逓信委員会 第1号
- 発言数
- 294 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/09/04
会議録
○野中委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 逓信行政に関する事項 郵政事業に関する事項 郵政監察に関する事項 電気通信に関する事項 電波監理及び放送に関する事項 以上の各事項につきまして、衆議院規則第九十四条により、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――◇―――――
○野中委員長 逓信行政に関する件について調査を進めます。 参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として日本放送協会経営委員会委員長竹見淳一君、日本放送協会会長川口幹夫君、日本放送協会副会長小山森也君及び日本放送協会専務理事・技師長中村好郎君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 この際、申し上げます。 去る七月八日付をもって、日本放送協会島会長から、四月二十四日の本委員会における日本放送協会昭和六十一年度、昭和六十二年度、昭和六十三年度決算審査の際、原田義昭君及び上田利正君の質疑に対する答弁中、四月十八日(放送衛星BS3Hの打ち上げ時)の所在に関する答弁に誤りがあり、改めて再答弁の機会を得たいとの願い出がありました。 御承知のとおり、島会長は既に辞任されておりますが、本問題について日本放送協会から説明を聴取いたします。日本放送協会会長川口幹夫君。
○川口参考人 おはようございます。 このたび、日本放送協会の会長に就任いたしました川口幹夫でございます。どうぞよろしくお願いします。 島前会長が先般本委員会において事実に反する発言を行ったことは、国会の権威と尊厳を傷つけ、野中委員長を初め委員会の諸先生方に大変御迷惑をおかけしました。深くおわび申し上げます。 また、このことにより視聴者の信頼が損なわれることになったことは、視聴者の皆様方に対してまことに申しわけなく、全力を尽くして信頼の回復に努めてまいる所存でございます。 なお、小山副会長から、島前会長のさきの本委員会での発言内容を訂正させていただきたいと存じますので、どうかよろしくお願いします。
○小山参考人 平成三年四月二十四日の本委員会における島前会長のBS3H打ち上げ時の所在と対応に関する事実に反する発言が著しく国会の権威と尊厳を傷つけ、御質問いただいた原田義昭先生、上田利正先生及び野中委員長を初め委員会の諸先生方に大変御迷惑をおかけいたしましたことを、まずもって深くおわび申し上げます。 また、公共放送の最高責任者としての島前会長のこの発言は、公共放送への視聴者の信頼を損なうこととなったものであり、視聴者の皆様方に対し申しわけなく、遺憾の意を表する次第であります。 島前会長から、七月八日付の文書をもって再答弁につきましてお願いをしておりましたところ、本日、本委員会でその機会を設けていただきまして、まことにありがとうございます。 島前会長は、本委員会における発言から生じた一連の事態への責任を痛感し、七月十五日に辞意を表明し、翌十六日の経営委員会において辞任が承認されたところでありますので、島前会長のさきの本委員会での発言の内容につきまして、副会長の私から御説明させていただきたいと存じます。 島前会長は、原田義昭先生及び上田利正先生のお尋ねに対し、アメリカ西部時間四月十八日午後四時半のBS3Hの打ち上げ当時、GEのヘッドクォーターにおり、そこで打ち上げに関する対応をしていたとの発言を行いましたが、当日の居場所、そこでとった対応に関する発言は事実に反しておりました。改めてアメリカ西部時間により時間を追って事実関係を説明し、島前会長の発言内容を訂正させていただきたいと存じます。 島前会長は、当日、全米放送事業者連盟年次大会の開催地であるラスベガスを正午の飛行機で立ち、午後一時にロサンゼルス空港に着きました。そこから出迎えの車に乗り、午後二時半ごろ、ホテルニューオータニの部屋に入りました。 このホテルの部屋にある二本の電話のほか、現地駐在職員ほかが持ち込んだ携帯電話により、東京NHK放送センターの小山副会長、フロリダのケープカナベラルの打ち上げ現場にいる技術担当の森川理事と連絡のとれる体制をしきました。 午後四時半の打ち上げ時間となり、まず、打ち上げの第一報がフロリダの打ち上げ現場にいる森川理事に同行していた現地駐在職員から入りました。しかし、その直後に、打ち上げ失敗の報が森川理事からありました。 そこで、直ちに島前会長は東京NHK放送センターの小山副会長と連絡をとり、会長談話の内容を伝え、報道発表するように指示いたしました。また、森川理事に対し、原因の究明及び今後の対応策について調査を行うよう指示いたしました。 BS3Hの打ち上げに伴う情報収集と指揮を終え、午後六時ごろホテルを出て、午後十時ロサンゼルス発のエールフランス機で次の出張先であるヨーロッパに出発いたしました。 以上が事実でございます。 島前会長は、国権の最高機関である衆議院逓信委員会において、まことにあり得べからざる答弁をいたしたことについて深く反省するとともに、重々おわびをしたいとの心境を述べております。 最後に、NHKといたしましては、四月二十四日の本委員会における島前会長の発言につきまして、深くおわび申し上げますとともに訂正させていただきたいと存じますので、よろしくお取り計らいをお願いいたします。
○野中委員長 これにて日本放送協会からの説明は終わりました。 ―――――――――――――
○野中委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。川崎二郎君。
○川崎(二)委員 逓信委員会を代表して、ただいまなされましたNHK前会長の答弁訂正に対しまして、質問をさせていただきたいと思います。 放送法第三十七条に、収支予算、事業計画及び資金計画の国会承認が明記されているところであります。また同法に、経営委員の両議院の同意が明記されております。このことから、新会長は国会とNHKとの関係をまず基本認識としてどう考えられておるか、お聞きしたいと思います。
○川口参考人 御指摘のとおり、NHKは国民の代表である国会において、放送法第三十七条の定めによりまして、毎年度の収支予算、事業計画の御承認をいただくことによって、初めてその事業運営に当たることができるようになっております。また、毎年度の決算及び業務報告書について、放送法第四十条及び三十八条の定めによりまして、毎年度終了後国会に提出、報告をいたすことになっております。 NHKといたしましては、常に国民の代表である国会の御理解、御納得をいただきながら事業の運営に当たる必要があると考えております。したがって、国会の御審議に当たっては円滑な審議をいただけるように、常に誠意を持って対処してまいることが肝要である、このように認識しております。
○川崎(二)委員 四月の二十四日、国会答弁がされ、七月十五日に島前会長が辞意を表明されたわけであります。その間、約二、三カ月あるわけであります。その間のいろいろな経過、後から調べていきますと、正直言いましてそのときの間違いとはなかなか言いにくい、そういった面では、なぜうそをつかれたのかなというのが最大関心事になろうかと思います。御本人がいらっしゃらないのでわかりにくい面もあるかと思いますけれども、いろいろ事情をお聞きになった小山副会長、その辺の事情をちょっと御説明をいただきたいと思います。
○小山参考人 お答え申し上げます。 なぜこのような虚偽の発言を行ったかにつきまして、島前会長本人から聴取いたしました弁明の内容を申し上げさせていただきたいと存じます。 まず、原田先生、それから午後に上田先生から、NHKの会長としてBS3Hの打ち上げ時に外遊中とはもう一つぴりっとしたものがない、あるいは打ち上げを重要視していないという趣旨の御指摘をいただいたのでございますが、島前会長としては、NHK会長として責任を持って打ち上げに対応すべきとの先生方の御指摘、非常に深く身にしみたところだと申しております。先生方からこのような核心をつく重要なお尋ねを受け、NHK会長として打ち上げについて責任ある対応をしていたのだということを何とか理解していただかなければならないという切迫した気持ちに駆られて、GEのヘッドクォーターにいたとの事実と異なる答弁をしてしまったということでございます。御本人からは、これ以上のものは出てまいりません。 私ども省みまするに、経営に携わる者としては、今回至らぬ点があったことを深く反省しておりまして、かかることの再びないよう、業務運営に万全を期して、視聴者の皆様、国民の皆様の信頼回復に努めてまいりたいと存じます。
○川崎(二)委員 そこで、四月二十四日の答弁の席上でありますけれども、きょうのように小山副会長、中村技師長以下、たくさんの方が、NHKの関係の方が同席をされていたわけであります。先ほどの事実関係の中にも、ロサンゼルスと電話でやり合っていたという表現もあるところであります。そういった意味では、午前質問をされて、間があいていてまた午後と、二回にわたる質問でありますので、そのときに周りにいた人たちは何で気づかなかったのかな、会長、ちょっとそれは違うのではないですかという御注意をされるのがどうも本当ではなかろうかなという議論があります。また、その後も、郵政省に対してヒューズにいたという回答を組織としてされているわけであります。 一回だけの間違いうそをついてしまったんだというようなことではなくて、どうもこの間、二、三カ月間、何回も間違いうそがあったのではなかろうかな。少なくとも今回出された修正答弁とは異なる話が何回も出てきたということになります。そうなりますと、NHK経営体制全体の問題として、補佐する者としてどうお考えになっていたんだろうか、その辺、小山副会長からお話をいただければというように思います。
○小山参考人 御指摘のとおり、私は十五分後にホテルとNHKの本部とで本人と連絡をとっております。島前会長の国会答弁に、私自身の感じといたしましては、GEのヘッドクォーターとホテルがそんなに近いところにあるのかと若干奇異の点は感じましたが、何分とも御自分の行動について前会長が確信を持って断言されたわけでございまして、私も事実と思い込んだ次第でございます。 また、当日同席いたしました技師長は、GEのヘッドクォーターはロサンゼルスじゃないはずだと昼の休憩時に島前会長に注意を促したそうでございますが、その趣旨が十分伝わらずに、午後再び同内容の答弁が行われたわけでございます。結果的に、一日を通じまして事実に反する答弁を訂正することができず、この点、私ども補佐が十分でなかったと深く反省している次第でございます。 また、当日のことでございますが、この当日そのものはこの件に関しまして役員会で、役員の間で連絡等行わず、役員の連絡が十分でなかった点、この点も補佐が十分でなかったと深く反省しております。また、その後の数々の連絡につきましても、役員、いわゆる外部との連絡調整役とその他の役員間の連絡が十分でなしに、結果として誤りを繰り返したことについても、これも非常に組織として十分でなかったと深く反省しております。 今後は、国会での発言の重要さを深く認識いたしまして、再びこのようなことがないように、業務運営に万全を期し、視聴者の信頼回復に最大限の努力をしていかなければならない、このように考えております。
○川崎(二)委員 NHKによる訂正答弁、逓信委員会においては一回目ではない、二回目のことであります。昭和五十八年川原会長当時に「シルクロード」の制作費について当時民社党の木下委員の質問に対し、間違った答弁がされております。この伏線となりましたのは、社会党の阿部委員がその前に質問されたことにさかのぼり、中国と約束があるから制作費、協力費は余り明確にしたくない、何とかこのぐらいで御容赦いただきたい、こんな気持ちからこうした事態を招いたというように思っております。 また、今回の問題につきましても、島前会長の海外活動に起因しておると思います。先ほどの小山副会長の御説明から私なりに推測しますと、衛星打ち上げという国民挙げての関心事よりも、海外活動が忙しくてそっちの方にどうも時間をとられて大変だ、こんな感覚でおられ、そこのところを上田先生、原田先生からそうだったんじゃないですかと言われたものだから、いや、私は衛星打ち上げの方が大事でしたよと、いうことを言いたいがゆえに、どうも虚偽の発言、そんなものに結びついたんじゃなかろうかな、聞きながらそんな感想を持ったところであります。 五十八年の際、川原会長は陳謝とともにこのような発言をされております。「今後はNHKに対する御質問に対して再びこのようなことのないよう十分注意して対処してまいります。私は、常々、NHKは国民を基盤とする公共放送として経営は開かれたものでなければならないと強く考えております。特に、国民の代表である、また国権の最高機関である国会での御質問に対しましては、十分に御理解をいただけるよう誠意をもってお答えしていくべきだと考えております。」という言葉をつけ加えられております。 そこで、私、NHKの活動の中で疑念を持っておりますのは、また委員会の中でもしばしば発言が出ておりますのは、NHKの海外活動そのものに対してであります。特に議論が集中しておりましたのは、第一にMICOの活動について、第二にGNN構想、これはどの辺まで進んでいるのか知りませんけれども、どうも問題があるように思われる。少なくとも私ども国民を代表して国会という立場でNHKの予算、決算を審議させていただいている者が十分理解できないうちにひとり歩きしているのではなかろうか。国会で十分な説明がそれでは行われたのだろうかということになるとどうも疑念を持たざるを得ない。そういった意味で、反省の上に立って今後こういった問題にどう対処されていくのか、新会長にお聞きしたいというように思います。
○川口参考人 川崎先生の御発言を非常に重く受けとめております。 御指摘のとおり、昭和五十八年の三月の衆議院逓信委員会におきましての「シルクロード」の取材経費に関する御質問への答弁に関して私から答弁の訂正をさせていただいたことがございます。国民の代表であり、また国権の最高機関である国会での御質問に対し、事実と異なる答弁を行い、これを訂正するということは、著しく国会の権威と尊厳を傷つけることであります。ひいては視聴者の信頼を損なうという面もまたありまして、まことに申しわけないことと思います。今回、再びこのような事態を招きましたことを会長として極めて遺憾に思います。 昭和五十八年と今回の答弁訂正がいずれもNHKの海外事業活動によるものであるという御指摘をいただきました。これまでの海外事業活動についての進め方について、私どもは謙虚に反省をいたします。今後は、海外活動はもちろんのことでありますけれども、事業運営の重要事項については国会に十分に説明を申し上げ、御理解を得るように努めます。特に、GNNあるいはMICO等々の海外活動に関する問題につきましては、改めて慎重な検討を行いまして、必要なものにつきましては十分に先生方の御理解を得るように御説明を申し上げてまいります。 どうぞよろしくお願いいたします。
○川崎(二)委員 きょうは竹見経営委員長にも御出席をいただいております。どうも御苦労さまでございます。 経営委員長は、今までの会長、そして副会長のお話を聞いていただいて、国会とNHKとの関係、最も重要な点であります。それを念頭に置きながら今回の問題をどう考えられているか、御所見をお聞きしたいと思います。
○竹見参考人 経営委員会は島前会長を信頼もいたしておりましたし、また、その経営方針も支持をしてまいりました。しかし、今回の問題の国会答弁につきましては、これは明らかに国会軽視でもございます。したがいまして、一連の事態の中での辞任はやむを得なかったものというふうに考えております。
○川崎(二)委員 経営委員会として、今回の国会での虚偽発言問題、もっと国会は国会として調べていかなければならぬという立場があります。同時に、経営委員会は経営委員会として十分調査をして、当然島会長にもっと早い時点で注意を促すべきでなかったのかな、こういう意見がございます。どう受けとめられていますでしょうか。 また、もう一点、先ほど小山副会長から反省の弁がありましたけれども、補佐すべき機能、会長それは間違っていますよと言うその機能というものが十分動かなかった。そうなると経営体制の問題になるかと思います。このことについてどう考えられていますでしょうか。 実はこの論議、多分七月九日、通常の経営委員会で、島会長帰ってこられて、島前会長からいろいろ話を聞かれて、また、委員の方々からもいろいろ御意見が出たように聞かせていただいております。島前会長の釈明、また、そのとき経営委員の皆さん方からどのような御意見が出たのか、お聞かせを願いたいと思います。
○竹見参考人 七月二日の問題が明るみに出ました後に、海外に出張しておりました島会長に対しましては、私から速やかに帰国するように要請をいたしました。帰国の翌日の七月の九日に定例の経営委員会を開きまして、十二人中十一人の経営委員が出席をしたわけでございますが、そこで島会長から真意を聞いたわけでございます。島前会長は、BS3Hの打ち上げのときはGEのヘッドクォーターにいたと答弁したことは事実と間違っておった、国会で率直におわびを申し上げたい、今逓信委員会に対して訂正をお願いを申し上げているんだということでございました。 経営委員会といたしましては、逓信委員会の対応がまず何よりも重要であり、きちんと訂正をし、おわびもした上で十分な御理解を得るようにと島会長に対しましては厳重な注意をいたしたわけでございます。この問題は国会で提起されたことでございますので、まず国会の対応を厳しく見守ることといたしまして、この段階での経営委員会での最終結論は見送りにいたしたわけでございます。 また、重要業務の執行に当たりましては、どうも会長への権限と責任が集中をし過ぎておったようであります。また、役員相互間の連係の体制も不足をいたしておりました。そのために、一体となって会長を補佐する体制が不十分であったというふうに考えております。早く正すべきことを正さなかった体制の甘さあるいは判断の甘さがあることを今回痛感をいたしておりましたので、私は早速全役員を招集をいたしまして、私から厳重に注意をいたしたわけでございます。
○川崎(二)委員 七月十五日に島前会長が辞意を表明され、経営委員会がそれを受理をされたわけであります。辞任が決定をしたわけであります。 一つの論議として、国会の場でまず前会長が釈明をして、その後辞任をすべきではなかろうか。そういう意味では、経営委員会としてちょっととめ置く、島前会長、ひとつ国会の場へ出て釈明をしてからその問題論議したらどうだと言うのも一つの考えではなかろうかなという考え方があります。辞意受理の経過とあわせて御説明をいただければというように思います。
○竹見参考人 国会でまず訂正を申し上げることが重要だと考えておりましたけれども、私、生活の信条といたしまして、人間の出処進退に関しましては、進むときは人に任せますけれども、退くときはみずから決すべきだというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、島前会長が責任を痛感してみずから退くと決断をいたしましたことに対しましては尊重いたしたいと考えたわけでございます。また、公共放送への信頼が揺らぎ始めていたということも私判断をいたしましたので、経営委員会全員の一致で辞任を認めることといたしたわけでございます。
○川崎(二)委員 そこで、先ほど二度目と言いましたけれども、二度と、三度とということになるのでしょうか、起こらないようにしていかなければならぬ。そうなりますと、経営委員会とNHKのあり方というのももう一度再点検する必要があるのではなかろうかな。そういった意味では、経営委員会として今回NHKが起こしたこの問題についてどう反省をして、経営委員会としてどういう方向でこれからNHKの経営というものに対して対処していくのか、御方針があればお聞かせ願い狂いと思います。
○竹見参考人 このような事態となりまして、いろいろな反省をいたしておるわけでございます。 島前会長の時代には、業務の運営に関しましてやや一方的な説明、報告といったように傾いておったように思うわけでございまして、十分な議論を尽くすことにおきましてやや欠ける点があったということも反省をいたしております。 したがいまして、今後の経営委員会の運営に当たりましては、新しい執行部とのより緊密な意思の疎通を図ることを心がけてまいりたいと思いますし、また、監事ともより一体となりまして業務の監査や点検、そういったものにつきまして後手を踏まないように、より緻密に厳格に行ってまいりたいというふうに考えております。
○川崎(二)委員 それでは、最後に大臣に御所見をお伺いしたいと思います。 大臣は七月十五日の談話で、「NHKに対する国民の信頼を著しく傷つけたものであり、公共放送を行うNHK会長の行為としてきわめて遺憾であったと考えている。二度とこのようなことが発生しないよう強く望むものである。」と述べられております。このようなことが二度と起こらないよう郵政大臣としてNHKの自助努力に対して何を期待していくか、また郵政省としてどう指導していくのか、お聞かせ願いたいと思います。
○関谷国務大臣 今回の問題によりまして、NHKに対します国民の信頼が著しく傷つけられたということでございまして、この問題が発生をいたしましたときに大変心を痛めたものでございますが、公共放送であるというNHKの立場というものを今後会長初め職員の全員がまず肝に銘じる、それがまず私は第一歩であろうと思います。 そういうようなことがあって初めて同じような事件が二度と発生をしないということになってくるものだろうと思うわけでございまして、長い期間その仕事をしておりますと、そこにどうしても気の緩みというものがいささか出てくる危険性もあると思うわけでございまして、そういう点をなお先ほど先生御指摘をいただきましたように、経営委員会の方が厳しく見ていくということもまたそのNHKと経営委員会との関係を改善していく大きな要素でもあろう、私はそういうようなことも考えております。 それから、今回、川口新会長が調和と前進というスローガンをもちまして、先ほど答弁がございましたように、国会、政府の関係方面と緊密な連絡をとりながら経営の効率化、安定化あるいは放送番組の高度化、多様化等に努力をするという決意を述べていましたが、そのように真剣に対処をしていただき、適時適切に私たちも指導をしていくということで、こういうようなことが二度と起こらないように努力をしていきたい、そのように考えております。
○川崎(二)委員 それでは、この後、平成元年度NHK決算の審議の中で同僚議員からこの問題についてまた質問がなされるということを御承知いただいて、一応これで私の質問を終わらしていただきます。どうも御苦労さまでした。 ――――◇―――――
○野中委員長 次に、日本放送協会平成元年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題とし、審査に入ります。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件審査のため、本日、参考人として日本放送協会の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 まず、郵政大臣から説明を聴取いたします。関谷郵政大臣。 ――――――――――――― 日本放送協会平成元年度財産目録、貸借対照表 及び損益計算書 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○関谷国務大臣 ただいま議題となりました日本放送協会平成元年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書並びに監事の意見書の国会提出につきまして、その概略を御説明申し上げます。 これらの書類は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものであります。 日本放送協会から提出された平成元年度の財務諸表によりますと、平成二年三月三十一日現在で、一般勘定につきましては、資産合計は三千七百九十億八千六百万円で、前年度に比し二百二十四億五百万円の増加となっております。 これに対しまして、負債合計は二千七十三億二千百万円で、前年度に比し三百六十一億三百万円の増加となっております。 資本合計は一千七百十七億六千五百万円で、前年度に比し百三十六億九千八百万円の減少となっております。 資産の内容は、流動資産七百三十五億一千百万円、固定資産二千八百六十億八千九百万円、特定資産百九十四億八千六百万円であり、負債の内容は、流動員債九百五十四億八千六百万円、固定負債一千百十八億三千五百万円となっております。 また、資本の内容は、資本一千八百五十四億二千七百万円、積立金三千六百万円、事業収支差金百三十六億九千八百万円の欠損となっております。 受託業務等勘定につきましては、資産合計、負債合計とも、五百万円となっております。 次に、損益について御説明申し上げます。 一般勘定につきましては、経常事業収入は三千七百九十七億五千万円で、前年度に比し二百三十二億二千九百万円の増加となっております。 これに対しまして、経常事業支出は四千十八億三千二百万円で、前年度に比し三百四十七億八千八百万円の増加となっております。 この結果、経常事業収支差金は二百二十億八千二百万円の欠損となり、これに経常事業外収支差金四十九億三千万円の欠損を加えた経常収支差金は二百七十億一千二百万円の欠損となっております。 これに特別収入百七十五億五千万円を加え、特別支出四十二億三千六百万円を差し引いた事業収支差金は百三十六億九千八百万円の欠損となっております。 受託業務等勘定につきましては、経常事業収入は四億一千二百万円であり、 これに対しまして、経常事業支出は三億七千三百万円となっております。 この結果、経常事業収支差金は三千九百万円となり、これに経常事業外収支差金五百万円の欠損を加えた事業収支差金は三千四百万円となっております。 なお、監事の意見書におきましては、監査の結果、財務諸表は、日本放送協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認めるとされております。 以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○野中委員長 次に、補足説明を聴取いたします。日本放送協会会長川口幹夫君。
○川口参考人 ただいま議題となっております日本放送協会の平成元年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに監事の意見書の概要につきまして御説明申し上げます。 まず、一般勘定の当年度末の資産総額を財産目録、貸借対照表で見ますと三千七百九十億八千六百万円で、この内訳は、流動資産七百三十五億一千百万円、固定資産二千八百六十億八千九百万円、特定資産百九十四億八千六百万円、このうち固定資産の内容は、建物七百五十五億六千七百万円、土地二百三十一億二千二百万円、機械及び装置八百五十億三千二百万円、放送衛星三十億六千五百万円、その他の固定資産九百九十三億三百万円でございます。 当年度末資産総額を前年度末と比較しますと、二百二十四億五百万円の増加となっておりますが、これは建設計画に基づく衛星放送設備、番組設備の整備等によるものでございます。 一方、これに対する負債総額は、二千七十三億二千百万円で、この内訳は、流動負債九百五十四億八千六百万円、固定負債一千百十八億三千五百万円、このうち固定負債の内容は、放送債券四百五十億八千万円、長期借入金四百三十億三千七百万円、退職手当引当金百八十六億五千万円、その他の固定員債五十億六千八百万円でございます。 当年度末負債総額を前年度末と比較しますと、三百六十一億三百万円の増加となっておりますが、これは長期借入金の増加等によるものでございます。 また、資本総額は、一千七百十七億六千五百万円で、この内訳は、資本一千八百五十四億二千七百万円、積立金三千六百万円、当期欠損金百三十六億九千八百万円でございます。この資本総額は、前年度末と比較し、百三十六億九千八百万円の減少となっております。 次に、新たに設定いたしました受託業務等勘定の当年度末の資産総額を財産目録、貸借対照表で見ますと五百万円で、これに対する負債総額は五百万円でございます。 次に、損益計算書について申し上げます。 まず、一般勘定の経常事業収支について見ますと、受信料等の経常事業収入は、三千七百九十七億五千万円で、前年度と比較し、二百三十二億二千九百万円の増加となりました。 これは、主として、新たに衛星料金を設定するとともに受信契約の維持・増加に努めた結果によるものでございます。 なお、有料受信契約件数は、三十五万件増加し、当年度末には三千二百三十一万件となりました。 次に、経常事業支出は、四千十八億三千二百万円で、この内訳は、国内放送費一千二百九十二億七千六百万円、国際放送費三十一億七千八百万円、契約収納費四百二億百万円、受信対策費十三億一千五百万円、広報費十七億七千七百万円、調査研究費四十五億二百万円、給与一千二百三十九億八千七百万円、退職手当・厚生費三百九十九億一千九百万円、一般管理費九十四億五千百万円、減価償却費三百七十六億八千六百万円、未収受信料欠損償却費百五億四千万円となっております。 これは前年度と比較し、三百四十七億八千八百万円の増加となりましたが、主として、放送番組の充実、受信契約の維持・増加施策の推進に伴う事業運営費の増加等によるものでございます。 以上の結果、経常事業収支差金は、二百二十億八千二百万円の欠損となり、これに経常事業外収支差金四十九億三千万円の欠損を加えた経常収支差金は、二百七十億一千二百万円の欠損であります。さらに、特別収入百七十五億五千万円を加え、特別支出四十二億三千六百万円を差し引いた当期事業収支差金は、百三十六億九千八百万円の欠損となりました。この欠損金につきましては、長期借入金をもって補てんすることといたしました。 次に、受託業務等勘定の経常事業収入は、四億一千二百万円で、経常事業支出は、三億七千三百万円となりました。 その結果、経常事業収支差金は、三千九百万円となり、これに経常事業外収支差金五百万円の欠損を差し引いた当期事業収支差金は、三千四百万円となりました。この当期事業収支差金につきましては、一般勘定の経常事業収入へ繰り入れております。 なお、監事の意見書では、貸借対照表等は、「監査の結果、協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認める。」とされております。 これをもちまして、概要説明を終わらせていただきますが、今後の協会経営に当たりましては、公共放送としての使命と責務を深く認識し、放送事業の一層の発展に努力してまいる所存でございます。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○野中委員長 次に、会計検査院当局から検査結果について説明を求めます。会計検査院中島第五局長。
○中島会計検査院説明員 日本放送協会の平成元年度決算につきまして検査いたしました結果を御説明いたします。 日本放送協会の平成元年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書等は、平成二年八月十三日、内閣から送付を受けましたが、その検査を終えて、同年十二月十日、内閣に回付いたしました。 同協会の決算につきまして検査いたしました結果、特に法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項はございません。 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
○野中委員長 以上で説明は終わりました。 ―――――――――――――
○野中委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上田利正君。
○上田(利)委員 NHKの島前会長が、去る四月十四日、本委員会におきまして、放送衛星BS3H打ち上げ失敗にかかわる私上田利正、そして同僚議員であります原田義昭委員の質問に対し、虚偽の答弁をされ、先刻、小山副会長から訂正がなされました。居場所の訂正は了承されましたけれども、その件につきましては私も一応理解をしております。 しかし、なぜうそを言ったか、しかも二カ月半にもわたりましてうそを隠ぺいし続けておったのか、その理由は何なのか、先刻の答弁ではその真相は全然解明されておりません。特に、私に対する島前会長の答弁は、私が聞きもしないことを親切丁寧に長々と、かつ詳細に、そしてべらべらと答えてくださいました。「何とか師見てきたようなうそを言い」という川柳がございますけれども、それをはるかに上回る、すべて捏造による答弁であることが明らかになりました。これは重大な問題であります。島前会長がおやめになったからといって、言うならばそんな次元で処理されてしまうべきものではないと思うのであります。絶対に許すことができないのであります。私個人に対するうそなら一応の訂正でよいでしょうけれども、国権の最高機関でのうその答弁であり、しかも、それを何とかしてごまかそうとしてNHK幹部が組織ぐるみで長期にわたり隠し続けてきたこの事実、または国会にうそを言い続けてきたということは、言いかえますと、受信料で経営されている公共放送すなわちNHKを愛し、NHKを信頼し支えている契約者、視聴者あるいは国民にうそをついてきたということになるのであります。その結果、NHKの信用は失墜をし、受信料制度そのものが崩壊し、NHKの経営基盤が危機に直面しているのであります。したがいまして、私は、受信料を支払ってくださっておられる国民の皆さんの立場に立って以下質問を行います。うその上塗りにならないよう、心して真相を解明されるよう篤と申し添えておきます。 第一は事実経過の問題でございますけれども、島前会長の海外出張の確認からまずお尋ねをいたしますが、イエスかノーかを言っていただければ結構でございます。 私が調査したその中では、海外出張する場合については必ず出張スケジュールを組まれます。その出発前の旅行日程のうち四月十八日の部分は、当初はGE社並びにGD社首脳とニュージャージー州において会談をする、それに臨んだ後にケネディ・スペースセンターでBS3H打ち上げの指揮をとる、こういうことになっておったのでありますが、実際には先ほど御訂正されましたようにロサンゼルスのホテルニューオータニにおったということでございますけれども、そういう日程でありながら実際はそうなってしまったということ、これに間違いございませんか。
○小山参考人 お答え申し上げます。 三月末の当初計画では、四月十八日の打ち上げ当日はフロリダのケープカナベラルの打ち上げ現場においてBS3H打ち上げを見届け、その後ニューヨーク経由で四月二十日に次の出張先ヨーロッパに行く予定でありました。それは調査いたしました。その後、衆議院の逓信委員会が四月二十四日に開催されることが確定いたしましたため、二十三日までに日本に戻らなければならないということで、四月十日の海外出張出発の直前に予定を変更し、打ち上げ当日はラスベガスで打ち上げについての情報収集、指揮を行うこととしたということになっております。打ち上げ後は直ちにロサンゼルスに向かい、ロサンゼルスの空港で二時間ほど休憩して当日の午後十時の便でヨーロッパヘ立つように日程を繰り上げたわけでございます。ところが、打ち上げ当日直前になりまして、ラスベガスにおいて打ち上げに関する情報収一集と指揮の十分な態勢がとれないということがわかりまして、急遽ロサンゼルスで打ち上げ関係の対応を行うように日程を変更いたしまして、ロサンゼルスのホテルを確保し、そこで打ち上げに関する対応を行いました。打ち上げ後、必要な対応を終えて、予定どおり午後十時の便でロサンゼルスを立ってヨーロッパヘ向かったということでございます。 これが日程変更に関する事実関係でございまして、ロサンゼルスにおいて打ち上げの情報収集と指揮をとるということを決めてからはロサンゼルスの出発時間の変更はなかったという調査結果になっております。
