予算委員会 第10号
- 発言数
- 244 件
- 登壇者
- 35 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1991/03/25
会議録
○委員長(平井卓志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算、平成三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 前回に引き続き、総括質疑を行います。粟森喬君。
○粟森喬君 まず最初に、中山外務大臣に質問をいたします。 アメリカを訪問し、帰国されたばかりでございますが、湾岸戦争に絡んだ対日感情およびウルグアイ・ラウンドの見通し、さらにはアメリカの輸入自由化要求などについて報告を求めたいと思います。 報道によれば、アメリカ政府・議会の関心は、湾岸問題はもういい、ウルグアイ・ラウンドをどう進めるか、日本の姿勢が問われているとのことでございますが、外務大臣としてどのように状況掌握をしてきたのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 昨晩遅くに帰ってまいりましたが、アメリカにおきましてはブッシュ大統領、ベーカー国務長官あるいはチェイニー国防長官等とお目にかかり、総括して申し上げますと、日本の湾岸への貢献、これに対しては大変深い謝意を述べておられたことをはっきりと申し上げておきたいと思います。続いて議会の共和党、民主党の指導者とそれぞれお目にかかりましたけれども、あるいはまた下院の議長ともお目にかかりましたが、この三人の意見もいろいろとございましたけれども、私は率直に申し上げて、湾岸の問題よりも経済問題に米国の議会の関心は極めて高くなりつつあるということでございます。 なお、日本に対する評価はどうかというお尋ねでございました。私は率直に申し上げて、今回湾岸戦争においていろんな国がクウェートの国民のための、平和のための協力をやった。そういう中で、日本の立場、ドイツの立場、イタリーの立場、この三つの国の比較が非常に鮮やかに出てきたのではないか。御案内のように、ドイツは兵員にして二千七百七十名動員してトルコにまで、北大西洋の範囲内ですが、出しておりますし、艦艇を十七隻、航空機を十八機出したわけです。それで、多国籍軍の支援では日本が百十億ドル出したのに対してドイツは八十三・六億ドル出している。それから難民援助には千四百四十四万ドル出している。それから環境保全対策も船及び人を派遣している。さらには平和維持軍ができた場合には基本法を改正する用意があると、ここまで言っている。また、イタリーは多国籍軍に参加をしたわけです。 こういう中で、我々の国は憲法のもとで国民の意思というものが極めて大きく自衛隊の海外派遣に対しては反対するという気持ちが先回の国会でも出てまいったわけでありまして、それについて、日本は金は出してくれた、しかし目に見える協力というものがなかったことに対する頼りがいというものがどこまで一体日本にあるのか。私は、外務大臣として、国家というものがこれから国際社会で信頼を得ていくために、日本の国民はしっかりとこれから自分の国家のあるべき姿というものを皆で議論をして打ち立てるべき重要な時期になってまいったと考えております。
○粟森喬君 そのお金の問題でお尋ねしたいと思います。 外務大臣はナショナルプレスクラブの記者会見で、さきに行った九十億ドルの拠出がドル高で目減りした問題で、アメリカ側に不満があれば日米関係の中で解決への協議を行うと発言したと報じられています。この委員会で大蔵大臣は、その前の十億ドルを二回にわたって拠出したときも円建てで行った、目減りを云々される余地はないとの趣旨の答弁をしています。これと食い違っているのではないかと思いますので、答弁をお願いします。
○国務大臣(中山太郎君) ナショナルプレスクラブにおきます私の共同記者会見におきまして質問があったことは事実でございます。それで、目減り分についてどう思うのか、こういうお話でございましたから、私はそのときに、私の発言したとおりもう一度ここで申し上げます、誤解を避けるために。 この拠出については、日本政府は、年度末であったために、国に九十億ドルに相当する十分な予備費がなかったことは事実である。そういう意味で、いわゆる一般会計からの問題の圧縮、経費の圧縮、あるいはまた一部の増税、こういうものを踏まえて考えてみると、国民は一人頭大体百ドルぐらいの協力をしたことになる。日本の会計年度は、御案内のように、円建てでございましてドル建てではない。そういうことで、政府は一兆一千七百億円の国会での御審議をお願いして、それを湾岸協力基金に支払ったのである。そのいわゆる対象は、アメリカやイギリスを初め多国籍軍が対象であります、こういうことを申し上げてまいったわけでありまして、その目減り分については、私は、この問題についてはこれからさらに払うといったようなことは一切申しておりません。いろんな誤解があれば、日米関係は重要でございますから、お互いがよく理解できるように話し合いをすることが大事である、外務大臣としてはそのように申したわけであります。
○粟森喬君 経過の認識についてはいろいろあると思いますが、内閣の不統一というふうにとられてはまずいわけでございますから、総理大臣、これはドル高における目減り論は認めないという立場で明確な御答弁をお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) この問題は、最初に拠出しましたときも円建てで出しておりますし、そのときの状況と背景、今日の状況と背景、為替レートの差はございますけれども、国会でお願いしたのも一兆一千七百億円ということでございますし、それをGCCに払い込んでおるわけでありますから、そういった立場を日本側から誠意を持って説明をし伝えるべきであるという基本的な考え方は変わりございません。
○粟森喬君 以上で終わりまして、次に予算の問題について幾つか質問をしたいと思います。 まず、国民負担率に関して質問を申し上げたいと思います。 日本は第二次世界大戦以降、現在の平和憲法のもとで充実した福祉国家を目指してきたと思うわけでございます。ところで、厚生大臣、我が国の福祉水準は福祉先進国と言われるヨーロッパと比較してどの程度であると認識されておりますか、答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 比較の方法がいろいろあろうかと思います。例えば医療問題ということであれば、日本の医療の水準、これは極めて高い水準であろうと思います。アメリカと比較いたしましても、アメリカでは日本の水準までいっておりません。ところが、ヨーロッパでは医療の問題でかなり進んだイギリスその他がございます。したがいまして、一概にどちらの国が高いか低いかということを申し上げることは非常に困難だと思いますが、概括してお答えさせていただきます。 福祉社会のあり方は、ヨーロッパ諸国のような高福祉高負担の社会や、アメリカのように民間の自助努力を中心とした社会など幅広いあり方があります。我が国におきましては、年金や医療については国民皆保険、皆年金体制のもとで制度の充実が図られ、欧米諸国と比較しても遜色のない水準に達していると考えております。今後は二十一世紀の本格的な高齢化社会を明るく活力ある長寿福祉社会とするために、地域社会や家庭におけるお年寄りの介護に対する需要にこたえていくことが重要となっております。 介護サービスの水準を諸外国と比較することは、同居率等社会的な条件に違いがあることから極めて困難でありますけれども、我が国におきましては、平成元年十二月に策定いたしました高齢者保健福祉推進十カ年戦略に基づきまして、在宅、施設を通じる高齢者の保健福祉サービスの大幅な拡充に努めているところでございます。
○粟森喬君 ところで、大蔵省にお尋ねをしたいと思います。 平成三年度予算編成に当たりまして国民負担率は三八・九%に上がったというふうに聞いておりますが、最近五カ年間の推移を報告していただきたいと思います。
○政府委員(保田博君) お答えをいたします。 昭和六十二年度が三七・三%、六十三年度三八・二%、平成元年度が三八・七%、二年度三九・五、三年度三八・九でございます。
○粟森喬君 数字の見方について多少違いがございますが、いずれにしても、昭和六十三年三月に政府が作成した国民負担率に関する仮定試算、これは消費税導入の前に出された数字でございますが、これで見ますと、これからの国民負担率の推移について、大蔵省、説明をお願い申し上げたいと思います。
○政府委員(保田博君) 先ほど来御質問のございます国民負担率は、要するに租税負担と社会保障負担の合計ということでございます。今後この国民負担がいかに推移するかということは、空極的には国民が必要といたします公共支出の水準と裏腹をなすものでございます。したがいまして、受益と負担のバランスを眺めながら、そのときどきの情勢のもとで、高福祉を求めるならば高負担ということにならざるを得ないと。いずれにしましても、国民の選択によってこの国民負担の水準というものは基本的には定まっていくものであろうかと思います。ただ、将来を考えますと、これからの高齢化時代……
○粟森喬君 過去五年間を説明してください。
○政府委員(保田博君) 過去五年間の推移は先ほど申し上げたとおりでございますが、基本的にはやはり租税負担が、異常な景気、それからいわゆる三高二安といったようなことから法人の収益が非常によくなったこと、あるいはバブルの反映ということで土地高、株高といったようなことから租税負担が我々の考えていた以上に高くなったことによりまして、我々の想定よりかなり上回ったということは事実でございます。
○粟森喬君 大蔵大臣にお尋ねをしたいと思います。 仮定試算では、平成十二年度に租税負担率は二七から二七・五%というふうに明記してございます。平成二年度が二八・二%、実績見込みでございます。またことしの予算の平成三年度も二七・六%でございます。こうなりますと、仮定計算見通しよりも十年も早く、しかも一%程度既にオーバーをしているわけでございます。そうなりますと、租税負担率の今後について、少なくとも平成十二年までの間のことを考えますと、大蔵大臣としてどうお考えか、そのことについて答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 平成三年度の当初予算修正後におきます租税負担率は二七・六、今委員からも御指摘のあったところでありまして、これが昭和六十三年三月の仮定計算における昭和七十五年度、すなわち平成十二年度の推計値二七・一から二七・五を上回っているというのは委員御指摘のとおりです。これは仮定計算のベースになりました昭和六十三年度の当初予算における租税負担率二五・五、これが好景気による増収などによりまして実績では二七・五と既に二ポイント上回ったということが大きな原因だと思います。 しかし同時に、この仮定計算は将来の租税負担率というものにつきましてその時点その時点における現行制度というものを前提に、ですから今回の場合であるなら昭和六十三年度予算の計数というものを踏まえて、名目経済成長率と税収弾性値等について大胆な仮定を置きまして機械的に延ばしていくという性格のものです。しかし、現実の税収というものはそのときどきの経済情勢に大きく左右される、また常時税制改正というものが行われるわけでありますから、現行制度を前提として名目成長率あるいは弾性値によって機械的に将来の税収を推計するという手法に限界があることは、これは委員にも御理解がいただけると思うのであります。例えば昭和六十三年度から平成三年度というのをとってみますと、租税負担率が〇・一ポイントしか上昇していないということも、これは御注意をいただきたいということであります。 私どもから率直に申し上げますならば、租税負担と社会保障負担とを合わせた国民負担というものの今後のあり方というものは、究極的には国民が求められる公共支出の水準と表裏をなすものですから、受益と負担のバランスを眺めながらそのときどきの情勢のもとで国民的な選択が行われるべきものだと思います。これから先高齢化社会が進展しますにつれて、国民負担率が長期的にはある程度上昇していくことは避けられません。一方においては、第二次行革審の答申で「二十一世紀初頭の時点においては、国民負担率は四〇%台半ばをめどにその上昇を抑制すべきである。」という指摘を受けているわけでありますし、「高齢化のピーク時においても五〇%を下回ることを目標」という指摘をされているところでありまして、私どもとしてはこれらのことを踏まえながら、国及び地方の歳出のあり方というものを常に見直し、その規模をできるだけ抑制する、公債依存度の引き下げを図って、あわせて特例公債の早期償還を少しでも進めることによって公債残高の累増を抑制する、社会保障については受益と負担の公平ということを十分考えながら絶えず制度、施策の見直しを行う、こうした努力を重ねることによって、本格的な高齢化社会が到来いたします時点においても極力国民負担率の上昇を抑えていくように努力を続けるべきだと、そのように思っております。
○粟森喬君 最近の景気のよさで税収がふえたというふうに言っておられますが、それならば減税をするのが当然だと思うのでございます。きょうはそのことについて触れるつもりはございませんが。 ところで、大蔵大臣、平成十二年度までの租税負担率というのは、あくまで仮定試算であってもこのまま推移するのかしないのか、そこを明確にしていただきたいと思います。再答弁をお願いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) その間に税制改革が全く行われないということでありますならば、先ほど申し上げたような理由による数値というものは出すことは可能です。しかし、やはり税制というものも不断に見直しが行われていくべき性格のものでありますから、そういった要素を勘案いたしますとき、特定の数値を挙げてそれが神聖不可侵と申し上げるべきではないと私は思います。
○粟森喬君 税制改正が仮に行われたとしても、税を負担する国民負担率の絶対的数量というのは変わる性格ではないと思います。したがって、平成十二年度の租税負担率を単純に計算すると三三・二%になってしまうわけでございますが、このことについて、大蔵大臣としてそうはならないということを明確に申してください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今私の手元にそこまでの数字がありませんので、必要でありますなら事務方から補足をいたさせますけれども、私は、税制改正が行われれば、当然のことながら負担は変化すると思います。例えば、今国会私どもは地価税というものの御審議をいただいております。その地価税というものの裏腹には、これを増税目的とするのではなく、所得課税また歳出面における努力というものを要望されております。こうしたものの一方が仮に何かの形で動いたとするならば、計数は当然変化すると私は思います。
○粟森喬君 時間がございませんので、次に社会保障負担のことについてお尋ねをしたいと思います。 過去五年間の社会保障負担の推移を、これまた事務当局から報告をお願いします。
○政府委員(保田博君) 六十二年度が一〇・七、六十三年度が一〇・七、それから平成元年度が一〇・八、平成二年度、三年度が一一・三%というふうになっております。
○粟森喬君 政府の「社会保障の給付と負担の展望」という文書が六十三年の三月に出されています。これでは平成十二年度に一四%の社会保障の負担率になっていますが、この考え方はこれからも変わらないのかどうか、明確に答弁をお願いしたいと思います。厚生大臣。
○国務大臣(下条進一郎君) 国民負担率の中での社会保障の負担率の数字、ただいまの傾向は事務当局から御説明したとおりでございます。今後の高齢化社会で医療費の増高あるいはまた老人のいろいろな介護等々の問題がありますので、必然的にその負担は若干ながらふえていくであろう、そういう傾向は否めないと考えております。
○粟森喬君 一四%の社会保障負担率を変えないことは明確なんですね、厚生大臣。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 一つの試算でございますが、私たちといたしましては、なるべくふえないように今後努力は続けてまいりたいと考えております。
○粟森喬君 政府は、試算と言いながら変えないという約束をしないというのは、少なくともこれは国会なり国民に公表したものですから、もうちょっと明確にしていただきたいと思います。特に、先ほどの大蔵大臣の答弁でもありましたように、国民負担率は現在のヨーロッパ諸国の水準、おおむね五〇%前後よりかなり低位に抑制するということを述べております。また、四〇%半ばにも抑制すると言っています。このことについて、総理、見解はいかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 今大蔵大臣が申し上げました数字は、私たちが目指しておる社会の将来の姿かたちの中においてどの程度のところに国民の皆さんにそれぞれの負担を願うか、同時に、それに国の努力によってどの程度のところの社会保障の制度というものを目指しておるかということの一つの数値の結果でありまして、そういったことを目指して努力をしていきたいという決意の表明でございますから、それに向かって鋭意努力を続けていくということでございます。
○粟森喬君 これまで国民負担率を四〇%半ばに抑制するということについていろいろお聞きをしましたが、明確な答えをいただけなかったと思います。国民負担が不透明であるということは大変重要な問題だと思います。高齢化社会の福祉政策が中途半端に終わり、不安定で不透明、そして暮らしにくい高齢化社会になるのではないかという懸念がございます。大蔵大臣、いま一度、四〇%の半ばに抑制するための具体策をこの際お示しいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはどう御説明申し上げたら御理解がいただけるのでありましょう。 現在の仕組みそのものを全く見直さないままに、これは社会保障制度におきましてもまた税制におきましても、そのまま機械的に数字を延ばしていきますならば、大変な結果の数字が出てくることは委員がよく御理解のとおりであります。そのためにこそ、まず中長期的な、保健あるいは医療、福祉といったものの連携を図りました総合的な施策の推進というものを国は今図り続けております。厚生当局にも大変な御苦労をいただいておるわけであります。こうした努力を重ねていくことによりまして、いずれにしても租税負担と社会保障負担というものを合わせた国民負担のあり方、これは究極的に国民が、先ほど厚生大臣の述べられたお言葉をそのままに拝借しますならば、高福祉高負担の国というものでよろしいという御判断をされるか、あるいはアメリカのような仕組み、すなわち自己責任を中心にした仕組みに移行しろと言われるのか、その御判断によって大きく異なることであります。 私は、受益と負担のバランスというものを眺めながら国民がそのときそのときの情勢のもとで適切な選択をしてくださるものであると考えておりますが、国民負担がある程度高齢化社会の進展などに伴って上昇していくことを理解しつつ、我々は高齢化のピーク時における五〇%を下回る目標というものに向けて今後ともに全力を挙げて努力をしてまいりたい、繰り返して申し上げるわけであります。
○粟森喬君 次の質問に入ります。税収見積もりと経済見通しについてお尋ねをしたいと思います。 平成三年度の税収の伸びは六・五%、増加額は三兆七千六百八十億円で、過去三年間の伸び率一三%前後、増加額六から七兆円に比べて大変悪化する政府予算となっています。この見積もりは正確と承知してよろしいでしょうか、大蔵大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 毎年度の税収見込みをつくります段階では、その見積もり時点における政府経済見通しなどをもとにして、利用可能な資料の限界の中で最大限の努力を傾けてまいりました。過去におきまして、それが過小に振れるとき、あるいは過大に振れるとき、そのときどきにさまざまな御批判をちょうだいしてまいりました。平成三年度の税収見積もりにつきましても、私どもといたしましては、課税実績や政府経済見通しの諸指標などを基礎とし、個別の税目ごとに積み上げによって適切に見積もったものでありまして、私どもなりに全力を尽くしておるつもりでございます。 なお、三年度予算の税収の伸び率四・五%というものが二年度の補正後予算の伸び率七・七に比べて低いということが御指摘でありますならば、一つは、申告所得税におきまして土地の譲渡所得の減少が見込まれる、これを主因として三年度の申告所得税が減少すると思われること。また、源泉所得税につきましては、二年度におきましては、預金金利の引き上げの効果あるいは自由金利預金の急増などを反映いたしまして利子所得に係る源泉所得税の大幅な増加が見込まれた等のため高い伸び率を示しました。しかし、三年度におきましてはこれらの要因はもうほぼ一巡すると思われます。当然のことながら伸び率は鈍化するでありましょう。 また、消費税におきまして、二年度における消費税が、中間納付の制度上平年度に比べて膨らむ仕組みになっております。これは技術的な要因でありますけれども、これに伴いまして三年度の消費税の伸び率が鈍化すると見込まれていることなどによるものであります。
○粟森喬君 景気の見通しが大変厳しい‐中で税収の伸びがかなり厳しいということについては、基本的にはわかりますが、半分というのはどうしても納得できません。 まずそこで、質問したいと思います。税収に影響する経済動向は政府経済見通しではどうなっていますか、経済企画庁。
○政府委員(末木凰太郎君) 今年度、明年度にかけての経済見通しでございますが、結論を申しますと、今年度の経済成長率は当初四・〇%と想定しておりましたけれども、上方修正いたしまして実質五・二%程度と見ております。明年度は各主要な需要項目はおおむねスローダウンいたしまして、これに見合う数字が約三・八%程度という見通しでございます。
○粟森喬君 税収を立てるときには実質成長率ではなく名目成長率で税収の見込みを立てていると思うので、この辺のところについての見解をお願いします。
○政府委員(末木凰太郎君) 名目成長率につきましては、今年度の見通しは七・二%でございます。明年度は実質の鈍化と平衡しておりまして、五・五%程度と見ております。 〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕
○粟森喬君 いろいろな条件が税収に影響することは十分承知をしているつもりでございます。しかし、税収見積もりに大きな影響を与えるのは政府の経済見通しの正確さにあると思います。名目成長率が二年度より三年度は半分になるわけではないわけでございますが、税収が半分になる、ここが理解できません。説得力がないと思います。常識的に考えれば、三年度の名目成長率が間違っているか、または税収の半減が間違っているかのどちらかだと思います。大蔵省、税収見込みについてきちんとした説明をお願い申し上げたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、税収見積もりをいたします場合に一番の基本は名目成長率でございます。しかしながら、名目成長率だけでは必ずしも正確に税収見通しを立て得ない要素もございまして、先ほど大蔵大臣から申し上げましたように、例えば一つは申告所得税の中で非常に大きな部分を占めます譲渡所得税があるわけでございますが、土地の取引をお考えいただきますと、昨年秋ぐらいから急速に取引が少なくなってきているわけでございます。そういたしますと、平成二年度と比べまして、平成三年度の税収見通しを立てますときにはその土地取引が減ってきている、したがって申告所得税のうち譲渡所得税が減るであろうというようなことを考えなくてはいけないわけでございます。 それからもう一つ、例えば今回の平成二年度の補正で非常に大きな増を見込みましたのは源泉所得税の中の利子所得税なのでございますけれども、それは平成元年から二年にかけて利子が非常に高くなってきたという要因でございますが、これもほとんどこれからはそう高くなることはないだろうというような要素を考えなくてはいけません。 それからもう一つ、これは全く技術的な話で、御説明をしますとちょっと長くなるのでございますが、平成元年度が消費税の初年度であり平成二年度が二年目というその特殊性から、平成二年度からそのまますぐに平年度化されるわけじゃなくて、実は初年度のはね返りがありまして平成二年度の方が消費税の納付額が高く出る。本当の意味での平年度化というのは平成三年度からになるという要素がございまして、そのような点は名目成長率等とかかわりなく税収に大きな影響を与えるわけでございます。 それらを勘案いたしまして税収見積もりをいたしておりまして、したがいまして、平成二年度補正予算の平成元年度決算に対する比率が七・七%の増でございますが、それに対しまして平成二年度補正後予算額に対します三年度予算の税収の見込み額が四・五%と、半分ではございませんけれども、かなり低目に出ている。そこは委員御指摘のとおりでございますが、ただいま申し上げましたような各般の事情、税収実績等々比べまして個別に積み上げてまいった結果がそうなっているわけでございます。
○粟森喬君 政府から出されました租税及び印紙収入予算の説明を見ましても、どうも今の点で納得できないところが幾つかございます。一つの例でございますが、法人税の指数が生産指数で言いますと一〇四から一〇五にふえています。それにもかかわらず申告見込み額が減っているのはなぜなのか。酒税の伸び率が四・四%でございます。これは予算の説明の中からは理解できません。これらの税目の伸びなどについて、いま一度明確な説明をお願い申し上げたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 昭和六十一年、二年、三年あたりにかけまして三高二安というようなことが言われました。円高でございますとか土地高、株高、そういう影響、それから石油が安い、金利が安い、そういうことで法人税収が非常に伸びたわけでございます。しかしながら、バブル現象というのは必ずしもいい表現ではないのかもしれませんけれども、いわば経済の実態と離れたそのような要因によりまして法人税収がふえていったという要因、それがなくなってまいりまして、現在の株価の状況等を御勘案いただければそこはおわかりいただけることと存じますが、平成二年におきましても法人税収につきましては実は減額補正をしているわけでございます。 〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕 そういう傾向を見まして平成三年の法人税収の見積もり、これも大企業からの聞き取りその他によりまして見積もりを立てているわけでございます。 酒税につきまして、これは最近の税収の実績、消費の動向等から推計をいたしている次第でございます。
○粟森喬君 もっと租税及び印紙収入予算の説明を理解できるものに改善することを要請しておきます。 次の質問に入りたいと思います。 私は、この数年続いた税収の過小見積もりは是正されていないのではないかという懸念を持っています。財政当局は、経済、景気の減速状況を理由にして税収を低目の三兆七千五百八十億円増にしたのではないかというふうに懸念をしています。大蔵大臣、答弁願います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本院におきましても、過去何回か同趣旨の御質問にお答えをしてまいりました。私どもとしては、過小にも過大にも見積もり誤りを起こすということは決して自慢のできることではございません。使える限りの指標を使い、我々としてできる限り正確なものを算出しておる、そのように心得ております。
○粟森喬君 財政当局の立場だけ考えますと、年度途中に何が起こるかわからない、補正財源もうまく準備したい、このような気持ちはわかりますが、この数年のように、当初予算で税収を低く見積もって補正段階と決算段階で重要な政策経費を計上するのは財政民主主義とは両立いたしません。三年度の税収はこの反省を込めた見積もりとすべきだったと思います。この意味で総理大臣の答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変恐縮でありますが、これは総理がお答えをされる性格ではなく私の責任でお答えすべきことである、こう思います。 過去におきまして、歳入欠陥を生じ非常に厳しい御批判を浴びたこともありました。また過剰な、といいますよりも、結果的に過小な見積もりでありましたために過大な余剰を生じたこともございました。いずれも財政当局としてそれを意図して試算をいたしたものではございません。平成三年度におきましても、我々としては、繰り返し申し上げておりますように、現時点において使用できる最良の指標を使い、最善の努力をして数字はお示しをいたしておるつもりであります。
○粟森喬君 正確な財政情報を国民及び納税者に知らせることが財政民主主義の基本だということを申し上げておきます。 ところで、平成二年度の税収見積もりについてもお尋ねをしたいと思います。補正以降の税収見通しが、税収の一%は誤差のうちと言われる誤差の範囲におさまると考えられますか、どうですか。
○政府委員(尾崎護君) 私どもといたしましては、与えられた資料を精いっぱい検討いたしまして、また関係法人等からの聞き取り調査等も加味いたしまして見積もりをいたしたところでございます。まだ今までのところ、御承知のとおり三月末決算の法人が非常に多いということもございます。消費税もその辺に偏っているというところもございまして確たる見通しはつけがたい状況でございますけれども、私どもの見通しが正確な結果となりますことを願っているところでございます。
○粟森喬君 私どもが計算をしても、法人税が現状のままでも、最終的に一兆円近い税金が政府見込みを上回って入ってくると見ております。税金の正確な見積もりは財政運営の出発点だと思います。大蔵省は見積もり手法の改善に努めること、見積もり手法が国会はもちろん納税者に理解できるよう改善することを要望して、次の質問に移ります。 地価税について申し上げます。 総理は施政方針演説で土地神話の打破を公約されましたが、今回の地価税で土地神話は打破できますか。大都市周辺の勤労者のマイホームは実現できると思いますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 率直に申し上げますけれども、地価税だけで土地神話が打破できるというふうにはなかなか考えられないことであって、税制も、それからその他のものも施策を全部総合的に考えて、そして土地神話を打破していきたいということを言っておるわけでありますから、この地価税というものがその方向に向かって効力を発揮するものであるということを強く期待しながら審議をお願いしておるところでございますが、他の政策努力もあわせて行っていくということは当然のことでございます。
