予算委員会 第8号
- 発言数
- 434 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1991/03/19
会議録
○委員長(平井卓志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 まず、公聴会開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。 平成三年度総予算三案審査のため、来る四月二日に公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平井卓志君) 御異議ないと認めます。 つきましては、公述人の数及び選定等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平井卓志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成三年度総予算三案の審査中、必要に応じ、日本銀行及び政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることとし、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平井卓志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、平成三年度総予算三案の総括質疑に関する理事会決定事項について御報告申し上げます。 総括質疑は六日間分とすること、質疑割り当て時間の総計は八百三十九分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党及び日本社会党・護憲共同それぞれ二百九十五分、公明党・国民会議九十一分、日本共産党、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合それぞれ四十五分、参院クラブ二十三分とすること、質疑順位についてはお手元に配付いたしておりますとおりとすること、以上でございます。 ただいま御報告いたしました理事会決定のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平井卓志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(平井卓志君) 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算、平成三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより総括質疑に入ります。安恒良一君。
○安恒良一君 世界の耳目をくぎづけにしました湾岸戦争が終わったことは、私は大変よかったと思います。しかし、この戦争でイラク軍による海水汚染、油井放火、さらに目に余る略奪等、その傷跡が大きく残っています。また、戦場となりましたクウェート、イラクでは軍人以外の市民も多数死亡する等、悲惨な戦争のつめ跡を残しました。どんな戦争でも人の命が犠牲にされます。 私どもは、湾岸戦争の回避に向けて、また開戦後は一日も早く停戦ができるようにという努力を政府に求めてきたところであります。海部総理は米国の行動を断固支持するだけでした。米国に追随して果たして我が国の国際責任を果たすことになりましょうか。その点を総理に伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の湾岸の問題については、私はあの地域の平和回復が一刻も早く行われることを常に願ってまいりましたし、国際社会が協力をして行っております国連決議に従ってのイラクの無条件のクウェートからの撤退、それは早く行われなければならないということでありまして、国際社会の一員として、侵略を二度と許してはならないという政治的立場に立ってアメリカを初めとする多国籍軍の武力の行使に対して支持をしてきたところであり、その結果が、適切な時期に国連決議を踏まえて停戦表明がなされ、ただいままだその過程のさなかでありますけれども、一日も早く完全な停戦合意が国連でなされることを強く期待しております。
○安恒良一君 私はもちろんフセイン大統領の侵略を許すものではありません。しかし総理、あなたは、この間にとりました態度は、この戦争を奇貨として平和憲法の枠を踏み越え、かいくぐり、自衛隊機の派遣のようなやり方で軍事援助に手を染めようとされたじゃありませんか。そのことに私どもは反対をいたしました。私どもは、湾岸戦争は、平和憲法の理念に立って我が国独自の姿勢で臨むことこそが実は脱冷戦後の世界秩序づくりに大きく寄与し、これこそが新しい世界平和の道だと考えているからであります。 そこで、総理、お聞きしたいんですが、湾岸戦争の一連の対応を通じて日本国憲法が、あなた方が言う国際的な貢献、そのためのもろもろの行動に不便なり不都合だったと感じられたことがありますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 日本は国際社会にどのような貢献をすべきかという点についてはいろいろと議論もし我々でも考えもいたしましたが、日本国憲法の掲げておる平和主義、国際協調主義というものの線に従って、あのような無法な態度をとる指導者が、サダム・フセインのような指導者が今後二度と再びあらわれてはならない、このことを強く思いながら平和解決に向かって努力をしてまいりました。
○安恒良一君 私の質問に的確に答えられていませんから再確認しますが、湾岸戦争に際しての国際貢献策をとられましたが、日本国の憲法はその貢献には一切妨げにならなかった、こういうふうに確認してよろしゅうございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 日本国憲法が掲げておる正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求するという精神は、私はそれは今後とも推し進められなきゃならぬし、世界はそういうものでなきゃならぬと思っております。 また、武力による威嚇、武力の行使を伴う戦闘部隊の海外派遣ということは考えたことはございませんでした。その他の面ででき得る限りの協力をすべきである、こう考えて行動をしてきました。
○安恒良一君 私はここにドイツの大統領ワイツゼッカーさんのインタビューの記事を持っています。その中で、湾岸戦争に非協力との厳しい批判に対して、それらの批判は我々を批判する側のひどい情動性と矛盾のあらわれだと言っています。また、ドイツがクウェートの奪還に軍隊を出さないための兵役拒否との非難に対して、ドイツの軍事行動がみずからの国土と同盟国の領域内に限られるべきだというのは、第二次世界大戦の戦勝国、近隣国そしてドイツ人民の気持ちが戦後全期間を通じて完全に一致していた結果なのですと、こういうふうに述べられています。私は、この大統領の言葉は、自国の行動に責任を持ち、方向を明確にし、国民に自信と勇気を与える発言ないし政治哲学だと思って感銘をいたしました。 総理、この点についてどういう御見解ですか。
○国務大臣(海部俊樹君) ドイツにはドイツの基本的な政治目標、政治理念というものがあると思いますが、今お示しになりましたその意見は、つい一年前、一九九〇年当時には東西ドイツの統一によって再びドイツが強国になるのではないかという懸念を示されたことと、ただいまの九一年においては多国籍軍に直接参加をしないドイツの行動に対して批判を受けたことに対する矛盾についてまず指摘しながら、それにはそれなりのドイツの政策がありドイツの政治があるんだということを結論として書かれておるものと私も承知をいたしております。 私はそういう意味で、戦後の日本の置かれた立場、繰り返しますが、武力による、あるいは武力の威嚇というようなことがどれほど近隣諸国に日本は過去の歴史の上で反省をしなければならないような足跡があったかということを思い起こしますと、それらの心情は私にとっても理解できるものでございます。そして、何も世界の平和というものは、その点だけが、多国籍軍に武力部隊が参加をするということだけが世界に対する貢献ではないわけでありますから、日本の場合も、国際平和の回復のために日本の許される限りの例えば資金協力とか支援活動を行うということで国際協力の立場を表明し、実行してきておるわけでありますから、そういった意味で、ただいま御指摘の論文には私も理解を示すものであります。
○安恒良一君 理解を示すと、こう言われましたが、この大統領の発言に比較しますと、我が国では自衛隊の海外派遣で国論を二分する騒ぎを起こしましたね。そして、自衛隊が行かなければ世界の孤児になると政府・与党の主張が強かったことも事実ですね。総理は、微動だにもしないこの大統領のような政治理念にあなたは欠けておられるのではないでしょうか。私は、国の運命がかかっているような重大な時期に臨んで総理にそのようなものが欠けているとすると、余りにも重大なことだと思います。そういう点についてぜひ私は反省をしていただきたいと思うんです。でないと、国の方針を大きく変えるような問題について私は国民が大変迷惑すると思いますが、この点についてどのようにお考えですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 昨年政府が提案をした国連平和協力法の論議のことを想定しながら御発言になっておると私も思いますけれども、あくまでも武力による威嚇、武力の行使を伴うようなことはしないということは大前提として平和国家の理念として政府は打ち立てておりましたから、そのようなことで一貫した御論議を願ったつもりでございます。
○安恒良一君 武力による威嚇とか、そういうものの細かい議論で時間を費やしたくありません。これは既にうんと議論されています。 そこで、ちょっとお聞きしますが、またぞろ湾岸地域へ海上自衛隊の掃海艇派遣が取りざたされていますが、この点、総理はどうされるつもりですか。
○国務大臣(海部俊樹君) いろいろな御意見があることは私も報道等を通じてよく知っておりますし、また私自身、政府は湾岸の実情を詳しく調査し、把握をいたしまして、そしてどのような対応ができるかということについては、これは慎重に対処をしてまいりたいと思っておりますが、今直ちにどのようなことをという考えを持っておるものではありません。
○安恒良一君 イラン・イラク戦争の際に、中曽根さんは掃海艇派遣をしたいと考えられましたが、後藤田官房長官が待ったをかけられたことは天下公知の事実であります。その根底には、自衛隊法の制約を後藤田長官は承知していたからだと思います。 そこで、総理、どうですか、私は掃海艇を出すべきでないと思いますが、そのように確認をしてよろしゅうございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 政府はただいま出すとか出さないとか決めたわけではありませんし、あの地域の実情と、それから今日本が置かれている国際的貢献で何ができるかという新しい立場についての議論を慎重に検討しておるところであります。
○安恒良一君 私は、政府といっても最高責任者の総理のお考えを聞いているんです。 なお、念のため申し上げておきますが、ベトナム戦争の時期にも、いわゆる港湾封鎖が解かれた後、掃海艇を出すかどうかという議論を当時しています。昭和四十七年五月二十四日の外務委員会の議事録、その中で佐藤内閣総理大臣、江崎国務大臣はこのことを明確に否定されています。この点について質問通告をいたしておきましたから、この二人の言葉をひとつ読んでいただきたいと思います。
○政府委員(畠山蕃君) 御指摘の答弁でございますが、 ○佐藤内閣総理大臣 大体、自衛隊が出かける領域ではない、かように思います。いままで海外に派兵しないというそのたてまえから申しまして、いまの掃海に協力するようなことは自衛隊としてはない。海上保安隊としてそういうことがあるかというと、これまた私はノー、かように申し上げます。 それから楢崎委員の御質問が続きまして、もう一度その事実、朝鮮戦争のときの事実を知っているかという趣旨の質問がありまして、 ○佐藤内閣総理大臣 不幸にして存じ上げませんが、ただいま御指摘になるように、私は、海上自衛隊の場合、これはもう厳に禁止されておることだから、そういう海域までは出ていかない、かように思いますが、 云々と、こうありまして、さらに ○楢崎委員 国連からの要請があったときには、それはもう断わるんじゃなくてそのときで考えるという意味ですか。そうですか。 という趣旨の質問があり、 ○江崎国務大臣 これははっきり申し上げたいと思いまするが、国連から要請がありましても、それがいかに平和的なものであっても、現在の自衛隊法に国連の任務に参加していいという任務規定はありません。したがって、そういう要請があっても自衛隊は参加することができない、これははっきりいたしております。 こういうふうにありまして、それから政府委員からの答弁があり、 ○楢崎委員 そうすると総理の御答弁と違うわけですね。どうですか。その点、総理、もう一ぺん明確にしてください。 と、こうあり、 ○佐藤内閣総理大臣 私の答弁と違う、やはり事務当局がいままで扱っておるとおりですから、この機会に私の違っておる点は訂正させてもらいます。 そういうような一連のやりとりがございました。
○安恒良一君 総理、佐藤内閣総理大臣も明確に否定をされています。当時の江崎国務大臣も、この議事録では明確に掃海艇の派遣を否定されています。ですから、今あなたは何か人ごとのように政府で慎重にと言われましたが、あなたは内閣総理大臣ですから、あなたとしてどうされるんですかと僕は聞いているんです。
○国務大臣(海部俊樹君) 当時のやりとりは私も承知しておりますが、今日のこの状況と違う点もあろうと思いますから、私としては、今現地の実情やその対応について正確な情勢を正しく把握することに努め、慎重に対処してまいります。
○安恒良一君 それじゃ、もしも掃海艇を派遣するということになると、掃海艇だけ行くことになりますか。何と何をやることになりますか、防衛庁長官。
○国務大臣(池田行彦君) お答え申し上げます。 先ほど総理からも御答弁ございましたように、現在政府としてまだ何も決めておるわけではございませんので具体的にどうこうお答えするのはいかがかと存じますけれども、一般論として申し上げますと、現在湾岸での掃海のために掃海艇等を派遣している国あるいは派遣を考えている国、そういった中には、掃海艇のほかに掃海母艦であるとか補給艦というものを随伴している例もあるようでございます。
○安恒良一君 掃海母艦、例えば「はやせ」は定員百五十ですね。補給艦「とわだ」定員百四十、中型掃海艇定員四十五です。やるとすれば一隻では行けないと思うんですね、朝鮮戦争のときには二十隻行っていますから。そうしますと、これで海上自衛隊を一挙に千人ないし二千人派遣することになりますが、やる場合にはそういう規模になりますか。
○国務大臣(池田行彦君) 先ほど来申し上げておりますように、まだ政府として方針が決まっておるわけでもございませんし、具体的にどういうことになるかわかりませんので、一般論としても、我が国として派遣する場合という前提に立った御答弁をこの段階で申し上げるのは差し控えさせていただくのが適当かと存じます。
○安恒良一君 総理、今の議論を通じて、どうぞ掃海艇を派遣するなどということがないようにしてくださいということを強く要望しておきます。 平和憲法を踏まえまして、湾岸戦争後の日本の外交の基本方針について、総理、答弁してください。
○国務大臣(海部俊樹君) あの地域における平和回復活動が成果を上げて湾岸にどのような平和と安定をもたらすかということにつきましては、これは大きく分けて四つのカテゴリーになるだろうと私は今考えております。 その一つは、あの地域の復興とか、あるいは御指摘になりましたようにいろいろな被害をどのようにして救済していくかという当面の問題がありますから、日本としてもその第一の面については既にできることから着手をしております。例えば、人道的な立場に立ってのクウェートに対する緊急の援助品の輸送とか、あるいは紛争のさなかに垂れ流しにされた原油がどのように生態系を汚染しておるかということに対する対応も、既にできるものから行い始めております。 しかし、中長期の目標で見ますと、あの地域には恒久和平が達成されなければなりません。これは国連決議の二百四十二号にさかのぼると思いますけれども、政治的な包括和平に対して日本も協力をしていかなければならない。 三つ目は、あのようなイラン・イラク戦争のようなことが起こってあの強いイラクがどうしてできたんだという反省、紛争のさなかにはイスラエルが自制をしておったから救われたものの、ミサイルが直接関係のなかったイスラエルにどんどん飛ばされたということ、ああいった兵器の拡散を防止していくということは今後の和平にとっても極めて大切であるというので、日本はミサイル関連機器の輸出禁止に関する国際会議を日本へ招集して、それについてはイニシアチブをとってやっていかなきゃならぬと思っております。さらに、軍縮、軍備管理という問題について、世界の関係国の専門家や学者の意見交換等をしながらしていかなきゃなりません。日本はそういったあの地域の将来の安定を目指して、五月には京都で国連と協力しながら軍縮の国際会議を日本が開催することを決定いたしました。 そういったことを通じて、日本の持っておるきょうまでの考え方や、あるいは将来の中東の恒久和平に対してなし得る協力、努力を積極的にいたします。そして、さらには今あの地域の安定と平和のために、当該地域の当事国のイニシアチブを尊重しながら、技術的にも資金的にも協力できる問題があれば、またよく相談をしながら国際機関の枠組みの中でできるだけの協力をして安定に寄与すべきである。 大きく分けるとこんなようなことを考えております。
○安恒良一君 当面の外交課題として、復興、安定、その他、三点挙げられました。 そこで、私はさらに聞きたいんですが、世界の歴史の中で、イギリスは議会制民主主義の母国として、そしてアメリカは自由と豊かな社会づくりに、フランスは芸術と文化で世界に貢献し、国際社会で名誉ある地位を確立いたしました。総理、あなたは平和国家日本は何で名誉ある地位を確立しようとお考えでしょうか。その点をお答え願いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 政治の目的は、端的に言いますと、平和と国民生活の安定向上であろうと考えております。 日本は戦後きょうまで、いろいろ皆さん方の御理解と御協力によって、技術革新、技術協力の面において世界にすぐれたものも随分持っておるはずであります。そういったものの提供、そういったものの協力を通じて経済、生活の安定という面に強く寄与していきたい。 同時に、先ほどの答弁で申し上げましたように、武器輸出三原則などを持っておる我が国としては、紛争を事前に防止するためにはそういったことに対する枠組みづくりをきちっとしておくことが、事前の段階での紛争防止、よこしまな野心を持つ指導者を事前に防止できる秩序づくりに役立つ、この両面を考えております。
○安恒良一君 伺いましたが、各国の普遍的な価値のあるものに匹敵するものとして、今の総理の言葉、我が国の貢献は軍縮である、武力行使を永久に放棄した日本に最もふさわしいと考える、マルタ会談から始まった一連の対立緩和を促進する先頭に立って名誉ある地位を確立する、こういう御決意をお持ちだと伺ってよろしゅうございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) それは、先ほどの質問でもお答えしましたように、その決意を持っておりますから五月に国際会議を招集して、その場で日本の考え方をすべての世界の人々に示したい、こう思っております。
○安恒良一君 それから、これも触れられましたが、私は軍縮外交を基本にされることは非常に結構だと思いますが、武器輸出禁止も、これも答弁されましたが、私は、総理の答弁のミサイル兵器だけに限ることなく、通常兵器を含めた武器の輸出輸入の調査を国連で行わせる、そして、まずだんだん量を減らしていく、そしてこれはいわば将来は禁止していく、こういう国連外交を展開される必要があると思いますが、御決意のほどを伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) ミサイルの移転の問題よりも、むしろ核兵器とか生物兵器とか化学兵器とか、いわゆる大量破壊兵器と言われるものについては、当面はこれの拡散の防止、不拡散と同時に、今度は究極的には所有の禁止まで、製造禁止を含めての究極の廃絶を目指して人類は努力をしていかなければならないテーマだと私は思っております。それ以外の通常兵器については、それぞれの国々の抱える固有の自衛権という問題もありますから複雑な問題はあろうと思いますが、しかし透明性、公開性を明らかにして、それぞれの平和を維持していく枠組みというものを国連のような場を通じてきちっと打ち立てることが大切だと思っておりますから、これは私は九月に子供のためのサミットに参りましたときにもニューヨーク大学でそういった私の考え方を披瀝してまいりましたし、施政方針演説でも申し上げたところでございます。
○安恒良一君 これも総理が私の質問に先立ってちょっと触れられましたけれども、軍縮と表裏の関係でありますのは、総理も言われましたように、我が国は民生重視型の産業経済構造による国興しの世界で先駆者であります。これは世界がひとしく認めています。そこで、このノーハウを世界に輸出し、ソ連、東欧はもとより南の開発途上国にもその経済発展の段階に応じた利用を活用してもらう。そのためには、私は従来の機構や人材だけでは不十分だと思いますから、これを再検討し充実強化すべきだと思いますが、この点については、大蔵大臣、経企庁長官、総理、御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(越智通雄君) 今後のそうした問題につきましては前向きに検討させていただきたいと考えております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) できる限りの努力をいたしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御質問の順番を取り違えて先に詳しくお答えしてしまったようで申しわけありませんでしたが、私は、先ほど申し上げた武器移転禁止の問題とともに、すべての国の民生向上のために、日本は技術開発をしておりますから、そういった分野の技術移転とか技術協力、特にソ連からは、私の内閣になってから四回もいろいろな調査団が来られたときに非常に興味を持って見ていかれたのは、そういう民生部門におけるいろいろな日本の技術とかあるいは働く人々の育成の仕方とかいうことであったことに思いをいたして、それらの問題については、技術移転、技術協力、民生の安定、それはできる限り協力をしなければならない面である、こう考えております。
○安恒良一君 最近PKO問題が議論されています。私たちも社会党なりに十分議論し、そのあるべき方向について固めておりますが、この点でも、私は自衛隊の参加にこだわる政府・自民党の皆さん方がPKOの議論を大変混乱させていると思います。しかし、PKOというのは国際紛争の後始末の対策でありまして、一オンスの予防は一ポンドの治療にまさるという福祉、医療に関する言葉がありますが、私は、国際紛争の発生の芽を摘み取ることにもっともっと力を入れるべきではないでしょうか。それがために、総理が言われた軍縮にあわせて、飢餓、貧困の克服、環境資源の確保、人権、福祉の前進等、いわば平和の創出活動に国連の徹底強化、拡充を提案し、そのために日本は持っている経済力を提供することを考えるべきだと思いますが、この点、外務大臣、総理、どうお考えですか。
○国務大臣(中山太郎君) 委員御指摘の点は、既に昨秋の国連総会におきまして、日本政府といたしましては国連事務総長を中心に緊張が高まっている地域へのあらかじめの予備調査の実施、また地域紛争が発生する前の環境を整備するということについて一層努力をするべきだ、それが新しい国連の仕事であるということを我々は主張しますとともに、日本政府としてはこれを支持してまいるということを演説で公表いたしております。
○国務大臣(海部俊樹君) PKOのお話は平和維持活動のことですからちょっと横に置きまして、事前の平和を守っていくための能力、活動をどうするか。私は国連で打ち立てなきゃならぬ新しいあすの世界秩序の根底は、力でもって他国を侵略、併合しないという大原則をもう一回みんながきちっと再確認して、それがもし守られないときには今回のような武力行使によって排除されるんだというこの厳しい国際政治の現実に目覚めて、それらのことについてどのようなところでどうしていったらいいかということを再確認することが一番大切な原則だと思います。 日本としてなし得ることは、そういったときに武器の移転の禁止とか、あるいは透明性、公開性、先ほど触れたことでありますけれども、そういった問題についてイニシアチブをとっていくことである、こう考えております。
○安恒良一君 それでは次に、国内政治問題で少しお聞きしたいんですが、総理、あなたは御家庭で内と外を使い分けられますか。それから、政治の手法でもどうも使い分けがあなたの信条のように考えられてなりませんが、この点どうお考えですか。
○国務大臣(海部俊樹君) どういうことか御質問の御趣旨がよくつかみ取りにくいんですが、別に使い分けするほどの家庭でもございませんし、内も外も私は極めて一生懸命素直に取り組んでおる、こう思っております。
○安恒良一君 湾岸戦争について総理に言わせると、戦争ではなくてそれは平和回復活動である、九十億ドルの戦費では、九十億ドルは戦費ではなくて平和回復拠出金である、自衛隊を戦場に飛ばすことについて、派兵ではなくて派遣であるとあなたは言われました。これは何ゆえでしょうか。紛れもなく近代兵器を使ったピンポイント戦争がテレビで放映されているのに、総理は故意に事実を隠ぺいし、言葉の遊戯で国会の議論に臨んではいませんか。これは政府が守らなければならない憲法や法律をくぐろうとするためではないでしょうか、それともあなたに確固たる決断がない結果でしょうか、この点について答弁を願います。
○国務大臣(海部俊樹君) 現象面だけをとらえて物を見るということを私はしないで、物事の原理原則に返って今回の問題は対処しよう、こう最初に決心をいたしました。したがいまして、イラクがクウェートの侵略に入っていったあの八月二日のことは侵略戦争だと思います、私も。けれども、国連がそれに決議をして、ここに正義の許されないものがある、平和の破壊はやめろと国連が決議をして、アメリカを中心として二十八にも及ぶ国が多国籍軍として国連決議に従ってクウェートの解放を目指して武力の行使を決断するということは、あれは従来の戦争というよりも国際社会の総意に基づく平和回復のための活動である、平和回復の武力行使だと私はこれを言い続けてきました。 ですから、何回聞いても同じことばかり答えるといって、他院のことですが、衆議院ではやじも出ましたけれども、何回聞かれても同じことを答えなければならぬと思って私はそのとおり答えてきました。私は今でも、あの活動は国際社会が国連において決議をした、平和の破壊をもとへ戻せ、クウェートを回復せよというための平和回復活動であった、こう受けとめております。
○安恒良一君 武力行使も戦争であることには変わりないんですから、この点言っておきます。 私は、あなたは政治理念がない、決断ができない。ですから、そういう過ちを起こすのじゃないでしょうか。例えば自衛隊の海外派遣は、あなたは最初は憲法上できないと言っておられたんですよ。それがつぶれた国連協力法案では手のひらを返すように派兵の道を開こうとされたではありませんか。また、今度の国会でも特例政令で自衛隊機の海外派遣を決めるなどのように、猫の目のような変わり方には国民は実は驚いています。私は言葉の言い回しで逃げたり、その都度主義で政治を誤ることがあってはいけないと思います。事実は事実として認めて国民に信を問われるべきだと思いますが、どうでしょうか
○国務大臣(海部俊樹君) ここで言葉の解釈の議論をするわけでありますけれども、私は、海外派兵というのは、長い間国会の御議論でも確立しておりますように、武力行使の目的を持って他国の領土、領海、領空へ武装部隊を派遣することを海外派兵といって、これが許されない、また日本は政策としてそういったものをとろうとしていないということは、これは申し上げ続けてきました。 しかし、今具体的に例でお出しになった、例えば非軍事的な面で極めて人道的な立場で、国連から委嘱を受けたIOMという国際機関から避難民の移送ということの要請を受けたときに、まず民間機で対応し、場合によっては自衛隊の輸送機にもそれを行わせる、そのことは今申し上げた海外派兵ではない。人道的な面で非軍事的な面ですから、それは行うことを禁止されておる海外派兵ではなくて、海外派遣ということで国会でも議論されてきたものである、私はそのように理解をしておりますので、そういった態度を貫いてきたところであり、皆様にも御説明をし続けてきたわけでございます。
○安恒良一君 総理は完全に答弁されていません。最初自衛隊の海外派遣は法律上できないと言われたが、去年の法律をお出しになるときには手のひらを返すようにこの道を開こうとされたということに答えられていません。それは後で答えてください。 私は歴代総理を見ますと、私たち社会党との立場の違いはあります。しかし、少なくとも日本の政治をこうしたいという理念と決断をお持ちだったと思います。例えば海部総理の師と言われる三木さんは、政界の浄化、特に田中角榮氏の逮捕の決断をされました。中曽根さんは行財政改革を断行されました。竹下さんは消費税の導入とふるさと創生をされました。こう並べると、海部さん、あなたは具体的に何をされようというのですか。あなたがされようということを示してください。
○国務大臣(海部俊樹君) 誤解がございますようですから申し上げますけれども、海外派兵と海外派遣とはこれは違うということであります。同時にまた、私どもは最初に決めてお願いしましたことを、国連の協力法案のときも、結果としては廃案になりましたが、一貫してお願いし続けてきたつもりでございます。 また、何をしようとしておるかとおっしゃいますが、これは国家の安全と国民生活の安定向上を守るというのが政治の大きな目標でありますから、それに従っての対応を日々いたしておりますし、また大きな柱で言えば、海部内閣ができたときに政治改革の問題について、これは党を挙げて改革をすると打ち立ててきたわけでありますから、それについて今具体的な成案は得るように努力をいたしておりますし、国際社会において国連が初めて機能するようになって、平和の秩序、枠組みというものは、今までのような米ソの力の対決、冷戦状態の中で平和を維持していく枠組みから、国連の秩序の中で枠組みができていくわけでありますから、新しい国際社会に日本はどのような協力をしていくことができるかというその問題についても、今成案を得るべく鋭意努力をしておる最中の問題でございます。
○安恒良一君 総理が前段で言われたことは、全部どの総理も共通ですね。その中で重点的にこういうことをやられたということを言っているんです。あなたはそのことを今政治改革だと言われましたが、それは後で聞きましょう。 そこで、私は、国民の大多数はどうもあなたの場合の政治というのはその日暮らしと等しいじゃないかと、こう思っております。そして、海部総理は政治責任にけじめをつけることに欠けているんじゃないかというのであります。それは、総理というものはアメリカの大統領に次ぐオールマイティーの権限が与えられています。そこで、自分の掲げた方針や政策が行き詰まったり、国民世論とそごを生じた場合は責任をとるのが当然であります。この点では、昨年の国連協力法案が廃案になったときに、当然総辞職に値すると私は思いました。それほどの失政をやっておきながら、総理はもちろん、関係大臣だれも責任をとらない。外務省の国連局長の答弁技術が悪いと交代させられる。こういうことは許されません。在任中のもたつきが非常に多かった鈴木元総理は、昭和五十九年の赤字公債脱却目標が困難となったときに、責任をとって総理の座をやめられました。 海部総理、以上のことであなたの反省の糧とされるべきではないでしょうか、どうですか。
○国務大臣(海部俊樹君) いろいろ御指摘をいただいたことは十分私も承知をいたしておりますし、先輩の業績や先輩の足跡というものは、絶えず厳しく注目しながら私も対応しなきゃならぬと思っております。 ただ、昨年の二月の衆議院選挙のときに国民の皆さんの信頼をいただいて、そして対米の経済構造協議の問題、あるいはサミットにおける北方領土問題等の日本の対応のあり方、あるいは中国との第三次円借款開始についての理解を求める外交努力等、日本としてやらなきゃならぬ問題については、私も全力を挙げて取り組んできたつもりであります。 また、御指摘の昨年の国連平和協力法案の廃案の問題については、これはそのことについて厳しく受けとめておりますが、公明党、民社党並びに自由民主党との三党合意の覚書に従って、先ほど申し上げましたように、新しい国連、国際社会に対する協力のあり方の成案を具体的に得ることがその厳しく受けとめた成果をまとめていくことであると、こう受けとめてそれに努力を続けておるところでございます。
○安恒良一君 一言申し上げておきますが、臨時国会を通じてあの法律の審議をしたんです。それで廃案になったんですから、その点に対するただ厳しく受けとめるということだけで済む問題ではないということだけを申し上げておきます。 そこで今度は、国内の政策課題であなたが政治生命をかけると言われ、しかも時期まで明示をされました政治改革はどうなっていますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 選挙制度審議会から累次にわたる答申をいただき、また与党の自由民主党でも政治改革大綱に従っていろいろな骨組みをつくり、それを昨年の暮れに党議決定いたしました。 その党議決定を受けて、ただいま党内において成案づくりの作業を鋭意続けており、私は過日党の幹部とも相談をいたしましたが、できるだけ早く成案を得て政治改革の問題について国会と御議論ができるように、またこれは政治家の、そして政党のよって立つ基盤に関する重要な問題でありますから、私は党首会談のときにも野党の党首の皆さんにその考え方の粗組みについては御説明はいたしましたけれども、各党各会派の間でもしかるべきレベルにおいて適切な話し合いを続けていただくようにお願いをしておるところでございます。
○安恒良一君 あなたは議会制度百年の記念行事までに間に合わせると、まず一つ時期を公約されました。昨年の十一月末にもう終わっていまして、それから四カ月たっています。それから、あなたの総裁任期はことしの十月ですから、残りは半年しかありません。政治生命をかけると言った日時が経過した責任ほどうとられますか。それから、残りの期間中に実現できるのですか。あなたは歴代総理のセールスポイントの中で、おれはこの政治改革だと一言言われたんですが、この点どうですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 私は全力を挙げてそれに取り組んでおり、議会制度開設百年の記念すべき年の去年に大きな節目をつけるために全体像を党議決定したわけであります。そして今各段階における議論の詰めを、これは各政党の根本にも関する問題も含んでおりますから、鋭意努力を続けておるところであり、大体、自由民主党の選挙制度調査会には、四月末ごろまでにひとつ具体的なめどをつけてほしい、こういった時期も先日示して努力をお願いしておるところでありますが、全力を挙げて取り組んでいきます。
○安恒良一君 全力を挙げて取り組むと言われましたが、私は、今あなたの任期中、特に今国会で政治改革法案を審議、成立させる目途はあなたにはお立ちでないと思います。私もとても無理だろう、五月の八日までですから。そうしますと、総理就任当時の公約であり、世間であなたの内閣が誕生した背景は、リクルート疑惑、そして政治汚染、そして政界浄化だ、こういうことで、そのための政治改革ということであなたの内閣が誕生したと思います。それが今日まだほとんど進んでいない、こういうのはどういうことなんでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 私は、最初に申し上げましたように、この問題についての取り組み方は極めて大切に考えておりますから、ほとんど進んでおらないとおっしゃいますけれども、政府からは、審議会の答申を受け、それをまとめ、党で案をつくり、その案を党議決定してもらい、その間、昨年の夏には全国を回っていろいろな公聴会をしたり有識者の意見を聞いたり、党の政治改革本部ではそれなりの努力もし、政府の方では成案を得るべく今作業を続けておるさなかでありますから、これはどうぞお見守りをいただきたいと思います。
○安恒良一君 作業を続けていることは承知していますが、私は、この国会の会期中とかあなたの任期中に間に合うのかということを聞いているわけです。あなたの師である三木総理の座右の銘は、信なくば立たず、こういうことだったそうですが、あなたが政治改革の公約を実行されなかった場合、国民はあなたを信頼するでしょうか。その点どう考えられますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 今大切に考えて全力を挙げて努力をしておりますと言って、その経過その他も御説明しておるのでありますから、それは社会党さんの方でもいろいろな御議論をなさっておるはずですから、その中でできるだけ超党派で理解の得られる点をつくる、得られないときには政府が与党と相談して、こういった政策本位の、政党本位の、お金のかからない、政治倫理の確立できる、そんな政治改革をしていきたい、こういった案をお示しすることに相なりますから、その作業をお見守りだけじゃなく、建設的な御意見もあったらどうぞお聞かせをいただきたいと思います。
○安恒良一君 私は、あなたは口ではこの問題に政治生命をかける、こう言っておられますが、本当に実行面で政治生命をかけてこなかったんじゃないか。私は、今のようなテンポのやり方ではとても政界浄化も望めませんし、どうしてあなたの任期中にやり遂げることができるのか聞きたいんです。どうしてあなたの任期中にこれがやり遂げることができるかということを聞かせてください。
○国務大臣(海部俊樹君) どうしてできるかとおっしゃいますが、政府、与党の間では成案を得るべく今努力がだんだん詰まってきておることは御承知のとおりと思います。それを国会に提出させていただいて、そしてしかるべき方法で与野党の御議論をいただき、御賛成、御協力をいただければ任期中に成立するものは成立する、私はそう信じております。
○安恒良一君 それでは国会にはいつ提出されますか。
○国務大臣(海部俊樹君) これはできるだけ早い機会に提出をしたいと常々考えております。
○安恒良一君 答えになっていません。これ以上時間をとりたくないから、答えになってないということだけ言っておきます。 あなたは、政界の浄化は政治資金にまつわる汚染にメスを入れることだということの踏まえが十分ではないのではありませんか。政治資金の規制、議員の資金集めのための政治団体づくりの規制、株の投資と政治資金、政治資金と税金の関係等、今すぐやってほしいと国民が望んでいることがおわかりになっていないんじゃないでしょうか。なぜ政治の背後の金の問題を洗い出して国民の納得が得られるような改革をしようとしないんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 政治にお金が必要だということと、それからそのお金を国民の皆さんの前で透明性を持って集め使うということと、また量に不必要なものがあったらけじめをつけなければならないということと、これは議論し尽くされてきたテーマだと思っております。 そうして、このことについては、昨年二月一日から施行されました公職選挙法の一部改正において、候補者が有権者の皆さんにお金を使うという政治資金の出の方の一部改正の規制は与野党の皆さんの御協力を得て成立をし、既に施行に入っております。今度はそれをどのような資金の流れにするか、どのような限度でとめるかという問題について今成案を得るべく努力の最中でありますから、それが出た段階でまた改めて御批判、御指摘をいただきたいと思います。
