予算委員会 第18号
- 発言数
- 561 件
- 登壇者
- 52 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1991/04/10
会議録
○委員長(平井卓志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 この際、御報告いたします。 本委員会は、平成三年度総予算三案につきまして、内閣委員会外十四委員会にその審査を委嘱いたしておりましたが、各委員長からそれぞれ審査概要について報告書が提出されました。 つきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平井卓志君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 なお、このほか、報告書は別途印刷して委員の皆様に配付することといたします。 ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、平成三年度総予算三案の締めくくり総括質疑に関する理事会決定事項について御報告いたします。 締めくくり総括質疑は、一・五日間分とすること、質疑割り当て時間の総計は百三十六分とし、各会派への割り当て時間は、日本社会党・護憲共同七十四分、公明党・国民会議二十三分、日本共産党、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合それぞれ十一分、参院クラブ六分とすること、質疑順位についてはお手元に配付いたしておりますとおりとすること、以上でございます。 ただいま御報告いたしました理事会決定のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平井卓志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(平井卓志君) 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算、平成三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 これより締めくくり総括質疑に入ります。佐藤三吾君。
○佐藤三吾君 きょうは予算委員会が最終日でございまして、総理を初め各閣僚の皆さんにはお疲れでしょうけれども、ひとつしばらくおつき合いいただきたいと思います。 さて、総理、予算委員会の合間を縫って日米首脳会議であるとか東京都知事選であるとか、大変御苦労だと思います。日米首脳会議につきましては後ほどまた質問させていただきたいと思いますが、来週はゴルバチョフ大統領もお見えになる。日ソの懸案の問題を含めて、これから隣の国としての友好親善を深める意味でも極めて国民の期待は大きいと思うんですが、総理の基本的な姿勢といいますか、対応といいますか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 来週の日ソ首脳会議に臨む基本的な心構えというものは、今回のゴルバチョフ大統領の来日を日ソ関係を抜本的に改善していく突破口にしたいというのが率直な願いでございます。そして、日ソ間にまだ平和条約が締結されておらないということ、それは、国交回復になりました共同宣言のときにこれらの問題について、北方四島の問題についてのいろいろな両国の話し合いがあったんですが、その結末がついていないという不自然な状態が続いております。 私は、ゴルバチョフ大統領の掲げておるペレストロイカの正しい方向性は認めておりますし、同時に、それが成功するようにいろいろな角度から日本も協力をしていきたいと考えております。そういった本当の意味の友好信頼関係を確立するためには避けて通れないのが領土問題と平和条約の問題でありますから、日本の立場というものを率直に誠意を込めて話して、両国関係を質的に転換させていろいろな幅広い交流ができるようにしたい。無原則な政経分離はしない、こういう原則で臨んでいきたいと思っております。
○佐藤三吾君 ソビエトと我が国の関係は不幸な関係が長く続いてきたということからともすると予断と偏見になるかもわかりませんが、ソビエトとの関係の中で幾つかそういう事例もございましたけれども、しかし今はもうまさに新しい時代に入ろうとしておるわけですから、今おっしゃったように、今までの対応にこだわっておるんじゃなくて、むしろ新しい時代にふさわしい関係を確立する。いろいろな妨害があると思いますけれども、それをひとつ決意を持ってやっていくということが大事だと思うんです。昨日衆参両院でそういった意味での院の決議もございましたけれども、ひとつそれを踏まえてぜひやってほしい。いかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) おっしゃるように、現時点に立って二十一世紀を見据えますと、アジアの平和と安定のためにも、また世界のためにも、隣国ソ連と日本との安定的な信頼関係の樹立というものは避けて通れない重大な問題だと思っております。私は、過去の行きがかりというよりも、日本には日本の立場、ソ連にはソ連の主張がきょうまではあったんですが、それを一遍虚心にお互い共通のテーブルの上で話し合って、納得のいくような前進をしていく基礎をつくっていきたい、こう思います。
○佐藤三吾君 ひとつぜひそこら辺はお願いしておきたいというふうに思います。 そこで、今国会で湾岸問題を中心にして我が国の国際貢献策をめぐる種々な議論がございました。締めくくり総括質問でございますので、こうした質疑を踏まえて幾つかの論点について政府の見解をただしておきたい、かように思います。 まず、国際貢献のあり方について伺っておきたいと思いますが、湾岸危機が発生してからきょうに至るまで政府・自民党の姿勢に一貫していたことは、何とかして湾岸地域に国際貢献のあかしをしたい、そのために自衛隊機を派遣すべきである、こういったことであったと私は思うんです。結果的にはこれまで自衛隊は派遣されていませんが、総理は内心ほっとしておるんじゃないかと思うんですが、今の心境はいかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 国際貢献というものについて、日本にはできることとできないことがきょうまでの日本の政策としてございました。でき得る限りの貢献をしたいというのであらゆる努力をしてきたつもりでございます。 ただ、具体的にお示しになりました問題については、避難民が予想されたほど出なかったということと、それから、出てこられた避難民の人については民間航空機の協力を要請してそれぞれ処置することができたということがございました。私は避難民の数が少なかったということはいいことだと思っておりますし、その意味ではほっとしておりますし、また事前に予想されたような大それた人命被害がなかった、人的な被害がもっともっと多いのではないかという懸念や、戦乱がもっと長引くのじゃないかという予測を超えて適切な時期に終わったということにも、正直言ってよかったなと思っております。 ただ、あの最中に行われた原油の垂れ流しとか油井の炎上とか、それに伴う今後の人間の環境、地球の環境に与える問題等については調査団を派遣したり人を派遣したりしておりますが、まだ先行きどうなるという結果も判明しておりません。こういったことについては日本として積極的にできる限りの貢献をしていかなければならない、こういう考えでおります。
○佐藤三吾君 確かに、予想外に死傷者も少なくて早期に決着したということについては私どももよかったというふうに思っておりますが、しかし総理自身の内心としては、自衛隊が出ていかなかったこと、このことについて私はよかったと思うんですけれども、そこに至るまでの過程で、自衛隊が行かないことで日本が世界の孤児になる、こういう考え方も根強くあったんじゃないか。私はまさか総理がそういうふうに思ってはいないと思いますけれども、その点について総理の認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 率直に申し上げまして、今回の湾岸におけるイラクの行為に対して国連がこれを侵略と認め排除のための共同の武力行使に踏み切ったときに、二十八の国々がそれぞれの国の事情を乗り越えて、それぞれの国の青年男女の犠牲をも乗り越えて、国際社会の大義を守ろうというので参加をして解決したわけであります。日本としては、その平和な安定した秩序の中で今日の繁栄もあるわけでありますし、同時にまた日本が国際社会の一員として世界に占める経済的な地位の大きさ、その影響力というものから考えてもでき得る限りの貢献をすべきだということは、これは私は率直にすべきであると考えました。 したがいまして、自衛隊機の問題にしても、あれは憲法で禁止している武力の行使、武力の威嚇では全くないわけでありまして、非軍事面の人道的な観点に立っての考え方でございましたから、私はあれを、多国籍軍に参加して直接武力行使に加わることのできない、また加わることをしないという日本の政策の基本を諸外国に理解してもらうためにもできる限りの支援をしなければならぬ、こう考えて内閣の責任において対応をしたわけでありますから、不幸にして避難民の人がたくさん出てきて民間航空でさばき切れない状況のときには輸送機がそれらの避難民の人々を本国に送り返すということに協力をするということは、これは日本の許された国際貢献の一つであったと考えておりますし、私は今もその気持ちは変わりございません。
○佐藤三吾君 それは総理が表向きにはよく言っておる言葉ですね。しかし、本心はそうじゃなかったんじゃないですか、本音は。やっぱりブッシュ政権が何としても自衛隊の派遣を求めておる、こういう思い込みの方が先走ったのではないですか。私はそう思っておるんですがね。そうでなければ、政府が、自民党を含めて、あらゆる手段、手練手管を使って自衛隊の派遣を強行しようとしたあの意味が解けないんです。 あなたが日米首脳会議に行って、また後ほど聞きますが、米国の方はむしろ財政支援を評価しておる、こういうことが報道されておりますが、その意味から見ると、自衛隊の派遣というのは何か一方的な思い込みがあり過ぎたんじゃないか、私はこういうふうに思うんですけれども、この点は、総理、首脳会議を通じてどういう御認識ですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 一方的な思い込みとおっしゃいますが、これはだれからも強制されたり要請されたものではなくて、現実に見ておったら、国際機関であるIOMという避難民の移送を担当する機関からこういったときに対応してもらえないかという要請がありましたので、そのことを踏まえ検討をして、日本のできる範囲のことは積極的にやるべきである、こう判断をしたわけであります。したがいまして、そのことが別に日米関係とか、あるいは強制を受けるとかということでもありません。 むしろ、日本としてきょうこの平和で安定した秩序の中で生活をしておるということを、また日本が通商国家である以上貿易関係の秩序というものはきちっとしていなきゃならぬ。世界が平和であればその秩序が守られるが、戦闘行為が行われるということは日本の生存と大きな意味の将来にとっても好ましいことではない。しかし、武力でもってこれに参加をしたり戦闘部隊が多国籍軍に加わるということは、これは政策として、理念として、憲法の判断として、いろいろな立場で総合的に考えても決してやろうとすることではありませんから、許される範囲内のできることは何であろうかと考えたのがあの人道的な措置ということで避難民の輸送の要請にこたえようという決断でございました。 したがいまして、私と佐藤委員との考えは違っておるようでありますけれども、私は少なくともその気持ちでやってまいりました。
○佐藤三吾君 総理は三月二十日の國弘委員への答弁の中で、「国際社会に対して日本が今何が協力できるのか、新しい協力のあり方について、資金だけではなく物だけではなく人の面でもでき得る限りの協力をしなければならぬということを、まさに去年の八月以来そのことがひとときたりとも頭を離れたことはありませんでした。」とこう述べて、その「成案を得るべく鋭意研究、検討をしておる」と、こういう答えをしておるんですが、どのような内容を研究、検討しておるんですか。もう日にちもたっておりますから方向性だけでも示していただきたいし、いつごろ成案を得るのか、それも同時にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 現行法規内と申しますか、今ある制度、仕組みの中でなし得る人の派遣という問題はこれは積極的にすべきだというので、例えば原油の流出状況を調査いたしました結果日本の技術でお役に立つものがあるということがわかりましたから緊急援助隊を既に派遣いたしましたし、また油井炎上の問題は、現場もずっと見てきていただきましたけれども、どう考えてもこれは日本の技術で直ちにできるようなことではない。けれどもそれによって汚染されておる大気の問題については、人間に与える影響がどうであるかということも調査団が出ていって調査をしてまいりまして、それに対応する医師その他の派遣も決定をしたところでございます。 それからもう一つは、国連平和協力法というものの審議をお願いし、それが審議未了、廃案となりましたが三党の合意ができて、あの覚書に従い、新しい国際社会に対する協力は何があるかということを今いろいろな角度から担当に鋭意検討を進めさせております。成案を得たならばこれは直ちに提出して、法律改正の必要なものはまた法律をお願いしなきゃならぬと思いますが、三党の合意の問題についてこれは政党間のお話もいただかなきゃなりませんし、また政府と与党との間での相談もただいま鋭意続けておるところでございます。いかなる形でお金だけではなくて物や人の協力、貢献ができるかということについての検討をしております。
○佐藤三吾君 わかりました。今クルド族救援の問題もございますし、そういった点についてきょうの新聞では五名ほど派遣するということもございましたから、それも一つのあれだと思います。 そこで、国際貢献策をめぐっていろいろ議論してまいりましたが、ここで二つほど私の方から指摘をしておきたいと思うんです。 一つは、そうでないというあなたの御答弁ですけれども、私はどう見てもやっぱりアメリカ一辺倒の姿勢が強過ぎてきたんじゃないかということを感じます。今日の湾岸問題に際して、政府は徹頭徹尾アメリカの意向、そしてアメリカの秩序構築に加担するんじゃないかというぐらいに協力をしてきたじゃないかという感じが私はしますし、そのために多国籍軍に対する多額な財政援助も行ったわけでしょうが、結果はどうであったかといいますと、これはあなたが日米首脳会議へ出席しておわかりのように、最大限の配慮をしたアメリカに国民の不満というのはむしろ残ったんじゃないか、それからブッシュ政権からは冷たく見られておるんじゃないか、これが現実じゃないかというような感じがするんですが、総理はいかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 私は基本的に戦後の日本の外文の基軸の一つは日米関係であって、日米関係というものは極めて大事な二国間関係であると思っております。それは現実にきょうまで日本の安全保障も日本の仕組みも、自由と民主主義と市場経済の価値というもの、そういったものを共有しながら日本はやってまいりました。 日米安全保障条約が昭和三十五年の改定以来、日米の相互協力及び安全保障条約とタイトルが変わったことも、委員御承知のように、安全保障のみならず社会や経済や福祉の条件やあるいは自由というものをお互いに協力していく、そのためにいろいろなことで相互協力をしていく。また、安全保障については日本とアメリカの間には、日本の平和と安全というものはアメリカの保障によって、それが平和の、抑止力になっておった、それがきょうまで現実に続いてきておるということもあります。 そして、世界の大きな歴史の流れが東西対立、対決のころには、そして冷戦構造の時代には日本も西側陣営の一員ということでまいりましたが、今その対立、対決が解けて平和と民主主義と市場経済の価値の方へ、これが世界の普遍的な価値として一つに動きつつあるときでありますから、私は日米関係というものの大切さ、同時にお互いの最も信頼できる信頼関係、そういったものの上に立って日本の社会や制度や自由の仕組みというものを貫いていくことはこれは間違ってはいない、こう考えておりますから、日米首脳会談等においてもそれらの考え方はきちっと言いました。 ただ、何が何でも一辺倒かとよく言われますが、一辺倒ではなくて、昨年最も私どもが意を用いた経済構造協議にしましても、アメリカから大きくくくって六項目の要求、日本からは七項目の注文、そういったものを出し合いながら、お互いに努力をし合いながら双方の不満とかあるいは指摘事項というものは変えるように努力をしていこうというのが日米間の現状認識であります。 アメリカにもいろいろな意見のあることは承知しておりますけれども、ブッシュ大統領との日米首脳会談あるいはクエール副大統領との会談等において、基本的な日米の信頼関係や日米関係の重要性や、将来に向かって日米二国間を超えての、例えば中南米地区の、あるいは中東地区の、あるいはアジア・太平洋地域のそういった問題についても政策協調をし共同して世界のために責任を負っていこうではないか。これは世界で一と二と経済力の大きくなってきた、世界のGNPの四〇%近くを占める二国の責任であり、それは当然同じ価値、心情を有するEC諸国との関係等をもより強化してやっていこうということで意見の一致をしておりますので、私は日米関係というものは今後ともこの信頼関係の上に立って大切にされていくべきものである、こう確信をいたしております。
○佐藤三吾君 そういう総理の考え方なり態度が世界に映らないのか、顔のない日本というこういう評価が非常に多い。 私は第二点として指摘しておきたいと思いますのは、さっきあなたがおっしゃったように、できることとできないことをやっぱり明確にすべきだったと思うんです。そのできることというのは一体何かといえば、これは何といっても平和憲法、これを基準に置いてそうしてきちっと世界に明示すべきだった。そうすればもっとこの問題が世界全体に映っていくんじゃなかったか。それを、どちらかといえばできないこと、してはならないことを何が何でもやろうとした。そこから大きな国内的な混乱も起こったし、諸外国の皆さんから見ると幻想と不安を与えて、日本は一体何を考えておるんだと。私はこれがやはり顔のない日本という印象を世界に植えつけた一番大きな原因じゃないか、そう思っておるんです。 平和憲法を縦から読んでも横から読んでも、国際秩序の形成であれ国際紛争の解決であれ、武力の行使を禁止しておるわけです。それが適切であるか否かはともかく、法治国家である以上、憲法がそう規定している限りはそれを守るのが私は当然でなきゃならぬと思うんです。自衛隊の本質は武力行使であるわけで、さまざまな抜け道を考えるのでなくて、無理な憲法解釈をするのでなくて、できないことはできない、できることはできる、はっきりする必要がある。その一番端的な例としても、私は特例政令などというのは即刻廃止すべきだと。いかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 前半のお考えは、私もその基本に立って行動をしたつもりでありまして、日本の過去の歴史の反省に立っての侵略戦争はしない、武力による威嚇、武力の行使はしない、これは明らかに国民全部で再出発するときに決めた憲法の精神だと思います。 同時に、その憲法には、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求すると書いております。そして、いずれの国も正義と秩序が基調にある平和を希求するのであって、憲法の前文の宣言の中にも、自国のことのみに専念し他国のことを顧みないのはよくない、そして国家の名誉にかけてこのようなことを努力するということがきちっと憲法の精神の中にあります以上、できないことは武力の行使でございます。武力部隊で侵略をしようということはできないことです。できないというよりも、やってはならないことだと私は受けとめております。 けれどもそこのところで、一国平和主義といいますか、できないんだから、やれないんだから何もしないと言っておったのでは、日本は頼りにならない、さあというときに何もできないできないと言って出てこない。正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求すると憲法に書いております以上は、正義と秩序の乱されておる世界の平和に対してはできるだけのことはすべきでないだろうか。二十八に及ぶ国が多国籍軍に参加をしたのは、戦後四十五年たって初めて国連の安保理事会というものが機能したんだと。私は初めて機能したと思うんです。 平和の破壊を指摘して、共同の武力の行使によってでもこれはもとへ戻さなければならぬという国連の決議、精神を受けて二十八の国が参加をしたというこの事実を前にして、日本はそれは憲法上の理念、国民の理念としてしないというならば、その立場について理解を求めるためにもそれなればできる限りのことをしようというので、物資協力や資金協力は世界の期待にこたえなければいけないし、人の派遣もしなきゃならぬし、国連平和協力法を提案しましたときも、武力による威嚇、武力の行使は伴わないということを大前提できちっと法文に書きながら、それ以外のことで可能なことはやはりやるべきである、こう判断をいたしましたが、それは結果はあのとおりでございました。 今、最後に政令の問題にお触れになりましたが、もう二度とここで繰り返しませんが、私も、今の法律の中であの政令をつくることによって国際社会の要請にこたえて避難民の移送をしようと、内閣の責任と判断でこう決意をした政令でございました。これは日本の武力行使を伴わない非軍事面の許される限りの人道的な行為である、こう判断した結果でございました。
○佐藤三吾君 もしあなたが言うようなことがそのままだったら、私はやっぱり中国にしても警戒感は示さなかっただろう。自衛隊は、日本でどう言おうと世界から見ると軍隊です。その軍隊が出ていくということに対する警戒感はアジア諸国は全部持っていますよ。 同時に、防衛大学の生徒がなぜ今度あんなに防衛庁を去ったんですか、軍隊を。彼らの言うことは何か、政治の道具じゃないかとまで言われておる。そのことをもっとあなたは深刻に受けとめなきゃだめですよ。いかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 現実に武力による侵略、侵攻があり、侵略された国は赤ん坊の哺乳器まで取り上げられ毎日何百人と殺されていくという、国家の主権が踏みにじられたという、そのことに対して国際社会が、これは正義に反することだ、これは解放しなければならぬと決めたことであります。 私は、自衛隊が、そのとき多国籍軍に武装部隊を出すということになれば今御指摘の別の視点からの御批判もあるいはあったかもしれません。しかし、武力による威嚇、武力の行使は日本の政策理念としてしないということはきちっとしておるわけでありますから、そしてその点を明確にするためにも、今回の紛争によって周辺国に出てきた避難民の移送に限るということ、同時にそれは当事国の、国際機関の要請があったというのを受けて行うんだということ、これを明確に歯どめをしておるわけでありますから、そしてそれらのことについては諸国にも通告をし、そのような日本がまた昔に戻るのではないかとかそれが力による他国に対する脅威につながるのではないかというような議論には全くならないように、これは責任を持って政府が枠をはめコントロールをした政令をつくった次第でございます。
○佐藤三吾君 なかなか反省ができてないような感じがしますな。まあいいでしょう、時間がございませんから。 そこで、私は国際貢献について三つほど提起しておきたいと思いますが、一つは、私は日本の場合に、紛争の事前の貢献、紛争そのもの、紛争の事後、この三つの段階に分けて対応する必要があるんじゃないか、こういうふうに思っております。 第一段階は紛争の未然防止であって、我が党は既に「国際平和創造活動の強化と国連改革について」と題する委員長談話を発表して、国連事務総長の権限強化、安保理事会の事実調査権の強化、紛争予知機能の確保、国連偵察衛星の常備、情報通信システムの構築、武器取引の監視管理システムの構築、平和保障基金の創設、一連の提起をしておりますが、これは私は、総理は御賛成いただけるんじゃないかと思います。こういった活動を提案していくということが大事じゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(海部俊樹君) 日本の場合に、紛争が現実に起こったりあるいは武力の行使が現実に起こるときに、力でもってそれに参加をしていってお役に立つということはこれは考えられません。したがって、今後は二度と再びあのようなことが起こらないような事前の措置は何かという角度の考えは、これは政府も十分今回の出来事の反省に立って考えておりまして、きょうまでも我が国は武器輸出に対しては三つの原則を踏まえてやってまいりました。同時に、紛争を助長するような武器の移転はしないということも世界に向かって日本の政策として述べてきました。日本ひとりで述べておるのではなくて、これは国連でも、あるいは心ある他の世界の国々でも、テーマとして議論にはされながらなかなか結実していなかった問題でございます。 そこで、今回のことを踏まえてまず具体的な一歩としては、五月に京都で国連の軍縮会議の開催を提唱して、国連からもそれに対する共同行動を取りつけまして、世界の国から多くの人に参加をしてもらい、大量破壊兵器と言われるようなものの拡散の防止、究極的には廃絶に向かって今後どのような努力をしていくべきかという大きなテーマもございます。また、通常兵器については、それぞれの国の自衛権とか武器製造能力のない国の問題とかいろいろあるでしょうけれども、それらをきちっと認め理解しながら、さらにそれを乗り越えて、武器の無節操な移転とか無秩序な移転をしないということを、今度のイラクのあの強大国をつくり上げた事実に対する反省に立って移転の公明性とか明朗性というものを、これこそ国連の場において国際社会の合意の中できちっと明らかにしていくということが将来の防止に対して日本のなし得る今の具体的な第一歩である。 こう考えますから、五月のこの会議をぜひ成功させるように、そこで日本のイニシアチブでそういったようなことを強く訴えるように、また最近は関係閣僚にも各国と会談に臨むときにはこれらの日本の考え方の基本についても説明をいたさせて、今度の国際会議が大きな第一歩になるように努力をしてまいりたいと思っております。これが一つであります。
○佐藤三吾君 今総理も言いましたように、いわゆる紛争そのものに我が国は対応できないという、ここら辺はひとつ明確にする必要があると私は思います。我が党もその点は既に明確にしておるところです。 ところが、今度の場合にはそこら辺が私は不明確じゃなかったかと思う。何か政府自体が、できるような、あるいはするかのような幻想を振りまいたのじゃないか、ここに私は問題があると思いますから、今総理の発言のように、そこら辺はきちっとしていただきたいというふうに思います。同時に、サミット、国連総会、こういった場もございますので、私はそこら辺で総理は今言った態度を明確にすべきじゃないか。いかがでしょう。
○国務大臣(海部俊樹君) 軍事力を行使しなきゃならない、国連も決議して武力の行動をしなければならぬというような間違った状況を決してつくらないように、そういった状況をつくった人には反省を求め、またそういった状況の背景に少なくとも影響力のあった国々も、率直に今度の出来事について今後はどうしたらいいかということを素直に話し合ってみたいと思っています。それがこの五月の京都でやる国際会議のテーマでもありますし、サミットのときにも当然そういったことは議題になってまいります。 日本の考え方というものは、軍事力による紛争を未然に防ぐということに国連もサミット関係国も全力を挙げるべきではないか。そうすることが世界の平和につながりますし、もうちょっと長い物差しでいえば、そういった紛争の火種になっておる問題については、恒久和平のためにそれぞれの地域の国の力がついてくるように、また政治的な不安定要素があったらこれを取り除いていくように、国連や国際社会の場で協調していかなければならない。カンボジア問題なんかに力を入れておりますのもそういった考えに立ってのことでございます。
○佐藤三吾君 そうは言いながら、今私が申し上げたように、例えばイラクに対する経済援助なりさらにまた借金の棒引きなりいろいろやった部分はあるんじゃないかと私は思いますが、今度は第三段階の紛争後の問題についてお尋ねしておきたいと思います。 我が党は既に、国連平和維持活動等に対する協力に関する法律案骨子を発表しておるわけでございますが、既に総理は御承知のことと思いますけれども、国連決議、国連の要請、これに基づいて、具体的には紛争終了後における行政事務、選挙監視、医療活動、被災住民の救援、復旧、物資輸送などこういった点で、平和協力隊員は予備自衛官を含めて自衛官を除いてということを骨子にして出しておるわけでございます。私は、この時点において平和憲法に則した最善の平和維持のための貢献策、こう思うんですけれども、総理の見解を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 重ね絵のように合わせてみますと一部全くそのとおりだということで、本日国連が停戦合意を発表いたしますとクウェートとそしてイラクの間の非武装地帯ができます。そこに停戦監視団が国連から派遣されます。日本からも政務官を派遣するということにほぼ決定をいたしておりますから、そういったものには人も出し、同時に物資も出し、協力もする。またクルド族の問題については、私がクエール副大統領との会談のときに、そういった問題についてもできる限り協力をする、こういった提案をいたしましたが、共同記者会見のときにはアメリカ側からも、それは共同作業として非常にいいことだからぜひやっていこうという話でございますし、物資を供給したりあるいは医療行為に当たってもらったりするように努力をしていきたい。 最初申し上げましたように、ただいまの段階で紛争後の復旧問題についてはでき得る限り積極的に行動をしていく、現にその第一陣、第二陣は着手をしておりますので、どうぞ御理解と御支援をお願いいたします。
○佐藤三吾君 そこで、先ほど出ましたカンボジアの和平に向けての努力ですが、カンボジア和平が実現して国連がPKOを展開する場合、我が国は選挙監視など数百人の規模の要員派遣を要請されるのではないかと見られておるんですが、政府の検討状況はいかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) この間もカンボジアの問題について、最高国民評議会を構成しようというところまではきておりますけれどもまだその先の合意が得られておりませんので、日本政府も積極的にイニシアチブをとって方々にお話をしております。ただ、それができました後でどのような規模でどのようなものが必要になってくるかということはまだ不透明でありますから何とも具体的に申し上げかねますけれども、しかし、おっしゃるように停戦監視とか選挙監視とか、それらの問題についてはこれはきょうまでもしてきた例がございます。当然それは積極的にやっていきたいと考えております。
○佐藤三吾君 今お話しございましたいわゆる膠着状態になっておる常任理事国の包括和平案、この問題について何か日本では独自の案を用意して関係国に説明をしておると聞くんですが、この案の内容はどういう内容なのか、関係国の反応はどうなのか。
○国務大臣(海部俊樹君) 日本独自の案というよりも、今膠着状態になっておるその後の治安維持の問題であるとか警察力の問題であるとか、あるいは構成メンバーの数の問題は大体片づいたと思っておりますけれども、詳細がそれ以上御必要でしたら担当局長から答弁いたさせます。
○国務大臣(中山太郎君) 今の国連安保理の常任理事国がまとめました和平案なるものも、カンボジアの四派にそれぞれ提示をされております。しかし、この四派の中で現在のヘン・サムリン政権のフン・セン首相が主宰する政府は、このままをのむことについて一つの不安を感じております。それは、いわゆるかつての大量虐殺、これを防ぐための問題がどうなるのか、こういうことで一つの問題がある。それから停戦後のいわゆるSNCですか、最高国民評議会を構成した場合の臨時行政府の行政監視の問題がございまして、これに国連が携わる、関与するという補強案を、このフン・セングループがのむために補強する案を実は日本案としてP5の案にプラスアルファをしたわけであります。 ところが、片一方の三派の中でシアヌーク派あるいはソン・サン派、これはこれで了承しておりますけれども、一番強力な軍隊を持っていると言われるクメール・ルージュはこの補強案をのまないで、全く原則どおりのP5の案しかのまないと、こういう対立状態にございます。 そこで、先般私、北京におきましてシアヌーク殿下と二時間ばかり会談をいたしまして、ぜひクメール・ルージュに対して、ソン・サン派が安心してこのP5の案をのめるような一つの日本の補強案についてよく話し合う機会をつくってもらいたい、こういう依頼を私はシアヌーク殿下にいたしたわけであります。そしてシアヌーク殿下は、四月十五日の北朝鮮の金日成主席の誕生日に自分はピョンヤンに行くので、ピョンヤンでクメール・ルージュの代表者を招いて、日本からはタイにおります今川公使を呼んで、自分がこのクメール・ルージュとの話し合いの場をつくる努力をすると、こういうお話がございました。今そういう段階にあるということを御理解いただきたいと思います。
○佐藤三吾君 この日本の独自案に対して、報道によりますとアメリカは批判をしておる、相談なしにやったということで。ソビエトの方はおおむね賛成しておると、こういう報道がされておるんですけれども、私はやっぱりこういう問題でアメリカの牽制によって後退するようなことがあったのではいけないんじゃないかと思うんですが、アメリカの批判しておる中身は何なのか、それに対してきちんとした独自案を持って今後とも貫いていくという決意を持っているのか、ここら辺、ひとつ総理の決意を含めてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) アメリカが批判をしておるというようなお話でございますけれども、我々はアジアの国家として、昨年の六月にカンボジア四派を東京に招いて、タイの政府と一緒にこの和平のための協力をするということをやっておりまして、こういう四派とのつながりを現在日本政府も持っておりますし、先般北京において開催されましたシアヌーク、ソン・サン、それからクメール・ルージュの三派の協議に、タイから日本政府の今川公使がわざわざ呼ばれて参加をしております。 そういう中で、やはり我々の国としてできるだけのことはこのアジアの平和のためにもやっていかなければならない、これが日本の方針でございまして、そういう意味で、この方針を変えていくという考えは現在のところございません。
○佐藤三吾君 わかりました。 そこで、貢献問題で最後に総理にお伺いしてみたいと思いますが、新聞報道でございますけれども、総理はこの国会が終わって五月に東南アジアを訪問なさる。御案内のとおりに、東南アジア諸国というのは湾岸戦争に協力をしながら最も被害を受けておる国々です、今総理が行こうとしている国々は。七十億ドルの被害があったとも言われておりますね。こういった点について、私はやはり先ほどの貢献策の一環としても、訪問に当たってはぜひそこら辺を含めて対応なさることが大事じゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(海部俊樹君) 従来アジアの一員という立場で、またアジアの国々にそれなりの日本の貢献をしなければならぬということで、二国間あるいは国際機関を通じての援助、協力をしてまいりましたが、今回、特に御指摘の湾岸におけるいろいろな問題の影響を受けたアジアの国々の首脳とは私は率直に話し合って、それらの国々の要請を踏まえながら、日本としてはアジアに対する協力を引き続き積極的に行っていく決意をいたしております。
○佐藤三吾君 そこで、総理の今回の訪米に当たって二、三聞いておきたいと思います。 アメリカのPBSテレビのインタビューに答えて総理は日米関係について、「新しい世界秩序の枠組みの中で、正義に反する者を力で排除する警察の役割は米国しか果たせない。日本は米国と合わせて世界のGNPの四割を占めており、協調して世界の安定と繁栄に役割を果たしたい」と、こう述べておりますね。これは四月五日の朝日新聞に出ておりましたが、総理はこのような発言を事実したのかどうなのか、本当に米国は世界の警察の役割を果たすべきだと考えているのかどうか、この点をお聞きしたい。
○国務大臣(海部俊樹君) 一時間近くにわたってのテレビのインタビューでありまして、その中でそのようなことに話題が及んだのはそのとおりでございます。そして、日米が世界の問題についてグローバルパートナーシップで、政策共同で協調行為をやっていこうと、こういうことであります。 私はそのときに、力が必要となる警察行動というようなものは日本は幾ら協調してやろうと言われてもできないから、それは今回の中東におけるクウェート解放の問題でもアメリカが先頭に立つてイニシアチブを発揮して行ったことは事実でありますし、またそれは評価しますけれども、それを日本が一緒になってやっていくことはできないから、警察行動のようなことは、それはもう軍事力の行動を含むということを私は概念にとらえて申し上げたんですが、それはできません、だからそれはアメリカに任せておかなきゃならぬ。 けれども、日本としては世界のGNPの第二位であり、一四%であり、アメリカと合わせると四〇%近いということでありますから、そういう経済協力とか環境問題であるとか技術協力であるとか、そういったような問題については、自分の国とアメリカのことだけを考えないで、例えば東欧の民主化についてもアジアとその地域の平和と安定についても、いろいろな面で今後協調して協力をしていく用意があるということを申し上げた、その中の一節がまさにおっしゃったようなことでございます。
○佐藤三吾君 今言った発言が事実のようでございますが、それはかつて言われた米ソによる平和、パックス・ルッソ・アメリカーナ、それから後、一極主導の米国による平和、パックスアメリカーナ、こういうふうに総理の頭の中が変わったにすぎないんじゃないか。 言うならば、冷戦終結を言いながら総理の思考様式は依然として冷戦構造と、こういうふうに受けとめるんですが、私は米国のみが世界の警察の役割を果たしていると考えるこの裏には、やはり米国だけが強大であればとの本心があるんじゃないかというような感じがします。そのことが日本外交を米国一辺倒というふうに見られるそういうことになるんじゃないか。私はこの行動をやっぱりこの際捨て去って新しい発想に立つことが必要であり、それが総理としての今後の進むべき方向じゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(海部俊樹君) 世界が現実に理想世界ではなく、サダム・フセインのような力による横暴な侵略者がおるというこの現実を踏まえて物を言いますときに、みんながみんなの気持ちに反することはやめろよと、こう口で言うだけでは、結局やられた方はどうなってしまうのかという深刻な疑問も率直にございます。 同時にまた、正義と秩序を基調とする国際平和の中で、やっぱり人間が生きていく社会にも国が生きていく国際社会にも守るべき最低限のルールというものはつくっておきませんと、強いだけが力だというジャングルのおきてになってはいけないということは私もそう思っておるし、当のアメリカ自身もそう思っておることであります。だからこそ、国連の場が多くの国々の合意の中で国際社会の意向、国際社会のルールというものをつくり上げてき、それが初めて機能し始めたということに私は大きな価値を見出しておるわけでありまして、米ソの対立が終わったから今度は一極でひとりだけ力があればいいなんという発想ではこれはございません。 ただ、申し上げたように、一時間以上にわたってそういう番組をしましたときに、じゃここにこういう問題があるからこの次のときは日本も一緒にいこうよと期待をされたり、もしそういう角度のインタビューとなっては、私としては、テレビにも映っておるわけでありますから、私のできない範囲、また今回のこの事実によって、アメリカが果断に行動した行為、アメリカの今回果断なあのような行為がなかったらどうなっておったかということは、想像はそれぞれでありますけれども、私は肌寒いものを感じます。ですから、そうして守られる国際秩序というものの中で今後再び起こらないようにするためにどうすればいいかという基本的な考え方の中で述べたわけでございます。
○佐藤三吾君 一時間の中での表現ということを強調なさいますが、そうでなければ結構です。そこら辺が一番大事な点ですから、今後ひとつぜひきちっとしてほしいと思って申し上げたわけです。 そこで、四十五回の国連総会で中山外務大臣が、国際情勢は歴史的な分水嶺にあるという認識を示して国連の活性化を歓迎して、変動の時代に国連が中心的な役割を果たすことへの期待を述べておりますね。今国会でも総理を初め国連に対する期待感が述べられたわけだが、中山大臣は三月二十日の國弘質問に対して、国連が新しい時代に向かってどのように動いていくのかということについて日本は一つの方向性を示したい、こういう御答弁をなさったわけですが、その方向性とはどういう点を指しておるのか明らかにしてもらいたい。
○国務大臣(中山太郎君) 先般の國弘委員の御質問に対しましてお答えいたしました私どもの考え方といたしまして、政府としては平和のための協力として国連の平和維持活動に対する協力を従来行ってきましたけれども、これからは、国際の平和と安全が脅かされようとしている事態に対して早い段階での安全保障理事会による事実調査、監視員派遣及び事務総長による何らかの介入、紛争予防の努力等の体制を整備することが紛争の悪化を阻止する手段として重要であり、紛争の未然防止の分野で国連の機能強化に日本としても他の加盟国とともに努力をしたい、こういう考えでございます。
○佐藤三吾君 今の外務大臣の方向については結構だと私は思います。ただ、国連重視が、今度の湾岸危機に対する対応のように、何か国連協力というのが実は米国への協力になってしまう、こういう印象を与えた、これは紛れもない事実だと思いますから、そこら辺が私は気にかかっておるわけです。ポスト冷戦時代にはそうでなくて、国連での活動と貢献の領域を広げていくとともに、独自の価値と理念に裏づけられた言動を示すことが大事である。我が国の参加は国際社会の構築に欠かせないことを証明することでなければならないと思います。 戦後の日本は、考えてみれば柔軟でしたたかな軽武装国家としての道を歩んできておるわけですが、それだけに国際間の信頼醸成措置と軍縮を強力に進めるという資格を日本は持っておると私は思うんですね。また、日本の科学技術は軍縮における新しい検証技術の開発と導入に役立つはずだと思うんです。そうした局面で新しい日本の個性と存在価値を鮮明に打ち出していくことが大事じゃなかろうか、こう思うので、そこら辺についていかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 日本国の憲法は、武力による威嚇または武力の行使によって国際紛争を解決する手段を選ばない、こういうことが原則でございますが、一九五六年に締結された日ソ共同宣言の中にもそのような考え方が文章として明示をされております。また、日本とアメリカとの安全保障条約にも国連憲章のそういうことがきちっと明記をされておりまして、私どもは、国連が共同の利益を守る以外は紛争の解決に武力の威嚇及び武力の行使をしないという、この国連憲章の原則が日本の外交の基本的な考え方であるということをぜひ御理解しておいていただきたいと思います。 私は、なお国連のこれからの機能強化について、さきに委員からも御指摘ございましたように、国連の偵察衛星を打ち上げてそれによって国際的な緊張状態を察知する、それによって未然防止の努力をするといったような考え方も、日本政府としての科学技術で協力をするという考え方からすれば、国連がさらに機能を強化していく段階においては十分考えられる貴重な考え方であろうと考えております。
