、こういう福祉目的税というようなことで国民のコンセンサスを得れば、そういう財源を捻出することもまた一つの方策だと思います。 しかし、今度の保健法の中ではどうも整理がされていない部分があるんじゃないかと思います。それは、先ほど来申し上げた将来構想というものがないからそういう問題が出てくる。将来構想がこうなるから、例えば医療費が今二十兆だと、平成十二年度になりますと厚生省の出した統計では四十三兆円になるというんですね。それで、そのうちの十五兆六千億が老人医療費だと、こうなっているわけです。十五兆六千億になったときにこの制度はもう機能しないと私は思うんです。 そういうことを考えると、基本的に国民に対して、将来はこうなりますよ、人口動態はこうですよ、ですからこの部分は足りなくなりますよ、だからこれは負担してくださいよ、こういうふうに説明しないと、目先の枝葉末節、まさに木を見て森を見ない、幹を見ないで枝の先っちょだけを見ている。そして、それを手当てしでもこれは意味がないわけですね、幹の方が枯れていっちゃうんですから。それはきちっとぜひ基本的なことをお願いしたいと思います。 それから、公費負担の拡大でございますが、これの中で老人性痴呆の問題があります。それはどういうことかと申しますと、今度の改正の中に老人保健施設に初老期の痴呆を収容するというのがありますね。これは痴呆というものについてきちっと整理をしないと、今ないからとりあえずこうだと、これじゃいつまで老人保健施設に初老期の痴呆を収容するんですか。私が一番心配するのは、初老期の痴呆というのは症状が痴呆性老人よりも始末の悪い重症なんですね。そういう人たちを老人保健施設で果たして収容できるかなと。寝たきり老人でさえ今もうとても大変だよといって余りいい顔して受け付けない。そこへ余計手間のかかる、しかも介護が半分、医療の場面が半分というところへ収容が果たしてできるのか。 それからもう一つ、精神病院に老人性痴呆の患者を収容するということですが、基本的に精神病院にそういう痴呆の患者さんを収容することが社会的に見ていいのか。精神病院へあそこのうちは入っているぞと、社会的に一般の国民が考えますとまだそういう目があるんですね。私は医師ですからそういうことはわかっていますからよくわかりますけれども、そういう整理整とんというものをきちっとしないと問題があるんじゃないだろうか。まず、そこら辺のところはどうお考えか聞かせていただきます。
○政府委員(岡光序治君) まず、初老期痴呆の問題は、老人保健施設というのは六十五歳以上の人を対象にするというふうに決めているものですから、実は六十五歳未満でも、例えば五十歳代でも例のアルツハイマー型の痴呆の人は発症するケースがあるそうでございまして、そのような人はこの老人保健施設の対象にしなければならないんじゃないだろうか、こういう発想で初老期痴呆の問題をお願いしたいと考えているわけでございます。 そもそも先生おっしゃいました老人性痴呆について病院を含めてどのような施設がどのように受け持つのか、ここにつきましては、御指摘のようにどうもそこのところがはっきりしておりません。これまでの経過は、もう先生よく御承知のとおり、病院が受け持っていたわけでございまして、しかもそれは一般病院が受け持っていたという傾向が強いわけでございます。私どもは、この痴呆の状態も軽度から中度、重度と、こういうふうに移っていくわけだと思いますが、そういった中でかつ非常に扱いのしにくい異常行動をとられるような方もいらっしゃるわけで、そこいらを何というんでしょうか、施設の機能、対応の仕方の能力、そういったものに応じながらその痴呆の状態の程度に応じてそれぞれが役割分担していくということが必要なんじゃないだろうか、こう考えているわけでございます。 それで、精神病院における老人性痴呆疾患の治療病棟とか療養病棟という発想でございますが、これはやはり精神症状が出て精神科の医療がどうしても必要だという方がいらっしゃるわけでございまして、その人たちについて短期集中的に治療をするというので治療病棟を考え、そしてやや落ちついて慢性化した状態になった、しかし依然として精神症状もこれあり精神科の医療が必要だ、こういう方がいらっしゃるわけで、その人たちについては療養病棟で対応するということを考えたらどうだと、それでもう精神科の医療が必要でなくなるという状態になれば、その人の状態に応じて老人保健施設であるとか特別養護老人ホームであるとか、あるいは在宅での対応、こういうふうにそれぞれの心身の状態に応じてそれぞれが対応できるところに移っていっていただくということが必要なんじゃないだろうか。そういうふうなそれぞれが機能分担しながら、連携を図りつつ、それぞれの施設が対応できるところで特色のある対応がうまく提供できればと、こういう発想でございます。
