P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
120回国会参議院1990/12/14

予算委員会 第2号

発言数
374
登壇者
31
会派数
2
開催日
1990/12/14

会議録

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成二年度一般会計補正予算、平成二年度特別会計補正予算、平成二年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。  三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。角田義一君。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 総理にお尋ねいたしたいと存じますが、過般の臨時国会で国連平和協力法案は廃案という形になりました。それに関連しまして政治責任のあり方というような問題について伺っていきたいと思いますが、事柄の性格上ちょっとお耳ざわりな御質問もしなきゃならぬと思いますけれども、ひとつお許しをいただきたいと思います。  十一月八日の日に廃案が決定をした。そのときに総理は、ある新聞記事によりますと、だから言ったじゃないか、自分の言うとおりにしておけばこんなことにはならないで済んだんだ、こういうふうにつぶやいたと、非常に生々しい記事が出ておりまして、本当に総理はそういうことをつぶやかれたのかな、こういう気がいたしたものですから、まずこの辺をお聞きしたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) そういうことをつぶやいたことはございません。私は、廃案になったとき、大変残念だと思ったことは事実でございます。しかし、国際社会に対する協力を考えて議論をお願いし、それが実現しなかったんですから、残念であると同時に、あのときは公明党、民社党と自民党との間で新しい協力のあり方についての合意、取り決めもあったわけであります。これは廃案でも途中で放棄してはならないから、新しい国際協力のあり方について今後なお一層努力をしなければならない、こういうことを自分自身に言い聞かせたわけでありますから、その何とかつぶやいた云々というのは私は全く覚えのないことでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 仮につぶやかなかったといたしましても、総理のお気持ちの中はそういう心境ではあったんですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) あれだけ本会議や委員会で、主として衆議院の方でありましたが、いろいろ説明をし説得して、結果として御理解がいただけなかったということで、最初申し上げたように、極めて残念であったという気持ちはございましたし、廃案という事実を厳しく受けとめさせていただきました。そういうことでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 たしか八月の二十九日でしたか、この法案に関連をいたしまして総理が、自衛隊というものは海外に派遣をしないんだ、こういうことを新聞記者会見でおっしゃられて、私どもは、さすが総理だ、そういう信念をお持ちだ、これは安心してお任せできるな、こう思ったわけでございますが、出てまいったものはこれはもう自衛隊の海外派兵に道を開くような法案でございまして、いろいろ経過はあったと思いますけれども、ああいう法案を閣議で決定されて出されたわけでございますから、このときに総理はどういうお気持ちで提案をされましたか。いわば内閣の命運をかける、こういうお気持ちであの法案を提案されたのでございますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 言葉じりをとらえるようでまことに申しわけありませんが、自衛隊を海 外派兵するようなと、よくこう言われますけれども、海外派兵と海外派遣というものは明確にきちっと区別をして、戦闘部隊を出すことは決してしない、武力による威嚇や武力の行使を伴うものであってはならないという大原則はあの法案の中にきちっと書き込んで、そうしてでき得る協力の仕組みについても制限列挙したわけであります。ですから、国際協力のあり方として、武力を伴わないもの、戦闘部隊ではないもの、非軍事的な面に限るものということであの法案は閣議決定をして提案したわけでございましたけれども、途中いろいろな面で、そういった右か左か、戦争か平和かというようなことばかりに焦点が当たっていって、平和協力隊に入ってもらって出そうという物の考え方や、そういったことについて時間をかけて十分の御理解が得られなかったことを私は大変残念に思うとともに、私自身の説得の微力であったことも厳しく反省をしておるところであります。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私が総理にお尋ねをいたしたいのは、あれだけの大変な内容を含んだ法案というものを出すときの総理の心構えをお尋ねしておるんです。内閣の命運をかけてあの法案というものをお出しになったのでございますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 国際社会にこれだけ影響力を持つ国になり、各国からの期待もされておるところで、しかも武力によって侵略、併合という平和の破壊が行われて、国際社会の総意ともいうべき、それはやめろ、そこに正義に反するものがあるという指摘があって、そういったものに日本もお金だけでこたえるのでは不十分である、だから何かプラスアルファで人の面の協力もしていかなきゃならぬ、みんなで一緒になって、平和の破壊というものを防ぐ行為には日本としての共同行為も必要ではないかということをあれこれ総合的に判断した結果、これは大切な政策である、こう考えて閣議決定をし、審議をお願いしたところでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 もう少し端的にお答えいただきたいと思うんですけれども、じゃ、命運をかけなくてもいいですけれども、やっぱり並々ならぬ決意でお出しになったことには違いないのじゃないですか。どうなんでしょうか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 非常に大切なものである、ぜひこれは御理解をいただいて成立させていただきたいと思って提出したものでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 総理はそういうお気持ちでおったようでございますけれども、結果は、これは法案の内容がいろいろずさんであるとか、あるいは海外派兵になるのではないかとか、あるいは海外からのいろいろな懸念もありまして、結果的にはつぶれたわけでありまするから、この政治責任というものについては総理はどういうふうに感じておられるのでございますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 廃案になりましたその結果を私は厳しく受けとめておりますし、同時に、廃案になったからこれはもう仕方がないのだというようにあきらめないで、せっかく野党の中にも、民社党、公明党は自民党と一緒に新しい合意事項を決めていただいた。社会党の方からも国連平和協力機構というものの提案があり、その中をずっと読ませていただきますと、私どもが考えておったことと、要するに国際協力というものの姿かたち、あり方の重ねてみると交わる部分もある、交わらない部分もあります。だから、そういったことはいろいろ人の面の協力も必要なんだという御認識を各党ともにそれぞれ、違う立場はありましても、そろって出されておることでありますから、私はそこをもう一回議論をして、新しい国際協力のあり方というものにどう取り組んでいったらいいのか、どうしたらいいかということを議論を重ね、それの成案を得るように努力を続けていくということがこれからの私のやらなきゃならぬことである、このように受けとめております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私は、けじめはけじめだと思っておるんです。後のことは後のことだと思っておるんです。  要するに、総理は盛んに政治改革というようなことをおっしゃるわけでございますが、これは議会人の大先輩でございますから私から申し上げる必要はないと思いますけれども、どんなに制度を変えましても、やはり政治を運用するのは人間でございまするから、人間がどういう立場で政治に取り組むか。そういう場合、率直に申し上げまして、けじめをどうつけるか、そして国民の信頼をどうかち取っていくか。総理の先輩であります三木総理は、信なくんば立たず、こうおっしゃっているわけですね。国民の信頼を得るということになれば、当然やはり責任のとり方というもの、けじめをきちっとつけるということが私は一番大事だというふうに思いますが、いかがでございますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 国際社会に対する協力ということはやらなければならない政策課題だと私は心得ておりますから、ですからこの前出しました法案の結果を踏まえて各党からいただいた、民社、公明との合意事項を基本にして、新しい国際協力のあり方というものについてさらに成案を得るように努力を続けていって成案を得る。この目的を達するようにするにはどうすべきかということを研究し、検討し、成案をつくる努力を続けていってその国際協力への道をつけるということが私はけじめのつけ方であると、私なりにこう判断します。その努力を続けてまいります。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 それは別の人にやっていただいたらいいのではないかというふうに私は思うんですよ。やはり政治で大事なことはけじめであります。どうも総理と私とはその点について見解が違うようでございますし、総理はその席にずっとお座りになっていたいようなお気持ちのようでございますから、これ以上やっても押し問答でございますから次の質問に移らせていただきたいというふうに思います。  最初、やはり中東関係の問題についてお尋ねしたいと思いますが、補正と例の予備費とは非常に関係がございますので、予備費の方から若干お尋ねをしてまいりたいと思います。  湾岸アラブ諸国協力理事会というのがございますが、この加盟国というのは一体どこでございましょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オマーン、バーレーン、クウェート、カタールでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 アメリカは入っていないのでございますね。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) アメリカは入っておりません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 この参議院予算委員会の正式な外務省の提出資料を拝見いたしますと、「中東貢献策の内容及び実施状況」というのがございまして、その中で「物資協力及び資金協力」という項がございます、千二百二十九億円。この状況について、これは局長さんでよろしいですから、正確にひとつこの文章を読んで答弁してくれませんか。文章を読んで答弁してください。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 先生が御質問のGCCに対します拠出でございますけれども、九月の二十一日に交換公文を締結いたしまして、約千二百二十九億円を湾岸平和基金へ拠出いたしました。この基金の運営管理には運営委員会が当たっておりますけれども、この運営委員会は物資協力として四輪駆動車等の車両、事務用資機材等各種の物資を提供いたしました。  それからまた、この基金から資金協力として各国の輸送関連経費に使用するため約五百億円を供与済みということでございますが、委員会に御提出いたしました資料の後さらに六十八億円を供与しておりますので、そこの五百億円というのは約五百六十八億円と御了解いただきたいと思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私は外務大臣に、文章を正確に読んでお答えをしてくれ、こう言っておるんです。このまま読んでください。このまま読んでくださいと言っているんだから、読んでください。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 今申し上げましたのは、先生のお手元の資料をさらにちょっとてにを はを追加して御説明をいたしましたけれども、先生の御指摘ですので、それでは読み上げるだけ読み上げさせていただきます。  物資協力及び資金協力、約千二百二十九億円。九月二十一日、交換公文締結。約千二百二十九億円を湾岸平和基金へ拠出済み。同基金運営委員会は物資協力として四輪駆動車等車両、事務用資機材等各種物資を提供中。また、同基金より資金協力として各国の輸送関連経費に使用するため約五百億円を供与済み。  これは先ほど申し上げましたように、この日付が十二月十日になっておりますので、その後六十八億円供与して、ここは五百六十八億円というふうに訂正させていただきたいと思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 あなたね、私が予算委の方からもらっているのには五百億なんという金額は書いてないんです。「執行済と承知」と書いてあるんです。私が聞きたいのは、一体だれが何を承知しているかということなんです。承知したい、聞きたいのはこっちなんです、国会なんです。あなた方の方が承知したって意味がないんです、国会に対する資料というのは。この程度のものを出して、これで予算委員会に対する資料だというふうに思うんですか。大臣、いかがですか。これは数字も何にも書いてないんですよ。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 今申し上げましたように、私どもといたしましてはこういう形で拠出させていただきまして、それを運営、管理いたしております運営委員会からの報告で現在それがどういうふうに使用されているかということを概略承知しておりますので、それに関しましては今申し上げたようなことで御説明しておりますが、さらにこの委員会の場の御審議を通じて私どもとしてはさらに御説明させていただきたい、こう考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 これは後でまた私は理事会の方でいろいろ協議してもらいたいと思うんですが、国会に出す資料として、拠出金の使われ方、内容が全然数字も出ていないということです。この程度のものを出して国会に対する資料提出だというようなことで今まで通っていたとすれば、これは大問題なんです。  これ以上やってもしようがないから中身を聞きますけれども、じゃこの四輪駆動車というのはどのくらいの車両が一体どこの国に行ったんですか。どこの国に幾ら行ったんですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 物資協力に関しましては、今申し上げましたように、GCCの平和協力基金を通じて実施が行われております。今先生、具体的に四輪駆動車という御質問でございますけれども、今ちょっと先生のお手元の資料を私は読み上げさせていただきましたが、せっかくの機会でございますから全体のことについてさらに敷街させていただきたいと思います。  現在、契約総額は約百二十九億円でございまして、その中に先生御指摘の四輪駆動車が入っておりますが、先ほど私が申し上げましたことをさらに敷衍して申し上げますと、海水淡水化装置、車両、それから宿舎及び附属機材、建設資機材、パソコン、コピー機、ファックス等事務用機材、輸送経費ということになっております。その車両の中に四輪駆動車も入っておりますけれども、四輪駆動車、給水車、冷凍車、救急車等約千百台を提供しておりまして、金額は全体で約四十一億四千万円と承知しております。これは主としてアメリカ向けでございますけれども、サウジにも一部向けられております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 宿舎というのは何でございますか。兵舎のことでございますか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 私が今申し上げました宿舎及び附属機材と申しますのは、テント、それからテレビ、ビデオ等の附属品でございまして、この中の先生御質問の宿舎でございますが、今先生から兵舎という御質問がございましたけれども、兵舎というのはこの中には入っておりません。  むしろ建設資機材という方に先生の今の御質問が関連しようかと思いますが、今先生の御質問は兵舎というふうに御質問でございますけれども、この建設用資機材は、全体として申し上げますと、仮設道路、それから兵員用の仮宿舎その他の関連施設、こういうような兵士の方々の生活環境の向上のために利用される、こう承知しております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 だから兵隊さんが住むところにお金をつぎ込んでいるということなんですよ、はっきり言えば。  輸送関連経費というふうになっていますが、輸送関連経費は具体的にはどういうふうに使われたか、はっきりさせてください、数字を挙げて。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 先ほど申し上げましたように、現在までのところ五百六十八億円をGCCの基金を通じまして支出済みでございますけれども、その対象になりました国を申し上げますと、アメリカ、エジプト、モロッコ、バングラデシュ、セネガル、パキスタン、シリア、合わせまして七カ国でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 これは私、国のこともいいんですけれども、輸送関連経費というのは具体的にはどういう経費なのか、例えば船舶を借り上げる、あるいは飛行機を借り上げる、ここからここまで運ぶからこういうふうになったんだということを出してください、出しなさいと言っているんです。国のことを聞いているんじゃないんです。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) これは航空機、船舶の借り上げ経費等でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 国会というのは国民の皆さんが非常に関心を持っているんですよ、自分たちの税金がどう使われたのか。  私が言いたいのは、船舶、航空機を借り上げておるわけだから、借り上げた船舶で、あるいは航空機で一体何を運んでいるんだと。兵器を運んでいるのか、兵隊さんを運んでいるのか、食糧を運んでいるのか、弾薬を運んでいるのか、そういうことをはっきりさせる必要があるんじゃないんですか。当然でしょうが。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 先ほど来申し上げておりますように、湾岸平和基金のもとの資金協力というのは、各国が行います航空機、船舶の借り上げ経費等の一部に充てることを目的としているわけでございまして、先ほどちょっと私が触れました九月二十一日のGCCとの交換公文上は資金協力ということになっておりますけれども、具体的には、先ほど来申し上げているように、航空機及び船舶の借り上げ経費その他ということになっております。  今先生御質問の具体的に何を運ぶのかという点でございますけれども、何を運ぶかということに関しましては私どもは云々しないという立場をとっております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 大臣、これは云々しないというのはどういうことですか。我々の税金が出ていって船舶だとか飛行機とかを借り上げる、それはいいでしょう。しかし、それで兵員を運ぶのか、弾薬を運ぶのか、食糧を運ぶのか、そういうことは一切我々は関係ないんだ、あなた方が適当に使ってください、そんなむちゃくちゃな方法がありますか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員お尋ねの輸送の内容でございますけれども、これは今局長が答弁申し上げましたように輸送関連の経費のいわゆる支出を行うということでございまして、輸送の内容についてはこれは一切、日本政府は既に湾岸平和基金に払い込んで、運営委員会でこれを決定することでございますから、政府といたしましてはそこまで干渉するわけにはまいりません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 大臣、この交換公文を拝見しますと、交換公文の中にははっきりと、日本政府はそのお金がどういうふうに使われたかということを報告を求める権利があるんですよ。交換公文にはちゃんと書いてあるんです。随時報告を求めることができると書いてある。今度国会が開かれることはわかっているんですから、このことが問題になることははっきりしておるんですよ。日本政府は金を出しているんだから、一体この船舶が何に使われたんだ、何を運んだんだということを聞く義務が当然あるんじゃないですか、国民に対して。当然でしょう。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 先ほど来繰り返し申 し上げておりますけれども、湾岸平和基金に拠出いたしました資金は物資協力とそれから資金協力に使われることになっております。この資金協力は具体的には輸送関連経費、さらに具体的に申し上げれば航空機及び船舶の借り上げ経費等ということになっておりまして、何を運ぶかということに関しましては、今大臣も申し上げましたように、私どもは限定をつけておりません。私どもは、交換公文上もこの使用状況につきましては運営委員会から報告を受けることになっておりまして、現に報告を受けておりますが、それはまさに今申し上げたように航空機及び船舶の借り上げ経費等として使ったということでございまして、最初から輸送の対象について何らの限定をつけておりませんので、具体的に何を運んだという点に関しましてはもともと報告を求めておりませんし、報告を受けておりません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 そうしますと、我々の金が基金を通して行くわけですが、その行ったお金で、今言ったように、軍隊を運ぼうが弾薬を運ぼうが兵器を運ぼうが日本政府は一切関知しない、こういうことなのでございますね。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 基金の運営につきましては、運営委員会がすべて全責任を持っております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私が聞いていますのは、大臣、全責任を持っておると言うが、我々が非常に警戒をしておるのは、これはやはり軍事費じゃないのかな、軍事費に使われるんじゃないのかな、こう思っておるわけです。世間ではこれは全部多国籍軍というものの支援のために使われる金だと、みんなこう言っておるわけですよ。だから、我々とすれば何もくちばしを入れない、軍のために使われても結構なんだ、こういうことで、交換公文には報告を求めることができると書いてあるけれども、それは我々としてはやらないんだ、こういうことでございますか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 今回の中東貢献策の基本的な出発点になっております八月二十九日の閣議了解でも目的がはっきり書いてございます。これは「湾岸の平和と安定の回復のため安保理の関連諸決議に従って活動している各国に対し、適切な方法により思い切った協力を行う。」ということでございまして、あくまでも湾岸の平和と安定の回復のための諸活動に日本としても協力するということでございます。そのために、GCCに湾岸平和基金を設けまして約千二百二十九億円を拠出いたしまして、その資金協力は、先ほど来繰り返し申し上げておりますけれども、まさに輸送関連経費に充てるということで、私どもは、その輸送関連経費にきちんと使った。さらに言えば、これはいろいろな物資の調達等に使ってはならないわけでございまして、あくまでも輸送関連経費に使うということでございまして。その輸送関連経費に使ったということに関しましてはきちんと運営委員会から報告を受ける体制になっているということでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 体制になっているが、全然報告されていないじゃないですか。何の説明もできないじゃないですか。大臣、どうですか、何の説明もしていませんよ。私が言っている質問に答えていないじゃないですか。これは軍隊を運ぶのか兵器を運ぶのか、くどいように何回も言っているじゃないですか。それについては一切関係ないんだ、日本政府は一切関係ないんだ、こういうことですか。こんなことで通るんでしょうか。  もう一つ聞きましょう。大蔵大臣は一昨日の衆議院予算委員会において、これは弾薬なんて買ってもらっちゃ困るんだとはっきり言っておられる。そうすると、弾薬なんて買ってもらっちゃ困るんだということは、それほど大事なことであれば当然交換公文に書いておくべきなんですよ、日本政府とすれば。書いてないんです。どういうわけですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 物資協力につきまして、兵器弾薬を購入することは一切認めないということは外務省と関係国との間で明確に話し合いができております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 大臣にこんな質問をして申しわけないけれども、関係国とその約束ができていると。これは日本にとっては非常に大事なことですよ、武器弾薬は買われるのか。武器弾薬は買ってもらっては困るんだということをなぜ交換公文では書かないんですか。当然書くべきでしょう。いかがですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 先ほど御説明申し上げましたように、交換公文には確かに先生御指摘のように物資協力及び資金協力ということで、物資協力に関しましては「資機材の調達、輸送及び据付け」と書いてございますけれども、資金協力に関しては具体的な点が書いてございません。ただ、交換公文にはっきり明記してあることは、この詳細に関しては運営委員会で決めるということでございます。この運営委員会は日本政府代表とGCC代表とで構成しておりますので、まさにこの運営委員会を通じて日本政府としては発言権を確保しております。  その場合におきまして、先ほど申し上げましたように、物資協力に関しましては基本的に防暑機材、水関連機材等ということで、今まで調達したものは先ほど具体的に申し上げました。  それから資金協力に関しましては航空機及び船舶の借り上げ経費等ということで、これに関しましては私先ほど、今までのところ約五百六十八億円を湾岸平和基金から支出したということを申し上げましたけれども、これらの国からはどういうふうに輸送関連経費として使ったということはきちんと運営委員会に報告があり、運営委員会から日本政府にも報告が来ております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 何をあなたは答えているんですか、失礼ですけれども。私は端的に聞いているんです。武器弾薬を買うのに使われちゃ困るというふうに言っているから、これは一番大事なことだから、そんな大事なことならばなぜ交換公文に書かないんだと、こう言っているんですよ、私は。交換公文に書くべきでしょうと私は言っているんです。どうなんですか。当然じゃないですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 私が先ほど来申し上げていることは、きちんと武器弾薬に使わないということが担保されて、現に使われていないということを申し上げたわけでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 何で担保されているの。あなたさっき何と言ったね。こちらが出した金はどういうふうに使われようがお任せするんだと言っているんですよ。何が担保になっているんですか。冗談じゃないですよ。はっきり答えてください。じゃ担保を書いて、保証を書いてくださいよ。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 繰り返しで申しわけございません。先ほど来私は物資協力と資金協力の具体的な使用のされ方を御披露申し上げておりますけれども、この中に一切武器弾薬は入っておりません。そして、武器弾薬は購入されていないということも確認しております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 全然矛盾しているんだ、あなたの言っていることは。それほど日本の国の政治にとって大事なことなんだから、武器弾薬に使われては困るんだから、日本政府はちゃんとこれは武器弾薬に使ってもらっては困るんだということをなぜ交換公文にはっきり書かないんですか。  これは要求したんですか。交換公文に書くということを要求したんですか、大臣。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 先生、繰り返しで恐縮ですけれども、最初から武器弾薬を日本の協力で調達したいということは一切関係国から要望は出ておりませんで、そもそも私どもは最初から武器弾薬の調達ということに関しましては全く想定していないわけで、関係国からもそういう要望は一切来ておりません。そういう事態を踏まえて、にもかかわらず、私が先ほど繰り返し申し上げておりますように、運営委員会を通じまして日本政府の考えがきちんと反映されるメカニズムができているということを申し上げているわけで、それで結果としても武器弾薬は調達しておりません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 もうこれ以上やっても、私はほかに聞くことがあるからそこへ移りますけれども、とてもこれじゃ国民は理解しませんよ。  要するにこういうことなんです。日本の金がこの湾岸平和基金という窓口を通って、いわばトンネルになって行っちゃうわけですよ。使途不明金になっちゃうんですよ。何に使われたかわからないんです、はっきり言えば。軍事費に使われたって何にもあなた方は担保するものはないと言っているんだから、はっきり申し上げて。そうでしょう。それもまた、こちらから報告も求めようとしないんだから、今日国会があったって。そんなことで国民は納得するはずがないんです。  そこで、大臣に聞きますけれども、こういう我々が疑問に思っていることについて当然答える責任があるんじゃないですか、もっとはっきりと。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 先ほどから局長が答弁申し上げておりますように、政府としては、湾岸平和基金に拠出したその時点におきましてこの資金は運営委員会の運営にゆだねられるわけでございます。そこには湾岸協力機構の事務局長と、それから恩田駐サウジアラビア大使が事務局をやっておりますけれども、そこの協議に基づいてこの資金が配分され執行されるわけでございますから、そういう中におきまして、先ほど委員お尋ねの兵器弾薬、そういうものは買わないという日本政府の強い意思がそこで担保されているわけでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 大臣とこれ以上議論してもしようがありませんけれども、私は全然担保されていないと思うんです。本当に日本政府が担保されることを求めるなら、そういう御意思があるなら、くどいようですけれども、はっきりと交換公文の中に書くべきだ、私はこう思うんですよ。これだけ聞きましょう。どうですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) ここで重ねてお答え申し上げますけれども、この運営委員会に日本政府の代表が入っていない場合には、私は当然そういうものも列記する必要があろうかと思いますが、日本政府の代表がそこにおりまして、政府の明確な意思を運営上の時点において確認するわけでございますから、その必要がないという判断をいたしております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 これはえらいことを大臣は言っているんで、じゃお聞きしましょう。  国と国とでいろいろ約束を結ぶ、取り決めを結ぶ、こういうときに国会の承認を求めなきゃならぬという問題について、いわば大平三原則というのがある、私どもこういうふうに聞いておるんですが、大平三原則というのは一体どういうものか御説明願いましようか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) ただいま御指摘の大平三原則について御説明申し上げます。  条約その他の国際約束を政府が締結いたします場合において、どのような条約について国会の承認が必要であるかということにつきまして、昭和四十九年二月二十日に大平外務大臣が三つの基準を明らかにされております。これは衆議院の外務委員会でございます。大変長い御答弁でございますので、全体の構成と、そして現在御論議いただいております問題に直接関係するところをかいつまんで御説明いたしたいと思います。  全体の構成といたしましては、一いかなる条約に一つきまして国会の御承認が要るかという点につきまして、それまでの我が国の慣行を整理いたしまして統一的に御答弁になっているわけでございます。  三つの基準と申しますのは、第一に、条約がいわゆる法律事項を含むかどうかという点でございます。第二のカテゴリーは、いわゆる財政事項を含む条約であるかどうかという点でございます。それから第三のカテゴリーは、政治的に重要な一定の国際約束というものでございます。この第三のものは、いわゆる法律事項または財政事項を含まなくとも一定の政治的に重要なものについては国会の御承認が要る、こういうことでございます。  そして第二のカテゴリーに属しますところのいわゆる財政事項に関するものでございますが、ここは重要でございますので、この点だけ引用させていただきたいと思います。御答弁は、   次に、いわゆる財政事項を含む国際約束も国会承認条約に該当いたします。憲法第八十五条は、「国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。」旨定めております。したがって右の憲法の規定に基づき、すでに予算または法律で認められている以上に財政支出義務を負う国際約束の締結には国会の承認が得られなくてはなりません。 こういうふうに言われておるわけでございます。  そしてもう一点だけ引用させていただきますと、これを裏からといいますか、国会の御承認の必要な場合というのを言われた上で次のように述べられております。これは国会の承認の要らない場合を裏から言われているわけでございますが……

