予算委員会 第3号
- 発言数
- 290 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1990/12/17
会議録
○委員長(平井卓志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成二年度補正予算三案の審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁三重野康君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平井卓志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(平井卓志君) 平成二年度一般会計補正予算、平成二年度特別会計補正予算、平成二年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題とし、これより質疑を行います。片上公人君。
○片上公人君 初めに、児童手当の問題についてお伺いしたいと思います。(資料を示す) 最初にちょっとこの写真を見ていただきたいんですが、これは昭和四十七年に初めて我が国で児童手当が支給されたときの光景でございます。お母さんたちがどういう思いでこの手当を受け取ったか。恐らくは血の通った政治に対する感謝と喜びでいっぱいだったのではないか、このように思っております。 ちょうどこのころ、政治課題は、福祉なんてやるのはプロじゃないと、このように言われておるときに、我が公明党は各地方議会におきましてこの問題を取り上げまして、全国に署名活動を展開いたしまして、国の制度として昭和四十七年にようやく実現したようなわけでございます。この制度につきまして、総理、厚生大臣はどのように現状を認識されていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 児童が心身ともに健全に育っていってあすの日本を支えるために、その児童に対する国としてのできるだけの環境整備をすべきであるという大きな前提に立って児童手当制度も現に行われてきておることも事実でございますが、例えば第一子をめぐる問題であるとか、いろいろ諸外国との比較検討の中で、過去国会でも長らく御議論のあったことは私もよく承知をいたしております。でき得る限り若い働く方々にも子供を育てて文化や歴史や伝統を受け継いでいってもらえるような、そんな姿かたちをつくっていきたいものだと基本的には考えておりますが、ただいま関係省庁にそういった考え方での検討を進めてもらっておるところでございます。詳しくは担当の方から御答弁いたします。
○国務大臣(津島雄二君) 家庭を取り巻く社会環境が非常に厳しくなっておることは、私から申し上げるまでもございません。女性の社会進出、また出生率の問題、こういう問題についての関心が高まっております中で、子供が健やかに生まれ育つための環境を一層整備していかなければならないということが私ども厚生行政の大きな柱になっております。そういう意味におきまして、児童手当制度の充実を図っていかなければならない、かように思っておるところでございます。
○片上公人君 次に、また表ですが、先ほど総理もお話しになりましたように、各国の手当制度の比較を書いております。(図表掲示) この表を見てわかりますように、先進各国と我が日本国との差というのは、各国は第一子からがほとんどで、十六歳まで児童手当が支給されます。そして、学生の場合は二十二歳ぐらいまでいくところもありますし、西ドイツなんかは第四子で一万九千三百十三円。それに比べまして我が国の場合は、第二子からで二千五百円、第三子以降は五千円ということになっております。この五千円という金額は昭和五十年から十五年間変わっていない。ほかの福祉手当が物価スライドしている中でこれはちょっとおかしいのではないか。 そこで、厚生大臣にお伺いしたいわけですが、来年度予算編成に当たりまして、先ほど総理もおっしゃったように、日本の将来を担う子供たちのために、現行の第二子というのを第一子からに改めていただいて、そして月額にして最低二倍、一万円程度ぐらい支給できるように改善するよう望みたいと思いますが、厚生大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) ただいま委員は諸外国の児童手当と比較した立派な表を私どもにお示しいただきましたが、諸外国との比較は、税制上の措置の関係もございまして必ずしも単純に比較するわけにいきませんが、ただ仰せられた今の二千五百円、五千円という水準は非常に長い間据え置かれてきていることは事実でございます。そういうこともございまして、私どもは見直しをする必要があると思っておりますが、現在、中央児童福祉審議会におきまして幅広い観点から御審議をいただいており、近々意見が取りまとめられる予定であると思っております。 その中で、先般自民党の方からも第一子への拡大の御提言をいただいておりまして、またかねがね御党からも非常に強い御要請、御提言がございます。これらの意見を踏まえまして、財政当局や経済界と十分調整を図りながら、第一子への拡大、それから支給額の改善に向けて最大限の努力をいたしたいと思っております。
○片上公人君 次に、経済問題についてお伺いしたいと思います。 初めに経企庁長官にお願いしたいと思います。 米国経済のリセッション入りの懸念等で世界経済の先行きに不透明感が高まっておる。そういう中で、来年の世界経済の動向につきましてどのように判断していらっしゃるのか。これは米国、英国、ドイツなどの欧州、東欧、ソ連など主要地域に分けましてその動向認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(相沢英之君) 世界経済全般に申しますと、八八年には四%という高い成長を示したわけでありますけれども、八九年、昨年はアメリカやイギリス等の先進工業国、アジア等の発展途上国においては景気拡大が減速をいたしております。九〇年に入りますと、アメリカ、イギリス等では成長率の低下が一層顕著になっておりますが、一方、日本とドイツでは力強い拡大が続いており、総じて見ますと、世界経済は減速しつつるものの緩やかな拡大を続けていると思われているのであります。 主要地域の中でアメリカでありますけれども、アメリカはこのところ雇用者数が大幅に減少をいたしておりますし、生産の低下等が見られ、景気の指標を見ますと、その悪化が目立つようになっております。一例を申しますと、実質経済成長、これは年率換算でありますけれども、GNPでは一―三月が一・七、四―六月が〇・四、七―九月が一・七であります。ただ、この十月以降はゼロあるいはマイナスになるんじゃないか、こういう予測もございます。アメリカ側では、その後また回復をするというような予測もありますけれども、マイナス成長、それからリセッションに入るというおそれもあるということが言われております。 EC経済は、イギリスは依然として物価が上昇あるいは失業率がふえておるということで、このところ景気が悪化をいたしておりますが、ドイツを初めといたしまして大陸の欧州諸国では総じて好調な景気拡大が持続をいたしております。 ソ連と東欧でありますけれども、これは御案内のように、昨年の秋以降、政治経済の改革が大幅に進められておりますが、総じて申しますと、生産は低下して、消費財の不足、インフレ率の高まり等の問題が深刻化をいたしております。特にまた、中東の危機以降における油の価格の高騰等の影響を受けておりまして、いろいろと問題があるのではないかというふうに考えております。ソ連経済に関しましては、御案内のように、自由経済への移行というこの過程に伴いまして、物の買いだめ、売り惜しみ等々、食料品等については特にそういうような現象が見られるようでございまして、総体的に見ますと、かなりの大きな問題を抱えているというふうに我々は見ているのでございます。
○片上公人君 次に、金融当局の米国景気の動向の認識、これが為替相場の変動に与える影響につきまして、日銀総裁並びに大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
○参考人(三重野康君) お答えします。 米国景気につきましては、今企画庁長官から御説明がございましたけれども、次第にダウンカーブの傾向をはっきりさせております。住宅投資は非常に低迷しておりますし、個人消費も底をはうというような状態で、したがって生産も落ち、雇用も悪くなる、そういった非常にぐあいの悪い状況が続いております。これに対して向こうの中央銀行であります連銀は、極めて慎重ではありますけれども、短期市場金利の低目誘導など次第に金融緩和の傾向をとっておりますので、米国の金利も徐々にながら低下をしております。 今委員御質問のそういった状況が為替にどういうふうに響くかということでございますが、ほかの条件が変わりなければ、金利の低下というのはドル安円高の方へ響くというふうに思います。しかしながら、これはもう委員篤と御承知のことではございますけれども、為替はその国の金利だけではございませんで、ほかの国の金利がどう動くか、それによって金利差がどうなるか、あるいは国際収支がどうか、さらには軍事あるいは政治、そういった情勢、例えば湾岸危機なども非常に大きな影響を与えますので、一概にドルの先行きということを占うのは難しゅうございます。ただ、私どもとしましては、円が日本の経済のファンダメンタルズを反映して安定的な動きをすることを願っているわけでございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今日銀総裁からお答えがありましたものと本質的に同趣旨でありますが、多少つけ加えさせていただきたいと思います。 本年九月のG7、これは御承知のように、湾岸危機が発生いたしましてから通貨当局並びに財政当局の責任者の会合として最初のものだったわけでございますが、そのとき、その席上で論議になりましたのは、これからの経済情勢を考えますときに、インフレへの懸念と同時に、低成長の懸念、そのリスクを両方に我々は見ていかなければならないというのがお互いの基本的な認識の合致点でありました。と同時に、それぞれ自国通貨とドルとのかかわりについてはいろいろな見方をしておるわけでありますけれども、急激なドル安あるいは急激なドル高、いずれも世界経済のために決して望ましいものではないということをその席上で再認識したわけであります。 そうした中におきまして、今日、我々は為替の具体的な水準を申し上げるべき立場ではありませんが、日銀総裁も述べられましたように、円とドルの関係においては非常に安定した動きが続いておりますことを評価しつつ、国際情勢の変化等、あるいは米国経済そのものの影響等、今後どのように出てくるか注視をしていく方向でございます。
○片上公人君 次に、ジャパン・マネーのいわゆるドル資産離れ、国内還流への傾向が強まっておると思いますけれども、この辺の実情に対する認識を伺いたいと思います。
○参考人(三重野康君) 今御質問のございましたジャパン・マネーでございますが、国際収支上は長期資本の動きとしてとらえてよろしいかと思います。長期資本の流れは月々大きな振れはございますけれども、最近は次第に赤字幅が縮小してきているということは事実でございます。したがって、それはそれなりに国際金融面にも影響を与えているということは事実でございます。 しかし、そうかといって、それではそれが非常に大きな混乱とかフリクションをもたらしているかというと、そうではございません。資本の流れはもちろん金利によっても大きく動きますけれども、例えばアメリカと日本の金利差は一時に比べればかなり縮小してきておりますので、その意味では資本がアメリカへ流れる魅力は少なくなっております。しかしながら、アメリカの市場というのは金利だけではなくて非常に懐の深い流動性の確保できるマーケットでございますので、それなりに日本からの資本の流出というのは続いております。そういう意味で、すぐに大きな混乱が起きるというふうには考えておりません。 それから、また別な見方でございますが、大きな流れから見ますと、五年前のプラザ合意以来、日本は内需中心の経済を振興して国際収支の黒字を減らすということを約束しておるわけでございますが、その点は着実に内需中心の経済が発展しておりまして、経常収支の黒字が減ってきております。したがいまして、長期資本の流出というのはその経常収支の黒字の減ってきているのと裏表をなすものであります。したがって、経常収支の黒字を伴いながらの長期資本の流出というのは、ある意味では世界経済の健全化に寄与しているということも言えるかと思います。
○片上公人君 大蔵大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはもう今日銀総裁が述べられたことに基本的に尽きると考えております。
○片上公人君 えらい簡単にあれですが、今後、金利政策は非常に難しい時代を迎えると思うわけですが、ドイツ統一による資金需要をどの程度に見ておるのか。ドイツ統一による資金需要が高まりますと、今まで資金の供給国であったドイツが逆に資金不足国になる。そうしますと、この欧州発による一段の高金利時代が続くのではないか、そういう可能性が訪れるのではないか、そのことに対する見通しをお聞きしたいと思います。 また、インフレ懸念が強まっているドイツでは金利引き上げという観測も出てきておりますけれども、米国、ドイツの金利の逆転が欧州マネーのドル離れを引き起こして、先ほどお話がありましたけれども、逆にドルの急落にもつながりかねない、そういう心配も出てくるんじゃないか。このようなさきに言いました日欧のドル離れというのは国際の金融取引を攪乱するし、またひいては国内の金融にも大変好ましくない影響が出てくるようにも思われますが、この点につきまして日銀総裁の見解をお願いしたいと思います。
○参考人(三重野康君) 委員御指摘のとおり、今西独は旧東独と一緒になって非常に難しい局面を迎えております。旧西独の経済は極めて順調で、一種のブームに近い発展を遂げていると思いますが、旧東独はさすがにいろいろ難しい問題を抱えておりますので、ドイツ全体の財政としてはかなりこれに金を割かねばなりません。したがいまして、本年はドイツの財政は約千百億マルクの不足、来年は千五百億マルクの不足と言われております。したがいまして、その財政資金を調達するわけでございますので、ドイツの金利の高どまりはしばらく続くというふうに予想されております。 そうすれば、それが例えばヨーロッパ各国にはどういうふうになるかといいますと、ただその国その国の経済状態が若干違いまして、イギリス、フランスにつきましては先ほど企画庁長官がまず順調と言われましたが、そのとおりではございますが、若干下降の兆しも見えておりますので、金利はむしろ低下ぎみでございます。アメリカにつきましては、先ほど御説明いたしましたように、低下傾向はこれははっきりいたしております。そういうわけでございますので、ドイツが高どまりをしているからといって、全体に先進諸国の金利が高どまりないし高騰するというふうには一概には言えないと思います。 それで、その結果として、いずれにしろ金利差が縮小するわけでございますから、その限りにおいてはドルは弱くなります。しかし、ドルが弱くなりますことにつきましては、先ほど大蔵大臣から御説明がありましたように、G7あるいはG10その他の先進諸国によって、その場合はそういったことを、ドルの急落を行わないようにしようと、そういうことができておりますので、私はやはりドルの急落というのは今は起こりにくいのではないか、そういうふうに考えております。
○片上公人君 次に、国内経済の来年の動きについて政府はどう考えておるか伺いたいと思います。 民間の金融機関の調査では大体三%台というのが多いように思いますが、個人消費、設備投資等、主要項目別に説明していただきたい。また、現在の日本経済において最も懸念される事項は何かについても説明してもらいたいんです。これは日銀に。
○参考人(三重野康君) 現在の日本経済のことを申しますのに、まず、ごく最近日本銀行が発表しました十一月の短期経済観測が言い得て妙ではないかというふうに思います。 この短期経済観測というのは、委員御承知のとおり、主要企業約七百社、それに中堅・中小企業を加えまして約七千五百社のアンケートを三カ月ごとに集計するものであります。一番最近の十一月の短期経済観測の特色を三つ挙げるとしますと、一つはいわゆる企業の業容観、要するに先行きの業容観でございますが、これはさすがに良好感が若干低下をいたしてまいりました。しかし、なおかなり高い水準にございます。第二に、企業の企業活動を端的にあらわします本年度の売上計画、設備投資計画、これは三カ月前に比べてさらに上方修正をいたしましてかなり高い水準を維持しております。第三に、人手不足はますますひどくなってきているということでございます。 これを概括いたしますと、中東の情勢、石油の上昇、金利の上昇等がございまして、企業の先行き観に慎重さは加わっておりますけれども、現実の企業活動そのものはまだ非常に強いということかと思います。したがいまして、現在の景気そのものはまだ腰は強いと判断しておりますが、中東情勢がどうなるか、これはまだわかりません。これがどういう決着がつくかによって非常に日本経済、もちろん世界経済もそうでございますが、大きな影響を受けますので、今後ともそれらも含めて注意深くまだ様子を見てまいりたい、こういうふうに現在は考えております。
○片上公人君 最近の消費者動向調査、また法人企業動向調査などの結果でも、景気の先行きに対する不安感が随分高まってきておるように思います。こうした先行きに対する不安感が高まってきておる背景がどうなのかということを、これは経企庁にお願いいたします。
○国務大臣(相沢英之君) 先ほど日銀総裁から答弁がございましたことと、私どもの経済の現状に対する認識はほぼ同じでございます。強いて申しますと、油の価格が、ひところほどではございませんけれども、中東の危機以前に比べるとかなりまだ上昇をしているということ、それから設備投資につきましても、これは無論合理化あるいは技術革新に伴うところの設備投資というものは続いておりますけれども、ひところほどの勢いがないのではないかという現状、そしてまた金利の上昇、人手不足、そういうようなことからいたしまして、経済の成長につきましても本当は当初見込みの四%を上回る、恐らく五%を超えるような数字になるのじゃないかというふうに見ております。 ただ、今後につきましては、私が申し上げましたようないろいろな情勢の変化もございますし、また特にこれから湾岸情勢がどういうふうになるかということに伴う経済界全体における懸念もございまして、先行きに関しましては、強いて申しますと経済の拡大成長はなお続くというふうに見ておりますけれども、若干の陰りはあるというふうに思っておるのであります。
○片上公人君 そこで、総理にお伺いしたいわけですが、バブル経済が終えんというんですかそうなった後、地価が下がるのかと思いますと、そんなに下がらない。また、高金利が続く。政府が進めたNTTの株も、これはもう大幅に下がっておる。また、中小企業は中小企業で金融機関の融資が縮小して事業が非常にやりにくい。その上、新規の事業にも参入できないという、こういう状況に今なっておるわけですね。このバブルで踊らされた国民大衆は、バブルの終わりとともにこのような大変な状況で困っておりますけれども、総理の認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 最近の日本経済については、日銀総裁や大蔵大臣からも今るる御説明がありましたけれども、基調としては、円高のもとに設備投資などの内需を中心として戦後二度目の長期四十八カ月間に及ぶ安定的な成長が続いておる。そして、雇用者数も大幅に増加しておりますし、全体としてはバランスがとれたものになっておる。そして、できれば政府はさらに物価の安定ということにまず十分配意をしながら、内需を中心としたこの拡大を今後とも続けていかなければならないと考えております。ただ、湾岸情勢に端を発して石油の値段の上下が日本経済にいろいろな影響を与えた、この懸念もございます。また、労働力をめぐる、特に単純労働力をめぐるいろいろな問題の懸念等もございましたが、しかし、今申し上げたように全体として安定的な基調を持っておると私は見ております。 しかし、今後の先行きを、さらに今おっしゃるように国民生活や中小企業に全体的に安定感を与えていくためにも、これは主要国との経済政策の調整にも配慮していかなければなりません。そして、そういった中で国際協調のもとに適切、機動的な経済運営にも努めなければなりません。そうした中で、為替レートの安定等も図りながら、国内経済はあくまで内需を中心としたもので安定的な状況を続けていきたい、このように認識をして取り組んでまいります。
○片上公人君 次に、大蔵大臣にお伺いしたいわけですが、バブルが破裂してその処理で金融機関は減益となったわけでございますけれども、政府は株や債券の価格てこ入れ策というのを発表して救済を行っています。これに対しまして国民の方は、言うならば踊るだけ踊らされたと言ったら語弊があるかと思いますけれども、そのあげくいろんな面で救済条件の悪化に直面しておるわけです。被害者はまさに国民だと言っていいと思うわけです。 国民大衆のバブル終えんによる被害の救済をどうするつもりなのか。政府に責任がある以上、その対策を考えるべきではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、ちょっと今の委員の御質問、正確に意味をつかみかねております。 と申しますのは、そのバブル経済と言われるものを肯定いたした場合におきましても、それを享受されたのもまた国民であったと思います。しかし、今私は必ずしも日本経済が破綻の状況にあるようには考えておりません。確かにその基礎的な要件に変化は生じております。私はそれを否定するものではありません。しかし、先ほど来日銀総裁あるいは経企庁長官、また総理が述べられましたように、さまざまな原因の変化は生じておりましても、日本経済そのものはなお極めて強い足取りで内需中心の拡大を続けておるわけであります。 そうした中におきまして、確かに年初来、債券市場あるいは証券市場におきましてさまざまな問題が発生をいたしました。そして、その市場についてのてこ入れというものを政府は実施してまいったわけでありますが、それはあくまでも証券市場なり債券市場なりというものが市場原理の中において安定した運営が行われ、混乱を生じないようにという手法でありまして、何らか特定の部分についてのてこ入れというような性格のものではないと私は理解をしております。また、その証券市場なり債券市場なりというものが安定することは、すなわち、それを利用される国民大衆の方々に対しての利益を生むものでありまして、今まで政府がとってまいりました市場安定化策というものが国民大衆から遊離しておったものだという認識を私は持っておりません。
○片上公人君 総理、大蔵大臣がそのようにおっしゃるのは当然で、そうあるべきだと思っていらっしゃるでしょうし、そういうふうに思うのはそれは当然だと思いますが、実際問題としては、このバブルの影響によって多くの国民また中小企業が大変な思いをし始めてきておることもこれまた事実ですから、今後のやり方によってはどうなるかわからない。これは非常にみんな危惧しておることは間違いない、このことをしっかりと認識してもらわぬと困ると思います。これは希望は希望として聞きますが。(「実際やったことだ」と呼ぶ者あり)いや、実際やったことであっても、間違いなしに実際に国民が困ってきたことも事実なんだ。だから、おっしゃることも事実だけれども、流れがそういうふうに変わってきておることも事実なんだから、今後どうするかということに対して、これは慎重な対処をするように努力するというのは当たり前じゃないですか。 次に、高金利政策についてお伺いしたいと思います。 私は、現在の高金利による個人消費や中小企業を中心とした設備投資への影響が今後高まってくることは、これは避けられないと思います。現在の金融引き締め政策、これは国内的にも国際的にも極めて重大な影響を与えつつあると思いますが、いかなる条件が整いましたら金融緩和の方向に転換できるのか、総裁にお伺いしたいと思います。
○参考人(三重野康君) 昨年来の金利を物価の上昇の予防的措置として実施してまいりまして、その浸透過程を今見守っているところでございます。確かに今、企業金融面にはぼつぼつ影響が出てきておりまして、これからの事態の推移を眺めているところでございますが、委員の御質問は、例えばどういうふうになればこの金利を多少緩められるかという御質問だと思います。 これも委員御案内のとおり、金融政策は物価、景気、国際収支、マネーサプライ、それからまた外国の経済状況などを総合的に判断してやるものでございますので、締めるときも緩めるときも、一義的にこうなったら緩められるというふうにはなかなか申し上げられないわけでございますが、それだけに情勢の判断の的確さを非常に要求されるわけでございまして、私どもは今後も情勢判断には細心の分析と的確な判断をもちまして政策に誤りなきを期したい、かように考えております。
○片上公人君 この間、十四日ですか、新聞に高金利について経企庁長官がちょっと述べられたのが載っておりましたけれども、今の問題について長官、一言。