○宮崎秀樹君 そこで、精神病院に痴呆性老人を収容した場合、急性のいわゆる症状のあるときは治療病棟ですね、それから慢性に移行して療養病棟というところへ移します。そうすると、六十五歳以下の方は老人保健施設で介護のある部分それから医療の部分が半分半分のところへ収容したときには三割から五割とこうなるわけですね。ですから、急性期のところはこれはもう看護が主でございますが、精神病院の療養病棟の方はこれは介護部分は十分あるわけですから公費の方で拡大していくということが筋論だと私は思うんです。そこら辺のことはひとつ御検討をしていただきたいと思います。 それから、私が一番今困っている問題は、お年寄りの患者さんが来るわけですね。そうしますと、まず特例許可老人病院というのがあります。特例許可外老人病院というのがあります。それから老人保健施設、介護力強化の老人病院、それから一般病院に老人を収容した場合、さらに医療法が今継続審議になっておりますが、あの中の目玉である療養型病床群ですが、何かいろいろそういう施設がずらっとあるわけです。そうすると、我々自身でもどこへこの患者さんに行っていただくのが一番いいのかなということがまず判然としない。また、国民の方である患者さんが、自分からここがいいのかなと、ここどうなのかなと、これは全くわからない。じゃ、そこの振り分けは一体どういうお役所がするのかな。これまた、県の窓口がな、市町村の民生課かな、いろいろ何とかセンターとあるぞと、健康増進センター、老人何とか福祉センター、何かやたらにいっぱい雨後のタケノコのようにあるんですね。そういうものはこの際、国民のために親切心があれば整理整とん、それできちっと簡明にしてやっていただきたいと思うんです。その辺のことをどういうふうにお考えになっているか、御返事をお願いいたします。
○政府委員(岡光序治君) これはもう専門家である先生に申し上げるのはまことに申しわけないのでありますが、現在の医療法では病院の種類としまして一般病院と、それから精神病院、結核病院の三種類ということになっているわけであります。一般病院の中でお年寄りの入院患者数が非常に多い割合を占める、こういった場合には医療法で定めておる職員の配置基準の例外を認めまして、いわゆる特例的に許可をする。したがいまして、そこで特例許可老人病院というのが存在するわけでございます。つまりこれは一般病院の職員配置基準のいわば特例を認めて、その特例について知事の許可を得た上でセットしている、こういう病院だというふうに理解をしております。そういったものの例外として特例許可外というのがある、これも暫定的に認められている、こういうことでございますが、これはいわば現在の医療法でいうところの病院の区分というふうに理解をしております。 それで、もう一つ先生おっしゃった今度の改正医療法案の中で考えております療養型病床群というのが、今までのそういう一般病院、精神、結核というこの区分では機能別の対応ということを考えた場合にはどうも不十分だという発想から療養型病床群という発想が出てきているんだと思いますが、基本の考え方としましては、やはりそれぞれの機能というものを考えて医療施設を配置すると同時に、その医療施設間の連携をいかに図るかというところに私どもはこの分類の発想があるんだというふうに理解をしております。 老人病院の中で私ども考えておりますのは、特例許可をとった老人病院の中でその職員の配置基準を考えた場合に、いわゆる基準看護をとる老人病院とそうでない一般看護の老人病院とあるわけでございまして、この基準看護をとる、こういったたぐいの老人病院の中の一つのバリエーションとして……
○宮崎秀樹君 そういうことはわかっているから、もっとそれを整理するつもりがあるかどうかということを、時間ございませんから……。
○政府委員(岡光序治君) 介護力を強化した老人病院を今進めておるところでございまして、こういった確かにいろんなタイプのものが出てきておるわけでございますが、再度申し上げますが、それぞれの施設の機能というものを設定してそれぞれの連携を図らなきゃいけないということで進めたいと思っておりまして、もう少し改正医療法の御議論なんぞも踏まえながらはっきりとしたものに持っていければありがたいというふうに考えておる次第であります。
○宮崎秀樹君 細かいことは全部わかっていますから、整理するかどうかということだけお伺いしたかっだんです。 そこで、昭和二十三年に医療法ができましたね、戦後初めての医療法。そこの厚生省令第五十号というのが出ているんです。その第十九条の第一項第四号に病院の看護婦さんの基準というものが設けられている。昭和二十三年以来合ままでずっとそれが続いているんですね。その当時と今とは全然社会環境が変わってきている。あのときは老人病院なんてなかったわけですからね。そういうことでそのときのパラメディカル、コメディカルには理学療法士、作業療法士なんというものもなかった。それができた。そういうような種類を考えていろいろ変えるものは私は変えてもいいと思うんです。ですから、つくるものはつくる、昔のものはほったらかし、これが私はまずいんじゃないかということを申し上げたいわけでございます。ひとつその辺はよろしく御考慮、御検討 をお願い申し上げます。 時間がないので次に参ります。 老人訪問看護制度というのが今度創設されたわけです。そこで、ここの事業者は一体どういう方がなるんですか。