○粟森喬君 重ねて総理にお尋ねを申し上げたいと思います。 この地価税法案に対して、総理任命の政府税調委員から全くの期待外れという批判があります。それでも地価税は地価対策の主要な柱になるというふうにお考えでしょうか。この内容は、幾つかの税率の面、基礎控除額で変更があったことを指していると考えますが、総理の答弁をお願い申し上げます。
○国務大臣(海部俊樹君) 地価税というものは新たに国税として負担をお願いする。それは、我が国経済に与える影響や個々の納税者に対する負担に配慮するという観点もあわせて総合的に勘案したことはそのとおりでありますけれども、土地の資産としての有利性を縮減する、そういう観点、そしてまた今おっしゃったように、土地神話というものに対しては、税制と金融融資の方の適切な配慮と土地の有効利用、土地計画の問題、こういったものを総合的に組み合わせてやっていこうとするものでありますから、まずこういったものを用意したということにどうか努力の跡をお認めいただきたいと思います。
○粟森喬君 大蔵大臣にお尋ね申し上げます。 今度の地価税の導入に当たって、地価税の税収を目的税までとは言いませんが、その使途を土地、住宅政策の充実に充て、地価高騰の最大の被害者である家の持てない人へ土地、住宅の提供もしくは低家賃の賃貸住宅の提供に充てることを明確にした枠組み、構想を平成四年度予算提案時期までに提出していただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 地価税の税収について、その使途につきましては、先ほど委員も御引用になりましたけれども、税制調査会の土地税制についての基本答申の中で、増収を目的とするものではない、新税を創設する際には所得課税の減税とあわせて検討することが適当、なお新税の税収について、その一部は、所得課税の減税とあわせ土地対策等に資するという観点から歳出を通じ国民生活に還元することが適当ではないかという御意見、こうしたものが出されております。また、三年度の税制改正に関する答申の中で、答申の基本的な方向に沿いながら、平成四年度の税制改正、予算編成時までに検討すべきという提言がなされておりまして、私どもは税制調査会の答申を踏まえて適切に対処していきたいと今考えております。
○粟森喬君 総理、しつこいようですが、もう一度お伺いしておきます。 総理は施政方針演説で、土地問題は内政上の最重要課題というふうに位置づけると言っています。地価税の成立に不退転の決意を述べられたと理解をしていますが、法案が不成立とか審議未了ということになれば当然重大な政治責任が生ずるものと受けとめておきますが、総理の見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 最重要課題と考えておりますので、政府といたしましては鋭意努力をして地価税法案を取りまとめて国会に提出して審議をお願いしておるわけでありますから、どうか御審議をいただいて、この税制の果たすであろう役割について高い次元の御論議をいただき、ぜひ成立に御理解と協力を賜りたい、このことを心からお願い申し上げておきます。
○粟森喬君 老人保健問題に移らせていただきたいと思います。 老人保健法の改正で外来を八百円から千円にアップする、入院を四百円から八百円にアップすることになっていますが、これによりお年寄りの本人負担は幾らふえ、政府の総額としての見通しはどうなっているか、それをまずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 今回の老人保健法の改正は、骨格は、通院の場合は八百円を千円に、それから入院の場合は四百円を八百円に、それからまた、従来四、五年たったところで見直しております、これを今後は自動的に法制化した上でのスライド制を導入するということになっております。ただ、所得の低い方に対しましての特別措置、すなわち三百円というあの措置は今後も引き続き継続する、これが骨子でございます。 問題は、最後のところの負担の問題をお尋ねでございますけれども、全体で申し上げますと、一部負担のところでマイナスが立ちますのが千百八十億円、それでその内訳で、国の分のマイナスが二百四十億円、地方の負担が減りますのが百二十億円、それから被用者保険、若い方々が負担していらっしゃいます部分の負担が減りますのが五百三十億円、それから国民健康保険の方で負担が減りますのが二百九十億円、こういうことになるわけでございます。 問題は、そのほかに老人保健基盤安定化措置として一千億を別に出しておりますので、そこらを勘案して、まあほどほどの負担になるであろう、このように考えておるわけでございます。
○粟森喬君 今厚生大臣から全体の説明があったわけでございますが、私どもの理解では、公費負担の純増加分は二百六十億円、地方で百三十億円の負担でございます。これは、患者のお年寄りの人が一千百八十億円も負担がふえるのにこの金額は少ないという意見が大変ございます。わずかな年金と蓄えしかないお年寄りに対して負担を押しつけるやり方だというふうに理解をされてしまいます。公費負担をもっと多くふやすことはできなかったのか、厚生大臣にこの点について再答弁をお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) 全体的な形をひとつ御説明させていただきたいと思いますけれども、高齢者が年々とふえておりまして、あと十年もすれば大変な形になる。一番新しい資料では現在高齢者が一〇一・七%ということでありますが、これがどんどんふえておるということでありますし、医療の水準も高くなっております。数がふえ、かつ単価がまたふえるということでありますから、総合をいたしました医療費のふえるというテンポはかなり進んでおることはお察しいただけると思います。その負担がまた若手の方の肩にかかってくるということでありますので、総合的な負担のバランスを考えていくという、お年寄りと若手のバランスを考えるということも必要であると思いますし、そのほか、病院で負担される場合と、それからある程度経過がよくなりまして後、施設の方に移行された場合の負担、このバランスもまた考えていかなきゃならないということでありますので、それらを総合いたしまして、私の方で先ほど御説明いたしましたような形でぜひ御理解をしていただきたいということでございます。
○粟森喬君 この改正はどう考えてもお年寄り本人に対する負担がふえるやり方でございます。さらに、今回スライド制を導入し、この部分について五%相当分を定着させようという考え方でございますが、なぜこのような考え方になったのか、その見解について述べてください。
○国務大臣(下条進一郎君) 今、前の答弁の中で御説明いたしましたように、医療費の非常にふえていくという傾向が人数の問題とそれから単価当たりの高額医療の問題と両方出ておりまして、例えば全体の医療費の伸びが四、五%といたしました場合には、老人医療費の伸びが六%から七%、最近のテンタティブな数字で見ましても七%を超えているという数字も出ております。したがいまして、そういう中である程度のいろいろな調整を図るという観点から今度のスライド制をぜひ導入させていただきたい、こう考えたわけでございます。 ただその場合に、全体の中で人数がふえたために医療費がふえた分を反映するということではなくして、一人当たりの医療費の伸びにスライドさせるということにさせていただいているわけでございます。それでひとつ御理解をいただきたい。お願いいたします。
○粟森喬君 スライド制が導入された場合、お年寄りの所得は老人医療費の負担増をカバーする保障は何もありません。例えば年金生活の場合を考えてください。年金は物価スライドでございます。これではお年寄りに生活費を切り詰めて医療費を払えと言っているのと同じでございます。そうでなければ、医者に行くのをあきらめなさいと遠回しに言っていることになります。厚生大臣、これで老人の福祉が重視をされたというふうに言えるのでしょうか。改めて答弁をお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) やはり全体の姿の中で比較をして考えていただきたいということをお願いしたいと思います。今のように、医療費の問題、これは例えば今度の改正によりましても、個人の負担は従来のおよそ三%ぐらいのものが五%になるということでございます。それで、一般の医療費は自己負担は約一割でございます。家族の場合が二割ということでございますので、五%ぐらいは御負担していただいてどうかなということでございます。 それから一方の、おっしゃいますところの年金の方、いわゆるお年寄りの収入の面のお話でございますけれども、年金の方もスライド制をとっております上に、四、五年たったところでもう一回スライドにプラスしたある調整も図っております。そういったことを考えますと、ほどほどの改正ではなかろうか、特別にそう強い負担をお願いすることに相ならないのではないか、こう考えておるわけでございます。
○粟森喬君 今厚生大臣が言われたんですが、年金生活者の収入と一般の人と同じレベルで問題を考えるということはやっぱりかなり問題があると思います。特に、お年寄りが例えば同居の場合でも、結局それは世帯主といいますか、若い息子さんなら息子さんの負担にかかってしまう。今回のようなやり方は、政府の高齢者対策といいますか、そういうものの一つの矛盾のあらわれというふうに私は思うわけでございます。そういう意味で、厚生大臣、所得とやっぱりここは違うということを明確にしておきたいと思います。 基本的なことで申し上げたいと思いますが、この入院費や外来費を患者に持たせるというやり方は社会保障政策の基本にかかわる問題でございます。国の負担は減少できますけれども、本来福祉社会の中ではその人の費用は公費負担が原則でございます。個人負担にしわ寄せをやって社会保障政策を守るということは、これはできないのではないかというふうに思います。総理大臣、憲法二十五条に福祉の問題が書いてありますが、このような社会福祉政策の基本にかかわる問題について果たしてこれでいいのかどうか、大臣の答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 社会全体においてすべての人の幸せを確保していかなきゃならぬという考え方に立って私どもは物事を見ておるわけでありますけれども、やはり老人医療費全体に占める一部負担の割合が逐年低下をして、若人の負担が自動的に増加するというのも一つの問題であり、同時にまた、老人医療費に占める一部負担の水準を維持して将来にわたってお年寄りと若い人の間の負担の適正化を考えていく、負担の公平が確保されなければならない、こういう視点もございますので一部負担の額を改定するということに相なったわけであります。 こうしたことを通じてやはりこういった老人保健制度の長期的な安定を目指すものでありますし、また公費負担の増大もこの際三割から五割と処置をしておることもこれは政府側の考え方のあらわれでありますから、こういったことを総合的に御判断いただいて、一部負担の問題につきましては確かに御指摘の点もあろうかと思いますが、これは今日の社会体制の中でどうか御理解をいただきたい。健全な仕組みを守っていきたいという考え方に立ったお願いでございます。
○粟森喬君 そこで、大蔵大臣と厚生大臣にもう一度お尋ねをしたいと思います。 先ほど国民負担率の問題でわざわざ申し上げたのは、国民負担率の範疇で社会保障費を払わなければならないのを患者やその家族に押しつけるというやり方は、国民負担率を結果として抑制してもこれは本末転倒になるのではないか、こういうふうに考えておるわけです。したがって、国民負担率が物差しとして意味を持つためには、社会保障政策の本人負担の部分との関係を明確にしなければならぬと思います。そういう意味で、大蔵大臣と厚生大臣、この二つの関係のあり方について今後どうするのか、明確な答弁をお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 国民負担率は、委員御承知のように、租税負担率と社会保障費の負担率ということでございますから、それは福祉国家あるいは充実した経済体制を整えていくという観点からいえば、答申が出ておりますように、若干ながらふえていくという傾向が避けられないということでございますが、これは当面は両方合わせて四〇%の中ごろにとどめていくということで我々は努力しているということでございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどから御論議になっております老人保健制度の見直しに関連して申し上げますならば、委員の方からもまた厚生大臣の方からもお触れになっておりませんでした数字を一つつけ加えさせていただきたいと思います。あるいは触れられたかもしれませんが、私が気がつかなかったのかもしれません。 今回の老人保健制度の見直しの効果、直接効果というのかどうかよくわかりません。例えば健保組合あるいは共済組合の拠出金の軽減というものを被保険者一人当たりに直してみますと、年六千六百円の減になります。また、これを国保の拠出金の軽減で見ますと、一世帯当たり三千四百円ということになります。一方ではこれだけ家計の負担が減っているということであります。 いずれにいたしましても、租税負担と社会保障負担、これを合わせました国民負担の今後のあり方というものは、今の御論議からそのまま申しましても、やはり私は究極的には国民がどちらを選択されるかというその選択の問題であろうと考えております。政府としてはその点にバランスをとった考え方を今御審議いただいておる、そのように考えております。
○粟森喬君 ここで質疑を中断しまして、外交問題について同僚の新坂議員から関連質問を申し上げます。
○委員長(平井卓志君) 関連質疑を許します。新坂一雄君。
○新坂一雄君 連合参議院の新坂でございます。私は若干の時間をいただきまして、外交問題、特にこれからの中心テーマになります軍縮外交について若干の質問をしてみたいというふうに考えております。 国際情勢は、これはよく言われることですけれども、ヤルタ体制からマルタ体制に変わったということで、去年行われた米ソ首脳会談に見られるとおり、冷戦構造が終結して対立から協調へ動いている、大きな枠の流れとしてはそういうふうに動いていると思います。したがって、軍事力によるいわゆる平和維持というのではなくて、やはり話し合いによる政治的な解決というのが基本的に流れていることだと思っております。そういう観点から日本への期待が、もちろん経済的な期待もあることはさりながら、非常に高まっているということが基本背景として流れているんじゃないかというふうに考えております。 そうした中で、一方技術革新によりまして情報化、国際化が進んでおります。こういうことを考えますと、各国の国民はやはり地球市民である、各国の国民が共通の基盤の上に地球市民としてこれからの共通テーマを考えていかなくてはならないのではないかというふうに考えております。そういうことで、共存共栄ということを地球市民のレベルでも考えていかなければいけないんじゃないかというふうに考えております。 この際日本は、こういう時代であるからこそ、国是であります平和国家としてのイメージをどうやって構築していくか、こういう平和戦略のイメージ、平和国家としてのイメージ戦略を今こそ官民挙げて築き上げていくべきではないかというふうに思っておりますが、まずこの認識について、総理大臣の見解を伺いたいと思っております。
○国務大臣(海部俊樹君) 御質問の御趣旨のように、日本国憲法が、平和国家であり、そして国際協調主義の中で正義と秩序を基調とした国際平和を誠実に希求していこうとしておることは、私もそのとおりと思っております。 ただ、具体的に現実の問題に当てはめてみますと、冷戦構造の発想を乗り越えて地球市民としてみんなが希望を持ったにかかわらず、現実にイラクのクウェートの侵略、併合というような現実が起こる地球でありますから、こういったものを起こらないようにしていくためにはどうしなきゃならぬかということから考えますと、やはりおっしゃるように、一つの平和をつくり上げていく機構としての国連をもっともっと機能を強化していく、同時に、力によって他国を侵略することは絶対に許さない、イラクのあの行為をもって歴史の上で侵略は終わりにしなきゃならぬという、そういった共通の認識をもっともっと広く打ち立てていく必要があるということは、私もそのように考えます。異存はございません。
○新坂一雄君 外務大臣に承りますが、日ごろ強烈な外圧といいますか、強烈な圧力を背中に受けていることと思います。こういうところで日夜かじ取りをされておるというのは大変なことだと思いますけれども、いわゆる日本としての主体性を持って、平和国家としてのイメージを外国にアピールしていくという姿勢は常に大切だろうと思っております。 それで、一つここに気がかりなのは、外務省から出しておられる「国連と日本」というパンフレットがございます。これによりますと、例えば「軍縮交渉に対する日本の立場は、どうなっていますか。」というクエスチョン・アンサーがありまして、その答えとして「核、非核両分野での軍縮の促進を強く訴えてきています。」というようなパンフレットの文章がございますけれども、実際にはなお書きで、核均衡論、抑止論によってなかなか難しいというようなことも書いております。しかし、これでいきますと、訴えているけれども難しいんじゃなくて、なお訴えていかなきゃならないという立場にさらに突っ込んでいった形のPRをしていかなくちゃいけないと思っております。 そういう意味で言いますと、唯一の被爆国でもあるし、日本の今の憲法の条項にもございましたけれども、やはりアイデンティティーを捨てずに、基本は基本として訴えていく姿勢が一番大切だと思いますが、外務大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(中山太郎君) 委員のお説のとおりであろうと私は思います。 率直に申し上げて、私は今回アメリカへ参りましたときに、昨日ですか、ニューヨークでデクエヤル国連事務総長と約四十分いろいろお話をいたしてまいりました。日本が考えている平和国家としての考え、それは核兵器あるいは生物兵器、化学兵器の禁止、このために世界が結束して努力すべきであると、また化学兵器の禁止条約の早期締結についても主張してまいりました。 しかし一方、国際社会の中で、みずからの国を防衛するために兵器を持たなければならないという一つの国家としての安全保障の原則がございます。そういう中で米ソとも核兵器の削減交渉が進んでおりますし、ヨーロッパでも通常兵器も含めて兵器の削減、この問題の話し合いが急速に進んでいることは歓迎すべきことであろうと思います。私が国連事務総長に対して申しましたことは、いわゆる国連安全保障理事会の常任理事国、この五カ国が兵器を輸出しているのは全兵器輸出量の八五%に当たっている、これについても国連としては十分努力をすべきであるということを実は昨日ニューヨークで言ってきたばかりでございます。
○新坂一雄君 軍縮の決議によって見られる我が国の外交姿勢について、一九六〇年代までは、よく言われていることですけれども、軍縮についての提案国になって非常に積極的に提案をしてきた。それが七〇年代になって提案国が共産圏あるいは非同盟国になると、留保条件、核抑止論、あるいは宣伝ではないかというような立場から棄権の方に回ってきた。これが八〇年代になると反対というふうになって、平和国家としてのイメージがこの決議によっても何か変わってきたのではないか。国民世論の平和を願う気持ちと、実際に国連外交の決議の賛否の場で、一見バランスが非常にちぐはぐに見えるのじゃないかというようなことがよく言われております。 それで、冒頭申しましたように、対話の時代になりつつあるというときに、これから日本が国連の場でしっかりとアイデンティティーを踏まえて平和国家としてのイメージをつくり上げていくという姿勢はさらに必要ではないかということでございます。今まで手詰まりの状態でそういうふうなことでございましたけれども、やはりこれからの日本の軍縮ということは特に大切だと思っております。 したがいまして、今外務省の軍縮を扱っているセクションというのは国連局軍縮課という課が扱っているようでございますけれども、私はこの際、軍縮課というのは余りにも小さ過ぎるので、例えば戦略として軍縮庁にすべきではないか。いわゆる課としてではなくて外務省の軍縮庁という一つの大きな看板を掲げまして、これを国連の代表が持っていくということが、世界に日本の立場が看板としてもわかるし中身もわかるということで、軍縮国家即平和国家というイメージが伝わるような形で、目に見える形で持っていってほしいなと思います。もし、これは軍縮庁にすべきでない、行革の今の流れから見ると反するのではないかというのなら、せめて国連軍縮局というような、課から局に格上げさせてもいいくらい、これが最大の日本が歩んでいく道の姿勢ではないかと思いますが、総理大臣か外務大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(中山太郎君) 日本の国連における姿勢が問われているというお話でございます。 一例を申し上げますと、昨年の第四十五回国連総会では十八本の核軍縮関連決議が提出されておりまして、日本はそのうち三本について共同提案国となっております。これを含めて十本の決議に賛成をいたしておりまして、非常に積極的に対応していると私は考えております。 なお、この五月二十日から二十七日ぐらいの間、つまり五月の下旬に京都におきまして国連の軍縮会議というものを日本の主催で行う、そしてここには現在二十カ国、九十名の方々の出席の登録が行われておるということもこの機会に御紹介をしておきたいと思いますし、軍縮局にするかどうかということは、私、委員の御意見として承って、参考にさせていただきたいと思います。
○新坂一雄君 一方で、今我が国の外交の基本柱として、日米基軸あるいは国連中心、もう一つ忘れがちなのはアジア外交だと思います。幾ら国連で我が国が声を高らかに唱えてみても、アジアから、私たちの仲間であるのか、あるいは私たちの信頼に基づいての発言であるかどうか、その発言が力があるかどうかにかかってくると思っております。 それで一つ、最近モンゴルから緊急援助、食糧援助などを含めまして援助が要請されておりましたが、聞くところによりますと、大蔵省の金庫が空っぽで飛行機代の五百万円が出なかったということで、貨物船で運んでいるというふうなことでございます。一カ月余りかかってしまうということでございますけれども、このモンゴルについての援助内容あるいは今後の援助方針はいかがでございましょうか。
○政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。 モンゴル政府からの要請に基づきまして以下の物資を援助することにいたしました。小麦粉、精米、砂糖、粉ミルク各五トンでございます。そのほかに缶詰あるいは即席ラーメン等もございます。ただ、これらは民間の方々のご好意に甘えたものでございまして、取りまとめには例えば土屋参議院議長等のお力も得たわけでございます。 そこで、政府といたしましてはせめて輸送費だけでも御負担申し上げたいということでございまして、ただいまお話しの、どのようにして先方に送達するかという問題に直面いたしました。チャーター機によるか、通常の航空路によるか、あるいは船、鉄道によるかということを検討いたしましたけれども、チャーター機による場合には大変に資金的な負担がかかりますのでこれを除外いたしまして、通常の航空路によるか船によるかということでございますが、通常の航空路の場合は、あるいは先生御案内かもしれませんけれども、北京経由になりますと週に一回しかウランバートルに入っておりませんので、結局、そういたしますと、かかる日数等を比較いたしましても、船と鉄道による場合も一カ月、通常の航空路による場合も一カ月以上かかるということで、より経費の少ない船と鉄道によることにいたしました。ただいまお話がありましたように、約一カ月の日数がかかるわけでございます。
○新坂一雄君 引き続きアジア各国に対しては、それこそ総理の言う人道的立場という食糧緊急援助でございますから、今後もできるだけ配慮していただきたいなということを考えております。 次でございますが、国際化の中でスポーツ交流が一つございます。 文部大臣に伺いますが、今月、高野連では外国人学校の軟式・硬式野球の公式試合を認めました。大変快挙であったと思っております。そのほかのスポーツ試合にも参加できるよう、文部省が高体連に呼びかけてさらに交流を促すような方針をとれるかどうか。前の保利文部大臣だったと思いますが、去年の暮れ前向きな発言をされております。日本に居住する外国人との内なる国際化ということが大変大切だと思いますが、いかがなものでございましょうか。
○国務大臣(井上裕君) お答えいたします。 文部省は従来から、各団体が主催いたします大会の参加につきましては、時代の流れを踏まえつつ各団体において実質的にみずから判断をしてやるべきだ、そう考えているところであります。
○新坂一雄君 一人一人が外交官時代といいますが、親善交流の立場もありますし、あるいは同じ世代の一つのスポーツの祭典という立場もございます。そういう時代の流れを勘案して、ぜひ相談の機会がありましたらそういう立場を強く訴えていただきたいというふうに要望しておきます。 もう一つは、姉妹外交というのがございますが、やはり市民が草の根交流をするについて一番大切なことでございます。各都市においても姉妹都市交流というのは非常に進んでおります。それからもう一つは、非核宣言都市というのがございます。これもかなり、自治体の半分近くが非核宣言をしております。こういったところをドッキングしまして、やはり平和の大切さということを外国人との姉妹交流を通じて訴えていく必要があるのではないかというふうに思っております。 自治大臣に伺いますが、これについての例えば補助金とかの援助はやり得るのかどうかということをひとつ質問したいと思います。
○国務大臣(吹田愰君) 外務大臣も関係があるんですけれども、私がここまでもう出てきましたから、自治大臣として、姉妹都市の問題ですからこれも私の方に関係がありますから、お答えをさせていただきたいと思います。 地方公共団体が地域の住民あるいは民間団体と連携をとりまして地域レベルでの国際交流というのは非常にいいことであるし、大事な問題である。これからは、国と国との外交も大切ですけれども、それぞれの国の国民団体あるいは地方公共団体的組織において人間関係を結んでいくということは、理解と協力を深める上において非常に大事なことであるということで、自治省としましても、これに対しましてはできるだけの促進方について奨励をしておるわけであります。 しかしながら、あくまでも地方公共団体は地方公共団体でありまして、我々がこうすべきであるとかああいうふうにすべきであるとかというようなことを、一々はしの上げおろしを申し上げるというような立場にありませんから、その点はそれぞれの団体にある程度の自主性、主体性を持たせておるわけでありますが、特に地域レベルの問題につきましては、相互間の促進をするために文化とか経済交流、こういったような面の幅広い分野での協力関係を言っておるわけであります。 そうして、特にこれにつきましては、今財政的な問題がお話がありましたのと、非核三原則に伴う核兵器廃絶の宣言の問題についてのお話がありましたが、これにつきましては、昨年の七月現在で千五百七十二地方公共団体が宣言をいたしております。これはあくまでも核兵器の廃絶ということを基本に置いた世界の恒久平和というものを願う宣言でありまして、私どもも極めて意義の深いものであると思っておりますし、補助金というものは出しておりませんが、交付税でこういった姉妹都市関係の促進をしております問題につきましては協力しておるわけであります。 ただ、手違いを起こしてはならないことは、外交問題に我々の公共団体がタッチするということは、二元外交と申しますか多極外交と申しますか、そういったことになってはなりませんものですから、そこだけはきちっとけじめをつけながら事を進めていかなきゃならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。
○新坂一雄君 平和国家のイメージをつくるために、ひとつ外務省という国家機関の外交だけでなくて今やはり草の根外交という時代になっているのではないかということで、平和国家としてのイメージ戦略を朝野挙げていこうという意味での質問でございます。 それから、最後になりますが、一つ気になりますのは、アメリカ国防長官がABCテレビのインタビュー番組の中で、いわゆる原爆の投下は正しかったというような発言をしております。トルーマン大統領の広島原爆投下は、戦争の犠牲者を少ない数に食いとめて勝利するための唯一の手段であり、正しい判断だったというような指摘をしております。被爆国家としてなお原爆の後遺症に悩んでいる人も多い現在、やはりこういう言葉が公式の立場で発言されるということに対して、いかがかというようなことを私は感じております。最後になりますが、総理大臣の見解を願いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) チェイニー長官がどのような文脈の中でそういった発言をされたか、詳細が具体的に明らかではありませんけれども、報道されたところによりますと、特に今次の湾岸戦争の事態に対する問題について通常兵器だけで勝利する自信があることを表明したものであるというふうにされておりますが、いずれにしろ、アメリカは核兵器に対しては、既に米ソ中距離核戦力条約の締結とか現在の米ソ戦略兵器削減交渉の実施などいろいろな実効的な核軍備管理、核軍縮に積極的に取り組んでおるわけであります。 また、核は究極の目的としては廃絶をしなきゃならぬ、当面は移転をしてはならない、またそれを持っておると言われる国はそれに対する国際的な査察保証も受けるべきであるということは我が国は強く述べておるところでありますし、また今年の五月に軍縮・軍備管理に関する国際会議を、私が提案をして、国連の議論につなげていく場として京都で行うようにしておるということも、まさにそういった問題について、日本が積極的に世界に向かって核の問題についての意見も述べていきたい、こう思っておるところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) チェイニー国防長官がどのような発言をされたか私は確認をしておりませんけれども、今委員の御指摘のような言葉を聞きますと、我々の広島、長崎の原子爆弾による被爆というものは、我々の民族だけが体験した大変な、人類史上特筆すべき悲惨な姿であったと思います。そのようなことが二度とこの地球上に起こらないように、日本政府は国際社会において今後とも一層努力を続けていかなければならない、このように考えております。