○佐藤三吾君 そこで、日米首脳会議についてお聞きしておきたいと思います。 会談の中で米問題が大統領から要求があって議論をした。総理はこれにどう対応なさっておるのか、その真相を明らかにしてください。
○国務大臣(海部俊樹君) 日米首脳会談で日米二国間の経済問題というものを全体として話し合いました。最初に出てきた前半の議題は主としてSIIのその後のフォロー状態についてでありましたが、ウルグアイ・ラウンドの問題に移ったときに、ウルグアイ・ラウンド全体を成功させなければならぬということ、その中で米問題は、日本の米の市場についてアメリカも参入したいという気持ちを強く持っておるんだということの発言もございました。 私の方からは、米の問題については従来申し上げておりますように今ガットのウルグアイ・ラウンドで話が進んでおることであり、同時に、日本とヨーロッパの国とアメリカと、特に農業問題に関しては根本的に違うところがございます。そのことを改めてもう一回申し上げておくと言って、日本が食糧の最大の輸入国であるということ、同時に食糧の自給率がカロリーベースで最近また下がって四八%、これは輸入がふえてくるからそうなるわけでありますが、最低の状況であって、食糧の安全保障というものに配慮をしていかなければならないという国論があること。 同時に、そういった立場は前回のサミットのときも私は強く主張して、サミットの農業に関する共同宣言の中で食糧安全保障論を配慮した枠組みの中で食糧問題は議論されるべきであるということも合意しておるわけでありますから、日本はウルグアイ・ラウンドを壊そうという気持ちは毛頭ありません、これは成功させなきゃならぬけれども、日本の置かれておる立場や原則というものも主張させてもらう。そして、アメリカもウエーバー条項を持っていらっしゃる、ECには可変課徴金やあるいは補助金の問題等があることは御承知のとおりでございます。これらの難しい問題を率直に話し合う中で共通の認識を得ながら解決に向かって努力をしようという基本的な立場でいるんだと、こういうこの基本を説明いたしました。そういうことです。
○佐藤三吾君 言葉は美しいんですが、私は報道で判断するしかないんですが、ウルグアイ・ラウンドの成功のために両国協力の合意が確立された、そのために日本の米自由化に政治決断を迫られる、こういう報道になっておるわけですね。そこら辺がすっきりしないので聞いておるわけですから、ひとつもっと正直に言ってくださいよ。
○国務大臣(海部俊樹君) 正直に申し上げておるんですけれども、日本には日本の立場があって、アメリカからこんなに買っているじゃないかというようなこと等も全部言い、また、今日本は減反もやっておりますし、それから農業補助金の制度というものについては、これは日本は関係ないと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、ECとアメリカもそれぞれ自分たちだって難しい問題があるんだから、それらをどのように解決していくかということをまさにガット・ウルグアイ・ラウンドで話をし、話をしながらそれがまだ妥結に至っていないという今日の状況の中で、やっぱり食糧安全保障の立場、原則というものを踏まえて、日本は原則として国内産で自給することをもって国内の米づくりをやっているんだという日本の基本原則等も私は日本の立場をきちっと説明して、しかし、ガットというのは十五項目に及ぶ広い全体の自由貿易体制の枠組みをつくる話し合いでありますから、その中で各国が共通に努力をし合って認識をして成功に持っていこう。これをぶち壊して管理貿易へ戻してしまったらこれは非常に厳しいのではないか。 ただ、日本の立場は、アメリカのようにカロリーベースで百二十何%も自給率のある国とは違うんですから、そういう国の言う立場、主張というものもこれはガット・ウルグアイ・ラウンドの場でするけれども、これはわかってほしいということ等、日本の立場を十分に説明をしたわけでありまして、日米首脳会談は米の合意を求めての首脳会談ではございませんでしたので、ガット・ウルグアイ・ラウンドの場でECも含めて難しい十五の問題全部について成功させるように努力をしよう、その努力はしましょうということで合意をしてきたわけであります。
○佐藤三吾君 この問題は、今あなたがおっしゃったようにECが非常にかたい。だから日本を先兵にしてそれを何とか崩したいというのがアメリカの主張でもありましょう。そういう意味で合意ができたというふうに報道されておるわけでありますけれども、これは国会でも決議されておりますね。この国会決議を先越しするようなことはやらないと、これはよろしいですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 米は国内産で自給するというのを原則としております、それは国会の決議の趣旨等を踏まえてそのような行動をしておりますということを、私は私の考えの中に持っております。
○佐藤三吾君 九十億ドルの使途の問題について若干確認しておきたいと思います。 総理は当初、輸送、医療、食糧、生活、事務関連等に充てると説明しておったわけでございますが、その後「等」をやめて通信、建設関連を加えて六分野を明記したと。これは三月十四日、衆議院でやっていますね。使途を変更もしくは追加して明確にしたわけだが、なぜ後から通信、建設が加わったのですか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 今先生が言及されましたときに総理から御説明ございましたけれども、この六分野にするということは湾岸平和基金の運営委員会で決定したものでございます。
○佐藤三吾君 その六分野の内容を具体的に説明してください。また、それぞれの分野ごとの使用枠は幾らですか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 運営委員会におきましてはまさにこの六分野を対象とするということが決定されておりまして、この六分野の具体的な内容に関しましては、まさにこの六分野ということ以上は決めておりません。 それから、先生御質問の一兆一千七百億円の具体的な支出でございますけれども、現在までのところアメリカとイギリスに対しまして支出が行われておりまして、アメリカに対しましては全体で一兆七百九十億円、これは対象分野はまさにこの六分野全体を対象にしております。それからイギリスにつきましては三百九十億円でございますが、これは対象分野はこの六分野の一つであります輸送関連ということになっております。
○佐藤三吾君 アメリカの分野はどうなっていますか。
○政府委員(松浦晃一郎君) アメリカにつきましては今申し上げたとおりでございまして、まさにこの六分野全体を対象にしております。
○佐藤三吾君 分野ごとの内訳はどうなんですか。
○政府委員(松浦晃一郎君) アメリカに対しましては、先ほど申し上げましたこの一兆七百九十億円をこの六分野を対象として支出するということを運営委員会で決めておりまして、具体的にそれぞれの分野別に幾らということは運営委員会で決めていないと承知しております。
○佐藤三吾君 何かこう木で鼻をくくったような答弁をするんですが、いつ決めるのですか。
○政府委員(松浦晃一郎君) これは私が申し上げましたのは、まさに運営委員会におきまして今先生御指摘のこの六分野を対象に日本の拠出金を充てるということを決めているというのが第一点でございます。 それから第二点といたしましては、アメリカとの関係におきましては、アメリカはまさにこの六分野を対象として要請書を出してまいりました。したがいまして、この六分野全体に対しまして一兆七百九十億円を支出したということでございます。 それから、さらに申し上げれば、運営委員会はまさにこの運営委員会の決定に従って、アメリカを含めてでございますけれども、各国に対する支出がこの分野に使用されるということを確保する義務を負っております。 それから、さらに申し上げれば、アメリカは具体的な支出に関しまして追って運営委員会に報告するという義務を負っております。現在のところはまだ、支出は行われましたけれども報告は参っておりません。
○佐藤三吾君 総理、こういうことで金を出すんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 最初の六分野に広げたというのは、当初、事務関連、輸送関連等と言っておりましたので、「など」がはっきりしないといけない。武器弾薬の購入には充てないと、こう言っておった以上はっきりしようというので、通信、建設関連ということにして「など」のかわりにこれを入れて明確にしたということと、同時に、それについて後は、国会で予算を通していただきましたのでこれを拠出して、この六分野に充てられるように湾岸平和基金の運営委員会で関係諸国の希望等も聞きながらきちっと配分する。 大宗は米国向けになることは何回も答弁してきたとおりでございますけれども、ほかのところにもこの六分野の中においての分配が行っておる、このように受けとめております。
○佐藤三吾君 これは国民の血税ですから、やっぱり六分野なら六分野のどの分野にどうだということをきちんと押さえて、そしてそれについてはまたきちんと報告をいただくという前提でしないと、まさに今どなたか後ろで言っておったように料亭のツケみたいな感覚では私はいかがかと思いますよ。あれだけ国会で議論になったことをその程度しか受けとめていないんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 使途問題については、平和回復のために拠出をするということで国会の御議論の中でいろいろございました。したがいまして、当初私どもはいろいろ議論しておりましたが、明確にしておいた方がいいというので六分野をきちっと区切って、これ以上のものにはいけない、国会で議論のあった武器弾薬の購入には充てないということをきちっと明確にしたつもりでございます。それはまとめ買いをしたそのツケを払うような、そんな考え方では決してございません。
○佐藤三吾君 私が言っておるのは、六分野なら六分野で、通信で何ぼ、建設で何ぼときちっとして出すべきじゃないのですか。そういうあいまいなものですか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 今先生から御指摘の点に関しましては、総理も申されましたけれども、私どもはまさに国会での議論を踏まえましてこの運営委員会におきまして日本の代表に対応してもらったつもりでございます。具体的には、まさにこの具体的な使途を輸送関連、医療関連、食糧、生活関連、事務関連等ということで御説明をしてまいりましたし、今総理が申されましたように、「等」ということでははっきりしないということで通信関連、建設関連をつけ加えさせていただきまして、そのかわり「等」を落としましてまさに六分野であるということをはっきりさせましてこの運営委員会で決定をしてもらったわけでございます。 その上で各国からの要請を受け付けているわけでございますけれども、アメリカからはこの六分野全体に対しまして要請が参りまして、それに対しまして、先ほど来御説明申し上げておりますように、この六分野を対象にするということをはっきりさせた上で一兆七百九十億円を支払っているわけでございます。 したがいまして、この分野別を明示すべきではないかという先生のお話がございますけれども、私ども重要なことは、まさにこの六分野を対象にする、さらに申し上げれば、それ以外には充てない、それから総理が今言われましたように、国会でも御議論がございました武器弾薬の購入には充てないということがまさにそこに入ってくるわけでございますけれども、それをしっかり確保することが重要であるということで対応いたしてまいった所存でございます。
○佐藤三吾君 ふざけちゃいかぬよ。これはODAでも皆さんそんな調子でやっておるんですか。投げ捨てみたいに一括でぽんぽんやっておるんですか。こんなばかな出し方がありますか。何に何ぼ、何に何ぼというのをきちんとして出して、その報告を求めるのでしょうが。何たることかね、あなた。そんなばかなことは私は到底容認できない。
○政府委員(松浦晃一郎君) これは国会で総理初め私どもが繰り返し申し上げておりますけれども、今回のいわゆる九十億ドル、これは円で支出しておりますので円で申し上げた方がよろしいと思いますけれども、一兆一千七百億円はこの湾岸の平和回復活動のための日本の貢献ということで国連の安保理の一連の決議を受けて行っておるものでございます。 ちなみに申し上げますけれども、ほかの国、例えばドイツでございますけれども、ドイツは五十五億ドル一切条件をつけないで、具体的な分野等も明示しないで、もう自由にお使いくださいということで直接アメリカに出しております。日本の場合は、従来から御説明申し上げておりますように湾岸平和基金に拠出して、そこで議論をして、それもアメリカのみならずその他の国も対象にいたしまして――従来の十九億ドルに関しましては十三カ国を対象にしております。今のところ二カ国でございますけれども、今後、現にいろんな国からアプローチがございますので対象国はさらにふえるつもりでおります。 しかも、アメリカに関して申し上げれば具体的に六分野というしっかりした限定を付した上で出しておるわけでございまして、ドイツとの比較で申し上げますと、繰り返しですが、ドイツは五十五億ドル一切条件をつけないで現金で出しております。
○佐藤三吾君 これはドイツの例を聞いておるんじゃない。日本は日本として、国会であれだけ議論をした経緯があるんだから、これは私は容認できませんね。 もう一つ、外務大臣に聞いていきます。 五日の角田質問の中で外務大臣は、二十億ドルと同様に関係国の報告を受けて国会に報告する、こういう答弁が出ておりますが、さきに示されたのは各国への配分だけであって、これもその具体的な使途は示されておらないんです。そういう意味では何の意味もないんです。どうして使途の具体的な内容が国会に報告できないのか、私は政府自体が使途内容の報告を受けていないんじゃないかというような気がしてならぬのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 北米局長から答弁をさせていただきます。
○政府委員(松浦晃一郎君) 従来の十九億ドルについて御報告したいと思いますが、これは資金協力それから物資協力、資金協力は具体的には輸送関連経費ということで支出しておりますけれども、これに関しましては、まだ全部ではございませんけれども各国から報告が来ております。ただ、これは非公表ということで来ているわけでございます。 私どもは今考えておりますのは、国会の場を通じまして随時報告をさせていただいておりますし今後も報告してまいりたいと思っておりますけれども、これらの日本の拠出金全体が支出を終了した時点で何らかの形で決算報告を出すことを考えたいと思いまして、今運営委員会で議論をしていきたいと考えているところでございます。このまさに湾岸平和基金の決算報告が出ましたら、これはまたこれできちんと報告させていただきたいと思います。
○佐藤三吾君 総理、三月四日のこの委員会であなたは本岡委員の質問に答えて、九十億ドルが「どのように使われたかということも後日報告を受けることに」、湾岸運営委員会の方から、「なっております。したがいまして、それらについては適切にまた御報告をさせていただきます。」、こういう回答をしておるわけですね。 この発言は、各国の配分額を報告するということじゃなくてどのように使われたかということを明言しておるわけですから、これは具体的にその使途を報告するというふうに私も受け取っておるわけです。そういう意味では、米国に配分した金額の使途だけでなくて、多国籍軍を含めてはっきり使途明細を国会に報告する義務があると思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 拠出いたしました資金は運営委員会を通じてその使途について報告を受けることになっております。そして、拠出国である日本の意図に反して使われないような仕組みになっておるということも私は申し上げてまいりましたので、その報告を受けましたならば適切に国会にできるだけの報告はすべきである、こう考えておりましたので本岡委員に御指摘のような答弁をしたと思います。今もその考えでおります。
○佐藤三吾君 その考えをひとつぜひきちっと守ってほしいと思います。ただ、そういうためにも、さっきの北米局長のような、そういうアメリカだから例外という発想はやめた方がいい。この点はひとつ納得できませんので、お返ししておきたいと思います。 次に移りますが、我が国の貢献の一つとしてODAがございます。最近政府の発言を聞いていますと、武器の輸出入、軍事支出、これはこの明確な因果関係についての問題もございますけれども、規制の措置の一つの材料にしたい、こういう発言がございますが、私は、GNPをベースにして一定割合を超える軍事支出についてはODAの供与を凍結する、こういった原則を明確にした方がいいんじゃないかと思うんですが、これはいかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 去るイラクの行為の反省に立って、未然の予防のために、軍事支出等の多い国に対するODAの問題について政府は今いろいろ検討をしてまいりましたけれども、ちょっと長くなりますが正確にお答えをさせていただきたいと思います。 我が国の政府開発援助は、途上国の貧困、飢餓等の諸問題を見逃し得ないという人道的な考慮及び開発途上国の安定と発展が世界全体の平和と繁栄にとって不可欠という認識、そういう意味において、国際社会の相互依存性の上に立って実施をしてきておるものでありますが、湾岸情勢の一連の動きの中で、開発途上国の軍備のあり方、軍備管理・軍縮に関する国際的努力の一層の推進の必要性等が内外において注目を集めるに至り、これらに関連して我が国援助のあり方についてその基本的な考え方を明らかにすることが重要である、こう考えました。 したがって、今後我が国ODAの実施に当たっては次の四点、開発途上国はみずからの経済社会開発のために自国の資金、人材、その他の資源を適正かつ優先的に配分し活用することが望まれるという観点から、被援助国における軍事支出の動向というものをきちっと検討します。こつ目には、国際社会における核兵器等の大量破壊兵器及びミサイルの不拡散努力を強化するという観点から、被援助国におけるこれらの兵器の開発製造等の動向、三つ目は、国際紛争を助長しないという観点から、被援助国の武器輸出入の動向、四つ目は、被援助国の民主化の促進及び市場志向型経済導入の努力並びに基本的人権及び自由の保障状況といった諸点に対し十分注意を払いながら、二国間関係、被援助国の置かれた安全保障環境も含めた国際情勢、被援助国のニーズ、被援助国の経済社会状況などを総合的に判断して対処していかなければならないと判断しております。
○佐藤三吾君 そこで、外務大臣、あなたは中国に行かれて銭外相とお会いになって、武器輸出規制を要請したということが報道されておりますね。銭外相は、「厳しく自己規制してきた。国連でも突っ込んで検討してもらいたい」、こういうことまで談話として出ておりますが、これはどうなんですか、今総理が言ったような四点に立って、中国が武器輸出を従来どおり続けるならODAの供与を抑制せざるを得ない、こう通告したわけですか。
○国務大臣(中山太郎君) そのようなことは申しておりません。我々日本政府といたしましては、今回のこの湾岸戦争に見られる中近東地域に対するP5の国々からの武器供与が実に八五%に達しているということで、我々は、日本の技術力をもってしては相当近代化の水準の高い兵器を生産する能力を持っておる国にかかわらず、武器輸出三原則で国際平和のために一切武器を輸出していない、これが日本の国是である、そういう立場から考えると、中国に対してもひとつ武器の輸出を自粛してもらいたい、こういうことを要請したわけであります。 〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕 さらに、カンボジア等についても中国の銭外相からは、現在四派に対しては一切兵器の供与はやっていない、こういう御返事がございました。 私は、中国の場合は全体のGNPに対する軍事費の比率がそんなに高くないという観点から、中国には日本の考え方を十分伝えておりますけれども、GNP対比の比率においての中国の軍事費というものはそのような多額な金額には上っておらないために、ODAについては特段に今日これをどうこうするという考え方は持っておりません。
○佐藤三吾君 武器の輸出輸入の規制は、中国やブラジルはどちらかというと輸出、インド、イラクなどは輸入国、こういうことです。したがって、途上国だけを対象にした規制は私は難しいんじゃないかと思う、率直に言って。先進国であれ途上国であれ、地球規模で同時に実施をしていくという基調があってしかるべきじゃないかと思うんです。そうなると、私は国連の五つの常任理事国、これが最大の武器輸出国ですよ、ここに日本がきちっとした今の四点を含めて明確に求めていくということがないと、これはやっぱり口先だけじゃないかと言われても仕方がないじゃないかと思うんです。いかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 核兵器、化学兵器あるいはミサイル等の大量破壊兵器を含め通常兵器に至りましても、日本政府としてはやはり公開性、透明性を高めていくことがこれからの国際社会に必要である。そういうこと国際の武器移転の透明性の確保、届け出制を充実させていくという考え方を強化していきたい、このように考えております。
○佐藤三吾君 同時に、やっぱり日本も世界有数の輸入国ですね。年では、国際連合への届け出制度等を含めて我々の国は今日までアメリカにもそのようなことを言っておりますし、ソ連にも言っております。中国にも言っておる。つまり、各国に対してこういう考え方を主張しながら、国連における平均が二十億ドル、一九八五年から見ると、インド、イラクに次いで日本が第三位の百五億五千四百万ドルという輸入国ですよ。これはやはり世界にその輸出規制を含めて求めていく以上は、みずからも武器輸入を低減させていくということじゃないと私は説得力がない。いかがですか。
○国務大臣(中山太郎君) 日本の武器輸入につきましては、日本の防衛と安全保障の観点から中期防衛計画に基づいて整備をしているわけでございますが、今日我々の国が兵器の輸入をやっておるということ自身は、もしこれを日本の安全のために自国の生産で補うとすればもっとコストの高いものになってくる、こういう論理がございまして、我々は必要最低限の自衛のための兵器を装備する、こういうことで専守防衛に徹しているということも世界ではまれに見る珍しい国家ではないかと考えております。
○佐藤三吾君 それは今期せずして笑いが出たように、世界の皆さんから見ても同じことじゃないですか。やっぱり人に言う以上はきちっとみずからも規制する、,これが私は大事だと思いますから、そこら辺はぜひひとつ真剣に検討してほしいということをつけ加えておきます。 そこで、もう一つお聞きしておきたいと思いますが、ODAの透明性、公開性をいかに確保するかということで堂本委員がこの点について鋭く指摘しておったのですが、なかなかきちんとした答弁になっていないような感じがします。そこで、予算審議の資料として、ODAの年度計画をプロジェクト別に、国別に金額などを提出するよう求めたのでありますが、これがなかなか出てこない。今直ちに無理だとしても、将来的にはこのような資料が国会に提出されて検討されるということは大事だと思うので、総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) ODAの問題についていろいろな御議論のあったことは十分承知いたしておりますし、同時にまた、日本がそのような協力をする以上、やはりその国の発展とその国の民生の向上に役立つものでなければならぬという基本はまさにそのとおりであります。事前の調査とか、いやしくもそこに不正が介在したりとか、あるいは極端な環境破壊が行われたりとかいうようなことのないように十分配慮しながらやってきたつもりでございますけれども、今後とも一層、質問の御趣旨等も踏まえて対応していくように努めます。
○佐藤三吾君 時間が中途半端になりましたから、警察庁長官にお聞きしようと思っておったのですが、これもまた午後の日程にして、一つだけ聞いておきたいと思います。 地方交付税の問題について、五千億の特例減額を行った。この予算編成について、そうしなければできなかったのですか。 〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回の特例減額と申しますものは、もう委員がよく御承知のように国と地方との財政事情、すなわち、平成三年度の国の財政というものが引き続き極めて厳しい状況の中で予算編成が困難な状況にありましたこと、同時に、地方の財政事情を見ますと、地方財政の健全化策を講じながら円滑な地方財政運営のための所要の地方交付税総額を確保いたしましてもなお財源に余裕がありましたことから、こうしたことを勘案してとった措置であります。
○佐藤三吾君 この五千億に加えまして、交付税法附則四条四項に基づく国の隠れ借金総額一兆四千三百五十二億のうち平成三年度加算予定の二千五百四十五億円は平成六年度に、また過去の覚書等に基づく平成三年度加算額五千三百三十二億円もそれぞれ六年度に繰り延べておる。したがって、今年度五千億加えたことによって大幅な隠れ借金が生じたことになる。いかがです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これを隠れ借金と言われますよりも、その数字そのものが今委員が述べられましたようにはっきりといたしておる数字でありまして、隠れ借金という定義の中に入るかどうかということになりますと、私は多少疑問はございます。 ただ、先ほど申し上げましたように非常に厳しい財政状況、すなわち、平成三年度末の公債残高が百六十八兆円を超える見込み、また国債費が歳出予算の二割を超える、そして他の政策的経費を圧迫するといった非常に厳しい状況の中で、平成三年度予算の編成に際しまして、先ほど私率直に申しましたように、国自身の財政が非常に厳しい中で予算編成も困難な状況にありましたことと同時に、地方財政そのものの中におきまして、地方財政の健全化策を講じながら円滑な地方財政運営のために必要な地方交付税の総額を確保いたしましてもなお財源に余裕があった、そうしたところから採用したということであります。
○佐藤三吾君 自治大臣、どうですか。
○国務大臣(吹田愰君) ただいま大蔵大臣から御答弁がありましたが、我々の方といたしましては、こういった健全な財政を進めていくということが本旨でありますし、特に地方自治体の財政の健全化というのは自治省が持つ最も大きな仕事であります。 そういったことから、確かに先生おっしゃるようにこの五千億はどうだという問題でありますが、このうちでも、四千五百二億になりますがこれにつきましては、五十年代に非常に財政の苦しい時代、いわゆる交付税を関係地方公共団体に交付するということにつきまして非常に苦しい時代に財投から受けておったものでありまして、自治省が借り入れておったものであります。これらは相当の大きな金額であったわけでありますが、その残が残っているわけであります。大蔵省が非常に苦しいという現段階においては、これはお互いでありますから、我々の方としてはこれを国に対して、今後大蔵省からさらに財投へ償還してもらうという前提ならいいだろうという前提があるわけであります。 また、その四百九十八億円、これは六十年度の減額補正の際の借入金でありますから、その残が残っておるわけでありますから、これは当然大蔵省にお返ししなきゃならない。また、今日七百五億残っておるわけであります。そのうちでこの程度の償還ということになりますとまだ二百億程度の借入金が我が方は大蔵省に対して残っておる、こういうことになるわけであります。 いずれにしましても、自治省としましては、関係の地方公共団体に対してその実害はございませんものですから、当然この際大蔵省とのお話し合いで前大臣としてこれをなさったことであり、私はそういうふうに承ってもおり引き継いでおりますし、十分責任も持てる体制である、こう思っております。
○佐藤三吾君 双方の意見の違いもあるようですが、もう一つ交付税で聞いておきたいと思いますのは、今ごみの処理問題、廃棄物対策が非常に世論の高い指弾を受けているわけですが、最近の廃棄物の量の推移、これをひとつ厚生省の方から説明してください。
○政府委員(小林康彦君) 市町村が扱っております一般廃棄物、四千八百万トンの発生量でございます。
○佐藤三吾君 ところが、地方交付税のこの関係の積算を見てみますと、約二十年間の推移の中で、標準団体の清掃職員、ごみ収集車の積算数、これらについてどういうふうになっておりますか。
○政府委員(小林実君) 交付税算定の際のごみ収集車の数、それから車一台当たりの乗員数につきましてのお尋ねかと思います。 清掃費におきますごみ収集車両につきましては、昭和六十一年度までは標準団体ベースで二十一台配置してきたところでございます。国会でもこのごみ収集関係につきましては御指摘があったわけでありますが、交付税積算上の委託率が実態と比べまして著しく低いという実態がございまして、昭和六十二年度から、激変を避けながらごみ収集車を直営から委託に振りかえるということによりまして、委託率を実態に近づけてまいりました。したがいまして、現行の収集車両数は標準団体では十八台、こういうふうになってきているわけでありますが、全国的に見た平均車両数として不足した状態となっているものではございません。 また、一台当たりの乗員数につきましてでございますが、昭和五十八年まではごみ収集車一台当たり運転手を含めまして三人の収集職員を配置してきたところでございますが、これも国会で御指摘がございまして、五十八年度に実施いたしました全市町村の実態調査の結果、直営分の一台当たりの平均収集職員数は二・六人ということになっておることが明らかになりました。こういうことから、激変緩和措置を講じながら昭和六十年度以降から二・六人としたものでございまして、実態を反映した人数となっておるわけでございます。交付税上の措置というものは実態を依然として上回っておるということを御理解いただきたいと思うわけでございます。
○佐藤三吾君 もう時間が参りましたから、自治省、それから厚生省にも一言言っておきますが、私の調査によると、標準団体の場合、職員数が五十年代に七十四人あったものが元年度には六十四人になっておるわけです。五十年代七十四人、五十九年度七十人、六十年度六十六人、六十二年度六十三人、六十三年度六十四人、こういうふうになっている。ごみ収集車も、六十一年度までは二十一台であったのが今日では今言ったように十八台になっている。処理施設についても、六十二年度百四十二トンであったのが二年度はほとんど動いていない、百四十六トン、こういう状況になっている。 ごみだけはどんどん出てくる、その処理体制は減少しておる、こういうような実態が今ごみがあふれ出て国民の最大の関心事になってこざるを得ない状況になっているわけですから、この辺はひとつぜひ交付税の算定を含めて再検討すべきときである、こう思うんですが、大臣、ひとつ簡単に答弁いただいて、きょうの午前中は終わりたいと思います。
○国務大臣(吹田愰君) お答えいたします。 お話のとおりでありますが、ただ、先生のお話の一人当たりの問題になりますと、委託と直営とはかなり委託がふえてきておるという事実もございますものですから若干その数字は変わっておりますが、いずれにしましてもごみを収集するということが基本でありますから、きれいな町にするということでなければならぬわけであります。人をふやすということじゃありませんから、そういう意味において、これからごみをいかにきれいに整理するかということにつきましてはこれから交付税等で十分配慮していきたい、こう思っております。
○佐藤三吾君 大臣、認識がちょっと不足しておるようですから、午後もう一つやりましょう。 住宅公団の総裁、本当に申しわけないんですが午後冒頭にやっていただきますので、よろしくお願いします。
○委員長(平井卓志君) 佐藤君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時二分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(平井卓志君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算、平成三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、佐藤三吾君の質疑を行います。佐藤君。
○佐藤三吾君 自治大臣、なかなかあなた、末広亭で勉強しておられるのかもしれないけれども、ふざけは上手なようですね。これは交付税審議がまだ残っておりますから、ひとつ地方行政委員会でゆっくりやりましょう。 そこで、公団の建てかえと家賃の問題について、総裁、大変お待ちいただきましてありがとうございました。 早速ですが、三月二十九日、住宅・都市整備公団から家賃の一斉値上げが建設大臣に申請された。その規模、値上げ幅、その理由についてお願いします。
○参考人(丸山良仁君) お答えいたします。 公団住宅は国の財政援助を伴った施策住宅でありまして、広く国民の財産だと思っております。したがいまして、その家賃につきましても、経済事情の変動に即して定期的かつ的確に見直す必要があると考えております。こういう考え方に立ちまして、賃貸住宅は全体で七十万戸ありますが、今回そのうちの三十六万戸につきまして十月一日から家賃の改定をしたいと考えまして大臣に承認を申請したわけでございます。 改定の仕方はいわゆる公営限度額方式を用いるわけでございますが、これに立地補正を加えまして、なおかつ激変緩和措置として引き上げ額を二分の一にする、さらに絶対額でも限度を設ける、また生活保護世帯等のいわゆる弱者世帯に対しましては特別の減額措置を講ずる、こういう措置を講ずることにいたしております。 なお、増収額の使途につきましては、従来と同様修繕費等に主として使いますが、一部を新規家賃の抑制に使わせていただきたいと考えております。 なお、敷金につきましては、改定後家賃の三カ月分をお願いいたしたいと考えておる次第でございます。 この結果、平均引き上げ額は約三千九百円、一二%になる見込みでございます。
○佐藤三吾君 今まで公団の場合には五年に一回という値上げだったのが、今度三年に一遍なんです。その理由は何かといえば、なだらかな値上げというのが趣旨だったんですが、今度の上げ幅を見ると、五十八年、六十三年と今回を対比すると、一年という単位で見ると一番高いんですね。どういう理由ですか。
○参考人(丸山良仁君) 確かに今おっしゃられましたように、五年を三年に変えたのは値上がり率を低くするためでございます。この値上がりの要素といたしましては土地の値上がりとそれから工事費の値上がりがございますが、土地の値上がりにつきましては、これは固定資産税の評価額を用いるわけでございます。それも今回の値上げにつきましては昭和六十三年の一月一日の固定資産税を用いることにいたしておりますから、その値上がり率は大体八%程度でございます。実際に最近の土地の値上がりは倍以上になっておりますが、固定資産税の評価額を使う関係からこういうことになります。 ただ、工事費につきましては、この三年間に二十数%上がっております。したがいまして、その影響が家賃に出るわけでございまして、それでも値上げ率一二%ということは、この前、五年前の値上げ率が一八%であったものに比べますと、この物価の上がったときにいたしますればそれほど高い値上げではないではないか、こう思っておるわけでございます。
○佐藤三吾君 これは三年前の際にも衆参両院の建設委員会で集中審議をやられた事例があるんですね。今度の場合も地価高騰地価高騰ということでございますが、全然そこでの議論が反映されていない。公団のルールでいきますと地価高騰に伴って引き上げていきますから、今資料をお配りしましたように、年金生活者にとってはこれはたまったものじゃない。幸い今月末に衆参両院で集中審議がやられるという日程が決まりましたからそこでひとつこの問題を集中的にやりたいと思いますけれども、大臣、私はこれはやっぱり慎重な検討が必要だろうし、少なくとも両院の集中審議を受けて、その上でそれをひとつ反映できるような決定をすべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほど公団の総裁から御説明を申し上げました内容で先月の二十九日に建設大臣あてに申請が出ておるわけでございます。まだ受理したばかりでございますから内容を審査する途上にございますけれども、今先生御指摘のように集中審議もあることでございますので、御意見をよく承りました上で対処してまいりたい、このように思います。
○佐藤三吾君 そこで、もう一つの問題は建てかえの問題で、公団の場合に三十年代につくった住宅の建てかえ問題が今起こっておるわけですね。この概要について説明していただきたいと思います。
○参考人(丸山良仁君) 公団は現在七十万戸の賃貸住宅の管理をいたしておりますが、そのうち十七万戸が昭和三十年代に建てられた住宅でございます。これらの住宅は、立地条件は非常にいいところに建っておりますけれども、法定容積率二〇〇%というところに大体容積率六〇%以下というものが大部分でございまして、土地の適正な利用が図られていないわけでございます。また、住宅の規模について見ますると、二DK、三Kが九三%を占めておりまして、その平均面積は三十八平米でございます。さらに、設備そのものも現在のものに比べますと相当劣っておる。 こういう状況にかんがみまして、三十年代に供給いたしました住宅団地につきましては、敷地の適正な利用と居住水準の向上を図るという目的のもとに現在鋭意建てかえを進めているわけでございます。
○佐藤三吾君 建設大臣、今公団から建てかえ問題の説明がございましたが、総理府の調査でも、大都市のサラリーマンで持ち家はもう絶望的になっておる。都知事選でも、一兆円減税よりも良質な公共住宅が欲しいというのが世論としては非常に高かった。そういう意味では、建設省としても今この責任の持ち方というか、受けとめ方というものが非常に大事だと思うのですが、どういう決意ですか。
○国務大臣(大塚雄司君) 既に先生御承知のように、最近の地価高騰あるいは住宅政策を見ながら、一昨年土地基本法が制定されました。土地を有効に使って地価対策に資するということもございまして、公団の三十年代に建てました住宅は、今総裁からお話をしたように、いわゆる古い建築基準法の時代でありますから、高さの制限も三十一メーター以上は建てられないような時代の団地でございます。 やはり入居しておられる従前居住者も大事でありますが、新しい住宅を希望している人たちのためにも住宅政策は進めなきゃいかぬということから、建てかえをすることによって新規の入居者を迎え入れる。しかし、これはあくまでも従前居住者の方々の同意があってできることでございますから、そういう方々に激変にならないように配慮をしながら、そしてまた、特に高齢者の方々や母子家庭等にも配意をしながら建てかえを進めていくということでございまして、あくまでも御理解を賜って、少しでも新しい方に住宅を供給するという目的も達したい、このように考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 私も久米川団地の建てかえ問題で、今もめておるわけでございますが、現地調査に入っていろいろ事情を聞きました。今お手元に資料を差し上げたように、年金生活者の実態を見ると、まさに年金の引き上げ額というのは全部家賃値上げで吸収されているんですね。そういう繰り返しをやってきておる。 そこで、今度の建てかえ問題を見ると、久米川で現行が大体四万程度の家賃ですが、この四万が三倍になる。ところが、それに伴って年金も三倍にはならない。結果的にどうするかといえば、年金生活者は出ていかざるを得ない。三十年住みなれた団地から出るか、さもなくばそこで早く死んでもらうしかない。現に、この問題が起こって一年半、二十九名のお年寄りが亡くなっておる。こういったことが果たして今建設大臣が言うところの対応であろうか、公団総裁の言う対応であろうかと疑問を持たざるを得ない。いかがでしょう。
○参考人(丸山良仁君) 建てかえ事業におきましては、従前から居住されている方々の家賃が急激に上がらないように、初年度六五%減の家賃から始まりまして七年間の減額措置を講じているわけでございます。その上に、生活保護世帯並びに一定の要件に該当する高齢者、母子及び心身障害者世帯につきましては、この減額の家賃の額が住宅扶助限度額を超える場合には、その超える部分につきまして一定期間減額することにいたしておるわけでございます。この減額の期間につきましては、先般先生からもいろいろお話がございまして、五年間でありましたものを十年間に延ばしたわけでございます。 それとあわせまして、国において平成二年度からいわゆるリロケーション住宅というものが受け皿住宅として建てられることになったわけでございまして、したがいましてこの減額措置とリロケーション住宅とを組み合わせてやりますと、大体の方が住宅扶助限度額の範囲内で建てかえ後もその団地にお住みいただけるというように我々は考えておるわけでございます。 それから、どうしてもその団地に住めないという方につきましては、公団の賃貸住宅で現在お住まいになっておるものと同程度の家賃の家をあっせんいたしております。それから、それと同時に平成元年の五月に創設されました公営住宅への優先入居の制度によりまして、その資格のある方につきましては公営住宅にも移っていただく、こういうような措置を講じているわけでございます。 公団といたしましてはできるだけの措置を講じまして、皆様の御了解、御協力を得られるようなことを講じているわけでございます。
○佐藤三吾君 大臣、どうですか。
○国務大臣(大塚雄司君) 先日も建設委員会で先生から御指摘をちょうだいしました。ただいま総裁がお答えをいたしましたように、いわゆるどうしてもという方には公営住宅に優先入居として入っていただくということでございますけれども、その公営住宅が例えば遠いところになるとか、あるいは長年住んだところから離れていかなきゃならぬという方に対してどうするかという御指摘もございました。 このことについては、優先入居というよりは特定入居みたいになるわけでありますので制度上の問題等もいろいろあろうと思いますけれども、お気持ちはよくわかるわけでありますから、例えば建てかえのときに、その中で対処ができるかどうかということも含めて検討をさせていただこうかと、このように考えております。
