地方行政委員会暴力団員不当行為防止法運用調査小委員会 第1号
- 発言数
- 114 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1991/10/15
会議録
○亀井小委員長 これより暴力団員不当行為防止法運用調査小委員会を開きます。 暴力団員不当行為防止法運用に関する件について調査を進めます。 本日は、本件調査のため、参考人の皆様に御出席をいただき、参考人に対する質疑を行うことになっております。 参考人として御出席いただいた方々は、全国銀行協会連合会副会長専務理事藏原千秋君、社団法人日本証券業協会専務理事関要君、社団法人全国地方銀行協会副会長専務理事名本公州君、社団法人日本土木工業協会専務理事柳晃君、以上四名の方々でございます。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 参考人の皆様には、御多用中のところ当小委員会においでをいただきまして、ありがとうございます。参考人の方々には、暴力団員不当行為防止法運用に関する件につきまして、それぞれのお立場から忌揮のない御意見をお述べいただき、今後の調査の参考にいたしたいと存じます。 なお、議事の順序は、初めに参考人の皆様からそれぞれ十分程度御意見をお述べいただき、次に、小委員からの質疑に対して御答弁をお願いいたしたいと存じます。 それでは、まず藏原参考人によろしくお願いいたします。藏原参考人。
○藏原参考人 それでは、座ったまま失礼させていただきます。 御指名をいただきました全国銀行協会連合会の副会長専務理事の藏原でございます。 亀井小委員長初め諸先生方には常日ごろ格別の御指導にあずかり、厚く御礼を申し上げる次第でございます。 暴力団対策法に関連いたしまして私どもの取り組み状況を御説明させていただきます前に、今回の金融界の一連の不祥事件につきまして一言触れさせていただきたいと存じます。 本来信用を原点とすべき金融機関におきまして今回のような事態が発生いたしましたことは、まことに遺憾でございまして、大変申しわけない気持ちでいっぱいでございます。国民の皆様また御出席の先生方に、まずもって心からおわびを申し上げる次第でございます。 全銀協におきましては、今回の事態を重くかつ厳しく受けとめまして、去る八月二日には、各行それぞれに業務の運用体制全般にわたりまして総点検を行い、早急に必要な改善措置を講ずべき旨の申し合わせをいたしました。 この申し合わせに基づきまして、現在、傘下の銀行におきましては業務運営体制全般について見直しを行っているところでございますけれども、全銀協といたしましても、これと並行しまして、事務管理面の問題を初め、営業、審査、検査、人事、教育等、広範な面にわたって検討を行い、業務運営体制のあり方について考えをまとめることといたしました。その趣旨は、傘下の銀行の行っております見直しの成果を吸い上げまして、全銀協においてこれを集大成の上各行にフィードバックをいたしまして、これを各行の行っている総点検の参考指針に供するというところにございます。今月いっぱいの取りまとめを目標に、目下鋭意作業を取り進めております。 しかしながら、いかに業務運営体制の整備を図りましても、実際にこれを動かすのはしょせん人でございます。したがいまして、私どもといたしましては、こうした体制整備とともに、この際改めて銀行員としてのモラルを行員一人一人にまで徹底せしめまして、両々相まって銀行に対する信頼を一刻も早く取り戻すべく最大限の努力を重ねているところでございます。先生方にはぜひこの点を御理解賜りまして、今後とも一層の御鞭撻をお願い申し上げたいと存じます。 それでは、暴力団対策法に関連いたしまして、私どもの取り組み状況等を御説明させていただきます。 改めて申し上げるまでもなく、近年、暴力団は、一般市民を巻き添えとした凶悪な対立抗争事件を多発させ、また企業等を対象とした各種の不法事案によって資金を獲得するなど、国民の平穏な日常生活や企業の健全な経済活動に対して脅威を与えております。このような中で先般、市民生活の安全と平穏の確保を図り、もって国民の自由と権利を保護することを目的といたしました暴力団対策法が制定、公布されましたことは、まことに時宜を得たものと存じます。 この法律におきましては、暴力団員の暴力的要求行為等を規制するほか、暴力団による被害の予防を目的とする民間公益団体の活動を促進する措置等を講ずることとされております。また、暴力団対策法のねらいが暴力団の資金活動の切り崩しにある点からいたしましても、私どもといたしましては、この法律の意義を積極的に評価するものでございます。 現在、行政当局におかれましては、来年春の法律の施行に向けまして細則の検討を行っておられる止ころであります。私どもといたしましても、当局と折衝を重ねつつ各般の対応を図ってまいりたいと考えておりますが、本日は、これまでの全銀協及び個別銀行の取り組み状況等を御説明させていただき、御理解を賜りたいと存じます。 まず、全銀協といたしましては、八月末に警察庁並びに大蔵省からの要請を受けまして、金融取引における暴力団排除のための諸措置の実施並びに体制の整備を図るよう直ちに加盟銀行あてに通知をしたところでございます。 警察庁等からの主な要請内容は、一つ、暴力団の反社会的活動を助長する行為の自粛、二つは、金融業界内における暴力団の不当な介入を排除するための諸措置の実施、三つは、警察の暴力団対策への協力、この三点でございます。 そのうち、第一の暴力団の反社会的活動を助長する行為の自粛についての要請内容は、暴力団への融資やそのあっせん、その他暴力団の資金活動を助長するような態様の金融取引は厳に慎むようにというものでございます。また、第二の要請内容は、暴力団の要求に対する対応方法等を指導する責任者の指名を行ったり、従業員に対する各種研修を実施するなどして内部管理体制を確立することのほか、業界内に暴力団排除組織を結成し、金融機関相互間で金融取引への暴力団の不当な介入事例の情報交換を行ったり、警察との密接な連携を図ることを求めるものでございます。 こうした要請を受けまして全銀協では、先週の七日に業界内の暴力団介入排除組織といたしまして、暴力団介入排除特別専門委員会を設置いたしました。この特別専門委員会は、金融取引における暴力団の不当な介入を排除するとともに、反社会的活動を助長する取引を防止することによりまして一銀行業の健全性と公共の安全と秩序の維持に資することを目的としたものでございます。 この特別専門委員会の役割は、一つ、暴力団の不当介入の排除並びに反社会的活動を助長する取引の防止のための諸施策の検討、二つ、不当介入事例等に関する情報の交換、三つ、銀行の担当者等に対する研修会、講演会等の企画立案、実施、四つ、警察庁等の行う暴力追放運動への協力、五つ、都道府県単位の業界内暴力団排除組織のあり方の検討等でありますが、私どもといたしましては、不当介入事例等に関する情報交換等、直ちに手をつけられるものから早速実施に移してまいりたいと考えております。また、都道府県単位の業界内暴力団排除組織のあり方につきましては、既に幾つかの県で、暴力団対策法に定める都道府県暴力追放運動推進センターの設立に向けて具体的な動きがあるようでございますので、各地の銀行協会ともよく連絡をとり合い、同センターとの関連も考え合わせながら検討してまいりたいと考えております。 一方、傘下銀行におきましては、ただいま申し上げましたような要請を受けまして、早速この内容を全支店に通知するとともに、内部管理体制を確立するための具体的な検討に入りつつありまして、既に一部の銀行では暴力団対策の専門スタッフを配置し、情報の収集、与信案件に対する事前チェック、行員の教育啓蒙等を図っているところもあるというふうに聞いております。 また、もとより各銀行におきましてはかねてから、明確に暴力団とわかる場合には融資を断ったり、外国為替取引や当座預金の開設につきましても、銀行の公共性や健全性の観点から問題がないことを確認して取り扱うなど、暴力団の不当な介入排除に努めてまいっております。また、支店長会議や融資担当者に対する研修等を通じまして、暴力団の介入を排除するよう指導する等の努力を重ねてまいっているところでありますが、今回の要請の趣旨を踏まえまして、改めて必要な措置を講ずるよう取り組んでいるところでございます。 以上、私どもの取り組み状況、取り組み姿勢等を御説明させていただきました。 私どもといたしましては、警察御当局の御指導をいただきながら、金融取引におきます暴力団の介入排除につき、主体的に最大限の努力をしてまいる所存でございますが、暴力団対策法の実効を期し、国民、企業が一体となって暴力追放運動を展開していくためには、官民挙げての協力体制が不可欠でございます。中でも、警察御当局からの暴力団に係る情報を御提供いただくこと、あるいは民事介入暴力等の犯罪の実態、不当要求に対する効果的な対処方法等の御教示をいただくことが不可欠であります。 先生方におかれましても、この点をお酌み取りいただき、何とぞよろしくお力添え、御指導を賜りますようお願い申し上げます。また、今後具体的な検討を進めてまいります過程で幾つか御要望を申し上げるようなこともあるかと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。 最後になりましたが、本日このような機会を設けていただきましたことに感謝申し上げまして、私の御説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○亀井小委員長 ありがとうございました。 次に、関参考人にお願いいたします。
○関参考人 御紹介いただきました社団法人日本証券業協会の専務理事を務めております関でございます。 本日は、本小委員会におきまして暴力団員不当行為防止法の運用問題に関し意見を述べる機会をいただき、大変光栄に存じております。 本題に入ります前に、今回の証券界における一連の不祥事によって証券市場に対する国民の信頼を損ない、国会、政府、行政を初め、内外の関係者の皆様に多大の御迷惑をおかけしましたことを深くおわび申し上げます。私ども証券業協会と証券業界は、このような重大な事態を招いたことに対する真摯な反省を踏まえて、できるだけ早期に営業姿勢の見直し、社内管理体制の充実、自主規制機能の強化等の業界改革の実を上げ、失われた証券市場と証券界に対する信頼を取り戻すべく、全力を尽くしているところでございます。どうか委員長を初め当委員会の先生方の御理解と御指導をお願いを申し上げる次第でございます。 今回り証券不祥事においては、いわゆる損失補てん問題のほかに、証券界を代表する大手証券である野村、日興両証券会社における暴力団とのかかわり合いが大きな問題となりました。両社については、通常の株式取引のほかに、信用取引を通じての与信行為、グループ内のファイナンスカンパニーによる融資や、さらにはゴルフ場会員権の購入などが行われており、全体として見ると、余りにも不注意であり、明らかに行き過ぎがあったと思われます。この暴力団とのかかわり合いによって証券界の信用を著しく傷つける事態になったことは甚だ残念なことであり、日本証券業協会では、その制裁規定を発動し、七月十日、両社に対し最高限の過怠金五百万円を課す処分を行ったところであります。 このような不祥事を背景に、去る八月二十八日には、警察庁刑事局長から私どもの渡辺協会長あてに異例の通達が発出され、暴力団の反社会的活動を助長する行為の自粛、警察の暴力団対策への協力等、暴力団の介入排除のための諸措置の実施について証券界の協力を求める御要請をいただいたわけでございます。 本協会は、直ちに同通達を全協会員二百六十七社に通知し、暴力団の資金活動を助長するような証券取引の自粛、内部管理体制の確立、暴力団に係る情報や違法、不当事案の警察への積極的な通報、届け出等について適切な措置を講じるよう要請いたしました。また、同通達の周知徹底を図り、暴力団問題への業界の理解を深めるため、東京、大阪、名古屋の三地区において全国の証券会社の総務部長クラスを招集し、警察庁の暴力団対策室や日本弁護士連合会の民事介入暴力対策委員会のメンバーの皆様方の御協力を得て、最近における暴力団組織の実態、暴力団員不当行為防止法の概要、暴力団への対応の方法等について御説明いただき、懇談する説明会を開催いたしました。私自身、全国の暴力団勢力約九万人、その年収約一兆三千億円ということ等、暴力団情勢の説明を伺い、改めて暴力団問題の重要性を認識したところであります。 前国会における証券取引法改正法成立に当たり、本院の特別委員会で委員会決議が行われましたが、その一項目として「証券・金融業界における暴力団の介入を排除するため、業界における顧客管理を一層厳格化し、司法当局における暴力団活動の取締りなどの施策と整合性をもって対応すること」が決議され、私どももこれについて「所要の検討を行い、適切な措置を講ずべき」という御指摘をいただいております。 また、多くの証券会社において、多数の顧客との取引を行っている過程で暴力団関係者と証券取引が行われ、その後において取引をめぐってトラブルが発生し、その処理に大変苦労したという事例を経験しているようでありますし、顧客管理の重要性を認識し、その励行に努力しておりますが、実務上、暴力団関係者であるかどうかを判定することが非常に難しいという営業第一線の悩みを耳にするところであります。 こうした諸般の情勢を踏まえ、日本証券業協会といたしましては、目下全力で取り組んでいる業界改革において、暴力団問題への対応を最重要課題の一つといたしております。去る十月三日には、業界改革に関し外部の有識者の意見を伺う有識者懇談会において暴力団対策も御審議いただいたところであります。また、本日これから開催いたします本協会の総務委員会においても暴力団問題を取り上げ、八月二十八日の警察庁の局長通達で要請された証券取引の自粛を具体的にどう進めるか等を検討することになっております。 証券界といたしましては、今回の証券不祥事の反省を踏まえ、どのようにすれば暴力団とのかかわり合いを排除することができるのか、業界を挙げて取り組んでまいりたいと存じております。証券取引自粛の問題も含め、監督当局及び警察当局の御指導をいただきながら、今後できるだけ速やかに具体的な対策をまとめ、実施に移していきたいと考えております。 最後になりましたが、証券界も、暴力団員不当行為防止法の施行を機に官民挙げての努力が結集され、我が国の暴力団組織が一日も早く完全に排除されることを期待しているものであります。 甚だ不十分とは存じますが、以上のとおり私の意見を申し上げさせていただきました。
○亀井小委員長 ありがとうございました。 次に、名本参考人にお願いいたします。
○名本参考人 ただいま御紹介にあずかりました全国地方銀行協会副会長専務理事の名本でございます。 本日は、この委員会にお招きをいただき、暴力団関係の問題につきまして御説明申し上げる機会を得ましたことを厚く御礼申し上げます。 暴力団の対応の問題につきましては、八月末に警察庁から文書をいただき、また、大蔵省の方からも遺憾なき、よう対処すべきであるという旨の通達をいただきました。全銀協を中心に各種の方策について検討が進められておりますことは、先ほど全銀協の藏原副会長からお話があったとおりでございます。私ども地方銀行協会といたしましては、全銀協におきます特別専門委員会の委員に私どもの協会の加盟銀行も参加いたしております。その専門委員になっております地方銀行の委員から、地方銀行としてはどのように考えるかという点につきましても発言をしていただかなければならないと思いまして、地方銀行協会といたしましても各委員会等を通じまして、まず地方銀行としての考え方、対処の仕方等につきまして種々検討を進めておるところでございまして、これを取りまとめ、全銀協の専門委員会におきまして取り上げていただき、方向を全銀協として取りまとめていただくようにお願いをしてまいりたいと考えておるところでございます。 同時に、地方銀行といたしましては、全国銀行一般とは異なりまして特に地方銀行として配慮しなければならないというような問題もあるのではないかというようにも思われます。そういう点がないかどうかにつきましても、現在協会として各委員会等で意見を取りまとめておるところでございます。 暴力団対策を考えてまいります場合に銀行として認識しなければならないことは、銀行は、単に暴力団の暴力行為の被害者になってしまうということだけではなくて、金銭を取り扱う業務を行っておりますので、その業務によりまして直ちに暴力団に対して資金を供給してしまう結果になってしまう面があるということを私どもはよく認識をしなければならないというふうに思っております。暴力団に対する対策としましては、資金源を枯渇させるということは大変重要な施策であると思いますので、銀行としましては、それだけに毅然とした態度で暴力団に対する対処の仕方をやっていかなければならないというふうに心得ておるところでございます。 暴力団とのトラブルの発生は、現象的に見てみますと二つの局面があるように思います。 一つは、窓口でのトラブルでございます。預金の出し入れとかあるいは振り込みとか、いろいろ諸業務が窓口に播いて行われますが、例えば送金業務等におきまして、現金をお持ちになる、その現金が例えば足りないというようなことが、これは間々通常の顧客の場合にもあるわけでございますが、そういうことを指摘いたしました場合に、そのことに対して居直ってトラブるというような問題、そういう窓口での問題が一つでございます。いま一つは融資の問題でございます。