○新坂一雄君 これは調べていただいたら明らかなんですが、公式発言をしております。これに対してやはり政府として、チェックという言葉がいいか悪いかわかりませんけれども、これは困るんだとか遺憾であるとかという態度をしっかり表明していかないと、これは日米外交の基軸であるがゆえに、今中山大臣のおっしゃったような言葉を体して、少しおかしいではないかとか、これは困るというようなことを言ってほしいという立場からの発言でございますので、ひとつもう一回確認したいと思いますが、再答弁願います。
○国務大臣(中山太郎君) 私、今のお話を聞きながら、前の第二次世界大戦のあの激しい戦いの中で行われた原子爆弾の開発とそれを実施するということは、その戦争を終わらせるという一つの戦争の間の行為として、私は、それはアメリカ側にそういうふうな意見があろうかとも思いますけれども、それを受けた我々の国家としては、このようなことが極めて長期間、しかも莫大な人たちがその放射能の被曝によって亡くなられ、傷つき、今日もなお悩んでおられるという国家としては、これからこのようなことはないように、また、そのような発言があったかどうか私はもう一回自身で確認をいたしますけれども、慎重に発言をしてもらうように米国政府には伝えたいと思っております。
○新坂一雄君 終わります。
○委員長(平井卓志君) 粟森君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時二十九分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(平井卓志君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算、平成三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、粟森喬君の質疑を行います。粟森君。
○粟森喬君 福祉問題として、障害者、老人福祉、介護のあり方などについて質問します。 まず、一九八三年、国際障害者年の基本理念としての「完全参加と平等」を受けて、国連障害者の十年が始まりました。この十年もいよいよ残すところあと一年余りでございます。政府も総理を本部長として昭和五十七年に障害者対策推進本部を設置しました。 そこで、お尋ねしますが、昭和五十七年から平成二年度までの九年間で、障害者対策の関係予算の推移、伸び率及び特徴的な施策はどうなっていすか、お答えください。
○政府委員(文田久雄君) お答え申し上げます。 障害者対策に関する長期計画の初年度に当たります昭和五十七年度から平成二年度までの九年間の厚生省を初めとします関係各省庁の障害者対策関係予算の総額は、十五兆三千九百十七億円となっております。また、昭和五十七年度と平成二年度の障害者対策関係予算額を比較いたしますと、昭和五十七年度一兆三千百九十六億円、平成二年度二兆三百八十八億円となっており、この間の伸び率は五四・五%となっているところでございます。 特徴的なこととの御指摘でございますが、障害者対策に関しましては各般にわたって実施をいたしておりまして、厚生省の所管行政を初めとしまして労働省の問題、それぞれ鋭意取り組んでいただいているところでございます。
○粟森喬君 率直な感想を申し上げさせていただきますが、歳出全体の伸びから見て決して高い比率ではないと思います。あと一年有余残されているわけでございますから、来年の予算措置を十分に配慮していただきたいということを要望しておきます。 財政措置も大切ですが、基本的な考え方、枠組みが大切だと思います。そこで、厚生大臣にお尋ねします。アメリカが障害者法、一般的にADAと呼ばれていますが、障害者の社会参加へ画期的とも言える法律を制定しました。日本でもこのような法律を制定する考えはありませんか、説明してください。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 ただいま委員のお尋ねのADA、この法律は御承知のように昨年の七月二十六日に米国の大統領が署名されたものでありまして、これが施行に移され、米国の大きな新しい動きになって、一つの前進と高く評価されております。我が国におきましては、既に昭和四十五年に制定された心身障害者対策基本法、これを柱として諸施策を実行しておるところでございます。 国連障害者の十年の最終年、御承知のように平成四年、来年でございますが、間近に控えまして、今後の障害者対策の推進方策につきましては、現在中央心身障害者対策協議会に検討をお願いしてやっておるわけでございますが、現在の体系、今申し上げたような基本方針をもととして、中央心身障害者対策協議会の御意見やADAなどの新しい動きを踏まえながら、今後の障害者の「完全参加と平等」の理念の実現を目指していきたい、こう考えているところでございます。
○粟森喬君 ただいまの答弁でいま一つはっきりしないのは、心身障害者対策基本法とADAはその理念、目的ではかなり違うと思います。その違いを明確におっしゃっていただくことと、今の協議会にお願いをして何を検討するのか、法律を改正するように検討するのか、今何を検討しているのか、もうちょっとはっきり答えていただきたいと思います。
○政府委員(末次彬君) 御指摘のとおり、米国障害者法と申しますのは、障害の種類を問わず、雇用、公共施設、交通機関、電気通信、こういった具体的な分野におきます障害に基づく差別を禁止する、違反した場合には科料などの罰則までついているということでございます。 一方、我が国の心身障害者対策基本法、これは国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害発生の予防でございますとか障害者の福祉に関する各種の施策の基本となる事項を定めておりまして、心身障害者対策の総合的な推進を図るということでございます。したがいまして、我が国の心身障害者対策基本法、これは極めて幅の広い分野をカバーいたしておりまして、そのカバーした一つ一つの分野につきまして、それぞれの国あるいは地方、それから国民の皆様方の意識の高揚、こういったことを総合的に推進していこうという性格を持っておるわけでございます。 ただいま協議会で御検討いただいておりますのは、こうしたことを前提にいたしまして、今後の「完全参加と平等」という理念を実現する上で、こういう基本法を踏まえてどういうやり方が望ましいかということを具体的に検討していただこうということで現在検討中でございます。
○粟森喬君 具体的に幾つか申し上げたいと思います。 ADAでは、十五人以上の企業では、障害者の雇用、報酬、昇進について障害者であるがゆえの一切の差別を禁止しています。現在日本の障害者の雇用については民間企業で一・六%が目標になっていますが、現状について労働省から説明してください。
○国務大臣(小里貞利君) お答え申し上げます。 障害者の雇用状況についてのお話でございますが、基準といたしまして、昨年の六月一日前後を一つの基準に置きまして御説明申し上げたいと思います。 ただいま先生お話がございましたように、一・六%身体障害者雇用率が適用せられる一般の民間企業におきまするその時点の状況でございますが、概して申し上げまして二十万三千人前後でございます。これは一体どういうふうに推移しておるかということを見ていただくために参考までに申し上げるのでございますが、では対前年比でどういうふうになっているかと申し上げますと、概して申し上げまして八千四百人増でございます。パーセントにして申し上げますと四・二八%前後でございます。しかしながら、一般的な労働者は漸増方向にございますから、その実雇用率を申し上げますと、分母がふえておりますから数字といたしましては非常に僅少であると。僅少と申し上げますか、はっきり申し上げまして一・三二%でございまして、そういう位置づけがなされると思うんです。 なおまた、産業の規模別に申し上げますと、小さいところでは高い、しかしながら大きいところでどうも不調ですよと、そういうことを指摘申し上げなけりゃならぬ。それから産業別に申し上げますと、製造面におきましては非常に良好、しかしながら小売、卸売あるいは食品店業等、いわゆる第三次産業でございますが、これは不調ですよ、そういうことが説明できると思います。
○粟森喬君 今の説明でも明らかになったと思いますが、日本の法律や制度では、雇用率が達成されなくても納付金、いわゆる反則金を払えばよいという仕組みになっています。これは制度の悪用です。障害者の雇用率を達成するために具体的にどうすればよいか、労働大臣、再答弁ください。
○国務大臣(小里貞利君) 先ほども先生が厚生大臣にお伺いなさるところで若干お触れになったのでございますが、基本的姿勢、私どもはいわゆる精神障害者、身体障害者、これを称して障害者と申し上げておりますが、こういう障害者の方々、あるいはまた障害者でない、言葉はどうかと思いますがいわば健常者、こういうような方々のいかんを問わず、採用におきまして、雇用におきまして、あるいは労働の現場におきまして、ごく自然な雰囲気の中で全くそのような区分状況がない、そういう一つの雰囲気を期待申し上げておるわけです。 これは大分古い言葉で、ノーマライゼーションという一つの基本的な理念に立ちますよということが言われ出しましてもうここ十年前後でございましょうか、私どもはそういう前提にきちんと襟を正して立っておるつもりでございます。したがいまして、障害者対策に関する長期計画を御承知のとおり昭和五十七年、そしてまた、その後期におきまして具体的な政策等を樹立いたしました。このような基調に立ちまして、十分ではございませんでしょうけれども、鋭意努力をいたしてまいっておるところでございます。 なおまた、先ほど先生お触れになりました国連障害者の十年のこの運動等にも関連をいたしまして、鋭意努力を尽くしてまいったつもりでございます。
○粟森喬君 労働大臣からいろいろお聞きをしたわけでございますが、それで障害者の雇用が達成されるとは思いません。 そこで、総理にこの際申し上げたいと思います。これは社会の枠組みを変えなければならないわけでございますから、障害者の法、いわゆるADAのようなものをつくらなければやはりだめだと思うわけでございますが、総理の答弁をお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) アメリカのADAの問題と我が国の心身障害者対策基本法の問題で御質問でございますけれども、我が国はもう既に身体障害者の方々の雇用に関してはそれぞれの法律等もつくり、また雇用のみならずその他の問題についても基本法では十六の問題をずっと提起して、国民の皆さんの理解を得るためにこれらに必要な施策を講ずるものとするという国の大原則、大目標をつくって、そしてそれぞれの今までやっております個別の法律やあるいは今後はその施策を、ノーマライゼーションというものをきちっと定着させていくために努力をしていくのだということが書いてあるわけでありますから、私はこの基本法の精神に従ってさらに今後理念の実現を目指しての政策努力を続けていかなければならないし、また続けていけばそういった目標が達成できるようにきちっとなっておる、こう理解をしております。
○粟森喬君 障害者対策本部長の総理の答弁としては多少物足りないというふうに私は思います。重ねて具体的に検討をお願いしたいと思います。 具体的な問題に入ります。運輸大臣にお伺いします。 障害者の社会参加に交通手段の確保は極めて重要ですが、公共交通機関でエレベーターを設置するなど、車いすの利用者、盲導犬同伴者のための施策はどの程度進んでいますか、お答えください。
○国務大臣(村岡兼造君) 各運輸事業者に対しまして、障害者の方々が公共交通機関を利用して移動する際に安全かつ身体的負担の少ない方法で移動できるよう、鉄道の駅やバスの車両の導入等について配慮するように指導しているところであります。 具体的には、身体障害者のトイレの設置、誘導・警告ブロックの設置、エスカレーター、エレベーター、あるいはバスにつきましては低床広ドアバスの導入、リフトつきバスの導入ということでございます。所要の設備整備を逐次進めてきておりますが、その結果、例えばエスカレーターまたはエレベーターの設置されております駅については、昭和六十年度末で二百八十二駅であったものが平成元年度末では四百八十駅、約七〇%増しとなっております。ただ、駅数はJRあるいは民鉄大手の十四社を含めまして六千四百二十九駅もありまして、エスカレーター、エレベーターの設置率は約七・四%であります。また、乗り合いバスにおける低床広ドアバスの車両数は、同じく三万五千七百十三両が四万一千百五十両、約一五%増しとなっておりまして、バスは全車両六万五千ぐらいありますから、導入率は六三%になっております。 この障害者の方々のための施設整備については、駅舎の構造面とかスペースの問題で大変制約もあり、また費用面で、エスカレーター、エレベーターを一基やるごとに五千万円から一億数千万円かかる。また、どうしてもそれだけではなくて構造上で二億、三億かかるということもありまして、短期間で飛躍的にこの改善をというのは困難な部面もありますが、今後とも障害者対策基本法にのっとりまして障害者対策の一層の推進をしていきたい。 なお、盲導犬につきましては、私の聞いておりますところでは、ホテルその他等で、例えば都内の政府登録の場合で四十カ所を調べましたところ、二十一は盲導犬を受け入れる、十九は受け入れていない、こういうことでございます。これはバスの場合も、例えば口輪をかけるとか、これはしかし夏の場合は犬の方が呼吸困難とかこういうことになりまして、現在のところは口輪をつけなくてもいい。ただし連れている人は口輪を持って、お客さんの了解を得られれば口輪はしなくてもいい、こういうような状況になっておりますが、まだなお不十分であると考えておりますので、そういうような例えば旅館に行く場合、ホテルに行く場合、あるいはまたバスの場合、そういう場合についても今後指導してまいりたい、こう思っております。
○粟森喬君 ただいまの答弁でもはっきりしたと思いますが、日本の場合は施設を改善するのも、配慮をしてもらいたいということを政府が言うだけでございます。ADAの場合は新しい施設をつくるときにそのことが義務づけられるわけでございますから、ここが明確に違うということを申し上げておきます。 厚生大臣にもお尋ねを申し上げたいと思います。 盲導犬を同伴した視覚障害者が食堂、レストランに入る、あるいは旅館、ホテルに泊まる場合について、厚生省の指導は十分に行き届いているというふうにお思いですかどうですか、答弁していただきたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) 委員の盲導犬に対するお考え、至るところにおいて盲導犬を利用される方々が本当に不自由なくそれを利用できるように諸施設を整える、これが当然でございます。これにつきましては、しばしば日常におきましてはペット動物と同一視されたりいたしまして、旅館や飲食店、ただいま運輸大臣からお話がございました乗り合いバス等の利用を断られる問題が生じているということを聞いております。しかしながら、盲導犬は視覚障害者と一体となってほかの犬とは違った特別の訓練を受けておりまして、排せつ等の訓練も厳しくしつけられておりますので、いわゆるペット動物の取り扱いとは根本的に違うという認識を我々は持っておるわけでございます。 したがいまして、従来から厚生省といたしましては、関係各省庁から都道府県や関係団体に対しまして、盲導犬を伴う視覚障害者の旅館、飲食店、乗り合いバス等の利用につきまして関係方面の御理解と御協力を求める旨の通達を既に出して指導しておるところでございます。また最近では、こうした通達による指導とともに、各種の会議の場や週刊誌等による啓蒙、広報に努めているところでございまして、今後も関係者の御理解と御協力を一層得るように引き続き努力いたしたいと考えております。
○粟森喬君 これまでもやっていて、先ほどの旅館、ホテルではございませんが、二十一と十九の比率でございます。さらに指導あるいは周知、これは関係者だけではございません、やっぱりポスターをつくって全国民の理解を得ることが必要だと思います。そんなことについて考えているかどうか、厚生大臣の答弁をお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) ただいまお答えいたしました後半に含まれておりますように、PR等も含めて周知徹底するように努力を続けます。
○粟森喬君 厚生大臣にお尋ねをいたします。 先ほども労働大臣から言われたわけでございますが、ノーマライゼーションという言葉がよく使われます。この言葉の定義について、日本語に訳すとどういう意味なのでしょうか、しっかりとお答えください。
○国務大臣(下条進一郎君) ノーマライゼーションというのは、直訳すれば正常化するということだと思います。しかし、身障者の場合におきましては、平等に参加するという意味を強めている解釈だと思います。障害者や御高齢の方が、他の人たちと同様に、住みなれた地域や家庭において暮らしていくことができるようにするという考え方、そういうふうに一般的に受けとめておりますが、今後の福祉を推進していく上で基本となる重要な考え方であると受けとめておりまして、福祉政策全般の推進の中でこの問題の解決に当たってまいりたいと思っております。
○粟森喬君 今の答弁をしっかり受けとめさせていただきます。 障害者も介護が必要なお年寄りも、地域社会、家庭を原点にしてさまざまな施策を推進することがこれからの高齢化社会の中で極めて大事だという前提でお聞きをしたいと思います。 ゴールドプランがその意味で非常に重要な意味を持っていることは承知しています。しかし、これだけでは限界があると思います。一つの例でございますが、施設の問題でございます。有料老人ホームなどは厳しい制限と条件をつくってやっていかないといろんな問題が出ることは承知をしていますが、デイサービスなどでは、軽便というか、町や村の公民館、集会所あるいは民家などを借りるなどしてお年寄りや障害者のデイサービスをやるべきだと思います。 ところで、このようなケースの場合、国としては措置費を出すのですか出さないのですか。これについて、厚生大臣、答弁を願いたいと思います。
○政府委員(末次彬君) 措置費といいますのは、これは公費そのものでございます。社会福祉事業そのものが非常に永続性、安定性、効率性、こういったことを重視しなければならないわけでございますので、私ども、いわゆる措置費を出すという場合には社会福祉法人または国、地方公共団体といったところに限って出しておりまして、措置費という形で支出する場合にはこのような要件を決めておるわけでございます。
○粟森喬君 先ほど私が軽便だというふうに申し上げたのは、あのような施設ですと社会福祉事業法に基づく設置基準に満たないわけでございます。ここをやっぱり検討し直さないと、ノーマライゼーションといいますか、地域社会の中でデイサービスをやるときにそんな問題が出てくるわけですが、厚生大臣、ここは見直しを含めて検討するかどうか、答弁願いたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) ただいまの社会福祉施設についての基準の問題でございますが、入所者の安全の確保や処遇水準の維持などの観点から、どうしてもある程度の基準を決めざるを得ないということは御理解していただきたいと思う次第でございます。しかし、社会情勢その他の万般の変化もございますので、必要に応じましては基準の見直しも検討いたします。
○粟森喬君 在宅福祉の問題に関連して、人手の問題について申し上げます。 マンパワー計画もしっかりとやっていただくことは大切でございますが、これだけでは限界があると思います。しばしば課題になっていますが、介護休暇制度をぜひとも確立すること、さらに介護休暇は親族なりに対象が限定されていますので、この際各企業でボランティア休暇制度を導入することも必要だと思います。既にごく一部ではありますが、ボランティア活動のために一週間、一カ月、一年と長期休暇を認めている企業もあります。日本の社会構造の中で企業とかサラリーマンのウエートは非常に高いわけですからぜひとも検討いただきたいと思いますが、厚生大臣、労働大臣、それぞれ答弁をお願い申し上げます。
○国務大臣(下条進一郎君) マンパワーの確保、これはもう非常に重要な問題でございますし、またそれがなくしてはゴールドプランの実現も極めて難しくなってくる場合があると思います。そういう意味で、マンパワー確保の問題については今鋭意努力しておるわけでございますが、今委員のお尋ねのいわゆるボランティアの方々に対してどのような処遇をするか、特に休暇の面でというお尋ねでございますが、今お話がありましたように、企業においては先駆的な立場から既にそういう休暇を取り入れている旨を聞いております。これは今後の一つの大きな参考になる、このように受けとめております。
○国務大臣(小里貞利君) お答え申し上げます。 ただいま厚生大臣の方からお答えがございましたが、私も基本的には全く共通な認識でございます。殊に労働省といたしましても、先年より労働時間短縮政策会議、これは労使あるいはそのほか一般社会でそれぞれの専門分野で活躍しておいでになる学識経験者の皆様方にお集まりをいただきまして御検討いただいておる一つの機関がございますが、それらの機関からも、ただいま御指摘の問題につきましては極めて意義あることだというような形におきまして目下検討をいたしておるところでございます。
○粟森喬君 新幹線問題について運輸大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。 現在新幹線保有機構の所有する既設の新幹線四線を今回JR各社に売却することになっていますが、このうち、売却値の九兆一千億円と旧国鉄時代の建設費との整合性及び売却価格の決定方法はどうなっていますか、答弁を願いたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 新幹線鉄道施設につきましては、いわば国民共有の財産とも言うべき公共性の高い資産でございますので、これをJRに譲渡するに際しましては適正な価格にする必要があり、運輸省のJR株式基本問題検討懇談会に有識者から成るワーキンググループを設けまして、譲渡方法、譲渡価格の算出方法について検討しました結果、譲渡時点、ことしの十月一日を予定しておりますが、譲渡時点における新幹線施設について、土地、償却資産それぞれの取得価格を価格とする、その結果として九・一兆円を算出したわけでございます。 なお、新幹線施設については国鉄改革時におきまして、建設債務のほかに再評価をして八・五兆円をその価格としたわけでございますが、今回はその債務相当額八・一兆円にさらに再取得価格として約一兆円上乗せした九・一兆円という計算をしております。
○粟森喬君 整備新幹線と関連して在来線の取り扱いについて質問します。 北陸新幹線を建設するに当たって在来線の廃止を絶対条件として、平成三年度予算では、廃止を確認できなければ予算執行もしないとして、北陸新幹線の建設費の一部は調整費となっています。旧国鉄時代と違うことは十分理解をしていますが、地方自治体及び住民の合意を取りつけるためには運輸省の対応は硬直し過ぎていると思います。運輸大臣としての見解はいかがですか、答弁願いたいと思います。
○国務大臣(村岡兼造君) 鉄道三法につきましては、衆議院の方で通過いたしましてこれから参議院の方で御審議をお願いするわけでございますが、その中でも平行在来線の取り扱いについて大変質疑が出ました。 私どもは、地元自治体及びJRで調整の上で結論する必要があると考えておりますが、今後もいろいろ、北陸線ばかりでなくて盛岡以北とかいろんなところでそういうこともございますので、県を中心として十分話し合っていただきたいと。運輸省も、地元からも意見も十分聞き、またJRからも意見を十分聞きまして適切に対処していきたい、こういうふうに考えております。
○粟森喬君 次の質問に移ります。 原発行政のあり方について、通産省、科学技術庁にお尋ね申し上げます。 福井の美浜の二号機で起きた振れどめ金具のずれ、加圧器逃がし弁と主蒸気隔離弁の不作動があっても、緊急炉心冷却装置が、これはECCSと呼ばれるものでございますが、作動したからいいではないかという認識ですか。
○国務大臣(中尾栄一君) 最後のお言葉の、作動したからいいではないかということになじめる答えはないのでございますが、今回の美浜発電所の事象というものは、御案内のとおり、蒸気発生器の伝熱管が破損いたしまして、そして非常用炉心冷却装置、すなわちECCSと言っておりますが、これが実作動に至るまでに、我が国においては初めてで今まで例がないことでございましたから、そこで国民の皆様方に不安を与えた、こういうことに対して遺憾の意を表しておる次第でございます。 他方また、今回の事象では放射能の外部への放出はわずかでございました、幸いにも。したがいまして、影響は認められてはおりませんが、非常用炉心冷却装置等の安全設備は設計どおり機能しまして、十分余裕を持った状態でプラントは停止させたつもりでございます。 そこで、通産省としましては徹底した原因究明に努めてきたところでございまして、必要に応じまして、安全操作あるいは審査、定期検査の見しといった面も含めまして再発防止対策確立のためには今から全力を注いでいこう、このような決意でおることを申し上げたいと思います。
○国務大臣(山東昭子君) 今回の事故は、とにかく原子力発電の必要性を国民の六五%が認めている中でこのような初めて起きた事故でございますので、大変国民の皆様方に御心配をおかけしたということ、私大変残念でならないわけでございます。今後とも原因の徹底究明を図るとともに、やはり安全確保ということを大前提に最大限の努力を払っていきたいと考えている次第でございます。
○粟森喬君 科学技術庁が昭和六十二年七月のアメリカのノースアンナ原発事故について、アメリカ原子力規制委員会からの報告に基づき検討したいと述べましたが、その検討結果はどうでしたか。
○政府委員(村上健一君) お答え申し上げます。 御指摘の一九八七年七月に米国のバージニア州にありますノースアンナ一号機において発生しました蒸気発生器伝熱管破断事故につきまして、原子力安全委員会としては事故の直後から米国原子力規制委員会等を通じて情報を収集し、今日まで検討してきているところでございます。この原因は、当該伝熱管がデンティングという腐食が成長することによって起こりました原因で振動が高まりまして起こった高サイクル疲労破損ということになっております。 この事故の原因等についてはそういうことでございますが、今回の美浜の原子炉につきましては、直接原因がこれと同じでない可能性は非常に高いわけでありますけれども、高サイクル疲労ということで非常に類似のことでございますので、現在のところも、米国に出張中の原子力安全委員等を含めましてさらに詳細な調査、審議を続けているところでございます。
○粟森喬君 今の答弁でもわかるように、行政が十分に対応していれば福井の事故はなかったと思います。 私が特に強く指摘したいのは、原発を推進する行政と企業が一方的に、一体となって安全だ、問題だと言う言い方に問題があると思います。通産省、科学技術庁、原子力委員会、原子力安全委員会がそれぞれ独立して機能していないところに問題があると思います。これらの機関を独立した機関に改組するために、通産大臣、科学技術庁長官、そういう考え方がないか、それぞれ答弁をしていただきたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) これは通商産業省の中に資源エネルギー庁がございまして、そこは立派に独立機関としてエネルギー総括の諸事万端所管をさせていただいておりますから、これはもう立派な独立機構としてやっております。また同時に、科学技術庁やその他におきましても、これは連動しながら横並びで十分にお互いに問題点を、事象の問題がありました場合にも把握しながら持ち寄っては意見交換しておりますので、その点においては大丈夫かと私は認識しておる次第でございます。
○国務大臣(山東昭子君) 御承知のように、原子力安全委員会は関係省庁とは別の中立的な立場に立って、安全規制全般にわたって厳正に調査、審議を行う機関でございます。また、この委員会の決定に対しましては内閣総理大臣に法的な尊重義務が課せられており、また必要に応じて関係省庁から報告を求めたり関係大臣へ勧告できるなど強い権限を持っておりますので、期待されている役割を十分果たしていけるものと、そのように承知をいたしております。
○粟森喬君 結果として中立でもなければ、推進する立場と安全をチェックする立場が機能していないことは明確だと思います。 総理大臣、最後ですが、この際、原発に不安や問題を感じている人も入れて原子力安全委員会を改めていくことと、文字どおり独立した行政機能を持てるようにすべきと考えますが、総理の答弁を承って終わりにしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 原子力行政というのは、一にも安全二にも安全ということは常に心がけておるところでございますが、原子力安全委員会は、これは関係省庁とは別の中立的な立場を確保するように決めてありますし、また全般にわたる事項を調査することになっております。この原子力安全委員会の決定に対しては法的に尊重義務も課されておりますし、関係省庁から報告を求めたり、また関係大臣へ勧告をする、こういう強い権限も与えてありますので、安全委員会というものがその職務を全うしておるものと私は強く期待しておりますが、今後とも一層そのような態度で臨むように強く求めておきます。
○粟森喬君 以上で終わります。
○委員長(平井卓志君) 以上で粟森君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、足立良平君の質疑を行います。足立君。
○足立良平君 まず最初に、外務大臣にお聞きをいたしたいと思います。 二十日から昨日の夜までアメリカで、大変御苦労さまでございました。深夜に帰ってきて早速の予算委員会でありますからお疲れだと思いますけれども、ひとつアメリカでの話の内容について、さらにちょっと突っ込んでお聞かせ願いたいと思います。 私は、日米における問題は今大変に危機的な状態にあるのではないかと考えているわけでありますけれども、そういう中で日米が相互に理解をするということは、何といいましても、アメリカの言うことだけ聞いたらそれで理解ができるというわけでは私はないと思う。外務大臣として、今日の日本の置かれている状況というもの、日本の問題を一体どのように向こう側で主張されたのか、これをまずお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 米国において私は大統領を初め国務長官らとお目にかかりましたが、今回日本の考え方を何を一番積極的に申し上げたか。それはやはり湾岸における、国連安保理決議がアメリカの強いリーダーシップによって平和の回復が完了できた、こういうことについては私は大変結構だったと思うということを率直に申し上げ、また、このために命をなくされた米国の軍人に対して哀悼の意をささげるということを申し上げました。 また、私はアーリントン墓地へも公式に参拝をしてまいりましたが、会談等を通じて日本政府として一番先に国務長官に申し上げたことは、我々は国連の加盟国として加盟して以来既に三十数年たっている。しかも、アメリカに次いで国連への協力もやっている。その国家に対して憲章の中に旧敵国条項というものが存在していることはまことに遺憾に私は思っている。この旧敵国条項の廃止について、日本政府は正式にアメリカ合衆国に対して廃止に対する協力を求めたい、こういうことを明確に申し上げましたところ、国務長官かり、日本のこの旧敵国条項に対する廃止の要請については十分な理解をした、これについてはアメリカ合衆国は協力するというお約束をいただいてまいりました。 引き続いて、日米間の経済問題、あるいはまた湾岸後の中東問題、米ソ等の問題について日本の考え方を十分述べてまいったつもりでございます。
