環境委員会 第2号
- 発言数
- 250 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1991/09/17
会議録
○小杉委員長 これより会議を開きます。 環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。簗瀬進君。
○簗瀬委員 質問の機会を得まして大変ありがたく思っております。時間も限られておりますので、これは与野党の対立を超えた全地球的問題でございますから、早速質問に入らせていただぎたいと思います。 最初は、まさに総論的な問題でございまして、いわゆる大上段に振りかぶってみました。環境庁長官に地球環境問題の今日的意義を問うというふうなことで、日ごろ私どもが考えている環境問題を何点かに分けまして、私なりに整理をさせていただき、その中で指摘された問題について環境庁長官がどのようにお考えになっているのかということを聞かせていただきたいと思います。 第一番目、なぜ今日になりましてこの地球環境問題がこんなにクロ一ズアップされてきたのかという哲学的な意味をまず第一番目に考えてみたいと思います。 かつてキリスト教神学においては予定調和という言葉がございました。神がつくりたまうたこの地球、そして我々が生活をしているこの世界は、初めからすばらしい調和がとれた世界であった、これがキリスト教の予定調和の考え方であったわけであります。しかし、これは哲学的な面で西側の国だけかといってみますと、例えば中国のいわゆる東洋的な古代の思想でも、例えば老子の教えの中にはまさに桃源郷という言葉がございまして、足ることを知るということで非常に過不足なくこの世の中はうまいぐあいに最初からできているんだ、こんな哲学的なものがあったわけであります。 ところが、なぜこれが破れてまいったかといいますと、私はある意味ではニュートン以来の科学合理主義というようなものが、いわゆる宇宙は無限である、無限であるからこそどこまでも人知によって進出し、発展をすることができるんだという、そんな前提に今までのキリスト教的な予定調和の思想から変えてしまった。そういう中で、ある意味では科学技術の無限の発展というものを信頼し、人類の大変な成長もあったわけでありますけれども、しかし、よく考えてみると、やはり人知の及ばざるところがたくさんあったということを最近非常に我々は痛感し始めたのではないか。そういう意味で、再びこの新しい時代の予定調和思想というようなものが哲学的にも求められてくるのではないか、そういうことが第一点で指摘できるのではないかなと思うわけであります。 それから第二点で、米ソ冷戦構造というものが終了いたしました。そしていわゆる自由主義あるいは社会主義、共産主義といった昔ながらのイデオロギーの対立はある意味ではなくなったかもしれません。しかし、そのかわりにもっと大きな新しい時代の思想の違いという、そこで出てくるのが私は環境という大きなテーマではないかなと思います。 まさに人類が生存していく上においては、経済的な営みを続けていかざるを得ない。しかし、今まで我々がつくってしまった経済的な仕組みというようなものが、もしかしたらこれをこのまま突き進んでいくとやがては自分の首を絞めるかもしれないということに気がついた。そういう中で開発そして調和、これが大変な大きなぶつかり合う二大テーマになってきつつあるのではないか。そういう意味では、まさにこれからのイデオロギーの時代が終わった後に来る次の問題としてこの環境問題というのがとらえられるのではないかと私は思っております。 そのような意味において、大変哲学的にも深い意味を持ったのがこの環境問題でありますし、また、私は弁護士でありますけれども、かっていわゆる法律的な意味において環境問題というものを考えたことがございます。今まで私権の自由というものがこの近代日本国憲法にはあるわけでありますけれども、その私権の自由を抑制する概念として公共の福祉という概念があったわけであります。公共の福祉によって所有権はある程度内在的な制約を受けているというふうな考え方が法律の世界では常識になってきたわけでありますけれども、その公共の福祉観念が大変新しい意味合いを帯びて、私権をさらに内在的に制約をするものとしてこの環境という概念が出てきているのではないかということを我々は意識すべきではないかなと思うわけであります。 例えば、本来から言えば、土地を持っているとするとその土地の所有権はずっと地下の地球の中心まで及んでくるわけでありますけれども、そんなことを言っていたら、例えば地下水の問題を勝手に処理をするなんというわけにはまいらないことであります。また、同じように地上で言えば地上権という言葉があるように、空中まで人間の所有権が及んでくるというふうな考え方があったわけでありますけれども、実は大気はそういう意味では本当に私権ではなくてみんなが公共的に持っている公共財なんだというふうな観念が出てきた。それによって当然私権は制約されなければならない。そういう意味では、ある意味では環境というものは公共財になった形で、そして公共財というところで人間の所有権という私的なものを制約をする観念として新しく正当な立場をこれからもっとクローズアップして与えなければならないのではないかな、こんな考えも持っているわけであります。 そして目を今度は我が国の内部に変えていきますと、私は今、日米貿易摩擦等先進国から日本に対するいろいろな攻撃が加えられておることを大変悲しんでおる一人でありますけれども、この日本のつくってきた経済の仕組みというものは、江戸時代まで一の日本の文化的にあるいは歴史的に非常に一つの調和を重んじてきた。それが明治の御一新以来、宮国強兵、殖産興業という大変な発想の転換をした結果、とにかくどんどんもうけようという方向性に傾斜してしまった。そういう中で大変自己肥大化していきまして、ほかのことなどは考えずに自分のことだけ考えればいいんだ、そういうふうな一般的な風潮までもたらしてしまったのではないか。でありますから、そういう我々の姿勢についても、この環境問題が大いに反省を迫っているということに結びついてくるのではないかなと私は思っております。 そして最後に、政治的意味で今大変我々が注意しなければならないのは、いわゆるリビジョニズムという言葉であります。日本は異質の国なんだ、そういう中で我々と同じような土俵で物を考えられない。そういう意味では、仲間外れにされる場合の一つの論拠として日本異質論というものが出てくるわけでありますけれども、まさに環境問題を我々が真剣に取り組むことによって、日本人も自分の経済の中に抱えてしまったその内在的ないろいろな問題にある意味での大きな反省をし、みんなの幸せとかみんなの生存とかというものを一致して考えていくような世界の共通土俵に乗れる。そういう意味では日本に対するリビジョニズム、そういう攻撃に対して切り返しをしていく論拠としても、日本が環境に取り組むという姿勢を示すことによって大変な世界の共感を得ることができるのではないか、以上、こんなふうなことを私は環境問題について最近考えさせていただいているわけであります。 そこで質問になるわけでありますけれども、環境問題はそういう意味ではすぐれて文明史的な問題でもありますし、これを小手先で環境問題に取り組んでいるから、政治的な手柄になるとか、環境問題に取り組んでいるからそれを飯の種にできるんだとか、そんな次元の低いところで絶対に環境問題を考えてはならないと思っております。そういう意味で、場合によっては日本の経済構造自体を大きく変革をすることによってしか環境問題の最終的な結論は得られないのだ、このような大変厳しい側面も環境問題が抱えているわけでありますから、以上の御認識の中で、環境庁長官、今までのこの思想をどのような形で打破していくのかという認識と御決断のほどを、御決意のほどを聞かせていただければと思う次第であります。 〔委員長退席、久間委員長代理着席〕
○愛知国務大臣 私、環境庁長官に就任しましてから九ケ月目、後半に入っているわけでございますが、その中で、私なりに環境行政に取り組む中で感じております大きな点の一つが、まさに今簗瀬委員が御指摘のとおり、環境の問題というのはやはり突き詰めてまいりますと、文化とかあるいは歴史といったようなもの、あるいは人間の生き方、どういうふうに生きるべきか、あるいは環境と申しますか自然と申しましょうか、人間以外のものと人間とのかかわりをどのようにして認識をして人間は生きていくべきかとか、そういった問題にどうしても行き着くわけでございまして、今委員がいろいろとお述べになりましたけれども、まさに私、おっしゃいましたことに大変賛成でございまして、そういう視点から環境問題というものに取り組むべきだ、委員の御指摘、私は全面的にそのとおりだと思う次第でございます。今いろいろとお述べになりました高い御見識に対しまして、まず心から敬意を表する次第でございます。 そこで、地球環境問題、地球環境への取り組みの基準というもの、今おっしゃいましたことを整理しますと、いわゆる成長は善という近代の思想を打破することにあるのではないかというような御指摘だったと思いますが、近代以降の先進国におきましては、あるいはまた貧困に苦しむ途上国におきましては、従来の経済優先の考え方から環境に対する配慮を欠いた行動がなされてきたということも事実だと思います。私は、経済成長自体を不要と、必要ないとする考えには立ちませんけれども、環境は人間存在と社会経済の基盤であり、環境をおろそかにして経済の発展はあり得ないと考えます。 こうしたことから、最近、御承知のとおり持続可能な開発という考え方が国際社会でも定着をしてまいりました。いわゆる地球サミット、来年ございますが、その事務局長を務めておりますモーリス・ストロング氏がかねてからエコ産業革命ということを提唱しておりますが、これは企業行動のみならず人々のライフスタイルに至るまで環境に健全な社会を形成していこうではないかという提唱だと思います。私の、環境庁長官の私的諮問機関であります環境と文化に関する懇談会、二年ほど前にこれを設置、つい二、三カ月前に答申などをいただきましたが、ここでも「環境倫理の実践のための三つの道しるべ」といたしまして、有限だが精妙な環境の姿の背後にある自然のことわりにかなった行動を心がけること、環境と人とのきずなを一層強めていくこと、現在を生きる人々や将来の世代、多様な人間以外の生物たちとの環境を分かち合うようにすること、この三つを指針として掲げてございます。 私といたしましても、今後地球環境の保全を考えるに当たりましては、このような考え方を基盤といたしまして各種の施策を展開してまいりたいと考えております。 〔久間委員長代理退席、委員長着席〕
○簗瀬委員 ありがとうございました。 今長官がお触れになった言葉の中にも、私考えるのでありますけれども、本来この環境問題を考えるにおいて我が国ほど歴史的あるいは文化的にふさわしい国はなかったのではなかろうか、あえて過去形で言わせていただきたいと思います。 先日も仲間と東京のあの中央防波堤の埋立処分場を視察をしてまいったわけでありますが、大変おもしろい御指摘をいただいたわけであります。最近の生活廃棄物やその他の廃棄物を埋め立ててつくった処分場は再利用は簡単にできない。ところが、江戸時代に捨てられた物を埋め立ててつくった陸地は、今本当に何のさわりもない陸地として十分に使い得る。まさにそこに、かつて江戸時代までのいわゆる産業社会に毒されていないそういう中で行われていた生活というようなものが、ある意味では大変すばらしいものであったのではないかなということを考えさせていただいたわけであります。 時あたかも冷戦構造が終了いたしました。その中で、例えば地域紛争の根っこやら、あるいはソビエトの状況がどうなるのかといういろいろな問題はありますけれども、今までのような東西の形骸化した対立構造というようなものが世界で失われていくだろうと思います。そういう中で、世界の政治の共通課題として地球環境問題というものが大きくクローズアップされていることはもう既に御承知だろうと思います。まさにこの地球環境問題で我が国が世界のリーダーシップをとるようになってほしいと私は考えておるわけであります。 例えば先ほども触れましたように、日本に対する攻撃として、リビジョニズムという言葉がございます。日本は異質な国なのではないか、日本の経済というようなものはいろいろな人を犠牲にすることを当然にしてその中で発展をしているのだという批判があるわけであります。ひところもてはやされたある自動車会社のかんばん方式という商売の仕方がありました。これはアメリカの経済界に、経営者に対して、一時は大変な注目をされたわけでありますけれども、よく調べてみると、大手が在庫を自分で抱えたくないためにそのしわ寄せを中小企業にやっているのだというその実態がばれた瞬間、もうアメリカではかんばん方式などということを一顧だにもしなくなった。やはりあれは日本だけでしか通用しない、そういう商売の仕方なんだということで、もうアメリカは、逆に一特注目をされたかんばん方式ということで、これが日本人の異質性をあらわしているのだというふうなことになってしまっているわけであります。 これは一つの例でありますから、こういう中において、やはり日本人も、世界の人が共通に物を考えている、それと同じ次元で物を考えられるのだ、まさにその部分を熱意を込めてやっているのだということを示す上でも、環境問題というようなものは我々も世界共通の言語として取り組んでいるんだよ、リビジョニストではないんだということを示す最も大きなテーマの分野になるのではないかな、私はそんな感じもいたすわけであります。 それから、アジアの文化的な背景というようなものをやはりここで大いにアピールするべきではないかなと私は思います。先ほど予定調和から科学合理性へというふうな私の一つのお話をさせていただきましたけれども、それに対して、いつも対立的な概念でとらえられていたのが東洋の仏教思想であったと思いますし、東洋が生み出してきたいろいろな哲学であったと思います。 本来我々の社会は、現在はちょっと違っていると思いますけれども、少なくとも明治維新の前までは、すべてが調和した、お互いが大切にし合う、そういう倫理観を強く持っていた社会であったと思いますし、あるいは物を大切にする、節約をする、二宮金次郎さんがどこの小学校にも掲げられた、そういうメンタルな風土というようなものがあったわけであります。節約とか、再利用とか、そういう思想は、まさに今環境問題で我々がいわゆるリサイクル型社会などと言っているわけでありますけれども、これはもう既に江戸時代から二宮金次郎あたりの諸先輩が先に言っていたことにつながってくる問題であるのではないかなと思います。 そういう意味では、アジアの文化というものあるいは日本人が今までの生活の知恵の中ではぐくんできたものというようなものは、環境問題を論ずる上においては大変すぐれた視点を持ったそういう思想が含まれているのではないか。だから、まさにその環境問題というようなものを我々が語り得るんだということを、私は自信を持って言うべきではないかなと思います。 そして第三点目として、やはり世界のリーダーシップをとれる課題と考えるその根拠でありますけれども、これからの環境問題はすぐれて南北問題、あるいはいわゆる先進国と途上国の問題だと思います。先進国は新しい豊かさとして環境というようなものを追求をする。しかし、その豊かさのレベルにまだ達していない途上国にとっては、これは先進国のエゴになるのではないかなというふうな視点が必ず出てまいります。例えばアジア、いわゆるNIESの国の中で日本に追いつき追い越そうとしている台湾にしても韓国にしても、一たん汚してからきれいにすればいいではないかといった考え方で、日本が今まで大変苦労をして公害問題に取り組んできたことを、しょうがないからそのままやってしまおうじゃないかという風潮が見られるようであります。それについて、先進国が今までの苦労の中で一方的に考えた議論を押しつけていくというようなことも逆な意味でこれは大変問題になってくるわけでありますのでありますから、そういう発展をしようとしている途上国がたくさんひしめいているこのアジアに立脚点を持っている日本というようなものであるからこそ、まさに環境問題の新しい分野についての発言権を強く持てる分野につながってくるのではないかな、私はこのように考えているわけであります。 以上、三つのことを申し上げながら、新しい地球環境問題で我が国が世界のリーダーシップをとるべきである、そしてそれは単なる政治的な手柄を立てるんだという非常に短絡的な見方ではなくて、深い意味でリーダーシップをとってほしいと私は切に願っているわけでありますけれども、これについて長官の御見解をお伺いをしたいと思います。 〔委員長退席、久間委員長代理着席〕
○愛知国務大臣 地球環境問題で我が国がリーダーシップをとるべきではないかという御指摘、私もまさにそのとおり思います。リーダーシップをとるべきであると同時に、またリーダーシップをとっていけるだけのいろいろな条件を我が国は持っている、このように思います。 その一つは、今委員が御指摘になりましたが、日本の文化的な背景などひもといてみますと、私もごく最近、ある出版社から出ました江戸時代の日本の社会の姿を書いた本を読みましたけれども、実に巧みにリサイクルができておりまして、今日の我々が見ますと、まさに我々が進むべき道を示唆しているんじゃないかというようなことすら感じたわけでございますが、そういうようなこと。またさらに、ずっと昔、それこそ大変昔の、一万年続いたと言われる縄文時代の一万年の間に培われた日本の文化というものも、やはり環境を破壊しないでその中で、人間が自然の中でどうやって生きていくかという知恵がはぐくまれてきたということもございますし、いろいろそういうような日本の文化的な背景を考えましても、十分これから日本が環境問題で世界でリーダーシップをとっていける背景があるのではないか、新しい視点に立ったリーダーシップを発揮できるのではないか、このように思います。 そのほか現実的な点につきまして申し上げますと、我が国は地球の環境資源に支えられて高度な経済活動を営む一方で、その経済活動を通じて地球環境にも大きな影響を与えておりまして、地球環境の保全に大きな責務を負っていることも事実でございます。また、我が国は、国内における公害を官民挙げて克服してきた豊富な経験とすぐれた人材あるいは技術、こういうものがあることも事実でありますし、また、環境と開発を両立させてきたという実績も実は有しております。今お触れになりましたが、環境に余り重点を置くといわゆる開発はおくれてしまうのではないか、経済発展がおくれてしまうのではないかという議論も実は二十年前に日本が環境問題に取り組み始めた当初あった議論でございますが、結果といたしましては、環境と開発、経済発展を立派に両立させたという実績を日本はつくることができました。このようなこと。 さらに、公害が出てしまってからそれの対策を講ずるよりも、公害を未然に防止することが大切だという教訓も、実は日本はこれはある意味で言うと不幸にしてと申し上げた方がいいのかもしれませんけれども、そういう教訓を日本は得たわけでございます。実は、この点に関しまして最近環境庁の若手の有志が一つの試算をした例がございますが、それは、公害が出てしまってからその対策を講じた場合の国としてのコストと、公害が出る前に対策を講じてそのために経済の成長率が多少低くなるというようなことも計算に入れた、そういった仮定の計算をしてみたケースがございますが、それによりましても、結果は明らかに公害を未然に防止をした方が安上がりになる、国としてのコストが安上がりになるという計算例がございます。こういったようなこと。 特に開発途上国に対しましては、以上の点などをポイントにいたしまして、環境問題にもぜひ現時点から取り組むことが大切だ、その国の国民にとっても大切だということを大いに声を大にして言っていく必要があるのではないか、そういう意味で国際貢献をしていく分野があるのではないか、このように考えます。 目下、御承知のとおり、世界は新しい秩序をつくり上げていくという方向でいろいろ混乱をいたしておりますが、その中で日本が大きな指導力を発揮していくことのできる絶好の機会を与えられた、かえってそのように受け取ることもできるわけでございまして、平和国家を標榜する日本がこの環境問題で国際貢献をするということはまことに日本にとってふさわしい分野ではないか、このように思います。このような観点から、積極的に地球環境問題に取り組んでまいりたいと考えております。
○簗瀬委員 具体的にリーダーシップをとる場面、たくさんあるだろうと思いますが、今回は特に地球温暖化対策について長官の御所見をお伺いをしたいと思います。 地球温暖化の問題、いわゆるCO2による温室効果が徐々に地球全体の温度を上げてくる、砂漠化を呼び、場合によっては海面が上昇するのではないか、植生を変えてしまうのではないか、いろんなことが出てまいっているわけであります。こういうふうな地球環境問題、しかも温暖化の問題ということになってまいりますと、特にエネルギー構造が大変おくれた姿になっている後進国、発展途上国との間の関係もやはり大変問題であります。特に薪炭を中心にした、あるいは薪等を中心にしたそういうエネルギーをとらざるを得ないこの東南アジアの発展途上国等にとっても、この温暖化の問題というのは、場合によっては自分の成長の速度を減速させるということを先進国から強制をされる、不愉快である、こういうふうな反発も起こるわけであります。そういう意味で、いわゆる先進国の立場におきながら、しかもアジアの心をある程度わかることができる我が国として、特に国際的な条約を締結をするような国際会議等の場面でどのようなリーダーシップをおとりになるべきだと考えるか。特に長官は、語学力大変上達してすばらしいということは皆さん御承知でありますので、この辺で個人的な信頼関係までおつくりになって、その上でリーダーシップを存分にとるというふうな、そういう御決意もあるのではないかなと思うわけであります。その辺で、この地球温暖化対策について環境庁長官の御所感をお伺いしたいと思います。 〔久間委員長代理退席、委員長着席〕
○愛知国務大臣 地球温暖化防止に関しまして、世界各国が協調して取り組むための法的な枠組みを設けることが極めて重要ではなかろうかと考えております。来年六月のいわゆるUNCEDにおきまして気候変動枠組み条約が締結されるように、引き続き世界各国の合意形成に積極的な役割を果たしてまいりたいと考えております。特に、炭酸ガスの排出抑制につきましては先進国が率先して取り組むことが何より重要でございまして、ちょうど今ナイロビで開催されております条約交渉会議でも、我が国は、先進国は炭酸ガスの排出量をおおむね九〇年レベルで二〇〇〇年以降安定化を図るべく最大限の努力を行うべきであるということを提唱しているところでございます。このCO2の排出抑制に、実は目下のところアメリカが大変慎重でございますが、このアメリカに対しましても引き続き友情ある説得を継続していくべきであると思っております。 一方、開発途上国についてでございますが、開発途上国が温暖化問題に取り組むことができるような資金的、技術的支援のための適切な国際的なメカニズムを整備することが大切であろう、このように考えております。 御指摘のとおり、我が国は先進七カ国、いわゆるG7の中で唯一のアジアに位置する国でもありますし、南北の橋渡しにも積極的な役割を果たすことが極めて重要である、このような認識のもとにこれからも最大限の努力を続けてまいりたいと考えます。
○簗瀬委員 そこで今、いわゆる途上国問題が出たところで、先進国として大変すぐれた科学技術を持っている我が国のノーハウあるいは技術、これをどういう形で途上国に橋渡しをしていくのかという具体的な方策を考える段階に来ているのではないかなと私は思うわけであります。環境分野における途上国援助のあり方ということで考えてみますと、援助は金と人そして情報だと私は思うわけであります。いわゆる金の問題については、実際のところ環境分野における協力は過去二年間で三千億近くにも上っておる。大変巨額な金額が出ているわけであります。そのお金の内容については今回は質問はいたしませんが、特にお金以外のソフト面での援助というものをどのように体系化してやっていくべきか、そういう大きなデザインを考えていただきたいなと思うわけであります。 このような途上国援助をする場合に一番基本的な原則になるのは、彼らの自助努力を側面から援助するのだというその側面だと私は思うのですね。何でもかんでもこちらがやってやるというわけではなくて、いろいろな意味で最初は手を差し伸べるけれども、その手を差し伸べることがやんだ後も自分たちで継続してやれるのだ、そういう意味で自助努力を喚起し、そしてそれを援助していく、これが途上国援助の基本理念に該当するのではないかなと私は思っております。 そういう意味で、人の面をどのようにバックアップしていくのか、マンパワーですね。それから第二番目としては、情報の面でどのようにバックアップしていくのか。これはいずれも自助努力に直接的に結びついていく支援の仕方だと私は思います。例えばマンパワーの場面では、こちらから人を派遣するということももちろんありますけれども、向こうから人を招いて、そして彼らに対してこの日本の地でいわゆる環境に関するいろいろなノーハウ提供あるいは技術研修等をやっていただく、そのようなやり方というものを考えていくべきではなかろうか。あるいは情報の面ということになりますと、世界でいろいろな環境技術についての情報がたくさんはんらんをしているだろうと思います。小さい情報から大きく体系化された一つの方法論までの非常に大きな内容にわたる広範な環境情報というものがはんらんをしております。まず、そういう意味で環境情報というものをまとめて、データバンクを作成したらどうだろう。あるいは情報を集約するということは意外に簡単なのですけれども、集約した情報をどういう形で検索をしていくのか、引っ張り出せるような大きなたんすをつくっても引き出しかどこにあるかわからないでは困りますので、そういう意味ではデータバンクをつくった後にどのような形でアクセスをしていくのかというそのアクセスについての方法論を、分類の仕方等を含めまして御研究なさったらどうだろうか。あるいはデータの中で、それぞれ集められたものが相互に影響し合うもの、相互に交流できるという情報もあるだろうと思うのです。そういう意味で、いわゆる業際という言葉がありますけれども、クロスオーバーで利用できるような環境情報というものを整理していく、そういうテーブルをつくったらどうだろう、こんなアイデアを私は率直に申し上げたいと思います。 こういうふうな点で、いわゆる人の面あるいは情報の面を含めましたソフトの面での途上国支援、これについて積極的な施策を打ち立てていくべきではないかと私は考えておるのですが、この点について環境庁長官の御所感をお伺いいたします。
○愛知国務大臣 環境援助におきましては、いわゆる公害防止施設などのハードの整備のみならずソフトの面での援助を行っていることは極めて重要である、御指摘のとおりだと思います。ソフトな援助で重要になりますのは、人を通じまして、我が国の環境にかかわる豊宮な技術と経験を移転して、相手国の環境問題に対する対処能力を高めることである、これが自助努力ができるような環境づくりをするということに通ずるかと思います。環境庁といたしましても、国際協力事業団と協調しつつ、開発途上国への環境専門家の派遣に積極的に取り組んでまいりましたし、こうした人材の発掘と育成のため、人材登録や養成のための体制の整備に努めております。 また、開発途上国に対する環境分野の技術移転の促進のためには、我が国に来年設置される予定のUNEP国際環境技術センター、これに対しましてデータベースの整備、人材育成等に関する支援をしていくとともに、タイ、中国などに設置される予定の環境センターのネットワーク化の促進にも努めていきたいと考えております。こういうネットワークができますと、御指摘のような情報を有機的に使っていくという点にも大いに役立つのではないかと考えます。今後も、我が国の経験、技術、ノーハウ等を生かして途上国に対する協力を長期的、体系的に進めていく方針でございます。 なお、地理的、経済的に我が国と縁の梁いアジア・太平洋地域につきましては、特にアジア太平洋環境協力計画、これをエコ・アジア21プランと名づけておりますが、これに基づきまして重点的に協力の推進を目指すことといたしております。いろいろとアイデアを御提供いただきましたけれども、それを踏まえまして今後の施策に生かしてまいりたいと考えます。