あるいは当座預金口座の開設をするというようなときの問題でございます。 いずれの場合にも、その対応につきましては一般職員が当初当たるわけでございます。これらの職員がそういう事態に対処するために必要な教育研修ということが非常に大切であるということでございます。また、まず当面そういう職員が当たりました後は、営業店の管理者あるいは支店長という立場の人たちがそれをバックアップしていくということが必要になってまいります。このため各銀行におきましては、支店長会議等におきましてその対応を指示し、時には、警察御当局の御専門の方にお越しいただいて暴力団関係の情報あるいは対応の仕方等について御講話をいただくというようなことも従来やってまいっておりますが、今後さらにそういう方向を進めてまいらなければならないというふうに考えております。 銀行によりましては、暴力団対策等につきましてのマニュアルを作成して各職員に配付する、あるいは、毎月あるいは毎週、防犯ニュースというようなものを作成しまして各行員に配付するというようなことも行っておるようでございます。こういうことを通じまして一般職員に教育の徹底を図ってまいるということが大切であろうかと思っております。 さらにこれをバックアップするには本店の態勢が必要でございまして、本店に顧客相談室というような、名称は区々でございますが、そういうものをつくりまして、事件が発生いたしました場合、本支店一体となってこれに対処していくという態勢がぜひ必要でございまして、そういう態勢を既に整えている銀行も多く見受けられるところでございます。 こういう銀行側の態勢に対しまして、営業店におきましては地元の警察署、本店におきましては概して県警本部等になると思いますが、そういうところとの連携を密にし御指導をいただいていくというようなことを、従来からやってまいりましたが、今後さらにこれを推し進めてまいるというようなことが必要であろうというふうに考えておるところでございます。各地域におきましても、警察と協議会、いろいろな名前の、金融団体防犯協力会等いろいろな名称の組織がございまして、地銀各行、各支店、各地域の金融機関等も加盟をいたしまして活動をいたしておりまして、こういう協議会等に警察御当局の御協力も仰いでおるというふうに伺っておるところでございます。 新法で新しく暴力追放運動推進センターの規定がございますが、法的な根拠を持ったこうしたセンターが活発な活動を展開されますことを期待するものでございます。幸い地銀の幾つかの頭取は県の公安委員会の委員あるいは公安委員長に任命されておりまして、そういう面からも、現在のところ警察御当局等と密接な連絡がとれているように伺っております。 また、私ども協会は三鷹に研修所を持っておりまして、新任支店長のための研修を毎年開いておりますが、その際には必ず警察庁の暴力団関係の御担当の専門家の方もしくは弁護士の方をお招きして、種々御講話をちょうだいしているところでございます。 新法の関係におきまして若干気になる点を一つ二つ述べさせていただきたいと存じます。 一つは、指定暴力団と指定にならない程度の暴力団というものでございます。指定暴力団につきましては、これは公示されるということによりましてかなりはっきりしてまいりますが、それまでに至らない暴力団とのかかわり合いというものは非常にその扱いが難しい。さらに広げて申しますと、いわゆる企業舎弟といわれるものとの関係というものをどのように金融機関として対応していったらよろしいか、今後私ども内部的にも研究を進めてまいらなければなりませんし、御当局の御指導もちょうだいいたしたいというふうに考えているところでございます。新法で指定されない場合のそういう暴力団に近い団体、企業舎弟等の問題につきましては、生活権でありますとか人権の問題等いろいろあると思いますが、種々御指導をちょうだいいたしたいというふうに思っております。 それからもう一つは、通常の平穏無事な金融取引、窓口にお見えになって普通預金をお出し入れになる、あるいは送金をなさるというような場合、これをどのように取り扱っていったらよろしいか。この問題は、銀行は送金、決済機能等を扱うことを公の使命として行っておりますので、そういうものとのかかわり合いをどのように整理していったらいいのか、大変微妙な問題があると思います。これらにつきましても、関係御当局の御指導を得ながら方向を探ってまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。 二つほど問題点を申し上げましたが、当委員会の先生方初め、皆様方の御指導を切にお願いを申し上げる次第でございます。どうもありがとうございました。
○亀井小委員長 ありがとうございました。 では次に、御参考人にお願いします。
○柳参考人 日本土木工業協会の専務理事の柳でございます。 先生方には建設業界に対しまして日ごろ深い御理解を賜り、また業務各般の問題につきまして御指導を賜っておりますことを、この場をかりて厚く御礼を申し上げます。 本日は、暴力団と建設業界とのかかわり合いにつきまして御質問にお答えするということで参りました。承知しておりますことにつきまして御説明申し上げるとともに、御質問に誠心誠意お答え申し上げ、また、至らぬ点につきましては御叱責、御指導を賜りたいと存じております。 最初に、建設業界に対する暴力団の介入の実態及び建設業界の対応策について、かいつまんでお話し申し上げたいと存じます。 御案内のとおり、建設業界は業者数が五十万余でございます。また、就業人口と申しますか、就業者の数が六百万弱と言われております。したがいまして、全国どこに参りましても建設業のないところはないと言っても過言ではございません。一方、暴力団も、先ほどから各参考人のお話にありますように、八万余と聞き及んでおりますので、全国各地に存在しているわけであります。したがいまして、建設業者も暴力団のいわゆるたかりの対象となり、我々もその点では大変苦労していることは事実でございます。 もう一つ建設業界と暴力団との関係について申し上げられることは、零細な建設業者が公共工事の受注を渇望しているという現実に注目しまして、暴力団が、例えば自治体御当局の弱点を探して特定の建設業者に受注させるような圧力をかけるようなケースがないわけではございません。我々建設業者といたしましても、暴力団に弱みを見せると次々に不法あるいは不当な要求を突きつけられるということをしっかり心にとめ、強い姿勢を保ち、言動に注意して事に当たるということが大切だということで日ごろ活動をしております。 次に、建設業界の暴力団対策の取り組みの現状について御説明を申し上げます。 御案内のとおり、建設業は大変幅の広い業界でございまして、例えば、土木とか、建築とか、道路舗装とか、海洋工事とか、鉄道工事、その他さまざまな業種がございます。それぞれの業種につきまして建設業者の協会がございます。私ども日本土木工業協会は全国的に土木工事を営む百八十社の集まりでございます。また、代表的な業種におきましては、中央の協会のほか、各都道府県、市町村単位にも協会を持っております。これらのうち、最も一般的かつ普遍的な協会は全国建設業協会でございまして、各都道府県、市町村単位に下部の組織があり、会員数は三万余でございます。 暴力団対策につきましては、とれがすべての建設業者にかかわる問題であるという認識のもとに、中央レベルにおきましては全国建設業協会が、地方レベルにおきましては各都道府県及び市町村段階の建設業協会が中心となって、建設業界が一丸となって対応しております。土木工業協会の会員も全国建設業協会の会員に同時に加入をしております。さらに、本年五月に成立しましたいわゆる暴力団新法の周知徹底を図るために、この八月から全国四十七都道府県におきまして、警察御当局の御協力のもとに研修会をただいま実施しております。十一月中には全都道府県で終える予定になっております。 戦後間もないころを振り返りますと、幾度となく繰り返されました暴力団の抗争事件や市民に対する暴力事件の多発に際し、警察当局は市民や企業に対し、暴力団排除について強い要請をされてまいりました。建設業界もこれに呼応して、各地域ごとに警察との連絡会を設置して暴力団の介入阻止のための活動を推進しております。 昭和六十一年五月の二十日、全国建設業協会は、暴力団等の排除に関する決議を行いまして、都道府県ごとに設置をされております全国建設業協会の支部に対しまして、同じような決議を行い、かつ暴力追放推進協議会を設置するよう強い働きかけを行いました。その結果、昭和六十一年から六十三年にかけまして、各都道府県ごとに建設業暴力追放推進協議会が設置され、暴力団排除決議が行われております。現在、建設業における暴力団排除活動は、この協議会が中心となって行っております。 次に、暴力団の建設業界に介入する形態について御説明申し上げたいと思います。 大きく分けまして二つの形態がございます。その一つは一工事の施工に着眼しまして、それを担当する現場の事務所等に対して行われるもの、もう一つは、もう少し経営問題と申しますか、そういう問題への介入を目指しまして、支店などに対して行われるものでございます。前者の例としましては、工事現場の整理整とんが悪いというようなことを理由に治療費だとか休業補償を要求するもの、あるいは、工事現場の近くに高級車を駐車させて、ほこりをかぶったというようなことを称して損害賠償を要求するもの、後者の例としましては、自己の影響力の及ぶ業者に工事の下請をさせることを要求するもの、あるいは同じように、自己の影響力の及ぶ業者から資材の購入と申しますか納入を要求するものなどがございます。 最後に、これら暴力団の介入に対します。界の対応でございますが、建設業者においては、暴力団の要求には決して屈しない、一度届すると次々と要求をエスカレートさせ、被害が拡大する、このことを肝に銘じ、強い態度で対処することを基本に各社とも対策を講じております。建設業者には、暴力団の介入に対処する社内のマニュアルをつくり社内教育を行っているところも多く、また、警察との連携を密にし、暴力団の要求があった場合には直ちに連絡し、その指導を受ける、あるいは来訪していただくといった体制をとっているところが多うございます。 このような暴力団対策を推進してまいりました結果、建設業界のこうむる被害は非常に少なくなったと聞いております。しかし、少しでも手を緩めるならば再び介入の度合いを強めることは明らかであります。今まで実施してまいりましたもろもろの対策を引き続き強力に推進することが必要であると考えております。 このたび国会で暴力団員の不当な行為の防止等に関する法律が成立し、指定暴力団を中心とする暴力団対策が強力に推進されることになったと承っております。暴力団の被害を受けることの多い建設業界としては非常に心強く感じておるところでございますが、できるだけ広範囲に暴力団の指定が行われ、暴力団壊滅のための諸対策が効果を上げることを願っておるところでございます。これを機会に先生方からいろいろ御指導を賜り、業界の暴力団対策を強力に推進していく所存でございますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○亀井小委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。 ―――――――――――――
○亀井小委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 なお、念のために申し上げますが、参考人の皆様は小委員長にお申し出をいただき御発言をお願いいたしたいと思います。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知願いたいと思います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。増田敏男君。
○増田小委員 自由民主党の増田敏男でございます。 銀行、証券、建設業、そして暴力団との関係で小委員会が持たれているところでありますが、それぞれの皆さんには大変お忙しい中、参考人としてまことに御苦労さまでございます。 時間に限りがありますので、早速お尋ねをしたいと思いますが、まず、全国銀行協会連合会副会長専務理事の藏原さんと全国地方銀行協会副会長専務理事の名本さんに、それぞれお尋ねをいたします。 健全な社会、信頼される社会を築いていくことは、私たちにとりましてまことに重要なことであり、当然のことだ、このように考えております。同時にまた、次の時代にわたってそれぞれが責任を持ってみずからを律しながらその実を上げていかなければならないことは御同感のことかと思います。戦中、戦後、現在と価値観の相違は今さら言うべくもありませんけれども、私は、近年の経済万能という考え方には大きく考えさせちれながら、同時に私自身はこの考え方に反対であります。そこで、二十一世紀を展望しながら世界とのかかわり合いと責任がますます深まる中で、大きな激動、激変の現今を、理念の上で、仕組みの上でいかに改めていくか、また、みずからを省み、真剣な取り組みをしていかなければならないか、このように考えながら質問を申し上げるところであります。 昨今のバブル経済の崩壊に伴ってあらわになった金融界の現況を見るとき、全く社会公共性の欠如ともいうべき事件で、私には理解もできなければ考えにくいところであります。ましてや暴力団の影が想像されるような事象については、深く心配をしながら、一刻も早く正常な姿に戻ってもらいたい、このように願うところであります。 そこで、暴対法の施行に当たり、まず古くは六月二十八日警察庁長官の名で、八月二十八日警察庁の刑事局長名で、金融取引における暴力団対策に対しまして通達が出たところだと思います。同じ八月二十八日、大蔵省の銀行局長名で、金融取引における暴力団の介入排除についても通達が出されたところであります。 それを受けてだと思いますが、今月の八日、全国銀行協会連合会は理事会で、暴力団介入排除特別専門委員会の設置を決められました。そこで、今後常設、常任でいくんだと思いますけれども、どこでだれが掌握をし、どの程度の機能で対応なさるのか、お尋ねをしたいと思います。当面は情報の交換あるいは研究会と新聞には書かれてありましたが、わかるだけのところをお尋ね申し上げたいと思います。 次に、各支店の管理監督とチェック機能は今見直しをなさっておられる、このような説明があったわけでございますが、支店長や役席の裁量範囲の問題であります。限界についての関係なんですが、よく私たちが銀行く行ってお金を借りよう、こうしますと、本店の稟議を通さなければ一定額以上はだめだ、こういうような答弁が返ってまいります。このたびあらわれた支店レベルでの事件を考えますと、一体その辺はどうなっているんだろう、本店と支店のかかわり合いはどうなっているんだろう、裁量の範囲、限界はどうなっているんだろう、当然反省をし、検討をなさっておられると思いますけれども、この辺については特に意見があったらお聞かせをいただきたい。 次に、経営者あるいは管理者、全行員に至るまで、倫理観、責任感は当然であり、資質の向上の。ために教育をするというような御説明がございましたが、よほど真剣な教育をしていきませんと、小学校、中学校、教育から社会の風潮と考え合わせたときに、これは大変なことではないのかなというので、この辺の教育をするんだという取り組み、もう一度御決意のほどをお聞かせをいただきたい、かように考えるところであります。 それから、暴力団だと指定された団体、無指定の団体、こう分かれていくわけでありますけれども、全国至るところに指定されない無指定の団体は存在すると私は考えております。そこで、情報の交換なり対応なりが時間をかけると大変なことになるだろう、こういうふうにとらえておりますので、法が発動される、同時にだんだんと狭められる、締めつけられる、どこかに行かざるを得ない、そういうことがどういう形になってあらわれるか、この辺を考えて、何か御意見があったらお聞かせをいただきたいと思います。 最後に、ぜひお答えがいただけたらいただきたいと思うのでありますけれども、ノンバンクと銀行と暴力団とのかかわり合いを考えると、銀行とノンバンク関係に対してはどういうお考えをお持ちなのか、この辺をお聞かせいただきたいと思います。 次に、日本証券業協会専務理事の関さんにお尋ねをいたします。 ちょうど今、大蔵省の方から四大証券の処分が発表されて行われておるところでありますけれども、残念ながら、証券業界と暴力団との黒いつながりは大蔵省関係では解明されないままに終わりました。十月九日付の朝日新聞によれば、松野証券局長の記者団への答弁にもあるように、「我々も疑いをもっていないというとウソになる」「関連を裏付ける材料がない」とのことで答弁が書かれております。バブル経済を演出した大きな存在の一つとして証券業界がある、このように私はとらえておりますので、証券業界と暴力団のかかわり合いが国民の間に大きな話題となり、証券業界に対してはこれらを含めて大きな不信が生まれてきたことはまことに残念であります、先ほどのお話のとおりであります。 そこで、景気に陰りが出たと言われる昨今、また、ソ連の動向を含めて世界経済の新たな枠組みが急がれている今日、証券業界の現況は一日も早くこれを脱却し、職員の方々の資質の向上はもちろん、我が国の経済と世界経済を展望した。公共性を踏まえた責任を十分に自覚して経営者はその職に当たるべきだと思います。そこで、資金を銀行あるいはノンバンクから調達をし利益は証券業界でと単純に考えた場合に、まず頭に浮かんでくるのは、暴力団関係の外国からの証券関係への働きかけあるいは売買、こういうようなものが来た場合にどういうような手だてを今考えておられるか、あるいはどういう検討をなされておるか。