○足立良平君 冷戦が解消をするという、既に本院におきましてもいろんな議論をしてきているわけでありますけれども、冷戦というものは、ある面におきましては日本にとって、これはこういう言葉がいいかどうかはちょっとわかりませんけれども、国際情勢、いろんな状況からすると有利に働くという一面性も全くなかったとは言えないのではないかという感じもするわけであります。しかし、今冷戦が解消してきた段階におきまして、冷戦解消というものが世界と日本へ一体どういうふうな影響を与えてくるのかということをどのように政府として分析されているのか。とりわけ、日米関係に冷戦解消というのは一体どういう影響を与えてくるのかということをきちんと分析しておくことが私はこれからの我が国の世界戦略上必要ではないか、このように思っているわけであります。 それと同時に、考え方をお聞かせ願いたいと思いますのは、冷戦解消の波というのがアジアの側においても必ず来るだろう、そうしたら日本の防衛費というものも見直していかなければならないのではないか、こういう意見もあるわけでありまして、そのことも含めまして、政府の考え方というものをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 第二次世界大戦後の国際情勢の中で米ソの対決という冷戦構造、これが始まったのが一九五〇年代の初めだったと思いますけれども、その後激しい対立から、今日、委員が御指摘のように、冷戦が解消するという一つの好ましい状態が生まれてまいったわけであります。しかし、この冷戦のときに当たって世界は大体三つぐらいに分かれていたのではないか。一つはアメリカを中心とする自由主義陣営の国家群、もう一つはソ連を中心とする社会主義経済国家のグループ、それからいずれのグループにも属さない一つのグループ、つまりユーゴ等を軸とした非同盟の国家群というものが存在をしていたことは事実だろうと思います。 そういう中で米ソの膨大な軍事力への財政の投資、そういうことから、米ソ両国とも首脳が国際平和のために軍備の削減、それから対話、協力という形になってまいりますと、音を立てたように東ヨーロッパでは民主化の動きが活発になってきて、自由主義経済志向の東ヨーロッパの国々が出てくる。あるいは、ヨーロッパはEC十二カ国が明年の統合を控えて極めて活発な動きを始めております。また、一つの大きな経済ブロック化しようとするECの統合へ向かって、EFTAと言われる国々はこれへの貿易あるいは技術協力等のリンケージを強化しようという動きがございます。 またもう一つ、アドリア海、ドナウ川周辺諸国、すなわちイタリー、ユーゴスラビア、オーストリア、ハンガリー、こういったような国々が一つのグループをつくろうという動きがございます。また、アフリカの地中海寄りのところにはマグレブ経済連合と言われる経済圏が構成をされている。また、アラブの地域にはアラブ独特の一つの大きなブロックがある。例えばイスラエルとの関係において対決しているアラブのグループというものが存在をしている。一方、アメリカにおいては、アメリカとカナダの自由貿易協定、それからメキシコとの自由貿易協定が最近議会で承認をされようと今審議が行われている最中であります。 一方、アジア・太平洋ではどうか、こういうことになりますと、米ソの冷戦の後を受けてアジア・太平洋にも波がやってきている。すなわち、一九二四年にアジアで一番先に社会主義化したモンゴルは昨年から民主化を始め、日本とも盛んに交流が始まるようになりました。一方、中国は改革・開放路線を進めておりましたが、一昨年の天安門事件以来、世界が一つの新しい中国の動きに大きな注目を与えている。しかし、日本は中国を孤立させることは好ましいことではない、こういうことでヨーロッパ各国と協議の末、日本は第三次円借款という行動に踏み切ったわけであります。 一方、アジア・太平洋地域は全世界の貿易量の約四〇%を占めております。全世界の貿易量が五兆億ドルぐらいとしますと、二兆億ドルちょっと超えるぐらいのところがアジア・太平洋でございますが、この地域では、御案内のように、ASEAN五カ国を中心とするASEAN外相会議、それから日本も含めたASEAN拡大外相会議、また一昨年オーストラリアの首相が提唱されてでき上がったアジア・太平洋経済協力閣僚会議、あるいはそれに裏打ちするような民間の経済関係会議、こういうものが存在いたしておりますが、この地域はヨーロッパと違ってまだ非常に不透明である。ソ連におきましても、ペレストロイカの行方は極めて不安定であります。 こういう中で日本の周辺にヨーロッパにおけるような平和がやってきたのかというと、私どもは決してそういうふうに見るわけにはまいらない。しかし、非常に活発な動きが起こってきている。日本と北朝鮮の間の国交再開の動き、また韓ソの関係強化、あるいは国交が開かれた、あるいは韓中の貿易が盛んになってきた、あるいはネパールにおける民主化の動き、一方タイではクーデターが起こった。こういう中で、アジア・太平洋とそれから米ソ対決後の世界というものはそれぞれ大きな特色を出しながら歴史的な変革に向かっていると私は認識いたしております。
○足立良平君 今外相からいろんな問題、今の世界的な状況の話が出ました。私は、そういう面ではいわゆる日本の周辺の問題というのは実は大変厳しい状況だというふうに思っているわけです。 これは考えてみましたら、江戸時代に日本の国民といいますか、約二千六百万くらい住民が住んでいた。明治に入って約三千万台にふえてくる。閉鎖的な我が国経済のといいますか、生産の規模の状況であるが、大体二千六百万から三千万前後、あるいは四千万くらいが住めばいいところである。現在一億二千七百万、約一億三千万の人間がこの土地に住んでいるということは、考えてみますと、日本の置かれている状況というのは、エネルギーはない、あるいは資源はない、食糧も輸入しなきゃ食っていけない。それで、日本の国というのは平和というものをきちんと確保していかなきゃならない。自由貿易もこれまたきちんと行われなければならない。 今外務大臣が御指摘になりましたように、実際的にはECの統合化という問題が一方で進んでいる。アメリカ大陸も今御指摘のとおり。あるいは全欧安保協力会議ということでヨーロッパ全体を含めてそういう動きが今出てこようとしている。そうすると、考えてみますと、世界のブロック化、ブロック化になるのかどうかは別といたしましても、ともすればブロック化になろうとしている中で日本だけが今外されている。枠外に置かれているような感じ。ましてアジアというものが大変に複雑な様相を一方では示しているということを考えてみたときに、日本の大きな戦略として、そういうブロック化というふうな、あるいはまた貿易障害がブロック化の中で出てくるかもしれない、そういうものをどれだけ排除していくかということが私はこれからの我が国の一番大きな課題なのではないか、このように考えているわけでございまして、そういう面で外務大臣並びに総理大臣としてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 過去の歴史を見ましても、ブロック化が進むと摩擦が起こる可能性が強い。こういうことから、日本政府として、外交の上でアジア地域をブロック化させてしまうということは決して好ましいことではないと考えております。そういう中で、私どもはやはり開かれた市場というものをこれから求め続けなければならない。 日本が何か孤立化させられているんじゃないかという意味のお話でもございましたけれども、私は日本は決して孤立化していない。アジアに対する経済援助も、日本のODAの六五%をアジア地域に出しているわけでありますから、私はアジアと日本の関係は極めて深いものである、このように認識いたしております。
○国務大臣(海部俊樹君) それぞれの地域でいろいろな首脳会談なんかをしますとき、例えばカナダとアメリカの自由貿易協定をめぐっては、カナダのマルルーニ首相にも、それは対外的なブロックを意味するものじゃないでしょうねときちっと念を押しますが、向こうもそのとおりであって、カナダとアメリカの自由貿易地域内だけですべて片づくとは思っていないということもございますし、また南西アジアを旅行しましたときも、経済的な、そして地域へのプレゼンスをもっとしてほしいということをそれぞれの首脳から言われ、SAARCといって、SAARC以外は余り関係したくないんだというような外交方針を長い間とっていらっしゃったんじゃないですかと、むしろこちらから聞きたかったほどのことでございましたけれども、いや、それを乗り越えてやっていこう、SAARCはSAARCで団結するが、それは対外的に開かれたものであって、もうどことも同盟しない、どことも仲よくしないというような、そんなとり方はしないんだと。 例えばそんなことでありまして、それぞれの地域のブロック化が進んでおるところでも、それが世界に開かれたものであって、世界共通の自由貿易の基盤を補強していくために自分たちの地域も頑張るんだというようなことで意見の一致を見ております。そういったところと積極的に自由貿易の基盤というものは強化していく方向に持っていかなきゃならぬと私どもも思って努力をしておるところでございます。
○足立良平君 今外務大臣の答弁の中で、日本はブロック化といいますか、孤立していないというふうにおっしゃいました。 確かに、経済援助を見ますと、アジアに日本は大多数出しているわけで、半分以上でありますし、お金を出したときにはそれぞれの国の首脳というのはやっぱり感謝をされるのはこれは当然の話であろうと思います。しかし、考えてみますと、さきの国会におきます国連平和協力法案でございますか、この問題にいたしましても、あるいはまた人道上の問題ということで自衛隊機を派遣するということに関しましても、アジアの国々からその懸念というものが提起されている。日本が長年にわたって、しかもアジアを中心にしてODAなり経済援助を民間も含めて今日までやってきているにもかかわらず、現実的には日本の行動に対してかつての第二次世界大戦の残影というのがいまだにアジアの国々には残っていたんではないか。そのことがさきの国会におけるそういう法案の問題、あるいは今回の自衛隊機の派遣をめぐっての日本の行動に対して相当の疑念というものが提起されてきたんではないか、私はそういうふうにも見ているわけであります。 そうすると、先ほど外務大臣がおっしゃったように、日本が孤立化していないというだけではなしに、本当に日本のこれからの安全という問題を考えていこうとするなら、一番問題はいわゆる日本の周辺国であるアジアの国々の皆さん方の信頼をどのようにきちんとつくり上げていくかということが、我が国の安全という問題を考える、あるいは国際的な協調というものを考える場合には極めて必要なことではないかというふうに私は思うわけでありまして、そういう面から、先ほどのことも含めまして再度外務大臣の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) アジアにおける日本の問題点といえば、それはかつての第二次世界大戦において日本軍が与えたこの地域の方々への被害、こういうものがこの中にまだ深く存在していることは忘れてはならないと思います。そういった考え方の中に立って、我々はアジアの中の一国としてアジアの繁栄のためにアジアの国々と一緒にどう行動するかという基本的な姿勢がアジアの方々に理解されなければ、我々はアジアからいつまでも嫌われる可能性がある。そういうことを考えますと、私は、アジアの中で孤立しない方法、それはアジアが今悩んでいる問題、例えばカンボジアの和平の問題、あるいは朝鮮半島の安定のためあるいは統一のためへの我々の協力、そういったようなアジアの手近な問題に対して日本としてできるだけのことをやっていく。また、中国に対しましても、海部総理を初め私どもは、G7と言われるサミット加盟国の首脳に対して、内閣発足以来、中国を孤立させるべきではない、これは世界のためによろしくないんだ、こういうことを言い続けて、いわゆる各国がとめておりました天安門事件以降の借款等について、日本は自分の強い信念においてこの考えを説明し、そして理解を得て今日第三次円借款に踏み切っている。 こういうことを考えてまいりますと、やはり日本はアジアの国ということを忘れずに、アジアの繁栄のために積極的に努力をしていくことがアジアの国々から日本というものは信頼される、こういうふうなことに通ずるんじゃないか、私はそのように強く信じております。
○足立良平君 これはアジアだけでなしに、全体的に日本というのはある面において誤解をされている嫌いが相当あるのではないか。 十一日付のアメリカのワシントン・ポストにクウェート政府が、解放ありがとうというそういう広告を出したようでありますが、九十億ドルという、これは増税をしてまで日本としては湾岸戦争に協力をしているにもかかわらず、日本の国の名前というものはその中に入っていない。これはもう日本の国会としてあるいはまた国民としていろんな議論をし、そしてこういうことをやったにもかかわらず、そのことが評価をされていないということは私は極めて残念なことだろうと思う。そういうことをきちんと評価をしてもらう。我々は評価をしてもらうためにやるわけではありませんけれども、しかしやったことはきちんと評価をされる、日本の顔というものはこういうものだということが海外から評価をされるところから我が国のこれからの貿易の場合においてもあるいは安全の問題においてもそのことが達成をされてくるんだろうというふうに思うわけでありまして、そういう面ではこれから外務省としてもやっぱりもっともっと努力をしてもらわなきゃならないだろう、これを私はあえて申し上げておきたいと思います。 次に、総理にお聞きをいたしたいと思うわけでございますけれども、ゴルバチョフ大統領が四月に来日をされるわけであります。懸案でありました北方四島の返還問題、これはもういわゆる日ソ関係の正常化のチャンスだというふうに考えるわけでありまして、そういう面では日本として主張すべきことをきちんと主張していってもらいたい、このように総理に対して私は期待をいたしたいと思うわけでございます。 ただ、ここであえて私は総理の考え方をお聞きいたしたいと思うのでありますけれども、実はきょうの新聞でもいろんな記事が出ているわけでございまして、ソ連に対する経済援助と北方四島の返還問題の記事を私は見ておりまして、北方四島の返還あるいは潜在主権というものが確認されれば、新聞で報じられているように、大変な三兆円に近い経済援助というものを本当に日本はやろうとしておるのかということを私は総理の口から再度お聞かせを願いたいと思うわけであります。 同時に、考えてみなきゃなりませんのは、ソ連に対する経済援助というものは、少なくとも自由と民主主義といういわゆる共有の価値観をともにする中で世界の平和を達成していくという観点からソ連に対する経済援助というものを原則的に考えていくというのが私は今日までの日本政府の立場であったのではないかというふうに思うわけであります。そういう面からすると、最近の報道等では、その自由と民主主義という問題で今ソ連の国内は相当の混乱状態にある。あるいはバルト三国における武力行使の問題もある。本当に日本の経済援助というのは、実際的に北方四島を返してもらったらお金を出しましょう、極端に言ったら四島をお金で買い戻しましょうというふうな感じにも受け取られるわけでありまして、そういう面で政府としてきちんとした理念なり哲学というものを持ちながらこの日ソの交渉というものを進められていくのか、この点についてお聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 基本的な考え方について申し上げますと、日本とソ連の間で四つの島をめぐる領土問題を解決して、平和条約を締結して真の友好関係を結びたいというのは、これは長い間の日本の国民的な、そして政府の一貫して言い続けてきた主張でございました。今回、ゴルバチョフ大統領がソ連の大統領として初めて日本を訪問されるというときに、私は片づけるべき問題はここにあると。したがいまして、無責任な政経分離はとらないで、きょうまでの原理原則に従った領土問題の解決によって日ソ関係を質的に変えていきたい、これが唯一の願いでございます。 このことについては、サミットのときにも諸国の前で、東西関係が今終わりを告げていく、ヨーロッパで冷戦構造を乗り越えた発想が行われておる。アジアでも東西関係が終わりを告げて冷戦構造を乗り越えていこうとするなれば、東西関係の残滓としてアジアに残っておるのは北方四島の問題である。これはもう歴史的な経緯とかその他については先生もよく御承知と思いますから詳しく述べませんけれども、きょうまで日本政府は歴史的にもあるいは法的にも固有の領土として四島の問題について返還を強く求め続けてきたわけであります。ですから、この問題が解決するということが大前提であります。 したがいまして、その他のいろいろ報じられておる問題について、それを取引条件とするとか、あるいは今仰せられるようにお金で買うとか、そんなことは相手にとっても失礼な話でありますし、政府が現在決めた構想でも何でもございません。基本的に言っていることは、ペレストロイカを成功させたい、ペレストロイカが成功するという基本的な方向については、私たちは今後拡大均衡の幅の中で領土問題をきちっと片づけ、平和条約をきちっと締結したならば、隣国としてできる限りの協力はしましょうと。 きょうまで五回もソ連から調査団が来て、日本のあり方というものはソ連の近代化のためには参考になるところがあるというのでいろいろ調査検討、研究をされておるわけでありますから、そういったことについては、自由と民主主義と自由経済体制という普遍的な我々と共通する原理に従ったソ連の改革を目指されるなればいろいろな意味で協力ができるであろうということは考えておりますけれども、個々具体的に今報ぜられておるようなことについて決めて、それを提供してということでもございません。あくまで来月のゴルバチョフ大統領の来日のときに、まず平和条約、領土問題をめぐる基本について我が国の考え方を述べ、ゴルバチョフ大統領の勇気ある決断を求めたいというのが私の考え方の根本でございます。
○足立良平君 そういう面でひとつゴルバチョフとの会談というものを成功裏に終わらせていただきたいと思います。 これは外務省にお聞きいたしたいと思うわけでございますが、我が国のODAの問題に関しまして、特にこれはイラク、中国、パキスタン、インドを中心にして日本の今までの累積のODAの額、それからそのそれぞれの国の軍事費、いわゆるGNPに対する軍事費というのは大体何%ぐらいになっているのか、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(川上隆朗君) お答え申し上げます。 まず、累積の援助の額という仰せでございますが、突然の御質問でございますのでちょっと今手元にございません。後ほど必要とあらばお答え申し上げたいと思います。 それから、次の御質問は軍事費についてということでございますが、ODAとの関係でございますが、途上国につきまして申し上げますと、パーセンテージで申し上げますれば非常に大きいのが、例えばジョルダン、北朝鮮、オマーンといったところが比率としては非常に多うございます。それから、軍事費の絶対額で申し上げますと、中国、ポーランド、サウジアラビア、イラン、アルゼンチンといったようなところ、失礼いたしました、アルゼンチンはちょっと少のうございます。あとは今の東欧の諸国、チェコスロバキア等が目立った軍事費の額ということになっております。
○足立良平君 イラクは何%を占めておりますか。
○政府委員(川上隆朗君) イラクにつきましては、一九八五年の数字がここにございますが、GNP比三〇・七%でございます。
○足立良平君 これは外務大臣にお聞きした方がいいのかもしれません。きょうの午前中の粟森委員との話の中でちょっとこれは出ていたわけでありますけれども、イラクが軍事大国化した、その軍事のいわゆる武器供与というのは安保理の常任理事国が中心であるというふうな話が外務大臣からございました。 これはまさにいろんな問題を今日提起いたしているわけでありますけれども、日本は今日まで武器輸出はしていない、そして経済援助中心にやってきたということでありますが、これはちょっと考え方によれば結果の問題でありますけれども、結果として日本もイラクの軍事大国化に手をかしてきているのではないか。なるほど直接的には武器を供与したり、あるいはまた武器を売却したり、そういうことはしていないわけでありますけれども、こういう軍事大国化している、あるいはまた、その国の予算の三割なり四割近くを軍事費に使っているような国に対して経済援助をしていくということは、結果としてはその国の軍事大国化を助けてきているということになりかねないと思うのでありますけれども、イラクに対するそういう問題につきまして、外務大臣としてどのようにお考えになっておりますか。
○国務大臣(中山太郎君) 日本政府はイラクに対して民生向上といったような目的で我々は協力をしてきた。その中には農業に関するような向上、いろんな向上がございましたけれども、委員のおっしゃるように、直接的な武器の援助ということではございませんが、イラクが膨大な国家予算を軍事費に投下しているといったこと、これと直接結びつけて考えることは少し私は考え方がオーバーし過ぎるんじゃないか。ただ、その国民の民生の向上のために日本というものがあくまでもやるというのが目的でございますけれども、今後の問題として、このような膨大な軍事費を国費の中で投ずるといったような国家に対する経済協力というものは慎重に対処していかなければならないということを私どもは学んだわけであります。
○足立良平君 これは極めて重要なことではないかと思うわけでありまして、そういう面で、これは再度総理にその考え方をはっきりと示していただきたいと思うわけであります。 日本の経済援助というのが、例えば、民生は低いけれども大変な軍事大国というふうなところ、あるいはまた核兵器を今持とうとしているようなところ、あるいはまた既に持っているところ、そういうふうなところに対して、日本の例えばODAを中心にした経済援助というのは行わない。あるいは一つの考え方としては、例えば軍事費をこれから削減していく、あるいは核兵器についてはこれはもう廃止をする、あるいは核兵器の開発を行わないということをきちんととった上で、例えばODAというものを政府間で話をしていく、こういうふうなことがこれから必要ではないかというふうに思うわけでございまして、そういう観点で総理の考え方というものを、決意をひとつお聞かせ願いたいと思うわけでございます。 それと同時に、これは総理にお聞きいたしておきたいというふうに思いますのは、我が国の今日までの、本院におきましても衆議院におきましても、海外との関係、他の国との関係からいたしますと、軍事関係は別として経済援助はどんどん行っていくべきだ、これは異口同音に今実は出てきているわけであります。しかし、世界的にも例えば湾岸の復興問題、あるいはソ連、東欧の関係、あるいはまた発展途上国のいろんな問題、あるいは現に米国自身の経済の状況等々を考えてみますと、そして一方において我が国の経済、いわゆる貿易収支というものはもうずっと落ち込んできている、黒字も大分少なくなってきている、こういう状況を考えてみますと、私は、そう簡単に経済援助というものをどんどん膨らましていくということが本当にできるのかどうなのか、やることは望ましいけれども、実際可能なのかという問題が現にあるわけであります。 したがって、そういう面からいたしますと、このODAの問題一つとりましても、いかに効率的に、しかもそれはその本来の目的にきちんと合うような手法というものをとっていかなければならないのではないか、このように思っているわけでございまして、そういう観点から、ODAの基本法をやはりつくっていく必要があるのではないか、このように私は提起をいたしたいと思うわけでございます。 現に民社党は、昨年の十二月に大内委員長と総理との会談の中で、このODAの問題について効率的にひとつやっていこう、あるいはその問題につきまして合意を見ているというふうに私は理解をいたしておるわけでありまして、そういう観点で総理の考え方というものを再度お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) イラクの過日のあの無謀な行為に対して、その力をつけた背景は何であったかということはさまざまな角度から議論されたところであり、私どもも、特に今御指摘があったように、核兵器を初めとする大量破壊兵器なんかはもうこれは拡散を防止しなきゃならぬということ、究極には廃絶を目指して努力をしていかなきゃならぬテーマでありますし、また通常兵器についても、ある程度の公明性、公開性といった枠組みをきちっとしていくことが、あのような無謀な出来事の再発を防止する上においても、また世界の平和の枠組みをきちっとしていく、底板を厚くするためにも大事なことであると基本的に考えております。 そして、今お触れになりましたように、それらの問題について著しく正義に反するようなことを行っておったり、あるいはその他目に余るような問題のあるところにさらにODAをするときにはどうするのか。これはやはり、それらの国々が民主的な平和的な国家としてその地域並びに世界の平和と繁栄のために役立ってもらうことを願いながらの供与にならなければならぬはずでありますから、私どもは今後の対策においては今御指摘のような認識を踏まえてODAの問題については考慮をして検討いたしましょうと、この間の大内委員長との党首会談のときのお話でもこれは検討を合意しておるところでございますし、また、国民生活の貧困を差しおいて膨大な軍事施設をつくっているような国があるとすれば、その国に対しては経済協力を行うに当たってはこれはきちっとした態度をもって臨んでいかなければならない、こう考えますので、日本の新しい経済協力のあり方については、ただいまの御質問の御趣旨等も念頭に置きながら、今後一層研究を進めてまいりたいと考えております。
○足立良平君 これは研究を進めるとか、よく本院におきましても政府答弁にあるわけでありますけれども、これはいつまでも、二年も三年も研究しておっては意味ないわけでありますから、そういう面ではそういう問題について日本の平和戦略としてはこうするというものをきちんとひとつ早急に出してもらいたい、このように申し上げておきたいと思います。 外交関係として最後に、私は締めくくりとして再度お聞かせを願っておきたいと思いますのが今後の日米関係についてであります。 これは大変重要な時期に差しかかってきているのではないか、私はこのように思っております。アメリカの議会というのは、これは日本と全く様相が違うわけでございまして、毎年法案が一万数千本出されるようでございまして、その中の一部であるのかもしれませんが、既にアメリカの議会におきまして対日法案が三十四本、これは十八日現在でありますからさらにふえているのかもしれない。我が国に対する経済問題、これは外務大臣がおいでになったときにも出たと思いますけれども、今相当提起をされてきている、このように私は認識をいたしているわけでございます。 そういう点からいたしますと、米国の我が国に対する認識というもの、特に私は、冷戦が解消された後といいますか、いわゆる冷戦構造がずっと変化してきた中、日本に対する動きというものは相当私は変わってきているというふうにこれはもう認識せざるを得ないのではないか。そしてそれは、言葉をかえて言いますなら、ソ連脅威論にかわって日本脅威論という、言葉が適当かどうかわかりませんけれども、少なくともそういう傾向というものは漸次強まってきているというふうに私は思えてならないわけでございます。 そして一方において、これは我が国の側においても、アメリカの要求というものがある面においてはなるほどなというものが私はあると思います。日米の経済構造協議、昨年ずっといろんな問題がございました。本当に国民の皆さん方の生活のレベルをアップしていく、豊かな生活をつくっていくということに関してアメリカからの構造協議で提起された一つ一つの課題というのは、なるほどというのが私はやっぱり残念ながらあったというふうに思うわけであります。しかし、次から次へ、例えばアモルファスのあの問題一つとりましても、これは通産省の問題でありますけれども、ああいう問題一つとってみても、一体これは何だというふうな感じのものも現実にあるわけでありまして、そういうものを一つ一つ考えてみましたときに、何と申しますか、日本の国内からしたらううんという、こういう意味から、ナショナリズムをやっぱりかき立てるような一面性というのは私は現実に今出てきているというふうに思います。 日米双方の側において社会的に見ていろんな問題点が今日冷戦解消後出てきているのではないか、このように私は思えてならないわけでございまして、そういう面で、外務大臣そして総理に、これからの日米関係というものをある面においては冷静に、そして長期的にこの問題を処理していく日本としての姿勢というものはどういうところに置いていかれようとしているのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 委員の御指摘の点は、私は大変重要な点を御指摘になったという認識をまず持ったということを申し上げておきたいと思います。 〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕 今回私がアメリカを訪問いたしまして、議会の指導者たちとも懇談をし、いろいろと各界の話をまとめてみると、湾岸問題というものは、もう今のアメリカの国民の頭の中には、アメリカはよく頑張ったという一つの誇り、こういうもので非常に高揚していると私は思います。 しかし、一方において日本とアメリカとの関係というのはどうかといいますと、私は、去年春のパームスプリングスにおける日米首脳会談以降湾岸発生までの時間とその後の問題、これは二つに分かれていくのではないか。一昨年の九月から始まった日米構造調整協議。御案内のように、当時五百億ドルを超す日本の日米貿易の黒字が出ておりまして、これを減らしていこうという日米の協議が開かれたり、昨年の六月にこれは終わったわけでありますが、依然として日本の貿易黒字は大きいわけであります。その五百二十億ドル、昨年で三百八十億ドルまで日本の黒字は減少しておりますけれども、まだまだアメリカから見ると、この日本の貿易黒字というものがなぜ解消しないのか、なぜ日本の市場にアメリカの商品が入りにくいのか、このいら立ちは大きく存在をしているということを認めなければなりません。 もう一つ私どもがはっきりしておかなければならないことは、日本というものとアメリカというものの関係の一番大事なところは、安全保障の条約締結国であるということが一番大事なことであります。つまり、クウェートのように外国から侵略された場合に、この国へお金だけを送ってくるというような立場にはアメリカはありません。アメリカの軍人の若者たちがこの日本の島へ来て我々国民の生活と財産を守るために命を捨てて血を流すという、そういう約束事をしている国家から見て、この日本というものがアメリカとの間にもっといろいろな面で話し合いあるいは協議、こういうものが十分できてお互いが理解できるような環境をつくっていくことが日米関係の将来に明るい道を開くんじゃなかろうかということを私、外務大臣としては考えているわけであります。 今までの日本の、自分だけがよければいい、こういったともすれば日本人全体が考えがちなこの考え方は捨てていかなければならない。そして、国際化する社会の中で、日本をどう国際化するか。その努力が実現する日こそ日米間の問題は大きく解消していくだろう。私はこのように信じております。 一方では、人の往来がアンバランスであります。昨年アメリカから日本に来られた方は五十三万人。日本からアメリカに行った方は三百三十万人。私は今回共和党の院内総務のミッチェルさんとお目にかかりましたが、このような実力者でもまだ日本に来たことがないと、こういうお話を承りまして、私はぜひ早急に日本に来てもらいたい、そして日本を見てもらいたい、話し合ってもらいたい、そういうことが日米間のインフォメーションギャップを埋めていく一つの方法であると、こういうお話をしてきたということを申し上げ、これからの日米関係は双方が努力することが必要だということを申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 基本的な問題は外務大臣が今ここでるる申し上げましたとおりでありますが、日米の二国間関係というものは世界の外交の中で一番大切な基軸でありますから、ただいま外務大臣も触れた日米安全保障の問題も、安全保障条約は相互協力及び安全保障条約というタイトルになっておるように、相互協力問題もうたってあるわけでありますし、また、最近の経済力というもので、日米二国間で世界のGNPの四〇%近くを占めておるとなれば、日米両国が世界全体の経済秩序に与える影響力も極めて大きく、それだけに日米関係を大切にしていかなければならないということでございます。 私は、そういう意味で、構造問題協議のときに、日本からも大きくくくって七つのことをアメリカに要求もしました。アメリカからは六つのことを大きくくくって言われた。それをお互いに努力をしながら、例えば日本の国民の皆さんに向けては、市場を開放することによって内外価格差が狭まっていくんですよというお約束もして政府も努力してまいりましたが、最近の調査によりますと、元年の物価レポートによると、東京とニューヨークの差は一〇〇と七二の開きがあったのが、ことしは一〇〇と八七の差まで縮まってきておるという、こういう報告もある。そういったようなことを通じて、さらに国民生活の質を本当に高め、実感として体験してもらえるような経済秩序をつくっていくためにも、日米関係というものはともに協力していかなければならない大事な二国間関係である。同時に、日常の経済問題のみならず、環境の問題とか、あるいは地球的規模における将来に向かっての宇宙の問題であるとか、ともに協力していかなきゃならぬ問題、また日本が果たすことのできる問題はたくさんあると思っております。
