政治改革に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 292 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1991/09/17
会議録
○小此木委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案、以上三案を一括して議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 三案審査のため、本日、参考人として前選挙制度審議会副会長佐藤功君及び前選挙制度審議会第一委員会委員長堀江湛君の御出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小此木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ―――――――――――――
○小此木委員長 この際、内閣総理大臣から発言を求められておりますので、これを許します。海部内閣総理大臣。
○海部内閣総理大臣 去る九月十三日の本委員会において、野呂田委員から小選挙区制と選挙費用の関係につき米国を例に挙げて御質問がありました。これに対する私の答弁の中で、アメリカの公職選挙法の選挙における行動の規範、アメリカの候補者には厳しい倫理というものは余りないのではないでしょうかという部分がありました。 私が申し上げたかったのは、アメリカには法定選挙費用という制度がなく、日本のように候補者が厳しい選挙運動費用の制限を受けていないということであります。 いずれにせよ、私の発言で倫理という言葉は不適切であり、遺憾でありました。反省の上、改めて私の真意を申し上げ、御理解を賜りたいと思います。
○小此木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野坂浩賢君。
○野坂委員 今海部総理が十三日の答弁中極めて不穏当な点があったという意味を、その内意を明らかにされたわけでありますが、アメリカにおける政治倫理は一体どうなっておるのか、日本の政治の倫理は一体どのようになっておるのかということを、おととしの一九八九年の五月に、日本においては朝日新聞とアメリカではハリスという新聞社との共同の世論調査がありました。その中で、アメリカでは政治資金や選挙資金の額の多少が選挙の当落に影響するかどうか、こういう点については、日本は影響するというのが八〇%もありました。アメリカでは八四%に上っておるのであります。そして、政治家は献金する企業等の影響を受け過ぎるではないのか、影響があるのかないのか、こういう設問に対しては、日本では大企業から献金を受ける、その影響を受けるという世論は八六%であります。アメリカは八一%、こういうふうに数字を示しておることを私は驚きの目をもって眺めておったのであります。 そして今、総理がお話しになりました政治に対する倫理観、この点についてはアメリカの国民は、アメリカの議員に対して、倫理観があると答えたのが六一%であります。日本の場合は、政治倫理はない 倫理観があると言ったのは一〇%で、余りない、ない、というのが合計して八二%であります。考えてみますと、ちょうどリクルート事件後の世論調査ではなかったのか、こういうふうに思うのでありますが、この倫理観に対して総理はどのようにお考えになっておるのか、お尋ねをしたい。
○海部内閣総理大臣 政治倫理を確立しなければならぬという大きな強い願いは日本にたくさんあると思っております。そして、アメリカにおいて御指摘になった世論調査に示されておることは当時のアメリカ国民の率直な意見であろう、このように受けとめます。
○野坂委員 ただいまのハリスというのは、新聞社じゃなくて世論調査をする団体であるということを訂正をしておきたいと思うのであります。 アメリカの倫理、いわゆるウォーターゲート事件、この事件を受けて政治倫理を確立しなければならぬ、こういう世論が高まって一九七八年、昭和五十三年に政府倫理法というのがアメリカでは成立をしております。もちろん、かつて我が国の環境大臣が株取引で脱税事件で問われ失職をされたことを思い起こしますと、アメリカの政府倫理法では、不動産や有価証券の取引は禁止をするという倫理の中に盛られておるわけであります。そして、贈り物は百ドル相当以上、もてなしを受けた者は二百五十ドル以上、これについては報告の義務を義務づけられておるわけであります。例を挙げれば、レーガン政権のときの大統領の国家安全保障補佐官でありましたリチャード・アレン氏は、日本の出版社から千ドル、日本円にして十三万円、腕時計二個、これをもらってこの倫理法に触れてついに辞職に追い込まれたという事実がある、こういうことを我々は知らなければならぬだろうと思うのであります。 この点について、世論の状況なり政治の倫理というものを厳しく処さなければならぬというふうに考えるのでありますが、総理の見解をお聞きしたい。
○海部内閣総理大臣 御指摘のことはそのとおりでございまして、したがって、日本における今の政治と政治資金の関係をもっと透明性を高めること、公正なものにしていくこと、節度を持ったものにしていきたいという強い願いで審議会からの答申もいただき、それの法制化もしておるわけでありますから、こういったことがきちっと守られなければならぬのは、これは当然のことだろうと思いますし、また政治家の政治倫理確立のための資産の公開法、これは政治活動に関するお金と私のお金とどうなるのかということの一つのけじめになるわけでありますが、ただいまは政府において行っておりますけれども、これを自由民主党としては国会にこの案の原案等も出しておりますのは、政治倫理をそういう面からも高め、けじめをつけていきたいという願いがこもっておるものである、私はそう承知をいたしております。
○野坂委員 政治資金の透明性あるいは公私混交の問題、そういう点について御答弁がありましたが、この政治改革の必要性というのは政府だけではなしに全国会議員、野党の我々も政治改革は必要であるという認識は持っておるのであります。しかし、どこが重点なのか、何をしなければならないのか。金がかかる選挙とはいいながら、金をかける選挙をあえてやっておる人たちがたくさんおる、そういう点についても明確にしていかなければならぬ、こういうふうに思います。 私は、今度の三法案が提出をされた背景、遠因、要因、そういうものについて総理大臣の見解をただしたいのでありますが、十五年前起きたロッキード事件、田中角栄氏はついに総理大臣をおりました。リクルート事件、この問題についても竹下総理はついにやめざるを得なかったという政治の汚職、政治の不信、こういう問題を払拭をするために政治改革は行わなきゃならぬ。言うなれば問題は、政治に金がかかり過ぎるというよりも、政治に金をかけ過ぎるというこの状況というものを、我々は政治の信頼を取り戻すために全力を今挙げて国民の信頼にこたえなければならぬ、そういうふうに思うのであります。 御案内のように、十三日にも我が党の佐藤議員からもお話がございましたが、世耕政隆さんは、近畿大学の医学部の後援会を通じて、約三十社の製薬会社へ寄附金の要請をしております。三十社、現在四社百二十万円お集めになっております。そして、これについて世耕さんは、返させる、やめる、こういうふうにおっしゃっておりますが、要請を受けた薬屋さんは、こう言っています。「薬を買ってもらわなければならないので、我々は寄附しなければならぬのです。」こういうコメントを述べておるわけであります。石原慎太郎さんの三千万円問題、これについても十三日にございましたので多くを申し上げません。 元総務会長の水野清さん、この方も一千万円は中元でもらう、茨城県のカントリークラブのオーナー水野健さんからでありますが、陣中見舞いとして五千万円、こういう格好になっておるのであります。しかも、この六千万円は、水野さんの場合は預かり金と称してもらっている、だから返したんだ。私たちはよくわからぬのでありますが、やはり個人は銀行のまねでもするのかな、こういうふうにさえ思うのであります。竹下さんが、もう一億五千万、これ以上は出ませんとここで明言した、我々のところ。その明言した後に、岩手県のゴルフ場のオーナーから二千万円もらった、これは預かり金であった、青木秘書がそれはもらっておった。だから、その預かり金が問題になってっいにやめざるを得なかったということから考えてまいりますと、抜け穴というか法の網の目をくぐるというか、もし政治資金規正法でそれがひっかかるということになれば預かり金になる、時効になるまで、風が吹くまでちゃんと待っておる、過ぎたらもらう、わかったら預かり金で返す、こういうようなことがあるとするならば、極めて今の政治の倫理観から見て、私は唾棄すべきであり、論外であるだろうと思う。 これについて総理大臣は、これらの問題についての規制は明確にするという政府の答弁があるはずだと思うのでありますが、御見解を承りたい。
○海部内閣総理大臣 政治資金の問題につきましては、これは政治資金規正法の仕組みに従って適切な処理がなされなければならないというのは、そのとおりでございますし、また、政治資金規正法の改正案につきましても、いろいろときょうまでの仕組みを変えて、政治家に対する資金調達団体の数を二個と制限するとか、その他いろいろの。制限を置いて、節度のある公明性の高いものにしていく努力が今回お願いしておる法案の中にあるわけでございます。
○野坂委員 預かり金というのは、透明性がありますか透明性がないか、そういう点を明らかにしたい。政治資金規正法の第何条にどのように明文化されておるのか、明らかにされたい。自治大臣でも結構、わかる者が答弁すればいい。
○吹田国務大臣 この預かり金の問題につきましては、十三日に佐藤先生からもこの点について御指摘がございました。預かり金の問題につきましては、確かにいろいろと今御指摘のありましたような点がございますが、政治資金規正法においての「収入」というのは、「金銭、物品その他の財産上の利益の収受」を言っておるわけであり、ここで言う収受というのは、相手方の提供に対してこれを受け取ることを言うわけであります。したがいまして、「寄附」というのは、「金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付」があるということで、すなわち「債務の履行としてされるもの以外のもの」を言うわけであります。 こういった考え方から、このいわゆる預かり金というものにつきましてはさまざまな問題が、状況がありますから、具体的にこの場合がどうだ、この場合がどうだということは、直ちにこの場で申し上げるということは非常に難しいんですけれども、例えばの話――まあ聞いてください。聞いてください。例えば災害の援護の特定目的のために設立される団体等のために政治団体の役職員がその趣旨に賛同する者などから金銭を預かった、あるいは当該の預かった金銭を当該の団体等に交付するまでの間保管している場合などは当該の政治団体の収入に該当せず、当該政治団体が寄附を受けたことにならないと考えられるわけであります。それに対しまして、また反対側の意見としましては、別の意見としましては、他の者から提供された金銭を政治団体が受け取り、当該金銭を既に使ってしまっておる、使用しているという場合などは、自己に帰属する意思を持って収受したと認められる場合には当該の政治団体の収入に該当し、また、一般的に言って当該政治・団体が寄附を受けたことになるものと私どもは考えております。 いずれにいたしましても、先ほどから申し上げますように、個々の具体の事案ごとに個別の事情というものを勘案して判断する以外にはないんではないかなというふうに考えるわけであります。
○野坂委員 自治大臣、あなたの御答弁は全く、法律の番人というよりも、全く不透明そのものの答弁で、よくわかりません。テレビを見ておる国民は、一体何を言っておるのかと、自治大臣は、いいようなことも言い、悪いようなことも言う。水野さんの場合はちゃんと陣中見舞い五千万円として持ってきておるのです。いいですか。そして一部を使っておるのです、二百万円程度は。ちゃんと使っておる。向こうは献金したつもり、私はわかったらいかぬから預かり金、こういうようなことをやって、他の団体の、ボランティアなんかだったら別ですよ、政治資金団体に明確に持ってきておるんです。何ですか、それは。預かり金じゃなしに寄附金じゃないですか、その性質は、金の性質は。その点を明確にしなければ、政治資金は幾ら法律をつくっても脱法行為、刑務所の塀の上を歩いてどっちに倒れるかということを見てからだというようなやり方は、それは自治大臣の答弁としては答弁になっていない。もう一遍明確にして、これはこの辺でとめますということを明らかにしてください。
○吹田国務大臣 おっしゃられることはよくわかりますが、ただ、固有名詞を挙げてのお話でありますので、私の方は事実確認というのをいたしておるわけでありませんのでそこは言えませんが、一般論として申し上げれば、預かったお金というものはあくまでも預かったお金でありますし、それを使うということはこれは許されません。それはむしろ別の意味の法律に抵触する場合であろうと思うんですね。ですから、預かったお金は預かったお金として、これを預かったお金としての取り扱いをしなきゃなりませんし、現実に具体的な問題についての、この今例えば固有名詞の出ましたような問題につきましては、私どもは事実関係を承知していないわけですから、これをまた調査する権限も自治省としては持っておりませんものですから、今ここで答弁を要求されましても極めて難しいというふうに思っておるわけであります。
○野坂委員 一般論で逃げようとしても、私は、あえて新聞に出ましたから名前を挙げて、具体的に金の性質まで説明をして、あなたに質問を迫っておるわけです、一般論で必ず逃げるだろうと思って。だから、この性格のものについては我々は寄附行為とみなさざるを得ない。あなたはどう思いますか。今の水野事件、明確にしておるんです、陣中見舞いでお持ちいたしました、金は二百万程度は使いました、ばれましたから返します、あれは預かり金でした。これは法の盲点をつくものである。だから私たちは、あなたから見て真に政治倫理を追求をし、政治資金を規制して透明度、透明性を高めると、たった今総理は私に答弁したんじゃないですか、それを事例を挙げて、具体例を示して言っておるときに、それはわかりませんというようなことでは大臣勤まりませんよ。不透明性そのものだ、寄附行為だ、私はそう断定する。どうですか。
○吹田国務大臣 まあ事実というのが新聞に出ておるということをもっておっしゃるわけでありますから、私どもは事実を確認していないものですから申し上げておるわけでありまして、特に、この問題につきましては自治省としては調査権を持っておりません、御承知のように。ですからわかりませんが、私が国家公安委員長という立場に立ては、それは調査権ありますから、それはその方でまた調査をするということもいたしたいと思います。
○野坂委員 それでは国家公安委員長吹田愰君に対して、調査をして明確に本委員会に報告をするということにしていただきたい、これが一点。二点目は、この事実について私は今申し上げておるわけですから、それ以上追及すると私の持ち時間がなくなりますから、絶対に調査をして御報告をするように、報告を受けたいということだけを申し上げておきます。調査して報告しますか。あなたに聞いておるんだ。国家公安委員長としてはという意味で、国家公安委員長吹田愰君に答弁を求めている。
○吹田国務大臣 このことにつきましては、そういう方向で検討をさせていただきます。
○野坂委員 私は吹田さんを信頼して、必ず報告あるものと確認しておきます。委員長にもその点はお含みおきをいただきたい。 さらに、随分こういう例を挙げますと、今度の海部総理に対して総裁選挙に立候補するというような意味を持っておられる三塚さんも、九月の八日札幌の記者会見で、大阪に持つ博友会に、またこれも記載漏れがあった。陳謝をしておられますね、陳謝を。そういうことが数限りなくあるときに、果たして日本には政治倫理があるだろうか、そういうことを私は疑わざるを得ない。我々野党側は、こういう点について世論調査をされた場合に、自民党はということであれば結構ですけれども、我々の場合には極めて迷惑をする。そういう意味で、政治倫理というものは明確にしかも厳正にやらなければならぬ、こういうふうに私は思うのであります。 そこで、今政治の倫理の問題については、私は、私たち野党では政治の倫理法、そういうものをつくろうではないかということを話し合ってきました。政治倫理法というのは、昭和六十年の六月の二十五日に政治倫理綱領というものがつくられた。読んでみますと、「国会の権威と名誉を守り、議会制民主主義の健全な発展に資するため、政治倫理綱領を定めるものである。」「われわれは、国民の信頼に値するより高い倫理的義務に徹し、政治不信を招く公私混淆を断ち、清廉を」、いいですか、「清廉を持し、かりそめにも国民の非難を受けないよう政治腐敗の根絶と政治倫理の向上に努めなければならない。」こういって書いてありますね。読めばもっとたくさんありますけれども。そのことを拳々服膺して、政治の倫理法をこの国会中にでも私はつくらなければならぬ、そういうふうに思っておるわけであります。 この点について委員長に申し上げたいと思う。 政治倫理法の問題について、今手続はいろいろと各党の中で話し合いが進められるであろうと思いますけれども、政治の倫理をこの委員会で議論をするわけであります。したがって、政治倫理法を与野党協議して、ぜひ理事会で御検討いただきたい。できるだけ、これだけでも成立をさせていかなければ国民の信頼をかち取ることができないでないかということを私は心配するからであります。政治倫理綱領があるじゃないか、あっても守っていないじゃないのか、こういう事態を含めて、我々は政治倫理法というものの制定が必要でありますから、委員長にお願い申し上げますが、ぜひ理事会等で御検討をいただきたい、お願いします。よろしいか。
○小此木委員長 あなたのおっしゃる政治倫理法、またこれは出ておりませんので、出ましたら理事会で協議いたします。――繰り返し申し上げますが、出たら協議するということで御了承願います。
○野坂委員 私は、出たら討議でなしに、出てないから我々は積極的にそれを話し合ってもらいたい、そういうことを要求をしたわけであります。理事会等で十分御検討をちょうだいしたい。 次は、それでは一体政治資金の規正法というのは、今度は、今お話があったように不透明なものを透明にしたい、規正法というよりも透明性というところに重点が置かれておる、こういうことですね。実際に使われた資金、どういうぐあいなふうに金が集められておるかということを我々は考えなければならぬだろうと思うのであります。 その前に、橋本さんですね、大蔵大臣、橋本大蔵大臣は、昨年度政治資金規正法に基づいてお集めになりました金、これは鳩龍会とか新政治問題研究会、総龍会、福祉経済研究会、こういう政治指定団体が四つありまして、中央の選管、自治省にお届けになったのは六億三千五百九十一万七千円、これが届けられております。全体で、広島県とか大阪とか、それぞれ地方でお集めになった合計は八億九千五百四十五万円、こういうふうに我々は掌握をしておりますが、間違いないでしょうか。
○橋本国務大臣 全部お届けをいたしておりますから、合計の数字は間違っておりません。
○野坂委員 わかりました。合計金額はまあ間違いないと、約九億円ですね。 清廉潔白の職場にある文部大臣、先ほど早くおいでになりましたのでお聞きしましょう。 あなたは裕志会と裕和会という政治団体をつくって、東京の政治団体には一億八千万円届けておられますね。千葉その他でもあろうかと思いますが、今、橋本龍太郎大蔵大臣が明快に総合計は間違っていない、八億九千万だ。あなたは一億八千万に上乗せすること幾らですか、総合計。
○井上国務大臣 お答えいたします。 今自治省に御報告をいたしております裕和会、そしてまた裕志会、そのとおりであります。千葉県で葉牡丹会というのがございまして、約三千七百万であります。以上です。
○野坂委員 ありがとうございました。 経済企画庁長官、越智通雄さん。あなたは新経済研究会という格好だけで、一つの団体ですか、一億九千四百万集めていますね。そのとおりですか。
○越智国務大臣 突然のお尋ねなものですから準備いたしておりませんが、ここに書いてございます新経済研究会がたしかこういう一億九千三百万、二億足らずの数字だったと記憶いたしております用地元の方で活躍しております越智通雄の会というのがございますが、これはこの新経済研究会から資金を受けて活動している団体で、直接の収入はほとんどなかったと記憶いたしておりますが、その程度のものだと思っております。
○野坂委員 その他各大臣にそれぞれ金額等照合しようと思ったのですが、もうあと時間は二十分程度しかありません。したがって、多くを申し上げませんが、中山外務大臣も二億六千二百万であります。総じて閣僚の皆さんは二億円前後ですね。そういう格好になっております。これは一年間でありますから、国民から見ると、一生涯かかっても二億円というような金はとても収入は及びもつかない。政治家というものはこういうものかというふうに見られがちではなかろうかということを非常に心配をするわけであります。 特に私は、この間証券スキャンダル問題、こういう問題についていろいろと議論がございました。その中で考えてまいりますと、この証券会社等はどの程度政治資金規正法に基づいて献金をしておるのかということをよく調べてみますと、野村証券が八千七百万円、一年間にやっております。いいですか。大和証券が九千百五十一万円、日興証券が一億六百二十五万円、山一証券が約七千三百万、合計して三億五千八百万円、これが四大証券の姿であります。皆さんに報告しておるのは、国民政治協会に出しておるのは九十四社の証券会社が二億五千万円出しておる。それよりも四大証券は別なところから、個人収入や政治団体のところの献金を含めますと三億五千八百万円、相当な金額が献金されておるということがよく理解できるのであります。ちなみに銀行、証券の金融関係の献金は、自民党に対して一年間約二十億円であります。建設、不動産関係は約十億円であります。通信、電気の事業からの会計は約六億円であります。 考えてみますと、経団連の事務総長である三好正也さんはこう言っております。去年は要求が百二十億円だった、自民党からは。ことしは百六十億円くれといって言ってこられた。随分政治には金がかかるものかなということを述べられておりますが、我々は今政治の浄化を図って、そして政治というものがかくあらなければならないということをこれから明確にしなきゃならないというふうに私は思うのであります。 総理、あなたに聞きます。あなたの内閣の支持率は、この間畑英次郎君が言いましたように、四九%もある。歴代の内閣で最高水準だ。一体なぜそういうことになっておるのかということについては、あなたの番頭の大島さんという副長官が言っていますね。また世論でも、クリーンのイメージがあるというのです。クリーンのイメージ、きれいだ、清潔だ、清廉を持しておる、人柄がいい、余り悪いことはしないじゃないか、まじめで一生懸命に政治に取り組んでおる、そういう姿が見えるという状況であります。 その中で、テレビに出られましたから隠すことはないと思いますが、山口敏夫さんという実力者がいますね、渡辺派に。この人が言っています。海部さんは余り中身はないんだ、評価は低いんだ、これから経済は障ってくるというときに実力のある人を送らなければ、いわゆる本格派内閣をつくらなければならない。裏を返して言うと、あなた方は本格派内閣じゃない、軽量内閣ですと言わんばかりですね。残念だと思いませんか。どうです。
○海部内閣総理大臣 いろいろな御意見のあることは報道等によって承知いたしておりますが、内閣の閣僚は全員力を合わせて精いっぱい、力いっぱい職務を果たしている、私はそう信じております。
○野坂委員 私はその答弁を追及しようとは思いません。まじめに一生懸命やっていただきたい、そしてクリーンに徹してもらいたい。 いわゆる本格派内閣というようなことをそれぞれ立候補を予定される方々は言われておりますけれども、ただ、この法案に対して渡辺美智雄さんは明確に言っています。これは欠陥がある、今の中選挙区で定数の是正をやって、改めて我々は長期展望の上に立って協議をすべきだ。十一日の日にも宮澤さんはそういう意味を言っていられた。小選挙区になって金はかかるんだ、そういう保証はないということを明確に言われて、十二日の本会議場に入る前にあなたに耳打ちして、ちょっと言い過ぎだったかなというようなことを言われております。言うなれば実力者の皆さんは、今の法案の小選挙区制は問題ありと指摘されておる。このことについてもあなたに明確に伝えておきます、知っておられると思いますが。 そこで、クリーンであるあなたは一体どういう政治資金の形態をとっておるのかということに触れていきたいと思うのであります。 御承知かと思いますが、昭和五十一年の一月一日、五十年に決議をされた政治資金規正法附則第八条に、これからはこの法律が通ってから五年間十分に検討の状況を見て、そしてこれからは個人献金を中心にして、企業や労働組合こ団体等はできるだけ少なくするようにせいと書いてあるということをあなたは御存じですか、総理大臣。
○海部内閣総理大臣 五十年当時のいろいろな議論の中にそのようなことがあったことは承知いたしております。
○野坂委員 三木内閣の時期でありますから、まな弟子であるあなたが知らぬはずはない。 ところが、あなたが総理大臣になられての献金は三億五千三百七十一万円です、去年。これは間違いないです、よく調べておりますから。そして、総理大臣になってから二年になりますが、個人の献金というのは八六年五百五十万円、八七年六百万円、現在は四千三百四万円、やはり個人がふえていますね。いい傾向だと思う。傾向だけですよ。企業などの献金、八七年には七千四百九十六万もらっておるのですね。ことしの報告を見ますと三億二十万円もらっていますね、企業からは。七千万円から約四倍になりました、企業献金は。政治資金規正法附則第八条から見ると、全く逆な方向を出しておりますね、あなたは。パーティーの収入は、八七年には二千百八十三万六千円もらっておりますが、おやめになった、自粛をしておられる。それでも、そういうものを埋めておりある政治資金の形態であります。ところが個人は、個人中心になっておるから実に立派だと思って見ておりますと、あなたの四千三百四万円のうち、総理大臣個人の寄附が三千九百三十四万円やられて、本当に個人からもらったのは三百万円程度である、こういう中身になっておるのであります。いいですか。 そういうことになってまいりまして、どのようにこの金が使われたかということを調べてみますというと、人件費とか政治活動費というのはいろいろありますが、あなたは寄附されておりますね。いわゆる政治資金の還流方式をとっておる。一遍寄附団体にやって、それから金をもらったら、その使途は明確でなくてもいいということになっておる。そこに盲点がありますから、河本派議員の皆さん、ここにもいらっしゃるだろうと思いますが、十四人の系列団体に一億百万円出ております。そして、橋本さんのところにも、あれだけ、九億円近い金が集まっておるのに三百万円が行っておるということから考えてみますと、あなたのイメージ、クリーンであったというものについて疑問を生ずるということになるじゃありませんか。その点はどうですか。
○海部内閣総理大臣 お示しになりました数字は、大体そのようだと私も報告を受けておりますし、また、かつては政治資金パーティーによって私の政治資金はお願いしておったのを自粛しておりますから、パーティーは最近ございません。また、いろいろなところから私の政治活動を後援してやろうということで手続をとって政治資金をいただけた方の分は、全部これは報告をさせておるつもりでございます。また、還流ではなくて、私も当選早々のころに随分先輩から御協力いただいたことがございます。そういった意味で、私も志を同じくして、苦労をしてきた人には、先輩に私がしていただいたように寄附をすべきであるというので、許される限度内で寄附をしたことも事実でございます。
○野坂委員 あなたは、どういう方法で集められたかわかりませんが、透明度というのは一三・一%です。非常にわかりません。不透明です。それは、法律の中で、百万円に区切って落としたということも言えるだろうと思います。しかし、それが法律ではひっかからないから、まあそういう格好である。結果的にどこからもらったということは不明確だ。不透明度は、この閣僚の中で最低なんですね。したがって、透明度を高くするためにどうやって、政治資金規正法をさらにあなたの体験から詰めていかなければ、不透明が流れてくるんではなかろうか、そういうふうに私は主張するわけであります。さらに厳しくやっていかなければ、不透明度が高くなるということを私は心配を、あなたの例を調べてみてそう思うのでありますが、さらに透明度が高くなるように、あるいは規制をするようにしていかなければならぬではないか、こういうふうに思います。いかがですか。
○海部内閣総理大臣 ただいまの制度、仕組みの中で、私の事務所でも届け出をしなければならない分野の方は届け出を個人の了解を得てしておるわけでありますけれども、いかなるものでしょうか、これは百万円以下のものについては届け出のときに個人の名前を書いておりませんから、その意味で今御指摘のようなことがあったかもしれません。ただ、私の場合、今後、こういった政治資金規正法の改正案がここで御議論いただき決めていただけるなれば、それに従って届け出をして、公開性、透明性を高めていくことは、それは当然のことでございます。