国内だけではありませんから、国外からの問題に対する対応についてお聞かせがいただけたらお願いしたいと思います。 また、八月二十八日の刑事局長の通達にある話ですけれども、暴力団排除組織は証券業界としてはできたのかどうか、また、どうやっていこうとしているのか、その辺お聞かせをいただきたいと思います。 もう一つ、「暴力的不法行為等」の中に証券取引法違反を入れる必要があるのじゃないのかな、こういう考えを私は持つのですけれども、暴力的不法行為の中に証券取引法違反を取り入れるという考え方についてはどういうお考えをお持ちですか、お尋ねをしたいと思います。 それから、日本土木工業協会専務理事柳さんにお尋ねをいたします。 先ほどのお話を聞いておりまして、まさにそのとおりだ、しかし、古くから言われている問題でなかなかうまくいかないというのが実態ではないか、このように考えながら頭の中に浮かんだのは、六十一年の五月、ちょうど私の市長時代でしたが、全国建設業協会で暴力団の排除に関する決議をして、これら取り組みを真剣にやっていこうというようなことを始めました。「近年、暴力団等の介入により建設工事の適正な契約及び施工が阻害されている事例が増加傾向にあることは、極めて憂慮にたえない」、こういうことから決議は始まっているわけであります。そこで、五年余が経過をいたしておりますけれども、現実の姿は本当のところどういう形なんだという点をお聞かせいただきたいな、このように考えます。 それからまた、暴対法、新法が施行されるに当たって、今、柳さんの方では盛んに、全国五十万軒もあるが、組織を通じて一生懸命PRをなさっておられる、こういうふうに御説明がございました。ぜひ徹底してPRをやっていただきたい。問題は、PRが行ったその後はどういう対応で、どういうところがそれらを掌握しながらやっていくのか、都道府県別に分かれてしまうのか、あるいは国レベルで話が下まで流れていくのか、そういう関係がわかりましたらぜひお聞かせをいただきたい、このように考えておるところであります。 何しろ建設業協会と暴力団の関係というのは、なかなか古くて新しい問題で、決め手がつかみ得ず苦慮しているというのが私の見方でありますが、何しろ努力を願いたい。そして、銀行、証券を初めとして、あらゆる分野で締めつけがまた始まっていきます。当然、まず流れていくとすれば、土工協を初めとする建設業協会のそれぞれの方ではないか、指定団体はいい、無指定の団体は特にそういう形になっていくんではないかというような懸念がありますので、ぜひお考えをお聞かせいただきたい。 以上です。
○亀井小委員長 それでは、逐次お答えをいただきます。 まず、藏原参考人。
○藏原参考人 ただいまの御質問にお答えをさしていただきます。 第一番目は、冒頭に申し上げました全銀協におきます暴力団介入排除特別専門委員会、これの果たす機能等はどういうことかというお尋ねでございました。 まず、この専門委員会の位置づけから申し上げますと、この専門委員会は、各銀行の常務、専務クラスで組織をしております社会的責任に関する委員会というのがございますが、それの下部組織というふうに位置づけております。そういたしまして、この専門委員会の委員は各銀行の部長クラス、それで、その部長クラスで構成をいたします専門委員会のお世話役と申しますのが全銀協、こういう形にいたしております。 それで、機能と申しますか、だれがこの取りまとめをするかということでございますが、協会の事務局がお世話役になりまして、この委員会で一つの考え方がまとまりますと、この委員会はただいま申し上げましたように各銀行の部長クラスで、実質的に実務担当の責任者でございますので、ここでまとまりました意見というのはかなりしっかりした強い意見でございますが、これを今申し上げました常務、専務クラスの社会的責任に関する委員会に上げ、さらにその上の理事会に上げて討議する、こういう形になろうかと思います。 第二番目の点でございますが、各支店長あるいは支店長代理等の権限の委任の問題でございます。 ただいま銀行では、一般的には恐らく各銀行とも、だれだれにはどういう権限を委任するというふうな形で事務処理権限委任表みたいなものができておりまして、かつ、その権限を行使するに際しましては、それぞれダブルチェックの機能を果たすというふうな形になっておろうかと思います。また、この点は、冒頭の陳述の際申し上げました業務運営体制の見直しの際にも改めて確認をいたしております。
○亀井小委員長 簡潔にひとつ頼みます。
○藏原参考人 そのほか、融資の面につきましては、支店長で扱える最高限度というふうなものが明確に決まっておりまして、その辺の運用が実際に厳格に行われているかどうかという点について店内検査なり本店検査なりでチェックされているということになっておりますので、これが整々と行われておりますればさして問題はないわけでありますが、問題の暴力団取引という場合、一番問題になりますのが、やはり相手方が暴力団であるかどうかということが非常にわかりにくいということでございます。 三番目の教育の問題でございます。 銀行におきましては、それぞれ新任行員あるいは各クラスの研修をやっておりまして、その一連の研修の中に暴力団対策というのも当然入っております。また、先ほど申し上げましたように、支店長会議その他におきましても、最近の事例などを取り上げまして注意を喚起しておるところでございます。また、今申し上げました全銀協の特別委員会におきましても、今後の研修のあり方等に関しましてさらに検討を深めていくということにいたしております。
○増田小委員 発言中ですが、持ち時間がありますので、簡潔でいいです。お願いいたします。 それから、名本参考人の方は同じでしょうから略してください。お願いします。
○藏原参考人 四番目の点につきましては、指定暴力団員の行う行為とそうでない団員の行う行為と、我々一般市民の受けます困惑の度合いなり脅威の度合いというのはそれほど変わらないと思います。したがいまして、法が施行されました場合にはできるだけ早期に、かつ広範なものについて指定が行われるということを希望いたしたいと思います。 五番目のノンバンクの問題でございます。 もともと銀行が融資を行います際には、資金の使途あるいは返済が確実であるかどうかということとともに、相手の人物がどうであるかということをしっかり見きわめて融資をするのが基本原則でございまして、この点はノンバンクといえども変わりがないということかと存じます。たまたま一、二問題を生じたことがあったかと思いますけれども、ノンバンク、特に銀行の系列のノンバンクにつきましては資金的にも人的にもつながりがございます。そういう面を通じてしっかり業務活動を行うよう親銀行の方が指導を行う、こういうことによって是正されていくということを期待いたしたいと存じます。
○亀井小委員長 ありがとうございました。 それでは、関参考人、簡潔に要領よく。
○関参考人 最初の、四大証券等のごく最近問題になりました三年三月期の損失補てんの問題とか、野村証券の推奨販売の問題についての協会の処置につきましては、今検討中でございまして、できるだけ早く結論を得たいと思っております。 それから第二番目の、資本市場の機能向上のために証券界がその社会的使命を自覚して、もっとしっかりしなければならないのじゃないかという御趣旨は、全くそのとおりでございまして、そういう気持ちで業界改革に全力を挙げていきたいと存じております。 それから第三番目に、この暴力団対策等のいろいろな問題が海外を通じて入ってきた場合の対応をどうするかという御質問でございますが、海外から顧客が注文をしてくる場合、通常は海外の証券会社とか海外の銀行を通じて注文が来るというケースが多いわけでございます。しかしその場合でも、日本の証券会社が海外に持っております現地法人とか支店とか、そういうものを通じて来る場合におきましては、親会社としてそういった問題に十分配慮して注文を受け付けるようにということの指導はすることになっております。ただ、外国の会社が直接やってきた場合は、その顧客の管理というのは外国で注文を受けるその会社の問題になりますので、そこは少し難しい問題があるかもしれません。 それから最後に、私どもの暴力団排除組織がどういうように検討されているか。 これはただいま準備をいたしております。今の考え方では、私ども、地方に、ブロックごとでございますが、地区協会というのを持っておりますし、各県ごとにそれぞれ証券会社の連絡協議をしております、名前はそれぞれ違いますが、連絡協議会等のものを持っております。そういう場を活用してこの問題について独自の連絡機構をつくっていきたいというふうに考えております。場合によっては特定の地区をパイロット的に先行させるということもあり得るのじゃないか、こういうふうに考えております。 以上でございます。
○亀井小委員長 次は、柳参考人。
○柳参考人 増田先生の御質問は三つに分かれますが、一つにまとめますと、古くて新しい問題にどう対応していくのかということだと思います。 それは先ほども申し上げましたように、六十一年の暴力団の排除の決議、具体的に申しますと、第一、暴力団等の要求の拒否、工事への関与の拒否、第二、警察との連絡、第三番目、暴力団関係者への発注の禁止の関係機関への要請、この三つのルールをあらゆる機会をとらえて会員に周知徹底させ、また、会員は自分の所属する支店、営業所、あるいはいろいろな末端まで徹底させるということだと思いますので、そのように取り組んでおります。その中核として、都道府県単位に警察との連絡協議会を設けて動いておるという次第でございます。
○増田小委員 ありがとうございました。
○亀井小委員長 それでは、増田委員の質問は終わります。 次に、谷村啓介君。
○谷村小委員 四名の参考人の方、御苦労さまでございます。 まず、全銀協の藏原さんと日本証券業協会の関さんにお尋ねしたいのですが、広域暴力団の稲川会の石井前会長が東急電鉄株を買い占め、買い集めた。これを担保に大手証券会社系の金融会社、日興クレジットとか野村ファイナンス等から三百六十億円を超える巨額の融資を受けていたというふうに言われておるわけでありますが、その前には、同じ暴力団の会長が経営権を握るゴルフ場が住友銀行管理下の太平洋クラブ所有のものであり、東京佐川急便、大手建設会社の間組、野村、日興、証券関連企業が、ほとんど価値のないゴルフ場の会員資格保証金預かり証、こういわれるものと引きかえに四百億円近い資金を提供したというふうに言われておるわけでございます。こういう事件に対し、お二方、どういう感想をお持ちか、まずお聞きしたいと思います。
○藏原参考人 取引の詳細は存じませんけれども、一つには、どうも数字のけたが一つ二つ多いような、やはりバブルの過程で数字に対する気持ちがどこか少しおかしくなってきたんではなかろうかなというような感じがまず真っ先にいたします。それ以外の取引の詳細は存じませんので、詳しいコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○関参考人 冒頭の陳述の中でも申し上げましたように、やはり日本を代表する大手証券会社が、今御指摘のように、グループ内のファイナンスカンパニーによる融資とか、さらにはゴルフ場会員権を多額に購入したというようなことについては、全体として見ますと余りにも不注意であったのではないか、こういうふうに考えております。
○谷村小委員 この最近のスキャンダルを考えてみますときに、先ほども御指摘がありましたけれども、クレジット、リース、ファイナンス、いわゆるノンバンクが暴力団の資金源とも言われているわけであります。私どもそんな感じがするわけでありますけれども、ノンバンクには、証券会社を含めてあるいは大手企業の系列のものもあるわけであります。先ほどもありましたように、日興クレジットあるいは野村ファイナンス等も入っておりますが、このような暴力団との関係を断ち切るようにすぐにでも指導をしてもらわなければなりませんが、まず大手系列以外のノンバンクですね、そういったものに対する指導というものは一体できるのかできないのか、どう考えられますか。
○藏原参考人 ノンバンクに対する法律ができておりますけれども、その法律に基づきましても報告は徴求できるということに相なっておりますが、強力な指導は困難かと思います。ただ、ノンバンクといえども一つの社会的な存在でございます。したがいまして、反社会的な行動をとるようなことは許されないわけでございまして、この点はやはり、ノンバンクの経営者が自覚を持って、自分の行う業務によって社会に悪影響が及ぶことのないような、そういう経営を心がけることがやはり先決問題ではなかろうかというふうに存じます。
○関参考人 野村証券と日興証券、それぞれ御指摘のように、野村ファイナンス、日興クレジットというファイナンスカンパニーを持っているわけでございますが、こういったファイナンスカンパニー会社はもちろんファイナンスカンパニー会社として、今藏原参考人が言われたような行動をすべきでありますし、また親会社たる証券会社も、その立場において過去におきます融資のできるだけ早い整理とか、そういったものについていろいろ努力をしているものと承知をいたしております。
○谷村小委員 関参考人、ノンバンクについてそれぞれの系列がありますね、日興だとか野村たとか。例えばこういうふうな暴力団との関係を断ち切る上では、系列ですから何かの効果的な指導あるいは助言、あるいはもっと強い機能があるかもしれませんけれども、どんなことがあると考えられますか、方法としては。
○関参考人 会社といたしまして親子の関係というのがあるわけでございますけれども、ファイナンスカンパニーはそれ自体は独立の企業でございますから、企業として先ほどのファイナンスカンパニーとして適正な業務ということを考えることがあくまで基本だと思います。したがって、親会社としてやれることというのは、例えば株主としての地位とか、あるいは過去に親会社にいた人がファイナンスカンパニーに移っているというようなことがありまして、そういったところからいろいろな形でサゼスチョンをするとか、そういう形になるのだろうと思います。
○谷村小委員 今のところはそれ以上のことはできないということですね。
○関参考人 私はそのように思います。
○谷村小委員 これはやはり問題があると思うのですが、次に移ります。 藏原参考人にお尋ねしますが、先ほど冒頭のお話の中にもございましたように、今回の事件をきっかけに、九月の十七日には「業務運営体制のあり方等に関する改善措置について」というのを出されておりますね。それから、先ほどもお話がございましたように、「暴力団介入排除のための特別専門委員会の設置について」、この二段構えでいっていらっしゃるわけですが、さっきも増田委員からお尋ねがございましたけれども、この特別専阿委員会というものの機能ですね。先ほど説明はありましたけれども、どこまでできるかという点がもうちょっとはっきりしないので、お聞かせ願いたいと思います。
○藏原参考人 特別専門委員会を含めまして私ども幾つかの専門委員会がございますけれども、御承知のとおり全銀協というのは、証券業協会と違いまして任意団体でございます。したがいまして、そこで決めましたことにつきまして、傘下の協会あるいはその下の傘下の銀行、これに決めたことを強制する機能はございません。ただ、自分たちが集まってつくった団体で自主的に決めたことでございますので、むしろ他から言われるよりももっとよくそれを遵守する、そういう体制にあるべきだと思いますし、そうであるというふうに思います。
○谷村小委員 そこで富士銀行さんはどういう立場でしょう。例えば、委員会委員銀行は二十五行となっていますね。このうちで富士銀行さんはどういう立場でしょう。
○藏原参考人 現在は一委員銀行ということでここに入っております。