○国務大臣(相沢英之君) 経済の現状に対する認識は、先ほど申しましたように、日銀の考え方と私どもとそう大きく違いがあるわけではございません。 ただ、先ほど申し上げましたように、経済の現状におきまして、雇用の情勢あるいは賃金等から見ますと個人消費には大きな変わりはない、設備投資も、多少落ちてはおりますけれども、依然として合理化、効率化投資が続いておりまして堅調であります。そういったようなことから見ますと、経済のファンダメンタルズはそう大きく変わりはない。ただ、先ほど申し上げましたように、中東危機によるところの油の高騰とか金利とか雇用の情勢とか、いろいろなことがございまして、経済の情勢に、これからの見通しに関しましては多少の陰りがあるということを申しました。 私は、今後の経済が、多少今までよりも減速するにいたしましても拡大成長を続けていくことが必要ではないか、こういう考え方を持っておるものですから、今の金利高というものが諸般の情勢から考えまして一つ問題となってきているのではないかな、こういうふうに考えておりますので、金融に関しましてもその辺の情勢を勘案してしかるべき配慮が必要ではなかろうか、こういう気持ちを率直に申し上げたのでございます。
○片上公人君 次に、いわゆるG7を一月二十日ごろ米国で開催して対ソ金融支援策等を議題とする、そういう旨の新聞報道が今月初めごろありましたけれども、G7については正式に決定したのかどうか、またこのテーマについては決まったのかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 結論から申し上げますと、少なくとも私どもは一月二十日ごろにG7を行うという連絡は受けておりません。ただ、それを前提にして申し上げますと、大体三、四カ月に一回ずつ開かれてまいりましたG7、前回が九月の末でありましたから、そろそろ開かれてもおかしくないという観測は今月以前からさまざまな形でうわさが飛び交っておりました。しかし、その場合のテーマと申しますものは、開催時期そのものが少なくとも本日までに決定をいたしておりません状況の中で、何とも予測のできる状況ではございません。 ただ、たまたま今御指摘になりました対ソ経済支援についての問題でありますならば、本年のヒューストン・サミットにおいて首脳の中における論議の結果、IMF、世銀、OECD、EBRDの四機関によりましてソ連の経済の現状分析を年内に行うということが定められております。そして、四機関の作業もそろそろ終了に近くなっておると思われますので、当然その結果を踏まえた論議というものは行われることになろうかと、そのように思います。
○片上公人君 次に、累積債務問題について伺いますけれども、仮にこの高金利時代が続きますと累積債務の問題が再び大きな国際問題になってくることは、これは間違いないと思います。しかも、ドイツが国内や東欧への資金供給で手いっぱいになっている。そうなると、日本の累積債務問題に果たす役割は、これは今までの比ではなくなると思います。政府は今からこの対応に対して検討しておくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 開発途上国の累積債務問題と申しますものは、確かに委員が御指摘になりますように、世界経済の動向などによりまして左右される傾向は否めません。そして、そのような観点からまいりますと、今御指摘のように、経済の持続的なまた安定的な成長が続いていくことが望ましいということであり、その中における日本の役割が増大するという御指摘は、私はそのとおりのことであろうと思います。しかし、これにはその基本として、債務を解決するためには債務国自身の自助努力というものがなければならないということは申し上げるまでもありません。 その上で、今私どもが直面をしております累積債務国に対する対応について、私どもなりに非常に悩んでおります問題が一つございます。それは、本年のヒューストン・サミットの際にはむしろ私どもの主張が七カ国の中において認められながら、その後の状況の中で変化を生じておる点であります。本年の夏そのヒューストン・サミットの際にも、公的債務の縮減あるいは棒引きという問題が論議の対象になりました。そして、累積債務の解消のために公的債務を帳消しにするという考え方はどうかということは相当な議論をいたしました。 しかし、例えば日本が特定の国に対して持っております公的債権を放棄いたしました場合に、その後日本からのニューマネーの供与は不可能になります。また、それは国民もお許しになりますまい。ところが、ニューマネーの供与が切れてしまってたまたま債務だけがある程度減殺されたとしても、その国の経済は復興のチャンスをつかみ得るかといえば必ずしもそうではありません。そして、現に先般来来日をされております累積債務国の方々とお話をしましても、一時的な債務の拡大はあってもニューマネーの供与をしてほしいという声が非常に切実でありますけれども、先進諸国の間にはむしろ公的債務を放棄することによって累積債務問題に対応したいという考え方がだんだん根強くなっております。 私は今日まで、日本としてはニューマネーの供与というオプションのない解決策には賛成しがたいということを申し上げてまいりました。今後においても、私は同様の手法をもって累積債務国の経済再建に日本は手助けをしていくべきであると考えておりますが、国際的には恐らく、それぞれの国の財政状況の厳しい中、しかもそれぞれの国の予算の仕組みの違いから、公的債務の放棄をもって累積債務国に対する協力となさろうとする動きは強くなると考えられ、その場合には一層ニューマネーについての要望が日本に強くなる可能性を持っているということで、私自身としてはこれにどう対処すべきか苦慮いたしております。
○片上公人君 次に、金融システム問題について伺いたいんですが、私は、高金利と同時に、金融システムが大きな問題になると思います。最近都市銀行などの合併が続いているわけでございますが、大蔵省はこうしたことに対しましてどのように考えて今後対処しようとしているのか。 また、大型合併は、言うまでもなく、金融機関側の規模の利益を追求するものでありますけれども、利用者の立場から見ましてどのようなプラスがあると見ているのか、あわせて日銀総裁の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 日銀総裁の前に、私の方から大蔵省としての考え方を申し述べたいと思います。 金融機関の合併と申しますものは、それぞれの金融機関がそれぞれの経営判断、経営戦略の中で自主的に決していかれるべき問題でありますけれども、今後の金融自由化の進展あるいは機械化などに対応するために、合併などによりまして経営基盤の強化、競争力の強化、確保というものを図る、これが有効な手段の一つであることは否定できないことだと思います。 しかし、合併のみが今後の経営のあり方であるか、あるいは経営の路線として最適のものであるかといえば、私は決してそうではなく、地域の金融機関なりあるいは中小の金融機関というものが堅実に経営を行っていく基盤はいろいろあろうかと思っております。大銀行でなければ提供できないようなサービスは確かにあるわけでありますけれども、同時に大銀行では提供できないようなサービスというものもあるのではないでしょうか。たまたま今御質問を承っておりまして、アーサー・ヘイリーの「マネーチェンジャーズ」という小説をひょっと思い出しましたけれども、スケールメリットを追求する方針と、地域密着型の経営、預金獲得を主張する経営、その二つの相克があの小説のテーマでありましたが、私はこうした考え方というのは日本においても成立し得るものと考えております。 ですから私は、合併というものはそれぞれの機関が自主的に御判断になるものでありますけれども、大蔵省の立場からいたしますならば、例えば独禁法上の問題等を招致しない適切な合併につきましては、地域における預金者の利便あるいは資金の需給に十分配慮しながら円満な実現というものに協力を惜しまないでまいりたい、そう考えております。
○参考人(三重野康君) ただいま大蔵大臣がお話しになったことにつけ加えることはほとんどございませんが、金融機関は現在、国際化、自由化、機械化という中にあって非常に難しい事態に直面しているわけでありまして、経営体質の強化を図らなければならない。これはつまるところ、リスク管理の徹底と自己資本の充実、この二つに帰すると思いますけれども、その方法の一つとして、今大蔵大臣が言われたように、合併もその選択肢の一つとして考えられると思います。 合併すれば強くなるかというと、むしろ合併して強くなるような合併というのはそうたくさんはないと思います。各金融機関が、ただいまも申し上げましたようなリスク管理、自己資本の充実、これに徹底していくことが王道であろう、こういうふうに考えております。
○片上公人君 金融の国際化、自由化は、これは世界の潮流でございますけれども、我が国もこれに対応していかなければならないということはよくわかるわけですが、自由化、特に預金金利について、定期預金金利も自由化が着々と進行しつつある。しかし、この預金金利自由化自体を考えてみますと、自由経済体制のもとでは当然大口預金は高利、小口預金は低利という図式が見えてきます。このような金利体系は預金者、特に一般庶民の立場から見ますとどうしても割り切れないようなものが残るわけでございます。それで果たしてよいのかどうか、このまま自由化を、金融環境の流れである、こうしてずっと進めてまいるつもりなのかどうか、伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在、日米金融協議等が実施をされております状況等々をお考えいただきましても、預金金利の自由化というものが国際的な流れであるということについては否定のできない事実であります。また、預金者と金融機関、借入者との間の公平な所得分配の実現という意味からも、また競争原理の導入によります金融機関経営の効率化及び資源配分の適正化、あるいは我が国の金融市場の一層の自由化による世界経済への積極的な貢献といった観点、こうした視点からも、これは私は前向きに推進していくべきことだと思います。 ただ同時に、その自由化を推進するに当たって預金者保護に問題が生ずるような事態というものはぜひとも避けなければなりません。信用秩序維持というものに配慮しながら段階的にこれを進めてきているのも、そうした考え方からであります。今後とも金利の自由化につきましては、中小金融機関の自由化への対応などさまざまな要素にも配慮しながら、預金者保護に遺漏のないようにしていかなければならないと思います。 また、今たまたま委員は大口預金には高利、小口預金には低利というふうな形容を使われましたけれども、小口定期預金につきましても、小口の預金者層に自由化のメリットが享受できるように、預金者間の公平という観点から積極的に自由化に取り組んできておるところでありますし、例えば百万円以上の定期預金につきまして既に市場金利連動型の預金が導入されている、こうした状況をお考えいただきましても、こうした点に対する配慮というものに我々は意を用いている。その上でやはり世界の大勢を考えるとき、自由化の方向というものは考えていくべきものであろう、そのように思います。
○片上公人君 次に、定期預金に続いて普通預金も自由化するつもりかどうか、その時期のめどはいつごろなのか。また、普通預金の小口分についてはコスト等の関係から逆に預金者から手数料を取ることになるというようなことも取りざたされておるわけでございますが、現実にそうなるのかどうか、説明していただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 普通預金などの流動性預金金利自由化というものにつきましては、現在、銀行局長の私的な諮問機関といたしまして金融問題研究会がございますが、ここにおきまして御検討いただいているところでございます。来年の前半にはこの研究会の御報告がまとめられると聞いておりまして、それを踏まえて大蔵省としては検討していきたい、そしてさまざまな問題に配慮いたしながら自由化に着手したいと考えております。 もし詳細の御説明の必要がありますならば、銀行局長から補足をさせたいと思います。
○片上公人君 補正関係に移りたいと思いますが、補正予算での新たな基金創設について若干質問をしたいと思います。 当初予算では厳しく歳出抑制をしておりながら、補正予算で新たな基金制度を創設する、こういう方式は当初予算のシーリング方式による手段とは明らかに矛盾していると思うんですが、この辺についての御見解をお願いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 政府の今日まで対応してまいりました概算要求基準制度等につきましては、委員はもうよく御承知のことであります。これを出発点ととらえながら、各種の制度改革あるいは徹底した歳出の節減合理化というものを行いながら、今まで財政改革を推進すべく予算編成に当たってまいりました。 しかし、補正予算につきましても、これまでも財政法二十九条というものを踏まえて、法律等に基づく義務的な経費を補う場合、また予算作成後に生じた事由に基づいて特に緊要となった経費の支出を行う場合に編成をしてまいったところでございます。平成二年度の補正予算におきましても、最近における諸情勢の変化に適切に対応いたしますために、また国民生活の向上を図り、我が国の国際的な責務を果たすために、特に緊要性を有する経費においてこれを編成いたしました。 予算要求を行うに当たって設定される概算要求基準、また予算編成後に生じました補正事由等に基づいて編成される補正予算、これは別種の問題ということでありまして、おのおのの趣旨を踏まえながら適切に運用してまいったつもりでございます。これからもそれぞれの基本的な考え方に沿って適切な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
○片上公人君 毎回国会で問題になっておるわけでございますが、この二十九条から見まして、この補正予算で新たな基金を創設するということは、私はどうもやっぱりひっかかるんですが、もう一回説明をお願いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) もしお許しがいただけますならば、要求側のそれぞれの各省からの御意見もお聞きをいただきたいと思うのでありますが、例えば委員が御指摘になろうとしておられるのは、本補正予算の中に計上いたしております二つの基金、そしてまた湾岸平和協力基金への拠出金、こうしたものが二十九条に合致するかどうかということであろうかと思います。 この中でまず第一に、日米親善交流事業につきましては、日米政府間におきまして日米親善交流基金創設の機運というものが高まってきたことを背景にし、日米親善交流の推進を目的として各界知的指導者の招聘、派遣あるいは草の根の交流、これを支援する、こうしたことによって日米間の親善交流事業を行うために国際交流基金に対して追加出資をしたものでありまして、これはやはり第二次世界大戦における日米開戦から五十年という一つの節目を迎える来年当初からこうしたものが機動的に運営されることが日米両国間の友情を保つ上に必要ではないか。例えば、平成三年度予算ということになれば四月以降になるわけでありまして、その一月から三月までの間を考えますと、やはり補正予算において計上し、御審議を願い、お許しがいただけるなら年明け早々から動いた方が両国の間に望ましいと私どもは判断をいたしました。 また、スポーツ振興基金につきましても、我が国の競技水準の向上などを図るための対応策を緊急に図る必要がある、そうした機運の高まりの中で、民間からスポーツ振興基金設立の御提唱と同時に、そのための年度内における民間拠出の表明、政府負担の要請といったものがありましたものを受けまして、スポーツ団体の行う競技水準の向上を図るための活動に対する援助などを行うために、日本体育・学校健康センターに出資を行うとしたものでございます。 湾岸の拠出金につきましては、先般来御論議をいただいておりますとおりの国際情勢の中における決断というものでありまして、いずれも私は二十九条に合致したものではなかろうか、そう判断をいたしました。
○片上公人君 日米親善交流基金の創設につきまして、これは国際交流基金法の改正が必要なのではないかというふうに思います。また、先ほど大臣の話を聞きながら私は思ったのですが、草の根の話が出ましたね。これはNGOまで行くのですか。 また、補正の問題と離れますと、日米親善交流基金というのは、これは非常にいいことだと思います。そういう関係から言いますと、これからちょっと離れますけれども、今思ったから言うのですが、僕は日米とともに南北についてもこれからいろんな形を考えていく必要があるのじゃないかということを思いますので、このことについて。
○政府委員(松浦晃一郎君) 日米親善交流基金に関しましては、先ほど大蔵大臣から御説明がございましたけれども、外務省からも改めてその背景を一言申し上げたいと思います。 これは経緯的に申し上げますと、ことしはちょうど新安保条約を締結いたしまして三十周年になります。その機会に、この六月にさかのぼりますけれども、安倍特派大使にワシントン訪問をしていただきまして一連の行事を行いましたが、その関連でアメリカ側に提案されたものでございまして、それを受けまして私どもは具体的な日米の交流を早急に進めたいと。先生御指摘のように、現存の交流基金におきましても日米のいろいろな交流プログラムを進めておりますけれども、この基金が実現の暁には、さらに具体的な交流、先生は今草の根交流ということをお触れになりましたが、草の根交流もぜひ対象にしたいと思っておりますし、いろいろの地域交流も進めたいと思いますし、それから知的交流、こういうものも活発にしていきたい、こういうふうに考えております。 大蔵大臣が申されましたように、日米関係上今いろいろな問題を抱えておりますので、大げさに申し上げれば、一日も早くこういう新しい基金をつくっていただいて日米間の相互交流を進めたい、こう考えております。 それから、私の所掌事務を離れますけれども、先生の御指摘の南北に関しましても、これはこれで外務省といたしましてもいろいろな交流を進めていきたい、こう考えております。
○片上公人君 次に、中東湾岸危機の問題でございますけれども、人質が全員解放されて、これはもう大変喜ばしいことだと思っております。国連の武力容認決議に示されるところのイラクの国連決議履行期限である来年の一月十五日、これまで米国とイラクの直接対話を軸に今後いろんな展開がまだ予断は許さないと思われますけれども、この間、我が国も事態の平和的な解決に向けまして外交努力をうんと払わなきゃいかぬな、こう思うわけですが、総理は何か具体策を持っておられるかどうか、伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 湾岸危機を平和的な粘り強い外交努力によって解決しなければならぬというのは、これは基本でありますが、そのためには、国際社会の総意と申しますか、たび重なる安全保障理事会の決議で決められた原則に従って解決されるべきであるということを基本にして、きょうまででき得る限りのいろいろな努力を続けてまいりました。 御指摘のように、国際社会の総意の原則の一つである人質の全員解放ということは、これは一つの朗報でありますし、またさらに、クウェートからの撤兵と同時に正統政府の復帰という残る問題を通じ、その先には、それが行われると中東の恒久和平という長い間の懸案問題の解決、本当の意味の中東の平和と安定に役立つような外交努力が展開されるであろう、こういう私どもの考え方はあらゆる機会を通じてそれぞれに直接間接に伝えてあるわけであります。今回決議が行われた直後にアメリカから対話の提案があり、イラクもそれに原則として応ずる姿勢があり、ただ日程等の折り合わせをめぐって、残念ながら今現在それが具体的に進行していないという足踏み状態にあることは極めて残念でありますけれども、これが行われて、アメリカとイラクの直接対話というものはやっぱりこの局面において非常に大切な平和解決への大きな要素でありますから、私はこれが実現するように両国にも直接働きかけて、実現を見るように一層の努力を続けていきたい、このように考えております。
○片上公人君 総理のお話はごもっともなんですが、総理自身の何か具体策をお聞きしたかったわけです。僕は思うんだけれども、総理は本当は心の中でいっぱい持っておることを今簡単に言うてはいけないと、こう思っておるのかもわかりません。けれども、内々いろいろ手を打っていらっしゃると確信しておきたい、こう思っております。 総理はさきの国会の所信表明演説で、イラクが国連決議を完全に履行し、再び湾岸地域に真の平和が戻ってきたときには、我が国はイラクとの関係を再構築していく用意がある、こういうふうに述べられましたね。クウェートの復興への協力、湾岸危機によりまして経済的に打撃をこうむった諸国に対する支援とあわせまして、イラクのペルシャ湾へのアクセスの確保とか、軍事志向的な経済体制から平和的経済体制への転換などに対して、我が国の協力姿勢を明らかにすることによりまして事態の平和的解決に資するような独自の外交努力も一案ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) あの地域の安定ということにつきましては、やはり当事者間における具体的な解決というのが一番根本であることは間違いございませんけれども、イラクと日本との間には従来もいろいろな経済関係が積み重ねられてきておりまして、現に八月の一日という時点まで日本は混合借款の問題について、イラン・イラク戦争で中断しておった経済協力の関係をどう再開していくかという問題の話も誠意を持って進めておったわけでありますし、同時にまた、御承知のとおりに概数七千億円という債務がイラクにあり、日本はイラクにそれだけの債権が残っておるということは、それだけの積み重ねがきょうまでも技術協力、経済協力であったわけであります。 ですから、そういった意味で、そういったイラクと日本との関係を再構築してイラクのためにする用意もあるんですよということは、ラマダン副首相との対談のときにも私は直接申し上げてありますし、また、それからアメリカのブッシュ提案についても、イラクと今おっしゃったようなクウェートとの両国間の紛争問題も、この局面を転回させることによって話し合うことのできる機会が提供されるだろうということも伝えてあるわけであります。 そういったものに乗って、武力解決という局面をお互いに慎んで、局面を打開して話し合いに入っていって恒久和平の道に入るなれば、これはイラクと日本の経済再構築のことは日本の責任で言えることでありますから、これは具体的に言ってありますし、同時に、その他の国の意向も加えてしなければならない中東の恒久和平の問題については、例えば国連決議の二百四十二号を支持しておる我が国としては、その線に従ってそういったことについていろいろな機会を生み出してきて、恒久平和のためにそれは役に立つことができるであろうという考え方も率直に伝えてあるわけであります。
○片上公人君 いずれにしましても、武力解決だけはないように、もうあらゆる努力をしていただきたい、これは心からお願いしたいと思います。 今回の事態は、一つは我が国の外交の展開にいろんな経験をもたらしたと思うんです。この事態を通して何を学んで、今後の外交展開にどう生かしていくかということは、僕は非常に大事なことではないかと思っております。 そこで、この危機を平和的に解決するために、また何よりも危機の予防のために日常的な外交の努力、そのために、例えば外務省の定員を大幅に増強するとか、また外交実施体制の拡充、そういうことを早急に具体化するように頑張らぬといかぬのじゃないかと思いますけれども、どうですか。大蔵大臣は首を横に振っていますけれども、大臣、断固言ってくださいよ。
