文教委員会 第1号
- 発言数
- 250 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/09/25
会議録
○臼井委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 文教行政の基本施策に関する事項 学校教育に関する事項 社会教育に関する事項 体育に関する事項 学術研究及び宗教に関する事項 国際文化交流に関する事項 文化財保護に関する事項以上の各項につきまして、本会期中国政に関する調査を行うため、議長に対し、国政調査承認要求を行うこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○臼井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――◇―――――
○臼井委員長 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村義雄君。
○木村(義)委員 おはようございます。 現在の我が国の文教行政は、本当に広範にいろいろな問題点を抱えているわけでございます。やはり子を持つ親として一番心配しているのは、この子がどういう学校に入学し卒業していくんだろうか、そして立派な学校を出て社会の有用たる人間になっていただきたい。これは子を持つ親なら皆さんが願うことではないかと思うわけでございます。しかし、その学校教育の過程でいろいろな問題が今起こっておりまして、昨今も新聞等で風の子学園ですか、大分社会問題化している事件も決して少なくはありません。その中で数の点から大変ゆゆしき問題と思われるのがいわゆる高校の中途退学者問題でございまして、私はきょうはこの点に限って文部当局の見解をただしたいと思うわけでございます。 昨今の調査によりますと、せっかく難しい試験を通って高校に入学しながら中途退学をする生徒の数が一年間において十二万人を超えた、こういう数字が発表になったそうでございまして、随分多くの人が中途退学をしている。せっかく入学しながら一体どうしたことだろう。決してこれは本人にとってもプラスではないと思うわけでございます。 そこで、この中退の理由、そしてまた原因をどのように文部当局が把握しているのか、まずもってこの辺をお伺いしたいと思います。
○坂元政府委員 平成元年度の公私立高等学校の中退者の数は十二万三千人でございます。その中退事由としましては、進路変更をしたいという者が三五・一%で最も高く、続きまして学校生活、学業不適応の理由が二六・九%、それから学業不振というのが一二・四%、家庭の事情が七・四%、いわゆる問題行動などによる中退が六・八%という順番になっておりまして、この傾向はこの数年大体同じような傾向でございます。 ところで、中退の原因でございますが、いろいろな原因が絡み合って中退という事態に立ち至っているというふうに思いますが、学校関係者等の意見などによりますと、一つは、目的意識や学業意欲が不十分なままに高校に入学いたしまして、高校で学ぶことの意義や意欲を見出せないままで中退するというような点。それから中学校において基礎的な学力が十分身についていないまま高校に入学し、学業不振のまま授業についていけないで中退するケース。それからアルバイトなどを学校外でやっておって、御承知のとおり現在アルバイトのペイが比較的高いというようなこともあって、そのアルバイト等学校外の生活が学校よりも楽しいというようなことで、それに引かれて中退するケース。それから中退は比較的定時制課程に多いのでありますが、例えば全体では二・二%の中退率でございますが、定時制課程は一五%を超えております。定時制課程の中退は、現在ついている職業の関係で、職業にとにかく専念するためには夜の学業を続けることが難しいというようなケース。それから学校に入りまして、必ずしも学業不振ではないのですけれども、何となく学校の勉強に魅力がないということで、それならば学校をやめて大学に行くのならば大検を受ければいいやというようなことで、大検をねらうケースというようなこと等々が関係者から指摘されているわけでございます。 これは、生徒側について見た原因でありますが、学校側から見ましても、中学校における進路指導の問題、それから高等学校における学習指導や生徒指導の問題など、学校側としても改善すべき点があるのではないかというふうに私ども考えております。
○木村(義)委員 今局長さんが言ったその点は非常に重要なことでございまして、中学から高校へ進学する人の進学率というのは九五%だそうでございます。言ってみれば、昔と違って今は猫もしゃくしも高校の時代でございますが、その中で、やはり進路指導、それから親とのコミュニケーション、本当に十分できていたのだろうかということが、私も今の局長の御答弁を聞いておりますと強く感じられておりますので、まず高校中退者の問題というのは、やはり中学校あたりからのそういう学校教育とそれから家庭と本人、この三者の関係をやはりもう少しじっくり見直してみる必要があるのではないかなという気がいたしてならないわけでございまして、局長、その辺でもう少し踏み込んだ御答弁をお願いできないでしょうか。
○坂元政府委員 大変難しい問題でございます。本人もそうかもしれませんが、父兄の方から見ますと、最初に先生が感想を述べられましたとおりに、父兄とすれば、大体ほとんどの子供が高校に進学するという今の実情の中で、自分の子供も高校ぐらいはぜひ出してやりたいという希望が非常に強い。それから中学校の先生の方からいいますと、父兄のそういう要望に応じてなるたけ高校に入れてやりたいという意向がかなり強く働くわけでございます。ただ、本人から見ますと、高校へ行くよりも、むしろ、働くという意欲はないとしても、どこかへ行きたいんだけれども、高校はちょっと行きたくないというような子供も含めて、これは父兄が悪いというよりも、父兄のそういう子供を愛する思い、それから先生が父兄の要望にこたえるというものが、結果とすれば子供にマイナスに働いているんじゃないかというような感じも持ちます。 そういう意味で、私ども昭和六十三年に、中学を卒業した子供たちが進学する専修学校がございますが、その専修学校の卒業生につきましても、文部省、文部大臣が認定をして大学の入学資格を与えるという道を開いたところでございます。事実、中学を卒業して専修学校に進みまして、大学に進学している子供たちが年間百名前後ぐらいいるかというふうに私記憶しておりますが、そういう道も、学校の先生方、それから父兄も十分子供の立場に立って選択してみたらどうだろうかというような感じを持っているわけでして、さはいうものの、先ほど申し上げましたとおりに、父兄の立場を考えますと大変難しい問題だなという感想を持っております。
○木村(義)委員 確かに、父兄の立場も難しいし、進学校という名前が定着した学校でフレキシビリティーを求める難しさもあろうと思います。しかし、今の御発言で、制度としては逆にフレキシビリティーを持たせようとしている御姿勢に対しては、ぜひそれを進めていっていただきたいと思うのです。 今度は、高校をやめた人たちは、やめたことに満足をしているのか、それともやはりやめて後悔をして学校に戻りたいのか、その辺ちょっと、ショートアンサーで結構でございますので、簡単にお願いいたします。
○坂元政府委員 これはちょっと古い調査で恐縮でございますが、昭和五十九年度の全日制課程を中退した人に対するアンケートによりますと、中退後の現在の生活観についてどういうふうに思っておりますかというのに対しまして、満足している、やや満足していると、相対的に満足しているというふうに答えた方が六七・六%、余り満足していない、全く満足していないという否定的に答えたのが三二・二%でございます。それは中退後の生活についてであります。 それから、中退したことについてどう思うかということについて、積極的によかったというふうに答えておる者が五七・八%、やや消極的に、やめなければよ。かった、どちらかといえばやめなければよかったというのが四一・二%でございます。 他方、中退した者のうち、二二・四%がその時点で他の学校に就学しております。その時点で就学しなかった者でも、将来学校に学びたいという者が三四%というふうになっておるところでございます。
○木村(義)委員 意外と中退して満足をしているという人が多いので、若干愕然としているわけでございますけれども、逆に中退された後でもとに戻りたいと言っている希望も強いわけでございます。そこで、中退はしたものの、やはり戻りたい、こういう方々の希望をかなえるために、どのような制度とか対応を各学校あるいは県の段階でしているのか、お聞かせをいただきたいと思うのです。 それとともに、やめるまでには至らないのだけれども、潜在的な中退希望者というのもこれだといるのではないかなというような気がいたすので、これはやはり高校の中でいろいろな学校教育上の工夫をしていただかなければいけない。というのは、引きとめるということを、そういう御努力をどのようにしておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○坂元政府委員 確かに、一度中退をしたけれども、その中退の中に、全く学業が、勉強が嫌だという人もいますが、同時に、その学校が自分に合わないというような生徒もいるわけでございます。そういう意味で、私ども、各都道府県に、そういう中退者を再び学校に引き受けるというようなことについて具体的に取り組んでもらいたいというふうに指導をいたしておるわけであります。 一つは、単位制高校でございます。これは定時制の単位制高校でありますが、単位制高校は無学年制、学年制でございませんで、だれでもがいつでも必要に応じて学習できるというような、そういう仕組みになっておりますので、中退者の再入学の機会を拡充するためには、この単位制高校だとは非常に有用なのではないかというふうに考えております。現在、公立学校では十五県十九校、それから私立が四県四校設置されております。各都道府県では、今後も定時制の単位制高校を積極的に設置していこうという意向が見られておりますので、今後もこの定時制の単位制高校は増加していくだろうというふうに私ども期待をいたしております。 それから、これはすべての県ではありませんが、幾つかの県で積極的に中退者を受け入れることができるように各学校に特別入学定員枠を設定いたしまして、これは帰国子女や何かにつきまして特別入学定員枠を設定している学校が多いわけですが、それと同じように、二年、三年等の段階で特別入学定員枠を設定いたしまして、再入学の制度化を図っているところもございます。これもまた私どもも各都道府県にお願いをいたしまして、ぜひこういう別枠を設定して、中途退学者の再入学の道を開くようにということをお願いしておりますので、これもこれから徐々にふえていくだろうというふうに期待しているところでございます。ただ、中途退学者の再入学の受け入れに当たりますと、どうしても今までの教育課程の編成が各学校で違いますので、それがまた障害になっては困るということで、教育課程の編成の弾力化の問題についても、現在私ども検討を進め、ぜひこれは、非常に弾力的な教育課程で、A高校からB高校に転校することも比較的容易にできるような仕組みを考えてまいりたいというふうに考えております。 それから、ちょっと答弁が長くなって恐縮でございますが、定時制高校には単位制高校がございますが、全日制高校には制度的に単位制高校がございません。全日制高校でもやはり単位制高校を私どもつくるべきだという考え方で、現在、全日制高校の単位制の導入につきましては、高校教育改善会議というものを文部省に設けておりまして、教育課程の問題等を含めて御議論をいただいておりまして、この議論に基づきまして、全日制高校の単位制制度の導入につきましても私ども取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○木村(義)委員 大分踏み込んだ御答弁をいただきましてありがとうございます。 その単位制高校というのは、今まで高等学校は一年生、二年生、三年生、そういう枠組みから、むしろ御破算で願いましてはということで、新しい視点から教育に取り組むものとしては、新たな枠組みを求める非常にいい制度だと私は思うので、ぜひこれを拡充していっていただきたい。制度ができても実際に活用されないということがないようにぜひ頑張っそいただきたいと思うのでございます。こういう問題というのは、高校生時代だけではなくて、例えば十年たったり二十年たった後、やはり高校を卒業しておけばよかったという方々も出てくると思うので、生涯学習の視点からもぜひひとつこの制度を拡充していっていただきたいと思うのですが、その辺は局長さんはどういうふうにお考えになりますか。ショートアンサーで……。
○坂元政府委員 私どもも、生涯学習の観点から、単位制高校というのは大変入りやすいのではないか、中学だけしか出ないで三十代、四十代あるいは五十代になって、子供が手を離れたときに改めて高校で勉強をしたいという人にとっても非常に入りやすい制度じゃないかというふうに考えておりまして、ぜひこの充実に努めてまいりたいと考えております。
○木村(義)委員 最後に、大臣に決意のほどをお伺いしたいと思うわけでございます。 やはり小学校、中学校、高等学校、そしてできれば大学に入学し、卒業するのが子供の希望であり親の願いである以上、教育現場や、また文部省その他教育に関係する者が力を合わせでいろいろな立場から、またいろいろなフレキシビリティーさを求めて中途退学者を救済していくということが大変必要ではないかと思うわけでございますし、さっき言った生涯学習の観点から、これはもう高校中退者ではなくて、大学を卒業できなかった方でも、やはりそういう視点が求められるべきものと思うわけでございます。 そこで、大臣として、この中退問題等に対する対応策の充実等に対してどのようにお考えか、決意のほどをお伺いしておきたいと思います。
○井上国務大臣 今木村先生と局長のお話を伺っておりまして、まさに二十一世紀を目指す教育への先生の御理解に非常に敬意を表する次第であります。 なお、高校中退者が十二万を超えだということは、非常に私ども残念に思います。今先生の御質問にもありましたように、平成二年の三月三十一日が九五・一%、今平成三年の五月三十一日は恐らく九五・四ぐらいになるであろうという中で、この対応は重要な教育課題であると私ども認識しておりまして、今後ともひとつ中学校におきます進路指導の充実、さらにまた生徒一人一人に魅力ある、充実した高校教育の実現、あるいは今局長が申しました単位制高等学校の設置や教育課程編成の弾力化の促進など、中退した生徒の再入学の機会を一層拡充されるように努力をしてまいりたい、このように考えております。
○木村(義)委員 終わります。
○臼井委員長 中西績介君。
○中西(績)委員 私は、平成四年度文部省所管の概算要求について、まずお聞きをいたしたいと思います。 予算編成の問題等につきましては、従来から何回となく討論をいたしてまいりましたので、できれば簡単にお答えいただきたいと存じます。 まず第一点は、概算要求五兆二千九百六十七億円、これが一般会計の中に占める割合はどうなっておるでしょう。
○野崎政府委員 一般会計全体の四年度概算要求額は七十六兆一千七百七十九億円ということでございまして、これで割りますと七・〇%ということになりますが、御存じのように、この一般会計全体の要求の中には国債費とか地方交付税交付金などが入っているわけでございます。やはり私どもとしては、政策的経費でございます一般歳出と比較するのが適当であろう、このように考えておるわけでございまして、一般歳出は概算要求全体が三十八兆九千五百六十億円、こういうことでございまして、一般歳出に占めます割合は一三・六%、こういうような数字になっている次第でございます。
○中西(績)委員 この点について討論をするつもりはありませんけれども、七%ということになるとますます低下したということを意味しています。したがって、こうした点が依然として文部省予算について問題となって残っていくわけでありますから、この点についてさらに質問を申し上げたいと思っています。 そこで、この前も指摘をしたところでありますけれども、一般会計の一〇%を確保すれば約二兆円になるということを指摘いたしました。そこで、この二兆円という額をもし確保できるということになれば、文部省は現状の中でこれをどう配分するかです。 なぜ私はこのことを聞くかといいますと、私たちが指摘をしてまいりましたけれども、どこに問題がありどうなんだということをまだ文部省は明確に示しておりませんから、皆さんが重点的に配分をするところがわかるということがこれからまた後の討論に参考になるわけであります。したがって、この点をひとつ明らかにしていただきたいということと、このように予算の確保がなかなか難しい。基本になるのは一律シーリングの矛盾だということはわかっておりますけれども、その他改善するとすればどういうところを改善していけばいいのか、この点をお聞かせください。
○野崎政府委員 二兆円というのがどういう数字か私も十分定かでないわけでございますが、予算編成は年度年度におきますそれぞれ重点事項があるわけでございます。定数改善の問題があり、あるいは私学助成の問題あり、科研費あり、そして平成四年ですと国立学校の施設の整備というような国立学校、大学絡みのいろいろな課題があるわけでございまして、この問題につきましては、そういう年度年度の重点課題に対して対応をしていくことでございまして、二兆円があったらどのように割り振るかということはなかなか一概に答えられないことではないかと思うわけでございます。 また、どういうところに課題があるかということにつきましては、これは先生前からも御指摘ございましたように、文部省の場合に、やはり人件費の占める割合が大変高いわけでございまして、そういうようなところからどうしても物件費が少ない、そちらの方に圧迫があるというところに一つの予算構造としての課題があるわけでございますが、一方、国の財政全体の厳しいこと、これも事実でございます。そういう中で現在の概算要求基準が決められているわけでございますので、私どもといたしましては一そういう中で最善の努力をしていかなければいかぬ、このように思っている次第でございます。
○中西(績)委員 私が言っているのは、将来にわたってこの二兆円をと言っておるわけではないのです。一般会計の中に占める割合が一〇%になれば約二兆円になる。したがって、現状の中でこれを配分するとすればどこに重点的に配分するのですか、こういうことを言っているわけですから、ことしならことしで結構ですから、それを言ってください。
○野崎政府委員 私どもといたしましては、やはり一定の決まった概算要求基準の中でどのように具体に対応していくかということで、平成四年度につきましても、特に国立大学の整備の問題、学術研究の推進あるいは私学助成、そういうあたりに意を用いて配分したわけでございまして、今ここで二兆円をどう配分するかということについてはなかなか答えづらい課題、このように思っております。
○中西(績)委員 私がこのことを申し上げるのは、これからシーリングを突破する、そのためには、これだけのものが必要だということをやはり言わなければいかぬと思うのですよ。この前も指摘をしたんだけれども、シーリングを決められたら、その枠の中の配分だけに一生懸命になって、各局各課がそれぞれ渡り合うというような格好になるでしょう。それでは前進がないから、例えば二兆円というものを配分するならどのようにするかということをこの前から私は聞いているのです。ところが、ことしの問題だから将来を含めてはできませんと言うかと思うと、今度はどこどこには幾ら増額していますから、こういうようにやっていますということ。私は最初から、この一般会計の中に占める割合が低くなっているということが問題だから、この論議をしておるのですね。だから、これを突破する、そのことが今、より大事なものですから、どうすれば突破できるかということを皆さんと一緒に考えようとしておるわけですよ。ところが、その点については全く出てこない。ですから、先ほどあなたが言われたように、人件費が一兆一千二百六十億円増になっており、物件費は五千三百八十八億円減になっておるでしょう。これでいったらもう破産ですよ。わかり切った話じゃないですか。だから、もう少し柔軟に対応していただかないと私は困ると思うのです。こうしたことを将来考えようとするのか、突破を何としてもやろうとするのか、局長、その点どうですか。
○野崎政府委員 今いろいろお話があったわけでございますけれども、こういう国債費が大変多額を占める、現在の国債費が百六十八兆円、こういうことであるわけでございまして、そういう中で現在の概算要求基準というのが決められておるわけでございます。私どもも、いろいろこの問題につきましては、何とかならないかということであったわけでございますけれども、現在のこういう財政下においては、そのシーリングの設定もやむを得ない、このような状況にあるわけでございます。 将来のお話ということがあったわけでございますけれども、将来どうなるかということはなかなかお答えづらいことでございますけれども、やはり私どもとしては、そういうシーリングの設定の問題も含めましていろいろ最善の努力をしていかなければいかない、このように思っている次第でございます。
○中西(績)委員 私はもう不安で仕方がありません。もう少し意欲的にやってもらわないと、この点――財界から要求されればある程度それは聞いても、国民が要求したってこれはなかなか聞かないというようなことになるわけですから、今のような考え方では到底これを突破することはできません。 したがって、大臣に今度お伺いしますが、二月二十二日文教委員会で大臣は確保のため一生懸命努力すると言われました。概算要求を見ますと、従来と全く同様な方法で配分されておると思いますけれども、どう努力をしたのか。また別枠、款項目で少しでも突破する努力をすべきだということを指摘したのですけれども、この点についての努力はどのようにたさったのか。具体的にお聞かせください。
○井上国務大臣 お答えいたします。 文教委員会の平成三年二月二十二日の先生と私との議事録も見せていただきました。今官房長答えましたような現下の厳しい国の財政事情の中のシーリングの設定、私どもも文教部会ともいろいろ相談をいたしましたが、これは非常にやむを得ないというようなことで、やはり概算要求基準は、機械的そしてまた技術的な手法により各省庁の要求基準がそのようにずっと示されておりますので、各省庁その範囲内で施策の重要性に応じて要求を行うもの、このように設定されている性格のものでありますから、どうしてもやはりこの枠を超えるのは非常に厳しい。しかし、来年度の概算要求に当たりましては、まず学術研究の推進、また高等教育の整備充実、あるいは公立学校施設の整備、さらにまた私学助成の充実など、各般にわたりまして文教施策の着実な推進に配慮いたしました。 私自身、これは百聞は一見にしかずということで、今までの大臣も努力されたと思いますが、既に六校の大学を見せていただきまして、それに対するいろいろな皆様方の御意見も聞いて、これをひとつ大蔵省にも反映をしてもらうということで、大蔵省の主計官も東大を見ている状況でございますし、そういうことは大変失礼ですが、今までなかったことですから、自分なりに努力をしたつもりであります。例えば、科学研究費の補助金を六百五十一億、これは六十二億増、あるいはまた国立学校の施設の教育研究環境特別重点整備費、これは新規で五年間で百五十億をお願いをいたした、そういうことを自分なりには思い切ってやった。皆さんの御協力を得て概算要求に出せた。さらにまた国立財務センターの諸問題、これももう先生よく新聞、テレビでごらんと思いますが、こういう方向を何とか将来のために位置づけをしよう、受け皿をつくろうということで、これもひとつ五千七百万要求をいたしました。これは平成四年にすぐ予算が反映するものでないと思いますが、少なくとも自分の感想からいえば、平成五年以降はそういう国立大学の問題におきましても相当できるのじゃなかろうかな。今ここで自分のことを言うのもあれですが、平成五年以降は、今のセンターのあり方、これはあくまでも今受け皿の問題ですが、これは来年きっと先生方にいろいろなことで御相談しなくてはならないし、またこの問題が生かされるのではないかという考えを抱いております。
○中西(績)委員 それじゃ、お聞きしますけれども、今教育研究環境特別重点整備は百五十億新設された、こういうことを申されましたが、そのことは文部省予算の中で別枠になってついたのですか、シーリング枠の中ですか。
○野崎政府委員 これは、全体の概算要求基準が決まるわけでございまして、その中でどのように配分するかは文部省の中で決めることでございます。したがいまして、この概算要求基準の中で工夫をして、この金額を出した、こういうことでございます。
○中西(績)委員 ということになりますと、私たちが今まで主張してきたように、先ほどから論議していることとは何も関係ないのですよ。枠の中での取り合いをしました、そしてこれを新設しましたということですからね。それじゃ、もう行き着いているということを私は指摘をしておるわけですね。それを、さっき私が申し上げましたが、人件費については一兆一千二百六十億円増になっており、物件費は五千三百八十八億円減になっておるという、その中でなお百五十億をまたつけたということですから、どこかにそのことはしわ寄せになつておるということになるわけでしょう。そういうごまかしてはいけないですね。ここをこのように款項目の一つでも取ったという、またそのための努力をしたかということを私は聞いたのであって、これから答弁いただくときには、そういうふうに区分けをして明確にしていただかないと、ちょっと聞き漏らすと、何か随分な成果があったように聞こえますから、間違えないようにしていただきたいと思うのですね。 そこで、ベアの分について、今度のベースアップ分でどれだけ必要ですか。
○野崎政府委員 今年度のベア必要額は千三百四十三億円でございます。
○中西(績)委員 そうしますと、これは平年度化されますと、どれだけになりますか。
○野崎政府委員 これはまだ扱いがどうなるかということが未確定でございますけれども、今の数字は、仮に完全実施されるというとこういう数字でございますから、これが平年度化の数字、このように考えております。
○中西(績)委員 そうなりますと、これだけのものが必要だということになりますと、平成三年度で人件費の占める割合が七八・五%でした。ということになると、これはますます八〇%に近くなる。法務省の場合が人件費比率はトップだと言われていましたけれども、平成三年度は少し低下をしておる。平成二年度よりも低下をし始めておる。文部省の場合には、永久と言っていいほど低下はないと考えてよろしい。したがって、この点について、この概算要求基準の中でこの問題はどう討論されておるのか。このベースアップ分等についての取り扱いがどうなっているか、お聞かせください。
○野崎政府委員 確かにこのベースアップ分の問題というのは大きな問題なわけでございまして、一つの問題は、この千三百四十三億円を平成三年度でどう組むか。これは、その年度の問題でございますから、補正予算なりでいろいろな形で措置をしていく、あるいは既定経費の節約等がその中にあったりするわけでございます。 問題は、今回の場合でいきますと、これを平成四年度の予算の中でどう措置をしていくかということがお尋ねの趣旨がと思うわけでございますが、これがもし概算要求上全然措置をされていないということになりますと、十二月末の段階で千三百四十三億円をどうするかということが当然文部省予算としての大きな議論になってくるわけでございます。 これが、確かに従来そういうことであったわけでございますけれども、いろいろな事情の中で、平成三年度から給与改定はね返り分というものを二%概算要求の中に組む、こういうことで一千三百四十三億円というと三・七一%でございますが、確かに三・七一%までいっていないわけでございますけれども、少なくともそのはね返り分二%相当額は概算要求の中に組むということで、平成三年度そして平成四年度の概算要求でもそういう措置をしておるわけでございます。したがいまして、残りの問題というのはあるわけでございますけれども、従来のやり方から見ますと、人件費につきましては少なくともそういう措置がされたということでございます。
○中西(績)委員 その二%というのは、公務員を含めまして別枠、そうした措置をしてあるのか。
○野崎政府委員 各省人件費分の二%でございますから、文部省でいきますと、六百五十二億が概算要求として既に含まれている、こういうことになっております。
○中西(績)委員 これはシーリング枠とは別に組んでおるということですね。
○野崎政府委員 シーリング枠と申しますか、シーリングとしては、文部省予算全体を、例えば人件費は今のような考え方で組む。それから経常部門はマイナス一〇%。投資部門は対前年度で。それから、特に平成四年度の場合は、公共投資充実臨時特別措置というのが新しく枠として認められました。文部省の場合は、これは八十八億円でございます。そういうものが全体として文部省の枠でございますから、今のこの六百五十二億が枠外かどうかという議論ではなしに、そういうもの全体が文部省の枠となっておりまして、ただ、人件費でございますから、当然それは人件費として要求は出るという形のものでございますけれども、概算要求基準としては、これは全体を含んだものが概算要求、こういうことでございます。
