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121回国会衆議院1991/09/02

証券及び金融問題に関する特別委員会 第7号

発言数
245
登壇者
25
会派数
6
開催日
1991/09/02

会議録

大野明自由民主党

○大野委員長 これより会議を開きます。  証券及び金融問題に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。水田稔君。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 既にこの委員会で審議が続いて、損失補てんという問題が何回となく言われておるんですが、実はわかりにくいんです。証券取引法五十条でも、禁じられておるのは、損失の一部または全部の補てん、こういうことになっています。実際には損失だけじゃなくて、ある程度の元金と利息まで含めた補てんがされておる、そういうぐあいに受け取れるわけでございます。そういう点では、総額だけを発表して、それでいいのかということにはならぬと思うのです。なぜならば、こういった不公正な取引、不透明な取引を改めていくというのは、一つは組織の問題、一つは法律改正の問題がある。立法府として、そういう点の資料をきちっと出してもらって審議をしなきゃならぬ。  そういうことで、その点の、いわゆる損失の一部補てんされたものがどれだけあるのか、あるいは元本まで保証されたのがどれだけあるのか、あるいはまた元利まで含めて補てんされたのが幾らあるのか、その点をまず明らかにしていただきたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 損失補てんの中には、御指摘のような三つのタイプのものが含まれているというふうに私ども考えるわけでございます。ただ、補てんの対象となりました損失額を確定するということが非常に困難でございまして、私ども現在まで把握しておりますのでは、どのタイプが多いかというのは定量的には把握しがたいわけでございますが、ただ、今回公表されました六十三年九月期から二年三月期までの三期間にわたって証券会社から報告を受けておりますところでは、損失が発生していないお客に対する補てんというものは、相手先六百十七、これは本省監督会社でございますが、六百十そのうちの一割弱の五十九の補てん先だというふうに報告を受けております。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 これからいわゆるその組織をどうするか、あるいはまた法律をどう変えていくかということを我々が審議をするに当たって、一体どこを押さえれば――その程度の報告ではやりようがないわけですね。ですから、本来ならば、今四社には検査が入っておる、こういうことですから、私は、一つ一つの会社全部を挙げるんじゃなくて、少なくとも、例えば営業特金でどれだけ預けて、それでどれだけの損失が出た、あるいは出てないのもある、それに対してどういう形で補てんをしたか。それはワラント債なりあるいは新株の発行の利権等でやった、そういうことはわかっても、どこの部分にどういう形でやられたかという、いわゆる特徴のあるものだけでも調べた結果を国会へ出すべきだ。そうでなければ、法律をどう変えるか、あるいはまた大蔵省がやるのか、新しい別の機関でやるのか、そういうことを判断する材料として全くないわけですね。大蔵省だけが握っておる。今までは大蔵省がいわゆる行政指導でいろいろなことをやる、やったけれども全く聞かない。この間も大臣が愕然としたという、現実にいわゆる国の機関に関連する団体が営業特金いまだにまだやっておるということを言われるような状況で、これではこの委員会やっても実態は明らかにならぬし、また我々がこれからどう詰めていくかという論議にはならないわけですね。――答弁ありますか。あれば答弁してください、その点を。  ですから、どういうぐあいに、例えば特徴的に幾つか例を挙げて、これだけの営業特金をやった、それに対してどれだけの損失があった、あるいは損失は出てないけれども、どういう形で補てんをした、あるいは元利まで、利息まで含めて出したというのを私は出していただきたいと思うのですね。なぜならば、元金に損失がないのに利息まで出したというのは、これは事前の利回り保証があったと考えるのが常識じゃないですか。そこらがきちっと詰められないで、この問題の真相は明らかにならぬ、こういうことに私はなると思うんですね。お答えいただきたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 御指摘のような問題意識は私どもも持っているところでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、この損失と申しますのは、実現損もございますけれども評価損もあるわけでございまして、評価損は極端に言いますと時々刻々動いているというようなこともあるわけでございます。  もちろん、先ほどお答えいたしましたように、全く損失、評価損も実現損も出ていないお客に対して利益供与をするというようなケースが五十九件認められているわけでございます。この件は、確かに御指摘のように、それは事前に利回りを保証したのではないかというような疑いがあるんではないかという御指摘でございます。これは私どもも今検査におきまして、そういうようなものがないかどうかチェックをしているわけでございます。  目標利回りとか努力目標とかいうような形で利回りを目標としてある程度提示したという例があるわけでございまして、それを利回り保証と断定することは非常に難しいと思うわけでございますが、そういったようなことを相手方に対して保証のような印象を与えたというようなケースもなきにしもあらずではないか。私ども、したがいまして、そういう努力目標あるいは目標利回りというようなものは提示をしないようにという指導を六十二年ごろからし始めているわけでございまして、御指摘のような点、損失が出ていない補てん先に対して具体的にどういうふうな利益供与をしたかという点につきましては、何らかの実態が明らかになるような資料を作成して御提出申し上げたいというふうに思うわけでございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 今の答弁で、資料を出していただくように、これは委員長に要請をしておきたいと思います。ぜひ理事会で、私が申し上げた全部が出せるかどうかわかりませんが、これは大事なこれからの審議の資料、基礎データになりますから、ぜひ出していただくように要請をしておきたいと思います。  それでは、通産省へ次はお伺いしたいんですが、通産省は、これは六百十七社のうち大体二百十五社ですか、これが通産省所管の企業ということで、八月六日現在で実態把握の調査を行ったようでありますが、その結果がどうであったのか。それから大分日にちが経過しておりますから、その後の調査の結果等、通産省がこれまで取り組んできた受け取った側の問題、この実態も、これは通産省側からも逆に言えば明らかにする必要があるだろうと思うのです。この点について、通産省の調査の結果について、それからきょうまでさらに調査をしたのかどうか、その結果を明らかにしていただきたいと思います。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○山本(幸)政府委員 先生御指摘のように、八月六日付で調査をいたしたわけでございます。二百十五社でございまして、そのうち約八割の企業から回答を得ております。  調査の結果でございますけれども、リストの公表前に損失補てんの認識があった、そういう企業はございませんでした。リストの公表後調査をした際に、その結果補てんと指摘される取引があったと認めたものが約三割でございます。それから取引による利益はあったけれども損失補てんではないというふうに考えるというものが約一割でございます。それからもともと補てんは受けてないというものが一割ございます。残りの約五割は現在調査中あるいは内容不明ということでございます。  それから、その内容でございますけれども、営業特金による資金運用の有無、あったかどうかということにつきましては、いわゆる営業特金を行っていたというものが約五割でございます。それからみずから特金の運用を指示していたというものは約一割でございます。それから約二割程度が投資顧問業者を通じまして特金の運用をしていたというのがございます。それからそもそも特金の運用を行っていなかったというものが約一割ございました。  今後の対応につきましては、いずれの企業も審査体制の整備、自己責任意識の徹底を図るとの回答がございまして、今後の運用については種々見直しを行うという回答が大半でございました。  先生おっしゃいましたように、その後もこの調査についてのトレースをしておりますけれども、自主的な報告ということもございまして、それほど調査についての進展はございません。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 今度の問題は、出した側の証券会社の問題というのがやはり一番大きいけれども、受け取った側に今報告のあったような認識でいいのかということも、これは問題だろうと思うのですね。ですから、私は最後にその点は両大臣にもお伺いしたいと思っておりますが、企業の姿勢の問題なんですね。日本がいわゆる経済力が小さくてとにかく内輪だけでやっていればいいという時代ではないわけですから、そういう中における基本的なスタンスの問題だろうと思うのです。  そこで、私は大蔵省なり証券業界のこれまでの答弁を聞いてみて、どうも全貌を明らかにするということをなかなかしようとしないですね。逆に言えば通産の側から、極端に言えば、それぞれ損失補てんを受けたという企業の主要なところの財務担当者を呼んで、これは企業名を発表するということはしなくてもいいと思うのです。どういう形で受けたのか、やった事実を、私は、通産省はそのくらいの決意で、今後のこういう不公正、不透明なことをやめさせていくという決意があるなら、通産省もそのくらいの決意で企業の調査を行い、あるいはまた指導をすべきではないだろうかというぐあいに思うのですが、いかがでしょうか。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 ただいま先生の御指摘も、このような際でございますから、大変至当な御意見であろうと思います。しかし、今回の損失補てんの問題そのものは、一義的には証券会社によって行われました証券市場の公正さを害する不適切な行為である、こう認めざるを得ません。他方、損失補てんを受けました企業の側にも結果といたしましては自己責任原則というものがある。今御指摘のとおり、そのような面が欠いておったなということは、これまた言わざるを得ない点でございまして、これは、じっくりと私どもも調査を重ねたというのは、そこにあるわけでございます。  しかし、いずれにしましても、企業が社会に対する責任というものを自覚して行動することが、これが先ほど先生のおっしゃったビヘービアと申しますか、このことになるわけでございまして、極めてそれが第一義的な重要なファクターである、このように認識するものでございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 大臣の所信といいますか所感というのをお伺いしたのですが、私は今申し上げたように、例えば、本当に企業の側からいえば証券会社が発表してびっくりした会社もあるだろう。しかしあっていいことじゃないわけですね。通産省としては、その実態を明らかにすることは、一つは、そういうところはやり方さえ変えればいいわけですからね。しかし、現実には元利保証まで受けたというようなところは、やはり利回り保証という、いわゆる証券会社は事後にやっても通達違反になる。しかし、企業はもらったって、それは別に違法でない。まさに自分たちはかからないからということで、暗に事後に要求した企業もあるかもしれない。そういうところは違うと思うのですね、通産省の傘下の企業でも。ですから、本当に名前が出て気の毒なというのもあるかもしれない、ないかもしれませんけれどもね。あるいは本当にこれはこういうことが企業としてあってはならぬというのもあると思うのですね。そういうことは、やはり大蔵省とは違った立場で実態調査をしていくということは必要じゃないかと思うのです。これは局長でいいですから、ぜひそのことを実行してもらいたいと思うのです。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○山本(幸)政府委員 先生御指摘の点でございますけれども、基本的には法律上の権限に基づくものでございませんで、先ほど申しましたように、企業の自主的な報告ということでございますので、いわゆる詳細な調査というのはなかなか難しいという面もございます。  先般、八月九日に大臣からの通達ということで経済四団体に出しましたその中には、各団体を通じまして「企業内の資金運用の管理体制を再点検し、必要に応じ、その改善整備を行う」ようにしてほしいということを要望いたしております。私ども、基本的には、やはり企業側の自主的なこうした内容の再点検ということが重要であるというふうに思っております。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 今答弁が既にあったのですが、これは八月の九日付ですね、経済四団体へ通産大臣名で。これは指導文書か要請かと思ってよく見たら、何にもそうは書いてないのです。最後のところを見たら「お願い」と書いてあるのです。お願いの文書を出されているわけです。その内容が今局長からお話があったわけでありますが、一番問題は、事前にいわゆる補てんを約束すれば、これは違法、事後に証券会社がやれば、これは通達違反、受け取った側は全くそれは処分の対象にならない。これは本来外国でもその規定はないのです。ですから、本来事前に約束することが違法であれば、それはやらないのが企業の常識なんです。その常識がまかり通らぬ日本の企業のあり方に対して、経済四団体へお願いというような文書で直るわけがないですね。もう少し今の日本の産業、日本の経済力が世界にどういう影響を及ぼして、そしてそのことが、今回のような事件を起こすことがいかに日本の経済界あるいは日本の社会が不透明、不公正かということを世界に知らしておるわけですね。こんなばかげた話、そのことについてのやはり通産大臣として、これは大蔵大臣もそうなんですけれども、通産大臣として日本の企業に対して、そんなことじゃ貿易摩擦やいわゆる構造協議の問題で攻撃されるのは当たり前のことなんだ、それは一つ一つの企業のあり方が問われているんではないかという、そういう指導があってしかるべきではないかと思うのです。  私はこの文書を見て、まあほかの、大蔵省は別ですけれども、当然所管ですから、それ以外の官庁の所管の企業もあるわけですが、どこも出していないのに通産省が出されたということは、その点は評価をしますけれども、内容については、もう少し日本の産業界を指導すべき立場の通産省としては厳しい態度で業界に対して対応すべきじゃないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 私は、この願望書といいましょうか、強い内容を読んでいただければ委員も御納得いただけるのじゃないかと思いますが、ある意味においては厳しい企業のビヘービア、すなわち自主的判断というものが整わなくて日本の企業の繁栄はないということの意図から、これは積極果敢に私どもの方からまずもって出せということで出させたわけでございまして、これはお願いをいたしますという慣例も使ったわけではございますけれども、あくまでも強い願望書である、このように御認識賜ればありがたいと思います。以後、委員のおっしゃったように私どもも努めたいと考えておる次第でございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 わかりました。局長、それに対してどういうぐあいに企業なりあるいは財界が通産省に対してこたえたか、その点をお答えいただきたいと思うのです。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○山本(幸)政府委員 ただいま大臣御答弁ございましたように、自己責任原則が大事だ、あるいは企業の資金運用における内容の把握が大事だということにつきましては、かなり強い口調で書いております。最後に「周知徹底を図るようお願いします。」ということでお願いしたわけでございますが、その結果、各四団体ともに傘下の団体に対して、これに対する周知徹底及びその後についての対応策について検討をいたしたようでございまして、本日経団連の発表もございますようでございますけれども、次々と各団体もその対応について、その成果を発表する予定でございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 今回の損失補てんというのは、先ほどから何回も言いますように、本来事前の約束が法律で禁じられておるのであるからやっちゃならぬことであります。証券会社は事後でもやると通達違反ですから、まあ行政上の処分をするのかしないのか、これはあるわけですね、そういうことが。受けた側は何にもないという、そういう企業のあり方が問題なんですね。ですから、本当に日本が自由な経済運営、そして透明、公正な社会として経済が運営されるとするならば、あってはならぬことが行われたわけですね。だから、額に汗して企業が稼いだ金では受け取った側はないわけですからね。そういうものを、証券会社はしかられるけれども、今のところ受け取った側はそれほど、そこら辺は、それはもう黙ってあらしか過ぎればいいという、そういう姿勢はよくないと思うのですね。  それで私は、そういう金だから、これは聞く聞かぬは別として、通産大臣は、企業のあるべき姿じゃない、この受けた損失補てんというのは、これはどこへ出すかは別として、雲仙の普賢岳の災害救済に出すのかあるいは難民救済に出すかはいいですが、そういうもので受け取った損失補てんについては寄附をすべきじゃないか、あるいは拠出すべきじゃないか、そういう指導をやってしかるべきじゃないかと私は思うのですね。いかがでしょうか。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 先ほどの言葉にも、繰り返すような結果になりますが、まず第一に、これは全体の企業全部がほとんどこれに関知しておったということになりますると、これはさらに私も強い形を申し上げているわけでございますが、一部の企業がということもございまして、私もあの通達を出す前に、これは私の意思で出したわけでございますが、早速省議の全メンバーを集めまして、各業界にも徹底しろ、その前にまた通達書も出せ、そして重立ったところは私の口からも強く申し上げるということで、私は既に経済界の各位の方々には強く申し入れを、会うたびごとに行っておるつもりでございます。  そういう中で、非常に企業体も、やってない企業も含めまして反省の色を濃くしておりまして、経済一流国であると言われていることにおいても、自分たちは非常にシェームであるという認識を新たにしていることも、ここで一言申し上げておきたいと思います。  ただ、企業が社会的存在としての自覚に基づいて、普賢岳であれ何であれ、社会的貢献活動を行うということは極めて望ましいことであるということの認識は一にするものでございますが、社会的貢献活動というものは、基本的に何といいましても自主的な判断にゆだねられるべきものではないか、このような認識に立つわけでございまして、企業が受けました損失補てんの具体的な取り扱いにつきましても、これまたあくまでも個別の企業の自主的判断というものが問題ではなかろうか、このように私は考えるものでございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 私は通産省に通産省所管の企業をもっと詳しく調べると言うのは、確かに全く意図しない、一方的に証券会社がやったというのもあるかもしれない。しかし、中には利回り保証を求めたところもあるかもしれないと思うから、その調査をきちっとやってほしいということを申し上げるのです。  そこで、昭和四十九年の、御記憶にあると思うのですが、オイルショックのときにべらぼうな物価騰貴、労せずしてもうけた金を各企業が懐に入れた、それはけしからぬ話じゃないか、それは出してもらおうということで、これは議員立法ですが、会社臨時特別税法というので超過利得を臨時に課税をしたという、こういう例がありますね。それからもう一つ、今回の受け取った側の企業の行為が商行為として当然許されることだというのであれば、今政府が検討して、まだ最終案でないかもしれませんが、証券取引法の改正案の中に、補てんで得た利益は徴収するか、その分追徴する、こういう案がある。ですから、今回の行為は、諸外国では事前の約束は違法であればやらないというのが企業の倫理です。当然のことだと思うのです。それが守られていないということで、しかも、今後はそれは犯罪になる、そういう処分の対象になるわけですから、そういう金なんです、労せずして。だからその点は、やはり私は、今回の損失補てんについては、これは企業の今後のあり方ということが問われる問題であり、これは企業の良識に従って拠出すべきではないか、そういう指導をしても全くおかしくはないと思うのですね。これは通産省の姿勢を通産省所管の企業に示す一つの方法だろうと思うのです。重ねて御答弁いただきたいと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 私は、この問題については、先ほど来委員の御指摘のことは、一つ一つをかみしめ、そしゃくしながらもよく聞いておるわけでございます。そしてまた、全く同意見でございますが、その意味をもってそのような形の個々のビヘービアに強く訴え反省を求めながらも、今後そういう形の姿勢のないように、あくまでも自分自身の企業としての全体責任というものをとらえながら、また世界の中における冠たるこの経済力をつくっている日本の企業としてのあり方、ステータス、そういうものを重んじながら考えるという意味における通達だと私も判断もしますし、そのように御理解を賜りたいと願っておる次第でございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 私は、拠出をぜひ通産省として――それは日本の企業のあり方として本来あっちゃならぬことですよ。そして今までもそういうものは税として徴収したことがあります。さらに今後はそれは犯罪になるのですよ。そういうものを受け取っておるのですよ。だから、そのことを十分わきまえて、社会に還元するという御提起をされるのは、各企業にそういう要請がなぜ出せないのかと思うのです。それはぜひ出していただきたい。もう一遍御答弁いただきたいと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 これは通達というのはもう既に相当に強く出しておるわけでございますから、最後に「お願いします。」というのは、そのようなものをかみしめながらひとつ皆さん方が自主的にきちっとされることをお願いいたしますということを、最後の言葉の結びとしては当然のこと、やってない企業も含めて出しておるわけでございますし、団体でございますから申し上げておるわけで、その点は、相当強い監督のもとに、そのような御意思は伝達されておるものと私は確信いたしますし、また同時に、今からの私の姿勢においても、そのようなことを貫くことをお約束申し上げておきたいと思います。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 この委員会を通じて大蔵省は、一つは証券取引法の改正については御検討なさっておるようですが、検査とか監視の組織については行革審に一任、こういうお考えのように御答弁があったように聞いておるわけであります。恐らく行革審の結論は年末ごろになるのじゃないかと私は思うのです。これはもう今回の事件を考えれば、当然これは、大蔵省と業界の癒着とまで私は言いませんけれども、大蔵省の監督責任も問われるような事態だろうと思うのですね。ですから、できるだけ早く効果のある具体的な対策、措置をとることが今必要じゃないか。それは、まさに行革審に一任ということじゃなくて、時間稼ぎやっておるんじゃないかという疑いすらも私は持つのですが、そうじゃなくて、政府の責任で早急に対策、措置をやるべきじゃないか、こういうぐあいに思うのですが、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 大変恐縮でありますが、委員、この事件発生以来の報道によりましても、過去を振り返っていただきたいと存じます。  私自身、この事件が起こりましたとき、大蔵省自身の手で検査・監視のあり方を真剣に検討しなければならない、しかもそれは証券だけではなく、将来を考えるとき、金融まで含めて検査・監視体制というものはいかにあるべきかを検討すべきだと考え、大蔵省としてのプロジェクトチームを発足させました。そして、その時点においては、私自身が概算要求というものを視野に入れながら、当然のことながら、大蔵省は査定官庁でありますとともに要求側であります。その要求側としての立場からいきますならば、概算要求というものを視野に入れて、その結論を出したいということでこの作業をスタートさせました。  しかし、その後、大蔵省自身がこれを検討することの是非について、本院におきましても、また参議院におきましても、さまざまな角度からの御論議がございました。一方、そうした中で、総理は一段高い立場から、検査・監視のあり方について行革審に諮問をされました。そして、まだ本会議で所信表明に対する代表質問等が行われておりましたときには、私は、それはそれとして、大蔵省のプロジェクトとしての検討も続けさせていただきたいということを申し上げておりました。  しかし、行革審も、来年度の予算編成に間に合うように、その結論を出すと言ってくだすっておりますので、去る八月十九日に、それまで私どもが問題点として検討いたしてまいりました内容すべてを行革審に御報告を申し上げ、当然のことながら、その後行革審から、こういう資料が欲しいとか、こういう点についてどう考えるかというお問い合わせがあるならば、積極的に御協力をいたしますと申し上げつつ、今行革審に作業をゆだねております。  我々は、本来我々自身の手をもって、この問題に対する、私なりに考えてきた五つの問題点のうちの一つの大きなポイントとして、我々自身の手で結論を出したいと考えておりました。両院の御意思等も踏まえ、一総理の御指示を踏まえて、現在行革審に作業をゆだねておる、その結論をお待ちしておるということでありまして、少なくとも我々がその責任を逃げたということでないことだけは御理解をいただきたいと思います。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 それじゃ、私、細かい点はいいんですが、基本的な考え方、これから公正な市場形成ということで考えると、例えば一つは、機関としては、どうも何回行政指導、通達を出しても十分でなかったという反省があるならば、それは大蔵省から独立した機関でやるのがいいのかな、こういうぐあいに思いますし、それからもう一つは、今検討されておる証券取引法の改正で、押さえるところを押さえて、法律で押さえていく。もう一つ大事なことは、証券取引所やあるいは証券業協会の自主的な、やはりそれに基づいたルールというのはきちっと守る、そして自由な市場を形成する。そういう三位一体になった形の取り組みがなければ、今回のような事件を再び起こさないという保証にはならないと思うのですが、基本的な考え方の問題を申し上げるのですが、大蔵大臣、それに対して所感があれば聞かしていただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今委員が御指摘になられました問題点、多少角度は異なりますけれども、私は、今回の証券問題というもの全体を振り返りまして、その問題点を大きく五つに絞り込んでおります。  一つは、今委員が御指摘になりましたように、ルールの不明確ということにどう答えを出すかであります。その中には、委員が御指摘になりましたように、法律上の問題もございます。また通達行政というものを振り返ってみたとき、その通達の中で、自主規制団体が強化されるに従い、自主規制団体にお任せをしていいようなものも、その通達の中にはあるわけでありまして、そうしたものを通達から外し、自主規制にゆだねるという方向もございます。逆に、過去の通達の中で、法律化しなければならない部分というものは当然のことながら法律にゆだねていかなければなりません。  もう一つの問題点は、そのルールの明確さとあわせて、ペナルティーというものについてルールを明らかにすることであります。  もう一つは、監視・検査機能というものをいかにとるかということであります。  また、これはペナルティーあるいはルールとも関連することでありますけれども、自己責任原則というものをいかに改めて、一部その点に御理解がなかった方々に理解をさせるかということであります。  そして、もう一つの問題が、これは我々自身の手で解決をしなければならないことでありますが、過去の行政というものを振り返り、業界行政というものが今後いかにあるべきかということであります。  その角度におきまして、私どもは問題意識を持ち、その一環として検査・監視機能というものについての検討もいたしてまいりました。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 今度の問題では、暴力団なり総会屋との関係というのが今後の大きな課題だろうと思います。後でまた、企業の姿勢の問題では最後に触れたいと思うのですが、暴力団の介入というのを排除をするために、一つの方法として、もちろんこれはプライバシー保護ということはきちっと法案づくってやらなければなりませんけれども、不正防止、それから暴力団の排除をする上で、納税者番号制度というのが効果のある制度だという考え方があるわけです。私も、確かにその点では、プライバシーの保護というのばきちっとやるということは前提でありますが、既に年金の番号等は国民全部入っておるわけです。公正な社会をつくる公正カードという登録制がいいのかどうか、悪用されないということをきちっと保証しながら、検討をしてもいいんじゃないか、そういう感じがいたしますが、その点、大蔵省の方ではどういうぐあいにお受けとめになっているか、お伺いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私は、今回の問題に関連して納税者番号というものを議論をすることにつきましては、これは責任官庁としてむしろ我々自身の監督責任を問われている立場でありますから、どうぞ御容赦をいただきたいと存じます。  そして、納税者番号制度というものに、大蔵省は今までも決して否定的ではございません。ただ同時に、プライバシー保護をたまたま今委員は例示として出されたわけでありますが、国民の中に納税者番号制度というものにつきましてなおさまざまな御疑念が残っておること、そして、それがいわば国民背番号といった形で国家が個別情報を独占するような形になることを恐れる空気というものが非常に強くあることも御承知のとおりであります。これは一方で、情報公開制度と裏腹に、機密保護の仕組みをどうつくるかということと関連することとして非常に大きな問題を別途含んでおります。こうした問題点の所在を十分認識した上で、納税者番号制度というものについては、大蔵省は今日までも否定的では決してありませんでしたということのみ申し上げたいと思います。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 通産省にお伺いいたしますが、今回の証券会社の不祥事によって、一つは株価が低迷する、投資家のそういう点では信頼を失った、あるいはそういう中で銀行の貸し出しか慎重になっている。さらに八〇年度後半に発行された転換社債やワラント債の権利行使が進まないために、多額の償還資金の手当てが必要になるだろう、こういうぐあいに見られておるわけでございます。今長期にわたって好況を続けておるわけではございますが、これからの我が国産業の設備投資に必要な資金の調達というのは、今のままでは先行きが非常に心配だという状況にあるだろうと思うのですね。この点について通産省として、通産大臣、一体これからの我が国産業をどう持っていくかということでは資金調達が大きな課題だろうと思うのですが、それについてのお考えがあれば聞かしていただきたい、こういうぐあいに思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 この株価そのものの低迷によりまして、俗に言うエクイティーファイナンスが困難になる、こういう困難化するという方向と同時に、BISといいましょうか国際決済銀行等の規制への対応等から銀行の貸し出しの抑制が生ずるということが懸念をされている旨もおっしゃられましたが、それは全く、そのような方向づけがない可能性は全くないわけでございまして、ある意味においては、今までここまで築き上げてきている経済のスタビリティーをどのような形で育成発展させていくかということがかかって私どもの責務ではなかろうかと認識するものにおいては一致点がございます。  ただ一方、企業は今後とも積極的な設備投資を継続するということが必要であり、その反面に、同時に多額の設備投資資金の需要がそれだけに見込まれるということも、これも現実の姿でございます。こうした中で、御指摘のような、言うなればエクイティーファイナンスの償還というものが加わりますると、そうすると、産業界の資金需要というものは逼迫の度合いを一層強めていくことが予想されることも、これまた事実でございます。こうした資金需要の逼迫というものによりまして設備投資への影響が懸念されることも、これも必定でございますが、このような問題点に対応いたしまして、企業が円滑な資金調達を行い、なおかつ設備投資を円滑に行うというためには、政策金融の機動的な活用をするということと同時に、資本市場における、ある意味における諸規制、諸慣行の見直し等によりまして、国内での発行の乏しい普通社債の発行を促進するなどの対応が必要ではないかな、このように私は大局的に考えておるという問題点を答えとしたいと思っておる次第でございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 もう一つは、これまでの資金調達の状況を見ますと、中小企業というのは銀行に頼らざるを得ない。まあいい面もあるわけです。大手、大企業がいわゆる資本市場から調達するということで、その分大手の銀行も含めて中小へ融資をしてきた。その比率は平成二年度で見ますと七八・六%が銀行からの融資を受けている。今度は資金コストの点で見ると、大企業は非常に安いコストで調達しておる。中小企業は高いコストで資金調達をやっておる。ですから、そういう点では、大小の力の違いがあるところへ持ってきて、またそういう金利差、コストの点でも大変苦境にあるわけですね。ところが、今お答えいただきましたように、資本市場が窮屈になってくると、これまた大企業の方は銀行融資に肩がわりしてくるということになるだろう。そうすると、一つは中小企業の資金を圧迫する。もう一つは金利の問題で、そこらはやはり政策的に中小企業に対する対策が必要ではないかと思うのですが、これは中小企業庁の長官とそれから大臣とお願いしたいし、もう一つは、そういう状況について大蔵省としてはどう見られて対応策をお考えか、あれば聞かしていただきたいと思います。

