厚生委員会 第4号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1991/09/06
会議録
○野呂委員長代理 これより会議を開きます。 委員長の指定により、私が委員長の職務を行います。 第百二十回国会、内閣提出、老人保健法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。網岡雄君。
○網岡委員 老人保健法の審議が終盤を控えました時期に、日本社会党を代表いたしまして、厚生省の確認をしたいという意味を含めまして、若干御質問を申し上げたいと思います。 まず第一に、中間施設としての老人保健施設の重要性が近年ますますその重要性を高めているところでございますが、大都市部を中心にして、地価上昇などを理由にいたしまして、その設置の促進が危ぶまれているのが現状でございます。「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の整備目標であります平成十一年度の三千五百カ所、そして二十八万床を確実に達成できるよう政府として一層の施策の展開を図るべきだと思うのでありますが、どうでございましょうか。
○下条国務大臣 今御指摘の老人保健施設の整備促進は、極めて重要なことと私の方も考えております。したがいまして、その施設整備につきましては、国庫補助の充実を図ってまいったところでございます。これに加えまして、社会福祉・医療事業団によります低利融資や税制上の促進措置が講じられておりまして、これらの施策を活用することによりまして整備の促進に努めておるところでございます。 特に大都市部における整備を進めていくためには、今お話がございましたように、用地の確保を図る観点から、他の施設との合築や施設の高層化を図る必要がありまして、これらについての国庫補助金の加算措置も導入いたしました。今後とも老人保健施設につきましては、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の整備目標が達成されるように、整備促進策を総合的に講じてまいりたいと考えております。
○網岡委員 それでは二つ目の確認を申し上げたいのでございますが、特例許可老人病院のうち介護力強化病院及び基準看護承認病院を今後どのように計画的に拡充していくのか、また病院の現在数及び例えば五年後の拡充計画、目標数をお示しいただきたいと思います。
○下条国務大臣 従来から老人の心身の特性にふさわしい看護・介護体制の整っております入院医療管理承認病院、御指摘のこの病院やまた基準看護病院の普及を積極的に図っておるところでございますが、入院医療管理承認病院は平成三年七月末現在で百七十二病院になっております。基準看護病院は平成二年六月末現在で百九十四病院となっております。 今後の見通しにつきましては、これらの制度を採用することは御承知のように各病院の選択に任されておるというのが現状でございますから、拡充計画や目標数をお示しすることはすぐにはいたしかねますけれども、承認期間の短縮等の誘導措置を講じまして、これらの制度を選択する病院が着実に増加するよう、積極的に環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
○網岡委員 それでは次に、社会党初め五会派共同修正要求に対します自民党の回答の1の「公費負担拡大」の(1)にあります「公費負担五割の対象となる病院、施設等を計画的に拡充しことある中の「等」とは一体何を指すのか、具体的に御答弁をいただきたいと思います。
○下条国務大臣 今回の老人保健法等の改正により措置されます老人訪問看護制度におきまして、御指摘の老人訪問看護事業を行う老人訪問看護ステーションを指すものであると考えております。
○網岡委員 第四にお尋ねをいたします。 同じく「公費負担拡大」の(3)にあります「寝たきり老人訪問看護・指導料」ほかについて、「将来の問題として、実務的に可能となり、関係者の合意を得るよう努力したい。」とあるが、「将来」とは一体いつごろを指すのか、お示しをいただきたいと思います。
○下条国務大臣 寝たきり老人訪問看護・指導料、老人デイケア料、重度痴呆患者デイケア料については、各医療機関からの外来レセプトの記載事項の中から該当する点数のみを抽出することは、現時点では実務的に困難でございます。これを可能にするためには、関係事務処理方式の開発、請求する際の保険医療機関側の協力等が必要 になってくるわけでございますので、これを解決していかなければこの問題はなかなか困難でありますが、できるだけ速やかに関係者の合意を得るようにこれからも努力を続けて解決に向かってまいりたい、このように考えております。