○野坂委員 それでは、もっといわゆる規制をしていかなきゃならぬ。あなたは政治倫理綱領に基づいて、さらに透明度を高くし清廉を持していかなきゃならぬ。そういうのがあなたの特徴なんですから、それをやってもらわなきゃならぬ。不透明度は、非常にクリーンさが――政治資金規正法による政治資金の届け出は極めて不透明なものであるということを言わざるを得ないのです。 しかもあなたは、十三日の質問と答弁の中で、金は必要であるから集めるんだ、必要でなくなったら集めなくてもいいんだ。あなたは必要以上に集めておるんだ。なぜかというと、前年度の繰り越しか三億円も残っておるんです。そのときに使えばいいのです、これは。だから必要以上なものを集めておる、こういうことになるんですよ。だから、私はあえて答弁を求めませんけれども、必要でないものまで集めておるというのが現在の政治の実態であるということを、やはりこの際明らかにしておかなければならぬ。我々は国民の疑惑をなくするという重大な使命があるということを忘れてはならぬ。その点についてはどうお考えですか。
○海部内閣総理大臣 きょうまでの私の政治活動の中で、後援会に入っていただき会費を納入していただく皆さんには心から感謝しておりますし、同時にまた、私自身がそういったものを届け出をする、いただいたということは全部届け出をするという態度をとってやってまいりました。これからは透明度を高めるということは、政治資金規正法で政治の団体とか、あるいは上限とか、パーティーをやるときには届け出をするとか、いろいろ節度ある集め方というものが記されておるわけでありますから、それに従って透明度が高くなっていくことを私自身率先して努力をしたいと思います。
○野坂委員 私の時間はあと十数分しかありませんから、次に入ります。 今度、小選挙区比例代表並立制というのを提案されております。過去の歴史を調べてみますと、明治二十二年に小選挙区制、明治三十三年に大選挙区制、大正八年に小選挙区制、大正十四年に中選挙区制、昭和二十二年に中選挙区制、こういうふうに歴史の変遷がありますが、総じて申し上げますと、衆議院特別委員会において、自民党の小沢佐重喜さんという大臣がおりますね、我が党の小澤克介君のお父さんではなかろうかと思うのでありますが――ああ、そうですか。どうも申しわけないですね。まあその辺については、小沢佐重喜議員が言っておるということだけを申し上げておきます。 まず、小選挙区制の欠陥を申し上げます。その際に言っておる。そういう点については、「情実と投票買収という点が横行することに相なってまいっておつたのであります。」こういうのが小選挙区制の欠陥。まだたくさんありますが、多くを申し上げません。そして、宮澤さんが同じようなことを言っておるように、いわゆる「中央政治界に活動する大人物が、当選困難であった」、こういうことが述べられておるわけであります。 大選挙区制については、選挙区が広過ぎて、候補者が全区にわたって運動をすることが困難な事情に立ち至ります、政見というものを選挙民諸君に十分に徹底させることができないからであります、こういうような意味のことを五点にわたって述べられております。 最後に、中選挙区制の評価については、小選挙区制と大選挙区制の両方やってきたが、その欠点をいずれも除去いたしまして、極めて中正を得たものである、こういうふうな演説をしております。 考えてみますと、十三日にも海部総理は民意の反映という点について、こういうふうに述べられました。一〇%や二〇%で当選するというのはやはりどうかと思う、その地域で、選挙区で五〇%以上とらなければ、民意反映と言えないではなかろうかということを述べられております。ここにそれを持ってきておりますけれども。そういう中で、果たしてそうだろうか。例えば海部さんの選挙区から見ると、海部さんが最高点で佐藤観樹君が第二位だ、江崎真澄さんが三位だ。この投票の結果は八一%、死票は一九%で、みんな政治に反映しておる、それで出て物を言っておる、そうですね。 例えば、小選挙区制になった場合、五〇%ということですけれども、二六%ということが当選ライン、二五%、四分の一ということになっておりますね。そうすると、それぞれ比例代表制ということでありますから、社会党も立候補しなきゃならぬ。この間自民党が、お前ら全部立候補しておらぬじゃないかと我々に言ったけれども、全部立候補しなきゃならぬ。公明党も民社党もだ。そうすれば、二六%とった自民党の候補者が一人当選をすれば、七四%は死票になる。民意の反映というのは、政治にどれだけ有権者の皆さんの意向が反映するかということである、そのことが間違っておると私は申し上げたいと思うのであります。 今申し上げたように、政治にどうやって反映するか。政治に金が余計小選挙区にはかかる、サービス競争が激化するということは、みんなが与野党通じて言っておるじゃないですか、今まで。だかも、我々はこの小選挙区比例代表制はだめなんだということを述べておるわけです。その点については、総理大臣はいかにお考えですか。
○海部内閣総理大臣 いろいろな御意見があることはよく私も読んで承知しておりますし、同時にまた、先輩方の意見の中には、それと全く違う角度からの御議論、御意見がなされておることも私もよく読んで調べております。それぞれ視点がいろいろあって、物を見るときにいろいろな御意見があった、その意見を踏まえてきょうまで進んできたものだと考えております。 そうして、小選挙区制というのは、これはやはり政権の選択について国民の意思が明確な形で示される、政権交代の可能性が高い、政権が安定するなどの特性があるが、その反面、御指摘のように、少数意見が選挙に反映されにくいという問題がある、このことも、選挙制度審議会で各界代表の方々の御意見の中で十分闘わされたものであることも私もよく承知をしております。 しかし一方、比例代表制というものには、多様な意見、民意をそのまま選挙に反映し、少数勢力も議席を確保し得るという特性があります。その反面、小党分裂となり、連立政権となる可能性が大きいために、政権が不安定になりやすいという問題があるという指摘も審議会の御議論の中で交わされたということを承知しております。 したがって、その両方を組み合わせる方向によって、民意が鋭敏に反映する小選挙区制と少数意見を国政に反映するための比例代表制を並立させることによって、今度は多様な民意が反映できるようにせろという角度の答申をいただいたわけでありまして、それに従った法律をつくっておるということでございます。――うそじゃないんです、本当に書いてあるんですから。
○野坂委員 あなたは、いわゆる連立政権というものは極めて不安定だ、政権安定のために小選挙区比例代表制をやらなきゃ、並立型をやらなきゃならぬ、こう言っておるのですね。言うなれば、自民党の安定政権を確立するために、自民党のための選挙法を改正しなきゃならぬ、こういうことになるわけです。言うなればですよ。百七十一の比例代表制、三百の小選挙区制、四〇%小選挙区制でとって議席は八〇%になるというねらいがそこに隠されておる。逆に百七十一の選挙区にして三百にした方が死票は少ないじゃないか、有権者の意見が反映されるじゃないのかということになる。そういうことをおっしゃっておる。武村君はそういったことを言っておるけれども、考えてみれば、いいですか、第十三回の選挙、昭和五十八年だ。選挙区選挙ではあなた方のところ自民党は四十九だ、与党の比例代表は十九だ。我々のところの野党は二十七名選挙区で勝って、比例代表では、いわゆる全国区では三十一の議席をとっておる、比例代表でやれば。第十四回では、自民党は選挙区は五十、比例代表は二十二。我々野党は、選挙区では二十六しかとれなかったけれども、比例代表制では二十八の議席を得た。今回は、あなた方は二十一で十五名の比例代表制しかなかった。野党は五十五名で、三十五比例代表区ではあった。言うなれば、そういうことを一つ一つ精査をすると、小選挙区になった場合に比例代表制を多くすると、意見を、国民の民意を尊重するということになれば、自民党の安定政権が崩れるというところに党利党略の選挙のあり方があるのではないかといって指摘されてもやむを得ぬではないかと思うが、吹田さん、どうだ。
○吹田国務大臣 御案内のように、確かに現在の制度でいけばそういう数字も私も承知しておりますが、問題は、今回の改正そのものが政党本位それから政策中心と、こういうことで考えておるものですから、そうなりますと、先ほども総理もちょっとお触れになりましたけれども、やはり一選挙区に一人の政党代表を立てて、そうして政策で争っていく、こういうことが本旨なものですからこういった方法をとっておるわけでありまして、ただ、死票が出るということはもうお説のとおりであります。それはもう確かに二六%である、五党でいきますとそうなります。したがいまして、そのあとは死票になるではないかというお話でありますが、その点をどうして救うかというのがいわゆる並立制であるというふうに御理解をいただければと思っております。
○野坂委員 私は時間が参りましたから多くを申し上げませんが、それでは逆にすると、百七十一と三百を、余計民意は反映するということをあなたは言っておるわけですよ。だから、このやり方は極めて問題があると私は指摘せざるを得ないということを申し上げておきたいと思うのです。 最後に、政治資金を集めるためのパーティーです。これは社会党は今度法案を提出をいたしまして、皆さんに御議論いただきますが、これは寄附行為だ。いいですか、一千万円以上のものについては届け出をしなきゃならぬ、六十万円以上出した者はやらなきゃならぬ、政党は百五十万、その他のところは百万円まではいい。いわゆる政党本位といって、政党はどんどん持っていけ、よそから集めてここに持っていけということなんです、これは。言うなれば、それでは届け出をしなくてもいいようにするためには、千万円以下のパーティーを何回でもやる、一年じゅう。だから、透明性はできても規制がない。いわゆる総量を規制していかなければ本当の意味の政治改革にはなりませんよ。私はそれが言いたい。吹田さん、いかがですか。
○吹田国務大臣 ただいまお話になりました政治資金パーティーの問題でありますが、確かにこの問題につきましては、今回も十分透明性を高めるために、きちっと、大口の購入の問題とかその他の主催する団体、これは政治団体でなきゃならぬというようなこと等、透明性あるいは公開性というものを非常に強く打ち出しておることは御承知のとおりであります。 ただ、今お話がありましたように、一年に何回でもできるではないか、その制限がないではないかという御指摘であります。それは確かに制限いたしておりません。しかしながら、これはおよそバッジをつけておる政治家として、そのあたりは常識というものが私はあると思うのです。したがって、二回も三回もやるということは、透明性それからすべてを報告するという義務からいきましても、私はそういう点についてはある程度理解していただけるんではないかなというふうに思っておりまして、今回はそういった面についての制限はいたしておりませんが、これは政治家として何もかも締めつけていくというほどの、日本の政治家というものに対しての権威というものに対しては少しは考えて、これは自主性というものを持たすということでいいのではないか、こういうふうに思ったわけであります。
○野坂委員 私が申し上げたいのは、あなたは、政治の倫理観がありますと、だから日本のバッジをつけておる代議士はそれぞれ自制をするでしょうと。しかし現実に、先ほど例を挙げたように、たくさんの皆さん方が政治倫理にもとる行動をやっておる。そういうことを私は指摘をした後あなたに聞いておるわけです。だから、このような総量規制をやって、政治資金の上限も決めて、そういうことでなければ本当の意味の国民に信頼される政治ができぬのじゃないのか、私はそう言いたいのであります。その点が一つ。 最後に、あなたに申し上げてまことに恐縮です。立派な大臣ではありますけれども、あなたもこの間、大塚建設大臣と同じように「ファミリー企業申告漏れ 三年間で六千万円」という大見出しで、広栄産業から随分と会もらっておるという意味のことが新聞に大々的に、これに出ております。私は、今政治家が襟を正し、そして政治の倫理にもとらないように国民の政治に対する信頼を高めていくために、そのような行為は断じて許されないという立場にある自治大臣、あなたはほかの大臣から比べるとまことに微々たるものではないかというふうに言われるかもしれない。しかし、私たちは、その提案者であるあなたについては泣いて馬謖を切らなければならぬという、血の涙をのんでもやらなきゃならぬ。例えば、橋本大蔵大臣は今、証券問題や金融問題で監督責任をとってタイミングを見ていつ辞任するかという時期に来ておる。そういう事態のときに、吹田さんは提案者であるという、法案の番人という立場からその責任は極めて重大だと思うが、この点についてはどう考えておるか。
○吹田国務大臣 ただいまお話がございました私のいわゆる、まあファミリーと言われますが、私が関係して、私がつくった会社であります、これはもう今から約二十数年前のことでありますが。その会社の職員が私の方にそうしたお手伝いをしてくれたという問題についての秘書としての取り扱いの問題になるわけですけれども、私の方は、秘書としての取り扱いではなしに、会社の職員が私の方のお手伝いをしてくれた、そのことについては、従来私が国会に出ましてからずっとこの税務署の調査というものを三年ごとに受けておりますが、それでは指摘を受けなかったものですから、いわば私も素人ですが、いいものだな、こう思って実はこれを容認しておったわけであります。 ところが今回、これが四月に指摘を受けまして、それはどうしてもお手伝いといっても相当量の秘書的な仕事もしておるからということでこれは認められませんよということになりまして、私の会社の関係の職員としての認定以外には考えられないということになったものですから、そうなれば、私の方のこの今までお手伝いしてくれておった六人分の給与というものが一年に二千万円の給与を払っておりますから、それを三年間になりますと六千万円である、したがって、六千万円というものは申告漏れであるという指摘を受けまして、これに対する税金を二千四百万お支払いしたというのが事実なんでありますが、それはそれとしまして、確かに今おっしゃったように、野坂先生の御指摘がありましたように、今回の政治資金法等を提出しておる主管大臣としてまことに遺憾ということの御指摘でありますが、そのとおりでありまして申しわけない、こう思っております。 私も非常に厳しく受けとめておりまして、今後こういったことについては、いかなることがあってもあってはならないという気持ちを自分で持っておると同時に、それだけに、身をもって今回体験しましたものですから、政治資金制度の問題等を通して、何としてもこれは頑張って皆さんに御理解いただけるようにこれを改正したいものだという責任感に燃えておるところであります。
○小此木委員長 これにて野坂君の質疑は終了いたしました。 次に、松原脩雄君。
○松原委員 ちょうど最後に今の自治大臣の問題がありましたので、引き続いてお聞きすることから始めたいと思うのですが、今の御説明によりますと、結局、自治大臣の後援団体はそういう会社から秘書を派遣してもらった。その会社に対する関係では、あなたの後援団体はどういう措置をとらなければいかぬことになったんですか。
○吹田国務大臣 ただいま野坂先生にお答えいたしましたように、六名の会社員が、もちろんこれは皆かつては私の会社や役所へ勤めておった定年退職者が多いのですけれども、そういう関係者が私のところの会社をお手伝いしておる、そのお手伝いしてくれておる会社員が、私の方の後援会の政治活動に事務的なお手伝いをするということでお手伝いを自主的にしてくれておったわけでありますがいこれを認定しないということに税務署から受けますと、私の方としては結局、いわば六名は吹田愰の秘書なんだという解釈になるものですから、秘書だという解釈になりますと、私の方に対してそれだけの協力をしたことになりますから、いわゆる企業としてはそれを収入とみなす、いわゆるその給与分だけは収入があったものだとみなすということになりまして、六千万円が税金の対象になるわけですけれども、したがって私の方は、それは全部私の方で受けとめてこれを秘書として今日は扱っている、こういうことにしておるわけであります。
○松原委員 つまり、六千万円のお金を会社が政治団体にかえて立てかえてくれた、こういうことになるわけですね。そうすると、政治団体は会社に対してこの六千万円のお金についてはお返しをするんですか、それとも寄附として扱うことになるんですか。
○吹田国務大臣 この点は、今御指摘ありましたように、私の方は借りたことにしなければ、今から三年前までのをさかのぼってどうすることもできませんから、したがって、これは借り入れとして、会社に対して私の方の政治団体がこれに対する借用書を入れまして、そうして、これから一、二年でこれを返していけるような方法をとらなければならないということになるわけであります。
○松原委員 そうすると、借入金になるのですから当然その政治団体は政治資金規正法上に基づいて自治省に報告しなければいけませんね。これはどうするんですか。
○吹田国務大臣 いや、これはもうちゃんとそういう方向で借り入れるということでいっておりますが、実質的な問題はこの四月から、今回起きた問題でありますから、来年の申告にきちっと登載されていきます。
○松原委員 政治資金規正法の十二条では、借入金はちゃんと報告しなければならない、こう書いてありますよね。そして、その報告書の記載漏れがあった場合、政治資金規正法の第二十五条で、五年以下の禁錮もしくは罰金というふうな刑事上の処罰があることになるんですよ。そうすると、今自治大臣がおっしゃったように、この次の機会に記載をする、そういうふうな措置だけでこれは済むんですか。刑事上の処罰に該当するようなことをやったことになっているじゃないか。そこまで問題は発展しているんですよ。その点について、自治大臣、御意見を。
○吹田国務大臣 先ほどから申し上げますように、三年前にさかのぼっておるものですから、この問題につきまして、今政治資金規正法を、急にこれから三年前を書き改めるなどということはできる問題でもありませんし、したがいまして――それはできませんよ。できないですよ、それは。だから、そういうことは――まあ静かに聞いてください、私もまじめに御答弁申し上げておる、ありのままを申し上げておるわけですから。 ですから、それに対しましては、借入金として処理する以外に方法はありませんから、私の方も、別に非常な悪質な、意識的にやったことでもなかったものですから、従来はこれをよしとされておったものですから、これは了解されたもの、こういう解釈で進めてきたわけですから、今回に限りそういうことになってきたわけですから、私の方としましては、これに対しましては借入金で政治資金規正法の方は処理する以外にないということで処理をしたわけであります。 ただ、その処理はいたしましたけれども、最終的に表に出てくるのは、明年の届け出の際にこれが記載されていくということになるわけでありまして、修正はこの際しておるわけであります。
○松原委員 一方では、会社との関係では脱税ということが指摘されている。他方では、脱税だということを認めると、今度は政治資金規正法では借入金である、借入金については記載がなかった、記載については刑事罰までいく、そういうふうな状態になっているわけなんですね。これは最終的には借入金、結果としてしょうがないから借入金にしたということをおっしゃっているけれども、実際はあなたの政治活動のために会社の秘書を使っていたんだから、これは実際上、事実上の寄附として扱われていたんじゃないかと思うんですが、自治大臣、この点についてどういうふうにお考えになっていますか。
○吹田国務大臣 まず修正をさしていただきますが、今借入金と言っておりましたが、立てかえ金でありますが、このことについて今おっしゃった話の全般を申しますと、いわゆる私の方で、一切の企業の、その六名というのが企業的活動をしないで、すべて一〇〇%私の方の秘書をしておったというのとは違うのでありまして、ほとんどの仕事は、企業の仕事も半分以上はしておる、そのあとを自主的に私の方のお手伝いをしておったというのが事実なんであります。ですから、その事実を今までは認めてくれたわけであります。認めてきておった。それが急にこの際は認めるわけにいかないということになったものですから、私の方としてはそれに対しての処置をとった、こういうことであります。
○松原委員 この問題については、引き続きこの委員会で事案を明らかにしていく必要があるだろうと思います。 私は、次に総理にお伺いしたいと思うんですが、今回の政治改革三法案、これはもう明らかにリクルート事件が第一番目の原点である。リクルートから十三億円のお金が政界へ流れる。政治家では四十数名が受け取っておる。竹下総理大臣もおやめになった。中曽根さんも証人喚問された。そのことから始まって、やはり金と政治の癒着をこれ以上この日本で許しちゃならぬというところから今度の政治改革の問題が提起をされてきたと私は思うんです。 ところが、今度出されてきた法案をもとにして首相の説明聞いておりますと、政治の腐敗行為あるいは政治資金の規制あるいは政党に対する助成、この問題に、選挙制度、小選挙区制ですが、小選挙区制がセットでないと政治改革にならない、こういうふうな主張、三位一体の主張というふうにおっしゃっていますが、そういう主張をされている。そうすると、国民は、小選挙区制、比例代表並立制に変わらなければ金と政治の癒着の問題は、これは解決しないのかな、こういうふうな混乱をしているかもしれないと私は思うのですね。 そこで、選挙制度ですね、選挙制度を変えるだけで、選挙制度それ自体で、金と政治の癒着とか政治の腐敗といったものがなくなるとお思いでしょうか、それともそうでないでしょうか、御意見を聞かしていただきたいと思います。
○海部内閣総理大臣 少し私の発言について真意を申し上げたいと思うのですが、選挙制度を変えることだけによって全部片づくという、その一点だけにスポットを当てたものではございません、これは。 同時に、今、最初におっしゃったように、自由民主党が厳しい反省に立って、これは政治とお金に関する問題で、特に政権政党である与党に世の批判が厳しかったということを謙虚に受けとめて、政治改革大綱というのを平成元年五月に自由民主党が党議決定をいたしました。それは御指摘のように、政治とお金の関係をきちっと解決して政治不信を是正していこうということであります。そのために、昨年二月の衆議院の選挙のとき以来、公職選挙法の一部改正案を国会で成立をさせて、そしてそれによって資金の出の方の問題、いわゆる世の中でここに買収が行われるのではないかとか、ここに選挙違反と疑われるようなお金の動きがあるんではないかと言われるような問題をできるだけ規制しようという努力で改正案ができたことも、これは委員御承知のとおりと思います。 そういったことも踏まえて、また先ほど来御論議のありました政治倫理の問題、これは一人一人の政治家がみずからに倫理観を高めることが大前提であることは、これは申すまでもありません。したがいまして、そのことについては、既に昭和六十年に国会の議決のもとに衆議院には倫理綱領ができておることも御指摘があったとおりであります。それらの問題について、自民党としては政治倫理確立のための資産公開法という法律の必要性を考え、その案を院に提示もいたしております。野党にも野党の御意見があろうと思います。同時にまた、せっかくできた政治倫理規制や政治倫理審査会を拡大強化していくための考え方についてもいろいろ御議論を願うように、自民党からも申し出がしてあります。今年六月にも党の代表から櫻内議長に対して、その話し合いを進めていただくように申し入れも六月にいたしました。事柄の性質上、これは国権の最高機関である院において各党各会派が御議論をいただいておる問題でありますから、適切な結論が出ることを強く期待をさせていただいております。 そういったことを前提に、そういったことが先行しておりますから、残ったところで各党といろいろお話をしてきましたが、選挙制度審議会の答申をいただいて、党首会談なんかでも、その節目節目には案も示してまいりましたけれども、それに従ってやらなければならないのはこの法律であるということで、それで三つの法律をつくって国会に政府からお出しをした、こういう経緯でございます。ですから、全部一体として考えてください。
○松原委員 たまたま法律案としては三法案一緒になっていますけれども、物の考え方としては違うものじゃないのかと私は思うんですよ。実際今度の政治改革に当たって総理は、一八八三年のイギリスの政治腐敗防止法、これによってイギリスの選挙の腐敗行為が一掃されたと言われるくらいその評価を与えられています、これは選挙制度審議会の答申にも書いてあるけれども。そのイギリスの政治腐敗防止法、このことは大いに参考にされたんでしょうね。
○海部内閣総理大臣 私も実地に勉強してきたことはございますし、大いに参考にいたしております。
○松原委員 そうすると、この政治腐敗防止法は、当時、一八八三年以前のイギリスが大変な買収や供応などの腐敗行為が行われていて、どうしようもないのでつくり上げた一種の革命的な法律だと言われていますよね。その腐敗行為を生んでいた当時のイギリスの選挙制度、これはどういう選挙制度であったか、もちろん御存じでしょうね、総理。
○海部内閣総理大臣 金銭による腐敗行為が極めて横行しておったということは、物の本にいろいろ書いてあるところでございます。
○松原委員 いや、そのときの選挙制度はどういう選挙制度ですかということを聞いておるのであります。
○海部内閣総理大臣 詳細は自治省から答弁してもらいますが、私の記憶に誤りがなければ、その二年前にたしか選挙制度が小選挙区に変わったのじゃないでしょうか、そう思っております。
○松原委員 この段階では、イギリスでは基本的には小選挙区制によって制度が営まれてきたというふうに評価ができます。その小選挙区制に基づいて、しかも当時は自由党と保守党という二大政党、こういう二大政党のシステムにもなっておるわけですね。したがって、小選挙区制のもとであっても極めて多くの腐敗行為が生じる、こういうふうに認定をすべきなのは、これは常識だと思うのですよ。もちろん現在の中選挙区制のもとでも、それから参議院の比例代表制もあるわけですから、現行の選挙制度の仕組みは政治に金がかかり過ぎる、あるいは腐敗がいっぱい出てきているということをよく御承知しているから、今度法案も出されたわけですね。 こういうことを考えますと、選挙制度それ自体で金と政治の癒着の関係が排除できるとか、政治腐敗行為が排除できるとかいうことはないんだという確認は当然、こちらからも、自民党席からも当然だとかおっしゃっていますから、当然だというふうにまず認識すべきだと思うのですが、首相のお考えをお聞きしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 最初申し上げたように、制度、仕組みだけではないということを言い、また、その制度、仕組みを超えて腐敗的なお金がたくさん使われないようにする規制は必要だということは言いましたけれども、なぜこんなにお金がたくさん要るようになったのかということを我々自身が謙虚に考えてみると、それは政党中心、政策本位の選挙制度や日常制度じゃないものですから、本来ならば政党がやるべき政策宣伝行動とか選挙の陣営づくりとかいろいろな問題、あるいはもっと言えば地元の後援会との個人的なかかわり合い、そういったものについて、もとを断つような根本的な問題も必要である。個人の倫理観に訴えるだけではなくて、制度、仕組みもあわせて改革をしていって所期の目的を達成したい、こういう大きな願いがあるわけでございます。
○松原委員 私は、今政府が入れようとしている小選挙区制、それが将来できても、今指摘したように、制度とは別に厳しい政治腐敗や政治資金の規制をきちっとやっておかないと、そこがしり抜けであれば必ず腐敗をしますという点の指摘をしているわけであります。総理も、それの確認はよろしいかと思いますね。
○海部内閣総理大臣 ですから、制度、仕組みを変えるということとあわせて、政治資金の問題や政治家の倫理を高めるという問題も三位一体、総合的に考えていかなければならぬという気持ちを強くしております。
○松原委員 そこで、普遍的な課題としての金と政治の癒着の問題、簡単に指摘をしておきたいと思うのです。 私は、戦後の政治資金規正法のつくられてきた経過を見ると、一たん法ができる、できたらまたそれを脱法するような行動が出てくる、それをまた抑えるというふうなことをして、いわゆる脱法がずっと重なってきていると思うのです。今回の政治資金規正法では、一定の前進があるところはあります。しかし、ここからまた脱法行為が生まれては困るので、その点についての歯どめをどういうふうに考えているかということについてお聞きしたいのです。 まずパーティー、これは自治大臣にお聞きしますよ。パーティーは、前回の改正で企業献金が、寄附に規制が加えられた、いわばその脱法という形でパーティーでどんどん集めるようになったということだと私は思うのです。そこで、政治家のパーティーですけれども、売り上げとそこから経費を差し引いた収益ですね、大体どれぐらいの統計上の数字になっておりますか。
○吹田国務大臣 これはパーティーのやり方にもよりますし、人それぞれによって違いますから一概には言えませんが、少なくとも約三分の二ぐらいは諸経費にかかるのではないかなというふうに思っております。
○松原委員 つまり、統計を出していないのでし。ようか。これは読売新聞の調査によれば、政治家のパーティーの場合、収益率が一番低かったのがことしで六九・九%、一番多かったのが八一・九%というふうな数字になっているのですよ。それぐらいパーティー収益については、それはまあいろいろありましょうが、一つの調査としてはそういうふうになっている。実際上、パーティーが一種の政治の寄附を、寄附とは別の面でお金を集める、その収益を得ることが重要だということになっていると思うのです。これは先ほど野坂委員も指摘したように、千万円以下のパーティーをこれからどんどん小口でやっていくと、幾らでも幾らでもふやすことができますよね。そうすると、この際パーティーに集まったお金は、そのパーティーの売上金はもうすべて寄附として扱うというふうな措置をしない限りは、脱法行為は将来防げないのじゃないか、そういうふうに思うのです。我が党案は、そのパーティーへの寄附を寄附とみなすという形で今検討を進めているのですが、自治大臣のお考えはいかがでしょうか。
○吹田国務大臣 これは政治団体が主としてパーティーを実施するということでありますから、これは私は、詳細にわたっては事務当局から答弁させますが、私としては、今日までの状況とは大幅に内容的にも変わってくるであろうというふうに思っております。