○国務大臣(中山太郎君) 委員御指摘のように、日本の外務省の職員というのは国際的な先進国の中で比べてみると非常に低いランクにあるわけです。 私も外務省に来てちょうど一年四カ月ばかりになりますけれども、とにかく日が暮れても職員は働いている。つまり、地球の裏側は全部日が当たっているわけですから、直通電話、ファックス、電報、とにかく私は今の職員の状況では、これからの日本外交というものにやっぱり一つの危機感を持っています。それはなぜかというと、世界じゅうから打ってくる電報を幹部職員が目を通す時間的な物理的な余裕がないということは、一つの大きな問題ではないか。 例えば政務次官にしましても、大蔵、通産、農林というのは二人ずつあるわけですが、外務省は一人しかない、こういう状況にあるわけです。今日外交というのがどれぐらい国家にとって大事かということを考えると、やはり人間を確保する、優秀な人材を確保するということが非常に大事でありまして、中には失望して退職をしていく職員も出始めているということも事実でございます。こういうことを考えますと、私どもはやはり一つの大きな総定員の枠内で、この歴史的な変革の中で同じ視角で物を見るということは、ぜひこれは考え方を変えていただく必要があるんじゃないかと、外務大臣としては大蔵省に心からお願いをいたしているわけであります。 ただ問題は、今回のこのイラクの事件は、つまり国家の政策で在留している外国人を人質にとるというふうなことは、我が国としては初めての経験でございました。つまり、我々にはそれに対するノーハウがなかったわけであります。例えばフィリピンで一人人質にゲリラが捕まえていったとか、そういうことなら対応はその国の政府とできますけれども、国家自身がそれをやるわけでありますから、どうにも対応のしようがない。 こういう中で私どもが体験をしたことは、大使館に備蓄の食糧を絶えず邦人のために十分確保することが必要である。またもう一つは、大使館に発電機の相当能力の高いものを持っていないと、暑いところでは冷蔵庫がきかなくなる、クーラーがきかなくなるということで、先般クウェートから帰ってまいりました公館員の話を聞きましても、大使館に在留邦人を収容した場合に、もしクーラーが切れた場合にそこで一体どうなるかという悩みがあったということを公館員自身から聞かされました。また、イラク軍が侵入してきてからは、電話線を切断されたということで通信の方法がなくなった。こういうことで、館員が持っておりました無線電話機を使ってバグダッド経由で日本と連絡ができた。こういう問題があって、これから地域紛争が起こってくるという国際情勢の中で、やはりそのような形で館員及び在留邦人の方々の保護には格段の配慮が急速に行われる必要があるのではないかということであります。 最後にもう一つ、何が一番そこにいる人たちに頼りであったかというと、それは日本からのラジオ放送であります。その方々は皆さんが小さな短波の無線ラジオを持っておられましたが、バッテリーが切れるということを皆さんが非常に恐れられたそうでありまして、できるだけ多くの人が集まって一つのラジオで日本から流される国際放送を聞いている。そして、それをメモにして来れなかった人たちには届けるというようなことをして電池の消耗を防いだというお話を聞いております。私は、やはりこれから日本というような国は、現在国際放送の情報発信量は二十位でありますけれども、これを急速に充実をして、一千万人に近い海外渡航者のいるこの日本でありますし、五十万を超える在外邦人がおられる日本でありますから、このような今回の歴史的な教訓を生かして早急に政策を立てる必要があろうかと、このように考えております。
○片上公人君 後半の話で大蔵大臣もふとうなずいたような、目の錯覚かしれませんが、ありましたけれども。 今外務大臣がお話しになりましたけれども、逆に言うと、これはもっと早く定員の問題などいろいろ用意しておりましたら、いろんな条件からいろんなお金が出ぬでもよかった面があるかもわからぬなと、結果論でございますけれども。そういう意味からも、ぜひともなすべきことについては十分準備をするようにしてもらいたい、こう思っております。 次に、新たな追加支援について伺いますが、中東派遣米軍などの費用分担に関する我が国、ドイツなど同盟国と米国との追加負担の協議が年内にも始まるとの報道がなされております。さらなる追加支援について大蔵大臣は考えていないと答弁されたようでございますけれども、総理は同じ考えかどうか、この際明確に御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、この参議院の場を拝借し中東湾岸問題についての御答弁をいたす中で、一言特にこの場を拝借して申し上げたいことがあります。 それは、きょうまでの御論議の中で全く出ておりませんけれども、猪木参議院議員がスポーツマンとしてのその長い交流の中から人質解放に果たされた役割に対する敬意と感謝でありまして、これは私は閣僚としてではなく、衆参両院に議席を持つ一人として、その御努力というものに敬意を表したいと思います。 また、今委員から御指摘がございましたけれども、私どもはさらなる年度内の追加支援協力について話し合いの場が持たれるという連絡は受けておりません。 ちょうど九月初めに、駆け足でありましたけれども、私はヨーロッパの各国の大蔵大臣とそれぞれの国において、中東湾岸情勢の中でそれぞれの国の負担すべき部分、また特に周辺国における影響額の見積もりについて協議を繰り返してまいりました。その後にIMF・世銀総会、またG7等の場で引き続き御相談もいたしてまいりました。そして、その途中でブレイディ財務長官を特使とするアメリカ大統領の特派使節の御意見も伺ってまいりました。その上で、日本として第一期の十億ドルの支援に続くさらなる負担としての十億ドルの湾岸平和基金への拠出をただいま本院で御論議をいただいておるわけでありますし、また周辺国支援策につきましては、今年度から明年度にかけまして約二十億ドル程度の枠というものを既に公表し、一部は実施に移しております。 年度内におきまして情勢に激変のない限りにおいて、我が国としてはなすべき負担はしておると考えておりまして、この状況に劇的な変化が生じない限り、私は追加の支援といった問題が検討の対象になるとは考えておりません。
○片上公人君 今大蔵大臣がおっしゃいましたように、私も猪木議員に対してはもう心から賛同を送りたいし、本当によくやったと思っております。 次に、安全保障の問題について御質問させてもらいたいわけですが、欧州では今東西の冷戦がいよいよ終わり、新しい安全保障体制というか、そういう形がとうとうと流れ始めておる。そういう中で、それがアジアに変革をもたらしてくることも、これは流れとしては当然来ると思うわけですが、アジアの緊張緩和の促進のためにそういうことを取り入れながら我が国はどのように貢献するか、こういう視点からまず総理に伺いたいと思います。 全欧安保協力会議は、長い歴史の上で、今回パリ憲章調印などで平和と協調による欧州の新時代というものを確認して、大いなる成果を上げたと思うわけでございます。海部総理はこれに対してどのような認識、評価をされるか、伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) お答えの最初に、私も率直に申し上げておきたいことがございますが、政府はきょうまで、すべての国の人質の完全な解放ということ、その原則に従って国際社会と力を合わせて人質問題の解決に努力をしてまいりました。こういった政府の基本的な大きな原則とともに、同時にやはり邦人の皆さんの立場を考えて、自由民主党の議員団もあるいは公明党もあるいは社会党も、それぞれ私がジョルダンにおりますときにそういう原則を踏まえた立場での御交渉を願って、その経過を詳しく文書に書き残していってくださった方がありましたこともここで申し上げたとおりでございまして、皆さんの御努力によって人質問題が完全に片づいたことは非常に朗報であったということは先ほどの答弁で申し上げたとおりでございますけれども、そういったことも含めて、私もこの人質問題の片づいたこのときに、各党の皆さんの自主的な御努力に対しては政府としては率直に感謝を申し上げておこうと思います。 なおまた、全欧安保会議の問題について、あれは、欧州は東西の冷戦は終えんをしたんだときちっと明確に宣言されたパリ憲章が生まれました。これは極めて画期的なことであり、この大きな節目を乗り越えて、いよいよ東西対立から平和と繁栄、自由と民主主義と市場経済の価値、ここへ向かって世界が歴史的に流れていこうという大きな流れをヨーロッパが決めた。それに参加しておるアメリカもそれに対しては非常に前向きの賛意でありますから、もうこれが二度と再び後戻りすることはあり得ない。日本もアジア・太平洋地域にそういった影響が強く来るように、朝鮮半島の問題もあればカンボジアの問題もあれば、いろいろあります。日本にはまだまだ努力しなきゃならぬ周辺の環境整備の問題等もございます。 また、御承知のとおりの湾岸危機の問題がとにかく平和的にまず片づけられなければならぬということで努力しておりますが、今回の局面が平和的に打開されたとしても、その次のステージがいろいろあるということは先ほど申し上げたとおりでございます。地域的にも民族的にもいろいろな紛争があることもそのとおりでございます。 私は、そういったものの中であのCSCEの果たしていくべき役割というものは、あそこがまさに冷戦時代の発想を乗り越える象徴的な場所でもあったわけでありますから、その精神や考え方が続いていくこと、同時に、日本もアジア・太平洋地域の安定と平和のために今後できる限りの外交努力を続けていくと同時に、欧州の復興については、欧州復興開発銀行にも日本は参加しておる、それからECとの政治対話もあらゆるレベルで積み重ねておる、日米間の対話を重ねておることは、これは言うまでもないことでございますから、日本も欧米と日本との三拠点のしっかりした三角形関係というものをさらに一層世界の平和と繁栄のために役立たせ、前進させるような外交努力を続けていくべきである、このようにかたく決心をいたしております。
○片上公人君 欧州の情勢安定のための経済的な協力については日本は随分求められておるわけでございますけれども、このCSCEへのオブザーバーの参加が認められていなかったわけでございます。我が国は欧州諸国からは経済的貢献だけを求められておるのかというような考えもふと浮かぶわけですが、この辺はどうですか。
○国務大臣(中山太郎君) CSCEの恒常的な事務局ができた場合に、日本が参加するとかオブザーバーを出すとかいう問題は、これは欧州三十四カ国の一つの組織でございますから、国家としてこれに関与をするということは、地理的条件で現在のところ不可能だろうと思います。しかし、絶えず綿密な連絡をとり、また従来CSCEのような形あるいはNATO等がやりますシンポジウム等には日本からオブザーバーも必ず出席をさせておりますので、そのような関係を強化してまいりたい、このように考えております。
○片上公人君 CSCEに今後とも、これはもう欧州のためにも日本のためにも世界の平和のためにも、あらゆることで参加していくということが私は大事だと思いますので、ひとつ努力をよろしくお願いしたいと思います。 次に、CSCEのパリ首脳会議に先立ちまして、東西二十二カ国がいわゆるCFE、欧州通常戦力条約を調印したわけでございますけれども、この条約によりまして欧州の通常戦力は確かに削減されたわけでございますが、この削減分が今や湾岸に移転されたり第三世界に移転されつつあるという話も聞いておるわけでございます。これでは欧州の安定のために逆に他の地域が犠牲になる、不安定化してくる、こうした動きに歯どめをかける必要があるのではないかと思いますが、この辺については。
○国務大臣(中山太郎君) ヨーロッパにおける通常兵力の削減、この削減された軍隊及び兵器がどっちへ向かって移されるのか、あるいは破壊されるのかということにつきましては、世界の他の地域、日本にとりましてもアジアにとっても重大な関心のあることでございます。 問題は、兵力が他地域に移転をさせられる、今般ヨーロッパから一部中近東に移動が行われておるようでございますけれども、私どもはやはり全体的な軍縮ということを目指して日本はこれから積極的に貢献をしていく、あるいは協力を求めていくことが大事であろうと思います。先般、NATOの事務総長であるウェルナーさんにお目にかかりましたときも、欧州の通常戦力が削減されていくときに、削減された兵器がアジアに移送されないように日本としては特に要望したいということを強く要請いたしておるところでございまして、日本としてはそのような考え方でやってまいるつもりでございます。
○片上公人君 同じように、ソビエトの方もウラル以東に持っていっておるんじゃないか、こういう話も出ておるわけでございますけれども、こうなりますと、もうこれはアジアの安定にはつながらない。我が国としてはソ連に対しまして明確な破棄を求めていくべきだと思いますが、この辺はどうですか。
○国務大臣(中山太郎君) 大型の非常に重装備の兵器を破壊するには、破壊するに要する莫大なコストが要るということが片方で存在をしているわけでございまして、例えば戦車一両を破壊して使用不能にするためには人件費とコストがかかる。こういうことで、コストのために軍備削減する国家にとっては、兵器を破壊すること自身に大きな負担が生じているというのが現在の情勢であるということを御認識いただきたいと思います。
○片上公人君 先ほど総理もお話しされておりましたけれども、CSCEの成果、CFE条約などの経験は、単に欧州の現象にとどめるだけじゃなくして、米ソ協調体制が可能とした成果として、これはぜひともアジアに取り込むべきだと思いますね。総理は、アジアの緊張緩和を促進するという観点から、CSCEまたはCFEからどのような教訓を酌み取ろうとされておるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 端的に結論を言いますと、真の信頼関係、安定した国家間の関係、それがまず基盤にあって、それと同時に、そういったことによってその地域の平和と経済的な安定、繁栄を図っていくことに各国がそれぞれ共通の利益を確認し合うこと、そういった大きな背景が重なり合ってきますと、あのようなパリ憲章が生まれてくる、私はこう思うんです。アジアにおいても、アジアの国々それぞれの抱えておる国内問題を解決するとともに、また解決のためにでき得る協力やお役に立てることがあったらすると同時に、そういった上に立ってアジアの相互信頼と真の友好関係を築き上げていくことが非常に大切だと私は思っております。 そういう見地で、この六月のカンボジア和平に関する東京会議とか、あるいは日韓首脳会談、今北朝鮮といろいろなレベルで本交渉をどうするかというお話を続けておるということも日本にとってのアジア地域の安定のための努力でございますし、そのほかにもそれぞれの国でいろいろな努力が続けられておる、私はそう見ております。
○片上公人君 総理がおっしゃるように、CSCEも長い歴史の上に積み重ねたものの成果だと思います。 現在、お話しありましたように、アジアの緊張緩和の流れは確実にあるわけでございますけれども、中ソ関係の改善、韓ソ国交樹立、日朝関係改善、南北朝鮮首脳会談の開催等、またカンボジア和平への動きなどがありますが、しかしながら、日ソ関係、朝鮮統一、カンボジアの完全和平などを達成してこそ初めて本当のポスト冷戦と呼ぶ時代にふさわしくなるんじゃないか。こうした諸問題の解決のために我が国はどのような貢献が可能かということを伺いたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) ヨーロッパにおける、先ほど委員から御指摘のCSCEのような一つの安全保障体制、これがアジアにできないかという問題があろうかと思います。この問題をめぐりましては、地理的にも、文化的にも、民族的にもあるいは宗教的にもヨーロッパと違う地域の特性というものが実はございまして、安全保障につきましても軍事同盟は二国間の軍事同盟が非常に多く見られるわけであります。 このような中で、カンボジア、朝鮮半島あるいは北方領土と言われるような日ソ間の懸案事項、このいわゆるアジアの紛争というものがどのように解決されていくかということがアジアにとっては極めて重要な、先に解決しなければならない問題ではあろうと思いますが、幸いなことに、カンボジア和平もそう遠くない時期に国連の安保理中心に話し合いが、カンボジア人の中で話がまとまっていく日が近づいていると期待をいたしております。また、朝鮮半島も、御案内のように、大変大きな動きを始めてまいりましたし、また日ソもただいま平和条約作業グループで熱心に作業が行われている。 こういう中で、例えばカナダのクラーク外務大臣等は北太平洋安全保障構想というものを打ち出しております。また、ソビエトのシェワルナゼ外相はアジアの外相会議というものも提唱をいたしております。また、オーストラリアのエバンス外相も、アジア・太平洋の安全保障をどうするかという考え方を主張しております。現在、外相間でいろいろと模索が行われておりまして、私どもは、まずこのアジアの紛争問題を解決して恒久的なアジアの平和のための話し合いの場をつくっていかなければならない、このように考えております。
○片上公人君 日ソ関係は、北方領土問題が障害になって政治的には若干ぎくしゃくしておるわけでございますけれども、さきのコースチャ少年を初めとする医療協力、また日ソ共同の宇宙飛行など、国民レベルではその双方で相当強い共感を覚えるようなニュースが続いていたと思うんですね。おくれておるのは政治だけではないかというような声もあったようでございますけれども、こうした国民相互間の信頼醸成の状況につきまして総理はどのような見解をお持ちか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 日本とソ連が隣国同士として世界の歴史の変化の大きな流れの中で真に安定した友好関係をつくっていかなければならないということは、私も大きな基本として持っております。そして、御指摘のように、特にやけど坊やの医療協力の問題なんか、札幌とか新潟とか、現地へ行きましてもいろいろよく話題になることでございますし、また、あるいは宇宙飛行について日ソ共同でいろいろな作業が行われておるのをテレビを通じて目の当たりに見ますと、新しい分野にまた一歩日ソの共同行動ができる幅ができたなという感じでございますし、また、民間の貿易の方の面でもその後顕著に続いてきております。 ソ連からは、経済改革調査団とかあるいは行政調査団とか、名前はいろいろ違いましたが、この一年間に四回も調査団が来て、近代化のためには日本の制度、仕組みというものが非常に検討に値するということで興味を持ってごらんになる。また、専門家や技術者が向こうへも行くようになる。人的交流も広げていこう。少しずつ少しずつそういった交流が積み重ねられて、だんだん幅広くなってきておることは委員御承知のとおりと思います。また、人道的な立場に立って、チェルノブイリの救済のためのいろいろな問題とか、緊急に人道的立場でいろいろなこともしていこう。隣国同士でありますからお互いに拡大そして均衡の日ソ関係を続けていこう、この原則はございます。 ただ、一つ申し上げておきますけれども、やっぱり国民的な願いとして、四島を返してもらって平和条約を締結したいという、日本にとって最大の問題が未解決のままであることも事実でございます。これをもう横へ置いておいていいから、さあ仲よくなろう、せっかくいいムードではないか、行け行けといって無秩序に政経分離を行って、もう領土問題はどうでもいいんだというような考え方には私はなれません。これも大切なテーマでありますから、拡大均衡という言葉をとっておりますけれども、ペレストロイカの成功を心から願うけれども、同時にそれに対する協力もできるだけ今積み重ねてやってきておりますから、この問題についても議論を続けて解決したい。 幸い平和条約の作業グループの話し合いが始まってきておることも御承知のとおりでありますし、過日外務大臣がソ連から来られたときも、日ソ関係に抜本的な新しい時代を迎えたい。ゴルバチョフ大統領の四月の日本訪問のときには、まさに質的に転換する新しい日ソ関係が構築されるようにしたいという願いで両方の認識は一致しておるわけでありますから、拡大均衡の形で、すべてを包括した形で解決をし前進していくことを心から願いながら、それに向かってのあらゆるレベル、あらゆる段階での外交努力を積み重ねていきたいと考えております。
○片上公人君 ソビエトに対する支援につきましては、この間も食糧の援助を含めて踏み切ることにした、こういうことは歓迎するわけですが、欧州とか米国のそういう様子を見て決断するような感じに受け取られていますね。これではソ連の国民に対するインパクトは非常に薄らいでしまうのじゃないか。困ったときの友が本当の友達だというのは、これは個人間でも国家間でも一緒だと思うんです。だから、この間の中東貢献策のあの追加でも、ちょっと発表のタイミングを失した面も若干あったのではないか。 そういう意味からいいますと、北方領土問題を背景に、先ほどおっしゃったような政経不可分の立場から外務省などが慎重な姿勢をとるのは理解できないことはないわけですけれども、先ほど坂本官房長官が述べておられましたように、政策のカーブを切るのが苦手な官僚に対して、政治家であるところの総理、外相が大所高所から対ソ政策の方向性を指し示して、金融支援を含めた中長期的な支援の展望ぐらいは示すべきだ、こういう名言をおっしゃっておったんですが、これについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 私の記憶に誤りがなければ、今委員がおっしゃった中東に対する支援も、よその大勢を見てからでは遅い、いろいろ御批判があるようですが、よその決定より前に我が国は決定をしておったと私は思っております。 八月二日のクウェートに対する侵攻があったその翌日には、クウェートの在外資産の凍結、それからたしかその三日目には経済制裁によって問題を根本的に片づけるべきであるという決断をしまして、そんな世界が決めてしまってから遅駆けについていったのではなく、日本の決定の後で世界の国が決めた問題でございましたし、また、資金提供も日本の国内でできる限りのことは国際社会に対する日本の立場としてすべきだというので、欧州諸国の決定の前に日本の貢献策、金額等については決めて発表したつもりでありますから、今後もあくまで自主的に、どの程度のことができ得るのか、どの程度のことが大切かということを決めてやっていきたい、こう考えておりますし、またソ連の問題につきましても、ペレストロイカの成功をぜひ支援したい。今でも技術的あるいは知的協力は全部しておるわけでありますし、そして拡大均衡の形で今後ともやれることはやっていこうと。 政府としては、今日本の立場でなし得る人道的立場の緊急援助にはどんなものがあるか。気がついたもの、できると確信のできたものは、例えばチェルノブイリに対する緊急対応は補正予算にも組ませていただいたり、それ以外のものでも、できるものはさらに政府の方で決定をしては進めていくつもりでございます。
○片上公人君 次に、次期防についてお伺いいたしますが、国際情勢の変化を背景にして近々策定される次期防の内容が特に注目されておるわけでございます。政府は既に装備調達のペースを落とすなど変化に対応した動きを示しておるわけですけれども、次期防が国民の理解を得るためには、これまでの脅威対応型の防衛構想を大幅に変える必要がある。次期防に対する総理の基本的考え方を伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 我が国がみずからの平和と安全とをきちっと確保していくためには、きょうまでも平時における保有すべき防衛力の節度ある限界というものをきちっと考えて、これは東西対立が緩和基調に向かいつつある、いわゆるデタント時代を迎えつつあったときの平和時における整備すべき防衛力の基準という、いわゆる防衛計画の大綱の考え方のもとに生まれた別表に従って整備されてきた。 今度、平成三年度以降の防衛力整備についてはどうするのか。これはやはり我が国の防衛に、日米安全保障条約のもとでその抑止力に期待しながら、日本としては自主的にできるだけの節度ある防衛力の整備をすべきである。そのことについては、やはり計画的に継続的に整備をしていくことが文民統制という立場からもこれは大切なことでございますし、また当初から対外的にも言っておるように、専守防衛、二度と軍事大国になるようなことはしない。それがまた、そういった考え方がアジアの平和と安定に役立ってきたことも事実でありますから、日米安保条約のもとにおいて我が国が持つべき平和時における防衛力の節度ある限度はどこかということ、これを、昭和五十一年の閣議決定の精神等も踏まえて、今鋭意安全保障会議で検討を続けておるところでございます。
○片上公人君 その中で五年計画を三年後に見直すという話もありますけれども、それだったら総額明示方式というのはこれは歯どめにならぬ。見直しは減額のみにしたらどうかと思うんですね。そうでなかったら、ふやすような見直しだったらこれは大きな問題になりますから、何としてもこれは見直しは減額のみという、こういう考えについてはどうでしょうか。
○国務大臣(石川要三君) 次期防につきましては今総理から詳細に御答弁がございまして、その点については省略をさせていただきたいと思いますが、今お尋ねのスパンであります。五年にするか三年にするか、あるいはまたその中で特に見直しという場合には下方修正というような御意見もございました。しかし、そういったような点につきましては今いろいろと検討最中でございまして、今の段階でこうだということにつきましての御答弁は差し控えさせていただきたい、かように思います。
○片上公人君 大蔵大臣、どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは安全保障会議の論議の真っただ中でありますから、とやかく申し上げるべきことではないと思います。しかし、御趣旨はよく理解のできることだと思います。
○片上公人君 防衛関係費の補正追加の作業におきまして対GNP比一%枠を超えることが確実となりましたら政府がやらなきゃいかぬことは何かというと、防衛関係費の中にある既定の歳出経費を一%以内におさめる、そういうように減額することが大事なのではないか。私は一%におさめる努力を政府は放棄しているように思うんですね。防衛庁長官、大蔵大臣、一%にぜひともおさめていただきたい。