○佐藤三吾君 三十年前に入った方々は、大体戦争の中でいろいろさまよってそこにやっと住み、ここが死に場所と思って住み着いたところですね。そういう方々がこの建てかえ問題で出ていかなきゃならぬ。現実に、調べてみると、二十カ所の建てかえ団地の中で平均二〇%の人が出ていかざるを得ない。今公団の総裁は、リロケーションで、そうして十年に延長したじゃないかと言うけれども、十年の延長後は七万六千円になる。二倍になる。ですから、結果的に十年のうちに死ねばいいですよ。死ねばいいけれども、死に損なうと出ていかなきゃならない、こういう仕組みになった。 私はやっぱりそこは、年金生活者については年金の引き上げを大蔵大臣が認めて、ここの団地に住んでいる方は三倍に上げましょうというなら別ですよ。そんなことはできっこないんです、厚生大臣も。だったらこの方々に対して、やっぱり年金生活者がおれるようなものを建てかえに際して配慮していくというそういう姿勢があっていいんじゃないかと思うんです。どうですか、総理。
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほどもお答えしましたように、そういう御指摘がありますので、建てかえを進めるに当たってはやはり従前居住者の方々にもちろん御理解をいただくことが大事でございますし、またきめ細かい配慮も必要だと。ただ、今すぐこの段階でこうしますという具体的なお答えはできませんけれども、先生の御趣旨を体してできるだけのことをさせていただきたい、このように考えております。
○佐藤三吾君 わかりました。ひとつ集中審議までにはぜひ答えをいただきたいと思います。総裁、結構です。 次に、障害者問題について御質問申し上げます。 国連障害者の十年も来年が最終年になるわけでございますが、身体障害者の実態を見ますと、確かにこの十年の中で大きく前進した部分もございます。しかし、精神薄弱者、いわゆる知恵おくれの皆さんの実態を見るとほとんど何らなされていないと私は思うんですが、いかがでしょう、厚生省。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 障害者全般にわたりましては、委員御承知のように、ただいま米国でADAの法案が出たりいたしておりまして、我が方もそれを非常に関心を持って見守っておるわけでございます。 一方、障害者の全般の中で、御指摘がございました身体障害者、特に精神の障害をお持ちの方につきましても、全般の政策の中でその対策をきめ細かくやってまいっております。 いろいろな問題につきましては、御承知のように、心身障害者対策基本法をもとといたしまして、またさらに五十七年から障害者対策に関する長期計画というものを計画いたしまして、さらにまた六十二年に後期重点施策を整えまして、それらの問題を含めて対策を進めておる次第でございます。
○佐藤三吾君 労働省はどうですか。
○政府委員(若林之矩君) 精神薄弱者の方々の雇用促進につきましては、きめ細かな職業相談、職業紹介をするということで専門の職員を配置いたしましてその促進に努めてまいっているところでございます。 昭和六十三年に行いました調査によりますと精神薄弱者の常用で雇用されている方は二万二千人でございまして、六十年十月から三年間で入職した精神薄弱者の方が五千三百人ということになっております。六十二年に法律を改正いたしまして精神薄弱者の方も雇用率でカウントの対象といたしまして調整金、報奨金等の対象にいたしているところでございますし、さらに今後におきましてはこういった助成金を有効に活用いたしますとともに、第三セクター方式による能力開発センターがございますが、こういったもので精神薄弱者の方々の雇用促進に一層努めてまいりたいと考えております。
○佐藤三吾君 八九年十一月に「すべての人が明るく暮らせる社会づくり懇談会」、これが開催されて、来年最終年を迎える国連障害者の十年にふさわしい記念事業を検討している、こういうことなんですが、どんな記念事業ですか。
○政府委員(末次彬君) 記念事業といたしまして大きな問題といたしましては、広報、啓発の問題、それから障害者の住みよい町づくりと申しますか、障害者が健常者と同様に社会で生活できるようなモデル的な都市づくりをしたいという構想が出ておりまして、それに基づいて現在検討をしているところでございます。
○佐藤三吾君 この住みよい町づくりというのは、今年度予算で建設大臣のところで五百万計上しているあれですか。
○政府委員(末次彬君) 御提言のございましたのは、障害者の十年を記念いたしましてモデル的なものをということで検討しているところでございます。
○佐藤三吾君 それですか、五百万。
○政府委員(末次彬君) 現在厚生省において検討いたしているところでございます。
○佐藤三吾君 中身はわかりませんか。
○政府委員(末次彬君) 具体的な内容については現在検討中でございまして、もう少し詰めました段階で御報告いたしたいと思っております。
○佐藤三吾君 ここで検討というのは大体やらぬということですわな。まあいいでしょう。 そこで、米国では障害者の日常語にピープルファーストという日本語に訳すと、まず国民だということのようでございますが、障害者である前にまず一人の人間であり米国市民であるという自己主張の言葉であろうと思いますが、我が国ではどうでしょう、市民である前にまず障害者が先にくる場合が多い。両国の理念の違いであると思うんですが、アメリカでは全米障害者法、ADAが上下両院を圧倒的多数で通過して発効しました。厚生省、その特徴を説明してください。
○政府委員(末次彬君) ただいまお尋ねのADA、米国障害者法というふうに訳しておりますが、これは障害の種類を問わず雇用、公共施設の利用、電気通信などの分野におきまして障害に基づく差別を禁止するということを内容といたしまして、昨年七月二十六日発効したというふうに聞いております。
○佐藤三吾君 委員長ね、こういう説明になるわけですよ。 この法律は、障害者とそうでない人の権利は全く平等である、障害者の人権を侵害したり権利を妨げる者は社会から取り除く、障害を理由にした雇用や社会参加の差別を一切禁止する、こういう高らかな宣言なんです。総理の感想はどうですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の米国障害者法という法律は、公共施設の利用とか電気通信などの分野における障害に基づく差別を禁止すること、また雇用においても、いろいろな規定がございますけれども、十五人以上の事業所に対して合理的な理由なくして雇用上の差別を禁ずるというような法律であると私も承知をいたしております。 我が国においてもやはりこの精神は踏まえていかなければならぬ精神でありますが、昭和四十五年に制定された心身障害者対策基本法を柱として障害者対策が進められていかなければなりませんし、またそれに対する、現在中央心身障害者対策協議会においても今後の進め方については御検討を願っておるところでありますが、要するに、このADAなどの精神等も踏まえながら障害者の完全参加と平等、こういう理念の実現を目指して努力をしていかなきゃならぬという考え方でございます。
○佐藤三吾君 この国連障害者の十年を推進した推進本部長は総理です。裏づけとなる予算面についてどうであったのか。厚生省、十四省庁の説明をお願いします。
○政府委員(文田久雄君) お答え申し上げます。 総理府で障害者対策本部の庶務を担当いたしておりまして予算の取りまとめをいたしております関係で、私から御答弁させていただきます。 国際障害者年でございました昭和五十六年度と平成三年度のその障害者対策関係予算について比較して申し上げますと、昭和五十六年度は一兆二千三百五十一億円でございまして、平成三年度案では二兆一千八億円、かようになってございます。この間の伸び率で申し上げますと、平成三年度予算が成立いたしますれば七〇・一%の増、かような状態になっております。
○佐藤三吾君 よく言うね。二兆一千億の中で総務庁の千七百九十六億と厚生省の一兆三千億、これは恩給と年金じゃないんですか。いかがですか。
○政府委員(文田久雄君) お答え申し上げます。 ただいま先生お示しの総務庁の関係の予算は、平成二年度予算で申し上げますと千八百十億三千百万となっております。その後お示しの数字もそのとおりであろうと存じます。
○佐藤三吾君 総理ね、全米障害者法に基づくアメリカの予算は一年間が三十兆円です。今ごらんのように、日本はこの十年間に障害者につけた予算が二兆一千億、そのうち厚生省の一兆三千億と総務庁の千七百九十六億円というのは年金と恩給、実質的には六千億です。あなたは推進本部長としてどういう認識ですか。
○国務大臣(下条進一郎君) 今お尋ねの数字でございますが、内閣から答えたとおりでございますけれども、厚生省の方の身障者関係の予算は、ただいまの年金のほかに約四千億ございます。それで施策を今やっておるわけでございます。
○佐藤三吾君 問題は大蔵大臣にあるんじゃないか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 各省からの要求に私どもは誠実に対処をしてまいりました。
○佐藤三吾君 どうですか、この三十兆円と六千億。
○国務大臣(海部俊樹君) 三十兆円と六千億円はどうだと仰せられても、三十兆円の中身の詳しいことはよく承知しておりませんので、十分私も研究をして参考とさせていただきます。
○佐藤三吾君 国連障害者の十年は来年で終わるわけです。研究する暇はないんです。その点、ひとつ強く申し上げておきます。 そこで、運輸省、国鉄の運賃割引について、精神薄弱者はどうなっておりますか。
○国務大臣(村岡兼造君) 精神薄弱者に対します運賃割引につきましては、かねてより国会請願や地方公共団体の意見書を通じ強い要望をいただいておるところであります。 本来、身体障害者等運賃の社会福祉割引は社会福祉政策の一環として位置づけるものと考えておりますが、利用者の負担によりこれを実施する場合には、第一義的には交通事業者の判断にゆだねられるものであると考えております。しかしながら、私といたしましても身体障害者の運賃割引とのバランスをとる必要があると考えるに至りまして、三月の中旬に事務方に対しまして、平成三年度内実施を目途にと。いろいろな先生方からできるだけ早くという要望もございまして、事務手続もあるわけでございますが、それをできれば三年度内でなくて三年内に実施を目途に交通事業者及び厚生省を初めとする関係者との調整を急ぐように指示をいたしております。 以上でございます。
○佐藤三吾君 障害者の中で身体障害者の皆さんについては、もう既にここにも適用になっているわけですね。ところが、精神薄弱者の皆さんについて三十五万人は適用されていない。こういうことで、ようやく今大臣からその方向が出されましたが、問題はいつできるのかということが今焦点なんです。どうでしょう。
○国務大臣(村岡兼造君) 今お話ししたように、いろいろ事務手続等も、また事業者との話し合いあるいは厚生省との話し合いもありますので、当初は三年度内ということでございましたが、いろいろ御要望もございましたので三年内、ことしいっぱい、こういうことでやっていきたいと思っております。
○佐藤三吾君 ことしいっぱい。できるだけひとつ早く、私ども、ことし二学期にも間に合うようにしてもらうと助かると思っております。ひとつよろしくお願いしておきたいと思います。 労働省、雇用の面はどうですか。
○国務大臣(小里貞利君) 障害者にかかわる雇用状況について申し上げますが、平成二年六月一日現在における状況を申し上げますと、まず、先生御承知のとおり身体障害者雇用率の一・六%を通用しなければならない民間企業の状況でございますが、ざっと申し上げまして二十万四千人弱でございます。これは対前年で比較をいたしますと八千三百人前後の増加となっておりますけれども、しかしながらその単年度間に一般労働者もふえておるわけでございますから、したがいましてその辺を勘案して実雇用率を申し上げますと一・三二%前後となっております。なおまた、この一・三二%という実雇用率は前年度と大体同率でございます。 なお、この機会に産業別に申し上げますと、製造業、これは調子はいいのでございますが、小売、卸売あるいは飲食店業、すなわち第三次産業におきましては不振でございます。 それから企業別で申し上げますと、小企業は大体調子はよろしゅうございますが、残念ながら大企業におきまして不調でございます。 以上でございます。
○佐藤三吾君 大企業が不調でございますということですが、どういう大企業ですか。また、その理由を言ってください。
○政府委員(若林之矩君) お答え申し上げます。 企業規模別で申し上げますと、千人以上の規模の企業の実雇用率が一・一六%でございます。五百人から九百九十九人が一・一六%でございます。三百人から四百九十九人が一・二六%、百人から二百九十九人が一・五二%、六十三人から九十九人が二・〇四%という状況でございます。
○佐藤三吾君 その大企業がどういう業種で、そしてどういう理由でそうなったのか説明してください。
○政府委員(若林之矩君) 業種で申し上げますと、先ほど来申し上げておりますように、第三次産業におきまして雇用の状況が悪うございます。 製造葉につきましては、いろいろ機械等について工夫をいたしまして障害者の方々が働きやすいような状況をつくっておるわけでございますけれども、第三次産業におきましては、その業種の状況、業種の内容にもよりますけれども、まだそういった点での立ちおくれがあるというふうに認識しております。
○佐藤三吾君 第三次産業だけではわからない。例えば金融業、保険業はどうなんですか。
○政府委員(若林之矩君) 金融・保険・不動産業という、これは全体を一まとめにいたしておりますが、一・〇二%でございます。それから卸・小売、飲食店、これが一まとめでございますが、〇・八一%でございまして、やはり一番問題の多いのは卸・小売業、飲食店というところでございます。
○佐藤三吾君 その金融業のしない理由はどういうことですか。
○政府委員(若林之矩君) 金融業につきましては、かつて障害者の雇用率はさらに低い状況でございました。これにつきましては、銀行等を中心といたします金融業につきまして相当強力な指導を進めてまいりました。そういった面で銀行業につきましては相当の改善が見られていると思いますし、また雇う職種につきましてもかなりの工夫をいたしましたり、あるいはノーハウが蓄積されてきております。しかし、なおまだこういった状況でございますので、私ども強力に指導を進めてまいりたいというふうに考えております。
○佐藤三吾君 労働大臣はこの問題についてどういう認識ですか、今のことで。
○国務大臣(小里貞利君) 先生ただいま御指摘の焦点は、経営もあるいは将来性も比較的安定いたしておる大企業等におきましてそのような不振な状況があることは遺憾だ、そういうお気持ちだろうと思うのでございます。私どももそのような企業に対しましては、いわゆる雇い入れ計画作成命令制度、先生御承知でございますが、これらを多分に活用いたしましてできるだけ積極的な指導を展開してまいっておるところでございますが、残念ながら先ほど局長が答弁申し上げましたような状況になっております。あるいはまた、この後先生が御指摘になるかと思うのでございますが、これからはさらに私どもは督励、指導を強化いたしまして、その協力が甚だ不振な企業等に対しましては公表制度等もございますから、これらもこれから弾力性を持って逐一対応しなければならないのかなと。そういうような感じも実は持っておるところでございます。
○佐藤三吾君 そこまであなたが思いやりがあるなら、恐らく銀行関係の人を集めて直接要請したでしょうね。
○国務大臣(小里貞利君) 本来私も問題点だなと思っておるところを、折しもたまたま先生にその点を御指摘いだきましたから私の気持ちを率直に申し上げた次第でございまして、この席で先生に申し上げましたことはその方向で履行いたしますことを強く申し上げる次第でございます。
○佐藤三吾君 厚生大臣はこういう精神薄弱者の施設、例えば国立の秩父学園とか、もう既に見てきましたか。
○国務大臣(下条進一郎君) ただいま御指摘の場所は見ておりませんけれども、ほかの施設は見ております。
○佐藤三吾君 労働大臣、そういう大企業で出さぬところの企業を公表したらどうですか。
○国務大臣(小里貞利君) 先ほどもお答え申し上げたところでございますが、さらに先ほど先生もお話しございましたように、国連障害者の十年、いよいよ来年が終期でございます。そういう大事な意義ある節目も迎えておるわけでございますから、この際一段と従来の方針に沿いまして努力をいたします。さらにまた、その上でなおかつ効果が期待できないような企業に対しましては、勇気を出して前向きできちんと指示しなければならないだろう、かように考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 そのことは、氏名を公表する決意だと受け取っていいですね。
○国務大臣(小里貞利君) 原則としてそのとおりでございます。
○佐藤三吾君 そこで、労働省、この雇用の中で精神薄弱者の皆さんは大体どの程度ですか。
○政府委員(若林之矩君) お答え申し上げます。 先ほど六十二年に法律を改正いたしまして精神薄弱者の方を雇用いたしました場合も雇用率のカウントにすることになったということを申し上げましたが、この雇用率で雇用されております障害者が身体障害者がどれだけで精神薄弱者がどれだけと、こういう区別はいたしておりませんので、雇用率制度によって精神薄弱者が何人雇用されているか、こういうデータはございません。
○佐藤三吾君 大体で結構です。
○政府委員(若林之矩君) これは大変申しわけございませんが、大体でもなかなか人数を把握することは難しゅうございまして、そこのところはお許しいただきたいと存じます。 なお、そういうような御質問のお答えにはならないと存じますけれども、毎年私ども公共職業安定所で一万一千人ぐらいの精神薄弱者の方々の求職を受けておりますが、私どもの安定所を通しましてそのうちの七千名ぐらいの方が就職をしているというのが現状でございます。ただ、雇用率制度が適用されますのは六十三人以上でございますので、こういった七千人の方も零細企業などにも雇用されておりますので、それが六十三人以上のところにどの程度行っているかというのは掌握いたしておりません。
○佐藤三吾君 三十五万の中で〇・〇二%です。これが精神薄弱者の今の就職状況です。 その点ここはひとつ総理に、肢体不自由児の皆さんというのは知能はしっかりしていて物も言うんです。精神薄弱者というのは物を言う能力がない、訴える能力がない。それはどうしても我々の方でやっぱり手をつけてあげなきゃならぬ。あなたにひとつこの問題に対する本部長としての決意をお願いしたい。
○国務大臣(海部俊樹君) 今御質問を承っておりましたが、そういった精神薄弱者と言われる方々の持っておる障害の中でも、しかし能力を最大限開発して社会に今参加をし、また労働大臣の答弁でも職業についておられる方もあるわけでありますから、できるだけその能力を引き出すようにして、またそのような働き場所があるかどうかということもやはり隅までよく掘り起こすような努力をして数をふやしていってあげることが大切な心構えだと、このように受けとめながら聞いておりました。そのようによく指導もいたします。
○佐藤三吾君 労働省、民間はわかりましたが、特殊法人はどうなっていますか。
○政府委員(若林之矩君) 特殊法人につきましては雇用率が一・九%ということで規定されているわけでございますが、実雇用率は前年から〇・〇九ポイント上昇いたしまして一・八八%となっております。
○佐藤三吾君 未達成の法人はどこですか。
○政府委員(若林之矩君) 特殊法人の雇用状況でございますけれども、全体九十一のうちで雇用率を達成しておりますところが七十六でございます。未達成の機関が十五ということになっております。
○佐藤三吾君 その理由は。
○政府委員(若林之矩君) 特殊法人の未達成のところにつきまして一つ一つ状況を聞いておるわけでございますが、やはり定員関係等の理由を挙げておるところが多うございまして、欠員が出ないために雇用改善が進んでいないというような理由を挙げているところがございます。また、退職者が出たわけでございますけれども採用ができなかったというようなところもございます。一般的にその法人の規模などが小さい場合になかなか対応が難しいというようなケースが多うございます。
○佐藤三吾君 国家公務員、地方公務員はどうですか。
○政府委員(若林之矩君) 国、地方公共団体につきましては、二%が適用されます非現業の機関につきましては前年と同率の一・九六%でございます。また、一・九%の雇用率が適用されます現業機関につきましては二・一六%でございまして、前年より〇・〇四ポイント上昇いたしております。
○佐藤三吾君 非現業のところではどういうところが未達成なんですか。
○政府委員(若林之矩君) 非現業につきましては、国の機関につきましては二・〇四%ということになっています。都道府県が一・五九%でございます。それから、市町村の機関が二・二六%ということでございますので、都道府県の機関がまだ低いということでございます。
○佐藤三吾君 自治大臣、どういうことですか。あなたはなかなか物を言うんだから。
○国務大臣(吹田愰君) 今労働省の方からお答えになりましたが、市町村では非現業も達成しておりますが、都道府県で達成していないということは事実であります。その内容はこれからまたさらに努力をして達成するように頑張っていかなきゃならぬ、こう思っております。
○佐藤三吾君 民間に達成努力をさせて氏名公表までしようというときに、官公庁が率先垂範してこういう状態では困るじゃないですか。あなた、自治大臣としてしっかりしなきゃだめじゃないですか。やりますか。
○国務大臣(吹田愰君) 全力を挙げて頑張っていきたいと思っております。 私も実は昭和三十二年から精神薄弱児施設を現実に持っておるわけであります。二百名抱えております。話は違いますけれども、そういった方々をできるだけ社会復帰させるために保母さん方が大変な苦労をして努力してやっているわけでありまして、本当に私は涙の出るような思いでいつも帰りましたらその現場へ参るんですが、単純労務につきましてはおおむね社会復帰の可能性があります。しかし、少し複雑な仕事になりますとどうしても雇用の問題が困難でございますが、現実にはそういった点で単純労務に極力充てておるというのが現状であります。 これは話が全然別ですけれども、今の地方公共団体、あるいは県、そういった公共団体に対しての非現業での未達成部分につきましては、お説のようにこの趣旨を体しまして全力を挙げて頑張ります。
○佐藤三吾君 総理、例えば国体の前後に障害者の大会がございます。あれは肢体不自由児の皆さんで精神薄弱者の皆さんにはそういうものはない。スポーツにしても今の定期割引にしても仕事にしても、全部そこに差別が存在しているわけです。これがあなたが本部長をしておる国連障害者の十年の推進本部の最も欠点部分です。どう思いますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 国連障害者の十年、最後に当たる平成四年に向けて今、後期重点施策というものをつくり、取り組むべき施策の中に御議論になっておる福祉、教育、雇用、生活環境など各種施策の推進に努めることが書かれ、自立と社会参加の一層の推進が図られるように努力をしておるところであります。 精神薄弱者の方に対しては、これはおっしゃるように身体の不自由な方はオリンピックの後にいろいろスポーツ大会等もございます。私ごとで恐縮ですが、娘もガールスカウトの一員でそのときにはお手伝いに参加をしてやっておりますが、確かに精神障害者の方にそういう場がないことも事実でございます。これはどのようなことをしたらそういったところに参加していただくことができるかということは、いろいろ解決しなきゃならぬ、越えなきゃならぬ問題があろうと思います。 先ほど私がなし得べき仕事を探してというようなことも申しましたけれども、私の友人で精神薄弱者の方だけを集めて単純な軽作業を合宿所までつくって行っておる友人もおります。それは芝生の整理という作業だそうでありますけれども、そういったようなことをして、それらの方々に本当に喜んでもらえるような、向くような、能力に合うような部面を探し出し開発して提供していくことが本当の思いやりある施策になっていくと私は思いますので、それぞれに適合するような政策努力を重ねるようにしてまいりたいと考えます。
○佐藤三吾君 場がないんじゃなくてあるんです、精神薄弱者の場合も。全部それは親の負担とボランティアでやっておるんです。国は一銭もそれに対して手を差し伸べていない。そこに問題があると言っておるわけですから、それはひとつぜひ今後研究していただきたいと思います。よろしいですね。 そこで、人事院にお伺いしますが、人事院が今度目の見えない障害者の皆さんに点字試験をやるということに踏み切ったわけでございますが、どうも行政のI種、II種だけでなぜ他の部門でやらぬのかということが不思議でならぬのですが、いかがでしょう。
○政府委員(弥富啓之助君) お答えを申し上げます。 国家公務員採用試験における点字試験という要望でございます。これは従来から、私が総裁になる前から国会を初め各方面から御要望がなされておると聞いております。ただ、人事院といたしましては、試験の公開、平等、あるいは合格者の点字使用者の採用可能性といいますか職域と申しますか、そういうこと等の観点から慎重に検討をしてきたというふうになっております。 ただ、最近、先ほど来お話のありましたようにノーマライゼーションと申しますか、健常者と障害者とを同様に取り扱うということがノーマルな社会であるというふうな社会通念の変化ということも聞いております。それから、私も実際に見学をしてまいりましたけれども、点字の機器の開発が非常に今されておるというようなことを踏まえまして、人事院といたしましては、なお一抹の職域開拓あるいは受け入れ体制の整備ということについていろいろ問題があるとは思いますけれども、まず先ほどのノーマルな社会を目指して、本年、平成三年度から採用試験の一部について点字試験を実施することとした次第でございます。 なお、何で限定的な試験をやるのかというお話でございます。この点字試験の実施に当たりましては、私の方といたしましても昨年度からプロジェクトチームを組みまして専門的に検討をいたしてまいりました。それで、実際に実施をいたしますためには、試験問題を点訳する場合の技術的な制約がまずございます。点字に点訳するのになじまないような問題、これは困るのではないかというようなこともありますし、試験問題を点訳する場合に専門家による厳密な検討が必要である等の試験実施上の制約がございます。今これは何回も何回も部内で専門家の検討を重ねております。さらには試験実施体制上の制約というふうな問題の中で、やはりこれは適正確実に実施する必要があるということがまず第一でございます。あるいは採用試験の対象となる官職、それの性格等を考慮いたしまして、まず点字試験を行う試験の種類、区分というものは、I種試験及びII種試験の一般的な試験区分であります行政の区分としたことを御了解いただきたいと存じます。
○佐藤三吾君 理由はわかりましたが、ただこの試験がやられて合格した場合に採用してくれる省があるのかないのかということでまたそこで悩んでおる、どうもこういうふうに聞くんですが、まず、人事院、労働省、文部省、厚生省、自治省、この省庁で、もし合格したら採用できるのかできないのか、そこのところをひとつ明確にしてもらいたい。
○政府委員(弥富啓之助君) 御承知のとおり国家公務員試験というのは採用試験でございますので、さあ一たん合格して採用されない、これは一番我々としても試験の趣旨に沿わないわけでございます。 それで、結局、人事院といたしましては試験官庁でございますが、任命権を有する各官庁におきまして採用が行われるのは当然でございますが、人事院もその中に入るというお話もございます。採用各官庁におかれまして障害者の雇用の重要性を十分認識していただく、それで適切に対処されるものと一応私今から考えておりますけれども、人事院といたしましては、今回初めて点字試験を実施することでございますし、各省庁に対しても、労働省等の御協力を得ながら、障害者の就業状況等に関する情報を当院から提供することなどによりまして点字試験合格者の採用に向けての対応を促していくよう努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○国務大臣(井上裕君) お答えいたします。 今国立大学の方では目の不自由な方が八十数名いらっしゃると思います。さらに、今の先生の御質問、この試験に合格した場合もちろん採用ということでありますが、本人の希望、さらにまた介護者というのが必要でございますので、検討いたしたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 御承知いただいておると思いますが、労働省といたしましては点字試験合格者をお一人だけ採用いたしております。
○政府委員(滝実君) 自治省ということでお尋ねでございましたから、状況だけ申し上げたいと存じます。 現在、地方団体でも視覚障害者の採用をいたしております。教団体におきましては一般職としての一般競争試験も行っているわけでございますけれども、そういう中での職種は、調査いたしますと、図書館でございますとかあるいは各種の相談員とか、こういうような職域を特に設定いたしまして任用している、こういう状況でございます。 そういう状況から見ますと、私ども自治省の中で採用するということについては職域が限定されておりますので大変難しい点もあろうと思いますけれども、よく今後検討させていただこう、こういうふうに考えております。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 点字の試験で合格された方の採用問題は今度初めてでございます。それぞれ試験を受かってこられたわけでありますから基本的な適性はあると存じますが、また厚生省の方でもう一回適性の検査をいたしまして、十分に適応される能力をお持ちの場合はこれは積極的に採用してまいりたいと思います。 今までの身障者全体の採用につきましては御承知のように二・〇一%でございますので、基準を上回った形で採用をいたしております。
○佐藤三吾君 自治大臣、人事院と同じように地方自治体の採用試験に点字試験を採用しているのは神奈川と大分ですか。どことどこですか。それと同時に、どうして全県に実施しないんですか。
○政府委員(滝実君) 地方団体の場合に二種類ございまして、視覚障害者を一般行政職として採用試験している、こういうのが東京、神奈川、和歌山ということになっております。都道府県の場合、その他四十五団体が選考職種として採用している、こういう状況でございます。
○佐藤三吾君 いろいろそのほか聞きたい点がたくさんあるんですが、官房長官、各省庁にもやはり点字試験で合格者が出たらそれはひとつ採用する、そういう努力をお願いしておきたいんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(坂本三十次君) 点字試験は、去年もお話がありましたけれども、この採用試験のいろいろシステム上合理的に行うのにはちょっと時間がかかるということで、ことしから点字試験を実行して、そして優秀な人は採用していただくというふうに進んでおるように聞いております。
○佐藤三吾君 そんなことじゃない。合格した者を各省庁でも採用するようにひとつあなたがしなさい、こう言っているんです。
○国務大臣(坂本三十次君) それは合格した人ですから、採用される方向に行くと私は思います。
○佐藤三吾君 官房長官が間違いなくそういうことで約束しましたから、見守っていきたいと思います。 そこで、時間がございませんが、使途不明金の問題について質問しておきたいと思います。 今国税庁が追及している三菱商事のいわゆるルノワール絵画事件、十五億円の金が突然行方不明になったということなんですが、この問題についてどうなっておりますか。
○政府委員(福井博夫君) ただいま御指摘をいただいた点でございますけれども、私どもといたしましても、新聞等におきまして各種の情報が報道されておるということにつきましては重々承知をいたしておるところでございます。 ただ、個別具体的な内容の点につきましては私どもの立場がございますのでここでコメントは差し控えさせていただきますけれども、一般的に申し上げまして私ども国税当局といたしましては、これら新聞等で報道されているような情報その他いろいろな情報につきまして、常に関心を持ってこれを集めておるところでございます。 それから、ただいま御指摘の使途不明金ということでございますけれども、やはり真実の所得者に課税をしていくという税務行政に課せられております私どもの役割から申しまして、この使途不明金ということは課税上問題であるとの認識を持っておるところでございます。したがいまして、私どもといたしましては常日ごろから企業に対しまして安易に使途不明金処理をしないようにという指導をいたしておりますと同時に、いろいろな調査に当たりましては使途不明金の解明ということに全力を挙げておるというような状況でございます。 いずれにいたしましても、安易にこの使途不明金は容認されるべきものではないというふうに考えておりますので、今後ともこういったことの解明に全力を挙げていく、こういう基本的な姿勢で臨んでまいりたいと考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 安易かどうかは知りませんが、二人のフランス人から絵を買ったと言っておったのが、うそがばれたら三菱商事の常務が、それでは使途不明金にいたしましょう、こう言っておるわけです。これはそのまま受け取るんですか。
○政府委員(福井博夫君) 先ほど申しましたように具体的なことにつきましてはお答えできないわけでございますけれども、一般的に申しまして、私どもの調査を進めていくという段階で使途不明金というものにいわば遭遇するわけでございます。そういう段階になりましたときに、これは納税者側の方で、処理につきまして使途不明金として課税してもらいたいというようなお申し出があるということは多々一般的にあることであるというふうに考えておるところでございます。ただ、この場合には、使途不明ということで経費性がわからないわけでございますから、これにつきましての損金算入を否認いたしまして、全額につきまして法人税が課税されるというような処理を行うというのが一般的な取り扱いでございます。
○佐藤三吾君 検察庁はおられますか。 どういうことなんですか、この問題は。
○政府委員(井嶋一友君) 委員御指摘のような報道がマスコミにはんらんをしておりますことは検察当局も十分承知をしておることだと思いますけれども、委員既に御案内のとおり、一つの具体的な案件につきまして犯罪の嫌疑ありというような立場で捜査を開始するかどうかということは一にかかって捜査機関の判断することでございますので、私がこの場でどうこう申し上げることはできません。 ただ、一般的に申し上げますと、いつも申し上げることでございまして恐縮でございますが、検察当局は刑罰法令に触れるようなことがあれば適切に対処するものであるというふうに思っておるわけでございます。
○佐藤三吾君 大蔵大臣、あなたはなかなか博識なんだけれども、こういうのが使途不明金なんですか、教えてください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今たまたま委員から具体的な名称を挙げられまして御質問がございました。これは国税当局を主管いたします立場として具体的にお答えをすることは差し控えるべきであろうと思います。
○佐藤三吾君 いや、そうじゃない。あなたの使途不明金という認識はどういうことですか、こういうものですかと聞いているんです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今私はその使途不明金と申しますものの税法上あるいは法律上の定義について熟知をいたしておるわけではありません。ただ、率直に、今やりとりを伺っておりまして私自身が非常に不明朗な感じを持ってそのやりとりを聞いておったことは事実であります。
○佐藤三吾君 国税庁、昨年十二月に平成元事務年度の資本金一億円以上の大企業の使途不明金の状況を発表していますね。ちょっと説明してください。
○政府委員(福井博夫君) 使途不明金の実態といいますか数字でございますけれども、私どもで把握しております使途不明金は、ただいま御指摘をいただきましたとおり、国税局の調査課が所管しております資本金一億円以上の法人につきまして把握をいたしておるわけでございます。このうち、平成元事務年度に私どもが実地調査を行ったものが四千八百六十件でございます。 そういった調査を行いましたところ、その中で把握いたしました使途不明金の総額は五百六十三億円ということになっておるところでございます。また、業種別にどうかということにつきましても一定の取りまとめをいたしておりますけれども、この五百六十三億円の中身を見てまいりますと、建設業が四百八億円、製造業五十二億円、卸売業二十億円、小売業二億円、その他の業、これはサービス業でありますとかそういうところでありますけれども、八十一億円というような状況になっておるところでございます。
○佐藤三吾君 総理、これが使途不明金の今の実態ですね。これは不明金じゃなくて秘匿金じゃないですか。あなたの認識はどうですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 使途不明金というのは、国税当局が調査をしてもどうしても何に使われたかわからないということでそれは損金に入れないという答弁が今あったようでありますが、それが質が変わって法に触れるような問題があるとするときは、今検察から答弁があったように適正な対処をされる問題になっていくということでありますから、その個々具体の内容について、本当にわからないのか、あるいはおっしゃるように意図があって隠されたものなのかというようなことはこれはそれぞれの機関においてきちっと解明をしてもらうべき問題であろう、こう思っておりますから、私にはそれ以上のことはちょっとお答えする知識がございません。
○佐藤三吾君 それなら国税庁に聞きましょう。 国税庁、使途不明金の概念というのは何ですか。税務当局が支出金の使途を調査した際に企業の協力を得られなかった、そのために解明できなかった、そういうことなんですか。
○政府委員(福井博夫君) 使途不明金とはどういうものかというお尋ねでございますけれども、私ども、使途不明金とは、法人が経費として支出しているもののうちその支出がされているかどうかの確証がまずないもの、あるいは支出がされているということが推認できる場合でありましてもその経費の性質が確認できないものということになるわけでございます。これに対する私どもの取り扱いは、いずれにいたしましても課税上の問題としては全額課税対象にするということに扱っておるところでございます。
○佐藤三吾君 国税庁、課税すればそれでいいというものではないと私は思うんです。 企業会計では使途不明という取り扱いがあるんですか。現行の税制度でこういった使途不明金は許容しておるんですか、どうなんですか。
○政府委員(福井博夫君) 私ども、実は課税問題として扱っておるわけでございまして、企業会計上はこういう使途不明であるというものがそのまま会計上の中で認められているというふうには考えておらないわけでございますけれども、これを申告という形で出していただく、あるいはそれを処理いたしまして私どもが課税の対象にいたしますときには課税上の問題になりますので、それにつきましては使途不明金として課税の対象にしていく、こういう扱いになっているというわけでございます。
○佐藤三吾君 総理、こういう使途不明金という制度をどうしても是認する必要があるんですか。その理由を国民にどう説明しておるんですか。こういうことになると、申告は適当でよろしい、見つかったら法人税を払えばいい、こういうことがずっと蔓延していくんじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 使途不明金というものにつきましては、あくまでも国税の立場といたしまして、国税局を所管する私どもの立場から申しますならば、その使途をあくまでも解明し適正な課税を図ることが肝要である、そのように考えております。税制調査会の答申の中に、「本来、何らかの経費としての性格をもつ支出を損金不算入とし全額を結果的に課税することは、法人税制の枠内の措置としては限界であるとも考えられる。なお、これ以上の措置を講ずる必要があるとする場合には、商法、刑法等の関連で検討されるべき問題であるとの指摘があった。」と述べられておる状況がその状況を示しておると思います。 先ほど、税務当局としてその解明に努力をする、そしてどうしてもその使途が明らかでないものに対しては損金不算入という措置をとっておりますというお答えを申し上げましたのは、現行税法を運用する税務当局として私は最大限の努力をいたしておると考えておりまして、本来、その使途を解明していく、そしてその支出先に対して適正な課税を行うというのが私どもの役目であると思いますが、どうしてもその使途が明らかにされない場合、税法上からまいりますなら損金不算入という措置が私はぎりぎりの限界であろう。税制調査会の御意見と同様の関心を持っております。
○佐藤三吾君 その税調の問題についてはまた後でやりますが、国税庁、この五百六十三億のうち四百十七億がいわゆる自己否認、こういうことなんですが、これは証拠書類の提出を求めた際に企業が応じないので経費と扱えない、こういうことなんですか。
○政府委員(福井博夫君) ただいま御指摘のありましたように、使途不明金にもいわば二種類ございまして、一つは、もう既に申告の段階でこれは明らかにできないということで、申告書の中で使途不明金として損金不算入の経理がなされているもの、これが自己否認分でございます。それ以外にも、申告書上明らかでなかったわけでございますけれども、私どもが調査で解明いたしまして、その結果これは問題であるということになりまして使途不明であるという処理に至ったもの、いわゆる調査対象となりまして使途不明となったものもあるということでございます。 御指摘のものにつきましては、納税者がみずから申告書の中で既にこれは税金を払いますという形で申告してきたものを自巳否認分というふうに考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 だから、結局税金を払いますと言えばそれで終わり。こういう結果八〇%が使途不明のままということになっておるんじゃないですか。国税庁はこの解明に全力を挙げておると言うけれども、そうじゃないのじゃないですか。