○網岡委員 解決すべき諸問題をできるだけ速やかに合意を得るようにして努力をしたい、こういう御答弁でありますから、答弁の趣旨に従いまして、速やかなる解決に向かって努力をしていただきたいということを要望いたします。 質問の五であります。 自民党の回答によれば、スライド制について消費者物価を指標とするというように指標の変更が行われているのでございますが、スライド率が三%を超えたときには三%にとどまるような措置を講ずべきではないか、このように考えますが、御見解をお尋ね申し上ばる次第です。
○下条国務大臣 御質問の趣旨は、スライド率が高くなりまして、そのままその率が一部負担額に反映されると、お年寄りの過大な負担になるのではないかという御懸念の点であろうかと思います。スライド制につきましては今回新たに導入される制度でありまして、その影響を慎重に見きわめることが重要でございます。御懸念のような事態が生ずるようなおそれがある場合には、国会の御判断も得て、そのあり方を総合的に検討することが必要である、このように考えております。
○網岡委員 今厚生大臣から御答弁がございました御懸念のような事態が生ずるようなおそれがある場合にはというこの文言の点でございますが、三%を超えることは単なる我々の主観的な懸念の問題ではございません。懸念すべき事態とは、消費者物価が三%を超えるということと明確に理解していると心得てよろしゅうございますか。
○下条国務大臣 御承知のように、最近の物価動向は極めて安定している時期でございまして、そういう認識もあろうという考えから、また、将来の動向はわからないということで、将来の経済変動についての現時点での想定ということは、どちらの想定もできるわけでございますが、また今では、逆に言えばわからないというのが正直な現実の認識ではあろうかと思います。 いずれにいたしましても、御質問の趣旨を踏まえまして、過大な負担にならぬように、高齢者の方々の負担能力等を考慮いたしまして、国会の御判断を得ながら総合的に検討してまいりたい、このように考えております。
○網岡委員 それでは、次の質問に移ります。 老人訪問看護ステーションは、将来、例えば十年後には政府としてどのぐらいの設置数にしたいと考えておみえになるのか、お尋ねをいたします。
○下条国務大臣 老人訪問看護ステーションの件でございますが、これは新しい制度でありますし、徐々にその数が増していくものとまず考えております。 その将来の見込み数につきましては、要介護老人の将来推計数、要介護老人のうち訪問看護サービスを必要とする者の割合、それからまたモデル事業におきます訪問看護サービスの平均的利用回数及び一カ所当たりの対象者数の実績等を参考にしながら試算いたしますれば、平成十二年には約五千カ所程度になるものと見込んでおります。この数字を念頭に置きながら、地域において訪問看護ステーションの整備が進むように努めてまいりたいと思っております。
○網岡委員 今、大臣から、平成十二年度には約五千カ所程度の設置をするということでの御答弁がございました。私は特にここで付言をさせていただきたいのでございますが、ほかのゴールドプラン、十カ年計画も同じでございますけれども、すべて最終は十年間のところで目標が定められておるわけでございます。したがいまして、私が御指摘を申し上げたい点は、十年という長い計画のスパンではなくて、中間の五年の段階でどれぐらいのものを、最終の目標に対して中間のところで一体どういうように達成をしていくのかということの目標を掲げていくことは非常に重要だというふうに思っておりますが、その点をぜひひとつ、今後具体的な計画遂行に当たりまして、厚生省として考慮していただきたいということを要望いたします。 質問の第八であります。 老人訪問看護事業を政府が考えている目標数を実現し、かつ充実した事業とするために、それに必要な人材の確保が不可欠であります。各地域によって人材充足の困難度がまちまちでございます。したがって、各地域の実情にマッチした人材の確保ができるように考えるべきであると思うのでありますが、どうでございましょうか。