○足立良平君 それでは次に、エネルギー問題に入ってまいりたいというふうに思います。 今回の湾岸戦争というものは、我が国のエネルギーの脆弱性というものを、これは三たびと言うたら言葉は悪いかもしれませんが、第一回のオイルショックあるいは二回のオイルショック、そして今回三たびこの脆弱性というものははっきりしてきたんではないか、このように今考えているわけであります。 〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕 それだけにエネルギーのセキュリティーというものをどのように確保していくかということは、我が国にとっては極めて重要なことなのではないか、このように思っているわけであります。 そういう観点から通産大臣にお聞きをいたしたいと思うわけでありますけれども、石油の供給源の分散及び脱石油というものをこれからどのように進めようとされているのか。 それから二つ目に、新エネルギーの開発の問題、それから省エネルギーというのはこれから極めて重要なものであろうというふうに思うわけでございまして、そういう点について、政府としてこれからどのような政策で進めようとされているのか。 同時に、これは運輸大臣にお聞きをいたしておきたいと思いますけれども、ペルシャ湾の機雷の問題を含めまして、我が国のタンカーの安全問題というものは一体どのようになっているのか、運輸省として具体的にどのように今その情報の提供等を進められようとしているのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) 先ほど来、足立委員の御高説を大変貴重に承っておりました。また、エネルギーの問題に対しましても御発言がございましたので、簡潔に申し上げたいと思います。 我が国は、過去二度の石油の危機を踏まえまして、エネルギーの安定供給に向けまして石油代替エネルギーというものの導入、省エネルギーの推進を図ってきたわけでございます。このために、今回の湾岸危機に際しましてもまさに冷静沈着な対応が可能なものとなってきたと、こう考えておるのでございます。しかしながら、我が国のエネルギー供給の構造そのものは約八割というものを海外に、また原油におきましては七割方を中東に依存しておる、こういう極めて脆弱なものであることも御指摘のとおりでございます。したがいまして、今後とも引き続きましてエネルギーの安定供給の確保というものは重要なファクターであると申さなければなりません。 一方、地球温暖化等、地球環境問題も顕在化してきておるわけでございますが、経済の安定的発展とまた地球環境保全との両立も極めて重要な課題と認識をしておるわけでございます。 そこで、通産省といたしましては、こうした課題の解決に向けまして今後とも総合エネルギー政策の推進に最大限の努力を傾注していくと、このことを私も始終申し上げておりますし、また資源エネルギー庁もその方向で全力を投入しておる次第でございます。
○国務大臣(村岡兼造君) ペルシャ湾における日本関係の船舶が十八隻本日いると聞いております。武力行使中のことでございますけれども、運輸省といたしましては、毎日船がどの地点にいるのか、例えば武力行使開始当時は、東経五十二度以西に行くなとか、あるいはまたその後北緯二十七度三十分には行くなとか、こういう連絡を毎日二回やっておりまして、緊急の場合には二時間置きに連絡をとるようにいたしておりました。 海運労使におきましては、武力行使が停止されました三月一日に従来からのイラクのクウェート侵攻以来講じてきた航行安全対策による規制の解除を決定いたしましたが、外務省からの情報によりますと、ペルシャ湾に千個以上の機雷があると、こういうことで引き続き機雷情報の収集に努め、就航船舶の安全の周知を図っているところでございますが、運輸省といたしましても、ペルシャ湾における米軍の機雷に関する情報の提供を確認するとともに、外務省から入手いたしました機雷に関する情報をも海運労使に提供する等により関係船舶の安全の確保に努めているところであります。 幸いというか、これまでのところ日本関係船舶の航行先はサウジアラビアのジュベイル、ラスタヌラ及びイランのカーグ島となっておりまして、今まで航行に特段の支障は生じてはおりませんが、先ほど話したように千個以上の機雷があるということで、こういう対策には万全を期してまいりたい、こう思っております。
○足立良平君 我が国のエネルギーをどのように確保するかというのは、そういう面ではこれから脱石油ということは極めて重要でありますけれども、石油の分散化ということも相当これから考えていかないといけないのではないかと、このように実は思っておりますので、そういう面から、さらに通産省の側におきましてもひとつ格段の努力をお願いしておきたい、こう思います。 それで、同時にこの脱石油という観点あるいはまた脱化石燃料、こういう観点からいたしますと、原子力というものはこれからもう避けて通るわけにはいかないと、このように実は考えているわけであります。そういう観点からいたしますと、二月九日における美浜原子力発電所の事故というものは極めて遺憾な事故である、このように実は私は考えているわけでございます。 この事故につきまして、報道の一部でございますけれども、例えばチェルノブイリに匹敵するような事故であるとかいろんな報道がなされているわけでございますけれども、その本当の実態というものは一体どういうものであったのか、これは再度通産大臣の方からお聞かせを願いたいと思います。 そして同時に、原子力というものはこれから我が国のエネルギーを考えていく場合に極めて重要な柱であるという観点で、国民の信頼というものを回復していくということがこれからは極めてこれまた重要なのではないか、このように思っているわけであります。 そういう面からいたしますと、例えば情報公開の問題であるとか、いろんな問題で政府としてもやらなきゃならない問題がある。今回の美浜の事故におきましても、私が仄聞いたしておる限りにおきましては、この情報公開というのは比較的うまくいっている感じを私は受けているわけでありますけれども、例えば情報公開の問題、あるいはまた、これは官房長官にも私は前に一度申し上げたことがあるわけでありますが、例えばあの事故が起きましたときにマスコミの一部で、五十億べクレルの放射能が大気中に放散された、出されたと、こう言われる。通産大臣、五十億べクレルですよ。そうしますと、この五十億べクレルとチェルノブイリというものはほとんどニアリーイコールで大変なことだという感じを実は受ける。ところが、実際的に五十億べクレルというのは、これは我々が例えば胸部のレントゲンを受ける場合の受けた放射線の一万分の一程度しか人体に影響を与えないという、まさに検知器でも検査できないような量であるわけです。 これはICRPで、国際放射線防護協会の方でこういうべクレルという単位を使うことになっているようでありますけれども、例えば国民の信頼を受けるという側からいたしますと、こういう単位のとり方の問題、表現の仕方の問題というものが、原子力というものは大変危険なんだ、こういう印象を与えかねないように私は思うわけでありまして、そういうふうな問題であるとか、例えば一次冷却水が漏れたと、こう言う。一次冷却水とは一体何だといったら、これは冷却水というのは冷たい水だと思う。ところが実際は、あれは百五十七気圧で、しかも三百度の温度なんです。三百度の温度があって、百五十七気圧をぶっかけてなにしていて、それで冷却水という表現をそのまま使っているというのは、我々の生活の実態からすると全然ぴんとこない。 したがって、そういう面からすると、原子力に国民の理解を得るというんなら、日常的に使っているそういうふうな問題からきちんとやっぱりもう一度検討し直していく必要があるんではないか、私はこのように考えるわけでございますが、そういう点で通産大臣の考え方をお聞かせ願いたい。ちょっと私いきなりここで言っちゃっていますから、わからぬところは後で結構です。
○国務大臣(中尾栄一君) 私も今委員のお話を聞いておりまして勉強にもなりましたし、さすがやはりその道のエキスパートだなということで感動して聞いておりました。 五十億べクレルというのがレントゲンでいっても一万分の一くらいのものだ、そういうことをやっぱり国民にわかりやすく説明することが必要だと、こう言われますと、確かにおっしゃるとおりだなと。そういうことがキャンペーンであり、また同時に不安感を取り除く原因でもあり、ある意味においては、原子力というとすぐ原爆に結びつけるようなそういう不安感も言うなれば除去されるんだなということを実感したわけでございます。 原子力発電の開発利用に当たりましては、何はともあれ安全性の確保が大事であることは言うまでもありません。しかし、設計、建設、運転、各段階におきまして厳しい安全規制を実施しておる現在でございます。今回の事象に関しましての国民の不安を取り除くためには、やはり委員御指摘のとおり、正確な情報を広くわかりやすくお知らせすること、これに今からキャンペーンを徹底せよと私もエネルギー庁にも申し上げている次第でございます。同時に、通産省としましては、既にこれまでの確認してきた状況につきまして発表は怠りなくやってまいったつもりでございますが、今後とも適切な情報の提供に最大限の努力を払うつもりでございます。お約束いたします。
○足立良平君 そういう観点から、このエネルギーの長期需給見通しの中におきまして、原子力というのは大変重要な電源だというふうに位置づけをされているわけであります。今日の社会情勢、先ほどこれから国民の理解を得る努力をすると言いながらも、一方において今日の社会情勢というのは、原子力に対する不安感というものはまだまだやっぱり残っているわけであります。そういう点からいたしますと、二〇一〇年の原子力発電七千二百五十万キロワットを確保していくということは大変に難しいのではないかというふうに思えてならないわけでございます。 そういう面では、従来から電源三法を中心に地域の振興というものを考えていたわけでありますけれども、これは単に電源三法を中心にした地域の振興というだけでは限界があるのではないか。むしろそういう面からいたしますと、教育とか文化面とかあらゆる観点から総合的に地域の活性化をどのように図っていくのかということ、あるいはまた関係閣僚会議を中心にいたしまして政府としてこの原子力問題にどのように取り組んでいくかということが極めて重要なのではないか、私はこのように実は考えているわけであります。エネルギーというのは、単に原子力といいますよりも、エネルギーというものが枯渇をしてくる、あるいはまたこれが一たんいろんな石油等の問題で脅かされるといたしますと、日本の産業、国民生活、あるいはいろんな問題すべてかかわってきているわけでありますから、このエネルギーをどのように安定的に確保していくのか、そしてそれは一方において地球に優しいエネルギーとしてこれをどのように確保するかということは、これから日本の一番大きな柱になっていかなければならない、こういうふうに思っているわけでありまして、そういう観点で通産大臣並びに総理の決意をお聞きかせ願いたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) 委員御指摘のとおりでございます。 まず、通産省ではこのエネルギーの安定供給の確保及び地球環境の保全と経済の安定的発展の両立の確保、これが両立ちして成り立っていかなければならぬ、このように思っているわけでございまして、原子力といえば、原爆でなく、あくまでも平和利用というものも十分にあるんだという認識のキャンペーンもこれまた必要だ、こう認識しておるわけであります。 かかる基本的な考え方に立脚いたしまして、まず第一点は、石油依存度の一層の低減を図らなければいかぬ。第二は、エネルギー利用のより一層の効率化及びまた新エネルギー、原子力等の非化石エネルギーを初めといたしました石油代替エネルギーの積極的な開発導入、これも必要ではないか。また同時に、我々の目指す石油代替エネルギーの供給目標を昨年十月の閣議決定を経て改定したところでございますが、これを定着させていくことが大事であると私は思っておるのであります。 さらに、各国のエネルギー政策の実情をずっと眺めてみますると、各国のエネルギー事情等を反映し異なるものでありますために、一概に比較は困難ではございますけれども、本供給の目標は我が国のエネルギー事情等を踏まえまして作成されたものでございまして、官民挙げて最大限の努力によって達成されるべきものとして、また我が省といたしましては、今後とも本供給目標の達成に向けました総合的なエネルギー政策の積極果敢な推進に最大限の努力を払うことが我々の任務である、また遂行することが我々の責務でなければならぬ、義務でなければならぬ、このように感じておるわけでございます。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のとおりに、我が国のエネルギー供給構造は約八割が海外依存でありますし、また原油は約七割を中東に依存しておるという極めて脆弱な構造の基盤にあることはもう御指摘のとおりでありまして、我々はなるべく安定的に供給先の多角化であるとか、努力もしてきたわけでありますけれども、今後はさらに一層原子力等の新しい代替エネルギー、しかしこれは一にも安全二にも安全で、安全確保を十分に前提としながら政策的努力を続けていかなければならない、こう考えております。
○足立良平君 抽象的な最後の総理の答弁でありますが、そういうもので政府全体が我が国のエネルギーというものをどうするかということをもう少し考えていただきたいということを再度申し上げておきたいと思います。 次に、国内問題に入ってまいりたいというふうに思いますが、民社党は生活先進国づくりということを党の一番基本的な柱に実は据えているところでございます。これは豊かな生活というものを考えましたときに、特に我が国の場合には、先ほどの話にも少し出ておりましたけれども、いわゆる我が国の物価高というもの、これが一番問題であろうというふうに思います。先ほど総理の方も、内外価格差というものは少し縮まってきたんだというふうなことを数字を挙げて言われていたわけでありますけれども、依然として内外の価格差というものは今日も存在をしているというふうに思えてならないわけであります。 一般的にこの物価問題というのは、ともすれば経済企画庁におきましては、CPIといいますか、これを中心にして、今から何ぼ上がったのかということがポイントになるような感じがしてならないわけでありますが、本来この物価問題というもの、経済に見合った豊かな生活というものを考えてみたときに、まず根っこからの物価が一体どうであるかということが一番検証されなければならないし、そしてその物価を引き下げていくということが、私は今日における我が国の政策のいわゆる観点からいたしますと一番重要なことだろうというふうに思えてならないわけでありまして、そういう観点で、これは企画庁といたしましても、物価の引き下げということに焦点を置いた政策の転換ということが行われなければならないのではないか、このように思えてならないわけでございます。 したがいまして、そういう観点からいたしますと、例えば五年以内に米国並みに物価を引き下げましょう、あるいはドイツ並みに物価を引き下げていこうというふうに、単に物価の上昇をとめるというだけでなしに、五年なら五年でこのくらい下げていこう、十年でこれくらい下げていこう、こういう物価政策というものを企画庁中心にひとつつくっていただくことができないものかというふうに思えてなりません。そういう面で、越智企画庁長官の卓見を私は聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(越智通雄君) 政府といたしましても、先生御指摘のように、物価の動向のみでなく、物価の構造改善ということをずっと考えてまいっております。御存じのとおり、物価の上昇率という意味では世界の中で大変安定している方でございまして、殊にこの数年の間は消費者物価でほぼ三%以内の、ときには一%未満の上昇率で安定してまいりました。 ただ、構造といいますときには大変難しいのでございますが、内外の価格差が相当あるというときに二つの面がございます。一つは、同じ物品をアメリカで買ったときと東京で買ったときにどっちが高いか、この問題がございます。よく口紅などが例に出されますけれども、フランスでできたのをロサンゼルスで買ったのと東京でどうかと。その点はそれなりに内外価格差の解消のための本部をつくりまして、既に四回開いてございますけれども、七十二項目に二十二項目足しまして今九十四項目の整理をして、やや解消、縮小の方に向いているかなということはございます。 しかし、物価全体という意味で申しますと、世界の中で日本の方がお安いものもある。あればこそまた輸出も振興しているわけでございますけれども、安い高いを全部押しなべて生活費という意味で、例えば東京とニューヨークでどちらが暮らし向きがしやすいか、これはまた比較が大変難しゅうございまして、同じ野菜でも東京でできた野菜、アメリカでできた野菜、どういうふうに比較するかという点はございますけれども、それらを達観して計算しまして、やはりニューヨークと東京の場合では、非常にアバウトな言い方でございますが、こちらの方が四割方高いかな、こういう議論もありますし、また為替によりましてかなり変動がございますものですから、同じ時系列ではなかなか見にくいところがございます。 もちろん、また別の観点から言いますと、旅行者の方が入られますと、ホテル代等が入りますとまた例えばロンドンみたいなところでぴんとはね上がるとか、そういう問題もございまして、旅行者の目で見た物価というものとその地に住む者の物価というもの、生計費といいますか、そういう点もございますので、せめて日本と外国を比較いたしまして、外国といいましても大体アメリカ、イギリス、ドイツあたりと比較いたしまして、生計費をそれ並みにおろすために今一生懸命努力をしている。今、内外価格差対策本部で、総理大臣を長として閣僚ほぼ全員が入って各省ごとにやらせていただいているのが実情でございます。
○足立良平君 私は、物価問題の最大の問題は土地・住宅問題ではないか、このように思っているわけでございまして、本院におきましても、住宅というのは年収の大体五倍程度ということを建設大臣はおっしゃっているわけでありますが、現実に年収の五倍程度で日本の例えば大都市圏で住宅を購入することができると建設大臣は思っておられますか。
○国務大臣(大塚雄司君) お答えいたします。 我が国の住宅政策は、戦後四百二十万戸不足したところから始まりまして、現在では三千八百万世帯に対しまして四千二百万戸の住宅があり、戸数については充足をしたと思うのでございます。しかも、最低居住水準で見ますと、昭和四十八年の段階ではいわゆる居住水準よりも下回るものが三割ございましたが、六十三年にはそれが一割以下になった。着実によくはなってきておるわけでございますけれども、近年の地価高騰によりまして大変な事態になって、土地・住宅問題は海部内閣の最重要課題であるということで取り組んでおるわけでございます。 実際に、今御指摘のように、年収の五倍程度の住宅の供給につきましてはいろいろな難しさもありますけれども、土地税制の改正や、特に地価税あるいはまた未利用地特別土地保有税の創設などと土地の関連融資の規制、さらには土地の有効利用、こういう総合戦略で取り組んでまいりますれば、どうやら五倍程度の住宅確保になって実現できるのではないか。絶対の自信とまでは申しませんけれども、しかし総合的に考えまして地価も大分安定をしてまいりましたので実現ができるものと思っております。
○足立良平君 建設大臣、そのまま立っておってください。 例えば、私ここに資料があるんですけれども、今回発表されました平均的なサラリーマンの年収というのは、男子で約五百八十万か九十万くらいだったと思いますね。男女合計いたしますと四百万にちょっと乗ったくらい、四百二、三万だったと思う。一応六百万といたしましょう。そうすると、六百万の年収で五倍といったら三千万です。建設大臣、現実で言うと大都市圏で本当に持てると思いますか。
○政府委員(立石真君) 中堅勤労者の所得の平均につきましてはいろいろな統計があるわけでございますが、現在住宅取得につきまして建設省の方で根拠としております数値は、総務庁の行っております貯蓄動向調査によります暦年の勤労者世帯の平均年収をとっているところでございます。 この数値によりますと、京浜の大都市圏につきましては、勤労者世帯収入といたしまして平成二年度七百六十七万円となっているところでございまして、おおむねその五倍と申しますと四千万円ぐらいの住宅価格といいますか、取得能力というように考えているところでございます。
○足立良平君 これは一般的にいろんな計算の仕方があるんですけれども、ちょっといきなり聞いてわかりにくいと思いますが、総理、人間一般的な平均の生涯賃金というのはどのくらいだと。わかりませんか。いきなりですから多分わからぬと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 突然の御質問でございますので、当てずっぽうで申し上げることもできませんので、調査の上御返事いたします。
○足立良平君 大体二億五千万、二億から二億五千万と言われております。これはざっと計算しますと、こういう計算が成り立つかどうかは別として、二億五千万と仮定いたしますと、約四十年間働いて二億五千万でありますが、そうすると、公租公課が三〇%か四〇%。いろんな議論がありますが、仮に四〇%と平均すると二億五千万のうち約一億円、三〇%にしても七千五百万。そうすると、そのほかに仮に五千万の住宅を買うと、ローンの組み方いかんによっては約一億円。倍ですから一億です。 二億五千万の生涯賃金の中から公租公課を引いて、それから住宅費を引けば、これはローンの組み方で実際的には一億七千五百万から二億のお金というものは現実に払わなければいかぬ。そうしたら、この四十年間で人間一体何をしているんだということになりかねないと思うんです。そういう面で、この住宅問題というのは本当に政府として国内問題としては一番重点に考えていかないと、社会の公平といいますか、そういうものを乱してしまう、安定的な社会を乱すものだ、私はこのように思えてならないわけでございます。 そういう面からいたしますと、大都市の地域における住宅政策というのは、持ち家政策だけを中心に今日までやってきたけれども、実際問題としてはこれは賃貸住宅をもう少し重点的にやる。そして、それは地方都市においてはもちろんその持ち家政策というのは継続するといたしましても、大都市と地方段階におきましては二本建てで住宅政策というものを進めていかなければならないのではないか、私はこのように思えてならないわけでございます。 そういう観点で、例えば賃貸住宅におきまして所得控除による減税実施というものを、大蔵大臣、何とか考えることはできませんか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはよく今までも本院で御論議をいただいてきたテーマの一つであります。 私は、今委員が述べられましたように、住宅政策が非常に持ち家志向の強かった日本において持ち家にある程度シフトしてきたというのは、国民感情からもやむを得ない部分があったと存じます。逆に今非常に都市が過密になっていく中で、欧米型の賃貸型の住宅というものがふえていく、その方向については私は考え方として異論を申し上げるわけではありません。私どもの立場からいたしますと、住宅費の負担の軽減というものについて財政当局として果たすべき役割というものは、一つは公営住宅等の建設を促進する努力、もう一つは融資あるいは税制の活用などによりまして良質な賃貸住宅の供給コストをできるだけ低くしていくこと、こうした努力が我々の指向すべき方向であると考えております。 今所得控除という言葉を使われましたけれども、家賃控除というものが何回か提起をされてまいりました。私はそれを基本的な生計費という議論から延々と始めるつもりはありませんけれども、特にやはりその場合に高額の家賃をお払いの方がより大きな恩典を享受されるといった点は問題であると思いますし、それ以上に、我が国が今都市の過密を何とかして解消しようという努力を続けておりますときに、大都市圏の住宅あるいは土地問題という観点から考えましたときに、家賃控除の創設というものがかえって大都市圏への人口の集中というものを助長してしまうのではないか。むしろ多極分散型の国土形成に資していかないのではないかという懸念も払拭できません。何回かここでそのような議論を、いや、委員は違うと仰せられますけれども、私はそういう問題があると思っております。
○足立良平君 私は大蔵大臣とその点では意見を異にいたします。 大都市に人口が集中するということは、ある面におきまして情報社会というものは、これは生の情報を求めて人間は一極に集中していく傾向がありますから、単にそれは家賃減税を行ったから大都市に集中するなんて、そんなものは全然違う、私はそういうふうに実は思っているんです。これは別の場所で十分ひとつ議論をさせていただきたい、このように思っております。 次に、私は労働時間の関係についてひとつお聞かせを願いたいと思うわけであります。これは労働大臣にお聞きをいたしたいと思います。 労働時間千八百時間、これを平成四年に向かってやっていこうという方針を既に決めていることは、時間も余りございませんからもうここで一々申し上げません。この労働時間の短縮についてずっと統計を見ましても、一年に大体二、三十時間短縮してくればいいところでありまして、まだ二千五十二時間程度現に日本の労働者は働いている。これを千八百時間に短縮するということは大変なことでありますけれども、そういう面でこの計画達成に向かって政府としてどのような考え方をして臨んでおられるのか、お聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 労働時間の短縮問題は、ただいまも先生御発言の中でお触れのとおりでございまして、昭和六十三年四月施行されました新しい労働基準法、自来、関係機関、団体あるいは企業、事業主等の協力をいただきまして、それぞれ十分ではございませんけれども一応着実に進んでまいっておりますことは御承知のとおりでございます。 私どもは、まず完全週休二日制を実施しよう、あるいは年次有給休暇を拡大して、しかも拡大するのみならず、それを各勤労者があるいは各事業者が確実に取得するように奨励しよう、あるいはまた連続休暇を拡大してこれもひとつ確実に履行してもらおう、実施してもらおう、消化をしてもらいたい、あるいはまた所定外労働時間の短縮に心がけよう、こういうような具体的な施策のもとに関係者の協力をいただきながら進めてまいっておるところでございます。 なおまた、先生御承知のとおり、来月、すなわち四月からいよいよ法定四十四時間、これも関係者に御相談をいたしまして、もうあと数日後に追っておるところでございますが、これが完全実施についても督励、啓発、御協力方をお願い申し上げておるところでございます。