○簗瀬委員 先ほども冒頭で触れましたけれども、環境問題を技術の分野のみのこととして極めて狭くとらえるということは、私は妥当ではないと思います。まさに地球における人間の活動の仕方、行動のあり方、こういうものから含めて変革をしていかなければだめだと考えておるわけでありますけれども、この点について環境庁長官の御所見をお伺いいたします。
○愛知国務大臣 地球環境問題の解決のためには人間活動による地球環境への負荷を減らしていくような技術開発による対応も大切でございますけれども、それのみに頼ることでは十分と言えないと思います。大量性あるいは効率性を基礎とする現在の社会経済の社会のあり方自体が地球環境問題の原因の一端を担っていると考えられ、これまでの量的な拡大を求める技術革新のみによっては地球環境問題は解決できないと考えます。環境と調和して生きるという新しい価値観のもとに、地球に優しい技術の開発を進めるとともに、現在の経済社会のあり方や我々のライフスタイルの見直しを進めて、社会システムそのものを環境保全型に変えていくことが根本的な解決策であると考えます。 このためには、国レベルでのいろいろな政策、枠組みづくりも必要でございますが、同時に、地域社会における足元からの取り組みが大変重要だ、こういう認識でございまして、リサイクル運動の促進などを初めとする各般の施策、地域での施策につきましても、環境庁としても全面的なお手伝いをさせていただきたい、このように考えます。
○簗瀬委員 ことしもまたいろいろと新しい法律ができまして、不十分ながらも新しい枠組み、新しい出発をしようとしているわけでありますけれども、まさにこれは、住民あるいは企業すべてを通してこの地球環境問題への取り組みがなされなければ、所期の目的を私は達成できないのではないかと考えているわけであります。 そういう意味で、環境保全型社会というようなものをみんなでつくっていかなければならない。ごみ問題を初めといたしまして、ごみの排出から問題を考えていこうとするといった広範な全般的な取り組みが必要であると思うわけであります。企業、市民等、このような広範な国民の地球環境問題への取り組みについて、環境庁の具体的な方策についてお聞かせ願いたいと思います。
○八木橋政府委員 先生ただいま御指摘のように、環境保全型社会の形成に向けての取り組みを進めることが我々の緊急の課題でありまして、このため、具体的な施策を着実に展開する必要があるというぐあいに私どもも認識しているところでございます。 例えば、昨年の十月に地球環境保全関係閣僚会議におきまして、地球温暖化防止行動計画を決定させていただいたところでございまして、これは地球温暖化防止に向けた我が国の基本的な姿勢を示すというものでもございますが、その内容は、環境保全型社会の形成のための具体的な行動計画を定めだということも言えるかと存ずるわけでございます。 また、先生もお触れになりましたが、本年四月には再生資源の利用の促進に関する法律というものを成立させていただきましたのでございます。これは、資源の有効利用を通じ環境保全を図るためにリサイクルを促進するための法律でございまして、まさに環境保全型社会づくりを目指したものということが言えるかと思います。 さらには、御指摘のように、環境保全型社会を形成していくためには、このような政府の取り組みに加えまして、企業、地域住民等広範な国民が環境問題をよく理解して足元から環境保全に自主的に取り組んでいただくということも必要であるというぐあいに考えられます。 このため、私ども三点、三つの方面から考えておるわけでございますが、一つは、環境教育を充実させまして環境に配慮する人づくりに努めることが大切である。第二点は、リサイクルの促進、エコマークの普及、地域環境保全基金を活用した各般の取り組みを通じまして地域における環境保全活動を推進するということで、地域の運動を進めていくということが第二点目。それから三点目は、企業における環境保全活動の適正な評価を通じまして、その一層の努力を支援していくということでございます。こういった取り組みを通じまして、国民各層の環境保全への取り組みの促進に努めてまいることといたしたいと考えております。 これとの関連で一つの特筆すべき動きといたしましては、本年の五月二十一日に地球環境日本委員会というものが発足したところでございまして、これは直接的には、来年のUNCEDに向けての提案、また先ほど申し上げました地球温暖化防止行動計画の推進等地球に優しい社会経済づくりの具体化、持続可能な開発を促進するための開発途上国への協力とか、地球環境保全のためのキャンペーンの実施というような具体的活動を目指していくものとなっておりまして、そこには、会長といたしまして平岩経団連の会長以下、委員としまして産業界、労働界、報道界、消費者団体といったようなところから百五十人程度の委員が入っていまして、各界横断的な組織になっております。こういう組織を通じまして、またこういう組織との連携を図りながら、国民各層の環境保全への取り組みの促進につきまして環境庁としても積極的に努めてまいりたいと考えております。
○簗瀬委員 残り時間も少なくなってまいりましたので、次の質問は極めて簡潔で結構でございま すので、一分ぐらいで答えていただければありがたいなと思っております。 環境政策の手段として、今新聞等でも報道されておりますけれども、例えば環境税がどうだというふうな形でのことが国際的に議論をされているという話を聞いております。このような意味で、経済的政策手段として国際的にも議論が始まりつつあるわけでありますけれども、環境庁の取り組みについて、ごく簡潔で結構でございますからお答えいただければと思います。
○八木橋政府委員 簡潔にということでございます。環境保全型の社会を形成していくためには、先生先ほどから御指摘のように、環境の価値というものが経済活動そのものの中に組み込まれていくということがかなり重要であるというぐあいに私どもも考えているところでございます。そういったためには規制措置や助成措置を含めまして幅広い対策を総合的に講じていく必要があるわけでございますから、そのような見地から、私どもといたしましても、現在OECDとかUNCEDとかそういった場所におきまして、経済手段についての検討も行われているところでございます。私どもといたしましては、そういった場に積極的に参加するとともに、またそういう場における検討の状況も踏まえながら、真に環境保全に資するような経済的手段とは一体何かということについて、十分検討してまいるつもりでございます。
○簗瀬委員 最後に長官にお尋ねをいたします。 地球サミットまであと九カ月に迫っているわけであります。先ほど来申し上げられましたように、まさにこの環境問題は小手先の問題ではなくて、人類社会が共通に取り組んでいかなければならない文明史的な大きな転換点に立った課題の問題である。このような意味におきましては、地球サミット、その重要性はいやが上にも増してくるわけであります。そのような意味合いにおきまして、地球サミットの成功に向けて環境庁長官の御決意をお伺いして私の質問を終わりにしたいと思います。
○愛知国務大臣 御指摘のように、地球サミットまであと九カ月と、時間が残り少なくなってまいりましたが、これまでの地球サミットの準備過程におきまして、アメリカの地球温暖化問題等に対する消極的な姿勢が見られます。また一方、開発途上国からは、資金協力や技術移転に対する強い要求が出されるなど、現状では大きな課題が残されていると思います。 しかしながら、御指摘のとおり、地球サミットは人類共通の課題である地球環境問題への具体的対策について合意を得ることを目指しておりまして、二十一世紀の地球環境を良好な状態に保っていくためには、地球サミットの成功が不可欠でございます。私は、地球サミット成功のためには、地球サミットを南北間の対立の場としてはならない、また、発展途上国の積極的な取り組みを求める観点からも、先進国が率先して対策に取り組む必要があると考えております。我が国に対する国際社会の期待を踏まえまして、地球サミットの成功に向け今後とも全力を傾注してまいる決意でございますが、今後ともどうぞよろしく御支援、御指導のほどをお願い申し上げたいと存じます。
○簗瀬委員 ありがとうございました。
○小杉委員長 次に、田中昭一君。
○田中(昭)委員 私は、今いろいろな面で問題になっております水俣病の問題に焦点を絞りまして、環境庁、厚生省の皆さんに御意見をいただきたいと思っております。 まず環境庁長官にお尋ねをいたしますが、今月の初めにある民間放送で「ドキュメント91「くやしか本当にくやしか・三十五年目の水俣病」」というドキュメント番組がございました。これは、ごらんになりましたか。
○愛知国務大臣 残念ながら拝見しておりません。
○田中(昭)委員 私は、あの中で、水俣病の認定を訴え続けながらついに死亡されたあの被害者をよく知っております。昨年も国会で、頑張ってくださいと握手をされました。 今、水俣病というのは御承知のとおりでございまして、世界にまれに見る大公害、そしてこれは企業による許されない犯罪である、こう指弾されております。公害の原点である水俣病、発覚以来三十数年間、まだ解決しないわけであります。紛争の状態が続いているわけであります。被害者の皆さんは、人間としての尊厳をじゅうりんされ、生き地獄のような生活が続いているわけであります。長官、これは過去の歴史上の事件ではないわけです。また、遠い昔の公害物語でもないわけです。近代国家であると言われる日本、民主主義国家であると言われる日本、基本的人権の尊重を憲法で明らか、にしている日本、世界最大の経済大国と言われる日本の中でこういう状態がいまだ続いているわけであります。生きているうちに何としても救済をしてほしい、この被害者の方々の年齢は既に七十歳になろうとしているわけであります。そして、御存じのように三権分立の一つの柱である司法の側が、これは早く解決をしなければならない、しかし今日までの状況では解決の見通しがつかない、和解による解決を司法の側が今積極的に国に対して呼びかけているわけであります。世論、マスコミそして日本の良識と言われる学者、文化人、何としてもこの際和解によって解決の糸口を見出すことが必要である、この時期を逃せば永久にこの問題は解決できないであろう、こう言われておるわけであります。長官も新聞の主張欄なり社説でごらんになっておると思っておるわけでありまして、私どもはそういう意味では、重要な山場、詰の場を迎えている、こういう認識に立たなければならないと思っておるわけであります。 したがって、お尋ねをしたいのは、水俣病問題をいかに解決しようとしておられるのか。解決する考え方があるのかどうなのか。私は今年、予算分科会でも環境庁長官にそのことをお尋ねをしました。しかし、国の態度は変わってないわけでありまして、今日時点どのように解決をしようとお考えなのか、この点をまず第一点としてお聞きをしたいと思います。
○愛知国務大臣 田中先生がこの問題の解決のために政治家として大変な努力を払っておられること、私も心から敬意を表したいと存じます。私自身も、政治家としてそのお気持ちもよくわかるわけでございますが、環境庁長官として環境行政の責任を持つ立場というのもございますので、大変苦しいところもあるのでございますが、水俣病問題につきましては、我が国の公害問題の原点であるという認識につきましては、環境庁といたしましてもそのとおりでございまして、今日においても環境行政の重要課題の一つであると認識をいたしております。 国といたしましても、水俣病問題の早期解決に向けて最大の努力をすべきと考えておりますが、そのためには、行政施策として所要の対策を着実に進めていくことが肝要であるという認識でございます。このために、今後とも国、県一体となって水俣病患者の認定業務の促進に努めていくとともに、残された問題の早期解決を図るための総合的な対策につきまして、現在、中央公害対策審議会で御検討いただいておるところでございますが、平成四年度からの実施を目途といたしまして審議をお願いをしており、その平成四年度からの実施を目途として環境庁としても取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○田中(昭)委員 そういうことをずっと表向きに言い続けてこられているわけであります。後ほど御紹介もしたいと思いますが、環境庁歴代の長官の中ではそういうお考えでなかった方もおられると思います。しかし、表向きにはそういう極めて形式的な発想の中で、先ほど申し上げましたように三十数年未解決なんであります。そして、今長官が言われたことで本当に解決ができるのかどうなのか、これは司法の側も大きな疑問を持って、国に、この際和解による解決の糸口を見つけるべきである、腹を打ち割って心のあるそういう話し合いをしたらどうかという呼びかけをしているわけであります。 御存じのように、平成二年秋から東京、熊本、福岡、京都の各地裁、福岡高裁から和解勧告が出されております。 その第一はい御承知のように国は判決を求めるという姿勢を崩していませんけれども、裁判では証拠調べに膨大な時間を要し、かつ判決を出しても、国の側も控訴をしたり上告をする権利を持っているわけですから、したがって最終解決までには長い時間を要する。国が判決を求めるとするならば、熊本地裁の第三次訴訟などでは、この水俣病の全貌については極めて鮮明になっている。しかし、判決が出ても、国が本気で解決する姿勢がないわけですから、控訴し、上告をし、長時間を要する、こう裁判所も言っているわけであります。 それから、国家賠償責任の問題については、私は、食品衛生法なり漁業法、水質保全法あるいは工場排水規制法、その他規制権限不行使の責任というのは国にあると思っております。思っておりますけれども、しかしこれは法理論的にも事実認定についても非常に難しい。裁判所も、国家賠償責任については極めて難しい問題である、この解明はなかなか困難であろう、こう言っているわけであります。 それから、病像論についてもいろいろな意見がございます。医学的議論については、この議論というのは永久に終わらないだろう、解決つかないだろう、こう言っているわけであります。 そして、司法の側は、公健法による認定と今日の補償協定による補償を前提とした既存の制度では解決は困難だ、こう言っているわけであります。したがって、国がこの紛争の状態を、判決を待つというそういう姿勢は、判決は司法の側が出すわけですから、極めて大きな矛盾がある、こう思っているわけであります。そして、国の委任業務を引き受けて県債など発行して大変苦労した県の側も、そして責任がある企業の側も、この際やはり和解で解決をしなければこの問題解決の糸口はつかめない、こういう立場で既に和解協議に入って、具体的に和解の協議を行って、一定のいろんな対立点についてはその間隔が狭まってきている、こういう状態に今あると思います。したがって、もう御承知のように、つい先ほど、九月十一日の福岡高裁においても、国も和解協議に参加して各当事者と話し合って、知恵を出し合って、水俣病問題についての解決責任を、解決責任ということを言っているわけです。国家賠償責任とはあえて言ってないわけです。解決責任を果たすべく尽力する必要のあることを痛感するということを司法の側はしきりに強調して、国に和解への参加を呼びかけておるわけであります。 私は長官にお伺いをしたいのは、この司法の側の意見に対して、司法の側にこの紛争解決のためにさらに判決を求めるというのは先ほども言ったように大きな矛盾であろう、この点一体どう考えるのかということ。 それから二つ目は、私は、民主主義国家においては、解決をしなければならないけれどもなかなか解決ができない紛争であるとか事件であるとか、そういうものがたくさんあると思います。その際には、やはり公正中立な司法の判断を聞いて問題を解決をしていく、これが私は社会の常識でもあるし、あえて言うならば倫理でもある、こう思っておるわけでありまして、そういう意味では、三十五年間、このような悲惨な紛争状態を、この際どのように解決をするかという場合に、国の一方的な施策によってこの紛争の状態は絶対に解決をしない。これは司法の側もその懸念について所見の中で明らかにしているわけであります。そういう意味では、私はやはりこの問題の解決の糸口というのは、先ほど言ったように和解のテーブルに着いて知恵を出し合って、国も解決責任を果たす、行政上の責任を果たす、この立場に立つ以外にないのではないか、こういうふうに強く考えるわけでありまして、あえてこの問題についてもう一度長官の考え方をお聞きをしたいと思います。
○柳沢政府委員 昨年の十月に水俣病関係閣僚会議に御報告したところでございますけれども、水俣病訴訟に関します国の見解、そこに述べられているところでございますけれども、国の責任の有無につきましては、原告側との間で妥協を図ることのできる性質の問題ではないというふうに考えているわけでございます。また、水俣病であるか否かの判断につきましても、医学的な根拠を離れまして当事者間の交渉等によりまして中間的な基準を設ける、そういう性質のものではないと考えているところでございます。これらの訴訟で争われておりますような法に基づく国の行政のあり方の根幹にかかわる紛争の究極的な解決、これは判決という形でなされるべきものというふうに考えているところでございまして、裁判所の公正な判決ができるだけ速やかに出されることを期待しているところでございます。
○田中(昭)委員 回答になっていませんよ、部長。判決を求めている相手は司法ですよ。司法の側が、この問題については、判決を求めるという国の姿勢、これではいつまでたっても解決はつかない、こう言っているわけなんですよ。これは矛盾じゃないですか。矛盾でしょう、これは。 部長は、私予算分科会の際にも何回もお聞きをしたのですが、仮に判決が出た、控訴したり上告したりしませんか、国が納得できない判決であってもそれに従いますか、従わない、こう言っているわけです。だとするならば、控訴され、上告され、そして最高裁まで行くでしょう。患者はみんな死んでしまうのです。だから司法の側は、判決を求めるというそれだけでは解決できないから、和解勧告をやって、そして間隔があり過ぎるいろんな問題について司法としての所見を明らかにしているわけですから、そういう意味では私は、もっと国としては本気になって解決をする、こういう姿勢に立つことが大前提であろう。判決を求めるという姿勢は、この問題について解決をしようとする、そういう姿勢に立ってない、こういうふうに思うわけです。 したがって、九月十一日の福岡高裁の所見でも「聞き及んでいるところでは、国(環境庁)は、現在、水俣病問題の解決のための諸施策を検討中であるとのことであるがこれ、知っているわけです。「現に各地の裁判所で係争中の原告らに対する救済をどうすべきかという問題を抜きにしては全体的な解決が図れないことが懸念される」、こう福岡高等裁判所は国に対して言っているわけです。私は、紛争の状態を解決する際には相手側との話し合いが必要だ、相手側の納得が必要だ、こういうふうに思うわけでありまして、一方的な国の考え方だけを、行政の筋を通すなどということで押しつけただけでは絶対に解決がつかない。この点、どうお考えになるのか。この際、一方的な施策での押しつけでなくて、やはり裁判所が言っておるように心を打ち割って話し合いをする、相手の考え方についても十分聞く、こういう姿勢に立つべきではないか、そういうふうに思うわけです。 そして、和解によらなければ解決の糸口は見出されないというのはもうマスコミを含めて全部の世論になっているわけですから、これを突破口にして、訴訟を起こしてない方々の問題にも、解決にも波及をしていく。もちろんその際には、一定の規律性であるとか制約であるとか線引きであるとか、そういう問題が必要になってくるのは私は当然だと思います。しかし、そういうミクロの問題については今後の話し合いの中で十分に意見の統一が図られるように努力をする、こういう立場に立つことが極めて必要であると思っているわけでありまして、そういう意味では今の御回答はまさに司法の側の考え方を無視をする、そして本当に解決をしようとするそういう意思が全くない、こういうふうに断言せざるを得ないわけですけれども、もう一度この点についてお聞きをしたいと思います。
○柳沢政府委員 水俣病につきましては、政府といたしましては公害健康被害の補償等に関する法律に基づきまして、医学を基礎といたしまして患者の公正な救済に努めてきたところでございます。これまでに先生御案内のとおり約二千九百名の方々を患者として認定してきたところでございます。今後とも水俣病患者の救済につきましては公健法により進められることが必要であるというふうに考えているわけでございます。 一方、訴訟で和解を求めている方々がいらっしゃるわけでございますけれども、他方、訴訟に訴えている人の中にも、あくまでも判決を求めているという方もいらっしゃるわけでございます。さらには、訴訟に訴えてはいらっしゃらないが認定申請中の方や、水俣病と関連して健康不安を訴えている方も少なからずいらっしゃるわけでございます。 行政といたしましては、必要な対策は訴訟原告であるかどうかを問わず公平に行っていく必要がある、よって、水俣病問題の解決のためには、行政施策として所要の対策を着実に進めていくことが肝要である、このように認識している次第でございます。
○田中(昭)委員 これだけ世論がこの水俣病問題に関心を持ち、後ほど紹介したいと思いますけれども、一社を除いて日本の有数な各新聞社が社説でこの問題を取り上げたことはいまだかつてなかったのじゃないかと私は思うのですね。そういう意味では、今部長が言われるような答弁については、本当に私はまさに納得できない、こういうことを言わざるを得ないと思うのです。 昨年の十二月十三日の予算委員会でこの問題が取り上げられまして、この中で海部首相はこう言われておるわけです。「この問題の早期解決に向けて国としても努力をすべきものと考えておりますが、ただ、具体的に今問題になっております訴訟に関しましては、当事者間の主張が余りにも隔たっておりますので、今の時点で和解勧告に応じることは困難な状況だということでございます。なおいろいろと考えてまいりたいと思います。」「今の時点」、昨年、「今の時点で和解勧告に応じることは困難な状況だ」、こう言っておるわけです。それは、当事者間の主張が余りにも開き過ぎておるというわけで、和解勧告に応じないとはおっしゃってないわけですね。和解勧告に応じることは、当事者との間で開きがありますから、したがって今の時点では困難だ、こう言われておるわけです。 そこで、国と当事者との間で何に開きがあるのか、整理をしてみますと、私は、これは私流ですが、三つあると思っております。これはもう環境庁も御存じのとおり、その一つは、今も部長が言われましたように病像論であります。二つ目は、国家賠償法上の責任論の問題であります。三つ目は、具体的な救済内容だと思います。 救済内容については、これは今後いろいろと詰めていくことが必要であると思います。最終的には司法の判断が決められると思いますし、また中公審答申などに基づいて国自体もやろうとしている施策もあるわけでありますから、これは私は、詰めていけば解決が可能になってくる、こう思っております。そうしますと、残るのは病像論と国家賠償法上の責任論の問題だと思います。 病像論については、四十六年の事務次官通達に変更を加えた昭和五十二年の判断条件というのがあります。簡単に言いますと、いわゆる組み合わせ必要論であります。私どもはこれについて一定の見解を持っております。しかし、今ここでこれを論争してもしようがありませんから、これはおきます。 裁判所も病像の問題については、公健法上の認定でなくて、和解救済上の水俣病であって公健法上の水俣病としない、こういう所見を出しておりまして、御存じのように、一つは疫学的条件を有するもの、二つは四肢末梢に感覚障害を持つもの、これは公健法上の水俣病ではないんだ、しかし和解救済上の水俣病である。これは私は、国へ最大の配慮をした、この病像論について、間隔があり過ぎて和解が成立しない、このことについて国へ大きな配慮をした、こう思っておるわけで、この点についてやはり国は司法の考え方をきちんと受けとめる必要があるんじゃないか。私は、そういう意味では病像論については大きな対立点はないのではないか、こう言ってもいいのではないか、こう言っておるわけです。 その第一は、国自身も、認定棄却者のうち疫学条件を満たして手足に感覚障害がある人については、医療費の本人負担分を支給しているわけであります。これはもちろん病状の変化を見る、こういうことを言っていますけれども、しかしこれは公健法上の認定患者ではないわけです。この人たちに対して医療費の本人負担分などを支給している。救済が必要な対象者として認めている、こういうことだと思うのです。ですから、司法が言っている和解上の水俣病についても、公健法上の水俣病じゃないけれども救済を必要とする人、こういう点では、私はもうこの病像論の問題については和解の場で意見の一致を見ることが可能になりつつある、こういうふうに思うわけです。 また、中公審の水俣病問題専門委員会でも、医学的判断の限界を超えたボーダーライン層の患者が存在することを認めているわけです。そして、これについても公健法上の患者でありませんけれども対策が必要だ、こう言っているわけです。また、和解協議に参加をしている熊本県についても、救済対象者の範囲について司法の所見と同じようなことを言っているわけです。ボーダーライン層の和解上の救済対象者、こういうことを県も言っているわけです。違うのは、和解救済上の水俣病と呼ぶかどうか。もっと言うならば、ネーミングについて県としては首をかしげている点があります。しかし、ボーダーラインについて救済をしなければならないというのは、国も県も中公審も同じような考え方に立っているのではないか。そういう意味では、対立があり過ぎると言った問題については、私は詰めていけばその話し合いは詰まってくるであろう、こういうふうに思うわけです。 そういう意味で、病像論の問題について国はかたくなな、公健法上の認定でなければいけない、これしか救済はできないんだというかたくなな態度ではなくて、医学上もいろいろ問題のあるボーダーライン層についても現実既に救済の手を差し伸べているし、また今後も施策の中ではそのことが入ってくるわけですから、こういう問題についてはもう一歩踏み出す、こういうことが極めて必要ではないかな、こういうふうに思うわけです。 また、責任論の問題についても、国家賠償法上の責任は、私どもは、これは先ほど言ったように一定の見解を持っていますけれども、責任はないとしても健康被害者をめぐる紛争を解決するという行政上の責任については、これはやはりあるのではないか、県は明確にそう言っておるわけでありまして、したがって、裁判所の所見も、国賠法上の責任に直接触れずに、もうこれも御承知のように、原告の高齢化、死亡者の増加、早期解決が必要である。こういう立場。和解の場では、国の行政上の責任や政治的決断に基づいて解決が可能である、こう裁判所も言っているわけです。 それから、裁判所は非常に重要なことを指摘している。それは、先ほど申し上げましたように、歴代長官の公式発言に見られるとおり、国自体が本問題についての行政の責任を何回も何回もお認めになっている、そして早期解決に努力する、そういうことを明確にしておられるわけです。ここのところは私はやはりはっきりしなければいけないのではないかな、こういうふうに思っているわけですが、この点についていかがですか。
○柳沢政府委員 ただいま先生から、和解の協議の中での条件につきましてお話がございました。国は和解協議には参加してございませんので、元来コメントする立場にないわけでございます。ただし、水俣病患者の救済ということにつきましては、既に公害健康被害の補償等に関する法律、いわゆる公健法によりまして制度が整備されているところでございまして、この認定制度における判断条件は、先ほども申し上げましたけれども、医学界の定説を踏まえた、医学的に水俣病と診断し得るものは広く水俣病と認める適切なものであるというふうに認識しているところでございます。 また、裁判所が意図するところの和解救済上の水俣病という概念及び公健法の認定制度との関係につきましては、和解協議の当事者でない以上、これも何とも申し上げられないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、水俣病の判断につきまして、医学的な根拠を離れて交渉等により中間的な基準を設けられるものではないというふうに考えておるところでございます。 また、公健法の認定制度とは別に、国が当事者となって何らかの別の水俣病といった基準をつくることは政策としての一貫性を欠くことでございますので、これは考えられないところでございます。