○安恒良一君 いずれも努力中、待ってくれと。任期はだんだん近づいている。全然答えになりません。 そこで、それじゃ聞きますが、どうもこの政治資金の規制と選挙区制度、こういうことをあなたは絡ませてお考えになっているんじゃないでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 政治、そしてお金の関係が一番問われるものは、現在の選挙制度の仕組み、政治行動のあり方、要するに議員と有権者とのあり方の中で議員が立候補者の立場にあるときに自制しなければならない問題、いろいろあろうと思います。 しかし、これはこれ、これはこれと分けて考えるのではこの際思い切った政治改革はできないということで、政治家一人一人の政治倫理の確立の問題が大切であることはこれは当然の大前提として、政党本位、そして政策本位の選挙制度を行うためには現在の選挙区制度にもこれは触れていかなければならない。そういうことによって不必要なお金のかかり方をどこか制度、仕組みの上で歯どめをかけるとか、議員一人一人が自分の立場で事務所をつくり、後援会組織をつくり、集票組織をつくり、いろいろなことをしていくということよりも、やはり政党と政党の政策論争が選挙のあるべき姿であるという立場に立っての議論とか、全部一括のものとして一まとめの政治改革の中で受けとめて私は今考えておるところでございます。
○安恒良一君 私は、選挙制度とこれを絡ませたら百年河清を待つことになるだろうと思う。お金のかからないという小選挙区ですが、奄美大島の例を見てください。 そこで、私は、どうも総理は野党つぶしと言われているこの小選挙区制を持ち出して野党に反対をさせる、そして政治改革が進まないのは野党の責任だと、こういうことで逃げる気持ちをお持ちではないでしょうか。どうもあなたはすぐ与野党協議、与野党協議と言われますが、その点はどうですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 議会政治であります以上、野党の皆様の御理解と御協力は必要でありますし、また現在のような現状になっておりますからこそ、なお政府としては与野党協議、野党の御理解と御協力ということを言うわけでありますが、それはやっぱり議会政治というものを大切に考えておる姿勢であると、こういうふうにまず受けとめてください。 それからもう一つは、野党つぶしとおっしゃるが、先進工業国、民主主義諸国を眺めてみて、選挙制度の中で、中選挙区で同じ政党の所属議員が複数争っている国というのはどこにあるでしょうか。小選挙区がいけない、いけないとおっしゃるが、小選挙区のいわゆる仕組みの中で政策中心、政党本位の選挙を行っておるわけでありまして、私は今の委員の御指摘と全く別のようなお考え、例えば今の中選挙区のままの方がいいではないかというようなこと、なぜあえて好んでそのような政策本位にしようとするのかというような声があることも耳にしておりますが、そんなことよりも、やはりあるべき姿として政党本位、政策本位の論争が中心の選挙になっていくべきである、こう考えております。
○安恒良一君 私はここで小選挙区制度の中身を今議論しようとは思いません、時間がありませんから。 ただ、私が主張していることは、選挙の区割りと政治資金の浄化の方策は別の次元の問題である。これを絡ませることなく、あなたが言う政治改革をやるならば政治資金の浄化の法案をまず早急にお出しになったらどうか。選挙の区割りとか制度というのは非常に時間がかかるわけですから、そのことをあなたに求めているんですが、どうですか。
○国務大臣(海部俊樹君) これは政府の方針としては、選挙制度審議会における累次の答申をいただき、あれは各界の専門家や世論を代表するあらゆる立場の方々の総合した御意見でありましたから、それに示された方向に従ってただいまは一括してすべての問題に対して改革を行うべきである、こう考えて作業を進めておるところでございます。
○安恒良一君 それでは、経済、景気問題に入りますが、日本の景気拡大は五十一カ月目に入ったと言われていますが、拡大の勢いは相当弱くなってきていると私は思います。弱くなっているだけじゃなくて、後退局面に入ってきているという判断をされる指標が相次いで発表されています。 日銀総裁、それから経企庁長官、現在の景気をどのように判断されますか。
○参考人(三重野康君) お答えいたします。 今委員御指摘のとおり、最近の経済指標の中には多少弱目のものがふえつつあることは事実であります。したがいまして、景気は緩やかながら減速過程に入っていると思います。しかし、これはある意味では当然でございます。と申しますのは、過去四年間にわたり五%成長が続いて、今や景気は成熟期にあるわけであります。かつ、一昨年の五月から金利を上げてまいりまして、金利が高くなってまいりました。さらに昨年八月以来のいわゆる湾岸危機で企業の先行き観にやや不透明感があった。そういうことから見てある意味では自然な動きではございますが、しかし、景気の速過ぎるスピードを調整するという意味では、これから先景気を長続きさせる、そういう意味ではかえって望ましいのではないか、そういう評価をしております。 ただ、製品あるいは労働需給を端的に表現いたします設備投資の稼働率あるいは有効求人倍率は、歴史的にもまだ高い水準にあります。こういうふうに景気の水準と申しますか、レベルというものが非常に高いということは、国内の需給がまだまだ非常に強いということを意味しておりまして、物価との関連では一つのポイントでございますが、しかしそういうふうに景気の態様が強いことに加えまして、設備投資は、過去三年の二けた増というふうにはまいりませんけれども、引き続きやはり人手不足あるいは技術革新に対応するために根強いものがありますし、個人消費、これも自動車その他やや弱い数字が出ていますので注意していかなければなりませんけれども、全体としては良好な所得環境のもとに根強いものがある。さらに湾岸戦争の終結によりましていわゆる先行き不透明感は解消しつつある。そういうことを考えますと、景気の先行きにつきましても大きく屈折するということは、その可能性は非常に少ない、かように考えております。
○国務大臣(越智通雄君) お答え申し上げます。 平成二年度今や終わらんといたしておりますが、やはり八月二日以来のイラクの紛争の影響を受けたわけでございまして、八月二日から一月中旬までの間には石油の値段の高騰あるいは為替の変動等ございましたが、何とか日本経済としてそれを乗り切ると。ただ非常に先行き不透明な不安感が強うございました。一月半ばの武力行使以降一カ月半、この間に逆に一つの安心感と申しますか、石油も値段が下がりましたし、為替も円高に振れてまいりました。また、湾岸紛争終了後のこの三月に入りましてからは不透明感が払拭されまして、また一段と景気に対する自信、殊に世界経済がよりいい方に向かうであろうという確信が生まれてきているのではないか。 そんな中で為替だけがむしろドル高になって振れてまいっておりますのが気になるわけでございますけれども、そうした中で日本の経済、五十一カ月、二カ月に至りましたこの拡大局面は、私どもが平成三年度の経済見通しで考えておりますように三・八%の成長は可能であると、このように考えております。今日銀総裁からお話がございましたように、個人消費は堅調だと考えておりますし、設備投資の方がいろいろと影響を受けやすうございますけれども、私どもが予定しております六・八%程度の設備投資の増加は可能だと、このように考えておりますので、依然としてなだらかな拡大局面を続けているものと判断いたしております。
○安恒良一君 この論議を進めるために、最近の個人消費の動向はどうなっていますか。
○参考人(三重野康君) 個人消費をあらわす指標がいろいろございますが、自動車の販売数、これがやや低迷しております。百貨店の売り上げ、これもまだ根強いものがありますが、従来に比べればやや落ちてきております。しかしながら、消費のもと、前提となるものは所得水準でございまして、これはやはり非常に良好な所得環境に恵まれておりますので、ここで急激に個人消費が落ちるというふうには考えておりません。
○安恒良一君 民間の設備投資、私、個人消費の動向を見ましても、設備投資では機械の受注は総額がピークから非常に減少に向かって、伸び率もかつては二けただったんですが、今は二ないし五%に大きく後退していますね。また、日経新聞の九一年度民間設備投資動向調査によれば、来年度はわずかに一・六の微増にとどまっています。日本興業銀行の調査では〇・六%です。それから個人消費も、家計調査で見ますと、このところ三カ月連続マイナスになっています。ですから、こういうふうに具体的な数字で見てまいりますと、政府、日銀では今もいろいろ楽観論を言われましたが、本当に今後の設備投資と個人消費について平成三年度の動向をどう考えられているのか、また三・八%の成長率の見通しは達成されるということではっきりと自信をお持ちですか。
○国務大臣(越智通雄君) 経済成長率の算定をいたしました責任官庁として、日銀総裁よりも私の方からお答えさせていただきます。 まず、先生のお挙げになりました設備投資でございますが、今先生のお使いになりました数字は、この段階で新聞社あるいは銀行等が行っております設備投資についての経営者の意向調査でございます。確かに先生おっしゃいますように六つほどの調査が行われておりますが、いずれも一、二%でございますが、マイナスではございません。非常にわずかなプラスを見込んでいる。ただ、この段階での調査は多くの場合後ほど上方修正されておりまして、昨年の十数%の実績上の設備投資の伸びも去年の今ごろの調査では数%ということでございまして、かなり幅がございます。なぜならば、企業家といたしましては、既に決まった数字がございますときには発表いたしますけれども、設備投資についてまだ決まっていない場合にはお答えが出にくい。したがって、どうしても調査が低目に出るわけでございます。 なぜ設備投資についてそのように私ども強い感じを持っているかと申しますと、設備投資をしなければいけないというニーズは大変高いわけでありまして、このたびの湾岸紛争その他を通じましても、技術の革新、ハイテク化というのは非常に強いわけでございます。また、設備投資としましては拡販政策もとっておりまして、そんな意味では設備投資をしたいというその意欲ほかなり強い。それがどこまで可能か、採算がとれるかというところで経営者が今多少悩んでいる点があるかもしれませんが、私としましては、先ほども御答弁申し上げましたように、ただいま二けたの伸びは考えておりません。三・八%の成長率の裏づけになっている設備投資は六・八%の伸びでございます。 なお、設備投資そのものは、今回の景気の始まりました六十一年十二月のレベルに比べますと約倍、年間九十兆円の設備投資が行われている中ででございますので、伸び率そのものが鈍化いたしましても成長の足を引っ張るということにはならないであろうと、このように考え、三・八%の達成は可能と考えている次第でございます。
○安恒良一君 企画庁の景気動向指数、すなわち一致指数、それから先行指数がございますね、それから二月に調査された日銀の短観、これらの指数を私は全部見ますと、やはり景気は後退局面に入っているとしか思われない指数が発表されているわけです。ですから、どうも日銀も政府の皆さんも、なお景気は心配ない、やま拡大の局面が持続的になだらかに続いていると言われていますが、私は、認識のラグはありませんから、後から、実はあのときは既に後退局面に入っていたということでは責任は免れませんので、この点については日銀総裁と経企庁長官にお聞きをいたします。
○国務大臣(越智通雄君) 先生が今二つ御引用なさいました私どもの方のいわゆる先行指標、一致指標、遅行指標、ディフュージョンインデックスの話と、それから日銀のなさいました短観指標とでは時期が違いますし調査の仕方が違いますので、まず経企庁の方だけ先にお答えさせていただきますが、私どものいたしました時点は十二月時点でございます。そして、ディフュージョンインデックスの場合にはそれの三カ月前の経済諸指標同士を比較いたしましてその傾向値を出すものですから、どうしてもグラフ化いたしますと、例え話で申しますと心電図みたいにアップ・ダウンの非常に激しいグラフが出てくるわけでありまして、傾向をそのまま延ばしていくものですから、この読み取り方はいわば心電図を読む医者みたいなもので大変難しゅうございまして、確かに一致指標は下がってまいりました。 ただ、今回の景気の中で非常に顕著なことは、従来の例えばイザナギ景気のとき以上に実は相当前から振れが大きく五〇%を切っている、ボトムが出てきておりますが、今の十二月時点というのは一番経済家の心理が下がっている状態でございまして、このままこれですべての傾向を判断するにはまだ早いんじゃないか。御存じのように、一致指標でも時々、六十一年から今日平成三年までの間に五〇%を切ったときも実はありましたけれども、直ちに回復しながら今日までの景気の拡大局面を続けておりますので、私どもとしましては、このことをもって直ちに下降局面に入ったという判断はできない、このように考えております。
○参考人(三重野康君) 先ほど個人消費のことを申しましたので、今の長官に加えまして設備投資のことを一言。 先ほど発表いたしました日本銀行の集計いたしましたいわゆる短観でございますけれども、来年度の設備投資は、まだ今のところは一・一%でございます。去年は六%でございましたが、それより低いことは事実でございます。しかし、これはこの時点で来年度の設備投資を集計するといつも低い数字が出るということと、もう一つは まだ湾岸戦争終了前に集めた数字でございまして、その後の聞き取り調査によりますと、設備投資を増額している企業は非常に多いようでございます。したがいまして、先ほども一番最初に申しましたように、二けたの伸びは設備投資に期待できませんけれども、例えば政府見通しのような設備投資計画というのは実現できると思います。これは設備投資でございます。 景気全体についてでございますけれども、私は、やはり物価の安定さえ維持できればなだらかな景気の拡大は続く、こういうふうに判断をしております。
○安恒良一君 一番最近の一致指数、十月、十一月とかそれから十二月、それから先行指数、ここの四カ月ぐらいどういう状況になっていますか。
○政府委員(田中章介君) お答えいたします。 まず一致指数でございますが、一致指数の十二月が五五・〇%ということでございます。それから先行指数の方は、十二月が二七・三%ということでございます。
○安恒良一君 聞いていることに答えていない、正確に。
○政府委員(田中章介君) それから、さかのぼって申し上げますが、続けてまず十月が一致指数で四〇・〇%、十一月で四〇・〇%、その後先ほど申しましたように十二月で五五・〇%。それから先行指標の方は四カ月連続五〇%を下回っております。九月で三〇・八%、十月で四一・七%、十一月で三三・三%、十二月が先ほど申しましたように二七・三%、以上でございます。
○安恒良一君 今言われた数字等、私は非常に重要だと思う。というのは、私は日本経済というのは他の国の経済と違って大きい特色があると思います。それは景気がよくなるときは一気によくなる、悪くなるときにはまた逆に一気に悪くなる、そういう性格を持っていると私は思います。それゆえに、的確な判断で政策を間違えないようにしないと大変なことになると思いますが、既に政府は今回の景気拡大局面において金融政策を大きく判断を誤ったんじゃありませんか。その反省が、日銀総裁おありになりますか。また、政府、その反省がおありになりますか。聞かせてください。
○参考人(三重野康君) 委員の今の御質問は、今回の景気拡大に対して日本銀行の引き締めがおくれたという意味ではないかと思いますけれども、委員も御存じのように、いわゆる一九八五年のプラザ合意、これによって日本としては対外不均衡是正のために内需中心の経済構造に変革することを約束したわけでございます。したがいまして、それ以降の経済政策の課題は、物価安定を維持しつつ内需主導の経済構造に変化し、それを定着させることが主眼でございます。 そういった意味で、それ以降の金融政策は、いわゆる当時急速なる円高に対応して経済は非常に停滞しておりましたから、それに対応すること。それからまた、幸いにして原油の低落もあって物価が安定していた。そういったことを踏まえまして、昭和六十一年の一月から約一年かけて五回にわたり金利の低下を図ったわけであります。もちろん、その結果として内需主導の経済構造が定着しつつあり、今日の繁栄も見たわけでありますが、その結果の副作用としまして、やはり不動産関連の融資を通じまして土地の上昇を見たことは事実でございます。しかしながら、土地の上昇というのは金融緩和だけではなくて、やはり首都圏に対する経済機能の集中に基づく実需の増加、土地神話あるいは土地関連の税制その他諸規制の複合的なあれによるものと思います。 したがって、その後経済の環境が安定的な繁栄の軌道に乗りました後、一昨年から金利の引き上げを図ってきたわけでございまして、今委員御指摘のとおり、非常に金融政策の誤りがあったという批判があればそれは謙虚に受け入れなければなりませんけれども、私どもとしましては今までのところ適宜適切な選択をとってまいった、そういうふうに考えております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今日銀総裁から、日銀当局としての御意見がございました。私から今日銀総裁の述べられたことにつけ加えるといたしますならば、過去我々は二回の地価高騰を体験しながら、その中で土地神話の破壊に失敗をしていた。それが今回プラザ合意以降の経済の流れの中で再び生じたという点について、私自身としては反省をしなければならない点を感じております。 そして、今日我が国の経済の現状というものが、先ほど来日銀総裁並びに経済企画庁長官の述べられましたような安定した状況にあります中におきまして、今国会に私どもとして御審議を願おうとしております地価税法案を初めとし、この土地神話を破壊することに今度こそ失敗してはならない、これを、今までの教訓の中から私としては特にこの際強調いたしたいと思っております。
○安恒良一君 日銀総裁は全然反省の色がないから、後からバブル経済であなたに具体的証拠を突きつけて反省してもらいましょう。 そこで、日銀総裁 あなたは巡航速度という言葉をしばしば使われますが、これはどのような経済の状況について言うのですか。また、どのような経済の状態になることを巡航速度とおっしゃるんですか、具体的に説明してください。
○参考人(三重野康君) 私が巡航速度と申し上げるときは、経済のスピードが物価安定という意味ではやや速過ぎる場合、これをもう少し落ちた巡航速度という意味で使っておりますけれども、これは言いかえますと、物価安定を損なわないような経済のスピードということでございます。もう少し具体的に申しますと、例えば製品需給、労働需給、そういう面でヒッチを起こさないような速度を巡航速度と、そういうふうに申しております。
○安恒良一君 それじゃ三・八%というのは巡航速度ですか、経済成長。
○参考人(三重野康君) 巡航速度は何・何%と、そういう数字ではあらわせませんけれども、現在までの五%成長に比べまして三%台の成長というのは、いわゆる物価の関連からいきますと望ましい動きと、そういうことは言えると思います。
○安恒良一君 ではもう少し具体的な政策で、どのような政策をとれば巡航速度の経済になるんでしょうか、その条件を具体的に説明してください。 それから、日銀や政府の現在の政策をとっていくならばいわゆる巡航速度であって、それ以下に減速することはない、こういうふうに日銀並びに政府はおっしゃいますか。
○参考人(三重野康君) 中央銀行の守備担当は物価でございます。したがいまして、物価の安定ということを基礎にして考えまして、それさえ維持できれば景気は長続きすると、そういうふうに考えております。
○国務大臣(越智通雄君) 政府といたしましては、今先生のお話がございました三・八%の成長は、私どもも望ましい無理のないスピードかと考えております。別に三・八がちょっとでも欠けたらとかオーバーしたらいかぬという意味ではございませんが。なぜならば、昭和六十三年につくりました「世界とともに生きる日本」五カ年の経済計画におきましても、いろんな検討の結果平均で三・七五の実質成長率が望ましいという格好でやっておりますので、そこら辺の数字ならばよろしいのではないか。 それを実現するためにどういう方法があるか。それは各ファクターにつきましてバランスよく成長させていく以外にないわけでございますが、その年その年でそれぞれに政策的な課題は変わってくると思いますが、平成三年度におきましても財政はいわば景気中立型につくっておりまして、これがスピードが落ちてくるようであれば景気刺激型にしなきゃなりませんし、上がり過ぎるようならば抑制型に持っていかなきゃならない。今金融の方のお話がございましたものですから、財政面からも同様にいろいろと手段を講じなきゃならぬと思っております。
○安恒良一君 経企庁長官は三・七五であれば巡航速度だ、こう言われましたが、まだちょっとはっきりしませんが、じゃどのような政策によってそれが達成されるのか説明してください、この巡航速度にするために、あるいはこれを維持するために。 また政府は、今度は失速のおそれありと判断された場合にはどのような政策を用意するのか、具体的に説明してください。
○国務大臣(越智通雄君) 実は景気が、今おっしゃいます失速という言葉はどういうことかわかりませんが、三・七五を大きく下回る、例えばマイナスの成長になるとかあるいはマイナスに近い成長になったときには、今日までもそういうケースのときにはそれぞれの手段をとっておりまして、今申し上げましたように財政上の措置、また金融上の措置その他の手段を講じまして景気の回復を図っていく、こういうことでございます。 例えて言えば、先ほど来お話の出ておりますプラザ合意のときに一ドル二百四十二円の為替が百二十円台まで、半値まで下がったわけであります。昭和六十年から六十一年にかけましては、我が国経済はいわゆる不況でございました。その不況のためにとられた手段の一つが金利の低下と金融の緩和でございまして、その他にも政府の方では公共投資とか減税とかいろんな手段をとりまして、それによって景気を浮揚してきた。このような手段を当然とらなきゃいけない。現在のところでは順調な拡大局面と判断いたしておりますので、特段のそういう刺激もしないし抑制もしない中立型の政策で進んでいる、こういうところでございます。
○参考人(三重野康君) 金融政策に予定はございませんので、先生の御質問に対する直接のお答えにはならないと思いますけれども、私どもは臨床医のつもりでおりまして、相手の健康状況によってそのときそのときで手を打ちたいと思います。ということはもう少し具体的に申しますと、物価、景気、為替、マネーサプライその他内外の情勢を見まして、そのときに適切な手を打ってまいりたいと思います。
○安恒良一君 日銀総裁、あなたはよくバブル退治には敢然と立ち向かう、こう言っておられますが、バブル経済の終結の条件を国民にわかりやすく説明してください。また、金融引き締めでバブル経済が完全に退治できますか。
○参考人(三重野康君) 先ほど申しましたように、金融政策はバブル退治のためだけにやっているわけではございません。もちろん、さっきも何度も申しましたように、景気その他の総合的判断でございますが、今回の五回の引き上げはもちろんそういうバブルの退治を横目に見るというか、十分視野に入れてやってきております。ただ、何度も申し上げますように、バブル退治のためだけにやっているわけじゃございませんので、臨床医としての全体的な判断でやっていきたいというふうに考えております。
○安恒良一君 いや、あなたはこのバブル退治に敢然と立ち向かうと言っておられますから、その具体策を聞いているわけです。
○参考人(三重野康君) 私自身、バブル退治に敢然として立ち向かうというふうに発言したことはございませんが、世の中でそういうふうに見ている人はいると思います。しかしながら、金融政策そのものは、何度も繰り返しますけれども、バブル退治のためのみにあるわけではございませんので、全体的な判断でやっていきたいというふうに考えております。
○安恒良一君 私は、やはり景気が少し減速しているということははっきりしてきたと思いますが、最近の物価上昇を見ますと、どうも景気減速下の物価上昇、こういうおそれが日本経済にあるような感じがいたしますが、この点、日銀並びに経企庁長官、どう思われますか。
○国務大臣(越智通雄君) 不景気のもとの物価高、よくスタグフレーションなどという言葉が使われますが、スタグネーションとインフレーションというのは経済現象としては本来同時に起こるべきものではない。それは非常に異常な現象のときに起こるわけでございまして、我々が知る限りの日本の経済の経緯の中では、第一次石油ショックを受けました昭和四十九年度の経済がそう言えるかどうかというところでございまして、当時の記録では成長がマイナスの〇・二%でございまして、物価が二〇%上がりました。しかしこれは、当時一バレル二ドルのものがいきなり一バレル十ドルの石油になりました。四十八年の秋でございます。明らかにそうした全く経済現象の外と申しますか、政治的発端で経済が直撃を受けたために、高い石油を使ったのでは経済はやっていけない、しかしともかく入ってくる石油が五倍に上がったものですからインフレが一遍に起きて、物皆これで二割上がった、こういう現象でございますので、今日の日本の経済でそのような状態になるかということについては、私はそれは起こり得ない。 三・八%の成長はできないんじゃないか、低まるんじゃないか、だけれども物価だけはじゃんじゃん上がるんじゃないか、こういう発想は私ども持っておりませんで、むしろ三・八%の成長を立派に達成する中で、実は平成二年度で石油問題等を含めてかさ上げになってしまった物価の水準、このアップ率を何とか二・四%に平成三年度中抑え込むために一生懸命努力をしていきたい、このように考えているところでございます。
○参考人(三重野康君) 委員がおっしゃいましたスタグフレーションはもちろんでございますけれども、要するに景気後退の中の物価上昇ということでございますが、諸外国あるいは過去の例を見ますと、もちろんいろんな事情でスタグフレーションになったことがございます。主なものは、やはり物価安定に懸念を残しつつ安易な金融緩和に早目に踏み切った場合によく起きる現象でございます。 日本の場合も、私どもは物価の安定を第一と考えて金融政策を実行してまいりますが、もちろん角を矯めて牛を殺しては何にもなりませんけれども、それと同時に、ここまで景気をうまく運営してまいりました九仞の功を一簣に欠いてもぐあいが悪いわけでございまして、その辺をよく見きわめて適切に政策運営を行っていけばスタグフレーションにはならない、こういうふうに思います。
○安恒良一君 今年度の消費者物価の上昇をずっと年度初めから最近まで説明してみてください、何%上昇か。
○政府委員(田中章介君) お答えします。 消費者物価の上昇率、全国の数字でございますが、対前年比で申し上げます。 二年の一月が三・〇%、それから二月が三・六、三年三・五、四月二・五、五月二・七、六月二・二、七月二・三、八月二・九、九月三・〇、十月三・五、十一月四・二、十二月三・八、一月が四・五です。
○安恒良一君 今お聞きをしたとおり、前半は二%台だったですが、後半は四%台と目に見えて上昇してきています。その一方で、私はやっぱり景気が減速をし始めていると思うんです。景気がよくなる中で物価上昇はある程度我慢できますが、景気後退の中では物価上昇は国民生活に大きな影響を与えるんです。ですから、私は今直ちにスタグフレーションと、こういうことを言っているわけじゃないんですが、やはり少なくともそういう危険性なり心配があるんじゃないかなと、こういう感じを今持つんです。 そこで、そうならないための予防的な政策を含めて、今後我が国のとるべき政策をひとつ示してもらいたいと思うんです。
○国務大臣(越智通雄君) 今政府委員から申し上げましたのは平成二年の物価上昇の数字でございまして、平成二年度の経済見通しにおきましては消費者物価は一・六%と計算いたしておきました。それに対しましての変化をした諸情勢は、上半期におきます思わぬ円安傾向でございました。下半期がただいまの石油問題でございました。そして、最後のところで緩冬等による生鮮野菜などの異常な高騰ということがございましたし、またその一番後ろには、四%程度の経済成長と考えておりましたところが五・一%ぐらい経済成長がさらに上へ上がっておりますので、これはやはり物価を上に押し上げていく傾向もございました。その結果、私どもは改定見直しでは平成二年度を消費者物価で三・一%ぐらいと見ておるわけでございます。 これを平成三年度に二・四で、何と申しますか、抑え込んでいくというか上がらないようにしていくのは大変苦労の要ることでございますが、まずはそうしたそれぞれの石油製品の価格を安定させること、生鮮食料品の流通をよりよくすること、さらには経済の成長そのものを五・一%から三・八%に減速していくこと自身が物価上昇に対しては鎮静剤の役目をもしていくのではないか、そういう方策によって目標達成を考えているところでございます。
○安恒良一君 私は、政府も日銀も日本経済の癖、性格をわきまえた上で判断をしないと、正しい認識がおくれて政策が後手後手になってはいけないと思うのです。そうなりますとそのツケは必ず国民に回ってくる、こういうことを注意しておきたいと思いますが、この点どうですか。
○参考人(三重野康君) 委員御指摘のことはそのとおりでございまして、現状判断を誤らず政策を適切に運営してまいりたい、こういうふうに思います。 ただ、一言つけ加えますと、最初に申しましたように、景気は緩やかに減速しつつありますけれども、レベルというのはまだまだ非常に高い。と申しますのは、やはり人手不足が激しく製品需給が非常にタイトである、このことはやはり先生も認識していただきたいと思います。
○国務大臣(越智通雄君) 本問題にお詳しい安恒委員の御指摘でございますので、私どもも心にとめて努力をさせていただきますが、すべては三月の指標をしっかり見てみたい。一つは、湾岸の影響を脱却いたします。それから、新しい年度に向かってまた一つ、企業等は会計年度のかわり目でございますので、三月の指標をしっかり見て、その上で慎重な判断を重ねていきたいと思っております。
○安恒良一君 経済見通し等の質問が終わりましたから、この問題の絡みで今流行語になっていますバブル経済についてお聞きしたいんですが、これはどうも政府の経済、金融政策の結果生じたものだと、こういうことをお認めになりますか。これは総理、大蔵大臣、経企庁長官、答弁を。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどもお答えを申しましたように、私は地価上昇に関連し金融の影響がなかったと申し上げる自信はございません。ただ、一点強調しておきたいのは、この教訓を生かしますためにも、やはり土地神話というものだけは何とかして私どもはこれを破壊しなければならない。これが破壊できない場合には今後にも同じ問題を起こす危険性があるということでありまして、今後ともの御協力を心から願う次第であります。
○国務大臣(越智通雄君) 世上、バブル経済という言葉がよく使われておりますが、実需を離れた一つの水膨れ経済というか現象、経済現象が、まあシャボン玉がはじけるように消えるような行為とでも定義すればよろしいのかと思います。 我が国の最近の経済現象の中では、明らかに株式とそれから土地でございます。両方ともこの現象が顕著に出てきたのが六十一年ないし六十二年からでございます。こういうところで、金融ももちろん関係は強うございますが、政府といたしましては、株式についても土地についても税制改正その他そのときそのときに早急な手を打ちまして、有価証券取引税とかあるいはその譲渡益に対する課税とか、土地についての課税の強化等も短期譲渡の超重課などもいたしてまいりましたが、結果的に株式の方は昨年の平成二年の当初から下がり出しました。御存じのとおりです。平成元年十二月の最後をピークとして、今日ではそれの約三割引きぐらいのところまで、三万八千円台から今二万六千円台ぐらいだと思いますけれども、下がりました。こちらではある程度終局していると思いますが、今大蔵大臣のお答えがございましたように、土地と株式では違いまして、土地の方がより根の強い課題として残っているかと、このように認識いたしております。
○国務大臣(海部俊樹君) 大体二人の懇切な答弁で尽きておると思いますが、私はやはり内需を中心に景気を振興していこうというときの金融緩和状況のもとで、特に東京などの都心部に業務用地の利用が急増したこと、それに対してまた需要に先取りするような先行投資が行われたことが土地価格の異常な高価につながってきたのではないか。また、株価の問題についても同じような背景だったと受けとめておりますが、今後ともそれは税制と金融指導、また土地なんかについては取引の監視や利用計画の樹立等によって解消へ向けての努力を今着実に進めておるところでございます。
○安恒良一君 この円高不況のもとで内需の拡大を図るということで、超低利の金利と超緩和の金融政策を続けられました。それが株と土地の異常な高騰を引き起こしたことは間違いないわけですから、その意味で私は日銀と大蔵省の責任は極めて重大だと思います。 そこで、日銀総裁、大蔵大臣、反省を込めて、きょうはこのテレビを国民全体が見ておりますから、国民全体に迷惑をかけたことをひとつはっきりさせてもらいたいと思います。どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはどう申し上げればいいのか私も正確にわかりませんが、昭和六十年九月のプラザ合意以来急速に円高が進みました。その結果として経済活動が停滞する一方、物価が非常に安定基調で推移したために、内需を中心とした景気の拡大を図るために政府が財政、金融両面にわたる経済対策を実施し、公定歩合も昭和六十一年一月以降五次にわたって引き上げられたわけであります。この政策選択そのものは、昭和六十一年末に底を打った我が国経済が現在まで息の長い経済拡大を続けていることで誤りではなかった、基本的に私はそう考えております。 しかし、その金融緩和の局面において、景気拡大などを背景にいろんな要素がかみ合ったために地価の上昇というものが異常な姿になりましたという点について、私は先ほども金融に責任がなかったとは申しませんということを申し上げております。株価につきましても、そうした部分が全くなかったとは私は思いません。しかし、これは基本的には私は政策選択の過ちということではなかったと思います。そして、こうした経済行為に携わられた方々にもお考えを願わなければならない部分があると思います。 しかし、基本的には、先ほど来申し上げておりますように、土地神話というものを過去二回の地価上昇の中で我々がたたきつぶすことに成功していればこうした事態はより影響は少ないもので済んだでありましょう。こうした点に私は反省がないとは決して申さない、先ほど来申し上げてきておるところであります。 今日、むしろ逆に、衆議院における御審議の際にも、あるいは本院における他の委員会の御審議の際にも、この地価上昇等々をにらみながら総量規制等金融面において行っております措置について、そろそろ緩和をすればというようなお声が出てきつつあります。しかし、同じような失敗を繰り返さないためにも、私どもは現在の政策方針を現状変更するつもりはございません。今後とも十分な過去の反省の上に立った経済運営をしてまいりたい、そのように考えております。
○参考人(三重野康君) 先ほども申し上げたとおり、今また大蔵大臣がおっしゃったとおり、プラザ合意以降の政策の選択はやはり正しかったと思いますが、その副次的な要素として金融緩和がバブル現象を生み出したことも事実であります。そういう意味では、金融に責任がないなどということは言えないというふうに思います。したがいまして、経済の運営が軌道に乗った後引き締めに転じた。そのことは、先ほどから何度も申しますように、横目でバブル経済の是正を目指していることも事実でございます。なかなか両方うまくやるということはできませんけれども、今までの反省はもちろんございます。その上に立ちまして、今後とも適切な政策運営を心がけてまいりたいと思います。
○安恒良一君 株は今下がっていますけれども、一時株が物すごく上がったことも事実だし、土地がむちゃくちゃに上がって、そのことが国民経済に大きな影響を与えたことも事実ですからね。私はもう少し謙虚に、過ちは過ちと認められた方がいいと思います。 そこで、なるほど株は下落しました、地価も大都会では鎮静化した。こんなことで何かもう既にバブル経済がおさまったようなことを言われていますが、私は、国民大衆が怒っているのは、自分たちが預けたお金の運用を誤られて、それで土地転がしの片棒を担がされた、その結果家も手に入らなくなってしまった。こういう金融機関のやり方、またそれに対する政府の監督不行き届き。さらに金融機関の公共性のモラル、これはどこに行ったのかということで国民は怒っているわけです。総量規制で地価の抑制の効果が上がっていると日銀総裁も言われましたが、その反面では、地価をあおった大半の責任はやっぱり金融機関にあったという証拠ではありませんか。しかし、金融機関からも日銀総裁からも余り反省の弁が聞かれませんが、今申し上げた点をどう考えられますか、あなたたちは。
○参考人(三重野康君) 今委員の御指摘になった一連の金融機関の不詳事件、これは大変残念なことだと思います。これはやはり金融緩和が長続きする間にあって、収益の量をとにかく追う余り、金融機関の本来の性格である公共性、健全性、この二つをなおざりにする風潮と関連があるというふうに思います。委員の御指摘になったこの公共性と健全性は、これは金融機関の原点でございまして、監督当局から言われるまでもなく、金融機関がみずから反省してやらなければならない、そして一日も早く国民の信認を取り戻さなければならないというふうに思います。私どもといたしましても、常々指導をしながらもそういうふうな不祥事が出てきたということはやはり遺憾に思います。今後とも日常の接触あるいは考査等を通じまして、そういうモラルの原点に返れということは厳しく徹底して指導していきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 金融機関の基本的な業務運営のあり方あるいは不祥事件の未然防止というものにつきまして、従来から数次にわたり通達等により指導をしてまいりました。しかしながら、御指摘のように、最近金融機関に関連いたします不祥事件というもの、また土地あるいは株式資金への融資などにつき世間から大変厳しい御批判を受ける状況になっておりますことは当局としても十分承知をいたしておりますし、大変残念であり、遺憾に思っているところであります。 金融機関というものがその業務の公共性にかんがみ、社会的責任を自覚された業務運営が求められているわけでありまして、第一義的にはみずからが業務の適切かつ健全な運営のあり方に努力をされるべきものであると考えておりますけれども、当局としても、公共性の適切な発揮の実を上げ社会の期待にこたえていただくよう、引き続いて厳正な指導とともに、従来よりより奥深い検査の実施等により信頼を取り戻すべく努力をしていきたいと考えております。
○安恒良一君 私はこのバブル後遺症で指摘をしたいんですが、住友銀行とイトマン問題、さらに多くの金融機関がモラルを忘れて金さえもうかればの式で土地転がしへの加担をした。そしてその結果は、不良債権の激増、融資先の企業の倒産、経営難、国際的信用失墜で日本の金融機関のランクは格下げになった。日本型錬金術の破綻で暴露された金融や株式等の市場の後進性、どれ一つをとっても大きな後遺症が残っているじゃありませんか。信用第一の金融機関がこれほどゆがめさせたバブル経済は、これは市中の金融機関、それとも日銀、政府、責任の所在はいずれか明確にしてください。大蔵大臣、日銀総裁。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 個別の事案についての言及は、私の立場としては避けるべきことであろうと思います。しかし同時に、それぞれの金融機関は独立した人格を持つ存在でありまして、同じ経済情勢の中におきましても世間から指弾を受けず立派な業務を遂行しておられるものが大多数であることを考えますならば、私はまず第一に責任を問われるべきはそれぞれの責任者の方々であろうと思います。しかし、そういう状況を生む土台をもし我々の行政の中につくる部分があったとするならば、これはおわびをしなければならないことと、そのように思います。
