環境委員会 第3号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1991/09/27
会議録
○小杉委員長 これより会議を開きます。 環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長谷百合子君。
○長谷委員 まず冒頭に、自治省の方にお伺いしたいと思います。 議員の懲罰ということがありますけれども、これはどのような行為に対しても対象になるのでしょうか。
○岩崎説明員 お答えいたします。 地方自治法の百三十四条で議員の懲罰について規定があるわけでございますが、この百三十四条といいますのは議員の懲罰を規定しているわけでございまして、その趣旨は、議会の規律と品位を保ち、秩序を維持しますとともに、その運営を円滑ならしめるためでございまして、そういった趣旨から、懲罰の対象となりますのは、議場内における行為であることが多いものと理解しているわけであります。しかしながら、議場外の行為でございましても、議会の運営に関係のある場合には懲罰の対象になり得ますことは、判例においても認められるとてろであります。 いずれにしましても、議会の懲罰というのは議会の自律権に属するものでございまして、いかなる事案にこれを発動いたしますかは、それぞれの議会においてこの法の趣旨に沿って判断されるべき問題であると考えておるところでございます。
○長谷委員 議事の運営にかかわることについては議場外というようなことがありましたけれども、法律の拡大解釈というものが行われて安易に議員の懲罰ということがかけられないように、そして議員の政治活動はできる限り制限のないようにしていかなければならない、このように考えております。このためには、法律が的確に運用されることを望みたいというふうに思っております。 先日、テレビの放送でリゾート法にかかわる発言をした長野県軽井沢町の町議、岩田さんという方ですけれども、この方が出席六日間という懲罰を受けました。そして、この懲罰の証拠といたしまして、当該テレビ局である北海道テレビの局側は、軽井沢の町議会に対して、これを無断で証拠採用に使われたのではないかということで抗議が行われたと聞いております。このように、テレビでの発言、あるいは政治家である以上、集会、街頭、いろいろなところで、議会外で政治的な発言をする機会というものは非常に多いと思うわけですけれども、こういった発言に対して懲罰をかけるというようなことは、議員の政治活動を抑制するということにもつながりかねない、私はそういうことを大変心配するわけです。自治省はもちろんですが、やはりこれからもいろいろなところで慎重な対応をしていく必要がある、こういったものを望みたいと思っております。 それから、きょうは長良川の河口ぜきの建設について幾つかの御質問をしたいというふうに思っております。長良川河口堰の建設を中止するという動きも日増しに大きくなっておりまして、十月六日には十万人デモを行うというような状態になっておるわけです。 それで、きょうは長官に少し伺いたいと思うのですけれども、最近の「ビーパル」という雑誌の中で長官がインタビューを受けておられるわけです。この中で、環境庁はそろそろ環境省をつくるべきだ、今までのチェック機能というだけでは済まないだろうというふうに言っておられるわけですけれども、私も非常に、それ賛成ということでいいなと思うわけですけれども、しかしその中でちょっと長良川の問題に関して、「長良川の問題も住民が堰を作るのをやめたほうがいいという総意が出来上がるかどうかが大きなポイントだと思います。」このようにおっしゃっているわけです。 その総意というようなことですけれども、総意といいますと、朝日新聞が十一月十四日、それから長島町民アンケートというのが十二月二十九日にやられましたけれども、これは両方とも、中止あるいは一時凍結を合わせますと、朝日新聞は六八%、それから長島町民によるアンケートでは六二%の人が中止をするか凍結をしてほしい、こういう意思を示されておるわけです。そうしますと、こういったものは住民の総意のあらわれというふうに見ることはできないのかな、どういうふうに認識されているのか、ちょっとそこのところ、見解をお願いしたいと思います。
○愛知国務大臣 お答えをいたします。 御指摘のアンケートの結果のうち、河口ぜきの建設事業の進め方あるいは治水上の安全性の問題につきましては、これは私ども環境庁ではなくて建設省の所管にかかわる事項でもございますので、環境庁長官としてのコメントはずべき立場にないと思っておりますが、ただ、これらのアンケートの結果や長官に就任して以来私に寄せられたいろいろな御意見、御要望から申しましても、建設促進を求める強い要望がある一方で、河口ぜきの必要性や安全性についての疑問や不安を抱いていらっしゃる住民もかなりいらっしゃるという印象を持っております。 また、このアンケートは去年の十二月に行われたわけですが、その後御承知のとおり、ことしの四月には選挙がございました。選挙というのがある意味では最も住民の意思があらわれる結果だと思うのでありますが、これによりますと、町長選挙では、いわゆる建設反対を唱えられた方が二八%、推進派の方が七二%票をとられて、推進派が勝たれた。あるいは議会におきましても、反対派が二〇%弱、賛成派が八〇%程度。こういうような選挙の結果とかアンケートの結果をどういうふうに考えるかということでございますが、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、建設省あるいは水資源開発公団等が反対派あるいは不安を抱いていらっしゃる方々にいろいろ説明をしたりしていると思いますけれども、こういうような努力が引き続き重ねられていくことを私としては望んでいる次第でございます。
○長谷委員 そういう住民の皆さんの不安に対してきちっとこたえていく、そういうことが前長官の方からも提出されまして、これに対して今の大臣の御発言があったと思うのです。 それで、環境庁の前長官も、やはり長良川河口堰の建設に関しては、住民に対する説明、それから環境調査等をさらに追加していく必要があるというふうに言われておったわけです。それから、やはり前長官は六月号の月刊アサヒの中でも、こういう調査をやるとしたら、なかなか建設をそのまま進めることは難しいのではないかというような御見解も、そのときの大臣の立場のときを振り返っておっしゃっているというような経過もあるわけですけれども、大臣がそのことを受けて、やはり同じような立場で進めていかれるということを私は強く望んでいるのですが、そのあたりはどうでしょうか。
○愛知国務大臣 北川前長官が月刊アサヒですか、この雑誌の中で体験談を語られた記事を拝見いたしましたけれども、個人的な御意見としていろいろお述べになることは、これはもちろん自由でございまして、これに対して一つ一つコメントを申し上げるようなことではないと思いますが、長良川の河口ぜきにつきましては、昨年十二月でございますが、実はまだ北川長官のときに、環境庁長官の見解というのをまとめられて、それに従って今日まで一貫した対応を図っているところでございまして、私といたしましても、前長官の方針を引き継いで今日まで対応してきているつもりでございます。 いずれにしましても、長良川の良好な環境の保全のためにとり得る最善の措置が講ぜられる必要はございますので、その点は十分頭に置いて今後とも努力をしてまいりたいと考えます。
○長谷委員 WWFJ、日本自然保護協会、日本野鳥の会、日本魚類学会、日本陸水学会、日本生態学会、東海三県学者、研究者など、大変日本の名立たる学会、自然保護団体が工事の一時中止と環境アセスメントを求めている、こういう状況がございます。 それで、かつて大臣も、現地をぜひ視察する必要があるということをおっしゃっておりますが、具体的にいつごろ行けるか、こういうことはいかがでしょうか。いつごろ長良川に行っていただけるのか。
○愛知国務大臣 視察をいつごろするかという御質問ですか。(長谷委員「そうです」と呼ぶ) 長官に就任いたしましてから、長良川河口堰問題に関する関係自治体の方々あるいは住民の方々、これは双方でございますが、賛成、反対双方の方々がいろいろお見えになりまして意見を聞かせていただいております。私も、これだけ話題になっているところでございますので、いずれ機会があれば訪問したいと思ってはおりますけれども、何分今日まで国際会議があってみたりあるいは国内でもいろいろなことがあったりして、なかなか日程がとれずにおります。今も国会開会中ということでございますので、残念ながら現時点でいついつ視察をするという予定が立っていないのが現状でございます。
○長谷委員 大臣のできる限り早い視察ということを望みたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それから、この前建設省と環境庁とこの河口ぜき問題について意見交換をいたしましたけれども、そのときにもしきりに、せきをつくる理由として塩害ということが言われておりました。それで建設省にそういった塩害のことについて幾つかお伺いしたいと思います。 塩害が起こるとされている高須輪中において、長良川からの取水によってかんがいされている耕地面積というものをお知らせください。
○荒井説明員 長良川河口堰によりまして塩害が防止されるということでございますが、これは基本的には治水事業を行う、掘削事業、しゅんせつ事業を行うことによって塩害が遡上するということになるわけでございまして、約三千ヘクタールの農地が塩害にかかると考えられております。
○長谷委員 三千ヘクタールというのは塩害にかかる地域ですか。今私がお聞きしたのはかんがいされている耕地面積で、塩害が起こるのが三千ですか。
○荒井説明員 より詳細にお答えいたしますと、しゅんせつにより新たに地下水が塩水化する可能性のある地域が千六百ヘクタールでございます。そして、しゅんせつによって塩水が遡上して、ひいては農業用水の取水に影響があるという可能性のあるところが、それらの千六百ヘクタールを含めまして三千ヘクタールというようなことでございます。
○長谷委員 長島町におきまして、農業共済統計などによりますと、昭和三十年代半ばに伊勢湾台風の影響も重なって相当の塩害の発生ということがございます。昭和五十年代以降は、かんがい用水を淡水に切りかえる対策等の推進とともに農業塩害は激減しております。河口の長島町においてさえも最近の調査ですと大体〇・二%から〇・四%、この範囲で塩害は推移しておるわけでございます。非常に海に近い、河口に近い長島町においてさえも農業塩害はほぼ克服されて、いる、こういうふうに見てよいかと思います。それにもかかわらず、それより十キロメートル以上も上流の高須輪中においてせきをつくらなければ防止できないほどの農業塩害が拡大する、そういう予測をされている根拠についてお伺いしたいと思います。
○荒井説明員 まず、長島町の塩害の状況でございますが、これにつきましては、長島町の塩害が昭和三十年代に非常に激しかった経験にかんがみまして、木曽川の本川から木曽川大ぜきをつくり、さらに上流に岩屋ダムという一億五千万トンという非常に大きなダムをつくって、そのような水源から木曽川を通しまして除塩用水として現在長島町に送られているわけでございます。ですから、塩害がもともと非常に強い地域であったわけでございますが、それに対して、新たに除塩用水として木曽川本川から導水することによって、これら地域の人々の努力によってこういうような事業が行われ、現在塩害が非常に軽減されているということが言えるかと思います。また、周辺の宅地化によりましても、土地利用の状況によりましても、若干塩害が防がれているというようなことかと思います。