○谷村小委員 実は具体的な問題についてちょっとお尋ねしでおきたいと思うのですが、私、岡山なんですね。岡山県で去年からことしにかけまして、大きな金額じゃございませんけれども、いわゆるバブルの中で六千万という、私どもにとっては大変な金額で富士銀行さんから系列の暴力団に融資がなされているのですね。今それが大変な社会問題になりまして、それぞれ地域の住民や、あるいは警察等がその対策に苦慮している。簡単に言いますと、去年の五月に岡山市内の山口組系列の暴力団、その奥さんが約五十七坪ほどの土地を担保に富士銀行から六千万の融資を受けた。その際、上物はもちろんワンルームマンションだというふうなことで、その融資も引き続いてやっていただきたいというようなことの申し入れがあった。その土地をにせ抵当をつけまして六千万を出した。それが住民に知れまして大変な社会問題になって、暴力団の問題ということになっておるわけです。よくあるケースです。 これを私も現地に入ってちょっと調べてみたのですが、先ほども藏原さんが融資の場合は相手の人格という問題が非常にウエートが置かれるのだ、個人信用だとか返済能力だとか、もちろんそういう前提はありますけれども、その点に力点を置かれましたけれども、そうだと思うのです。 例えば、地元の、ローカルの有力な銀行く行ってみますと、こういう貸し出しをする場合に提出書類というものは一体どれとどれなのかというふうに聞きますと、例えば所得証明であるとか、あるいは住民票の謄本であるとか、あるいは土地建物の売買契約であるとか、土地謄本であるとか、そういうものが、現にもちろんもらうのですよ。いただくのです。そこで情報センターに問い合わせて、よくその属性というか、そんなものも調べるのですよ。あるいは信用保証会社でも保証してもらうというふうな一連の手続がある、普通の場合なら。私もそうだと思うのですね。 ところが、その富士銀行の岡山支店へ行って聞いてみますと、この貸し出しの場合は、ロージュマン創和というアパートやマンションをつくる建設会社の、それが口入れで、口ききがあって融資をした。その肩書はもちろん、その貸し付けは暴力団の組長の妻だ、よくあるケースでこんなことにもなっているのですね。しかも、印鑑証明を提出してもらったことが一つのあれであって、住民票も提出してもらっていない。上物のローン契約時には個人信用情報センターで確認するということになっているが、それもしていない。保証人には暴力団の組長そのものが連帯保証人になっている。信用調査は口頭のみだという。聞いてみますと、非常にルーズなんですね。私どもが考えて、考えられないような貸し付けが行われておる。しかも、担保能力がどの程度あるかというと、五十七坪、まああの辺が大体百万円程度だというのですから、五千七百万ぐらいがぎりぎりだろうというのですね。ですから、普通の場合はその何割かを抵当として評価して貸し付けるというのが普通なのですけれども、この場合にはぎりぎりどころか、それよりも上回った貸し付けがなされておる。 これは、私も自身が銀行く行ってお尋ねして調査した内容ですから間違いはございませんけれども、どうも考えてみますと、仲介をする一つの業者だけを信頼して、その業者がこの間倒産しまして、九十億だか幾らかの負債をつくりまして倒産しましたが、今和議に入っていますけれども、口をきいた業者ですよ、そういう業者の紹介で、しかも大変ずさんな、かたいと言われる銀行の貸し付けにしては非常にずさんなことが行われておるわけでありますが、そんなことが考えられますか。
○藏原参考人 御質問によって事案はアウトラインはのみ込めましたけれども、おっしゃられた限りにおきましては、やはりある程度ずさんであったということは否定できないかと存じますが、この案件につきまして、私、富士銀行から直接聞いたわけでございませんし、そのほかどういう事情があったかどうか、そういうことを総合的に判断いたしませんと何ともお答えはできかねるかというふうに存じます。
○谷村小委員 そこで、その後の経過を見ますと、警察とか住民の代表とかの申し入れ、あるいは一万程度の署名などを集められましての交渉の中で、銀行側は、条件が当初と異なってきた。最初はマンションということだったのが中身を見ると暴力団の事務所であり居宅であるというようなことで、それを盾に貸し付けた金を回収する、つまり返しなさいという交渉を続行しているのですね。私は当然だと思うのですけれども、そういうふうなケースがこれからも皆さんの傘下の銀行の中で起きた場合、そういったときにもやはり協議をされるのですか。先ほどの専門委員会で、こういうケースが出たというふうな協議をされる、いや、それは各行の問題だから、それは勝手にやりなさいというような程度の専門委員会ですか。
○藏原参考人 そういう個々の取引そのものについて専門委員会で協議するということはないかと存じます。これはおのおのの銀行の個々の取引のことでございます。ただ、こういう事例があって、こういう点をもう少し気をつけた方がよかったというふうな点については、私どもの方に情報が参りまして、それが各銀行にまた参考資料として流れる、こういうことになろうかと思います。
○谷村小委員 時間が参りましたので最後ですけれども、具体的なケースなんですね。六千万なんという、あなた方は小さい金だと思っているかもしれませんけれども、私どもにとっては大変な大金ですから、こんな金がこんなふうに暴力団に安易に動くところに実は問題があるのです。そうでしょう。この種の問題についても具体的にきょう参考人にお見えになっていただいて取り上げているわけですから、やはりきちっとした指導というものをぜひお願いしたいと思うのです。いかがでしょう。
○藏原参考人 もちろんそのように努力いたします。ただ、一言富士銀行のために弁解をさせていただきますと、今回収にかかっているということは、やはり当初知らなかったということの逆の証明ではないかというふうに存じます。と申しますのは、私ども、初めからはっきり暴力団とわかっているというふうな融資については、初めから取り組まないわけであります。途中でわかった。回収しようと図っていることは、初め知らなかったのではないかということがある程度そこに出ているのではないかというような気がいたします。
○谷村小委員 最後にもう一つ。やはりそれがいかぬと思うのですよ。さっき説明いたしましたように、普通の貸し付けの場合、さまざまな、おかたい銀行ですから貸し付けをするに妥当であるかどうかという徹底した調査というものが普通の要件であるのでしょう、最低これだけは出しなさいよと。この場合は、例えば個人の住民票が出ているわけですから、しかも連帯保証人が一人で、しかもそれが暴力団の組長ですから、幾ら奥さんの名義といえ、これは明らかに暴力団だということはだれだってわかるのです。しかもその上に、先ほど挙げたように評価の、例えば百万円を借りるにしても、百万円の担保で、そのままあったって銀行は百万円貸しはしませんよ。まあ六割か七割が、せいぜい八割だ。この場合なんかまさにその限度をつついっぱい見て、しかもそれを上回るような貸し付けが行われておる。私はあえて言いませんが、どこかにやはり圧力とか不当なものがあったに違いないと推定できるわけです。 ですから、今後こんなことがあってはならぬわけで、したがって富士銀行側の弁明でなしに、あるいはおたくの協会の中でもどこでそういうことが起こるかもしれません。したがって、こういう際にはやはり厳しい指導と、そしてお互い銀行間で協力しでこんなことが再発のないように、しかも起きている事態については早期に解決するように、そういう協力はぜひひとつお願いしておきたい。それがなければ暴力団は追放できませんよ。そう思いますけれども、最後に。
○藏原参考人 仰せのとおりだと思います。そのように努力いたします。
○谷村小委員 ありがとうございました。結構です。
○亀井小委員長 次に、小谷輝二君。
○小谷小委員 参考人の皆さんには、御多忙中のところ御出席をいただきまして大変御苦労さまでございます。 最近の暴力団は非常に勢力が拡大しつつあり、また組織の構成員も若返りつつあるという最も憂うべき状況にあると承っておるわけでございます。特に広域暴力団、これは組織がなお強固なものになり、非常に資金力を持ち、暴力団としての動き方、行動というものが反社会的であり、野放しにできないという状況の中で今回の暴力団新法が施行されることになった。このように私どもは思っておるところでございます。 そこで、特に最近の暴力団、言われておりますことのまず一点は、昔から言われておりますやくざの世界の任侠道、この原点が全くなくなった。どういう点が最近の暴力団に若い連中が集まるのかという点については、楽して豊かな生活ができる、こういうところに青年、暴力団と言われる連中が集まりつつある。また、暴力団のそれぞれの組織には、企業性といいますか金もうけの非常にうまい、才覚のある、こういう組長がますます頭角をあらわして、しかも勢力を伸ばしておる。まさに暴力団そのものが企業化してきた。資金力のある暴力団がますます勢力を大きくしつつある、こういう状況が最近の状況でございます。 私は、それだけに、きょうお見えいただいた参考人の皆さん方、特に暴力団壊滅に対して全面的な協力をしていただかなければならないのではないのか、こういうふうに思うわけでございまして、皆さんの業界の協力が不可欠の問題である、このように思っております。 そこで、参考人の皆さんは、いろいろ諸問題はございました。しかし、今こそ社会正義のためにも暴力団壊滅作戦に国民の一人として警察とともどもに、我々国会議員ともともどもに壊滅作戦に取り組んでいただきたい。まずそのような決意を業界の代表の皆さん方からしていただきたい、こう思うわけであります。我が業界は暴力団とのかかわりを排除していきます、かかわりを持たないようにします、そんなことでは私は意味がないのではないか、このようにも思っておるところでございます。 経団連の方で九月二十日、企業行動憲章というものを発表されて、暴力団等の社会秩序に悪影響を与える団体、暴力団をこのように決めつけて、社会常識に反する行為を断固として排除する、こういう発表をされたようでございますが、参考人の皆さん方から、これに対するどんな決意で対応されるのか、まずこれをお聞かせいただきたい、このように思いますので、よろしくどうぞ。
○藏原参考人 お答えいたします。 暴力団といえども生活権があり基本的人権があるということで、暴力団ないし暴力団員の行為を法によって規制するといってもおのずから限度があろうかと存じます。その限度以外のところでは、その暴力団に対応する人間の自主的な対応に任せられざるを得ない、こういうことかと存じます。 今回の新法におきまして規制の限度がかなり広がりまして、その意味では、暴力団に自主的に我々金融機関なり証券会社が対応しなければならない分野というものが狭まったかというふうに存じますけれども、依然としてその分野が残っておる。これにいかに対応していくかということでございまして、例えば預金取引をやるかやらないか、あるいは送金、為替取引をやるかやらないか、これはやっちゃいかぬという禁止されている法律はございません。もちろん、契約でございますから一方の当事者である銀行がやらないと言うことはできますが、そういった行為を本当にやらないでいられるのかどうかという点が非常に難しい問題があると存じますけれども、その辺を割り切って頑張っていきませんと、やがて暴力団が大きくなって、その大きくなったのがやがてまた我が身にはね返ってくるんだ、ここで暴力団をたたいておきませんと将来もっと大きな問題になるんだというかたい気持ちでもって、今日の前の暴力団に対して毅然たる態度をとってやっていかなければならない、そういうふうに考えます。
○関参考人 冒頭の陳述でも申し上げましたように、この新しい新法の趣旨に沿い、また刑事局長の御通達等の精神に沿って鋭意努力をしてまいりたいと思っております。
○名本参考人 銀行の業務としてなかなか割り切りがたい面もございますが、暴力団の行います非社会的行為というのはぜひともこれは追放しなければならない問題でございます。地方銀行全体としてそういう方向で取り組んでまいりたい、かように考えております。
○柳参考人 さきの国会で新法が成立したことを非常に心強く思っております。新法に基づいて暴力団絶滅のためのいろいろな対策が講じられて効果が出ることを心から願っております。建設業界といたしましては、さきに決議をしたということを御説明申し上げましたが、その三つの方針によって対処する方針でございます。 また、何度も申し上げておりますが、暴力団に対しまして一度弱みを見せますと次から次へと要求がエスカレートするという過去の教訓を生かしまして、各都道府県単位でつくっております暴力団の追放協議会の場を最大限に活用しまして、また警察当局の御指導を十二分に得ながら、暴力団に対して毅然とした態度で対処する、こういうことをなお一層努力をしたい、かように考えております。
○小谷小委員 特に建設業協会、この暴力団とのかかわりというのはかなり各所で起こっていろいろトラブルが発表され、いろいろ問題が起こっておるようでありますけれども、まず、指定暴力団、今度は指定されます。指定された場合、指定暴力団の構成員が代表者となる企業、建設業、これは協会員から除名しますか。どうします。
○柳参考人 私どもの日本土木工業協会は、先ほど申し上げましたように、全国的に土木工事を営んでいます、いわゆるわかりやすく申し上げますと大手百八十社の団体でございますので、暴力団関係者はございませんので、そういう問題は私どもの団体に関する限りは生じません。
○小谷小委員 全国的に各業種ございますので、御参考人の協会の方はなくても建設業界全体的にはいろいろあろうかと思いますので、そこらはきちっと、暴力団と指定されて公表されるわけですから、これはもう明らかに業界の方できちっとした線を引いていただきたい、こう要求しておきます。 それから、銀行協会、全銀協、地方銀協もそうですけれども、先ほどからちょっと出ていましたけれども、要するに警察の方でこれは指定暴力団ですよと指定されて、公表されて、この暴力団とも取引はするんですか、しないのですか、どうですか。
○藏原参考人 指定されまして明らかにその相手方が指定暴力団員とわかっておる場合についてお答え申し上げますが、まず、いろいろ取引がございますが、融資、貸し出し取引でございます。これはいろいろの理由をつけてお断りをさせていただきます。それから、融資を伴う可能性のあります例えば当座預金取引の開設、こういった問題につきましても同様でございます。 ただ、大変難しいのが一般の預金取引あるいは一般の送金取引ということでございます。これは先ほども申し上げましたけれども、これを断れという法的根拠があるわけではございません。私どもが自主的にどう判断してそれに対応していくのかということでございますが、率直に申し上げまして、普通の一般の預金あるいは送金、殊に送金、預金といったものも機械でやるものもございますし、そういったものはなかなか断りにくいのではないかという気がいたします。 ただ問題は、その境目のところをどういうふうに判断するかということでございますけれども、そこら辺のところはさっき申し上げましたように、やはりこの際金融取引から暴力団を排除していくんだという基本的な立場に立ちまして判断をしていくということに相なろうかと思います。
○小谷小委員 非常に難しいところだと思いますけれども、しかし、暴力団壊滅作戦に我々も参加するんだという銀行協会の強い決意と意思があれば、これは極端に言えば、スナックや喫茶店でも「暴力団員入場お断り」と看板上げているところもありますよ。これは極端な話でございます。いずれにしましても、そこらは頑張ってもらいたいと思います。 それから、証券業協会、八月二十三日に発表された日本証券業協会倫理綱領、これは渡辺省吾会長から発表されておりますけれども、これに対しては暴力団関係との取引については一言も触れておられませんね。これはどういうことなんですか。
○関参考人 ただいまのその倫理綱領でございますけれども、これは一連の証券不祥事に対しまして、先ほど来申し上げましたように、私どもが業界改革に取り組むに当たって、まず自分たちの基本的な心構えというものをもう一回再認識をしようということでつくったものでございます。証券業務についての基本的な心構え、これはいつの時代にも当てはまる基本的な心構えを改めてそこに列記をした。こういう性格のものでございます。したがって、それにつきましては御指摘のように暴力団対策とかそういったことを特記はしておりません。 しかし、そういうものをつくった背景には、冒頭も陳述いたしましたように、損失補てん問題のほかにもこの暴力団問題とのかかわり合いということが一つの動機になっておるわけでございます。
○小谷小委員 時間が来ましたので、終わります。
○亀井小委員長 吉井英勝君。
○吉井(英)小委員 本日は参考人の皆様にはどうも御苦労さまでございます。私は他の委員の方からの質問との重複する部分につきましては省略をいたしたいと思いますので、幾つかの点についてすぐにずばりとお聞きしていきたいと思います。 まず、暴力団という属性がわかった場合の措置ということなんですが、特に証券業界では今度の問題で一番かかわりが深いわけですが、野村証券の方でも、大田渕氏に来ていただいての証人喚問の中でも明らかになってまいりましたが、総会屋の紹介でまず秘書室担当役員が、例の暴力団ですね、取引をするということで紹介を受けて、属性がわかっておったが、本店の営業部長でしたか、紹介するということになっていって、そこから進んでいるわけですね。ですから今後窓口の人は、もう属性がわかったら自分の判断じゃなくて上司と当然相談すると思うのですね。問題は、この上司の方が属性がわかっておって取引ということを指示しますと下の方は困るわけでありまして、今回の事例は、ただ単に特異例ということだけにとどまらないで、今後この暴力団の属性がわかったときにどういう措置をとるかということについて極めて具体的な事例を提起したと思うのです。この点についての関参考人の御意見を伺いたいと思います。
