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121回国会衆議院1991/09/25

証券及び金融問題に関する特別委員会 第9号

発言数
240
登壇者
21
会派数
3
開催日
1991/09/25

会議録

大野明自由民主党

○大野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、証券取引法及び外国証券業者に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として日本証券業協会会長渡辺省吾君、日本証券業協会専務理事関要君及び東京証券取引所理事長長岡貴君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大野明自由民主党

○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――

大野明自由民主党

○大野委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。衛藤征士郎君。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 自民党の衛藤征士郎であります。  証券取引法及び外国証券業者に関する法律の一部を改正する法律案につきまして若干ただしたいと思います。  冒頭、この法律案は内閣提出であるということをまず最初申し上げておきたいと思うのでありまして、その立場から大臣に冒頭確認をしておきたいことがあります。  まず、大臣の外遊日程につきましてお尋ねしたいのでありますが、今後の大臣が予定しておる外遊日程についてまずお答えを願いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 突然のお尋ねでありまして、外遊日程というお話でありますが、今日本政府として大蔵省関係、大蔵大臣の出席の要請のあります国際会議といたしまして確定をいたしておりますのは、十月の十三日からIMF・世銀総会がバンコクにおいて開催をされることになります。これは十三日、細かい日程記憶をいたしておりませんが、多分朝から暫定委が予定されておると承知をしております。  これに関連をいたしまして、その直前に幾つかの会合がうわさをされておりますし、それらの会議の方向あるいは時期、現時点において確定をいたしておる状況ではございませんけれども、仮に求められれば日本として出席をする必要のあるものはあり得る。ただ、現時点において確定をいたしております国際会議は、IMF・世銀総会が十三日からということでありまして、その前後につきましてはなお流動的な要素を残しておりますので、確定した日付は、まだ正確はお許しをいただきたいと思います。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 ただいま大臣から最も直近の外遊日程といたしまして、十月十三日からIMF・世銀総会等がバンコクであるというようなお答えでありますが、私は大臣に確認をしたいことは、このIMF総会はもちろんでありますが、今後実力者の、またベテランの大臣として国際的にも高く評価されておる橋本大蔵大臣であるがゆえに、こうした国際会議を日本政府を代表して、私は、リーダーシップを発揮し、またこの国際会議を牛耳る立場にあるのが日本の大蔵大臣である橋本大蔵大臣である、このように思っておるわけであります。それにもかかわりませず、時々マスコミ、新聞、テレビ等々におきまして大蔵大臣のいわゆる進退についての報道が散見するものでありますから、大変心配しておるのであります。  まして、今回これだけ世間をお騒がせいたしました証券・金融不祥事、この総括をせねばならぬ。とりわけ証券問題につきましては、大臣みずから御提出されました証券取引法の一部改正案についての早期成立を図らねばならぬ。まさに法律案の提出者であり、また生みの親となるべき立場の方であります。それだけに、この法律案成立後は担当大臣としてしっかりこの法律施行の後のすべてについて取り仕切ってもらわねばならぬ、このように考えるのであります。  せっかくこの法律案が成立した後は、やはりそれぞれ皆さん、船には出港すれば必ず帰ってくる港があるわけでありまして、いわゆる母港でありますが、私はこの証券取引法の改正案につきまし  てはしっかりとした母港を持たせてやりたい。いわゆる出港したこの法律案、出ていった船が安心して帰ってくる港、母港を我々はつくるんだという、そういう気概で私は今質問したいのでありますのでありますから、大臣におかれましては、まかり間違ってもマスコミ等におきましてただいま申し上げましたいわゆる進退云々というようなそういう記事が散見しないように、海部内閣の重鎮として内閣の続く限りしっかりとその責任を果たしてもらうようにお願いを申し上げたいと思います。いかがでありましょう。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 出処進退はみずから決することでありますが、友情にあふれたお言葉として承らせていただきました。   いずれにいたしましても、大蔵省として今回の証券関係の一連の問題の再発防止のいわば第一歩を踏み出す今回の証取法の改正であり、この後次々に我々は努力をし、二度と再びこうした事態を起こさず、一また市場が信頼を取り戻すための努力をしていかなければなりません。どうぞ、息の長い努力が必要になると考えますけれども、大蔵省の事務方が全力を尽くしてまいれますような御指導、御協力を心からお願いを申し上げます。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 大臣の力強い重ねての決意を承りまして安心をいたしました。  それでは、若干の質問をさせていただきます。  昨日の私どもの委員会におきまして、九一年三月期のいわゆる損失補てんにつきましての公表が証券業協会からなされました。四百三十五億円、四大証券で延べ七十八法人、こういうことでありました。  大変この件につきましてはショックを受けておるのでありますが、それは、平成元年十二月二十六日、証券局長通達におきまして損失補てんの禁止、また一方で営業特金の整理を証券会社に求めたということは御案内のとおりでありますが、なぜ証券局長通達が出された後も、しかも通達が出されまして三カ月たち、その後の約一年間におきまして、この九一年三月期に四百三十五億円もの損失補てんがなされたのか、なぜだろうか、このように考えるのであります。また、先般衆参国会においでをいただきました四大証券の幹部の皆さんは、この時期については損失補てんはないものと思うというような御意見も開陳されたのでありまして、それにしても余りにもこの事実との乖離が大きいわけでありまして、納得できないのであります。  私が思うに、損失補てんの禁止と同時に営業特金の整理を求めるという二律背反のことを証券会社に求めた、このことが問題の一因でもあったのかなと思うのではありますが、しかし、大蔵省の通達行政に対する証券業界の取り組みといいますか、認識といいますか、そういうものが余りにも無責任過ぎるという感じがするのでありますが、この点について、まず大蔵大臣の御所見を承りたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 昨日、中間報告をさせていただいたわけでありますが、確かに委員が御指摘のとおり、平成三年三月期の補てんというものが私自身が想像していたよりもはるかに大きなものでありましたし、私自身何とも言えない思いで御報告をさせていただきました。  いわば通達あるいは行政指導といいますものは、本来、お互いの間に信頼関係があって、その上で成立するものであると私は思っております。そして、従来において、まさに証券局関係におきましてもその基本的信頼関係というものはあったのだと私は思います。ところが今回、一連の新たに出てまいりました補てんというものを考えてみましても、その信頼関係というものは既に存在しないと言わざるを得ない気持ちが私にはいたしております。そして、それが存在しないとなれば、法律による措置を真剣に私としては考えざるを得ません。  その中で、当面速やかに御審議をお願いを申し上げたいと考えましたものは、現在の証取法の中に御審議をこれからいただくわけでありますが、これから後に、例えば現在行い始めております通達の見直しの中で、新たに法律に移しかえるもの等、あるいは法制審の御審議が終了した段階における刑罰の内容の変更等、引き続きこの法律自身につきましても私は院の御協力を得なければならない場面が発生すると考えております。  いずれにいたしましても、信頼関係の上に成り立つ通達行政、行政指導というものの根底が崩された、その思いを今強くいたしております。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 私は、証券業界並びに日本の証券市場を支えてこられた皆さんが、戦後日本の輝かしい復興に大きく貢献し、またその一翼を担ったということもしっかり認識をしております。まさに、それは大きな光の部分である。しかし、一方では今指摘されているような深い黒い影の部分もあるわけでありまして、この双方のことを考えてみるに、ただいま大臣から御指摘のありました双方の信頼関係、そういうものが今一番揺らいでいる、またそれが喪失してしまいつつあるのではないか、こういう感じがしてなりません。  昭和四十九年十二月二日に出されました証券局長通達「投資者本位の営業姿勢の徹底について」、これは昭和四十九年の通達でありますが、日本証券業協会会長あてにこういう内容で出されております。  最近の証券会社の営業姿勢をみると、収益の向  上を急ぐあまり投資者の利益を軽視した過当勧  誘、過当競争を行い、その結果、投資者の信頼  を失う事例がなお見受けられることは誠に遺憾  である。証券会社のこのような営業姿勢は、一  般投資者を証券市場から離散させ、ひいては証  券市場の健全な発展に重大な悪影響を及ぼすお  それなしとしない。証券会社は、この際、従来  の営業姿勢について真剣に反省し、投資者本位  の営業姿勢を一層徹底する必要がある。このような通達が出されておるのであります。  これほどの通達が出されるという背景には、私は、ただいま大臣が指摘されたようなことがこの昭和四十九年の時点におきましてもあったのではないか、このように懸念をするのであります。大きな光の部分、それはそれで評価します。しかし、一方でこういうような問題点をはらみながら今日の時点に相至った、その責任は一体どこにあるのかということであります。  確かに、この免許制のメリット、そういうものも私は是とする立場に立っておるのでありますが、一方で、そのことが寡占状態を生むことにならなかったのか。また、手数料の固定化、このことが一方では損失補てん等々の問題を引き起こす温床にならなかったのか。いろいろのことを考えてみるときに、私は、監督、指導、育成した証券局、一方におきまして過当競争に陥らざるを得なかった業界、そういうところの二律背反、ジレンマ、そういう影を引きずって、今日、日本の証券市場はある意味では急成長してきたのではないか。その辺のところについての反省を大いに我々はしながら、これから新しいスタートラインに立って、国際的にも信頼され、まず国内にも信頼をされるようなそういう市場の回復、また投資者の信頼回復を得るためにも、大臣仰せのとおり、私は一刻も早くこの証取法改正案、これを成立させねばならぬ、このように考えておるのであります。  証券局長にお尋ねいたしますが、もし通達ではなく、損失補てんを禁止した法律が現存しておったならば、今次の事態は引き起こされたのかどうか、証券局長としての所見をまず伺っておきたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 お尋ねの点でございますが、確かに現在の証取法は損失保証だけを禁止しておりまして、損失補てんをずばり禁止している条項がないわけでございます。  私の考えと、こういうお尋ねでございますので、個人的に私の考えを申し上げさせていただきますと、やはり法律に明示されていれば、それの方が抑制力が強く働いたというふうには考えるわけでございます。もちろん、行政指導というものも、免許制のもとで当然尊重してもらうという前提で私ども行政を行っているわけでございまして、その行政指導に背くというようなことになりますと、それは私どもの行政の根底が崩れるわけでございますので、そういった意味からいいますと、行政指導といえども、私どもとしては法律と同じような態度で遵守をしていただきたいということを考えるわけでございますが、仮に法律で規定されていればというお尋ねでございましたら、法律違反になりますとこれは正規の行政処分が可能になるわけでございますし、法律違反行為というものに対する抑制効果といいますか、そういうものを犯さないという抑制効果は営業の一線についても、法律というものが明示的に示されている以上、行政指導に比べればかなり抑制効果が大きいということは言えるんではないかというふうに思うわけでございます。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 私は、証券局長から明快に、しっかりした法律があれはこういうようなことは起こらなかった、そういうような答弁が即座に返されるものと思ったのでありますが、今局長のお話でありますと、やや、何といいますか、証券局長、証券局として業界の育成、指導、信頼関係、そういうものをおもんぱかった発言であることはわかりますが、私は、法律というものは、罪刑法定主義にある法律というものは、しっかりと鮮やかに明快に浮き彫りにされるものだ、そしてしっかりとそれが機能、ワークするものだ、それが法・律だ、このように思っております。  さて、証券局長にお尋ねいたしますが、現在の証取法改正の中で、さらに証券取引法の中で証券局長がお考えになって、これはやや完全にワークしてない、死文化とは言いません、ワークしてない、あるいは解釈がなかなか難解で罪刑法定主義にすぱっとなじまないようなものがあるとか、あるいはこの法律については証取審の方にお出しをして、これを審議し、手を加えてもらわねばならぬというような、そういうような法律、条項ございましたら御指摘をいただきたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 証取法の中で、率直に申し上げまして非常に適用が難しいといいますか、構成要件等からいたしまして適用が難しいと考えております法律条項は、まず五十八条の不公正取引の禁止というのがございます。それから百二十五条。百二十五条につきましては幾つかの事例があり、裁判係属中のものがあるわけでございまして、そういう判例の中で解釈が明らかになってきている過程でございます。したがいまして、一概に法律が使いにくいということを申し上げるというわけではございません。ただ、運用上、私どもがいろいろ証券会社を検査いたしまして、例えば五十八条なり百二十五条というものを適用いたそうといたしますと、なかなかそれに該当するような事実関係を把握するのが難しいということは事実でございます。  そういった観点から、私どもとしては、まず法律改正ということではなくて、五十八条なり百二十五条の運用というものを一体、検査で集めた事実を当てはめて、運用でできないのかどうかという点をまず議論していただくということが出発点になろうかと思うわけでして、証券取引審議会の場におきましても、まず、今申し上げたような条項を実際に運用することについてどういう問題があるのかという点を議論をしていただき、さらに、どうしても運用上問題があるということであれば、法律の構成要件を変えるというような議論にもなろうかと思いますが、私、今問題意識を持ってぜひ証取審で議論をしていただきたいと思っておりますのは、百二十五条、それから五十八条というような条項でございます。     〔委員長退席、松永委員長代理着席〕

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 今証券局長のお答えの百二十五条並びに五十八条、この適用、運用というのが難しい面もある、こういうことでありますが、今次発生しておりますところのこの証券不祥事、とりわけ株価操縦等の問題、あるいは健全性の問題等々、こういうことは多くの国民がこのことに関心を持っておるわけでありまして、この辺のところを、また後ほど同僚の議員が指摘すると思いますが、十分な、見直しが必要であれば見直すなり、そういうことを証取審の方にもひとつ提出をして、このことについての適用あるいは運用の公正を期していただくようにお願いをしておきます。  次に、大蔵大臣にお伺いをいたしますが、いわゆる再発防止策の全体像につきまして、大臣はどの、ようにお考えであるのか、お尋ねをいたしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 本院におきましても、この一連の証券によって発生いたしました事態の中から、私は五つの問題点、原因というものを申し上げてまいりました。そして、長々と申し上げるつもりはございませんけれども、取引ルールそのものが明確性を欠いていた、ペナルティーが軽過ぎた、そして、検査・監視の体制が十分にワークしていたかどうか、さらに、顧客の自己責任というものについての認識の問題、そして、行政のあり方、大きくそのように申し上げてきたわけであります。  そしてその中には、今御審議をいただいております証取法改正をいわば第一の段階として、次々に我々が努力をしなければならない問題がございます。先ほど申し上げました通達の見直し、そして法律に移すべきもの、業界の自主ルール、自主規制にゆだねるもの、そしてこれを明確化すると同時に、今後、口頭による通達というものを廃止したいという考え方、さらに、私たち自身で作業をスタートをいたしましたが、その後総理の御指示があり、行革審に御検討をゆだね、先般、大蔵省の立場からいたしますと大変厳しい内容でございますけれども、検査・監視体制のあり方について行革審からの御意見をちょだいをいたしました。これは私どもとして、年末の予算編成までにきちんとしたものとして皆さんにお目にかけ、同時に次年度予算の中にその結論を盛り込んでいかなければなりません。さらに、例えば手数料の問題、あるいは参入の問題、さまざまな問題が提起をされております。  いわば同時並行の形で私どもはこれらに対しての答えを出していかなければならないわけでありまして、今、例えばこの問題についてはいつまでにと明確なお答えを申し上げるだけ我々は作業をまだ進め切れておりませんけれども、少なくとも通達の見直しとそれに関する措置というものは、行革審から次期通常国会にという御指示を受けておるわけでありますし、検査・監視体制のあり方につきましても、当然のことながら予算編成というものをいわば終点として結論を出し、その後所要の手続をとっていくもの、そのように考えております。  さらに、自主ルールにつきましては、取引所におかれましてもあるいは証券業協会におかれましても、既にそれぞれのお立場で研究を開始し、一部は既に実行に移そうとしておられると承知をいたしておりまして、これらを同時並行的に進めていく責任が私どもにある、そのように認識をいたしております。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 ただいま大臣の指摘されました五点のことでございますが、とりわけ行政サイドの責任問題でございますが、いわゆる監督不十分あるいは指導の徹底を欠いておる、こういうことを言われております。そういう中に、よく天下りの問題、こういうのが出まして、天下りをしておるからその指導やあるいは監督に手心が加えられるのじゃないか、こういうことが一般に言われておるわけであります。これは大変気になる問題でございまして、その辺のところをすっきりさせておかなきゃならぬと思うのです。  例えば外国におきましても、アメリカにあっても、フランスにあっても、イギリスにあっても、どこだって西欧先進諸国でも天下りというのはあります。しかも外国の例は、天下りというのは極めていわゆる経験が浅い時期といいましょうか、例えば五年、十年、この段階でも大いに業界の方に行ったり帰ったり、こういうことがあるわけでありますね。我が国は、どちらかといいますと、この天下りというものがやや人生功成りて相遂げてというこういう感じから、定年後行くというようなそういうようなことになっておるわけなんです。  外国ではどんどん天下りをやっているのに何らそれが問題にならないのに、日本の方では天下りというものがなぜ問題になるのか、その辺のところを踏まえまして、大臣、お考えをいただきます。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私は、基本的には欧米型の雇用形態と日本の終身雇用制を中心とした雇用形態、その姿の中から再就職問題についての考え方の差というものは出てきたような感じがいたします。  確かに今委員が御指摘になりましたように、例えば我々のアメリカにおけるカウンターパートは財務省でありますけれども、財務省の高級幹部が民間に転職をする、あるいは民間から高級幹部として迎え入れられる、そうしたケースは多々見るところであります。そして、それについて何ら批判はございません。また、例えばSECから、まさにSECの中で上げた業績を評価されて関係の企業あるいは公認会計士事務所等にスカウトをされていく、こうしたケースも多々見受けられます。そして、それについての批判もございません。ただ、これは欧米型の非常に自由な転職というものを前提にした社会構造の中で認められているルール、私はそのような感じがいたします。   一方、日本の場合には、本来終身雇用制というものの中で雇用形態というものが維持されてまいりました。今日、ある程度の移動が民間等でも見受けられるようになりましたけれども、基本的にはやはり終身雇用構造というものの変化はない、私はそのような感じがいたします。その場合に問題となりますのは、私は、例えば一定以上の地位に公務員としてあった者、それがその知識をそのままに生かせるような形で民間に再就職をする場合、これが一番の問題だろう、本来はそう考えておりました。そして、人事院規則等もそうしたことに配慮され、ルールがつくられておったと思います。そして、今日まで私は、大蔵省はそのルールのもとに行動してまいっており、いやしくも行政と民間との癒着と言われるような事実はなかったとかたく信じておりますけれども、そうした御批判がありましたことを、これは我々としても素直に受けなければなりません。  一方では、憲法に保障されている職業選択の自由というものも厳然としてございます。そうした中で、私は、先般本院でも申し上げましたように、大蔵省としては少なくとも世間が信頼をしていただけるようになるまでは、高級幹部と申しますか一定レベル以上の職員の再就職先として証券会社というものを選ぶことは自粛したい、仮に本人あるいは相手側企業から要望がありましても人事院承認にかからしめることは避けたい、そういうことを考えてまいりました。具体的には本省課長以上について私はその自粛を続けたい、そのように考えております。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 行政に対する国民の一層の信頼を高めるために、大臣といたしましてさらなる御努力をお願い申し上げたいと思います。  次に、行政と同時にいわゆる業界に対する信頼というものを我々はさらに回復せねばならぬわけでありますが、とりわけ、いわゆる業界がどのような自主規制機能を発揮する受け皿をこれからつくっていくのか、またどのような自主ルールをつくつていくのか、この点をきょうおいでの参考人の方々にお尋ねいたしたいと思います。  まずは今回の証取法改正案にありますように損失補てんの問題でありますが、明らかに損失補てん行為、そしてこれは損失補てんには当たらない行為、そしてグレーゾーンといいますかダブるようなところ、そういうものが出てくると思うのでありますが、今日まで大蔵省としては通達等はたしか四百六十本ぐらい出ておると思うのであります。この四百六十本の通達等を、これから自主ルールをつくるために業界また証券局も一緒になりまして、これは正当業務の範囲である、これはだめだとか、こういうことをこれから決めていかねばならぬ。かなりの作業量であり、かなりの時間もかかるでありましょう。しかし我々はそれを一番期待しているのでありまして、このことにつきまして参考人の方からまず御意見を承りたいと思います。

長岡實東京証券取引所理事長

○長岡参考人 お答え申し上げます。  証券取引所及び証券業協会の両方に関連する問題でございまして、その両方にわたってお答えを申し上げたいと存じますが、私ども今回の不祥事の発生にかんがみまして、やはり私ども自主規制機関に対する批判も非常に強いものがあることを率直に受けとめております。今後未然防止のために、再発防止のために自主規制機関がしっかりと自主規制能力を強めていかなければならないと考えております。  お尋ねの件でございますが、まず私どもが急いでやらなければならないのはただいま御審議をいただいております証取法改正に関連する部分でございまして、損失補てん行為その他につきまして、今衛藤委員の御指摘のような法に触れるか触れないかという範囲について、これをはっきりいたしませんと証券取引が阻害されるという面も出てくるわけでございまして、そういったような点につきまして、私ども、特に証券業協会が中心になると思いますが、実務に熟知している者等を集めましてこれは正当行為であるといったようなことについての自主ルールをつくりまして、しかもそれが単なる自主ルールということだけではなくて、私どもといたしましてはそれを公的に認知していただくということが必要ではないかと考えております。  第二段階といたしましては、大蔵省の方でこれから通達の整理をなされると思います。その中には、法令に格上げされるものあるいは自主規制ルールにおりてくるものというものがあろうと思いますが、これは大蔵省の方の作業の進展に応じまして、私どもはそれをどういうふうに自主規制ルールとして整備していくかということに取り組まなければならないというふうに考えておる次第でございます。

渡辺省吾日本証券業協会会長

○渡辺参考人 ただいま取引所の理事長からお答えございまして、私、全く同じ趣旨の発言を申し上げるわけですけれども、しかし、証券業協会としてもこういうふうに考えているということを御確認願う意味で、似たようなことを申し上げて恐縮でございますけれども、お聞き取りいただきます。  私は、証券市場の健全な機能発揮のためには、それからもう一つ、証券会社というのは証券市場の仲介者でございますけれども、これを適切に規制するためには、証券業協会のような自主規制機関がこれからますます大きな役割を果たさなければならないというふうに考えております。先般の行革審の御答申におきましても、自主規制機関を通じた証券市場の規制を強化するという御提言をいただいておりますと同時に、今までの自主規制に対しては大変厳しい御叱責をいただきまして、関係者の自覚が極めて不十分であったといったような厳しい御叱責をいただいております。  私どもとしては、一連の証券不祥事が表面化いたしましてから業界の改革に全力を挙げて取り組んでいるところでございますけれども、こうした御指導を率直に受けとめまして、自主規制機能が有効に発揮できなかったことについて真剣な点検を行い、自主ルールの整備、監査機能の拡充等具体的な改善をできるだけ速やかに実施していきたいと思いますし、また、現に実施しております。  それで、今の理事長のお考えと同じようになりますけれども、証券会社と申しますのはいろいろな業務がございます。例えばディーリング業務とかアンダーライティング業務とかいろいろな多種にわたる業務がございますし、また、それを非常に早く執行しなければならないといったような仕事の種類でございますが、そういったような普通の正常な業務が阻害されないようにすることが証券市場の円滑な機能を発揮する上で非常に大切であるというふうに私どもは思っております。  そうした問題意識に基づきまして、証券業務の知識とか経験を踏まえて、正常な証券取引と認められる行為を自主ルールの形で明確にしなければならない。今の理事長のお話にもございましたように、簡単に申しますれば、このたび証券取引法の改正が実現いたしましたならばそれとワンセットになるわけですけれども、自主ルールを整備いたしまして、これはやってもいいこと、これはやってはいけないことというのをできるだけはっきりさせなければ証券業務というものは活発に行われないというおそれもございますし、また、今回のような不祥事を防止することにもならないかと思いますので、ただいま全力を挙げてそれに取り組んでおります。もちろん行政当局とも協議をさせていただきますし、また、こういったような自主ルールがガイドラインになるようにこれからも期待しておるわけでございます。  また、こういったような証券取引につきましては、例えば新しい商品が出現したり、また新しい取引法等が開発されたりということもございます。したがいまして、ただいま申し上げましたような自主規制のルールづくりといったようなことも、将来にわたってこれに対応できるようなそういう仕組みを考えて適正なルールづくり、その運用に万全を期したいというふうに考えておりますので、どうぞ御了解いただきたいと存じます。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 今お二人から答弁がありましたけれども、私も自主規制機関の機能の充実強化、これが極めて大切である、このように考えておるのであります。  さて、ただいま長岡理事長、渡辺会長のお話の中にございました自主ルールをつくる、その自主ルールに法的ないわゆる権威を付与せねばならぬ、いわゆる自主ルールそのものをオーソライズしなければいけない、これに対する証券局のかかわり方並びに法務御当局の、いわゆる当然ガイドラインが出てきますから、このガイドライン等々に対してどのような形で法務当局と大蔵省証券局とそれから業界とがお互いに調整し、かかわり合っていくのか、ちょっとこれは一番大切なところですから、詳しく説明をいただきたいと思います。証券局長。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 今般の証券取引法の改正におきまして、損失補てんのために利益供与を行うという行為を禁止をするわけでございます。その禁止をし、罰則を適用する、つまり刑罰を適用するということにしているわけでございます。  刑罰の対象になるということになりますと、刑法の一般の総則が適用になるわけでございまして、今協会あるいは取引所で自主ルール、正当な業務行為という考え方を御説明申し上げましたのは、刑法の三十五条で正当業務行為は刑事罰の対象にしないという規定があるわけでございます。したがいまして、仮に自主ルールというものが全くなくても、個々のケース・バイ・ケースで正当業務行為であれはこれは刑事罰の対象にならないわけでございます。  しかし証券取引行為の場合には、今協会の会長からもお話がございましたように大量の取引が、かつ迅速に行われるということが非常に大切でございまして、正常な普通の証券取引行為が円滑に行われるということを確保するためには、今申し上げましたような正当業務行為について典型的なものを明示するということが必要ではないか、つまりこういう行為であればそれは刑事罰の対象になりませんということを明らかにすることによって、正当な、正常な証券取引行為というものを円滑に行われるようにするということが必要だろうというふうに考えて自主ルールの作成をお願いをしているわけでございます。  自主ルールにつきましては、取引所取引あるいは店頭取引ございますので、取引所、協会の各ルールになるわけでございますが、これにつきましては、私どもは今のような考え方に基づきまして、一つのガイドラインとして、ルールに書いてある行為であれば原則として正常な業務だということで円滑な取引が確保できるということにしたいわけでございまして、そういった観点から、自主ルールをつくるに際しましては、私どもも当然その内容について本当に正当な業務行為と言えるのかどうかという点についての検討をあわせて行いますし、必要に応じては法務省とも協議をして、その辺についての判断をしていくということにしたいと思っているわけでございます。

井嶋一友法務省刑事局長

○井嶋政府委員 お答えいたします。  自主ルールは、今参考人の方々が述べられましたように、要するに証券業務として正当と考えられるものを明示的に示すものである、このように私どもは理解をしておるわけでございまして、そういった意味で自主規制団体が自主ルールでもって正当なものとして認められる典型的な行為を明示されるという御努力は多とすべきだと思っております。  ただ、それ自体はそういう性格のものでございますから、今回の法律で定めております損失補てんの行為等の定義そのものとは直接的には関係はしないわけでありまして、私どもの罰則の観点から申し上げますと、証券会社のある一つの行為がこの今回の法律案の損失補てんという構成要件に該当するか否かということを個々の事件において判断をする場合に、やはりこの自主ルールが一つの認定資料になる。さらには今証券局長が説明いたしましたが、刑法三十五条の適用の場面、言いかえますと違法性の適用の場面でございますけれども、違法性を評価する上での一つのガイドラインになるという意味におきまして重要なものだと考えておるわけでございます。  もちろん自主ルールというのは本来自主規制団体がつくるべきものでございますし、その内容については直接的に私どもはタッチするものではございませんけれども、監督官庁である大蔵当局がやはり適切かどうかということを御判断されるということが行政上必要だろうと思われるわけでございまして、そういった観点から、検討される過程におきまして今申した構成要件の認定資料あるいは違法性の評価のガイドラインといった観点で法務当局にも協議を求められるということであれば、当然私どもといたしましても各省庁の協力という観点からもこれは適切な意見を述べるという意味におきまして御協力をする所存でございます。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 今回の損失補てんのそもそもの出どころというのは、最初はいわゆる国税調査であったわけなんでありますが、私が懸念するのは、この国税の調査でこれは損失補てんだ、このように認定されればいわゆる証取法違反の損失補てんになるのかどうか、この点について証券局長、お答え願います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 国税の調査におきましては、第一義的には損失補てんに当たるかどうかということに関係なく、税務上、例えば証券会社が有価証券取引を通じて特定の投資家に利益を供与するというような事例が見れた場合に、その実態に応じて交際費などで課税をするということだろうというふうに承知するわけでございます。したがいまして、そういうふうに国税当局が認定したものの中で明らかに損失補てんのためになされたというふうに認定されれば、それは今度の改正証券取引法で規定しております損失補てんに該当するということになろうかと思います。  ただ、今申し上げましたように国税当局の調査というのは、損失補てんだということが第一義的に問題であるのではなくて、むしろ特定顧客に対する利益供与というものを実態に応じて課税上どう認定するかということにあるんだろうというふうに考えるわけでございます。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 業界の参考人にお尋ねいたしますが、この法律というのは成立後三カ月後に施行されると思うのでありますが、この間に四百六十通を超すようなこの通達の内容等をきれいに振り分けしなきゃいけないわけなんですね。その作業等々につきましておおむねどれくらいかかるか、いつまでに目安としてこれを達成できるか、明快にひとつその答えだけいただいておきます。