○吉田(弘)政府委員 パーティーについてのお尋ねでございますが、まずパーティー収入と経費との関係、お尋ねがございました。平成元年分の報告で、パーティー収入は三十八億八千万円ございます。それに対しまして、経費が十億九千二百万というような格好になっております。そういうような経費率になっております。 それから、パーティーの収入の関係についてのお尋ねがございますが、政治資金パーティーの収入につきましては、従来からそのパーティー券の価格が社会常識の範囲内であり、出席を前提として購入されるものである限りは、政治資金規正法上の寄附には該当しない、これによって得られた収入は事業収入であるというように解してきたところでございます。 もともと、この政治資金パーティーにつきましては、機関紙の発行でございますとか資料の販売など、他の事業活動と同様に政治活動の一形態として考えられまして、問題はやはりその行き過ぎにあるというふうに言われてきたところでございます。 今回の改正案は、選挙制度審議会の答申に基づきまして、節度ある開催がはかられますように、パーティーの開催は政治団体により行うこと、パーティー券の購入限度を設けること、パーティー券の大口購入者の公開等を行うというような措置を講じておるところでございます。
○松原委員 ほかにもパチンコ業界の党費、会費の立てかえ問題であるとか、先ほどから出ている預かり金の問題であるとか、これから脱法的な行動というのは私はどんどん出てくると思うのです。あり得ると思う。やはりいつもその問題の根本になっているのは企業、団体ですね。企業、団体の献金という問題がやはり物の根になっていると思います。今回の規正法では、企業の献金というものは禁止をしませんでした。総量はそのまま据え置かれたわけでありますが、これもまた将来に禍根を残す可能性が非常に私は強いと思うのです。 そこで、ちょっと総理にお聞きしますが、アメリカは団体献金、企業献金というのを既に禁止をいたしておりますが、企業献金の禁止の問題、あるいはつけ加えますと選挙制度審議会でも第一次、第二次選挙制度審議会は、企業や団体献金の禁止というのを既に答申として出しているわけですね。このアメリカの制度も踏まえ、審議会答申も踏まえて、企業献金、団体献金の禁止の方向性については、首相はどういうお考えをお持ちになっていますでしょうか。
○海部内閣総理大臣 それぞれの国にそれぞれの制度、仕組みがありまして、そのことについては私もよく承知をいたしております。 企業は禁止をしても、PACという組合を、自主的にグループをつくって、そこにお金をプールして、そこから政党あるいは候補者に政治の応援をしてもいいということになっておるように承っておりますが、しかしまた別の面からいくと、アメリカの上下両院議員には、例えばスタッフのための費用とか大勢の秘書を当然公費で賄ってくれるとか、いろいろな制度、仕組みの違いがあるわけでありますから、それのところはそういった違いがあるということを、私もよく承知をいたしておるということでございます。 また、我が方といたしましては、今後政党中心の政治活動をしていこう、政党の果たす役割が非常に大きくなってくるわけでありますから、企業等の献金は政党中心に導いていきたい、こういうことを原則として改革をしていくところであります。
○松原委員 企業献金、労働組合も含めた団体献金ですね、これについてすっぱりした見切りをつけるということがあってこそ初めて政治改革、日本における政治改革という問題が立つであろうということを指摘をしておきたいと思います。 そこで、先ほど申し上げましたけれども、選挙制度の問題についてお伺いをしたいと思うのですね。 選挙制度の問題について、これまで首相は政策本位、政党本位、政権交代の可能性を強めること、あるいは政権の安定といったことを指摘して、現行の選挙制度、これをこのように変えて小選挙区制の並立制を導入する、こういうふうにおっしゃっているのです。私どもの党も、今回の改正案では現行制度に対する定数是正というものを提案をいたしました。一対二の範囲内の定数是正案を既に法案として提案をいたしましたが、それについては前回指摘しましたように、これまでの国会における議論、国会決議で、超党派で定数是正をちゃんとしようじゃないかということで、超党派による国会決議を踏まえて定数是正を提案をいたしておりますが、しかし我が党は、本来、将来のあるべき選挙制度としては比例代表の制度でいくべしという考え方を実は持っておるわけであります。 したがって、あるべき選挙制度については今後ともしっかりした議論をしていかなければならないというふうに考えておりますが、まず、将来の選挙制度について、民意の反映としてつくるべき国会というものと、その民意によってつくられた国会から生まれる政権はどうつくるべきなのか、あるべきなのかという問題とは、私は分けて考えるべきだと思うのです。そういう意味で、今の国会を一体どういう形でつくっていくべきなのかという点について、首相の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○海部内閣総理大臣 私の考えは、議会制民主主義というのは政党政治であると教わってまいりました。そして、政党というのは、志を同じくし、物の考え方を同じくする同志が集まって共通の政策をつくり、それを国民に訴えて選挙の審判を受けるわけであります。そして、その国民の審判を受けた結果に基づいて、議院内閣制のもとでありますから日本は行政府が生まれてくるということでありますから、あくまで政党本位の、政策中心の選挙運動によって政権が誕生してくるものであり、また、各党各会派が議会の中では政策本位の議論、論争をしていただくことである、私はそのように受けとめております。
○松原委員 今の議論の前提として、やはり民主主義なんですから、国民の意見が、いいですか、国民の意見がそのまま、いろいろな多様な政治的意見がありますけれども、それがそのまま国会に反映をされてくるという仕組みをつくることがまず第一だと私は思うのです。 その場合には、まず国民一人一人の一票の価値は平等でなければなりません。これが一つでしょう。それから、そして行使した一票一票が正しく議席に結びつく必要があります。正しく結びつく必要がある。しかも、ということは、せっかく一票を入れても全然議席に結びつかなければ死票になりますから、それも排除をする。こういうふうに、いわゆる国民の意思が鏡のように国会に反映をされなければならぬと思うのです。こういう考え方で国会は本来あるべきだと思いますが、その点の御意見はいかがでしょうか。
○海部内閣総理大臣 一票の価値というものが近いものでなければならないという前提は、私もそうだと思います。同時に、選挙戦を通じて、それぞれの制度、仕組みがあって、その仕組みの中で国民の皆さんの投票行為が行われ、その結果が反映するのが議席の数であると思います。その制度、仕組みの中で、議席に直接反映することができなかった、今死票という言葉をお使いになりましたが、私どもはそれはある意味では、当選者の側から見ると批判票もあったというように謙虚に受けとめていくべき、これも民主主義のルールの中において起こる一つの現象で、率直に受けとめていかなければならぬことだと考えております。
○松原委員 民意を鏡のように反映する、そして投票した票がすべて議席にきれいに映し出されるというのは比例代表である、これは明白だと思うのです。しかし、総理の場合は、小選挙区制の場合には――小選挙区制だけですよ、小選挙区制の場合には、果たしてそのような機能を持ちますか。例えば三〇%の得票があって、我々がこの間、参議院選挙のときですが、三〇%の得票でシミュレーションすると六〇%ぐらいの議席になる。もう四〇%を超えてしまうと八〇%ぐらい議席がとれてしまう、こういう状態になっています。これが小選挙区制の特徴だと指摘されておりますよね。これは明らかに人々の一票一票の実質的な価値が議席に、政治に全然反映されていない、そういう仕組みだと思いますが、この点は明らかだと思いますが、いかがでしょうか。
○海部内閣総理大臣 よくそういう御議論がなされることは私も聞きますが、自民党にとって極めて都合の悪い状況の中でシミュレーションをされた場合、例えば前回の参議院選挙のときの得票率を中心に、今度の場合を仮に当てはめたらどうかということをいろいろな報道機関もそれぞれ自主的におやりになったと思うのですが、あのときの結果を見ると、私どもにとっては極めて厳しい状況があらわれておって、十分考えなければならぬなという状況もございました。いろいろあると思っております。
○松原委員 実際、今のお話で、参議院では比例代表のところ、全国のところでは自民党はいつも負けている、小選挙区部分があって初めて自民党の参議院の多数がこれまでは成立してきたと思うんですね。 私は、次に、政権のつくり方について、小選挙区制というのは政策本位、政党中心、それから政権交代の円滑化がある、政権が安定するというようなことを指摘されておられますが、政策本位、政党中心の政治というのは、これは比例代表において最も端的にあらわれるところだろうと思うんです。参議院の比例区がまさに政党の名前を出して今行われているように、比例制であればすっと政党本位になると思うのですが、政権交代については、小選挙区制と比例代表ではどちらが政権交代の可能性が大きいと思われますか。
○海部内閣総理大臣 それはそのときの民意によっていろいろな差があるものと私は思います。特に、参議院選挙の例を今ここでるる御指摘になりましたが、私の記憶によみがえってくるのは、いわゆる一地域から一人選ぶという一人一区の場合に、この前は三つのところでは自民党議席確保しましたが、二十三のところで自民党の候補者が負けたという極めて厳しい体験等もしておりますので、あれは制度、仕組みからいったら、一地域から一人だけ選ぶというところであの結果もあったということで、これは自民党の方の謙虚な反省材料として受けとめておかなきゃならぬことでありますが、事実としてそういうこともあったということです。
○松原委員 大体、参議院で与野党逆転をしたという例をよく出されますけれども、戦後四十数年間、一度も参議院でも与野党逆転がない、衆議院でも与野党逆転がない、これが実態じゃありませんか。四十年に一回の例を出して小選挙区制がいいというのじゃ、これは要するに論理が飛躍をしていると私は思うのです。それに対して、比例代表でしたら得票率がそのまま議席に反映をすることになります。 そこで、ちょっと選挙制度審議会の方にお伺いしますが、ちょうど一九六七年の黒い霧解散から昨年の解散に至るまで九回ほど衆議院選挙が行われました。その衆議院選挙の結果を見ておりましたら、すべて自民党の得票率は五〇%を割っているんですよね。すべて割っています。しかし、御承知のとおり、議席の方は過半数を維持するという事態が常態となっていた、こういうことだと思うのです。これを、比例代表でこの選挙がもし行われていた場合には、理論的には、自民党は既に二十三年間の間、もう与野党逆転の状態のままであるということになるのは明白だと思いますが、この点はいかがでございましょうか。
○堀江参考人 ただいま松原議員から、戦後四十数年間自民党の得票率は、近年といいますか、四十年代から五十年代の初めまでだろうと思いますが、五割を割っておる、にもかかわらず議席は、議席も五〇%を切ったことはありませんかな、非常に少ない、得票率を上回っておるという御指摘でございましたが、実は比例代表制なら逆転しておるではないかという御指摘でございますが、現行の制度は中選挙区制で、個々の、個人の候補者の名前を書いて投票することになっておりますので、過去の一連の中選挙区制の選挙のすべてについて、もし政党名投票をやったら逆転したかというと、必ずしもそれは直接結びつかない、つまり、個人票の合計の得票率をお比較になっているんではないかと思います。 それから、中選挙区制を現行制度はとっておりますが、中選挙区制は性格上は比例代表制にほぼ近いものでありまして、学問的には準比例代表制などと呼んでおりますが、これは、日本の中選挙区制は、三人区と四人区と五人区という性格の違う三つの制度を機械的にと申しますか、都道府県の状況に応じて結びつけた制度でございまして、そうなりますと、三人区は第一党と第二党に非常に有利な結果が出てまいりますし、四人区、五人区となるに従って第三党以下が当選しやすくなるという制度でございますので、したがって、過去の中選挙区制のもとにおいては、常に第一党と第二党が得票率以上の議席をおとりになるという結果になっております。
○松原委員 今のは答えになっていませんよね。私は、あるべき選挙制度なんですから、これからの制度のことを考えている。得票率と議席の関係について、比例代表ということがきちっと行われるならば、当然、過半数も至らないような得票数であればそれは議席も過半数にならないでしょうということを私はあなたに、先生の方にお聞きをしたかったということであります。 そこで、これはまた自民党席から当たり前だと言ってきている。だから、そうすると、もしそのようにして比例代表が行われていたとしたら、自民党はここ二十数年間過半数の票数をとったことがないんですから、そうするとそのときには政権交代は円滑に行われ得たと思うんですが、この点について総理の御意見、いかがでしょうか。
○海部内閣総理大臣 それは制度、仕組みというものを国会できちっと決めて、国民がそれに従って選挙の投票行動をされた結果生まれたものに従っていくというのも、これはやはり民主主義のもとにおいては一つのルールである、私はそう思っておりますので、きょうまではそういった民主的なルールに従って生まれてきた政権のあり方であった、私はこう理解をいたしております。
○松原委員 私はこれからの制度についての議論を今しているわけです。 審議会答申でも、これからの選挙制度では政権交代の可能性を強めることだ、政権交代が円滑に行われる必要がある、こういう指摘をして答申をしているわけです。 じゃ、総理に聞きますが、総理は、これからの日本で政権交代の可能性を強めるというこの審議会答申、どう評価されますか。
○海部内閣総理大臣 審議会の答申は評価をいたしております。
○松原委員 そうすると、政権交代が一番可能性が強いそういう制度としては、これは比例代表というものが一番それにフィットをしておる、こういうふうに結論づけることができるだろうと思うんです。ところが、その比例代表での一つでありますいわゆるドイツ型の併用制ですね、併用制については審議会答申が、これは併用制はまずいんだというふうな答申を出した。それについて総理は、じゃドイツ型の併用制、どこに不都合があるというふうにお考えになっているのか、お聞きをしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 ドイツ型を批判せよとおっしゃいますが、ドイツ国民が選んだものでありますから、私は批判はいたしません。 ただ、ドイツには五%条項がなぜあるかということも、やはりひとつ質問者の方もそれは視野に入れていただきたい。なぜ五%条項があるのか。また、ドイツ自体のいろいろな仕組みの中で、少数政党に対する意見の反映ということをどこで接点として求めておるのか。まさに五%条項の置かれた理由でもあったんではないだろうか、私はそう思います。
○松原委員 五%条項という問題に今話をすりかえましたけれども、これまでは、ドイツの比例代表制については連立政権の問題に関して今までいろいろと発言をされていますね。私それをまずここでもう一回確認してほしいと思うんです。これはドイツの制度を念頭に置きながらやはりちょっとお答えをしてもらいたいと思いますが、連立政権についてはどうお考えになりますか。
○海部内閣総理大臣 私は、固有具体の国のことを念頭に置きながらそれを批判しようという趣味はございません。審議会の答申の中に書いてありますように、審議会の御意見でも、多様な民意を反映すること、それはわかるけれども、小党分立となり連立政権となる可能性が高いという問題を指摘され、連立政権となる場合には、政権を担当する政党が国民によって直接選択されるのではない、政党間の交渉によって政権が選択されるところにも一つの問題があるということが指摘をされておりますし、同時にまた、議席配分の方式から来る結果として総定数を超えるいわゆる超過議席を生ずるという場合もあるという問題、これらのことが指摘されて、日本としてはそれをとるよりも比例代表並立制にせろということでありますから、私はその答申を評価しておりますから、先ほど言ったように。法案作成のときにも、政府としては自民党とも十分協議をしてこのような法案をつくったわけであります。
○松原委員 その連立政権という問題について大変否定的だ、政権が不安定になる、こういうふうにお考えになっている、でしょう。そうすると、これは明らかに併用制というのは、審議会答申で言う小選挙区比例代表併用制ですか、併用制というのはこれはドイツが一つの大きなモデルになっているわけですね。じゃあそしたら、戦後のドイツの政権のありようは、一回だけ、一九五七年にアデナウアーが首相のとき保守の単独政権ができましたが、あとは全部連立政権なんですよ。じゃあこのドイツの連立政権で政治の運用をしてきたことに対する首相の評価はどうなるんでしょうか。
○海部内閣総理大臣 ドイツ国民の選択であったと思っております。
○松原委員 それじゃ連立政権であったドイツは政局が不安定であったという評価になるんでしょうか。私はドイツという、特に西ドイツから来て今の統一ドイツですね、ドイツという国は、日本と同じように敗戦国となって、そして国が分断をされている。それほど非常に厳しい状態に置かれながらも制度をうまくこうずっと、政治の制度をうまく運用してきた。十分に安定したドイツの政治のありようというのは、我々が参考にすべき例だと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○海部内閣総理大臣 参考にすべき例はたくさんあると思います、いろいろなところに。それから、私はあのドイツの連合政権の姿もずっとよく見させていただいております。そのときどきの選挙の結果によって、例えば社会民主党がシュミット政権であった、それがキリスト教民主党のコール政権にかわった。そのときは政策を立てて戦ったキ民党と社民党は真っ向から対決していろいろな議論がございました。けれども、御承知のように連合政権でありますから、選挙で言ったときの政策と実際行うときはまた政権を組み直さなきゃならぬわけです。そしてその相手方政権の政策も十分踏まえながら政策は進めていかなければならないんです。そういう非常に苦悩しておる姿も私はあったということを記憶の中に持っております。
○松原委員 どうもアメリカの議会制度についての発言以来発言が慎重ですけれども、私はドイツの、この比例代表でやっておるドイツの選挙制度、しかも連立政権で支えてきたこの選挙制度というのは、我々が十分に一つのモデルとして考え得る例だと思うんですね。 ドイツ人自身がこれをどう考えているかということについて紹介しておきますと、ここに駐日ドイツ連邦共和国大使館の公使のR・E・ユングさん、この方が尾崎行雄記念財団で講演をされておるんです。そのときに、小選挙区制は今までの反対党からがらっと政権かわります。ごろっとかわっちゃうんです。二大政党だからなりやすいですよね。そうすると今までの政策が、A党が支配をしていたのに今度B党にかわってしまったら政策はごろっと変わってしまう、そういう物すごいギッコンバッタンが出てくる、こういうふうにこれは指摘をした上で、ドイツの制度は違うと言っているんですよ。 こういうふうに言っています。「比例代表制では連立政権になり易いと言えるでしょう。連立政権は、一般に政治の左右への揺れを、比較的小さくする性質を持っています。何故なら、連立を維持して行く中で、ある程度の妥協をしなければならないからで、このことによって、政府や政府の方針の継続性、連続性が保証されていくと存じます。」つまり、政権交代であんまりギッコンバッタン政策を百八十度かえるようじゃ困るんです。政策の連続性、継続性というものを経ながらそれまでの与党と反対党のこの違い、それを生かしていってほしい。これがドイツの制度のあり方であり、我々日本も大いにこれは学ばなければいかぬと思うのです。 そうすると、連立政権は不安定になるというおっしゃり方も大変それは正確であったとはいえない。ドイツならきれいにやっているという意味では、連立政権のこのよさといった点からしますと、総理が立てておられる併用制に対する批判というのはこれは私当たっていないんじゃないか、こういうふうに考えます。 それからもう一つ。比例制であれば、簡単に言えば、自民党が例えば今度の選挙で五〇%以上の得票を得れば当然議席も過半数きっちり来ますよ。そうするとそれで、単独で一つの政府を形成することも可能になります。非常に簡単なことだ。それは一体だれが決めるのかというと、制度いじりで決めるんじゃなくて国民がそうしましょうと、今これだったらある党一党だけに政治を支配さした方がいいわ、こういうふうに国民が考えれば、それは比例代表であれば国民のまさに過半数が投票しておればすっとそういう形態ができるわけです。それを国民の皆さんにお任せをすることによって本当の民主政治も生きれば、これからの我々のあるべき選挙制度、我々の子供たちに残していくべき選挙制度もその中ですっきり解決するんじゃないか、私はそう思うのです。 その点、小選挙区制であれば、理論的には四十年に一回か知らないけれどもひっくり返ることがあるかもしれないが、実際今までの経験、参議院の例等からしましても小選挙区制がある限りは全く政権交代ができるシステムには実はなってない。 私はこういう点からして、比例代表をしっかりと考えた上で、しかもこれまで定数是正ですね、定数是正については国会決議があるんですから、これはもうすべての政党が現行選挙制度の中で定数是正をすべきである、こういうことで一回意思一致したわけでしょう、意見一致したわけでしょう。しかも議長は小選挙区制は将来入れませんよとやったんだ。しかし、やっぱり世の中は変わっていっていますから、この問題についてもやはりもちろん政治の俎上にのせないかぬと思うんです。それをきちっと整理をした上で、そしてその上であるべき選挙制度を考えていくべきだ。その場合には、私がきょう指摘したような比例代表もあるべきものとして政治を預かる、これからの日本の政治を考えていこうとされる首相としても前向きにこの問題についても頭の中に入れてこれから行動するということをお約束をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○海部内閣総理大臣 端的にお答えしますが、今ドイツの講師の講演を話にドイツのことを申されました。それは当然のことだと思います、その国の国民が選んだ制度ですから。けれども、小選挙区をとっておるイギリスでもアメリカでも政権交代はございました。それは物価上昇率や失業率が二〇%を超えたときには、イギリスでもアメリカでも、キャラハンもカーターも政権交代はあった。それは小選挙区制であったからというよりも、国民のそのときの審判ではなかったでしょうか。それはそれぞれの国の歴史や文化や伝統で選挙制度がいろいろある。で、日本は今度その中で小選挙区とそれから比例代表制を加味した並立制で民意の反映をきちっとしていこうと考えておる、そういうことでございます。
○松原委員 終わります。
○小此木委員長 これにて松原君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 正午休憩 ――――◇――――― 午後一時一分開議
○小此木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。伏木和雄君。
○伏木委員 総理、連日御苦労さまでございます。 総理は、御就任以来政治改革の重要性を強く叫ばれておりました。これは、総理御就任の経緯からいって私も当然のことであろう、こう考える次第でございます。さらに本年一月の所信表明におきましては、「まず何よりも政治倫理を確立することが重要である」、このようにお述べになりました。この点も私も同感でございます。 そこで、私ども公明党といたしましても、この政治改革一刻も早くやらなければならない、こういう観点に立ちまして、まず政治倫理法を、法案を作成いたしまして、そして野党共同で提出をいたしております。また、政治と金にまつわるいわゆる政治資金、この規正法の改正案につきましても、企業献金の禁止と、透明度を高め公開基準を明確にするために、この改正案を中心といたしまして独自案を前々国会に提出いたしております。衆議院におきましては、選挙制度、比例代表制を提案いたしております。この問題につきましては後刻ゆっくりとやらせていただきますが、参議院におきましては、ブロック単記記名投票制をこれまた提案をいたしている次第でございます。 政府から三法案が提出されておりますが、しかし残された会期も余すところ二週間でございます。先日来の当委員会の議論を聞いておりまして、これはとても成立は難しいということを私は痛感している次第でございます。先日、先週ですか、ラジオを聞いておりました。そのときに、たしか審議会のメンバーの先生でございますが、アナウンサーの質問、すなわち、今回のこの政治改革三法案成立の見通しはいかがでしょうかという問いに対しまして、答えは、今度の国会は証券の不祥事が発生し、証券国会と言ってもいいようになってしまった、この疑惑の解明が行われているため政治改革はなかなか審議に入れなかった、残った期間はもうわずかしかない、したがって非常に難しいだろう、また、このわずかな期間でこれだけの大きな問題を片づけてしまうような国会でもまたこれ困ったものだという意味の御発言がございました。 総理、意欲を燃やして総理・総裁として今日までやってこられたと思います。その政治生命をかけてというこの三法案につきまして、現段階におきまして率直な御意見を承りたいと思う次第です。
○海部内閣総理大臣 御指摘のように、政治改革をしなければならないというのは、平成元年に、当時の自由民主党の首脳、政府の首脳が一連の政治不祥事を厳しく受けとめて、その厳しい反省に立って、特に与党である自由民主党が中心になって政治改革大綱をつくり、そこに政治改革の大きな柱をお示ししたことは御指摘のとおりであり、私もそういった状況の中で総裁に選任されました以上、私自身もそれまでは改革本部の役員として飛び回っておったわけでありますから、何としてもこれは解決に向けて全力を挙げなければならない最重要課題だと受けとめて取り組んでまいりました。 以来二年有余、自由民主党はもちろんのこと基本要綱をつくったり法案骨子をつくったりする作業に全力を挙げてまいりましたし、また政府としては各界の代表の方々に選挙制度の審議会をつくっていただき、二年にわたっていろいろな角度から御議論をいただいてまとまり上がった三法案でございます。私は、この政治改革を何が何でも行うことによって国民の皆さんの政治に対する信頼を確固たるものにすることと、少なくともお金にまつわる不祥事件が政治に対する信頼を揺るがせることがないようにしていきたいという強い願いと目的を持って取り組んでまいってきております。 連日御審議もいただき、特に国会始まって初めて三日間本会議の御質疑もいただき、こうして委員会の質疑も精力的にいただいておるわけでございます。私は、皆さん方の御理解とそして御協力をいただいてこの法案が成立していくことに最善を尽くしていきたい、こう考えております。
○伏木委員 今日このように政治改革の必要性が叫ばれているゆえんは、これはもう御承知のとおりでございます。リクルート事件に端を発しまして国民の声が一層高くなったわけでございますが、私は必ずしもリクルートだけの問題ではないと思います。昭和二十二年腐敗事件が起きてから今日まで、数え切れない数々の腐敗事件が続発いたしております。その都度政治はあるいは国会は一体何をやってきただろうか、これらの問題を完全に解明し、そしてその対応策というものをつくってきただろうか、このことが一番問題ではなかったか。そのたび重なる不祥事の積み重ねがリクルート事件で爆発をしたと言っても誤りではなかろうかと思います。 例えばロッキード事件がございました。そして、午前中もお話がございましたけれども、それを契機といたしまして衆参に政治倫理審査会をつくりました。これは衆参両方につくりました。しかし、その後も不祥事が起きております。しかし、この審査会が一回も開かれない。一回もこの審査会において議論がされない。ここらに問題があるんではないか、この姿勢自体を問われているんではなかろうかと思います。こういう政治倫理の問題を飛び越してしまって、いきなり選挙制度なんですよ、これが悪いからなんですよということは私は当たらないんではないか。まずやるべきことをきちんとやる、信頼を回復した上で与野党が選挙制度という重大な問題はじっくりと話し合っていく、これが本当の姿ではなかろうかと思います。総理の御所見を承りたい。
○海部内閣総理大臣 伏木委員のお述べになる方向について、私はそれは全く正しい方向だと思います。というのは、何も倫理のことを手をつけないで選挙制度だけ変えればいいということは、それは問題の根本的解決にならないだろうという、その御指摘はそのとおりだと思います。 しかし、自由民主党もそのことに十分気がついておりますからこそ、議員の政治倫理確立のための資産公開法の問題もいち早く自民党の案を国会に提出いたしておりますし、また政治家が守るべき行為規範とか倫理綱領を昭和六十年に議決をしておることも、これは先ほど来御指摘のあるとおりであります。自由民主党としてはこの問題について、この内容に改めるべきところがあるならば改める、あるいは運営を強化するところがあれば強化するというので党の案を国会にお出しをいたしました。 議会制度協議会でいろいろ御議論をいただいたこともよく承知しております。事は各政党や各議員の個々の問題に触れる規律をつくるわけでありますから、これは政府がどうのこうの言うよりも、事の性質上各党各会派によっていろいろ御議論をいただくのが政治家の倫理の問題についてはふさわしいことではなかろうかという考えも持ちますので、各党の御議論を十分注目させていただくとともに、党としては議長のところに、ことしの六月にその倫理の問題についてのお話し合いの前進も議長あてに党からお願いをしてきたところでございます。