○足立良平君 この労働時間の短縮というのは、法令なりで決めてそれで一遍にさっとやれるものじゃないわけですね。日常の仕事がずっと流れている中でどのように問題なく労働時間の短縮をしていくかということは、極めて長期的あるいはまた計画的に物事を進めていかなければならない課題であろう、このように思うわけでございます。したがって、そういう面からいたしますと、一九九三年の四月一日付以降は法制的には週四十時間というものが実施をされるということをまず前提として考えてまいりましたときに、これは現在の政令でそういう週四十時間の移行時期をいつからするんだということをはっきりと出しておくということが、それに向かって逆に計画をうまく進めていく、仕事の流れ方を円滑に進めることができる、このように思うわけでございまして、この移行時期というものを明記すべきではないかということが一つであります。 そういう観点からもう一点は、これは人事院の関係でお聞かせ願いたいと思うのでありますけれども、国家公務員の千八百時間ということに向かって進めようといたしましても、このことは当然人員をそんなにふやすわけには実際的にいかない。国民に対するサービスというものは低下させるわけにはいかない。こういうことからいたしますと、仕事のシフト化あるいはまた人員の配置の問題から含めて相当長期にわたってこれまた計画を進めていかなければいかぬわけであります。そういう観点から、本年度の人事院勧告にこの千八百時間というものを目指してこういう方向で進めるというあらかじめ時期を明示するということは極めて重要なのではないか、このように考えるわけでございまして、その点で人事院の考え方を含めてお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(弥富啓之助君) お答えを申し上げます。 公務におきます完全週休二日制につきましては、社会一般の情勢適応ということ、それから国民生活への影響や国民の理解というものにも配慮をいたしながら、国全体の労働時間短縮の計画期間内、すなわち平成四年度末までのできる限り速やかな実現を目標にただいま条件整備に取り組んでいるところでございますが、先生御承知のとおりに、その一環として昨年四月からいわゆる交代制動務の職員を対象とした週四十時間勤務制の試行を逐次実施いたしております。ただ御承知のとおりに、国立の病院部門におきましていまだ試行が実施せられていない状況にございます。これは人事院といたしましてもいろいろと御努力をお願いいたしておるのでございますが、これらの部門におきましても早急にその試行を実施していただきたいということを関係各省に対しましてお願いいたしておるところでございます。 このような条件整備というものが、まだこれにあわせまして民間企業における今後の状況も勘案し見きわめる必要がございますので、本年の勧告時にそれについてどういうふうな言及をするか、これは現在のところまだ申し上げる段階にございませんが、いずれにせよ、人事院といたしましては、今後の状況を的確に踏まえながら、完全週休二日制の速やかな実現に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(小里貞利君) 今先生が焦点にしておいでになる質問点は、年間総労働時間千八百時間、言いかえますと週法定労働時間四十時間、これは裏腹でございますが、これを大体いつごろになったら完全に実施できるのか、そのめどをというような一つのお尋ねであると思うのです。 御案内のとおり、先生もうこれは専門家でございますから御承知でございますが、私どもの認識といたしまして三年、新しい労働基準法が施行されまして三年たちましたら、その新法の実施の状況をよく見て、そして必要があらばこれを検討してさらにまた必要な措置を講じなければならない、こういう附則第七条がありますことは、御承知のとおりでございます。もとより法定上のそのような手続きもさることながら、先ほど若干話が出ておりましたように、「世界とともに生きる日本 経済運営五カ年計画」、その中におきまする豊かなゆとりのある勤労者生活を確立しなければならないという、すなわち昭和六十三年五月二十七日の政府の方針がございます。また、その後随時閣議等におきましても、その目標の達成に向かって努力しようと。私どもの労働省におきましても、そのことを労働行政の最たる重要な課題として努力をしてまいっておりますことも先生御承知のとおりでございます。 さて、いよいよその三年の経過の時点もあと数日でやってまいります。同時にまた、御承知のとおり、本則第三十二条におきまして、八時間を超えてはならないよという原則もある。ただし、四十八時間、当分の間はよろしかろうというような緩和措置のもとに今日にまいっております経緯等からいたしまして、さらにまた労働時間の短縮問題は、今日国民の中におきましてももうほとんど世論と見てしかるべき一つの重心、比重をかけなければならない私どもの政策課題でもあるかと思っております。 以上もろもろ申し上げましたことの一つの状況にかんがみまして、来月に入りましたなれば、これを具体的に検討する機会をつくりたい。それは簡単に申し上げまして、中央労働基準審議会等にいろいろ研究をしていただきまして、どのような中身におきましてその目標の達成をきちんと位置づけるかということを策定してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○足立良平君 この労働時間の短縮問題というのは、これは将来貿易摩擦の一つの要因にもなりかねない、そういう問題をはらんでいるわけでありますが、単にこれは国内問題という観点だけでなしに、そういう観点からもひとつ積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。 同時に、時間外問題、所定外労働というものは日本の労働時間の長い一番大きな要因でありますから、そういう面からいたしまして、労働者の時間外労働の適正化指針におきまして上限というものを明示する必要があるのではないか、この点につきまして労働大臣の考え方。 同時に、割り増し賃金の比率、これはもうペナルティーという考え方をより強めて、現行の二五を五〇とか、諸外国並みに割り増し賃率を引き上げるということが所定外労働というものを抑制していくことにつながってくる、このように思いますが、その点いかがであるか。 それからもう一つは、これは従来から出ているわけでございますけれども、四月二十九日から五月五日まで、いわゆる太陽と緑の週ということで五月一日を休日化する、先ほど労働大臣は連続休暇という表現を使われていたわけでありますけれども、そういう観点でこの五月一日の休日化の問題についての考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 所定外労働時間を短縮するために、いわゆる労働省として一つの上限の目安を置いたらどうか、こういうお話を含めてお尋ねのようでございますが、これはもう先生御承知のとおり、大臣告示によりまして上限の目安は策定いたしまして基準を示して、これに対する事業主、企業の協力を求めてまいっておるところでございます。 それからもう一つは、いわゆる二五%の問題でございますが、私どもはその中間過程と申し上げましょうか、労働時間短縮政策推進要綱なるものを平成三年度中にひとつまとめまして、そしてもっと所定外労働時間の短縮問題を積極的に進めようじゃないかと、こういうようなことも用意をいたしまして、目下準備中でもございます。 なおまた、先生の二五%のことでございますが、この割り増し賃金率というのはほとんどの事業者がこれを適用いたしておりまする現状からいたしまして、あるいはまた、これはもう申し上げるまでもなく、いわゆる刑罰法規である労働基準法の性格から見ましてもいかなるものであろうか。ただいま申し上げました平成三年度短縮推進要綱等も決めますから、もっとその辺の積極的な対応を見て、そして検討をするべきであろう、そういう考え方でございます。 そのほかもう一つ、五月一日の問題でございますが、先ほども先生若干触れていただきましたように、私ども連続休暇というのは最大目標に置いておるところでございますけれども、祝日の制定の問題は私の労働大臣の次元で今直接お答えできるような一つの条件あるいは準備をいたしておりませんが、よく検討させていただきたいと思います。
○政府委員(公文宏君) 国民の祝日に関する法律、私が預かっておりますのでちょっとその件についてお答え申し上げます。 五月一日をお休みにしますと連続七日間お休みだという御提案でございますが、労働時間短縮の促進という意味では大変貴重な御提案だと思うわけでございますけれども、この問題はその観点だけから検討するというわけにもまいりませんで、いろいろなほかの視点、例えば国民の祝日というのはいかにあるべきか、祝日の制度はいかにあるべきかということもございますし、それよりもやはり、その他の社会的あるいは経済的に与える影響、例えば中小企業の問題をどう考えていくかとか、それから七日間連続お休みということになりますと、特に国際化が進んでおります、しかも非常に国際的にウエートが大きくなっております日本の金融市場、マーケットを七日間も閉じていいかというような問題もいろいろございますので、この問題につきましては慎重に、しかも総合的に検討をしていく必要がある問題ではないかというふうに考えております。
○足立良平君 慎重に、総合的にと言われるけれども、これはまたずっと延び過ぎたら全然意味がないわけでありまして、ひとつ早急にやってもらいたい、こう思います。 それから次に、育児休業の関係について質問いたしておきたいと思いますが、これの必要性につきましてはもう既に相当以前から議論がされておりますので、時間の関係で省略をいたします。 伝えられるところによりますと、休業者の生活保障の問題が全く考えられていないというふうなことも伝えられているわけでございまして、まず第一点目は、従前の賃金の六割の所得保障ということはもう絶対これは必要なのではないか、こういう点についての考え方がどうであるかということが一つ。 それから二つ目には、公務員というものはこれは民間準拠が大原則でありますから、一般公務員とそれから特定の公務員、これは教員とか看護婦さんであるとかですね、そういう二つの制度が併存することに実際的に今伝えられる法律であればなるのかどうなのか、それとも現行制度を見直そうとしているのかということが二つ目の疑問。 それから三つ目に、三十人以下の事業所については三年間の適用猶予という考え方が提起されているようでございますが、実際これも過半数の労働者が適用猶予になりかねないというふうに思いますので、そういう観点からこの問題を一体どのように考えているのかということが三つ目の質問でございます。 それから同時に、ちょっと次元が違いますけれども、これは大蔵大臣にお聞きをいたしたいと思いますのはパート減税の問題であります。これは今日の労働力不足あるいはまた婦人を中心としたパート、内職の労働、その人たちの社会への参加、こういう観点を考えてみましたときに、現在の百万円というものをさらに大幅に引き上げていくということは、いろいろな面で、単に税制上の問題とかそういう問題だけでなしに、労働力不足とかいろんな社会の今の状況からするならば、政策的に極めて必要なのではないか、このように考えるわけでございますが、大蔵大臣の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、基本的には社会政策上あるいは雇用政策上、パート労働というものをどう位置づけられるかという基本的な問題があろうと思っております。しかし、その条件が明確に行われていない今日の時点で申し上げますならば、いわゆるパート所得者と言われる方々に対しましては、先般の税制改革における配偶者特別控除の創設、拡充によりましてパート問題というものは解消されたと言えると思います。 さらに、平成元年十一月のいわゆるパート減税の実施によりまして、パート収入の非課税限度額が百万円に引き上げられました結果、御夫妻の一方に百万円のパート収入があるパート世帯について、他の一方の給与収入と合わせた世帯収入というものは標準世帯で三百六十四万二千円まで全く所得税がかからないことになりました。御夫婦の一人が働いておられる片働きの世帯の場合には三百十九万八千円から税がかかるわけでありますから、既にお二人が働いておられる共稼ぎの御世帯というものについては、税制面として優遇措置を行っておるということであります。 さらにもう一点申し上げたいのは、仮にパートで働いておられる、まあ主婦という表現でありましたから主婦の方といたしましょう、でありましても、一人で年間百万円を超える収入を得ておられるということでありますならば、私は税法上独立の人格をお持ちいただいてもよろしいのではないかと思います。むしろ、現在の時点におきまして、先ほど申し上げましたお二人働いておられる世帯と片働きの世帯の非課税限度額の上限を比したとき、既にこれを超えますときには公平の問題を生ずるということも申し上げなければなりません。 しかし、基本的には私はパート労働者の問題というものは、社会政策、雇用政策上どう位置づけるかということにより、独立した人格というものを金額として税法上どこから認めるかというものにも影響は出てくるものと、そのように思います。
○国務大臣(小里貞利君) お答え申し上げます。 育児休業法の制定につきましては、もう先生は経緯等よく御承知でございますから、さらにまた基礎的ないわば枠組みについても先ほどお触れがございましたが、その辺は時間の関係もあり省略させていただきますが、ただこの機会に申し上げたいのは、大変長きにわたりまする内外のいわば国民的論議が進められてまいりました一つの背景がございます。私どもはそのような世論の傾向を受けまして、中でもこの参議院の社労委員会等におきましては相当な論議も積み上げておいでいただくことなども承知の上で、御承知のとおり、さきに婦人少年問題審議会に諮問をいたしました。これは答申も返ってまいりました。ただいま法的、専門的中身につきましてそれぞれの基礎的なところを急いで詰めておるところでございますが、でき得れば閣議を経まして政府としての態度、方針を決めて、国会に可能な限り一両日中に提出いたしまして論議をお願い申し上げたい、かようなところまで進んでまいっておりますこともひとつこの際御披瀝申し上げ、そしてまた御理解をいただきたいと思う次第でございます。 そこで、先生からお尋ねがございました休業中の保障問題、賃金問題でございますが、これも弁解がましくまず聞こえるかもしれませんけれども、この法案作成につきましてはさまざまな立場から、そしてさまざまな意見が熾烈に述べられ、あるいはまた要請が参っておるところでございますが、私どもはでき得る限り多くの国民の皆様方の納得の得られるような形に、しかも早急に集約をいたしましてお諮りをいたしたい。同時にまた、せっかく先ほど申し上げましたような経緯も持つ本法案でございまするだけに、一応準備中でございますが、この機会にいわゆる育児休業を取得できる法的な保障、それを基本にした枠組みづくりだけは是が非でも実現を見たいものだ、かように考えておるところでございます。 なおまた、そういうようなさまざまな要求の中におきまして休業中の所得保障問題も相当な議論が出てまいっておるところでございますが、率直に申し上げまして、休業中の何らかの保障も必要だよという意見も相当あるけれども、また一方におきましては、そのような保障措置をとることはいかがなものであろうか、支払いも事業主に法律で義務づけるべきではない、あるいは育児休業が任意的、選択的であることから他の労働者とのバランスを考える必要があるなどの見解も見られるところでございまして、このような意見あるいは見解の違いが見られる中では、先ほど申し上げましたように、一定の方向を性急に一定の期間内できちんと整理することにはなかなか苦渋をいたしておるところでもございます。そのようなことでございますけれども、さらにただいま御指摘の話につきましては、広範かつ多角的な観点から論議が深められますことを期待も申し上げますし、また私どもは歓迎をいたしておるところでございます。 次に、育児休業制度についての適用猶予措置を設けるべきではないかというお考えでございますが、この問題は、まず小規模事業所については一定の準備期間が必要であろうということを今考慮いたしておるところでございます。これは先生も御承知のとおり、従業員数が少ない、規模の小さい零細企業等におきましては、女子労働者の割合が非常に高いというようなことなどもあり、あるいは代替用務員の問題等もこれあり、いろんな観点から目下検討を加えておるところでございます。なおまた、猶予期間内においても制度の確立が図られるよう指導援助を行う必要がある、こういうふうにも考えておるわけでございまして、でき得る限りその方向で努力してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○足立良平君 時間が余りございませんから議論をちょっとできないんですが、一般的に出産というふうな問題は従来は個人の問題、こういう考え方でありますけれども、これはこれからの我が国の人口の状況あるいは経済社会の状況を考えてみると、社会全体の問題として出産の問題の経緯というものを考えていくという視点が私は必要なのではないか。当然婦人の社会参加というものを促進していくというそういう一面性があるわけでありますけれども、それ以外にも私はこの問題というのは大変重要な問題だというふうにだけ申し上げておきたいと思います。 次に、消費税の問題でありますが、消費税につきましては、これは所得の捕捉率がはっきりしていないというふうな、あるいは逆進性の問題、いろんな欠陥を持っておりますけれども、まず一番早急にやらなきゃならないのは、消費者がせっかく払っているにもかかわらず国庫に入らないといういわゆる益税の問題あるいは運用益の問題、あるいはまた逆進性を緩和する例えば住宅家賃の問題とか、いろんな問題についてこれを早急に是正といいますか、今日の欠陥というものを直していかなきゃならない、このように思っているわけでございますが、これは単に与野党の協議を見守ると、大蔵大臣、そういうふうな答弁を私は期待しておりません。そういうことではなしに、これらのそういう問題について大蔵大臣として一体どういうふうにお考えになっているか、お聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) お気に召さないと言われましても、国権の最高機関の意思を我々は無視することはできません。今委員がお述べになりましたけれども、問題は両院の合同協議会がその手に握っておられるわけであります。 政府は、御承知のように、昨年政府なりの見直しというものを真剣に行い、その結果を国会に対し見直しの法律案として提起いたしました。一院は通過をいたしましたが、一院において廃案になった御承知のとおりの経緯がございます。一方、廃止を主張される方々も同じような形で法案を提出される、それも廃案となりました。その中から国権の最高機関としての両院の御意思によって合同協議会が生まれ、結論を出すと言われたわけでありますから、政府としてその結果を見守るという姿勢以外の姿勢はとりようがないわけであります。 しかし、政府としてそうした問題に解決の意思がなかったのかと言われるなら、我々は責任を持って我々なりに真剣に検討いたしましたものを見直しの法律案として国会に御審議をお願いした経緯があることも御承知のとおりであります。私どもとしては、この両院の合同協議会が消費税の必要性というものを踏まえながら、その結論としての建設的かつ具体的な合意が早急に得られることを心から願っておりますし、それが我々に提示をされました段階で、その趣旨に沿って誠実かつ迅速な対応をしてまいりたいと願っております。
○足立良平君 次に、これは老後の問題について、最後になると思いますが、お聞かせ願いたいと思います。 老人の所得の保障とかいろんな老後の問題というのは多くの課題を今抱えているわけでございますが、この老人問題というのは、まず一つ本当に考えていかなきゃなりませんのは、社会の活性化をどのように保っていくのか。高齢化社会における活性化の問題というのは本当は一番議論をしておかなきゃならない課題だろうというふうに思いますし、同時に、社会的なコストアップをこれまたもたらさないような中で、しかも思い切った福祉対策というものをどのようにするのかというふうな大変相矛盾した問題を実は高齢化社会というのは持っているというふうに私は思っているわけでありますが、そういう観点からいたしまして、高齢者の技能を社会に活用していくという面から在職老齢年金、例えば標準報酬月額の十一万円以下というものは十割を支給していくということもこれは重要なことではないか、こういうふうに思うわけでございまして、厚生大臣の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 年金が、厚生年金の場合は六十歳から、それから国民年金は六十五歳からであります。ところが、六十歳でやめられた方がさらに働かれる、そういうようなことも、またある意味では生きがいを大事にするということからそういう制度も必要だと思います。そのところにおける年金の給付、いわゆる部分給付の問題の御指摘があったと思います。 この問題につきましては、委員御承知のように、高齢者の雇用と年金との連係の問題は、在職老齢年金や支給開始年齢のあり方など今後の年金制度に大きくかかわる重要な問題であると認識しております。在職老齢年金につきましては、先般の改正におきまして、六十歳代前半、六十五歳までの雇用の促進の観点も配慮した改善を行ったところであります。すなわち、前は三段階でございましたが、七段階で不利の面を捨象できるように考慮しておるわけでございます。 また、先般の改正で、次期財政再計算の際において、厚生年金の支給開始年齢について、高年齢者に対する就業機会の確保の状況等を総合的に勘案いたしまして見直しを行うものとされているところでありまして、今後、就業生活から年金生活へのなだらかな移行を図るための仕組みを検討していくことも必要であると考えております。
○足立良平君 これが最後になると思いますが、高齢化社会の中における老人の介護、これは余り表には出ないですけれども、本当に大変な問題を抱えております。そういう面で、この在宅介護を中心に時間もございませんので一応かいつまんでお聞きをしておきたいと思いますが、在宅ケアを支えているのは、何と申しましてもこれは女性であります。これは家事をしながらとか、あるいはまた勤務をしている人たちが中心で、女性にすべて荷がかかってきているというのが今実態でございます。そういう面から、この介護の疲れをいやしていくといいますか、これはやはり公的なヘルパーというものを安く利用できるシステムというものを早急につくらなきゃならない。厚生省側におきましても検討しているわけでありますけれども、この労働力不足の中で十万人というものが実際的に本当に可能なのかどうなのか、この点が第一点目でございます。 それから第二点目といたしまして、介護手当と申しますか、これは地方自治体におきましては横浜市で九万、あるいは神奈川県で三万とかいうふうに介護手当も支給をされているわけでありまして、こういう寝たきり老人の重い看護を必要としている高齢者を抱える家族に対して介護手当というものを考えることができないかどうかということが二つ目であります。 そして、最後でありますけれども、この働く人たちが親族の寝たきりという者、高齢者を安心して介護していくという観点で、この介護休暇制度というもの、これも先ほど育児休業のところで申し上げましたけれども、産まれる場合、あるいはまた老人の場合に、社会全体としてそういう点でその経費というものをきちんと見ていく。そういう観点でこの介護休暇制度についての考え方について、これは厚生大臣の考え方を最後に聞いておきたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) お尋ねは三つでございます。 第一点がホームヘルパーの問題、あるいはまた全体のマンパワーの確保の問題についての見通しでございますが、御承知のように、十万人をゴールドプランで予定しております。問題は、必ずしもその目標のとおりに進んでいるとは申しませんけれども、三年度予算においても、財政当局の御理解をいただきましてかなりの充実を図るように手当てしております。あとはその勤務の状況、あるいはほかの職種との給料の格差の問題、これらをやはり配慮いたしまして十分に手当てをするように努力してまいりたいと思っております。 それから第二点は、介護手当の各家庭でやっていらっしゃる部分をどう評価するかという問題だと思います。これはもちろんお嫁さんが、あるいは御家族の方が寝たきり老人を抱えている場合の介護は、本当に涙ぐましいと申しましょうか、大変な負担である、これも事実でございます。しかし、御家庭における御家族の介護をいかに評価するかとか、条件はそれぞれ異なりますので、一つの研究課題とさせていただきたいと思います。 第三点が例の休暇の問題でございます。休暇の制度はこれは労働省の関係かと思いますが、部分的にはその制度を導入しているところもあるやに聞いておりますけれども、これも将来の課題だと思います。
○足立良平君 終わります。
○委員長(平井卓志君) 以上で足立君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山君。
○片山虎之助君 三番手でございますが、湾岸問題から質問をさせていただきたいと思います。 湾岸戦争が終わりまして約一カ月でございます。 〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕 先ほどの中山外務大臣のお話だと、アメリカではもう湾岸問題は終わったと、こういう雰囲気だそうでございますが、やはり湾岸戦争も少し遠くなったのかな、大変国際政治、国際社会の変化のテンポは速いなと、こう思っているわけでありますけれども、この湾岸戦争はポスト冷戦、米ソ協調体制の国際社会に幾つかの教訓を残して終わったのではなかろうか、私はこういうふうに思うわけであります。 我が国は人的な貢献はできませんでしたけれども、しかし御承知のように、最初に経済協力を入れまして四十億ドル、その後九十億ドルという多額の資金供出をいたしたわけでございます。それは一部予算を直し、あるいは国民の皆様に臨時の増税をお願いして資金をつくったわけでありますけれども、どうも、先ほどもお話がございましたが、クウェートのワシントン・ポスト紙の感謝広告で日本が出ていない、アメリカでも割に風当たりが強い、こういう話でございます。 私は、当事国のクウェート、サウジ以外では日本が一番のお金を出したわけであります。いわば国民の血税でございまして、これについてはもう少し国際的にも評価されていいし、我々も自信を持っていいのではなかろうか。そのためには国の内外にわかってもらうそういうPRをしていただく必要もあると思いますし、これから新しい国際秩序づくりが始まるわけでありますから、それにも積極的に参加するんだとこの際表明をして、浮揚というんでしょうか、もう少しその評価の低いのを引き上げる努力をぜひお願いいたしたいと思いますが、まず総理の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のとおりに、国連の決議に基づいた平和回復活動に日本として許される範囲のできるだけの応分の協力をしようというので、最初二十億ドル、周辺国へ二十億ドル、追加で九十億ドル、予算を通し国民の皆さんにも御協力願って出した分でありますから、これは他の国々に比較をしましても劣るものではありませんし、おっしゃるように、ここの御議論だけでも大変な御理解と御協力をいただきながら通したわけでありますから、このことはやっぱり正確に認めてもらいたいと思いますし、またブッシュ大統領を初めとするアメリカの行政府の方も、日本のそういった努力に対して、また国会がこの法案を審議して精力的に通してもらったということに対して高く評価するということで、感謝の表明は何回も行ってもらいましたが、御指摘のような広告があったこともこれは事実でございます。 私は過日もCNNのテレビのインタビューに答えてそういったことに対する日本側の気持ちを強く主張したのでありますが、これからも機会をとらえて、あらゆる場合でそういったことに対する我が国の考え方も積極的に理解を求めて主張していこうと考えております。
○片山虎之助君 ここで湾岸問題を通しましていろんな議論が行われたわけでありますが、一部で盛んに言われました絶対的平和主義、あるいはいわゆる一国平和主義、総理は片隅の幸せ型平和主義だと、こう言われましたけれども、私は今回の事件、問題を通じまして、絶対的平和主義や一国平和主義ではフセインのような独裁者が出た場合には無力である、憲法九条が言っております正義と秩序を基調とする国際平和は守れない。しかも、一国平和主義でありますと、そのことをもって国際的な信用ももう一つになる、こういうことがわかったのではなかろうか。 今や世界の平和と繁栄がなければ我が国の平和と繁栄もないんだ。これだけ国際的な依存関係が強くなる、かかわり合いが強くなる中で、我が国は御承知のように加工貿易立国で、資源を買って製品にして売って、そのさやでと言うと語弊がありますけれども、経済を拡大してこれだけの経済大国になったわけでありますから、今後やはり正義と秩序を基調とする国際平和をきちっと築き守り発展させていくためには応分の積極的な役割分担を国際的に果たしていく、こういう決意あるいは実際の行動というのが私は必要になると思います。先ほども言いましたが、新しい国際社会の秩序づくりには、先頭とは言いませんけれども、先頭の次か次ぐらいで積極的にやるんだということを表明される、こういう姿勢がどうしても必要だと思いますけれども、これまた総理の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のとおりに、我が国がなし得る範囲の精いっぱいの協力をしてきた、それから、その後においても新しい世界に対してできる限りの貢献をしていけ、一国平和主義で世界の平和が守れないということを今回も如実に知ったではないか、この角度の御指摘であります。 私も全くそのとおりだと思うし、そうであればこそ、せっかく東西の対立、対決が終わって、国連が中心になって世界の平和の枠組み、秩序をつくっていこうとしておるときであります。力でお役に立つことのできなかった日本として、今後力を必要としない世界をつくるためにまず何が積極的になせるかといえば、先ほど来申し上げておりましたが、軍縮とか軍備管理だとか、だれがサダム・フセインをあのような力持ちにしたのかという経緯等を眼光紙背に徹して見るなれば、それらの問題について再び繰り返さないための努力のイニシアチブとして、日本がただいまとっておる武器輸出三原則とか、あるいは世界的な風潮の中での軍備管理・軍縮の問題にイニシアチブをとっていくということは極めて大切であり、その地域の平和と安定を守っていくためにも、ずば抜けた武器持ちや不透明な武器持ちは世界の総意によってつくらないようにしよう、これを国連の枠組みの中で議論ができるように、まず五月の末に国際会議を招集して京都で頑張ろうというのもその一つのあらわれであります。 また、日本の許される範囲内で、例えばあの原油の流出に対する処置や、油田の炎上に対する、人身に対する被害等について調査団を出したのが帰ってきました。今度は回収作業に実際の人と機械が出てまいります。また、クウェートの油井の炎上による人間の体に対する被害をどうとらえ、どのような対応策をとるかという調査団も出発いたします。そのようにしてでき得る限りの新しい平和な暮らしのための協力をやっていくことは、そのとおりでございます。