○国務大臣(石川要三君) 我が国の防衛経費のあり方につきましては、もう先生御承知のとおり、昭和五十一年の十一月、三木内閣時代に一つの物差しが定まっているわけであります。それがいわゆる一%枠、こういうことでございます。その後、昭和六十二年一月になりまして、この一%枠、いわゆるそういう物差しから総額明示方式、そういう方式に今物差しが変わったわけであります。私はそのどちらがいいかといえば、最初に計数ありきという、そういうような考え方よりも、やはりその期間の中で必要とする一つの事案、これを積み重ねての総額的な明示、これの方が私は合理性がある、かように考えております。 したがって、いわゆる一%というそういう数字の表示はなくなったわけでありますけれども、しかし六十二年の新たなる閣議決定におきましてもその基本精神というものは、これは我が国の節度ある防衛というものが基本的精神でありますから、したがってこれを堅持していくということが大切であるし、その結果は必然的に、やはり数字的に見ればそういうふうなものに極めて近づいている、私はこのように思っているわけであります。 例えば今日の中期防の内容を見ても、当初予算の時点におきましてのGNPとの対比におきましては、最初の年とそれから一番最後の五年目の年とはGNPの一%を下回っておりますが、中間においては出ていることは事実であります、これは当初計画。ただし、決算期におきましての実績見込みのGNPに比べればいずれも全部一%を下回っているわけでありますから、そういう意味において、節度ある防衛計画を行うというこの基本的精神、これを堅持することによって結果論としてはそういうふうになる可能性がある、かように思うし、いたずらに一%を幾ら超えたとかあるいはまだ幾らすき間があるとか、そういう議論そのもの自体に余り価値はなかろうではないか、かような感じもするわけでございまして、そういう意味から私は、現在の六十二年に決定されたそういう物差しの方が合理性があって正しいのではないか、かように思うわけであります。
○片上公人君 私が言うておるのは、当初予算に対して補正予算で一%を出るようなことに対しては、それは当初予算内でおさまるようにぴしっとほかのを削ってやれ、こういうことを言うておるわけですよ。その辺をぴしっとやるのが節度ある防衛ということではないですか。GNP比一%の厳守ということについては、何としてもこれは達成してもらいたい。 そこで、総理は衆議院で、来年度予算で一%を遵守すると答弁されましたけれども、必ずこれは守るということですね。これをもう一回明確にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 私は、五十一年の閣議決定の精神を尊重していくことはお答えを申し上げました。それだけでございます。
○片上公人君 ぜひとも一%枠を遵守してもらいたい、こう思います。 次に、駐留米軍の経費負担の問題でございますが、日本人の従業員の諸手当を全額負担するという現在の特別協定というのは来年度末まで有効でありますけれども、米国側から本給も負担せよという要請が強いようだとか。これに対してどう対応するのか。現在までの経緯を見ますと、日本は米側の要請に応じてずるずると負担を拡大してきた。日本側負担の限界を明確にしていただきたいと思います。
○政府委員(松浦晃一郎君) 先ほど総理から現在の次期防の策定作業についてお話がございましたけれども、先生が言及されました在日米軍経費負担の問題につきましても、次期防の作業の中で引き続き努力してまいりたいという基本方針に基づきまして現在作業を進めている点でございます。 先生御指摘の具体的な点に関しましては、まさに作業をしている段階でまだ結論が出ておりませんので、細かい点についての説明は省かせていただきますけれども、私どもといたしましては、基本的にはやはり日米安保体制の効果的運用を確保していくということは今後の事態におきましても非常に重要であるというふうに考えておりますので、そういう視点を踏まえつつも自主的に考えていきたい、こう考えております。
○片上公人君 次に、農水大臣にお伺いしたいわけですが、ウルグアイ・ラウンドにおける閣僚会議で合意できなかった理由について伺いたい。また、今後の交渉の見通しについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本富雄君) 先週も角田委員とそれから吉田委員にもお答え申し上げたのでございますが、これはブラッセルの閣僚会議は、輸出補助金などをめぐるアメリカとケアンズ・グループ、それからEC、主としてこの対立が非常に厳しくて、個別交渉に入ることなく延期ということになったわけでございます。これは、私はかねがね申し上げておりますが、農業については各国がそれぞれ難しい事情を抱えておる、そういうことを端的にあらわしたのではないかというふうにも思っております。 これから先の見通しでございますが、最終段階で議長から、これは延期である、中断ではないという宣告がございまして、そしてジュネーブに場面を移しまして、あるレベルで来春早々から協議を開始したい、こういう宣告がございました。ですから、ジュネーブで正月早々から再開をされるということでございまして、我が国としては従来の食糧輸入国としての立場を踏まえまして対応してまいりたい、こういうふうに考えております。
○片上公人君 我が国の農業はこれからますます厳しい状況になると思うんですね。そういう中で足腰をうんと強くするためにどうしたらいいのか。日本の農業の活性化、また経営基盤を強くするために、私思うんですが、例えば金融制度におきましても、いろいろ見てみますと、特に農林漁業公庫融資におきましては、これは住宅金融公庫のやっておるような保険保証制度というようなことを入れるとか、こういうふうにすることによっていろんな形の手を打っていけば、二十一世紀に備えた強い日本の農業をつくるためのバックアップがうんとできると思う。こういうことについてどのようなことを考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本富雄君) お答えいたします。 今委員のお話しのとおり、内外情勢が農業については非常に厳しい、こういう認識のもとに外の方の対応もしておる。しかし、何としても内なる対応を急がなきゃいかぬ。今お話しのとおり、足腰の強い、そして若い人たちが、おれたちも継ごう、担い手になろう、こういう農業を構築しようということでさまざま腐心をしております。その中で、いろいろな政策がございますが、金融の政策も非常に重要だということでございますので、政府委員の方から若干具体的に申し上げさせていただきたい、こう思っております。
○政府委員(川合淳二君) ただいまお話がございました金融制度につきましては、本年度も担い手資金など、これは土地利用型と言っております農業の体質強化を図るための資金を総合的に貸し付ける制度ということでございますが、こうした制度をつくっております。また、保証制度につきましても、農家経済の安定に資する事業の資金などを本制度の保険対象とするというようなことを図ったところでございます。 今後とも、状況に応じまして改善充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○委員長(平井卓志君) 片上君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(平井卓志君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成二年度一般会計補正予算、平成二年度特別会計補正予算、平成二年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き片上公人君の質疑を行います。片上君。
○片上公人君 先ほどお昼のニュースで、北朝鮮との間で本交渉についていろいろとあったというような話を聞いたんですが、その実態と今後の対応、見通しについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 先ほど連絡がございまして、両国代表の間で合意が成立をいたしました。それで、本会議会談の開催時期は明年の一月下旬ということであります。場所は第一回はピョンヤン、第二回は東京、第三回以降は北京、本会議の団長のレベルは次官級をもってこれに充てる、日本側は専任大使を任命するということであります。 なお、議題といたしましては、日朝国交正常化に関する基本問題、日朝国交正常化に伴う経済的諸問題、日朝国交正常化に関連する国際問題、その他双方が関心を有する諸問題、以上でございます。
○片上公人君 去る七月六日、私の地元である兵庫県におきまして、校則による死と言われた兵庫県立神戸高塚高校の痛ましい事件が起こったわけでございますけれども、これについて、まず文部省、警察庁から事件の概要とこれまでの経過、捜査報告をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 七月六日に起こりましたいわゆる校門事件につきましては、お亡くなりになりました生徒の方並びに御家族の皆様方に心からお見舞いを申し上げます。故人の御冥福をお祈りし、また御家族の方々にお悔みを申し上げたいと思います。 まことに痛ましい事件でございまして、私ども遺憾に思っております。先生が校門でおやりになられたこと、いろいろな事情があったと思いますけれども、こうした指導に当たりましては冷静さを保っていただきたいというのが私の気持ちでございます。 経過等につきましては、政府委員から答弁をいたさせます。
○政府委員(菱村幸彦君) 本事件につきましては、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、七月六日、登校してきた生徒が、校門指導を行っていた同校の元教諭でございますが、始業のチャイムと同時に閉めました鉄製の扉に頭部を挟まれて、約二時間後にお亡くなりになったという大変痛ましい事件でございます。 この事件に関しましては、兵庫県教育委員会におきまして七月二十六日、事故を起こした元教諭を懲戒免職にいたしております。そして同時に、管理の責任がございます校長、教頭、それから教育委員会関係者に対しましても懲戒処分を行っております。また、この元教諭につきましては業務上過失致死罪の容疑で起訴され、現在公判中と聞いております。 この事件を契機にいたしまして、県の教育委員会におきましては、高等学校教育のあり方、とりわけ生徒指導、さらには学校内の安全の指導ということで全校を点検いたしまして、二度とかかる事件が生じないよういろいろ点検改善を加えているところでございます。 私ども文部省といたしましても、この事件は大変厳粛に受けとめておりまして、このような事故が二度と起きないよう、全国の教育委員会と学校関係者に対しまして、生徒指導を初め校則ないしはその運用のあり方等につきまして点検を求めて、学校運営が生徒理解に立って適切に行われるような指導を徹底しているところでございます。
○政府委員(中門弘君) お尋ねの事件につきましては、兵庫県警察におきまして現場の実況見分、関係者からの事情聴取等所要の捜査を進めました結果、門扉の閉鎖を行いました当時の生徒指導担当の教諭の過失による事故であるというふうに認定いたしまして、八月三日、同教諭を業務上過失致死罪の容疑で神戸地方検察庁に送検をいたしております。その後、九月十四日、同罪で起訴され、現在公判中と承知しております。
○片上公人君 先日、地元の神戸新聞にこう書いています。 七月六日の朝、一人の女子高生が鉄の校門に挟まれ血を流して死んだ。勢いよく門を閉めたのは遅刻指導に当たっていた教師だった。兵庫県立神戸高塚高校の衝撃的な悲劇は、病んでいるとしか言えない日本の学校の現状をさらけ出す象徴的な事件であった。 確かにこの事件については、一教師とか、一学校とか、そういう問題じゃなしに、我々全体が、政治家も教師も親も、大人が全部本気になってこの問題について深く考えなかったらこういう問題は解決できない。これは深く心にいたさねばならぬ問題だと思うんです。 そこで、文部大臣の経験もされた海部総理大臣は、先ほど子供サミットにも参加されましたわけですが、子供の人権、この女子高生の死をどのようにお思いになっておるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) まことに心痛む事件であり、二度と繰り返してはならないことは言うをまちませんが、教育指導というものは、児童生徒の安全と人権に十分配慮しながら適切な教育的な指導がなされなければならない、このように受けとめております。
○片上公人君 終わります。
○委員長(平井卓志君) 以上で片上君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、吉岡吉典君の質疑を行います。吉岡君。
○吉岡吉典君 審議中の補正予算の最大の問題は、湾岸に展開する多国籍軍に支援する十億ドルが計上されている問題であります。そこで、この問題について質問をしたいと思います。 イラク問題を平和的に解決するための経済制裁が今効果を上げている。総理もこの間衆議院でお認めになりました。アメリカの議会では、経済制裁が予想された時間枠内で予想どおりの効果を上げていることが明らかになっている。こういう証言も行われております。そういうときに、武力行使を容認する決議が国連安保理事会で採択された。これに対して総理は、平和的解決を促進するものだということで支持を表明されている。 私は、この総理の態度に関連して幾つか質問をしたいと思いますが、まずこの国連の安保理事会の決議、これは武力制裁を含んでいるということはお認めになりますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 平和的な努力を続けてきておるわけでありますから、イラクに対して最後の機会を提供する、そして国連の諸決議に従った平和的解決が行われるために、国際社会の総意として、あらゆる手段によってでも最終的には解決をするんだからということが含まれておる決議であると私も考えます。
○吉岡吉典君 武力行使も含めて支持するということだというふうに聞きました。 この武力制裁決議、これについては何らかの制約が課されておりますか、総理。課されていないと思いますが、どうですか。
○国務大臣(海部俊樹君) これは、湾岸危機解決のためのこれまでの安保理の努力を評価するとともに、この安保理の努力を強化するものと私は受けとめておりますけれども、それについて制約が加わっているかどうか、そういうことについては、もし御必要ならば条約局長からお答えをいたさせます。
○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。 制約とおっしゃいましたことにつきまして、私、的確に理解したかどうか若干自信がございませんけれども、先ほど総理からも御答弁ございましたように、国連決議のもとで最後までこの危機の解決を実現するという努力が現在行われておるわけでございます。そして、この決議の上であらゆる必要な手段ということを言っておりますけれども、これには武力の行使というものも最後の手段として含まれるということは確かでございます。 しからば、どのような武力行使がどのような場合に許されるかという点につきましては、最後の平和的解決の努力がどういう結末をもたらすか、あくまでもこれは平和的に解決されることを国際社会が努力しているわけでございますが、万一不幸にしてそのような結論、結果がもたらされない場合におきましては、そのときの状況に応じましてどの程度の武力行使を行うかということが判断されるということでございます。
○吉岡吉典君 あらゆる必要な手段をとる権限を与えると言っております。これは何らの制限が加えられておりません。総理、支持を表明しておられますから、重要ですからもう一点お伺いします。 この権限、アメリカに与えられている権限の中には、核兵器の使用を排除しているというふうに言えますか。
○政府委員(柳井俊二君) この決議の趣旨につきましては先ほどお答え申し上げましたとおりでございますが、この決議自体には武力行使の態様について特に特別の規定はないわけでございまして、また、本決議に基づく武力の行使が不幸にして実際に行われるというような状況に至っていない現状におきまして、どのような武力行使の態様がとられるかということを具体的に議論することは大変難しいわけでございます。 ただ、あえて純法律論として申し上げるならば、国際法に反するような態様の武力行使は認められないということは申し上げることができると思います。
○吉岡吉典君 核兵器の使用に限定して答えてください。
○政府委員(柳井俊二君) しからば、国際法上、核兵器の使用が認められるかどうかということに問題は帰着すると思います。全くの一般論を申し述べますれば、核兵器の使用は、絶大な破壊力、殺傷力を有するわけでございますので、それゆえに国際法の思想的な基盤でございます人道主義の精神ということに照らせば、これに合致しないものであるということは言えると思います。 ただ、純粋に実定国際法の評価として申し上げますならば、今日までの諸国の国家慣行あるいは国際法学者の学説等を客観的に判断いたしました場合、それが国連憲章を含む今日の実定国際法に違反するという判断が国際社会の法的な認識として成立するまでには至っていないというのが従来からの政府の考え方でございます。
○吉岡吉典君 総理、どうですか、核兵器が排除される。だから、総理の口から言ってください。いやいや、あなたはもう答えを聞きましたから、総理の答えを求めます。
○国務大臣(海部俊樹君) 条約局長がお答えを申し上げたとおりであります。
○吉岡吉典君 核兵器の使用も排除されていない、これが国連安保理事会が行った決議です。それを総理は支持する、そういう態度を表明しておられる。アメリカの元司法長官クラーク氏も、このいかなる手段というものの中には核兵器も含まれるということを警告して、これは非常に重大な問題だということを強調しています。総理、それでもこの決議の支持表明の態度は変えませんか。
○国務大臣(海部俊樹君) 国際社会の総意で平和の破壊はいけないということで何回もの安保理決議があって、それを少しも反省の色も行動もないので最後の機会を与えるために、平和的に解決するための決議であると。ですから、その先のことは非常によくないので、平和的に、この機会にイラクが決断をして兵を引き、原則に従った解決をすることを私は強く望み、強く求めておるのです。
○吉岡吉典君 あなたの今おっしゃった答弁は、この決議の第一項に当たるところです。第二項に、今言った武力行使を容認する、それは核兵器も排除していないんだ、そういう重要な問題があるわけです。だから、世界じゅうがこの問題について大変だと言っているわけです。平和的解決というのは第一項ですよ。第二項でそういうことを言っている。だから、アメリカ国内でも今この決議をめぐって大騒ぎになっているわけです。 あなたは第二項についてどういう態度ですか、もう一回きちっとしてください。
○国務大臣(海部俊樹君) あくまで粘り強く平和的に解決をしたいというのが私の当初から一貫して申し上げておることであって、そのとおりでございます。
○吉岡吉典君 じゃ、二項の武力行使には反対だということですか。それなら、二項の武力行使が絶対行われないようにということを国際的にもっと鮮明に積極的に働きかけるべきですが、どうですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 武力行使は避けて平和的に片づけなければならぬという私どもの考え方は、直接ブッシュ大統領にも伝えておりますし、そのほか、あらゆるレベルの対話を通じて、あらゆる可能性のある外交努力を通じて、イラク当局はもちろんのこと、その気持ちは既に世界に周知徹底しておる考え方でありまして、以上でございます。
○吉岡吉典君 第二項、これに反対だという態度は今の答弁を通じても表明されておりません。 今審議中のこの補正予算案に計上されている十億ドルの多国籍軍支援、実質的にはアメリカ軍への支援、これは核兵器の使用も含めて白紙委任されている米軍に対する援助です。私はこれは明白な憲法違反だと思います。その中東援助、これはどんな事態になろうと続けますか。総理、はっきり答えていただきたい。
○国務大臣(海部俊樹君) 中東はあくまで平和的な努力によって解決されるべきである、そう強く信じ、そう思い、援助を続けておるところであります。
○吉岡吉典君 それでは答弁になりませんよ。どんな事態になろうと……(「立って言え」と呼ぶ者あり)さっき質問しているよ、立って。
○委員長(平井卓志君) 吉岡委員に申し上げます。立って御質問ください。
○吉岡吉典君 いかなる事態になろうと援助を継続するかと言っているわけです。それに答えてください。
○国務大臣(海部俊樹君) 既に援助を、援助と申しますか協力を始め、そして提供しておるのでありますから、ただ、いかなる事態になってもというんじゃなくて、平和的に解決してほしい、平和的に解決されるべきだ、その努力に対してできる限りの援助をしておるわけであります。
○吉岡吉典君 それでは答えになりませんよ。それじゃ、事態が変われば援助しないということですか。 国連安保理事会で核兵器をも含む武力行使が決議されているわけです。そういう事態が起こらないことを我々は願う、イラクの不法な侵略を平和的な手段で解決したい、これは我々の一致した願いです。しかし、そうでない事態が想定される国連の決議が採択されている。この状況のもとで、事態が変わっても今までどおりの援助を続けるか、それともその事態のもとでは検討し直すか、これについて明確な答弁を求めているわけです。
○国務大臣(海部俊樹君) これはイラクが平和的解決のためにきちっと局面打開の決断をすれば全部片づく問題で、そちらになるように私は強く願いながら議論を進めております。 何か委員の方は、戦争が始まって核兵器が使われることを前提とするかのごとき、そういうことで質問されると、私としてはそういうことにならないような努力を精いっぱいやっておるわけであるし、国連のたび重なる決議も平和的に解決せよというその最後の機会を提供しておるわけでありますから、安保理の努力を強化するものとして、その全体を支持するか支持しないかと言われればそれは支持しますけれども、核兵器を使うことまで支持して、それをやれというような気持ちは毛頭なくて、そういうことにならないような平和的解決の努力をせよ。例えば、あの決議の後でもアメリカとイラクの対話の提案があり、今それがいろいろと両国で日程をめぐっての努力が続いておりますが、そういった外交努力が積み重ねられて平和的に片づくことを私は強く願っておるということ、そのような意思を表明しておるということを重ねて申し上げさせていただきたいと思います。
○吉岡吉典君 武力制裁を含む決議を支持するということ自体、事態の発展に応じては武力制裁に踏み切る決断への支えになるということを私は申し上げておかなくちゃならないと思います。だから、アメリカ国内ではこういう決議を実行に移させないための大きい世論が高まっているわけです。そのときにあなたはそれに支持を表明しているわけです。 そこで私は、この問答、やりとりをやっていても進みませんから次に進みますが、日本が提供してきたこの十億ドルの援助、これの提供先はどこですか。どの国にどの程度の比重で行われているか、この援助の内容を詳細に各国別に報告してください。
○政府委員(松浦晃一郎君) 御案内のように、中東貢献策は、湾岸におきます平和と安定の回復のために努力している各国への協力と中東関係国と二本柱でございますが、最初の点に関しましては、八月二十九日に基本方針が発表されておりまして、輸送協力、医療協力、これは政府直轄でやっておりますが、物資協力及び資金協力はGCCを通じて行っております。これは主として湾岸に兵力を展開している各国向けでございまして、現在までのところ輸送協力はアメリカ向け、医療協力はサウジアラビア向け、物資協力はアメリカとサウジアラビア、それから資金協力はアメリカを含めました七カ国、以上でございます。
○吉岡吉典君 その各国への援助のうちの各国の比率、これを教えてください。アメリカが中心になっているはずです。
○政府委員(松浦晃一郎君) 御指摘のように、アメリカが中心になっておりますけれども、繰り返しになりますけれども、それは湾岸に兵力を展開している中心がまさにアメリカでございますので、当然のことながらアメリカが中心になっております。
○吉岡吉典君 何割ぐらいか、比率を聞いているんです。比率が答えられないのなら答えられないと言いなさい。質問に答えてください。
○政府委員(松浦晃一郎君) 先ほど申し上げました四本柱の協力が全部まだ契約ないし支出が終わっておりませんので、現時点で大ざっぱな数字を申し上げますけれども、大体八割から九割がアメリカ向けであると思っております。
○吉岡吉典君 あなたは正確に答えていませんよ。我々が知っている十二月五日時点での数字でアメリカが九六%、そうなっていますよ。そうではありませんか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生御指摘の数字の分母と分子をちょっと私は承知しておりませんので、正確にお答えできませんけれども、私が今申し上げましたように、大体八割から九割と承知しております。
○吉岡吉典君 なぜそういうことも言えないんですか。八割と九割では大きく違いますし、私が言った九六%といえばもっと違うんですよ。外務省は知っているはずです。言えないのか言えるのか、秘密で言えないのか、その点も含めてはっきり答えてください。