○政府委員(福井博夫君) この使途不明金の問題はなかなか私どもの取り扱いの難しい対象でございまして、先ほど来るる御説明しておりますように、あらゆる情報を収集いたしましてその解明に全力を挙げておるところでございます。しかしながら、どうしてもこの資料がわからないということによりまして結果的にこういうことになっておるわけでございます。 ただ、納めればそれでいいのかという御指摘でございますが、私ども税を執行いたしておる立場といたしまして、基本的に税というものが現在の仕組みといたしまして申告納税制度である、それからまた調査につきましても原則としてこれは任意調査であるという枠内で仕事を進めておるという状況でございますので、こういう不明があった場合にはその全額を法人税の対象とし、それからまた、その中で仮装であるとか隠ぺいであるとか、そういったことが明らかになった場合に対しましてはこれは当然重加算税を課していくというような取り扱い、これが私ども執行当局の現在の仕組みの中での、先ほどちょっと御指摘がございましたけれども、一つの限界であるというような感じを持っておるわけでございます。 ただしかし、繰り返しますが、納めればいいということではございませんで、できる限り私どもといたしましては資料を集めてこの解明に最大の努力をしておるというふうに御理解をいただきたいと思っております。
○佐藤三吾君 税法では、不答弁、虚偽答弁、検査拒否、これには罰則規定もちゃんとついておる。国税庁の職員の質問検査を企業が拒否するのか、この件で罰則適用をやったのかどうか、いかがですか。
○政府委員(福井博夫君) 私どもの調査は基本的には任意調査でございますけれども、これに答弁をせず、または偽りの答弁をし、または検査を拒み、妨げもしくは忌避した者につきましては罰則の適用があるということで、ある意味では間接的にこれが担保されておるわけでございます。 ただ、こういう事例が過去にあったかということでございますけれども、これまでまだこの不答弁罪で私どもの方で告発したというような事例は今のところございません。現在の税務行政を進めていく立場といたしまして、やはり納税者の協力を得ながら任意にいろいろ資料を出していただいて、相互信頼といいますか、の中で税務行政を進めていくというような今の基本ということを考えますと、この罰則に訴えていく、刑事罰を適用していくということにつきましてはやはり慎重に対処をしていくべきものであるというような考え方によりまして、現在までのところそういうような事例はないわけでございます。そういうような状況になっておるわけでございます。
○佐藤三吾君 先ほど言った三菱商事のようなときには罰則適用をやるんですか、やらぬのですか。
○政府委員(福井博夫君) 個別内容のことを私どもコメントできませんので、御理解をいただきたいと思います。 それからまた、現在この三菱商事のことにつきましてはいろいろな報道がなされております。そういう形で私どもまだいろんな情報を収集、見ておるというようなことでございますので、これにつきまして具体的にどうこうということをまだ申し上げる立場にございませんし、そういう段階でもないというふうに考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 問題は大蔵大臣の姿勢ですね。大蔵大臣として、今言ったようなことについてはどんどん罰則適用をやってそしてやれと。どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、法の決められた範囲において最善を尽くしたいと思います。
○佐藤三吾君 橋本さん、それじゃ総理になれませんよ。あなた、率直に言って、やっぱり悪についてはきちっとしなさいよ。今あなたは税調答申の例をとらえて限界だと言ったけれども、しかし同時に答申はその後に、これ以上の措置を必要とする場合にはと続いておるんですよ。そこを忘れておるんじゃないですか。 そこで、総理に私は聞きますが、企業の使途不明金、悪の温床と言われてきたこの多くの事例、これについて私は慎重な答弁をしてもらいたいと思うんですが、使途不明金の位置づけとその扱いは現行のままでやむを得ないとお考えなのか、それとも民主主義の原点である課税の公正を実現する上で何らかの措置を講ずる必要がある、こういうお考えなのか。いかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 先ほど基本的な考えを申し述べましたように、使途を不明のままにしておかないで、なるべく使途の明細を税務当局としてはできる限り調査をしていかなければならぬのは姿勢として当然のことと思いますし、同時に、本当にわからないのか、あるいはおっしゃっておるように故意に何か隠してほかの次元の問題に移行していっておるのか、そういったときにはこれは国税当局の手を離れて捜査の方で適正な措置をとらなければならないことになっていく、私はそのように受けとめております。
○佐藤三吾君 使途不明金が役員賞与となり、政治家に贈られ、株の操作、総会屋に渡ってという、報道された事例はたくさんあるんですが、役員の実入りとなればこれは特別背任罪、政治家の方に回れば政治献金であり贈賄罪、株の操作に回れば証券取引インサイダー規制の絡み、こういうそれぞれの処罰がある。 そこで、この法律を執行し監視する立場にある通産、大蔵、法務、これらについて、恐らく所管業務について監督しておると思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど来の具体的な案件についてお答えを申し上げることは控えるべきであると私は思いますけれども、今仮に一般論として、その使途不明金というものに対しそれの内容を明らかにしていく努力を国税当局が払う中におきまして仮装あるいは隠ぺい等の行為が行われていることがはっきりすれば、当然のことながら重加算税が課せられることになるわけであります。 こういう意味では、私は税法としてできる限りの措置を講じておると思いますし、先ほど申し上げましたような税制調査会の答申の中に、「いわゆる使途不明金については、」ということから、今委員も一部を御引用になりましたが、「これ以上の措置を講ずる必要があるとする場合には、商法、刑法等の関連で検討されるべき問題であるとの指摘があった。」と言われておりますように、私は税法の範囲を離れて他の法制度の分野を生ずるものと思っております。 いずれにいたしましても、税法を所管する立場としてこの使途不明金の内容を明確化することに私どもは努力をしなければなりませんし、その努力をいたす過程において仮装、隠ぺいという行為があるならば、当然のことながら重加算税が課せられる、私はそう考えております。
○佐藤三吾君 通産、法務。
○国務大臣(中尾栄一君) 今主管の大蔵大臣がそう言われているわけであります。税制の問題でありますから、この問題で不透明な部分があるならば、当然のことながらそういう点では国税当局、並びにまたそれに正当な形においての手段、便法というものが講ぜられるであろう。これは先ほど総理が御答弁なさったとおりでございます。
○国務大臣(左藤恵君) 先ほども局長から御説明申し上げましたように、具体的な案件について捜査を行うかどうかにつきましては捜査機関が判断すべきことでございまして法務当局としてはお答え申し上げるわけにはまいりませんけれども、いずれにしましても、刑罰法規に触れると認められる事実があるならばこれは検察において適切に処理されるもの、このように考えております。
○佐藤三吾君 総理、あなたの先ほどの答弁、今の三大臣の答弁にございますように、やはり不透明ではいけない。不透明はどこに流れていくかわからなくなるわけですからね。これらについて使途開示義務を課する、それに応じない場合については特別課税をする、こういう説もあるんですが、いかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 私は再三、現行の法律の仕組みにおいて国税当局でなすべきことは国税当局で解明をしていく、それから次元が変わってくる問題については他の担当のところで適正に法に照らしてその問題を追及するという答弁がここでなされておるものと思います。 なお、国税当局の不明金を解明していく努力についてはより一層の努力を払っていかなければなりませんし、法規典例の中にいろいろなことがあるとすれば、それはやっぱりフルに活用をして不明金をなくしていくような努力をすべきは当然のことと心得ております。
○佐藤三吾君 いろいろまだたくさんございますが時間が来ましたからこれでやめますけれども、総理に最後に。 あなたはリクルート事件で政治改革を看板にして出てきた総理です。そうして、その一番大きな問題であるこの使途不明金、こういった問題について、政治資金規正法を含めて改革に入るということに決意をなさっておるわけです。政治生命をかけるとおっしゃった。それにしては今の答弁は一体何だろうという疑問を抱かざるを得ない。ひとつもっと政治改革にふさわしいきちっとした答弁はできないものですか。できなきゃできないでしようがないんですが、ひとつそれだけ申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。できますか、できませんか。
○国務大臣(海部俊樹君) 申し上げておりますように、使途不明金というものが残らないように国税当局でなし得る限りの努力はする、それから、それが本当の使途不明じゃなくてほかの次元にかかわる問題のときには適正に他の法に従って処置されるべき問題である、こう分けて考えておるわけでありますが、国税当局には不明金を残さないように解明していく努力をさらにしてほしいということを強くここでも申し上げた次第でございます。
○佐藤三吾君 終わります。
○委員長(平井卓志君) 以上で佐藤君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、安恒良一君の質疑を行います。安恒君。
○安恒良一君 外国人労働者問題で質問をしたいんですが、現在いわゆる不法就労者と言われている人々の人数、就労状況を、労働省、法務省、説明してください。
○国務大臣(小里貞利君) 外国人労働者の取り扱い、基本的方針についてはもう先生十分御承知のところでございますが、原則をひとつこの機会に申し上げますと、専門技術的な能力あるいは外国人ならではの能力を有する外国人労働者、この原則に立ちまして我が政府は可能な限り外国人労働者を受け入れておりますこと、御承知のとおりでございます。この対象概数は、概数で申し上げまして恐縮でございますが、現在時におきましておよそ七万四、五千名前後と、かように認識をいたしておるところでございます。 さて、そこで、ただいま先生御指摘は、このほかのいわゆる不法就労者はどれぐらいあると把握をしておるかと、こういうようなお尋ねであると思うのでございますが、二つ申し上げられると思います。その一つは、法務省入管手続窓口におきまして摘発をいたしました数字が一つございます。これはもう先生御承知のところでございますが、私がただいまここに持っておりまする概数は平成元年の数字でございますが一万六千六百八名、こういう数字が出てまいっております。年次の趨勢を見るために参考までに申し上げますと、五年前と比較をいたしましてこの数字はおよそ四倍、そういう状況でございます。 なおまた、私が先ほど申し上げましたいわゆる適法就労者は、五年前のおよそ二倍という数字になっております。 以上でございます。
○政府委員(股野景親君) ただいま労働大臣から概要について御報告を申し上げました。私は不法就労者の点についてその後平成二年の数字が出ておりますので申し上げますと、平成二年で入管当局が摘発をいたしました不法就労者の数というものが二万九千八百八十四名、こういう単位になっておりまして、平成元年に比べても摘発数が顕著に伸びを示しておるところでございます。不法残留者ということになりますと、これは不法就労者と重なる部面が多うございますが、平成二年七月初頭の時点において入管当局で推計をいたしました数はおよそ十万人が不法残留をしておる、こういうふうに見ております。 不法就労者の概要について我々なりに調べておりますのは、摘発した実際の結果で見ておるわけでございますが、先ほど申し上げました平成二年の摘発した不法就労者の就労状況で見ますと、男性についてはやはり工員ないし建設作業員というものが多くて、この二つで全体の約八〇%を占めております。他方、女性につきましては、いわゆる風俗営業に従事するようなものが過半数を占めておる。しかしながら、近年は男女ともその不法就労者の職種が多様化するという傾向が見られております。
○安恒良一君 この問題は既に同僚委員から指摘をしています。私は、これは労働力の需給関係のアンバランスという経済現象で起こったことに起因していますから、取り締まりで排除するということだけの旧態依然たる入管行政や労働行政の感覚だけでは対処できないと思います。特に最近人権問題まで起こってきています。ですから、私はこうした行政姿勢というものはもう改めるべきところに来ていると思いますが、この点について、労働大臣、法務大臣、最後に総理、今も言われたように十万人という数字ですから、その点について、簡単で結構ですから三大臣から聞かせてもらいたい。
○国務大臣(左藤恵君) 法務省といたしましてはかねてからこの不法就労外国人につきまして、定着をしないように、そういうことの防止を心がけまして、これは不法就労者の人権保護も配慮しなければなりません。そうした意味におきまして、適正に対処するという基本方針のもとにいろんな努力をしておるところでありますけれども、このような観点から今後とも関係機関と協力いたしまして、雇用主に対しまして不法就労外国人の雇用をしないように、そういった広報、周知活動を徹底していく、あるいは悪質な雇用主なども対象とした取り締まりを実施するといったことで、不法就労者の対策を積極的に推進していかなければならない、このように考えておるところでございます。
○国務大臣(小里貞利君) 本来、法律上の原則的な方針についてはただいま法務大臣がお答えのとおりでございますが、私ども労働行政を預かる官庁の立場から申し上げますと、決して不法就労労働者が国内産業現場で働くことは好ましいことではございませんけれども、現実に先ほど御指摘になりましたような十数万という実態があります以上、そこで労働者としての一つの客体、あるいは基本的な取り扱いをいたさざるを得ない、そういう一つの立場もございます。したがいまして、具体的に申し上げますと、労働基準法あるいは労働安全衛生法等の適用をもちましてこれを保護いたしておる、そういう実態もまたあることを申し添えさせていただきます。
○国務大臣(海部俊樹君) 率直に申し上げまして、不法とか違法とかいうようなことをなくして、国際化時代でありますから、新しい日本の法律の仕組みをきちっと相手国も守っていただきながら、またその人も日本で身につけた技術を持ち帰ってそれぞれの国の発展と安定に役立たせるような、そんなことを描きながらこれからも進めていかなければならないテーマである、このように受けとめております。
○安恒良一君 労働省が本年の一月二十四日に、外国人労働者が労働面等に及ぼす影響等に関する研究会のレポートを発表されていますが、そのレポートを説明してください。
○国務大臣(小里貞利君) もう先生は専門家でございますからこのレポートの中身につきましては精読しておいでになるわけでございますが、概して申し上げまして、まず基本的に私どもが期待いたしましたレポートの趣旨なるものは、いわゆる外国人労働者が我が国の労働に及ぼす影響、その対策を求めたものではございませんでして、それに関する重要な事実関係を検討し整備してくれませんか、そして私どもは、よって出されましたる重要なる事実、指摘事項を参考にいたしまして政策を立てます、こういうようなねらいで期待を申し上げましたことは先生御承知のとおりでございます。 中身におきましては、いろいろな指摘がございましたが、一つは、率直に申し上げまして、外国人労働者に依存することなく国内の労働者を、雇用あるいは労働あるいは生活の諸条件を改善してそして人材の調達を図るなればいかがだろうか、こういう指摘が一つは出てまいっております。それから、数多くあるわけでございますけれども、いわゆる社会的なコストがかかりますよ、その社会的コストを負担してもなおかつ外国人労働者を入れてよろしいですか、あるいはべからざることですかと。その辺のことを基本的に論議をして、そしてこの問題は、大分日本の労働界、労働市場、社会経済等に及ぼす影響が大きいから、結論としては国民的コンセンサスを形成する必要がありますよ、このことを指摘しておると思う次第でございます。言いかえますと、慎重に、具体的に対応せられることが要請されておる、このことが一つあると思うのでございます。 もう一つは、私どもは国際社会に貢献をしなければならないという一つの国策を持っておりますから、その観点からは、可能な限り発展途上国、その言葉が悪ければ開発途上国におきまして雇用の機会を創出する、そのことを考えてみるなればいかがだろうかと。それからもう一つは、そういうような開発途上国の若年あるいは技能者の人たちを養成する。若年を対象としてと申し上げますか、そういう有能なる産業人を養成することに、たまたま国内にあるノーハウあるいはその他のシステムを大いに活用してそして貢献するということを考えたなればいかがだろうか。以上概して申し上げました四項目でございますが、こういうようなことが私どもの政策課題の基礎として要請をされておるのではないか、こういうふうに理解をいたしております。
○安恒良一君 私はこれを読み取った中に二つ大きな問題があると思いますから、それを聞いていきたいと思います。 一つは、日本の労働条件に悪影響を与えると書いてありますが、外国人の労働者を受け入れればどうして我が国の労働条件に悪影響を与えるのでしょうか、その点を説明してください。
○政府委員(若林之矩君) ただいま大臣がお答え申し上げましたように、今回の報告はいろいろな事実を調査していただいております。特に、受け入れをいたしましたヨーロッパの国々の実情を調べていただいたわけでございますが、そういった中で、ドイツ等の事例におきまして、やはり外国人労働者が多数入っております分野、職種につきまして労働条件の低下というような影響があるというような指摘がなされておるわけでございまして、そういったような問題がやはり日本にも起こり得る可能性があるという御指摘でございます。
○安恒良一君 あなたたちの仕事は劣悪な労働条件を排除して、外国人であろうと何であろうと我が国の労働者と同様な労働条件で扱う、これが労働行政に課せられた大きな課題じゃないですか。何という答弁ですか、今の答弁は。
○国務大臣(小里貞利君) 先生御指摘のとおり、私どもの任務は労働者の福祉を守り、そして雇用の確保を図ることでございます。 そういう観点から実は先ほど局長も答弁申し上げたところでございますが、先ほどの先生のお尋ねに若干返りますけれども、外国人労働者を日本の労働市場に入れた場合にどういう障害があるのか、そういうようなお尋ねから始まっておるわけでございますが、あのレポートの中におきまして指摘されておりますことを申し上げますと、まず外国におきまして二国間協議で労働者を移入した場合に、第一にその国の景気の趨勢によって外国人労働者というのはいわゆる待遇関係等が非常に影響を受ける。もっとはっきり申し上げますと、景気が悪くなったときにはまず即座に解雇されるのが外国人労働者である、そういうことが指摘されておりまして、そのことはやがてはお互いの国交間あるいは国の間におきまする信頼関係に影響してくるということが指摘されております。 もう一つは、自国の、いわゆる当該国の労働者は条件のいいところにまず就労をする、外国人労働者はそのようなところでない比較的暗いところに就労するという傾向がある。これが指摘されておりまして、またこれが相互国間におきましてトラブルを発生するおそれにもなる。 それからもう一つは、私どもはミスマッチという言葉で表現をいたしておるのでございますが、総体的に労働者が足りませんよと、こう言うものの、実は国内におきましても高齢者あるいは女子就業の機会は極めて希薄である、この辺の打開策をもっと講じなさい。あるいは中小企業におきましてもその点が指摘をされておりまして、それらのミスマッチの対象になるようなところに外国人労働者が入ってこられる傾向が非常に強かった。そういうようなことで、いわゆる社会的コストもその意味におきましても発生をしてまいりますよということが指摘をされております。 なおまた、具体的にその社会的負担の概念、あるいは他の国が行政上措置いたしておりまする項目もいろいろな面においてたくさんございますけれども、これはもう先生もお読みのとおりでございますので、この機会は省略をさせていただきます。
○安恒良一君 聞いたことに答えてください、長ければいいということじゃないのですから。私は、日本の労働条件に悪影響を与えるかどうかと聞いているだけです。 そこで、次のことを聞きますが、社会的コストが大変にかかるということですが、ここで言われている社会的コストというのは何と何でしょうか、中身を説明してください。
○政府委員(若林之矩君) この報告書におきましては、外国人の導入に伴います社会的コストでございますが、相当広範なものでございまして、六つのコストを挙げておるわけでございます。「外国人労働者の雇入れに先立つ費用」、「外国人労働者の雇入れに伴う費用」、「外国人労働者に係る雇用調整及び失業に伴う費用」、「外国人労働者等の社会的統合に係る費用」、「外国人の帰国担保、促進又は送還に関する費用」、「外国人と自国民の摩擦や紛争の解決に伴う費用」、こういったものが含まれる。もとよりこれに限定されるものではございませんけれども、こういったものが含まれる広範な概念である、こういう指摘でございます。
○安恒良一君 そういう六項目があるということでしょうが、そこで、これは非常に膨大な社会的コストが発生すると言われていますが、それはどういう計算に基づいて膨大であるというふうに言われているのか、具体的数字を挙げて説明してください。
○国務大臣(小里貞利君) お答え申し上げます。 報告書によりますと、先生もうごらんになったと思うのでございますが、外国人を専ら対象とした連邦と州の外国人関係予算額が出ております。この研究会に参加していただきました大学の先生たちはヨーロッパの諸状況等につきましても非常に詳細に手広く資料を集めていただいておりまして、その中から私どもが資料をいただいたという事務当局の説明でございますが、概して申し上げまして、予算額は一九八九年に日本円に換算をいたしまして約千三百五十億円程度と推定をいたしております。 以上でよろしゅうございますか。
○安恒良一君 何のことかわかりませんね、今度は短過ぎて。今何のことを言われているのですか。
○国務大臣(小里貞利君) 時間の関係を考慮いたしまして概数を申し上げたところでございますが、ではその中身を、余り詳細に申し上げるのはどうかと思いますが、項目に従って若干申し上げてみたいと思います。 その対象とする施策の財政支出でございますが、労働者のドイツ語教育の促進、外国人の若年労働者の職業訓練の促進、外国人労働者及び家族のための相談サービス等を含む。他方、社会保険、これは失業保険のことだろうと思うのでございますが、市町村などが実施する生活相談や公共住宅の提供等の費用等は含んでいない。したがいまして、そういう間接的なものを含んでいない総額が先ほど申し上げました数字でございまして、それらを含んでまいりますと総額はまさに数倍に達するのではなかろうかと、こういうふうに私どもは整理をいたしておるところでございます。
○安恒良一君 主語がないじゃないですか。どこの何を、そしていつの調査ですか。あなたは一つも主語を言わないで言っている。
○国務大臣(小里貞利君) いや、これは今はもう省略いたしましたが、ただいま申し上げました数字は、この研究会が昨年の九月にドイツのノルトラインウエストファーレン州の政府の担当官に直接調査をいたしました結果の数字でございます。
○安恒良一君 これはたまたまドイツの一つの州の事例を挙げてある。私が聞いているのは、社会的コストがかかると、こう書いてあるから、社会的コストというのは入国者の数、雇用期間、雇用形態その他によっていろいろ経費が異なってくると思いますね。そこで、我が国としてはどういう試算をしたのですかと、こういうふうに聞いているんです。
○政府委員(若林之矩君) ただいま大臣から御答弁申し上げました一千三百五十億円でございますけれども、ドイツのノルトラインウエストファーレン州で社会的コストに関する調査をいたしておるわけでございまして、それはまだ中間段階でございますのでその積算につきましては聞くことはできませんで、その総額だけでございました。 我が国につきましては、このようなドイツでの実態というものを踏まえまして、またドイツにおきましては民間団体がボランティア活動などかなり外国人問題について活躍をいたしておるわけでございますが、こういったような条件がないといたしますと極めて大きい政府の負担が余儀なくされるというような趣旨でございまして、この極めて大きいという水準につきましては研究会では御議論はなかったわけでございまして、ドイツの実態を踏まえまして一般的にそのような指摘がなされているということに理解をいたしております。
○安恒良一君 ドイツのことを聞いているんじゃないんです、レポートにこう書いてあるから聞いている。試算もしないでいかにも膨大な金がかかるようなことを答弁してもらいたくないんだ。我が国は試算をしていないのなら試算をしていないとはっきり言ったらどうですか。
○政府委員(若林之矩君) 先ほど申し上げましたように、我が国の社会的なコストというものは試算をいたしておりませんけれども、研究会の先生方はこのドイツの実態というもの等を踏まえまして、極めて大きな政府の負担を余儀なくされる可能性があるという、こういう御指摘でございました。
○安恒良一君 今度試算をしてから議論しましょう。してください。 次に、移住労働者及びその家族の権利保護に関する国際条約の批准問題について政府の対応を聞きたいと思いますので、この条約のポイントを説明してください。
○政府委員(丹波實君) 事実関係の問題でございますので私の方から御説明させていただきたいと思います。 まず、先生が言及されました条約は昨年の国連総会におきまして無投票で採択された条約でございまして、主な内容は、移住労働者及びその家族の基本的人権の保障、それから移住労働者及びその家族の恣意的追放の禁止、移住労働者及びその家族に対しますところの雇用、労働、教育、保健等における内国民待遇の付与、それから不法移住労働者及びその家族に対する特別な配慮、これには在留就労資格の合法化の可能性も含む、こういうことが条約のポイントでございます。 ちなみに、現在までのところこの条約に署名した国も締約手続をとった国もまだ存在していないということでございます。
○安恒良一君 私はこの条約の批准の問題をこれから議論していかなきゃなりませんので、この条約を日本語に訳したものが必要ですからそれを提出してください。きのうから要求していますが出てきませんが、どうですか。
○政府委員(丹波實君) ただいまの先生の御質問と関係がございますので、まず私たちがこの条約をどういうふうに検討しておるかという点を御説明させていただきたいと存じます。 この条約を締結する場合、先ほどポイントを申し上げましたけれども、移住労働者が日本の国民――この場合は移住労働者が日本に入ってきた場合を前提としておりますが、移住労働者が日本国民あるいは移住労働者以外の外国人よりもかえって優遇される結果となる可能性がある。その結果、平等原則との関係で問題が生ずる可能性がないか。また、日本の基本的な労働政策や出入国管理あるいは選挙、教育等、そういった国内諸制度との関係においても相当いろいろ問題になり得るのではないか。そういう意味で、検討の対象が非常に多いというのが現状でございます。 ちなみに、一般論として申し上げまして、国際社会で採択されたその条約と日本語のテキストの関係でございますが、いろいろなところで多くの条約が採択されるわけですが、そのすべてを私たちは翻訳しているものではございません。条約の日本語につきましては、原則として国会におかけする、締結の手続の一環として作成しておりまして、この条約につきましては、今申し上げましたとおり入ることにするかどうかも検討中でございまして、訳文というものは存在してございません。確かに先生から資料要求はございましたけれども、存在していないのでございます。これは何かが存在しておって他意があって先生にお出ししていないということでは決してございません。そういうことでございますので、ひとつよろしく御了承方をお願いいたします。
○安恒良一君 大臣、答弁してください。腹が立ってきます。何でそんな思い上がったエリート意識のことを言うの。外務省というのはそんなに偉いんですか。 というのはね、条約を国会に提出する段階になったら訳すと。私たちはその条約を国会に提出させるかどうかということも議論しなきゃならぬわけですよ。何も外務省だけが判断するわけじゃないんだ。何を思い上がった答弁しているんだ。こういうものが既に国連で決まり、しかも国際的にも公になった、この条約の訳文を私たちは国会に提出してもらいたい。それを見て我々は国会議員として、これは早く出すべきであるとかどうすべきだという議論をするのであって、その選択権を外務省が持っているわけじゃないんだ。 出してください。大臣、どうですか。――君は要らぬ。大臣だよ。君は出てくることないよ、指名しないのに。
○国務大臣(中山太郎君) 今局長が申しましたように、現在訳文自身をまだつくっておりませんので、まだここで訳文を提出するという状況ではございません。
○安恒良一君 なぜ出せないんですか。今申し上げたように、これはもう既に公にされている。私たちがこの点について、国連において採択をされて国際的にも公になっているんですからその訳文をぜひとも私は欲しい、そしてその上で議論をするときの資料をと言っているのに、どうして訳文に訳して国会議員や関係各省に配って議論をさせ、ることをしないんですか。なぜしないんですか、大臣。
○政府委員(柳井俊二君) 条約の作成手続に関する問題でございますので、まず私の方から御答弁させていただきたいと存じます。 御案内のように、条約を締結いたします場合には、特に国民あるいは日本にいる外国人の権利義務、基本的人権にかかわるようなことが多いわけでございまして、そういうような条約の翻訳というものは非常に慎重にやっておるわけでございます。具体的には、国内関係法令との整合性あるいはこれまでに締結いたしました条約との整合性等々を非常に慎重に検討いたしまして、各省で検討の上、最終的には法制局で御審査をいただきまして、その上で提出するという手続をとっているわけでございます。 したがいまして、仮訳のようなものがあれば御検討の便宜という点から望ましいことは承知しているわけでございますけれども、過去においてそのような御要望もいただいたことがございます。ただ、その後の検討において訳文が変わっていくということも十分考えられまして、いろいろ誤解が生じたということも過去にございますので、そういう観点から私どもこの訳文の取り扱いには極めて慎重を期しているわけでございます。 なお、関係各省において御検討いただく場合には、もちろん英文その他正文で採択されたテキストは存在するわけでございますので、このような正文をお配りいたしまして、それに基づいて御検討をいただいているということでございます。
○安恒良一君 委員長、理解できません。後から英文で届けるなんと言ったのがいるんですが、訳してくれとこっちは言っているんだから、これは理解できません。
○委員長(平井卓志君) 速記をとめて。 〔午後三時八分速記中止〕 〔午後三時三十一分速記開始〕
○委員長(平井卓志君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(中山太郎君) 委員御要求の資料につきましては、なるべく詳細な骨子を出させていただきます。
○安恒良一君 私はきょうのところはこれでおさめておきますけれどもね。私はなぜかというと、少なくとも国連で採択され、国際的にも公になっている条文の訳文を、国会にも出さない、国民にも知らせない、そういう外務省の思い上がり、エリート意識があると思う。問題は、それを出して我々が十分議論する。法制局の審査は審査で後から受ければいいことであって、そういう点は納得できません。しかし、これ以上これで時間をとるわけにいきませんから、私は今後、条約というのはいろいろありますからきちっとしてもらいたい。 そこで、この条約は出入国、国籍、社会保障、医療、労働、教育、広範にわたっていろいろ書いてありますが、批准した後の法体系を整備する際に、関係各省は法務、労働、厚生、文部などの各省にまたがっております。そこで、関係大臣はこの条約の意義、内容をどのように理解し、批准に対してどう考えているか、この点を、今申し上げた大臣、言ってください。
○国務大臣(小里貞利君) 本条約は、移住労働者及びその家族の人権を保護しようという一つの基本的な趣旨からいたしまして、私どもの労働行政面におきましても、報酬及び労働条件等におきましていわゆる国内法規と同等の対応をしなければならないような一つの規定になっておるかと理解をいたしております。そのような観点から、労働行政と深いかかわりがあることは了知いたしておるところでございますが、先ほどからいろいろ論議もございましたように、国内の諸制度との関係もこれあり、それぞれの法体系、法制等との関連におきまして慎重に検討をさせていただきたいと考えております。
○国務大臣(左藤恵君) 法務省の所管の行政との関係におきましては、出入国管理の法制の問題につきましていろいろと現行法とのすり合わせ、そういった点につきまして問題点があるということで、現在その問題についての検討をやっておるところでございます。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 本条約によりまして我が国の社会保障制度をどのような範囲の移住労働者まで適用できるかということにつきましては、まだつまびらかでございません。しかしながら、現行の出入国管理及び難民認定法によりまして退去強制の対象となる不法滞在者に対しまして、不法滞在を前提として社会保障制度を適用することは困難であり、このような不法滞在者に対して国民の税金を用いることや保険料の負担を期待すること、これらのことは社会保障制度の対象となかなかなりにくいということでございますので、この条約については慎重な態度でございます。
○国務大臣(井上裕君) お答えいたします。 条約の個別的具体の事項につきまして、条約の意味内容や国内関係法規等との関連等についてさらに慎重な検討が必要であると思います。 文部省関係におきましては、例えば不法就労者も含めた移住労働者の子弟への教育機会の保障あるいはまた移住労働者の子弟に対します母国語等の特別教育などが規定されております。そういうことで、文部省といたしましては国内諸制度との関係をさらに詳細に検討しなければならないと、このように思います。
○安恒良一君 厚生大臣、ちょっとあなた不勉強ですね。これは何も不法就労者だけを対象にしてありませんからね。今のあなたの答弁は不勉強ですからよく勉強してください。 そこで、最後にお聞きしますが、総理は国連中心主義とか国際化とか国際協力と、こういうことをいろいろ言っておられますが、今いろいろ各大臣が答弁されました。私はやっぱりこの条約というのは当然批准されてしかるべきだと思いますが、総理、これは今後どのように進めようとしていますか、お考えを聞かせてください。
○国務大臣(海部俊樹君) 関係大臣が今申し上げましたように、それぞれ日本の国内の現在の仕組みとその条約の示しておる問題との間に検討をしなければならない問題があるというそれぞれの立場の報告でございました。その検討を待って対処したいと思います。
○安恒良一君 総理と一番先にやりとりしましたように、私は、やっぱり速やかに二国間協定を結んで二年なら二年にきちっと受け入れるという体制をもうここで検討すべき時期に来ている。国際化時代にふさわしいと思いますから、このことを申し上げておきます。 この前質問しました公共投資の続きを質問したいんですが、経企庁長官、公共投資基本計画というのを昨年の六月発表されました。この性格、中身について、ごく簡単に説明してください。
○国務大臣(越智通雄君) これからの日本の国民生活をより豊かなものにするために社会資本の充実を図りましてその基盤を強固なものにしたいということで、一九九一年から二〇〇〇年に向かいましての十年間にそれに投ずべきものを四百十五兆プラス弾力枠十五兆、四百三十兆円の投資規模といたしまして、その中で特に生活環境・文化機能に、従来は、過去十年では大体五〇%ちょっとぐらいのシェアでございましたものを六〇%のシェアに引き上げるというところが特色と申しますかねらい目でございます。
○安恒良一君 そこで、特色を挙げられまして、公共投資の中身を生活環境・文化機能とその他に分けるということですが、その生活環境・文化機能とは具体的には一体どういうものでしょうか。
○国務大臣(越智通雄君) 生活環境というのは、箇条書き的に申し上げますと、居住環境の向上に資する機能、保健衛生等生命維持に寄与する機能、日常的、地域的モビリティーを支える機能など、生活の基礎的条件を支える機能のことを生活環境の機能と考え、また文化機能とは、文化、学術、教育、体育活動のための環境を整備する機能、ゆとり、潤い、自然との触れ合いを確保する機能など、生活の創造的、文化的要素を支える機能と考えております。 なお、「その他」といたしましたものも、その中は、例えば人や物の広域的な交通交流に資するもの、産業の発展に資するもの、安全な国土の構築に資するもの等といたしておりまして、先生御高承のとおり、従来公共投資は主体別と申しますか事業別で国土保全とか通信、交通とかいう分類をいたしておりましたものをこのたびいわば違う角度から機能別にいたしましたものですからこの分け目はなかなか難しゅうございまして、やや弾力的に判断していく以外ないか、このように思っております。 なお、公共投資の数字の入りました実態的な個々のものは、それぞれの五年計画とか数年計画というのがございますので、それによって決まってくるということでございます。
○安恒良一君 この冊子の十ページに機能別分類が書いてありますし、今また長官から話があったんですが、よくわかりませんね。だから、ひとつ具体的な問題で聞きましょう。 豊かさが実感できるための公共投資に変えていくというのはわかりましたが、この計画の中で交通問題はどういうふうに扱っていますか。
○国務大臣(越智通雄君) 交通は大変難しゅうございまして、一つの道路に生活をしている方々が地域として動いている場合もございますし、大変長距離の物流のためにトラックが通っている場合もございまして、一つの道路をどちらに入れるかというのは大変難しゅうございますが、そう言っていたのでは分類できませんものですから、まあいわば思い切ってと申しますか、一応の機能別分類としましては、都道府県道、市町村道、これは生活機能の方に入れました。高規格幹線道路、一般国道は「その他」の方に入れている、こういう分類でございます。
○安恒良一君 大臣、どうも取り違えられている。私は交通運輸と言っているので、道のことだけ聞いているわけではない。 そこで、この方針の中で交通運輸に触れられている箇所が三、四カ所ありますが、その点をちょっと説明してみてください。
○政府委員(冨金原俊二君) 交通に関連するところを幾つか指摘しているわけでございますが、例えば五ページのところに「円滑で快適な交通の確保に向けて、地域の日常的モビリティーを支える道路、地下鉄等の地域交通基盤の整備を促進するとともに、」云々という記述をいたしております。それから六ページのところでございますが、「人や物の広域的な交流の拡大を通じて、多極分散型国土の形成を実現するため、全国的な高速交通体系の整備を推進するとともに、国際化の進展に対応して地方への展開も含め、国際的な交流拠点となる空港、港湾の整備を推進する。」といった記述もしてございます。 それから七ページのところでは、「安心して暮らせる社会の実現に向けて、歩道の設置や交差点の整備を始めとする交通安全施設等の整備等、安全な居住環境の形成のための施設整備を推進する。」ということで、交通に関連する記述もしているわけでございます。それから八ページのところでございますが、「今後とも、より質の高い交通体系の整備、」云々という表現で、新しい整備についての記述もしているわけでございます。 主な点は以上かと思います。
○安恒良一君 これは全く断片的にしか書いてありませんからね。どんな構想、イメージで交通運輸の投資をしたら、長官が言われるように豊かさが実感できる社会になると理解ができるんでしょうか、この点をお答えください。これでは全くわかりません、断片的で。
○国務大臣(越智通雄君) 豊かさを実現するためには、やはり一つには地域密着型の生活重視の投資が必要でございますので、特にそういう意味では市町村道、地域の道路、そしてあるいは都市における地下鉄、こうしたものが第一義的に「生活機能」のところに入ってくるわけでございますけれども、今日の日本の一つの生活経済という点から申しますと、新幹線あるいは高速道路等もこれは確かに生活の豊かさに寄与している点はあるわけでございますが、先ほど申し上げましたように産業の振興その他の面も高いものでございますので-応「その他」には分類いたしておりますが、こうしたものが両々相まって大きな効果が出てくるものと、このように考えております。
○安恒良一君 どうも長官、交通運輸体系、あなたは全然わかっていないんじゃないかと思うんですね。こんなことで公共投資計画をつくられたり四百三十兆の指針をつくられたら国民は迷惑します。 そこで、具体的に一つ一つ聞いていきますが、ここに書いてある「全国的な高速交通体系の整備」というのは「生活環境・文化機能」の分類に入るのか「その他」に入るのか、それとも全然別なのか、はっきりしてください。
○国務大臣(越智通雄君) 先ほどお答え申し上げましたように、高規格道路は「その他」に入れてございます。
○安恒良一君 高速交通体系というのは道だけじゃないでしょう。
○国務大臣(越智通雄君) ただいま申し上げましたように、鉄道という意味でございましたら、新幹線は「その他」の方に入れてございます。
○安恒良一君 それから、高速交通体系の整備に使われた金は、これはそうすると「生活環境・文化機能」には入らない、こういうことですね。
○国務大臣(越智通雄君) 平成三年度の予算の編成の際にいわゆる二千億の重点枠を使いました。そのときに、新幹線を入れるか入れないか、かなり政府部内、私は当時は自民党の方の党サイドにおりましたが、深刻な議論をいたしましたが入れないと。それはそういう何と申しますか大物を入れてしまいますと金額が張って比率だけ上がったように見えますけれども、むしろもっと地道なものを数多く取り上げることによって、我々の言っているこの六〇%の中身をより濃いものにしたい、こういうことで入れてございません。
○安恒良一君 先に答えられましたが、新幹線整備は「生活環境・文化機能」に入らない、その理由は金額が大き過ぎると、こういうことでありましたね。 それじゃ聞きますが、ミニ新幹線の整備、それからスーパー特急のための改良工事、これは「生活環境」の中に入るんですか入らないのですか。入らなければその理由を言ってみてください。
○国務大臣(越智通雄君) 先ほど申し上げましたのは、新幹線は金額が大きいからというだけではございませんで、二千億のときに新幹線といった中には今先生のおっしゃいましたような新幹線に準ずるものはすべて含めて計算いたしております。
○安恒良一君 ですから、その入らない理由ですね。すべてこれ、今三つ挙げたのは何で入らないのか。
○国務大臣(越智通雄君) それは一番最初に御説明いたしましたように、生活関連というのは地域社会を中心とした生活の中身を豊かなものにするということから考えましたものですから、先ほど「その他」で申しましたように、広域的な人及び物の交流に資するものは「その他」とするという考え方で当初の基本計画ができているからでございます。