○上田(利)委員 小山副会長から答弁がございましたけれども、その部分については問題がございますから、私が質問したことだけで結構でございます。 当初の計画は、会談をした後にフロリダのGEのヘッドクォーターにいる、そこで指揮をするということであったものが、実際に四月十八日はロスのホテルニューオータニにいたのかどうか。その経緯、ラスベガスでどうのこうのということはいいのです、これは後でやり合いますから。それだけイエスかノーか、ちょっと言ってください。
○小山参考人 当初計画では、GEとGD、ゼネラル・ダイナミックス社の首脳との会談をオーランドでやり、ケネディ・スペースセンターでBS3H打ち上げを指揮する、こういうことになっておりました。
○上田(利)委員 それは後で触れることにいたします。それだけ確認をいたしておきます。 そこで、二番目の問題でございますけれども、NHKの受信料収入、本年の四月、五月、六月、七月分。八月はちょっと無理だと思いますけれども、七月分までわかっておると思いますが、それがどのようになっているか、お尋ねをいたします。
○諏訪参考人 お答えいたします。 平成三年度七月末時点での契約総数増加、衛星契約増加は、いずれも前年度の各月実績を上回り、目標達成に向けてほぼ計画どおりに推移しておりますけれども、これを契約増加と受信料支払い状況で御説明申し上げます。 四月は契約増加五万四千、五月は累計で七万一千、六月は累計で十三万四千、七月は累計で十四万五千、これは前年度七月末の累計が六万九千でございましたので、それは上回っております。それから、目標に対する進捗率でございますけれども、七月末、本年は三六・三%、前年は二一・〇%、これも前年を上回っております。 それから受信料の支払い状況でございますけれども、これは二カ月単位に集金しておりますので、四月、五月の第一期は、今年度九五・四%、六月、七月の第二期は九五・二%、これも前年と比較しますと、前年は第一期が九五・七%でございました。それが本年九五・四%。二期については、先ほど申し上げましたように本年は九五・二%、前年は九五・〇%でございました。
○上田(利)委員 そうしますと、端的に申しまして、四月のNHKに入ってまいります受信料収入、契約件数は別にしまして、契約しておりましてもその受信料は払わないという人もございますから、実際の四月の時点の受信料の総額と七月末と言っても六、七ということになりましょうけれども、一緒ですけれども、四、五と六、七の受信料の収入額をちょっと言ってもらえますか。そして、その差がどれだけあるか。
○中野参考人 今御報告いたしました受信契約の増加分を含めた総契約件数に基づく収入額でございますが、これは各月における収入達成額ということで御報告いたしたいと思います。 四月、四百十四億、五月、八百二十四億、六月、千二百四十億、七月、千六百五十億でございます。これを今年度の受信料収入予算額四千九百八十九億円に対する達成率ということで申し上げますと、四月が八・三%、五月一六・五、六月二四・九、七月三三・一ということでございます。それからこれは期間計算によって標準達成率というのを計算しておりますが、標準は三三・三ということでございますので、実績の三三・一というのは、この標準に比べまして私どもは順調に推移しているというふうに受けとめております。これを前年同期、七月に比べますと、昨年は三一・五%の予算達成率ということでございます。 それから、先生お尋ねのこの債権額としての収入と実際に現金として入ってきたもの、収納額でございますが、これについて見ますと、先ほど諏訪から御報告いたしましたように、これは、収納額の方は月単位ではなくて期単位、四月、五月、第一期ということで見ております。したがいまして、八百二十四億に対して現金が入ってきたもの、要するに支払っていただいたものは九五・四%ということでございます。ちなみに、昨年は九五・七%。それから、七月末でございます。これは第二期末ということでございますが、これは千六百五十億の収入に対して現金が入ってきたのは九五・一二%。ちなみに、昨年は九五・〇%ということでございます。
○上田(利)委員 次の質問に入ります。 NHKの海外出張費の関係でございますが、川崎委員も先ほど総括質問の中でちょっと触れられましたけれども、島前会長の問題になりました海外出張費は受信料から出されているのかどうなのかというのが一つと、それから、問題とされまして週刊誌等で報道されております、名前は伏せますけれども同行されたエンタープライズの社員と称されておる女性の旅費はどこから出されておるか、この二つをちょっとお伺いします。
○小山参考人 島前会長の海外出張旅費は受信料から出されております。 それから、第二の御質問の人間でございますけれども、これはNHKエンタープライズの方から出ております。
○上田(利)委員 NHKエンタープライズから女性の旅費は完全に払われておりますか。もう一度確認しましょう。
○小山参考人 ただいまちょっと混乱いたしまして、失礼いたしました。 MICOの方から出ておりまして、MICOがエンタープライズにこの件につきまして委託をして、したがって、その旅費はMICOが出しております。
○上田(利)委員 どういうことですか、それは。エンタープライズのロス駐在というのか、どういう身分か、今時間がございませんからそこのところは触れませんけれども、その問題の女性、同行した女性を仮に今K子さんと呼んでおきます。K子さんというかKさんというか、Kさんの方がいいですな。Kさんはエンプラの社員でいながら、何でMICOから出るのでございますか。
○小山参考人 エンタープライズの社員でございますが、MICOが行います。務につきまして、今回のNHKに対する支援業務の中からエンタープライズにMICOから委託をしたということでございます。したがって、委託費として、MICOからエンタープライズの職員を出張させるということでその旅費はMICOが負担した、こういうことでございます。
○上田(利)委員 これで余り時間とりたくないのですけれども、NHKの前会長島さん、これはNHKから公式に受信料で出張する。NHKは秘書も全部ついていっております。あるいは、現地へ行けば特派員、支局員が全部つきます。にもかかわらず、NHKと関係のない、職員でないエンタープライズやMICOの社員、MICOはNHKも出資しておりません。エンタープライズはNHKのまあ関連企業と申しますか、そういう関係にございますけれども、NHKの会長になぜよその会社のエンタープライズの社員がついて、しかもそれにMICOから旅費を払う。MICOから旅費を払うということは、NHKがMICOに金を、旅費を出さなければならないでしょう。そのMICOからNHKの会長に同行する。ゴルバチョフとの会見から下がって全部またアメリカまで来て、そしてまたヨーロッパまでついていくというのは、非常な経費なんですよ。しかも、長期に宿泊しているのですから。そんなことで受信者が了承すると思いますか。それをはっきりしてください。
○小山参考人 エンタープライズとNHKとの基本協定の中に、エンタープライズはNHKの支援業務というのが入っております。それと、接遇の業務というようなことが入っておりまして、その意味におきまして、エンタープライズはNHKの支援業務を行う、その支援業務を行うところのNHKエンタープライズに対して、MICOがその後――今回の場合はカンヌでいろいろな放送事業者、プロダクションとの会談を予定している、そこに島前会長が出席してもらいたいということで、それではエンタープライズの方にMICOから、そういう関係にあるエンタープライズの社員に同行してもらいたいということで委託をして、したがって、委託料として旅費はMICOが払ったということでございます。 なお、事実関係をきちっと申し上げる意味において申し上げますが、このKという人間に対しまして、旅費、飛行機賃等はMICOが払う、ホテル代についてはNHKが負担する、こういうような形になっております。
○上田(利)委員 理屈が全然通らないじゃありませんか。カンヌの見本市がございまして、MICOがNHKの会長にも来てくれと要請した。要請したというならば、そこへKという女性がそのエンプラから使命を帯びて行くならいいのですよ。ソ連まで、モスコーまで行って、そしてゴルバチョフと会見して、そのまま衛星の打ち上げにも関係しないのにその女性はアメリカまで行って、そしてまたそれからカンヌに行っている。こんなことは理由にならないし、また、ホテル代はNHKが払ってそして航空賃等の旅費はMICOが払っているなどという、こんなことを受信者が聞いたら受信料を払いませんよ。 もう時間がありませんから、これはそこで一応横に置いておきますけれども、問題は、海外の旅費にかかわる問題はこのように疑惑があるのです。我々も全部調査しておりますけれども。それは報道機関という特殊性があるから、きちっとすべてというわけにはいかないと思う。前渡金を渡してこれでと言って後でその受領書をとることやいろいろなことがあるでしょう。しかし、海外にまつわる金の疑惑というのは、きょうもマスコミの皆さんもおりますけれども、私が調査した中でも非常に乱脈な形になっておる。もっとNHKの自主監査体制その他ぴしっとやらなければ、かりそめにも金について、受信料を支払っている皆さん方が、あるいはNHKを信頼している国民が、こんなNHKかということになったら、これは幾ら川口新会長が努力をされてもNHKは立ち直っていくことはできないと思うのであります。経理システムを変えながら、報道関係は報道局、制作関係は制作局ということで、いろいろな形の中でこの金をめぐってのさまざまの問題があるということを私は今調査をいたしておりまして、その実態が浮き彫りになろうといたしておりますから、これは次の決算のときにはもう徹底的にこの問題点については逐一私の方から質問をいたしますけれども、経理をガラス張りにして――仕事に運営に支障があってはいけませんけれども、しかし、民放などと比べればやはりずさんなところがある。タクシー一つをとってもそうです。飲み食いの問題についても、はっきりしているかということになると、これはいろいろな人たち、言うならば女優さんや何かの関係がありますから、普通の一般の企業とは違うこともありますし、支出もたくさんしなければならぬということもあります。しかし、大事なものは百万でも二百万でも一千万でもちゃんとした形をとっていなければならないと思いますから、この点についてはきょうは時間がなくてこれ以上申し上げませんが、私の方から強く指摘をし、要望しておきます。 次の問題に入りますが、この議事録がここにございます。私が聞きもしないことを親切丁寧に長々と、そしてべらべらとやった、これがここにございます。私が質問したよりもはるかに、本当にすばらしい、あんな長々しゃべった頭のいい前会長が、疲れておったとか放送衛星を愛するがためにとかいうことで、場所だけを違えたのじゃなしに、さっき言いましたように全部捏造であります。そして、その中で言われていることは――私はいいのです。しかし、私が質問しておるのは、受信料を払っている視聴者の皆さんや国民の立場に立って私は決算のときに質問したのであります。その私に対しまして、あなたは誤解している、上田委員は誤解をしていると言うのです。あなたは3Hなんか上がったって上がらなくたって頭にはなかったでしょう、それでゴルバチョフのところへ行って長々と会見をして、しかも一時間以上も特別番組を組ましている、これは何ですか、こう言ったら、私はちゃんとそのために行ったのですと言う。原田委員にも言いました。衛星放送を成功させるため現地に行くのも外遊の目的の一つでしたと言って、そして、GEのヘッドクォーターにいました、天気が悪いから七〇%、だめだ、だめだ、GEの社長は上げたい、上げたいと言った、だめだ。だめだ、まだ待ってください、そうしたら九五%になった、衛星というのは九〇%以上になれば一〇〇%、パーフェクトに近いのだ、そこで私もそれじゃよろしいでしょうと、GEのヘッドクォーターでGEの社長もゴーサインを出した、そういうふうに、私はそのために打っておったのに、上田利正、あなたは何という誤解をしているのですか、こういうことですが、これはゴカイもハチカイもないのです。それが真実ですよ、これは事実です、こう言っているのです。事実ですと念を押している。 それがどうですか、先ほど小山副会長が言いましたように、ロスからフロリダの間は飛行機で大体六時間半ぐらいかかるところで、時速千キロで飛んでも六時間半ということになりますとどのくらいの距離になるか、六千キロほどになりますけれども、そんなにはならないか、三千キロぐらいじゃないかと思うのですけれども、そういう離れたところ、しかも、そこにいたようなことを言う。とんでもない。私にうそを言うのはいいのです、上田はちょろいからうそを言っておけと。受信者、国民に対してうそを言っている。これが真実を伝える報道機関のあり方か、公共放送としてのNHKかどうか、ここが大きく問われるのであります。NHK始まって以来であります。この点につきまして、会長はどのようにお考えでしょうか。
○川口参考人 ただいまの御指摘については、私は天から怒られているような感じで受けとめております。まことに恥ずかしい、申しわけないという気持ちでいっぱいであります。 そもそも、NHKの放送はたくさんの受信料によって支えられております。そして、国会の審議を受け、いろいろな方々の御協力を受けて実施をしているものであります。したがって、この仕事をする者は、まずはその受信者、国民に対して誠意をもって報いなければいけないと思います。そして公私の別を常に明らかにして、金銭にまつわることについては一切明確にすべきだ、そのように思います。現在、御指摘ありましたことを含めて、私もこの一カ月、鋭意調査をしてまいりました。まだ腑に落ちない面もありますので、今後については十分に調査をし、正すべきは正すという姿勢で臨みたいと思います。御叱正ありがとうございました。
○上田(利)委員 そこで、副会長あるいは中村専務理事・技師長も当時の役員でございます。四月二十四日をもう一度思い起こしてください。川崎委員も申しましたけれども、あなた方は、委員室はここじゃなかったんですけれども、そばにいながら、原田委員が午前中に質問したことについて、これも場所がどこかと原田義昭議員も指摘しませんでしたけれども、これも、私は3Hの打ち上げのためにその外遊、その人たちと行きました、うそを言っている。そして私が午後からやった質問についても、また重ねてうそを言う。なぜ原田委員に対する答弁のときに、小山副会長や中村技師長や、今、やめてしまった尾畑前専務理事、青木前専務理事はおりませんからあれなんですけれども、そのときに、会長、これは真っ赤なうそだ、そんなことが国会の中でできますか、受信者に対して大変なことになりますよと会長に対して進言をして、だめだったら足でも縛ってでもやらせるか、あるいはそれにかわって小山副会長が訂正答弁するなりそういうことがなぜできなかったんですか。しかも、二カ月半もうそを言う。そして、NHKの経営や大事にはタッチしませんけれども、今関谷大臣がいらっしゃいますが、指導機関である郵政省は指導する任務があるわけです。こんなにいろいろ出てきている、どうなっているんだ、真実を連絡しなさいという。この指導に対しても、間違いございません、四月二十四日に島会長が言ったとおりでございます、こういうふうに郵政省に答え、それではだめだから書面を持ってこい、こう言っている段階の途中で、いやそれは間違いでしたと、当時の放送行政局長に対して、島さん個人が、五月の上旬ですけれども、朝早くヒューズ社におりまして映像を借りて見ておりました、実はGEにおったんじゃないんです、こう言って訂正した。本当か、それじゃ事実かどうか、どういう形でいたかを文書で提出しでみると言ったら、図面で書いてきた。ここにもありますけれども、これをごらんなさい。島会長は、十八日にはロスのヒューズの管制センターで3Hの打ち上げを見守った。この管制センターは、四角で囲んであって、打ち上げ現場、ケープカナベラル、次が、矢印があって、GEヘッドクォーター、ニュージャージー、次が、矢印があってNHK放送センター、東京、次が、矢印があってヒユーズの管制センター、ロス。「以上の四か所がリンクされ、映像と音声によってさながら」、さながらですよ、「さながら一室に居るようになっている。」何です、これは。まあ、そのほかにもございますけれども、これが五月九日なんです。こういうものを捏造してくるということなんです。全くこの会長にしてこの幹部ありと言わざるを得ないような状況にあるわけなんです。 なぜこんなふうな態勢であったのか、この辺、視聴者や国民に対して今どういう立場でおられますか。
○小山参考人 まず、当日のことでございますが、先ほど川崎委員からの御質問がありたときに御答弁申し上げたとおりでございまして、まことに汗顔の至りでございますけれども、私は、GEのヘッドクォーターがそういう近いところにあるのかなというふうに非常に奇異に感じたことは確かでございます。わずか十五分のところにあったのかなということですが、何分にも自信たっぷりにお答えいただきましたので、そうなのかなということで思い込んでしまったということが事実でございます。本当に、今考えますと、随分知識がなかったということになろうかと思います。実は、GE等との折衝というのは私やったことがないものですから、非常にこの点申しわけないと思っております。 なお、それからその後のことでございますが、実は、どうも違うのではないかという話が出ているというのは、私は直接ではなしに、郵政省から何かいろいろ問い合わせがあるらしいということをちらりと聞きましたので、私といたしましては、絶対に国会という権威のあるところで間違ったことをしてはいけないので、これは私は補佐の責任がありますから、ぜひこの点につきまして郵政省との折衝をということを申しました。しかしながら、会長自身が、これは最高責任者である会長自身の誤りであるので、これは私が最後まで責任を持つので、ひとつ引いてくれないか、こういうような話がありまして、結果的には、このようなことで、まことに補佐責任が完全でございませんでした。特に、担当でございました役員等との関係におきまして意思疎通が全く欠けておりまして、経営の中での意見交換というものがなかったことにつきまして、深く反省しております。
○上田(利)委員 全然答弁になりません。うそを言ったのは島会長でしょう、虚偽答弁を。それで、その補佐する副会長以下理事の皆さん、会長がこうだと言ったら、これは会長がうそを言った問題だから会長に任せろ。うそを言った者に任せろなんということにならないでしょう。結局、副会長以下が真相を明らかにするために、内部に調査特別委員会のようなものを置いて、あなたが陣頭指揮をとってやらなければ、島会長はうそを隠そう隠そうとしているし、そんなものはいいんだ、こういう形でいるんですから、そういう、いわゆるNHK全体の組織のあり方、これを抜本的に改めなければならぬと思うのであります。そうしないと、二度、三度とこういう問題が発生する、こういうことが予測されると思うのです。それは今後の問題としてしっかり会長以下対応してもらいたい。 しかし、私が今この質問をしているのは、なぜそれまでしてうそを言わなければならないのか。ロスのホテルニューオータニに言うならば情報収集のセンターを設けて、そしてそこで指揮をするということであるならば、間違えましたからと言って訂正ができますし、そんなに二カ月も二カ月半も隠しておかなければならない問題じゃないんです。 週刊誌が言っておりますように、あの問題の女性との関係というのは、ロサンゼルスは泊まっていないんです。十二時にラスベガスを出まして、大体一時間の飛行でロス空港に着きまして、それで二時から二時半には支局に着いて、二時半ごろにはもうホテルに入った、そしてそこで指揮をとったという。西海岸、西部と東部では、いわゆる時間差は三時間であります。しかもサマータイムでございますから、日本とは十三時間の違いがあるわけです。ですから、そういう中で、なぜ隠さなければならないか。しかも、ロスの空港からついた人たちは明らかになっているんです。島会長についていった山下秘書、これはずっとついておりました。それから、野中PD、ロスの大貫特派員、増田通訳、そして現地で雇用しております鳴海さんという人、NHKから出向のような形になって行っておられます西村さん、そして問題の女性のKさん、これが全部帯同しておるわけです。しかも、ラスベガスから飛んでくる中では、秘書は、これは当然一緒についてきておる。その問題の女性も、一緒に同じ飛行機に乗ってきておる。ラスベガスからロスヘなぜ飛んできたのか。当初日程を聞きました。十八日の日は、言うなればGEのヘッドクォーターで、本社でこれは指揮をとるということになっておりましたものが、日程が狂ったからという先ほどの小山副会長のあれによりまして、日程がずれていった。そういう形の中では、ラスベガスからいわゆるフロリダまで飛んでいけない。だから、ロスヘ行ってその指揮をとる、ロスからでなければ、ラスベガスからヨーロッパヘ行く、カンヌヘ行くには直行便がないからどうしてもそれはロスを経由することになりますけれども、ロスで3Hの情報収集、指揮をするという、そんな理由はにわかに出てくるわけはないと思う。ラスベガスで指揮をとってそれからロスヘ飛んでいくか。いずれにしても、ラスベガスからロザンゼルスヘ何で行ったのか。そして、郵政省に対しましても、ヒューズ社におりまして映像を借りて見ていましたということを言って、また消したのです。ヒューズ社の幹部と会っていたのではないか、会う計画ではなかったか。また、言うならばMICOの出資会社にもなっておる。MICOは三十五、六社で出資して七十数億で設立しましたけれども、その中の株主になっている日本の商社、名前は申しませんけれども、その商社とヒューズ社と会長が何か密談をしたいという、話をしたいという計画があったのではないか。そしてそれは、マスコミでも報道されておりますけれども、前会長の住所が川崎の奥さんのいるところでなくて、あるいは一カ月三十万とか言われておりますけれども渋谷のNHKセンターの近くのマンションでなくて、同じ目黒区の駒場の近くに問題の女性のお母さんの住んでいる家がある、名前は申しませんけれども、そこに会社が設立されておる。その会社の住所へ、その女性のところへ住所を移した。住所を移したということは、その女性のお母さんのいるところ、実家の一階の一部と二階を借りて事務所にしておる。岡田とかというのがやっておっておれは知らないと記者会見の中で前会長は言っておりますけれども、そうすると、そこへ移したというのは住民票がどうだこうだということでなくて、その問題の女性の実家が問題でなくて、その会社のところに自分が、住所と番地が同じ会社へ移さなければならなかったのではないか、前会長は。金にかかわる問題もいろいろあると思います。だから、そこへどうしても住所を移さなければならない。そうでなければ、渋谷の放送センターの近くの、あの渋谷の公園の近くがマンションですから、そこに住んでいるのですから、そこへ住所を移せばいつでもだれでも、NHKの放送センターの人に住民票をとってきてくれなんてことはいつでもできる、飛んでいってもすぐできるのです。ですから、島会長がつくった会社、名義は人のものにしておりますけれども、その会社のところへ自分が住所を移しておいて、ロスヘ渡って、そして、そのときにヒューズ社とそれから日本の商社との間で、言うならばソフト関係にかかわる問題を含めながら商談をする、あるいは金にまつわる問題点について話し合いをする、こういうことを目的でロスヘ飛んだのではないですか。そしてその帰りにはどうしてもロスからカンヌヘ飛んでいかなければならない。もともとから、どうしても打ち上げのためにはロスヘ行って、そして情報収集と指揮をとるんだということで、ホテルニューオータニをとったんじゃないと思うのですけれども、その辺が彼は言えない。私に対しましても、原田委員に対しましても、うそからうその上塗りでずっと言ってきたことじゃないですか。女性の問題はまたこれは別だと思います。プライベートの問題は処理できませんけれども、本院で私は今そのことを言っているのじゃない。そこが問題だと言っているのじゃない。これも大きな、NHK公共放送の会長としては、疑惑を持たれるようなことは問題であるし、しかも、金が、先ほど聞いたようにその女性の旅費がどうなっているかわからない、それもまた問題ですけれども、前会長、彼が隠し通そう、うそからうそを言ったのは、そこにもとがあったのじゃないかと私は思うのですけれども、この点について山下秘書その他から十分お聞きになってきょうの委員会にNHKの参考人の皆さん方はお臨みになっておりますから、その辺をはっきり解明をしていただきたいと思います。
○小山参考人 事実関係につきましては、先ほど申し上げましたように、山下そのほか大勢の随行者等から聞いておりますのではどういうことでということにつきましては、私は島前会長からはお話は伺っておりません。なぜならば、国権の最高機関であるところの国会において誤った答弁をしたということから、何しろおれは謝るだけだということでございまして、なぜ、どういうふうにということについては、最後までお話を伺えなかったということでございます。 事実関係は先ほど申し上げたとおりでございます。
○上田(利)委員 そんなことでは、私が受信者を代表して質問していて絶対納得できません。というのは、冒頭に申しましたでしょう。私が、島会長、あなたは衛星などというのは上がろうが上がるまいがそんな関心はなかったんだ、こう言ったら、とんでもないことです、もう時間がないから繰り返しませんけれども、私はそのための外遊の一つとして行ったんです、こう言っていながら、今のラスベガスからロスに飛んだ。しかも二時半、場合によってはその商談をしてもっと早い便でそのままロスからカンヌヘ行こうとしたんじゃないかということが私は頭にあるんです。だけれども、それはまずい。山下秘書以下がみんなそんなことを言って――その証拠には、彼の頭にないのは、この議事録の中にありますけれども、一天にわかに曇りじゃございませんが、先ほど細かく七〇%、九五%と申しました。そのときに、三時になりましたからこれならいいだろう。三時というのはフロリダにおいては午後六時なんです。七時半に打ち上げたんです、薄暗くなるころ。私もあの打ち上げはテレビを見ていました。三時というのはロスの現地時間なんです。そうでしょう。だから、もうそのときに馬脚があらわれておりましたけれども、時間だけはうそも言えなかったんですね、体にしみついておったから。まさか三時間も時差があるとは島会長も知らなかった。 それで、問題は、申しましたような、自分が設立した会社、女性の家へ住所を移したというのは、その会社に住所を移したんだ。そこがはっきりしません、会長に聞いてもわかりません、存ぜぬでは、そこが事実を解明するか、真相がわかるかわからぬかのもとなんですから、島前会長を証人喚問することも必要ですから、これは考えなければなりません。もう一つは、山下、それから今申しました七人おりますね、この問題については、その女性も含めて全部ここへ参考人というか、招致を願って、一人ずつにお答えいただかなければわからないということなのか。究極はそうなるのです。だから、ここでわからないものは島前会長にもう一度会っでそのことを聞いていただくということと、もう一つは、山下以下に、それから大貫さんもまたロスに特派員としておるわけですから、あるいは通訳の人を含めてその事実を全部聞いて本院にまず報告を願いたい。本院に報告してください。会長秘書を一人ずつ呼んで事情聴取をして全部聞いてください、どういうことだと。大貫特派員も、一回旅費を出してやってこっちへ帰ってもらって……(「MICOから出して」と呼ぶ者あり)MICOから出すかどうかは別といたしまして。そうしてはっきりしていただかなければ、島前会長の喚問をしなければならないし、それらの関連の人たちも参考人として来ていただかなければ事実が解明できない、こういうことになるわけでございまして、この点御見解を賜りたいと思います。
○小山参考人 先ほど申し上げましたが、事実関係といたしましては、当初ラスベガスからロサンゼルスヘ行く、二十三日までに変更したことによりましてロサンゼルスに向かったわけでございまして、当初はラスベガスからオーランドヘ行きまして、オーランドからニューヨーク、ニューヨークからニースということでございましたが、オーランドの方へ参りますと四月二十四日の当院の委員会に間に合わないということで、当初の予定を変更いたしましてラスベガスからロサンゼルスに行ったわけでございます。また、ロサンゼルスでは短時間、二時間ほどの休憩で行くという予定だったのですが、重ねて申し上げますけれども、ラスベガスでは情報収集と指揮の十分な態勢がとれないということがわかりまして、急速ロサンゼルスで打ち上げに関する情報収集と指揮の態勢をとったということでございます。これにつきましては、既に山下その他の随行のクルー一人一人に聞いております。それで、当初から、そういうことでロサンゼルスに変更してからは日程変更についてはないということでございます。 したがいまして、先ほどからもう一度整理して申し上げますと、当初はラスベガス、オーランド、ニューヨークというのを、ラスベガス、ロサンゼルス、それからパリというようなことに変更したわけでございます。 以上が、それぞれからも聞いておることでございます。
○上田(利)委員 もうだめです。そんな答弁では納得いたしません。 私、繰り返してばかりで、NHKの皆さんに教えているようで本当にあれなんですけれども、要は、十八日は、前会長はお話しのようにケネディ・スペースセンターでBS3Hの打ち上げの指揮をとるということだったけれども、それが途中で変更になった。そしてラスベガスへ来まして三日かそこらおりましたね。ラスベガスで行く飛行機は当初もっと遅い飛行機で、ロスに一時に着くというようなことじゃなくて、もっと遅い、現地時間六時がそこらぐらいので行って、二十二時の飛行機でカンヌヘ飛んでいくということであった、そういう計画であった、ぐしぐし言っていたからよくわかりませんが、さっきちょっと話を聞いて解説すると。だけれども、それじゃまずい。言うならばフロリダでBS3Hを上げるそのときにロスの空港にいるなどということでは、さっきちょうどその二時間前ぐらいと言ったでしょう、そうすると、二十二時ですから八時、八時といいますと、現地時間では何時になるのですか、五時ですか、そういうことではまずいということで、急速早い便に変えて、十二時にラスベガスを立って一時にロスに着いて、二時半にはにわかづくりのところに入った。しかし、その間時間があるわけですから、さっき言った。ような商社と会長とそしてヒューズの幹部――ヒューズの幹部だって島さんは名前を挙げたのですよ、こういう人とも会っていましたということを言ったのだから、ヒユーズ社で見ていました、だれだということで挙げておるわけですから。ですから、そういう状況の中ですから、ここをはっきりしなければ何で前会長がうそを言い続けてきたがが明らかにならない、解明されない、こういうことです。もうあと時間がございませんので、さっき言ったように事実を明確にして、これは後日報告をしていただく。山下秘書以下から全部聞いていただいて、場合によっては島前会長を証人喚問しなければならない。何か重要な会談を、NHK会長という立場でないことをやろうとしておった、ここが私はポイントだと思うのです。
○小山参考人 いろいろクルーの連中に聞きましたところ、ヒューズとの連絡をするという予定は全くなかったし、そこでヒューズのメンバーと会ったこともないと言っております。また、実は先生が実名も聞いておるとおっしゃいました某氏、これが本当にいたのかと思いまして私確かめましたところ、当日当人はロサンゼルスにはおらなかったということも確認いたしております。
○上田(利)委員 事実関係は島さんに聞いたのではわからないと思うのです。私が調べた中ではヒューズ社の某幹部も島前会長が帰ってきた四月二十三日前後に我が国に来たという情報もキャッチをいたしておりますし、そして島会長がヒューズ社の人の名前を挙げましたけれども、今小山副会長は、その人に聞いたらそんなところに、ロスにおらなかったので、こういうことでございますけれども、しかし島前会長が自分の口から言ったことは間違いないのですよ。 ですから、全体的に見ますると、もう本当にうその塊でこの四月の二十四日の委員会は行われて、そしてそれが日程変更、変更と言いながらも、結果的には島前会長は、私が申しましたように衛星のことなんか頭にない、別のことが全部頭にあって、そして外遊したことは間違いないということは明らかであるのです。だから私は、誤解なとと言われたことについてはこれはとんでもないことだ、すべて島前会長が行ったのはただ場所が変わったとかその他じゃない、放送衛星、3Hについて、これに関心があったなどということじゃない、そのことは私が調査し、今やりとりしている中でも明らかになってきておりますが、いずれにしてもまた時間がなくなりまして、なぜうそを言い続けたのか、核心に触れられぬのです。そして、NHK側からもそれがわからないということで、まだはっきりしないままでここで私の質問を終わりますけれども、これから同僚議員が引き続いてやりますので、それを待ちながら対処していきたい。しかし、私としては、委員長に対しましては、証人喚偶の問題、それから秘書以下のいわゆる証言の調書の提出、こういうものを要求して、大臣にも御質問する予定でございましたけれども、全然大臣のところまでいかないうちに、まだ解明をされませんから、これで私の質問は終わらせていただきます。
○野中委員長 次に、原田義昭君。
○原田(義)委員 平成元年度NHK決算に関連して幾つかの質問をさせていただきたいと思います。 まず第一に、島前会長の虚偽の答弁に関連しますいろいろな流れがございました。最終的には辞任という形で責任をとられたわけであります。この問題の解明はいろいろ手間のかかる部分もございます。そしてまた、今上田委員からも指摘されましたように、ただやめて済むという問題でもないような気がいたします。お金の流れ、人事の問題とか、いろいろとこれから新会長のもとで決意を新たに事態を進めていただかなければいけないのですけれども、先ほどもありましたが、改めて川口会長の今後に対する決意、それを聞かしていただきたいと思います。
○川口参考人 真実を追求しなければいけないNHK、それから常に真実を語らなければいけないNHKというように私は思っております。したがって、今回のことは、その第一点に関しても既に非常にお恥ずかしいという気がいたします。 これからのNHKは率直に真実を話すべきだということを私は今痛感をしております。そして、経営は常に開かれたものでなければいけないと思います。自分たちが今何をしようとしているのか、それをできるだけ率直に受信者の皆さんにお話をする、そして受信者の皆さんからはどういうことをNHKにしてもらいたいのか、何がわからないのか、そういうことを絶えず聞いていただく、そういう受信者と向き合った姿勢というものをこれからぜひとっていきたいというふうに思っております。あわせて、経理の問題等について幾つかのことが言われておりますけれども、やはりNHKの生命は清潔さだと思います。その清潔さを保つべくこれからも鋭意努力をしてまいります。そういうことがすべてはっきりと受信者の前に示されてこそ初めてNHKが信頼されるものになるというふうに信じております。
○原田(義)委員 今大変な決意を会長からお述べになりましたけれども、郵政大臣に、監督官庁の立場からNHKのこれからの再出発をどういうふうに考えておられるか、大臣としてどう決意されておるか、その辺の考え方をお聞きしたいと思います。