○片山虎之助君 そのついでに、私が考えましたのは、我が国の外交というのは、言ってみれば、一つは憲法ですね、平和主義、もう一つは、国連加盟国ですから国連憲章、この二つがあるわけであります。我が国の憲法は、御承知のように戦争を放棄しまして、必要最小限度の個別的自衛権は解釈上も認める、それ以上は無理だ、専守防衛だ、こういうことになっているわけであります。一方国連憲章は、御承知のように集団的自衛権も、国連主導による集団安全保障機能というんでしょうか、そういうものを認めている。それじゃ、国連加盟国として憲法が上か国連憲章が上か、これはもうかねてから議論があるわけでありますけれども、今の政府の見解あるいは多数説は、それはやっぱり憲法が上で、いわゆる個別的自衛権だけだ、こういうふうになっているわけですね。 我が国の実際の防衛というのは、今は日米安保条約があります。片務でありますけれども、アメリカが半分守ってくれている。日本は、考えてみれば、クウェートのように経済的に豊かで割に攻めやすい国であります。もし我が国がずっとこれからきちっと防衛していくためには、仮に個別的自衛権だけということになって日米安全保障条約がなくなるとすれば、自分で守らないといかぬ。自分で守るためには自国一国で膨大な軍備を持たにゃいかぬということになる。軍事大国になるわけであります。逆に平和主義であればあるほど軍事大国になるという矛盾が、もちろん国際環境やいろんなものの影響がありますけれども、私は出てくると思います。 こういうふうに国際社会が大きく変わってきたときに、いつまでも集団的自衛権、国連の集団安全保障機能はタブーだ、もう一切これはアンタッチャブルですということで私はこれからいいんだろうか。もう一歩踏み込んでみんなで議論をする、みんなで検討してみる。場合によっては国民の理解を訴える必要がある。いわば憲法の平和主義と国連憲章の国際協調主義のバランスをとっていく、その上で我が国の防衛を最も安上がりで合理的なことを考えていく。こういうことも必要ではなかろうかと思うわけでありますけれども、大変お答えにくいあれかもしれませんが、総理の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、我が国の安全保障というのが極めて我が国独特のものであるということは、日米安全保障条約、日本の安全は抑止力としてそれによって安全保障を確立しておりますが、バンデンバーグの決議による唯一の例外、片務規定になっておることも御指摘のとおりでございます。したがって、日米関係が大切で、また何回も議論しておりますように、日米安全保障条約というものが日本にとっても極めて大切なものでこれを堅持していかなきゃならぬというのは、現実の現時点の安全保障の仕組みの中で常に言い続けてきたことでございます。 したがって、アジアの国々も、例えばこの間サテライト討論をやりましたシンガポールのリー・クアンユー首相とかその他の人々も日米安全保障条約というものを肯定的に眺めるのは、それがこの地域の平和と安全のためにアメリカのプレゼンスがあるということと、それによって平和が維持されるということを大きな目で眺めた上での発言でありますから、私は日米の信頼関係を維持することは我が国の安全保障のためにも極めて大切でありますし、アジア・太平洋地域の、この地域の安全にもきょうまで貢献してきた枠組みである、こう受けとめます。それらの問題については、ただいまの御質問の御趣旨を私も念頭に置いて、今後鋭意勉強してみたいと思います。
○片山虎之助君 そこで、我が国の自衛隊でございますけれども、我が国の自衛隊は二十五万人の人員を擁しております。予算も四兆円を超えている。ちゃんとした技術を持ち、施設を持ち、装備を持っております。国際的にも認知されている。ところが、この自衛隊員の士気が湾岸の一連の論議を通じまして大変低下しているということが言われている。さらに、きょうの新聞を見ますと、昨日総理もお出かけになられて防衛大学校の卒業式があったわけですけれども、幹部となるべき防大の卒業生四百九十四人のうち一九%の九十四人がどうも任官をされない、また、それまでに中退者が八十五名あった、こういうことでございますけれども、もし自衛隊員の士気がこういうことなら、これは私は国家の危機ではないか、こう思うわけであります。 そこで、自衛隊員の士気を高める最大のものは、私は平時における自衛隊の社会的存在意義を確立してやることだと。国民、国家のために自衛隊員が役に立っていると、そういうことを目に見える形で感じさせてやることが私は必要じゃないかと思うわけであります。私は昔、岡山県で副知事をやりましたけれども、災害のたびに自衛隊に災害派遣をお願いする。喜んで大勢来ていただく、一生懸命働いていただく。もう住民は大喜びで感謝感激であります。自衛隊員の方も大変満足というんでしょうか誇らしげだと。私はこれは一つのあり方だな、こういうふうに思ったわけでございます。 憲法はもちろんございますが、現憲法下における自衛隊の国家的な役割をきちっと明確にしながら一定のルールをつくらにゃいかぬと思いますけれども、その中で平時における自衛隊の活用ということを私は本気で考える必要があるんじゃなかろうか。二十五万人、四兆円を、遊休集団と言うたら言葉が過ぎますけれども、毛嫌いしたり遊休集団にするのは私は国家的な損失じゃないか、こういう気がするわけでありますが、御所見があれば承りたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) お答え申し上げます。 自衛隊の士気をいかに高い水準で維持するか、これは日本の安全保障のために大変大切なことでございまして、私どもとしましても平素から意を用いているところでございます。ただいま委員の方から防衛大学の任官辞退のお話がございました。昨日防衛大学校の卒業式がございまして、総理にもお言葉をちょうだいしましたが、私もお供して参りました。御指摘のとおり、今回任官を辞退した者が九十四名と過去最高の数になったわけでございますが、これにはいろんな要因がございます。実は学生数自体が非常に多いということもございますが、一方、任官した数も過去七年間で最高ということになっているわけでございまして、そんなこともある。それからさらには、一般的に非常に景気がようございまして、人手不足という民間の事情もございます。いろんな要因があるわけでございます。 ただしかし、今回任官を辞退いたしました学生なんかにその気持ちを聞いてみますと、確かに自衛隊の、自衛官としての仕事に魅力が感じられないとか、そういった声も若干ふえておりますので、ここ、去年ことしの議会というか、あるいは国民世論の中でのいろんな自衛隊をめぐっての議論が影響した面がないとは言えないと思います。しかし、全体としては、防衛大学の卒業生も国の防衛のために挺身していくんだという高い意識を持っておると思いますし、自衛隊員も非常にすぐれた士気を持っている、このように考えておるところでございます。 さて、しかしながら、我々としてもさらに士気を高い水準に維持するための努力にいろいろ手段を尽くしております。その中でいろんなことがありますが、一番肝心なのは、やはり日本の社会の中で自衛隊というものの任務とか使命というものがどういうものかというのをきちんと位置づけていただく、それを隊員、自衛官自身も十分自覚する必要がございますし、また国民の皆様方の中でもそういった位置づけをしていただくということが肝心かと思います。そういった意味では、先ほど申しました昨今のいろんな議論が若干マイナスの面の影響があることは否定できませんけれども、しかしいろんな論議を通じて、国民の皆様方の自衛隊あるいは日本の安全保障に対する御関心が高まってきたということも事実でございますので、そういったところを大切にして、今後、もちろん我が国の憲法、そして国際社会のあり方、そういうものを十分踏まえながら、日本の安全保障、その中での自衛隊というものの位置づけが固まってくれば士気は高まってくるのではないかと思います。 そしてまた、委員が具体的に御指摘の災害派遣等の話でございます。もとより、自衛隊の本来の任務というのは我が国の防衛でございますので、それに備えて平素から訓練をしていかなくてはいけない、これが肝心でございます。しかしながら同時にやはり自衛隊が持っております組織なり装備なりあるいは能力というものを生かして活用いたしまして、災害の際に出ていって地域社会のためにお役に立つというのが大切なことだと思います。 つい最近でも、日立の山火事でもお役に立たせていただきましたし、アルプスの遭難の救助にも参加させていただきました。こういったもので地域社会の方々との触れ合いが通じ、自衛隊に対する御理解が深まってくるというのが大切でございますし、また隊員の、自衛官の士気の維持向上に資することもそのとおりでございます。そういった意味で、本来の任務を大切にしながら、また今の災害派遣であるとか、あるいはほかにも土木工事を受託するとか、あるいは国賓等の輸送であるとか南極の観測とか、いろいろございます。そういった面でもいろいろお役に立ってまいりたい、このように考えている次第でございます。
○片山虎之助君 きのうは防大の卒業式で総理も、国民とともに歩む自衛隊、任務遂行には国民の理解というんですかそういうことが必要だと言われたわけでありますから、ぜひそういうふうに御努力を賜りたいと思います。 次に、政府は三月二十日、第十回の湾岸危機対策本部会議を開かれまして、湾岸戦争後の中東の諸問題に対する当面の施策を正式に決められている、それは承知いたしたわけでありますが、実はけさの新聞を見ますと、中山外務大臣が二十三日の午後国連に参りましてデクエヤル事務総長といろいろお話をされている、四十分懇談をされている。先ほどの御答弁でもありました。湾岸PKOへの協力として資金協力と政務官派遣を言われた、こういうことでございますけれども、それが事実かどうか、どういう話し合いがあったか、支障のない限りそれをお話しいただければありがたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) デクエヤル事務総長との話し合いの中で、ちょうど今現在、国連の安保理ではいわゆる停戦決議が議論されております。そういう中で、停戦の決議が成立をいたしますと引き続いて、いわゆる非武装地帯をどこらへ置くか、そういったことからPKOの問題が出てくるわけでございます。このPKOにつきましては、いわゆる人の面では日本国としては政務官、人材的な協力をいたしましょう、それから資金的な協力も政府としては考えておるということを申し伝えましたが、事務総長から、規模等はまだ未定である、決まり次第国連の日本の大使にお伝えをしたい、このようなことでございました。
○片山虎之助君 そこで、話を戻しますけれども、二十日に決められた当面の施策、いろいろございますが、まず一つ、環境面での協力でございます。これは三月二十日の当委員会でも、環境庁の地球環境部長さんですか、団長で行かれた方からの報告もあり、公明党の木庭委員からのお話もあったわけであります。 私は、原油の流出、油井炎上などの環境破壊に技術的、人的協力もできるだけ行うんだ、こういうことをお決めになったようですけれども、具体的にどういう取り組みをされるのか環境庁長官にお伺いいたしたいと思いますし、またこの環境問題、特に地球環境問題がこれだけやかましい中でありますから、殊に平和国家を標榜する我が国が先頭になって今までの蓄積や技術を国際的に活用していくということが「世界に貢献する日本」として最もふさわしい分野ではなかろうか、こういう気がするわけでございまして、広く地球環境問題全般への取り組みについてもひとつ簡潔に御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(愛知和男君) お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、先ほど総理からも御答弁がございましたが、去る八日から十九日まで政府の環境調査団を派遣いたしました。現在その調査結果を踏まえまして検討いたしているわけでございます。専門家の派遣あるいは調査研究等の協力をどのような形で推進していくか検討中でございますが、具体的な協力策としましては、さしあたりまして、油井炎上に伴う大気汚染による健康影響の分野の専門家の派遣、また原油流出予測の分野における現地の大学との共同研究などを環境庁といたしましては考えております。 そのほか、国連環境計画、UNEPを中心とする湾岸環境の調査、アセスメントの実施、それに基づく行動計画の策定に関する緊急行動提案が三月十五日の関係国際機関会議において了承されたところでございますが、環境庁としましてもこの提案の具体化に際しましては、大気、海洋の汚染対策、野生生物保護等の分野での国際協力に積極的に貢献をしていく方針でございます。いずれにいたしましても、これは環境庁だけでできる話ではございませんので、外務省初め関係省庁と協力して積極的に推進してまいりたいと考えます。 なお、この湾岸以外に地球環境問題全体についての御指摘がございました。おっしゃるとおりでございまして、我が国といたしましても、高度な経済活動を営み地球環境に大きなかかわり合いを持つと同時に、公害防止等の分野で豊かな経験とすぐれた技術力を有しておりますので、その経済力なりあるいは人材を生かしつつ、国際的地位に応じた役割を積極的に果たしていくことが肝心であると思います。 〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕 政府には地球環境保全に関する関係閣僚会議というのがございまして、ここで政府一体となった施策の総合的推進のためにいろいろと対策を講じておりますが、その一つは、地球温暖化防止行動計画などを策定いたしましてこれの着実な実施、あるいは発展途上国の地球環境保全の努力への支援なども大変意義のあることであろうと思います。これらの地球環境問題の取り組みに当たりましては、国連を中心にした活動に積極的に参加することが重要であると考えておりまして、先ほど申し上げました国連環境計画、UNEPの活動に全面的に協力をしていく。その一環としまして、実はこのUNEPの地球環境保全技術センターを我が国へ誘致をしようということで今運動を進めておりまして、これをまず実現していきたい。また、来年、御承知のとおりブラジルで環境と開発に関する国連会議というものが開催されますが、これに対しましても積極的な役割を果たしていくべく努力をいたしております。
○片山虎之助君 当面の施策の中で第二に、これを読みますと、クウェートに対する医療、食糧面での人道的緊急援助、こういうことでございまして、その後の復興援助は、クウェートはお金持ちでございますので技術的協力、こういうことでございましょうが、私はこの医療、食糧の緊急援助について、食糧は送ればいいんでしょうが、医療については医薬品を送るだけでは余り効果がないんではなかろうか。医療サービスというんでしょうか、医療活動をしてやる、こういうことが必要になる。そうなりますと、現在国際緊急援助隊の派遣に関する法律というのがあるわけでありますが、これは要請があればとかいろんな手続があります。しかし、これをうまく使って医療団の派遣を行うことも考えられるのではないかと思いますけれども、これはお聞きいたしたい。ただ、クウェートは今ああいう状況でありますので、お医者さんを派遣する場合にはちゃんとお医者さん自身のサポートをしてあげる必要がある。食糧をどうする、水をどうする、治安が仮に悪いとすれば安全確保をどうする、そういうことをひとつ考えなければならないんではなかろうかと思います。 それから二つ目は、湾岸諸国への復興援助についてでありますが、既にエジプト、トルコ、ヨルダンには、例の二十億ドルの円借款でしょうか、それが行われているわけでありまして、今後は二国間援助で、先ほど足立委員からの話もありましたが、アジア諸国へのそういう援助をするんだ、積極支援をするんだ、こういうことを打ち出されているわけであります。この場合、これも御議論がありましたが、今までのODAとの関係はどうするのか。枠内でやるのか枠外でやるのか。これは湾岸絡みだから枠外というのか、いやそうではなくて全体の中でやるというのか。それから、今までのODAについては、当委員会でも幾らも議論がありますように、いささか商業主義というんでしょうか、あるいは原則があるのかないのか定かでない。理念、哲学が必要だ、平和戦略が必要だときょうもいろいろ御議論がございましたが、そういうことを加味されて物をお考えになるのかどうか、外務大臣から一括してお答えいただければと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 今クウェートに向けてWHOが医療保健調査ミッションを派遣しておりまして、その中に日本人の専門家を二人参加させておりまして現地の状況を調べさせているというのが現状でございます。 なお、国際緊急援助隊、これで人を出したらどうかというお考えでごさいますが、これは積極的にその方向で現在検討をいたしております。 それから、アジア地域における湾岸の影響を受けた国々への経済協力をどうするかというお尋ねでございますが、その中で、従来のODAでやるのかあるいはそれの外でやるのかというお尋ねでございますが、私どもは、従来のODA等の運用をしている今までの経緯がございますけれども、その国その国の湾岸における影響を審査いたしまして積極的に協力をしてまいりたい、このように考えております。
○片山虎之助君 よろしくお願いいたします。 そこで、掃海艇の派遣問題でございますけれども、これも当委員会で何度も議論になり、総理初め関係大臣から、慎重に検討中である、こういう御答弁でございまして、それを了といたしたいと思いますが、ドイツは三月六日に米独の外相会談に基づいてペルシャ湾に掃海艇を派遣する、五隻の掃海艇と二隻の補給艦を出す、こう発表いたしたわけであります。ドイツ政府のスポークスマンが正式な声明というのか発表している。それが私はなかなか説得力があるのではなかろうかと思ったわけでございます。いろんなことを言っておりますが、幾つか申し上げますとこういうことを言っているんですね。 「湾岸での戦闘の終結に伴い、イラク軍が敷設した約千二百個の機雷の除去が緊急の課題となった。それは湾岸周辺諸国との間の商船の航行を再開するための前提条件である。国際的な民間船舶の航行を援助することは、独商船の保護及びペルシャ湾でオイルペストの除去に従事している独特殊船の保護にも役立つ。」、先ほども運輸大臣から日本のタンカーが十八隻本日も航行中であるというお話がございましたが、こういうことを一つ言っている。 それから、「独政府はこのような形での人道的な援助をもって、湾岸での平和の回復のために貢献する。湾岸での安全な海上航路は、この地域の経済的な健全性の回復プロセスの開始に不可欠の前提条件である。それは同時に欧州への原油供給にも貢献するものである。」。 それから次に、「クウェート海域における機雷除去の任務を引き受けることにより、独政府は国連の安全保障理事会の要請にも応えることとなる。即ち、九〇年十一月二十八日の安保理決議第六百七十八号には、クウェートに協力している国連加盟国に対し、安保理決議第六百六十号の遂行のために必要な手段を講ずる権限を与えた。安保理決議第六百六十号は九〇年八月一日時点の状態の回復を要請しており、」、これは八月二日に侵攻したわけでありますから、「もってその間に敷設された機雷の除去をも要求している。」。 最後に、「国連安全保障理事会はすべての国に、この目的の為に適切な方法で措置を講ずることを要請した。」、こういうことをドイツ政府は言っているわけであります。 独政府の言うように、私は、ペルシャ湾の機雷除去は中東地域の復興の前提ではないか。とにかく復興資材をまず送らなきゃいかぬのですから、その輸送路を確保するということは、これはまさに人道的援助そのものではないか。また先ほどの、十八隻の日本の原油タンカーが出入りしている、その安全を確保することは、主権のある日本としてこれは当然じゃなかろうか。これをよその国に、どうぞ皆さんやってくださいと。今、アメリカ、イギリス、サウジアラビアにベルギー、オランダ、ドイツが加わりカナダも加わるんですか、おくれてフランスと、こういう状況のようでございますけれども、皆さんどうぞ、うちのタンカーはお任せしますと、こういうことでいいのかどうか。 それから、今、独政府の言うように安全保障理事会の要請に沿うんだと。六百七十八号は六百六十号を持ってきて、六百六十号は八月一日でもって返せとこう言っている。こういうことが一つあるわけであります。 そこで、問題は憲法上、法律上の議論になる。まず憲法ですが、湾岸戦争は終わったわけであります。イラク・イラン戦争の場合のように戦争中じゃない。したがって、軍事行動ではないし、また戦闘に巻き込まれたり応戦をするような事態ということは考えられないと思います。ということは、憲法上の議論は直ちには出てこない。また、国際法上、公海上の機雷除去はこれは問題じゃないということになっている。 問題は自衛隊法九十九条でございますけれども、なるほど、その規定はこのような事態を想定したか、遠いペルシャ湾で機雷を除去することを想定したか。想定しておりません。恐らくこれは近海の海上警備活動としての規定であると私も思います。それじゃ、経緯や想定はそうであるけれども、九十九条で法律を読めるか読めないか。そこで、歴代の内閣が今まで解釈をいろいろ言ってこられている。そのときどきの国際情勢、我が国の置かれた立場等をいろいろ考えて言われておりますけれども、一番新しい政府の見解というのは、昭和六十二年九月二十九日の黒柳議員提出質問主意書に対する政府の答弁書であります。 これは御承知かと思いますけれども、念のために申し上げますと、「公海上に遺棄されたと認められる機雷について、それが我が国船舶の航行の安全にとって障害となっている場合に、その航行の安全を確保するために、これを除去する行為は武力の行使に当たるものではなく、自衛隊法上可能である」、「なお、一般に機雷の除去が武力の行使に当たるか否かは、それがいかなる具体的な状況の下で、またいかなる態様で行われるか等により判断されるものであり、一概に言うことは困難」と、こういうことを言われている。これは防衛庁長官からもせんだっての委員会で御答弁がありました。 私は今まで述べましたような状況のもとで、国際協調の中で人道的な支援である、国連の要請にも沿う、我が国みずからの船舶の保護にもなる。また、多くの国々と連携、協調して、他国並みの編成で一定の水域を我が国が分担するんだと、こういうことならば――しかし、それじゃこれが一般的なルールかというと、今回特別だということにしても私はいいと思う。今回は特例で、今後はケース・バイ・ケースで判断する、あるいは一つの基準をつくる、こういうことをしてもいいと思いますけれども、そういうことを言うならば、いかなる具体的状況のもとで、いかなる対応でというところを私はクリアできるんじゃなかろうか。明文で明らかな禁止の規定がない以上、これは許容されると私は考えるわけであります。 さらに、我が国の海上自衛隊の掃海技術は世界一だというんです。それは世界一でしょう。太平洋戦争が終わってから、海上自衛隊の仕事の大部分は私は機雷の除去じゃなかったろうか。唯一のそれは実践分野でございまして、三十年間で一万個の機雷を除去したという話も事実かどうか知りませんが聞いておりまして、それはよその国も十分承知しているというんです、日本の海上自衛隊の機雷除去技術、掃海技術は大変高いということを。 そこで、自衛隊を出すのは組織的派遣だ、こういう議論があるんですけれども、掃海技術で役に立つためには組織的に派遣せにゃいかぬのです。ドイツも五隻の掃海艇、二隻の補給艦を出すんです。一隻の母艦の下に四隻の補給艦がいて、一隻は交代する。それで基地から補給するわけですね、母艦に。その母艦からまたそれぞれの掃海艇がいろんな資材その他の支給を受ける。母艦がいろんな情報や管理をやる。こういうことになっているわけでありまして、出す以上はそのぐらいの編隊で組織的派遣をしないと役に立たない。役に立たないものは来てくれるなということになる、よその国は。そういう状況からいいますと、私は、国際協調主義に立って今後の国際新秩序づくりに積極的に取り組んでいく、役割分担をする、責任を持つという我が国の立場からいったら、この際掃海艇の派遣ということも、国民の理解を得ながら各党の話し合いの上で出すべきではなかろうかと思うわけであります。 いろいろ申し上げましたが、総理は慎重に検討と言われております。慎重な上にも慎重に検討していただいて、しかるべきときにしかるべき決断を果敢にやっていただくように強く要望いたしまして、この件は終わりにいたします。御所見は結構でございます。 それから次は、土地問題と土地対策に入ります。 最近の地下の動向について、実は地価公示の状況がきょうの夕方に発表される、こういうことを聞いておりまして、あすの朝の新聞を見ればいいんでしょうけれども、地価の動向についてお聞かせいただきたい。どうも東京圏は頭打ちで下落になってきた。大阪圏もぐわっと上がったんですけれども、やはりこれも幾らか下がり始めた。名古屋圏も同じだ。地方圏は、下がっているところもありますけれども上がっているところもある。こういう地価動向のようでありまして、去年一年を見ますと、前半がずっと上がってきて、ちょうど七月ごろから新土地保有税の議論が公になったわけであります、政府の税調、党税調その他。そういう意味で、アナウンス効果があったかどうか知りませんけれども、地価が下がり始めまして、それがずっと今続いている。まずこの状況を国土庁からお聞かせいただきたい。 そこで、何が原因でそうなったか。すぐ考えられますのは、金融引き締まりで土地関係融資が非常に窮屈になっている。あるいは今言いました新土地税制のアナウンス効果なんでしょうか、そういうことが心理的に影響を与える。いろんなことがあるわけでありますけれども、その点ひとつ専門家の国土庁の方から御所見を賜りたい、こう思います。
○政府委員(藤原良一君) お答え申し上げます。 まず、最近の地価動向でございますが、昨年一年間の全国の住宅地の平均価格の変動率を見ますと、一〇%余り結果的には上昇ということになっております。ただ、これは前半まだ上昇傾向が見られる地域が多かったためにそれが影響しておるわけでございますが、後半に入りますと、先生御指摘のように、多くの地域で上昇率が鈍化いたしまして、地域によっては横ばいから下落傾向に転じたところが出始めまして、年末に近づくに従ってこの傾向が強まっております。 地域別に少し御紹介させていただきますと、東京圏については、東京都及び神奈川県では昨年秋以降わずかながら下落している模様でありまして、最近まで高い地価上昇が見られました千葉県及び埼玉県においても、市場の急速な冷え込みを反映して、総じて上昇はとまっております。大阪圏においては、昨年夏以降急速な鎮静化が見られ、これは各地でかなりの下落が生じております。また、名古屋圏においては、昨年秋まで依然上昇が見受けられましたが、その後鎮静化の兆しがあらわれております。地方圏では、三大都市圏の周辺地域、ブロック中心都市等において前年前半までは高い地価上昇が認められまして、地価上昇の地方拡散傾向を非常に懸念しておりましたが、最近では多くの地域で上昇は鈍化する兆しとなっております。 これの原因でございますが、確かに一昨年非常に大幅に上昇しました大阪圏等では行き過ぎ感からの買い控えという要因もあったかと思いますが、やはり金融が引き締め基調に変化し、特に不動産関連融資については総量抑制が行われまして、その結果、不要不急の仮需要はおおむね姿を消したということが一つあろうかと思います。それに加えて、監視区域制度をきめ細かく積極的に地方公共団体で活用していただいております。その他、住宅宅地供給も前倒し等で一生懸命取り組んでおりますので、そういった各般の土地対策の効果があらわれ始めているのじゃないか。また、昨年夏以降は、地価税の創設を初めとします土地税制の総合的見直しなどの議論、その他総合的土地対策の実施に向けてのいろいろな検討が行われましたので、いわゆるそういったアナウンスメント効果も土地市場の冷え込みに拍車をかける一因になっているのじゃないか、そういうふうに認識しております。
○片山虎之助君 土地関連融資のことでございますけれども、この土地関連融資規制の現状と今後のあり方、それからノンバンクに対する規制というんでしょうか指導というんでしょうか、これは今いろいろ議論され検討されておりますけれども、この状況、あるいは土地担保融資のあり方、これも議論されておりますが、簡潔にひとつ御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 金融機関の土地関連融資につきましては、おかげさまで、総量規制を導入いたしまして以来全国の不動産向けの貸出残高が非常に下がってまいりました。平成二年三月末一五・三%、それが平成二年十二月末には三・四%に下がっております。先ほど委員からお話がありましたように、一部で地価下落の動きも報ぜられるようになってまいりました。総量規制の効果は着実に出てきていると思いますし、私どもとしては、今後とも金融機関の適正な業務運営を確保するように指導しながら、将来において金融が再び地価高騰の一因として批判を受けることのないよう努力をしてまいりたいと思います。 また、ノンバンクにつきまして、現行の貸金業規制法のもとでは土地関連融資そのものを規制することは困難です。しかし、土地問題の重要性にかんがみまして、そのノンバンクへの資金供給者であります金融機関を経由する間接的な方法で、可能な限りその適正化に努めております。先般の閣議決定をいたしました総合土地政策推進要綱などにおきましても、「いわゆるノンバンクたる貸金業者の土地関連融資の実態を把握し、より実効ある指導を行えるような方策のあり方について検討」という御指示を受けており、現在、ノンバンクにつきまして直接的指導を行うため貸金業規制法などの法的整備を行うことの適否についても検討したいと考えております。 また、土地担保融資について今御指摘がございました。借入先が提供いたします担保として預金、有価証券なども用いられておりますけれども、中小企業や自営業あるいは個人の場合、こうした資産蓄積が十分でありませんために、土地、家屋あるいは工場等、不動産担保に依存せざるを得ない場合が多いと思います。土地担保融資に対する規制につきましては、こういう状況を考えてみますと、借り手としての信用力に乏しい中小あるいは自営業、個人に対する円滑な資金の供給を阻害するおそれもあり、また無担保で借り入れることも可能な大企業との不公平感を生むことになりますので、慎重でなければならないと考えております。 ただし、今回の地価高騰に関しまして、金融機関の土地担保融資のあり方について種々な批判があることも事実であります。現在、かかる御批判を踏まえまして民間金融界において今後の不動産金融のあり方を探る実務的検討作業が始められておりますので、当局としてはその検討を見守ってまいりたいと考えておるところであります。