南学政明中小企業庁長官

○南学政府委員 金融機関への借り入れ依存度を見てみますと、例えば平成元年度の製造業の場合、大企業では約二割、中小企業の場合は約四割となっておりまして、中小企業の金融機関への借り入れ依存度というのは、大企業に比べかなり高いものとなっております。近時の株価の低迷によりまして、新たなエクイティーファイナンスが困難となる一方、既発の転換社債等の償還のために、平成五年をピークといたしまして多額の資金の需要が予想されるわけであります。  このような事情を背景に、先生御指摘のとおり、大企業が金融機関借り入れによる資金調達の比率を高めることになれば、金融機関への借り入れ依存度が高い中小企業は、資金調達に困難を来す場合が予想されるわけであります。加えて、金融自由化の進展あるいはBIS規制への対応等から民間金融機関が選別融資の姿勢を強めていくことも懸念されるわけであります。  こうした状況を踏まえまして、通産省といたしましては、第一は、中小企業者に対し、政府系中小企業金融機関により良質かつ安定的な資金供給に一層努めるとともに、第二に、信用補完制度によりまして、中小企業者への民間金融機関からの事業資金供給の一層の円滑化に努めるなど、私どもといたしましては、中小企業者に対する金融支援の充実にこれからも大いに努めてまいりたい、このように考えております。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 大蔵省、どうですか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 御指摘のように、中小企業にとりましては、まあ知名度が低いということもありまして、証券市場における資金調達はかなり難しいわけでございます。しかし、私ども、この証券市場におきます中小企業の資金調達、例えば、最近盛んに行われておりますが、私募という形で債券を発行する、縁故債みたいなものでございますが、そういったもの、あるいは公募債を発行できる資格を思い切って緩和するというようなことで、中小企業に対しても、証券市場を通ずる資金調達の道ができるだけ広がっていくようにというようなことも方策として考えておりますし、また主として中小企業の場合には店頭市場、上場するというところまでなかなかいかない場合には、店頭市場を利用されるわけでございまして、まあ店頭市場につきましても、証券業協会を中心にして店頭市場の整備というようなことも図りながら、できるだけ中小企業の資金調達手段を多様化し、かつパイプを太くしていくというような方策を考えていきたいというふうに思っているわけでございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 今後の資金調達の問題について、通産大臣から既に御答弁の中にありましたけれども、日本の大企業で電力会社とかNTTを除いた一般法人の普通社債による資金調達というのは国内では非常に少ないわけです。このことを大臣も言われたと思うのですね。平成元年が、国内の円建て債が六十億円、ユーロ円債が三千三百四十一億円、平成二年が国内で三百六十億円でユーロ円債が一兆六千四百八十三億円、まさに国内の市場は、大臣が言われたとおり、いろいろな規制の問題、手数料の問題等が隆路になって、こういうことになっておるんだろう。これは、証券四社がいわゆる証券取引では寡占化しておる。同じように受託銀行というのがいわゆる上位三社で、受託手数料あるいはまた元利金支払い手数料、こういうものが外国に比べて十五倍ぐらい高いのですね。そういうこともあるだろうし、手続の問題があるだろうと思うのですね。そう言いながら、株の取引の手数料は固定されておる。今度これを自由化するというような御検討をなさっておるようですが、このいわゆる受託手数料なり元利金支払い手数料というのは、これは自由なんです。これがほぼ一定であれば、これはいわゆるカルテルを結んでおるんじゃないかと疑われるわけです。独禁法違反になるわけでございます。この改善について、大臣、その点が通産大臣は問題、変えていきたい、こう言うんですが、具体的には、ここのところを改善するためにどういうぐあいに通産大臣としてはお考えになっているか。また大蔵省としては、ここらあたりは銀行の関係になりますが、どうか。  それからもう一つは、公正取引委員会おいでいただいておると思うのですが、今申し上げましたように、受託手数料とか元利金支払い手数料というのは本来自由なわけでありますが、実際にはほぼ一定。ということは、これはまさに三社で寡占、九五・七%ですかのシェアを持っておるわけですから、それによるカルテルではないか。これは独禁法違反だと思うのでぜひ調査すべきであると思うし、これまでにそういう問題意識を持って調査されたことがあるのかどうか、その点を公正取引委員会にお伺いしたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 御指摘のように、我が国の国内の社債発行市場、電力会社が大部分を占めておりまして、一般の事業会社による起債はほとんど見られないというような状況にございます。これは、ここ数年株式市場が好調で、いわゆるエクイティーファイナンスが盛んだったということもあるわけでございますが、ただ御指摘のように、手数料が非常に高いという問題がございます。私どもも、その手数料についていろいろと問題点を持って考えているわけでございまして、まあ社債の場合の引受手数料と申しますのは、これはもちろん引き受け、受託あるいはいろいろな手数料はすべて自由化といいますか、これは規制をされているわけではございませんから、その発行の都度、発行会社と引受証券会社あるいは受託銀行との間で交渉で決められるということになっているわけでございます。ただ、実際の姿は各発行によってかなり同じ水準に並んでしまっているということになるわけでございますが、手数料の中で特に高いものは、やはり受託銀行に関連いたします利払いの手数料とか元金償還手数料、あるいは受託手数料というのが高いわけでございまして、引受手数料は、ユーロ市場などと比べますとほぼ同じような水準になっております。  しかし、いずれにいたしましても、こういう手数料について、私どもは、もちろん建前として発行の都度決まるということではございますが、行政としても、余りにも高過ぎるんではないか、やはりそれが国内の社債市場の、発行市場の低迷に大きな原因になっているということで、引受証券会社あるいは発行会社、受託銀行に対していろいろと御意見を申し上げているところでございます。  具体的な方策といたしまして、一つとしてね、やはり新規参入によって競争を促進するというのも一つの大きな方策ではないか。そういった意味では、発行市場への新規参入、あるいは場合によっては受託業務への新規参入というようなことも考えていく必要があるのではないか。ただ、受託制度の場合には、これは証券取引法の領域というよりも商法あるいは担保附社債信託法の領域でございまして、直接参入という問題をどう解決していくかというのは、商法の改正というものも絡んでまいります。  いずれにいたしましても、そういうようなことで、私どもとしては問題意識を持って、可能な限りこの手数料を競争的にかつ低い水準で決められるような環境づくりをしていきたいというふうに思っているわけでございます。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○梅澤政府委員 今お話がございました発行手数料等を中心に各種の手数料は当然のことながら法律上の規制は何らないわけでございますから、証券会社なり銀行なりが自主的に決めるべきもの、これは当然のことでございます。万一証券業者等が話し合ってその料金を決定するということは、まさにカルテルそのものでございます。(水田委員「これは銀行です、私が言っているのは」と呼ぶ)銀行であろうと証券会社であろうと、各事業会社がおよそ自由であるべき価格とか料金を話し合いで決めたら、これはもうまさに独占禁止法のカルテルに該当いたします。  ただ、各種の同じような商品とか料金が結果として同じような水準に収れんするというのは、これはよく見られる市場現象でございますから、手数料が同一であるからといって、それが直ちに独占禁止法の問題にはならないわけではございますけれども、これは委員が御懸念のように、やはり寡占的な市場あるいは政府規制を受けているような産業では、どうしても同調的な企業行動というものを誘発しからでございますから、今後とも、証券業者のみならずこの種の市場につきましては、万一カルテルのような問題が発生いたしました場合には厳正に対処しなければならないと考えております。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 委員にお答えさせていただきます。  多少、何といいますか、ユーロの問題等外債の問題なども含めておりますので、多岐にわたっての答弁になろうかと思いますけれども、ポイントだけを絞ってお話をさせていただきますれば、株価が低迷いたしたということによりまして、まず第一点はエクイティーファイナンスの困難化、こう言いましょうか、それから第二点としては、先ほど申し上げましたような、俗にBISと言っております国際決済銀行の規制達成のための銀行の貸し出しの抑制と言いましょうか、第三点といたしましては、エクイティーファイナンスの大量償還というものによりまして、産業界の資金需要は逼迫の度合いというものをなお一層強めていくことが予想されることは事実でございます。  それで、こうした状況に対応いたしまして、企業が円滑な資金調達を行っていくというためには、国内での発行の比較的に乏しいと言われておりまする普通社債の発行を促進することが重要なファクターになるのではないか、こういう認識でございまして、そのためには、まず第一に、ユーロの市場を比較いたしまして著しく高額な社債発行に係る各種手数料の引き下げを行うべきではないのか、また第二点は、受託制度の見直しを行うべきではないのか、第三点は、社債発行限度の撤廃を行うべきことかな、それからまた第四点は、商品性についての規制そのものの撤廃等諸規制あるいは諸慣行の見直しというものを、先ほど私もちょっと付言させていただきましたが、早急に行うことが必要ではあるまいかな。このようにお答えさせていただきたいと考えておる次第でございます。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 先ほど、社債市場につきましては、証券局長からお答えをいたしました。また通産大臣からもお答えがございました。私ども確かに、御指摘の時期以降の企業金融というものに対しては非常に重要な関心を持っております。ただ、先般、日銀総裁が同様の問題で本院で参考人として述べられました中に、ここしばらくの経済運営の中において各企業の体質が非常に改善された、内部の力もついたといった御発言もございました。こうしたことも脳裏に描きながら、金融市場、証券市場ともどもを監督する責任のある大蔵省として、必要がありました場合には、政策金融としての中小企業金融というものも視野に入れつつ、今後の事態を十分注意しながら眺めてまいりたい。必要な対応をとることが生じますならば、その都度また関係各機関との御相談をしてまいりたい。  いずれにしても、内需中心の経済運営というものを今国際的にも求められております日本として、その経済運営に陰りを来さない努力はしていかなければならない、そのように考えております。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 もう時間が参りましたので、後質問ではなくて、最後に要望申し上げて終わりたいと思います。  今回の事件を見ますと、例えば総会屋とか暴力団がなぜかみ込んでいくかというのは、やはり日本の企業の姿勢に問題があると思うのですね。ですから、世界経済に対して責任を負わなければならない日本の産業界あるいは企業がやはり収益至上主義でやってきたということを、この際反省することが必要だと思うのです。ですから、市場経済、自由競争ができる、そういう社会として国際的に信用されるような社会に変えていく、今回の事件というのを大きな反省の糧としてやっていくべきだと思うわけです。  大臣の所信を聞きたいと思ったのですが、時間が参りましたので、そういう形に大蔵省、通産省ともやはり業界の指導にぜひ取り組んでいただきたい、そのことを要望いたしまして、質問を終わります。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて水田君の質疑は終了いたしました。  次に、佐藤恒晴君。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 極めて限られた時間でありますので、簡単に御質問申し上げますので、答弁の方もひとつ簡潔にお願いをしたいと思います。  今度の一連の証券不祥事と言われるような問題は、以前から証券局は状況を把握されておった。そし。でまた、国税庁の税務調査の結果によってたびたび新聞等で大々的に報道されてきた。こういう事態がありながら、大蔵省はさらに事態が拡大することを早急に抑えるというか改善をするという措置をとらずに来たという点で大蔵省の責任は非常に大きいというふうに思いますが、その辺の感想を含めながらお尋ねをしたいと思います。  実は、八九年の七月から九〇年の六月までの税務調査結果というものによりますと、使途不明金が五百六十三億円ということで、うち自己否認分が四百十七億円、こういう中には政治家に対するやみ献金あるいはまた総会対策費用、そしてまた金融、不動産、サービス業等では八十一億円のいわゆる自己否認分が判明している、こういう報道がなされておるわけであります。  そこで、先ほど申し上げた大蔵省のいわゆる早急な対応ということについての見解と同時に、今度の損失補てんをした、あるいはされたという企業は、この申し上げました税務調査の不動産、金融、サービスの八十一億円という対象の中に入っているのかどうか、まずこの点を簡単にお尋ねしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 細部にわたりましては事務方から御答弁をすることをお許しをいただきたいと思います。  そして、対応のおくれという御批判は、今日我々は甘受しなければならないと思います。そしてまた、その責任は私自身痛感しておりますし、先日来の御答弁でもしばしばおわびを申し上げてきております。  ただ、もし今委員の御質問の中に、例えば税務調査の結果国税庁が把握をした事項、それが省内の他の局に伝えられないというような意味を込めておられるとすれば、この点については私は異論がございます。なぜなら税務調査というものが国民の信頼を受けております最大の原因というものは、その税務調査の中身が他に資料として使われるようなことがないということに私は非常に大きなポイントがあると思います。仮に、例えば証券局に対しあるいは他の局に対し税務調査の途中でわかりましたこと、これが例えば犯罪にかかわるようなことであり、捜査当局との間の連係ということであれば、これはおのずから別でありますけれども、個別事項の内容が一々通報されるようなことがありましたなら、私は税務調査の信頼というものには大きく傷がつくと思います。そして先日も申し上げましたように、国税庁長官以下と、私は大臣になりましても、国税庁の職員を私の大臣室に呼びませんし、彼らも来ようとしない、それだけの節度を持った内部組織であるということについてだけは御理解をいただきたいと思います。  以下、事務当局から答弁をさせます。

冨沢宏国税庁次長

○冨沢政府委員 使途不明金ということでのお尋ねでございますけれども、今回の証券関係のいわゆる損失補てんというものの中には自己否認分と国税庁の更正分というのがあるというふうに承っておりますけれども、自己否認分というのはいわゆる使途不明金ではございませんで、お金の行き先と申しますか、利益を受けた方はわかっておるわけでございます。したがいまして、いわゆる使途不明金というものの数字の中には、その分というのは含まれておりません。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 簡単に申し上げましたから、そういう御答弁でしょうが、使途不明金は、支払い先不明は五百六十三億円で、うち自己否認分が四百十七億円ということで、その内訳として八十一億円が金融、不動産関係、こういうことになっておるから、その中に今回の損失補てんを受けたあるいは損失補てんをしたという企業が含まれているのかどうか、こういうお尋ねをしたわけでありますが、時間が非常に限定されておりますので、いずれ大蔵委員会等で機会があれば改めてお尋ねをしたいと思います。  次に、リストの問題、公表リストの問題についてお尋ねをしたいと思うのであります。  今度の補てん額の各社の最低額は、山一証券が三千七百億円で最高、それで藍沢証券が十四万円で最低、最低といいますか最低額が十四万円まで……(「三千七百万円だ」と呼ぶ者あり)三千七百万円ですね、山一証券が。藍沢証券は十四万円であります。こういう開きがあるわけです、各証券会社によって。こういうことでは今度の一連の不祥事事件の原因なり内容を把握するには、この公表されたリストでは極めて不十分なものである、こういうふうに私は思うわけであります。したがって、今国会に改めてリストの公表を、これは大蔵省の責任において、それは証券会社から提出させるかあるいはみずから特別検査において把握をして提出するかは別として、再度提出をすべきではないかというふうに思うのでありますが、いかがでしょうか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 今回公表されましたリストは、平成二年の三月に各社が自主点検をいたしまして損失補てんとして認識して報告をしてきたもの、それに加えまして、その後税務調査等の各種の調査で損失補てんと指摘されたものがすべて含まれているわけでございます。確かに御指摘のように、その最低金額が非常に開きがあるわけでございます。ただ、これは今申し上げましたように、各社が損失補てんという認識で自主報告をし、あるいは税務認定等を受けたものがこういうふうな姿になっているわけでございまして、もちろん各社、顧客層も違いますし、あるいは経営基盤も違うわけでございます。損失補てんをする相手、顧客、相手先というものもおのずから層が違うわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、私ども今現在四社に対しては検査に入っているわけでございまして、御指摘の点も踏まえまして、検査の中で私ども精査をしてまいりたい、しているところでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 それで、七月二十五日の衆議院の大蔵委員会におきまして松野局長は、現在まで形式的に見た中では、政治家リストは存在しない、こういうふうに答弁をされておるわけであります。国民政治協会に対する東証正会員の政治献金というのは五千八百万、大証関係では五千七百万、今度の一連の不祥事を起こした証券会社、発表されている分は少ないわけでありますが、約九十社、証券会社の九十社が国民政治協会に寄附をやっている。しかも、政治家及び政治家周辺での株取引問題は、このリストの発表された期間内においても問題として新聞などに報道されている。あるいは政治家団体、あるいは政治団体等の収支報告等を見ますと、預金利子というものをそれなりに計上している団体、残高が相当あっても預金利子などは全然計上されていない団体、あるいはまた団体によっては、市場等において投資などあるいはまた取引などを行われているだろうと思われる金銭信託等の収入を計上している団体等々があるわけでありますから、全然政治家関係がないというふうには想定できない。  若干申し上げますが、もし今度のリストにあるなしにかかわらず、政治家はないとすれば、それは公表金額以下の補てんである、あるいはまた損失があっても、自分の責任で損失を処理するということか、あるいは絶対に損をしないという銘柄あるいは取引によって運用しているか、さらにはまた期末の配当等を期待して本当にまじめに投資をしているんですということか、大体この四つぐらいきり実はないと思うわけであります。今日時点においても、なお政治家についてはないというふうに思っておられるのかどうか、その点についてお尋ねをしたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 公表されたリストの中には政治家の方は存在されないわけでございますし、また現在、先ほど申し上げましたように、四社に検査に入っております。現在までのところ、政治家の方に対して損失補てんがあったという報告を私は受けておりません。検査はまだ続行中でございます。しかし、現在までのところは、政治家の方に補てんをしているという報告はないというわけでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 あるという報告というのはないだろうと思いますが……。  統一的なリストの公表が必要だと私は冒頭に申し上げました。特別検査を行われているわけでありますから、それは株価操作等についてのみ特別検査をやっているのか。つまり今度のリストは三千七百万から十四万円までという開きがある。だから損失の補てんのリストというのはどういうところにあるのかということを、それをも含めて検査をしているのかどうか、こういうところが実は問題になると思います。八月二十九日の本委員会で田渕証人は、特別検査の結果については直ちに公表すべきだと思っているというふうにも証言をいたしております。  お伺いをしますが、再度の統一的なリストの提出を求めたいと思いますが、申し上げましたように、これほどのばらつきのあるリストでこれからの対応策を協議するリストとして資料が十分であるというふうには考えないけれども、そういう特別検査で補てんの問題まで含めて十分な把握をするための検査をやっているかどうか、お尋ねをしたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 現在四社に対して行っております特別検査、これの検査の重点項目といたしまして、この自主的に出されたリストについての精査ということもやっておりますし、あるいはその後の三年三月期、二年四月以降の損失補てんの有無についても検査をしております。あわせて株価操作が問題となっております証券会社に対しては、株価操作の問題も検査しているわけでございますが、損失補てんについては、今申し上げましたように、この補てんリストの中身、さらにその後の補てんの有無、あるいは損失保証というようなものがなかったかどうかという点もあわせて検査の重点項目にしているわけでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 いずれ改めてやりたいと思いますが、次に、リストの問題にかかわって二、三お尋ねをしたいと思います。  長銀系の第一証券、これは二十六件で四十九億円の補てんをやっているわけであります。そのうち二十五億円、約五一%がダイイチファイナンスというところに補てんをしているということでございます。この第一証券というのは、いわゆる国民政治協会に四百万円の政治献金をやっている団体でありますが、九一年三月期の決算におきましては九十九億円という経常損失を発生させている。これは二十二位ぐらいの証券会社だと思いますが、そういう状況にあるようであります。この二十五億円の損失補てんというのは八六年の九月ころからだと報道されておりますけれども、いわゆるこの原因というのは無断で売買をした、こういうことで問題が発生をしたということに実は報道されております。ということになりますと、亨れは損失補てんではなくて、証券取計の責任準備金の積み立ての中からこれを取り崩して戻入をして補てんをすべき、補てんというのは会社に対してではなくて、経理士補てんをすべきものではないかというふうに実は思うわけであります。現在八億一千六百万円の積立金がある、こういうことになっているわけでありますが、しかし、それを取り崩してもなお十数億円の不足金が発生する、こういうことでありますが、この第一証券は、過去、少なくとも八六年ごろから省令に基づく、基準に基づいた積立金をきちんとやった結果が八億一千万なのかどうか、お尋ねをしたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 御指摘の第一証券の損失補てんの件でございますが、これにつきましては、私どもは第一証券から報告を受けたところでは、ダイイチファイナンスという会社との株式取引でトラブルが起こり、会社としては有効に売買が成立したというふうに考えるわけだけれども、将来の取引関係を維持しあるいは強化するという観点から損失補てんを行ったというような説明を聞いているわけでございまして、そういった意味では、証券事故という概念よりは、むしろ今回問題となっております損失補てん、将来の取引関係の維持強化という点を勘案して損失補てんというふうに認識をしたということだというふうに報告をしてきているわけでございます。  それから、第一証券の証券取引責任準備金の額でございますが、これは二年三月期末では、御指摘のように八億一千六百万でございます。証券取引責任準備金は、証取法及びそれに基づきます省令によりまして、各事業年度におきます売買の株数というものに応じて積み立てるという一定の算式が決められているわけでございます。第一証券の積立額は、この算式に従って計算をされ、積み立てが行われておりまして、法令上適正な積立額ということになっております。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 今俗に言うところの損失補てんとしてやることに問題はないというような見解でございますけれども、もともとスタート点は無断売買から始まったということでございまして、会社の方も、金がもうかるならいいだろうみたいな調子に気持ちが変わっていって、そして取引が連続した、こういうことでありますから、スタートは無断売買からであるというふうに言って差し支えないと私は思っております。  今積立金が省令等の範囲内だということになりますと、現在の年報等に掲載されている各会社の積立金を見ますと、俗に言うところの損失補てん額から見ますと、極めて少ない額の計上でございます。ましてや財務局管轄の証券会社に至りますと、極めて少ない額の準備金、こういうことに実はなっているわけであります。こういう点で、これからの経営指導といいますか、そういう点から見てのこの準備金のあり方について、見解があればお尋ねをしたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 証券取引責任準備金は、これは証券会社の営業マンなどが法令違反行為などをいたしまして、顧客等に損失を及ぼした場合に、それを取り崩すというために積んでいるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、一定の法律、省令に基づいた積み立て計算がなされ、それを協会に別途積み立てているわけでございます。  確かに証券取引責任準備金の積立額ということも問題でございますが、それ以前に、私どもとしては、そういう営業マンが証券事故を起こさないようなことを、ぜひ証券会社としてそういう教育研修あるいは社内管理というものを充実するということが必要ではないか。証券事故が起こりますと、これは最近の取引額が非常に大きくなっておりますものですから、証券会社に財務上与える影響というのも無視できないわけでございます。特に、最近のように株式市場が非常に不振の状態でございますと、過去に好調なときに積み立てたものがございますけれども、そういうものが大量の証券事故によって取り崩されるということになりますと、これは証券会社の財務の健全性にも影響を与えることになるわけでございまして、私どもとしては、やはりまず証券事故を発生させないような方策をぜひ各社で考えでやってもらいたい。これは株式取引の宿命といいますか、外務員が電話で注文を受けるあるいは出かけていってやるというようなことがございますものですから、証券事故を完全になくすどいうことはなかなか難しいわけでございますが、やはり内部管理体制をきちっとつくることによって、そういうものを事前にチェックし、あるいは大きくなるのを防ぐというようなことを考えるのがまず何よりも大切なことではないかというふうに考えているわけでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 この点については、例えば有価証券の在庫報告などを含めましていろいろな営業報告を大蔵省は、証券局は徴収しているわけでありますから、急に一度に発生した問題は別として、時間がかかって経過してきた問題については状況が把握できるはずなんですね。そういう意味で問題を含んでいるというふうに思いますから、今後の機会にさせていただきたいと思います。  それから、このリストにかかわりまして、もう一つお尋ねをしたいと思いますが、大蔵省の働きかけでできたかどうかわかりませんが、そう言われているわけでありますけれども、七六年に設立されました地銀生保住宅ローンでありますが、これは歴代大蔵省のいうところの高級官僚の天下りがトップに座るという会社ということになっているわけであります。これは国際証券から一千万円の補てんを受けているわけであります。これが近年、本来の住宅ローンから離れまして、不動産ブームに乗りまして不動産金融を、実は重点を置いたかどうかわかりませんが、大分そちらの方に力を入れたということで、九〇年一月末には借入額一兆一千億円、そして九一年の三月末には一兆四千億円。一方貸付金は九一年の三月で一兆一千七百億円、こういうことであります。  不良債権の中身を見ますと、例えば問題になりました蛇の目株との関連があるとも言われておりましたナナトミ、これに百九十二億円、あるいはゴルフの会員権売買をやっていたジージーエス百三十九億円、あるいは問題に狂った静信リース二十億円等々百億円を超える不良債権が数件あるのではないか、こう実は言われているんだそうでありますが、これらの回収見通し、こういうものについて一体どういうふうにお考えになっているのか、銀行局ではこれらについてどういうふうに把握をしているのか、お尋ねをしたいと思うのです。  それから、この住友の前会長であります磯田さんがおやめになった、いわゆるそれでおやめになる原因ともなりました青葉台支店の浮き貸し事件、こういうものにかかわって、この支店長の口きき等がありまして、このいわゆるローン会社から某会社に相当大量の資金が融資あっせんされている、融資されている。それが結果的に光進等に流れて株の売買等の資金になったのではないかというふうに実は言われているわけでありますが、これらの社名等について把握しておられるのであれば、これは秘密事項でも何でももうないでしょう、公判も進んでいるわけでありますから、青葉台問題は。そういうことで、事情を把握しておるのであればお知らせをいただきたい。  私はこういう問題についてあえてお尋ねをしますのは、やはり大蔵省がもう最初から、高級官僚といいますか、言葉が正確かどうかわかりませんが、そういう方が社長として就任されているような会社において、本業を外れてこういうことをやっておるということは非常に問題がある。これは大蔵省も銀行局の指導上も問題がある、こういうふうに実は思うわけであります。特に金銭信託、現在どういう内容になっているか、私はその金銭信託の内容はわかりませんが、少なくとも数字においては二百六十六億円ほどあるようでありますが、これらの問題についても事情を把握していればお知らせをいただきたい、お答えをいただきたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 地銀生保住宅ローンの状況いかんという御質問でございます。  この会社は、ただいま御指摘がありましたように、主として住宅の取得に必要な資金の貸し付けを行うこととして設立された住宅金融専門会社でありまして、私ども実はこのような会社に対しましては、銀行などに対するような一般的な指導監督権限を持っておりませんので、実情把握には限界があるところでございます。ただ、ただいま御指摘のありましたような業況は、業務報告その他によって概略承知しております。  ナナトミにつきましては、これはことしの一月十六日和議申し立てがございました。そのときの債務者側の公表しました同社からの借入額は百九十二億円でございます。その後、ことしの七月二十六日、和議決定が通知されました。そのときの債務総額は二千九百六十七億円であったというふうに承知しております。その中での地銀生保住宅ローンの融資額は、先ほど申しました額、多少変動しておりますが、おおむねそのような額でございます。  次に、ジージーエスということにつきましてもお尋ねがございましたが、これはことしの七月十一日に会社整理の申し立てがございました。そのときの債務者側が公表しました地銀生保住宅ローンからの借入額は百六十五億円ということになっております。なお、負債総額はリサーチ会社の発表によりますと、二千六百億円ということでございます。この会社につきましては、ただいま会社整理の手続審理中でございますので、これ以上詳細なところは私どもとしても承知しておりません。  それで、このようなこともあるから地銀生保住宅ローンの業況はどのように考えられるかということでございますが、これは営業報告などによりますと、前年度すなわち平成三年三月期でございますが、前期に比べて大幅な増収を達成しながらも、調達金利の高騰が大きく影響し、減益計上となったということでございます。また今後の見通しにつきましては、引き続く不動産市況の低迷、融資の抑制など、いわば新規融資及び資金調達面ともに厳しい状況を会社としても予想しているようでございます。冒頭に申しましたように、私ども業況把握に限界がございますけれども、今後の動向にはしかるべき注意を払ってまいりたいと存じます。  次に、住友銀行の浮き貸し事件との関係でございますが、これにつきましては、実は本件は公訴が提起されました元住友銀行の職員がいわば個人的にあっせんをいたしまして、そして地銀生保住宅ローンに、いわばダミーとして利用されたという感じでございますが、若干名の個人及び法人を紹介し、その個人や法人に対しまして地銀生保住宅ローンから融資をしたということでございます。この点につきましては、先般の参考人質疑のときに、住友銀行の巽参考人に対しまして、地銀生保住宅ローンから三百七十億円が顧客を通じて光進の小谷氏や誠備グループの加藤氏に流れたようだという御指摘がございました。私ども大体そのようなことだと思っておりますが、なお、これについては文字どおり公判が進行中でございますので、実態問題についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。  なお、一言申し添えますと、この約三百七十億が地銀生保住宅ローンからの融資額でございますが、それはその後若干裁判になったりしておりまして、一部係争中のもの、これは五十五億円、一部係争中のものがございますが、それ以外のものにつきましては、地銀生保住宅ローンに対して返済されております。そのように聞いております。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 特定金銭信託の二百六十六億等については答弁ありませんでしたけれども、いずれにしましても、横浜銀行とか広島銀行とか、大蔵省に籍を置いた方が責任者をやっている銀行でも構成員として大変心配をされているという状況もありますから、ローン会社とはいいながら、ひとつ銀行局もそれなりの目配りが必要だろうと思います。  時間がないから先に行きます。  今度の富士銀行等のいわゆる不正融資事件に架空の定期預金証書が使われた、こういうことに実はなっているわけでありますが、こういうものの発端の一つに、不動産業者あるいは不動産にかかわって銀行等が、物件の売買は銀行はできない、しかし取引上物件があってあっせんをしたいという場合に、手数料を取るわけにもいかないというところから、見合いの協力預金を求めて融資をする、こういうようなことが行われたことが一つのきっかけとなっていわゆる架空の証書が乱発されているというような一つの経過もあると思います。しかも、この低金利時代には流動性預金の中に、都銀の中では約三五%が協力預金だというふうにも言われていたというようなお話もございます。こうなってまいりますと、銀行の優位的な地位を利用した信用創造の逸脱した行為ではないかというように実は思われるわけであります。  そういう意味で、かつて歩積み両建て預金が独禁法の関係で問題になった時代もございますが、この協力預金という問題については不公正取引ということで新たな見解を示すべき時期に来ているのではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。公取の方にお尋ねをしたいと思います。