○関谷国務大臣 先ほど上田議員のるる御質疑、そしてまた原田先生の先ほどの私に対します決意でございますが、公共放送、そして受信料ですべてが行われておるというこの基本的な考え方を十分に私たちも肝に銘じ、適時適切に指導をしていきたい。この事件の解明のための郵政省の対処の仕方が云々というような上田議員の先ほどの質問もございましたが、これは放送法等にのっとりまして指導をいたしております。 ですから、今回のことは、逆に言いますと非常に考えられないようなことでございまして、最終的に一番厳しいやり方生言えば厳しいやり方でございますが、文書での回答を求める、そこまで対処をしたわけでございます。 政治がNHKに対しまして介入し過ぎたのではいけないわけでございまして、そういうようなことはできないことになっておりますが、指導官庁でございますから、その範囲内におきましてはきちっと今後とも対処をしていきたいと決意をしております。
○原田(義)委員 私はNHKの番組をよく見ているのですけれども、特にこういう事案もあったものですから、八月の、特に終戦に絡む番組をずっと見ておりましたけれども、私は個人的な印象ですが、非常に立派な番組をつくっておられる、そんな感じをいつも持っておるのですが、今度の終戦に絡む幾つかの番組も本当に感激をして見たわけであります。 例えば、御前会議がどういうふうな実態だったかということを、克明に、恐らく報道とあわせて学問的な価値もあるのではないかと思うくらい立派な報道がなされました。高齢の関係者のこれだけは言っておかなければいかぬという歴史の証言を一つ一つ聞くにつれて、これは我らの先輩たちがどんなに苦労してこの戦争、そしてまたそれが終わるときに苦労してきたか、こういうことを一つ一つ報道していただいて、やはり、これはNHKの総合的な力以外ではなかなかできないものではないかなと思いました。 幾つかシリーズがあったのですけれども、例えばこういうものもございました。日本軍に従軍をしていた若い朝鮮人の兵士、当時は日本人だったのでしょうけれども、この人が、戦争が終わりまして南方の方の軍法会議で結局死刑を宣告されて、最終的にはそこで処刑されたのですね。この人が実に克明な日記というかメモを残しておられる。処刑の憲兵の足音を聞くそこのところまでメモを残しておりまして、最後に、自分は何の悔いもないんだ、こういうようなことを残してある。この番組をつくった者、そして私を含めて多くの多くの視聴者は、これを見ながら本当に涙なくして聞けない、見れない。日本の戦争に引っ張ってこられて、一生懸命日本の戦争のために努力した結果が、戦争が終わった後、現地であいつが悪いことした、みんなそう言う、そのことによって罪を問われて、最終的に断頭台の露と消えた、こういう番組でございました。 あわせて、当時の朝鮮人の同僚の兵士たち、生き残りが今になって、なぜ日本人の軍隊はいろいろな形で補償されているのに我々については何の補償もないんだ、それについて外務省に聞きに行ったら、いやこれは日韓交渉で全部処理はついているからというようなそういうところも報道されました。 私は、この番組、ほかの番組も含めて非常に真摯な制作態度、そして実に深い問題意識を持ってこういうものをつくられるということについては、過去の経営方針、それも含めてたくさん評価をしなければならないものがあると思っております。 特に、川口会長が就任のときにインタビューされた話の中に、自分はこれからNHKを引っ張っていく上において五つの「シン」という言葉を踏まえてやっていくんだ。第一の「シン」というのは真実を追求する、今川口会長御答弁されましたけれども、真実を追求するんだ。二つ目の「シン」というのは深いという字。物事を深く追求していくんだ。三つ目が新しいという字。気高い理想を持って常に新しいものに挑戦をしていく。そして四つ目が、今ひょっとして失われているかもしれない信頼という「シン」である。番組を通じて、また放送を通じて信頼をから得ていく、そういう姿勢でやっていきたい。そして最後、五番目に、私はこれがあるいは最も重要な気もするのですけれども、心という「シン」、愛情を持って物事を温かく見詰めていきたい。こういう就任の言葉を言われたというふうに聞きましたけれども、この番組を見ながら、また一つ一つの真摯な制作態度を見ながら、私は、新生ニューNHKは決して心配要らない、必ずや立派なものになってくれるのではないかな、そんな気持ちを持っておりますし、また、持ちたいと思っております。そういう意味で、恐らく会長、副会長以下の皆さんは針のむしろにおられる心境だと思いますけれども、こういう困難を一つ一つ乗り越えて、本当の意味の国民の信頼というものを、また、公共放送の代表者としての仕事をやっていただきたい、こういうふうに思います。 テーマは変わりますけれども、八月の二十五日に、懸案となっておりました衛星放送ロケット打ち上げが成功いたしました。この衛星放送については過去にいろいろ困難もあったわけです。当初はこの衛星を八月十六日といったのですけれども、二度ほど延長されました。一度は故障によるのでしょうか、二番目は台風の影響ということで、いずれにしても、私も国民の一人として、また逓信委員会のメンバーとしてもう本当に気が気じゃなかったのですけれども、日曜日の夕方にわざわざ地元の事務所まで御報告いただきまして、本当にうれしく、また安心をしました。これはひとしく国民が望んでおった。これでまた周辺の地域の方も含めて各放送が安心して見られる、こういうことだろうと思いますが、打ち上がって二週間ぐらいになるのでしょうか、今どんなふうな状況か、さらには、本当の稼働をするというのはどんなスケジュールになっているのか、お聞きしたいと思います。
○中村(好)参考人 BS3bは、今先生のお話のとおり大変順調に上がりまして、今静止軌道に乗りまして、百十度に向かって移動をしておるというようにNASDA、宇宙開発事業団の方から御連絡を受けております。大体九月の十日ごろ百十度に静止する予定だというように伺っております。 そうした後は、いろいろな衛星を起動するための信号、コマンドと言っておりますが、コマンド系とか、あるいは衛星の状態を知る信号、テレメトリーと言っておりますが、こういうようなもののチェックでありますとか、あるいは中継器にも火を入れて、これが六本正常に作動するかどうかというようなことも総合的にチェックをされますので、今の予定では十月下旬に総合的にいろいろなチェックが終わるだろうというように連絡を受けておるところでございます。
○原田(義)委員 最近、ハイビジョンという言葉がいろいろなところで聞かれるのですけれども、このハイビジョンということの易しい概念を一度御説明いただきたいと思います。どなたでも結構です。
○中村(好)参考人 テレビジョンは、一枚の絵を線で切って電波に乗せて送って、もう一度ブラウン管の上でかいてそれを一見連続した絵に見せるというのがテクニックでございますが、現在のテレビは、この線の数が五百二十五本でございます。それから、画面の縦と横の比が三対四になっております。それでハイビジョンの場合には、この走査線の数を約二倍の千百二十五本にいたしまして、それから、画面の縦横比を十六対九ということにいたしまして、一層臨場感が出て、なおかつ高精細度な信号を送るというところが特徴がと思います。
○原田(義)委員 ハイビジョンになれば、ますます私どものそういうテレビを見る美しさとか正確さとかそういうものが実現するようですけれども、これにはどうしても放送衛星が普及する、衛星が確実に飛ぶということが必要のようです。成功した放送衛星を使ってハイビジョンの試験放送を行うということを計画されていると聞きますけれども、BS3bのハイビジョン専用チャンネルによる試験放送についてはどうなっているか、お聞きしたいと思います。
○小野沢政府委員 お答え申し上げます。 八月二十五日にBS3bの打ち上げが成功したわけでございますが、国民の皆様方全部からおめでとうと言われている感じでございまして、私の人生でこれほど一つの案件が大勢の方から祝福された経験初めてでございますが、特にこのハイビジョンにつきましては、このハイビジョンの命運を握っておりますのがBS3bということで、こういったものあるいはほかのチャンネルも含めて衛星放送の将来に明るい展望が得られたというふうに喜んでおります。 ところで、これを機といたしまして、放送事業者、メーカー等のハイビジョン関係者の間でハイビジョン試験放送開始への期待が今一日、一日と高まっているというふうに認識しております。 BS3bにおきましては、産業投資特別会計からの出資、これは、昭和六十三年度から平成三年度までに総額七十五億円を予定しておるわけでございますが、これによりまして通信・放送衛星機構は三本の中継器のうち一本を保有し、ハイビジョン衛星放送を行う者に利用させる、こういう仕組みになっておるわけでございます。 そこで、ハイビジョン放送の実施に関心を持ちます放送事業者、ソフトプロダクション等がBS3bの中継器を利用しましたハイビジョン試験放送に幅広く参加できる構想、実施主体の構想につきまして現在具体化を進めておりまして、郵政省といたしましては、これを中心にハイビジョンの普及促進を図ってまいりたいというふうに考えております。 ハイビジョン試験放送の開始は、ハイビジョンの普及発達の上で大きなインパクトを与えるというふうに考えておりまして、具体的には、こういったことを契機にしていろいろな施策を講じることが大事でございますので、本年の「ハイビジョンウイーク」の大きな柱の一つにしたいと考えておりまして、「ハイビジョンの日」であります十一月の二十五日から一日八時間程度のハイビジョン試験放送を開始することを目標にいたしまして、今、関係者の方と協議を重ねつつ所要の準備を進めているところでございます。 ハイビジョン放送につきましては、今後、このハイビジョン試験放送による受信機の普及状況とか番組ソフトの供給状況、そういったことを踏まえながらその実用化に拍車をかけてまいりたい、こういうように考えております。
○原田(義)委員 おかげでBS3はうまく飛び上がったわけですけれども、その後継機といいますか、ずっとこの流れは続くわけで、発展するわけです。後に続く機種等については八チャンネルの放送を予定しているというふうにも聞いておるのですが、その利用形態、いずれにしても少し先の話でありますけれども、当然準備もしなければいけないわけでありますが、現在のところどのように考えて、また、今後どのように検討していくものか、郵政省からお答えいただければと思います。
○小野沢政府委員 私が現時点でお答えできる限りのことを御答弁させていただきます。 我が国の衛星放送は、先ほど申し上げましたBB3bの打ち上げによってこれから明るい展望が得られるというように考えております。昨年の八月二十八日打ち上げられましたBS3aとそれからこのたびのBS3bにより実施することになっているわけでございますが、両方の衛星の設計寿命は七年であり、したがいまして、平成八年ごろには後継機の打ち上げが必要となるというふうに判断いたしております。 そこで、BS3後継機の段階における衛星放送につきましては、本年七月十九日、電波監理審議会の答申を得まして、同日付で放送法第二条の二に基づく放送普及基本計画を変更いたしまして、放送を国民に最大限に普及させるための指針として、「平成九年を目途に、国際電気通信条約附属無線通信規則第十五条の規定に基づき我が国に割り当てられた放送衛星業務用の周波数のすべてを使用した放送を開始する」旨定めたところでございます。ここで申します「我が国に割り当てられた放送衛星業務用の周波数のすべて」と申しますのは、東経百十度の位置における十二ギガヘルツ帯の八チャンネル分の周波数をいうものでございます。 そこで、BS3後継機の利用のあり方についてでございますが、一つは、公共放送及び民間放送に対する国民の需要動向、それから二つ目が、我が国初の民間衛星放送事業の成否、成功するかどうかということでございますが、成否、それから有料放送方式の成否、三つ目が、ディジタル伝送技術及び帯域圧縮技術の発展動向、四つ目が、ハイビジョン放送の普及の動向等、こういったことを十分に把握し、それらの問題点について十分検討を行った上で決定する必要があるというふうに考えております。 郵政省では、これらの諸条件について見きわめをつけることができる時期として、平成五年ごろを想定しておりますが、その段階で、それまでの検討の成果を踏まえてBS3後継機の利用のあり方を決定し、放送法に基づいて放送普及基本計画を定めたい、こういうふうに考えております。
○原田(義)委員 次に、NHKにお聞きしたいと思いますが、平成元年度業務報告書、これを見ますと、一万五千人体制が予定より一年早く達成された、こういうふうな報告がなされております。国民が負担する受信料を財源とするNHKですから、常に合理化、効率化に努めてもらわなければいけないわけですけれども、その後の合理化、効率化の状況、それと今後の計画についてお聞かせいただきたいと思います。 またその中で、最近業務委託といいますか、経営の合理化、効率化の観点から、仕事の一部を民間というか下請に出す、こういう方法もいろいろ考えられておるようです。これは、それが必要な部分と、しかし公共放送であるNHKとしてはなかなか外に出せない部分、こういう部分があるようですけれども、その辺の兼ね合い、この辺もお話しいただきたいと思います。
○安藤参考人 お答えいたします。 NHKは五十九年度から七カ年計画で千五百人要員削減をするという一万五千人体制の計画を打ち出しまして、毎年経営効率化の努力を進めてまいりまして、その努力の結果、先生御指摘のとおり、一年早く平成元年度に一万五千人体制を達成をいたしました。 効率的業務運営、事業運営というのは、協会にとっては先生お話しのように不断の経営課題だというふうに認識をしております。その観点から、平成二年度以降これまで以上の業務体制の刷新とか、あるいは関連団体あるいは外部パワーの活用というものを推進いたしまして、よりコンパクトな体制で実施をしてまいりたいというふうに考えております。 このことによりまして、過去五年間で千四百四十四人の要員削減をいたしまして、およそ百八十億円の経費節減を行ったわけでありますけれども、それ以上の効果を上げる、今後五年間で二百億円以上の節減を図ってまいりたいという決意で今実施ピしているところでございます。具体的な要員数につきましては、平成二年度では純減二百八十人の目標に対しまして三百十一人の削減を実施いたしました。現在平成三年度の計画では、純減三百人を目標に掲げまして、計画を実施中のところでございます。
○原田(義)委員 時間が参りましたので、私はこの質問におきまして、公共放送としてのNHKに対する国民の期待には極めて大きなものがあるということ、そして、会長は就任の際に、頼みになる放送、ためになる放送、楽しめる放送、三つの「タ」ということを引用しても御説明されました。技術革新の激しい時代でもありまして、また衛星放送その他新しいメディアがどんどん出てくる、また国際化へも対応しなければいけない、与えられた課題というのは極めて大きいと私は思っております。 さらに、何といっても受信料を財源にしているということ、これは常に頭に置いてこういう事業を展開し、また常にみずからを戒めていかなければいけない、そんな気持ちがいたします。どうぞ、今回の新しい体制の出発に当たって、真のNHK、また国民に本当に信頼されるNHKが実現されんことを強く希望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○野中委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○野中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。前田武志君。
○前田(武)委員 NHK前会長、島会長の問題に関連いたしまして、NHKの元幹部職員の岡田さんという方が文芸春秋の九月特別号に記事を載せておられます。その中で、ちょっと読ませていただきますと、「島会長がどこにいたかという些細な問題(国民はなんら不利益を被ることはない)でのミス答弁がこ云々と、これは原文を読ませていただいたわけですが、こういったことを書いておられるわけであります。しかも、この島会長が虚偽発言をされて辞任されるに至った、その経緯のNHKの人事争い、あるいはそれに自民党の一派閥が介入した、あるいはそれが自民党の派閥抗争等の中でこういう結果になったというような、まことに不謹慎きわまる、スキャンダラスな、低次元の書き方をしているわけでございます。私といたしましては、こういった記事を一々取り上げるつもりはないのでございますが、今回のこの問題に関して週刊誌等いろんなところで非常に興味本位のスキャンダラスな記事が出ました。私もそういうのを見ながら、こういった記事によって国民のNHKに対するイメージ、印象、そういうものを悪化させていることに心を悩ませておった一人でございますが、今回のこういう記事もまさしくそれと似たようなレベルでの取り上げ方でございます。しかも、読んでおりますと、この方が四十年近く島前会長とじっこんの間柄であり、そして、載った雑誌が文芸春秋という我が国を代表するような月刊誌であるだけに、こういった全く唖然とするような記事を書かれて、いわば当委員会が、国民の代表である、国権の最高機関。である我が国会が軽視され、侮辱を受けているようにすら感ずるわけで、当委員会の委員の一人としてこういった発言を看過するわけにいかないということで、これを取り上げさせていただくわけでございますが、これに関してNHKの会長はどういうふうにお考えであるか、ひとつお聞きをいたします。
○川口参考人 ただいまの記事は私も読みました。岡田氏というのはNHKに長くいた人でありまして、そういう意味では私もよく知っている人でありますけれども、あそこに書かれております記事は非常に一方的といいますか、岡田氏個人の考えをもとにした論調であったと思います。したがって、大方の納得するような形ではなかったんじゃないかというふうに思いますけれども、私どもとしては、あのような形で一方的に記事が出たことに対しては非常に残念に思っております。 それから、いわゆる政界の介入があったかというようなことにつきましては、私は、これは全くなかったと信じておりますし、私の就任に際しましても、いささかもその点については誤解されることはなかったというふうに確信しております。
○前田(武)委員 当委員会の同僚議員の先ほどからの質疑等を通じまして、本問題に関係してNHKのいろいろな問題、例えばこの問題の事実関係であるとか、あるいは経理上‘の問題でおるとか、組織上の問題であるとか、経営責任であるとか、そういったことが明らかにされつつあるわけでございまして、今の会長の御答弁も含めて、これからぜひNHK、ひとつ一致団結して、これを契機として、こういった国民のNHKに対する信頼の低下の回復に努めるとともに、こういう問題に影響されてせっかくのNHKの持っている大きな可能性、力、そしてそれに対する国民の期待といったものに対して、シュリンクをせずに、積極的に取り組んでいただきたいと要望をしておく次第であります。 それでは平成元年度の決算の方に移るわけでありますが、平成元年というのは、思い起こせば衛星元年と位置づけてもいいのではないかなというふうに思う次第です。この年に衛星放送の受信料が決められて、そして今、たしか二百七十九万件ですか、衛星受信料が払われているというふうに聞いております。そして、先般来我々が期待しておったBS3bもどうやら成功裏に打ち上げられたようでございまして、そういう意味において、今後の衛星放送のあり方、そして将来に対する展望、これについて郵政省の見方をお聞きしたい。
○小野沢政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生の御表現がありました衛星元年という実感を私も受けとめてございます。先ほどのBS3bの打ち上げが成功しました。それを契機といたしまして、今御指摘のような普及状況がますます加速され、これから衛星放送が基幹的放送メディアとして二十一世紀に向けて大きく羽ばたいていくだろうというふうに期待いたしております。 放送衛星を利用する放送体制につきましては、現在BS3aを使用してのNHKによる二チャンネルのテレビジョン放送のほかに、初めての民間衛星放送事業者である日本衛星放送株式会社、JSBによる一チャンネルのテレビジョン放送、それから衛星デジタル音楽放送、SDABによる一チャンネルのPCM音声放送を実施することになっているわけでございます。 また、BS3bは、現在運用中のBS3aの予備機として、衛星放送の継続的、安定的な実施を確保するという役割を持つわけですが、搭載中継器の一系統を利用いたしましてハイビジョン試験放送を行うことによりまして、ハイビジョンの振興にこれから大きな役割を果たせるものというふうに考えています。 さらに、BS3の設計寿今から、平成八年ごろには後継機の打ち上げが必要となり、その検討を開始しているわけでございますけれども、そのBS3後継機の段階における衛星放送につきましては、本年七月十九日の電波監理審議会の答申を得まして、放送普及基本計画を変更いたしまして、「平成九年を目途に、国際電気通信条約附属無線通信規則第十五条の規定に基づき我が国に割り当てられた放送衛星業務用の周波数のすべて」つまり八チャンネル前後を「使用した放送を開始する」旨定めたところでございます。 来年度からは、新しい制度として導入されました通信衛星CSを利用する超短波放送、PCM音声放送十八番組、テレビジョン放送六番組の放送サービスが開始される予定でありまして、多様な専門的情報が供給されることが期待されるわけでございます。 このように多メディア化、多チャンネル化は時代の趨勢として一層進展するというふうに受けとめておりまして、郵政省といたしましては、高度化、多様化する国民の情報ニーズにこたえるため、さまざまな放送メディアのそれぞれのメディア特性を生かすとともに、地上放送と衛星放送、公共放送と民間放送の調和ある発展にも配意しながら、広く関係各方面の御意見も踏まえながら、衛星放送の普及、発展どこれによる国民生活の一層の充実を図る衛星放送政策の基本方針の確立のため努力したいというふうに考えています。 放送行政局長に着任いたしまして、私の大事な任務の柱がこの衛星放送政策の策定、実施であるというふうにわきまえております。
○前田(武)委員 懇切丁寧に、次の質問に対する答えもいただいたようでございます。 ちょっと衛星放送に関連して、NHKの決算関係資料というのを見ておりますと、四十二、三ページあたりなんですがBS2bの一部が不良であるとかBS2Xの打ち上げ失敗、そしてまたことしに入ってBS3Hの打ち上げに至る間、いろいろ衛星関係についてロケットの失敗あり、そして衛星そのものの機能不良といったようなことが随分と載っておるわけでございます。 私はここでひとつ御質問したいことがあるわけでございますが、恐らくロケットというのは、これはアメリカ中心に欧米の技術が先進であって、それを日本が導入して独自の技術開発をやっておるわけでございます。このロケットの開発等については、基本的には技術体系に対する一つのフィロンフィーというか基本的な考え方があると思うのですね。例えばスペースシャトルのように人を乗せて打ち上げるというようなものであれば、これはコストベネフィットという経済行為であるよりも、国の威信をかけて一〇〇%成功させるというような人材、予算、あらゆるものをつぎ込んでの技術体系であろうかと思います。一方、こういう衛星を載せる、あるいは気象探査の機具を載せる、そういった機能、目的に応じての無人ロケットというものであれば、これは多分打ち上げめ確率に対して、投入するコスト、人材も含めて金目に直して、そういう期待値みたいなものが最大になるような技術体系でやっているはずでございます。その辺のところが明確でないと、こうやって打ち上げるたびに、何か一〇〇%成功しなければというような期待のもとに、うまくいかなかった場合に対応がどうかというような話になるわけですが、本来こういうものはそういった技術体系に対する基本的な認識のもとに、もしも確率論的にうまくいかない場合には、しからばどういうような対応をするのか、保険を掛けてしのげる場合もあるでしょうし、また別のこともある。しかもこの衛星そのものは、ロケットの打ち上がる確率と衛星そのものがうまく機能する確率の掛け算になっているわけでございますから、その辺のところを含めまして、いわばロケットに対するそういった我が国の技術的な基本的な考え方、そしてそういった技術体系に乗っかった上での衛星の運用等に対する行政としての対応もしくは考え方、その辺のところを御説明願いたい。
○興説明員 お答えをいたします。 先生より御指摘のありましたとおり、宇宙開発に当たりましては、限られた予算の中で投下資金と得られます効果を考慮しまして、一歩でも完全に近づくように最大限の努力を払っているところであります。 具体的には、HIロケットについて申しますと、当ロケットは約十二万個の部品より構成されておりますが、品質管理の徹底など個々の部品の信頼度を上げるべく努力し、HIロケット全体といたしましてその信頼度は〇・九六という非常に高い数字になってございます。また、現在開発中のHⅡロケットにつきましても、HIロケットとほぼ同数規模の部品を使用することとしてございますが、さらに一層の製造工程の管理、品質管理等を実施し、HIロケット、HIロケット全体としての信頼度を〇・九六以上の目標を達成するよう努めているところでございます。さらに、衛星について申しますと、現在の放送衛星ゆり三号は、それらが有しております燃料などから七年という寿命を設定しておりますが、過酷な環境条件の宇宙空間で機能する衛星バスと中継器、さらにそのアンテナ、これらの信頼度を考えますと、七年後の残存確率、つまり衛星としまして三チャンネルの放送が七年目にもできる確率は、信頼度としてみますと〇・七二でありまして、これをカバーするために予備の衛星による補完体制がとられることとなっているわけでございます。 なお、ロケットあるいは衛星全体としての信頼度と申しますのは、それぞれのミッションが達成できるという意味で、それぞれを構成しております個々の部品のランダムな故障率を積み上げまして全体としての故障の確率を算定いたしたものでございます。信頼度をどのように評価するかは、開発当事者あるいは利用の当事者の方々がそのミッションの達成度をどのようにとるかによって決められるべきものと考えでございます。 このようにロケット、衛星ともに信頼性を上げるべく最大限の努力を払っているところでありますが、信頼度がそれぞれそのような数字として存在しておりますので、実利用に供します衛星につきましては、前述のとおり予備機を用いるとか、さらに保険を付保するなどいたしまして、ミッションが達成できるよう十分の措置を講ずることとしているところでございます。
○前田(武)委員 わかりました。 BS3bの後にはまた八チャンネルの衛星放送が予定されているわけですし、また通信衛星を利用しての放送というものも、ヨーロッパ等においては既にもうこれは常態になっているわけなんですけれども、そういうこともまた出てくるでしょう。そしてまた都市型のCATVというのもどんどん進みつつある。そういうものの組み合わせの中で多メディア、多チャンネルということになってこようかと思うわけです。先ほど小野沢局長のお答えの中でもこの辺のことに触れられておったわけでございますが、我々国民から見ると、本当にもう手前まで来ているこの多メディア、多チャンネルというのが我々にとってどういうようなものになるのかというのが、どうもイメージがなかなかわかない。この辺のことについて再度政府の方からわかりやすい御説明をお伺いしたいと思います。
○小野沢政府委員 お答え申し上げます。 放送行政責任者の私自身がしっかりとイメージを描かなくてはいけないということで勉強していることでございますが、我が国の放送は、これまでハード的には地上系の無線放送形態を、それからソフト的には総合放送形態を中心に発達してきたわけでありますけれども、ただいま御指摘のありましたように、今日では衛星放送、都市型CATVとかハイビジョン等の放送のニューメディアが実用化され、あるいは実用化されつつあるということで、ソフト面においても高画質で高音質な専門放送の出現も予想されるというような状況で、多メディア、多チャンネル型の新たな発展段階を迎えているということが言われているのだろうというふうに考えております。 そういう中で各メディア間の競争も著しくなる、いろいろな御意見も出てくる状況になっているわけですが、そうしたさまざまな放送メディアを全国的サービスそれから地域的なサービス、総合放送、専門放送、高画質化、高音質化といった面でそれぞれよくその特性等も分析いたしまして、相互関係を整理して考えまして、それぞれのメディアの特性を生かしながら国民生活に真に必要なものをそれぞれニーズに応じて定着させていくということが重要な政策課題の理念だろうというふうに考えているわけでございます。 それから、最近気がついていることでございますが、そうしたハードの発達に即応すべき放送ソフトの面が立ちおくれているという認識を持っておりまして、恐らくこれが日本にとって大きな問題になってこようかと思いますので、この点に力を入れたいということで、放送ソフトの制作に携わる人材の確保難、スタジオ等の放送ソフト制作施設不足等の問題も既に発生しておりまして、多メディア、多チャンネル時代を支えて国民のニーズにこたえる良質のすぐれた放送ソフトの充実が喫緊の政策課題であるというふうに認識いたしております。 そこで、先ほども申し上げました点を踏まえまして、これから私どもが放送行政として心すべきことは、各種別の放送系を横断的にとらえた総合的な政策を企画、立案、推進することによって、それぞれのメディア特性に応じた放送の発達、普及を図るとともに、多様化、高度化する情報ニーズに対応できる放送ソフトの制作、流通基盤の整備を早急に推進していく必要があるという判断に立ちまして、平成四年度の予算要求におきまして、それらを重要施策の柱として掲げました。 具体的に申し上げますと、例えば放送ソフト充実のための基盤整備、それから放送行政の新展開のための組織体制の確立というようなことでこれから真剣に対処してまいりますので、よろしく御指導をお願いいたします。
○前田(武)委員 放送の与えるインパクトというのは、最近我々痛切に感じているわけでございます。御承知のように、湾岸戦争のときのあの放映、また、近くはまさしくソ連のクーデター政変劇、ああいったものも本当にリアルタイムでどんどん飛び込んでくる。また逆に、そういったメディアが世界的に共通に共有されて、そこでまた世界の人々の気持ちというものも反応が出る。そういう中で世界の平和というものがある意味ではいい方向に守られていく、増進していく、そういった非常にこのメディアの重要さというものが認識されてくるわけでございますが、特にこうやって御説明の多メディア、多チャンネル時代になりますと、ますます多様な情報が提供されるわけでございます。 一方、我が国は、世界の中でこれだけ大きな存在あるいは大きな責任を持つ国になりながら、余り顔が見えないだとか発言をしないだとかいうようなことで、世界においてもどうしてもヨーロッパ文明支配型の今までの世界であったわけでございますから、そういう中でのこの東洋の一国日本の文化、実態についてなかなか理解が進んでいない。それだけに、諸外国に対する日本の理解を深めさせる意味におきましても、そしてまた、あるいは在留邦人というのが非常に多くなってきているわけですから、そういった方々に対する情報提供も含めまして、政府としてはこの国際放送に対して非常に力を入れ始めているというふうに我々も認識しております。現状と今後の方針についてお伺いをいたします。
○関谷国務大臣 放送行政局長が報告しますと長くなりますので、私がかわりまして、簡単に現状を御報告させていただきたいと思います。 御承知のように、今回の湾岸紛争などにおきましても、いかに国際放送が重要であるかということは強く私たちも体験したことであり、かつまた国際社会ということが進んでおるわけでございまして、日本人で海外でいろいろ仕事をなさっていらっしゃる方も大勢いらっしゃるわけでございまして、そういう方々に、「海外同胞に適切な慰安を与えるようにしなければならない。」というのが第四十四条第四項に載っておるわけでございまして、そういうようなことをなお強力なものにしていきたいということで進めております。 確かに先生御指摘のように、まだ諸外国に比べますと日本の国際放送は、放送時間であるとか、あるいは使用いたしております言葉の数であるとか、あるいはまた送信体制などにおいておくれておることは事実でございます。そういうような中で、平成四年度におきます放送行政関係の重要施策の予算といたしまして、新たに中継局を確保したいということで、今ソ連とイギリスから中継局を貸与したいという申し出が出てきておるものでございまして、との二カ所を鋭意進めておったわけでございますが、御承知のように、ソ連の国内情勢が今こういうような状態でございますから、ソ連の方はちょっと様子を見ておるというところが現状でございます。 いずれにいたしましても、国際放送というその目的に向かいまして強力に進めていきたい、そのように思っております。
○前田(武)委員 ただいま大臣から的確なお答えをいただいたわけですが、短波放送等のお話であったかと思います。 実はこの間、逓信委員会で欧州を視察いたしましたときに、たしかロンドンだったと思いますが、日本のテレビを見ることができました。聞くところによると、ヨーロッパ、アメリカでNHKは放送を始めている、こういうふうに伺っておるわけなんですが、現在の状況、そして今後の展開といいますか、その辺のところについてNHKの方針をお聞きいたします。
○中村(和)参考人 お答えいたします。 現在、日本語でNHKの番組が見られるところはアメリカとヨーロッパでございますが、それぞれNHKの「モーニングワイド」、「昼のニュース」、「十九時ニュース」、「連続テレビ小説」、「大河ドラマ」、「お母さんと一緒」、「大相撲」なども提供をいたしております。実際に放送をやっているのはMICOの子会社でございます。現地法人でございます。 アメリカでは現在千五百世帯、ヨーロッパでは三千世帯ということでありますが、アメリカでことしじゅうに三千五百世帯ぐらいまで伸ばしたいということでございます。
○前田(武)委員 今のは国際的な理解についての取り組みについてであったわけなんですが、一方で、放送の本来持っているあまねく国民にということで、実は私の選挙区奈良県におきましても、吉野の山岳部等においてはまだ難視聴のところがあります。同じように、聞くところによると離島関係、特に沖縄においては、先島なんかを中心に十万近い人たちがまだ民放が受けられないとかいう話も聞いておるわけでございまして、この辺に関して郵政省の取り組みはどういうふうになっているか、お伺いをいたします。
○小野沢政府委員 お答えいたします。 私ども、放送行政の重要施策の最大の柱の一つとして従来から難視聴対策を掲げているわけでございますが、来年度予算要求に当たりましてそれをさらに拡充いたしたいというふうに考えております。 まず、平成三年度に公共投資予算生活関連重点枠によりましてお力添えをいただいて創設いたしました電気通信格差是正事業の一つである民放テレビ放送難視聴解消事業の継続、拡充、それから、ただいまお話のありました沖縄県の先島地区の民間テレビジョン放送難視聴解消のための海底ケーブル等の設置に対する助成及び民放中波ラジオの受信障害解消事業に対する助成措置の新設、こういうことで来年度予算要求において難視聴対策をここで改めてアピールしたい、こういうふうに考えております。 そこで、その中で、今お話のありました沖縄関係について、私どもの予算要求の内容について御紹介させていただきます。 同先島地区の民間テレビジョン放送の難視聴解消につきましては、地元から強い要望が各方面に提出されておりまして、また、郵政省としても重要な課題の一つとして認識しているところでございます。そこで、その難視聴を根本的に解消するために、沖縄本島と宮古島との間にテレビ番組伝送用の海底ケーブルをNTTと共同設置するとともに、先島地区にテレビジョン放送中継局七局を設置することが必要ですので、そのために必要な経費を要求しているということでございまして、これは大きな施策ですが、こうした例のようにこれから大いに力を入れて臨みたいというように考えています。