○片山虎之助君 融資関係、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。 それで、何度も議論がありましたが、土地対策は総合的対策でなければなりません。今まで土地税制は、大蔵省も自治省も、まあ土地税制は土地対策ではわき役なんだ、主役じゃないと言ってまいりましたけれども、お考えがお変わりになったんでしょうか、今は主役の一人だと、こう言っておるわけでありますが、私は幾ら主役でも土地税制だけがひとり芝居ではだめだと思います。やはり土地税制にいろんな土地融資の関係あるいは土地利用計画、土地取引規制、いろんなものが絡まっていかなければ土地対策というのは実効を上げない。 今回の新たな土地税制でございますけれども、新地価税につきまして、これは骨抜きだ、率も下がったし対象も大変限定された、大骨、小骨が皆抜けたと、こういう意見があります。ここでも議論になりましたけれども、私は、これまた議論になりましたように、土地税制は地価税のみでなくてセットで物を考えるべきだ。土地税は何分かの一でございます。譲渡、保有、取得について、それぞれ今回の新しい土地税制ではいろんな手を打ったわけであります。 保有でいえば、地価税は創設いたしましたが、特別土地保有税、これを相当強化いたしました。いろんな特例をやめる。決まった期限がたてばもうもとに返るのもやめる。あるいは固定資産税については一層の適正化を図る。三大都市圏の農地については宅地並み課税をやる。もちろん宅地にすべき農地とそうでない農地は分けるわけでありますけれども、それをやる。譲渡につきましては、例えば法人の超短期の譲渡課税や分離課税を強化する。それから長期譲渡についても、法人も個人もともにこれまた課税を強化する。そのかわりに、優良な住宅地に土地を出したり公共用地に土地を出す場合には優遇する。あるいは節税その他のためのいろんな特例を廃止する、こういうこともやっておりますし、あるいは取得関係では、相続税評価の適正化、また固定資産税の宅地並み課税と同じように相続税の納税猶予制度の見直し等を行っているわけであります。 私はそういう意味から言うと、土地税制は土地対策の一環、その土地対策の中でも地価税はさらにその一部と。全体の土地税制を考えれば、私は即効性があるのはやはり譲渡益課税じゃなかろうか。保有課税は、ボクシングでいえばボディーブローみたいにじわじわ効いてくるんだと。地価税というのは伝家の宝刀で、抜くぞ抜くぞということで効果を出せばこれが理想的ではなかろうか、こういうふうに実は考えておるわけであります。 そこで、この地価税という新しい税金ですが、あるいは大蔵大臣からおしかりを受けるかわかりませんが、私はよくも悪くも大変画期的な新しい税だと思っているんです。なぜかというと、税というのはいろんな情報を集めデータを集めて、議論に議論を重ねて新税をつくることを結論するわけであります。ところが、土地についてはデータも情報も一元化されていないんです、我が国は。ばらばらになっている。部分的であります。しかし、土地をどうにかする必要性は非常に強い、そこから生まれているわけであります。後ほど質問いたしますけれども、そういう意味でデータがないといえばないんです。それからもう一つ、資産課税としては、本当は薄く広く一律でなきゃいかぬのです。ところが、大変いろんな議論があって限定的になっている。これも私は一つの特色だと思う。 さらに、今まで土地の保有については伝統的に地方税であったんです、地方の税金であった。諸外国を見ても、若干のあれはありますけれども、地方の財源であった、地方の税金であった。しかし、固定資産税や特別土地保有税ではこういう修羅場に、非常時に臨機応変に対応できない。地方団体がばらばらにやられちゃ困る。しかも時間もかかる。これはひとつ地価税で取っていこう、迅速に対応しようということから生まれたわけでありまして、だから、そういう意味では土地保有税について二段階になったわけであります。地方税の上に国税が乗ったような格好になっている。しかし、私はそれはやむを得ないと思います。 そういう意味ではこの新地価税の性格は、固定資産税を基本税制とすれば補完的な税制である。しかも、修羅場に適応する非常時の税制、臨時的な税制である。したがって、税の対象も税率もいろんなものが状況を見て、とりあえずはバブル退治なんですから、土地の異常な高騰を抑えることですから、土地神話をとりあえずぶっつぶすことですから、そのためにできた弾力的な税制である。税というのは安定性を非常に重要視するものでありますけれども、そういう税制だと私は考えている。結論でいえば、地価対策のための政策税制である。この点を大蔵大臣に確認いたしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 地方行政のベテランとして今お述べになりました御意見は、それなりに私は傾聴をさせていただきました。 ただ同時に、もうこれは私が繰り返すまでもなく、この地価税というものの国税としての性格と、固定資産税あるいは特別土地保有税、従来からございました地方税としての土地に対する課税のあり方と、考え方を異にしておることは委員が御承知のとおりであります。また、バブル退治という非常に端的な御指摘がありましたけれども、まさに地価異常高騰という中において論議の中からこれが生まれてきた税制であることも私は否定をいたしません。 なお同時に、つけ加えさせていただきたいのでありますけれども、だから今の委員の御論議を突き詰めていけば、バブルの解消が行われ地価が安定的に推移する状況になればこの税は要らないという御論議につながる御論議だと私は思います。しかし、委員の御意見を私が全部、残念ながら一〇〇%同意ではありませんけれども御同意させていただいたとしても、やはりその危機的状況を未然に防ぐ役割として地価税というものが存在し続ける意義は私はあると思っております。 くだくだしく論議をいたすつもりはございません。しかし、委員の地方行政の専門家としてのお立場からの御論議は傾聴をいたしましたが、一〇〇%同意できるものではないということを申し添えます。
○片山虎之助君 一〇〇%ではないようでございますが、九〇%か何かはぜひ御理解いただきたいと思いますが、政策税制であるという点は、それはぜひもう一度,次の質問のときにあわせて御答弁いただきたいと思います。 そこで、地価税の附則第八条に見直し規定というのがあります。「地価税の負担の在り方については、少なくとも五年ごとに、固定資産税の土地の評価の適正化等を勘案しつつ土地の保有に対する税負担全体の状況等を踏まえて検討するものとし、必要があると認めるときは、地価税の課税対象及び税率等について所要の措置を講ずる」ということは、今私がるる申し上げました、大変表現が必ずしも適切でなかったところがあるかもしれませんけれども、そういう地価税の性格について念のために。したがって、土地保有に対する税負担全体の状況が、これが合理的な範囲、適正な範囲にとどまるならば、固定資産税は基本税制で、これはもう市町村税でございますからこのまま、このままというのはおかしいんですけれども、これをいじるのではなくて地価税の方の税率や課税対象をいじっていく、こういう規定だと思うんですね。 これは地価税の性格としての政策税制ということを、私はこの裏を返して言っているのではなかろうか。見直し規定は、「五年ごとに」、しかも「固定資産税の土地の評価の適正化等を勘案し」ということがあるわけでありますから。その点、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、ですから地価税が全く政策的な要素を無視して出てきたものだと申し上げておるつもりはありません。そのような意味であるならば、まさに地価高騰という現実の中で地価を安定化させるという政策に沿ってこれが生み出されたものではあることはそのとおりであります。ただ同時に、それは地価が安定すればそれでやめてしまっていいという性格のものではありませんよということも申し上げております。 同時に、私はこれからの地価税の負担のあり方というのは、税法にまさに見直し規定を置いて少なくとも五年ごとに見直すということを入れておるわけでありますから、今後どう取り扱うかは、その見直し規定というものを踏まえ、その見直しの時点で検討すべきことであると思います。税制調査会の平成三年度の税制改正に関する答申に指摘をされておりますように、地価高騰のうかがえる事態が生ずれば、総合的土地対策と相まって機動的、弾力的にその仕組みを見直し、本税に期待されている役割を全うさせる必要があると思っております。
○片山虎之助君 地価が安定して、なお地価税を二段階で存続する必要性というのが私はなかなか理解できないんですね。それを再度御説明いただければと思います。 ここに言っておりますことは、まさに土地全体の税負担全体の状況をまず考えなさいと。今はなるほどまだバブルがありますから土地の収益価値に応じたような地価の状況になっていないことは事実でありますけれども、これが鎮静化したときに固定資産税と地価税があるということは、私は二重課税じゃないかという気がするんです、地価が鎮静化したときに。やはりこれは政策税制で、本来の土地の価格を超えるバブルの部分をねらい撃ちする税金ではなかろうか、こう思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本院におきましても、しばしば保有税という形で仮の形の中で議論をされましたときから、土地についてはさまざまな御論議がございました。今委員がお述べになりましたお考えは、そのうちの一つのお考えでのチャンピオンとして私はお述べになっておるような感じがいたします。 ただ、土地保有というもののあり方につきましては従来の固定資産税あるいは特別土地保有税では対応できない部分があるということも、本院においても御指摘を受けたことでありました。そうした視点から地価税というものが税制調査会の答申を受け生まれてきた経緯は委員がよく御承知のとおりでありまして、私は、適正になればやめていいようなそういった形の政策税制だと申し上げているつもりはございません。
○片山虎之助君 議論をしておりましても時間がございませんので、それじゃ、この附則八条の税負担全体の状況についての何か物差しがございましょうか、五年ごとに見直す場合に土地保有の全体の税負担の状況を見て見直していくという。
○国務大臣(橋本龍太郎君) その辺になりますと私では到底委員の学識には太刀打ちできませんから、プロから答弁をさせます。
○政府委員(尾崎護君) 五年後の状況で判断することになっております。その間に固定資産税の評価の見直し等もこれは行われますでしょうし、地価の状況もどうなっておりますか、その段階で判断したいということでございますので、今時定の物差しを持っているというそういう状況ではございません。あくまで五年先の段階におきまして、今申し上げましたようないろいろな要素を考えて判断をするということでございます。
○片山虎之助君 いや、必ずしも納得できる答弁ではございませんけれども、次に参ります。 そこで、固定資産税の評価の適正化でございますが、平成三年度に評価がえをやる、平成六年度、さらに三年後にやる、平成六年度には公示価格、地価公示の価格に対して相当引き上げる、場合によっては七割ぐらいにするんだと、こういうお話を聞きましたが、どういうお考えでしょうか、自治省にお伺いします。
○政府委員(湯浅利夫君) 固定資産税の評価がえでございますが、平成三年度の評価がえの後、次は三年後の平成六年度になるわけでございますが、今回の評価がえを見ますと、地価高騰の影響を受けまして地価公示との関係から見ますとかなり各地域で不均衡が出ているという問題もございまして、平成六年度以降の評価がえにつきましては、ことしの一月二十五日の閣議決定において総合土地政策推進要綱というものが決められましたが、これによりまして、土地基本法第十六条の規定の趣旨を踏まえまして、相続税評価との均衡にも配慮しながら速やかに地価公示の一定割合を目標に評価の均衡化、適正化を推進するということになっているわけでございます。 この一定割合につきましては、いろいろな論議の過程で、この評価とそれから地価公示との間の性格的な違いとか、あるいは昭和五十年代の地価安定期には固定資産税の評価額がおおむね地価公示の七割であったというようなこともございまして、例えば公示価格の七割というふうにしたらどうかというふうな議論もございましたけれども、これについてはいろいろまだ議論が残っておりまして、具体的な数値については今後早急に検討したいというふうに考えているところでございます。
○片山虎之助君 固定資産税もいろいろ問題があるんですよ。もう時間がないから言えないんですが、一つ、土地と建物を比べますと、建物が物すごく高いんですよ。建物は恐らく実勢価格の七割ぐらいになっている。土地は東京なら、東京と言っちゃいけませんが大体二、三割。ということは、建物の方は再建築の価格方式でやるんですね。古くなっても再建築すれば高くなる、こういうことで下がらないんです。全体の固定資産税を見ると、私は建物が高いというのはおかしいと思うんですよ。ぜひこれは調整を考えていただかなければ私はいけないと思います。土地を上げて建物を下げてバランスをとるということを、ぜひこれは要望として申し上げたいと思います。 それで、時間が大変ございませんのであれでございますけれども、きょうも議論がございましたが、税収の具体的な使途については平成四年度の予算編成時点で検討することとされておりまして、政府の税調答申では、まず所得課税の減税だと。それからさらに土地対策と。それから、自民党のことを言ってはいけませんけれども、自民党の税調の中で議論した場合にはそれに地方財源と、こういうことになっているわけですね。 そこでまず、そうしますと、この地価税が、本当はこの税収なり納税義務者なり影響など聞きたかったんですけれどもそれは割愛いたしますが、この増収については、増収が目的でないのでまず減税を中心に考えるということが確認できるかどうかという点。もう一つは、これは意見が異なるところがございましょうけれども、私はやっぱり土地保有に関する税源は潜在的な地方財源だと思っておりますから、全部減税に充てない場合、地方財源の配慮等もお考えになる余地があるのかどうかについて、平成四年度の予算編成のときだと、こういう御答弁になると思いますけれども、それをお願いし、御所見があれば承りたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員が御指摘になりましたように、増税を目的とするものではない、そして所得課税の減税と土地対策ということで御指摘を受けております。地方財源というお話でありますが、これは国と地方との財源配分の問題でありまして、この問題で論議をすべきことでは私はないと思います。むしろ、政府といたしましては今後の地価の動向等も見ながら、本院においても御論議のあります住宅政策その他万般を考えながら結論をまとめてまいりたいと思います。
○片山虎之助君 土地問題を終わりまして、地域づくりの問題に入りたいと思います。 昭和六十二年の六月に四全総という全国開発計画が決まりまして、東京圏の一極集中の弊害を是正する、多極分散型国土の形成を進めると、こういうことが言われて、例えばそのための法律の制定を初めいろんな施策がとられたわけでありますけれども、実際はそれがなかなか進まない。昨年末の国勢調査の速報値によりますと、人口が減少した道県が北海道を初め十八ある。ところが、昭和六十年国調のときは、名前を出してあれでございますが秋田県一県のみでありまして、その前の五十五年の国調のときも人口減少は一県だった。ということは、一極集中是正、多極分散促進と言うと、むしろその人口が大都市圏に集まったような感じも与えるわけでありますけれども、この辺の理由及び御所見についてお伺いいたしたいと思います。 さらに、例えば問題になっております東京湾臨海部副都心計画ですね。四百四十八ヘクタールを埋め立てて、四兆円ですかお金を入れて、定住人口六万、就業人口十一万の未来都市をつくる、ここを二十一世紀の一種の情報の拠点にすると、こういう計画がありまして、都議会で少しもめておりますけれども、こういうものがある。あるいは東京圏で見ますと、横浜にはみなとみらい21というのがありまして、これは百八十六ヘクタールの土地に就業人口十九万、居住人口一万のこれも新しい未来型都市をつくる。さらに千葉県の幕張新都心というのがありますが、これでは五百三十三ヘクタールの土地に就業人口十五万、居住人口二万六千人の新都心をつくると、こういう計画が東京圏でメジロ押しであります。 こういうことは、四全総の言う多極分散型の国土をつくっていく、できるだけ東京圏の一極集中を排除するんだ、この狭いところに三千三百万、これは三千五百万になろうというような勢いのこの東京圏をどうするかという大きな国土政策の目標があるときに、こういうものがそういう観点から見てどうなんだろうかという気がするわけでありますけれども、国土庁長官の御所見を賜りたいと思います。
○政府委員(長瀬要石君) ただいまの先生の御質問の前段につきまして、まず私の方からお答えを申し上げたいと思います。 御指摘がございましたように、昨年の国勢調査の速報値を見ますと、五年前に比較をいたしまして十八の道県におきまして人口の減少を見ているところでございます。これは、主として全国的な出生率の低下によりまして人口の自然増の幅が減少いたしました一方におきまして、地方からの人口流出が続いているということによるものではないかと思われます。 なお、ここ二、三年の動きを見ますと、地方での就業機会が増大をいたしておりますし、同時にまた地方活性化への展開が図られているということから東京圏への人口集中の動きなどにも変化の兆しが見られるということでございまして、こういった点をとらえながらさらに四全総の推進を図っていくということだと考えております。
○政府委員(斎藤衛君) 先生お話しございました臨海副都心、それから千葉の幕張にございます業務核都市、そからみなとみらいにあります横浜での業務核都市等がございます。 私どもは、一つには東京の中心部におきます業務機能の集中、これを適度に分散させていかなきゃいけない、そういう観点から、周辺部には今申し上げました業務核都市というようなものをもちまして、そして首都圏の中の均衡ある発展に努めているところでございますので、ひとつ今後ともよろしく御指導をお願いいたします。
○片山虎之助君 公共投資について若干の御質問をしたいと思います。 公共投資基本計画は平成三年よりスタートいたしまして、平成三年度は予算の上でも生活関連重点化枠などができたわけでございます。これによって豊かさの実感できる国民生活の実現のスタートと受け取ってもあるいはいいかと思うわけでありますが、これはまたいろんな問題点があると思います。 そこで、四百三十兆円という投資規模は、今後の我が国の経済成長率に関するどのような見通しの上に立たれたのかということをお伺いいたします。
○国務大臣(越智通雄君) 昨年六月に公共投資基本計画をつくりまして、過去十年間がおおむね二百六十三兆円ぐらいでございますが、これから二〇〇〇年に向けての十年間に、四百十五兆の公共投資プラス十五兆弾力枠という計算をいたしました。 経済企画庁の長期計画で今一番長く届いておりますのが一九九二年まででございますが、そこにおきましては、公共投資の関係では名目成長率が大いに関係してまいりますので、四・七五%を見ております。過去の十年間ではおおむね五・五%でございまして、大体その程度の数字で向こう十年進んでいきましたときに、四百三十兆、四百十五兆の公共投資は可能であろう、このように考えております。
○片山虎之助君 そうしますと、この公共投資四百三十兆を仮に十年間にやるとしますと、乗数効果がありますから大変経済成長率に影響を与えませんでしょうか。その辺の何かお考えがあったら。
○国務大臣(越智通雄君) 先生御指摘のとおり、公共投資を行いますとそれなりの乗数効果は出てくるわけでございますが、何分にも全体の経済の流れからいいますとかなり一進一退の状態がございますので、そこの裏づけになる各年の経済成長並びに四百三十兆の各年の投資の効果は出ておりませんので、従来でございますと、どちらかというと民間投資が減退しているときに公共投資で補完してきたということもございます、景気対策として。そういう点も考えていかなければならないと思っております。
○片山虎之助君 そこで、公共投資基本計画にいろんな目標が置かれているわけであります。住宅については二〇〇〇年に一戸当たり百平米という目標が置かれておるわけでありますが、これも例えば東京と地方では相当違うわけでございまして、昭和六十三年の総務庁の住宅統計調査によりますと、例えば東京は平均六十平米なんです。ところが、私がおります岡山県は百五平米で百平米を上回っている。富山県に至っては百五十三平米。したがって、全国一律に百平米といいましても、それを推進するということは、平均ではわかるんですけれども大変ばらつきが出て、地方だけがよくなりまして東京なんか進まないということも想定されるわけでありますので、例えば大都市圏と地方圏とどういうふうにその目標をお考えになるのかということをお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(大塚雄司君) 先生がお話しのように、紀元二〇〇〇年に全国の半数の世帯が誘導居住水準を達成することとされておりまして、公共投資基本計画におきましては、ただいまお話しの百平米の目標はこれに相当するものでございます。 御指摘のように、大都市地域と地方に区分をして目標を設定すべきという御意見もありますが、現在はそうしておりませんけれども、大都市地域においてはまだ居住水準の低い借家世帯が多数残存しておったり、あるいは地方においては、一戸当たりの住宅規模は非常に大きいものの誘導居住水準の達成率が十分でないというようなものもございまして、一律に目標の設定は難しいとは思うのでありますが、今後誘導居住水準の達成を目指して、地方の実情に応じて都道府県の五カ年計画も定めていただきまして、その中で対処してまいりたい、このように思っております
○片山虎之助君 今回の公共投資基本計画の推進に絡んで、平成三年度予算編成において生活関連重点化枠二千億円というのができたわけであります。それではシェアが大きく変わったかというと、全体の公共投資は六兆幾らでございますから、生活関連重点化枠は三%で大きくは変わっておりません。道路が〇・一ふえたり下水道が〇・一ふえておりますけれども、私は、投資における生活関連重視の一つの突破口ができた、そういう意味では評価すべきではなかろうかと思っているわけであります。 平成四年度以降においてぜひこの方式を継続して、さらに額もふやしていただく。平成三年度は地方の補助率カット復元が二千億か何かあったわけでありますから、そういう意味でもこの額をふやしていただくということがどうであろうか。これによって既存のやや固定した公共投資のシェアが少し直っていくのではなかろうかと思いますけれども、御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 生活関連重点化枠という新しい試みにつき御評価をいただきましたことに感謝をいたします。 ただ同時に、今委員から余りそのシェアの大きな変化がないという御指摘をいただきましたが、これは、例えば治水、治山といいました国土保全という観点、あるいは例えば港湾事業等々非常に密接に国民生活に絡んでおります公共事業というものを切り捨ててしまうということはできないということも御理解をいただきたいと思うのであります。 今後どのような概算要求基準を設けるかということにつきましては、具体的には、この生活関連重点化枠の点も含めまして、私ども、本年度の予算成立後概算要求基準策定時まで十分検討をしてまいりたいと考えておりますけれども、今たまたま委員から補助率復元に要した財源を例示に挙げられましたが、これは平成五年度までの三年間の措置でありまして、補助率復元に要した額を他の施策に回すといった性格のものでないことは委員がよく御承知のとおりであります。 いずれにいたしましても、平成三年度の予算成立後概算要求基準策定の時点までに、私どもはこの問題について改めてその効果等も含めて考えてみたいと、そのように考えております。
○片山虎之助君 最後に、総理に公共投資基本計画でお伺いいたしたいと思います。 公共投資基本計画はぜひ推進していただきたいわけでありますが、大変障害もあるわけであります。例えば労働力、出生率低下の中における労働力不足。あるいは地価の推移がどうなるか、地価対策は現在機能しておりますけれども、地価の見込み。あるいは経済の状況、財政、特にODAの問題、湾岸に関する経費等ございますけれども、結局二十一世紀になると高齢化社会に完全に移行するわけでありまして新たな公共投資ということになかなか余力が捻出できないわけでありますから、この一九九〇年代が生活関連社会資本整備の残された貴重な時間ではなかろうか。どういう決意でお取り組みになるのか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 今回の公共投資の問題は、例の日米構造協議のさなかに我が方から自主的に金額を決めて十年間の目標を計画を立ててきちっとつくろうとしたわけでありますが、そのときには、まさに御指摘のとおり、答弁を先にお示し願ったようなものですが、二十一世紀になると高齢化社会になる、そのときには負担がうんと多くなる、国はそちらへお金をたくさん使わなければ今の水準も維持できないようになる。そこで、それまでの十年間に公共投資をきちっとしていこうというのが公共投資基本計画の骨子でございました。したがいまして、生活関連重点化枠についても、まさに必要としておるのは、豊かさを実感できるような国民生活というものを公共投資の面から環境整備をしていこう、こういう大きな願いがあったのだということもどうか御理解を賜りたいと思います。
○片山虎之助君 もう時間がなくなってまいりましたが、輸入食品の監視体制について少し御質問させていただきたいと思います。 近年の国民生活の水準の向上、グルメブーム等によりまして、世界各国から種々の食品輸入が現在行われて食卓をにぎわしております。このような輸入食品の占めるシェアは農水省の調査では、平成元年度カロリーベースで五二%を占めている。これに伴いまして、食生活の安全確保、輸入食品の安全性確保が大変重要な問題になり、国民の関心も高いわけであります。 そこで、厚生大臣にお伺いしますが、平成二年度下半期の芥川賞作品、小川洋子という女性の方が書かれた「妊娠カレンダー」をお読みになられましたでしょうか。これはお姉さんが妊娠して、妹さんが女子大生でおられるわけでありますが、ここに大変複雑微妙な心理の葛藤がありましてね、お姉さんの胎児を破壊するというのでもないんでしょうが、そういうことをやるわけですね、妹さんが。それはどうするか。輸入食品のグレープフルーツを買ってきまして、それをジャムにしてお姉さんにせっせと食わせるわけであります。妹さんはグレープフルーツのジャムをせっせとつくる、お姉さんはせっせと食べる。そのジャムにはカビ防止剤のPWHというものがついている、それ以外のいろんな薬がついているんです。それをやると、発がん性物質だし、胎児を破壊する作用があるんです。それをずっと、妊娠の経過とともに日記風に書いた作品なんですね。 もちろん、輸入食品が危ないからということがテーマじゃございませんよ。しかし、そういうことが芥川賞作品に取り上げられるように、私は大変大きな問題になっているのではなかろうかと、こう思うわけでございまして、現在この輸入食品の監視体制がどうなっているのか御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 今のお話のように、世の中の人が皆悪意でやっているというようなことはないように期待するわけでございますが、輸入食品につきましても私たちは、国民生活の健康の関係で非常に検査を重視しておるということは事実でございます。そのために監視体制につきましても非常に意を払っておりますが、平成三年度の予算におきましても、この監視員を増加する、改めてまた特別の農薬等を中心とした新しい薬品の検査をやる検査センターをつくるなどの企画をいたしておりまして、この検査がさらに安全性につながりますようにこれからも努力していきたいと思っております。 と同時に、輸入食品というものは我が方でそのような体制をつくるだけでは十分ではありませんで、相手側の輸出国の協力も要請しなければならないということで、国際的な協力も今着々と進めておるわけでございます。
○片山虎之助君 時間があと一分になりましたので、最後に、大店法と商店街の振興についてお伺いしたいと思います。 大店法絡みで関連の五法案を通産省が用意され、魅力ある商店街、商業集積づくりを推進されておるわけであります。しかも、これは単に商業集積、商業地づくりだけではなくて公共施設の整備を絡める、しかも市町村主導でやるということは、従前に比べて私ははるかに前進であると思います。 そこで、問題は、これは通産省が中心で建設省、自治省が加わって進めるようでありますけれども、三省庁の連携がしっかりいくかどうか、あるいは市町村が意欲を持ってそういう商店街振興、商業集積づくりを進めるかどうかという点があるわけでありますが、今後の見通しと指導方針をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) 今回の大店法の改正に当たりましては、手続の迅速性がまず大事であろうと。明確化、透明化、これは当たり前のことでありますが、これを一番中心に図られていかなければならぬと思っております。その場合におきましても地元事情や地元の意見というものを集約する必要がございますので、それを最も反映させるようにまず第一に気を使おうと、こう思っております。 それからまた、具体的な手続としましては、出店予定者に対しまして地元説明、あるいは大店審、大規模小売店の審議会でございますね、これによる地元関係者からの意見を直接聴取する制度、あるいはまた、さらには必要に応じて商工会議所等にもジョインしていただきまして、そして、対する全体をまとめたような形の地元意見の集約の依頼というものを私どもは実施していこうと、このようにもくろんでおる次第でございます。 以上でございます。
○片山虎之助君 ありがとうございました。
○委員長(平井卓志君) 以上で片山君の質疑は終了いたしました。(拍手) 本日の審査はこの程度といたします。 次回は来る二十八日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十六分散会