矢部丈太郎公正取引委員会取引部長

○矢部政府委員 独占禁止法で言う不公正な取引方法は、事業者間の公正な競争を阻害するおそれのある行為でありまして、その中の優越的な地位の乱用に当たるのではないかという御質問と思います。  一般論として申し上げれば、金融機関が中小企業等に融資を行う際に、その融資を受けようとする者に定期預金等の拘束性預金の預け入れを求めることは、その金額、方法、金融情勢等によっては、金融機関の取引上の優越的地位の乱用として独占禁止法上問題となる場合もあると考えられます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 時間がありませんから、これはいずれ事態の進展を見ながらお尋ねをしたいと思いますが、せっかく官房長官がおいでいただいておりますので、そちらの方の問題を先にちょっとお尋ねをしたいと思います。  今度の一連の不祥事件ということで、証取法に違反するかしないかとか、あるいは不公正取引の条項にどうであるかとか、株価操作はどうなのかということで、いわゆる法律なり通達に照らしたさまざまな議論が展開をされてきましたけれども、しかし、結論的に申し上げますと、証取法の百九十五条の二には、これは独禁法の定めを決して排除するものではない、つまり優先する、こういう実は規定にもなっているわけでありますから、これほどの社会的、政治的問題になっていることについて、大蔵省なり国会の動向を見るというのではなくて、みずから行動を開始すべきではないか、こういうふうに実は思うわけであります。  そういう意味で、これからの証券・金融の検査なり監督機構のあり方がどうなるかということは、これからの議論でありますけれども、それとはかかわりなしに、公取委の構成について、少なくとも大蔵、通産等の地位の高いところに在籍した方については、今後委員等には任命をしない。これは国会の承認事項でありますから国会にも責任の一端があるわけでありますけれども、今後のあり方として、この際、公取委と通産、大蔵などは距離を置くべきではないか、こう実は思いますが、見解をお尋ねしたいと思います。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 公正取引委員会の委員は、年齢三十五歳以上で、法律または経済に関する学識経験のある者のうちから内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命することにされておることは御承知のとおりでございます。  公正取引委員会の行政は、経済の広範な分野における事業者の活動を対象としており、かつ処分に当たり準司法的手続がとられるなど、法律、経済に関する豊富な知識と高度な専門性が必要とされることから、法律関係の学識経験者と経済関係の学識経験者をもって構成をされております。  そこで、現在の公正取引委員会の委員ですが、いずれもこのような観点から、法律に定める資格要件を有する者のうちから両議院の同意を得て任命したもので、人格、識見ともに秀でた人物であって、法律を厳正かつ公正に運用しているものと考えております。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 これからのいわゆる再発防止問題の中で改めて議論をしたいと思います。一  一番お尋ねしたいところで時間がなくなっちゃったのでありますが、実は九一年の三月期の四大証券の決算についで、五十億六千七百万円の取引責任準備金の取り崩し、いわゆる事故補てん、これが行われたということが明らかになっております。  証券年報を見ますと、元年度の年報では、事故は増大の傾向にあるということでわざわざ項を起こして説明をしている。ところが年報の二年度になりますと、この証券事故問題の記述は消えてしまっているというようなことでございますけれども、この五十億六千七百万円の証券事故補てんでは、野村が前年の三十八倍、これは何をか言わんやという感じでありますが、こういうことでありますけれども、その原因は、ノルマ達成のためのいわゆる無断売買、それから書面などでの補てんの約束、こういうことが原因であるというふうにされているようであります。野村証券が急増したという原因は想像がつくわけでありますが、この書面などで補てんを約束したというのは、一証券マンが勝手にやったのだから、今度は事故補てんだよというのでは済まされないのではないか。しかも三十八倍。となれば、従来の補てんのようなケースが依然として連続していたのではないか、実はこう想定をするわけでありますけれども、書面などで約束をしたという内容については、具体的にはどういうことなのか。  それから、これほど決算の状況が明らかになった。つまりこれを事故補てんにするかあるいはどうするかという経理上の処理をするということについて証券会社が決算処理の上でいろいろな検討をするということになれば、従来言われてきた損失補てんというものの類似物があるかないか、これはどちらに入れるかというような問題は当然決算処理段階で議論をされているものというふうに考えて当たり前だ。こうなってまいりますと、特別検査で、内容が正確に整理されたかどうかは別にして、状況の一部は把握されているのではないか、つまり従来のような損失補てんがあるかどうかについて。そういうことも含めて御答弁をいただきたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 確かに御指摘のように、証券取引責任準備金の取り崩し額が三年三月期、四仕合わせまして約五十一億円に上っております。そのうち、例えば野村証券を見ますと、前期二年三月期は取り崩しか三千万円であったものが三年三月期には十三億円ということになっているわけでございます。  この証券事故による取り崩しの中には、外務員が損失保証というような法律に触れるような行為を行った、そういうことで証券事故になったというようなケースもあるわけでございまして、そういうケースにつきましては、これは外務員が違法行為を行うということで、これは文字どおり証券事故のそのものの定義でございまして、それにつきましてお客と証券会社が話し合いをし、それについて話し合われた結果、顧客に生じた損失の一部を証券会社が負担する。これは外務員が行いました行為についての民事的な証券会社の責任というのがあるという規定が証取法上あるわけでございます。そういった規定に基づいて、証券会社が証券事故として、これはすべて協会に届け出をされて、その都度届け出がされるわけでございます。私どもも証券会社の決算のときには、この証券取引責任準備金の取り崩し額というのは当然決算で明らかになりますので、協会に届け出られました証券事故というものに基づいて、この証券事故に相当するものが取り崩されているかどうかという点はチェックできるわけでございますが、今回問題になっておりますような損失補てんというようなものにつきましては、証券事故と違いまして、そういうふうな手続がとられていないわけでございまして、決算の段階で必ずしも把握できるというわけにはいかないという点を御理解をいただきたいと思うわけでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 時間が参りましたので、質問を終わらせていただきますが、答弁の漏れもございますし、大蔵委員会でまた機会があるでしょうから、改めてやらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて佐藤君の質疑は終了いたしました。  次に、松浦利尚君。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)委員 私は社会党のきょうの最後の質問者になりますが、時間がありませんから簡潔にお答えをいただきたいと思います。  一月の十八日から野村証券の定期検査に入っておられると思います。三月にもう既に定期検査の結果が出されておると思うのでありますが、まず第一点としてお尋ねしたいのは、証券会社が発表いたしました各企業ごとの損失補てん、それ以降の損失補てんがあったのかなかったのか。企業名は結構です。これが損失補てんがあったのかなかったのか、お聞かせをいただきます。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 野村証券に対する定期検査は本年の一月十八日に開始をしたわけでございまして、その後、この定期検査は各臨席検査あるいは局内での検討等を経まして、現在主任検査官が講評をした段階でございます。検査手続といたしましては、主任検査官が主任検査官としての検査におけるいろいろな印象を交えながら講評をいたしまして、椎間書を会社側に渡すわけでございますが、その推問書に対して証券会社の方からいろいろな改善策等が答申をされるわけでございます。その答申の段階がまだ終わっていなくて、検査はそういう意味では完全には終了をしていないわけでございます。  その段階で私ども特別検査に引き続き入ったわけでございまして、定期検査におきまして、今御質問の二年三月期以降の損失補てんの有無ということも当然検査の対象にしたわけでございます。検査の内容におきまして、損失補てんのどうも疑いのある取引というものがある程度あるということは把握しているわけでございますが、今申し上げましたように、それについての会社側の考え方というものが答申という形で出ない間に特別検査に引き続き入っておりまして、その特別検査の中でさらに精査をしているという状況にあるわけでございます。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)委員 今言われたように、損失補てんがあるということを言っておられますが、今度の通達行政について、出し方がまずかったのではないかという局長の何か反省めいた答弁がここで出されておりましたけれどもね。通達の時期のあいまいさについてね。  ですから、問題は、証券会社側が反省をせずに、何か大蔵省の方の通達行政についてのみ反省が出てきておる。しかも、補てん額の約七〇%近くは通達が出た後出されておる金額なんですよお。そして、現にまた今調査をして、一月十八日から検査に入っておるが、その中にすら、あなたは今損失補てんの疑いがあるものがある、こう言っておられる。結局今度のこの一連の不祥事件の最大の理由は、会社側がらあなた方がなめられているのです、結局。法律をどんなに変えようが、法律をどんなに修正しようが、あなた方がなめられておる行政が続く限りだめなんですよ。基本的にはここに問題の本質があるのです。私は予算委員会でも、あなた方の姿勢に襟を正してくれと言った。大蔵大臣ばかり襟を正したってだめなんだ。大蔵の官僚自身が襟を正さなければだめなんですよ、幾らやったって。だから私は、損失補てんの問題についても、一月の十八日に検査があって、現に三月にはもう終わっている、大体。損失補てんがあっなかなかったかぐらいは、これは委員長、そういうための委員会なんだ、特別委員会なんだ。それを依然として、検査官の報告がない、野村証券に質問書を出して、こういう事実があるじゃないか、野村証券側からその回答が来なければ一つの文書として成り立たない、だからここで発表しない、正式に。こういう行き方をやっておったら、幾ら審議を続けたって結果は出てこない。  私は、そういう意味で、浦さんが予算委員会で暴力団の援護射撃をしたという発言をした、その問題に継続して、今から株価操作の問題、暴力団とのかかわりについて具体的にお尋ねをいたします。簡潔にお答えをいただきます。  まず第一点。これはチャートブックという、毎週毎週証券関係について出されるグラフです。大蔵省の証券局はこれを持っておられるはずです。いいですか。この東急電鉄株のグラフを見て、東急電鉄株は九〇年三月期で一株配当が五円、そういう企業がこれは最高三千六十円のグラフに上がって暴落をしておる。急激に上がって暴落をしておる。これが五千円に上がるということが想定できますか。このグラフで五千円といったらはみ出すんだ、このグラフから。そういうことが想定できますか。あなた方はこれをいつでも見ておるはずだ。想定できるかどうか聞かせてください。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 個々の銘柄の株価につきましては、私ども行政の立場としてどこが適正かというようなことを判断する立場にないわけでございますが、個々の株価といいますのはいろいろな要因で形成をされるわけでございます。まあ、その個々の株価、これは株価はいろいろな要因で、需給関係により決まるというようなことでございまして、この東急電鉄株につきましてどこまで上がるかというようなことを、私ども行政の立場として当然判断できる立場にもございません。株価はすべていろいろな投資家が株式市場に参加することによっていろいろな評価が行われて、需給で株価が形成をされるわけでございまして、その材料については、我々は一々その材料の評価をできる立場にもございませんし、五千円に上がるかどうかという点について行政の立場と言われましても、私どもとしては、それに対しては何とも判断しがたいということを御理解をいただきたいと思うわけでございます。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)委員 こういう状況を見て、大臣、これが異常だというふうに判断をせず言いわけをするところに問題があるのですよ。私はこの過程のことを言っているんじゃないんだ。この結果についてどう思うか、今上がると思うか、こう聞いている。玄人でもこんなに上がるとは言っておらない。なぜここまで上がったか、株価操作があったからだ。答えは簡単だ、株価操作があったからだ。  それでは、どういうふうに株操作をしたか。何遍もここで議論が出ました。もう一遍おさらいしましょう。楢崎弥之助さんが「ポートフォリオウィークリー」バックナンバーをずっと出された。十月の二日から東急電鉄株がどんどんどんどん、十月二日、十月九日、十月十六日、十月二十三日、三十日、十一月の六日、十三日、一二十日、二十七日と連続して野村証券の宣伝に登載、出てくるわけですね。これはこの前確認をしたとおりなんです。そして何と言って宣伝をしておるのか。年末になったら五千円に上がります、誠備グループ等の仕手グループも買い始めておりますから、浮き株、浮動株ですね、市場に出てくる浮き株が一五%以下に減りますよ、今買ったらお得ですよ、こう言って東京、大阪で顧客を動員している。そういうことについてはあなた方は既に把握をしておられるんじゃないですか。あなた方はこういうふうに結論づけていますね。これはあなたの方の資料ですよ。あなた方が野村証券を検査した結果の資料を私は持っているんですからね。「元年十月に投資調査部が発行している「ポートフォリオマンスリー及びウィークリー」等に膨大な含み資産と三百社を超える強力なグループ力及び渋谷再開発が本格始動との内容を掲げ継続的に営業店に情報を提供したところから近畿・四国本部を中心に全店的にとりあげ推奨販売を行った。」こういうふうにあなた方はちゃんと調査をして結論を出している。そしてまた、「大量販売調査三日間でみると店内シェアが三〇%を超える店が多く」、この数量、店の数はあなた方は三百二十店中百六十四店というところまで調べているんだ。「一銘柄に偏向した営業が行われている。」まさにこれは五十四条違反なんだ。「また、顧客の売買状況をみると当該銘柄を短期に回転売買しているものが多数認められ、売買高の増加、価格上昇の主因となっている。」と結論づけられておるんです。認められますか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 御指摘の点につきまして、確かに定期検査の講評におきまして、この東急株の推奨の状況、あるいは非常に偏っているという点の指摘をしているわけでございます。この点につきましては、その定期検査の講評の中では、非常に偏った推奨を行ってい名、つまり投資勧誘のあり方に問題がないかということで指摘をしているわけでございます。そういう意味では、御指摘の五十四条の問題は、我々は非常に問題意識を持っているわけでございまして、五十四条は、過度の勧誘をして公正な価格形成を損なうおそれがある行為をしてはいけない、こういうことになっているわけでございまして、この投資勧誘のやり方については非常に行き過ぎがあるのではないかという問題意識を持って、さらに現在、必要と認められる場合には、この勧誘が行われた対象の投資家に対しても、その勧誘の状況について事情を聞くなりということで検査を進めているわけでございます。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)委員 それでは、なぜそういうことが行われたか、暴力団関係をお尋ねをいたします。  石井進関係で、相島功、これを発注・受渡者とする野村の七口座、それから大場税理士を発注・受渡者とする日興の四口座、これを中心にして元年四月、五月を中心に十一月まで二千七百三十九万三千株を買い付けている。この事実については、これはもうこの国会で何遍も言われたことですから、間違いない事実だと思います。  そしてまた同時に、この当時、横井英樹グループ、ニュージャパンの横井英樹グループ、それから安達建之助グループ、それから出雲物産、東成商事、これは旧誠備グループ、それから富国産業、これは今容疑者になっております許永中関係、それから大阪の料亭のおかみ尾上縫、あるいは小谷光浩、こういった者が一斉にこの東急株に食いついている。その中で横井英樹グループ等はもうかっておるが、尾上縫は十二月の高いところで買わされて、これは損をしておるのですね。そういう事実について、これは事実だと思いますが、そのとおりでしょう。そのとおりですね。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 今御指摘のありました東急株の一連の売買におきます内容につきましては、私どもも検査で把握をしているわけでございます。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)委員 その石井が株を買い占めた状況についてあなた方は把握しておられる。これはこういうふうになっていますね。「価格形成の状況」、元年四月から五月にかけて「石井関係の買付シェアは、四月二五・二%、五月二〇・五%と高いものの、全体には一日で十ないし三十万株程度の買発注を数回出す程度であり、買上り買付、下値支えとなるものは少ない。従って、株価は、買付の始まった四月十一日から五月末まで千六百五十円から千七百二十円に推移しており、石井関係の買シェアは高いものの、価格形成上特に問題」はないんだ。だから、石井が買い付けを終わった瞬間まで、九月の末までは東急株は安定しそおる、異常はない、こういうふうに、私たちもこのグラフでそう思いますが、そのとおりでしょう。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 確かに、その暴力団関係者が大量の株を買い集めた時期は、株価はそれほど上がっていないというふうに把握をしております。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)委員 そして十月になって、先ほど言ったように、野村がこういう宣伝を開始するのですよ。そして御承知のように、十一月の七日というふうにここではたしか議論があったと思うのでありますが、株が一定のところに上がったところで、その株の評価に見合うものを融資しておるじゃありませんか。関連企業が融資をしておる。その株を担保にとって、上がった東急株を担保にして十一月の七日の日に四百八十億近くの融資を日興並びに野村の系列ノンバンクがやっておる、三百七十億ですかね。もう明らかに石井組に対して、株のつり上げをして、そしてそれを担保に入れさせて融資をしておるじゃありませんか。これはもう完全に見え見えじゃありませんか。私が今言っておるのは、これは場外で行われておる行為なんですね。大体株価操縦というのは、外側のお客さんをたくさん寄せてこなければ玉が出ない。株がない。株の売買がなければだめなんですから、外側でだんだんだんだん宣伝をする。宣伝をしただけでは何にもならないから、今度は市場の中で操作をするんですよ。その市場の中でどういう手口があるのか。  私はここで、今捜査段階に入っておるそうですから、ただ一つ一般の例としてお尋ねをさせていただきたいと思うのです。こういう方法がとられるんですね。市場執行状況を見ると、市場執行の場合、買い付け勧誘された顧客の大量の成り行き注文を寄りつき時に集中させた結果、高い寄りつき時シェアで前任終わり値よりも高い価格で寄りつかせる。前日よりも高い価格でまず寄りつかせる。そしてこれは、松本委員が指摘をしておりましたが、玉ですね、株の手当てのため自己の大量指し値による下値支えが反復されるんですね。要するに、株の高騰をさせるためには浮き株を吸収してしまわなければいかぬのですよ。浮き株を吸収させるためには指し値をして、ここまで下がったらここで全部買う、さらにここでやってここで全部買うというふうに下支えをするんですよ。上を上げるように下に出てきた株を全部吸収する。ところが、買いに対して株の数が少ない場合は板寄せということが行われる。それは、一時株の売買を中止して、一定の売りの株が出てくるまで立ち会いを中止しておくんですよ。そういうことまでこの東急株ではやっている。  そして、もっと問題になるのは、委託注文の執行に当たって場の状況に応じて指し値を成り行き執行している。要するに計らい執行を行っておるんですな。これだけで買ってくださいと言っても、株がどんどん上がるから、成り行きで株価をつり上げていく。結局下支えをして上を上げていくんですよ。これを反復、反復、反復、野村はやったんじゃないですか。外では顧客の動員をどんどんやった。株の中では場立ちめ人たちがこういうことをやる。これは仕組まれなければできないことなんですよ。どこかに参謀本部があって、そこで統帥権を発動しなければできないことなんだ、これは。大本営があるんですよ。それをこの前の田渕さんは、株価操縦はありませんとここで言い切ったんです。これが株価操縦でなければ株価操縦というのは成り立ちません。ところが今まで百二十五条を発動したことがないんです。だから、今まで仕手集団とかなんとかでこういう手がさんざん使われてきたんです、今までも。しかし、それを取り締まってこない。これでも大蔵省の内部では、株価操縦ではありませんと一一言う人がおるんですよ。だから、大変失礼なことだけれども、株屋さんからなめられておるんですよ。やりっ放しだから、幾らやったって、これも株価操縦でない。片一方では通達行政だけ。通達行政なんか守らなくたってへっちゃらだ。特別委員会が開かれた。特別委員会開かれたって調査した内容は私たちに見せちゃくれない。大蔵省が、あんなのは規律があるから、規則があるから出すわけにはいかぬと言って、恐らく防波堤に立ってくれるでしょう。これでは、泣くのはだれですか、こういうことを許しておいて。  私は、今一つの例として具体苗な例を、これは証券会社の人にも来てもらって確認をしました。株式評論家の人たちとも話し合ってきました。ところが、今までこれが自由奔放にされてきておるんですよ、市場の中で。この点について局長、どうですか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 確かに、今御指摘いただきましたような市場の状況というものも私どももある程度把握し、また把握に努めているわけでございます。ただ、百二十五条に言います相場操縦といいますのは、大きく四つの要素がございます。一つは、有価証券の売買を誘引する目的というもの。それから二番目が、単独あるいは他人と共同して行う。それから三番目が、売買取引を繁盛であると誤解させる、あるいはその相場を変動させるべきという要素。それから四番目に、一連の売買取引を自分で行う、あるいは委託をする、受託をするというような大きな四つの要素が百二十五条の株価操作の規定としてあるわけでございまして、具体的な事実を今申し上げたような要素にどういうふうに当てはめていくかというところが非常に問題として、この具体的事実をどこまでこれに当てはめられるかというところが従来から問題になっているわけでございます。決して、株価操作を初めから全くその疑いがないというようなことで検査をしたり、あるいは取引、売買審査、日々の取引の審査をしているわけでございますが、そういった市場における手口あるいはその投資勧誘の状況、そういうものを総合的に勘案して、今申し上げたような四つの要素に全体の事実が該当するかどうかということになるわけでございます。しかも百二十五条は、これは罰則でございまして、結局裁判ということになるわけでございます。具体的な事実をいかに収集し、それをこれに当てはめて、この百二十五条違反として認定できるかという点につきましては、私どもだけではなくて、これは捜査当局あるいは司法当局と御相談もしなきゃいけない問題でございます。  今御指摘になりましたいろいろな事実、私どもも把握をしておりまして、この東急株の件につきましては、従来から申し上げておりますように、非常に問題意識を持って、今申し上げたような要件に該当するような事実を特別検査においてできるだけ把握するように努力をしているところでございます。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)委員 大臣、私は、私たちも今度この事件が起こって株の問題等勉強させていただきましたが、大臣も微に入り細に入りは御存じないと思う。しかし、実質的にはこういうことが慣行として実はなされてきておるわけですね。しかも、その最大理由は何かといいますと、この前の田渕証人の発言に端的にあらわれているんです。それは、私は株価操縦はないと思います、しかし、行き過ぎがあった点についてはおわびをいたしますと、こういう言い方をしておられるのです。だから、初めから百二十五条違反にはならないと、このことを思っておるのですよ、やっても。どこに原因があるのか。やはり法律に抜かずの宝刀としてあるだけで何にもしなかったからなんです。五十四条につきましても、今までやられたことがない。行き過ぎた株の勧誘というのは多くの庶民が泣かされているのですよ。  先ほど証券局長がこの委員会で言われたように、勧誘するときには、ノルマを課せられた勧誘員が外務員の資格を持って回っていくときに、勧誘するときに、本当は違法なんだけれども、利回りでこれだけ確保しますから入ってくださいと勧誘せざるを得ない、ノルマが上がらぬから。そうしたらトカゲのしっぽ切りで、わかったらその勧誘員だけが切られるのですよ。大もとのところは切られない。やらしておる大本営のところは全然何のこともない。ですから、この前の田渕さんのような無礼な発言になるのですよ。この前、浦参考人が来たときにも愕然としたと言われましたけれども、恐らくこれはもう認められたように、そういう経過として把握はしておられるのです。どう思われますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 たまたま昨日の日曜日を利して改めて「ザ・ハウス・オブ・ノムラ」という本を本院における御審議とあわせながら振り返って読み返してみました。さまざまな思いをしながら読んだことも事実であります。  また、証券局長が先ほど来御答弁を申し上げておりますように、問題意識を持ち、元年の十月から十一月の時期におきましても問題意識を持った、また本年の検査の中において、進行中の検査でありましたけれども、一講評段階でこうした講評を行っているという事実も、先ほど局長は御報告をいたしました。そして特別検査に現在着手しておることも御承知のとおりであります。さらに今日まで本委員会におきまして行われました御論議を今整序した形で委員から改めてお述べをいただきました。それらの問題意識を持ちながら事務当局としても全力を尽くしてくれるものと思っております。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)委員 これは局長、声を大きく荒立てて申しわけなかった七思いますが、非常に残念に思いますのは、これは私は最終的なことを言って申しわけないけれども、もう一遍確認をさせていただきます。  この文書では、これはどこから出た文書とは申し上げませんが、「十月中旬から月末にかけての株価急騰は、野村の一般営業体及び自己の大量の売買を中心に他会員を含めた多数の投資家の参加によるものであり、野村の営業姿勢面及び自己売買執行面に問題はあるものの、株価操作として指摘すべきものは認められない。」こう活字がなっているのです。これは内部的な資料で、私はだれがお求めになった資料とは申し上げません。しかし、こういうことではない。今あなたがお話しになったように、特別検査で株操縦の実態について徹底的に究明をして、場合によっては告発する、そういう対応で臨んでおるんだということをここで御答弁できますか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 確かに東急電鉄株の場合には、非常に難しい問題は、大勢の投資家が参加をし、かつ多くの証券会社が、しかも大勢の投資家の注文を市場に出しているという点があるわけでございます。先ほど申し上げました百二十五条の相場操縦の構成要件、これに事実を当てはめます場合に、大勢の投資家が注文を出した場合に、その個々の投資家の意思決定にどこまで影響を与えたかという問題も非常に大きな要素でございます。これは、基本的には投資家の自己判断で注文を出すということに、証券投資の場合には自己責任原則というのがございます。それをいかに証券会社が働きかけ、あるいは証券会社が投資家の投資勧誘で行き過ぎを行って、そういう自由な判断を狭めたかというような要素も考慮に入れなければいけないわけでございまして、そういったことから申しますと、特定の人間が買い上げるとかあるいは操作するという場合には比較的立証は簡単でございますが、大勢の投資家がいわば動員されているといいますか、そういったような形の場合に、私どもとして調査権の限界もございますし、この百二十五条の要件に事実を当てはめていくというのが従来非常に難しいということで、なかなか確証を得られなかったわけでございます。  今回の場合にはいろいろ御指摘もございますし、私どももいろいろと事実をつかんでいるわけでございまして、そういったものを中心にしながら、さらに特別検査で事実を積み重ね、構成要件の該当性について必要であれば司法当局とも相談しながら検討を進めていきたいというふうに思うわけでございます。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)委員 警察それから弁護士から告訴、告発を受けておられる検察庁、こういう今私が指摘したような問題もこれあり、どういうお覚悟でこの問題に取り組んでおられるのか、お聞かせをいただきたいと思うのです。

井嶋一友法務省刑事局長

○井嶋政府委員 お答え申し上げます。  東京地検におきましては、東急電鉄株のいわゆる株価操縦事件につきましては、告発を受理して現在捜査中であるということは当委員会でも何度も御説明申し上げたとおりでございます。関係者の取り調べあるいは証拠資料の収集といったものを通じて、告訴事実の犯罪の有無につきまして精力的に捜査をしておるということでございます。  その過程におきまして、例えばマスコミあるいはこの本委員会における御論議等、当然検察の方も承知をしておるわけでございまして、いろいろ御指摘のあった点につきましては、遺漏なくチェックをしておるはずでございますが、いずれにいたしましても、私の立場から現時点でどういう見通しであるということを申し上げることはできませんが、捜査をいたしておりますので、ひとつ御了解いただきたいと思います。  先ほどちょっと証券局長からお話もございましたが、証券取引法百二十五条二項の構成要件というのは非常に難しい構成要件と言われておるわけでございます。非常に膨大な捜査を必要とするわけでございますので、見守っていただきたいと思うわけでございます。

國松孝次警察庁刑事局長

○國松政府委員 東急株をめぐるいろいろな問題のうち、警察といたしましては、広域暴力団の首領が二千万株を超える東急株を買い付けていたという事実に暴力団対策上重大な関心を抱いているところでございまして、その買い付けのときの状況、買い付けの資金の流れなどの実態を鋭意解明中でございます。  そうした観点から、東急株の全般的な売買状況、値動きあるいは野村証券の関係者の東急株の推奨行為などにつきましても、警察として実態解明の視野の中に入れておるところでございますが、どういう見通しを持ってどういう捜査をしているかといった具体的なことにつきましては、恐縮でございますが、答弁は差し控えさせていただきたいと思うところでございます。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)委員 大蔵大臣、私は冒頭申し上げたように、これを契機に証取法の改正等が行われるというふうに言われています。しかし、やはり法律を改正しても、どんなに整備をしても、この法律の有権解釈をするのは大蔵省であり証券局であり、しかもそれを具体的に発動せずに、片一方のこの通達行政に頼っていくという、そういうところに私は、なれ合いという、言葉では非常に悪いですが、なめられるとか、そういったものが出てきておると思う。ですからこの際、この問題はやはり大蔵省の、免許を与えた業者が価格操縦なんかしておるということになったら、免許を与えた大蔵省の責任を問われるのではないかというような、そういう発想ではなくて、この際、大臣も徹底的にこの問題は大蔵省を指揮して原因の究明をして、二度と再び起こらないように大蔵省の内部体制を確立していただきたい。私はこれは希望として大蔵大臣に申し上げたいと思うのですが、どうでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 先刻来の御指摘で要約をされましたポイント、それぞれに私どもなりに厳しく受けとめておる問題点であります。  そして、従来の行政手法の中で、業界の保護育成という視点から、私はその必要がなかったとは決して言いません、敗戦後の一時期、そして証券市場が確立するまでの間、私はそれはそれなりの役割を果たしたと思っております。しかし、その保護育成行政から新しい展開をすべき時期を的確にとらえ得なかった責任はある、これは私自身自覚をいたしております。  また、その過程におきまして、通達というものに頼ってまいりましたその結果というものが、今回無残な形で露呈をいたしました。そして、その中におきまして、通達全部を洗い直すと同時に、より自主規制団体が強くなっていく中で、自主規制に移すべきものは通達自身をやめて自主規制団体にお任せをしてしまう、逆に法律化を必要とすることは、法律の中に取り入れていく作業をさせていただきたいということも申し上げております。  私ども今、今回確かに証取法の改正の作業を急いでおります。しかし、それは今回まさに問題になりました損失補てんであり、またその温床となると言われております取引一任勘定取引の禁止といった点にとどまらざるを得ません。その次の段階におきまして、証取審にも御論議を願っております、この株価操縦等の問題についての御見解、それを受けての行動、さらには通達を洗い直した結果、法律に移すべきもの、これを移す作業、そして何よりも世界的な流れの中で、今の免許制、登録制という問題を離れましても、新規参入の行いがたい状況というものを変えていくために、証券・金融相互参入の問題等をも踏まえたより開かれた市場をつくるための証取法の御審議というものをお願いする時期が来る。時間は多少差がございます。一遍にはこれは全部できません。  しかし、その他の問題まで敷衍をいたしませんが、証取法改正というものに臨む私どもの考え方というものを今改めて要約して申し上げ、お答えにかえたいと思います。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)委員 最後に証券局長にお尋ねしておきますが、野村の田渕前会長が、全国紙が東急電鉄株を宣伝をしたことも株価を値上げした影響があったんだというようなことをここで証言されたのですよね。聞いておられたですね。それは十月の二十八日の日本経済新聞なんですよね。私はその後調べてみましたら、平成元年十月二十八日土曜日の日本経済新聞のこの一面トップに「東急グループ M&A防衛へ「株持ち合い」」云々というのが出ているのです、ここに。このことだと思うのです。こういうことが株価上昇に重大な影響を与えますか、どうですか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 御指摘の新聞記事は私どもも見ているわけでございます。この記事がどこまで正確かどうかという問題はあるわけでございまして、ここに書いてありますような株式安定化計画というようなものがあったかどうかというのは、私ども把握していないわけでございますが、こういう記事が株式、東急株の株価に影響があるかどうかというお尋ねでございましたら、それは影響が全くないというふうに考えるというのは困難であろう、何らかの影響があるというふうには私も思います。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)委員 終わります。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて松浦君の質疑は終了いたしました。  午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二十三分休憩      ――――◇―――――     午後一時三分開議