○政府委員(岡光序治君) 地方公共団体、医療法人、社会福祉法人、その他厚生大臣が定めるものを予定しております。
○宮崎秀樹君 厚生大臣が定めるものというのは一体何でしょうか。
○政府委員(岡光序治君) 医師会とか看護協会とか地域の医療関係団体、こういったものを主に考えております。
○宮崎秀樹君 その事業者に対する助成とかそういうものはお考えでしょうか。
○政府委員(岡光序治君) 今のところは特別のものを考えておりませんで、訪問看護ステーションを設置する、そういう諸経費もこの療養費の中に入れ込みたいという発想で考えております。
○宮崎秀樹君 そこで、全国に五千カ所つくるという御構想をお聞きしましたけれども、仮に三人の看護婦さんをそこへ配置しますと一万五千人の看護婦さんが要るわけですね。この一万五千人の看護婦さんはどこから、集めるというと語弊がありますけれども、看護婦さんをそこへ配置させられるのかなと大変私は心配しているんですが、その辺はどうお考えでございましょうか。
○政府委員(古市圭治君) 看護婦全体の養成数というのは増大していかなかったらいけません。しかし、これだけではできないということで、いわゆる推計約四十万人おられます潜在看護婦の方々をフルに利用できるようなチャンスをつくっていきたい。そのためにナースバンクをナースセンターに上げる等各般の施策を推進して、潜在看護婦さんたちによってこの訪問看護がかなりの部分支えられるような体制に持っていきたいと思っております。
○宮崎秀樹君 局長さんの考え方でそのとおりいけば世の中楽なものでございまして、なかなか実態は厳しいんじゃないかというふうに思います。 そこで、訪問看護婦さんというのはたしか講習を受けるんですね。今までは全部そういう講習を経た方がやっていらっしゃるんですが、どういうふうに実際に実務的になさるんでしょうか。
○政府委員(岡光序治君) どういう看護婦さんにやっていただくかというのも、これは専門の審議会に諮ってその講習の内容もセットしたいと思っておりますが、いずれにしましても新しいタイプの訪問看護というものでございますので、そういったものにふさわしいようなトレーニングをした上でこの訪問看護の仕事に従事してもらいたい、こんなふうに考えているわけでございます。
○宮崎秀樹君 時間がございませんので、きょう文部省さん来ていらっしゃいますか。――看護婦さんの養成というのは大変な仕事でございます。まず実習病院がなくちゃいけない、それから看護婦さんの実習生一人に病院ではお産が幾つなくちゃいけないとかカリキュラムがいろいろございまして、そう簡単にどこでもできる話じゃございません。 そこで、文部省さんにお尋ねしたいのは、国立の新設医科大学でほとんど附属に看護婦さんの養成施設がないんですよね。これはまことにおかしな話だと思う。私は従来から言っているんですが、これは厚生省とは関係ないよという話では済まされないわけでございまして、やはり地域社会に国民医療を展開するときに、確かにそこは研究機関であり学問をするところであるということはわかりますけれども、しかし附属病院というものを抱えていて、そしてそこで必要な看護力というものはどうしても要るわけですから、ほかで養成した方を全部集めていっちゃうと、ほかがみんな今足りないからほかが困るわけです。ですから、自分のところは自給自足でぜひやっていただきたい、そういう体制をつくっていただきたいんですが、それに対していかがでしょうか、その方に前向きに今お考えでしょうか。
○説明員(喜多祥旁君) 新設医科大学につきましては、設置の際に看護婦の養成確保、これは地元で行うということで進めてまいったところでございまして、十四の新設医科大学に自前の養成施設はございません。 ただ、当初それで格段の支障がなかったと承知いたしておるところでございますが。近年におきます看護婦の不足ということを受けまして地元の自治体等から新設医科大学に養成施設を設けてほしいという要望が寄せられていることは十分承知をいたしております。各地域の看護婦の需給状況でございますとか、あるいは大学の設置準備状況、また国の行財政状況等を十分踏まえまして検討させていただきたい、かように思っておるところでございます。