○下条国務大臣 訪問看護に従事する看護職員につきましてのお尋ねでございますが、看護の実務経験と豊かな人生経験を持ちながら、夜勤ができないなどの理由により、現在看護業務に従事していない潜在的な看護職員の活用ということに力を注いでまいりたいと考えております。 このため、従来実施してまいりました訪問看護の講習会に加えまして、平成三年度予算におきましては、看護職員の再就業を推進するナースバンクの予算の倍増を図りますとともに、訪問看護婦養成指導者講習会の新設を行いまして、対策の充実強化を図ったところでございます。今後とも、各地区におきまして今御指摘のように特殊性がそれぞれございますから、それを十分生かしながら、必要な訪問看護職員が確保され、老人訪問看護が円滑に実施できるよう、その養成、確保に鋭意努力してまいりたいと考えております。
○網岡委員 第九の質問に移ります。 自民党の回答にあります「保健医療福祉マンパワーの確保について」の中で「関係施策を推進する。」とあるのでございますが、この「関係施策」とは具体的に何を指すのか、「関係施策」の内容についてお示しいただきたいと思います。
○下条国務大臣 お尋ねの関係施策の推進ということの説明を申し上げますが、保健医療・福祉マンパワーの勤務条件の改善、養成力の強化、就業の促進及び社会的評価の向上のため、予算、融資、税制上の諸施策を総合的に講じていくことでありまして、社会保険診療報酬の取り扱いや人員の配置についても十分留意してまいりたいと考えております。
○網岡委員 年金制度におきます高齢者障害加算制度についてでございますが、「速やかに検討を進める。」こうなっておりますが、政府としてはいつごろまでに結論を出すと理解していいのでしょうか。
○下条国務大臣 高齢者障害加算制度の創設についてでございますが、厚生省といたしましても今後の介護対策を考える上での重要な課題として認識いたしておりまして、現実の介護の充実にどのように結びつけることができるか、年金の給付システムの中でどのようにしたら的確に対象者を把握できるか、あるいは今後ますます厳しくなります年金財政の中で、その財源をどのように確保していくことができるかといったような幅広い観点から検討していく必要があると考えておりますが、いずれにいたしましても、できるだけ速やかにそれらの問題の検討を進めまして、結論を得たいと考えております。
○網岡委員 次に、今後の老人医療の運営について、政府の基本的姿勢をお尋ね申し上げます。
○下条国務大臣 本格的な高齢社会に向けまして、国民が健やかで安心して老後生活を送ることができますように、保健、医療、福祉全般にわたる総合的な施策の推進を図り、また、お年寄りの心身の特性に応じた生活の質の向上を念頭に置いた医療の確保を図り、また、老人保健制度の長期的な安定をそれぞれ図っていくことが重要でありまして、今回の改正も、こうした視点に立って老人訪問看護制度の創設、老人医療の費用負担の見直しなどを行うこととしたものであります。
○網岡委員 以上で質問を終わります。
○野呂委員長代理 児玉健次君。
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。 厚生省は、このほど一九九〇年度「医療費の動向」を発表されました。そこで、老人医療費の対 前年度の伸び率、八九年度の伸び率七・九%から九〇年度は六・四%に減少している。そして、この点については厚生省も「特に老人保健が、前年に比べて一・五ポイント下降している。」このように特徴を指摘しております。 〔野呂委員長代理退席、石破委員長代理 着席〕 一方、一人当たりの医療費の方で見ると、一九九〇年度、老人の伸び率は二・三%、これは医療保険全体の一人当たり医療費の伸び率四・五%の約二分の一、こういう状態です。老人の受診が抑制されているという最近の傾向が厚生省の調査によっても明確にうかがわれます。 そこで、大臣にお聞きしたいのですが、今、全国のお年寄りの中でひそかに語られている流行語があります。こけるな、ぼけるな、風邪引くな。こけるなというのは転ぶなということです。ぼけるな、風邪引くな。この言葉の中に、今日の福祉医療制度のもとで一たん健康を失ったらどういうことになるか、そのことに対するお年寄りの恐れと怒りが込められている、私はそのように思います。今回の一部負担の増額は高齢者の受診抑制に拍車をかけることになるのは必至だ、このように考えますが、この点で大臣のお考えを伺いたい。
○岡光政府委員 今回の一部負担の改定の考え方は、再三申し上げておりますように、若い方々とお年寄りとの間の負担のバランス、それからお年寄りの中での負担のバランス、例えば老人保健施設等の入所者とのバランスとか、こういったふうなものを総合的に考えたわけでございます。 それで、額の設定につきましては、高齢者の負担能力についてもあわせて考えたところでございまして、近年の年金の受給の状況であるとか高齢者世帯の一人当たりの平均所得金額であるとか、そんなふうなことを総合的に考えまして、無理のない範囲での御負担をお願いしたいというふうに考えているところでございまして、決して受診抑制にはつながるものではないであろうというふうに考えております。