○中西(績)委員 これはやりますとまた時間がかかりますから、あとたくさんありますので、これはまた後で細かくお聞きしたいと思います。これは一応おきます。 そこで、私はなぜこのことを強く指摘をするかといいますと、この前から言っておったんですけれども、例えばODAの予算だとか、こういう問題は、フィリピンの場合なんかも依然としてマルコス時代と同じだと言うフィリピン大学の先生がおられるわけですよね。だから、大統領府数人しかこの問題については知らないというのが現状でしょう。我々が行っても、上院議員だって以前は幾ら来ているのか知らなかったんですから。こういう状況になっておることを考えますと、こういうのにはもうどんどん出すわけですよ。ところが、我々が、今みみっちい話をしよるんだけれども、これにはこたえないというのが現状でしょう。あるいは防衛庁の予算だって、これほど冷戦の崩壊が相当進んでおるはずだけれども、そのことが全然取り入れられずに、また増額をするという状況。さらに多国籍軍のための負担は九十億ドルプラス二十億ドル、百十億ドル、約一兆五千億、こういうのはもう簡単に通っていくんですよ。全部枠外ですね。こういうふうな支出が簡単にされておるのに、文教予算の問題で解消ができないでおる問題についてはなかなか手をかけようとしないんですね。わかり切った話だけれども。そして国家百年の大計ということを盛んに喧伝はいたしますね。 私がなぜこのことを強く指摘をするかというと、一番恐れるのは、金がないと管理を強めるんですよ。金が豊富だと豊かな気持ちでやるから、これは皆さんゆったりしていますけれども、金がないとぎすぎすして、それに反発すると、今度はそれを管理していくということになってくるんです。行政のあしき点が出てくる可能性があるから私はこのことを指摘しておるんです。そのことだけを指摘をしておきます。もう答弁要りません。 次に、来年度予算、簡単にお答えください。概算要求についてお答えください。 国立学校特別会計については、先ほど大臣、説明ありましたように、教育研究費基盤充実がプラス四十七億円だとか、あるいは教育研究環境特別重点整備がゼロから百五十億円プラスされたということ宣言われています。しかし、これは大学財政懇談会あるいは学術審議会が、今までやったことのないような異例な要望書を提出をして、ようやく井上大臣になってから目が覚めたような感じがします。 そこで、ずっと見てみますと、外国に比べますと、この公財政支出についても日本は諸外国に比べて半分。さらに大学研究費も同じように半分。あるいは一人当たりの実質研究費についても、研究機関に比べ、あるいは企業に比べもう大変な格差があります。一人当たり九百七十万円。私は、こうした問題をこれからどうするかということが物すごく大事だと思うんですけれども、この点についてどう追求をしていくつもりか、お答えください。
○前畑政府委員 御指摘のように、高等教育に対する公財政支出という観点からいたしますと、確かにアメリカ、イギリス、ドイツといったところと比べまして、対国民所得比という数値で見ますと若干低いわけであります。ただ、全体としての教育費、初等中等教育から高等教育を通じて、その教育費を公財政でどういうふうに負担するかということになりますと、それぞれの国の教育の、学校制度の成り立ちといったような問題もあってなかなかにわかに決しがたいところがあろうかと思います。 私どもとしては、いずれにいたしましても、先ほど来御指摘があってございますようなことを踏まえ、また大臣の御答弁も踏まえまして、高等教育に対する公財政支出といったものをさらに充実する努力を重ねなければなりませんが、現在のような財政状況からしますと、現実にはなかなか難しい問題がございます。 そこで、例えば民間資金をいかに活用していくか、あるいは特別会計自体としてどのような工夫があるかということを今後さらに研究をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○中西(績)委員 これはさっきの問題と同じように、日本における大学がどうなっておるかということを大臣二、三校調査したようでありますけれども、私たちがそれぞれの大学に行きましても、要請されることは大臣が聞いたことと全く同じですよ。もうちょっとこの分については――全体で抑えできますからなかなか打開できぬということ。ですから、私さっきから申し上げておるような、どこかに、世界でこうなんだということをみんなで声明か何かを出して、そしてこの点をこうすべきだということぐらいやらぬと、外国からといったら日本は弱いわけですから。だから、こうした点あたりも含めましてどうするかを、これから本格的に考えていかなくてはならぬ点だと思います。 したがって、もう概算要求を出していますから、今度これよりふやしていくということは非常に困難でしょう、確定期に向けては。そうすると、今問題になっておるところは、本年はこの点について重点的にやりました。しかし、そのかわりほかのところ、重点施策じゃないところはどんどん削られていっているわけですから、こういう点とのかかわりをどういうふうに説明するかを考えておいてください、これはもう一遍私やりますから。これは本当に大事な点ですから、皆さんかどう突破するかということを期待していますので、大臣、お願いしておきたいと思います。 次は、私学助成です。高校助成問題もありまずけれども、きょうは私立大学助成に絞りますが、ピーク時、経常経費三〇%に達しておりましたけれども、平成元年、八九年には一五%になっていますね。そこで四十四億積み上げて今度は二千六百三億ということになっています。しかし、経常経費の中に占める割合というのはさらに下がってくるだろう。しかし、ここでマイナス一〇%シーリング、この場合にはマイナス分と今度は四十四億上積みをする分とを合計して約四百億積まなくちゃならぬということになるわけですね。そうなってまいりますと、これを繰り返してまいりますと、いよいよまたどこかが破産をしてしまうということにならざるを得ない。今までは公立学校施設整備費、ここで何とか三百、四百億ぐらいつけていましたけれども、それができなくなった。ということになってまいりますと、教育費の負担額が世界一だということをどうアピールしてこの分を突破していくのか。特別枠でもとるのか。だから私学助成であろうと国公立であろうと、公財政支出はさっき言うとおりでありますから、こうしたことを一緒に考えていただくということにならないと困るのですが、この点についての決意があればお答えください。
○奥田政府委員 先生御指摘のように、私学は我が国の高等教育におきまして、その普及充実に大きな役割を果たしているわけでございます。非常に厳しい状況のもとにございますけれども、ただいまお話ございましたように、平成四年度の概算要求におきましては、経常費につきまして四十四億円の増、二千六百三億五千万円、さらに私立大学、大学院等の教育研究装置の設備費の補助金でございますが、これも十億円増の九十一億五千万円、加えて私立大学研究設備費の補助金でございますが、これも十億円増の三十億五千三百三十六万円、これを要求いたしまして、私学の要請に少しでもこたえていきたいということを考えております。今後とも私学の果たす役割はふえることはあっても減ることはないと考えておりまして、私学助成の推進につきましては、厳しい状況の中で最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
○中西(績)委員 ですから、これはまた後で一括してやりたいと思います。 次に、定数改善問題、これは同僚の沢藤委員の方から後で時間をたっぷりかけまして質問をするということになっていますから、要点だけ一、二お聞きします。 今まで私たちが論議しました際に、第四次から第五次に移るときに一年間ブランクを置きました。今度も五次から六次に移るときには一年間のブランクを置くのではないかということを私たちは非常に危惧しました。したがって、この点を指摘いたしましたけれども、文部行政の中では、この点については今まで答弁が全くごまかされてされなかったというのが現状ですね、この約半年間。そうなってまいりますと、調査結果、いつ発表するのか、この点をお答えください。
○遠山政府委員 おかげさまで今年度第五次の定数改善が完成いたしました、今の段階では、先生御存じのように、その第五次改善計画が達成された段階における各公立義務教育諸学校の学級編制の実情、児童生徒数の推移の予測の問題あるいは諸外国での学級編制の状況、研究指定校でのさまざまな研究等の調査結果を踏まえて分析を続けているところでございます。 第五次の計画、大変大きな計画でございました。これが実際に各地で実施されて、どういう状況になっているかというのをしっかり把握した上で次の計画を立てるというのは当然の作業でございます。膨大な数値でございますが、それの正確を期するために、必ずしも容易な作業ではございませんが、目下鋭意その成果を見るべく努力しているところでございます。膨大な調査の項目ではございますけれども、その中で重点となるものについては、いつかまとめができ上がった段階でできるだけ早く御報告と申しますか公表をしたいと考えております。
○中西(績)委員 私が聞いているのは、調査結果はいつまとまりますかということだから、いつだとこう一口言ってもらえばいいのですよ。長々とやってもらっては困るのです。いつですか。
○遠山政府委員 お答えいたしましたように、今各都道府県からのデータを集めてコンピューターに入力すべく作業中でございます。正確な時期ということはなかなか申し上げにくいところでございますけれども、来年の五月か六月ごろには結果を取りまとめたいと考えております。
○中西(績)委員 五、六月ごろということですから、できるだけ早くやらないと、またこれがずれ込んじゃって、その次の年になるという可能性だって今までの例からするとある。ですから、鋭意と言うが、これは五、六月を切り上げるくらいにしていただかないと、必ず後にまた問題が残ります。この点だけははっきりしておいてください。 そこで、先ほどから枠の中での取り合いの一番いい例が本年度三十五人学級に踏み切れなかった。概算要求分千九十八人、定数について今度はこれだけ要求をしてあるでしょう。ですから、この分が、結局一万二千人ぐらい減になるわけですから、その差が今度ほかに回されたわけですね。こういうふうに私は理解をするのですけれども、それでよろしいかということと、管理職手当増額分で幾らめ財源を必要とするのか。
○野崎政府委員 前半の部分でございますけれども、これは先ほど払お答えいたしましたように、文部省全体の概算要求というものが人件費で幾らとかと決まるわけではございません。全体として幾らか、こういうことでございますので、その中で定数改善の問題なり先ほどのいろいろな施策に対して対応したということでございます。
○遠山政府委員 後半の御質問の管理職手当の来年度要求における増額分でございますが、額だけ申し上げますが、三億四千万円でございます。
○中西(績)委員 概算要求分の中でどうだこうだと言うけれども、結局その概算要求の中で取り合いをするわけですから、どこか足りないと言ったらどこかを抑えなきゃならぬということになるわけですから、ここを抑えたとしか私ら思いませんよ。これは常識でしょう、へ理屈言わぬでも。ですから、もうちょっとはっきり答えてくださいよ、これでもう論議するつもりはありませんけれどもね。 そうすると、高校定数改善、これはどうするのですか。簡単に答えてください。
○遠山政府委員 高校定数改善につきましても、今年度第四次の改善計画が完成したところでございます。四年度につきましては、次の計画という段階に直ちに入るということではなくて、例えば普通科につきましてコース制をとるような職業科目を相当取り入れているような学校でありますとか、あるいは転入学者、帰国子女等のための特別定員枠を設けているような学校につきまして、学級編制について弾力化ができるように、そういう内容を盛り込んだものを目下自治省に要望しているところでございまして、現在協議を行っているところでございます。
○中西(績)委員 この問題は沢藤同僚委員にさらに細かくやっていただきますので、これで終わります。 いずれにしましても、こういう問題が直ちに手をかけられない。調査というのは、調査する前に一年ぐらい前から予算化しておいて調査すれば、これは簡単にできるのだから。十二年間、十三年間の結果ですから、十二年間見ればだれが見たってわかりますよ。こんなわかり切ったことをごまかしちゃいけません。もうごまかしばっかりなんです。この点だけははっきりしておいてくださいよ。これからごまかさぬようにしてください。 じゃ、次に文化庁の問題です。芸術文化振興基金、本年度基金積み立て要求をいたしましたけれども、五億円をゼロにさせられたですね。私たちは、この五億円じゃ少ないんじゃないか、こんなことをしておった日には基金というものがどうなるかということで大変問題だということを指摘してまいりました。それでは、平成四年概算要求額は幾らですか。
○吉田(茂)政府委員 芸術文化振興基金につきましては、我が国における芸術文化活動の基盤の強化という趣旨に基づきまして造成をしておるわけでございますが、四年度要求につきましては、諸般の状況を見る必要があるということで要求はしておらないわけでございます。
○中西(績)委員 そうすると、これはまたうそですよ。文部省はうそを言いよるよ。基金を設定するということは、これを呼び水にして文化芸術の向上、そして民間の拠出をさらに確保してということを盛んに言っておったでしょう。ところが、それどまりになったら、もうやったからだめだと言われるので、やるべきでないということを僕らあのとき主張したのですよ、この基金設定を。そんなことでごまかしちゃいけません、十数億でごまかしちゃいかぬということを主張し続けてきたわけでしょう。ところが五億円を少ないと指摘をしておるのに、今度はそれがゼロになったら、それに合わせてゼロだということになりますと、これは言語道断です。 もう一つ聞きます。民間よりの拠出金、二月二十二日には百三十五社百十三億円。現在どうなってますか。
○吉田(茂)政府委員 基金への民間資金の拠出につきましては、各企業等に精力的に協力を呼びかけた結果、百三十五社から百十三億円強の拠出の意思表示が行われております。平成三年度末には、そのうちの百億円を実際に基金に入金していただくということが達成できる見込みで現在おるわけでございます。
○中西(績)委員 いや、私が言っているのは、二十二日までにはこれだけはわかります。その後どうなってますか、こう聞いている。
○吉田(茂)政府委員 あるいはお答えにならないかもしれませんけれども、三年度の八月末、これで八十七億八百万という数字になっておりますが、これを今年度末までに百億へ達成できる、こういう見込みを持っておるわけでございます。
○中西(績)委員 それじゃ、二月二十二日の百十三億というのは、これは約束をしたけれどもまだ入ってないということですね。私はこれだけは確保できたと思ったんですね。と同時に、二十二日から以降の努力によって、これがまたプラスされるものと思っておったのですけれども、それはゼロだということですね。
○吉田(茂)政府委員 御指摘のように、百十三億強というお金は寄附の申し出額でございまして、その後、それの実際の入金にさらに努力をしながら、今申し上げているような達成をいたしたい、こういうことでございます。
○中西(績)委員 じゃ、申し入れ額はこれからは増加してませんね。こう言っているわけですから、そう確認してよろしいですね。申し入れ額は増加してませんね。
○吉田(茂)政府委員 今のところこの数字でございます。
○中西(績)委員 だからはっきりしてくださいよ。 じゃ、基金の配分はどうされてますか。
○吉田(茂)政府委員 現段階で既に三十億円強の配分を本年度実施をしたわけでございます。なお、これ以外に映画の制作に対する助成というものがまだ一部残っておるわけでございます。それを合わせまして全体で三十二億ということを予定しておるわけでございます。
○中西(績)委員 じゃ、これは後で資料で提出をしてください。 ですから、あなたたちが今まで答えてきたこの芸術文化振興基金問題、これが論議されたときの議事録を前から一遍読んでください。そして、どこら辺が、今こうしてゼロにしたことが、私が指摘をするように間違っておるかということをみずからただしてください。これはまた後で聞きます。 次に、公立学校施設整備費でございますけれども、減額され続けておったんですけれども、これが、ピークが五千五百億あったものが二千二百四十六億円になり、平成三年度になりましてようやく減額がストップされ、四十一億増額。理由は事業量の増大と言っておりますけれども、概算要求では八十億増額ということになっています。これは事業量の増大を予測をしてこのようにしたと思いますけれども、この分で十分ですか。これが一つ。それからもう一つは、これだけしておれば三分の一補助額を削減しないで済むのですか。簡単に言ってくださいよ。
○遠山政府委員 来年度八十億の増額要求でございますけれども、現下の厳しい財政状況の中で市町村等の事業計画の増加傾向を勘案いたしまして、私どもとしては最大限の努力をしてまいっております。ところによりまして緊急に必要なものについては対応してまいりたいと考えております。 二番目の御質問の三分の一補助の事柄については、ちょっとどのようなことを指しておられるのか明確でない面がございますけれども、補助率三分の一ということで、一定の単価と事業の面積によりまして積算をいたしております。その意味では、その予算の基準に従って支出をしているところでございます。
○中西(績)委員 遠山助成局長は御存じないかもしらぬけれども、かつて、地方から要求しますね。そうすると、提出をしている要求額の九三%で、入札額が九三ぐらいであってまず引きます。そしてそれに対する三分の一、それの八〇%で交付をするというようにやったから、私はそのことを指摘をしたことがあるわけです。そういう経験を持っていますから、このことを聞いたわけです。ですから、三分の一は完全にやっていただかなきゃならぬわけです。それが八十億あれば足りるかということを聞いているわけですから。どうです。
○遠山政府委員 この八十億のほかに、さらに生活関連重点枠によりまして九十四億円の要望も行っております。私どもといたしましては、この要求に関しましてできるだけ努力をし、地域の要望にこたえてまいりたいと考えております。
○中西(績)委員 この九十四億も完全にとれればまた随分助かるだろうと思いますけれども、いずれにしましても、このように、さっきの一兆五千億に上る多国籍軍に対する援助、負担というものを考えますと、本当にみみっちい額なんですね。こうまでしなくちゃならぬというのを本当に残念に思いますが、この点についてはまだ細かくそれぞれ係の方からお聞かせいただきたいと思います。 その他の問題として一、二お聞かせいただきたいと思います。 今まで、特に第百二回国会、昭和六十年以降本年三月十五日まで、二十六回附帯決議をつけています。ところがずっと見ていきますと、このことに関しては附帯決議はつけっ放しというような格好になっております。これではどうも院の権威というのは全くない、こういう感じが私はします。ただ、一つ例として挙げますならば、私立学校教職員共済に関しましては四回あるわけですけれども、文部省の努力によりまして、相当決議が実現したものもあります。 このように、全部とは言いませんけれども、それぞれの一つずつを手がけていただくことによって、私たちのそうした決議というものがやはり相当尊重されるということになるわけでありますから、この点ぜひ努力をしていただければと思うわけであります。行政の皆さんが上位じゃないのですから。ですから、今その点についてどうなったかということを文部省の方から資料をいただきましたけれども、細かくはやりません。二十六本あります。まだ、時間的な余裕がありませんでしたから、全部参っておりませんから精査しかねておりますけれども、いずれにしても、この点は将来ぜひ再検討、そして措置をしていただくようにお願いを申し上げておきます。この点どうでしょう。
○野崎政府委員 附帯決議につきましては、誠意を持って対応するということで来ておるわけでございますので、私どもは十分内容を検討させていただきます。
○中西(績)委員 検討だけでは、だめだという結論が出れば、私たちの方から見ると検討したということにならぬようになりますから、やはり私たちが文部省はそれについて努力をしたなという感じが持たれるように、ちゃんと答弁ができるようにしてください。この次の機会には、今度はそれを総ざらい一つずつ聞くようにしますから。 それからもう一つは、特金運用の中で驚くごとに公立学校共済が七十億を超える金額にまで――前回の分ときのう発表された分とがありますね。このことについては、私は指導なりなんなりが欠けておるということを指摘をしておくだけにとどめます。ただ、この場合に、私学共済は、ほかの共済は全部やっておるのに、ここだけが、もう一つあったかな、出てないのですね。この理由は何ですか。
○井上(孝)政府委員 お答えいたします。 特定金銭信託につきましては、地方公務員共済グループの一環として公立学校共済組合につきまして昭和六十一年八月から実施をしたわけでございますが、私立学校共済組合については、この特定金銭信託について、これを実施する段階におきまして国から事業費補助を交付されているというようなこと等もございまして、特に私学共済について特定金銭信託を行うという承認申請が文部大臣の方にも実際に出てこなかったということもございまして、私学共済については特定金銭信託を実施しなかったという経緯があるわけでございます。
○中西(績)委員 私学共済については国から助成しておるので その後のところをちょっともう一遍言ってください。
○井上(孝)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、私立学校共済組合につきましては、特定金銭信託を行うにつきましては大臣承認を行うことになっているわけでございますが、先ほど申し上げましたように、私学共済からの承認申請が文部省に対して行われなかったということで、私学共済については、この営業特定金銭信託を実施しなかったと聞いているわけでございます。
○中西(績)委員 そうすると、片一方は、公立共済の方はそれとのかかわりでどうなりますか。
○井上(孝)政府委員 お答えいたします。 公立学校共済組合につきましては、その組合員の掛金等によりまして運営しているわけでございまして、そういう点で国からの補助金等は一切出ていないわけでございます。そういう点で、地方公務員共済グループが昭和六十一年に特定金銭信託を開始するに当たりまして、他の共済と同様、その自主運用の中で安全かつ効率的な資金運用を行うという地方公務員等共済組合法の規定に基づきまして、その資金の適正な運用を行うということから、文部大臣に対しまして昭和六十一年に申請があり、これを昭和六十一年八月に承認をいたしまして、昭和六十一年八月以降特定金銭信託による資金の運用を行ってきているという経緯がございます。
○中西(績)委員 それじゃ、あれですか、公立共済があのような文書を送りつけたりいろいろなことをしたことは、だからよろしいということですか。
○井上(孝)政府委員 公立学校共済組合につきましては、その資金の適正な運用を行うということから、全体としては資金運用部に対する預託金あるいは預金等によりまして安全、確実な運用を行っているわけでございますが、全体として五兆五千億円の約二%程度の金額につきまして特定金銭信託による運用を行ってきたという経緯があるわけでございます。しかし、御案内のとおり、株式市場価格の非常な低迷等もございまして、そういう点から、そういう運用というのが非常に困難になってきていることもございまして、現在は営業特定金銭信託につきましては、本年八月三十一日にすべて投資顧問契約つきの特定金銭信託に、切りかえまして、その資金の運用の適正化を図っているという状況でございます。
○中西(績)委員 だから、公立学校共済の場合は、そのようにおたくの方でそういう指導なりやらなくちゃならぬわけですから、こうしたものを、今あなたがおっしゃるように、安全、効率ということを重視すればどんなことだってしていいということになってきたわけです、今度は。ですから、一つはそうした点についてのこれからの指導をどうするのか。 それともう一つは、私学共済の場合、大臣承認だからこれがなかったと言うけれども、少なくともあなたが言われる安全、効率という問題は、これはどこだって同じだろうと思うのですよ。私学だけがだめだということにならぬでしょう。だから、ここだけが問題にならなかった、だから、今になってみれば、ここだけはよかったということになるのです、結果的には。だから、そこの違いがあるということをもう少し明確にしなくちゃなりませんから、私は時間の関係できょうはこれで打ち切りますけれども、この後本格的にそうした問題等について、もうちょっと文部省なりが、指導強化だけでなしに、ここいらの指導の仕方というのは、そこは良心的にやるかどうかの指導というのはあるだろうと私は思うのですよ。何か枠をはめて、こうやれこうやれということだけでなしに、そうした問題をこれからどうするかということを十分考えておいていただいて、この次にその点についての答弁をお願いしたいと思います。 最後に、私学共済組合は、今まで見てみますと常務理事が一名ですね。ところが、同じくらいのこうした共済組合なりなんなりを見ましても、特に農林漁業団体職員共済組合など、短期給付事業などは行っていないのに、ここは複数になっていますよね。ですから、ほかのところを大体ずっと見てみましても、業務の中身から何から考えてまいりましても、当然過ぎるくらいに必要だと私は思っています。しかし、ここだけが依然として単数であるわけです。ですから、むしろ、非常勤の理事はおるわけですから、そうしたことを考え合わせていきますなら、ここでずっと長いことやってこられた方、天下りじゃだめです、天下りでなしにここからやはりもう一名だけはつくるべきではないかということを私は思っています。細かい論議をしたいけれども、時間がございませんから、ここでは省かせていただきますが、この点についてどうお考えですか。
○井上(孝)政府委員 お答えいたします。 先生がお話しいただきましたように、私立学校共済組合の常務理事につきましては、現在一名で運営をされているところでございますが、御案内のように、制度発足時には五万人の組合員であったものが現在は四十万人を超えるものとなり、これに伴い私学共済の長期給付、短期給付及び福祉事業の業務量も非常に増大してきているところでございます。この点を考慮いたしまして、昭和五十九年には理事を補佐する審議役二名を設けたところでございますが、今後におきます年金制度の一元化等を考えますと、御指摘の常務理事については、今後充実を図らなければならないという問題意識は私どもも持っているところでございます。 一方、特殊法人の役員の問題につきましては、昭和五十六年の閣議決定によりまして、行政改革の一環として政府全体の特殊法人の役員について削減あるいは抑制を行ってきたところでありまして、この観点から、ただいま御指摘をいただきました点については、問題意識はございますものの、短期間にこれを実現することはなかなか難しい問題であるというように考えているところでございまして、今後の課題と受けとめさせていただきたいと思っております。
○中西(績)委員 この点は、よく官庁用語で使われます当分の間だとか検討させてくれたとか、こういうように言いますけれども、私たち普通の常識は、検討すると言ったら検討をさっさとしてぱっと出すんですよ。ところが、これが何年も何年もということになってまいりますと、検討しておるだろうかという疑念すらも私たちは抱きます。したがって、この点は常識的に言う検討、これをしていただいて、早急に結論を出していただきたいと思います。 大臣、今のような状況で、特に予算の問題については、これからもう一度確定期に向けて大変な山が来るわけでありますから、どれだけの努力をするのか、そして、この枠内での取り合いだけでなしに、枠の外にどう広げるか、こうした体制をどうすればつくれるのか、こうした点についてもしお考えがあればお答えください。
○井上国務大臣 先ほど私申し上げました国立財務センター、この問題も、今の財政の状態で来年シーリングが外されるというようなことはちょっと考えられない。私どもは、今の財政を考えるときに、すぐということは、なかなか来年ということはできませんが、そういう中で私が今考えているのは、国立大学の振興基金、名称はいろいろあると思いますが、そういうものの受け皿、例えば今先生おっしゃった芸術振興基金につきましても、これは平成元年の補正予算で五百億、あるいはまたスポーツ振興基金におきましても、平成二年の補正で二百五十億、やはり一般会計からいただく。そういう中だと、今言うような、どうしても文部省の予算の中でできないということで、それを外へ出すのは、今財務センターというものをつくっておいて、受け皿をつくっておいて、あるところからお金を持ってきて、それを資金にして、それを運営して国立大学の準備をする、これも私は二年かその後にはできるのじゃないか、こういうことを今考えてやった仕事であります。これはもっと考えると言われれば考えなければいけない。今の段階ではそういうことを私は考えております。
○中西(績)委員 お言葉を返すようですけれども、さっきの芸術文化振興基金を見ますと、私たちが指摘したとおりになっているでしょう。わずか三十億ということ。一般財源から持ってこなければならないものを、枠をつくって別枠でしたと言って、何かあたかもたくさんできたみたいだけれども、実際に運用できるのは三十億。それで枠をはめられたような格好で、今度は要求もゼロになっているわけですよ。だから、こうしたことを考えてまいりますと、私が言う枠外というのは、そうした意味の枠外でなしに、本当に枠外として、そういう款項目別なりなんなりを確保していくという、こうならないとできないだろう、私はこう考えています。ですから、その点をひとつ十分検討していただきたいと思います。 次に、同和問題について、この前も予算分科会でやっておりますので、お聞きしたいと思います。 この部落問題というのは、日本文化と人権の根本的問題であるということは、もうだれしもが認めるわけであります。日本社会の根底を流れる差別と分裂、この支配的構造というものを部落問題に凝縮し、象徴されておるのじゃないか、私はこう思っています。この非科学性と非人間性の克服なくしては、日本の民主主義などといったって、これはもう根底は大きく揺らいでおるとしか言えないわけで、また自由も同じであります。そこで、この第二次世界大戦以降、平和憲法制度の確立と解放運動の結果、行政面の前進はありました。あるいは同和対策審議会が答申をいたしまして、特別措置法を制定、公布、こうしたことが行われました。私は前国会でその内容について大臣にお聞きをいたしましたけれども、勉強中であるとかあるいは一生懸命勉強したいと思うというお答えをいただきました。六カ月を経過しましたのでお聞きしますけれども、同和問題は人類普遍の原則、人間の自由と平等に関する問題であって、日本国憲法によって保障された基本的人権にかかわる問題である、したがって、早急な解決こそ国の責務であり、同時に国民的課題である、こういう認識だということを審議会答申は述べています。まだずっとありますけれども簡略しまして、私たちは何としても差別の長い歴史に終止符を打たなくちゃならぬということを考えますときに、こうした基本認識は、同和対策審議会答申、このことと今なお変わらないだろう、こう私は思っていますけれども、これは変わっていませんか。大臣、どうでしょう。
○井上国務大臣 お答えいたします。 予算の分科会で先生に指摘されましてから、昭和四十年八月十一日の審議会の答申を全部見せていただきました。しかし、その中で、総会四十二回、部会百二十一回、そして小委員会二十一回、それだけやっても全部の答申はまだ出せません、なかなかできるものじゃないということを書いてあります。その内容をずっと見てまいりまして、昭和四十年に出て、そして今の時点を考えますと、私は、教育の中立性、そういうことから、例えば高等学校への進学率、そういうものは私どもも含めて理解が幾らかずつ進歩しているのじゃないかなという感じを抱きました。先生が今言われるように、この答申はいろいろな時点の、明治四年から今までの長い歴史を、今までの長いあれをずっと書いてありますが、私もずっと見せていただきまして、昨晩も勉強させていただきましたけれども、特に教育問題は、変わっていないのじゃなく、幾らかなりとも理解を深めているのじゃないかなということを今私は感じておる次第であります。