○田中(昭)委員 私たちと環境庁が違うのはどこかといいますと、私たちは何としてもこの水俣病問題をめぐる紛争状態、そしてこの悲惨な水俣病被害者の今日の状態を何としても解決をしなければならない、こういうスタンス、立場ですよ。これを世論すべてが、今挙げて支持をしている。国のスタンスというのは、この水俣病の紛争の状態を解決する意思が全くない、ここが違うと思うのですね。ですから、十年一日のごとく同じことを毎回毎回お述べになっておられる。 この福岡高裁の九月十一日の所見もお読みになったと思いますから詳しく言う必要はありませんけれども、大石元環境庁長官は、四十七年、ストックホルム演説で、この水俣病問題について、政府を含めた対策が手ぬるかったことなどにより多数の悲惨な犠牲者を出した、早期に十分な救助の手を差し伸べ得なかったことに政府は責任を痛感している、こう世界的に言っているわけです。三木環境庁長官は、国会答弁で四十八年、一日も早く悲惨な状態を解決し、補償問題や、病気からくる不安を片づけ、将来の健康管理を含め、市役所といわず、会社といわず、国といわず、一体になって取り組みたい、こう三木長官、言われておるわけです。その後、石原長官、国会答弁で五十二年、未必の故意というか、結果として行政が知るべきことを知りながら、漁獲禁止など行政のすべき処置につながらなかった責任を感じている。国賠法の責任問題を言っているのですよ、石原環境庁長官は。また、「日本人が日本人自身に投じた原爆のような水俣病の問題でやはり十字架にかかるべきだ」と思う。「そういう意味でも、この問題は何か新しい方式を考え出すことでできるだけ早く解決をする努力を、私も環境庁を預かりました限り、スタッフを督励して努力をする」、こう言っているわけです。御承知ですか。北川長官は、平成二年の国会答弁で「水俣病由心者の迅速かつ公正な救済ということは大変大事なことであり、関係県あるいは関係者とよく一体になりましてこの問題に対処していきたい、」。関係県は和解に臨んで今大変苦労しているわけですよ。これほどうなるんですか。「関係県あるいは関係者とよく一体になりましてこの問題に対処していきたい、」国に対して、県も裁判所の所見に基づいて和解の場への参加を必死で呼びかけているのです。矛盾するじゃないですか。北川長官はさらに「こういうことを思いますと、私はやはり行政の責任であると言われても仕方がない、こういう思いをいたしております。」こう言われているわけです。これと今の部長の発言とはどうリンクするのですか。 こういうことを国会や世界の場で言っておきながら、和解の場に出ていって何とかして解決をする、こういう姿勢になぜ立てないのです。県も企業も、これでなければ解決がつかない、こう言っているわけです。政治とは一体何ですか。この歴代の長官の答弁と、環境庁が現実にやってきた大きな矛盾を見た場合に、国民は政治に対して大きな不信を抱きますよ。冒頭申し上げましたように、三十数年やってきた。判決を求める。判決を出す側が、判決では解決つかないから和解でどうだといっている。一方的に施策をやると言っている。一方的な施策では、相手がおることですから、解決つくはずがない。ですから、本当に解決をしようとするならば、私は、国の考え方、今までの対応を変えて、唯一の道であるこの解決の場に臨んで解決の糸口を見出す、これ以外にないと思うわけです。もう一回、環境庁長官のお考えをお聞きしたいと思います。
○愛知国務大臣 この水俣病に関しましては、申し上げるまでもなく、昭和三十一年に発見をされ、四十三年、公式見解というものが出て、四十四年に対策が講じられてまいったわけであります。それから十年少々しまして、訴訟という形で問題が裁判所で扱われるようになったわけでございます。そして今日に至っているわけでございますが、裁判所における裁判での扱いということがありますので、そういう点から申しますと、裁判で問われたその責任、賠償責任あるいは病像論といったようなものに対しまして、先ほど来申し上げておりますとおり、和解という形でこれに応ずるということは極めて難しい問題でございまして、私どもといたしましても、何とかこの問題を解決しなければならないという思いは先生に劣らずあると思いますけれども、その方法論の問題でございまして、そういう点で先ほど部長がお答えをいたしておりますとおり、なかなかおっしゃるような形で応ずることができない、こういう状況でございます。 なお、歴代の環境庁長官の発言等をお引きになりましたが、一番最後の北川長官の発言は除きますと、ほかの長官の発言はいわゆる訴訟という問題に、裁判所の問題にこれが俎上にのる以前の話でございまして、その点につきましてもぜひ私どもの立場も御理解をいただきたいと存じます。
○田中(昭)委員 長官、私は、訴訟やら和解によるそういう解決でなくて解決ができればそれが一番いいと思います。率直に申しまして、先ほども言ったとおり、病像論についても責任論についても私たちは一定の見解を持っております。それは翻すつもりはないのです、心の中では。原告の方もそうだと思います。しかし、それでは三十数年たってなお解決ができないわけです。長官、そうでしょう。環境庁も何もやらなかった、国も何もやらなかった、こうじゃなかった。やってきたけれども、結果的には解決できない。今紛争状態がなお続いている。だからこそ歩み寄りが必要ではないかと思うから、国賠法上の責任論やあるいは病像論などについても裁判所が一定の妥協的な見解を出してきている、私どもはこれで解決を図りたい、こういう気持ちに実はなっているわけでして、そういうことをぜひもう一度御検討をいただきたい、こういうふうに思います。 残念ながら時間がございません。私は言いたいことがたくさんあるのです。もっともっと詳しく言いたいことがたくさんございます。しかし、時間がございますから、最後に私は三つのことを長官に訴えたいと思います。 その第一は、これは今も申し上げましたように、責任論や病像論に対立点は確かに残ります。しかし、地裁、高裁、司法の側の判断、所見に基づいて直ちに和解のテーブルに着いていただきたい。そして、和解での解決をベースにして、中公審の答申もやがて出てくると思います、それらとドッキングをして、この際、水俣病問題の解決に国として最終的な力を発揮していただきたい、こう思います。大きな山場が来ている。これを通り過ごしてしまえば、もう再び、水俣病の生きているうちに救済をということが不可能になる。こういう立場から、病像論や責任論について国の見解も私はわかります、しかし、私どももその考え方を一歩譲歩して、裁判所の所見に基づいてこの問題を解決をしたい、この気持ちを酌んでいただいて和解の場に出てきていただきたい。そして、これをベースにして中公審答申などとの問題とドッキングをして解決を図るべきである、こういうふうに第一点として問題提起をしておきたい、訴えておきたいと思います。 二つ目は、この世界最大の公害問題が永々として三十数年解決できない、続いている。これは私は、日本国として世界に対して全く大きな恥辱である、こういうふうに思います。そういうことをやはり国はもっと考えるべきであると思います。国際社会だとか言われております。国際的にもこれは注視されている問題ですから、このことをよくお考えをいただきたい。そして、今日この時期、解決の途につかなければ、私は、この水俣病問題というのは永遠に解決が難しいだろう、そういう意味では国は決断の時期を迎えている、これをやらないということは水俣病の救済を放棄をする、こういうことにつながると思います。この点を強く訴えたいと思います。 三点目に、これは具体ですが、長官、一度水俣へ来てください。そして、現地で原告患者の皆さん方と十分話し合いをした上で決断をしてください。歴代の長官も水俣に来たら、先ほどのような発言になるのです。長官も一度ぜひ水俣に来て、そして現地で決断をしていただきたいと私は思っております。 私も政治家のピン、キリのキリでありますけれども、この問題を解決することができないというのは、政治家としてはまさにじくじたるものを持っています。そして恥であると思っております。国が行政の筋を通すとは一体何なのか、政治とは一体何なのか。国民の人権を守るとか環境を守るとか、そういうことをしきりに言っております。国民の生命や生存の自由や幸せを守る、尊重する、これが政治であると思っております。もう一度公害対策基本法を読んでください。憲法第三章をずっと読んでください。私は、国の態度は変わらなければおかしいと思います。これで変わらなければ、私は、政治に対する国民の不信感というのはどんどん増大をすることになると思います。そういう立場から、この水俣病解決の大きな山場、そして決断をしなければならない時期を迎えている、このことを私は強く訴えまして、御検討いただきたいと思います。 時間が来ましたから、私のお願いはこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。
○小杉委員長 次に、竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は、茨城県あるいは埼玉県、栃木県、群馬県等にまたがっている渡良瀬遊水池に第三の国際空港をつくるという問題について今まで何回も質問をしてきましたが、また最近かなりこれが問題になっておりますので、この点についてはもう一度ここで確認をしたい。 と同時に、茨城県の石岡市で世界のタマゴ博覧会協会と財団法人公安文化協会が後援をしてタマゴの博覧会を開いたわけでありますけれども、その結果、七月の二日には農協の組合長が自殺をする、八月の三日には石岡市の助役が同じ問題で自殺をするという、極めて言いようのないような事件が起こっております。これに対して市長は、そういうことは一切知らない、わからない、後で聞いたという形でうそぶいている。これに対する市民の政治に対する不安というものは大変深いものがあります。したがって、このことについて逐次質問をしていきます。 まず第一に、渡良瀬空港について、最近、第三次空港をつくろうという話が畑埼玉県知事の発言を中心として行われており、新聞紙上にもしばしば、この渡良瀬に空港をつくることは、立地条件からいい、気象条件からいい、適切だという声があります。特に自民党筋からそれがあるわけです。これについて地元では、これは大変迷惑な話であって、二十四時間騒音に悩まされるということで反対をしておるし、長く考えていくと、ここには田中正造さんの大きな歴史がある。そういう歴史の中で、谷中村という村が、その中から村を一つ廃村をして、そうしてできた地域でありますから、自然にそこができたものではなしに、人工の遊水地でもあるということからして、三千三百ヘクタールの面積はありますけれども、これはそう簡単なものではない。そういう点について、平成三年には六百万の調査費がついておりますが、この調査費はどこへ使ったかということについて、まず運輸省から報告をしてもらいたい。
○小坂説明員 今先生が言われました首都圏の空港問題でございますが、昨年八月に航空審議会の中間取りまとめにおきまして、二十一世紀初頭における東京圏の国内航空需要に対応するためには、総合的な調査を関係者が連携して進める必要があるという答申を得られまして、この三年度に御指摘のとおり調査費六百万円が認められたわけでございます。 私どもは、この金額で物事を進めるにはまだ非常に規模としては小そうございますが、当面は、六次空港整備五カ年計画の期間中に首都圏全域を対象に設置の可能性につきまして基礎的な勉強を行っていきたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 八月十日には、地元の新聞では、運輸省は首都圏第三次空港に関連をして、この平成三年の約十倍に当たる五千万円という調査費を要求をしている、こういうことでありますね。その点で、羽田の空港あるいは成田等々についてはもういっぱいだから何としてもこれをつくらなきゃならない。そして神奈川県沖あるいは九十九里、東京湾、さらには港ですね、こういうところに建設すると同時に、横田の返還された基地あるいは厚木、こういうようなところも一つの対象になっているようでありますけれども、現在はそれはどういうような方向で進んでいるのか、その点についても報告してもらいたい。
○小坂説明員 ただいまお答えいたしましたとおり、平成三年度に六百万という予算を計上していただきまして、今回調査に着手したところでございます。来年度は五千万円ということで大幅に要求しておりますが、この候補地点につきましては現時点では全く白紙でございまして、今後基礎的な調査を全域にわたって行い、基礎的な資料を収集していきたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 基礎的な調査と言いますが、運輸省が、今までは全域にわたっているけれども、やがて二、三年の間には二、三カ所に絞り込んでいく、こういうようなことを言っているのですね。そのときに、一体これから予想される空港の基準というものはどういうことを基準にして絞り込んでいくのか、その基準についで聞きたい。
○小坂説明員 空港の適地、空港ができるかどうかという視点から見た場合に、いろんな見方がございます。当然ながら土地がなくてはいけないとか、その空港の周辺に騒音問題が起こらないとか、あるいはアクセスがあるとか、あるいは飛行機が飛ぶだけの空域があるとか、そういう視点から見ていくことになります。 現在、絞り込むにしてもどこにそういうものがあるかどうかというもくろみは全くございませんで、また規模につきましても、世上言われているように大規模な空港をつくるということからスタートするというような決めもございませんで、どこに一般の公共の空港ができるかどうかという場所探しというところをまずやろうというのが私どもの考え方でございます。
○竹内(猛)委員 そこで、地元では最近非常に政党側の、特に自民党側の動きというものが、大変俸い人が後ろにいて、そうしていろいろの動きをしている。その一つとして、圏央道が路線が少し変わってきた。それから、東北新幹線に新駅をつくろうという動きがある。こういうものと関連をして、渡良瀬遊水池が非常に適切ではないのかというのは憶測に等しいものであるとか、またそういう声がありますが、これは憶測だけではない。 そこで国土庁、国土庁はこの点については首都圏を整備する関係から、私も首都圏整備特別委員会の特別委員の一人ですけれども、国土庁はどういうふうに考えているのか、この点を。
○塩沢説明員 首都圏整備計画におきましては、渡良瀬遊水池につきましては自然環境の保全を留意した治水機能とレクリエーション機能を持った空間として整備することとされておりまして、現在既に関連の事業が進められておるところでございます。 いわゆる首都圏第三空港につきましては、先ほど運輸省からの答弁にもありましたように、その候補地については現在のところ白紙の状態でございまして、今後総合的な調査を進めていく中で適切な対処がなされていくものというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 私は首都圏整備特別委員会の特別委員の一人として七月二十三日の会議にも出席をしていろいろな発言をしておりますが、その中で埼玉県の方からは、横田の基地を使ったらどうか、こういう話もある。厚木も現在できているからそれもどうだろうか。それから茨城県の中で我々の仲間からは、百里の基地があるじゃないか、あれを活用できるじゃないか。現に騒音に悩む人もいるけれども、なれちゃっている。ここだったら別に紛争が起こるはずがない。防衛庁はこれに対してどういう考え方を持っていますか。
○大古説明員 まず、自衛隊が管理します厚木基地及び百里基地の関係についてお答えいたします。 まず海上自衛隊の厚木基地でございますけれども、ここには第四航空群等の部隊が配備されております。それから百里基地には第七航空団等の部隊が配備されておりまして、いずれも重要な基地になっております。防衛庁としては地元の理解と協力を得まして、今日まで計画的に自衛隊として必要な機能を逐年整備してきたところでございます。このため防衛庁としましては、特に厚木基地におきまして、そこに隣接する日本飛行機株式会社、これの関係の整備を受けるためこの基地に飛来する民間航空機等について受け入れているところでございますけれども、それ以外の民間機の定期便等をこれらの両基地に受け入れることにつきましては具体的に検討を行ったことはございません。 しかしながら、あえて一般的な状況を言わさせていただきますと、両基地とも自衛隊の部隊運用それから訓練等を行うためには必要不可欠なものになっております。そうしまして、両基地の需要については高い需要を防衛庁として有しておる。特に厚木基地につきましては、地位協定に基づきまして在日米軍に提供をしているというような事情もございます。これらのことを勘案しますと、一般的には両基地に民間航空機の定期便なりを受け入れるという問題については基本的に困難であるというふうに防衛庁は考えております。
○竹内(猛)委員 そういう話があるということも耳にしながら、これは運輸省の方でも検討をしてもらいたいということをここで要望します。 そこで環境庁にお伺いしたいのですが、来年度の予算を要求する中でも、国際的ないろいろな環境会議も開かれる中で、特にラムサール条約等について、湿地の問題については北海道の釧路湿原あるいは屈斜路湖あるいは宮城県の伊豆沼等々が挙げられているけれども、国際的に見たら湿原というものが日本にはまだ少ないような感じがする。そういうことからいうと、渡良瀬遊水池というのはまさにこの湿地に、ちょっと狭いかもしれないが対象に値するような場所であって、鳥獣類が相当な種類があそこに生息しております。だから非常に大事なところであるだけに、これは環境庁としてこういう土地についてひとつ保護をしていくという形で、まさに騒音を避けるという運輸省の話もありましたが、騒音に悩まされる皆さんは既に反対をして、あの関係市議会はほとんど反対の決議をしている。そういうところへ無理をして持っていくということは、これはまた新たな紛争を起こすことになるから、やはり自然を大事にするという意味においてはほかのところに持っていって、現に飛行機が飛んだりおりたりするところを十分に活用する、こういう方向で進めてもらいたいと思うが、環境庁、いかがですか。
○伊藤(卓)政府委員 渡良瀬遊水池をラムサール条約に基づきます登録湿地にしてはどうかというようなお考えだと思いますけれども、御指摘のように渡良瀬遊水池は古くから遊水地といたしまして人為、人の手が加わって整備をされてきたという状況でございますけれども、今日はヨシ群落に広く覆われ、水鳥等の湿地性の動植物の生息地になっておるということも十分承知をいたしております。ただ、これまでの我が国のラムサール条約登録湿地、先生御指摘のように三カ所ございますけれども、これらとはタイプが違いまして、条約に基づいて登録するほどの国際的重要性を持っておるかどうか、これについては検討すべき点が多々あるというふうに考えております。また、我が国のこれまでの登録湿地は、これは条約に基づく要件でもございますけれども、国内法で担保する必要があるというところから、すべて国設鳥獣保護区の特別保護地区に指定されておるわけでございますけれども、この渡良瀬遊水池につきましては各種開発計画が進行しておりまして、この条約の登録湿地として必要な保全のための規制措置というのは難しいのではないかというふうに考えております。したがいまして、私どもといたしましては、当面渡良瀬遊水池を同条約の登録湿地とすることについては考えておりません。
○竹内(猛)委員 今度は話題をかえていきます。 私は、八月三十日に国会法第七十四条によって、石岡市におけるところの世界のタマゴ博覧会開催をめぐる市の行政責任及び農協の不正融資に関する質問書を提出をしました。九月に入ってから百条委員会が開かれておる関係からして、九月の十日に回答が出ましたが、それは、現に百条委員会で審議をしている関係もあるからということでもありましょうけれども、その回答はどちらかというと重要な問題をそれておるという形になっております。けれども、この委員会はずっと続いておりまして、逐次問題が明らかになってきておりますから、この際、次のことについて質問をしていきます。 まず第一に、石岡市のタマゴ博覧会をつくるということは、これは財団法人の公安文化協会というものが後援をして、実態の全くわからない、本当にえたいの知れない世界博覧会協会というものと組んでこれを市に持ち込んできた。そして市は、市会議長、市長、助役、参与、こういう重要な人物がそれぞれ話をして、本来であれば、去年の二月に市の基本計画をつくって、そして今後の発展ということについて議論をしなければならない、またそこに入らなきゃならないのに、そのことは無視をしてどんどん単独で進めてきた。議会にも相談がない。あるいはこれらのものを誘致する場合には、誘致委員会などというものを開いて市民全体が立ち上がってやるというものではなくて、極めて私的にこのことが進められてきたということなんです。表面は、これをやれば市が活性化すると言っている。ところが、結果的には農協の組合長が自殺をする、助役が自殺をする。そうして町は大混乱をして、毎日地元の新聞は世界タマゴ博覧会の記事が出ないことはない。こういう、五万の市民が単に心配するだけではなしに、多くのニュースやテレビで全国的にも放送されている。自治省はこういうようなことについて、自治体がこんなことになっておることについてどういう感じを持つか、まずその点の所感を聞きたい。
○岩崎説明員 御案内の「タマゴ万国博卵会」についてでございますが、茨城県を通じて照会したところによりますると、世界のタマゴ博覧会協会という民間団体が石岡市において開催したものであるというように聞いているわけでございます。その開催に先立ちまして、石岡市長と世界のタマゴ博覧会協会の会長との間に協定書が交わされているわけでございまして、この石岡市との関係につきましては、その協定書の内容と経過に関しまして現在石岡市の議会において調査委員会を設置し調査中であると聞いているところであります。 私ども、こり問題につきましては、茨城県を通じて種々実態について照会し聞いているところでありますが、現在百条委員会が市において開催されるというように聞いておりますので、その推移を見守ってまいりたいというように考えておるところでございます。
○竹内(猛)委員 大体その程度の答弁しか出ないということは予想していたけれども、そういうことだろうと思うのですね。 そこで、これは総理府に関係すると思うのですが、公安文化協会というものは昭和二十四年につくられている。警察のOBを対象として、教育とかいろいろなことをやる、主として治安の問題を考えている。その公安文化協会と世界タマゴ博覧会、中村という世界タマゴ博覧会の会長になって いるその会長は、公安文化協会の理事として入っている、こういう関係になっている。この公安文化協会というものの本来の仕事でない者がそれに参加をしている。 まず、それの財政的な援助はしていないようですが、これは一体どういうかかわりでこういうことになってきたのかということについて、これは総理府になりますか、その説明を求めます。
○小杉委員長 総理府ですか。総理府の職員は来ておりません、竹内委員。
○竹内(猛)委員 総理府は、いろいろ話は聞いたけれども、きょうは呼ぶことを中止をしてきているから、ではそこは飛ばします。 そこで、自治省にお尋ねしますが、昨年の七月二十八日から八月七日、それから九月五日から七日、石岡市の小吹という参事が、中村会長が費用を丸抱えでホノルルあるいはロサンゼルスに行っている。このことについて、九月六日、上野前議長、これはタマゴ博覧会の理事でありますが、これが昨年の九月上旬、タマゴ博覧会の業務に関連をして協会役員の肩書で中村会長と一緒に渡米した際、旅客機、ファーストクラスの料金を、あるいは渡航費用一切を協会から負担をしてもらった事実を認めると発言している。これは、休暇をとっておりますが、地方公務員として業者の負担で行ったということは、地方自治法違反じゃないのか。どうですか。
○中川説明員 お答えをいたします。 一般論としてお答えをいたしますれば、市以外の団体の事業が市の立場から見て有益なものとして協力すべきものであれば、その事業の準備等のために当該団体から旅費を受けて旅行をすることを市長から命ずることは考えられるところでございます。 また、休暇等をとりまして私的な旅行をする場合、旅費の授受等が刑罰法規士があるいは信用失墜行為等に該当しないものであれば、地方公務員法上の問題はないと考えております。 しかし、御指摘の点についての詳細な事実関係が明らかでございませんので、今御指摘の旅行の是非についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○竹内(猛)委員 今二点で問題が出されたわけですけれども、いずれにしても、当時の、現在でも議員であり、当時は議長をしておりタマゴ博覧会の責任者であった上野氏が一緒に行ったという証言をしている。これが市にとってよかったか悪かったかということは、それは結果の問題として大混乱をさしているわけだから、いいはずがない。本来市議会で協議すべきもの、あるいはタマゴ博覧会を、誘致委員会というようなものを開いてそこで十分に議論をして、挙げてやるべきものを、ひそかにやって、そしてその業者と旅行するなんということは、これは今その最終的な確認というのは法務省の方に要求をしておりますが、はっきりそこで証言をしているということを見ると、これは行ったことに間違いないんですから、そういうことになると、明らかにこれは公務員として問題じゃないか。言い逃れはきかないんじゃないか。どうです。
○中川説明員 御指摘の旅行の性格等につきましては、現在石岡市において、議会において十分な調査が行われていると考えておりますので、その是非等につきましては、この際お答えすることは差し控えたいと思います。
○竹内(猛)委員 市長の山本市長は、前々回も市長であって今期は二期目の市長になっているわけです。それで、間もなく十一月には改選になるわけですが、この二期の市長の間に同じ問題で百条委員会を聞かざるを得ない。今回は三回目なんです。一体自治体の長というものが同じ問題で三回も百条委員会を開かなければならないということは、これは市民をなめたものであり、ばかにしたものじゃないか。自治省はこういうことについて十分に調査をしてもらいたいし、それから、そのような例が全国にあるかどうか、そのことについても聞きたい。
○岩崎説明員 お答えします。 市長が自分の在任期間に、何度かその期間に議会の調査委員会で自己にかかわることについて調査委員会が開かれたことがあるかということでございますが、そういった調査は格別にいたしておりませんので、私ども承知いたしていないところでございます。
○竹内(猛)委員 まだこの問題はこれだけでは終わらないから、後でまた続いて質問していきます。 平成二年の九月一日、石岡市内に、茨城県の執行部と県会議員に向けて、山本市長が自分の財産、要するに酒蔵を売って得たその代金、それによるところの県税を滞納している、一億と五千万は金利である、これを払わないと、市民が、市長が税金を滞納するようなことでは市民も市に税金を払うのは嫌だ、こういうようなチラシが市内にまかれ、県に要請をされた。その事実、今どうなっているのか、その点について調査をしているはずですから聞きたい。
○成瀬説明員 お答え申し上げます。 ただいまお尋ねをいただきました地方税に係ります個々具体の課税案件の内容でございます。こういったものにつきましては、事案の内容なり性格に応じまして課税庁であります地方団体におきまして適切に対処すべき問題であり、また守秘義務との関係もございますので、具体的な御答弁は差し控えさせていただくことに御理解を賜りたいと存じます。