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 それは要らないです、聞いていないんだから。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) そうでございますか。  そういうことでございまして、以上の三つの基準に該当する場合には国会の御承認が要る、しからざる場合には国会の御承認は要らない、こういうことでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 これは局長、条約という名前には必ずしもこだわらない。要するに当事国での一定の合意といいましょうか、そういうものにこれは当てはまるんだと。だから三番目のカテゴリーとすれば、例えば日ソ共同宣言というようなものがあるわけですから、そういうふうに承ってよろしいんですね、名前には余りこだわらないと。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 文書の名前あるいは形式にはこだわらないという点につきましては御指摘のとおりでございまして、この大平答弁の中でもその点は明らかにされております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 これは大平外務大臣が、今局長が答弁されたとおり、昭和四十九年の二月二十日に国会で答弁をされているわけでございますから、これは私どもはいわば内閣と国会との約束だと、こういうふうに理解しているんですが、大臣、いかがですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 内閣と国会との約束ということではないと私は思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 冗談じゃありませんよ。大平国務大臣は国会で、条約の問題で国会にどういうものを承認を求めるべきかと、いろいろ問題があって整理をしてこういう方針を出したわけですよ。それで恐らく国会もこれを了承したわけです。いわば外国との協定についてはこれでいくんだ、こういう格好で国会の皆さんにも承認を得るべきものは得ますよと。それはすなわち国民との約束だというふうに私は理解するんですが、どうですか。私の理解は無理ですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) この大平答弁の性格につきましては、先ほどちょっと申し上げましたとおり、昭和四十九年までの慣行をも踏まえまして条約締結の方針につきまして整理されて答弁されたものでございます。その後の条約締結の慣行につきましても、政府といたしましてはこの方針に沿ってやっているわけでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 だから、こういう方針に沿ってやっているということは、国民に対してこういう方針でいきますよというふうに私は理解しているんです。そういうふうに理解してよろしいでしょう。大臣、どうですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) できるだけそのような方針に従ってやっていくというのは従来の方針の考え方を継承しているという考え方でございますが、先ほど委員から厳しいおしかりを受けたようなその約束事という言葉に当てはまるかどうかというと、私は少しそれに拘束されることはできないと。そのような国民、国会に対する政府としての考え方、そういうものをお示ししたものと理解いたしております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 そうなりますと、今度の交換公文というのはこの三つのカテゴリーのどこに入るんですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。  湾岸平和基金に拠出することに関しましていわゆるGCCとの間で交わしました交換公文につきましては、国会の御承認をいただいた予算の範囲 内で行う資金の拠出について定めるものでございますので、先ほどの大平答弁のカテゴリーでいいますと、第二のカテゴリーの「いわゆる財政事項を含む国際約束」に当たるかどうかということでございますが、これは今申し上げましたとおり、既に予算につきまして国会の御承認をいただいて、その範囲内で拠出するというものでございます。したがいまして、言いかえればこの交換公文は、「すでに予算または法律で認められている以上に財政支出義務を負う国際約束」には当たらないということでございます。簡単に言いますと、第二のカテゴリーの財政事項を含む条約には当たらないということでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 それはあなた、違うんだよ。あなた方の立場からいえば、財政事項は含むけれども、予備費というものがあるからそれを使わせてもらった、予備費の範囲でやるからこれは国会の承認は要らないというふうに言いたいんじゃないんですか。そうでしょう。それはいいか悪いかは別ですよ。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 既に国会の御承認を得た予算の範囲内で行うというものでございます。したがいまして、大平答弁の第二のカテゴリー、れは正確に言いますと「財政事項を含む国際約束」というふうに言われておりますけれども、これは繰り返しになりますが、「すでに予算または法律で認められている以上に財政支出義務を負う国際約束の締結には国会の承認が得られなくてはなりません。」とおっしゃっているものには該当しない、こういうことでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 何でですか。じゃ、これは大臣に聞きますよ。  補正で出てくる千三百億円というものについては、これは交換公文があるんですか、ないんですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 技術的あるいは事務的な点につきまして、まず私の方から御答弁させていただきます。  補正でお願いしておりますものにつきましては、いわば本件基金への追加拠出ということになるわけでございますが、現在御審議いただいております補正予算の成立を受けまして、改めていわゆるGCCとの間で、予算の範囲内で行う資金の拠出につきまして定める取り決めを締結する予定でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 だから大臣、仮に補正予算が通ったといたしましても、現時点では交換公文というのはないわけですね。どうですか。これははっきりさせてください。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) ただいま御審議をいただいております補正予算に含まれております分につきましては、交換公文はございません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 先ほどの大平三原則で第三のカテゴリーとして、「わが国と相手国との間あるいは国家間一般の基本的な関係を法的に規定するという意味において政治的に重要な国際約束」というのがあるんです。この湾岸危機に出すお金が軍事費に使われていくのではないか、例えば憲法で禁じられておる集団的な自衛権にかかわるのではないか。かかわるとは言ってないですよ、かかわるのではないか、そういう疑問が提起されるとすれば、この第三のカテゴリーにおいて、交換公文、国会の承認を求めるというのが私は筋だと思いますが、いかがですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 正確を期すために、大平答弁のこの部分だけもう一回読ませていただきます。   第三のカテゴリーとして、ただいま申し上げたような法律事項または財政事項を含まなくとも、わが国と相手国との間あるいは国家間一般の基本的な関係を法的に規定するという意味において政治的に重要な国際約束であって、それゆえに、発効のために批准が要件とされているものも国会承認条約として取り扱われるべきものであります。  こういうふうに言われているわけでございまして、具体的には、いわゆる国家間の基本関係を定める友好条約でございますとか、そういうものが考えられているわけでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 総理に聞きましょう。  今度の湾岸のGCCとの交換公文でございますけれども、形の上では交換公文になっておりますが、内容は日本のいわばこれからの政治のあり方、国際社会でのあり方、はっきり言えば軍事的に非常にコミットしてくるんではないか、こういう一つの懸念、こういうものが率直に言ってあるわけでございますよ、国民の中に。あるいはこういう形でどんどんどんどん金が出ていっちゃっていいのか、やはりこれは当然国会の承認を求めるのが政治の常道である。要するに大平三原則というのは、なるべく国会のコントロールのもとに置かなきゃいけない、これが基本の精神としてあるわけですよ。だから、こういう重大な問題については当然国会の承認を私は求めるべきだと思う。出すべきだと思う。これが総理としての任務だと思いますが、どうですか。  これは総理です。総理に聞いているんです。(「指名しない人間が出てくるな」と呼ぶ者あり)委員長、きちんとやってください。これは私は総理に政治的な見解を聞いているんです。非常に大事な見解ですからね。これは局長じゃないです。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 法律的な点につきまして確認させていただきたいと思います。  政治的な重要な条約というものにつきましては……(「総理が言わないうちに出てきたらだめだよ。委員長、とめてくれ。だめですよ。」と呼ぶ者あり)