○伏木委員 倫理の問題になりますと各党間でお話をということでございます。かって選挙制度の問題で国会で随分政府にも質問してまいりました。政治資金の問題にいたしましてもあるいは選挙制度にいたしましてもあるいは選挙運動の問題にいたしましても、この選挙にまつわる質疑を随分やってまいりました。その都度政府がお答えになることは、これは国会に関係すること、議員一人一人に関係すること、したがってどうか政党間でお話しください、これ一本で今日まで答弁を続けてまいりました。 この段階に来まして、その一番大事な倫理法、これだけは残してしまって三法案をいきなり提出してくる。各党の党首にもお話ししましたと言っても、そこで賛成を得られたわけじゃございません。むしろ反対をされた三法案ではなかったかと思いますが、これだけをなぜ優先させなければならないのか、その点が私どもは納得いかないのであります。政府は政治倫理法を直ちにこの国会に提出すべきであると思いますが、お答えをいただきたいと思います。
○海部内閣総理大臣 これは政府の自覚といたしましては、政府は議院内閣制のもとで議会から信任されて政府を構成しております。国会は、憲法でも「国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。」と明記されております。構成される各政党すべてに影響のある問題でありますから、唯一の立法機関である国会が各党各会派のお話し合いによって国会議員みずからの規律を決めていく問題でありますから、これはそこの御議論をいただきたいと申し上げるのが、私は行政府としては、それは三権分立の立場の中でもおのずから、みずからの立場を考えた態度だろうと思いますし、自由民主党としては、政治倫理確立のための資産公開法や、あるいは現在国会で議決してあります倫理綱領、それに基づく審査会、それの運用強化の問題について党の案を出して御議論をお願いしておるのでありますから、議会制度協議会での各党各会派の御議論に私は強く期待をさせていただきたいと思っております。
○伏木委員 私がなぜこの倫理法を出さないのかといえば、その論理からいえば選挙制度も同じなんです。選挙制度も国会の問題でございます。あるいは選挙運動の問題にいたしましても、これは議員の間でよりよい選挙運動をつくろうという考え方を示し合いながら法律を改正していく、これが当然でございます。私が言っているのは、この選挙制度あるいは政治資金あるいは助成法、こういうものは出しましたけれども、倫理だけは別ですよという政府の考え、ここらが今日まで政治腐敗に対する国民の皆さんの信頼を得られなかった、政治腐敗が国民から糾弾されるという状況になったのではなかろうかと思います。 それはさておきまして、リクルート事件が起きましたのは昭和六十三年の六月であったと思います。その後、国会に特別委員会ができまして、十二月に大蔵大臣、法務大臣、そして。経企庁長官と、閣僚が三人辞職をしなければならなくなりました。そこで一月に、当時の竹下総理が有識者を集めまして政治改革に対する懇談会を発足いたしました。この懇談会の提言が出てきたのは、たしか四月であったと思います。 その提言を読ませてもらいますと、まず援言の冒頭に、昭和六十年に衆参で決めたところの政治倫理綱領、あれさえ守っておれはこんな事件は起きなかった、この提言の初めにこの言葉が出てきております。したがって、この提言の中は、緊急に措置すべき事項として、資産公開あるいは政治資金規正法の改正、透明度を高める企業献金の見直しという、ような問題とあわせて、政治倫理を、この綱領を法制化すべきである、一刻も早く法律にすべきである、こういう提言が緊急事項として述べられております。今回審議会の中にいらっしゃる学者の先生方も、この有識者懇談会のメンバーでいらっしゃった方は何人がおります。この有識者懇談会は、まずこれを法制化しなさい、倫理綱領を法制化しなさいと、緊急事項として提言をしているわけでございます。 そうした提言が四月に出ているにもかかわらず、五月になりましてから自民党の政治改革大綱が発表されたわけでございます。その大綱は、まず選挙制度をいじらなければならない、それに関連して政治資金とかあるいは政党助成とかという問題を、この選挙制度を中心に、これを変えることによってほかも連動して変えなければならないという提言、これが自民党の政治改革大綱ではなかったかと思います。その段階において政治改革イコール選挙制度の改正、こういう方向へ流れてしまい、宇野総理が六月に選挙制度審議会を発足させました。 その審議会は自民党の言う政治改革大綱をもとにしたところの審議会、このようにせっかく有識者が緊急事項として提言しておる問題を乗り越してしまって、まず選挙制度、それに関連して政治資金という方向へと移してしまった。よく選挙制度にすりかえたという話が出ますけれども、私は経緯からいってそこらのところが今回このような政治改革大綱、与野党がかみ合わない、与野党が余りにも意見の差がある、言ってみれば自民党本位の答申になってしまった、このように考える次第でございます。 御答弁をいただきたい。
○海部内閣総理大臣 当時の状況について委員の御指摘は、大体そういうことでございました。そして私も、政治改革に関する有識者会議が四月の二十七日に提言をまとめられたのもよく読ましていただきました。その中には、閣僚等の資産公開、株式取引の自粛等とあわせて政治倫理綱領の実効性を確保すべしということ、同時に、政治倫理綱領さえ守られていれはこのような問題は起こらなかったということが前書きのところに書いてあることもそのとおりでございます。 したがいまして、自由民主党は、その五月に既に行為規範と政治倫理審査会の改正、強化のために院に意見を出しまして、そのような措置をとってほしいという考え方を議会制度協議会に提案をしたわけであります。同時に、このときの援言の中にもありますように、政治倫理確保のために国会議員等の資産公開に関する法律案もつくらなければならぬということでお願いをして、議会制度協議会の検討対象にしていただいたものでございます。
○伏木委員 その経緯から考えて、私は一刻も早く政治倫理法の制定を急ぐべきである、自民党の総裁といたしましてもぜひやらねばならない問題である、このように申し上げておきたいと思います。 そこで、審議会でございますが、先ほどもちょっと触れましたけれども、この選挙制度につきましては、各党間で話をしようというにもかかわらず、自民党の政治改革大綱をもとにして第八次選挙制度審議会を六月に発足させたわけでありますが、その審議会も、第一次から第七次までは国会議員が参画しておりました。そして、この大事な選挙制度については忌憚のない意見を述べておりました。しかし、各党間で話し合わなければならないと言っておるこの制度、国民に対しまして直接影響を与えていきまするこの選挙制度について今回の審議会、なぜ国会議員の特別委員を排除してしまったのか。どういうわけで話し合いの場をつくらなかったのか。初めからもう国会の意思は聞かない、野党の意見は聞かない、そして自民党の大綱をもとにして審議会を進める、これでは国会に出てきてもめるに決まっているじゃありませんか。なぜそのような考えればわかり切ったことをおやりになったのか。なぜ審議会から国会議員を外してしまったのか、お答えいただきたいと思います。
○海部内閣総理大臣 選挙制度審議会のことに関しましては、第八次審議会を開くときにこれは学識経験者の皆さんにお集まりをいただき、純度の高い第三者機関として一つの答申をいただけるように、自由な御議論を活発にしていただこうという趣旨で特別委員を選ばなかったものと私は前任者から聞いております。そのような運営をしてきたのでありますが、審議会自体も野党の御意見は聞かなければならぬというので、野党代表の皆さんの意見の聴取を審議会として行ったということも事実として報告を受けております。
○伏木委員 審議会の最初の総会で、なぜ今回は国会議員を入れなかったのかという、委員の中から御質問が出たそうでございます。そのときに、自治大臣は、総理が外しました、今回は総理が外しましたという答弁をされた、このように新聞には書かれておりました。自治大臣、これも前任者とおっしゃるかもしれないけれども、そのような総理大臣が今回は議員を外すんだ、これだけで簡単に外せるほど簡単なものなんでしょうか、これは。お答えいただきたい。
○吹田国務大臣 ちょっとこの点、私も不用意で、勉強不足で、そのあたりよく承知しておりませんが、自治省の方から答弁をさせます。
○吉田(弘)政府委員 審議会の関係でございます。私ども自治省が事務当局をしておるわけでございますが、審議会で今回は特別委員として国会議員の先生方に入っていただかなかったということについては、先ほど総理からお答えがあったとおり、審議会の第三者機関としての特性を発揮させるというようなことで外されたというふうに理解しております。
○伏木委員 今のお答えでは全然お答えになっていないと思います。純度が高いとか低いとか、国会議員が入ると純度が低くなるのでしょうか。審議会設置法には特別委員はどのように規定されておりますか、総理、審議会設置法には。宇野総理が今回は外せということで外した、こういう答弁があるんですよ。なぜ外したのか。審議会設置法を御存じですか、法律を。お答えいただきたい。
○吉田(弘)政府委員 審議会の設置法でございます。四条で組織がございまして「審議会は、委員三十人以内で組織する。」二項で「特別の事項を調査審議するため必要があるときは、特別委員を置くことができる。」ということでございます。第五条で「委員は学識経験のある者のうちから、特別委員は国会議員及び学識経験のある者のうちから内閣総理大臣が任命する。」二項でございますが、「国会議員のうちから任命された特別委員は、国会議員の選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数を定める具体案の作成については、その調査審議に加わることができない。」こういう規定がございます。
○伏木委員 四条の二項が問題なんですよ、四条の二項が。特別の問題を審議するとき、我が国の選挙制度を審議する、特別の問題ではないんでしょうか、これは。簡単にビラを何枚にするとか、あるいは選挙運動の時間を何時間にするとか何時までにするとかいう簡単な問題じゃございません。国政の基本にかかわる、民主主義の根本にかかわるこの選挙制度が特別の問題じゃないんでしょうか。特別の問題のときには国会議員の特別委員を任命するようになっているではありませんか。そして、国会議員が入ってはいけませんよというのがこの審議会設置法の五条の二項なんです。選挙区の問題、そこの定数の問題。よくごたごたします、そこは三人では多い、二人にしろ、いや、削られちゃ困ると。この選挙区の問題、それから、そこの選挙区の定数の問題、このときには国会議員は入っちゃいけませんよ、これが審議会設置法じゃありませんか。総理、お答えください。
○海部内閣総理大臣 私は、受け継ぎましたときに、前任者から、これは第三者機関というのは第三者機関としてきちっと自由濶達な議論をしてもらったがいいというのでこういう委員構成になっておるということを受け継ぎとして聞きまして、そのとおり受けとめております。
○伏木委員 私は法律に基づいて聞いているのですよ。前任者がこう言ったとかこうだとか。この法律、審議会設置法に基づいて総理に伺っているのです。特別な問題のときは特別委員をつくりなさい、このことです。
○吉田(弘)政府委員 先ほども申しましたが、審議会設置法四条に組織の関係がございまして、その二項で、「特別の事項を調査審議するため必要があるときは、特別委員を置くことができる。」という規定で、必ず置かなければならないという規定にはなっていないわけでございます。
○伏木委員 それは違いますよ。「置くことができる。」と言われているから置かなかったんだ、「できる。」ということだから――やらなきゃならぬということなんです、これは。特別の問題じゃありませんか。いいですか、特別の問題をやるときには必要だから「置くことができる。」というように定めてあるんじゃありませんか。お答えください。
○吉田(弘)政府委員 これは、先ほどもお答えいたしましたが、今回の審議会、その第三者機関としての機能を強く発揮していただくということで、広く各界の代表者及び学識経験者で委員を組織したということでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○伏木委員 総理、こういうやり方が適当だとお思いですか。わざわざ、特別の問題を議論するときには国会議員の特別委員をメンバーに加える、こういう規定がございます。ただし、選挙区の定数などの問題には、それぞれ議員個人の利害が絡むから、これは入ってはいけませんよ、こういう審議会の規定がございます。ここまで審議会設置法にうたわれているのに、そこから特別委員を排除するというやり方が果たして正しいと総理はお考えでしょうか。
○海部内閣総理大臣 学識経験者の皆さんに自由に第三者機関として御議論をいただくために、各界のいろいろな方々をお選びしたということでありますから、特別委員が任命されておらなかったからといって、逆に正しくないとはどうしても思えませんし、私は、それはそれなりに尊重をして引き継ぎをさせていただいた次第でございます。
○伏木委員 そういうことをやるから自民党一党に有利な結果が出てくるわけです。これは、私は他人から聞いたことで正否のほどはわかりませんけれども、ある委員さんが、自民党が反対するものをつくったって通らないよな、だから、やはり自民党がある程度納得するものをつくらなければならない、このようなことを言ったという話がございます。これは人の話ですからその程度にいたしますけれども、こういう結果が、小選挙区制という野党がすべて反対する、党内でも反対があるじゃありませんか、そういうものをつくり出してしまった。 私は、一連の政治改革、選挙制度を改正しなければ政治改革にはならない、この発想は誤りである、このように思います。なぜかならば、小選挙区制にしたからといって金権政治というものが直ちになくなるものではない、そういう簡単なものではない。この金権腐敗というのは、より高度な倫理性を法制化することによって、まずそこから始めなければならない、このように考える次第でございます。なぜ小選挙区にすることによって金権腐敗政治が改革できるのか、お伺いしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 小選挙区にすることだけによってすべて解決するとは考えておりませんし、そのようにも申しませんが、少なくとも現在の制度、仕組みの中で必要以上にお金がかかるようになってきたということ、過当競争が行われるようになってきたという現実を厳しく反省をしてこのような案を考えたわけでありますし、倫理の問題は、まるっきりこれは別に先行をしておりまして、政治倫理確立のための資産公開の法、これは政治資金なのか個人の資金なのか、どう入ってきたのか、どう出ていくのか、やはり資産の公開もそれは必要であるということを、平成元年の五月に自由民主党はそのことも決めて別個既にお願いをしておるわけであります。同時に行為規範、政治倫理審査会の改正強化の問題についても、これは国会の議決を経て出ておるものでありますから、国会法改正その他のいろいろな問題について議会制度協議会で各党間の協議に呈しておるわけでありますから、そこで、国会が国権の最高機偶でありますから、そこでお話し合いをいただくことが最もふさわしい問題であると政府としては受けとめておるところであります。
○伏木委員 総理、先週来のここの議論で、小選挙区制にしたからといって金がかからない、そういうことはあり得ない、与党の中からもこういう声が出ております。あるいはマスコミ等にもよく書かれております。 その例として、イギリスの例が挙げられております。午前中の審議にもございましたけれども、イギリスが腐敗防止法を一八八三年制定したことによって初めて選挙制度が変わってきた、このように言われております。一貫してイギリスも小選挙区制でやってまいりました。しかし、腐敗を食いとめるのに百年かかっております。一八三〇年代には一人十ポンドから百ポンドに至る買収費用が、まるで株価のようにつり上げられながら使われたと言われております。あるいは、ある議員は選挙民が酒を飲みに来たためについに破産をしてしまったなんという笑い話のような話もございます。その後脅迫がひどいというので秘密投票にしたところ、今度は両陣営から金を受け取るようになってしまった。このようなことも経験しながら、ついに一八八三年に腐敗防止法を制定したわけでございます。それによってようやくイギリスの議会制度が完全なものになってきた、このように言われております。思い切った腐敗防止の対策がなければ、選挙制度によって金権政治というものが変わるものではない、これは歴史が証明しているのではないでしょうか。 あるいは、首長選挙というのは、これは一人区であります。金がかからないでしょうか。町長選挙、村長選挙、一人区でございます。言ってみれば小選挙区制。金がかからないか、決してそんなことはございません。ひどいところへ行けば国会の選挙の何倍も金をかけて選挙が行われている、こんなような、事実我が国におきましてもあるいは外国におきましてもこのような選挙が行われている。それを、この選挙制度を改正し、それを改正しなければだめだ、これに基づいて選挙制度を変えるから政治資金も変えましょう、このやり方は誤りではないか、私はこのように申している次第でございますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 倫理規制を厳しくして腐敗行為が行われないように、英国の腐敗防止法のような考え方でお金の出を締めなければならぬという角度の御議論は、私もそれはそれなりに同感する点もございます。 したがいまして、今回も連座制の強化であるとかあるいは立候補制限の規定であるとか、あるいはそういった行為が行われたときにはこれは短時日にきちっと結論が出るような公判日の一括指定の制度とか、かなり踏み込んだ厳しい法的な規制が法律の中に組み込まれておることも御承知と思います。 けれども、問題は、根本的に私はやはり政党本位の選挙にしないと必要以上のお金がかかるということを言い続けてきましたけれども、お金はかかっても必要以上なもの、政策論争以外のところにお金がかかるというこの現実を見ますと、これだけは正していくことがいいことであるということで、そういったことも考えますと、政策本位の選挙戦に変わっていくこと、選挙運動というものは政党本位で行われるようにすること、今の場合はややもすると個人本位で、個人の責任において政策の宣伝から必要な資金の収集から全部しなければならぬということになってきますと、今度は政策が同じ人同士で争うときには、じゃ、同じ政策以外のところでどんな個人的なつながりを持っていくのかということになれば、ややもすると現実の運動からは大切な場面で政策が影を潜めることになっておる。必要以上にお金がかかるような個人的なつながりを求めようとする場面がなきにしもあらずということを私は申し上げておるわけでありまして、そういった制度、仕組みの面もあわせ改革していくことによって政治改革はその実を達することができる、このように考えております。
○伏木委員 審議会の答申にも政権交代の可能性とかあるいは安定政権とか、または直接に政権が選択されるとか、このようにいろいろ言われております。 先日のある新聞に、今回の政治改革の議論、百年前の議論と同じことをやっている、このように書かれておりました。明治から大正にかけて選挙制度がいろいろ議論されました。この中選挙区制になるときもこんなような議論がされたわけです。もう百年もこんな議論をやっておる。その古い形の感覚、現在の我が国の状況というものは果たして小選挙区あるいは二大政党に対応できる政治構造になっているのだろうか。なぜ現時点で選挙制度を考えられないのか。古い感覚でおやりになっている。 カナダの政治学者のパーチさんという人が言われておりますけれども、公正な代償、政権の安定、有権者に対する政府の責任、これは多数代表制がよいのかあるいは比例代表制がよいのか、こういう議論に対しまして、現在は諸国の経験からそれは証明できない。比例代表制でうまくいっている国もございます。むしろその方が民意が反映する、こういうことで小選挙区制の国々がいろいろ国内で議論が起きているのが現状ではないでしょうか。 今日、この多党化時代になぜそんな古い議論で対応しようとされるのか。今我が国では六党が存在しております。それぞれ政治活動をやっております。この現状を踏まえて選挙制度をいかにあるべきかと考えるのが私は当然の発想ではなかろうか、このように思いますが、御答弁いただきたい。
○海部内閣総理大臣 現状を踏まえ、現状の反省の中から国民の皆さんの批判も受け、その批判に謙虚にこたえながら政治改革をいかにして果たすかということをいろいろ考えますと、やはり政治倫理の問題が基本的に大切なことは当然でありますけれども、そのほか政治資金の問題や、あるいは選挙制度の問題や、あるいは政党自身の体質の問題や国会自身の運営の問題やいろいろなテーマがあったということを二年かかっていろいろ議論をいたしまして、その結論を政府はいただき、また党の意見等も聞きながら、現状の中でどのようにして一歩前進二歩改革しながら選挙制度というものを改革していくかという努力の結果の三法案でございますので、どうかそれは御理解をいただきたいと思います。
○伏木委員 このパーチさんはこういうことも言っているのですよ。二大政党下で選挙が次の政府を選ぶ役割を演じているこのイギリス型制度は確かに特徴がある、ただそれも公正な代償という最も重要な要件を犠牲にした上で成り立っている、このように言われております。莫大な国民の意思、これを犠牲にした上でそしてイギリスの制度は成り立っている。ですから、イギリスの国内でも最近はいろいろと議論が起きているわけでございます。 このように、現状を踏まえた制度であるならば、これも比例代表制につきましては後ほど我が党の委員からも質疑をいたしますけれども、現状において六党あるこの政治状況というものを踏まえれば、私は、当然比例代表制でいくべきだ、国民の民意というものを無視してはならない、これが選挙制度のまず大前提ではないでしょうか。 選挙制度というのはいろいろあります。いろいろな形で仕組まれます。しかし一番、どんな目的を持とうとも一番失ってはならないのは民意の公平な反映、これが選挙制度には次かしてはならない重大な問題ではなかろうかと思いますが、この民意の反映、これをまず第一義にすべきだという点につきまして総理のお考えを伺いたいと思います。
○海部内閣総理大臣 選挙で民意が反映されてそれぞれの国の選挙制度の仕組みによって政治が行われるわけでありますから、どこの国においても民主主義のもとにおける民意の反映で政治が行われるようになっておるのだと私はそう受けとめますし、今具体に例をお引きになりましたイギリスの選挙制度も、私どもは議会制度の国としてイギリスのこともいろいろ研究さしていただきましたが、選挙の結果、民意が動けば政権もかわるという事実もあったわけでございます。
○伏木委員 私が伺ったのは、民意の公平な反映、これが一番大事ではありませんかと。どんな制度でもこの大前提を見失ってはならないんではないでしょうか、これをまず第一義にしなければならない、民意の反映を。民意を無視してはならない。作為的にあるいは言ってみれば、捏造されたと言っては言い過ぎかもしれませんけれども、四〇%の得票で八〇%の議席を得る、その制度によって内閣をつくろう、これはつくられた内閣と言わざるを得ないと思うのです。お答えいただきたい。
○海部内閣総理大臣 それぞれの制度、仕組みによって選び出されていくんでありますから、私は捏造というお言葉はそのまま受けとめるわけにいきませんし、それぞれの国が制度、仕組みをつくって、その制度、仕組みの中でいろいろな御意見があることは知っておりますが、それを乗り越えて政権をつくっておるということでありまして、私はそういった意味でそれぞれの反映がなされておる、こう思います。
○伏木委員 私が言っているのは、それは各国いろいろな制度で選挙をやっております。私が言っているのは、その制度は民意が公平に反映できる制度、これを第一義に考えなきゃならないのじゃないですか、これを伺っているわけですよ。
○海部内閣総理大臣 民意は反映されて、そして選挙が行われて、その結果、この制度、仕組みの中でいろいろな形の結果が生まれてきておるのだ、私はそう受けとめるわけでありますから、制度、仕組みの議論の中においては民意の反映ということを大切にしなければならない。同時に、政権の責任の明確化や政権の安定ということも考えなければならぬといういろいろな要請がありますから、結果としての制度が生まれてきておるのだと私は考えております。
○伏木委員 そこがおかしいんですよ。民意の公平な反映が議会に反映されて、我が国は議院内閣制、この議会によって総理・総裁が、いや、総裁は違いますけれども、総理が選ばれていく、要するに国会において指名していく。その国会に、反映されるべき国会の構造に民意が反映されていない、公平な姿が出ていなければ、出てきたところの結果は自然とゆがんだものになってくる、こう言わざるを得ないと思います。四割の得票で八〇%の議席を得た、この小選挙区制度によって公平な民意の反映なくして生まれてきた内閣ということになるじゃありませんか。言ってみれば、四〇%の支持しか得ていないところの内閣ということになりませんか。お答えいただきたい。
○海部内閣総理大臣 民主主義というのは、すべての人が一〇〇%満足することができないときにどこで妥協するかという一つの制度、仕組み、ルールが大前提としてある政治の制度でありまして、完全無欠ではありませんので、選挙をやれば死票が出るということもそういう制度、仕組みの中ではおるんだということを何度も申し上げてまいりましたし、同時にまた、多数の人が賛成することは、いろいろ御意見や反論はあっても結論には従っていくというのが民主主義のルールであるということは、私はよく例に引かしていただくことでございます。 そういう意味からいって、決まっておる制度、仕組みからいけば民意の反映、これは非常に大切なことでありますけれども、同時に、その民意を集約し、政治における意思決定と責任の明確化、政権の安定ということ、そういったことも政治の世界には極めて大きな要素として要請されるということで、小選挙区だけでは民意の反映ということが、その地域地域における一番多数をとったのはだれかということだけで全部決まるのではいわゆる死票が多くなるという御批判等もありますので、そこに比例代表制を並立させることによってそちらの面からの少数意見も国政に反映できるようにして民意を反映していこう、こういう御議論がなされて、また私どももそれがしかるべきものと考えて、今回小選挙区比例代表並立制をお願いしておるところでございます。
○伏木委員 総理、どんな選挙制度も完全無欠はないということでございます。そんなことは私どもわかっております。しかし、より完全なものにしていかなければならない、これは当然じゃありませんか。しかも、民主主義のルールと言われましたけれども、国会において法案、多数決で決めてまいります。多数決が民主主義のルールです。その多数決のもとになる議員数が曲がった結果によって出てきてしまったという制度は、民主主義が成り立たないじゃありませんか。法律は全部多数決なんですよ。多数決の原理が民主主義なんです。とするならば、この議決に参画する議員というのは公平でなければならないじゃありませんか。どうですか。
○海部内閣総理大臣 多数決の原理に従って選挙区からも多数をとった人が議員として当選して選ばれてくるわけで、その選ぶ基準をどうするかというところで、小選挙区だけではこうだから比例代表制も加味して両方のことをあわせて民意を反映しようということでございます。
○伏木委員 総理、だから私、多数決と言ったわけですよ。三百の小選挙区で圧倒的に多数をとってしまって、三百の小選挙区、百七十一を配分して、そこへ出てくる、意見は出るかもしれません、発言は出るかもしれません、しかし、その採決の際、参画する議員の数というものが初めから圧倒的多数、四〇%で圧倒的多数の政党が保持してしまうじゃありませんか。 確かに、選挙のやり方、いろいろなのあります。しかし私は、韓国の選挙制度、やはり並立制でございます。御存じですね。あの制度、私は必ずしも民主主義のルールにはのっとっていない、このように考えております。なぜかならば、小選挙区制がある。二百二十四でしたか、二百二十四の小選挙区がある。比例代表が七十五ある。第一党が議席を過半数とれなかったということになると、この比例部分の五〇%、三十八議席は黙って第一党にくっつけてしまう。果たしてこういう制度が、それはやり方、いろいろあります、その国その国によって違います。しかし、こうした制度、要するに第一党が小選挙区において過半数になっておらなかったらば、比例部分の半分は第一党にくっつけてしまう。――私はそれをやれと言っているんじゃないんだ。そのようにいろいろ目的を持っておやりになっているけれども、このように民意が反映しない制度、これはよろしくないでしょう、最も正しいのは民意が公平に反映される制度だということを私は申し上げている次第です。 現実に、昭和四十二年以降自由民主党が五〇%を超したことは一回もございません。絶えず得票率は四〇%台でございます。しかし、この制度を用いれば議席を八〇%とってしまう、このように各社のシミュレーションでも書かれております。この制度が間違いだ、なぜ民意を公平に反映させないのか、このように言っている次第でございます。 時間もありませんから次に移さしていただきますけれども、総理は審議会の答申を尊重するということを絶えず言われております。しかし、審議会の答申は、小選挙区三百一、比例代表二百、このようにありました。なぜ百七十一に削ってしまったのか。四百七十一の公選法本則にもとるということであろうかと思いますが、審議会が三対二において答申してきたものを、六・四村三・六というように政府案はねじ曲げられてしまっているではありませんか。審議会の答申尊重というのは、結局は自民党に有利な部分だけということになるんじゃないでしょうか。お答えいただきます。