関要社団法人日本証券業協会専務理事

○関参考人 お答え申し上げます。  今私どもの協会長がお答えいたしましたように、今私ども全力を挙げてこの自主ルールの整備に取り組んでおるところでございます。ただいま行政の方とのいろいろな御調整の時間もあります。必要な時間もございますわけですので、できるだけ早く成案を得たいというふうに思っております。  なお、通達等をどういうふうに自主規制ルールの方に取り込んでいくかというより広い問題につきましても、大蔵省当局とも十分御相談の上なるべく早く実施に移していきたい、こういうふうに考えております。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 時間がありませんが、最後に大蔵大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  先般行革審の方から証券・金融の不公正取引の基本的是正策に関する答申が出されました。九月十三日でありましたが、その中で特に検査・監視体制のあり方について大蔵大臣としてはどのような所見でございましょう。お尋ねいたしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私どもは、こうした事態が発生をいたしました直後、たしか七月の十八日であったと思いますけれども、大蔵省の中にプロジェクトチームをつくり、みずからの手で検査・監視体制を含めさまざまな原因についての掘り下げを行おうとして作業を開始をいたしました。しかし、その後総理から行革審に諮問がなされました事実を踏まえ、たしか八月の十九日であったと思いますけれども、それまでに我々が問題点として考えておりましたものをそのまま行革審に御説明を申し上げ、以降行革審の作業に我々はその結論をゆだねたわけであります。  我々は行政と検査の間に一定の距離が必要であるという認識はいたしておりました。しかし同時にそれを、その間の円滑な連係プレーのためにも同一組織の中にこれが置かれることを率直に申しますならば期待をいたしておりました。行革審からちょうだいをいたしましたお答えというものは、既に委員も御承知のように、大蔵大臣の強制調査に係る権限、将来与えられるといたしました場合に、これについては一切を委員会にゆだね、また一般の検査につきましても基本的なその方針づくり等に統括されるといった形になっております。  その内容は私どもといたしましては非常に厳しい内容のものと受けとめておりますが、行革審から御意見をいただきました以上、私どもはその内容というものを最大限尊重しながら、これを実効あらしめるように努力をしていく責任がある、今そのように考えております。極めて我々には厳しい中身のものでありました。しかし、御答申をいただきました以上、全力を挙げてその方向に努力をしていくべき、今そのように心得ております。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 当然、行革審の答申が出されたわけでありますから、政府、大蔵省としてはこれを尊重いたしまして、これに対する対応というものがなされなければならぬわけであります。  冒頭、大蔵大臣は、監視・監査の機構についてはいずれにいたしましても予算を伴うものであるがゆえに、このことについては十分な、粗相のないようにせねばならぬ、こういうようなお話がありました。私もそう思うのでありまして、確かに国民各界各層の御意見もございましょう。また、各党のこの監視・監査機構に対する強い要請、御意見もございましょう。一方で、いわゆる行革審の御意見もございます。いずれにいたしましても私は準備万端、膨大な事務量、膨大な作業量を要するであろうこの新しい機構をつくることについて、対応を誤らないようにしていただきたいということであります。  余りにもいろいろな問題が噴出しておるがゆえに大蔵省の方がやや気おくれしたような形で、対応が後手後手になってはならぬということを心配しておるのでありますが、この点について大蔵大臣のお考えを承っておきたいのであります。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 先刻来申し上げておりますように、私どもは同時並行でさまざまな問題をこれからこの証券不洋事の再発を防止するためには進めてまいらなければなりません。これは一証券局といった形で対応できるものではございませんし、省を挙げて努力をしていくべき問題と考えております。  先般大蔵省といたしましては、その七月十八日の時点で一たんプロジェクトチームをつくりました。しかし、そういうやり方だけでいいかどうかも疑問でありまして、これらの作業を実施していくために万全の態勢をとり努力をしてまいりたい、今はその考え方の基本のみを申し上げてお答えにさせていただきます。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 最近、大蔵省は、ワシントンで行われておりますところの証券監督者国際機構の会議、年次総会で、日米欧ともに銀行のBIS規制のような、証券会社にもいわゆる自己資本規制というものをつくるべきではないか、こういうことについて合意したかのような報道もあるのでありますが、その点をちょっと確かめておきたいのですが。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 証券会社に対します自己資本規制、これは銀行に対するBIS規制と似たようなものでございますが、ただ、業態が違いますものですから、やはり証券会社の場合には、主として自分が持っております有価証券の価格変動リスクというものが大きなリスクになるわけでございまして、そういったものに対応するための十分な自己資本を持っているかどうかという観点で、既に我が国でも、通達ではございますけれども、自己資本規制というのを導入いたしまして、各証券会社が財務の健全性あるいはリスク分散を図るようにという指導をしているわけでございます。  御指摘のように、IOSCO、国際的な場でございます国際証券監督者会議の総会におきましてこの議論が行われたわけでございます。これは、実は銀行との関係がございまして、ヨーロッパ大陸では銀行か証券業務を行っております。いわゆるユニバーサルバンクでございまして、ユニバーサルバンクについて、証券業務の部分と銀行業務の部分について自己資本規制をどういうふうに調和させるかということが国際的に非常に大きな問題として取り上げられているわけでございます。そういった中で、日本とアメリカ、それからイギリスもそうでございますが、一応証券会社と銀行か別会社の形になっている国と、今申し上げたヨーロッパ大陸のように同じ法人の中で両方やっている場合とをどういうふうに調和させるかということで長い間議論が行われてきたわけでございます。  今度の総会、まだ現在行われておりますが、基本的な方向として、その調和を求めていく。これは銀行監督者の会議でございますBISの方の委員会と意見調整をしなければいけないわけでございますが、証券監督者としては、基本的に証券業務に対する自己資本規制というものはこういう考え方でいこう、それは今までの銀行監督者間の議論とほぼ調和ができるというような形のものを今度の総会で一応合意を得たということでございまして、今後、具体的な詰めにつきましては、BISとの間の意見調整がまだ残っているわけでございます。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 いずれにいたしましても、東京の市場というのはニューヨーク、ロンドン等世界の三大市場であることは間違いありません。

松永光自由民主党

○松永委員長代理 時間が超過しています。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 また、いつも言われますようにロンドンにおいてもニューヨークにおいても日本の証券市場に対する期待というものは極めて大きい。これもそのとおりであります。それであるがゆえに、日本の証券市場、証券業界に対する国際的に通用するところの透明性、いわゆるディスクロージャーというものが徹底せねばならぬ、これは当然のことであります。また、一方におきまして、御承知のとおりソ連・東欧、自由市場経済に移行するこのときに当たりまして……

松永光自由民主党

○松永委員長代理 時間だ。理事が時間を守らなければだめだ。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 私が申し上げたいことは、この点につきましては十分にひとつそのことを踏まえていただきまして……

松永光自由民主党

○松永委員長代理 衛藤君、時間。与党の理事が時間を守らなければだめじゃないか。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 その自己責任というものを大事にしていただくようにお願いをいたしまして、私の質問時間は二時間でありますが……

松永光自由民主党

○松永委員長代理 約束は約束だ。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 同僚議員の方からそのことを補完をさせていただきたいと思います。  質問を終わります。ありがとうございました。

松永光自由民主党

○松永委員長代理 これにて衛藤君の質疑は終了いたしました。  次に、笹川堯君。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 まず冒頭に大蔵大臣に質問するわけでありますが、まことにこういう内容の質問をすること自体大変恥ずかしいというか寂しいというか、国民の意見を代弁する者として御質問を申し上げますので、大蔵大臣も非常に嫌な思いでお答えになるだろうと思いますが、これもひとつ大蔵大臣の有終の美を飾っていただきたい、こういう気持ちで質問いたしますので、よろしくお願いをいたします。  今般、証券・金融の不公正取引の基本的是正策に関する答申というのが実は出ておるわけです。先輩の議員からも質問がありましてダブる部分もあるかもわかりませんが、ひとつよろしくお願いいたします。  実は、この答申の内容を見ましたが、公的機関での鈴木会長の我々に対する質問の返事が、どうしてこんなに早く拙速でまとめたんだというふうにお尋ねをしたら、確かに拙速であったということは言われました。それからもう一つは、いろいろ質問する中で私どもも素人でございますのでというような言葉をいただきました。いずれにしても、世の中のことを全部知っている人はいないわけでありますが、公的なところでそういうことをお話しになった以上、私も聞き流すわけにはまいりませんので、今回の証券不祥事あるいはまた金融の不祥事については経済人が大いに関係している。膨大な数の企業、会社が損失補てんを受けている。そのときにこの企業の代表者が審議会の会長として答申を出すことは、内容は別にいたしまして、非常に世間一般から見ると答申の信頼性を損なうのではないだろうかなというふうにちらりと私は考えたわけであります。  この点について、大臣のところへその会議の報告が上がっているかどうかわかりませんが、多分私は、大蔵省というのはみんな発言のメモをとって上へ上げていくから恐らく大臣の耳に入っているか、もし大臣が知らなければ証券局長はそういうことを聞いたかどうか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 行革審会長が、行革審答申をまとめられました前後において、あるいは記者会見、あるいは各種の会議にお招きを受け出席をされ、その中での質疑応答の中でどのような意見を述べられたかということ、一字一句までは私も存じませんけれども、おおよそのお答えというものは私も承知をしていると思います。  そして、私はたまたま第二次臨時行政調査会が発足をいたしましたその直前から、党の行財政調査会長として臨時行政調査会の御審議をサポートする役割を持っておりました。そして、この中にはもちろん経済界の御出身の方も、あるいは学識経験者としての学者の方々も、あるいは労働組合の代表の方々もおられましたけれども、そうした立場を離れ、御自分の専門ということとはかかわりなく非常に真摯な御論議がなされてきたことを承知をいたしております。行革審におかれても、私はそのようなお立場で御論議をいただいたものと考えておりまして、確かに素人であると、いろいろな言葉をお使いになったかもしれませんが、それなりに私は真剣な御論議をいただいたと信じております。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 質問事項がたくさんありますので、なるべくひとつ簡便に答えていただきたいと思いますが、わかりました。  ところで、今回の証券不祥事につきまして、不祥事というより僕は証券犯罪だと思うのですね。どうも不祥事というと何か子供がちょっとおしっこ漏らした程度にしか感じないけれども、どうも座敷の真ん中で、変な話だけれども、大使したような、そういう感覚があるのですよ。といいますのは、世間の常識と株屋さんと企業人の常識というものがどうも余りにもかけ離れている、実はそう思うのです。  これは大臣と証券とどっちでもいいですから、僕の考え方、間違っていますかな。世間の常識と株屋さんと企業人の常識がどうもずれがある。多少ずれてるでもどっちでも結構ですから、ずれてなければずれてないと。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今回、証取法の御審議を煩わせるに至ったその事態というものは、常識を逸脱しているものだということを前にも申し上げた記憶がございます。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 それでは、まず世間の常識と企業人あるいは株屋の、証券会社というのは立派な内容がある場合には証券会社ということでいいのですが、今回は株屋さんと言われてもしょうがないと思っています。  実は、常識のずれということでありますが、補てんの定義について実は大蔵省の方で、補てんの定義は、財産上の利益の申し込みの約束ないしは提供を行うことは損失保証あるいは損失補てんと定義している、こういうふうに大蔵省の方で言われておりますが、これでよろしゅうございますか。短くね。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 今のこの改正法の定義でよろしゅうございますか。――改正法では、私どもは損失補てんの定義といたしまして、簡潔に申し上げますと、損失補てんするため顧客に対し財産上の利益を提供することというのが基本的な要素になっているわけでございます。法律の条文はあと――書いてございます。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 それでは、きのうの証券特で実は発表なされたのをこれからお尋ねするわけですが、どうも大蔵省が言っている補てんの意味とそれから証券会社が言っている補てんの認識、受けた方の認識、それから社会通念上一般の国民が思っている認識が私は相当ずれがあると思うのですね。  これが実は解決いたしませんと、法案をつくっても実は非常に運用が難しい。ですから、自民党の方が何か後退したような法案を出したというような御批判もありますが、それは私はないと思っているのです。ないと思っている。私は徹頭徹尾あの法案に反対いたしまして、最後に賛成いたしましたので寝返ったと批判した人がおったわけなんです。それは全く当を得ておりませんで、やはり内容が変わってきて実情に合えば賛成するのは当然であります。けさの新聞でも、野党ももう何にもしないといかぬから、まあこの辺でぼちぼち容認するような記事もきょう出ておりますので、ついでに申し上げておきますが、それは私はいいことだと思うんですよ。  いつまでもだめだだめだで何にもしなければ、国民の負託にこたえるということはできないのだから、ぜひひとつ――社会通念上、大体私は法律なんというのは一般常識を法文化したものにすぎないのだ、だから、株を買うのに第何条がどうたらこうたらで株なんて買う人は現実にいない、飛行機に乗るときも後ろの約款を全部読んで乗る人もいない、保険に入るときも保険の約款の後ろを全部読んで実は入る人はいないですね。だから、やはり余りややこしい法律はなるべく本来はつくらないで国民の常識に期待をし、自己責任ということだけを終始貫徹すれば、私はこの夏休み休んでこんな時間をむだに費やすことはなかったということだけをひとつ申し上げますが、大蔵大臣どうですか。社会通念の解釈とどうも証券会社、企業人の解釈が非常に違っておったと思いますが、それでよろしゅうございますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 この損失補てんという行為が明らかになりましたとき、世間がいかな反応を示したかということをお考えいただければ、これがいかに一般の常識と異なっていたかということはだれもが理解のできることだと思います。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 実はきのうの当委員会で「特別検査についての中間報告」というのをいただきました。ぺらぺらのこっちにありますが、大きい字にして読みますが、今回の補てん分は、野村が四億三千五百万、六件、大和が三十二億七千五百万、二十件、これは写したやつで間違いありません。日興が二百三十四億七千五百万、三十八件、山一が百六十三億で六千七百万、十四件。これをこう見ますと、あっ野村が少ないなということがわかるわけですね。  何で野村が少ないのかなとよく考えてみると、やはりよく世間で野村対三社だと、業界のリーダーというのだから、悪いことも早くやったけれども、始末するのも早かったなという実は感がするのですよ、これは率直な意見ですから。野村がうんと多いなら別だけれども、余りにも少ない。条それか、あるいは野村はもっと隠しているけれども、巧妙にやってわからなかったか、これほどっちかであります。これはいろいろと考え方があると思いますが、この点について、この発表の金額はまず間違いありませんな、きのうもらったものですから。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 そのとおりでございます。     〔松永委員長代理退席、委員長着席〕

笹川堯自由民主党

○笹川委員 まだ中間報告ですから、まだふえるか減るかは精査するということでありますから。  ところで、この内容をちょっと見ましたが、時間がありませんので全部触れられませんが、俗に言う公益企業が結構あるのですね。共済組合だとか職員厚生団体だとか青森ガスだとか、中には兵庫県の警察信用組合もある。それからファイナンス会社が実はたくさんあるわけでありますが、本来ファイナンス会社というのは、物品販売だとかそういう割賦販売を主にする事業だと私は思うのですね。ところが、ファイナンス会社が自分でたくさん株買って運用している。これはいかぬとは言わないけれども、そういうことから考えて、将来はファイナンス会社も銀行の方で相当厳しく不動産貸し出しについてはチェックをやらなければならないな、こう思うのですが、これを読んで、例えば協進トレーディングなどというのは、僕はよく名前はわかりませんが、三十億九千三百万ですね。三十億という利益を出す会社というのは、実は優秀なでかい企業なのです。びっくりするような金額なのですね。どうも大蔵委員会だとかこういうところだと何兆円という話を年じゅうしているものだから、ともすると三十億くらいは何か金じゃないような気がするのだけれども、これほどうも大きな間違いである。大蔵大臣、どうでしょうか、これをまた改めて見られて、ちょっと御感想を。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 改めてと申しますよりも、この中間報告の内容を聞きました時点で、私自身またこうした事態が続いているのかという感じを持ちましたのが率直な印象でありました。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 きのうの続きになりますが、特別検査について、平成二年の四月以降におかれても実は損失補てんが行われていたか、こういう質問に対して、行われていた、今の大蔵大臣の答弁でまだ続いてやっておった、まさに大変不愉快な思いでありますが、証取法の五十条で禁止されている損失保証、利回り保証が行われていたかというこの問いについては、「これまでのところ該当する事実を把握しておりませんが、引き続き調査を実施し、実態の解明に努めて参りたいと考えております。」こう書かれておるわけでありますが、証券局長、私の読んだのは間違いないと思うのだけれども、一応確認しておかないと悪いから。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 中間報告では、そのように御報告をしております。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 そうしますと、一番目の平成二年四月以降も補てんを行われたということになりますと、これは大蔵省としても黙って見過ごすわけにはいかないわけでありまして、当然また大蔵省内の処分だとか証券業者についての処分、例えば営業自粛だとか、あるいは社内人事の、更迭を含めましてそういうものをまた新たにこの時点でお考えなのかどうか、ちょっと大臣の御感想を。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 いずれにいたしましても、昨日御報告を申し上げましたものは中間報告であります。この検査が完了いたしました時点で、その結果を見た上、私は、十分な対応を必要とする場合にはその措置をとるということになろうかと存じます。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 それでは、野村証券による東急電鉄株の大量売買についてちょっとお尋ねいたしますが、この中間報告書の中にも「大量販売については、これまで、売買の実態や投資勧誘の状況等について調査を行ってきているところでありますが、多数の投資家が売買に参加しており、また、特定の委託者等による意図的な株価のつりあげや仮装、なれあい売買を交えた売買等も確認できない」現状であります。したがって、「現在までのところ、証取法百二十五条違反の行為があったと認定することは難しい状況にあります。」こういうふうに実はきのうの中間報告で出ているわけでありまして、私は、もう答申が出る前からこう出るんじゃないかなと実は思っておりました。世間の常識でいいますと、野村証券がやった東急電鉄の大量の売買は、これがもう株価操縦だとかいうものじゃないとしたなら、もう証券取引法は僕は要らないと思う、はっきり言って。これは世間の常識ですよ。  これは法律家にこれからお尋ねするのですから、それは人を殺したって、戦争のときは勲章だよと、平時のときは死刑だよと言われればそれはそれまでかもわからぬけれども、この場合だれが考えても野村がほとんど実は動かしている。後から質問しますけれども、野村が動かしているわけですね。そうすると、その本州製紙の場合は、まさに幹事銀行というのはほとんどないに等しい。幹事証券が、例えば日興だと思いますが、後で質問しますが、日興だと思うのだけれども、野村証券が勧誘をしたときに意図的な株価のつり上げをやってなかったというのは、僕はどうもおかしい。  ただし「証取法五十四条及び通達に関しては、野村証券の当時の営業体制、具体的な投資勧誘の状況等について、現在、更に調査を続行して」おりますというのですから、ひとつ調査は速やかに結論の出るように、いつまでたっても続行ということのないように、ぜひひとつなるたけ速やかにその結論を出して私は報告してほしい。どうも、法が通っちゃった後から報告されても実は困るわけでありますので、本来ならばこの委員会は全部結末がついてから議論をすべきだったと思いますが、そういうことは国会の会期中できませんから、そういうことは申し上げるつもりはありませんが、ひとつ鋭意誠意を持ってやっていただきたい。  そこで、証券局長、大阪梅田支店での行為はいろいろ野党の人も質問しましたね。あれを聞いておって、これぐらいまで上がるよとか、それから個人でもう損し過ぎて店じまいしたという人も何人もいると聞いている。果たして一般の国民が、うんと上がるなんとかとよほどうまいことを言わなければ私はそんなに買わないと思うんだけれども、大阪の梅田支店外でも恐らく全般的に野村は勧めておったと思うので、これでうんと損した、東急株で損したという損失のリスト、ありませんか、証券局長。こういう人が損した、どれぐらい損した。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 現在、特別検査でこの点について集中的に全力を挙げてやっているわけでございますが、今御指摘の損失客の損失額の合計という数字は、ちょっと私ども持ち合わせていないわけでございます。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 それと、これも社会常識ですが、亡くなられた石井さんが野村を介してたくさんの株を取得された。本来なら、株を買ってもうけるんならば市場において売り抜けることが一番いい方法なんですが、これは市場で売り抜ければたちまちわかっちゃう。それと、仮に、これは今売り抜けていないからいいけれども、売り抜けていたら結論は私は変わっておったと思う。たまたま幸か不幸か、今持っておったから、いや操縦に当たらぬというかもわからぬけれども、操縦する意図は、私は、もうないなんというのはおかしい。暴力団の人が損するのを覚悟でやるわけないし、もうかったときはいいけれども、損したときにはお礼参りという形に私はなるだろうと思うのだ。  そこ、で、私の推測では、売り抜けるんじゃなくして、東急電鉄の五島昇さんもいないし、いろいろなことを考えて強制的に解け合いで引き取ってもらう、こういうことを私は初めから野村と相談をしてやったんじゃないかと思うんだけれども、どうですか、証券局長、私はちょっと言い過ぎだろうか、ちょっとお答えいただきたい。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 確かに御指摘のように東急電鉄株につきましては大量にでき、かつ価格が急騰した以前に暴力団関係者が大量に購入をしているわけでございます。そういう客観的な事実というのは私どもも十分認識をしているわけでございまして、それと十月における大量の推奨あるいは急騰というものとの間の関係というものについても、問題意識を持って調査を進めているところでございます。残念ながら今のところその関係を、直接関係を裏づけるような証拠が見つからないわけでございますが、私どももその問題意識を持っているということは申し上げておきたいと思います。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 ここでちょっと関連で法務省にお尋ねしますが、私が今売り抜けておったら、株価操縦あるいはまたいずれの法律に抵触するかどうかをちょっと法務省に聞きたいのです。  それからもう一つ、野村証券株式会社を、株主の人かあるいはまた第三者がわかりませんが、告発・告訴状を提出されておる。当然、提出されたわけですから、東京地検としてはそれを受理をされておると思うんですが、捜査上のことは言えないと言うに決まっておりますが、余り受理をして長くかかって結論が出ては困るわけですが、その辺、答えられる範囲で結構ですから、ちょっとお答えをいただきたい。

井嶋一友法務省刑事局長

○井嶋政府委員 お答えいたします。  野村証券に対する告発と申しますのは二つございますけれども、お尋ねは東急電鉄株のいわゆる株価操縦の問題かと思いますが、この点につきましては、二人の個人から本年七月十五日と七月十九日にそれぞれ野村証券及び前社長の田淵義久氏を被告発人とした証券取引法百二十五条違反の告発がなされておりまして、現在東京地検におきまして捜査をしておるところでございます。  もう委員既に先取りされまして答えられないだろうというお話でございますけれども、具体的なお尋ねもございましたけれども、具体的なことにつきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思うわけでございますが、事件の性質上、何回も申し上げておりますけれども、簡単にはいかない事件であるということは申し上げるまでもないと思いますが、それにいたしましても、国会で御論議あり、またマスコミでも大きく取り上げられておる事件でございますから、東京地検といたしましては、もちろんその辺の事情を十分踏まえて迅速な処理を目指して頑張っておるということを申し上げておきたいと思います。(発言する者あり)

笹川堯自由民主党

○笹川委員 野党の方からも頑張れ頑張れという声援がありますが、私に対する声援じゃなぐして法務省に対する声援じゃないかと思うのですが、私も、国民が期待しておりますし、なるべく早く結論が出るように司法当局の方で頑張ってもらいたい、こう思います。  それでは、大蔵省にお尋ねしますが、亡くなった石井さんが東急電鉄の株、全部で何株持っていましたかな、現在の所有株数。朝、言ったんだけれども、まだ返事がないんだよな。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 私どもが把握しておりますのは野村証券と日興証券を通じて購入した分でございますが、これは現在二千五百万株所有しているということになっております。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 現在値はどうですか。きのうの値段、きのうの終わり値。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 昨日の、二十四日の終わり値は九百十八円でございます。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 現在九百十八円ということですから、計算機がないとちょっと計算できませんが、相当大きな損失をしているわけでありまして、御本人が亡くなってしまったのでまさに損失補てんは請求できないとは思いますが、東急電鉄の株を担保にファイナンスから実は借りているわけでありますが、これはいつの日か清算しなければなりません。本来ならば御本人が亡くなっておりますからいつ清算をしてもいいわけですが、ファイナンス会社に担保を入れて借りているわけですから、野村ファイナンスとかそのほかで。最終的な返済期日はいつなんですか、待ったなしの。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 現在の融資の期限は、野村ファイナンスの場合は十一月一日でございますし、日興クレジットの場合には十月三十一日ということになっております。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 これは大蔵省の方で返済の延期をしろとかしないとかということは言いにくいかもわかりませんが、こういう時期でありますから、まさにこういうのは僕は行政指導してもいいと思うのだよ、なるべく延期はさせないで、最終的には。もう本人は亡くなって、いないわけだから、相続の関係もあるでしょうから、なるたけ速やかにやってほしい。  そのほか、株の担保のほかに個人補償の有無を聞いたのですが、それはないという話でありますので、これは結構です。  株式の売買は、これはもうだれがやっても自由ですから、お金さえ持ってくれば店頭でだれに売ってもいい。それ以上申し上げるつもりはありませんが、ファイナンスということになりますと、うちを、サラツーマンが借りるのでも生命保険全額入れとか相当審査に時間もかかるし厳しいのですね。ところが、やはりこれだけの金額が、まあそのときのバブルという時代でもあったかもわからぬけれども、どうも、どう考えてもまさにこれは世間の常識でおかしい。それは、顔を見ても一見紳士風でも悪い人もいるかもわからぬけれども、どう見ても僕はこの辺は非常におかしいと思うので、今後ファイナンスの貸付金に対してはやはり厳重に審査をして貸さないと。  ただ、担保があれば貸すというのは質屋なんですよ。銀行というのは質屋じゃありませんから、担保があるなしにかかわらずその企業の将来性とかいろいろなことを考えて貸す。ファイナンス会社はちょっとそれより落ちるから、担保ということもあるけれども、担保もあればいいというものじゃないということを認識をしないと、一般国民だって銀行と相互銀行、ファイナンスとかあるいは町の金融会社とかそれぐらいの程度は皆わかっているわけです。ここへ行けば利息は幾らくらい取られる、担保がないけれども高いとか、銀行は安いけれども担保だけでは貸さない、なぜかといえば、うちは金貸しじゃありません、こう言うわけですね。  ところが、証券会社への東急株について、しつこいようでありますが、法務省にもう一遍お尋ねします。  僕の常識じゃどう考えても東急株はおかしいと思う。さっきお尋ねしたのだけれども、そのところの、例えば大阪の梅田支店の声とかなんとかというのは、これは法務省としてじゃなくても結構です。一般人としてでもいいから、いや、その程度は株屋はしょうがないよ、上がる、上がると言って買わせてもだまされた方が悪いんだという認識が。やはり株屋であっても、推奨するというのは、会社の内容とかあるいは来期の売り上げたとか配当、そういういろいろなものを科学的に説明して、それならいいけれども、外務員が七千円まで行きますからとあおって現実には買わせたということがいっぱいあるのですよ。  だから、どうもここで法務省が、東急は僕はやらないと思っているんだ。やれない。なぜやれないかというと、余りにも被害がでか過ぎて、東急問題で野村が株価操縦その他で仮に起訴されるようなことになると、我も我も損害賠償の民事が続発しまして、とても野村がつぶれるとか残る話ではなくなってしまう。私は、日本の証券業界かだめになるということを考えて、国益ということを考えると、このやろう、けしからぬけれども捕まえるわけにはいかない、私はそう思う。多分私の考え方は当たっているのじゃないかと思うのですよ。しばらくすれば結論が出ると思いますけれども、私はその点については悲観的な考え方をしています。  ところで、証券会社への罰金でありますが、証券会社の罰金が百万円で、顧客については要求のある場合に限定されて、実効性に疑問があるぞ、今度の証券取引法の改正ですね、非常にそういう非難する人もいるのですが、こういう危ない綱渡りの商売、言ってみれば競馬の予想屋みたいな商売ですからな。競馬の予想屋は外れたって知らんぷりで、当たればおめでとうおめでとうと言って、本来、株屋さんというと皆さんが嫌な顔をするかもわからぬけれども、株屋さんというのは売った買ったの取り次ぎだけをしていたわけですから、これは絶対損しないわけですな、上がっても下がっても。ところが、こんな確実な商売はないのに、何で危ない商売になってきたかというと、人がもうけたのなら自分がやった方がもっともうかるだろう、それなら自社で保有をしてやった方がもうかるということになって、実は証券会社というふうに格上げされたのです。  ところが、さっき先輩議員も質問しましたが、ディスカウントセールですかね、そういうものを何か大蔵省の方は考えて、実際もう売った買ったの手数料だけで生きていくような会社をつくって一市場の活性化というか自由化に貢献をしたい、こういうようなことも新聞記事で読んだわけでありますが、罰金が百万円で安いか高いかというと、確かに五千億もうけておる会社が百万円の罰金というと、一般庶民は、何だ、交通反則金で金持ちが駐車違反で五千円取られたみたいなものだ、払えばいいじゃないか、逆に言うとそういうふうにとられても困るし、今度はもう一つは、信用を旨とする企業においては、罰金という刑は金額じゃない、それを罰せられることによって非常に不名誉なことであるんだから実効性があるんだよとも実は解釈ができるわけでありますが、これについては大蔵省としては、罰金をもっと上げたい、しかし大蔵省のこの件だけ上げるわけにいかないから、法制審議会で議論をしてもらって、全般的に罰金刑その他の見直しをしたい、こう言っているわけでありますので、ぜひなるべく早く一般国民がなるほど罰金だな、刑罰だとわかるようにしていただきたいと思います。  次に、本州製紙の株式についてお尋ねしますが、きのうの夕刊だったか、九月二十四日の読売新聞夕刊、シンガポールの実業家の黄さんのことが実は読売新聞に出たわけであります。証券局長、もうお読み。になったと思いますが、「「裏契約」十三億円払う」、こう書いてある。今までの調査で、こんなことは全くないと言い切れるか、あるいは幾らか怪しげじゃないか。どちらですか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 この本州製紙の御指摘のオプション取引をめぐりましては、先般国会からも御指摘を受けまして、私どもも調査をしているわけでございます。  当初、このオプション取引にかかわる、いわゆる五%ルールに基づきます報告書が出てまいりましたときに、私どもとして行政として可能な限りその届け出者の代・理人等を通じて事情を聞き、あるいは契約書の一部を確認したわけでございますが、しかし国会の御指摘あるいは御指摘のような報道もあるわけでございまして、私ども、この件についてさらに調査をし、本当にそういうオプション契約というものが実際にあったのかどうかという点について確認をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 この記事を読みますと、旧誠備グループの加藤さん、地産グループの竹井さん、これはもう現在脱税で起訴されて検察庁が身柄を持っておるわけですね。麻布グループの渡辺喜太郎さん、安達グループの安達建之助さんというのかな、木倉グループの木倉功雄さんと読むんですかね。この以上五グループが、平成二年十一月三十日、東京新宿と新聞に書いてあるんだけれども、実際は東京新宿のセンチュリーハイアットホテルの特別室で契約を締結したと私は聞いております。新聞ではセンチュリーハイアットとは書いてないんだけれども。  法務省にお尋ねしますが、これだけ正確に場所まで特定して、一人が三百万ずつで云々という話まで出ているわけですね。一人三百万円、三十五に一億五百万円支払う。もしこれが捏造記事だとしたら、これはもう僕は間違いなく名誉棄損になると思うんですね。払っているとかもらっているとか、明確に名前まで書いてあるわけだ。仮にこれが捏造だったら、名誉棄損にがっちりはまるかはまらないか、これだけひとつ御診断いただきたい。