○参考人(三重野康君) 一連の不祥事件は、先ほども申しましたように、大変残念なことに思われます。これはまず第一に、金融機関が監督当局に言われなくてもやらなければならないことだ、いわゆる公共性と健全性の認識というのはやらなければならないことだと思います。そうかといって、それでは我々に全く責任がないのかというとそうではないと思います。そういう状態をつくり出した環境に金融政策の一端があるとすれば、それは私どもにとっても責任があるものと思います。今後ともそういう点は十分注意して徹底を図りたいと思います。
○安恒良一君 私は、この格差拡大の中で一番貧乏くじを引いたのはサラリーマンの勤労世帯だと思います。バブルの花見酒をうまく飲んだ世帯もありますが、例えば法人営業や個人営業、それに大企業はもうけました。まじめに働く人々は一生かかっても自分の住む家が持てない、これが今回のバブル経済の結果なのであります。政策の失敗の償いのあかしとして、地価が鎮静したらどんな条件でマイホームが手に入る政策が立てられるのか、平均的なサラリーマンの住宅確保のための具体策をひとつこれは総理からお聞きしましょう。示してください。
○国務大臣(海部俊樹君) きょうまでもきめ細かないろいろな施策を行ってまいりました。また、平均的なサラリーマンの皆さんの平均的な年収の五倍程度をめどに住宅が確保できるような、そんな仕組みになっていかなければならぬということを目標に置いて、ただいま政策努力を続けておるところでございます。
○安恒良一君 総理が無理ならほかの大臣で結構ですから、具体的に平均的サラリーマンが、今例えば年間収入の五倍程度で得られるようにしたいと言うんですが、そのしたいということの中身について言っていただかなきゃ、それだけでは答えにならないんです。担当大臣、答えてください。
○国務大臣(大塚雄司君) お答え申し上げます。 大都市圏の平均的サラリーマンが住宅を確保するように、今申し上げたような年収の五倍程度の住宅が供給できるように努力をしておるわけでありますが、昨年改正された大都市法あるいは建築基準法、都市計画法の改正に伴いまして、土地を有効に使う高度利用のための制度等を進めまして、また同時に税制の改正等もございますので、そのようなものの組み合わせをして何とか五倍程度の住宅の供給ができるように全力を挙げてまいりたい。 特に、第六次住宅供給五カ年計画の中では七百三十万戸のうち半分以上を公的賃貸住宅あるいはまた借り上げ方式等による公共賃貸住宅の供給を促進するなど全力を挙げて努力してまいりたい、このように考えております。
○安恒良一君 私はこのバブル経済というのは、金融、不動産の減益という姿のみに影響が出たのではなくて、土地、金融資産を含め、持てる者と持たざる者のストック面での格差が決定的に広がったと思うんです。これを解消、縮小することが、私はこのバズル経済終結の大きな政府の仕事だと思います。ですから、政府は金融機関や証券業界だけに目を向けるだけでなく、私がいろいろ指摘した課題にどう対処するのか。このバブル整理の終着点はここにあるのではないかと思いますから、政策目標をひとつ明確に示してください。これは総理、大蔵大臣、経企庁長官、それぞれからお答えをください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 既によく委員は御承知のことでありますけれども、私どもは金融面におきましては総量規制という方針をとり、貸し出しの伸びよりも不動産に対する融資というものを抑え込んでおります。この方針をこれからも我々は続けてまいります。 また同時に、今持てる者と持たざる者の格差ということを御指摘いただきましたが、その典型的な問題となっております土地というものにつきまして土地神話を破壊すべく、土地基本法を土台にいたしまして各種の施策の中において土地税制というものを、保有につきましての新たな負担を求める地価税を含めて今回根本的に御審議をいただき、税制によっての対応策を講じようといたしております。こうした政策が総合的に実施されることにより、私は今委員の御指摘になりました問題点に対する答えを出し得るものと、そのように考えております。
○国務大臣(越智通雄君) 先生御指摘の資産格差というのは、ただいま大蔵大臣から御答弁ございましたように、主として土地でございます。それも主として首都圏の話でございまして、全国の中では四十七都道府県中、私の記憶では十数県においては既に人口減少県でございまして、そのようなところにおきましては地価は逆に低落しているやに聞いておりますが、基本的には、いわゆる一極集中をどう是正していくかという問題と、そしてさらには首都圏における取得可能な住宅をどのようにつくっていくか。しかしそれは矛盾する格好じゃなくてぜひ達成しなきゃいかぬ。この点について、ただいま出ております総合土地政策推進要綱その他を含めまして関係閣僚とよく努力をいたしていきたい、このように考えております。
○国務大臣(海部俊樹君) 土地問題につきましては三つの問題点、すなわち税制上の問題と有効利用を促進するための利用計画、都市計画などの問題、もう一つは土地に対する関連融資の規制という点、この三本柱で土地神話を崩すような努力をしていきたい、こう考えております。 あとは担当大臣の答弁したとおりでございます。
○委員長(平井卓志君) 安恒君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(平井卓志君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算、平成三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、安恒良一君の質疑を行います。安恒君。
○安恒良一君 次は、財政運営の基本について少しお聞きしたいんですが、大蔵大臣は、真に必要な財政需要に適切に対応しつつ今年度予算を編成しましたと、こう言われました。ところが、調べてみますと、防衛費は相変わらず一般歳出の伸びを上回っております。社会保障費関係は下回っています。力による東西の対立が解け、防衛関係費は削減、圧縮をしていくというのが私は世界の方向だと思います。他方、社会保障費関係は高齢化社会に向けて増額が自明の方向であります。ところが、今年度予算は全く逆の方向になっています。この結果、社会保障費の一般会計の中に占める割合は、一九七七年度の二〇%をピークに低下する一方であります。来年度予算では一七・四%まで落ち込んでいますが、これが最善の予算編成でしょうか。総理と大蔵大臣にお聞きいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員がお述べになりましたように、構成比でまいりますと、確かに一七・四%に社会保障費は下がっていると、その御指摘は間違いがありません。前年度が一七・五でありますから、〇・一%シェアが落ちておるということは事実であります。 しかし同時に、今委員は伸び率をもってお話をいただきましたけれども、例えば平成三年度予算におきます防衛費の金額の増は二千二百六十七億であります。社会保障費は五千九百七十四億ふえております。根っこの金額と申しますか、予算額で申しますなら、社会保障費は十二兆二千百二十二億でありますし、防衛関係費は四兆三千八百六十億であります。こうした比較をどういうふうに見ればという点についてはさまざまな御議論がありましょう。しかし、平成三年度予算におきましても、政府としては、内外の情勢変化に即応し、国民生活の安定や向上に資するようにぎりぎりな経費を適切に計上してきたつもりでありますし、公債依存度引き下げを図るなど行財政改革をさらに推進するとともに、最善の予算を編成してきたと考えております。 そこで、社会保障関係費について申し上げるなら、二十一世紀に向かって活力ある福祉社会というものを形成していくことが重要な課題でありまして、このため給付と負担の適正化、公平化などを図ることにより将来にわたって安定的かつ有効に機能する制度を構築していく必要があります。このような観点から老人保健制度の見直しを行うことといたしておりますし、すべての国民が安心して老後を送ることができるように高齢者保健福祉推進十カ年戦略を着実に実施すると同時に、子供たちが健やかに生まれ育つ総合的な環境づくりを推進していくために児童手当制度の充実を図るなど、いろいろな努力をしてまいりました。さらに、高年齢者雇用対策等の施策も推進をいたしております。 一方、防衛関係費につきましては、新中期防のもとにおける厳しい財政事情等を勘案しながら、国のほかの施策との調和を図りつつ効率的で節度ある防衛力の整備を図るという視点から、必要最小限の経費を計上してまいりました。しかし、その後の内外情勢の変化等にかんがみ、今回政府としてはさらに厳しく精査を行い、今日御審議をいただいている状況でございます。
○国務大臣(海部俊樹君) 平成三年度の予算の各項目につきましては、それぞれ現在の我が国の置かれておる立場や仕事の進捗状況や必要性とか、いろいろなことを勘案して精査をし決めたものと考えておりまして、政府はこれが最善の予算であると、こう考えております。
○安恒良一君 いろいろ言われましたが、私は、一般会計の中に占める割合が社会保障費が非常に落ちているということを言ったわけですから、単なる伸び率を言っているのではありません。 そこで、厚生大臣、来年度予算で、今大蔵大臣が触れられました老人保健制度の改正とあなたたちは言われるので、その中身をちょっと説明してください。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 老人保健制度、これの安定をいかに図っていくかということが今の非常に大事な課題でございます。そんなことで今回この改正をお願いしているわけでありますが、本格的な高齢化社会に向けてお年寄りの介護体制の充実や医療の確保が重要な課題であると認識いたしております。このため老人保健制度の見直しを行い、老人訪問看護制度の創設を新たに始めますと同時に、保健、医療、福祉にわたる総合的な介護体制の充実を図り、あわせて増大が見込まれます老人医療費について介護に着目した公費負担の拡充を図りますとともに、必要な受診を抑制しない範囲でお年寄りにも適切な負担をお願いすることといたしております。今回の改正は、介護サービスの充実や現役勤労世代の負担軽減を通じまして、老人保健制度の長期的な安定を図るために必要なものと考えております。 以上が概要でございます。
○安恒良一君 中身。
○国務大臣(下条進一郎君) 中身は、まず医療関係の表に出ております一般の診療の問題でございますが、これは現行外来が八百円となっております。これを月千円、二百円ふやすということにいたしております。それからまた、入院は従来一日四百円でございますが、これを八百円に引き上げさせていただきたい、こういうことでございます。 それから、全体の金額のほかとの比較をいたしますと、例えばただいまの入院費は前は一万二千円ということでございましたけれども、今度は二万四千円ということになりますが、ほかの老人のいわゆるケアの制度と比較いたしまして、いろいろな経費を計算いたしましたところではほぼ横並びでほどほどの数字になっておるんじゃないか、こういう計算でこういうことを算出したわけでございます。
○安恒良一君 スライド制は。
○国務大臣(下条進一郎君) また、この問題につきましては、委員もよく御承知でございますけれども、医療費の増高というものを頭に考え、かつまた長期的な安定の制度に持っていくということも必要でございますので、一つの方式を決めまして、その制度の中で医療費の算定をする、その算定の方式として今回スライド制を導入いたしたい、こう考えております。
○安恒良一君 今、今回の老人保健法の制度改正について説明を受けて、私はこれをじっと聞いておって、総理が日ごろから言われているお年寄りのことを本当に考えるそういう政治だろうかと思いますが、今の点について、総理、今年度の改正についてお年寄りのことを本当に考えたというふうに思われますか、どうですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 改正全体を通じて高齢者の皆さんのために安定した保健制度になっていかなければならぬということで、一部の給付の面あるいは負担の面、そこでバランスをとるような作業が行われておりますけれども、願うところは安定的なこの制度の運用を願っての措置であると、このように受けとめております。
○安恒良一君 厚生大臣、どう思いますか。
○国務大臣(下条進一郎君) ただいま総理からお話がありましたように、今高齢化が進んでおりまして、老人医療の問題もその中の一つの大きな問題になっております。 例えば平成元年の医療費の中身を見てみますと、やはり老人の方がおふえになる、そしてまた医療の単価も上がってくるということで七・七%の医療費の増ということでございますから、一般医療費の中に占めます割合としてはかなり大きなものになってきておる、こういうことでございます。しかし、十分な医療はもちろん確保しなければならない。一方、今出生率が低下しておることを考えますと、長い目で見れば若い方の負担もやはりバランスをとった形で考えなければならない。それやあれやを勘案いたしまして、介護制度の充実等を導入いたしましてただいまのような改正の方向をお願いしておるわけでございます。
○安恒良一君 いろいろ弁解がましい答弁がありましたが、実はこの制度が発表されまして、私に近所のお年寄りの方々からこういう訴えがあったんです。好きこのんで医者に行く老人は一人もいないんだ、健康を守ることが家族や近隣の人々に迷惑をかけずに済むからだ、この切実な気持ちを政府はどうしてわかってくれないんだろうかと、こんな訴えをあの制度が発表されてからいろんな老人から聞きますが、総理、今言ったことについてあなたはどう答えられますか。また、老人に負担を押しつけなければやれないほど国の財政は空っぽですか。これは大蔵大臣に伺います。
○国務大臣(海部俊樹君) 私どもは健康で健やかな老後を送っていただくことが人生において大いなる理想である、こういう考え方は基本的に持っておりますし、また、老人の皆さん方にもそういった面での健康促進、予防対応というようなものについても政策的に努力をしていかなければならないのは御指摘のとおりだと考えております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員がどのポイントを指して御意見を述べられようとしているのかわかりませんけれども、今日私どもは三年度末におきまして少なくとも百六十八兆円を超える国債残高を抱えております。また、ようやく赤字公債依存体質は脱却して国債依存度は七・六%まで下げることができましたけれども、それでも歳出の中に占めます国債費の比率は二二・五%ぐらいという状況でありまして、国の財政そのものがなお極めて厳しい状況にあるという事実は委員御指摘のとおりであります。
○安恒良一君 どうも答えがかみ合っていませんね。 それで、時間がありませんから、私は今回の改正の中で一番最大の問題はスライド制の導入だと思います。それはなぜかというと、お年寄りの方々の所得、例えば年金等でありますが、これを年々確実に伸ばす保証はありませんね。例えば年金が物価スライド制になっています。ところが、これは医療費の伸びを下回っていますから、結局スライド制で一部負担が上がっていきますと、生活を切り詰めてお医者にかかるか、そうでないと医者にかかることをあきらめるかと、こういうことになると思います。私はスライド制というのは大変問題のある制度だと思いますが、ぜひこれは再考してもらいたいと思いますが、総理大臣、厚生大臣、この点はいかがですか。
○国務大臣(下条進一郎君) 先ほど御答弁を申し上げるときにも触れたわけでありますが、全体的な仕組みの中での一つの方法として考え出したわけでございます。そして、今回のスライド制につきましては、前年の全体の医療費の伸びを基準にしたわけではございませんで、単位当たりの、一人当たりの医療費の単価を算出いたしまして、それをもととしてその後の伸びを計算していくという形の算定方式を導入いたしております。その定額方式を今回は維持いたしましたけれども、今後また改正の時期がいつかということは大変困難でございますので、今後はそういう医療費の実際の伸びを参考にする一つのよりどころといたしましてただいまのスライド制を導入することに相なったわけでございます。 なお、このスライド制につきましては、将来にわたりましてお年寄りと若人の間の負担の公平が確保されるように、また医療費の伸びにあわせて一部負担の額を改定する仕組みを導入したわけでございます。しかも、導入いたしますこのスライドの仕組みは、いわゆる任意に政令その他で行われるものではございませんで法定主義を採用しておりまして、行政庁の裁量の余地が入らないようにするということでやっておりますので、ぜひとも御理解をいただきたいとお願いする次第でございます。
○国務大臣(海部俊樹君) 厚生大臣が詳しく申し上げたとおりでございますけれども、要は、御年配の方のそういった医療費と若人の負担、全体のバランス等も考えながら、この老人保健の制度というものが安定的に運営されていくように考えてまいりたいと思います。
○安恒良一君 答えになっていません、厚生大臣。私が聞いているのは、年金、いわゆるお年寄りの所得は物価スライドでしか伸びないじゃないか、一方この医療費の方のスライド、やり方はあなたが言われたことであってもそれの方が上回るじゃないか。そうすると、生活を切り詰めるのか、それとも医者にかからないようにするしかないんだが、その点をどう考えるか。同じことを二度言わせないでください。
○国務大臣(下条進一郎君) 今のお尋ねは二点をとらえておっしゃっておられますけれども、老人の方々に対するその他の諸介護の施設とか、あるいはまたいろいろな社会保障の方法とか、いろいろ手だてがございますので、それらを一方の収入の面に入れていただいて計算していただくことが必要かと思います。
○安恒良一君 答えになっていませんが、これも時間をとりますから、いずれ法案審議のときにやることにしましょう。 それじゃ、これと対照的な防衛費の関係について。 新中期防と前中期防の金額、それから伸びた金額。それから新中期防の初年度である九一年度の金額、対前年度比、伸び率等々についてまず説明してください。
○政府委員(畠山蕃君) 現中期防は五年間で、六十年度価格で十八兆四千億でございました。新中期防は、これは平成二年度価格で二十二兆七千五百億円でございます。それぞれの伸びは、現中期防は年率平均で五・四%でございましたが、今回の新中期防は三・〇%の平均伸率ということでございます。 それから、平成三年度の防衛関係予算でございますが、四兆三千八百六十億円で、五・四五%の伸びとなっております。
○安恒良一君 対前年度比、金額で幾らふえたか。
○政府委員(畠山蕃君) 二千二百六十七億円の増加でございます。(発言する者あり)
○安恒良一君 不規則発言を整理してください。私はちゃんと質問したことに答えないから今言っているんだ。 今数字を言っていただきましたが、これが節度ある防衛力の整備、こういうことになるんでしょうか。それはなぜかというと、今脱冷戦の時代に今言われたように金額が非常に増額されていますが、この点は総理並びに防衛庁長官、どうですか。
○国務大臣(池田行彦君) お答え申し上げます。 ただいま政府委員の方から計数についてお話し申し上げましたけれども、まず新中期防について申し上げますと、現中期防が五・四%の伸び率であるのに対しまして、新中期防の五年間の平均の実質伸び率は三・〇%になっております。これは、けさほど来これからの経済成長率なんかについてもいろいろ御議論がございましたけれども、平成三年度は三・八%見込まれておる、また中期的にも大体三%台の上の方の計数が望ましいということで言われておるわけでございますが、それに比較して三・〇%という実質伸び率というものは決して高いものではない、このように考えております。 さらに、その中身に立ち入ってまいりますと、新中期防では正面装備の新規の調達に係る契約の伸び率というのはマイナスになっておりましてマイナス二・三%、こういうふうな数字になっております。そういたしまして、総額の中で占めるシェアも、正面経費は現在の中期防では二五%を超えておりますけれども新中期防では二二%に減っていく、こういうことになっておるわけでございますので、中身においても現行中期防に比較してかなり抑えた姿になっているという点をひとつ御理解いただきたいと思います。 後方がかなりふえておるわけでございますが、後方がふえましたのは、一つは現在までに整備いたしましたいろいろな装備品の維持経費がかなりかかるということ、それからさらに隊員の施策を充実しております。先生御承知おきいただいていると思いますけれども、現在自衛隊員の隊舎が非常に老朽で、七人八人と一部屋に入っておるのもあります。そういったところを充実したという点があるわけでございます。それが新中期防の関係でございます。 また、平成三年度の防衛関係費につきましては、先ほど御説明いたしましたとおり、四兆三千八百六十億円、五・四五%の伸びになっておりますけれども、これも実質伸率で見ますと二・九%になるわけでございまして、決して高いものじゃないと存じます。さらに、中身について申しますと、人件・糧食費あるいは歳出化経費、過去に契約を結びましたそれに基づいて歳出化してくる経費、こういったもので八割近くを占めておりまして、一般の物件費と申しますのは二一・二%でございまして、これも特殊要因を除きますと実質的に減少している。そういうふうな姿になっておるわけでございまして、平成三年度の予算につきましても、非常に厳しい財政事情を勘案し、また先生御指摘のいろいろな国際的な動向等も勘案いたしまして必要最小限度のものを計上させていただいた、このように考えておる次第でございます。 さらにもう一点、長期的な防衛費の伸び率なりシェアなりという点で申しますと、防衛費というのはどちらかといいますと長期的にスロー・バット・ステディに整備していくという性格のものでございますから、経済がどんどん伸びるときには、ほかの経費に比べましてどちらかというとずっと控え目な伸びになります。そして、逆に財政全般を抑えるときには、どうしても過去の歳出化経費があるとか着実にやるという関係で若干ほかの経費に比べて伸び率が高い、そういう趨勢があるわけでございます。したがいまして、長期間をとってみますと、例えば昭和三十年から比べますと、昭和三十年の時点では一般会計の中で一三・六%のシェアがあった、それが現在の段階では六・二、三%になっているというふうに構成比でも減っておりますし、またGNP比で申しましても、三十年時点では一・七%であったのがここのところ一%を切って、平成三年度では〇・九五四%になっているというのは先生も御承知いただいているかと思います。 そのようなことでございますので、私どもといたしましても国際情勢の変化も十分勘案し、さらに財政事情にも十分配慮いたしまして、必要最小限の経費を平成三年度においてもまた新中期防においても予定させていただいておる、こういうことでございます。
○国務大臣(海部俊樹君) おおよそ防衛庁長官が御説明申し上げたとおりでございますけれども、防衛計画の大綱に決める水準におおむね平成二年度予算で到達したものと私ども判断をして、正面装備につきましては更新・近代化に主眼を置く、後方装備の充実を図っていく、こういった考え方で、これは節度ある防衛力の整備である、こう判断しております。
○安恒良一君 今のお二人の説明を聞いていますと、新中期防では後方重視で、ですから、いわば直接戦力アップにはならないとはおっしゃいませんが、そういうようなニュアンスを言われましたが、私はそれは答弁に少しごまかしがあるんじゃないかと思うんです。というのは、来年度予算案で指揮通信、それから情報機能の充実や技術研究開発が極めて重視されています。例えばこの中で防衛統合ディジタル通信網、潜水艦用超長波送信所、作戦情報処理システムなど、防衛力のかなり大幅な質的向上を図ろうとしていることは事実じゃないですか。 そこで、総理、私はやっぱり今日の時代を考えますと、防衛費というのは横ばいないしマイナスに圧縮する、そのことが我が国のとるべき方向ではないかと思いますが、その点は、後半が総理、前半は防衛庁長官にお答えください。
○国務大臣(池田行彦君) お答え申し上げます。 これからの防衛力の整備におきましても、やはり近代化を図っていくのは当然だと心得ております。先ほど総理からの御答弁にもございましたけれども、一応大綱に定める防衛力の水準が概成された、そういうことでございますので、これからは正面装備については、例えば減耗期が来ましたものを更新していく、こういうことをやるわけでございますが、更新いたします場合には、これは当然のことでございますが、現在の技術水準の動向等を勘案してやはり現在の技術水準にふさわしいものにかえていく。そういったことで近代化、これを見方を変えれば、先生おっしゃいます質的な向上ということは当然図ってまいります。しかし、これは防衛力全体として決してそれをどんどん伸ばしていくという話じゃなくて、諸国の情勢を見ながら、相対的なものでございますから、現在の水準を維持するというふうに御理解いただければと、こう考える次第でございます。 それからまた、これから先の話でございますと、毎年毎年の歳出額もそうでございますけれども、一つは、防衛費の場合契約額をごらんいただくことが大切かと存じますが、そういう契約額の方が申しますと、先ほど新中期防については正面装備については実質年率でマイナス二・三%と申しました。平成三年度について見ますと、当初から新規の契約については控え目にマイナスにしておったわけでございますけれども、いろいろな事情がございまして一千億円の防衛費の削減措置というものがございました。このために、正面装備の契約ベースで見ますと、平成三年度はたしか一六・二%のマイナスということになろうかと思います。そういうところにも、節度のある防衛力の整備を図っておる、今の水準を維持するんだというふうな即応をしておることを御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 我が国の安全を確保するための節度ある防衛力というのは、御承知のように、日本の専守防衛に従って、そして足らざるところは日米安全保障条約によって抑止力として補完をされる、こういう姿、形でやってまいりました。ですから、東西の対立、対決が終わりを告げて好ましい方向に向かっておるときではありますが、この基本的な認識には変わりありませんし、先行きもまだ不透明なところもあろうと思います。しかし、今長官も言いましたように、今回の中期防では正面装備は契約ベースでは減額になっておりますし、正面装備は更新・近代化を主にしておるということは御指摘のとおりでありますが、節度あるものとして今後とも任務を果たしていけるように必要にして十分なものを整備していきたい、こう考えております。
○安恒良一君 この点も完全に理解しかねる点がたくさんありますが、次へ行きます。 防衛費関係の予算修正を今年度千二億円しました。その中で、三年度分の歳出では十億削減、これは確実ですが、後年度負担の九百九十二億について、前回の審議のときにもそこがはっきりしませんでした。ですから、新中期防は二十二兆七千五百億ですが、それから千二億を必ず減らすということは、これは間違いありませんね。この点は総理、大蔵大臣、防衛庁長官にお聞きいたします。
○国務大臣(池田行彦君) お答え申し上げます。 新中期防と申しますのは、防衛費の関連で申しますと、五年間にわたる計画期間の防衛費の総額の限度を定めておる、こういう性格のものでございます。そういうことでございますので、今回の防衛費の削減措置が直ちに連動してこの計画の改定をしなければならないというものではございません。総額の限度額でございます。そういうことでございます。それが一点ございます。しかしながら、私どもは今回の防衛費の削減措置というものを誠実に実施してまいる、こういうことは当然のことでございます。 具体的に申しますと、一つは、新中期防の中に三年後に諸般の内外情勢を勘案しながら総額の限度内で計画の修正を検討するという、こういう検討事項がございます。したがいまして、その段階におきまして、そのときの国際情勢あるいは経済財政事情、さらには技術水準の動向等を勘案して検討するわけでございますが、それに加えて、あるいはそれにあわせて、今回の一千二億円の防衛費の削減措置というものを重要な要素として勘案して修正の検討をしてまいりたい、これが一点でございます。 それからいま一つは、毎年毎年の年度の予算編成におきまして、これまでも内外の諸情勢そして財政事情等も考えながら極力経費の節減に努めて予算編成をしておるわけでございますけれども、これからも毎年毎年そういったことでやっていく、そしてその際に、さらにあわせて今回の削減措置があったということを十分念頭に置きまして予算編成に当たっていくということでございまして、そして結果的に新中期防の総額にも今回の削減措置が反映される、こういうふうに考えておるところでございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今防衛庁長官からお話がありましたように、今回減額をいたしましたものは今後の歳出化経費をそれだけ必要としなくなるわけでありますから、三年後の見直しの時点において誠実に反映されるものと心得ます。
○国務大臣(海部俊樹君) 政府としては誠実に対処してまいります。
○安恒良一君 どうもこういう肝心なところはわからないんですね、反映されるとか、総理は対処すると言う。 私は端的に聞いているんですが、二十二兆七千五百億、これを補正のときには千二億円減らす、減額修正するということだったんだから、それは間違いありませんねと聞いている。間違いないならない、減らすなら減らすと。いろいろなことをごちゃごちゃ言うと、またここでちょっと理事協議してもらわなきゃならぬことになるから、どうですか、そこは。
○国務大臣(海部俊樹君) 誠実に対処しますと言っております。間違いありません。
○安恒良一君 誠実に対処するということは、減らすというふうに受け取ってよろしゅうございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 三年度予算で一部削減があり、一千億余り削減されることに結果としてなります。
○安恒良一君 私は今防衛問題をいろいろ議論しましたが、やっぱり脱冷戦構造への大きな転換に当たりましては防衛費を思い切って圧縮する、削減する、そしてその分を平和配当として国連を通じた平和のための資金援助や国連の平和維持活動の資金として使っていくことが必要だというふうに考えました。そして、我が国は平和憲法を持っていますから、この行動の先頭に立って世界のモデルになるべきだと、こう思います。主要諸国に対しても、軍縮による国連平和活動資金をつくろうじゃないかと、こういうシステム化を呼びかけるべきではないかと思いますが、総理、そのようなお考えをお持ちでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 我が国はきょうまでも国連の平和回復活動を初めいろいろな場面にでき得る限りの拠出は行ってまいりましたけれども、さらに一層の努力をしたいと思います。
○安恒良一君 それじゃ質問の順序をちょっと変えまして、スモンの年金について厚生大臣にお聞きしますが、一般の年金は先般の法改正で毎年物価上昇に応じて改定することになっていますが、スモンの健康管理手当について同じ扱いにすべきではないかと患者団体からいろいろ要望が出されております。そして、私はその実現をメーカーに働きかけてもらうように、昨年の夏以来、前厚生大臣、現厚生大臣、それから橋本大蔵大臣にも強く要望してきたところでありますが、その結果はいかがになりましたか。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 まことにお気の毒なスモンの患者の健康管理手当の問題でございますが、委員からも重々御説明をいただきまして問題を承知いたしております。従来物価スライド制はとられておりませんので、毎年物価上昇に応じて改定してもらいたい、こういうことで、五%を超えないと向こうは動き出さないということでございましたが、患者団体からの強い要望もございますので、先般年金等のスライド方式が変更されましたことを考慮いたしまして、このスライド制はもっともなことであるからということで、厚生省といたしましても関係三社に要請をしてまいったところでございます。 関係三社におきましては、極めて困難な要望と受けとめておりましたけれども、検討の結果、諸般の事情を勘案し、平成三年度より物価上昇率が五%以下の場合であっても毎年度改定する旨の回答がありました。
○安恒良一君 健康管理手当を完全スライド制にするならば、同じ条件にあります介護費用についても私は完全スライドを行うべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 両者は極めて関連の深い問題でございますので、厚生省といたしましても、介護費用につきましては関係三社に同時に要請を行ってまいったところでございます。その結果、今般、健康管理手当と同様な完全物価スライドの取り扱いをする旨の回答が寄せられました。御報告申し上げます。
○安恒良一君 以上の回答につきまして、私は、 厚生大臣、また陰から努力していただきました橋本大蔵大臣の努力を多とするところであります。 厚生大臣、お願いですが、近日中にぜひ大臣から直接患者団体の代表に会って御回答いただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○国務大臣(下条進一郎君) そのようにいたします。
○安恒良一君 それでは、もとへ戻りまして歳出の問題、放漫化の問題について申し上げたいと思いますが、私は去年もこのことを取り上げたんですが、六十三年度までは概算要求により絞り込んできた、一般歳出については概算要求の締め切り額は絞り込んできたんですが、ところが元年度からは概算要求額を上回って確定している、これでは年々金額が大きくなるじゃないかということを去年指摘したら、大臣は、財政当局に緩みがあるとすれば心していくと、こういう答弁でした。ところが、今年度を見ましてもやはり歳出増へ大きくかじが切られているような感がいたしますが、その点どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今の御質問にお答えいたします前に、先ほど私は国債費の割合を二二・五と申し上げたそうであります。修正後二二・八になっておりますので、この点おわびをして訂正いたします。 そこで、今委員から御指摘がありましたが、私どもはやはり財政当局に緩みがあれば、これを直していくという決意に変わりがありません。そして、元年度以降、成立予算額が概算要求額を上回っているという御指摘を今いただいたわけでありますけれども、これは例えば平成二年度におきます人事院勧告が非常に金額的に大きかったことは委員御承知のとおりでありまして、概算要求後、この人事院勧告の実施に伴います給与改善費の増などが加わりましたことにより実質的な要求額が増加するといった技術的な要因によるものでございます。各年度の予算編成過程におきまして経費の徹底した節減合理化を図っていく努力を怠るわけにいかないという状況は、先ほど申し上げたとおりでございます。
○安恒良一君 私はこの二年間のやり方を見ますと、どうも歳出増へ大きな傾斜をされたようにとれてなりません。そこで、財政再建の方策として、この財政再建の目標をきちんとして政治公約としてやらないかと私は質問したんですが、去年はできないということになりました。できないということになりますと、今のような状況でいきますとこれはますます財政が放漫化になるんじゃないかということを大変心配するんですが、この点、総理、大蔵大臣、どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御指摘でありますけれども、私どもといたしましては、しばらく前まで御承知のように赤字公債依存体質の脱却ということをまず第一の目標として掲げてまいりました。と同時に、可能な限り毎年の国債依存度の引き下げを図るという目標を立てておったわけであります。おかげさまでその赤字公債依存体質脱却という第一段階を越えることができ、今私どもは、当面五カ年程度を目途とした中期的な財政運営の新しい努力目標といたしまして、まず公債依存度の引き下げを図る、そして特例公債の早期の償還に努めるという目標を設定し、その上で、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくために、とにかく五%を下回る公債依存度まで引き下げていこうという目標を立てております。 本年一月に提出をいたしました財政の中期展望におきましても、今申し上げましたような目標を踏まえて、平成七年度に公債残高累増体質からほぼ脱却することを目標としながら、七年度に公債依存度が五%を下回る水準というものを仮置きいたしまして、四年度以降毎年度四千五百億円ずつ公債発行額を減額するという前提で試算を行っておるところでございます。私どもとしては、こうした目標を立て、これに向かって全力を挙げてまいりたい、そのように考えております。
○国務大臣(海部俊樹君) 公債依存度の引き下げに努力をして、その目標を定めて頑張っていこうという、ただいまの大蔵大臣の答弁の趣旨と同じでございます。
○安恒良一君 私はことしの財政を見ましても、その点も第一年度目から目標をやはり下回っていると思います。 そこで、どうしても財政というのは財政再建と歳出増の両面にこたえなきゃなりませんね。それがためには、私は今の政府のような税収頼みの天気次第ではやっぱりだめだと思うんですよ。そこで、安定的な経済運営によってまず税収の急増減を平均化することが必要ですが、私はまず第一に、歳出面だけにシーリングをかけて概算要求を行う方式にプラスして、歳入面も一体化させた概算要求に変える、こういうことの方がいいのじゃないか。そうでないとやや場当たり的になってしまいますが、総理、大蔵大臣、来年度予算からは今申し上げたようなやり方をやはり抜本的に変えてやるというお考えはございませんか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、歳出面における概算要求基準に加え歳入面についても何らかの目標値を設定してはという御指摘を受けたわけであります。 これは確かに財政体質をあらわす指標として、公債依存度だけではなく、国債残高対GNP比とかさまざまなものがあります。そして、昨年五月の予算委員会におきましても委員からさまざまな御指摘をいただいて、私どもなりに勉強してまいりました。しかしながら、国債残高対GNP比あるいは国債残高そのものといった指標というものは、財政構造の硬直性を端的にあらわすという反面、過去に発行した国債の償還規模でありますとか経済情勢などによって水準が非常に大きく左右されるという問題点を持つように思います。これは毎年度の予算編成の具体的指針としては非常に用いにくい要素であります。これに対しまして、公債依存度というものは歳入全体に占める公債収入の割合を示す指標でありますから、国債比率や国債残高対GNP比といった指標とは違いまして簡明であること、かつ一義的でありまして、毎年度の財政運営に当たっての具体的指針として用いるのに適した指標であると私は感じます。 財政当局といたしましては、今後の中期的な財政運営に当たりまして、やはりまず公債依存度の引き下げを図る、同時に特例公債の早期償還に努める、こうしたことの努力を積み重ねることによって国債残高が累増しないような財政体質をつくり上げることに全力を傾けてまいりたいと考えております。しかし、国債残高対GNP比といった比率というものについては、我々としてやはり十分参考にしていくべき指標と考えておりまして、具体的な目標値は設定をいたしませんが、十分注視しながら財政改革を進めてまいりたいと考えております。
