予算委員会 第17号
- 発言数
- 208 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/04/08
会議録
○委員長(平井卓志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算、平成三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 前回に引き続き、一般質疑を行います。神谷信之助君。
○神谷信之助君 首都東京の知事選挙の結果も明らかになりました。最初に、この問題に関連してお伺いをいたします。 東京都の知事選挙について、当初は党利党略の選挙とかムード選挙とか言われておりましたが、我々の方は終始政策を前面に掲げて戦ってまいりました。その中で政策論争がクローズアップされてまいりましたが、これは当然のことであります。その選挙戦の中で自公民の推す磯村陣営も、都民税一兆円の減税、あるいは横田基地の早期返還とか乳幼児の医療費の無料化などなど公約されてまいりましたが、とりわけ、官房長官、これは政治活動用ビラの第二号です。「私たちはこの政策を必ず実現します。」ということで、自公民の三党の総裁、委員長名で書かれております。 そこで、官房長官にお伺いするんですけれども、これは国政にかかわる非常に重要な問題であります。総理・総裁がこうやって公然と正式にお約束をなさっておられるんですから、政府としてもこれを実行するものと受け取っていいでしょうね。ちょっとその点をお伺いします。
○国務大臣(坂本三十次君) 磯村候補が、ただいま拝見もいたしましたが、一兆円減税などの公約をしたことは私も承知いたしております。しかし、自公民三党が推薦して、そして御本人が公約をされる。そして当選をされたならばその公約に対して御本人が責任を持つ。そのバックにある自公民三党もこれは何らかの支援があるものと、そういうふうに思います。 しかし、落選してしまえば、これは都民の方からそれは評価できないということで当選できなかったわけでありますから、当選すれば責任を持たねばなりませんでしょうけれども、落選をされたらこの公約というものは都民の方から受け入れられなかったのではないかという感じがいたしますが、しかしそれは私は政治家個人として申し上げることでありまして、一応党の推薦の候補者が選挙戦に立たれて戦った公約というものは、それは私ども党とすれば非常に関心が強うございましょうけれども、とにもかくにも全国津々浦々の自民党推薦公認候補のことでございますから、公認をしたことが直ちに政府を拘束するものだというようなことは私どもは考えていない。党は党で自由濶達に公認されることもございましょうし、それを党の推薦または公認だからといって、政府が一々それに縛られるというようなことは考えておりません。
○神谷信之助君 今の官房長官の答弁は、非常に不愉快といいますか、受け入れるわけにはいきません。ここに「私たちはこの政策を必ず実現します。」とあるんです。そして、海部俊樹、石田幸四郎、大内啓伍、それぞれ総裁、委員長の名前が書いてある。これは政治活動用第二号のビラなんです。このように総裁であり総理である海部さんが実現を保証されているんです、これは。だます方も悪いけれどもだまされる方も悪いと言わんばかりの話は、私はお聞きするわけにいかぬと思います。政府としてこれは当然責任を持って実行に努力するのが当たり前だということを申し上げておきます。 官房長官、結構です。 次に、建設大臣にお伺いしますけれども、争点になりましたもう一つに東京臨海副都心計画の問題がありますが、選挙の結果を見ますと、これはいずれにしても見直し、白紙撤回というのと二分する、そういう状況が生まれています。ところが、大臣は、雑誌「世界」の九〇年十一月号の「住みやすい東京、こうすればできる」の中で、ウオーターフロント反対論を述べておられます。その内容とお考えは今も変わっていないのかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(大塚雄司君) お答え申し上げます。 私が就任前、昨年の秋だったと思いますが、菅直人議員との対談でしゃべった記事が今御指摘のように掲載されたわけであります。 東京という都市は、御承知のように一千二百万、都心に業務施設が集中して、一極集中から多極分散型の方向へ行こうということはこれは政府も党も一致して考えておることでございまして、いわゆる多極分散型国土形成促進法ができたり、あるいは七十九機関の官庁の移転をしたり都心の業務施設を分散して、そのかわり人口をふやそう、こういう構想があるわけであります。その責任である建設省は、私が就任する前六十三年ごろから、ウオーターフロントに業務施設が多過ぎるではないか、やっぱり人口をふやす住宅を建てた方がいいのではないかと、こういうお勧めもしたようで、東京都としては、当初は四万人ぐらいの住宅でございましたのを六万人ぐらいにふやしたりして随分内容を変えてきたようでございます。 私は、個人的にもニューヨークのマンハッタンの例を出しまして、できれば東京ももっと夜間人口がふえるような施策を進めるべきだ、必ずしもウオーターフロントばかりではなくて都心の土地の有効利用を図って、できればいわゆる業務施設に通ってくる人と住んでいる人が同じぐらいのバランスになったら大変理想的な町ができると、こういうことを言い続けてまいったわけでございますが、今建設省の中でも都市計画中央審議会に都市計画のあり方等も見直しをお願いしましていかにして土地を有効に使って地価対策にも資するかということを現在進めているわけでございまして、私のそのような考えは前と変わっておりません。
○神谷信之助君 多極分散型を進めている中で一極に集中するような臨海副都心計画について批判的な立場をとっておられる、それは変わっていないということであります。 そこで、自治省にお伺いしますけれども、最近、第三セクターの東京臨海副都心建設株式会社の発注する工事の入札価格漏えい事件が報道されています。これについて自治省に調査方をお願いしておきましたが、どのような報告を受けておられるかお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(紀内隆宏君) お答えいたします。 東京都の第三セクター、東京臨海副都心建設株式会社の発注予定価格に関して都議会で質問、答弁が交わされたことは聞いておりますけれども、それ以上の内容につきましては特段承知しておりません。 地方公共団体が出資する第三セクター等については、適正な運営が確保されるよう関係団体において適切な対応がなされるように期待しておりますし、また私どもとしてもそのように指導しているところでございます。
○神谷信之助君 中身はおっしゃらない。自治省は関知しないという態度のようですね。 公正取引委員会にお聞きをいたしますが、我が党が都議会で取り上げて問題になったものですけれども、東京臨海副都心建設株式会社へは専門技術者の不足を理由に大手建設会社の技術系社員が銀行経由で二十九社三十六人出向している。その出向社員を抱える建設会社各社が、副都心建設一課発注工事の十一件中十件、金額にして九九%は当たる約三百三十七億七千万円を落札したと報道されています。そして、東京都は都議会でこの事実を認めています。公正取引委員会としてこれは当然無関心でおられないと思うので、必要なやるべき調査はやるべきだというように思いますが、いかがですか。
○政府委員(柴田章平君) 今委員から御指摘の件に関しましては、独占禁止法上の観点からは、価格の漏えい自体これが問題となることではないと思っております。入札に当たりまして事業者が共同して受注予定者等を決定するいわゆる談合行為が行われた場合は問題となり得る、こういうふうに考えております。 公正取引委員会としては、一般的に申し上げれば、独占禁止法の規定に違反すると思料されかつ調査を開始するに足る具体的な情報に接した際には所要の調査を行って、違反事実が認められた場合には厳正に対処したい、こういうふうに考えております。
○神谷信之助君 いずれにしても、第三セクターというのはもともと守秘義務のある公務員とそれからそれのない民間人とが一体となって仕事をしていますから、こういった情報漏れが起こるのは当然予想されることであります。だから、これでは談合を防ぐこともできない。第三セクターを悪用した一例と言わなきゃならぬと思います。あるいは、利権あさりの伏魔殿になりかねないというように思うんです。 そこで、配付いたしました資料1をごらんいただきたいと思いますが、全国各地での第三セクターをめぐるさまざまな事件のほんの一端をここに取り上げております。全部取り上げるわけにいきませんので、私自身団長として調査に行きました岡山のチボリ公園計画問題を取り上げて、第三セクターの持つ問題点を明らかにしていきたいと思います。 この問題について、自治省、調査をお願いしておりますが、どういう報告をお聞きになっていますか。
○政府委員(浅野大三郎君) 岡山におきますチボリ誘致につきまして市議会の方で百条調査委員会を設置したということがございますが、そのことのお尋ねではないかと思いましてそれについて申し上げますと、岡山県を通じて照会したところによりますれば、岡山市議会では、チボリ公園の誘致に関しましてセンチュリーパークチボリ社とランド・システム株式会社との間の業務委託契約書の存在などをめぐってその事実関係の解明が問題とされたというようなことを踏まえて、昨年の十月に地方自治法第百条に基づく委員会を設置いたしまして、その後いろいろその委員会で調査されたようですが、本年の三月十三日に最終報告が行われたというふうに聞いております。
○神谷信之助君 これは、今も話がありましたけれども、百条委員会の調査によりますと、経理は全くずさんだし、市長が社長をしているんですが、その社長印を預けっ放し、したがって契約は勝手にやられていた、二十二億円を適える契約をして既に四億円余りが支払われている、こういった問題が百条委員会で追及をされているわけです。大変な問題だと思うんですけれども、自治省、株式会社センチュリーパークチボリ、これの設立の目的、資本金、県及び市の出資額と出資比率、役員構成、これについて報告してください。
○政府委員(紀内隆宏君) 株式会社センチュリーパークチボリはつきまして岡山県に問い合わせたところによりますと、その設立目的は、チボリ公園の誘致、チボリ公園の建設に伴う企画設計等でございます。資本金につきましては五千万円でございます。県と市の出資額でございますが、岡山県が一千万円、総体の二〇%でございます。岡山市が一千五百万円、三〇%でございます。また、設立時の役員構成につきましては、代表取締役会長が岡山県知事、代表取締役社長は岡山市長、これは改選が行われまして現在はまだ就任していない模様でございます。それから取締役が五名、これはすべて民間人でございます。それから監査役二名、一名は岡山市助役、一名は民間人でございます。
○神谷信之助君 配付資料2をごらんいただきたいと思います。 私がこれから問題にしたいのは、議会のチェック機能の問題です。第三セクターについての議会のチェック機能、これはどうなっていますか。
○政府委員(浅野大三郎君) これは出資割合等によって変わるわけでございますけれども、二分の一以上出資しております場合には、これは地方公共団体の長の調査権というようなものもございます。それから四分の一以上出資しております法人につきましては、これは監査委員の監査権、こういうようなものが地方自治法上認められております。
○神谷信之助君 今の答弁は不十分ですが、資料3に表にしてあります。ごらんいただきたいと思います。 そこで、自治大臣にお伺いしますけれども、この百条委員会の中間報告及び最終報告、通告では自治大臣に一遍御一読願うようにお願いをしておいたんですが、お読みいただいたでしょうか。
○国務大臣(吹田愰君) このチボリの誘致の問題につきましては、岡山市におけるこうした公園の誘致の問題ですけれども特段の報告を受けていないというのが現状でありますし、この第三セクター等につきましてはこれからも適正な運営を確保するということでこれから適切な措置をとっていくということに考え方は持っておりますが、特段な報告はまだ現地から受けておりません。
○神谷信之助君 ちゃんと通告しておいたんですがね。議会が百条委員会をつくってその最終報告を出しているんだから、自治省は関心を持たなきゃおかしいですよ。その内容をひとつ自治大臣にごらんいただくように言っておいたんです。 その百条委員会の報告ではこうあるんです。市議会に正式に発表されたときは既に後戻りできない体制で、チボリ公園誘致は市議会の外で進行していたのであったとか、あるいは、県と財界主導により既成事実だけが先行し、知事と商工会議所会頭らの間で、新会社設立まではとにかく市と市議会には実態を知らせずに事業を先行させようという判断があったとか、あるいは、問題になっている契約書について会頭が、今市長には見せられない、議会が大変なことになる、私と知事さんだけということにしておこうなどと述べていることが報告されている。これはひどいものだというように思うんです。 大臣、結局百条委員会をつくって初めて不十分ながら真相がわかってきた。公金の出資をしながら議会で十分なチェックができない現在の仕組み、これは検討し改善をする必要があるんじゃないかと思うんですが、大臣の見解はいかがですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 先ほども申し上げましたけれども、例えば四分の一以上出資しているようなものについてはこれは監査委員が監査をできるというような規定を設けております。二分の一以上出資しております場合には、これは地方団体の長自体が調査もできるし、あるいはその経営状況を議会に報告するということでもございます。私どもとしては、制度的には現在の法律で整っておるのではないだろうかというふうに認識いたしております。
○神谷信之助君 そのやり方で岡山市のこの問題はわかりますか。
○政府委員(浅野大三郎君) ただいま例にお挙げになりましたのはいわば個別具体のある第三セクターの運営の問題でございますけれども、第三セクターといってもこれはいろいろあるわけでございまして、出資割合もさまざまでございます。一〇〇%近いような形のものもございますれば、五%、一〇%というようなものもあると思います。そういうものにつきましてどういう関与をするのがいいのかということで従来からもいろいろ検討がされて、現在の法律のように出資の割合というものを基準にいたしまして関与の仕組みをつくってあるということでございます。
○神谷信之助君 私は時間がないから一例しか言っていないんですけれども、あちこち問題が起こっているということは配付した資料の中でも明らかだと思う。だから、現行の仕組みはわかっているんですよ。それでは十分にチェックできないんじゃないか、検討する必要があるんじゃないか、改善する必要があるんじゃないかと言っているんですよ。どうなんです。
○政府委員(浅野大三郎君) これは地方公共団体がいろいろな公共性の必要があって関与するということは必要ではありますが、一方で、第三セクターというのは普通民間会社として設立されている形態のものを言うと思いますが、それはやはり会社としての業務をやっていくということも必要であるわけでございますから、その兼ね合いをどう考えるかということであろうかと思います。そうしますと、四分の一以上出資のものについてはこれは監査ということも認めておるわけでございますから、私としては今の制度でよろしいのではないだろうかというふうに考えております。
○神谷信之助君 だめですね。後でまたやります。 法務省に聞きますが、三月二十七日に岡山市議会が告発をしています。その内容を報告してください。
○政府委員(井嶋一友君) お尋ねの件につきましては、本年三月二十七日、岡山地方検察庁が告発を受理いたしております。告発者は岡山市議会議長であります。 告発事実の概要でございますが、岡山県知事は、岡山市議会がチボリ公園誘致事業の業務委託契約及び株式会社センチュリーパークチボリの経営に関する事項等について設置した百条委員会において平成二年十月三十一日に証人として証言を求められた際に、真実は右委託契約の締結につき株式会社センチュリーパークチボリの役員から相談を受けるなどして同契約締結に関与していたにもかかわらず、宣誓の上、同契約の締結には関与していない旨偽証をしたということでございます。 それから、商工会議所会頭につきましては事実が二つございまして、一つは、平成二年十二月六日及び十二月二十一日に証人として出頭を求められたのにかかわらず正当の理由がなく出頭しなかった。第二事実が、百条委員会において平成二年十一月二日に証人として証言を求められた際、業務委託契約の報酬の支払いにつき株式会社センチュリーパークチボリの役員から相談を受けるなどしていたにもかかわらず、宣誓の上、同相談を受けたことはない旨虚偽の証言をしたというものでございまして、いずれも地方自治法違反の告発でございます。