○安恒良一君 それでは、自動車の道の建設について聞きますが、日本道路公団の高速自動車道はどうですか。それから国道建設の拡幅工事はどうですか。それから都道府県道の建設は入るのか入らないのか。この三つの道について説明してください。
○国務大臣(越智通雄君) 先ほどお答え申し上げましたように、まず、先生の最後に挙げられました都道府県道は生活関連の方に入れてございます。そして、高速道路は「その他」に入れてございます。一般国道の拡幅と言われますとちょっと私確かでございませんけれども、一般国道そのものは「その他」の方に入れてございます。
○安恒良一君 それじゃ、今度は空港で聞きますが、国際空港の建設はどうですか。それから地方空港はどうですか。コミューター空港はどうですか。この三つは入るか入らないか、その理由。
○政府委員(冨金原俊二君) 一応生活関連という意味でそのすべてのものがかかわるのではないかという考え方もあり得るわけでございますが、どこかで線を引かなければいけないということでございますし、より生活に密接に関連したというふうに整理をいたしまして、空港の場合でございますけれども、空港周辺の整備、あるいは今御指摘の場合にはコミューターあるいは離島の空港といったようなものはこれは生活環境に入るというふうに分類をしておりますが、それ以外の空港については「その他」という分類をしているわけでございます。
○安恒良一君 それから、港湾建設を「生活環境・文化機能」と「その他」に分類する具体的な基準は何ですか。
○政府委員(冨金原俊二君) 具体的な基準ということの御質問はなかなか難しいわけでございますけれども、要するに、一般の市民の日常生活に非常に密接に関連する分野については生活環境にかかわるものというふうに整理をし、それ以外の全国的な交流を図るようなもの等については「その他」という考え方で整理をしているつもりでございます。
○安恒良一君 今まで聞いたけれども、全くわからぬ。港湾は一般的な市民生活に関係しないと言うんですか、港湾というのは。どこまでが一般市民に関係するか今の説明では全くわからない。例えば何か緑地整備だけは「生活環境」に入れて、港湾そのものは「生活環境」に入れないというその意味が全くわからない。何を言っているか、聞いている国民もわからない。どういうことなんですか、それは。
○政府委員(冨金原俊二君) もう少し具体的に分類を申し上げますと、一応港湾につきましては、離島の港湾につきましてはこれはその地域の生活に非常に密接に関連するというふうに考えまして「生活関連」に入れておりますけれども、その他の工業港湾とか地方港湾あるいは流通港湾というものは、確かにその地域の生活にかなり密接に関連いたしますが、同時に広域的な機能も果たすわけでございますので、一応「その他」というふうに分けているということでございます。
○安恒良一君 これは、まず設定した目的は、「生活環境・文化機能」を六〇に上げることによって国民生活を豊かにするということが目的でしょう。その観点から説明してください。 国民生活を豊かにするのに離島港湾は入るけれども本島における港湾は入らぬなんて、そんな説明はできないでしょう。一番大きな目的は、五〇を六〇にして国民生活を豊かにしますと、これは基本方針が書いてある。その角度から答えてくれなきゃ、何を言っているかさっぱりわからぬ。
○国務大臣(越智通雄君) ぜひ御理解賜りたいと思うのでございますが、この公共投資基本計画を昨年六月に決めましたときは、これはあくまでも枠組みと基本方向を総合的に示す目標を持って、目的を持ってつくったものでございまして、四百三十兆というのは過去十年間の二百六十三兆に対しましてかなり大きな枠組みでございまして、またその中の個々の計画は、先ほど来申し上げておりますように、個別分野での個々の何年計画というものによって決まるわけであります。 したがいまして、生活分野かどうかというボーダーラインも、機能別分類は今度が初めてでございますものですからかなり弾力的に考えていかなきゃならぬ。ただ、気持ちとして、生活重視の方向へなるべく投資の重点を置いていこう、こういう趣旨でございますので、その点をぜひ御理解いただきたいと思います。
○安恒良一君 もう時間がありませんから、それじゃ次のことを要望しておきます。 私は今まで聞いた限りでは、生活関連資本はこれでは単なる宣伝に終わりはしないかと心配します。そこで、あなたたち自身が目標の区分の分け方がはっきりしていないわけですから、私は今いろいろなことを聞きましたが、ぜひこれをはっきりしてもらいたい。というのは、これから十年間国会は、「生活環境・文化機能」がどのように高まっていくかということを私たちは検証しなきゃならぬ。そうすると、私が今いろいろな具体的項目を指摘しましたが、どうも「生活環境・文化機能」の、これは要る、これは要らないというその理由がなかなかはっきりしませんから、どうか私が今指摘したようなことについて明確に一覧表にして、これは入る、これは入らない、入らないのはこういう理由だと、そういうのをひとつぜひ提出してもらいたいと思いますが、長官、よろしゅうございますか。
○国務大臣(越智通雄君) 御趣旨をなるべく体しまして、早速作業をさせてみたいと思っております。
○安恒良一君 これをもって終わります。
○委員長(平井卓志君) 以上で安恒君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、白浜一良君の質疑を行います。白浜君。
○白浜一良君 私は、まず最初に今後の政治日程について総理に伺いたいんです。 きょうも一部報道されておりましたが、今国会は延長されないという報道もありました。総理、今国会、延長されるお考えはございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 私の気持ちを率直に言わせていただきますと、会期内に提出してあります法案をどうか通していただきたい、この気持ちでいっぱいでございまして、ただいまのところ、それ以上でもそれ以下でもございません。どうぞよろしくお願いいたします。
○白浜一良君 私そう申しますのは、海部総理はいわゆるリクルート事件のあの渦中で誕生されたわけでございます。ですから、政治改革に命を注ぐということで、全力を挙げるということを標榜されたんですね。ところが、政治改革に関する問題が全く出ていない。今国会でそれが取り上げられなかったとしたら、臨時国会を開かれるのか。総裁任期は一応十月ですよね。それまでの見通しを私は伺っているわけでございます。 〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕
○国務大臣(海部俊樹君) 政治改革の問題については、私の方から、政府の審議会の答申はすべて取りまとめ、それを与党の方にお願いして自由民主党の党議決定を、また私は各党の党首の皆さんに、昨年の暮れ党首会談を開いて、こういうことで作業を進めたいから各党御理解、御協力をお願いしますと要請も申し上げ、また衆議院の特別委員会等で各党の皆さんに項目別で御議論をいただいておりますが、さらに政党間における話し合いも行ってもらうように、これは自民党にも、各党党首会談の後で党首の皆さんにもお願いを申し上げたところでございます。 それがまとまりましたならば、これは政党にとっても議員個人にとってもよって立つ大変な問題でありますから、皆さんの意見等も聞きながら作業を取り進めていきたい、この強い気持ちを持っております。
○白浜一良君 三月十九日の本委員会で総理は、四月末ごろまでに具体的なめどをと自民党にお願いしている、こういう答弁をされているんですけれども、この見通しはどうなんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) それは自民党総裁として自民党の選挙制度調査会長や自民党の政治改革本部の本部長、本部長代理、皆さん幹部と私はときどき出会って促進状況等も話をしておる党内の問題を、答えるとおっしゃったから申し上げたんですけれども、四月の終わりごろまでに党内の議論を集約してくださいと、このことは党内でお願いをし、その作業を党内で進めていっていただくものと受けとめておりますし、同時に、並行して衆議院の公職選挙法の委員会で各党の皆さんとそれらの問題についての御議論も始めていただいておると承知しております。
○白浜一良君 政府でつくられた政治改革案もいわゆる小選挙区制をベースとした選挙制度の改革が中心になっておりまして、これは私どもは反対でございますし、なかなか与党の中でも意見がばらばらだと伺っておりますが、実際問題、この四月末までにまとまらないと私は思いますし、非常に難しい。そういった面で、やはり政治改革として一番できるところでまずやらなきゃならないのは、参議院もそうですが、少なくとも衆議院においてはいわゆる定数問題が違憲状態にあるわけです。この定数是正というのはまずできるわけですから、そういうものから取り組まれる決意はないかどうかということをお伺いしたいんです。
○国務大臣(海部俊樹君) 政治改革全体の流れの中で、まず第一に政治とお金の関係で、政治家の側から支出をするときの問題についての公職選挙法の一部改正案は皆さんの御理解と御協力をいただいて昨年の二月の選挙から適用するように成立したことは、これは御承知のとおりだと思います。 また、今、定数是正もできるからとおっしゃいましたが、各党ができるからということで案をおまとめいただければそれは本当にできるわけでありますから、どうぞよろしくお願いしたいと思いますし、また私どもの方としては、裁判所で憲法違反という指摘を受ければ、今度はそれに合うような是正をしなければなりません。そのための作業を自民党にもお願いし、また申し上げてありますが、それは政策本位、そして政党本位の選挙制度に変えていくことが結果として政治とお金の問題についての身を正すということにも直結するし、政党本位の、政策本位の選挙をやるということの方がいいという御意見も多いと私は受けとめておりますので、鋭意御議論を賜りたいと思います。
○白浜一良君 まあそうなんですけれども、政党本位、政策本位の選挙でいいんですが、その政府の案がまとまらないから、少なくともそういういわゆる違憲状態にある定数是正から取り組まれたらどうかということを私は申し上げただけでございます。 次に、対米関係で若干お伺いしますが、今回忙しい日程を割かれて日米首脳会談をされてこられましたけれども、総理として、今回の首脳会談はどこに成果がございましたですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 日米の二国間関係というのは私は極めて重要な関係だと思っておりますし、またいろいろ今後の問題についても、日米の間だけじゃなくてもっと広い意味で、地球の環境とかあるいは人権の問題とか、いろいろな問題等も出てくるはずであります。 そういったことを幅広く推し進めていく上に立って、きょう現在日米の二国間にある問題というのはやっぱり貿易問題、経済問題であり、それに伴っていろいろな誤解があったりあるいは不満があったりいたします。現に、昨年一番力を入れたのは日米の経済構造問題でありました。そういったことは、お互いに両国が指摘し合った努力によって最近は日米間の貿易のインバランスも是正して、相互の努力によって良好な方向に動いておることは御承知のとおりでありますが、そういったことの基本に立ってさらに努力をしていくということ。 また世界の自由貿易を今きちっと守っていくために多くの国々が十五分野にわたるウルグアイ・ラウンドの交渉を行っておることも話題になり、その中で、先ほども申し上げましたように、ヨーローパの抱える問題、アメリカの抱える問題、日本の抱える問題、それぞれございますが、象徴的に今言われているのは米の問題もございました。私はそれらについてはガット・ウルグアイ・ラウンドの場において、各国が抱えるそれぞれの問題をお互いに歩み寄ってこのウルグアイ・ラウンド交渉を成功させるように、アメリカとは協力をしながら、話し合いを続けながら努力をしていこうということもいたしました。 いずれにしても、基本的に日米関係は健全なものであり、同時にまた、信頼関係に立って今後とも協力、協調していくことの確認をしてきた次第でございます。 以上です。
○白浜一良君 今るる述べられましたけれども、私の率直な印象といいますか私個人の印象でございますが、ここに記事がございます。総理が共同記者会見でコメントされているわけですが、「大統領は」「世界の偉大な指導者であり、世界の中で正義と平和、自由と民主主義のために戦っている数えきれない人々の誇りだ。」、これはまあ外交辞令もあるでしょうけれども、全体のトーンを見まして、総理は日本の国民を代表してブッシュ大統領と会見されているわけですから、私の印象といたしましては、なぜここまでへりくだらなければあかんのか。まあ多少外交辞令もあっていいんですけれども、そういう印象が私は強くするわけでございますが、総理、どうですか。私はそう受けとめます、このコメントを見まして。
○国務大臣(海部俊樹君) へりくだったわけでも何でもなくて、私は白浜議員と見解を異にするのかもしれませんが、もし昨年の八月にブッシュ大統領が指導力を発揮してあのような迅速な展開をし平和の破壊があれ以上広がることを阻止しなかったならばどうなっておったろうかということを考えますと、あのことに非常に強い懸念を示した世界の人々にとっては、自由と民主主義を守っていく上にとってはそれはそのように評価してしかるべきことだと私は思っておりますから、そのことを率直に申し上げました。 また、同時に、日本がそれらに対していろいろ行ったことに対して日本の努力が正しく評価されておらないことがある。私は率直に言って、日本国内にもこのような受けとめ方を残念だと思っておる国民もたくさんいる。そういったものが太平洋を挟んで不満やあるいは誤解の応酬をしておったのでは日米関係にとってよくないと思うということもあの記者会見ではっきりと申し上げ、そういった状態を解決する必要があるということも言いましたが、ブッシュ大統領自身も、日本の尽くしてくれた行動は高く評価する、同時に、そういった太平洋を越えてのバッシングというものがよくないものであって、自分はそんなことを考えておるのではないという意味の、そういった意味で前向きにさらに努力をしていこうというところにも触れておるわけでありますから、かなりの部分の発言をいろんな角度から申し上げたということであります。
○白浜一良君 要するに率直な感想としてそういうへりくだったイメージと、その内容が非常に抽象的で現実的な課題が先送りされている、私は全般に関してそういうイメージをするわけです。 と申しますのも、具体的な話を取り出しますが、二国間の関係で大統領のコメントでは三つ述べられております。まず第一番目は、ウルグアイ・ラウンドの成功だ、このようにおっしゃっています、日米関係の改善ということで。大統領、おっしゃっていませんか。おっしゃったんでしょう。書いています、新聞に。それで総理は、「ウルグアイ・ラウンドの早期かつ成功裏の終結を目指し、日米間で緊密に協力していきたい。」、このように述べられているわけでございますが、ウルグアイ・ラウンドではずっと協議されてきているわけです、例えば米問題に関して言いましたら。 だから、ウルグアイ・ラウンドで我が政府は、我が国はどういう対応をされるのかというそこの部分が全くないから、そこが一番今問われているわけですよ。次のウルグアイ・ラウンドに対して、例えば米の問題に関しまして一粒たりとも日本は輸入しないんだという態度でまた臨んでも、これは進展しませんね。これはどういうことなんですか。次に先延ばしされたウルグアイ・ラウンドの打ち合わせにどういう姿勢で臨もうとされているわけですか、成功裏にするために。
○国務大臣(海部俊樹君) ウルグアイ・ラウンドというのは、よく御承知と思いますが、十五分野にわたる交渉をそれぞれ行っており、特に農業問題に関しては、アメリカにはウエーバー条項がある、EC諸国には可変課徴金の問題がある、輸出補助金の問題もある。アメリカ議会では九〇年に農業保護法というものがついこの間成立したばかりである。日本にはいろいろ問題はありますけれども、しかし日本は積極的な努力もきょうまでしてきて、ことしから牛肉・オレンジの自由化にも日本の措置として踏み切っておりますし、そういったことによって食糧の自給率は極端に下がってきておる。 今カロリーベースで四八%というのは最低でございまして、アメリカは確か百二十何%いっておるわけです。ですから、そういう意味で、それぞれの国の抱えておる問題というのは簡単に一本の三角定規で線を引いてこれとこれとこれというわけにまいりません。 そこで、ウルグアイ・ラウンドでは、必要ならば担当の大臣から答えさせますけれども、幅広くいろいろな問題があるんです。日本は食糧輸入国です。そして、アメリカからもたしか八十二億ドル買っておりますから、全アメリカの農産物の二割近くです。そういった日本の食糧輸入国としての立場からいきますと、食糧の安全保障という面について日本は広く世界に理解を求めたいし、また、日本は補助金までつけて輸出するというようなことをしないで、減反政策で、世界の貿易秩序の中できょうまでも努力して三割近くの減反もしてきておるということ。 ですから、こういったことは全部国際社会に日本の立場として述べて、同時に国際社会も今言ったそれぞれ持っておる苦しい状況を出し合って、そこで共通の認識を得るように努力をしていこうというのでありますから、そういった全体の流れの中で共通の認識を得るように努力をきょうまでも続けてきたし、今後とも日本の基本的な立場を踏まえながらウルグアイ・ラウンド交渉に臨んでいくようにと各担当の大臣には指示をしておるところであります。
○白浜一良君 いや、そういうことはわかっているんですよ。そういう姿勢でウルグアイ・ラウンドでずっと協議されてきたわけですからね。 例えば、日本は食糧を確かにたくさん輸入しています。だけれども、今なぜ米が問題になっているかということは、日本は物すごく貿易黒字なんですよ。経常収支も黒字です。それを支えているのは、総理も御存じのように、戦後一貫したIMF、ガット体制というものに支えられているわけです。それはあくまでも自由貿易、それがベースになっているわけです。そういうルールに違反しているじゃないかと。日本が貿易赤字だったらこれは責められないわけですよ。日本だけが特別黒字になっておる、その事実を責められているんですよ。 先ほど総論的におっしゃったこと、別に私何も反対しません。だけれども、今アメリカから責められている一つの事実、米問題に関する事実というものはそういうところにあるんですよ。総理、どう認識されますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 米の問題だけを取り上げて議論しますならば、米問題は日本は自給するという原則に立ってきょうまで主張してきたわけでありますから、そういったことに立って日本の主張についての共通の理解を得るような努力を続けてきたわけですし、各国それぞれいろいろな問題がありますから、日本が責められておるだけではございません、それは。 だから、世界のそういう幅広い多角的な自由貿易体制をみんなの合意によって共通の理解と認識の中で、よしそれはわかったということで守っていかなきゃならぬ。全体の枠組みや秩序を壊してはいけない。そのためにどこがどうしなければならぬかということで、日本だってきょうまで、最初に触れたように、譲るべきもの、譲歩していこうとしたものは随分ございました。そういう努力を一生懸命続けてきました。だから、そういった立場を基本的に説明して認識を得ていきたい、こう思っておるところであります。
○白浜一良君 それでは、くどいように確認しますが、「早期かつ成功裏の終結を目指し、日米間で緊密に協力していきたい。」、こう総理が述べられている。このことも、要するに基本的には、今米を具体的に言っているわけですから、米問題に関しましては従来の方針は変わらないということですか。
○国務大臣(海部俊樹君) ボン・サミットのときにも私は各国の首脳にウルグアイ・ラウンドの成功の必要性は説きましたが、そのとき、米は日本の場合は非常に特殊な状況にあって難しい問題もあるわけでありますから、これについては今後ウルグアイ・ラウンドの場所の中で、食糧安全保障の枠組みの中で討議されるべきものであるということはきちっと経済宣言にも認めて、ヨーロッパの代表もアメリカもいるところでこれを書き込んだ文書もございます。 ですから、そういったことの立場立場、それぞれの国の持っておる困難な立場を認めながら、米だけじゃない、十五分野全体の中で、もっと大きな幅広い問題の中でガット・ウルグアイ・ラウンドでは解決されなきゃならぬ問題であります。米は基本原則を理解してもらうように説明を続けていくということは、繰り返し申し上げておるとおりでございます。
○白浜一良君 いや、だからそれを繰り返し続けられるのはいいんですけれども、それで早期かつ成功裏に終えるめどを総理はお持ちなんですか、米問題で。例えば米問題で言いましたらそういう原則論だけで日米関係がきちっとなる、これは成功裏に終わるんだと、そういう見込みはあるんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 相談しながら努力をしていこうということであって、日本の立場を既に認めて、各国がわかったと言ってもらうなればもうそれは解決するわけでありますけれども、そうじゃないところにこれから努力し続けていかなきゃならぬ難しい問題があるということで、全力を挙げて努力をいたします。
○白浜一良君 私は、全部いわゆる国家戦略上やっているわけですから、ブッシュ大統領だってそういうアメリカの国益を考えた上で世界戦略を組まれているわけですから、だから総理も日本国を代表しているわけですから、そういった意味で、この米問題というのはずっと引きずっているわけですが、もっと大きな立場で政治判断を示していただきたい、こういうふうに要望しておきます。 もう一つ、具体的な例でお伺いをしたいんですが、金融報復法案、これは衆議院の予算委員会でも審議されているわけでございますが、その後の変化等がございましたら、大蔵大臣、お答えいただけますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) いわゆるアメリカ金融報復法案と申しますものは、アメリカの国防生産法改正法案に含まれておりますいわゆるリーグル・ガーン条項であると存じます。 〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕 この法案は、既に委員御承知のように、本年二月二十一日上院の本会議において可決されました。一方下院におきましては、リーグル・ガーン条項を含まない現行の国防生産法の単純延長法案が本年三月六日本会議で可決をされております。その後アメリカ議会は三月二十五日から四月八日まで休会でありましたので、早ければ今週中にも両者を調整するための両院協議会が設置される予定であると聞いておりますが、議会の動きは極めて流動的でありまして、今後の見通しについて確たることを申し上げられる状況にはございません。
○白浜一良君 衆議院の審議では、アメリカ行政府としてもこれに対しては反対の姿勢をとっておられたわけでありますと。今もそういうふうに、アメリカ政府は反対の立場をとっているというふうに認識されているんですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 恐らくそういう御指摘が出ましたのは、二月二十六日のプレイディ財務長官が議会証言をなさった部分が日本国内で報道された結果であろうと思いますが、アメリカ行政府は従来これについて明確に反対の意思を表明しておられました。そして、今回、二月二十六日の証言におきましては、この条項につきまして昨年末行われた修正によって改善されたことを評価するということでありまして、私どもはこれがリーグル・ガーン条項に対する支持の表明であったとはとっておりません。 引き続きアメリカの議会の動向を踏まえながら行政府との間の意思の疎通を図り、私どもとしてこれは好ましい条項ではございませんので、日本としての懸念を正確に伝え続けてまいりたい、そのように思っております。
○白浜一良君 四月三日の報道によりますと、先ほど大臣がおっしゃいましたが、十日ごろに両院協議会が行われると。それで、下院のシューマー議員ですかは、この報復条項は日本などの内国民待遇を拒否している国をねらいとしたものである、このように述べているんですけれども、そうすると、政府としてこういう法案が成立されるという見通しであるかないか、またあるということになれば大変なことになるわけでございまして、その辺の見通しをもう一度お願いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変申しわけありませんが、日本の議会における政府の提出した法律案に対しましても、私どもなかなかその成否について予見ができないのが実態であります。しかし、我々として、これについて日本政府として懸念を有しておるということは既に何回も表明をいたしておりますし、そうした努力を続けてまいりたいと考えております。 基本的に、日本は内国民待遇について他国を差別して扱っておる状況ではありませんので、こうした状況をよく理解させる努力は今日までも払ってまいりました。これからも払ってまいりたいと思います。
○白浜一良君 それはアメリカの法律の成立は日本政府と全然関係はないですけれども、それはよく承知しておりますが、これはいわゆるそういう日本に対する報復法案でございますから、こういうことも踏まえて、要するに日本のいわゆる国益を守るためにやっぱり頑張ってもらわないといかぬわけですから、準備も含めて適切な対応をきちっとしてもらいたいということを言っておるわけでございまして、そのように要望しておきたいと思います。 次に、中国問題で、先日外務大臣が訪中されました。天安門事件以来閣僚級の訪中は控えていらっしゃったわけですが、さきに通産大臣が行かれて、また外務大臣が行かれたわけでございます。中国に対する認識が変わったわけでございますか。
○国務大臣(中山太郎君) 今日まで日本政府は、中国の改革・開放というものがどのような方向で天安門事件以来進んでいくのかということをずっと注目をしてまいりました。中国はある意味で相当努力をしてきた、そういう点を我々は見ております。そういう中で海部内閣としては、中国孤立化政策を日本がとっていくということはアジア及び世界の平和のために好ましくないという主張をかねて各国にやっておりましたけれども、大方の各国が日本の考え方に理解を示すという段階に到達いたしまして、第三次円借款の再開を初め、今回外務大臣が公式に訪問するということに相なったわけでございます。
○白浜一良君 それで、さきの中国の人民代表大会で第八次五カ年計画並びに社会発展十カ年計画が発表されたと報道されておりましたが、さまざまな懸念があるわけですね。外貨が充足するのかどうかということもございますし、財源が不足しているんじゃないか、インフレに対する懸念、いろいろあるわけでございますが、中国のいわゆる経済状態に対して外務省としてはどのように認識されておりますか。
○政府委員(谷野作太郎君) ただいまお話がございましたように、去る三月二十五日から四月の九日までお話しの全国人民代表大会が北京においてとり行われまして、そこで国民経済・社会発展十カ年計画というのとそれから第八次の五カ年計画の要綱が採択されました。また、同時並行いたしまして季鵬首相の報告がございましてこれも採択されましたが、ただいま申し上げた五カ年計画あるいは十カ年計画自体は、細かい内容はまだ発表されておりません。 しかしながら、李鵬首相の御報告を見る限り、いわゆる経済中心で発展を引き続き重視していこうということ、体制の改革を通じて経済の活性化を図っていこうというようなこと、そして何よりも対外開放を絶えず拡大していこうという、いわゆる世に言われます改革・開放の基調というのは変わっていないというふうに私どもは見ております。 もとより、ただいまも先生が若干お触れになりました中国の経済の困難というのは、いろいろそれはそれであるわけでございますけれども、私どもは、せっかく中国が進めております改革あるいは開放への努力というものはそれ自体非常に結構なことでございまして、日本政府としてもやはりこれに対してできる限りの協力をしていくという姿勢であろうかと思っております。
○白浜一良君 それから、一部新聞報道されましたが、「中国の技術労働者・研修生「受け入れ」本格協議 政府代表団派遣へ」ということで発表されたわけですが、外務大臣、こういう流れは考えていらっしゃっているんでしょうか。
○政府委員(谷野作太郎君) 先般の外務大臣の訪中の際にはこの点は実はほとんど先方との間では話題になりませんでしたけれども、その他いろいろな機会に中国側から、例えば貿易混合委員会というような場がございましたけれども、そこで中国の労働者あるいは研修生の受け入れの問題につきまして向こうから積極的な要請、意見が寄せられました。 ただ、これは国会でもいろいろ御議論がございますように、我が方で引き続きいろいろな角度から検討すべき問題が多々ございまして、中国側の意見を引き続き徴しながら、他方日本側におきましては、関係省庁の間で引き続き意見交換を行っておるという現在の状況でございます。
○白浜一良君 法務省もこれは承知されておりますか。どのように考えていらっしゃるか。
○国務大臣(左藤恵君) この中国からの要請に対しまして今後どういうふうな取り組み方をするかというお尋ねだと思いますが、昨年の六月に施行されました改正入管法のもとで、研修生につきましては国際協力の観点から適正、幅広く受け入れる、こういうことで法的な整備が行われましたが、さらに法務省といたしまして関係省庁と協力して、研修事業の健全な発展を図るべく体制と環境の整備に努力してまいりたい、このように思っております。 中国側の研修生受け入れ拡大の要請につきましては、四月の四日にも我が国を訪問されまして、私もお目にかかりましてこうした要請がございました。今後ともそういう中国側の研修生の受け入れのことにつきまして今申しましたような立場で対応してまいりたい、このように考えております。
○白浜一良君 これは中国に限りませんが、それに関連していわゆる不法滞在者の外国人の問題でございます。 昨年の十二月二十五日に日本医師会から、不法滞在者、不法就労者の受診の機会が非常にあって支払い困難とか紛争の種になっている、厚生省はどのように対策を講じているかという照会文が医師会から出ているんですが、厚生大臣、これは承知されておりますか。
○国務大臣(下条進一郎君) お話がございましたように、お尋ねがございました。 そもそも、不法という形で滞在しておられる方については法の救済がないというのが前提でございます。その中でも、特に伝染病とか措置を必要とするものにつきましては別な制度でこれは救済できることにはなっております。一般の病気の場合は、これはその不法滞在者がまず前提としては国外退去をされるべき筋のものであろうと思いますが、その関係で、その措置がとられていない段階で医療を受けられた場合の問題は、これは医療機関とその御本人との民法上の取引の関係になろう、こういうように解釈しております。
○白浜一良君 大臣、そこでトラブルが起こっているから言っているんです、その医療機関とその方との。任されたって、実際支払いがないとか、支払いしないんだからもう診療しないとか、そういうトラブルが起こっているから、そういう問題に対して厚生省としてどう対応しますかという質問なんです。これはどう対応されたか。照会文に対してそういう返答をされたんですか。
○国務大臣(下条進一郎君) 先ほどもお話しいたしましたように、不法労働者を救済するということは、これは一般の不法でない方の負担において救済するという一つの筋になろうかと思いますので、この措置をとることは今困難でございますので、今後の一つの御相談をしてまいりたいということで返答いたしております。
○白浜一良君 医師法の十九条には、「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」と書かれているわけでございますが、もし不法就労者が診療を求めた場合に医者は拒むことはできませんね、この法律によりましたら。
○国務大臣(下条進一郎君) 医師法の前提は、今委員のおっしゃったとおりでございます。しかしながら、現実問題といたしまして、先ほど来るる申しましたようにその前提が幾つかあるわけです。まず不法滞在者である。不法滞在者はそもそもこれは強制退去をされるべきものである。また、その人に対して医療を行うということにつきましては、制度上これを救済の制度として公式に認めることは困難であると。 ただ、問題は、今先生も御指摘のように、患者が飛び込んできた、そしてお医者さんのお立場からこれを治療された、こういう問題の救済をどうするかということになってくると思いますけれども、これは先ほどお話しいたしましたように民法的な立場で解決をしていただくしかないのじゃないか、こういうことでございます。
○白浜一良君 もう日本も国際国家なんですから、そういう方であったって、滞在されている方がいらっしゃるわけですから、これはもう当然人権上の問題、人道上の問題なんです。病気になって倒れているのに不法だからと、そんなことを言う。そういう国だから国際的に信頼されないわけです。大臣、もう少し前向きな答弁をしてくださいよ。
○国務大臣(下条進一郎君) 法律の立て方からいえば私が今まで御答弁申し上げたとおりでございます。ですから、現状の法制では救済措置はございませんけれども、将来の問題として一つの研究課題として勉強をしてまいりたい、こう思います。
○白浜一良君 研究課題ということはなかなかやらないということなんですね。私も新米ですが、よくわかりました、国会へ来て。ですから、経済大国、国際国家を標榜されるんですが、こういうことをきちっとできないと、これはやはり法律をつくる前提になるいわゆる人権また人道上の問題ですから、どうですか、これは総理、もっと前向きに考えていくべき問題ではないですか、これは一つの事例ですけれども。
○国務大臣(海部俊樹君) これにはいろいろの前提があってお話を申し上げておったと思いますが、今本当に苦しんでいる人が目の前にあったときに医師が助けるか助けないか、診るか診ないかということだけにスポットを当ててみますと、それはやはり診て助けてあげるのが人道上正しい答えだ、これはそこだけ見ればそう思います。ですから、それが今の法の仕組みの中でなかなか難しい問題もあると率直に認めながら厚生大臣も勉強し研究しますと申し上げておるわけでありますから、どうぞ厚生大臣の努力をひとつ見守っていただきたいと思います。
○白浜一良君 具体的に前進することを期待しておきます。 次に、ゴルバチョフ大統領がもう六日後に訪日されるわけでございますが、対ソ関係について若干お伺いしたいんです。 この四月二日ですか、ソ連の小売価格が改定になりまして、バンなんかは四倍になった、一般消費物資で六〇%上がったというそういう経済の動向もございますし、また民族問題も抱えているわけでございまして、いろんな問題を抱えながら来日されるわけでございますが、このソ連のいわゆる経済状況、政情をどのように外務省は認識されているかお伺いしたい。
○国務大臣(中山太郎君) 現在のソ連はゴルバチョフ大統領の指導のもとでペレストロイカの推進をやっているという中でございますが、御案内のようにグラスノスチという新しい政策のもとで民族運動がどんどんと広がっていく。それにつれて連邦からの共和国の独立問題が出てくる。こういったような内政上の非常な困難が存在しているということは御存じのとおりでございます。 一方では、経済改革がうまく進んでいない。そういう中で、今委員が御指摘のように経済政策をいろいろと変えつつある。できるだけの努力をしておりますけれども、これがこれからどのような経過をたどっていくかということは私どもがここで断定するわけにはまいらない。ただ、日本政府としては、このペレストロイカが成功するということについて我々は支援をいたしていくということでございます。 なお、このインフレとか財政赤字、市場経済の問題というのは、経験のない国家にとってはなかなか難しい課題であることは論をまたない。私どもはただただこのペレストロイカの成功を期待しているといったところでございます。
○白浜一良君 それでは、首脳会談をされていろんな共同声明等の準備をされていると思うんですが、今回の首脳会談でどういうテーマを設定されているのか、またどのような方向でまとめようとされているのか、差し支えない範囲でお教え願いたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 現在まだ具体的に申し上げる段階でございませんけれども、大きな考え方として、一つは二国間の問題、もう一つはアジア・太平洋の安全保障問題が出てくるだろうと思います。それと、国際情勢全般にわたるいろいろな協議、こういったような三つの大きな考え方があるのではないか。そのように考えておりますけれども、大統領と海部首相との首脳会談というものは、首脳同士の相当突っ込んだ話し合いが行われるものと考えております。
○白浜一良君 そこで、三点ほどちょっとお伺いしたいんですが、まず経済協力に関してでございますが、きょうの新聞報道で「「経済協力」議題にせず」という報道がされたんですが、これはどのように認識したらいいんですか。
○国務大臣(中山太郎君) 一般に、新聞に出ておることが全部すべてそのまま実現するということではございませんで、両国間の政府ではいろいろと具体的に実務的に考えていることがございますから、まだ公表申し上げる段階にございません。
○白浜一良君 要するに、技術協力は固まった、このように報道されているんですが、この点はどうですか。
○政府委員(兵藤長雄君) お答え申し上げます。 ただいま外務大臣から御答弁申し上げましたとおり、ペレストロイカを積極的に支援をするということは、具体的に申しますと、ペレストロイカを、技術的あるいは知的という言葉を使うこともございますが、側面から支援をしていくということでございます。 この点につきましては昨年の九月シェワルナゼ外務大臣が参りましたときに中山外務大臣との間でほぼ九項目について積極的に技術支援を推進するということが合意され、その合意に従って、以来極めて積極的にこの支援が実施されております。また、それを受けまして、今般ゴルバチョフ大統領御来日の際には幾つか署名されます取り決めの一つとして、この技術的支援を今後続ける基礎として一つの取り決めを今まとめつつあるという状況でございます。
○白浜一良君 二点目は、北方領土返還の問題でございますが、最近、新聞、テレビの報道で、今回の首脳会談では決着が出ないというそういう報道が非常に強くなってきているんですけれども、この点はどうですか。
○国務大臣(中山太郎君) 先ほども申し上げましたように、新聞報道と我々外交担当者が直接やることとは相当違っている場合もございます。領土問題を突破口として、日ソのこの関係を拡大していくという考え方でこれから鋭意外交努力をしなければならないと考えております。
○白浜一良君 三点目に、なかなか答えられないと思いますが、アジア安保体制の問題で、ソ連はソ連の独自の考え方があると。ところが、日本はそういう考えに乗らないで政策協議を拡充していこうという、そういう報道もされておりますが、この点に関してはどうなんでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) ソ連政府のいわゆるアジア・太平洋外交政策というものは、かねてウラジオストク演説とかクラスノヤルスク演説とかでございますけれども、ソビエトから見てアジア・太平洋の安全保障というものは、ソ連の政府にとっても国民にとっても一つの大きな考え方であろうと思います。日本政府は日本政府で、このアジア・太平洋の安全保障というものをどうするかということでかねて考えを練ってきておりまして、ソ連政府との間には昨年来政策企画協議という制度をつくっておりまして、ここで協議を続けているわけでございます。もう一回この秋ごろにこの会議を進めて、それからさらにこれを拡大していくかどうかということを両国間で協議をしようということが先般のソ連外相との外相協議で合意を見た点でございまして、ヨーロッパのCSCE方式でアジア・太平洋の安全保障がすぐできるといったような考え方には日本政府としては同調はできないという考えでございます。
○白浜一良君 次に、外務大臣は訪中されていわゆる国連憲章の敵国条項の話で盛んに話されておりますが、今度大統領が来られたときにまたこういうことをテーマにされてお話しされますか。
○国務大臣(中山太郎君) この問題は既に日ソ外相協議の中で日本政府の考え方を披瀝して、ソ連外相もこれに理解を示して、この条項は既にもう古いものだ、こういうことに相なっております。そういう中で、改めてここで議題に供することももう必要はなかろう。ソ連政府の意思は十分私は理解しておりますし、ソ連政府も日本の要請を十分受け入れるという考え方で理解していると思います。
○白浜一良君 それから、湾岸戦争後の問題で何点かお伺いしたいんですが、きょうの新聞報道で、 サウジから掃海艇の派遣が要望されているというふうに報道されておりましたが、これは事実ですか。
○国務大臣(中山太郎君) サウジ政府から日本政府に対してまだ正式に要請は来ておりません。
○白浜一良君 それから、きょう新聞報道されておりましたが、クルド難民に対して政府が援助を発表されました。と同時に、ECの首脳会議でもずっと検討されておりまして、トルコ、イラン、イラク、あの辺はずっと固まっておりますからいわゆる避難地帯を創設しようという、そういう方向が打ち出されたと伺いますが、政府としてはそういう考え方に同意されますか。
○政府委員(渡辺允君) ECの首脳会議におきまして、確かにイラクの国内に一種の保護地域を設けて国連が監視をするという考え方が出されたということは承知をいたしております。ただ、これについては国際的にもいろいろな意見があるようでございますし、今後むしろ国連の安保理で審議が行われるというふうに承知をいたしておりますので、それを私どもとしても見守りたいと思っております。
○白浜一良君 それから、イラクの停戦決議後の問題として、イラクにある生物・化学兵器をすべて破壊するために特別委員会をつくろうという動きがあるらしいのですが、これは承知されておりますか。それで、どのように対応されていきますか。
○政府委員(丹波實君) 先生おっしゃるとおり、先般の決議六八七の中で、イラクの大量破壊兵器を破壊するために国連として特別委員会をつくるということが入っております。現在これを受けまして国連の事務当局で、どのような特別委員会をつくり、かついかなる国にいかなるスペシャリストの参加を求めるかということの研究が行われているということで、私たち今その事務局の用意の過程を見守っているという段階でございます。
○白浜一良君 もし要請があれば、外務大臣、積極的に支援していこうというか加わっていこうというお考えですか。
○国務大臣(中山太郎君) 委員お尋ねの件につきましては、日本政府としては、日本国内にそのような専門家がおられるということが明確になればこれを派遣するという考えでございます。
○白浜一良君 それから、イラクに研究用の原子炉があった、それを多国籍軍がたたいたという報道もされているんですけれども、これは御存じですか。