○中西(績)委員 お答えいただいたことと同時に、基本認識一こうした前文に書かれておるような認識と、それから今度は具体的に同和問題の本質というものが書かれていますけれども、この部分について、同対審が答申をしたときの基本的な認識と今の大臣の認識というのは変わっていないかどうかを、もう一度お答えください。
○井上国務大臣 私、これは変わっておりません。
○中西(績)委員 そこで、具体的な問題について一、二答弁をいただきたいと思います。 現在ある法律の地対財特法がことし切れる、最終年度になっておりますけれども、現在の同和教育施策の実施状況を総括いたしまして、今後の具体的方策のあり方を明らかにしなくてはならぬと私は思っています。総括的なことは文部省としてはやっておるのですか、やっていないのですか。
○坂元政府委員 御質問の趣旨が正確に理解できないところがございますので、ちょっと的外れのお答えになるかもしれませんが……
○中西(績)委員 それでは、もう一回言います。大変恐縮でした。 長い間の同和教育施策の実施状況というものを文部省としては総括しておるのでしょうかどうでしょうかということをお聞きしておるのです。
○坂元政府委員 大変難しい質問でございますが、私どもも大臣が今お答えいたしましたとおりに、同和問題に対する基本的な認識というのは、四十年の同対審の答申と変わりはないのじゃないか、そういう認識に立っております。その後いろいろ努力して今日まで教育関係の施策を講じてきて少しずつ前進はしてきておる。ただ、遺憾ながら、今でも差別事件と言われる事件が教育現場でも起きておるということがあるわけでございまして、今後とも努力をしていかなければならないだろう、そういうように感じております。
○中西(績)委員 そこで、過去五年間の政府の地域改善対策関係予算全体の中で占める割合は、教育関係が八%前後になっています。教育、啓発に力を入れるということを盛んに言ってきたけれども、これで十分だろうかと私は思っています。したがって、今後も引き続いて同和教育は推進しなくてはならないし、現行施策の充実が必要と思うわけであります。特に私が今から申し上げるような問題は、さらに充実強化すべきと思いますけれども、どうかということをお聞きしたいと思います。 学校教育関係同和教育施策として、教育推進地域等事業、高校等進学奨励費補助事業。それから二つ目が社会教育関係の同和教育施策として、一つが団体育成、諸集会開催等事業、二つ目に集会所施設設備整備費、三番目が同和加配教員。こういうぐあいに今までやってこられた諸施策というものは、さらに今後充実強化すべきであろうと思いますけれども、いかがですか。
○坂元政府委員 初中局、私どもで所管している事柄についてお答え申し上げますと、まず最初に、教育推進、同和教育の推進の問題であります。これは研究指定校の問題あるいは教育推進地域を指定する、研究協議会を開催する、同和教育資料を作成して全国に配付するという事柄につきましては、私どもも今後ともこれを充実していく必要があるだろうというふうに考えております。 ちなみに、研究指定校につきましては、現在九十五校の研究指定校でございますが、来年度はこれを拡充いたしまして、百二十四校の研究指定校に増枠したいということで概算要求をいたしているところでございます。 それから、高等学校等の進学奨励費補助でございますが、これも年々単価を増額してきたところでありますが、来年度もこの単価を増額してまいりたい。 今後とも、この二つの予算の拡充については、できるだけの努力を初中局としてもしてまいりたいというふうに考えております。
○中西(績)委員 そうしますと、私が申し上げた社会教育関係等については、どなたかお答えいただけますか。
○内田(弘)政府委員 社会教育におきましても、同和教育の充実振興を図るために、従来から対象地域における社会教育団体育成、諸集会開催事業等の実施を委嘱するとともに、同和地区における集会所施設設備に対する経費の一部を補助してまいりました。 平成四年度概算要求につきましても、本年七月二十四日の地域改善対策協議会会長談話を踏まえまして、同和教育の推進に必要な経費を要求しているところでございます。本年度二十三億九千万円の要求のところを二十四億三千万円、一・五%増の要求をしているところでございます。
○遠山政府委員 同和加配教員について申し上げますと、同和地区を有する小中学校におきます教育上特別に配慮を要するということにかんがみまして、平成四年度概算要求におきまして、四十八人増の要求を行っております。
○中西(績)委員 概算要求でのお答えはいただきました。先ほど申し上げましたように、今後もこうした面についての充実強化はどのようにお考えになっておるか。来年度予算についてはわかりました。これから後もこれをさらに継続をするかどうかですね。この点をお答えください。
○坂元政府委員 現在、来年度以降の問題につきましては、先生ももう十分御承知のとおりに、地域改善対策協議会におきまして、現行の地対財特法が失効する後にどういうような方策を立てるべきかということについて御審議をいただいているところでございまして、その審議の結果を踏まえて、政府全体でどう対応するかということを検討することになろうかと思いますが、先般の会長談話等の中にも、啓発活動というものは、今後とも積極的に学校教育や社会教育の中で展開していかなきゃならないというようなことも、この地域改善対策協議会の中で言っているわけでございます。 そういう意味で、私どもとしましては、啓発活動の最も重要なものが学校教育、社会教育を含めた教育の問題だろうということで、文部省としましては、今後ともこの教育関係の予算につきましては、これを継続していくという方向でぜひとも前へ進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 いずれにしましても、先ほど申し上げましたような政府全体としてのスケジュールは、現在、その地域改善対策協議会で検討しているところでございます。
○中西(績)委員 本来なら今年度いっぱいで地対財特法が期限切れになるということで、終わりだということを言っておりましたけれども、この前の会長の報告が正式に出せないというのも、いろいろそうした問題が依然としてあるということになりまして、結果的には談話的なものになっておるわけですね。ですからこの点については、また後で改めてこの問題についての論議はしてみたいと思っています。 そこで、指定校問題についてお伺いしますが、一九五九年、これは昭和でいうと三十四年ですか、から開始されたが、小中学校中心でありまして、幼稚園、高校、さらに国立大学の附属学校、この研究指定校は最近始まったばかりであります。来年は百二十四校に拡大をするということを言われておりますけれども、幼稚園が昭和六十年、高校が昭和六十一年から、大学附属も同じような状況でありますから、まだ日が浅いわけであります。したがって、こうした問題等につきましては、今局長が言われました、この教育関係等につきましては、継続の方向で論議をしていくということでありますけれども、この点の強化ということは考えてよろしいでしょうか。
○坂元政府委員 来年度トータルとして百二十四校ということで概算要求をいたしておりますけれども、この内訳を考える場合に、御指摘のように、幼稚園が四校、高校が七校、国立の附属中学校が一校というような状況でございます。仮に予算が九十五校から百二十四校までに増加が認められた場合には、これらの今先生が御指摘の点も踏まえて、十分配慮しながら指定校をお願いしてまいりたいというふうに考えております。
○中西(績)委員 ぜひ努力をしていただければと思います。 次に、高校進学率、これは一般の場合でありますと、平成二年度ですが、九五・一%。しかし、前回局長が言われましたように、同和地区におきましては八九・六%。その差は五・五%。中退率は、一番問題なんですけれども、平成元年度で一般が二・二%のときに同和地区は約四%、約倍近くのこうした中退率になっています。大学進学率に至りましては、一般に比べますと約半分。 こう見てまいりますと、いずれもこの理由は、私は明確だろうと思うのです。それは、学習環境の問題だとか学業不振だとかが中心になるわけでありますけれども、そのほか経済的あるいは進路の変更だとか家庭事情だとか不適応だとかいろいろあるでしょう。これに加えて奨学金問題が依然としてあると、調査をすればするほど明らかになってまいります。 したがって、特にこうした状況が出てまいりますのは、基礎学力不足と奨学金制度の問題が大きく影響しておるものと私は思います。特に、この基礎学力等につきましては、先般も、各地域で、県でやっておられる分について、前局長もこれを参考にするなどと言っておりましたけれども、これからの努力がやはり必要だろうと思っています。この点についてどうお考えか、お答えください。
○坂元政府委員 先ほど御説明しました研究指定校や、それから教育推進地域におきます研究実践の成果というもの、特に児童生徒の学力向上に関する研究実践の成果を踏まえまして、それを関係学校に普及するという努力を進めておりますし、助成局長からもお答えしましたとおり、教員の加配の措置も講じているわけでございます。それからいろいろな各県、各地域の実践の成果につきましても、私ども目を配りまして、それを各関係地域、関係学校にフィードバックするという努力は今後とも続けてまいりたいというふうに考えております。 奨学金の問題につきましては、先ほど御説明しましたとおりに年々単価の拡充に努めてきているわけでございます。ただ、給付制から貸与制に変わったという問題でありますが、六十一年に、給付制であった最終年度で、高校の進学率だけで申し上げますと八七・九%でありましたが、貸与制の平成二年度では八九・六%、若干ではありますが上昇傾向になっておるということでございまして、給付制から貸与制に変わったという昭和六十一年の経緯を考えますと、現段階でこれを給付制に戻すということは大変難しいのではないかというふうに考えております。 ただ、私どもは、貸与制の中でも、減免措置とか、その予算の充実につきましては、今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○中西(績)委員 今言われた奨学金の給付制の問題とのかかわりでありますけれども、これはさらにまた深く論議をしなければならぬ点がございますけれども、一口で言いますなら、この分については、世界的な情勢なり国際情勢から見ますと、貸与制などというのは、アメリカなどで給付制を受けてなお不足をする場合に貸与というものを一部受給するということはあり得ても、どこの国を見ても貸与制だけだというところはないのですね。ですから、こうした問題を考えてまいりますときに、今の文部行政の中における主要な点として、やはりこの問題を将来どうするかということを考えなくてはならない。そのときの一つの問題としても、このことはあるわけですね。 さらにまた、先ほど局長答えました率についての取り扱った内容ですね。切りかえて、基礎になるものの切りかえをやってのそうした差が出てきておることもあるわけですから、これをもう一回精査し直して論議をしたいと思います。これは後に問題を残します。 次に、一九九〇年の国際識字年を総括して、改めて国際識字年に関する国連決議を踏まえまして、二〇〇〇年に向けた識字行動計画を速やかに樹立をして、同和地区の識字学級への助成と充実強化、これを図っていかなくてはならぬと思います。この前、私きょうは持ってきませんでしたけれども、大臣にも示しましたように、識字学級に参加をして十年たった人が、もうとにかく千五百も入るような会場の大きなメーンにスローガンを掲げたり、あるいはその集会の名称をあれするのに、そういう人たちがみんなそれを書いているんですね。そのことの自信と申しますか、そのことは、今度は逆に指導的な立場に――今までもう本当に下積みでどうすることもできなかったような人たちが、そのように元気いっぱいになってきているわけです。ですから、そうしたことを考えてまいりますと、識字というものの持つ意味、これまた大変大事になってくる、こう私は思っています。 したがって、そこで一つは、昨年の国際識字年を定めた国連決議に対しまして、政府は実態調査もせずに、わずかの広報と識字指導者協議会の開催のみで消極的に終わってます。したがって、依然として日本の識字問題についての正しい認識が私は欠けておると思います。これでは国連決議あるいはユネスコ提起を誠実に実行したとは言い得ないのではないか、こう私は思います。 そこで、政府の識字問題への認識がどうなっておるかといいますと、表面上の義務教育就学率九九・七%、これを識字率とみなして日本では解決済みだ、こう言っておるわけでありますけれども、これは大きな誤りではないか。なぜなら、日本の識字問題の現状というのは、部落、在日韓国人・朝鮮人、一障害者の識字への取り組み、夜間中学の存在、一アイヌの人々の識字運動、こういう問題がたくさんまだそのまま放置されておるわけであります。したがって、こういう人々の識字運動、今やられておる運動の位置づけを文部省としてはあるいは大臣としてはどう認識をしておるのか。この点についてお答えください。
○内田(弘)政府委員 先生御指摘のとおり、読み書きができることは、個人の成長発達、生活の向上のため、また社会、経済、文化の発展のために極めて基本的な、重要なことだと思っています。 我が国においてもいろいろな事情で読み書きが十分できない人がいることは承知しております。文部省としては、このために、それぞれの事情に対応した施策を推進していく必要があると考えております。
○中西(績)委員 今私が言いましたような、これらの人々の識字運動というものを、どのように位置づけ、認識をしておるのか。というのは、なぜ私はそのことを言うのかというと、文部省の場合には義務教育就学率をもって解決済みだ、こう言っているのですよ。私はそれは誤りだと言っているのです。ですから、今申し上げたような人々の識字運動、このことをどう位置づけるかがこれから識字問題に取り組むに当たって非常に大きな問題になるわけでありますから、この点をどう位置づけておるかということを――それは勝手にやっておきなさい、私たちは知りませんと言うのか。そこいらをはっきりさせてください。
○内田(弘)政府委員 文部省におきましても、識字のために識字学級の開設等について補助をいたしております。また地域においても、それぞれの地域の実情に応じた識字運動を行っているというふうに考えております。それぞれの努力を通じまして、この識字問題の解決に向かっているというふうに認識しているところでございます。
○中西(績)委員 私はこれを評価していただきたいと思いますが、どうですか。こうした運動について一般的にやっておる。確かに、例えば文部省が今回和地区における識字について補助しておるものは二百に足らないわけですよ。ところが全国的には五百七十を超えるそうした問題が実際に努力されてやられておる。ですから、そういう運動というのがあるわけですね。これは同和地区の問題でありますけれども、そのほか在日韓国人だとか朝鮮人、あるいは障害者などなどの、あるいはアイヌのこういう運動、こうしたものを文部省は評価をするかどうかによって、私はこれからの施策は決まってくると思うのですが、評価をいたしますか。
○内田(弘)政府委員 評価という言葉は非常に難しい、どういうふうに考えてよいか今迷っているところでございますが、それぞれの努力が行われる、その結果識字問題が解決に向かうということについては、我々としては大変いいことではないかというふうに考えているところでございます。
○中西(績)委員 いいことであるということですね。こだわります、私は。ですから、いいことであるなら、ぜひこうした問題についてももう解決済みだという、このことだけの認識は改めていただきたいと思いますが、どうですか。
○内田(弘)政府委員 識字問題については、今先生御指摘があったようにいろいろな努力が行われているわけですが、広く国民に正しい認識を広める必要があると思います。文部省としては、識字教育指導者研究協議会などを開催いたしまして、識字に関する理解と認識を深めるための啓発活動のあり方とか今後における識字教育の課題について研究協議などを実施しているところでございます。
○中西(績)委員 じゃ、もう一つ私はあれします。 非識字者を文盲と言いあらわしていることに端的に示されるように、差別的な識字問題に対する認識叱正されていない、こう私は現状を理解するわけであります。昨年一年間を見ましても、新聞、テレビ、学術刊行物にこうした文盲という言葉が出てきています。このように差別的に表現する例だとか、あるいは識字問題は、先ほど言うように、日本では解決済みという誤った報道が報道関係でもなされておるわけですね。ですから、それの出てくる原因というのは、さっきから申し上げる義務教育就学率九九・七%、したがって、識字率は日本では解決済みという、こういう考え方があるからこういうものが平気で書かれるし言われるしということになってくるわけです。ですから、ここをやはり改めないと、いつまでたっても文盲というのがそのまま使われていく、こういう状況が残っていくわけです。ですから、どうしてもこの部分の啓発啓蒙ということが物すごく大事ですし、そして、今やっておるこうした識字運動というものを皆さんが高く評価をすることによって、多くの皆さんに啓発のために啓蒙のために、こうした問題をどう広めていくかということが大変重要だと私は思っております。ですから、そうした問題について特に取り組みをするようにしていただきたいと思うのですが、この点どうですか。
○内田(弘)政府委員 御指摘のとおり、識字問題というのは、やはり広く国民に正しい認識を得る必要があろうかと思います。今御指摘の、一般に文盲というような表現を使われておりますが、必ずしも適切な表現ではないと考えております。非識字などの用語を使った方がいいのではないかと思っておりますが、こうした用語を含めまして、国民の理解を深めるように今後とも努力していきたいと思っております。
○中西(績)委員 さっき言われました識字指導者協議会あるいはわずかの広報だけでなしに、啓発という問題をどうこれから取り上げるか、重点施策としてやはりやっていただきたいと思います。これはまた後で答弁いただきます。 特に大臣が、三月十二日の予算分科会で、ユネスコ事務総長と話をされた際に、私どもも一生懸命やりたい、研究したいと思うということを発言されていますね。このときの中身というのは、こだわるようでありますけれども、就学率、こういうことだけで終わらせようということでなしに、先ほど私が申し上げるような内容も含めて研究したいし努力をしたいということを言ったのではないかと私は思って、これを読ませていただいたのですけれども、そのように理解してよろしいですか。
○井上国務大臣 そのとおりであります。
○中西(績)委員 そこでもう一つ、こういうことをやるためにぜひお願いをしたいと思いますけれども、今やるべきことは、日本の識字実態調査にぜひ取り組んでいただきたいということです。識字学級のあるところ、それから就学率のよいところは当然識字率は高いわけなんですね。したがって、私は、これを重点施策としてやっていただくなら、学校基本調査と同様に地方自治体に任せるだけでなしに調査をしてほしいと思います。今、大阪、三重、福岡、広島などにおきまして、昨年部落実態調査に取り組まれまして、非識字の実態が調査をされ始めています。これはおいおい出てくるだろうと思いますけれども、ぜひ文部省としてもこうした問題を重視していただきたいと思いますが、どうでしょう。
○内田(弘)政府委員 先生からも前回にも御指摘があったわけでございますが、我が国で識字の能力の実態把握ということで全国的に調査いたします場合でも、やはりいろいろ困難な問題点がございます。例えば能力評価の基準をどこに置くのか、あるいは個人の能力にかかわる調査に十分な協力が得られるかというようなこと、この種の調査にはいろいろ難しいことがありますので、この点御理解をいただきたいと思います。 我々としては、いろいろな地域で、今お話ししました地方公共団体等で、それぞれ抱える問題ごとに、例えば地域の実情を踏まえまして、識字が問題である場合、識字学級の充実等の対応策を講じていただくことが適切ではないかと思っております。
○中西(績)委員 これだけにこだわるわけにいきませんが、いずれにしましても、それぞれ地域あるいは地方自治体、そういうところと十分連携をしていただきまして、先ほど申し上げる学校基本調査、機械的でなしに、こうした問題を取り上げていくという姿勢をぜひ持つように要請をいたします。 次に、昨年九月、世界子供サミットでの約束である二〇〇〇年に向けた識字行動計画樹立に向けまして、一九九一年までに準備を終えなくてはなりません。外務省は今年じゅうに策定する必要があると答弁をしておりますけれども、作業はどうなっておるか。簡単に答えてください。
○長谷川政府委員 現在、外務省を中心に、このフォローアップとしての国内行動計画を策定するよう準備を進めてまいっておるところでございます。ただ、文部省の関係の部分といたしましては、基礎教育と識字ということでございまして、世界サ、ミットで示されました、例えば学齢期の子供の少なくとも八〇%が小学校教育を受けること、あるいは成人の非識字率の減少を目標とする施策を採用するということ、そういった目標が示されておるわけでございます。そういった点につきまして国内行動計画というのをつくるようにということでございます。 主に、基礎教育の充実と識字ということでございますけれども、我が国の場合、義務教育の制度が基本的に確立しておるということを踏まえまして、個々の施策を充実整備していくというようなことで対処してまいりたいというのが現在の我々のスタンスでございます。
○中西(績)委員 それで、先ほどから私が申し上げみような欠けておる部分がおるわけですから、そうした問題等を十分賢察をしていただいて、こうした行動計画の中に、日本はここまで来ておる、こうしたいというところまで含んでやっていただくようにぜひ取り組んでいただければと思います。この点、よろしゅうございますか。
○長谷川政府委員 どういうような形になるのか、現在のところ外務省で全体取りまとめをやっておりまして、まだ事務作業が進んでおるところでございますので、確たることはちょっと申し上げられないというところでございます。
○中西(績)委員 ちょっと冷たいですね。 だから、外務省は本年中に策定する必要があると言っていますけれども、そのときに、こうした識字を担当する文部省が、ユネスコなどの場合だっていろいろあれしなければならぬわけですから、そうしたときに、文部省が主体的に、どうするかということについて外務省に専門分野として、こうした問題について提起をしていく必要が、あろうと私は思うのですね。これもまとめて後で答弁いただきます。 次に、同和地区での識字運動、すべてのものを入れますと五百七十三ございますけれども、こうした運動につきましてさらに積極的に強化すべきであろうと私は思っています。 そこで、特に学級における定数をどれぐらい、何名くらいが適当か、あるいは講師などをつける意思はないか、こうしたことについて研究していませんか。
○内田(弘)政府委員 御指摘の識字学級の一学級当たりの受講者数というのは、特に何人というふうに限って編制するかを定めているわけじゃありませんが、受講者や指導者の状況等地域の実情に応じて指導が行き届く適切な人数で編制すべきであると考えております。現状ではおおむね二十人ぐらいで編制されるところが多いようでございますが、特別の場合は事情に応じて対処できるように配慮いたしているところでございます。
○中西(績)委員 講師の補助。
○内田(弘)政府委員 それから、今識字学級における講師の補助者の件でございますが、これは場合によって効果的な学級運営に必要な場合もあると考えて光ります。現状では、講師とともにその補助者の協力を得て実施されている例も幾つかございまして、講師、補助者ともに、これらの指導者に対して謝金を支払っておりまして、その費用は国が委嘱事業として措置しているところでございます。
○中西(績)委員 これは、やっておる人の話を聞きますと、大変苦労しています。ですから、やはり今言われた二十名というのは、地域とそれから学力の程度、それによって数はいろいろ変わりはあろうと思いますけれども、同じ一つの部屋の中でやる場合に二人でということでなしに、こうした補助者というのは物すごく大きな効果を上げるということを聞いておるんです。ですから、先ほどあなたが言われました、この識字指導者協議会等で論議をしても、そうした具体的な問題が出てこないんですよ。ですから、やはりそれに携わっておられる人たちの声というものをもうちょっと皆さんが率直に聞くように何らかの措置をしていただきたいと思います。これは要望にとどめておきます。 そこで、この前申し上げておったけれどもできませんでした千葉県の関宿町立関宿小学校建設問題であります。 一九八九年十一月二十一日に解放同盟の千葉県連委員長宅にこういう手紙が来ているんですね。 ワタクシワ セキヤド小ガッコウニ コドモヲモツフケイデス セキヤド小ガッコウハ イマノトコロニタテカエルソウデヨカッタトオモイマス モシ〇〇ノトコロニタチルト コドモタチセンブカドウワノヒトトオモワレ コドモタチカカワイソウ デス チスジガチガウトカ クミチガイトカイワレルノワ ニシマチノヒトタケデタクサンデス ニシマチノヒトガサンセイシテクレダカラコノコウニキマッタトオモイマス アリガトウゴザイマシタ という片仮名で書いた手紙が来ておるんです。これは、委員長も千葉県ですし、それから大臣も千葉県ですから、このことについてもうここでは細かく聞こうとは私は思いませんが、この持つ意味というものをぜひもう一度検証し直してほしいと私は思います。 関宿小学校の場合は、児童数三百人弱、町内唯一の木造校舎、正門は交通量が激しく、したがって開かずの門になっている。町内の二川小学校は、児童数千三百。こうした中から、四年前、関宿小学校移転新築、二川小学校の校区の一部を編入すれば、二川小学校のマンモス化も防げる。こういう考え方から、八八年十月四日に、「関宿小学校校舎の整備につきましては、地理的条件等を考慮すれば、現敷地での整備は必ずしも適当であるとはいいがたい。学校用地を学区の中央部に確保し、移転新築を計画することは適当であると思われます。」これは関宿町の通学区域審議会の諮問の答申です。ところが移転に反対する署名運動、そしてこういう結果になった。しかし、結果は結果としても、こういう過程があったというこの中身、これは今の時期に極めて重要な意味を持っておる、このことを私は忘れてはならぬと思うのです。 ですから、このことについてぜひ十分調査をしていただいて、もう一度この問題については、今問題になっていますから、本当に私たちが期待をするような解決策を見出していただければ――と、こう思っています。ですから、文部省、これは県教委との関係あるいは地教委との関係がありますか一ら、そこら辺との話を十分していただく。こうしたことは私はある程度指導できるんじゃないかと、思いますから、文部省が積極的に考えていただきたいと思います。 そこで、今までの論議は不十分でありましたけれども、まだ多くの問題が残っておるということは、先ほど局長も言いましたように、差別用語にいたしましても差別事件にしても、あるいは就職、結婚、もうあらゆるものでこうした問題がたくさん残っています。このような問題というのは、同対審の答申の理念を達成する、その一ことがやはり物すごく大事だと思います。先ほど出た識字の問題にいたしましても、あるいは差別事象の問題等についても、特にそうした意味で、今の法律がなくなりますと、法律がなくなるわけでありますから、これから後私たちが期待をする基本法的なものがぜひ今――そうせぬと、世界の経済大国であるけれども、そうした面での人権問題では二流国だなどと言われぬようにするためにも、これは一つの大きな日本における政策としての重点的な課題ではないかと私は思います。したがって、基本法制定という問題についてできないかどうか、どうお考えになっておるのか。この点お答えください。
○井上国務大臣 今先生おっしゃるように、政府からの最終の特別法として今提案されているものと承知しております。この法失効後の地域改善対策のあり方につきましては、現在地域改善対策協議会で総務庁を中心として御協議をいただいているところでございますので、今私がこの点についてどうこうということは、やはり見守りつつ対処したい、このように思います。
○中西(績)委員 この点は、文教政策は、先ほど局長もお答えいただきましたように、やはり非常に大きな啓蒙啓発という点からいたしましても、教育の占める割合というのは物すごいでしょう。そういう面から、やはり積極的に発言をぜひしていただきたいと思うわけです。ですから、ただ人に任せるという受動的なものでなしに、主体的なものを押し出してもらいたいと思います。 時間が参りました。そこで私、風の子学園問題がもう一つあったのですけれども、これは時間がかかるようでありますから省かせていただきます。ただ、一つ答弁ください。これは今まで緊急に調査をしどうするということを言ってきたのですよ、何回も。例えば戸塚のヨットスクールの問題などありまして、しかもこれはちょうど委員長が質問なさって、そうした答弁が瀬戸山大臣だとかいろいろな人たちから出ていますよね。それから以降本当にそうした点について手を加えておったかということを私は疑問視します。出たときは何かぱっぱっとするけれども、当面の対策だけで、肝心なところを押さえ切っていなかったのじゃないか、そうした感じがいたします。したがって、これについて大臣どこか調査に行ったようでありますけれども、ぜひこれから後のこうした不祥事が起こらないようにしていただくようにお願いをして、終わります。
○臼井委員長 午後一時二十分より委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ――――◇――――― 午後一時二十五分開議
○臼井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。沢藤礼次郎君。