○長谷委員 その長島町の塩害に関してですと、私もあの辺の出身でございますので、あの地域に関しては皆様方よりは幾分よく知っているかと思うのですけれども、塩害がひどかったというのは伊勢湾台風ですね、ですからあれは一九五九年でしたか、そのときに起こりまして、田がすっぽりかぶってしまったというようなことがございまして、三〇%前後のこういった大きな塩害が出るということでありまして、その以前から塩害が、もちろん今のように〇・一%ということはないけれども、塩害で苦しむというよりは、やはり堤防の決壊で苦しむということが多かった地域だということは申し添えておきます。 それから、木曽川の方から引っ張ってきてと言いますけれども、この距離にしても、引っ張ってくるのはせいぜい十キロメートル、せいぜいなのかどうかは知りませんけれども、十キロメートルぐらい水を持ってくれば何とか塩害はこういう形で抑え込んでいける。〇・二%から〇・四%というと、被害額にして大体二百五十万ぐらいというふうに試算されるかと思うのですね。これは二百五十万ぐらいの補償をしたりあるいは被害が出たりするというふうに考えられるのです。そうしますと、今度河口ぜきをつくるとなると一千五百億なわけですね。塩害というのはもちろん起こるかもしれないということを、やるとしたらいろいろ計算しなければいけないと思うのです。それはどちらが的確なのか。一千五百億円かけてせきをつくるべきなのか、あるいはそういう長島町でやったような方法を高須輪中についても検討するか、こういうことが必要だと思うのですね。その辺はどうですか。
○荒井説明員 まず、長良川河口堰というのは長良川の塩害を含めた治水、それから利水、こういったようなものを総合的に考えてできたプロジェクトでございます。ですから、長良川の河口ぜきと治水事業のしゅんせつ、そして堤防の補強、この三つは一体となって効用を発揮するものでございます。ですから、河口ぜき、塩害遡上のみを取り上げて論議するということは必ずしも適切ではないと思われます。 また、長島町の現在の塩害が非常に少ないということは、先ほどちょっと申しましたように、上流からの除塩用水等の地元の方々の御努力によって現在の塩害が少なくなっているわけでございますが、現実には地下水の中に大量の塩水が含まれているということが観測によって明らかになっております。ですから、いわば薬を飲みながら健康を維持しているというようなのが長島町の現状であろうかと考えます。
○長谷委員 総合的にという総合的の中に塩害の問題も非常に強く宣伝されているわけですから、そうしましたら、塩害についてはどうだという答えはしていただきたいなと私は思うのですね。 それから、今のように治水だ、利水だと、私たちがこのことを言い出しますと、やはり利水が大きいのじゃないかとかいろいろな議論があるわけですけれども、塩害について、例えば農業塩害についての被害額ということについても全然把握していない。この間の質問主意書、清水澄子議員のものでしたか、そういうところにも書いてあるわけです。塩害について一体どのくらい出るかということも何もわからないというようなことで、塩害塩害という宣伝を非常に強く、このところまたとみに強くなされているということは、やはりこれはおかしいのじゃないか。としたら、これは利水なんだ、あるいは治水面だけだという形で塩害というのを外されたらどうでしょうか。
○荒井説明員 長良川の河口ぜきの事業は昭和四十三年に閣議決定されてスタートしているわけでございます。その当初から塩害を含む目的、治水事業及び利水事業については何ら変更はありません。
○長谷委員 何ら変更がない。しかしいろいろな、先ほどの大臣の御答弁にもあるように、それからかつての北川前長官の言うコメント、見解にもあるように、何ら変更がないという建設省さんのそういう強い態度というのは異常に浮かび上がるわけですよ。今度十万人のデモをやろうと言っているのですよ。あっちこっちから、これはいいかげんにしたらどうか、いろいろな問題が出てきたのじゃないか。二十年前の計画だからやはりこれはいろいろ変わってきているということはだれもが認めているところに、今のお答えは、私ははっきり言って非常に驚いたのですね。そこまで何ら変更がないのだというような言い方をされてしまうと、えっという感じがしてしまうわけですけれども、それでよろしいのですか。
○荒井説明員 長良川河口堰につきましては、建設目的については先ほど御説明申したとおりでございます。 なお、この事業につきましては、昭和五十九年に環境影響評価の手続に関する制度というものが閣議決定によって導入されたわけでございますが、それ以前の事業であるにもかかわらず、幅広い分野での学識経験者の協力を得まして環境調査を実施し、環境保全対策を行い、また地元の関係者に理解を得つつこの事業を進めてまいったところでございまして、基本的には大きな問題はないと考えておるわけでございます。そういうことで、事業の目的、環境調査及び環境保全対策ということに今後とも万全を尽くしてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○長谷委員 それで、環境影響等について追加的な調査をする、これももちろん了解事項でございますね。こういったことが環境についていろいろな問題があるといけないので調べるということを決めて、この報告が今年度末に出していただけるということになっているかと思うのですね。 しかし一方で、私、きのうも伺いましたら、工事が、今荒井課長さんの方がおっしゃったように何ら変更がないなんということを先に言われちゃうと困るのであって、この工事を十月からまた再開するという見解をきのうも私、お聞きしましたけれども、それはやはりおかしいと思うのですね。だったら、これは何のために環境の調査を追加するのか。この調査の結果というものを受けて、それで判断するというのが当たり前のやり方じゃないかと思うのですね。その辺はどうでしょうか。
○荒井説明員 先ほど申し上げましたのは、長良川河口堰の建設目的については何ら変更がないと申し上げたわけでございまして、先生御指摘の現在行われております追加調査でございます。この点につきましては、環境庁とも十分調整をいたしまして、この結果につきましては関係の自治体または地域の住民に十分説明を行いまして、より一層御理解をいただけるように努力してまいりたいと考えております。
○長谷委員 時間が少ないのでまとめて言いますと、塩害についてのほかの防除の仕方を全然計算していない。それから、急遽の問題で、六百六十一メートルの中の大体一割程度が急遽の幅ですけれども、常識的に考えて、やはりお魚が上がってきましたら通れない魚があるのは当たり前ですね。これはそちらのつくられた資料の中にも、大体七割は大丈夫だからいいんじゃないかというような岐阜大の調査なんかもありましたけれども、ではそういう被害率はどのくらいですか、どういうふうに計算されているのですか、こういうふうにお伺いしても、それも答えていただけない。言うことはできません、わかりません、そういうことを言われます。それから、今私が、この環境調査の結果はことしの末に出すんだと、それで、出すんであればその調査を受けてから建設をするべきだ、だから工事はそれまで、最低だってそこまではやはりやめる必要があるのじゃないか、こういうことを申し上げているにもかかわらず、やはりやっちやうんだというところがどうも腑に落ちないわけですよ。そこをやはりきちっと、その調査が出るまでは一時中止しておく、これが当たり前の態度だ、当然の態度だ、こういうふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○荒井説明員 この事業につきましては、近年においても昭和五十一年に長良川の右岸堤、安八堤防が八十メートルにわたって決壊して滝のようになって洪水が襲った、大被害を生じたというようなことが起こっております。この際もう少し水位が低ければ破堤も免れたのじゃないかというようなことも我々考えておりまして、しゅんせつによる治水事業というようなものがいかに洪水を守るために大切であるかということを実感したわけでございまして、六十七万人の治川の方々の命と暮らしを守るというような観点からこういうような治水事業がかねてからの悲願になっているわけでございます。 そういう点で、河口ぜきの工事を中断してというようなことにつきましては、こういったような治水上の緊急性、これはまさに国民の安全という面から最低限必要な不可欠な事業である、また急がなければならない事業であるというぐあいにも考えております。 また環境調査等につきましても、追加調査という形でやらしていただいているわけでございますが、これは先ほども申しましたように、この事業は昭和四十三年に閣議決定される以前の昭和三十八年から、KSTといいまして木曽三川河口資源調査団というようなことで、九十名にも及ぶ学識経験者の人々からの御指導をいただいて調査を行い、その後も数次にわたりまして大規模な調査を行って、現在に来ているわけでございます。 そういう点で、我々といたしましては、環境対策には万全を期したいと考えておりますので、御理解いただきたいと思っております。
○長谷委員 ですから、治水がいけないなんということは私は一つも言っていないと思うのですけれども、環境調査についてやはりきちっとやっていきたいと今御答弁があったわけですから、今年度末に出るわけです。ですからそこまでは見合わせる、こういうようなことをぜひやっていただきたいと思うわけですけれども、どうしてやれないのでしょうか。急ぐということと別のことです。それから利水の問題、治水の問題になりますといろいろな議論がありますけれども、それを譲った形でも二カ月の問題ですね、中止していただけないでしょうか。
○荒井説明員 環境調査につきましては先ほど御説明申し上げたとおりでございますが、急遽をつくる効果がないではないかという御指摘もちょっとございましたけれども、最近、その点につきまして我が国で他の河川に設置されている同種のせきの調査を行ってみました。そういたしますと、かなり多数の、数百万尾に及ぶアユの遡上というものが認められているわけでございます。そういうことで、急遽を設置すれば河口ぜきを設置しても十分魚は遡上するというようなことがわかっております。そういうようなことから、我々といたしましては、先ほど申しましたような治水上の緊急性また利水上の必要性、こういったような観点からこの事業については建設を引き続き行ってまいりたいというぐあいに考えております。
○長谷委員 ですから、環境調査というのは予断を持ってやってもらっては困るわけですね。これで結果を見てやるために調査をやっているということで、環境調査が終わるまでは工事を中止していただくということを、再度強く要望いたします。 それから、大臣がいらっしゃるのでお願いをいたしますけれども、世界遺産条約、これはもう大変批准が急がれていると思います。長官もこれについては早くやりたいという御所見がございますので、来年にUNCEDの会議もございますので、それに向けまして一層早く批准できるように御努力を願いたい、このように重ねてお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○小杉委員長 次に、岡崎トミ子君。
○岡崎(ト)委員 岡崎トミ子でございます。 きょうは、水田の農薬空中散布についてお伺いいたします。よろしくお願いいたします。 ことしの夏、宮城県では農薬空中散布によります飲料水汚染が大問題になりました。私も愛知和男環境庁長官も地元でございますが、昨年の空散で仙台市福岡浄水場、茂庭浄水場からたくさんの種類の空散のための農薬が検出されまして、そのうち三種類は浄水処理後の水からも検出されたのですね。水道局は、人体への安全性を厚生省に照会した後そのまま給水したということなのですが、農薬が飲料水に混入するのは問題だとしてこれを発表しております。そしてことしなのですが、農協などが散布除外区域をふやしまして、浄水場には農薬が混入しないように注意したということなのですが、やはり浄水場から空散農薬が検出されました。浄水場の周辺で空散をやめ善しても、上流の川が汚染されたのでは同じことなのですね。それで、仙台市は農薬の水道施設への飛散防止を要請しているところです。こういう事実について厚生省、農水省、環境庁は知っていらっしゃいますでしょうか。知っておりましたら、どのように対処なさったのか、お聞かせいただきたいと思います。 〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕
○藤原説明員 お答えいたします。 仙台市内において農薬の空中散布が行われ、その直後の水質モニタリングの結果、微量ながら農薬が検出されたということは承知いたしております。 仙台市に対しましては、検出された農薬の評価について、厚生省が通知でゴルフ場使用農薬の基準を定めておりますが、またその基準のないものにつきましては農薬登録保留基準の値を参考にして、その検出された値がどのようなレベルであるかということを評価するように指導したところでございます。
○大川説明員 お答えいたします。 農薬の空中散布に伴う浄水場における水質の調査結果につきましては報告を受けております。そして宮城県からは、実施主体と浄水場の当事者間におきまして散布剤型の改善や散布地域について協議して対処している旨報告を受けましたけれども、さらに宮城県に対しまして、危被害防止の徹底につきまして指導したどころでございます。
○眞鍋政府委員 環境庁でも仙台市の水道局等が行った水質検査の結果につきましては、御指摘のような事実を把握しております。これに対しまして、農薬につきましては、御案内のとおり農薬自体の規制の問題それから登録農薬を適正に使用するという、この二つの問題があろうかと思います。 それで、この農薬の空中散布に伴います問題につきましては、農薬をいかに適正に使用するか、こういう問題でございます。この点につきましては、適正使用につきまして農林水産省が指導をしておるところでございます。環境庁としましては、空中散布の実施に当たりまして、その実施者が関係機関の指導を遵守して危害防止に万全の注意を払うことが必要であるというふうに思っておりますし、その際、特に居住地でございますとかあるいは浄水場、学校、病院等に十分配慮して適切に実施されることが重要であるというふうに考えておるところでございます。これらの点につきましては、かねてから農林水産省に対しまして十分な配慮をするよう求めてきておるところでございます。しかしながら、今回議員の御指摘のような状況が生じたということも踏まえまして、適正使用の一層の徹底方につきまして重ねて要請をしたところでございます。 〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕
○岡崎(ト)委員 厚生省も農水省も環境庁も、評価の問題であるとか規制の問題ですとか適正使用という問題について、これまで答弁なさったことと同じようなことで、何ら変わりがないなという印象がありますが、日本の場合には、上水道原水の取水口が水田の下流にある場合が非常に多いわけです。当然原水には水田で使われます農薬が混入してくることが考えられます。仙台の場合はたまたまといったらいいんでしょうか、水道局が大変熱心でしたからこれを調べた、それで汚染の実態がわかったものと思いますが、国民の健康を守る立場から、国は農薬による飲料水の汚染実態を把握しているんでしょうか。把握しておりましたら教えてください。まず農水省にお願いします。 〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕
○大川説明員 汚染の実態調査をしていると聞いております。
○岡崎(ト)委員 汚染の実態調査を農水省がしていらっしゃるわけですね。それではそのデータを示していただきたいと思います。
○大川説明員 農水省が実施しているということではございませんで、現在、散布地域周辺の河川への農薬の混入につきましては、事業散布地域において社団法人農林水産航空協会が体系的なモニタリング調査を実施しております。そういうことでございます。
○岡崎(ト)委員 そのモニタリング実施調査の結果をお知らせください。
○大川説明員 現在手元には持っておりません。
○岡崎(ト)委員 それでは次の機会にぜひとも、というよりは、私はそのことを農水省はきちんと把握しておくべきだというふうに思いますけれども、厚生省はいかがでしょうか。国民の皆さんの健康を守る立場から汚染の実態把握をしているかどうか、教えてください。
○藤原説明員 厚生省では全国の水道事業体を所管しておるわけでございますが、全国の水道事業体では農薬の汚染の状況を把握いたしております。 具体的に申しますと、水道法に基づきまして水質基準が定まっておるものとしましては有機燐がございますが、これにつきましては、すべての浄水場で定期的にはかっております。それから、水道環境部長名で通知いたしておりますゴルフ場使用農薬、これは三十種ございますが、この三十の種類のゴルフ場使用農薬に関しましては、必要な浄水場において水質検査を行うようにしておるわけでありますが、これらの結果は取りまとめております。
○岡崎(ト)委員 まず厚生省なんですけれども、ゴルフ場の水質目標値ですよね、私、水田の方の農薬散布によることについて伺っておりまして、定期的に調べているということではなく、散布後の実態調査をしているかということなんです。その汚染の実態を把握しているかどうかということなんです。定期的に行っているであるとかゴルフ場の水質目標値でもってやっているだとかいうんじゃないのです。水田の方がもっとたくさんの農薬を使っているわけですから、そういうようなことを言っているわけではないのですね。分析技術なども相当進んでいるというふうに私も思いまして、厚生省ではなくて、秋田県の十文字町で横浜国立大学環境科学センターに依頼して行った調査によるものをちょっと私読んでみたいと思いますが、八八年、八九年、九〇年と三年間行っております。その中で、水田の水と稲の葉茎の農薬量の測定から、散布量のおよそ三分の二が葉茎について、残りのおよそ三分の一が水中に落ちてしまうことがわかりました。水中に溶けた農薬成分は、いもち病や二化メイ虫に作用することなく、むだに環境を汚染することになります。特に、散布当日に水田を見て回った様子では、止水せずにかけ流し状態の田んぼが少なくありませんでした。散布農薬の三分の一つまり千三百リットルの農薬を河川に流失させることになりますが、これでは下流の汚染が深刻になってしまいます。農薬が下流を汚染しないような配慮が求められます。つまり、そこからは高濃度の農薬を含んだ水が流出しているという結果を出しているわけなんですが、こういう水を、散布後でなければわからない、こういう調査をきちんとしているかどうかということを厚生省に伺ったわけなんです。
○藤原説明員 水道事業体といたしましては、定期的に各種の水質項目をはかるということになっておりますが、その中で、先ほど言いましたように、農薬に関しましては通知で三十種のゴルフ場使用農薬、こう言っておりますが、この農薬はゴルフ場で使われる場合もありましょうし、また畑地で使われるような場合もありましょうから、モニタリングして、そしてその結果、評価は決められた基準で評価できるわけでございますので、先ほど言いましたように、定期的なモニタリングをいたしておりますし、そしてまたその結果、基準で評価しておる、こういうことでございます。もちろんゴルフ場では使われない農薬が水田、畑地で使われるという場合もございますので、そういう場合の基準は私ども定めておりますこの三十種の中には入っておりませんが、そういうことは、ございますが、かなりの部分は把握できておるのではないか、このように考えております。
○岡崎(ト)委員 ゴルフ場の水質目標値は、設定に当たって、その根拠となる研究資料が公開されておりませんし、国民が知ることができないなど非常に問題がありまして、これについては別の機会にじっくり質問をしたいと思います。 それでは、ちょっと先に進まなければなりません。きょうは三十分の質問ということですから、次に行きますが、先ほど、検出された農薬は微量だから問題ないと言いましたが、水田で使われる農薬は一種類ではないわけですね。例えばカスラブスミバッサという名前で知られております農薬は、一つの農薬なのに、カスガマイシン、ラブサイド、スミチオン、バッサという四種類の成分が農薬として入っているわけですね。地域全体ではこんな農薬を何種類も使うわけです。水道水を汚染している可能性のある農薬成分では相当数になるわけですが、そういうのを全部調べているのかどうか。一種類調べて微量だから問題がないというふうに言うかもしれませんが、全体ではどうなっているのか、総体的な汚染の実態を把握すべきだというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
○藤原説明員 先生御指摘のいろいろな農薬の複合的な影響ということにつきましては、大変これは難しい問題でございます。厚生省では、生活環境審議会の中に水道部会というのがございますが、その中の水質専門委員会でこういう、農薬の問題も含めまして水質基準のあり方といいますか、見直しについて検討していただいておりますが、その中でも複合的な汚染の問題、複合的な農薬の健康影響に与える問題についても検討はしております。しかし、なかなか先生方の御意見でも難しいというような状況でございます。もちろんそういう点もよく考慮しながら、安全性を十分とって基準を定めるときには定めていかなければいけないというようなことで、今作業をしていただいておるところでございます。
○岡崎(ト)委員 本当に困るんですね。今専門の先生方でも、複合汚染によってどういうふうなことになるかということについてよくわからない、非常に難しい、そういうものが流されている、そのことが非常に住民にとって不安なわけなんです。今考慮中、そして研究を進めているということなんですけれども、もっと早くそのことの実態を知らせないと、被害を受けるのはその地域に住んでいらっしゃる住民の皆さんです。 そしてまた、もう一つ、今総量規制という問題についてもお伺いしたいと思いますけれども、一つだけではなくて、例えば慢性中毒を示す有機燐剤だけでも十種類の薬剤の目標値が設定されておりまして、個々の薬剤が基準以下でも合計しますと相当量になることもありますし、少なくとも労働環境基準で採用されている相加的な毒性評価はなされるべきではないかなというふうに思いますけれども、厚生省いかがでしょうか。
○藤原説明員 先ほど御答弁いたしましたように、ただいま生活環境審議会の水質専門委員会の場で多角的な観点で検討をいただいております。この検討の中では、農薬も含めまして、また有機燐剤も含めまして多角的に検討していただいておりますので、そういう中で科学的な結果が得られるもの、このように考えております。
○岡崎(ト)委員 これまでの話のように、複合汚染の問題ですとか総量規制がないだとか、あるいは発がん性物質もあるわけですけれども、私たちはそういう農薬をやはり水道水の場合残留をゼロにすべきだというふうな考え方ですが、一方には、百万人に一人程度の発がん率であればそれを許容しようという考え方もありまして、日本の行政はこういう危険性の評価の基本すらも明らかにしていないということを私は申し上げたいと思います。そしてまた、有吉佐和子さんが「複合汚染」という小説の中で農薬や洗剤による飲料水汚染を問題にしたように、化学物質によります飲料水汚染が社会的に問題になってからもう二十年もたっているわけなんです。今まで一体何をしてきたのかな、まだ調査中なのかな、そういう思いがいたしますので、早く実態を調べていただきたいというふうに思いますが、これらのことを聞いて環境庁はどのようにお考えになりますでしょうか。御意見を伺いたいと思います。 〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕
○眞鍋政府委員 河川の農薬の問題でございますが、環境庁といたしましても、河川の水質につきまして、化学物質の環境汚染実態調査、こういうものをやっておるわけでございます。それで、その中の一つとして農薬も一部対象になっておるわけでございます。 この結果によりますと、一般に河川中の農薬というものは検出されない場合も多いわけでございます。それから、検出される場合でも濃度はごく微量である、こういうふうに承知をしております。これは、農薬はその使用後におきまして植物へ付着したり、あるいは土壌への吸着をするということのほかに、特に土壌微生物なり光なり酸によりまして分解をするとか、あるいは河川水による希釈、そういうこともございまして、環境中で濃度が徐々に減少していく、こういうふうに考えておるわけでございます。 しかしながら、ごく微量といいましても公共水域でそういう成分が検出されるということでございますので、農薬の登録でございますとかあるいは農薬の適正使用につきまして今後とも十分配慮していかなければならない、こういうふうに考えておるところでございます。
○岡崎(ト)委員 今のでも、分解するとだんだんそういうような効力がなくなる、毒性がなくなるかのような雰囲気に聞こえてくるのですけれども、スミチオンなどは塩素と化学反応を起こしますとスミオキソンになって、こちらの方が毒性が強くなるというようなものもありますので、十分いろいろと配慮をお願いしたいというふうに思います。 次に、水田の農薬空散によって飲料水が汚染された場合に、どのような法律で規制できるかお伺いしたいと思いますが、厚生省いかがでしょうか。
○藤原説明員 水道法では、飲料水の一定の基準を決めておりまして、この基準を満たした水道水でなければ供給できない、こういうことになっております。
○岡崎(ト)委員 その水質基準ですが、農薬に関して厚生省にお伺いしたいと思います。
○藤原説明員 農薬につきましては、法律で定まっておるものといたしましては有機燐というので一項目定まっております。これ以外には、先ほど御答弁いたしましたように通知で三十の農薬を定めまして実質的な規制を行っておる、こういうことでございます。
○岡崎(ト)委員 水道法の四条で、有機燐は検出されてはならないというふうになっておりますから、ちょっとでも検出されればこれは違反であるというふうにこちらは考えますけれども、それはいかがですか。
○藤原説明員 法律の規定は、有機燐の基準として「検出されないこと。」というのが基準でございます。「検出されないこと。」というのをもう少し具体的に申しますと、一定の測定法で測定いたしまして、そしてその結果検出されないことということであります。検出限界というのがございますので、ゼロということではございません。
○岡崎(ト)委員 この検出の場合なんですけれども、実質的にはパラチオンなど四種類の農薬が一〇〇PPbというふうになっていまして、一〇〇PPb以下、例えば一〇PPbとかそういうものについては一切問題外にされてしまう、つまり垂れ流しにされてしまうという現状がありまして、ここについても私は大変疑問に感じているところなんですけれども、それでは農水省はいかがでしょうか。
○大川説明員 農水省といたしましては、空中散布の実施、これは広域に薬剤を散布するという事業の性格上、危害防止対策に万全を期す必要があると考えておりまして、従来から農林水産航空事業実施指導要領に基づき所要の指導をしてきたところでございます。また、昨年十二月二十五日付で「病害虫・雑草防除における農薬の適正使用の徹底について」という農蚕園芸局長過達も発しまして、この中で、農村地域における近年の状況の変化に応じて散布地域の点検、見直しのほか、より飛散の少ない剤型、散布技術を積極的に導入することを指導してきているところでございます。
○岡崎(ト)委員 その指導要領なんですけれども、水道及び水源ということで、当然ここには浄水場も含まれるだろうというふうに思います。水源や浄水場周辺で危害が生じないように配慮して空散しなさいということなんですが、これはほとんど不可能に近いんじゃないでしょうか。飲み水が汚染されているという実態は仙台市でもはっきりとしているわけなんですけれども、そういうふうに汚染されるのが十分予想されるのに禁止をしていないわけなんですね。この注意事項だけでは非常にお粗末だというふうに思います。 農水省は、空散農薬による水道原水の汚染を危害と判断していらっしゃいますでしょうか。
○大川説明員 私どもは農薬による汚染とは考えておりません。微量でありまして、農薬の混入というふうに考えております。
○岡崎(ト)委員 ひどいですね。その考えは私も非常にびっくりいたします。 しかし、もし水道水から出るというような場合、どのような配慮をして、被害が発生しないようにどのような予防措置をとれというふうに指導していらっしゃるのでしょうか。仙台の場合には大変に努力をしておりまして、浄水場の上ではビニールシートをかける、しかも水道側が四百万円のビニールシートを予算でとって、これは被害を受ける方が受けないようにということで予算を組まなければいけないわけですね。職員の人たちは、早朝からの散布ということで夜中からそういう作業をしなければいけない、全部そちらの方の負担になってしまうわけなんです。例えば、昨年のさまざまなものを参考にして、液状のものを粒状にするとか、ヘリコプターもラジコンの無人ヘリコプターにするとか、散布回数を四回から二回に減らすなど、それぞれの地域では努力しているわけですけれども、国としてもしっかりとその辺の指導をすべきではないか。それをやってもさらにこれが浄水場から検出をされるあるいは沈殿池からも発見されるということなんですけれども、いかがですか。
○大川説明員 今回の具体的な例に関しましては、例えば取水口より上流地域の散布地域を再度見直すとか、航空会社に対しまして、ドリフトが少ない散布方法をとるとか、またさらには散布地域からの水の流入防止を徹底する、つまり上流での水とめを奨励するというようなことを指導したわけでございます。また、今後は散布事業の計画段階におきまして、関係者との十分な協議を踏まえて、散布区域の点検を行いましてその理解と協力を得るようにしたいと思います。具体的には、前回の地方農政局長会議、また地方農政局農産普及課長会議におきまして、このように都道府県を指導するように、その徹底を図ったところでございます。
○岡崎(ト)委員 埼玉県浦和市の大久保浄水場のことについてもお伺いしたいと思いますが、ここも隣接した水田で空散をしております。市民グループが飛散調査をしましたところ、浄水場を囲む五カ所の境界から空散された農薬が検出されておりまして、当然浄水場にも飛散していると考えられます。仙台の浄水場では空散時にビニールシートをかけたとか言っておりましたけれども、ここではそれはしていないわけですね。原水や浄水の分析をしたり給水制限をしたりしていますけれども、ここの浄水場ではそういうことを一切していないということなんです。仙台というふうに対比して大変申しわけないのですけれども。そして、浦和市農政課の対応も大変に、危害を生じないように配慮しているということなんですが、このようなことでビニールシートもかけていない、それから分析もしていない、給水制限もしていないということで、危害を生じないように配慮したことになるのかどうなのか、大変疑問です。 そこで、横浜国立大学の環境科学研究センターの方にも飛散調査をしてもらったようなんですが、そこではっきりと「農薬が周囲に飛散することを避けることができない。」「浄水場の水処理施設には覆いがなく、飲料水にも飛散農薬が混入したと考えられる。」「今回の調査で飲料水源である浄水場に散布農薬が飛散していることが確認された。」こういうふうに調査結果が出ておりますけれども、幾ら注意をしてもこういうような現状があって、日本国じゅうに浄水場の上での空散があるということが今明らかになっただろうというふうに思うのですけれども、環境庁長官、これらのことを聞きまして、最後に、ぜひとも人体や環境に影響がないように空散を中止していただきたい、あるいはまた規制をしていただきたいという声が日本全国から巻き起こっておりますけれども、そのことに関してどのようなお考えがありますでしょうか、お伺いしたいと思います。
○愛知国務大臣 農薬の空中散布につきましては、水源などの環境保全上問題が生ずることのないように適正に対処する必要があると考えております。現在、農薬の空中散布につきましては、農林水産省により都道府県を通じて、水源の近くでは空中散布を行わないなどの指導が行われているところでございますので、環境庁としてもその指導の徹底が図られるように今後も求めてまいりたいと考えます。
○岡崎(ト)委員 よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○小杉委員長 次に、時崎雄司君。
○時崎委員 環境庁長官にまず最初にお尋ねをいたしますが、率直に申し上げて最近の環境というのは従前に比べると改善をされているとお考えなのか、どうもますます悪くなっているとお考えなのか、これは感想で結構ですから、お聞かせをいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 環境につきましては、場所によっても違うわけでございますが、最近目立っておりますのは空気の汚れ、水の汚れ、目立っているところも見られます。これはかってのように工場の煙突から出る煙なりあるいは工場が流す廃液というのが原因ではなくて、水の場合には主として生活雑排水、あるいは空気の汚れは、車の数が多くなった、特にディーゼル車が多くなった、これが主な原因とされております。したがいまして、全体としましては、環境庁ができました当時、今から二十年もの前の状況に比べますと非常によくなっているということが言えるかとは思いますが、最近、場所によっては空気の汚れ、水の汚れなどが目立ってきているところが見られる、これが現状ではないかと認識しております。
○時崎委員 いみじくも水の汚れさらにはまた大気の汚染というのが従前に比べると進行しているという認識のようでございますが、ぜひ十分な御理解というのか認識を持っていただきたい、こう思うのです。 たしか昭和五十九年ですか、湖沼の水質保全のために湖沼水質保全特別措置法なるものができて、特に閉鎖性水域であります九つの湖沼について特別に対応してきたということでございます。私の選挙区内にもその一つであります霞ケ浦を抱えているわけでございますが、どうもこの霞ケ浦、環境庁が基準を示しても年々その基準には到達できない、ますます汚染が進行しているのではないか。例えば一つの例を挙げますと、国が一生懸命市町村とも協力してヘドロの除去事業を行っているのですが、どうも取るよりもふえる方が多いんじゃないか。あの程度のことをやっておったのでは水質の浄化はますますできない、こういう批判等もありますし、また環境庁が示しております、例えば窒素量などについても基準の三倍ぐらいにもなってしまっている、こういうような現況にあるわけで、そういう点ではどうも環境庁を含めて政府の行っている施策が不十分なのではないか、このように考えておるところでございます。 そこで、これも環境庁長官にずばり聞きたいのですが、環境白書その他環境庁から発行しております書物を読んでも、必ずと言っていいほど出てくるのが環境の保全という言葉と自然環境の保護という言葉です。ところで長官に伺いますが、守るべき環境というのは何なのですか。どういうものを守ろうとしているのか、このことについて、抽象的で結構ですからお尋ねをいたします。
○愛知国務大臣 突然の御質問でございますが、守るべき自然ですか。私は、一般的に自然保護、自然を守ると申します場合には、人間と自然とを切り離してしまって、そしてそういう形で自然を守るということ、そういうこともところによっては必要かもしれませんけれども、それよりもむしろ自然と人間との間の調和をどういうふうにつくっていくか、ここがやはりその自然保護、自然を守るということの正しい姿ではないか、このように思っております。どのように調和を保つかということについては、これはその場所、状況等々によって変わってくるかと思いますが、つまり自然と人間との調和をどういう点に求めていくかというのが自然保護行政の基準ではなかろうか、こんなふうに考えております。