○宮崎秀樹君 ということは、前向きに予算をとってと、来年度は幾らかでも予算の概算要求をやっていらっしゃいますか。
○説明員(喜多祥旁君) 来年度につきましては広島大学医学部に保健学科を設けるということで概算要求をいたしております。ただ、新設等につきましては、今申し上げましたようにいろんな準備状況等がございますので、来年度は予算要求はいたしておりません。
○宮崎秀樹君 浜本先生のところへできるようでございますけれども、そのほかはないというふうなことでまことに寂しいお話で、ぜひこれは真剣にひとつ考えてやっていただきたいと思います。 それでは、時間になりましたので、最後に。 二十一世紀というのは目前でございます。人口動態の変化、そしてまた少子化、それに伴う全体の、特に五十四歳以下の女子は二〇一〇年になりますと三百九十万人ぐらい今より減っできます。これは大変なことになるわけでございまして、それとは逆に需要は今の倍になるわけですからとても対応できない。そういうことを考えた中で保健、福祉、医療という社会保障制度というものを確立していかなきゃならない、それにはやはり財源確保ということも真剣に考えていかなきゃならないわけでございます。大変な時代に来たなということを私は実感しております。また、看護婦さんの問題も、絶対数が足りない、しかし質はレベルアップしなきゃならない、そして週休二日制は取り入れなきゃならない、ましてや賃金が安いから当然これもベースアップしなきゃならない。じゃ、それの医療原資はあるのか。これまた将来に向かって非常に何も今方策がない。これじゃまさに絵にかいたもちよりも悪いわけでございますから、私はその辺に対してきちっと今から相当な覚悟を持って対応していかなきゃいけないと思うわけでございます。 幸い厚生大臣は大蔵省の御出身でございますので、いろいろと私も日ごろから兄事しておる先輩でございます。どうか大臣、ひとつそういうことを見越して、最後に御決意を承って私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(下条進一郎君) 宮崎委員が専門家のお立場から長寿社会を展望しながら極めて重要なポイントについての御意見やら御質疑をされまして、大変感銘深く拝聴いたしておりました。 本当に日本の将来、高齢化社会がどんどんとテンポを速めて進んでおる中で、いかに高齢者の方が適切な医療を受けるようになるか、また医療だけでなく年金その他の制度も充実していかなきゃならないということを考えます場合には、やはりこれに先立つものは何といっても財政的な裏づけという。ことに相なろうと思います。そこで、今委員の中でまだ出ておりませんが、午前中の御審議にもありましたように人口構成の問題、これも非常に大きな基礎ベースをなす問題でございますので、総合的な施策というものが長寿社会を堅実に守っていくためには私は必要である、こう考えております。 そこで、当面、特に御指摘がありました看護職員あるいはまたその他の人材の確保の問題等につきましては、これはもうゆるがせにできない大きな問題でございますので、御承知かと思いますが、看護職員の現状を正確に把握する必要があるということで、この前の国会のときにも、六月末までに全国の状況を調査するということで各都道府県に厚生省から実情調査の連絡をいたしまして、ようやく今九割の回答を各地域から受けておりまして、間もなく一〇〇%になろうかと思います。そういうことで、看護職員の実際の現状、すなわち需給の状況がいかにあるかということを踏まえて、それを前提としながらこれからの長期的な需給の計画を着実なものにしていきたい、このように考えております。 あわせまして、介護の職員にいたしましても、その他の専門の職員にいたしましても、いわゆるマンパワーの確保というものは大変大事でございますので、この面につきましては、既に午前中も御議論がありましたけれども、マンパワーの確保のための特別の法律を提出いたしたいと思って準備をいたしております。 一つやったから全部が、委員の御指摘の問題が解決するわけじゃございませんで、一つ一つ着実に積み上げながらそのような体制を整えて御期待にこたえるように厚生省として努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○清水嘉与子君 限られた時間でございますので、訪問看護制度につきまして絞って御質問させていただきたいと存じます。 この訪問看護制度が本格的に実施されるということでございまして、これまでの施設収容中心といいましょうか、そういった形で進んでまいりました日本の医療政策がここで大きく転換されてくるということでございまして、そのおかげで、病院にといいましょうか、今まで医療機関の中に閉じ込められていたといいましょうか、そういう看護婦の活躍が少し地域の中でも広がっていくということで大変喜ばしいことだというふうに考えております。