○神谷信之助君 法務省、これまでに百条委員会からの告発で起訴になったものはありますか。
○政府委員(井嶋一友君) 過去十年さかのぼりまして、いわゆる百条委員会から告発のあった事件で当局に報告のありましたものは計十四ございますが、そのうち二件が起訴になっております。他は六件が不起訴、六件は捜査中でございます。
○神谷信之助君 法務大臣、議会でつくられる百条委員会には、御承知のように捜査権はありません。しかし、議会が告発をしています。すなわち、主権者が疑惑を持ち、捜査当局の厳しい捜査を期待しているわけであります。国会では、ロッキード事件で告発し検察が起訴した、そういう事例もありますが、本件についても、知事さんとか商工会議所会頭さんということではありますが厳正にやってもらいたいと思うんですが、法務大臣の決意を。
○国務大臣(左藤恵君) 検察当局が行います個々の事件の処理につきまして法務当局から意見を述べるということは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般的に申し上げまして、検察当局が事件ごとに法律の定める手続に沿って事案の解明に当たり、法と証拠に照らして当該事件が公訴提起にたえるかどうか、またこれに値するものであるかどうかというように十分検討してこれに基づいた適正な事件処理を行っているものと、このように考えておるところでございます。
○神谷信之助君 資料2をごらんいただきたいと思います。 自治省、財団法人チボリパークそれからチボリ・ジャパン株式会社、この第三セクターについて、第一に設立目的、第二に資本金または総出資額、第三に県及び市の出資額と出資比率、四番目に役員構成、五番目に株式会社センチュリーパークチボリを含めた三つの第三セクターの関係といいますかかかわり、それを報告してもらいたい。
○政府委員(紀内隆宏君) お答えいたします。 まず、財団法人チボリパークについてでございますけれども、その設立目的は、都市計画公園としてのチボリ公園の整備、管理でございます。基本財産は一億円。県と市の出資額でございますけれども、これは県のみでございまして、岡山県が六千万円で六〇%。設立時の役員構成は、理事長が岡山県知事、理事がチボリ・ジャパン株式会社の常務、監事が岡山商工会議所の専務理事でございます。 それから、チボリ・ジャパン株式会社につきましては、設立目的は、チボリ公園の管理を受託して遊園地やレジャー施設等の経営などを行うことでございます。資本金は四十八億円。県と市の出資額につきましては、これも県のみでございまして、岡山県が五億円、総体の一〇・四%に相当いたします。それから、設立時の役員構成は、取締役会長が岡山県知事、取締役副会長が岡山商工会議所会頭、社長以下取締役が七名おりまして、七名の内訳は、県のOBが一名と民間人が六名でございます。また、監査役が二名おりまして、いずれも民間人でございます。それぞれの仕事の分担関係は、先ほどの設立目的のところでおわかりいただけるかと思いますが、財団法人チボリパークが公園の整備、管理等を行う、その具体的な管理について受託して遊園地やレジャー施設等の経営を行うのがチボリ・ジャパン株式会社であります。 なお、センチュリーパークチボリは、公園の誘致や公園の建設に伴う企画、設計等を行うもの、そういう関係に相なっております。
○神谷信之助君 建設省に聞きますけれども、このチボリ公園は建設省の都市計画公園の特許公園だと聞いているんですが、特許公園というのはどういう公園か。従来の都市公園との違いはどういうことですか。
○政府委員(市川一朗君) まず、特許公園について御説明申し上げますが、これは都市計画決定されました公園の整備につきまして、大体原則的には地方公共団体それから国等の公的主体が公園の整備を行うわけでございますが、民間事業者が都道府県知事の認可を受けて都市計画事業を行いまして公園を整備する。これは公園だけに限りませんが、そういう仕組みが都市計画法第五十九条第四項という規定がございまして設けられております。これに基づきまして、この手続を経まして民間事業者が都市公園を整備するものを特許公園と呼んでおるわけでございます。 なお、岡山のチボリ公園につきましては、平成二年の八月に公園としての都市計画決定は行われておりますが、それから先の事業化につきましては正式の手続はなされておりません。したがいまして、それが特許公園として整備されるかどうか、つまり、別な言い方をいたしますと民間事業主体が整備するのかどうかということにつきましては、正式な手続としてはまだ一つも進展していない段階でございます。
○神谷信之助君 続いて建設省に聞きますけれども、この特許公園の認可について、都道府県知事が認可をする前に当分の間建設省と協議をするということになっていますが、その理由は何か。あるいは、この岡山県の今のやつですとまだ協議はなさっていないんですけれども、その事前協議は一体どういう観点から何をチェックされるのか、この点をお伺いします。
○政府委員(市川一朗君) 先ほど申し上げましたように、この特許公園の制度でございますが、これは新しい都市計画法が昭和四十三年にできましたときからある制度でございますが、昭和六十二年に、いわゆる今後増大いたします公園への要請に対応することを目的として、建設省といたしまして地方公共団体が整備する公園を補完するという意味も含めまして、地方公共団体の整備すべき公園と役割分担を果たしてもらうという観点から民間事業者が整備を行う特許公園につきましてもこれを積極的に活用いたしたいということで特に取り組みをいたしました。その際、当分の間、このような制度が定着するまでの間、都道府県知事が認可を行う際に建設省に協議をしていただきたいということで事前協議のシステムを設けたものでございます。 この事前協議に際しまして建設省としてチェックいたしますポイントは、特許公園を行います場合のいろいろな設置の基準を設けておりまして、例えばそれが必要な場合には避難地等の機能が確保される必要があるということから、緑化面積とかあるいは建ぺい率とかも定めております。それから、やはり公園でございますから不特定多数の方々の利用に供されるということが非常に重要なポイントでございますので、管理運営の適正化、その他そういったようなことにつきまして建設省といたしましても事前に協議させていただいておるということでございます。
○神谷信之助君 チボリ公園というのは深夜まで開園する夜型の歓楽型遊園地であります。 自治省、自治法の第二条に言う公園にはこういう夜型の歓楽型遊園地は入るんですか、入らないんですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 地方自治法は地方公共団体の事務を例示してございますが、その例示の一つに公園というのがございます。 お尋ねの歓楽型遊園地というもの自体がどういうものであるか私も必ずしも正確には承知していないわけでございますが、その自治法に書いてあります公園というのはまさに一般的な言葉の使い方として公園ということを言っておるわけでございまして、公園の中には庭園あるいは遊園地、そういうものが一般的に入っておるということでございます。
○神谷信之助君 建設大臣、これから事前協議が行われるかもしれないし、どうなるかわかりませんけれども、もし事前協議がある場合、私はこの問題は慎重にしてもらいたいと思う。 というのは、認可権限を持つ知事が告発されるというような、そういう状況ですね。しかも、自治省の先ほどの報告では都市公園の建設とかというように言っていますけれども、センチュリーパークチボリにしても、それからチボリ・ジャパンというこっちの株式会社にしても、定款を見ますとどちらも「遊園地」と書いています。公園の建設じゃないんです。遊園地の建設及び運営なんです。しかも、それを都市計画公園だという衣で覆って、岡山市に土地を提供させて、そして自治体に出資までさせる。しかも、住宅地のど真ん中に夜型の歓楽街をつくらせてもうけさせる。緑地が少々あっても都市環境整備にはならない。 そういうものがつくられようとしているわけですから、事前協議の段階では十分この点について協議をし慎重な態度でやってもらう必要があると思うんですが、この点についての大臣の見解を聞いておきます。
○政府委員(市川一朗君) 特許公園につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、設置の際に守るべきかなり具体的な基準を定めておるわけでございます。 例えて申し上げますと、建ぺい率につきましても全体の十分の二以内ということでございますし、それから緑化面積等につきましても大体は五〇%以上の確保といったようなことも示されております。その他、管理運営等につきましてもしっかりとした規定を設けまして、何さま都市計画決定をいたしました公園を設置して管理するものでございますので、かなり永続的、継続的に続くことも私どもといたしましては期待しておるものでございますから、そういう面に即しまして、私どもは協議に当たりましてはぎちっとした協議をやってまいりたいと思っておる次第でございます。
○神谷信之助君 緑地が少々あっても、五〇%以上ということであっても、実際はあそこで夜十一時まで開いて、そして歓楽型の遊園地がやられる。それが住宅地のど真ん中にやられるんですから教育上もいろいろな問題が起こってくる。これは十分慎重にやってもらいたいという点を指摘しておきます。 それで、運輸省、岡山駅の貨物操車場跡地の岡山市への払い下げの経過とその条件、使用目的とか譲渡制限などこういった問題とか、それから岡山市がその土地を貸与する場合の条件、これについて報告してもらいたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 清算事業団の用地の具体的な処分については清算事業団が行うわけでございますが、清算事業団法の施行規則によりまして市に譲渡した場合、市から貸し付ける法人は、地方公共団体が二分の一を超えて出資または出損しているものであること、またその用地が主として公共用、公用または公益事業の用に供されるものであること等の条件がございます。
○神谷信之助君 それで、清算車団、この譲渡問題はどういうことになっていますか。
○参考人(石月昭二君) 清算事業団に帰属いたしました岡山操車場跡地のような都市周辺に所在する大規模用地の処分に際しましては、その土地が地域の発展に役立つように、また事業団にとりましてもその付加価値を高めまして債務償還の促進に資するようにという観点から、地方公共団体の関係者の参加もいただきまして土地の利用計画というものをつくるのが通例でございます。 岡山操車場跡地につきましても、事業団の諮問機関である資産処分審議会に昭和六十二年の九月十六日に土地利用計画を諮問いたしまして、公園、道路、駐車場等の内容が盛り込まれました答申を平成元年の九月十三日にいただいております。 一方、この考え方を踏まえまして岡山市側におきましても、公園、道路、駐車場についての都市計画決定が平成二年の八月三日に行われております。当該公園及び駐車場等として計画されている約二十・五ヘクタールの土地につきまして、岡山市側より事業団の中国支社長あてに平成二年の五月二日に譲渡要請がございました。その内容を検討の上、私どもの諮問機関である資産処分審議会に譲渡方について平成二年の九月十一日付で諮問を行いまして、同日答申をいただいたところでございます。 答申をいただきました後、事業団の中国支社と岡山市との間で譲渡に関する協議を始めたところ、地元の方でチボリ公園に関するいろいろ議論が発生いたしましたために、協議が中断状態になっているというのが現況でございます。
○神谷信之助君 岡山市が貸与する場合、その第三セクターは公共団体の出資が五〇%以上というのが一つの条件になっていると。その理由は何ですか。
○政府委員(大塚秀夫君) 清算事業団の用地を随意契約で譲渡する場合の要件でございますので、適正にこの土地が使用されるという条件として定めたものでございます。
○神谷信之助君 ところが、この財団法人の方は、この表にありますように、実際に仕事をするわけではない。理事長は長野士郎知事さんで理事はチボリ・ジャパンの役員、理事会といっても二人だけですよ。それに県が六千万円、それからチボリ・ジャパンが四千万円、いわゆる五〇%以上公共団体が出資している形をつくって岡山市からの土地を借りるというそういう条件をつくっている。実際に本当にやるのはその下のチボリ・ジャパン株式会社。これは現在のところ出資は県が一〇・四%ですから、岡山市から土地を借りることはできないわけです。五〇%以上の枠にひっかかる。だからわざわざ第三セクターという財団法人のチボリパークをつくって、そして土地が使えるようにする、こういう状況なんです。 これは私が直接県や市の担当者から聞いた話なんです。これじゃ何のために五〇%以上でなければ随契をしないあるいは貸したらいかぬとそういうことにしているのか。全く脱法行為を許すことになる。だから、形式さえ整うたら何でもいい、ペーパーカンパニーをつくって形だけ整うたらよろしいということなのか。どうなんですか、この点をはっきりしてください。
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほど清算事業団からも申し上げましたように、この案件については現在協議が中断しておりまして、これから地元の調整が整いましたら改めて協議する案件でございますので、今先生御指摘のようなことも十分踏まえて清算事業団が協議するようにさせたいと思っています。
○神谷信之助君 十分それを踏まえてやってもらいたいと思うんですね。十年後にはこの岡山市の土地は今度は譲渡できるようになる。だから、十年後になったら超一等地を民間が手に入れることができる、株式会社の手に入るわけなんです。それがこの財界の本当のねらいだといううわさも非常に強いわけですから、こういうことは許されないようにはっきりしてもらっておきたいと思います。 もう時間がありませんから、次に、最近特に地域開発型の第三セクターがどんどん乱立をしています。お手元の資料4にその状況あるいはそのうち株式会社等の法人数の状況というのは出ておりますのでごらんいただきたいと思うんですが、通産省、建設省、運輸省、それから郵政省、農水省、それぞれ民活法で対象となっている第三セクターの法人数、これを年度別に明らかにしてもらいたいということと、自治体の出資比率はどういう状況になっていますか。それから、大蔵省のNTTへの無利子融資制度、この対象になっている第三セクターの法人数の推移及び出資比率、それから林野庁の方は、ヒューマン・グリーン・プランで対象になっている第三セクターの法人数あるいは自治体の出資比率、それぞれ報告をしていただきたいと思います。
○政府委員(横田捷宏君) 民活法によります第三セクターのうち通産省所管のものについて数を申し上げますと、昭和六十一年度から平成二年度までそれぞれ二、七、五、三、四、合わせて現在二十一法人でございます。 それの地方自治体の出資状況でございますが、地方自治体の出資のトータルという意味ではなくて単一で最大のものの出資ということで申し上げますと、二五%未満が十法人、二五から五〇%が八法人、五〇%以上が三法人ということになってございます。
○政府委員(市川一朗君) 民活法に基づきまして建設大臣が認定いたしました特定施設の整備主体のうち第三セクターでありますのは、平成二年度に認定した二つでございます。 それから、その二つにつきまして地方公共団体の出資比率は、一つは二〇%、もう一つは四七・八%でございます。
○政府委員(中村徹君) 運輸省関係につきましては、国際会議場施設、港湾の旅客ターミナル施設等の特定施設の整備計画の認定を行っておりますけれども、その認定を受けた第三セクターの数は、昭和六十二年度が二社、昭和六十三年度が五社、平成元年度が六社、平成二年度が七社、合計二十社どなっております。 これらに対する出資構成でございますが、これはそれぞればらばらでございますけれども、一番大きいもので県からの出資が五〇%、それから一番少ないもので、県、市それぞれ各二%ということで四%というのが一番少なくなってございます。
○政府委員(馬場久萬男君) 農林水産省関係の民活法の熱血定を受けました第三セクターでございますが、平成元年に二件、平成二年に一件の三件でございます。そのうち一件は通商産業省と共管でございます。 また、出資の比率でございますが、水産関係のセクターで六六%が一つ、六〇%が一つございます。それから通産省との共管のものは四八%でございます。
○政府委員(白井太君) お答え申し上げます。 郵政省関係の民活法認定の第三セクター数は合計で十二件ございますが、六十二年度が五社、六十三年度が三社、平成元年度が二社、平成二年度が二社というようになっております。 公共団体等の出資比率でございますが、二五%未満が五社、それから二五%から五〇%までのものが三社、五〇%を超えるものが四社となっております。