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) ちょっと速記をとめてください。    〔速記中止〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こしてください。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 御議論を拝見しておりまして、私の率直な印象を申し上げますけれども、この問題は、国連決議を受けて湾岸平和回復のために努力しておる国に対して、国連の決議を受けての日本として何ができるか、その一環として日本がそういった協力基金の提出を考えて実行したものでございます。そしてそのことにつきましては、私はいろいろな党首会談のときでも野党の党首の方から、遅過ぎる、少な過ぎるという御批判を受けたこともありますし、また、できる限りのことを自主的に考えてやったことに対してそういう状況でございました。私は、だからこれは戦争協力じゃなくて、平和安定回復のための国際世論、国際努力というものに国際社会の一員としてできるだけの協力をすべき立場が日本にはあるんだ、こういう基本的な立場に立ってしておるものでございます。  なお、交換公文の内容のいろいろな問題とか国際法上の問題につきましては、政府委員からお答えをいたさせます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 局長はいいです。これは政治的な問題だから私は総理にお尋ねする。  日本国家の上に国連があるわけじゃございません。国連決議があれば何でもこういう形でやっちゃっていいなんていうことにはならないんですよ。そうでしょう。国連決議は国連決議でよろしいです。それはあったって結構です。しかし、日本の国というのはまた別なんだから。そうでしょう。その日本の国が、湾岸諸国と結んでいろいろ疑問が出てくるようなことが今指摘されておるわけですよ、はっきり申し上げて。とすれば、国民的な理解を得るなら、当然堂々と交換公文を国会に出して承認を求める、これが政治の常道ではないですかと私は聞いておるんです。政治判断を聞いているんですよ。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 日本の国は日本の国として、あの湾岸危機を見ますと、あそこに明らかに正義に反することが行われたわけですから、武力による侵攻、併合というようなことが今の新しい時代の歴史の中で許されていいことかどうか。あのような既成事実がやむを得ないこととして定着するのはよくないということを私どもは判断して、それを国際社会の総意で、それは間違っておるんだ、やめなさいという決議があり、その決議 の趣旨には日本として賛成でありますからできる限りの貢献をすべきだと、こういう決断をしたわけてありまして、その結果出たのがこれでございますから、そういった立場に立って基本的な行動をとっておるんだということを私は先ほども申し上げたかったわけでありますし、それに基づいての行為であるということでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 そこまでは私は全然異論はないですよ。イラクがクウェートに侵略していて、あんなものがいいなんて思っておる者はだれもいません。そんなことは当たり前の話なんだ。  私が言っているのは、それは総理の言っていることは全部オーケー、そこまではいいです。それならそれでいいから、これは交換公文についてこういう形でいきたいんだとなぜ国会の承認を求められないんですか。求めたらいいじゃないですか。堂々と求めたらいいんですよ。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 国会が開かれておらない状況でありましたので、党首会談を二度行って、八月の党首会談、九月の党首会談でも私はそういう内容、やり方、物の考え方、中間報告を党首の皆様にしたところであり、そのとき社会党の党首からは遅過ぎる、少な過ぎるというおしかりをいただきましたので、それなれば教えてください、私はこういう判断でこうしましたが、どれくらいお出ししたら少な過ぎるとおっしゃらないんでしょうか、諸外国と比べてどれくらい出したらいいとお考えでしょうか教えてくださいと言ったときに、残念ながら教えていただけませんでした。  そこで、我が方としてはできるだけの努力をして差し出すのがこれですという、湾岸平和回復のためのこれが貢献ですということを私は申し上げてそして来たわけでありますから、その間の事情等も御理解いただいて、何でもかんでもないしょで隠してやっていこうなんていう気持ちでも毛頭ございません。言うべきことは言いながら、発表をしながら、御理解をいただきながらきょうまで明らかにして進めてきたところでございますので、どうぞその点は御理解いただきたいと思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 我が土井委員長のことを総理はおっしゃいますけれども、これはこの前佐藤三吾議員からも反論がありましたが、我が土井委員長は、はっきり申し上げますけれども、多国籍軍にお金を出していいなんていうことは一言も言っていませんから、これははっきり申し上げておく。難民救済とか民生のために金を出すなら幾らでも我々は協力するんです。  そこで尋ねますけれども、あの中東紛争が起きたときに、我々は一日も早く国会を開いた方がいいと言ったんです。そうでしょう。日本の国としてこれにどう対応するかというのは大変大きな問題なんですよ。そういうときに、いいですか、総理はすりかえているんですよ。私が言っているのは、交換公文の国会に対する承認を求めない理由を言っているんです。なぜあなたは国会に対してこの交換公文の承認を求めないのだと、こう聞いているんですよ。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 国会のことは国会でお決めになることで、政府からつべこべ言うべきじゃないかもしれませんが、国会を開会しようということが各党間のいろいろなお話になる前に、こちらは党首には御報告をした方がいいというのでお目にかかって、もう八月からお話を始めておるところでございます。  それから交換公文の手続については、これは専門の政府委員の方から答弁いたさせます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私は技術的なことを聞いているんじゃないんですよ。技術的なことはもう全部わかっているんだ。政治判断を聞いているんです。  この交換公文というのは国会の承認を求めるべきだと、こう私は思っているんだけれども、総理、これは必要ないなら必要ない理由を言ってくださいよ。必要があるとかないとか言ってください。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 必要あるとかないとかの角度じゃなくて、あのときは遅過ぎるという批判が随分ございましたことで緊急性を要するわけでありますから、ああいった平和の破壊に対して緊急性があったということであのような貢献策を発表し、直接国民の皆さんに記者会見等を通じて訴えながら、各党党首の皆さんにもお話をしながら事を進めてきたということでございます。そういった判断をしたということでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私経過を聞いているんじゃないんですよ。今だってこれだけ大きな問題になっているんですから、交換公文を国会の承認を求めていいんじゃないですか。ちっともおかしくないですよ。どうですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 先ほど来何度か御答弁申し上げておりますとおり、この大平答弁の第三のカテゴリー、すなわち政治的に重要な一定の条約という点につきまして、その点だけ読ませていただきます。   第三のカテゴリーとして、ただいま申し上げたような法律事項または財政事項を含まなくとも、わが国と相手国との間あるいは国家間一般の基本的な関係を法的に規定するという意味において政治的に重要な国際約束であって、それゆえに、発効のために批准が要件とされているものも国会承認条約として取り扱われるべきものであります。 こういうふうに言われておるわけでございまして、今回の交換公文はこのようなカテゴリーのものには該当しないわけでございます。  大平答弁につきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、政府といたしまして一貫してのっとっております条約締結の方針でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 これは補正についてはまた新たに交換公文を締結しなければならぬと先ほどおっしゃったから、後でちょっと補正の問題についてもう一遍聞きます。  そこで、法制局長官にお尋ねしますけれども、憲法上予備費の運用についてはどういう規定になっていますか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) お答え申し上げます。  憲法におきましては、予備費は第八十七条で規定してございます。それほど長くございませんので一応読ませていただきますと、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。」、これが第一項でございます。それから第二項といたしまして、「すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。」、かように規定しております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 そこに書かれております国会というのは、衆議院と参議院というふうに理解してよろしゅうございますね、法律上の解釈は。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) ただいま読み上げました八十七条二項において「国会の承諾を得なければならない。」ということでございますが、これは両議院の双方における承諾だと、かように考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 そうしますと、衆議院と参議院で結論が異なる、衆議院では予備費の承認があったけれども、参議院では予備費の承認がなかった。こうなりますと、これは国会の承認はもらえなかったと、こういうふうに理解してよろしいんですね。法制局長官、お尋ねします。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) 実は六十三年度の一般会計予備費におきましておっしゃるような事態がございました。「衆議院においては承諾することを議決した。」、それから「参議院においては承諾しないと議決した。」ということでございまして、平成元年の十二月一日に衆議院議長から総理大臣にあてました通知におきまして、「右は国会において別紙のとおり議決した結果、国会の承諾はなかった。よってここに通知する。」、かような文書がございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 長官、予備費の承認が得られないということになりますと、これはどういう責任が発生すると一般的には考えられておりますか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) この国会の承諾につきましては、いわゆる予備費の支出につきましての内閣の行動といいますか、そういうものにつきましての国会としての当否の判断である、かように 言われているわけでございます。したがいまして、国会が予備費の使用につきまして承諾を与えないという場合には、内閣によるその支出について不当である、こういうふうな政治的な不当であるというふうな判断が示されたことであるというふうに言われておりますが、一方、このことは過去におきます予備費の支出行為、これのいわゆる法的な効力について影響を及ぼすものではないと、かように学説でも言われているところでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 おっしゃるとおりだと思います。  要するに、もう使っちゃったものですから取り戻すわけにいかないけれども、しかしいわば内閣の国会に対する政治責任というものは当然あるわけですよ。使っちゃって、承認されないで、いやあというようにしらばくれているわけにいかないでしょう。政治責任というものは発生するんだというふうに私は理解するんですが、総理大臣、いかがでございますか。これは総理大臣に聞きたいんです、政治責任というものは発生するかどうか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 決算の……