○政府委員(丹波實君) お答え申し上げます。 今までの情報を総合的に勘案いたしますと、多国籍軍はイラクの核関連施設も攻撃目標とし、空爆により二つの原子炉は破壊されており、核兵器生産能力はほぼ一〇〇%破壊されたということでございます。それ以上のことはアメリカ側からも、それからこの原子炉の問題はIAEAの中でも論議が行われていないということで、今申し上げました概要以外のことはいずれの場所でも説明が行われていないということでございまして、そういう意味で概要だけは承知しておるということでございます。
○白浜一良君 私は外務省からこの資料をもらったのですが、米軍のシュワルツコフ司令官がその事実を認めていらっしゃるのですけれども、もしこれが事実としたらいわゆるジュネーブ条約の違反になるんじゃないですか。
○政府委員(丹波實君) お答え申し上げます。 今のは原子力施設の問題でございまして、二つの原子炉は破壊されており云々と確かにアメリカ側は記者会見で発表しておりまして、私もそのことを申し上げたわけでございます。原子炉の破壊の問題につきましては、確かにIAEAあるいは国連総会で平和目的の原子力施設への攻撃を慎むべしという決議は行われておりますけれども、あくまでもこの点は勧告的な決議であるというのが各国の理解でございまして、そういう意味で、先般の攻撃につきましては安保理におきましてもあるいはIAEAにおきましてもまさに何らの異論と申しますか、異議を唱えるような議論は行われていないというのが現状でございます。
○白浜一良君 そうおっしゃいますが、日本はやはり被爆国ですから核に対して非常に敏感なものがございますし、IAEAが査察をしたもの、その原子力施設には軍事攻撃してはならないと九〇年の国連総会でも確認されているわけでございますから、私は、日本政府としてはこの辺は非常に厳密に対応していただきたいということを述べたいと思います。これは外務大臣に。
○国務大臣(中山太郎君) この問題をめぐるIAEAの協議が行われるということになりますれば、日本政府としては積極的に参加をして問題の解決に努力をいたしたいと思っております。
○白浜一良君 ただ、私が言いたかったのは、この核の問題は、こういう国連総会での決議もございますし、日本が本当に被爆国ということで、アメリカに対しても忠告するぐらいのそういうシビアさ、厳格さを持ってほしいということでございます。 次に、これも新聞報道で私確認したんですが、湾岸後の貢献ということで生物保護の問題がございます。何か環境庁が予算がないから派遣できないというふうに報道されておりましたが、環境庁、これはどうですか。
○政府委員(加藤三郎君) 湾岸のあの地域の環境回復につきまして、既にいろいろなことをやっております。先生御高承のとおり調査団も参りまして、私自身も行ってまいりました。それから、調査団の報告を受けましてすぐに、原油回収及び海水淡水化プラントの保全といったようなことで専門家も既に三十人ほど出ております。 加えまして、今先生お触れになりました野生生物、これは鳥でありますとかあの地域に住んでおりますカメでありますとかそういったものの保護、あるいはそれ以外に、例えばクウェートで燃えております油の煙の拡散状況あるいは海の汚染の拡散状況、いろんな分野でいろんな対応が考えられております。 それにつきましていろんなことをやっておるわけでございますが、私どもといたしまして、今野鳥につきましては国民的な関心が非常に出てまいりまして、国民の中から、例えば獣医さんなんかの中から野鳥の保護にぜひ参加したいという申し出がボランティア的に出ております。それからまた、そういったことにつきまして民間企業の中の幾つかに基金を提供したいという申し出もございますし、またサウンドもございます。 そういったようなことで、今お触れになりました本件につきましては、サウジアラビアのジュベイルというところにございます野生生物の保護センターで、例えばアメリカ、イギリスなどからボランティアが活動しているというような状況を現実に私どもつぶさに見てきておりますので、ちょうどこういったボランティア活動にふさわしいものではないかということで私ども環境庁所管の団体がそういうあっせんをいたしておりますので、環境庁としてそちらの方に基金のあっせんをいたしているところでございます。
○白浜一良君 それはそれでいいんですけれども、私が言ったのは、要するに専門家を派遣する予算確保のめどがつかなくなったから民間団体に依頼したと、そういう報道をされているんですが、それは事実ですか。
○政府委員(加藤三郎君) 先ほど御説明させていただきましたように、予算がないからお願いしたというのではなくて、あそこの湾岸での環境分野での協力の態様がいろいろとございます。プロジェクトも幾つかございます。そのプロジェクトごとに、いわばその性格にかんがみながら一番ふさわしいものと。たまたま野鳥につきましては、新聞なりそれからテレビなどでいろいろと報道された結果、国民の中にもボランティア的にやってみたいという方が名のり出てまいりまして、また民間企業の中にも、あるいは民間団体の中にもそういうものに基金を出したいというのがありましたので、そういうもののあっせんを環境庁でしているところでございます。
○白浜一良君 こういうことも政府挙げて国際的に評価されるようなことをしていただきたいですね。 次に、経済見通しに関しましてお伺いしたいと思いますが、日銀総裁、長時間どうも済みません。 最近、物価上昇が言われておりますが、いわゆる設備投資の動向とか個人消費の動向を含めて、今後の景気の動向についてお話しいただきたいと思います。
○参考人(三重野康君) お尋ねの国内の景気でございますが、去年の秋口から、非常に緩やかではありますが減速傾向にあると思います。しかし、私どもは、今までの五%成長四年というのはややスピードが速過ぎましたので少しスピードを落として、無理のない成長はかえって景気が長続きするというふうに判断をしております。 それはそれとしまして、減速傾向にある景気が現在どういう水準にあるかというと、極めてまだ高い水準にあると思います。例えば、需給を端的にあらわします設備稼働率、それからいわゆる求人倍率、これはいまだ歴史的に高い水準にございます。かつ、先週私どもで全国の支店長会議がございましたが、支店長の報告によりましても、稼働率は今までは超フル稼働であった、それがフル稼働に落ちたということでございますし、企業の最大の関心事はやはり人手不足対策だということでございます。 これからの景気でございますが、これまで景気を引っ張ってまいりました設備投資、個人消費ともに、今までのような力強さは期待できないと思いますが、まだ引き続き根強い。 これはどういうことかと申しますと、設備投資につきましてはいわゆる技術革新、人手不足対策という独立的投資誘因がいまだあるのに加えまして、湾岸戦争が終わりましたものですから企業マインドというものがだんだんまた明るくなってまいりまして、設備の上方修正を行っているところが非常に多いという話でございます。個人消費は、確かに最近はやや弱い指標も出ておりますけれども、全体として見ますといわゆる所得環境はいいわけでございますので、これまでほどではなくても引き続きやはり根強い個人消費需要を期待できるということでございます。 こういうふうに申し上げますと、やはり景気は減速しつつありますけれども、ここで急に失速するというようなことはないというふうに判断をしております。 それからもう一つ、お尋ねの物価でございますが、これは委員御承知のように、国内の卸売物価は昨年の夏は前年比プラス〇・五%、それが今二%の半ばぐらいになっております。消費者物価は去年の夏が二%の半ばでございましたが、四%前後まで上がってきております。こういうふうに上がってまいりました主因は、国内の卸売物価は石油関係、消費者物価は大部分がいわゆる生鮮食品、それに一部石油ということでございますが、注目を要しますのは、その他の品目でもいわゆるコストアップを製品価格に転嫁する動きがじりじりと広がっているわけであります。 今後の物価でありますけれども、これは幸いにして全体の物価観は落ちついておりますし、かつ湾岸戦争の終結に伴いまして石油価格の安定、これはプラスでございます。ただ、今申しましたいわゆるコストアップを価格転嫁する動きが、さっき申しましたようにまだ景気の余熱が強うございますから、そういうもとでどういうふうに動くか。さらに、物価に非常に関係のあります為替レートが円安方向で不安定な動きを示している。したがいまして、そういう点にはなかなか目が離せない、かように考えております。
○白浜一良君 引き続いて総裁にお伺いしたいんですが、私ちょっと書物を読んでいましたら、日経の「NEEDS ECONOMY」というところには、公定歩合が本年度変わらなければ実質的な経済成長は三・一%だと、そして一%下がれば三・四%だと分析しているわけでございます。それから、日経センターは何か三・〇%の成長率とか、そういうふうに言っておりますが、このいわゆるデータに対する御認識をお伺いしたいと思います。
○参考人(三重野康君) 本年度のいわゆる成長率につきましては、政府見通しが三・八%、そのほか委員御指摘のようないろいろの見方があることは承知しております。 ただ、私ども金融政策を預かる者としましては、臨床医みたいなものでございまして、そのときそのときの景気の動向、その他為替とかいろいろなものを判断して動かしておりますので、現在はやはり、先ほど申し上げました景気の状況、物価の状況からいたしまして、引き続き内外の情勢をよく見きわめながら今までとってきた政策効果の浸透を見守っていきたい、こういうふうに考えております。
○白浜一良君 そこで、大蔵大臣、明確にこれを証明するものは何もないんですが、いろんな書物を見ましたら、要するに景気はある程度、総裁は減速とおっしゃいましたが、当然減速しますし、民間のいわゆる研究所のものを平均しましても実質経済成長というのは三・三%。私が言いました「NEEDS ECONOMY」によると三・一、三・四と、こういうデータが出ておりまして、政府見通しの三・八%は非常に、これは本当に可能なのかという素朴な疑問を私は感じるわけでございますが、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今日銀総裁からお話のありましたような状況に現在我が国の経済情勢はあるわけであります。 なお、多少言い方を変えますならば、確かにここ数年間の大幅な税収増というものをもたらした要因でありました三高二安と言われる経済情勢が流れを変えてきておるということについては、私は委員の御指摘を否定するものではありません。しかし、私は十分我が国はこの三・八%の成長率を達成できると信じております。 そして、その内容については、今日銀総裁からお触れになりましたように、確かにやや高目でありました従来の成長に比べればそのスピードは鈍化している。しかし、景気の腰そのものは非常にしっかりしておりますし、私は全体として自律的な景気拡大というものを続けていく能力を十分持っておると思っております。これから先におきましても、個人消費は雇用者所得の順調な伸びなどに支えられて堅調に推移すると思われますし、省力化とか合理化といった部分を中心にした企業の設備投資というものにも非常に根強いものがある。その意欲は根強いものがある。こうしたことを考えていきますと、私は実は三・八%成長というものは十分達成できる、そのように考えているわけであります。
○白浜一良君 これは予測の問題ですから、だれもこんなことは確定できないんです。だけれども、そういう民間のさまざまな研究機関をとりましたら低目に出ているということを私は心配しているわけでございまして、例えばいわゆる民間の平均の三・三%ぐらいとりましたら、見通しよりも〇・五%実質経済成長率が落ち込むわけですね。〇・五%落ち込んだら、まあ難しい計算かもわかりませんが、どのぐらい歳入欠陥が起こりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変申しわけありませんが、私どもは歳入欠陥の生ずるような事態にしたくない。むしろ今の景気の情勢をできる限り長く保っていきたい。それはただ単に日本経済のことだけではなく、世界経済の中において日本の果たさなければならない役割からいきましてもこの水準を維持したいと考えておるわけであります。 民間の研究機関はそれぞれ権威を持ってさまざまな御説を立てておられますが、過去にも政府の見通しに対して大変高い数字を挙げられた時期もありましたし、また低い数字の出る時期もある。政府といたしましては政府の経済見通しに沿った経済運営をしていきたいと考えているところでありまして、歳入欠陥の生ずるような事態を想定して経済運営をいたしておるわけではございません。
○白浜一良君 本予算の審議を今やっているわけで、きょうはその最終日なんですから当然でしようが、いわゆるこの歳入欠陥をしないためにはおっしゃったように景気がいいということが非常に大事なんですけれども、先ほど日銀総裁にも伺いましたが、そのためには、要するに公定歩合を含め利率が高い、これを下げないとそれだけの経済成長を見込めない、そういうことを私は最終的に言いたいだけでございまして、もう結構です。 最後に、大蔵大臣、また総理にもお考えを伺いたいんですけれども、きのう大蔵委員会で話が出たかとも思いますが、所得税減税の話なんです。 平成元年度の物価上昇率が二・三%でございまして、二年度が三・一%、現在五・四%の上昇になっている。三年の上昇見込みは政府見通しで二・四%でございますが、税制改革以来、平成三年の末で八%ぐらいの物価上昇になるんじゃないか。これだけ物価が上がりましたら当然実質増税になっているわけですから所得税減税をすべきである。そのことを強く主張しておきたいと思いますが、最後に大蔵大臣と総理の御見解を伺いまして、終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはもう今さら申し上げるまでもなく、我が国の所得税の課税最低限が大変高い、また最低税率が比較的低いということから、納税者の大半を占める中低所得者層の所得税負担というものが主要な諸外国と比べても相当程度低い水準にあるということをまず御理解いただきたいと思います。 六十三年十二月の税制改革におきまして、所得税、住民税を合わせまして三兆三千億の減税をいたしました。六十二年九月改正を加えれば、五兆五千億の大規模な所得減税を行ったわけであります。その効果は、私は中低所得者層を中心とした重税感、負担の累増感というものが大幅に緩和されたと考えておりますし、この減税効果というものが平成元年度から本格化していることを考えますと、今直ちにさらなる所得税減税を実施するという考え方はとりません。
○国務大臣(海部俊樹君) ただいま大蔵大臣が答えたとおりでございまして、必要なような状況が出てくるときにはまた機動的な対応をしなければならぬでしょうけれども、現在は大蔵大臣の答弁と同じ考えでございます。
○委員長(平井卓志君) 以上で白浜君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、吉岡吉典君の質疑を行います。吉岡君。
○吉岡吉典君 きょうのこの委員会でも何回か論議になりましたけれども、政府は今国連憲章からの敵国条項の削除という問題を重要課題として提起し、既に公式に外交交渉にも提起しています。こういう問題が政府によって提起された以上、私はその前提として、あの太平洋戦争、第二次世界大戦に対する日本の徹底的な反省ということがどうしても避けることのできない重要課題だと思います。あの侵略戦争に対する反省抜きに敵国条項削除ということだけを仮に主張したとすれば、それは国際社会で通用しないし、そういう態度ではだめだということを諸外国からも言われると思います。この点で私は、歴代自民党内閣の態度というのは必ずしも明確ではなかったと思います。 私はまず総理に、自民党政府としての責任ある第二次世界大戦の評価について、またそれをどう反省するかという点についての見解を求めたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 第二次世界大戦をどのように評価して反省しておるのかという御質問でありますが、私は過去の歴史の反省に立って、我が国の行為が近隣諸国等に耐えがたい苦痛を与えた、そのことを深く反省しておりますし、また今後はその反省に立って行動をしていかなければならぬということを再三申し上げてきたつもりでございます。 また、日中共同声明に盛られた問題も、また昨年私が日韓首脳会談で申し上げたときも、その精神は同じでございます。
○吉岡吉典君 第二次世界大戦の反省ということを言葉で言うことは簡単ですけれども、その根本問題は、第二次世界大戦が日本側からの侵略戦争であったということをはっきり認めるか認めないかという問題だと思います。 この点で、日本政府のこれまでの態度というのは大臣によっていろいろ変わってくる。部分的にあるいは間接的に侵略戦争ということを認める発言があるかと思うと、その後で後世の歴史の判定に任せるという答弁が行われるというようなことで、諸外国から見たら、一体日本の自民党政府というのは第二次世界大戦が日本の行った侵略戦争であったというその反省の上に立っているのかどうかということが非常にあいまいになる、そういうものだったと思います。私は再度、総理みずからの口で、第二次世界大戦のそういう性格についての見解をお願いします。
○国務大臣(海部俊樹君) 我が国が過去において戦争を通じて近隣諸国等の国民に対し重大な損害を与えたのは事実であり、かかる我が国の過去の行為について、侵略的事実を否定することはできないと考えております。 我が国はかかる認識を踏まえ平和への決意を新たにするとともに、このようなことを二度と起こさないよう、平和国家として世界の平和と安定のために貢献していかなければならないと考えております。
○吉岡吉典君 私は、総理の口からもっとはっきり侵略戦争であったということを認めていただけるものと思っていました。 というのは、昨年我が党の三浦議員の質問においても、三浦議員が侵略戦争だという認識を持っているかというのに対して、総理はそういう認識を持っているとおっしゃいました。今の発言になると、侵略的事実があったということで、あの戦争の基本的性格についてまたあいまいになっている。私はこれではいかぬと思いますけれども、はっきりみずからの口で侵略戦争そのものであったというふうには言えないんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 侵略的事実があったと申し上げておりますし、私は、日本は二度と再び侵略戦争はしないという誓いを歴史の反省に立って行っているということをこの委員会でも繰り返し答弁をしておるところであります。
○吉岡吉典君 侵略的事実があったという言葉でしか表明できない。私は、これでは世界は、本当に日本がみずからの侵略戦争についての反省の上に立って敵国条項の削除ということを提起しているというふうにとらないと思います。 そもそも、敵国条項というのが織り込まれたのはどういう経過ですか。どういうわけで敵国条項は織り込まれたのですか。
○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。 国連憲章にいわゆる敵国条項が盛り込まれた背景につきましては、その当時、二度と再びあのような惨禍、あのような大戦を起こすことがないようにという国連憲章の精神にのっとりまして、またその当時、この憲章の起草に当たりましたのはいわゆる連合国であったわけでございますが、この連合国が旧敵国諸国に対してとりましたいろいろな措置を国連憲章のそのほかの条項との関係におきまして矛盾なく整理をする、そして経過措置をいわば正当化するということが一つ。それからもう一つは、旧敵国に対するその侵略の再発というものに備える取り決めについては、この国連憲章のその他の条項の例外といたしまして、安全保障理事会の許可なく地域的な取り決めをつくりそれを発動することができるという趣旨の規定を置いたということだと考えております。
○吉岡吉典君 そういうのは事情説明でして、事の本質は、日本やナチス・ドイツが侵略戦争を開始した、このナチ及び日本軍国主義に対して連合国が民主主義連合を組んでこれと戦い、そしてその結論的な戦後の産物として国連憲章が生まれたわけです。ですから、敵国条項というのは、日独伊軍事同盟を結んでの侵略戦争に対する連合国の戦争遂行と結びつき、それの結果として織り込まれたものであって、だから我々が敵国条項の削除と言うからにはこの侵略戦争を開始したということにきれいさっぱりと決着をつけなければならないわけです。 宇野総理大臣も、日本軍国主義の侵略でございましたともっと今よりはっきり言っているわけでして、私は今の海部総理の答弁というのは、今日本の自民党内閣が自分の口で明確に侵略戦争であったということを言えないでいることのあらわれだ、こういうふうに思わざるを得ません。そういう点で、例えば西ドイツのワイツゼッカー大統領はあの第二次世界大戦について、犯罪的な指導者たちの非人道的な目的のための戦争であったというふうにはっきり言っている。 このように、我々が新しく生まれ変わった日本として進むためにはそういう態度を明確にする必要があると思いますが、総理、もう一度言えませんか。
○国務大臣(海部俊樹君) 何度も申し上げておりますように、私は過去の歴史の反省に立って、我が国の行為が近隣諸国の人々に耐えがたい苦痛を与えたことを深く反省し、二度と再び侵略戦争をしないということを私の政策の最重点に置いておるということを何回も申し上げておるわけでありまして、その歴史に対する評価、歴史の認識、歴史の反省はいささかも私は間違っていないと思っております。
○吉岡吉典君 そういう抽象的な言葉でしか言えないところに問題があり、今のような自民党政治の態度が、戦後諸外国から日本は侵略戦争を反省していないという幾多の非難を受ける出来事と結びついています。 教科書では、太平洋戦争をどういう性格の戦争だったと教えていますか。
○国務大臣(井上裕君) お答えいたします。 太平洋戦争につきましては、小学校、中学校、また高等学校のそれぞれの段階で、社会の教科書で取り上げられております。 具体的には、例えば高等学校日本史で、太平洋戦争についてその経緯を述べるとともに、「日本は戦争の目的を自衛と大東亜新秩序の建設による植民地解放としていたが、実際は戦争の継続に必要な資材の供給地として占領地域を支配したことから、各地に抗日運動がおこった」、こういうことが記載されております。 さらに、中学校社会では、「歴史を学んで」という項を設けましてその中で、「日本の近代の歴史で朝鮮の植民地化、日中戦争、太平洋戦争、原爆の被害などという、いまわしい事実があったことを深く反省するのも、きわめて大切なことです」、こういうことを記載しております。
○吉岡吉典君 侵略戦争であったということは、政府の姿勢を反映してどこでもきちっとは述べられておりません。 かつて、文部省が教科書検定に当たって侵略を進出と書き改めるよう指導し国際的な非難を受けたことがあります。それはその後撤回されて、今では侵略と書くことも許してはおります。しかし、私は、我々の子弟、我々の子孫に第二次世界大戦の真実を正確に教える責任があると思います。そういう点でいえば、積極的にあれは侵略戦争であったというふうに教育する必要があると思いますが、そうは思いませんか。
○国務大臣(井上裕君) お答えいたします。 ただいまの歴史の中で教えていること、今お話ししたとおりでありますが、これは児童生徒の発達段階に応じて指導し、平和的、民主的な国家あるいは社会の形成者として必要な公民的資質を養うことと私どもは思っております。そして、この戦争におきまして中国及び朝鮮半島を初め近隣諸国の人々に大きな損害を与えたことは事実であり、我が国として反省すべきところは反省し、その上に立ってこれからの国際社会に貢献できる日本人の育成を図っていかなければならない、このように思います。
○吉岡吉典君 文部省検定のときに文部省が言ったことは、自分の国の歴史の教科書としても侵略という言葉はいかがかと思う、こういうことでした。私はこの点では、再度ワイツゼッカーが語っている次の言葉を日本は学ぶ必要があると思います。 「後になって過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。しかし過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです。」、このワイツゼッカーの言葉、総理はどう思いますか。そして、日本でもこれを尊重する必要があると思いませんか。
○国務大臣(海部俊樹君) 私も、丁寧に申し上げておりますけれども、過去を消したり書き直したりすることはそれはできませんし、許されませんし、ですから歴史の反省に立って、我が国の行為によって近隣諸国の人々に耐えがたい迷惑をかけたということ、そのことを率直に反省し、その点に立って物を申し上げておるわけであります。それはそのとおりだと思います。
○吉岡吉典君 日本の戦後政治というのは近隣諸国に迷惑をかけたということを貫いた歴史ではなかったかとそこに問題があります。 ここに、南朝鮮、韓国の朝鮮日報の記者が書いた「ソウルへの東京通信」という本があります。この本によると、日本は戦後カイロ宣言、ポツダム宣言で約束した朝鮮の独立を認めない、朝鮮併合はあれは合法的なものだったということで連合軍にこの点で抵抗した、そういうこが外務省の条約局の秘密文書の中にはっきり書かれているということを、その秘密文書のありかまで示して告発しています。どう答えますか。
○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。 ただいま先生から御指摘のございました「ソウルへの東京通信」でございますが、私も読ませていただきました。李度コウさんが書かれたものでございますが、この方は以前朝鮮日報の東京特派員をされておられたわけでございます。 この中で引用されております外交文書とは、この日付等から判断いたしまして、昭和二十年十月二十五日付の「連合国ノ対日要求ノ内容ト其ノ限界(研究素材)」という、当時条約局が作成した文書であると思います。この文書は御指摘のとおり当初内部の文書でございましたから、秘密指定がございましたが、昭和五十二年の六月に外務省の外交文書公開規則に基づきまして公開をいたしました。したがいまして、今は閲覧可能な状態になっております。 この文書は、平和条約につながる戦後日本の外交の基本的あり方の前提といたしまして、我が国が昭和二十年八月の降伏の際に受け入れましたポツダム宣言等において表明されております連合国の対日要求の内容を政治的要求、軍事的要求及び経済的要求に分類して整理いたしますとともに、このような対日要求と我が国が過去に締結していた条約や一般国際法との関係につきまして分析、記述したものでございます。 この中の連合国の対日要求と既存条約との関係に関する箇所で、ここをちょっと引用させていただきますと、「朝鮮ニ付(日韓合併条約、韓国併合宣言ニ対シ今日迄米、英、蘇ノ何レヨリモ異議アリタルコトナシ)」という記述がございますけれども、これは、連合国の対日要求、すなわち朝鮮の独立でございますが、につきまして検討するに当たって留意すべき歴史的事実を客観的に記述したものにすぎないというふうに考えております。したがいまして、朝鮮の独立は認められないというような、そのポツダム宣言等の内容に異議を唱えるという趣旨ということではないというふうに考えております。 いずれにいたしましても、我が国はカイロ宣言の履行を確認するポツダム宣言を受諾し、さらにサンフランシスコ平和条約によりまして朝鮮の独立を承認し、朝鮮に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄したという次第でございます。
○吉岡吉典君 朝鮮日報の記者はそのようなとり方をしないで、日韓併合条約、韓国併合宣言は合法的だったから独立は認められないという文書としてとっているわけです。そして、私はこういうふうに受け取られる文書が戦後つくられていることに非常に重要な意味があると思いますし、日本政府がこういう考え方に立っている根拠があるのじゃないかと思いますので、私はその点をもう一歩はっきりしていただきたいと思います。 これよりも五カ月前の終戦の年の五月、まだ終戦前ですが、「対ソ交渉方針」というのを最高戦争指導会議で決定しています。これによりますと、詳しく言いませんが、千島の北半分はソ連に譲渡するもやむを得ない、しかし朝鮮はこれを独立させないで我が方に留保する、こういうことを決定しているんです。これは軍部の最高指導部と政府とで決めた決定なんですね。日本の領土の千島の北半分はソ連に譲渡するけれども、外国から植民地として奪った朝鮮は独立させない、これが五カ月前の文書です。 あるはずです。私、事前に言っておきましたので当該箇所を読んでいただきたい。外務省のまとめたこういう本に出ておりますから、当該箇所を読んでもらいたい。
○政府委員(柳井俊二君) 大変申しわけございませんけれども、ただいま御指摘のございました戦争中の文書につきましては御連絡をいただいておりませんでしたので早速調査させていただきたいと思います。
○吉岡吉典君 私はきちっと連絡しました、この本を読んでもらうということまで。ページまで指定しましたから。
○政府委員(柳井俊二君) 申しわけございません。どういう行き違いがございましたか私承知しておりませんでしたので、可及的速やかに調査をいたしまして御報告したいと思います。
○吉岡吉典君 じゃ、これでいいから。
○政府委員(柳井俊二君) ただいま拝借いたしましたので読ませていただきます。表題は「対ソ交渉方針」、括弧内に「我譲渡範囲」ということが入ってございます。 先ほど御指摘のございましたところは、「場合ニ依リテハ千島北半ヲ譲渡スルモ止ムヲ得サルヘシ、但シ朝鮮ハ之ヲ我方ニ留保スルコトトシ、南満州ニ於テハ之ヲ中立地帯トナス等出来得ル限リ満州帝国ノ独立ヲ維持スルコトトシ、尚支那ニ就テハ日蘇支三国ノ共同体制ヲ樹立スルコト最モ望マシキ所ナリ」、こういうふうにございます。
○吉岡吉典君 私がこのことを重視するのは、戦後長期にわたってこの考え方が日本を貫いてきた。独立は確かに認めました。しかし、朝鮮併合条約は合法的な条約だということを、私の知る限りでは今日まで言い続けています。これは改めましたか。はっきりしてください。
○政府委員(柳井俊二君) 朝鮮の独立につきましては、我が国は、英、米、中国の「朝鮮を自由且独立のものたらしむるの決意」に言及いたしましたカイロ宣言の履行につき規定するポツダム宣言を受諾したわけでございます。そして、さらにサンフランシスコ平和条約、これは二条でございますが、によりまして朝鮮の独立を承認いたしました。「朝鮮に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄」したわけでございます。
○吉岡吉典君 併合が合法的だったという考え方を改めているかどうかということを聞いているんです。
○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。 この一九一〇年に締結されましたいわゆる日韓併合条約に関しましては、いろいろな議論が日韓の正常化交渉の過程においてあったわけでございます。この条約の成立そのものにつきましては、我が国としては合法的に成立したという立場をとっておったわけでございますが、御承知のとおり、この日韓国交正常化交渉の結果を踏まえましていわゆる日韓基本関係条約が締結されたわけでございますけれども、その第二条におきまして、一九一〇年以前に日韓両国間で締結されたすべての条約及び協定は、日韓併合条約を含めましてもはや無効であるということが確認されたわけでございます。
○吉岡吉典君 はっきり答えられないんじゃないですか。合法的だという考え方に今も立っているかどうか、端的に答えてください。
○政府委員(柳井俊二君) ただいまお答え申し上げましたとおり、日韓国交正常化の過程でこの問題につきましてはいろいろ御議論があったわけでございます。昭和四十年の日韓諸条約の国会における御審議の際に、政府からこの点についていろいろ御答弁があったわけでございます。法的な問題としては、有効に締結され実施された条約であったという事実がその際に答えられておるわけでございます。そして、これを国交正常化の際にどのように処理するかという点につきましては、先ほど申し上げましたように、日韓基本関係条約の第二条において先ほど読み上げましたような規定を置いたということでございます。
○吉岡吉典君 答えになっていないですよ、同じ質問を何回繰り返しても。一言でいいです、日韓国会で提示したとおりの考えに今も立っているかどうか。
○政府委員(柳井俊二君) 若干繰り返しになって申しわけございませんけれども、この日韓併合条約は昭和四十年の日韓基本関係条約二条によりましてもはや無効であるということが確認されているわけでございますが、この条約が当時、すなわち一九一〇年の当時、法的には有効に締結され実施されたものであるということは従来から政府が答弁しているところでございます。
○吉岡吉典君 つまり日本政府の態度を変えたということが断言できないわけです。合法的に朝鮮を植民地にしたんだということです。総理は朝鮮に対する三十六年の植民地支配についての反省ということを述べられましたが、まさかあの併合条約が対等の立場、自由な意思で結ばれたとは言わないだろうと思いますが、どうですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 昨年の日韓首脳会談のときにも率直に申し上げましたが、私はそのことについて歴史の厳しい反省に立っての認識を申し上げ、盧泰愚大統領もそのことを、その認識を高く評価して、今後は日韓新時代を前向きにつくっていこうということで合意をいたしました。
○吉岡吉典君 日本政府はずっと、対等の立場、自由な意思で結んだ条約だと言い続けてきました。私もこれは何回も取り上げましたが、こういうふうに侵略戦争だということをはっきりしていない。朝鮮の併合も今のようにはっきり決着をつけていない。それであって、一方ではA級戦犯を靖国神社に祭って総理が公式参拝する。こういう態度が日本の反省をしている態度だと世界から評価されると思いますか。総理、どうですか。
○国務大臣(海部俊樹君) いろいろ問題がございまして、私は戦没者の慰霊のために八月の十五日には慰霊をいたしましたが、それはA級戦犯の問題とは別個の問題でございます。
○吉岡吉典君 靖国神社にA級戦犯を祭っただけでも国際的にはどんな大問題になったか。そこへ政府が公式参拝して、それでA級戦犯と別だという理屈が通りますか。
○国務大臣(坂本三十次君) 今総理が申されたとおり、追悼の誠をあらわすということがこれは最大の目的でありまして、日本人だれしも憲法によって信教の自由というものはございますから、靖国神社へ行って、国のために亡くなられた方々を悼んで、そして追悼の誠をささげるというこの気持ちは、私はたくさんの人が共有しておられることだろうと思っております。 靖国神社へ行きましてA級戦犯にお参りしてきたという話は余り私は聞いたことはありませんが、それはなるほど宗教法人としての組織が、靖国神社がどういう御神体を祭るかということはそれは自由なんでありましょうけれども、お参りをする方も信教の自由がございますから。私はもう何度かお参りをいたしますけれども、心から我々の戦友のみたま安かれと、そして追悼の誠をささげております。あそこへたくさん行く人も皆私はそういう気持ちだろうと、素直に私は私なりに考えておるところでございます。
○吉岡吉典君 私は今の官房長官の答弁を聞いて、いよいよ本当に驚きました。 ことしは真珠湾奇襲攻撃のちょうど五十周年の年です。私は戦争の教訓を生かして日本が世界から信頼される平和で民主的な国になる、そういう決意を固める年にする必要がある。もしそういうときに敵国条項の削除ということが問題になれば、この機会に諸外国に日本の侵略戦争への反省を一層アピールする、そういう年にする必要があると思いました。そのためには、諸外国から非難を受けた戦後一連のそういう事実についても今きちっとしたけじめをつけて、日本の今日の態度を鮮明に世界に示すべきだと思っておりました。 ところが、靖国神社にA級戦犯が祭られているということも知らないとか追悼の誠をささげる、これはもう本当に大変なことであって、私はきょうの答弁によって、私の期待していたことと反して、日本は敵国条項削除は一生懸命で言うけれども侵略戦争への反省は全くしていない、考えてもいない国だととられる結果になっていると思いますが、総理、そう思いませんか、今の官房長官の答弁をも含めて。
○国務大臣(海部俊樹君) そのような考え方を官房長官も私も述べておりませんし、私は過去の歴史の厳しい反省に立って行っておるということ、八月十五日も武道館へ行って英霊のみたまに心から礼拝をしてきたということ、それを申し上げたわけであります。
○委員長(平井卓志君) 時間です。 以上で吉岡君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、池田治君の質疑を行います。池田君。
○池田治君 きょうは、大蔵大臣とこの前議論しました十二日間の暫定予算と本予算との関係を徹底的に議論する予定でおりましたが、あそこにいる主計局長が勉強してまた話すということでございますので、この点は省略をしておきます。 次に、春闘について労働大臣にお伺いします。 懸念されていました私鉄ストも回避されて、賃上げ率は主要産業で大体平均五・五%前後、こういうことで妥結しております。この数字は昨年より三百円から五百円くらい低い金額でございます。これは労使協調路線とか、大衆に迷惑をかけてはならぬという組合側の良識によって妥結されたものだと思っております。 この春闘について、例年行う必要はないんじゃないかとか、いや、毎年労使が話し合うのもいいことじゃないかとか、いろいろ必要論、不要論がございますが、労働大臣はどのように考えておられますか。また、ことしの春闘の結果をどのように評価されておりますか、お答えをお願いします。
○国務大臣(小里貞利君) 春闘は昭和三十年代に始まる我が国労使の独特の賃金交渉方式でございまして、いわば歴年それなりの役割を担ってまいってきております。ことしにおきましても、先生御承知のとおり、今まだ途中でございますが、そのような歴史にも照らしましてその役割を担いつつある、そういうふうに評価をいたしておるところでございます。 なおまた、ことしの春闘の特徴として、率直に申し上げますと、賃金問題のみならず非常に論議のすそ野を広げてまいりまして、広いいわゆる政策的な舞台も加味いたしまして論議が進められておるということ、御承知のとおりでございます。 例えて申し上げますと、賃金問題のみならず労働時間短縮の問題、あるいは目下皆様方に検討いただいておりまする育児休業の問題等も取り入れまして、そのほか制度、政策等につきましても踏み込んでいただきまして、それなりの交渉が進められております。特に、今までのところ時間短縮の問題等につきましても、私ども政府が目標といたしておりまする一九九〇年代半ば、厳密に申し上げますと平成四年度中を一応の目標に置いておるところでございますが、一千八百時間を目標にした中期ビジョン等を設定された組合も出てまいっております。あるいはまた育児休業問題等につきましても、鉄鋼あるいは電力等におきましてこれが導入を前提とした一つの協議等がなされましたことは非常に意義があったと思っておるところでございます。 なおまた、ただいま先生が若干お触れになりました春闘の存在についての云々があるがというお話でございますが、例えば日経連の鈴木さん等も、いわゆる長期固定方式の労使協定ばかりでこの問題が解決できるとは思っていない、また労働組合も賃金問題のみに固執せず幅広くいわゆる政策問題等に踏み込んできておるではないか、そういうような評価をなさっておられまして、私どもも同じ判断に立つものでございます。 なおまた、先生から今賃金額についてのお話がございましたが、私の立場といたしましては賃金の多寡について言及する立場ではございませんでして、いずれにいたしましても、真摯な労使間の話によりまして穏やかな形でおさめていただいたなと、今までの過程についてはさような見解を持っております。
○池田治君 労働大臣は労働界における国家の代表者とも言うべき人でございますので、ぜひこの点についての御理解を深めていただくようお願いします。 次に、経企庁長官、ことしの妥結額は平均五・五%と言われていますが、物価上昇のための実質賃金は三年前の賃上げよりも低いと言われております。 これは連合の可処分所得の試算でありますが、これによりますと、八八年に賃上げ率が四・五%であった。物価上昇率が〇・八%。そうしますと、実質上昇率が三・五八%あったということでございますが、これをことしの例にひっかけて五・五%強にしていきますと、物価上昇率が三・二%、これは今、三重野総裁ももうちょっと下のような数字でございましたけれども、大体三・二%としますと、実質上昇率、いわゆる可処分所得の試算では一・七、三年前の半分しか実質所得がない、こういう試算ができておりますが、これに対して経企庁はどう考えられますか。
○国務大臣(越智通雄君) 今おっしゃいました春闘の数字は、第一波のJCの関係五・五、私鉄がきのうあたりが従業員ベースで六・〇七、組合員ベースでもうちょっと高いところが出ておりますが、私どもとしましては、賃金の上昇そのものはある意味では物価を押し上げる要因でもございますもので、これをうかつにいたしますと、何と申しますか、スパイラルでもう一遍戻ってくるわけでございますので、ほどほどのところでおさめていただいて経済運営としてはありがたいと思っております。 今おっしゃいましたように、その賃上げの率そのものからどの物価上昇を引くかということですが、過去の分を引かれているわけでございますが、賃金の上昇ということに考えますと、これからの上昇という意味ではこの一年間の物価上昇をなるべく低く抑えまして、政府見通しの二・四に持っていきたいと思っておりますが、そういう見方をしていただければ、今のような計算がもう少し実質上昇という計算ができるのじゃないか、このように考えております。
○池田治君 今長官もお触れになりましたが、ほどほどのところでとめてくれればありがたいということですが、低い金額でいきますと、企業そのものは利益率が高くなってこれは結構なことだと思います。特に中小企業のような資金難に苦しむ企業にとってはありがたいと思っておりますが、しかし余り賃金上昇率が高いと企業も賃金を払えませんから、これを商品に転嫁してコストプッシュ型のインフレという懸念もあると思います。こういうことも考えられるけれども、しかし大衆の購買力をふやして景気を維持させる、こういう経済活性化という論理から大きなマクロの立場でいきますと、ある程度賃金は上昇させた方が経済全体としては好景気の維持ができるんじゃないかと思いますが、これはどうですか。
○国務大臣(越智通雄君) 私どもも同様の考え方でございまして、平成三年度の経済運営におきましても六・五%の上昇を見込んでおりまして、その中身といたしましては、賃金の上昇が四・四、そして雇用者の数の増加、これが二・〇と見ておりますが、ただ春闘ベースの労働力の方と、連合さんの方でございますと大体八百万ということですが、今いわゆる就業者という全体でございますと六千万を超しているわけでございますので、率のとり方が違ってくるかもしれませんが、そういうことによって消費を刺激していかないと成長につながらない、その点は全く同じ考え方でございます。