○政府委員(保田博君) NTTの株式売却収入を財源とします民活事業に対する貸付法人数でございますが、昭和六十二年度が十九社、六十三年度四十九社、平成元年度四十七社、合計百十五社であります。 これらの団体に対します地方公共団体の出資比率につきましては法令上特段の定めは設けられておりませんが、地方公共団体の出資比率が二五%未満のものが四十七社、二五%以上のものが六十八社というふうになっております。 以上であります。
○政府委員(小澤普照君) 林野庁関係では、国有林の中での利用ということを考えましていわゆるヒューマン・グリーン・プランという事業を行っておるわけでございますが、これに関係いたします第三セクターは十一社設立されております。設立年度は昭和六十二年度から平成二年度までにまたがっておりますが、この場合におきます地方自治体の出資割合は、二五%未満が四社、二五%ないし五〇%未満が三社、五〇%以上が四社となっております。
○神谷信之助君 自治省がつかんでおる第三セクターの数というのは出資比率二五%以上の数ですね。
○政府委員(紀内隆宏君) 民法商法法人につきましては、一つの地方公共団体が二五%以上を出資している場合をつかんでおります。
○神谷信之助君 今、各省から報告してもらいましたように、二五%以下でもいろいろの行政上の措置を受けてやっている第三セクターが非常に多くあるわけです。 そこで、閣議決定で、この第三セクター問題について指針を定める必要、これが決定されていますが、この担当省庁はどこになりますか。
○政府委員(紀内隆宏君) 地方公共団体が出資している第三セクターに関しては私どもであろうかと思います。
○神谷信之助君 閣議決定されたのは平成元年十二月二十九日、それ以来自治省はどんなことをやりましたか。
○政府委員(紀内隆宏君) 行革審答申あるいはそれを受けての閣議決定の中で例えば出資法人について一定の提言等も含まれておりまして、それが先ごろの地方自治法の改正の中で一部行ったところでございます。 この答申の中で、将来にわたって基本的な指針について検討すべき旨の提言もなされております。この点につきましては広い範囲からいろいろ考究すべき課題がございますので、今後検討してまいりたい、このように考えております。
○神谷信之助君 自治大臣、最後の質問ですが、今お聞きのように、指針をつくるのは自治省、自治大臣の責任だと。ところが実態はさっぱりわからぬ。二五%以上しかつかんでいない。しかし、二五%以下でも行政のいろんなサービスは第三セクターとして受けられる、そういう実態になっている。だから、まず実態をちゃんと調査してつかまなきゃいかぬ、これが私は第一だと思うんです。そして、第二の問題としては、設立に対して公共性の基準ですね、これを具体的にはっきりしなきゃいかぬ。それから、本当に第三セクター方式がいいのかどうかも含めて議会で検討するように、そしてその承認を得るようにする必要があるだろう。 さらに、運営については、今言いました二五%、五〇%というあの線引きを少なくとも引き下げなきゃいかぬだろう、これは見直しをやる必要があるだろうという点ですね。それから、一つの自治体が二五%以上あるいは五〇%以上じゃないとあかぬのだけれども、複数の自治体、県や市町村が固まって合計したら二五%を超える、五〇%を超えるという、これは調査の対象にならない、自治省はつかんでいないんです。これではいかぬと思うので、この辺も検討する必要があるだろう。それから、企業秘密の壁を越える議会のチェック機能、これの強化の問題。それから、これは行革審の答申にもありますけれども、住民への情報提供を改善して住民の監視機能を強化せよとあるんですが、これも踏まえてもらいたい。 とりあえず以上の点を申し上げますが、大臣の見解を聞いて、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(吹田愰君) いろいろと先生の御意見を伺いましたが、地方公共団体が実施しておるものにつきましては、自治省が地方公共団体に対しまして、平たく言えばはしの上げおろしまで一々采配を振るうというわけのものでもありませんが、ただそれが常に地域の発展と住民の福祉につながっておるという基本的な理念に立っておらなきゃなりませんし、やることはやはり極めて公明に、しかも厳正に行われなきゃならぬということだけは基本的な考え方であります。 今いろいろと、もろもろの岡山県における諸問題等も含めて具体的なお話がありましたが、今後十分自治省もそういう点につきましては基本的な姿勢をひとつつくりまして、またそれなりに関係地方公共団体にお示しをしていきたい、こう思っておりますし、そういう手違いのないようにこれからの指導も考えていかなきゃならぬ、こう思っております。
○神谷信之助君 終わります。
○委員長(平井卓志君) 以上で神谷君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、池田治君の質疑を行います。池田君。
○池田治君 まず、外務大臣にお尋ねしますが、それより先に、元秘書官だった伊藤君が当選されましておめでとうございました。新居浜の方へ選挙運動に来ておられるかと思いますとすぐそのまま中国の方に行かれまして李鵬首相やシアヌーク殿下と会談をなさったという報道を聞いて、喜んでおる次第でございます。 そこで、まず一番に聞きたいのは、カンボジアの内戦が激化しているという報道があった直後でございまして、シアヌーク殿下その他とお会いになったときの様子と、内戦の激化している事情等をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 委員御案内のように、カンボジアの和平会議というものに日本が協力をするということで、昨年の六月、カンボジア東京会議というものを政府がタイ政府と共同で協力しながら実現をしたわけであります。そういう機会から、このカンボジアの四派、つまり現在の政府であるヘン・サムリン政権のフン・セン首相、それから片方、シアヌーク三派と言われるクメール・ルージュとソン・サン、シアヌーク殿下、こういうところと日本政府は一つの関係を持つことを推進してまいっております。その後、この和平案についていろいろと曲折がございましたが、国連の安全保障理事国が協議をいたしまして和平案なるものを決定して四派に提示したわけでございます。 そういう中で、この和平案について三派はそれをのむ、ヘン・サムリン政権の方はこの原案ではのみにくいという考え方を示しておりまして、日本政府としてはそのようなP5のまとめた和平案を補強するために、この和平が達成できた後のジェノサイドを防止するためにまた一時的に国連が行政に関与するということを補強策として提案いたしておりまして、これをできるだけ早く各派に了解を得るように努力するという過程に現在あると思います。 そういう中で、三月末にはソン・サン首相を東京に招きまして私からもよくお話をいたしております。また、今回北京におりますシアヌーク殿下と会談をいたしまして、シアヌーク殿下が、ともにカンボジアで三派と言われるクメール・ルージュ、このクメール・ルージュがこの和平案を、いわゆる日本の出した調停といいますか補強策を入れた和平案をのむようにひとつ協力をしてもらいたいと。ところが、日本政府はクメール・ルージュと直接の対話をする機会がございませんので、そういう意味で、今回シアヌーク殿下を通じてクメール・ルージュの代表者と日本政府の在タイ今川公使が会談をする手はずを整えていただくようにお願いをしてきた、こういうふうな状況でございます。 いずれにいたしましても、近くインドネシアのジャカルタでこの四派が会合するという機会が予測されますので、そのような状況について日本政府としては積極的に和平が成立するように努力をしているといったのがただいまの現状でございます。
○池田治君 アジア・太平洋地域の安全と平和を願うというのは海部総理も口癖のように言っておられますので、なお一層の御努力をお願いしたいと思います。 次に、質問通告にはなかったんですが、旧敵国条項、国連憲章のこの条項削除の問題でございますが、中国へ行かれましてこの問題について中国側の感触も得られたと思いますので、この問題についても一言御説明を願えませんですか。
○国務大臣(中山太郎君) ちょうどこの委員会の終わりました日でございましたが、夜十時に北京へ着きまして、直ちにイギリスのハード外相と日英外相会談を持つことをいたしました。その中で、イギリス政府に対してこの国連の旧敵国条項の削除、これについてイギリスの協力を求めた。これにつきましてイギリス政府は、もうこのような時代おくれの憲章をこのまま残すのは不的確である、こういうことで日本側の考え方に理解を示すと同時に、常任理事国とも我々は協議をしよう、こういうお話をその夜いただいたわけでございます。 その翌日の銭基シン外相との日中外相会談におきまして、さらに中国政府に対してこの旧敵国条項の削除に対する協力を求めたわけでございます。それにつきましては、中国は日本をもはや敵国として見ていない、我々はこの関係する国々と協議をしてまいろう、こういう理解ある態度をとっていただいた。 こういうことで、私どもといたしましては、これでアメリカ、ソ連、それからイギリス、中国、この各国の外相との協議を一応終えたわけでありまして、あともう一カ国、フランスが常任理事国でございますから、フランスのデュマ外相とも機会を得てこの問題について協議をいたしたい、このように考えている次第でございます。
○池田治君 確かに国連憲章の旧敵国条項なるものはもう時代おくれでございまして、今ごろ問題にするというのもどうかしているというように私は考えますけれども、現実にあるものを削除しなければ日本も国連の中における対等の国とは言えないのでございますので、ひとつまた御努力をお願いしたい。外務大臣、これで終わります。 次に、農水大臣、今日本には農協、農業協同組合というのがたくさんございますが、これは何年前からどういう目的で設立されたのか、極めて初歩的な質問ですが、回答を願います。
○国務大臣(近藤元次君) 農協は昭和二十二年に設立をされまして、これは農業生産力の増進と農民の経済的社会的地位の向上を図ることを目的といたしております協同組織でありますので、組合員のために最大の奉仕をすることを目的として事業を行うべきこととしておるわけであります。 なお、農協ができた昭和二十年当時と比べて農業、農村を取り巻く情勢は大きく変わってきておりますが、農協の組織、事業の運営に当たっては、農協が農民の協同組織であるという原点を踏まえて行われるように常に指導してきておるところであります。
○池田治君 最後の、常に指導をしているところでございますとの御回答でございますが、一九八八年の総務庁農協行政監察で指摘されたのは、農協は営農指導が不足している、金もうけ主義に走っている、三番目は、信用や共済事業のずさんな経営をしている、こういう御指摘もあるようでございますし、また農民の間にも、農協で物を買うよりも商社を通じて買った方が安いという声もありますし、農協は金もうけばかりしているんじゃないか、保険集めばかりしているんじゃないか、こういう声もありますが、大臣もそういう声をお聞きになったことがございますか。
○国務大臣(近藤元次君) 先生今御指摘になったすべてではありませんけれども、幾つかの部分について、私も農協に対する批判があることを承知いたしております。それゆえに、農協に対してみずからの改革をするべきように求めてきたところでありますが、今回内部改革に着手をいたしまして、秋の農協大会にそれをお諮りするという段取りができたようであります。
○池田治君 農協改革の段取りというのはどういうことでございましょうか。項目的に述べていただけませんか。
○政府委員(川合淳二君) 農協では系統組織の中に審議会を設けまして検討を続けてまいりまして、この三月にその答申を出したわけでございます。 その中にはいろいろな問題がございますが、こうした時代の背景を受けて事業の効率化、合理化を図るということで、要すれば組織、現在御承知のように三段階制でございますが、これを二段階にする。それに向けての事業の二段階というところからまず着手していきたいというような方向を打ち出しております。これにつきましてこれから下部の組織で討議をいたしまして、ただいま大臣から御説明しました秋の方針につなげていくというような方針を持っているようでございます。
○池田治君 二段階方式というのは、総合農協、県信用農協連合会、農林中央金庫、こういう三段階であったのを、県信連と農中とが合体して総合農協との間を二段階にする、こういうものでございますか。
○政府委員(川合淳二君) 一口で申し上げますとそういう方向を目指すということではございますが、御承知のように各事業それぞれ事情がございますし、これは地域によっていろいろな状況にございます。したがいまして、まず事業を二段階にするということを一つの目標にしていくことを考えているというのが今の段階でございまして、これにつきましてもこれから系統全体の中で議論していくという段階であると承知しております。
○池田治君 総論の総論のような説明でございますからちっともわかりませんが、農協の組織変更をしなければ、昔の昭和二十二年当時の農民というのは人口の四割近くいたわけですから、今はたしか一割か二割か三割しか農民の存在はないと思うんですが、こういう農民層の激変の中で組織だけは昔のまま残っておる、こういうところが一つの問題。 もう一つは、金利の自由化ということに対処するために農協組織の合理的な経営をしていかなければならない、こういう要請もあったかと思いますが、そこで、二段階式の組織合併というのもこれは結構なことだと思っております。しかし、総合農協自体の合併ということは考えられませんでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) 総合農協の合併につきましては、系統組織の中で一千農協を目指すという一つの目標を持っております。これに向けて現在合併を進めているという状況でございます。
○池田治君 確かに昭和二十年代に一万二千あった農協が現在では三千六百八十八くらいに激減しておるのでありまして、これは農協でありますから倒産ということは考えられませんから、恐らく小さい農協が合併した結果だろうと思っております。 そこで、農協と農協との合併もありますけれども、私の知っている農家の人に聞きますと、農家が米をつくれば農協、そして養蚕で蚕を飼えば養蚕組合、牛を飼えば畜産組合、乳牛を飼えば酪農組合、山を持っておれば森林組合、そしてまた魚でもちょっととれば漁業組合ともう組合だらけで、農民はどこへ所属していてもむだばかりしている、こういう声もございますが、これらの専門農協と総合農協との合併は考えられませんか。 特に過疎地におきましては、大農協はいいですけれども、小さい農協は合併しなければ組織運営上やっていけない、こういう事情になっております。特にまた、そこの組合長さんがあり、専務さんがあり、常務さんがあり、職員がありと、こういうものを今の農業所得の少ない農民が養うということはもう限界が来ているように思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(近藤元次君) 政府委員に質問のようでありますが、私からの方がもっとわかりやすいかと思って私から答弁させていただきます。 今先生お話しのように、大きく分けていわば金融、共済、購買・販売、こう分かれておるわけであります。三段階制というのは生産者にとっても消費者にとっても、流通の革命の時代を迎えてきてペーパーマージンというようなことが実は話題になってきておるわけであります。金融、共済と購買・販売と必ずしも二段階のやり方は違ってきますけれども、一つはその趣旨で二段階制というようなことで流通改善をしていこうということが一点であります。 もう一つは、今お話しのように、それぞれ地域によってでき上がってきたその単体による専門農協あるいは総合農協、それなりの役割をいわば専門農協も果たしてきたわけでありますけれども、やや同じようなことをやっておるといえばやっておるわけでございますが、いずれにしても専門農協も規模拡大をして、戸数が減少してきたという状況の中で同じように運営上、管理上の経費負担というものが出てくるわけでありますから、それぞれそういう合併の機運が出れば農林水産省としても指導していきたいという方針には変わりがございません。 ただ、合併をするというときに、一面では役員が減少したり、あるいは機能的に経営上、運営上からすれば大変なメリットは出てくるわけでありますが、一方農家にとりましては営農という面で、農協との関係が行政区域を越えてやったときに、やはり営農は農協のみならず地方自治体の営農あるいは県における普及所、そういうものが一体になってやらなければならないのに、行政区域を越えて規模だけを考えて合併をしたときには営農関係では農家と希薄になるという可能性が出てくるわけであります。 その辺、今の実態とすれば合併をせざるを得ない、資金力についても能力にいたしましても合併をすることが必要ではありますけれども、一方でマイナスメリットの部分についてどうするかということで、私たちは営農面について、地方自治体あるいは県の普及所と農家、ここの関係をどのように持たせるかということについて、名称は連絡協議会にするのかどういうものを常設をするのか、そういう関係を濃密にしていかないといけない時期に来ておるんだ、実はこう判断をいたして指導していきたい、そう思っておるわけであります。