○時崎委員 長官が就任されたとき、この環境委員会で冒頭お話をされました。これまでは、どちらかというと経済優先の社会のシステムであったものを、もっと環境なり自然を配慮した方へと変えていくべきだという趣旨のことを言われました。そうだとすれば、確かに人間と自然の調和を図るというのが大変重要なことでございますが、従前以上に人間の生活活動ぎらにはまた経済活動という方向から自然を守ろうという方向へこれからの日本のあらゆる活動というものを、スタンスを変えていく、こういうふうに理解。してよろしいですか。
○愛知国務大臣 我々の今日の生活スタイル、ライフスタイル、これがいわゆる大量消費、大量廃棄型のライフスタイルでございまして、これがいろいろなところで自然破壊、環境破壊につながってきていると思いますので、このスタイルをもっと環境保全型に変える、これが非常に大事なことだ、このように考えておりまして、そういう意味では今先生御指摘のとおりだと思います。
○時崎委員 実はけさの新聞のほんの隅の方に何行か載っておりましたけれども、長官が環境庁を省に昇格をしたいということで検討の指示をしたという、ほんの一、二行、もっと大きく書いてくれればいいのにと思いましたが、出ておりました。環境庁を省に昇格させるために積極的に努力をする、こういう考えであのような指示をされたのか、このことについてお伺いをいたします。
○愛知国務大臣 私も、就任しましてからまだ九カ月少々でございますが、その経験におきましても、あるいは環境庁の庁員の毎日の仕事におきましても、環境庁の役所としての権限その他が非常に弱い。人数も少ないし、予算も少ないし、非常に苦労をいたしておりまして、こういうことではなかなか思うように環境行政が推進できない、何とかしてもっと力のある、強い役所にしていく必要があるんではないか、こんな認識を持っております。 そういう点で、じゃあどうしたらいいかということになりますとなかなか難しい点もあるいはあるのかもしれませんけれども、また、名前だけ庁から省に直しただけでは意味のないことなのかもしれませんけれども、私は、非常に象徴的に、環境行政をもっと力強く進めていけるためにも庁を省に昇格をする、こういうような形でひとつ打ち出していくべきではないか。これには行政改革、行政全体のあり方と関連しますので、そうそう一朝一夕に簡単にいく話ではないと思いますが、そういう旗を掲げて、これから環境行政が強力に推進できるように、そういう方向で取り組んでいきたいと個人的にも思いますし、役所にも、ぜひそういう方向で検討してみる、こういうふうに指示をしているところでございます。
○時崎委員 今の長官の考え方、私も大変結構なことだと思いますので、微力ではございますが、環境庁が将来環境省になって、そしてまたその権限も予算も他の省庁に見劣りしないような状態になることを支援してまいりたい、こう思います。しかし、現状は大変後退をしているようなことが幾つかございます。これは必ずしも環境庁自身の所管ではございませんが、それを連絡調整または全体を見るという立場から、ぜひ次の質問を十分聞いておいていただきたい。 厚生省にお尋ねをいたします。平成三年度のごみ並びにし尿処理施設、このうち継続事業分についてのみ質問させていただきますので、新規を含めた全体のことを余り言わずに、継続部分についてのみお尋ねをしたい。 実は私、さきの通常国会終了後、私の選挙区内二十数カ所の市町村長に直接お会いして、来年度以降なり、また今年度の事業についての問題点なり悩みを聞かしていただきました。そういたしましたところ、私の管轄しているところだけでも数カ所、また県全体でも七カ所から、実は今申し上げたごみ並びにし尿処理の国庫補助金が大幅に減額をされてしまった、このために事業の一部は予定どおり今年度内に完成しないというようなこともあり、また厚生省からは、完成予定年度を先送りするようにと方針が示された。 このごみ、し尿はどこの市町村にとっても迷惑施設ですから、建設をしておるもしくはこれから建設をしようとする地域住民との話し合いが大変難航するわけでございます。ようやく住民を説得してそこで工事を始めたと思ったら国からの補助金が大幅に減額されて完成が一年、二年おくれになってしまうとか、または、乏しい財源の中で何とかことし措置をしなければならぬとか、起債をお願いして借金をふやしてしまうとかいろいろなこと、それのみかその地域住民の行政に対する不信というのが実は大変大きくなってきているのでございます。なぜこのようなことになったのか、その理由と、そして今後どうするのか、その対応策についてまずお聞かせをいただきたい、こう思います。
○小林(康)政府委員 お答え申し上げます。 ごみ、し尿等の廃棄物処理施設の整備につきましての市町村の要望は、昭和四十年代後半に整備をいたしましたこれらの施設が更新期を迎えておりますこと、さらに、近年ごみの排出量が急激にふえてきたことを背景にいたしまして、市町村の要望がここへ来まして急激に増加しているという状況でございます。 平成三年度の予算につきましては、ごみ処理施設、し尿処理施設等の整備の予算といたしまして、他省庁計上分を含めまして八百八十億円、対前年度比二一・七%増の予算を計上しているところでございますが、所要額には満たないという状況ではございますものの、平成三年度の公共事業全体の対前年度伸び率五%を大幅に上回る予算とはなっておるわけでございます。しかし、市町村の御要望がこの予算をはるかに上回るという状況がございまして、国の予算の配分といたしまして、継続事業の一部をお話のございましたように先送りを前提として内示を行ったところでございますし汚しながら、市町村からの、本年度ぜひ事業を予定どおりやりたい、こういう御要望が大変強い状況でございますので、私ども、関係省庁とも協議を進めておりまして、地方財政措置による対応を含めまして、ごみ処理施設等の建設に支障が生じないよう、現在、鋭意検討しておるところでございます。
○時崎委員 私が聞いているのはそういう意味じゃないのです。市町村からの要望が急激にふえたなどということを聞いているのではないのですよ。冒頭から言ったように、継続事業についてのみ質問すると私言っているのですよ。何でそういうことを言うのですか。継続事業というのは去年もしくはおととし既に厚生省は予定どおり予算をつけて承認しておるのではないかという前提で言っているのですよ。だから、今年度急激に要望が強いとかということではなくて、継続事業ですから、もう平成二年なり平成元年なり、場合によっては昭和代の継続事業についてなぜ大幅に補助金を減らすような結果になったかを聞いているのです。すなわち、厚生省は、平成三年度の予算では継続部分がどれだけ必要だというのはもう去年の段階でおわかりになっていたはずですね。それにもかかわらずこのように大幅な補助金の減額に至ったのは何か、くどいようですがそれを聞かせていただきたいのが一点。 それから、こういうことが過去三年程度前に、平成二年、平成元年、昭和六十三年中にこういう現象が起きたのか起きなかったのか、こういうことが事例としてあったのかどうか、このこともあわせてお尋ねいたします。 〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕
○小林(康)政府委員 継続事業につきましての後年度の所要額については、その年度、年度で試算をしながら予算要求を行っておるところでございます。 平成二年度までは、政府全体の方針といたしまして公共事業についてのゼロシーリングという方針がございまして、予算はほぼ前年度並みの予算措置ということがございまして、その予算内で地方公共団体の要望に対応をする、こういう措置をとってきたわけでございます。平成三年度は、生活関連重点化枠という制度ができまして、私ども、その枠の配分によりましてこの分野の増額を図りたい、こういうことで努力をし、その結果先ほどお示しをした数字になったわけでございます。市町村の要望がそれ以上あるということは私ども十分承知をしておるわけでございますが、政府全体として公共事業の配分としてその額で廃棄物に対応する、こういう方針を固めましたので、その中での市町村の御要望にこたえる方策ということで現在検討しておるところでございます。 なお、廃棄物の予算は、継続事業につきましてもそれぞれの単年度ごとに算定をし内示をするという制度でございまして、事業全体につきまして政府が約束をする、こういう制度にはなっておりません。しかしながら、市町村にとりましては、事業が採択されますと後年度を含めまして全体としての期待感があるというのは事実でございますので、そうした市町村の予定に沿う形の対応策を講じたいと考えているところでございます。 〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕
○時崎委員 持ち時間が大変少ないので、質問にのみ答えていただきたいのです。私が聞いたのは、継続事業で翌年、二年度目、三年度目でこのように補助金が大幅に削減されたようなことが平成二年度前三年の間にあっなかなかったかと聞いているのですよ。今回初めてですかということを明らかにしてほしいのですよ。補助金は単年度でどうのこうの、そんなことを聞いているんじゃないの。それをもう一回きちっとしてくださいよ。事実関係をはっきりしてください。
○小林(康)政府委員 平成二年度にも市町村の御要望を一部先送りしての予算の運用でございます。
○時崎委員 平成二年度にもこのような内示の段階で補助金を減額した例がある、こういうことですか。大変不思議ですね。きのうあなたのところの担当者が来て、そういう例は全くございませんと私のところへ来て言っているのです。あったら、何という県の何という市町村か言ってください。
○小林(康)政府委員 事業全般的に、例えば事業費の中の一〇%を第一年次に実施をしたい、こういう御要望に対しまして、その率を少し下げるという形での運用をしております。
○時崎委員 では私の尋ねたことと大分違うでしょう、内容が。事実を事実として明らかにしてその上で対応を考えなければ、何か国民の前に議論しているときに隠そうとかないしょにしようという意識を持っては困るのですよ。 ところで、私が冒頭お尋ねしたとき、一部事業については完成予定年度を先送りするとの方針が内示の段階で市町村に対して示された。今あなたのおっしゃるのは、各省庁とも協議して今後どうするのか、地方財政措置等を検討している、こういうことですね。検討と先送りを示したということは大分違いますね。どちらなんですか。
○小林(康)政府委員 六月に、先送りを含みまして内示をしたところでございます。しかし、市町村の皆さんからぜひ本年度という大変強い要望もございますので、現在平成三年度の事業量を確保するための方策、追加しての財政措置につきまして関係省庁と検討を進めておる、こういう段階でございます。