これによりまして、在宅でケアを受けたいあるいは生を終えたいというような方々のためにもサービスが提供できるのではないかというふうに考えております。 このたびは訪問看護制度の創設というふうに書いてございますけれども、実際にはこれまでにも地域で看護婦や保健婦が活動をしてきたという経過があるわけでございまして、例えば老人に限りましても、ヘルス事業の訪問指導でありますとかあるいは医療機関からの訪問看護指導でございますか、こういったものというようなことで実際にそういう活動が行われております。言葉は多少表現が違いますけれども、機能としては同じような形で仕事が進められておりますが、それと、今度新しく行われます訪問看護制度の関係あるいはその違い、あるいはその特徴といいましょうか、そしてまた新しく訪問看護制度が始まりますと、これまでの既存のヘルス事業でありますとかあるいは医療機関からの訪問看護指導が一体どういうふうになっていくのか。その将来の展望といいましょうか、その辺も含めて御説明いただきたいと思います。
○政府委員(岡光序治君) おっしゃいますように、いろんな事業をお願いしておるわけでございますが、考え方の整理としましては私ども以下のような整理をさせていただいております。 市町村が保健事業の一環として行っている保健婦等による訪問指導でございますが、この訪問指導は対象者が四十歳以上の寝たきりの状態にある人たちということになっております。その指導の際の中身でございますが、心身機能の低下の防止とか健康の保持増進を図るために行う助言、援助、こういったことが主だというふうに考えております。それから、保険医療機関が行っておいでの訪問看護でございますが、これは主として退院後の病状が不安定な患者を対象に外来診療の一環として診療の補助行為を中心に行っておいでだというふうに理解をしております。 これに対しまして、今回お願いをしたいと思っております老人訪問看護は、主として病状安定期の寝たきり老人、こういった人たちを対象に考えておりまして、かつ療養上の世話に重点を置いた介護的色彩の強い看護サービスである、こう理解をしております。そういう意味では、それぞれ現在行われておる事業とは違っておる位置づけだと思っております。 しかしながら、こういったものは十分連携を図りながら行っていく必要がありますし、私ども、地域におけるいろんなサービスがうまく連携を図っていくことが対象者の状態をよくしていくことだというふうに考えておりますので、考え方としては今申し上げましたような整理をしておりますが、現実の場においてはそれぞれが緊密な状態、あるいは場合によっては区分がはっきりしないような場合もあるかもしれませんが、そういった連携を十分図っていっていただくことが大変大切だというふうに考えております。
○清水嘉与子君 行政的にはそういう整理が一応できているのだろうと思いますが、地域にいらっしゃる方々にとっては、自分が一体どのサービスを受ければ一番いいのかというような点で非常に困る点がございます。実際に当たりましてはぜひその辺、サービスが抜けないように、そしてまたなるたけいいサービスができるようによろしくお願いをしたいというふうに思います。 それから、具体的にこの訪問看護センターの構想でございますが、こういう形によりまして、例えば看護協会が実際に訪問看護事業の主体になれるというようなことで大変全国の看護婦たちも希望を持ってこの問題に取り組んでいるところでございます。自分たちの専門性も生かせるし、また家庭と両立ができてそこの仕事ができるということは大変いい結果をもたらすのではないかというふうに思います。 ただ、既に看護協会、地域によってはもう自分たちでナースバンクの事業をやり、そしてそこで潜在看護婦を掘り起こし、そして研修をし、かなり自分たちのお金を費やしながら研修をして用意しているというところもございますし、また市町村のヘルス事業を、委託を受けて訪問看護事業をやっておるところもございます。そういう意味では、この法律が成立いたしましたら早速に訪問看護センターを設立したいというようなことで意欲的なところもございますし、また逆に、そういうことをやっているおかげでちょっと足踏みしているところもございます。 それはどういうことかといいますと、先ほど宮崎先生の御質問にもございましたけれども、果たして独立して訪問看護センターが運営できるような療養費、訪問看護療養費あるいは利用料、厚生省の御説明ですとこれで運営できるんだということでございますが、果たしてそれができるだろうかという第一の疑問でございます。実際に医療機関からの今の訪問看護ですと一回三千八百円、そしてまたヘルス事業ですと非常勤の看護婦さんが一日五千二百二十円というような経費でございます。