○沢藤委員 私はきょうは、なかなか光の当たらない、ややもすれば忘れられがちな僻地の教育、特に複式学級という困難な状況を抱えている学校環境をどのように解消し、改善していくかという問題に多くの時間を割きたいと思っております。僻地の問題を論ずる場合に、やはりバックグラウンドと申しますか、その背景なりよって来る経緯というものについて文部省と私との間でできるだけコンセンサスを形成したいと思います。そういう意味で国土庁においで願っております。大変御苦労さまですが、しばらくの間、ひとつ材料を与えていただきたいと思います。 三全総、四全総、過疎過密の進行に歯どめをかける、地方の時代、定住圏、一極集中排除というかけ声があったわけでありますが、それがどのような進行状況であり、現況はどうなっているのか、このことをまずお聞きしたいと思います。
○柳沢説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、過密過疎の解消ということで、国土の均衡ある発展の実現ということが国政上の最重要課題であるという認識を持っております。その観点で現在政府といたしましては、六十二年に策定されました四全総に従いまして、東京一極集中の是正、多極分散型国土の形成ということを進めてまいってきております。具体的に申しますならば、多極法に基づきまして、振興拠点地域の整備、あるいは政府機関の移転などとともに、全国一日交通圏の構築ということで、幹線交通体系の整備など着実に推進してまいってきておるところでございます。
○沢藤委員 若干手元で数字を整理してみたのですが、過疎過密の進行といっても、全国押しなべて過疎現象あるいは過密現象が進んでいるということじゃなくて、地域あるいは都道府県によってかなり違いが出ているんじゃないか。この点についての特徴があれば簡単にお願いします。
○柳沢説明員 先ほど申し上げましたように、四全総を着実に推進しておりますが、昨今発表されました平成二年の国勢調査によりますと、全国の中で人口減少県が十八にも上っておりまして、いわゆる関東、東海、関西といった中央日本の県以外のところの人口減少が目立っておるわけでございます。この背景には産業構造の変化等業務機能の集積といった現象があるものと考えております。
○沢藤委員 私も全体を眺めますと、例えば農業基本法というのが制定されたのが昭和三十六年です。あの基本法は、規模拡大あるいは所得向上というふうなプラスの面もありましたけれども、ある本によりますと、これは離農促進法だったというふうな表現もあるわけです。その昭和三十五、六年ころを一〇〇として人口の動態を私なりに整理してみたのですが、この三十年間に、三十五年を一〇〇とした場合に平成元年は一三二となっております。この三十五年一〇〇、三十年間で一三二というのは、これはいわゆる自然増の数字だと思うのです。にもかかわらず都道府県によりましては一三二のラインどころか逆に一〇〇を割っている県がたくさんあります。岩手、秋田、山形、島根、山口、徳島、高知、佐賀、長崎、鹿児島等々であります。これは明らかに社会減だと思う。つまり政策的、社会現象的につくられた人口減だと思うのですが、どうでしょうか。
○柳沢説明員 その背景にはさまざまな問題があると思います。先生御指摘のような地域の社会減というものが何ゆえ発生しておるのか。必ずしも定説があるわけではございませんが、基本的には産業構造の変化によりまして働く場所というものが大都会等に集中的に発生したということがあったと思います。それに対しまして、政府といたしましては、工業再配置などに努めまして、就業機会の地方分散を進めてまいりまして、社会増の動向につきましてはそれなりの成果が見られたというふうに考えております。しかしながら、最近、昭和六十年以降になりますと、産業構造の変化がさらに一段と進みまして、大都会における業務機能というものの影響が大きくなってきておる、このような傾向があると存じております。
○沢藤委員 もう一つだけお聞きします。 過疎過密の中の過疎地域、これは私は常日ごろ体験しているのですが、過疎地域が抱えている課題あるいは拡大している不安要素、これからの課題がふえてきていると思うのですが、項目的に過疎地帯が抱えている問題点、課題というのはどういうふうなものがあるのか、お答え願いたいと思います。
○木寺説明員 お答えいたします。 多くの過疎地域におきましては引き続きまして人口が減少しておりまして、その結果高齢者の割合が非常に高くなっております。また一方では、若年層の流出が構造的に固定をしているというような印象を受けますが、要するに若者の割合が非常に低いといったような年齢構成上の問題が生じておりまして、その結果、こうした人口の著しい減少に伴いまして、地域社会の活力が低下しているという状況にあるわけであります。 また、過疎地域におきましては、産業面での立ちおくれが第一次産業から第三次産業までを通じまして見られます。 さらに、公共施設の整備につきましても、過去二十年間の過疎対策の推進によりまして相当整備が進んできてはおりますけれども、まだ全国の水準に及ばないものもあるということでございます。 それから、過疎地域の市町村の財政基盤が依然として脆弱であるといったような問題を抱えているわけであります。 以上でございます。
○沢藤委員 ありがとうございました。お引き取り願って結構です。 今のやりとりをさらに若干私なりに敷衍しますと、これを教育の場で、教育という場に目を当てて過疎地域の問題点というものを若干探ってみたいと思うのです。 今、国土庁からお答えがあった、幾つかの問題点が指摘されましたが、私は、特に教育という面から照らしてみると、家族、人間関係の問題あるいは地域構造の問題、これが非常に大きいと思うのです。圧倒的に出稼ぎも多い。これは季節出稼ぎというのと通年出稼ぎというのがありまして、農閑期だけ出稼ぎにするというのはまだいい方なんです。農繁期で長男が帰ってくると、次三男が逆に今度は通年の出稼ぎに行くという実態もあるわけです。そうした問題とか、あるいは過疎化が進行しますと学校の統廃合などということも行われる。そこには地域社会の中心となっていた学校がなくなることによって地域生活というのがかなり崩壊するという現象もあるのです、これは詳しく言えばたくさんの事例がありますけれども。 そういった中で、文部省の認識として、過疎、それから子供が、出生率が低くなっているというふうなこともありますが、こういった過疎、出生率の低下、そういったものを踏まえて過疎地域における教育上の問題点、教育に絞った場合どういう点があるかをお示し願いたいと思います。
○坂元政府委員 複式学級といわゆる教育条件の問題につきましては、後ほど先生が詳しく御質問する予定であるようでございますので、それを除きまして私どもが感じております教育上の問題点でございますが、僻地におきましては、先生御指摘のように、児童生徒数が減少して学校や学校規模が小規模化する傾向にあるわけでございます。そのために相互交流の相手が限定されているため、生活や学習の経験が乏しくなりがちである。それから生徒同士がお互いに親戚の者もおりますし、よく知っているということもございまして、妥協的になりやすく、厳しい態度の育成や活発な議論がなかなか展開されにくいというようなこと、あるいは望ましい人数のグループやチームがつくれないなどの問題点があるというふうに私ども感じております。 ただ一方で、児童生徒が少ないということから見まして、過疎における子供たちは相互に親密な関係が持ちやすい、それから個々の生徒によく目が行き届く。したがって、そういう意味では、複式学級の問題点は別としまして、個に応じた指導が行われやすいというプラスの面も特性として考えられるのじゃないかというふうに思っているところであります。 したがって、教育条件を、ハードの面をこれから改善していくことも重要でありますが、今後はこのプラスの面の特性を積極的に生かしながら指導計画や指導方法について具体的な工夫、改善がされていくことが必要じゃなかろうかというふうに私ども考えているところでございます。
○沢藤委員 過疎過密、過疎地帯の教育あるいは辺地校の果たしている役割、困難点、あるいは地域社会とのかかわり合い、こういったことについてはできれば別な機会にもう一度徹底して話し合いたいと思うのですが、ただ、今のお答えをお聞きしていて感じたことは、小規模校、特に山村とか島には多いわけですけれども、こういったところの学校の置かれている事情というものについて私たちはまだまだ理解が足りないというふうな感じがいたします。 私は、今度の問題で小規模校、複式を抱えている学校五、六校にお邪魔してきました。それから全国へき地教育研究連盟の本部あるいは県本部の方ともいろいろ意見交換をしてきました。また岩手県の教員組合にお願いをして、そういったところに勤務している方に数名集まっていただいて話し合いを持ってきました。そういった中から訴えられていることを土台にしながら、これからある程度時間をかけて複式学級の抱えている問題点というものを明らかにしていきたいと思います。 ただ、その前に、小規模校あるいは山間の僻地校の中で、さっき私がちょっと触れたんですが、地域社会とのかかわりというのは極めて密接だ、日常活動がそういう中で展開されているということの一つり指摘として、例えば森林愛護少年団というのが学校にほとんどある。あるいは研究指定校があったり、あるいは地域の清掃とかお祭りとか運動会とかいったものが地域ぐるみで行われている。あるいは巣箱をつくる運動、福祉協力校、防火用の看板づくりなどというのが地域社会と一体になって進められているという事例の中で、やはり学校というものの存在が地域社会とのかかわりで非常に深い。また小規模の小学校から中学校に進学すると、比較的規模の大きい中学校に行くわけですけれども、そういった場合に、子供たちは今まで暮らしてきた地域から離れて親の姿も見えなくなる、地域の姿も見えなくなるという状況の中で、中学校の第一学年ではかなり不安な状況が見られるという指摘もありました。そういった僻地校としてのことをトータルとして考えるならば、ただ単に、では学校規模を大きくしたらいいんじゃないか、統合だというふうな面に走るべきではないという考えを持っていることを申し上げておきたいと思います。 ここにある先生からのお手紙ですが、一部分ちょっと読んでみます。 過疎と少子化の状況は、学校の小規模化に拍 車をかけています。特に山間部・島嶼部では統 合・合併もままならず、我々教育にあたる者た ちが少人数指導を原型として受けとめる意識を しっかり持つことがまず肝要でしょう。というふうな非常に胸にぐさっとくるような手紙をいただきました。 そういった中で、複式の現況について、今度は次の質問に移していきたいと思うのですが、複式学級は基本的には解消するべきであるという一貫した考えを私は持っております。あってはならない学級形態だと思っております。さて、そこで複式学級の現況について、全国的な現況、数字等もあれば、そして、その中でもしおありでしたら、不規則複式、不規則の複式、つまり一、二年、三、四年、五、六年という全部が複式でやっているところではなくて、一部の学年、二つの学年が複式になっている、二、三年とか三、四年とか、ここにはまた特殊な苦労がある、変則複式の学校には変則複式なりの苦労があるという観点から、変則複式の数ももしおわかりでしたらお示し願いたいと思います。
○遠山政府委員 複式学級についての現況というお尋ねでございますが、全国で複式学級のある学校数で申し上げますと、小学校は二千二百三十校、中学校は二百五十三校、合わせて二千四百八十三校でございまして、全体の学校数に対する比率は七・一%でございます。 それで、複式学級数で申し上げますと、小学校は七千四百二十七学級、中学校が三百四学級でして、合わせて七千七百三十一学級、全体の学級数に対しまして一・七%でございます。 ここに学ぶ児童生徒数は、小学校六万五千二十七人、中学校一千九百八十人、合わせて六万七千七人でございまして、全体の児童生徒数に対する比率は〇・五%でございます。 この数値は平成二年の五月一日の数字でございますので、最新の、いわば今の改善計画が達成された段階での学級数はまだ集計中でございます。 それで、変則学級についてのお尋ねでございましたが、現在の段階ではそういう角度からのデータはございません。ただ、今集めております調査を分析いたしますときには、そういう角度からも調べてみたいと考えております。
○沢藤委員 次に、その複式が行われている教育の現場といいますか、最前線の実態をどの程度御把握かということについて御質問申し上げるわけですが、あらかじめ御通告申し上げておりますように、複式学級の問題点というのは一体何だろうか。児童生徒の指導教育上、これは授業もあるでしょうし、生活指導もあるわけですが、教科指導、生活指導上の問題点は何だろうか。それから一方、それに携わっている学校側、学校の運営あるいは最も直接的に携わっている教師の側からの問題点は何だろうかという点を、項目的で結構ですから、お示し願いたいと思います。
○遠山政府委員 指導上の問題は先ほど初中局長からお答えがあったとおりでございまして、異学年の児童生徒を指導するということから、大変その指導については困難であろうかというふうに思われるわけでございます。 教科内容の関連につきましても、さらに基礎的な学科等におきまして、異学年の児童生徒を同じクラスの中で指導していくということは困難であろうと想像されるところでございます。 さらには、学校運営におきましても、小規模校が持っている特有の問題点がさまざまにあろうかと思われるわけでございます。 そのようなことから、複式学級を持つ学校では、そこの教師の負担も太さいものがあろうというふうに私どもは考えております。
○沢藤委員 若干時間を私の方にいただいて、今の複式の行われている現場の状況、幾つかの問題点を私の方から指摘したいと思うのです。 一つは教科の面ですけれども、やはり指導要領に従って授業を展開するわけですよね。そうすると、二個学年を一つの部屋で授業するということの困難さは想像を絶するものがあります。 私はたまたま数学の時間に行ったのですけれども、指導要領に忠実に授業をするとすれば、かなり先生方は工夫して、若干の順序を変えて、図形なら図形を四年生と五年生が同じ授業をするというふうな工夫をしているのですが、それにしても、四年生は図形は平行四辺形をやっていました。黒板をこっちに置いてですね。そして、すぐ隣では五年生が円周率、円の問題。二つ黒板があって、先生がそこの間を行ったり来たりするわけです。こっちでは円周率を教えて、質問に十分答えられないままに今度はこっちに来て平行線を書いたり平行四辺形について論じたりしているわけです。これは神わざです。あってはならない神わざだと私は思ってきました。 それから、変則複式の場合は、特定の組み合わせの二個学年がそのまま学年移動しますから、そのクラスの中では上級生、下級生関係がずっと続くわけです。まあ変な表現だと、上級生という目の上のたんこぶがいつも同じ教室にいる。これが完全複式でありますと、翌年ごとにこの上級生、下級生が入れかわった組み合わせになるのですけれども、変則の場合はもう固定したまま移行しますね。そして、今の基準からいうと、生徒数合わせて隣接する学年が十八名を超えなければクラスを分けない、複式でやるということです。ですから、九名、九名で十八名ですから、これは分けられない、複式でやっている。隣の部屋に行きますと、十名、十一名でも複式じゃない、単式でやっているクラスも当然あり得るわけです、二つ合併しない場合もあるわけですから。そうしますと、こっちでは十数名を抱えて、しかも複式であっぷあっぷしている。その教室の隣では、それよりも少ない児童数で単式でやっているという実態もある。 理科なんかは、実験をやれという指導要領があるんだけれども、これを片っ方の学年でやる、その間に片っ方は待たせているとかあるいは自習をさせるとかということをやらざるを得ない。 社会科の単元だってそうでしょう。何々を調べなさいという場合に、違う単元のものを一緒に行動できない。しかし、結局はつき合わせて、まあつき合ってくださいよということで、二個学年が見学なり行動をするという状況がある。 国語に関して言えば、一年生は字を知らないで入ってくるわけです。特に僻地は幼稚園も保育園もないというのが状況ですから、字を知らない子供が入ってくる。その一年生に一、二年の複式をやれということは、これはもう残酷です。どうしてもこれは一年生は、一名であっても二名であっても単式でやるべきだ。私はこれが教育だと思うのです。経済の論理とか経営の論理じゃなくて、教育の論理でやるべきだと私は思います。 六年生については、さっきちょっと触れましたが、小さい規模の小学校から大きな規模の中学校に送り出してやる。もちろん学力の差もあるのです、どうしても複式経験者ですから。それから地域間のいろいろな子供たちの適応性の問題もある。結局中学校一年生に入った場合にはしょんぼりしているというのですね。そういった子供たちを見ると、六年生を単式にしてくれないか、入り口と出口、一年生と六年生を単式にしてくれないか、じっくり自信を持たせて中学校に送ってやりたいというのが、これは小学校の先生の心情ですよ。 それから、学級指導ですけれども、こういうことにぶつかりました。私非常に涙が出そうだったのですが、ある女の先生ですが、複式をやる前の単式のクラスを持っていたころは子供をしょっちゅう褒めることができた、褒め言葉。ところが今はもうとても余裕がなくて子供たちを褒めることがほとんどなくなったという反省をしていました。そうしたら、そばで聞いていた校長先生が、ああ、そういえば○○先生、以前よく職員室で、うちの学級の子供はね、うちの学級はねということを話題に出した、最近そういえばそういう話題が出てきませんねと言っている。これはやはり学級と、あるいは教師と子供たちの交流が非常に阻害されているということです。 それから、来週の教科の準備のために、土曜日、早く帰る先生はいないですよ、複式を持っている先生は。そういう実態があるということをもう少しひとつ体験的に、体感的にやっていただきたい。 もう一つ指摘して次に移りますが、四年、五年と複式がいきますと、カリキュラムが違うでしょう、四年生の国語の単位と五年生の国語の単位は違うのです。こっちは家庭科がぽこっと出てくる。これはなぜ複式でやれますか。これはどうしてもできない。 そういったこともありまして、結論になりますが、私は、複式というもの、複式学級の解消、これは文部行政の中の大きな課題だと思うのです。私たちは大きな問題、光の当たる問題についてかなり論議をしますけれども、置き去られている状況、陰の部分については配慮が足りないんじゃないかという反省を持っています。ですから、一挙に来年からというわけにはいかないでしょうけれども、複式の解消は文部行政にとってこれは一つの目標だということを私は大臣の口からお聞きしたい。そのことについて、大臣、どうですか。
○井上国務大臣 今先生のお話を伺っておりまして、学校教育の充実を図るためには教育諸条件の整備を図ることが極めて重要でありまして、また文部省としても、その充実強化に現在努めているところでありますが、公立の小学校及び中学の複式学級につきましても、昭和三十三年の標準法制定以来第五次にわたりまして、漸次改善を図ってきておりまして、複式学級の扱いについては、今後における教職員定数のあり方を検討する中で十分念頭に置いて検討してまいりたい、このように考えております。
○沢藤委員 ちょっと足りないといいますか、不満な点がありますが、若干それでは追加して質問を申し上げます。 学級編制改善の経緯というのを私はずっと拝見しました。一次から五次までやられたわけですが、その中における複式の人数の縮小というのですか、定員を少なくしていくということについての努力の跡は、私もはっきり認めることができると思います。その点は御苦労さまでしたと申し上げます。しかし、やはり第六次に向けて、これは何年計画になるかわかりません。さっき中西先生が指摘されましたように、第五次が十何年もかかっておる間に第六次の準備ができなかったということを私は怠慢だと思います。特に、今高校定数は四十五を四十にするためには大々的な調査を必要とするなんてことは考えられません、小中が既に先行しているわけですから。やろうと思えば来年からでもできるのです。この点はどうですか。
○遠山政府委員 高校の次期の改善に関しましては、先ほどの午前中の御質問にもお答えしたところでございますけれども、平成四年度に関しましては、特定の条件に当てはまる高等学校につきまして、学級編制について弾力化ができるように自治省に対して要望しているところでございます。 高等学校につきましては、四十人学級にすることが望まれるという点は臨時教育審議会でも指摘されているところでございまして、私どももできる限りのことを高等教育の充実のためにと考えているところでございますが、来年度につきましては、今申し上げましたような学級編制の弾力化というふうなものを活用しながら実施していただけみように、今最大限の努力をしているところでございます。
○沢藤委員 もう時間が迫ってきましたので、私は準備しておりました質問の最後の部分を一括して質問を申し上げますので、一括お答え願いたいのですが、定数の改善あるいは学級編制の改善ということは、定数法、施行令、規則あるいは学校教育法、その政令、規則、そういった体系の中で、何といいますか、正規には改定していくだろうということはわかります。ただ、法律の改正もお願いしなければなりません、標準法そのものは。と同時に、政令、規則の中で工夫できる部分も私はあるように思うのです。それはプロパーである皆さんに少し考えていただきたい。 例えば、これは違うと言われればそれまでですが、さっき申し上げた一年生、六年生の複式解消ということについては、これは教員加配というものを何かの格好でやればできるのではないか。あるいは変則複式をなくすということについても、変則を含めた学級数ぐらいの教員は配置されているわけですね、それに一名を加えていただけば、少なくとも国語、算数、理科、社会の基礎学科だけは分離できる可能性はある。現場の先生方も、複式でやってやれたいことはない、それは音楽、図工、体育、それから書き方、習字ですね、これは二学級一緒にやっていい。それ以外はやはり学力向上という、向上というよりも確保ですね、義務教育としての学力を確保するためには、ぜひこれはそれが分割してやれるような体制を工夫してほしい。根本的な法改正の前にやれることがあるのではないかということで、私はあえて一年生、六年生の複式というのは一体できないものか。教職員の加配、つまり変則複式はプラス一あるということでどうだろうか。あるいは教員組織のあり方を点検しまして、今学校教育法では学校長は児童の教育をつかさどるというのが本務になっておりません。私はこれはおかしいと思う。生徒たちに語りかける校長の訓話、講話、校長室に来ての接触、これが教育ではないということはないですね。教頭はどうですか。前は教諭の中から教頭を選んだ。今は教頭職というのを別にしつらえて、そして、これをやりなさい、必要に応じて児童の教育をやりなさい、本務がどこかに吹っ飛んでいる。 学校と行政は違うということは、あの当時の大臣見解でも触れているはずなんです。管理の面と教育の面がある。ややもすれば管理の面が強く見られがちだけれども、それは間違いだということを当時の大臣はおっしゃっている。そういうことから見て、例えば今配置されている校長、教頭を含めて、全体の教員組織というもので複式をたくしていくという指導ができるはずです。そして、それには一名の加配くらいを考えるとか、あるいは事務職員をきちっと置いて、いわゆる校務、庶務的なものは全部事務職員にお願いする。市町村役場との折衝も事務職員の職務としてやって、校長以下教育者たる者は教育に当たる、そういう体制をとるのが筋ではないかと私は思います。 そういったことで、時間になりましたので――まだある、そうですか。失礼しました。 では、お聞きした上で、また続けます。 そういったことを含めて、法改正については先ほどの大臣見解で、とにかく努力するというふうに理解しました。よろしいですか。法、基準、政令等をひっくるめて検討をお願いするということにいたしまして、当面何らかの方法で複式を一歩でも二歩でも解消できる方法というのがあり得るはずだと私は今指摘をしながら質問をしたわけです。御見解をお願いします。
○遠山政府委員 複式学級の問題につきまして、先生大変御熱心に実態も御調査なさりながらの御質問でございます。私どもも大変勉強になるところもございます。 今幾つかのお尋ねがございました。順次お答えしたいと思いますが、一年生、六年生を含む複式学級についてのお尋ねがございました。 確かに、一年生を含む複式学級につきましては、指導上非常に困難であるというふうなことは、私どもよく聞いているところでございます。六年生につきましても、先生のおっしゃったような観点から見れば非常に難しいという面もあろうかと思います。また変則複式の中には二年生と四年生と一緒にやるとか、欠けた学年を挟んでの複式というふうなものもあるわけでございます。そういったような複式学級について、どう指導していくか、どう対応していくかということにつきましては、指導資料の作成とかいろいろな研修会の実施とか等の努力もございますし、また定数の観点からいいますと、今実態調査をしております正確な調査結果がまとまり、それを分析しました上で、今後におきます教職員定数のあり方全体の検討の中で複式学級のあり方についても検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 それからまた、校長、教頭を含めて、複式学級の解消のような形で指導してはどうかという御提案でございます。 その角度の御指摘というのは、一方で御留意いただきたいことは、やはり教育の場としてふさわしい、秩序のある学校運営が行われるような教職員の組織というものが整えられて、それぞれの役務に乗っかってやっていくというのがいわば基本でございます。ただ、僻地における複式学級を持つようた学校におきまして、小規模の学校における特有の問題の角度から、教頭先生がその時間を割いて授業を行ったりするというふうなことにつきましては、これは違法とまではいかないわけでございます。その辺は違法とまではもちろん言えないわけでございます。地域の実情に応じてさまざまな工夫がなされることが必要かと存じているところでございます。 また、将来の法改正といいますか、その問題につきましては、先ほど大臣がお答えいたしましたように、現在の調査結果を待って慎重に検討してまいりたいと考えております。
○沢藤委員 二つの点について追加して申し上げたいのですが、定数標準法ですね、標準法と言わせていただきますが、これの法律なりあるいは政令なりというものを見た場合に、定数法の特例条項がありますね、十五条の一号、二号。これは産炭地、石炭産出の地域の不況対策の一環として、そういう地域には教職員の増配ということでてこ入れしようじゃないかとか、同和地区に対しては加配をするとか、あるいはさっき見ましたら、簡易宿泊所を置いているところにも、密集している地区にも加配する。これは簡易宿泊所というのは釜ゲ崎とか山谷がそうです。そういった特例が堂々と法律にも政令にもあるわけですよ。そうしたならば、私は産炭地も釜ケ崎も必要だと思いますよ。これは否定はしません。しかし同時に、それ以上の教育的な困難を抱えて、しかもその条件がなかなが解消できないような僻地に対してなぜ特例ができないか。この基本を私は疑う。その気になればできるはずなんですね、法改正なり政令を変えるなり。これが一つ。 それから、校長、教頭については、私は校長先生、教頭先生にしゃかりきになって働いてもらいたいという趣旨で申し上げるのじゃないけれども、かつては学校教育法そのものが、教頭職そのものがいわゆる教諭であった。児童生徒の教育をつかさどる一員であった。それが教頭職になり管理職手当が出た。学校長には学校教育法上教育をつかさどるという文言がなくなった。教頭のところには、「必要に応じ児童の教育をつかさどる。」「必要に応じ」、実際の受け取られ方は、校務、校長の補佐というところに重点が置かれていまして、「児童の教育をつかさどる。」というのにはほとんど重点が置かれていないというのが全国的な。状況じゃないでしょうかね。 そういった中で、私はさっきもちょっと触れた主任手当、人確法の論議が盛んであったころに文部大臣が見解を述べられた。その全部については紹介しませんけれども、その中でこういうふうに文部大臣見解、昭和五十一年の十二月です。七つの原則が要約されているのです。 その、うちの一つ、「学校は行政官庁でも企業体でもない。したがって、学校の運営を行政官庁や企業体のように管理の側面からだけでとらえることはできない。」そして二つの柱、管理面と教育指導があるんだけれども、どちらかというと管理強化と管理阻止という火花が散っている。これはもう一つの重要な柱である教育指導の面が軽視されているからじゃないかという指摘を大臣がしているのです。私はこの見方は正しいと思う。 私は、学校長をやってやめたある人から手紙をもらいました。これは後でコピーして大臣にもお上げしますけれども、すご胸を打つことがたくさんあるのですが、常にその校長先生は教員に向かってこういうことを言っているのですね。「教職員が同じ方向を指して生徒指導にあたること。」これが教育の原点だ、教育者としての原点だ、こういうことを言って、います。教職員が四十三名の学校ですが、「四十三人が同じ方向を向けば、その力は四十三プラスアルファとなり」「しかし逆に四十三マイナスアルファとなれば、限りなくゼロに近づく」という指摘を校長先生がしまして、とにかく一緒にやろうじゃないか。それで非常に問題点の多い学校だったけれども、転任することを考えないで、逃げることを考えないで、まずことし一年一緒にやろうじゃないかという呼びかけをして問題を克服したという事例がある。 これはいつかゆっくり御紹介申し上げたいのですが、そういったことからして、私は、学校教育法上も施行規則の中の第二十三条に、「小学校においては、校長のほか、各学級毎に専任の教諭一人以上を置かなければならない。ただし、特別の事情のあるときは、校長又は教頭が教諭を兼ねることができる。」という条項がありますね。これは活用できるはずですね。どうですか。――学校教育法施行規則第二十二条です。
○遠山政府委員 校長と教頭の職務と、それから授業を行うかどうかの判定につきましては、先ほどお答えしたとおりでございますけれども、校長は、学校におきます最終責任者といたしまして、学校運営の管理に当たることが本来の職務でございまして、直接授業を行うことは、本来の職務として予定はされていないところでございます。 教頭の職務に関しましては、先生がおっしゃいましたように、「必要に応じ児童の教育をつかさどる。」ということも規定されているところでございまして、教頭では、現実に小学校、中学校、高等学校ともに、小学校では四二%、中学校では六九・五%、高等学校では六七・二%の方々が授業を担当しているところでございます。今の複式学級編制ということから敷衍いたしまして、一般論化された形でのことではございませんで、むしろそこに限定された形でいきますと、それぞれの地域の実情に合わせてさまざまな工夫がその面でも行われていったらいいというふうに考えるところでございます。 それから、先ほどの政令の問題はよろしゅうございますか。