○海部内閣総理大臣 審議会の答申の趣旨を最大限に尊重して対応をしたところであります。 なお、審議会の答申と同時に、最初委員もお触れになった平成元年五月の自由民主党の反省に立った政治改革大綱の中では、これは議員定数をきちっとしよう、本則に戻そうということで、四百七十一にするということは与党の方の大綱にも決まっておりました。政府としては、この答申の趣旨を十分尊重しながら、地方議会でもいろいろ削減の努力もされておるさなかであり、また国民世論の中にも定数削減を望む声があること等をも勘案して、本当に改革をするなれば本則にこの際戻そうというので定数を四百七十一に、みずから身を切る改革でありますから、厳しいことでありましたが、厳しく受けとめて決断をした次第でございます。
○伏木委員 都合のいいところだけ審議会の答申どおりいたします、自民党と違うところは変えてしまいます、そういう結果じゃありませんか。 また、審議会は、二倍を基本とする、配分についてはあくまでも二倍以内ですよというのを、これもまた自民党の都合で二・一五倍にしてしまったじゃありませんか。 このように審議会の都合のいいところだけは答申尊重、都合の悪いところは変えてまいりますよ、これが今回の政府案ではないか、このように考える次第でございます。いかがですか。
○海部内閣総理大臣 そうではなくて、例えば定数なんかでもうんとふやしたというならば、自民党は都合のいいところはかり、自民党のようにと言われても私も謙虚に聞きますが、厳しく減らそうとしたんですから、本則に従って厳しく減らそうという努力は、これは答申の方針と方向性において、より一歩厳しさを増したというふうに好意的にお受け取りいただけぬでしょうか。 また同時に、自民党自体の都合によって答申が一対二以内できたのを二・一四六に伸ばしたというなら、またおしかりを受けてもいけませんが、これには自民党としては一切黙っていただいて尊重する、基本原則二以内ということでおやりいただいた作業の結果をそのまま受けとめて、自民党に都合のいいように変えたということはないわけでありますから、これもそのようにお認めをいただきたいと思います。
○伏木委員 先ほどから言っているように、比例代表は公平に反映されるわけですよ。小選挙区制の部分が自民党には有利なんですよ。その有利な三百はそのままにしておいて、各党公平になる比例部分だけを削ってしまったじゃ。ありませんか。このことを言っているわけです。お答えください。
○吉田(弘)政府委員 小選挙区比例代表並立制の小選区定数と比例代表の定数の関係についてのお尋ねでございますが、まず総定数でございますが、答申では五百人程度とされたのに対しまして、今回の法案では四百七十一人となっております。この点につきましては、現行の総定数は御案内のように五百十二人でございますが、これは極端な選挙区別定数の不均衡を是正すること等を目的とした暫定措置によって増加をしてきた定数でございます。そこで、選挙区制の根本的な改革を行いますので、今回これに合わせまして公職選挙法本則定数四百七十一に戻すこととしているものでございます。 次に、小選挙区定数と比例代表定数についての関係でございます。答申におきましては、その割合は小選挙区を六割、約三百人でございます。比例代表四割、二百人ということでございます。これとされましたのに対しまして、法案の方では六・四割、これは三百人対百七十一人にしておりますから、六四%対三六%というふうになっております。これは小選挙区制を基本とすること、そしてまた選挙区間の人口の均衡がより図りやすいように小選挙区定数を多くすることという答申の考え方を踏まえまして、総定数の削減分、すなわち五百人から四百七十一人を差し引きましたその二十九人分でございますが、これをすべて比例代表定数の方で削減したということでございます。そういうことでございます。
○伏木委員 審議会の方々も大分怒っておったそうでございますけれども、これはマスコミにも書かれておりぎすように、区割りの答申を出した際に、審議会が答申一年も前に出してあるのにほったらかしておいて、それで日にちがないから三週間で上げてくれ、そんなことができますかという御意見もあったそうでございますし、あるいは審議会が出した案がベストなのだから、それと変わったものを持ち込まれても審議のしょうがないじゃないか、こういう発言もあったそうでございます。事実、三百からの区割りをやるのに委員会は一日で終わったそうであります、第一委員会は。三百の選挙区をどうやったら一日で終わらせることができるのか、自治大臣、お答えください。
○吹田国務大臣 これは正確を期すために、事務当局から説明させます。
○吉田(弘)政府委員 私ども事務当局をしておりますので、便宜お答えさせていただきますが、選挙制度審議会は昨年の四月に、衆議院議員の選挙制度について「小選挙区比例代表並立制をとることが適当である」という答申をされまして、その際に「区割りの具体案については、早急に検討を進め、成案を得るものとする。」という答申があったわけでございます。その昨年の四月の答申後、審議会から事務局に区割り案を作成するための準備作業としていろいろ指示がございまして、事務当局では、各都道府県の選挙管理委員会等の協力も得まして、都道府県の現地調査等も行いまして、いろいろの資料の収集、整理、分析を行ってきたわけでございます。本年の六月六日に、審議会の総会で、審議会として区割り案の作成、答申を行うことを決定をいたしました。そして、審議会の第一委員会及びそのもとに設けましたワーキンググループで具体の区割り案の作業を行ったわけでございまして、そういうことでそれは六月二十五日に答申がなされたものでございます。 六月六日から二十五日までの間、区割り案の作成に関しまして、総会は二回、第一委員会は三回、ワーキンググループの会合は七回やっております。そういう中で慎重にその審議をされまして、区割り案が出されたものと考えております。
○伏木委員 今のお話ですと、いかにも簡単に片づけられてしまったようでございます。 この選挙制度を根本的に変えよう、長い間、六十数年にわたって行ってきたこの制度を変えよう、そして新たな区画をつくろう。この区割りが、まあワーキンググループの先生方、大変御苦労されたという御答弁が今ありました。たった五人でございます。五人の先生方がおやりいただいた、御苦労なことだと思います。しかし、これとてもわずか二、三週間で、五人でおやりになった。それで、その五人でおやりになった区割りが委員会に出てきた、第一委員会に。第一委員会はわずか一日です。この三百の選挙区が本当に一日で審議ができたのでございましょうか。 私は、総定数が変わり、小選挙区三百あるいは比例が百七十一、二倍が二・一五倍に変わってしまった、あるいはこの審議のあり方、こういうものを見たときに、政府が尊重されているという審議会、どんな審議をやっていただいたんだろうか、反対意見はどこまであったんだろう、反論はどこまであったんだろうか。これはぜひ議事録を出していただきたい、速記録を本委員会に御提出をいただきたい、このように考える次第でございますが、自治大臣、いかがです。
○吹田国務大臣 この問題につきましては、当初からこの委員会、私が伺っておりますのは、審議会の会合というものはいわゆる外に出さないということになっておるそうですから、そういった意味で、これは事務当局から正確を期すために答弁はさせますが、私が伺っているのはそういうふうに伺っておりますが、自治省から答弁させますから。
○吉田(弘)政府委員 大臣からお答えもありましたように、今回の審議会第一回の総会で、自由濶達な意見をお出しいただくということで、これは会議は非公開にするということになっております。そういうことでございますので、御指摘の向きにはなかなかおこたえしかねるということでございますので、よろしくお願いいたします。
○伏木委員 それは全く納得できません。国権の最高機関の国会の議員を決める選挙、民主主義の根本ですよ。その最も大事な、民主制の最も大事なこの選挙の区割りを初め審議の状況、これが秘密でなきゃできない。民主主義というものを一体どうお考えになっているのか。主権者が聞いたら何と言います。主権者は国民ですよ。その国民が直接政治に参画するこの投票制度、それを秘密なんですよ、審議会が決めました、こんなばかな話がありますか。大臣、答えてください。
○吹田国務大臣 御案内のように、この審議会の委員というのは、各層各界からそれぞれの学識経験者その他の団体代表が出ていらっしゃいます。そういう中でいろいろと御協議され名場合に、私が伺っておりますのは、やはりこの会議の問題につきましては非公開ということが適当であろう、それが審議が公平にできる、こういう考え方だったというふうに伺っておるわけでありますから、御理解をいただきたいと存じます。
○伏木委員 第七次選挙制度審議会まではこういうふうに立派なのがあるんです。上下二巻にわたって全記録が出ております。なぜ八次が出ないんですか。何かやましいところでもあるんですか。私は、先般ここで証人喚問がございましたときに、マスコミ各社の代表の方々から、知る権利、ぜひテレビで放映できるようにしてもらいたい、このように議長に申し入れがあった、その後議運におきまして議院証言法を改正しようかという議論がされておる、こういうふうに承っております。 今回の審議会、マスコミの代表の方は何人入っていましたか。
○吉田(弘)政府委員 マスコミ関係者、八人でございます。
○伏木委員 私は、そういうマスコミの関係の方々、立派な方がお入りになっている、よもや審議会が秘密でいいんだなんて言い出したんじゃないんだろうと思うんです。だれが言い出したのか。審議会でそんなことは決めるはずがない。だれかがアドバイスしているんじゃないですか。だから出せないんでしょう。どうしてこれが出せないんでしょうか。民主主義の一番根本の問題じゃないですか。総理、お答えください。こんなばかな話はないではありませんか。お答えください。
○海部内閣総理大臣 この会合が開かれました第一回の会合のときに、全委員の皆さんの会の持ち方の中で、自由に活発に意見を交換するところであるからこの会議は非公開にするということで、議事録もその他もつくらないという申し合わせをして、非公開の中で活発な議論をなさるということに決まったと私は報告を受けて、そのかわり答申としてはきちっと概要を示して、審議会の答申は私あてに出されたものと、このように受けとめておりまして、議論の経緯その他出た議論も全部これには御紹介しておるように書いてあるところでございました。
○伏木委員 審議会が勝手に決めたからどうにもならない、こういう御答弁でございますけれども、これでは我が国は国民主権とは言えないんじゃないでしょうか。国民の皆さんがみずかも行使する一票、その価値がどのように動いていくのか、それを議論した審議会がその議事録を発表できない。しかも、先ほど申し上げました一ように、国会議員は入れませんよ、我々だけでやりますよ、こんなのが通りますか、政府として許しますか、こんな審議会を。お答えください。
○海部内閣総理大臣 各界から学識経験者をお願いして御審議を頼んだ以上、私は、その委員の皆さん方が審議会を運営する冒頭でお決めになったことは、活発な議論をしていただくためにはそれはそれで政府は認めて、そのかわり結論は答申としてきちっと報告書にまとめて答申をいただいたところでございます。
○伏木委員 総理、これは重大な問題ではないでしょうか。審議会が決めたから出せない。なぜ出せないのでしょうか。なぜ出せない。ただこれは自由な意見を活発にやるために出せません、これで説得力があるとお思いですか、こういうことで、これだけの御答弁で。重大な問題じゃないでしょうか。自治省、議事録はあるのですね、会議録。
○吉田(弘)政府委員 先ほども申し上げましたように、審議会の方で自由活発な、そして忌憚のない意見を展開していただくということで会議自体を非公開にしたということでございますので、そういう格好で、審議会として会議録というような格好で取りまとめをいたしているわけではございません。
○伏木委員 私たちは、今審議会やっているところ、そこを公開にしろと言っているわけじゃないんですよ。そこを公開にすればいろいろ議論はあろうかと思います。しかし、審議会は終わったんです、もう。しかも答申を出したんです。それで、その後出せない、秘密にしなきゃならない、これが、審議会が決めたからだと、それだけでもって国民の皆さん納得するでしょうか。とても納得できません。
○海部内閣総理大臣 二年にわたって長い間のいろいろな御議論であったと思います。そして、私に四月の二十六日にいただきましたこの審議会の答申を読んでみましても、中にいろいろ、こういう議論があった、こういう意見があった、こういうところに問題点がある、ここに問題点があると、いろいろずっと審議の中で議論された問題は全部出てきておるわけでありまして、そしてこういう結論になったということになっておるわけでありますから、審議のこういう問題だということが出ておるわけでございます。これをお読みいただけると、どんな議論があったかという概要はおわかり願えると思います。
○伏木委員 だからお出しなさいと言っているんですよ、だから出してくださいと。本当に全部出ているのかどうか、これははっきりわかるじゃありませんか。秘密にしなきゃならない理由全然ありません。これじゃこれからの審議できないじゃありませんか、ここで。審議会がこうこうしかじかかくかく、こういう意見、ああいう反対論、このような意見があった、その上に立って、それを承知の上で国会において審議が続けられるんじゃありませんか。これじゃ審議できないじゃありませんか。出してください。
○吉田(弘)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、今回の審議会、会議で自由な意見を、そして忌憚のない意見を出していただくということで会議を非公開ということにして、審議会で決定をしているものでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○伏木委員 納得のいく理由を言ってください。これじゃ審議できないじゃないですか。
○小此木委員長 ただいまの問題について協議しました結果を申し上げます。一伐木議員の要求につきましては、本日の委員会が終わりましたら、理事会を開きまして協議いたすことにします。 伏木和雄君。
○伏木委員 ただいまの問題は国民主権に関する重大な問題でございますので、ぜひ御提出できるようにお願いをいたしたいと思います。 時間もございませんので、一点だけお伺いいたします。 参議院の選挙におきましても、選挙区と比例区を持っております。昭和五十八年の選挙の結果を見ますと、比例区において、自民党三五・三%、その他の野党六四・七%となっております。それで、自民党が十九議席、野党が三十一議席。選挙区の方におきましては、自民党が四十九議席で野党が二十七議席となっております。六十一年の選挙では、比例区においては、自民党三八・六%、その他は六一・五%、選挙区の議席は、自民党五十二、野党は二十四。平成元年は、比例区二七・三%、野党が七二・七%、選挙区は、自民党二十一、野党五十五、このようになっております。 選挙区では、先ほども議論ありました、自民党が勝っている。比例区では野党が勝っている。公平な民意、民意と言いますけれども、総理、この二つの選挙で出てきた結果が違います。反対になっております。国民の民意はどっちにあるんでしょうか、お伺いします。
○海部内閣総理大臣 それぞれの時期にそれぞれの制度、仕組みの中においてあらわれておるその結果を謙虚に受けとめるよりほかに方法はないと思います。
○伏木委員 私は、比例区と選挙区と結果が違う、逆になっている。比例区も民意じゃありませんか、選挙区も民意じゃありませんか、素直に受け取れば。どちらが民意なんです、二つの民意は。相反する民意ととるのですか。お答えください。
○海部内閣総理大臣 それぞれの制度であらわれるのでありますから、小選挙区は小選挙区の代表の民意、比例区は比例区の代表の民意ということに相なります。
○伏木委員 私が聞いているのは、相反する二つがある、どちらを民意ととるんだ。それぞれだ。じゃ、片方では政府・与党は支持されない、片方では政府・与党が支持された、こういうことでしょうか。出てきた結果が結局は死票に救われたということじゃないでしょうか。片方は死票を削ってしまった、死票に救われた民意、こういいますか、片方は公平にあらわれた民意。しかし、結果としては、選挙区では自民党が勝って比例区では野党の方が多い、こういう結果が出てきているわけです。この結果をどういうふうにお考えになります。
○海部内閣総理大臣 それは国民の皆さんが、何というのでしょう、ある意味で投票のときにバランス感覚を働かされたのか、いろいろな結果がそのようなふうに総合的にあらわれてきておるのだ、私はやはり率直にそのように受けとめさせていただきたいと思います。
○伏木委員 結局、並立制という制度の欠陥なんですよ。これが欠陥なんです。ここに二つの民意があらわれてきてしまう。ですから、私どもは、完全な比例代表制こそ民意を公平に反映する選挙制度である。これが世界の大勢、流れになってきている。 けさの新聞でスウェーデンの選挙結果が出ておりました。社民党が六十数年の政権から外れた。しかしどうでしょうか。その社民党は百三十議席とった第一党でございます。第一党です。第二党は八十議席です。これがもし小選挙区制だったらどうなりますか。政権がかわらないじゃありませんか。比例代表だからかわったんじゃありませんか。よろしいでしょうか。それだけ御指摘をいたしまして、関連質問とかわります。
○小此木委員長 これにて伏木君の質疑は終了いたしました。 次に、井上義久君。
○井上(義)委員 初めに、これまでの議論を伺っておりまして、総理、今の日本の政治状況の中で、四割の支持率、得票率で八割の議席が得られる、こういう制度を導入するということはとても民主主義とは私は思えない、こう思うわけでございます。やはり議会制民主主義の基本というのは、まず、正当に選挙された国会議員で国会は構成されている、そしてその国会における議論を通じて国民の意思に従った政治が行われる、そういうことだろうと思うわけです。 例えば重要な法案の採決にいたしましても、あるいは首相を選ぶということにつきましても、これは議員の数が物を言うわけでございますから、私はやはり国会というのは選挙で示された国民の投票の結果が反映をしていかなければいけないというふうに思うわけでございます。そういう意味からいきますと、やはり選挙の目的というのは国会をつくることに第一義の目的があるのであって、もちろん議院内閣制ですから政府をつくるということも大事でありますけれども、まず第一は国会をつくる。したがって、その国会は投票結果がよく反映されるような、民意が反映されるようなものじゃなきゃいかぬ、このように思うわけでございますけれども、総理、いかがでしょうか。
○海部内閣総理大臣 そのとおりであろうと思っております。
○井上(義)委員 この問題、繰り返してもしようがありませんので、それでは、政府をつくるということも選挙の一つの重要な役割だと思うわけです。私は、選挙というのは国民の意見を代表するわけでございますから、少なくとも得票率が最も大きい政党が政権を担当すべきだ、このように思うのですけれども、総理、どのように思いますか。要するに、得票率が最も高い政党が政権を担うべきじゃないか、このように思うのですけれども、どうでしょうか。
○海部内閣総理大臣 日本の憲法の制度、仕組みでいいますと、議院内閣制は院の信任に基づいて政権ができるわけでありますから、得票も多く議席も多いということは連動する問題だと私は受けとめますけれども、一番たくさんの議席をとるということが政権獲得の一つの法的な仕組みにつながってくる、その意味ではそのとおりだと思います。
○井上(義)委員 それでは、これは小選挙区制でしばしば指摘される指摘でありますけれども、いわゆる得票率が少ないにもかかわらず議席では多数を占める、こういうことが現象として時々起きるわけでございます。 例えば、イギリスではこれまで十二回選挙が行われておりますけれども、一九五一年は労働党よりも得票率の少ない保守党が第一党になりました。それから一九七四年には逆に、保守党より得票率の少ない労働党が第一党になって政権を担った。このようなことは、私は、小選挙区制の致命的な欠陥じゃないか。すなわち、国民の少数意見しか代表していない政党が政権を担ってしまうと政権としての正当性が失われてしまうのじゃないか、このように思うわけですけれども、この小選挙区制の固有の欠陥ということについて、総理、どのように認識をしておられますか。
○海部内閣総理大臣 議会制民主主義では、どこかできちっと数の多数による議決、決定ということが、最後は、最終的には必要になってくる制度だと私は受けとめております。したがいまして、議会をスタートさせたならば、これは割り切って言う言葉でありますけれども、得票率でいつも争うのか議席で争うのか、やはり議席だと思います。したがいまして、いかにして議席を得るかということの制度、仕組みの中で、選ばれて多数議席を持ったものはその政党の主張しておる政策を実行することができる。議席の数によってやはり勝敗は決まっていく、議席の数が議会制民主主義では大切な最後の原点である、私はそう理解しておりますけれども。
○井上(義)委員 これはとても納得できません。要するに、国民の支持がやはり政権の一番の根拠だろうと思うわけです。ところが、A党はB党に比べて得票率が少ない、国民の支持は少ない、しかしながら結果として制度によって議席をたくさん得たから政権を担う。とするならば、その制度は明らかに欠陥だ、その制度が間違っていると言わざるを得ないと思いますが、どうですか。
○海部内閣総理大臣 常に得票率というもので政策のよしあしあるいは成立、不成立を決めるのじゃなくて、議席、議員の数によって決めていくというのが、これが今のお互いに合意をしたこの議会制民主主義ではないでしょうか。そしてまた、どこの国の例をお出しになっておるのかよくわかりませんけれども、それは、いつもいつも少ない得票率で、いつもいつもたくさんの議席を持ってということが万年的に定着してしまっておるというようなことは、これは希有な例ではないでしょうか。私は不幸にして知りません。
○井上(義)委員 どこの例がとおっしゃいますけれども、イギリスでは過去十二回のうち二回あったわけです。今の首相の話を聞いておりますと、得票率と議席は関係なくていいんだ、得票率が少なくても議席が多くとれる制度であってもこれは許されるんだ、このようにも例えるわけですけれども、それでは選挙制度における民意というのは何ですか。
○海部内閣総理大臣 今イギリスで十二回のうち二回そうだったとおっしゃいましたが、それはイギリス国民がそのような制度、仕組みの中で選んだ議席によって決まることがいいんだと決めておるのですから、それを私にいいか悪いか言えと言われても、これは御答弁いたしません。
○井上(義)委員 それは議論が全く違いますよ。だから、そういう制度を日本に今導入していいのかどうか、それが民主主義的だと思われるのかどうかということをお伺いしておるわけです。
○海部内閣総理大臣 したがいまして、イギリスのやっておる小選挙区制というのと同時に比例代表の並立制というのも入れて、少数意見も議席として国会に反映できるようにする。この両方を組み合わせることによって民意というものが反映されるように、両方の面からやっておりますから、今具体御指摘になったイギリスのような例にそのまま入り込んでいこうとしておるものでもございません。
○井上(義)委員 これは全く筋違いの答えでございまして、私は、全体の制度としての持っている特性を言っているわけです。全体の三分の二の議席を小選挙区で決める、したがって大勢は小選挙区で決まるわけですから、同じような現象がこの制度を導入したことによって起きる可能性というのは多分にあるということを指摘しておるわけでございまして、もしこれが制度として許されるとすれば、恐らく地域代表、その地域における代表を選んで民意を集約するという考え方になるんじゃなかろうか、こう思うのですけれども、総理、どうですか。
○海部内閣総理大臣 小選挙区制には、政権の選択についての国民の意思が明確な形で示され、政権交代の可能性が高い、政権が安定するなど特性があるが、その反面少数意見が選挙に反映されにくいという問題がある、こういう御議論もなされておることは正確に報告しておきますし、一方、比例代表には、多様な民意をそのまま選挙に反映し、少数勢力も議席を確保し得るという特性があるが、その反面小党分立となり、連立政権となる可能性が大きいため政権が不安定になりやすいなどの問題があるという問題点がいろいろ指摘されております。 私は、これはこの両方の特性を合わせることによって民意の反映というものを図ろうとするもので、地方の代表だとか地域の代表だとかそういう意味で選ぼうとしておるのでなく、あくまで選ばれるのは地域の代表であっても国会議員である以上、国政全般についての議論をするための代表が選ばれるのだということは、議員もよく御承知のとおりだと思います。
○井上(義)委員 聞いている質問と全く違うので、もう一度お伺いしますけれども、要するにそういう逆転現象が許される、要するにそれぞれの地域で示された民意の集約が議席の上で全体の得票率と逆転をしていた、これが許されるとするならば、いわゆる地域における民意を集約した結果議席が逆転をした、得票率が逆転をした、したがって許されるということだろうと思うわけでございますけれども、この地域の代表という、もちろん国会議員ですから国を代表しておるわけですけれども、じゃ、小選挙区制は地域の民意を集約した、そういうふうに理解してよろしいですか。
○海部内閣総理大臣 これほどこの国の選挙でも、小選挙区制というのは、その地域を一定の選挙区としてその選挙区の中で民意を直接に反映していただいて、そして比較多数を決めて一番だ。くさんとった人がその地域の当選者、こう決めるようになっておる、私はそう理解しております。
○井上(義)委員 国政に参画する地域の代表を選ぶ、こういうことだろうと思うわけです。そうすると私は、この選挙区というのは非常に大事になってくるわけで、自分たちの地域の代表を出すということでありますから、この選挙区の分け方というのは非常に大事になってくるのじゃないか、こう思うのですね。 そうすると、例えば私の今衆議院の選挙区は東京三区なわけでございますけれども、例えばこの東京三区を二つに割る。世田谷の三分の二で一つの選挙区、それから世田谷の三分の一と目黒区会わせて一つの選挙区になる。そうしますと、この目黒区と世田谷の三分の一を合わせて一つの選挙区をつくる。そうすると、選ぶ人は我々の地域という感覚が何もないわけです。そうすると、この地域の代表を選ぶという意味は、その選挙民にとっては何の意味もないということになるわけでございます。 そうしますと、この選挙区の分け方ということは、投票する人たちにとっては最大の重要な意味を持つということになると思うのですが、どうなんでしょうか。
○海部内閣総理大臣 最初に申し上げましたように、その地域のことを特にどうのこうのということだけを基準にするのじゃなくて、国政全般を御議論願う国の代表を選ぶのだということを私最初の答弁で申し上げたわけでありますから、選ばれる地域が、選挙区というものがあればその中で比較多数をとった人が議席を獲得するんだ、その地区を代表する国政を議論する国会議員になるんだ、言えばそういうことじゃないでしょうか。
○井上(義)委員 ですから、その地域を代表する国会議員を選ぶのであれば、その地域に大変重い意味があるわけですから、その地域の分け方ということについては非常に重要な問題、特に選挙民にとっては重要な問題になってくるわけです。 先ほど言いましたように、東京三区を二つに割る。世田谷の三分の一と目黒とくっついた選挙区が地元の人たちにとって、じゃ、我々の地域代表をここから出すんだという意識になると思いますか、総理。この点とうなんでしょうか。
○吉田(弘)政府委員 区割りの話でございますが、全国を分けて選挙区を設ける場合、各選挙区はできるだけ一体的なまとまりのある地域となっていることが望ましいわけであることは当然でございます。一方、投票価値の平等の要請にもこたえる必要があるわけでございます。 今回の区割り案につきましては、選挙制度審議会におきまして選挙区間の人口格差を一対二未満の範囲内におさめることを基本原則とするということにしておりまして、一方、行政区画や地勢、交通等の自然的、社会的条件も考慮して作成をされたものでございます。そういうふうに承知しております。 なお、そういう中で人口の均衡を図りつつ三百の選挙区をつくるためには、現在の百三十の選挙区の区域は大部分分割せざるを得ないし、また一部の市、区については分割が生じるということもこの人口均衡ということを図る見地からはやむを得ないことと考えておるものでございます。
○井上(義)委員 この議論やっていてもこれ以上先に進みません。ただ、選挙区が非常に大事である。そうすると、個々の選挙区について選挙民の人たちにとって合理性があるかどうかという判断をするためには、私はやはり審議会の、先ほどワーキンググループというお話がございましたけれども、その審議会の議事録を開示すべきである。開示をしてやはり一つ一つ検討していかなければその選挙区が正当であるかどうかという判断はできないということで、あくまでも私は議事録を開示するよう求めておきたいと思います。 先に移りますけれども、それでは、先ほど政権交代の可能性を強める、あるいは政権のスムーズな交代ということが今回の並立制を採用した根拠である、このようにお話がございました。並立制の採用で政権交代が可能になると盛んに言っていらっしゃるわけでございます。 じゃ、その現実的可能性はどうなのか。これは衆議院選挙をずっととりますと、例えば九〇年の選挙、これで、あるマスコミのシミュレーションによると、大体自民党四割台で八割の議席を占める、このような報道が出ておるわけでございますけれども、これを現実的には固定化してしまうことになるのではないか、このように思うのですけれども、総理、いかがですか。