○安恒良一君 私は国債政策について異論を言っているわけじゃないんです。それをやるために、歳出面だけじゃなくて歳入面にもやはりシーリングを考えるということが必要じゃないかと言ったということをもう一遍言っておきます。 私は、それがためには、これも毎年問題にしているんですが、税収の適正見積もりをやらなきゃならぬと思います。その精度を高めていかなきゃならぬ。そこで、これも前から言っているんですが、年度所属区分の復元を図ったらどうだ、一遍でできなければ少しずつ法制化していったらどうだ、こういうことを毎年のように強調しているんですが、総理、大蔵大臣、一つぐらいはいい提案は実行してみたらどうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 間違いなく私は委員の御指摘がいい提案だとは思います。ただ同時に、これを一挙に実現いたしますためには、もう少し財政的な余力のあるときでなければ非常に大きな混乱を生ずることも委員御承知のとおりであります。私といたしましては、むしろ御提案に沿えるような状態に早く国の財政状態を持っていきたい、そのためにも努力をしていきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 大蔵大臣が申し上げたとおりでございますけれども、税収の見積もり等を適正にしながら、そして歳出の方は節減合理化を図っていくということが極めて大切な問題だと思っております。
○安恒良一君 そこで、税収の問題ですが、税収が変動によって増収がありまして余剰が出ると補正予算を組んで使ってしまうんですね。ですから、これは私は減収期のために、景気変動等によって税収に変動が生じた場合はこれを蓄えておく制度というのを考えるべきじゃないか、そうした上で財政再建の目標をきちんと国民に明らかにし、公約としてそれの達成を進めていく、こういうふうに税収の変動が生じた場合にはやったらどうかということを提起いたしますが、この点、大蔵大臣はどうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今後ともに税収見積もりに大きな誤りを生ずる危険性があるという前提に立ちますなら、私は委員の御指摘というものは一つの方向であると思います。そして、確かに過去数年にわたりまして税収の見積もりが大幅に狂いを生じ余剰を生じたという状況の中でさまざまな御論議をいただいてまいりました。しかし、今税収見積もりをいかにして確度あるものにならしめるかという努力をいたしております状況の中、また委員から午前中御質問をいただきましたような状況を踏まえてみましたとき、私は過去のような大幅なプラスの方向への税収見積もりを生ずるといった状況にはないと考えております。 今後におきましても、むしろ税収見積もりをいかにして適正なものたらしめるか、そうした方面から我々としては努力をしてまいりたい、そのように存じます。
○安恒良一君 私は最後に、歳出面で内外へ我が国として避けられない責務を果たすものはやむを得ないと思うんですが、一方では不要不急の経費や既に役割が終わった経費を削る、こういうことを思い切ってしないと、財政の放漫化は避けられないと思いますね。例えば公共事業の生活関連への重点配分では、商益や族議員に振り回されていたのでは先行きが思いやられます。 私は、総理、大蔵大臣、この点についてはあなたたちの決断がないと財政再建はできないと思いますが、そういう点はどうでしょうか。もしも決断がないなら、我が国のためにこれまたかわってもらうしかないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年の夏、概算要求基準を設定いたしました時点で生活関連重点化枠を提起いたしましたとき、これにつきましてはさまざまな御論議がございました。しかし、御批判は恐らくありましょうけれども、私は平成三年度予算編成の過程をごらんいただきまして、この生活関連重点化枠というものに示された考え方というものは、大方の方向として御支持をいただけるのではないかと考えております。 時代によって国民が必要とされる施策が当然変わり、国として重点的に資金を配分すべき事業は変化をいたします。そうした中において、委員が御指摘になりましたように、既に不要になった経費というものが出てくるならば、当然これは節減をしていく努力を私たちは払わなければなりません。同時に、今回の生活関連重点化枠にお示しをいたしましたような新たな取り組みというものを常に私どもは心がけていかなければならない、そのように考えております。
○国務大臣(海部俊樹君) それぞれ事前に厳しく精査をして適正な予算を組んでいく、また眺めておって時代の移り変わりによって不要になってくるようなもの、過剰になってくると思われるようなものについては毎年毎年節度を持って削減の努力を続けていかなければならない、こう考えております。
○安恒良一君 それじゃ、今度国会に提出されました地価税、ごく簡略にわかりやすく説明してください、内容を。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 地価税全体の細かい仕組みでありますか。
○安恒良一君 国民にわかりやすく、大きいところだけ。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもとしては今回、地価高騰という状況の中で、これに対する対応策としてさまざまなものを考えてまいりました。そしてその中で、土地基本法というものに基づいて土地の所有というものに一つのレールが敷かれました中から、今回、土地の保有、譲渡、取得の各段階にわたって総合的な税体系の見直しを行ってまいりました。その見直しの過程において、保有の段階について、土地保有に対する税負担というものをその資産価値に応じて適正な水準に引き上げることが必要であるという考え方を示されて、私どもとしては、仮称でありますが、土地保有税という名前で先国会来御論議をいただいてきたわけであります。 この土地保有税という仮の名前で議論をしてまいりましたものが、政府としてこれを具体的に体系づけてまいりますプロセスの中で、土地の資産価値、すなわち地価を課税標準とするものであること、また地価の抑制、低下に資するべきものである、こうしたことを総合的に勘案し、地価税と呼ぶことがふさわしいという結論を出しました。今回これから御審議をいただくわけでありますが、公共的な性格を持つ資産である土地というものに対する負担の公平というものを確保しながら、その資産の有利性というものを縮減し、土地の資産価値に応じた御負担を願うという点からこれを創設するわけであり、私どもといたしましては、他の税制改革、さらに他の土地政策と相まって土地の有利性というものを縮減し、土地神話というものをこれによって崩すことをねらいといたしております。
○安恒良一君 大要説明いただきましたが、私はきょうの午前中から議論しているように、政府の金融政策の誤りが地価の暴騰を招いた、そこで持っている者と持たない者の不公平が出てきた、これを是正するためにはやはり土地保有税が必要というのは、大臣も認められました世論でありました。それが今度、政府は地価税というふうに変えてしまいました。私は、税金の名前からしまして、これは国民世論とかけ離れてしまったのではないかと思いますが、なぜこういうふうにされたか、その根拠についてもう一遍説明してください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに御論議をいただきますプロセスの中、先国会までの期間におきまして土地保有税といった名前が仮の名前として使われておりましたことはそのとおりであります。 ただ、もっとはっきりと目的を明らかにする、すなわち土地の資産価値、すなわち地価を課税標準とする、また、地価というものを抑制し低下させるために、そういう役割を果たすためにこの新たな税を創設するということを考えますと、地価税という端的な名前の方がより目的を明らかにする、そのように考えた次第であります。
○安恒良一君 わかりません。土地保有税の構想でいくべきだったということだけ申し上げておきます。 そこで、今回の税法で課税対象面積が千平方メートル以上、基礎控除十億円、個人及び中小企業は十五億円としていますが、庶民感覚で土地に対する課税の乖離が著しいのではありませんか。これで本当に公平感が出ると思われますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 地価税というものが公共的な性格を有する資産であります土地に対する負担の公平を確保する、そうしつつその資産としての有利性を縮減するために土地の資産価値に応じた負担をお願いするという観点から創設するものであります。その地価税というものにおける課税最低限、これは資産規模の小さな土地について配慮する観点から設けたものでありますし、税率水準につきましては、土地の有利性を政策的に縮減するという観点と、我が国の経済に与える影響や個々の納税者に対する負担に配慮するという観点を総合的に勘案したものでありまして、私は適切なものだと考えております。
○安恒良一君 土地の高騰によって不公平が著しくなったことに対する庶民の願いは、東京等の大都市、県庁所在地の県都、それ以外等に区分して、適正居住面積を超えて広い宅地を保有している人々には課税すべきだ、こういうことだと思いますが、この点は地価税では全然考えられていないんですが、このことについて、総理、大蔵大臣、どうお答えになりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 地価税の税率につきましては、税制調査会の土地税制のあり方についての基本答申の中で考え方が示されておりますけれども、数字的なものがないことは委員御承知のとおりでございます。 そこで、その面積についてただいま御意見がございましたけれども、例えば都道府県庁所在地の都市における最高路線価を見ますと、三年分を見ますと、これが極端に高水準にあります大都市圏を除きまして、その他の地域では一平米当たり一千万円以下でありまして、したがって比較的高地価の土地でありましても百平米程度の所有土地までの部分には課税対象としない。また、商業地における小売業の売り場面積というものが全国平均では約六十三平米であるといったことなどから見ますと、私どもは課税最低限十億円の定額控除というものがそんなに問題のあるようなものではない、むしろ国民生活の実態に応じた課税最低限である、そのように思います。
○安恒良一君 〇・三%という税率、一平方メートル三万円の基礎控除、これはどうも税を負担する大企業ばかりに目を向けて、地価抑制の効果が乏しいのではないか。私は、これは企業が負担を価格に転嫁できる程度の税金の増加ですから、地価は下がるわけがないと思います。やはり痛みを感じないと地価は下がらないのではないかと思いますが、この点、大蔵大臣並びに建設大臣、どう考えられますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 後ほど建設大臣からお答えをいただきますけれども、もし地価税というものだけで地価を抑制するあるいは低下させる役割を委員が想定されるのであれば、これは決して十分ではないという御指摘はそのとおりかもしれません。しかし、以前から申し上げておりますように、土地政策全体の中において税が占める役割、これは金融あるいはその他の役割と呼応する一つの柱であります。その柱の中の保有という一点における地価税というもの、これがすべてを担うという状況にないことは御理解をいただかなければなりません。しかも、今回は固定資産税の適正評価というものも相まつわけでありまして、私は十分な効果を上げ得るものと考えております。
○国務大臣(大塚雄司君) お答えいたします。 地価税の創設でどの程度の効果が上がるかにつきましては、いろいろ論議のあるところでございます。我々の体験では、昭和四十七年の地価高騰のときに既に体験をいたしましたが、あのときの総需要抑制というのはかなり効果がございました。そしてまた、そのときに国土利用計画法を議員立法でおつくりになりまして、監視区域等の指定まではいたしませんでしたが、そういうようなアナウンス効果やいろいろなもろもろの施策がかみ合って、あのときは平均三八%上がった地価がマイナス一一%まで下がった前例がございます。 今回は前回のと違ってかなり高騰の度合いも高くなっておりますし、問題が複雑でございますけれども、やはり総合戦略で取り組んでいくべきである。もちろん地価税もそれなりの効果を上げると思いますが、そのほか特別土地保有税等の新しい創設もございますし、それらの税制と土地の有効利用と金融の抑制、もろもろの施策を総合してこの一月の二十五日に総合土地施策要綱を決めたところでございますので、全力で取り組んでいくものである、したがって地価税もそれなりの効果がある、このように認識をいたしておるところでございます。
○安恒良一君 私もそんな単純に、地価を下げるのに税制だけだということは一つも言っておりませんから誤解がないように。ただ、日経連の鈴木会長すら、今回の地価税の税率は低過ぎる、〇・五ないし一%にしないと土地問題は解決しないと言われていますね。 総理、大蔵大臣、もう既に国会の審議が始まっていますから原案を出し直すというわけにはいかぬと思いますが、この審議を通じて効果ある税制にしてもらいたいと思いますが、どうですか。例えば、導入時に無理とすれば段階的な引き上げを計画する、そういうようなことをこの審議の中でやっていったらどうかと思いますが、この点は総理、大蔵大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもは政府として最善の案と考えておりますものを国会に御提案を申し上げておるわけでありまして、その御説明も審議の過程において十分させていただきたいと考えております。 同時に、今委員が御指摘になりましたポイントに関連するかどうかわかりませんが、今回の地価税の仕組みの中には、地価税法案に見直し規定として、少なくとも五年ごとに固定資産税評価の適正化の状況や地価の動向などを勘案しつつ、土地の保有に対する税負担全体の状況を踏まえて検討する旨の規定が設けられております。今後地価税をどのように取り扱うかにつきましては、この見直し規定というものを踏まえて、その見直しの時点で検討すべきことであると考えております。現段階で私として云々すべきではないと考えておりますが、税制調査会の平成三年度の税制改正に関する答申に指摘されておりますように、仮に地価高騰のうかがえるような事態が生ずるとすれば、これは総合的な土地対策と相まって機動的、弾力的なこの仕組みの見直し、本税に期待されている役割を全うさせるための努力というものが必要になる、そのように思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 今御議論のある地価税というのは、一定水準以上の資産価値を有する土地に対して新たに価値に応じた負担を求めるための税の新設でございますから、詳細は大蔵大臣が説明したとおりでございます。
○安恒良一君 最後にお聞きしますが、これで平年度税収はどれだけになりますか。それと同時に、それはどういうふうにお使いになるつもりですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 数字の点については事務的にお答えをすることをお許しいただきたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) ただいま試算してございますのは、平成二年度における土地価格、土地利用状況を前提といたしまして、税率〇・三%といたしました場合三ないし四千億円程度の税収になろうと考えております。ただし、この計数は現時点における見込みでございまして、今後一層土地情報を集めまして検討していきたいと思いますので、今後異同があり得ることをお許しいただきたいと存じます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) この地価税につきまして御意見をいただきましたとき、税制調査会からは、これが所得課税の引き下げと同時に歳出の面においても土地の問題の解決のために役立つような使い方を考えろという御意見をいただいております。これに従って平成四年度予算編成時までに私どもとしては最善の道を模索しようと思います。
○安恒良一君 次は公共投資問題に行きますが、生活を豊かにするということで四百三十兆を決められましたが、これの根拠及び本当に豊かさが実感できる公共投資への転換を具体的にどう進めるのか。経企庁、大蔵、建設大臣、答弁してください。
○国務大臣(越智通雄君) 政府といたしましては、昨年の六月二十八日に外共投資基本計画を定めました。先生御高承のとおり、過去十年におきましては約二百六十三兆円の投資を行ってまいりました。これを五割方ふやした計算で、四百十五兆プラス十五兆の弾力枠ということで四百三十兆円になっております。 もちろん政策でございますので、まあきざな言い方でございますが、リライアビリティーとフィージビリティーがあるわけでございまして、より立派な公共投資をしたいということと、それだけのものができるか、ないしはしたことによる他への影響はどうかという両面からの判断が必要でございます。したがいまして、各公共投資の部門別に今度の場合には目標を掲げまして、住宅でいえば、あと十年たてば一世帯当たり百平米のお部屋にしたいという一つの目標を立てまして、この積み上げたものが四百三十兆でございますが、この計画は実現可能だと思っておりますし、これを達成いたしました暁には今日よりはよほど豊かな生活が実現できるものと考えてやっております。
○国務大臣(大塚雄司君) お答えいたします。 ただいま経済企画庁長官からお話しのように、一九八〇年代二百六十三兆円が四百三十兆円、約一・六倍ということでございます。この四百三十兆円のこれから十年間の投資につきましては、住宅はもとより社会資本の整備を先進国並みにするという目標を定めまして、それぞれの分野に重点的に効率的に配分をして実施をしていこうというものでございます。 特に、本年度から住宅建設五カ年計画、都市公園、下水道等五本の新五カ年計画を策定するわけでございまして、紀元二〇〇〇年のいわゆる整備目標達成のために全力を挙げてまいるわけでございます。先ほどのお話のように、住宅はおおむね百平米程度、公園は大体十平米程度、下水道は七割の大体の普及率等を目標に全力を挙げてまいる所存でございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 内容等につきましては、経企庁並びに建設省からそれぞれお答えがありました。 私の立場から申し上げたいことは、この投資総額というものが、社会資本の整備水準を欧米諸国に比べてそれほど遜色のない水準まで引き上げていくと同時に、我が国の内需を中心としたインフレなき持続的成長にも資する規模と、そのように考えておるということであります。
○安恒良一君 平成三年度の予算編成で生活関連重点枠二千億を決められたら、各省が出したのが一兆二千億、大変な騒ぎになったと聞いていますが、この経過にかんがみまして、平成四年度の予算編成ではこの生活環境重視の公共投資を具体的にどういう仕組みで進められるんですか。この重点化枠方式をとるのか、逆に重点化枠の金額をおふやしになるのですか。この点は非常に重要ですから、総理、経企庁長官、大蔵大臣、お答えください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 三名御指名でありますけれども、概算要求に関連しますので私から最初にお答えをさせていただきたいと思います。 私どもは、ことし平成三年度予算の編成に際しまして生活関連重点化枠という考え方を初めてとってみました。そして、それなりのさまざまな御批評もあろうかと存じますが、おおむねその目標は達したものと考えております。 そこで、概算要求基準というものにつきまして昨年三月の財政制度審議会から、「時代の要請に応じて効率性の高い歳出構造としていく努力が引き続き必要であり、そのためには、今後とも概算要求基準の設定により、概算要求段階から制度改革、歳出の節減・合理化を進めるべきである。」という御報告をいただいております。こうしたことを考えてまいりますと、今後どのような概算要求基準を設けるか、この平成三年度予算を成立させていただきました段階において、平成四年度の概算要求基準の策定時までに私どもとしてはなお内容を詰めてまいりたいと考えておるところでありまして、現時点において生活関連重点化枠をどうするかといったことにつきまして結論を出しておる状況ではございません。
○国務大臣(越智通雄君) お答え申し上げます。 四百三十兆の公共投資基本計画の十年間の分は、中央政府と申しますか国の投資プラス地方の分も全部入れてのことでございまして、平均伸び率で申しますと六・三%で伸びていくわけでございます。二百六十三兆のベースから始まっておりますので、そのうちの国の分が約七兆ちょっとでございますから、このたびの平成三年度は二千億の重点化枠のほかに二千億の地方負担軽減分と申しますか、補助率の戻した分がありまして都合四千億でございます。四千億というのはおおむね六%に相当するものでございまして、平成四年度以降におきましてもおおむね六・三%の伸び率に見合う増額が行われるものであろうと考えておりますし、その配分の仕方につきましては大蔵大臣のお考えに従っていくことになろうかと思っております。
○安恒良一君 どうも答えになってないんで、私は、ことしの二千億の経験から来年度はまたこのような方式をとるのかとらないのかと言うんですけれども、全然わからないと。 それじゃ、ちょっと念のため、ことしの生活関連枠二千億の配分比率をひとつ説明してみてください。例えば下水道だったら幾らだったのをことしはこうしたというふうに、下水道、住宅、公園等々ちょっと説明してください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 事務方から説明することをお許しいただきます。
○政府委員(保田博君) 先ほど来テーマになっておりまする生活関連重点化枠二千億円につきましては、大きく分けまして、従来からの公共事業関係費に千七百五十億円、それから予算上公共事業関係費とは目されておりません文教でございますとか社会保障関連施設とか、そういうものに二百五十億円と、大まかに分けてそういうふうになっております。 詳細が御必要でございますれば、また御説明いたします。
○安恒良一君 下水道とか住宅とか。
○政府委員(保田博君) 御関心の公共事業につきましては、先ほど申し上げましたように、千七百五十億円でございます。そのうち、下水道につきましては三百七十四億七千万円、住宅につきまして三百五十三億八千百万円、環境衛生七十三億一千百万円、それから公園等に七十五億五千二百万円ということになっております。
○安恒良一君 今言われたのを配分比率で。従来と今回の配分比率はどうなっていますか。
○政府委員(保田博君) 従来の配分比率といたしまして、平成二年度におきまするこれらの事業の公共事業関係費に占める割合と比較をいたしますと、下水道が一一・四が一一・五に、それから公園等が二・〇が二・一、環境衛生が三・一で変わらず、住宅対策等が一一・六が一一・六、全体として二八・〇が二八・二ということでウエートが〇・二%上がったと、こういうことでございます。
○安恒良一君 ここもちょっとかみ合っていません。私は二千億のところだけを聞きたかったんですが、まあいいです。 そこで、二千億というのは、一般会計公共事業総額六兆五千八百九十七億に比べると全体の三%にしかすぎないんですね。だから、本体の公共事業費の配分比率というのは全然と言っていいぐらい変わっておりません。固定化しています。私は、この全体の配分比率を改めないと生活重視の公共投資は実現をしないと思います。これは常識です。 そこで、総理、大蔵大臣、建設大臣、国民に公約した豊かさの実感できる公共投資に変える方法論、なかんずく配分比率を改める具体策をひとつここで説明してください。示してください。
○国務大臣(大塚雄司君) お答えいたします。 今大蔵省からお示しをした昨年度と今年度の差というのは、確かにわずかな差でございます。しかし、過去のいわゆる公共投資の配分比を比較してみますと、例えばこの二十年の間に、公園の整備費は〇・一%のものが現在では二・三%、住宅は七・四%が一七・四%、下水道が二・五%だったものが一六・七%というぐあいに、着実に生活環境あるいは文化機能の公共投資にその力点が変わってきていることは事実でございます。昨年と今年度の差で言いますとそれほどでないというわけでございますが、それでもプラスに傾いておるので、今後一層生活重視の公共投資を進めるように努力をしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、目に見えるほど配分比率が変わっていないという御指摘を受けたわけでありますが、基本的には私は、我が国の公共投資全体が水準を欧米に比したときに低位にあるために、どの分野を切り飛ばしてどの分野に重点を指向するといったことができにくいという実態があることをまず御理解をいただきたいと思います。その上で私どもは、平成三年度から新たにスタートいたします各五カ年計画を含め、今後の十年の間にそれぞれの長期計画の見直しの時期があるわけでありますから、それぞれの事業の進捗状況を見ながら適切に対応してまいりたい、そのように基本的に考えております。
○国務大臣(海部俊樹君) るる御答弁申し上げておりますように、今回は国民生活の豊かさを実感できる経済社会の実現に向けて、公共投資額のうち生活環境、文化機能に係るものの役割をふやしてきたということは御承知のとおりだと思います。 今後とも、豊かさを実感できる国民生活を充実していくための公共投資のあり方というものについては絶えず念頭に置いて作業を進めてまいります。
○安恒良一君 私も、公共関連投資の生活関連二千億については配分比率がかなり動いたことは認めているんですから、それは誤解。ただ、全体の公共事業費、予算総額六兆五千八百九十七億はほとんど動いてないんですよ。そのことを私は申し上げているわけですからね。 そこで、それじゃ具体的な問題として、テレビを見ている国民の皆さんが、じゃこれから住宅はこういうふうに実際ふえていくんだ、そして下水道もこういうふうにふえていくんだ、公園も従来と異なってこういうふうになるんだと。それにはどれだけの公共投資をふやしていくのか、国民にわかる数字で言ってください。十年後にはこうなるなんてそんなことじゃなくて、国民が一番関心を持っているのはそこですから、その点についてどうぞ説明をしてください。
○政府委員(市川一朗君) 下水道と公園を例にとりまして、ただいまの御質問にお答えしたいと思います。 平成三年度の下水道の予算の伸びを見ました場合に、国費ベースで見ますと総額八千七百四十六億円でございまして、前年度に比べまして六・二%の伸びでございます。下水道予算は平成二年度の場合は平成元年度に比べましてわずか〇・三%の伸びでございましたので、単年度予算ベースとしては六・二%の伸びということで、それなりに一応の伸びを確保しておるわけでございます。 それから公園予算でございますが、都市公園関係は国費で千二百三十億円でございまして、平成二年度に対しまして七・一%でございます。平成二年度の予算の際は平成元年度に対しまして一・五%の伸びでございまして、それなりの伸びをしているわけでございます。 こうした平成三年度の予算を初年度といたしまして下水道及び都市公園につきまして新しい五カ年計画を策定することになっておりますが、この五カ年計画が達成されますと、先ほど建設大臣の方からも御答弁申し上げましたように、下水道につきましては普及率ベースで言いまして、調整費も含めまして五五%になります。これを十年後には七〇%に持っていきたいという一つの一里塚といたしまして、私ども五四、五%を五年後を目標として掲げておりますので、大体そのペースに入っておるというふうに考えております。 それから都市公園につきましては、欧米の水準は一人当たり約二十平米でございますが、十年後には十平米まで持ってまいりたいという考え方を持っております。新しい五カ年計画ではそれが七・一平米まで行くことになりまして、このペースで行きますと十年後には一人当たり十平米の都市公園が確保できる、そういう考え方を持っております。
○安恒良一君 住宅。
○政府委員(立石真君) 住宅についてお答えいたします。 平成三年度の予算におきます住宅対策の予算額は、前年度予算額八千四百二十億円に対しまして、生活関連重点化枠分の三百五十四億円を含めまして八千八百六十三億円を計上しております。これは対前年度比四百四十三億円でございまして、五・三%の伸び率となっております。住宅対策予算につきましては、昭和五十七年度に公共事業費についてゼロシーリングが適用されて以来、NTTの貸付金の導入期を除きますとおおむね毎年度の伸び率はゼロで推移してきたところでございますが、平成三年度予算におましては、生活関連重点化枠分の活用等によりまして前年度に比べて五・三%の伸びが確保されたものでございます。 第六期の住宅建設五カ年計画につきましては先ほど建設大臣から御答弁いたしたところでございますが、この五カ年間に総住宅建設戸数としましては七百三十万戸、また公的資金による住宅としましては三百七十万戸を確保すべく建設を進めていきたいということでございまして、先日決定したところでございます。平成三年度の住宅関係予算は、その初年度としてそれらを確保するのに足りる予算と考えているところでございます。
○安恒良一君 皆さんの説明は、生活関連枠とごっちゃにしてことしはこう伸びた、こう言われているんですね。ところが、来年はこの生活関連枠をどうするんですかと聞いたら、大蔵大臣はまだ答えを出していないと言うんですから、その前提の話では困るわけです。ことしはそうなった、たまたまそうなった。 そこで、やっぱり公共事業というのは種類ごとに、もう担当省ごとに、今度は省では局ごとに、それから世に言う族議員というのがおりまして、予算配分をあらかじめ決めているんですよ。これではまともに国民が今望んでいる生活関連を大きく伸ばすことはできないと思います。 そこで、これらの反省の上に立って、これは総理に聞きたいんですが、このように配分枠がもうほとんど動かないというのをどういうふうに変えようとするのか、それとも変えないでいいというのか、それとも変えられないというのか、ここのところは、総理、はっきり答弁してください。
○国務大臣(海部俊樹君) いろいろな御議論の結果、今年二千億円の公共枠をつくって変えるスタートを切ったわけでありますから、今後十年間にわたる公共投資計画の中ではそれらの考え方を念頭に置きながら、公共予算の配分にはその都度対応していかなければならない。目指すところは、やはり生活の実感を確保できるようなそういった整備充実が大切である、この基本でございます。
○安恒良一君 そうしますと、ことしの生活関連重点枠等の実績を十分尊重しながら来年度もやっていくというふうにあなたのお答えを聞いておきます。 それじゃ次に、四百三十兆の投資達成には大変な努力が要るでしょうかどうでしょうか、建設大臣、大蔵大臣、お答えください。
○国務大臣(大塚雄司君) お答えいたします。 公共投資四百三十兆円の達成につきましては、何といいましても公共事業費の中でも占める用地費の割合を少しでも下げることがまず非常に大事な問題である。地価の安定というものは公共事業の執行に大変に大きな影響がありますので、総合土地政策要綱に基づきまして地価の安定に全力を挙げ、投資の効率を上げていくことが一つでございます。 もう一つは、近年の人手不足の問題にどう対処するか。予算がございましても、これを執行していく上での人手不足は大変に深刻でありますから、若年建設従事者の確保につきましても、各般の施策を通じまして今後の投資を有効に実行できるように全力を挙げていく、この二つが当面非常に大きな問題であると思っております。その問題に全力で取り組んでまいります。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今建設大臣からお述べになりました視点と同時に、私どもはこの四百三十兆の公共投資の最も国民生活に有効な使われ方というものを中心に考えていかなければなりません。その場合、一つは一極集中排除という基本的な国土形成の考え方を忘れないでいくこと、同時に、そのときそのときの経済情勢を勘案しながらその消化に無理のない予算編成を行うこと等、十分に気をつけていくべき点を持っておる。しかし、私どもは二十一世紀の到来までに国民生活の質の向上という視点からこれだけの努力は払わなければならないものと、そのように心得ております。
○安恒良一君 私は、四百三十兆の投資は今後毎年五%程度の伸びで達成できると思いますから、五%の伸びというのはそんなに驚く数字ではないんじゃないかと思いますが、どうですか、その点。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、驚くと言った方がいいのか驚かないと言った方がいいのか、大変難しいお問いかけでございます。 と申しますのは、私どもが構造問題協議のとき、アメリカ側が毎年毎年のGNP対比の数字あるいはISバランス論に立った論議を展開してまいりましたものに、年度の計画あるいは年次目標といったものを避けて日本としての総枠の目標を立てることに努めてまいりましたが、日本の経済運営の観点からこうしたことを固定してとらえることは非常に危険度が高い。むしろ毎年の経済運営の中における公共事業費というものの役割を考える場合には、十年間というマクロの数字は示し得ても年次の目標というものは示すべきではない、そうした考え方で議論をしてまいったわけでございます。同様な観点から、私は委員の御質問に対しましても大変お答えしにくい質問だと、そのように思います。
○安恒良一君 お答えしにくいということですから、これ以上追及はやめておきましょう。 それじゃ、私は四百三十兆の投資だけではなかなか豊かさが実感できないんじゃないかと心配している。それは社会資本の老化ということで、戦後高度経済成長期、昭和三十一年以降社会資本が急速に整備されましたが、九〇年代にはこの耐用年数を迎えまして更新期に入ってくると思います。ですから、九〇年代、毎年どのくらいの更新投資が必要になるのか。これは公共投資大口の建設省、運輸省、農水省、厚生省、それぞれから、ひとつどのくらいの更新の費用が要るのか、こういうことについてお答えください。
○国務大臣(大塚雄司君) お答えいたします。 御指摘のように、社会資本ストックの増大に伴いまして維持管理費が増大するとともに、老朽施設に対する更新のニーズも増大するところでございますが、これらの維持更新のニーズに適切に対応することが国民の社会資本に対する要望に適切にこたえることで大変大事だと認識をいたします。しかし、今後の社会資本の更新費及び維持修繕費の見通し等につきましては、なかなか定義等の問題もございまして具体的な計画として数字を明示するということは困難なのでございますが、今後の公共投資基本計画に基づく公共事業の実施に当たりましては、既存の社会資本の適切な維持管理と老朽施設の適宜的確な更新は極めて重要な課題であると認識をいたしまして、積極的に取組んでまいりたいと思っております。 とりわけ維持管理の問題は、財源の確保の問題とあわせまして効率的な維持管理のための技術開発、維持管理体制の充実が重要であるとの観点から、平成三年度の予算においても我が省の重点課題の一つとして取り組んでおるところでございます。
○国務大臣(近藤元次君) お答えいたします。 今後四百三十兆の中も含めて更新費用や維持管理費用がどの程度かかるかということについては、なかなか今後の投資額その他について更新なり維持管理費がどの程度かということは非常に計算上困難でございますのでまだ計算はしておりませんが、従来農林水産省が農業、農村整備を行ってきた維持管理費は、投資額のおおむね一%程度計上させていただいてまいりました。
○国務大臣(村岡兼造君) 更新費及び維持修繕費につきましては、実際に公共事業予算や決算からこれらを明確に抽出することは極めて困難でありまして、運輸省においても、これを吟味し整理された集計もありませんので、その実績を示すことは難しいものと考えております。
○国務大臣(下条進一郎君) お答え申し上げます。 更新費、維持補修費の件でございますが、御承知のように、公共投資基本計画は今後の公共投資に関する枠組み及び基本方向を総合的に示す指針でありますので、このような性格上個別分野での具体的な姿はあらかじめ計画において設定されているものではありませんので、厚生省関係のその見通しを申し上げることは困難でございます。
○安恒良一君 納得できません。皆さん質問を先回りされて、私は今、更新投資について聞いているんです。それから維持補修費も聞くんですが、質問の先回りをして答えられています。しかも、具体的な数字をどの一つも言われません。 私はまず建設省に、建設省が窓口になって各省庁と十分話をしてくれということで先週から資料を要求しました。それと同時に、民間の調査機関日本総合研究所が調査研究した結果このような数字になっているぞということも申し上げて、各省と十分相談をして数字を出すように要求してあります。今皆さん方はだれも数字を言われないということでは議論ができませんが、先週から要求していますから、今私が申し上げた更新投資費と、それから後から聞こうと思いましたが一緒に議論されますのは結構ですから、維持補修費、これが九〇年代にどのくらい出るのか。というのは民間研究所ではいろいろこれを出しているわけですから、その点についてお答えをください。各関係大臣。
○国務大臣(大塚雄司君) 更新の費用につきましては、いわゆる公共施設そのものの性格によりましても、耐用年数等もいろいろばらばらでございます。例えば道路とか下水道施設とか公園とか、こういうものも実際に更新をする時期が何年後であるかということは大変に難しいわけでございますので、定かな数字をお示しすることができないわけでございまして、維持補修費に関する修繕費の方につきましては若干の資料があると思いますので、政府委員から答弁をいたさせます。
○政府委員(望月薫雄君) お答えさせていただきます。 先生仰せのとおり、先週の末に御指示をいただいたわけでございますが、率直に申し上げまして、維持補修あるいは更新、こういった概念での分析が十分建設省につきましてもできておりません。また、建設省全体を取りまとめてという御指示もございましたけれども、率直に申しまして、今大臣からも御答弁申し上げましたが、それぞれの施設の実態等々さまざまでございまして、私どもの立場で整理ができないというのが実情でございます。 そういった中で、まず一点申し上げさせていただきますと、更新費というものは概念としましては、ある一定期間を過ぎて、俗に言う耐用期間が過ぎた場合には施設の命脈が尽きる。したがって、そっくり入れかえるというふうな概念が更新としてあり得ると思いますけれども、これについては私ども通常改良事業という格好でいわば全部事業を取り仕切っておるという中でございますので、それだけの区分けがなかなか困難である、実績も将来も含めて困難だと、こういうふうに考えております。 それから維持修繕につきましては、私どもそれぞれの統計的処理を可能な限り過去においてやってまいっております。一つだけ簡単に申し上げさせていただきますと、例えば建設省関係の代表的施設であります道路で申しますと、道路統計年報というのが毎年発表されておりますけれども、これで直轄補助、地方単独、この事業について申し上げさせていただきますと、昭和五十五年、一九八〇年にはいわゆる維持補修の関係のお金が八千億円ございましたが、昭和六十三年、一九八八年にはこれが一兆一千五百億円というふうにかなり膨大な金額に膨れ上がっております。 またもう一本、建設省関係のほかの事業も含めまして建設業務統計というのがございますけれども、これによって、直轄補助、地方単独あるいは建設省関係の公団の事業を中心にしまして決算ベースで維持補修費の実態を見てまいりますと、一九八〇年、この年は大体一兆円でございましたけれども、これが八八年には一兆七千億円というふうに増高いたしております。 当然のように、社会資本ストックがふえますと、国民に公共サービスを的確に供給するということのためには適切な維持補修が必要であることは申し上げるまでもないわけでございます。そういったことでございまして、今後の推計につきましては、私ども過去において、具体的には昭和六十一年に「国土建設の長期構想」という建設省独自の、いわば単独の作業をしたことがございますけれども、この場で御公表申し上げるほど確たる自信のある数字でもございません。そんなことで、トータルとして将来展望が十分お答えできないという事情でございますので、御了解いただきたいと思います。
○安恒良一君 それじゃ、あなたたちができないということですから、民間の調査機関であります日本総合研究所が発表しています更新投資額、それから今申し上げました同じく維持補修費、それはどういうふうな金額になっていますか。