○竹内(猛)委員 一つの市の市長がそういうようなていたらくなことをしているということを黙って見ているということは許せない。行政はもっとしっかり調査をして指導すべきじゃないか。これは要請です。 その次に、現在この市が抱えている最大の問題というのは、平成二年の七月十三日に、山本市長と中村会長、これは世界のタマゴ博覧会の理事であり会長という形になっているのですが、それから市議会議長の上野善夫と株式会社日本ゴーディネイトという会社の今井邦雄、津田悦資、この五人によってつくられた協定書があるんですね。その協定書の第三条によると、世界タマゴ博覧会が終了したその後で常設館として市は博覧会に全面的な協力をするという項目が第三条にある。そして四、五、穴とありますけれども、いずれを読んでみても世界のタマゴ博覧会に協力するということが中心になっている。 それを足場にして、平成三年五月二十日に、午前十時から市長の公室において、財団法人石岡市の開発公社が第一回の理事会を開いている。この理事会の議事録がここにありますが、これを見ると、まさに議長をやった山本市長が中心で、自殺をした中島助役、それから市の建設部長、それからもう一人の自殺をした農協の組合長、それから関係の業者の人たちが集まっていろいろ話をしているけれども、その話の中では、染谷というところの五町歩の山林、これは共有地でありますが、三十二人から成っている共有地でありますが、そこを何とかして買い上げたい、こういうことを話をしている。ところが、これは現在山林ですから、これを買い上げするためには国土法を免れなければならない。国土法を免れるためには、まず地権者には高い値段、六億という覚書を渡し、県に向かっては二億九千万という申請をし、そして現に二億二千万何がしかの金を払う、こういう三つの約束をしている。国土庁はこの点について、一体こんなことが今許されるのかどうか。どうですか、国土庁。
○伊藤説明員 お答えいたします。 国土利用計画法におきましては、当事者が届け出た予定価格の額を超えて客観的に土地等の対価とみなされる金銭等の授受を行った場合には虚偽の届け出または無届げ取引となり、こうした違反行為の行われることのないよう罰則によりまして担保しているところでございます。仮に御指摘のような事実があるとすれば、虚偽届け出に該当するものでございまして、現在、茨城県において、事実関係について鋭意調査が進められているところでございます。 国土庁といたしましては、ただいまの先生の御指摘も踏まえまして、引き続き厳正かつ的確な調査が行われるよう指導してまいる所存でございます。
○竹内(猛)委員 本来ならば、これは去年の十月に申請して認可をされているわけですから、いいあんばいな申請をして認可をしちゃっている。ところが、認可の前に売買契約をやっている。これだって国土法の違反でしょう。これは二つの違反ですよ。こんなことを黙って見ていたら、行政なんというのはめちゃくちゃだ。つまり、市がぐるになって土地転がしをやっている、土地転がしを。そういう状態じゃないか。えたいの知れない世界タマゴ博覧会なんという、まあ言ってみれば幽霊団体、そういうものを連れてきて、公安文化協会という財団法人で格好をつけて、そして市の計画にもない、あるいは議会にも語らない。そうして、全部終わってから、済んでから、今度は理事会を開いて、何とか新聞記者に漏れないように、ここだけの秘密ですよ、そういうことをちゃんと言って、議事録に載っているんだ、これは。新聞記者に漏れないように、ここだけの話だから皆さんに黙っててくれと市長が言っているじゃないか。その市長が、今度は出るところに出たら、初めて見た、そんなことは知らなかった。これはちょっとむちゃくちゃじゃないか。どうですか、これは国土庁、その許可の前に売買契約したというのはどうなのか。
○伊藤説明員 国土利用計画法で一定面積以上の土地取引に対しましては届け出が必要でございますが、その届け出に対しまして、問題がなければ不勧告ということをいたします。その前に契約いたしますと、やはり国土法上は問題があるかと思いますけれども、ただいま先生御指摘の事案につきましては、先ほども申しましたように、違反行為が罰則により担保しているような事案でございますので、正確な事実調査を踏まえることが不可欠であると考えておりまして、そのための調査を現在しているところでございます。
○竹内(猛)委員 この協定書を結んだのが去年の七月十三日。その十三日の協定書には、市長の山本吉藏、それからタマゴ博協会の会長の中村灘、それからタマゴ博覧会の理事の上野善夫、そしてその後に二人の会社の社員と称する者が、今井邦雄、津田悦資、この二人が協定書に調印をしている。それで、石岡市の百条委員会が、この今井と津田を証人として呼ぼうということで内容証明で案内をしたけれども、行方不明でわからない。こういうお粗末な協定書をつくって、そうしてしかも、津田と今井というのが市の職員を連れて年じゅう染谷地区に行って、地権者に、土地を売ってくれ、売ってくれと言ってやっている。ところが、大事なときには顔を出さないし証言もできないという、こういうでたらめなものを、これは国土庁の責任かな、あるいは自治省が。いずれにしても、こういうことを認めていたらこれは暗黒ですよ。どうですか。国土庁、どうなんだ。自治省もそうだ。ちょっと両方から答えてもらいたい。
○伊藤説明員 先ほど申しましたように、私ども、まだ詳細な報告を受けておりませんので、詳細に承知しておりませんけれども、いずれにいたしましても、国土法違反というような、断定するということになりますと、断定するに足りるだけの正確な事実調査が必要でございますので、そのための調査をしておりまして、引き続き、先生の御指摘の趣旨も踏まえながら、茨城県等にも指導してまいりたいと考えております。
○竹内(猛)委員 なお、地権者から白紙委任状を集めて、そして渋谷の大網隆一という、そういう、これも何かわからない者が申請をしているという。これはめちゃくちゃなんだ。こういうめちゃ夢やなものは、国土庁、しっかり調べてもらわなきゃだめだ。今、土地問題がやかましくなっているんだ、日本じゅうが。そして土地転がしかいっぱいいるんだから、しっかり調べなきゃそれはどうにもならない。いつごろまでにそれは調査のあれが出るか。
○伊藤説明員 ただいま調査中でございまして、いつまでというのはただいまちょっと申し上げかねますが、調査が済み次第速やかに報告を受けるということにいたしております。
○竹内(猛)委員 次は警察ですね。 私は、八月十七日に石岡警察の署長に会いました、佐藤署長に。ところが、これは刑事問題にどうかなとクエスチョンマークで、ちっともこの問題の重要性というものについて、これは大変だというような印象がない。一体警察はこのような問題が起こったときに——中島助役のメモを私はここに全部持っています。それから、投書も幾つかある。ある新聞では、中島助役は他殺説もあるのですね。だけれども、もう焼いてしまったから、恐らくこんなことは今言ってもしょうがない。暴力団あるいは右翼、電話がかかってきて、そして、たまらない、あるいはやっぱり悪いことをしたということで、ここにいろいろなものがありますけれども、時間の関係でそういうことは言えないが、そういうような状況の中で、一体警察という、財産やあるいは治安をし、市民なり国民に安定と安心を与えるべきものが、この不安の状態の中で何をしたんだ。どうしているんですか。
○石附説明員 お答え申し上げます。 お尋ねの件につきましては、地元でいろいろ風評が出ていることもございますし、警察として当然関心を持っているところでございます。 現在、茨城県警察において、既にこの関係資料等を収集するなど、事実関係の解明に鋭意努めているところでございます。その結果、刑罰法令に触れる事実があれば、厳正に対処すべきことは当然である、こう考えております。
○竹内(猛)委員 まあ確かに石岡警察だけでなしに県警が動いたということは最近聞きましたが、これはやはりもっとしっかり実情をつかまなければ、私がここで申し上げたように、いろいろなことがちぐはぐであり、ともかく、問題がかなり明らかになった面もあるのですから、そういう点をたどりながら、市民に対して本当に納得のいくようなことをやってもらいたい。 市民は、石岡市を考える会というものをつくって、二十一日には大きな集まりをします。そして、もう任せておけない、もう市にも警察にも任せておけない、おれたちは自分の市を自分たちが新しく変えていくんだという形でやりますけれども、ともかく、この二人の代表的な人物、農協の組合長、助役、これが同じ問題で自殺をして、そのときの市長は、自分が市長であり、開発公社の理事長である。こういう、市長であり開発公社の理事長であるということが、兼ねることが本当にいいのか悪いのか、こういうような自治の仕組みがいいのか悪いのか、これは自治省に聞きたい。
○小杉委員長 時間ですので、手短にお願いします。
○岩崎説明員 御指摘の博覧会の開催と石岡市とのかかわり方につきましては、現在石岡市議会の百条委員会において調査が進められておるところでございますので、その推移を見守ってまいりたいと思います。 そこで、お尋ねの、地方団体の長が公益法人の理事長を兼ねること自体につきましては、公益法人の事業内容や地域の実情によっては有益であると認められる場合もありますので、直ちにそのこと自体が不適当であるものとは言えないものと考えておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 時間が来たからこれで終わりますけれども、これは実情によってはと言うけれども、行政の長が今度は、金を動かす、そういうところの理事更になる、その判こでどうにもなる、こういうような仕組みというのは、これはよくないのではないかね。これがそもそも各地でいろいろな問題を起こしている根源になっているわけだから、これは別に石岡市だけではないでしょう、ほかにもあるでしょう、そういう点もよく調べて、誤解を与えないようにしてもらいたい。 最後に環境庁長官、国務大臣としてこういうような一連の事態に対する所感をお伺いしたい。
○愛知国務大臣 当問題につきましては、市議会の調査委員会で調査が進められておるようでございますが、二人の方がお亡くなりになるというようなことはただごとではないと思いますし、一日も早く真相が解明され、二度とこういうようなことが起きないようになることを希望いたしております。
○竹内(猛)委員 では、終わります。
○小杉委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 ————◇————— 午後一時三十一分開議
○小杉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。斉藤一雄君。
○斉藤(一)委員 最初に、政府の温暖化防止行動計画について何点かお尋ねいたします。 最近は、地球規模で考え、地域から行動を起こすということがよく言われているわけでありますが、大臣はこの言葉の意味をどう理解しますか。
○愛知国務大臣 お答えいたします。 我々人間の諸活動が拡大されまして、また国際化してまいりました結果、その影響が地球規模にまで及ぶものとなってまいりました。この環境問題、国境を初めといたしますあらゆる境界を乗り越えて取り組む必要が出てきたわけであります。 現在、地球環境保全に向けての取り組みで重要なことは、ライフスタイルを含めまして、その社会経済活動を地球に優しいものに変えていく必要があるということだと思います。同時に、地球環境問題は極めてグローバルな問題、国境を初めとしたあらゆる境界を乗り越えて解決をしなければならない課題ではございますが、しかし具体的な取り組みのためには、長期的な戦略を立てると同時に、足元から、また地域から着実に実施していくことが何よりも重要であるという認識でございます。 したがいまして、あらゆる国境を乗り越えて、この解決のためにいろいろと施策を考える、しかし考えただけではこれは効果が上がりませんで、実施の方は足元から実施していく、両面で解決をすべき問題だ、こういう意味と解釈いたしております。
○斉藤(一)委員 日本政府の温暖化防止行動計画では、例えば二〇〇〇年までにおおむね一九九〇年レベルで二酸化炭素の排出量の安定化を図るべく最大限の努力を行うとしているが、CO2排出量を安定化しても大気中濃度は上昇するだけで温暖化はとめられない、排出量をもっと大幅に削減すべきだと思いますが、いかがですか。
○愛知国務大臣 お答えいたします。 温暖化対策の究極の目標は、この温暖化による人為的な影響を及ぼさないレベルに大気中の温室効果ガスの濃度レベルを抑制することでありまして、このためにはCO2などの排出の削減が必要であると認識をいたしております。 このような認識のもとに、地球温暖化防止行動計画におきましては、温室効果ガスの排出抑制について、持続可能な開発の考えに沿って経済の安定的発展を図りつつも、地球温暖化による影響の重大さ及びその抑制対策や適応対策の実施可能性を総合的に勘案いたしまして、目標を設定いたしたものでございます。実施可能性ということを重点に考えました。 また、温室効果ガスの排出抑制のための国際的な共通の努力といたしまして、その第一段階として、温室効果ガスの排出量の安定化を早急に達成する必要があるとしたものでございます。
○斉藤(一)委員 実施可能な線で抑えたというのはいかんとも消極的であり、また極めて問題だというふうに思いますが、きょうはこの問題だけでもやりたいところですけれども、時間に制限がありますので後日に誇らしてもらいたいと思います。 それでは、なぜオーストリア、デンマーク、オーストラリア、ニュージーランドなどのように具体的な削減率を約束できないのか。
○八木橋政府委員 温室効果ガスの排出抑制に関しましては、各国が置かれましたそれぞれの状況、例えば寒冷地であるとかそうでないとか、また生活のタイプがどのようなタイプになっているかとか、そういった各国のそれぞれの置かれた状況、また過去においてどのような努力をやってきたのか、例えば省エネ対策をどのぐらい進展させてきたか等々、そういった差異も十分に考慮に入れた上で適切な戦略や対策を行っていく必要があるというぐあいに考えるわけであります。 現在、主要先進国は、一部の国は炭酸ガス等の排出を削減するということを目指すことを表明していることも先生御指摘のとおりでございますが、EC全体としては、また他の主要国は、二〇〇〇年までにおおむね一九九〇年レベルで安定化することを目標として掲げているということでございます。 我が国におきましては、これまでに産業部門を中心に大幅な省エネ対策や大気汚染防止対策を講じてきました結果、二酸化炭素の排出レベルは現在先進国の中では最も低いグループに属している、一人当たり二・四七トンですか、という状況にあるわけでございまして、そういうような状況を考慮した上で、まず炭酸ガス排出量を二〇〇〇年までにおおむね一九九〇年レベルで安定化するということを目標値として掲げたところでございます。
○斉藤(一)委員 アメリカが極めて消極的な態度をとり続けているという中で、かなり先進国との間でアメリカに遠慮をしからな方針ということで出しているんじゃないかという気がいたしますが、その点いかがですか。
○八木橋政府委員 先生ただいま御指摘のような考慮は行っておりません。主要先進国の責任として、EC諸国と大体同じような考え方に立って先ほどの目標を掲げたところでございまして、アメリカに対しましては、午前中大臣からもお答え申し上げましたように、私どもと同様の歩調をとっていただけないかということで友情ある説得を続けてまいる所存でございます。
○斉藤(一)委員 ECと同じではないのです。したがって、先ほど質問したわけですが、またの機会にやらしてもらいたいと思います。 それでは、政府の温暖化防止行動計画は、一人当たりのCO2排出量及び全体の排出量を安定化させるという二段構えの目標を持っていますけれども、その具体的な裏づけは私は感じられないわけであります。二百五十項目も、これまであった政策を寄せ集めただけではないかという気がいたしますが、いかがですか。
○八木橋政府委員 御指摘のように、温暖化防止行動計画におきましては、二酸化炭素の排出抑制に関しまして、一つは、官民挙げての最大限の努力により、この行動計画に盛り込まれた広範な対策を実施可能なものから着実に推進し、一人当たり排出量について、先ほど申し上げました「二〇〇〇年以降概ね一九九〇年レベルで安定化を図る。」という目標と、「さらに、太陽光、水素等の新エネルギー、二酸化炭素の固定化等の革新的技術開発等が、現在予測される以上に早期に大幅に進展することにより、二酸化炭素排出総量が二〇〇〇年以降概ね一九九〇年レベルで安定化するよう努める。」という二段階の目標を掲げだところは御指摘のとおりでございます。 この温暖化防止行動計画の策定に当たりましては、各省庁において現在実施している対策、それからさらに今後講じることとする対策等を幅広く検討し、そういった対策による排出抑制効果等の見通しも踏まえた上で、計画として取りまとめをいたしたというところでございます。 そこで、この行動計画を今後どういうぐあいにフォローしていくかということでございますが、本年度を初年度といたし号して、各省庁一体となってそれぞれ各般にわたる施策の具体化を講じていくということとしておるわけでありますが、第一段階といたしまして、本年度各省庁が実施する施策の取りまとめを先般行ったところでございます。今後このようにして、毎年その実施状況を関係閣僚会議においてレビューしていくということとしているところでございます。(斉藤(一)委員「簡単でいいよ」と呼ぶ)はい。 そこで最後に、第一項目の目標に関しまして、その具体的裏づけがないではないかという御議論でございますが、第一段の目標につきましては、昨年十月末に閣議決定された石油代替エネルギーの供給目標について整合性を保つように決めたところでございますし、第二段の目標に関しましても、その達成を目指しまして、この計画の中にいろいろな技術開発め方向を明らかにしながら、その実現、普及に努めているところでございます。
○斉藤(一)委員 事業概要を聞いているわけじゃないので、ひとつ結論だけ簡単に述べてください。 それでは、地球温暖化の主要な要因の一つは自動車によるCO2の排出である、この点についてどのような認識を具体的にお持ちか、お答えいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 CO2の排出量のうち約二割は運輸部門に起因するものであると承知しております。 したがいまして、非常に大きな部分を占めるわけでございますが、今後関係省庁と連携をとりつつ、自動車の燃費の改善、低公害車の普及促進、貨物輸送におけるモーダルシフトの推進、それから旅客輸送におけみ公共輸送機関の利用促進等を図りまして、このCO2の排出量を少しでも抑えていく、こういう施策を講じてまいりたいと考えます。
○斉藤(一)委員 「環境と開発」のいわゆる国別報告書によれば、二酸化窒素に係る旧環境基準は、健康影響に関する科学的知見が乏しい状況で思い切った安全性を見込んで設定されたものであったが、その後科学的検討を行った結果、環境基準を改定したと述べておりますけれども、科学的知見が乏しい状況で環境基準を設定したというようなことをよく言えたものだ、無責任きわまりないという気がするわけであります。また、その後科学的検討を行った結果改定した、どういう違いがあったのか、前段ではいいかげんな環境基準を設定しておいて、それから次にややまじめに検討したんで改定したんだ、こういう意味なのか、一体どこが基本的に違うのか、一言で、簡単で結構ですからお答えください。
○入山政府委員 お答えいたします。 二酸化窒素の環境基準は、当初四十八年の五月に告示をしたところでございます。そして御指摘のように五十三年になって改定をしたという経緯がございます。 どのように違うのかというお尋ねでございますが、四十八年に告示した当時におきましては、非常に学問的データが少なかったという事実がございます。さらにまた、その当時問題とされましたことで、腺腫様増殖というものが問題にされたわけでございますが、こういった知見を重視いたしまして、当時は非常に厳しい条件で設定をしたということでございます。 それに対しまして五十三年に改定をしたわけでございますが、その際には国内及び国外の最新のデータを十分に集めまして検討が行われたわけでございます。そしてさらに、先ほど申し上げましたような腺腫様増殖等につきましても否定されたということがございます。いわば、その時点における最善のデータを集めて、妥当な数値に改定をしたということでございます。
○斉藤(一)委員 今のお答えは全く説明になっていないと思いますし、全く政治的な配慮で改定をしたというふうに私は思っておりますので、この点はまた次の機会にやりたいと思います。 次は、東京都の「大気汚染保健対策に係る健康影響調査 総合解析報告書」についてお尋ねをいたします。 私が都議会議員当時、美濃部知事にお願いをして実施してもらった「複合大気汚染に係る健康影響調査」の結果が、ようやくこのほど十三年ぶりにまとまったわけであります。この報告書の概要については既に御承知かと思いますが、まず大臣から御感想をお聞きをしたい。
○愛知国務大臣 東京都が今回、大気汚染対策に係る健康影響調査総合報告書を取りまとめられたわけでございますが、このような大気汚染と健康影響に係る調査研究は極めて重要であると考えておりまして、環境庁といたしましても十分参考としてまいりたいと考えております。
○斉藤(一)委員 国の方で、このような東京都が実施したような本格的で科学的な調査、こういうものをおやりになったことはないと思いますが、いかがですか。
○柳沢政府委員 環境庁におきましても、かつて昭和四十年代に複合大気汚染健康影響調査、それから昭和五十年代の後半に至りまして、質問票を用いた呼吸器疾患に関する調査等々、今先生がおっしゃった東京都の調査に類似した調査は、過去実施しているところでございます。 なおいさらに昭和六十二年度以降は、道路沿道地域における局地的汚染の健康影響の手法調査でありますとか、あるいは大気汚染と住民の健康状態を体系的、継続的に監視し、必要な措置を講じるための環境保健サーベイランスシステム構築に関する調査等、これも推進しているところでございます。
○斉藤(一)委員 それでは、内容について若干お尋ねいたします。 学童の健康影響調査では、呼吸器症状の有症率が、女子の場合、三多摩より区内の方が高率であることが証明されました。これについてどう評価されますか。
○柳沢政府委員 御指摘のように、学童に関する症状調査におきまして、呼吸器症状でございます「ぜん鳴」でありますとかあるいは「ぜん息様症状(現在)」、こういった項目におきまして、女子の学童において高率であったという結果が同報告書に記載されているわけでございます。 一方、各種の調査項目があるわけでございますけれども、それ以外の、例えば「持続性ゼロゼロ・たん」といったような項目で有意の差が見られないということ、あるいは女子では先ほどのような結果は出ているけれども、一方男子におきましては有症率に差が見られないこと等の結果も示されているわけでございます。 これらの点に関しまして、この報告書におきましては「呼吸器症状調査など、さらに検討する課題もあり、今後とも調査を継続する必要がある。」と記載されておりまして、環境庁といたしましても、今後さらに調査研究が必要であるというふうに考えておるところでございます。
○斉藤(一)委員 東京都が解析を行って、二度の調査で明らかになった点を積極的に評価しないで、今後とも引き続き調査をするという、そういう部分だけを取り上げてそして指摘をされるということは、全く環境庁として正しい評価をしていないというふうに私は思うわけです。意識的にそういう答弁をされているんだろうと思います。この点についても今後の問題として追及をしていきたいというふうに考えております。 それでは、道路沿道の健康影響調査結果では、道路沿道住民の健康影響の存在を示唆するとの報告がされておりますが、これをどう評価しますか。
○柳沢政府委員 御指摘のような結果が同報告書に記載されているところでございますけれども、留保といたしまして、「自動車排出ガスの健康影響について、個人暴露量と健康影響の量的関係にまで踏み込んで検討するためには、更に詳細な暴露評価が必要である。」とも述べられているところでございます。 環境庁といたしましては、道路沿道における健康影響につきましては、極めて重要であり、その解明に向けて調査研究を進めているところでございまして、できるだけ早期の道路沿道における調査手法の確立を目指して今後とも鋭意努力をいたしたいというふうに考えているところでございます。
○斉藤(一)委員 先ほどのお答えでは、東京都と同じような調査を環境庁もやってきたということ を言いましたが、私はやっていないと思うのです。仮にやったとすれば、その調査結果に基づいてお答えがなければならないわけです。ところが、依然として、今後とも調査をしていく、調査を続けていくということで、はっきりした考え方が一向に出てこないという点はまことに遺憾でございます。 それでは、東京都の公害衛生対策専門委員会が次のように評価をしておる部分がございます。「「複合大気汚染に係る健康影響調査」の結果で示唆された大気汚染と健康影響の関連の可能性を改めて確認したことは重要な調査結果であると思われる。」、これについての所見を述べてください。大臣どうですか。
○柳沢政府委員 今先生がおっしゃったことは同報告書に記載されているところでございます。環境庁といたしましても、今後、この東京都の調査結果を十分に参考にしながら、さらに環境庁の調査を充実してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○愛知国務大臣 環境庁といたしましても、大気汚染が健康に及ぼす影響を科学的に解明して、大気汚染による健康影響を未然に防止するためのシステムを構築することは極めて重要と考えておりまして、今回の東京都の調査も参考としつつ、大気汚染による健康被害の予防に万全を期してまいりたいと考えております。
○斉藤(一)委員 東京都の公害衛生対策専門委員会の評価というのは、私は、極めて重視してもらわなければ困る。例えば、東京都の専門委員の中には国の中公審の委員の先生方も含まれていると思うのですが、御存じですか。
○柳沢政府委員 現在中央公害対策審議会の委員をやっていらっしゃる先生もお一人、東京都の方の委員会の方に参加されているというふうに聞いております。
○斉藤(一)委員 もとの委員がおられるでしょう。それも言ってください。
○柳沢政府委員 もとの委員もお一人おられますし、それから、環境庁で専門委員会をかって設置したことがございますけれども、その折専門委員会委員として御参加いただいた先生の中では三人ほど、東京都の方の委員会にも関係しておられるというふうに伺っております。
○斉藤(一)委員 そういう中公審の委員をやられた、あるいは現にやられている先生も含めたこの専門委員会の評価が出ているわけです。十分ひとつ重視をして次の施策に生かしてもらいたい、こう思うわけです。 そこで、東京都が十三年かけて科学的、医学的に調査し、窒素酸化物を中心とした大気汚染と健康影響の関連を改めて確認した以上、国はこの貴重な調査結果を尊重し、NOx対策はもとより、公害健康被害補償法を、地域指定を含め、見直すべきではないかと思いますが、大臣いかがですか。
○愛知国務大臣 昭和六十三年三月の公害健康被害補償法の第一種地域の指定解除は、近年の大気汚染の状況はぜんそく等の主たる原因とは言えないという昭和六十一年十月の中公審の答申を踏まえて行われたものでございます。御承知のとおりでございます。 今回の東京都の調査結果におきましては、一層の科学的究明のためには調査内容を改善充実し、さらに健康影響調査を実施する必要があると述べられでおりまして、また、最近の大気汚染の状況も、昭和六十一年の答申に述べられた状況と基本的には変わりがないと認識しておりますので、公健法の改正について検討を行う必要があるとは考えておりません。 しかし、環境庁といたしましては、今後とも大気汚染の健康影響に関する調査研究を推進するとともに、健康被害予防事業等を積極的に推進いたしまして、先ほども申し上げましたが、大気汚染による健康被害の予防に万全を期してまいりたいと考えております。
○斉藤(一)委員 公健法についても見直しをする考えがないと、極めて消極的な、官僚的なお答えがありましたけれども、これは東京都民を初めとして、特に自動車排気ガスによる大気汚染に苦しんでいる国民にとって耐えがたい問題なんです。六十一年に調査をしたからもうそれで考え直したり見直す必要はないんだというふうにおっしゃいますけれども、現に、今私がいろいろ申し上げたように、東京都が中公審の委員の先生も含めた上でこのような評価を下しているわけです。今の大臣の答弁ですと、東京都の調査結果については全く無視をしているというふうにしか考えられませんが、もう一度大臣、東京都のこの調査結果を踏まえた上で、大臣として政治家としてどうお考えか、いま一度聞かせてください。原稿を棒読みするだけでは問題の解決にならないと思いますし、多くの国民の期待にこたえられないと思います。いま一度答えてください。