○前田(武)委員 ちょっと時間がなくなりましたので、はしょりますが、先ほど来、国際放送等についても非常に積極的なお取り組みをいただくと聞いておるわけでございます。特に今いろんな日米摩擦があり、あるいは欧州と日本との間にいたしましても、結局はカルチャーギャップといいますか、なかなか欧米先進国から見ると日本、東洋の文化、そういったものが理解できないというところに問題があり、また、こちらから積極的な発言もしないというところに問題があるわけでございます。 最後に、NHKの会長にお伺いしたいわけでございますが、NHKの持っている役割というのは、単にそういういろいろ報道する以上に日本の持っている文化そして現代文化、そういったものを鮮明に全体像を描き出し、それをどんどん発信していただく、そういう機能が非常に大きいと思います。番組のマンネリ化ということではなしに、大胆に新たな文化を表現していく、そして世界に伝えていく、アジアも含めてそういったものを発信していくということが重要かと思いますので、その辺を含めて最後に会長の見解をお伺いいたします。
○川口参考人 NHKが持っております生命というものは、一つは情報の正確な伝達、それからその情報のよって来るところの探求といいますか、それからその情報の行く末ですね、どのようになるかということ、もう一つが文化の創造ということ、この二つの大きな柱でNHKの放送は支えられなければいけないというふうに思っております。したがいまして、今後文化の創造という面で私は格段の努力をいたしたいと思っております。 文化といいますと、広い意味で歴史とか美術とかあるいは芸術とか、そういうものを全部指すわけでございますけれども、それは日本の現在のものだけではなくて、過去のものから未来のものまですべてひっくるめて日本の文化を世界に伝達する、そういう役目をNHKは持っているというふうに確信しております。
○前田(武)委員 終わります。
○野中委員長 次に、武部文君。
○武部(文)委員 最初に、午前中の上田利正議員の質問に当たりまして、ちょっと我々の側は聞きにくかったので、この際、改めてお聞きいたします。 四月二十四日の当委員会における島前会長のあのうその発言の問題でありますが、午前中と午後と同じことを答弁した。ついておった人は、それがうそだということはよくわかっているはずだし、なぜ注意しなかったか、こういう質問に対して小山副会長の方から、休憩時間に島会長に対してそれが間違いだと注意をしたけれども、それが会長に届かなかったようだというような発言がありましたが、もう一回ひとつ答弁してください。
○小山参考人 私は、ホテルとヘッドクォーターというのはそんなに近いところかと思ったわけでございますが、当日同席した技師長は、GEのヘッドクォーターはロサンゼルスにはないはずだと昼の休憩時間に島前会長に注意を促したということでございました。その趣旨が十分伝わらず、午後再び同内容の答弁が行われたということでございます。
○武部(文)委員 ということは、本質的に島会長は間違ったことを言っておるということを中村技師長はすぐおわかりになった、したがって、それが間違いだということを島さんにおっしゃったと。ところが、彼はそれにどういう態度で応じたのですか。
○中村(好)参考人 お答え申し上げます。 昼食のときに、GEのヘッドクォーターはロサンゼルスにはないんですよということを会長に申し上げたのですが、今から思いますと、私の言ったことが通じなかったのか、食事の前で周りもちょっとがさがさしておりましたので、私は申し上げたつもりではいたのですが、午後のいろいろな話を聞きますとどうも正確に伝わっていなかったなということでございます。反省でございますが、あのときに再度私はきちんと伝わるように申し上げるべきだったなということで、補佐の部分が十分でなかったということで反省をしているわけでございます。
○武部(文)委員 これで余り時間をとりたくございませんからもうこれでやめますが、いずれにしても、そこら辺からまず食い違っておるわけですね。そこでわかれば、彼が午後に訂正をして、間違いがあったと言えばこういうことにはならなかったのですよ。こういう点がまず非常に大きな問題点だということは指摘をしておきたいと思います。 そこで、きょう私の時間は三十分しかありませんから数点にしか絞れませんが、御質問をいたします。 今回のこの島前会長の辞任というのは極めて大きな波紋を呼んだわけであります。NHKはこの事件を通して国民の大きな信頼を失った、こう言っていいと思います。 このたびこの事件を通して飛び交った怪文書、これはまさに異常としか言えない大量の怪文書、しかも、内容もそうであります。私の手元に持っているのでも十四、五通、それ以上にまだ怪文書が出回っておるということを聞いておるのであります。この中身を一々披露するわけにいきませんし、余りにも内容がとっぴ過ぎ、あるいは信じがたいような内容が書いてあるのであります。以下何点かについて質問をいたしたいと思います。 大体、企業なりあるいは官庁でも、人事の問題等をめぐって内部告発とかあるいは怪文書とかいうものが飛び交うというふうな例もありますけれども、今度の事件で出た怪文書は出所が大変分かれておる。こちらから怪文書が出ればこれに反論する怪文書がこちらから出る、そういう内容になっておるわけであります。しかも、これがNHKの内部から出ておる、またNHKの現職の職員及びOBから出ておるということは、この内容を見れば一目瞭然わかるのであります。ここにまたNHKの体質の異常さを感じることができると思います。また、配付先もこの怪文書の中に記載されておりますが、経営委員あるいは国会議員の一部、さらには行政官庁、そしてマスコミにこれを配付した、こういう記載があるのであります。そうしてそれが、皆さんも御承知のようなあの膨大な週刊誌と結びついておるのであります。この怪文書の記事がさらに裏づけをされて週刊誌となって出てきた。国民はそれを通して、NHKとは一体どういうものだろうか、こういう疑惑と不信を持ったと思うのです。 そこで、第一に、NHKは新会長になられたわけでありますから、川口会長はこういう事態に際して、本当にまじめに第一線で一生懸命公共放送の使命を果たそうとして頑張っておる連中に対して一体どう中し開きをしようとしておるのか。少なくとも、華やかな中央の大きなドラマやそういうものではなくて、地方の第一線で乏しい予算の中でも一生懸命頑張っていい番組を放映し、非常に高い評価を得ているものがたくさんあります。私は、前回もここで松山放送局の例を取り上げました。民放と共同して大変立派な番組をつくって、地元のマスコミからも大変評価されておる、こういうことを紹介したことを覚えておりますが、そういう連中から見れば、何たることをNHKはやっておるか、こういうふうに思っておるに違いないと思うのです。こういう点について川口新会長はどのような御見解をお持ちか、最初にそれをお伺いしたい。
○川口参考人 就任してから二週間たったところの八月十六日でございましたか、全局長を東京に招集しまして、私が就任のあいさつそれから今後のNHKの行き方について話をしました。そのときに、東北の一放送局の局長でありますけれども、特に手を挙げて発言をしました。その言葉がとても私は印象的でありました。 それはどういう発言がといいますと、私の管内の局員はすべて今回のことについて右往左往しまい、みずからの立場をしっかり守ろう、そして少してもいい放送を出し続けようと言って努力しています、余り経営の方で右往左往されると困りますというふうなことでありまして、私はそれを聞いて非常に感動したのですが、一連の怪文書事件というものは、私は、NHKに求心力がなくなった一つの証拠じゃないかというふうに見ております。 求心力というのは何かといいますと、このNHKという職場の中で働くことが非常に生きがいがある、やりがいのある仕事を合しているのだというふうな気持ちが求心力だと思うのです。そういうものがなくなってきたときに必ず相手を誹謗したり中傷したりするような怪文書が出るものじゃないか、そのように思っておりまして、一日も早く職場に求心力を取り戻したい、そしてそのことを通じて職場が生き生きと働けるような環境をつくりたい、そのことを今一生懸命考えております。
○武部(文)委員 怪文書ですから本当ならば符号がそういうことであらわしているかと思ったら、全部実名なんです。特にNHKの職員は、私は放送協会の職員録をもらいましたから全部チェックしてみました。全員実在の人物であります。仮名など一つもないのです。そして中身は、金銭的な問題から人事の問題からありとあらゆるものがここに書いてある。こういうことは、私も長くこの逓信委員会におりますが、かつて今までこんな文書見たことがない。会長はこの怪文書の何通かをごらんになっておりますか。
○川口参考人 見ました。そして、その中の幾つかについては直ちに調べました。もちろん、現在のところではその点検の途中でありますからまだ確定的には申し上げられませんけれども、確かにそのことが疑わしいというのはあります。そして、そのこと自体を早くきっぱり決着をつけないと私はどうも前に進めないような気がいたしております。現在の心境はそのようなところでございます。
○武部(文)委員 この怪文書のことは後でちょっと触れますから、それまでの間に少し会長の見解を聞いておきたいと思います。 この平成二年度のNHKの予算を審議しましたときに、島前会長が、月三百円の値上げをやったわけですけれども、このときに、もう値上げはできない、こういう発言さえこの席であったわけであります。NHKが重大な岐路に立っておる、こういうような非常に緊迫したような情勢にあることを長々と発言をしておられました。島さんが専務理事から副会長、会長、通算約十年になりますね。その間にこの島さんがおやりになった、またしばしばこの委員会で発言をされた放送衛星それから国際化の問題、商業化の問題、これは特に島さんの主張の中に強かったというふうに私は理解しておりますが、着実にというよりもむしろ強引にこの三つの問題をおやりになった。現実にはそれがむしろ今のNHKの経営に対して大変な障害になっておるのじゃないだろうか、こういうふうに思うのです。 川口さんが会長になられてから、この放送衛星に対して職員にアンケートをとられたとかいうようなことをちょっと聞いておるのですが、そういうことをおやりになりましたか。
○川口参考人 アンケートの調査は私ではございませんで、島前会長の時代にやったと聞いております。
○武部(文)委員 そうすると、放送衛星の方針については前の方針を踏襲していくお考えですか。
○川口参考人 必ずしもそのまま踏襲しようとは思っておりません。それはこれから後の多メディア時代、多チャンネル時代というものに向けてNHKがどういう放送をやっていかなければいけないかという基幹的な部分と関連するからでございます。その中で衛星放送はどういうステップを踏むべきか、あるいはハイビジョン放送というものがどのような形で実施されるべきかというようなことについても、これから真剣に討議をして決めていきたいというふうに思っております。
○武部(文)委員 午前中にも質問がございましたが、例のGNNの問題ですね。島さんはこの問題に大変執心しておられたようです。この委員会で発言されたときにも、ニューヨークに本部を置いて、事業費としては十億ドル、そういう莫大な金を見積もっておるんだ、こういうことを発言しておられたのですが、あなたはこのGNNについてどういうお考えでしょうか。
○川口参考人 GNN、グローバル・ニュース・ネットワークという構想は私も知っておりました。ただ、今会長になりまして細かく点検をしてみますと、必ずしもすぐできるものではないという感覚を非常に強く深めております。 それは、現在考えておりますことは、島会長が考えたことは、日本とアメリカのABCとヨーロッパのEBUという三つの組織が中核になって、アジアとアメリカとヨーロッパのニュースを相互に八時間ずつ送っていこう、それをお互いにネットワークをつくって、そしてそれを的確に各国の放送局がとるような形にするというふうな構想であろうかと思うのです。その中で、それが果たして企業として成功する、利潤が上がる、そういう見込みはあるのかとか、それからそのニュースの集めたものをどのように利用するか、利用の仕方の問題とか、あるいは三つの地域それぞれ全く別な企業体がやっておるわけですから、その三つのところでやったものがどのような編集の形をとれるのか、問題は山のようにあります。したがって、そういう問題を全部整理をしまして、改めてこのGNN構想についてはその推進の方向をどうしたらいいのか考えていきたいというふうに思っております。
○武部(文)委員 もう一つ島さんのやられた中に、商業化の問題がありますね。現在のところ関連会社が二十七社、約三千七百人に上る従業員がおられる。こういうことはいまだかつてなかったことです。特にソフト関係会社が非常に多くなっておる。また、MICOですね。この問題で民放と大変対立をしておるというようなことも私どもは地方からの声として聞いておるわけですが、こういう商業化の方向についてはあなたはどういうお考えでしょうか。
○川口参考人 かつてはNHKというところは自己完結型といいますか、自分のところですべて製作をし、それからすべて放送をするという形でございました。時代の進展とともにそれだけではとても仕事をしていけないということになりまして、そして外部に関連団体をつくってそこで製作をするというふうなこともやってきたわけです。その形は今後ともある程度は続けなければいけないだろうというふうに私は思っております。むしろそのことによって新しい活力が、新しい競争力ができればそれは非常にいい形になるんじゃないか。ただ、これは一歩間違うと非常に危ないことになる可能性が十分ありますので、例えば組織面で、運営面で、人事面で、いろいろなところでこれまで以上に工夫をしていかなければいけないことではないかと思うのです。 それからMICOは、そういう関連会社とはまた別につくりました会社で、いわゆるソフトの購入あるいは販売ということを一括してやろう、これからは多メディア、多チャンネル時代になって、ソフトがますます需要が多くなって競争も多くなればお互いに非常に難しい問題が多くなってくるので、そういう組織を一つ持ってそこを介していろいろな仕事をしようじゃないかという発想だと思うのですね。これはもう既に発足しております。 ところが、私が見たところでは、問題点はやはり国内の需要がはっきりした形をつけられてないということ、それは一にかかって民放各社の拒否に遭って全く需要が伸びていないということだと思うのです。そのことについて民間放送の経営者の方々も賛意は表しておりますので、私がもう一遍説得をしてある種の形をつくって、このMICOが名実ともに放送界の役に立つような組織にするというふうにした方がいいのではないか、このように思っております。
○武部(文)委員 方針さえ聞いておけばきょうはいいと思いますから、これで終わります。 次に、NHKの財政は年間の規模が約五千五百億円という膨大な規模になっておるわけですが、先ほど申し上げた怪文書の中に、NHKの金銭的な問題についての記載がございます。大変詳細に、しかも広範囲にわたってこういう問題がある。こういう問題がたくさんございますが、その中に、特に週刊誌にもこれが引き続いて記載された中に、「海外総局に対しての送金に疑惑あり」こういう文書がございました。それが日ならずして週刊誌に詳細にわたって書かれておるのであります。ちょっと私どもの感覚では理解できないような内容が指摘をされておるわけですが、NHKには監査室があるわけでございまして、監査室はこういう怪文書を知っておるかどうか。また、知っておるならば、こういう疑惑に対してNHKはきちんとした調査をし、対応を明らかにすることが信頼をつなぎとめることになるわけですから、そういう点についてはどういうふうにお考えでしょう。
○川口参考人 今のようないわゆる疑惑につきましては、直ちに執行部の中に経営の規律に関する点検委員会というのをつくりました。そういう問題のすべてを残らず洗ってみよう、そして、疑わしいものは徹底的にうみを出そうというふうな姿勢で今やっております。ちょうどその中間のところでございます。特に海外の総支局につきましては、非常に大きな金が動くということと、それからいわゆる領収証そのほかなかなかとりにくいといった海外の事情もありまして、ともすればそういうところがないがしろになる可能性があります。したがって、そこのところを今度は徹底的にきちんとした形で点検をしようということで今現に点検中でございます。間もなくその結果が出たらまた御報告を申し上げます。
○武部(文)委員 なるほど、中身を見ますと、取るに足らぬような、全く歯牙にかける必要もないような中身もあります。しかし、あるいはあるかもしらぬというような疑惑を持つような内容もあるわけです。したがって、この際、これほど世の中に明らかになったのですから、少なくともNHKはきちんとした調査をして、なければこれをお渡ししますが、皆さんお持ちだと思うのです。これをきちんとして、NHKの信頼を取り戻すためにも対応を明らかにする必要がある、私はそう思うのですが、会長はどう思われますか。
○川口参考人 ただいま申し上げました経営の規律に関する点検プロジェクトというものを中心にして、きちんとこれに対応していきたいと思っています。当然このことがこれからのNHKに対する信頼感を生むか生まないかということの境目であろうという強い認識をしております。
○武部(文)委員 会計検査院の方にお伺いをいたしますが、これまた怪文書の中に会計検査院のことまで出てくるのです。きょう提出されました会計検査院の文書によりますと、きちんと検査をして間違いはなかった、こういう報告でございました。会計検査院はこのような怪文書を御存じでしょうか。 それからもう一点は、現在の会計検査院がNHKに対して年にどのくらいな監査をやっておるのか、被疑事項はなかったのか、こういう点についてこの際特にお伺いをしておきたい、こう思います。
○中島会計検査院説明員 御質問の怪文書につきましては、週刊誌等でそのようなものがあることは私どもも承知をしておりますが、怪文書そのものがどのようなものであるか、必ずしも私ども承知しておりません。ただ、私どもの方にも週刊誌等に書かれたものと似た内容のものが送られてきておりますので、その限りでは内容を知っております。 私ども、日本放送協会に対する検査は、協会が公共放送事業の実施主体であり、その経営の基礎を視聴者からの受信料に依存しているということを十分念頭に置きまして、従来から厳正に検査を行ってきているつもりでございます。 私どもの検査は、実は書面検査と実地検査というもの、二つ方法がございますが、書面検査につきましては、毎月提出される「総合合計残高試算表」とその証拠書類について常時行っております。それから実地検査でございますが、これにつきましては、協会本部、放送局等に職員を派遣し実地に検査を行っているものでございまして、平成元年度決算については、平成二年中に、検査対象六十六カ所のうち、協会本部に加えまして十五の放送局及び二研究所につきまして二百四人口をもって実施しておりまして、検査施行率は二七%ということになっております。なお、このうち協会本部につきましては定例的に年二回検査を実施しているところでございます。
○武部(文)委員 会計検査院の説明はよくわかりました。 時間が参りましたので、私は最後に一つだけ申し上げておきたいと思います。 それは、島会長が七月十五日の夕方に記者会見をした。辞任をした経緯を発表された会見の要旨を読んでみたわけであります。この中身はすべて報道されました。その中に非常に問題のある箇所があるように私は思います。長い会見じゃございませんが、その中間にこういう文言があります。「この問題は関谷郵政大臣が、近く、私に対ししかるべき措置をとると表明し、衆議院逓信委員会の野中委員長が、あす、NHK経営委員会の竹見委員長から事情をきく、という極めて異常な事態になりました。NHKは不偏不党、公正、中立を基本とする公共放送として自主、自律。国民の側に立って、あらゆる権力の介入を排除する立場を守る努力をつづけてきました。それだけにこのような事態を招いたことは、公共放送の重大な危機でありこういう文章があります。これは放映されましたし、新聞の記事に載ったのであります。 彼が言わんとするところはどこにあるかということはおわかりいただけるかと思います。彼は彼なりに、この文章を今私が読み上げたことで、何を言わんとするかはおわかりいただけると思います。問題は、NHKは不偏不党、中立公正、これが放送法の根幹であります。そういう点について、私は、かつて島さんがある派閥の番記者として大変活躍をされて、そのことが、今から八年ほど前になりますが、伊藤昌哉さんという池田元総理の首席秘書官をしておられた方、この人の「自民党戦国史」という本に名前が、もちろん実名でありますが、大変たくさん出ておったことを当委員会で取り上げたことを記憶しているのであります。このときに、当時の川原会長は島さんを非常にほめたたえました。私は、これは行き過ぎではないか、総裁選挙の票読みまで何でNHKの記者がやる必要があるか、癒着になるじゃないか、そういう点を追及したことを覚えています。 島さんが報道局長になり、理事になり、副会長になってからまた当委員会でいろいろ問題がありました。三木元総理のインタビューがいつの間にやら消えてしまった、あるいは政治倫理綱領の五項目がいつの間にやらNHKの報道の中から消えた、そういう点を取り上げたことを私は記憶しています。これはおかしいじゃないか、報道の中立、不偏不党というところから逸脱しておるじゃないかということを島さんの問題として取り上げました。そういう経過を考えたときに、今回彼が何を言わんとしておるか。 そこで、巷間言われるように、これは週刊誌や新聞が書き立てておるわけでございますけれども、今度の問題で島会長は、こういう同じ――先ほど私が述べました伊藤昌哉さんの発言をちょっと読み上げてみます。私はこれと非常にかかわりがあるように思ったからです。この伊藤昌哉さんを言うには、島さんは「鈴木善幸首相のトナリに座って陣笠議員をアゴで使っていた。政治家とむすびつくNHKの体質の中で生まれた(島王国)は、その体質ゆえに崩壊したといえるでしょう。」これが伊藤昌哉さんの発言であります。私は、先ほど引用いたしました八年前のああいう発言を思い出して、当時の議事録も読んでみました。 そこで問題は、島さんが、一生懸命自分はやったがだれかに追い落とされたがごとき発言をしておるのであります。そして今度の問題で、やれ特定の派閥が擁護したとか、やれ特定の派閥が追い落としたとか首を切ったとか、そういうことがマスコミでおもしろおかしく取り上げられております。NHK内部にも、NHK自身にも、こうしたいわゆる派閥につけ入られるようなそういう体質があるのではないか。私は、この一連の報道を見て、そういう点に島さんがむしろはまったんじゃないか、自分自身の体質として、あの人の体質としてそういうものにのめり込んでいったんじゃないだろうか、こんな気がしてなりません。 ただ、私が申し上げておることは、どの派閥がどうだ、こういうことではなくて、そういうことをマスコミにこれほど利用された例はないのです。こういう点について、申し上げるようにNHKは放送法によって不偏不党、公正中立、これが原則であります。私は、この問題を契機に、少なくとも新しい会長は放送法第一条に基づく政治との関係についてはきちんとした厳正な態度をとってもらいたい、こういうことを最後にお願いをし、お答えをいただきたいと思います。
○川口参考人 申すまでもなく、表現の自由を守り不偏不党で公平中立というのは、これはNHKの守っていかなければいけない大道であると思っています。したがって、私は、自分の会長生命を賭しでこのことを守り続けることをお誓いしたいと思います。
○武部(文)委員 終わります。
○野中委員長 次に、上田哲君。
○上田(哲)委員 郵政大臣、昨日、テレビ各社の代表が衆議院議長に対して例の証人喚問の中継をぜひ実施するようにしてほしいという申し入れをしまして、櫻内議長は大変前向きの発言をされたようであります。私もぜひそれはやるべきだと思いますが、放送の所管大臣として、前向きな発言を期待いたします。
○関谷国務大臣 昨日のテレビ各社の衆議院議長に対します証人喚問のテレビ中継の実施の要望でございますが、このことに関しましては、国会で判断をされるべき問題であるというふうに考えております。
○上田(哲)委員 議運でやるのはわかり切っているのだけれども、関谷さん、ここはひとつ頑張るようにということだけ申し上げておきます。三十分だから深追いをしませんが、頑張ってください。 さて、NHK会長、先ほど来いろいろな決意が述べられておりますから、たくさんの言葉は要りません。ただ一点。長いNHKの歴史の中で今日ほど世論の信頼を失墜したことはなかった、その危機であるとの認識、この一点を私はしかと承っておきます。
○川口参考人 私が就任する前から、このことについては非常に心を痛めておりました。一連の報道が国民の、受信者の心の中にNHKに対する非常に大きな不信感を生んでいる。同時に、NHKで働く者たちが非常に心の動揺をいたしまして、それで自分たちの生きていく場所、仕事をしていく場所が、地盤がだんだん揺らいでいるようじゃないかというような印象を私にもたらす者もおりました。その中で私は会長に就任をしたわけでありますから、当然のことながら、まず外に対して、受信者に対してNHKはこんな団体ですということを率直に申し上げよう、仕事はこういうことをしたいんですということを申し上げようと思いました。したがって、今私がほとんどどの雑誌、新聞あるいはNHKのテレビにも出ておりますけれども、そのことを、私自体が開かれたNHKの窓という形でNHKのあり方を受信者の方々にはっきりとお話を申し上げたい、こう思っております。
○上田(哲)委員 どうするかはこれから聞くのです。一点に絞っていますから、一点に絞って答えていただきたい。NHKを心配しているのです、私は。NHKの中で今も頑張る人たちのことは大いに評価するが、NHKが世論からの信頼をこれほど失墜せしめたことはなかったという一点を私ははっきり聞いておきたい。
○川口参考人 まさに世論はそのような目で私ども見られたと思います。それは私どもの非常に大きな心の痛みであります。
○上田(哲)委員 その危機感の中で率直に言うのだけれども、川口さんはかねてからNHKの中では非常に期待された人材です。カワさんという言葉はあなたを愛称をもって呼んでいた信頼の言葉であって、「カワさんがいるからいい番組がつくれる」と言っていた若いディレクターたちをかつてたくさん知っています。だから、私はあなたの登場を歓迎します。頑張ってもらわなければならない。 その上で言いたい。その上で言いたいんだが、先ほど申し上げたように、これまでになく中がどんなに頑張ろうと外の信頼というのは最低のところに来たと思いますね。NHKに苦情が殺到しているでしょう。収納率がどんどん落ちているでしょう。細かくは聞きません。細かくは聞きませんけれども、例えばわずか二年余りの間に会長が二人も、しかも不名誉な形で途中辞任をした。これはもう象徴的という以上に信頼失墜を引き起こした実質的な事柄であると言わなければならない。私は、その連続辞任の事象そのものよりも、この不信感の本質というものは、そういうことが引き起こされていく根底のところにもう人々の目が向いている、そこまで見えてきているということだと思っています。したがって、もうここまで来るとそうした問題の核心についてはっきりさせなければならないのですね。 私は、一九八六年十一月、磯田一郎氏が経営委員長に就任して以来、こうした傾向が極めて顕著になってきたという事実経過を指摘せざるを得ません。磯田氏自身は、今日、その商法、経営論において社会的な批判も受けているのでありますし、これは今、司直のかかわりの中で、事件と見られるものの範囲にあるとも伝えられていますから、きょうここでは議論するものではありません。しかし、公共放送の経営委員長としてこうした人物が選任されたこと自体がふさわしいものであったかどうかについては今や議論を回避することはできないと私は思っています。特に、磯田氏のもとで、一九八八年七月、三井物産の元の社長であり会長である池田芳蔵氏がNHK会長に任命された、非常に恣意的な人事であります。これは何と、仲よし人事といわれました。このとき磯田氏の話った言葉によると、「NHKの会長というのは兼職禁止の上に年収の問題でなかなか人が来てくれないのだ」と。こんなことがあるでしょうか。NHK会長の給料が安い、こんな言い方をこんな形でされては、NHKの名誉の問題もあるだろうが、経営委員長としてまことに不適格だと私は思うのです。それは三井物産よりは安いかもしれない、住友銀行ほど勝手なもうけはできないかもしれぬ。だが、NHKには大変迷惑な話であって、そういう発想の中で、仲よしクラブで会長が選ばれてはならない。経団連の某氏が言っているように、たまたま高等学校の同窓であったから友人を会長に任命したなどということがあるのなら、非常に不見識であると私は思います。こういう発想を許したあり方。無論私は個人的な立場をここでは問いません。しかしあえて抜き出して言わなければならないのは、この人事は財界進駐車ともいわれました、NHKの経営委員ないしは特に経営委員長に経団連の副会長であり金融界の代表のような人が座り、NHK会長任命を差配するような人事が実現をするということは、言論界の責任者のあり方としては適当ではないのではないか、それらの任命のシステムの中に問題があるのではないか。こうした任命のプロセスのあり方には、当然政府の責任なしとしない。私はその点について、新会長なり、また大臣から、御見解を承っておきたいと思います。
○川口参考人 私は会長に任命された者でありますから、経営委員会のあり方については私自身の意見は持っておりますけれども、それはここで申し上げるべきではないと思います。ただし、会長の任命はあくまでもやはり純粋なものであってほしい、そうでなければいけないというふうに思います。
○関谷国務大臣 御指摘の個々の問題はそれはそれといたしまして、先生御指摘のように、この会長の任命の問題、また、経営委員長あるいは委員との関係というものは、本当に少したりとも指弾をされることのないように、厳正な正しいものでなければならない、そのように思います。
○上田(哲)委員 十分な答弁ではありませんけれども、今後にしっかり歯どめをして、先へ行きましょう。 私がさらに具体的な問題として提起をしておかなければならないと思うのは、池田芳蔵氏が会長に任命された際の経緯、これが今回の連続二人も会長が不名誉な形でやめていかなければならなかった問題に深くかかわっていると思っています。NHKの昭和六十三年度業務報告によりますと、池田芳蔵氏は七月三日会長に任命され、島桂次氏は七月十八日副会長に任命されたとなっています。形式的にはそうであります。ところが、事実はそうではない。まさに磯田一郎氏が言っているように、この池田氏の会長選任については、「学生時代から彼をよく知っている、池田君には仕事はすべて島民以下に任せて上に乗っていればよいと言って来てもらったんだ」。これはセットの形で任命されているのです。池田会長の任命自身を決めるときに、実は「副会長は島君に」ということが同時に合意されて任命されている。三人のセット人事です。あとは形式であります。 細かく伺いましょうか。答えられなければ時間のむだですから先へ行きます。 磯田一郎氏の経営委員そのものへの任命は一九八二年十一月、ちょうど電電公社がNTTに民営移管されるときと時を同じゅうしています。これと同じ発想の中で任命されているという背景もなおざりにするわけにはいかない問題でありまして、こうした中からこのセットの人事が行われた。こうして一定の課題を背負った会長と次の会長とおぼしき人事までセットで行われたという問題を今日の困難な事態の非常に具体的な背景として指摘しなければなりません。 磯田氏はこのときに大きな課題を二つ取り上げております。一つは組合問題だというのであります。一つは合理化問題だというのであります。組合問題というのは、つまり経営批判をすることのない、経営の言うとおりになるような組合づくりをしなければならない、これが全体の批判力を封じ、NHK内部の活力を失わしめたということにもなっていくでありましょう。 合理化の問題というのは利潤優先の経営形態への移行であります。周知されているところでありますけれども、新聞にも書かれておるところでありますが、新しい企画を持って会長のところへ行くと、池田会長が、「それで何ぼもうかるかしと聞く。立派なスクープをした記者を褒めてやろうと言ったら「それで幾らもうかったか」と言われては記者魂も何もないではないか。これらは具体例でだれでも知っている話です。国会でのとんちんかんな答弁が個人としては足を引っ張ることになってしまったというのも周知の事実でありますけれども、絞って言えば、まさに組合問題と合理化問題のために経営の路線が敷設されたというところに問題があります。そういう中では、NHKにとっては大事な政治課題ととらえる――あえて政治課題と申しますよ――受信料値上げのときには、あたかも国会の内部、あまつさえ逓信委員会の委員のそれぞれについてさえ、委員のだれが反対でだれが賛成がなどという話がNHKの内部に重要情報として流され、特定の向きに利用されていく。しかもこれは多く誤伝であり、意図的な局内派閥のためのつくり話であります。こんなばかばかしいことが、NHKの中の最大関心事、ミステリーとして展開されるところに、私は今回は見ていないけれども、大変な怪文書なるものが出てくる温床があったということを否定できませんな、会長。こういう問題の中に今日のNHKの大変残念な状況というのが生まれている。会長自身が、NHKは今非常に暗いムードであるということをこの間テレビの中でも言われましたね。この辺の経過や今日の状況を会長はどのように感じていますか。
○川口参考人 率直に会長に就任するまでの間の気持ちを申し上げたのが、NHKは非常に暗いというイメージだというふうに申し上げたのです。それはもちろんあの事件が非常に大きなポイントとなっているのは当たり前でありますけれども、そのほかにも例えば人事の問題とかあるいは組織の運営の問題とかいうことについて、いろいろ内部で不満、不平のようなものもうっくつしていたことは、これは実情だろうと思います。そういう意味で多分に、先ほども申しましたけれども、求心力のある職場というふうにはなっていなかったところがあるのではないか、それが私が暗いと感じたイメージであります。
○上田(哲)委員 あなたが暗いと言われたのは、就任早々八月十日のテレビで作家の澤地久枝さんと行った対談、私も見ておりました。ここにあります。その中に「この組織は、もっといろんなことが出来るのに、雰囲気的に、何となく暗いイメージがあるのではないか。」五年余りたって帰ってきたNHKが何と暗いかとあなたが述べられた問題が、非常に深い背景、事実をついているだろうというふうに私は思います。 少しこの対談に例をとりますと、この中で澤地さんがこう言っていますね。「昨今、所属がしょっちゅう変わって、名刺がまだないといわれる方が随分ありました。」「「あの、あなたはNHK辞められたの?」。「いやNHKの職員です」。しかし、その所属部にプロダクションなんていうのがついている。」「一貫した方針で組織改正するなら、私たちにも理解できたし、動かされる人たちも分かったでしょう。しかし、同じ部屋の同じデスクについていて名称だけ変わるというような組織いじり、機構いじりというのはあまり良くないですね。それが続いていると、仕事のできた人たちがだんだん嫌気がさしていく……」「それがたぶん、ここしばらくのNHKにとっての、非常に大きな危機的状況」ではないかと指摘されていて、あなたも肯定されておりますね。まさに朝令暮改、例えば放送局長の下に放送センター長というのがいたり、わけがわからぬというのがだれもの実感。次の名刺が間に合わないというぐらいの機構いじりというのが常態化している。こういう状態になっている。これはどういうことですか。