大野明自由民主党

○大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。草川昭三君。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 草川であります。  二十九日の証人喚問で、私の質問に対しまして、田渕証人は、総会屋の紹介で稲川会の代理人と秘書室担当役員が会った、その後野村の本店の営業部長につないだ旨の答弁を行いましたが、その総会屋の名前は失念をした、すぐ思い出すと答えたままになっております。土曜日の日、三十一日でございますが、理事会で委員長にその確認をお願いをしたわけでございますが、委員長からその氏名の御答弁をお願いを申し上げたい、こう思います。

大野明自由民主党

○大野委員長 ただいま草川委員からその氏名について公表せよということでございますが、これは菅野興家氏である、こういう御報告がございました。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 本日は本人もお見えになりませんのであれでございますが、総会屋の方々というのはグループで活動をしておみえになるわけでございますので、私は後日、これはまた大蔵省を通じてかどうかわかりませんけれども、ぜひそのグループ全体の名前あるいはまたリーダーの名前を明らかにされたいことを強く要望をして、検察庁に本問題について質問をしたいと思います。  商法改正以後においても、このような総会屋あるいは暴力団とのつながりが続き、特に本件においては稲川会系の東急旅大量買い付け、その後の株価急騰、株価操作の疑いが強まる中で、そのきっかけになったのが総会屋だ、こういうことになっておるわけでございますし、その名前が本日特定をされました。このような情報に対し、東京地検は東急株の株価操縦事件の捜査を行っていますけれども、検察庁はどのような関心を持つのか、お伺いしたいと思います。

井嶋一友法務省刑事局長

○井嶋政府委員 お答えいたします。  東京地検におきましては、いわゆる東急株の株価操縦事件について告発を受けまして、その関係の捜査をしておることは何度も申し上げたとおりでございまして、その過程におきましては、マスコミあるいは当国会における予算委員会あるいは本特別委員会の御論議、あるいはこの前の証人喚問の証言の問題、中身、そういったものをすべて十分吟味をして捜査を進めておるものと考えておるわけでございます。  ただ、暴力団との関係という委員のお尋ねでございますが、この関係は従来、警察がその実態解明に調査中であるという御趣旨でございますので、私どもはそれを受けましてさらに検討を続けていくということになろうかと思うわけでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 私、今もちろん暴力団ということを申し上げたつもりでございますが、総会屋というものをきっかけに、いわゆる株価操縦あるいは何というんですか、大量取得の後、株が急騰をしておるわけでございますので、そういうことについて、今の情報等は新たな情報としてひとつ重大な関心を持っていただきたいと思うんですが、その点どうでしょう。

井嶋一友法務省刑事局長

○井嶋政府委員 ただいま本委員会におきまして委員長から判明いたしました個人の名前も含めまして、当委員会での御論議は十分参酌するものと考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 じゃ、警察庁に今度はお伺いをいたしますが、商法改正以後においても、野村を初め大手証券業界と総会屋あるいはまた暴力団とのつながりが続いて、今も特定をされたわけでございますけれども、商法違反の取り締まりに当たっている警察としてどのようなお考えか、お伺いします。

國松孝次警察庁刑事局長

○國松政府委員 私どもは、総会屋、いろいろな言葉の使い方があるのでありましょうが、総会屋というものに対する認識といたしましては、企業などを対象に不正な利益を求めて暴力的不法行為を行うおそれがあり、市民生活に暴力団に準ずる脅威を与える者及びその集団というような形で認識しておるところでございます。  会社の役員がこうした人物と若干けじめのつかない交際をするということになれば、それは、商法において禁ぜられている利益供与の罪を犯すおそれが出てくるということは、我々が今まで利益供与罪で検挙した事例からも明らかなところでございます。  いずれにいたしましても、私どもといたしましては、総会屋に対する利益供与というようなものについては今後とも厳正に対処をしてまいりたいというように考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 あわせて、京都府警は、この商法違反である総会屋への現金供与、利益供与の疑いで野村の本社を八月二日でございますか一日ですか、捜索をしておりますが、起訴に至っているのかどうか、その後の進展状況をお伺いします。

國松孝次警察庁刑事局長

○國松政府委員 お尋ねの件は、野村証券の総会担当者が、総会屋に松島グループというのがございますが、そのグループに対しまして同社の株主総会に出席しないように、あるいは出席しても総会を円滑に進行させるということの報酬といたしまして、松島が主催するボクシング興行のチケット購入名下に、昭和六十三年九月から本年四月にかけて数回にわたり合計数十万円を松島の銀行口座へ振り込み、もって松島の株主の権利行使に関し、会社の計算において財産上の利益を供与したというものでございます。  この件につきましては、本年八月一日に関係場所の捜索を行いまして、現在捜査をしておるところでございますが、近いうちに事件を送致する予定でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 近日中に送致をする、こういうお話でございますが、ぜひその推移を見守りたいと思います。   もう一問、警察庁にお伺いしますが、証券局長は、本委員会で、直近の定期検査で多数の営業店で当時東急電鉄株の扱いが大きく、短期間に反復売買の客が多数いることを把握して、問題があるのではないかと野村証券に指摘をしたと言っておりますね。この反復売買の事実が初めて明らかになったと思うのでありますけれども、大蔵省として、証券取引法で禁止をされている株価操縦の疑いが強いとの認識を持ったと我々は受けとめるわけですが、この答弁を受けて警察庁はどのような対応をされるのかお伺いをします。

國松孝次警察庁刑事局長

○國松政府委員 私どもとしては、先ほども御答弁申し上げたところでございますが、暴力団の首領が大変多額の株を買い付けていたということを暴力団対策上重く見まして捜査をやっておるところでございます。一般的に申しまして、暴力団の首領が多額の株を買い付けた、その直後にその株価が急激に高騰したというような事態があったということになれば、捜査当局といたしまして、これまでも暴力団対策につきましてはあらゆる刑罰法令を適用して取り締まりに当たるということを言っているわけでございますから、証取法百二十五条の違反があるかないかということも含めて考えながら、そういうところを視野に入れながら捜査をするというのは、これは当然のことであろうというように思います。  ただ、今回の東急株をめぐる関連の動向につきまして、どういう見通しを持ってどういう捜査をしているかということについては、ちょっと今の段階では御答弁いたしかねるということでございますが、先ほど証券局長においていろいろとこの証取法百二十五条の違反につきましての御認識が述べられましたが、我々といたしましてもそういったような難しさというものは感じておりますけれども、現在の具体的な捜査状況ということにつきましては、私どもとしては今ちょっと御答弁はいたしかねるということを御理解いただきたいと思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 これで最後の質問になりますが、大蔵省にお伺いしますが、田渕前会長は、借名口座の取引について最初の段階で行われていた旨の答弁をしておりますが、その後全くないのかどうか。もしあれば、これは私、偽証罪になると思うんです。改めて事実関係の調査を行って、その報告を本委員会に求めたいと思います。  なお、大蔵省は、通達違反をみずから認めた野村証券に対して、厳重な行政上の制裁措置をとるべきではないかと思うのですが、どうでしょう。  以上で質問を終わりたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 暴力団関係者に対し仮名あるいは借名口座があったということは私どもも把握をし、これは六十三年の通達に違反するわけでございます。この件につきましても、あわせて今回の損失補てんの公表あるいはその前、前後いたしますが、この今回の厳正な社内処分というものの中でそれも厳正に対応を求めたところでございます。  なお、御指摘のこの仮名、借名口座がその後ないのかという点につきましては、私ども調査をいたしまして御報告を申し上げたいと思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 以上で終わります。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて草川君の質疑は終了いたしました。  次に、冬柴鐵三君。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 公明党・国民会議の冬柴鐵三でございます。  さて、私は、ここに平成三年の、日付を明らかにしたくないんですが、ある場所で大蔵省証券局の検査官が講評をされた、ある証券会社に対して。それを恐らく証券会社が細かく聞き取って書き上げてつくったものだと思われるんですが、このものを持っております。それで、これについては後で詳しく聞きますけれども、この日時や講師の名前を明らかにすることをお許しいただきたいのは、当然ながらその証券会社に、私にこれを提供していただいた証券会社に御迷惑がかかったらいけないということをおもんぱかってのことでございまして、私の良心にかけてこれが真正なものであるということは申し上げておきたいと思うわけであります。  その中で、株価操縦についてでございますけれども、「法人絡みの株価形成の問題であるが、行政から指摘し改善を促すという対処を繰り返した結果、最近では殆ど目立ったものは出てこなくなってきている。マニュピレーションの問題は我が国証券市場の信頼性を損なう大きな要因の一つであり、今後も行政は一層厳格に対処する所存であるが、証券会社も自ら厳しい目を光らし社内を指導してほしい。」こういう検査官から指摘をしていられる記載があります。  この中で、今読みました中で、再三「指摘し改善を促す」、こういうくだりがあるんですが、証券局長、そういう事実はあったのかどうか、御答弁をいただきたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 お答え申します前に、まずその講評ということでございます。  これは、主任検査官が検査をいたしまして、大体その検査についての主任検査官としての取りまとめができたというときに、主任検査官が証券会社に対して、実際に検査に当たった主任検査官としての考え方あるいは印象を交えながら証券会社の経営陣に問題点を指摘し、あるいは改善を求めるというようなことを口頭で行っているものでございます。  今御指摘のありました件は、具体的にはどこの証券会社がということはわからないわけでございますが、確かに作為的相場形成の疑いがある行為というのは検査の中でも見つかっている場合が多いわけでございまして、その都度そういう点については、これは作為的相場形成の疑いがある、したがって、そういう疑いを持たれないように改善をしろというようなことは検査の講評で言っているというケースはあるわけでございますので、恐らくそういう点で主任検査官がそのような講評をしたんではないかというふうに思うわけでございます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 また、この主任検査官は、問題点としての指摘の中で、「作為的相場形成」という項を一つ分けられまして、「最も端的に不公正な価格形成を把らえられるのは、終値近辺における関与率の度合いであり、検査においてもその辺りの関与率の高いものに注目している。価格形成に対する判定は実際にはなかなか難しいが、取り引きの内容を含め、証券会社における厳密な審査が必要になってきていると思う。そういう売買があったのを知らなかったでは済まないのである。ひどいところでは東証からの調査や注意が何度もあったにも拘らず、一向に改善されていないケースも見受けられる。」このようにも述べていられるわけであります。  いろいろと聞きたいんですけれども、「東証からの調査や注意が何度もあったにも拘らず、一向に改善されていないケースも見受けられる。」というくだりですが、そういうひどいのも過去にはあったのでしょうか。これは特定の名前が挙がっていませんけれども、そういうものがあったのかどうか、そこらあたりの御答弁をいただきたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 東京証券取引所におきましては、その株式市場におきます取引の手口といいますか、実際の注文の出方を見てそれをチェックをし、株価操作あるいは作為的な相場形成になるような注文がないかどうかというのを日々チェックをしているわけでございます。いろんな銘柄、かなりたくさんの銘柄についてそういうことを調べ、かつコンピューターで一定のものをはじき出すというような自動的な審査基準も設けているわけでございまして、御指摘のような、再三再四注意を受けたというのが具体的にどういう銘柄についてかというのはなかなか決めがたいわけでございますが、たくさん一の銘柄についてそういう審査をし、チェックをしている過程で、取引所が、これはどうも作為的相場形成と疑われるおそれがあるのじゃないかという、あるいは売買の手口がおかしいのじゃないかというような注意というのは、証券会社に対してその都度行っているというふうに承知をしております。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 まあ感覚的なことを伺いましたけれども、相当国民の目のわからないところでいろいろな疑いが濃厚だ。そして証券取引所からの注意あるいは大蔵省からの指摘、こういうものがあったにかかわらず、なおそれに近い行為を重ねるという、そういう不心得なんですね。先ほども同僚議員からも指摘がありましたけれども、そのたび一に大蔵省が行政指導を一生懸命やられたことはわかるのですけれども、そういう積み重ねが証券行一政というものを全体的にゆがめてしまって、今回のような大きな取り返しのつかないような結果を。招来してしまったのではないかというふうに思われるわけですね。  ちなみに、この証券取引法というのは昭和二十一三年に施行された法律だと思いますけれども、この百二十五条あるいは五十八条そして罰則の百九十七条というものに、この長い間の終戦直後から今日までの間で、そういう疑いを持ち、そして証券局自身が司直に告発をした事例が過去にあったのかどうか、その点についてもお伺いしたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 証券取引法百二十五条、五十八条、百九十七条違反の罪でございますが、これにつきましては、私ども、検査の中で疑わしいものがあるという指摘まではいっているわけでございますが、どうしてもそれに該当するという断定ができないということもございまして、残念ながらと申しますか、告発した事例はございません。こういうような問題が起こって、それについて私どもの考え方を言うというようなことはあるわけでございますが、こちらからこれはどうも百二十五条あるいは五十八条に該当するということで告発をしたという事例はございません。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 ここも大変問題なところだと私は認識します。なぜ告発をしなかったんだろう。そういう事例が全くなかったといえば日本の証券市場というのは全く模範的な、世界に誇れる証券市場であったと思うのですけれども、今回泥にまみれてしまいましたけれども、それじゃ、今までそういう事例はつかんだ人はなかったのかといいますと、あります。  法律雑誌である「判例時報」千百三十八号二十五ページには、昭和四十八年に起訴をして、一審判決が実に十一年後の昭和五十九年七月三十一日言い渡された協同飼料株価操縦事件というものを掲載しております。その評論の中で、「昭和二三年現行証券取引法が制定されて以来、同法二一五条違反により起訴された最初の事件であるのみならず、本件については大蔵省証券局と検察庁の見解が分かれ、東京地検特捜部の手によって摘発され起訴されるに至ったものである」、このように言っているわけですね。で、結果はどうか。これは周知のとおりであり、起訴された八名全員につきまして一、二審とも有罪判決の言い渡しかありまして、その東京地裁、控訴審である東京高裁の詳細な有罪判決の認定事実、法律の評価というものが百二十五条の判例法を現に形成しているというふうに考えてもいいと思うわけであります。  これは、大蔵省証券局が専門の分野で、その判断が裁判所で覆されているということになりますね。これは証券行政としていかがなものであっただろうかということを深刻に受けとめてほしい事例だと思います。法律雑誌にそのようなことを書かれるというのは言語道断だと思います。  昭和五十五年に起訴されたいわゆる東京証券金融事件、これにつきましても検察官認知事件です。検察官が立件した事件です。有罪判決です。最近では、昨年四月の光進の小谷光浩ほか一名に係る藤田観光事件も東京地検認知事件です。この間、先ほどの証券局の検査官も講評の中で述べられているように、数多くの株価操縦を疑わせるような株価の動き、人の動き、そういうものが発覚をし、報道をされています。大蔵省証券局は最も多くの資料を収集し得る立場にありながら、実に昭和二十三年以来今日まで、一件のこの百二十五条違反を摘発することができなかったという状況は、もう異常としか私には言いようがないのであります。  これが、大蔵省にはもう任せておけないんではないか、もう頼りは専門外の検察庁だけではないかという、そういう国民の意識の高揚と、米国のSECのような専門で、大蔵省と隔絶をした検査、監督、取り締まり専門の行政機関の設置が必要ではないか、このような議論がなされるに至った原因であると私は思うわけでございます。  まず、私が前段るる述べたことが間違っているといけませんので、法務省刑事局長に、私が述べました点につきましてまず確認をいただきたい、このように思います。