○関参考人 この警察庁の局長通達のいただいた中に「暴力団の資金活動を助長するような態様の証券取引や融資の斡旋は厳に慎むこと、こういうふうな表現で御指示をいただいているわけでございます。問題は、その「暴力団の資金活動を助長するような態様の証券取引」というのは何かという問題になるわけでございますが、これについては先ほど藏原参考人が言われましたように、銀行の方でもいろいろ難しい領域があるということがございましたけれども、私の方もこの問題についてどういう考え方をとってこの取引の抑制とか自粛をしたらいいだろうかということを今検討しているところでございます。 今までの議論の中で、当然証券会社の融資の行為がそれに伴って発生をいたします制度上の信用取引、これはもし暴力団員ということがわかった場合は一切やらないようにしようではないか、こういうようなことを一つ考えておるわけでございます。それからまた、信用取引でなくて現物の取引でありましても、非常に多額の現金をもって大量の取引をするというようなことについては、既にマネーロンダリング対策とかそういったことで厳重に管理をするというやり方になっておりますので、その辺についても抑制をするという考え方で貫いていこうというふうに今考えているところでございます。ただ、株の取引といいましても、例えば最小単位の売買がたまたま来たというようなときにまで完全にそれを排除できるだけの根拠を今証券会社側が持っているかどうかということについては、なお十分検討していきたい、こういうふうに考えております。 それから、今先生がおっしゃいました。窓口でこの問題が起きたときにどういうふうに組織として対応していくか、この問題でございますが、私ども業界改革の問題に取り組むときの一つの重要なテーマといたしまして、営業活動、営業部門を、内部管理とか法令遵守に責任を持つ証券会社の体制が十分チェックできなかったというところが基本的な問題点ではないかという考え方から、今、証券会社の内部管理、法令遵守の体制をどういうふうに充実したらいいか、この検討をいたしております。 今の考えでは、そういった職務に責任を持つ責任者というものを営業拠点ごとに決めていったらどうか、これは実際はそういう機能を果たしているものが既に各社にあるわけでございますが、それを業界統一の制度的なものとして認知をいたしまして、その人に一定の責任、その責任を果たせない場合はそれに対して適正な処罰をするというようなことも含めてそういった制度を整備していったらどうか、こういうことを考えているわけでございます。そういったものができますと、当然この暴力団との取引の管理ということについてもその一連の中に入ってくるのじゃないか、こんなふうに考えております。
○吉井(英)小委員 それとも少し関係するわけですが、先日も私も国会で取り上げまして、あれは十月七日付の読売だったかと思うのですが、瞠三剛という総会屋が北海道のリゾート会員権の販売を行って、宴会をやって販売をやったということについて、新聞報道では、都銀、信託銀行、七社、十口、四億円ですか、実際に購入しておったという問題も出ておるわけです。 これは既に警察庁の方から払お答えいただいておるのですが、かつて総会屋の約二割、現在でも一割が暴力団員と言われていますね。それから他のメンバーも暴力団と結びつきを持っている。ですから、その点では、かつて商法改正のときも国会としても暴力団、総会屋絶滅決議をやり、それから今度の暴力団新法の国会での審議の中でも、国家公安委員長にしても警察庁長官にしても暴力団絶滅が基本的スタンスだということでやっているわけなんです。そのときに、せっかく絶滅だということをやっているときに、一方、銀行の方は、結局総会屋の持ち込んできたリゾート会員権購入ということで、これは全くインチキな実体のないものであったわけですが、こういう形で利益供与ということになりますと、これはせっかく国を挙げて対策をとろうと言っているときにしり抜けになるわけですね。 私は、こういう点では、総会屋なり暴力団なりの属性が明確である場合、わかったときに、今度、藏原参考人と柳参考人お二人に伺いたいのですが、皆さんの業界ではこういう点でどう対応されるか、この点を伺いたいと思います。
○藏原参考人 属性がはっきりわかっておるような場合に、暴力団に実質的に資金の供給がなされるというふうなものについては、少なくとも今後はお断りするということになります。
○柳参考人 回してございます。
○吉井(英)小委員 要するに、暴力団対策については、やはり資金源を断つということが極めて重要た問題の一つだというふうにされているわけですが、今回いろいろ、野村、日興証券、富士銀行その他にしても、全部企暴協の会員であるわけですね従来より企業として暴力団対策に取り組むということでやってこられて、そしてそれでありながら、岩間カントリーの会員資格保証金預かり証というあの証文で資金を出すとか、先ほど来出ておりますようにノンバンク経由の融資などをやってきたわけでありますし、ですから、表では排除なのですね。しかし、裏では利益供与ということが現実に行われておったわけであります。 私は、この点では、どんな法律その他をつくってどういう体制をとるにしても、やはりそこに一番関係する業界の皆さんの自主的努力とか、みずから自浄作用を働かせるのだという努力なしには、暴力団追放といったってできないと思うのですね。この点では、現に暴力団に利益を供与したことが判明した場合には協会として、自分のところの協会傘下の企業名、この企業が暴力団に利益供与をしました。つまり会社名を公表するということは、これは社会的制裁になるわけですね。いろいろな法律による制裁というのはまた別にあるにしても、まず、せっかく皆さんが団体をつくっておられるわけですから、皆さんとしては暴力団と関係した企業の公表ということで社会的制裁を加えるということは、私はみずから取り組まれる努力の一つとしては非常に大事な分野だと思うのですが、この点について四名の各参考人の方の御意見を伺いたいと思います。
○藏原参考人 先ほど申し上げましたように、私どもの団体は任意団体でございまして、そこまで踏み込んだ措置ができるかどうかという点につきましてはやや疑問を感ずるわけでございます。 また、先ほど申し上げましたように、この暴力団との取引についていろいろ銀行として留意すべき点、反省すべき点等がありました。そういう情報は私どもの方に吸い上げまして、各銀行の参考に供するということになりますけれども、そういう点のない、単にただ取引のあっただけのものについてまでは、私どもが情報を収集できるかどうかという点から申し上げますと、私どもはそこまで集めるのは無理がというふうに思います。
○関参考人 協会といたしまして、先ほどちょっとお答えいたしましたように、暴力団との取引についてのきちっとした規則が決まりまして、それに対して規則違反ということが発生し、それについて私ども証券業協会が制裁規定を発動するというようなことになりました場合には、これは今までの場合でも通常公表をいたしております。しかし、先生がお触れになりましたように、関連会社が融資をしたとかそういう話になりますと、それは直接、先ほどのように、全体として見て信義則の違反とか、そういった問題で私どもの制裁規定が発動されるというケースは別でございますけれども、単に融資があったということだけでそういう公表ができるかどうかということは、今はっきりお約束できるという状態ではございません。
○名本参考人 ただいま先生の御指摘、大変ごもっともなところがあるわけでございますが、藏原副会長からお答えいたしましたように、暴力団と取引があったこと、それだけをもって一般的に公表できるかどうか、非常に問題な点があるわけでございまして、現在私どもの方で全銀協のことは別にいろいろ検討をいたしております。 その中で方向を見出してまいりたいと思いますが、まずはどのようにして暴力団との取引を防止するか、そちらをまず固めてまいらなければならない。そのためにも指定暴力団は指定暴力団として公表されるわけでございますが、特に広域暴力団の団員になりますと、地銀の方では、地域的になりますと、個人名まではなかなかわからないというようなことがございます。組長とか幹部になりますとわかるのでございましょうけれども、一般組員になりますとなかなかわかりにくいというような面もございます。種々問題がございますが、ただいま私ども協会の中で各委員会を通じて鋭意検討中でございまして、そういう先生の御意向があったことを踏まえまして検討を進めてまいりたいと思います。
○柳参考人 協会は性格上会員各社のすべてのことを掌握するというような存在ではございませんので、まず会員を信頼していろいろな活動をするというのが大事だと思います。したがいまして、いろいろな場で情報交換とか意見交換を行いまして、会員各社の暴力団対策活動の支援を行うことはできますけれども、今先生の御指摘いただいたようなことは、他の協会と同じように難しいことであるというふうに考えております。
○吉井(英)小委員 任意団体であるということによる制約とかいろいろないわけではないと思います。ただ、その制裁という中には、それぞれ皆さんの団体の制裁規定の中で、協会から除名するとか、あるいは何カ月間営業活動停止とまではいかないでしょうけれども、いろいろ厳しい規制が考えられるにしても、私はそのことを言っているのではないのです。それとは別に、暴力団に利益を供与したことが判明したならばその企業名、会社名を公表するということは、企業としては実害はないようであってもそれは社会的制裁を受けるわけです。これが暴力団対策の上では非常に大事だと思うのです。 その点はぜひお考えいただく必要があるのではないかと思うのですが、特に、土木工業協会の会員でもある間組と青木建設は、ほとんど価値のない岩間カントリーの預かり証と引きかえに稲川会に資金提供しておったわけですね。先ほどもお話しいただきましたように、これは昭和六十一年五月二十日ですか、暴排決議ですね、せっかく業界団体として暴排決議をされた。しかし現実問題としては無視しておるわけですね。ですからこれはやはり、こういうことをどうするかという点では、確かに自主的な任意の団体であっても、せっかくみんなで約束して決めたんだから、その約束破りについては少なくとも名前は公表させてもらいますよ、これはある意味では、どんなグループであれ団体であれ当然のことであるし、それがまた業界の中でも社会的にも制裁を受けて、そして暴力団との関係を本当に断ち切っていく、そういう道になっていくと思うわけなんです。 ですから、この点については御参考人には特にもう一度お答えをいただきたいんですが、これとあわせてもう一つ、暴力団新法では暴力団員の利用の禁止、これをいわば一つの目玉としておりますね。従来よりいろいろた報道がありますように、暴力団を使った地上げをやるときには、中間業者をかませるにしても、大手の建設業者であるとかあるいは銀行さんがやはりかんでいるということが指摘されてきたわけでありますが、直接的にも間接的にも暴力団を絶対利用しない、関係を断ち切るということで、土木工業協会の場合ですと、下請に使わないとか資材納入業者としては使わないとか、具体的な対策はいろいろあると思うのですね。 私はこの点について、先ほどの点とあわせて二点、柳参考人の方にお伺いして、時間が来たようですので私の質問は終わりたいと思います。
○柳参考人 最初に、固有名詞が上がりました二つの会社の件でございますが、マスコミ情報等でそういうことは承知しておりますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、協会として会員会社のすべての活動について掌握するという方針をとっておりませんので、先ほども御答弁申し上げましたように、そういうことを公表す局ということはできないことであるというふうに認識しております。 次に、暴力団関係者の利用の禁止ということで地上げ等の話が出ましたが、それは私どもの協会というよりも、むしろほかの協会の方がお答えいただいた方が適切な問題であるかと思いますが、資材とか下請を含みまして、先ほど申し上げました決議で、三つの決議をしておりますので、それにのっとって会員各社は正しい活動をしておる、そのように私どもは信じて、また信頼をしております。
○亀井小委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々には、貴重な御意見をお述べいただきまして、本当にありがとうございました。小委員会を代表いたしまして心から厚く御礼申し上げます。 参考人の方々、お帰りいただいて結構でございます。ありがとうございました。 ―――――――――――――
○亀井小委員長 次に、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に係る政令規則案について説明を聴取いたします。警察庁國松刑事局長。
○國松説明員 それでは、お時間を拝借をいたしまして、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の下位法令の概要につきまして御説明を申し上げます。 お手元に幾つかの資料がお配りをしてございます。一番最初に、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に係る下位法令の骨子案という縦長のこれがございます。専らこれに従いまして御説明をさせていただこうと思います。これが下位法令、既にできておりますものの概要、主だところを全部抜き書きをしたものでございます。 そして参考までにお手元に、その下位法令の原文と申しますか、できておりますもの、確認をさせていただきますと、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の施行規則というものが一つございます。それからもう一つは、暴力団のその同じく法律の規定に基づく聴聞の実施に関する規則というのが一本ございます。それから、審査専門委員に関する規則というのが一本、それから、暴力追放運動推進センターに関する規則というのが一本あるわけでございます。 それを相互にごらんになりながら、主として私としてはこの縦長横書きの資料に基づいて御説明をさせていただこうと思いますが、この案につきましては、先般、九月の十二日に同じような骨子案というもので既に御説明をさせていただいております。そのときの内容とそう大きくといいますか、ほとんど変わっておるものではございません。ほとんど当時成案としてできたもの、その後いろいろ第一線の意見も聞き、あるいはその他外部の皆様方の御意見も聞きということで、したわけでございますが、そう変わっているわけではございません。したがいまして、前回御説明をしたところとの重複を避けるためにも、前回と変わっておるところにつきまして主として御説明をしていくということにさせていただきます。 なお、ただいまちょっと私申し落としましたけれども、もう一つ政令案、これはこの法律の施行期日を定める政令というものを一本つけてございます。それを先ほど、御参考までにお手元に配付しております縦書きの資料の中で、私ちょっと言及するのを落としておりましたので、それを追加させていただきます。 そこで、御説明をいたしますと、まず、したがいまして政令が二本になるわけでございます。そして第一に、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の施行期日を定める政令につきまして御説明いたします。 これは中身は施行期日を定めるだけでございまして、「法の施行期日は、平成四年三月一日とするものとする。」というようにいたしたいと思います。 法律の規定によりますと、「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」ということに定められておるところでございまして、法律の公布の日がことしの五月十五日でございましたので、来年の五月十五日までの間に施行するということになるわけでございますが、その施行日を定めるに当たりまして私どもが考えましたのは、要するに、なるべく早期にやるということは、この法律ができましたときに、いろいろ御審議をいただきましたときに、現在の大変厳しい暴力団の情勢にかんがみまして、なるべく早くこの暴対の新法をつくっていただきたいといってお願いをした経緯もあるわけでございますので、なるべく早くこの公布をするということでいろいろな準備をしておったわけでございますが、その後、いわゆる一連の金融・証券取引を初めとする各種の経済取引に暴力団が関与をしておるというような事態が明らかになってまいりました。一日も早くこの本法を施行するのが国民の期待に合致するものであるというような事態が出てきたわけでございまして、私どもとしてもその準備を急いでおったところでございます。半面、下位法令をつくって、これから御説明をする内容のものができるわけでございますけれども、何にいたしましても新規のことでございますので、新しいシステムを幾つかつくらなければならないということで時間がかかっておったわけでございます。ようやく今回具体的な成案を得たところでございます。 今後その施行令等の最低限の周知期間を置きまして、その間に暴力団の指定等に係る資料を点検整備をいたしまして、慎重な詰めを行いました上で施行するということでいろいろ図っておりましたところ、その資料の点検整備その他下位法令にまつわるいろいろな事務的な諸準備につきましてはおおむね二月末までには完了するという見通しが立ちましたので、三月一日をもって施行するということにいたしたいと思います。私どもとしては極力早く事務的にも一定の準備をいたしまして、その上でなるべく早くということでぎりぎりのところで検討いたしましたところ、三月一日とすることになったところでございますので、どうぞ御理解をいただきたいというように思う次第でございます。 それでは、第二としてございます暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の施行令から御説明をさせていただきます。 これにつきましては、先般御説明をしたとおりでございます。変更点はございません。一で「犯罪経歴保有者に係る比率」と書いてございますけれども、例えばここに書いてございますのは、わかりやすいところで百人から百九人までの集団があった場合に、そこで暴力的不法行為等の犯罪経歴者が八・〇一%以上、つまり九人おるというような団体、集団というものは、暴力団を除いては九九・九九九%、つまり、ない。そういうものになる確率は十万分の一であるということで出した数字であるということで御理解をいただきたいと思います。その数字に変わりはございません。 