○池田治君 確かに、営農面では地方自治体と提携をしながら指導していかなくてはいけない問題ということもよくわかります。しかし、これは総合農協でやるわけですから、総合農協の中で地方自治体との絡みをつければこれは間に合うと私は思っております。専門農協の総合農協との合体ということではそれほど影響はないと思いますが、これはどうですか。
○国務大臣(近藤元次君) 私が感じておるところでは、行政区域を越えて大きくなった農協は、農協の経営なり管理なりという部分では大変メリットがあるわけでありますけれども、行政区域を越えてしまうということになると、それぞれの市町村との関係、行政区域を越えた農協との関係というものが薄くなるものですから、営農は一体化して農家指導に当たらなくちゃだめなところがどうしても希薄になりがちなものですから、その部分を申し上げたわけであります。 専門農協としては、専門的にその人たちが集まって専門の作物をどうするかというそういう組織を持っておるところもありますし、やや総合農協に近いようなところも実はございますので、そういう専門の人たちが集まって営農関係をどうするか、生産性をどうするかという部分についての相談の範疇では大変なメリットがある、そう思っておるわけでありますが、総合農協と同じようなことをやるような専門農協であれば合併をすることの方が好ましい、こう判断をいたしております。
○池田治君 私の考えていることと大臣のお考えになっていることとはちょっとずれがあるように思いますが、私の誤解かもしれませんので、もう一度質問いたします。 私が言っているのは、一戸の農家が蚕を飼えば養蚕組合、牛を飼えば畜産組合、また豚を飼えば養豚組合、こういう専門農協に皆属さなくちゃいけない。強制的じゃございませんけれども属して、そしてそれぞれの指導を受けたり生産したものの販売をしたりしているわけでございますが、それを総合農協の中にまとめたらどうか、こういう私の質問なんですが。
○国務大臣(近藤元次君) 地域によって違いますし、専門農協の内容がそれぞれの地域によってまた違うものですから、一概に専門農協を農林水産省の一律指導で総合農協と合併しろという指導がやりにくい面があるかと思います。 そういうものが専門農協と総合農協の両方の負担になるようなことがあるとすれば、そのことは好ましいことではございませんので指導していきたい、こう思っておりますけれども、それはケース・バイ・ケースで、そういうことをしたいというその専門農協ができないようなことであってはいけないことでございますが、私どもは、先生の今のお話はよく理解はできるんですけれども、これを農林水産省が一概に、全国にわたって専門農協と総合農協が合併をするべしというここでお答えをするにはいささかケース・バイ・ケースのところがございますので、その地域個別の案件がございましたらそれについて私どもまた見解を申し上げたい、こう思っております。
○池田治君 大臣の言うことも少しわかってきましたけれども、私も一律に全部農水大臣から命令を下して合併せよという大号令をかけてくれ、こう言っているわけじゃございません。もともと農業組合というのは民間団体ですから、政府とは関係ないわけですから、そんなことをしたら公権力の乱用です。 そうでなくて、やっぱり今過疎化になっていく農村、一万人人口がいたのが今二千人ぐらいしかいない、こうなってしまっているわけですから、そこで昔のままの旧態依然とした組織を残して旧態依然とした営農活動をさせるというのはもう少し指導の方法があるんじゃなかろうか、こういう過疎化のことを前提に置いて私は話しておるんですが、これはどうですか。
○国務大臣(近藤元次君) 総合農協の方も組合員が減少しておるわけですし専門農協の方も減少しておるわけでありますので、総合農協の方としては組合員がふえることは歓迎をされるわけでありますから、そういう過疎化でいわば管理なり経営の必要経費というものは大体変わらない、農家減少が来れば負担が重くなるというふうなことで専門農協のやりにくいような地域があれば、そういうものは積極的に指導していきたいと思いますので、先ほど申し上げましたように、個別のこういうところで合併が進まないで困っておるというような案件がございましたらまた私どもそれなりに対応していきたい、そうお答え申し上げているわけであります。
○池田治君 また個別のあれができましたら農水大臣に直訴いたしますので、そのときはまたよろしくお願いします。 次に、金融自由化の進展に対応するために信用事業を行う総合農協の合併がまた急務となっておりますが、これについては先ほど二段階式の合併をやりたいというお話でございましたが、このとおり理解してよろしゅうございますか。これは秋と言われましたが、いつごろからそういう合併は進む予定でございますか。
○政府委員(川合淳二君) 金融の自由化などに対応いたします信用事業の問題でございますが、私どもは、農協の合併ということ、単協の合併ということからまずそれに対応していくということではないか。これは系統組織もそういうふうに考えている問題でございます。さらに、先ほど来申しております三段階制の中でいかに合理化、効率化を図っていくかという問題、この二つの問題があると思っております。したがいまして、一つは単独総合農協の合併、それから三段階制と言われているのをどういうふうに合理化していくか、この二つの問題で取り組んでいきたいと思っております。 ただ、その場合に、大臣からも申し上げましたように、ただ大きくなればいいということではなくて、組合員との関係あるいは行政との関係というものにも十分注意しながら進めるべきではないかというふうに考えております。
○池田治君 さっきも言ったけれども、総論の総論を言うからわからぬと言ったんです。今も総論の総論だけれども、もう少し詳しく言ってくださいよ、各論まで言わなくていいから総論なら総論を。
○政府委員(川合淳二君) まず、農協の信用事業は農協の経営基盤にとっては非常に重要な事業でございます。したがいまして、これから金融の自由化が進んでいくということになりますと、個々の農協を合併して例えば資金量その他を大きくしなきゃいけないという問題があろうかと思います。そういう意味で個々の農協の合併ということがまず一つ考えられるわけでございます。 それから、三段階制、端的に申しますと、単協がございます。その上に県の農協の信用連合会というのがございます。それからその上に農林中央金庫という存在がございますが、それぞれの事業をまず効率化、合理化していくということで事業の二段階、ある部分は一段階を省略してやるというようなことを考える。例えば資金運用についてある部分は一段階、全国段階で行うというようなことを試みていくと、こういうようなことを通じまして全体の事業の効率化を図るという、この二つの方法があるのではないかというふうに考えているという意味でございます。
○池田治君 よくわかりましたが、あるのではないかと思うのではなくて、そのあるのをいつからやるかと聞いているんだから、いつごろやるということを答えなければ具体的な答えにならぬ。総論の答えにもならぬ。
○政府委員(川合淳二君) スケジュールの問題でございますが、既に単協の合併ということにつきましては、先ほど申しましたように一千農協というような目標を掲げまして着手しているわけでございます。現在は三千七百の単協でございます。しかしながら、発足当時は一万二千という数でございましたのでかなり進んできておりますが、これをさらに進めなければいけないということでございます。 それから、事業をさらに合理化していくという面につきましては、現在系統組織でこれから議論を始めようというところでございまして、その目標をこの秋の基本方針の作成のときまでにつくるというそういうスケジュールになっております。その後のスケジュールにつきましては現在決まっておりませんが、可及的速やかにそうした事業の効率化、合理化を進めていくということでございます。あくまでも先ほど先生御指摘のように民間組織でございますので、そういう自主的な動きを私ども大いに助長し指導し、あるいは協力していくということをいたしたいと思っております。
○池田治君 まだちょっとわからぬところもありますがまた次の機会に譲りまして、次は牛肉の問題に移りたいと思います。 四月一日より牛肉が自由化されまして、生産者は大量の安い肉が入ってくるんじゃないかという不安感をまだ特っております。一方、消費者の方は安い肉が食べられてこれはいいんだなと喜ぶというような、生産者、消費者ともに重大な関心を持っておりますが、ところがふたをあけてみると一向に牛肉の値段は安くならぬ、二、三日スーパーが大安売りをやっただけで後はまた同じになった、こういうことで消費者団体の方もかなり不満を持っているようでございますが、内外価格差は大体今現在でどれくらいになっておりますか。主要国だけで結構でございます。
○政府委員(岩崎充利君) 牛肉の価格の国際比較でございますが、内外における品質格差とかまた供給形態が違うというようなことで客観的な比較は非常に困難なんですが、あえて比較いたしますと、昨年の十一月段階での農林水産省の調査で、国産肩肉の小売価格で大体二、三倍程度の価格差ということになっております。 それで、主要国ということなんですが、主要国の都市との比較で、東京を一〇〇といたしました場合にニューヨークでは大体三四ぐらいです。それからロンドンで五二、パリで五八、ハンブルクで五三、大体そんなような状況になっておる次第でございます。
○池田治君 大分内外価格差があるようですが、消費者は四月になったら安い肉が食べられると思っていた人もかなりいるようです。ところが安くならないので、大体いつごろになったら内外価格差がなくなって本当に安い肉が食べられるだろうか、こういう声が強いのでございます。 そこで、今の自由化は七〇%の関税を取っておりますのでなかなか下げることはできない、こういう説明でございますけれども、七〇%が五〇%になり二五%になってくればそれは安くなるということが数字上はあらわれますが、これ以外にも何か要素があるんじゃないかと思うので、農水省の方でおわかりになりましたら、いつごろになれば安くなるかという価格の動向といいますか見通しをお知らせ願いたいと思います。
○国務大臣(近藤元次君) 今お話し申し上げましたように、肉については内外価格差というのはそんなに大きな開きはなくて、むしろヨーロッパよりも少し安目かなという感じがいたしておるわけであります。四月一日になって自由化をしたらきっと安くなるぞと、こう期待をしておったわけでありますけれども、しかし自由化の方針が出されてから今日まで枠の拡大をしてきておるものですから国内の肉というのは若干実はだぶつきぎみでございまして、それゆえに昨年よりもことしがまた既に肉そのものが消費者価格が安くなっておるわけであります。 そういう点で、もう既に自由化を決めてから今日まで枠の拡大によって自由化と競争するそういう低位の大衆肉は安くなってきておるわけでありまして、今後どうなるかといえば、先生が今御指摘のように七〇、六〇、五〇と関税が低くなっていくという状態で、三年後、その後はそのとき協議をすることになっておるわけでありますのでまだその先はわかりませんけれども、肉は若干ずつ関税の引き下げによって安くなっていく方向であろう、こういう考え方でおります。
○池田治君 関税以外のものは。
○国務大臣(近藤元次君) それ以外のものは、肉がだぶつくかだぶつかないかという量の原因があるということだけであります。
○池田治君 国産の肉の生産者の立場からは、輸入肉についての表示をぜひ新しくやり直してもらいたい、こういう声もございます。特に和牛ですと、神戸牛とか松阪牛とか、そしてまたロースとかなんとかいう部位の表示までやっているわけですから、輸入肉に限って何もやらずに店頭へ並べるというのも不親切な小売の方法ではないかと思います。和牛といいますか、日本の畜産を育てるためにもこの問題をぜひやってもらいたいと思いますが、大臣はどう考えますか。
○国務大臣(近藤元次君) この問題は当然のことでありますし、また消費者は国内、国外を問わず安全性を大変懸念しておる一面もございますので、表示は明示するように指導しておりますし、またこのことは公正取引委員会もかかわって徹底的な指導をしておるところであります。
○池田治君 大臣、そうおっしゃるけれども、スーパーや肉屋の方をずっと回って見られたことありますか。徹底的に指導していると言われますけれども、これがカリフォルニア産だとかオーストラリア産だとか、こういうことを徹底的にスーパーなんかでやっていますか。そんなこと、私は見ていませんよ。
○国務大臣(近藤元次君) カリフォルニア産、オーストラリア産というところまでは明示をしておりませんけれども、輸入肉や国内産であるかということは明示をするようにしておりますし、また公正取引委員会でその協定を結ぶように指導をして、全国で今二十八件が協定に参加をしていただいておりますので、この協定の拡大をしていきたいと、こういう方向で指導させていただいております。
○池田治君 全国で二十八件というんでは、まだ徹底してそうしているということは言えないんじゃないですか。肉の小売店舗なんというのは何千あるかわからぬわけでしょう。二十八や三十のを持ってきて標準にはならぬと思いますが、どうですか。
○国務大臣(近藤元次君) まだ二十八しかありませんので徹底指導しておるのでありまして、みんな行き届いていれば指導はいたさなくてもいいんですけれども、そのように御理解いただきたいと思います。
○池田治君 立派な指導があるのだと思って感心しておりますが、徹底してやっていただくよう要望しておきます。 そこで、自由化に対応するための農業ということも我が国の農業を育成するためには必要だと思っておりますが、和牛の生産者みずから自由化に対処するために設備投資をしまして設備の合理化を図ったり、みずからの努力で規模の拡大を図ったり、そして販路を拡大したりしてかなりの努力をしているようでございますが、これに対して農水省としての支援対策は何かなされておりますか。
○政府委員(岩崎充利君) 我が国の国内の肉用牛生産につきまして、私どもも農業の基幹的な部門でありましてその振興を図っていくことは重要だというふうに考えている次第でございます。 牛肉の輸入自由化に向けた国内対策につきましては、既に肥育経営等の安定対策の拡充強化とかあるいは低コスト生産の推進というようなこと等の措置を講じてきたところでございますが、基本的には肉用子牛生産安定等特別措置法というものをつくりまして、それに基づきまして昨年、平成二年の四月から実施に移されました肉用子牛生産者補給金制度ということにつきまして円滑適正な運営は努めているということでございます。 それから平成三年度におきましては、牛肉等の関税収入というものを特定財源といたしまして肉用子牛の生産安定対策等を内容といたします肉用子牛等対策というものを、総額で約一千億円でございますが、実施するということはいたしますとともに、大家畜の生産性向上等に重点を置いた総合的な畜産対策を講じるということにいたしております。
○池田治君 今、和牛の値段はかなり高くて農民もそれほど急にどうこうということはないようでございますが、ただ肉牛が高く売れても子牛が随分高くなって、子牛を買って肉を高く売ったって元値が高いので利益分が少ない、何のために牛を飼って肉牛を出したかわからぬ、こういう農家の声もございます。 そしてまた、ホルスタイン種の乳牛でございますが、雄の子供を肉牛に売って、これがかなりの利益、ぬれ子利益ですが、これが農家の収入で大きく残る唯一の財源だったと、これほどまでに言われておるわけですが、この子牛の値段対策をもう少し詳しく教えてくれませんか。