それで、実際にヘルス事業などで委託を受けているところが試算をいたしますと、一つの事業所に大体七千万とかあるいは一億かかるというようなことを出してきております。そこで、一回の訪問に一万円もらってもまだ足りないんだというようなことでございまして、果たして本当にみんなが元気を出してこの訪問看護センターをやろうというような意欲が出るほどの準備が、療養費あるいは利用料が設定されるんだろうかどうだろうかということでございます。 また、先ほど伺いますと、センターの設置等についての低利融資の話だとかあるいは運営助成だとか、そういうことについては今考えていないというようなことでございましたので、その辺について、当然のことながら厚生省はこれを進める方向でいくと思いますが、その辺のお見通しを少し聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(岡光序治君) 先生が今おっしゃいましたように、老人訪問看護療養費の中におきましてこの訪問看護ステーションが適正に運営ができるようにそういった額を設定する必要があるというふうに考えております。今おっしゃいましたようなことも念頭に置きながら、これは中央社会保険医療協議会で御議論いただくことになっておりますが、十分な運営ができるように考えていきたいと思います。 そういうことで、これからどういうふうな展望か、こういうお話でございますが、私ども、先ほども宮崎先生に御答弁申し上げましたが、事業者としましては、地方公共団体、医療法人、社会福祉法人、それから地域の医療関係団体、看護協会であるとか医師会であるとか、そういったものを考えておるわけでございまして、そういったところでまず取り組んでいただいてどんな仕事なのかということを御理解いただく、そして既存の訪問指導事業であるとか医療機関が行われておる訪問看護の事業とどういうふうにタイアップしていけるのか。それから、モデル実施をかって行ったわけでございますが、そこでも都市型と農村型と大分結果も違うわけでございます。 そういったことで、やはり地域の状況を見きわめながら、しかもこういったものがほかの社会資源とうまくやっていかなきゃならないわけでございますので、市町村の事業計画、そして関係者の反応、それからお年寄りの方の受けとめ方、こういったものも十分見きわめながら地域に即した形で定着化をしていければありがたいな、こう考えている次第です。
○清水嘉与子君 今もう出ましたが、訪問看護の実施機関でございますけれども、今のような例示されましたところのほかに、ちょっと私ども心配しておりますのは、営利法人がどういうふうな形で参加してぐるだろうかということでございます。この辺についてもお認めになる見込みでございましょうか。
○政府委員(岡光序治君) 私どもは、結論的に申し上げますと、当面対象にすることは考えておりません。やはり新しい制度でございますので、こういった制度の運営の実績とか普及の進みぐあい、こういったものを十分見きわめなきゃなりませんし、関連の事業との関係もございますし、これは慎重に考えなきゃいけないと思っております。
○清水嘉与子君 ぜひその辺は慎重にやっていただきたいと思います。老人が何かそういうことで変な形になることを大変恐れるものでございます。 ただ、また一方におきまして、先駆的に訪問看護事業に取り組んでいる看護婦グループが幾つか出てまいっております。お年寄り御本人はもとより、その家族からもあるいはお医者さんたちからも大変に高い評価を得ているわけでございまして、こういう営利目的でない良心的な事業を何とか支える、あるいはそういうところからサービスを受けた方々の経済的な負担を軽減するという意味でも何か、どういう形がいいのかよくわかりませんけれども、例えば一定要件に合致したところには看護法人というような法人格を与えまして訪問看護事業者として認めるというような方向も私は検討していただきたいなというふうに思っているところでございます。まあここですぐにいいとか悪いとかということはなかなか言えないと思いますので、こういうことにつきましても実態をお調べいただきまして、その辺についてぜひ御考慮をいただきたいというふうに思う次第でございます。 それから、先ほど来マンパワーの問題が出ておりますけれども、いろんな方々が御心配くだすっていると思います。私も全国を歩いて見ていますと、各県の看護協会が、さっきも申し上げました潜在看護婦の講習会もやってすぐできるように準備をしている。ところが、大変残念なことながらその講習会を終わった方々が働く場が今はないというようなことで、要するに事業が始まらなければ働く場がないということで待機しているというような例がかなりいろいろあるわけでございます。私はこういう点からいきますとかなり楽観的な考えを持っているわけでございまして、この訪問看護が本当に本格的に始まれば相当潜在の方々も出てくる可能性があるというふうに思っております。 