○沢藤委員 こういうことがありますよという指摘をしましたから。では、いいです。 時間が来ましたので、最後に一つ要望して終わりたいと思います。 へき地教育研究連盟の会報の中に、「地域にへき地はあっても、教育にへき地はあってはならない。」という言葉があります。それから「教師が燃えているときは子供の脳細胞は開く。」という言葉もあります。教師が一団となって燃えているときは子供に影響を与えるのですね。脳細胞が開くということもあります。 それから、私の教師の体験からして、最も教師が惨めな心境になるのは、教科指導の困難ですね。複式を持ったりなんなりして、あるいは免許外を担任している、それが十分に子供たちに伝わらない、授業ができなかったというときはすごく悲しくなります。これは教師としての業みたいなものです。このことはやはりわかってほしい。複式を持っておられる先生は毎日毎日それを感じながら悪戦苦闘しているということを忘れないでほしい。 ひとつ大臣に御期待申し上げます。いろいろな形を駆使して、僻地教育の振興、複式解消のために全力を挙げていただきたい。数カ月後にまた御質問申し上げます。 以上で終わります。
○臼井委員長 平田米男君。
○平田(米)委員 大臣は、就任以来大学の研究体制が非常に今立ちおくれているという観点から、幾つかの大学を視察されたというふうに伺っておりますが、どの程度御視察をいただいて、また視察をされた結果どのようなお考えを持たれたのか。まずその点、お伺いできればと思います。
○井上国務大臣 高等教育の充実につきましてはさまざまな指摘がされておりまして、特に国立大学につきまして、この研究環境といいますか、そういうものが厳しいということ、こういう状況に置かれていることを、国立大学協会のまとめたアンケート調査の結果やあるいは新聞、それから関係各方面からの御指摘で一応私は承知しております。 そういう中で、今までも大学へ大臣が行くということは、私の今までの経験で教わったのではなかったんだそうです、出身地の、選挙区の大学は行きますが。そういう中で、やはり先ほど来御質問にありましてお答えをいたしましたが、可及的に見て、その実情を把握した方がいいということで、自分なりに、東京大学、千葉大を初め、中国では広島、四国では愛媛、中部では静岡、あるいは東北では山形、こういうところのそれぞれの理学部あるいは工学部、また農学部、医学部、歯学部、そういうところを見せていただきまして、でき得れば北の北海道と九大も見たい、今こういう希望に燃えているわけでございます。 その中でやはり感じましたことは、非常に財政の厳しい中でよく基礎的な教育機関、非常に今それぞれ教育、研究活動が活発に行われているということに敬意を表しました。それを支える施設設備が非常に深刻な状況であるということを改めて実感をいたした次第であります。 また、国立大学の整備充実を図ることは、将来にわたって我が国の繁栄を継続発展させ、国際的な貢献を行っていく上で極めて重要でありまして、私としても、この視察やあるいは学長との意見交換の結果も踏まえながら、研究費や施設設備費の抜本的な充実を図るよう今後とも最大限努力をいたしたい。 また、国立大学のみならず、私学助成につきましても一層の努力をいたしたい。これは私学の大学も三つほど見てまいりました。 また、先ほど申し上げましたように、幸い大蔵政務次官あるいは大蔵委員長をやった関係上、非常に大蔵省の当時の方々が今指導的地位に立っておりますので、その方々にもお願いして、ぜひ一回主計官がこの各大学の機関を回っていただくようにお願いをいたしまして、そういう点では大蔵省としても今回初めて主計官が一日かかって東京大学を見たと言っておりますので、そういう点、見た結果は、やはりそれなりにそれぞれの人たちが努力している姿を見ているわけですので、いい面に反映すればなという感じでいっぱいであります。
○平田(米)委員 これまで大臣がされたことがないという視察を井上大臣がしていただいたというのは大変有意義ではないかというふうに私は感じてお伺いしておりました。また主計官も視察をされたということでございますが、現在の大学の、特に国立大学の研究体制がこのように荒廃をしたというとちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、非常に立ちおくれてしまった原因というのは一体どういうところにあるのか。その点については大臣はどのようにお考えでございましょうか。
○前畑政府委員 お答えをいたします。 国立大学が今日大変厳しい状況になっておるわけでございますけれども、戦後の学制改革で新しく新制大学ということで一挙に国立大学の数がふえたということが基本的にあるわけでありますが、その後脚案内のとおり昭和四十年代に入りまして、全国を巻き込んでの大学紛争というのが起こりました。その時期なかなか大学といったものについて、紛争のさなかに十分な手当てをするという体制が大学側としても、また私どもの方でもとれなかったということがあります。その後は、御案内のとおり十八歳人口が急激に増加をするという事態になりまして、いわば国公私を通じて量的拡大に対応せざるを得なかった、質的な充実に十分手が回らなかったということが客観的にあるわけであります。他方、そういうふうな状況の中で、国の財政が急激に悪化をしてきた、そういったふうなことが絡み合って、今日のような状況になっておる、このように認識をいたしております。
○平田(米)委員 局長から御説明いただいたのがそのとおり理由がどば思うわけでありますけれども、一番大きなのは、やはり財政のあり方ではないかというふうに私は思います。確かに環境の大きな変化あるいは大学紛争等あったことは間違いありませんが、もう紛争が終わりましてから随分たつわけでございまして、やはりそれまでに回復ができなかったというのは、今おっしゃった財政の急激な悪化とそれによって一律のシーリングがなされたということではないかと思うわけであります。そういう中で、一文部省の予算の中で人件費の占める割合というのは大変高いわけでございまして、やはり勢い施設の方にその辺のしわ寄せが寄ったのではないか、このように私は理解をしております。これは本来文部省だけではなくて、日本の国家の財政をどこに適切に配分するかという、これはまさに内閣そのものの責任であろうとは思うわけでありますけれども、ひとり文部省を責めるわけではありませんが、しかし、やはりもっと重点的な配分をすることがこれからは一番重要なことではないかというふうに感じます。 それで、過去のことを言っていても仕方がありませんので、これからどうするかということを我々は考えていかなければいけないわけでありますけれども、今回御視察をいただいた上で、大臣としてもそれなりの予算措置をされたというふうに伺っておりますけれども、その辺の概要と、また考え方について御説明をいただければと思います。
○井上国務大臣 科研費の問題を百五十億新たにお願いをして、これは概算要求で五年継続で出そう。先ほど来言われておりますが、今すぐ文部省の予算を急激に大学だけというようなことはなかなか難しいということで、先ほど来考えております国立大学の振興基金、自分でそういう名前の構想を、それのいわゆる受け皿の財務センターという形で私ども今お願いをしているわけであります。国立大学の研究条件の現状に照らしまして、国立学校特別会計所管の財産の有効活用による資金、これを財源として、そして国立学校特別会計の中に特別の基金を設置するようにする。それは国立学校特別会計の中に特別基金を設けることについて、やはり法制上検討を要する課題が多々ありまして、今後また関係各庁とも十分協議しながら、その仕組みについて予算編成過程において結論を得ることといたしたい。また、以上の状況を勘案いたしまして、国立学校特別会計所管所有の財産の有効活用の円滑な実現を期するために、将来入ってくるという形のもとに、平成四年度の概算要求におきましては、国立学校財務センター、これは仮称でありますが、その設置を要求をいたしたわけであります。これは五千七百万概算要求をいたしました。 実は、これはあくまでも受け皿をつくっておいて、それで将来いろいろな、事によったら寄附もあるし、あるいは今私ども国立大学で持っているいろいろな問題があります。それぞれ違う。そういうものの中で、そういうものを資金としてやらないと、一般会計ばかり当てにしていたのでは、これはとても今の状態、五百八校のうち国立大学は九十六でしたか、それ全部をやることはなかなか難しいという中で、こういうものをやっておけば、一般会計だけではなかなか追いつかない――そういうことで、先ほど来言っておりますが、平成五年あたりにはできるめじゃないか、こういう考えを一つ持っております。 また、科研費としては――百五十億と言いましたが、六十二億の増であります。いわゆる百五十億というのは、今度新規に設けた国立大学の、これを五年間一応やろう、ことしは百五十億を概算要求いたします。 以上です。
○平田(米)委員 大臣が大変努力をしておいでになるということはわかるわけでありますが、今国立大学等の国の所管になっておる学校といいますか、大学関係の施設の面積は二千万平方メーターある、こういうことでございますね。それで文部省等からいただいた資料で見ますと、建てかえ等あるいは新築等の費用が一平米三十万以上かかっている、こういうことにしますと、これをもし全部建て直しますと六兆円かかるわけでございます。大体三十年たてば建て直しをしないともう維持ができない、こういうふうに通常言われておる。わけてありますが、そうしますと、六兆円を単純計算で三十年で割りますと、建てかえだけで毎年二千億円の予算を組まなければいけない。さらに二十年くらいたちますと、改修というのを大がかりにやらなければいけない、これも相当かかる。――さらにまた日常的にはメンテナンス、小さな修理等をしていく必要がある。そういうことを考えますと、二千億以上の予算を組んでいかなければならない。しかも、先日文部省が調査をされました「我が国の大学等における学術研究成果等に関する調査研究について」、この報告書を見ますと、施設のスペースの充足度については、現状の少なくとも二倍以上が必要であるという方が七〇%みえる。そうしますと、七〇%の御要望を全部満たせないにしても、仮に五〇%増しするにいたしましても、二千億を超えるお金のさらに一・五倍、ざっと言えば四千億近いお金を毎年組んでおかないと、建物だけの整備というのはきちんとできないのではないか。当然建物をつくりますと、それに対していろいろな研究設備というものも、それに新しいものをどんどん入れていかなければならない。恐らく建物と同じくらいの予算を組まないと対応し切れないのではないか。こんなふうに計算上出てくるわけでございますが、現状の建てかえ、新築あるいはメンテナンス等の予算はどのようになっておるんでしょうか。
○野崎政府委員 今先生御指摘ございましたように、国立学校が保有する建物が千九百四十四万平米あるわけでございます。それで三十年以上経過したものが九・五%ということでございますが、昭和三十七年以降つくった建物が大変多くて、それらが二十年以上というふうなことで見ますと、四五・一%が二十年以上の建物ということで、相対的にいたしますと、施設の老朽化が進んでいるということは、先生御指摘のとおりなわけでございます。 この辺のところをどうするかということで、今大臣お話ございました教育研究環境特別重点整備事業、これは百五十億を要求したわけでございますけれども、施設の整備の関係の全体の予算は、平成四年度で千二十二億円の要求をしておるわけでございます。それで、この中で老朽化対策経費といたしましては四百七十四億というものを見込んでおる次第でございます。
○平田(米)委員 今私のざっとした計算で申し上げて、三千億のお金は毎年建てかえや新築等に少なくとも要るということなわけでありますが、実際、大臣の御努力によりまして随分伸びたというふうに理解はしております。しかし、概算要求でも一千二十二億しかない。これではもうおくれるばかりではないかというふうに思うわけであります。これから五年間でございますか、百五十億ずっと積む、あるいはそれに上積みをしていくというお考えだろうとは思いますが、ただ、それにしても、その投入すべき金額と予算の金額、まだ概算ですから、これは全部認められるかどうかもわかりませんし、その乖離は極めて大きいと思うわけであります。これを果たしてどう解決していったらいいのか。確かに先ほど基金のお話がございました。もう一般財源だけではいけないということでありますが、確かにそうだと思います。それも含めましてもう一度、大臣、この大変大きな目標があるわけでありますが、何も三十年経過したときに建てかえるわけではなくて、これから三十年間かかってすべてを建てかえるという計算でございますから、ことし新築したものも三十年後には建て直さなければいけないわけでありますから、そういう観点から考えますと、もっと大幅な一般財源からの投入あるいは別途の財源を見つける、こういう作業を真剣に今からやっていかないといけないのではないかと思うのです。先ほど大臣もおっしゃいました、日本の国を支えるのはまさに技術である、またこれから国際的にも貢献する意味でも日本が基礎研究を推し進めていかなければならない、そのやはり一番の拠点というのが国立大学ではないかと思うわけであります。そういう観点からいくならば、これに対して極めて重点的な予算配分をしなければ、日本の国は将来成り立たないということにもなりますし、もちろん世界に対する責任も果たすことができない、こういうふうになるわけでございますが、一度その辺御見解を承りたいと思います。
○井上国務大臣 先ほども申し上げましたように、国立学校の特別会計の所管財産の有効活用、これはやはりまだ今関係各省庁との関係もございますので、非常に難しいことだと思いますが、相当額の歳入が見込まれる場合におきまして、これを基金として保有することとなる場合、先ほど言いました国立学校の財務センター、そういうものをつくって受け皿にしておいて、そしてそれが、このいろいろな国立学校の――我々のところへ入ってくる。それを当てにして、ここから先はなかなか関係各官庁がありますので、もう先生おわかりだと思いますが、それぞれ新聞では報道されております。あくまでも一般会計でも新たに一つの問題をつくって百五十億ずつやるということですが、そのいわゆる国立大学の振興基金、あくまでもこれは仮称で自分なりの考えですが、そういうものを今の国立大学の一つのもの、敷地といいますか、そういうものもあるわけですから、そういうものを有効に活用していく。それには受け皿をとっておくわけですから、おわかりだと思いますが、これは平成四年度にすぐお金が入ってくるということではなく、平成五年にはもうそのあれが入ってくるの。ではないか。そういうものですぐ二千億というようなことにはなかなかできないと思いますが、少しでも国立大学の設備また施設の改善、そういう建てかえ、それができるのじゃないかなという希望は今あるわけです。
○平田(米)委員 大臣がいろいろ工夫しておいでになって、お考えのようになることを大変期待するわけであります。しかし、いずれにしても、二千億などというお金をおっしゃったような形で確保する。それは建てかえだけでございますから、さらに研究費等もまだまだ足らないわけでございますから、その分も入れますと何千億というお金がこれから毎年要る。それをしていかなければ日本の国が将来危ういということでありますので、一般財源も含めてもっと別の発想を、一般財源をたくさんもらうということも大事なことでございますが、別の発想も考えていく必要があるのではないか。これは全くの私の試案でございますけれども、例えば郵便局がボランティア貯金を導入をしまして、何と十一億円の基金が集まったということでございます。これは毎年来るわけでございます。あるいはまたカード会社が自然保護団体に寄附をするということを前提にしてカードを使っていただいて、そしてカード料金の一%程度を自動的に寄附する、こういうようなシステムが現在行われておるわけであります。例えばカードとか同様の制度を卒業生に使っていただいて、そしてそれがその大学の、母校の基金に入る、こういうようなシステムでもひとつ考えていただければ、相当莫大な寄附金というものが学校に入ってくるのではないか。卒業生というのは母校を思う気持ちは大変強いわけであります。しかし、日常の生活に、また日常の仕事に追われておりまして、わざわざ母校に行ってまで寄附をしてくるなどということはできないわけであります。しかし、自分が日常カードを利用する、そうすることによって大学に自動的に寄附ができる。しかもそれは売買代金が高くなるわけではありません、寄附者そのものの財布が痛むというものでもない。そういう状況といいますかシステムをつくれば、大勢の卒業者が母校のためにということでカード等に加入して円滑に、しかも何の手間もなく、場合によれば多額な寄附が入るのではないか。市立大学等もそのような発想をして、それぞれが競争をするというようなこともできるのではないかというふうにも思います。これは全く私の試案でございますので、今大臣が一般財源以外の財源というものを考えていくのだというお考えならば、ひとつこういうアイデアも御検討の対象にしていただければというふうに思います。この点につきましては、この程度で終わりまして、次の質問に移らせていただきます。 大臣に、留学生の入学納付金の問題についてお伺いをしたいと思いますが、留学生は各国の未来の指導者である、留学生を大切にすることはその国の未来を大切にすることなんだ、このように私は思うわけでありますけれども、その点いかがお考えでございましょうか。
○井上国務大臣 まさに私もそのとおりだと思いまして、留学生のいろいろな会合へも出て激励もし、またいろいろなことで御相談にもあずかっておるわけであります。
○平田(米)委員 大臣も御存じだと思いますが、ことしの八月二十三日に、中国人の留学生が日本大学に対しまして入学納付金の返還の裁判を起こされたわけでありますけれども、これについて概略御説明をいただければと思います。
○長谷川政府委員 日本大学での学納金返還に関する裁判の関係でございますけれども、中国からの留学生二人の件でございます。そのうちの。一人は昨年の十二月に日本大学の芸術学部を受験し、合格いたしました。入学金二十六万を含む納付金九十三万六千円を十二月の初めに納入いたしております。なお、同人はその後、平成三年一月になりましてほかの大学に合格いたしました。このため、そちらの後から受かった大学の方に入学を決めまして、平成三年の一月の末に日本大学に入学辞退を申し出た、学納金の返還を求めたけれども、断られたということでございます。もう一人の留学生につきましては、これも中国からの留学生でございますけれども、同じく昨年の十一月、これは日本大学の経済学部でございますが、これを受験いたしまして合格いたしました。十二月の末に入学金二十六万を含む納付金五十六万一千五百円を納入した。それで、同人は平成三年の一月の末にほかの大学にも合格いたしました。これも後から受かった大学に入学することに決めまして、二月の初旬に日本大学に入学辞退を申し出て、学納金の返還を求めたけれども、断られた。こういうことがございまして、両人は平成三年八月二十三日付で日本大学に対しせして入学金を含む学納金の返済と遅延損害金の返還を求める訴えを起こしたということでございます。 この件につきましては、九月の三十日に口頭弁論が行われる予定であったということでございますが、原告と日本大学の方とのお話し合いによりまして和解が成立いたしております。九月二十日付で訴えが取り下げられたというぐあいに承知しておるわけでございます。返還金額につきまして、日本大学の方が入学金を除く金額をそれぞれ二人の留学生に返還するということで和解が成立したということでございます。 この事件は、一般選抜よりも早い時期に行われました留学生の特別選抜を受けた者についてのケースでございます。一般選抜につきましては、学納金の納付時期をできるだけおくらせるようにということで、従来から文部省としては指導していたところでございますけれども、最近、特にふえてまいりました留学生のための特別選抜につきまして、この大学側の理解が若干違っておったというようなこともございまして、我々といたしましても、大学側に善処を求めておったものでございます。
○平田(米)委員 早期に和解ができて解決ができたということは大変喜ばしいと思いますが、この件につきましては、我が党の日笠議員がこの春に質問をさせていただきまして、文部省からも早速五月の十四日付で、局長通達でございますが、出していただいて、善処方を指導していただいておるわけでありますが、先ほどの和解の内容も、入学金を除いて他の学納金の返還がなされたということでございます。 私は、こういう留学生の皆さんに直接お会いをしていろいろお話を伺いました。そのとき、この裁判を起こした人たちにも会ったわけでありますが、私たちは裁判を起こせるだけ幸せだ、こういうことをおっしゃっていました。なぜかといいますと、ほかの留学生の皆さんはとにかく一校に入学金を払ったらもう次の大学にお金を払う余裕がありません、ですから、最初の大学に払ったら、もうそこの大学に行かざるを得ないのです、しかし、私はまだ経済的余裕があったので、二番目の大学に入学金等を納付することによって好きな大学を選ぶことができました、ですから、文部省がそれなりに対応していただいたけれども、しかし大多数の留学生というのは、入学金そのものを特別選抜の場合に早期に納めさせられることによって、大学選抜の自由を奪われているのです、こういう話でございました。私はこれはとんでもない話だな。先ほども申し上げましたが、本当に留学生をその国の将来の指導者だ、こういう観点で見るならば、一番保護をする姿勢が我々になければいけないのではないか。二十六万、確かにいろいろな見方があるかもしれません。しかし、今そういう点で困っておられる方はほとんどアジアからの留学生でございまして、その所得の格差からいけば、私たちにとっての二十六万ではありませんで、彼らにとっては、私たちの何百万ものお金ではないかなというふうに思うわけであります。 そういう意味で、今回通達は出していただいているのですが、ここでも、「少なくとも入学料以外の」という表現がございまして、入学料は別扱いでもやむを得ないんだという考え方があるわけであります。しかし、この入学科こその解決がなければ、本当の意味での留学生のための改善ということは行われたことにならないわけであります。好きでもない大学になぜ入るのか。彼らとすれば二番目、三番目、受験はしても、もし万が一落ちた場合にどこの大学にも入れないということになれば在留資格を失ってしまいます。そうしますと、日本人みたいに浪人なんということはできないわけであります。日本から追い出されてしまう。だから幾つかの大学も受けなければならないし、受かったならば、やはりそこに入れるように確保しておかなければいけない。彼らに特有のこういう厳しい環境にあることを私たちは十分理解をした上で、日本人たちとは別の取り扱いをしても不公平ではないと私は思うわけであります。そういう意味で、特別選抜、一般選抜あわせまして、やはり入学金というものの納付を三月末におくらせていただきたい、そのように指導していただきたいと思うわけであります。そして入学金も含めて、もし入学しなかったら留学生にだけは返していただきたい。 聞きますところによりますと、日本大学には百億を超す助成金が国庫から出ておるわけであります。そういう観点からするならば、大学としては入学金が入ってこないことによって財政的な影響は若干はあるかもしれません。しかし留学生の数というものは、大学の総定員数からすれば、総入学者数からすれば本当に微々たるものでございまして、大学の財政に与える影響というのは極めて少ないものではないかと思うのです。その損失と、そして留学生をこのような苦しい状況に追い詰めているというそのデメリットの比較考量からするならば、改善はぜひともしなければならないのではないか、このように思うわけでありますが、御答弁いただければと思います。
○長谷川政府委員 私立大学の授業料等の学生納付金につきまして、これは外国人留学生であるかどうかにかかわらず、できる限り納入時期を遅くするように従来から指導をしてまいっております。特に、私費外国人留学生につきましては、特別選抜を実施する大学がふえてきたということもございまして、こういう場合でも学生納付金の納入時期をおくらせるように先般通知したわけでございます。 学生納付金のうちで授業料や施設設備費につきましては、授業を受けあるいは施設設備を利用する対価としての性格を持つものでございますので、入学を辞退した者に対しても納入させるということは容易に国民の理解が得られない。そのために納入時期をできるだけおくらせるように指導をしておるわけでございます。しかし、入学金につきましては、基本的には私立大学が各学校の責任において自主的に決める事柄でございまして、一定の入学者の確保を図る必要から、あるいは合格者の入学意思を確認した上で二次募集や補欠募集をしなければならないという事情もございます。授業料と同様の配慮を行うということは大変に困難でございます。 文部省といたしましても、入学金の納入の時期を具体的にいつにするかということは、学校の事情を踏まえて各学校が自主的に判断して決めることだと申しておるわけでございますけれども、各大学に対しましては、できれば留学生のための入学金の免除あるいは減額というようなことについて努力していただきたいというようなこともお願いいたしておりまして、最近では大学でも、入学金、授業料の減免措置をとっていただくところがどんどんふえてまいっております。 国といたしましては、私費留学生全体をどのように面倒を見ていくのかという、私費留学生全体の対策の中でこういった留学生の援助を考えていきたいと考えております。育英奨学という観点からは相当な措置を近年やってまいっておりまして、私費の留学生の学習奨励費の対象となる学生の数は非常に多く、既に本年度で五千名に上っております。そのほか病気の際の医療費の補助であるとか各種のことをやっております。私立大学に対しましても、授業料の減免を行っていただいたところには、その三〇%を限度として国の方から大学の方に補助を行うというような制度も持っております。そういった私費留学生に対する援助の全体の中で考えていきたいというぐあいに考えておりまして、入学金の納入時期について絶対にこうでなければならないというような指導をするということは、現在のところ考えておりません。
○平田(米)委員 ぜひそれを考えていただきたいのですよ。今申し上げましたように、留学生にとっては大学に合格しなければ日本におれない。最初の大学にお金を払ってしまったら、もうそこの大学にいやでも応でも入らざるを得ない、こういう状況に追い詰められておるわけです。それは局長がおっしゃったような考え方も一つの考え方でありますが、しかし、冒頭に申し上げました、留学生は各国の未来の指導者なんですよ。しかも、ほとんどがアジアの人たちです。日本はアジアに対して六十年前から一体何をしてきたのか。彼らは、口では言わないにしても、心の中にはいまだにしっかりと持っておるはずです。しかし、あえてその日本に、わざわざ難しい日本語を勉強しで留学に来てくれているわけであります。その留学生の入学金を、入学をしてもしなくても取ってしまう。しかも、この通達では、少なくとも入学料以外の学生納付金を納入する時期についての配慮をお願いしているということでございまして、入学金、入学料については時期をおくらせなくても構わないという趣旨に読めるわけであります。彼らの置かれた現状というのは、私たちが考える以上に本当に大変なものでございます。 皆さんに聞きました、お金はどうやってつくったのですかと。一生懸命アルバイトをやってつくりました。彼らにとっては、見ず知らずの土地に来て必死になって働いて、今の次に大事なお金ですよ。そのお金を何の合理的理由もなく取られてしまう。しかも、これからまだ選択をしたいと思っているのに早い時期に払わざるを得ない。彼らがこの日本の制度、日本の仕打ちに対してどんな思いでいるのか。こういうことができなければ、日本が国際貢献するとかなんというのはまさに空文ですよ。どれだけ大きな壁があるのですか。ほんのわずかのことじゃないですか。各大学にしたって、国際化あるいは国際的な貢献ということもおっしゃっているはずであります。教育者なら当然のことであります。それを監督する文部省が今のところそれは難しいなどという言葉に私は失望せざるを得ません。この言葉を聞いた留学生は、日本という国は何と冷たいのだろうか、何と冷酷なんだろう、自分に続く留学生を決して喜んで日本に来なさいよと言ってくれないのではないかと私は思います。日本よりも欧米の方がいいよ。留学生をふやすというのも文部省の政策じゃありませんか。こういうほんのわずかの心遣い、それさえできなくてどうして留学生をふやそうなんということができるのでしょうか。確かに私費留学生に対するいろいろな施策をやっておいでになることはよく理解しております。しかし、これさえできないようでは、ほかを幾ら言っても、留学生に対しては、やはり冷たい日本であることには変わりはないと思います。大臣、どうですか。
○井上国務大臣 今の局長の答弁にありましたように、授業料あるいは施設費はお返しする、入学金は、先生法律の専門家でありますから、やはり入学するしないのときの契約みたいなものがあって、そうしているのかなと今私はお話を聞いて感じていたのです。この入学金というのは、私学の経営上、それを見込んで何名というようなことで私学も当てにしておりますし、また今常識上考えても、入学しない者につきましては授業料並びに施設費はお返しするということでございますので、今すぐ私が、入学金も返すということは、なかなかそういうお話はできませんが、よく局の方々とも相談をいたしまして、いろいろお話を聞いて検討してみたい、このように考えます。
○平田(米)委員 ぜひとも前向きに検討して、いただきたいのですね。こんなことさえできないようでは、日本のアジアに対する責任は果たしたとは言えないと思うのです。 今経営に影響するというようなお話がありました。しかし、どうですか。日大は今毎年何人入るのですか。留学生が何人いるんですか。一%もおりますか。ほんのわずかのことです。そしてまた、その一%の留学生の入学金が日大の膨大な予算の中で占める割合というのは〇・何%以下でございます。ほんの微々たることであります。そのほんの微々たることができないようでは、日本として恥ずかしい、私はこのように思えてなりません。今大臣が前向きに一遍検討してみたい、こういうお言葉を信じて、この質問はこれで終わらしていただきたいと思います。 次に、最近外国籍の子弟が大変ふえてきたということでございますが、この点についてお伺いしたいと思います。今回割合と文部省も早く手を打たれて、これに対するいろいろな予算措置をとられたわけでありますが、その点についての概要と考え方を御説明いただければと思います。