○政府委員(松浦晃一郎君) 先ほど来申し上げておりますように、輸送協力と医療協力は日本政府直轄で行っておりますけれども、物資協力と資金協力はGCCという国際機関に払い込んでおりまして、GCCがその管理に当たっております運営委員会を通じて運用しております。私どもはその運営委員会から報告は受けておりますけれども、先ほど来御議論がございますが、何分にも湾岸地域は現在非常に緊張状態にございますし、関係国も幾つもございまして、詳細に関しましては私どもは公表をしないという前提で受け取っておりますので、細かいことについては申しわけございませんが触れることを避けさせていただきたいと思います。
○吉岡吉典君 これは非常に重大です。国民の税金を供与しておいて、その使途もはっきりと国民の前には明らかにできない。これは私は認めるわけにいきません。はっきり答えてもらわなければ。
○委員長(平井卓志君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(平井卓志君) 速記を起こして。
○政府委員(松浦晃一郎君) 先週もこの場で申し上げたことでございますけれども、現在私どもが運営委員会から報告を受けておりますこのGCCへの拠出金の運用状況を報告させていただきます。 これは全体として約千二百二十九億円でございますけれども、日本政府としてはもう既に払い込み済みでございますが、これは約半分以上契約済みないし支出済みと報告を受けております。 物資協力につきましては、項目を申し上げますけれども、四輪駆動車、給水タンク車、冷凍車等の車両、コピー機、ファックス機、パーソナルコンピューター等の事務用機材、海水淡水化装置、建設用資機材等百二十九億円に上る協力が契約済みでございます。 それから資金協力に関しましては、これも累次御説明しておりますけれども、これは輸送関連経費ということで実施しておりますが、約五百六十八億円を支出しておりまして、対象国は、先ほど申し上げましたアメリカのほかは、エジプト、モロッコ、バングラデシュ、セネガル、パキスタン及びシリアでございまして、合わせて七カ国でございます。 それから政府が直轄でやっております輸送協力と医療協力でございますが、輸送協力につきましては百十八億円を充てておりますが、これは船舶及び航空機の借り上げでございまして、約九十五億円が契約済みでございます。それから、医療協力は二十三億円でございますが、まだ一億円を執行したところで、現在体制の整備に当たり事態の推移に備えているという状況でございます。
○吉岡吉典君 私は国別を聞いているんです。それはこの間答えたばかりのことですよ。国別のことを私は聞いていますので、国別のことを報告してください。国名を聞いているんじゃなくて、国別の内訳を聞いているんです。
○政府委員(松浦晃一郎君) 国別に関しましては、先ほど私が申し上げましたことの繰り返しになりますけれども、輸送協力に関しまして、これは米国に提供しております。それから医療協力はサウジアラビアでございます。それからGCCへの拠出金でございますけれども、物資協力はアメリカが中心でございますが、サウジアラビアも一部入っております。それから資金協力はアメリカが中心でございまして、その他今申し上げた六カ国でございます。 これは国別に関しましては、それぞれの国との関係がございますので、現段階では具体的な国別の内訳については、申しわけございませんが触れるのを避けさせていただきたいと思います。
○吉岡吉典君 わかりました。私は了解するわけではありませんが、国民の前には明らかにできない協力をやっているんだというのが日本政府の態度だということがよくわかりました。 五日の時点での一つの数字を言えば、五百億円のうちアメリカが四百八十億円、九六%、アメリカ中心だということが非常にはっきりしております。では何を提供しているのか、私はまずこの点でお伺いします。 今挙げられた中にも兵舎というのがあります。兵舎というのはどういうものを送っていますか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 私が今申し上げました中に宿舎というのがございますけれども、これは宿舎及び附属機材でございまして、テント、それから宿舎につけますテレビ、ビデオ等でございます。 それからもう一つ私が申し上げましたのは建設資機材でございまして、この中に、まさに建設資材、それから鉄板加工機等、恐らく先生が御指摘になりました、先生は兵舎という言葉を使われましたけれども、砂漠に展開しております兵士の生活環境の向上のための兵員用の仮宿舎の建設用の資機材はこちらの方に入っております。
○吉岡吉典君 その中身ですよ、どういう資材を送っているのか。
○委員長(平井卓志君) 吉岡君、立って。
○吉岡吉典君 我々が聞いているところでは、この自民党国防三部会の訪米報告書にも出ておりますが、砂漠で戦闘を行うに必要な日本からの提供可能な物資、例として幾つか挙げられております。その中には兵舎もありますが、砂漠で戦闘するのに必要な資機材、兵舎の中には鉄板のかまぼこ兵舎の資材及びその加工機、切断機というふうなものも含まれているはずです。お認めになりますか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 私が今御説明申し上げましたように、私どもの分類で宿舎と申し上げているものは、テント、それから附属機材としてはテレビ、ビデオ等でございまして、その中には先生御指摘のものは入っておりませんが、建設資機材ということで、あくまでも資機材として提供するというものでございますけれども、この中には今先生が御指摘のかまぼこ兵舎をつくるための鉄板、それから実際に鉄板を曲げたりいたします鉄板加工機も入っております。あくまでもこれは、先ほどちょっと申し上げましたように、資機材を提供して、それをもって米側が仮設用の宿舎をつくるというものでございます。
○吉岡吉典君 それは日本国内で調達されましたか、それ以外の国ですか。どこから調達したか、数量とあわせて。
○政府委員(松浦晃一郎君) 私が今申し上げました鉄板加工機はアメリカで調達されておりますけれども、いろいろな資材が必要な――それは現地で調達するものもかなり入っていると承知しておりますが、現地で調達可能なものは現地で調達されていると承知しております。
○吉岡吉典君 鉄板はどこですか。鉄板ですよ、私が特に聞いたのは。
○政府委員(松浦晃一郎君) 鉄板はアメリカで調達されております。
○吉岡吉典君 こういう鉄板のかまぼこ兵舎、こういうふうなものの中身が軍事援助であることは明確なんです。アメリカは砂漠で戦闘するための施設と、こう言っているわけですからね。 輸送について聞きます。 日本が主体になって行う輸送、これには武器弾薬が含まれないということは繰り返し言われました。それでは、日本が資金供与を行ってアメリカが行う輸送の中には武器弾薬の輸送が含まれていないと断言できますか。
○政府委員(松浦晃一郎君) GCC経由で行っております資金協力は、先ほども御説明いたしましたように、輸送関連経費ということで航空機、船舶等の借り上げ経費等でございますけれども、これは先週も御説明申し上げましたが、その運ぶ対象物資については云々しないという立場をとっております。
○吉岡吉典君 また国民の前に明らかにできないという問題が出てきました。外務省、認めているじゃありませんか、我々には。ここの公式の場で言えないというだけなんです。武器弾薬の輸送は含まれていると言っているんですよ。はっきり認めなさい。
○政府委員(松浦晃一郎君) 先週もこの委員会で申し上げましたし、さらに衆議院の段階でも申し上げましたけれども、具体的に運ぶ対象については云々しないということで私は終始説明申し上げております。
○吉岡吉典君 非公式には認めるが、公式にこの国会の場では認められないということですか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生が言及しておられます非公式云々というのはどの場を指しておるか存じませんが、私は首尾一貫して、先ほど来申し上げておりますように、輸送対象については云々しないということでございます。
○吉岡吉典君 日本政府が行っている湾岸多国籍軍への支援というものの中身がこういうものだ、国民には一切明らかにできないものだということが明らかになりました。核兵器の使用も含む白紙委任を受けている軍隊に対して、こういう国民の血税を使って国会で国民にも明らかにできないそういう協力をやっている。しかもこういうものを続けると、こういう態度を改めることを私は強く求めます。これが憲法違反であるということは明白だということもつけ加えておきたいと思います。 次の問題です。 政府が進めている中東貢献策、第一は今の物と金です。第二は人ですね。この人の支援という点で、政府が自衛隊の派遣というものを目指して提出した国連平和協力法案は廃案になりました。しかし、新規立法をして引き続きこの法律の制定を目指しております。総理、あくまで新規立法によって自衛艦ないし自衛隊の派遣は考えていますか、はっきりしていただきたい。
○国務大臣(海部俊樹君) 前回の御審議をいただいた法案も、国連平和協力隊というものを組織して、この協力隊は武力行使あるいは武力による威嚇を伴わないものであるということを明確にして行ったものでありましたけれども、結果は、御指摘のとおり、私どもはその廃案という結果を厳しく受けとめております。 ただ、その審議の過程で、お金だけではいけない。民社党、公明党と自民党との三党合意もできましたし、また社会党が平和協力機構というものについての考え方も示されました。政府は新たなる国際社会への協力のあり方について、今いろいろ研究、検討を重ねておるところであります。
○吉岡吉典君 私は、端的に自衛艦ないし自衛隊の派遣を考えているかということを質問しました。直接の答弁はありません。人の協力についての国民の理解を得たとおっしゃいましたけれども、朝日新聞の行った世論調査によればこうなっております。国連平和協力法案が成立しなかった場合、自衛隊を加えず、民間人を中心とした平和協力組織をつくり、紛争地域に派遣することには賛成か反対か。賛成は三〇%、反対が五四%、過半数を示しています。これでも国民の理解を得たと判断されますか。
○国務大臣(海部俊樹君) いろいろな調査やいろいろな質問の仕方があろうかと思いますので、それについては一々私は意見を述べたくありませんけれども、国会の御議論の中で少なくとも三党合意があったこと、人的な問題についての協力が必要だという点については社会党の御発表もあったということ、私は、国会の議論を通じても、お金だけで済ませるという態度は、これは国際社会に臨むべき日本の態度ではない、このような受けとめ方をしております。
○吉岡吉典君 それでは、人の問題の中身に入りましょう。いわゆるPKO、国連平和維持活動についてです。 さきの臨時国会で法制局長官は、憲法九条と国連平和維持活動への参加との関連の問題について答弁され、「それが実力、いわゆるその先の任務・目的が武力行使を伴うものであれば、これに参加することというのは、我が方のいわゆる組織がどういうものであるか憲法の九条の目から見て判断されるべきもの、自衛隊だからどうと、こういうことではないということまでは言えると思います。」と、こういう答弁がありました。法制局長官、再確認できますか。
○政府委員(工藤敦夫君) お答えいたします。 さきの臨時国会におきまして、私はたびたび昭和五十五年の国会の、当時の質問主意書を引きましてそのようなお答えをしたところでございます。
○吉岡吉典君 再確認されたということです。憲法九条の規定は、自衛隊であろうとどういう組織であろうと区別がないということが明らかになったと思います。 総理、今の答弁に異論ございませんか、法制局長官の答弁に。
○国務大臣(海部俊樹君) 今まさに新しい国際協力はどういう角度から何ができるかということを鋭意研究、検討しておるところでありまして、そういったことは全く必要ないとお考えになっておるのかどうかについても、私は皆さんの御意見をぜひ聞かせていただいて、今後の新しい成案づくりに参考にさせていただきたい、こう思っております。 答弁は、この前の議会でいろいろやりましたこと、よく承知しております。
○吉岡吉典君 国連の平和維持活動への参加は、自衛隊の参加か別の組織の参加かということに区別はないということが明らかになったわけです。 そうだとすると、問題は軍事的性格だ。軍事的性格を持たない、憲法が許す、そういう平和維持活動への参加というものが可能だとお考えになっていますか。どういうものなら可能だというふうにお考えになっているのか。これは外務大臣になると思いますが。
○国務大臣(中山太郎君) 国連の行いますいわゆる平和維持活動の中で、平和維持軍、これは兵器を携帯するという今までの慣行が各国の協力の中で見受けられます。一方、また停戦監視あるいはまた選挙監視、そのようなものは、現在でも選挙監視等は日本が人を出しておりますから現在もそれはやり得る、私はこのように考えております。
○吉岡吉典君 今、平和維持軍はだめだ、停戦監視、選挙監視ということなら可能だ、こういう答弁でした。 平和維持活動というものについていろいろな活動があります。しかし、その活動の基本、これは軍隊並みの軍事的活動があって初めて遂行される。基本的には軍事要員を中心とする軍事活動だということが、国連事務総長の権限で作成された本年八月の「ブルーヘルメット」第二版、この中で明確にされております。 特にこの中で注目すべきと思うのは、ニカラグアの選挙監視団は軍事要員の使用を伴わなかったので平和維持活動とはみなさない、こういうふうに書かれております。これはこの本の三百九十二ページにはっきり述べられております。そういう記述があること、外務省はお認めになりますか。
○政府委員(赤尾信敏君) ただいま突然の御質問で、その本の何ページにどう書いてあるかというのは私記憶にございませんが、そのような記述があるということを聞いたことがございます。 他方、ニカラグアの選挙監視団自体につきましては、これは日本からも六名の監視要員を出しましたけれども、国連事務総長の要請に基づきまして、国連の総会で八八年十一月十五日に、選挙監視団につきましてはその結成、派遣を認めるという決議がございます。それに基づいて派遣されたというふうに解釈しております。
○吉岡吉典君 この「ブルーヘルメット」によって明らかになったことは、国連の平和維持活動なら大丈夫だといういろいろな議論がありますが、それに対して、国連の平和維持活動の基本は軍事活動だということを明らかにしているということであります。そして、そのために選挙監視団というのはこの国連の平和維持活動の中に入れないと、そういう態度まではっきりしているということです。 この十六日、きのう行われているはずですが、ハイチで行われた国連の選挙監視団、これに対して日本の外務省から二人の要員が参加しておりますが、これについても外務省からは、PKOとは区別される、軍事要員が入っていないからと、こういうふうに言われております。 こういう見地に立つならば、停戦監視団というものも、これは軍事的性格を持っていてできないという答えにならざるを得ないと思います。この点、外務大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(赤尾信敏君) まず最初に、平和維持活動というのは何かということでございまして、先生先ほど、選挙監視は平和維持活動の一部じゃないということを「ブルーヘルメット」の条項を引いて、特にニカラグアにつきまして言われましたけれども、他方、ナミビアの独立支援グループ、これはUNTAGというのができまして、いわゆるナミビアの独立をいろいろと導いたわけでございますが、その選挙監視団は明らかにこれは平和維持活動の一環でございまして、平和維持活動に選挙監視団が入らないということは一切結論づけられていないというふうに考えております。 他方、平和維持軍及び停戦監視団につきましても、これは軍人から成る部門とロジ要員を中心として文民から成る部門がございまして、必ずしもすべて軍人ばかりの組織ではないというふうに理解しております。
○吉岡吉典君 それはわかっていますよ。しかし、基本は軍事要員を中心とする軍事的性格を持った活動だと、軍事活動だと言っているわけです。停戦監視団のそういうことを否定されるんですか。はっきりこれでも書いていますよ。否定されるんですか。
○政府委員(赤尾信敏君) 停戦監視団につきましては、先ほど申しましたように、停戦監視要員自身は各国とも軍人を提供しております。他方、ロジ部門あるいは司令官の本部がございまして、その部門に勤務している多くの人は文民から成っておりますので、一概にすべて軍人あるいは軍人出身者でなければいけないというふうには言えないと思います。
○吉岡吉典君 基本的な性格です。基本的性格について質問していますから、それを答えてください、要員がいるかいないかじゃなくて。
○政府委員(赤尾信敏君) 国連のPKOのあり方につきましては、国連の中にPKO特別委員会というのがございまして、日本もそれに参加いたしまして、過去長年にわたって検討してきております。 その過程におきまして、従来軍人が中心になってやってきた部門、これは平和維持軍、停戦監視団も含めて、あるいは選挙監視団は当然でございますけれども、もっと文民の役割というのが大いにあり得るのじゃないかという角度から今検討しております。事務局も我々のそういう意見を聞き入れまして、九月には「文民の役割の拡大について」という報告書も出しております。今鋭意関係部内で検討されているということでございまして、必ずしも軍人でないとこういう監視団あるいは平和維持軍に参加できないということではないという方向になりつつあるというふうに理解しております。
○委員長(平井卓志君) 吉岡君、時間です。
○吉岡吉典君 戦争中だって、軍人と同時に民間人から成る軍属と合わせて戦争をやったわけです。ですから、基本的性格が軍事的な活動だということが明らかになったということが重要だということを私は申し上げておかなくちゃなりません。 こういうふうに、物も金も人も提供するのは全部軍事援助だと。我々はそうでなく、今の憲法、今の法律の枠内でもできるし、またこれまでもやっている人の協力を含めて平和的な解決にこそ全力を挙げるべきであって、こういう戦争に協力する、そういう事態に対する態度を改めるということを強く求めて、質問を終わります。
○委員長(平井卓志君) 以上で吉岡君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、池田治君の質疑を行います。池田君。
○池田治君 新聞を読んでおりましたら、朝日新聞でイラク高官と日本の外務審議官とが接触を始めているという記事がございました。外務大臣、大変恐縮ですが、質問通告をしておりませんのですが、このイラク側との外務審議官の接触の内容、もしくは外務省の正式な派遣として行かされているかどうか、お答え願えませんでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 日本の外務省はいろいろなレベルでその後話し合いをいたしておりますが、外交機密に関することでございますので、ここで申し上げるわけにはまいりません。
○池田治君 衆議院では、一応外国に外務省から派遣して高官と話をさせておるということは述べておられたようですが、本院ではそういうこともしゃべらないんですか。
○国務大臣(中山太郎君) 我が国といたしましても、この中東の平和の回復のために、関係各国並びに安保常任理事国等とは極めて密接にこの事態の収拾のために協議をいたしておるということを明確に申し上げておきたいと思います。
○池田治君 アメリカのベーカー国務長官も、イラク入りして根本的な平和的解決の策を話し合うということを提案されておりますが、なかなかイラク側が受け入れないのか、アメリカ側が無理な条件を出しておるから行けないのか、このあたりは我々にはわかりません。 特に現地入りした人の話によると、日本における情報も一方的なアメリカ側の情報であって、必ずしも公平中立な情報ではないという話も多々耳にするところでございますが、外務省としてはこの点どうお考えでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 先般の安保理の決議を受けまして、現在アメリカ政府とイラク国政府との間で協議が直接的に行われるような状況に相なっておりますが、外相会談の日程をめぐりまして両国間の意見がまだ合意をされていない、こういうことでございます。日本は一方的な情報を集めているということではございませんで、いろんな各国との連絡をやりながら、この状況がどのようなものかという実態の把握に努めております。
○池田治君 審議官があちら側の政府高官と話をするということはやっておられるのが事実のようでございますが、ベーカー国務長官もなかなかイラク入りができないということになりますと、いわば直接関係のない我が国としては、外務大臣自身も乗り込んでこの際日本外交を発揮すべきじゃないか、こう思います。猪木先生ばかりに任せないで、外務大臣もひとつ乗り込んで話す意思はございませんか。
○国務大臣(中山太郎君) 現在外交ルートでいろいろとこの外相会談実現のために努力をしている最中でございまして、現在の段階で私が直ちに出かけるという状況ではございません。
○池田治君 外交のことは外務大臣にひとつお任せしますので、永世中立的に第三国として日本は積極的な外交を展開していただきたい、こうお願いを申し上げまして、次に移ります。 次は新土地保有税のことでございますが、去る十四日の本委員会において橋本大蔵大臣は、後ろにいる吉田議員の質問に答えまして、自民党税調の土地税制改革大綱による見通しによれば、課税対象は個人、法人で五万人、税収は二千億ないし三千億、こういう御回答をなさったと記憶しております。しかし、実質的には新税分が損金算入されることになっておりますので、法人税が軽減されて実質税収は一千億から一千五百億だと言われておりますが、この点、大蔵省はどう把握されておりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 新土地保有税の総額がどうなるかという御質問がありましたのに、今委員が御指摘のようなお答えを申し上げました。ただ、これはあくまでもまだ党の御案ということでありまして、政府として確たるものを持っておる状況ではございません。ですから、これが今委員の御指摘になりましたような場合どの程度の影響が生じるか、まだ具体的なことを申し上げる段階にないことを御理解いただきたいと思います。
○池田治君 そうしますと、自民党大綱というものについて、政府はこの大綱には拘束されずに独自の保有税法案を提出される御予定でございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 政党政治でありますから、当然我々は与党のお考えというものを政策の中に織り込んでまいります。
○池田治君 これは政党政治を私も否定しているわけじゃございません。社会主義国家でも共産主義国家でもございませんので、政党政治によって府が支配されていることは十分認識しておりますが、しかし政党が余りにもかけ離れたことをした場合に、政府としては中庸を行くような新たな法案をつくることも僕は可能だと思いますが、この点はいかがでございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 論理的にそのような場合はあり得ると思います。しかし、現在私は土地税制に関して自民党の御意見が政府として全く否定しなければならないような内容のものだとは理解しておりません。
○池田治君 それではお伺いしますが、土地税制改革をやらねばならなくなった動機といいますか、原因はどこにあったのか、大蔵大臣、お願いをいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは申し上げるまでもなく、委員もよく御承知のように、近年の異常な地価高騰というものの中で、国民の中に、一つは資産格差というものの適正化を求める声、そしてもう一つは、それよりも切実に都市部における住宅を求める声、そして、その住宅に対し土地供給がアンバランスになっておる情勢を勘案して当然のことながら土地政策が議論され、その中における状況がさまざまな変化を生じているということだと思います。
○池田治君 大臣も御答弁なさいましたように、今日本の全土は地球上の陸地の〇・三%しかないそうですね。ところが、資産評価にしますとこれは六〇%を超えている、こういうことです。全地球の六〇%の評価がある日本、〇・三%しかない国土、こういう状態です。これで地価を下げねばならないということが言われたと思います。大蔵大臣もそのとおり認められました。 自民党税制改革大綱の〇・二%とか〇・三%、そしてまた対象がたった五万人というような程度で果たして下がるとお思いですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変失礼でありますが、土地税制だけで委員は地価を下げろと仰せられるわけでありますか。土地保有税だけで下げろとおっしゃるんでありましょうか。 私は、前から何遍も本院でも御答弁を申し上げておりますが、土地政策全体の中において税というのは大きな役割を果たすものではありますけれども、それ自体が主役ではあり得ない、そう申し上げてまいっております。その範囲内における土地保有税というものはそれなりの役割を果たすと私は評価をいたしておりますし、さらに、今回自由民主党が提起をされました問題は土地保有税だけではないことは委員御承知のとおりであります。 固定資産税の評価の適正化、均衡化にいたしましても、譲渡課税の負担の適正化にいたしましても、また土地の相続税評価の適正化にいたしましても、三大都市圏における農地課税の見直しにしましても、また従来から御批判のありました土地利用の節税策に対する対応にいたしましても、逆に優良な住宅地の供給促進のための譲渡課税の軽減、こうした保有、譲渡、取得の各段階における総合的かつ根本的な見直しを自民党は提起しておられます。新たな土地保有税はその一環でありまして、私どもはそうした税制全体は当然のことながらその役割は十分に果たし得るものと評価をいたしております。