ただその際に、何か訪問看護は潜在でやる、潜在で大丈夫なのかという問題がどうしても出てくるわけでございまして、潜在といいましても、ついきのうまでどこかにいた潜在もあるだろうし、何年も離れていた潜在もあるだろうし、実際に仕事の内容を考えますとそんなに長いこと医療機関を離れていたような方がすぐに復帰できる仕事では絶対ないわけでございます。そういう点で考えますと、この方々の技術あるいは知識をある程度恒常的に確保する施策がどうしても必要だというふうに思います。先ほどちょっと古市局長の方からも、ナースセンター等で来年は施策の中に出したいというようなことが出されてまいりましたけれども、私ども党の中でもこの問題につきまして、ナースセンターというような従来のナースバンクを一歩乗り越えたような施策でもっとこの辺思い切ったことをやったらどうかということを提案したわけでございますが、この辺の問題、その御決意を少し聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(古市圭治君) 清水委員には今お話がございましたように、看護問題小委員会の方で看護婦の養成確保についての広い立場から各般の施策についての御提言をいただきました。それに沿いまして私ども今努力しているわけでございます。 この訪問看護に対する看護職員の養成確保に関しましては、現在既に百二十時間の講習を都道府県の看護協会に委託して実施している、そういうもので済ませた方もおられます。さらに、来年度は各地区でそのような事業をさらに広く発展させますためにこの訪問看護をやる人たちに対する指導教官を養成する事業をやりたい、その方たちには六十時間の研修をしていただいて、その人たちが自治体に戻ってさらにまたその百二十時間の研修の教官になっていただく、そういうことも考えて新規事業として要求しているわけでございます。そういうことでまたよろしく御支援をお願いしたいと思います。
○清水嘉与子君 潜在看護婦の方に十分な研修をするということでございますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。さらに、必要なときには実務研修ができるような病院を決めるなど後方支援体制等につきましてもぜひ御考慮をいただきたいというふうに思います。 それから、最後でございますけれども、この訪問看護制度が創設されたといたしましても、毎日人のお世話を受けているような御老人にとりましてはこれは本当に一時的なサービスにすぎません。しかし少しでも必要なサービスの量とか質を整える沈めに、地域で行われております保健医療サービスあるいは福祉サービスとの連携をいかに図るか、最初の問題に戻るわけでございますが、そういうことがどうしても問題になると思います。特に、在宅ケアのすべてが地域に根差した公的サービスで行われているようなヨーロッぱのような国々でございますとかなり福祉と医療の調整ということもできるんですけれども、日本のように類似サービスが公的、民間合わせていろんな形で広がっていく、これが日本型の在宅ケアなのかもしれませんけれども、こういう形がスタートするわけでございますので、大変期待とともに心配もしております。 健康上の問題を抱えている方々にとりましては、新たに始まる訪問看護というのは地域の在宅ケアの中心的役割を果たすということが期待されますけれども、ホームヘルパーだとかあるいはその他の在宅サービスとの連携をどう確保していくのか、大臣に最後に基本的なお考えを聞かせていただきまして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) 看護の問題の専門家でいらっしゃる委員から新しくできます老人の訪問看護制度についての留意すべき大事な問題についてのいろいろの御意見を拝聴いたしております。大変な貴重なものだと思って受けとめております。 この新しい老人訪問看護制度は老人の在宅医療を支える重要なサービスでありまして、御指摘のとおり、その事業展開に当たっては他の保健医療、福祉サービスと密接な連携が保たれるよう十分配慮する必要があるのであります。このために訪問看護の運営基準や各市町村におきます老人保健福祉計画の策定に当たりましては、個々の老人 に対するサービスの調整を行う在宅介護支援センター等の活用によりまして訪問看護と他のサービスとの連携が保たれるよう十分配慮し、老人に対し適切なサービスが適用されるような体制づくりにこれから鋭意努力をし、進めていきたいと考えております。
○清水嘉与子君 どうもありがとうございました。
○委員長(田渕勲二君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十八分散会 ―――――・―――――