○愛知国務大臣 今回の東京都の調査結果を無視しているわけではございませんが、今、先ほども申し上げましたとおり、この調査にも、調査内容を改善充実し、さらに健康影響調査を実施する必要があると述べられておることでもございますし、現状、大気汚染の状況も基本的には六十一年の答申の状況と変わりがないということで、現時点で公健法の改正について、改正を行う必要があるとは考えておりませんが、これは今後大気汚染による健康被害の予防の措置を期していくということで住民の皆様方の御期待にこたえていくのが環境行政としての当面の課題であると認識をいたしている次第でございます。
○斉藤(一)委員 全く答えになっていないのです。繰り返しませんけれども、それでは環境庁が六十二年度から調査を始めているという、大気汚染の状況と住民の健康状態の両方を体系的、継続的に監視し、万一異常が発見された場合には早急に対策を講じるというふうになっていますけれども、この万一異常が発見された場合というのはどういうことを言うのですか。
○柳沢政府委員 今先生がおっしゃったそのテーマについては、極めて重要なテーマであると同時に非常に困難なテーマでございまして、現在その辺の開発につきまして鋭意研究を進めているところでございます。できるだけ早期にその開発をして、今御指摘の問題も含めて明らかにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○斉藤(一)委員 大気汚染と住民の健康状態の両方を体系的、継続的に監視をしていろいろ研究していくんだということは極めて困難だ、正直にお答えいただいていると思うのですが、困難だとしながら、公健法については、これはもう政治的にやったものでありますけれども、見直しをしないんだ、こう言い続ける大臣の政治姿勢ですね、極めて私は問題だと思います。 この問題は、いずれまた改めて追及したいというふうに思います。 それでは、西淀川公害訴訟、大阪地裁で判決されたわけでありますけれども、判決当時の朝日新聞を見て私はびっくりしたのですが、環境庁の大気保全局長と企画課長は次のように言っているわけです。まず局長は「環境基準を多少上回る程度の濃度では病気になることはない、という限定付きの判断だと思う。」そして課長は「現状程度のNO2濃度では健康被害は生じない、という趣旨でしょう。」これは事実ですか。事実こういうことを記者に発表したとすれば、私は重大問題だと思いますが、確認しておきたいと思います。本人がいなくても環境庁は十分御承知のはずでありますから、お答えいただきたいと思います。
○入山政府委員 御指摘のことにつきましては、私自身は聞いていないわけでございますが、引き継ぎその他によりまして、発表したというふうには理解をいたしておりません。
○斉藤(一)委員 だから、朝日新聞の報道がでたらめだった、こういうことですか。
○入山政府委員 当時の記者の取材による記事であろうかと推察いたしますが、それが正しいか正 しくないかということにつきましては、コメントする立場にございません。
○斉藤(一)委員 正しいか正しくないかじゃなくて「環境基準を多少上回る程度の濃度では病気になることはない、という限定付きの判断」。今東京都では六万三千名の大気汚染による公害病認定患者が苦しみ続けているわけです。そういう実態から見て、よくもまあこんなことを言えたものだと思うのです。環境保全に全力を尽くさなければならないはずの環境庁がこういうことを言っていいのでしょうか。たとえ記者の質問に答えたことであったとしても、私は絶対にこれは許せない。 大臣、どうですか。これが事実だとすればどのようにお考えですか。
○柳沢政府委員 今先生の方から、多数の大気系のぜんそくあるいは慢性気管支炎等の患者さんが現在まだ存在するというお話がございました。それに関しまして、ちょっと私の方から一言触れさせていただきたいと思うのでございますけれども、この問題は公害健康被害補償法の指定地域の解除の問題でございますが、昭和六十三年の三月をもって解除されたわけでございますが、これは現在の大気汚染、現在というのはその当時でございますけれども、現在の大気汚染のもとにおいては、その影響が気管支ぜんそく等の主たる原因とは言えなくなっているということをもって指定地域の解除がなされたわけでございます。ただし、その当時十万人を超す患者さんがおられまして、それが最高ピーク時十一万余名となったわけでございます。その患者さんの方々に対しましての補償の継続ということにつきましては、当時はもちろんでございますけれども、現在に至るもその補償の完璧を期するべく努力しているところでございます。
○斉藤(一)委員 環境委員会で余りでたらめ言われては困るのですよ。今もおっしゃられましたけれども、患者がまだ存在している、とんでもない話です。東京都は年々、公健法の地域指定の打ち切りにもかかわらず、患者はふえ続けております。そういう認識だから環境行政ができない。また、数が減ったと言いますが、法律による患者は減りましたけれども、東京都の条例による患者はその分全部肩がわりしてふえている。私は事実に基づいて申し上げているのです。 大臣、どうですか、今二つのことを私は事実に基づいて申し上げましたけれども。大臣答えてください。もうでたらめな官僚の答弁はだめです、御免です。
○柳沢政府委員 東京都は独自の都条例に基づきます制度を実施いたしておりまして、国の指定地域が解除された後もその制度を継続しているわけでございます。その都条例に基づきます患者さん方が引き続いておられるということは、先生御指摘のとおりでございます。これは先ほど申し上げましたように、気管支ぜんそく、慢性気管支炎等といったような呼吸器系の疾患は非特異的な疾患である。つまり、大気汚染のためにのみその疾患が存在するということではない、さまざまな原因によってその疾患が生ずるというようなことから、そのような現在め都条例に基づく患者さんの増加というようなものが存在するものというふうに理解しておるところでございます。
○斉藤(一)委員 ですから、国の考え方がいかに事実に反しているか、公健法の改悪がいかに間違っていたかということ、同時に東京都の十三年間にわたるこの調査結果がいかに正しいものであるかということを証明しているのです。その矛盾が、先ほど来お答えとなってあらわれてきておる。大臣も含めて、都民なり国民の期待にこたえていないということを証明していると思います。この点も改めて今後追及していきたいと思います。 それでは次に、東京湾と地球の環境保全に関連をしてお尋ねをいたしておきたいと思います。 東京中心部は、御承知のように、人口及び諸機能が極度に集中し、周辺部に比べ年々気温が上昇いたしております。東京湾の水空間によってもたらされる気候変化の緩和、温度の保持などの気候緩和機能は東京湾の重要な価値である、環境庁もおっしゃっているわけであります。東京湾臨海部の大規模プロジェクトによる拍動車交通量の増大、これは東京湾横断道路、湾岸道路などを含めて大気汚染が悪化をしていくであろう、また、大量のエネルギーを消費、人工熱発生量は大幅に増加をするであろうということもまた環境庁は述べているわけであります。 そこで、特に東京圏ということになりますと、東京、埼玉、千葉、神奈川、茨城南部、人口三千万人柱擁するわけですが、このCO、発生量は年間約二億トンと言われておりますし、我が国全体の二二・三%を占めている。地球の温暖化問題への対応として、この東京湾地域の課題に積極的に取り組むことが重要だということを、私はこれまでも何回となく強調してまいりました。 そこで、この東京湾臨海部の開発について、慎重に扱わなければならない、できるならば地球環境あるいは東京湾の環境を保全する意味では一時凍結をして、そして環境との調和を十分考えていく必要がある、少なくとも環境庁長官はこの問題について見解を述べて、そしていかに東京湾の保全、そしてこれが地球環境に影響するかということをより明らかにすべきではないかというふうに私は思うわけであります。 一番最初に質問いたしました地球規模で考える、そして身近な問題から解決を図っていくという大臣のお言葉がありましたけれども、まさにこのことを首都東京で実践的に解決をしていかなければならない重要な課題だというふうに私は思います。この点についての大臣の御所見をお伺いしておきたいというふうに思います。
○愛知国務大臣 御指摘のとおり、東京湾周辺地域には人口の集中度も大変高いわけでございますし、そういう中でいろいろと計画などをされておるわけでございます。 私どもといたしましても、これら計画の内容あるいはこれからのその実施状況を重大な関心李持っておりまして、今後とも必要に応じ、環境庁としての意見を述べるなり、環境庁の立場から注意を払ってまいりたいと考えております。
○斉藤(一)委員 自動車公害防止対策でお尋ねいたします。 東京都も含めて、副室式ディーゼル車の優先採用ということを環境庁に強く要望していると思います。また、道路の緑化、緑地の確保という点も同様であります。さらに、六都県市の環境宣言の中で、市街地を中心とする地域における緑の増加施策を進めるというふうに言っているわけですが、この点について、二点質問してお答えをいただきたい、こう思います。
○入山政府委員 御指摘のように、自動車による大気汚染が問題になっているわけでございますが、ディーゼル車の直噴式と副室式のことでございますが、副室式の方が汚染の度合いが少ないということでございまして、そういうものをできるだけ採用していきたいと私ども考えておりますが、その切りかえにつきましては私ども基金の費用で助成をいたしているところでございます。 それから、緑化の問題でございますが、これにつきましても、十分とは申せませんが、環境庁といたしましても自治体に対しまして助成をしているところでございます。
○斉藤(一)委員 副室式のディーゼル車の優先採用ということについて、そう、これから考えていくじゃなくて、どのようにこれを進めてきたかということをお聞きしたかったわけでありますが、時間がありませんので、きょうは満足いくお答えいただけませんでしたけれども、今後とも継続してこれらの問題について追及していきたいと思いますので、しっかり環境庁らしく環境行政のために全力を振るってもらいたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○小杉委員長 岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 今、斉藤委員からも御質問がございましたけれども、最近発表されたNOx、などの測定結果によりますと、NOxの濃度は昨年よりも深刻になっているということが報道をされていますし、私も伺っております。 NOx濃度というのは、七〇年代前半はだんだん減ってくるという傾向があったようでございますけれども、八六年でしょうか再び悪化しているという状態が続いています。それは東京だけではなくて、神奈川とか千葉とか埼玉など首都圏あるいは関西一円の汚染の広がりというものが目に見えております。この問題について政府にお尋ねをしておきたいと思うのです。 私もこの委員会にかかわったわけですが、環境基準を緩和したとき、新しい環境基準の達成のめどというのを昭和六十年というふうに、これは国民の皆さんにも私たちにも約束をされました。その後環境基準の達成はますます困難になっているというのが最近の傾向だというふうに思いますが、環境庁はこのことについてどういう政治的な責任というものを自覚しておられるか、そのことからお尋ねしておきたいというふうに思います。
○入山政府委員 御指摘のように、昭和六十年ごろから、大気につきましては悪化の傾向が見られるわけでございます。さらに、環境基準につきましては六十年までに達成するということを目標にいたしておりましたが、残念ながらそれはできなかったわけでございまして、この点の反省を踏まえて、私どもは今後ともできるだけの施策を講じていきたい、このように思っているわけでございます。
○岩垂委員 六十年というめどをお決めになってできなかった反省の気持ちを込めて努力をなさる、ぜひしていただきたいと思うのですが、新しいタイムスケジュール、タイムテーブルというのはお考えになりませんか。
○入山政府委員 平成元年の中公審の答申をいただきまして、短期と長期に分けまして規制を強化していくということにしているわけでございますが、ただ、従来からの対策だけでは十分でないという認識をいたしておりまして、今後は自動車排出ガスの総量を抑制するような方向での検討を進めたい、このように思っているわけでございます。
○岩垂委員 対策ではなくて、その環境基準というものがある以上は、それをクリアするという目標を持たなければなりません。そのタイムスケジュールというのはおありになるんですかと聞いたわけです。
○入山政府委員 お答えいたします。 いつまでというような形での目標は、残念ながら今のところ持っておりません。率直に申し上げます。しかし、先ほど申し上げましたようなこと。で自動車排出ガスの総量規制を検討している中で、そういった目標等につきましても十分に検討を進めたい、このように思っております。
○岩垂委員 それでは、環境基準とは何ですか。環境基準というものを決めるのは環境の目標値ですか、人間の生命や健康とは関係ないということですか。揚げ足取る議論はとりたくありませんけれども、やはりそういう点も含めてきちんとしておかないと、ほかの問題を含めて、環境基準というものの価値が何の意味も持ち得なくなる、この点だけ指摘をしておきたいと私は思います。 それで、あの環境基準を緩和したときにも、大変多くの国民から、あるいは専門家からも反対の意見がございました。しかし、それを押し切りました。その上に、先ほど斉藤委員から御指摘のように、健康被害補償法の指定地域の解除を行いました。つまり、PPPの原則をいわば無視するようなさまざまなことが積み重ねられているわけですけれども、これでは余りどうも私は無責任ではないかと思うのです。さっき局長は短期、長期と言っていますが、短期はどのくらいの期間であり、長期はどのくらいの期間に考えていらっしゃるのか、お尋ねしておきたいと思います。
○入山政府委員 短期につきましては、平成五年、六年の規制を考えております。そこに目標を置いているわけでございます。長期につきましては、先ほどから申し上げておりますように、もう少し検討をしたい、このように思っております。
○岩垂委員 では、環境基準というのはかなり長期にわたって努力を積み重ねていくというふうに理解してよろしゅうございますか。
○入山政府委員 長期の目標について私どもは努力をしておりますが、その前にと申しますか、さらに今までの手法以外のものも検討の視野に入れていきたい、このように申し上げているわけでございます。
○岩垂委員 どうも環境基準というものを決める意味がもはやなくなってきているという感じさえするんですよ。今ここで、なくしたらどうだみたいな議論がまさに出るわけですが、何のための環境基準か。やはり一定の目標を立てたらそれを、努力をするのは当然のこととして、ある程度の目標というか、いつごろまでにということを決めて追い込んでいかないと、努力も努力目標ということになる。それではどうにもならぬというのが今までの経験だったんじゃないんでしょうか。 では伺いますが、総量規制をやっていきたい、中公審の答申に基づいて既にディーゼルの規制措置もとってきたと言いたいんでしょう。総量規制の具体的手法を今までもおっしゃってこられたわけですから、どんなことを考えていらっしゃるのか、それから、それは本当に来国会にお出しになるつもりなのかどうか、そのことの決意を承っておきたい。
○入山政府委員 先ほど来申し上げておりますが、大都市地域の窒素酸化物による大気汚染の改善を図っていくためには、新しい視点に立った効果的な対策を講じていかなければならないと思っているわけでございます。 その新しい視点に立った対策というものは、ひっくるめて申し上げますと、窒素酸化物自動車排出総量抑制ということになるわけでございまして、そのための検討会を今設置いたしまして検討を進めているわけでございます。できるだけ早くと私ども思っておりますが、早期に制度化を図っていくために、最終的な取りまとめにつきまして現在努力をしているところでございます。
○岩垂委員 どうもあなたの答弁というのは、何かあさっての方を向いている答弁しているんだな。きょうのことを聞いているのに、あさってという感じがしてならないんだが、この次の国会へお出しになるつもりで準備なすっていらっしゃるんですか。それから、一体環境庁がどういう方向で総量規制を考えていきたいと、エリアなのか数量なのか、そして、それに対する担保をどうするのかというようなことを含めて、ちゃんと答えてくださいよ。何だったら、大臣答えてください。
○入山政府委員 検討していると申し上げたわけでございますが、もう少し詳しく申し上げますと、昨年の十一月にこの検討会におきまして中間的な取りまとめをしていただいたわけでございますが、その中で幾つかの指摘事項がございます。 一つは、自動車の使用に着目をいたしまして、ディーゼルよりはガソリン、直噴式よりは副室式といったように、より窒素酸化物の排出の少ない車の使用を求めていくというのが一つございます。それから、工場、事業場に着目をいたしまして、そこで所有する、あるいは支配をしております自動車の排出ガス量の削減を求めていくということがございます。それからさらに、地域外から流入する車両もあるわけでございますが、こういった車両につきましても対応を求めるというようなことでございます。 現在、こういったことを基本にいたしまして、これらを踏まえまして、さらに具体的な手法につきまして検討を進めているところでございますのできますれば次期通常国会に法制化を図ってまいりたい、このように考えております。
○岩垂委員 通常国会に提案をしたいと思っているというのは、これは大臣がお答えにならないと担保されませんので、どうぞ御答弁をいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 私といたしましても、この大気汚染の問題につきましては大変重大な関心を持っておりまして、今局長が答弁申し上げましたが、通常国会には所要の法案を提出できるように事務 当局を督促いたしております。内容につきましては、まだ十分この時点で固まっておりませんので、この場で明確に申し上げることはちょっとできかねますが、法案が提出できるように万全の、最大限の努力をいたします。
○岩垂委員 公健法の指定解除のときの議論で、これは中公審の答申にも出ているわけですが、いわゆるサーベイランスシステムというものを構築するということをおっしゃって、そして常に状況を監視するということだったのですが、環境庁はこのサーベイランスシステムというのをそれからずっとやっておられると思うのですけれども、その中間的な報告というものはいただけるのですか。
○柳沢政府委員 御質問のサーベイランスシステムでございますけれども、これは環境モニタリングあるいは健康モニタリング及びその情報を中心にしたデータ、知見の集積、解析、評価システムから成るうかと存じますけれども、中公審答申にも示されておりますように、環境モニタリング、健康モニタリングにつきましては、まず既存のシステムを有効に活用するということが必要であるというふうに考えて検討いたしてきたわけでございます。 さらに、環境モニタリングにつきましては既存の大気汚染常時監視システムの情報を利用できますけれども、健康モニタリングに関しましては、他省庁、例えば厚生省等々の既存の健康情報そのままの活用は大変難しく、新たに確立するべく現在その検討並びにパイロット調査を実施しているところでございます。 したがいまして、今後ともこの課題に鋭意取り組みまして、環境保健サーベイランスシステムの構築をできるだけ早期にできるようにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○岩垂委員 つまり、まだ環境庁はシステムを関発をしている、その手法を検討しているというだけであって、実際には、影響というものを具体的に調べてそしてその解析をするというところまではいってないというふうに考えてよろしゅうございますか。
○柳沢政府委員 そのとおりでございます。
○岩垂委員 そうしますと、先ほど斉藤委員が御指摘をいただいた複合汚染に係る健康影響調査、つまり東京都の調査というのはやはりもうちょっと謙虚に、そして長い努力の集積というものをきちんと受けとめるという姿勢がどうしても必要だと私は思うのですが、いかがですか。
○柳沢政府委員 東京都の長年の調査も、環境庁といたしましても大変貴重な調査であるというふうに受けとめ、十二分に活用させていただくと同時に、東京都とも十分に連携を図りながら、今後ともこの課題に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○岩垂委員 これは私ごとで恐縮ですが、柳沢さんも御存じのように、局地的汚染の健康影響調査の手法やその解析について、地方自治体にお願いをして環境庁やっていますね。私が提案をしてやっていること、これによりますと、これは川崎のデータですけれども、平成五年度に沿道汚染の健康影響調査の手法の提案をする、そして暴露要因の分析評価を含めてやっていくということなんですが、六十二年、六十三年、平成元年、平成二年、平成三年と、五年間をめどにしてということのやりとりがございました。五年間じゃ無理ということですね。つまり、そのことは逆に言うと、環境庁が東京都と同じような疫学的な調査をなさるには、まだそこから二、三年たたないとできないということですか。そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○柳沢政府委員 先生御指摘の問題でございますけれども、現在、できるだけ早くに成果を上げるべく努力をいたしておりまして、それにつきまして、まだいつごろおっしゃるようなめどがつくかどうかというところの最終的なところまで至っておらないところでございます。もう少しこのめどがついた段階で、またその方向等について御報告申し上げたいと思っております。
○岩垂委員 調査に一定の時間がかかるというのは私もわかります。だけれども、人間の生命と健康にかかわる問題ですし、健康被害補償法の改悪をやったときのいろいろなやりとりがあって、それはむしろあの指定解除を担保する対策として位置づけられてきたわけですから、やはりもうちょっと体制をきちんとして、予算もちゃんと組んでやっていかないと、どうも自動車メーカーに気兼ねして、できるだけ早く結論が出てしまうようなことを恐れて逃げ回っているみたいに受け取られてもやむを得ない、本当に。だって自動車台数はうんとふえているわけです。道路はそんなに思い切って広がるものじゃないのです。ますます悪くなってきているのです。改善する措置というのは、単体の措置というのはもはや限界があると私は思うのですよ、車一つ一つについて。ディーゼルは別ですよ。そのときに、一体健康被害に、どういうふうに健康に影響を与えているかということをきちんとした上で、そっちの方からも国民的な世論、あるいは国民の協力というものを押し上げていかなければいかぬ、こんなふうに思うのです。だから、その辺のところをしっかりひとつぜひ取り組んでいただきたいなというふうに思います。 念のために申し上げておきますけれども、あの中公審の答申の中にも、サーベイランスシステムの構築によって大気汚染と健康被害の状況を監視し、再び著しい大気汚染が起こった場合は行政的措置をとるということを決めているわけですね。私は、当時の中曽根総理とのやりとりの中で、行政的な措置というのは指定をもう一遍復活ということだって考えられるというやりとりがあるわけです。だからそういう点について、東京都の資料というものをもう少し謙虚に受けとめること。それから、調査のシステムと予算をきちんと確立をして、文字どおりサーベイランスシステムを構築することと同時に、もう現に問題になりつつある健康被害というものについても検討をするということが行政の姿勢として必要ではないだろうかというふうに思います。 さっきの総量規制のやりとりを私もうこれ以上しませんけれども、例えば東京都が毎週水曜日で企業や個人や役所にも協力を求めた、だけれども実際は成果が上がらなかった。首都圏サミットで、今度は関東一円でやろう、こういう腹を決めました。決めましたけれども、それがどういう実効的な措置になり得るだろうかということになると、これもちょっと心もとない。なぜなら、全国からどんどん入ってしまうのだから。それは首都圏だけでやっても必ずしも意味がないというようなぐあいになるわけですから、これはやはり法律できちんとその対応をしていく、そういう総合的な施策を、これだけの汚染がひどくなっているという発表を、自治体、環境庁もそれをお認めになったわけですから、総合的な対策を一遍、コンパクトにとは言いませんが、お出しになったらいかがですか。そういうお考えはありませんか。
○柳沢政府委員 現在鋭意検討を進めておりますこの問題につきましては、先ほどどこかに遠慮するというようなお話もございましたけれども、私どもは、そのようなつもりは毛頭ございません。 ただ何分にも、例えば暴露一つとりましても、個人暴露の問題あるいは沿道暴露の問題あるいはその他の問題等々、その測定にいたしましても評価にいたしましても、非常に難しい問題がそこに含まれている、そういうようなところから開発までに時間がかかっているわけでございますけれども、御指摘、御意見をもとにいたしまして、鋭意この問題に今後とも取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○岩垂委員 これでやりとりばかりしているわけにいきませんので、次に移ります。 ある人が、日本は公害対策先進国だと胸を張っているけれども、その多くは昭和四十年代に整備された対策であって、それから十数年たって、その十数年の間、いわば公害国会の遺産である諸制度による運営をしてきていたのではないかという ことを指摘をした人がいます。環境庁の方です。全くそういう感じがします。新しい公害のいろいろな、典型七公害だけでなくて新しい問題、例えば汚染物質だとか今の自動車の問題でもそうでしょう。地球環境ということになると、ますますこれが大きな問題になってきます。 そういうことを含めて、公害基本法について検討を少し加えてみようじゃないかという御意見が庁内にあるそうですが、一体どんなところが問題になっているのか、その点ちょっとお答えをいただきたいというふうに思います。
○愛知国務大臣 近年の環境行政の課題といたしまして、地球環境問題が注目されております。また、将来の発展の基盤であります環境を損なうことなく開発を進める持続可能な開発、こういった理念に立ちまして、経済社会を環境に優しいものに変えていく必要性が指摘されるなど、環境行政をめぐる問題状況は、公害対策基本法制定当時とは大きく変化をしておるわけでございます。 今日では、発生しました汚染の回復や防止という対症療法だけではなく、広く社会経済政策全般の中に環境保全施策を組み込むという、より積極的な施策の展開が求められていると認識をいたしております。また、国際的にもこのような視点から、来年にはいわゆるUNCEDが開催され、それに向けての議論が進められているところでございます。 このような国際的な状況、あるいは環境行政の課題の変化、また国内的な対応を踏まえて、基本的な環境法制のあり方について検討する必要性が生じた、こういう認識をいたしておりまして、検討を始めておるところでございます。
○岩垂委員 長官、そのときに、十年前に環境庁が本当に涙をのんだアセスメント法、これを抜かして議論できないと思うのです。だから、基本法は基本法の議論でいいのですが、せっかく環境庁が国会に提案をして、とにかく各省庁のいろいろな意見を取りまとめて提案をしたわけです。しかし、審議もされないままに廃案になってしまいました。十年前のいわばあなた方の執念は決して消えてないし、私は消すべきでないと思う。だからそういう意味で、アセスについて、立法についてぜひ取り組んでいただきたいなというふうに思いますが、長官、その点はどんなふうにお考えですか。