○海部内閣総理大臣 これは私個人の考え方ですけれども、自由民主党の政権が固定化するというならば、今の中選挙区制度のままで複数が出てお互いにしのぎを削り合っておる今の仕組みのままの方が、どうでしょう、固定していくのではないかという気持ちが率直に私はするのです。それはどの政党でもそうです。夢を持って政権をとろうとお考えになる政党が、今の制度、仕組みのままでいいかといえば、三人、四人立てなければならぬということになるわけですから、それはお立てになるという決意と準備をされれば自民党の永久政権もこれは不可能になってくるわけでありますから、切磋琢磨の問題になってくると思います。
○井上(義)委員 私は、中選挙区制と小選挙区制を比べて政権交代の可能性はどうかと言っているのじゃないわけでございまして、もし比べるのであれはこれは比例代表、比例代表の方がはるかに政権交代の可能性が強いことはこれまでの議論で明らかになったとおりでございます。 よく八九年の参議院選挙の例を出して、社会党にも政権をとれる可能性があるじゃないか、こういうふうに当民党の皆さんよくおっしゃるのですね。一歩譲って、じゃそういうようなことが衆議院選挙でも起きたというようなことを想定しますと、そうしますと、社会党さんは全体の七割ぐらいの議席を占めるようになるわけでございます。そうしますと、通常自民党は現状では大体八割ぐらいの。議席を占める。前回の選挙のシミュレーションによると三百十五とれるわけです。その前の八九年の参議院選挙ですと、これは百二になってしまう。三分の二激減してしまう。一方、社会党はどうかといいますと、九〇年の選挙ですと六十議席、それが八九年の選挙がそのままになりますと三百十四議席というふうになるわけでございまして、五分の四の議席が大きく変化をしてしまう。果たしてこれが政権のスムーズな交代、政権の安定――これはまるでギャンブルみたいなものでございまして、次の選挙で議席が三分の二になってしまう、こういうことは果たして政権の安定とか政権のスムーズな交代というふうに言えるのでしょうか、総理。
○海部内閣総理大臣 政権の交代が行われるということは、政権党にとっては必ずしも明るい愉快な話ではありませんから、それは政策努力をしながら、政権を維持したいという気持ちを政党である以上持つことは間違いありません。そういったことを有権者にも訴える。有権者の皆さんの方は、そうしたら、ここではこうしたいと思えば、批判票をたくさんつくって政権交代が起こるかもしれないという緊張状態をおつくりになる。その中で政党同士が切磋琢磨していく問題であって、これはやはり政党の緊張感の中の政策努力が高まっていく結果になって、議会制民主主義の上においては私は好ましい切磋琢磨である、こう受けとめております。
○井上(義)委員 どうもお尋ねしていることとは関係のない答えが返ってくる感じが非常に強いのですけれども。 ちょっとじゃ、質問変えますけれども、総理は、我が党の併用制について、民意をそのまま反映する特性を持つ反面、小党分立となり連合政権となる可能性が非常に高い、衆議院の選挙制度というのは国民が政権を直接選べる制度にすべきである、このような答弁を本会議の代表質問に対してなさっているわけでございますけれども、それでは、この並立制を採用した場合に、総理がおっしゃるような明白な単独政権ができるという根拠はどこにあるのでしょうか。
○海部内閣総理大臣 明白な単独政権ができると言い切れるような根拠はございません。単独政権が維持できるためには、小選挙区制においても比例代表制においても全力を挙げて支持を得なければならぬという大前提があるわけでありまして、それを予断と憶測を持って申し上げるわけにはいきませんから、努力を続けていくということに尽きます。
○井上(義)委員 総理、私が尋ねていることは、要するに、なぜ比例代表をやめて、併用制をやめて小選挙区並立制を採用したか。その理由の中に、併用制は小党分立して連立政権ができやすい、国民が直接政権を選べない、だから並立制を採用したんだ。ということは、並立制を採用すれば単独政権ができる、小党分立しない、こういうことをおっしゃっているわけでしょう。だから、その根拠は何ですかと聞いているのです。
○海部内閣総理大臣 それは、議会制民主主義の一つのまた要素である、政権が安定をして、そして選挙を通じて国民に訴えた政策を責任を明確にしながら行っていくということも望ましい姿であるわけでありますから、そういった政権の安定ということも念頭に置いての考え方でございます。
○井上(義)委員 いや、並立制がなぜ単独政権になるのか。併用制は小党分立して連立政権になるからだめだ、だから並立制を選んだんだ。だから、並立制を選んだということは、並立制は単独政権になるからいいんだ、こういうことでしょう。ですから、なぜ並立だと単独政権になるんですかと聞いているのです。そういう根拠はあるんですかとお聞きしているのです。
○海部内閣総理大臣 小選挙区の方で負けてしまえばそれは政権は完全に移動するということは御承知のとおりでありますし、本当は小選挙区制だけでやると、地域の最も明確な、いずれが多数がということになりますが、それだけではいろいろ御指摘のあるように、大政党に必要以上に有利になり過ぎるという御議論が選挙制度審議会でもあり、また自民党の政治改革本部でもあって、それなれば中小政党の議席も意見も反映されてくるような制度、仕組みにした方がいいだろうということで並立部分をつくり、そこに並立制を盛ったわけでありますから、これはやはりいろいろな意味で民意を尊重するように、先ほど来いろいろ御議論がありますように、中小的な立場の御意見もどんどん議席に反映してくるようにするためには小選挙区だけにしてしまってはだめだ、だから並立にしたんだ、あわせ加味したんだ、こういうことであります。
○井上(義)委員 いわゆるこの比例代表部分を加味をされた、少数意見に配慮して。このことについては、私も言いたいことがあるのですけれども、それはさておきまして、この比例代表部分を加味したことによって、いわゆる小選挙区の過剰代表、これを薄める効果がある、いわゆる大政党に余りにも有利になり過ぎないようにする、こういうことだろうと思うのですね、今のお答えも。 そうしますと、この比例代表部分を加味したことによって、いろいろ計算をしてみますと、例えば比較第一党が四割五分の得票率を上げたときは、これは比例代表の部分で四割五分の議席しかとれませんから、小選挙区では五三%勝たなければ単独政権はできない。それから、四割のときは五六%、それから三・五割のときは五九%小選挙区で勝たないと単独政権はできないということになるわけでございます。自民党の皆さんおっしゃっているように、二、三回やれば選挙も落ちついて、二大政党あるいは二大政治勢力に落ちついていくというふうにおっしゃっているわけでございますけれども、二大政治勢力になりますと、余り得票率と関係なく、議席の数というのは、諸外国の例やなんかを見ますと、大体五〇%から六〇%の間に落ちつくわけですね。そうしますと、実際に、並立制という場合は、選挙をやってみないと、本当に単独政権になるのか、連立政権あるいは閣外協力を求めざるを得ないのかというのはやってみなければわからないというのが私は事情だと思うのです。 例えば、イギリスでこれまで十二回選挙ありました。イギリスは単純小選挙区ですけれども、これに今回の並立案のように百分の三十六の比例区を加味する。加味をいたしまして、これまでのイギリスの選挙結果を分析してみますと、過去十二回のうち一回だけ過半数を割ったことがございます。イギリスの制度でも。さらに、四回は単独政権にならない五〇%以下の得票率にしかならないわけです。それからさらに、明白な単独政権ということになると五一%以上必要ですから、五一%に満たない議席しか第一党が得られなかったのがさらに四回あって、十二回のうち八回は、この並立制で比例部分を三六%加味をいたしますと、単独政権にはならない、連立あるいは連合政権にならざるを得ないというのが私のシミュレーションした結果でございます。必要があれば表もお示しいたしますけれども。 したがって、並立制は、この比例代表を加味したことによって、本来、小選挙区でわずかの得票率が議席に大きな差を与えて安定政権ができるという特色、それが一つの特性だと思いますけれども、それさえも実現できなくなってしまって、要するに、政権は必ずしも単独政権にならない、連立政権になってしまう。並立制でも連立政権になる。そうすると、併用制は連立になるからだめだという根拠は全くないわけでございまして、その辺は総理、一よくおわかりなんでしょうか。
○海部内閣総理大臣 やってみなければわからないとおっしゃったことは本当にそうだなと思ってこの表を見ておるのですけれども、イギリスの場合も、労働党も保守党もともに第一党になった、勝ったといっても、五〇%を超えた得票率をとったときはどちらの党にもないわけです、英国の選挙でも。ですから、なるほどそうだなということを考えながら見ておりましたが、しかし何度も言うようですけれども、そういう制度、仕組みをよしとしておるイギリスでは、得票率で物を言わないで、出てきた議席数によって物を言い、それがイギリスの議会政治を支えた秩序になってきたわけでありますので、それがやはり議会政治のルールだというものであるとするなれば、これは私がそれをいい悪いを云々することは差し控えなければならぬと思いますし、日本の場合もやってみなければわからぬとおっしゃるのはそのとおりでありまして、いつも私が例を引くのは、前回の参議院のときのように、一人だけ選ぶ二十六の選挙区では、三つ勝って二十三も負けてしまったという厳しい思い出があるわけでありますから、これは、小選挙区というのは民意を率直に反映して政権交代の可能性も生まれてくる、それだけに我々も真剣に対処しなければならない、緊張感の生まれる制度である、こう私は受けとめております。
○井上(義)委員 私が申し上げているのは、併用制は、比例代表一般そうですけれども、小党分立して連立政権の可能性が高い、政権を直接国民が選べないからこれを排して、そして明白な単独政権ができる並立制を採用したんだ、小選挙区を中心とした制度を採用したんだ、このように答弁されておるわけです、総理は。しかしながら、この並立制は、今申し上げましたように必ずしも単独政権にならない。連立政権になる可能性が非常に高い。イギリスの例で申し上げますと、十二回のうち八回は明白な単独政権ができてないわけです。そうしましたら、一番主要な、連立するから、連立政権ができやすいから比例代表はだめだ、併用制はだめだという理由は何もないということになるじゃないですか。それは並立制だって同じだということじゃないですか。そうしたら並立制を採用した根拠はないということじゃないですか、そこを明確に言っていただきたいということです。
○海部内閣総理大臣 そうではございません。併用制というのは、複数で、実施したところなんかは初めのころは二けたにわたる政党が出てきて非常に困ったという経緯等もあって、ドイツなんかの五%条項も出てきたんだと私は。承知しておりますし、小党分立になると政権が不安定になるという議論は、これは私が個人で言っておるだけじゃなくて、党の議論でも、選挙制度審議会の学者の皆さんの議論でもいろいろ出てきた問題でありまして、やはり責任の明確化、政権の安定ということも議会制民主主義の中では大切なことではないか、こう思っておりますから、併用制ではなくて並立制雇お願いしておるのはそこに理由があるからでございます。
○井上(義)委員 総理、それでは並立制でも連合政権になる可能性はかなり高いということをお認めになりますね。
○海部内閣総理大臣 何度も申し上げますが、国民の皆さんの意向というものがどうなるかということを今から予断と憶測をもって断言することは、これは失礼なお話でありますから、やった結果に従わなければなりません。抽象的な可能性は生まれてくる、緊張状態の政治になるということは、私どもはそう受けとめております。
○井上(義)委員 時間が参りましたので、私が申し上げたいことは、政府がこの比例代表、特に併用制採用の議論というのは審議会でも相当あったと伺っておりますけれども、これを採用しなかつ、た理由は、先ほど言いましたように連立政権になる可能性が高いからだということなんですけれども、これは並立制でも全く同じ可能性があるということを私は指摘しておきたい、このように思います。 時間が来ましたので、以上で終わります。
○小此木委員長 これにて井上君の質疑は終了いたしました。 次に、三浦久君。
○三浦委員 まず、総理大臣にお尋ねをいたします。 総理は八月の八日の本会議で、我が党の不破委員長の質問に対して、「選挙制度一のよしあしをはかる最大の基準は、国民の意思が国会に正確に反映されるということ」だと答弁をされました。今回の政府案は、まず最初に三百議席を単純小選挙区制で選び、その後百七十一議席を比例代表で選ぶということになっています。この単純小選挙区制で選挙を行えば、自民党は四〇%台の得票率で九七%の議席を占めることができると各種の試算で明らかにされています。 総理、このような選挙制度がどうして国民の意思を正確に議席に反映をさせる選挙制度だと言うことができるのか、お答えをいただきたいと思います。
○海部内閣総理大臣 いろいろな、四〇%台で八〇%の議席とか、今は九七%の議席とかおっしゃいますが、これはそういう想定に基づいていろいろ計算された方法の一つではないんでしょうか。――私はそれよりも、三百議席についてとおっしゃるが、それも前回の参議院選挙の得票率というもので各新聞社がシミュレーションをされると、自由民主党にとっては本当に恐ろしい結果が出ておったという思い出も私にはあるわけでありますから、一概にそのことは言えるものではないと思います。 同時にまた、小選挙区制の得票率、そして比例代表制の得票率、そういったものを総合して民意が反映されるようになる、民意の反映はその結果に従うべきだ、私はこう受けとめております。
○三浦委員 ちょっと、質問に答えていただかなきゃならないのです。第一回目は三百議席を選ぶわけでしょう。それは単純小選挙区制で選ぶんじゃありませんか。そうすれば自民党が四〇%台の得票で、それはいろんな試算の仕方がありますよ、しかし、九一%から九七%の議席を獲得することができるという各種の試算が出ているじゃありませんか。知らないですか。冗談じゃありませんよ。
○海部内閣総理大臣 私は残念ながら、自民党が四〇%の得票で九七%の議席を得るという各種調査が出ているとおっしゃったが、知りませんので、事務局からお答えさせます。
○吉田(弘)政府委員 私どもも、そういう調査の結果は承知しておりません。
○三浦委員 それじゃ質問を変えましょう。 先ほどから、四〇%台の得票で八 〇%の議席を得ることができる、こういういろんな試算が出されていますけれども、それも知りませんか。
○海部内閣総理大臣 先ほど来の御質問で、その後者のお話は何回も出ておりますので、私も聞いております。
○三浦委員 あなたは、小選挙区制というのが、単純小選挙区制が民意を国会に正確に反映をするものだというふうに考えておられますか。
○海部内閣総理大臣 小選挙区制というのは、国民の意思が明確な形で反映されるものであり、政権交代の可能性が高く、また政権が安定するなど、いろいろな特性があるというものであることは承知しております。
○三浦委員 今あなたは、民意が反映するものだと言われましたね。私ここに自由民主党発行の「選挙制度の基礎知識」というパンフレットを持ってきました。このパンフレットは昭和四十八年の六月に発行されています。これは田中内閣が小選挙区制の導入を断念をした直後であります。そして昭和五十五年の八月、鈴木内閣のときに再発行をされているものであります。そしてこれは、内部資料、また非売品とも書いてあります。これによりますと「小選挙区制は死票が多く、国民の意志を適正に反映しない。」と明確に書かれてあるのであります。これが小選挙区制の弊害の第一なんだと書いているんです。 これは内部資料ですから、総理、十分にお読みいただいておると思いますけれども、もしかお読みいただいていないのならば、委員長のお許しを得てそのコピーを差し上げてもよろしいですが、いかがですか。委員長、どうしましょうか。
○小此木委員長 まずお答え願いましょう。内閣総理大臣。
○海部内閣総理大臣 小選挙区制というのは、政権の選択についての国民の意思が明確な形で示されるものであることは、それはそのとおりだと思います。明確な意思で、形で示される。
○三浦委員 これは三十三ページですけれども、「小選挙区制は死票が多く、国民の意志を適正に反映しない。」と書いてあるのです。それなら総理、いつ自民党は小選挙区制は国民の意思を適正に反映しないという立場から反映するという立場に変わったのですか。総理の答弁が間違っているのか、このパンフレットが間違っているのか、それも含めてお答えをいただきたいと思います。
○海部内閣総理大臣 ですから今度も、小選挙区制だけを提案しておるのではいわゆる死票の問題等もあらわれてまいり、また大政党に有利ではないかという批判等もありますから、そこに比例代表並立制を加味することによって中小政党の声も議席として反映されるように仕組んで、両方相まって国民の意思を反映させよう、こういうことになっておるわけであります。 小選挙区制のことだけでお尋ねがありましたから、私は、それは民意が反映される、一つの明確にあらわれる制度であるということを申し上げました。
○三浦委員 このあなたたちがいわゆる内部で意思統一をしていることと全然違ったことをあなたは言われているのですよね。 いいですか。小選挙区制では民意が反映しないから、だから比例代表制度でそれを補う、こういうことなんでしょう。そうしたら、小選挙区制というのは民意を正確に反映しないという、そういう前提に立っているということじゃありませんか。そういうことはもう自民党の以前からの意思統一じゃありませんか、この資料によっても明らかなとおり。いいですか、総理は、政治改革をやるために海部内閣が生まれたんだ、内閣の命運をかけてやるんだ、こういうように言われておりますけれども、しかし、小選挙区制導入を中心とする政治改革というものは決して海部内閣の専売特許ではないんです。この小選挙区制の導入を中心とする政治改革というのは、鳩山内閣以来一貫した自民党の方針なんです。鳩山内閣のときにも田中内閣のときにも、これは導入に失敗をいたしましたけれども、歴代自民党内閣の懸案事項であったということははっきりしているんですね。ですから、自民党内では小選挙区制についての評価はもう決まっているんです。四〇%台の得票率で、いわゆる単純な小選挙区制だけをとれば九一%から九七%の議席がとれるという選挙制度、これが民意を正確に反映しないということはだれが見てもはっきりしていることじゃありませんか。だから自民党のパンフだってそういうようにぴしっと明確に断言をしているんですよ。 この小選挙区制というものを基本にして、これに幾ら比例代表制というものを加味したとしても、その小選挙区制の本質というものは変わらない。このことははっきりしているんです。ですから、今総理もお認めになりましたように、比例代表を加味した後、四〇%台の得票率で自民党は八〇%の議席を得ることができるという、こういう結果が出ているんですね。これほど得票率と議席獲得数との乖離が甚だしい、格差が甚だしい、こういう制度を、あなたはそれでも国民の意思が明確に反映をされている選挙制度だと言い張るんですか。どうですか。
○海部内閣総理大臣 この制度、仕組みの中でそのような結果が出ているということは、これは厳粛な事実として謙虚に受けとめますし、それで、改正しようとする制度の中で小選挙区制だけでは大政党に有利過ぎるといういろいろな御批判もありましたから、比例代表制を加味して並立制で安定もしていこうということをいろいろいろんな要素をあわせての法案でございます。御理解いただきます。
○三浦委員 いろいろな要素をあわせても、自民党が四〇%台の得票率で八〇%の議席を得ることができるという、そういう結果は変わらないじゃありませんか。そうでしょう。 そういう、最初に小選挙区制ありきという態度は、今の憲法の精神にも違反しております。憲法は、一番その前文の冒頭で「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動しこと明記しています。これでもわかみとおり、憲法が期待する議会政治というのは、国民主権に基づいて議会を構成するものでなければならないということなんですね。したがって、選挙制度というのは主権者である国民の意識、意見、これが公正に、正確に議会の議席に反映されるものでなければならないんです。こういう根本的な基準に照らしてみても、また、あなたが八月の八日に本会議でもって、選挙制度のよしあしの基準は、国民の意思が国会に正確に反映されるということだという答弁に照らしても、今、政府の案というのは最悪の選挙制度じゃありませんか。 そうしてしかも、小選挙区制を導入する理由として、現行の中選挙区制では、政権を目指そうとする限り一つの選挙区で複数立候補が必要になり、同士打ちが起こり、政策本位、政党本位の選挙はできない、だから、政党本位の政治を実現するためには小選挙区制が必要だというふうに言うに至っては、これはまさに本末転倒以外の何物でもない生言わなければならないと思います。複数立候補で同士打ちになるなどということは、これは選挙制度の問題ではありませんよ。それはまさに自民党の体質、つまり派閥体質、金権体質の問題じゃありませんか。 現に日本共産党は、現行中選挙区制のもとで複数を立候補させていますよ。また、地方選挙では多くの選挙区で複数の候補者を立候補させていますよ。しかし、完全に政党本位また政策本位の選挙を行っているんです。自民党の党内事情である複数立候補による同士打ちを避けるために選挙制度を変革するなどということは、全く自民党の党利党略以外の何物でもないというふうに言わなければならないと思いますが、総理の所見を伺いたいと思います。
○海部内閣総理大臣 同じ選挙区で同じ政党が同じ公約のもとに相争うということは、政党政治の基本からいっても私は好ましい姿ではない、こう思っております。同時にまた、同じ地域で複数の候補者が同じ政策を立てて選挙し合うということは、選択する国民の皆さんの方からしても、これは政策中心に選んだ方が明確に政党支持の意思表示ができるのではないでしょうか。そういったことを私は考えておるわけであります。
○三浦委員 いろいろ党内事情を理由にして言われますけれども、この「選挙制度の基礎知識」、この中には小選挙区制の利点としていろいろ書かれておりますよ。その中に、これは三十ページですが、「同士討ちがなくなる」ということが利点の一つに挙げられています。しかし、その後に、「しかしこの同士討ちは党内の事情である。その党内事情の同士討ちをなくすために小選挙区制にしようというのでは、党利党略のそしりはまぬかれない。」とはっきり書いてあるじゃありませんか。ぴたり書いてありますよ。あなた、それが違うというのであれば、委員長の許可を得て、どうぞ、コピーしてきましたから見てください。どうですか。ごらんになりませんか。あなたたちの内部資料の中にそういうように、党利党略のそしりを免れないんだ、だから別の理由が大義名分にならなきゃならないんだということをはっきり言っておるじゃありませんか。どうですか。
○海部内閣総理大臣 複数の候補者を立てて争っだということは、これはほとんど、ほとんどの場合自民党に当てはまる問題であったことは、それは御指摘のとおりであります。ただ、そのときに、政策が同じですから、公約は同じですから、特に日常の政治活動なんかにおいても、選挙をするときに、一人なら別ですけれども、同じ人が複数おればそこでいろいろな過熱状態が出てきたり、後援会活動も個人の責任においてやらなければならぬようになってくることは、政党政治という面からいったらいかがなものかという厳しい反省が昔から自由民主党にあったことは私は間違いないと思います。
○三浦委員 だからそういう理由で選挙制度を改正をする、小選挙区制を導入するということは党利党略のそしりを免れないと、あなたたちが再発行したこの「選挙制度の基礎知識」の中に書かれているんですよ。あなたたち自身のこれは内部資料ですよ。だから二大政党制というものを大義名分にしなきゃいけないんだということまではっきり書かれてあるじゃありませんか。これがどうして党利党略じゃないんですか。今あなたがやっていることは、まさに自民党の内部では、党利党略だからやめましょうや、もっと別の理由にいたしましょうや、そういったぐいのものなんですよ。 それで、もう一つお尋ねしますけれども資料が古くても、小選挙区制が民意を反映するかどうかというその評価というものは変わりませんよ。何を言っているんですか。古い資料と言うんなら新しい資料を出しましょうか。 この前、新聞報道によりますと、近く発売をされる「二〇一〇年霞ケ関物語 日本の政治はこう変わる」、こういう題の本の中で、自民党の前小沢幹事長はこう言っているんです。「今の自民党の政治改革法案で選挙をやれば、自民党の圧勝だ。三百の小選挙区は自民党がほとんどとって、四百前後の議席を得るだろう」「野党を一度、木っ端微塵にやっつける」そして「必然的に二大政党にいく」、こういうことまで言っているのであります。これはさきの自民党の内部資料であるパンフレットと全く同じ考え方、同じ立場じゃありませんか。小沢前幹事長は、小選挙区制導入を基本とする政治改革推進の中心にいた人物ではありませんか。これでも小選挙区制の導入というのは自民党の党利党略だと総理は思わないんですか。
○海部内閣総理大臣 党利党略ということには私は思いません。それは、議会政治というのはやはり国民のためにあるわけでありますから、これは国家国民のための選挙制度の改革、政治改革を御議論願っておるんだと思いますし、またいろいろお引きになった例もあるが、何回も申しておるように、一人一区選ばれる選挙のときに、三つのところでは勝ったが二十三のところでは負けたという冷厳な現実がついこの前の参議院選挙のときに事実としてあったわけでありますから、そういったことも考えますと、選挙の結果というのは非常に厳しいものであるという受けとめ方もいたしております。
○三浦委員 あなたは、この前の八九年の参議院選挙で、その一人区で自民党が負けた、三勝二十三敗した、このことを小選挙区制になれば政権交代が可能になるんだという根拠にしていますね。これは選挙制度の問題と違うんじゃありませんか。あれだけ自民党が悪いことをすれば、小選挙区制であろうと中選挙区制であろうと自民党が政権の座から滑り落ちているということは明白な事実じゃないですか。 例えば、いいですか、あなたたちはあのとき何をしましたか。うそをついて消費税を導入しましたね。そしてまたリクルート事件、これにたくさんの自民党の幹部が連座をした。首まで金権政治に浸りつかった。そうして総理大臣も副総理も辞職をせざるを得なかった。官房長官が逮捕されて起訴されるというような、そういう事態にまで発展した事件でした。そういう中で自民党に対する国民の怒りというものが集中をするというのは当たり前なこと。一人区だけであなたたちは負けたのではありません。二人区から四人区までありますね、選挙区制度は。二人区から四人区まであります。 総理は、この二人区から四人区」でどのくらい自民党が負けたと思っていますか。私から述べましょう。十八勝三十二敗なんです。十八勝三十二敗で大幅に負け越しているんです。議席の占有率は三六%です。ですから、当時解散・総選挙をしていれば、自民党がこの中選挙区制のもとでも政権を手放さざるを得なかった状態に追い込まれていたということはもうはっきりしていることでしょう。自民党の政治改革大綱を見ても、国民の怒りが自民党に集中しているんだと書いてあるじゃありませんか。ですから、私はこういう問題を小選挙区制になったら政権交代ができるなどという、そういう材料にはこれからもう絶対に使わないでほしい、そういうふうに思います。 政府は、よく第八次審、これを隠れみのにしまして、今の選挙制度というのは第八次審からの答申に基づいてやったんだから党利党略のものではない、こういうことをよく言われますよね。しかし総理、今この八次審が果たして公正な第三者であったかどうか、このことが政治改革特別委員会の理事会で大問題になっている。このことはあなたも御承知のとおりでしょう。そのために理事会では、自民党も含めて与野党が一致して八次審の審議録、また速記録、この提出を要求しているんです。ところが政府は、何だかんだと口実を設けてその資料の提出を拒んで、八次審の審議内容を明らかにしようとはしていないじゃありませんか。 この第八次選挙制度審議会は、自民党の政治改革大綱が作成された直後に宇野内閣によって十七年ぶりに設置されたんです。そして従来置かれていた各政党代表の特別委員を排除する、また多数の小選挙区制論者、マスコミ関係者を中心に構成され、とても公正な第三者機関などと言えるものではなかったのであります。ですから、答申の結論もその理由づけも自民党の政治改革大綱と全く同じものであり、政治改革大綱が審議会答申の土台になったということは疑う余地もないのであります。それまで政府は国会答弁で、選挙制度というのは国会の構成の基本に関することであり、各党の土俵づくりの問題でもあるので、第三者機関というよりも各党間で議論するのが最も民主的、現実的だというふうに述べていたのであります。ところが、リクルート後、態度を急変をさせて、自民党のみで小選挙区制導入を柱とする政治改革大綱をつくり、その意向に沿った答申を出させたのであります。 第七次審までは速記録は全部公表されているんです。ここに私は持ってきました。四冊ありますよ。全部速記録、それと審議会資料です、この薄いのは。何で、第七次審までは全部速記録を公表しているのに、この八次審に限って速記録を出さないんですか。きょうの理事会では、何ですか一体これは、要旨を出してきている、速記録の要旨。総会と委員会の速記録はあると言っているじゃないですか、自治省は。それにもかかわらずその速記録を出さないで要旨を出すとは何事ですか。これはだれがつくったんですか。 総理、八次審というのはもう解散しているんですよ。もう解散したものを、その当時いわゆる八・次審がまだ健在で存在しておったときの速記録を勝手に要約して出す権限などというのが自治省にあるんですか。作成名義はこれ、だれなんですか。おかしな話ですよ。そんな権限ありませんよ。これはだれが書いたかも書いてない。公式な文書じゃないじゃありませんか。総理、資料を出すんなら第八次審が存在していたとき、そのときの資料を出すべきなんだよ。それは速記録なんだ。その速記録を出すことを私は政府に要求をいたしたいと思います。審議会の審議内容というものは国民の前に明らかにすべき事柄なんですよ、総理。 委員長、私は委員長に申し上げますけれども、今言いましたように七次審までは速記録を公表していたんですね。ところが、今度は要旨だけだ。こんな理不尽なことがあるでしょうか。私は国会法の百四条に基づいてこの委員会から正式に全速記録の提出を要求されるように要請をいたしたいと思います。いかがでしょうか。