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 決算じゃございません。予備費でございますから、決算と間違えないでください。予備費でございますから、決算とは違うんでございますよ、失礼でございますけれども。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 突然の御質問でしたから、ちょっと失礼しました。  政府は、予備費についてその節度ある使用に留意し、みだりに流用されることのないようその適正な処理に努めてきたところでありますが、今般、予備費の使用について参議院の承諾を得られなかったことについてはまことに遺憾である。政府としては、今後とも予備費の使用に当たってはその適正な使用に一層努力していく決意でありますということを、反省を込めて厳しく受けとめてこういった談話を発表し、今後はこういったことを繰り返さないようにできる限りの努力をしなければならぬということを内閣として決めたわけでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私は率直に申し上げまして、内閣の責任において予備費を使ったわけでございますから、一つの政治判断でお使いになったわけでございますが、この湾岸危機の問題について、これはいろいろ憲法上問題が出るのじゃないか、集団的な自衛権とも絡むんじゃないか、あるいは憲法論議も出てくるんじゃないか、こういう御懸念なり問題意識というのは大蔵大臣なり外務大臣なり総理大臣は持っておられたのでございましょうか。どうですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先刻来の御論議の中で、いろいろ当時を振り返り、どのような感じでこの決断に至ったか私なりに考えてみました。そして、その時点でまず第一に申し上げたいことは、当時、日本についてさまざまな形での協力の要請はございましたけれども、その中で武器あるいは弾薬について供給を求める国は全くなかったということであります。私は、その時点において、外交当局が結ばれた交換公文の中に武器弾薬の購入云々ということが入っていないという委員の御指摘でありましたけれども、当時どこからも武器弾薬の供給についての協力を求められておらなかったという事実がそうした文章を必要としなかったという背景ではなかったであろうか、当時を振り返りながら今そう感じております。  そして同時に、私どもといたしましては、先ほど来外務大臣、また総理からも御答弁がありましたように、中東の情勢の中における一日も早い平和の回復、安定というものを求める、その行動の中で日本として何ができるかということを真剣に論議をいたしました。そして、その際人的協力についても、例えばエアリフト、シーリフトあるいは医療協力等、さまざまな角度からの論議がなされたことも事実であります。そうした中における、最終的に人的な協力がそうできない日本の体制の中において、資金的な協力をできる限り行わなければならないという判断は確かに私はいたしました。そして、先刻来申し上げておりますように、武器弾薬の購入、供給という要請はどこからもなかったという情勢の中で、憲法上の問題というものは起こり得ないと私は考えておりました。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 しかし、今いろいろ議論をやっておりまして、現実にはこれは軍事的な色彩を帯びておる費用だと、軍事支援だと私は認識しておるんですけれども、例えば、一言だけ申し上げますけれども、この十億ドルを出すときにアメリカの信託基金を使ったらどうかというような御議論もあったように私は聞いておりますし、はっきり申し上げまして、アメリカ政府からいわばアメリカの軍事資金の一部としてそれなりの援助を求められてきたというのが私は実態だと思うんですよ。そうすれば、これは国会の中でそういうことが果たして妥当なのかどうなのか、こういう議論が出てくるのではないかというふうに考えるのが当然じゃないでしょうか。どうですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 国会における御論議のあり方について私が云々することは的確ではないと存じます。  ただ、事実問題として、私自身の体験の中から申しましても、確かにアメリカ合衆国として正式に大統領特使として日本に派遣をされましたブレイディ財務長官一行から、アメリカを含めた多国籍軍に対する資金協力の要請がありました。しかし同時に、そればかりではなく、その前、この湾岸情勢の激変の後、ヨーロッパの主要国の大蔵大臣と周辺国支援等を含めてその相談のために私が回りました時点におきまして、ヨーロッパの各国の中において、自国が派遣した軍隊に対しその資金の協力が得られるだろうかという打診のあった国もございました。また、自国に対しての援助は求めないが、旧宗主国としての関係のある地域、特定の地域について日本の資金的な協力を要請されたところもございます。これはその時点において、私はアメリカ合衆国のみが費用負担を求めたという状況ではなかったように考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私は、いずれにいたしましても、総理大臣、この予備費がいずれ調書でもって二月ごろじゃないかと思いますが出てまいりますと、国会の承認、すなわち我が参議院はこれは良識の府でございますから、率直に申し上げましてこの予備費に対して承認をするということはないと思っておるんですが、もしそういうことになれば、これは政治責任が発生するんだということははっきり申し上げておきたいと思うんです。  そこで、この補正についてお尋ねしますが、千三百億円、すなわち十億ドルというものについての積算根拠は一体どうなっておるんですか。これは外務大臣が千三百億円要求されたんですから、この文句に載っておるんですから、ちょっと説明してくれませんか。千三百億円というのはどういうお金、どうやって積算されたのか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 各国の状況につきまして、この積算根拠に参考といたしました資料については、政府委員から答弁をさせていただきます。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 先生御指摘の今回の千三百億円でございますけれども、これに関しまして国会で御承認がいただければ、その後、前回の拠出と同じように日本政府とGCCの間で交換公文を締結いたしまして拠出する予定でございます。  その千三百億円が今後具体的にどのように運用され、どのように使用されるかという点でございますが、これは前回の拠出金と同じように、これも先ほど来繰り返し申し上げておりますけれども、湾岸の平和と安定の回復のため国連の関連諸決議を受けて活動している各国の支援に充てられるわけでございまして、具体的には資金協力、物資協力、この資金協力も、先ほどちょっと御説明いたしましたように、輸送関連経費、それから物資協力は防暑、水関連機材等ということでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 そんなことを私は聞いているんじゃないんです。これはあなた、予算のイロハですよ。例えば、戦車一台十億円だと十台欲しいから幾らだと。あるいは土木なら土木で全部積算根拠もあるし、農林なら農林で全部積算根拠があって積み上げてくるんです。この千三百億円という のはどうやって積み上げてきた金なのかと聞いているんです、僕は。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) これは全体といたしまして、先ほど来総理及び外務大臣から触れておられます湾岸地域におきます平和と安定の回復のための各国の国際的努力に対しまして、日本もさらに積極的に貢献していくという見地から、厳しい財政事情等もございますけれども、総合的に考えぎりぎりはじいた数字でございます。  これが具体的にどう使われるかという点は、先ほど来申し上げておりますように、GCCに拠出後、輸送関連経費の資金協力と防暑機材、水関連機材等の物資協力ということでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 あのね、それは防暑機材でも何でもいいが、防暑機材が何台要るんですよ、兵舎が幾つ要るんですよ、輸送するのにこれだけ金がかかるんですよ、こういうのを積み上げていったら千三百億円になったんですよというならまだわかるんだ、話が。そういうことがあるんですか。大臣、どうなんですか。そんなことないでしょう。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) この千三百億円の規模についてでございますけれども、これは先ほど来申し上げておりますように、湾岸の平和と安定回復のための各国の国際的努力、各国はもう先生御承知のようにいろいろな形で協力しているわけでございまして、日本もこれに対しまして協力するという見地から、八月三十日に、先ほど来話題になっておりますが、予備費を中心とした十億ドル、それからさらには九月十四日に追加の十億ドル、それから周辺国支援二十億ドルということで意図表明をいたしましたものを受けて今回審議をお願いしている次第でございます。  具体的な点は、今後湾岸平和基金の運用の責任に当たっております運営委員会が各国から具体的な要請を受けて決めていくということでございまして、その運営委員会の対象は、先ほど来繰り返し申し上げておりますけれども、資金協力としての輸送関連経費と物資協力としての防暑機材、水関連機材ということでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 だから、水関連機材でもいい、防署機材でも結構だよ。それが一体、湾岸諸国からこれだけ要るんだ、これだけ出してくれと、こういうふうに言われて積み上げていったら千三百億円になったというのかと聞いているんです。そんなものは何もなくて、千三百億円が天から降ってきたんですか。どうなんです。それを聞いているんだ。はっきり答えてください。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 先ほど来申し上げておりますように、運営委員会に対しましては各国からもいろいろな要請が現段階でも行われておりますけれども、まさに国会の御承認を得た後交換公文を結んで、そしてその具体的なことに関しましてこの運営委員会で検討していくということでございますので、繰り返しでございますけれども、そういう運営委員会が交換公文締結後、基本的な方針は先ほど来繰り返し申し上げておりますので繰り返しませんけれども、それに従って具体的に決めていくということでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 納得できません。千三百億円という莫大な金ですよ。十円や二十円とけたが違うんだ。今聞いても何にもわからない。わかった人いますか、何のことか。だれもわかりませんよ。こんなことで千三百億円ばさっと出してきて、これを通せと。これで通りますか。はっきり千三百億円の根拠を言ってくださいよ。委員長、言うようにしてください。だめだ、これは。とんでもない話だ。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) ちょっと速記をとめてください。    〔速記中止〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こして。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 中東におきます湾岸の平和の回復のために展開しております各国、多国籍軍を含めてそれぞれの国が協力をいたしておりますが、我が国といたしましては国際社会における経済国家としての国の力から考えて、一番国際の平和を求め、また中東に多くの原油を依存している日本としては、この地域の平和と安定を確保するために国家としてこれだけの拠出をすることが適当であろうと判断をしたわけであります。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 だから、積算根拠というのは細かいものはないんでございますよ。もう千三百億円という、緊急時だからこれでひとつ何とかと、まあ緊急時かどうかわからぬけれども、千三百億円出したと。しかし、この千三百億円という金を予算書に出してきているんですが、どこの項目に入っているんですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) お答えいたしますが、項といたしましては「国際分担金其他諸費」、目といたしましては「国際機関等拠出金」でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 この項目の中にはいろいろあるんですが、必ずお金を出すもとに条約があるとか、あるいは国会が承認をした国際機関に分担金として出すとか、何か根拠があって全部出てきているんですよ。全部根拠があるんです。根拠がないのは、私全部調べたけれども、一件だけだ。シナイ半島の何とか監視団とかへ出しているのは何の文書もないですな。  だけれども、予算書の中には必ずいわば根拠があって金が出てくる。中身は積算できなくてもいいわ、しょうがない。それじゃ、その千三百億円というものを出す根拠は一体何ですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今根拠と委員が言われました……

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 法的なものですよ。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 法的なということでありますならば、これはまさに予算として御承認をいただくべき内容を持った国家の支出と、私はそう定義をいたしたいと思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 これは大蔵大臣と大激論になると思うんですが、私は、条約でも交換公文でも何でもいいんですよ、交換公文なり条約というものがあって、その義務を履行するために千三百億円出してくれと、これが筋じゃございませんか。  例えば、今公務員賃金が問題になっておりますね、賃金アップ。予算が出てまいります。その裏づナとして法案が出てまいっております。両方とも通らなければ金は出せませんでしょうが。ところが、これは交換公文はないのでございますよ、さっきはっきり言っているんだから。そんなことでいいんですか。根拠は何ですか、これ。今度は根拠、内容じゃありませんよ。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど外務当局から御答弁がありましたけれども、現に御審議をいただいております予算でありますから、国会の御承認がいただけました段階においてこの部分につきましての交換公文を締結する。交換公文の締結を先行いたしました場合には、これは国会で御了承がいただけなかった場合には国際約束に反する結果を生ずる、私はそう考えます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 それは条約の結び方によると私は思いますよ、内容によると思いますよ。国会の承認を得ることを条件に千三百億円を交換公文で取り決めるということは可能でしょうが。当たり前のことですよ。国会の承認が得られなければ出ませんよ、国会の承認が得られればこの金は使いますよと、こういう交換公文があっていいんじゃないですか。法律と予算との関係というのはそういうものですよ。  したがって、今回のこの千三百億円というものは、そういった法律なり交換公文も全くないわけです。全くない。こんな異例なやり方で、前代未聞のやり方で千三百億円の金を出してくるという、そんなことでいわば財政の基本的なシステムが保てるんですか。総理大臣、どうですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 総理ということでありますが、所管閣僚として私からお答えをさせていただきたいと思います。  私が申し上げたいことは、交換公文、先ほど言葉はいろいろな言葉があるということを委員みずから提起されました。逆に言えば、国会の承認を得ない交換公文というのがあることも委員としてお認めがいただけると思うのであります。  まさに補正予算以前、先刻来御論議をいただきました予備費につきましては、私どもはそのよう な対応をいたしました。今回、補正予算において御審議をいただく、そしてその結果において御承認がいただけるものと私は確信をいたしておりますけれども、現下の国際情勢の中において日本が負担しなければならないと判断をいたしましたこの千三百億円という金額について、これが院の御承認をいただきました段階においていかような交換公文を結ぶかは、私はまたこれは外交上の問題であろうと思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 交換公文は、先ほど申し上げました大平三原則によりますと、これは新たな財政上の支出でございますからはっきりしていますね。今度は補正予算でございますから、新たな財政上の支出を伴うものでございますから、当然その交換公文は国会の承認を得なければ、大平三原則に反すると私は思います。大臣、どうですか。外務大臣でよろしいですよ。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 条約上の問題でございますから、条約局長から御答弁させていただきます。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 先ほど御答弁申し上げたところと若干重複いたしますけれども、今回のいわゆる追加拠出につきましては、現在御審議いただいております補正予算の成立を待ちまして、改めていわゆるGCCとの間で予算の範囲内で行う資金の拠出につきまして定める交換公文を締結する方針でございます。  大平三原則との関係につきましては、まず予算についての御承認をいただいて、その範囲内でこれを実施する交換公文を結ぶ、こういう関係になるわけでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 これは議論を闘わすとなると大変なことになるんですけれども、先ほどの補正予算の関係、賃金の問題。予算があって給与法体系があって、両方とも出てこなきゃだめでしょう、出せないでしょう。そうすると、交換公文が締結されなければ金は出せませんな。どうですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 交換公文を締結しました後、支出をするわけでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 しかも、その交換公文の内容が大変な議論になっているわけですよ。これは政治的な判断で当然国会に承認を求めなきゃならぬ事案なんですよ、大平さんの精神からいったって。また、これだけ国会で内容が問題になっておって、また同じような交換公文をつくるんですか。国民はとても納得できませんよ。これだけ国会で問題が提起されておって、あれと同じ交換公文で押し切ろうというんですか。どうですか、それは。——局長じゃないですよ、大臣に聞いている。政治的な問題は局長はいいです。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) この交換公文は、予算を御承認いただいた後で結ぶわけでございますから、この交換公文を改めて議会に御審議いただくということはないという判断をいたしております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私は恐ろしいことを言っていると思うんですよ。千三百億円、全然根拠がないつかみ金で出してきて、そして交換公文を適当につくって、そのつくった交換公文を国会の承認にもかけないでどんどんどんどん銭だけ出していけばいいんだと、こういう発想はどうしてなんですか。私ははっきり申し上げまして、これでは行政府独裁じゃないですか。何のために国会があるんですか、国会にちゃんと承認を求めるという発想にならないんですか、あなた方は。我々は納税者の立場からいってとても理解できませんよ、そんなこと。どうですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 先生御指摘の点でございますけれども、まさにこの補正予算案に計上させていただいて御審議を願っているわけでございまして、先ほど外務大臣から申し上げましたように、私どもが交換公文を結ぶと申し上げておりますのは、まさにこの補正予算案が国会で御承認をいただければその後にということでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 そんなことを聞いているんじゃないんだ。時間の関係がありますが、私は政府のやっていることは絶対納得できません。いいですか、千三百億円という金は、実体は軍事費です、軍事支援です。その軍事支援の協定を結んで、しかもそれを国会に全然出さないで、承認も求める気はない、こういう恐るべき政府のやり方、これは国民は絶対納得しないと私は思います。  そこで、この問題はこれで打ち切りますが、中東問題であと二つ聞きます。  総理、国連の安保理事会で、いわばイラクに対する武力行使というものが容認をされる決議がされましたけれども、これに対して日本政府はどういう態度をおとりになっておるのでございますか。例えば、これを支持するとか賛意を表するとかいろいろあると思いますが、どういうお立場でございますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 今回の湾岸危機に関しては、平和回復のための国連の安保理の決議というもの、それを日本は基本的に支持しておりますし、同時にまた、粘り強い努力によって平和的に解決されなければならないという基本も強く持っておりますが、今回の国連のあの決議は、さらにそのようなきょうまでの安保理の諸決議の結果を踏まえて、平和的解決のためにイラクに最後の機会を提供するという国連の意思の表明であるということでありまして、私どもはその決議を支持いたしますが、願わくは、イラクが高い次元に立っての局面転回への努力と決断をなされることを、平和的に解決されることを強く願い、その努力の一環だと受けとめております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 あの決議の内容をよく読んでみますと、要するに一月十五日というタイムリミットを切ったわけでございます。そこでもし撤退をしなければ、国連決議を守らなければ武力行使も認めるという趣旨でございますね。そうでしょう、あらゆる手段というふうに言っていますから。あらゆる手段というのは、常識的には武力行使だというふうになっております。撤退をしなければ武力行使を認めるということを、日本の憲法のもとでその憲法を守らなければならない責任のある総理として支持することはできないと私は思うんです。ここが違うんです。理解を示すことはできても、日本国憲法の制約のもとでは支持はできないと思うんです。武力行使を支持はできないと思うんです。どうですか。これは大変なことですよ。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 私は、武力行使のことを前提に置いて、そこだけで物を考えたくないわけであって、あの決議そのものの持っておる本当の意味は、国際社会が一致結束しておるきょうまでの累次の決議に対して、イラク側に、国際社会の結束に対して人質問題では譲歩がありましたけれども、問題の根本的解決になる武力で国を侵略して併合したそこから引きなさいという国際社会の総意に対して何ら反省が示されておりませんから、強く反省を迫るということ、今度の湾岸危機の原因をつくった人にその局面を打開する最後のチャンスを与える、そのための国際社会の総意だという決意でありますから、それを私は支持して、イラクもそれにこたえて平和的な解決のために決断されることを強く期待しておるわけであります。  ただ、あの決議があった直後に、アメリカはイラクに直接対話を呼びかけるという思い切ったイニシアチブもとっておりますし、まだ今日その日付において合意ができておらないのは残念ですが、さらにイラクもこれに応じて、アメリカとイラクの当事者間の直接対話が開かれることによって平和解決への外交努力の前進が望まれるということを強く私は願っております。その気持ちはアメリカの大統領にも私から直接伝えてありますし、イラクのフセイン大統領にもあらゆる手段を通じて、日本はそういった平和解決をあくまで期待しておるという強い願いも伝えてありますし、それが国際社会の総意であるということは双方理解の上ですから、戦争になる戦争になるということじゃなくて、平和解決への努力が国際社会の総意で思い切って前進していくように私は強く願い、日本としてもできるだけの支援をし、協力をし、発言をしていきたいと思っております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 これは総理と私どもとの憲法に対 する考え方が違うと思います。はっきり申し上げます。  少なくとも日本の憲法では、国際紛争を解決する手段としては武力の行使、武力の威嚇はこれを永久に放棄する、こういうふうに言っているわけです。したがって、そこが違うところなんですよ。私どもは、日本のこの憲法というのは原理的にはほかの一般の持つている憲法とは非常に違うと思います。その認識というものをしっかり持っていただきませんと、武力行使を安易に結構でございますというようなことになったら、これはえらいことでしょう。私どもにできるのは、少なくともあの国連決議に対して理解は示せるけれども、積極的に武力行使を支持することなんてこれはできないはずです。そして支持をしておいて平和解決を願うというのは、これはおかしい。  中国は棄権したんです。じゃ、中国はなぜ棄権したと思いますか。これを大臣はどういうふうに判断しますか。中国はあの安保理で棄権をしていますね。これはどういうふうに理解していますか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) それぞれの国にはそれぞれの考え方があろうと思います。日本は日本としての考え方を今総理は言われたのでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 中国はやっぱりアジアの国でございますよ。もちろんイラクがクウェートを侵略し併合したことは許されない。これははっきりしておる。しかし、平和的な解決を願っている以上、武力行使を認める国連決議にはやっぱり賛成はできなかったんです。中国ですらそうなんです。いわんや日本があれを支持しておいて平和解決のために努力するというのは、私はおかしいと思う。  では聞きますが、総理は平和解決を願うと言っておりますけれども、私ははっきり申し上げて今一番大事なのは、イラクをどうやって撤退させるか。だれだってみんな撤退しろ撤退しろと言っていますけれども、この撤退させるための条件づくり、これをやはり日本政府はやらなきゃいけないんじゃないですか。そのためにどういう努力をしていますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) そもそも問題の根本をつくったのはイラクですから。そうでしょう。そして、条件づくりとおっしゃるけれども、国際社会が総意で、国連で安保理事会があれほど明白な意思を累次にわたって重ねて表明できるというのも四十五年間で初めての経験だと思います。そして、そのときは三つの条件といいますか、クウェートからの撤退、正統政府の復帰、人質の釈放、これを強く決議として求めたわけです。皆で経済制裁を加えてきました。けれども、それによって反省の色も事実も出てこなかったというのも事実であります。  そして条件とおっしゃいますが、まずこの国際社会の決議に従ってもとの八月二日以前の状況に戻すことが局面を打開するための第一歩で、例えばブッシュ大統領の十月の国連演説におきましても、それが行われた後で、イラクとクウェートとの両国の問題やあるいはパレスチナ国家を含むいろいろな問題についてさまざまな機会が提案されるだろうということを述べておるように、まず条件は前提をつくることでありますから、それについてはどんな条件になるか。条件づくりとおっしゃっても、これは当事者間の直接対話が今ここで呼びかけられてそれが実現するという状況になってきておるわけでありますから、そこで徹底的に国連決議の原則を踏まえたクウェートからの撤退ということをまず決断して、もとをつくったイラクが局面転回して八月二日以前の状況に戻すことである、これが国際社会の総意であると私は思うんですけれども、間違っておるでしょうか。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私は総理の言っていることは間違っていると言っていないんです。イラクが撤退するのは当然なんです。当然なんだけれども、あのアラビア半島でイラクと多国籍軍で今百万の大軍が対峙しているわけです。これは事実です。一月十五日に期限が切れて、場合によっては戦争になるかもしれないわけです。イラクは、仮に引くとしてもバクダッドを攻められるんじゃないかとか、そういう心配がないとは言えないでしょうというんです、向こうは。そんなものは心配することはないということにはならないと私は思う。  だから、アメリカのカーターさんが言っておるでしょう、お互いが突っ張って自分たちの言っておることだけじゃだめなんだ、どうやったらイラクを引かせることができるか。これを政治的あるいは外交的な手段で引かせなきゃならないんでしょう。武力で引かせるわけにいかないんでしょう。じゃ、そのために日本はどうするんだ。アメリカとイラクがやっておるけれども、お互いに突っ張っちゃって何ともならないから、ひとつ中に入ってその条件づくり、撤退するために一肌脱ごうじゃないかという気持ちには、総理、なれないんですか。そこですよ。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 今イラクのクウェートからの撤退問題について、アメリカとの間で直接対話が行われる話し合いが進んでおります。その日程等について、イラク側のアメリカに対する申し入れ、つまりアジズ外相がアメリカに行く日にちとベーカー国務長官がバクダッドへ行く日にちの調整が今行われている最中でございます。  日本政府といたしましては、外交的な機密の関係もございますから公表いたしておりませんが、相当なハイレベルでアラブを初めソ連、アメリカ、イギリス、関係各国といろいろな意見の交換をやり、この地域の平和のために努力をしているということは、この機会にこの場を通じて明確に申し上げておきたいと思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 外務省が非常に真剣に、一月十五日武力衝突が起こってはならぬ、何とか避けなきゃならぬということでいろいろそれなりの水面下の御努力をしているということは、今大臣の答弁があったからよくわかりましたけれども、国民の目から見ますると、日本はやはりこれだけの経済大国になり、しかもあそこでもってもし本格的な戦争になれば、これは多くの人も亡くなるだろうし、世界経済も破綻するかもわからぬという危険があるわけですから、やはり総理みずからが平和的な解決のために陣頭に立っておる、この姿が見えませんことには、口先だけで平和的解決を望んでおるんだと、こういう評価しか国民はできないんじゃないですか。  私が申し上げたいのは、戦争を回避するためなら私はイラクまで行く覚悟があるというぐらいのお気持ちを総理は持っておられるかどうか、これを聞きたいんです。どうですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 私は、両当事者が直接対話をするということを私の考えとして直接ブッシュ大統領にも強く言い、そして平和的に解決されること、両当事者の話し合いというのはそれのきっかけになる。粘り強く平和解決のための努力をしてほしいということを大使を呼んで伝えてもございますし、またイラクの方には、日本がそういう気持ち、考え方でおることが最近は大統領のもとへ直接届くように、今外務大臣も言いましたようにいろいろな努力を重ねております。  また、私もラマダン副首相にお目にかかったときに、私どもから直接その後のいろいろな問題や、例えばアラブ、イスラエルの恒久平和を求めてのテーブルに着く話や、あるいは日本とイラクではきょうまで七千億円の債務がイラクにある、日本に債権があるということは、細かいことはもう時間の関係で省きますが、いろいろな経済協力、技術協力の積み重ねもあったということで、そういった問題については、八月一日、侵攻の前日まで残余の借款についてどのような使い方をするかという経済人の話し合いも行われつつあるときに、全く日本とイラクの関係は中断してしまっておるわけでありますから、イラクがもう一回局面打開して国際社会に復帰して平和を回復していくときには日本とイラクの関係の再構築もできるんだと考えておるということは、ラマダン副首相に私から直接伝えてあります。  そういった意味で、日本の基本的な立場は恒久平和、恒久平和ということをしきりに言われますから、それは国連決議二百四十二号の日本は賛成国であります、あの趣旨に賛成しておりますから、 それに従って解決するための国際社会の協議づくりにはまた日本も協力していくべきですが、それは今のこの膠着状態の局面を打開しないとそれができません。局面打開するためには国連決議の線に従って、しかも両トップの当事者同士、アメリカとイラクの直接対話がもう秒読みのところで、いつやるかというところまで来ておるわけでありますから、それを進めてそこで話し合いをきちっとしてほしい。アメリカも、イラクとクウェートとの対話の場もそこでできる、そういう提案をしておるわけでありますから、それが成功していくように両方に働きかけるのが現段階においては日本のやるべき平和外交の方針ではないかと私は確信しております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 これは一月十五日という期限が決められておるわけですし、非常に緊迫しておるわけですよ。私は歴史的に物を見た場合に、イラクのやったことは悪いことですから、日本もかつて他国を侵略して大変な迷惑をかけて、そして敗れたわけだ。そして今はこういうふうになっておるわけですから、そういう歴史的な教訓というものを日本は持っておるわけです。そういうものを日本の総理としてやっぱりフセインにじゅんじゆんと説くということ、むだかもしれないけれども、そこまでやってみる。こういう気迫があって戦争回避のために努力をしてきたということでなければ、その努力もしないで、自分がみずからバグダッドへ乗り込まないで万一戦争になったら、あなたは非常に後悔するんじゃないか。日本の総理としてそれだけの気迫を持ってもらいたい。これが私のこの問題についての最後の質問ですが、どうですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 平和解決に向かってできる限りの努力を続けております。今後とも、その御意見に留意しながら、できる限りの努力をあらゆる段階で続けて、平和に解決されるために何ができるか、努力を続けてまいります。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 午前の質問はこれで終わりたいと思います。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 角田君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ─────・─────    午後一時一分開会