井嶋一友法務省刑事局長

○井嶋政府委員 お答えいたします。  委員御指摘になりました協同飼料株式会社に対する株価操縦事件でございますが、委員仰せのような経緯で控訴審まで判決がございまして、現在、この事件につきましては協同飼料側が全面的に争っておりまして、上告審に係属中でございます。したがいまして、極めて法律的に申し上げますれば、一審あるいは二審、東京地裁あるいは東京高裁で出されましたこの株価操縦、百二十五条の構成要件の解釈につきましては、若干ニュアンスの差があるわけでございますけれども、この点につきましては現在まだ最高裁において有権的なものは出ていないという段階であるということをまず申し上げておきたいと思います。  その上で、先ほど御指摘なりました東京証券金融事件、これも確かに協同飼料と同様検察官認知事件として捜査をし起訴に至ったものでございますし、さらに先般の小谷光浩に係る藤田観光事件につきましても検察官認知で立件をした事件でございます。しかしながら、例えば小谷光浩の事件につきましては、証券局当局から十分いろいろな面におきまして協力をいただいておるわけでございますし、さらに証取法違反では先般インサイダー取引を起訴しておりますが、インサイダー取引の事件につきましては証券局から告発をいただいたということでもございまして、これからも、従来もそうでございますが、これからもそういった専門性を必要とする事件につきましては、検察もそういった当局の全面的な協力を得ながらやっていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 大蔵大臣にお伺いしたいのですが、今私がるる述べましたように、何といっても大蔵省証券局が第一次的に監督、指導の責めを負っていられると思うわけです。しかもそこで法令違反の疑いありということになれば、その点について引き続き調査の上、やはり、内部的には業務課が担当するようですけれども、はっきりと国民の目に映る手続の中で行政処分という、自粛とかそういう相手方の自発的な行為を待つのではなく、やはり与えられた行政処分というものをする責めがあったと思うわけです。  そういう意味でこの百二十五条、株価操縦、あるいは五十八条においても、過般来の答弁を聞いていますと、非常に狭い、厳格な上にも厳格な解釈をおとりになる、そういう態度自体に私は非常に疑問を感ずるわけですが、何といっても法が施行されて昭和二十三年以来今日まで一件の告発もなかったということは寂しいことだと思うのです。大蔵大臣からその点についてのお考えを伺っておきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 先刻、委員から冒頭に主任検査官の講評の内容に触れられながら、まず事実を提起をされ、その上で過去の判例等に照らしての御意見も承りました。私は真剣に拝聴させていただいております。  その上で、もう私は繰り返して申し上げませんけれども、私は、過去からの保護育成の行政を必要とした時代が現実に存したということについては皆さんにもお認めをいただけると思うのです。しかし、それがそのままで今日まで継続をしてよかったかと言われるならば、切りかえるべき時期を既に我々は迎えていたにかかわらず、その切りかえに対して十分対応し切れなかったという責任を私は痛感しなければならないと考えております。  そしてその中におきまして、はしなくも示されましたように、主任検査官は問題点を把握し、相手側に注意を喚起し、指導し、その結果の最終の判定がどうなったかまでは私は存じません。しかし、今その講評を聞いております限りにおいて、一つの事案としてそれを法に照らして処分をするという姿勢よりも、まさに指導によってそうした行為を是正させようとしておるように思います。  今後我々が考えなければならない問題点の一番大きな問題点が、少なくとも保護育成行政から変わらなければならないということが衆目に明らかになった今日において、今後ともとるべき姿勢がどうかということを真剣に考えたいと思います。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 先ほど読みました講評の中でお聞き及びのように、「最も端的に不公正な価格形成を把らえられるのは、終値近辺における関与率の度合いであり、検査においてもその辺りの関与率の高いものに注目している。」というくだりがありました。この株価操縦というものをとらえるのは非常に難しいというのもその次に書かれています。  大蔵省としては、株価操縦ではないかというふうに、いろいろな値動き、人の動きをどのような基準、メルクマールと申しますかでとらえられるのか、とらえようとしていられるのか、その基準について、この終わり値近辺における関与率の度合いもそれだと思うのですけれども、その確認も含めての御答弁をちょうだいしたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 その終わり値近辺における関与率の度合いというのが株価操縦判定の一つのメルクマールであるという、主要な着眼点であるということは、これは御指摘のとおりでございます。終わり値というのがある意味では一日における株価を示す一番大きな価格であるということで。ございます。そういった関係で、この終わり値近辺における関与度、これにつきましては私ども、証券会社が少なくとも自己売買で関与することはこれはルールとして禁止をしているわけでございまして、あとお客、投資家の注文で一体どこまでその関与度があるかというようなことが一つの大きな検討のメルクマールになるわけでございます。  なお、株価形成あるいは株価操縦について一体どういうふうな点をそのほかにもチェックポイントとしているのかということでございます。これは数値的な基準というのはなかなか難しいわけでございますが、やはり株価の急騰、急落の状況、これは一日単位をとるかあるいは一週間単位をとるかというタイムスパンの問題はあるわけでございますが、そういった急騰、急落。で、急騰、急落銘柄が出てまいりますと、その中でどうしてそういうことが起こったのか、証券会社の自己で起こっているのかあるいは特定の大口の顧客の注文で起こっているのかとかいうような問題。さらにその中で特に高値を形成するような注文はどういうふうな格好で出ているのか。あるいは逆の場合もございます。安値を形成する場合もございます。そういうふうな問題。あるいは固定的な、価格を固定するような注文というものが出されてないか。そういった市場におきますいろいろな手口、いわゆる手口と言っておりますが、そういったようなものを見て価格形成の異常性をまずチェックをするわけでございますが、もちろんそれ以外にも一般に新聞とかの報道もございます。そういったようなもの。あるいはさらに証券会社別の手口なども見るわけでございまして、そういった中で株価形成に異常が見つけられますと、先ほど御答弁もいたしましたように、証券取引所あるいは私どもと相談をして、そういった点について証券会社に注意する、あるいはさらに検査においてその点を詳しく調べるというようなことになるわけでございます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 私は東京証券取引所へ参りまして、大変これは外部に出ると、という考慮もございまして、後日、しかしながらということでいただいたものの中に、株価形成の異常性のチェックポイントということで六項目を整理して挙げていられました。一つとしては、一日の急騰、急落、二つ目は週間の、一週間ですね、ウイーク、急騰、急落、三つ目に高値形成、安値形成、それから四つ目に終わり値にかかわる買い上がり、売り下がり、五つ目に終わり値固定、安値固定、六つ目に会社情報、株集め及び株価工作の情報等、こういうふうに整理して、抽象的を言葉でありますが教えていただきました。このような基準は、今証券局長がここでお述べになられたところとほとんど一致していてそごはないと思います。ということは、少なくともこの六つのメルクマールと申しますか、判断基準と申しますか、そういうものに該当するかどうかということが非常に大きな問題だろうと思うわけであります。  東急電鉄株につきまして、この特別委員会では非常に多くの人が多くの時間を割いて議論を進められました。特に東京急行電鉄株の平成元年十月、十一月における野村証券及びその社長のかかわりというものは相当株価操縦の疑いが濃厚である、こういうことだと思うわけであります。  さて、これは今平成三年です。平成元年十月のことが論議されているわけです。二年前のことです。証券局は、この今の六つのメルクマールというのは、一番最後のいわゆる株集め情報ということは、ことしの七月ごろに大新聞が相次いで報道、したところでありますから、それはさておくとしましても、そのようなことが検査の結果、相当程度明らかになったと思うわけであります。これに対して証券局は、今までいつからこれに対して手をつけられようとしたのか、調査を始められたのか、その点についてお尋ねをしておきたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 今申し上げました、御指摘のありました六つの要素、これが一つの大きな株価形成の異常性をチェックする要素になっております。したがいまして、取引所あるいは我々が市場におきますいろいろな価格、株価の動きを見る場合に、今の六つの要素を一応のメルクマールとして株価形成が異常ではないかというところで、第一次的にチェックをする基準になるわけでございます。  そういった点で、この東急電鉄株につきましては、元年の十月から十一月にかけまして、東京証券取引所と連携をして、今申し上げたような六つのメルクマール、あるいはそれに伴います各証券会社の手口といいますか、こういったものについては調査を行ったわけでございます。その段階では、いわゆる株価操作といいますのは、百二十五条で言います株価操作は特定者による意図的な株価の操作というようなことになっているわけでございまして、取引所におきます各証券会社の注文の出し方あるいは手口というものだけから判断をした限りでは、確かに六つの要素というのにはかなり該当をする面がございますけれども、株価操作というところまで確認をするということはできなかったわけでございます。  その後、本年の一月に野村証券に定期検査に入りまして、その定期検査の過程におきましてこの東急電鉄株に対する営業姿勢の問題、つまり投資勧誘の問題について実情を調べたところ、かなり投資勧誘に行き過ぎがあったという点の事実を把握して、その点については問題点として指摘をしているわけでございます。その後、五月に暴力団関係者による買い占めという問題が出てまいったわけでございまして、現在私どもの検査におきましては、今申し上げた暴力団の買い占めの問題、それから定例検査におきまして把握しておりました営業姿勢の行き過ぎの問題、そういうものと、十月に手口として形式的に見ておりました問題と総合的に判断をしまして、さらに必要な事実を収集し、百二十五条の問題についてその事実をいかに当てはめることができるかというのを、検査の。中で収集した事実をもとに判断をしたいというふうに考えているわけでございます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 さて、それでは個別問題に入りますが、東急電鉄株の一日の急騰ということを考える上におきましては、やはり十月十九日の前日比百九十円高というのは、やはり相当な急騰だろう。それで、続きまして、これはもちろ人ストップ高の基準には当てはまるまでには至っていませんけれども、続いて前日比百円高、二十円高、百七十円高、一回十円安つけましたけれども、また百九十円高、そして一日置いて百五十円高、ほとんど一直線に上がっている。そしてまた、その売買高がこれは際立って大きいという、一日でもあるいは月間でももう他にぬきんでて大きいということが指摘されています。すなわち、この一日、いわゆる一つの判断基準としての先ほど来言っています一日の急騰というのは、その前後を含めて考えた場合に、やはりチャートを見ましても十月十九日の百九十円高というのはぬきんでている、こういうふうに評価をすべきだろうと思います。  それから、二番目の週間の急騰というものが、十月十九日からの一週で五百六十円高をつけている。十日をとれば八百円以上の高をつけた。これも、これは大きくアラームが鳴った場面ではなかろうかというふうに判断するわけです。  こういうものはその日の新聞とかで明らかですから、一般投資家も容易に知り得る一つの事例ですけれども、次の高値形成にかかわる買い上がりをしたかどうか、あるいは買い支えをしたかどうかということは、これはもう情報が全部大蔵省なり証券取引所に秘匿されていまして、私自身、これ出していただくのに大変時間がかかったし、これは大蔵省協力していただいて、当然のことだと思いますけれども、こういう情報が一般人からは全然手に入らないだろう。  それから、問題の終わり値に係る買い上がり、売り下がりというものが行われたかどうかということも、これは全くこの特別委員会でも今までそういうことは抽象的には論じられたけれども、具体的に論じられなかったということは、そういう資料が相当苦労しても手に入らないという、そういう事実があります。  そこで、その二点に絞りまして、本日委員長の許可をいただきまして、皆様方の方にお配りをした「野村・日興の自己売買状況」という一覧表、これは大蔵省にお願いをして資料提供していただいた分です。その下の、いろいろわかりにくい表ですけれども、これはその問題の十月十九日、二十日、二十四日、二十五日、二十七日、この五日間における市場における東急電鉄株の値動き、これは十円刻みに動くのですが、それでは一日に百五十回ぐらいの値動きがありますので、三十円刻みの動きを記録をしていただきました。そして、その中で、野村証券が十万株単位以上の株を何時何分に幾らの値段、指し値をして買い付けたかということを全部入れていただいたのがその下につけた別表でございます。  そこで、まず一番目の「野村・日興の自己売買状況」というところから入りたいと思いますけれども、平成元年十月十九日には、さきに我が党の二見議員の質問で証券局長がお答えになりましたけれども、いわゆる自己売買ですね、ディーラー売買、ディーラー売買が四百八十万株と言われましたけれども、正確には四百八十一万八千株の売り、それから買いは、五百二十七万三千株の買い。そしてそれの内訳は、十万株以上の買いだけです、売りはこの際捨象いたしまして、買いだけを取り上げてみますと、十九日の十時十七分に二千百八十円で五十万株の買いを入れた。そして、これは十時四十三分と書かれていますが、下の表と照らしまして四十二分の誤りじゃないかと思うのですけれども、二千百八十円で今度は九十万株の買いをやっています。それから十時五十分、八分後には二千二百円で実に百六十五万株の買いを、自己買いをやっています。そして以下ずっと同じです。  十月二十日につきましても、二百十八万株の売り、七十九万八千株の買い。その日は十時五十二分に二千三百六十円で二十三万二千株を買った、こういうふうに読んでいくものでございます。  十月二十四日は三百四十六万五千株を売って百十七万二千株を買った。その買いの時町はこういうところだ。十月二十五日は売りが五十七万九千株、買いが五十四万六千株、時間はこれ、十月二十七日は三十八万株の売りで七十六万六千株の買いで、その買いの時間はこういうことだ。単位もこういうことだ。こういうふうに一枚目は理解できるわけですが、証券局長、これに何か付加することがあれば御答弁いただきたいんですが。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 この資料は、野村、日興両社の自己売買の状況について、自己売買だけを抜き出したグラフあるいは表でございます。これは自己売買だけを抜き出しますとこういう形に、これは価格あるいは出来高が非常に多いものですから、ごく単純化したグラフといいますか図になっておりますが、こういう格好になっておりまして、あとその間に他社の委託注文あるいは野村、日興の委託注文というものもたくさん入っておるわけでございまして、これは、そういった意味では市場の現実の姿を必ずしも直截にはあらわしてないという感じがいたします。自己売買だけがこういう状況で行われたということが明らかになっているというふうに考えるわけでございます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 先ほどディーラー売買が終わり値にかかわる取引をしてはいけないということになっている、いわゆる取引を円滑にするという目的で自己、ディーラー売買というのは認められていると理解しているわけでありますが、さて、では、この野村の十万株以上の株の自己買いというものがその日その日の取引の中で終わり値形成に関与したんではないかという疑いを私は持ちます。  具体的に私の考えをこの表に沿って述べてみたいと思うわけですが、十月十九日、ちょっと小さい字で左肩に書かれていますが、十月十九日の値動きというものが前場、すなわち九時から十時を経て十一時に、前場終わりまで、そして右側には、一時に始まって二時、三時の終わりということで示されております。そして、前後場のザラバにおける高値、安値が何時何分についたかというのが次の欄に書かれておりまして、九時三十分に二千百四十円という十月十九日の最も安値をつけた時間でございます。そして、六分後の九時三十六分には二千二百円ということで、前場の最高値をつけた時間でございます。それで金額でございます。そしてまた午後の部では、一時七分に二千百九十円、後場の安値をつけておりますが、二時三十八分には二千二百五十円の高値をつけた。そういうふうに読んでいくものであります。  そして次は三十円刻みの値動き。証券市場内では十円刻みで値が動くわけですが、それをここへ書きますと煩雑になります。したがいまして、三十円刻みの動きとすれば、九時二十六分の二千百六十円、九時三十四分の二千百九十円、そして十時の二千百七十円、こういうような動きになっているようでございます。  さてここで、十時十八分、野村は二千百八十円で五十万株の買いを入れました。一番上の四角に囲ったところでございます。その直前はどういう値動きをしていたかというと、二千百七十円と二千百八十円の間で動いていたわけでありますが、そこで野村は二千百八十円で五十万株の買いを入れた。市場は、それによって二千百八十円から二千百九十円、いわゆる十円上げた形での取引に変わったということがわかります。次に、十時四十二分に二千百八十円で九十万株の買いを入れました、野村は。それによって、それまで二千百七十円から八十円で動いていたものが二千百八十円と九十円、十円高のところで動くようになり、かつ、上の段を見ていただきますと、その一分後の十時四十三分には二千二百円の値がついております。私は、これが、十時四十二分に野村が買ったということで多くの買いが入って、直ちに一分後には二千二百をつけたものだ、こういうふうに思うわけであります。そして、八分後の十時五十分には二千二百円で百六十五万株という大量の買いを、自己買いを野村は入れております。これによって、前場は十一時、すなわち十分後に終わるわけでありますが、前場終わり値は二千二百円で終わっております。  私は、この事実から見ますと、十時四十二分の九十万株、十時五十分の百六十五万株のディーラー買い、野村のディーラー買いは前場終わり値に関与している、かかわったというふうに断ぜざるを得ないわけでありますが、証券局長、いかがですか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 このグラフで見ますと今御指摘のような動きになっておりますので、前場の終わり値というものにつきましては、これは、実は先ほど申し上げましたルールはその日の終わり値にかかわるルールでございまして、前場の終わり値ではなくて、最後の値段については、三時に場が終わるわけでございますが、二時四十五分以降は自己の買い付けを入れないというルールが、これは証券会社の中でそういう株価形成をゆがめないためのルールとして、自主的なルールということで存在をするわけでございます。  で、今御指摘ありましたのは、この前場十一時の終わり値に関して野村証券の自己買が、二千百八十円で九十万株あるいは二千二百円で百六十五万株あるというのが前場の終わり値に影響を与えているんではないか、関与しているんではないかという御指摘でございます。  これは率直に申し上げて、私、この間の委託売買の状況あるいは他社の状況が現在のところ、今のところはそれがよく判明しておりませんので何とも判断しがたいわけでございますが、前場の十一時前の十時五十分に二千二百円で百六十五万株の買いを入れたということは、今申し上げましたように終わり値関与といいますのは、最後の終わり値だけの関与を禁じているわけでございまして、前場の終わり値のところはこのルールというものができてない。前場の終わり値というのはいわば途中の経過値段だというような判断もあろうかと思うわけでして、後場の最後の値段というのが株価というものを見る場合に一番大きなウエートを占めるわけでございます。いずれにいたしましても、今申し上げましたように、これだけを見て判断をするというのはかなり難しいというふうに申し上げざるを得ないと思います。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 前場終わり値の値段は途中経過である、こういうことをおっしゃいましたけれども、東京証券市場新聞という日刊紙があります。これにはその日の手口、大きな手口とか出来高が示されておりますが、これは、手口はすべて前日前場をもとにして書かれております。したがって、それが単なる、これは投資家、多くの投資家が見て、そして評価をしているわけでありまして、前場が途中経過である、市場に影響を与えない、そういうことは私は納得ができないわけであります。  現に、続きますが、その日の後場の寄りつきは前場より十円高の二千二百十円で始まっているようでありますが、これは、その休みの時間のうちに買いがやはり入ったからそれの寄りつきで二千二百十円が立っている、こういうふうに見ざるを得ないわけでありまして、投資家は前場終わり値がどういうふうに動いたか重要な判断材料であると私は思います。納得できません。  次に、野村は後場につきまして、一時九分に二千二百円で五十万株の買いを入れています。ディーラー買いを入れています。その直前の値動きは二千百九十円から二千二百十円でした。で、これに二千二百円をつけました。これは二千二百十円の寄りつきで始まったのが、一時七分に二千百九十円というそういう安い値段をつけたので、私は、その二分後に野村が二千二百円の五十万株の買いを入れた、こういう評価しかできないのであります。市場はやはり二千二百円から二千二百十円で動くようになりました。次に、一時三十分にはやはり二千二百円で五十万株の買い、そしてまた一時四十四分にも二千二百円で五十万株の買いということで、値動きは二千二百円を中心に維持された、いわゆる買い支えをしたと私は思います。そして、一番最後ですが、二時三十八分、いわゆる後場の終わる二十二分前ですけれども、やはり二千二百五十円で五十万株の買いを入れております。これは二時二十七分、一分前には市場では二千二百三十円をつけていたわけですが、二千二百五十円をつけることにより、終わり値は二千二百七十円でその日の後場は終わっている。いわゆる当日の終わり値は二千二百七十円で、前日終わり値比で百九十円高、いわゆる一日での暴騰をつけたというふうに私はこの日の動きを見るとともに、その前場終わり値、後場の終わり値にやはり野村証券が重要なかかわりをした、こういうふうに思います。  しかも、この前場終わり値周辺で十時四十二分に買った九十万株、これは二千百八十円で掛け合わせますと十九億六千二百万円相当になります。そして、その八分後に買った、十時五十分に買った二千二百円での百六十五万株は、実に三十六億三千万円になります。合わせますと、この約八分の間の取引で五十五億九千二百万円を野村証券は市場で自己買いをしている、こういうことが私はわかるわけでありますけれども、こういう判断はどこでやったのか。上層部の決裁なくして現場の担当者がやり得るような仕事ではない、素人ながらそのように考えるわけですが、先ほどもどこかにその最高司令官がおったんじゃないか、こういう指摘が同僚議員からありましたけれども、私も全く同じ判断をするわけであります。  そのような点につきまして今鋭意調査中である、このように言われているわけでありますが、いわゆる会社上層部のこのようなディーラー買い、大きな大きなディーラー買いをしているわけですが、決裁関係がどうなっているのか、こういうような点についても調査をして。いられるのかどうか、その点について証券局長の御答弁をいただきたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 お答え申し上げましたように、先ほど前場の終わり値は途中の経過値段で余り大切、重要ではないと申し上げたということでございますが、これはちょっと表現がまずかったかもしれません。  自己売買ルールというのがございます。これは先ほど申し上げましたように、一日の終わり値には絶対に関与しないようにということで、三時の十五分前以降は原則として自己売買を入れないようにというようなディーラー活動についての自主的な抑制ルールがあるわけでございまして、基本的に申し上げますと、ディーラー活動といえども公正な価格形成を円滑にする、あるいはブローカーを円滑に行うという意味では認められるわけでございます。  そういったものについて、特に終わり値関与のところだけ原財として自粛、行わないようにするというようなルールをつくっているわけでございまして、そういったルールとディーラー活動の関係ということから申し上げますと、必要最小限度のディーラー活動の規制ということから、後場だけの終わり値関与を禁止しているというような趣旨でございまして、前場の終わり値まで関与を禁止するのは、ディーラー活動の抑制としてはやや行き過ぎではないかというような観点から、そういうルールになっているわけでございます。  もちろん、前場の終わり値でありましても、非常に著しく自己が関与したということになりますと、これは別の問題が生ずるわけでございまして、自己による価格形成、作為的な価格形成という問題は起こり得るわけでございます。  そういった観点から申し上げますと、今細かく御指摘をいただきました問題、これは先ほどの繰り返しになって恐縮でございますが、あの間に大量の他社の委託注文あるいは他社のディーラー活動、それから野村証券自身の委託注文、投資家からの注文というのが入っておりまして、それを総合的に勘案してみないと、なかなかこの自己売買がどこまでその価格形成に効果を及ぼしたかという点は判断するのが難しいわけでございます。  これは、私どもも率直に申し上げて、行政当局としてはかなりそういう点については実際に場に、市場にいるわけではございませんから、出てきた数字を見ながら判断するわけでございますが、実際に場においてそういうものを審査しておりますのは取引所の審査、取引審査でございまして、そういったところがこれを見ながらどういうふうに判断したかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、その当時は少なくとも人為的な作為的な相場形成というような形の手口というのは認められなかったというふうに取引所は判断をしているわけでございます。  それから、ディーラー活動についての社内の問題でございます。証券会社のディーラー活動、ディーラー売買につきましては、もちろん私ども、検査においてもその点を十分チェックしているわけでございますが、ディーラー活動といいますのは、通常の場合、証券会社はある程度のディーラーポジションを担当部局に渡しておりまして、個々の決裁をとるという形をとっておりません。もちろん、我々もこういうあるディーラー活動が行われた場合に、それがそういう委託されたポジションの中でやられたといたしましても、それについて何らかの問題があれば、さらに社内の調査をするわけでございますが、一般的に申し上げますと、そのディーラー売買について一々社内の決裁をとるというような形はとられておりません。これはまあ取引の迅速性というようなこともございますし、全体としてポジション管理をすることによってリスク管理ができるというような考え方に基づいているわけでございます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 私は、それはそういうことかもわからないけれども、一般人から見て八分間で二百五十五万株、そして五十五億九千二百万円の買い物をするということは、まあ素人ですから断定はできませんけれども、非常に疑わしいし、上層部関与を疑うのが我々の、正常な判断を持つ人間の思考だろうというふうに思うわけであります。  十月二十日に移ります。時間が迫りました。十月二十日は、二回しか十万株以上の取引は入れてませんけれども、十時五十二分に二千三百六十円で十八万二千株の買いを入れております。これが直ちに十時五十四分には二千三百八十円という市場の値を形成しているわけでありまして、これも前場が十一時に終わるのですよ。八分前じゃないですか。八分前にこういう買いを入れている。そして後場は、今言われました、十五分前はやったらいかぬと。そういうことだから全部四十分今、四十五分までにやっているじゃないですか。二時四十一分に二千三百九十円で五十万株の買いを入れています。その日は二千三百七十円で終わっています。  また二十四日は、九時二十一分に二千四百五十円で五十万株を入れまして、すぐに、九時二十六分には二千四百八十円をつけていますね、上の段を見ますと。このように、値段が低迷しているときにこのようなものを持ち込むと上がるということが如実にここの表でわかるように思います。そしてまた、十時三十五分には二千四百八十円で五十万株を入れますと、三分後の十時三十八分には二千四百九十円に市場は動いています。これがその日の前場の最高値をつけたわけでございまして、これに関与していると私は見ざるを得ないのではないかと思います。  二十五日ですが、これも九時十二分に二千六百円を入れています。それが二千六百三十円とずっと動いていくわけですが、九時十四分、二千五百八十円の安値になっておりますが、次の九時五十一分は十五万株の買いで二千六百四十円ですが、これが十時八分の二千六百六十円、そういうような値動きの先導をしたというふうに私は思われます。  最後ですが、二十七日、九時十一分に二千七百円の安値をつけていたのですけれども、九時十一分、その時間に二千七百二十円、高いやって十万株を買いを入れております。それによって、市場は二千七百三十円、あるいは六十円、九十円、こういうふうな動きをして前場を終わり、後場になりますと、やはり一時三十一分に二千七百五十円で買いを入れたら二千七百六十円に十円上げている。一時四十四分にも二千七百九十円の買いを入れることによって、五十一分には二千七百九十円をつけている。こういうことで、やはり野村が買うということがいかに市場に大きな影響を与えているか。  これは証券局長おっしゃるように、これだけ見たってだめだ、ほかの売り買いを見なければそれは判断できない、これは私もそのように思います。  しかし、昭和二十三年、証券取引法施行のときに、野村証券というようなあのような大きな巨大企業、ガリバーが出てくるということが前提とされていたでしょうか。私は、投資家は野村の動き、一挙手一投足を見ながら投資活動をしているという現実があると思うわけです。その先導役である野村が入れれば、みんなちょうちんつけるわけです。その点に対するお考えが、昭和二十三年の思考がとまっているんじゃないですか。世の中違っている、そのような野村の、巨大企業、四大証券の巨大企業の存在というものを前提としたこういう物の読み方というのが、新たな読み方がなければいけない、それがなければ百二十五条はこれまた死文化してしまう、そういうふうに思うわけであります。私も素人だし、大蔵大臣も株やってないとおっしゃいましたけれども、今私が素人なりに素朴に申し上げたことはどのようにお感じ取りでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 これは大変申しわけありませんが、私も全く感覚的に伺っておりまして、大変失礼な言い方をお許しいただくなら、なるほどそういう説明は成り立つのかな、ほかの様子がどうなっているかわからないままに判断はできないけれども、そんな感じで今拝聴をいたしておりました。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 法務省刑事局長に、検察庁はいつも証券局とは違う考えで検察官認知事件を立件し、そして有罪をとっていられる輝かしい経過があるわけですけれども、私が指摘しました前場終わり値近辺における高値形成にかかわる買い上がり、またこの連続した高値形成にかかわる野村の自己買いというものを指摘をいたしましたが、こういう形態での関与について重大な関心を持っていられるかどうか、その点についてお伺いをしたいと思います。

井嶋一友法務省刑事局長

○井嶋政府委員 先ほど来申し上げておりますように、現に東京地検において捜査をしております案件でございますから、具体的なことを申し上げるのは差し控えますが、当然、委員今御指摘になったようなこの国会での御論議、御指摘は十分検察も認識をした上で捜査を進めていくものだというふうに考えるわけでございます。  百二十五条、先ほど来構成要件などが問題になっているわけでございますけれども、先般のたしかこの予算委員会におきまして、内閣法制局長官がこの百二十五条の解釈を述べておられますけれども、それによりますれば、この有価証券市場が作為の加えられない自由な公開市場であることを確保するために、一定の不公正な行為を禁止する趣旨によるものである。したがって、株価上昇をもたらすような買い入れ自体を禁止しようとするものではなくて、先ほど証券局長も申しましたように、相場を支配する意図をもって作為的に相場を変動させる行為を禁止するものである。いわゆる買い上がり買い付け等、取引方法に通常の取引観念から考えて異常と思われる要素があるような場合にその適用がある、こういうふうに説明されております。  この解釈は、先ほど御説明いたしました協同飼料の事件における東京高裁の解釈でございまして、私どもも現在実務的にはこの考え方にのっとってやっておるわけでございます。  したがいまして、今回の具体的事件の捜査から離れまして一般論として申し上げますれば、要するにこの異常な取引に当たる部分と申しますのが非常に大変な捜査の難しい部分でございまして、先ほど来御指摘のようないわゆる手口、売買手口の分析と申しますか解析と申しますか、そういったことが不可欠である、その辺については当然検察も承知をして捜査を進めていくものだというふうに考えるわけでございます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 さて、ちょっと観点が変わります。  大蔵大臣は、この国会に証券取引法の一部改正案を提案をしたいということを重二言明されていますし、また長期的にも、根本的な、相当勉強期間を置いたじっくりした長期的な観点から研究の上、また改正をしたいとも述べていられます。私は、今まで余り指摘されていない点ですけれども、証取法百二十六条二項というのがありますが、ぜひそれを削除していただく改正を考慮に入れてほしいという提案をいたしたいわけでございます。  百二十六条というのはどういう規定がと申しますと、株価の操縦的な行為による民事の損害賠償を求めることを定めているわけであります。そしてその二項は、その賠償請求は請求権者が株価操縦の規定に違反する行為があったことを知ったときから一年間、または当該行為があったときから三年間これを行わないときは、時効によって消滅する、いわゆる我々が短期消滅時効というものをここで定めているわけであります。もうこれは私は全く非常識な規定だと思わざるを得ないわけでありまして、例えばとの東急電鉄株が株価操縦されたかどうかという、こういうものを明らかにするためには、この特別委員会を開き、我々国政調査権でいろいろな資料をいただきながら審議して、なおこれが操縦に当たるのか当たらないのかが今なお判定できない状況にあります。ましてや、この取引によって百数十億円という損害を受けたという人、あるいはある新聞、日刊紙ですけれども、この取引によって数十万円の損害を受けたという人、あるいは検察庁に株価操縦の疑いで告訴をしていられる方の告訴状を払いただいたのですけれども、その中には、東急電鉄株を野村証券渋谷支店長より、東急株は電鉄を中心に昇さん、すなわち五島昇さんですが、死亡して相続問題で株が急騰する、五千円までいく、今からでも遅くない、こういうふうに推奨されて、それで元年十一月七日ごろに同株を大量に買い取った、その結果巨額の損害を受けた、こういう人がいられるわけです。ところが、先ほどの短期消滅時効、知りたるときより一年、これは起こせっこないですね。そしてまた、来年の十月が来れば、そういう行為があったときから三年を経過すればすべて消滅時効。損害賠償は、後に株価操縦だという刑事の判決が出てももうそれは後の祭りでありまして、もう請求はできないという、そういう仕組みになっているわけでございます。  この判断資料は、先ほど言いました一日の急騰あるいは週間の急騰というのは新聞を読んでおればわかりますけれども、じゃ、それの株価操縦者がどのようにその終わり値に関与したのかとか、あるいは株価形成にどうかかわったのかということはすべていわゆる請求を受ける人の手元に秘匿をされていて、我々に、請求者には知らされないわけであります。そして来年の十月が来れば三年がたちます。多くの投資者、いわゆる野村証券のいろいろな推奨を信じて買った投資家たちは、金額の多寡にかかわらず、これは自然の形成された市場で買ったもの、これは自己責任の原則で、自分が得をすればもうかるのだから、損したのを負担するのは当たり前の話です。でも、人為的に操縦をされた市場を、そういうことを事情を知らずに買った人が責任を負担するということはあり得ない。そういうことは許されない。やはり賠償は求め得べきだし、求めるべきだと思います。  そのときに立ちはだかるのが百二十六条二項の規定だと私は思うわけであります。現に、この百二十六条を根拠にして民事訴訟、損害賠償を求めたのは、昭和二十三年この法が施行されてからたった一件です、私の知る限りでは。三菱地所事件、東京地方裁判所五十六年四月二十七日の判決です。結果は、判決の中では、株価操縦をした者、その日時、態様が具体的に主張、立証されていないという理由のもとに請求棄却、原告敗訴、こういう結果に終わっているわけであります。これでは国民は救われないと思うのですね。  私は、法務省民事局長にここでちょっと伺っておきたいのですけれども、証券取引法百二十五条、いわゆる相場操縦の禁止、こういう違反をした者に対して百二十六条に基づいて損害賠償請求をする場合のように、証拠が一万当事者、相手方の側に偏在している、請求する側はもう何もない、こういう場合に、不法行為があったことを訴訟において立証することが実際上困難であると考えるわけであります。ぜひその対策を講ずべきだと考えるわけですが、この証券取引法だけに限局されずに、このような形態の不法行為に基づく損害賠償請求について、被害者救済といいますか、いわゆる対等な、証拠も皆対等な立場で訴訟が行われるような配慮はぜひしなきゃいけないのじゃないかと思うのですが、その点についての民事局長の御答弁をいただきたいというふうに思います。