○小此木委員長 この問題は、先ほど伏木議員の要求したことと同種のことでございますので、本日の委員会終了後、理事会において協議いたすことになっております。
○三浦委員 私は政府、国会が今緊急にやらなければならないこと、それは今私が申し上げた党利党略による小選挙区制度の導入ではなくて、いわゆる六十一年五月の国会決議に基づいて現行中選挙区制のもとで一票の格差解消のための定数の抜本的な是正だというふうに考えています。一票の格差というのは、三・三八倍にまで広がって憲法違反だ、そういう判決まで出されている問題なんですね。ですから、緊急にこの国会決議に基づいて定数の抜本的な是正をやるということが国会と政府に課せられた国民に対する義務だと私は考えているのであります。 梶山現国対委員長が自治大臣のとき、一九八八年の四月の十五日でございますけれども、公選法改正調査特別委員会で、衆議院の定数是正、これはまさに焦眉の急、一番重要な課題であります。そして衆議院の本会議の決議、六十一年五月二十一日に決議されたその中身に忠実でありたい、これが第一の原則であろうかと考えていますとはっきり答弁をいたしておるのであります。政府・自民党は、国会決議やまた国会答弁を忠実に守って、現行中選挙区制のもとでの一票の格差解消のための定数是正を行うべきだというふうに思いますけれども、総理の見解を求めたいと思います。
○海部内閣総理大臣 選挙制度というのは、やはりいろいろな意味で国民の意思が明確にされることが必要であり、また従来我が党の議論の中にも、先ほど来ここでお示しになったこれ、同じものを今取り寄せて見てみたんですけれども、御指摘になったこと、そのもうちょっと前の方を読んでいただければ、小選挙区になればどうなるか、費用が少なく済むとか、同士打ちがなくなるとか、派閥解消に役立つとか、候補者の人柄もよくわかるとか、極端な政治勢力を排除することができるとか、近代的政党組織ができるとか、小選挙区制は単純明快で国民に最もわかりやすく、選挙人の選択を容易にする制度であるとか、いろいろなことも書いてあるんですから、しかもただこれは非常に年月もたっておりますので、きょう現在このことをもってそれでどうのこうのと言おうという気はありませんが、いろいろな判断があるということであります。――そこだけお読みになるから、それ以外にいいことも随分書いてあるなというので私はここで御紹介を申し上げたところであります。
○三浦委員 党利党略と書いてあるでしょう。肝心のところを読まなきゃだめじゃないか。私だって、いい点もあれば悪い点もあると言ってるんだから。 この私の質問に対して全然答えられていませんね。私は、中選挙区制のもとでの定数の抜本是正をやるべきではないかということですが、拒否した答弁だと私受け取りますけれども、リクルート事件で国民から一番厳しい批判を受けたのは自民党です。自民党は自分の政権を維持することができるかどうかという立場にまで追いやられましたね。そのためにいろいろな策動をいたしました。この小選挙区制の導入もそうです。また、去年の二月の総選挙を前にして三百億円の政治献金を強引に集めたというのもそうです。 しかし自民党は、考えてみますとリクルート事件以前でも、一九六七年の三十一回総選挙で初めて得票率で過半数を割ってから今日まで九回の総選挙で一度も得票率で過半数を超えたことはないのであります。自民党が議席数で初めて過半数を割った昭和五十一年以降、四回の総選挙について現行中選挙区制で定数の抜本的是正が行われたとしたら自民党の議席はどうなるかについて朝日新聞の試算があります。これによりますと、五十五年の同時選挙を除いて、自民党は議席数で過半数を大きく下回って、政権を手放すか連合政権必至という状況になっていたことが明らかにされています。 また、昨年八月の十二日の産経は、「中選挙区のままならどうなるか?」という題名の自民党の内部資料が次のようなことを明らかにしたと報道しています。総定数を四百七十一に減らし、中選挙区制のもとで一票格差解消のための定数是正をやると、二十その選挙区で定数が自民党の現職数と同じになるかそれ以下になり、二十七選挙区では必ず自民党の現職が議席を失う、こういうふうに分析をして、現職にとっては中選挙区制よりも小選挙区比例代表が有利であることを強調しているというのであります。 総理、こういう理由が、自民党をして中選挙区制のもとでの定数是正、これを怠ってきた本当の理由ではありませんか。
○海部内閣総理大臣 定数是正の問題につきましては、一票の格差を原則一対二の枠におさめたいということで今度の法案の中にもその方向に従った結果がきちっと出るように努力をされておることでありますし、また、中選挙区制度のもとで一番長い間与党として多くの候補者を抱えて選挙をやってきた者同士の中の反省からいって、この中選挙区制というのは、同じ公約で同じ政党の複数が争うことは政党政治の本質からいっていかがなものかと思うという厳しい反省から出発した視点もあるわけでございます。そのことはよく御理解をいただきたいと思うのです。
○三浦委員 NHKの最近の世論調査によっても、選挙制度を改める前にまず定数是正を行うべきだという意見が五一・六%と圧倒的に多くなっているんですね。私は、この世論に従って国会決議に基づく抜本的な定数是正を強く要求して、次の質問に移りたいと思います。 今月の五日に九〇年の政治資金報告書が公表されました。これによると、健康保険政治連盟が昨年中に自民党の歴代の厚生大臣を中心に多額の政治献金をしています。この健康保険政治連盟は、健康保険の事業主となる大企業などでつくられている政治団体であります。あの証券スキャンダル事件で損失補てんを受けていた新日鉄、トヨタ、松下、東陶などの大企業が軒並み役員に名前を連ねています。 そこでお尋ねいたしますけれども、健康保険政治連盟が八八年、八九年、九〇年に支出した寄附金の額は幾らになっているでしょうか。
○吉田(弘)政府委員 健康保険政治連盟の政治団体等に対する寄附の金額でございますが、収支報告書によれば、昭和六十三年が七千二百四十万円、平成元年が八千二百七十万円、平成二年が一億五千七百十五万円と記載されております。
○三浦委員 九〇年度の政治献金額は八八年、八九年度と比較して二倍にはね上がっておるわけであります。この九〇年というのは健保運が老人保健法改悪の国会提出を働きかけた年であります。その法案の内容は、老人の医療費を大幅に引き上げる老人いじめ、老人泣かせのものであります。 ところが健康保険政治連盟は、この法案を海部内閣のもとで提出をさせるために、この老健法成立に最も影響力の強い厚生大臣経験者また社会労働委員長、社会労働委員ら多数に政治献金をしたのであります。健康保険政治連盟の献金先は百名にも上っていますけれども、厚生大臣経験者だけでも十三名おります。敬称略で申し上げますけれども、橋本龍太郎大蔵大臣、津島雄二、林義郎、渡辺美智雄、齋藤邦吉、渡部恒三、小泉純一郎、村山達雄、戸井田三郎、小沢辰男、今井勇、斎藤十朗、田中正巳、以上の各氏であります。その他、浜田卓二郎社会労働委員長ほか多数に上っています。 そこでお尋ねしますけれども、橋本大蔵大臣、昨年健康保険政治連盟から六百万円の政治献金をもらったことは間違いございませんか。
○橋本国務大臣 平成元年度及び平成二年、それぞれ何回かに分かれて六百万円を受けております。
○三浦委員 朝日新聞の一月一日付によりますと、昨年十一月の末、蔵相臨時代理を務めていた津島厚生大臣は大蔵省の大臣室で大蔵省の幹部に、今回は老人医療の患者負担を引き上げるチャンスではないかと話しかけ、消極的だった大蔵省を説得したと報道しております。この津島厚生大臣には政治連盟から三百万円の政治献金が行われておるのであります。 こういう経過を経て、昨年老人保健法改悪法案が提出をされましたけれども、その内容は、若干の国庫負担はあるものの、老人医療費の引き上げでお年寄りの医療費の負担増は千百八十億円にも上るというものであります。健康保険政治連盟に代表される被用者保険の負担は、老人保健基盤安定化措置、こういうものを含めて二千十億円も減少することになっているのであります。 政治献金をした健康保険政治連盟は、毎日新聞の九月七日付報道によりますと「政治家への働きかけに力を入れたことも法案提出につながった」とその効果を認めており、またある新聞には、老健法は我々にとって死活の問題なので、ぜひ成立させてもらうように確かに昨年積極的に陳情活動をしたというふうに述べているのであります。 海部総理、肝心のときにいませんでしたね。海部総理、今私がお話ししたのは、健康保険政治連盟が歴代十三人の厚生大臣に政治献金をする、そして老健法の成立を働きかけたということを言ったんです。海部総理自身もこの政治連盟から、健康保険政治連盟ですよ、昨年百万円もらっておるんですよ。他人ごとじゃありませんよ。私はこれはまさに企業献金、団体献金、これがわいろ性を持っているものだということを見事に実証しているものだというふうに思うのですね。 一昨日は敬老の日でありました。総務庁の調査。によっても、お年寄りが一番不安を感じているのは健康の問題だと発表されています。総理は今、そのお年寄りが病気になって入院したらその入院費を二倍に引き上げる、そういうことをやろうとしているんです。それによって利益を得るのは、政治献金というわいろで政治を動かした健康保険政治連盟です、二千十億円も負担が減るんですから。そうして、犠牲をこうむるのは約一千二百億円も負担をこうむるお年寄りなんです。こういう金によって政治が動かされる、ゆがめられる。もし総理がこういう事実について一片の良心の痛みも感じないとするならば、私は総理大臣どころか政治家としての資格も問われざるを得ない問題だというふうに考えますが、総理の所見をお尋ねいたしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 健康保険の問題については、それぞれの立場の方々のことを思いながら、どこで負担はどのようにしてもらうかということにおいて各党の皆さんの間で、特に自由民主党では政策審議会で、政調会でいろいろ御議論を願って適正に出した結論であると私は承知しております。
○小此木委員長 三浦君、時間です。
○三浦委員 一問だけ。 法務省にお尋ねしますが、これは立派に捜査の端緒になると私は思うのです。刑事責任を追及する立場から私は捜査をすべきだと思いますけれども、御見解を伺いたいと思います。
○小此木委員長 これにて三浦君の質疑は終了いたしました。 次に、川端達夫君。
○川端委員 総理、よろしくお願いいたします。 連日議論を重ねておりますし、とりわけこの国会、政治改革国会と言われまして、リクルート事件に端を発した国民の政治不信、それを解消するという意味で政治改革をぜひとも前進させなければいけないということだと思いますし、そのことは総理も同感であろうというふうに思います。しかし、政治改革ということと選挙制度改革というものがその中心になるということにおいて非常な国民の皆さんの間でも戸惑いがある、我々も理解がしがたい、こういうふうに今日までの議論を通じても感じてまいりました。 まず初めにお伺いを申し上げたいのでございますが、先日、九月の初旬にNHKのテレビでいろんな世論調査を報告をされておられました。その中で衆議院の選挙制度改革についてという問いで、一、現在の中選挙区制には弊害が多いので選挙制度を改めるべきだ、これが丸めまして二九%、選挙制度を改める前にまず定数是正を行うべきだ、五二%、わからないが一九%ということでございました。これは既に違憲判決も出て、国民の間に一票の格差なりこれだけの差があるということに非常に大きな不満がある。同時に、定数是正をやるやると言いながら政治は何もやってくれないということに対しての大きな不満と、何とかやってほしいという期待があらわれている。 同時に、これほど連日のごとく政治改革国会が開かれる。そして、それまでのいろんな議論の中で、総理が熱意を込めて小選挙区比例代表制を導入して選挙制度を変えて政治改革をやるんだ、こうおっしゃっていますが、国民の皆さんのこの印象は、政治改革というものがどうして選挙制度に結びつくのかということがよくわからないなあ、そして裏返して言えば、中選挙区から小選挙区制に変えても、本当に我々が願っている、お金がどうもややこしいなとかもっとクリーンにしてほしいとかいうふうな政治改革の眼目が達成できないのではないかということを敏感に感じておられるのではないか、私はそういうふうに思います。 総理は、政治改革で国民の皆さんが求めておられるものというものをどういうことだというふうにお考えでしょうか。まずお伺いしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 国民の皆さんが政治に求めていらっしゃる改革の第一歩は、政治とお金の関係、これをもう少しわかりやすくきれいにしてほしいということではないだろうか、私はそのように受けとめております。
○川端委員 自治省の広報、政府広報というので大きな新聞記事を、これは十三日ですか、ほとんど全国紙全紙に一面の広告をお出しになりました。この見出しか、「国民の政治に対する信頼をとりもどす。これが改革の原点。」こういうふうに書いてあります。今総理が、まずお金についての不信を取り除くべきだとおっしゃいました。これは大きな要素だと私も思います。最近の政治資金の報告を見ましても、これは制度の問題はもちろんあるのですが、非常に不透明である。同時に、いろんな疑惑、政治資金をめぐる疑惑が連日のごとく報道される。しかし、それらがきちっとその責任の所在を明らかにされ改革されるというよりは、うやむやになっていく。同時に、政治家に本当にモラルがあるのだろうか、どんな種類のお金であってもだれからでも幾らでももらうのかという批判があるというふうに思います。これが、総理も言われるようにお金に関する非常に大きな不信である。 同時に私は、この新聞広告をお出しになったのにもありますが、「政治に対する信頼をとりもどす。」という中の国民の皆さんが非常に大きく思っておられる一つは、政治家あるいは政治が信用できない。これはお金のこと以外に、口先だけでごまかすのではないか。例えば、先ほどから参議院の選挙、二年前の参議院の選挙で大きな批判があったというときのその根底には、やはり売上税から消費税に至る問題があったというふうに思います。そのときに、いろんな皆さんの声を聞きました。そのときに多かった御意見は、私は税金を払いたくないから反対しているのではない、政府があるいは自民党がやらないと言ってだましてやるのに非常に腹が立つんだと、多くの自民党を支持しておられる方からも言われました。 私は、政治改革そして政治の信頼を取り戻すというときの大きな眼目の一つは、政治家が約束を守る、ごまかしをしないということが非常にお金と同時に大事なことではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。 〔委員長退席、粕谷委員長代理着席〕
○海部内閣総理大臣 政治家がいろいろな約束を守っていかなければならないという御指摘は、私もそのとお力と受けとめさせていただきます。
○川端委員 約束を守ると同時にごまかしをしないという中で、今回の政治改革の国会の中できょうまで先ほど来いろんな議論が出ておりました、定数是正の国会決議というのがあります。これは、金曜日に佐藤委員の方から経緯を詳しくお述べになりました。重複を避けたいと思いますが、八増・七減に至るまでのいろんな国会内の議論、そして当時の坂田議長によります見解及び調停というのが出て、そして八増・七減をやり、同時に国会決議をやった。 この経緯をどう読みましても、中選挙区制のもとにおいて定数を抜本是正するという趣旨で国会決議がされたことは明々白々なることだというふうに思いますが、今総理おっしゃったように、国民に対して約束を守る、そしてごまかしをしない、そういうことが政治の原点として問われている政治改革国会において、一番その根底を、国会決議を無視したような法案を出すということ自体、国民の政治の信頼を取り戻すというわけにはいかないというふうに思いますが、総理のお考えをお伺いをしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 公職選挙法の特別委員会なんかでも各党代表の御議論をいただいたことは、経緯は承知いたしておりますけれども、なかなか各党間の合意を得るに難しい点等があり、政府としてもやらなければならないと判断しましたから、今度の三法案の中においては、国会決議の趣旨を十分に踏まえながら、一対二という基本原則のもとで一票の価値の是正も盛り込まれておる内容の法案を提出をした次第でございます。
○川端委員 そういう、ごまかしの議論だと私は思います。だから、こんなやり方で本当に政治改革を語ることができるのだろうか、どう解釈しても。 今、公職選挙法の改正に関する調査特別委員会のお話をされました。その中に、定数是正に関する小委員会を設置しました。この委員会は、私も委員でございましたけれども、この委員会は、当然ながら国会決議を受けて中選挙区制のもとで定数是正をどうしようかという議論をいたしました。各党は初めは基本的な抜本是正の考え方、そして最終的には、各党ともに区割りの案も含めて定数是正のやり方を提示いたしました。ただ一党、自民党さんだけが、もう少し待ってほしい、党内がまとまらないということで議論がそのままになったということは御承知だと思うんです。 このこと自体を云々することは申し上げませんが、百歩譲って多分、この国会決議で二人区・六人区を解消し定数是正を行うというふうなことを、今度の総理がおっしゃる小選挙区比例代表並立制でもその得られる結果については同じようなものだとおっしゃっているわけですね、趣旨を踏まえておやりになっているということは。国会決議の趣旨を踏まえてやっているんだ上言われるけれども、私は解釈するに、そういう中選挙区制というものでは無視をしているけれども、中身としてはそういう効果があるんだからいいではないかと言っておられるように私には聞こえます、総理の御議論。 私は初め、今お話ししているテーマというのは、国民と国会に信頼される政治というものは真っ正面でなければいけない。今、若花田、貴花田、大変な人気がある。真っ正面から勝負をするのです。はたいたり透かしたりはしない。その壁を乗り越えるにはそういう努力が必要ではないか。そういうときに総理が、本当に今までの国民の評価で、信頼される、クリーンである、いろいろな評価を受けておられる、そういうときに、この国会決議の大意を踏んでやるんだから国会決議を無視しているのではないということは、私はおっしゃってほしくないんです。 どうしても国会決議は中選挙区制なんです、これは。だから中選挙区制で、前提としたのが国会決議であるというのは承知をいたしておりますとどうしてもおっしゃるのであれば、しかし、その後リクルート事件が起こりました、深刻な反省で自民党でいろいろ議論をした中で中選挙区制では無理だからこういう案を山さしてください、しかし、民主主義の原点にかかわる問題だから各党それぞれと合意を図るために協議をしましょう、議論をしましょうということが本当に正しい政治の姿勢であって、私はこういう手法をとられるということは、内閣の命運をかけるとおっしゃった、政治改革に内閣の命運をかけることは非常に結構です、姿勢としては。しかし、民主主義の根幹にかかわる選挙制度を、各党の合意をつくる努力もせずに、そして各党が反対する中、まして与党の中にもいろいろ議論があるときに、やると言ったらとことんやるんだという性質のものではないはずです。そのことに対してどのようなお考えをお持ちか、改めてお伺いをしたいと思います。 〔粕谷委員長代理退席、委員長着席〕
○海部内閣総理大臣 最初の御質問にもあるように、政治とお金の関係をわかりやすくきれいにするためにはどうしなけりゃならぬかというのが自由民主党の政治改革大綱のよって立つ第一歩であり、原点でありました。ですから、倫理に関する問題については、党の倫理に関する考え方、国会議員の資産公開に関する問題とかいろいろな国会内における倫理審査会の強化の問題等も既に平成元年に院に提出をしてお願いをしたということは、何度も申し上げてきたところであります。 そして、必要以上にかかっておるお金をかからないようにしていくにはどうしたらいいかという点をいろいろなことで反省をしたり議論をしたりした結果、つまるところは、同じ選挙区で複数の候補者が同じ政策のもとで争わなきゃならぬところに必要以上にお金がかかるという点に到達をして、抜本的な改革をするためには選挙区制度の改正もしなければならないという結論に到達をし、そしてその選挙区制度改革のときに区割りをお願いするときは、基本原則として一対二というのをお示しをして、これで第三者機関である審議会におまとめをいただきたい、こういったことを政府としてはお願いをし、その答申を受けとめておるわけでありますから、これによって、国会決議の指さす趣旨もこれは大幅に受け入れて、その趣旨を達成して進んでいく面があるということも申し上げた次第であります。
○川端委員 時間が限られておりますので繰り返しませんけれども、今のような御趣旨のことが、私は、国会決議というのが明確に中選挙区制を指さすものなんです、総理の言葉をかりれば。その中で、中身的にそうだからということを皆さんの御議論として、我々は異議がございますが、だからいいんだ、しかも国会決議はそれによって守っているんだというふうなことは、私は、すりかえだと、だからそういうことをこの政治改革の手法の中におとりになるべきではないということを申し上げたい。 去年、国連平和協力法案がありました。議論になりました。そのときにも、自衛隊を難民輸送に使いたい、国際協力をするためにそういうことをぜひともにやりたいという御提起がございました。自衛隊機を難民輸送に使いたい、ありましたね。このときも私は、そういうことは国際平和のためにやるべきだと思っておりました。今も思っております。しかし、自衛隊法百条の五、国賓等その他政令で定める者というものの解釈でやってはいけない。 あの自衛隊法百条の五を、自衛隊法百条の四までしかないときに百条の五を追加する六十一年十月の国会のその審議の場で、私は質問をいたしました。こういうことは在外邦人も含めて国民の生命財産を守るべきときにも自衛隊はその任務として海外に行くべきではないかという御質問をしましたときに、政府は私に対して明確に、この法律はそういうことを想定したものでもないし、読めない、そういうことをやるんであればきっちり法を改正しなければできないとおっしゃった。しかし四年たったときには、その他政令で定めると書いてあるからということで突っ張られた。本当に国際協力としてやるべきことは、難民輸送もあるでしょう、しかし自衛隊の医療官、お医者さんが行く、そういうことも必要だったと私は思いました。しかし、そういう小手先のことだけでやられるからあとは何にもできないということになる。 だから私は、いろんな政治改革の原点としては真正面から取り組んでやられるべきだ。議論があるのは当然です。小選挙区制、我々は反対だという議論はある。しかしそのときに、口先でごまかすようなイメージを受けるようなことだけは避けていただきたい、これは要望しておきたいと思います。 さて、そういう中で、小選挙区比例代表並立制というのが主張されているわけですが、どんな選挙制度でもその制度には長短あると思います。しかし、選挙制度を変えるには、現行の制度よりも欠陥が少ない、そして長所がはるかに多いというものが説得性があって初めて私は採用すべきであろう、同時に、その国の政治状況にマッチしたものでなければならないというふうに思っております。その中でいろいろな観点での小選挙区制度に対する疑念があるわけですが、今回は民意の反映というものについて先ほど来随分議論がありましたけれども、その中で絞って、別の観点からお伺いをしたいのです。 死票というものが大変発生する、これは制度的な欠陥だと私は思いますが、現在採用している国の最近の死票率というのですか、最近の選挙でイギリスが四八%、カナダが四六%、韓国が五三%にわたっております。昨年の日本の二月の総選挙でのいわゆる死票は二三%でした。およそ倍以上のそういう死票が発生をしている。有権者が国民の権利として与えられた貴重な一票を投じたその票が議席に結びつかないというものが半数以上出ているのが現実であります。 総理は、本会議の質問の答弁等々いろいろな機会を含めて、政権党は常々その多くの死票を配慮して行動しなければならないから全くの死票とは言えないと言っておられますけれども、この先ほどの新聞の広告にもそういう趣旨のことが書かれています。しかし、死票があることを配慮しながら行動をするということはどういうことなんでしょうか。私らにはぴんとこないのですが、いかがでしょうか。
○海部内閣総理大臣 投票の結果それが、議席を獲得したその人に対する投票と、議席を獲得できなかった、不運にして当選できなかった人に対する票にやはりその差ができてくるのは、私は制度の持つ一つの宿命みたいなものだと思いますけれども、そのときに、生かされなかった票も死んじゃった票だというふうに捨ててしまわないで、これは批判票であったと謙虚に受けとめるべきであるというのが私の言いたいことの第一前提でございます。 同時にまた、小選挙区というものだけの特性でいくと、死票とそうでない雲との差というのはもっと歴然としてくるわけでありますが、それではいけないので、中小政党の意見も院に反映できるように、議席に反映できるようにとっておられる制度の中に比例代表制というのがあるわけでありますから、それを加味することによって明確な形をさらにつくっていきたいということでございます。
○川端委員 よく比例代表でカバーをするとおっしゃるわけですが、小選挙区制度と比例代表の比率が三百対百七十一である。ということは、比例代表でそういう民意を聞くというのは四百七十一分の百七十一、三六%なんですね。そう圧縮するような性格のものでは本来ない。何か小さいところは三分の一に勢力を落として意見を聞いてやらないこともないというふうなことは、しかも小選挙区の部分では半数近い意見が議席に反映しないという仕組みは、比例代表でカバーしているからといっても、私はそれが説得性ある論理だとは思わない。 同時に、小選挙区制というのは、民主主義の一つのルールだとおっしゃいました、先ほど。しかし、比例代表の部分の議論になると、それはその国民が決めたことだからとおっしゃる。だから我々は、国民がどういう制度を望むかということをあるべき選挙制度のときの尺度にするというのは総理も御異議がないというふうに思いますのであるならば、小選挙区制というのは、やはり白か黒か、イエスかノーか、いわゆる二者択一を迫るものだと言わざるを得ないと思います。 総理が、比例代表は小党分立になるといういろいろな例もお述べになったこともございます。民意が多数あるからいろいろな政党ができてくる。白か黒かどちらかの選択をしろということは、本当に今日の社会の情勢にマッチするんだろうか。よくイギリスの例を小選挙区制、そして二大政党ということで例に引かれることが多いわけですけれども、これは朝日新聞からの引用で恐縮でございますが、イギリスのエコノミスト誌が最近の号で論じている。「英国の議会制度は、わが国でもお手本とされてきたが、いまでは「硬化症がひどく、若返りが必要」」と書いてある。 「一九五一年の総選挙で保守党ないし労働党に投票したひとは二千七百万余り。その他は百万に達しなかった。二大政党制は確かに民意にかなっていた。」ほかの党を選ぶ人はほとんどいなかった。「だが、前回の八七年には、二大政党の得票が二千三百八十万にとどまった。一方で、自由党などその他の政党が合わせて八百七十万票を獲得した。」しかし、得られた議席は、第三党社会自由連合は約二三%の得票でわずか三%の議席しか得られていないのです。五一年から約四十年、五一年のときには国民は二つの政党のどちらかを選ぶということで、それでよしとしておられた。しかし、いろんな考え方、民意が多様化する中で、もう一つの政党がどんどんふえてきた。得票はたくさんされるけれども、議席はほとんどない。 ですから、今の世界の流れというのは、日本もそうですけれども、非常に多様化。私は、昔、物をつくる会社におりましたけれども、昔は企業は大量に生産をする、同じ物をたくさんつくるということで、それが消費者のニーズであったわけです。しかし、今はいろんな人がいろんな価値観を持っている。そういう時代にあえて二者択一の制度を一番よしとされる、しかもそれは多くの民意を切り捨てる結果になるということに対して、これは致命的な欠陥だというふうに言わざるを得ないのですが、いかがでしょうか。
○海部内閣総理大臣 一つの制度、仕組みを考えますときに、私どもは政治改革をしなきゃならぬ。冒頭にも申し上げましたように、今必要以上にお金のかかっておる問題は何か。倫理の面からも考え、同時にまた政治資金規制の問題からも考え、なぜこんなに必要以上にたくさんかかるのか、いろいろな資料等や発表されたものを見てみましても、想像以上のお金がかかる。それはやはり本来政党がすべきことを個人がしておるというところに一つの問題があるのではないかということの反省に立って、政党政治というもの、そして政党の仕組みの中で日常活動も選挙活動もできるようにしなければならない。これはお金を必要以上に使わないようにするためにはどうすべきかという角度から考えた問題でございます。 もちろんそれは、私どもとしてはどの政党でも政権をとるためにいろいろ努力なさっておるわけでありますから、一つの選挙区で複数候補者を立てて争わなきゃならぬときは同じことを体験されなければならぬという、そういった問題でありますので、この際政治改革の中できちっと改めたいと考えておる大きな目標の一つでございます。