井嶋一友法務省刑事局長

○井嶋政府委員 お答えいたします。  一般的に、犯罪に関係いたしまして、いろいろなマスコミその他、いわゆるマスメディアがいろいろな報道をいたしますことは昨今の風潮でございまして、これがむしろはんらんしているといってもいいんじゃないかと私は思うわけでありますけれども、そういったものがそれぞれ今おっしゃったような意味で果たして確証を持って行われているのかどうかという点は、私どもはもちろん確認する手段を持っておりませんが、私どもは、ただ犯罪捜査としては刑事訴訟法に基づく手続にのっとって集まった証拠によって認定すると。いう、それが唯一の犯罪の成否を決める手続であり、かつまたその権限であるわけでございます。そういった意味におきまして、いろいろな関係の方々がいろんなことをおっしゃり、あるいは書かれることはそれは御自由かもしれませんけれども、それを一々私どもの方で判定してほしいと言われましても、それはできる仕事ではない。あくまで私たちは犯罪があると思料した場合に初めて捜査権を行使することができるという機関でございますので、その点は十分御理解をいただきたいと思います。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 理解をした上、実はなおしつこく聞くわけでありますが、単に報道機関といっても真実がある場合はたくさんあるわけでして、それはそれなりに私は社会的に存在価値があると思うので、こういうことも当然捜査上の視野に入れてやっておると思いますが、なるべく早く国民の期待にこたえて解明をしてもらいたい、こう思います。  なお、このオプション契約はすぐ神田の公証人役場で実は確定日付をきっちりとっている。これは写しは大蔵省にあるかどうかはわかりませんが、間違いなくこれはみんな個人がサインをして確定日付までとってありますので、そういう契約があったとかなかったとか公で争うことは私は難しい、こういうふうになっております。  それから、このオプション契約が新宿のホテルでやられたときには、実は四十八時間以上にわたってもう延々とやった、もうくたびれ果てたという。だから、よもやそのオプションがにせで、加藤さんや何かが仕組んだというふうにはとても考えられないと、その立ち会った中の人は言っていましたが、おかしい、それで組んだんだったらよっぽど念が入っているというようなことはありました。それで今度逆に、この架空の契約の報酬で十三億円なんということになったら、これはもう国際犯罪なんですよね。シンガポールの人ですから、ちょっと日本へ来て事情聴取というわけにはいきませんから、来なきゃそれっきりですよ。そういうことを考えると、これから非常に国際化がどんどんどんどん進んでいきますので、こういうことも将来やはりたびたび起こり得るんじゃないかというようなことも念頭に入れてひとつ大蔵省は法案をつくるとか、あるいはまたやってもらいたい、こう思います。  それから、この読売新聞の記事の中に、実はもう一人、元衆議院議員の玉置和郎さんの秘書の、字がわかりませんがタチバナさんという人が同席しておったそうです。これは新聞の中には書いてありませんが間違いありません。あるいはまた本州製紙の株の買い取りについては、竹井博友氏の所有の新橋のオフィスの応接間でもたびたび会合した。これは検察庁の方でもう供述書を持っているんじゃないかな、こう思いますので、答弁は聞いてもお答えになれないから聞きませんが、そういうことも、もう我々ですら知っているんだということは、もうほとんど国民周知だから余り隠しても意味がないんじゃないかな、こう思います。  特に本州製紙については、ある人が四千七百円で買った。七千円まで上がりますよと外務員に言われて実は買った。ところが一時二千九百円まで急落するんだね。何でそんなに下がったかと思ったら、まあこれは売り方がいるから下がるわけですから、だれが売り方かと思って調べてみたら、お金を貸す東京アイチが売り方で売っていた。これは大変だというので、亡くなった石井さんが仲介をしてとめたんだ。これはもう明白にそのときの関係者がそう言っているわけです。それで四千三百円まで回復した。  今度逆に、日にちは特定できませんが午後二時四十五分ぐらい、三時のちょっと前ですな、住友銀行の俗に加藤氏への迂回融資等が発覚が発表された。二時四十五分。それと、日経新聞がオプションはおかしかったんじゃないかというふうにコメントを出している。そうしますと、これはまた下がるわけですな。から加藤はもうひっしになって、加藤グループは真剣に買い支えた。と申しますのは、三千円でオプション契約ですから、余り下がったら困るわけですから必死になって買い支えたということであります。いっときは、二千百四十円のとき、オプションのときに、実はもう三千円で売れるというので、もう間違いなく上がるだろうというので四百円のストップ高になった。二千五百四十円になった。このとき、先ほど申し上げたように本州製紙の株の売買については、実は大証券はほとんど関係してない。関係したのは日興証券だけが四百万株、亡くなった石井さんが買い受け人で買っておる。  だから、これは買っていた人に、あなた方、株価操縦やったのと聞いたら、株価操縦はない。なぜか。日興証券が、たまたま石井さんが四百万買っただけです、あとはみんな小さい証券会社で時間をかけてちょろちょろちょろちょろ買った結果がたまたまこうなったのですということでありますので、東急が、あんなに野村がむちゃくちゃやってひっかからぬものがおれたちがひっかかるわけがない、なぜならば日興がたった一社で四首万株しか扱っでないからだ、こういうふうに、僕はどうも考えると、なるほど世間の常識ってそんなものかな。それで、野村は本来ならひっかかる、あるいはひっかからなければしょうがないのだけれども、国益ということを考えるとあれだけでかい会社をひっくり返してしまうわけにはいかないな、私はこういうこともある程度わからないわけではありませんが、余り大きい会社で与える影響が大きいということで何にもしないということになると、まさに国民が証券業に対してもう目がさめちゃって、再びそんななけなしの金をはたいて株を買うやつはいない。  特に、後から質問する予定でしたけれども、NTTの株なんというのは、まさに私は、大蔵省を初め国が野村その他の証券会社と組んで何か取るだけ取っちゃったような気が実はするのです。だから本来、損失補てんはNTTの株もやった方がいいんじゃないかと思うのだけれども。中にはNTT株で損失補てんを受けているところもあるんですよ。受けているところもある。大蔵省の役人の人でも一株ぐらいこっそり持って損した人がいるんだから。そういう人はぜひひとつ損失補てんをしてもらったらいいんじゃないかな、こう思いますよ、ほんと。  それから、実は金利の問題で大蔵省にちょっとお尋ねします。  今、金利を下げてくれ、下げてくれ――企業が少し下火になってきた。もちろん金利というのは借りる側からすれば安いにこしたことがありませんで、幾ら安くても借りる方はいい。けれども、今度こつこつこつこっためた一般の庶民からすると、金利が必ずしも下がるということはちっともうれしくない。やはりなるべく金利は安定してて高目で、それで物価が上がらなければ、これは年金生活者なんか一番喜ぶわけなんだ。ところが、据え置きの方がいいぞ、金利の高い方がいいぞというのはなかなか声にならない。下げろ、下げるというのは経済界がみんなわっとかかって、もう経済指標なんだでこの間も議論をして、通産省、どうも経済企画庁見通し甘いじゃないかと言われたものだから何か活字が変わっちゃった。  そこで、金利が値下げになれば証券業界にとってプラスではあると思いますが、今ここで金利が下がったとしても本当に証券業界にお客様が再びカムバックしてくるとお思いになるかどうか、ちょっとお尋ねしたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 確かにただいまここ数日間の株式市場を見てみますと、金利低下期待といいますか、好感をいたしまして出来高がややふえているわけでございます。しかし、基本的にこの一連の問題の中で失われた信頼というのは非常に大きいわけでございまして、とても金利の動きなどでこれが、信頼が回復するというようなものではございません。私どもは、やはり再発防止策を初めいろいろな指摘を受けております問題を一つずつ早急に対策を立てることによって信頼回復をする、それによって証券市場に健全な貯蓄資金が導入されてくるということを確保すべきだというふうに考えているわけでございます。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 今、金利の値下げが関係ないことはないけれども、それよりもっともっと大きい信頼の回復というのは、やらなきゃならないことはたくさんあるという答弁でありました。まさにそういう答弁を実は期待をいたしておりました。  それから、最初申し上げたように、野村と本州の問題をどうやって法律的にもあるいは政治的にもあるいは行政的にも解決をつけなければならないかということだけで、これをやらなければ私は証券市場の回復というものはもうない、こういうふうに申し上げておきます。  次、SECについてちょっとお尋ねします。  よく新聞で、日本版のSECつくったらどうだという議論が随分ありました。私も昔からSECのことをよく知っておりますが、SECというのは日本ではなじまないということを随分申し上げてきました。そうすると、何かSECはなじまないというのは厳しくしちゃいけないのかというような人もおりましたが、そうではありませんで、やはり日本は日本の歴史がありますから、それと伝統にものっとってやりませんと、アメリカのように親子でも金を貸し借りしたらすぐ領収書をとる、親兄弟でもごちそうしない、分割で支払うなんという国とまたまた生い立ちが全く違う。  そういうことを考えますと、アメリカという国は経済行為よりも法律行為が非常に優先しておる。全部法律であれやっちゃいかぬ、これやっちゃいかぬ。日本の場合は、少々悪いことがあっても法律に訴えることは非常に難しい。なるべく話し合いをして解決をしてきた。まさに日本国民がこの狭い国土の中で生きていく、僕は生活の知恵があったと思うのですが、それともう一つ、弁護士が占める世間での割合というんですか、比重というものは全く違う。  アメリカというのは、まさにアメリカの国を悪くしたのはだれかと言ったら、いや○○と○○だと職業を言ったケネディ大統領がおりますけれども、どうも弁護士さんが、特にネクタイしている人がみんなつまんじゃって、俗に言うブルーカラーの人は全くもうからない。すなわち、いつでも弁護士がもうかるようにもう訴訟事項が非常に多い。それから、ワシントンに行けばSECの専門の弁護士、これだけで飯を食っている人が大勢います。ほかの弁護士に聞いても全く事SECに関してはもうちんぷんかんぷんわからない。しかも弁護士は州をまたがると、まさにこれはライセンスがありまして全く何の機能も果たさない。日本とは弁護士の資質、経験、もう全部違うわけですね。それはやたらに、だからSECつければいいんだ、いいんだというわけにはいかないということであります。  それから、余り経済界を法律法律で締めて締めて締め倒すと、これはもう萎縮してしまう。もうSECびくびくしてちっとも業績が上がらない、こういうことがありますし、また、アメリカの場合はSECにおりましても、弁護士も入っているし証券アナリストも入っているわけでありますが、わりかた短期間でやめちゃってまた株屋に行くんですよ、転職して。また株屋から来たり、行ったり来たりが非常に多い。しかし日本では一回出るぐらいは許されるけれども、どうも入ったり出たりというのは余りできない。そういう意味で、私は大蔵省が日本版のSECは余り賛成できないという話でありましたが、援護射撃をするわけではありませんが、このことに関しては私はSECというものをそっくりそのまま持ってくる、あるいはアメリカでやっていることがいいことなんだということはまさに幻でありまして、SECなんて、アメリカのSECは僕はもうやめた方がいいと思っているんです。こう思っております。  次に、退職後の天下りの話でありますが、大蔵大臣は新聞の談話で未来永劫に天下りしないというわけにはいかない、こういう御返事でありまして、私も未来永劫なんという言葉はとても使えないんですが、この今度の新しい委員会を仮につくったとしても、やはり大蔵省をやめて、人間というのは生存権がありますから、天下りをいつまでもしちゃいかぬというわけにはいかないんで、やはり適当な時期には僕は天下っていってもいい。昔のように六十、六十五まで働けるんならそれはいいですけれども、それは五十三、四で退職するんだからいい。それだけにやはり業界に対する監視というものはきっちりやらないと、すぐなれ合いだと言われる。  もちろん私も多少なれ合いであったとは自分自身もそう思っていますが、もし証券会社に天下りを下の人を許すなら、委員会の方の大蔵省出身の人は、未来永劫とは言わぬけれども相当長期間は私は就任させないようにする。それで、上の方を就任させるんならば下の方は遠慮してもらう。私は、大蔵大臣、どっちかだと思うんだけれども、どうでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今委員からお話がありましたように、記者会見で同種の質問がありましたとき、私は行革審答申の中に位置づけられております委員会に対し、少なくとも世の中が大蔵省出身者をその中に入れていいという雰囲気ができるまで、大蔵省から委員を任命すべきではないということは明言をいたしました。そして、確かに未来永劫とは申しませんということもそのとき申しました。  私は、事務局の中にはいずれにせよ現在検査に当たっているベテランの諸君が行き来をすることは当然あり得ることだと思っております。また、その能力を活用せずして機能は上がりますまい。しかし、委員会の委員に大蔵省の出身者を置くという考え方は、大蔵省としてとるべき態度ではない、そのように考えております。

笹川堯自由民主党

○笹川委員 大蔵大臣が勇退された後も、また次の大蔵大臣にもぜひひとつ申し継ぎをしてもらって、その趣旨がぜひ生かせるようにしていただきたい。心からそう願っております。  それでは、もう時間になりましたが、全部聞けませんで申しわけありませんが、証券業界の人来ていただいたんで、せっかくでありますからお尋ねしますが、倫理綱領というものをいただきました。これはとてもたくさん書いてありますので、実は何でこれをお尋ねするかというと、実は自主規制が基本なんですな。証券業界がだらしかなかったら、これほどうにもならぬ。大蔵省は今まで保護育成ばかり力を入れて、礼儀作法をちっとも教えなかった。だから成長はしたけれども親をけ飛ばすような、こういうのに育ったというのは本当にさくい話、そうなんですよ。  今後とも大蔵省の言うことを聞くとは思わない。親をけ飛ばし続けて、大蔵大臣に迷惑をかけ続けるということも私はあり得ると思いますよ。だからまず自主規制をなるべく早くやってこれを実行することだ、これを我々はやはり国会議員として見守っていきたい、こう思っていますのできなければ、今度通達を廃止する、もう法律はどんどん厳しくして、ちょっとしたらすぐ小菅に行くようにしたい、そう思っているんです。  それでは、第一に、「証券市場の担い手としての社会的使命の自覚」と書いてある。これは、もうまさにこの言葉は合格だけれども、これ、大変ですよ。社会的使命を外務員まで徹底するということは容易なことじゃない。この間証人喚問、参考人で来た社長だとか兄会長があのたぐいだから、一番下までもう使命感なんというのはあるはずがないんで、しかとひとつやってほしい。  二番目に、「常に顧客のニーズ、利益を重視し、顧客の立場に立って、誠実かつ公正に業務を遂行する。」これは、とてもじゃないけれども非常に難しい。これ、お客さんの利益ばかり考えていたら、証券会社の利益は出ないんじゃないか。もしそう考えるなら、お客の利益を重視するなら、手数料うんと安くしたらもう確実にこれはお客のためになる。でも、これ固定手数料の話がまだ出ませんけれども。  それから、「個人投資家が不利な立場に置かれないよう、正確な情報・データ」を提供する。さっき言ったみたいな、七千円になりますよ、五千円になりますよなんというのは、これは正確なデータでないんですけれども、しかし正確なデータを送ったら本当に買うだろうか。この馬は走るかどうかわからない、きのう腹下したと言ったら買いますか。走る、走るよと言うから買うんで、僕はある程度これはお祭りだから多少のことはもうやむを得ないと思うんだけれども、これを読んでいると、もうそんなことは全くしないように実は読める。もう損失も出さないというふうに読めるわけであります。  それから第四に、「適切な投資勧誘」、適切というのは言葉では易しいけれども、どこまでが適切な勧誘かなんて具体的には何にも書いてないのだけれども、これからそういうものを細かく、ここまでが適切でこれから先は適切ではないよということが全部外務員までわかるようにするのかどうか、これは非常に難しい問題だと思う。  それと「自己責任原則の確立」、これはもうお客さんが損するか得するか、自分の責任でやるわけですから当たり前なんだ。もともとこういうことがないから次から次へ損失補てんが出たんであって、一通弁償すれば二回も三回も弁償しろと言いますよ。これは当たり前の話なんだ。だれだって、まじめに仕事をしているわけですから、それで企業の方も損失補てんと言うけれども、会社の金を預かって、成績悪かったら首になるんだから、何とか考えてくれとか、今期は利益が出なかったなぐらいのことは言う。出なかったな。そうしたら、出なかったなと言っただけで、もうこの次からはひっかかる可能性も出てくるわけでありますので、時間になりましたからもうこれ以上質問ができませんが、ぜひひとつ、証券業界わざわざ呼んでいただいて、お答えする時間を与えなくて大変申しわけありませんが、私の意のあるところを十分に察していただいて、この内容が生きていくようにお願いをいたします。  ちょうど時間となりましたから、質問を終わらせていただきます。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて笹川君の質疑は終了いたしました。  午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三分休憩      ――――◇―――――     午後一時一分開議

大野明自由民主党

○大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として日本銀行理事福井俊彦君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大野明自由民主党

○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――

大野明自由民主党

○大野委員長 質疑を続行いたします。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 既に与党の皆さんのお話もございましたが、かつて大蔵委員会で、吹原事件を初めとして一連の金融・銀行の不祥事件がございました。それからしばらくは余り大きな問題がなかったのでありますけれども、今度ここへまいりまして、私どもの想像を超える実は非常に大きな問題が起きてまいりました。  私は、この大蔵委員会に昭和三十五年の一月から委員として参りまして、ですから現在大蔵省におられる方でいいますと、今財務官をやっておる千野さん、三十五年の四月の入省でございます。官房長の篠沢さんも三十五年四月の入省でございますから、私は一月から大蔵委員でございますので、この方たちがまだ役所におられないときから当大蔵委員会におるわけでございます。  そうして最初には、証券問題を大変熱心にやりました。それはどういうことかと申しますと、実は池田さんが高度経済成長政策ということをおやりになったのですが、それのてこになったのは、低金利を管理して、金利を一切動かさないで経済を発展させるという、考えてみましたら資本主義的な手法ではないのでございまして、一種の統制経済で実は問題が処理されてきたわけであります。そうしますと、これはすべての経済行為でそうでございますけれども、統制をすればやみができるというのは、これほどこの世界でも経済における原則でございますから、そこで起きてきたのが、コールとやみのコールというものが二つ出てくるわけです。  当時、四大証券いずれも投資信託を大々的にやっておりまして、その投信委託と本業の間で正当なコールとやみコールが動く、あるいはいろいろ転がしをやることによって、今四社がどうしてこのように他の証券会社と格差ができたかというのは、まさに投資信託加入者の本来受けるべかりし利益を、これを実は投信委託が本業の方に、要するに株取引やコールヘの、正当なコールとやみコールを動かすような回転売買で、これで実は今の四社ができた。こういう経緯がございまして、私はそういう点で大変厳しく、投信委託というものが本業と独立して、投資家のために働く投信委託でなければだめではないかということを厳しくやりまして、投資信託法の改正とかいろいろな問題を実はやらせていただいてきたわけでございます。  まあ、そういうことの中で、証券問題にかかわっておりましたから、非常に私のところに顧客から御相談がよく参りました。それはどういうことかといいますと、証券会社に株を運用を頼んだ、ところが、大変損をしてもうどうにもならぬ。よく調べてみますと、これが実は一任勘定、一任運用に端を発しておるということがいろいろなので非常にはっきりしてまいりましたので、そこで、きょうちょっとお手元に、当時の加治木証券部長、吉岡理財局長に、何とか有価証券の売買一任勘定の取引をできないようにできないか、こういう要請をいたしまして、実は今お手元にお配りしてございます昭和三十九年二月七日蔵理九二六、大蔵省理財局長から財務局長あて通達でございます。これは大蔵省の通達ですから、ちょっと大蔵省、一回これを読み上げてください。会議録に一度残しておきたいので、お願いいたします。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 前文から全部読み上げてみますか。(堀委員「はい。これは非常に重要ですから」と呼ぶ)     有価証券の売買一任勘定取引の自粛について              証券取引所の会員が顧客から有価証券の売買取引について売買の別、銘柄、数及び価格の決定を一任されてその者の計算において行う売買取引は、有価証券の売買一任勘定に関する規則(昭和二十三年七月二十四日付証券取引委員会規則第一五号)で制限されているところであるが、最近の証券業者と顧客との間の紛争をみると、有価証券の売買取引について売買の別、銘柄等の決定について顧客から一任されてその者の計算において行ういわゆる売買一任勘定取引に起因するものが多く見受けられる。この種の取引は、その方法のいかんによっては、自己の判断と責任で投資するという健全な投資態度を歪めるばかりでなく、顧客との間の紛争を招き、証券業者の信用をそこなうおそれもあるので、一般に証券業者は顧客のために、この種の取引を行うことを自粛されたい。   証券業者の自粛にかかわらず、顧客の強い要請により、一任の内容に売買の別および銘柄の 決定を含む一連のいわゆる売買一任勘定取引をやむを得ず特別に行う場合は、証券業者は下記の手続を遵守することとし、またその役職員が個人の資格で顧客のために売買一任勘定取引を行うことは絶対にないよう十分監督するとともに、今後下記の手続をとっていない取引について顧客との間に紛争が生じた場合には、証券業者が売買一任勘定取引であったという抗弁をすることのないよう指導されたい。   この趣旨を貴会会員に所属する証券業者ならびにその役職員に周知させ、その指導に万全を期するとともに、一般投資者に対しても周知徹底をはかられたい。       記  一 証券業者が売買一任勘定取引を行う場合は取引に先だち、必ず書面により少くとも次の    事項を含む売買一任勘定取引の契約を顧客と締結しなければならない。  (1) 顧客の住所、氏名(自署とする。)、印鑑及び当該証券業者の社名、社印  (2) 契約年月日  (3) 契約期間  (4) 一任の内容(売買の別、銘柄、価格、数量、現金取引・信用取引の別、一任される      金額の限度等)  (5) 取引の都度行う売買報告のほか、月間取引状況についての月一回の報告義務  (6) 本契約に基く売買取引の損益は、すべて顧客に帰属し、当該取引により生じた損失の補    填ならびに当該取引による利益の保証     を証券業者は行わない旨の明示  (7) 当該契約書に記載した事項以外の約束は無効である旨の明示  (8) 顧客が特定の役職員を当該勘定の取扱者に指定したときは、当該役職員の役職名、氏名  二 証券業者が売買一任勘定取引の契約を締結した場合は、売買一任勘定元帳を備え付け、これ  に顧客別に契約年月日、契約期間、売買年月日、売買銘柄、売買株数、売買金額、損益の額、  現金取引・信用取引の別、預り金の額、立替金残高を記載しなければならない。  三 売買一任勘定取引の契約を締結している証券業者は、売買一任勘定取引に関し、毎月の新規  契約数、口座数、売買総回数、売買総株数、売買総金額、利益を受けた口座数、損失を受けた  口座数を翌月十五日までに、昭和三十七年三月二十七日付蔵理第二四五九号通ちようにより本  省において個別経営指導を行う証券業者にあっては、理財局長あて、同通ちようにより、本省  および財務局において個別経営指導を行う証券業者以外の証券業者のうち、その本店所在地が  財務部の管轄区域にあるものは当該財務部長あて、その他の証券業者は、その本店所在地を管  轄する財務局長あて提出しなければならない。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 今読んでいただきましたように、手続をきちっと書いて、要するに台帳を備えて毎月届け出をしなさい。現実に、もう二十七年昔の話なんですけれども、大蔵省、通達出しっ放しで、台帳その他を検査で調べたことがあるんでしょうか、どうでしょうか。それをお答えください。今の通達、これに基づいて書類が大蔵省に出てきているか。どうなっているか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 この通達に基づきます備えつけを要求しております台帳につきましては、当然、証券検査の際にはその有無をチェックしているわけでございます。  ただ、ここに書いてございますこの報告でございますが、これはその後、昭和五十年の改正におきまして証券会社の社内規制が整備されたということで、この報告義務が昭和五十年に削除されております。昭和五十年三月でございますが、昭和五十年三月以前について報告があったかどうかについては、実は少し古い話でございまして、私ども定かではございませんが、報告はほとんどなかったというふうに聞いております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 長岡理事長にちょっとお残りをいただいておりますので、今の件はここまでにいたしまして、ちょっと長岡理事長にお尋ねをしたいんでありますけれども、実は今度のこの証券問題ですね、何か部分的にいろいろと問題が出されているのでありますが、私は、政策というのは全体を一つのシステムとして考えるということでないと実効性が担保できない、こう考えておりまして、そこで、実は昭和五十九年に振替決済制度という法律案を当委員会でやらしていただきましたときに、実はかねてからの考えでございましたけれども、取引所が現在会員制の取引所でございますが、これを公益法人の取引所にしたらどうかということを具体的に国会で取り上げさせていただきました。  これは実は、免許制を、昭和三十九年の四月八日に大蔵委員会で当時の田中大蔵大臣に、証取審で既に免許制が答申をされておるし、今の一任勘定のこの通達を二月に出しましたけれども、依然として実はこの一任勘定が後を絶ちませんので、登録業者ではなかなかこの問題がコントロールできないという判断に立って実は免許制の提案をして、そこで大蔵大臣は、今内閣委員会に証券局設置法をお願いしておりますが、これを通していただいたら、最初の仕事として証券の免許制に取り組みますという答弁をいただいたわけでございます。  そのときに、実は私が一つ気になりましたのは、国が免許を与えた業者が会員と非会員に実は分かれてくるわけでございます。現状は世界じゅう皆登録でありますからそうなっているんですが、免許を与えるということは、国が一つの、そういう金融業に対して国としての免許を与える以上は同じ待遇でなければおかしいのではないか。このときに、当時の佐藤証券局長に、一体会員と非会員の手数料の差はどうなっているか、こう聞きましたら、その手数料は、非会員は会員に二七%の手数料を払わなければなりませんというのが当時の答弁でございます。現在は後で伺いますけれども。  ですから、そういうふうに東京の取引所に対しては、大阪の取引所の会員といえども非会員でございますから、要するに全国の証券業者、免許を受けた証券業者で東京の会員以外は全部二七%の手数料をそれだけ東京の会員に払わなければならないというのは免許制になじまない、だからひとつこれは取引所を、免許にした以上は公益法人の取引所にして、会員制ではなくて公益法人の取引所にして、免許を与えたものはすべて同じような取引手数料で取引所に参加できるというのが筋ではないか、こういう考えを、当時の松井証券局長、加治木証券審議官に話をしたのでありますが、この方たちが、いや先生、この証券取引法の改正でも私ども大変苦労しました、ひとつ、先生のお考えはわかりますが、こういうことで妥協していただけないでしょうか。当時私は、大蔵省の先輩で森永さんというのは大変立派な方だとかねがね尊敬をしておりましたものですから、この皆さんが、これまで取引所には理事長は日本銀行から来たりあるいは会員からなっていたりしましたけれども、この際、森永さんに取引所の理事長になっていただいて、公益理事をふやしますから、ひとつ次の世代の者にやらせていただくことにして、我々だけ勘弁してくれ、こういう話でございました。  大変この証取法の改正というのは新しい立法でございましたし、当時、御承知の証券恐慌のさながのことでございまして、大変この人たちが苦労したのはわかりましたから、それじゃ次の問題にしようというので、五十九年に実は振替決済制度の委員会のときにこの問題を出しました。  きょう私は、このシステムで考えるというのは、さっきからお話のありますように、この問題で要するに規制を強くするようなことがあっては、日本経済にとってマイナスでございます。私は、大蔵委員会に参りましてから、社会党ではありますけれども、デレギュレーション、規制を緩和する、要するに経済は自由に行動できるということでなければ十分な経済の発展がないという考えでございますので、この際、まず証券業協会がアメリカのNASDのようにひとつ権威のある自主規制機関になる。  アメリカでの補てんは、ニューヨーク証券取引所とNASDの規約では禁止しておりますけれども、証券取引法には何も書いてないわけでありまして、だから、少なくともアメリカの証券業協会、NASDのように、日本の証券業協会もひとつ自主規制機関として自己責任を持って、まず第一に、ここが第一の自主規制でコントロールをする。  その次は、今度は、会員制の取引所ではこれはなかなかコントロール十分にできません。そこで、かねての私の考えのように、これを公益法人の取引所にして、オーソライズした取引所にする。  そうしてこの取引所が市場の管理――これもさっきから問題になっております東急株の売買等一の問題について、こういうのはまさに取引所がきちんと処理をするところでございますから、これがやはり理事の中に会員理事がたくさんいるという形ではなかなかそういう問題の処理も難しいと思いますので、取引所をそういう公益法人にして、市場監視やその他の問題はひとつ取引所でやってもらう。  最後に、自主規制機関、取引所の市場監督であふれたものを国で処理する、そういう三段階にして、余り国が前に出ていろいろやるということは、私は、今後の日本の金融・証券行政にとって必ずしも望ましくないと思うのでそういう構想を考えておるのであります。  その際に、私が申しておりますのは、日本証券取引所というのをつくりまして、そこで大阪のものは一種の大阪支所といいますか、あと、名古屋やその他にございます。ですからとりあえず、今あるものをつぶす気はありませんから、みんなそれは日本証券取引所の支所として一応残ってもらう、そのかわり、現在御承知のように、もう時間がありませんから私の方で申しますけれども、この取引所の、名古屋を除いたところのシェアというのは〇・五%ぐらいのシェアしかないと思うのですが、ちょっと証券局、答えてください。取引所でも結構でございます。