○川口参考人 考え方がいろいろあろうと思うのですけれども、例えば島会長の一つの方針で、組織はなるべく早く一つの仕事をやってすぐかわって新しいフレッシュたちを入れた方がいいというふうな考え方もあったように聞いています。そういうことが非常に悪い形といいますか、いびつな形で出てきた人事が非常にテンポの速い人事の異動ということになったんじゃないかというふうに思っています。
○上田(哲)委員 この対談の中で私もちょっと気になる言葉がある。ユナイテッド・ステーツ・オブ・NHK、これはもう話感だけでも実に尊大きわまりない。皆様のNHKという言葉とは離れて遠い言葉ですね。あの日の放送を聞いていても、これを読んでいても新会長が賛成なのか反対なのかよくわからない。さっきあなたは自己完結型云々と言われたが、自己完結は放送の自由の原点ではありませんか。NHKでつくる番組はNHKの人間が最終責任を負うんだ。どこかのプロダクションに値段を安くたたいてつくらせて、でき上がった作品がボタンを押すだけで出てくるなんていう放送というのは、これは放送局ではなくなるというのが現場でやってきたあなたの気持ちのはずではありませんか。私は自己完結型にかわる言葉は何か知りませんけれども、地元生産型とでもいうんでしょうか、放送とを言論の自由とかというのはそういうものと並立して考えるべきではないのであって、一貫制作、自己完結型にこそ本来の姿があるのだと考えます。そういうことでなきゃ文化生産にならぬのじゃないですか。自己完結型とユナイテッド・ステーツ・オブ・NHKとの関係はどうなのか、どう考えていますか。
○川口参考人 そもそもユナイテッド・ステーション・オブ・NHKという言葉をつくられたのは堀総局長でありました。それはどういうことかというと、NHKの中だけで、自分のところだけでつくっているとどうしても夜郎自大といいますか、みずからの周りのことしか見えなくなる。だから多分に競争原理を導入した方がいいんじゃないか、それで例えば関連団体のところで番組をつくる、その番組のつくり方が本部の番組のつくり方と例えば非常にいい形の競争になるというふうなことがいいのではないかというのがそもそもユナイテッド・ステーション・オブ・NHKという堀さんの発想だったと思うのです。それは島さんの場合に非常に多くの関連団体を生みまして、それでそちらの方の数が非常にふえたという時代があります。私はそのこと自体については基本的には否定はしませんよ。ただし非常に大きな問題がある。それは何かというと、中心が受信料に依存しなければいけない、受信料で成り立つのがNHKだという考え方はやはりまず第一に持とう、そこを否定したらすべては全く反対のことになってしまうのでそれは絶対に守り抜こうということをまずみんなに表明したわけです。ただ、それでは現在の関連団体を含めての大きなNHK、大NHKというものはなくなってしまうのか、そういう不安もまた一方にあるわけですね。現に何百という同僚が関連団体でそれぞれ仕事をしております。現に仕事をしている。その人たちの一つの生きがいは、自分たちがその組織で新しい形をつくり上げて、それで本体のNHKと競争する、そういう一つの生きがいになっているところもあるのです。そこを完全にネグってしまうことは私は今の段階では非常に非現実的だと思う。したがってその思想、外の団体で番組をつくって中と競争するというそういうイメージだけは残したいという意味でそういう言葉を対談の中でも使ったわけであります。
○上田(哲)委員 非常に懸念するからもう一遍しつこく聞くのですが、あなたはユナイテッド・ステーツ・オブ・NHKを肯定的なんですか、否定的なんですか。
○川口参考人 肯定的でもあり否定的でもある。それはなぜかといいますと、まず肯定的な面で言いますと、その形が今ある以上はそれを生かして使おうというふうに思います。何とかそれをいい形に持っていこうという考え方があります。したがって、これは肯定的。ところが一方では、やはり受信料を中心にした、受信料基盤のNHKというものを大事にしたい。放送というのは文化を創造する場だというふうなことからいえば、そこは絶対に譲ってはいけない線だと思うので、そういう面から言うと多分に否定的な面があるわけです。だからつまり、現実の中で私が今考えているのは、外部の団体の制作力、創作力というものを何らかの形でうまく包含できないか、そしてその中で新しいものが生まれてくることをむしろ期待しよう、そういう気持ちでいるわけです。
○上田(哲)委員 新任早々の会長の足を引っ張っちゃいけないから議論はここでやめますよ。やめますが、今の話を素直に聞けば、放送制作の原理としては正しくないけれども、現状は認めないわけにいかぬと。まあ会長がうなずいているからそういうふうに私は理解しておきます。優秀な人材を外にはじかないでください。思い切ってやってください。 あなたが会長として一番いいのは何かというと、政治的な人じゃないからですよ。幾ら不偏不党と口で言ったって、もともと政治的な人が会長になったらそうはいかないんです。あなたは元来政治的な人じゃないんだから。あなたの本質は長く番組づくりでしょう。番組づくりの原点に立っていい番組をつくろうという一点でやってもらいたいです。 そういうことでずばり一つ聞きますが、最大の看板番組を外部でつくる方がよくなると思いますか。
○川口参考人 恐らく大河ドラマのことをお指しになっていると思いますけれども、あれについては私はもともとは反対です。それはやるべきじゃないと思っていました。ただ、今既にもう行きまして同僚がいろいろな形でもって創作を始めているわけです。その苦心惨たんしてここまでたどり着いたものを、ある時期ぱっと私が来たからといってもとに返すということは、これはしてはいけないと実は思っています。それと、今申し上げました外部でつくることの意味をもうひとつつまぐ生かしてみる手はないだろうか、それならば現在やっている者が次の作品ぐらいまではやって、その成果を十分に点検して、返すならもとに返してもいい、それぐらいに思っています。
○上田(哲)委員 そこまでにしておきます。いい番組をつくることが基本ですからね。そこへ多角経営だの利潤優先だのということになるとどうしても違ってくる。利潤で競合すればいいものができるじゃないかというのは、番組づくりなり文化生産なりというものの本質をわきまえない邪道だと思っていますから、今の答弁は私は理解をいたします。 あわせて聞きますけれども、外郭団体が二十幾つできた。この多角経営論、概括的でいいんだが、この二十幾つの外郭団体というのは、収支はどうなっているのか。つまり簡単に言うと、決定的な赤字に苦しんでいる。どう説明しますか。
○堀井参考人 平成二年度の決算状況を見ますと、赤字を出しているのはほんのわずかな、数社でございます。あとは収支差金、プラスになっています。
○上田(哲)委員 その報告に実は大きな問題がある。そんな答弁をしてもらっていちゃ困るのです。本質的な議論はもう時間がないからできませんけれども、現実の収支決算は、これは四苦八苦やっていますよ。赤字なんですよ。黒字になる道理がない。しかしそれが赤字の帳面にしちゃ困るのはなぜかというと、外圧ですよ。NHKという本社が言うならば下請会社をいじめるように上納金を求めるものだから、そこに無理が出てくるのですよ。赤字の決算から上納は取れないから、実際は赤字のものを無理やりに赤字にさせないように見せていくようなあり方で、関連会社の利潤上納によってNHKの経営を潤わせようというのは無理だ。NHK本体の言ってみれば宣伝赤字というものもぜひひとつこの際は検討してもらいたいということを申し上げておきます。 最後に、まとめて私は次の三点に絞って、ぜひ新会長の抱負、決意を聞いておきたいと思います。 第一点は受信料制度を基本的にどうするのかということです。受信料制度は、あなたのこの対談によると、もういつまでももたないのじゃないかという趣旨の発言があります。その危機感はずっと十年も二十年も前からあった。あるいは民放と並立する段階からあったと言っていいでしょう。私もここにはいろいろな問題があると思います。しかし、NHKが存続する限りは受信料制度でなければならぬというのは、私は当然だと思う。逆にこの受信料制度に値するようなNHKをどうしていくかと言ってもいいわけでありまして、そういう意味からいうと、この先は全世帯数から見てこれ以上の契約増は無理だろうから、新製品を開発するとか、無理やりに契約業務のしりをたたいて目標を上げるとか、制作下請による営利計算に走るのではなくて、やはり非常に単純化した言い方をすれば、まずいい番組をつくってそのために金が不足すれば受信料値上げをお願いすればいい。どうしてもそれが国会なり国民なりに納得されないときはNHKがなくなるときだ。このパターン以外には存立はないですよ。危ない、危ないとあちこちに妙な頭を下げてみたり、あるいは放送の質を落としたり、あるいは安易な利潤追求に走っていくというようなことがあっては絶対いけない。そこのところをしっかり聞いておきたい。 二番目は、今申し上げたこととつながる営利主義ですよ。NHKが金もうけをするのはおやめなさい。武家の商法でできるわけがない。NHKはもっといい番組をつくること一点に集中すべし。しきりにこの対談の中でも「刑事コロンボ」だの「シルクロード」だの「おしん」だの、売れる番組の話をしている。そんなことは枝葉末節です。後でカセットが売れるか売れないかのために番組をつくるNHKではありますまい。NHKはいい放送をつくるんだ。お金は次のことなんだ。 NHKのコマーシャルと言っておるでしょう。あの執拗な番組宣伝、ステブレの三十秒だって国民の電波ですよ。不見識ですよ。視聴率と関係ないから受信料制度だ。私は今だれもが感じている営利主義の方向に流れようとしておるNHKの方針を、川口さん、しっかりとあるべき、ノン営利主義といいましょうか、そういう方向に進めてもらうべきだと思います。長いわけではない会長の任期中に、そういうことに全力を尽くす会長がたまには生まれてもいいと私は思っているが、その決意も聞きたい。 したがって三番目に、NHKの目指すものは文化の生産ですよ。放送は文化ですよ。どうも及び腰で、どうも強いものに巻かれる感じだという今のNHKに向けての人々の目があります。毅然としてNHKが目指すところは文化である、権力などに尾っぽは張らぬのだという姿を見せてほしい。私は信じていないけれども、消費税のとき、世論調査の数字が政府にぐあいが悪かったので放送しなかったなどと巷間言われるような、そういう風評が生まれることのないようなNHKであってもらわなければならない。たくさん言いたいけれども、まとめればその三つだと思う。つまり、受信料制度をあくまでも守っていこうということであるべきであろう。それに値しなければNHKは廃絶すべきだというだけの決意を持たなければやっていけないと思いますよ。違った方向に流れようとしてきた最近の傾向を憂える。毎日内部で一生懸命やっておる人々を私は信じていますよ。しかし、それ以上に外からの不信感がそれを乗り越えているという現状において、原点の受信料制度をもっと大事にしなさい、そして営利主義ではなくて文化創造に向かって全力を尽くすべきではないか、それがなければ今日のNHKの困難を克服できないところにきておるのだろうということを率直に申し上げて、新会長のそういう意味での不退転の決意を承っておきたい。
○川口参考人 受信料の問題につきましては八月十六日の全局長会議の冒頭に私ははっきり言いました。NHKは受信料をもってまずその基幹とすべきだ、その上で足らなくなったら値上げをしてもらおうということをお願いじょう、そのことがやはり基幹になければいけないんだということをはっきり申し上げております。したがって、このことについては、私も受信料に頼るNHKというものをできるだけ長く続けたい。ただし、これから先のメディアの展開によってはどういうことが起こるかもわからないし、それから受信者の変化によってもある変化が起こってくるかもわからない、それはそのときに対応していけばいいじゃないか、とにかく受信料を基本にしてやろうということは、おっしゃるとおりでございます。 それから二番目に、営利を追求するなとおっしゃることは、これは私みたいにもうNHKに三十六年いて、その後五年間は一応外郭ですけれども、NHKの飯を食ってきた者にとっては全くおっしゃるとおり心身の中にしみ込んでおります。したがって、営利追求のことをNHK本体がやろうという気は全くありません。ただ、それを今言った関連の団体との協業の中で位置づけていくと多少そこが危うくなるところがあります。それはできる限り清潔にしたい、いわゆる後ろ指を指されるような営利的な行動は関連団体といえどもそれは慎むべきだという考え方を持っております。 それから最後に、文化の創造という言葉は、これもまた私の就任の第一回目のときに申し上げましたけれども、NHKがよって立つ大きな二つの柱が真実の追求、情報の提供ということと、それから文化の創造だということでありまして、大きな柱として今後とも私は守り続けていきたい、それを大きな成果として実らせるようなNHKであらしめたい、こう思っております。
○上田(哲)委員 ここ十年に近いNHKの暗いトンネルを今抜けようとしている、そういう期待を強くかけておきます。 終わります。
○野中委員長 次に、伏屋修治君。
○伏屋委員 午前中から新会長に対する決意とか抱負とかいろいろな角度から同僚議員から質問がありました。確かに島前NHK会長の起こした問題というものは、NHKに対する信頼を大きく失墜させたことは事実だと私は思います。そういう面におきまして、新会長がテレビを通して謙虚にごあいさつをされたそのテレビも私は拝見いたしました。BS3bも打ち上げが成功しましたし、これからの放送にかける国民の皆さん方の大きな期待というものがあると思います。それだけにNHKの引き起こしたこの問題を一つの契機にして、NHKに対する信頼を何としても回復しなければならない、このように考えるわけでございます。決意、抱負について再度会長にお伺いしたいと思います。
○川口参考人 早く視聴者の信頼を回復するということがもう何よりも私に課せられた第一の命題であります。したがって、そのためには何をするのかということですが、まずは私がNHKの窓になって、そしてNHKが今何を考えているのか、どのようなことをしたいのか、あるいは受信者の方々は何をお望みなのかを受けとめる、そういう対話の姿勢をまずははっきりとさせたいと思っております。 それから、この前、営業の第一線に働いている人たちに話をしたのですけれども、営業の第一線に立っている人が会長に成りかわってNHKのことを受信者に訴えるということをぜひやってくれ、そのときには、志は高く、姿勢は低くということをお願いする、謙虚に受信者の方に向かい合う、そういう姿勢を忘れないでくれということを申しました。 それともう一つは、信頼回復の決め手はいい番組が出ることだと思うのです。いい情報の提供ができることだと思うのです。そのためにはやはりNHKの職員がより専門的な能力を高めること、そして一心不乱に仕事をすること、そういう情熱だと思うのですね。情熱をぶっつけて仕事をする。この三つでもってとにもかくにも信頼回復に全力を尽くしたい、そう思っております。
○伏屋委員 会長の就任の抱負の中にも、番組を充実させることによって信頼を回復したい、こういうふうな決意、抱負を述べておられるわけでございますので、今後ともなお一層番組充実に御努力いただきたいと思います。 聞くところによりますと、新会長は番組を中心にしてNHKを歩んでこられたと聞くだけに、私も大きな期待を持っておるわけでございますので、その番組の充実によっても信頼回復に一層の御尽力をお願いしたいと思います。 前会長が進められましたGNNあるいはMICOの問題につきましては、さきの同僚委員の方のいろいろ基本的な方針等についてのことで御答弁がありましたので、これは省略したいと思います。 もう一点は、朝日新聞の記者との対談の中で、NHKが保有する周波数の多さに民放が反発しておる、こういうことも一つの問題で、これを改善していかなければならない、こういうようなお話もあったわけでございます。これからの衛星放送については、片一方では有料であり、片一方では義務的受信料で視聴ができる、こういうようなこともひとつこれからの一つの課題として考えていかなければならない、こういうようなことをお答えになっておられるわけですが、この真意をお伺いしたいと思います。
○川口参考人 NHKが現在所有している波といいますか、放送している波は、文字放送等を入れると九つもあるんですね。その九つの波を一放送事業体で全部やるというのは電波の独占ではないかというふうなことをよく言われます。そのことについては、NHKが今まで果たしてきた先駆的役割をぜひ思い出していただきたい。NHKが先に立ってFM放送をやり、あるいはテレビ放送をやり、それで衛星放送をやった、そういう先駆的役割を果たしてきたことの役割を認めていただきたいというふうに思うのです。 ただし、これから後はやや私の私見になりますけれども、この後衛星が八波になって、八つの波を持つようになって、そこでハイビジョン放送も行われるというふうな、非常に多くのチャンネル、多くのメディアが競合するような時代になってなおかつNHKがそれを全部取り込むようなことができるのかといいますと、多少それは無理じゃないかなという気はするわけですね。したがって、将来構想としては、そのメディアの中で放送としてはNHKとして何を選んでいくのか、どのような形で経営をしていくのかということについては、もう一遍基本から考え直す必要がある、こういうことを私は申し上げたのです。
○伏屋委員 もう一点。先ほども上田委員の方の御質問もございましたけれども、島前会長は、どちらかといいますと視聴者優先というよりも経営優先という形で進んでこられたように思うわけでございますが、これを大きく改善しなければ信頼回復にならないと思います。それと同時に、やはり赤字体質的な体質をどのように改善していくのか、これに積極的に取り組んでいかなければならない、この辺のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○川口参考人 経営本位あるいは番組本位という言い方は、実は私の場合はどうも当たらないんじゃないかという気がするのです。それはやはり両方をうまく兼ね合わさないといけないんじゃないか。つまり、番組本位、いいものが出ればいいんじゃないかということだけで乗り切るほど現在の放送の世界というのは生易しくありません。したがって、どこかできちんとした計画を持って経営のための指針を次々と出してそれを実行していかないとなかなかうまくいかない、そういうことを基本に置いて経営をしていきたい、と思っているわけで、ただし、それをまた一生懸命やり過ぎますと、今度は、番組はどうでもいいじゃないかというような形になります。そこのところは非常に難しいのですが、私は、まず番組ありきで、番組がはっきりと、堂々と出て、それをうまく出すための経営的努力というのはNHKの本来持っている姿の中でやっていく、それが必要じゃないか。ですから経営努力というものは、先ほど安藤理事が申し上げましたけれども、いわゆる経営の合理化、効率化ということについても不断の努力はやはりしなければいけないし、それから、番組をつくる上での工夫とかなんかも相当大胆にする必要があるというふうに思っております。
○伏屋委員 新会長に対する御質問はそれぐらいにしたいと思います。 元年度の決算について、二、三お伺いしたいと思います。 先ほど、会計検査院の方の検査状況の概要についてはお話がございましたけれども、もう一度その面をお聞きしたいということで、大体何カ所ぐらいで、延べ人員どれぐらいで何日間かかってこういう検査を実施したのか、その辺のお答えをいただきたいと思います。
○中野参考人 お答えいたします。 私ども協会の経理、会計につきましては、これは放送法第四十一条で会計検査院の検査を受けるということになっておりまして、毎年会計検査院の検査を受けております。 その検査のやり方は二通りございまして、一つは、計算証明規則に基づく毎月の証拠書類をお出しするといういわゆる書面検査を受けております。それからもう一つは、私ども本部あるいは地方の放送局、ここに来ていただいて実地検査を受けております。 その検査の元年度の状況でございますけれども、まず書面検査につきましては、私ども、検査院の方に提出をさせていただいているのは、件数にして千九百十七件、三万四千九百枚の書面をお出ししております。 それから実地検査でございますが、これは平成二年の二月から九月にかけて十八局所、これは本部が二回受けておりますので、延べにしまして十九局所になりますが、実施の施行日数としては、延べにいたしまして二百四人口ということで検査をお受けしております。
○伏屋委員 それによりますと、大体延べにすると十九局を検査院が実地検証をした、こういうことでございますが、その報告書を見ますと、「検査の結果記述すべき意見はない。」こういうふうにあるわけですけれども、長野、甲府とか大阪、奈良、名古屋、岐阜とかいろいろなところの放送局の検査をやられた過程において、全くその記述する意見はないにしても、それぞれ口頭で指摘されるようなことすらもなかったのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。 〔委員長退席、原田(義)委員長代理着席〕
○中野参考人 元年度決算にかかわります実地検査におきましては、口頭による指摘もいただいておりません。 なお、その実地検査の中でいろいろ各担当の調査官の方々から私どもの実務担当者の方に、例えば契約の事務処理手続等についてはこういう形で改善を考えたらどうだというような、個々に御指導あるいはアドバイスをいただいておりまして、私ども、日常業務にそれを反映して円滑な事務運営をしているという実態でございます。
○伏屋委員 この会計検査院の検査というのは、これは年度ごとに局が変わるのかどうなのか。今回は延べにすると十九局、十八局を検査したわけでございますが、次の年度の検査ということになりますと、対象放送局というのはまた変わってくるのかどうか、その辺、初歩的な質問でございますが、教えていただきたいと思います。
○中野参考人 本部、これは渋谷にあります放送センターでございますが、本部につきましては年二回受検をいたしております。それから、大阪ほかの七つの拠点局がございます。これは昔の地方局に相当するわけでございますが、この拠点局七局につきましては毎年対象になっております。それ以外の地方の放送局につきましては、大体三年から四年ぐらいのサイクルで受検をいたしております。
○伏屋委員 国際放送の実施状況について、この決算の中で説明をいただきたいと思います。
○中村(和)参考人 お答えします。 国際放送の増設の計画でございますが、現在のところ、三百キロワットの出力を持っている送信機を四台八俣に増設をするということで、平成五年の初めから運用したいというふうに思っております。
○伏屋委員 国際放送の政府からの援助のお金、そういうようなことについてちょっと数字の上からも御説明をいただきたかったわけでございますが、それは省略しましょう。今お答えがありましたように、国際放送、日本の中継局というのは海外四カ所、日本を入れまして五カ所、こういうことでございますが、アメリカのVOAは十五カ所、BBCは十四カ所というふうに、非常に多くの中継所を持っておるわけでございます。とりわけヨーロッパ情勢というものは非常に今国際的な焦点になっておるわけでございまして、ソ連の大変革を初め、ECの市場統合ももう目前に迫っておる、こういうことからしましても、現状の日本の中継所の数だけでは賄い切れない。こういうことから考えまして、先ほど大臣のお答えにもありましたが、ソ連、イギリスに中継所を依頼し、大体認められそうだという御答弁でございましたけれども、将来の展望について、その二カ所だけではまだまだ足らないと思いますし、先進国並みの中継所が必要ではないかというようなことを考えるわけでございますが、そのあたりは郵政省としてはどのようにお考えになっておられるのか。
○関谷国務大臣 この問題につきましては、先ほど答弁をさせていただきましたように、現在ソ連とイギリスの中継局の話が進んでおるわけでございまして、それでもまだ数の上からいきましても大変少ないわけでございますから、真の日本を理解していただくためにも、また在外邦人のためにもこの整備を強力に進めていきたい、そのように考えております。
○伏屋委員 今度は放送衛星に関してお尋ねしたいと思いますけれども、BS3aが太陽フレアで事故を起こしまして、寿命の尽きかけておるところのBS2bも引っ張り出して、非常に綱渡り的な、危険な、危なっかしい放映をしてきたわけでございますけれども、BSのトラブル、またJSBも放送時間を短縮する、こういうような状況の中で、衛星放送の普及に与えた影響というのをどのようにとらえておられるのか、またその契約、収納状況がどう変動したのか、そのあたりをお聞きしたいと思います。
○諏訪参考人 お答えいたします。 衛星放送の普及数は、電子機械工業会などの情報によりますと、五月は出荷に若干の障りはありましたけれども、六月には復調の兆しを見せまして、七月以降は三月以前同様の普及数というふうになっております。それから一方、衛星契約数は七月宋で二百七十九万というふうなことでございまして、ほぼ計画どおりに進捗しているというふうなことでございます。それから、収納については、特に影響はございません。
○伏屋委員 NHKは大体その目標どおりに進んでおる、こういうふうに言っておられるわけですけれども、ことしの六月に大体三百万世帯という目標を新たに打ち上げられたわけでございますが、現在が二百七十万台ですね。ですから、あとまだ二十何万という世帯というのが目標の中に入っておると思いますが、いまだこれは達成されないと私は聞いておるわけでございます。それに対してNHKはこれをいつまでに、どのような努力を払いながら達成するのか、お伺いしたいと思います。
○諏訪参考人 お答えいたします。 衛星契約の増加については、三年度の増加目標を百四十五万というふうに置いておりますけれども、七月末現在で先ほどのとおり現在四十三万八千件というふうなことになっておりまして、進捗率が三〇%、年間の目標に対して三〇%というふうなところでございます。ほぼ順調に推移しておりまして、衛星契約現在数は先ほどのように二百七十九万というふうなことでございます。 私どもは、この年間目標達成をより確かなものにするために、現在全国の営業を挙げて三百万契約早期達成運動を展開しておるところでございます。この三百万は九月中に達成できるものというふうに考えております。三百万という数はいつかは通る通過点でございますけれども、三百万という一つのターゲットをつくって全営業のエネルギーを結集する、それから、これはあわせて放送番組もそれに連動して重点的に展開するということでございます。そのための活動として具体的なものはいろいろございますけれども、細かくなりますので省略させていただきますが、今のところは大体九月中の下旬のところで三百万は達成できるもの、しかもそれは年度の年間の目標に対してはほぼ計画どおりの達成状況だというふうなことでございます。
○伏屋委員 次に、八月の十九日にBS3aの三チャンネル放映というものを計画しておったけれども、それが二十二日にずれ込んだわけでございますが、現況BS3aの状況はどういう状況になっておるのか、教えていただきたいと思います。
○白井政府委員 お答えを申し上げます。 昨年の夏に打ち上げました放送衛星3号aにつきましては、実は太陽電池の一部にちょっと調子の悪いところがございまして、そのため発生電力が特に夏至の前後あるいは冬至の前後に低下するというような状況になっております。そのため、その時期には予定した三チャンネルの放送ができなくて、二チャンネルの運用を余儀なくされるということでございまして、もう過ぎ去りましたこの間の夏至の関係でございますが、五月九日から実は二チャンネルの運用を続けてまいってきておったわけでございます。それで、夏至を通り過ぎましてだんだんと発生電力の方も回復してまいりますので、いつ三チャンネルに戻すかということで、八月の初めに関係の方がいろいろ検討なさったようでございます。大体そのときの予測としては八月十九日になれば大丈夫だろうという一応の見通しを立てたわけでございますけれども、率直に言ってちょっと回復が思わしくないというようなことから、大事を踏んで二、三日後ろにずらしまして、八月二十二日から三チャンネルの放送に戻したということでございます。したがいまして、また現在は三チャンネルの運用を支障なく続けておりますけれども、まただんだん寒くなりまして冬至が近づいてまいりますと、具体的には十一月の下旬ごろから一月の上旬ぐらいまではまた二チャンネルの運用を余儀なくされるというように推定をしておるところでございます。
○伏屋委員 BS3bが打ち上げ成功し、楕円軌道からまた円軌道へ入り、そして太陽電池の板も見事に開いた、こういうようなことでございますけれども、むしろ問題は、これから衛星が持つところの機能というものが十二分に発揮されないと何にもならない、こういうふうに考えるわけでございますが、現況はどんなものですか。BS3bについての現状です。
○白井政府委員 3号bの方につきましては、去る八月二十五日の夕刻に打ち上げたわけでございまして、その後衛星について軌道を変えますとか太陽電池のパドルを展開するとかいう非常に難しい段階を一応通過いたしまして、現在は極めて正常に軌道を回っておるというふうに聞いております。 ただ、これからも細かないろいろなテスト、要するに中継器を初めとする衛星の機能の細かなテストを続けていかなければなりません。それらのテストに無事合格をいたしますと、十一月の初めごろには実際に放送衛星として運用が開始できるのではないかというふうに見込まれておるところでございまして、今までの非常に難しい段階を幸い非常にいい成績で通り越したということで、関係者の方々は一様にみんな胸をなでおろしているというような状況でございます。
○伏屋委員 その成功は私も非常に喜ばしいことだと思います。いよいよこれからBS3bの運用ということでその機能が発揮され、運用のスケジュールというものも具体的に考えておられると思いますけれども、もう既に郵政省としましては、BS3aで現在三チャンネル放映をしておりますけれども、この一チャンネルはもうBS3bに移そう、こういうような考えが郵政省にあるやに聞きますが、そのあたりはどうですか。
○小野沢政府委員 お答えいたします。 先ほど通信政策局長がお答えしましたように、BS3aが電力低下のために本年十一月下旬から来年一月上旬までは二チャンネルしか利用できない見通しということで、現在BS3aを利用して行っているNHK及びJSBの三チャンネルの放送のうち、少なくとも一チャンネルはBS3bに移行する必要が生じてくるわけでございますが、現在NHKとJSB、それから通信・放送衛星機構の三者がどのチャンネルをBS3bに移行するかどうかということで協議中でございます。 なお問題点として、両チャンネルが違っているために、どこのチャンネルがBS3bに移行しても現在のチャンネルの番号が変更になるわけでございますし、また、このため、一部の共同受信施設でチャンネル変更に伴う設備の改修または調整が必要となり、また、チャンネルが変更となる放送事業者は、受信者に対するチャンネル変更の事前周知等の措置が必要になるということで、チャンネルの変更に伴いまして受信者側、放送事業者側とも新たな負担が生ずることとなるわけでございますので、郵政省といたしましては、この三者に対しまして、協議に当たっては受信者への影響に十分配意すること、それから、受信者が円滑にチャンネル変更に対応できるように早急に結論を得ること、それから、これからの所要の行政手続が円滑に実施できるように郵政省とも十分連絡をとって進めることを要請しているところでございます。 〔原田(義)委員長代理退席、委員長着席〕
○伏屋委員 今局長から答弁のありましたチャンネル変更することによってのコスト増とか、あるいは放送事業者間の調整という問題はまだ解決は見ておらないと私は思います。これからそういう問題について円滑に進めていかない限りにおいては、やはりBS3bの運用というものに差しさわりが出てくるのではないかな、このように考えますので、さらなる御努力をお願いしたいと思います。 それから、BS3bの放送がこれから始まるわけでございますが、具体的にハイビジョン放送の実施でどういうふうな計画を持っておられるのか、あるいは、さらなる番組充実についてどういうお考えを持っておられるのか、そのあたりをお聞きしたいと思います。
○小野沢政府委員 まず第一点のお尋ねのハイビジョンの関係でございますが、このハイビジョン放送の実施に関心を持つ放送事業者、ソフトプロダクション等が、現在BS3bの中継器を利用したハイビジョン試験放送に幅広く参加できる構想の具体化を進めておられまして、郵政省としてはこれを中心としてハイビジョンの普及推進を図っていきたいというふうに考えております。 なお、具体的には、このハイビジョンの試験放送でございますが、いわゆるハイビジョンの日であります十一月二十五日から一日八時間程度のハイビジョン試験放送を開始することを目標にいたしまして、今関係者間で協議を重ねているところでございます。 次、第二点の、これからBSの将来の番組充実をどう図っていくかということについてでございますけれども、これから間違いなく、衛星放送が基幹的な放送メディアとして二十一世紀に向けて大きな位置づけを占めながら発展していくというふうに認識しております。したがいまして、このたびBS3bがいよいよ明るい展望を得たということによりまして、これから地上波と同様に、NHKそれから民放が切瑳琢磨しながら放送番組の充実が期待できる状況ができつつあるというふうに考えております。 また、このBSにあわせましてBS3後継機の段階、そういったことにつきましてもこれから前広にいろいろ調査研究、勉強を重ねていきたいというふうに考えております。
○伏屋委員 話は少し変わるかもわかりませんが、先回失敗いたしましたBS3H、これの後継機の調達ということは考えておられるのかどうか。
○中村(好)参考人 BS3HはBS3aの補完的な衛星として計画をしたものでございますが、残念ながら打ち上げに失敗をいたしました。それで、昨今からお話が出ております3bが大変順調に上がって喜んでおるわけでございます。3aと3bともどもこれからの放送継続に十分その役割を果たしてくれるだろうというように思っておりますが、先ほどからお話が出ておりますように、宇宙空間でいろいろな過酷な条件の中で、衛星が七年間という寿命の中で完全に寿命期間中その任務を果たしていくということが大変難しいという状況にあるわけでございまして、BS3aがただいまああいうような状況になっておりますので、私どもといたしましては、この七年間の中で、受信者もかなりふえるだろうという状況の中で、補完衛星というものをまた考えていきたいと思っておりますけれども、これはまた大変多額の経費を必要とするわけでございますので、国会の場でありますとかあるいは郵政省、あるいは視聴者の方々の御理解が得られればその方向で検討してまいりたいというように思っております。
○伏屋委員 先ほど、放送行政局長の方からの御答弁の中でBS3の後継機の問題にちょっと触れられたようでございますが、諮問機関として次期放送衛星問題研究会というのが最近答申をされたわけでございます。その後継機の調達、運用のあり方に対する郵政省のお考え、またBS3後継機の役割、また導入スケジュール等についてお伺いしたいと思います。
○小野沢政府委員 お答え申し上げます。 先ほど御指摘のありました研究会の報告書が本年五月二十九日に出ましたけれども、その趣旨に基づいて政策を策定、実行していきたいと思いますが、そこの報告書で書かれておりますポイントは、BS3後継機の調達につきましては、公的性格を有する一の法人において、国際競争入札により、効率的でかつ信頼性の高いシステムの調達を進めることが適当である旨提言されておりますので、この趣旨を踏まえながら、関係各方面と緊密な連絡をとりながら具体的な方策を検討いたしまして、BS3後継機の導入に必要な諸手続を円滑に進めていきたいというふうに考えております。