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成二年度一般会計補正予算、平成二年度特別会計補正予算、平成二年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、角田義一君の質疑を行います。角田君。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 次期防につきまして若干お尋ね申し上げたいと思います。  来年度から五カ年計画で次期防衛計画がこの二十日をめどに正式に決定の運びになるというふうに承っておりますが、次期防の計画を進めるに当たりましての基本的な日本の安全保障に対します理念というものはどういうふうなものでございましょうか、総理大臣にお尋ねいたします。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 我が国の平和と安全を確保していくために防衛力の整備をしておるわけでありますけれども、当然前提となってきましたものは、日米安保条約のもとで平和時において我が国が整備すべき節度ある限度はどこかということがきょうまで基準となってまいりました。ただいま安全保障会議で議論、検討のさなかでありますけれども、これは専守防衛、そして他国に脅威を与えるような軍事大国にはならないということを理念として掲げて節度ある防衛力の整備をしていきたい、基本的にはこう考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私から申し上げる必要もないと思いますけれども、非常に世界情勢が激変しておると思います。防衛計画の大綱ができましたのは御承知のとおり十四年も前でございまするから、そのときとはもう客観的な国際情勢が激変しておると私は思いますけれども、総理は現下の国際情勢の特色といいましょうか、そういうものをどうとらえておられますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 東西に世界の平和の枠組みが分かれて、それぞれのトップに超大国があって、力による対立というものがある意味では安定的な効果ももたらして、力による均衡という状況で平和を保ってきていたのが、今イデオロギーとかそういったものの対立、力の対立、それが発想を変えてだんだん乗り越えられて東西の対決時代は終わりを告げつつある。一番顕著にあらわれておるのがヨーロッパであり、ベルリンの壁の崩壊であったと、私はこう受けとめておりますが、この歴史の流れはアジア・太平洋地域にも及びつつあります。例えば韓国とソ連の最近の国交の話、あるいはまだ定着化していませんが、南北両朝鮮半島における緊張緩和を目指しての両国の動きとか、カンボジアの内戦をやめて和平に動いていこうという動きとか、いろいろ好ましい状況もアジア・太平洋地域に見られるようになってきました。  しかし、東西対立、東西関係さえ終われば、あとはすべてそれで問題が片づいたかというと、そうではないというのは、湾岸の現在の実情をごらんいただいても、あるいは東西対決の図式を離れたところでもいろいろ緊張もあるようでありますから、世界は平和と繁栄を目指しながら新しい秩序づくりを模索しておる。方向としては歓迎すべき方向でありますから、これを定着させて、確実に前進させていくようにしたいものだと強く願い、我が国がそれにふさわしい努力を積み重ねていかなければならない、こういう認識を持っております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私は、基本的には米ソの対決、冷戦というものは今日もう完全に終結しておるというふうに見てよろしいんじゃないかと思います。ヨーロッパで御案内のとおり全欧安保協力会議が開かれまして、パリ宣言であるとか、あるいは不戦の署名であるとかというものを見ておりますと、もはやヨーロッパではいわば敵がない時代、こういうことが言われておりますが、NATOにしろあるいはワルシャワ条約機構にしろ、政治的な機構としては残るでしょうけれども、軍事的な機構としてはほとんど意味がない。いわば鉄砲を向ける相手がお互いにない。鉄砲は上を向いて、しかも空砲を撃たなきゃならぬというような、こういう情勢になっておるとすれば、当然それがアジアにも影響して、米ソがヨーロッパで一戦を交えるということがないとすれば、アジアだってもうそういうことは私はあり得ないというふうに思っております。  そこで、防衛庁の関係者にお尋ねしますが、アメリカ、ソ連、この二超大国は、例えばアメリカにおいてはこの九月からの予算、あるいはソ連における来年度予算、これらの防衛費というものはかなり減額されておるというふうに私ども聞いておりますけれども、どういうふうにつかんでおりましょうか、御説明願いたいと思います。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石川要三君) 米ソ二大大国の軍事力の削減の実態につきましては、防衛局長の方から詳細にお答えをさせていただきたいと思います。