○愛知国務大臣 いわゆるアセスメント法につきまして十年前にいろいろな経緯であのとおりのことになり、その結果として閣議決定ということで、現在アセスメントに関しては施策を講じているわけでございます。 御指摘のとおり、当時といろいろな環境が変わってきていることも事実でございますが、新たにアセスメント法をつくる必要があるかどうか、この点につきまして十分検討させていただきたいと考えております。
○岩垂委員 要綱というのは法じゃないのですね。もう釈迦に説法です。そして、その法律がやはり国際的にも非常に期待されているし、OECDなんかでも勧告が行われている。私は、例のUNCEDに出すレポートというのも拝見しましたけれども、見ようによっては日本にもアセスメント法があるなというふうにさえとれるような、ちょっと踏み込んだ書き方をしております。しかし実態は、ないわけです。 これはけさの毎日新聞。実は通産に、ちょっと調べてみたら、最近の議論ではなくて前から行われている議論だというのですけれども、海外進出企業の行動指針を改定したい。その中には、環境問題への取り組みを最重点の政策として掲げていきたい、日本国内並みの環境基準を遵守するよう求めていく、今まであったマニュアルをそういうふうに見直していかなければいかぬと思っている。今までは現地の、企業が進出した先の環境基準とかあるいは公害の法律に合わせろ、こう言ってきたけれども、それじゃもう間に合わない。日本の基準でもってやっていくべきだという指導をしたいというふうに言っていました。これは産構審の取りまとめたグローバリゼーションレポートという報告の中に、私はまだ読んでいませんけれども、きょうちょっと電話でやりとりをしてみると、そういうふうに伺いました。 私は、日本の経済の国際的な進出ということを考えますと、やはりそれはどうしても必要だと思うのですね。それは単なるモラトリアムではなくて、そういうものが必要だろう。そのときに大事なことはアセスなんです。アセスメント法なんです。そうしないと、日本は厳しいから外へ出かけていって公害の垂れ流しをやるということになっちゃう。ODAでもその辺の押さえ方というものが結果的にできなくなっている。だから、そういう意味では私は、今公害基本法の見直し作業というふうにおっしゃいましたが、それも大事でしょう。しかし同時に、アセスについてやはり思い切って、いろいろ抵抗があるだろうと思います、これはやはり今の時代の、来年の環境サミットを前にしての大臣としてのいわば決意を促したいというふうに思いますが、いかがですか、その点。
○愛知国務大臣 日本の企業が海外において工場を建設して経済活動を行う際に遵守するべき環境基準、その現地の環境基準に合わせるか、あるいは日本の環境基準に合わせるかというのは大変大きな問題で小」ざいまして、今御指摘のとおり、その現地の基準に合わせる、その現地の基準に合っていればいい、こういう問題ではなくて、やはり日本の国内の基準に合わせていくというのが、これからの企業のあるべき姿ではなかろうか、私も個人的にはそう思います。そしてそのことが実現いたしますと、開発途上国は概して日本の環境基準より緩やかでございますから、そういう中で非常に厳しい基準のもとで操業するということは、その地域に与える影響も非常に大きいでしょうし、また日本の環境面で世界に貢献するという姿勢を示す意味でも大変貴重なことだ、このように思っております。 そのことをこの法律で規制するかどうかということにつきましては、なお十分検討する必要があろうかと思っておりますが、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、アセス法に関しましては十分検討をしてまいりたい、このように考えおります。
○岩垂委員 大臣、私は検討という言葉を十年聞いてきました。要綱の議論のところから、とりあえず要綱でやって法律にしていきたいと思う、そのための検討をいたしますと、十年です。事態はよくなっているのじゃなくて悪くなっているわけでございますから、いろいろ問題はあると思います。しかし、地方自治体が条例をつくってそれなりに苦労している。とりわけ今度のリゾート法に関連していろいろな問題を全国で起こしているわけですから、ぜひひとつアセスメント法の制定について御考慮いただきたいな、今までのような形でなくて、もうちょっと力を入れてぜひそれこそ検討をお願いしたいな、こんなふうに思っています。 あちこち飛んで恐縮ですが、午前中に田中委員が水俣病の問題を伺っているわけで、私は、実はそのときに傍聴できなかったのですが、馬場さんが、この問題の大先輩がいらっしゃいますから、私からも二、三お尋ねしておきたいというふうに思うのですが、来年のブラジル・リオデジャネイロは世界じゅうから首脳が集まります。一万数千人のNGOを含めた人々が集まります。二十一世紀に向かって、ここでCO2を初めとする問題の解決がなければ、その前途は、人間の前途は、人類の前途は、いや生きとし生き続けているものの前途は大変惨たんたる状態だというふうにさえ言われている。成功させなければいけません。そのときまでに水俣問題というのが解決を見ないで、患者の皆さんが失われた健康や生命や失われた時間の損害を賠償しろという形で、何百人あるいは何千人という人たちが例えばブラジルヘ行って、日本の水俣病の問題は解決していないのです、被害者は放置されたままなんですというふうなことになったら、私は、我が国の総理大臣が、どなたが演説をなさるかは知りません、今から予想することはできませんが、その演説の格調が高ければ高いほど、むなしい演説になるだろうというふうに思います。 そういう意味では、環境庁もしんどい思いをしていらっしゃると思う。思うが、ここは愛知さん、あなたが、あなたの正義感とあなたのヒューマニズムで、それこそこの問題の解決の先頭に立って努力をすべきだ。それが、幸いにして福岡高裁のいわば和解、勧告と言えるかどうかは別として、裁判所までが何回となくそのことを、幾つかの裁判所が言っている。あなたは判決が出ないと手は打てませんとおっしゃるのかもしれませんが、あるいは中公審に諮問がしてあるからそれま、では何にも言えませんとおっしゃるのかもしれませんけれども、それじゃだめなんです。 お願いをしたいのは、やはりできるだけUNCEDまでの間に——までにというふうにセットされればいろいろな言い方になって返ってきてはいけませんから、そこらをめどにして、この際患者とも話をする。そして解決のために、関係閣僚会議の申し合わせはありますけれども、福岡高裁のああいう意見も出ているわけですから、国民の世論です。マスコミの論説、全部ごらんになってください。これはもうみんなが求めている世論です。だから、あなたが決断しても決して泥をかぶるようなことはないと私は思う。そういう意味で、ぜひこの問題についての長官の決意を、患者の諸君と会うことやあるいは関係閣僚会議の中で、もう一遍福岡高裁の意見というものを検討してみるとかいうようなアクションを求めたいと思いますが、いかがですか。
○柳沢政府委員 大臣御答弁の前に、ちょっと事実関係だけにつきまして申し上げさせていただきたいと思います。 ただいま先生から、水俣病の被害者が放置されているという意味のお言葉があったわけでございますけれども、私ども、水俣病発生以来今日まで大変それなりに努力をいたしているつもりでございます。現に、二千九百三十八人の方々、これは平成三年三月末現在でございますけれども、その方々につきましては、患者さんとして認定させていただいております。そのほかに、患者さんでない方々に対しましても、特別医療事業を初めとしたもろもろの諸施策を今日まで行ってきたところでございます。 それから、新聞等のマスコミ等の論調でございますけれども、もちろん多くの新聞は仰せのとおりの論調がと存じますけれども、やはり一部の大新聞、全国紙の中でもまた別の意見を表明されている、そういう新聞も現にあるわけでございます。その辺のところにつきまして御理解賜りたいと存じます。
○愛知国務大臣 私がお答えすることを先ほど先生から冒頭に言われてしまいまして、またそのお答えをするとしかられるかもしれませんが、今部長がお答え申し上げましたとおり、この水俣病、昭和三十一年に発見以来、四十三年に公式見解というのを出し、それから早速対策に取り組みまして、現在まで認定患者二千九百数十名ということでございまして、そういう方々には国としても可能な限りの救済措置を講じてきているわけでございまして、水俣病問題発生以来三十何年、国として全く何もしてこなかった、こういう御指摘に対しましては、若干私どもの方としてもこうしてきましたと申し上げさせていただきたいと思います。また、外国にもこの辺がいささか誤解をもって伝えられているところがございまして、この水俣病のいろいろな場面が新聞あるいは写真、テレビ等々で報道されますが、率直に、若干誤解を与えるような報道ぶりではなかろうか、残念に思うところもございます。 そういう中で、五十五年に訴訟が起こされて今日に至っておるわけでございますが、この訴訟が国の行政責任あるいは病像論ということでございまして、訴訟でもございますので法律論の論争になっているわけでありまして、そういう中で和解という形でこれを解決するのは非常に難しくなった。わけでございます。私どもといたしましては、この和解という方式ではなくて国の行政施策として対応させていただくのが適切だということで、御承知のとおり今、中公審の答申を求めておりますが、平成四年度からの実施を目途としまして総合対策を検討中でございます。 いずれにいたしましても、水俣病問題は我が国の公害問題の原点であり、これを早く解決することが、国内的にももちろん、また国際的にも日本が環境問題に大いに力を入れているということを示すためにも大変大事だ、こういう認識は非常に強く私ども持っておりまして、この総合的な行政施策が実施されることによって問題が解決できるように全力を挙げてまいりたいと考えております。
○岩垂委員 福岡高裁のいわば和解の、勧告という言葉は余り正確でないかもしれませんが、歴代環境庁長官のコメントがありました。愛知長官は、前任者と同じ御見解にお立ちになりますか、御答弁をいただきます。
○愛知国務大臣 福岡高裁の所見の中で引用されました大臣の発言、実は前長官の発言を除きましてそのほかの発言は、訴訟が起こされる前の発言でございまして、状況が若干違うと私ども認識をいたしておりまして、私といたしましては、和解に応ずることは困難である、こういうお答えをせざるを得ない状況でございます。
○岩垂委員 和解のことではなくて、国の責任という分野に関していえば、あなたがさっきおっしゃったように、国としてもできるだけのことを努力してまいりました。それは全く無関係ではあり得ないわけですので、そうなさったのだろうというふうに思います。国の責任について大石環境庁長官時代から歴代の長官が指摘をされてきた、その国の責任という分野については、同じ認識に立つというふうに理解してよろしゅうございますか。
○愛知国務大臣 水俣病問題が環境行政の大変重要な課題であって、早期解決に向けて最大の努力を傾けていく、最大の努力を払っていくことは、環境庁として行政の当然の験責であると考えておる次第でございます。
○岩垂委員 時間が来てしまいましたので何ですが、国の責任というものを自覚しておられるかということを尋ねているわけです。それについてイエスかノーかで結構です、お答えをいただきたい。
○柳沢政府委員 水俣病問題につきましては……(岩垂委員「あなたに言っているんじゃないんだ。政治家としての大臣に聞いているんだ。もう時間がなくなってしまうんだよ」と呼ぶ)わかりました。ちょっと事実関係について。 水俣病問題は環境行政の重要課題であるということで、国としてもその早期解決に向けて努力すべきということは当然でございます。そのために、行政施策として所要の対策を進めていくことが環境行政としてその職員であると考えており、歴代の大臣もこのような趣旨に立って御発言されたものというふうに理解しているところでございます。
○岩垂委員 やはり、その辺から、出発点から問題があるのです。国の責任というものを、ある大臣は責任があると言い、ある大臣はコメントをしない。しかし、免れるものではない。これは事実なんです。それならば、それは素直に認めた上で、さてどうするか。それは和解という方法に簡単に乗るわけにいかぬという御主張も御主張としてあるだろうと思う。しかし、そうではなくて、国の責任の自覚の上でひとつお考えをいただきたいというふうに強調したかったわけであります。 時間が来てしまいましたが、最後に防衛施設庁、大変お待たせをいたしまして済みません。 かねて私指摘をしてまいりました池子の米軍住宅建設予定地の中のシロウリガイの化石層の問題について、一点というか、それだけお尋ねをしたいど思うのです。 この前私が指摘をしたわけですが、その後、ことし四月以降山を崩しているところでシロウリガイの露頭が発見をされているというふうに承っていますが、何カ所発見されましたか。御答弁をいただきたいと思います。
○田中説明員 お答え申し上げます。 防衛施設庁では、池子米軍家族住宅建設事業区域内のシロウリガイ化石につきまして、神奈川県と調整の上、昭和六十三年九月から地質学及び考古学の専門家による現地調査を実施し、平成二年三月及び十二月にその調査研究の成果を報告書としてまとめました。 この一連の調査で、シロウリガイ化石層が施設区域南部に広く分布するということが明らかになりまして、同化石が露頭しておる箇所は四カ所、それからボーリング調査で同化石が発見されている箇所は五カ所の計九カ所でございます。
○岩垂委員 ちょっと済みませんけれども、これを見せてあげてください。——そこに黒い丸がありますね、それが前から問題になったところです。赤い丸印が二つありますね、それが住宅の予定地内の西側ということなんですが、その二カ所特定してよろしゅうございますね。
○田中説明員 現在西側の丘陵地におきましては、シロウリガイ化石層の地下での分布状況を確認しまして、地質構造との関連を検討するため、できるだけ大きく切り土断面を露出させながら切り土工事を行いまして、地質学及び考古学の専門家による現地調査を実施しているところでございます。
○岩垂委員 特定をしてくださいと言っているのです。その箇所でいいですね、赤丸で。
○田中説明員 ここでございますか、この地区。
○岩垂委員 黒い丸がこの前のやつ、赤丸がことしの四月以降発見されたやつ、その地区に限って言えば、そのとおりですね。
○田中説明員 はい。
○岩垂委員 じゃ、私が申し上げたいのは、四月以降実は崩しているさなかにそういう形で露頭が発見される。これは率直に申し上げて、まだたくさんありますよ。だから、記録保存なんということじゃこれは済まないのです。そして、それが発見されたのに何でオープンにしないのですか、発表しないのですか。隠していると言われたってこれはしょうがないですよ。そういうことが住民の反発を買うのです。きょうはもうそれ以上言いません。 しかし、今新しく発見をされて、そして、トータルで言えば事業地域内で露頭が四カ所、ボーリングで五カ所、そして、そのがけのところで言えば、黒丸のやつが今までのもの、赤いやつ二カ所が四月以降に発見されたもの、そういうふうに確認をさせていただいて、以上で質問を終わります。
○荒木説明員 事実関係でございますので、私からも御答弁をさせていただきたいと思います。 先生お示しいただきました図面でございますが、赤い丸でつけた部分、ここにつきましては、私ども先ほど御答弁申し上げましたように、ことしの二月八日に、ここの切り土につきまして神奈川県と方法を調整してまいりました。それ以前に、この部分につきましてはシロウリガイが露頭しているということを承知してい光ところでございます。 そして、そのことを踏まえた上で、ことしの、三年二月八日に神奈川県と調整の結果、ここにつきましては、この赤丸をつけた部分につきましてはいろいろ調査も進めておりましたものですから、記録の整備を図るとともに、ここの露頭部の削除につきましては、できるだけ大きく切り取りまして学術的、教育的利用に配慮するということで、神奈川県と調整もし、これまでここについて先生にもお願いしまして、その後先生にもお願いいたしまして切り土を進めているところでございます。 それから、先生お示しの図面の黒丸のところについては、私ども調査いたしております部分につきましては、もう少しこの図面では左側の部分がなと、ちょっと今見せていただきましたところでは思っているところでございます。
○小杉委員長 時間が過ぎておりますので、一言だけ。
○岩垂委員 今の黒い丸のところというのは、かねてから出ているところなんです。四月以降の調査、あるいは四月の幾日ということまで申しませんが、そこで新しく二カ所が出たんです、露頭で。これは、あなたは今の答弁、確信持って言えますか。つまり、その二カ所というのは新しく四月以降に出てきているのです。だから、その辺をきちんと確かめて、改めて僕に報告をしていただきたいと思います。今はもう時間がないから、それはもう結構です。 若干オーバーして、どうも済みません。
○小杉委員長 次に、東順治君。
○東(順)委員 私は、今足元の問題から地球全体まで、この環境問題というものが日を追って重要性を増してきておるわけでございまして、特に、私たち大人が子供たちにどのような未来の地球を残すか、あるいはどのような未来の地域環境を残すか、これもまた大変に重大な、地味だけれども大変重大なテーマだ、このように思いまして、きょうは環境教育の問題について二、三の角度から質問をさせていただきたい、このように思います。 環境教育の新学習指導要領というものが、平成四年度から小学校、五年度から中学校、六年度以降は高校と順次実施に移されていく、このように伺っております。我が国の学校教育というのは、とかく一つの傾向性がございます。それは、知識吸収偏重というふうにどうしてもやはりなる。受験競争とかいろいろなものが背景にあるわけで、教育というものはどうしても知識の詰め込みみたいなことになりがちでございます。それだけに私が心配いたしますのは、この環境教育というものはやはり知識だけでは実際にはなかなか実感性が持てないわけで、そういう意味で体験学習を取り入れた個性的な指導等、立体的、具体的な、そういう内容が必要になってくるんだろう、そのように思います。 まず、この辺に対する文部省の指導性、そういったところについて最初に伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○福島説明員 先生御指摘のとおりでございまして、我が国の教育は、従来系統学習と申しますか、知識詰め込み型の学習的なところが多かったわけでございますが、新しい教育課程、十年ぶりに改訂いたしましたが、この教育課程におきましては、観察だとか実験だとか調査だとか、先生御指摘の体験といいますか経験、そういうものを重視した教育をやろうということで、今やっているところでございます。 それで、環境教育、おっしゃるように知識とか理解だけではどうにもなりませんので、やはりそれを実行に移す、行動というものが、特に環境問題では必要だと思っております。さらに私どもは、そういう教科学習だけじゃなくて、自然教室といいまして、野や山で一週間程度泊まって環境問題あるいは英気を養う、そういういろいろな、特に都会の子供には必要な活動がございますので、自然教室というのを年間千六百二十校ほど予算上やっておりますが、非常に人気が高くて、実際は二千六百校以上に分配してこういう自然教室というのもやっております。 さらに、勤労体験、勤労生産といいますか、こういう体験的な学習というのも全国で百六十カ所以上を指定しましてやっているところでございまして、まさにおっしゃるように、知識吸収型の教育だけじゃなくて少し体験的な教育も広げたいと思ってやっているところでございます。
○東(順)委員 ただいま御答弁いただきました自然教室あるいはエコロジーキャンプみたいなもの、こういったものが本当に全国広範囲にしょっちゅう行われる、そういう指導性を持ってどんどん推進をしていただければ、このように思うわけでございます。 現実は、新聞報道なんかによりますと、例えば現場の先生たちの声で、授業の中で取り上げてもテキスト中心なものだからなかなか子供たちが乗ってこない、関心をなかなか示してくれないで 困っている、興味が低いというような声であるとか、あるいは塾に通う子供がどんどんふえていて、ふれあい授業というような時間がかかることには参加しようというような声が子供たちの中で少ない、こういったことを嘆いている先生たちの声を、私は新聞報道で読んだことがございます。 したがって、かなりの強力な指導力を持って、時間がかかるけれども遠くを見据えたら、今こういうことをするのが一番大事だと思いますし、どうか、ただいまも千六百二十校と言われましたが、これは全国的に見れば本当にわずかな数だ、本当に一部だと思いますので、そういう意味でぜひともよろしくお願いしたいと思います。 次にお伺いしたいことは、今度は教える側の先生の問題でございます。 現場の先生用に、中高校の教師用に「環境教育指導資料」、これを私も読ませていただきました。確かに、中身を見ますと、いろいろな角度から、どうすれば環境教育というものがしうかり子供たちにできるかということを非常に工夫されて書かれているなと思います。 ただ、私はすごく心配することでございますが、現場の先生たちは当然若い人たちが圧倒的に多いわけで、今の世代、先生たちの年齢から見たときに、現実に野や川で遊んだという経験を持つ人たちが大体どれぐらいいるだろうか。子供のころ、少年のころ、少女のころに川遊びの体験を持つあるいは山遊びの体験を持つ、そういう実体験を持った先生たちがどのくらいいるかといったら、恐らくほとんどいないと思う。私は今四十四歳でございますが、この間、環境作家の立松和平さんも言っておりましたが、僕らの世代がもう最後の世代ですね。そういうことから考えたならば、こういう環境教育とか自然を大切にしようとか、自然の美しさ、とうとさみたいなことを実際に体験していない人たちが子供たちに教えるときに、どのように教えられるだろうかということを率直に疑問を持つわけです。 したがって、最近調べた高知大学教育学部の環境研究会というところの調査によりますと、全国の小中高の教師の九〇%強が環境教育の必要性は認めているものの、積極的に授業に取り入れているとの回答は三〇%強である。つまり、実践面に対する不安の声が先生の間で非常に強い。これは実感としての自然に親しんだ経験がないところから来る、それが一つの大きな原因ではなかろうかと私は思うわけです。 したがって、どのように子供たちに環境教育というものをなしていくかということも大事だけれども、もう一つ大事なことは、今度はそれを教える先生たちにどのように豊かな環境知識と意識というものを持たせるか、これもまた大変に重要なことだと私は思います。教師に対する研修とかいろいろなことを含めて、具体的にどのような方法がとられておるのか、また、とられようとされておるのか、これを伺いたいと思います。
○福島説明員 環境教育は、これからどんどん進めなければいけない分野だと思っております。まだ環境教育と教育環境を混同する人もいるというような笑い話もございますけれども、私ども、この秋には滋賀県で全国大会、環境教育シンポジウムというのをやりまして、これは各地域の中核的な先生方に集まってもらって環境教育の一大キャンペーンをやる、そういうことをもちまして環境教育を全国でやっていただこう、そういう機運を盛り上げてもらおうと思っております。 それから、今先生がお持ちの資料も、それは私ども随分工夫したつもりでございまして、表紙も色刷りの地球あるいは中の紙も再生紙を用いてやりましたが、おっしゃるように、確かに先生も子供も知識だけではいけませんので、先生方も自然教室などでは自分も一緒に体験するというような形で、まさに若い先生方は体験が少ないわけですので、一緒に活動してやってもらおう、そういうふうに思っておる最中でございます。
○東(順)委員 今おっしゃったような、教師自身が自然と触れ合う、あるいは環境教育の全国大会ですか、そういった事柄も非常に大事だと思います。 私は一つ提案したいのですけれども、先生たちは数が大変多くて、全国規模とかいうようなことになってくると大規模になり過ぎてなかなか難しいのじゃなかろうか、したがって、例えば都道府県とか政令指定都市とかいうものを単位にして環境教育の体験交流、実践報告大会みたいな、そんなものを結構頻繁に開いたらどうか、また、それは場所としては、自然と実際に触れ合える合宿みたいなものを兼ねて、そういうところに場所を選んで、先生たちの体験交流の報告大会とか、そういったことを、身近な都道府県あるいは政令指定都市みたいなところでぜひやられたらどうだろうか、このように一つは提案を申し上げたいのです。これの御見解を伺いたいと思います。 それともう一つは、教員の養成大学なんかで環境教育というものを科目として必修化していく。それと、地球の生態系の究明とか環境保護と調和を図る産業構造のあり方、こういったものをテーマにした、例えば地球環境学というようなものを学んでいく、環境の関係学部というものを国公立の大学あるいは教育大学に新設できないか。こういったところまで突っ込んだお考えが文部省にあるかどうか、あるいはこれに対する見解はどうなのか、これを伺いたいと思います。
○福島説明員 環境教育といいますのは、教科でいえば理科とか社会とか保健体育、家庭、そういう教科にまたがるわけでございますが、やはり総合的には校長さんがリーダーシップをとって学校でやっていただかなければいけないし、そういう意味で、各学校内で研修体制というのも私はやっていただきたいと思っているわけでございますが、ことしの秋にやります環境シンポジウムというのは、まさにその初年度の、緒についたばかりの事業でございまして、先生おっしゃるように、これから各県あるいは大きい都市、そういうところでこういう環境教育というものの研修会を、このシンポジウムに来ていただいた人が中核になりましてやっていただきたく私ども思っているわけでございますので、まさに先生のおっしゃる御趣旨を体してやっていきたいと思います。 環境学科につきましては、大学課長の方から御答弁申し上げます。
○工藤説明員 大学における環境教育の問題につきまして、お答え申し上げます。 大学における教育、研究につきましては、今さら申し上げるまでもなく、学術研究上の必要性でございますとか社会的要請に応じて、いろいろな教育体制、研究体制を組んでいるわけでございます。 ただいま議題になっております環境問題につきましても、私ども、いろいろ大学で教えるあるいは研究するテーマの重要な中の一つとして意義深くとらえているわけでございまして、これまでもいろんな教育研究体制の充実を図ってきているつもりでございます。 ただ、大学におけるカリキュラムの編成あるいは教育体制といいますのは、基本的には大学の自主性にまつべきものでございますので、その大学の自主性を踏まえながらどう対応していくかということが問題になるわけでございます。 それが一つと、もう一つは、先生御提案の、専門家養成をしたらどうかということでございますが、学科レベルで専門家の養成をするということも必要な部分かと思いますけれども、他方で、一般の学生に対しまして、教養的にといいましょうか、言うならば大学卒業レベルでの必須の科目の、必須の常識の一つとして環境問題についても学んでいただく必要があるのではないかということを考えておるわけでございまして、そういう意味で、教養課程といいましょうか、一般教育の中で環境問題について勉強していただくほかに、いろいろ学科、課程等を整備しているわけでございます。 実例を申し上げますと、国立大学におきましては、学部レベルで、例えば理学部、工学部とか教育学部、農学部等のいろんな学部におきまして、環境工学科でございますとか環境資源学科でございますとか、そういう名称を冠しました学科や課程等を置いております国立大学は五十九大学、八十八学部に及んでおります。また、大学院レベルで申し上げますと、環境に関する研究科や専攻などが設けられている大学と申しますのが三十四大学に及んでおります。他方、公私立大学におきましても、十一大学で環境問題の関連学部、学科が設けられているところでございます。 たまたま来年度の概算要求がまとまった時期でございますので、国立大学の来年の概算要求について若干申し上げますと、学部レベルにおきましては、例えばお茶の水女子大学に生活科学部というのを設置いたしまして、そこで生活環境学科というのを設ける予定でございますし、それから京都大学に総合人間学部を設置いたしまして、そこで自然環境学科、あるいは神戸大学に発達科学部をつくりまして、そこで人間環境科学科などを設置する予定にいたしておりますほかに、大学院レベルにおきましては、京都大学の大学院で人間・環境学研究科というのがございますが、そこに文化・地域環境学専攻というのを設置予定でございますし、九州大学の大学院でも総合理工学研究科に大気海洋環境システム学専攻を設置するなどの要求をしているところでございます。 いずれにしましても、環境問題というのは国際的にも社会的にも大きな問題になっておりますし、環境庁におきましても、愛知大臣、御先頭に立ちながら随分力を注いでいる分野でございます。私ども、今後とも各大学の要求を踏まえまして、適切に対応してまいりたいと思います。どうぞ今後とも御指導よろしくお願い申し上げます。 〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕
○東(順)委員 御丁寧に答弁いただきまして、よくわかりました。 特に前段の、県あるいは政令指定都市等でもぜひ広げて教師の育成の場を持ちたい、こういう答弁でございましたので、それが実践され始めて、その成果のほどをまたぜひ伺わしていただきたい、このように思います。よろしくお願いします。 それから今度は、環境教育の社会教育という観点から伺いたいのですが、平成元年の五月に財団法人環境情報普及センターというものが設立されておりますね。設立後二年たって、この活動内容がどういうふうな足跡を刻んだのか、どういう状況なのか伺いたいと思います。
○八木橋政府委員 お答え申し上げます。 環境情報普及センターは、設立以来、環境科学情報をわかりやすく普及することを目的といたしまして、ただいま御指摘になりました平成元年五月に設立されたところでございますが、それ以降、例えば「地球環境にやさしいライフスタイル」といったような出版物を出す事業、また地球環境問題に関するスライドなどの視聴覚教育をやるような教育教材を作成するような事業、さらには、最近の子供に入りやすいようにというようなことで、地球温暖化問題をパソコンを使ったゲームでの教材といったようなものをつくるとか、普及啓発活動に努めるほかに、さらには一般的な環境教育拠点に関してどういった施策をとるべきであるかといったような、調査研究等の仕事をやっておるわけでございます。 ちなみに、実績ということでございましたので事業費ベースで申し上げますと、平成元年で一千五百万強の事業費、それから平成二年度で二千七百万強の事業費でこれらの事業をやっているところでございます。
○東(順)委員 今おっしゃいました、出版物あるいはスライドによる視聴覚教育、それから温暖化問題もわかりやすくパソコンで子供に理解させ一る、社会教育の観点からなかなかいいものではなかろうか、このように思うわけでありますが、こういう環境という問題を社会に深く教えていく拠点づくり、これはぜひ都道府県や政令都市というようなところに、具体的に市民が親しめて、そして環境というものがわかる、それからまた学校の現場の先生たちにもすごく役に立つ、参考になる、また、学校の社会科の一つの見学として子供たちを連れていける、そういういろいろな意味を含んだこういう社会教育の拠点というものを全国につくれれば、これは大変すばらしいことではないかというふうに思うわけです、都道府県とか政令都市単位で。こういったことというのはどうなんでしょう。考えられないんでしょうか。
○八木橋政府委員 先生ただいま御指摘のように、社会教育としての環境教育を普及させるために地域に拠点をつくったらどうかという御指摘でございましたが、私どもも同様な問題意識を持ちまして、実は私どものところに環境教育懇談会というものをつくりましていろいろ検討していただいたわけでございますが、ちょうど先生御指摘のような意見が私どものところにもございまして、環境教育を幅広く有機的に展開するためには、中央及び地方において情報の収集、提供、研修等、センター的機能を備えたまさに実戦的な活動の拠点を体系的に整備することが必要ではないかという御意見をいただいたところでございます。 今、現実を見てみますと、各地方におきまして、全国の都道府県、政令指定都市におきましては、一昨年の補正予算で措置されました地球環境保全基金というものを活用いたしまして多様な環境教育事業が実施されているところでございますが、うち、平成二年度、本年度の事業として十八団体が環境教育の拠点となるセンターの設置、情報コーナー、ライブラリー等の整備を行っている状況にございます。 環境庁といたしましては、このような動きがさらに活発になるように、またその活動が本当に充実されるようにというような視点から、情報提供の充実を図る等の措置をとってまいりたいというぐあいに考えております。
○東(順)委員 その情報提供ということでございますが、来年度から環境教育に携わる自治体の担当者あるいは学校の先生方のために、環境庁は情報ネットワークづくりに乗り出す、こういうふうに伺っておるわけで、これのねらいというか、情報ネットワークづくりの具体的内容について聞かせてください。
○八木橋政府委員 初めにちょっとお断り申し上げますが、先ほど答弁の中で、全国の都道府県、政令指定都市に造成されておりますものを地球環境保全基金というぐあいに申し上げたようでございますが、地域環境保全基金の誤りでございますので、訂正いたします。 次に、環境教育データベースの作成についてでございますが、環境教育の推進につきましては、先ほど申し上げましたように環境教育に関する情報の収集、提供を行うためのセンターとなる拠点を中央において整備することが必要になってくるわけでありますが、地方公共団体におきましても、ただいま申し上げました地域環境保全基金の活用等による環境教育の取り組みに伴いまして、環境庁に対する要望の声といたしまして、環境教育のためのネットワーク事業を求める声が非常に高まっている状況にあるわけでございます。そういった声を背景にいたしまして、環境庁といたしまして拠点が提供すべき情報の内容、それからその収集、提供方法等について検討するために、先ほど申し上げました環境情報普及センターの中に研究会を設けたわけでございます。 そこで、この研究会では、民間、行政、それぞれの立場で環境教育活動を行っている方々を対象にいたしまして、活動の際必要となる環境教育情報についてのニーズを調査するということをまずやりますとともに、その結果を踏まえまして、情報提供をする際に重要となる環境教育データベースについて、その活用方法を含む基本構成を本年度中に取りまとめるという運びになっているところでございます。そういたしまして、これを踏まえまして、平成四年度以降において環境教育データベースを具体的に作成していきたいということを考えているわけでございます。
○東(順)委員 これが新聞報道されて以来、私は何人かの人から聞かれたのです。これはすごく関心が高いのですね。やはり情報化時代ですから、どういうふうなものをつくってくれるのか、この 情報ネットワークづくり、大変に期待の声が高いということで、私も実感しておりますので、どうか急所を押さえた本当に欲しい情報というものをきちっと提供できる、そして将来の子供たちにいい地球環境というものを残せる、いい周りの環境というものを残せるために、生きた的確な情報のデータベースづくりに励んでいただきたい、このように思うわけで、ぜひともよろしくお願いを申し上げたいと思います。 それじゃ、最後に大臣にお伺いさせていただきたいと思います。 明年の地球サミットの成功を目指して、日本が積極的にリーダーシップをとって地球環境保護を訴えていかなければいけない、あるいは環境先進国日本というイメージをつくって地球環境問題解決に大きく寄与していかなければならないというような発言とともに、精力的に動かれておられるようでございますが、地球温暖化の原因の一つである炭酸ガスの減量について、全地球の排出量の二三%を占めながらもなお減量対策に消極的なアメリカ、これをどう説得、協力させるか。 あるいはまた、どうやら地球サミットの成否のかぎが途上国への資金供与の問題というところにだんだん絞られてきておるようなわけで、そういう中で、ECとアメリカの間にあって中間的態度をとってきた我が国の役割に対する期待というものが非常に高まっているような感じがいたします。 それからまた南北の問題、そういったことから、大臣として、今後の決意と、中には、このままいけば地球サミットそのものが不成功に終わってしまうのじゃないかというような不安の声も出始めているような状況だけに、具体的に今後どういう道筋を描かれているか、我が国の役割、立場、働き、今後の決意とともに最後にそれを伺わせてもらいたいと思います。
○愛知国務大臣 お答えいたします。 来年のいわゆる地球サミットが成功をするかあるいは残念ながら不成功に終わるか、これは地球の将来にとってまことに大きな分かれ目になるわけで、何としても成功させなければならない、このように思います。 しかしながら、御指摘のとおり今日までの準備過程におきましては、アメリカの特に温暖化問題に対する消極的な姿勢が見られたり、あるいは発展途上国からは資金協力、技術移転等に対する、先進国に対する強い要求が出されておったり、なかなか現時点では乗り越えなければならない数々の課題が浮き彫りにされておりまして、地球サミット成功のためには幾つもの山を乗り越えなければならない、こういう状況かと思います。 そういう中で、我が国に対する期待というのは、公害を乗り越えてきたという我が国の実績もありますし、その中で豊富な人材なり技術なりを積み重ねてきた日本に対する期待、また経済力が大きいということももちろんそうであります。各方面からの、いろいろな観点からの日本に対する期待が高まっていることも事実でございます。何としても、地球サミットが南北の対立にならないように、日本はいわゆるG7の中でも唯一のアジアに位置する国でもございますし、また文化的な歴史その他からいいましても、いわゆるG7の中でも特徴ある日本でありますし、そういうような日本の立場を考えますと、南北対立にならないように大きな役割を果たしていくだけの条件も整えているんじゃないか、このように考えます。 私も、就任以来いろいろな機会を通じまして、この役割を果たすべく努力をしてまいりました。六月には北京で開発途上国の環境大臣会議が開かれましたが、ここで四十カ国を超える開発途上国の環境大臣が集まりましたが、そこにオブザーバーとして参加をいたしまして、集まった方々に、この地球環境問題に関して、開発途上国も単に先進国に要求を突きつけるだけではなくて自助努力もしていただかなきゃならない、自助努力をしていただくに際して先進国は大いにお手伝いをさせていただく、そういう形で開発途上国あるいは先進国、お互いに力を合わせて取り組んでいかなければいけないのではないか、こんなことを訴えてまいりました。 また、七月には東京でアジア・太平洋地域の十四カ国の環境大臣の参加を得まして、アジア・太平洋環境会議というものを主宰いたしました。このアジア・太平洋地域、これは世界の中でもまことに特徴のある地域でございまして、つまり、先進国と開発途上国が両方ある、文化的な背景もさまざまである、また、開発途上国においてもその発展状況、発展段階が非常に差がある、いろいろな意味で多様性に富んだ地域でございますが、このアジア・太平洋地域から見た地球環境問題というのを意見の取りまとめをするというのは大変意義のあることだということでこの会議を招集したわけでございますが、ここでいろいろ意見の違いもございましたけれども、それを乗り越えて、地域からの提言を取りまとめまして、これを来年のUNCEDに向けていろいろな機会にこの提言を示していこう、こういうことでこのような会議をいたしました。 また、七月にはアメリカを訪問いたしまして、政府、議会関係者に対しまして日本の立場を十分説明すると同時に、アメリカにもぜひ日本と同じような対応、特に温暖化の問題に対しては積極的な対応をしてほしいというようなことなど説得をしてまいりました。 まだまだこれでは不十分でございまして、来年六月まで残された期間は九カ月となってしまいましたけれども、これからも、私自身もそうでありますが、環境庁挙げて各方面に働きかけていきたい。また、これは環境庁だけの仕事ではないと認識をいたしておりまして、外務省に対しましても、これは環境庁だけではなくて国全体として取り上げていく課題ではなかろうか、外交を推進していく、展開していく中で日本の外交の大きな柱にしていくべきではないか、こんなことを説得いたしまして、国を挙げての取り組み体制ができるように最大の努力をいたしている最中でございますが、どうぞまた今後とも、何かにつけましてぜひ御理解、御支援をいただきたい、お願いを申し上げたいと思います。 〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕
○東(順)委員 わかりました。 この後、水俣病の問題につきまして我が党の倉田議員に譲りまして、これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
○小杉委員長 倉田栄喜君。
○倉田委員 公明党・国民会議の倉田でございます。私は、既に午前中それから先ほども質問がございましたけれども、水俣病について質問をさせていただきたいと思います。 先ほどからの長官の御答弁を聞いておりますと、行政施策を中心として解決をしていきたい、このようなことでございますけれども、和解の席に着いていただきたいというのは、新聞社説、国民の世論である、こう思うわけでございます。どうして和解の席に着くことができないのか、その辺を中心にお伺いをさせていただきたいと思うわけですけれども、ついこの間も、これは地元の熊日新聞でございますけれども、九月十日付で「実験ネコに水俣病変」、こういう記事が載っておりました。まさに水俣病が解決していないことを示すものであると思います。 そこで、私は、まず長官に、歴代大臣の水俣病に対する所信について、これを長官はどのようにお考えになっておられるのか、一つ一つ具体的にお聞きしておきたいと思います。先ほどの御答弁では、北川前長官を除いては、それは訴訟が提起された以前の段階での答弁である、このような御発言しかなかったわけですけれども、水俣病を解決しなければいけないということの意味合いにおいては、訴訟前であろうとその後の御発言であろうと全く変わりはないものであろう、こういうふうに私は考えます。 そこで、これは高裁にも引用されているところでございますけれども、いわゆる国連人間環境会議における大石元長官の御発言の中にこういうことがございます。長官のコメントも求めるわけですから聞いておいていただきたいわけですけれども、「政府を含め関係者による対策が手ぬるかったこと等により多数の悲惨な犠牲者を出しました。」少し省略します。「早期に十分な救助の手をさしのべ得なかったことに政府は責任を痛感いたしておりますが、まことに遺憾のきわみであります。」このような御発言がございます。 午前中に長官は、政治家個人として思うところはあるけれども、いわゆる環境行政の責任者としての立場もある、このようなことをちょっと御発言なさったかのようにも聞きました。この大石元長官の発言に対して、政治家個人としてでも結構でございますし、また、環境行政の責任者としての立場でも結構でございますので、長官はどのようにお考えになりますか。
○愛知国務大臣 この水俣病の解決に対しましては、昭和五十五年に訴訟が起こされて、そしてその訴訟の中で損害賠償責任また病像論ということで争われてきているわけでございますが、そのような訴訟が行われている状況の中で、環境庁長官としての発言ということになりますと、これはやはりその立場もございますし、発言に対しましてもおのずからその責任もございますし、そういうことから申しますと、私も、先ほどまあ本音と申しましょうか、なかなかつらい立場にあるというようなことを申し上げたわけでございます。 何はともあれ、しかし水俣病というのが国の公害問題の原点であるということは、私ども環境庁としても十分認識をしておるところでございますし、これを解決するために、これまた先ほど申し上げましたし、今さら申し上げるまでもないかもしれませんけれども、行政としての、国としての救済措置を可能な限りやってきておりまして、二千九百人を超える方々には水俣病という認定をし、国としての可能な限りの救済措置も講じてきているわけでございます。 全く手つかずということではもちろんないわけで、水俣病患者じゃないけれども水俣病の症状が出てくる可能性がある方だとかあるいは不安の中で生活しておられる方々、いわばグレーゾーンと申しますか、そういう方々に対する救済措置の問題が争われているのではないかと思いますが、そういう方々に対しては行政措置として総合的な対策を講じていくのが適切ではないか、こういうことで、現在中公審の答申も求めており、近いうちに答申をいただくことになっておりますが、これを平成四年度からの実施ということで講じていく、このことが現在私どもが考えられる最善の対策ではなかろうか、こういうことでことの対策を進めているところでございますので、ぜひ御理解をいただきたい、このように存じます。
○倉田委員 私が今お聞きしているのは、大石長官のこの発言を政治家としてあるいは環境行政の責任者としてどうお考えになりますかという、そのコメントを求めているわけです。今のお答えの中では、もし訴訟が始まっていたらああいう発言はしなかったかもしれない、何かそんな感じのお答えしかなかったかみたいに思えるわけですけれども、それではどうも納得できない。 そこで、例えば三木元長官でございますけれども、これは今回福岡高裁で出された引用文の中には、一日も早くこういう悲惨な状態を解決するため、市役所といわず、会社といわず、国といわず、一体になってこの問題と取り組みたい。これと、昭和四十八年のやはり環境保全特別委員会、四十八年の四月六日でございますけれども、いわゆるこの水俣病というものに対して三木元長官は、ちょっとよく聞いていただきたいのですけれども、聞いていただいてコメントを求めるわけですから。「認識の甘さといいますか浅さというものに対しては、その責任について深く反省するところがなければならぬと考えておる次第でございます。」こういう三木元長官の御発言についての長官のお考えはいかがですか。簡単で結構でございますのでコメントだけいただきたい、こういうことでございます。
○愛知国務大臣 三木長官の発言、これも今御指摘のとおり昭和四十八年の御発言であり、国の対策が講じられまして間もなくのころであり、その当時は認定患者もまだそんなに多くなかったのではないか、国の対応もまだ十分進んでなかったのではないか、このように推測されるわけでございますが、そういう段階での御発言であり、また、先ほども申し上げましたが、現在損害賠償責任を問う裁判が起こされているという状況での環境庁長官の発言ということになりますと、おのずと、そうでない状況とはニュアンスが変わってくるということもぜひ御理解をいただきたいところでございます。
○倉田委員 私は石原元長官、北川前長官のコメントについてもお伺いをしたいわけですけれども、何か同じような答えしか返ってこない気がいたしますので、ちょっと質問の視点を変えたいと思います。 午前中長官は、水俣病は公害の原点である、環境行政の重要な課題である、早期解決を目指すべきである、このような御答弁がございました。訴訟が起こされている状況であるかどうか、そのことは別として、水俣病という問題がある、それを早期に解決しなければいけない、これは長官も御発言なさっているとおりでございます。 そこでお伺いをいたしますけれども、歴代長官の御発言がある、責任というものをその長官の発言の中で確かに認めておられる、この責任というものをどのように考えておられるのか。今までの歴代長官の発言というものは、その背後にある環境庁の姿勢というものは、訴訟が起こされた途端に変わってしまうのかどうか、環境庁の解決に対する姿勢に変化はないのか。どうか、その点をお伺いいたします。
○柳沢政府委員 歴代大臣の御発言についての御質問でございますけれども、環境庁としても、当然のことでございますけれども早期解決に向けて努力すべきものと考えており、今日まで最大限の努力を払ってまいったところでございます。 そのために行政施策として所要の対策を進めていくこと、これが環境行政としての職員というふうに考えているところでございまして、歴代大臣もこのような御趣旨に立って御発言されたものというふうに理解しているところでございます。
○倉田委員 聞いていて非常にわかりにくいのです。私が聞いているのは、歴代長官が御発言なさっていること、そして環境行政というのが、水俣病が起こってから以来、訴訟が起こされて、ずっとあるわけです。それぞれ折々についていろいろな発言がある。責任というものも確かに認めていらっしゃる。そういうものについて変化があるのですか、ないのですか、こういうふうに聞いているのです。
○愛知国務大臣 今御引用になりました、先ほど私が、公害の原点であるこの水俣病の問題、早期解決は環境行政としてどうしてもやらなければならないことだという認識に関しまして北、別に変わっておりません。そのための施策として、行政措置として最大の努力をしよう、こういうことで対応していると申し上げたわけでございますが、早期解決を図らなければならないという認識に関しましてはいささかも変わっておりません。
○倉田委員 早期解決を図らなければいけない、これはいささかも変わってない、こういうことでございます。 そこで、では早期解決するためにはどのような方法があるのか。先ほど長官の御答弁では、それは行政施策として解決すべきである、このような御答弁であったと思います。なぜその和解のテーブルに着くことができないのか。 昨年の九月以来、裁判所で相次いで勧告が出されました。その時点、環境庁のコメントとしては、現時点においては和解に応じられない。これはまとめて言うと、いわゆる水俣病の病像論それから国の法的責任について、原告主張との隔たりが大き過ぎて和解の合意がとても得られないので、だから和解のテーブルに着けないのだ、こういうコメントであったと思いますが、それで間遣いないですか。間違いないかどうか、その点だけで結構です。
○柳沢政府委員 まず訴訟におきましては……(倉田委員「間違いないかどうかということで結構です」と呼ぶ)かしこまりました。ちょっと二、三前提につきまして御説明させていただきたいと思います。 訴訟におきましては、認定されてない方々が、水俣病による被害を受けたとして国に損害賠償を求めておられるところでございます。これに対しまして、国には賠償責任がないということ、国の水俣病の判断条件は適切なものであるということを主張しているところでございます。 このように、訴訟に関しましては当事者間の主張が余りに隔たっておる。また、この問題は、究極的には、何らかの損失が生じたとした場合にどこまで国民全体の負担によりそれを補てんすべきかという、行政としてゆるがせにできない重要な問題でございます。 こういうような国の行政のあり方の根幹にかかわる問題につきまして、裁判所の判決をいただいた上で判断していくべきものと考えているところがその理由でございます。
○倉田委員 きょうは法務省にもおいでいただいておりますので、法務省にちょっとお伺いいたします。 一般論として、和解ということはどういうことなのか、簡潔に御説明をいただきたいと思います。
○都築説明員 釈迦に説法で恐縮でございますが、訴訟上の和解とは係属している訴訟の解決手段の一つであり、判決と異なりまして、あくまでも当事者双方が任意の意思に基づいた合意により、その合意を基礎に置いて訴訟を終了させるものでございます。
○倉田委員 いわゆる福岡高裁の所見でございますけれども、つい最近、八月七日、九月十一日、福岡高裁から所見が示されました。この所見ですが、法務省、これは送達されていると思うのですけれども、正規に入手されておられますか。送達を受けておられますか。
○都築説明員 正式に入手いたしております。
○倉田委員 厚生省にもおいでいただいておりますので、環境庁、厚生省、この所見ですけれども、それぞれ入手しておられますか。どういう形で入手をしておられるわけですか。厚生省、環境庁にお答えいただきたい。
○柳沢政府委員 環境庁といたしましては、八月の七日及び九月の十一日に福岡高裁から示された所見につきましては、先ほど法務省がお答えになられましたけれども、法務省を通じまして環境庁も入手しているところでございます。
○織田説明員 厚生省といたしましても、同様に法務省を通じて入手しております。
○倉田委員 そこで八月七日の所見についてお伺いをいたしますけれども、いわゆるこの八月所見の中で「和解救済上の水俣病」、こういう考え方が述べられております。この点について環境庁は先ほど、いわゆる病像論としては中間的な基準を求めて判断すべき性質のものではない、このような御答弁があったと思います。 そこで環境庁には、なぜ中間的な基準を求めて判断すべき性質のものではないというふうにお考えになられるのか。法務省、厚生省に関しては、このいわゆる「和解救済上の水俣病」というものについてどのようにお考えなのか、お聞きをしたいと思います。
○柳沢政府委員 裁判所が意図するところの「和解救済上の水俣病」という概念でございますけれども、これと、私ども環境庁が所掌しております公健法の認定制度との関係につきましては、当然私どもは和解協議の当事者でないわけでございますから何とも申し上げられないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、水俣病の判断につきまして、医学的な根拠を離れて交渉等により中間的な基準を設けられるものではないというふうに考えておるところでございます。したがって、公健法の認定制度とは別に、国が当事者となって何らかの別の水俣病といった基準をつくることは、政策としての一貫性を欠くので考えられないというふうに考えているところでございます。
○都築説明員 先生はっとに御承知のことと思いますが、国の参加していない和解手続の中で裁判所が言及した概念でありますし、具体的に進行している訴訟手続に関することでありますので、見解は差し控えさせていただきたいと思います。 ただ、所見を読む限りでの一般論を申し上げますと、法的責任を問われている水俣病とは区別して用いられているのではないかと思われます。
○倉田委員 それでは、いわゆる九月十一日の所見についてお伺いをいたします。 九月十一日の福岡高裁の所見というのは、いわゆる解決責任というものを書いてあるわけでございます。この解決責任について、もう一度お聞きいたしましょう。法務省、環境庁、厚生省、それぞれお答えをいただきたいと思います。
○柳沢政府委員 水俣病の発生に関します国の国家賠償法上の責任につきましては、当時の状況において最大限の対策を講じており、損害賠償責任はないものというふうに考えているところでございます。 なお、国といたしましては、今後とも県と一体となりまして、水俣病患者の認定業務の促進に努めていくとともに、残された問題の早期解決を図るために総合的な対策につきまして取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○都築説明員 先ほどと同趣旨で答弁を差し控えさせていただきたいと思いますが、ただ、所見を読む限りでの一般論を申し上げますと、国の法的責任の有無については判決によるのが正論であるとしておりますので、解決責任とは、国の行政上の責務を意味しているのではないかと思われます。
○織田説明員 水俣病につきましては、国としてその早期解決に向けて努力する必要があることは、厚生省としても認識しております。 これまで厚生省といたしましては、水俣病に関する関係閣僚会議のメンバーの一員として、従来から環境庁の依頼を受けて、検診医の派遣等の業務を行ってきたところであり、今後とも環境庁の施策に協力し、水俣病患者の方々の早期救済に努めたいと考えております。
○倉田委員 先ほど私、和解ということを法務省にお聞きいたしましたけれども、非常に正確な定義のとおりお答えをいただいたわけですけれども、和解ということを言ったときに、双方が歩み寄って解決をするものである、こういうことにも一つのポイントが置かれているのだろうと思うのです。 当初、昨年の七月の段階でなお原告主張との隔たりが大きいということの根拠の中として、いわゆる病像論と責任論があったのだと私は思います。その病像論と責任論それぞれ双方について、このたび福岡高裁の所見が示された。この前提に立った上でもなお主張の隔たりが大きいというふうに考えられます。和解というものが双方歩み寄るものであるとすれば、例えば、もし和解のテーブルに著かれて原告側でもあるいは国側でも譲歩してきたら、その主張の隔たりというのは埋められるのではないか、こういうふうに考えるわけですけれども、この点、環境庁いかがでございますか。