○伏屋委員 後継機の調達のことまで触れられたわけでございますが、最近郵政省の方で調達を一法人に決定をされたわけでございます。通信・放送衛星機構に決定し、国際入札に参加する、こういうことになったわけでございますが、それに伴い予想されるいろいろな問題点があると思います。その問題点等についてどのようにお考えになっておられるのか、お聞きしたいと思います。
○小野沢政府委員 お答え申し上げます。 郵政省といたしましてまだ通信・放送衛星機構に決定したわけでございませんでして、ただいま機構内部において具体的な事業計画を検討中というふうに承知いたしております。
○伏屋委員 これから、今後八年以内に大体打ち上げる、こういう予定と伺っておるわけでございますが、その間に放送衛星業者というものが名のり出てくるには余りにも期間が短過ぎるのではないか、そういう考えのもとにいわゆる通信・放送衛星機構に国際入札に参加させよう、こういうような意向が非常に強いと聞いておるわけでございます。その一法人が調達法人になったとすると、予想される問題としては、やはり今までどちらかというとBS3bそのものの打ち上げもNHKが非常に主導的な役割を果たしてきた面もございます。そういう面から、一法人で国際入札、調達ということになると、さらにNHKの主導権が強くなってくるのではないかな、こういうような懸念もあるやに私は聞いておりますし、また、今まで放送衛星に関して一生懸命研究開発を進めてきたところの国内メーカー、いわゆる日本電気、東芝、三菱電機等々が国際入札法人一本化になってくると非常に大きなショックを受けるのではないか、こういうようなことも聞いておるわけでございますが、そういう問題に対してどういうお考えを持っておられるのか、お聞きしたいわけです。
○関谷国務大臣 先生御指摘の問題に御答弁を申します前に、結局一の法人においてこれを購入するということになりましたときのメリットが三つばかりあると思うのでございますが、放送事業者と別の法人が衛星調達を行うので放送事業者の新規参入が容易になるということが一つあると思います。それから、複数の法人で調達を行う場合に比べましてコストアップが回避できるのではないだろうかという問題。三つ目に、確実な衛星の調達、そしてまた確実な役務提供、妥当な提供条件の確保などを担保することができるのではないだろうかというようなことが考えられるわけでございますから、先生御指摘のNHKがひとり強くなり過ぎるのではないかというようなことは逆にないのではないかというふうに私は想像をいたします。
○伏屋委員 次に、別の問題に移りたいと思いますが、最近郵政省は大都市に情報が集中しておるということをもっと拡散して、いろいろな都市町村にまでいろいろな情報機能というものを広げていこう、こういうようなお考えのもとにコミュニティー放送という構想をお持ちと聞いておるわけでございますが、その目的とかその概要、それからコミュニティー放送のイメージ等々についてお聞かせいただきたいと思います。
○小野沢政府委員 お答えいたします。 このたび初めての制度を創設しようとするものでございますが、このコミュニティー放送と申しますのは、市町村内の商業、業務、文化、行政等の機能の集積した区域またはスポーツ、レクリエーション、教養文化活動等の多様な活動に資するための機能の整備されている区域におきまして、当該地域における生活環境の改善、文化の向上を図り、地域の振興に資することを目的といたしまして、超短波放送によって地域に密着したきめ細かな各種の情報を提供する放送でございます。 各地域から反響がございまして、いろいろな照会がございますが、そういった照会の内容を放送目的別に分類しますと、例えばスキー場、リゾート観光地での情報提供を主目的にするものとか、行政情報、地域放送等を主目的にするものとか、交通情報の提供を主目的にするものとか、多様な研究をもう既に地域社会で開始されているようでございます。 そこで、こうした需要動向を参考にいたしまして、目下コミュニティー放送の制度化の具体的準備を行っておりまして、今後のスケジュールといたしましては、年内に制度化することを目的といたしまして、その前に電波監理審議会に関係省令等の改正を諮問したい、こういうように計画いたしております。
○伏屋委員 これは聞くところによれば、二十四時間放送というのではなくて、時間が制限されて放送する、その中で今のような情報を広く広げていく、こういうようなことのようでございますが、やはり交通安全の対策の上からいいましても、交通渋滞の現況をドライバーが知るということは非常に大事なことだと思いますし、また、行革審の豊かなくらし部会等々の答申を見ましても、やはり地域の活性化、情報通信の格差の解消、整備、こういうようなことからもぜひ必要だ、こういうような答申も出ておると聞いております。さらに、今の構想だけでなくて、具体化し、実現できるようにひとつ御努力をお願いしたい、このように思います。 その次の問題に入りたいと思います。 これは、今郵政省で非常に検討されておると聞いておりますが、電波の利用制度の問題でございますけれども、郵政省の今の検討状況等々についてお聞かせいただきたいと思いますし、それに対して大臣のお考えもあわせてお聞きしたいと思います。
○森本政府委員 大臣の方は後ほどに答えさせていただくとしまして、今の検討状況でございますが、先生御案内のとおり、今後の情報化の進展というものを考えますと、一つは、やはり光ケーブルに代表されるような高度の通信システムを構築していくこと、もう一つは、先ほどから話に出ていました放送系あるいは移動通信系の電波利用というのが大変重要な柱でございます。 ただ、最近急激にこの電波利用がふえておりまして、その結果、周波数資源が非常に逼迫してまいっているという事態、さらには不法無線局が急増して正常な無線局を妨害しているという事態、あるいはまた無線局の申請書類が非常に急激にふえている、こういったさまざまな問題が出てまいっております。 こうした点に的確に対応してまいって円滑な電波利用を確保してまいりますには、この今申しました問題にそれぞれの解決をしなければならぬ。具体的には、周波数資源の確保をしなければならぬ、あるいは監視をもっと充実しなければならぬ、あるいはコンピューターシステムの導入で円滑な電波行政を図らなければならない、こういう諸施策が必要でございますが、これらの施策につきましては、その効果を直接享受するのは電波利用をする無線局の免許人でございます。これに要する費用につきましては、一般財源、すなわち国民の租税による負担のみにとどまらずに、費用負担の公平を確保するという観点から無線局の免許人に負担を求めることが適当と考えられるところでございます。 とりわけ、電波は、御案内のとおり、有限かつ貴重な資源という性格を持っておりまして、無線局の免許人というのは、他の者の電波利用を排除いたしまして、いわば免許制度のもとで特定の周波数を安定的かつ独占的に利用しているという立場にございますので、そのような免許人の周波数の利用を安定的に確保してまいりますための社会的コストの負担につきましては、免許人と免許人以外との間の公平確保の要請が一層強いと考えなければならぬという問題があるかと思うのであります。 郵政省といたしましては、こういういろいろな問題から電波利用料制度というものを何とか創設いたしたいと考えておりまして、国会の御了承が得られますならば平成五年度にこういう制度を実施に移すことが適当ではないか、そのために、さしむき平成四年度、今ちょうど予算の概算要求の時期でございますが、ここではこうした制度の創設の準備に必要な経費を要求してまいりたい、こういう状況にございます。
○関谷国務大臣 流れにつきましては、局長の方から答弁をいたしたわけでございますが、そういうような現状また目的をもちまして電波利用料の制度を平成五年から実施をさせていただきたい。これはまた、当委員会そしてまた国会で御検討をいただき、御了解をいただいたらそれを進めていきたいというふうに思っておりまして、まず平成四年度の概算要求にもその準備のための予算を要求いたしたところでございます。ただ、今後免許人の方々、関係の方々の御意見もまたこれは伺って進めていかなければならないと思っておりますので、その年次が多少前後することはあるかもしれませんが、進めていくということでございます。
○伏屋委員 確かに、今の電波周波数というものの逼迫状況あるいは移動体通信というものからしますと、全く便利なようであって全く不便な一面もあるように聞いておるわけでございまして、やはりその中でかなり整理していかなければならない問題が多いと思います。私どもも、この電波料制度につきましてはまた党内でいろいろとじっくり勉強してまいりたい、次の通常国会に出てくるのではないかなと予想しておりますので、今後研究を進めていきたいと思っております。 次に、群馬県で、防災行政無線のFMラジオヘの漏話があったようでございますけれども、これについて郵政省がどういうふうな対応をし、今後どういうふうに対策を立てていこうとしておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○森本政府委員 先生御案内のとおり、防災行政無線というのは、都道府県単位あるいは市町村単位にそれぞれ災害時の通信確保というために設けられた制度でございますが、これは必ずしも防災だけじゃなくて、平時の行政事務の用にも供しているというのが現在の無線通信網でございます。都道府県の場合は、県庁から出先あるいは傘下の市町村、こうしたものとの連絡をいたす回線構成になっているわけでございます。 私どもは当初は実は防災業務用として免許を与えてきたのでありますが、やはりふだん使わないままいざというときに使うということでは非常に災害時に円滑を欠くという問題、さらにまた、防災行政無線というのは相当多額の経費も要しますので、そうした点で設備の面の有効活用を図るということも必要かということで、平常時における通信にも使用して構わないということでやってまいったわけでございます。 先般、群馬県の防災行政無線につきまして、高崎市にあります県の出先の、合同庁舎がございますが、その通信がFMラジオに漏れていた、こういう報道がございました。 私ども早速に関東電監局の職員を現地に派遣をいたしました。確かにその合同庁舎の設置をいたしておりますところのそばではFMラジオで通話が聞こえるという事態が判明いたしました。 実はこれはちょっと技術的に厄介なんでございますが、普通のFM放送というのは大体七十六から九十メガヘルツの波を出しておるわけです。人間が聞こえますのは、御案内のとおり二十ヘルツとか、低い方がそうでございます、高い方が二万ヘルツとかということでございますので、その間にラジオが受けて変調してというようなさまざまな細工をやらなければならないわけでございますが、ラジオが受信をして人間の耳に聞こえるような可聴周波数に変える過程で、こうした近傍の周波数も拾ってしまうという事態がございます。これはすべてのラジオがそうなっているわけじゃなくて、まあしっかりしたラジオでしたらフィルターがついてそういうものは排除するようになっているのですが、比較的廉価のFMラジオにはこうしたことが飛び込みがちでございます。こうしたことは実は技術的にはわかっていたのでございますが、事の発端が防災無線だということで、漏話があってもそう大きな問題にはならぬだろうなということできてはいたのでございますが、今般のこういう事態にかんがみまして、私ども、各都道府県、ほとんどの都道府県がこれを備えてございますので、これに対してひとつ秘話装置を導入することを検討してもらえないか、あるいはその間は通話については注意を払ってもらいたいということを御指導いたしておるところでございます。 なお、抜本的にはこの無線回線のディジタル化あるいは秘話装置の価格をもっと安くして導入できるというようなことも今後研究してまいらなければならぬ、近く検討に着手したいと思っておるところでございます。
○伏屋委員 時間も参りましたので、最後にお尋ねしたいと思いますが、ことしから発足いたしました生活関連公共投資事業である電気通信格差是正事業の実施状況について御説明いただきたいということで、新潟と茨城がその実施法人をつくったという報道もあったようでございますけれども、郵政省は今後どういうふうな計画で進められていくのか。それから、格差是正作業の中でこの事業を進めていく中でとりわけ考えなければならないのは、民放が一波も入らない地区に対する配慮が特に必要ではないか。とりわけ格差是正事業の中で中継局の設置というものが考えられておるわけでございますが、投資的な効率上考えてみれば、この中継局ばかりではなくてやはり共聴施設というものも考えていってはいかがなものであろうか、このように考えるわけでございます。 そういう意味からも、さっきの同僚委員からも御質問がございましたが、毎年度非常に強い要求のある沖縄の先島地区あたりはこの格差是正作業の大きな最優先対象地域ではなかろうか、このように考えますが、そのあたり一括お答えいただきたいと思います。
○白井政府委員 ただいまの先生御指摘の電気通信格差是正事業につきましては、平成三年度初めて予算化していただいたものでございますけれども、最初の年でもあるということで、補助金を交付する場合の細かな条件を関係の省庁と詰めるとか、いろいろな作業にかなり時間をとったものですから、実際の計画を進めるというのはスタートがかなりおくれてしまったわけでございますが、現在のところ、金額の規模にいたしまして大体七割強のものにつきましては、設置場所あるいは設置する施設などについて具体的な内容が固まっております。残るものにつきましては、また私どもこれから、この予算化された格差是正事業の趣旨というものが十分生かされるように計画を関係のところと詰めてまいりたいと考えております。 そのほかの問題については、担当がちょっと違いますので、放送行政局の方からお答えさせていただきたいと思います。
○小野沢政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生から御指摘のありました民放の難視聴解消事業の中継局に加えて共聴施設を補助の対象とするということ、それから沖縄県の先島の難視聴解消のための公共投資、これはいずれも来年度予算要求に重要施策として掲げまして要求したところでございます。
○伏屋委員 終わります。
○野中委員長 次に、田中昭一君。
○田中(昭)委員 八番目になりますと二番せんじも随分あると思いますけれども、私は、きょうの議題からしましてNHK問題に絞りまして、大きく分けて二点について御質問いたしたいと思います。 先ほどからも御議論がございますように、今日、日本の知的企業の最たるNHKが名誉も権威も失墜しつつある、また国民、受信者の皆さん方の信頼、信用も失いつつある大変な時期だと私は思っております。したがって、今NHKがやらなければならないのは、国民の信頼をいかにして回復するのか、公共放送としての大義をいかに貫いていくのか、ここにあると思います。そのために二つきちんとする必要があると私は思います。 その一つは、いろいろ議論がございましたように、島前会長辞任に関連する問題についていろいろな報道がなされているわけでありますから、ここのところはあいまいにせずに鮮明にすることが必要だと思います。たくさんありますけれども、私は三つについて、ダブる点もございますが、解明をしていただきたいと思っています。 その第一は、島発言は何のための虚偽発言であったかという問題についていろいろ議論がなされていますけれども、結論から申しますと、最終的には、ロスのホテルにいたというのは間違いないかどうなのかという問題です。これは島さんがそうおっしゃったのか、NHK全体として調査の上に最終的にそういうことに落ちついたのか、ここの点をはっきりさせていただきたいと思います。 と申し上げますのは、当初、島さんはGEのヘッドクォーターにいたと国会答弁したわけであります。これが虚偽の発言であるということで問題になったわけです。ところが、その後、これは国会答弁ではありませんけれども、ロスのヒューズ社にいたという答弁をしているわけであります。それで、GEのヘッドクォーターにおったということがうそであったということで国会問題にもなって大変なことになるといった場合に、次に一般の常識でいいますと、間違っておったからここにいたということを明確に言うはずだと思います。そういう意味で、ロスのヒューズ社にいたというのは正しいんじゃないか、私はこう思っているわけです。 しかし、その後、ロスのヒューズ社から映像を借りて見ていた、こういうように修正しているわけであります、報道によると。そして、その後さらに、ロスのホテルにいた、しかもロスのホテルでは電話回線を四回線引いたとかいろいろあって、これも修正になって、最終的には既存の電話一本だとか、こういうふうに落ちついてきたわけです。 私がなぜこういうことを申し上げるかといいますと、御存じのように、ロスのヒューズ社というのは、衛星のいろんな問題ではGEのライバル会社であるわけでありまして、したがって衛星打ち上げをするときにライバルの会社でいろんな打ち合わせがなされておるということは極めて問題がある。特に、衛星をめぐって各企業間の競争が非常に激しいわけで、売り込みも激しくなされている。わけてもアメリカ特有のロビイストたちが大分動いている、こういうことがあるわけです。そういう疑惑が持たれているわけですから、先ほど言ったように、国会問題になるほど問題視されておるのに、次に言うときにうそを言うのかどうなのか、これは非常に疑問だ。 ヒューズ社というのは今言ったようにGEの競争相手でありまして、ここを明確にするとまた大変な問題になるということで、映像を借りて見ていた、それでもいかぬということでホテルに落ちついた、こういう一連の流れからしますと、私は、最終的にロスのホテルにいたかどうかということについてはまだ納得ができないわけでありまして、GEのヘッドクォーターにおったということがうそであることは明確になったのですけれども、ロスのヒューズ社におったというのは、これが正しいのではないかな、こういう気がしてならないわけであります。 したがって、今申し上げましたように、結論として、NHKとしては、ロスのニューオータニホテルにいた、これはもう間違いがない、このことを明確に断言をしておいてほしい。後からまた変な形になりますと、これはおかしいことになりますから、ここのところをひとつ明確にしてほしい、これが一つであります。 それから、時間がございませんからまとめて答弁をいただきますが、二点目は、虚偽の発言がなぜこのように日本国じゅう沸き立たせるようなお家の騒動に発展をしたのかという問題について、NHKとしてはどういう受けとめ方をしているのかということをもう少し国民の皆さんの前に明らかにしなければいけないと思うのです。 例えば、自分のところの会長が国会で間違って発言をした。このNHKの島会長が、衛星の打ち上げにこれだけ自分は頑張っておったんだということを言うために勇み足をするということは、人間としてあり得ると私は思うんですね。ところが、これをめぐって、本当ならばNHK内部は会長をかばう立場に立って一致団結固まらなければいけないというときに、あのように続々と内部告発の文書が出てきて、週刊誌、スポーツ紙に取り上げられる。何でこういう状況になるのか。そして、理事の更迭がされて、人事異動が急速される。マスコミであれだけ騒ぎ立てられる。なぜこのようなことになるのか。ここのところがどうしてもわからぬわけでありまして、このNHKの体質はどこに原因があるのか、ここのところをもう少しNHKの側としては国民の皆さんの前に明らかにしなければいけないと思います。 したがって、簡単に申し上げましたけれども、今の二点目の問題についても新会長としての考え方を明らかにしてほしいと思います。 それから三つ目、これは先ほど武部委員が提起をしたわけですが、島前会長がやめる際の発言は、極めて不自然でありまして、端的に言いますと、私は政治的介入があったからやめさせられたんだという発言にとられる、こういう内容になっているわけでありまして、先ほどから申し上げますように、「NHKは不偏不党、公正、中立を基本とする公共放送として自主、自律。国民の側に立って、あらゆる権力の介入を排除する立場を守る努力を」してきた、こう言っているわけです。ここのところの発言の経過というものは、読んでみましても聞いてみましてもどうしても不自然でありまして、島会長は政治的な介入によって圧力をかけられてやめさせられた、こう受け取られても仕方がない発言になっているわけで、先ほど武部委員も言ったように、何党の何派が圧力をかけたとか、NHK内部には何党と何党の後ろ盾で内部対立があるんだとか、こういうことであるとすれば、これまた再び今度のようなお家騒動が起きてくる、私はそう思います。そういう意味では、国民の皆さんの前に今回のこのNHKの騒動についてやはり明らかにするという立場に立った場合には、幾つかの点について鮮明にしなければいけないと思いますけれども、今申し上げましたような三つについては、NHK側としてきちんとした答弁をいただきたいと思います。
○小山参考人 第一点と第三点については私から申し上げます。 第一点について、島会長だけが言ったのかということでございますが、これにつきましては、ロサンゼルスのホテルに滞在していたことは同行いたしました者すべてから確認をいたしておりまして、ロサンゼルスのホテルにおりました。また、当日ヒューズにいたかということにつきましては、当日ヒューズにいたこともなければ、何の連絡もなかったということも各人から聞いております。 なお、先ほど上田先生の方から御質問があったところで、某社の英人がそこにいたのではないかというときに、私が確認いたしましたと申し上げました。私が、担当理事をして確認させたということでございますので、この辺ちょっと訂正さしていただきます。 また、第三点でございますが、島会長の国会答弁から、さらに記者会見の問題で、あたかも権力の介入があったようなという点でございます。私どもとしては、これらの指摘は、そういったものと次元を異にいたしておりまして、いずれも、国権の最高機関である国会において事実と異なる答弁をしたということに伴うものでございまして、これらが権力の介入に当たるというものとは次元が異なると私どもは考えております。 ただ、第二点につきましては、非常に高い立場から理解しなければなりませんので、会長にお願いしてございますので、よろしくお願いいたします。
○川口参考人 第二点について私の思っておることを申し上げます。 会長の国会答弁をめぐって、それがうそであるというふうな形でもってまず信用をなくしました。そして、その後、いわゆる内部のいろいろな混乱というものがそのまま外に報道される、あるいはそのことによって内部の混乱がそのまま露呈してしまったというようなことがございます。私は、先生おっしゃるように、本当にこれは非常に残念なことで、NHK自体がもっと求心力を持っていればそのような形にはならなかったと思います。一番大きな原因は、やはり一人の人に権力が集中し過ぎていたということ、そのために、例えば補佐もままならない状況があり、あるいは全局内的に言って、トップダウンの形の指示が多かった、したがって内部から盛り上がってくる提案というものが採択されて、それが番組になっていくという一つの非常にナチュラルな形がなかなかとれなかったというふうなことに大きな問題があるのではないか。それに加えて、人事が非常に速いスパンで回転をし、そのために、大方が自分の居場所に対する疑問を持った、そういうことが原因になっていると思います。 これは、私は私なりに一応追求しましたので、このような形が今後、私の会長の時代には絶対起こらないということを念じながら、いろいろな方法をとっていきたい、このように思っております。
○田中(昭)委員 一点目の問題は、副会長がそう言われるわけですから、ここできちんと確認しておきたいと思います。再びあれは間違いであったということのないことを私は念じておきたいと思います。 それから二点目の問題は、これは会長がそう言われるわけですから、会長の今後の手腕に期待をしたいと思います。 しかし、巷間いろいろ言われるところによりますと、NHK内部には相当な派閥の対立がある、こういうふうに聞いておるわけです。したがって、島派とかなんとかあるのかどうか知りませんけれども、しかし、今度は追われた方が巻き返しに出るみたいな話になりますと、再び同じようなことが起きる、こう思います。したがって、これは今後の問題ですから、会長の今後の手腕に期待をしておきたいと思います。 それから三点目の問題は、私は野党のピンキリのキリですからわかりませんけれども、しかし、政治的な圧力はなかった、こう言われるならそう信頼しておきたいと思いますけれども、この点について、郵政大臣の見解もお聞きをしておきたいと思います。
○関谷国務大臣 前会長の島さんの記者会見の内容に私の名前あるいはまた委員長の名前などが出ておるというようなことで、武部先生からの御指摘もございましたが、まず結論から申し上げまして、私はそういうような政治的な圧力というようなことは一切かけておりませんし、郵政省といたしましては、御承知のように郵政省設置法に基づきましてNHKを指導監督するという立場にありまして、その立場から会長の言動が世間の常識であるとかあるいは信義に反するなど会長としてふさわしくない場合においては、社会的道義的側面から会長の責任を注意をするということは当然あるわけでございまして、今回の場合は郵政省へ対しまして虚偽の報告がなされたということで厳重に注意を行うというようなことを私がしかるべき措置をとるというふうに表明をしたと向こうがとったのが事実でございまして、決してどうというような意味で私は行ったわけではございませんから、この郵政省設置法の枠内のことである、またそういうことであったということ、私は今でもそのように考えております。 また、逓信委員長の名前も出ておるわけでございますが、委員長席に座っておりますから答弁ができませんから、私の考えておりますことをここで答弁をさせていただきますが、これは国会での虚偽の答弁に関しまして、七月十日の理事懇談会で、NHK経営委員会に対して、逓信委員会側にも説明すべきであるとの意見も出た、それで経営委員長と面会をされたということでありますから、これは、私は逓信委員会として当然なすべき行為であった、そのように今も認識をいたしております。
○田中(昭)委員 時間がありませんから、これはこれできょうは承っておきたいと思います。 次は、島前会長、いろいろ力を入れた仕事をされているわけで、一面では評価をされつつ一面では多くの批判も出ている、これが実態だと思います。マスコミ報道によりますと、今度の新会長は拡大経営路線といいますか、島路線といいますか、これを修正の方向だ、こういうふうに書いてあるわけですけれども、いずれにしても、今後の問題などを含めまして、時間がございませんけれども何点かについてお尋ねをしたいと思います。簡単に申し上げたいと思います。 一つは、今後のNHK事業の柱となる衛星放送について、二つだけお聞きをしたいと思います。 放送衛星BS3Hの打ち上げが失敗した際に、島会長は、失敗は非常に残念、打ち上げ費用は全部保険で補てんされる、こういう発言をされておるようですが、この衛星打ち上げの契約のあり方、システム、それと打ち上げ失敗で損害額は一体どの程度なのかという問題、これも国民の皆さんの前に明らかにすべきであると思います。NHKがまずGEに対して衛星本体の製造及び打ち上げを依頼する、打ち上げ会社はGEでなくて、ゼネラル・ダイナミックスの子会社であるCL、いわゆるコマーシャルランチサービスだ、こう聞いております。衛星が無事打ち上げられて、静止軌道に乗った段階でGEからNHKへ引き渡して契約が成立をする、こういうふうに聞いている、間違いならば訂正してください。保険を掛けるのはGEであって、したがって打ち上げ失敗した場合に全額補てんを受けるのはGE社だ、こういうふうに我々は理解をしているのですが、しかし報道によりますと、保険料は三十億弱ですけれども、これは前もってNHKがGEに支払っている、こういうふうに聞いています。だとすると、全額補てんをされるのはGE社であって、GE社は丸もうけであって損をするのはNHK、こういうことでありますから、全額保険で補てんをされて問題ないという前会長発言はちょっと理解ができないのじゃないかと思います。したがって、この衛星打ち上げに関する契約のシステムと損害額などについて、この際若干説明をいただきたい、こういうふうに思います。これが一つです。 それからもう一つ大事なことは、いわゆる衛星放送というのは、今日の段階では、過疎地対策であるとか難視聴対策じゃない、まさにNHK事業の根幹になるわけです。会社がいろいろな多角経営をしたりする場合にも、基本になる経営主体というものはやはりきちんとしておかなければいけない、これは当然のことであるわけです。したがって、このBS3bというのが今度成功したわけですが、このBS3bというのは、BS3aの、電波の免許でいきますと予備になる、こういうふうに聞いているわけです。BS3aというのは、これは先ほども議論になったようですけれども、電池系統が劣化をして非常に故障が多い、年間通じてきちんと使うことは不可能だ、こういうふうにお聞きをしておるわけですし、またBS2bというのはもう既に寿命が来ている、細々と運営をしてきた、こういうことになっているわけですが、BS3bの打ち上げで、今後NHKプラス民間もあると思いますけれども、安定運用が可能なのかどうなのか。この点について自信があるのかどうなのか。いずれにしても経営のメーンの問題ですから、ここが不安定では契約者との関係ではいろいろ問題がある。これが不安定になりましたから、契約を一部変更しますとか変えます、こういうことには今後はならない。そういう意味では、補完衛星の打ち上げなどを含めまして、今後きちんとしたものにするという対応について、これもまた国民の皆さんの前に明らかにしておくことが必要だろうと思います。 衛星放送の衛星につきまして、この二点についてNHKの御回答をいただきたいと思います。
○中野参考人 まず、前段の衛星の調達契約、それから保険料等の所要経費について私の方からお答えを申し上げます。 GEとの契約内容については、先ほど先生がおっしゃったとおり、おおむねそのとおりでございますが、念のため私からもう一度内容について御説明をさせていただきます。 GEとの契約でございますが、これはNHKと日本衛星放送株式会社、JSBと共同で衛星の製作、打ち上げを一括してGE社に八千八百万米ドルで請け負わせる、こういう契約でございました。さらに、このGE社はロケットの打ち上げ会社としてゼネラル・ダイナミック社、これを選定しまして衛星の打ち上げを委託したわけでございます。 このGEとの契約の内容でございますけれども、NHKとJSBはGEからBS3Hを軌道上で引き取る、もしもこの打ち上げの失敗によって衛星が引き渡してもらえない場合は、GE社はNHKとJSBにこの衛星の製作、打ち上げ経費、つまり八千八百万ドル全額を返還するということになっております。ただし、このGE社はリスクヘッジということで打ち上げ保険をかけております。それは、当然コストとして考えなきゃいけないということで、これはNHKとJSBに対して契約金額の一環としてそれぞれが負担をするという契約になっております。結果として、3H打ち上げに失敗をいたしましたので、これは全額、契約に基づいて八千八百万ドル返還をしていただいております。 それから前会長が、これは全額保険で返ってくるからNHKに損害はないんだというような発言があったということでございますけれども、これは正確に申し上げますと、今打ち上げ、製作経費が全額返ってくるから、そういう意味ではNHKに損害はないということなんですが、やはりそのために必要経費として保険料の負担はどうしても必要だということでございまして、これは両者合わせまして二十六億の負担をしております。そのうちNHKは持ち分比で三分の二、十七億を負担しておる。この分は、はっきり申し上げてNHKの財政負担ということでございます。これについては二年度の決算の中で予備費を使用して措置をさせていただきました。 以上でございます。
○中村(好)参考人 BS3aは打ち上げ直後から発生電力が予定の四分の三しかないというふぐあいがございまして、夏至、冬至の期間は三チャンネルの運用ができません。実際に五月九日から八月二十一日までの三カ月半はBS2bを併用して辛うじて三チャンネルの放送を確保してきたわけでありますが、今後三チャンネルの運用期間はだんだん短くなってくるという状況になります。 今回、BS3bが無事打ち上げられまして、三チャンネル運用が可能と期待しておりますが、平成三年七月未で衛星放送の受信世帯は約四百五十万を超えたというように言われておりまして、さらにこれにハイビジョンの試験放送も予定されておりまして、3a、3bの安定運用がますます重要となってまいります。BS3aの寿命は一九九七年まででございますが、この間、衛星放送の安定継続のためには何らかのバックアップ措置が必要と考えております。しかし、バックアップ措置につきましては多額の経費が必要でございますので、関係機関の御理解、御協力を得ながら進めていきたいというように考えております。
○田中(昭)委員 時間がございませんので、もう一つお聞きをしたいと思います。 これも議論になりましたけれども、GNN、いわゆるグローバル・ニュース・ネットワークの問題ですが、これは打ち上げ失敗の前々日ですか、四月十六日、ラスベガスのNAB総会でこの構想を島前会長が演説をされておるわけで、時間がありませんから中身に触れませんが、具体的に話が進んでおる、そしてことしじゅうに始めたい、こういう議事録になっております。 そこでお聞きしたいのは、この計画は率直に申し上げまして私どもは余り知らないわけです。平成二年から六年度の経営計画、五カ年計画にも出されまして国会の議論になっていますが、この中でもほとんど触れられていない、そういう文字は出てこないわけです。それから、ことしじゅうにやると言われておりますけれども、平成二年度の事業計画でもこれは出ていないわけです。したがって、これは一体どういうことなのか。この種の計画は、国会で仰々しく説明をする例えば経営計画であるとか、長期計画であるとか、事業計画であるとか、予算とか、そういうものと全く関係がない、こんなことはどんどんNHKとしてはできるんだ。費用も当初予算として十億ドルですか、かかるとも言っておるようですが、回線料を含めますと莫大な費用になると思います。こういう計画がこういう議論のまないたに全然のらないままにぼんとひとり歩きしていくというのは今後あるのかないのか、どういう考え方でこういうことになるのか、この辺をもう少し明らかにしてほしいと思います。
○川口参考人 今後についてはそのようなことはあり得ないとお考えください。私は、このような大きな構想についてはやはりNHKが国会で説明申し上げて、御理解を得て初めてできるものだと思っております。
○田中(昭)委員 今後はあり得ないということですが、これは間違っておった、こういうことはやるべきではない、こういうふうに受けとめていいのですか。あれだけの計画が、逓信委員会などで仰々しく五カ年計画だとか年度の事業計画だとか、大臣まで出てきていろいろ議論する、そういう中で全然触れられずにひとり歩きしていく。相当な予算が――仮に今回の国会の虚偽発言がなくてそのまま島体制でいくとした場合に、ああいう予算はどこから出てくるのですか。それで、その計画はどこにどういうふうに説明をするのですか。どういう考え方だったのですか。新会長は今後はないとおっしゃいますけれども、小山副会長、島会長がかわらなければああいうものは、予算はどこから出てくるのですか、どこでどう計画を説明するつもりだったのか、この辺を聞いておきたいと思います。
○小山参考人 お答え申し上げます。 この計画につきましては、島前会長が一つの構想として持っておられたということは承知しております。ところが、実際工事務的には全く積み上げられていなかったというのが実情でございまして、ここで御指摘を受けますと非常に痛み入る次第でございますけれども、事務的にはその数値の積み上げ等、それから関係各方面の理解等も得ていなかったというのが実情でございます。