○池田治君 私は土地保有税についてお聞きしているわけでございまして、全体のことをお聞きしているわけではございません。それは土地を下げるにつきましては何もそれだけではございません。これは需要供給の問題が第一、金利政策が第二、その他もろもろの、他の税金の問題もあります。これらが総合されて初めて地価が下がると思います。 もう一つ聞きますが、土地を下落させる一つの問題として、今全面的に銀行の融資をストップしております。この百十八国会で斎藤先生が厳しく日銀総裁を弾劾されましたので、日銀総裁はもう一切土地融資は禁止すると、こういうことになったんだろうと思いますが、そのために地価も都市圏内はやや下がりぎみでございます。しかし、そのために、今まで高金利で借り入れた中小企業の業者がぼつぼつ倒産をするんじゃないかと言われております。一斉に何もかにもやるということはこれは悪いことじゃございませんが、役人的発想でありまして、徐々にやっていくということもまた必要じゃないか、こう思っておりますが、大蔵大臣、どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員、大変失礼でありますけれども、現在も土地を担保にした融資が全く行われていないということではございません。総貸し出しの伸び以下にこれを抑えておるのでありまして、土地に関する融資が完全に停止をいたしたというような状況でないことは御理解をいただきたいと思うのであります。 また、先ほど委員は、土地税制として保有税のみについて聞いたんだということでありますけれども、保有税で地価は下がるかというお尋ねでありましたから、それだけの効果というものを固定することは困難だという視点から申し上げました。 しかし、新たな土地保有税にいたしましても、毎年評価される土地の資産価値に応じて新たに毎年負担を求めるものでありますし、基礎控除などによりまして納税義務者の数が相当限定されましても、土地保有で相当のウエートを持っている大規模土地保有者に適切な負担を求めるものであること、さらに、これに関連する新税導入に伴いまして固定資産税評価の一層の均衡、適正化といったことが行われますが、それなりの効果は当然出てくるべき性格のものであります。
○池田治君 まあ、それも多少はあるかもわかりませんが、この大土地保有税につきましては、これは我が連合が二、三年前から提唱しているところでございます。これにつきましては、二千平米以上の土地、それで五億円以上、公示価格でございますが、それで路線価格の〇・七%という程度の課税をすれば約三兆円の税収があるだろうということでございまして、これを今度所得税減税に回す。そうすれば、一般サラリーマン、大衆の懐ぐあいが熱くなるので有効需要も促進する、経済も活性化する、景気も長引くだろう、我々はこういうぐあいな考えをしているわけでございまして、こうでなければ、土地は持っておれば必ず資産価値が上がってもうかるという土地神話はなくならない、こう思っております。そしてまた、土地の有効利用をすることもできないだろう。持てる者と持たざる者との資産格差も、少しは縮まるけれども、今の自民党の大綱ではこれもおさまらない、こう我々は判断しております。国民多数もかなりそういう考えが強いようでございます。 したがいまして、これについて今大蔵大臣と私とで議論をしてもかみ合いませんので、ちょっと無理かと思いますが、大蔵大臣もできるだけこういう方向へ近づけていただくということを私はお願いしたいんですが、大臣はその点御答弁なさいますか。なさらなければそれでも結構でございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員から、金融の方については極端なやり方をすると国民生活に影響が出るという御指摘が出ましたが、私は、税制においてもやはり極端な方向を示唆することは、必ずしも問題の解決ばかりではなく、リアクションも大きいのではないかと思います。お考えの方向として、基本的な方向は私はそう違ったものだとは思いません。しかし、その効果の判定の度合いにおいて委員と私の間に食い違いがあることは事実のようであります。
○池田治君 食い違いがあるところをいつまで質問しても同じでございますから、次に移ります。 次は、産業廃棄物や一般家庭から出る廃棄物処理の問題、いわゆる環境問題について若干お尋ねいたします。 今、市町村や東京二十三区は、産業廃棄物といいますか、難しい言葉で言えば廃棄物ですが、易しく言えばごみですな、ごみがたくさん出まして、その対策に非常に苦慮しておるところです。資源の少ない我が国では廃棄物の再利用、リサイクルをしてエネルギー資源の節約をする、これは大事なことだと思います。ところが、市町村に一任して国は無関心ということでは、これは一国の総理としてはいかがなものかと思いますが、総理、いかがなものですか。
○国務大臣(海部俊樹君) いわゆるごみの減量化、再生利用を進めることは極めて大切な問題だと思いますし、同時に、その廃棄物を処理する場所についても、適正な方法を考えて推進していくのが行政の大きな役割であると受けとめております。
○池田治君 今度は厚生大臣にお尋ねします。 生活環境審議会から「今後の廃棄物対策の在り方について」という答申を受けられまして、今厚生省でも、廃棄物処理の問題は法改正の方法でいくか、新法でやられるのか、いろいろ検討中と伺っておりますが、どういう方向でやられるのか、大綱をお示し願いたい。
○国務大臣(津島雄二君) 廃棄物問題が大変深刻であるという御指摘はそのとおりでございます。この問題を放置すれば国民生活に重大な支障があるという認識から、厚生省といたしましても生活環境審議会の答申を求めておりましたが、御指摘のとおり、先般御答申をいただきました。 改正案の内容でございますが、作業中でございますので概略にとどめさせていただきますが、廃棄物の減量化や資源化、再生利用を廃棄物処理法の体系の中で明確化する。これは今まではっきりしておりませんでした。二番目に、市町村による適切な処理が困難な廃棄物について、製造業者等による処理コストの一部負担等の仕組みを考えてみたい、これが第二でございます。第三が、廃棄物の適正な処理を確保するため、処理処分に特別な区分を要する廃棄物の区分を設けること。第四が、不法投棄等の不適正処分の防止対策を強化するとともに、処理施設や処理業者に対する規制を強化する。第五が、最終処分場の確保と公共関与の推進を図るというような方向で検討させていただいております。
○池田治君 非常に抽象的で、わかったようなわからぬような答弁でございましたが、間違いはございません。それは内容的に一つ一つやれば間違いあるかわかりませんが、国民の皆さんはきっとわからぬと思いますよ、ああいう答弁では。ですから、質問したときにはもう少し易しく、わかるような答弁をしていただきたかったんでございますが、時間もありませんので、大臣には結構でございます。 次に、廃棄物処理法の全面改正というのは、社会党から提案されております空き瓶空き缶回収法についてはどういう取り扱いないしは意味を含んでおるのか、こういう点、厚生大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(津島雄二君) 廃棄物対策につきまして、ただいま御指摘のような御提案のほか、各方面からさまざまな御提言が行われております。厚生省といたしましても、これらの提言を十分に踏まえつつ、参考になるべきところは参考にいたしまして廃棄物処理制度全体の見直しをいたしたいと思っております。
○池田治君 そして、廃棄物処理施設の整備の問題でございますが、市町村の処理施設では最近ダイオキシンという有害物質の発生ということで、ごみ処理場の設置については住民が非常に不安を覚えております。ですから、処理場の建設もなかなか思うように進まないということでございますし、また、処理場をつくるについては有害物質の発生しないような高度な施設をつくらなければいけないということで、かなりの財政的負担で市町村はかなり悩んでいるようでございます。国も国庫補助をどう充実させていくかという問題もございますが、この点は大蔵大臣に聞いていいんですか、厚生大臣ですか。
○国務大臣(津島雄二君) 池田委員御指摘のとおり、既存の処理施設につきましてダイオキシン発生の問題等が指摘をされております。これに関連をして施設の補整、充実が必要だという指摘が多いわけでございますけれども、何分にも予算が非常に逼迫をいたしておりまして、本年度の予算の配分につきましても、従来よりも配分の比率を下げるというような苦労をしてやりくりをいたしております。来年度におきましても、生活関連予算としてできるだけの予算をいただきたいということで全力を尽くしておるわけでございまして、そういうことの中から、また既存の施設についてもいろいろ工夫をしていくということを考えてみたいと思っております。
○池田治君 厚生大臣、どうも最後の方は何かのどが詰まりかけたようでございましたが、市町村からの予算の要求額は幾らぐらいあったんですか。そして、平成二年度と平成三年度の概算要求額とはかなり予算は増加しているんですか。
○政府委員(小林康彦君) 平成三年度につきましての市町村の要望額は千四百十億円と把握をしております。それに対しまして、平成二年度の予算額は七百六十五億円でございます。
○池田治君 大蔵大臣、これについての御所見をお願いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これから平成三年度予算を編成していく過程において、私どもは当然この廃棄物の問題というものは相当真剣に論議をしなければならないと考えております。 問題は、いつごろでありましたか、ちょっと正確な時期を忘れましたが、家庭廃棄物の中にプラスチック類がふえまして、炉内の燃焼温度を高めましたために炉の耐久性が落ちて、一時期非常に大きな問題になり、改修を急いだ時期がございました。そのころからの整備がそろそろ限界にきつつあることは間違いありません。そうした中において、まさに廃棄物そのものの量もふえており、またその処分場のために市町村の行政区画を超えた対応が必要になっておる事態もございます。厚生省におかれて、今そうした点をも踏まえて廃棄物全体についてのお考えを整理しておられるところでありますから、私どもはそれを伺いました上で十分御論議をさせていただきたいと考えております。問題意識は持っております。 問題は、一つは市町村の固有行政との、地方自治との絡みのある問題でありまして、国として介入できる限界もまた一方にはございます。この点は御理解をいただきたいと思います。予算は十分御相談をさせていただきます。
○池田治君 それでは、最後に不法投棄の防止の問題でございますが、今各県の選挙区を歩いておりますと、自動車が山になったり、冷蔵庫なんかを捨てた山があちこちにございます。こういう不法投棄を排除する必要性があると思いますが、厚生省はこのことを考えておられますか。処罰だけではどうにもならぬと思いますので、この対策を考えなきゃいけないと思っておりますが。
○国務大臣(津島雄二君) 先ほど池田委員が公共関与の必要性ということをおっしゃいましたが、今のこの不法投棄の防止等がまさにその典型的な場合でございまして、不法投棄に係る罰則を強化するばかりでなく、不法投棄された廃棄物の原状回復をする場合に、やはり行政もこれに十分対処しなければならない。これに加えまして、排出事業者責任の損害賠償責任を強化するとか、それから最後には、不法投棄者が明らかでない場合の原状回復に備えるための公共と民間の共同による対応の方法を考える、こういうことを今真剣に検討しておるところでございます。
○池田治君 それは廃棄物の最終処理場をつくるという意味も含めてでございますか。 これだけ質問いたしまして、あとは関連質問に移ります。
○国務大臣(津島雄二君) そのとおりでございます。
○委員長(平井卓志君) 関連質疑を許します。井上哲夫君。
○井上哲夫君 私は、三月の本会議で情報公開制度のことについて尋ねたものであります。実はそのことについてお尋ねをしたいと思います。 総務庁はこの九月に「情報公開制度に関する主要検討課題についての中間的整理」という名前で意見を表明されました。この「中間的整理」と言われるものは、五十八年の三月に臨調答申で、日本の国も行政情報について速やかに公開する方向で検討をしなければならない。しかも、それは行政機関が任意に公開をするだけで足らず、国民が開示を求める場合には一定の制約のもとでそれに応ずる、こういう制度が重要な問題であるというふうな答申にこたえて六年七カ月ほど研究会を持たれ、その上で「整理」という意見を表明されました。 ところが、この「中間的整理」の意見表明の中を検討させていただきますと、極めてその意に反してといいますか、答申に反して消極的な、現在主要課題を検討中と、その課題の中身がるる開陳されている状態であるということでありますが、今この時点で総理及び総務庁長官にこの行政情報の公開の問題について御意見を承りたいと思います。
○国務大臣(塩崎潤君) 情報公開法につきましては、井上委員がただいま御指摘のとおりでございまして、私どもは五十九年の三月から研究会を持ち、そして先ほど言われましたようにことしの九月、中間報告をまとめたわけでございます。このことは、もう先般の通常国会におきましてたびたびどのような研究成果が今まで上がっているかというようなことの御質問があったことに答え、そして私どもは、これを一つの土台にいたしましてさらにこの情報公開法の成案について積極的に進めていきたい、こういう趣旨から中間報告をしたところでございます。 そういった意味で、これから第三次行革審が開かれるわけでございますが、行革審の中でもこのような問題についてさらに進めていくことを研究し、さらに各省との間の緊密な連絡をとって、何といっても民主主義の根幹は情報の公開このことにありといたしますれば、私どもはさらに努力をしていきたい、こんなふうに考えております。
○井上哲夫君 実は私どもは、野党五会派でこの情報公開法案の共同提案をしようということで、一年がかりでほぼ内容をまとめつつあるものを持っております。この情報公開法案につきまして、実はより現場の声を反映した結果もっといい内容のものができるかもわからない。この法案の対象は行政機関が保有管理する行政情報でありますので、総務庁を初め各省庁に、私どもの今持っている案をお示しした上で御意見あるいは苦情等も聞かせてほしいという申し出を十一月の十六日に行ったわけでありますが、この申し出に対して総務庁さんの方では、政府側の立場としては一切何も言えないというお答えをいただきましたが、その点についてお尋ねをいたします。
○国務大臣(塩崎潤君) 情報公開法案を私どもが進めておりますに当たって、一番大事なことは政府の意思の統一でございます。政府各省がこれについて十分な討議をし、そしてその案について統一された意識、意見を持つことだと思うわけでございます。そのような観点から見ますと、私どもは、各省を通じて政府全体の意見の統一までまだ至っておりません。したがって、政府の意見が決まらないうちに、せっかくの御案でございまするけれども、これに対してこうしたらどうかというようなことを申し上げることはなかなか難しいことだと思うわけでございます。 そもそも、立法と行政、国会と行政府との間の区別があります以上、私どもは、立案過程あるいは政策の形成に当たってはおのおのの独立の意見で、そしてまた予算も独立で、さらにまた人も別々の独立の人がそれに携わることが最も望ましい、こんなふうに思うわけでございます。もちろん、これまでの私どもの経験、そしてこれまでの過去の討議をした実績等から見て問題点等については十分情報を提供し、そしてまた、皆様方に御参考までの意見を申し上げることはやぶさかではない。この点については堂々と意見を、意見と申しますか、これまでの経験、事実を申し上げて御参考にしていただきたい。それの一つが中間報告だと思うわけでございます。そういった観点から、ひとつ今の井上委員の御質疑はお考えいただいたらと思うわけでございます。
○井上哲夫君 具体的に私どもがまとめたものを示して意見を聞きたいというのは、実は総務庁には法令検索システムというコンピューターシステムがあるわけです。しかし、これを衆参の法制局が利用するということは今実現されておりません。そのような意味で、こういう意見を聞くという補充、補完的なことを努力しておるにもかかわらず、そういうことが聞けないとすれば、法令検索システムについて総務庁は、例えば衆参の法制局に便宜を与えるという点はいかがでございますか。
○国務大臣(塩崎潤君) 先ほど申し上げましたように、一般的には私は、国会、行政府、司法・裁判所、三権分立の中では、どんな政策でもあるいは人のアイデアでもやはり独自でその意思が形成されるべきである。機械の使用についても、例を裁判所と行政府との間にとっていただきますれば恐らく一番明瞭かと思うわけでございますが、やはり独立の予算で、例えばそれが機械であっても独立の機械で政策をその中から生み出していただくことが最も望ましい、こんなふうに私は考えているわけでございます。 先般、衆議院の法制局から総務庁にそのような御要望があったことは新聞でも拝見いたしましたけれども、そういった趣旨から、総務庁が開発したノーハウと申しますか検索システム、これらについて責任を持っていただく、こういうことを考えますとやはりそこの利用は制限されてくるのではないかという趣旨から、総務庁の公務員の方がそういうふうな答弁をされたようでございます。私どもは、衆議院の法制局、参議院の法制局が独自に法案形成のために法令検索システムを開発されるということが一番望ましいと思いますが、そのような検索システムを開発するに当たってのアイデアは総務庁からいろいろと申し上げることができる、こういうことを申していたようでございます。 しかし、単純な機械の利用だから資源の節約上一緒に共通に使わしていただいたらどうだろうか、こんなような考え方が出るかもわかりません。検索システムがどのような効果を生むのか、それが立法府の、何と申しますか、政策の形成に実質的に大きな影響を果たすというようなことがあれば別といたしまして、単に機械的な利用ならばどうしたらいいか、法制局と総務庁との間でひとつ十分に相談していただいて、資源の節約とかあるいは独立のシステムがつくられるまでの過程としてお互いに協力し合うということは考えていってもいいのではないか、こんなふうに私はきょう総務庁の中で論議をしたところでございます。
○井上哲夫君 今のお答えにもう一つ重ねてお尋ねをいたしますが、実は国会百周年記念の衛星放送での後藤田正晴元総務庁長官と江田五月社民連代表の間の対談の中で、こういう法令検索システムを衆参の法制局が使うことは一向に構わないのではないか、むしろいいことではないか。あるいは行政情報公開法案についても、そんないわゆる嫌がらせをするつもりはなくて、総務庁の本意は、本来は早く自分のところで公開法案を出したいのが本音だろう、こういうふうなことを語っておりますが、いかがでございますか。
○国務大臣(塩崎潤君) 後藤田元官房長官の対談を私も読ませていただきましたが、私は今、先ほど申し上げました趣旨から、総務庁としてはやはり慎重に扱うべきである、しかし協力するところがあるならば、これはもう協力していこうではないかということを申したところでございまして、後藤田元長官が言われました趣旨は私よくわかりませんけれども、その点は同じような趣旨から協力するという趣旨だろう、こういうふうに思うわけでございます。そして、法案の提出については、先ほど来申し上げているところでございます。
○委員長(平井卓志君) 時間です。
○池田治君 時間も来ましたので、これで主尋問はもう時間切れでやらないで終わりますが、ウルグアイ・ラウンドの米の自由化の問題はもう既に皆さん討論なさいましたので省略しますが、ただ四月からは牛肉とミカンが自由化になりますので、その点は農水大臣にいろいろ質問しようと思いましたけれども、これで質問は省略しますので、ひとつ後をよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○委員長(平井卓志君) 以上で池田君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、寺崎昭久君の質疑を行います。寺崎君。
○寺崎昭久君 初めに、当面の重点課題である土地、住宅対策について総理に伺います。 この三月の百十八回国会で総理は、国民の間に豊かさが感じられないのは住生活が貧しいからだという趣旨の認識を述べられ、向こう十年間に東京圏において勤労者住宅を百万戸つくるべく施策を展開するというお話をされました。私も大いに期待しまして、この五月の予算委員会でもいろいろ質問させていただきましたら、東京圏で通勤一時間、中高層マンションで四千万円の住宅が提供できるように、それをめどに施策を展開するというお話もございました。住宅、土地問題について今さら問題点を列挙するつもりはありませんけれども、改めて総理の土地、住宅対策に対する取り組みについて御決意をお伺いしたいと思います。 あわせて、五月の委員会のときには、松戸、北柏あるいは戸塚、大船あたりで四千万円ぐらいの家が買える、そういうお話もございましたので、それも踏まえて御答弁いただければありがたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 豊かさが実感できるような社会を築いていくという観点から、土地、住宅問題について強い気持ちを持って臨んでおることはそのとおりでございますし、その気持ちは変わりません。また、先般改正された大都市法、都市計画法、建築基準法等に基づきながら供給基本方針というものを早急に決めて土地が供給されるようにする。また、土地の有効、高度利用を図るための都市計画上の諸制度の活用を図る。その他の政策を十分組み合わせて、十年間に百万戸の優良な住宅ができるように、今後とも政策努力を強力に続けていかなければならないと決意しております。
○寺崎昭久君 重ねてお伺いいたします。 通勤一時間で四千万円をめどにするというのは総理のお考えである、方針であると受けとめてよろしいでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 通勤一時間、そこから五分でも十分でも飛び出したらだめだというようなかたくななお考えをお持ちいただきませんように、また、あのとき私が申し上げましたのは、そういう時間とか円できちっと決めるんじゃなくて、そのときのサラリーマンの月収の二割程度のところをめどに優良な賃貸住宅が確保できるようにしたいという目標を申し上げたと記憶しております。
○寺崎昭久君 先般伺ったとき、建設省は収入の二五%でというお話でしたから、総理の今のお答えは二〇%ということで、さらに前進した施策が打たれるのであるというように受けとめさせていただきたいものだと思います。 ところで、国土庁長官にお伺いいたします。 今、総理からも土地、住宅対策についての御説明がるるございましたが、この一年間政府が行ってきた施策について概要をお話しいただきたいのと、でき得れば、その政策、制度の進捗度というのは政府の目から見て何点ぐらいつけられるのか、あるいはサラリーマンから何点つけてもらえるかということについて、理由を含めて御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えいたします。 先ほどの総理の答弁の中で先生の誤解があると思うんですが、総理の答弁は家賃が月収の二割以内ということでございまして、普通、ローンの場合は二割五分ということでございますので、その点特に御理解願いたいと思うわけでございます。 今の先生の御質問、私には何か非常に難しい質問でございます。ただ問題は、昨年暮れ、百十六国会でできました土地基本法でございまして、土地基本法は公共福祉優先の原則に立ったわけでございます。現在それに基づいて土地政策をやっております。それとともに、もう一つは、海部内閣の最重要課題ということで全閣僚が一致して土地問題に取り組むんだということでございます。 そんなことでございまして、土地対策には五つございます。一つは宅地の供給促進、宅地の有効利用でございます。その次は土地関連融資の問題、土地税制の問題、土地利用計画の問題、それともう一つは取引規制の問題、今この五つが一丸となって土地政策の大綱をなしておるわけですが、その中で一番基本的問題は、今地価をどう上げないかということでございまして、取引規制、監視区域の強化をしております。 これは、一時、土地規制につきまして後手に回るという話がよくあったので、現在は一〇%値上がりすればすぐ監視区域に指定する。それから、二〇%値上がりすれば届け出面積百平米にする、こういうことを徹底強化して、市街化区域の六割が監視区域になって地価の値上げを抑制しております。 それからもう一つ、宅地の供給と利用の促進でございますが、これは宅地が十分供給できれば、需給関係で地価は一番安定するわけですが、このために建設省が低・未利用地の転換でいろんな土地政策を講じまして、十一月から実施されておるということでございます。 それから、土地税制は実は土地神話をどうしてなくするかということ、土地の資産としての有利性を減殺する、また個人と法人との税負担を公平にするというようなことでございまして、土地の取得、保有、譲渡についてとことん強化する。そんなことでございまして、先生御存じのように、新土地保有税、これは保有のコストを高くする、そういうことの中に実は将来地価の高騰を防ぐという枠組みをつくったということで私は大変評価しておるということでございます。 それとともに、やはり関連融資の問題、これがつい最近の地価の高騰の大きな原因だというのは御存じのことでございますが、やっぱり金緩みということでございます。これは大蔵省が中心に締めておるということでございまして、それが相乗的にどのような効果が出るかということでございますが、私は昨年暮れからのそういう土地政策、特に海部内閣の最重要課題の土地政策は現在非常な効果を上げているというように考えておるということでございます。何点というのは非常に難しいですが、私は、大変な効果を上げつつある、このように御理解をお願いしたいと思うわけでございます。