内田勝久防衛庁参事官

○政府委員(内田勝久君) 米ソの国防予算あるいは軍事予算についてのお尋ねでございます。  アメリカも最近の緊張緩和の流れを受けまして、今後五年間にわたる国防費の削減の計画を発表しておりますが、この次の年度におきます防衛費の削減は実質で約八%となっていると私どもは承知しております。また、ソ連の方の国防費でございますが、これも幾つかの国防費削減の発表をソ連国防関係者、政府首脳がやっております。実態的に私ども十分つかみ切れないところもございますが、ゴルバチョフが最近も申しました、八九年の五月でございますが、九〇年から九一年にかけての国防費を約百億ルーブル、国防費全体の一四%に当たりますが、これを削減するということを述べております。  以上でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 米ソは、私から申し上げるまでもありませんけれども、軍事的にも超大国でございます。したがいまして、アメリカが大統領の要求に対しまして百九十億ドル、日本の金にして約二 兆五千億ぐらいになるでしょうか、これらのものを減額で認めるということでございますから、大変な額でございます。米ソがそれだけの軍縮をするという中で、この次期防、言われているところによりますと、あと五年間で二十三兆何ぼ、中期防は十八兆何千億でございますから約五兆円ぐらいふえるわけでございますからね、こういうことを果たして国民の皆さんに理解していただけるでしょうか。防衛庁長官はどういうふうに認識しておられますか。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石川要三君) まず、今御指摘されました現在の中期防十八兆四千億、またこれからつくられる次期防、これが二十三兆云々と言われましたけれども、これは実は確定された数字ではございませんし、まだ今の段階では何とも申し上げられません。いずれにしましても、米ソが今言われましたように大変大幅な削減をしている、なぜ日本はそれができないのかというような趣旨のお尋ねでございます。  私は、もう先生には釈迦に説法だと思いますけれども、あえて申し上げますならば、我が国の防衛の基本的な考え方といいますか、この根本構造というものがやはり米ソとは全く違っているわけですね。我が国の防衛力の中には全く一つも攻撃的な武器はございません。そしてまた、核も持っていないわけでありますから、もう質的には全く異質なものであります。それからまた、量的にも、これはもう先生に今さら申し上げるまでもなく、全く物すごい格差があるわけでありまして、そういうような米ソの中におきまして、当然、先ほど総理がるる申されましたような国際情勢の激変、歴史的な変革の中におきましては、両者がもうこれ以上お互いに緊張を高める必要もない。むしろ平和に向かおうというような話し合いが進みまして今日のような状態になりつつある。これは大変好ましいわけであります。  しかし、これに加えまして我が国の防衛はといいますと、今申し上げましたように、まず憲法というものがあり、そして特に九条というものがあり、その中から見て、私どもは独立国家としていわゆる与えられた個別的自衛権を超えた戦力というものを持ち得ないわけであります。そういう憲法的な制約、そしてまた、国際情勢から導き出された一つの我が国の独立国として平時からあるべき防衛力の指針というものが五十一年に策定されたわけであります。これが大綱であります。  大綱というものは国際情勢から導き出されておりますけれども、しかし、これは我が国の今言った前段には憲法もあり、そういう国際情勢の中から出された答えであるし、これは一つの理念といいますか、哲学といいますか、そしてまた、見方によれば安全保障の憲法とも言って私は差し支えないんじゃないか。でありますから、これは現在の、確かに世界的な大きな変革期でありますけれども、私は我が国の平和国家としてのあり得べき姿ではなかろうかなと思っております。  そういうことでございまして、その中で特に大綱というものができて、それを一つの基軸にして、その中にどういう体制、編成ですね、それから、それに伴う別表というものでいろいろ細かく数字が出ているわけであります。でありますが、そのいわゆる大綱の基本的な考え方は、したがって我が国の周辺の軍事的な脅威には直接関係がないという性格のもの、そして我が国自身が、今も言ったように、空白となること自体が地域の不安定化を誘導する、こういうことで私どもは均衡ある整備をやっていこう、こういうことでありますから、極めてもう圧縮されたものであります。でありますから、むしろこれがようやく到達できた今日におきましては、これをどういうふうに維持をしていくかということが私はこれからの要するに大きな目標ではなかろうかなと思います。  となりますと、やはり防衛の整備でありますから、諸外国が、相手が相当近代的なものに高めれば、それに従った近代的なものも整備しなければならない。量的な拡大なんというよりも、むしろそういう近代化といいますか、質的な向上というものもひとつ当然考えていかなければなるまい、かように思います。  それから、今まで当然力を入れなければならなかったわけでありますが、若干おくれておる後方の整備、これを特にこれからは整備をして、そして小さいながらもしっかりした強靱な防衛力を持つ、これがいわゆる平和国家の日本のあるべき防衛力の整備の仕方ではなかろうかな、私はこんなような見解を持っているわけであります。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私は、これは率直に申し上げまして、与党、野党という立場を超えまして、やはり今日の世界情勢の中で日本のこれからの安全保障はどうあるべきかということは、国民的な課題としてひとつ取り組むべき時期に来ていると思います。そういうことになりますと、今後の安全保障のあり方について国民的な合意を求めるという立場から言いますと、そういうものを無視してただ予算だけどんどんつけていけばいいんだと、今言った大綱の、いずれ大綱も修正をしなきゃならぬと思いますけれども、修正するまでの時間稼ぎに軍事費だけは相変わらずふやしていく、こういう態度は私は国民の納得を得られないと思います。  したがって、来年度は今年度の予算ぐらいで凍結しておく、そして一年ぐらいかけて安全保障のあり方についての基本的な理念、これをひとつ国民的な議論を巻き起こしながらつくっていく、こういうのが一番素直だし、望ましいことじゃないかというふうに私は思いますが、総理大臣、どうですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の御意見もよくわかるんですけれども、しかしながら、国のきょうまでずっと続けてまいっております基本的な政策というものは、これはやはり継続的に計画的に行っていく。同時に、今文民統制が当然のこととして強く求められておる問題でありますから、これは引き続いての計画的整備の中で考えていこう、そういうふうに私は考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 次期防の中で一つ問題になっておりますAWACS、これを何か四機導入したいということのようでございますが、このAWACSというのはどういう飛行機でございますか、事務当局でいいですから説明してください。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○政府委員(畠山蕃君) AWACSと申しますのは、低空進入に対します警戒、管制を行うための飛行機でございます。  若干敷衍して御説明いたしますと、現在、同様なものとしてE2Cというのがございます。AWACSの性能につきまして、若干E2Cとの比較において御説明すればわかりいいかと思いますが、まず全長が、E2Cが十七メートルに対しまして四十六メートルでございます。それから最大速度、これが六百キロに対しまして八百五十キロ、それから、巡航速度が四百六十キロに対しまして八百キロ、航続時間が六・一時間に対して十一・五時間、主な点についてはそういうような種類の飛行機でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 このE2Cを導入するときに、今問題になっておりますAWACS、すなわちE3Aというものを導入する必要がないんだという防衛庁の立派な文献があるわけです。これは御存じでしょう。どうですか。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○政府委員(畠山蕃君) その点については十分承知いたしております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 防衛庁は、E3Aという今度導入しようとするAWACS、これは要らないと言っているわけです。一機三百億円もするし、こんなものを導入したって飛行場はつぶれちゃうし全然機能が違うんだと、こう言っておきながら来年これを四機買おうなんという、そんな愚かなことはしないと思いますけれども、防衛庁長官、どうですか。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石川要三君) 今政府委員から答弁いたしましたAWACSでございますけれども、これが今有効性はどうだというようなことを検討しているのは事実でございますが、これを導入するかどうかというのは、実はこれから次期防の中で決定されるわけでありますから、今の段階では何とも申し上げられません。でありますけれども、 ただ私は、防衛上これが必要であるかどうかということがまず第一に必要なことであろう、かように考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私は、これは絶対に導入してもらっては困る、これは国民は認めないということだけ申し上げておきたいと思います。  それから最後にもう一つ、農政でございますが、山本農林水産大臣にお尋ねいたします。  ガットのブリュッセルの閣僚会議で日本の三大臣が大変御奮闘されたわけでありますが、我が党も村沢議員を団長に皆さんを激励して、何とかということで頑張ってきました。この会談は結局まとまらず継続ということになりましたけれども、私はECとアメリカの農業というものに対する考え方が基本的に違うのではないかという気持ちを持っておりますが、大臣、どういうふうに考えておられますか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) お答えいたします。  まず、村沢団長を初めといたしまして社会党の議員団の先生方に大変な御激励を受けたということをお礼を申し上げたいと思っております。  今、角田委員の御指摘のとおりでございまして、これは輸出補助金、ECが現在とっております基本的な農業政策の一つですけれども、それをめぐってECとアメリカ、それからケアンズ・グループというのがございますが、これとの間でもう基本的な意見の相違がずっとあった。これはジュネーブでもあった。それが何ともまとまらずにブラッセルに持ち越した、こういうことでございまして、今回の場合も入り口のところで会議の持ち方あるいは議題の取り上げ方、これも問題になりました。なりましたが、基本的にはこの対立が主とした原因で個別問題に一切入れずに延期ということになった。これはECとアメリカの農業政策の根本的なといいますか、基本的な違いがございまして、それでアメリカ農業とECの農業とはおのずから違うと。  それはなお付言をすれば、私いつも申し上げておりますけれども、農業というのは工業と違うんです。各国が国土、そして民族、これは食糧をつくっている産業ですから、長い長い間の歴史がございまして、農業事情というものがみんな違う。だから、非常に難しいんです。その難しい中でガット交渉を行おうとしているということをあらかじめお互いが承知をしていかないと、もう数字でもって全部割り切っちゃうというふうなことで、あるいは一つの方式で何でもできるというふうなことではなかなかいけないのではないか。これはかねがね私ども主張してまいりました。  今後、舞台がまたジュネーブに移るようでございますけれども、私どもとしては、従来の食糧輸入国というふうな立場を基本にいたしながらその主張をさらに続けていって、EC、アメリカを初め世界各国の御理解を求めたい、こういう考え方でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 ぜひ農林大臣、ひとつ農業に対する立派な哲学を持っていただきまして、日本の米の自由化を阻止するという決意で今後臨んでいただきたいというふうに思いまして、後は専門の吉田議員の方にバトンタッチをしていきたいというふうに思っております。  終わります。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 関連質疑を許します。吉田達男君。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 関連して総理に質問をいたしますが、日本の政治はスピードがない、特に外交についてそのような批判を耳にいたしますが、総理御自身はこれをどのように思っていらっしゃいますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) どういう角度からごらんになっての御意見かと思いますが、とにかく外交に関して全力を挙げてできるだけのことはしていこうということで推し進めておるつもりでございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 要するにタイミングを得て適切に願いたいということになりますが、日本の政治の進め方に根回しということがあります。この根回しということで事を円滑に進めているという面は確かにありますが、若干の時間を要する。問題は、根回しをして方針を決めたら、きちっとこれを守って施行するということであります。いやしくも日本の国論が振動しているようなすきを閣僚の発言の中からつくって批判を受けるようなことがあってはならぬということであります。  ウルグアイ・ラウンドについて、先般の閣僚協議で合意ならず来春早々開かれるわけでありますが、内閣の首班としてこれに、特に米を中心とした問題になりますが、臨まれる方針についてお考えを承りたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 多角的貿易交渉というのは、日本の国が今日この豊かな生活ができる状況になってきておるということも、世界が自由貿易の制度、仕組みの中にあって、日本が一番恩恵を受けておると言っても言い過ぎではないと私どもは理解しておりますから、ガット・ウルグアイ・ラウンドの先般の閣僚会議に出席の前にも、担当閣僚はもちろんのこと、全員でもってこれに臨む基本的な態度の認識の一致も見ておるわけでございます。そして、御承知のように、米を含めて農業問題にはその他のテーマもございますし、また大きく分けると十五分野の相当な量のある交渉でございます。それぞれ担当の省庁もたくさん分かれますけれども、みんなが問題を持ち寄って各国が抱えておる難しい問題を共通の認識を得るように努力する、こういったことを決めました。  食糧問題に関しては、日本は御承知のとおりに食糧の最大の輸入国でございます。輸入国の立場というのを主張するのも当然でありますし、カロリーベースでいっても自給率は四九%、穀物でいくと三〇%、そういった国は食糧の安全保障という面からいって議論もあります。基礎食糧の面について主張すべきも主張しなければなりません。  農林大臣は、そういう立場に立って閣僚会議に臨む前に政府で決めた原則に従ってきちっと発言を続け、国内産で米は自給していこうという原則を踏まえて主張をしておるわけでありますから、残念ながら共通の認識に至らなかったということは事実でありますけれども、さらに我が国の基本的な立場を述べながら、アメリカとかECとかケアンズ・グループとか、それぞれ背景も土壌も違うわけでありますけれども、そういったところと難しい問題を十分出し合って共通の認識を得るように努力を続けていく、これは乱れはありませんし、スピードもかなりあると思っております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 日本の食糧は自給するという方針のもとに日本の閣僚は意思を統一して進む、こういうことであります。  武藤大臣に質問いたしますが、大臣は農業についてなかなか詳しいようでございますが、米の輸入は自由化すべきというお考えをお持ちでいらっしゃいますか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 今総理のおっしゃったとおりで、米の自由化を私は全く考えておりません。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 通産大臣としてはどういうふうなお考えでございますか。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 今お話のありましたとおり、日本は食糧輸入国でございますから、特に米については日本は国会決議もございますので、これはもう私は今までも各国のどの大臣に会いましてもそれはよく申し上げておるわけでございます。  ただ、私の耳の中に残っておりますのは、ウルグアイ・ラウンドの最終のアメリカとECとの対立が激しくて結局継続になったちょうどその総括のグリーンルームの終わりのときに、私ども三人がたまたまヒルズ代表と会いましたときに、ヒルズ代表は、とにかくこれからも、いわゆるノンペーパーではあるけれども、農業の分科会の議長の試案またドゼウ・ペーパー、こういうものをたたき台にして議論をしていくべきだ、こういうことを言っておったわけでございます。  あるいはECの中も、先ほど来お話のあるように、非常に厳しい状況の中にありまして、私は率直に、やっぱり自由貿易論者であったサッチャー さんがいなくなったということが非常にECの中のかたい姿勢をつくるようになってきたのではないかと。こういう形の中で農業は一体どうなっていくんだろうかという心配を正直いたしております。  それから、私どもの分担の方は、おかげさまでアンチダンピングにいたしましてもあるいはTRIMにいたしましても、これは農業と同様にジュネーブではテキストができなかったのでございますが、幸い各国のそれぞれ閣僚と話し合うことによってある程度私は前進が見られたと。例えばアンチダンピングにいたしましても、迂回措置を一定の条件をつけて付せば、いわゆるアンチダンピングの規制を強化するということについては大体の合意が得られました。それからTRIMの禁止につきましても、ASEANを初め開発途上国が非常に心配をしておられましたので、私の方から、これはもう相当の経過期間を置いてもいいんだ、あるいはまた、それに加えていろいろその国々によって条件を多少つけることはやむを得ないんだ、しかしTRIMの禁止そのものはやっぱり取り入れなきゃいけないんじゃないかということで、それぞれ個別にお話をいたしまして、これについても大体の合意を得られたと私は思っております。  そういう中で、今後農業問題がどうなっていくのであろうかということは正直心配をいたしておるわけでございますが、何にしても今世界の経済、どちらかというと少し停滞ぎみになりつつあるわけでございまして、そういう中で、もし万が一ウルグアイ・ラウンドの交渉が失敗したならば、世界の貿易が縮小し、世界の経済が小さくなるというようなことだけはどんなことがあっても避けていかなきゃならない。特に今東西対立の解消という形で自由主義経済の中で世界が伸びていこうというときに、その最も大切なるこのガットの改定が不成功に終わるというようなことだけはどんなことがあっても阻止をしなきゃいけないと考えておるのが私の立場でございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 合意が成る成らぬ、それが成功か不成功かということの見方より、日本の主張をいかに通してそれが成功をしたかしないかということで、譲歩をして合意ができたら成功だというようなことはあり得ぬのですよ。だから、大臣がはしなくも言われた言葉の数々を、十九回報道機関等に出たのを全部資料としてここに持っております。読む必要もないと思います。閣僚として総理大臣のさきの答弁のもとに方針をきちっとしておると、こういうことであれば、私はあなたについてこれ以上言うまいと思いますが、先ほどの答弁の中には、譲歩をすることによって合意が得られたら成功だというようなニュアンスがちらちら出てくる。そのようなことが誤解を招くもとである。そこのところをはっきり願いたい。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 私は米については、先ほどから申し上げているように全然申し上げていないので、たまたま私が農業という発言をすると、何か米と書かれちゃったわけでございまして、その点は私はっきり申し上げておきます。どこでも私は、米という問題については、国会決議があって日本としてはこれはもう難しいんだということはよく言ってあるわけでございます。  私はただ、私の方が譲歩するというのではなくて、やつぱりこういう国際交渉というものは、お互いの立場を理解し合い、そしてお互いに自分たちだけが勝手なことばかり頑張っていたら、これは交渉というのは調わないわけでございますから、そういう面では譲れるところと、やっぱり譲れない線は譲れない線としてあると思うんですね。例えば日本の米は譲れないなら譲れない。しかし、ほかに譲れるところもあるかもしれません。私はやっぱりそういうことでなければいけないんで、日本がみずから譲るのではなくて、各国がそれぞれ自分の主張をし、そしてその中で共通の、先ほど総理のおっしゃった共通の認識を持って、それじゃおまえのところはここまで譲れ、おれのところはここまで譲ろうと、こういうことで交渉というのは成り立つと思うんです。国際交渉というのはそういうものではないかと私は考えております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 私の新聞記事の切り抜きの中で、言動の振動のありましたのは、また外務大臣も八月ごろありました。その復習はしませんが、きょうの新聞を見ますと、外務省の首脳は米の自給維持について、これは柔軟な市場開放の線を持たざるを得ないではないかというような話をしておるやに報道されている。かつて八月に国会決議を含めて議論をやろうじゃないかと言った外務大臣であるので、この点について、今の総理の方針と合うのか合わぬのかちょっと聞いておきたいと思う。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 私の考え方は総理大臣の考え方と一緒でございます。  今御指摘のありました、多分このことをお話しだろうと思いますが、十四日付の朝日新聞で報道された米の部分開放に関する外務省首脳発言、首脳もいろいろおりまして、私は首脳の一人でありますが、私が発言したわけではございませんが、この中で、このガット・ウルグアイ・ラウンドの打開のため、農業問題についても外務、農水省などの関係省庁で話し合っていく必要があると述べたもので、政治的決断や米について一切言及はしておらぬと、こういうことを報告を受けております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 まあこれについてはもうやめようと、虫が起こらぬようにナフタリンをしてこれをおさめるから、今後閣僚の中に振動があるような言動はされないように方針をきちっとして、全力で今後ウルグアイ・ラウンドに当たられたい。  さて、参議院は米の自由化の反対について再三決議をもって的確な意思を表明していると思うんですが、山本大臣は格別に頑張って、さすがに参議院出身の大臣だと敬意を表し、先般からの労をねぎらいたいと思っております。  そこで質問でありますが、この米の中身についてであります。この米という表現の中に、参議院の決議については、加工用の米は含むのか含まぬのか。食糧用の米はもちろん含む。これについての見解を聞いておきたいと思う。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) お答えします。  我が国におきましては、主食用米、加工用米を含めて一体となった生産体系のもとにあります。これは委員御承知のとおりでございます。米につきましては、主食用はもとより、加工用につきましても国内産で自給するとの基本的な方針で対処してまいりましたし、これからも対処してまいります。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 それでは、この間の交渉の後、合意を得なかったので、次の来春を迎えるわけでありますが、これに臨む態度について聞きたいと思う。  合意を得べく多国間で交渉をするんですが、よくあることですが、アメリカと日本は格別仲がいい、交流もする、その中で二国間の協議をやろうじゃないか、「こういうような動きが出たり、あるいは他の方面からの圧力が起こるやもしらぬ。これについて、今までの経過の上に立って農林大臣はどういうふうに対処されるお考えか、お伺いしたい。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) お答えします。  今委員の御質問でございますけれども、二国間、こういうことになるのではないかという御心配、御配慮だと思います。これは従来いろいろな経過があったことは今さら申し上げませんけれども、ウルグアイ・ラウンドでやりましょう、多国間交渉でやりましょう、これはアメリカも従来そういうポジションでございますし、そういうふうに担当者はずっと言っているわけなんです。私どもも、米を含めましてウルグアイ・ラウンドでこれは論議しましょう、こういうふうに言い続けてまいったわけでございまして、そして中間合意だとかあるいはオファーだとかいろいろございましたが、先日のブラッセルに場面を移して閣僚会議と、こういうことになったわけなんですね。先ほど角田委員に申し上げましたが、その閣僚会議の冒頭でこれが延期、継続と、こういうことになったわけなんです。したがって、多国間交渉は実は中身は これからだということでございます。  したがいまして、今後とも多国間交渉で、ウルグアイ・ラウンドでこの問題については論議を継続していくということに何の変わりもないわけであります。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 お考えはわかりました。前の十三品目のときのように、幾らアメリカに譲っても焼け石に水でありますから、何しろ向こうにはヤイターというのがおりましてね、これはもうしょうがないのであります。  もう一つお尋ねいたしますが、最終段階のときにヘルストローム議長が、ノンペーパーということで実際にはペーパーに書いて一定の案を持ってきた。しかし、これが要するに合意にならなくて御破算になったわけでありますが、今度交渉が始まったときにスタートはどこになるかということであります。このノンペーパーの内容を、ここまで来たんだからというたたき台でスタートするのか。これはもう御破算だから、日本の主張が入っていないんだから寄り寄りやりましょうと。だから、どの時点でスタートするか、こういうことでありますが、そのヘルストローム議長の案というものについてどう扱うか、大臣のお考えを聞いておきたい。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) お答えします。  今委員のお話のとおり、閣僚会議の最終日の前日、すなわち十二月六日でございますが、農業分科会の議長でありますヘルストローム議長から、いわゆるノンペーパーと称される紙が各国に配られた。このノンペーパーというのは、私は日本語でどういうことなんだ、どう書いてあるんだと、こういうことできちんと確めたのでありますけれども、「農業改革プログラムに関する合意案の交渉のための要素」、こういう長い長い表題がついている。農業改革のプログラムに関する合意案の交渉のための要素、これはまさに要素でございまして、今回の交渉において論議を進めるための仮説的な考え方を示すものとして提出をされた、こういうふうに私ども理解をいたしました。  それにしても、仮説的なものであっても要素であっても、中身がかなり具体的だということで、私は、総論の部分で出し方の時間的な経緯の問題と、それから要素にしてはこれは中身に触れてい過ぎるではないか、あるいは日本のかねがねの主張が要素といえども一行も入っておらないということはまことに遺憾でございますということをその場で主張をいたした経緯もございます。  いずれにいたしましても、これは採択に至らなかったということでございますから、今後、ウルグアイ・ラウンド交渉上の文書としての位置づけを持ったものではないというふうに私は理解をしておるわけでございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 それでは、重ねて農水大臣に質問いたしますが、日本の主張はどうなのか。ガット十一条二項の(C)、日本の国内で生産調整しておるようなものについて云々、あるいはいわゆる食糧安保の問題、環境に対して農業が有効な浄化役を果たしているというような点等々について、大臣の見解を伺いたいと思う。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) お答えします。  これは委員の御指摘のとおり非常に大事な事柄でございまして、私どもは米問題も非常に重要だというふうに考えておりますが、またガット十一条二項の問題も極めて重要だというふうな認識を持ってウルグアイ・ラウンドに臨んでまいったということでございます。  申し上げますが、ウルグアイ・ラウンド農業交渉において我が国は、土地、気象条件の制約を受けるという農業生産の持つ特殊性や食糧安全保障、国土環境の保全等、農業が果たしている多様な役割は交渉結果に十分配慮される必要がある、これが基本的な我々のスタンスでございます。  そこで、そのような立場から二つのことを取り上げて、あらゆる機会に、またブラッセルへ参りましてからも公式非公式の会議で申し上げてきました。その一つは、基礎的食糧については、食糧安全保障等の観点から、所要の国内生産水準を維持するために必要な国境調整措置がとり得るようにすべきこと、これが一つ。それから二つといたしまして、ガット十一条二項(C)ゆでございますが、これに基づく輸入制限品目については、農産物貿易の実態を踏まえ、同条項をより機能的に運用し得るようその要件の見直し、明確化を行うべきこと。これを二本の柱として主張してまいりました。  このガット十一条二項(C)の場合には、ECにもその他の国々にも、カナダなどにも働きかけまして、多くの国々の賛同も得ております。ただ、これは今度日の目を見なかったわけでありますけれども、そういう裏舞台での我々の主張の工作などもして頑張ってきた。いずれにしても、この十一条二項(C)についてはしっかり明確化をお願いしよう、こういうスタンスでございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 ちょっと環境庁長官にお尋ねいたします。  農業は自然環境の浄化を果たす役割を持っておる。これはまた一つの、日本のGNPの中で概算しても二十九兆とか等々推算されるぐらいでもあると言われておるんです。世界的な自然環境保全という思想の中で、農業に対して大臣はどういう見解をお持ちか伺っておきたい。