○児玉委員 結果が事実を冷厳に示すと思います。厚生省は高齢者の受診が抑制されないというふうに今言いましたが、それはどういう根拠で言うのですか。現に今抑制されているじゃないですか。
○岡光政府委員 私どもは現在の段階では一部負担とかそのほかのことを何にもやっていないわけではないのでございまして、むしろ元気なお年寄りがより元気で過ごしていただくように、そしてまた体の状態によってすぐ医療機関に行くのではなくて、その心身の状態にふさわしいところを御利用していただきたいというふうな施策を進めているのでありまして、今私どもが進めていることが受診抑制につながるというふうにおっしゃっている意味合いは、私としては理解できないところでございます。
○児玉委員 私は観念論を言っているのでなくて、あなたたち自身が最近発表した統計資料によっても、明確に受診が抑制されている。特に高齢者の部分がひどい。なぜかといえば、今日の一部負担自身が高齢者にとっては耐えがたいからじゃないですか。以前この議論をやったとき、厚生省自身が、岩手県の沢内村、あそこでどんどんお医者に来てください、軽いうちに、早いうちに治しましょうというのでどんな効果を上げているか、当時の厚生大臣自身がその道こそ王道だと言いましたよ。その道をあなたたちは今外れているじゃないですか。どうですか。
○岡光政府委員 沢内村のようなケースもございますが、私の知っておりますのでは広島県の御調町のようなケースもございまして、むしろ在宅の医療であるとか在宅の福祉施策を大いに進めることによってどんどん退院をしている、そしてその方がお年寄りは元気になっておる、こういうケースもあるわけでございまして、そのことが医療費にどう反映するかといいますと、むしろ入院医療費が減ることでいわゆる在宅医療費がふえるということでございますので、決して私どものやっていることは受診抑制ではなくて、むしろお年寄りの生活の質、クォリティー・オブ・ライフを高めたいというところにあるというふうに私どもは考えております。
○児玉委員 今あなたが言っていることと私の言っていることのどちらが事実をついているか、遠くない時期にそれが明らかになると思います。 高齢者の暮らしを見ますと、年間所得二百万円以下の世帯が既に五割を超しています。全国で約一千万人いらっしゃる国民年金の受給者、その平均受給月額は約三万円です。そういったお年寄りの生活に対して、消費税が文字どおり暮らしを直撃しています。今回の一部負担のスライド制は、高齢者の暮らしを消費税とあわせて二重、三重に苦しめるものになります。高齢者を物価の上昇から守ることこそ福祉行政の本来の務めだと思う。その務めからこれまた大きく逸脱している。この点は大臣の考えを聞きます。
○岡光政府委員 老人世帯の所得を統計数字から見てまいりますと、一人当たりの平均所得金額は、全世帯が百六十四万円、それから高齢者世帯が百七十三万円という、これが政府の統計数字でございます。そういうことを考えました場合に、必ずしも高齢者の世帯の得られておる所得は低くない。かつ、年金がどの程度のウエートを占めておるかといいますと、高齢者世帯の所得の中で約五〇%でございまして、そのほかは稼得収入であるとか他からの仕送りであるとか、そういったもので構成されているわけでございます。そういう意味で、私どもは、一人当たりの平均所得をひとつ念頭に置きながら、これを参考にしながら、負担能力の問題を議論するというのも一つの視点ではなかろうかと思っているわけでございます。
○児玉委員 皆さん方はともすれば日本の高齢者をリッチに描こうとしていますが、総務庁の統計自身がさっき私が言ったことを示しております。そして、今厚生省が言ったような生活をお年寄りがしているんだったら、どうして先ほど私が紹介した、こけるな、ぼけるな、風邪引くなど恐怖感を込めて語ることがあるでしょうか。 〔石破委員長代理退席、粟屋委員長代理 着席〕 私は、先日来ずっとこの老人医療制度における国の負担の問題を議論してまいりました。一昨日の私の質問に対して下条大臣は、老人医療費全体の中で占める国の負担が、発足時の四四・九%から約十ポイント下がったということについてはお認めになった。全体の医療費が六兆円を超しています。六兆円の中でもし発足時の負担を国が維持していれば、それだけで六千億を超す財源が老人医療に振り向けることが可能です。かつてできたことがなぜ今できないのか。 そして私は、一挙にそれをやれとは必ずしも言わない。厚生省が高齢者と若い世代の負担率を云々する前に、国の負担を一歩一歩もとに戻す努力をしてみたらどうですか。現在の三四・六%をとりあえずあと二%乗せる、三六・六%にすることで千二百億円が出てきます。そのことで医療費の一部負担をやらないで済むし、スライド制ももちろん実施しないで済むし、医療費無料化に大きく足を踏み出すことができる。この点で大臣の考えを聞きます。