長岡實東京証券取引所理事長

○長岡参考人 東京、大阪、名古屋以外の取引所でございますが、その売買シェアは〇・九%でございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 あと、福岡、広島、京都、新潟、札幌ですか、五つでございますね。五つの取引所で日本全体の取引の〇・九%しかないという取引所は、歴史的な沿革がありますから今すぐどうとは言いませんけれども、やはり今日、この通信その他の状態から見て、地域の地場産業の育成とかいろいろ理由がございましょうから、しばらくは私は支所として残していただくにしても、やはり今の、これから恐らくだんだんと取引が二十四時間取引ということに世界の関係からなってくると思います。  コンピューターを通じてやるとなれば、これはもう大阪か東京の取引所ぐらいでなければそういう設備を導入することもできませんので、実は機械化の発展に合わせてそういう取引所は漸次中央に収れんをしていただくという形にして、公益法人日本証券取引所というものをつくることによって今度の証券におけるこういう問題を事前にチェックしなければ、わかってから問題にしたのでは、経済行為だめでございますから、事前にチェックできるシステムとしては、一番身近に取引を管理しておる証券取引所が公益法人として公的な性格を持って監督をすることができるということは、今度の証券不祥事に対する対策としては極めて重要でありまして、何かいろいろと日本版SECとかあるいは行革審の答申が出ておりますが、それは最後の問題でございまして、その前に処理ができるシステムを考えるということが私は極めて重要だと思うのでございますが、長岡参考人のお考えを承りたいと思います。

長岡實東京証券取引所理事長

○長岡参考人 お答えを申し上げます。  堀委員の、公益法人日本証券取引所構想はかねてからそういうお考えをお持ちであるということは承っております。それで、ただいまの御指摘の点を大きく分けてみますと、会員組織ではなかなか公益性が確保できないんじゃないか、会員組織を改めて公益法人にすべきではないか。それからもう一点は、地方の取引所のフロアをやめてしまう必要はないけれども、独立性を付与しておく意味があるだろうか、この二点に集約されるのではないかと思います。  第一点についてお答え申し上げますと、今回の証券不祥事の中で、例えば東急株その他の問題につきまして、自主規制機関である東京証券取引所がもう少ししっかりとしていなければいけなかったのではないかという御指摘がございますことは、私どもも慎重に受けとめております。ただ、世界を見渡しまして、ニューヨーク、ロンドン等も会員組織でやっております。そういう意味で、会員組織だからそういう機能が営めないということであっては本当は恥ずかしいわけでございまして、私どもといたしましては、今回の問題にかんがみまして、東京証券取引所の最高意思決定機関とも申すべき理事会に公益の理事を二名増員いたしまして、会員理事と公益理事の数がバランスをとれるようにいたしまして、公益性をもっともっと強く発揮していくように運営してまいりたいというふうに考えております。これが第一点に対するお答えでございます。  それから、第二点につきましては、確かに五つの取引所を合わせまして全体の〇・九%くらいしかない地方の取引所についてその独立性を与えておく必要があるだろうか、公益法人日本証券取引所のブランチにすればいいではないかというのも一つの傾聴に値するお考えであろうと私受けとめておりますけれども、ただ、小さな地方でございましても地方の一つの感情がございまして、その地方の経済あるいは地方の財界等が、やはり小さな取引所でも自分たちの取引所だという考えを持っていることは事実でございます。観念論のそしりは免れませんけれども、私どもは、地方の小さな取引所でも、その地場産業の中から中小企業投資育成会社等の協力を得まして成長産業を発掘してきて、これを地方の取引所に上場させていくということが地方経済の発展につながる一つのゆえんではなかろうかということで、地方取引所の存在を今日にまで認めてきておるわけでございますけれども、現実問題としてはなかなか機能しない。  そこで、私個人の結論ではございますが、私は東京証券取引所の理事長であると同時に全国証券取引所協議会の議長を兼ねておりますので、その協議会の場で皆さんの意見を徴してみたい。仮に堀委員のおっしゃるような方向に進むにいたしましても、でき得るならばコンセンサスを得た上で進みたいわけでございまして、そういう問題を議題に上せてみたいというふうに考えておる次第でございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 そこまではそれでいいのですが、要するに、さっき申しましたやがて二十四時間取引、完全な機械化時代がやがて参ると思いますね。機械化時代が参りますと、地場産業でそこのところへ上場するというような問題よりも、要するに取引自体が二十四時間の取引になるというようなことに、私はそういう小さい取引所は耐えられないと思うのですね。ですから、そういうこれからの進行過程と、今お話しの、皆さんにいろいろと御相談いただいてコンセンサスをいただいて、私は決して地方会員なりその人たちを差別しようじゃなくて、差別をなくそうというのですから、要するに方向は、免許業者は同じ条件で取引所が使えるようにしたい、こういうことでございますので、その点と、将来の展望を含めて、どうか全国の会員の皆さんに御相談をいただくようにお願いをして、長岡さんに対する質問を終わらせていただきます。御苦労さまでございました。  そこで、ちょっと話がとぎれましたけれども、実は一番問題になっておりますのは、今度新しく補てんの問題が出ましたのも、通達で禁止をしてなおかつ後行われている。一体、過去にもう既に守られてこなかった、私がさっき読み上げていただいた三十九年二月の一任勘定通達、これは守られていないのですよね。守られていれば補てん問題は起きないのですよ、大体これは。ところが、要するに一任勘定をやって、その結果ロスができた。そうでないのもあるかもしれませんが、そうでないのに補てんしたらこれはもう大変なことでございまして、そういうことで一体この通達というものが、皆さん今度の、昨日報告を受けた点で見て、二体今後通達というものを信頼できますか。私たちはもう通達はやめてもらいたい。  少なくとも政令、省令までに処理をして、あとは、そのルールに従わないものについてはもうきちんと行政処分をするという何らかの裏表のコントロールがきかなければ、通達なんか破ったって別にどうってことないんだという過去の、三十九年以来の実績があるからこの間の通達だって無視されているのじゃないでしょうかね。大蔵大臣、どうですか、そこは。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今、堀委員から過去の経緯を踏まえての御発言がございました。私どもは、通達というものについてそれが尊重されるという前提に立って今日まで行政を行っておりました。そして私は、他の分野においてなおその信頼関係の損なわれていない部分も多数あると思います。しかし今回、証券業界に関しまして考えますならば、その通達というものは全く無視をされた、その権威を失墜したということは覆うべくもない事実であります。  こうした行政はいわばお互いの信頼関係の上に成り立つものでありますから、その信頼関係が崩れた場合には、本来あるべき法律により、あるいはその法律に基づく政省令により、さらには自主規制団体の自主規制のルール、その中に根拠を求めて行政を行っていかなければなりますまい。今回とりあえず第一歩を踏み出しております証取法改正案というものを御審議願うにいたしましても、私どもとしてはそのような思いを持っております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 私はかつて大蔵委員会で、国税庁から出る通達というのが随分たくさんあるので、そこで私が理事をしておりましたころに、これは通達行政というので、法律はあるのですが、次々と変わるものですから、通達は自今理事会に出せ、こう言って、約半年ほど、大蔵省が出す通達は必ず大蔵委員会の理事会に今度こういう通達を出しますと言ってやってもらったのですけれども、そのうちに自民党の皆さんが、堀さん、これはややこしくてかなわぬからもう勘弁してくれないかというお話がございましたので取りやめたことがあるのです。  私は、国税庁はいろいろな情勢によって通達行政はやむを得ないと思うのですが、少なくとも今度の経過を見て、免許を与えておる金融機関にはもう通達――今大臣は相互信頼関係とおっしゃいましたけれども、完全に相互信頼関係は無視をされているんですから、当分、当分というのは大変便利な言葉で、二十年でも当分でございますけれども、当分の間免許行政に対してだけは通達でなしに政省令その他でやれるような体制にしてほしい、こう思うのでございますが、大臣、いかがでございましょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 現在、既に証券局は過去発出いたしました通達全部を洗い直しの作業に入っております。そしてその結果として、法律に移すべきもの、あるいは自主規制のルールに乗せるべきもの、その仕分けをいたしたいと考えております。そして何よりも、口頭による通達というものを我々は廃止したいと思います。緊急の場合に、あるいは一たんそれは口頭で言う場合もあるかもしれません。しかし、それは直ちに後、文書としてそれを確認するといったことはどんなことがあっても行わざるを得ない、そういう状況に置かれておると思います。委員の御指摘を私はそのとおりにちょうだいをしたいと思います。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 実は、日本というのは同一民族でございますし、同一言語で、いってみればあうんの呼吸などということが通用する世界でございます。これまで各免許業者が大蔵省にMOF担なるものを派遣をしていて、このMOF担と関係者があうんの呼吸でいろいろなことをやってきておるのの集約がどうもここへ出てきたのじゃないだろうか、こういう感じが私はいたしてなりません。  ですから、SECの問題で参考になるのは、アメリカの証券会社は、何か新しいことをやろうとすれば、ローヤーの手を通じてSECに文書でこういうことについてやりたいけれどもどうでしょうか、SECはまた文書で返してくる。ですから、今後法律、政省令に至らないものはひとつ大蔵省の方からではなくて自主規制団体から、そういうことについてのこういうことをやっていいかどうかという要請を公式の文書で大蔵省に出させ、大蔵省はそれをちゃんと審査した上で文書で回答する。  要するに私が三十九年二月に要請をしたこの通達は、文書によって確認をすればそれはそう簡単にできなくなる、こう考えて、私、銀行法のときでもいろいろと、今土田銀行局長が当時調査課長でございましたけれども、法律案について、これでどうでしょうか、いやここはだめだ、こう直しなさい、随分そういうやりとりをやったわけでありますが、加治木さんともそのやりとりをやって実はこの通達はできているわけですね。これがきちっと守られていたら一任勘定はできないはずなんですよ。細かいことを全部書いて、そうして報告、五十年にはやめたか知りませんが、それまでは三十九年から十一年間ですかやっていたわけですから、そういう文書で処理がきちんとできれば通達でもかなり実効が上がると思って私はこういうあれをしたのでありますけれども、実際はそうなっていない。  今度の損失補てんの問題の中で、私はもう一つ大蔵省側に責任のある問題があると思っているのです。これは銀行局の所管でありますけれども、特定金銭信託の問題であります。この特定金銭信託というのは前からあったわけでございますが、たまたま昭和五十五年に、法人税基本通達、「信託をしている有価証券」六-三-三の二というので通達が出ております。この通達、実はこういうのは私ども読んでみると、どういうことかどうもよくわからない。それで、わかるようにちょっと書いたものをよこしてくれということで、それをちょっと読み上げますと、    法人税基本通達六-三-三の二((信託をしている有価証券))の取扱いについて   この通達は、直接的には、現物で信託をした有価証券と手持有価証券とが同じ銘柄である場合には、これらを一緒に評価するということを書いているが、この場合の「信託」から「金銭の信託を除く。」として、裏読みをすることにより、金銭の信託をした場合に、その信託金の運用として取得をした有価証券と委託者である法人の手持有価証券とが同一の銘柄であっても、これらを分離して評価することができるというものである。   この取扱いは、同一銘柄の有価証券のすべてについて手持有価証券と金銭の信託とに係るも のとを簿価通算することが実務的に極めて大変であり、特に移動平均法で評価する場合には、売買の時点でそのつど洗替えて計算することが難しいという実務上の問題があることから、信託制度と法人税法上の取扱いの調和を図り、適正な課税をするという観点から定められた。   また、長期間の信託をする場合には、一年経ったところで一年分をまとめて簿価通算をするということについては、大量の取引の中から同一銘柄のものを一年分まとめ、そのすべてについて、決算期後の短い決算整理期間内に簿価通算をして再計算するということは実務的に困難である。   この取扱いは、現在の特金やファントラが生まれる前の昭和五十五年十二月に、金銭の信託一般について定めたものであり、特金やファントラのために特に定めたものではない。   この通達は、税法を適正に執行し、課税の公平を実現することを目的として中立的な立場から定められているものである。この通達では、含み益が反映されないが、同時に含み損も反映されないわけで、税の面からみて中立的な取扱いをしている。要するに、これは税の取り扱い上は実は極めて理にかなった処理でございます。これを金銭信託の会計上の処理として簿価分離ということを特定金銭信託で認めた。  そうすると、簿価分離になれば自分のところの持っておる株式と今金銭信託に出したものは全然別個に簿価上分離されるということになったので、ここで企業は特定金銭信託、いわゆる営業特金にどっと金がいくようになった、こういうことだと思うのですね。私は、この問題は、税法上の問題を直ちにそういう会計原則上の問題に移しかえたというところに、大蔵省に多少責任があるの。じゃないかという感じがしておるのでありますけれども、この点について銀行局長の答弁を求めます。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 ただいまの取り扱いにつきましては、私どもは、これは内部の問題で恐れ入りますが、国税庁の方でしかるべき説明をすべき事柄であろうかと考えております。  私どもが国税庁の方から聞いておりますのは、このような特金やファントラの生まれる前の昭和五十五年から金銭の信託一般に係る有価証券の評価について取り扱いを定めておるものである。それから、その趣旨については、ただいま委員御指摘のような趣旨のことも説明を受けておりまして、これも委員の方から御披露がありましたように、特金やファントラのために特に定めたものではないというふうに承知しておるわけでございます。  詳細な答弁を銀行局の方からいたしかねる点は、御了承を賜りたいと存じます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 税務上の話と会計上の話はしばしば食い違っている場合が多いのでありまして、私は、今の簿価分離を特定金銭信託に、税務上はそれでいいと思いますけれども、その今の簿価の処理の仕方に今度の特定金銭信託が非常に大きなものになった原因があるのではないか、こういう感じがしております。  そこで、今のこの問題の中で、もう一枚皆さんのお手元にグラフをお配りをいたしました。これは、日経平均の株価の推移と、日本の経済の実質GNPの推移と、エクイティーファイナンスの発行高の実は状態をつくっていただいた資料でありますけれども、ちょっとこれをごらんになりますと、要するに、株価が最高をつけましたのは、八九年十二月二十九日、これはたまたま角谷通達が出た直後に実は頂点に達して、そこから急落するわけでありますけれども、その急落をするときには日本経済はまだ上昇過程にあるわけですね。このGNPの比で見ていただきますと、九〇年の第一・四半期は五・六、第二・四半期六・七、それから第三・四半期五・六、四・八と下がりますが、まだ六・一。だから、日本経済のパフォーマンスは極めて良好な姿で移行しておるにもかかわらず、株価はここで三万八千九百十五円から、九〇年の四月二日に二万八千二円に急落をした。この急落が実は今の補てんに、一任運用をやっているものですから、補てんに発展してきた、こういうことなんですね。  そうすると、これから見ますと、実は生命保険協会がデータを持って申しております中に、年間のエクイティーファイナンスが時価総額の三%、一日平均売上代金の一五%を超えると市場が急落する、過去の歴史からずっとこういうデータがあるのでありますけれども、御承知のように、まさにこの八九年というのはこれはもう大量な実はエクイティーファイナンスが行われた年でございます。ですから、私はこの角谷通達というのは、これはそういうことを予想して出したわけではなくて、どうも営業特金が膨らみ過ぎて危ない、こういう判断で通達が出されたと思うのでありますけれども、ちょうど今のこのエクイティーファイナンスのオーバーイシューのために市場が急落をしたというところと運悪く重なったというので、今度の問題が非常に大きな問題になったのではないかと思うのであります。  ちょっとそこでもう一つ申し上げておきますと、昭和五十四年の暮れにこういう問題がございました。徳田銀行局長が金融制度調査会をやりまして、徳田金制の答申というのが既に出ておりました。当時、米里さんが既に銀行局長でございましたが、私のところへ来られて、先生、これから銀行法改正を国会に提案しますが、何とかひとつ成立できるように骨を折っていただきたい、こう言いますから、私は、それは米里さん、ちょっと無理ではないか、来年、昭和五十五年というのは参議院選挙の年だ、参議院選挙の年になると、改選議員はもとより、改選議員でなくてももう予算が上がったらほとんど地元に帰っていて、衆議院の継続審議でよければそこまではやれると思うけれども、成立は無理だと思いますよ、こういう話をいたしました。  米里さんは、しかしもう答申が出て時間もたっておりますし、来年私どもが法案を出さないというのは私どもの立場上は大変難しいとおっしゃいましたので、そこで五十四年の十二月の二十日過ぎでございますけれども、当時の金融制度調査会長でありました佐々木直さんに来ていただきまして金融小委員会を開いていただきました。そのときに新聞に出ておりましたのは、六・一国債が暴落をして、銀行の決算のために統一経理基準の本来低価法であるべき部分を原価法でもいいというふうに、選択の自由を大蔵省は認める通達を出すようだというのが新聞に出ておりました。  そこで、この統一経理基準というのは、高橋俊英銀行局長のときに、私は大蔵委員会で二つ問題を提起させていただきました。一つは、アメリカにも西ドイツにも銀行に対する大口貸出規制というものがはっきりあるけれども日本の銀行には大口貸出規制がない。調べてみると、相互銀行法の中には法律でちゃんと貸出規制が書かれている。ですから、これは預金者の資金だから大口貸し出しというのは極めてリスクが高いものだから、高橋銀行局長、これをひとつ何とか規制するようにしてもらいたい。二つ目は、銀行か順番が並んでおりますのを見ますと、預金量の多いところから順番がついているのであります。しかし私は、銀行は銀行の経営内容、サウンドバンキングの程度によって順番がつくのならいいけれども、預金量が多ければ一番ということではそういう預金集めの過当競争が行われて、優秀な大学出の諸君が一軒一軒歩いて預金勧誘するなどということは適切でないので、ひとつ新格付基準ということで新しいルールをつくって銀行のサウンドバンキングの内容の順に並べるということにできませんか、こういう提案をいたしまして、それが高橋俊英銀行局長のときに統一経理基準でできたわけでありますから、私にしますとその国債の証券勘定を原価法でも低価法でもいいといったら統一にならないじゃないか、こういう話をいたしました。  そうして自分の部屋へ帰りましたら、銀行局長が追っかけてきまして、実は先生おっしゃったのはあした通達を出すことにしておりますので、これだけはひとつ御勘弁いただきたい、こういうことでございますから、きょうであすのことじゃしょうがないでしょうということでありましたけれども、その後銀行局長に統一経理基準が経理基準として比較できるように考えてくれ、結局銀行局としては証券勘定を外して評価をするということにいたしますからどうでしょうかというお話で、証券勘定というのは大変ドレッシングの多い部分でありますから、それを外す方がかえって経理を比較をするのにはいいかもしれないというような実は経緯がございます。これも政府が六・一国債を大量に発行したものですから実は六・一国債が暴落をした、こういう経験があるわけであります。  この問題について、ひとつ証券局の方でこのエクイティーファイナンスについて少し条件をきちんとすべきではないのか。日本の配当率はアメリカと比べていかにもひどいと思うのですが、証券局の方で少しアメリカと比較して日本の配当率についてお答えをいただきたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 確かに、この大量のエクイティーファイナンスがその後の株価の急落の一因になったんではないかという指摘があるわけでございます。特に六十二年以降エクイティーファイナンスは急増をいたしまして、平成元年度まで相当の水準に達したわけでございます。その間、御指摘の配当利回りも非常に下がりまして、もう現在は史上最低の水準になっているわけでございます。アメリカなどと比べましても相当低い、極めて低い水準になっております。私ども基本的にエクイティーファイナンスをどの会社に認めるかというようなことは、これは行政がやはり一律に判断すべきものではなくて、引受証券会社が市場の状況あるいは投資家層のニーズを踏まえながら引き受け業務を行うのが本来の姿だと思うわけでございます。  しかし、現実問題として御指摘のようなオーバーイシューがあって、それが市場に大きな影響を与えるという指摘、あるいはそれが一つの大きな原因になっているということは否定できない事実でございます。引受証券会社の引き受け審査能力あるいはアンダーライターとしての判断というものが必ずしも適正に行われなかったという点については、私どももそういう認識を持っているわけでございます。発行会社にしましても、配当について必ずしも株主に利益還元をするという姿勢が十分でなかったというようなことで配当利回りも下がっているわけでございまして、配当政策そのものは発行会社の経営政策の問題ではございますけれども、証券市場を通じて資金調達をする、特に株価を一つのメルクマールにして資金調達をするエクイティーファイナンスというものを行う以上は、その証券市場、特に株式市場におきます株主あるいは投資家の投資魅力を上げるということは、発行会社にとっても非常に重要な責務になっているというふうに考えるわけでございまして、私ども現在配当性向の引き上げとそれによる株式保有魅力の引き上げというようなことを発行会社にも要望しておりますし、あるいはアンダーライターに対しましても、そういうことを発行会社に言ってアンダーライターとしての市場に対する責任というものも十分果たすべきだということを強く指導しているところでございます。  たまたま現在、エクイティーファイナンスについて証券界がつくっております配当といいますか利益還元についてのガイドラインというのがございますが、これを見直す時期が参っております。私どももその見直しに際しましては、従来以上に株式保有利回りの上昇あるいは配当性向の引き上げというようなことで、企業が株主に対する利益還元を十分に行うような形でアンダーライティングが行われるように、このガイドラインを見直すように指導してまいりたいというふうに思っているわけでございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 実は、エクイティーファイナンスの金額をちょっと少し申し上げておきますと、大体一九七〇年代の前半には一兆一千億ぐらいだったんですね。それが八七年になって十一兆六千億、その次、八八年十七兆六千億、八九年二十六兆四千億、一種の倍々に実はふえてきた。そうしてその間に今の証券の引き受けの部長会議がルールをつくっているのですけれども、そのルールをどんどん緩めて、要するに参加が自由になるようにしたということですね。  ですから、今具体的な計数をお話がありませんでしたが、日米株式の配当の比較は、一九八一年から九〇年の間で見ますと、日本は一・一%なんですね、配当は。アメリカは四・六%ですから、要するに四倍以上の配当がアメリカではある、こうなっているわけですね。そうして、アメリカも日本と同じ額面割り当てではなくて公募時価発行になっているんですね。アメリカは公募時価発行、日本も公募時価発行を認めている。どうしてこんなに差ができるのか。これをひとつ大蔵省の方で一遍答えてもらいたい。なぜこんなに同じ時価発行をやっている株式会社が、今の配当の利回りで片一方が一・一で片一方が四・六なんということになるのはなぜか、お答えいただきたい。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 配当利回りでございますが、確かに今私どもの持っております手元では、平成二年では日本が〇・四九%という配当利回りになっておりまして、アメリカは三・六五でございますけれども、一つは、配当性向が日本の場合ははるかに低いということが指摘されます。日本の場合の配当性向というのは二五%前後でございます。最新の統計データでは、企業の収益が低下したこともございまして三〇%に上がっておりますけれども、いずれにいたしましてもその程度の水準。アメリカの場合の配当性向というのは大体五割ぐらいというようなふうに記憶をしております。そういう配当性向が低い、つまり企業が得ている利益の中から配当に向ける部分が少ないという問題。  それからもう一つは、実は株価がアメリカに比べまして高い。よく言われておりますPER、株価収益率で見ましても日本の株価ははるかに高いわけでございます。これには日本の経済成長力とか、あるいは一時、含み資産とかいうようなものを買って株価が上昇したという問題もございます。最近は、昨年から株価が低迷をしておりますから少しPERも下がってはおりますけれども、アメリカに比べますと基本的に株価が高い。この配当利回りがこんなに格差があるということが逆に株式を保有している魅力を失わせているわけでございまして、どうしても売買でキャピタルゲインをねらうというような投資ビヘービアに走るわけでございます。またそれが株価の上昇をさせる要因にもなっているということも、これも否定できない事実だろうと思うわけでございます。  具体的に余り厳密な分析をしているわけではございません。感じを申し上げて大変恐縮でございますけれども、やはりいろいろ今申し上げたような要因が働いて日本の株式市場においてキャピタルゲイン偏重の志向が非常に強くなっている、これをインカムゲインの方に何とか引き戻すということが、私どもにとって課せられた非常に大きな課題ではないかというふうに考えているわけでございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 大体要するに、後で法務大臣もお越しいただいてから日本の株式会社とアメリカの株式会社の基本問題をやりますけれども、今私の方で非常に驚いたことがありますのは、実は毎日新聞の八九年一月十二日付の新聞の資料でありますけれども、「企業交際費、米国の三倍」。実はここに、これをちょっと簡単に読み上げた方がいいと思いますから、   飲食やゴルフの接待などの交際費や出張費は、しめて十一兆四千億円 世界最大のカード会社、アメリカン・エキスプレスが十一日、首都圏と京阪神圏にある企業を対象に実施した「出張・交際費に関する実態調査」をまとめたところ、一九八七年の交際費と出張費の合計が国家予算の五分の一に相当することがわかった。日本ですよ。  交際費だけをみると、日本は米国の三倍、英国との比較では実に十四倍に達し、世界一の債権国らしい、”羽振り”のよさをうかがわせている。こういうふうになっているわけですね。  そこで、ちょっと国税庁でこの交際費がどうなっているかを調べてみました。そうすると、昭和六十年分三兆八千五百四億円、六十一年三兆九千四百四十八億円、六十二年四兆一千八百六十二億円、六十三年四兆五千五百三億円、平成元年四兆九千七百七十億円、約五兆円なんですね。  その五兆円に対して一体配当は一九九〇年どうなっているか。全国証券取引所協議会が調べたところによりますと、一部、二部上場企業の配当総額は三兆円なんですよ。五兆円会社が交際費を払って会社のために仕事をして、株主には三兆円しか配当を払っていない。アメリカやその他はさっきの倍率で見ておわかりのようにまともに配当を払って、出張費の方はわかりませんが、交際費というのは主税局や国税庁にアメリカやその他の国に交際費があるんだろうか、調べてくださいといって在外公館を通じて調べていただきましたけれども、どうも税務上では交際費のようなものが出てこないということでありますから、まさに私は日本の企業というのは、自分の会社がもうけることのためには金を使うけれども株主には配当はまあそこそこでいいや、これが今の日本の企業の実態ではないのか、こう思います。大蔵大臣どうですか、今の私のこの問題提起に対して大臣としての、政治家としての御感想を承りたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 先ほど証券局長からも、配当金に対し株価水準が高くなり過ぎた場合の弊害というものについてのお答えを申し上げました。その延長線上で今委員が数字を挙げてお述べになりましたような感じ、これは私どもも同感と思います。まさに交際費とそして配当というものを対比して委員が述べられた感じ、いわば企業社会と言われる中におきまして、その企業に対し資金を供給しているはずの、そしてみずからの資金の保全と兼ねてその企業のいわば資金を支えているべき株主というものに対し企業の報いることが非常に少ない、その御指摘は私も同感に思います。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 今法務大臣も入っていただきましたから、アメリカと日本の株式会社の違いというものを少し申し上げて、私どもがやはりアメリカに学ぶものがあるのではないかという感じがしておりますので申し上げますけれども、日本の株式会社の総会では、議長は我が社はと、こう切り出すわけでありますね。我が社というのは実は、私どもから見るとどこを我が社と言っておるか、こういうことなんですが、まあこれは日経連の会長さんでも来ていただいて聞くといいんですが、私なりの認識では、日本ではある一定時期に社員が会社に入って、永年勤続で終身雇用ですからずうっと会社に残っていく。そうして、その会社の従業員として入った人の中から取締役も選ばれ、社長も選ばれる、こういう三角形の、まあ要するに従業員組織というものがどうも我が社ではないのか。そうしてその下に、この会社を支えておる株主というのは、どうも我が社の中に入ってないのじゃないのか。株主総会で、株主が集まっている前で、アメリカでは議長はユアカンパニーとはっきり言うわけですね。株主のあなた方の会社はと、こう言うんですけれども、日本はあなた方の会社じゃないのですよ、我が社なんですよ。ここにもう基本的に、象徴的に日本の会社とアメリカの会社の違いがある。  ですからさっき私が、同じような時価発行、公募ができるアメリカでなぜ配当性向も高くなっているかというと、株主の意向が株主総会できちっと反映するシステムになっていますから、要するに時価発行増資で増資をすれば、一株当たりの自分たちの持っておる所有権というものが薄まってくる、できるだけそういうことをしないでやった方がいい。そうだからといって、アメリカは借り入れもそうやるわけではありませんから、日本の ようにともかくもどんどんどんどん金を集めて、そうしてどちらかというと会社の方の内部留保がふえて、実は賃金の方は必ずしも十分上がらない、こういう格好で、言ってみれば会社主義というのが日本の企業の中で非常に大きくなっている。  私はこの前、行革審の委員でもあるし富士ゼロックスの社長でございます小林陽太郎さんに、アメリカの社外重役のお話を聞きました。小林さんは富士ゼロックスの社長でありますが、同時にアメリカのゼロックスの社外重役でございますので、アメリカの社外重役のことを向いました。アメリカのゼロックスの場合は、重役の三分の二が社外重役だ、こういうお話でございました。そうしてその中には、アメリカのことですから女性もそれから黒人の方もちゃんと社外重役に入っていて、それじゃただ社外重役は名前を連ねているだけかというと、そうではありませんと。会社の中にいろいろな委員会が設けられていて、その委員会の委員長を全部社外重役が引き受けています。株主総会では、その。委員長あてにいろいろと質問が来ますから、私たち社外重役を引き受けておる者はしっかり勉強しなければ社外重役は勤まりません。そうして、そのゼロックスの場合には、重役の三分の二が社外重役、会社の出身の者は三分の一、おまけにその三分の一の人は六十歳定年制がある。私たちは定年制がありませんと。ですから、要するにどちらかというと、株主を代表する社外重役の方が長年いて会社の事情にも詳しい。そうして、その会社から来ている人の方は六十歳定年で入れかわっていく、こういうことですから、アメリカの会社というのは株主の意向も反映をするし、チェックがしっかりききます、こういうお話でございました。  私は、この間からの証券特別委員会に参考人が来ておられて話を聞いておりまして、野村証券でも今度のいろいろな問題については、要するに取締役会で決めて処理をしたということを田渕前会長が話をしておられますけれども、どうも日本では会社というのが一緒に出てきた人たちの仲間で、それで取締役会ができているものですから、チェックが内部的にきかないのではないのか、こういう感じがいたしてなりません。そこで、実はこういう問題が起きますのを、問題が起きてから検査をするとかいろいろな処理をするというのは、私は経済行為としては必ずしも十分ではないのではないか、事前にこういうことが起きないような仕組みを株式会社の中につくるということが非常に重要ではないか、こういうふうに考えました。  そこで、いま一つの問題点は監査役の問題でございます。この監査役は、アメリカには監査役の制度はありませんで、公認会計士が会計監査をするということになっておりますが、日本では商法で監査役が実は設けられております。それで、イギリスはどうなっておるかといいますと、イギリスでも会社法に基づき設立された会社はすべて、監査役とか検査役とか訳されておるようでありますけれども、オーディターというのの設置が要求されている。監査役は、会社設立の際に、第一回株主総会までの間、取締役会によって選任される、そこから以後は、各年次株主総会により任命される。イギリス会社法百五十九条一項。もしも総会で監査役の選任がないならば、商務局、ボード・オブ・トレードが職権をもって選任することもある。イギリス会社法第百五十九条の三項。監査役の員数は、一人でも数人でも差し支えない。イギリス会社法第百五十九条の一項。ただし会計士、アカウンタントである。一定の職業的資格を有する者の中から選任されることを要する。イギリス会社法第百六十一条一項。ところで、監査役はその職務の独立性が必要である、こういうふうにはっきりなっておるわけであります。  そこで、日本のこの監査役の法律を調べてみますと、これは大体取締役の選任に準じて商法では規定をされておるわけでありますから、言ってみれば、ここでイギリスでは監査役というのは独立性がある、要するに取締役会に従属しないという形で、ここで一つのチェックがかかるシステムがあるのですが、日本では監査役は取締役会に準じてすべて取り扱いがあって、さらに総会でも取締役会に準じて選ばれるようになっておりますね。そこで私は、この際、そういう会社にチェック機能を与えるためにひとつ商法を、これは法制審議会その他で御検討いただくことでありますけれども、やはり会社に独立をした発言力を持つ方を監査役にすれば、今の取締役会で補てんをやろうなんという話が出たら、これはまあ株主を代表してもいいのですが、外部の人がそれはおかしいんじゃないかと一人が言えば、今のなあなあ主義でも、ああいうことを言って、いや、それは私はそう思うと言えるのですが、同質の人間ばかりの中では、日本の会社ではなかなか、皆がそう言ってないところで私はこう思いますなんということが言えるような仕組みになっていないわけですね。  前に一つの本があって、日本では全会一致ということがよく言われているけれども、本当に民主的なら全会一致というのはおかしいんじゃないか、意見の相違があるはずではないか、こういうことが日本についての本で語られたことがありますけれども、意見が違っても少数意見を言うことは、会社の中での将来の自分のことを考えると黙っている方がいい、右へ倣えになるというのが、実は今日の日本の取締役会の実情ではないんだろうか。それが、実は今度の補てんでもみんな、四社だけではなくて中堅も何もみんなどんどんやっている。それは、情報であそこがやっているというふうなことが聞こえると、それじゃうちも、長期取引で先で利益をとればいいからこの際は補てんしようかということで、全部が右に倣えていく。これは私は、単に証券の問題だけではなくて、企業の全体に、内部にチェックが先にかかるということは極めて重要だ、こう思うのでありますけれども、法務大臣、今後監査役は独立したものとして、ひとつ外部からチェックのできるような者が選ばれるような方向に監査役というものを改めていただいたらどうかと思うのですが、いかがでございましょうか。