○時崎委員 私は最初、なぜこういうことになったか原因を尋ねたのですが、十分な回答がございませんでした。市町村は、既に二年間の計画であれば昨年の段階で、これは二年度計画でこういうふうになりますという前提で仕事を発注しているわけですね。そして、その二年の間に完成したらばこういう状態になる、それまでの間ごみでもし尿でもこう処理する、一定の方針を立てて行っているわけですよ。これを年度送りをされて、例えば来年の三月までに完成するのが再来年になるという場合にはそのおくれた分をどう処理するのか、これは大変なことなんですね。私が訪問したある町長さんは、し尿処理の予算が先送りにされた場合には厚生省の前に行ってし尿を置いてくるしかないと言っているのですよ。こんな状態なんですよ。それは今年度の新規事業で要望したけれども新規事業として採択されなかったとか、されても予算が不十分だったとかというなら、これはまだ理解ができるんですね。既に去年この事業が採択されて、初年度はこう、次年度はこうだと、あなた方はそのことを承知の上で初年度の予算をつけたわけですから、これはだれが計算したって来年度継続分はこれだけ残りますよというのはわかるでしょう。子供の計算でもできるんですよ。そうじゃなかったですか。その要望が、あなたのところの資料からいっても継続分が千五十五億と出されているんですよ。継続分だけでそうだ。それが新規を含めて、先ほど言ったら、他の省庁を含めて八百一億ということですから、これは大変な違いですね。そして、今検討している。もう工事はどんどん進んでいるのですね、これは。少なくとも継続分ぐらいは厚生省は責任を持って年度内に補正予算を組むとか、どうしても今年度補正予算を組めない場合には今年度のその不足する分を起債を認めて次年度きちっと精算をする、金利を含めて精算をする、このぐらいのことをやるのが当然なんじゃないか、私はこう思いますが、これについての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○小林(康)政府委員 市町村の皆さんが大変苦労されておりますことは、先生お話しのとおり私どもも強く要望を受けているところでございます。それを受けまして、国の予算措置といたしましては既に決まっておる枠でございますので、その措置に加えまして起債、交付税等の地方財政措置の平成三年度の適用を含めまして現在検討しており、その方向で市町村の御要望に沿っていきたいというつもりでおります。
○時崎委員 時間もございませんので、厚生省にはぜひとも今年度の不足分について市町村に負担をかけないように、そして予定どおり年度内に完成し、そして十分な、ごみでしたらば最終処理ですし、処理場もそうですけれども、迷惑のかからぬような方策をとっていただきたいと思います。 長官、今聞いてどうです。あなたのところの直接の仕事ではないと思いますけれども、一事が万事こういうようなことであっては、環境保全という立場からいってやはり問題が多いのじゃないか、これが今の現状だろうと思うのですね。ぜひとも先ほど言われました環境庁をもっと大きく力のあるものにして敏速な施策がとれるようにお願いして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○小杉委員長 次に、東順治君。
○東(順)委員 先ほど来、環境庁を環境省へというお話がございました。これは年来の我が党の切なる主張でもございますし、当委員会でも大変な願望だと思います。ぜひ強力な御努力をお願いしたいと思います。 そのことを念願しつつ、私はバーゼル条約というものについて若干お伺いしたいと思います。 イタリアのセベソ事件、こういうもの以来、環境汚染が越境移動ということで大きな問題になっておりますけれども、一九八九年三月に国連環境計画におきまして、バーゼル条約というものが採択されております。それで、この採択後、既に五十二カ国署名、また条約批准が十三カ国という状況になっております、OECD加盟国等も含めまして。近くEC各国がこれを批准する見通しということで、年内にもこの条約が批准されるのではないかということが言われておりますけれども、翻って我が国を見ますと、日本はまだ署名に至っていない、サミットの諸国でもバーゼル条約に署名していないのは我が国のみである、こういう現状でございます。 したがって、そういう中で、環境庁大変バーゼルの署名、批准について御努力されておるという状況でございますけれども、中央公害対策審議会が昨年十二月十八日付で長官の方に答申をなされましたね。「有害廃棄物等の越境移動対策の在り方について」、こういう中で「地球的規模の環境問題に対する国際的貢献を目指している我が国としては、有害廃棄物等の越境移動や処分に伴う地球的規模での環境問題に対して積極的に対応することが国際的な責務であるとの立場から、バーゼル条約に早期に加入し、その実施に取り組むことが強く望まれる。」このように結ばれております。 また、厚生省におきましても、やはり同じく昨年十二月十日ですか、生活環境審議会で「今後の廃棄物対策の在り方について」という答申を出しました。この中でも、国内の廃棄物対策との一体性を持った有害廃棄物の輸出入にかかわる規制についての法制化を図る必要がある、こういうふうにしているにもかかわらず、現在に至っそも署名さえ実行されていない、これが現状でございます。 環境庁は法制化の作業を進めていて、あるいは厚生、通産も独自に対応策を検討中ということでございますけれども、年内批准という、そういういわばカウントダウンの状況になって、まず環境庁それから厚生、通産、外務各省、それぞれバーゼル批准に向けて現在どのような取り組みをなさっておられるのか、時間がございませんので、簡潔で結構でございますから御説明願いたいと思います。
○眞鍋政府委員 バーゼル条約の加入につきましては、条約上我が国が負うことになります義務を明確化するということがまず必要でございます。それから、そのためにその義務の履行を担保するための国内法制度、こういうものを整備する必要があるわけでございます。環境庁といたしましては、御指摘のように、地球的規模での環境問題への貢献、特に途上国の環境の保全を図る観点から、条約への早期加入の必要性を強く認識をしておるわけでございます。 御指摘のございました昨年十二月に中央公害対策審議会から答申をいただいておりますので、この答申を踏まえましてできるだけ早期に手続を進めたいというふうなことで、現在関係各省とともに鋭意検討作業を急いでおるところでございます。
○花角説明員 先生御指摘のバトゼル条約につきましては、我が国としては地球環境保護のための国際制度づくりの必要性に照らしまして、本条約の重要性を十分認識しているところでございます。 条約の締結のためには、条約締結に先立ちまして、我が国が負うこととなる義務及びその履行を担保するための国内法令の整備等につきまして検討をする必要がございます。本条約が規制対象といたします有害廃棄物の個々の品目の取り扱いぶりを含めまして、現在政府内部で鋭意検討中でございます。 外務省といたしましては、国内制度の整備に関する関係各省庁の協力も得まして、できるだけ早期に締結できるよう検討を進めていきたいと考えております。 〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕
○三本木説明員 厚生省といたしましては、国内の廃棄物処理との整合をとりながら、廃棄物の輸出入の管理が適正に行えますように、次期通常国会を目途に、関連の国内法制の整備に向けまして関係省庁とも相談しながら努力してまいりたいと思っております。
○中田説明員 通産省といたしましても、本条約の重要性につきましては十分に認識しているところでございまして、関係省庁とも調整を図りながら、国内法の整備に積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○東(順)委員 今伺いましたように、最終的には関係各省庁と相談しながらあるいは調整して、こういうことが焦点になるかと思いますが、まず、このバーゼルに加入しない場合、どのような不利益が考えられるのか、これは環境庁にお伺いしたいと思います。
○眞鍋政府委員 お答えします。 バーゼル条約に加入しない場合は、特に開発途上国との間の有害廃棄物についての越境移動の適正な管理が行われないこととなるおそれがあるわけでございます。また、対外的にも国際社会、とりわけ来年、地球サミットにおきまして本問題への取り組みが消極的であるとの印象を与えることが懸念されるわけでございます。 また、バーゼル条約では締約国と非締約国との有害廃棄物等の輸出入を禁止しておりますので、我が国がこの条約に加入をしなければ、リサイクル目的でございましても、特に相手国との取り決めを結ばない限り、締約国との輸出入ができなくなる、こういう可能性があるわけでございます。
○東(順)委員 今お話しいただきましたように、輸出入の問題なんかで、特にレアメタルというのですか、エレクトロニクスあるいは情報産業、宇宙産業といったハイテク分野になくてはならない中心的役割、こういうものが、例えばアメリカからの廃棄物が利用できないということになってくると、少なからぬ影響が大変心配されるというようなことで、また特に、明年の地球サミットを直前にして、我が国の環境保全に対する意思、そういったものがかなえの軽重が問われるという大変重大な状況になるのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。どれだけ口で、世界環境保全ということに日本が国際貢献するんだ、こう言ったとしても、実際にこのバーセルに署名さえできない、こういうような状況の国ということになってしまえば、もう世界に対して環境保全に対する発言力を失ってしまう、発言権を失ってしまう、大変深刻な問題である、このように私は思うわけです。 それで、先ほども伺ったように、各省庁がそれぞれ大変努力をしている、バーゼル批准に向かって一生懸命やっていきたい、こういうふうに言いつつ、なおかつ時間はどんどん過ぎて、もう年内にはバーゼルが批准されぬのではないか、こういう状況に立ち至っている。そこで、先ほども環境庁から環境省へ、チェック機関だけではだめだ、予算もつけ人員も充実させ、力ある環境省というものになっていきたいという大臣の力強いお話もございましたけれども、こういうふうに各省庁がばらばらで進んで、いよいよぶつかり合いがこれからだ、そして調整していかなければいけないという状況に立ち至って、これは結局は環境庁が調整機関として、調整官庁として取りまとめていく、こういうことになるんでしょうか。この辺をちょっと伺いたいと思います。 〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕
○眞鍋政府委員 御指摘の問題につきましては、バーゼル条約の重要性それから我が国の環境行政という点から見まして、環境庁といたしましては、主体的に調整官庁としての取り組みを進めてまいりたいと思っております。
○東(順)委員 OECDなどでも、このバーゼルに署名していない日本、オーストラリア、アイスランドはOECD諸国の環境対策の中でも孤立化するというおそれもあるわけですね。 そこで大臣、今答弁がございましたけれども、大臣として、これはもうぜひ推進をしていってもらいたいのですが、その辺の御決意、具体的にどういうプロセスを描かれてこれから進めようとされておるのか、その辺をお伺いします。
○愛知国務大臣 このバーゼル条約の重要性につきましては今委員が御指摘になったとおりでございまして、私どもも一日も早くこれに加盟すべきだと考えております。 今日まで若干作業がおくれておりました理由の一つに、これは他省のことでございますからいかがかと思いますが、外務省におきまして、いろいろな条約の批准、条約案件がいっぱいたまっておりまして、条約局で事務的にその作業になかなか追いついていかれないという事情があったようでございます。そこで、その中でも優先度を上げてもらうということが大変大事でございますので、私どもも鋭意外務省を説得いたしまして、この作業の優先順位を上げてもらうべくお願いをしてまいっておりまして、外務省でもこの重要性を認識していただきまして作業を進めていただいております。 そういう状況でございますので、来年の地球サミットのこともございますし、先ほど御指摘のとおり、国としてのイメージの問題もございますし、どうしてもこれを批准する、加盟をしなきゃならないと思っておりますので、なお最大の努力を続けてまいる決意でございます。
○東(順)委員 九月十八日ですか、第三次行革審の部会のヒアリングで環境庁が述べられています。この中で、環境問題で国益を超えた地球益を守るためのリーダーシップを上っていけるようになりたいという大変いいことを言っていらっしゃるわけです。これは言葉としてはすごく重たい言葉ですよ。そうすると、これを受けてこの部会の方では、なかなかいいことだ、だから環境庁の組織や権限などの抜本的な見直しをことし暮れの部会報告に盛り込みたい、こういうお話で、これは新聞報道で載っておりましたけれども、つまり、これは具体的には環境省へという大きなステップ、こういうことですね。 したがって、今回のバーセルでどこまで環境庁が力を発揮されて各省庁をしっかりと取りまとめられて、例えば次期通常国会ぐらいで法案化ということで出されて実現にこぎつけるかどうか、この辺のところが環境省昇格への大きなステップになると私は思うわけでございます。 どうかひとつ、力を発揮されて実績を残していただいて、ここにありと、こういうことでやっていただきまして、それで、国民の大きな合意として、あるいは国会の大きな盛り上がりの中で、ぜひ我が国に環境省が必要だという機運が高まるまで勝負をかけていただきたいと思うのです。大臣、その辺を踏まえて御決意のほどをもう一回お願いします。