○下条国務大臣 本件の問題は、前回の委員会でも委員お尋ねがございまして、お答えを申し上げたわけでございますが、御承知のように日本の高齢化が進んでおりまして、これは世界一の長寿国になったわけでございます。その中での医療費のあり方、それをどのように考えていくか。しかもこの老人保健制度を長期・安定的に運営していかなければならない。あわせて、これを御負担いただく若い勤労者の皆様の御負担をこれ以上ふやすことができない、できれば軽減をしてまいりたいということなど、それを総合的に判断いたしまして、今回のような改正をお願いした次第でございます。
○児玉委員 この法案に対してあくまで反対でおるということを表明して、質問を終わります。
○粟屋委員長代理 柳田稔君。
○柳田委員 先月の三十日に我々野党が共同修正要求を出しまして、昨日自民党さんから御回答をいただきました。その御回答の内容について、限られた時間ではありますけれども、確認をさせていただきたいと思います。 まず最初に、公費負担についてでございますけれども、老人医療における公費負担の拡大、このことについての具体的な方策と道筋を示すべきではないかと思っております。そのことについて御回答をお願いします。
○下条国務大臣 今後の高齢社会におきます介護体制の充実を図るために、老人保健施設の整備、介護力強化病院等の拡充、老人訪問看護制度の推進を積極的に行うこととしておりまして、もって将来にわたり公費の拡大が図られるものと考えております。
○柳田委員 今のお答えですと、老人保健施設の整備、介護力強化病院等の拡充ということで、施設の方については推進をしていく、さらに老人訪問看護制度の推進も積極的に図っていくというお答えでございました。おっしゃるとおりに、病院、施設等の強化も非常に大事なことだというふうに思いますし、先ほどの部長の御回答の中にも、在宅医療についてもやはり考える必要があるというお答えでありました。この二本柱、今後の高齢化社会を考えますと大変重要な課題になってくると思っておりますので、今後とも強力に推進をしていくことを要望させていただきたいと思います。 次に、一部負担、それと同時にスライド導入ということでございます。政府原案の医療費スライドから、今回は物価を指標にしたスライドということになったわけでありますけれども、こういうことはあってほしくないわけでありますけれども、狂乱物価というときもあるんではないか。非常に高い消費者物価の上がりが示されたときに、それがそのまま今回の一部負担のスライド制のスライド率に反映されるということになりますと、支払う方のお年寄りにとっては大変な負担増になるということも考えられます。 そこで、このスライド率なんですけれども、一応の歯どめといいますかアッパーリミット、これを設けるべきではないかというふうに考えております。つまり、端的に申し上げますと、このスライド率が三%を超えたときには、三%にとどめるような措置をどうにか講じていただきたいというふうに考えるわけでありますけれども、このスライド率の上限三%についてのお考えを教えていただきたいと思います。
○下条国務大臣 御質問の趣旨は、スライド率が高くなり、そのままその率が一部負担額に反映されると、お年寄りの過大な負担となるのではないかという御懸念から出ているものと推察いたします。 スライド制につきましては、御承知のように、今回新たに導入される制度でありまして、その影響を慎重に見きわめることが重要である、このように考えております。御懸念のような事態が生ずるようなおそれがある場合には、国会の御判断を得まして、そのあり方を総合的に検討することが必要である、このように考えております。
○柳田委員 三%ということを念頭に置いてよろしゅうございますでしょうか。
○下条国務大臣 その時点における総合的な判断の上で、国会の御審議を得て決定してまいりたいと思っております。
○柳田委員 近年の消費者物価を見ておりますと、○・何%というときもありますけれども、おおむね二%前後というのが推移の現状ではないかと思うのです。おっしゃるとおりに、時期によってはずっと三%を超える消費者物価の時期もあるかもわかりませんけれども、当面の考えとして三%、この辺を念頭に置いたらどうかなというふうに思うのです。再度、失礼ではございますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。