左藤恵自由民主党法務大臣

○左藤国務大臣 今お話しのとおり、この株式会社の監査制度につきましては、昭和四十九年それから昭和五十六年、二度の商法改正がありまして、一応そのたびに、わずかかとも思いますけれども、その強化が図られておることは御承知のとおりだと思います。法務省として、その改正後の監査制度の運用が今どういうふうに行われているかということを関心を持って見ておるわけでございますけれども、今お話しのとおり、それだけでは十分でないじゃないか、そういうもっと独立的なことを考えたらどうだ、こういうお話だと思います。  今回の証券・金融不祥事と監査制度との関係につきましては、その実態を十分見きわめる必要があることは申し上げるまでもございませんが、証券取引法の改正によりまして、損失補てんの約束とかあるいはその行為が明白に違法とされるということになれば、このような行為につきましては、監査役は違法行為としてこれを指摘していくということが義務づけられるわけでありますので、監査の実をより上げることができるんではないか、このように考えております。  しかし、いずれにいたしましても、そうした御指摘のような御意見もあるわけでありますので、今後法制審で検討していただくといたしまして、さらに一層この監査制度というものが実効がより上がるような形を検討していかなければならない、このように考えておるところでございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 大体監査というものがその会社の会計問題にだけ実は比重がかかるのは、私は問題があると思うのであります。なぜかといいますと、少なくとも一定以上の企業は財務諸表を提供しなければなりませんから、公認会計士の監査が必要なんでございますから、財務の処理の方は公認会計士がやれるんでありますけれども、今のような会社のビヘービアですね、そういう政策といいますか、そういうものにチェックがかからないところに実は非常に問題がある、私はこう思っておるわけでございまして、その点をひとつ。  だから、今のイギリスのように会計士がという話は、やはり今の会計的なチェックの話でありますけれども、私は、日本の場合にはそうではなくて、企業がいろいろと行動を決めるときに、その行動が果たして社会的に、あるいは国民経済的に、市民や消費者、株主の立場に立って公正かどうかというようなことが判断できる人が、別に社外重役であっても構いませんが、そういう方がいて、内部でチェックできる仕組みをつくっておかないと、日本というのはあうんの呼吸で暴走する可能性の多い国でありますから、その点をぜひひとつ法制審議会等で御検討いただきたい、こう思うわけであります。  その次に、実は法務大臣においでいただいておりますから、その法務大臣に関する部分だけちょっと先にやらせていただきます。  今度のこの補てんに関して罰則が実は設けられております。それで、この罰則については、要するに、証券業者については罰金百万円か懲役一年以下の罰則。それから、受け取った方が強要をして補てんを受けた場合には罰金五十万円で懲役六カ月、こういうことでございます。私は、この罰則を見て感じたのでありますけれども、証券会社にしろそういうところが何かそういうものを、補てんをこう決めた、補てんを決めたときに取締役会で決めるんでしょうね。そうしてそれが犯罪という格好になってきたら、だれか犠牲者を一人出さなければいかぬわけですね。犠牲者は一体じゃあだれにするか。それは一人で済まないで何人かになるにしても、要するにその犠牲者になる者が本当にこれを指導してやったのか、そうであったかないかはわからないわけですね。ともかくおまえちょっと行ってこい、こういう格好で刑罰を受ける人が起こる可能性がある、こういうふうな感じがしてなりません。  それからもう一つ、今度の補てんを見ますと、何十億という補てんをしておいて罰金百万円というのは、会社にとってどうなんでしょうか。ああ払っておけ、こういうことになるんじゃないでしょうか。罰則というのは抑止力があるところに罰則があるのであって、罰則を実行することが罰則の目的ではないと私は思うのですが、法務大臣、いかがでしょうか。

左藤恵自由民主党法務大臣

○左藤国務大臣 刑事罰というのは、各種の行政上の措置だとかあるいは自主的な規制措置といいますか、そういったものと相まってその機能を果たすべきものである、ただ刑事罰だけが万能だ、こういうことにはならないんじゃないか。違反行為をした法人に対しまして適切に刑事罰を科することによって、そういうものを総合しての立場から一つの抑止力的な効果を上げることができるんじゃないか、私はこのように考えておるところでございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 今度は、補てんを受けた側は、六カ月の懲役または五十万円の罰金が科せられた場合にその利益が没収される、こういうことになっておりますね。だから、要するに五十万円の罰金なり刑罰が行われない場合には利益の没収はできない、こういうことだと思いますが、法務大臣、この点はいかがでございますか。

井嶋一友法務省刑事局長

○井嶋政府委員 今委員御指摘のとおり、顧客につきまして処罰がされません場合には顧客から没収、追徴することはできません。なぜならば、没収、追徴と申しますのはいわゆる刑の付加刑でございますので、刑罰が科せられたところに付加して行われる刑罰でございます。そういう意味におきまして、今おっしゃったような設例の場合には没収ができないということは、そのとおりでございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 そこで、私は長年この経済問題をやっておりまして、今公正取引委員会で、五十二年改正で実は課徴金という制度を導入してまいりました。今度また改正をして、その課徴金をふやすことにいたしました。これは私は、経済犯罪は経済的な処分をきちんとする方が実は事の性格上相当ではないか。犯罪ということよりも、要するに人を殺すとかけがをさすとか物をとったとかという社会的な規範に外れる話と、経済行為の場合とはちょっと性格が違うのではないか。そうすると私は、公正取引委員会が五十二年改正で課徴金を導久し、今回またそれを適切な価額に改めるということは、経済事犯に対する、カルテルに対する対応としては極めて適切な対応だ、こう考えているわけでありまして、しかし今の独禁法でも刑罰はちゃんと後ろについているわけです。刑罰はついているけれども、刑罰の前に課徴金で処理をするという形になっているわけですね。だから私はその刑罰を外しなさい、こう言う気は、公正取引委員会との関係であってもいいかもしれませんが、しかしこれは今日の問題ではなくて少し時間のかかることではありますけれども、この今の補てんの問題、これは一任勘定を法律で禁止をして行政処分でもしやったら、営業停止になって会社がつぶれるかもしれないということになれば起きないかもしれませんが、しかしこれだけのことが起きておるのでありますから、それらを担保するためにはやはり罰則が必要で、そのときには補てんをした額、これを証券業者から課徴金で取る、補てんを受けた側も、補てんを受けた者は課徴金で国へ出す。要するに両罰、両方ともそういう経済行為で不当なことをやった者はそれに見合う課徴金を取り上げるという方が、私は犠牲者を、だれかを人身御供にするような話よりは経済問題としては適切ではないか。  ただし、これはちょっと時間のかかることでございますから、少し大蔵省や法務省で御検討いただいて、これからの問題になると思いますけれども、どうも私はそういう意味で、恐らく国民の皆さんも、あれだけ補てんを受けていて、そうして今度は法律ができてないからいいですけれども、あれみんな懐へ入っちゃう。話によると損失以上に補てんをされておるところもあるようですし、また一任勘定でやってない、要するに指図をして処理をしたところにも補てんが行われているというふうに聞いているわけですから、これは一般の国民から見たらまことに不当、不公正な問題でございますので、やはりこういうことが起きないことを望みますが、もし起きた場合にはそれに見合う課徴金を取る、そういうシステムをひとつ皆さんで御検討いただきたいと思いますけれども、まず先に大蔵大臣の方からひとつ御答弁をいただいて、法務大臣の御答弁をいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 これは既に一度、委員ではなく他の委員からだったと思いますけれども、御論議として提起をされたことがございます。確かに行政上の処分として課徴金制度の立法例として、カルテル行為による不当な利得を徴収する独禁法上の課徴金がございます。しかし、証券取引法の損失補てんにつきまして課徴金制度を設けるという場合に、私どもは証券会社に対して損失補てんを要求する顧客については没収、追徴の規定を設けておりまして、損失補てんの再発防止策という、その実効性という観点からはこれで十分ではなかろうかと考えております。また、損失補てんをいたしました証券会社側には具体的な利得は発生をしておらないわけでありまして、将来発生するかもしれない利得に対して徴収という行為が果たして法制度上可能であろうかという問題点もあろうか、そのように考えておる次第であります。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 法務大臣、ひとつよろしくお願いします。

左藤恵自由民主党法務大臣

○左藤国務大臣 今課徴金制度につきまして大蔵大臣の方からお話がございましたが、これは行政上の措置の一つということであるわけでございまして、損失補てん等のような場合にそのような制度を設けるべきかどうかは、これはまあ大蔵省その他のところでお考えいただくことでありまして、法務省といたしまして直接に意見を申し上げる立場じゃございませんけれども、違反者に対します制裁として課徴金制度を設けるということであれば、刑事罰との関係で二重処罰になりはしないか。この二重処罰することについての問題点というのもあろうかと思いますので、こういったものにつきまして十分他省と連絡をとって慎重な検討をして進めていくべきものである、このように考えておるところでございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 順序は、行政罰を先にやるのじゃないでしょうかね。行政罰ほっておいて先に刑罰にいくという話は、これはちょっと、私まあ法律の専門家じゃありませんけれども、そういうことにはなってないと思うのですが、これは事務方の方で法務省、答えてください。

井嶋一友法務省刑事局長

○井嶋政府委員 先ほど大臣もお答え申し上げましたけれども、行政法規において一つの規制をかける場合に、それを強制する手段というものが幾つかあるわけでございますが、もう御案内のとおり、まずその違反があった場合に行政上の措置をとる。いわゆる監督権者の懲戒処分、行政処分的なもの、これが一つ考えられるわけでございますが、今御議論の課徴金というのは、独禁法にございますけれども、これは一つの利益の剥奪ということで、行政上の措置という考え方で行われている措置と理解をいたしております。  それとともに、これは前後はちょっと逆になるかもしれませんが、一つの違反が行われた場合に、いわゆる自主規制団体のようなものがある場合には、自主規制で規制をかけるというのも一つの方法であろうと思います。そういった方法とともに、どうしてもそういったものでは不十分だという場合に、刑事罰というのが行政法規には罰則として設けられておるわけでございます。そういったものが結局総合的に抑止力として働くものだというふうに考えておるわけでございまして、要するにその適用する順序がどうかということは必ずしも決まっておるわけでもございませんけれども、やはり一つが万能であるというわけではない、すべてが総合的に作用すべきものだ。そういう意味において、今回罰則を整備するということについては大いに意味があるというふうに、私どもは考えておるわけでございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 ちょっと私も、独禁法もちゃんと刑事罰はあるのですよね。しかし課徴金取っているわけですね。課徴金取るときには、それじゃ独禁法では刑事罰を一緒にやらなきゃならないんですか。そんなことは、私はないんじゃないかと思うのだけれども。

井嶋一友法務省刑事局長

○井嶋政府委員 課徴金は先ほど申しましたように行政上の措置でございますから、その措置でとまると考えられる場合には、刑事告発は公取委員会はしないわけでございますので刑事罰の発動はない、こういう関係になるわけでございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 公正取引委員会も同じならば、大蔵省の場合も同じように行政処分で処理する場合がある方が望ましい。要するに刑事罰に踏み込んで、六カ月や一年懲役にやるとか五十万円や百万円の罰金取る話は、どうも私は我々の常識から見て適切でない、こういうふうに考えますので、その点は与党の皆さんもひとつお考えをいただいて、これはすぐできないのですから、今後の課題としてひとつ皆さんと検討を進めさせていただきたい、こういうふうに思います。  その次に、実はさっきアメリカと日本の会社のことについて話をしたのでありますけれども、これは八月二十八日にNHKの「ニュース解説」というところで「日本式経営の功罪」というので堺屋太一さんが放送されたものを私見ておりまして、全く同感なものですから、ちょっとこれに触れながら、日本の企業のあり方というものを皆さんで御一緒に考えたい、こう思うのであります。   二年前にリクルート事件が発覚いたしました時には、日本は、「経済は一流だけれども、政治は三流だ。経済一流、政治三流」ということがよく言われたんです。ところが、最近、日本経済のバブルが破裂いたしまして、次々と証券、金融業界の不祥事が現れるようになって、「はたして、経済は一流だったんだろうか」、そんな声が聞かれるようになりました。少なぐとも、経済はともかく、経済人の中には必ずしも一流と言えなかったような人がだいぶいたようですね。 私も同感なんですね。   これに伴って話題になってまいりましたのは、「日本式経営は、はたしていいんだろうか」ということです。従来、日本がどんどん経済が成長した。技術も進歩した。これは、日本式経営のおかげだと非常に高く評価されたんですけれども、はたして、この日本式経営というのが、消費者にとって、一般国民にとって、 また、私に言わせると個人株主にとって、また、企業全体の従業員一般にとって、有利なものか、幸せなものか、これが大きな疑問になってきたんですね。    そこで、まず日本式経営とは何なのか、 この問題から考えてみますと、日本式経営の特色は、労使関係において終身雇用、年功賃金、そうして企業内組合、こういった独特の企業だけの労使関係ができている。従来、日本式経営の一番の特徴は、この終身雇用と、労使関係が安定して、ストライキも少ないし失業の心配もない。ところが、労使関係を支えているのはこれだけではありません。   第二に、企業蓄積型の財務というのがあります。非常に配当率が低い。現在でございますと、株がだいぶ下がったと言いましても、依然として配当率は現在の株価の一パーセント以下でございます。そして、賃金が比較的安い。その結果、企業に非常にお金が、資本が蓄積される。これが先行投資でどんどんと投資されていくわけです。したがって、企業は非常に成長する。今は低賃金でも、企業が成長すると高賃金になる。それを終身雇用だから辛抱強く待っていられる、こういうような財務体質が一つあります。   そして三番目に、集団主義。これ、日本全体一の特徴なんですが、特に現在の企業では、権限が分散している。社長さん一人ではなしに、各担当重役、さらに部長さん、課長さん、係長さんぐらいまで権限が分散している。そして、交際費が非常に多いということですね。 これは私、今交際費の問題を取り上げてお話をしたわけであります。それと、この今の交際費の問題のほかに、企業が系列化しているということで、  下請け企業、協力企業というのがずーっと系列化して長期の取り引きが行われている。これが全体となって企業従業員の集団、企業集団を作っている。この三つが日本主義経営の特色になっているわけです。 これはかなり評価をされてきておるわけでありますけれども、じゃ、そこで問題は一体ないのだろうかということを考えてみると、内部優先、外部負担、こういう問題が実は出てきます。要するにここでいわれておることは、労働量は常に一定で、レイオフもしないしやめませんから、雇っている人が遊んでいるような状態になったら、  少々赤字でも生産を続けたほうがいい、生産量を一定にしようという意識が企業には働きます。そうすると、不況の時、日本国内で需要が減った時には、せっかく来てもらっている人たちに、遊ばすよりは少々赤字でも押し出し輸出をしたほうがいいんじゃないか、こういう現象が起こってくる 二番目には、企業の蓄積は確かに多い。先行投資は進んで経済は成長する。生産過剰になる。「賃金、配当が低く押さえられていますから、個人の所得が意外と低い。それで、消費過少になる。」そういたしますと、これがまた輸出の増加の原因になる。三番目が集団主義。「企業の内部だけの集団主義に陥ってしまう。」というようなことがずっと書かれているわけでありますけれども、私どもはやはり、今日世界の中で日本経済がまともに評価されるようになるためには、もう少しやはり今のこれだけの関係を考えなきゃいけないんじゃないか。  その一つは、高齢化社会というものがどんどん進行してまいります。高齢化社会が進行してくるということは、要するにこれまで六十歳定年でしょうから六十歳以上、これから十年か十五年、二十年近く年金生活になる。この年金生活者というのは、企業にいたときに比べて大変条件が悪くなってくる。あるいは御承知のような、老人によるところの身体障害やなんかいろいうな問題が出てくる。そういうふうになってくることを考えますと、やはり私は、要するにさっき申し上げました市民あるいは消費者、個人株主、いずれも一つの市民でありますけれども、この市民の中に企業を卒業した、要するにリタイヤをされた皆さんというのがどんどんふえてくる。そういう人のことも考えながら、私はやはり日本の企業のあり方が、今少し変わりつつありますけれども、もう少し変わっていいんではないのか。だから、老人のためのいろいろな施設をひとつ企業集団でつくってくださるとかいろいろな形がありましょうけれども、やはり私は、ここらで日本企業というものが少しあるべき方向に転換をしていかなきゃならぬ段階に来ているのではないか。それには、今度のいろいろな証券不祥事の問題というのは一つの区切りとして考えていい問題ではないか、まずこう思いますけれども、大蔵大臣、いかがでしょうか。     〔委員長退席、穂積委員長代理着席〕