○田中(昭)委員 これは大変遺憾なことだと思います。冒頭申し上げましたようにNHKの独走的な体質、それからワンマン的な体質、そういうところに起因すると思います。本当にけしからぬことだと私は思います。したがって、新会長を言われるように、今後そういうことのないように、やはり開かれた公共放送ですから、国民の皆さん方に対してNHKの経営の内容については鮮明に、オープンにして理解を得た上で実施をしていく、こういう体制をつくるように最後にぜひお願いをしておきたいと思います。 時間が参りましたけれども、今後NHKの問題としては、例えば巨大化、メディアの集中化の問題とか、関連企業に対する、子会社、孫会社たくさんあるので、それに対する視聴者、国民のアクセス権というものがどこまで考えられていくのかという問題とか、本来NHKでやらなければならないのが下請に行けば何でも勝手にやれる、こういう問題などが問題点としてたくさん残っておると思いますから、こういう点は時間が参りましたので次の機会に解明をさせていただきたいと思っております。 以上で終わります。
○野中委員長 次に、秋葉忠利君。
○秋葉委員 社会党の秋葉でございます。三十分いただいておりますので、その間に今回の島前会長の国会におけるうそ答弁、それに関連した項目について何点か伺いたいと思います。 NHKは公共放送、その報道の存在価値というのは、放送法の三条にもありますように真実を伝えることにあるというふうに思います。その会長であった人物が国会でうそをつくということは、まさにNHKそのものの存在価値を否定しているような言動だというふうに私は考えていますけれども、先ほどからの御答弁を伺っていて、川口新会長の誠実な答弁の内容に関しては実は確かに好感を持ちましたけれども、一つはそういった個人レベルの問題ではなくて構造的な問題であるということ。構造的な問題であるという観点から考えますと、本当に今回の虚偽答弁の重みがNHKの方に伝わっているのかどうか疑問に思いました。 これはどぎつい例かもしれませんが、例えば現在の金銭万能主義といったような社会の価値観の中で考えますと、これはあえてお金に例えた方が非常にわかりやすいのかもしれない、そんな気さえいたします。 そういたしますと、例えば日銀総裁がにせ札をつくって使った、それに匹敵するような大きな事件ではないかというふうに私は思います。現在の日銀がそういったことをするということを申しているわけではありません。仮に日銀がそういうことを行ったら、日銀の総裁が行ったら、それはとんでもない問題になる。私はそれと同じような重みを持った問題だというふうに思います。 その理由は、放送法の第三条にあるのはただ単に事実を曲げないということですが、事実を曲げるということ、その逆の場合を考えると、少なくともそこにはまだ事実が存在しています。針金でもくぎでも考えていただければいいのですけれども、ある真っすぐなものを曲げるということはいけない、そんなことでさえいけないと言っているのですが、今回の虚偽発言の場合にはくぎそのものがなくなってしまって、あるいは針金そのものがなくなってしまって、全く別のものをそこに持ってきた。しかも、それを再三行っている。うそをつく場合に、非常に重要なのは、どのような意図を持って、どのような手段によって、どのような期間一貫してそれを通すかということが非常に重要になってくると私は思います。子供のうそと今回のようなうそが本質的に違うのはその点だと思います。ただ、目の前にあるものを少し曲げるというのはまだうそとしては程度が軽い。全くないものを、しかも微に入り細に入り架空なものをつくって、さらにそれがうそだとわかった上で今度は絵をつけてまで新しいうそをつくり出していく、これはうそとしては本当に悪質と言う以外私は言いようがないというふうに思います。ましてや、真実を売り物にする報道機関、しかも公共放送として特別の地位にあるNHKの長が行ったということで、その責任は非常に重いと私は思います。NHK全体に関しても同じだというふうに思います。 しかるに、先ほどからの答弁を聞いていますと、ただ一つだけ申し上げてあれなんですが、個人的に恨みがあるわけじゃないのですが、十一時から十一時十五分までの間に、Kという女性のロスに行く費用をだれが払ったかということで十五分間に三回答弁が変わりました。最初はNHKエンタープライズが払ったと言って、その次はMICOが払ったと言い、三回目の訂正ではホテル代はNHKが持った。たった十五分の間に何でこんな簡単なことが三回も変わるのか。結局、このようなうそ、そしてそれによって損われた信頼を回復するためには、私は非常に大きな努力が必要だと思います。にせの一万円札をつかまされた人は、恐らく何年にもわたって、一万円札を見るたびにこれは本当のお札なのか、にせ札なのかということを見る瞬間に考えると思います。全国民は、全視聴者は、NHKの少なくとも幹部の方々の発言を聞いて、そのたびにこれは本当なんだろうかという気持ちで聞いていると思います。そういう状況の中で、信頼感を回復するためには、それこそ地道な、そして勇気ある事実の集積ということがどうしても必要だと思いますけれども、少なくともさっき申し上げましたような十五分間に三回も答弁が変わってしまうようなそういう対処の仕方では、国民の信頼感を容易に回復することはできないというふうに私は思います。 それと同時に、今回の島前会長の虚偽発言事件で明確になったことは、少なくとも国会においての発言に関してもNHKの発言をそのままとってはいけない、発言をそのまま信用するのではなくて、事実の集積によってその裏打ちをしてもらわない限り、我々はうっかりNHKの言うことを信用してはいけないんだという原則を新たにNHK側の発言によって国会の審議の中へもたらしたというふうに私は考えております。したがって、これからの私の質問も、言葉ではなくて、具体的にNHKとしてどういう行動をとってきたのか、どういった事実があるのか、そのことに従ってお答えいただきたいというふうに思います。 実は、真実ということを、アメリカの裁判所では証人が宣誓をする際に次のような宣誓をいたします。それは、私は真実を述べます、真実のみ、そしてすべての真実を述べます、こういうことなんですけれども、今、島前会長発言で問題になっているのは真実のみの部分です。つまり、うそを言ってはいけないということですが、この真実、もう一つ大事なところがあります。それはすべての真実というところです。例えばけんかをした場合に、相手を殴ったことにはまるっきり触れずに自分が殴られたことだけを真実として述べるというのは、それはすべての真実を述べたことにはならないということであります。その観点から考えますと、実は報道において非常に難しい問題は、ただ単にうそをつかないという当たり前のこと以上に重要なのは、偏った報道をしない、公平な報道をするということだと思います。 そういった観点から、実は、以前のこの委員会で私は湾岸戦争の報道について質問いたしました。そのときの島前会長の答えに私は非常に大きな不満を持っておりますので、そのフォローアップといいますか、その点について今回もう一度質問させていただきたいと思います。 そのときの島前会長の答えは、要するに私が公平だと感じたからNHKの報道は公平なんだというのが最終的なお答えでした。その島会長の考えられたその公平さ、私がそう思うからというところ、しかしながらそう言った御本人がうそをついているわけですから、島さんのおっしゃったことをもちろんそのまま信用するわけにはまいりません。 そこで私は、二月の最初の一週間、学生の協力を得て各放送局の夕方のニュースの湾岸戦争に関する報道について、そのニュースソースを調べ上げました。そのデータを前回の国会で申し上げました。その結果として、少なくともその時期はニュースソースに非常に大きな偏りがあったということを申し上げました。そして、偏りにはもちろんいろいろな偏りがありますけれども、そういった偏りもニュースの偏りの一つであるということを申し上げたつもりでございます。その点について、NHKの考え方をもう一度伺いたいと思います。 湾岸戦争報道の偏りについて現在NHKはどういうことを考えているのか、手短で結構ですから、その考えの基礎となる具体的なデータ、それを示していただきたいと思います。
○中村(和)参考人 お答えいたします。 今先生御指摘のとおり、公平、真実にどれだけ近づくかということは私どもにとっても非常に大きな問題で、放送を出すたびにそういうことを意識しながらやっておるわけですが、湾岸戦争については限られた時間の中にいろいろな形でニュースソースが入ってきます。その中にはABCとかアメリカと協力関係を結んでいるニュースソースからどんどん入ってくるわけですが、反対側の情報も我々はぜひ必要だということで、これは世界じゅうの衛星放送で、BBCとかZDFとかCNNだとかそういうあらゆるニュースソースから反対側の意見がどういうふうに出てくるかということも念頭に置きながらニュースというものを構成しております。 限られた時間の中でそういう判断をしていくわけですが、そういうふうに情報の入り方が一方に偏ってきた場合にも、どうやって反対側の情報を、言ってみれば限られた時間の中でなく、ちょっと長いスパンの中で考えたらいいのかということで、イラン国民の言い分だとかサダム・フセインの実像だとかフセインの単独インタビューだとか、そういうことをトータルで多角的に報道して、できるだけ双方の意見を公平に出そうという努力を具体的にいたしました。
○秋葉委員 全然答えになっていません。具体的なデータを伺ったわけですから、データをお示しください。 それでは、もう少し具体的なことを伺います。 私は、ことしの三月十五日の委員会で私が調べた具体的なデータを申し上げました。NHKとして私の申し上げたデータが正しいのか間違っているのか、それについて具体的な調査をなさいましたか。私のところにはNHKからこの調査について一件の問い合わせもございません、現在までのところ。NHKとして独自の調査をしたのか。イエスかノーかで結構です。
○中村(和)参考人 独自の調査はしておりません。
○秋葉委員 この期間については独自の調査をしていない、ということは、私の調査が正しいというふうにお認めくださったことだというふうに思います。 そのときの反論として、より長期に考えるとこれは偏向生言えないのじゃないかということを言われました。私の調査した期間は二月六日から十一日まででございますが、湾岸戦争の期間中、全部を合わせてニュースソースについて数量化できるところというのは、これは客観的に第三者が検証して確かめることができるデータでございますので、そういう意味で私は大切なデータだと思います。 湾岸戦争全般について、ニュースソースについて、あるいはこういった数量化できる偏り、それを防ぐためにNHKとして具体的な調査を、事後調査でも結構ですが、なさいましたでしょうか。
○中村(和)参考人 事後調査はしておりません。
○秋葉委員 具体的な数量化する調査ができなかったとしても、世論調査その他客観的な情報だと信じるに足るような数字がたくさんございます。例えば、湾岸報道の偏りについてNHKは独自の世論調査を行ったのか、あるいはそういった世論調査の結果をまとめてNHK自身がどのような報道を行ったか、数量的な結論というものはNHKとしてございますでしょうか。
○中村(和)参考人 数量的な調査というのは、世論調査も含めてございません。
○秋葉委員 ところが、NHKは調査をしております。「放送研究と調査」という、これは一九九一年の五月号に、電話でございますけれども、世論調査をしております。例えば、一例を申し上げますと、不満な点として、戦争の悲惨さを伝える映像がなかった、五五%の人がそういうように答えている。イラク側の情報がなかった五四%、戦争の日本への影響についての情報がなかった、これが五四%、こういった調査を世論調査部の方がしていらっしゃいます。自分のところでしている調査さえも把握していないということ、これはどういうふうに解釈ができるか。いろいろ解釈があると思いますが、要するに国会でNHKの会長が回答をする場合に、ただ単にその質問に対してその場で答えれば、その問題が大事であっても後は何も追調査はしなくてもいいのか、それ以後の手は全く打たないでいいというふうにNHKはお考えになっているのでしょうか。もしそうだとしたら、その考えを今後変える気があるのかどうか、新会長、お願いいたします。
○川口参考人 この場で例えばそういう議論が出て、あるいは調査のことについてお触れになった場合、そういうことについて誠実に対応するのはやはりNHKの務めだと思います。
○秋葉委員 今のお答えをお聞きになって、これが誠実なNHKの対応だというふうにお思いになりますか。
○川口参考人 私自体が命の湾岸戦争報道の一部始終について全く今知識を持っておりませんので、どのような対応があり、どのような調査が行われたか、全くつまびらかにしておりません。 それから、これはちょっと言いわけがましくなるので嫌なのですが、中村参考人は、ほんの先ほどまで熊本におりましたので、熊本の放送局長をやっておりましたので、その件については知らなかったのかもしれません。それは、しかし、言いわけにはなりません。
○秋葉委員 まことに申しわけないのですが、そういうことをおっしゃられると、私も国会議員になってほやほやでして、例えばこういうことにもなれておりませんけれども、ただ我々の立場で違いますのは、それでも有権者に対してきちんとした責任のある仕事をしないと、我々すぐ落選いたします。それをかけて自民党の方も野党のほかの党の方も同じように一生懸命やっているので、それは言いわけだというふうにおっしゃいましたが、そういう事情があることはわかった上で、やはりNHKの態度としては私は欠けるところがあったのではないか、そういう問題提起をしておきたいと思います。 これはひがみで言うわけではありませんが、自民党の方の問題提起は非常に重く取り上げて、社会党の一年生議員の場合には余り重く取り上げないなんということが事によったらあるんじゃないかとひがみに思いますが、そういう点は事実としてあるのでしょうか。
○川口参考人 それはもう全くありません。国会議員さんの御発言については全部同じような態度で私ども対応しようと思っております。
○秋葉委員 ということは、この委員会で問題提起をしても、これまでのNHKはほとんどその事後のフォローをしてこなかったという結論を導かざるを得ないと思います。 我々の立場は、やはり視聴者の代表としてここでNHKのより健全な運営のために発言をしているわけですから、その点についてなお一層の努力をしていただきたいと思うのですが、実は、今のお答えに対しても私は疑問がございます。 それは、島前会長辞任のさまざまないきさつをめぐって自民党との間に癒着があるのではないか、そういう指摘がなされました。それについて今十分な時間をかけて議論をしている場ではないと思いますし、時間的にも非常に不足しておりますので申し上げませんが、例えば島発言がうそであるということがわかって以来、NHKとして、逓信委員会に属する国会議員だけで結構ですから、例えば自民党の議員には大体何人ぐらい接触をして、連絡をとって報告をしたりあるいは打ち合わせをしたのか、野党の議員に対しては同様なことがどのくらいなされたのか、具体的にお答えいただきたいと思います。
○堀井参考人 私の前任者の担当理事はどういう行動をとったかということは、数量的に私、現在持ち合わせておりませんが、御連絡に何回か伺ったようなことは言っておりました。 それから、私がこの担当になりましてからは、積極的に国会の先生方の御理解をちょうだいすべく、私がこの担当になりましたというごあいさつも含めて何回か回らせていただきましたが、どの先生に何回かという統計的な数字は現在持ち合わせておりません。
○秋葉委員 数量的でなくても結構ですから、この島会長の辞任の問題についての情報交換あるいは報告ということで自民党側、自民党の国会議員とはさまざまな接触をなされたという事実があるかないか、その点をお答えいただきたいと思います。
○小山参考人 正確なお答えをできないということがまことに申しわけないというか、恥ずべきことなのでございますけれども、今回の問題が起きましてから、先ほども申し上げましたが、経営の最高責任者として自分が誤った答弁をしたのだから、自分で解決するのでひとつぜひその点については任せてほしいということでございまして、私ども詳細にわかってないわけでございます。ただ当時渉外担当をやっておりました理事がおりますが、これからもよく聞いてないということ、まことに役員間の連絡が非常に悪く、このようなお答えをしなければならないということ、非常にお恥ずかしい次第でございますが、実態を申し上げますと、そのようなわけでございます。
○秋葉委員 少なくとも私が個人で調査した結果では、自民党の方すべてではありませんけれども、自民党の議員の何人かにはNHKの方から連絡、報告その他が行っておりますが、社会党にはございません。ですから、先ほどおっしゃった各党に対して公平という原則は事実として存在しなかったということを確認していただきたいと思います。 それから、今後のことに関してですけれども、こういったことが続くということは、私はやはりNHKの公平さという点から非常にゆゆしき問題だと思います。これが続くのであれば、今後は野党に一票入れた視聴者は全部受信料をただにするというような原則を取り入れなくてはいけないような事態になるかもしれません。そういう運動が全国民的に起こるかもしれません。しかし、そういう運動が起こったときに、受信料を集める人がこういった事実を持ち出されて反論をするすべが恐らくないのではないかというふうに私は思います。ですから、この点について、とりあえず今回は問題の提起だけにさせていただきますが、こういったことが今後起こらないように、先ほど申し上げた誠実な対応をお願いいたします。それは、例えば具体的にどういったやりとりがあったのか、行き来があったのかということの調査も含めて私はお願いしたいと思います。 さらにもう一つ、この点に関して、実はこういったやり方、形としては問題がありますけれども、それ以上に重要なのは、仮にNHKと自民党が非常に近い関係にあるということ、そのこと自体は事によったら問題ではないかもしれません。問題は、そのことによって報道の公正さ、それが失われるということだろうと思います。実際、NHKの現場には非常にこういったことにきちんとした態度をとってこられた方がたくさんいらっしゃいます。私も知っています。そういった人たちの努力によって公正さ、すべての面で公正だというふうに言えませんけれども、公正さを守るために努力をしてきた方々がたくさんいらっしゃいます。そういった人たちの期待を裏切らないような行動をぜひお願いしたいということを一点。 それからもう一つ、仮に経営者としてはある程度時の為政者あるいは財界その他との関係を太くしなくてはならないにしろ、報道の現場での公正さを守るために、例えば反論権といったものを導入すること、そのことによって仮に政治的なつながりが少々深くなろうとも、現場においてはきちんと報道の公正さを守るということは可能だと思います。 反論権といいますか、アメリカで行っているイコールタイムというような原則ですけれども、今後NHKとしてその採用を検討していただけるのかどうか。あるいは郵政大臣にお聞きしたいのですけれども、ただ単にNHKだけではなくて、これからの放送界のあり方としてそういった原則を検討する必要があるのではないか、その辺のお考えを伺いたいと思います。
○中村(和)参考人 先ほども冒頭で申し上げましたけれども、真実にできるだけ近づくためには、多角的に事実を積み上げて一歩でも二歩でも真実の像に近づいていきたいというのが基本的な我々の姿勢でございますので、異なった意見、相反する意見、中立的な意見、そういうものを多角的に番組の中、ニュースの中、報道の中に取り上げていくということが基本的な姿勢であります。その中で、反論権ということも十分に考えていきたいということで二ざいます。
○関谷国務大臣 秋葉先生御指摘の放送の不偏不党性、それと真実のみを報道するというこの保証、そこから出てまいりました訂正放送義務というものをどうかというようなことでございまして、その前段の、どの方にどのような報告をしておるか、あるいはまたここで定義をされたものについてのフォローアップはもっと、もっとといいましょうか、それがおろそかになっている、そういうようなこと、私も確かにそれは今後きちっとすべきだと思います。 ただ、この訂正放送義務の問題というのは、私の今持っております知識ではちょっと正確な答弁ができませんので、次の委員会までに私も勉強いたしまして、打ち返す内容をぜひここで答弁をしたい、そのように思っております。
○秋葉委員 ありがとうございました。 それで、これに関連して実はもう一つ問題を取り上げたいのですが、実は現在日本の社会で問題になっているマスコミ界の幾つかのケースがあります。それはNHKの前会長のうそ、虚偽発言だけではありません。例えば非常に大きな例として、TBSの今回の証券・金融スキャンダルに絡んだ補てんの問題がございます。この補てんも、少なくとも私が報道で読んだ限りでは、その責任者であるTBSの社長が全く事実として知らなかったという発言をしています。しかしながら、具体的にその手口を見ますと、例えば三月十四日、同じ日に、これは野村からのワラント債で三億六千二百万円という巨額な資金を得ている。それから日興からは、三月二十六日、これは平成二年ですが、二億九千百万円、これは株式の先物取引です。その両方を見ても、各取引ごとに報告書が出ている、あるいは月ごとの報告が出ている、さらに社長が経理の専門家であるというような状況証拠を考えると、これを知らなかったということは恐らくあり得ない場合だというふうに思います。しかも、真実を売り物にしているマスコミの組織、その長が、こういっただれにも恐らくうそではないかと思わせるような発言をしているということ、これは非常に大きな問題だというふうに思います。島会長の虚偽発言、それと同じぐらいの重さが事によったらある発言かもしれません。郵政省としては、こういった問題に対して、少なくともTBSの側が自発的に、報道の真実、公正さを守るために情報の公開を行うように指導をされるお考えはありませんか。
○小野沢政府委員 お答えいたします。 TBSが証券会社から損失補てんを受けていた事実が四大証券会社の報道発表により明らかとなりました去る七月二十九日以降、郵政省はTBSから数回にわたって事情聴取を行ってまいりました。私ども真剣に事情聴取いたしましたし、TBSも真剣に応じたわけですが、その結果、TBSに対する損失補てんは証券会社の判断により行われたものであり、TBSは証券会社に損失補てんを求めたことは全くなく、損失補てんを受けた事実も把握していなかったものというふうに私ども受けとめております。 しかし、郵政省といたしましては、言論報道機関たるTBSが証券会社から損失補てんを受けていたということは、放送事業者に対する国民の信頼を著しく損なうものであって、放送事業の持つ公共性と社会的責任にかんがみて重大な問題であると考えまして、そこでその事情聴取の際に正確な事実関係の把握に最大限努力するとともに、資金運用を慎重に行うように注意を促したところでございます。 なお、御指摘の今後の措置等については、いろいろな状況等を踏まえながらいろいろ考究してまいりたいというふうに考えております。
○秋葉委員 私の質問したことと少々内容が違うのです。大変申しわけないのですが、私は郵政省が株式先物取引とかワラント債を使ってのこういった短期間に非常に大きな利益を上げる手法、そういった問題についてのエキスパートだとは思っておりません。ですから、その事実が本当に仮に利回り保証であるかあるいは補てんであるか、証券取引法違反であるか、そういったことを郵政省が確定するのではなくて、報道機関の態度として、公開の原則にのっとってまず自分たちの知っていることはすべて公開せよ、しかもテレビ局ですから、社長みずからがテレビに出て、そして視聴者に対して自分たちの、自分の考え方をきちんと説明する、しかもそれに対しては新聞記者からテレビ記者からきちんとした反論のもらえるような形で行う、私は、そういった公開の場における説明をする、そういうふうに指示をすることは郵政省の立場でも十分できることだと思います。本当に補てんかどうかというところまで郵政省が立ち入ることではないような気が私はいたしますけれども、この点についてはまだ後で問題提起をさせていただきます。 最後に、実はこのTBSの問題もありますし、それからKBSの放送施設が担保に入っていたというような問題もございます。NHKの島前会長のさまざまな批判についても、これは経営の面で非常に大事なことだからというようなことが言われておりますし、この数カ月あるいは数年マスコミ界をにぎわしているさまざまな問題は個々の問題ではなくて、例えば島前会長一人の問題ではなくて、マスコミ界全体あるいは世界全体を覆っている構造的な問題であるというふうに思います。一方では技術が非常に早く進歩をしているわけですから世界のどこからでも情報を得ることができる。しかしながら、その情報を得るためにはお金がかかる。しかも世界的な競争は激化している。経済的に見るとそういうような問題があるわけですが、その中で実は報道において一番大切な報道の質あるいは報道における真実さ、公正、不偏性、そういったものが犠牲にされてきているようなこれは構造的な問題だというふうに私は思います、その問題を正確に把握した上で長期的なビジョンを出さないと、やはりこういった個々の問題については解決が行われても、長期的にはまた似たような問題がどうしても出てくるというふうに思います。 私はこの際、逓信委員会として、こういった長期的な構造的な問題を考えるために、特別の委員会、あるいは公聴会でも結構ですが、それを開いて、そこには例えばKBSの社長もTBSの社長もNHKの島前会長も来ていただいて、そういった人たちの事実に即した体験から一体どういうことが学べるのか、構造的な解決策はどんなものがあるのか、そういった委員会をぜひこの逓信委員会が中心になって開くべきだと思いますが、野中委員長、そういったことを検討していただけるでしょうか。
○野中委員長 ただいま秋葉委員の御発言は、後日理事会において協議をいたします。
○秋葉委員 はい。最後に一つだけちょっと。 仮にそういった会が開かれたといたしまして、それをまとめて郵政省として長期的な、放送に関して、あるいは技術について、通信について、そういった長期的なビジョンをやはりどうしても描く必要があると思いますけれども、その辺について郵政大臣どんなお考えをお持ちなのか、最後に伺いたいと思います。
○関谷国務大臣 少し長くなるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。 今回のNHKのもろもろの問題、あるいはまた衛星放送、またハイビジョン、また国際間の規格をどのように交換するか、その国際間の協定の問題等々、私は、先生御指摘のようにそういう個々の問題ではなくして、いわゆるマスメディアの問題について秋葉さんが委員長に今お願いいたしましたような小委員会というようなものをつくってそこで勉強をする、そしてそれがまとまりましたら、ぜひ郵政省でもまたそのまとまりました要綱につきまして勉強して、今放送全体を取り巻く環境が大きく変わってきておるわけでございますから、当然法律改正というものをここでやっていくべきときに来ておると私は思いますので、そういうようなことが提出されましたら、郵政省といたしましては喜んで前向きで対処をしていきたい、そのように思います。
○秋葉委員 ありがとうございました。質問を終わります。
○野中委員長 次に、菅野悦子君。
○菅野委員 島前会長の虚偽答弁の問題につきましては、この間随分といろいろ問題になってまいりましたし、本委員会でも論議をされてまいりました。その中で川口会長はNHKの国民の信頼の回復ということを盛んに言っておられるわけなんですけれども、やはりその第一歩は島前会長の虚偽答弁について真相を明らかにするということだと思うわけです。例えば川口さんが新会長になった直後の八月一日付の朝日新聞ですけれども、「新会長を決めて、一応の区切りをつけた。とはいえ、後味の悪さは残る。虚偽発言の裏は何だったのかなとの疑問が解消されていないうえ、辞任、新会長選出の過程で政界の影がしばしばちらついたことだ。」というふうに言っているわけです。 今までのやりとりの中でも、なぜ島前会長はうその答弁をしたのか、特にそれを二転、三転させましたけれども、それはなぜだったのか、しかも本委員会の中でも同僚議員が言っておりましたが、二カ月半隠ぺいされていた、こういうふうな点でも全くわからないわけです。あわせて、周辺におられた方々の対応も含めて合点がいかないというのが現状だと思います。前会長のことだからわからない、それはそれということでは済まされないわけで、それではNHKの国民の信頼は回復できないと思います。 そこで、川口会長にお伺いしたいのですけれども、この間の答弁の中でも独自に調査もなさっているということも言っておられましたが、あいまいなところ、不自然なところをきちっと調査をして事実を明らかにすべきではないかというふうに思いますけれども、まずその点での御決意を伺っておきたいと思います。
○川口参考人 私は、そのいきさつの後で会長になりまして、やはりこのことがはっきりと解明されないと御納得はいただけないというふうに考えております。したがって、きょうの委員会が一つの形になる、垣根になるのかなというふうには思っておりました。もし後に問題が残るならば、これは私の責任としてもできるだけそのことははっきりしなければいけないというふうに思っております。
○菅野委員 それでは、この島前会長の虚偽答弁が判明した前後の郵政省の対応についての事実経過をお伺いしたいと思います。 これまで私どもが聞いた中では、郵政省は五月の七日、八日ぐらいにNHKに問い合わせをして、そのときは竹中理事から答弁どおりという回答があった。ところが、やはりどうもおかしいのじゃないかというふうに思っていたそうなんですけれども、翌九日に島前会長御本人から電話があって、当時の桑野放送行政局長に実はヒューズの映像を見ていたという報告があって、そして同じく同日竹中理事がらも同様の報告があったというふうに聞いております。こういう事実経過、間違いがないかということ。 それから、この問題は自民党の通信部会の中では、答弁がおかしいのじゃないかという話があったということで、六月三日に桑野局長が、そして六月十八日には小野沢局長が自民党の通信部会の役員会に出られてこの問題を報告されたというふうに聞いておりますけれども、このときの認識はどのようなものだったのか、どのような報告をなさったのかということをお伺いしたいと思います。
○小野沢政府委員 お答え申し上げます。 先生の御指摘の最初の事実はそのとおりでございます。 それから郵政省の対応についてでございますが、私が着任したときに感じましたのは、国会における前会長の虚偽答弁あるいは郵政省に対する虚偽報告ということで、これから放送行政の責任を負う私といたしまして事実関係を明らかにすることが一番大事だというふうに考えたわけでございます。それがNHKと国会との大事な関係、それから郵政省との信頼関係を築いていくために一番大事だというふうに考えまして、そこで今御指摘にありました自民党の役員会における説明におきましては、まだ経験を積んでおりませんので前任者から引き継いだ事項について御報告したのですが、その場の最後の場面で、これから私が責任を持って対応するわけですのでというお話をいたしました。そこで、六月二十日に、事実関係を明確にしておくことが物事を処理していく基本だということで、文書によりましてNHKに対してポイントを示しまして、それについて文書回答を求めた、こういう姿勢で臨んだわけでございます。
○菅野委員 ちょっとわからないのですが、そのときには島前会長はどこにおったという認識で御説明なさったのですか、十八日の時点。
○小野沢政府委員 お答えいたします。 五月八日、NHKの担当理事に郵政省に来ていただきまして、当時の担当審議官から再度事実関係を照会いたしましたところ、翌九日、島前会長から前任局長に対しまして電話で、ロサンゼルスのヒューズ管制センターでBS3Hの打ち上げ状況を見守った旨の回答があり、また同日NHKの担当理事が来省いたしまして、同趣旨の回答があったということですので、私はこれを真実と思ってこういう報告をしたわけでございます。
○菅野委員 そうすると郵政省は、五月九日の時点で島前会長の電話があったということですから、本委員会で四月二十四日、GEのヘッドクォーターにいたという答弁は実は間違いてあったということ、つまりうそであったということを認識しておられた。そして実はヒューズですということになったわけですから、五月九日以降六月十八日までの一カ月半はヒューズの映像を見ていたというふうに認識していたということになると思うのですけれども、そういうことですね。
○小野沢政府委員 いろいろな状況がありましたので、先ほど申し上げましたようにこの辺できちっと責任者同士が文書をもって回答を確認する必要があるということで、先ほど申し上げたような文書回答を求め、文書回答を得た、正式にはそのことによって事実に反する答弁だということが明らかになった、こういうことで、ここから進んでいったということでございます。
○菅野委員 今おっしゃっておられた事実経過ということでいいますと、六月二十日に改めて郵政省からNHKに再度照会をした。そして六月二十五日にNHKから郵政省にロサンゼルス市内のホテルニューオータニにいたという旨の回答をもらったということで、これは文書回答だったというふうに聞いております。 ところで、新聞などでは島前会長の虚偽答弁が報道されたのは七月二日なんですけれども、その一週間前にはNHKは郵政省に対して、ロスのホテルにいた、つまり最終回答ですが、これを届けたということですね。NHKに確認したいのですけれども、そういうことですね。
○堀井参考人 六月二十五日に郵政省の照会に対して、ロサンゼルスのホテルで連絡、指揮をとっていた旨文書で回答をしております。
○菅野委員 こうした事実経過を振り返ってみますと、今回の一連の事態というのは、そもそもの事の発端は、本委員会、国会での答弁という問題であるわけです。にもかかわらず、郵政省とNHKの上層部の間だけで、一部自民党さんは部会云々ということで知っておられたということですが、その三者の間だけで、水面下でやりとりされていたということだと思うのですね。 そこでNHKさんにお聞きしたいのですけれども、国会での答弁であるにもかかわらず郵政省ににのみ訂正報告をして、委員長、委員会といいますか、つまり国会には報告をしていなかった。これはどういうことでそうなったのか、この判断はどなたがなさったのか、お伺いしたいと思います。
○小山参考人 まことに明快なお答えができないということは申しわけないのでございますけれども、会長自身がそのような判断をしたものと思われます。
○菅野委員 やはりいろいろ問題ですね。 じゃ郵政省さんにお聞きします。 郵政省は、五月の九日にNHKからヒューズの管制センターにいたという回答を受けた時点で、この島前会長の答弁が虚偽答弁であったということを認識したはずなんですね。さらに六月二十五日には最終的なロスにいたという訂正をこれは文書で受けたということなんですが、それぞれについてなぜ国会と国民にすぐにそのことをはっきりさせようとしなかったのか、そのことをぜひお聞きしたいのと、それはだれの判断でそういうふうなことが続いてきていたのかということをお尋ねしたいと思うのです。
○小野沢政府委員 放送行政局に着任いたしまして、放送行政に係る問題の処理責任者ですから、事の経緯から見て相当慎重に扱うという決意でございまして、そこで文書による回答を求めてそれからスタートしたわけでございますが、いろいろなことを確認するために一定の期間を要したということと、あと国会の先生方との関係では、先生方の在京の状況とかそういったことを踏まえながら、またいろいろな問題点を整理したり資料を整理した上で、その上で七月十日に至りまして衆議院の逓信委員会理事懇談会に私、出席いたしまして、それまでにまとめた経過を御報告した次第でございます。