○遠山政府委員 来年度の概算要求の中身でございますが、各局にまたがりますが、便宜上私から申し上げさせていただきます。 来年度、外国人の児童生徒の受け入れ、指導の充実を図りますために、大きく分けて三つの経費を計上しております。一つは、日本語教育が必要な外国人児童生徒に対する適応教育や日本語指導に活用するための教材として、学校生活の基本的な事柄を題材とした学校生活を紹介するための冊子を作成する、教材作成でございますね。それから二番目が、一定数以上の外国人子女を受け入れている学校の授業方法、体制の充実改善を図るための教員加配。それから外国人子女教育研究協力校の拡充に要する経費を計上しているところでございます。 実額、要りますでしょうか。(平田(米)委員「はい、教えてください」と呼ぶ)最初の教材作成の関係でございますが、千四百三十五万五千円。それから教員の加配の関係でございますが、人数の規模に合わせまして」加配をしようという計画でございまして、二百七人分、給与費関連でございますので六億七千九百七十八万八千円でございます。それから外国人子女の学校への受け入れで、研究協力校関連五百十万四千円でございます。
○平田(米)委員 私の地元の愛知県でも去年あたりから外国籍の子女の小学校、中学校に対する入学が大変多くなりまして、実は質問の前に、愛知県の豊田市の東保見小学校と保見中学、それから豊橋市の幸小学校、こちらに伺いまして、校長先生あるいは教頭先生、担任の先生、あるいは日本語学級を特別につくりまして、そこでポルトガル語が若干できる御婦人方が日本語教育をしておいでになりますが、そういう方々の御意見、また各教育委員会の御意見を伺ってきたわけであります。 それで、皆さん、文部省がまず二百七名の加配を予算請求していただいたということに対して大変喜んでおりまして、ぜひとも実現をしていただきたい、こういうふうにおっしゃってみえました。今去年から急激にふえた子供たちに対しまして、学校側も手探りで、あるいは教育委員会も同様でございますが、手探りで奮闘しておいでになるという感じがいたしました。皆さんのお話を伺いますと、就学義務はないけれども、学校に行きたい、勉強したいという子は喜んでお受けをして、そして日本の学校で学んで本当によかったな、そういう思いで帰国をしていただきたい、そのために一生懸命努力したい、こういうことで、予算のない中、また人員のない中、非常な努力をしておいでになります。 例えば、東保見小学校では、豊田の教育委員会が独自の予算をつけまして、そこはトヨタ自動車の本社のあるところでございますから、ブラジル等に転勤をされて、奥さんも一緒に行って、その間にポルトガル語ができるようになった、そういう方々も何人がおいでになりまして、そういう方々が小学校あるいは中学校を巡回して日本語を教えておいでになるとか、これは大変効果的で日本語の上達といいますか字を覚えるのもスピードが速いし、また言葉ができるということで子供たちが割と精神的に安定をする。日本語ばかりだと言葉を早く覚えるわけでありますが、やはり性格の弱い子はストレス等がたまるのでしょうかいろいろ大変な状況になってしまう。それが言葉が話せることによって精神が安定する、こんなこともお話がございました。 これは豊橋市の幸小学校でも同様でございまして、ここはまだそこまで人員の体制がありませんので、市でお一人だけポルトガル語ができて余り日本語ができないという方がおいでになるそうでありますが、その方がボランティアで各学校を、三十数校ですか回っておいでになって、やはり非常にふさいでいた女の子とポルトガル語でその方が話をしましたらやっと明るくなった、大きな声で話せることができるようになった、こんな報告も聞いたわけであります。 また、教材につきましても、今全くないということで、それぞれの学校とか、あるいは特に教育委員会でございますね、伺いましたら、豊田の教育委員会で教育主事の方が、自分も余りポルトガル語ができないのですが、辞書を自分で買ってきて、そして知り合いの人の、ポルトガル語が少しできるという方のアドバイスを受けながら、担任の先生方のために日常のポルトガル語あるいは学校で使うポルトガル語等を一覧表にしたものをつくった。これが現物でございますが、ガリ版刷りでつくられて、これが大変好評で、各市から委任された方々からぜひ送ってくれというようなことでやっておいでになる。こんなお話も伺いまして、本当に厳しい中努力をしておいでになる。こんなお話を伺い、また実感をしてきたわけであります。 そこの中で、この二百七名の加配については本当にありがたいと言っておいでになりました。ただ、この加配はどういう方法で行われるんでしょうかと、これを一番心配しておいでになりました。今お話によりますと、一定数以上の学校に加配をする、こういうふうなお考えのようでございますが、現場の声は、とにかくどこに、いつ、何人の子供が入ってくるかわからない。例えば東保見小学校の隣の西保見小学校というのは、ことしの五月に九名、一年生ばかり一遍に入ってきたそうでありますひまた東保見小学校も、大体やはり連休明けに何人が入ってきて、九月になるとまた何人か減る、こういうような状況がある。幸小学校でも同様でございますし、教育委員会に聞きますと、そのとおりで全く予測がつかない。ですから、一定数の学校に教員を加配するということになるますと、実際上それを四月の人数で決められてしまいますと、その後の対応が、柔軟な対応ができないというのです。こういう話でございました。ですから、加配をしていただくのは大変ありがたいけれども、しかし学校ごとの加配では本当は余り役に立たないといいますか、役に立つケースもあるけれども、人数ががくっと減ってしまうとか、あるいは加配のないところで急に生徒がふえた場合に対する対応がしにくい、こういう言い方をしておいでになりました。ですから、学校ごとの加配ではなくて、もっと広い範囲で考えていただけないか。そして加配される教員についてのその動き方についても、やはり地元に任せていただきたい、こういう御意見があったわけであります。私もそういう事情を伺いまして、なるほど、そうしなければ本当の役に立たないんではないかと思うんです。 豊田市は、今中学校、小学校合わせまして、九月十八日付でございますが、外国籍の児童生徒が行っておる学校が二十五校あります。そして生徒数は八十九名です。ですから四人弱ですね、平均しますと。しかし、一人しかいないというところも随分あります。多いところは十名とか二十四名とかいます。しかし、これはそれぞれ一校ずつでございまして、非常にばらつきがあるわけであります。これは何も豊田だけではありませんで、豊橋でも同様の傾向がございます。学校数、小中合わせまして三十四校、生徒数が百十五名でございます。これも同様に、平均しますと非常に少ない。一人しかいないというところももちろんたくさんあります。ですから、地元の皆さんは、各学校を加配された先生方にできれば臨機応変に回っていただきたい、こうおっしゃっているわけです。 担任の先生に聞きますと、今一人でも外国籍の子供さんがいると、やはり日本語が十分にできない、大体六カ月、遅い子で一、年たてばもう会話には不自由がなくなるということでございますが、しかし、その間、あるいはそれ以後であったとしても、まだ文字というのはきちっとは読めませんので、随分手がかかる。今までクラスの中で学習の進行が非常に遅い子に対して手をかけていたんだけれども、それができなくなってきている、こういうことをおっしゃってみえました。ですから、加配をしていただいて、そういう先生方に少しでもいいから授業を一緒に手伝っていただきたい。そうすれば、そういう問題も大きく解消できるのではないかということもおっしゃってみえました。ですから、一定数の外国籍の子女がいる学校にだけ加配をするという機械的なといいますか、そういうやり方をしますと、現場では、せっかく二百七名加配をしていただいたとしても、余りありがたいというふうに思われない状況にあるということでございます。その点一遍、どういうお考えなのか、御意見を承れればと思います。
○遠山政府委員 先ほど申し上げました数値は、来年度に向けての定数の増の算定の基礎といたしましては、外国人子女の人数の規模に応じて積算をしているという趣旨でございます。したがいまして、結果として二百七名仮にこれを財政措置をすることができました場合に、どういうふうにやっていくかは、各県の実情をよく聞きまして、それの実態に合わせた形でできるだけ有効にやりたいと思っております。ただ、ある程度外国人子女の数が多いところに重点的に配分していくということにはなろうかと思います。 しかしながら、今先生がおっしゃいましたように、一校に配置して、その学校の何人がだけを相手にするというふうな方式が必ずしも有効ではないというような場合には、もう少し弾力的に各県で工夫をしていただきまして、巡回の方式もあり、あるいはボランティアとの組み合わせもありというふうな形で、弾力的に、要はその子供たちが先生おっしゃいましたような形で日本の学校教育を豊かに受けられる、それを手助けするというふうな姿勢で活用していただきたいというふうに考えております。またこれは、具体的には各地に何人いるかも現在正確なところは調査中でございますので、私どももよく考えて対処したいと存じます。
○平田(米)委員 ぜひおっしゃったように柔軟な対応を、できれば県ごとぐらいに人数を配分していただいて、後はもう県の教育委員会に任すというぐらいに、しかも今おっしゃったように、県の教育委員会も柔軟な対応をしてもらいたい、こういうふうな方向性でお願いができればというふうに思うのです。 それから、二百七名加配される教員の皆さんはポルトガル語ができるわけではありませんので、ポルトガル語ができるボランティアの皆さん、ボランティアでなくても、ある程度日当を払っても日本語を教えられるようなシステム、今豊田市がやっておられるようなああいうやり方を少し推し進める必要があるんではないかというふうに思うのです。今回は特に予算措置はしておいでにならなかったようでありますが、豊田市に聞きますと、ことし百数十万円予算を取って、これは補正をしなければいけないとおっしゃってみえました。来年は倍増をしないと対応できないんではないかというふうに言ってみえました。ある程度財政余力のある自治体が率先してやられることはいいことだろうと思うのですが、何も全部国がやるべきだと私は考えませんけれども、しかし、やりたくてもやれないというようなところは、ある程度国が補助をするというようなことも考えていくべきではないかなというふうに思います。 また、加配をすることによって、反対に、こういうポルトガル語ができる奥さん方あるいはそのほかの方々が日本語教育に従事することが制限されることがないように、排除されることがないようにお願いをしたいと思うのです。もうそれは加配でやっているから十分だ、こういうような発想になりますと、せっかく地方自治体が協力をし、また奥さん方が忙しい中で少しでも恩になったブラジルの国にポルトガル語で貢献できればと、こういうボランティアの精神でやっておいでになる芽をつぶしたくない、つぶしていただきたくない、こんなふうにも思うわけでありますが、その点いかがでございましょうか。
○遠山政府委員 とりあえず、今各地で起きておりますいろいろな困難な状況に対応するために、教育助成局では、先ほど申し上げましたような定員の加配措置を要求いたしております。 今後の問題につきましては、さまざまな事態の進捗状況等を考えながら、また対処してまいりたいと考えております。
○平田(米)委員 それから、学校で一番困っておいでになるのは、父兄への連絡ができないということらしいんですね。まず言葉ができないということで、父兄も言葉ができない人が多い。ですから、例えば予防接種だとか、大変重要な父兄への通信ができない。もう一つは、共働きが多くて夜の九時十時まで仕事から帰ってこない。ですから先生方が、仮に日本語のできる御父兄のところであっても九時過ぎ、十時過ぎに家庭訪問して重要な学校連絡をしている、こういうのが実態だそうでございまして、この辺は企業側のもう少しきちっとした対応を求める必要もあるのではないかというふうに私は思うのです。所によりますと、企業の方に重要な文書を送れば、企業の方から父兄に翻訳をして連絡をしてくれる、こういうことも現実にはあるようでありますけれども、しかし、その例は多いわけではありませんで、ほとんどはもう学校側の大変な負担に今なっている。だから、教えるだけではなくて、学校の連絡をする、まさにこういうことが非常に問題になっているということでございます。これに対する対応も少し考える必要があるのではないかというふうに思います。 それから、特に幸小学校がそうでございましたが、外国籍の子女が入ってくることがデメリットだということもありますが、同時にメリットにしなければいけない、こういうことで国際理解教育というものを大変推し進めておいでになりまして、私はこれは大変結構なことではないかと思うのです。ぜひ文部省も、当然そういうお考えを持っておいでになるかと思いますけれども、やはりそういう姿勢を明確に打ち出していただいて、せっかく外国籍の人たち、外国の文化を知った人たちが身近に来てくれたわけであります。もし日本の子供たちがブラジルヘ学びに行くなどといったら大変莫大な費用がかかるわけでありますから、そういうチャンスをやはり活用する方向性で文部省側の指導もつけていただければ、こんなふうに思うのですが、この二点についてよろしくお願いします。
○遠山政府委員 後段の点から申し上げます。 新しい学習指導要領によりますと、日本人の帰国子女に関する事柄でございますけれども、国際的な体験を持っている児童生徒が帰ってきたということで、やはりそれを活用するような形で指導に当たるようにという趣旨の改訂が今回行われているわけでございます。外国人の子弟の場合は直接それには当たらないわけでございますが、指導の精神としては、そのような考え方で、国際理解を深めるという角度で受け入れ、または子供たちの教育に当たっていくというのが本旨ではなかろうかと思います。関係局課とも相談して、そういう形での進め方を考えてまいりたいと存じます。 企業の活用等の問題につきましても、今後の外国人子弟との連携のとり方、父兄とのとり方につきましては、いろいろな事態、個々のケースによっても違うかと思いますけれども、いろいろな工夫をしながら進めていくべき問題かと存じます。
○平田(米)委員 ぜひ前向きに取り組んでいただいて、特に企業との問題は恐らく文部省だけの問題ではないのではないかと思います。しかし、一番大変なのは文部省でございますので、文部省から他省庁にきちっとした申し入れ等をして、こういう労働者を受け入れる企業側の責任というものを明確にするような方向性での検討をしていただければというふうに思うわけであります。 あと残り時間が非常に少なくなりましたので、まだ三点残っておるのですが、少し急いで残りの質問をさせていただきたいと思うのです。 一つは英会話の教育の問題でございます。 いろいろな識者に伺いますと、今ヨーロッパの大学生というのはほとんど英語を理解することができる、英語の講演を十分に聞くことができる、こういうふうな話を伺います。またNIES諸国の大学生もほとんど英語ができる、英会話ができる。そうすると、ひとり先進国及びNIES諸国の中で英語のできない大学生はどこかというと日本の大学生だけだ、こんなことも言われるわけであります。日本はじゃ英語教育していないかといいますと、もう中学生からみっちりやっておるわけであります。しかし、もう長年言われておりますけれども、会話が全くできない、こう言われておるわけであります。そういっていて、特にそれが余り大きな差し支えにならなければいいわけでありますが、しかし、既にもう先進諸国、各国の大学生等々が、母国語はもちろん、英語は母国語と同程度ぐらいに理解できるというレベルに達しているときに、日本の大学生が英語がほとんどできない、英会話がほとんどできないというような状況にあったならば、いろいろな点で支障が出てくるのではないかと思うのです。先ほどの留学生の話もありますが、なぜ日本に留学生が来ないか、まず言葉に壁があるわけであります。これは大学で英語で授業が行われるようになっておれば言葉の壁はありません。近い日本に来たいというのが普通の流れになるのじゃないでしょうか。しかし、英語の授業は、今の大学生の英会話レベルではできないわけであります。そういうこと一つ取り上げただけでも、大学生が英会話ができるかできないかということは、日本の国際化にとっては大変大きな問題なわけであります。 それで、じゃどうするのかということになります。現場の先生方に聞きますと、よきにつけあしきにつけ大学入試というのは一番大きいとおっしゃるわけであります。大学入試で英語というものがどういうふうに取り扱われているか、英会話が大学入試でどう取り扱われているかによって中学、高校の授業というものが大きく左右される、こうおっしゃってみえます。 私は、提案でありますが、いろいろな困難はあるかもしれませんけれども、しかし、ぜひとも大学入試に英会話の試験を入れていただきたい、このように希望するわけであります。確かに、スピーキングの試験などというのは大変な労力がかかります、こうおっしゃいます。しかし、ヒアリングだったらまだ可能性は十分あるのではないか。だからできるところから進めていくという努力の姿勢を示していただきたいと思うのです。今発想の転換をしなければ、日本は語学の点では二十一世紀に完全に立ちおくれてしまいます。もう二十年前からでございますが、ソニーなどという会社は取締役会を英語でやっているという話であります。日本の企業もどんどん多国籍化、国際化、世界化しているわけでありまして、やはりそれに対して人材を提供するという意味で大学というのはある、高校、中学の教育もあるわけでありますから、それに対応できないような語学教育では、私は責任を果たしているということにはならないと思うのであります。そういう意味で、大学入試に英会話の試験を、この点について御返事をいただきたい。これは今すぐ御返事いただきますと、時間がなくなってしまいますので、あと三分しかありませんから、私はあと二問質問をさせていただきますので、まとめて御返事いただければと思います。 もう一つは、最近都市部で小中学校というのは空き教室が随分ふえました。もう都市部で空き教室がないというところはないというぐらいでございます。それで、随分前から学校を選択したいという考え方があるわけであります。 それで、六十二年五月八日に「「教育改革に関する第三次答申」について」ということで、通学区域に関する通達が出されております。その通達を見ますと、「調整区域の設定の拡大、学校指定の変更・区域外就学の一層の弾力的運用、親の意向の事前聴取・不服申し立ての仕組みの整備など多様な方法を工夫することが提言されていることにかんがみ」て、「地域の実情に即してこの制度の運用について検討する必要がある」、こういうような内容の通達が出ておるわけでありますが、実際のところ、ほとんどこういう提言を実現するような制度が行われていないのではないか。空き教室を使ってもう少し学校の選択を柔軟にして、そして公立学校の間でも学校間で競争を行わしめる、それによって各学校の教育レベルをアップさせる、また特殊性を出させる、こういう指向性が私は必要だと思いますし、またその指向性の上でこの通達が出ておるはずなんです。 しかし、もう四年以上たっておるわけでありますが、ほとんど実現されていない、伺いましたところ、確かに調整区域の設定の拡大というのは行われているというように伺いました。しかし、一番私たちに関心のある親の意向の事前聴取とかあるいは不服申し立ての仕組みの整備、こういうものは聞いたことがありません。この点についてのお考えをお聞かせいただきたい。 それから、最後の質問でございますが、実はことしの九月八日に、創価学会の教育部人間教育研究会というところがアンケートをとりまして、非常にさまざまなアンケートをとったわけであります。これは伺いましたところ文部省でも見ていただいているという話でございますが、そこの中で関心があります点、体罰の問題でございます。 そのアンケートの調査によりますと、先生にたたかれたことがあるかどうかという質問に対しまして、小学校六年生、中学校三年生、高校三年生、それぞれアンケートをとりましたところ、小学校六年生では全体で六二・七%、中学校三年生では五七・九%、高校三年生では四五・六%、こういう非常に高い率を示しております。その次の質問では、時と場合によっては先生が子供をたたくことも許されるか、こういう質問に対しまして、許されるという子供たちが小学校六年生で四八・四%、中学校三年生で四八・七%、高校三年生で五八・九%と、容認をしている子もおります。 しかし、容認をしていない子の方が私は多いと思いますし、しかも教育の基本は、やはり体罰といいますか暴力を使うような教育の方法は許されることではありません。そういう観点からしますと、このアンケートの調査結果というのはちょっと驚くべき数字ではないかと思います。確かに懲戒処分になるような事例というのは極めて少ないかもしれません。しかし、日常のこういう教師の活動がこのようなひどい事件にまでつながるのではないか、こういう視点から考えますと、この数字は大変問題ではないかなというふうに思うのです。その点についての御感想、それから今後の対応についてお聞かせをいただければと思います。 以上でございます。
○井上国務大臣 通学区域また大学の英会話の試験を取り入れるというのは局長から答弁をさせていただきたいと思います。 体罰の問題でありますが、今六二・七、五七・九、四五・六という数字を聞いて実は驚いております。学校教育において教師が児童生徒に体罰を加えることは、まさに厳に禁止されておるところでありますから、これは私ども、県教育委員会あるいは市町村教育委員会を通して、そういうことをしてはいけない、これは当然でありますが、ぜひひとついたしたい。文部省として、従来から体罰の禁止につきましては、再三にわたって指導通知を出しております。あるいは各種会議で指導するなどいろいろなところで体罰禁止の趣旨の徹底を図っておるところでありますが、今後とも一層の努力をいたしたい、このように考えます。
○前畑政府委員 大学入試における英会話の問題について御答弁を申し上げます。 先生の御指摘のところ極めてごもっともでございまして、私どもかねてから多様な能力の判定の一環として外国語における聞き取り試験の実施ということを勧奨してまいっております。今後ともその趣旨に沿って進めてまいりたいと思っております。
○坂元政府委員 学校の指定あるいは通学区域の変更の問題でございますが、先生御指摘のような指導を私どもしているわけでございます。ただ、実際問題として父兄から事前に意見を聴取するというようなこと、あるいは不服の申し立てというものが物理的に大変難しいのではないかという気もするわけでありますが、私どもとしましては、学校の指定、通学区域の弾力的な運用につきましては、今後ともこの通達の線に沿いまして、各都道府県、市町村を指導してまいりたいと考えております。
○平田(米)委員 オーバーいたしまして申しわけありません。ありがとうございました。
○臼井委員長 輿石東君。 〔委員長退席、木村(義)委員長代理着席〕
○輿石委員 私は、学校五日制問題について御質問をしたいというふうに思うわけですけれども、今学校五日制をめぐって日本じゅうの子供たちが、親が、教師が、そして教育行政に携わるすべての人々が大きな期待と不安と戸惑いを持ってこの問題に注目をしているという状況だろうというふうに思います。 くしくも、来年は明治五年に近代の学制が制定をされてから百二十年という記念すべき年を迎えるわけでありまして、高校を卒業する十八歳人口は来年をピークに減少期に入って、十年後には二百万から百五十万にまで激減をしていくという状況にあるわけであります。一方、委員長の座につかれました木村委員が午前中指摘をいたしましたように、高校中退者は十二万、登校拒否児に至っても四万を超えるという現実の中で迎えた学校五日制問題であります。文部省も昨年四月から、九都県六十八校の調査研究協力校で試行に入り、来年度は全国、全県二百三十五校に拡大をして試行を続けていくという情報も得ているところでありますけれども、九月に入りますと、いわゆる日Pと言われる日本PTA協議会また全日本中学校長会がそれぞれこの五日制問題について提言あるいは取り組み強化についての方針を打ち出しているところであります。 こういう今日的状況を踏まえて、ひとつ今日に至る経過とその背景について最初にお伺いをしたいわけです。 まず最初に文部大臣に、今なぜ学校五日制なのか、学校五日制の意義と、今後の取り組みについての決意をお伺いしたいというふうに思います。
○井上国務大臣 今委員の御指摘のように、私自身も実は文教行政についてという講演を頼まれまして方々行くわけです。その中でやはり出てくるものは、学校週五日制についてあなたの考えはどうだということをよく聞かれます。私ども、やはりこの学校週五日制の問題は、社会一般におきます週休二日制の普及拡大を契機にして課題になってきているものでありますが、この問題につきましては、子供の側に立った学校あるいは家庭及び地域社会の教育のあり方が基本的に問われているものと考えております。したがいまして、これは学校、家庭及び地域社会を通じて子供の望ましい。人間形成を図る観点から検討する必要がある課題であろう、このように考えております。 また現在、調査研究協力者会議を設けますとともに、御案内のように、調査研究協力校、九都県におきまして六十八校を設けまして検討を進めているところであります。調査研究協力者会議におきましては、調査研究協力校の研究成果を分析しながら鋭意検討を進めているところでありますが、平成三年度末におきましては、一応の結論を得る予定であります。文部省におきましては、この結論を踏まえて適切に対応してまいりたい、このように考えております。
○輿石委員 文部大臣から、学校五日制の意義について、学校、地域、家庭がまさに国民的な課題としてこの問題に取り組み、しかも子供の側に立った教育改革として位置づけるというふうな学校五日制の意義が語られたというふうに思うわけであります。私も、明治以来百二十年にも及ぶ我が国の教育制度が、学校五日制、週休二日制は世界の常識だと言われて久しいわけでありますが、この世界の常識に今近づこうとしている。それはそれなりに国民的課題であり、すべての人々が発想の転換を迫られている問題でもあるというふうに思うわけであります。そうした見地から学校五日制がかなり急激に入ってくる。今教育現場で最も心配しているのは、いつ、どういう形で入ってくるのか、それに対する不安と戸惑いだというふうに思います。幾つかの報道もされているわけですけれども、いっ、どのような形で入ってくるのか。文部省は、今文部大臣言われますように、調査研究協力者会議の結論を待ってという側面もあるわけですけれども、しかし一方では、教育現場は、文部省としての、国の方針がどうなるのか心配しているところであり、その辺について再度御意見をお伺いできればと思います。
○坂元政府委員 今大臣からお答えいたしましたとおりに、現在協力者会議で学校五日制の問題につきまして検討をいただいているところでございまして、その検討結果につきましては、私どもとしましては、本年度中にいただきたい。本年度中とはいうもののなるべく早くいただきたいということで審議の促進方をお願いしているわけでありますが、その検討結果を待って、いつ、どういう形で導入するのかという点について対応を決めてまいりたいというふうに考えております。 先生御指摘のとおり、現場なり父兄なりが大変不安に思っておるというようなこともあろうかと思いますので、当然のこととしてある一定の準備期間は必要なのではないかというような気持ちを持っているわけでありますが、いずれにしましても、この協力者会議の検討結果を待って適切に対応いたしたいというふうに考えているところでございます。
○輿石委員 協力者会議の結果を待って、そこで論議をしているわけですから、そこの意見を大事にされる、そのことはよくわかるような気がします。しかし私は、現に行われている九都県六十八校の試行に入る時点で、各県では、うちの県でもそういう試行をやりたい、やってみたい、そういう要望なり要請があったというふうにも聞くわけですが、その点文部省はどのような態度をとられたのか、お尋ねをしたいというふうに思います。
○坂元政府委員 研究指定校の予算の関係もございまして、予算上は六十四校でございますが、実行上は六十八校九都県に限らざるを得なかったわけでございます。 来年度は全国二百三十五校、各県五校ずつで学校五日制につきましての研究をしていただきたいということで、私ども概算要求しているところでございます。
○輿石委員 私の聞くところによりますと、文部省は各県でそういう試行をやって五日制に向けての取り組みを、いつ入ってきてもいいような準備をしたいということであったけれども、学校教育法施行規則の二十六条の二に、教育課程等の特例に違反をする、そのために認められない、そういう答えも返ってきたというふうにも伝え聞くわけですけれども、その事実はなかったのかどうかをお聞きをしておきたいというふうに思います。
○坂元政府委員 特に個々具体的に学校教育法の施行規則に違反するとかしないとかというやりとりはなかったと思いますが、ただ、研究指定校に指定されなかったけれども、ぜひうちでもやってみたいという希望は幾つかあったようでございます。それにつきましては、私どもとしましては、学校五日制の問題は教育課程の基準の問題でございますので、やるとすれば試行にしろある程度統一的な形でやるべき筋のものではないかというような考え方を言いまして、それはちょっと待ってくれ、こらえてくれというようなことで対応したというようなことはあろうかと思いますけれども、法律がどうとかこうとかという議論になっていたというふうには私は承知いたしておりません。
○輿石委員 基準にかかわってということが言われたわけですから、私は、その辺が今後大変大事なポイントになりますし、教育課程に手をつけない限り完全週学校五日制は実現しない、そう思うわけであります。 今試行をしている学校の問題点や状況等についても、この際、簡単でいいですから、触れていただければと思います。