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今いろいろの角度から日本企業の特色、さらにその企業が存立する社会の特色というものをお述べになりました。その中には私自身同感のできる部分もありますし、また他国の制度に比して日本の制度の方がすぐれているのではないかと私自身感じるところもございます。しかし、いずれに、いたしましても、企業が社会の中に存立する限りにおきまして、今委員は高齢化社会の到来という視点から提起をされたわけでありますが、企業もおのずから果たすべき役割というものはあろうかと思います。そしてそれは、今委員がお述べになりましたような社会還元の形をどのような手法でとっていくのか、その選択肢は多様でありましょう。しかし、その役割を果たしていくべき責任が、企業にも当然のことながら社会の。構成員として存在する、その点は同感であります。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 今までは証券問題を中心にやってまいりましたけれども、今度は銀行の問題を少し、あと残った時間で取り上げさせていただきたいと思います。  私は長く金融行政に携わっておりまして、そこで吹原事件以来いろいろな問題がございました。山陽特殊鋼の問題、外為の問題、いろいろな問題がありましたけれども、当時住友銀行だけは、実はこれらのトラブルに一切タッチしていないのですね。山陽特殊鋼に調査に参りました。当時、三菱銀行はここへ常務を送っておりまして、その調査に参りましたときに、通産省から手形を出せと言われて、まさか山陽特殊鋼がつぶれると思いませんから、私たちはその一番いいサイトの短い手形だけを通産省に出していました、こんなことになると思ったらもっとサイトの長いものを出せばよかったと思いますという下請業者の話もございました。そういう経過がありましたけれども、当時住友銀行は一切そういうトラブルに関知してなかった。  私はそこで、住友銀行の幹部に、あなたの銀行だけが各行いろいろトラブルがある中でタッチしてないのはどういうことですかと聞きましたら、その幹部が、当時堀田庄三さんが長く頭取をしておられた時期でありますけれども、うちの銀行は、お金を貸しますときには会社には金を貸していないのです、経営者の身上調査を徹底してやりまして、まともな経営者にお貸しをするというのが堀田さんの方針です、こういう話でございました。ですから、ナショナルにお金を貸したのではなくて松下幸之助さんにお金を貸しているのです。ブリヂストンに貸しているのではなくて石橋さんに貸しているのです。山陽特殊鋼からも借り入れの話がありました。社長の身上調査をやりましたら、こんな人に貸したら大変だというのでお断りいたしました。これが当時の住友銀行の状態でございました。  ところが、要するに住友銀行は堀田さんの後、浅井さん、伊部さんと、ここまではまあ堀田さんもお元気でありましたから問題がなかったのですが、磯田さんが頭取になってから住友銀行は大きく転換をいたしました。安宅商事問題というのがございまして、この安宅商事問題についていろいろと私たちの意見を申しましたけれども、これは当時そのときはまだ磯田さんは副頭取で、常務が今アサヒビールに来ている方でありますけれども、ともかくも国際的に問題のある商事会社でございますから、一生懸命やりますからということでございましたけれども、その後、磯田さんが頭取になって平和相互銀行の合併、そうして今度の問題、こう変わってきたわけでございますね。要するに私は、その企業のリーダーのビヘービアというものが、そういうまともな経営から利益主義に変わったときに大きな問題が起こるな、こういう感じがしているわけでございます。  その次に興業銀行でありますけれども、御承知のように勧業銀行と興業銀行というのはかっては国の銀行でございました。それが、勧業銀行、興業銀行か民間銀行になり、長期信用銀行法に基づく銀行になったのでありますけれども、この間、黒澤頭取が参考人で御出席になったのをずっと聞いておりまして、黒澤さんは副頭取のときに一回、尾上という人に会っている。頭取になって二回会っておられて、なおかつ一番多いときには九百億円でありますか、個人に融資がされていた。いろいろとお話がありましたけれども、私は、興業銀行というのは日本の中のバンク・オブ・バンクだというふうに信頼をしていた銀行でございました。各銀行や証券の役員、大蔵省の皆さんも、息子さんを興業銀行く入れている人はたくさんあるわけです。よその銀行には入れないけれども、興銀だけは信頼して入れているというのが興業銀行で、私はちょうど証券恐慌のときに共同証券という機関を設立し、問題の処理を当時の頭取の中山さんと御一緒にいろいろとお手伝いをしましたので中山さんのこともよく存じておりまして、そういうことが起こるなどとはつゆ考えていなかったのに、私どもの常識で考えられないことが実は興業銀行に起こっている、こういうことでございますね。  それで富士銀行、これも実は松沢さん、今相談役でございましょうか、かつて澄田金制のころに都銀三羽がらすと言われて、住友銀行の安藤太郎、三菱銀行の黒川久さん、それから富士銀行の松沢さんというのが銀行三羽がらすと言われていました。私のところにおいでになって、堀さん、ひとつ銀行もこれから変わらなければいけません、デパート化で垣根を低くしてもっと自由にやれるようにできませんか、CDが発行できるようにできませんかと、いろいろ皆さんから御相談を受けました。私は、銀行の垣根を取っ払ってデパート化なんでいうことば、それはちょっととても将来そう簡単なことではないでしょうが、CDは既にアメリカで行われておることですからやがて日本にも行われるでしょう、こういうことを申し上げたことがあって、非常に松沢さんという方は立派な実は銀行経営者でございました。ところが、そういう立派な方が、ああいう立派な銀行を経営しておられたのにかかわらず、今回、大阪信用組合の問題で、要するに大きな不祥事件になっているわけであります。  東海銀行とか富士銀行の支店長代理がにせの預金証書をつくってどうこうしたというのは、これは私は、犯罪に類することで銀行の経営上の問題ではございませんから、これは別個処理をされればいいと思いますが、今の富士銀行と興業銀行はいずれもそういう、何といいますか一つのビヘービアにのっとった形で問題が処理をされていたのではないのか。要するに銀行そのものに問題があったのではないのかという感じがいたしてなりません。これらについて、ひとつ銀行局長から、今の富士銀行と興業銀行のことについて、時間があと十五分しかありませんから、簡単にお答えをいただきたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 御説明を申し上げます。  個別のお話に立ち入ることは遠慮すべきかと思われますが、やはりこのような事件を見ておりますと、それぞれの銀行の営業姿勢に問題があったというような感じがいたします。ただ、さらにその背景というものを考えますと、昭和六十年ごろ以後のこの五、六年間における金融環境の激変、金融情勢の激動というものもやはり非常にその金融機関の経営方針を揺らがせた、動揺させたという面はあるわけでございまして、これに対しまして、金融機関の体制整備が追いつかないままに安易な業容拡大、さらに収益追求に走るという傾向があったのではないかと考えております。  それで今回の事件、御指摘のような事件もあるわけでございますが、これはこの営業姿勢の問題と、さらに、いかなる状況のもとにおいてもやはり堅固な内部管理体制の整備という、金融機関経営の基本を揺るがしてはならないということを大いに反省させられる事件であろうと思うわけでございます。ただ反面、余り問題を一般化いたしますことは、逆に個々の金融機関における職員の質の問題、管理体制の問題、さらには経営責任の問題をあいまいにする面もあることに注意しなければならないと思うわけでございまして、圧倒的多数の金融機関は、やはりこの厳しい環境の中で一生懸命営業努力を続けてきておる、そういう面も見逃せないわけでございます。  今回、日本を代表いたしますような大きな銀行の一、二におきまして、これに関係する巨額の事件が起きたことは残念でありますけれども、やはりこの教訓はいろいろなあらゆる金融機関の営業に生かさなければならないというようなことで、私どももいろいろ決意を新たにいたしまして金融システムの信頼回復のための一連の措置を取りまとめ、今後その実効を期してまいりたいと考えておる次第でございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 実は金融制度の改革問題が、この問題が起きるまでずっと順調に進行してきたのですけれども、この今の証券・銀行の問題がこう起きてまいりまして、ちょっともう一遍原点に返って、これまではこういうことは起きないものだという前提で金融制度の改革が行われてきたと思うのですね。ですから、これは今既に答申が出ているようでありますけれども、もう一遍ちょっとこの情勢で一回立ちどまって、もう一遍いろいろな点を考え直す必要があるのではないかという感じが私はするのでありますが、大蔵大臣、その点はいかがでございましょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 先刻来の御指摘は、私は拝聴しておりましてなるほどと思いつつ聞く多くの部分を持っておりました。ただ、この金融制度改革につきまして、確かに今回の一連の問題の中から出てくるさまざまなポイツトについてチェックをし、より慎重を期する必要は私も認めますけれども、立ちどまって改めて見直すという点につきましては、私は必ずしも委員と意見を一にいたしません。  なぜなら、むしろ競争機会を拡大し、公正な競争を確保するという視点を、我々はこれからの証券にいたしましても金融制度全体にいたしましても、外すわけにはまいらないわけであります。その点におきましては、関係するそれぞれの審議会から出てまいりました御意見というものは、相互参入の問題一つをとりましても、市場をより積極化し拡大する、また競争を適正公平なものにしていく上で役立つという方向を持っておりますだけに、私はこの一連の問題の中から出てくる教訓は十分生かしながら進めていかなければならないと思いますけれども、立ちどまってということについては、私は必ずしも委員と意見を一にいたしておりません。  率直に申しまして、我々はむしろ積極的にこの教訓を生かしながら、相互参入の機会を拡大することを初めとした制度改革というものには取り組んでいくべきではなかろうか、そのように考えております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 実は今競争の話が出ましたから、ずっとこういろいろなマスコミの資料を見ておりますと、どうも免許制が問題なので登録制に戻したらどうかというような意見も出てくるわけでございますね。それから競争の問題で、今の証券でありますと、要するに手数料の自由化をやるべきだ、こういう話も出てきておるわけでありますね。  しかし、私はもう既に申し上げたように、澄田金制の前から競争原理、市場経済論でありますから、競争を進めることについては賛成なのでありますけれども、例えば株式の手数料を自由化したときにどういう現象が起こるだろうかという点で、力のあるものがどんどん手数料を下げできますと、寡占をさらに助長するおそれもあるのですね、自由というものの反面。ですから、私は一概に、要するに手数料を自由化することが競争を促進する――確かに競争は促進されるでしょうが、結果的には寡占がますます強くなるという問題もあるということを視野に置いてこの問題は考えていかなければならないことではないだろうか、こんなふうに一つ思います。  同時に、この前一応いろいろな答申が出ているのを見ておりまして、銀行にアンダーライターを引き受けさせたらいいだろう、しかしブローカーはだめですよ、こういう話になっているのですね。そこのところ、ディーラーはどうなるのかもよくわからないのだが、証券局長、ディーラーはやれるのですか、やれないのですか、子会社がなんかに証券をやらせるときに。ちょっと答えてください。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 従来の証取審のレポートの取りまとめでは、御指摘のように発行市場を中心にまず参入を認めるということでございまして、ディーラー業務については明示的には書いてございません。ただ、ディーラー業務というものの中にはアンダーライター業務に密接不可分な部分も当然あるわけでございまして、そういうものについては、発行市場に入って機能する以上、そういう必要なディーラー業務というものはある程度認めざるを得ないというふうに考えられるのではないかというふうに思うわけでございます。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 新聞等で見ていますと、どうも何かアンダーライターだけを認める。今の証取法は、実は御承知のようにライセンスが四つになっているのですね。これは、私がこういう考えで松井さんや加治木さんに、普通ライセンスというのは企業に与えるけれども、証券の場合、大きいところから小さいところまでこういうふうにあるんだから、それはやはり業種別免許でなきゃ問題があるよということで、実は四つの免許ということになっているのは、私の提案に基づいてできておることでございまして、これはバンクディーリングその他については、ああいうふうに四つに分けていたことは大変今日有効であったなと思っているのですけれども、しかし引き受けをやるのに、ただ引き受けたけをやるということでは引き受け業務は成り立たないのではないか。今、証券局長のお話しのように、そのほかの部分のディーラーは別としても、引き受けたものについてのディーラーが認められなければ引き受け業務は成り立たない、こう思っているものですから、そこらのところを含めて、やはり問題が処理をされるときには、全体の中でひとつ物を考えていただかないと実は問題が生じるのではないか、こういう感じがいたしておるわけでございます。  あと十分ほどでありますけれども、今後の銀行に対する対応ですね。これだけ不詳事件が起きておるのですけれども、大蔵省としては、銀行かこういうことが起きないようにするために何らかの対応があるのでしょうか。要するに、支店長代理かなんかが勝手に預金証書をつくって、それでともかくそこらじゅうのノンバンクから金を集めるなんという話は、これも想像に絶する話でありますし、その他の今の大阪信用組合、御承知のイトマンに関係する者に何か資金が流れておるという話があったり、あるいは興業銀行も、末野という、やや何といいますか暴力団の関係のあるようなところにも相当な資金が行っているというようなことを含めて、やはりこれは証券対策だけではなしに、銀行の対策ということを少しきちんとしていただかなければ困るのではないかと思うのでありますけれども、それについてひとつ銀行局長の答弁を求めます。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 今回の事件についての一般的な反省は先ほど若干申し上げたところでございますが、このような一連の事件の発生が、それぞれの金融機関に対する社会的批判にとどまりませんで、金融システム全体の健全性に対する信頼の喪失をもたらしたことは、まことに大きな問題だと考えております。  そこで私どもは、これは具体的には八月三十一日に大蔵大臣が答弁の形で御説明申し上げたところでございますけれども、この再発防止及び金融システムの信頼回復のために総合的な対応策を打ち立てましてこれを実施する。それからさらに、金融界におきましても、特にこのような問題は自主的な経営努力に係るところが大きいわけでございますから、そのような経営努力を発揮するということを強く期待するということを金融界にも申しておるわけでございます。  その内容につきましては、若干その項目だけで御容赦いただきたいと思いますが、最も重要な問題といたしまして、金融機関の内部管理体制の総点検から出発いたしましていろいろと、この第二点としまして公共性、社会性の確保、その中では、先ほど委員の御質問にもございましたような、業務運営や経営姿勢についてのいわば外部との対話ないしは外部からの意見を求めるようなそういう仕組み、いろいろなものも考えられると思いますし、さらには、これもただいま御指摘がございましたが、暴力団対策などにつきましても、適切に今後はその対策が行われなければならない、そのように指導したいと考えております。  それから第三点は、行政の透明化と検査体制の充実でございます。  それから第四点は、やはり近年の現象でございましてまだ研究不十分でございますが、ノンバンク問題というものにどのように取り組むべきかにつきまして、大きな項目といたしましてノンバンク問題への対応を考えてまいりたいと思っております。  さらに第五点としまして、ここは金融システムの安定性の強化ということでございまして、今後、ただいま大蔵大臣から申し上げましたような競争促進、新規参入を促し競争を促進するというような観点からのいろいろな制度改革の検討とあわせていろいろと、例えば自己資本比率規制とか大口信用供与規制などの健全性確保のための枠組みも整備いたしたい。さらに、例えば国際協力その他も研究してまいりたい。  そのようなことで、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 今の八月三十一日のこの証券特における大蔵大臣の答弁要旨の中に、今銀行局長も触れましたけれども、第四点はノンバンクヘの対応であります。「ノンバンクの預金担保融資の実態調査を早急に取りまとめますとともに、さらなる実態調査やノンバンクに対する指導のあり方の検討のために、関係者による検討会を設置いたします。また、金融機関における関連ノンバンクの管理体制の強化を求めます。」とありますが、実は私どもは前国会の終わりに、ノンバンクの問題がかなり大きくなってまいりましたので、自民党の皆さんのお話で、とりあえずノンバンクを貸金業法の中で対応できるようにしようということで、実は審議を省略して議員立法でノンバンクの法律を成立させたのでありますけれども、ここへ来でこれから問題になるのは、これはノンバンクの問題なんですね。もうこのノンバンクの問題を速やかに対策を講じなければならないのに、現在のあの法律でいきますと、ノンバンクに立入検査もできなければ資料の要求もできないなんということになっているのでは、これは私は、大蔵委員会の私どもにとって重大な問題だ、こう考えております。  ですから、これは議員立法でございますから、政府に求めるわけではございませんので、ひとつ自民党の皆さんと十分協議をして、ノンバンクがこれから非常に重要な問題で、ばたばたと倒産するかどうなるかわかりませんので、このノンバンクに対する調査能力、要するに資料の徴収や立入検査、これは要するに、貸金業法四十二条で貸金業者にできることになっているのを外しているわけでありますから、ここのところは四十二条で貸金業者と同じように、要するに監督権が行われるように速やかにひとつ処理をいたしたい、こう考えておりますので、これは政府ではなくて、自民党の議員の皆さんに御協力をひとつお願いをいたしたいと思います。よろしくどうぞお願いいたします。  質問を終わります。

穂積良行自由民主党

○穂積委員長代理 これにて堀君の質疑は終了いたしました。  次に、沢田広君。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 大所高所から、今金融なり証券の問題について堀議員の方からそれぞれ質問されました。私は、主体的に現実の法案と関連をしながら質問をしていきたいと思います。  これは証券局長よりも先に、日銀の方から御出頭をいただいておりますので、福井参考人にまず質問をしていきたいと思います。  今回の証券の不祥事、あるいは笹川議員の例からすれば、不祥事というよりいたずらだということで犯罪だ、こういうふうになるのでありましょうが、日銀としてはこういう証券の問題、金融のこの乱脈な経理の問題、そして今日のバブルの問題、土地の暴騰の問題、多く金利を下げるという説もとかく言われがちでありますが、私はやはり現状をしてバブルを抑えていく、そして健全財政というものを貫いていく、そういうことが基本的に必要であると思っておりますが、まず日銀から、今日の金融情勢についてどのように考えておられるか、この点お伺いをいたしたいと思います。

福井俊彦日本銀行理事

○福井参考人 お答えを申し上げます。  ただいま委員から、日本銀行として最近の経済情勢のもとで金融政策の運営の基本的な方針がどうかというお尋ねがございました。そこで、私どもの現状判断からかいつまんでまず申し上げたいと思います。  国内の景気でございますけれども、委員御承知のとおり、引き続き緩やかな減速過程をたどっているという状況でございますけれども、もともと日本の景気はかなり高いレベルから減速してきているという状況でございますだけに、現在の経済活動の水準そのものはなお高いところにございます。労働需給を中心にいたしまして、全般の需給地合いもなおかなりタイトであるという状況に変わりはございません。また、先行きにつきましても、もとより予断を持って臨むべきことではございませんけれども、企業の根強い投資意欲とかあるいは家計の良好な所得環境を背景とする設備投資、個人消費、この二つの重要な需要項目の底がたさから見まして、当面国内の景気が大きく落ち込むリスクは少ないというふうに判断いたしております。  一方、物価情勢でありますけれども、国内の卸売物価の上昇率は、このところかなり鈍化をしてきておりまして、これは好ましい現象と見ておりますが、肝心な国民生活により関係の深い消費者物価で見ます限り、直近の時点で引き続き前年比三%台という上昇率でございます。これは下げ渋りの展開となっております。これには、今申し上げましたような労働需給の逼迫が続いているというふうなことを反映して、人件費とか物流費とかいった面での物価上昇圧力が依然根強いということが影響しているわけでございまして、日本銀行としては、物価情勢には引き続き注意を怠れないものがあるというふうに考えております。  それから、ただいま御質問の中でお触れになられました地価の動向等についてもそうでございますが、全体として見れば地価の騰勢はひところに比べかなり鈍化しつつある。しかしながら、ここ数年間にわたる地価の上昇が極めて大幅なものであったということにかんがみますれば、現在はやはりこのところの地価の騰勢鈍化傾向を定着させていくことが何よりも大切な時期である。いわば、バブルエコノミーの収束過程をしっかりと後づけていくことが大切であるというふうに思われるところでございます。  なお、金融面の情勢に一言だけ触れさせていただきますと、最近の景気の減速傾向、それから物価が卸売物価を中心にしてではございますが、少しずついい方向に向かっているというふうな状況を反映いたしまして、金融面では市場金利がひところに比べてかなり低下を見ております。これに伴いまして、銀行の貸出金利も市場金利の動向を受けでこのところ低下傾向をやや早めておりまして、けさも三和銀行から短期銀行貸し出しのプライムレートを引き下げる、七%まで引き下げるという発表がなされました。短期貸し出しプライムレートは、この引き締め期で一番高かった時点で八・二五%でございましたが、これがけさの発表では七%のレベルになるということでありますので、この問一・二五%の低下でございます。七月の日本銀行の公定歩合引き下げ前の短期プライムレートの水準が七・八七五%でございますから、公定歩合引き下げ前の状況と比べても〇・八七五%ポイントの低下、やはりかなり大幅な低下を見ておりまして、こうした金利全体の低下の経済全般に及ぼす影響ということも、これからしっかりと見守っていかなければいけないという状況でございます。  したがいまして、こうした諸情勢のもとで日本銀行としては金融政策の運営に当たりまして、これまで同様、ただいま御指摘いただきました資産価額の動向あるいはバブルエコノミーの収束過程というふうなことにも十分配意しながら、物価安定を基軸に据えた慎重な政策スタンスを堅持してまいりたいというところでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 ぜひ朝令暮改にならないように、十分に慎重に対応していただきたいと思います。  続いて、大蔵省からこの中間報告が出されました。この中間報告なら、本来この法案を出す前にすべてを終わらせて、我々も会計検査院の検査を受けるときもありますが、あらゆる資料を全部つけて、夜なべしようと何しようとつくって対応するのですよ。これは、大蔵省のやり方は国会を少しなめていますよ。少なくとも国会が開会、法案を提出する前に、すべての立入検査、せめて二項目だけですよ、これ。ほかの分野にまで全部やれと言っているわけではない。二項目だけについて、全証券会社ができなかったなんということは言いわけにならないと思うのですね。私はその点、不謹慎だと思う。法案を出す以上、少なくとも特別検査は完了して、こういう結果になりましたという姿勢で国会に提案するのが筋ではなかったのか。これは、大蔵大臣からお答えをいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 おしかりはおしかりとして甘受をいたします。しかし同時に、私は現場を存じませんけれども、恐らく膨大な資料を本当に隅から隅まで目を通しながら行った特別検査であろうと私は思います。それに対しまして、限られた職員の全力を尽くした結果、中間報告がようやくできるところまでまいりました。その努力に対しましても、私は御批判は御批判としてちょうだいをいたしますけれども、不謹慎であるというお言葉に対しましては、私としては非常に残念な気持ちと率直に申し上げたいと思います。しかし、努力はこれからも一生懸命に払ってまいります。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 では、この中間報告は全体の検査を行うべき分量の中でどの程度の量、あるいは何割ぐらいの達成率であるのか、その点お答えいただきたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 定量的に何割ということはなかなか難しいわけでございますが、ただ、この中間報告でお示しをしております平成二年四月以降におきます損失補てんにつきましては、まだ若干の精査は必要ではございますが、ほぼ我々は把握したというふうに考えております。それ以外、継続調査項目が幾つかございます。これにつきましても、引き続き検査を続行しているわけでございます。私どもとしては、平成二年四月以降の損失補てんというものの把握に最優先を置き、全力を挙げたわけでございます。  ただ、野村証券の場合には、あわせまして東急電鉄株の調査も並行してやっているわけでございます。御指摘のように、何割という具体的な定量的な進捗度というのをお示しできないのは申しわけございませんけれども、少なくとも損失補てんについては、ほぼ精査をしてもそれほど大きく動かないというふうな数字だというふうに御理解をいただきたいと思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 今言われた中で、損失補てんには三通り今までのところありますね。今までのところ三通りで、まだ数は多いのでしょう。先ほども堀議員の方から言われたように、いわゆる補てんしなくてもいい分以上にプラスアルファで余計に出した、それはどのぐらいあるのですか。それから、損失補てんはしなくてもいいものについてしたのはどのぐらいあるのですか。それから、あるいは歩どまりを決めて七掛けとか大掛けくらいにしか出さなかったものはどのぐらいあるのですか。その三つだけ、とりあえずお伺いします。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 私ども、調査では損失補てんといいましても広い意味でとらえておりまして、その中には三つの種類がございます。つまり、損失額をすべて補てんした部類、それから一部補てんしたもの、さらには損失額を超えて補てんした類型、この三つございます。過去既に公表されました件につきましては、その損失額を超えて補てんじたものが五十九件認められました。昨日御報告申し上げました中間報告、これは四社で七十八件でございますが、そのうち、損失額を超えて補てんじたものが十二件認められます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 この超えて補てんをしたという意味は贈与ですか、寄附ですか。これは国税の方に聞いた方がいいのかもわかりませんが、どういう性格として受けとめているのですか。

冨沢宏国税庁次長

○冨沢政府委員 私どもといたしましては、今回の報告の中身については承知しておりませんのですけれども、いずれにいたしましても損失の額を超えたか超えないかということを問わず、それは証券会社から相手方に対する取引関係を良好に維持するための交際費であるという認定になろうかと存じます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 そういうふうに、この前の質問のときにはそうなんですが、特にそれに上乗せして超えた部分というのは、損失額をそのまま一〇〇%プラス・マイナス・ゼロとしたとしても、これは交際費で支出されたんだと、これはそれでわがります。それ以上プラスして出したものは、それは贈与があるいは買収が、あるいはリベートかあるいは寄附かと、こうなるわけでしょう。一〇〇%以上超えたものについては、少なくともそういう性格づけで重加算税がつくとか、そういうことをしなかったらおかしくなるんじゃないですか、どうですか。

冨沢宏国税庁次長

○冨沢政府委員 私どもの取り扱いでございますと、この損失補てん、いわゆる損失の範囲内でありましても、法律的に相手方に払ういわれのないものをお払いになったということであれば、これは交際費ということで、先生のおっしゃる贈与という意味はそういう意味でおっしゃっているとすれば、全体がそういう意味では贈与だということになりますが、私どもの扱いとしては、それを交際費ということで課税をいたしておるわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 そうすると、今まで第一回分の発表、第二回分の発表、これはもう国民も大変怒っているわけでありまして、このままで済まされたんではとにかくおれたちはたまらない、こんなことが許されていいのかというふうに我々も言われるわけでありますが、そうなると全部この損失補てんされた金額は、これはいわゆる寄附金といいますか交際費といいますか、そういう形になって当然税の対象に――もちろん交際費の枠内におさまっていれば別ですよ。おさまっていなければ当然課税対象になる、こういうふうに判断してよろしいですか。

冨沢宏国税庁次長

○冨沢政府委員 支払いをされた証券会社のサイドの課税問題としては、そのとおりでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 受け取った側は、これはどういうふうに国税庁としては調べているかわかりませんけれども、まず会計担当だけが独自に判断して行った場合、それからちゃんと役員会が議決をして、こういういわゆる信託あるいは営業特金、こういうようにいろいろなケースで依頼をした場合、あるいはまた、特に七%はこれは確保しますという約定書を書いて行った場合、受け取った側の税制対策としてはどのように対応していますか。

冨沢宏国税庁次長

○冨沢政府委員 まず、法人が受け取られた場合でございますけれども、先生が今おっしゃいましたいろいろな対応、いずれの場合にもこれはその法人としての収益の一部になるわけでございますので、それを収益として課税対象とするということでございます。個人でございますと、それは所得の一部を構成するということになりますので、やはり課税の対象となる、そういうふうに取り扱っております。ただ、法人の場合は、補てんを求めるということでございますれば、それはその公表された収益の中にその部分が計上されておるケースが通常であろうかと存じます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 じゃ、これは漏れがなく当然課税対象となって処理される、こう理解していいですね。

冨沢宏国税庁次長

○冨沢政府委員 そういう場合がほとんどだと思いますが、私ども、新聞その他で資料を入手したわけでございますから、今後、法人の調査に当たってそれらを活用させていただく、そういうことになろうかと思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 例えば青森ガスなんかは五十五億円ですが、五十億ぐらい投資して五十億返してもらった、こういうふうに報道されていますが、これは私も聞き及んでいるところでありますが、全額これは返してもらったというんですね。こういうのはどういうふうになりますか。全額が課税対象になる、自己責任は免れない、こういうふうに思いますが、いいですか。

冨沢宏国税庁次長

○冨沢政府委員 今のケースにつきまして詳しい事情を承知しておりませんが、仮に損が五十出て、それに対して五十を埋めてもらってちょうどとんとんになったということでございましたら、そこは収益は生じてないという取り扱いになろうかと存じます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 そうではないのです。五十億で株を買ったわけですね。その五十億で株を買って、株を買ったことでなかったようにして五十億補てんしてもらったという場合は、一たん株を売買すれば自己責任は発生するんですね。だから当然それは補てんになるのではないか、こういうふうに私は考えますが、いかがですか。

冨沢宏国税庁次長

○冨沢政府委員 ただいまの個別のケースについて詳しいことを存じておりませんので、先ほど以上の答弁は、この場ではできないことをお許しいただきたいと存じます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 これは当然なるんだと思いますが、一応売買したわけですから。  じゃ、続いて証券局長にお伺いしますが、八九年の四月から九月にかけて稲川会が、笹川議員も質問されておりますが、日興で千八百万株、野村が一千万株買ったという事実は確認されましたか。松野(允)政府委員 稲川会の関係者が野村証券から買いまして、私どもの調査では最終的に買い越しになった額を把握しているわけでございますが、野村証券で一千百万株、日興証券で一千五百万株、合計二千六百万株の株を買い越してそのまま保有しているというふうに聞いております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 続いて八九年の十月ごろ、これも各議員が質問されていると思いますが、野村は五千円になると各支店を通じてそれぞれ買い集めて、そのシェアは三〇%に達した、こういうふうになっておりますが、この点間違いありませんか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 十月のある一定日をとってみますと、そういう姿になっております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 特に野村の内部の「ウィークリー」等では、十月三十日号で注目銘柄として指定をした、こういうことで宣伝、PRしているようでありますが、この点も間違いありませんか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 「ポートフォリオウィークリー」に載せました推薦銘柄、これはたしかその号によって違いますが、二十七銘柄ぐらいあったときがございますが、東急電鉄株がかなり長期にわたってその「ポートフォリオウィークリー」の中で推奨銘柄に取り上げられているということは、事実でございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 それでその後、十月末には二千八百九十円に押し上げられ、十一月十七日には三千六十円に押し上げられてきた、この経過は認めますか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 私どもの調査でもそのとおりでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 これは、この経過をたどれば、完全に株価操縦であるという事実をいみじくもあらわしているわけですね。それに報告は、投資勧誘の状況等について現在調査を続行しているところであって、「現在までのところ、証取法第百二十五条違反の行為があったと認定することは難しい」、こう表現しているのですね。それだったら、こういう事実がはっきり確認されれば、これは株価操縦があったと。野村が三〇%も日興と合わせてシェアを占めて株価を上げたという事実があって、それでもなおかつ認定するのが難しいという心理は、どこからそういうことが出たんですか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 証取法百二十五条の二項一号というのが典型的には株価操作の規定というふうに言われているわけでございます。この百二十五条二項一号の株価操作ということを認定いたしますには、大きく四つの行為がございます。まず一つが、「有価証券市場における有価証券の売買取引等を誘引する目的」があるということが第一点でございます。それから第二点が、「単独で又は他人と共同じでこという要素。それから第三点が、その「有価証券の売買取引等が繁盛であると誤解させこまたはその「相場を変動させるべき」というのが第三の要素でございます。それから第四が、そういうふうな一連の売買取引、またはその委託をするあるいは受託をするという、四つの構成要件から成っているわけでございます。これを通して私どもは、百二十五条二項一号の場合には、単なる自然発生的な過度の買い注文によって価格が上昇したという場合には、これは当然株価操作には該当しないわけでございまして、そこにいかに人為的な要素が入っているかということを認定をする必要があるわけでございます。  その人為的な要素というものを認定する場合に、確かに野村証券が大量の、つまりかなりの推奨をしたことは事実でございますが、その推奨を受けて投資家が投資判断をするという行為に対して、どこまでそれに対して人為的な影響力を及ぼしたか。つまり勧誘がどこまで行き過ぎていたか、あるいは場合によっては投資家の判断をゆがめたとかいうようなことがあったかどうか。あるいは、よりもっとはっきりいたします場合は、特定の投資家なりあるいは特定の証券会社の関与率が非常に高い、これは特定の投資家をとってみますと、その投資家自身の売買のシェアになるわけでございます。そういったようないろいろな要素がございます。それらについて、現在検査の中で事実関係を調べて、それをこれに当てはめて評価をしているという状況にあるわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 警察にも来ていただいておりますが、今日イトマンの問題から、あるいはその他日興証券、それからいろんなものをたくさん含めていろんな犯罪が今行われております。この証券犯罪、金融犯罪についての現状の把握はどうなっているかということをお答えいただくとともに、今のこの表現は、私は誘導だと思うのです。人為的に行われていないという独断によって、我々国民に対して百二十五条違反でないということを誘導していくという、そういう発想がある。疑わしいなら疑わしいと書くべきだと思うのです。それが難しい状況にある、こういうことで事をびほうしていく、こういう大蔵省の意図があっなかなかったか、この問題はありますが、そういう形は少なくとも望ましい形ではないということを指摘しておいて、警察の方から、当面している事件と、今こういう問題でどの程度捜査なりをやっているのか。中身はいいですよ、中身は言わなくていいから、どの程度の件数が扱われているのか、お答えいただきたいと思います。