○池田治君 次に、時短の問題ですが、ことしの春闘でも大きな問題となっておりますが、ドイツ、フランスが年間千四百時間、アメリカ、イギリスが千八百時間、日本は二千百五十時間、これは大きな時間的な差異がございまして、今労働大臣が平成四年に中期ビジョンで千八百時間に持っていく、こう答弁をなされましたけれども、そのとおりでございまして、日本人は働き過ぎで、諸外国と比べるとどうしても時間短縮をやっていかなければいけない、私はこういう気持ちでおります。 そこで、時短のまた経済に及ぼす影響はどうかという点でございますが、時短をやりますと余暇がふえますので、大衆の余暇利用ということで、勤労者の中には余った金でパチンコをする人もあるだろうし、レジャーに行く人もあるだろうし、旅行に行く人もあるだろう。こういうことで時間消費型の支出が多くなって内需拡大には役立つんじゃなかろうか、私はこういう見方をしておりますが、いかがでございますか。
○国務大臣(越智通雄君) 私どもの経済計画におきましても、政府が出しております時間短縮をフォローアップしていきたい、そのように考えております。それが国民生活を豊かにする原因である、こう思っております。 しかしながら、今先生おっしゃいました労働時間短縮が、実は所得が同一である場合にはそのことによって支出の態様が変わってまいりますけれども、直ちに消費量の直接的な増大にならない。むしろ、今までの統計を見ておりますと、ある分位の方々のところでは貯蓄の取り崩しと申しますか、あるいは貯蓄性向の低下という格好で消費がふえておりまして、そのこと自身は経済成長には大変結構なことでございますけれども、そういうような意味では時間短縮が一種の賃上げでもございますからほどほどのところが経済運営としては大変結構かと、このように思っております。
○池田治君 ほどほどと言わないで、もう時間短縮は先進国並みに徐々に上げていただくよう理解を示していただきたいと思っております。 次に、郵政大臣、郵政省は電波利用税を創設して電波発信者に課税することを検討されているようですが、電波発信というのは、電波は見えませんから空気を売って税金を取る、こういうような形になるんじゃなかろうかと思っておりますが、大臣の御見解をお願いいたします。
○国務大臣(関谷勝嗣君) まだ取る取らないのところまで決めたわけではないわけでございますが、いずれにいたしましても、電波利用が今後急激に拡大をしてくるという状態にあるわけでございます。 三つばかり問題点がございまして、一つが、電波需要の増大に対応した電波資源をなお開発していかなければ、もう電波が今ぎりぎりの状態になっております。それから二番目といたしまして、免許事務の増大に対応して迅速な免許処理を可能とするいわゆるハードのシステムの導入が必要になってきております。また三番目といたしまして、急増いたしておりますが、不法無線局に対応するための電波監視システムの整備、そういうようなものも必要になってきておるわけでございまして、そのためには数千億円のお金が要るのではないかというようなことが試算されたりいたしておる。 そういう環境のもとで、国民の租税による負担だけではもう十分にできないのではないか。また、先進諸国の例を見ましてもこの電波利用料というものはほぼ取っておるわけでございまして、現在取っていないところが日本とアメリカだけでございます。そういうようなことも見ながら、新たにどこに負担を求めるか。免許人に求めるという場合には、費用の公平、適正化の観点からもまた十分に検討していかなければならないと思っております。 ただ、池田先生御指摘のように、目に見えないから空気から取るのかというわけでございますが、決してそんなことではないわけでございまして、またこの答申も、税という、税金の形で取るべきであるというような提案はいたしておりません。いわゆる利用料といいましょうか、利用をしたその形でやっていこうかというようなことがされておるわけでございますが、いずれにいたしましても、今後とも円滑な電波利用を確保するためにはどうすべきかというようなことで今研究をしておる現状でございます。したがいまして、またこれを取りますときにはそういうようなことでプラスになる方向で進めていこう、そのように考えております。
○池田治君 いずれにせよ、難しい問題もあろうと思いますが、情報化社会の到来に逆行するような形で料金は取っていただかないようにお願いをしておきます。 次に、国土庁長官、長官は就任に当たりまして、国土の均衡ある発展を期する、こう申されておりましたが、我が国では東京一極集中を初めとした過密と農村僻地等の過疎化という両極端を持っております。 そこで、国土の均衡ある発展をするためには両方の問題があると思いますが、まず過密解消へ向けての施策はどういうものを考えておられるか、大まかなところを述べていただけませんか。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。 均衡ある国土の発展を期していくためには、一極集中というものを是正いたしましてそして多極分散型の国土を形成していく、これは私は今日的な国土政策上の最も重要な課題である、このように心得ておるわけであります。そこで、御承知のように、まず交通網というものを整備していこう、さらに情報、通信、そういう国土発展の基盤になるものをまず整備していこうということに重点を置いて現在取り組んでおるところでございます。 そして、具体的には、まず御指摘になりました東京圏からの地方分散の問題でございますけれども、このことにつきましては、委員も御承知のとおり、政府においては行政機関の中で七十九機関十一部隊、こういうものを東京からよそへ分散していこう、移転していこう、こういうことに取り組んでおるわけでございます。 それから、もう一つの問題といたしましては、地方圏で過疎化が大変進んでおるわけでございまして、これらの対策をどうしていくかということでございますが、まず一点としては、地方の中核都市それから中小都市、こういうものの整備を図っていかなければいけない、これが一点であります。それから第二点目におきましては、特に過疎の進んでおる農山漁村、この地域の条件整備というものをどうやっていくか。それから第三点といたしましては、この中核都市、中小都市、そういうものとこの農山漁村というものを一体的にどう発展させていくか、どういう役割を果たしていくことにしていくか、こういうことを念頭に置きながら、冒頭に申し上げました各種基盤整備というものを現在鋭意進めておるところでございます。
○池田治君 過密の解消という点は、大塚建設大臣はたまたま都市問題の専門家だそうでございますのでこれは先生にお願いすることにして、国土庁長官、長官も御出身は過疎のようでございますので、過疎化についてもう少し頑張っていただきたい、かように思っておりますが、道路網の整備という点ではどういうことをお考えになっておりますか、建設大臣。
○国務大臣(大塚雄司君) 国土の均衡ある発展、活力ある地域づくりを進めるという上で道路整備は最も基本的な条件というふうに認識をしておりまして、今後地方の活性化を図り過疎化を防止するためには、まず高規格幹線道路、この基幹道路から地方道に至るまでの道路ネットワークをバランスよく整備するということが絶対に大事であると思っております。第十次道路整備五カ年計画におきましても、交流ネットワークの強化や、地方部の定住と交流を促進する道路づくり等を主要課題として今日まで整備を進めてきたところであります。 特に、今後の過疎地域の活性化の推進に当たりましては、過疎地域とその他の地域の交流を促す広域的な道路網の整備が必要であることから、建設省といたしましては基幹的市町村道の都道府県代行制度による整備の推進を図ることといたしておりまして、本年三月に、過疎地域と地方生活圏の中心都市、国道等を結ぶ広域的な都道府県道を広域基幹道路として指定いたしまして、平成三年度からその計画的、重点的な整備を図っていくことといたしておるところでございます。
○池田治君 西田長官もどうぞ答えてください。
○国務大臣(西田司君) 過疎地域におきましては、昨年の四月から施行されました過疎地域活性化特別措置法に基づきまして三つのことをとらえております。 まずその一つは、若者が定住をしていくということ、若者が定住をしていく地域社会。それから、それらを促進していくためにどうしても産業振興を図りまして雇用の場を確保していくということが必要だと考えております。それから三つ目におきましては、高齢化社会がだんだん進んでまいりますから、これらの福祉の増進とともに広域的な施策を進めていく必要があろう、このように考えております。 そういうことを進めていく上において、やはり行政あるいは財政、税制、金融、そういうような特別措置を講じまして、関係省庁とともにその活性化に積極的に取り組んでいく考えでございます。 御指摘になりました道路の問題でございますが、過疎地域におきましては特に道路がおくれております。道路整備は重要でございますから、これまでも過疎地域におきましては過疎債あるいはまたそれを利用いたしました都道府県の代行制度の活用、それから基幹道路の整備を今日まで進めてまいりました。今後とも、新しい過疎法により設けられました過疎地域とそれから過疎地域でない地域を結ぶ基幹道路の都道府県代行制度を積極的に活用をしてまいりたい、このように思っております。こういう基幹道路整備事業等を活用しながら、過疎地域における道路整備について取り組んでまいる考えでございます。特に、ただいま建設大臣からもお話をいただきましたが、関係省庁とよく連携をとりまして強力に推進を図っていきたい、これが私どもの考え方でございます。
○池田治君 ありがとうございました。 次に、建設大臣、第十次道路整備計画に関してただいまお話しいただいたようでございますが、地方の過疎化を防止するための取り組みというものはどうか、そしてまた同計画の進捗状況はどうなっておるかをお答え願いたいと思います。
○国務大臣(大塚雄司君) 先ほどもお話し申し上げましたように、第十次道路整備五カ年計画は本年が第四年目でございまして、平成四年度を終わりとする五年計画が今進行中であります。既に道路整備特別会計予算としましてこの平成三年度は前年比六%増、これは国費、事業費ともに六%増を計上いたしておるわけでございまして、これによる進捗率は、一般道路事業で七二・七%、有料道路事業で七七・五%、また地方単独事業は八〇・一%でございまして、調整費を除いた計画額、五カ年計画の五十一兆七千億円に対する進捗率は七六・〇%ということでございます。 今お話しのように、地域の活性化や生活基盤の整備の観点から道路は最も根幹的ないわゆる社会資本でございまして、今後とも揮発油税等の道路特定財源制度を堅持するとともに一般財源も投入することによりまして、この第十次道路整備五カ年計画の完全達成に向けまして全力で取り組んでまいる所存でございます。
○池田治君 それでは、地方道を国道に昇格する問題についてお伺いしますが、昭和五十七年に昇格をされて以来一つも昇格はなされぬまま今日に来ているという様子でございますが、これについて、昇格を希望している道路の箇所といいますか長さといいますか、その件数はどれだけあるんですか。それで、どういう検討をされて昇格を認めるか認めないかというところの見通しを若干述べていただけませんでしょうか。
○国務大臣(大塚雄司君) お答え申し上げます。 一般国道は、先ほど申し上げました高速自動車国道とあわせて全国的な幹線道路網を構成するものでございまして、現在、実延長で申しますと四万六千八百五キロメートルでございます。五十七年に八十三路線五千五百四十八キロメートルの追加指定を行ったわけでありますけれども、先ほどお話しのように八年が経過をいたしております。その間、高規格幹線道路網計画が策定されまして、また社会経済活動の発展や国民のニーズの多様化、高度化に伴い道路交通需要が増大していること等を考えまして、それぞれまた地元からの要望も大変今お話しのように多くて、昇格の要望は何と一万二千キロメートルというふうになっております。 現在その要望路線につきまして国道としての適性を評価すべく検討中でございますけれども、検討結果を踏まえまして、平成三年度中を目途に昇格路線の選定を進めてまいりたい、こう考えております。
○池田治君 もう一つ、国道には、名前は国道であっても自動車が行き会ったらお互いすれ違いができない、交差できない、一旦とまって広いところまでバックしていってやっと通れるというのが四国の高知県の方にはたくさんございますのですが、これは建設省も承知されておりますか。これの拡幅についての計画はいかがでございますか。
○国務大臣(大塚雄司君) 四国のみならず全国の都道府県道、市町村道、かなり整備を進めてはおるわけでありますけれども、御指摘のようなところもまだたくさんございます。特に、四国はいわゆる横断橋が三本もかかっていくわけでありますが、先日も衆議院でもお話し申し上げましたけれども、せっかく橋がかかっても島内を車が走れないのでは何の目的かということもございますので、ただいま申し上げましたような第十次道路整備五カ年計画の完全達成に向けまして、また今後の長期的な道路整備計画もそのような配意をして十分達成するように努力してまいりたい、このように思います。
○池田治君 今、橋の話が出ましたので、ついでに瀬戸内大橋の話をいたしますが、瀬戸内大橋がかかった際には四国の道路網の整備ができていないために、関西方面から来た車が道後温泉に六時に着いて温泉に入って飯を食うという予定でいたそうですが何と高松から道後へ着いたのは十一時過ぎで、もう飯は冷めているし働く従業員も帰っているということで観光客はぶつぶつ言って帰ったというのが何件もあったそうでございます。今は多少解消しつつありますけれども、そういう問題がございまして、橋を余り急いでかけたために内部が充実されていないという点もございますので、建設大臣、ひとつその点をよく留意していただきたい、かように思います。 次は、大蔵大臣、あなた笑っているけれども笑うどころじゃないですよ、何をするにもやっぱり銭がかかりますからね。建設省が考えられても国土庁が考えられても銭が要る。これは四百三十兆という公共事業をアメリカにお約束されているわけですから、約束された以上、一番困っている過疎地域へこの財源をぽんと回して道路網を整備させるというくらいなことをお考えになった上での今のお笑いでしょうね。どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変失礼でありますが、道路だけを私は頭に置いておりません。ただ、この構造問題協議を振り返っていただければ、要するに都市部に対する大量の投資を求めたアメリカに対し、一極集中排除という国策において多極分散型の国土形成を目指す私どもがその言い分を抑え抜いて日本の目標を設定してきた経緯はよく御承知のとおりであります。過疎地域を忘れておるものでないということは事実問題として改めて御承知をいただきたい。 その上で申し上げたいのは、きょう他の委員の御質問の中にもありましたけれども、総合交通体系を多極分散型の国土形成の中で考えます場合、私は、ちょうど国鉄改革の際改めて論議をされましたように、道路交通と鉄道、そしてまた航空という三つの機関の役割分担というものをもう一度考え直す必要があると思います。 当時私どもが国鉄の分割・民営というものに自信を持ちましたのは、さまざまな調査の中で、大都市部における通勤通学輸送における鉄道の役割とともに、中距離都市間における鉄道輸送というものに非常に根強い国民の需要の存在することでありました。そして、道路交通においての移動機関に望むのは一定時間内の移動であり、また一定時間以上を要する部分は航空機という、国民の求められる役割分担というものがおのずからその中に明らかになっていたことであります。 そして、それが旧国鉄というものを現在のJRの各社体制に分割をいたしていく上で極めて大きな参考になったことも事実でありまして、委員がたまたま四国を例に挙げられましたが、四国内における総合交通体系の整備という視点から、道路も、またその他の交通機関も含めて検討がされ、その御要求を私どもとしては受けとめていきたい、そのように思っております。
○池田治君 道路の話から大蔵大臣に一にらみにらまれましてちょっと私も調子が狂ったようでございますが、しかし、都市問題も総合交通問題も過疎地域を忘れないように、大蔵大臣、重ねてよろしくお願いを申し上げておきます。 次は、裁判所の方にちょっとお尋ねをいたします。 裁判所は、最近、簡裁及び支部の適正配置を実施されました。これは人口分布や交通事情などの社会環境の変化に対応したものでもあり、明治以来の最高裁規則の改正ということもございまして、それ自体に反対論もございましたが合理的な点もあったと思っております。しかし、その後に控えているのは裁判官の削減じゃないか、こういう声も出てきました。現に、ある地方の裁判所ではこの四月一日から二名の裁判官のうち一名が減員されて、裁判所の地域的機能の弱体化、住民に対する司法サービスの低下につながると心配されております。裁判所としては裁判官増員の方向をいかに推進されるか、お答えを願います。
○最高裁判所長官代理者(金谷利廣君) 簡易裁判所の統廃合、私どもの言葉では適正配置と呼んでおりますが、これとか、あるいは地方裁判所、家庭裁判所の支部の適正配置というものは、委員御指摘のとおり、人口分布の変化あるいは交通事情の発達、そういう著しく変化いたしました社会事情に合わなくなった裁判所の配置というものを全国的に見直しまして、そして審理を一層充実して国民に良質な司法サービスを提供したい、こういうことを目的として行ったものでございまして、決して予算とか人員の削減を目的としたものではございません。 こういう適正配置を契機といたしまして、私どもの方では、職員が二人しかいない庁をできるだけなくするとか、あるいは木造未整備の庁舎を新営するとか、あるいは受付窓口を充実するとか、そういったもろもろの人的物的な充実に努めておるわけでございます。この増員につきましても、最近五年間で合計百三十八名、うち裁判官二十八名でございますが、の純増を図ってまいったわけでございます。このうち本年度、平成三年度の増員につきましては、判事補五名を含みます三十三名の増員をお願いし、裁判所職員定員法につきまして既に両院で審議、可決していただいたところでございます。あるいは、もう少し申し上げますと、昭和四十五年以降だけを見ましても裁判官につきまして約二百人の増員をしてきておるわけでございます。 そういうところからおわかりいただきますとおり、裁判所の適正配置の後に裁判官の減員が控えているのではないかと、そういう誤解がもしありとすれば、私どもの考えているところと全然違うところでございます。御指摘のように、確かにことしの四月から裁判官の配置数を一人減らすというところもございます。しかし、これは統廃合、適正配置とは無関係でございます。私どもの方といたしましては、それぞれの地の事件数の動向、あるいは未済事件がどれぐらいたまっているかとか、あるいは複雑困難な事件がどういうふうに係属しているかとか、そういういろいろな事情を見ながら、事務量的に余裕のある庁から裁判官の数を減らし忙しい庁に裁判官をふやす、こういう裁判官の配置数の見直しということは毎年少しずつ行っているところでございます。 したがいまして、今回の裁判官の減員という措置をとりましたところも、こういう毎年の見直しに伴うものでございます。決して統廃合が原因ということではございませんで、また今回定員を減らしましたところは、管内の事件数が減少いたしまして裁判官の事務量に相当な余裕が生じたところについて行いましたので、その結果地域住民の方に御迷感をかけるようなことはないと認識している次第でございます。 裁判官の増員につきましては先ほど述べたとおりでございますが、現在御審議いただいております司法試験法の改正等によりまして有為な人材が多数任官してくれる、任官を希望してくれるというようなことになれば、それは私どもとしても歓迎すべきことと考えておりまして、そういう任官希望者の状況とか、あるいはこれからの事件数の動向あるいは民事訴訟法の改正の動き等をしっかりと踏まえながら裁判官の人員の増加についても努めてまいりたい。最高裁判所の方としてはそう考えておる次第でございます。
○池田治君 定員増につきましては私が心配したようなことはないというお答えでございましたので一安心しておりますが、まあ司法試験法改正の問題も審議されるようになっていると思っておりますが、これは修習生が漸次増員されることになっても、裁判所当局が手をこまねいていると優秀な裁判官は生まれてこない、こう思っております。百人の増員をなしましたけれどもまたそれが弁護士になってしまったら、私のよつにでたらめなことを言う男ばっかりできて裁判官や検察官になる希望者が少ないと困りますので、裁判所へ優秀な若年合格者を採りたいということならば、それなりの初任給とか、転勤による子女の教育問題とか官舎問題での待遇面の改善を図らなければ、増員だけしても何にもならない、こう思っておりますが、裁判所はいかがお考えになっていますか。
○最高裁判所長官代理者(金谷利廣君) 裁判所は裁判官がそれぞれ独立して職権を行使するところでございますので、裁判官に人を得るということ、要するにすぐれた人材を確保するということが特に重要でございます。むしろ裁判所という組織の最重要課題と申しても過言ではないと存じます。したがいまして、裁判官の任官者の確保ということにつきましては私どもといたしましても決して手をこまねいているわけではございませんで、従前からいろいろ努力を払っているところでございます。 その幾つかを御紹介させていただきますと、修習生に対しましていろいろしっかりとした進路相談の相手をいたしまして、これは裁判官に相ふさわしいという人物に対しましては積極的に裁判官の仕事の魅力を説くなどして任官を勧めておりますし、また待遇面では、判事補初任給調整手当というのがございますが、これの増額を図りまして弁護士との収入格差の是正に努めてまいっております。 御指摘のように、任官者を確保する上でネックとなりますのはやはり転勤問題でございます。全国の二百近い都市に裁判官を配置するわけでございますので転勤は避けられないのでございますが、これにつきましても、地方にはできるだけ若い時代に行ってもらってある程度の年配になりましたら一定のところに落ちついていただくようにしたりとか、あるいは転勤の時期等について配慮する等できるだけ転勤の負担を軽減することに努めております。 あるいはまた、御指摘のございました宿舎の整備ということは、優秀な任官者の確保という面からも重要な要素であると認識し格段の努力をいたしております。全国的に見ますと戸数の面では充足いたしておりますし、また新任判事補につきましては希望者はすべて宿舎に入居できるという体制になっております。その他、狭い宿舎、老朽宿舎の改善等々についても努力いたしております。 その他、留学機会の拡大あるいは魅力ある職場づくりといった面でも努力いたしておりまして、その結果と申してはなんでございますが、修習生から判事補への任官者というのは、昨年は八十一名、ことしは、きのう辞令を交付したわけですが九十四名という非常に多数に上って喜んでおる次第でございます。今後とも、こういうすぐれた任官者を多数確保するという観点から、ただいま申し上げましたようなさまざまな面で最大限の努力をしてまいりたい、こう考えております。 以上でございます。
○池田治君 大蔵大臣にも一言お願いをして帰りたいんですが、まあ目と目で話し合っておりますのでもう省略いたします。 どうもありがとうございました。
○委員長(平井卓志君) 以上で池田君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、猪木寛至君の質疑を行います。猪木君。
○猪木寛至君 きょうは、停戦になりました湾岸危機を総括して、また総理のリーダーシップと今後の湾岸戦後の問題についてお伺いをしたいと思います。 その前に、私が素朴に感じたことを一言申し上げさせてもらうと、この国会の運営というのか、総理が政治改革を掲げられている中で何でこんなに非能率的なのかなという気がいたしますが、その改革の中にこの国会内の運営の仕方も入っているんでしょうか。 〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕
○国務大臣(海部俊樹君) 御質問でございますからあえて答えさせていただきますが、自由民主党の政治改革本部がいろいろ議論して昨年決定しました改革案の中には、自由民主党自体の改革とともに国会の改革ということも入っておりました。
○猪木寛至君 私がきょう出てくる前にこれだけは聞いてこいと言われたものですが、今回都知事選の責任をとられて小沢幹事長がやめられたということで総理の感想を聞いてこいというものですから、あえて、今までタッグを組んでこられた幹事長がやめられたということで総理の御感想をちょっと聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) これは予算委員会の場でお答えすべきことかどうか非常にちゅうちょいたしますが、自由民主党の総裁としては、今回の地方選挙は執行部が中心となって全国的に勝利をおさめた、したがいまして幹事長がその責任を負う必要はないという判断を持っておりますが、その間いろいろなことがございまして、特に東京都の知事選挙をめぐって現職知事に審判が下ったということ、それに伴う一連のことについて、今後の挙党体制をつくるために自分が責任をとるのだという非常にかたい辞意の表明がありました。 私は、申し上げたように、全国的にはおかげさまで非常な御支持ももらって自由民主党の勢力は伸びたわけでありますから幹事長の責任はないということで慰留をしたのですが、あのような結果になりました。
○猪木寛至君 今現在、日本は本当に押しも押されもせぬ経済大国となったわけですが、この湾岸危機というのは、日ごろ我々の大変なじみの薄かった中東問題というもののいろいろな側面を見せてくれたと思うんです。その中で、日本の役割が大変増大して期待されている中で起きた問題ということで、その日本がどういう対応をするかということが国の内外で各種の評価をされているわけです。 そのリーダーシップをとってこられた総理、この湾岸問題を振り返って、総理の自己採点とでも申しましょうか、それをちょっとして聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 中東地域にあのようなイラクのクウェート侵略、併合というような事態が勃発をして、日本としては、東西の対立が終わりを告げて平和が来るという大きな希望を持っておったやさきでありましたから、これに対しては新しい世界秩序をつくるために力による侵略、併合を認めてはいけないという立場に立って、直ちに国際社会の総意とも言うべき国連決議の趣旨を貫くように政治的な立場を明らかにいたしました。同時にまた、平和回復のためには日本として許される限りの貢献をすべきであるというのでいろいろな努力を続けてきたところでございます。 いろいろ途中の経緯もございましたけれども、適切な時期に目的を果たしてクウェートの解放が行われ、そして紛争が終わりを告げた、武力行使が適切な時期に終わったということについては、私もこれはよかったことだと思っております。 ただ、問題は、あの地域は復興のために非常にいろいろな問題を抱えております。今後積極的に日本はこれらの問題に対しては対処していかなければならないと、この間うちの一連の出来事を顧りみてそう思っております。
○猪木寛至君 どのくらいの点数をということをお聞きしたんですが、それはもう結構です。 湾岸問題が起きてすぐに十億ドルの経済支援を言われたとき、私が百億ドル出すべきじゃないかという意見を申し上げたときに大変批判があったようですが、しかしこれは、日米関係を重視されるというふうに総理が日ごろ言われている部分、それともう一つは、やはりこの紛争が長引けば恐らく百億ドルでは済まないだろうという私の勘だったんですが、結局それ以上の問題になりました。それに、このお金がどういう形で使われるかといえば、一つは難民の救済であったり医療の問題であったり、世界の厚生省としての役割、今アメリカが世界の警察ということを言っておりますが、日本は世界の厚生省という役割を果たせばいいんじゃないか、そういうことで百億ドルという数字を出したわけなんです。 きょうは私の考えをちょっと申し述べさせてもらうと、まず最初に、今回の湾岸危機が起きた後の対応が間違ったのではないか。というのは、一つのやはり不完全なるアメリカ追随というんでしょうか、既にもう総理が何遍か答弁されておりますが、最初に日本の憲法、これに基づいて今建前上日本はそういうことにおこたえできませんという明確な態度を表明した上で、しかしながら、これは国際情勢が変わっていく中で今の日本の憲法というものが必ずしもその状況に合っているかどうかということを述べた上ですぐに研究作業に入りますということを言っておけば、アメリカの国民も日本の憲法のあり方というのがわかったと思うんです。これは一部の人たちは十分理解していても、国民自体はわかっていない。 そういうことで、最初のそういう意見の中で今回の中東政策というのが行われていけば、私はもうちょっと違っていた。 それから、最初に総理が中東訪問ということを取りやめになられた、これも一つ大きな間違いであったんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) いろいろな御批判は謙虚に受けさせていただきます。 〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕 また、当初八月二十九日に第一次の貢献策をつくりましたときに、率直に申し上げますと、この平和回復活動がどれくらいの期間かかるのか、あるいは国際社会の総意についてもっと素直な反応もあるのではないかとか、いろいろな御議論がございました。そのとき、日本の現状の財政の中でなし得る貢献の第一歩とするにはどうしたらいいか。あのときは一晩徹夜をして、大蔵当局にも努力を願い、外務省にも頑張ってもらい、あの貢献策を決めたのでございました。 また、アメリカ追従、不完全だとおっしゃいましたけれども、やはり日本とアメリカというのは自由と民主主義の価値をともにし今日の世界のGNPの四〇%近くを占めておる二国でありますから、私は価値を共有する国としてこの二国間関係は大切にしていかなきゃならぬ、基本的にこう思ってまいりました。 また、中東訪問をなぜ取りやめたかということでありましたが、あのようなことが起こるとは予測できないもっと前に、中東と日本との間が、おっしゃったように首脳の行き来がなかった非常に疎遠な状態がありましたので、訪問をしていろいろ話し合ってこよう、こう思ったのですが、突然状況が変化をいたしました。したがいまして、改めて適当な時期に訪問した方がいい。関係改善のためだけの、お久しぶりでしたというだけの訪問は、相手方にとっても、今まさに緊急事態が起こったときでありますし、日本もそれに対してどう対応するかということを考えてからの方がいい、こう思いましたから、外務大臣にかわりに中東と日本との関係を積み重ねていくその役割は果たしてもらった、こういう事情でございました。
○猪木寛至君 私が今申し上げた部分でもう一つつけ加えますと、憲法論議というもの、私もまだ不勉強ですが、やはり憲法論議をするときに大事なことは、その本文のあるがままということを論じればいいんではなかったか。そこに非常に我々国民も混乱した部分があると思います。 それからもう一つ、総理が国連絶対主義ということをうたっておられますが、今その国際情勢の変化の中で、私もちょうど今回都知事選出馬表明の中で政策を打ち出しましたが、やはり国連が絶対であるということではないと思います。まだ未成熟の中で、これからその中で日本が今果たす役割ということで、第二国連ビル構想というものを打ち出したんですが、これからやはり今の国連で機能できない部分を日本がぜひやっていく、そういう意味で国連のあり方自体を変えていかなければ、今国連が絶対ですからというのはどうも私ども合点がいかないんです。 そこら辺について、国連第二構想というのはこれからの話として、ただ国連のあり方自体今のものが絶対でないということ、私はそう思うんですが、総理はどうでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 私は、国連中心主義ということはいつも使う言葉ですが、絶対主義ということを言ったことはございませんし、私自身が今の国連がパーフェクトである、絶対的であるというように正直に言って率直に受けとめておりませんので、御答弁の中で国連の機能を強化しつつというようなことも触れたこともありましたし、また今後新たなる国連協力のあり方について物を考えるときにも、これは国連中心で考えていかなければならないだろうと。 なぜなれば、国連というのは戦後第二次世界大戦の反省に立ってできた平和への機構でありましたけれども、この枠組みが東西対立、対決のために有効に機能していなかった。それが四十五年たって初めて、侵略者がいる、平和の破壊者がいる、これは排除してきちっとした正義と秩序に関する平和をつくっていかなきゃならぬという平和の枠組みとしての機能を始めたわけでありますから、この国連を今は新しい世界秩序の枠組みとして、二大対立の枠組みからそちらへ軸足を移していくことが私は大切なことだと、こう思っておりますから、国連の中の改組とか、あるいは五月に行います国際会議も国連と共催しながら、その議論は将来は国連へ発展していって兵器の問題や軍備管理の問題も国連の枠組みの中でできるようにしていくのが望ましい、私はこう思っておるのであります。
○猪木寛至君 私が最初にイラクに入りましてから、その後去年二度行ってきたわけなんですが、人質解放と、それからもう一つは平和のイベントをひっ提げて向こうの人たちの心を開いた。そしてこの二月に、地上戦に入る前ですが、テヘランを通じましてずっと千数百キロ野宿をしながらバグダッドに入ったときに、町の状況というのは本当に見る影もない。ピンポイント、これは大変びっくりしたんですが、一つのビルを攻撃する兵器の能力の高さというんでしょうか、そういうことと、それからもう一つは、電気、水道がない、都市機能が完全に麻痺した中で国民が本当に町の中をうろうろしている状態を見て、戦争の悲惨さというのを感じてきました。 その中で、私は帰ってきてすぐアメリカに飛びまして、ブッシュ大統領の奥さんがボランティアをやっているということで、日本が戦後一番アメリカから支援をしてもらったこと、それは物資それから食糧であったということでお願いしてきたんです。 私は、本当にその対応ぶりについて一言外務省に文句があるんですが、文句を言えばあしたまでかかりそうですから、とりあえず外務省のこれからのいろんなあり方というんでしょうか、それから情報自体、私が現地に行ったときの情報と相当食い違いがある。これは前にも申し上げた外務省自体の機能、人員の問題も今あるかもしれません。しかしながら、やはり我々から見たときに外務省の縄張り的な考え方というもの、これはぜひ外務省もひとつ体質を改善していただきたいということをお願いして、外務大臣、ちょっとお願いします。
○国務大臣(中山太郎君) サダム・フセイン大統領があのような隣国を武力で併合するという突如として起こった事件に対応するといったようなことで、外務省は、人質問題を含めて、国家自身が外国人を全部人質にとるといったような経験は実は戦後なかったわけであります。そのような中で、この人質の解放ということに外務省は外務省として現地の片倉大使と一緒に全力でやってきた。委員もバグダッドへ行かれた、こういうこともございました。 私はこの苦い経験といいますか、我々がかいた汗が乾かないうちにもう一度問題点を全部整理をして、そしてこれからの外交機能を高めるための考え方を確立する必要があるということを既に事務次官に申しまして、四月二十五日までに外務省としては新しい外交機能のあり方についての考え方を省内で協議して取りまとめるという方針を既にやっております。このできました案に基づいて、来るべき来年度の概算要求には必要な予算も要求をしてまいる。これを機会に外務省というものは新しい二十一世紀へ向けての外交機能を整備したい、このように考えております。
○猪木寛至君 戦後の湾岸の問題ということで、私どももいろんな情報をとってまいりました。今一番やらなきゃいけないというか大きな問題は油田の炎上の消火だと思うんですが、もう一つは湾岸に流出した油、そしてもう一つ、これはペルシャ湾に浮遊している機雷のことです。環境問題です。 やはりこの戦争というものが地球上にもたらした、人類の犯したことのツケというのでしょうかね、これは大変大きなものがあると思います。そこで、今の現状をちょっと説明していただきたいんです。
○政府委員(渡辺允君) 湾岸におきます環境問題につきましてのこれまでの私どもの対応の概要を申し上げますと、一つには、政府として調査団を出しまして、その調査団の報告に基づいて、現在、油の除去それから淡水化設備の保全のために総計三十人の日本の専門家が現地に赴いております。 それからクウェートに対しまして、WHOの調査団に参加をして日本のお医者の方二名に行っていただきまして、現在WHOでその報告を取りまとめ中というふうに承知をいたしておりますが、油田の炎上の結果生じます大気環境汚染の人体への影響等についてもさらに調査等の技術協力があるいはできるかというふうに考えておるところでございます。
○猪木寛至君 油田の炎上に関する日本の技術協力というのはできないんでしょうか。
○政府委員(渡辺允君) 基本的に申し上げますと、日本の場合やはり油田がございませんし、日本に油田炎上に対応する技術というものは存在していないというふうに専門の方からは伺っております。ただ、それを前提にして、消火の問題でもございますので、何ができるかということについては検討も行われてはおります。
○猪木寛至君 もう一つの油の流出という問題について今どういう対応をされているか、それを聞かせてください。
○政府委員(渡辺允君) 油の流出につきましては、先ほどちょっと一部分、むしろ人的な貢献の面を申し上げましたけれども、それ以前に、油の流出に対しましてはオイルフェンスその他の機材等の供与を相当程度に行っておるわけでございます。
○猪木寛至君 オイルフェンスも、あるいは風向きによって大分油の流れが変わるというようなことを聞いておりますが、水の処理に関しては私どもも独自に研究をいたしまして、六カ月間でこの湾岸の流出した油を解決できるということを今考えております。今向こうの政府関係者とも話をつけております。 そういう中で、最後に、これは私の意見ですが、今掃海艇という問題、きょうの新聞にも出ております。まさに政府としても大変返答が難しいのかもしれませんが、もう戦争も終わり、そしてきょうの新聞の中にも、これはアラビア石油でしょうか、やはり日本の六〇%以上を依存している中でそういう船が安全に運航できるというためにも、私は派遣しても問題はないのではないかと思うんです。そして、やはり環境問題で今日本ができる技術、これは私も聞いておりますが、アメリカあるいはドイツよりもすばらしい技術を持っている。そういう技術を持っていながら宝の持ちぐされということです。 最後にお聞きしたいんですが、自衛隊としては、今回の湾岸戦争そしてこういう今の事態において、自衛隊員の士気が大変落ちていると言われておりますが、長官にちょっとお聞きしたいんです。
○国務大臣(池田行彦君) お答え申し上げます。 掃海艇の問題につきまして、これにどういうふうに対処するかにつきましてはこれは政府全体として考えなくてはいけない問題だと思いますし、今の段階で最終的な取り組み方が決まっているわけでございません。 それからなお、その能力という点につきましては、これは一概には言えないわけでございます。それは機雷の種類にもよりましたり、それの置かれている状況によりましていろいろ違うわけでございますけれども、一般的に言いますと、世界でもすぐれた掃海能力を持っている国の一つであるということは言えるのじゃないか、このように思います。 それから、いま一つ先生御指摘の自衛隊員の士気の問題でございますが、これは昨今と申しましょうか、特に湾岸情勢をめぐっていろいろな議論が国会においてもあるいは国民全体の中でもございました。そして、自衛隊の役割とかあり方についてもいろんな話があったわけでございます。そういった中で、何と申しましょうか、自衛隊の任務だとか目的だとかあるいはそのあり方について、必ずしも十分なる御理解、あるいは妥当適切なる御認識の上に立たない議論もあったということは否定できないわけでございまして、そういったことが自衛官にいろいろ複雑な思いをさせたということはこれは否定できないと思います。 しかしながら、自衛隊員、自衛官はそれぞれ日本の国防の必要性についても十分認識しておりますし、そういった任務に携わる使命というものは十分に理解しておるものでございますから、全体として申しますならば、士気の面で大変問題があるというふうに私は考えていません。しかし、これからさらに国民の皆様方の議論が進んでいく中で正当な位置づけがされていくということになれば、これは士気の維持なり向上に資するということはそのとおりだと思います。
○猪木寛至君 もう時間もありません。いろいろもうちょっと突っ込んだ質問をさせてもらいたかったんですが、私は先日、四月二日に外務委員会において総理に、国益とは何でしょうかと、日本にとっての国益ということで質問をさせていただきましたが、改めてその質問をさせていただいて、終わりにしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(海部俊樹君) 国益とはと問われて一言で答えると、日本の政治の目指しておる、国にとっては平和、国民生活にとっては安定向上を図るということになりますが、日本は今国際化時代に、国際社会の平和な、自由な、そして市場経済の秩序の中で生きておるわけでありますから、そういった世界の環境をきちっと守るように努力をしていくことも大切だと、こう考えております。
○猪木寛至君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(平井卓志君) 以上で猪木君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、西川潔君の質疑を行います。西川君。
○西川潔君 朝から長時間御苦労さんでございます。いよいよ私が最後でございます。よろしくどうぞ。 総理大臣という立場のお仕事は大変でございますね。長時間にわたって見せていただきましたが、もう素朴な疑問ですが、海部総理、総理大臣になってよかったと思われますか、一言。
○国務大臣(海部俊樹君) 大きい、重い責任を背負った、そしてまたその御期待にこたえるべく、微力でありますが全力を挙げて頑張らなければならない、こう思っております。
○西川潔君 いや、なってよかったと思いますかとお聞きしたんです。またそれは改めてお伺いしたいと思います。本当に大変なお仕事だということが自分は理解ができましたので、素朴な疑問でお尋ねしたんですが、これは失礼だったらお許しいただきたいと思います。 私は、きょうはまた高齢者問題を中心にお伺いしたいと思います。 死はだれにも訪れてまいりますが、老後を不安に生活するということが私はやはり人生にとっては一番嫌なことだと思います。 最初に、老人休養ホームについて御説明をいただけますでしょうか。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 老人休養ホーム、これは今お話がありましたように、老人の方々がリフレッシュをされる、そういう場所でございまして、平成三年三月末現在で全国に七十四カ所あるわけでございます。そして、これは老人の方々が保養とか休養とか心身の健康増進というような目的で利用されるわけでありまして、利用者はおおむね六十歳以上の方、またその御家族というようなことになっております。利用料は国民宿舎の利用料と同水準ということで、一泊二食つきで五千円、こういう形になっております。