清水湛法務省民事局長

○清水(湛)政府委員 お答えいたします。  証券取引法百二十五条違反の行為によりまして損害をこうむった者が百二十六条の規定によりまして損害賠償請求をするという事例が、先生御指摘のとおりほとんどないという実情でございますので、裁判実務上具体的にどういうような問題が細かい形で起こっているかという実情を把握しているわけではございませんけれども、相場操縦に関する資料とか、あるいは薬害とか医療過誤、こういうような訴訟で、その証拠に関する資料が被害者の方にはほとんどないというようなものがあるわけでございます。そういう場合に被害者の方でそれらの事実あるいはこれによる損害を主張、立証して損害賠償を請求するということは実際問題として非常に難しいということが従来から言われているわけでございます。  この点に関しましては、一つには立証責任の問題、あるいはもう一つには立証方法の問題ということがあろうかと思います。このうち立証責任の問題につきましては、恐らく具体的な訴訟におきましては、裁判所としてはこれらの資料が偏在しているという事情を考慮いたしまして、例えば医療過誤訴訟におけるように事実上の立証責任の緩和と申しますか、あるいは事実上の立証責任の公平な分配というような形で心証形成をするということが考えられようかと思います。  ただしかし、これをさらに一般に進めて、例えば相場操縦をしたとされる者の方にその事実はないという立証責任を一般的に法律で課すということになりますと、これはいささか、これは大蔵省で御検討すべき問題かもしれませんけれども、大変難しい話ではないかというふうに思います。  次に、立証方法でございますけれども、これは具体的な訴訟の手続の問題として検討する必要がある問題であると考えているところでございます。この点に関しましては、委員既に御承知のとおり、現行民事訴訟法に文書提出命令とかあるいは文書の送付嘱託、調査嘱託等の規定があるわけでございます。これらの制度を活用することによりまして相当程度の立証は可能かと思いますが、しかしながら、御指摘のような訴訟につきまして、一般論として、現行法の証拠収集手続は証拠が一万当事者に偏在する事件については十分対応することができないということから、この点に関する民事訴訟手続は改めるべきであるということが指摘されていることも事実でございます。  既に御承知のように、法制審議会の民事訴訟法部会では、昨年七月から民訴手続の全面的な見直し作業に着手し、現在問題点の取りまとめを行っているわけでございますが、このような指摘を踏まえまして、証拠収集手続の問題を重要な問題として検討の対象としているところでございます。改善方策についてはいろいろな意見があるわけでございまして、今の段階においてどういうふうにするかということを申し上げる時期ではございませんけれども、法務省といたしましては、これらの点についての法制審議会における調査、審議及び答申というようなものを踏まえまして適切に対応してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 最後になりました。私は、この検査官が講評の中で重要なことを言っていられるので、そういうものを逐一聞きたかったのですが、相場操縦の方に力点を置き過ぎました。しかし、この中にはこういうことも書かれておりました。証券不祥事は「一度マスコミに取り上げられれば、たちまち社会的に信用を失墜する事になるのは目に見えている。」云々、こういうくだりがあります。それからまた、「最近の各社の共通の問題として顧客とのトラブルの増加があげられよう。」「過去の不況を知らない未経験者が、好況の続くままに少々のルール違反を物ともせず突っ走ってきたが、ここえきて市況悪化が長引きトラブルの発生に結びついてきたのではなかろうか。」その次にこんなことが書いてあります。「八%の利回りを記載したぺーパーを安易に相手に渡している等、本来あってはならない話しか次々と発覚している。」「損失保証等については「何をかいわんや」であるが、最近投資者も賢くなってきており、テープを取ったり書面を入れさせたりと、なかなか抜け目なく行動する。ようになってきた。」  私、もう時間が過ぎましたけれども、全体的な雰囲気はこういうものなのじゃないかという感じを受けるわけです。  私は、民事部門の消滅時効についても考えていただきたいし「いろいろな課題があると思います。最後に大蔵大臣のこういうものも含めた所信を伺って私の質問を終わりたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今、百二十六条二項についての御論議を拝聴しながら、そういえば昭和四十年代の後半に挙証責任転換についての議論が随分なされたけれども、いつの間にかその議論は消えてしまったな、率直に過去そういう問題について、これは証取法ではございません、しかしその挙証責任転換につきましていろいろな議論がなされていた時期があったが、いつの間にかその議論が終息してしまった、ちょっとそんなことを思い起こしながら今御論議を拝聴いたしておりました。これは民事と刑事のちょうど境目の部分で、到底私がどうこうとお答えできる問題ではございませんし、法技術論的にはさまざまな問題点を含むと思います。  しかし同時に、はしなくも委員が当初お述べになりましたように、そしてまた最後にお触れになりました主任検査官の講評の中で問題点を既に把握していた。しかし、従来の証券行政の保護育成という枠の中で処理をしていこうとしていたのかな、そこに我々が今後反省しなければならない大きな問題点が潜んでいるな、問題点を把握すれば、おのずから私はその社内で処分が済んで済むことがあると思います。そして、それは一々本当に公にする必要はないかもしれません。しかし、やはりルールに移すべき事項あるいは重大な警告を発すべき事項というものが検査で把握されていたとするならば、それが行政に連係される、連係して処置が行われる、その辺の仕組みを我々は真剣に考えなければならない、率直な感想を申し上げます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 終わります。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて冬柴君の質疑は終了いたしました。  次に、日笠勝之君。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 今回の証券・金融不祥事に関しまして、既に証人喚問されました田渕節也前野村証券会長、また参議院で証人喚問を予定されております同前大和証券社長、そしてまた今証人喚問を野党が要求しております田淵義久野村証券前社長、それから参考人質疑として先日この委員会に来られました橋本富士銀行頭取、それからそれを監督する橋本大蔵大臣、不肖私もそうですが、皆岡山県勢ということでございます。岡山県出身、本籍岡山ということでございまして、何かとお騒がせをしておりまして、内心じくじたるものがあるわけでございます。きょう質問されました水田委員も、本日の質問のトリを務めます菅委員も皆岡山県でございます。証取法が大蔵委員会にもしいくならば、その委員長は平沼委員長、これまた岡山県ということで、大変じくじたるものがあるわけでございますが、大臣、御感想はいかがですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 他の方々は別として、本院並びに参議院に在籍します中で批判を受ける立場は私のみと、そのように思います。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 さて、顧客と証券会社とのトラブルの一例が私のところに手紙で参りました。ちょっと簡単に御紹介しておきます。これは広島で起こったことでございますが、東京証券の広島支店のことでございます。  平成二年八月一日、このお客さんが自分の信用余力を東京証券の広島支店の主任に聞いたところ、三千万円ぐらいまだありますよ、そういう返事を受けました。ある株を二千六百万円ほど信用で購入したわけであります。しかし、少し不安が残ったので、もう一度今度は部長に確認したところ、やはり三千万ほどの信用余力があります、こう言われた。ところが、翌日別件のことで電話をしたついでにもう一度また部長に確認したら、大変なことをしました、すぐ伺わせてもらいますとのことで、この方のところに来られた。実は昨日の信用の余力の計算ミスがあり、余力が不足したので現金をくださいとのことでした。私は何度も何度も確認した結果だから、おたくの計算ミスの責任を私がとる必要はないので、昨日の信用買いは取り消してください、こう言って帰っていただいた。その後、すぐ支店長が来て、あなたの株だからお金を出していただく以外に方法はありません、こういうことで、納得できなかったのですが、強引に押し切られてしまいました。  この方は、余力を残して信用を建ててやる取引をしておる方でございます。ところが、御存じの八月、これが一日でございました。八月二日、イラク、クウエート侵攻で株が暴落いたしました。とうとう数千万円の差損が出てしまったわけでございます。もちろんこのことについては日本証券業協会の中国地区協会にも相談いたしますと、そんなことはあり得ない、よく証券業者とお話をしなさいと言うだけで、その後何らの措置もとってくれなかったということでございます。  この具体的な内容については、後ほど証券局長、お渡ししますから誠実に対応してあげていただきたいと思うのですが、こういうトラブルが日常茶飯事にしょっちゅう起こっておる。ちなみに日本証券業協会へのこの種の苦情は、この数年間で結構でございますが、年間どのくらいありますか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 証券業協会には苦情相談室というのがございます。そこに寄せられております苦情でございますが、過去五年間ほど申し上げますと、昭和六十二年九月期で千件、六十三年九月期には千百六十六件、元年三月期、これは六カ月でございますので五百四十七件、二年三月期が千二十九件、三年三月期には千六百十九件というふうになっております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 千件オーダーでこういうトラブル、苦情が持ち込まれるわけです。恐らく今回の損失補てん問題では、大蔵省証券局にはいわゆる小口投資家の不公平だという苦情が殺到しているのじゃないかと思いますが、局長、いかがですか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 御指摘のように私どものところにも電話その他で大変苦情が殺到いたしておりまして、とても数え切れない数に上っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 そこでまた、経企庁の所管でございます国民生活センターの方にも、これは本当に若干ではございますが、株に関するいろいろな苦情も寄せられておるようでございます。私思いますのに、貸金業協会も、いわゆるサラ金問題があった後、苦情処理委員会を設置いたしまして、私がいろいろ聞いておるところによりますと、どうやって自分の債務を減らすかということまで具体的にやっているそうでございます。それからまた、お聞きすると商品先物市場においては各取引所において紛議処理委員会が置かれ、これもトラブル解決を具体的に行っておる。  この日本証券業協会はそういう具体的なトラブルについて誠実に一件一件対応をしてくれるのでしょうか。先ほど広島の方は、証券会社とよく話し合いなさいよと言うぐらいで何ら手を打ってくれなかった、こういうことでございますが、局長とすれば、この日本証券業協会の苦情処理はどの程度具体的に受け付けをし、そしてまた解決へ向かって対応しているか、どのような御認識でしょうか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 先ほど申し上げましたように証券業協会には証券苦情相談室がございまして、そこに先ほど申し上げたような数の苦情が寄せられているわけでございます。私どもとして聞いておりますところでは、具体的に苦情が参りますと、それを相手方証券会社に取り次ぎ、とりあえずまず当事者間の話し合いでの解決を促しているわけでございますが、どうしてもそれがまとまらないということになりますと、調停委員会というのが、これは東京等各地区にございます。まあ、その調停委員会の方に行くことになるわけでございますが、この調停委員会まで行った事案というのは極めてまれでございまして、当事者間での話し合いで解決しているというふうな報告を聞いているわけでございますが、中には、御指摘のように、なかなか協会が間に入って解決するのが難しいというような問題もあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、私の方は協会に対して、当事者間での解決が難しいとしても協会が間に入れば解決可能な場合もあるわけでございます、できるだけ解決に努力するようにということを言っているわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 そうすると、例えば大蔵省へ直接こういうトラブルを持ち込む、また地方財務局に持ち込む、地方の財務事務所に持ち込む、そういう場合、ちゃんとそういうトラブルの処理を、受付というような看板とかそういうのはあるんですか。私は大蔵省に、また財務局にそういう看板、案内板というのは見たことがないんですが、あるんでしょうか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 御指摘の看板というのは特に掲げておりません。それは財務局の場合には証券課というところが大体受け付けておりまして、それはある程度PRをしていると思います。大蔵省の場合も証券局の業務課が受け付けております。私どものところに参りましたのはそういうふうなところで処理をしておりまして、特に案内板を掲げて、苦情処理係というような看板を掲げているということはございません。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 年間千件以上のオーダーのこういうトラブルがあるわけですから、それを監督する大蔵省本省、またその地方財務局、事務所、そういうところにも、ただ証券課だとかいうだけではどこへ行っていいやらわかりませんので、いつでもそういうのはいらっしゃいというような感じで、先ほど申し上げました貸金業協会でも先物市場でも、苦情処理委員会、紛議処理委員会というものがちゃんと看板があって目立つようになっておるわけでありますから、年間千件以上のオーダーがあるわけですから、今後検討をしていただきたいと思うわけであります。  それから、今度は損失補てんの問題に移りたいと思います。先日、この場で日興証券の岩崎前社長に私、尋問いたしました。そのときに、損失補てんの定義がよくわからない、大証券会社の社長をやられた方が損失補てんの定義がわからない、こう証言されたわけなんです。これは、やはり今後証取法の改正をやろうというそのことも日程に今上っておるわけでございます。  大臣、お伺いしますが、今度の証取法改正でこの損失補てんについていろいろ罰則もつけようということでございますが、大蔵省としては、損失補てんとは何ぞやということについての定義をきょうこの場でお聞かせ願いたい。そうしないと、次の証取法改正でまたまた入り口で何かと議論をさらにしなくちゃいけないということになりますので、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 これは委員よく御承知のように、犯罪となる行為類型自体またはその主要部分を包括的に政省令に委任することは、罪刑法定主義の観点から認められておりません。それで、現在私どもといたしまして、証券取引法改正案における損失補てんの定義につきまして関係各省庁などと協議中でありますが、大蔵省としてできるだけ包括的な定義にさせていただきたいと願っております。今、申しわけありませんが、具体的に申し上げることができませんのは、その論議がまだ集約いたしておりません。ただ、例えばこういう行為が損失補てんになるのだということを列記いたしますと、ではそこに書いてないことならいいだろうという行動を生むことも私としては心配であります。そうしたことから、罪刑法定主義というものを踏まえながら。いかに包括的に書くか、表現をするか、関係各省庁等と今相談中でありますので、改正案提出の時点までには当然のことながら確定をいたしますけれども、きょうお答えをしろと言われることはお許しをいただきたいと思います。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 関係各省と今議論されて……(橋本国務大臣「省庁など」と呼ぶ)省庁などと議論されているわけですね。日興証券の前社長が損失補てんの定義がわからないと言うのもうなずけますね。今関係省庁等とすり合わせをしなければ定義が出ないわけですからね。そういうことでは、これは一方的に証券会社が損失補てんした、悪い、何が定義がわからずに自主申告した、こういうことも言えるかと思うのですね。私、別に日興証券の味方をするわけじゃありませんけれども、そういうように思うのですね。きちっとした定義がなきゃやはりこれはいかぬかったと思うわけであります。  じゃ、損失補てんのことについての定義は証取法改正のときには出るのでしょう。そのときに議論をするといたしまして、この損失補てんの全貌といいましょうか全容を知らずして証取法の審議には、これは進めることはできないと思います。そういう観点からきょうは何点かお伺いをさらにしたいと思うわけでございますが、まず、この八九年十二月の損失補てん禁止の通達は全証券会社にこれは徹底をした、全証券会社に徹底をした、そして自主報告もするようにとこう徹底した、こう理解していいんでしょうか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 平成元年十二月の通達は、これは全証券会社に対して通達を出し、まあ、あて先は財務局長あるいは協会でございますけれども、全証券会社に周知徹底させるということで通達を出したわけでございます。それから自主申告の方は、これは実は本省が直接監督をしております大きな証券会社二十二社、大手、準大手、中堅と言っておりますが、この二十二社に対してだけ自主的に点検をして報告をするようにということをその通達を出したときに要請をしたわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 これはなぜ、せっかく出した通達ですからあわせて全証券会社に自主申告を求めなかったのですか。なぜ本省監理分二十二社だけだったのでしょうか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 これは、その当時損失補てんと申しますのが、通達は実は営業特金の適正化も両方書いてあるわけでございまして、営業特金の損失に絡んで行われるという問題意識を持っておりまして、そういう意味では法人営業というものがきっかけといいますか、法人営業を行っている証券会社に損失補てんが発生するということが考えられるということで、法人営業ということになりますと、主として今申し上げた本省が監督しております二十二社ということが視野にあったということでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 第三次にわたって補てんについての各社からの自主報告がありましたですね。トータルしますと六百三十三法人、七十五個人、一千七百二十九億円ということですね。その中には本省監理分以外の関東財務局、近畿財務局の監理分も四社ほど入っておるわけですね。そういうことでございまして、私がこれからお聞きしたいことは、じゃ、今現在自主申告をしてきたところ、また税務調査によってみずからが公表したりまた報告をしてきたところ合わせまして、この第三次発表以外に、二十一社あるわけですが、二十一社以外に今現在証券局の方で掌握しております補てんした証券会社数とか、また補てん先数、まあこれはダブるかもしれませんけれども、補てん先数とか金額を、トータルで結構です。これは守秘義務の範囲外でございましょうからこれは公表できると思いますが、いかほどあるんでしょうか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 既に公表されました二十一社以外に、損失補てん額は極めて小さいということで公表はしておりませんが、それ以外に四社ございます。中小証券会社でございますが、四社で合わせて補てん先が十二件、補てん金額は四仕合わせまして二億円ということでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 それから証券局長、これは今つかんでいるわけですが、やはり補てんの実態の全容解明ということで、通達を出した、これはもう全証券会社に徹底したわけでございますから、最終的に、要は証券会社がどの程度、どれくらいの補てん先にやったという報告はもう求めない、先ほど言われました四社、十二件、二億円、これで一応打ち切りというふうに考えればいいのでしょうか。それとも、最終的に補てんの全容を解明するためには一応全証券会社から報告を求めるのか、いかがでしょうか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 今申し上げましたような非常に小規模なもの、これは、私どもは一つはディスクロージャーのルールということで基準を引いておりまして、訂正有価証券報告書を提出しなきゃいけないような基準になった場合には公表を求めたわけでございます。  それ以外の証券会社の場合にどうするかというお尋ねでございます。これは、先ほど申し上げた通達を出したときにはああいう判断で自主報告を切ったわけでございます。損失補てんというものの定義、これは私どもはそんなに不明確とは思わないわけでございますけれども、いささか境界線がはっきりしないという問題もございます。その点は今度の証取法の改正の中で定義が明らかになるわけでございまして、そういった定義が明らかになった段階で、果たして今申し上げたような中小証券以外にさらに小さな証券会社の中にも補てんがあるのかどうかという点については、これはその定義が明らかになった段階で考えてみたいというふうに思っているわけでございますが、しかし、いずれにいたしましても極めて少額ではないかという感じはいたすわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 さらにお伺いいたしますが、日興証券の前社長の証言によりますと、日興証券内でもかなり以前から少額ではあったけれども補てんはあった、こう証言をこの場でされました。また予算委員会では、またこの証券特の委員会で、証券年報なんか見て八年ぐらい前からいわゆる補てんがあった、これはもう既に指摘をされているわけでございます。ならば、八年前から年次別証券会社数、補てん先数、金額、こういうものはこの場で御答弁いただけますのでしょうか。もし少額で、サンプル調査でわからないといえば、八年間トータルして結構でございますから、八年間トータルでの補てんをした証券会社数、補てん先数、金額、これでも結構ですが、いかがでしょうか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 五十八年ごろからの証券検査におきまして、損失補てんと申しますか、その当時はむしろ特定の大口顧客に対する利益供与、まあ過当サービスといいますか、そういった観点で検査において指摘していた事例が多いわけでございます。ただ、何分定例検査でございまして、定例検査の場合には実は証券会社の営業全般にわたって検査をする。これは、証取法におきます検査というのは行政指導、監督のための検査でございまして、犯罪捜査のための検査でもございませんものですから、証券会社の全体の営業状況あるいは財務状況、内部管理状況等を全体として把握するということをやっております関係で、証券会社がお客と行っております取引をすべて悉皆調査するというようなことは物理的にも能力的にも到底できないわけでございます。したがいまして、どうしてもある支店をつかまえてそれの支店の取引を見る、あるいは本店の営業部の取引を見るというサンプル調査になってしまうわけでございまして、そういうサンプル調査の中で、今申し上げた大口の特定の顧客に対する過当サービスというような取引が認められるという、そういう具体的一な事例を挙げて検査において指摘をしているわけでございまして、したがいまして、その検査をいたしました証券会社について全体としてそういう例がどのぐらいあるのかという点の把握というのは、残念ながらとてもその定例検査ではできないわけでございます。  そういったこともありまして、今、特別検査で検査項目を絞って特に補てんについて検査をしているわけでございまして、そういう観点から申し上げますと、そういったまたま具体的な事例が見つかったものだけを足してみても余り意味がないのかなという感じがいたすわけでございます。申しわけございません。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 では、その検査の中で大口顧客に対する利益供与というのがあったということでございますから、例えば、掌握しておる中で一番大きなのは、では何億円ぐらいあったとか、こういうことはわかるのでしょうか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 一番大きい額というのは、実はそういう視点から調べておりませんですが、幾つかの取引の例は過去の検査において見つかったものがございます。それを申し上げますと、補てんの手口そのものは今回の補てんとほとんど同じようなものでございます。例えば一例を申し上げますと、ある証券会社の場合には、大口顧客、これは法人でございますが、それに対しまして国債をやはりある日に売りまして、同日あるいは翌日に買い戻すというようなことで利益を補てんしております。ただ、これは当時でございますから、一千万とか五百万とかいうようなオーダーでございます。あるいは他の例を申し上げますと、国債ではなくて外債、これはアメリカの国債でございます。このアメリカのトレジャリーボンドを使いまして、やはり安い値段で売って二、三日後に高い値段で買い戻すというような事例も検査で指摘されておりますし、あるいは転換社債につきましても、例えば、名古屋の市場を使って東京の市場との間の価格差を利用して補てんをするというような事例がございます。こういったものをその当時は取り上げまして、大口顧客に対する過当なサービスだというようなことで指摘をしたわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 非常に金額的にも少なかったということだと思うのですね。が、しかし、例の営業特金を顧問つきにするか契約書をとるかということで整理をしなきゃいけない、こういう中でいわゆるどっと出てきた、こういうこともうかがえるわけでございます。  それで、今回の損失補てんにつきましては、私は前から資料を要求しておりましたけれども、補てん先の補てん時期と方法と金額の資料要求をしておりますが、これはいかがですか。もうそろそろ出していただけるのでしょうか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 現在作業を進めておりまして、件数が非常に多いものですから比較的大口のところに絞って、また御相談しながら資料を作成して御報告申し上げたいと思います。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 これは、早急にひとつ資料をお出ししていただくこと在要望しておきたいと思います。  それから、証人喚問のときの話に移るわけですが、田渕証人は、損失補てんについては、野村証券の専務会で補てんやむなしと決定をしたんだ。野村証券の専務さんというと大体ほとんどの方が代表取締役ですね。その会社を代表する方です。そうなってきますと、もう大蔵省の八九年十二月の通達を専務会で堂々と通達破りをする。自己の利益のためには大蔵省の通達なんかもうどうでもいいんだ、とにかく補てんをするんだ。通達なんかどうでもいい、こういうふうなことをここの証言席で言われて、私もびっくりいたしました。このことについて、恐らく大蔵大臣もテレビかラジオでお聞きになっておったか後でお聞きになったと思うのでございますけれども、どういう感想を持ちましたですか。専務会で堂々と通達破りを決定をしたということ、いかがですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 院における特別委員会の御審議、我々自身もまたその責任を追及されている立場であります。その一環として行われました証人喚問、当然のことながら私も重大な関心を持って拝見をいたしておりました。しかし、個々の証言の内容について私から印象を申し上げることは適切ではないと、こう存じます。本院の御審議の中で出てきた証言として私はそれを拝聴しておりました。  しかし、いずれにしても、結果として、大蔵省として出しました通達が全く無視されたという現実が現に存在をいたしております。そして、通達によって取り締まれないものであるならば、法律改正をもってこれに臨む以外に方法がないと思い詰めておりますことは先般来申し上げておるとおりであります。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 それはわかるのですよ。が、しかし、専務会、代表取締役の方がほとんどその場でやむなしという、これは私はもうびっくりいたしました。  そこで、そうなりますと、個々の役員がこそこそっとやるというような感じじゃなくて、白日のもとで専務会でやったということでございますし、これは私、営業自粛の行政指導、四日間というのはちょっと甘いんではないかな。そしてもう一つは、堂々と大蔵省の通達破りを認めた専務さん、これはもう全員が何がしかの社内処分があってしかるべきじゃないか、このように思うのですが、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 先般、処分を大蔵省自身も行ったわけでありますけれども、その時点において判明しておる範囲内において行いました自粛処分あるいは社内処分の内容、これについて今さら私はどうこうと弁解をするつもりはありません。過去の処分歴を見、あるいはそうした場合の先例を見、その上で判断をした責任は私にもございます。ただ、今後、証券特の御審議の中において、あるいは特別検査の中において、新たな問題が発生をいたしました場合において、それで行う処分はまた異質のものとなろうと思います。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 大臣の言わんとすることもわかるのですね。しかし、専務会で堂々と大蔵通達破りを決定したということ、それについて今のような御答弁でございますと、これをもし聞いている方がいらっしゃれば、やはり何か大蔵省と業界と何となく癒着みたいなものがあるんじゃないかな、あれだけ堂々と大蔵通達違反また破りをしてもわずか四日間くらいの営業自粛である、このようにも思われると思うのです。  そこで、そのほかのことでちょっとお聞きいたしますが、私、日興証券の前社長にお伺いした中で四社社長会というのが出ました。何かお聞きしますと、ヒューマンリレーションのために月に一回証券局審議官以上の方とお会いしている、こういうことだそうですが、これは今度、反面お聞きしなきゃいけない。証券局の方では、この四社社長会をどうとらえて、どういう内容のことをこの社長会へ出ていかれてお話をしているのでしょうか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 月一回、私どもと四社の社長との定例の会がございます。この会におきましては、私どもからは証券行政の考え方を説明して、その理解を求めているわけでございます。最近では特にいわゆる制度問題というものが大きく課題としてあるわけでございまして、私どもはそういう機会をとらえて、証券界における競争の促進というものの必要性、あるいは手数料という問題をどう考えるのかとかいうようなことで、できるだけ業界の理解を得ながら、しかも必要な課題の解決に当たっていくという意味で、私どもの考え方を説明し、あるいは向こうの四社の考え方を聞いて、できるだけそういう場を説得の場として利用しているというのが現状でございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 ちょっと証言の内容とは違うのじゃないでしょうか。雑談的に、ヒューマンリレーションを図るため、こうおっしゃっていましたですよ。それが、今の、証券行政を理解を求めるとなると、これはどちらかが偽証ということになっちゃうわけですね。  それはそれでいいのです。私が言いたいのは、どうですか、じゃ四社社長会というのはもうやめたらどうですか、そこに出ていくのは。それがまた大蔵省の業界に対する癒着を一つ私は断ち切ると思うのです。これは大臣も言われました、天下りについては七月二十五日の大蔵の集中審議のときには余りいい返事でございませんでしたけれども、それ以降検討していただいて、二年間云々ということに一応区切りはつきました。この四社社長会も、ヒューマンリレーション、雑談ならやめて、向こうから来ていただく、昼間、堂々と白昼来ていただいて、ちゃんとテーブルを囲んでやられたらどうですか。何か雑談のヒューマンリレーションを図るためにやるのはやめて、正式にきちっと理解を求めるなら求めるということでそういう場を設けてやったらいいと思うのですがね。  大体これ、夜やっておるのですか、昼やっておるのですか。黒澤頭取なんかは、昼行ってお茶一杯、五分間だけで帰ってきましたなんて言っていましたけれども、どうですか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 定例会は昼やっております。昼飯会を兼ねてやっております。雑談会という印象を与えたのは私どもの理解させる能力のないところかもしれませんが、私どもとしては、やはりこちらの行政の考え方を説明してまいったつもりでございます。もちろん御指摘のように、それは何も四社の社長を昼間集めて一緒にやらなくても個々にやればいいではないかという御指摘、これは確かに御指摘として承っておきたいと思います。私どもも、非常に時間の節約ということもございまして、四社に一遍に言うというのが効率的であるという面はあるわけでございますが、それはもちろんそれだけで終わりにしているわけではなくて、各社に必要な分については別途各社長を呼んでこちらの考え方を言い、あるいは向こうの考え方を聞くというような場も設けているわけでございます。これは証券局長室に来てもらってそういう場をつくるわけでございます。  いずれにいたしましても、我々の行政の考え方というものを何らかの形で説明する、その場合に四社集めるというのがいかにも何か会合として適当でないというような御指摘でございましたら、それは十分私ども念頭に置いて今後対処してまいりたいというふうに思います。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 時間が来ましたので、指摘だけして終わりたいと思います。  それは、日興証券岩崎前社長の証言によりますと、石井進桶川会前会長の代理人として大場俊夫税理士が来た。税理士の何々さんとか、三回、あの証言の中で言っております。大場さんという方が税理士がどうかということを、税理士連合会に国税庁を通じてお聞きいたしますと、税理士じゃない、こういうことでもございました。この点についてはまだ参議院の証人喚問のときに、いわゆるそういう名刺を持ってくれば身分詐称でありましょうし、また税理士でないのに税理業務をやれば、これは税理士法違反でございます。この点についてはさらに参議院で証言を求めていくことを指摘して、終わりたいと思います。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて日笠君の質疑は終了いたしました。  次に、吉井英勝君。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 私は、先日来、本会議でもそれから予算委員会、また当委員会におきましても、橋本大蔵大臣の小林秘書、そして赤坂の料亭のおかみへ無担保で十億円の融資ですか、そういう問題などについて質問があり、大臣から答弁がありました、その答弁を聞いておりまして、またせんだって三十日の日に富士銀行頭取の参考人の答弁と照らし合わせまして、少し食い違いがあるのじゃないか、その点についてまず伺いたいと思うのです。  三十日の日に富士銀行橋本頭取の答弁では、要するにこの融資は不正の形でやってい。たようなわけでありますということをはっきり答弁されて、不正融資であったという、そういう立場でありました。  それに対して、二十日の予算委員会で山花委員に対する大臣の御答弁は、「今、不正融資という言葉をお使いになりましたがこというその後に、「富士銀行の預金証書を担保としたいわゆる偽造預金の事件とは全然別のものであります」、そういうふうに答弁をしておられるわけです。  また、我が党正森委員に対する答弁の中の要点は、私、四点ぐらいに主な点まとめていったら出るのじゃないかと思うのですが、要するに尾花という料亭の営業地域の近くである赤坂かいわいでだれか知った方がないかということから思い出して、富士銀行赤坂支店の渉外課長さんであった中村という方を紹介したという報告を受けている。二つ目のポイントは、この方が富士銀行赤坂支店に借り入札の申し込みをされ、平成二年六月から数回にわたって融資の実行を受けているということ。それで、この融資については中村元課長が担当していたということ。三点目は、中村元課長などの不正行為のために正規の手続がとられていなかった。最後に、四点目に、現在は本来の正常な取引になっている。こういうふうになるのです。  富士銀行の頭取のお話というのは、これは不正融資であったということを認めておられるわけです。大臣の答弁というのは、いや、そうじゃないのだということですが、正森議員への答弁をお聞きしておりましても、要するに入り口はやはり不正なんですよね、そこをお答えにならないで、出口のところで正常な形にしたんだ、だからいわゆる不正融資の問題じゃないんだ、こういうふうなお考えのように伺われるのですが、まずこの点確認しておきたいと思うのです。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私の秘書の軽率な行為そのものについて今云々は申し上げません。ただ、少なくとも私自身が小林本人から、また、料亭と仰せられましたけれども、てんぷら店を経営されている方でありますが、の弁護士さん、そして富士銀行から聞いた範囲を総合して今までお答えを申し上げてまいりました。同時に、その方自身は私人でありますから、そのプライバシーに関して私が申し上げることに限度があることも御了解をいただきたいということを申し上げてまいりました。その経緯をもう一度、それでは私なりに知る限り御報告をさせていただきます。  この方は、富士銀行赤坂支店に借り入れの申し込みをされまして、平成二年の六月から三年の五月にかけ、数回にわたって融資の実行を受けられた。そして、その融資につきまして、御引用になりましたように、当初私の当時秘書でありました小林君がたまたま渉外課長の中村さんという方に御紹介を申し上げ、その方が担当をされた。ただし同時に、富士銀行自身もその当時中村さんを全く疑っておられなかった状況の中で、小林にそれ一を疑えということも私は無理だと思うということも申し上げてまいりました。そしてその方は、所有されるそのすべての不動産の明細を提出され、必要の都度担保設定することを申し出ておられました。また、不動産の買いかえのためのつなぎ融資、既往借り入れの借りかえ、新規不動産の購入など、その使途を明確にして融資を受けられたということであります。御本人は富士銀行からの正規の融資であると確信しておられたということであり、再三にわたりまして根抵当権設定登記手続を実行するよう申し入れもしておられました。その後発覚したことによりますと、中村元課長等の不正行為のために正規の手続がとられておらなかった、その結果、富士銀行に調査を求められ、事実関係を確認の上、正規の契約を締結をされ、担保登記手続をも実行され、現在は本来の正常の取引になっている、その間の事実はそのとおりであります。  なお、一点補足をさせていただきますならば、確かに富士銀行はこの取引自体を存じて劣りませんでした。この方に対する融資というものが富士銀行が把握ができましたのは、御本人から借入金の一部を返済しようとして富士銀行赤坂支店中村渉外課長に電話をかけてその返済の意思を伝えようとしましたところ、その方は既におられず、別の次長の方にその電話が取り次がれ、しかも、その方は新規の預金の申し入れと受けとめてお礼を言われ、そうではなく返済であるということを言われて初めてこういうものがあったということを富士銀行は確認をされたと聞いております。そしてその結果、事実照合の上、現在は正規の担保を有する融資になっておる、そう私は報告を受けております。  どうしてもその間の、より以上の御調査が必要であるということでありますならば、私の詳細を伺いました相手側の弁護士さんを後でお知らせをいたしますので、お聞き合わせをいただければ幸いであります。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 私が伺っている点は、入り口はいわゆる偽造預金に基づく直接の不正融資が、ないしは迂回融資であったにしても、入り口は不正融資であったんじゃないか。そのことは富士銀行の頭取も不正なものであったということを認めていらっしゃるわけなんです。その出口は、中村という人がもう退職されていなくなってからですか、最近返そうとしたが、そこでわかった、それで今正規の手続に切りかえられたとか、その出口の話は今おっしゃったとおりだろうと思うのです。  問題は、やはり大臣の認識として、小林秘書が行ったことが、これが知っていたか知っていなかったかは別にして、この富士銀行の今回の不正融資に結果的にはかかわっていたんだ、そういう問題であったんだということの御認識は、まず私は大事だと思うのです。大臣おっしゃったように、銀行融資を紹介すること自体が軽率であった、それはそうでしょう。紹介したそれが正常な融資であった場合と、紹介した、そして不正融資が行われておった、後でわかってから正常に正したというのでは全然違う性質のものなんですね。やはりそのところを、これは事の重大さについての大臣の認識が問われるわけですから、この点を私はやはりきちっと考えられるべきであるというふうに思います。  それから、東洋信用金庫の不正融資事件では、元今里支店長とそれから尾上縫の二人は逮捕されているのですが、大阪地検の取り組みと違って警視庁の方は、告訴されている富士銀行の中村稔元渉外課長や逃亡グループについては逮捕しておられないのですが、これはどういう理由ですか。