○愛知国務大臣 御激励をいただきまして、大変感謝をいたしております。 私どもも、口で言っていただけではだめでございますので、一つ一つ実績を上げて、一日も早く環境省というような形で、文字どおり日本の環境行政を力強く推進していけるように、また、国内だけではなくて、環境という切り口で世界に貢献するというのが日本にとっては極めて有意義なことだ。現在、日本の国際社会における役割、貢献策等々、いろいろな方面からの議論がされておりますが、その中でも、この環境の面で世界に貢献していくというのが日本に最もふさわしい道ではなかろうか、こんな気持ちを私は政治家としても抱いておりまして、そういう点でもこの環境庁の環境省への昇格、これは象徴的な話でございまして、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、庁から省へ名前を変えればいいというものではございませんから、また、国全体の行政にかかわる話でございますから簡単にいかない面ももちろんあるわけではございますが、象徴的な話として申しているわけでございますが、それをぜひ実現していきたい。 そういう点で、今度のこのバーゼル条約についても、最初のステップとして心得よというお話でございますので、ぜひ全力を挙げまして、こういうものを一つ一つ積み重ねていって国民の御期待におこたえをしていきたい、決意を新たにいたしております。
○東(順)委員 続きまして、一点だけ、平成四年度地球環境保全関係予算概算要求の状況についてお伺いしたいと思います。 この概算要求額五千六十四億円、このうちエネルギー対策関係費として三千八百九十億円が計上されておりますけれども、このエネルギー対策関係費の中の原子力エネルギーの対策費というのは幾らになっておりますでしょうか。
○加藤説明員 まさに、先生がおっしゃいました平成四年度地球環境保全関係予算の取りまとめをいたしたところ、エネルギー対策関係費は、先生がおっしゃいましたとおり三千八百九十億円でございますが、そのうち原子力関係は三千百二十一億円余ということでございます。
○東(順)委員 割合は何割になりますか。
○加藤説明員 三千八百九十億円の中の三千百二十一億円でございますので、相当な割合になります、ただいま計算いたしておりませんが。地球環境保全予算全体の約五千六十四億円に対しましては六二%ぐらいになるというふうに計算をいたしております。
○東(順)委員 約六二%、こういうことなんですが、私、素朴な疑問なんですけれども伺いたいのです。 この地球環境保全予算、こういう名目の中に、原子力エネルギー、原子力対策というものが含まれることが果たしてなじむのか、こういうふうに思うのです。 確かに、原子力の安全性というものを確保するためにいろんな研究や開発を促進しなきゃいけない、この必要性というのは私は十分認識をしておるのです。ただ、やはり核の廃棄物問題とか、あるいは原子力は大変危険であるということが背景に、国民感情の中にあったりするわけでございます。そういうことで、この地球環境保全というこの予算計上の中に、原子力エネルギー対策、これはなじむのかな、こう思うのですが、これはどうでしょうか。
○加藤説明員 先生もおっしゃられましたように、国民の間に原子力に関する不安の感情があるということも、私どももちろん存じております。 一方、地球環境対策のうち特に重要な温暖化対策ということを考えますと、原子力につきましては、温暖化の主要な原因でありますところの二酸化炭素、CO2の排出の削減に寄与する代替エネルギーの一つというふうに私ども考えておりまして、もちろんその前提といたしましては、先生もお触れになられましたように、十分な安全性の確保というのが大前提だ、そういうことでございます。 この私どもの考え方は、昨年十月に取りまとめました地球温暖化防止行動計画の中にも、「安全性の確保を前提に原子力の開発利用を推進する。」というふうにいたしておりますし、また、国際的に見ましても、この七月のロンドン・サミットの経済宣言におきましても、「原子力発電は、エネルギー源の多様化及び温室効果ガスの排出削減に貢献する。」そういう認識をロンドン・サミットでも示されておりまして、私どもとしても、原子力関係経費も広い意味で地球環境保全に役立つ、そういうことで関係予算の中に含めて集計をいたしておるわけでございます。
○東(順)委員 それで、地球サミット事務局が、地球環境保全のための行動計画、アジェンダ21、この素案というのを作成いたしましたね。この中に、原子力使用に対して課税すべきである、化石燃料とともに原子力使用に対して課税するという形で資金調達をすべきである、こういうことが盛り込まれているというふうに新聞報道で私知りました。 それで、なぜ原子力エネルギー使用に対して税を課するのか。その理由として、原子力エネルギーは、確かに今おっしゃったように温室効果ガスは発生しない、だけれども環境に与える影響と危険が大きい、そして巨額の財政支出を伴うというようなことで、地球温暖化問題等には原子力はクリーンかもしれないけれども、地球環境保全という立場からは認知できないということで、課税ということが素案の中に盛り込まれておる、このように理解をしておるわけですが、重ねて、そういう角度から見て、地球環境保全関係予算の中に入れるというのは、これはどうでしょうか、もう一回お伺いしたいと思います。
○加藤説明員 先生お触れになられましたように、来年のブラジル会議に向けまして、今準備がなされております。その準備の過程で、このブラジル会議の事務局が資金面につきましての中間報告といいますか、いわばレポートを出してございます。 そのレポートと申しますのは、ごく大ざっぱに申し上げますと、今後地球環境対策を進めていく上で一体どんな資金ニーズが発生し得るのだろうか、それから、そういった発生し得る資金ニーズに対してどういう財源があり得るんだろうか。財源の中に幾つかいろいろと挙げておりまして、その中の一つに、非再生可能エネルギーまたは炭素税という項目がございます。今先生のお尋ねのありました原子力もその一つの中に入っているわけでございます。すなわち、主として化石燃料が中心の非再生エネルギー、そういったものを課税対象とするという考え方が述べられておりまして、ここで非再生エネルギーの一環として原子力エネルギーにも触れているわけでございます。 この文書が第三回準備会合という場に提出されました。これは八月十二日から九月四日までジュネーブで開催された会合でございますが、ここでは資金問題について、先進国と途上国との間のやりとりはもちろんかなり厳しいものがございましたが、ここではこの原子力について特にまとまった議論は全く行われていなかったというふうに聞いております。 そういうことで、ちょっと繰り返しになりますが、来年のブラジル会議の事務局が用意いたしましたのは、原子力は非常にまずいものだ、だから課税するんだという観点よりは、むしろ石油、天然ガス、石炭等、そういった化石燃料も含めて非再生エネルギーについて課税をしようという考え方を述べて、その一環で原子力も出てきたというふうに御理解をいただければと思います。
○東(順)委員 昨年三月に総理府の世論調査がありました。これは、地球環境に影響を与えないエネルギー対策についてという設問に、太陽エネルギー、風力エネルギーなどのクリーンエネルギーの開発に努めるべきだというのが四七・四%、それから、社会経済の全体を通して省エネルギーを。徹底すべきだというのが一七・五%、それから、石炭、石油から天然ガスといったようにエネルギー源を地球環境に影響の小さなものに順次切りかえていくべきだというのが一六・五%、最後に、二酸化炭素を出さない原子力発電を安全性の確保を前提として推進すべきだというのが六・八%と、大変低いんですね。やはり冒頭申し上げましたように、原子力ということから来る条件反射的な反応というのはここに端的に出ておると思います。 したがって、地球環境保全ということと原子力エネルギーということとの結びつきみたいなところで、どうしても私はそういう素朴な違和感を覚えますので、ぜひ一度これは御検討願えれば、こういうふうに思うわけです。よろしくお願いしたいと思います。 このことも含めまして、今の私の質問に対しまして最後に大臣の御所見を伺って、終わりたいと思います。
○愛知国務大臣 エネルギーの点につきまして、今、石油、石炭、こういったようなものに大きく依存している、これが地球温暖化の大きな原因になっているということでございまして、何かかわりにエネルギーがないか。御指摘のように、最終的には太陽とかあるいは風力その他、そういったようなエネルギーが主力になっていくのが理想の姿だと言われております。私も専門家ではございませんが、そのとおりだと思うわけでございます。 しかし、それに至るまでにはいろいろとまだクリアをしなければならない技術的な点など多々ある、こういうことで、しかし一方、生活のレベルは上がっておる、つまりエネルギー需要が増大しておりますから、何とかその間をつなぐものが必要だ、そういう点で総合的に考えた場合に、原子力エネルギーというのが当面代替エネルギーとしての意味を持つ、こういうことかと思うのでございます。したがって、当分の間、安全性を最大限確保するというための万全の施策を講ずるという前提でこれを使用していくというのは、やはり地球環境という視点からいっても一番、現時点で考えられる最善の策ではないか、こういうことかと思うのでございます。 しかしながら、なお技術革新その他も待って、もっと安全性の高い、先ほども御指摘のような太陽エネルギーなどが実用化されるような方向を求めていくべきだと思いますし、また一方では、先ほどの御議論にもございましたけれども、エネルギーをどんどん使うというライフスタイルを一方ではなるべく改めていく、そういう努力をしていくことと相まってこの地球を守っていくことができるのではなかろうか、こんなふうに考えている次第でございます。
○東(順)委員 終わります。
○小杉委員長 次に、寺前巖君。
○寺前委員 ダイオキシン対策はこれでいいのかということについて、きょうはお聞きしたいと思うのです。 ベトナム戦争のときの枯れ葉剤作戦というのが随分ひどいことに、結果として奇形の子供が生まれるという形で人類に汚点を残したと思うのです。だから、ああいうような化学兵器を使わせてはならないということが世界的に問題になった。同時に、それぞれの国内において、ダイオキシンの発生は大丈夫か、公害戦争という形でまだ残っているのじゃないだろうかということで、いろいろな面で注目を払われていると思うのです。 限られたわずかの時間でございますので、またの機会にゆっくりとやらせてほしいと思いますが、私は、先般製紙工場のある愛媛県のある町へ行ってきました。漁業協同組合の人も、製紙工場の廃液を何とかならぬものだろうかということを言っておられました。ちょうど工場の廃液が出るところへ行ってみると、こんな大きなボラがうわあっと、橋の上から見ておると泳いでますのやわ。あ、ようけおるわ、そうはいかぬのですわ。だれもとらぬのよ、これは。よそから来た者はおおっとこうなりますけれども、そうはいかぬですよ、あなた。ここにダイオキシン、大変なものが含まれているかと見たら寄りつきもしなくなってくる。橋のところから見ただけで、寄りつきもしないことになる。そういう魚がおりながら、どうしてそこの漁協に人が寄ってくるでしょう。僕は、瀬戸内海の状況はただごとでないことに、これがずっと広がっていくのじゃないだろうかというふうに思いますが、事実、またいろいろの調査結果からも、大阪湾なりあるいは東京湾なりの魚介類の占めている位置というのは大変なことになってきているなということを心配せざるを得ないわけです。 そこで、時間がありませんので悠長な質問をしていられませんので、聞いてみたら、去年環境庁が調査をおやりになったというんだ。いいことですよ。大体、製紙工場から大変な事態になってきているということを日本政府として知ったのは、いつなんでしょうか。調査を始められたのはいつなんでしょうか。この調査結果は、いつ国民の前に明らかにされるのでしょうか。どなたが御答弁くださいますか。