審査専門委員につきましては、任期は二年、再任及び非常勤について、再任をすることができ、非常勤とするということについても変わらないところでございます。 それから第三といたしまして、これから公安委員会規則が四本あるわけでございますけれども、いわゆる施行規則でございます。二ページをめくっていただきまして、「暴力的不法行為等」ということがございます。これも変更ございません。先般御説明いたしましたとおり、原則といたしまして検挙件数または検挙人員の中に占める暴力団犯罪または暴力団員の比率が一五%以上の犯罪をここに拾い上げたというように御理解をいただきたいというように思います。 三ページに参りまして「暴力団の幹部の要件」でございますが、これは暴力団の幹部とはいかなるものかという定義規定を置くものでございます。二の上の方から「ア」と「イ」と書いてございますが、これは前回と変わっておりません。「ウ」におきまして「ア及びイに掲げるもののほか、当該暴力団の活動に係る事項について当該暴力団の他の暴力団員に対し指示又は命令をすることができる地位の階層であって」、その後、前船の場合には、一定の要件を満たしているものという形で、この辺はもう少し実務的に詰めさしていただくというようなことで御説明をした経緯がございます。この場合幹部の要件といいますものは、先ほど申しました暴力団の犯歴者要件を判断する場合の基礎ともなる数字でございますので、数字的にかなりきちっとしたものでなければならない。ただ、他の暴力団員に対して指示または命令をすることができる者を幹部というんだというだけでは、一体組の中にどの程度そういうものがいるんですかというものがはっきりしないということがありまして、ただその数字も余り実証的でない、実証に基づかない数字を挙げてもこれもおかしいということで、いろいろ調べておったわけでございますが、大体ここに書いてございますように五分の一、要するに上から数えて五分の一、二〇%程度のところの上のものを幹部といっておけば大体どこの暴力団も間に合うというようなことが、実態調査といいますか、そういう過程でわかってまいりました。一、二例外的に三割近い者を幹部と呼んでおるというような暴力団もございます。やや幹部が多過ぎるというようなところもあるわけでございますが、大体五分の一、二割程度の者を幹部と呼んでおるという実態がございますので、またこれが常識的に考えましても、大体幹部ということになれば五人に一人ぐらいの割合というぐらいでするのがいい見当であろうということでございまして、そこでこのあくまで「指示又は命令をすることができる地位の階層」なんでありますが、要するに全体の合計数、暴力団員の人数、その上から五分の一、こういうことで切らせてもらったということを明確に書いたものでございます。ここのところは前般の書き方とちょっと違うところでございます。 それから、三の「犯罪経歴保有者の比率の算定方法」、これは先回と変わりません。(一)の「犯罪経歴保有者の比率の算定は、基準日を定めて行うものとする。」これは縦書きの方を読んでいただきますとわかりますが、暴力団の指定の聴聞を行う期日の前三十日以内のいずれがの日ということに定めることといたしております。その他ここに書いてあることにつきましては、説明を省略させていただきます。 四の「指定に係る確認の手続、公示事項等」、五の「行為者と密接な関係を有する者」、六「暴力的要求行為の相手方に対する援助の措置」、それから次に四ページに参りまして、その「事業者に対する援助の措置」といったようなものにつきましては、前回御説明をしたところと変わっておりませんので、説明を省略させていただきます。 八の「被害回復アドバイザー」ということでございます。 これは、前回のペーパーによりますと被害回復等援助員というようにいっておりまして、これは大きく中身が特に変わったというわけではないのでありますが、要するに公安委員会が、先ほど申しました六、七と申しますか、暴力的要求行為の相手方に対する援助の措置を、ここに書いてございますような措置をとる場合、あるいは事業者に対する援助の措置をとるような場合に、もちろんこれは公安委員会が行うことでございますので警察官が実際には行うということになるわけでありますが、私どものOBで、長い間と申しますか、かなりいろいろな暴力団相談であるとか、そういうものについて経験を持っている者、そういうOBの活用を図る、そういう者にいわば現役警察官の補助をしていただくというような形をとるのがよいのではないかということで、こういう被害回復等援助員を置くようにする規定をこの規則の中に書こうということで、その旨を御説明したところでございます。中身は特に変わっているわけではございませんが、被害回復等援助員というのも何となくかたい言い方でありますので、これは被害回復アドバイザーというようないい方にいたしまして、公安委員会は、先ほどの暴力的要求行為の相手方あるいは事業者に対する援助の措置というものをとるに当たって、都道府県警察の職員であった者でそういった援助の措置につきまして知識経験を有しかつ一定の要件を満たしている者、この一定の要件というのは、社会的な信望があって熱意と時間的余裕がある、あるいは健康で活動的といったようなことが要件になるわけでございますが、そういう者のうちから警察本部長が非常勤の職員として任命をした者に、いろいろと事務を処理させ、または助言、補助その他の協力を行わせることができるという形で、私どもで申せばOBの活用を図ってまいりたいという趣旨の規定でございます。 九の「責任者講習等」あるいは十の「掲示等が禁止される表示又は物品」というものにつきましては、先般と変わっていることはございません。 十一の「事務所の使用の強要が禁止される用務」というのも、前回お示ししたところと大きく変わりはないのでございますが、五ページの一番上の方からア、イ、ウ、エ、オとなっておりますが、オのところの「所持する手形についてその振出人の求めに応じて行う譲渡に関する交渉」、こういうものが書いてございます。ここのところは前回のところでは、その所持する手形または保有する株式について、その振出人または発行者の求めに応じて行う譲渡に関する交渉、こういうものを事務所で行ってはいけませんよ、こういう規定でございましたが、ここでは手形だけに絞りまして、保有する株式に関する交渉というものは落とした形になっております。 こういたしました趣旨は、ここに書いておることからわかりますように、手形の場合には決済日が来ましたらそこで、場所がどこであろうと、それを決済すればいいわけでありまして、それを振出人がみずから求めて何とか譲渡に関して交渉するという場合には、その手形について何らかの、例えば不渡りになるおそれがあるとか、そういう瑕疵がある場合であるわけでありまして、そういうものを何とか期日前に交渉してくれというようなことを言う場合には、要するに振出人の方にかなりの弱みのある場合でございます。ここでオで「振出人の求めに応じて行う譲渡」というようにわざわざやっておりますのは、ごく普通の譲渡に関する交渉でこのままなくて、振出人の方から求めてまで譲渡の交渉をしなければならないというよくせきの理由がある場合でありまして、そういう弱みを握られた立場の者が事務所なんかへ行って交渉をしたらひとたまりもなくやられてしまうということでありまして、それはいけないよという趣旨でございますので、そういうことで書いたわけでございます。 ただ半面、保有する株式の譲渡ということになりますと、この株式譲渡の場合というのは千差万別でございまして、求めに応ずるといった場合でも、正々堂々行って向こうの買い占めているやつを返してくれというような場合とかいろいろあるわけでありますので、保有する株式についてまでこの事務所の使用制限の中に入れますと、どうもいろいろな雑多なケースが入ってきてしまって非常に不明確になるというおそれがありましたものですから、これにつきましては落としまして、はっきりしている、ここに書いてあるア、イ、ウ、エ、オ、カ、キというのが大体どちらかというと、ただでさえちょっと弱みがあるのを事務所なんかでやったらいちころでやられるという趣旨のことが書いてありますので、それと平仄を合わせて書き直したというように御理解をいただきたいと思います。 それから、十二の「報告及び立入り」、これは前回と変わりません。 特に括弧の四につきましては、この立入検査と申しますものは常に非常にセンシティブな問題が生じることもございますので、この法律におきまして立入検査を行うことができる場合というものをはっきり書いたということでございまして、ここに書いてございますように、「法の規定に違反する行為が事務所の内部において行われ、若しくは行われていると認める場合又は法の規定による命令が発せられている場合であって、特に立入検査を行う必要があると認められるときに、行うものとする。」ということでございます。縦書きの方の法文の場合には、「特に立入検査を行う必要があると認められるとき」というものの例示といたしまして、「当該違反に係る事実を確認し、又は当該命令の履行を確保するために同項の規定による報告又は資料の提出によってはその目的を達することができないとき」という形を明確に書いておりまして、特に立入検査を行う必要があると認められる場合に極めて限定的に行うものであるという趣旨を明らかにしたものでございます。なお、そのことにつきましては前回と何も書きぶりが変わっているわけではございません。 それから、十三の「法に基づく命令の方法」、十四の「その他」につきましては、特段御説明をすることもございませんので、省略をさせていただきます。 それから次に、規則の二番目といたしましては、この法律の規定に基づく聴聞の実施に関する規則ということでございます。 暴力団対策法が施行されますとまず真っ先に参りますのが実はこの聴聞でございます。指定をする場合には必ずこの聴聞をしなければならない。暴力団の組長を呼びまして、これからおまえの組を指定しようとするけれども、そちらの方に有利なことは今のうちに全部言っておけという形で聴聞を行うという規定がございます。大変手厚い権利保護の規定を設けることにこの種の法律はなっておるわけでございますが、その聴聞の実施に関する規則を施行規則とは別に一本項を立ててつくったわけでございます。 いろいろとこれから御説明するようなことといいますものは、大体私どもがやっております防犯関係なりあるいは交通・関係なりでやっている聴聞、あるいはその他、いろいろな行政機関がやっております聴聞といっ木ようなものの規定をいろいろと参考にいたしまして、私どもなりにこの暴力団の聴聞の場合にふさわしいようにアレンジをしたというのがおおむねの実態でございますが、いずれにいたしましても、この聴聞に関する規則というのが、私どもとしては初めてのことでありますので、作成するまでに大変苦労したいきさつがあるわけでございます。 まず、一の「主宰者」でございますが、これは前回御説明したことと何も変わるわけではございませんけれども、聴聞はもちろん原則といたしましては公安委員会が主宰をする、これは当然のことであります。ただ、公安委員会は、必要があると認めるときには、公安委員会が指名する公安委員――公安委員会と申しますと大体五人または三人で各県におるわけでありますが、公安委員会が主宰するということになりますと、公安委員会の先生方全員にお出かけになってやっていただくというのが公安委員会が主宰する場合に当たるのであろうと思います。ただ、そういうことをやっておりますと、なかなか事務的にはかどらないというようなこともあろうと思いますので、公安委員会が指名する公安委員にまずかわりにやらすことができる、それから、または警察職員である聴聞官に主宰させることもできるという規定を置きまして、余り紛れのないようなものを主といたしまして聴聞官がやっていくという方が事務的にはかどるということで、これはどこの聴聞におきましてもこういう規定が置かれているところでございます。 ただ、聴聞をどんどん、いわば権限を移してまいりまして、本当は公安委員会が主宰するというのが原則でありながら、実際には全部が全部警察職員である聴聞官が行うというようなことになりますとやや不適当であろうというようなことでもございますので、聴聞官に主宰をさせることができる、つまり、公安委員会が完全に警察職員に移すことができる場合というのを限ろう、つまり、これだけはできませんよということだけははっきり書いておこうということで二項目を挙げてございます。 一つは、指定に係る聴聞でございます。つまり指定聴聞、暴力団を指定しようとする場合の聴聞は、公安委員会があるいは公安委員が主宰をしてもらわなければならないというととでございます。それから、命令に係る聴聞のある場合は、原則的には聴聞官がやっていくということで何ら支障はないものと思いますけれども、命令をしようとする理由について重大な争点があると認められるような事案というものにつきましては、これは公安委員会が取り上げて自分たちが主宰をしていくということをやっていただくということで、アとイ、両方の場合につきまして聴聞官が聴聞できない場合というものを書いたものでございます。 聴聞官は警視以上の、あるいはそれに相当する以上の警察職員の中から警察本部長が指名するものとする、除斥、忌避について必要な規定を置く、これはほかの規定その他と余り変わるところではございません。 それから二の「代理人、補佐人、参考人等」につきましての規定、三の「聴聞の通知及び公示」に関する規定は、これに書いてあるとおりでございます。特に御説明を要さないものと思います。 四の「陳述書」でございます。ここがちょっと変わっております。 これは、先般のペーパーによりましてお示しをしたところによりますと「準備書面」というように書いてあったと思います。準備書面といいましても陳述書と申しましても、要するにその中身というのはここに書いてあるとおりでございまして、公安委員会が聴聞を効率的に行う、つまり、なるべく能率的に行うために余りダブりとかいうことのないように、スムーズに行うため必要があると認められるような場合において、当事者の同意があるときは、聴聞の期日に先立って当事者に対しまして陳述書の提出を求めることができるものとするとともに、当事者の方からも聴聞の期日に先立って陳述書を提出することができるものとする、そういう性質のものでございます、全く事実上のペーパーでございまして、聴聞は行う、しかしその聴聞をやる中身が、事前にペーパーを出しておった方がいろいろとお互いに争点がはっきりしてわかりやすいじゃないか、そういうものを準備的にあらかじめ出しておいてもらってやった方が能率的でしょう、こういうことで、みんなが同意してやる場合にはそういう書面を出していただきましょう、こういう規定でございます。 それを「準備書面」という形でいっておったのでございますが、実はこの準備書面という言葉は法律用語として確立しておりまして、民事訴訟法によりますと、口頭弁論というのは準備書面を提出して行うということが義務づけられております。そして、この準備書面不提出、提出をしないようなことになりますと、勝訴しても訴訟の負担義務が生じるとか、そういう極めではっきりした法律効果が出るものでございます。それと同じようなふうにとられてはいけないというような御意見もございましたので、準備書面という、民事訴訟法上はっきり使われて、いわば法律的には決まっておる言葉と同じ言葉を全然違う意味に使うのはおかしいであろうということで、陳述書というような言葉に変えたわけでございまして、私どもの意図は特に変わったわけでも何でもございません。言葉の変更でございます。 それから、五の「聴聞における発言等」につきましては、ここに書いてあるとおりで、御説明を要さないと思います。 それから次に、六番目の「聴聞の終結」というところもちょっと明確にいたしました。前回のときは、要するに当事者が主宰者の問いに答えないというようにたった場合には、もう聴聞を終結することができるというような形になっておったのですが、やや趣旨がはっきりしないというようなことがありましたので、ここで「当事者が主宰者の問いに答えずこの後に「その他意見を述べ有利な証拠を提出する機会を放棄したと認められる」、つまり意見、商いに答えないというのはそういう場合の例示だ。要するに、聴聞というのは、出席をしてまいりまして有利な証拠を提出する機会を与えてあるのであるから、それを放棄するような場合には聴聞は終結いたしますよということをはっきり書こうということで書いたわけでございます。そこがちょっと変わっておるところでございます。事柄を明確にしたということで御理解をいただきたいと思います。 それから、次の「聴聞の状況の報告」、八の「非公開とする場合の手続」「証拠調」、十の「聴聞調書」、十一「当事者がその地位を失った場合の措置」、十二「その他」、これにつきましては前回御説明申し上げたとおりでもございます。特に変更ございませんので、説明を省略させていただきたいと思います。 それから次は、三番目の規則でございますが、審査専門委員に関する規則でございます。 これは、都道府県の公安委員会が指定をする場合には国家公安委員会の確認を求める、国家公安委員会が確認を求められた場合には、部外の専門家から成る審査専門委員の意見を聞き、それに基づいて確認を行う、こういう法律の仕組みになっております、その審査専門委員でございます。 これにつきましては、前回御説明をいたしましたように、十五人ほどの審査専門委員を、弁護士あるいは学者、それからマスコミ関係者、ケースワーカー、その他いろいろなその道の専門家の方々に集まっていただきまして、それを五名三組に分けまして、その五名三組の方々にそれぞれ順番に意見を聞くというシステムをやりまして、全国から相当数上がってくるであろう指定の要求と申しますか指定の請求、そういうものにつきまして事務的にこなしていく立場を確立するとともに、それぞれの五人一組のいろいろな分野の専門家がおおむね均一にまじっていくような、そういう委員会の運営を図っていこうという形で書いてあるものでございます。審査専門委員の班の指定というのはそういう趣旨でございます。」 そして、六に参りまして、その審査専門委員のいずれかが、当該暴力団が指定の要件に該当しないもしくは該当しない疑いがある旨、あるいはまた判断することができない旨の意見を提出された場合においては、その意見を我々が聞くことになるわけでありますけれども、なお私どもやはり当該暴力団の指定の要件に該当する旨の確認をしようという意思を持った場合には、これらの意見の概要及びこれらの意見に対する国家公安委員会の意見を明らかにした書面を示して再度当該班の審査専門委員の意見を聞くものとするという形で、慎重な意見聴取のシステム、手続を定めたものでございます。 それから、「不服申立てに係る意見聴取」、これは特に御説明することはございません。 最後に、センターに関する規則でございます。 これは、各都道府県に法人格を持つセンター一つを公安委員会が指定をいたしまして、その指定をした暴力追放運動推進センターというものを核にいたしまして、今までにない強力など申しますか広範な県民の皆様方の御参加を得て、暴力団の追放運動を推進していこうというものでございます。特に前回御説明したところと変わるところはございません。特に、この暴力追放相談委員というものが、このセンターの業務の中で暴力相談というものが一番の主なものでありますので、これにつきましては、弁護士、それから保護司、あるいは少年指導委員といった部外のいろいろな専門家の方にお集まりをいただきまして、充実した暴力追放相談をやってまいりたいというように考えておるところでございます。 二以下、九ページ、十ページにわたりましてのところは、特に御説明する必要もないと思いますので、説明は省略をさせていただきたいと思います。 大変はしょった形でございますが、後はといろいろな質疑応答の時間がある、フリーディスカッションの時間があるということを前提にいたしまして、ややはしょらせていただきましたので、説明不十分なところにつきましては御質問をいただきましてお答えをさせていただきたいというように思います。 以上でございます。