○西川潔君 一泊二食つきで五千円前後ということでございまして、ここにいらっしゃる皆さん方もこの老人休養ホームについては御存じない方が多いと思います。すばらしい施設ではあるんですけれども、実はこの施設の全国的な情報を提供していただけるところがないわけでございまして、先日も社会労働委員会でそういうことをお願いいたしました。どこかへお伺いすれば即座に情報提供していただけるようにしていただきたいというお願いをいたしましたのですが、検討していただけましたでしょうか。
○国務大臣(下条進一郎君) お尋ねの点は前回の社労でありましたことを記憶いたしております。したがいまして、早速この情報収集の努力をいたしまして、その結果を踏まえまして、財団法人の長寿社会開発センターにおいてその概要をまとめまして、冊子としてこれを広く提供したいということでございますし、また市町村に行かれればわかるようにはさせてございます。
○西川潔君 ありがとうございました。 次に、保健医療・福祉マンパワーの確保対策についてお伺いしたいと思います。 高齢化社会を考えますと、何よりも大切なのは福祉の分野に質量ともに人材をどのようにして確保していくかということだと思います。それは単に福祉施設で働く職員だけを意味するのではなくて、ボランティアまでも含めて考えていただきたいと私は思います。少なくとも高齢者保健福祉推進十カ年戦略、ゴールドプランにもうたい上げておられますが、ホームヘルパーなどの確保については、その処遇を向上させることを含めて確保策を講じなければならないと思います。厚生省は今後どのように考えていらっしゃるのか、お考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) このゴールドプランを実現してまいりますには、やはりお尋ねのようなマンパワーを確保することが非常に大事な要件になっております。 具体的に、このマンパワーの確保につきましてまず第一は、ホームヘルパーにつきましては手当額の引き上げや活動費の増額を図ることにいたしております。それからまた、社会福祉施設の職員につきましては労働時間の短縮、主任寮母制度を今度設けました。また、年休付与日数の引き上げ、宿直専門員の配置等を行いまして所要の改善を図ったところであります。また、省内に保健医療・福祉マンパワー対策本部を設けまして、先般三月十八日に中間報告をまとめたところでございます。 今後、この報告をもとといたしまして、マンパワーの志願者が増大し、より資質の高いマンパワーが確保できますように、養成力の強化、処遇の改善、福祉人材情報センターなどによる就業の促進等の対策を総合的かつきめ細かにやってまいりたいと考えております。
○西川潔君 ありがとうございました。 そこで、人事院にお伺いいたします。 国家公務員の俸給表の種類と、それぞれの適用範囲を簡単に御説明してください。
○政府委員(森園幸男君) 一般職の給与法が適用されます国家公務員につきましては、職務の種類の類似性を基本といたしまして、九種類、十七表の俸給表が用意されております。 職種と俸給表の適用関係を具体的に若干の例示を挙げますと、例えば警務官につきましては公安職俸給表(一)、船舶に乗り組む職員につきましては海事職俸給表、国立学校の教員等につきましては教育職俸給表、国立の研究機関の研究職員につきましては研究職俸給表、それから医療関係の職員につきましては、医師は医療職俸給表の(一)、看護婦は医療職俸給表の(三)というようなことになっておりまして、一般行政職員とかその他ほかの俸給表が適用されないすべての職員には行政職俸給表(一)、これが適用されるということになっております。
○西川潔君 それでは次に、厚生省にお伺いしたいんですが、国家公務員の方で福祉に従事されている看護助手、そして保母さんの俸給表の種類をお教えください。
○政府委員(熊代昭彦君) お答えいたします。 厚生省が設置しております厚生援護機関におきまして入所者の生活訓練とか生活指導を行っております保母、寮母、それから指導員等がございますが、これらの方々につきましては行政職俸給表(一)の適用を受けております。それからまた、入所者の身の回りのお世話をする介護員、先生御指摘の看護助手はこれに含まれますが、行政職俸給表(二)の適用を受けております。 以上でございます。
○西川潔君 そこで、私は、その処遇の水準が明確にできないのは、福祉関係の方々に対して国自身があるべき給与の姿を決めていないことが原因だと思います。厚生大臣は人事院に対して福祉職の給与法をつくることを強く要請していただきたいと思うんですが、厚生大臣、いかがでしょう。もうこれから絶対必要なことなんですが。
○国務大臣(下条進一郎君) 福祉に携わる人たちは、プライドを持って、苦労な仕事を、しかも専門的に従事しなければならないということでありますので、今委員御指摘のように、福祉職というものがあったらどうかという考えはあると思います。この問題につきましては人事院と今後も折衝を続けてまいりたい、このように考えております。
○西川潔君 これはもし本当に、厚生大臣、やっていただければ、後世に偉大な名を残す大臣になると思います。 人事院いかがでしょう。
○政府委員(森園幸男君) 初めに、俸給表の種類の設定についての原則的なことをちょっと申し上げさせていただきます。 俸給表といいますのは、所属機関とかあるいは勤務先の施設、そういうことのいかんを問わず、仕事の種類が類似しているかどうかということを基本にいたしましてグループに分けましてこれを設定する、こういうことにいたしております。しかしながら、給与法の適用職員でも五十万人程度おるわけでございますので、同じ俸給表の適用の中でもまた非常に多々ございます。それで、非常にたくさんにわたります仕事の種類自体、同一俸給表を適用した場合でもその中にいろいろあるものでございますから、必ずしも同じ給与ベースでいいかという問題がございます。 そこで、俸給表は同じ俸給表でありながら、職務の複雑、困難、責任の度合いとか、あるいは勤労の強度、勤労環境、こういうものがほかに比べまして著しく違っておるという職につきましては俸給の調整額という制度を用意しておりまして、これは俸給表に定めます金額の二五%以内の範囲内で俸給月額をプラス調整する、こういうことにしております。これによって俸給表の種類は限られた中での俸給の月額の調整をしている、これが基本的な考え方でございます。 そこで、今お尋ねの福祉施設に勤務する職員の件でございますが、福祉施設に勤務します職員のうちで保母さんとかあるいは児童指導員、生活指導員、こういうような行政職(一)の適用を受けます職員につきましては、今申しました俸給の調整額制度によりまして、最低で約三・七%、最高で一八・五%程度のプラス調整をしております。この俸給の調整額自体は俸給そのものの一部でございますので、俸給を基礎とします諸手当の基礎になるわけでございます。言うならば、今御指摘のような職員につきましては五段階の調整額の区分がございますので、あたかも五種類の特別俸給表を用意しているのと実質的には同じ意味を持っているわけです。 そこで、ではそういうのをまとめて一つの俸給表にしたらどうか、多分こういうお話でございましょうが、社会的な要請によります仕事の内容がいろいろ変わってきておるということを私どもは認識しておりまして、決して過去にこだわるものではございませんけれども、福祉施設の職員の給与体系を検討する場合に、一体どの範囲までが同じ俸給表の適用範囲とすべきなのかというような問題がございます。 例えて言いますと、先ほど挙げられました中の看護助手でございますが、これは国立保養所の看護助手の件になろうと思いますけれども、これとある意味で同類の職員といたしまして、国立病院とか療養所にも同じような看護助手がいるわけでございます。こういうものは、ではどうするのか。あるいはそういう国立病院等の職域におきます看護助手の周辺の業務をやっている方々、こういったものへの影響はどうだろうというようなことなどもいろいろ検討することがございます。さらにまた、公立その他の施設への波及ということも当然起こるでありましょう。 そういたしますと、関係省庁が現在実施しておりますいろいろな施策の見直しということもあるいは必要になるかもしれない。そういう面もございますから、これの検討に当たりましては、福祉職員を多数抱えております厚生省はもとより、自治省その他の機関の意見も聞きながら進める必要がある、このように考えております。
○西川潔君 いろいろと御説明をいただいたのですけれども、納得のいかないところの方が七、三か八、二ぐらいで多いんです。時間があればもっとお伺いしたいんですが、こちらもお願いしている内容の中で、これは御無理かな、難しいかなということもよくわかるんですけれども、やってやれないことではありませんので、ぜひやっていただきたいと思います。 次に、看護婦さんの問題でございますが、医療職(三)の給与表、ことしの人事院勧告では特に改善していただきたい。看護婦さんのお仕事というのは本当に大変です。病院に行って入院していろいろ看護を受けて初めてわかることですが、本当に大変です。人事院にお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(弥富啓之助君) お答えを申し上げます。 昨今、特に看護職員につきまして各方面から問題提起がなされていることはよく承知をいたしております。この問題につきましては、これは給与面だけではなくて、看護職員、看護婦さんの勤務条件全般に及ぶ総合的検討が必要ではないかと考えております。 給与関係について申し上げますと、その職務の特殊性というものを十分に考慮いたしまして、過去におきましても種々改善を図っているところでございますし、先生御存じのとおり、昨年の勧告におきましても初任給の大幅な改善に加えて若手看護婦やベテランの准看護婦について処遇改善に配慮をいたし、他の俸給表より有利な取り扱いをしてまいっております。 また、本年四月からは夜間看護手当、この改善も予定されているところでございますが、引き続き、民間の動向にも十分に注意をいたし各方面の意見も聞きながら検討を進めてまいる所存でございます。
○西川潔君 ぜひ医療(三)の給与表をことしの人事院勧告では改善していただきたい。看護婦さんのためにもよろしくお願いいたします。今も総裁がおっしゃっておられましたが、こちらの資料では、一緒に病院等に入られて、同じレントゲンの技師の方とか臨床検査技師、いろいろな方々とはもう本当に、一年たてば、二年たてば、三年たてば、五年たてば随分給料には差が開いてまいりますので、このあたりはよろしくお願いいたします。 一方、福祉関係の方々は給与表そのものがございません。今後の本格的な高齢化の進展の中で、社会福祉士、介護福祉士といった資格者が社会福祉の現場において活躍されるわけですから、ぜひこの福祉職の俸給表を新設して処遇の改善をお願いしたいと思うんですが、総理大臣、これは大変大事なことなんですけれども、一言いただけないでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 御質問を承り、また答弁を聞いておりまして、いろいろ難しい問題があることはわかるんですけれども、しかし福祉というものは極めて大切なものであり、しかも、十カ年戦略が決まってそれにはマンパワーが必要であるということもここで何回も議論されておるテーマでありますし、また昨年来厚生省の考え方も私は直接聞いておりますから、人事院と厚生省でこれは一度徹底的に話し合って十分検討をしてもらいたい問題である、私はそういう問題意識を持っております。
○西川潔君 大変これから大事なことですので、よろしくお願いいたします。 通告はいたしておりませんが、大蔵大臣、恐れ入りますが、大臣は以前厚生大臣でもあったわけです。そういう立場と今の国の台所を任されている立場から、これはやってできないことはないと思います。参議院議員になってまだ足かけ五年の人間が勉強してわかるんですから。御答弁ください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうど厚生大臣在職中、人事院勧告に関連いたしまして、私は福祉職の給与表をつくってもらいたいと人事院に申し入れをいたした経験を持っております。ただし、そのとき、今給与局長から御説明がありましたようなさまざまな御論議を人事院側から展開されました。 確かに調整手当が国の場合に活用されておることは事実でありますけれども、実は問題として国家公務員の給与表がないことが民間に影響しておる職種の一つの分野であると今も私は考えております。今日ちょっと私はこれ以上お答えをしづらい場所あるいは立場でありますから、私は昨年津島厚生大臣が同様の趣旨を人事院に申し入れをされたことを承知しておりますので、その申し入れを受けて厚生省と人事院の間で精力的な御論議を願いたい、そのように思います。
○西川潔君 ぜひ人事院の方もよろしくお願いいたします。 次の質問に移らしていただきます。時間がないもので、御無礼ですが失礼いたします。 総理大臣、最後に銭湯に行ったのはいつですか。最後におふろ屋さんに行かれた日です。
○国務大臣(海部俊樹君) 最後に行った銭湯は、古い話ですが、西武線の西武柳沢という駅の真ん前にあるおふろ屋さんであったと記憶しております。
○西川潔君 私が今お尋ねしたのは、実は昭和四十五年現在と今ではもう本当に半分になっております。厚生省がまとめられました公衆浴場のデイサービスセンターがありますが、実は神奈川県川崎市で公衆浴場の活性化対策として、いわゆる「でいせんとう」、おふろ屋さんをお年寄りのために開放しようと。これについて厚生省はどう考えておられるでしょうか。
○国務大臣(下条進一郎君) お年寄りにはおふろが非常に好まれるということも事実でございまして、そしてまた銭湯というような環境は割合に心も和む一つの憩いの場でございます。そんなことで、川崎のデイセンター、これは大変にいいプログラムであると、このように受けとめておりまして、これが全国的に各銭湯で活用されれば非常に有効的であると、このように考えております。
○西川潔君 おふろ屋さんが地域のお年寄りの方々のために、まだ始まる前に、男湯、女湯の仕切りをとりまして、四時から始まるわけですけれども、それまでにお年寄りの皆さんに集まっていただいて、お食事をいただいてリハビリをしていただくと、そういうところができれば本当にすばらしいことだと思います。 この「でいせんとう」を行う公衆浴場へ、私がお願いしたいのは、例えば助成金制度、また相続税の納税の猶予、こういう面での支援を国としてぜひお願いしたいんですが、最後にこの問題を大蔵大臣と総理大臣に一言ずつお伺いして、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 厚生大臣はいいのですか。
○西川潔君 じゃ、厚生大臣からお願いします。
○国務大臣(下条進一郎君) 公衆浴場を経営するに当たりましては、やはりそれをつくり上げる、またそれの運営費等が必要でございますので、経営の目標等を定める公衆浴場業の振興指針を既に厚生省で策定いたしておりまして、それに基づきまして、財政当局と御相談の上、環境衛生金融公庫の低利融資等の支援を行うことになっております。これによりまして運営が図られるように期待しております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもは環境公庫をつくりました張本人の一人でありまして、それ以来こうした問題のお世話をしてきた一人でありますが、やはり一番の問題は、公衆浴場というものが自家ぶろの普及につれて非常にお客さんが減ってきながら、しかも廃止されることが地域に非常に衛生上の問題を起こすという特殊性があることだと思います。 従来から、税制的にも、あるいは今厚生大臣が述べられましたように環境衛生金融公庫におけるさまざまな対応にいたしましても、他業種と違った取り扱いをいたしてまいりました。今後におきましても、厚生省から御要求がありました時点で十分相談をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) もうお二人から至れりの答弁が出ておりますが、衛生保健の向上とともに、銭湯はやっぱり触れ合いの場だと思うんです。私も、おふろのお友達というのができて今日まで声をかけ合ったりする、そういったこともありますから、今後とも低利融資とか、あるいは自治体でも独自に助成をしていらっしゃるところもあるようでございます。政策努力を続けて、これが途絶えることのないように、活性化していくように考えてまいりたいと思います。
○西川潔君 よろしくお願いします。 早口で失礼しました。どうもありがとうございました。
○委員長(平井卓志君) 以上で西川君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて締めくくり総括質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、平成三年度総予算三案に対する質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(平井卓志君) それでは、これより討論に入ります。 討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。角田義一君。
○角田義一君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となっております平成三年度総予算三案に対しまして、反対の立場から討論を行います。 反対する第一の理由は、平成二年度第二次補正予算で処理されました多国籍軍への追加支援九十億ドルに係る増税措置等が盛り込まれていることであります。 我が党は、この九十億ドルは明らかに戦費であり、憲法抵触の疑義さえも持たれるものであるため、拠出を中止するよう求めてまいりました。しかるに政府は、九十億ドルは湾岸平和基金への拠出金であり、武器弾薬の購入には使用しないと再三にわたり繰り返し、平和目的であることを強調してその拠出を決定いたしました。ところが、米国は既に、九十億ドルが湾岸戦争の戦費であることを極めて明確にしておりますし、為替相場の変動やイギリスなどへの資金協力によって減額した分の補てんを要求する声さえ聞かれるのであります。政府の説明がいかに欺瞞に満ちたものであったか既に明らかであります。 武力による威嚇やその行使による国際紛争の解決を否定した平和憲法を持つ我が国のなすべきことは、戦争協力ではなく戦争の回避であり、避難民・被災民対策や原油流出などに対処するための環境対策、あるいは戦争被害国に対する経済援助、協力など非軍事の立場に立つ人道的、平和的貢献であります。戦争による紛争解決が重大な混乱をもたらすことは、クウェートの破壊状況、イラクの混乱を見ても明らかであり、最善の手段でないことは明白であります。 今後の国際貢献を検討するに際しても憲法の原則を踏まえなければならないことは言うまでもありません。その観点から、自衛隊の海外派遣を政令や法律の解釈によって政府の判断で強行せんとするような態度を我々は容認することはできないのであります。いずれにせよ多国籍軍の戦争行為に協力するための予算措置に賛成することはできませんし、国際の平和維持のための人的貢献についても、今後平和憲法を踏まえた論議を十分に尽くすよう強く要請いたします。 次に、九十億ドルの財源問題にかかわって防衛費の削減が行われましたが、今日の国際情勢をかんがみてもそれが全く不十分な点であります。 防衛費は来年度予算で十億円程度減額され、今後五年で千億円余りの減額が提案されております。正面装備の新規契約の削減であるため、初年度は頭金程度が減額されるだけで五年で千億円程度が削減されるということであり、また三年経過後の中期防衛力整備計画の見直し時に今回の減額措置を反映するとのことでありました。しかしなぜ今、新中期防における当該装備の削減を確約できないのでありましょうか。さらには現在の国際情勢の推移を十分に勘案し、率先して防衛計画の大綱にかわる軍縮計画を策定し、中期防の総額の削減に直ちに着手すべきであります。そうした姿勢が政府に見られないのは極めて残念であります。 第三の反対理由は、政府予算案が激変する内外情勢に適切に対処しておらず、二十一世紀への展望を全く明らかにしない従来型の予算案となっていることを指摘しないわけにはまいりません。政府予算案を一口で評すれば、軍備・産業優先、生活軽視型予算の継続と言えるのであります。 政府予算案では、社会保障費が国債費を下回るなど生活関連の予算が、一般会計に占める比率を漸次低減されております。社会保障関係費は対前年度当初比で五・一%の伸びが確保されたものの構成比は一七・四%に低下し、文教関係費などは五・五%伸びているものの構成比は七・七%まで下がっていることはこのことを物語っております。生活関連予算は、内容上不十分なだけではなく、金額だけ見ても拡充されているとは到底言えないのであります。 また公共投資も今後十カ年で四百三十兆円もの計画の中で、せっかく生活関連枠が設定されたにもかかわらず、抜本的な改善にはなっておりません。従来からの枠組みはマンネリ化し、さらに住環境の整備のためには、異常に高騰した地価の抑制、引き下げが必要不可欠でありますが、そのための土地税制改革の中心である地価税は、税率、控除等について見直しを行わない限り、その目的は実現できず、効果的な税制とならないことは明らかであります。 我が党は、平成三年度政府予算案に対し、衆議院での予算審議の段階で組み替えの要求書を政府に提出いたしましたし、本委員会におきましても防衛費の削減、高齢化対策など福祉政策の充実、農林漁業の再建、労働時間短縮、育児休業法の制定、中小企業対策の充実、生活基盤整備のための公共事業の転換、教育文化の振興など国民生活向上のための施策を充実させ、そのための予算を盛り込むよう主張してまいりました。しかし、今日いまだに政府予算案の改編は一切なされておりませんので、我々は到底この予算案に賛成をすることはできないのであります。 最後に、総理の政治姿勢について一言申し上げておきたいと存じます。 海部総理は、湾岸戦争を平和回復活動と言って事実を隠し、国会に対しても糊塗的対応でくぐり抜けようとしたり、自衛隊機の海外出動はできないと言いながら、一転できると公言するなど、政治に理念と決断があるとは到底思えないのであります。また、政治改革につきましても、それを選挙制度の改正に矮小化する総理の政治判断は、金権腐敗の政治体質にメスを入れないで済まそうとする証左と言わなければなりません。国民は、このような海部総理の決断なき政治に失望を感じ、将来に対する不安を強くしておるのであります。 この際、海部総理に強く猛省を求め、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(平井卓志君) 次に、野沢太三君。
○野沢太三君 私は、自由民主党を代表いたしまして、平成三年度予算三案に対し、賛成の討論を行います。 今我が国は、戦後最大の外交的試練の場を迎えています。 今回の湾岸戦争は、東西の冷戦構造が大きく変化し、新しい国際秩序が確立されようとしていたやさきにおける地域紛争でありましたが、国連安保理事会の決議を受けた米国を中心とする多国籍軍の血と汗により終息を見ましたことを多といたします。 今回の我が国の湾岸での平和回復への協力は、国際秩序の維持の観点からも、憲法の枠内でなし得る努力としてまことに当を得たものでありました。総計百三十億ドル相当の多国籍軍等への支援は、紛争当事国以外の資金拠出としては最大であります。この貢献に対しては世界各国が高く評価いたします一方、国内の世論調査では、過半数の国民が支持しており、政府の対応の正しさが広く認められております。我々は、この一連の政府の対応、国際貢献への英断に深く敬意を表するところであります。 本予算案は、国際的にはこのような湾岸での平和回復活動への貢献に引き続き湾岸の戦後復興への協力に備えるなど、一層の国際協力に努めることとしております。また、国内的には、持続的な内需の拡大を図りつつ財政を再建し、来るべき本格的な高齢化社会への対応を考慮しながら、社会資本、とりわけ生活関連の社会資本整備の充実に努力するという均衡のとれた予算編成となっております。以下、賛成する主な理由を申し上げます。 賛成の第一の理由は、財政再建への努力が着実になされていることであります。平成二年度予算での赤字公債発行体質からの脱却後も、依然財政状況が厳しいことには変わりありません。そのため、本予算においても引き続き建設国債の発行縮減が図られ、公債依存度は七・六%にまで引き下げられております。二年度末で公債残高が百六十八兆円を上回る現状では、財政制度審議会の答申にある公債依存度を五%以下に引き下げるという目標の達成が強く望まれているところであります。本予算において公債依存度を前年より〇・八ポイント引き下げた政府の努力は多とされるべきでありますが、今後の財政運営に当たっては、中期的財政運営の新努力目標に沿って引き続き財政改革を強力に推進していくことを要望しておきます。 賛成の第二の理由は、公共事業関係費の計上が適切であり、生活関連重点化枠設置に見られるように、国民のニーズを十分反映していることであります。内需中心の持続的な経済拡大を目標とする我が国では、景気の動向に配慮した社会資本整備が不可欠であり、本予算では一般会計公共事業費は前年度比六%増と高い伸びを確保しております。また、今後十年間で四百三十兆円の公共投資を行う初年度といたしましても、平成二年度末に期限の到来する第六期住宅建設五カ年計画など八分野の五カ年計画が策定され、その目標を達成するのに見合う規模、金額を計上しております。二十一世紀に入ると世界に類例を見ない高齢化社会を迎える我が国においては、今こそ公共事業を積極的に行い、社会資本整備の充実に努める好機であります。どうかその実施に当たっては、多極分散の方針に沿って地域の実情に十分配慮した配分を期待するものであります。 賛成の第三の理由は、高齢化社会に備え、社会福祉予算の計上が適切になされていることであります。本予算においては、二年度より始まった高齢者保健福祉推進十カ年戦略を着実に推進するため、特別養護老人ホームなどの入所施設予算の改善、ホームヘルプサービス、ショートスティ、デイサービスの在宅福祉の三本柱の充実等が十分に配慮されております。また、出生率の激減という社会問題に対し、児童手当の支給を第一子にまで拡大する等の措置を講じており、子供からお年寄りまで広く視野におさめ、将来を見据えた予算となっております。我々は、社会福祉の一層の充実と活力あるバランスのとれた社会の実現に向けての政府の努力を高く評価するものであります。 賛成の第四の理由は、日本の経済力の拡大、国際的地位の向上に伴う世界的な期待にこたえ、必要な経済協力等の国際貢献費用が計上されていることであります。政府は、六十三年六月に政府開発援助につき第四次中期目標として過去五カ年の実績を倍増させた援助を行う意欲的な計画を決定し、本予算では一般会計政府開発援助予算は二年度比八%増、経済協力費では七・八%増と一般会計予算の伸び率を上回り、主要経費別の分類で見た伸び率はトップとなる予算措置であります。また、内容におきましても、無償資金協力の増額、技術協力の拡充等が行われ、相手国の要望に配慮したものとなっております。このように、本予算では、国際的責任を果たすため政府開発援助の中期目標の達成に向けて着実な前進が見られ、我々は政府の英断を評価するとともに、このような国際協力に理解を示される国民の皆様に深く感謝するものであります。 賛成の第五の理由は、防衛関係費の計上が昨今の国際情勢を考慮して時宜にかなっていることであります。東西冷戦構造の終結と軍縮に向けて世界的な動きが始まったものの、アジアはかねてより単純な二大勢力の対峙による冷戦構造というだけでは割り切れない情勢であります。このたびのイラクのクウェート侵攻を見るにつけ、防衛力整備の重要性、地域において力の過度の集中や力の空白が生じた場合の危険性が改めて認識されるのであります。こうした観点から、我が国防衛体制を考えるに際し、日米安全保障条約を基軸とする節度ある防衛力整備が不可欠であり、昨年決定されました中期防衛力整備計画は正面装備の維持更新と後方支援体制の一層の充実を図り、現在の世界情勢とそれに伴う我が国の防衛力整備のあり方を正しくとらえたものと言えます。したがって、これに基づく本年度予算の防衛関係費の計上も適切妥当なものであり、我々は政府の節度ある防衛政策を評価するとともに、単に一国平和主義に陥ることなく、世界平和に一層目を向けた国連中心の外交政策の展開をあわせて要請するところであります。 そのほか、平成三年度予算は中小企業対策費、農林水産関係費、文教・科学技術関係費等、当面する財政需要に対し、予算を適切に計上しており、現状において編成し得る最良の予算であると確信いたします。 以上、平成三年度予算に賛成する主な理由を申し述べましたが、冒頭申しましたように、湾岸戦争は、冷戦後の新しい国際秩序のあり方を投げかけました。平和と繁栄を最大限に享受する経済大国、国際国家として、今後、我が国が何をなすべきか、また、何ができるかを真剣に考え、国連平和維持活動への参加等の人的貢献を含めて我が国に課せられた国際責務を果たすことが何よりも必要であります。 この情勢の中で、まず我が国外交の基軸である日米関係の強化を進めながら、ゴルバチョフ大統領来日を契機に北方領土の返還と日ソ平和条約の締結に向けて総理初め各閣僚の一層の御努力を期待いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○委員長(平井卓志君) 次に、片上公人君。
○片上公人君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました平成三年度総予算三案に対し、反対の討論を行うものであります。 本予算案は、湾岸戦争に伴う湾岸平和基金への九十億ドル拠出に際し、政府みずからがまず身を削るべきとの我が党の主張を取り入れ、防衛費を含む歳出削減のための予算修正を行ったことは評価いたしますが、東西冷戦の終結にもかかわらず、防衛費を大幅に増額する一方、福祉、教育予算の圧縮を行うなど国民生活を圧迫する内容となっており、我が党は反対を表明せざるを得ません。 反対の第一の理由は、生活関連社会資本の充実がかけ声倒れに終わっていることであります。 政府は、三年度予算の編成に際して、生活関連重点化枠を新設し、下水道、公園、住宅など、生活に密着した社会資本の充実を図ろうといたしました。しかし、公共事業関係費全体における生活関連分野への配分比率はほとんど変わらず、期待された生活関連重点化枠も公共事業費全体のわずか三%にすぎません。 公共投資を生活関連重視型へ変えていくには、生活関連重点化枠を大幅にふやし、公共事業の配分比率を抜本的に改革することが不可欠であるのに、それを行おうとしない政府の態度は決して認められません。 第二の反対理由は、土地対策について思い切った取り組みが見られなかったことであります。 最近の地価暴騰は、資産格差を拡大させ、さまざまな社会的不公正を増幅させております。 政府が土地対策の一環として今国会へ提案した土地税制は、取得、保有、譲渡の各分野にわたって課税強化を打ち出しておりますが、地価税法案は税率、基礎控除など多くの面で当初予定されていたものより大幅に後退したものとなっており、地価の引き下げによる土地供給の促進という当初の目的を果たすことは困難で、抜本的な土地税制とは言いがたいのであります。 反対の第三は、消費税についてであります。 消費税については廃止すべきでありますが、当面、現行消費税の構造的欠陥を少しでも緩和することが重要であります。逆進性の緩和、運用益の是正措置を講ずるべきであり、今日まで何ら手が加えられておりません。これらの措置を早急に講じるべきであります。 反対の第四は、福祉の対応が不十分であるということであります。 来年度予算では、老人保健制度を改正し、老人医療費の患者負担を大幅に引き上げることとしております。患者負担の大幅引き上げを図ることは、高齢者の負担増を招くことは必至であります。老人保健制度の健全な発展のためには公費負担の大幅引き上げが不可欠であります。 また、児童手当制度の改正では、支給対象を第一子まで広げたことは一歩前進であると考えるものでありますが、さらに支給年齢の引き上げに努めるべきであります。 最後に、湾岸戦争終結後の復興に際しては、まず、飢餓と病気の救済、生活必需品物資の支援、環境対策を講ずるほか、PKOへの協力は、自衛隊と別個の組織を創設し、平和憲法に基づき、武力行使を伴わない活動への協力を行うべきであります。 さらに、育児休業法については、有給、原職復帰などを原則とした実効ある早期制定を強く政府に要求して、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(平井卓志君) 次に、吉岡吉典君。
○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、一九九一年度予算三案に対して反対討論を行います。 九一年度予算の特徴は、端的に言えば、対米誓約最優先、戦争協力と軍拡推進の予算、国民に多大の犠牲を押しつける、臨調行革路線推進の予算であります。 以下、反対する主な理由を述べます。 第一に、多国籍軍への一兆一千七百億円もの莫大な戦費調達のため発行した戦時国債償還のための増税を国民に押しつける、憲法の平和原則をじゅうりんする戦争協力予算だということであります。 特に、国民にとって納得できないのは、予算審議の中で明確になったように、九十億ドルは、さきの二十億ドルも含めて、支出済みの約九六%がアメリカの言いなりの米軍支援の紛れもない戦費であり、しかも、アメリカの議会で明らかになったように、アメリカは一ドルも戦費を分担せず、莫大な余剰金がアメリカの国庫に入る仕組みになっているということであります。 第二に、アメリカの要請にこたえた際限のない軍拡予算だということであります。 日本の軍事予算は、中国を除く全アジア諸国の合計額に匹敵するというのに、さらに総額二十二兆七千五百億円にも上る新中期防衛力整備計画を今年度予算から実行しようとしています。特に、日本をアメリカの軍事戦略に一層深く組み込む装備の高度化、大型化のほか、在日米軍駐留支援として、基地の日本人従業員本給と水・光熱費を新たに思いやりとして加え、これを毎年段階的に増額しようとしていることは重大であります。 第三に、大企業には優遇政策を進めながら、国民には多大の犠牲を強いる予算だということであります。 海部内閣は、日米構造協議を受けて、口では生活密着の公共投資を重視すると言いながら、東京湾横断道路を初め、空港三大プロジェクト、民活による再開発など財界の要求を優先した予算を組んでいるほか、依然として金融、税制などで大企業に手厚い保護を続けています。 他方、社会保障費、教育関係費、中小企業対策費、食糧管理費等は容赦なくカットし、国民いじめの予算になっています。 特に、老人医療費の自己負担の大幅引き上げ、児童手当の支給対象年齢の三歳未満への引き下げなど、政府の冷たい態度は断じて容認できません。 また、消費税廃止の国民の切実な声には耳をかさず、消費税の定着に固執するばかりか、国保税の引き上げに加え固定資産税の土地評価がえによる空前の大増税さえ予定していることも重大です。 殊に三大都市圏の市街化農地の農民には、農地の固定資産税の宅地並み課税と相続税の納税猶予制度の廃止による増税に加え、さらに、五年後には地価税の課税も重なり、多大の苦しみを与えようとしているのは都市近郊農業の破壊ではありませんか。 最後に私は、日本国憲法の平和原則と主権在民の精神に立ち返り、新軍拡計画を撤回し、軍事費の大幅削減と国民生活関連予算の大幅増額など国民本位の予算に抜本的転換を図るよう強く要求して、反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(平井卓志君) 次に、粟森喬君。
○粟森喬君 私は、連合参議院を代表して、ただいま議題となりました平成三年度予算三案に反対の討論を行います。 まず、海部内閣は、内外の政治課題への対処方針と実行が欠如しております。 世界が注目した湾岸戦争で、多国籍軍への全面支持を訴えるだけで、戦争に伴う環境破壊や、飢えや病気に苦しむ戦争被害国の民衆への戦後援助が十分ではありません。 国内的には政治改革や、これからの高齢化社会に向かって、国民が安心して暮らすことができる見通しが立たないなど、山積する課題は何一つ解決のめどが見えません。こうした政府の姿勢を批判し、以下、順次反対理由を述べます。 反対理由の第一は、九十億ドルの戦費調達のために六千五百二十億円もの増税が盛り込まれていることであります。 しかも政府は、この九十億ドルは武器弾薬には使わないと言いつつ、実際にどんな経費に使われたかを明らかにしないのは、国民の税金の使い方から見ても、議会の予算執行コントロールの点から見ても、納得できるものではありません。 反対理由の第二は、社会保障関係費が抑制されていることであります。 シーリングで社会保障関係費に枠をかける一方で、補正予算で社会保障以外の個別政策に対して財政裏づけを行うようなやり方は納得できません。特に、老人医療費の自己負担を大幅に引き上げ、さらに今後はスライド制を導入しようとしておりますが、老人を医療から遠ざけようとするもので、このような弱者しわ寄せの予算は認めることはできません。 反対理由の第三は、生活関連社会資本を充実すると言いながら、公共事業費の配分率がほとんど変わっていないことであります。 政府は、今後二十一世紀到来までの十年間を、不足している社会資本整備のためのラストチャンスととらえ、特に住宅、下水道、公園などの生活関連社会資本の重点的整備をうたっています。しかし、平成三年度はその初年度であるにもかかわらず、政府が用意をした生活関連重点化予算はわずかに二千億円、公共事業費の三%にも満たないわずかな額で、公共事業費の配分率はほとんど変化していないのが実態であります。これでは生活重視とはかけ声ばかりで、豊かさの実感できる生活など到底望むことすらできず、このような国民の期待を裏切るような予算は認めることはできません。 反対理由の第四は、国民負担率が政府が十年後に目標とした水準に早くも達し、今後も上昇し続けようとしていることであります。 政府はさきに、西暦二〇〇〇年の我が国の国民負担率の水準を四〇%から四一%とする見通しを示してきました。しかし、二年度の見込みは三九・五%、三年度は三八・九%にまで達しており、このまま放置しておけば、過去の上昇率から見て、今後五年以内に政府が上限としている四〇%台半ばに達するおそれは十分と言わなければなりません。それにもかかわらず、政府が具体的な負担率抑制の手段を何ら示し得ないのは、政府がいかに無策であるかを示すもので、このような予算を認めることはできません。 最後に、二点について要請いたします。 第一点目は、湾岸戦争後の援助についてであります。 おびただしいペルシャ湾への流出原油及び油井の火災などの環境破壊に対する一刻も早い原状回復のほか、内乱状態にあるイラクへの医療及び医薬品の提供や、大量に発生したクルド族などの難民に対する食糧、衣料などの緊急援助を、政府は人道的な立場に立ち、我が国独自の貢献策として早急に行うべきであります。 第二点目は、消費税についてであります。 現行消費税が、益税や運用益、逆進性という極めて重大な欠陥を持った税制であることは申すまでもありません。その是正は政府及び政治に課せられた責務であり、衆参両院税制協議会の早期再開と根本にまでさかのぼった改正を行うことを強く要請して、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(平井卓志君) 次に、寺崎昭久君。
○寺崎昭久君 私は、民社党・スポーツ・国民連合を代表し、ただいま議題となっている平成三年度予算三案に反対の討論を行うものであります。 本年は、我が国にとって、二十一世紀における豊かさとゆとりのある社会を築き、世界の平和と安定に貢献するための政治指針を明らかにし、その第一歩を踏み出すべき重要な年であります。 我が党は、かかる観点から、第一に、内にあっては生活先進国を目指し、日本の経済力をそれに集中すること。第二に、物の豊かさにとどまらず、日本の精神文化を発展させる文化先進国を目指すこと。第三には、日本の持てる経済力、技術、文化を国連の強化、世界の平和と繁栄の維持、自由と人権の擁護、地球環境の保全に資する国際協力先進国を目指すこと、以上、三つの柱を明らかにしてまいりました。そして、このことを衆参両院の審議を通じて政府に強く求めてきましたが、政府予算案は、残念ながら我が党の主張とは隔たりが大きく、極めて不十分なものと断ぜざるを得ません。 ゆとりと潤いのある生活の実現は、国民共通の願いであります。しかし、予算案は、例えば四百三十兆円の公共投資十カ年計画の初年度において、わずか二千億円の生活関連枠を設けたにすぎず、約六兆五千億円の一般会計公共事業関係費は依然として硬直的、固定的な配分をとり続けるなど、国民の期待にこたえておりません。 また、労働時間の短縮、住宅・土地対策の拡充、内外価格差の是正など、サラリーマンのための施策が中途半端なものにとどまっていることはまことに遺憾であります。 税制改革も国民の要望にこたえておりません。我が党が強く求めた消費税の欠陥解消、家賃減税、パート・内職減税、財形貯蓄減税の実施、サラリーマンの実効ある必要経費申告制度、物価調整減税の創設など、重要な税制改革が見送られました。これでは到底生活先進国や文化先進国づくりを目指しているとは言えません。 加えて、国際社会における日本の責任ある役割の遂行、国際協力という面から見ても予算案には不満があります。 湾岸戦争に際して、我が国は増税までして多額の財政支援をしたにもかかわらず、それが正当に評価されていないのは痛恨のきわみであり、それは金だけ出して人の面では何ら支援をなし得なかったからにほかなりません。 今後、国際社会の中で我が国が他国から信頼され、尊敬され、必要とされる国家となるためには、資金を拠出するだけでなく、ともに汗を流すことが肝要であります。そのための法的整備を急ぎ、必要な措置を講じることこそ焦眉の急であると私は確信しておりますが、予算案にはそうした哲学が欠落しており、我が党が提唱する国際協力先進国にはほど遠いと言わざるを得ません。 多国籍軍に対する九十億ドルの財政支援は当然なことであり、またそのための財源の一部を歳出削減に求めたことは妥当な措置と評価しつつも、政府予算案全体については反対することを強調し、私の討論といたします。(拍手)
○委員長(平井卓志君) 以上で討論通告者の発言はすべて終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算、平成三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して採決いたします。 三案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(平井卓志君) 少数と認めます。よって、平成三年度総予算三案は賛成少数により否決すべきものと決定いたしました。(拍手) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平井卓志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後七時五十二分散会