○政府委員(青木保之君) 今先生のおっしゃいました民間の調査機関のやりました維持補修費についての見通しでございますが、公共投資の総額を四百十五兆円といたしまして、数値はすべて一九八〇年の暦年の基準の実質値、社会資本の耐用年数を三十二年といたしまして、三十二年たつとその社会資本の投資がすべて更新される、こういうような前提で計算をされておるわけでございます。 これでいきますと、二〇〇〇年度には総投資額が四十三兆円、そのうちの更新投資額が八・二兆円ということになってございます。これは一九九〇年度では総投資額が三十兆円、うち更新投資費が一・四兆円、新規投資額は一九九〇年度で二十八・六兆円、二〇〇〇年度では三十四・八兆円、そのほかに維持補修費が一九九〇年度で八・一兆円、二〇〇〇年度では十三・五兆円というような数字を出しておりまして、この推計でいきますと、社会資本ストック額の対前年度の伸び率を六%で維持するためには公共投資基本計画では実質五十兆円不足する、こういうような計算をいたしておるわけでございます。
○安恒良一君 それじゃ経企庁に聞きますが、社会資本整備の新たな展開における維持更新費の考え方という、これは昭和六十一年の九月に発表されていますが、これをちょっと説明してください。
○政府委員(冨金原俊二君) お答えいたします。 この社会資本整備の新たな展開とおっしゃいますのは、恐らく私どもの研究成果としては、正式には「日本の社会資本 フローからストックへ」という名前のものだと考えられるわけでございますが、同じ六十一年の九月に発表いたしております。この「日本の社会資本 フローからストックへ」ということの中で分析をいたしたものでございますが、この分析の性格はあくまでも企画庁の内部の勉強のための資料ということで、正式なものではないということを初めにお断りさせていただきたいと思います。 概要を申し上げますと、社会資本がだんだんとストックが増加をしてまいりますと必然的に維持管理のための経費がかかりますし、それから更新のための経費もかかってくるという観点で、それが将来にわたってどういうふうにふえていくだろうかというのを、いろんなデータをもとに一定の仮定を置いて推計をしたものでございます。 考え方といたしましては、例えば道路とか下水道とか、あるいは都市公園、治水海岸等々幾つかの主要な部門につきまして平均的な耐用年数というものを一応考えまして、そういったもので、例えば道路ですと四十五年なら四十五年という耐用年数の中で、四十五年の間に全部入れかえてしまうというふうな計算をし、それを加重平均いたしまして全体として更新費がどれぐらいになるだろうかということを試算をし、しかし限られた部門でございますので、公共投資全体として比率は、ほかのデータがわかりませんので、その主要な部門についての更新費の割合で全体もこれぐらいになるのではないかという推計をしたわけでございます。それから維持補修費につきましても、やはり主要部門についての維持補修比率を前提にしまして、全体としての公共投資についてもこれぐらいの維持補修費になるのではないかという推計をしたものでございます。 ただ、申し上げたいのは、やや技術的になりますけれども、維持補修費というものの中には、先ほど建設省の政府委員からも御説明がありましたけれども、社会資本あるいは公共投資のストックにつけ加わるような性質のもの、私どもは投資的な経費と言っておりますけれども、耐用年数が少しそれによって延びるような性格のもの、それからあくまでも耐用年数を維持するためにメンテナンスをするというものとが分かれておりまして、これをどういうふうに区分するかというのはなかなか難しい問題でございます。そのあたりも一応一定の仮定を置いて推計したということになっているわけでございます。 もう一つ申し上げたいのは、維持補修費あるいは更新費というものは、公共事業が毎年どれぐらい伸びるかによって全体の比率が変わってまいります。例えば、公共投資が極端な例として今後十年間全く伸びないというような状態のときには新しい施設はなかなかできにくいわけでございますので、必然的に維持更新の経費が高くなってくる。逆に公共投資がある割合で伸びてまいりますと、その伸びていく分だけは新しい社会資本のストック、公共投資の額をふやすことができますので、維持更新費の割合がその分だけ低くなる。こういうような形になるものですから、どのぐらい――何を申し上げたいかといいますと、的確に今後九〇年代でどれぐらいの比率になるのかという御質問に対して、私どもが申し上げているこの研究会の数字をそのまま使っていただくのはいささか問題があるのではないかという気がいたすわけでございます。
○安恒良一君 私がいただいている資料に最後にこう書いてあるんです。公共投資が現在のまま横ばいで推移すれば累積投資額は四百兆円程度にとどまり、約半分が維持更新のために費やされる。この場合、二〇〇〇年までに必要最小限のサービス水準を確保することは困難である、こう書いてある。それからもう一つ書いてあるのは、これは「国土建設の長期構想」でありますが、六十一年八月に発表されている。これも結論を言いますと、二〇四〇年にすべての投資を維持更新に振り向けなくてはならなくなると。こういう二つの資料が政府から発表されておりまして私はそれを持っているんですが、今読み上げた二つのことについてお考えをお聞かせください。
○国務大臣(越智通雄君) ただいま御質問のございました更新費及び維持補修費の中の投資的な性格の強いものにつきましては、当然私どもとしましては、公共投資基本計画における公共投資額、今言う四百三十兆に入るものと考えております。ただし、基本計画におきましてはその枠組みと基本方向を総合的に示す指針にすぎませんので、個々の具体的な計画、五カ年計画その他ございますが、その中でどれほどその更新費及び維持補修費がかさんでいくかということにつきましては、担当各省から今大変計算しにくいという御答弁がございましたが、先生の御指摘も大変大事な点でございますので、よくまた検討させていただきたいと思っております。
○安恒良一君 僕の指摘じゃなくて、政府がつくられた資料にこういうことが書いてあるわけですね。かなりこれは精密に計算されています。幾つかの仮定はありますが。 そこで、私は私なりに研究しますと、二〇〇〇年度までに更新投資が大体四十兆から五十兆要る、維持補修費が三十兆ぐらい要る。そうすると、合わせて八十兆ですね。この数字をずっと見ていくとそうなる。そこで、四百三十兆の中でこれは賄うのか、それとも別途にこれは考えるのか、この点だけをひとつまず明らかにしてください。これは非常に重要なことですから、少なくともこれは、もしもその中で賄うということになると新規投資分が相当食われて、本当に国民が考えているようないわゆる生活が豊かにならないと私は思うんです。ですから、更新投資や維持補修というのは今後追加すべきだと私は思うんです。 このことについて建設省、それから運輸、大蔵、厚生、農水、関係各省、そしてこれの全体を取りまとめられるのは経企庁ですから、経企庁から考えを最後に聞かせてください。各省としてどうするのか、こういうことです。
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま御指摘の公共投資基本計画の中でいわゆる更新の費用はその中に含まれるか否かということでありますが、例えば橋梁のかけかえというような既存の社会資本施設にかえて新規の施設を整備するような更新的要素のある投資や、道路の床版の打ちかえといったような投資的な性格の強いもの、維持修繕費でありましてもそれはこの中に入るものと理解をいたしております。
○国務大臣(近藤元次君) 建設大臣が今お答えしたように、中に入るものと考えております。
○国務大臣(村岡兼造君) 今建設大臣あるいは農水大臣が答えたのと同じだと考えております。
○国務大臣(下条進一郎君) 御答弁された閣僚と同じでございます。
○国務大臣(越智通雄君) 各担当大臣からお答えいたしましたように、更新費並びに維持補修費のうち投資的な性格の強いものは含まれると考えております。
○安恒良一君 総理、ちょっと便所へ行かれておったんですが、今私が更新投資や維持補修費というのは相当の金額がかかるんだと、それが四百三十兆に入っておったら国民に生活豊かなということにはならぬじゃないかと、新規投資に回る分が大幅に減りますから。この点については各大臣ももう少し元気を出して国民のために言わなきゃ、みんな右並びに入っている入っていると言うのでは、全く能がない人ばかりずらっとそろって言っていると私は思いますよ。 その点について、総理、本当に豊かさをするとするならば、四百三十兆のほかにこのようなことについてはやはり追加的にするんだという前向きの考えがあってしかるべきじゃないかと思いますが、この点は最後に総理、あなたが最高責任者ですから、どういうふうにするのかという考えをひとつお聞かせください。
○国務大臣(海部俊樹君) 公共投資基本計画におきましては「国民経済計算上の公的固定資本形成に用地費、補償費等を加えたものをいう。」とされているところでありますから、更新投資や投資的性格の強い維持補修費については、概念上は公共投資に含まれるものと私も理解しております。
○安恒良一君 それでは全く国民が考えているような豊かな生活づくりにはならないということだけ申し上げておきましょう。 同和問題についてお聞きします。 本年の一月二十八日我が党の土井委員長の代表質問以来、四十七名の衆参の国会議員が質問に立ちました。その中で部落差別の実態、中でもハード面において、事業指定を受けた地域では相当の改善を見たことも事実であります。しかし、事業を指定されていない一千カ所の地区や、事業指定を受けていてもなお厳しい実態にあることも明らかになりました。このように実態的差別のハード面においてなお課題を残していると同時に、教育、就労、産業、福祉、文化等、すなわちソフト面においても著しいおくれが明確となりました。さらに、心理的差別についてもその根強さ、そして悪質な差別事件の増加についても政府関係官庁に明示してきたところであります。 これらの点について政府としては厳しく受けとめられておられると思いますが、担当大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(佐々木満君) いわゆる同和問題につきましては、御承知のとおり、昭和四十四年以来二十数年間にわたりまして三たびにわたります特別法に基づきましていろいろと対策をとってまいりました。その結果、実態面での環境の改善、そして心理的な差別の解消の問題等でかなりの成果をおさめてきておる、私どもはこういうふうに考えております。今事業にまだ着手しておらない地域について御指摘がございましたが、これらの地域につきましては、現行の財特法の期限内にこれを全力を挙げて推進してまいりたい、こう思います。 また、いわゆる心理的な差別の解消につきましては、いろいろ努力をしておりましたけれども、まだ完全にはなくなっておらない、大変残念に思います。この問題は基本的人権にかかわる重要問題でもございますので、私自身ひとつ精いっぱい努力をしてまいりたい、こう思っております。
○安恒良一君 次に、部落差別を支える社会的背景としては、一九六五年同対審答申に、我が国の経済の二重構造、中でも同和地区の産業経済はその最底辺を形成していること。また、我が国の社会構造にそれが反映し、今なお古い伝統や習慣に束縛され、封建的な秩序が残存していること。さらに、精神、文化の分野でも昔ながらの非合理的偏見、前時代的な意識が根強く生き残っており、このような我が国の経済、社会、文化体制こそ部落差別を支えている歴史的社会的根拠であるとうたわれているのでありますが、今日に至ってもこれらの構造は基本的に変化したと言えないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(佐々木満君) 同対審の答申の中で御指摘のような記述がございますことは、これは事実でございます。しかし、その後平成元年七月の地対脇の会長の談話がございますが、これによりますと、同和地区の生活環境等の劣悪な実態は大きく改善を見、同和地区と一般地域との格差は全般的には相当程度是正され、また心理的差別についてもその解消が進み、その成果は全体的には着実に進展を見ている、こういう評価も私どもいただいておるのでございます。 しかし、先ほど申し上げましたとおり、差別の実態がなお存在しておるということにつきましてはまことに残念でございます。今後ともこうした差別の解消を促進しますために、人権尊重の立場に立って啓発活動を引き続き粘り強く続けてまいりたい、こう考えております。
○安恒良一君 一千カ所の事業未指定地域の放置は断じて許せません。これらの地区の改善を放置して、私は部落完全解放はあり得ないということは多言を必要としません。これらの一千カ所の同和地区の住民は、寝た子を起こすなという思想を否定した答申の精神を正しく理解しない自治体の差別体質によって放置されてきたのであります。それゆえ自治体の姿勢も変え切れず、地区はない、地区はあっても差別はないといった差別の現実を無視した報告が自治体からなされてきたのであります。国はこうした現状に対して、答申の精神に立脚した指導を地方自治体に対して全くなされてこなかったのであります。 したがって、今後こうした地区への啓発と指導を強め、地区の改善を進められるよう強く要望するものでありますが、どうでしょうか。
○国務大臣(佐々木満君) いわゆる対象地域として事業実施の希望のありますところにつきましては、二十数年間の長い間でございますので確認がされている、私どもはこういうふうに認識をいたしておるわけでございますが、今お話しのとおり、何らかの事由で対象地域として事業を受けられなかった地域、こういう地域につきましては、関係省庁また関係の地方団体と密接な連携を図りまして、必要な事業につきまして一般対策の中で重点的にひとつ施行をしてまいりたい、このように考えておりますので御了承をお願い申し上げます。
○安恒良一君 だんだん時間がなくなりまして、労働時間もいろいろ用意しておったんですが、一問だけ労働時間問題にについて聞きます。 ことしの春闘では、多くの労働組合が大幅賃上げとともに労働時間の短縮を優先課題にしています。一方、日経連も労働問題研究委員会が、国民意識の変化も踏まえて労使で生産性の向上の成果配分を労働時間の短縮に向けるよう積極的に取り組むべきである、こういうふうにレポートで強調しています。こうした情勢からしますと、ことしは労使官一体となって私は時間短縮に本格的に取り組む絶好のチャンスだと思います。したがって、政府はただ単に時間短縮を労使に任せるだけではなく、積極的に働きかけるべきではないでしょうか。総理及び労働大臣からこの点について答弁をお願いいたします。
○国務大臣(小里貞利君) 労働時間の短縮問題は、先生御指摘のとおり、豊かでゆとりのある勤労者の生活を実現する上におきましてぜひ達成しなければならない国民的な課題でございます。ただいまお話がございましたように、今春闘におきましても賃金問題とあわせまして時短の問題は大きな柱として立てられまして、目下その交渉が進んでおりますことも御承知のとおりでございます。 私ども、時間短縮の問題は、流れといたしましては新しい労働基準法施行後各位の御協力をいただきまして着実に進んでおると思うのでございますけれども、必ずしも十分ではございません。今次来月から、御案内のとおり、法定週労働時間四十六時間を四十四時間に置きかえましょう、そういうような具体的な施策も各位の御理解をいただきまして推進いたしておるところでございますが、今日私どもは、年間総労働時間一千八百時間という平成四年度末に目標を置きました一つの目標を持っております。これらの実現に向かいましてそれぞれ具体的な諸施策を講じて御期待に沿いたい、かように考えておるところでございます。
○国務大臣(海部俊樹君) 労働大臣がお答えしましたように、四十四時間制に一歩踏み込むわけでありますが、これに甘んずることなく、さらに時間短縮の問題は大切に考えて努力を続けてまいります。
○安恒良一君 官民進めなきゃなりませんから、私はやっぱり公務員も、今は隔週になっていますが、公務員全体も早く全土曜日を休めるように進めてもらいたいということを申し上げておきます。 次は、児童手当について質問したいと思いますが、今回の児童手当の改正についてごく簡単に説明してください。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 今回の児童手当制度の改正は、世代間の助け合い及び児童養育家庭に対する育児支援の強化という面を重視いたしまして我が国の実情に即して制度を見直すものであり、その内容といたしましては、支給対象を第一子に拡大し、支給額を倍増させるとともに、育児負担が相対的に大きいと考えられる三歳未満の時期に給付を重点化するものであります。支給期間につきましては、中央児童福祉審議会の意見具申を踏まえ、乳児及び年少の幼児の時期は人間形成の基礎となる重要な時期であること、育児に手がかかり母親の就業率が低い実態にあるなど生活上の制約が大きいこと等を考慮いたしまして、三歳未満に給付を重点化することとしているところであります。御理解をお願いしたいと思います。 なお、今回の改正は全体として制度を充実するものでありまして、給付総額といたしましては、平年度ベースで現行の千四百五十億から約三割ふえまして平年度で千九百億になると見込まれておりますので、現段階では妥当なものではないかと考えております。
○安恒良一君 今説明を国民の前でしてもらいましたけれども、これは児童手当ではなくて乳幼児手当に変わったんじゃありませんか。児童福祉法で児童とは十八歳末満ですね。今義務教育就学前の第二子以下しか対象にしていないのを第一子に広げるということは結構なんですが、十八歳末満まで対象枠を広げるような計画を私は出すべきじゃないか。主要諸国で義務教育終了までというのは普通でありまして、せめて日本もそこまで拡大すべきなのに、なぜこうした方向と全く逆行するような乳幼児手当をつくったんですか。
○国務大臣(下条進一郎君) 委員御承知かと思いますが、日本の児童手当の制度は、このほかに給与の面で約七割の企業が家族手当あるいは児童手当というものを支給しております。それからまた、税制の面におきまして家族の控除が行われております。これらを総合的に勘案いたしましたとき、やはり我々といたしましては重点的に最もお母様の負担の大きいとき、そしてまた、どの段階の児童も大事でございますけれども、やはり健やかに産み育てる、そういう段階の最も大事な、一番手のかかるところの三歳児までのところに今回の改正の重点を置いて御協力をいただきたい、こういうことでございます。
○安恒良一君 財源が限られているとかいろんなことを言われました、税法上とか給与とか。しかし、少なくとも我が国の出生率の非常に低下という中で、この児童手当改正というのは我が国の将来にとって非常に重要な問題であり、そういうものを財源その他がいろいろあるからということで乳幼児だけを対象にしておくということはいいことではないと私は思いますが、これは我が国の将来に関係することですから、総理、どういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 児童手当制度がスタートしましたときに、第三子からということでいろいろやってまいりました。けれども、総合的に判断して、おっしゃるように将来にとって極めて大切だということで今度第一子からの手当を創設することになったことでありまして、全体を総合的に判断してここのところでスタートをする、こう決めたわけでございます。児童手当制度は大切だと考えております。
○安恒良一君 私は、大切なら、少なくともやはり国際的に通用いたします児童福祉法による十八歳までに拡大していくんだと、こんなお気持ちを、総理、お持ちになってはいかがですか、どうですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 支給金額も倍増をしたり、あるいは一子から三子までと幅を広げながら努力をしておる面もどうか評価していただきまして、さらに今後の研究課題として、ただいまの御質疑を念頭に置いてまいりたいと思います。
○安恒良一君 私は、諸外国に比較いたしまして子育ての条件が日本は非常に悪い。そういうことで、この育児休業制度というのが整備されていないのが一つの欠点だと思います。 過日労働大臣の審議会に諮問した育児休業法は、休業中の社会保険料の取り扱いについては事業主に任せると。私はせめて保険料だけでもこれはそういうことじゃないということで、これでは全国のささやかな期待を裏切ったことになります。ところが、調べてみましたら、現行の特定職種の公務員を対象とする育児休業法では、無給を原則としながら附則で共済保険の掛金を国が負担できる根拠条文を設けて、これを受けて、国家公務員の給与法によって休業中の掛金を国が負担しています。これと非常にバランスを欠くような方針を政府はなぜつくるんですか。労働大臣、御答弁ください。
○国務大臣(小里貞利君) 時間もないようでございますから、簡潔にお答え申し上げます。 育児休業制度の強化促進につきましては、先生御案内のとおり、目下私ども婦人少年問題審議会に諮問をいたしまして、一両日中にこれが答申をいただく予定でございます。これを一つの基軸にいたしまして、これからひとつ腰を入れまして可及的速やかにこれの法案化を急ぎまして、そして今次国会で各位に御相談を申し上げたいと思っております。そのような作業の過程でございまして、この法律の中に盛り込まなければならない、あるいは盛り込んでいただきたいというさまざまな要求がたくさん参っておること、先生もお話の中に含んでおられましたことなどもございまして、私ども目下整備中でございます。 殊に、ただいまお触れいただきました社会保険料の問題、あるいはまた共済金の一部の支給等の問題等もお話しございましたが、それぞれ振り返ってみますと経緯があり、またそのときの法制定の背景等を加味いたしました一つの特殊な措置であったかな、そういう感じを受けるわけでございます。例えばただいまお話がございました共済金の問題等におきましては、学校の女子先生、あるいは保母、看護婦等その事業水準の維持を図るために、あるいはまた当時人材確保という視点に非常にウエートが置かれておりまして、そういう観点等から、当分の間育児休業中として支給しようというようないきさつがあったことも先生御承知のとおりでございます。 そのようないきさつもございますが、私どもは今次、この後先生があるいは御指摘になるかもしれませんけれども、休業中の賃金保障問題等についても今日次元を変えましていろいろ聞かされておるところでございますが、各位の意見もこの問題につきましてはそれぞれあることであり、論議が高まってまいりますことを一応期待は申し上げておるところでございます。
○安恒良一君 期待申し上げるって、何か第三者のように、あなたは労働大臣ですからね。ですから、私は少なくとも、総理、特定職公務員にやっていることは悪いと言っているんじゃないんですよ、それはいいんです。やはりそれとの見合いをこれからつくる育児休業法にも公平にやってもらいたいなと。全部言っているわけじゃありません。いろんな意見が出ていますが、せめて私は社会保険料だけでも特定職公務員にやっておる方法と同じようにやるべきではないか、こういうことを聞いているんですが、重ねてこの点について労働大臣と総理にお聞きをします。
○国務大臣(小里貞利君) 先ほどもお答え申し上げましたように、手続といたしまして現在その法案の策定の途中でございます。労使公益三者を含め関係方面の意見も相当聞いてまいったつもりでございますし、さらにまた参議院におきましては、育児休業制度については相当な論議と、そしてまた一定の意見をお取りまとめになったそれぞれの政党の立場の所見などもお伺いいたしておりますから、これらも十分参考にいたしながらこれから検討をさせていただきたい、かようにお答え申し上げておるところでございます。
○安恒良一君 時間が来ましたからこれでやめたいと思いますが、私はまだこのほかに農業とか環境問題とか重要な問題をたくさん用意しておりましたが、できませんでした。ですから、これらは後から私どもの同僚委員がそれぞれの専門的な立場で発言をすると思います。 以上をもって終わりといたします。
○委員長(平井卓志君) 以上で安恒君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、坂野重信君の質疑を行います。坂野君。
○坂野重信君 質問に先立ちまして、去る三月十四日午後、広島市の新交通システム工事中に高架の橋げたが落下した事故で亡くなられた十四名の方々に対しまず心からお悔やみ申し上げるとともに、関係省庁におきまして速やかに事故原因等の調査を実施し、再びこのような事故が起きないように対処されるよう政府に強く要請いたしたいと思います。 そこでまず、時間の関係もございますので、大体質問は私が考え方を申し上げて、総理あるいは各閣僚から簡潔にひとつ御答弁をお願いいたしたいと思いますが、まず総理の政治姿勢につきまして二、三点お伺いいたしたいと思います。 湾岸戦争は終わりました。申すまでもなく湾岸戦争は、初めにイラクの暴挙という国際法無視の不法な行為があったことが事態の本質であります。平和が早期に回復したことを心から喜ぶものでございます。同時に、ブッシュ米大統領を初め多国籍軍派遣国の首脳の毅然たる決断を多とするとともに、国際正義回復のために使命感に燃えて血を流して戦った多国籍軍兵士諸君とその家族に対し深甚なる敬意の念を表したいと思います。 総理も、全く不眠不休で今日まで頑張ってこられました。そこで、総理として今回の事態の推移をどう受けとめておられるのか、またこれからが大事でございますので、我が国としても世界に向かって核や化学兵器の拡散防止等の軍縮の提唱や新しい国際秩序づくりに人的、物的に貢献しなければならないと思いますが、まず総理の御感触をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、国際の平和回復活動が武力の行使というまことに遺憾な状況を伴いましたけれども、適切な時期に国連決議を完全に達成して終わりを告げて平和がよみがえったということ、私は、これはアメリカを初めとする二十八カ国の共同行動による平和の回復に適切な時期に適切な結末をしてもらった、率直にこう評価いたしております。 これによって、力によって他国を侵略、併合してはいけないという国際社会の大義がきちっと貫かれたことを私は評価すると同時に、後半でお触れになりましたように、今後このようなことが起きないためには、国連の場を通じて、今度の紛争の遠因の一つでもあるいろいろな兵器の移転とか、化学兵器とかあるいは生物兵器なんかはこれを保有することを禁止するところまで、国際会議においてきちっとした枠組みを決めていく必要があるということを痛感しておる次第でございます。
○坂野重信君 一方、国内問題でございますが、政治改革、地方活性化、高齢化対策、考えてみると問題が今後に山積しております。 総理がその座に着かれましてからもう一年八カ月たちました。この間、外交面で積極的な首脳外交を総理が展開されたほか、内政の重要問題にも真っ正面から取り組んでおられる。世論調査におきましても、自民党に対する支持率も上向いております。去る六日発表されたNHKの調査では、調査開始の昭和五十一年以来最高の五六・九%を示しておる。 今日、戦後最大の転換期を迎え、これをどう総理は乗り切っていかれるのかお伺いしたい。その解決には当然ながら痛みが伴うことは必至でございます。たとえ不人気な政策であっても、国益のためならば決断しなければなりません。総理の決意を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 一昨年の欧州におけるベルリンの壁崩壊に象徴されるように、今世界で自由と民主主義と市場経済の価値というのは普遍的な原理としてとうとばれるようになってまいりました。私は、自由民主党がこういった旗印を掲げて一貫して努力してきたことが国民の皆さんに御支持をいただけたものと謙虚に受けとめさせていただくとともに、自由民主党は、今後国際社会の中においても国内においても、おっしゃるとおり、より一層将来を見据えた政策行動を続けていかなければならない、こう考えております。
○坂野重信君 そこで、政治改革の問題でございます。 先ほども話が出ましたが、政治改革は国民に対する我が党の公約でもありますし、また内閣の命運をかける重大テーマでございます。二十一世紀の新しい創造性に富んだ議会政治の展開のためにも避けて通れない課題であると思いますが、どうでしょうか。総理はいつごろ政治改革法案を提出するお考えなのかお伺いいたしたいと思います。 なお、参議院選挙制度改革についての総理の所見も伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 選挙制度の改革は、そのほかの例えば政治資金の問題とか日本の政治改革の大きな柱でありまして、先ほど来お答えしておりますように、自由民主党の党議決定も受け、今四月末をめどに取りまとめをしてもらうように与党には要請もしてあり、また同時に、野党の皆さんともしかるべきレベルでお話し合いができるようにしたい。党首との間では、私が党首会談で骨子だけはお話をし御協力をお願いしておるわけでありますが、まだその成案が具体的にまとまっておりませんので、できるだけ早く成案をまとめたいと政府としては努力しております。 また、参議院をどうするかというお話でございましたが、参議院選挙制度改革については、選挙制度審議会の答申を尊重する立場でありますけれども、これも今党の選挙制度調査会において四月末を目途にいろいろ御議論を願っておるところでありますが、各党各会派においても十分な御議論と御協力を賜りたいと思います。
○坂野重信君 次に、外務大臣に外交問題をお尋ねいたします。 まず、湾岸外交でございます。 今回の湾岸危機、戦争によって、アラブ・イスラエル紛争、パレスチナ問題、産油国と非産油国との経済格差、中東地域には課題が多いことが明白になりました。イラクの国内情勢は混沌とし、アラブ諸国は反イラク、親イラクの両陣営に分裂、イスラエル、イランの動向も不透明でありまして、戦後の中東湾岸情勢は混迷の度を加えていると思います。実は私自身もかつて駐イラン日本大使館書記官として中東に二年半ばかり駐在した経験がありますが、中東各国は昔から政治が宗教に左右されたり、政情不安定な歴史を繰り返しております。 ブッシュ大統領は、パレスチナ問題を初め包括的な中東和平の実現に意欲を示し、またソ連や英国なども同様な共通認識を持っております。我が国としてもこの際、機を逸することなく、域内諸国の国情に即して湾岸地域の安全保障体制の確立、軍備管理及び戦後復興等、包括的な中東安定化に向けて積極的な貢献を果たすべきであると思いますが、対処方針をお伺いします。
○国務大臣(中山太郎君) 政府は湾岸地域の平和と安定のためにはパレスチナ問題の解決というものが避けて通れないということはかねてから申しておりまして、日本政府としては、イスラエルの国家としての自立を認めること、またパレスチナ人によるパレスチナ国家の建設の自決権を認めること、それからパレスチナ地域におけるガザあるいはジョルダン川西岸地域からのイスラエル軍の撤退ということを日本政府の意見として申し上げておりましたが、この地域の平和が回復する過程において来週にも考えられますのは、国連の安保理における停戦決議への動きが現在高まっております。 政府といたしましては、このような状況の中で関係各国と協力しながらこの地域の恒久的な和平のために日本も協力していきたいと思っておりますが、イニシアチブをとるものはあくまでも域内の国々である、こういうことで、私どもはこの域内の国々のイニシアチブを期待いたしますとともに、去る三月六日にダマスカスで行われましたGCCの国々とシリア、エジプトとの外相会談の結果ダマスカス宣言が出されておりますけれども、そのような状態の中で日本政府としては平和のための協力を行ってまいりたい、このように考えております。
○坂野重信君 湾岸地域の緊急援助、環境破壊防止対策についてお伺いします。これも外務大臣にお願いします。 湾岸地域では、戦乱による荒廃はもとよりでございますが、伝染病蔓延の兆しもあり、また油井火災、原油流出に伴う環境汚染が深刻化しております。人道的援助、環境破壊防止対策がまさに急務であると思います。環境破壊防止対策の政府調査団も派遣されておりますが、これはまさに我が国の技術力を生かすことができ、そして目に見える形での貢献となると思います。強力に推進すべきであると考えますが、どのようにお取り組みをお考えなのか。 また、掃海艇派遣問題が昨今話題となっております。これは慎重かつタイミングを考えて決断されなければならないと思っておりますが、その辺についての考え方をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 先般、政府は関係各省から成ります環境調査団を派遣いたしましたが、それがきょう日本に帰ってくることになっております。私はあすその代表者から調査結果の報告を聞き、政府としては、日本が持っている公害の排除のための技術あるいは資金的な協力というものを中心に積極的に環境問題については努力をいたしたいと考えております。 なお、今お尋ねのペルシャ湾におきまする機雷排除のための掃海艇派遣問題につきましては、今後慎重に対応すべきものと認識をいたしておりまして、現時点におきまして政府として対応を結論づけるというわけではございませんが、慎重に検討しているという状況でございます。
○坂野重信君 次は、対米外交についてお聞きいたします。 まず、その基本姿勢につきまして、遺憾ながら我が国は多国籍軍への百十億ドルの資金協力にもかかわらず、先般、国連平和協力法案の廃案によりまして人的貢献の機会を失い、我が国の貢献は資金的、物的協力に限られてしまった。これによって我が国は一国平和主義の殻に閉じこもっているのではないかという印象なり誤解を米国に与えたのではないか。私は、事の次第をよく説明し、誤解があるならばそれを解きほぐす努力を徹底的にすべきであるとともに、我が国はこれから早急に国際平和のための人的貢献、組織の整備に努め、米国にこたえることが極めて重要だと思います。 ブッシュ大統領訪日がおくれるとの報道もありますが、大統領訪日の見通しと総理訪米の予定とあわせ、対米外交の基本姿勢を明らかにされたい。
○国務大臣(海部俊樹君) 去る国会における国連平和協力法案の廃案のことについてお触れになりましたが、あの事実は厳しく受けとめております。そしてその結果、自由民主党と公明党、民社党との間で、国際協力に関する新しい覚書を三党間で合意を得てもらいました。その考え方を踏まえて、どのような形でできる限りの国際協力をするべきかということについてただいま成案を得るべく努力をしておるところでありますが、平和回復活動に対して物資協力や資金協力というものも、日本はそれは日本のできる問題としてできる限りのことをしたわけでありますから、それに対する評価は、ブッシュ大統領を初めとする論調においてもそれなりの正確な評価を得ておる報道もたくさん耳にしておりますし、私どももそういったことを踏まえて、今後とも日本は国際社会の一員として応分の責任を果たしていくんだという考え方を前進させていきたいと思っております。 私の訪米日程のことにつきましては、目下外務省で調整をさせております。
○国務大臣(中山太郎君) 総理の訪米の日程につきましては、私があす国会のお許しを得て米国へ参りますが、日米の外相会談におきまして、総理の訪米日程を決定いたしたいと思っております。 時期につきましては、四月のできるだけ早い時期に訪米されることを現在事務当局同士で調整をしている最中でございます。
○坂野重信君 次は、日米安保体制の問題でございます。 日米安保体制は、日米関係の基盤をなすものであって、安保条約堅持の必要性はいささかも揺らいでいないと思います。他方米国は、国防費、在日米軍駐留経費の逼迫に直面している。これに対して我が国は、国力にふさわしい相応の負担を行うべきは当然のことでありまして、国民の理解を一層高めるよう努力すべきだと思いますが、どうでしょうか。ただ、日本は打ち出の小づちのように幾らでも金を出せると諸外国から思われては困るわけでございますが、その辺の所見をお伺いいたしたい。
○国務大臣(中山太郎君) 日米の関係というものはやはり日本の外交の基軸でございまして、特に安全保障の面では、日米間では安全保障条約が結ばれております。そういう意味で、この日米間の関係というものをどういうふうに均衡、拡大させていくかということが極めて重要でございますが、一つは、一方的な日本の貿易黒字を解消するために、昨年来SII、構造調整協議が行われてフォローアップが行われている最中でございます。 なお、今回特別協定を国会にお願いいたしておりますが、これは従来、日本とアメリカの間の安全保障条約上の地位協定に基づく分担の比率が米側が七割、日本が三割というようなバランスでございましたが、やはりグローバルパートナーとして対等の立場で協力をしていくということで、駐留米軍経費のうちのいわゆる労務者の本俸あるいは手当等を日本が持ちまして、将来五年後には対等の五〇%五〇%の負担を日本がいたす、こういうことで日米安全保障条約の効果的な運用を日本政府としては図っていきたい、このようなことでございますが、幾らでも日本が打ち出の小づちのように金が出せるといった問題ではございません。私どもは一つの原則というものを米側とも十分協議をいたしまして、日米間が対等な立場でこの安全保障条約を運用していくように今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
○坂野重信君 次は、ウルグアイ・ラウンド交渉と米の問題につきまして、農林水産大臣と総理にお伺いします。 聞くところによりますと、全米精米業者協会は三〇一条に基づく対日提訴を当面見送るという方針を表明したと聞いております。しかし、必ずしも楽観はできないと思います。下院の空気もあると思います。しかし、自由貿易体制で繁栄してきた我が国としては、新ラウンドの成功に向けて最大限の努力を払うべきことは当然であります。しかし、米の問題は特別な扱いをしなければなりません。 私は、昨年十月、参議院の派遣団長として欧州諸国議会の場で米自由化反対の演説をしたのでありますが、食糧自給率が極めて低い我が国が、基礎的な食糧である米について食糧安全保障を考えることは当然であります。しかも、三度も国会決議をやっているわけでございますから、自由化になじまない農産品のために、自由化しない代償として基金を設立したらどうかというような構想が先日報道されておりましたが、仮にこういう構想があっても、この場合においても基礎的食糧というものはすべて自給するという基本方針は変えてはならないと思います。この点について農林水産大臣及び総理の考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(近藤元次君) お答えいたします。 米の問題につきましては、国の内外を問わずさまざまな意見が出ておることは承知をいたしておるわけでありますけれども、政府といたしましては、米、稲作の重要性にかんがみて、国会決議を尊重しながら従来の方針どおり対処していきたいという考え方は変わっておりません。
○国務大臣(海部俊樹君) 農林水産大臣の言ったとおりでありますけれども、私も昨年のヒューストン・サミットにおいては、日本が食糧の輸入国であるという立場、食糧の自給率の問題等を踏まえて、そして食糧安全保障の立場に立っての難しい問題があるということ、それらを主張し、アメリカもECも日本もそれぞれ抱えております困難な問題について共通の理解を得るように、今後とも日本の立場を原則を踏まえて主張していく決意でございます。
○坂野重信君 建設大臣にお伺いします。建設事業の参入問題であります。 聞くところによりますと、米国はすべての公共事業への参入を求めているということでございますが、我が国の建設業の大半は御案内のとおりに中小企業であります。そういうことを考えますときに、アメリカの言うような市場開放は無理だと思いますが、よく説明をして理解を得るように納得させるべきではないかと思いますが、建設大臣、お答え願います。