○亀井小委員長 詳細な御説明をありがとうございました。
○亀井小委員長 それでは、今からこれについて質疑を行いたいと思います。 各委員、挙手の上お願いします。
○森田小委員 この骨子案についてではないのですが、法律の方で審査専門委員は若干名を置くとなっておりますが、若干名というのは大体どういう、数名ですか。
○國松説明員 若干名ということでございますが、私どもが今考えておりますのは十五名も若干名に入るであろうということです。ちょっと多いのでございますが、若干名といいますと常識的にはもうちょっと少ない数をいうというように御理解があるのかもしれませんけれども、十五名ぐらいまではお認めいただけるのではないかということで、大蔵省とのいろいろな予算折衝も十五名ということでやらせていただいております。 そういたしませんと、この指定の数が余り多くない、指定要件といいますか確認をしなければならない数が少なければよろしいのでございますが、とにかく暴力団が今あるのは全部で三千三百ございますので、そのうち初めからどれだけできるかわかりませんが、相当急ピッチでやってまいりませんと追っつかないということがありますものですから、三つぐらいに分けさせていただこう。それで、大体どこの班にも弁護士さんとマスコミの方、それから学者先生、こういうのがやはり暴力団の特に実質目的要件を判断する場合には必須の方々のような感じでありますので、そういう均質な組を三つつくりまして順繰りにどんどんやっていっていただく。要するに、三組同じものをつくろうという発想で十五名まで若干名であるというように解釈をさせていただきました。
○谷村小委員 犯罪経歴保有者ですが、一つの組にこれだけの犯罪経歴保有者がおるというふうに指摘されたわけですけれども、山口組系何々うちとか、内というのかうちというのか知りませんが、そんたのが次々につながっていますね。それはどうとらえるのですか。やはり全部山口組でとらえるのですか。
○國松説明員 それはまだ今、山口組それから住吉、稲川と、これは我々指定三団体といっておるわけでありますが、これを中心にいたしまして全部データを集めておりますので、山口組なら山口組をどういう形で指定していくかということについては、上がってきたデータともう少し相談をしながらやっていかないといかぬ問題でありますが、今の御質問にお答えするなら、その指定をしようとする団体の団体員であると認定されたものについてこれを数えるということでございます。したがいまして、例えば宅見組ということであれば、宅見組という形で動いているものが何組があるというようになればその組のあれをやっていくという形でございます。
○小谷小委員 組織としての一番下部組織は……。
○國松説明員 一番下部組織と申しますか、下の方を指定する場合もあると思います。例えば全県的に、例えば大きな組になりますと、一つの県だけにはいないわけですね。例えば大阪には非常に大きなものがある、そして同じ組の名前を名のるものが全然別の県にもあるわけです。その県においてはそれしかない。我々は二次団体、三次団体というふうに呼んでおりますが、三次団体一つしかない、それで例えば鳥取なら鳥取という別な県で指定をする場合、その組しかなければ三次団体でもそれを指定することになるという形でございます。 大きさによってももちろん違ってまいりますし、その辺のところの指定の仕方というのは、これから各県のデータを見ましてどこにどういう組があるかという実態を把握した上でやってまいることになります。
○亀井小委員長 局長、僕がかわってちょっとあれすると、例えば山口組の宅見から杯をもらっている親分子分なり兄弟分なり、杯をもらっている下部団体、またその下に下部団体、杯ということをやっているとした場合、一番末端の例えば何とか組、それは國松組でもいいけれども、國松組の構成員がさっきの要件、検挙歴ですか、それを満たしてない場合でも杯事でつながっておれば、一応國松組も指定されたことになるのですか。
○國松説明員 それは、國松組を指定しない限り國松組として指定暴力団になるわけではないとい。うことでございます。 それで、例えば國松組の中に石附組というのがあったというようにいたします。そういう場合に、石附組として指定するのか國松組として指定するのかというのは、ケース・バイ・ケースだと思います。要するに、石附組という組はありますけれども、もうほとんど國松組なら國松組という名前で全部みかじめ料を取るから何からみんなやっておるというのであれば、下の方をとらえるよりも、もっと大きな組織、強い組織をぽんと指定した方がいいのだろうと思います。したがいまして、そこのところは、実際にどの組の名前を出していろいろな暴力的要求行為をやっておるのかという実態をまず見てみませんとはっきりしないところがあるわけでございます。
○谷村小委員 そうすると、二重に指定する場合が起きてきはしませんか。
○國松説明員 それは実態に応じて、そういう場合もあり得るかもしれません。それはただ、二重だから不利にも有利にもどうなるというわけでもありませんで、あくまで、指定されて、その指定された暴力団の名前を使ってみかじめならみかじめの暴力的要求行為をできないということになるわけでございまして、ある組が、例えば國松組の名前も使い、石附組の名前も使うというような実態、両方かけておるような場合には、両方やっておきませんとできないということも出てくるかと思います。
○谷村小委員 もう一つは、さっきも小委員長おっしゃったけれども、例えば郡部の県の場合は、その組の組員であるかどうかということについては杯事が今でもあるのです。それはかっちりあるのです。ところが、都会の方はもっと近代化されておるんじゃないでしょうか。
○國松説明員 恐らく杯事をやらずに暴力団の構成員ができ上がっておるといいますか、構成員になっておるという実態があるという御趣旨の御質問だと思いますが、それはそのとおりあると存じます。それはやはり我々といたしまして活動の実態把握をしておりまして、それで組の名前を使い、その組の威力を示していろいろな暴力的要求行為を行うということであれば、それが暴力団であるという実態があれば暴力団として指定していいと思います。その構成員として我々認定していくという場合があって一向に差し支えないと思っています。 実際に暴力団の場合は、特に博徒系の、昔のばくち打ち系の暴力団というのはそういう杯事というのは割ときちょうめんにやっておりますが、戦後のぐれん隊出身の暴力団などにつきましてはそういうものでない場合もございますので、それは、杯事をしているから暴力団員だ、そうでないというようなものでなくて、あくまで一つの集団がここで言いますところの暴力団の実態を持っておって、その構成員としての我々にはちゃんと認定できる資料があれば、それは構成員として当然認定をして、その構成員によって構成される暴力団を暴力団として指定していくということはあると思います。
○小谷小委員 兵庫県なら兵庫県を一つの例とすると、大体どのぐらいな団体が数として指定される見込みですか。
○國松説明員 ちょっと私一兵庫の今の実態を、指定作業の準備状況をちょっと把握いたしておりませんのでわかりませんが、今兵庫には山口組の組で数が、ちょっと恐れ入ります、あれでございますが……
○竹花説明員 お答えいたします。 ただいま指定のための準備の作業を進めておる段階でございまして、確実に兵庫県の河団体、構成員何人について指定ができる見込みという見込みは立っておりませんが、兵庫県に現在約四千人程度の暴力団員がおりますけれども、その暴力団の六割、七割程度は山口組に関係している者、山口組系列の団体だと記憶をしております。団体数は定かに覚えておりませんけれども、その山口組の構成員については、犯罪経歴保有者の要件という点について申し上げますと、それは十分カバーをし得るであろうというふうに考えております。 ただ、その犯罪経歴保有者率の要件以外のさまざまな要件について、今現在精査をしておる段階、でございますので、まだ、その指定の見込みがどれくらいできるかというところまでお答えできる段階にはなっておりませんので、よろしく御理解をお願いいたしたいと思います。
○亀井小委員長 ちょっと議論を整理するのに一つだけ。 皆さん、疑問があると思うんだけれども、例えば國松組、石附組、竹花組。竹花組がその犯罪歴の要件を満たしておらぬ場合でも、ずうっと杯事をやっておった場合、國松組の名前を使ってやった場合は対象になりますね。そうじゃなくて、杯をやっておっても、國松組の名前を使わんで竹花組の名前だけでやった場合は対象にならぬのですか。だから、こっちは要件を満たしていないから指定されていないわけですね、竹花組。ちょっとそれを教えてください。
○國松説明員 指定につきましては、結局実態にもよりますけれども、私どもとしては余り下の小さいやつをやるというよりも、むしろ大きな、つまり一般人に対して、名前を聞いたらすぐわかるような大きな組の名前をある意味では使わせないといいますか、そういう威力を示させないという意味では、大きなところから指定をしていくというのが当然であろうと思います。 そういう場合に、これはもちろん実態をきちっとして、法律の要件が全部満たされなければならぬということはもちろんでありますけれども、例えば國松組というのを指定をいたします。そうすると、國松組の傘下に石附組、竹花組というのがありました場合に暁竹花組も石附組も、國松組という名前を利用してやる場合はいけないということになるわけであります。 ただ、実態として、いろいろな暴力的要求行為をする場合に、石附組ということでやっておる場合には、國松組をしておりましても、この暴力的要求行為の立て方が、その暴力団か、またその上の組の威力を示しでいるということになりますから、國松組の名前を使ってはいけないと言っても、では石附組でやると言ったら、國松組を指定しておけば石附組も使えたくなるというわけではないわけであります。そういう場合に石附組も、その三条なら三条に指定できる要件がきちっとある、國松組についても三条の要件がある、その下の組についてもちゃんとあるということであれば、その組が、しかもこの石附組がきちっといろいろな形でみかじめ料などを取っているという実態があるのであれば、それは石附組も指定しなければならないという形になってきます。
○亀井小委員長 私が言っているのは、石附組が要件を満たしていない、要件を満たしていなくて國松組と杯事をして親分子分の関係にあった場合に、石附組が國松組の名前を使ってやるんじゃなくて、石附組の名前で威力を示した場合は対象にならないと。
○國松説明員 そのとおりでございます。石附組が三条の要件なら要件に当たらなければ、これはもう指定暴力団になりようがありませんので。
○亀井小委員長 ただ、その場合、杯事をしているということで一般の市民は石附組は山口組の子分だというのをわかっている場合は、おれは石附組のあれだぞとやっても、事実上は山口組の威力を利用しているということになゐんだけれども、それはこの際不問に付すというごとですね、法律的には、局長。
○國松説明員 そういうことになろうと思います。
○亀井小委員長 はい、わかりました。
○増田小委員 そうしますとますます、言うなれば分裂し細分化する、これが一つの懸念。もう一つは、予備軍を正規軍に編入して条件に強いて言えば合わないようにする。もう一つは、地下に潜る。三つのことが考えられますが、その辺はどうですか。
○國松説明員 それはこれまでも繰り返し御疑念が提示されておるところでございます。私どもは、そういうものには対応いたしますというお答えをいたしておりますが、現実にそういうものはどういう形で出るかというのは、来年三月一日に施行いたしましてからしばらくを見てみないと何とを言えないところがあると思います。 ただ、何遍も繰り返して同じようなあれをやるようでございますが、確かにその三条なら三条の指定要件に当たらないような、当たらなくするために水増しをするとか、分裂をするというように言いますが、暴力団というのは、ほかの企業でもそうでございますけれども、やはり二つの存在の理由があって、それに従っていろいろとやっているわけでございます。したがいまして彼らは彼らなりに、暴力団といえばだれでもなれる、それからもうなろうと思ったら勝手にどうにでもなるんだというようなものでは決してないわけでありまして、彼らが、例えば杯事をやるなしにかかわらず、構成員になるかならないかということは、ある意味で、その組たりあるいはその組に入ってくる者にとってはかなり重要なファクターを持つものなんでございます。したがいまして、それはこの暴力団としての指定を逃れるために彼らが何をやり出すか、それは何とも予断のできないところがありますけれども、そう簡単に、水増ししようとして、実態は全然構成員でもないような者を構成員と称してうちの組の者だというようなことを言った場合には、組としてほかの者との秩序が保てないとかいろいろな問題が出てまいりますから、そう簡単にはできない。分裂するといいましても、既に例えば先ほど来、國松組なら國松組ということでかなり世の中通っておるのに、そこを何か分けちゃって石附組と竹花組でございますということで持ってきても、それはどういう組でございますかというような形でわけがわからなくなるということはあると思います。そう簡単にはできない。
○増田小委員 大変丁寧な説明をありがとうございます。そういう理解はしたいところなんですが、しかし法が動き出すといろいろまた知恵が出てくると思います。今ここで問題にしたのは、私が発言をしたから逆に言うなれば足を引く、こういう形じゃない、いろいろなことが想定できるからひとつぜひ頑張ってください、こういう意味なんで、頑張ってください。