○政府委員(岩崎充利君) 先生御指摘のように、確かに平成二年度に入りまして一時かなりぬれ子が高値で推移いたしてきておりましたが、ぬれ子の価格が低下していることも事実でございます。 酪農経営におきます所得の安定確保ということを図るためには、ぬれ子の付加価値向上というか、単にぬれ子として出すのじゃなくて、酪農家が哺育育成等をしまして付加価値をつけて出荷するということも重要ではないかというふうに私ども考えておる次第でございます。現在酪農家の多くの方々、九割ぐらいの方はぬれ子を哺育しないままで出荷しているという現状でございますので、私どもといたしましては従来から乳用種のぬれ子の哺育育成を行う場合に奨励金というものを交付してその推進を図ってきたところでございまして、平成三年度におきましてもその事業内容の見直しなり拡充というものを行いまして、ぬれ子の哺育育成をより一層推進することにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○池田治君 乳価の保証価格もまたことしは少し下がったようでございますので、ぜひぬれ子対策にも力を入れていただきたいとお願いをしておきます。 次に、ミカンの話をちょっとお聞きしますが、オレンジも四月一日から自由化されました。これも消費者の立場からは少しも安くならないという声がありますが、これはどういうことでございましょうか。
○政府委員(安橋隆雄君) 日本に対しますオレンジの輸出元でございますアメリカのカリフォルニア州におきまして昨年の十二月に大寒波がございまして、それによります生産減少がございました。こういうことがございまして日本に対します輸出量が減っているわけでございます。そういうことで、オレンジの価格はこのところ、四月一日からの自由化時期が過ぎたわけでございますけれども、品薄ということで昨年よりも高い値段がついている、こういうことでございます。
○池田治君 カリフォルニアにおける干ばつとか冷害とかといった天候上の理由で日本のミカン農家の経営が維持されている、こういうことでは本当の意味の農業の健全な足腰ができたとは言えないと思うんですが、大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(近藤元次君) ことしはもう一つの理由にちょうどミカンが裏作であるというようなことで、来年は表作になるという状況でありますから、若干天候も左右することは御案内のとおりでありますけれども、来年以降のことにいささか心配いたしまして、ことしは自由化対策よりも、裏作、寒波というようなことで天候の理由と裏作によって高値で推移をしてきたわけでありますけれども、来年は若干値下がりをする傾向になったときに自由化対応のオレンジ対策をやらなければならない、そのように認識をいたしております。
○池田治君 そうすると、来年は対策をやらなきゃいけない。どういう対策をなさるつもりですか。
○政府委員(安橋隆雄君) 本年四月からのオレンジの自由化あるいは来年四月からのオレンジジュースの自由化に備えまして国内のかんきつ対策を従来から講じてきているわけでございますが、一言で申しますと、国際競争にも耐え得る足腰の強い産地育成ということだと思っているわけでございます。 具体的中身は、まず第一点でございますけれども、需給の均衡を図るための園地の転換対策、それから作業道の整備を含みます園地の基盤整備対策、かん水施設その他の生産関連施設の整備対策、優良品種への転換を図るための育苗施設の整備、あるいは傾斜地でも適応できるような小型の作業機械の開発、それからハウス栽培、ボックス栽培等の導入のための融資措置等々の対策を講じてきているわけでございます。 今後もこのような補助事業なりあるいは融資事業の拡充によりましてかんきつ産地の生産体制の強化に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○池田治君 確かに、来年は対策も講じなきゃならぬというだけでなくて、現在も小型機械の開発とか作業道の整備なんかは徐々にではありますがやっておられるわけですね。ミカンをつくるところは非常に傾斜地でございまして、道路もなくて、小さな道を肩に荷物をしょっておりたり堆肥を肩で運んでいったりするわけですから、かなり厳しいところで生産しているわけなのでございまして、道路の延長とか作業道の整備、園地の傾斜化の少しでも緩やかなように、こういう基盤整備というものはぜひやっていただきたい、かように思っております。 それで、高品質の果実というのは今消費者ニーズが高まりまして、これに即応した品質のものをつくらなきゃいけないということで生産者も一生懸命やっているわけでございますが、何せ市場の開拓がないことにはこれはできないということで、市場開拓ということも重要な要素になってまいります。この点については農水省もある程度、国内市場の開拓、例えば一般の市場だけでなしに生活協同組合等への直の納入とか、あるいは外国における市場開発、こういうことも少しやらなければ今からの日本の農業は立っていかないと思いますが、これについては農水省はどういう指導をなさっておりますか。
○政府委員(安橋隆雄君) 温州ミカンの生食での需要といいますのはこれまで減少してきております。しかし、今後このような温州ミカンの需要というのは維持、増大させていく必要があるというふうに考えておりまして、そういう意味では、先生御指摘の需要拡大というのは非常に重要であるというふうに認識しているわけでございます。そのために、まず国民の多様なニーズに対応いたしますような高品質のかんきつ類を生産するとともに、それを消費者に普及、宣伝していくということが国内対策として非常に重要だと思っております。 また、輸出につきましても需要の拡大を図る上での一つの手段であるというふうに位置づけまして、海外の消費者ニーズに合わせました生産体制の整備でございますとか、外国におきます宣伝でございますとか、あるいはもう一つ、温州ミカンの外国への輸出に当たりまして潰瘍病などが入ることをその輸入先の外国が嫌うというようなことがございますので、そういった潰瘍病の完全防除技術に関する調査といったものもあわせて考えていきたい。 こういうようなことで内外の需要拡大策を一生懸命講じているところでございます。今後ともこれを一層強化してまいりたい、こういうように考えております。
○池田治君 余り総論ばかり言わないで、もう少し具体的におっしゃってくれませんか。例えば、外国への輸出先は今どういうところへ輸出しているとか、こういうところを開発しているとか、こういうことがわかりましたら教えていただけませんか。 愛媛県では昔ソビエト等に対するミカンの輸出ということを考えまして対共産圏へ出しておりましたけれども、なかなか共産圏の支払い条件が悪かったり、ミカンの需要はそんなに共産圏も喜んでくれなかったりして途中でやまってしまったようですが、こういうことも考えておられるかどうか、これをお聞かせ願いたいのです。
○国務大臣(近藤元次君) この問題、私が数年前にカナダでテレビを見ておりましたら、テレビを見ながら食べられるクリスマスオレンジというコマーシャルが出てまいりまして、農林水産省にお願いをして当時海外輸出に挑戦をさせていただいたわけであります。幸いにして日本の果物というのは世界一に高品質だと実は思っておるわけでありますので、いろんな果物について海外に挑戦をしていきたいと、こう試みているわけでありますが、温州ミカンが一番先頭を切ってやっていただいておるわけでありまして、アメリカも今では三十三州に及んでおるのではないかと思います。そして、あわせてカナダ、アメリカが今温州ミカンの代表的な輸出先国、こういう立場に立っておるわけであります。 なお、ソ連のことは今先生からお話を聞いて初めてわかったわけでありますが、ことしはヨーロッパにアンテナショップをつくってヨーロッパにまた普及してみようかなと、こういう考え方で今積極的に海外に対する需要の拡大というものに取り組ませていただいておるわけでありますし、またそれぞれ先生方お考えがあったときには御指導をいただきたい、こう思うわけであります。国内の需要につきましてはまたそれぞれの産地がそれぞれの果物について需要の拡大を積極的に進める支援をさせていただきたい、こう思っておるわけであります。 農林水産省としては、全部の作物を預かっておるものですから、胃袋が満杯になると、何かを入れれば何かが出るという形で、国内においての消費を拡大するというのは本当の意味の新しい消費者のニーズについて相当の研究をしていかないとなかなか困難ではないのかなと。むしろ海外の方に積極的に消費拡大をしていきたい、こう考えております。
○池田治君 ぜひお願いをしたいわけですが、私が今感じておりますのは、中国とか東南アジアの方向へも市場開拓をしていくべきではないか、こう思っておりますが、これがいまだになされていないということはやっぱりコストの問題ですか、それとも対社会主義社会との貿易上の何か障壁がございますのでしょうか。
○政府委員(安橋隆雄君) 中国なり東南アジアの方の輸出でございますけれども、やはり日本の温州ミカンというものの価格の問題でなかなか輸出が伸びないというのが実情でございます。
○池田治君 次に、温州ミカンそのものはかなりの高品質で国内需要もかなりありますので何とかやっていけると思いますが、果汁原料用のミカン、いわゆるジュース用のミカン、これの価格安定を図るための特別補てん制度を将来とも実施してもらわないと、果汁原料用ミカン生産者は外国品との競争ができないでかなり困っておるようでございますが、この点、農水省はどのような対策を講じておられますか。
○政府委員(安橋隆雄君) ジュース原料用のミカンの価格安定制度でございますが、かんきつの自由化を控えてその自由化対策の一環といたしまして、従来行ってまいりました通常の価格補てんとは別に特別補てんをすることにいたしたわけでございます。期間は八年間、自由化対策が決まりました昭和六十三年から平成七年までの八年間ということでございます。 かんきつ農家の経営というのはもう先生よく御存じのとおり生食用の果実の生産を主体としておりまして、ジュース原料用のミカンというのは付随的地位にあって、どちらかといいますと生果の需給調整の役割を果たしているわけでございます。したがいまして、自由化で影響が出ますジュース用の原料価格の低下というものを緩和するための特別の対策として特別補てんを一定期間行うということにしたわけでございますので、平成七年までの八年間ということで、その間に生産対策の強化を通じてだんだん競争力をつけていっていただくということで一定期間の対策ということで仕組んでいるところでございます。
○池田治君 対策は、八年間かけてこの特別補てんの率をだんだん下げていって八年後にはなくする、こういう制度であろうかと思いますが、私が言っているのは、この八年間でだんだん下げてあるいはゼロになるというようなことを初めから約束するのでなくて、日本農業が国際農業と太刀打ちできるようになったときには下げる。先をもうゼロにしないで補てん率を多少残しながら成り行きを見る、こういうような制度にしてもらわないと農家の不安は消えないと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(安橋隆雄君) ジュース原料用のかんきつにつきましては、先ほども申し上げましたとおり生果のいわば付随的、需給調整的な機能を果たしているわけでございますので、農家の経営といたしましては生果の方で元を取っていただくということでございまして、ジュース原料用のミカンにつきましては需給調整的な機能という意味で、オレンジの自由化とまさに競合するという意味での価格対策ということで八年間の特別補てん、限定的なものということでございます。したがいまして、この八年間の間に先ほど申しましたような生産対策の充実によりまして競争力をつける、あるいは園転対策によりまして需給の均衡を図るというような政策で対応できるのではないかというふうに考えているところでございます。
○池田治君 農水省としての机上のお考え方はある程度理解できますけれども、個々の農家にとりましては生果でもって元を取るんじゃなくて生果でもって出費の経費は負担する、ジュース用のミカンでもって利益を少しもらう、こういう考えでやっているのが愛媛県あたりの小さな農家の経営状態でございますので、この点もひとつ今後十分考えていただいて、元はなかなか取りにくいからジュースの特別補てんをしながら農家を育成する、こういうお考えをしていただきたい、かように思います。 最後に、農水大臣、このミカンと牛肉が自由化になりまして日本農業はばたばたしていたわけでございますけれども、何とか今のところはそれほど大きな問題は出ないままに来ておりますが、今後内外価格差がますます高まったり、また、ミカンの需要が日本は余りなくて、天候がよくなったら外国から大量に輸入される、こういうことになった場合の対策ということも考えておかなくてはいけない問題だと思いますので、日本農業を今からどうやっていくかという、総論で結構でございますから御決意をお聞かせください。
○国務大臣(近藤元次君) 農業が一番激変に対応できない産業であるということをよく理解しておるわけでありますので、自由化という農家にとってどうしようもない現象に対して、精神的な不安と実質的な激変にならないように十二分に配慮して対処してまいりたい、そういう決意でおります。御理解をいただきたいと思います。
○池田治君 ぜひそのような自由化にも対抗できる農業をつくり、かつまたそれが不可能な場合には農水省で次の対策を練るという形をとっていただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。
○委員長(平井卓志君) 以上で池田君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、三治重信君の質疑を行います。三治君。
○三治重信君 まず、日米首脳会談についてお尋ねいたします。 新聞で報道されている日米首脳会談で、米市場の開放を日米二国間協議でなくガット・ウルグアイ・ラウンドで早期解決を図ると両者が意見統一したように報道されておりますが、この点について、本当に米を一つも輸入しないでガット・ウルグアイ・ラウンドで妥協できる、こういうふうな見通しを持っておられるのかどうか。
○国務大臣(近藤元次君) 米は従来から二国間交渉でなくてガット・ウルグアイ・ラウンドで交渉するということは両国の合意ができ上がっておるわけでありますし、また輸出国、輸入国という立場もおのずから違う見解で話し合いが進んでいくわけでありますけれども、私ども、米、稲作の重要性にかんがみて、国会決議もございますし、国内自給産で賄って処理をしていくという、輸入国の立場を反映するということを総理がアメリカ大統領にお話しをされたというふうに報道もされておりますし、そのように聞かされておるわけでありますから、従来の方針どおりガット・ウルグアイ・ラウンドで対応していくということであります。 〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕
○三治重信君 それで、日本が今世界で一番食糧輸入国である。そうすると、米の輸入はある程度非常に制限をされているといっても、食糧の自給率は先進国の中で一番最低の、一昨年では四八%というふうに数量上なっている。こういうようなことについてのウルグアイ・ラウンドでの理解度というもの、その食糧の自給度ですね、こういうようなものはこの輸入の自由化についての交渉の問題にはならぬわけですか。
○国務大臣(近藤元次君) 当然のことながら、輸入国でありまた自給率が下がっておるということ、他の先進国は自給率がここ数年来上がっておる中で我が国だけは自給率が下がったわけでありますから、そのことは当然ガット・ウルグアイ・ラウンドの場では話を申し上げておりますし、二国間においても、アメリカの輸出の二〇%、国内の輸入の四〇%弱を輸入しておるというその実情もつぶさに、私どもそれが輸入国の立場を反映させていくという基本的な姿勢の中に入っておるわけであります。
○三治重信君 ぜひ、いろいろ問題があろうけれどもウルグアイ・ラウンドで早期決着を図るという決断は変えないで交渉をやって、ウルグアイ・ラウンドで決着をつけるようにひとつ検討をしてやっていただきたいと思います。 それから、外務大臣にお尋ねしますが、最近外務大臣が海外へ行かれたときに国連憲章の旧敵国条項を廃止してほしいという要請をされたように新聞に出ておりますが、総理は日米首脳会談でこの問題は出されているのかどうか。また、外務大臣がこの敵国条項廃止の要請をした場合に、ある程度の目鼻がついた上でこういうものが新聞に報道されるような交渉をされたのかどうか。
○国務大臣(中山太郎君) 第一問は、日米首脳会談で国連憲章の旧敵国条項削除の話を出したかどうかというお話でございますが、これは三月二十二日に私がワシントンを訪問いたしましたときの日米外相会談で、日本政府としてアメリカのベーカー国務長官にこの問題について要請をいたしました。それに対して、アメリカとしては日本の主張を理解しこれに協力するという返事をいただいております。 実はこの国連憲章の旧敵国条項をなかなか廃止するという考え方ができなかった一つの一面は、ベルリンのいわゆる四カ国による共同管理、これが昨年の十一月まで存在しておった。東西ドイツの統一が実現をいたしまして、ベルリンを管理しておりましたイギリス、フランス、アメリカ、ソ連のそれぞれの国がそれぞれこれをなくしたわけでございますから、これで戦後の問題で憲章廃止に向かっての一つの歯どめがとれたという判断を私はいたしております。 そういうことで、昨年の九月の国連総会では日本政府の代表演説でこの国連憲章の旧敵国条項廃止を強く訴えたわけでございますが、そのようなことを踏まえながら各国、特に安全保障常任理事国、この五カ国が同意をしなければまず原則としてこの憲章の改正は不可能でございますので、そういう意味でこの五カ国に対してまず日本政府の要請を行っていく。そのうちアメリカ、イギリス、ソ連、中国は日本政府の要請に対して理解をした、こういうことでございます。