國松孝次警察庁刑事局長

○國松政府委員 現在警察が捜査をいたしております証券・金融事犯についてでございますが、まずイトマン関連事件といたしましては、警察でもう既に送致をいたしまして起訴されている事件が二つございます。一つは、瑞浪ウイングゴルフクラブというものへの約二百三十億円の融資をめぐる商法上の特別背任容疑事件、それとさつま観光という会社に対する融資をめぐりまして約百四十六億円に上る損害をイトマン本社に与えたという、これも商法上の特別背任事件、この二つで、元イトマン代表取締役社長及び同社の常務取締役ら関係者五名を既に八月十六日逮捕いたしまして、うち主犯格の三名が九月七日に起訴されているということがございます。また、イトマン関連ではもう一つ、アルカディア・コーポレーションという会社がございますが、それに対する約十億円の融資をめぐる商法上の特別背任事件につきまして、このアルカディア・コーポレーションの社長及び元イトマン社長の二名を九月九日に逮捕いたしまして、これは現在捜査を進めているところでございます。  次に、一連の都市銀行等をめぐる不正融資事件につきましては、目下警視庁におきまして特別捜査本部をつくりまして捜査中でございますが、うち富士銀行事件につきましては、九月十二日に有印私文書偽造、同行使及び被害額約百七十億円に上る詐欺の容疑で富士銀行赤坂支店元課長ら四名を逮捕し、この元課長らの余罪及び同行日比谷支店をめぐる不正融資事件を含めて、現在鋭意捜査を行っているところでございます。  また、東海銀行関係につきましても、同行の秋葉原支店の元行員に係る有印私文書偽造を内容とする告訴を警視庁において受理しておりますので、その事実関係の解明に努めているというところでございます。  また、暴力団稲川会の前会長による東急株大量購入事件の事実を把握する端緒となりましたウエスト通商という貿易会社の役員らによる外国為替管理法違反につきましては、兵庫県警察におきまして捜査を進めてきたところでございますが、現在、関係法人及びその役員につきまして被疑法人及び被疑者として送致すべく最後の詰めを行っているところでございますので、間もなく送致をすることになるというように思うところでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 まさに枚挙にいとまあらずという表現だと思うのでありますが、これを一つずつやっていると時間がなくなりますから、さらに徹底的な究明をされることを期待してやみません。  そこで大蔵省に、この四番目の報告については、いずれにしても事実認定ができるまでは、この疑わしい状況というものを正直に表現をして報告するべきではなかったか。これは、後で理事会等で御相談いただきますが、若干人為的に曲げて書かれているような気もしなくありませんので、この点はひとつ、今ここでどうということは決めませんけれども、適正な判断をされることをお願いします。  これまでの証券の補てんでたくさんの国民から怒りを買ったわけですが、証券会社の処罰についてはどういうふうに把握しておりますか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 この損失補てんをめぐる、あるいは暴力団との不明朗な取引に関しまして、私ども、各社に対し厳正な社内処分を行わせたわけでございます。ことしの六月にこの一連の問題が発覚をいたしまして、その段階では四社に対しまして、役員の退任あるいは降格、停職、あと減給等を含む厳正な社内処分を行わせましたし、あるいはその前野に、昨年の三月に自主報告を求めた段階におきましても、同じように更迭を含み降格あるいは減給を含む社内処分を行わせたところでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 内容は言われないようですから、私の方から見れば非常にこれは軽過ぎるのではないか。今日、社会に与えた影響あるいは株式市場の信頼を損なったその責任、これは極めて大きい。もっと謙虚に罪の重さを知ってもらわなければ困るというふうに思います。野村が結果的には退任三名、これは暴力団関係のようですが、降格が二名、停職が三名、減給が三十一名、役員就任辞退が一人。それから日興が退任が二人、これも暴力団関係、降格が四名、減給は二十名、これも一〇%ですね。大和が減給八人、山一が減給が九人、新日本は六人減給です。あとは全部減給ですね。それから、和光にしても三洋にしても、国際はゼロですが、第一、岡三、山種、東京、太平洋、丸三、東洋、水戸、それぞれ三人なり四人、多くて五人ぐらいの減給だけですね。これだけの事件を起こした罪として考えた場合には、まあ社内の処分としてももう少し厳しいものがあってしかるべきではないかと思いますから、時間の関係で先へ行きますが、一応そういう要請をいたしておきたいと思います。  それから、この法律改正でこういう事件がなくなるとは思えないわけです。この法律の改正では、恐らく補てんというのは残っていくだろうと思うのですね。要求しなかった場合はいいわけですから。そうすると、補てんが残るという形は、ある程度通達は出ているのですが、通達はほとんど無視されちゃっている。そうすると、また補てんは行われるというふうに私は思いますが、これはないと言い切れるのですか、それとも起こり得るのですか、局長はどう思っていますか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 現在審議をお願いいたしております証券取引法の改正案では、特に証券会社に対しましては、損失補てんが市場の価格形成機能をゆがめる、あるいは仲介者としての公正性を、不公正だというようなことで証券会社に対する損失補てん行為については非常に厳しい規定を置いているわけでございます。損失補てんのための利益供与を申し込んだり、約束したり、あるいは実際に供与するというようなことをすべて刑罰をもって禁止をしているわけでございまして、証券会社に対するこの厳しい法律による禁止行為というものは、もちろんあわせていろいろな自主的な、それに至るまでの予防的な措置というものも自主規制機関を通じてとられるわけでございますが、この法律改正によって証券会社に対しては相当、損失補てんについて極めて強力な抑制力が働くというふうに私どもは考えるわけでございます。  お客の方につきましては、そういう悪質な、証券市場の価格形成機能をゆがめるような悪質な客について刑罰を科すこととしているわけでございますが、今申し上げましたように証券会社に対しましては幅広く損失補てん行為について禁止をし、それに対して罰則を適用することとしておりますので、十分実効性が上がるというふうに私どもは考えているわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 まあもらう方の顧客の方でありますが、もらう方は悪質な、ゆがめるような悪質な要求と、これはどういう意味ですか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 法律では、顧客が要求をして証券会社から損失補てんを受けるという場合に顧客を処罰をすることにしているわけでございます。これは、今申し上げましたように要求をして、証券会社が積極的にその違法行為を行うということを要求するというような、証券市場の価格形成をゆがめるのに積極的に加担するといいますか、関与するというような点をとらえて処罰の対象にしているわけでございまして、そういったいわゆる悪質な顧客というような考え方で、そういう顧客に対しては処罰をする。証券会社の方はそこまで至らない、価格形成機能についても証券会社の方がはるかに重い責任を持っておりますし、仲介者としての公正性というものも責務としてあるわけでございます。そういった点を考えて、証券会社に対する処罰と顧客に対する処罰との間に悪質度で差をつけている。まあ証券会社に対するこれだけの処罰規定を置いておけば、通常の場合には損失補てんが実効性を持って防げるというふうに考えているわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 言いわけが長くなるときというのは、大体本当のことをなかなか言いにくい場合が多いんですね。ですから悪質などか、ゆがめる悪質な行為ということをここで言っているが、法律は「要求」という一言しかないのですね。要求というものの仕方あるいは形、そういうものによって刑罰の対象になるかならないかということを判断になるわけですね。そういうことになると、非常に微妙な判断が必要になる。これには何か解説つけるのですか。例えばまた通達をつくって、この悪質なというのはこういう場合だと、やっぱり無視されればそれまでの話なんですが、それでもそういうものをつくらなければわからないですね、これは。一般の人に聞いたら、何だろう、どれが悪質なんだ、ちょっとあざでもついていたらこれは悪質だなんてことに言われちゃうかもしれないなんてことになりかねないですね、これは。その点はどうなんですか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 これは、法律を改正いたしまして刑罰、つまり証券市場に対する犯罪行為として刑罰をもって禁止をするわけでございますので、その刑罰規定について私どもが行政的に解釈基準を示すというようなことは考えていないわけでございます。「要求」、顧客が要求するという行為をとらえて顧客の処罰を考えているわけでございますが、もちろん要求というのは別に文書でなくても何でもよろしいわけでございます。客観的ないろんな状況、証拠を踏まえてこれが立証されるというふうに考えられるわけでございまして、要求ということに対する立証というものの問題については、十分客観的な証拠を踏まえて立証されるというふうに承知をするわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 この要求に行くときには、会社に行く場合のが多いのでしょう。あるいは社長のうちに行く場合もあるでしょうけれども、一人とかせめて二人とかでしょう。ところが一方、会社の人間は十人なり三十人なり五十人なりいる敵の本城に乗り込むようなものでしょう。そうなれば、あらゆる場合の証言が本人には不利になりますね。悪質であったかどうかというものの判断は、証拠は極めて見分けがつかなくなります。あるいは本当に悪質だったのかもしれない、あるいはそうでなかったものが相手には悪質に映ったかもしれぬ、そういうあいまいなことで処罰をされるということであったら、これも問題ですね。その点はどういうふうに考えていますか。その情景一つ考えてみて、あなたどういうふうに証明していきますか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 私が悪質と申し上げましたのは、顧客が要求をして証券会社に損失補てんを行わせるというような場合のお客を悪質、こういうふうに表現したわけでございまして、あくまでも法律の規定は、要求し利益供与を受けるという構成要件でございます。要求につきましては、確かに今おっしゃられましたように、御指摘のようにいろいろな事情があろうかと思います。いろんなケース、そのケース、ケースに応じて顧客の要求というものがその証券会社に対してどの程度の認識、つまり強さでという問題はあろうかと思うわけでございますが、ただ、先ほど申し上げましたように証券会社としては、これは要求があろうがなかろうがともかく証券会社として損失補てんを行えば、これは刑罰に触れるわけでございまして、そういったことからいいますと、証券会社は自分が刑罰に触れる行為をするということはまず考えられないわけでございます。そういったことから、私どもはこの証券会社に対してこれだけの損失補てん禁止行為を置いているということで、損失補てんについては十分抑制効果が期待できるというふうに考えているわけでございまして、顧客につきましては、先ほど来申し上げておりますように、そういう事情であっても積極的に市場の価格形成機能をゆがめるような行為を要求する、証券会社に違法行為を行うよう求めるというような場合に限って顧客に刑事罰を科すということで十分ではないか、必要かつ十分であるというふうに判断した次第でございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 とても十分じゃないですけれども、答弁も十分じゃないですけれども、これはこれ以上言い合ってもしようがありませんが。  例えば、要求しなかった場合でも補てんをする、内々で行われたらどうなりますか。これはないしょだよと言われて、帳簿には載せないでくれと言われた場合は、これはそのまま行方不明になりますね。そういうことは想定しませんでしたか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 そういう場合でありましても、それは証券会社の方は処罰対象になるわけでございます。したがいまして、たとえ内々といっても、証券会社は処罰を覚悟の上でやるということになるわけでございまして、私どもとしては、法律で刑罰をもって禁止している行為をそういうことで行うということはないということで、先ほど申し上げたように、十分な抑制効果が期待できるというふうに考えているわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 例えば私は、年金事業団のような大きな金が入ってくるかこないかは、会社の運命を左右することになりかねないと思うのですね。そういうためには、やくざの会社ではよく言われておりますが、身がわりが出ていくということが多いわけで、今度はおまえちょっと行ってこい、次には課長にしてやるからなというようなことで、身がわりに行くということも、これは会社のだめならこういうことも起こり得るわけです。それで、これは五人出したら免許取り消しとか三人出たら免許取り消しとか、無制限じゃないことでなければ意味がないと思うのですが、ここの点はどうなんですか、一人出ても免許取り消しになりますか、営業停止になりますか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 これは、今の御審議をお願いしておりますのは刑事罰でございますけれども、これに証券会社が触れますと、当然証取法三十五条で行政処分の対象になります。これは、証取法違反行為をしたということで行政処分の対象になるわけでございまして、行政処分の対象になりますと免許取り消しから六カ月以内の業務停止あるいは役員の解任ということができるわけでございまして、もちろんケース・バイ・ケースではございますけれども、もし損失補てん行為を行い刑罰を受けるということになれば、当然あわせて行政処分を受けるということになろうかと思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 これが実効があるようなことを期待します。  そこで、証券業の自主規制というものが非常に大きな意味を持ってくるわけですね。外務員にいたしましても、仮名口座の問題にしても、まあ通達はいろいろ出ています。これも守られてこなかったですね。六十三年の仮名通達も、これも全然守られない、野放しになっちゃっておる。  そういうようなことで、あえて私は、補てん勘定という分野を損失経費の中に入れてその中身を後でチェックできるようにして、同じ損失金として上げるわけでしょうから、あるいは交際費で上げるわけですから、交際費と上げる、その欄の下にこの補てんなら補てん勘定というものを入れてそして報告するようにする、その程度は要請してできるようにしたらどうですか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 今回の補てんにつきましては、御存じのように、訂正有価証券報告書を提出させまして明瞭に表示するということにしたわけでございます。ところが証取法を改正いたしまして、この損失補てん行為が違法行為、刑罰をもって禁止されております違法行為となるわけでございまして、企業会計上、違法行為を前提とした勘定科目を設けるということはなかなか難しいわけでございます。やはり正常な企業活動を前提として企業会計原則あるいは勘定科目というものが設けられているわけでございまして、違法な行為が行われることを前提にして勘定科目を新たに設けるというのは、どうもやや難しいのではないかというふうに考えるわけでございます。     〔穂積委員長代理退席、委員長着席〕

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 だから、つくっておけば常にゼロになるということでしょう、あなたの言うとおりだったならば。別につくったからといって大きな損失が起きるわけじゃない。もしあなたの言うとおりだったら、そこは交際費に載ってくればまたこれは別ですが、だけど補てん勘定をつくっておけば、それはやはり常にゼロになって上がってくる、こういうことでかえって証明されるのではないかと思うのです。ただ、時間の関係で、これもこれから一応検討してもらって。あなたのおっしゃっていることが一〇〇%正しいとも思えないのであります。  しかし、現行の法律は一歩前進だと思いながら、これからいろいろ各党にお願いをしながらまとまっていけばへ我々もこれが実行されればという気も持たないではないのですが、これはいつから施行されるのですか、もし決まれば。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 御審議いただいております案では、公布をいたしましてから三カ月以内に政令で定める日というふうに決めてございます。これはいろいろ自主ルール等の作成というようなこともございます。そういったことも考えまして、できるだけ早く施行したいというふうに思っておりますが、一応三カ月以内に政令で定める日というふうになっております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 この問題はもう早急にということで、それを縮めることはどういう障害が起きるわけですか。縮めたらどういう障害が起きますか、一カ月なら一カ月以内ということにしたら、どういう障害が起きるのですか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 今申し上げましたように、一応正常な証券取引行為に支障を及ぼさないという観点から、正当業務行為というものの典型的なものを自主ルールで協会、取引所でつくっていただこうとしているわけでございます。これをどこまで急がせられるかという問題があるわけでございますが、できるだけ急がせてできるだけ早く施行する。やはり何らかのそういうルールがありませんと、正常な証券取引行為まで行われなくなる、取引行為が円滑に行われなくなるというようなおそれもあるわけでございまして、私どももできるだけ早く自主ルールを作成していただきたいというふうに考えているわけでございまして、必ずしも三カ月ぎりぎりかかるということを申し上げるつもりはございません。できるだけ早く施行できるような体制に持っていきたいというふうに思っております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 大蔵大臣、今の国民の期待あるいはこの問題のあり方からいって、精いっぱいつくった法律でありましょうから、我々から見ればちょっとすき間があき過ぎるなというふうに思っておりますが、いずれにしても、早期に施行することによって幾らかでもこの種の犯罪なりこういうものが、スキャンダルがなくなるように大臣としては努力をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 可能な限り努力をいたしたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 お願いされてもこれはあれなんですが、これは冗談で言っているようでございますが、それが一点。  それから、これも大蔵大臣に聞くのですが、これは大蔵大臣というよりも、NTTの株ですね、さっきもちょっと出ましたが、国民の怨嗟の声というものは極めて大きい。私のところへもたくさん来るわけでありますが、これもどうもしかけたのじゃないか。大蔵省の流通市場課長がそれぞれ証券会社に協力を依頼して歩いた。それが大手四社に行って三百十八万という数字になり、国は何とかこれで大きな金を得たいと思っていた。さらに、百十二万なり百九十万なりということで、これもしかけたのではないか、こういう疑心暗鬼があって、買ったらすぐ売っちゃった。だから市場にはダブついた。それで八十万とか七十八万とかという価格に下がった。大蔵省でも、心配ない、これは五百万円ぐらいになるのだなんということを宣伝していた。そういう形の中で、国が詐欺にかけたようなものだ、こう市民の人なり、OBの人なんでありますが、退職した人がささやかな金で買ってやはりそういうことを、苦渋を述べるのですね。  大蔵大臣、これは何とか、この前も若干触れましたが、だんだんこれがこういう問題に、補てんをされているものがこうやってふえてくる中で、こういうふうに化かされたような形で買った人は、それは非常に怒りを持って今日の株価をにらみつけておるというのが現状なんです。売るに売れない。それで、しかもそういうような話まで出てくるとなると、このまま放置しておくわけにいかないし、もしこの後出したとしても、あるいはJRを出したとしてもまゆつばだ、こういうことになりかねないのですね。まさに私は、政府の信頼がかかっている問題だと思うのです。ですからこれも、流通を始めたときの経過からやはりきちんと明らかにしていかなければならぬ問題があるというふうに思いますが、この点は証券局長でも大蔵大臣でも結構ですが、やはり政府の責任としてこれは答えてもらいたいと思うのですね。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 担当の理財局長参っておりませんので、私の知る限りにおいて御報告を申し上げます。  私は、当初NTT株が売却の方針が決定をされました当時、それなりに市場の実勢等を勘案され適切な価格設定がなされたと思っております。それが、ある意味では公社の民営化のいわば先駆けのような形で市場に公開をされましたために、非常に好感を持って国民から受け入れられた。そして多くの方々がNTTの株式というものの入手を希望された。そうした中で市場の価格は形成されていったのではないかと思います。その後変遷を経て、実は私は大蔵大臣になりましてから、NTT株式の売却のむしろ断念、延期という措置ばかりを今日まで決めてまいりました。そしてその中には、私は必ずしもNTT自身が、株主に対してより魅力を与えるための努力をしてこられなかったとは思っておりません。しかし、市場価格の低迷する中において、国民に改めてNTT株というものを見直すだけの魅力を与え得なかったということは事実であります。そうした中におきまして、政府保有株式がどういう形で売却されるかが不透明でありますことが、一層市場に影響を与えたという御指摘がございました。  政府としては、御承知のように売却計画を方針として既に公表いたしておりますし、本年度におきましても可能な限りの売却を考えておる状況でありますが、実態が非常に厳しいことは委員の御指摘のとおりであります。そして、そのNTT株式を保有される方々の声というものが、この損失補てんという一連の行動により極めて強いものとして我々にも浴びせられておることも、委員御指摘のとおりであります。大蔵省の立場といたしましては、その株式を保有する立場でもございますだけに、NTTさらには監督官庁とも、御相談を今後する場面もあるいはあるかもしれません。むしろ積極的に魅力を持たせる御努力を一層続けていただきたい、私どもとしてはそのように念願をいたしております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 時間的な制約もありますが、この後の法律の改正案の提出のスケジュール、今いろいろ意見が出されておりまする仮名口座の問題もあれば、いろいろ改正すべきものもございます。それらのものを含めて、あるいは日本版SECの問題も、検査・監視機構の問題もあります。こういうものがどういうスケジュールでこれから国民の前に提出されるのか、そのはっきりした日付は別でありますが、一応予定だけここで述べておいていただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 まず一つは、この証取法そのものの問題として、法制審の論議が終結をいたしました段階におきまして刑の内容が変化をするということは、当然のことながら我々として想定をいたしております。先ほど堀委員からも罰金の額の問題をお触れいただきました。時代に合ったものに、またその業態に合ったものに引き上げるべきであるという御指摘をいただいておりますが、我々はこれらの点につきまして、法制審の論議が終わり次第、政府全体としてあるいは一括の法体系で処理をすることになるのか、個別の法規で対応するということになりますならば、大蔵省関係の法律案について、この罰金の額の改定というものを一つのグループとしてまとめ御審議を願う場面というものは、可及的速やかな時期と私どもとしては考えております。  また、もう一点は、通達の見直しの結果、法律の中に取り込むべしという結論を得ましたものを証取法の中に加える作業がございます。これは行革審から、次期通常国会にという一つの作業時期を明示されて御答申もいただいております。我々としては、これについて間に合うように努力をしてまいらなければなりません。  また、同じ行革審の答申で、検査・監視機構について御意見をちょうだいしたわけでありますが、これは当然のことながら機構の変更、さらに定員の問題等々を含みますだけに、これは年末の予算編成には決着をつけなければならない問題でありまして、その内容によりまして、恐らく次期通常国会に御審議をいただくべきものがあるとするならば御審議をいただくといったことになるのではなかろうか。  今、この証取法そのものの御審議の中におきまして、すべてを網羅して時期の明示はなかなかできませんが、おおよそ考えられるものとしては以上のようなものが脳裏にあるわけであります。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 五十九分ですから、あと答弁は要りません。最後に要望だけいたしておきますが、さっき堀先生の方からもお話がありましたが、株の配当が、これはNTTもそうなんでありますが、いわゆる一年前なら一年前の例えば何月、一月一日現在、まあ一月一日は休みですから、十二月三十一日であろうと、とにかくそのときの価格について何%、三%であるか二%であるかは別です。そういうふうに配当を優遇してやっていくということが、あるいは利用率を高めていけるというものを、厚生施設なり買い物なりするものもあるわけですね。そういうところで配当率を高める。やはり保有に安定性をつくる。いわゆる株を保有することが国民としてはある程度の安定を呼び起こすんだ、そういう希望を与えていくような方策は必要なめではないかと思います。これは大臣、もう一分、三十秒ぐらい前ですが、ひとつお考えいただけるかどうかだけお答えいただいて、終わります。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私は、その企業の種類にもよりましょうし、また、いろいろな問題点はあろうかと思いますが、検討させていただきたいと思います。     〔委員長退席、衛藤(征)委員長代理着席〕

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 お願いして、終わりたいと思います。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員長代理 これにて沢田君の質疑は終了いたしました。  次に、草川昭三君。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 公明党・国民会議の草川であります。三十分の時間でございますので、簡潔な御答弁をお願いします。  昨日、大蔵省は九一年三月期の損失補てん、四百三十五億でございますか、巨額な損失補てんの中間報告を行いました。今回の補てんは、その禁止を求めた八九年十二月の大蔵省通達の無視あるいは違反であることは明確でございます。前回公表分に比べると、大手四社の犯意は明白、通達無視を許した大蔵省の責任もまた重大だ、私はこう思うのですが、大蔵大臣の御見解を賜りたい。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 特別検査の結果、中間報告の段階で、昨日御報告を申し上げるような内容の数字が出てまいりました。これは本当に通達が完全に無視され、これ以上通達というものに頼ることができないという強い思いを私どもに抱かせた、その点におきまして極めて遺憾なことでありますし、こうした結果を招きましたことについてはおわびを申し上げる以外にありません。  今後こうした状況を再発させないためには、従来とは全く違った取り組みをもってこれらの問題に対処しなければならない、そのためには、法律改正だけではなく、さまざまな努力を積み重ねていく必要がある、今そのように感じております。心からおわびを申し上げます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 これは前回とは違って、今回の行為というのは釈明の余地のない、いわゆる意図的な通達違反。問題は、このような証券会社を育てた大蔵省にどのような反省があるか。今大臣の答弁がございましたが、私は、基本的になめられているんではないか、こう思うんです。     〔衛藤(征)委員長代理退席、委員長着席〕  もともとこれは、大蔵省と証券会社というのは、あうんの呼吸というんですか、ある評論家によると、それは共犯だという非常にきつい言葉を言っておりますけれども、今までパートナーとしてきた、そして大蔵省が育ててきた、ガリバーになった。ところが、ある日突然大蔵省が今度は、これは大変だというので警察官に早変わりをしてもそれは無理だろうというような、そういう評論すらあるわけであります。問題は、基本的に大蔵省が本当にこの証券会社に対して怒りを持った対応を立てないと、私は、今度の改正案で自主ルールに任せるといってもそれも信用できないことになるのではないか、こう思います。  そこで、昨日大蔵大臣は追加の発言として、大手四社については一カ月間国債の入札引き受けに参加をさせないことを付言をしておりますが、一体どのようなこれはペナルティーになるのか。私はその実効性に疑問を持っておるんでございますが、もし今回やるならば、前回なぜこのような措置をとらなかったのか。一そこで、この一カ月間の国債の引き受けをさせないということについては、長期、中期、短期それぞれあると思うんでございますが、一カ月間に約八千億だとも言われております。十月には長期国債の入札延期等の話もございますが、具体的にボリュームというんですか、どのような量刑を科しておるのか、具体的なひとつ答弁をお願いしたい、こう思います。

寺村信行大蔵省理財局長

○寺村政府委員 今回のこのような措置によりまして、大手証券四社は今後一カ月間、十年国債それから中期国債、短期国債の入札引き受けに参加できないこととなりますため、これらの新発国債の販売が不可能となるわけでございます。  それが具体的にどの程度の影響を与えるかという点につきましては、これは実はそれぞれの入札参加社のシェアは入札ごとに結果として定まるところでございまして、例えば平成二年度におきます十年国債の入札引き受けの結果について申し上げますと、大手証券四社のシェアは三五・二%になっておりましたが、実際にはそれぞれの入札ごとに結果が大きく変動しているわけでございまして、今後一カ月間入札に通常どおり参加していても、どの程度の国債を落札できたかということはちょっと明らかでございませんし、国債の販売に伴う利益についても市況いかんによって変わってまいりますので、今回の措置によりまして大手証券四社各社につきまして、それぞれの収益、経営にどのような影響を及ぼすかは、一概には申し上げられないところでございます。ただ、一定期間証券会社の営業の中核商品の一つでございます国債について新発債を販売することができないということは、これらの証券会社の営業の自由度を相当制約することになりますので、有形無形の影響があると思われるところでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 総枠が明らかでない、ただ四社で三五・二%のシェアだ、だから一概に言えないということですが、概略が出たわけでございます。たまたまこれは、十月の場合は長期国債が入札の延期になるのではないかというような報道もあるようでございますが、例えば九月、八月の一カ月間の総枠というものはおっしゃることができませんか。

寺村信行大蔵省理財局長

○寺村政府委員 前一カ月間の国債の入札引き受けの大手四社のシェアについて申し上げさせていただきます。  まず十年国債でございますが、これは総額八千億円で、四社のシェアが四六・二%でございます。それから中期国債、八月二十八日に入札を行いましたが、総額が九百九十九億、そのうちのシェアが六四・一%でございます。それから九月五日に短期国債九千九百九十七億発行いたしましたが、四社のシェアは二五・六%でございます。九月十三日に同じく短期国債を九千九百九十七億発行いたしましたが、四社のシェアは三四・九%でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 時間がございませんので、平均の手数料を、平均でいいですから、おっしゃっていただきたいと思います。

寺村信行大蔵省理財局長

○寺村政府委員 十年国債で申し上げますと、百円当たり手数料は六十三銭でございます。仮に八・千億円の発行をいたしますと、その手数料は五十億四千万円になります。かつ、仮に三五・二%といたしますと、十七億七千四百万円でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 じゃ、次に行きます。  本改正案は、伝えられるところによると、当初大蔵原案から大幅に後退をしたと言われております。大蔵原案はないという御答弁でございますが、当初の計画に比べると後退、特に損失補てんについては、顧客への罰則適用が、補てんと知りながら利益供与を受けたという要件で顧客の処罰範囲を決める案に比べて後退をしております。いわゆる骨抜きになっておりますが、せめて原案に戻すことを我々は修正の考え方として要求をしておるところでございますが、この点をもとに戻すかどうか、その件について大蔵当局の御意見を求めたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 今回の改正案におきまして損失補てんを禁止した考え方でございますが、証券会社につきましては、やはり証券市場におきます正常な価格形成機能を保持するという責務があるのに加えまして、その市場の仲介者としての公正性を保持するという責任があるわけでございます。そういった意味では非常に重い責任があるわけでございまして、そういった観点から、損失補てん行為というのは非常に問題がある行為である、刑事罰に値する行為であるというふうにとらえているわけでございます。  これに対しまして、証券会社の顧客の側でございますが、これは市場仲介者という立場にはございませんので、市場仲介者としての公正性という義務は負っていないわけでございます。また、市場における正常な価格形成機能の保持という観点からいたしましても、市場の直接の仲介者であります証券会社と同じ責任を負わせるということはやや、それほど同じ責任を負わせることは必ずしも適当ではないのではないかというような考え方一になろうかと思うわけでございます。  いずれにいたしましても、損失補てんの防止につきましては、証券会社に対しましては、今申し上げたような観点から非常に幅広く損失補てん行為を法律で禁止することとしております。さらに、もしそれに違反すれば行政処分の対象にもなるわけでございます。あわせて、自主規制機関の監視の充実というようなことも期待をできるわけでございまして、そういったことから証券会社に対する再発抑制効果というのは強力だという期待ができるわけでございます。そういったことから考えまして、証券会社の顧客に対しましては、先ほど申し上げましたような考えで、市場の価格形成機能をみずから積極的にゆがめるような行為をする場合というものをとうえまして刑事罰を科すということで、必要かつ十分ではないかと判断をいたしまして、こういう改正案を御提出申し上げているところでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 十分ではないかという答弁でございますが、十分ではないという原案が与党に示され、与党の中でいろいろと議論があって今回提案をされておる、こういうように我々は経過を承知をしておるわけでございますので、本問題については、私は少なくとも大蔵原案を基礎にぜひ本法改正を進めていただきたいということを、きょうは特に強く申し入れをしておきたい、こういうことにします。  続いて仮名口座、借名口座について問題提起をしたいのですが、私は、田渕前野村会長に対する証人喚問の際に、稲川会と野村証券の取引で仮名口座を使った取引があったことを指摘をしました。証人も、申しわけないという趣旨の答弁を行いました。大蔵省は、この仮名、借名取引の受託禁止の通達を既に六十三年の九月十三日に出しておるわけです。これを私はこの際法令で禁止をすべきだと思うのですが、しかと今後の展望も含めて大蔵省の見解を求めておきたい、こういうふうに思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今委員からも御指摘がございましたけれども、仮名取引につきましては昭和四十八年、六十三年、それぞれ証券局長通達を出し、仮名取引の受託を行わないような指導を行いますとともに、一定の顧客について本人確認の徹底を行うように指導してまいりました。しかるに、私もテレビで拝見をいたしておりましたが、委員の御質問に対し、今述べられましたような情景を私もその場で拝聴をいたしました。何といいましても、この仮名あるいは借名取引というものが取引の公正を阻害すると同時に、証券業全体に対する社会的信頼を失墜させるおそれがあり、厳に慎むべきものであるということは御指摘のとおりであります。今日までもその指導を行ってまいったわけでありますが、今後さらに一層厳正に指導してまいらなければならぬ、そのように考えております。  なお、現在大蔵省は、証券取引の規制、また証券会社に対する行政指導の見直しを進めておるわけであります。そして、通達などのうちで法令化すべきものは法令化をする、また自主規制団体の規制にゆだねるべきものにつきましてはそれぞれの規則に盛り込んでいただくといったように、通達の簡素合理化を進める方向で検討を行っております。今御指摘のありました仮名取引の禁止、本人確認の徹底につきましても、御指摘の趣旨を踏まえ、こうした作業の中で十分検討させていただきたいと考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 私は、郵便貯金等の他の法令に非常に幅広い関連する問題が出てくると思うのですが、少なくとも証券あるいはまた商品先物等々については、ぜひこれを厳重な対応をしていただいて法令化を進めていただきたい、強く要望しておきます。  続いて、今度の改正案で証券会社に対する罰金額が軽過ぎるという指摘をしたいと思います。いわゆる法人重課、罪を重くすべきであると思うのでございますが、どのようなお考えか、お答え願いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 証券会社の資力に比べて罰金額の上限が低過ぎるという御指摘があるということは、十分認識をいたしております。そして大蔵省といたしましても、この両罰規定における法人の罰金刑の上限と行為者の罰金刑の上限とを切り離して、証券会社の罰金を引き上げたいと考え、法務省初め関係省庁とも御相談をいたしてまいりました。  しかし、この問題につきましては、法体系全体にかかわる問題である、両罰規定における法人の罰金刑の上限士行為者の罰金刑の上限を切り離すことについては、現在行われている法制審議会の審議の方向を見定めることの方が適当であるという法務省のお考えもありまして、大蔵省としては今回の問題に対しまして、損失補てんの再発防止を図るという観点から、直接的かつ緊急の措置として、まず損失補てんなどを刑事罰により禁止をすることに踏み切ったわけであります。今後、法制審の御論議の結論を踏まえまして、私どもといたしましては、法人の罰金刑の引き上げについての法律案を再度提出させていただき、御審議を仰ぎたいと考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 法務省に質問をいたしますが、今大蔵大臣の答弁があったように、法体系全体の問題として法制審議会でもぜひ御審議願っていることを判断して云々という答弁がございましたが、法務省の見解を求めたいと思います。