○柳沢政府委員 水俣病訴訟におきます争点につきまして、原告側主張との隔たりは大きく、これにつきまして合意を得ることが困難であることは言うまでもございませんが、そもそも水俣病訴訟に関す名園の見解、これは昨年の十月に発表したものでございますけれども、ここで述べられているように、国の責任の有無につきましては、原告側との間で妥協を図ることのできる性質の問題ではないというふうに考えているところでございます。 また、水俣病であるか否かの判断につきましても、先ほども申し上げましたけれども、医学的根拠を離れて当事者間の交渉等により中間的な基準を設け得るといった性質のものではないというふうに考えているところでございます。 これらの訴訟で争われているような、法に基づく国の行政のあり方の根幹にかかわる紛争の究極的な解決は、判決という形でなされるべきものと考えており、裁判所の公正な判断ができるだけ速やかに出されることを期待しているところでございます。
○倉田委員 早急な解決を望んでいらっしゃる。しかし、その早急な解決というのは行政的な施策である、こういうふうにお答えになるわけですけれども、私は今、水俣病という問題に関して訴訟になっている、この訴訟を解決しなければやはり解決はあり得ないんではないか、こういうふうに思うわけです。 例えば東京地裁は、もう既に一昨年の十二月に第一陣六十五人は結審をしてずっと判決は延ばされているわけですね。国が和解のテーブルに着くことを待っているというふうにしか私には考えられない。また、今回の福岡高裁も、いわゆる係争中の原告らに対する救済をどうすべきか、この問題を残して全体的な解決はあり得ない、こういうふうに言われているわけであります。 前北川環境庁長官でございますけれども、政治というものは生きとし生けるものすべてのもののために行わなければならない。現実に水俣病で苦しんでおられる方々がいっぱいいらっしゃる。生きているうちに救済をしてほしい。しかし、現状は既に東京訴訟だけでも高齢化と病状悪化で三十九人が死亡されておられる、こういう状況にあるわけです。施策だけで解決できるのかどうか。これは午前中も引用されましたけれども、海部首相の予算委員会での見解で、なおいろいろと考えていきたい、こういう御発言もございました。 私は、少なくとも環境庁は、また環境庁長官は、福岡高裁が示されたこの二つの所見というものは真剣に検討すべきであるし、また、今状況はまさに和解の機運というのはこの機会である、こういう世論が巻き起こっていると思うのです。政治的決断が求められている状況だ、こう思うわけでありますけれども、長官いかがでございますか。福岡高裁の所見あるいは海部首相の、いろいろ考えていきたい、訴訟係争中の人たちを救済することなくして水俣病は解決し得ないんだ、このことに対しての長官のお考えを求めたいと思います。
○愛知国務大臣 ただいままでいろいろと事務局からお答えを申してまいったのでございますが、私からもこの責任の問題につきましては、これはこの水俣病問題に限らず、いわゆる行政のあり方ということになるわけでありまして、国民の活動を行政がどこまで規制するのが適切かという行政のあり方の根幹にかかわる問題でございますので、ここで仮に、この和解という形に応じるようなことになりますと、これは一環境行政だけの話ではなくて、その波及するところが非常に大きい、こういうような判断でございまして、こういう問題の性質上、話し合いによって妥協を図ることができない、こういうことという認識のもとに私ども対応しているわけでございます。 また、病像論につきましても、これは医学界の定説を踏まえてこの判断基準というものをつくったわけでございまして、これまた妥協によって、交渉によって中間的な基準を設けるということはなかなかできない、こういう理解でございまして、残念ながら今までの答弁を超えた答弁を私からもできないわけでございますが、しかし、私として申し上げたいのは、先ほども申し上げておりますけれども、総合的な対策、早く、早期に解決しなきゃならないということで、早期、総合的な対策を今立案中でございまして、平成四年度の予算の要求の中で可能な限り予算措置も講じまして、何とか早期解決に向かって大きく踏み出していきたい、こういうことで今鋭意努力しているところでございます。 ぜひ、こういう行政措置としての対策、具体的に近いうちにお示しすることもできますし、それをごらんいただいて、私どものこの問題に対する取り組み方をひとつ御理解いただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。
○倉田委員 国の行政の根本にかかわる問題だから和解の席には着けないんだ、これでは、国の行政の根本にかかわる問題だから結局そこは譲れないんだ、こうおっしゃっている。一方では、早期解決をしなければいけないとおっしゃっている。早期解決をするためには、この訴訟の問題を解決しなければ早期解決はあり得ないんだということもわかっていらっしゃるはずだと思うんです。私は、本当に今こそ政治的な決断が求められておる、こういう状況であろうかと思います。ぜひ長官に政治的決断をしていただいて、和解の席に着いていただいて、国民的世論、あるいはこれは多くの議員り方々が一致しておられるところだと思うんですけれども、本当に水俣病、早期に解決をしていただきたい、こうお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○小杉委員長 御苦労さまでした。 寺前巖君。
○寺前委員 今、水俣の話をとっくりと聞かせてもらいましたけれども、公式に発見されてからでももう三十五年もたっている。これ、いつまで裁判でもって事を決着させようというのか。私は、そういう態度というのは無責任だ、会社側も、それから当たり前のことですが、県でもちゃんと和解のテーブルに着いてやろうじゃないかと言っているのに、訴訟を引き続きやっていこうなんという態度は異常というのか、こんな不幸な話はないと私はつくづく思うわけです。新しく大臣になられたんですから、私は、新しい気持ちでぜひこの問題に取り組んでほしいんだ。今もお話を聞いている限り、国としての救済を可能な限りやってきた、こういうことをおっしゃっていましたし、行政のかかわり方に関係する問題だからなかなか難しいんだという態度を表明しておられました。私は、もうこういう態度をぶち破ってもらわないと、何のために政治があるんじゃろうかなということをつくづく感ずるのですよ。 私、きょうは私自身も疑問に思うことが幾つかあるんですけれども、端的な例で、ひとつきょうは、国のかかわり方はどうだったんだろうかということを聞いてみたいと思う。 かつて熊本県が食品衛生法を適用しようとした昭和三十二年の九月、厚生省から、それは待った、証拠が認められないと言って抑えられた時期ありますよ。それは別としても、その後、この水俣病の問題に関係するいろいろな事象がありました。少なくとも昭和三十四年になると、あの暮れの段階では、もう政府の関係部局の間でも、これは何とかしなかったらえらいことになるという声が出ておったということを軽視することはできないと私は思うんです。 ちょっと聞きますけれども、昭和三十四年十月三十一日、厚生省の公衆衛生局長が通産省企業局長に対して、「工場排水に対する最も適切な処置を至急講ずるよう」求めるという文書が出ておるのですが、それは事実に反しますか、事実ですか。
○中田説明員 厚生省から通産省にそのような通知があったということは承知しております。
○寺前委員 事実と言うたんやな、今。私はちょっと耳が遠いさかいな。事実。 こう書いてある。その文章の一端を読むと、「水俣病は、水俣湾近辺の一定水域において漁獲された魚介類を摂取することに起因して発病するものであること。 二 右の魚介類中の有毒物質はおおむね有機水銀化合物と考えられること。の二点が明らかにされるに到っている。」だから、不安になってきて、当時水質二法なるものができて、十二月に工場排水規制法の施行に伴い、特定施設成案なるものをずっと施行法で決めてい、こうという過程の段階において、厚生省が通産省の企業局長に、これが原因で大変なことになるよという通知を出してますのや、大臣。連絡を入れてますのやで。 もう一つあるのや、その時期に。水産庁長官が経済企画庁調整局長、今これを引き継いで環境庁になっておるわけですが、「公共用水域の水質の保全に関する法律に基づく指定水域の指定に関する要望について」という文書がある。これは事実ですか、事実と違いますか。これは環境庁ですな。
○眞鍋政府委員 お答えいたします。 事実でございます。
○寺前委員 その文書を見ると、「水俣湾水域を「公共用水域の水質の保全に関する法律」に基づく指定水域として指定し、水質基準を設定して、湾内の水質の保全をはかること」こう書いてある。いずれにしても、水俣病というのはこの地域についてはちゃんとしなかったらあきまへんよということが書かれているのです。 さて、これは昭和三十四年ですよ。水質二法ができて、指定水域にしてどうこうという対処をやった時期というのはいつですか。これはだれが御答弁になりますか。 〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕
○眞鍋政府委員 四十三年でございます。
○寺前委員 事は三十四年。水質の指定をやったのが四十何年。その間役所の中だって、こうやって手を打ってくれという要求をしている。やらなかった責任というのは国の機関の責任じゃありませんか。大臣、不可思議なことやと思いませんか。あのときにもしもやっていたらどれだけ被害が少なくて済むか。これでも和解の席に者かしていただけないのだろうか。率直に大臣の気持ちを聞きたいと思います。
○片岡委員長代理 水質保全局長。
○寺前委員 ちょっと待ってくれよ。委員長、そんなもの、気持ちを聞きたいと言うのに横から出てくるという話があるか。大臣の答弁をいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 その間がない時間がだったということは事実でございまして、何ゆえにそれだけの期間がたってしまったかということについては、ちょっとその当時のことを私十分勉強いたしておりませんので、コメントすることができません。お許しをいただきたいと思います。
○寺前委員 それはそうだろうと思うのです。大臣だって、これだけの期間放置されておったのは、何かなかったらできないわなと不思議に思うのは当たり前ですよ。実際上はチッソの会社の仕事が終わるまで放置されておったというのが客観的な事実なんですよ。これがまた不幸をもたらす大きな理由になっているんです。 私、違う角度から通産省に聞きたいと思うのです。当時、昭和三十四年十二月四日、化学工業日報という、この分野における専門紙がありますよ。「特定施設成案まとまる」という一面トップの記事がある。「化学工業関係の特定施設は次のようなものである」として、約四十施設を列記。この中には、当時チッソ水俣工場など全国八工場にあったアセチレン水和法によるアセトアルデヒド製造施設も含まれて、これを抑えよう、特定施設として製造をやめるようにこれを指定しようとした。これは新聞に載っている。 ところが、実際に工場排水規制法に基づく特定施設を決めた施行令が十二月の二十八日に公布になるわけだけれども、公布の段階になってくるとこれが消えてしまっている。明らかにその分野の専門紙の中で、化学工業日報で、規制をしなければいけないその業種として指定までしている、その施設として指定までしている。そこまで話題になってきた。話題になっていたものを突然、しばらくたったら、公式の見解が出る段階になったらそれが消えてしまう。さあ、この間何があったんだろう。この十年ほどの間に不幸が物すごい広がっているのに、また関係省庁から意見が出ているのに、その時期に通産省は、事前にそういうものとして検討が始まっているのに消えてしまうという結果が生まれている。何で消えてしまったんだろう。通産省、御説明いただきたい。
○中田説明員 当時の一部の業界紙におきましては、御指摘のように工場排水規制法に基づく特定施設につきまして、通産省の案といたしましてこれにアセトアルデヒド製造施設を含むとの報道がなされたということは承知しております。 ただ、昭和三十四年当時には、水質保全法に基づきます不知火海水域におきます指定水域の指定及び水質基準の設定がなされていなかったわけでありまして、工場排水規制法に基づく規制を行う状況にはなかったということを考えてみますと、アセトアルデヒド製造施設を特定施設に指定して工場排水規制法上の規制対象として検討するということは、当時としては考えられないというふうに思うわけであります。
○寺前委員 もう今さら何をかいわんやですよ。関係各省が、責任ある分野、熊本県からもちゃんと指定せいという意見が出ている。出ているのに消してしまう理由は何もないじゃないですか。どこに理由がありますのや。だれが聞いたってわかりませんで、そんな話。あんたら、よう月給もろとるな、私に言わしたら。恥ずかしいと思わへんか、そんなこと平気で言うたら。そうでしょう。今になって、しまったということすらここで答弁できないような態度なんというのは、まともな人間の言うことと違いますよ。たくさんの人が死んでいっているのに、いまだに泣いているのに。そうでしょうが。どなっておったって始まらぬ。 大臣、素直にもう一度見直してくださいよ。こんなもの、三十五年公式発表からなってきておるのや。これいつまでもまた裁判で続けさせようなんて気持ち、続きますか。もう原因は私の方にあると会社は言う。県も迷惑かけたなと言って和解のテーブルに着いている。国は、その当時私らの内部にもこういう意見がありまして、こういうふうに整理しなけりゃならぬと思いながら、結局するずる引きずり込まれて、会社が仕事を、その点でやめるまで続けさせて悪かったな、今から遅いけれども和解のテーブルに者かしていただいて、責任とらしてもらいますわな、私はそう言ってこそ政治家のとるべき態度だろうと思うのですよ。今ここですぐ言えといったって、恐らくさっきからの答弁の整合性があって云々ということになるかしらぬけれども、少なくとも素直にもう一度見直していただきたいという要求にはこたえてほしいと思います。大臣、いかがですか。 〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕
○小杉委員長 柳沢環境保健部長。
○寺前委員 こら、ちょっと待て。委員長、私はそんな技術論を聞いておるんではないんだから。大臣の所見を聞いておるんだから60小杉委員長 ちょっと待って。先に答弁させてから、また後から。
○柳沢政府委員 先生御指摘のこの訴訟の問題についてでございますけれども、国には損害賠償責任がないということ、それから、国の水俣病の判断条件は適切なものであるということを主張してきているところでございます。 この問題は究極的には、何らかの損失が生じたとした場合にどこまで国民全体の負担によりそれを補てんすべきかという、行政としてゆるがせにできない重要な問題でございますし、このような国の行政のあり方の根幹にかかわる問題につきまして、交渉等により妥協を図るという性質のものではなく、訴訟については裁判所の判決をいただいた上で判断していくべきものというふうに考えているところでございます。したがいまして、昨年、関係閣僚会議に御報告いたしました水俣病訴訟に関する国の見解として、和解勧告に応じることは困難であるという見解をまとめたところでございますけれども、この見解につきまして変更する状況にはないというふうに考えているところでございます。 なお、水俣病問題は環境行政の重要課題でございます。国としてもその早期解決に向けて努力していくことは当然のことと認識しているのはもちろんでございますし、このような行政上の課題の実現を図るに当たりましては、訴訟当事者の立場で原告のみを対象として対応していくことは適切ではなく、あくまでも行政施策として応じていくべきものというふうに考えているところでございます。
○愛知国務大臣 先ほども御指摘がございましたが、この水俣病問題の早期解決のために政治的決 断が必要ではないか、こういうことでございますが、訴訟に関しまして、これは非常に高度な法律論という側面でございますので、私は、その中で政治的決断をするという要素は非常に少ない、むしろ政治的決断を要する部分だとすれば、いわゆる総合対策を講ずる際にその内容等について政治的決断をするという必要性が出てくる場面はあろうかと思いますが、むしろそういう場面で大いなる政治的な決断なり行動をとっていくのが政治家としての道ではなかろうか、このように考えます。
○寺前委員 やってきたことに対して反省ができなかったら、将来に対する責任もとれませんわ。そういう意味で事実が突きつけられているんでしょう、私は今さっき説明しましたけれども。ああ、あのときにああすればよかったということすら責任を回避するようなことで、本当に国民のための政治などと言えるやろか。だれだってそう思いますよ。私はそういう態度をもう一度改めてほしい、改めさせることができるのが大臣のお仕事だろうと思いますので、改めて大臣にそのことを要求しておきたいと思います。 残念ですが、もう時間がないのであれなんですが、せっかくの機会ですから、これまた私、気になることがあるんです。公害防止事業団、八七年の事業団法の改正で、国立・国定公園の一部地域に観光客などが集中して公害問題が生じないように、この利用者集中を分散すべく他の地域に新たに公園施設を建設する事業、こういうのを導入された。私は気になったのは、何という橋ですか、四国と岡山のところを結ぶ橋のところに、あそこに鷲羽山という有名な景色のいいところがある。それとの関係でここへお客さんが来るのが多くなったから別なところに、国立公園の中だけれども、公害事業団がこの八七年度の事業団法の改正に基づいてホテルをつくる、こういう事業を公害防止事業団がやろうということで今動いているのです。 橋がつきますと、それは一時的には全部見に行きます。それからいろいろな催し物もやりますさかい。だけれども、一年たち、二年たち、三年たってきたら、そのお客さんの数はまた減ってくる。ところが、ふえたということを理由にしてこちらのいい景色のところにまた、王子が岳というところに公害事業団がわざわざホテルをつくってやろう、こういうことが起こっているんです。ところが、そこへ今度またホテルをつくるというんだけれども、ホテルに限りません、いろいろな施設をつくるわけだけれども、だれがやるんだといったら、公害事業団がつくって後は第三セクターにお任せするんだ。第三セクターというのは一体何やといったら、ここにあるところの、玉野市というんですか、あそこにあるのは。そこの市が一割の負担をするんです。玉野市が一〇%出資で、あとは王子が岳観光開発株式会社といって、下電グループと言われているんですね、第三セクターか知らぬけれども、実際はそこの会社が経営するというバトンタッチになっていく。わかりやすく言えば、そこの圧倒的土地を持っているところの会社のために低利でもってホテルをつくってやって、そこへ渡してやろうということになるんです。このつくろうというところはどうかというと、遊水池があり、湿地帯があり、ハッチョウトンボなど豊かな自然が息づいておる。そんなところを気安う、気安う開発していいのかなと思います。 ところが、またここで、はたと大きな問題に直面した。普通民間会社がこういうところへ開発しようということになったら、国立・国定公園内の建設というのはなかなかそう簡単に許可をおろしてくれない。法律の十七条に基づいてなかなか厳しい規制を受けるのですね。「国立公園内における各種行為に関する審査指針」というのがちゃんとあるのです。それに基づいたらどういうことになるかというと、自然環境を保全する立場から、湿原等植生復元の困難な地域、野生動植物の生息地、地形、地質が特異である地域などは許可せず、許可する場合でも、建築物の高さは十三メートル以下、二千平米以内というなど、なかなか厳しいのです。そう簡単につくらさぬ。私はそのくらいまでしなかったならば、今日どんどん山が切られていく状況のもとですから、これはそうや、私も同感やと思って見ておった。ところが、何のことはない、公害事業団がやるということになったら、この十七条に基づかないところの、指針の対象から除外されて、それで認可事業として公害事業団が仕事をするのです。 そうするとどういうことになってくるかというと、審査指針の対象から除外されて十四条の所定になってくると、瀬戸内海国立公園管理事務所長が、「王子が岳渋川集団施設地区 宿舎事業の取扱方針」というのがあって、それを見ると、何のことはない、物すごい立派な施設をつくることが可能になってくるのです。これでいくと、それまでは十七条の場合だったら許可がおりても十三メートル以下、二千平米以内。となっておったのが、高さ二十六・五メートル、建築面積三千四百平米と広がってくる。同じ地域を、大事にしよう、自然保護の観点から湿地帯、ここはあきませんで、あそこはあきませんでと規制をやっていって、それでつくる建物も十三メートルの高さの、これだけの面積の範囲内ですよといってやっておった。ところが、公害防止事業団がやると言ったら、途端に高さがぶわっと、その地域全体がぶわっと、やってよろしい。そしてそれが、その後公害防止事業団が経営するわけじゃない。第三セクターというところへ持っていく。第三セクターという名前だけであって、一割のあれをつける。一割しか玉野市長は発言権ない。それで観光会社にだあんと使われていってしまう。何のことはない、公害防止事業団が自然破壊のために一役買っていきましょうというやり方になっている。こんな不合理な話はないんと違いますやろか、大臣。これ、見直しをやってもらう必要あるのと違いますか。 自然保護の観点をあくまでも貫いていくということは、相手が公害防止事業団であろうとどこであろうと同じことだと私は思うんですよ。そうやって公害防止事業団が民間会社の欲望を満たすための露払いの役割をするなどということは許されることだろうか。大臣、そう思いまへんか。——もうたまらぬようになって立ってくるけれども、何もあんたに言ってるんじゃない、大臣にその見解を聞きたいだけなんです。
○小杉委員長 まず事実関係を。
○伊藤(卓)政府委員 御質問の中にいろいろ事実関係に関することがありますので、私の方からまず御説明させていただきます。 まず、公害防止事業団の事業として御指摘の、瀬戸内海国立公園の中でございますが、王子が岳渋川集団施設地区に事業団事業を行っておるということは確かでございます。さらに、事業団が行う国立・国定公園施設建設譲渡事業という形で、先生御指摘のような利用者の過度集中分散の目的で始めだということも事実でございます。特に、この王子が岳につきましては、これも御指摘の鷲羽山地区の利用者の増加に伴う交通渋滞あるいは大気汚染等の公害状況を勘案いたしまして、その一部を王子が岳地区に誘導をし、利用分散を図ろうということでございます。 数の問題についてでございますけれども、確かに鷲羽山地区の利用が五十年代の終わりから急増いたしまして、橋の開適時点でピークに達したということは言えますが、さらにその後の状況につきましては、瀬戸内海全体の状況から見ましても増加傾向にある、今後とも余暇の増大等に伴いまして利用が増加するということで、鷲羽山地区の利用分散効果というのは非常に意味があるというふうに考えております。 中でも御指摘の事業についての我々の判断でございますけれども、先生は自然公園法の十七条の規定と公園事業とめ関連に触れられたわけでございますが、自然公園はそもそもすぐれた自然の風景地の保護と利用の増進を図るということで指定されておりまして、特に利用の面につきましては、公園計画に基づきまして園地などの基幹施設を公共で整備する、宿舎等のいわゆる利用施設につきましては民間事業者にもやらせるという前提に立ちまして、公園事業の執行認可という形でこの公園計画の推進というのを図ろうと考えておるわけでございます。 十七条の関係をお引きでございますけれども、十七条というのは、風致景観の保護という観点から特別地域等を指定いたしまして、ここでいわば原則として認めないという公用制限を解除していくという形の規定でございます。したがいまして、これは全国共通の考え方で審査指針を示して判断をしようという形にしてあるわけでございますが、一方公園事業の場合は、先ほどから申し上げておりますように公園の利用ということも頭に置いておりますので、それぞれの公園の設定目的を達するためにむしろ必要だと思われる施設、公益性の高い施設、こういったものにつきまして、その公園事業の適否の判断を個々の地区ごとに行っていく、もちろん自然環境への影響を十分考慮しながら行っていくということでございまして、特に甘くやっておるというわけではございません。 二十六・五メートルという宿舎の高さを一例としてお出しになりましたけれども、この集団施設地区につきましては、これも先生が御指摘されましたようなこの地区における取扱方針というものを定めておりまして、これに沿ったものになっております。具体的に言いますと、王子が岳稜線部とかあるいは海上等の主要展望地点から見ましても、施設の規模、デザイン等を考慮し、風致景観に与える影響は少ない、また収容能力も公園利用の観点から適正だというふうに考えてこの計画を認めたところでございます。 なお、第三セクター云々というお話でございますが、この宿舎事業等の利用施設については、私どもとしては民間事業者あるいはそれが第三セクターという形もあり得るわけですけれども、そういったものを含めて、この管理能力、事業能力がある限りはこれを認めるという形でございまして、何も民間だからだめだという考え方には立っておりません。 なお、本件の施設については、湿地の話とか生物保護の話がございますが、遊水地は保全するとか水辺の環境を守る考え方は十分配慮なされておるというふうに考えておるところでございます。
○小杉委員長 そろそろ時間でございます。
○寺前委員 このすぐ隣にある倉敷の地域なんですが、そこの自然を守る会の人々が公害防止事業団に対して問題提起をしているのですよ。あなたたちこういうのをおつくりになる。地上七階地下二階、客室百三室、収容人員三百九十九名。十七条の適用でいった場合にはでけんところにまでどんどんおつくりになる。一体何でそんな大きな規模のものをやらんならんねやという質問ですよ。 そうしたら公害防止事業団の答弁は何かというと、事業費の償還のためには採算性からして規模の縮小はできないんだ、こうなんです。事業費の償還のためや、そんなん局長が言っておる話は、高尚な話と違いまんねや。もっとざっくばらんに、金がかかりまんねや、だから償還するためにはここまで客室つくらしてもらわなかったらやっていけまへんのや、こう言うとるんや。自然環境もくそもあったものじゃないのや。そういうときに役所が、環境庁が、十七条であろうと十四条であろうと自然環境、景観を保護するためには、そんな償還をおっしゃるのだったらこれはもうできまへんなというくらいの話がでけんで、どうして自然環境を守れますのや。私は情けのうてしゃあないわ、こういう話を聞くにつけて。 だから十四条、十七条の適用問題というのは、やっぱり客観的に規制をしようという姿勢があったんだから、この姿勢をあくまでも貫いてほしい。公害防止事業団が本当にその基本の姿勢に立つようにさしてこそ環境庁の値打ちがあるというものだと思う。私は、こういう問題について大臣にお願いしたいと思う。もうこれは陳情や。ぜひ、せっかく従来守ろうとしてきた態度を、公害防止事業団だからといって、それはまた第三セクターという名前に隠れて、結局は民間の事業欲に自然環境が破壊されていくようなことにならないようにもう一度見直していただきたいということを問題提起して、終わりたいと思います。 大臣、ちょっと一言だけ。
○愛知国務大臣 自然公園におきまして事業団が事業を行う以上は、他の事業者がやる場合よりも増して、自然保護に万全を期すのは当然のことであると思います。 環境庁としましては、今後とも十分指導してまいりたい、このように考えます。
○寺前委員 どうもありがとうございました。
○小杉委員長 次回は、来る二十七日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十九分散会