○三治重信君 今のお話だと、ベルリンの壁が突破されてドイツの問題が解消した、この好機というかチャンスというのは非常に理解できるわけでございますが、この敵国条項の廃止についてはやはり安全保障理事会の方で議論をされていく、こういうふうに理解していいわけですか。
○国務大臣(中山太郎君) 当然、安全保障理事会と、特にイギリスのハード外相に今回北京でお目にかかってこの話で御理解をいただいたときに、このP5の国々と協議を始める、協議をしたいと、こういうお話でございました。この憲章の改正には、総会の三分の二、加盟国の三分の二の賛成、またP5を含めた三分の二の国がそれぞれの憲法に従って改正案を批准しなければならないという国連憲章の規定がございますから、そういうことを考えますと、私どもはまず安全保障常任理事国に働きかけをして、それからさらに一般の理事国並びに他の加盟国に対しても引き続き努力をしてまいらなければならない、このように考えております。
○三治重信君 これが国連中心主義の外交ということを実際的に実行する非常にチャンスというんですか、やらなくちゃならぬことだろうと思っておるんですが、勇気を持ってひとつ対応をしていっていただきたいと思います。 もう一つは、中東湾岸戦争は終わりました。そこで、国連の後始末で、まず両国の国境の監視団をやるPKOの問題も報道されております。我が国ではこの前の協力法案が廃案になって自公民三党で新しい対策をつくる、こういうふうになっているわけなんですが、この構想について今度の日米首脳会談で話があったのかどうか。
○国務大臣(中山太郎君) 湾岸戦争後のPKOについて、日米首脳会談では具体的に触れてはおらないと私は考えております。 なお、この問題につきましては、先般ワシントンでの日米外相会談の後国連を訪問いたしまして、デクエヤル事務総長に対して、湾岸戦争後のPKOを構成する場合には日本政府として政務官及び財政的な協力をする意思があるということを伝えております。
○三治重信君 もう一つ時事問題的に。 イラクのクルド族の難民救済が急遽米、英、仏で実行に移され始めたというふうに報道されております。我が国は、国連への避難民対策費ですか、三千八百万ドルか何かを出したうちの一部を使ってもらうようにするというふうなことがあるんですが、それはどういうことなのか。
○国務大臣(中山太郎君) 日本政府はこの湾岸戦争によって発生する避難民の救援のために国連の機関でございますUNDROに対して三千八百万ドルを既に支出したわけでございます。それの使用配分については日本政府の意思も十分参酌をしてもらうということでございますけれども、現実には想像したほどの避難民が湾岸戦争によっては起こらなかったということでございまして、この拠出金がまだ一部プールされております。その中から一千万ドルをクルド族の難民対策として拠出するという日本政府の意思を伝達したということに御理解をいただきたいと思います。
○三治重信君 そうすると、その三千八百万ドルというのは、使い方について全部日本が国連へ指示して使わすというふうなことに理解していいものかどうか。
○政府委員(丹波實君) お答え申し上げます。 ただいま外務大臣の方から御説明申し上げましたとおり、ことしの一月十一日にUNDROを中心とする避難民関係の国際機関が、戦端がもし開かれた場合の予想として一億七千五百万ドルが必要である、立ち上がり経費として三千八百万ドルが必要だという国際的なアピールを出したのに対して、日本政府としてこの立ち上がりの分全部を見ようということで三千八百万ドル拠出したわけでございますが、御承知のとおり戦端が開かれても国際機関が予想したとおりの避難民が出てこなかったということで、現実に使われましたのはその三千八百万ドルのうち二千百万ドルでございまして、千七百万ドル分は未使用という形で日本政府が将来国際機関と協議して使途を決めるということで、未使用で残っておったその中から今度一千万ドルをこのクルド族の難民に充てる。 具体的には、このお金を使いますのはUNHCR、それから世界食糧計画と言われておりますWFPなどの関係機関がこれを使用することになろうかと思います。
○三治重信君 次に、これから日本が用意する法案の中身についてちょっと政府の考え方をお尋ねしたいんですが、政府としては自公民の三党が了解をした案だけに頼って、自公民三党の、または社会党も入れての政党の対話で結論を待つようなことはしないで、政府として国連のPKOに対する日本の必要な法案をつくるんだ、こういう態度が欲しいと思うんですが、いかがでございますか。
○政府委員(有馬龍夫君) 政府といたしましては昨年の十一月にできました自民、公明、民社各党間の三党合意に基づいて、まさに今種々検討しているというところでございます。
○三治重信君 いや、今の答弁だと、三党が協議しているのか、政府が三党の協議の中身を中心にして政府として検討しているのか、どちらなんですか。
○政府委員(有馬龍夫君) 三党間で「国際平和協力に関する合意覚書」というものができ上がったわけでございますが、それには、一つに「自衛隊とは別個に、国連の平和維持活動に協力する組織をつくることとする。」、それからもう一つ、「この組織は、国連の平和維持活動に対する協力及び国連決議に関連して人道的な救援活動に対する協力を行なうものとする。」等が盛られておりまして、これを踏まえて私ども今種々勉強をし検討しているというところでございます。
○三治重信君 その検討項目の中で、国連の平和監視団や選挙監視団という国連が従来今までやってきた行動、それから各国からPKOを出している国の実情というようなものについて、資料を取り寄せて詳細に検討しておりますか。
○政府委員(有馬龍夫君) さようでございます。
○三治重信君 そこで、お尋ねしますが、この平和監視団とか選挙監視団というのは一般の民間人でもいいようになっておりますが、PKOの中には一部幹部に軍人がおる例が各国多いわけです。その問題について、軍人を入れると憲法九条の「武力による威嚇又は武力の行使」というものに該当しはせぬかというような問題が起こることが予想されるわけですが、国連のPKOのそういう監視事業、平和協力事業というものはそういうものと関係のないものと理解して立法作業を進めてもらいたいと思うんですが、それに対する意見はどうですか。
○政府委員(有馬龍夫君) 繰り返して申しわけございませんけれども、今政府として行っております作業は、まさに三党間で得られましたところの合意、それを踏まえていろいろと検討しているというところでございます。
○三治重信君 どうも作業が全然進んでいない、中身については検討事項すらわかっていないようでございますが、私は、このPKOを日本でつくる、またはそれを国連の指揮下に出す大きな要件は、やはりみずからPKOの部隊として完全に国連の指示による監視事業なりが行われる部隊をつくらなければいかぬ、こういうふうに思っておりますが、外務大臣、これはどういうふうに、そのPKOに対する日本のまあ適格条項ですね、それが法案に盛られなければ、全然国連の要請する、または各国がそれに応じて出す部隊と、日本はこれはできませんあれはできませんというような法案では、国連のそういう平和協力事業に対する協力にならぬじゃないか。そういう姿勢でもって政府が対応していかなくちゃいかぬと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(中山太郎君) PKOに幾つかの要素があることは委員も既に御存じのとおりだと思いますが、いわゆる平和維持軍、それから停戦監視団、それから選挙監視団、こういったような三つの大きな要素がございます。 この平和維持軍になりますと、相当な兵器を保持するということが国際常識として考えられております。その場合に、兵器を扱える者は軍人、こういうことになってまいりますと、通常各国は平和維持軍に軍人を出している。そういうことから考えますと、軍人を出すことが国際常識になっているという状況の中で、日本が果たしてこの憲法の中で、世界の平和のために、平和維持軍に参加するために自衛隊員を派遣することができるかどうかということが一つの大きな国家としての問題になってきておることは御存じのとおりであります。もう一つの場合は停戦監視団、この場合も軍人が多数を占めることはございますけれども、いわゆるその停戦監視団においても、軍人が関与することが非常に多い面が国際的な常識でございますが、一部にロジ的に協力をする文民がいる。あるいはまた選挙監視団、これは文民でやれる、こういう三種類の大きな柱がございます。 その中で、日本の憲法のもとで国会はどのような判断をお示しいただけるか、そこのところでこの国民の意思を代表される国会議員で構成する各党がどのいわゆる平和維持に対する理解を示されるかということの御協議がなければ、政府単独でどういうふうにこの法案をつくれといっても、勉強は我々もいたしております。しかし国会で御承認いただけなければなかなかこの実施には難しい面がございますので、私どもはあくまでも自民、公明、民社三党の御協議が調ったあの覚書、またそれを踏まえて社会党がどういうふうな姿勢をとられるか、こういったことを考えてまいりますと、三党間の政策責任者の間の御協議を十分踏まえながら政府としてはこの御趣旨に沿った法案を整備するということが適当ではないかと、このように理解をいたしております。
○三治重信君 どうも一通り筋は通っているみたいだけれども非常に消極的な考え方のように考えます。自衛隊は出さぬ、それから自衛隊以外の部隊をつくるというその部隊がさらに使い物にならぬ部隊しかできぬような法案では意味がないんじゃないか、こう思うわけなんで、そこはひとつ政府が国連とも十分連絡をとって、こういう法案の中身なら、また部隊をつくるなら国連の指揮下で使える部隊だと。こういう実際的な運用に役立つ関係というのは、三党といったって議員はそんなに技術的なことは勉強できぬわけですから、政府みずからひとつ十分対応していただきたいと思うわけであります。 それからいま一つ、この中でそういうぐあいになったときには、武器や軍人が使えないんだからほかの国の下働きをやるんだと、こういうような考え方はぜひやめてもらいたい。PKOで出すからにはPKOとして独立した部隊として、ほかの国の下働きをやるというような考え方をぜひやめた体制のPKOの部隊をできるような政府としての法案ですね。やはり政府が指導力がないと、国会国会といってもそういう具体的な問題についてのやつは進まぬ、こういうふうに思って希望を入れておきます。 それから、農業問題に移ります。 ことしが農基法の三十周年になって、牛肉・オレンジの自由化、開放化も成り、米もウルグアイ・ラウンドで問題に決着をつけるという大変な転換期に来ていると思うわけですが、そこで農水省としては、私はやはり農業の進む道は、産業としての農業をどう育成するか、ここの一点にかかってくるように思うわけですが、農水大臣はいかがですか。
○国務大臣(近藤元次君) 今先生からお話しのように、産業的というか企業的な感覚を持って経営をしてもらうという、そういう方向で農業を進めていくというのは非常に大事なことであろうと認識をいたしております。 それだけに、規模拡大をしたり、いずれにしてもコストを下げていくということが国際競争力を持つことになるわけでありますので、その意味では、規模拡大をして、機械負担が非常に重いわけですから機械の効率を上げていくというそういうことで、生産性とコストを下げる両面の立場で今日いろんな政策を、二十一世紀モデル基盤整備あるいは農地集約型等そういう政策をここ一、二年連続してその方向に向かって仕事を進めさせていただいておるわけであります。
○三治重信君 産業としての農業を育成するという方向においては大臣も御同意のようでございますが、その有力な手段として、生産費の低廉をやっていくためにはやはりどうしても日本の生産費が非常に高いからある程度の農産物の品目ごとの自給率を決めて、その自給率を維持するにはどれぐらいの価格保証をしたらいいか、いわゆる生産費価格保証方式ですね、そういう方に農産物の価格を変更して、その自給率を達成する価格で農民を競争させると。そのためには外国の輸入農産物との価格を見ながら一つその保証価格を決めていく体制をとらぬとうまくいかぬのじゃないかと思うんですが、この方式についてどういうふうにお考えですか。 〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕
○国務大臣(近藤元次君) 先生今御指摘のとおりの認識はいたしておるわけでありますけれども、いずれにしても、もう国土が狭い上に山地が多いという土地の不利な条件の中で農業を営んでおるわけでありますから一面ではある程度高くなるのもやむを得ない面が土地条件によって出てくるわけでありますが、その点については、今高品質のものを逆に奨励していくというようなことで営農指導をいたしておるわけであります。 今の先生のお話しのように価格を農産物ごとに保証していくというようなことというよりは、私どもは、幾つかのものについては行政価格で、むしろ今のところコスト引き下げをしながら生産性を上げてそして行政価格は毎年ここ数年引き下げをしておるという努力をしてその方向に向かっておることは事実でありますけれども、今後、すべての農産物というよりもむしろ負担を軽減させていくという方向で、私ども、農業に取り組みやすいそういう方向の手段を今とらせていただいておるわけであります。 いずれにいたしましても、適地適産の方向に急いで向かっていくような形は進めたいと思って、今それぞれの町村において、それぞれの地域で先生のお話しのような方向で、作物をみずからが選択してみずからが生産性を上げていくという方向で進めておるわけであります。目的は一つでありますけれども、手段、方法について必ずしも先生と同じ方向でないわけでありますが、目的はその方向で進ませていただいております。
○三治重信君 農産物の価格問題については意見が合わぬようですが、産業としての農業を育成するにはやはり農地所有と農地整備の関係を整理しないとうまくいかぬのじゃないかと思うし、一区画ごとに所有が違っていたのでは基盤整備もうまくいかない。したがって、私は農地の共有制をやっ・ていかぬとうまくいかぬのじゃないかと思うし「それから自立農家を育成するためには、耕種型の農業についてやはり農場の規模というものをある程度一応の目標を決めてモデルをつくっていくという制度はどうですか。
○国務大臣(近藤元次君) 土地利用型については、不利な条件の中で農業を営まざるを得ないという地理的条件が実はございますけれども、今先生のお話しのようにそれぞれの地域での規模拡大をする方向では、それぞれの市町村から今計画をつくっていただいてその計画に対応して私ども御支援をさせていただいておるということでもありますし、また大規模な平たん地におきましては二十一世紀型モデル事業ということで一つのモデルを設定して土地の集積をして、生産性とコスト引き下げの方向に向かって国自身は指針を出しておるわけであります。それぞれの地域における、市町村は市町村なりの今計画を立てて進めておる、その現状に支援をしていくという方向に向かっております。
○三治重信君 次に、物価問題について触れます。 先進国中、我が国の生活必需物資や一般の物価が一番高いんじゃないか、こういうふうに言われて、企画庁もいろいろ日本の都市における生活物資の高い状況なんかを出しておられますけれども、こういう物価問題というのは一時にはできぬから、やはりある程度の目標を定めて戦略的に攻撃をするという体制を整える必要があると思うんです。 その次は、私は一番企画庁長官にお願いしたいのは、やはり農産物価格が一番高い、これをどうして国際価格に近づけるか。これは農業政策とも非常に関連する。この関連を相当つかぬことには物価が下がらない、こう思うんですが、どうですか。