國松孝次警察庁刑事局長

○國松政府委員 富士銀行をめぐります不正融資のことにつきましては、本年の七月二十五日に行員三名の告訴を警視庁が受理をいたしております。  なぜ逮捕するのかしないのかということでございますけれども、逮捕権を運用するという場合には、その犯罪構成要件の充足その他逮捕の理由であるとか必要性であるとかそういうもの、あるいはそれらに関する疎明資料がどの程度あるのかということを検討してからでないと何とも言えないといいますか、そういう点は慎重に運用すべきことというのが犯罪捜査規範にも定められているところでございまして、現在までのところ、告訴は受けましたけれども、そういった逮捕の理由、必要性というものを今詰めておるということでございますので、逮捕するしないということについてまだお話をする段階ではございません。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 後で起こった、後で発覚してきた事件の方がなかなか手っ取り早くて、早くからわかっている方が今御検討中ということのようでありますが、これは非常に奇異に感じるものであります。  次に、この富士銀行の不正融資事件などで七月二十五日に大蔵省は事情聴取を行っておられますが、その結果、いろいろコメントも発表されておられることを私も読ませていただきました。  問題は、この赤坂と日比谷と神田駅東の三支店四人だけの問題で、ほかには。いろいろ事情聴取をされて問題はなかったのかどうか、この点も伺いたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 このたび富士銀行から報告を受けました三店につきましては、それぞれしかるべくその事情聴取をしておるところでございますが、現在のところ富士銀行は、この事故者のいわば単独的な行動であるという認識を持っておるようでございます。  私どもといたしましては、これは銀行から事情を聴取することはもちろんでございますけれども、その実態はどうであるかということにつきましては、しかるべき筋の事実関係の解明をもあわせて総合的に判断をしたいと思っております。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 実は、北海道浦臼町といいますと、人口が三千人ぐらいで年間の予算が三十億円ぐらいのところですが、ここでウラウス・リゾート開発というのが進められております。先日も参考人質疑でも我が党児玉議員が質問いたしておりますが、実はこの北海道の浦臼町の開発のための会社の口座が、札幌なり浦臼町に近いところのそこの富士銀行の支店で開設されておるならよくわかるのですが、なぜこれが富士銀行市ケ谷支店なのか、この点について何か調べておられたら伺いたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 富士銀行とウラウス・リゾート開発という会社でございますが、それとの取引は平成二年の四月、全日販という株式会社がございますが、当時副社長でありました花田さん、現在は社長をしておられるそうでありますが、それの紹介がありましたので富士銀行の市ケ谷支店で取引を開始したものである、このように報告を受けております。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 私もいろいろ調べてみたのですが、この市ケ谷支店の支店長と、今おっしゃった元株式会社日計の創設者で、現在、日計もやっておられますが全日販の花田社長ですね、そして今問題になっております中村稔元赤坂支店渉外課長、こういう人たちの間で、非常に仲のいいといいますか人脈がつくられておって、そして例えば市ケ谷支店の支店長とそれから全日販の花田氏らのコンビで現在青森県八甲田山ろくリゾート開発も手がけておられるようでありますし、また全日販の花田氏、それから久松氏、市ケ谷支店長ですね、それから中村元渉外課長、それから富士銀行本店室長らが花田氏のゴルフコンペで一緒にタレントの皆さんともプレーをしたとか、また花田氏と中村元渉外課長とが、園田元外務大臣の四男の方ですか、経営しておられる常陽産業に対して五十億円の協力預金をやってくれという要請をしたりとか、非常にいつもコンビでずっと動いているわけですね。こういう人脈の中で市ケ谷支店が選ばれてきたということでありませんか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 どのような経緯で市ケ谷支店に話が持ち込まれたのかにつきまして、私どもは必ずしも詳しく存じているわけではございませんが、いずれにいたしましても、このウラウス・リゾート開発と富士銀行との取引は、当初平成二年四月以来、いわば正規の取引でございます。それからまた、この富士銀行の本部にありましても、情報企画部というところが担当しておりますようでございますが、その情報企画部で本件を担当しておる者がリゾート開発計画の現地調査などの活動もしているというふうに承知をしております。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 実は赤坂支店のあの問題と少し形は違い。ますが、似たようなトリックを使ったのがあるのですね、今。  市ケ谷支店で実は株式会社ウラウス・リゾート開発公社の保安林解除申請提出書類に必要な資力を示す、資金力を示す残高証明というのを出して、これは百億円の残高証明書、定期預金の証明書を出しているのですが、これは申請書類のための全くの見せ金づくりだったんですね。これは先日富士銀行橋本頭取のお話もありましたが、富士銀行の側がダイエーファイナンスを紹介しているのですね。そして、強くじゃないが要請をしたということを認めているわけなんですね。その結果どういうことになったかといいますと、ダイエーファイナンスからウラウス・リゾートに百億円を融資した形になり、この公社は富士銀行市ケ谷支店にそのまま定期預金をして、そしてその百億円に対して担保設定をやっておりますから全く使えない金。まさに文字どおり申請書類を整えるための見せ金ということをやったわけです。これはすべて富士銀行が中心的にリードしてこういう見せ金づくりというのをやっているわけでありますが、こういう関与について調べておられますか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 ただいまのところにつきましては、先般橋本参考人からの御説明もあったようでございますが、私どもの方で承知しておりますのは、この橋本参考人はダイエーファイナンスに強く融資を要請したということはない、あくまでも開発公社の御依頼によってファイナンスカンパニーを、ファイナンス会社を御紹介申し上げたというような発言をされたというふうに了解をしております。  それから、実際の取引の経緯でございますが、この残高証明の発行の依頼に応じましたのは平成二年五月一日でございます。この残高証明の発行は当然のことながらウラウス・リゾート開発公社からの依頼によるものでございます。  なお、御指摘のダイエーファイナンスからの資金の流れでございますが、これは私どもの方で富士銀行を通じて聞きましたところでは、ダイエーファイナンスからこの四月二十七日借り入れの上、定期預金の作成がされておるようでございます。この百億円につきましてその後どうなったかは必ずしも明確でもございませんが、ただ、いずれにいたしましても、ダイエーファイナンスは現在にありましてもウラウス・リゾート開発プロジェクトに対して融資をしております。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 実は、この申請書が北海道庁や農水省で――提出されたのは北海道庁へ六月二十日なんですね。審査されているときは百億円の定期預金はなかったんですよ。どういうことかといいますと、四月の二十七日に百億円を入金して、今おっしゃった五月一日に残高証明書を書いて、一カ月後の五月二十八日には引き出してしまって、金庫の中は空っぽなんですね。こうして申請書類に基づいて審査をしているときは、北海道庁も農水省も全くこの資金を証明するものについては不正なままに審査をしておったということになっているわけなんです。  私は、銀行局の方は何かそういう形がついておっていいように思っておられたら大変だと思うのです。あれでしょう、偽造された預金証書でもって不正融資をするようなこういう形をつけるやり方ですね。あれはとにかく銀行の方から、私は、公社の関係者やダイエーファイナンスなどからの取材も行っておりますが、富士銀行がダイエーファイナンスを紹介しているのですね。強い迫り方じゃないが、やはり要請しているわけなんですよね。そして、このファイナンスから百億出して、それが富士銀行の方に入って、そしてそれが担保設定ということで形だけつくる。日常的にそういうふうなことがまかり通っているんじゃありませんか。そのことについて私は、銀行局の方がそういう検査というものが非常に甘いということがこういう問題を引き起こしているんじゃないでしょうか。もし残高ゼロのまま審査されておったという事実をつかんでおられたならばつかんでいたというふうにお答えいただいたらいいんですが、これは銀行局、その時点ほどうなんですか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 やや一般的な説明で恐れ入りますが、残高証明書というのは、預金者の請求によりまして銀行がその現況を確認の上、日付、例えば本件の場合は一九九〇年四月二十七日現在と明記いたしました上で、口座番号、金額、それぞれ個別に書き上げまして証明をいたします。その証明がどのような理由であるかということについて、一々銀行の方で把握しているというふうには普通は申せないと思います。  今のお話でございますが、実は、保安林解除申請のためであったというのは私はただいま初めて伺ったわけでございますけれども、この一連の行動で、銀行が残高証明書を求めさせたと判断することはにわかにできないのではないかと考えております。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 いや、私はそんなことを言っているんじゃないのですよ。公社の方が残高証明が必要であったんだから、相談したのか、どういう形になったのかにしても、残高証明というのは確かにおっしゃったとおりにできるでしょう。しかし、それが審査に最も必要な時期には金庫空っぽででも出されておったわけですが、そういう事態を富士銀行の方は承知した上でやっていたんじゃないかということが問題なんですよ。  さらに、今議会の方でも、道議会の方でも問題になっておりますが、二重経理の疑惑の問題もさらに出てきております。これは、ウラウス・リゾート開発が、東京店というものがあたかもあるかのようにして、実際はこれはないわけなんですが、これでもし融資が行われたりしているとなりますと、融資を受けるための文書作成の問題から、公印をどのようにしたのか、つまり偽造の問題とか、いろいろな問題が出てまいります。あるいは、これは公社でもないのに、いかに出資者であるとはいえ、全日販の口座の中にこのお金が潜り込まされておったとすれば、これはこれで問題です。  つまり、こういう問題について、私は銀行局がやはり富士銀行のこういう問題についてきちっとした調査をされるべきだというふうに思うわけです。町議会ではまた、全日販の花田氏、つまりウラウス・リゾートの五〇%出資者となって代表に入っている人ですが、富士銀行から百二十億円の不正融資を受けていた問題であるとか、あるいは今言いました二重経理の問題などについて、これは町議会の特別委員会などでも問題になっているわけですよ。私は、七月二十五日の事情聴取やその後の銀行局の検査の中でこうした問題を一体どのように解明して明らかにしてこられたのか、このことを伺いたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 本件につきましていわゆる銀行検査を行っていることはないわけでございますが、この開発公社の経理につきまして二本立ての経理が存在するのではないかということは新聞記事その他によって承知をしております。これにつきましては、なお富士銀行からの説明を求めたいと思っております。  それから、先ほどから申し上げておりますのを繰り返しますが、ウラウス・リゾート開発と富士銀行との関係は正規の取引関係であるということでございます。実はこの花田さんという方は、全日販の現在は社長を務めておられますが、別途日計という株式会社の社長も兼ねておられる。この日計は、中村元課長が富士銀行の偽造預金証書を使って行った不正融資を受けておった模様でございます。ただし、これにつきましても、日計の花田社長は富士銀行との間で、富士銀行からの正規の融資にこれは途中から切りかえまして、担保を提供するなどの処理に当たり、その切りかえ手続は既に終わっているというような報告を受けております。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 今ウラウス・リゾートの、ここでは疑惑問題が出てくる中で、代表がやめるとかいろいろな問題が出てきておりますが、実は昨年の十月の地鎮祭の資料もありますが、久松市ケ谷支店長が出席をして、本店の内伺いの決裁を得た、五百億円の融資をするというあいさつをされたり、本店の情報推進室長も招待をされ、このときには行かれなかったようですが、後に調査に行っております。それから、中村稔赤坂支店渉外課長も出席し、こういう地鎮祭が行われているわけでありますが、私はここに、このウラウス・リゾートの市ケ谷支店におけるこういう見せ金づくりの問題とか、そして二重経理の疑惑が今出ている問題などについて、これは市ケ谷支店の問題だけじゃなしに、本店も関与してこういう事態が起こっているということは明白だというふうに思うわけです。そして、これが現に浦臼の町議会でも問題になっているわけでありますから、また不正融資を受けた者が開発公社の代表であったりとか、先ほど申しましたように、つくられた人脈の中で、こういうどろどろした問題が今出てきているわけであります。  そこで私は、七月二十五日の日経によると、富士銀行の事情聴取を行った中で、一部行員の不正取引で、銀行ぐるみの不正事件ではないということで、この発表でいささか幕引きかという感じがするわけでありますが、実はこういうふうにあの問題になった三つの支店の四人の行員だけの問題じゃなくて、実は体質的にもこういう見せ金づくりに見られるようなこういう問題とかあるわけですから、私は、富士銀行については本格的な検査をやはりされるべきだと思うのです。この点については大蔵大臣の御見解を伺わせていただきます。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 御指摘の点につきまして順次御説明を申し上げますが、実は関係者の個別の行動につきまして当局が立ち入るには限界がございますことを御理解いただきたいと存じますが、最初に御指摘がございました、市ケ谷支店長が現地に乗り込んで支援を約束したというような報道はございます。これにつきましては、富士銀行からの報告によりますと、市ケ谷支店長が全面支援を約束したとか、五百億円は確保した、絶対に心配ないと発言したとかいう報道については、そのような事実はないという報告を受けております。それからなお、いずれにいたしましても、これは富士銀行としては正規の融資として対応をしている案件でございます。  その次に、富士銀行がこのような事件、実は三カ所で発生したわけでございますが、体質的に問題があるのかどうかという問題でございますけれども、確かにこれは私どもも厳重に指摘いたしましたように、内部事務管理につきまして万全ではなかった。システムそのものはいろいろと工夫してっくったようでございますけれども、そのシステムが十分に守られていたとは言えない状況にあったというようなことはあったように思います。この点は銀行も非常に問題を認識いたしまして、いろいろと改善策に努めておるようなところでございますので、私どもとしては、まずそのような富士銀行の新たなシステムがちゃんとでき上がって、それがちゃんと現場で行われているようになるのかどうか、まずこれを見守らなければいけないと思います。その点は、改善のためのいろいろなプランを支店なり現場なりに徹底させるのになお若干の期間がありますと思いますので、その期間が過ぎた後で、果たしてこのシステムどおりに行われておるかどうかという点を見てまいるのも、一つの着眼点でございます。  なお、銀行検査の実施時期につきましては、これは一般論でございますが、前回の検査からの間隔、それから検査を行う緊要度その他を総合的に勘案して決めさせていただいております。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 私は報道機関の皆さんが取材をされて、実際にその現場で話を聞いて記事にされたものとか、地方自治体議会で問題になっていることについて、ただ一方的に富士銀行の人がこう言っていました、ああ言っていました、それだけの話だったら、銀行局の用をなしてないんじゃないですか。私は、そういうふうな姿勢だからこそ今銀行が問われている問題が出てきているんだということを強く指摘しておきたいと思います。  実は、この点さらに引き続いてやりますが、官房長官、お時間が、ちょうど始まりがちょっとずれてきたものですから、官房長官、次の御予定等の関係で、どうしてもというお話なので、私は一点伺っておきたいことがあります。  それは実は次のテーマなのですが、岩間カントリークラブ会員資格保証金預かり証、金四千万円、岩間開発株式会社佐藤茂という代表名で、これが今大問題になっているわけですね。その問題になっている岩間開発の佐藤茂氏をことし五月の園遊会に御案内をする。これは一体どういう基準で招待をされることになったのか。  また、報道によると、総理府人事課の方は、佐藤氏は。「ある政治家の推薦が総理府に寄せられこそれで選んだんだということになっていますね。私は、これは一体だれなのか、そしてどういう基準であったのか。私は、これは今これだけ大問題になっているときですから、やはり明確にしてもらわなきゃいけないと思うのです。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 園遊会に招待される各界功労者の選考に当たっては、これは勲章をいただいた人とか褒章をいただいた人とか、いろいろありますが、各界において尽力された方々も推薦の中へ入れてあります。佐藤氏については、林健太郎氏が会長をしている東京都の財団法人である合気道義神会の副会長としての活動功績を評価して選考したものであります。  各界の功労者を選考するに当たっては、関係の団体等からの内々の推薦があり、これを参考に選考するケースもあります。しかしながら、このような場合であっても各省庁が自己の責任において適切と判断したものについて選考の上推薦しているものと承知しております。  なお、他から口添えがあったとしても、これは内々のものであり、各省庁が自己の責任において推薦するしかないと判断するものであって、従来からこのような内々の事情を公表したことはありません。  とにかく今後選考に当たってはでき得る限り慎重に対処すべきものと考えております。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 これは政治家の推薦を受けてということが既にマスコミ等でも公表されているわけでありますから、これはやはりちゃんとおっしゃるべきじゃないでしょうか。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 内々の推薦ということがある場合もありますけれども、今申し上げたように、こういう事情は、これはもう決定事項ではないのであって、内々の口添えにすぎないものでありますから、それに左右されるということは各省庁ございません。ですから、このような内々の事情を一々公表するということは今までもございません。まあ、それでおわかりいただけると思います。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 これ、政治家が関与しておったことは言外に認められたわけなんですが、今、今度の国会で、野村証券の問題にしても何にしても、この岩間カントリーの問題とか暴力団のかかわりの問題についてこれだけ大問題になっているのですね。そのときに政治家が推薦しておったということ、口添えしたということは言外に認められたのだけれども、これだけ大問題になっておるときに、なぜその名前を明らかにできないのですか。やっぱりこれはちゃんと、私はここで、どの政治家が明らかにされたのか、回答していただきたいと思います。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○坂本国務大臣 とにかく今まで申し上げましたように、これは各省庁の責任において決定するものでありまして、内々の口添えがございましてもそれに左右されるようなものではありませんし、それから、それに左右されるということも私はなかったと思っております。  それで、この件についてだれが関与しておったかというようなことをお尋ねでございますが、これを、こういうことには左右されていないという信念ておりますので、一々そのたくさんの方々に、こういう推薦人あったかどうか、あったればだれぞとかいうようなことを申し上げるということは、これはかえってその内々の口きいた人が大変な影響力を持っておるように誤解をされても困りますので、今申し上げましたように、事情は公表してはないということでございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 政治家から推薦があった、で、現に本人は出席をした、それは明らかにできないと。だれが推薦したか明らかにできないということでありますが、私は、そういう姿勢では今問題になっているような、こういう暴力団とそれから証券業界とのこの癒着の問題とか、これらを本当に解明し、そしてそれを一掃することはできないであろう、やはり私は、今の官房長官のそういう姿勢は改めなきゃならない、このことを申し上げて次の問題に移りたいと思います。  次に、農水大臣の方はせっかく来ていただいたのですけれども、もう時間がたってまいりましたので……。  でこの浦臼事業の方でありますが、この経過を見ていくと、実は八六年の九月にウラウス・リゾート開発公社が設立され、海原建設が中心になってできたんですが、ずっと休眠状態だったん一ですね。それで、八九年の三月に北海道昇龍会が結成されて、実はこのころからこの会社の動きが具体化し出すのですね。翌年の二月に日計の花田氏が株式会社全日販を設立して、翌月、海原建設にかわって全日販が五〇%出資で花田氏が代表に座る、そして四月には市ケ谷支店で百億円の見せ金がつくられ、残高証明も発行され、五月には定期預金残高ゼロになっているのに六月には保安林解除申請が行われる。で、事業主体が全日販になるという協定書が八月に交わされ、九月には浦臼町ワインフェスティバルに小林秘書も出席されて、そして、道庁の役人の方に町の人が、あの東京の方にいらっしゃる中には、橋本大蔵大臣秘書のあの方が小林さんですという紹介もなされるとか、十月には、さっき言いました地鎮祭というのが行われて事業が進み出したわけです。  花田氏は、既にこの委員会でも正森質問に対して大臣答弁されたように、北海道昇龍会の会員で結成総会に出ておられたわけでありますが、事業の企画など中心の部分は全日販のこの花田氏、造成や建設工事は北海道昇龍会会長で昇龍会の事務所を置いている伊藤組土建など六社の共同企業体で請け負うという形になっております。なるほど北海道昇龍会ができてから事業が進み出したんだなというふうに私はこういう経過を見ておって思ったわけでありますが、こうした一連の経過は、大臣は小林秘書から報告を受けておられますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 まず第一に、一部報道がありましたので、やめました後でありますが小林君に確認しましたところ、休みの日確かにそのワインの星フェスティバルというのに行ったことがあると言っております。これは浦臼町が毎年行っておられる催しということでありまして、北海道に参りましたとき確かに花田さんからその話を聞いて、行ってみようと思って行ったという話は聞いております。しかし、今そのお話の中にありました町の方々と云々というようなことは本人は申しておりませんでした。  また、株式会社日計という企業が私の後援会である昇龍会のメンバーでありましたことは、私はそのとおりと申し上げております。そして、その副社長でありました花田さん、私の昇龍会のパーティーに法人会員の代表として出席されたということも確認をいたしております。  また、昇龍会の事務所というものが確かに伊藤組土建に置かせていただいておることも事実であります。  それからあと、今お話がありました、私の後援会に入っておられる、そして今は責任をとって退会されましたけれども、株式会社日計という法人会員、その当時副社長でありました、現在社長をしておられる花田氏が全日販という別の会社をし一でおられることは、今回一連の問題を、私自身も自分の関係する人間に対してのことでありますから、調べまして承知をいたしております。  また、伊藤組土建という企業を知っているかということでありますなら、存じております。しかし、そのリゾートの施工業者ということにつきましては、小林君自身も今回の報道で初めて知ったようでありますし、私はもちろんのことながら存じておりませんでした。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 あなたの選挙区は岡山の二区で、北海道に後援会をつくられるんですから天下取りを考えていらっしゃるのかな、こういうふうに思うわけでありますが、「クオリティ」という雑誌にも紹介されておりますが、ここで、北海道昇龍会結成総会に出られて、「今自民党はリクルート、消費税の逆風下にある。こんな苦しいときの後援会発足なだけに生涯忘れません。」というごあいさつもしておられるわけでありますが、小林秘書がやはりこの浦臼にも行かれて、そしてあなたの人脈の中で、実際には昇龍会の結成の後からそういう昇龍会にかかわる人たちが参加してウラウス・リゾート事業が進み出してきたというのは事実でありますし、またそういうウラウス・リゾート事業の中で、問題になっている富士銀行の赤坂の渉外課長も参加すれば、市ケ谷の方では百億円の見せ金づくりの問題とか、不明朗な問題も起こっております。そしてなお、設立された八九年度に、小林秘書が会計責任者を務める新政治問題研究会へ北海道昇龍会から千二百万円の政治献金が入金されていることも明らかにされておりますが、大臣はこの間、小林秘書の問題について、非常にけしからぬ話だ、あの問題で不正融資を見抜けなかった小林秘書を責めるのは酷な気がするというふうに答弁もしておられましたが、私は、やはりあの問題だけじゃなしに、大臣の、小林氏が中心になってリゾート開発とのかかわりとか昇龍会を通じての資金の問題とか、やはりこういうふうな問題が出ているわけでありますが、政治家と秘書というのは異体同心でありますから、ですから、これら一連の問題についてはやはり政治家として政治的に責任を持って対処されること、が大事だと思うのです。それがせんだっての国会答弁などを見ておりますと、やはり政治家と秘書とは異体同心だ、それぐらい厳しいものなんだという点が実はよくつかまれていないんじゃないか、私はそういうふうに思います。  残念ながら時間が来たものですから、法務大臣、公安委員長への質問できないままに終わりましたけれども、以上で終わります。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 小林君の行動というものに対して監督不十分の責めを負わなければならないということは、私は十分当初から自覚をいたしておるつもりであります。ただ、今委員が仰せられました中で、私はその浦臼云々という話は全く存じませんでしたけれども、先刻来の話を聞いておりまして、富士銀行として正規のプロジェクトとして、本店の阿部でありましたか、その責任者まで、現地に行っておられるような話、それと私を結びつけられるのはいかがかと思います。  同時に、私は小林の軽率な行動というものに対して責任を感じますけれども、富士銀行自身がつい最近まで、その行内における偽造預金証書の発行という事態を御存じなかったということでありますが、普通に銀行にお電話をし、その本人が、その席におられる人間が不正をしておるということをなぜその時点で察知しなかったかということまで私は小林を責める気にはなりません。  しかし、いずれにいたしましても、大蔵大臣の秘書というものが軽率に融資のあっせんをしたことそのものがやはり私は問題だと思いますし、いろいろな方々、本当に御迷惑をかけたところも私の友人の中にもあるわけでありまして、こうしたことに責任は十分に感じております。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて吉井君の質疑は終了いたしました。  次に、伊藤英成君。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 民社党の伊藤ですけれども、よろしくお願いいたします。  今回の証券不祥事の問題あるいは金融不祥事の問題、この問題は本当に国民の信頼感を失うことになったわけでありまして、非常に残念だと思っているんですね。同時に、これは国内だけではなくて、海外からの信頼あるいは不信感というのも大変だろうと私は思っているんです。  実は、この間日本経済新聞に公表されたその日の朝だったと思うのですが、CNNをちょうど見ていまして、各主要企業の名前を公表してCNNで報じておりました。私はあのテレビを見ていながら、ああ、この瞬間に、同じ時間に世界に流れているんだなということを痛感をしたわけでありますが、そういう意味でも非常に残念だ、こういうふうに思っております。  それで、こういう問題があり、そしてこのことについて、今本当にこれからの日本のために対応策もとっていかなきゃならぬ。と同時に、そしてまた今後の日本経済に与える影響もこれは非常に大きなものだ、こういうふうに思ったりしているわけであります。そして、こういう今回の問題を招いたその業界関係者あるいはその指導に当たっている大蔵省の責任は、これは非常に重い、こういうふうに思っております。  私は、今考えなきゃならぬのは、何といってもこういう日本の国の原則をはっきりさせることだというふうに思うんですね。まず一つは、何といってもこの日本の経済を、いわゆる自由主義経済のいい面が発揮できるように、その自由主義経済を貫徹させること。しかし、二番目には、それを放置いたしますといろいろな問題が出ます。したがって、そのために透明度の高い明確なルールをちゃんと日本はつくらなきゃならぬということであり、第三番目には、もしもそのルールに違反するようなことが起こった場合には、これは速やかにその是正のための行動が、アクションがとられる、そういう姿にしなきゃいけない、こういうふうに思うのですね。  そういう原則を踏まえた上で質問をしたい、こう思うのですが、まず公正取引委員会に質問をしたいわけでありますが、今回のこの証券不祥事、とりわけ損失補てん問題に関してどういう見解をお持ちか、まずお伺いをいたします。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○梅澤政府委員 今回問題になっております証券会社による損失補てん、これは独占禁止法の領域から申し上げますと、正常な商慣習に照らして不当な利益を供与することによる顧客誘引というものが不公正な取引方法に該当するという問題ありやなしやという問題でございます。  今回の国会でもたびたび私御説明申し上げておりますように、今回の証券会社の損失補てん行為、行為のいかんによっては不公正な取引方法に該当する余地はあるということでございます。ただ、独占禁止法というのは、申すまでもないことでございますけれども、事業者間の自由で公正な競争を規律するという法領域でございます。片一方、今回問題になっております証券取引法における証券会社の行為がいろいろ規制されるというのは、専ら投資家の保護等を含めました証券取引固有の公正な取引を規制する領域でございまして、これは諸外国におきましても、独占禁止法と証券規制というのは別個の法領域として規制されておるということは御案内のとおりでございます。  ただ、今回の場合、先ほど申しましたように、証券取引の規制と独占禁止法の規制というものが同じ事象について両方の適用があり得るという余地はあるわけでございますが、今回の問題につきましては、既に所管庁である大蔵省が特別検査を実施し、かつ是正のための措置をとるという連絡はあらかじめ私どもいただきまして、行政機能の重複を避けるという観点からも、いましばらく所管省の措置を見守っておるという状況でございます。その上、なおかつ独占禁止法上の措置をとることが有効であり適当であるという判断は、しばらく現在の大蔵省の努力を見守りたいというのが私どもの立場でございます。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 今のお話は、そうすると、公正取引委員会としては具体的な行動は今は何もとっておりませんということになるのでしょうか。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○梅澤政府委員 ただいま申し上げましたように、所管省である大蔵省の現在進められておる作業並びに今後の状況をしばらく見守るということでございます。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 私は、大蔵省はもちろん大蔵省として調査をしているわけでありますが、公正取引委員会は公正取引委員会として調査をすべきだと思うのですね。それは今までも、今言われたように、梅澤委員長は大体同じようなことを言っておりますけれども、しかし、証券取引法の第百九十五条の二には、独占禁止法の適用を排除しない、こういうふうにちゃんと書いてありますよね。ならば、私は当然やるべきだと思うのですよ。  そして、じゃ独禁法の第二条の九項に書いてあります「不公正な取引方法」とは何だということが定義してありますが、この中には、九番目には「不当な利益による顧客誘引」というのがあって、その中身として「正常な商慣習に照らして不当な利益をもって、競争者の顧客を自己と取引するように誘引すること。」あるいは補てんを受けた側の問題としては、十四番目に「優越的地位の濫用」ということが書いてあります。そこには「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に」次に掲げる行為をすることとして、「継続して取引する相手方に対し、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること。」こういうふうに書いてありますよね。これはまさに不正な取引というふうに私は言えるんだと思うのですよ。したがって、当然公正取引委員会は公正取引委員会として調査をすべきである、こういうふうに思うのですが、いかがですか。  もう一つ、済みません、つけ加えますが、私は、ひょっとして今のようなことがあるから、一昨年だったと思うのですが、アメリカの議会調査サービス局、CRSレポートの中にも、日本の独禁政策を厳しく批判をして、そして日本の独禁法運用は非常にぬるいということが指摘されたりしているんですが、今回のこういう状況を見ても、ああやっぱりアメリカの指摘していることは正しいんだろうなというふうに思いますが、いかがですか。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○梅澤政府委員 幾つかの問題の御指摘があったわけですが、まず証券取引法の百九十五条の二、お説のとおりの規定があるわけでございますが、これは実は当たり前の規定が法律に書かれておるということでございまして、独占禁止法につきましては、その法文に適用除外という規定がない限りは、当然独占禁止法は適用されるわけでありますから、その百九十五条の二の規定があってもなくても、適用除外の規定がない限り独占禁止法の適用があるというのは、これは当然の規定でございます。排除されないということは、そういうことを意味しておるわけでございます。  しからば、一つの事象に対して証取法上もいろいろ問題がある、独占禁止法上どういう問題があるかということが起こりました場合に、これは行政機関の公正取引委員会の判断といたしまして、すぐに調査に着手するか、あるいは状況の推移を見守って必要な措置をとるかということは、公正取引委員会に私はゆだねられておると考えるわけであります。特に本件の場合は、非常に厳しい証取法の規制なり法領域があるわけでございます。現実に行政庁が作業を開始しておるという状況でございます。我々もその連絡を受けておるわけでありますから、公正取引委員会も行政機関の一つとして、これは現在政府全体として取り組まれている問題と考えておりますので、行政機能の重複という点を専ら私は申し上げたい。いたずらに公正取引委員会が発動すべき権限を抑制したり、あるいは手を抜いているという趣旨では毛頭ないわけでございますから、これはぜひ御理解を賜りたいと思います。  それからもう一つ、不当な顧客誘引のほかに「優越的地位の濫用」という不公正な取引方法もあるではないかという御指摘でございますけれども、これは私、委員とは若干見解を異にするわけでございます。  というのは、後段で引用されました「優越的地位の濫用」というのは、むしろ相手に不利益を与える行為になるわけでございます。今回の損失補てんについてこれを当てはめた場合に、利益を供与した方は証券会社の問題で、これは不当な利益誘引の問題になり得る。一方、不利益を与えたというのは、あるいは証券会社から何らかの損失補てんという利益を受けた、しかもそれをいわば半強制的と申しますか、そういった状況で行われた場合に、顧客の側が独占禁止法上の問題になるかという問題でございまして、ただ、この独占禁止法に言います「優越的地位の濫用」というのは、そのときどきの売り買いによって地位が強かったり弱かったりということの意味ではなくて、A、Bという取引者がある場合に、Aの方が専らBに対して取引の生殺与奪の権を握っているといいますか、Bの立場からいえば、専らAに取引を依存しているがために、そのAの不利益を甘受しなければならないという地位、そういう場合に規制をされるわけでありまして、今回の損失補てんについて、証券会社と顧客の側について、この優越的地位の乱用を問題にするということは、独占禁止法の法領域としてはおのずから限界がある。つまり、それは専ら証券取引の公正な規制という観点から別個の法領域として規制されるべき問題であると考えます。  最後の御指摘の点でございますけれども、いろいろな見方があると思いますけれども、私どもは昨年来、独占禁止政策の強化について、法改正をお願いしたり人員を拡充したり、あるいは執行を厳正、透明にする努力をしておるわけでございます。今回の証券取引会社の問題について、公正取引委員会が無為無策という点で諸外国から、日本の独占禁止政策の脆弱性といいますか、弱さというものについて批判を受けるということは、私はないと確信しております。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 私は、例えば行政が重複するから、したがって大蔵省が今調査をしているから、公取の方はまだしないという話は、本来それであっていいのかなというふうに思うのですね。例えば今大蔵省と業界との関係がいろいろ言われているわけでありますが、そこでのその商取引が本当にフェアであるかどうか、あるいは公正取引が行われているかどうかというような意味で公正取引委員会は当然考えていい話だ、こういうふうに思うのですよ。だからこそ今みたいなことが起こるから、つい最近の新聞の社説でも書いてありましたけれども、公正取引委員会の委員のメンバーが、例えば委員長は大蔵省出身の人であって、あるいは他の四人の委員のうちで、あとは大蔵省、通産省あるいは法務省、あと一人が事務局、こここそが現在の公正取引委員会が本当に機能をしない。その理由だというふうに言われたりするんじゃないんでしょうかね。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○梅澤政府委員 先ほど来申し上げているとおりでございますが、今の委員の御質問に端的にお答えするとすれば、行政機能の重複ということは具体的に何を意味するかということでございます。現在証券四社について大蔵省が特別検査を実施される、これも相当な人員を動員し、かっ相当な時間が私は予想されると考えるわけでございます。したがいまして、公正取引委員会が、まさにこれが重要な事件である、政府として何の措置もとられないという事態であるとすれば、これは別でございますけれども、我々としては、これを独自に検査するということになれば相当の作業量をそちらへ向ける、これを政府全体としてむだと見るか重複と見るかどうかという判断だろうと思うのです。私どもは、大蔵省の検査結果を伺い、かつその実態を見ながら必要な措置を講じるということを申し上げておるわけでありまして、独占禁止法の適用を差し控えるということを申し上げておるわけではないわけでございます。これは行政機関の判断としてぜひ御理解を賜りたいと存じます。  それから、蛇足になるかもしれませんが、某新聞の社説等を御引用になりました。私もこれは拝見をいたしております。全体は、公正取引委員会の委員構成をどうするかということは、当然、独占禁止法の手続によりまして、総理大臣が御任命になる、もちろん両院の御同意を得るという手続でございまして、このこと自体について、任命されている私の立場からいろいろ申し上げる立場ではございません。ただし、今回の今御指摘になった点について、例えば委員長が大蔵省出身であるからこういうことが行われていないというこの批一判の部分、引用されました某社の社説については、私は承服できません。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 私は、今この問題の非常に重要な点は、役所と業界とのあり方がいいのだろうか、あるいは行政指導と言われるようなもの、あるいはひょっとしたら癒着というような言葉で言われるような問題があるときに、それをどういうふうないわば経済システムにした方がいいのだろうかということが問われているのですね。そういう意味では、日本の商慣習というか日本のビジネスのあり方をどういうふうにあるべきかという観点で私は当然考えていい話だ、こう思うのです。  次にお伺いしますが、引受手数料ですね。  私は、引受手数料は証券業界で決定をして一律に行っているわけですが、これはカルテル行為じゃないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。もしもカルテル行為でなかったら、なぜ違うのか、御説明をお願いします。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○梅澤政府委員 委員今おっしゃいました引受手数料を初め発行に係る各種の手数料につきましては、売買委託手数料と違いまして法的規制は何もございません。したがいまして、当然のことながら、この手数料というのは、各証券会社が自主的に決定すべき問題でありまして、仮に話し合って決定した場合には、御指摘のとおり、これはカルテルに該当するわけでございます。  ただ、同じような商品、同じような手数料であって、カルテルというふうな行為ではなくて、市場の結果としてある水準に収れんする、同じようなものに収れんするというのは、そういう市場現象はたくさんあるわけでございます。したがいまして、同一の水準であるからすぐカルテルであるということにはならないわけでございますけれども、これは午前中の別の委員にもお答えいたしましたように、寡占的な産業の市場あるいは政府規制のもとにある企業というのは、証券会社に限りませずいろいろな業種につきまして、協調的な企業行動がとられやすい状況にございます。したがいまして、今後とも証券会社の手数料のカルテルがいやしくも行われないように厳重に監視をすることはもちろんでございますけれども、そういった事態があれば厳正に対処いたします。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 現時点でこの問題でカルテル行為のおそれがあるのではないかということで関心を持っておられますか。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○梅澤政府委員 ただいま申し上げましたように、寡占市場あるいは政府規制産業については、絶えずカルテルの危険性といいますか、そうした条件といいますか、そういった土壌があるということを一般的な認識として持って対処しなければならないと考えております。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 大蔵大臣にお伺いしますけれども、今ちょっと引受手数料云々の話をいたしましたけれども、これは引受手数料も委託手数料も含めてなんですが、今回のこのいわゆる損失補てんの問題に絡んで、一つの要因として、この手数料の自由化の問題がいろいろ議論をされております。そして今までも何度も議論されたり、そして大蔵大臣の御発言の中でも若干のニュアンスの変化等も私はあるように思うのですが、現時点で、この手数料の自由化の問題について今後どのように進めていかれるお考えでありますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 もし当初から考え方がぶれているというような御認識を持たれたとすれば、これは大変恐縮でありますが、私は同じように申し上げてまいっております。ただ、当初私が御説明をいたしてまいりました力点の一つには、欧米の自由化した実態を踏まえて、その内容を御説明を申し上げて、まずそれから話を申し上げておりました。最近その部分を重複を避けて申し上げておるという点では、確かに違いがあるかもしれません。  ただ、私が申し上げておりますことは、一つは、今証券取引所におきまして、既に六十年以来四回にわたる引き下げが行われまして、国際水準などと比較して考えてみましても遜色のないところにあると思っております。しかし同時に、その水準というものについては、機動的、弾力的な見直しか行われる必要がありますし、さらに手数料制度のあり方につきましても検討を進めてまいりたいと考えておりますと、同じことを実は申し上げてまいったつもりであります。ですから、水準を機動的、弾力的に見直す必要があることと、同時に制度のあり方についても検討を進めてまいりたい、要すればその二点でありまして、考え方としては当初から同じことを申し上げております。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 委員長は結構でございます。どうもありがとうございました。  次に、今回の不祥事の原因について考えたいと思うのですが、今回のこの損失補てんという問題やらあるいは暴力団との取引の問題、これは一体どこにそもそも要因があるのかなというふうに考えますと、いろんなことはあるわけですが、大きなものは、一つは免許制に基づく過保護行政といいましょうか、その問題と、行政指導による不透明な運用が原因だと私は思うのですが、いかがでしょうかね、まずこの点は。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 今回の問題の原因として、確かに証券界における競争が不足しているというようなことも指摘をされております。それからルールが明確でない。つまり行政指導というものが非常に不明瞭だということも指摘をされているわけでございまして、そういった点について、私ども免許制というものをどう考えるか。その中でも競争を促進するというようなことも十分できるわけでございますし、それから行政指導につきましても、これは通達による行政指導というものを思い切って見直すという作業に今着手をしているところでございます。  いずれにいたしましても、今御指摘のような原因が今回の不祥事の原因の中で挙げられているという点は、私どもも十分認識をしているところでございます。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 例えば、免許制で考えますと、昭和四十三年に免許制になって、当時二百七十七社、今日は二百十七社と減っていますよね。もちろんこのうちで五十社海外の会社ができています。そういう状況ですよね。不自然ですよね。これだけ日本の証券市場がどんどん大きくなって、ある意味では活況を呈しているときに、全然ふえないというのは不自然だと私は思うのですよ。免許制度について、これは見直す予定にしておりますか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 この免許制がとられましたのは、今御指摘がありましたように、昭和四十三年からでございます。それ以前は登録制がしかれておりまして、証券不況で大きな証券会社が行き詰まるというようなことで、証券市場を健全に発展をさせるという観点から免許制を四十三年から採用したわけでございます。その後、確かに外国証券会社はかなり進出してまいっておりますが、国内の新規免許というのはほとんど見られないわけでございます。  証券市場がここまで拡大をしておるわけでございまして、やはりそういう点から申しますと、免許制のもとであっても新規参入を認めていく、それによって競争を促進する、あるいは市場の拡大に応じて仲介業者をふやすというようなことが必要だということで、私どもも検討を進めてまいっているわけでございまして、ただ、当面はやはりこの免許制のもとでの新規参入の促進というようなことで対応するのが適当だというのが証券取引審議会などの見解でございます。銀行を初めとする各業界からの証券業への新規参入というものについて、免許の運用をもう少し弾力化して競争を促進していく、そういう格好で、まず証券市場の拡大に対応した対策をとっていくというのが適当ではないかというふうに考えているわけでございます。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 これはもうよく言われていることですが、アメリカが現在一万二千社以上もあるのですね。一万二千社以上もある。そして日本の証券業界とアメリカの証券業界を比べれば、日本の証券業界は大変な利潤の上げ方ですよね、比較をすれば。そういう状況になったりしていますよ。そういうようなことを考えたときに、しかも、これからはいかに競争政策をやっていくか、競争の促進を図っていくかということがどんなに重要か。その上で、じゃ市場監視をどういうふうにするのかということがこれからの最大のテーマだと私は思うのですよね。というふうに考えたときに、もちろん新規参入をさせるためにいろいろな手だてはあると思いますが、本当に免許制をいつまでも維持していいんだろうかとなりますよね。いかがですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今委員からアメリカの証券会社数御紹介がありましたとおり、確かに一万二千を超える証券会社が存立いたしております。同時に、毎年千幾つという新しい会社が設立をされ、千幾つという会社が倒産していっているという状況も御承知のとおりであります。果たしてそういう証券市場というものがいいかどうかと言われれば、その点については私は委員と必ずしも意見を一にいたしておりません。  ただ同時に、新規参入をふやさなければならないという視点については、私も決して考え方は違っておりませんし、むしろちょうど私が就任いたしましたころには、証券と金融との垣根論争というもののまさに一番激しい論争の行われておる時期でありました。これで本当に共通点が見出されるんだろうかと、当初所管事項説明を聞いたときに思ったことを今でも覚えております。今一定のルールのもとに相互参入の方向というものが出てまいりました。こういう証券不祥事というような事態が起こらなければ、私は、より早い時期にその垣根論争というものが決着し、相互参入の機会を与えるための法制の御審議を願えたと思います。  今残念ながらこうした事態の中で、二度と不祥事を起こさないようにするための対応を法改正としては急がなければならない状態になりました。しかし、その後において、私は、当然のことながら相互参入というものをふやしていくための法制度の改正というものを御審議をいただく場面があろうと思いますし、また現行の免許制度のもとにおきまして、垣根の問題とはかかわりなく、新規参入を促すためにどういう方法があるかは当然のことながら考えていかなければならない、そのように思っております。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 それから、先ほど行政指導と言われる問題について触れました。局長からも触れられました。このいわゆる行政指導と言われる問題は、既にいろいろなところで指摘されますように、もうちょっと中身をといいましょうか透明度ある形にすべきであるということがいろいろと指摘をされたりしております。  今回のこの問題に関連することで、具体的にちょっとお伺いしますが、例えば推奨銘柄の禁止ということについても、これは通達である。それからあるいは暴力団と野村証券との関係でも出てまいりました仮名の口座ですね、取引口座、これもその仮名口座の禁止は通達でありますね。これは法令で規制をする考えはありますか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 先ほど申し上げましたよう。に、現在私ども通達を全部見直している作業を進めております。その中で、通達の中で法令化すべきものは法令に持っていく、それで自主規制機関こ取引所、協会の自主規制機能を強化するために、そちらの方に通達の内容をいわば移すというようなものも必要ではないかというふうに思っているわけです。それから一番不明朗なのは口頭による指導というのがあるわけでございますが、こういったものは当然すべてやめて、それを今申し上げたような形で、必要であれば法令にするし、自主規制機関の機能に期待できるものはそちらに移すというような見直しの作業を進めている最中でございます。  御指摘のありましたいろいろな仮名取引の問題あるいは推奨銘柄の問題、推奨銘柄の方は、省令に同じような規定がございますものですから、法令化になじむかなという感じがしているわけでございます。仮名取引の問題あるいは暴力団に絡みますいろいろな今後できる対策につきましては、自主規制機関でやった方がより適当なものもあろうかと思うわけでして、その辺は見直しの作業を進めながら検討を進めていきたいというふうに思っているわけでございます。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 今の仮名口座はなぜ法令の中でやらないのですか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 法令の中でやらないと決めたわけではございません。ただ、仮名口座あるいは借名口座というような問題は、かなりいろいろときめ細かい規定を設ける、いわば本人確認の手段とかいうようなものをいろいろ考えなければいけない問題でございます。より弾力的な対応は自主規制機関の機能というものが、ルールの方が適当かという問題もあるわけでございまして、そこはまだ私どもとしては完全に検討を終えたということでないということでございます。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 今まで政府あるいは与野党の議論の中で、納税者番号をつくろうという話をしてまいりましたね、その議論。それで今仮名口座云々という話は、それをもってやりたい、あるいは納税者番号のようなものをつくってやらないと、ここから派生する問題はできない、したがって、その問題に鋭意取り組みたい、納税者番号の話ですね、という認識はございますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 他の委員にも御答弁を申し上げたことでありますが、こうした問題とはかかわりなく、納税者番号制度というものに対して大蔵省として強い関心を有しているということは、委員御承知のとおりであります。ただ同時に、納税者番号制度というものの中にさまざまな論議が今日なお残されていることも、委員御承知のとおりであります。そして、特に我が国の場合、情報公開制度が整備をされていないのと裏腹に機密保持のルールがない、そうしたことから納税者番号制度というものの普及が結局国民背番号論に変わっていきはしないだろうか、それは国による個人の管理につながりはしないかという国民の疑念というものも、今日なお消えておりません。私どもとしては、こうしたことをも踏まえながら、この問題に大きな関心は有しながら慎重に対応いたしております。納税者番号というものにそうした問題点があることも含めて、我々としては関心を持っております。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 もう一つ具体的にこの問題でお伺いしますけれども、いわゆる行政指導なるものが非常に不透明だという指摘があり、そして今証券局長から口頭で云々というような話もあったりいたしました。  例えば、毎月四大証券の社長会に証券局の幹部の方が出席をされているようでありますが、こういう会議あるいはそれに類したといいましょうか、いろいろ報道もされたりいたしますが、こういう会議体と大蔵省の皆さん方の関与の仕方の問題について改善をされるつもりはございますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私は実はそうした会合があるということを余りよく存じておりませんでしたが、少なくとも必要な会合でだれはばかるもののないものならば、正々堂々とこれから先も続ければいいと思います。そして必要のある会合というものは、私はやはり積極的に行わなければならないと思います。ただ、それがどこかの方が言われた、雑談会に終わっています、いつも、というようなことを言われる中身であるならば、そんな会合は必要がありません。むしろ会合そのものの性格をよく確認をし、必要な会合は正々堂々とこれからも関係者との間に持つべきであり、それは職務として当然のこと、そのように思っております。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 次に、大蔵省のいわば監督体制ということについてお聞きしたいわけでありますけれども、今まで大蔵省が検査をされたりしてきているわけですが、その検査機能についてどういうふうに評価をされておりますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 その検査と申しますのは、例えば為替検査等まで含めて……(伊藤(英)委員「今回の証券」と呼ぶ)証券についてでございますか。証券検査というものについてまたその機能について、こうした一連の問題が発生をいたしましてから、私どもは深刻な反省をしながら、同時に、どこに問題があり、どうしてこういう事態を招いたかについて真剣な検討を加えてまいりました。  そして、大蔵省自身が、たしか七月の十日ぐらいだったと思います、プロジェクトチームを発足して、あるべき姿を必死で模索し始めました。ただ、その後において総理から行革審に検査のあり方についての諮問がなされましたし、行革審としても、明年度予算編成までに結論を、その予算編成に間に合うように出すという御意思と承りましたので、去る八月十九日に私どもがそれまで検討してまいりました内容のすべてを行革審に御報告をし、その上で行革審からお指図があれば、いかなる協力も惜しまないということを申し上げ、現在その問題については行革審にお預けをいたしております。しかし同時に、検査の手法、さらにその検査に当たります職員の質の向上、こうしたことにつきましては、我々自身がやらなければならないこととして現にさまざまな角度からの検討を行っている最中であります。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 実は、私がお伺いしたかったのは、どういうふうに実態として機能しているかということを伺いたかったわけでありますが、今回この問題に関して、既に定例の検査でこの問題が大きく報道される以前に把握していたというふうに言われておりますね。そういうふうになっておりますが、じゃ、なぜそのときに処分できなかったのか。今いろいろ言われますのは、大蔵省はなぜ毅然とした態度でできないんだろうかということが言われるわけですね。そのときになぜできなかったのか。私はこれからこうした問題について検査結果在公表するべきだ、公表するようにしてはどうかというふうに思うのですね。これだけいわば公的な業界、そして、それを免許制度でやっているわけでありますから、公開をする制度にしてはいかがかと思うのですが、どうでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私は、その証券検査の結果の全部を公表することが望ましいことだとは必ずしも思いません。なぜなら、証券会社は確かに委員がおっしゃるとおり非常に責任の重い立場にあります。しかし、そこには資金調達の手段として証券市場を使われる方々とともに、自己の財産の保全と申しますか、運用をお任せになる方々もございます。検査の公表ということは、そのすべてを含みます。例えばその中で出てきた問題で、特定者のみではないと思われるような事象があり、これを社会的に警告をする必要があることを、今までのように、私は、例えばその社内の関係者に対する注意喚起といった手法でとめることが、これから先も望ましいことだとは決して思いません。しかし、検査結果すべてを公表するということは、私は場合によっては本当に個々の方々にも影響を及ぼすことと想定されますので、検査結果すべての公表ということには、私は委員とは見解を異にする部分を持っております。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 これは公表の仕方もあると思うのですよ。今大臣はすべてをと、こういうふうに非常に強調されて言われましたけれども、少なくとも問題があるときに、すぐにその早い段階で公表をすれば、これは速やかに対処されていくだろう。あるいは他の企業等も速やかにそのためのアクションがとられていくと思うのですよ。ところが、まあまあという感じでやっておるものですから、だからなれ合い云々と、こういうように言われるんじゃないでしょうかね。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今公表という言葉を使われましたので、私は多少委員の御質問の意図を錯覚したようであります。この点は申しわけありません。  先ほど他の委員の方から、検査官講評の、主任検査官講評の事例を挙げられ、そうした問題点を把握していながら、なぜそれが行政に連動しなかったかという御指摘を受け、そのとき私は、過去の保護育成の行政から視点が変わっていなかったという率直な感想を申し上げました。今委員が述べられた公表という意味が、その検査の中で出てきた問題点、そして、それは他の企業にも証券業協会全体あるいは利用される方々にも知らせる必要のあることである、それを例えば、今までのような指導といった手法でとどめることはいいことではない、そういう視点からの公表ということでありますなら、私どもは当然のことながら今後今までとは姿勢を変えていかなければならないと考えております。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 私は、この公表なりそういうことが十分にできなければ、これはどうしたっていわゆる日本版SECなるものをつくらなきゃならぬということだと思うのです。私はそもそもこれからそういうふうに持っていかなきゃならないと思うのですが、少なくともそのための応急的な措置としても、そのくらいのことはできなければ、大蔵省として監視機能は恐らく全然果たせないという話になるのだろう、こう思うから申し上げたわけであります。  時間がなくなってしまいましたけれども、最後に大蔵大臣、こうした監視機構を、監視機能を強化するという意味で御意見ございますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 先ほど誤解をおわびをした上で私なりの考え方を申し上げましたが、私どもが行革審に作業をゆだねる以前、我々自身の検討の中でも、検査機能とそれを受けて行う行政機能との間に節度ある距離を保たなければならない。同時に、その連係も必要であり、ある意味ではその検査機能の中から出てきた問題点が的確に行政に移されていく、それをチェックする何らかの第三者めシステムというものを考えなければならないという問題意識を持っておりました。こうした問題意識を持って今日まで作業をしてまいりましたし、これからもそうした姿勢で参りたいと考えております。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて伊藤君の質疑は終了いたしました。  次に、菅直人君。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 この証券・金融特別委員会の審議も進んでいるわけですけれども、若干角度を変えて、短い時間ですので、質問をしたいと思いますので端的にお答えをいただきたいと思います。  私は、今回の証券・金融不祥事の背景に大きく横たわっている問題として、やはりこの近年の地価の高騰というものを挙げなきゃいけないと思うのです。株価の高騰にしても、一株当たりの資産がふえたから、つまりは地価が高騰したから株をあおっていった側面もあります。また、暴力団が莫大な資金を手に入れて今回のようないろいろなところに顔を出すようになったのも、私は、端的に言って、地上げという非常に、半分暴力的な形によって莫大な資金を得る一つの、何と言いましょうか、場を得たからではないかというか、そうであろうというふうに思っているわけです。  そういった点で、建設大臣にもおいでいただいておりますが、地価の高騰については、もうこの間ずっと予算委員会、土地問題特別委員会等でやってまいりました。その結果、土地融資の総枠規制とかあるいは土地税制の強化とか、かなりの前進が図られているわけですけれども、例えば地上げが起きる原因を考えてみますと、平家のところでたくさんうちがある、それを全部買い占めて広い土地にすれば超高層が建つ、こんなことは日本だけなんですね。つまり、本来の土地利用計画がきっちりしていれば、この地域は一種住専で二階建てしか建てませんとか、あるいはこの地域は条例手続でなければきちんとした開発は許されませんとか、御存じのようにドイツなどでもそういう制度がきちんとできているわけです。そういった意味では、私はこういったことを起こさないという観点だけではありませんけれども、それも含めて、やはり土地利用計画というものをきちんとしないと、またいつの日にか土地の暴騰、バブルの再発生を招いてしまうのではないか、このような心配をしております。  こういった点について建設大臣としてどういう認識をお持ちか、簡明にお答えをいただきたいと思います。