○国務大臣(大塚雄司君) お答えいたします。 昨年の五月以来今日まで五回のレビュー会合も行ってきております。ただいま先生御指摘の我が国の建設市場における制度は、民間はもちろん、公共事業市場も内外無差別でございまして、外国企業も建設許可を取得することによりまして我が国の建設市場への参入は可能なことでございます。 そもそもこの特例措置というのは、外国企業の我が国建設市場の制度に対する習熟を目的として行ってきたものでございまして、その性格上、公共事業への全面適用は考えられないわけであります。現在、特例措置対象プロジェクトはまだ七五%が未発注で残されておりまして、今後長く続くものでございますから、一層の期待が持てるものと思います。しかし、今御指摘のように、今後の交渉に当たりましては、中小企業が圧倒的に多いという我が国の建設業の実態はもちろんのこと、現在ガットの場において政府調達協定の見直しが行われている等の内外の情勢を考慮いたしまして、的確な対応を図ってまいりたいと考えております。
○坂野重信君 次は、対ソ外交につきまして総理にお伺いします。 ゴルバチョフ大統領は、国内で難しい問題を抱えている中で四月訪日が予定されております。日ソ関係の抜本的改善は、日ソ二国関係にとどまらず、アジア・太平洋地域、ひいては全世界の平和と安全に資するものと思います。そのためには、領土問題を解決して平和条約を締結することが日ソ間の抜本的改善にとって不可欠であると思います。しかし、最近の報道によりますと、領土問題の解決はなかなか容易ではないと言われておりますし、北方四島の住民投票でも、日本に返還することに反対七〇%と聞いております。そういう中で、四月のゴルバチョフ大統領訪日に向けて、領土問題の解決の見通し及び総理の決意についてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、ソ連の最近の動きには憂慮すべきものもございますが、ゴルバチョフ大統領の連邦制をめぐっての投票は過半数を得たものと先刻来の報道でも承知しております。 私は、ゴルバチョフ大統領が四月に日本へ来られることを日ソの抜本的な関係改善の節目にしたいという私どもの年来の希望も十分伝わっておると思いますし、また去る二十四日にほかのことで電話がかかってきたときも、最後に私は、四月の来日をもって日本とソ連の関係を改善していく突破口にしたい、国民を挙げて期待してお待ちしておると申し上げましたが、今回の日ソ会談を日ソ間の関係改善のための抜本的な突破口をつくるものにしたい。ゴルバチョフ大統領の英断を強く求め、期待をしておるものであります。私も努力をいたします。
○坂野重信君 外務大臣にお伺いします。 我が国は、従来から北方領土問題の解決なくしては経済関係のみを進める考えはないということで、政経不可分の立場を堅持してきたことは御案内のとおりでありますが、それはそれといたしまして、一月末に開かれた日ソ経済合同委員会に参加したサハリン州の議長がサハリン州で市場経済のモデルを成功させたいと述べていたと聞いております。私も、経済関係、協力関係の第一歩としては、サハリン州を初めとする極東地方あるいはシベリアの開発が対象と考えられるのではないかと思っておりますが、後でも触れますが、ソ連は環日本海経済圏構想というものをゴルバチョフ訪日の際に提唱したいとの報道も先日行われておりました。ソ連との経済協力についての方針を伺いたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) ソ連との関係におきましては、ソ連のゴルバチョフ大統領が訪日されるときにどのようなお話を持ってこられるかまだ定かではございませんけれども、最近、日本海をめぐる環日本海構想なるものが盛んに論議をされていることは私もよく承知をいたしております。 日本といたしましては、領土問題を解決して抜本的な日ソ関係改善をいたしたいとかねて考えておりますけれども、今日日本のとっておる立場は無原則な政経分離はとらないということで、我々はペレストロイカの成功のための知的協力、技術協力、こういうものを踏まえ人道的な協力もいたしておりまして、近く大統領の訪日の機会にいろんな提案がなされると思いますが、それには政府として領土問題の解決とあわせていろいろな問題を首脳間での協議に供したい、このように考えております。
○坂野重信君 次に、シベリア抑留問題について質問いたします。 終戦間際に一方的に対日参戦し、一般市民を含む約六十万人の日本人を長期間森林伐採、鉄道敷設等の過酷な労働に服せしめ、これによって約六万人もの日本人のとうとい命を奪った。これは国際法上また人道上許されない行為であったにもかかわらず、ソ連はこれまでのところ正式に謝罪しておりません。しかし、ゴルバチョフ大統領来日時にソ連はこの問題について正式に謝罪する予定と報道されておりますが、政府の見解をお願いいたしたい。
○政府委員(兵藤長雄君) お答えいたします。 いわゆるシベリア抑留は、人道上の問題であるのみならず国際法上も許されない行為であると認識いたしております。かかる政府の立場は、国会等その他の場でこれまで繰り返し表明されているところでございます。ソ連側もこのような我が国の立場を十分に承知いたしておるというふうに理解いたしております。 シベリア抑留問題につきましては、最近一部のソ連の学者の間にソ連の従来の立場を見直そうという動きのあることも承知いたしております。また、ゴルバチョフ大統領が来日の際に遺憾の意を表明するといった趣旨の一部のソ連側関係者の発言が新聞等で報じられておりますことも承知をいたしております。政府といたしましては、これまでシベリア抑留の問題につきましてソ連側と真剣に話し合ってきたところでございますが、ゴルバチョフ大統領訪日の際に誠意ある対応が示されることを期待いたしているところでございます。
○坂野重信君 次に、朝鮮半島。 朝鮮半島情勢につきましては、南北両当事者の直接対話によって解決しなければならないと思います。政府は、今後南北対話がどのように進展していくと考え、いかなる貢献をしていく決意であるか、まず外務大臣にお伺いします。
○国務大臣(中山太郎君) 日本政府といたしましては、朝鮮半島の安定ということが最も好ましい、こういうことで南北の首脳間の話し合いというものが円満に続けられることを心から期待いたしております。 私も、先般訪日されました北朝鮮の外務次官にもいろいろとお話を申し上げましたが、その一つの点は、まず朝鮮半島全体の安定のために、北朝鮮と日本との間の国交の交渉を行う。そして日本は、韓国との従来の関係、またアメリカと日本との関係を損なうようなことをして北朝鮮との間の国交再開を行うことは考えられない。全体的に朝鮮半島が安定するために日本は関係国と協議しながら協力をして、日朝間の交渉も誠意を持って進めてまいりたいということを率直にお話しいたしました。 一方、また人道的な面では、我々は日本人妻の多くの方々が北朝鮮に渡られてから長年の間日本におられる御家族との面会もできないというようなことでは大変遺憾だということで、一日も早く北朝鮮がこれらの日本人妻が日本の家族を訪問できるような人道的な配慮をしてもらいたいということを強く要請いたしましたが、いずれにいたしましても、朝鮮半島全体が平和と安定を構築できるように、日本政府としてはできるだけの努力をいたしてまいりたいと考えております。
○坂野重信君 二つの問題を総理に一括してお尋ねします。 まず、先般海部総理が韓国を訪問されまして、長年にわたって両国間の懸案であった在日韓国人三世問題が円満かつ最終的な決着を見まして、両国首脳間で新しい日韓新時代三原則が確認された。これは大変大きな成果だと思うわけでございます。総理は、今後、政治、経済、文化等各般の分野でいかなる外交方針を持ってこの新三原則のもとで進んでいこうとされるのかお伺いしたい。 それから、これは特異な問題でございますが、総理も御案内と思いますけれども、島根県の奥の方に竹島という小さな島がありますが、以前から韓国との間でその帰属について争いの問題がございました。漁業でもトラブルが発生しております。竹島は、法的にも歴史的にも我が国固有の島根県の領土であります。両国間の親善関係はもちろん大切ではありますけれども、この問題については会談の場など機会あるごとに強く主張すべきであると思いますが、この点もあわせて総理の御答弁をお願いします。
○国務大臣(海部俊樹君) 日韓関係につきましては、昨年盧泰愚大統領が訪日されたときの会談、今年早々私が参りましたときの引き続いての会談を通じて、今御指摘いただいたように、在日韓国人三世問題も円満に決着することができました。過去のわだかまりを乗り越えて、今後は新しい未来志向型に立った日韓関係を築き上げていこうということで、三原則をつくって合意をいたしました。今後はそれに従って日韓新時代を築き上げていきたいと、こう考えております。 また、二つ目の具体の御質問の問題でありますが、竹島については、歴史的事実に照らしても、国際法上も我が国固有の領土であることは明白でございます。政府は、日韓の紛争はあくまで平和的手段によって解決を図るという基本方針に立ちまして、外交経路を通じ領土権の主張は強くこちらが主張し、韓国側の竹島に対する領土権の主張は認められないと厳重に申し入れてきており、粘り強く話し合いによって解決をしていきたいと考えております。
○坂野重信君 日朝関係につきまして、昨年九月の自民党と社会党の訪朝団の努力によりまして、戦後長きにわたって不正常な状態にあった日朝関係が新たな展開を見ることになったということは、関係者の方々の努力に深く敬意を表する次第であります。その後の日朝の正常化交渉、予備会談に続いて行われておりますが、補償問題、日本人妻の里帰り問題、さらには核査察の受け入れ問題、この三つが大きなテーマだと思っておりますが、今どういう状況にあるのか、外務大臣にお伺いいたしたい。 それと同時に、総理には、国交正常化を進展させるためにはやはり両国間の不信を取り除くことが最も大事だと思っております。そういう意味で、今後産業、経済、文化、芸術、スポーツなどあらゆる分野にわたっての交流を積極的に進めていくことが、そういう積み上げが大事だと思いますが、総理のお考えも伺いたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 日朝間の本格交渉は第二回を先日日本で行いました。日本側からは中平大使が日本側の代表として当たっております。問題は、今御指摘のように、いわゆる北朝鮮にあると思われる核の査察の問題でございまして、これはIAEAの査察を受けるということを日本政府としてもぜひ要請したい。我々は被爆国として朝鮮半島に核の工場があるということについては重大な関心を持っておるということを強く申しております。 なお、お尋ねの日本人妻の問題につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、人道的な観点から一日も早く北朝鮮政府がこれらの方々の里帰り実現の英断をされることを強く要請いたしておる次第でございます。
○国務大臣(海部俊樹君) 朝鮮半島に対する日本のきょうまでの交わりは日韓友好の上に立ったものでありましたが、私は、半島全体の緊張緩和、平和統一に資する目的で、今後とも日朝関係というものは、御指摘のような人的交流も踏まえながら、さらにこのアジア・太平洋地域の平和と安定のためにも役立たせていかなければならないものだと、かように考えております。先日も日本に来られた代表団と懇談もいたしましたが、その節にもその考え方を率直に述べるとともに、南北の首相会談が今中断しておることは非常に残念でありますから、さらにそれを促進していかれるようにこちらからの希望も申し上げた次第でございます。
○坂野重信君 次は経済問題に移ります。 先ほども話が出てまいりましたが、経済企画庁の月例経済報告では、我が国経済は国内需要が堅調に推移して云々と、なお拡大基調にあるとしておりますが、ここへ来て機械受注の減少とか民間設備投資の伸びの低下、個人消費が慎重になっている等、先行き不透明感がどうも強まっている感じがいたします。調整期に入ったという見方もあります。現状を経済企画庁長官はどう受けとめておられるのか。
○国務大臣(越智通雄君) 先生御指摘のように、懸念材料がないわけではございませんが、日本の現在の経済成長は順調な五十二カ月目の拡大局面をしておりまして、佐藤内閣のときのイザナギ景気五十七カ月に夏には及ぶかというところでございます。 それを押してまいりました二つのパワー、一つが個人消費でございますが、この個人消費のもとになります個人の所得の方は順調に伸びておりまして、一人頭の所得の伸び並びに雇用者の数の増加、こうしたものを含めまして大体六・五%ぐらい雇用者所得がふえると思いますので、消費につきましては、多少の一進一退はあるかもしれませんが、根強いものと考えているわけであります。 また、もう一つの大変強い設備投資につきましては、機械受注を含めましてこれまた世界経済に対する不透明感が強かったものですから、昨年の秋以降多少のちゅうちょもいろいろございましたけれども、基本におきましては大変まだ根強いものがございまして、殊にハイテク化していかなければこれからの日本経済は世界経済の中で立派にその役割を果たしていけないという認識のもとに投資意欲は大変強くございますので、その環境さえ整えていけば十分力強く推進し、私ども経済見通しで考えている三・八%の成長は可能だと考えているところでございます。
○坂野重信君 日銀総裁に伺います。 経済動向との絡みで公定歩合の引き下げ、金融緩和の声が強まっております。金融政策のタイミングは非常に重要でありまして、時期を失するとオーバーキルを起こしかねない。総裁としてはタイミングをはかっているということだと思いますが、日銀の立場で金融政策を転換できる条件というのはどういうことでしょうか。
○参考人(三重野康君) 今の委員の御質問に答える前に、ごく簡略に現状判断を申し述べたいと思います。 景気は多少弱目の指標も出ておりますので、緩やかな減速過程にあると思います。しかしながら、設備稼働率の高さあるいは有効求人倍率の高さ、さらには設備投資、個人消費については、今企画庁長官から御説明したとおり、これまでのような高い伸びは期待できないといたしましてもほどほどの強さを期待できる、そういう判断から、私どもはここで大きく景気が屈折するというふうには考えておりません。したがいまして、現在の政策のスタンスはこれまでの政策効果の浸透を見守っているという段階でございます。 そこで、今委員御質問のいつこれを緩められるかということだと思いますが、これは委員御案内のとおり、金融政策は為替、景気、物価あるいは海外の情勢等の総合判断でございますので、引き締める場合も緩める場合も、あらかじめ一義的にその条件をお示しすることはなかなか難しゅうございます。しかし、いずれにしろ現状判断を的確にいたしまして、物価の安定、景気の振興に最善を尽くしたい、こういうふうに考えております。
○坂野重信君 経済企画庁長官と日銀総裁にあわせてお伺いします。 卸売物価の上昇が七カ月連続しております。消費者物価も、野菜等季節要因もありますが、上昇傾向があらわれている。この物価の動向をどう見るかは経済金融政策の重要なファクターだと思いますが、湾岸戦争も終結した今日の時点で、経済企画庁並びに日銀の見通しとその政策対応をお伺いします。
○参考人(三重野康君) 委員御指摘のとおり、物価はじり高になっておりまして、国内卸売物価は現在前年比二%台の半ば、消費者物価は四%前後のところに来ております。このじり高の原因でございますけれども、国内卸売物価は大部分がいわゆる湾岸危機後の石油価格の上昇が主因でございます。消費者物価の上昇の原因は大きな部分が食料品、いわゆる野菜等の食品の値上がり、それに一部石油の値段の値上がりが加わっているわけでございます。ただ、この際やや注目をいたしますのは、その他の品目におきましていわゆる人件費、物流コストの増加を製品価格へ転嫁する動きがやや目立つのが注目されます。 そこで、今後の見通しでございますが、全体の物価感が非常に落ち着いていること、これは幸いであります。しかし、幾つかのポイントを考えなければならないと思います。一つは、やはり景気水準の高さでございまして、これまでの好景気の結果といたしまして製品需給、労働需給が非常にタイトである、これがどういうふうに出るかということを見なければならない。第二は、為替レートでございまして、最近やや円安に振れております。これが物価にどういう影響を与えるか注目を要するところでございます。第三は、今委員が御指摘になりました湾岸戦争終結の影響でございます。 一つは石油価格が安定しますので、これは物価に大変プラスでございます。それと同時に、今までありました先行きに対する不透明感がなくなるということは、これはやはり景気の押し上げ効果がございます。これは日本だけではなくて米国を初め海外の景気も押し上げる。それに復興需要が加わって、いずれにしろ、どのくらいかは今予測することはできませんが、押し上げ効果があると思います。こういう点が今後どうなるかを注意深く見ていかなければならないと思いますが、いずれにいたしましても、的確な判断をして適切な政策をとりたい、かように考えております。
○国務大臣(越智通雄君) 最近の物価高の原因につきまして、ただいまお話がございましたように、一つには石油問題がございますが、この件につきましては、例えばガソリンの値段につきましては、通産省初め関係御当局の適切なる御指導によりまして、現状におきましてはやっと八月二日の紛争勃発前のレベル、リッター約一円か二円低いところまで持ってこれたと思っております。なお、卸売物価に影響いたしました石油化学製品の方、ナフサ等につきましても、そうした指導によりましてかなり原油と似たような水準まで下げることができているのじゃないかと思っております。 また、生鮮食料品につきましては、政府といたしましては、農水省初め関係当局の御努力によりまして暮れに前倒しの出荷をいたしましたし、また一月以降六回にわたりまして東京、大阪周辺に毎回約六百トンのキャベツを中心とした野菜供給安定基金からの放出を重ねまして、大体この三月半ばを過ぎれば次の野菜が出回ってまいりますので、ある程度値が落ちついてくるのじゃないか、このように思っております。 ただ、今お話もございましたように、為替が考えられているゾーンよりもやや円安の傾向のところで一進一退いたしております。それからもう一つは、労働賃金が平成三年度に全面にわたりましてどの程度の水準になるか、これからの一つの山場でもございますので、そうしたものをよく注目しながら今後の物価の安定に配意をいたしまして、平成三年度経済見通しで考えております卸売物価マイナス〇・一%、小売物価でプラスの二・四%程度の上昇の枠内にとめられるよう努力を重ねたいと思っております。
○坂野重信君 次は財政問題に入ります。 国民の皆さんも国家財政のことを御理解あると思いますけれども、端的に言って国民の皆さんにわかりやすくお伺いしたいと思います。 大蔵大臣も提案理由で説明されておりますが、財政健全化という立場から公債依存度を極力下げようということで七・六%まで下げた。赤字公債の発行もゼロにした。そういう上で、日米構造協議による公共投資基本計画、さっき話が出ましたが、四百三十兆円の初年度としての生活関連に重点を置いた公共投資関係費。その次は、総理を初め皆さんがおっしゃっておる高齢者保健福祉推進十カ年戦略、それに基づく社会保障費関係、これもかなり伸びております。金額は十二兆台ですから相当なものであります。さらに、世界に貢献する立場からODAに思い切った八%伸びの予算を確保している。もう一つ、通産省関係を主体として大店法規制絡みの中小企業活性化予算、こういうものが新年度の予算の目玉といいますか、主なものであると私は理解しておりますが、どうでございましょう。 〔委員長退席、理事藤井孝男君着席〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 平成三年度予算につきましては、ここしばらくのような大幅な税収増がなかなか期待しづらい中におきまして、中期的な財政運営の新たな努力目標の初年度の予算として公債依存度のできるだけの引き下げを図りたい。また、真に必要な財政需要に適切に対応しながら、歳出の徹底した節減合理化あるいは税外収入の確保など歳入歳出両面にわたる見直しを行うなど、公債発行額そのものを可能な限り縮減することを目標に予算編成を行ってまいりました。その結果、公債発行額を五兆三千四百三十億円、前年度の当初発行予定額より二千五百二億円減額をすることができ、また公債依存度も七・六%にまで下げることができました。平成三年度予算というものは我が国財政の健全化に向けて新たな一歩を踏み出すことができたと思います。 また、今委員がお触れになりましたように、歳出の主要な経費という面で考えますならば、伸び率の点で言いますれば、国際社会での我が国の責務を果たすためのODA、これは伸び率八%でありますが、これを主体とする経済協力費が七・八%と大変高い伸び率になっております。また、社会資本整備を着実に進めてまいりますための公共事業関係費が六・〇%。額の面で考えますならば、社会保障関係費につきまして、高齢者保健福祉推進十カ年戦略の着実な推進などを行うこととして対前年度五千九百七十四億円、最大の増加額となっております。私どもといたしましては、全体として時代の要請に応じ、真に必要な財政需要に適切に対応し、重点的効率的な配分をしてきたつもりでございます。
○坂野重信君 防衛費でございますが、防衛費は五・四五%、かなりの伸びであります。これは国の安全にかかわる重要な予算であることは間違いありません。しかるところ、中東問題の発生以来、憲法との関連でしばしば自衛隊論議が交わされ、国連平和協力法案も流れました。先般も一千億余りの防衛予算の節減ということにもなりました。 こういうことを考えますときに、私はあるいは自衛隊の士気が低下するのではないかと心配しておりますが、防衛庁長官はしっかり部下を督励、激励していただきたいと思います。感触を伺いたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 今回の湾岸の危機をめぐるいろんな動きの中で多くの教訓が得られたと思います。 その中で私二つだけ申し上げますと、一つは、幾ら経済的に繁栄していてもそれを守るための備えというものを常々から考えていかなくてはいけない、こういう点がございますし、またいま一つは、実動部隊の場合やはり自分たちの任務なり使命に対する十分なる自覚、その上に立った士気というものが非常に大切であるといった、これがあの中から見出された教訓の一つであろうかと、このように考えます。 そういった観点から申しますと、ただいま先生御指摘の問題、確かに御指摘のような危惧がないわけではございません。とりわけ防衛費につきましては、先般来御説明しておりますように、いろいろな内外情勢の中で必要最小限の防衛力整備のために必要な経費を計上したところでございます。しかしながら、いろいろな事情がございまして、万やむを得ざる措置として一千億円の削減ということになったわけでございますが、こういうことがあっても我が国の防衛に支障を来さないようにしてまいるためには、自衛隊の隊員の諸君にもいろんな面で工夫やら苦労をしてもらわなくちゃいけません。そういった意味でいろんな思いがあることは否定できないかと存じます。そしてまた、国会の御論議あるいは世論の中のいろいろな動きの中で自衛隊員の心にいろんな波紋を投げかけたものがなかったとは申せないと思います。 〔理事藤井孝男君退席、委員長着席〕 しかしながら、そういうことがございますけれども、総じて申しますならば、私は、我が国の自衛官は国の防衛という重大な任務を国民の皆様方から負託されておるんだと、そういう自覚と誇りを持っておりますので、そういった意味で黙々としてその任務に従事しておる、このように考えております。しかしながら、これから私自身もそういった隊員の方々との対話を通じて士気の維持に努めてまいりたいと思います。 ただ、一番大切なのは、このように激動いたします内外情勢の中で、安全保障を含めてこれからの日本のあり方はいかにあるべきか、また、そういった中で自衛隊というものに国民の皆様方の深い御理解をちょうだいし、また正しく位置づけていただくことが一番肝要かと存ずる次第でございます。
○坂野重信君 公共事業関係費ですが、さっき話が出ましたように、四百三十兆というのは平均伸率六・三%。ところが、今年度予算で財投やら県単を合わせて対前年伸び率は一体何%になっているのか、この六・三%にふさわしい伸び率であるかどうかということをお伺いしたいのが一点。 もう一点は、二千億の生活枠の配分に当たっては、国土の均衡ある発展を考慮し、地方の活性化に配慮することとされていると承っておりますが、そのとおりかどうかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 公共投資基本計画につきまして、今委員が御指摘になりましたように、平成三年度以降十年間の公共投資総額をおおむね四百三十兆円といたしております。 また、公共投資につきましては、国の一般会計のみならず、地方公共団体や公的企業などの多岐にわたる公共投資の実施主体がそれぞれ公共投資基本計画を指針として着実に実施していただけるように努力しなければなりません。平成三年度予算などにおきましては、公共事業関係費につきましては、国民生活の質の向上に重点を置いた社会資本整備の重要性にかんがみまして、生活関連重点化枠などを通じて六・〇%の伸びを確保いたしました。また、財政投融資におきましても公共事業実施機関につきましては九・六%の伸びといたしておりますほか、地方財政計画におきまして地方単独事業について一〇・〇%増を見込んでおります。こうした努力によりまして、三年度の公共投資につきましては、公共投資基本計画の初年度といたしまして計画達成に向けて着実な第一歩をしるした、そのように考えております。 また、生活関連重点化枠につきましてお尋ねがございましたが、この配分につきましては、公共投資基本計画などに示されております考え方を参考とし、既に公共事業などの実績のあるものを基本とし、真に国民の日常生活の質の向上に密接に結びつき、直接に効果の上がる事業に厳に限るという考え方をとってまいりました。二十一世紀に向けて国民生活の質の向上、多極分散の促進と国土の有効利用、経済社会の長期的な発展の基礎固めを図っていくためには、まさに委員御指摘のように、公共投資による社会資本整備を計画的に進める必要がございます。豊かで活力ある地域経済社会を形成するためには、地方公共団体が地域に密接に関連する社会資本整備に自主的に取り組めるように、その役割を果たしていただけるように私どもとして留意をしていかなければなりません。こうした点にも十分注意を払いながら社会資本整備に努めてまいるつもりであります。
○坂野重信君 自治大臣にお伺いします。 地方財政計画によりましても、なかなか地方財政も借入金六十五兆六千億という膨大な残高を抱えているわけでございます。そういう中で地方交付税が約八%、地方単独一〇%としたのはかなりの苦心があったと思いますが、こういう点については地方の活性化ということを十分配慮したと思います。それからもう一つ、二千億の国庫補助負担率の戻しがあったわけでございます。六十一年度の水準まで戻したためにそれだけ地方の財政が豊かになったわけでございますが、この辺が案外皆さんに知られていない。よくこの辺はPRすべきじゃないかと思いますが、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(吹田愰君) お答えいたします。 平成三年度の地方財政計画の策定に当たりましては、地方債の抑制ということに重点を置いたわけであります。そして、地方財政の健全化というものに少なくとも貢献していかなければならぬということで、経費の全般にわたりまして歳出面については節減合理化という面に特に留意を払っております。御指摘のように、自主的、主体性を持った地域づくりというものが推進されなきゃなりませんし、公共投資事業におきましてもこの基本的な計画を踏まえて、住民の生活に直結した社会資本の整備あるいは地方住民の福祉の充実、こういったことにつきましての諸施策を積極的に推進しておりますし、なかんずく各関係地域におきましての公共団体の単独事業というものに対しましても配慮していこうというのが積極的な内容であります。 さらに、今お話がありました二千億の増収という問題からのいわゆる六十一年度の補助のかさ上げの問題でありますが、戻しでありますけれども、これにつきましては確かにおっしゃるとおりでありまして、非常に大きく役立っておるわけであります。今までの地方団体に対しましての起債と申しますか、いわゆる補助率の問題に対しての不足部分に対して公債を発行しておりました額も非常にそういう面で少なくなってきたということからいたしますと、地方財政に非常に大きな効果を上げておるという点はもっともなことである、おっしゃるとおりだと思います。 ただ、PRが足らないではないかという点につきましては、これからさらにひとつPRを続けまして、よく周知徹底いたしますように努力することをここで申し上げておきます。
○坂野重信君 次は、税制問題に移ります。だんだん時間がなくなってきましたのでまとめて申し上げますが――いや、なくなったというのは、余り皆さんが遅くなってもあれだと思いますので。 土地税制の問題は先ほど総理からも話がありました。地価対策としては三点セットだということでございましたが、融資規制の問題、都市計画に基づく土地利用、それから土地税制、それにもう一つ加えれば、監視区域制度の徹底化と規制区域の活用、この四つがいわば総合的な土地対策、地価対策の重点じゃないかと思います。そういう中でこの新設の問題の、土地保有税と初めは言っておったわけですが、最終的には地価税ということになったわけでございますが、この新設の地価税というのは、今申し上げましたように、土地保有税の一部であって、土地税制の一環として考え出されたものであります。 そこで、土地税制の改革としては、さっき話が出ましたように、土地保有税と譲渡益課税と取得税、この三点セットの中の土地保有税のうちの一部分がいわゆる地価税ということでございますから、したがって地価税だけ取り上げて、これは骨抜きであるとか大企業寄りの税制とか地価引き下げの効果かないと言うのはまさに的の外れた批判でございまして、全体の姿を見てまいりますとかなり思い切った税制であります。固定資産税もこれから見直しがされますし、それから譲渡益課税も相当なものでございますし、それからさっき答弁がありました特別土地保有税、特に遊休地税というような問題は、これはもう考えようによっては大変な重税でございます。 そういうものを組み合わせて全体として土地対策の中で地価の引き下げというものの効果を図ろうということでございますから、その辺のところを大蔵大臣以下事務当局から、ひとつこの辺は皆さんよくわかるように、国民の皆さん向けのわかりやすい答弁をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 貴重な時間でありますけれども、多少時間をちょうだいしてお答えをさせていただきたいと存じます。 今般の土地税制の改革に当たりましては、税制調査会の土地税制のあり方についての基本答申が述べておりますように、土地は国民のための有限で公共的な資産であることなど土地に関する基本理念を定めました土地基本法の趣旨を踏まえ、土地に対する適正な、また公平な税負担を確保する観点と、土地問題深刻化の背景にあります土地ほど有利な資産はないという認識、すなわち土地神話を打破するために、土地の保有コストを引き上げることによって土地の資産としての有利性を縮減しようという観点、こうしたものを踏まえて地価税というものを私どもは考えてまいりました。すなわち、土地の資産価値に応じた税負担を求めるということで創設するものであります。 この具体的な仕組みにつきましては、今申し上げましたような有利性の縮減という観点、また我が国の経済に与える影響とか個々の納税者に対する税負担に配慮するといった観点など総合的に勘案し、適正なものとして設定をいたしました。すなわち、居住用の土地につきましては、生活の本拠に配慮して原則非課税であります。また、資産規模の小さな土地に対する配慮から基礎控除を設けますと同時に、特に中小企業や個人につきましては一般法人よりも基礎控除を割り増しすることといたしました。さらに税率につきましては、土地の資産としての有利性を縮減するという観点と同時に、事業経営の継続に配慮するという観点を総合して設定してきたわけであります。 今委員のお言葉の中にも、巷間、地価税について骨抜きといった批判が行われているという御指摘がございました。しかし、こうした御批判が私は当を得ているものではないと考えております。なぜなら、それは我が国の土地保有の状況をお考えいただいておらないということでありまして、日本の国土資産額のかなりの部分は宅地に集中いたしております。しかも、その宅地の相当部分を少数の所有者が保有しておられるという極めて偏った形となっております。具体的には、宅地は面積では全国土三千七百七十八万ヘクタールの約四%にすぎないのでありますが、土地価格として考えてみますと、全国土約二千百兆円の約八〇%、約千七百兆円を占めております。他方、東京都の資料によりますと、東京都区、市部における宅地の所有法人のうち、一万平米以上の宅地を所有しておられる法人というのは所有法人数全体の一・七%です。法人所有面積ではそれが全体の五一%を占めているという状況にあります。 このようなマクロ的な土地保有の状況から見ますと、地価税の課税対象が一見限定的であるかのように見えますが、実質的にはいわゆる大法人を中心に資産価値の高い大規模土地保有に対しては相当な負担を求めることになっている、そう言えるのではないでしょうか。逆にまた、ミクロ的に考えてみますと、土地の資産価値に応じた税負担を求めるという地価税の仕組みから、地価水準の高い地域を中心に広い土地を保有する方、例えば都市部の目抜き通りにビルを構えて事業をしておられる方とか、地価水準が低い地域でありましても大規模に土地保有を展開していられる方に相当な負担を求めるものになると予想されます。ミクロ的には、これは逆に地価税が土地保有額の大きい方にかなり大きい負担が課せられるものとなってくるわけであります。 そのほかにも、今委員が御指摘になりましたように、今回の土地税制改革の中には固定資産税の評価の適正化、均衡化、譲渡課税の負担の適正化、農地課税の見直し、保有、譲渡、取得の各段階に総合的かつ抜本的な見直しを含んでおるわけでありまして、私は、地価税そのものにつきましても、マクロ的に見てもミクロ的に見ても、骨抜きという御批判については非常に心外でありますけれども、今申し上げましたような各制度との組み合わせの中で十分な効果を発揮してくれるものと私はかたく信じております。
○坂野重信君 自治大臣にお伺いしたいと思います。これもぜひPRをお願いしたいと思いますが、減税の問題でございます。 自治省は、平成三年度の固定資産税の評価がえによって生ずる増収分六千四百五十億円を全額住民税減税に充当することとしております。さらに、特別地方消費税減税九百億を見込んでおります。これは相当な減税でございますが、これも何となく国民の皆さんにまだ浸透していないと思いますので、その辺の内容を国民の皆さんにわかっていただくように、一人当たりでどうなるかということをひとつ的確に御説明願います。
○国務大臣(吹田愰君) どうもPRが下手なわけでありますが、今お話しになりました土地評価がえに伴う固定資産税の増収分についてはこれを全額云々という問題ですが、この六千五百億円につきましては、いわゆる三年分を今回一括前倒しで還元する、そうして住民税を安くしよう、こういうことでありまして、これによって非常に中堅所得者層の税負担の軽減というものが出てくるであろうというふうに思っております。例えば、夫婦と子供二人の給与所得者で年収が五百万から九百万円ぐらいという層におきましても、二万五千円程度の軽減になるというふうに積算されております。 また、特別地方消費税、いわゆる宿泊、料飲関係に属する問題でありますが、これにつきましても課税対象の料金を、宿泊にあっては今まで一万円であったものが一万五千円までは免税にしますよということであり、あるいはまた、今まで飲食にあっては五千円であったものが七千五百円まではよろしいというようなことでこれを引き上げたわけであります。そんなことで非常に多くの方々に大きな利益をもたらすであろうということが言えるわけであります。今まで宿泊につきましては三〇%程度の課税対象となっておりましたものが、大体一〇%程度が課税対象者になるであろうということであります。それから飲食関係におきましては、従来から五%程度の課税対象者であったと考えられましたけれども、それが恐らく一%ないし二%が飲食関係の課税対象者になるであろうということでありますから非常に課税対象者が少なくなってくるということでありますから、私は、そういった面で一般大衆に対しましては非常な効果を生むであろうということがこの時点で想像できるわけであります。 さらに、PRが足らないという問題につきましては、自治省挙げてこれから頑張ってまいりまして、国民の皆さんによくわかるようにいたしたいと思います。
○坂野重信君 よろしくお願いします。 実は、その次は国土の均衡ある発展、それから総理が提唱されておる活力倍増計画、ふるさと創生問題をやりたいと思いますが、それに関連したちょっと地域的な活性化の問題を先に質問させていただいてからそちらに移りたいと思います。と申しますのは、新日本海時代、環日本海構想の問題でございます。 日本と韓国、北朝鮮、中国、ソ連五カ国、我が国と対岸諸国合わせましてこの五カ国の間には、貿易面あるいは文化、技術面で遠からず一層の交流が進んでくると思います。お互いに日本海を囲んで近隣の位置にあります。相手国の要望に応じてその沿岸地域開発等に対する経済協力や技術協力あるいは資金協力を進めることによって我が方から建設資材や機械を送り込む。また、先方から開発輸入をやっていく。そして、そうやっているうちに共存共栄が進んできて自由貿易の振興も期待できると思います。政治的には国別に進度の差もありますし、進行中のものもあれば時間のかかるものもありますが、当面、国や地方公共団体あるいは民間ベースによって接触と交流を積み重ねることが大切だと思います。 先ほど触れましたが、最近報道されましたように、ゴルバチョフ大統領の四月訪日の際に環日本海経済圏構想というものがどうも提唱されるような報道が出ておりますが、これを受けて、そういうことならば政府として積極的に検討すべきではないかと思うわけでございますが、いわゆる環日本海構想を長期的な視野で考え、その一環として我が国の日本海沿岸地帯の振興を図るべきであると思います。このことに関しましては既に数年前から超党派で新日本海時代に向けて日本海沿岸地帯振興議員連盟というものもできておりまして、これについてのまず総理の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、まさに日本海を挟んでそこに円陣を組んでおる関係国が、環日本海の間において、ただ単に経済関係のみならず文化や人的交流の面も通じていくことが非常に大切なことであると私は考えておりますが、何がどのような形で交流に貢献できるのか、御指摘のように既に議員連盟も発足しておるなれば、そこの方の御研究や知恵もかりながら協力してやっていきたいと考えます。
○坂野重信君 国土庁長官、通産大臣、農水大臣にお伺いしたいと思いますが、自分のところを言うのもおかしいんですが、例えば山陰の境港とか鳥取港では、現在輸入品は原木、木材製品等で、輸出は水産品やパルプ、野菜、果物等にすぎませんが、将来のことを考えて日本海沿岸各地域及び各市ごとにそれぞれ特色のある貿易関連産業の振興を図るとともに、物と人の交流を念頭に置きまして、外国人の嗜好に合いそうな食品加工業、魅力ある特産品の開発、観光開発、文化施設、史跡発掘、レジャー施設、スポーツ施設、研修あるいは教育施設等の整備、宿泊保養施設整備等、一次産業、二次産業、三次産業振興策を立て、これを官民のもとで分担して推進することが望ましいと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。 御指摘のように、最近の国際情勢の変化等もございまして、日本海を挟んだ対岸との交流というのは今後さらに進んでいくであろう、このように理解をいたしておるわけでございます。そういう新しい時代に対応するために、例えば人とか物とか情報とか、そういうものが的確に対岸の諸国と交換ができるような準備、整備というものをひとつ進めていかなければいけないであろう、このように考えておるわけであります。 お話にもございましたが、まず第一番に手をつけていきたいことは、お互い各国の文化あるいはスポーツ、こういうものを取っかかりにいたしまして、そしてそれぞれ各国各地が持っておる特性というものを生かした交流というものを活発に進めていく必要があるであろう。そのために港湾整備であるとかあるいは空港整備であるとか、そのほか交通問題というものも非常に重要な問題でございますから、これらを整備しながら新しい日本海時代というものに対応していきたい、このように国土庁としては考えております。