北川石松自由民主党環境庁長官

○国務大臣(北川石松君) 吉田委員のただいまの農業が環境にどれほどの影響かという御質問を受けますと、土の還元力あるいは水、空気の還元力の中で大自然に従いながらあるいは大気の浄化を果たしていく農業、そして今、農業によって生産された穀物をどうするかというウルグアイ・ラウンドがありましても、私はこの大自然の環境が損なわれるならば農業は非常な打撃を受けるんじゃないか、こういう思いをいたします。大自然の環境が損なわれてしまったならば、生産するところの農家も大変な打撃を受けるんじゃないか、そういう思いをいたします。現在、日本のこの国土の安定、安全に寄与した戦後の農家の皆さんも大変な御努力をくださったんじゃないか、こういう思いをしながら、私はまた一方で、農業が水を余りにも汚くしては困る、こういう考えを持ちます。そういう考えの中で、やはり農地、農業の果たす役割は環境、大自然に大きく貢献していただいていると思っております。  以上でございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 農業が肥料あるいは農薬等によって若干の問題を起こさないとは言いませんが、そういうことの配慮もしながら、全体的には自然環境保全に貢献をしておる、こういうことであります。ヨーロッパ等々では、そういう農業の持つ機能について積極的な評価を与えて制度をつくっていますね。それは家族農業のような形で保障したりその他やっていますが、農水大臣はこれについてどういう御主張をお持ちでしょうか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 先生の御質問の御趣旨をあるいは私が十分酌み取っていないかもしれませんけれども、さっき申し上げたとおり、農業というのは長い歴史とそれぞれの国々によって特徴がある、こういうことでございますから、ヨーロッパはヨーロッパ、アメリカはアメリカ、日本は日本。日本の場合には、もう二千年もの長い間米を中心に非常に苦労して農業の体系というものをつくってきた、そういうふうに考えておりますし、さまざまな補助制度などについても各国みんな違うわけですね。しかし、農業はとにかくある程度国が支えなければなかなかやっていけない大きな側面がある。例えば天災地変というものもございます。そういうことなども含めて、私としては日本農業の持つ特殊性をしっかり踏まえて、国内対策はもちろんですけれども、今度の国際的な問題にも対応してまいりたい、こういうふうに考えております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 大臣はわかっていらっしゃるが、私の希望するところについては半分ぐらい。つまり、外国で環境保全特別地域等々の制度をもってやっておるような施策でもって農業の持つ浄化をもっと制度的にフォローさせろ、こういうことですが、こんなことをやっておるとスピードがなくなりますから。  せっかく環境庁長官にお立ちいただいたので。先日鳥取にお越しいただいて砂丘をごらんいただ いて、またその砂丘が日本一大きいのに草が生え始めている、こういうことについて御心配をいただいた。まことに御熱心に視察いただいてありがとうございました。自然が壊されて草が生えてしまう、こういうようなことでも困る。これについて若干のコメントをその当時報道機関等にも出しておられましたが、自然を守る、環境を守る、こういう観点からどういうお取り組みをいただけるのか。

北川石松自由民主党環境庁長官

○国務大臣(北川石松君) 吉田委員のただいまの鳥取砂丘の御質問でございますが、十一月十七日に現地へ参りまして砂丘を見せていただきました。子供の時分に行ったときはもっと大きな砂丘じゃなかったかなという思いをいたしました。  なるほど日本海にすばらしい景勝でございまして、山陰海岸国立公園の代表すべきものである、こういう思いをいたしながら、この砂丘が病んでいるんじゃないか、病気になっておるんじゃないか、草がたくさん生えてきておる、真っ白な砂が少し黒くコケじみてきておる、これでは砂丘の命が損なわれていくんじゃないか、病気だなと思ったので、この病根を取り除くことに努力しなければいけない、こういうことを申し上げた次第でございます。同所にありまする事務所にも指示をいたしまして、この砂丘がすばらしい景観であった昔のように復元するよう環境庁といたしましては努力をしていかなければいけない、こんな思いを痛感した次第でございます。  なお、このことについての詳しい、どういう対処をするかということは、関係の方からまた答弁をいたさせます。