○寺崎昭久君 何点の評価点をつけられるか、その点抜けておりますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤守良君) 大変難しい問題でございますが、つい最近実は地価が下がり始めました。下落とまではいっておりませんが、値上げ率が一けたに下がってきまして、恐らくこれから値下がりすると思います。そういう観点からいけば、なかなか難しいですが、方向とすれば百点に近い、こう考えております。よろしくお願いします。
○寺崎昭久君 評価点につきましては、多分に主観的な判断が入ると思いますので、時間をこれ以上費やすわけにいきませんから、次に新土地保有税について大蔵大臣にお伺いいたします。 土地保有に関する税制が話題になったのは、たしかことしの二月だったと思います。そのときから土地保有税国税案というのが話題になりまして、その後、自治省案、国土庁案、建設省案というのが何度か見えまして、それで十二月六日の自民党の税制改革大綱ということになったわけでありますけれども、私はこの経過とそれからこの大綱を拝見しまして、少なからぬ人が誤解しているのではないかというように思えてならないわけです。 というのは、国民の期待というのは、新土地保有税というのは多分バブル解消策であろう、土地を値下げするためにやる税制であろうという期待があったと思うんですが、最終段階を見ますと、どうも当初の趣旨と違う。あるいはそそっかしい人は、相変わらず新土地保有税というのは土地の値下げをねらってつくったんじゃないかというように誤解をされているんではないかと思えるほどでございます。しかし、大綱には土地の値下げのためにという文言は一言もないわけであります。誤解するのはそっちが悪いという言い方もあるかもしれませんけれども、それでは通らないと思いますし、国民の理解も得られないと思うんです。 先ほど大蔵大臣は、この新土地保有税を入れたからといってそれだけで値下がりするものではないという趣旨のお話をされましたけれども、私もそのとおりだと思うんですが、やっぱり国民はもっとわかりやすい言葉で、どれぐらい期待していいのかとか、あるいはどれぐらい土地供給が促進されるのかというのを聞きたがっていると思うので、ぜひもう一度お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、まだ政府の税制調査会として次年度税制改革について御論議をいただいておるさなかでもありますし、また、党税制調査会からちょうだいをいたしました答申は党のお考えということでありまして、私どもから大変申し上げにくい部分があることは御理解をいただきたいと思います。 ただ、私は、今度自由民主党の土地税制改革大綱に示されました新しい土地保有税は、基礎控除や税率など土地の資産としての有利性を政策的に縮減するという観点、同時に、現在の我が国の経済や国民生活に過大な負担を与えないようにという配慮を総合的に勘案されてまとめられたものと承知しておりまして、その効果とすれば、これは新税として毎年評価される土地の資産価値に応じて新たに毎年負担を求めるという性格と、基礎控除などによりましてある程度までの納税義務者の数が限定をされますけれども、これは逆に言いますと、土地保有で相当なウエートを占めていると見られる大規模土地保有者に適切な負担を求めるというものであろう。そして、新税の導入に加えまして固定資産税の評価の一層の均てん化、適正化が行われることを考えますと、全体として土地の保有コストは増大するわけでありますから、地価の低下、抑制の効果、さらに宅地供給の促進、有効利用などにこれのみでも相応の成果を上げると考えております。 ただ、先ほど来御論議がありますように、その効果というものが、二、三千億円であるのか、もう少し大きいのかもう少し小さいのか、これは今まだ確たるところまで申し上げる状況にはありません。しかし、私はこの一つだけにおきましてもそれなりの効果を有しておる。さらに、先ほどから申し上げておりますような譲渡、保有、取得の各段階における土地に関連する税制の見直しが行われるわけでありますから、組み合わせとしての効果は税のみでも相当程度のものを持っていくであろう、そう考えております。
○寺崎昭久君 それなりの効果があるというお話でございますが、見方によれば、土地政策に事寄せて所得税から資産課税にシフトしているだけじゃないかというような見方をする人もいないではないわけです。ぜひ土地の値下がりにつながるような最終案にまとめていただきたいということを要望いたします。 次に、国税とする理由と課税根拠についてお伺いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 政府の税制調査会は十月三十日「土地税制のあり方についての基本答申」をまとめ、私どもはちょうだいをいたしました。この答申の中で、土地基本法の理念を踏まえながら、土地という有限でかつ公共的性格を有する資産に対する税負担、その適正公平というものを確保しながら土地の資産としての有利性の縮減をするためには、新たな土地保有税の導入を含む土地政策全体の改革が必要だという提言をいただいたわけであります。 また、自由民主党におかれての土地税制改革大綱は、委員が御承知のように、一つは税の負担の公平という観点、また土地選好を弱めていくという観点から、土地の資産としての有利性を縮減することが必要だということで土地保有税を創設することを考えられ、そのほかのものとまとめて工夫をされたと聞いております。 これを国税とされた理由というのは、政府税制調査会の答申でもうたっておられますように、全国の土地に対して資産価値に応じた統一的な評価基準に基づいて負担を求める必要性、税収の地域的な偏在を生じないようなことからと、私はそう承知をしております。
○寺崎昭久君 税負担の公平というのは、土地に係る税負担の公平なのか、あるいは所得、消費、資産のバランスをという意味での公平なのか、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 税制調査会がどちらの視点から提起をされたか、私は定かに存じません。しかし、これは両面の意味においてとらえることが可能であると思います。
○寺崎昭久君 なかなかわかりづらいところでありますが、先ほどの答弁で、課税対象は約五万件あるいは五万人というお話でございましたが、もう少しその詳細について御説明いただけないでしょうか。例えば法人でおよそこれぐらい、個人で幾らぐらい、業種でいえばこれぐらいということがおわかりでしたら御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは大変申しわけありませんが、私は正確に存じませんので。事務当局、そういう数字がありますか。――事務的にもちょっとそういう数字ははじいておらないようであります。
○寺崎昭久君 ことし一月の日経新聞によりますと、企業が保有している土地の簿価総額の上位というのは、NTTとか電力、自動車、NKK、鉄鋼、石油、鉄道というような企業、業種が並んでいるわけであります。これから料金認可業種を引きますと、非課税扱いにしますと、結局残るのは製造業者だけが、だけとは言いませんが、中心になるのではないかというように思えてならないわけであります。となりますと、製造業者が土地高騰の主たる原因なのかというようなふうにも考えたくなるわけでありますけれども、それでしたら、土地税制というよりは罰則だとか反則金を科すという方がわかりいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 自由民主党がまとめられました土地税制改革大綱における保有税についての考え方、これは居住用地は原則として非課税、また小規模事業用地等に配慮して課税最低限が設けられている。こうしたことから、新税の課税対象というのは一定の資産規模以上の事業用地などを保有しておられる方ということになります。 結果的にはこれは、いずれにしても相当の土地を保有しておられる企業が中心ということになりましょう。しかし、それは土地基本法に示されました土地の公共性という理念を踏まえて、土地に対する諸問題のその根源的、構造的な要因になっている土地選好を弱めるために、土地の資産価値が高まれば保有コストも高まるという仕組みが有効だ、こうした観点から、土地の資産価値に応じ税負担を求めるという考え方のもとにその創設が決せられたものと聞いております。ですから、特定の方を地価高騰の元凶として課税をするといったような考え方のものではないと私は理解をしております。
○寺崎昭久君 大蔵大臣のお答えでありますが、結果とすれば、やっぱり製造業が中心になるのかなと思わざるを得ないし、製造業が適正な利用をしていないというような御認識からしかこの五万人という数字は出てこないんじゃないかというように思えてならないわけです。 日本経済というのはもう申すまでもなく減速傾向が見え始めてきたというようなことも言われている昨今、牽引車となっている製造業種というのをそんなにねらい撃ちしていいのかという懸念も私は大変するわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はもともと繊維産業の出身でありますから、そして現場のある企業で現場で生活をした経験を持つ人間として、今委員がお述べになったような考え方で土地問題を考えたつもりはございません。 しかし、同時にお考えをいただきたいことは、だれが保有をしておるにせよ、特に大規模に土地を保有しているにせよ、国民が住宅の供給を求め、その声にこたえるための宅地の供給に非常に困難を生じているという事実はお認めがいただけると思うのであります。その場合に、一定以上の大規模の土地保有というものに対し、今申し上げましたような観点からその保有コストに対する負担というものもお願いをし、それが結果として宅地供給の拡大につながるものであれば、私は、国民的にお許しがいただけるというよりも、むしろ御支援のいただけることではなかろうかと考えております。
○寺崎昭久君 法案がまだ出ていない段階なので、これ以上この問題について続けるつもりはございませんけれども、それにしても今大事なことは、土地を下げる、宅地を供給するということをはっきり目標として掲げることが大事なのではなかろうかと思うんです。土地政策を行うに当たっても、目標値がはっきりしていなければ、どういう手を打つのか、何を組み合わせるのかという答えも出てこないのではないか。 したがって、ぜひこの際お願いしたいのは、土地は今より幾ら下げるのか、あるいはサラリーマンは幾ら貯金したら家が持てるようになるのか、そういう数字をはっきりと打ち出していただけないものかと思いますが、どうでしょうか。 もう一度申し上げます。総理にお伺いします。 土地政策を行うに当たって目標値を定めることが大事だろうと、そういう認識を持っております。それに合わせて政策を展開する、組み合わせるということが大事だと思いますので、一つは、今の地価をどこまで下げるという目標値をはっきり出してもらいたい。もう一つは、サラリーマンは幾ら貯金すれば家が持てるんだということを明確に示してもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤守良君) 私が担当ですからお答えさせていただきますけれども、先ほど私が百点に近いとお答えしましたのは、土地基本法の適正な地価でどこを目標にするかという問題。要するに期間があります。私は三ないし五年と、こう考えております。したがって、いつも総理の言っておられますような、結局サラリーマンの人が年収の五、六倍で住まいを持てるようにしたい、これが適正な地価と、こう考えてその努力をしておりますが、期間はやはり、私は実は率直に言いますと、税制が動いても平成三年から四年です。それから宅地供給等に三年かかります。その他含めて三ないし五年ということで、五年以内にはそのようなことにしたいということで、私はその方向とすれば百点に近いと申し上げたわけです。よろしくお願いします。
○寺崎昭久君 時間も中途半端になりますので、次に、外交方針について総理の見解をお伺いいたします。 さきのいわゆる中東国会におきましても、総理はしばしば国連中心主義という言葉を使われました。この言葉については学者や言論人も使っているわけでありますけれども、必ずしもその概念、コンセプトというのがはっきりしているわけではないと思うんです。廃案になりました国連平和協力法案の中でも、例えば第三条には、国連決議に基づき、または国連決議の実効性を確保するために云々という文言が使われていたわけでありますけれども、私は、国連というのはまだまだ国際政治の権力闘争の舞台であると思いますし、決して聖域ではないと思うんです。したがって、決議を実行するということが必ずしも国連中心主義というようには思えないのでありますけれども、総理が国連中心主義と言われている意味あるいは意義というものをどういうふうに受けとめたらよろしいのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 随分前から国連中心主義という言葉がございました。また、私ども自由民主党の政策の中にも国連中心主義の外交を行うということも言ってまいりました。それは、国際社会の総意に基づいて世界が平和と安定をねらっていくための組織、機構が国連だというように受けとめておったからであります。特に戦後四十五年たって初めて東西の対決が終わりを告げつつあるときに、国連の安保理事会というものがいろいろの決議を行うことができるようになってきて、ますます国連の機能が国際社会の世論を代弁するものになりつつあるということも事実でございますし、これを世界の新しい秩序を構築する一つの枠組みとしてみんなが支えて、そこでみんなが集まって議論をしていくのが国連中心主義の外交になると、私はそのように率直に感じております。
○寺崎昭久君 国連中心主義についてもう少しただしたいのでありますが、時間もございますので、最後にPKOについてお伺いしたいと思うんです。 PKOの中で、これも定義がはっきりしているわけではないと私は思っておりますが、当面協力を求められそうなのがカンボジア問題でのPKO対応だろうと思うんです。今回の補正予算にも十億七千万円、カンボジア難民、避難民計画の拠出金として計上されているわけであります。 報道によりますと、国連安全保障理事会常任理事国によるカンボジア包括和平最終案も合意されまして、その件については我が国にも通告済みである。この計画を実施する段階において、PKOとしては軍事面、行政面でそれぞれ一万人、あるいは予算でいえば三十億ドルとか五十億ドル必要になって、我が国も応分の負担が求められるんじゃないかというようなことを言われているわけでありますが、我が国はカンボジアPKOに対してどの程度の貢献というか協力参加をするつもりなのか、外務大臣にお伺いします。
○国務大臣(中山太郎君) 今委員からもお尋ねのカンボジア和平の成立後に考えられます規模としては、要員規模で大体一万人、予算規模で十億ドルぐらいになるだろうということを言われております。 この中で国連が考えておりますのは、国連事務総長の特別代表のもとで、行政監視部門、軍事部門、警察部門、選挙部門、人権部門、難民部門、復興部門、それから官房部と広報部、こういうシステムで構成されると予定をされておりますが、日本がただいまの今日の状態の中でカンボジアの和平後に協力できる部門としては、停戦監視の事務局に人を送ることができるか、あるいはまた選挙監視、これはもう当然我々今までやった経験がございます。それから人権部門、難民部門、復興部門、あるいは広報、官房に人を送ることが可能であろうと考えております。
○寺崎昭久君 残余の質問については、関連として猪木議員にお願いしたいと思います。
○委員長(平井卓志君) 関連質疑を許します。猪木寛至君。
○猪木寛至君 大変時間がないので。 総理、お元気ですか。元気を出してください。日本のリーダーが元気がなくちゃ。私は元気が売り物で頑張っております。 今回、イラク問題についてお話をしたいと思いますが、とにかく百聞は一見にしかずということで、私は三度イラクに参りました。その中で一番びっくりしたことは、日本における日ごろ私どもが聞いておる情報と、現地に入ってみてこれほどにも情報が違うのかということ。これは私は今回の流れの中で、朝日新聞の「湾岸危機と日本」というところにも書いてありますが、日本がアメリカの顔色をこれほどまでにうかがわなければならないという外交方針、これはよくわかりました。そしてまた、各省庁と企業との関係におきましても、大変これは私体験しまして、それ以上は申し上げません。 そういうことで、私どもが平和を掲げ、平和のイベントをイラク政府に提唱したわけですが、一番大事なことは、外交というのはやはり心と心が触れ合う、外交という字のごとく外と交わる。交わらずしてどうして外交ができるのか。私も素人外交ということで大変批判を受けております。まだまだ足りませんので勉強もさせていただきたいと思いますが、しかし今回私が提唱したイベントに参加してくれた多くのアメリカの人たち、そしてまたこのイベントに日本からも多くの人が参加してくれました。そして、特に奥さん方がいろんな障害を乗り切って勇気ある行動をとってくれた。そして、民間外交の役割を立派に果たしてくれた。それがイラクの人たちの心を開いたと私は確信しております。そして解放と、また人質全員解放につながったんだと私は思っております。 そして、総理が申しているような中東貢献策、また日本の役割ということで、私は蒋介石総統の言葉を思い起こしますが、政府あるいは指導者というのは往々にして間違いを起こすかもしれない、しかし国民は絶対に間違いを犯しませんという言葉を思い起こしました。今本当に国民の叫び、怒り、これは政府にあるいは総理に我々の声を聞いてほしいという本当の声だと思います。今政府、外務省にいろんな批判が高まっておりますが、どうぞこの声を謙虚に聞いていただいて、今後の日本の政府のあり方、外交のあり方にひとつ反省をしていただきたいと思います。 もう時間も大分なくなりました。最後に私は、日本のこれからの貢献というのは、この中東情勢でなく、これから起きる環境問題は、日に日に人間がこの地球上に住めるかという大きな問題に迫っておるわけです。人とそして技術、また資本、資金ということで、三拍子そろったのは日本以外ないと思います。そういう意味で、ここでどんな世界の批判を受けようとも、あしたに来る問題に対して日本は大きな役割を果たすべきだと思いました。 時間がありませんのでお答えは結構でございます。ありがとうございました。
○寺崎昭久君 以上で終わります。
○委員長(平井卓志君) 以上で寺崎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(平井卓志君) 次に、今泉隆雄君の質疑を行います。今泉君。
○今泉隆雄君 今泉です。総理及び大蔵大臣、外務大臣の各閣僚に幾つかのことをお聞きしたいと思います。 まず、イラクは非常にしつこく頑張っておりますけれども、これは一つはイラクの軍事大国化の問題があると思うんですが、イラクの軍事大国化に対して、やはりこれはアメリカ、ソビエト、フランスなどの国が武器を非常に供給していたという問題がかつてあると思います。 私は、イランとの停戦直後に、二年前にイラクの国際芸術祭に招待されて行きまして、そのときに、戦争中にバビロンにすばらしい野外劇場をつくっているみたいなすばらしい面も持っている国なんです。ですから、アラブの問題というのはやはりアラブ自身が解決すべきだと私は考えるんですが、今度の問題なんかもアメリカとイスラエル、アメリカとパレスチナ、そういう問題が非常に大きいんじゃないかと思うんですが、総理のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) アラブのことはアラブでということもよく熟語のように使われる言葉でございますけれども、確かにアラブにはそういったいろいろな宗教的な団結の問題とか地域的な問題とかあることを私は物の本でいろいろ読ませていただいておりましたが、しかし今度のイラクのクウェート侵攻の問題だけはそのアラブの中にもいろいろ意見があって、アラブ連合軍もこれ以上戦火が拡大しちゃいかぬというのでサウジアラビアに展開をしておるという一事をとらえてみましても、なかなか複雑だな、こういうことでございます。 したがいまして、中東の恒久和平の問題は、アラブというよりも世界の規模で、世界的にどうするかということをこの局面が転回されたら新たな問題として議論され、解決されていくべきものではないだろうかと、私はそう受けとめております。
○今泉隆雄君 全く総理と私も同じ考えなんですけれども、今度の件もイラクが本当に一方的に悪いとは思っております。ただし、日本が多国籍軍に金を出したという問題は、非常にフセインが怒っているということをあちこちの記事で読んだり、テレビなんかでもよくやっておりますけれども、そういうことに対して外務大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(中山太郎君) イラクのクウェート侵攻に対して国連の安保理決議で、全員がイラクの武力による制圧というものに、直ちにやめて無条件で撤退しろ、こういうような状況の中で日本政府としては、国連加盟国としても、またこの地域の関係に非常に大きな影響を受ける国家としても、また国際法上も、この地域の平和と安定の回復のために、我々が国際社会で経済大国として応分の協力をしてこの地域の平和と安定の回復に努力をしなければならない、こういうことで湾岸資金協力をやっておりますから、イラクがそれに対して、日本に対して怒るということをおっしゃいますけれども、私はイラク自身が反省をしてもらって、この国連決議を受けて一日も早くクウェートからの撤退、人質の全面解放、そしてクウェートの正統政府の復活というものにひとつ決断をしていただきたい、そのように私は外務大臣として願っております。
○今泉隆雄君 今の外務大臣の意見にも私は反対じゃありません。ただし、湾岸平和基金の使途について、これは各委員が随分おっしゃっていますけれども、実際問題として国民一人について約四千六百円ですか、一世帯にすると約一万五千円という多額のお金が出ている。 それで先日、先ほどもそうですけれども、外務省の方のお話ですと、四輪駆動車、宿舎、テント、航空機、船舶の借り上げとか、いろいろこういうことに使っていらっしゃるという話なんですけれども、私も現地の連中で知っている人がいたのでいろいろな人に聞きましたならば、現地の人は日本が出した金がどこで使われているか見たことがないということを言っている人がほとんどである。テレビなんかのレポートでもそういうことを言っている。 それから、これはもう新聞で出ましたから皆さん方御存じでしょうけれども、例の救急車問題なんかでは、サウジでは車両法規で使用できない右ハンドルの車を持っていったり、ガソリン車を持っていったりしている。これは非常に幼稚なことであって、それは調べればすぐわかるようなことなんですが、外務大臣、何でこのようなことが起こるのでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) この湾岸の危機、クウェートへの侵攻が起こったのは八月二日でございまして、政府としては国連の安保理の決議を受けてできるだけの協力をしなければならないということで、とりあえず輸送協力あるいは医療協力といったようなことでその方針を決めたわけでありますけれども、なかなか救急車を出すといった場合にも、救急車というものはオーダーメードしかできないという状況の車でございまして、とにかくある救急車を送るという状況の中でこのような結果が出てまいったことは、私は率直に申し上げて事務上の手続のミスであったと思います。 ただ、医療協力の面につきましては人が出せない。現在、先遣隊と第二次の医療団が行きましたけれども、必要なチームとしての医療団を派遣することは、現在の日本の状況ではなかなか困難であるという認識を強めております。そういう中で、人が出せないという日本の立場から考えれば、資金的な協力をやるということが国際社会に対する日本の協力の残された一つの大きな方法であると、このような判断をいたしております。