○川端委員 お金がかかるのか、お金をかけておられるのかは別にしまして、お金の問題というのが選挙制度に本当にそうなのかというのは後で質問をさせていただきますが、私は、その問題と民意を切り捨てるという議論とは今違う話をしているのですよ。その部分のときに、こういう仕組みとして半分ぐらいの国民の皆さんの声が結果的には切り捨てられるという、そして右か左か、黒か白かというふうな選択を選ぶというものが今の時代の多様化した中で合うんだろうかということと、そして日本の長年の文化、国民性というものは、例えば落語で三万一両損という話があります。どっちが落とした、拾ったという部分で、おれが正しいか、おれがもらうのか、こちらがもらうのかということで突っ張り合って、投票で決めるのではなくて、いろいろ議論しようというふうなやはり風土、文化も日本は持っていました。 そして、総理はかねがねいろんな国の選挙制度がこの場で出されると、例えばドイツの部分でいえばドイツ国民がお選びになった、やはりイギリスであればイギリス、それは、その国が二大政党があった中でその選挙制度を導入するから機能する。日本の今の政治土壌というのが現実的には二大政党になっていなくていろんな政党がいるという中で、その政党が現に存在し一定の役割を果たしているという中で、一番適した選挙制度はどうあるべきかというのが議論されるべきであって、いろんなマスコミの試算、いろいろ御異論はあるようですけれども、試算によれば、結果的に、今の政治構造の中でこの選挙制度を導入すれば、日本の政治構造は変わりますよ、大きく変わってしまう。そういうことが民意を切り捨てるだけではなくて、今の民意の構成する議席さえも変えてしまうということを選挙制度でやっていいとお考えでしょうか。
○海部内閣総理大臣 それぞれの国の制度については、今御指摘のとおりの答弁を繰り返させていただきました。 また、日本においては、今中選挙区の現状ではどうしても固定的になりかねないということも、これは私が言うんじゃなくて、選挙制度審議会の方の御議論でも出たところでございます。また「小選挙区制には、政権の選択についての国民の意思が明確なかたちで示される、政権交代の可能性が高い、政権が安定するなどの特性があるが、その反面、少数意見が選挙に反映されにくいという問題がある。」と指摘されております。今おっしゃるように、まさにこういう多党化時代にあって、自民党の意見だけが意見だと思うなということ、そのとおりでございますから、そういったいろいろな御意見が国会に反映するようにするためには比例代表制、それは多様な意見をそのまま選挙に反映し、少数勢力も議席を確保し得るという特性がありますが、その反面、小党分立となって連立政権となる可能性が大きいために政権が不安定になりやすいという問題があるということも、いろいろ議論の中で指摘されました。 要するに「時代の変化に即応する政治が行われるためには、民意の正確な反映と同時に、民意の集約、政治における意思決定と責任の帰属の明確化が必要である。」というようなことがいろいろと議論されて、答申もまとめられ、またそれを受けて政府が法案化作業も続けてきたものでありまして、いろいろな民意が反映されるように、これはもう切り捨てちゃって、なしにしていいんだというようなことは決して考えておりません。
○川端委員 何度も同じことを繰り返されますが、私がそういうことを申し上げたことに対するお答えにはなっていないというふうに思います。それで、そういう民意を結果的に切り捨てるということにおいて、私は、非常に大きなというか致命的な欠陥を持っている、これは三分の一ぐらいの部分を比例区でカバーするということではカバーできないというふうに思っております。 そこで、いろいろ今まで総理がお述べになった中で、やはりお金がかかる、同士打ちで。同士打ちでないという部分においては、同じ相手同士でお金を使うことは小選挙区ではなくなるでしょう。おっしゃるとおりに、小選挙区一人しか出られないということでは、なくなるでしょう。しかし、本当にお金を使うということがなくなるんだろうか。総理は、地盤培養行為あるいはサービス合戦、こういうこと、そしてそのベースになる後援会、こういうものが中選挙区から小選挙区にすることによってなくなるとお考えでしょうか。
○海部内閣総理大臣 地盤培養ということは、今のように議員個人がしておる場合と、政党のそれぞれの地域支部が政党活動としてやります場合、これは政策中心の伝達とかいろいろな方法になっていきます。そういったことを考えますと、私は、過熱な状態は少なくともなくなっていく、こう考えております。
○川端委員 個人から政党中心の活動になり、そういうことが少なくなる、なくなるということであるならば、今の中選挙区制において、個人本位を政党本位にするということができない、できないとおっしゃるけれども、地域組織をきっちりとするということは、私は可能ではないかというふうに今の御答弁で伺いました。 そして現実には、選挙をやるということにおいては、それも同じなんですね。というのは、現実に中選挙区においても、それが小選挙区でも、勝負を争うことは事実なんです。そして一人しか出られないということは、この前我が党の書記長が本会議でもただしましたけれども、アメリカの連邦下院の新人当選率は過去五回五%を下回っている、ほとんど新陳代謝ができない、要するに現職が有利である。しかし、この席にもたくさんおられると思いますけれども、日本の政治を何とか変えよう、もっといい政治を、自分はその役を果たしたいということで、青雲の志を持って政治家になりたいという人はたくさんおられるでしょう。そのときに、現職がいるということであれば出にくくなる、選挙に勝てない。そういうときには、まだ議員じゃないわけですから、地元で毎日熱心に後援会づくりをやり、そしてサービスに努めるということは当然起こってくることだというふうに思います。そういうことを新しい人がやり出したら、今いる人も負けてはいられない。そして、新しい人がそういうことをどんどんやることを防ぐには、もうあきらめさすためには、今までどおり後援会を維持し、そしてせっせとサービス、利益誘導に努めるということを、やらないよりやった方がいいのですよ。 そういうことは、今ごの選挙制度が、政府案が出てきたというときに、各地域でどういうことが起こっているか。今複数の方がおられる、Aさんはこの選挙区からいなくなって隣のところを中心にお出になる、だからAさんの後援会の幹部の皆さん、あの人はもういなくなるから私の方に来なさいと一生懸命おのおのやっておられるのが現実ですよ。ですから、新人は出にくくなる。同時に、今までやってきたそういう行為は、やらないよりやった方がいいのであればやり続けるということ。 私は、お金をかけない、これは党がかわってやるからということではないと思うのですね。党で政策活動を一生懸命やられるならそうなるかもしれません、譲って議論すれば。しかし、そのこと自体がなくなるということは、選挙制度を変えても直らない。ですから、今やはり国民の皆さん、先ほど総理いみじくも言われましたが、国民の皆さんは政治改革で何を求めておられるのですか、お金ですとおっしゃった。あなた方の理屈で言えば、お金にまつわっていくと小選挙区制に変えないといけないんだと言われるけれども、私たちが考えても、それで変わるということを確信できない。ですから、そういうことを、そういう行為をやったら罰せられる、あるいはやっても効果がない、あるいはやれない、そういう仕組みをつくるということが選挙制度の大きな基盤としてまずあるんじゃないですか。 総理は再三にわたって、この三法は一括で処理する、整合性を持って一体性があるんだとおっしゃっていますが、改めて聞きますが、いかがでしょうか。
○海部内閣総理大臣 私が頭に描いております政党の支部というものの活動が本当になりますと、今個人で活動をしておるような分野がほとんどその政党の支部の政党活動の方に移っていくことになるわけでありますし、こういったことをしてはいけない、ああいったことをしてはいけないという過剰なサービス合戦というものは、これは議員一人一人の心構えと、それに対するいろいろな制度、仕組み、法の問題で変えていくべきことだと思います。 例えば、昨年二月の衆議院選挙のとき、公職選挙法の一部改正で、このような寄附活動を候補者は有権者にしてはならないというような規制ができましたように、そういった面での規制もあるでしょうけれども、もっともっと根本的には、やはり政党と政党の政策本位の選挙戦に変えていくということ、そして政党中心の活動に移動していけば、お金の使い方も過熱化はしてこないだろう、私はそのように考えておるわけでございます。
○川端委員 三法一括でこれだけのいろいろな議論がある中でも、やはりそのようにお考えでしょうか。一括で、一体のものであるというお考えは変わりませんか。この政治改革三法は一体のものであるということは、お変わりになりませんか。
○海部内閣総理大臣 政治改革は、平成元年の五月、自由民主党が決めました政治改革大綱の大きな柱に従ってこれは全部片づけようというので取り組んできました。倫理に関する問題については先ほどお答えしておりますから省略しますが、分けて既に院の方にお願いをしております。残る問題を、党自体の改革、国会改革という柱の問題を除きますと、全部合わせますと一本の法律にはなじまないことがございました。したがって、三本に分けて、公職選挙法と政治資金規正法と、そして政党助成法とこの三本の法律に、建前、仕組みとしては三本に分かれました。これを一括して行っていただくことが政治改革を果たしていくためには最もふさわしい仕組みである、このように考えております。
○川端委員 政治改革の原点でお金だということ、それからそれを構成している部分は選挙制度だ、政党本位、政策本位の政治にしなければいけない、そして政党には公費をバックアップしなければいけない、全部関係しているんだとおっしゃいます。それなりの理屈もあるかもしれません。しかし、国民の政治不信のお金にまつわる不信は、国会議員だけではないですね。地方議員、これも連日のごとく、某市の議長さんがパーティーやって、役所を使ってパーティー券売り出したのはけしからぬ、いろいろなことが載っています。地方においても政治の腐食、腐敗というのは起こっている。そういうときに、地方の政治家も、すべての政治に、公職にかかわる人に関しては政治資金規正法は適用される、その部分で私はいいことだと思いますよ。逆に言えば、これが密接にリンクして、全く関係ないとは申しませんが、これが全部一緒でなければできないという理屈にはならない。 地方の議員は、当然ながら役割も性格も違います。地方の議員が政党本位、政策本位の選挙を必ずしもやらなければいけないのか。一人区、二人区、多いところでは十人区まである、もっと大きいところもあるという選挙制度にも、政治資金はきっちりやらなければいけないということはあるんです。ですから、三本一括、密接にということで政治資金規正法あるいは政党助成法という、私はどんな選挙制度でもやらなければいけない、国民が政治改革で一番求めているお金という部分をクリーンにするということを最優先でやらなければいげない。それを一緒でないとやれないということにはならないというふうに思います。 同時に、今日の国会の日程の情勢、各党の反対の状況、そして衆議院、参議院の勢力の状況からいえば、これが果たして政治改革で何も実現しないという結果に終わるのではないかと非常に心配をしております。総理が決断をされて、政治資金規正法と、そして倫理と、公的助成の部分は選挙法で、各党議論が分かれる部分は切り離して、これだけでやろうと決意をされたら、各党の合意をもとに一歩も二歩も進むのです。しかし、全部こだわる限り、何も通らない。これこそ総理の決断に係る最大の政治、国民が結局国会は何もしてくれなかったという最大の政治不信を増幅させる元凶になるのではないかと思いますがいかがか、御見解をお伺いして終わりにしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 政治改革の中でやらなければならないことできることはもう分けて、特に政治倫理に関する問題については議会制度協議会に党としての正式な態度も表明し、またこの六月には党の代表が議長のところへその適切な御議論をお願いに行っておりますし、同時にまた、寄附禁止の問題で手につくものは去年の二月から行われるようにいたしてきました。けれども、つまるところ、お金がもう少し公明に、もう少しきれいにという問題を追求していきますと、どのようなところを正したら、根本的に正したらお金が必要以上にかからなくなるかという制度の根源にまで触れなければなりませんから、制度の問題と、同時に大切な政治資金の問題と、それがなし得る限り政党の役割が強くなるのですから、政党の公的使命にも着目をして政党助成法も成立をさせて、政党政治、政党本位の議会政治に進めていきたい、こういうことでありますから、やはり今お願いしておる法案は三法案一体として整合性を持って考えておるわけでございます。御理解をいただきたいと思います。
○川端委員 終わります。どうもありがとうございました。
○小此木委員長 これにて川端君の質疑は終了いたしました。次に、菅直人君。
○菅委員 きょうは、選挙制度審議会の前副会長にもおいでいただいておりますが、総理、どうでしょう、私も三日間の本会議と、そしてきょうで二日目になるこの委員会の審議をずっと聞いておりまして、どこか議論がかみ合っていないという感じを受けるのは多分私だけではないと思うのです。 なぜかみ合わないのか。先ほど来議論がありますように、総理の論理は、政治改革はお金の問題が大事だ、これはみんな一致しているわけです。しかし、そこになったときに、中選挙区制はお金がかかるから小選挙区制にしなければならないというふうに論理が進むのですね。しかし、これは与党議員の指摘にもありましたし、私も本会議で奄美の事例を挙げましたけれども、必ずしもそうは言えないというのがほぼこの議論の中で出てきたことだと思うのです。 では、どうすればいいのか。それはやはり政治と金の問題は、まさにイギリスの政治腐敗防止法などに学んできちっとした制裁措置を持った法律をつくること、そして選挙制度の問題は、いわば国民の意思を正しく反映する代表制というのはどういう形であるのか、これはこれとしてまた別に議論すべきこと、こういうふうに二つに分けて議論すべきことだと考えるわけです。 そこで、総理の前に、来ていただいている選挙制度審議会の副会長に、こういった議論、選挙制度審議会ではどういう議論をされたのですか。二つのことを何か全部一緒になっているという議論なのか、私が申し上げるように、それぞれ性格を若干異にするので、それぞれについての対策を講じるべきという考えであったのか、その点についての見解を伺っておきたいと思います。
○佐藤参考人 政治改革というのは非常に多側面的なものであろうと思います。それで、ただそれが、選挙制度の改革はそれのためにやはり不可欠といいましょうか、あるいはそれの前提といいましょうか、あるいは切り口といいましょうか、そういうものであるということは、これは申し上げるまでもないと私どもは考えております。 それから政治資金の問題でございますが、これはやはり選挙の仕組み、それに伴う選挙運動あるいは政治活動というものの形というものに応じてその政治資金の出も入りも変わってくることであろうと思いますので、やはりそれは連動性を持っていると申しましょうか、一体として考えるべきだ、そういうことで私どもは審議をしてきたわけでございます。
○菅委員 一体としてということなんですが、私はやはりそれは無理があると思うのですね。つまり、なぜ政治に金がかかるのか、なぜ逆に言えば政治に金をこんなにかけているのか、一体だれが一番よく知っているのでしょうか。多分ここにおられる選挙をやってきた議員、私を含めてですね、議員がその実態を一番よく知っていると思うのですよ。 では、なぜ選挙にお金をたくさんかけているか。簡単に言えば選挙に勝ちたいからでしょう。あるいは、相手が使うから、おれも負けないで使わなけれはこれでは勝てないとか、そういうことがまさに自民党同士が争う中ではより多くあるから、よりたくさんお金がかかるのではないですか、総理。ということは、結局は、制度を変えてではなくて、お金を使っても簡単に言えば選挙に勝てないという仕組みをつくることの方がまず何よりも重要なんじゃないでしょうか。そういうことができれば、幾ら自民党同士の戦いとはいえ、そんな不法なお金を使ったら、はい、あなたはもう失格です、こうなったら、それは同じ選挙区に二人、三人出た選挙であってもやめるんじゃないでしょうか。どう思われますか、総理。
○海部内閣総理大臣 御指摘のことは、同じ政党同士の争いの中で、私は、ややもすると大切な場面で政策が姿を消して、個人と個人とのつながりとか個人と個人の関係維持強化の問題が必要以上にお金を使わせるようになっておるんだというふうに受けとめてきました。ですから、それは、どの政党でも政権を獲得するためには複数を立てなきゃならぬことになるので、今のうちにそういった同じ政党同士複数の争いは改めようということと、同時に、法律でそういった、指摘されるような行為をやめなきゃならぬのは当然ですから、両方あわせてやっていくといい効果が上がるのではないでしょうか。片方だけほっておいて、自由に野放しに競争できるようにしておいたんでは、これは効果がきちっと上がらないような気がいたします。
○菅委員 つまり、まさに最後に総理、そのもの言われたように、自由に野放しにしたんではだめなんですよ、幾ら選挙区制度を変えても。それで、本会議でも言いましたけれども、じゃ、これまでの選挙法なりそういうものがどれだけの効果があったかですよ。 どうですか、自治省。戦後、選挙違反の買収などで資格を剥奪をされた国会議員、何人いますか。端的に。
○吉田(弘)政府委員 一人というふうに承知しております。
○菅委員 聞かれました、たった一人ですよ。私が知っているのでも、公民権停止が一人、連座制による当選無効、これは知事選に出るために上告を取り下げて確定した人がもう一人、一人ですよ。両方合わせて、あえて合わせても二人ですよ。結局のところ、選挙違反をやったって捕まるのは運動員だ、とにかく議席さえとってしまえば勝ちだ、まさにやり得だということが今の状態を生んだんであって、中選挙区制が生んだんじゃないんですよ。 ですから、今回私は、政府案の中にも連座制の強化が入ったこと、それ自体は評価をします。しかし、それが本当にこういった腐敗政治を、腐敗選挙を正すことになるかといえば、残念ながら不十分。これも本会議でも指摘をしましたけれども、五年間の立候補の制限ですよ。 野球選手がもし金を払って、おまえ、ちょっとピッチャーの球緩くしてくれと言ったらどうなります。永久追放ですよ。そうでしょう。相撲も最近いろいろやってますけれども、少なくとも三日間の停止になるかもしれない。あるいは陸上のドーピング。ちょうど選挙違反なんというのはドーピングに似ていますよね、本来は使ってはいけないもの使って速く走ろうというのですから。ドーピングをしたらどうですか。金メダルだって剥奪ですよ。 そういうふうにきちんとした制裁措置があれば、どうですか、ここにおられる皆さん、やりますか。やばくたって、少々金使ったって、相手に勝つにはやらなきゃいけない。一生懸命やってお金まで使ったら、有罪になったら、例えば十年間はもう公職にはつけない、現在ついている人はもちろんやめる、十年間は立候補もできない、そういうふうにしたら、私は、この政治腐敗の問題は、まさにイギリスの一八八三年の腐敗防止法のときと同じように大きく改善され、浄化されると思いますが、総理大臣、どう思われます。
○海部内閣総理大臣 その角度からの御議論は、私もそういう意見があるということはよく知っておりますし、だから、今回政府が組んでおります案の中にも連座の範囲をうんと広げております。 同時に、それから今最初の御指摘の、失格した人は一人だけでやり得ではなかったかというのは、裁判に期間がかかり過ぎるという面が大きくあったわけでありますから、今回からいろいろと法廷の、何と言うんですか、一括期日指定と言うんですか、これだけの間に判決を出してしまうというそういった制度もきちっと織り込もうとしておりますし、それよりもまた、立候補の五年間禁止とか、随分厳しい十八世紀的なものかもしれませんが、これをしたらこうなりますよという厳しさは今度の法案の中にもきちっと出ておると思います。
○菅委員 今、公判期日の一括指定、私もこれも前進だと評価します。しかしですよ、今の法律にどういう規定が入っています、総理。選挙裁判は百日以内に判決を出しなさいという訓示規定が既に入っているんですよ。一括指定だって、これは裁判官がその気になれば今でもできるし、かといって弁護士や被告の人がどうしても事情が悪かったら一括して承認もできないというのが、私が裁判官経験者の人から聞いた話ですよ。つまりは、百日で裁判をやるといったのに何日かかったんですか、これまである参議院議員は、昭和四十九年に立候補して、総括責任者が亡くなって地方責任者が有罪になるのに十一年半かかっているんですよ。つまり、そういう形で任期が全部終わってからそういうものが確定している。百日裁判が、千日どころかもっとかかっているというのが実態なんですよ。 これに対して、せんだっての質疑の中で自治大臣は、基本的人権があるので余り資格剥奪は難しいみたいな答弁をされましたけれども、本当にそうですか。というのは、じゃ、ルール違反をして一等になって金メダルをとったら、ルール違反をしないで二等になった人は銀メダルですよ。選挙でいえば、ルール違反をして当選をするということは、定数が決まっているんですから、あるいはルール違反をしていない本来当選すべき人が落ちているんですよ。これは、私は、基本的人権の問題とは性質が違うと、まさに被選挙権を行使する人が被選挙権の行使の中でルール違反をしたんだから、当然それによってペナルティーを受けるのは当たり前のことであって、ほかのペナルティーじゃない、被選挙権にかかわるペナルティーなんです。どうですか、自治大臣。
○吹田国務大臣 私が申し上げておりますのは、政治家の日常活動のことを特に言っているわけでありまして、常に日常活動に同じ選挙区で同じ政党の方々が複数で出馬するという形の議席を持つということは、これは政権をとるためにはやむを得ない措置とはいいながら、日常活動に非常にお金がかかってくる。そのことが いやいや、ですから、選挙そのものに金をかけておるというんじゃないんであります。選挙そのものに金をかけておるというんじゃなしに、日常活動にかなりの経費を必要とするということから起きておる問題でありまして、選挙そのものにつきましては、私は決してそんなに大きなお金をかけて云々しておるということではないと思います。 ただ、連座制の問題等に関しては、必ずしもすべてに連座制を適用するということは、これはやはりそれなりの人権問題にもかかわってくるんではないかということを申し上げたわけであります。
○菅委員 いいですか、今の議論というのはどういうことなんですか。つまり、選挙期間中にはお金は大してかけないけれども、事前に選挙のためにお金をたくさん使っている。それが自民党同士だと競争になるから、それをなくするには小選挙区でなければならない。こんな論理ですか。いやいやちょっと待ってくださいよ。 つまり、私は、選挙法をまずきちんとして、そして選挙にかかる費用の問題をまずきちんとする。あるいは昨年できた法律でも、いわゆる事前運動における寄附行為もきちんとする。あるいは政治資金規正法、これにも今回公民権停止が入っておりますね。私は、政治資金規正法違反も、単に公民権停止ではなくて、連座規定を入れるべきだと思うんですよ、連座規定を。今回もどうですか、秘書がやった、秘書がやったと言われた方はこの中に何人おられます。厳密に言えば、政治資金規正法の違反で、きょうの議論にもありましたけれども、大臣そのものも場合によったら、自治大臣そのものも場合によったら、政治献金としてあるいは預かり金として届けなきゃいけないものが届けられてなかったというのが明らかになっている。それは悪質であるかないかいろいろ議論があるでしょうが、私は悪質なものについてはこれも連座規定をつけて、秘書のせいにしないで、その主宰をしている政治家、議員そのものが連座規定で資格を剥奪されるようにすれば、もう十二分な注意義務を払ってそういうことをしなくなる。そうすれば事前運動にかかる費用、日常活動についても私は政治浄化が選挙からさらに事前にかかって進むと思うのです。 私はある与党議員と個人的に話をしていましたら、確かにそのとおりだ、菅さんが言うとおりだ、だけれども、そんなにきつくしたら自民党は野党にやられちゃうかもしれない、こういうふうに言われていましたよ。つまり、自民党同士が競争するので、お金でもって後援会を拡大することで野党よりも強くなっているんだということをあるいはその人は思われたのかもしれない。つまり、そういった意味では同じルールでやればいいんですよ、野党も与党も。そうしたら野党も二人も三人も立てるようになるでしょうよ。つまり、金の額が一けたも二けたも違うんですよ、現実に。政治資金規正法を見ればわかるじゃないですか、政治報告を見れば。どうですか、自治大臣。
○吹田国務大臣 先ほど私がお答えいたしましたけれども、それは日常活動の政治活動ということを申し上げたんであって、日常の事前選挙運動というふうに申し上げたんではないわけですから、そこは正確に受け取ってもらわないと、私も非常に皆さんに対しても申しわけないことになりますし、そういう意味ではないわけであります。それがまず一つ。 それから連座制の問題は、すりかえたわけでもありません。連座制については、これは当初、この前の本会議でしたか御答弁申し上げました。その人権云々ということは、御意見のような考え方でいきますと、議席を剥奪するというようなこと。について、他人の犯した選挙犯罪に対する候補者本人の有責性の限界というようなこと等もありまして、有権者の意思との関連性等にかんがみまして慎重にこれはやはり進めないと、一概にすべて連座制にするというのはやっぱりどうだろうな、こう思っているわけでありますから、御理解願いたいわけであります。
○菅委員 いいですか、自治大臣あるいは皆さん、総理もね、ここが問題なんですよ、ここが。現実に毎回選挙で六千名、七千名という人が起訴されているんですよ。で、相当の人が公民権停止になっているんですよ。しかし、それでありながら国会議員本人が資格を剥奪された例というのは一件。つまり、連座規定なんというのはほとんど機能してないわけですよ。それが、他人の行為で、それによって有責性だから慎重につまり結局は政治腐敗を助長しているんじゃないですか。やり得という現状を認めているんじゃないですか、今の大臣の答弁は。まさにやり得というものをなくするには――議席をとるために選挙をやっているんですよ。事前運動は選挙のためにやってない、そんなことをだれが信用するんですか。地盤培養活動を選挙のためにやってないのですか、大臣は。みんな選挙のために、だからやっている。逆に言うと、それが政党活動になればやらなくて済むからこの法律を出したと総理自身が言っているんじゃないですか。 ですから私は、そういった意味では、今出されている連座規定の強化と同時に、政治資金規正法においても今回新たに、たしか二十八条ですか入った公民権停止項目、これは実際に違反をした人本人ですよ、それに加えてその責任者あるいはその団体が実質的に支援をしている候補者、議員に対する連座規定を設ける、こうすればきちんとするんじゃないですか。
○吹田国務大臣 ですから連座制の問題につきましては、私は決して否定しておるわけではなしに、今回は特に連座制については厳しくいたしておりますと。その内容はもう先生御承知のとおりでありますから今さらここでは説明しませんが、非常に厳しくなっておるわけでありますし、立候補予定者の親族まで連座制の対象になったということからいたしましても、あるいはまたその予定者の秘書までその関係の連座制に入ったということからいたしましても、立候補そのものでなしに予定者までその関係になったということを考えますと、相当厳しくはなっているわけであります。ただ、今先生のおっしゃるところまで連座制を拡大強化しようではないかということにつきましては、また今後の問題としては検討されるかもわかりませんが、現時点ではそこまでは進んでいないということを申し上げておるわけでありまして、御理解を願いたい。 それからもう一つ、私は、日常活動をすべて選挙ではないかというふうに決めつけてしまえばそれはそれまでであります。私はそうしたものじゃないと思う。日常の政治家が政治活動をするのをすべで選挙運動だというふうに解釈をして、地元に帰って活動しておることを全部あれは選挙運動なんだという解釈は、これは短絡的で私は承服できません。
○菅委員 総理大臣、今の議論をよく踏まえてもらいたいと思うのです。 もう時間ですからこれで終わりますけれども、つまりは、私はこれを聞いておられる国民の皆さんも、政治家自身が一番知っているはずだと。金がかかるなんて、雨が降る話じゃないのですよ。だれが使っているかといったら、ここにいる我々が使っているわけですから。それはどうしたら使わなくなるか、一番知っているのも我々だと思うのですよ。それは選挙に落ちること、資格を剥奪されることが一番怖いわけですよ、お互いに。ですからその制裁措置をきちんと、制裁措置の中に入れることが私は政治改革のまず第一歩であって、三法案一括ではなくてその部分をまずやって、選挙制度の問題はまた場をつくってやるべきだということを申し上げて、時間ですので質問を終わります。
○小此木委員長 これにて菅君の質疑は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十六分散会