○国務大臣(中尾栄一君) 坂野委員にお答えをさせていただきます。 日本海沿岸各地域と対岸諸国との交流というのは、歴史的に見ましても日本の国はややほかの国よりおくれていたんじゃないかという感じがいたします。そういう意味で、先ほども御指摘がございましたように、議員連盟などもできたということは大変に幸いでございまして、これをなおかつ活性化していくということが我々の使命である、このように思うわけでございます。同時にまた、日本海沿岸地域を初めといたしまして、各地域におきまして貿易、産業、技術、多様な観点から直接海外と物や人の交流、これが進められることは、地域経済社会の活性化を通じまして国土の均衡ある発展に寄与するのみならず、今後の日本の国際貢献のあり方を考えていく上でも極めて重要な課題であると私どもは認識しておる次第でございます。 御指摘も踏まえまして、地域の国際化の推進に当たる私ども通産省といたしましては、支援のあり方について前向きで全面的な協力をもって推進していきたいと考えておる次第でございます。
○国務大臣(近藤元次君) 先生ただいま御指摘のございましたように、戦後長い間対岸との交流が困難な状態にあった地域もございましたのに、今日ではゴルバチョフ来日を控え、日本海沿岸地域の各地方自治体、民間をあわせて対岸との交流に実は大変熱心でございます。環日本海時代構想というのも各県から出ておるわけでありますけれども、それぞれこれからの対岸との交流というのは大変重要な、我が国にとってもいろんな意味での役割を果たしていく、そういうときを迎えたわけでございます。 また、ゴルバチョフ来日によって日本との関係改善がどのようになっていくだろうかということが心配されておるわけであります。どちらかといえば今日まで裏日本と言われておるような状態で沈滞下にあったところに、大きな夢と期待を持って環日本海構想なり対岸交流が今盛んに民間ベースを含めて地方自治体で熱心に行われているわけであります。私が所管しておる農林水産業につきましても、山陰地方を含めて日本海沿岸というのは質的に大変高いものの生産をされておる地域でもございますし、また漁業資源等につきましても大変豊富でございますので、これがまた合弁であるとか、あるいはつくり育てる養殖漁業であるとか、あるいは農業関係についても食品加工産業等についてそれぞれの地方自治体が準備をしておるというのが実情でなかろうかと思うわけであります。 今後積極的に御支援を申し上げて、裏日本と言われておるものが表日本に変わるようにひとつ努力をしていきたい、こう思っております。
○国務大臣(吹田愰君) 御指摘のとおり、日本海沿岸の各地方の公共団体にとりまして、対岸諸国との交流を推進することは地域活性化を図る上で極めて有意義でありますし、国際交流を推進する上でも非常に大事なことであります。個性ある各地域のお祭りとかあるいは芸能を活用するとかというような意義あることにつきまして、これまでも日本海沿岸におきまして、各地方公共団体に対しまして自治省としましては、特に坂野先生が当時自治大臣でおつくりになったふるさと創生というものを通して今日も進めてきておるわけでありますが、引き続き地域づくりの推進というようなことにつきましての事業に対しまして創意工夫をそれぞれの地域で願いまして、これを自治省としては応援する、こういう立場を今後もとっていきたいものだ、こう考えております。
○坂野重信君 各大臣からいろいろ話がありましたが、いずれにしても、対岸との物と人の交流の活発化に対応できるような我が方の関連した交通通信施設の整備が基本的に必要じゃないかと思うわけでございますが、各大臣にお願いしますので、各項目についてお答えいただきたいと思います。 まず建設大臣、環日本海国土軸、よくこれは第三国土軸とも言われておりますが、環日本海国土軸とも称すべき日本海沿岸縦貫自動車道の全線開通と、これと連結する瀬戸内、関西あるいは太平洋各経済圏への横断自動車道の未整備区間の整備促進についてどう考えるか。 運輸大臣には二つありまして、日本海沿岸各重要港湾及び空港の整備と国際化の推進、もう一つは、道路と同じく高速鉄道の整備。山陰の沿岸については、これは将来のことになりますが、新幹線もありませんから、新幹線にかわるリニアモーターカーのルートとすることがいいんじゃないかという考え方でございます。 四番目は、郵政大臣に、対岸及び国内関連地域の拠点都市等の情報通信ネットワークの整備促進についてでございます。
○国務大臣(大塚雄司君) お答えいたします。 多極分散型の国土の形成を図るために、二十一世紀初頭には一万四千キロの高規格幹線道路網を整備するという目標で現在取り組んでおるところでございます。このうち、日本海沿岸を縦貫する路線として日本海沿岸東北自動車道、北陸自動車道、近畿自動車道敦賀線、山陰自動車道等、合わせて千三百キロの路線が計画されております。昭和四十一年に国土開発幹線自動車道として位置づけられました北陸自動車道につきましては、現在ほぼ全線にわたり四百三十キロ供用をしております。また、他の三路線については、昭和六十二年の国土開発幹線自動車道建設法の一部改正により新たに追加された路線でございまして、現在重点区間を設けながら整備計画または基本計画策定のための調査を推進しているところでございます。 一方、これらの国土開発幹線自動車道路調査と並行しまして、例えば山陰自動車道について言えば、羽合道路、北条道路、米子道路、安来道路、松江道路、江津道路、浜田道路など高規格な構造を持った一般国道の自動車専用道路についても整備を進めておりまして、ネットワークとして早期に全線の利用が可能になるように努めてまいりたいと考えております。日本海沿岸を縦貫する路線と瀬戸内、関西等とを連絡する路線としては、中国横断自動車道の整備が計画されておるところでございます。 以上、整備を全力で進めてまいりたいと存じます。
○国務大臣(村岡兼造君) 私に対しましては三点あろうかと思います。空港の整備と国際化の関係だと思っております。 地方空港の整備につきましては、五カ年計画、六六%増しの三兆二千億を認めていただきましたので、大いに進展をしていきたい。 国際化につきましては、御承知のとおり、日本の国際需要は東京と大阪がほとんどでありまして、お客さんの方は八八%、貨物の方は九六%、こういう状況であります。しかし、需要は今後十年間に貨物、お客さんともこの倍になると予測をいたしておりますので、関西空港ができましても到底需要に見合いがございません。国土の均衡ある発展、地域の発展のためには、地方都市の国際化というものを大いに運輸省としては推進してまいりたい。新潟あるいはまた小松では既に飛ばしておりますし、日本海の沿岸の空港においてもその兆しがあります。それぞれについて指導してまいりたい、こう思っております。 境港を初め港湾の整備にも第八次五カ年計画を通じてやってまいりたい、こう思っております。 鉄道につきましては、智頭線だと思いますが、現在整備をしておりますが、五年までにできますけれども、今お願いしております鉄道整備基金、できれば高速化に向けてその鉄道整備基金を使いまして、四時間十分ぐらいかかっておりますものを二時間半ぐらいにいたしたい、こう思っております。 なおもう一点でございますが、山陰線のリニア化の話でございますけれども、現在山梨で平成九年ごろまでの実現化に向けてやっております。それを待ってひとつ山陰線の問題は考えたい、こう思っております。 以上でございます。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 通信の問題でございますが、現在は海底ケーブルとかあるいは衛星を使って行われておりますが、特に急増をしております中国との通信需要に対応するため、KDD等の事業体において検討をさせているところでございます。 また、沿岸諸国との間の情報通信ネットワークの構築につきましては、各国の通信の現地の現状あるいは当該国に対する日本政府の協力方針等を十分に踏まえまして、今後適切に対処をしてまいりたいと考えております。
○坂野重信君 あと、答弁は要りませんが一つだけお願い申し上げておきます。 さっき自治大臣がおっしゃいましたように、いわゆるイベントの問題、例えば島根県のドジョウすくいとか鳥取のしゃんしゃん傘踊り、京都の都踊り、富山の風の盆等々、こういうことを行うことによって対岸の皆さんを引きつけるということ。それからハードの面では、建設省が沿岸の各都市を分担を決めて、そしてこの都市はこうやるんだという特色のある整備をひとつ地元で考えていただいて、それを政府なり県が支援するということにぜひ持っていきたいと思います。それだけ私の考えを申し上げておきます。 あと関連質問に移ります。よろしくどうぞ。
○委員長(平井卓志君) 関連質疑を許します。倉田寛之君。
○倉田寛之君 鉄道整備基金の設立によりまして大都市圏の鉄道整備は促進されると存じます。首都圏におきまするどのような路線が対象になっているか、お伺いをいたしたいと存じます。
○政府委員(佐々木建成君) お答え申し上げます。 平成三年度予算案におきましては、御案内のように、鉄道整備基金の設立と同基金による大都市鉄道整備に対する無利子貸付制度の創設が盛り込まれたところでございます。現在予算案及び所要の法律案を御審議いただいているという状況でございます。 首都圏におきましては、営団の行う地下鉄新線の建設がこの無利子貸付制度の対象とされておりまして、平成三年度におきましては、七号線駒込―目黒間の建設工事が対象となるものと考えております。 また、常磐新線につきましては平成三年度は建設に至りませんで具体的な工事がないわけでございますので、同年度の無利子貸し付けの対象とはならないわけでございますけれども、今般第三セクターが設立されたこともございまして、四年度以降の建設工事について必要な出資が地方公共団体等により手当てされれば無利子貸し付けの対象となると考えております。
○倉田寛之君 常磐新線につきまして、同線の整備の今後の見通しについてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(佐々木建成君) 常磐新線は昭和六十年の運輸政策審議会の答申の第四号において、西暦二〇〇〇年、すなわち平成十二年を目標として整備すべき路線とされているわけでございます。 常磐新線の整備は首都圏における住宅地需要に対応いたしますとともに、通勤通学輸送の混雑緩和を図るために重要な役割を果たすものと考えておりまして、関係者間の一層の調整を図りまして、運輸政策審議会の答申の目標年次までに同線の整備が行われるよう努力してまいりたいと思っております。
○倉田寛之君 地下鉄につきましては、運政審の答申路線のうち、既に事業主体の決まっているもの、決まっていないものの路線がありますが、決まっていないものはどこが整備主体になりますか。
○政府委員(佐々木建成君) 昭和六十年の運輸政策審議会の答申におきましては、例えば地下鉄八号線の豊洲―住吉間、十一号線の水天宮前―松戸間、それから十三号線の池袋―渋谷間といったような線が示されておるわけでございます。これらの今挙げました路線につきましては、既存の営業線との関係などから営団地下鉄がその整備主体になるというふうに考えております。
○倉田寛之君 営団につきましては、行革審の答申の中にも組織形態の変更の問題がこれあり、補助金の問題等々未解決の問題があるようでございますが、支障はありませんか。
○政府委員(佐々木建成君) 御指摘のような営団の地下鉄整備に向けての組織上の問題や財源の問題につきましては、当面現在の営団の形態を存続するということになっておりまして、また営団の行う地下鉄建設を鉄道整備基金からの無利子貸し付けの対象とすること、それから営団に対する繰り延べ補助金があるわけですが、これの回復を図ることなどの措置を講ずることとしておりまして、営団が地下鉄整備に全力投球できるよう配慮しているところでございます。
○倉田寛之君 運政審の答申によります首都圏の路線をその目標年次である西暦二〇〇〇年までに整備すべきと存じますが、運輸大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村岡兼造君) 運政審から答申されましたことでございますけれども、御承知のとおり、通勤通学の混雑は二〇〇%を超えるところが相当ございます。現在、平成三年の三月一日でございますが、この首都圏の新線の場合に工事中が十九線ございます。そのうち三線は複々線でございます。なお、計画中が二十六線、そして複々線が六線ございます。このように多数工事中または計画中がございますけれども、運政審に答申されました線に沿って、さまざまな障害もありますけれども、運輸省としては目標年次まで最大の努力をしていきたい、こう思っております。
○倉田寛之君 次に、原子力政策についてお伺いをいたしたいと存じます。 温暖化、地球環境問題両面からも、また無資源国我が国にとっての非化石エネルギーとしても非常に重要な問題であろうと思うのでありますが、さきの美浜原発の事象によりまして国民の皆様には大きな不安を与えたと実は思うのであります。したがいまして、これらの調査結果について通産大臣はどのように判断をされておられるか、また、かつてのスリーマイル島の原発の事故と比較してどのように評価をしておられるか、お伺いをしたいと存じます。
○国務大臣(中尾栄一君) 倉田委員にお答えいたします。 もっと長く御演説いただきますとさらに国民の皆さんにおわかりいただけると思うんですが、今回の美浜原発そのものの事象といいますか、それは蒸気発生器の伝熱管が破断をしまして、そして非常用の炉心冷却装置、ECCSと言っているようでございますが、それが実作動に至るなど、我が国におきましては今までに例がないことでございまして、国民の皆様方に不安を与えたということに対してはまことに遺憾でございました。 しかし、他方、この事象では放射能の外部への放出もごくわずかでございまして、環境への影響は全く認められないわけでございます。また、蒸気発生器の伝熱管の破損に伴う影響の拡大を防止するために原子炉及びタービンが自動停止するということで、非常用炉心冷却装置などの安全装置、安全設備といいますか、これも設計どおりに機能しまして、また、特に運転員の操作ミスもなく適切に対応しておりまして、十分に余裕を持った状態でプラントを停止させておる次第でございます。したがいまして、今回のこの事象というものは、運転員が判断を誤って原子炉に水を注入していた非常用炉心冷却装置を停止させまして、ある意味においては炉心損傷に至らしめたという御指摘のスリーマイル島の事故というのとは比較されるべきものではないと私どもは判断するものでございます。 通産省としましては、国民の原子力発電所に対するなお一層の安心感を得るべく、今回の事象につきましては徹底した原因究明に努めてまいったわけでございまして、自信ある再発防止の確立にさらにいそしむよう全力を尽くしてまいることをお約束させていただきたいと思います。
○倉田寛之君 原子力エネルギーは人類の英知が生み出した技術エネルギーであります。同時に、これを安全に実用化していくことが人類の使命であると考えます。 そこで、例えば、御批判をいただくかもしれませんが、新幹線が開業したのが昭和三十九年、東海村で日本初の原子炉が稼働したのが昭和三十八年でございます。新幹線には自動列車停止装置、すなわちATS、原子力発電には非常用炉心冷却装置、ECCS、二つの多重型の安全装置がございます。ATSが設計どおり作動するからこそ新幹線は安全だと言われます。原子力発電はECCSが作動したから危なかったと言われるのであります。私は、原発についての安心感を与える施策というのが極めて今日まで十分でないのではないかというふうに考えているものであります。したがいまして、この点について通産大臣ほどのような施策を今後推し進めようとされておられるか、お伺いをしたいと存じます。
○国務大臣(中尾栄一君) 委員の御質問は、国民にもっと安定感と安心感を与えるためにはどんな施策が必要なのか、こういう御質問と受けとめましたが、我が国の原子力発電そのものは安全性確保に最大限の努力を傾注してきておりまして、故障等によります運転停止の頻度は諸外国よりはるかに低いのでございます。高い安全性を有しているものだと私どもは認識しておるわけでございます。 また、今回の事象が国民に不安を与えたことにつきましては、さらに一層私ども万全を期していかなければならないことは言うまでもございません。しかし、そういう中にありましても、原子力発電の推進に当たりましては、まず国民の理解と協力を得ることが不可欠でございます。特に、原子力発電の安全性に対する理解の推進は極めて重要な課題である。御案内のとおりに、原子力というとすぐに原子力発電というよりは原爆に結びつけて、そして、かつての長崎、広島を思い出さしめるような、平和利用ではなく軍事的利用のように考えられては全く困るので、これはある意味においてはキャンペーンがもっと必要であることは申すまでもないわけでございます。 そこで、このために通産省としましては、まずは原子力発電の安全確保に最大限の努力を傾注するということにかてて加えまして、国民に対する十分な情報提供というものをする必要があるのではなかろうかと考えるものでございます。今後も、今回の美浜二号機の事象に関する情報の提供はもちろんのことでございますが、原子力発電の安全性に関するわかりやすい広報というものを国民各層にもっと徹底周知せしめるということが大事でございましょう。それから、原子力発電に対する理解の増進ということにも努力を傾注することが我々の大きな課題であるということをお約束申し上げておきたいと思う次第でございます。
○倉田寛之君 科学技術庁長官、原子力の安全をどのように感じ取られておられますか、お答えいただきたいと存じます。
○国務大臣(山東昭子君) 原子力の開発利用に当たっては、安全確保を第一にするとともに、国民の理解と協力を得ることが基本であると認識しております。そのために、従来から法律に基づき厳しい安全規制を実施するとともに、万全を期しているところでございます。 なお、国民の皆様方に原子力そのものについて一層御理解をいただこうと、全国から選ばれました約五百名の原子力モニターに関係施設を見ていただいたり、専門家とも話し合っていただいたり、また御意見を伺っているところでございます。また、国民の方の疑問に直接答える対話集会など、草の根的な広報活動も重視しているところでございますが、倉田先生のおっしゃるように、皆様方に安心していただけるような環境整備のために、私も先頭に立って粘り強く努力をしてまいります。
○倉田寛之君 総理は、二月十二日の衆議院の予算委員会の答弁で、ECCSが作動して、スリーマイル島やチェルノブイリのような決定的な大事故に至らなくて済んだ、不幸中の幸いだったといった答弁をされておられますが、今回の美浜の件をスリーマイル島と比べてどの程度にとらえておられるのか、また実用原発の安全性についてどうお考えになっていらっしゃるか、総理自身、安全をどのように体感されているか、率直にお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(海部俊樹君) 衆議院では確かに今お読みになった答弁を私はしたと思います。私は、原子力行政は一にも安全二にも安全が大切である、こう考えておりまして、安全装置というのは安全確保のためにある装置ですから、あの装置が働いてくれたことはよかった。素人考えですから間違ったら後でまた御議論をいただきますが、炉心損傷というような本質的な重大な事故につながる前に安全装置が働いたからそこでとまっておるわけですから、これが働いてくれたことはよかったと、私は率直にそう言いました。ただ、非常用冷却装置となっていますから何か非常なことが起こったのかどうか、なぜ安全装置が安全に働いたかということも突っ込んで調査をして原因を明らかにしてほしい、こういったこともあわせて申し上げました。 何かパイプのとめ金のところの位置がずれておったとかおらなかったとかいうようなことが今報道されておるようでありますが、私は徹底的に調査をして、そういった設計の段階からさらに安全装置が働かなくてもいいような念の入った作業をされるように心から求めておきます。
○倉田寛之君 時間の関係もありますから、次に移らせていただきたいと存じます。 次に、廃棄物対策と再資源化問題について伺いたいと存じます。 廃棄物問題への対応につきましては、二つの点から問題を提起したいと存じます。一つはいかにごみを減らすか、一つはいかにごみを処理するかということでございます。 いかにごみを減らすかという点でありますが、我が国の産業廃棄物の発生量は、一般廃棄物、産業廃棄物合わせまして三億六千万トンであります。ちなみに、これだけの量は十トンのダンプ、長さ十一・七メートルに積み込みますと四十二万一千二百キロメートルに達します。地球と月の距離は三十八万キロであります。地球は一周四万キロでありますから、想像だにしないごみの量が一年間に排出をされているわけであります。また一方では、標準の四人家族においては三・六キログラムの日量ごみが排出をされております。 そこで、通産大臣、具体的に再資源化政策の促進という点についてお答えをいただきたいと存じます。
○国務大臣(中尾栄一君) 戦後四十五年の中で一番大きくさま変わりをしたというのは、このリサイクルのような、ごみ処理というこんな問題は今までなかったことでございます。四十五年前にごみでもって苦しむなんということは考えたこともない。それが今日このように大きく活性化していったということは、反面、またこのようなごみ対策をやっていかなければならぬという、こういう時代に入ったんだなということを改めて意識せざるを得ないのでございます。 そこで、かけがえのない地球というものをどのように廃棄物の発生による環境悪化から守っていくかということは我々の今の喫緊の課題である、こう考えなければなりません。同時に、快適な生活水準と経済活動を長期的に維持するということは、省資源あるいはまた資源の再利用をどうやって織り込んでいった経済社会を再生させるかということが大事であり、その転換が一番キーポイントになろうと思います。 そこで、このような社会経済あるいは経済社会生活というものを実現するためには、通産省としましては、今般再生資源の利用の促進に関する法律案というものを提案いたしまして審議をお願いしているところでございます。本法は、消費者等の協力を得ながら事業者の再生資源の利用の努力を最大限引き出すために所要の措置を講ずることとしているところでございます。そしてまた、具体的には政令で指定する業種並びに製品、また事業を所管する主務大臣が事業者の判断基準を定めまして、それに基づいて指導、助言を行い、そしてまた必要な場合には勧告などをするような措置をとることを主要な内容とするものでございます。 また、平成三年度予算、税制、財政あるいは投融資の各分野において再資源促進関係施策の充実に努めていく、これが一番大事なことではないかと考えるわけでございます。具体的には、再資源化促進関係予算の大幅増額を先ほど言ったように税制、財政投融資等で図っていくこととともに、税制改正においては古紙脱墨設備の追加等、廃棄物再生処理用設備の特別償却制度の拡充等を図っていくことが大事でありまして、さらに日本開発銀行の再資源化廃棄物関連融資の充実等を図ることとしておる次第でございます。 通産省としましては、以上の措置を講ずることにより再資源化が促進されまして廃棄物の減量化が図られるものと考えているところでございまして、今後とも施策の積極的な推進にこれ努め、その措置をさらに向上させていきたいと考えておる次第でございます。
○倉田寛之君 次に、いかにごみを処理するかという点についてお伺いをいたしたいと存じます。 廃棄物処理の大きな問題は、廃棄物が移動すること自体が各種のトラブルの原因になっているのであります。廃棄物の移動についての全国的なルールの整備は不可欠であると思われます。この廃棄物の広域的な移動に関する全国的なルールの設定について、厚生大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 廃棄物の処理の重要性、この問題につきましてお尋ねでございますが、今通産大臣からリサイクルの問題等についての御答弁がございましたが、要するに廃棄物は生産の段階でどのようにそのものが処理されるかということを考慮しなきゃなりませんし、先ほど御指摘がありましたように、家庭用の廃棄物と産業廃棄物と、そのほかに処理困難な廃棄物、こういう三つのカテゴリーがあると思いますが、それがそれぞれのところにおいてしっかりした分別回収をいたしまして廃棄物としての適切な処理の道をつけなきゃならない、こういうことだと思います。 そこで、今のお話、広域的な処理の問題でありますが、廃棄物をできるだけ排出源の近くで処理するように努力すべきことは当然でありますけれども、大都市圏など、このような考え方だけでは適切な処理の確保が困難となっている地域がありますので、一般廃棄物も含めた広域的な対応が必要とされておるわけであります。廃棄物の広域的処理を進めるためには、いわゆるフェニックス計画があるわけでありますが、大阪湾圏域については順調に事業が進められております。ただ、東京湾圏域についても具体化できるよう関係自治体との間の調整を進めてまいりたいと思っておりますが、まだ十分にこの話が進んでおりませんので、委員のまた御支援をお願いしたいと思う次第でございます。 また、今回の法改正においては、廃棄物の広域的処理を行う法人の指定制度を創設するとともに、都道府県知事が産業廃棄物処理計画を作成するに当たって、厚生大臣が都道府県知事に対しまして全国的な産業廃棄物の処理状況等に係る情報を提供し、必要な助言を行うことができることといたしております。厚生省といたしましては、広域的処理が整合性を持って円滑に行われますよう、今後とも諸般の施策を進めてまいりたいと思います。
○倉田寛之君 原発は嫌だが電気はたくさん使いたい、ごみは出すけれども処理場や焼却場は真っ平御免だ、こんな現象が発生しているのも実は現実であります。これらの問題に共通して感じられますのは、飛躍した意見だと言われるかもしれませんが、ある面では国の目標であるとか、あるいはまた国づくりの考え方であるとか、さらにはこういった問題に対する国民合意の価値観というものが欠けていると言っても過言でないのではなかろうかと私は思うのであります。 そこで、最後に、いささか私見を述べて総理に御所見を伺いたいと存じますが、歴史的に振り返ってみて、我が国は明治維新、欧米諸国に追いつけ追い越せ、そういった合い言葉を国民の合意として国を開いて近代化への道を歩きました。その結果、途中で敗戦という憂き目の中から国民の英知の結集によって自由と民主主義というものを我が物にして、同時にまた、日米安保を傘としながら経済を重点として追いつけ追い越せというのを実践してきたと思うんです。したがって、その結果、御案内のような経済大国になりました。しかしながら反面、明治以来続いてきた国づくりの目標であるとか、国民のセンスであるとかというものは失ってしまった感をいたします。 一方、我が国においては占領下に憲法が制定されました。憲法第九条には平和主義が高らかにうたわれております。もちろん平和は人類究極の目的であります。崇高なものであります。しかし、ここで忘れてはならないのは、平和は与えられるものではなくて、世界の各国が協力し合って築くものであるという視点であろうと私は思うのであります。一部に戦後日本が平和でおられたのは平和憲法のおかげとする論があります。平和憲法さえ守っておればという一国平和主義こそが新しい国是とする向きもあります。 新聞報道を拝見いたしますと、クウェート政府がアメリカのワシントン・ポストなどに解放を国際社会に感謝する広告を出しましたが、挙げられた国名三十カ国の中に我が日本はなかったそうですね。百三十億ドルもの負担をしたことに思いをいたしますとまことに心外でありまするし、国際社会における我が国の信頼度を反映するものであるとするならば、まことにゆゆしいことであろうと存ずるわけであります。一国平和主義の甘えを改めて痛切に反省をさせられた感を私は深くいたします。 そこで、総理にお尋ねをするわけでありますが、それらの体験を通して我が国が真の世界平和づくりに胸を張って堂々と参加するためには、何よりもまず一国平和主義の誤解から覚めて、国民みんなが時には汗も流せば金も出す、そして血も流す、痛みにも耐え抜く強い覚悟を持たなければならないと存じます。理念なき国日本、こういう手厳しい批判が私は聞こえてきそうな気がしてならないのであります。経済大国にふさわしい新しい国家理念、国づくりの目標を早急にまとめて世界に明示をして、国民の皆様に訴えなければなりません。これこそ今政治が背負う最大の責任と考えるのでありますが、総理の所見をお伺いいたしたいと存じます。
○国務大臣(海部俊樹君) 明治維新以来の日本の足跡を踏まえての御意見でございました。 私は、戦後の日本の歩いてきた道というものは、ややもすると片隅で小ぢんまりと人に迷惑をかけないで、自分は額に汗して一生懸命働こう、片隅の幸福を追求し、人に迷惑をかけない、なるべくひっそりとしておる、そのうちにだんだんここに正義に反するということがあっても見て見ぬふりをするような風潮が身についてきたのではないかということを、今御質問を聞きながら厳しくみずからを省みてもいるところであります。 今後の世界には力でもって他国を侵略、併合してはいけないという厳しい理念と枠組みを我々はつくっていかなきゃならぬときでありますから、新しい国際社会の秩序づくりの中でどのような形で日本がお役に立つことができるだろうか、私はそのことを常に念頭に置きながら、御質問の御趣旨等も踏まえて今後とも努力を続けてまいりたいと考えます。
○坂野重信君 総理に感触をお伺いいたしたいと思いますが、四全総とふるさと創生の問題でございます。 地方の活性化は、多極分散型の均衡ある国土の発展を目的とする四全総とふるさと創生の両方の調和によって全体として強力に推進するのが基本だと私は思います。総理も施政方針演説でも述べておられますが、四全総の中ではいわゆるナショナルプロジェクトとしての幹線高速交通網とか高度情報・通信網の整備を推進するとともに、これだけでは物や人が中央に向けて逆流してしまう、そういうことがあっては困るということで、同時に国の行政機関の移転とか企業の地方分散を推進する必要があるわけでございますが、その場合に、それを受け入れる町や村の町づくりというものをやっていかなけりゃならない。 それに当たっては、地元の皆さんによって魅力的かつ個性的な発想をやっていただく。これが基本になって、国なり県なりがそれを見て支援するものは支援していくということによって、ナショナルプロジェクトとそして地元から盛り上がる発想というものが結びつくことによって成立していく。いわゆるナショナルプロジェクトをふるさと創生で肉づけしていく。必要に応じてナショナルプロジェクトもふるさと創生の考え方で見直し調和させていく。これが地方活性化への道であると思いますし、またこれは地方自治の本旨に沿ったものと思いますけれども、総理のお考えをまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) おっしゃるとおりに、地方がそれぞれ創意工夫に満ちた活力ある地域づくりに励んでいただくこと、そこにふるさと創生の本当の意味があろうと思いますし、また政府といたしましては、今までは各地域に、例えば一極集中を排除するとか、多極分散型の国土法をつくっていろいろ上から地方への分散を考えてきましたが、今回、御議論になっておるふるさと創生事業をさらに地方に根づかせるために、活力倍増プランというものも踏まえ、また内閣にも推進本部をつくって、今後とも重点的にこれらの施策に取り組んでまいる次第でございます。 それぞれの地域がそれぞれのふるさとを目指して、例えばふるさとの木倍増計画とか、夏の観光地なれば冬のお客の倍増計画とか、先ほど御議論に出ました八木節のようなものが有名なものだとするなればそれの倍増計画とか、いろいろ知恵は各地域によって、明るいものから文化までございましょう。体力倍増計画もございますし、そういったこと等を考えながら、政府はできるだけ地方の意思を尊重した協力をしていきたい、こう思っております。
○坂野重信君 総理の活力倍増計画というのはまさにこれは時宜に適した、昔、御案内のとおり池田内閣のときに所得倍増というのがありましたが、いわばそれに匹敵する活力倍増計画、非常に響きもいいわけです。 そこで、私なりにあれしたんですが、ふるさと創生というのは竹下さんが言い出したんですが、これは既に定着しております。その中で、総理がおっしゃるように、幾つか取り上げて倍ということで計算できるようなものをピックアップしていって、それを中心にして全体的な活力というものを引き上げていく、そういうことで解釈してよろしゅうございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) これは最初気をつけて申し上げましたが、政府の方からあれをしろ、これをしろというようなことではなくて、例えば読書倍増計画であるとか、絵になる町並みの倍増計画であるとか、ふるさとの歌倍増計画とかいろいろあるわけですから、それはそれぞれの地域の皆さんが自主的に創造性を持ってつくり出されること、それをつくり出していただく過程の中からも活力は出てくると私は思っております。
○坂野重信君 多極分散と地方分権についてお伺いしたいと思います。 首都問題については、金丸信会長のもとで御案内のとおりに超党派の新首都問題懇談会というものが数年前から結成されて、ずっと研究しております。昨年の第百十九国会において、衆参両院で国会等の移転に関する決議がされました。聞くところによりますと、総理が本決議を検討するために首都機能移転問題を考える有識者会議というものを私的諮問機関として設置されたそうでございますが、我が党の一部でも、新都市建設基本法というようなものを議員立法でも考えてみたらどうか、そのための協議会でもつくったらどうかというような意見もあるようでございますが、総理の御感触をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のとおり、衆参両院各党の合意を得て国会等の移転に関する決議をしていただきましたが、これは国会が率先して現下の内政上の重要課題である東京一極集中是正のきっかけをつくってもらったものと受けとめております。早速内閣でもそのような有識者の懇談会をつくって国民的合意の醸成を図るべく、既に第一回の会合等を行っておりますが、国会においても今委員御指摘のアイデア等いろいろお出しをいただきまして、この問題は政府も国会も一体となって取り組んで成果を上げていきたいテーマである、このように考えております。
○坂野重信君 行政機関の移転は国土庁がまとめておられるようでございますが、既に全二十一省庁七十九機関十一部隊の移転というものが予定されておりますけれども、若干今年度の予算等を見てもおくれぎみじゃないかと思います。どういう状況になっているのか、一層の努力が必要かと思います。
○国務大臣(西田司君) 御質問にお答えをする前に、一つだけただいま総理がお答えになりましたことに触れておきたいと思っております。 総理からお答えがございましたように、国会決議なるものは、首都機能移転、一極集中是正、ひいては多極分散型の国土形成、このことに大きな弾みをつけていただいたものだ、このように理解をいたしております。それと同時に、総理の直轄でございますけれども、首都機能移転問題に対しては有識者会議なるものがつくられております。さらに、国土庁長官には懇談会があるわけでございます。そこで、国土庁といたしましては現在この懇談会の中で、首都機能を移転する場合にどういう問題があるか、あるいはどういうスケジュールになっていくか、そういうことを鋭意検討を進めておるところでございます。大体の考え方がまとまりましたら有識者会議あるいは国会等に御説明を申し上げてさらに皆様方の御協力をちょうだいしたい、このように考えておるわけであります。 御質問の国の行政機関等の移転につきましては、平成元年八月に移転対象機関の移転先地等が取りまとめられたわけでございます。これらの機関については、今後移転の条件が整備され次第逐次移転を具体化していきたい、こういうことで取り組んでおるわけであります。また、昨年十月、国の機関等移転推進連絡会議において、埼玉県大宮、与野、浦和地区に集団的な移転が行われる地方支局や分部局の移転を円滑に進めるために、同連絡会議幹事会に集団的移転関係省庁部会なるものを設けた次第であります。そして、ここで具体的な検討が現在進められております。 国土庁としても、今後とも各省庁の要望を十分に踏まえながら、移転の具体化に向けて移転の条件等が早期に整備されるよう関係省庁に強く働きかけていきたい、このように取り組んでおります。
○坂野重信君 通産大臣にお伺いします。 各種の企業の地方分散はかなり進んでいると思いますが、どういう状態になっているのか。また、地方進出企業と地場産業との調整がうまくいっているのかどうか。この辺がどのようになっているのかお答えを願います。
○国務大臣(中尾栄一君) ちょうど三、四年前に、「世界とともに生きる日本」、経済審議会で五年計画をつくったわけでございますが、そのときに私もかかわりまして、一番メーンポイントにしましたのは、何といいましても一極集中主義であってはいかぬ、何とか地方分散型にして、そして全体が潤うような豊かさをともども分かち合わなければいかぬ、この発想から考えていったわけだと思いますが、現在の段階では、御指摘のとおり、それはもう大変進んできております。 地方における工場立地といいましょうか、これは近年における堅調な景気動向を反映しまして、昭和六十二年以降非常に高水準で移行しております。そして、通産省で実施している工場立地動向調査によりますると、工業再配置促進法に基づきまして工場の立地を促進すべき地域とされております誘導地域における平成二年の工場の立地は三千七十件、そしてまた敷地面積は三千七百二十ヘクタールということに相なるわけでございます。 通産省としましては、地域における若年労働力の流出傾向に歯どめをかけ魅力ある地域づくりを図っていくためには、若者にとって魅力ある雇用の場を地方に創出していくことが必要であり、かかる観点から工場等の地方分散は極めて重要な課題だなということを私どもは切実に感じているわけでございますが、このために、従来から産業再配置施策、テクノポリス施策あるいはまた頭脳立地施策などを講じてきていることは御案内のとおりであります。 一方また、魅力ある地域づくりのためには、工場の地方分散のみならず、地場の中小企業等地域の既存企業の内発的、主体的な発展を図っていくこともこれまた必要と認識しておりまして、中小企業対策等な積極的に推進するとともに、例えばテクノポリス施策におきましても、地場産業への技術移転の促進あるいは地域技術を活用した地域中小企業の起業化等を進めてきているというのが現在の段階でございます。 今後とも企業の地方分散と地場産業の育成の両面から地域の活性化の実現に向けて努めてまいる所存でございますが、さらに委員御指摘のとおり、その進出企業と地場産業との調整についてもっと明示的な形で言えと指摘をされるならば、私どもの考え方では、工場の地方進出の際における地場産業との関係については、地元公共団体が企業の誘致活動を行うに当たり十分に配慮されるものと認識はしておりますけれども、いずれにしましても、工場の地方進出は地場産業の高度化を含めまして地域全体の活性化に寄与されるべきものと考えておりますから、かかる認識に立って、必要に応じて関係地方公共団体とともども手をとり合いながら指導方針を打ち立てていこう、このように考える次第でございます。 以上でございます。