○菅野委員 今の御答弁では納得できませんね。結局、二カ月半、全く本委員会できちっと事の処理が進まないという状況があったわけですから、虚偽答弁がそのまま放置されたということであるわけですから、やはり国会軽視ということは免れないと思います。 そこで大臣にお尋ねしたいのですが、大臣は七月二日、この問題が報道された直後の閣議後の記者会見でこう言っていらっしゃいます。「そういう疑いがあることは、衆議院逓信委員会の野中委員長から聞いていた」というふうに言っているわけで、郵政省としても調査しますと、調査する意向を表明したというふうにおっしゃった。ところが、今明らかになったように、あなたも郵政省も二カ月も前から知っていて調査をしていて、六月二十五日にはNHKから直接最終的な、ロサンゼルスのホテルニューオータニにいたのだという回答を得ていたわけですから、野中委員長どころか、直接当事者のNHKから事実を聞いていたということなのではないですか。なぜこんな事実に反するわけのわからぬことをおっしゃったのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○関谷国務大臣 七月二日の問題それから六月二十五日の問題等々、ちょっと日時は私もきちっと覚えておりませんので確固たる答弁ができませんが、その日時は別といたしまして、国会を軽視というようなことは私たちはさらさら思っておりませんし、かつ、この逓信委員会でいろいろ理事懇談会もなされたわけでございまして、そういうようなことを私たちはもちろんのこと頭に入れて対処をしておるわけでございまして、この逓信委員会の理事会の前に私たちがどうこうという行動は起こしてなかったと私は記憶をいたしております。
○菅野委員 全くわけがわかりませんね、今の御答弁では。それこそずっと前から、郵政省とNHKの間ではそもそも五月の九日ぐらいの時点から答弁の問題というのはやりとりがあったわけですから、それを大臣が認識なさっていないということは全く浮いていたのかなというふうに……(関谷国務大臣「そうです」と呼ぶ)そうですでは、ちょっとこれ大臣済みませんよ、本当に。本当にこれはちょっとつじつまが合わぬし、大臣としてどうなのかなということにもなりかねぬと思うのですよ。 それで、さらにお伺いいたしますけれども、そういうことがあって、そしてNHKの経営委員会の方で新会長ということで進んだわけなんですけれども、この点でもちょっと私は不思議なんですが、経営委員会の方で新会長として伊藤さんという最高裁判事の名前が浮上したときに、大臣は二十三日の記者会見でまたこんなことをおっしゃっている。「私は二十二日の朝、新聞報道されるまで全然知らなかった。NHK予算などは国会で審議されるわけだから、事前に自民党サイドに話があってもいいし、郵政省に連絡があってもよかった」などと言ったことになっているのですね。そしてまた、「いつもなら経営委員会から事前の連絡があるのだが」と憮然として語ったというふうに報道されているわけなんです。これは、放送法では、会長の選任というのはNHK経営委員会が決定すべきことなんです。だから、そういう点で、事前に郵政大臣や自民党に話があって当然だというふうに放送法を解釈、理解されているのだったら、これはえらいこっちゃなと思うわけなんです。ということは、あなたの認識では、また事実問題でもそうかもわかりませんけれども、これまでの会長選任に当たっては、事前に自民党、郵政省に経営委員会から連絡があったということなんですか。お尋ねしたいと思います。
○関谷国務大臣 伊藤さんの問題につきましては、私がその新聞で見るまで知らなかったということは事実でございまして、新聞記事を見ましたのはちょうど私が選挙区へ帰っておりましたその朝でございますから、この記憶だけははっきりいたしております。ですから、それは以前に聞いておりませんでした。ですから、その問題につきましては、先生が御指摘のように浮いておったと言えば浮いておったことであろうと思います。
○菅野委員 私が浮いておったと言うのはそれまでの経過の問題であって、会長選任にその経営委員会が直接タッチするわけで、それを知らなかったというのはむしろ当然なんです。だから、あなたが、おかしいな、事前に連絡があってもしかるべきだというふうに憮然としたというのが問題だと言っているわけなんです。 さらに、七月二十三日付読売新聞にはこういうふうに言っています。自民党から初耳だ全く聞いていないなどという声が相次いで上がり、急速所管の関谷郵政大臣が自民党の小渕幹事長に釈明に駆けつける一幕があったというふうに報道されています。あなたは自民党幹事長に何をどう釈明したのかな、釈明する必要なんかないのになと私は思うわけなんですね。報道では、あなたは小渕幹事長の前で「「何も知らないんです」と、頭をかく始末。」となっている。何も頭をかく必要なんかないんですよ。郵政大臣が知らないのは、これは放送法では当然なんですね。事前に知っているのがおかしいわけです。だから、こういう事実があったのかなかったのかお聞きしたいと思います。
○関谷国務大臣 おっしゃいますように、私が知らないというのが当然であるわけでございまして、この経営委員会は、御承知のように経営委員会がすべてを判断するわけでございまして、郵政省がどうこうできるものではございません。ただ、郵政省は郵政省設置法に基づきましてNHKを指導監督するという立場にある、そういう長い間の社会的な通念というようなものもあるわけでございますから、そういうような意味において、私の耳にいささかのものが入っておってもよかったなというような一般的な感覚で私は申し述べたわけでありまして、いささか新聞の活字が走り過ぎておるのではないか、そのように私は思います。
○菅野委員 ちょっと逃げていらっしゃるかなと思うのですけれども、この間のこれらの一連の動きに対して、NHK会長というのは自民党と郵政省が決めるという報道がたくさんされました。これは事実の問題です。例えば読売は、「NHK会長大事については、これまで政府・自民党が事実上深く関与してきた。」というふうにしていますし、他の報道も同様の指摘をしている、こういうことがあるわけです。こうした報道や大臣の記者会見での不見識としか言いようのないような発言によってNHKへの国民の信頼が損なわれているということになれば、これは大変なわけで、新会長が信頼の回復ということで頑張ろうとされているときにこんなことでは、それを邪魔する役割を果たしかねないというふうに率直に今思うわけです。そういう点で郵政大臣、どうお考えでしょうか、今後のことも含めてお伺いしたいと思います。
○関谷国務大臣 川口新会長のもとで力強く前進をしていただいておるわけでございまして、私、大臣として、あるいは郵政省がそれをどうこうするようなことは一切ございません。
○菅野委員 それでは新会長のもとで進むこのNHKの方向についても若干お聞きしておきたいと思います。 来年の大河ドラマの「信長」が外注されるということがNHKの商業主義的な傾向のあらわれではないかということで大きな不安を呼んでいるのですが、その中の一つの問題としてお聞きしたいのです。 この「信長」のオープンセットが岐阜市で今建設されていますね。その建設費の総額が実は八億円なんです。その八億円の中身をいろいろ聞いてみますと、岐阜市が一億円、岐阜県が五千万円、地元の商工会議所などが協賛金として五千万円負担するということで、ではNHKは何ぼ出すんやということでよくよく聞いてみますと、NHKの負担はセットの使用料ということで五千万円ということになっているわけです。その他は見学者の入場料というふうになっているわけなんですけれども、NHKが負担するのはわずか五千万ということで、地元では一億五千万も負担する上に、岐阜市の方は当面の運転資金の方も無利子で二億円融資するということで、相当大変な努力の中でお金をつくっているようでございます。 NHKのこのセット使用料五千万という根拠ですね。聞いてみますと、その五千万もNHKの方から一方的に提示されたということで、市が根拠をただしたところ、これは上で決まったものだというふうに言っているということなんですけれども、この五千万の根拠をぜひお伺いしたいと思います。
○中村(和)参考人 お尋ねの岐阜市につくりますオープンセット、来年の大河ドラマの「信長」のセットでございますけれども、地元から、ロケ等をてこにして地域振興、観光開発ということをぜひやりたい、この話が出てくる中でそういう話が持ち上がりまして、オープンセットの建設の話になった。このセットをどういう形で建設するかについては、自治体の主体的な判断ということで任せております。オープンセットの建設、運営はあくまでも地元自治体が、議会の審議、承認を得て実行委員会組織で行っている。このセットをぜひ幅広く活用して地域の活性化、観光開発のために利用したいというふうに承知しております。 「信長」の制作をNHKエンタープライズに委託しておりますが、このセットを使っての撮影は四回、延べ四十日程度というふうに考えておりまして、そのセットの借用料として五千万、近々賃貸仮契約を結びたいということでございます。
○菅野委員 やはり重大な問題があるのではないかなというふうに思うわけです。 民放の番組制作の場合でもあご足つきということがよく言われるのです。ホテルなど経費全部を持たせるかわりに番組の中で宣伝してやるということで、安上がりの番組制作として非常に評判が悪いわけですけれども、NHKまでがスポンサーつき番組づくりというふうな、おたくのところの地方をちゃんと紹介してやるからとまさにCM料として金を取るようなやり方はいかがなものかというふうに今本当に思うわけです。しかも、これは八億ですよ。八億円もの大変なセットをつくって、しかもNHKは、そこで撮影するにもかかわらず、使用料五千万だけでお茶を濁すということになるわけで、あご足つきと言われるスポンサーつき番組づくりを大がかりにNHKがやっているということと同じではないかというふうに思うわけなんです。こういう点でやはり、安易な姿勢をとり続けると、地元の高額な負担、これが何といいますか大河ドラマのテーマ決定、これの重要な要素になってしまうのではないかというふうに思うわけです。だから、極端にこういうふうなことで流れていくと、地元が金を積むことが何か大河。ドラマの条件になるというふうなことになるのではないかという危惧すら覚えるのですけれども、その点いかがでしょうか。
○川口参考人 NHK本体でつくるのと、それから外部制作にする場合との差がそういうところに起こってきはしないかという危惧を私はちょっと持っていました。今先生の御指摘のようなことで、それがそういうふうに見られてしまうと、これはやはり後々非常に困ると思うのです。今中村が御説明申し上げましたように、地元がいわゆる地域振興あるいは観光開発という名目でつくりたい、そこにたまたまいわゆるロケのシーンとしてバックになるものがあるからNHKが借りるんだというふうな解釈でやっているというふうに私は解釈していましたので、そこのところが実は解釈の問題というふうになるわけですね。ですから、くれぐれもこれはこれからの問題として私受けとめておきます。そういうことが、いわゆる商業主義とかNHKがよその金を無理して使って、そして何か自分のところの経費を浮かすために使っているというだけのことで受け取られては非常に残念ですから、ぜひ心していきたいと思います。
○菅野委員 こういうふうに地元負担の余りの高額さというところで非常に危惧をするということと、それからもう一つの問題というのは、このようなサービスをNHKが地元から受けるということになると、やはりその地元の自治体の問題、もし何かが起こったときに公正、正確に報道できるのかなというふうなことも危惧するわけです。といいますのは、これは金だけでなくて何か人も丸抱えみたいで、岐阜市は経済部というのは二十一人いるのですけれども、全部これは兼務で実行委員会か何かわかりませんけれども、そこへ出向して、具体的な事務に当たっているというふうなことも言われているわけですから、そういう点ではやはりたくさんのお金をもらっているという意識が働くのではないかなというふうに思うわけです。だから、川口会長はこの大河ドラマの外注問題について今後もぜひチェックしていきたいというようなことも言っておられましたので、そういう番組制作の基本にかかわる問題としてぜひ御検討いただきたいというふうに思いますし、本当にこの地元自治体などに高額な、多額の負担をかけるという問題点については、ぜひ見直していただきたいというふうに思いますので、その点を再度お願いをしておきたいというふうに思います。 それから、時間が参りましたので最後に、本委員会は元年度の決算についての審議になっておりますが、私どもは予算のときに受信料への消費税の転嫁の問題で反対いたしましたので、決算にも反対をするという態度を表明して、終わります。
○野中委員長 次に、中井洽君。
○中井委員 NHKの決算に入らしていただきます前に、最初に、現在国会で衆参ともに審議が行われております証券の不祥事事件で、損失補てんを受けた会社の中に、二社、KDDとそれから東京放送が補てんを受けておったという事実が発表されております。これについて郵政省はその中身、内容等どのように把握をされておられるのか、御報告をいただきます。
○森本政府委員 KDDに関しましてお尋ねの問題でございますが、当省がKDDの方から聴取しました内容は、一つ、KDDは大和証券に対しまして、昭和六十一年の九月から平成元年の三月までの期間に四十億円、これをいわゆる営業特金として委託をしたということなどのことでございます。今お話しの七月二十九日証券業協会が発表しましたいわゆる損失補てんリストにKDDが含まれていたということに関しまして、大和証券の方からKDDに対して、ただいまの営業特金におきまして昭和六十二年の秋から平成元年の初頭にかけて行った転換社債、株式等の売却益一億四千五百八十一万円がいわゆる損失補てんに当たるという説明をしたとのことでございました。 これに対しまして、KDDの方では、この大和証券の説明について種々調査しました結果、これらの取引に関しましていわゆる損失補てんを求めたことはない、通常の取引内容であったとの認識である、こういう報告を私ども受けておるところでございます。
○小野沢政府委員 お答えいたします。 私どもがTBSから事情聴取した内容でございますが、TBSは、去る七月二十九日に新聞で報道されました損失補てん先リストにTBSの社名が記載されていたため、その直後に野村証券及び日興証券に問い合わせしましたところ、損失補てんを行ったとの報告を受け、TBSもこれを確認したところでございます。 TBSは野村証券に対し、平成二年三月二十日を期限として平成元年四月五日から十億円を営業特金として委託しました。TBSに対する野村証券の報告によりますと、平成二年三月十四日に行われたワラント債取引の売却益三億六千二百万円が損失補てんに当たります。TBSは日興証券に対しまして、平成二年三月二十九日を期限として平成元年四月五日に十億円を営業特金として委託し、同年八月一日に五億円を元本に追加しております。さらに平成元年十二月十三日には、平年二年三月二十八日を期限として三億円を営業特金として委託したものでございます。 TBSに対する日興証券の報告によりますと、平成二年三月二十六日に行われた株式先物取引の売却益二億九千百万円が損失補てんに当たります。TBSによりますと、損失補てんぽ証券会社の判断により行われたものでございまして、TBSは証券会社に損失補てんを求めたことは全くなく、損失補てんを受けた事実も把握していなかったものでございます。 ところで、TBSは本件問題の重要性を深く認識いたしまして、みずから損失補てんの事実関係について調査を行い、その事実があったことを確認した上で、七月二十九日午前十一時四十五分及び八月一日午後六時の自社の報道番組で事実関係を発表するなど、放送事業の持つ公共性と社会的責任を自覚した対応に努めたというふうに私ども認識しております。
○中井委員 大臣はこういう御報告を受けられてどのように感じておられますか。
○関谷国務大臣 まずKDDの問題でございますが、先ほど報告がございましたように、KDDからの報告によりますと、いわゆる損失補てんを求めたこともなく、通常の取引内容であったという認識であると聞いております。KDDへ資金運用につきましては、法律上同社の自主的な財務活動に任されているものでございまして、個別の運用方法について行政としては関与するものではないわけでございますが、さりとて公用性の大変高い国際電気通信事業を営む会社として、資金運用のあり方についても国民利用者の信用を損なうことのないよう留意していくことは当然でございます。 このようなことから、KDDに対しましては、今回の取引についての事情を聴取いたしました際に、資金運用のあり方について一層慎重を期すように注意をしてほしいというふうに喚起したところでございます。 そして、もう一つのTBSの方でございますが、これは放送事業者に対する国民の信頼を著しく損なうものでございまして、放送事業の持つ公共性と社会的責任にかんがみまして重要な問題であると認識をいたしております。そういうようなことで、郵政省はTBSから数回にわたりまして事情聴取を行い、正確な事実関係の把握に努力をいたしまして、その際に資金運用を慎重に行うよう同じく注意をしたところでございます。 さらに今後、国会での審議の状況等も踏まえながら、この問題がひとつ収束をいたしましたところで、放送事業者に対する適切な措置についての検討を始めていきたい、そのように考えております。
○中井委員 私が言うまでもなく、KDDは法律による会社であります。また、東京放送は免許会社であります。これらの会社が、資金運用的には別に構わないわけでありますが、しかし、結果的にこれだけ社会的に非難を浴びている事件の一員であったということがわかりながら、御両者とも当初損失補てんという認識をしていない、また、国際電電はいまだに認識をしていない、こういうことを繰り返しております。損失補てんの認識があっなかなかったかということは、それぞれの委員会でも大変議論となっているところでありますが、私から言わせれば、財務担当者がそんな黙ってお金がもうかったなどというのはあり得ないことでありますし、証券会社が今後ともよろしくといって補てんをしたのを相手に言わないはずがないのであります。したがって、社会常識として、私は当然こういう免許会社や法律によってつくられたような会社が率先をして認識をした、社会的にいささか自己責任を逃れた行為であった、こういったことをきちっとお認めになる、このことが一番大事なことだと私は思います。 今回の事件のリストが発表されましたときに郵政省の方にお越しをいただいて、監督官庁としてどういう調査をしたんだ、それぞれお尋ねをいたしましたら、御両人とも、両担当の課長さんとも認識をしてないという返事でした。これだけだった。私は、そんな調査があるか、一体何のために免許を出しておるんだ、何のために監督しておるんだ、こういうことを申しました。今お聞きいたしますと、かなり注意をしたとかいうことがあります。私どもには認識はなかったという報告だけして、行政の内部でそういう指導をなすったのかどうかわかりませんが、ここらのところを含めて、大臣はどのようにお考えになるか。 同時に、免許を出す、五年に一遍であります。そして、永久にもうこれをノーと言うことはめったにないわけであります。また、国際電電も法律で守られておる。そういう会社の自己規律というのはどうなんだろうということを私どもは考えざるを得ない。特に、マスコミのことに関して言えば、大変な権力を持っていらっしゃる。役所関係は、NHKを含めて早く大きくしなければならない、健全にしなければならないということでお育てになってきた。しかし、現実には今もう世界一のマスコミになっている。それをいつまでも守ろう、守ろうという形ばかりではどうだろう。大きくなって大変な影響力を持ったら、逆に監視能力というものを役所は持つべきだ。同時に、そういう免許会社やらあるいは法律による特殊会社というのは、自分たちのモラルの高い、国民に対してきちっと申し開きのできる自己規律というものをつくって自分たちで守っていく、自分たちで罰していく、そういう制度が日本にとっては必要ではないか、こんなふうに思います。 今回の大蔵の行政指導等、あるいは証券や銀行に対する指導等についてもそういう同じような欠陥があるなという感じを私は抱いております。そっちの方は大臣の管轄ではありませんが、大臣の管轄、そういう免許会社、更新するのが当たり前になっている、そういうところの不祥事、あるいは法律会社のそういう不祥事、そういったことに対する郵政の監視、同時に自分たちの自主規律、こういったものをどういうふうにやっていってもらうんだ、大臣のお考えを承ります。
○関谷国務大臣 先生御指摘の郵政省の管轄のいろいろな企業等は、すべて公共性というものがその土台であるわけでございますから、それは郵便に始まりましてすべての問題、これは国民の皆様方の信頼というものがなければなし得ないもので、私はすべてはそうであろうと思います。そういうようなことで、先ほど秋葉先生も御指摘をされておりましたが、こういうようないろいろな問題も含めて、いかに関連の企業の方々がその自戒を強めるか、また郵政省の管理監督というものがどれだけの範囲にすべきか、それを広くすべきか深くすべきか、もっと強くするべきなのか、いろいろなことがあるだろうと思うわけでございまして、先ほどの御質問の中にもございましたように、NHKに対します郵政省の監督権限等々も、さてそれではどうすればいいんだというようなことが出てくるだろうと思うわけでございまして、先ほど野中委員長さんも御答弁をされていらっしゃいましたが、そういうようなことを一度本当に洗い直すときが来ているのではないだろうか、そのように認識をいたしております。
○中井委員 今回のNHKの前会長の問題でも、私は実は同じように思います。放送法というのがありますし、政治もあるいは行政も関与しない、独立制でもって公平に運用してもらう、これはこれからお互いに守っていかなければならない。しかし、NHKの仕組み等を見てみますと、経営委員長はNHK会長が任命するわけであります。NHKの内部の規則等を見せていただきますと、職員の服務規程というのはおありになる。しかし、それじゃ会長自体のモラル、そういったものはどうなんだというと、何もない。やはり自覚と自主規律、こういったものはきちっとしていっていただかなければならないと思います。 それじゃ、郵政省が監督あるいは指導の責任がある、こう先ほどからお答えになっておりますが、今回の問題でも、文章で問い合わせるのが一番重たい、何か行政の中の指導の一つだ、こういうことであります。そして、その一番重たい指導をやりながら、先ほど共産党の菅野さんがおっしゃったけれども、発表しない、このことがやはり何かおかしな感じをつくってしまうと私は思うのです。要するにこのNHKのトップあるいは経営理事クラス、この人たちの自主規律。NHKは大変な力もおありであります。このNHKが偏ったり不祥事を起こすということは、大変な悪影響を与えると私は思います。そういったことについて大臣自体はどのようにお考えですか。
○関谷国務大臣 先ほど御答弁をさせていただいたわけでございますが、これは先般の予算委員会でも質疑として出てまいりましたが、例の問題になりました近畿放送のことにつきましても、その社長の、どういいましょうか、人格をその前にどのようにそれではチェックをするのか、そこまで細かく郵政省が入るべきであるかどうかというようなことも、これは実際の問題、これから考えていかなければならないものだろうと思うわけでございます。いずれにいたしましても、公共性の強いものについては、さりとてその人物を何かのもっと厳しい方法でチェックをするということはやっていかなければならない。そういうようなことを郵政省がやらなければならないというような状態が生まれることが実際は困ったことであり、私たちからいえば寂しい話なんでございますが、そういうようなことが現時点大きく出てきておるわけでございますから、またその方向に進まざるを得ないのかなというようなことは、今まで考えてもおります。
○中井委員 大臣にもう一つお尋ねをいたします。 私どもはNHKのことをいろいろと国会の場でも取り上げでやりますが、政治が介入をしない、このことをやはり絶えずお互い気をつけていかなければならない、こんなふうに感じます。今回の前会長の問題で先ほど、これまた菅野共産党議員からお話がありました。めったに共産党さんと一緒のことを言うことはないのでありますけれども、これだけは私はさっき菅野さん言われたとおりだと思います。新しい会長がお決まりになる段階で、マスコミで大臣あるいは自民党さんが、知らなかったという形で猛烈に反発をなすった。結果としては、候補に挙がった方が健康上の理由で固辞をされて、幸い立派な新会長ができたわけでありますから、とやかくは言いません。しかし、あの騒動の中でやはり大臣が、あるいは大変恐縮ですが自民党の方々が、介入をして当たり前だというような形で行動されたやに報道されたことは、国民にとってもNHKにとっても大変マイナスであった、こんなふうに感じます。そういう私どもの感想に対して、大臣どうお考えですか。
○関谷国務大臣 このことにつきましては、決して郵政省が介入をしたわけではございませず、先ほど菅野先生の御質疑にもございましたが、決して逃げておるわけではございませんが、活字がひとり歩きしたということも正直のところあるわけでございます。また、国家のいろいろな問題というのは歴史的なものもいろいろあるわけでございましょうから、そのあたりからのまた間違ったニュアンスの報道があったとも考えております。しかし、いずれにいたしましても、おっしゃいますように、内閣総理大臣が任命いたしました委員会が会長をそういうようなことで決めるわけでございますから、決して私たち役所があるいはまた政治家が介入をしたというふうには私は思っておりません。
○中井委員 島前会長の国会におきます虚偽の発言をめぐって、当委員会も何度も理事懇を開いて協議を重ねてまいりました。そのときにも、常に、私どもは大事に介入をしない、介入ととられないように、こういうことで話し合いを続けてきたところでございます。 委員長にまことに突然ですが、お尋ねをいたします。 委員長は、文芸春秋の平成三年九月号、岡田さんという方が「NHKのドンはかくて追われた」というので書いておりますが、この文章はお読みになられましたか。
○野中委員長 はい、読みました。
○中井委員 私は、この中に書かれたこと、別にそんなことで問題にするつもりはありません。ただ一つ、私ども理事会で対応しなければならないと思いますのは、この中のページで「逓信委員長の野中がこれは私が呼び捨てにしているわけではありませんが、「野中が、竹見NHK経営委員長に委員会の決議を突きつけるという。逓信委員長は人事権がないから、人事権のある経営委員会に圧力をかけようというわけです。」こういうように書いてございます。このことだけは私は訂正してもらわなければならない。私どもはあの場において、とにかく経営委員会に島会長がどういう報告をなすっているんだ、そのこと等を含めて、委員長と筆頭理事とで一度経営委員長に会われて、そこの国会を開いて島会長の訂正発言を聞く前に一度お打ち合わせを願いたい、そして委員会に御報告を願いたい、こういうことで御労苦をお願いしたわけであります。それらのことがこういう大変レベルの高い雑誌で、委員長以下委員会が決議を突きつけた、こういうふうに書かれたということは大変残念なことであります。 ひとつぜひこの文章に対して私ども委員会として、また委員長としてどうするか、お決めをいただきたいと思いますが、いかがですか。
○野中委員長 今、中井委員から突然の御質問があったわけでございまして、けさ理事会の席にあらかじめ委員長に対する質問がございますれば、理事各位にも委員長がこの席からお答えをすることの了解を得るはずでございましたけれども、きょう突然の発言でございますので、この席から私が答弁することをお許しをいただきたいと存じます。 今お話しのように、文芸春秋九月号にジャーナリスト岡田登喜男という方の名前でNHK島会長の辞任に関する記事が出ておるのは私も読ませていただきました。その中において、今御指摘のように、逓信委員会の決議を私が竹見経営委員長に渡すかのごとき表現があることは、私としてもこの方から一度の取材を受けたわけでもなく、また、今御指摘のように、七月八日にNHK島前会長から四月二十四日の答弁の訂正申し入れがありまして、七月十日に理事懇談会を開催いたしました。その席上でいろいろな先生方の話し合いが行われました中で、週刊誌も当時は欧州旅行の随行者等の問題をも報道したときでもございましたので、こういう問題を国民注視の中で委員会で議論をしていくということは公共放送たるNHKのために本当になるのかどうか、そういうことを慎重に考えるときに、一度委員長と川崎筆頭理事が竹見委員長にお会いをして、竹見委員長は国会の推移を見てからとおっしゃっておるけれども、その点についてのお考えを聞いたらどうだ、こういう話がございましたので、川崎筆頭理事を通じまして竹見経営委員長にお会いをする手はずを整えたところでございます。けれども、七月十五日に島会長の辞意表明がございまして、もう一度竹見さんに会うかどうか竹見さんにお伺いをしたわけでございますが、それでもお会いをしたいというお話でございましたのでお会いをいたしましたけれども、委員会の決議などあろうはずがないわけでございまして、この方がNHKに四十年近く在職をされた方だと聞き、あるいは車両部長をされた方でもあると聞き、また、けさお話がございました、上田利正議員の質問にも指摘されましたように、島会長の住民登録が置かれておる随行女性の母親の宅にある会社の代表者でもあると聞くときに、一体この方がどんな意図でお書きになったのか。私はこの方をジャーナリストというあり方に不信を持ちますとともに、ぜひこの文中にある国会の答弁の「些細な発言」あるいは「国民に何ら不利益をもたらさない」などと書かれておるこの記事を見て、一人の国会議員として、国会の権威を傷つけられたと激しい憤りを持っております。したがいまして、現在文芸春秋に私自身の反論を載せていただくようにお願いをしておるところでございます。 以上でございます。
○中井委員 突然の質問で御無札を申し上げました。 委員長の御答弁がそんなに長くなるとは夢にも思っておりませんで、時間がなくなってまいりましたので、NHKの決算について一つだけお尋ねをいたします。 平成元年で予定をしておった一万五千人体制は、御努力いただいてお成りになりました。これは予定より一年早くおやりをいただいたのではないかと記憶をいたしております。私どもも合理化ということについてたびたび当委員会で叱咤激励を申し上げましたから、このことには心から敬意を表します。この一万五千人体制をなし遂げましたことによりまして、長期的に経営、中身にどういう効果をもたらすとお考えであるのか。同時に、この一万五千人体制を下部に十分な説明等がなされずにやったために、関連会社をどんどんつくっていく、あるいはバートをふやしていく、外注をどんどんふやしていく、こういったことが余りにも急激に行われたのじゃないかなという、ちょっと私ども自体も自責の含みたいなところもございます。そういったことについてNHKはどうお考えか、お尋ねをいたします。
○安藤参考人 お答えいたします。 先生御指摘のとおり一万五千人体制は、五十九年に七カ年計画で計画をして実施を進めてまいったわけでございますけれども、目標の二年度達成というのを一年度繰り上げまして、平成元年度に一万五千人体制が実現をしたわけでございます。 この五年間の要員効果といいますか、効率化の効果というのを見てみますと千四百四十四人、経費で見ますと、およそ百八十億円の節減効果が生まれております。引き続き二年度以降の効率化につきましてはこれを上回る効率化を実施してまいりたいということで、平成三年度も既に二年度目を迎えまして実施をしているところでございます。 最後に御指摘のあった業務委託の問題といいますか、関連団体等との関係につきましても、この二年度以降の効率化に当たりましてはNHK自体の業務体制を刷新しますとともに、関連団体との協力とかあるいは外部のパワーを活用させていただくとかいうような形でこれを進めておるわけでございますけれども、業務委託につきましてもそのメリットというものを十分に生かす形で進めてまいりたい。特にNHKの自主性の堅持といいますか、あるいは放送を中心にしましたサービスヘの影響がないような形で実施をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○中井委員 最後に、新会長にお尋ねをいたします。 申し上げましたような中身で質問してまいりましたが、このNHKの今回の事件にかんがみての信頼回復に対してどのように今お取り組みになるかという御決意と、それから同時に、私は一つ気になっておりますのは、こんなことを申し上げていいのかどうかわかりませんが、今回の島会長の発言問題をめぐってマスコミの取材等を受けた中、あるいは東京都知事選挙のマスコミの対応等を見ていますと、いろいろ聞きますと民放あるいは新聞社、現場サイドで反NHKという感情が非常にある。これはNHKは批判される一方ですから言いやすいということもありましょう。しかし、会長は協調、前進ということを言われております。民放あるいは他のマスコミ関連とNHKとの話し合い、あるいはお互いの理解のし合い、あるいはシェアを分けるというのはいけませんが、よりよい競争、こんなことをどのように考えておられるか。 それからもう一つは、私どもあちこち歩いておりまして、NHKの話になりますと、大半の方が、大変失礼ですが、ここ数年NHKの番組は余りおもしろくないじゃないか、こういう批判が率直に出てまいります。まあ見る人いろいろでありましょうが、一つはやはり自分のところの、NHKのコマーシャルばかりやっておる、それから再放送が圧倒的に多い。こういうことを含めて、NHKしか見ないという国民がたくさんいらっしゃる、そういう人たちの声に、放送番組についてはエキスパートでもいらっしゃる川口新会長、どのようにお取り組みか、あわせて決意としてお伺いを申し上げたいと思います。
○川口参考人 きょうは本当に長い時間、厳しい御意見、貴重な御意見をいただきまして、もう本当に私はありがたく思っております。きょうの御意見を必ず生かしたい、そして新NHKは何よりもまずやはり清潔であってほしいと思います。清潔であって、それからもう一つは誠実でありたい。それからもう一つ、情熱的でありたいと思う。そういう情熱が番組を必ずいいものにしていくだろう。私が会長になってからすぐですけれども、もう何通かの手紙が来まして、今までNHKを一生懸命見ていたんだけれども、どうも見る番組がなくなったというような御批判もありました。まさに中井先生のおっしゃるとおりです。ですから、そういうことに関してもより一層力をつけて、現場にまだいろいろな元気のあるのがおります。それでいいものを持っております。それを専門的に完成させて、それで力強い番組をつくらせたい、そして皆さんの御信頼にこたえるNHKにしたい、できるだけ早くしたい、そういうふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○中井委員 終わります。
○野中委員長 以上で本件に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○野中委員長 本件に対し、日本共産党から討論の申し出がありましたが、先刻の理事会において協議の結果、御遠慮願うことになりましたので、さよう御了承願います。 これより採決に入ります。 日本放送協会平成元年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書について異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○野中委員長 起立多数。よって、本件は異議がないものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○野中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十八分散会