○国務大臣(越智通雄君) 先生御指摘のとおり、我が国の物価問題につきましては、動向そのものは上昇率その他先進国の中ではいい方でございますが、構造的な高さがありますのでそれが生活費として高くつく。その中で何が一番問題かというと、やはり先生御指摘の食料品の関係と家賃、こうしたものが構造的に高水準でとどまっている。これについては内外価格差の問題として私ども一生懸命対策を考えているところでございますが、その中で特に、おっしゃいました食料品の中の農産物というのがこれまた大変難しゅうございまして、日本でつくられている農産物をより安くしていただきたいという問題が一つございます。 これはまた、農水省の方で農産物に係る行政価格の引き下げとかあるいは農業の生産性の向上という点がございますが、消費者という立場からいいますと、かなりの農産物、食料品がほとんど輸入品だという品物もあるわけでございまして、トウモロコシというのはほとんど一〇〇%とか、大麦、小麦あるいは大豆等も大半が輸入品、それもほとんどアメリカということでございますから為替の変動を非常にかぶりやすいという点もございますので、それらの問題については、殊に流通経路の問題でございますが、これをしっかり見定めまして対策を考えていかなきゃならない。先ほど申し上げました内外価格差対策推進本部におきましては九十四項目挙げておりますが、そのうち食料品関係が十六項目ございまして、この一つ一つについて、関係各省にお願いしながらその値段の水準の引き下げをお願いしている、こういうところでございます。
○三治重信君 いろいろ役所で物価問題を、生活必需物資の引き下げをやるのも一つの方法ですが、やはり私はこれは民間のボランティアでいろいろ指導的な運動をやってもらう、そういう装置を物価対策として企画庁でやられているかどうか。そういう民間運動についてどう認識されておるか。
○政府委員(加藤雅君) お答えいたします。 物価を安定させるという点から申しましても、消費者が合理的に判断し行動し選択をしていただくということが大変大切であるというふうに考えておりまして、私どもの方といたしましても国民生活センターの商品テスト情報というふうなものを提供いたしておりますほか、さまざまな消費者団体との情報、意見交換を常時行っております。また、今後とも国民生活センターの商品テスト機能を一層充実させますほかに、消費者教育につきましても小学校、中学校、高等学校の段階から賢明な消費者になっていただくための教育を今後一層充実していくというようなことを始めまして、また地方の消費者団体との懇談会も今後一層一生懸命開催していくというようなことで、合理的な消費者行動を促進していきたいというふうに考えております。
○三治重信君 次に、地価の問題なんですが、ことし地価税の提案があり、そして自治省で固定資産税の引き上げに対して住民税を引き下げるという画期的なことを実施しようとされておるわけです。固定資産税と地価税との関係は非常に相互関連して問題があると思うんですが、まず固定資産税について、適正地価というものを公示価格の七割までに上げることを目標にして固定資産税を上げるということを聞いているんですが、その上げた分については住民税、法人税を軽減する、こういう基本方針で今後やっていかれるということでいいですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 固定資産税におきます土地の評価に当たりましては、ことしの一月二十五日に閣議決定されました総合土地政策推進要綱に示されましたとおり、土地基本法第十六条の規定の趣旨を踏まえまして、地価公示価格の一定割合を目標に平成六年度以降の評価がえにおいて速やかに評価の均衡化、適正化を推進するということになっているわけでございまして、この一定割合につきまして議論の過程では七〇%という議論もあったわけでございますが、この一定割合というものは今後早急に詰めていくということで、具体的な数値についてはなお検討をする必要があると考えているところでございます。 そこで、今御指摘のように、平成六年度以降このような評価がえによりまして評価の均衡化、適正化が図られた場合にその税負担が急激な増加にならないようなそういう配慮を一方ですると同時に、その増収分につきまして税負担の適正化という観点からいろいろな調整措置も講ずる必要があろうかと思います。 今回の平成三年度の評価がえにおきましては、増収分が非常に大きいということで、これにつきましてその増収分の全額を個人住民税の減税に充てたわけでございますけれども、この次の平成六年度以降の評価がえにおきましてこの点についてどのような考え方でいくか、これは必ずしも固定資産税の増収分は住民税の減税に理論的に結びつくというものではございませんけれども、こういう住民税の減税というものもあわせながら、今後の住民の地方税負担のあり方について検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○三治重信君 大蔵大臣にお尋ねしますが、今度地価税が提案されるわけですが、今の固定資産税の適正価格との関連で、地価税の大きな目的は一つは地価の引き下げということにあったと思うんですが、これがこういうことをやっていくことによって、具体的に法案の審議でも論議されるでしょうけれども、概括として政府としては地価をどれぐらい下げたいのか。私は五〇%ぐらい、高い大都会においては五〇%ぐらい下げるぐらいの気持ちでやらぬといかぬじゃないか、こう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、地価税あるいは固定資産税と地価税のみを挙げられまして地価がどれぐらい下落をするかというお尋ねについては、これはお答えは無理だと思います。と申しますのは、率直に申しまして、地価というものを構成している要因にはさまざまなものがあるわけでありまして、税制のみがその場合に効果を発揮する地価抑制策ではあり得ない、さまざまな要素が組み合わされた中で総体的に地価を押し下げていく有力な一つの役割を果たすもの、私はそのような受けとめをいたしております。 その意味におきましては、今回の土地税制全体の見直し、この効果は当然ながら私どもはある程度の効果を期待いたしておりますし、さらに金融における総量規制というものがようやくある程度の効果を示してきておる、世間からそのような御評価をいただいております。私ども役所の関係からまいりますならば、こうしたものも一つの対応策であります。 さらに、国土庁が中心になって行っておられるさまざまな土地政策、その中には当然新たな宅地の創出といった行動も入るわけでありますが、そうしたもの全体が一体となって運営されることによって相応の効果を発揮するとは考えておりますが、何%といったような数字を私は持っておりません。
○三治重信君 最後に、公共事業についてお尋ねしますが、最近日米構造協議についての米国に対する特別の便宜措置というふうなことが報ぜられているんですが、どうも中身がよくわからない。四百三十兆の大規模な公共事業をやっていくのに、アメリカにいいところだけつまみ食いされるようなことに応ずるのか。公共事業をやるからには、ずっと長年やってきているわけなんだから、その方策をアメリカのために特別変えるというのはどういう理由か。これは入ってくるのは、市場開放をやるのは自由だと思うんですが、その点をどういうふうに認識されているのか。
○国務大臣(大塚雄司君) 日本の建設市場への外国企業の参入問題は、一九八八年五月の日米間での合意に基づきまして、外国企業が日本の建設市場の制度に習熟することを目的として関西国際空港や東京湾横断道路等の特定の十七プロジェクトを対象に特例措置が設けられているわけであります。この特例措置は、我が国の制度を尊重した上で外国企業を我が国の制度に習熟させるという目的もございまして、特例措置につきましては我が国の発注制度の基本である指名競争入札制度を前提とした上で外国企業にこの制度を習熟してもらおうということでございます。 今日、日米間の建設レビュー第六回目をやったわけでございますけれども、若干この問題について進展は見られておりますが、我々としましては我が国の入札制度を尊重するという前提に立ちまして対応していきたい、こういうふうに考えております。
○委員長(平井卓志君) 以上で三治君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、喜屋武眞榮君の質疑を行います。喜屋武君。
○喜屋武眞榮君 私は、最初に群発地震についてお伺いいたします。 今、沖縄県の西表島の付近で群発地震が起こっておりますが、去る三月三日から十二日まで東大、東大、琉大の合同調査団が現地で集中観測をした結果が文部省に中間報告されました。その概要についてまず文部省にお聞きして、そして、西表島周辺の防災対策について不安はないのかどうかということについて、消防庁長官にコメントを求めたいと思います。
○国務大臣(井上裕君) お答えいたします。 本年一月二十三日から西表島で群発地護が発生いたしまして、その後地震活動が継続しているため、文部省では科学研究費補助金によります緊急の調査研究を実施いたしました。 先般その中間報告がまとめられましたが、そこでは、まず地震の震源が極めて浅い、三キロメートル程度。狭い地域に発生していること。次に、このように前歴のない地域に突然群発地震が発生することは非常に珍しいそうでありまして、今後の地震活動を注意深く監視する必要のあることが指摘されており、文部省といたしましては今後の状況の推移を見守りながら、気象庁等関係機関との連携を図りつつ、必要な観測、研究を行うことといたしております。
○政府委員(木村仁君) 群発地震に伴います現地の対応でございますが、沖縄県では八重山支庁に災害警戒地方本部を設置いたしておりまして、二十四時間体制で職員の警戒を継続しているところでございます。また、沖縄気象台等の防災関係機関と西表群発地震連絡会議あるいは八重山地方の地震連絡会議等を何度も開催いたしまして常時対応について協議を行い、災害の対応策について完全を期しているところであります。 地元の竹富町でございますが、竹富町におきましても災害警戒本部を設置して二十四時間体制で警戒を行っておりますし、また「地震の心得十カ条」という特別の資料を作成いたしまして西表等の住民全戸に配付をいたしました。また、避難訓練等も繰り返し行っております。特に小学校では校内防災組織を新たに整えまして、児童生徒の避難訓練等を実施しているところでございます。 竹富町の防災行政無線というのは完全にでき上がっておりまして、そういったネットワークを使って住民に迅速な情報伝達、特に発災時の避難、初期消火及び津波に対する避難が重要でございますが、そういう情報伝達等について努力をいたしているところでございまして、消防庁といたしましてもこういった実態を踏まえつつ適切な指導をいたしてまいりたいと考えているところであります。
○喜屋武眞榮君 天災は忘れたころに起こるとか、偶発事故というのは安心したときに起こるとも言われているとおり、人命に関するそういった不安にたえない事件に対して、どうか十分なる対応をお願いいたしたいと思います。 次に、湾岸戦争と沖縄基地とは重大な関係があります。湾岸戦争における在沖米軍の出撃状況と、在沖米軍基地施設の使用状況について承りたい。政府ほどのように認識しておるのか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 今回の湾岸危機に際しまして、在日米軍からも、そしてさらにはアメリカの海外家族居住計画に基づきまして我が国に家族を居住させております艦船からも湾岸地域へ移動が行われております。これは米軍の運用上の都合によります移動でございますけれども、私どもが外交チャネルを通じましてアメリカから伺いましたところによりますと、全体といたしまして、在日米軍からは海兵隊を中心といたしまして合計約八千名、それから先ほど申し上げました海外家族を日本に居住させております艦船の乗組員といたしましては約七千名が湾岸地域へ移動しております。
○喜屋武眞榮君 この問題について外務大臣の答弁を求めます、認識について。
○国務大臣(中山太郎君) 今局長からお答え申し上げましたように移動がございました。この移動ということは米軍のいわゆる判断によって行われている。ただし、これは事前協議の対象となるといった事項には当たらないというのが政府の認識でございます。
○喜屋武眞榮君 次に、防衛庁長官にお尋ねしますが、政府は現在のアジア情勢に対してどのような認識を持っておられるのか。中東湾岸戦争のような危機的な状況が今後アジアで発生する可能性はあると見ておられるのか、御見解を承りたい。
○国務大臣(中山太郎君) アジアにおきましては、御案内のように、カンボジアにおける四派の和平協議が国連を中心に今進みつつある。それともう一つは、朝鮮半島において南北間の首脳会談が持たれている。こういうことがございますし、一方において、中国と韓国とソ連との国交が正常化をいたしております。また、中国は韓国に貿易事務所を最近設置いたしております。 こういうふうに考えてまいりますと、アジア全域において一つの和平への動きがある、一つの安定感ができつつあるということは御認識のとおりだと思いますけれども、一方におきまして、まだ民族間の対立とか、あるいは極東におけるソ連軍の戦闘能力の向上といったような問題が一面にはございまして、当分湾岸のような状況がアジアに発生するという考え方は持っておりませんが、私どもとしたら今まだ手放しで平和が来たと言えるような状況にはない、このように考えております。
○喜屋武眞榮君 次にお尋ねしたいことは、在日米軍の駐留の目的は一体何なのか、米軍は何のために日本に駐留しておるのか、至ってだれでも聞きそうなことでありますけれども、ぜひこの機会にお聞きしたいと思っております。
○国務大臣(中山太郎君) なぜ日本に米軍が駐留しているか、こういうことでございますが、我が国の安全保障のために日本政府は米国政府との間で安全保障条約を締結しております。そして、安保条約に基づきまして駐留をする米軍のために基地を提供する、こういうことに相なっていることも御承知のとおりでございますが、目的という言葉で端的に言いますれば、日本国の安全保障及び極東の平和と安全のために米軍が日本に駐留していると御理解をいただきたいと思います。
○喜屋武眞榮君 それではお聞きしますが、日本の安全と極東の平和と安全を守るためと、歴代の政府もこのように述べておられますが、それでは、私は沖縄県の出身でありますが、沖縄基地のあのことについてはどう認識しておられるか。
○国務大臣(中山太郎君) 沖縄県に米軍の基地があるということをどう認識しておるかというお尋ねと理解をいたしましたけれども、私どもは日米安全保障条約を締結した際に、米軍が必要とする基地の提供、それを条約上義務として負っております。そういう中で、沖縄における軍事的価値というものから日本の安全保障のために基地を提供することが必要である、妥当であるという判断で基地を提供しておる、このように認識をしておりますが、沖縄県の県民の方々には駐留米軍による演習等につきまして大変御苦労をかけ、また不満も多いということは私ども政府も重々認識をいたしておりますし、県民の皆様方の今日までの御理解と御協力によって日米安全保障条約が円滑に運用されていることも、政府は県民の皆様方に感謝をしております。
○喜屋武眞榮君 もう一点お聞きしますが、沖縄県民は国の犠牲になっておるという怒りを込めて、一貫して今日まで、だから基地は要らないと、基地撤廃ということが県民の本当の気持ちであります。それに対する政府の施策はこれで十分であると思っておるのかどうか、もう一遍お聞きしたい。
○国務大臣(中山太郎君) 基地を置いている沖縄県の方々に対して政府はこれで十分と認識しておるのかというお尋ねでございますが、政府は基地の存在に関するいわゆる日本政府のとるべき負担、こういうものにつきましてはかねて施策を実施してきているところでございますが、私どもは、沖縄の県民の方々にさきのいわゆる第二次世界大戦の際に大変な御苦労をかけて、県民の皆様方が戦闘員のような形でこの戦争に犠牲を払われたということもよく認識をいたしております。そういう意味から、政府は沖縄開発庁を設けて、そして第一次沖縄振興開発計画を初め第二次、現在第三次に向かおうといたしておりますけれども、沖縄の方々のいわゆる生活環境の整備、産業の振興、このようなことに格段の配慮をいたしてきたことは委員も御案内のとおりだと考えております。 なお、いろいろと米軍基地の縮小問題について県民の方々から強い御要請のあることも政府は十分認識いたしておりまして、日米合同委員会等におきまして基地の縮小について鋭意協議をし、努力をしているということでございます。
○喜屋武眞榮君 それでは、また聞きますが、御苦労をかけておるとかお気の毒にたえないということも、もう飽きるほど聞かされておることなんです。私が問いたいことは、戦後四十五年、復帰二十年を迎える今日、第二次大戦でドイツやイタリー、日本と同じ立場にある国で戦後処理のなされておらぬところは沖縄だけじゃありませんか、日本だけじゃありませんか。一体これを何と見ますか、戦後四十五年の今日。