○坂野重信君 総務庁長官と総理にお伺いしたいと思います。いわゆる地方分権問題でございます。 御案内のとおりに、地方制度調査会で地方公共団体への国の権限移譲という答申が出ておりまして、その中で十六項目については速やかに権限移譲するんだということが求められております。これに沿った臨時行政改革推進審議会の意見も出ておりまして、そして閣議決定もなされておるようでございます。今回はそのための関係法律を一括して今国会で審議予定と承っておりますが、どういうぐあいになっておりますのか、総務庁長官にお伺いいたしたい。 それから、多極分散はやはり地方分権とあわせて行うことによって実効を期することができる。地方分権というものをやっていきませんと、多極分散だけやるといってもなかなか実効が上がらない。企業もついていかない、民間も一緒に行かないということが起こり得ると思いますので、前々からこれは議題になっているわけでございますが、総理の地方分権についてのお考えをあわせてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐々木満君) 国と地方との関係につきましては、お話しございましたとおり、地方制度調査会また行革審からも機能分担の見直しを含めた広範な分野での改革の御提言をいただいておりまして、お話しございますとおり、閣議決定をもちまして推進要綱を決めて目下一生懸命に努力をいたしておるわけであります。今国会にお話がございました一括法案を提出いたしておりますが、これもその努力の一環である、こういうふうに御理解を賜りたいと存じます。 私は、地方分権を進めるということは国づくりにとりまして基本的に大切な分野の課題である、こういうふうに考えております。今後もその基本的な認識のもとに引き続き取り組んでまいりますので、よろしく御指導をお願いいたします。
○国務大臣(海部俊樹君) 地方自治の基本的な考え方として、住民福祉の向上を図っていくためには、地方公共団体自体の自主性、自律性の強化を図ることが必要でございます。このような観点から、地方分権の推進を初めとして地方自治の充実のために努力をしてまいりたいと考えます。
○坂野重信君 ふるさと創生関連でございますが、先般党の政調のふるさと創生推進調査会が集計してみますと、各省庁、十省庁以上になっておりまして、合計が三兆四千三百八十億というかなりの事業量が行われているわけでございます。各省庁一生懸命おやりになっておりますが、時間もあれしておりますので、ひとつ代表して四省庁からその要点だけを御説明いただきたいと思います。 自治省からは、いわゆるふるさと創生、みずから考えみずから行う地域づくりということで全国津々浦々にほとんどがもう定着しつつあると思います。島根県の仁摩町の世界一の大砂時計も、私も自治大臣と一緒に先般視察したばかりでございますが、全国の進捗状況をお聞きしたい。それから、この種の発想は先ほど議論しました活力倍増計画のベースになるものでございますから、自治省としてもこの辺の発想の見直しあるいは肉づけをしてさらに推進すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 それから、農林水産大臣にお伺いしたいと思いますが、農林省もいろいろおやりになっているようでございますが、農山漁村活性化事業というものにひとつ重点を絞って御説明いただきたいと思います。 通産省の方はいわゆる大店舗規制絡みの問題がございまして、これは御案内のとおりに、政調で私どもが中心になって通産、建設、自治と三省の調整を行ったところでございますが、今年度以降の一つの大きなふるさと創生の目玉でもあるし、多くの地方の都市の既存の商店街が寂れつつある、これを救っていかなきゃならぬという大変緊急な、非常に重要な政策だと私は思います。この点について簡明にお答えいただきたいと思います。 建設省においては、地域活性化計画と一体となった道路整備あるいは豊かさを実感できるような美しい個性的な町づくりについてお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(紀内隆宏君) お答えいたします。 まず、みずから考えみずから行う地域づくり事業は、いわゆる一億円事業として御案内のとおり昭和六十三年度から平成元年度にかけて実施されたところでございます。全国で一万件を超える事業が行われておりますが、これらの事業に関連いたしまして住民から提案されたアイデアの数も五十万件を上回るなど、広く住民の参加のもとにそれぞれの地域の特性を織り込んで個性的な取り組みが行われました。この意味で、ふるさと創生の起爆剤として十分な成果を上げたものと考えております。 これらの事業の内容、そのあらましを申し上げますと、件数にいたしまして、いわゆるソフト事業に属するものが六割強、ハード事業が四割弱となっております。これをその推進の手法別に分類して主なものを申し上げますと、人材育成に関するものが千六百五十九事業、計画、組織づくりが千四百六十二事業、施設整備が千三百九十九事業、イベント開催が千六十一事業などとなっています。 今後、活力倍増計画につきましてどのように支援をしていくかという点でございますけれども、自治省といたしましてはこれまでも、地方がみずから考えみずから推進し、国がこれを支援するという考え方のもとにふるさと創生を推進したところでありまして、今回提唱されている活力倍増プランも地域の自主性を尊重するという同じ考え方に立つものでございますので、その考え方に基づいて推進していこうと思っております。この活力倍増プランは市町村が自主的に策定するものでありまして、その内容は、一億円事業によって発想されたアイデアをさらに発展させるもののほか、このプランによって新しく発想されるものも出てくるものと考えております。 自治省といたしましては、いずれにいたしましても、市町村がこのプランに基づいて実施する事業に対して地域づくり推進事業等によって支援を行ってまいりたいと考えております。
○国務大臣(中尾栄一君) 先ほど総理が答弁の中に明治時代からのことを言われましたが、まさに当時の殖産興業、大艦巨砲時代、あるいは富国強兵時代といいますか、そのころは鉄は国家であり、あるいはまた繊維は国家であったわけです。ところが、今一番大きな問題化してきておりますのが中小企業の大店法のような問題、すなわち流通産業のような問題、こういうものが環境の整備の中で一番複雑化してきた問題だと思います。 そこで、通産省としましては、平成二年度の補正予算並びに平成三年度の予算案に思い切った今度は支援措置を講じました。大蔵省にも大変御高配を賜ったわけでございますが、御指摘のとおり、地方都市の既存の商店街の中には環境変化による立地上の優位性を失うようなものもありますがために、商店街の活性化のための計画策定、コミュニティーホールあるいはまたその他その他の施設、地域住民の生活の中核たり得る魅力ある商店街、あるいは駐車場づくり等々、個々の商店の体質強化、中には中小店と大店舗との共存共栄の姿、あるいは商業振興と良好な都市環境の形成と融和の観点、こういうものの上に立って高度な商業集積を整備していこう、このように考えておる次第でございまして、これは相当真剣に、なおかつ前向きに、皆様方に喜んでいただけるような中小企業対策を講じていきたいと考えております。
○国務大臣(近藤元次君) 農山漁村の活性化、いわゆる多極分散にいたしましても、ふるさと創生にいたしましても、活力倍増にいたしましても、その大宗をなすものが農山漁村という地域に位置づけられているわけでございますので、去る十二日、農林水産省が受け持ついわば村づくりの対策の推進本部を設置させていただきました。 当然のことながら、農山漁村における所得の向上なりあるいは雇用の場なりというものは従来どおりの方針でいかなければなりませんけれども、一方では後継者対策を含めて、ただ単に所得だけでは若い人たちが定着をしていただけませんし、都市的なニーズを地方にも持たせるということも非常に大切なことでもございます。また、豊かさ以外におもしろさとか楽しさとかというようなものが地方になければ今の若い人たちは定着をしていただけないようなことをいろいろ考え合わせて、生活の分野でも今回の生活関連枠で集落排水事業を倍増していただいたりして、まず生活の中の環境の整備をしていかなければなりません。 一方では村の景観というものを少しよくしていきたいな、そのことが都市との交流を進めていくのに大切なことでなかろうか。きれいな空気や水や緑というものの価値観もまた地球環境上からも高まってまいりましたので、そういう意味では、転作作物の中に景観作物としてコスモスやレンゲや菜の花というものを今度転作奨励金の対象にさせていただきましたし、また今後広域農道等につきましては、集落の近くは歩道をつけたり、あるいは街路樹をその対象にさせていきたいなということを考えながら、今ヨーロッパに職員を派遣して、ヨーロッパの農村なりを調査させているところでございます。 対策本部をつくらせていただいたので、積極的に海部内閣の倍増プランに受け皿として農林水産省は対応していきたい、こう思っておるわけであります。
○国務大臣(大塚雄司君) お答えいたします。 地域活性化計画と一体となった道路整備や豊かさが実感できる美しい町づくりは極めて重要なことであると認識をしております。具体的には、全国一万四千キロメートルに及ぶ高規格幹線道路網から市町村道に至るまでの道路網の整備を強力に推進してまいりますし、またリゾート開発計画やテクノポリス開発計画等の各種地域振興計画に関連して整備が必要な道路については重点的、計画的に整備を推進するとともに、道路の緑化あるいは道路利用者や沿道に住む人々にとって親しみと潤いのある道路環境の整備を推進してまいる所存でございます。また、生活の豊かさが実感できる潤いのある美しい町づくり、地域の固有の自然や歴史や風土等を生かした個性的な町づくりを推進してまいる所存でございます。 このためには、立ちおくれている道路や公園や下水道等の都市基盤施設整備の充実や町の顔となる中心商店街の活性化に取り組むほか、緑の創出、良好な都市景観の形成等を推進してまいる所存でございます。
○坂野重信君 高齢者福祉問題と出生率の問題につきましてお伺いいたしたいと思います。 先ほどからこの福祉問題も議論が出ておりました。高齢者保健福祉推進十カ年戦略、これはたしか海部内閣になってから本格的なこういう十カ年戦略ということで、党と政府とが中心になって十カ年戦略という言葉をつくり上げたと私は理解しているわけでございますが、今や平均寿命八十年という世界の最長寿国、二十一世紀には国民の約四人に一人がお年寄りという超高齢化社会が訪れる状況の中で、すべての人が健康で生きがいを持って安心して生涯を過ごせる社会を目指して今後十年間に高齢者の保健福祉基盤を整備すべく、平成二年度以降十カ年の間に取り組むべき目標を掲げて十カ年戦略としたとされておりますが、そのとおりであるかどうかということ。 それから、厚生大臣にあわせてお伺いしますが、事業規模六兆円と言われておりますが、十カ年で達成可能であるかどうか。施設整備は国庫補助方式のようでございますが、いわゆる民活方式というようなものを取り入れなくても達成できるかどうかという問題。それから中身の問題でございますが、十カ年戦略の内容については、ホームヘルパー十万人等の在宅福祉対策、特別養護老人ホーム二十四万床等の施設整備、寝たきり老人ゼロ作戦とか長寿社会福祉基金の設置とか、さらには高齢者の生きがい対策等、意欲的な計画はたくさん盛られているようでありますが、その内容につきまして、骨子だけで結構でございますから説明いただきたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。 長寿社会の到来を目前に控えてその対策を講じた十カ年戦略、別名ゴールドプランがちょうど平成三年のことしで二年目になるわけでございます。その骨子をということでございますので、簡単に御説明いたします。 十カ年戦略におきましては、ホームヘルパーを十万人と具体的な整備目標を定めまして、市町村における在宅福祉対策の緊急整備を図ることであります。 第二点は、予防から治療、リハビリテーション、介護まで一貫した体制を整備する寝たきり老人ゼロ作戦を展開することであります。 第三点は、在宅福祉や高齢者の生きがい事業を支援するため七百億円の長寿社会福祉基金を設置し、これによって対策を講ずることであります。 第四には、特別養護老人ホーム二十四万床、老人保健施設二十八万床等、施設の緊急整備を図ることであります。 第五は、明るい長寿社会づくり推進機構を全都道府県に設置する等、高齢者の生きがい対策を推進すること等の事業を実施することにしております。 デイサービスにつきましては、この計画の中で平成十一年度までにデイ・サービスセンターを全国で一万カ所、中学校区に一カ所程度整備することとしておりまして、在宅の寝たきり老人のほか、虚弱老人等対策として健康チェックや機能訓練等を実施することといたしております。 また、十カ年戦略におきましては老人福祉センターや老人憩いの家を積極的に活用することとしており、高齢者の生きがい対策を推進しているところであります。 また、このプランが実施できるかどうか、また政府だけでやれるかという問題でございますが、これにつきましては、二十一世紀の本格的なそういう社会を目前に控えまして今世紀中にぜひ実現をするということで十カ年の目標を掲げ、在宅福祉サービス、施設福祉サービス等の基盤を総合的かつ緊急に整備しようということでありまして、平成三年度はちょうど二年目でありますが、ホームヘルパーの増員やデイサービス、ショートステイの拡充等の在宅福祉サービスの充実や、特別養護老人ホーム「老人保健施設などの施設整備等を内容とする予算案を計上いたしておりまして、目標達成に向けて着実に事業を推進しているところであります。 また、特別養護老人ホーム等の十カ年戦略関連施設につきましては、市町村等の地方公共団体のみならず社会福祉法人等の民間法人にも役割を担っていただきまして、国庫補助、低利融資等によりその整備の促進を図ることにしております。これらの施策の活用によりまして民間法人による施設の整備に相当程度進んでいるところであり、今後とも十カ年戦略の達成に向けて最大限の努力をいたしましてこの目的の達成を図ってまいりたいと思っておるわけでございます。民間事業者による老後のための総合的施設の整備もあわせて進めていくことといたしております。 以上でございます。
○坂野重信君 そこで、最後に厚生大臣もう一度、こういった施策によって十年後はいわゆる需要に対してカバー率が一〇〇%になるかどうか、それから一体水準は、西欧のスウェーデンとかデンマーク並みのような状態になるのかどうか、それをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(下条進一郎君) お答えいたします。カバー率と比較の問題でございます。 外国とサービス水準を比較することにつきましては、同居率など社会的な条件に違いがありますことから極めて困難でありますけれども、我が国においては二十一世紀の本格的な長寿社会に向けて、ただいまの十カ年戦略に基づき、在宅、施設を通じる保健福祉サービスの大幅な拡充に努めているところであります。また、この戦略が実現することにより、寝たきり等介護を要する状態になってもホームヘルパーやデイサービスなどの在宅福祉サービスが十分に利用でき、また在宅で介護できない状態になった場合には特別養護老人ホームや老人保健施設などの施設に入所できる体制が整備されることになっておりまして、安心して老後を送ることができる環境整備が図られるものと考えております。
○坂野重信君 今度は別の観点で、出生率の問題について質問いたします。 我が国では、高齢化が進む一方で、赤ちゃんの誕生がここ数年減少を続けております。そのため二十一世紀に向けて若者の少ない社会の現出が憂慮されている。そうなればまさにいびつ状態が出てくるわけでございまして、いわゆる合計特殊出生率が過去最低の一・五七%、一生で赤ちゃんを一・五七人しか生まない状態だと言われておりますが、そうですか。それから社会全体として、出生率の低下による若年層の減少は高齢者扶養に係る生産年齢層の負担の増大をもたらすだけじゃなくて、今後も経済社会の活力を低下させる要因ともなることが懸念されると思います。西欧先進諸国でも出生率低下が問題となっている状態であり、我が国における出生率低下の原因についてどう考えるのか、厚生大臣。
○国務大臣(下条進一郎君) 御承知のように、出生率が最近大変低下しております。しかも、この間出ております公式の統計によりますと今お話がありましたように一・五七ということで、場合によってはその後はまた低くなるのではないかと懸念されているわけでございます。この原因につきましては、これは一つのことだけで取り上げることはできませんで、やはり子供を取り巻く環境、若い御家庭の物の考え方、特に御婦人が結婚される年齢が上がってきたとか、働く機会がふえてきたとか、あるいはまた子供に対する御夫婦の考え方等々がありまして、一概にこれが一つの原因でこうなると申し上げられませんけれども、四囲の状況が変わってきたために出生率が今低下しておる、このように考えております。
○坂野重信君 総理にお伺いしたいと思いますが、実は私ども本委員会の派遣で、全国でも出生率の低い大分県に行きました。そのときに大分県当局から、健やか赤ちゃん対策事業ということで県として本格的に取り組んで、各市町村が行う育児手当、お祝い金、お祝い品等の支給等の事業に対して助成を始めている様子でございまして、一部で三子以上の赤ちゃんが生まれる等の効果が出ているということも聞きました。政府において健やかな子供を産み育てる環境づくりに向けて、児童手当改善等経済的支援、さらには育児休業等働く女性の就業条件の改善等の総合的な対策を講ずる必要があるのではないか。本件についての総理の所見を伺いたい。 労働大臣からは、就業条件の改善対策について答弁願いたい。
○国務大臣(海部俊樹君) 出生率の問題は、将来の日本のためにもいろいろ深刻に考えていかなければならないテーマを含んでおりますから、私は、今お触れになりましたように、それぞれの地域においても子育て環境づくりのために独特の施策を行っていただいておることには率直に敬意を表したいと思いますし、また国といたしましては、重要な子育て環境づくりの柱である児童手当制度については、世代間の助け合いや育児支援という観点から制度改正を行うことといたしました。また、育児休業制度についても、できる限り早く法案を提出する所存でございます。 今後、各省連絡会議の取りまとめを踏まえ、健やかに子供を産み育てる環境づくりに向けまして総合的な努力を続けてまいりたいと考えております。
○国務大臣(小里貞利君) 総理から基本的方策についてはお述べになったところでございますが、先ほど先生も御指摘のとおり、家庭にありまして子供を育てながら大きな主役を務める、同時にまた社会に進出をいたしまして職業人として働く。言いかえますと、職場と家庭生活を両立させながら円滑に、そしてまた枯渇ぎみの勤労者を補完するという一つの考え方から申し上げまして――補完ではなくていわゆるそういう円滑な一つの調和を図るという観点から、どうしても私どもは環境整備を図ってまいらなけりゃならぬと思います。 さらにまた、ただいま先生もお話しのとおり、出生率の問題もございます。あるいはまた、労働力の需給関係も非常に深刻な状況があるわけでございまして、それらの観点から大きな対策を根本的に講じなけりゃならぬ。ただいま総理もお答えがございましたように、私どもはそういう観点に立ちまして育児休業制度等の法制化も強力に進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○坂野重信君 次の問題は、社会奉仕の問題でございます。 私は一昨年十月、サンフランシスコ地震跡の視察をして感銘を受けたことがございます。それは市民のボランティア活動であります。地震発生直後の停電、交通通信途絶、中高層マンションの損壊、火災発生、断水、そういうパニック状態の中で、赤十字社を中心として多くの市民が、自宅の災害の後始末もそこそこにいたしまして、交通整理や消防、消火活動の応援、避難所の設置、食糧や医療の提供及び救急看護等々、日ごろの訓練の成果を生かしながら、登録された任務分担に従って州や市当局と一体となって献身的な活動を展開しております。そして、それ以外にまた危険建物の診断までも手伝ったとのことでありました。 この種の防災ボランティアは、我が国でも消防団とか日本赤十字奉仕団等の実績もあります。しかし、仕組みの違いもあり、サンフランシスコのように徹底した行動が果たしてできるかどうか、国土庁長官の感想をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。 防災分野でのボランティア組織としては、今もお話がございましたが、日本赤十字社あるいは自主防災組織などがあるわけでございます。過去の事例を見ましても、伊勢湾台風とかあるいは新潟地震などにはかなりの活躍をされておると評価をいたしております。欧米におきましては、ボランティアの防災活動は一般市民や赤十字、それからもう一つ宗教団体等を中心に活発に行われておりまして、その活動は社会的にも高く評価をされておるところであります。社会生活の中にそういうことが定着をしておりますから、それと比べると日本は大分おくれを感じております。 特に一昨年、今もお話があったサンフランシスコ市付近で発生した地震で見られた個人や組織レベルのさまざまなボランティア活動の事例とその成果は、歴史的背景や国民性が異なるとはいえ、我が国においてもボランティア活動をより一層活発化していく必要性を強く感じておるわけであります。防災対策については、行政面だけでなく、個人や民間団体の役割も大変大きいものがありまして、これらが一体になって成果が上がってくるものだと考えております。 このようなことから国土庁としても、関係省庁とも十分横の連絡をとりながら、特に小中学校あたりから防災教育というものに観点を置いて、民間団体の皆さん方にも強く呼びかけをいたしまして、そして防災意識を皆さん方が持っていただくと同時に、一度災害が発生したときには御指摘のようにボランティア活動を通じて官民一体になって対処していく、このことがこれから取り組んでいかなければいけない重要な課題だと思っております。 以上でございます。
○坂野重信君 総理にお伺いします。 もちろん日本赤十字奉仕団員も、災害時の奉仕活動あるいは各種の社会福祉事業も各地で行っております。また、社会福祉協議会に登録されているボランティアの人数もかなりに上っております。しかし、専門のホームヘルパー等、体力と技術を要するボランティア活動を身につけた人は少ないとのことであります。また、市町村の防災ボランティアとも称すべき消防団あるいは水防団、これは年々高齢化しておりまして、若い人々の補充に大変苦慮しております。 これはやはり、戦後若い人たちの個人中心主義的傾向の強いことと、助け合いとか社会奉仕の精神が薄くて、苦労の多い地味な奉仕活動は敬遠されるためだと思います。また、満員電車の中などで高齢者と弱い人に席を譲らない元気そうな人の姿を見ることもしばしばあります。思いやりの精神が足らないのじゃないかと思うわけですが、国際社会の中で我が国は社会奉仕精神の高揚とボランティア活動の振興について今後一層の努力が必要だと思います。総理の所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) あらゆる社会の段階においてボランティア活動が大切であるということは御指摘のとおりであると思いますし、日本も、例えば青年海外協力隊のように国際社会において真剣に活動をして高い評価を受けている青年男女もおりますけれども、今後とも一層そういった活動が積極的に進むように、政府は今もボランティア活動をしておる我が国の民間団体への支援活動をしておりますけれども、積極的にすそ野を広げていく努力をしたいと考えております。
○坂野重信君 そこで、文部大臣に訴えたいと思いますが、小中学校における新しい学習指導要領、この中の「道徳」の中に、社会奉仕の気持ちを深め、公共の福祉と発展のために尽くすように努めるとともに、特別活動において奉仕的な活動を行うようにと記述されているし、また高等学校においても同様であります。従来、現行の入試制度のもとで知育偏重にどうも走りがちであったことは間違いないと思いますが、そういう中で、今後は極力徳育を重視する必要があるのじゃないか。この際、思い切った道徳教育の強化を図り、この中で社会奉仕の精神を植えつけることが望ましいと思うがどうでしょうか。 また一方、各家庭の中で親が子供に対して、思いやりとか助け合いとか社会奉仕とか、さらには国家意識とかの徳育を心がけることも大切だと思いますが、文部大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(井上裕君) お答えいたします。 結論から申し上げますと、まさに先生のおっしゃるとおりであります。社会奉仕の精神を児童生徒に培うことは極めて重要であり、また従来から道徳や特別活動を中心に指導を行ってきたところであります。具体的な活動といたしましては、子供たちの地域の清掃活動あるいはまた老人ホームでの奉仕活動など、さまざまな活動が行われております。 今回の学習指導要領の改訂においても、社会奉仕の精神を涵養し、そしてまた公共の福祉と社会の発展に尽くす、こういう態度を育成することを重視いたしまして、内容の一層の充実を図ったところであります。今後とも、家庭や地域社会との連絡にも配慮しつつその一層の推進に努めたい、このように思います。 さらにまた、親が子供に対して、思いやり、そういうものにつきましても私ども今後一層の努力をいたしたい、このように考えます。
○坂野重信君 文部大臣にもう一点。 文部省は、聞くところによりますと、老若男女を問わず広範な生涯学習ボランティア活動総合推進事業、これを平成三年度から進めると聞いております。これは大変結構なことでして大いに推進いただきたいと思いますが、その骨子を御説明いただきます。
○国務大臣(井上裕君) お答えいたします。 今日私たちは、量より質、物より心といった豊かで住みよい活力のある社会づくりを求めております。文部省では生涯学習を推進するため、人々の学習活動の成果を地域社会における諸活動の中で生かすことができるよう、青少年、そして婦人、高齢者など、あらゆる層の人々を対象とする都道府県の生涯学習ボランティア活動総合推進事業について助成することといたしております。 具体的な内容といたしましては、県内のボランティア事業に関する連絡調整、さらに活動の場の開発、情報提供、相談事業、カリキュラム、教材等の開発、ボランティアの養成、研修事業の実施などを行うこととしております。 〔委員長退席、理事藤井孝男君着席〕 この事業を通じて、地域の連帯感の醸成などボランティア精神の涵養が図られることが期待され、極めて有意義なことと私どもは考えております。
○坂野重信君 最後に、総理にお伺いしたいと思いますが、今問題の中東の難民やらあるいは被災者の救済等、海外にも及ぶボランティア活動を質量ともに一層進行させるためには、国なり地方公共団体なり企業等による支援策が必要であると思います。これもあわせて見直しつつ推進することが望ましいと思いますが、総理の御見解をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) それぞれの段階においてそれぞれの志ある方々がボランティアとなって活動をしてもらうこと、その輪が一層広がっていくことは極めて大切なことでございますので、国民の皆さんの自発的な参加に基づくボランティア活動が一層活発になるように、政府としても大いに努力をしたいと思います。
○坂野重信君 最後の問題に入ります。危機管理体制の強化の問題でございます。 臨時行政改革推進審議会答申もございまして、大規模地震のような自然災害によるパニック状態とかあるいは外部からの人為的な非常事態の発生等、緊急事態に対処する体制としての安全保障会議が、そしてまた湾岸危機対策本部も設置されました。しかし、私はこれで十分ではないと思います。まず、大震災予知について科学技術庁にお伺いいたしたい。 東海地方に発生する可能性のある地震に対してはかなり予知もできるレベルにあると聞いておりますが、東京湾岸直下型の大地震については、その発生の危険性があるにもかかわらず予知のできる段階にない。これからようやく予知研究に入る段階と承知しているが実情はどうか、簡明に御説明願います。
○国務大臣(山東昭子君) 坂野先生は自民党の地震対策委員長として活躍をされておられますけれども、先生御心配の首都圏直下型大地震につきましては、ビルの建設や交通に伴う振動が非常に多うございまして予知は大変難しく、関係省庁といたしましては鋭意研究中でございます。当庁といたしましては、首都圏に三カ所設置いたしました深層観測施設によりまして今までとらえられなかった非常に微妙な地震も数多くキャッチすることができまして、大変地震発生の解明に積極的に取り組んでまいった次第でございます。 さらに、精度の高いデータをより多く蓄積し地震予知能力を高めるために、平成三年度から東京湾北部に三千メートルクラスの深層観測施設をつくる予定でございますが、今後とも観測研究体制の一層の充実強化に努めてまいりたいと存じます。 〔理事藤井孝男君退席、委員長着席〕
○坂野重信君 そこで、今、突如大規模地震が東京で発生した場合どうなるか。災害対策基本法に基づきまして、内閣総理大臣のもとで時を移さず緊急に非常災害対策本部が設置され、ここで指揮がとられることになっております。しかし、最悪の場合、サンフランシスコの例のようにパニック状態発生を想定した場合に、総理や国土庁長官を初め対策本部のメンバーが施設の比較的整っている国土庁の指令室に、停電、交通、通信途絶等混乱の中で、安全に速やかに到着できるでしょうか、国土庁長官にお伺いします。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。 ただいま先生から御指摘がございました大規模な地震が発生をして激甚な災害が生じたという場合、まず第一次的には、何といっても各防災機関、あるいは各町村であるとか区であるとかそういう地方の公共団体等が実施する第一次的な応急対策というものが施される、このように考えております。国といたしましては、災害対策基本法に基づいて災害応急対策の総合調整等に全力を挙げてまいらなければならない、このように思っております。 そして、災害対策本部を設置することが必要な場合は、総理や私を初め災害対策本部のメンバー等ができるだけ速やかに参集することがまず必要であると考えております。これまでも総合防災訓練等を通じ参集体制の点検を行うとともに、中央防災無線網等の整備により情報の的確な収集伝達体制の充実に努めてまいったところでございます。御指摘のような万が一の事態が発生をしたときに参集体制等ができるのかどうかということでございますが、これは災害という、特に大地震などというのは何人も体験をしたものではございませんので、その事態が発生したときにかなり私は混乱をするおそれがある、このように思っておるわけでございます。そういうことを踏んまえまして、各関係省庁ともよく連携をとりながら、その非常事態に対する集合、このことをどう合理的に、しかもおくれのないようにしていくかということを現在真剣に研究を進めておるところでございます。
○坂野重信君 総理にお伺いしたいと思いますが、その上テロでも発生したらどうなるか。このような非常事態を想定するにつけ、私は総理官邸の早急な改造、近代的情報通信一元化設備を完備した耐震・耐弾構造の指令室の設置が緊要だと思います。仮に国会移転が実現するとしてもそれは長年月を要すると思うので、国会移転決議との関連でもし対処を遅延するというようなことであれば好ましくないと思います。そして、中東湾岸の危機も全く予想し得なかったことであり、国際化時代、いつ何がどこで起こるかわからない。テロやハイジャック事件、領空侵犯等の非常事態の発生の可能性も全くないとは言えない中で、内閣の総合調整機能の強化を含む危機管理体制の強化が必要ではないでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 昭和六十年に臨時行政改革推進審議会からいただいた答申の中で、今御指摘の安全保障会議の設置、内閣官房の体制強化などを内容とする緊急事態の対処体制の確立が提言されました。この答申を受けて昭和六十一年に安全保障会議を設置し、また内閣は新たに内政審議室、外政審議室、安全保障室を設置するなど体制の整備を図ってきたところでございます。そして、きょうまでいろいろな問題のたびごとに内閣では緊急対応体制をしいてやってまいりました。 今回の湾岸問題が突発しましたときも官邸に対策本部を設置して、いろいろな諸器具等も置いて情報収集に努めてまいりましたが、御指摘のとおりいささか手狭でございましたので、床の上に寝泊まりしながら常時詰めかけた各省の連絡者は頑張ってくれたということでありまして、私どもはもう少し、そういった制度とか仕組みはできましたけれども、設備や環境をさらに充実させていきたいということを痛切に感じてまいりました。今後ともさらに一層、今回の湾岸危機に臨んでの対応、体験、これを反省として危機管理体制を固めていかなければならないと考えております。
○坂野重信君 さらに私は政府に望みたいことがあります。それは、今日の激動する世界情勢の中で考えられるあらゆる緊急事態というものを想定して、これに対処するためにふだんからの情報収集能力の増強、一元化、そしてケーススタディーを怠ってはならないということであります。 先般も我が方の同僚委員から質問がございましたが、情報収集能力増強のためには、まず一義的に外務省の組織、人員の増強ということがぜひ必要かと思います。そのためには外務省の職員だけではなくて民間の、これはもう商社もおるしいろんな人が大使館の周辺におるわけですから、そういう人たちも活用するということを考えながら、外務省そして大使館、公使館全体の出先の情報収集能力というものを強化していく。まさか昔スパイがあったかどうか知りませんけれども、今そういうことはないわけですから、それは相当頑張って、よその国に比べて我が国の情報収集が遅いということでは適切な対応ができないと思いますので、そういう点をひとつ十分検討していただきたい。 そうして、それを総理官邸いわゆる総理の手元のところに一元化する。そして、各省は各省でやっぱりそういったそれぞれ専門の分野があるわけです。通産省は通産省なりにまたいろんな海外の企業活動のこともある。防衛庁は防衛庁でまた防衛のアタッシェもおるわけですから、そういうものを含めていろんな立場で総合的な情報の収集能力というものを増強して一元化するということが大事じゃないかと思うわけでございます。 そして、さっき申し上げたように、やっぱりケーススタディーというものをやっておきませんと、何が起こるかわかりませんので、そういう意味でひとつ、これは政府だけの問題でないかもしれません。我が党の政調の問題かもしれませんが、あらゆる場合を想定して、内と外と両面において起こり得るあらゆるケースというものを想定しながらその場合にはどう対応していくかということを、これは難しい問題とは思いますけれども、やはりふだんからそういう準備をしておけば、一たん緩急があったときに慌てないですぐ対応ができるんじゃないかと思います。そういう点について、やはり何といってもケーススタディーについては内閣官房というものが中心になってふだんからこれは進めておく必要があると思いますけれども、それについての総理の御意見をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のとおりだと思います。どのようなことが起こるのかわかりませんし、さあというときに、いつも泥棒は正面玄関から入ってくると決まったものでもありませんので、常に情報を収集し、常にあらゆる状況を考えながら対応しなければならない。今の先生の御質問等を十分踏まえて、内閣官房として特に安全保障室を中心にし、外務省の耳を伸ばし、民間の御協力等も得ながら情報を集めて対応には遺漏なきを期していきたい、こう考えております。
○坂野重信君 今般の湾岸の戦争が起きまして、昨年の八月二日に事態が発生したわけでございますが、あの当時を振り返ってみますと、確かにそういう長い間の平和時代にあったわけですから、東西の融和というものが実現すればまさかああいうような中東異変というものか起こるとはだれも思っていません。そういう中で突如起きたわけでございますから、あの当時を振り返ってみると、総理初め外務大臣、皆さん本当に苦労されたと思いますけれども、若干やはり対応というものが何というのか後手ぎみになったような点もあるんじゃないかということを思うわけでございます。それは総理なり外務大臣それぞれの立場でいろんな条件なり事情というものがありますから、何だ、何をやっているんだと言ってみても、そう外から見るほどそれはそうもいかないんだという事情はあるかと思いますけれども、それにはさっき申し上げた情報収集能力というものがやっぱりまず第一義的に大事じゃないか。 ある大使が、発生したときにはどこかに旅行していたとかというような風評もちょっとあったようですが、やはりふだんからの情報収集能力というものがきちっとしておって、そしてそういう一元化する中でケーススタディーというものをふだんからやっておくということが、今までの経験にかんがみて大変これからも、私は何も政府の行動がどうだかということを批判しているわけではございませんが、これからこういう国際化の時代ですから何が起こるかわかりません。 大地震の場合だって、山東長官から今答弁があったように、これはまだ全く東京湾岸は予知できないんですよ。東海地方はいいんですけれども、東京湾岸で直下型の地震が起きたら――サンフランシスコでなぜああいう大きなことがあったかというと、あれはやっぱりサンフランシスコの埋立地の湾岸が弱かった。そのために建物の損壊だけじゃなくて、いわゆるライフラインと称するいろんな電線とか水道とかあるいはガス管とか、そういうものの入ったものが破損してしまったということがありますから、湾岸のそういうことを考えますときに、東京湾岸ですが、やはりそういうことを考えていかなきゃならぬということをつくづく感ずる次第でありますので、このケーススタディー充実のためのスタッフがもし足らないというならば、それは官房の方でひとつ適当な人を配置がえでもしていただいて、ぜひそういう対応を考えていただくべきじゃないかと思います。 そこで思い出すわけでございますが、かつて航空機テロのハイジャック事件が発生いたしました。福田内閣のときだったと思いますが、あるいは時期は違っているかもしれぬが、あのときに犯人をどうするか、釈放するかどうかというような問題が起きてまいりまして、その前後、期せずして有事立法議論というものが起きてまいりました。先般も野党の民社党でしたか質問がございましたが、一体有事立法についての調査はその後研究はされているかどうか。そういうものをやるとすればもちろんこれは憲法の範囲内でなければならないと思いますが、その辺についての総理の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) この問題につきましては現在政府部内で、自衛隊法第七十六条の規定により防衛出動を命じられるという事態において自衛隊がその任務を有効かつ円滑に遂行する上での法制上の問題について検討中となっております。内容等その他につきましては、国会における御審議、国民世論の動向等を踏まえて検討してまいる所存であります。
○坂野重信君 いろいろ質問申し上げましたけれども、湾岸の戦争は終わりました。しかし、これから我が国としていろんな決断をし、そしてやらなければならない問題、特に人的の問題もございますし、それから自衛隊の問題をどうするかという問題もあるかと思います。いろんな面で大変総理の御苦労は多いかと思いますけれども、やはりこれからこういう国際社会の中で我が国が本当に自分の責任を持って、そして責任分担の中で国際的な貢献、貢献というよりも自分の責任を分担するという意味でこれからやらなければならない重大な仕事が、国内はもちろんでございますが国際的にあると思いますので、どうぞひとつ総理は勇気を持って事に処していただくように本当に心からお願い申し上げたいと思う次第でございます。 あと実はいろいろ質問したいと思っておりました。住宅問題もありましたが、これは時間の関係で割愛することにいたしまして、最後に申し上げました危機管理の問題、あるいは気にさわった面があるかもしれませんけれども、これは大変私は大事な問題と思いますので、この際官邸の改造というものを、話は繰り返しになりますが、思い切って促進していただいて、そして官邸を本拠にしてそこに総理はいつでもおられるんだ、どんなことがあってもそこで全体的な指揮がとれるんだというような体制をぜひ固めていただくように心からお願い申し上げたいと思う次第でございます。 これで終わります。
○委員長(平井卓志君) 以上で坂野君の質疑は終了いたしました。(拍手) 本日の審査はこの程度といたします。 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十六分散会