○下条国務大臣 その時点時点で御判断を申し上げることであろうと思いますので、そういう御懸念がある場合には、国会の御審議を得てこの問題のとり方を考えてまいりたい、このように考えております。
○柳田委員 現時点ではどれぐらいがめどでございましょうか。
○下条国務大臣 ただいまの物価は、御承知のように極めて安定している、このように考えておりますので、このような問題はない、このように考えております。
○柳田委員 現時点でいろいろと消費者物価を考えてみますと、二%前後、消費税が導入されたときに二・一%でしたか、そのぐらいだったかと思うのですけれども、そういうことを考えていきますと、今回の今の御回答で、国会の御判断を得てその御判断を得る場合の目安といいますか、指標といいますか、消費者物価が先ほど申しましたように大体目安として三%を超えればこの国会の判断も得るというふうに、現時点では、今の状況では認識をしてよろしいのでしょうか。
○下条国務大臣 これは前から何回もお答えしておりますけれども、その判断の時点、事態において、国会の御審議を得て決めていく、こういうことでございます。
○柳田委員 非常に我々の納得いく御答弁が得られないのは残念なんですけれども、一応の目安として三%を念頭に私は考えたい。ですから、今後いろいろと消費者物価の動きもあるかと思います。余り急激な消費者物価の値上がりといいますか、大きな数字が出る場合には、いろいろとまた厚生省の方にも、これでいいのかということで、どうにかして国会の判断を得るべきではないかということで申し上げたいと思いますので、そのときには前向きに善処を、また我々の意見に耳を傾けていただきたいと思います。 次ですけれども、保険外負担の問題であります。 今回、一部負担が、激変緩和措置という言葉は適切ではないかもわかりませんけれども、二年置きに値上がりをするということであります。患者側にとってはこの一部負担の額も上がるということで、それなりの負担増になるわけであります。 もう一方、保険外負担、この保険外負担については、先日の回答では努力をするという文言でしたでしょうか、ここまでやる、こういうことをするという明快なお答えがございませんでした。払う立場からしますと、一部負担も払うお金の中に入っておる。そして保険外負担、特に付添看護、さらにはおむつ代もあるわけでありますが、保険外負担の分についても払うのは一緒であります。ですから、払う方にとっては両方バランスといいますか、一方は上がり、こっちの方には手はつけないということであれば負担増になりますので、今回の法案の改正の時期にできるだけこの保険外負担は軽減をすべきではないかというふうに考えるわけですけれども、いかがでございましょうか。
○下条国務大臣 いわゆる保険外負担につきましては、この委員会でもしばしばお尋ねがございましたし、また、それぞれの御意見も拝聴してまいりました。この点につきましては、介護力強化病院の普及及び老人保健施設の整備等によりまして、付添看護の要らない施設の充実を図るなど、その軽減、解消に努めてまいりたいと思っておるわけでございます。また、個々の保険外負担につきましても、御指摘の点について今後検討いたしまして、一層の努力をしてまいりたいと考えております。
○柳田委員 一層の努力をするというのはわかるわけなんですが、普通努力をする際には、いつごろにはどういうことをこうする、いつまでにはこのことについてはこうするというふうな目安を示していただければわかりやすいのですけれども、努力をするという言葉以上に何か一歩を踏み込んだお答えはいただけないものでございましょうか。
○下条国務大臣 ただいま申し上げましたように、施設の方の充実を図るということと、それからもう一つは、この間から御指摘の保険外負担の個々の項目につきまして、いろいろな資料もございますし、実態も十分見きわめた上で個々に検討してまいりたいと考えており