○八木橋政府委員 お答え申し上げます。環境庁におけるダイオキシン汚染に対する取り組みの問題でございますが、当庁におきましては、従前よりダイオキシン類による環境汚染問題は非常に重要な行政課題だというふうに認識しておりまして、五十九年度にはごみ焼却施設からのダイオキシン類の発生状況等の調査を実施、さらに六十年度以降継続的に魚介類、河川、湖沼、海底等の底質、さらには環境、大気等の汚染状況の調査を実施してきているところでございます。 また、環境庁に一括計上されます国立機関公害防止等試験研究費におきましては、六十年度以降、厚生省でごみ焼却施設におけるダイオキシン類の発生メカニズム及び発生低減化についての研究をやったところでございますし、また、農林省における調査をやったところでございます。 先生御指摘になりました紙パルプ工場からのダイオキシンの調査につきましては、厚生省、水産庁等の関係省庁と連携をとりながら、平成二年度におきまして調査をやったところでございまして、現在、その結果について専門家の御審議をいただいているところでございまして、遅くとも年内には公表したいというぐあいに考えております。
○寺前委員 要らぬことをいっぱい言って、気張ってやってますのや、こんなことを言うさかいに時間がたってしようのうて、こんな時間で質問ができるかと言ってまた理事会で先生方に御心配をかけなけりゃならぬ、こういうことになってますのや。もうちょっと合理的にやりましょうかいな。 問題は、製紙工場におけるダイオキシンの発生について、これはえらいこと。やということに気づいたのはいつなんやと聞いてんのやわ。要らぬこと聞いてへんで。いつなんだと。それ知らぬのやろ。知ってるの。知ってるのやったら知ってるてちゃんとそういうふうに言ってよ。いつ気づいたんやと、それでいつ調査をしたんやと。
○八木橋政府委員 紙パルプ工場からの排水等にダイオキシンが生成されることがあり得るのではないかということは、アメリカにおきまして一九八八年、調査が行われておりましたので、そこで気づいております。
○寺前委員 八八年にアメリカで気づいた、あなたはこうおっしゃるのや。ところが、アメリカの環境保護庁が、EPAというのやな、ダイオキシン類の広がり、発生源の固定などを行うために「ダイオキシン戦略」を一九八三年十二月に作成して、調査研究を進めて、パルプ製造排水でダイオキシンが検出され、EPAが製紙工場を発生源として特定しているのやで。八三年てっせ。それから、このことが発表されたのが八六年の福岡で行われた「ダイオキシン86」という国際会議で、スウェーデンのラッペ博士もパルプ工場周辺でのダイオキシン汚染を報告してるのやわ。日本で国際会議、わざわざ飛行機賃払うてまで行けとは言わぬわな。そういう報告、国際会議が日本で行われておって、そのことも気づかないというのは、私はこれはえらいこっちゃな。そうしたら、その瞬間に日本の工場に対しての調査が始まってしかるべきではなかったのだろうか。あなた、八八年か、調査やった、それがいまだにまだ結果が今年末にと言う。ダイオキシンの恐ろしさというのがわかってないということになるんじゃないだろうか。大臣、そういう意味で、ダイオキシンの対応についておくれをとったのではないだろうか。 それからアメリカでは、先ほどもちょっと言いました「ダイオキシン戦略」といって、総合的に発生分野全面にわたって、この分野はどうなっているんだろうか、水質の場合の基準値はどういうふうになって手を打たれているんだろうか、ずっと見るという対応をとったんですよ。日本でももう一度見直していただいて、対応の手おくれはなかったのか、総合的対策を進める必要はある、これは環境庁だけの問題ではないということで手を打ってもらう必要があるんじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。——いや、あなたに言ったってしょうがない、知らぬのだもの。大臣でよろしいわ。またそんなことで時間とるの。
○八木橋政府委員 ダイオキシン類につきましては、一方で調査を進めると同時に、発生に限らず、また環境、大気中での挙動、一人の暴露量等を総合的に評価、検討する、両面からの取り組みが必要だと思っております。 そういう意味から、環境庁におきましては関係省庁に積極的に働きかけまして、総合的なダイオキシン対策を進めるべく検討をしているところでございます。
○寺前委員 この話は一九八三年に「ダイオキシン戦略」をアメリカが策定して、それを見た日本の厚生省の廃棄物処理に係るダイオキシン等専門家会議というのが開かれて、その専門家会議の報告書の中に、これは注目すべきことだと出ているのが、これは八四年ですわ。そのときに注目すべきだとまで出ているんだから、それがいまだに検討中、これから積極的に働きかけます、何ということを言っているんやと、そう思いませんか。だから私は、担当当局のお話も結構だけれども、大臣の決意として見直してほしい。こんな重要な問題をおくれをとっているようなことではどうもならぬということを、決意をお聞きしたいと思うのですよ。
○愛知国務大臣 ダイオキシン類による環境汚染の未然防止対策は大変重要な問題であるということは御指摘のとおりでございます。 今日までの対策がおくれていたかどうかということにつきましてはいろいろ御議論があろうかと思いますが、とにかく、この問題の重要性をこの機会にさらに再認識をさせていただきまして、対策について万全遺漏のないように各方面に働きかけをいたしまして対策を講じてまいりたいと考えます。
○寺前委員 それで、おくれをとっているということが、これは厚生省お見えだと思いますのでお聞きしますが、日本の評価指針は国際的に見て最も高濃度の部類に属しているので、基準を見直してもらう必要があるんじゃないだろうか。 大体基準というよりも、あんなのは出えへん方がいいに決まっているんだ。出えへん方がいいに決まっているんだけれども、それにしてもここまではよろしいでということになってしまう基準があるんだ。その基準は低い方がええのか高い方がええのかといったら、それは厳しい方がええに決まっておるんだ。だから、世界的に見たらみんなもっと厳しいのに、日本の基準は高い。これは専門の学者さんたちは共通しておっしゃることや。厚生省、これは見直してみる必要はありませんか。
○鶴田説明員 2・3・7・8四塩化ダイオキシン、これは一番強いダイオキシンの化合物であるわけなんですが、これの一日許容摂取量、ADIにつきましては、外国におきまして、一日体重キログラム当たり〇・一ナノグラムから〇・〇〇一ナノグラムという範囲にわたって設定されております。国際的に定まった評価がないのが現状であると考えております。 御指摘の我が国の一日体重キログラム当たり〇・一ナノグラムにつきましては、廃棄物処理にかかわるダイオキシン問題を評価、考察するための評価指針として定めたわけでございまして、当時の毒性学、公衆衛生学等の専門家の評価によりまして判断されたものでございます。現時点におきましてはこれを変えることは考えておりません。 しかしながら、御指摘いろいろとありましたように、ダイオキシンについては厚生省としても非常に強い関心を持っておりまして、毒性発現機構など不明な点も多く、厚生省としては、科学的知見の収集に今後とも積極的に努めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○寺前委員 そんな姿勢だったら、一生懸命やっています、だけれども外国と比べて高い規制値に、緩いということになっているというときに、見直しする気はありませんじゃ、何の話をしているんだかさっぱりわからへんがな。そうやろう。外国さんでそこまでいかはるんだったら、これは日本だって考えさしてもらわないかぬな、もう一回調べてみますわと言ってこそ生きた仕事と違いますか。もう自分のメンツだけで、いや、どこどこの機関に相談しましたからそうなっています、そんなことで通用しますか、あなた。もう少し人間らしい仕事をしたらどうなんだろう。 これは大変だということを厚生省がお気づきになって、焼却炉で燃やす中からダイオキシンが出てくるからこれは何とかせにゃいかぬというので、厚生省としても、ごみ処理に係るダイオキシン、ちゃんとガイドラインを示されて、さあ自治体、直しなさいということを指示までしたのでしょう。一体どれだけの自治体があって、年間どれだけ改善をされていって、何年がかりでこれについてダイオキシン発生を規制しますのや。指導性の方向づけ、ちゃんと明確になっているのですか。明確にしようと思ったら、その次には財源が伴うでしょう。財源的には何年内にこれを解決することができますのや、問題は自治体の姿勢ですのやというふうに言われるのか、財源は知らぬけれども、こうおっしゃるのか、そこはどういうふうになっているのですか。もう時間が来ていますので、明瞭にお答えいただきたいと思います。
○浜田説明員 先生お話しの廃棄物処理施設、ごみ焼却場から発生しますダイオキシン類の抑制を図るということが必要であるという観点から、昨年十二月に厚生省の水道環境部から通知といたしまして出したものがこのガイドラインでございます。これは昨年十二月ということでございましたので、現在これに従いまして、既設、新設を問わずこのガイドラインに沿って極力対策を講ずべく努力をしようということになっているわけでございます。 これに要する費用につきましては、平成三年度、つまり本年度以降につきましては、新設あるいは改良工事を問わず国庫補助の対象にするということにしておりまして、これは市町村で、先ほど申し上げましたような対策の検討を進めた上で必要だということで申請が上がってまいりますれば、私どもとしてはできるだけ国庫補助の対象とするよう努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○小杉委員長 もう時間です。
○寺前委員 時間が来ましたのでやめますけれども、質問に答えておらぬのや。簡単に言えば、どれだけの煙突があって、その解決は何年めどでやるんだということに何にも答えてへん。そうでしょう。心配なんだよ。そんなにまじめにやっているんだろうか。例えば九一年度について言うと、新規二百六十五件、継続二百三十二件、合計、金にして千二百五十五億円予算を組んだけれども、八百億円しか国は組んでくれない。だから申し出てもけられてしまうということが起こる。こんな調子を続けておったら困ると言うんだよ。 だから、改めて私は大臣にもう一回言います。総合的に部分を見たら、こんな無責任なことで何がダイオキシン戦略が確立するように検討していますと言えるのや。そんなものあなた、まじめに検討しているなんてだれが言えますのや。だから、もう一度メスを入れていただきたい。大臣なればこそ、私は、このことを要望して終わりたいと思うのです。大臣、よろしおすやろうか。それ一言だけお返事いただいて、終わります。
○小杉委員長 もう時間ですから。
○寺前委員 委員長、済まぬな。大臣に一言だけ頼みますわ。
○愛知国務大臣 先ほど申し上げましたこのダイオキシンの問題というのは大変重要だと認識をいたしておりますので、そういうことで、なお鋭意取り組まさせていただきます。
○寺前委員 どうもありがとうございました。
○小杉委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十作分散会