○坂元政府委員 今試行しております学校の問題点その他でありますが、これらの六十八校の学校におきましても、問題になる点は、類型化しますと、端的に申し上げますと、結局四点になるのじゃないかと思います。一点は、今の教育水準を確保してもらいたいという要請。それから今の教育水準を確保するという要請がある一方で、そのかわり学校五日制になったことによって子供たちの月曜日から金曜日までの授業が過重負担になっては困るという問題。それから第三点の問題は、社会の受け皿、学校五日制になった場合に、土曜日の午前中の子供たちの受け皿をどうするかという問題。それから第四の問題点というのは、学校プロパーの問題ではございませんけれども、週休二日制というものが広く中小企業等を含めまして一般に定着するかしないか、その定着まで待ってもいいのではないかというような意見等がございます。 それは、学校五日制の試行をやっていただきました実験校で、学校五日制が始まる前の父兄の調査と実験が終わった後の父兄の調査を見ますと、実験を終わった後の方が賛成がふえておるということでございまして、そういう意味では理解は進んでおるというふうに考えております。ただ、その中で条件つきで賛成であるというのが三〇%ぐらいあるわけです。その条件つきで賛成であるというのが、週休二日制がだんだん定着してくるであろう、定着してくればいいとか、あるいは教育水準が保たれれば構わない、あるいは過重負担にならなければ大丈夫だというならば賛成だということ。それからまた、今度は反対の意見の方は、条件つき賛成の方と全く同じ理由で、例えば週休二日制が定着していない、学力の水準が落ちることが心配だ、あるいは過重負担になるというようなこと等でありまして、条件つき賛成といっても反対と裏表のような関係にあるということで、私どもとしましては、この辺をほぐしていく一父兄の御理解を求めていくというのは大変難しい問題がなというふうに考えているところでございます。 〔木村(義)委員長代理退席、委員長着席〕
○輿石委員 今局長言われますように、学力水準の確保だとか、子供にとって過重負担になってはいけない、社会の受け皿がまだ十分でない、そして週休二日制への移行等の状況を見てと、これはそのとおりだろうと思いますし、そこに親の不安も集中をしている、そう思うわけであります。それはどなたもそのような理解をしているでしょう。条件つき賛成の三〇%が賛成に回るのには、この受け皿が完全にできたときにということになりますと、これから五年も十年も受け皿づくりにはかかるかもしれない。としますと、学校五日制はいつから入れるのか、受け皿論をしていればいるほど向こうへいかなければならぬ。しかし、学校五日制の意義を文部大臣冒頭言われましたように、今地域も家庭も学校も、子供にとって必要な学校五日制とすれば、国の教育行政の最高を預かる文部省としてきちんとした方針が出されてもよいのではないかというふうに思うわけです。もう一度その点についてお願いをしたいと思います。
○坂元政府委員 学校五日制、先ほど来御説明しております協力者会議におきまして、ある委員の先生がこういうことを言っております。学校五日制の問題は、それで終わりではない、学校五日制は即家庭二日制だということを社会の人たちも理解していただかなければ困るんだ。要するに、子供の教育というものは学校だけで行っていくのではなくて、社会とか家庭も含めてお互いに相互補完的に行っていくのだ。学校で行うものは、ある一定の目的を持って、組織立って系統的に意識的に行うのが学校教育である。一方、家庭、社会で行われる教育というものは、無意識的に行うのがまさに家庭教育であり、社会教育である。そういう意味から言うと、今の社会の教育機能、教育力、家庭の教育力というのは余りにもお粗末なのではないか。この際、学校五日制ということを言うならば、家庭あるいは社会の教育力を活性化するということも、文部省としても十分啓蒙活動もし、努力もしなければいけないんだということを言っておりまして、私どもも全くそのとおりだと思っております。 もちろん、私どもとしても、必要な受け皿と申しますか、社会教育、生涯教育の観点から、いろいろな施策は講じていかなければならないと思いますが、千数百万の児童生徒がいるわけでありますから、その子たちに完全な受け皿ができない限り、それからまた完全な受け皿とは何かというのも、これまた父兄によっていろいろ見方がありましょうし、そういう意味から申し上げまして、完全な受け皿が何かできない限り、学校五日制というものは導入できないということになりますと、先生の御指摘のような事態にもなりかねない。私どもは、子供たちの立場に立って、学校五日制が子供の成長のためにも必要なんだという観点から、今御議論をいただいておりまして、それを整理し、結論をいただきましたらば、私ども適切に対応すると同時に、その御議論を社会一般にオープンにいたしまして、啓蒙活動もいたしますし、御批判も仰ぎまして対応を決めてまいりたいというふうに考えております。
○輿石委員 局長、今子供の成長のためにというのは、その裏には子供が健やかに全人的に育ってほしいという目標があろうというふうに思うわけですけれども、それはどなたも否定をし得ないと思います。 なお、学校というものと家庭、地域の役割についても触れられたというふうに思います。学校というのは、局長の言葉をかりれば意識的、計画的、秩序的に行うところであり、無意識的な教育が行われるところが家庭や地域であろう。その今我が国にとって無意識的に行われなければならない家庭や地域の教育の欠陥、そこの教育力が低下した、そこを回復することだ、そのために五日制もやらなければならないというふうに理解できるわけですから、このことを、一刻も早く立場の違いを超えて、親や学校現場の教師や教育行政者にも徹底させる必要がある。それへ向けての教宣活動や啓発啓蒙活動というものも、当然文部省として考えなければならない問題だろうというふうに思いますが、その点についてはいかがですか。
○坂元政府委員 全く御指摘のとおりだと思います。私どもとしましても、協力者会議の結論が出た場合に、その結論の線に沿っていろいろな啓発活動を行ってまいりたいというふうに考えております。 同時に、先ほど来申し上げましたとおりの学校教育水準の低下等を恐れる父兄も多いわけでありますから、学校自身の条件整備としまして、先生方がいろいろと工夫して指導内容の精選や指導方法を工夫していただきまして、学習負担を増加させないで、かつまた教育水準もある程度維持するという努力も学校自身で行っていただきたいということも先生方にもお願いをしてまいりたいというふうに思っております。 それから、学校の立場からいえば、家庭とともに子供を育てるという学校の立場をもう一度振り返りまして、地域社会に開かれた学校づくり、そういう意味で学校施設を積極的に開放するということも学校自身で努力しなければならないでしょうし、さらには休業日となる土曜日に子供が学校に出てくる、出てくるというのは、場所としての学校にたくさん出てくるというような場合に、その学校でボランタリーその他で必要な対応を講じなければならないだろうというように考えているところでございます。
○輿石委員 私は今学校五日制の意義や置かれた立場を超えて、子供の健やかな成長を願うという目標に向かって、すべての国民の課題であるというふうなとらえ方ができたというふうに思うわけであります。この五日制が論議をされる経過について若干触れていただきたいと冒頭申し上げたわけですけれども、臨教審答申や中教審でも、この学校五日制等の問題にかかわる論議がされたはずであります。その点について、簡単で結構ですから、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
○坂元政府委員 学校五日制の問題につきましては、昭和六十一年の臨教審の第二次答申におきまして、週休二日制に向かう社会の趨勢を考慮しつつ、子供の立場を中心に家庭、学校及び地域の役割を改めて見直す視点から、学校の週五日制への移行について検討すべきではないかという提言がなされたところでございます。さらに、その翌年、六十二年の教育課程審議会、来年から小学校の新しい教育課程が実施されますが、その新しい教育課程の改訂のための審議を行っておりました教育課程審議会の場におきましても、子供の学校内外における生活に十分配慮しながら、漸進的に学校五日制を導入する方向で検討するのが適当なのではないかという提言がなされているわけでございます。さらに教育課程審議会では、その場合に、現実の問題点を洗い直すために実験校を設けるなどして調査研究を進めて、その結果を勘案して結論を出すのが適当であるという提言がなされたわけでございます。 その提言を受けまして、私どもとしましては、先ほど来御説明しております協力者会議を設置し、それから実験校で調査研究をお願いし、現在その実験校の調査研究結果に基づいて協力者会議で御検討をいただいておるという経緯でございます。
○輿石委員 その臨教審あるいは教育課程審議会、教誤審の経過についてはわかったわけですけれども、そこで論議をされた、子供の側に立った論議といいますか、どうして学校五日制が必要なのかという点についてどのような論議が行われたか、もう少しその点に絞ってお聞かせいただければありがたいと思います。
○坂元政府委員 臨教審も教育課程審議会も、主として社会の趨勢が週休二日制に向かっておるということにかなりウエートを置いて、そして学校五日制をその場合であっても子供の立場で考えるべきじゃないかというような議論であったようでございまして、今協力者会議で行われておるような突っ込んだ議論は行われなかったようであります。ただ、臨教審におきましては、余りにも学校教育に偏重し過ぎる、学校にすべて任せ過、きるという議論は行われたようでありまして、そういう意味で、臨教審の答申の中には、家庭、学校及び地域の役割を改めて見直す観点から学校の週五日制を検討したらどうかというような指摘になっているようでございます。
○輿石委員 局長、今時代の趨勢というか流れというのが一つの背景にあると言われたわけであります。私も、一つの側面とすれば、この時代の趨勢、時の流れ、社会の流れに無関係で出てきた問題ではないというふうに思います。しかし、企業や官庁が週休二日制に入ってくる。教員の勤務形態にもかかわって、まとめどり方式という形だけでは、教師はその例にあらずということにはなり得ない、そういう状況も一つあった。またもう一つは、これが教師の側に立っての五日制の発想につながるわけですけれども、最も大事なのは、子供の側に立った学校五日制、教育をどうするのかという視点だということは繰り返し言われているわけです。余りに諸外国から比べて、年間二百四十日も学校へ来ているというのは世界にも例を見ない、そういう指摘もあるわけであります。 しかし、日本で二百四十日、しかも月曜日から土曜日までという状況の中で、なぜこのような問題が起きてきているのがという背景の一つには、日本の近代化、つまり高度経済成長と無関係ではあり得ないというふうに私は思うわけであります。そのことは臨教審や中教審でも指摘していますように、明治以来日本は西欧に追いつけ追い越せをモットーに学校教育を近代化と経済発展のための手段と位置づけ過ぎていた。学校で勉強し過ぎ、大人は社会に出て働き過ぎ、老後は暇過ぎというふうに、今日本人の三過ぎということが諸外国から言われているわけでありますし、もっとひどい言葉に、日本人はウサギ小屋の働きバチだというふうにも批判をされ、経済摩擦の一因にもなっている。こんな豊かな国になったのだから、子供も大人も社会の仕組みすべてにもう少しゆとりを持って質の高い生活をしようというのが生涯学習体系への移行、その中での学校教育の位置づけというふうな見直しもされているというふうに思います。そのような背景が、私はそんなふうにとらえたいのでありますけれども、その視点が間違っているかどうか、お聞きをしたいというふうに思います。
○坂元政府委員 働き過ぎ云々という問題につきましては、労働時間を年間千八百時間の目標に向かってもう少し短縮していくんだという閣議決定がありまして、そういうことで動いているわけで、そういう意味では働き過ぎであろうかと思いますが、ただ、我が国の義務教育を中心とする学校教育の相対的な意味での質の高さが我が国の戦後の復興、戦後の経済成長を支えてきたということは、私どもも自負しておりますし、そう思っております。 ただ問題は、では詰め込み過ぎているかどうかという学習指導要領だけは、戦後、先生も御承知のとおりだんだんゆとりのある学習指導要領にし、なるたけ教える事柄を精選したりして今日まで進めてきているわけでございます。そういう意味からいいますと、子供たちの勉強し過ぎということはストレートには言えないかもしれません。教育というものが、教わる立場から言うと、反復ということを重視するということになりますと、二日休んで空間を置くより、むしろ六日間やった方がいいではないかというふうな議論も子供の教育だけの面から見れば考えられるわけであります。ですから、直ちに、六日やることが子供にとって詰め込みである、過重だということにはならないと思います。 ただ、一番最初にお答え申し上げましたとおりに、子供の教育は家庭と社会と学校が相互補完的にやるべき問題である。そういう意味から申し上げますと、現在の子供を取り巻く状況を見ますと、家庭、社会がなくて、学校だけが表に出過ぎているのではないか。しかも現在の子供は、少子社会でございまして、縦のつながりの交渉がない。余り表で遊ばない。余り表で遊ばないのですけれども、テレビを通じて実体験でない疑似体験だけはたくさん持っておりますから、物事をよく知っておるというような状況下にあるわけで、そういうところから見ますと、実際の実体験をゆとりを持って経験させるためには、一週間で二日ぐらいのそういう余裕が必要なのではないかという議論もあるわけでして、そういうことを含めて今後検討してゆく必要があるだろうと思っております。
○輿石委員 私は、臨教審の中で、新しい時代の教育改革としてまず何よりも大事なのは、子供たちの心の抑圧を解放し、一人一人が大事にされる人間性を回復することである、そのことが基本的な理念として流れている、そして今日本の教育制度の見直しも、根底にはその基本理念がなければいけないと思います。そういう意味からこの学校五日制の意義をとらえるべきだと思うのですけれども、大臣、その点いかがでしょう。
○坂元政府委員 私どもも、臨教審の御提言の子供たちの抑圧を取り除くという視点も、学校五日制を考える場合には当然考慮しなければいけない問題だろうというふうに認識しているつもりでございます。
○輿石委員 午前中に高校中退者の問題も論じられました。また登校拒否と塾通い、これもかなり社会的な問題として出てきているわけであります。そして文部省もこれ以上の塾通いに歯どめをかけようということで、学校現場に補習を勧めているということも聞いているわけですけれども、その点はいかがでしょう。
○坂元政府委員 そのとおりでございまして、過熱した塾に通うその対策のために、学校現場に、必要ならば補習授業も行ってもらいたいというような指導もいたしておりますし、同時に、塾対策の最たるものとしましては、例えば私立の中学校、高等学校の入学試験が学習指導要領を逸脱しておるというようなこともございまして、逸脱しないようにというお願いも関係の私立学校、あるいは恥ずかしい話でありますが、国立学校にもそういうお願いをしているわけでありまして、それを実効あらしめるために、数年前から毎年私学と国立大学の入試問題を分析いたしまして、注意を喚起しているところでございます。国立大学につきましては著しく改善されてきておりますが、私学も改善の道はたどっておりますけれども、若干まだ逸脱しているところも見られるという状況であります。そういう点については今後とも私ども指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○輿石委員 私は、補習をやってほしいと教育現場に指導をする、これは決して悪いことではないというふうに思いますけれども、一面、塾通いが学校で教師の負担によって補習をすればなくなるというような生易しいものでないことは、文部省も十分理解をしておられるだろうというふうに思いますし、また指導要領なり教育課程の基準を逸脱するものについて指導もする。これは、その教育課程なり指導要領を逸脱するという面には二面性があるというふうに思います。 片方では、文部省はこの五日制へ向けて教育課程、指導要領の弾力的運用をということを打ち出、しながら六十八校の実験校で試行をしてきた。これから完全学校五日制になれば、来年から始まるという新指導要領のもとでは絶対に学校五日制は実現できない。ここへの見直しかまず大前提でありましょうし、もう一つは、親への理解というようなことがあろうかと思うわけですけれども、その点、教育課程の来年から入ってくる新しい指導要領を、今回この学校五日制を予測をしながらなぜ変え得なかったのか。画一化を脱却できないという指摘があるままに今回の改訂に及んだということは、まあここで回答を求める時間もありませんから……。 ただ最後に、あと五分ということですから、この間旭川で行われた全日中の会議で福島中学校課長が、五日制は時代の趨勢であり、問題は、いつ、どういう方法でやるかだけだ、こういうふうにも発言をしていることが報道をされましたし、その点について、最初に戻りますが、研究協議会の結果を待ってということでは大変各県とも不安があるわけです。ある報道によれば、もう来年四月一日から月一回ぐらいの方向でいきそうだ、そういうふうに全国の教育現場は感じ取っている、その辺はいかがでしょう。
○坂元政府委員 何回と言うようで恐縮ですが、私どもの姿勢としましては、研究協力者会議の結論を待って対応してまいりたいというふうに考えております。そして、先生も最初に御指摘のように、父兄、学校現場等が不安等を感じているわけでありますので、導入するとしても、当然のこととしてある一定の猶予期間、準備期間というものを設けなければならないのではなかろうかというふうに感じているところでございます。したがって、来年四月から導入できるというような状況になるかどうか、今のところ私ども協力者会議の結論を得なければ何とを言えないというのが、今の段階での回答でございます。
○輿石委員 一日も早い結論を待ちたいというふうに思います。 最後に、確認をしておきたいわけですけれども、学校五日制を実施するためには法改正が必要なのかどうか。週学校五日制になりますと、土曜日は完全休業日ということになるわけですから、今は学校教育法施行規則の四十七条あたりの適用で切り抜けられるでしょうけれども、土曜日が休業日と明確になったときには法改正の必要もあるのではないかというふうに思いますが、最後にその点についてお尋ねをしておきたいと思います。
○坂元政府委員 今のところ私ども、学校が完全に土曜日が休日になった場合でも、学校教育法施行規則四十七条の改正で対応できるのではないかというふうに考えております。ただ、これはなお法制局等と詰めなければならない問題もございますが、一応施行規則で対応できるだろうというふうに考えているところでございます。
○輿石委員 ぜひ、文部大臣冒頭言われましたように、子供の側に立った学校五日制を国民全体の力で、日Pの会長も言われますように、今こそ国民的課題として、自覚と勇気を持ってという言葉を使ったわけですけれども、文部省もそうした勇気を持ってこの五日制に決断をしてほしい、そのことが二十一世紀に生きる子供たちがどのような人間に育っていくかの保障につながる、こう思います。その点をお願い申し上げ、質問を終わります。
○臼井委員長 山原健二郎君。
○山原委員 最初に、雲仙・普賢岳の火山の問題について伺います。 もう既に土石流が発生をして百日、住民の避難生活も百日となっておりますが、マグマの供給は続きまして、溶岩ドームは、新しいドームの形成を含め巨大な成長を続けており、引き続き大規模火砕流の発生も心配されるという状態でございます。したがって、こういう危険がなくなるにはかなり時間を要する。いわば、この雲仙対策については、まさに長期戦の構えが必要であると思います。この段階で小中高等学校の子供たちの教育または九州大学の島原地震火山観測所の観測体制の強化、このことについて、文部大臣とされましても、当然長期体制で臨むべきであると思いますが、そういうお考えに立っておるかどうか、最初に伺っておきたいのです。
○井上国務大臣 今おっしゃいますように、今回の雲仙岳噴火災害につきましては、文部省といたしましても、その教育に与える影響の重大さにかんがみまして、児童生徒の安全及び就学の確保のため、他校への転入学の弾力的運用につきまして県教育委員会等を指導するとともに、仮設校舎建設や冷房設備の整備につきまして、特段の措置を講じてきたところであります。 また、私自身も七月の十七日に現地に入りまして、建設中の仮設校舎等も視察いたしました。また、そのでき上がった写真も見せていただきました。あるいはまた避難をしている児童や保護者の方々に会いまして激励をし、今後とも長崎県あるいは島原市及び深江町その他関係機関とも緊密な連携をとりながら、児童生徒の適切な学習あるいは環境の確保について最大限の努力をいたしたい。 さらに、今おっしゃいました九大理学部の観測所の太田さんともお会いをいたしました。しかし、私が行った時点の七月十七日では、太田所長も、私自身今安全だということは言い切れない、避難している人をすぐ帰すということは非常に危険だということを市長さんの前でも言っておりましたし、そういう点につきましては、私どもも、今おっしゃった九州大学の理学部の附属島原地震火山観測所におきまして、常設観測点四点を設けまして、さらにまた昨年七月からの地震活動の活発化及び十一月の雲仙岳の噴火について臨時に地震計を配置したり、あるいは高密度の観測を実施している。さらにまた人員の面やそういう点につきましても、九大理学部を初め全国からの脚後援をいただいている。 金額とかそういう点につきましては、関係局長からお答えさせますが、万全を期していたしたいと思います。
○山原委員 現地の実態的な問題としまして今問題になっておるのは、警戒区域の学校が他の学校の隣に仮設校舎をつくっていますね。それからもう一つは、降反対策のクーラーを入れているわけですが、こうした経費が当然地方自治体では払える状況ではないわけでございまして、速やかに補助金を支払う必要がある。聞くところによりますと、大体これらが六億円を超す国費が必要であるとなっておりますが、これを予備費で出してほしいという声が非常に強いわけですが、この点はいかがですか。簡単に答えてください。
○遠山政府委員 応急仮設校舎の整備につきましては、既に終わっておりますし、またクーラーの設置につきましても、既に設置が終わっているわけでございます。この関連では必要ないろいろな手続をとりまして、早急に対応したところでございます。 この災害復旧等に要する経費につきましては、今予備費でというお話ございましたけれども、従来からこういう経費につきましては、当初予算では対応しがたい場合でございますので、補正予算等で対応してきているのが通例でございます。したがいまして、今回の雲仙岳の噴火等に伴います災害対策の関連経費につきましても、今後関係省庁とも協議の上で適切に対応してまいりたいと考えております。
○山原委員 それから、プレハブ教室の問題ですけれども、今体育館が欲しいというのです。これは間借り主活ですから体育館まで十分借りることができないという状態の中で、小さくてもいいから体育館が欲しい。長期的に見れば、これは当然のことでございます。 さらに、島原市の第三中学校が避難している第二中学校でありますけれども、物すごい降灰の中にあるわけでございまして、学校のグラウンドの降灰除去をすぐ行ってもらいたい。これに国の補助を出すようにという要求が強いわけです。この点はいかがでしょうか。
○遠山政府委員 体育館をつくってほしいというお話でございますけれども、今の段階では長崎県教育委員会から体育館の事柄についてはまだ聞き及んでいないところでございます。 それから、降灰の除去に関する問題でございますけれども、この問題につきましては、公立学校の運動場に火山灰が降り積もった場合には、その除去事業に要する経費につきまして一定の要件のもとに国庫補助の対象としております。したがいまして、今回のケースにつきましても、該当する学校につきまして関係の地方公共団体から国庫補助の申請がなされればできるだけ速やかに対処してまいる考え方でございます。
○山原委員 観測、監視体制ですけれども、これも随分苦労なさっているのですが、今のところ応急対策で、いわゆる観測点はふえていますけれども、地震計そのものが地表に置かれているわけです。したがってノイズの関係で精密な観測ができない。だから四カ所程度、三十メートル程度の横穴を掘って、そこに地震計と傾斜計がセットになったものを置く必要がある。その工事費が大体三億円くらいだろう、こう言われておりますが、これにつきましても、予備費の問題が非常に大きな問題でして、なかなかお金が出ない。予備費ならば出るじゃないかという声が強いわけです。こういう問題についてはもう長期戦に備えまして速やかに実施すべきだと思いますが、この点いかがですか。
○長谷川政府委員 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、現在九州大学のほかにも関係大学の研究者が多数参加いたしておりまして、各種の観測調査を実施いたしております。観測調査のための経費は科学研究費補助金から出しておりますが、そのほかにも必要な設備費を措置いたしておりまして、この九州大学の島原地震火山観測所、年間の観測研究経費は六千万程度でございますけれども、今回一億二千八百万円という設備費を投じまして、GPS、グローバル・ポジション・システムというものでございますけれども、雲仙岳の起伏の変化を解析するために人工衛星からデータを受信する装置、そのほか傾斜計、テレメーター装置等々を装置いたしております。 今委員御指摘の、横穴を掘ってやるという件でございますけれども、その件につきましては、九州大学の方から正式な要望として、正式な計画として文部省の方には上がってきておりません。したがいまして、まだその検討には入っていないというのが状況でございます。
○山原委員 聞くところによりますと、九州大学自体から金を要請していくという方向にはなかなかなりにくい、今までも随分迷惑をかけているという点があるようでして。その中で、これは新たな問題として、一九州大学だけの問題ではなくて、また一雲仙だけの問題ではなくて、火山と共存している日本列島において、これだけの監視、観測体制というのは当然整備すべきではなかろうかという意味で私は申し上げたわけでございまして、きょうは時間がありませんから、その点よろしくお願いしたいと思います。 もう一つ、これは、北海道大学へ私ともこの六月に調査に参りましたところ、有珠山を初め火山研究のベテランの研究者の方たちからお聞きしたわけでありますが、今度雲仙に出ている自衛隊の観測機能を見ておりますと、例えば微光暗視装置あるいは音響ドップラー装置、そういうものを使っているそうですね。ところが、これは研究者にとりましては、もう前々からのどから手が出るほど欲しいものなのですけれども、大学にはそういう資材が来ないで、自衛隊の方に行っているというので、驚いて私どもに報告があったわけでございますけれども、そういう意味におきましても、やはり大学は学術の中心ですから、この大学に対して、しかも北海道大学といえば有珠山を初め火山研究のメッカですから、そこが機器、機材のすぐれたものを持っていないということでは、私はこれは始まらぬと思うのです。そういう意味で、大学のこういう研究あるいは予算というものは、これはもう一度考え直す必要があるのじゃないかという感じを持っております。このことは、きょうは大臣の御返事は要りませんが、伝えたいと思うのです。 それで、その意味で、今度大臣は就任されてから随分たくさんの大学を回っておられるわけですね。午前中の答弁では六大学を図られた。私はこれは大変すばらしい御努力だと思っておりますが、就任されて以来大学を調査された契機は何でしょうか。
○井上国務大臣 有馬学長以下財政八者懇ですか、あるいはまた新聞紙上でもいろいろな指摘を受けまして、やはりこの目で、肌で感じた方がいいということで各大学を見せていただいたわけであります。
○山原委員 これは大変大事なことなのでございまして、私どもも六月から七月にかけまして八つの国立大学と二つの私学を見せていただきました。大臣の行かれたところとダブっでおるところもあると思いますが、さまざまなことを感じました。一つは、国立大学協会あるいは日本学術会議あるいは私大連等八名の方が内閣総理大臣に対して出されておる要請、これにこう書いてあります。「高等教育に対する公費負担を他の先進国並にすることを目標として、順次計画的にこれを実現していただきたい。」というのがあります。それからさらに、この要請書の中には、「日本の高等教育に対する公費負担率は、先進諸国と比べてはるかに劣ります。例えば、国民総生産に占める高等教育費への公財政支出は、アメリカ一・二%、イギリス一・二%、旧西ドイツ一・三%に比べて、日本は〇・七%にしかすぎません。」こういう言葉が随所に出てくるわけですね。 ここで、臨調行革が始まって十年になりますけれども、そして現実はどうなっているかというと、日本の大学における教育あるいは研究の実態というのは、まさに危機的な状態にあるということを今度調査しまして痛切に感じたのでありますが、文部大臣はどのようにお感じになったでしょうか。
○井上国務大臣 先ほども申し上げましたように、厳しい財政の中で高度な教育、研究活動が活発に行われている、そういう方々には本当に敬意を表します。それを支える施設や設備が深刻な状況にあるということも、改めて実感として感じたわけであります。
○山原委員 西島京都大学学長に会いましたときに、今まで大学人はお金の要求なんかしたことはなかった、こう言うのですね。けれども、もう辛抱ができない段階へ来ているのではなかろうかというお話が出てまいりました。東大の有馬学長に会いましたときに、貸すれば銘するという言葉があるけれども、我々は貧しても鈍はしない、武士は食わねど高ようじ、日本の学術水準というのは、我々は貧しい中でも守ってきた、けれども、今度のアンケート調査をやってみて、これだけ大学人がアンケートに答えたことは初めてだ、こう言うのですね。それだけに、大学人が今日本の教育、学術の水準の低下をおそれておるという危惧の念がこのアンケートの数字にあらわれておるのではなかろうか、こういうお話があったわけです。まさにそのとおりでございまして、ちょっと実態的に申し上げますと、例えば国際級の教員、研究者の方たちが穴蔵のような狭い研究室で、しかも老朽化した建物で、また絶対的に少ない予算とスタッフで、まさに涙ぐましい努力をしていることを私は見ることができたのでございます。 それで、どうしてこういう事態になったのかということを感じるわけですけれども、どうこれを克服していくかという点で、今本当にそういうチャンスを迎えたのではなかろうか。八つもの団体の長が文部大臣に申し入れをする、あるいは国大協の行ったアンケートに対してこれだけのあれが出てくる、あるいは今度文部省が行ったのもそうですね。そういうふうに考えますと、本当に民族の民主的発展のために大学の研究費というものがいかに大事なものかということを考えますと、今はうはいとして起こっている、今までこの問題についてほとんど物を言うことを遠慮してきた大学人が、これほどまでに危機感を持っておるというこの事態が、大学の研究予算をふやす今まさにチャンスではなかろうか。臨調行革のもとで十年間まさに抑えられてきた。これをどこがで突破しなければ、このままでいけば三流国家になるであろうとまであの報告書は書いてあるわけでございます。今度百五十億円の金を組まれたこと、これはいいことです。それをまた五年計画でやられる。しかし同時に、それは次の年も次の年もふやしていくということでなければならないと思いますし、同時に、この百五十億が理科系に限られているわけですね。問題は理科系だけではない状態があることは御承知と思いますが、大臣、その点はいかがですか。