○柳田委員 第一問目で公費負担増をお願いをさせていただきました。そして、今保険外負担をお願いをさせていただきました。道筋として、またさらに努力をしますという項目については、それなりの納得ができるのであります。ただ、完全に納得できるという段階までいかないのは、こういうことをいつごろまでにはこうします、こういうことをこうします——もう既に二十一世紀、何年にはどれほどのお年寄りがいる、寝たきり老人はこれぐらいになるという予想も立っておるわけでありますから、それに沿っていえば、いつごろまでにこうしなければならない、ゴールドプランというのもあります、評価はしたいと思いますけれども、それと関連をして、今回の問題についても、保険外負担、特に付添看護、病院なり施設なりの方に支援をして、負担も減らしていこうという目標についてはわかるのでありますけれども、先ほども申しましたように、いつごろまでにこういうことはどうしたいというものが聞ければ、私自身も、ああこういう方向がはっきりするなというふうに納得ができるのです。再度また失礼なのですが、ここまでやるというものが御答弁できないものでございましょうか。
○下条国務大臣 二つに分けて先ほど来御説明申し上げておりますが、施設の充実を図っていく、これは予算との関連でございます。予算の中で解決していくことになるわけでございますが、またあわせまして、これはまた予算と関連ないとは申し上げませんが、個々の負担の問題でいろいろな項目がございますから、それぞれの項目によっていずれも状況が違いますので、御説明申し上げましたように個々に検討して、その上でできるだけ早く解決を図るように努力してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○柳田委員 総体的に今回の改正を見まして、世代間相互の相互扶助だ。若い人が老人医療のお金については拠出もしているわけであります。一生懸命働かれて出しているお金でありますから、その痛さも我々は身にしみているわけであります。さらには、医療を受けられる、若い世代から援助を受けながら医療を受けるお年寄りの皆さんのことも考えていかなければならない。 そのバランスをとるということで、今回の法案のいろいろな問題に関して質問をさせていただいたわけでありますけれども、今後二十一世紀、四人に一人が御老人になる、お年寄りになる。もうそういう時代もあと五十年先、七十年先ではなくて、二十年先ぐらいには来るというのもはっきりしているわけでございます。今は五、六人で一人のお年寄りを見る。ところが二十一世紀の二〇二〇年ぐらいですか、二人で一人のお年寄りを見る、そういう時代も来るわけでありますので、何度も申し上げて申しわけありませんけれども、公費負担、これはどういうふうなバランスをとるのか。消費税を導入したときに、高齢化社会が来るから導入が必要なんだといった政府の公約もあります。 公費負担のバランス、そして、今言いましたように、実際に負担をされる一部負担のお金以外にある保険外負担、これも莫大に上っておるという現実もあります。このことについては、一人の寝たきりのお年寄りを家庭で抱えるといいますか、兄弟何人もいまして、いろいろな自分の親戚縁者も含めて見るわけでありますけれども、そのうちに金銭的な面も肉体的な面も精神的な面も疲れ果てて、最終的には兄弟げんかも起こるし、さらには夫婦げんかも起こるという現実もあるわけであります。そういうことを今も聞いております。 二十一世紀、高齢化社会、大変お年寄りがふえるということになればますます大きな問題になりまして、どうにかしてこのことがなくなるように努力しなければならない時期が来るわけであります。もう既にそういう時代が来るというのはわかっておりますので、これから、もう既にきょうからでもこの問題については鋭意検討を進めていただきまして、二十一世紀、お年寄りの皆さんも安心して医療が受けられるように、そして若い我々は、お年寄りのためだったらば自分たちの親のためでありますから、精いっぱいの援助はさせていただくということには変わりはないわけでありますけれども、その方向性を見出すべく今後とも精いっぱいの努力を厚生省の皆さんにお願いをさせていただきたいと思います。 いろいろと申し上げましたけれども、今回の法案、さきの国会から長い間の審議をさせていただきました。最終的に自民党さんの御回答に対して我々は理解を示したいと思っております。そういうことも含めまして、今後とも老人医療を含む高齢化社会に対する対応策を練っていただきたいし、また、いい方向性を出して実現をしていただきたいと思っております。 そのことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。よろしくお願いします。
○粟屋委員長代理 速記をとめて。 〔速記中止〕 〔粟屋委員長代理退席、野呂委員長代理 着席〕
○野呂委員長代理 速記を起こしてください。 この際、暫時休憩いたします。 午後零時十分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