○今泉隆雄君 わかりました。 これは総理にちょっとお尋ねしたいと思いますけれども、金曜日の夕刊か何かに中東和平国際会議に日本が棄権したという記事が出ておりましたけれども、これはどうして棄権したのか、アメリカに遠慮して棄権したのか、それをひとつお聞きしたいということと、もう一つは、これだけ大勢の、総理がお選びになった非常に頭脳明晰な閣僚の方がいっぱいいらっしゃるわけですから、その方たちが皆さんで考えれば、日本がとらなきゃいけない道というそういう道が、独自な方法、そして独自な発想がもっと僕は生まれるんじゃないかという気がするんですけれども、そういう形でやはり国際和平の道を、日本の独自な方法を何とか考えていただきたい。 ソビエトの救済の問題に対しても一番最後になってしまうような、何かその辺が非常に遅さを感じたりするんですけれども、その辺、総理のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) その中東何とか会議に日本が棄権をしたということは、私ちょっと今ここで突然の御質問ですから、局長の方から答弁をいたさせます。 それから、ソ連に対する問題等につきましては、これは自主的に今何が日本としてできるのだろうかということを検討しておるわけでありますし、それはお見守りをいただきたいと思います。
○政府委員(赤尾信敏君) 中東問題に関する国際会議につきましては、ただいま特に安全保障理事会におきまして非同盟四カ国が中心になりまして案を出しておりまして、それについて常任理事国、アメリカ、ソ連等が中心になっていろいろと何とか妥協案ができないかということで協議している段階でございます。 その前に総会に決議案が出てまいりまして表決を求められて、非常に残念でございますが、私たちは一般的な原則といたしましてその決議が実効性があるかどうかということ等に留意しながら投票態度を決めているということで、先週の総会での投票では棄権したということでございます。 なお、安保理でこの問題は継続的に話し合われておりますので、その成り行きを注目しているということでございます。
○今泉隆雄君 今の話はちょっとわかったようなわからないような話なんですけれども、最後に消費税の問題でちょっとお尋ねしたいと思いますが、我々参院クラブは税制問題等に関する両院合同協議会には参加できない状態で意見も言えないので、単なる一国民としての意見しか言えません。 それで、大蔵大臣にちょっとお聞きしたいと思いますけれども、結局、協議会で相談をしているということを総理もおっしゃり、大蔵大臣もそうおっしゃっているんですが、突然来年の春以降の地方統一選以降に延ばしたという形になったということなんですが、それは何で急にそこまで延びてしまったのでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 消費税につきましては、財政演説におきましても、また国会答弁におきましても、私は、さきの第百十八国会での法案処理の結果を踏まえ、与野党がその責任を果たすとのお立場から税制問題等に関する両院合同協議会が設けられ、現在その専門者会議を中心に精力的な御論議が行われているところであり、政府としては、両院合同協議会において、消費税の必要性を踏まえつつ、国民の全体的、長期的な利益といった高い次元から協議が行われ、建設的な合意が得られることを期待しているところであり、その協議の状況を見守ってまいりたい、このように申し上げてまいりました。これはまさに政府として消費税を見直し、その結果の法律案を百十八回国会に提案いたしたわけでありますが、結果として審議未了、廃案となり、両院の御意思としてこの協議会が設けられるということになった経緯を踏まえてのことであります。 私は、その両院の合同協議会がどういう理由で、あるいはどのような経過をたどって、現時点において統一した御意見をおまとめになっておられないのか、あるいは今後どのような審議の日程を持っておられるのか、これは事実存じませんし、政府から両院における協議の内容について云々することは控えるべきことであろうと思います。
○今泉隆雄君 私たちは早く消費税についてこれは廃止してもらいたいんですけれども、そこにいらっしゃる大臣各位はそういうお店にお入りになったことはないでしょうが、小さなそば屋とか小さなラーメン屋なんかは、特に地方の大阪とか何かへ行きまして、この間も私は盛岡の駅の中にあるラーメン屋に入りましたらば、レシートはちゃんとよこすんですね。レシートはちゃんとよこすんですが、そのほかに消費税を取るんです。消費税はしシートをよこさない。そういう店が最近非常に多い。レシートをよこしても、その中に消費税を打ってないレシートをよこすという店が非常に多いんですね。ですから、そういうときは気がつけば文句を言うんですが、とにかくそういう商店も非常に多いということなんで、大蔵省当局もそういうものをもうちょっとうまく御指導していただきたいというふうに思います。お答えは結構でございます。 質問を終わります。
○委員長(平井卓志君) 以上で今泉君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(平井卓志君) それでは、これより平成二年度補正予算三案に対する討論に入ります。 討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。國弘正雄君。
○國弘正雄君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、平成二年度補正予算三案に対し反対の討論を行います。 内外に問題が山積する中、今日ほど海部内閣の実行力と決断とが求められているときはありません。政治改革の実行のために発足したはずの海部内閣ですが、この点においてはとかく足踏み状態が目立ち、つい昨日も、さる自民党の領袖が人事に関連して海部内閣の公式な姿勢と背馳するような発言を行っています。ロッキードやリクルートなどにいつまでもかかずらわるような、くだらない、センチメンタルなことでは云々という発言がこれであります。センチメンタルという言葉の当否はともかく、政治改革の必要がまだのど元を過ぎていないのは明白であります。にもかかわらずの自民党有力者のこの発言、早くも熱さを忘れたのではないかという危惧を抱きます。この点について私は、海部総理がセンチメンタルであり続けられることを一人の国民として切望しておきます。 中東問題についてですが、ブッシュ政権やその在外代表者にどうも振り回され過ぎてはいないかという国民の声がようやくしきりです。他の諸問題についてと同じく中東問題につきましても、アメリカには多様な声が存在するので決して一枚岩ではありません。それだけに、ある政権のある一時期の選択に決定的に深入りすることは、多様性が身上のアメリカとつき合う上ではむしろ下策と言うべきです。 ましてや、今回、国際協力をにしきの御旗に日本国憲法をないがしろにし、四十年の戦後史をお蔵入りさせ、自衛隊の海外派遣への道を開こうとした政府のもくろみに対し、多くの国民は、保守支持者を含め警戒心を募らせ、国会審議における政府答弁の迷走ぶりに不安をかき立てられたのであります。当のアメリカにおいてすら、あの法案は十分な品質管理もなく、慌ただしくつくられた欠陥商品で、しかも事前の市場調査もないままに嫌がる消費者に押しつけようとしたものとみなされ、廃案は当然であったという声が聞かれるぐらいです。 さて、ここで補正予算に反対する理由を申し述べさせてください。 その第一は、湾岸平和基金拠出金の計上についてであります。 イラクによるクウェート侵攻が国際法や国際慣行に反する暴挙であることは言うをまちません。しかし、日本の資金拠出は多国籍軍支援に向けられ、先ほども問題にされましたように、そのほとんどは米軍への援助にほかなりません。本補正における拠出金計上の実態もこの多国籍軍支援への追加支出であり、我々が目指すべき国連主導のもとでの和平回復のための活動費用とはまことにもってほど遠い存在と断ぜざるを得ません。この手の資金の計上に反対をするゆえんであります。 加えて、湾岸平和基金への拠出が交換公文の形をとったことに小生は危惧を覚えます。予備費の支出と本補正予算の計上を合わせ二千六百億円もの国民の税金が、国権の最高機関たる国会の承認をいわば足抜けする形で計上されるというやり方は、外交問題を一握りの外交専門家の専権事項としていわばブラックボックス化し、国会審議の空洞化を加速させる点で、国会の存在を重からしめるゆえんではあり得ないと思います。 交換公文という行政府にとっては極めて便利かつお手軽な方法が、過ぐる日、やや古いことを申し上げて失礼でありますけれども、日独伊三国同盟締結以前にも画策され、日本の運命を大きく誤らせた経緯を思うにつけましても、今回の財政支出を伴う海外支出経費については、その根拠となる国際条約の国会承認の必要を強く訴えるものであります。 第二の反対理由は、緊急性に欠ける項目についての予算が計上されている点でありまして、この点についてももう既にるる議論が行われております。 先ほども日米親善交流基金、スポーツ振興基金が当初予算に組み入れられずに、財政法に言う補正予算作成の正当な理由に当たらないままに、またしても何ゆえああいう形で計上されたのか論議されましたが、私にもどうしても納得がいきません。平成元年度補正予算に引き続いての今回の同様の措置に強く反対するものであります。 特に本年における災害の多発と税収の伸び悩みを考慮に入れますならば、必ずしも緊急の火急性を有するとは言いがたい複数の基金の設立は放漫財政のそしりを免れがたいと思われるのですが、いかがなものでありましょうか。そして、このことは必要最小限を上回る国債の増発、その結果としての財政再建のつまずきという第三の反対理由につながります。 赤字公債からの脱却という目標をようやく達成したとはいえ、国債残高は百六十兆円を超えます。本格的な財政再建への道はなお険しいと言わざるを得ません。政府が建設国債の減額を目指すことで第二段階の財政再建を進めるとしたのは理の当然であります。しかし、その折も折国債の増発を行うというのでは、てにをはが合わないことおびただしいと断ぜざるを得ません。国債の増発は、したがって必要最小限にとどめられてしかるべきだと思います。 以上の三つの理由のほかに、この補正予算は、国民のすべてとは申しませんが、多くが廃止もしくは凍結を求めている消費税が組み込まれたままになっているなど、幾つかの不備を抱えており、不適切だと言わざるを得ません。 以上の理由で、私はこの補正予算三案に対し反対をするものであります。 反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(平井卓志君) 次に、沓掛哲男君。
○沓掛哲男君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました平成二年度補正予算三案について賛成の討論を行うものであります。 まず、今般の中東湾岸危機の発生により、イラク国内において人質として長きにわたり身柄を拘束され、大変な辛苦を余儀なくされました方々及び御家族、関係者に対しまして、心よりのねぎらいを申し上げますとともに、事態が国連決議にのっとり一日も早く平和的に解決されることを強く望んでおります。 さて、今日、湾岸地域の平和と安定を回復するために払われている国際的努力に対し、これに協力することによって事態の平和的解決が実現されることを目指すことは当然のことであります。さきの臨時国会での議論を経て、何らかの国際的な貢献策が必要であるという共通の認識は生じたと考えます。一日も早く平和のための貢献策が実行されることを強く希望するものであります。 一方、国内を見ると、我が国経済は四年もの長期にわたり内需主導型の自律的拡大を続けており、また対外不均衡の是正も着実に進展しております。石油情勢の緊迫、株価の下落、労働需給の逼迫等、難しい問題も抱えておりますが、今後とも、内需を中心にしたインフレなき持続的成長を確保すべく、引き続き適切かつ機動的な財政金融政策の展開を図っていくことを強く希望します。 今回の補正予算三案は、こうした我が国を取り巻く内外のさまざまな要請に的確にこたえた、現状において編成し得る最善の予算として高く評価できるものであります。 以下、その賛成する理由を簡単に申し述べます。 その第一は、中東危機に関し、現状でなし得る資金面での最大限の貢献策を盛り込んでいることであります。すなわち、湾岸平和基金への支出や湾岸周辺国への借款を行う海外経済協力基金の出資金の増額は、平和を希求する我が国が行う措置として十分評価できるものであります。また、貿易保険特別会計への繰り入れは、イラク、クウェート向け債権についての保険金支払い増に備えるものであり、まさに時宜を得たものと言えます。 第二は、喫緊の課題を抱える二つの分野において基金を創設していることであります。 日米親善交流基金は、国際社会の大きな変化の中で、国際親善、相互理解がますます重要になる中、特に日米間のそれが一方で抜き差しならない摩擦というようなものも抱えており、緊急の対応が必要になっていることによるものであり、国際交流の進展に大いに資するものと期待されております。 また、スポーツ振興基金は、国民スポーツの健全な育成を先導すべきトップレベルの選手も含めた育成環境のさらなる充実が一日も早く行われることが望まれていることに対応するものであり、国民スポーツの健全な発展に寄与するものと確信いたしております。 このような基金の創設は、運用益で施策を行うという基金の性格上、設立は速やかに行うべきものと考えます。 第三は、人事院勧告の完全実施、災害復旧の促進など、いずれも国民生活とのかかわりが深く、しかも速やかに処理しなければならない経費が計上されていることであります。特に本補正予算は、税収が伸び悩む中にあっても、人事院勧告の完全実施のため四千六百億円もの給与改善費を計上しているほか、災害の多発に対応して所要の経費が計上されており、妥当なる措置であります。 第四は、当初予算で達成した赤字国債依存脱却を引き続き本補正予算でもこれを堅持し、その定着が図られていることであります。税収の伸びが低下する中で、災害復旧等事業費に対応して建設国債の増発は行いましたものの、既定経費の節減により特例公債の発行を回避させたその努力は高く評価されるべきものであります。 終わりに当たり一言申し述べます。 去る十一月二十九日、我が国の議会制度は百年を迎えました。 今日我々が当面する政治課題は、今回の中東危機の勃発に伴う国際貢献策を初め、土地問題、政治改革等山積し、いずれも我が国の進路にとって重要な決断を要するものばかりであります。どうか与野党がともに公党としての責任を持って真摯な議論をし、合意形成を図ることが議会制民主主義の発展にとって極めて重要であるということを申し上げ、私の賛成討論を終わります。 以上でございます。(拍手)
○委員長(平井卓志君) 次に、及川順郎君。
○及川順郎君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました平成二年度一般会計補正予算三案に対し反対の討論を行うものであります。 まず初めに、今回の補正予算に計上されている中東湾岸危機の追加資金十億ドルについては、その内容、性格、目的、使途が必ずしも明確にされておりません。本委員会においても繰り返し厳しく指摘されておりますように、このままでは到底国家の理解を得ることは難しい状況であります。したがって、政府は、補正予算に計上されたこの十億ドルについて、その内容、性格、目的等を明確にして、国民の理解と支持が得られるように努めるべきであります。 続きまして、主な反対理由を要約して申し上げます。 その第一は、政府の予算編成のあり方の問題についてであります。 補正予算には、国家公務員の給与改善費約四千六百億円が計上されております。本来、予算はその年度において政府が実施しようとする施策そのものであり、あらかじめ予想される必要な経費については、財政法の趣旨からいっても当初予算に盛り込むのが当然であります。かつては、昭和五十六年度から六十年度の財政再建期間でも、国家公務員の給与についてはあらかじめ人事院勧告を想定して国家公務員給与の一%は当初予算に計上されてきていたのであります。 しかし、ここ数年は、予算規模を意識的に圧縮するために、計上すべき公務員給与改善費等は当初予算から外されているのが実態であります。これら給与関係費については、国家公務員の労働基本権の代償措置として人事院勧告制度が設けられており、これを想定して一定額を当初予算に計上するのは予算編成として当然であります。したがって、こうした政府の予算編成のあり方は極めて問題があることを指摘せざるを得ません。 第二には、本補正予算により防衛費が対GNP比で一%を超えることであります。 平成二年度当初予算における防衛関係費は四兆一千五百九十三億円で、対GNP比〇・九九七%と一%以内におさまっておりました。しかるに政府は、本補正予算で防衛費を四兆二千五百八十九億円に増額、その結果、政府経済見通しベースの対GNP比は一・〇二一%となり、一%を突破するのであります。 今日、東西冷戦が終わり国際的に軍縮が進んでいるにもかかわらず、既存の防衛費を削減する努力をせずに、ただ人件費を上乗せするような政府の手法は容認できないのであります。 第三には、既定経費の見直しなどが十分に行われていないことであります。 本補正予算では建設国債を増発しておりますが、我が国財政は、本年度当初予算で特例公債依存体質を脱却したとはいえ、国債残高はいまだ百六十四兆円が減額の方向を示しておりません。また、国債費も歳出総額の二割を占めるなど、状況は依然厳しく、第二の財政再建が必要とされているところであります。 今年三月の財政制度審議会の建議では、公債依存度を五%以下へ引き下げるなど今後の財政運営の目標が示され、政府においてもその実現に向け全力を挙げて努力すると公言してまいりました。にもかかわらず、税収増加の少ないことを口実に、すぐに国債増発に走る政府の態度は決して容認できません。まず厳しい歳出抑制が必要であります。 最後に、今回の補正予算に日米親善交流基金やスポーツ振興基金設置のための経費を計上している点に疑問を呈せざるを得ないのであります。 私どもは、スポーツ振興基金などは推進の立場をとってきており、その趣旨は理解できるところであります。しかし、こうした経費が補正予算の要件として定める財政法第二十九条の規定に基づく義務的経費でも、特に緊要な経費でもないことは明らかであります。シーリングによって当初予算への計上が困難なため、補正予算で計上を行ったとしか考えられないのであります。 補正予算に各種基金設置のための経費を計上することについては、さきの元年度補正予算審議においても同様の指摘を行ったところであります。同じ誤りを繰り返す政府の姿勢は厳しく指摘しなければならないところであります。 改めて政府の猛省を促し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(平井卓志君) 次に、吉岡吉典君。
○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました政府提出の補正予算に対して反対の討論を行います。 本補正予算には、災害復旧等事業費、給与改善費等緊急事項も含まれておりますが、湾岸平和基金拠出金としてイラク周辺に展開する多国籍軍支援のための拠出金一千三百億円が計上されていることが、我が党が反対する最大の理由であります。 我が党は、イラクの侵略に対して国際世論による包囲と経済制裁の徹底による平和的解決を主張してまいりました。経済制裁によって影響を受けている諸国への援助や難民救済は当然必要であります。 しかし、この拠出金は、私も質問で明らかにしましたように、湾岸地域で戦争に備えている米軍への軍事援助であり、まさに戦争への一翼を担うものにほかなりません。 これは第一に、戦争と武力による威嚇または武力の行使を永久に放棄した日本国憲法に違反し、国際紛争の平和的解決を基本とする国連憲章の原則にも反するものであります。海部総理自身、対イラク経済制裁の効果が上がりつつあると認めながら、世界の諸国民が要求する平和的解決に反する武力行使容認決議を支持してアメリカに軍事援助をするというのは断じて許せません。 第二に、極めて不明朗なやり方で戦争態勢を急ぐ米軍に財政支援をするものであることです。湾岸平和基金とは事実上アメリカ軍に対する援助であり、その使途は兵舎など軍事物資の購入費や武器、弾薬の輸送費等が含まれており、そのような軍事援助に国民の血税を使うことは断じて容認できません。政府は、当初予算の予備費から十億ドル支出し、今回の補正予算でさらに十億ドルを追加しました。開戦という事態になれば、アメリカはさらに追加支援を要請してくることは火を見るよりも明らかであります。これは我が国を果てしない軍事費拡大の路線に導くものにほかなりません。 第三の理由は、多国籍軍への財政支援に見られる軍事援助は国民に一層の犠牲をもたらすからであります。当初予算自体、大軍拡、財界への大盤振る舞い、消費税定着化など国民負担の増大を推進するものでありますが、本補正予算は、その反国民的性格に一層拍車をかけるものであります。生活保護費五百八十億円、原爆障害対策費六億円、私学助成費十五億円等々、国民の切実な予算を軒並み削減、合計二千数百億円もの経費を削減したのは、多国籍軍支援の資金拠出のしわ寄せを国民に押しつけた結果であります。政府は、当初予算で生活保護費を前年度より三百二十八億円減額、国民健康保険への国の負担を前年度より四百十二億円減額したのを初め、社会保障関係費を実質マイナスにしましたが、国民にとってこれに続く打撃であります。私は、このような補正予算を短期間の審議で成立させようとすることに反対であります。 最後に、我が党は、許すことのできないイラクの不法なクウェート侵略・併合に対する経済制裁の徹底と国際世論の力によって湾岸危機を平和的に解決するために全力を挙げること、消費税の廃止を初め国民生活改善、向上のために奮闘することを表明し、反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(平井卓志君) 次に、粟森喬君。
○粟森喬君 私は、連合参議院を代表し、議題である平成二年度補正予算三案に対し反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、本補正予算に財政法二十九条に反して政策的な経費が盛り込まれていることであります。元年度補正に引き続き本補正予算でも、日米親善交流基金など補正処理をする緊要性のない経費があり、不当であります。また、こうした基金づくりは当初予算に対するシーリングの抜け道的な行為であります。基金は、一度できてしまえばその基金運営には国会の目が極めて届きにくいこと、また湾岸平和基金、日米親善交流基金は交換公文に基づいてつくられ、その設立自体に国会のチェックが及んでいません。安易な基金づくりは財政民主主義の空洞化につながります。さきの元年度補正予算の経緯もあり、反対であります。このような基金づくりは平成三年度の予算案で十分論議すべきであります。 反対の第二の理由は、本補正予算に多国籍軍への支援経費千三百億円を計上し、湾岸平和基金への拠出となっていることであります。その使途は、多国籍軍、とりわけ米軍への資金援助であるという疑念は解明されませんでした。このような資金援助は、軍事的用途に充てる経済協力は行わないという趣旨の国会決議に反しています。集団的自衛権の行使を禁止した憲法に抵触するおそれもあり、認められないものであります。 反対の第三の理由は、こうした結果として財源確保の努力を欠いたまま七千五百億円もの国債を追加発行することであります。政府は、かねがね平成二年度の赤字国債脱却後は国債残高の抑制を図ると言いながら、全く逆行する方向で今回歳出の必要性を認められないにもかかわらず国債を増発するということは重大な誤りと言わざるを得ません。 最後に、今、我々は両院合同協議会で消費税問題の解決を求めておりましたが、結局、政府・自民党から歩み寄りがないばかりか、いまだに成案を得るに至っていません。国民がますます税への不信感を高めていくことは確実であります。当面の消費税の処理について政府・自民党の対応を厳しく批判し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(平井卓志君) 以上で討論通告者の発言はすべて終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 平成二年度一般会計補正予算、平成二年度特別会計補正予算、平成二年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して採決いたします。 三案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(平井卓志君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において三案に対する可否を決します。 三案については、委員長はこれを可決すべきものと決定いたします。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平井卓志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十八分散会