大塚雄司自由民主党建設大臣

○大塚国務大臣 地価高騰をもたらしました原因の一つは需要と供給ということにあると思いますし、もう一つは、効用というふうに和しばしば申し上げておりますが、端的に申しますれば、地下鉄ができる、あるいはまた鉄道の新しい新線ができるといっただけで地価が一遍に上がるように、いわゆる効用、まあこの二つがあると思うのでございます。しかし、今日までの推移の中で、それに似たようなことがございました。この六年間の地価高騰は、一つは、一斉に規制緩和をして容積率を上げてしまおうというような一つの示唆と、もう一つは、東京圏で事務所需要が大変に旺盛だと、極めて過大な需要を暗示したことが一つの大きなきっかけになって上がったものと思います。  今先生がおっしゃるように、都市計画、土地利用計画がしっかりしておればというお話もございますけれども、やはりそれ以前の問題として地価高騰を招いたというふうに思うわけでありますが、しかし一方で、例えば超高層ビルとかあるいは新しいニュータウンが突然あらわれるようなことを抑えるために、しっかりした都市計画をやれという御趣旨はよくわかるわけでございますが、ともかく土地基本法でも示されましたように、土地の有効利用を図るということが地価をやはり安定的にしていくための一つの大きな柱でございますし、それと並行して総需要抑制というものがありまして、今日やや地価が鎮静化をしてまいりました。  しかし、現行制度、都市計画法で定めております用途地域一つ取り上げましても、例えば八種類の指定だけでございまして、住居系の三地域で住居専用の一種だけはいわゆる事務所等が建たないようになっておりますが、それ以外のところには事務所が建ちましたりいたします。そういうものをしっかり規制をしまして有効に使えるようにする必要があるわけでありまして、今都市計画中央審議会に諮問をいたしまして、用途地域をさらに細分化し、もっと詳細計画を定めるということで、一応中間報告ではありますけれども、十七種類の地域に指定をしていこうというようなことも今出ておるわけでございます。  あわせて、バブルと言われるのは、まさに容積率が指定してありますけれども、実際には斜線制限やいろいろな規制がかかって、その容積を十分満たすような建築ができない、いわゆる容積が与え過ぎであるという点もございまして、そのバブルの部分を少しダウンゾーニングをして的確なものに直して、そして良質な計画についてはさらにボーナスを出すというような制度に改めていこうということもその審議会では話になっておるところでございまして、今後さらに半年間、半年はございませんが、年内にその報告を求めまして的確に対処をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 いろいろ努力をされている話は今の話からも伺いましたけれども、私はきょうは余り長い時間ありませんから、この問題はこれでやめますが、基本的な点がやはり抜けていると思うのです。それはだれが決めるかということなんです。  つまり、幾ら建設省がいわゆる用途区域を細分化したり、いろいろな部分的な空中権だとかあるいはいろいろなことをやっても、やはりどういうルールで決めるかということがないと、こういったような、地上げといったような形がやはり発生する、あるいは地元の住民が幾ら反対をしても突然ある建物ができていくということになるわけです。ですから、ぜひそういった都市計画法の改正を考えられている中で、もう何度も大臣とはいろいろな機会に議論をしておりますが、どういうルールで決めるのかということの検討をさらに進めていただきたいということを特にお願いをしておきたいと思います。  同時に、それではその地価、バブルがはじけたと言われているわけですが、確かに株が下がり、地価も一部下がっております。しかし、最近の新聞などでは下げ渋りなんていう言い方もされております。これは銀行が、余り下がってしまうと担保価値がなくなるんで銀行が支援をしていわば塩漬けにしておこうという構造だと思います。確かに、銀行にとって一挙に土地が下がるというのは経営上非常に問題だということはよく理解できます。しかし、同時に、塩漬けにしておくということはどういうことか。簡単に言えば高い地価のまま置いておくということです。将来どうするのか。高い地価になったときに動かそう、簡単に言えば、地価をまたある程度上げなければいけないという構造につながっていく危険性というか、論理的にそういう可能性が大変高いわけです。  国土庁は、そう小うことも含めて、今後の地価の見通しをどう見ていますか。

鎭西迪雄国土庁土地局長

○鎭西政府委員 最近の地価につきましては、七月一日を基準日といたします平成三年の都道府県地価調査というものがございまして、現在国土庁で取りまとめ中でございまして、九月下旬には公表できる運びになろうかと思います。  私ども、それをもとにいたしまして、精通者に大体どういう状況になっているのかというのをなるべく早目に聞いておるのでございますが、昨年後半からあらわれ始めました地価上昇の鈍化傾向は、ことしに入りましても特に大阪圏を初めとする大都市圏では顕著な傾向というのが出てまいっております。ただ、地方圏におきましては、昨年秋以降鈍化を示す地域は広がってはおりますけれども、三大圏の周辺地域あるいは地方の中心都市と言われるようなところの周辺の都市、ここでは年間を通して見るとまだかなりの上昇を示す地域があるということで、これからどうなるかというのを必ずしも明確に見通すだけの根拠を持っておりませんけれども、私どもとしては、大都市圏の地価水準が依然として高水準だということと、それから今申しましたように、地方圏ではまだかなりの上昇を示す地域があるということから見ますと、なお予断を許さない状況にあるというように認識をいたしておりまして、地価動向について引き続き注視をしてまいる必要があろう、かように認識をいたしておるところでございます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 今の局長の話もありましたし、ここにも国土庁のスタッフが、今後の本格的な地価下落を実現できるかどうかは、かなりの部分、金融機関の姿勢がどうなるかにかかっているというコメントが数日前の日経新聞にも出ているわけです。  そこで、大蔵大臣、大臣とも土地問題では相当議論をした間ですけれども、今後どういう行動を銀行がとるべきなのか。先ほども言いましたように、銀行にとっては確かに不良債権を抱えている、あるいはノンバンクが抱えている、それを解消するには地価が上がった方が、ある意味では、経営だけで言えばいいことになる。しかし、この数年間やってきたように、地価の高騰によって我が国の多くの国民が住宅問題を初めとして非常に苦しんできているわけです。本来、地価というのはどういう水準にあるべきかということを私は考える必要があると思うのです。  それは簡単に言えば、賃貸収入、家賃収入に見合う収益還元で本来は価格が決まるべきであろう。アメリカのマンハッタンなどの地価は、そのビルによる収益から、ある収益還元で地価が決まる。しかし日本の場合は、収益還元をはるかに上回る地価が決まる。つまりは、資産価値が一億のところで例えばたった百万円しか収益が上がらない。一%の収益でもなぜ一億の土地の値段がつくのか。それは来年になれば一億二千万になるからだ、再来年になればまだ上がるからだというキャピタルゲインをいわば期待をして上がっている。ですから、地価の高騰がとまれば、逆に家賃が上がるとかという現象が出るわけです。つまり、地価の高騰がとまることによって、その地価に見合ったせめて金利分ぐらいは取れなければ収益は合わない。従来なら地価が上がっていくから、まあいわば土地の収益なんというのは大して当てにしなかった。そういう現象さえ今起きているわけです。  そういった意味で、私は、地価水準というのは、本来利用したときに入る収入で金利とかある程度の建設コストが持てる程度の水準に下がるべきであろう。多分、その水準は都心部でいえば、現在のさらに二分の一とかあるいは三分の一とか四分の一といった水準であろうというふうに思っております。そういう水準にソフトランディングさせるということが、私はこれからの地価政策であろうと思いますし、ある意味ではそれを見越した上での、銀行も、若干時間がかかるのは私は構わないと思いますが、高い値段で塩漬けをしていて、また十年ほど前のように、いつか来た道があるだろうと思って頑張るという姿勢をとるべきではないというふうに思っておりますが、そういった点についての大蔵大臣の考え方をお聞きしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 あるべき地価の理想図といいますか、そうした視点から今委員がお述べになりました考え方を私は否定するものではありません。まずこれを前提に置かせていただきます。  そして、私個人としては、確かに委員とも随分議論をしましたように、本来国土利用計画なり都市計画なり、いわゆる土地利用計画というものが先行してくれなければ、説あるいは金融だけで努力をするには限界があるということを言い続けてまいりました。今日、土地基本法がつくられ、ようやくその方向に向かいつつあります。この間の御努力にも敬意を表します。  その上で、金融機関の融資というものは、これはそれぞれの取引の状況とか相手方の信用状況にかんがみ、金融機関がみずからの手で判断をしていくことでありましょう。しかし、同時に我々が今土地問題として考えなければならない最大のものは、いかにすれば土地神話を破壊できるかということであります。委員の御指摘のとおりであります。今日、一方では下げ渋りという言葉があり、一方ではむしろ開発に資金が出ないという声があり、総量規制を解除しろという声も強くなっております。しかし私は、幾ら総量規制を続けている中でありましても、必要な開発に対して金融機関は当然のことながら資金供給を行う責任はありますし、同時に、今彼に総量規制を他の対案なしに解除いたしました場合には、まさに地価の再び高騰へ向かう危険性なしといたしません。そうしたことから、本来常用すべき手段だとは思いませんけれども、総量規制といういわば創業を今日も使用いたしております。  今後この政策を考え直す場面があるといたしましても、その場合には当然のことながら、危険が生じた場合、再び直ちにその手段が発動できるような工夫をあわせて考えなければなりません。そして同時に、公共性の発揮を求められている金融機関というものが社会の信頼をこれ以上損ねることがないように、適正な業務運営の確保に真剣に努めていくべきであり、そのための努力を我々も払うべきである、そのように考えております。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 時間がなくなりましたので、最後に、バブル、バブルという言葉が本当にはやり言葉のようになりました。なぜバブルというかというのをある本が書いておりましたけれども、消えてなくなるからバブルだというんだそうですね。しかし、下手をすれば消えてなくならないことになりかねないのが、これまでの戦後の歴史の中での土地問題であろうというふうに思っております。  それだけにもう一度、銀行がとるべき態度、あるいは先ほど言われた総量規制、あるいは金利の、公定歩合の引き下げ等もいろいろうわさをされておりますけれども、そういったことを、目先の、何といいましょうか、バブルの崩壊を一時的に食いとめるというのでしょうか、それを抑えるという目ではなくて、株が上がるのは、私は、紙切れですから上がろうが下がろうがかかわりのない人にはまさにかかわりがないわけで、土地だけは上がればあらゆる国民の生活にダメージを与えるということをもう一度よく再認識をして、そういうことにならないようなバブル崩壊後の施策を心からお願いをして、質問を終わりたいと思います。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて菅君の質疑は終了いたしました。  本日は、これにて散会いたします。     午後五時一分散会

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