井嶋一友法務省刑事局長

○井嶋政府委員 委員御案内のとおり、両罰規定によりまして、いわゆる行為者である個人を処罰する以外に法人を処罰するという規定は、従来同じ罰金刑を科すという形で連動しておったわけでございます。これが従来長く行われてまいりました刑罰体系でございます。ところが、先般罰金の引き上げを前国会で行いましたが、その原案を諮問いたしました法制審議会におきまして、両罰規定をそういった形で残しておくのか、あるいは分離をして、法人には法人の財力に応じた罰金額を定める、個人には個人の財力に応じた罰金を定めるということで分離論、今委員が仰せられた重課論でありますが、こういったことを取り入れるべきではないかという議論、あるいはその他罰金のほかに科料というような刑罰を残す必要があるかどうかというような議論とか、いろいろ罰金刑に関する、財産刑に関する中長期的な問題については、引き続き法制審議会において検討しようということになりまして、昨年刑事法部会の中に財産刑検討小委員会というものをつくったわけでございます。そこで昨年の十二月以来、この両罰規定の切り離し論も含めまして検討が始まっておりました。  他方、委員も御案内だと思いますけれども、いわゆる日米構造協議の関係で、いわゆる独占禁止法の抑止力の引き上げということから、課徴金の引き上げのほかに刑罰の引き上げ論というのが起こりまして、課徴金につきましては前国会で公正取引委員会が独禁法の改正をされたわけでございますけれども、刑罰の問題につきましては従来の体系と違うことになるわけでございますので慎重な検討を要するということで、公正取引委員会の中に独禁法に関する刑事罰研究会というものを設けられまして、これもことしの一月から検討を始められておるわけでございます。  こういったことで、従来の体系と全く違う体系を導入しようというその理論的な裏づけ、あるいはそれを導入した場合に罰金刑としてどういう水準差を設けるのが適当かという基準の問題、こういった問題をそういった研究会あるいは法制審議会のようないわゆる専門の審議会できちっと検討していただきますことが、いわゆる罰則としての合理性を担保するゆえんであろうということで、私たちはその作業の経過を見守ってきておるわけでございます。  今大蔵大臣からお話がございましたとおり、確かに本改正案の立案の過程でこれを導入したらどうかという御意見がございましたけれども、私たちは、法務省としては法務大臣の諮問機関である法制審議会に諮問をしておる段階でございますから、その段階で大蔵省の協議に応じるわけにはまいりませんということで、今大臣が御答弁になりましたように、将来の問題としていただいたわけでございます。この法制審議会の小委員会あるいは独禁法の研究会は、いずれもこの秋から年末までにかけて結論をお出しになるというふうに承っております。なお、独禁の研究会では五月に中間報告を出されまして、分離する方向で検討すべきであるということを前向きに打ち出しておられます。そういった方向に進むのであろうと思いますけれども、これは審議会の行方でございますからそれ以上は申し上げられませんが、いずれにいたしましてもその審議会の結論が出ましたら、私たちはそれに従って大蔵省からの御協議に応じて検討してまいりたい、このように考えておるわけでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 我々の方も損失補てんにかかわる行為者個人への罰則と法人等への罰則を切り離して、後者に対する罰則を強化してほしいという要望を出しておるところでございますので、ぜひ大臣の今の御答弁を踏まえまして、連携をとっていただいて速やかに対処していただきたい、これも強く申し入れをしたいと思います。  それから、損失補てんの手口の一つに国債の売買が利用されたということが報告されております。いわゆる取引所の値段を基準にしてその上下二%の範囲内での値幅の取引になっていますけれども、幅があり過ぎるのではないか。自主ルールの検討対象に私は加えるべきだと思うのですが、その点どのようなお考えか、お伺いしたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 国債の売買につきましては、比較的小口の売買は市場集中をして取引をしているわけでございます。大口の取引につきましては、これは一千万円超でございますが、店頭といいますか証券会社が相対で取引ができるということになっておりまして、そのときのルールとして、市場価格の上下二%の値幅の範囲内であればいいというのが現在のルールとしてあるわけでございます。  国債のそういう大口取引というのは、売買のロットが非常に大小さまざまございます。それから、これは証券会社が相手方となりますいわゆる仕切り売買でございまして、その売買価格差がいわば手数料というような形になるわけでございまして、そういった意味では、ある程度の値幅というものが手数料相当額というようなこともございまして認められるわけでございますが、確かに御指摘のように、現行の値幅の上下二%というものの是非につきましては、私どももこういう取引が、二%すべての値幅を使って損失補てんが行われたわけではございませんけれども、この値幅の二%というものについても実態を踏まえる必要があるとは思いますが、やはり見直して検討をしていきたいというふうに思っております。これは、自主ルールを作成する段階であわせて検討をしていきたいというふうに思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 警察庁にお伺いをします。  岩間カントリークラブの会員権資格保証金預かり証によって、十二社一個人と言っておりますが、この場合は十三社というふうにしますが、十三社から三百数十億の金が調達をされていることが明らかになっておるわけでございますが、これは暴力団の威力を用いたいわゆる恐喝事件と考えてもいいのではないかと思うのですが、警察の見解を問いたいと思います。

國松孝次警察庁刑事局長

○國松政府委員 この岩間カントリークラブの会員資格保証金預かり証というものによる資金調達につきましては、その間の事情を今後もさらに究明していくことといたしておりますが、現在までのところでは、暴力団におどかされて資金の調達がなされたというような、恐喝罪に当たる事実は把握をいたしておらないところでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 現在のところという、そういう答弁でございますが、ぜひ今後の捜査を積極的に進められたいと思うのです。  では、今の答弁を踏まえて、この岩間カントリークラブの会員資格保証金の預かり証によって得た三百八十四億円と言われた使途が明らかになっておるならば、この際答弁をしていただきたい。

國松孝次警察庁刑事局長

○國松政府委員 まだ現在捜査をしておるところでございますので、若干アバヴトな数字であるということを前提としてお聞き届けをいただきたいわけでございますが、現在までのところでは、この三百八十四億円のうち約百億円がゴルフ場の工事代金に充てられたほか、約百六十億円が東急株の購入、他の約百二十億円が石井前会長の関連企業に流れているということを把握をいたしておるところでございます。こうした金の流れをさらに細かく詰めまして、刑罰法令に触れる事実があれば適正に対処してまいりたいというふうに考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 今使途が明確になったわけでございますが、証券取引で今回のような反社会的な暴力団の勢力強化に力をかした、あるいはまたその介入を許したことについて、私は関係者は猛反省をすべきだと思うのですが、監督官庁としての大蔵大臣の見解を問いたいと思います。     〔委員長退席、衛藤(征)委員長代理着席〕

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 確かに今委員が御指摘になりましたように、証券会社はその業務の公共性というものにかんがみて、いやしくも社会的な批判を受けることがないように従来から指導をしてまいったつもりでありました。しかし今回、暴力団の活動を助長するような事態が明らかになりましたことについて、一般投資家などを初め国民全体に証券会社に対する信頼が大きく揺らぐ、その原因をここに与えた、しかもそれは海外においても非常な批判を受けている、国の内外から批判を受ける行為として、本当に厳粛に受けとめる必要のあることだと私は考えております。  八月二十八日、警察庁から金融及び証券取引などにおける暴力団の介入の排除について各業界団体あての要請を行いたい、そういう御連絡を受け、協力依頼がございました。大蔵省といたしましても、その御要請の趣旨を踏まえ、暴力団の介入排除に向けて体制整備に努めるよう、各業界団体あて指示をいたしたところであります。これから先、私どもといたしましては、捜査当局の捜査の推移というものを注意深く見守りながら、今回の取り組みの効果も注視していく必要があると考えております。  いずれにいたしましても、暴力団新法を所管される当局から助言をいただきながら、政府部内におきまして十分相談をし、どのような対応ができるかを検討していきたいと考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 あと二問で終わりますが、東急電鉄株の今回の売買について、主幹事証券であるところの野村証券のあり方に批判が出ております。東急電鉄は七月の四日、記者会見で、野村証券を企業倫理にもとる、主幹事証券に裏切られた旨の発言をしておりますが、信頼されるべき主幹事証券のあり方として野村に対する批判を強めるべきだと私は思うのですが、大蔵省の見解を問いたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 御指摘のようにこの東急電鉄株、主幹事証券でありながらこういう非常に暴力団関係者との不明朗な取引を行ったわけでございまして、東急電鉄が主幹事から外すといいますか、発行を見送ったというふうに聞いているわけでございます。私どもといたしましても、主幹事証券会社という立場にありながらこういう行為をしたということについては、発行会社との緊密な関係がある幹事証券としては非常に重大な問題であるというふうに認識をしているわけでございます。  なお、東急電鉄株の一連の問題につきましては、現在まだ検査中でございます。その中におきましても、やはり幹事証券としての立場とこういうような不明朗な行為とを一体どう意識しているのか、どういう問題意識を持っているのか、あるいは我々としてそれをどういうふうにとらえてこれから証券行政上考えていかなきゃならないのか。特に主幹事証券ということでございますので、一層重要な問題として受けとめて、検査の中でさらに事実を解明し、我々としての考え方をさらにまとめていきたいというふうに思っているわけでございます。また、引き受け業務とかが密接に関連しております主幹事証券でございますので、その辺についてもあわせて検討を進めていきたいというふうに思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 以上で終わります。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員長代理 これにて草川君の質疑は終了いたしました。  次に、冬柴鐵三君。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 公明党・国民会議の冬柴鐵三です。  今回、取引一任勘定取引につきまして、法律をもって禁止をするという措置をとられることとなりました。これは振り返ってみれば、昭和二十三年に証券取引所の規則でこれを制限し、そしてまた三十九年、理財局長通牒で自粛通達が出されたという沿革を経て今日に至っておるわけでありまして、今回法律で禁止をされる、この各段階における違背者に対する処遇はどのようになってきたのか、お述べ願いたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 今回、この取引一任勘定につきましても、損失補てんの温床になりやすいという事実を受けまして、法律で禁止する規定を置くことにしたわけでございます。これの違反につきましては、五十条でございますので、行政処分の対象になります。行政処分は、免許の取り消しに始まりまして、六カ月以内の営業停止処分あるいは取締役等の解任等があるわけでございまして、私どもとしては、この取引一任勘定というのが、今申し上げたようないろいろな損失補てんを初め不適切な行為の温床になりやすいということでございますので、その違反行為があれば厳正な行政処分を実施したいというふうに考えているわけでございます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 その将来を知らんと欲すればその過去を見よ、こういう言葉があると思います。さて、五十条について、このように重大な事件を引き起こした温床となるということで今法律で禁止をし、そしてそれを行政処分に任せてほしい、こういうことのようでございますけれども、それでは、この法五十条によって過去において行政処分がなされた事例があるのかどうか、それについてお述べいただきたいのですが、時間が限られておりますので、私から調査したところを述べさせていただきます。  それによりますと、五十条につきましては五件の処分事例があるようでありますが、これはいずれも五十条、それからそれに基づいて制定されました健全性省令一条の三号違反ということで処分をされた事例であります。しかしながら、この五例とも、つまびらかに見てみますと、協同飼料事件、日本熱学事件、東京時計製造事件、日本鍛工事件、藤田観光事件、このようにいずれも刑事事件で問題になり、あるいはマスコミによってそういうことが報ぜられた後にあなたの方は行政処分をされている、このように思うわけですが、この私の認識に間違いがあれば御指摘をいただきたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 御指摘のように、過去、証取法五十条違反として行政処分を行ったケースは五件、いずれも五十条に基づきます健全性省令一条三号の作為的相場形成違反ということで行政処分を行っております。これは裁判に、証取法百二十五条違反ということで刑事訴追がなされたケースでございます。  このケースについてなぜ五十条違反をしたかということでございますが、これは、百二十五条違反の有無については裁判で係争中になっているというようなことで、行政処分としては五十条の作為的相場形成という事実が認められたということで、五十条違反として行政処分をしたわけでございます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 私が指摘したとおりでありまして、積極的に大蔵省がこの五十条に違反したということで、行政処分に司法よりも先立って着手しているという事案がないというのは非常に寂しいわけでありまして、そういうところにまた大事な取引  一任勘定取引を禁止するということの処分をお任せしていいのかどうか。国民としては、非常にそういう意味では大蔵省に対する、これからはしっかりやりますから任せてくださいと言われましても、過去この長い証取法制定以降五件しかそういう処分がされていないという、そういう事実にかんがみれば、大蔵大臣いかがでございましょうか、私の言うことが、そういう考え方が常識に反するのかどうか。  私はやはりここまで来れば、この取引一任勘定取引というものが、先ほど証券局長が説明されたように、このような今回の大きな問題を引き起こした温床になった、そういう事実を認められるならば、これはやはり刑事罰を適用し、そして司法の介入を許すべきである、このように私は思うわけでありますが、大蔵大臣の御所見を伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 過去の例を踏まえた上で委員が御発言になりました内容、私はその御議論を否定する意思は毛頭ありません。  ただ同時に、今回、ある意味では過去のいわばお互いの信頼の上に成り立つはずでありました行政指導あるいは通達行政というものの根底が崩れた状況の中で、今改めて私どもは国会にこの取引一任勘定取引というものについての禁止をお願いを申し上げておるわけであります。私は委員が御・指摘になりますこと、必ずしもそれが常識ではないなどと申し上げるつもりはありません。むしろ過去から考えるなら、私はその御指摘を素直に受けるべきだと思います。  しかし同時に、今法律をもってこれを禁ずるという姿勢をとり対応しようとしている状況の中で、改めてこの行為が刑事罰に値するかどうかということを考えました場合に、私どもといたしましては、厳正な行政処分を行うべき事案という範疇にこの行為を入れました。むしろ刑罰をもって対応する必要はない、そのような判断に達したことも事実であります。今後の運用につきましては、これはむしろ、そのような運用をする事態が起こらないことが一番望ましいわけでありますけれども、行政処分を必要といたします場合に、過去にとらわれた処分をいたすといった考え方を持っておらないことは、どうぞ御信頼をいただきたいと思います。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 私は、橋本大蔵大臣が誠実に答弁されていることについてはよくわかるわけでありますけれども、この五十条に損失保証というのが現行法に禁じられております。法律をもって禁じたのだからということを  これは入れられたのが、調べてみますと、昭和四十年の証券取引法改正時にこの損失保証というものがここへ入れられて、そしてその違反には行政処分をもって対処するということが、当時の議事録を見ますと述べられています。今大蔵大臣が言われたようなことが述べられているわけでありますが、昭和四十年以来今日まで、損失保証がこの五十条違反ということで行政処分されたことがないわけでありまして、一件もないわけでありまして、それが今日のこの人ごとを引き起こしているということを考えれば、私は大蔵大臣がもう少し、これは罰則じゃなしに行政罰で対処したい、信じてほしい、このようにおっしゃる趣旨は、国民として、国民の立場から見たときに、もう一度そういうふうに言われるのですか、こういう国民の声があることもお考えおきを願いたいと思います。したがいまして、今回の改正法を修正をして罰則をつけるということは、これは罰則は大変なことですから作業が要ると思いますけれども、今後の証券取引法全体の中で、これはやはり重大な一つの論点として考えておいていただきたいものである、このように思います。  次に、今ちょっと申しましたけれども、現行証券取引法五十条一項三、四号には、損失保証禁止の規定があります。今回、これが除かれまして、五十条の二というところで罰則がつく損失保証ということで、新たな形でここにまた規定をされることになったわけでありますけれども、現行法の昭和四十年の改正法を見てみますと、この損失保証というのは、絶対に損をさせないという言辞を用いた安易な投資勧誘から大衆投資家を保護する、こういうようなことが立法理由になっていたように思うわけであります。しかしながら、今回の損失保証が、そのすぐ一つ後の条文である五十条の二という新設された条文の中で、損失保証が刑事罰を適用されることになるわけでありますが、これの立法理由が大衆投資家の保護というところからどうも変わってくるように思われます。そこで、同じ損失保証でありながらこのように立法理由が変わる、そしてまたそこに異同があるのかどうか、違いがあるのか、その点についてお尋ねをしておきたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 御指摘のように、現行の五十条に禁止されております損失保証と申しますのは、「損失の全部又は一部を負担することを約して勧誘する行為」という規定になっております。これは、大衆投資家を保護するといいますか、要するにそういう勧誘行為を禁止するんだということで、適正な勧誘を行うようにということで禁止行為として定められているわけでございます。  今回御提案いたしております改正法の中には、損失補てんと並んで損失保証自体を禁止、刑事罰を科すということにしているわけでございます。これは、損失補てんと並びまして損失保証も市場の価格形成機能をゆがめるということがやはり非常に大きな問題ではないか。それがひいては一般大衆投資家に影響を与えるということは、これは当然でございますが、直接的に市場の価格形成機能、つまりリスクを負わない投資家が市場に入ってくるというようなことになるわけでございまして、そういった意味で、今回問題になっております損失補てんを法律で刑罰をもって禁止する際に、損失保証につきましても、今申し上げたような市場の機能に与える影響、さらに市場仲介者の公正性というものも疑わせるといいますか、不公正な行為だというようなことをとらえまして、損失補てんと並んで損失保証につきましても刑罰をもって禁止する規定の方に私どもとしては含めたわけでございます。  細かい点になりますが、現在は先ほど申し上げましたように勧誘する行為を禁止しているわけでございますが、今回の改正法は勧誘ということは規定しておりません。そういうことで、ややそういう意味では広い概念になっているというふうに御理解をいただけたらと思います。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 私は、損失補てんが罰すべきものであって、そしてそれと同じように損失保証を罰するのだという発想がどうも理解できないのです。というのは、損失保証というものは、考えてみれば損失保証を投資家が証券会社から取りつけることによって、投資家の自己責任の認識があいまいになります。そして、市場における公正な価格形成の阻害的要因となる。リスクを伴わない、危険を伴わない安易な投資判断が入り込んでしまって、その自己責任の原則に基づく投資判断のみの集中によって形成されるべき市場価格というものをゆがめてしまうという意味で、私は事前の損失保証こそ非常に悪性が高い。もう預けていただければ損はかけません、八%ぐらい利益も保証します、だから預けてくださいということで、ばんばんこれでやられたらこれは大変な問題でして、私は市場形成というものは、自由な意思そして自己責任の原則に基づいた、その判断の集中によってのみ形成されるべきものだ。  これは資本主義の根底をなすものであって、こういうものをゆがめるという行為は、講学上自然犯、だれもがやってはいけない、だれもが悪性を認識できる行為だというふうに私は理解するわけでありますが、刑事局長来ていただいておりますので、この損失保証についての保護法益、いわゆる刑罰をもって保護しなければならない法益というものをどう考えられるのか、簡単に御説明をいただきたいと思います。

井嶋一友法務省刑事局長

○井嶋政府委員 お答えいたします。  ただいまの証券局長の説明と同じことになるわけでございますけれども、証券会社のいわゆる損失保証行為そのものを罰しようという今回の罰則の根拠規定、根拠と申しますか、処罰根拠というのは二つに分けられると思います。一つは、免許制のもとで証券取引の公正を確保すべき責務を有する証券会社が、証券取引の基本原則である自己責任の原則を否定することとなるような行為を行うことによって、結局その自己責任の原則で価格形成されなければならない、そういった機能を阻害することになるということ、それが結局は証券取引の公正を害するものになるということが一つ。もう一つは、市場仲介者としての証券会社が中立、公正であるべきにかかわらず、一部の投資家に保証をするということは不公正であるという、この二つの理由が処罰根拠となるものだと考えております。  したがいまして、保護法益は何かという仰せでございますが、端的に申し上げれば、証券取引法一条にも書いてあるわけでございますけれども、証券取引の公正というのが保護法益ではなかろうかと考えております。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 それでは証券局長、その損失補てんを罰する、それはどういう理由によるのですか。保証じゃないですよ、損失補てん、損失補てんも市場の公正をゆがめるのですか。それはどうですか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 私どもは、損失補てんにつきましても、事後的に損失が出た場合にそれを補てんする行為ということが行われますと、それがやはり自己責任原則というものに反するということになるわけでございますし、それはひいては自己責任原則を持たないような環境といいますか雰囲気をつくり出して、やはり自己責任原則で正常な価格が形成されるべき証券市場に対して、その価格形成をゆがめるというようなことが結果として考えられる。つまり損失補てんといいますのは、事前ではございませんけれども、事後的にそういう行為が行われるということは、やはり証券市場の正常な機能の発揮をゆがめ、さらに証券仲介、証券会社としての公正性にも反するというような二つの観点から、損失補てんについても刑罰を科すに値する行為であるというふうに考えたわけでございます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 私は、それは正確には理解できません。それは、例えば一回限りでも、また補てん約束さえあればそれを受け取らなくても、これは犯罪既遂になってしまうのですよ。それをあなたの今の説明では説明できません。非常に大きな、裁判で争いになってしまうと思います。よ。私はここで言うのは、損失補てんを罰してはいけないと言っているわけじゃないのです。これは大蔵大臣も再々、この証券特が始まったときに、モラルの問題に踏み込んだ話なんだということをおっしゃいました。これは損失保証とは違って、損失補てんを処罰する立法例は比較法上、見当たらないということも教えていただきました。  それは、損失保証と損失補てんは違うのですよ。補てんは、私は罰したらいかぬと言っているのじゃないですよ。例えば、世の中には大口取引先にリベートを払うということは慣例化しているのですよ。例えば、電気屋さんが月商十億買う人と一億買う人では割引率が違うということはあるわけですから、そこのところの説明がはっきりしないのに、これを損失保証と一緒くたにして同じ法定刑でもって臨むということは、私はおかしいと思います。これを考えれば、この損失補てんを罰するということは、やはり証券会社としての公正性を担保するという行政目的を達するために、行政犯としてこの法律で初めて罰するんだという理解がなければ出てこないと私は思います。  そうしますと、この損失保証と損失補てんを同一の法定刑で処罰するということは、理論上おかしいと思います。すなわち、私が言いたいことは、損失保証は株価操縦に匹敵する悪性の高い行為だと私は思います。したがいまして、一年以下あるいは百万円以下ということじゃなしに、やはり株価操縦の規定に盛られた三年以下の懲役、三百万円以下の罰金というものが損失保証にふさわしい法定刑であろうと私は思います。そしてまた、損失補てんにつきましては、現在の一年以下あるいは百万円以下、それがふさわしいものであろう。また、これは損失補てんを受けた人に対しても同一の刑でもって臨んでしかるべきだろうというふうに思います。  過般来、同僚議員からもいろいろな指摘がありましたように、損失補てんを受けた、あるいは受ける約束をした、こういう人がそれを要求したか要求しないかで犯罪が成立するかしないかということを分けるということは、まことに不合理だと私は思います。やはり大蔵大臣にもお伺いしたいのですけれども、要求しなかった、しかしながらたくさんもうけさせてくださった大口得意先なんだから、今回相当な損をされているから私の方からこれだけ補てんをさせていただきます、こういう申し出をもし証券会社がしたとします。それを、いやそれは悪いね、ありがとう、それは要らぬよとは言わないと思うのですね。確定的認識を持って受ける、こういう人と、こんなにあなたをもうけさせたのに、今おれが困っているのに何とか助けてくれやというふうに、これが要求になるかどうかわかりませんけれども、言った人と区別をするという合理的理由は全くないし、また証券局長の損失補てんについての立法理由を先ほど述べられたように理解するならば、これを区別することはおかしいと思います。  すなわち、要求があるかないかで犯罪が成立するかしないかということを区別するのは、非常におかしいと私は思います。もし要求によらないというふうになってしまいますと、受け取った利益、補てんを受けた何十億、何百億の人もありました、それはすべて留保されることになります。そういうことが許されるでしょうか。正義に反する結果になりませんか。大蔵大臣のお考えを伺いたいと思います。     〔衛藤(征)委員長代理退席、委員長着席〕

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今委員が整理をされましたような論点から仮にこの証取法改正案を構成いたしました場合、冬柴委員として述べられました御意見が妥当性を欠くものではない、これは私は率直に認めたいと思います。そして、証券局長から御説明をいたしました視点について委員は否定的な見解を述べられ、その上で御自分の御意見を述べられたかけでありますが、私どもはやはり今回損失補てんと申しますもの、また損失保証と申します行為、これをとらえました観点というものは、先ほど委員は保護法益という言葉から議論を組み立てられたわけでありますが、その保護法益というものは、いずれも証券市場における正確な価格形成機能の保持という視点及び市場仲介者としての公正性の保持という視点、この二つから考え方を整理いたしました。これが至当か至当でないか、これは私は委員が御論議をされたことを、その論点を全く没却するものではございません。ただ、我々はこの二点から考え方を整理をした。  そうなりますと、これは実は両者共通であります。価格形成機能の保持、また市場仲介者としての公正性の保持、これは共通であります。そして、その共通した中から論議を組み立ててまいりますと、私は先ほど局長が申し上げましたように、たまたま今顧客についての例を挙げられたわけでありますけれども、私どもが整理をいたしましたような考え方から参りました場合に、顧客についてやはり問われるべき問題点というものは、市場の正常な価格形成機能をゆがめるという部分に着目する問題でありまして、我々の論議というものはそのようなもので組み立てているということについては、御理解をいただきたいと存じます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 もう論争しても仕方がありませんので、最後に、自主ルールについてお尋ねをいたします。  大蔵省は、この法案を提出するとともにその説明の中で、証券取引業協会とかあるいは証券取引所、いわゆる自主規制団体の定立する自主ルールに従って行われる証券会社の通常の取引は、正常業務行為として処罰の対象とならないというよ、つな説明をしていられて、そして自主ルール定立を今一生懸命やっている、そしてこれは法務省とも相談してやっている、こういうお話ですが、このような刑罰を含む法律を提出しながら、法律用語で言えばこれは違法性阻却事由だと私は思います。けれども、そういうものを、しかもこの法案と一緒に出さずに法施行までには何とか間に合わせます、これはおかしいと私は思います。なぜならば、このルールに従って行えばというそのルールがなければ、どの部分が犯罪が成立してどの部分が処罰の対象になるのかならないのか、決められなくなっちゃうわけですね。これは重要です。  例えば、時間がありませんから、こういうことがあります。東証の理事会決議でこういうことを言っておりますね。「額面一千万円超の上場債券については、取引所の直前の約定値段を基準に上下二%の範囲内の価格をもって債券の市場外売買における適正な値段とする。」そういう決議があります。これをそのままやって、厚生事業団はいわゆる日ばかり売買ということで二%低い値段で売り、そして二%高い値段で買い取るということを毎日毎日やって、そして四十九億でしたかに上る大きな財産上の利益の移転を受けたわけです。こういうものをどうするのか、合法化する。これについては当然私は、これから自主ルールの中で、そういうものであっても異常な取引は除くというような趣旨が出てくるだろうと思うのです。それでとなれば、今度は異常とは何事だ。そうすると、これは短期日における売買あるいは大量の売買というようなことが当然考えられるわけですよ。では、短期日とは何日か、やはりおおむね五日とするとか、そういうことを決めたどたんに六日か七日でやるのですよ。  そうしますと、これに法務省がいろいろと相談に乗ることは役所間の共助関係としてはいいけれども、これは許せないと私は思いますね。なぜならば、今後この法律を我々が決議すれば、検察庁は、検察官はこれをもって起訴しなければいけない。起訴するか起訴しないかというときの判断としては、構成要件該当、違法、有責、この三要件ですよ。構成要件には該当している。すなわち、財貨を移転するへ損失補てんの意思を持って財産的利益を提供するという意思がある。それがあるのに、こういう自主ルールがあれば、それに照らしてどうだったのだろうか、こんな判断をしなければいけないのですよ。また、裁判になれば、私が弁護人につけば必ず抗弁を出しますよ。私は、この自主ルールにのっとってやったのだから、違法性の認識はありません、こういうことになりますよ。  私は、その点について問題を指摘して、時間が来たようですから、刑事局長から御答弁をいただいた上、大蔵大臣に、自主ルールはそういう問題点があるということを御指摘を申し上げておきたいと思うんです。

井嶋一友法務省刑事局長

○井嶋政府委員 自主ルールにつきましては、午前中にも御説明を申し上げましたとおりでございまして、定義そのものを定めるものでもありませんし、自主規制団体が正当な行為とされるものを典型的なものを書き並べられる、こういう性質のものであるというふうに理解をしておるわけでございますから、ただ、こういったものは構成要件該当性を考える場合の認定資料になる、あるいは違法性阻却事由があるかないかを考える場合のガイドラインになるという意味において機能があるということを申し上げたとおりでございます。  委員御案内のとおり、事実こういうものがない業界におきましても、犯罪はいろいろ成立しておるわけでありますから、自主規制があるかないかにかかわりませんけれども、やはりこういった頻繁に取引が行われるような証券取引のような場合には、そういったものがあった方が自主的に取引がより円滑に行われるだろうということからおつくりになるんだろうと思います。そういったところへ適用する場合には、こういったものがそれなりにガイドラインになるという意味において、私どもも大蔵から協議があれば協力をいたしましょう、こう申し上げておるわけでございます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 済みません、わかりにくいところがあるといかぬから。  私の意のあるところは、例えば政治資金規正法で、政治家は選挙区内でいわゆる財貨を贈与することができないことになっています。ところが、お葬式に出た場合はお香典は持っていってもいい、それから結婚式に本人が出た場合はお祝いを持っていってもいい、こういうガイドラインができたためにそういうものが、それは選挙区の中で結婚式にまたお金が要るわけでしょう。これは法の趣旨と違うと思いますよ。そういうガイドラインというものは、例が適切かどうかはわかりませんけれども、もろ刃の剣です。自主ルールをオーソライズドするとか、今つくってしなければこれができないとか、不安を与えるとか、いろいろ言うけれども、私はどうも抜け道をつくるような気がして仕方ないわけでありまして、そういう面にも十分配慮をされることを要望して、もし御感想いただければいただきながら、私の質問を終わりたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 非常に私どもの傾聴すべき御注意をいただいた、そのような思いで拝聴をいたしておりました。恐らく私は、それぞれの自主規制団体も、例えば議事録等を通じ御意見を知り、そうした点を十分踏まえてルールづくりを行うと考えておりますし、私どももそのような気持ちで見てまいりたい、そのように思います。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて冬柴君の質疑は終了いたしました。  次回は、明二十六日木曜日午後零時二十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四分散会

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