○国務大臣(中山太郎君) 我々は、御案内のように、第二次世界大戦では無条件降伏をいたしたのであります。そして、その無条件降伏をする寸前において沖縄戦が行われました。我々は多くの方方が犠牲になられたことに深い哀悼の意を表してまいりました。この無条件降伏のもとで米軍は沖縄を占領したわけであります。 この沖縄を我が国にもう一度返還させるということについて、今日まで戦後の歴代政府は大変な努力をし、そして七十万の県民の方々が一日も早く本土に復帰することを祈願してこられたことも記憶に新しいところであります。そういう中で、政府は米国政府との大変な交渉の結果、米国もついに沖縄を日本に返還する、再び我々の国の中に沖縄県が生き残る、こういう形になってまいったわけでありますけれども、そのような過程において、米国はこの沖縄に多数の基地を建設したということも否めない歴史の事実だろうと私は思います。 そういう中で、我々はこの地域の振興を図るために政府としていかなることができるか。先ほど申し上げましたように、沖縄振興開発法をつくって特別の省庁をつくり、格段の予算を確保して、この地域の住民の方々の御労苦に報いるように今日まで努力をしてきたことはよく御理解をいただきたいと考えております。
○喜屋武眞榮君 もう我慢ならないという一言に尽きます。 あなたは今、無条件降伏した日本という、無条件ということをおっしゃったが、無条件じゃないと私は思っております。条件降伏なんです。意思能力を回復すれば沖縄の基地を、日本にある基地を撤去するというのがあの宣言でしょう。その問題についてはきょうは時間がありませんので抜きにしますが、無条件降伏ではありません、日本は。私はそう信じております。いかがですか。
○国務大臣(中山太郎君) 我々はポツダム宣言を受諾したということを歴史的に認めなければなりません。
○喜屋武眞榮君 この論争は次にいたしますが、無条件ではありません、ポツダム宣言も。 次に、外務大臣、問題は別になりますが、先日当委員会において私の質問に対して、米軍の削減計画は見直される可能性があることを示唆された。冷戦の終了と現在のアジア情勢から推して、在日米軍削減計画の見直しの必要はないとの立場で米側に強く働きかけをすべきであると考えますが、いかがでしょうか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生御案内のように、アメリカは今後十年間を三段階に分けましてアジア・太平洋に展開しております米軍の削減を行っていくということにしております。 第一段階が九二年までの三年間でございますけれども、その第一段階においておおむね約一割の削減をするということでございまして、日本におきましては沖縄を中心に九二年末までに四千八百名を削減するという計画を有しております。これは第一段階でございますから、さらに全体の戦略的な情勢の展開次第、それからアメリカの国防予算の状況等を踏まえて第二段階以降を検討するということになっております。
○喜屋武眞榮君 今までの質疑の中でも繰り返されましたが、政府は安保条約の目的達成のために米軍は日本に駐留しておると言うが、その施設、区域の七五%をなぜ沖縄に集中させなければならないのか。米軍施設、区域の沖縄一極集中は速やかに解消してもらうべきであると要望しますが、いかがですか、外務大臣。
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生御質問の、なぜ在日米軍の施設、区域の七五%が沖縄に集中しているかという点でございますけれども、これは先ほど中山大臣からお話がございました歴史的経緯等を踏まえているわけでございます。 中山大臣が既に述べられましたけれども、その結果といたしまして沖縄県民の皆様方にいろいろ御迷惑をおかけしていること、私ども重々承知しております。したがいまして、沖縄におきます施設、区域の整理統合に関しましては従来から鋭意アメリカ側と話をしてきておりますが、先生御承知のように、昨年の六月に二十三の事案につきまして、面積にいたしましておおむね一千ヘクタールでございますけれども、日米間で基本的な合意ができましたので、現在その実施につきまして鋭意協議をしているという状況でございます。
○喜屋武眞榮君 重ねてお尋ねしますが、政府は在沖米軍基地の整理縮小、これもよく聞く言葉でありますが、これを今後どのように進めていくつもりなのか、その具体的なプロセスを示してもらいたい。
○政府委員(松浦晃一郎君) 基本的な考え方に関しましては今申し上げたところでございますけれども、私ども昨年六月に基本的な合意を見ておりますこの二十三の事案に関しまして着実に返還の手続を進めていきたいと思っております。現在までのところ、この二十三の事案のうち三事案に関しまして既にもう合同委員会で合意を了しまして具体的な手続を始めておりますが、残りの二十事案につきましてもアメリカ側と鋭意話し合いを行い、合同委員会で手続を進めるべく相談をしてまいりたい、こう考えております。 それからもう一つは、昨年の六月に基本的な合意に達しておりません十八の事案というのがございますので、この十八の事案につきましても、先生が御指摘の沖縄県民の皆様方の御要望も踏まえまして引き続き米側と調整してまいりたい、こういうふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 今の問題に対しても時間がありませんので後日に譲ります。 次に、沖縄の厚生年金について尋ねます。 政府は、これまで沖縄復帰時に加入期間について特別措置を行い、また昨年の三月には報酬比例配分についての特別措置を行っているのでありますが、これらのよって来る事実のずれということはいろいろの条件が述べられておるわけでありますが、沖縄と本土との格差が根本的に解消されたわけではありません。本土との格差の解消という点からすれば、沖縄の厚生年金制度が発足した昭和四十五年より前、すなわち本土の厚生年金制度が発足した時点にまでさかのぼって救済措置をしたとき、すなわち昭和二十九年五月一日の時点にさかのぼったときに初めて本土並みになるということです。ところが、これにはいろいろと問題があるということもわかっておりますが、その問題に対して政府は今どう考えておるのか聞きたい。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 沖縄の厚生年金制度、委員が御指摘のように、その発足が歴史的な経緯でおくれておりました。そのおくれておりました特殊事情があるということも十分承知いたしております。したがいまして、過去二回にわたりましてその特殊事情の救済措置ということをやってまいったわけでございまして、その一つが本土の復帰のときにいたしました特例措置でございます。 本来ならば二十年の所要期間が要りますのを、高年齢の場合には十五年でそれを適用できるような資格を与える、こういうことになっておりますが、その十五年にも満たないという場合に、沖縄の場合には四年から十四年までの間を段階別に適用拡大いたしまして、そしてそれを救うということにいたしたわけでございます。これはもちろん年齢に応じてでございます。 それがさらに救済の措置が必要であるということがございましたものですから、昨年の三月に特例納付制度を設けまして、先の方の問題は基礎年金の方の部分でございますから、二階建ての部分についてそれでは後から後納して資格を得ることができるようにしようということでございます。それから、この部分につきましては、御承知のように本来厚生年金は本人負担分とそれから事業者の方の負担分と両方あるわけでありますけれども、沖縄の場合には事業者分は排除いたしまして、本人負担部分についてのみ御負担をしていただいて適用期間を延長する、こういうことにして救済した次第でございます。
○喜屋武眞榮君 事実も理解できないことであるが、結論を申し上げますと、何のためにこの格差ができたかということ、これは沖縄の県民の責任ではない、政府の責任であるというこのことを私は問い詰めたいのです。 そこで、最後に文部大臣にお願いいたします。 それは、沖縄県では育英ローンの利用が大変急増しておって、新聞報道によりましても、民間銀行の教育ローンの融資額も三、四年前に比べて三十倍近くに達しておる。その原因は沖縄県の県民所得の非常に低いこと、他県に進学した場合教育費が非常に高いことなどに起因しておると、こう述べております。すなわち、受験や帰省のための旅費等も他県に比べて大変な苦労があります。差別があります。いや、差別と言っては失礼ですけれども、往復の距離でこういった点がある。 そこで、日本育英会の奨学金についても、採用枠、貸与額等、全国一律でなく若干の配慮を加えてほしい。検討して、大学進学率の地域的格差を是正する努力をしてほしいと強烈に要望いたしております。これに対して、文部大臣、お願いします。
○国務大臣(井上裕君) お答えいたします。 先生今おっしゃる大学あるいはまた短大の進学率、若干沖縄は下回っております。しかし、この育英会の奨学生は、やはり私ども、すぐれた学生あるいはまた生徒であって経済的理由により就学が困難な者を対象としておりまして、また主として学業成績及び家計収入の基準によって選考することといたしております。 お尋ねの御趣旨は、この学力あるいは家計の基準あるいは貸与月額等につきまして地域の特性を配慮した措置がとれないかと、こういうことでございますが、日本育英会奨学金の性格としましてはそのような取り扱いは今非常に困難な状態であると、このように思います。
○委員長(平井卓志君) 以上で喜屋武君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて一般質疑は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(平井卓志君) この際、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。 まず、第一班の報告を宮澤弘君にお願いいたします。宮澤君。
○宮澤弘君 予算委員会派遣第一班の調査について御報告いたします。 第一班は、平井委員長、野沢、角田、及川、吉岡の各理事及び片山、西田、堂本、吉田、池田の各委員、そして私、宮澤の十一名で編成され、二月十九日から二十一日までの三日間、兵庫、徳島、香川の各県を訪れ、近畿、四国の産業経済の動向、各県の財政の実情を調査するとともに、本四連絡橋、徳島県文化の森総合公園、さらに地元の産業についても広く現地視察を行いました。 まず、産業経済の動向ですが、近畿圏は経済規模でおおむね全国の二割を占め、製造業では繊維、鉄鋼、化学など素材型産業中心の産業構造となっております。加えて、中小企業の割合が高いのも近畿経済の特徴であります。この地域では、近年、明石海峡大橋、関西国際空港といった大型プロジェクトが相次ぎ、経済が活性化している旨の報告があり、大規模公共投資の地域に与える影響の大きさを改めて実感いたしました。 次に、四国地方ですが、全国に比べ農業を中心とする第一次産業の割合が高く、とりわけ大都市消費地向けの生鮮食品の生産が盛んであります。製造業では素材型産業の割合が高く、加工型産業においても他地域に比べ電子製品など技術集約型産業のおくれが目立っており、タオル、手袋など地場産業の振興とともに、産業構造の高度化促進が課題となっております。四国経済を全国水準に引き上げ、着実な発展を図るためには、立ちおくれている経済基盤の開発整備が急務であることから、両県とも本四連絡橋、高速自動車道の建設といった交通ネットワークの整備促進に対する国の配慮を強く要望しておりました。 最近の景気動向につきましては、近年の内需を中心とした景気拡大の中で、近畿、四国両経済とも消費、設備投資、公共投資の三本柱を中心に着実に拡大してまいりました。ここにきて金利高が経済活動に影響を与えてきており、住宅建設が弱含みとなるなど懸念材料が出てきておりますが、両地域とも経済は現状なお緩やかな拡大局面にあります。なお、中東湾岸情勢の経済への影響につきましては、今のところ原油価格が安定している上、両地域とも中東関連の取引が少なく、影響は小さいとのことでありました。 兵庫県の財政状況につきましては、決算段階の実質収支が五十二年度以降、十三年間連続して黒字となっているほか、近年、公債費比率の低下傾向が見られるなど、健全財政へ向けた取り組みが進みつつある状況であります。 徳島、香川両県の財政状況については、地方税ほか歳入は堅調に推移しているものの、本四架橋の建設を背景に、道路を初めとした社会資本の整備を推進するため積極的投資を行っており、近年、単年度収支では赤字が続いております。今後とも、地域の活性化や急速な高齢化への対応などが急務であることから、両県とも、国においては十分な財政措置が講ぜられるとともに、国庫補助負担率が完全に復元されるよう要望しておりました。徳島、香川両県とも、本四架橋の整備効果を最大限に生かし、経済の活性化、県民生活の向上を図るため、「架橋新時代の行動計画―三〇〇〇日の徳島戦略」、「香川県二十一世紀長期構想」といった長期計画を策定し、豊かな県土づくりに努めており、今後のさらなる発展が期待されるところであります。 以上、報告を終わります。
○委員長(平井卓志君) 次に、第二班の報告を坂野重信君にお願いいたします。坂野君。
○坂野重信君 第二班につきまして御報告いたします。 第二班は、藤井理事、安恒理事、佐藤理事、大島委員、石原委員、合馬委員、片上委員、寺崎委員及び私、坂野の九名で編成され、二月十九日から二十一日までの三日間、福岡県、大分県に赴き、産業経済の現況及び地方財政の状況等について概況説明を聴取し、福岡県においては、福岡市博物館、宮田工業団地、スペースワールド等を、大分県においては、東芝大分工場及び一村一品事業等の現地視察を行ってまいりました。以下、経済財政概況につき簡単に御報告申し上げます。 まず、九州全体の経済の現況でありますが、企業活動はIC産業などのフル操業、鉄鋼、自動車の高水準の生産、さらには造船も豊富な受注残を背景に高燥業となっており、これを受けて企業の設備投資が高水準を維持し、個人消費も堅調で、景気は依然拡大基調にあるとのことであります。また、地域の豊富な人的資源を求めて、自動車や先端産業の企業進出が著増しており、素材型から組み立て型へ産業構造が大きく変わりつつあります。目下、先端分野への積極的な取り組みが展開されておりますが、次第に人手不足への対応が課題となりつつあるとのことであります。 次に、国税の収納状況についてであります。平成元年度の国税収納額では、福岡国税局が全国の三%、熊本国税局が一・六%の地位を占めております。両国税局とも全国水準に比べ法人の立地数が少なく、支店経済であることなどから、法人税の構成比が低く源泉所得税が高いという特徴があります。元年度の税収は、両国税局とも地域経済の拡大、地価の高騰、低金利を反映して全国水準を上回る収納を見ており、二年度についても引き続き順調な収納が続いているとのことであります。 地方財政の概況につきましては、福岡県においては、旧産炭地や産業構造の変革の影響で、生活保護扶助料や失業対策事業費の割合が依然高く、全国水準を上回る多額の県債残高を抱え、厳しい財政事情にありますが、県の組織機構、補助金の整理合理化を進める一方、最近の景気好調による県税の増加を背景に、技術立県、国際県、個性ある地域づくりに努力しているとのことでした。 大分県は、自主財源比率が三割を割り込み、県税収も元年度において前年度の伸びを下回るなど、依然として脆弱な財政状況にあるとのことですが、一般行政経費の節減合理化等による財源の確保に努めつつ、県単独事業を積極的に展開し、若者定住と過疎からの脱却を目標に一村一品運動など特色あるバランスのとれた地域づくり、長期的、総合的な施策の推進を行っているとのことでした。 福岡市は、人件費が政令指定都市中一番低く、市税収入も改善傾向で、高い市債比率も低下傾向にあります。そうした中で、開発キーワードを「海とアジアの拠点都市」に置き、空港、港湾整備のほか、水不足解消のため水資源開発の促進に特に力を入れているとのことでありました。 北九州市は、他の大都市と比べ素材型産業の構造転換中であること、人口が伸び悩んでいることなどで、市税の伸びが数%増にとどまっております。その中で活性化財源を捻出し、人的集積と立地条件を生かしつつ、リストラと再開発で起死回生を図るべく、「水辺と緑とふれあいの国際テクノロジー都市」の実現を月指しているとのことでした。 最後に、これら地方からの要望として、地域活性化推進のための各種インフラの整備、九州国立博物館の早期設置、空港の整備促進、東九州自動車道の建設、地方への公共投資の重点配分、第二国土軸構想の推進、大都市の税源の充実などがありました。また、大分県知事からは、多極分散と地方分権を推し進めるため「九州府」の設置による広域行政圏構想の提案などもありました。 以上で、第二班の報告を終わります。
○委員長(平井卓志君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 本日の審査はこの程度といたします。 次回は来る十日午前十時十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十三分散会