○福永小委員 一つお聞きしたいんですけれども、今各警察で認定作業を警察官の方が一生懸命やっていただいているところなんですが、実際聞いてみますと、もちろんその担当だけじゃ到底足りないので、数人ないし数十人をあちこちから警察署内で応援部隊でやっていただいているということだそうですが、この法案によりますと、三年ごとに見直す、こういうことになっておりますね。つまり、三年先へ行ってまた見るんじゃなくて、そのかわり常時そういったことは調べてなきゃならぬということになろうかと思いますけれども、そうなると必然的に人数が先々足らなくなるということで、せんだって四月十九日に中沢先生が大臣に御質問の際に、大臣も十分考慮していく、こういうふうに言っておりましたけれども、来年度の予算等、あるいは警察官の人数をふやす等々、いろいろそういったお考えがおありになるのかどうか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○中沢小委員 ちょっと関連して、いいですか。 一日の地方行政委員会で、今指摘があったようなことでいろいろありました。関連して二つほどちょっと聞いておきたいのですけれども、大臣も総論的には答弁をしたと思いますが、先ほど参考人の方から、何人がからいろいろとお話がありました。一つは、暴力団の情報について少し、いろいろな手段、方法があるんだろうけれども、関係のところにはぜひ示してもらいたい。これはこの間の小委員会で私も言いましたときに参考人の中では、企業舎弟の問題も含めてこれは一般公開するといろいろと支障はあるのでしょうけれども、例えば、金融だとか証券業界のしかるべきところからしかるべき場所に非公式に照会がある、それに対してやはり情報を持っていれば、これまた非公式に知らせていく、そしてこの種の組織犯罪、会社犯罪の広がりを遮断をする、こういう知恵は、法に限らず具体的な警察行政の中でぜひひとつすべきではないかというのが一つ。 それからもう一つは、もう時間が迫っできますから多く申し上げませんが、これも一日の委員会で、まだまだ私自身も勉強不足でありまして、アメリカのRICO法、きょう資料ももらっていますが、暴力団新法との違いはこういうところにあるんだ、もう一つには、麻薬二法との関連でマネーロンダリング、これについて、大臣は総論として、いずれにしてもこの暴力団新法だけでは不十分な問題がごく最近非常に本格的に出ている、何とかしたい、そういう決意のほどは答弁があったのですけれども、きょうは小委員会でありますから、ざっくばらんに聞いておきたいと思います。 確かに暴力団新法の施行をめぐって小委員会はつくりましたけれども、いずれにしても、やはり証券・金融業界のこの種の不祥事、やはり不名誉を負ってはならぬ。そうすると新しい立法規制というのがこの際必要になってくる。そうはいっても、これは六カ月や一年でなかなか立法措置といったってできないでしょうけれども、ここはやはり警察庁当局も、腹として、決意としてできるだけ早く、やはりアメリカのそういう例にもならって、我が国においても改めての立法措督をやる決意をぜひ示していただいて、これはまた後ほど地方行政委員会あたりでも取り上げてみようと思っているけれども、事務当局の決意のほどをきょうはひとつしっかりお聞かせをいただきたい。その二つだけ。
○國松説明員 最初の御質問で、福永委員の方の御質問でございます。 言ってみればこの指定、それから暴力団対策法を施行していく上の体制が大丈夫かということでございます。これは御指摘にもございましたように、私ども暴力団対策に従事している者だけではとても足らないということで、今刑事部内はもとよりその他の部門からも応援を求めましてやっております。三年ごとに見直すということでございますので、これは我々大変な負担がかかる問題でございますが、私ども原局にある者といたしましては、何とか我々警察の組織の総合力を挙げてやっていくということで、とりあえず、やれ増員だとかなんとを言っていましてももう間に合わない話でもございますから、私どもとしてはとにかく総合力でやっていくということで、部内の、これは例外なくどこの県でも大変理解をいただいてやっております。 何とか最初の指定から、いろいろな暴力団の最初の対策法の離陸の段階をきちっとしたいというように思っております。余り甘っちょろいことを言ってはいけませんが、最初である程度きちっとやれば、私、三年後というのは、これはいわば更新というようなことになりますので、そう人間も要らなくなるのではないかという感じもいたします。これは甘いのかもしれません。またもう一回同じようなことをやらされるという可能性もありますので、そういう場合にはまた本当に新しい体制につきましてもお願いをせぬといかぬ場合もあるのかもしれませんが、とりあえず今のところは、我々としては現体制の総合力でやっていくということでおりまして、少なくともこの最初の施行直後の仕事ぶりは、ずっと私どもだけといいますか、現在の体制で何とかやっていくつもりでございます。その自信はあるわけでございます。 それから二番目の御質問、二点ございまして、特に情報の提供の問題につきましては、中沢委員御指摘のとおり、また御指摘の趣旨を私ども本当に外しまして努力をしてまいりたいというように思います。ただ私どもとしては、暴力団に関する情報というのは、これは一般論でございますけれども、その捜査の過程であるとかという形で集めた我々の職務上の秘密に属するものが非常に多いわけでございます。したがいまして、守秘義務というのを破るわけにはいかないというところがございまして、その辺の整理をどうつけるかは、これから本当に証券業協会であれ銀行の協会であれ、向こうにいろいろと暴対組織をつくっていただいて、それといろいろ連携をとっていこうということをお願いしているわけでありますから、こちらから何も出さないで向こうから全部協力しろなんと言ったって通じるものではないということは私どもよく理解をいたしております。 したがいまして、私どもからどういうことができるのか、これはぎりぎりのところで詰めていこうと思います。ただ、守秘義務というのがありますので、そう簡単に事ほどさようにはうまくいかないとは思いますが、いずれにいたしましても、私どもとしては、いろいろな当該業界との情報交換のルールというものとそれからルートをきちっとやってもらいまして、事案ごとに、だれに連絡していいかわからぬというようなことじゃなくて、きちっと両方の窓口をはっきりいたしまして、そこでできればケース・バイ・ケースというのは、具体的な事案に応じてこれはここまではできるとか、これは何ぼ何でもできないとかということは、個々具体的なケースによってできるわけであります。企業舎弟であるからできるとかできないという問題ではないと思うのであります。つまり、したがいまして、その具体的なケースごとにやっていこうということでありますので、今は我々としてはとりあえずそういう情報交換のシステムをつくってもらう、その上で我々なりのぎりぎりの努力をしてまいりたいというように思っております。 それから、現在、暴対法の不十分な点というのは、大臣大変率直な御答弁をなすったことは私ども聞いております。私どもも全く同じような認識を持っておるわけでございます。一〇〇%のものができたとは正直に申しまして思っておるわけではございません。実際に剥奪規定というようなものは何とか盛りたいということでございましたけれども、いろんな事情で見送ったという例がございます。こういうものにつきましては、我々は本当に、誠実に検討の素材に乗せまして、今も関係の省庁と、どういう形で剥奪規定あるいはマネーロンダリングの規定を置くことができるのかというのは、現在も真剣に検討を進めておるところでございます。ただ、いつ結論が出るかというのはちょっと申せませんが、そういう問題は一つやっております。 それからもう一つ、これはある程度早く結論を出さぬといかぬなと思っておりますのは、実は、先般大変急いでお願いをしてこの暴力団対策法をつくりました段階では、この証券・金融問題というのは実は出ておりませんでした。特に証券問題につきましては実際に出ておらなかったわけでございます。したがいまして、私どもの暴力的要求行為という十一項目の中には、その証券取引というものに関するものは一つも入っておらないわけでございます。ただ、その後こういう問題が出た。したがいまして、私どもはその証券取引にまつわる今度いろいろ出たケースの中で、これはやはり何らかの法規制が必要ではないか、この暴対法の枠の中で法律を改正してでもやらなきゃならぬものがあるではないかということにつきましては、もう既にかなりの検討をいたしております。 そして、今回の一連の証券・金融問題で出てきた暴力団のいろいろな活動実態、こういうものをよく分析をいたしまして、その後、暴対法の中に足らざるところがあればそれは法律改正という形でやってまいりたい。いつ結論が出るというとを今申し上げる段階ではございませんが、これはなるべく早い段階に結論を出しまして、今度のこの事態を一つの教訓といたしまして、もし暴対法があればこういう問題にはこういう答えが出ますよというところは我々なりに検討しておりますし、なるべく早く結論を出しまして、またそれは国会の場での御審議をいただくというようなことを考えておるところでございます。
○谷村小委員 さっき銀行協会にも要請したのですが、岡山の組事務所の問題、情報が入っておるでしょう。入っておるね。これは銀行側を責めてもある程度の効果しか上がらないと言っておるのですが、警察の方もあらゆる法律を駆使して阻止するというふうな態度で対処しておられますけれども、できるだけ早い機会にその結論を得るように、ぜひひとつ督励願いたいというふうに思いますが、いかがですか。
○國松説明員 岡山のケースと申しますものは、暴力団員に銀行が金を貸してしまったというケースだろうと思います。私どももその実態は存じております。今ここで、あの場合の当該支店長がああやったとかこうやったとかいう話をしてもいたし方ございませんので、それはいたしませんが、我々なりにああいう問題が起こった場合にどういうことができるかというのは、先ほど申しましたように、銀行協会の、全国銀行連合会ですか、そういったところと我々との間のきちっとしたパイプがあって、どういう形であの問題にアプローチできるのだという情報交換のパイプがございますれば、あれは確かに我々は別の対応ができたのかもしれません。 ただ、これは本当にケース・バイ・ケースで、本当に守秘義務というのは非常に我々にとっては重い義務でございますので、そう簡単に、はいもう暴力団だったら何でも全部入れます、どうぞ御利用くださいというわけにはとてもまいらないわけでございます。ただそこは、ぎりぎりのところで我々はどこまで対応できるかというのは、本当にケース・バイ・ケースで詰めてまいる問題だと思いますが、岡山の場合は私ども……
○谷村小委員 それはそうだけれども、他のいろいろな事案があるはずなんですから、直接そのことじゃなくて。そういう点も、ぜひとも駆使してもらって、組事務所の問題だけでなしに、そういう分野を解決するということをぜひひとつお願いしたい。
○國松説明員 御指摘の御趣旨はよくわかるところでございます。私ども、そういう方向で最大限努力をしてまいりたいというふうに思います。
○吉井(英)小委員 既に法律改正を考えているというお話がありました証券・金融関係で関連して。 先ほど来出ておりますのは、二つの面で、地域的ともう一つは組織的に、モグラたたきになるおそれがないでもないということが懸念されると思うのです。つまり、上からの指定なんですから、徹底的に壊滅ということなんですが、先ほど委員長のお話がありましたように、國松組は指定したがその下が指定してない場合、自分の組の指定されてない方の組の名前を名のったらということでやっておりますと、実際上はモグラたたき的になるおそれがあるのですね。それから、大阪、兵庫で徹底的に山口組壊滅でやっていく、それが地方へということもありますから、この点については、既に法律は今回成立したわけですから、その運用を見てということにもなるかもしれませんが、やはりモグラたたきにならないような形で、上の方を指定したら、地域的にも、あるいは下の組織に至るまで、いわばばさっと網をかぶせて、一カ所たたいたらこっちでまた頭を出すということができないようにするような、そういうふうな仕組みというものもやはり今の時点で考えておく必要があるのじゃないかというふうに思うのですが、この点だけ伺っておきたいと思います。
○國松説明員 確かに、モグラたたきといいますか、彼らの脱法的な行為が、組の二次団体から三次団体、三次団体から四次団体に地域をずらしたり、あるいは下におろすことによってやっていくという事態もあろうと思いますが、とりあえず私どもとしては、この指定の仕組みというのは一回とにかくやってみて、そして、今のこの法律でもそういうことにならないようにできるわけであります。 例えば地域的なモグラたたきにならぬようにということにつきましては、これは各地域ごとにあります公安委員会が全部指定するわけでありますので、警察庁の方でよく見ておりまして、そこは指定については、確認ということを国家公安委員会がやるわけでありますから、その確認という措置をとる中で全国的に変にでこぼこにならぬような形、あるいはこっちはやっているけれどもこっちは全然やってない、しり抜けになっているというようなことのないような形は、この法律で私は可能であろうというように思います。 とにかくやってみないことにはわからないわけでありますので、特にこの指定のシステムというものは私ども大変重く受けとめておりますので、これは今やってもいないのに改正というようなことは考えておりません。あくまでやってみまして、それでもしどうしてもだめなものがあったら、それはまたお願いすることもあるかもしれませんが、それはその段階で考えることでありまして、とりあえず今私どもとしては、このおつくりをいただきました指定のシステムで何とかそういうおかしなことにならぬように努力をしてまいろうというふうに思っております。
○井奥小委員 一点は、今もおっしゃったとおりでありますけれども、とにかくやってみて、それでその結果をやはりチェックをして、そして相手先も、暴力団の方でもQアンドAという形で一生懸命勉強しているはずでありますから、これはやはりやってみなきゃいかぬ。結局私は地価税と同じだなということをちょっと言ったのですが、地価税が来年度から〇・二%、あるいは再来年度から〇・三%、高いしゃ低いじゃという話がありましたが、しかしその実践は、やはり一つのものをつくって、それで暴騰するようであれば地価税を上げればいいわけでありますから、とにかくいろいろな意見がありますけれども、やはりこれは早速やってもらわないかぬ。このことについてそれぞれの先生から御質問があったのですが、今の人員もそれぞれも万全であって自信があります、局長、そういうようにおっしゃっておられるわけでありますが、これから今の証券・金融問題を含めて新手のいろいろなことが出てくるわけですね。 ですから、この際、実際このことについては早急に進めていただくということでありますけれども、私はこれで一点官房長に確認をさせておいてもらいたいのですが、人員の問題、これはこの前も私申し上げたのですが、一朝にしてこういった人員というのは確保できないわけで、育てていかなきゃいけないわけでありますから、この問題についてどの程度までとにかく進めていらっしゃるのか。というのは、過日は地行の私たちでずっと各省を回らせていただきました。大蔵の主計の方も回らせていただいたり、あるいは、頭のかたいと言っては議事録にちょっとぐあい悪いですけれども、総務庁の方もいろいろお願いに上がってきましたけれども、とにかくそういった問題をクリアをしていただかなきゃいかぬ。 それにもう一点、予算の問題は一体どうなっているんだ、福永先生も今そのことをおっしゃりたかったわけでありますけれども、予算の方は大丈夫なんですか。このときじゃないとなかなかこれは難しいと思いますから、これはもうはっきり中沢先生もそういうことについては応援をしようという形でもって、これは今もう全部がそういう形の応援団のような形になっているわけでありますから、そこいらをちょっとお聞かせをいただきたい。
○井上説明員 増員の問題と予算の問題についてお答えいたしたいと思いますが、増員の問題については先ほど刑事局長の方からお答えしたところに尽きるわけですけれども、平成四年度につきましては、地方警察官の増員というのは要求を出しておりません。実際、新たな事業、業務を行うという場合には、通常やはりどこの組織においても一応の自助努力というものをやってみる。そしてその結果、動かしてみて、やはりこれはとんでもない人員不足、とても対応できないだろうというようなデータが出てくる。それらを材料にしながら、したがって平成五年度以降にその辺のところを見越して対応を考えてまいりたいというふうに思っております。 それから、予算の問題でありますけれども、これにつきましては、平成四年度予算要求の中に所要の経費を盛り込んでございます。それからまた、地方の事務を進める上において必要な予算、これにつきましては、それぞれ地方におきまして、これから続いてまいりますそれぞれの補正予算、定例会があと何回かございますが、それにおいて必要なものを要求すべきであれば要求していくということで、私どもの方でもそんな指導を行っているところであります。 いずれにせよ、国の立場から見ましても、平成四年度以降につきましてもこの事業は進んでまいるわけでありますから、金の手当てができないままに一線が負担に泣くということのないように努力してまいろうと思います。また、今後とも各委員の皆様方の御支援をいただきながら対応してまいりたい、かように考えております。
○亀井小委員長 それでは、時間が参りましたが、本法の制定までの案を作成する過程及びその後政令を策定する経過等において、警察庁におかれては、地方行政委員会また小委員会での各委員の御意見等を常に反映をされながら取り組んでこられたということに大変敬意を払いたいと思います。特に、他の省庁においては、委員会、小委員会に諮る前に案がマスコミ等に報道されるということが常態でありますが、本法については、当地方行政委員会また小委員会にまず諮り、意見を聞くという姿勢を貫いてこられたということを高く評価をいたしたいと思います。 ただ、例のマフィアにいたしましても、発生的にはシシリー島の独立運動という政治活動に源を発しておった団体がマフィア化していったという歴史的な経緯もあります。結社の自由あるいは基本的人権についての配慮ということは十分しながら、暴力団を絶滅するために本法を適切に運用していただきたい。 なお、今後も今まで同様、ぜひひとつ当地方行政委員会また小委員会の意見を運用面で十分反映をしていただきたい、このようにお願いをいたします。本日は、どうもありがとうございました。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時四分散会