○井上国務大臣 野党の先生方の御激励もありましたが、私ども自民党の文教部会からやはり大学の今の危機を救えというようなことで非常にバックアップをいただきまして、そして今度新しく国立大学教育研究環境特別重点整備、こういうものを百五十億設けましたし、あるいはまた高度化推進特別費、こういうもの、あるいは大学院の重点研究、この特別費としてティーチングアシスタントという制度も設けましていろいろやってまいりました。 具体的なことにつきましては、官房長から答弁させます。
○野崎政府委員 今お話ございました百五十億の教育研究環境特別重点整備、これは確かに理科系の学部、研究所を中心にするものでございますが、別途私どもとしましては、生活関連重点化枠の方で二十二億の要望を出しているわけでございます。これは平成三年度で十二億余の老朽改築のための経費が認められたわけでございますが、平成四年度におきましても二十二億の要望を出しているわけでございまして、そういう中でこれについての対策を講じていきたい、このように考えております。
○山原委員 文科系の場合もちょっと実態を申し上げますと、京都大学の場合ですが、京都大学文学部の図書館、これは一九二三年に建てておりますから、大体七十年経過していますね。書籍の重みでひびが入り危険なので図書を疎開する、それからまた天井からは雨漏りがくる、あるいは書架の上にビニールシートを張っておりますけれども、そのビニールシートにハトが巣をつくっているという状態もありました。また北海道教養部でも、建物が雨漏りをしたり、また本来なら三階建ての建物を四階に仕切って使い、狭い研究室で本が置けず、狭い廊下に図書類を置いているという状況。中には廊下にずらっと資材を並べまして、消防署の方からも注意を受けるというような状態も出ておるわけでございます。したがって、先ほど出されました百五十億、これは一つの前進ではありますけれども、しかし、それは単に理科系だけの問題ではないというのが今の実情ではないかと思います。 それから、さらにもう一つは、研究費の問題ですね。今度の積算校費は一・一%増です。旅費は〇%ですね。調査してみますと、必要額の二分の一か三分の一しか研究費として来ない。全学及び学部の諸経費を差し引いて、実際研究室に渡るのは、学科目制大学では実験系で一人当たり百万円、講座制大学では講座当たり」一百万円しか来ないという実情です。その結果、これは東大の場合ですが、実験では廃材を利用したり、ショウジョウバエの飼育が行われていますが、これに牛乳瓶を使ったり、また実験装置も三十年間同じものを使っておりまして、これをなだめすかして実験用に使っているという状況も見てまいったのでございます。さらに旅費ですね。この旅費の負担もばかになりません。旅費も、年二回ある学会出席も、一回分しかないという状態でございます。この校費及び旅費、これをふやすことが非常に大事なんですね。 これはもう私がここで申し上げるまでもなく、先日公表されました国立大学協会のアンケートの結果を見ましても、各教官が第一位に改善を要望する予算項目では、専門領域を問わず、教官当積算校費、学生当積算校費の増額がトップでありますから、このことがこの数字にあらわれておると思います。五五%の教官がそのようなアンケートを出しておりますし、人文社会系では六割を超える人がこういうアンケートを出しておるわけです。 文部大臣の諮問機関である学術審議会も、七月十一日に「学術研究環境の改善に関する要望」で、「研究施設・設備の老朽化・陳腐化、研究費の不足、若手研究者の養成・確保の問題等が極めて憂慮すべき事態に至っている」、こういたしまして、「大学の基礎的な研究基盤の充実を図るため、施設・設備費、経常的研究費を拡充すること」を要望いたしておるわけです。 今大臣が与党の中からもそういう大きな声が起こっているとおっしゃいましたが、まさにこれは与野党挙げて、そして学界を挙げての要求になっておるわけでございまして、これを背景にして、本当に文部省自体がこの問題の解決のために全力を挙げる必要があると思うわけでございます。私はその意味で新たな立場で頑張ってほしいということをきょう申し上げたいと思うのです。 この間出ました、文部省が行われました自然科学研究者を対象としたアンケート結果でも、日本の学者は研究成果でアメリカに次いで二位であるが、七五%が設備の不足、八〇%がスペースがもっと必要と建物の狭さに悩み、最優先課題として、研究人材の確保と研究費拡充を挙げている、こういうふうに報告をされておるわけでございますから、まさにこれは、この問題では皆一致して取り組むことのできる体制が生まれつつある。臨調行革十年間の圧迫をここではね返す。今年度の概算要求にも一定の前進が見られますけれども、次の要求に向かって、この問題の解決をして、民族の民主的発展の基盤である、しかも大学は学術の中心という、まさにこれを実現するために努力をしていただきたい。このことをお願いしたいわけですが、大臣の御見解を伺います。
○井上国務大臣 私先ほど申しましたが、今国の財政を取り巻く状況が非常に厳しい折でありますけれども、科学研究費の拡充、あるいはまた私学助成の充実等によります教育、研究の高度化等、あるいはまた国立大学につきまして、大学院を中心とするいわゆる教育研究経費あるいは施設費の増額、こういうものにつきまして、私ども最大の努力をする次第であります。
○山原委員 あと少しですけれども、例えば京都大学の植物学の標本百二十万点という、牧野富太郎博士のものから世界各国のものがあるわけで、日本は国際的に貴重な標本類があるのですけれども、それが雨漏りのする、カビの生えるところに置かれておるという実態を見まして、これは人も足らなければ、これでは国際的に本当に責任を果たすことができないのではないかという感じを持ちました。標本の保管、そういうことも、鉱石類にしましても植物類にしましても動物類にしましても、島根大学に行きましたら、動物、これは世界にないものがあるのですけれども、これも置かれておるところは、必死に守っておられますけれども、本当に不十分な状態ですね。これではいけないわけでございます。 それともう一つ、これは私の県の高知大学ですが、この宿舎を見てびっくりしたのです。教職員の宿舎ですけれども、どういう状態がといいますと、昭和三十三年に建てた老朽建物、いわゆる長屋なんですね、長屋形式。しかも、一階は四畳半で、それにトイレがありますけれども、トイレはくみ取り式です。それから二階は四畳半と六畳。これでは子供も育てることができない、子供を持つことができない。しかも、そこに二十四世帯が入居しておるという姿を見まして、私は自分の県のことながら唖然とたったのです。だから、他の大学でも教職員の方がこんな状態の中におられるのかなと思って、全部調べるわけにはいきませんので、全部の状況はよくわかりませんが、こんなのは早く解決してあげないと、今ごろ家屋を建てる場合に水洗式のトイレでないようなところはないわけです。こういう状態でおくことは、学者を遇するやり方としては全く不適切なことだと思いますので、こういう点につきましても、教職員の福利厚生の面につきましても、ぜひ御研究をいただき、調査もいただきたいと思うわけでございます。 最後に、私学助成の問題ですが、今度は一・七%の増を概算要求されておりますけれども、しかし一般補助は伸び率ゼロですね。こういう状態では、まさに私学の改善にはなりませんし、またまた学費の値上げによって解決をしていかなければならぬ、こういうふうになるわけでございまして、私学助成法ができたとき以前の姿に立ち戻ろうとする、少なくとも経常経費の十三%を割り込むというようなことになりかねない情勢でございます。これは何としても、私学助成の大幅増というのは国民的要求でもございますし、そういう意味で、大臣とされましてもぜひ御努力をされますように御要請を申し上げたいと思います。 この点についてのお答えをいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○井上国務大臣 私学の面におきましては、平成三年、三千四百六十五億でございますが、九十億プラスして、先生のお考えとちょっと違って、私ども努力して、一応上がっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○山原委員 終わります。
○臼井委員長 柳田稔君。
○柳田委員 まず、証券問題について御質問をさしていただきたいと思います。 けさの新聞に、公立学校共済組合本部が損失補てんを受けておったという記事が載っておりました。このことについて、文部省としてどれぐらい調査して――いるのか、まずお聞かせ願いたいと思います。
○井上国務大臣 文部省といたしましては、公立学校共済組合が損失補てんを受けた、これは厳粛に受けとめております。このようなことの再発のないように最善の努力をすることが監督官庁としての責務である、このように私は考えております。 今回の事態にかんがみまして、公立学校共済組合を指導し、同組合の残っている営業特金を八月三十一日にすべて投資顧問契約つき特定金銭信託に切りかえたところであります。 なお、昨日追加公表されました損失補てんにつきましては、平成二年六月に公立学校共済組合と証券会社との間で損失補てんをしない旨の確認書を取り交わした以降に行われたと聞き、このような事実を非常に残念に思っております。新聞発表によりますと十四億ということでありますが、この事実関係につきましては、審議官からお答えさせていただきたいと思います。
○井上(孝)政府委員 今回公立学校共済組合につきまして損失補てんとされましたのは、本年七月に日本証券業協会から発表されました五十九億四千九百万円と、昨日ロ本証券業協会から発表されました十四億八千百万円を加えますと、五つの証券会社合計で総額七十四億三千万円となるわけでございます。 そのうち日興証券の分を例に挙げて申し上げますと、総額五十一億九千七百万円となりますが、その取引は株価指数先物取引及び債券先物取引でございます。 なお、日興証券以外の四つの証券会社は、和光、三洋、第一及び国際の証券会社であり、損失補てんとされた取引は株価指数先物取引のほか、国債、転換社債などの売買によるものと聞いております。
○柳田委員 今回の損失補てん、私も大変残念であり遺憾だというふうに思うわけであります。特に今回出た分の時期が悪いのではないかな、通達が出た後の損失補てんですね。残念だなとなおさらのこと思うわけであります。 前回の分は別として、今回発表された分、通達があった後なのですが、このことは共済組合が証券会社に対して強要をしたというわけではなくて、証券会社が独自でやったことなのでしょうか。
○井上(孝)政府委員 私どもが公立学校共済組合から聞いておりますところでは、公立学校共済組合としては、損失補てんを要求したこともないし、また損失補てんを受けたとも思っていないということでございまして、日興証券等証券会社に事情聴取を行ったところでは、先般国会証言等もございましたように、証券会社側の考え方としては、公的年金資金の運用という公的性格から経営的判断に基づいて損失補てんを行ったというように私どもは聞いているところでございます。したがって、これらの営業特定金銭信託については、地方公務員等共済組合法に基づいて実施をしていたところでございますが、先ほど大臣からも御答弁申し上げたとおり、本年八月三十一日をもってすべて投資顧問契約つきの特定金銭信託に切りかえることによって、そのような事態が起こらないような措置を講じたところでございます。
○柳田委員 この問題はさておきまして、次の質問に移らせていただきます。質問が重複するかもわかりませんけれども、高等教育の問題について質問をさせていただきたいと思います。 私も、実は工学部の出身でありまして、今回の高等教育費充実についての要望等を読んでおりまして、なるほどと非常に共鳴といいますか共感といいますか、現実に自分が現場といいますか学校の研究室の中で研究をしてきた感覚からして、やっとこういう問題がクローズアップされてきたなという気もいたしております。先ほどの質問でもあったようでありますけれども、設備の老朽化や低劣さが本当に大きな問題となって今回要望が出ております。それに対して文部省も今年度の概算要求で大分重点を置いたと聞いておりまして、これは非常にいいことだと私としても心から賛成をしたいと思っております。 ただ、日本全体の大学の設備のひどさを考えますと、言葉は悪いかもしれませんが、まだまだ焼け石に水程度の感じじか受けられない。なぜそういうふうに感じるかといいますと、大学は基礎研究が中心になって行われているわけでありますけれども、工学部のことなんですが、非常に精度の高い結果を出さないといけない。大ざっぱでなくて、これはこういう傾向値、まあ傾向は傾向値ということも出すわけですけれども、それなりの結果を出さなければならない実験、研究をしておるわけであります。そうしますと、それに使われる機械、実験機械ですか、非常に特殊なものが多くなりまして、それなりの額のする、特注品といった方がいいかもわかりませんけれども、そういうものが大きなウエートを占めてくるのではないか。そうしますと、今回の要求、非常にいいことだと思うのですが、日本全体のレベルアップを考えますと、スタートにしてばいいことだと思うのですが、もっともっと努力をしなければならないのではないかという気がいたしております。 大蔵省の方の言い分としては、シーリングということがあるようであります。私自身もシーリングの役割についてはそれなりの評価はしたいと思うのでありますけれども、一律にシーリングというのも一つの手段かもわかりませんが、やはり必要な場合についてのめり張りというのも考えるべきではないかと思っております。特に学術審が試算した大学の研究費のGNP比、アメリカが〇・三五%、旧西ドイツが〇・三八%、フランスが〇・三%、これらに比べて日本は〇・一七%、アメリカの半分だ。また教育指標の国際比較、文部大臣官房調査統計企画課の平成二年度の国際比較によりますと、高等教育に対する公財政支出のGNPに対する割合は、旧西ドイツが一・三%、アメリカ、イギリスで一・二%、日本は〇・七%、非常に低い数値になっておる、こういう状況でありますが、文部省としては、どういう認識をお持ちなのか、今後どういうふうにしていこうと考えているのか、教えてください。
○長谷川政府委員 国立大学の研究設備は、日本学術会議の緊急提言でありますとかあるいは国立大学協会のアンケート調査等でも指摘されておりますように、陳腐化あるいは不足しておるという傾向にございます。 先生御指摘のように、学術研究の高度化とともに、それに必要な設備が年々高性能化しておりますし、また大型化、高度化という傾向も見られます。このため、学術研究の推進に不可欠な高性能な研究設備を整備して国立大学等における研究基盤の高度化を図る必要があるということで、一つは研究水準の維持向上に必要な研究基盤設備費、二つ目に新しい研究分野の開拓、発展をもたらすような研究に必要な先導的研究設備費というようなものを設けておりまして、その充実を図っていこうとしておるわけでございます。すぐれた教育、研究実績を有します大学院に対しましては、最先端の教育研究設備を重点的に整備するための大学院最先端設備の拡充というのも努めておる一つの点でございます。 今後の研究設備の整備のあり方につきまして、現在学術審議会におきまして審議をお願いしておるところでございます。その検討の結果も踏まえまして、さらに一層整備充実に努めてまいりたい、かように考えております。
○柳田委員 文部省としては大変な努力をしていただいていると思っておるのですけれども、財政当局である大蔵省にお尋ねしたいのですけれども、高等教育に係る予算、特別の配慮はしていただけないものなのか、まずお聞かせ願いたいと思います。
○乾説明員 ただいま委員から御指摘のありました現在高等教育の危機と言われておる問題につきましては、私どもも大学の現場を見まして、また多くの大学関係者からお話を伺いまして、これは我が国の教育、基礎研究、学術の振興、さらには将来の社会経済の発展を維持していくという観点からゆるがせにできない重大かつ深刻な問題であるという認識を持っているわけでございます。 ただいま文部省の方から御説明のありました高等教育の改善、学術研究の充実に係る文部省の御要求につきましては、来年度予算編成をめぐります厳しい財政事情を踏まえつつ、教育財政における初中教育と高等教育との財源配分のあり方、また高等教育の中で重点的に対応すべき分野等々の問題につきまして、関係者の間でコンセンサスが得られますならば、既定予算の節減合理化や国と地方の費用負担の見直し、そのほか学校特別会計におきます自己財源の確保の努力等々通しまして、できる限りこの分野に重点的、効率的な資金の配分を行ってまいりたいというふうに考えております。
○柳田委員 私の経験からお話をさしていただきますと、私がおりましたのは東京の国立大学の船舶工学科というところなのですが、船の性能を実験するときには模型船をつくりまして、どんがらの設計なのですが、それを水槽の中ですうっと走らすわけです。その水槽、東大の水槽は何と海軍の持ち物だ。戦後四十数年たちながら、その遺物を使いながら実験をしておる、そういう実態もあります。一つの研究室に係る予算も非常に少のうございまして、今はいろいろと実験をしたり、またコンピューターでいろいろと数値計算というのもやっておるわけであります。ですから実験と数値計算、これは二本柱でやっておるわけであります。計算をするにしても、コンピューターを動かすとお金がかかる、これは学校のコンピューターでもお金がかかるわけです。ただ、外部に比べると非常に安いということもあるわけなんですけれども、こういう科学計算というの似非常に時間がかかるわけですね。一晩コンピューターを回し続けないと答えが出ないという現状もありまして、安い安いといいながら、トータルとってみると非常な費用がかかる。さらに実験をしますと、その実験の素材をつくるためにまた大変なお金がかかるので、非常に節約をしながらしなければならない。それをトータルとっていろいろ考えてみても、研究室におりるお金では予算が足りないということで、いろいろと学校の先生が地方へ学術講演に行かれる。そのときにそれなりの足代をいただけるところもあるわけなんですが、それを全部プールしまして、コンピューターの計算費用に出しているという非常に涙ぐましい努力をしているのが現実でございます。行ってお話をしたからといって、そう何十万も何百万ももらえるんじゃなくて、もらっても足代ですから微々たるものであります。ですから、先生としては学校に残って研究をしたいのはやまやまですが、財源確保もあるので、お話しに来いと言われれば地方まで出向いていく。そして、そのもらったお金でコンピューターを動かす費用を出して、学生のために努力をしておる、そういうふうなのが現実であります。 さらに、学校を卒業して会社に入ります。会社に入りますと、私の場合は特別かもわかりませんけれども、学校で、大学で学んできたことは、会社では通用しない。そういう、何といいますか、会社に入るとやはり研究部門に入ったわけでありますけれども、会社で使ういろいろな知識、そして手法、いろいろなものがあるわけですが、そのレベルと大学のレベルとは格段に違う。だから、大学でやったことは全部忘れて、極端に言うと会社に入ってから勉強し直せということまで言われるくらい、もう既に会社と大学の研究といいますか、格差が開いている。果たしてこれで大学の役割が成り立っておるんだろうかな、会社に入った時点で、先輩諸氏に言われたときにべそう思ったのも私だけかもわかりませんが、何か割り切れない気持ちがしたという記憶がございます。 そういうこともありますので、今後日本の行く朱と、先ほどお答えがありました、原料を輸入して、そして製品に加工して輸出しているのが日本だと。その加工する技術については、やはり会社の努力もあるかもわかりませんが、いろいろな研究を大学がして、それを会社なりが使って世界にまさる技術を日本が身につけて、加工貿易、原料を輸入して製品を輸出する国、これが成り立つのではないかと思っております。ほとんどを会社の研究にゆだねておるというのが現状かもわかりませんが、会社というのは、やはり営利企業でありますので、自分の会社が利益が出る分については幾らでも研究費は投資するわけであります。全然利益が出ない研究についてはびた一文も出さない。これは営利企業としていたし方のないことだと思うわけであります。ただ、日本のすべての産業のいろいろな基盤を考えていきますと、やはり日の当たらない研究部門にもそれなりの財源をつぎ込み、そしていい人材を入れて努力をしていかなければ、日本の将来の経済といいますか、世界と競争していく日本としては危機的状況になるのではないかな。そういう観点からしても、できるだけ大蔵省当局としても、文部省に係る予算は、枠は一緒ですよ、中で調整をしなさいというのではなくて、もう少し高等教育に別個でもプラスするという気構えで努力をしていっていただきたいというふうに思います。 そうはいうものの国の財源としても限られておりますので、学校の中でも、産業界としてもいろいろと頭、知恵をひねりながらやっている面もあるように聞いております。産学協同という視点になるかと思うのですけれども、企業の方から冠講座、寄附講座ということでお金を出して、この研究を大学でしてくださいというお話もあるように聞いておるわけであります。ただ、企業というのは営利企業、大学の性質と大分違うわけでありまして、その中でただ乗りでやっているのじゃないかという批判も若干聞かないわけではないのでありますけれども、基礎研究に重点を置いた研究に援助ができるように、政府も税制の面でも積極的に支援して環境整備を図ってはどうか。つまり学校にこういうふうな研究をしてくれというのも一つありますけれども、さらに自分の企業とは関係ないけれども、いろいろな研究をするということで企業が大学に寄附をする。これはストレートなパターンかもしれませんけれども、何か一つ受け皿をつくって寄附をする。そして、その使用方法については大学といろいろ相談をしながらやっていく。その際に、企業には、寄附した先にはそれなりの税制の面で支援ができないか。非課税にたるとかいうことがあれば、寄附をやっているんだから非課税になっているということがあるかもわかりませんが、何かその辺で税制面からのいい支援策があればなという感じを持っております。 ちなみに言いますと、国公私立大学の研究者が使える研究費の総額が昨年で六百億円弱。民間企業で日立やトヨタ、これが一社で三千八百億円。大学全部で使えるのが六百億円で、一社の企業が使う金が三千八百億円。どう考えても何か変な数字だなというふうに思うのです。 国内でも寄附を受けている大学はあるようであります、国内の企業が国内の大学に寄附をしている企業もある。ところがもう一方、日本の企業が海外の大学に寄附をしているというのもよく聞くわけなんです。トータルをとってみるとどっちが多いのかな。日本の企業が海外に寄附している金と、日本の企業が国内の大学に寄附している金とどっちが多いのだろうかな。まあその是非を問うわけじゃないですけれども、いろいろと努力はされているな。ただ、足りないがために日本の優秀な頭脳が海外に出ていっている。また先ほどの話に戻るわけですが、また危機的状況が来るのではないかなという気がしております。先ほど言ったのは、専門家ではないのでわからないのですが、一つの私なりの案だったわけですけれども、こういうふうな研究費などの補助については、文部省という枠だけではなくて、関係各省庁あるいは民間企業すべてがタイアップして、いろいろな観点から、独創性に富んだものにこの研究費の補助、研究者の育成が考えられないものかなという気がしておるのですけれども、いかがでございましょうか。
○長谷川政府委員 民間から日本の国立大学に入っております経費というのは相当ございます。現在いろいろなシステムで大学の方に、産業界あるいは他省庁、地方公共団体等から研究協力をということでお願いいたしております。 システムといたしましては、昭和五十八年度に民間等との共同研究の制度というのをつくっております。それから受託研究のシステム、これは国立大学が産業界など外部からの委託を受けて行う研究であります。それから受託研究員というシステムがございます。民間企業の技術者や研究者を大学の方が受け入れて研究の機会を与えるというものでございます。それから共同研究センターというのを昭和六十二年度から全国の各大学に設置いたしておりまして、今まで二十三の大学に設置いたしております。これはそれぞれの地域における企業と大学とが共同で研究していく場をつくるというものでございます。 そのほか、従来からございます奨学寄附金というシステムもございまして、これは国立大学が学術研究や教育の充実発展のために民間企業や公益法人から受け入れる寄附金でございまして、これは免税措置になっておるわけでございますけれども、その中でも、昭和六十二年度から、寄附講座あるいは寄附研究部門の開設ができるというようなシステムになっております。 先生、先ほど日本の大学の研究者が使っておる研究費が六百億弱で、民間の一社で三千八百億を使っているケースがあるとお話しになりましたが、この六百億弱というのは、科学研究費補助金が本年度五百八十九億でありまして、恐らくそのことを言われたのではないかと思います。民間から入っております経費だけをとりましても、この奨学寄附金というのは、例えば本年度四百四十億強を予定いたしております。そういうようなことで、六百億だけではないということでございます。 それから、民間あるいは他省庁あるいは地方公共団体、こういったところとの協力というのは現在非常にふえてまいっておりまして、今後ともますますふえるだろうと思っておりますし、そのためにいろいろな便宜を図るといいますか、そういった資金の流れをよくするというような努力を我々ももっとやっていかなければならないというぐあいに意識いたしております。
○柳田委員 私も奨学資金をもらったことがありますので、非常に感謝をしておるのですけれども、実際に研究をしていますと、そういうのは個人的にはもらえるのですが、研究をするその題材、これが何か企業の利益になるというものについては非常にスムーズにいくようになってきたと思うのです。ただ、いろいろな研究がたくさんありまして、基礎研究、すぐには利益につながらない、何十年先か来世紀になるかわかりませんけれども、そういう研究もいろいろありますと、そういうところには余り日が当たらない。もう一つの面からいいますと、将来この分野は有望だなというところには企業は積極的にやるのですが、この産業はなくてはならない、が、将来の望みはもう余り上のぼりじゃなくて水平か下降ぎみだというところには、今度はお金を出してくれないという面もあるわけなんです。としますと、ないところはないなりにどんどん落ちていくしかないということもありますので、企業は営利を追求するもの、ただし、大学はいろいろな基礎研究をやっていって、将来の日本の科学を、そして加工貿易で国の財政を、本当の最新的な、最初の科学技術といいますか、それを支えるものでありますので、どれがいい悪いというものは大学にはないかと思っておるのです。その辺もできれば考慮をしていただきたい。私がおりました船舶はもう学生が集まちないで困っておる。なぜ集まらないのだというと、将来、就職しても給料が安いとか、入っても非常に景気が悪いので転職しなくちゃならないのかとか、さらには自分で船の専門知識を身につけながら、ほかの業種に、例えば金融に行ったりとか、何のための大学なんだろうかという傾向も出てきておりますので、その辺も含めて、再度大学のことについては見直しをしていただきたいなと思っております。 大分高等教育に時間を費やしまして、あと残りわずかとなったのでありますけれども、学校の五日制が出ております。非常にいいことだと思っておるのですけれども、ただ、一方親の方ですね。週休二日というのはまだまだ、正直言って大手企業だけで、中小零細はほとんど進んでいない。子供は土曜日おうちに帰っているけれども、お父さん、お母さんは、共働きの家庭も特に中小零細は多いわけですから、いないよ、さあかぎっ子になって、どこで遊ぶのだろうかという問題も出てくるでしょう。そして最近、何か悪い風潮だと思うのですが、物金主義が至上主義、物があればいい、金があればいい、これが最高のものだという風潮も出てきておりまして、地域のボランティア活動も、活動家の方から言わすと大分苦しいという声も聞こえてくるわけであります。受け皿である家庭の方は、お父さん、お母さんは土曜日も働いておる。さらに地域のいろいろな活動も、こういう時代の反映かわかりませんが、非常に活動もしにくいという現状があるわけなんです。この辺とこの学校五日制、要するに子供が土曜日帰っているわけですね。その辺について何かお考えがあるのでしたらばお聞かせ願いたいと思います。
○坂元政府委員 学校五日制の問題につきましては、先ほども輿石先生からの御質問にもお答えいたしましたとおりに、現在文部省の中に調査研究協力者会議を設けまして、同時に平成二年度から行っております調査研究協力校の実証的な研究成果をも踏まえまして、御検討いただいている最中でございます。 先生御指摘のとおりに、五日制につきましては、教育水準の低下あるいは子供の学習負担の増加、あるいは今先生が御指摘になりました、いわゆる家庭にだれもいないような場合の社会の受け入れ態勢の問題、あるいは塾通いや問題行動が増加するのではないか、そういう意味から国民の理解がなかなか得られないのではないかというようなことが一般的に指摘されているところでございますが、こういう問題も含め、それから国民世論の動向などにも配慮しつつ、現在子供の立場に立って学校五日制をどう考えるのかということについて議論を進めておる最中でございます。この議論を平成三年度末までにいただきまして、それに基づきまして、私どもどう対応するかということを決めたいというふうに考えているところでございます。
○柳田委員 時間が来たので終わりますが、財政当局としては非常に厳しいというのはいろいろなところで聞いております。高等教育問題については文部省も頑張っておりますので、大蔵省としてもぜひとも御配慮をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○臼井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十一分散会