伊藤卓雄環境庁自然保護局長

○政府委員(伊藤卓雄君) お答えいたします。  ただいま御質問の鳥取砂丘の問題でございますけれども、本年度におきましては、ただいま大臣の答弁にございましたように、大山隠岐国立公園管理事務所、ここの所管になっておりますので、ここが事務局となりまして、植生とか地形、地質、あるいは砂の移動に関します専門家、学識経験者、さらには鳥取県などの関係行政機関を交えました鳥取砂丘現況調査会なるものを設置いたしまして、景観管理方法の確立ということに必要な基礎資料の収集を行っているところでございます。  この調査の結果をもとにいたしまして、来年度におきましては管理方針の確立を行いたいということでございます。すなわち、侵入いたしました植物の除去をどう進めていくか、そういったことの具体的な管理手法を検討いたします。さらには、急ぐところもございますので、一部におきましては試験的な施工といったことも試みてみたいと思っております。  いずれにいたしましても、今回の調査並びに来年度の管理方針の結果を受けまして、関係機関とも協力いたしまして本格的な対策を講じたいと考えておりますので、御答弁を申し上げます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 自然は輪廻があっていろいろ動いてまいりますが、前は砂があってどんどん流れて、あの川を泳ぐのに足がつかえて困るというようなアヒルもおったぐらいでありますが、工事もありましてだんだんと砂の供給がなくなった。それについてはここでは言いませんが、せっかく対策を練っていただきたい。  次に、新土地保有税について質問をいたします。  地価の急騰に対して、当初、土地保有税でもかけて抑えるべしと主張したのは私ども社会党であったわけでありますが、一定の案をつくりながら、また、政府税調もこれについて前向きの取り組みをなさった。これが自民党の税制調査会の方に行くに従って、だれかが骨抜きにしてイカにしてしまったというようなことも聞いたりする今日ですが、国民は、できた案をもって本当に期待外れであるという声を私どもに聞かせます。  担当された大臣としては、政府税調等々の想定したところも御理解であれば、今出されておる案について、骨抜きか、イカになっておるか、するめになっておるか、その辺を聞かせてもらいたい。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員非常に形容詞多くお尋ねをいただきましたけれども、私はそういう視点でこの問題をとらえておりません。  そして、土地税制の見直しというものにつきまして、十月三十日、政府税制調査会から「土地税制のあり方についての基本答申」を私どもはちょうだいいたしました。この答申におきまして、土地基本法の理念をも踏まえ、土地という有限の、しかも公共的な性格を有する資産に対する税負担の適正公平を確保しながら、土地の資産としての有利性を縮減するために新たな土地保有税というものの導入を含む土地税制全体についての改革、これについての総合的な提言をちょうだいいたしました。また、自由民主党におかれても、十二月六日に土地税制改革大綱を党議決定されたわけでありますが、税負担の公平の観点及び土地選好を弱めていくという視点から土地の有利性を縮減させることが必要であるという見方のもとに、土地保有税の創設を初めとする土地の保有、譲渡、取得の各段階にわたって具体的な見直し案を決定されたわけであります。  土地保有税の創設というものは、今回の土地税制改革の重要な構成要素として、政府税制調査会の基本答申におきましてもその導入が答申をされているものでありますし、私は、自由民主党の考えとしてまとめられました新しい土地保有税の具体案というものは、基本的には政府税制調査会の答申で示された考え方に適するものである、そのように思っております。私は、消費税に続く新税の導入という難しい状況の中において、ここまで作業をしていただいた関係の各位にはむしろ敬意を表したいと考えております。  政府としては、現在税制調査会において御論議をいただいているその御審議をも踏まえまして、政府としての見直し案を取りまとめた上で所要の法律案を今国会に提案をし、成立のために全力を尽くしたいと考えております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 だんだんと案が審議の過程を通して、自民党の中で率等について変更があったわけです。その条件によってまた法施行の効果が変わってくると思うんです。  例えば、初めは税率を一%と言っておったが、〇・五になり、〇・三になり、激変緩和として〇・二で当面一年施行する。こういうことになると、今の預金の金利等との比較でもってしても、地価の鎮静化についての効果が全く違ってしまうんじゃないか。あるいは基礎控除の金額も十億円となっておるけれども、もとは五億円でどうだと、こういうことからあった。こういう点を見ると、後退したと私は言わざるを得ないが、それについて大臣のこの法施行の、まだ法となっておらぬが、効果についてどういう見通しを立てておられるか、どのくらい鎮静化していくのか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 特に二点私は申し上げたいことがございますが、従来から土地税制についてさまざまな御論議が本院においても行われましたとき、私は、土地政策における税は重要な柱であるが、それだけにすべての責任を負わせられては困るということを申し上げてまいりました。また同時に、自由民主党の中における議論の経緯について私が政府の立場で云々することはいかがかと思いますが、一般的に申し上げるならば、御党の中においても政策決定までにはさまざまな御論議の経過をたどるのではないでしょうか。その途中経過について、その一部が取り出され、報道をされたものをもって最終案を批判されるということについては、自由民主党が開かれた政党として内部の論議をしておられる姿を国民に見ていただいたという意味でも、私は決して悪いことではないと思っております。また、その最終結論としてまとめられましたものが党の考え方でありまして、私がちょうだいをし、またお答えをすべき点はこの点にあろうかと思います。  その上で申し上げさせていただきますならば、基本的に政府税制調査会から示されました考え方、公益的、公共的用途による非課税あるいは小規模な店舗の用地などに対しての配慮として課税最低限を設定すべきであること、あるいは税率の水準について土地の資産としての有利性を縮減する観点、さらに事業経営の継続に配慮すること、こうした税制調査会の御意見等、これは総合的に 勘案して定めろという御指摘でありまして、委員がよく御承知のように、政府税制調査会の御意見の中には、具体的な税率でありますとか非課税の範囲でありますとか、あるいは課税最低限には言及をされておりません。私は自由民主党の案が、先ほど委員のお言葉をそのままかりますと骨抜きという言葉を使われましたが、数字が示されておらない税制調査会の答申、数字が入りました自由民主党の御意見というもの、骨抜きというようなとらえ方はいかがなるものかと率直にそう感じております。  同時に、新しい土地保有税の効果というものは、新税というものが毎年評価される土地の資産価値に応じて新たに毎年負担を求めるものでありますし、また基礎控除などにより納税義務者の数が相当限定されたものとなるということは、それは事実かもしれません。しかし、それは逆に、土地保有で相当のウエートを占めていると見られる大規模土地保有者に対して適切な負担を求めるものであること、さらに新税の導入に加えまして固定資産税評価の一層の均衡化、適正化が行われることになっていること、こうしたものを考えてまいりますと、全体として土地の保有のコストというものは相当増大するわけでありますし、地価の低下、抑制あるいは有効利用促進などに相応の役割を果たし得ると、そのように考えております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 骨抜きの表現については私が発明したことではありませんで、毎日、新聞等に字が躍っているものですから御了承をいただきたいと思います。実際に、例えばささやかな貯金をして、その貯金の利子所得に対して二〇%も取っているんですから、大きな土地を持っている者が〇・二%というようなことで、これで高い安いと言うのはどうかという率直な気持ちがそういうことで出ておると思うんです。それについての評価は私と大臣とは違うと思う。それは立場も違うし政党も違う。しかし、要するに法となった暁には施行する、それでもって納得をして税金をいただかなければ日本の政治はやっていけない。だから、そういう庶民の声を十分謙虚に聞いて法をつくり法を施行しなければならぬのです。それで庶民がどう感じているかということについて私どもが代弁をしておるんですから、力んで怒られなくてもいいんじゃないかと私は思う。  そこで、さっき大量に土地を持っている者について配慮しなければならぬ、相当広い面積の土地を持っておる者に対して配慮しなければならぬという……

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 違います。大規模な土地を保有している方には相応の負担を願う、こう言っているのです。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 わかりましたが、大規模な土地を持っている者について、特にこの法をつくる過程で面積控除の項を設けたんです。平米当たり一万円と言い三万円となった案でありますが、これによると、例えば一千万ヘクタールを持っておるというと三千億の基礎控除になっちゃう。こういうような大規模な土地を持っている大企業には非常に大きい恩典が導入されたと私は思う。これについては、その議論の発生したのが途中でもあり、批判が多いわけです。この面積控除の考え方については大臣はどう思われますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変恐縮でありますが、一千万ヘクタールを保有しております土地保有者に:::

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 いや、一千ヘクタール、一千。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変な負担をお願いすることになりますが、決して私興奮しているんじゃありませんので、今委員が一千万ヘクタールと仰せられたので、むしろ私は動転したのであります。  ただ、先ほどの答弁、もし誤解があるといけませんから、もう一度一点繰り返させていただきますのは、委員が御主張になりましたのに対し私がお答えを申しました二点目に、基礎控除などによりまして納税義務者の数が相当限定されたものとなる、あるいはそうかもしれません。しかし、土地保有の中で相当なウエートを持つと見られている大規模な土地保有者には負担はかかっていくわけでありますから、これは当然のことながら、私はそれなりの効果が生ずるということを申しました。  しかし、それ以外にお考えをいただきたいのは、今度の土地税制改革の中には、新しい土地保有税の導入のほかにも、固定資産税の評価の適正化、均衡化あるいは資産課税の負担の適正化、また土地の相続税評価の適正化、三大都市圏の農地課税の見直し、ここでも何回か御質疑を受けました土地を利用した節税策に対する対応、逆に優良な住宅地の供給促進のための譲渡課税の軽減といった、税の分野だけにおきましても、保有、譲渡、取得の各段階における総合的かつ抜本的な見直しを含んでおるものでございます。こうした点はぜひお考えに入れていただき、個別の一つだけの施策でそれがどうこうという御批判にならないように、ぜひ私はお願いを申し上げたいと思っております。  また、面積の問題を今提起されたわけでありますけれども、これは面積基準という言葉を使われましたが、これは値段かあるいは一平米当たりの金額がこれ以下の土地というとらえ方でありまして、新たな基準と言われるにはちょっと性格の違うものではなかろうかと、そのように思います。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 相当な議論と多方面の蓄積があって今日の案ができた経過もあります。そのすべてを言っておる時間がないので、指摘にとどめます。  この新土地保有税はオールマイティーではない、地価を鎮静化させるについてはいろいろな総合的な諸施策の実施を待って効果を上げる、こういうことでありますが、こういう担当をやっておる国土庁長官、どういう施策を持っておるかここで開陳願いたい。

佐藤守良自由民主党国土庁長官

○国務大臣(佐藤守良君) お答えいたします。  地価高騰についての土地対策につきましては、今までは総合土地対策要綱というのがございまして、需給両面にわたって実はやっております。例えば宅地供給とかあるいは税制の面とか土地の高度利用等をやっております。また、別に首都機能の移転等をやっておるということでございますが、この十月二十九日に土地政策審議会から土地基本法を踏まえました基本方針が出ました。これは三つの点を掲げております。一つは土地神話の打破でございます。二番目には適正な地価水準の実現、三番目には土地利用について適正で合理的な土地利用を実現する、この三つを目標に掲げて、土地対策を今十項目ほど考えております。  その一つずつを簡単に申し上げますと、土地取引規制、それから二番目が土地利用計画の整備・充実、三番目が住宅・宅地の供給の促進と土地の有効・高度利用の促進、五番目が土地関連融資規制、それから六番目に土地税制の活用、七番目が受益者負担による開発利益の還元、先ほどの大規模プロジェクトがそうでございます。八番目が公的土地評価の均衡化、適正化、九番目が土地情報の整備・充実、土地に関する基本理念の普及・啓発、この点を中心に制度の拡充を図りながら、一層早期に実現するように努力しております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 限られた時間の中で尽くせないので、まだ法律が具体的に政府の責任で出されているものでないのでこれ以上ちょっと追及しかねるが、一つだけ大臣に。今の案を概括して、新土地保有税は財源を得るためにつくった税金ではなくて鎮静化させようという目的でつくったけれども、実際にはどのくらいの税収が見込まれるのか。うわさでは二千億、三千億等々と言われているが、どうなのか。そして、この税金はやっぱり土地の供給とか土地の価格を鎮静化させるために特定の目的として使われるべきである。また、この議論の過程で、特に国税とすべきか地方自治体の財源とすべきか等についても議論があった。この辺を踏まえて、この財源をどういうふうに使途されようというお考えか、大臣にお伺いしたい。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 自由民主党の案を政府が申し上げるわけでありますから、今の時点で、例えば納税者数あるいは税収がどの程度の規模かということをこれは確たる状況で申し上げるもの ではないことは御理解をいただきたいのでありますが、さしあたり、例えば納税者数がおおむね五万人程度、そして税収見込み額は二千億ないし三千億円程度という感触は持っております。  その上で申し上げますが、先般の自由民主党の土地税制改革大綱におきましては、この土地保有税というものを国税で創設いたしました場合、その純増収部分については減税、土地対策、これはもちろん宅地供給等々さまざまな意味を含むでありましょう。また地方財源の充実などに配慮しつつ、その具体的内容について平成四年度の税制改正、予算編成時に検討することとされております。これは、政府が法律案を提出する以前の段階においてここまでお答えするのが適切であるかどうかは別でありますが、自由民主党としての御意見はそのようにちょうだいをいたしております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 タイム・イズ・マネーでありますから進みますが、補正予算が出ておりますので、大蔵大臣にちょっと基本的なことだけ聞いておきたいと思う。  財政法の二十九条は、補正予算について戒めて、編成要件に制限を加えた規定であります。しかし、今補正予算を見ると、湾岸の問題を初め、基金をつくるとか、政策的なものが多数出ておる。このことと、予備費の使い方等について憲法八十五条、八十七条等々の規定に合わせて、本法の精神に沿った扱いをしていないんじゃないかという考えがありますが、大臣はどう思われますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 予備費の使用につきまして午前中御論議がありましたことはもちろん承知をいたしております。しかし、その際にもお答えを申し上げましたように、まさに中東におけるイラクのクウェート侵略といった全く予見せざる事態、これに対応する措置として政府が予備費の使用に踏み切りましたことが法に反するという解釈は持っておりません。また、その後におきまして、さまざまな要因の中におきましてこの中東貢献策に対する第二弾、湾岸平和基金に対する一千三百億円の支出を含め、私どもが現在補正予算に計上することが至当と判断いたしました事項を盛り込んだ補正予算を提出し、本院において御審議をいただいておるわけでありまして、私どもはこれが法に触れる内容であるとは考えておりません。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 大蔵大臣に踏み込んで失礼な場合があるかもわかりませんが、あなたはよう怒るから、余り怒らぬように聞きなさい。  こういう補正予算に盛り込まれる内容は、おのずと財政法上二十九条に規定がある、それに沿って扱うべきだということを主張しておるんです。しかし、そういう扱いをしないのは、聞くならく、予算の査定が厳しくて、大臣がシーリングを抑えているから当初予算に入れられない。だから先取りをしたり、あるいはしり抜けをするという便法として補正予算が使われているんじゃないかという声も聞く。それがたまたま計算をしてみると合っておるということになると、意図的にそうしたのか、結果的にそうなったのかはわからぬけれども、要するに、扱い方としては必要なものは権威を持って判断をして入れるべきで、今のシーリングというようなもので硬直した査定をして予算のつくり方にひずみを与えるようなやり方はしてはならぬと思うが、これについてはどういう考え方を持ちますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これはお言葉でありますけれども、私この方よりよっぽど怒りませんので、冷静にお答えをしておるつもりでございます。  そして、これは予算編成の手法として、各省庁が次年度に対する要望をまとめます際に、全く何らのルールがなく、それぞれの省庁、もっと極端に言いますなら、それぞれの省庁の中の各局各課のその範囲で政策の重要性を判断し無制限な要求が行われるような状態を考えてみますと、これはとても予算編成になりません。その中におきまして、今までこれは長い大蔵省の諸君の蓄積の中で一つのルールを策定し、そのルールに応じた要求をしていただく手法というものは私は誤りではないと思います。  また、今委員が財政法二十九条に照らし、概算要求基準の枠内に各省庁がおさめられないものを補正の対象として持ち上げているのではないかというお尋ねに対しましては、私はそのような不見識な省庁はないと信じておりますし、それぞれに適切な理由がある、そのように判断をいたしました。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 それでは次に進みまして、補正予算とか租税及び印紙収入予算の説明書が来ておりますから見ますと、気になることがあります。  災害復旧費が六千二百七十八億、この金額を千二百億円超えて七千五百億円もの国債を計上しておるんです。大臣は平成二年度の財政再建方針を立てて予算をつくったときに特例公債の依存脱却をして、次には第二段階を迎えてさらには国債残高減殺を課題として取り組む、こういう方針を立てているのに、早くもこの公約を破るというか抵触して七千五百億のものを途中に計上しておる。こういうことになると、もうこの第二段階の財政再建というものは破綻をしつつあるのではないかという疑いすら持たざるを得ない。次年度の予算の策定の時期でもあり、大臣の考え方を伺っておきたい。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員から御指摘を受けましたが、今回の補正予算におきまして、ここ数年来の、本院にもしばしばおしかりを受けましたような大幅な増収というものが期待できない経済情勢の中におきまして、大規模な災害復旧事業費、これは昨年に比べて一・五倍ぐらいの金額になります。また、出資金の追加等、さらに、昭和四十九年度以来であったと思いますが、単年度の金額としては一番大きい人事院勧告、非常にたくさんの補正要因が積み重なってまいりました。その中で、やむを得ずぎりぎりの選択として七千五百億円の建設国債の追加発行を決断した次第であります。  ちなみに、今回の補正予算の中におきまして、公共事業費、出資金あるいは貸付金等を含めまして建設公債の発行対象経費となりますものは七千七百億円を超えておるわけでありますが、その中における一部は既定予算の節減等の努力で生み出しました財源等も勘案の中に入れまして、ぎりぎりその七千七百億円を超えます中の七千五百億円に対して建設公債を発行したということであります。これは本当にぎりぎりの選択でありまして、百六十四兆を超える国債の残高を抱えております我が国、しかも歳出の二割を超える国債費を計上しなければならない状況において、大変つらい財政当局の責任者としての決断でありました。次年度予算編成におきましても、国債の発行額は何とかして少しでも縮減をしたい、目下知恵を絞っております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 財政調書を見まして、これは要望でありますが、この中で大きい比率を占める法人税の一兆円の減額、利子所得が三兆円から五兆円に上がった内容が説明不十分。欠落というと失礼ですけれども、印刷がそこは飛んでいる。根拠が数字的に示されていない。今後にわたって親切に、我々の判断がいきやすいように願いたい。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) この点につきましては、事務当局から答弁することをお許しいただきたいと思います。

尾崎護大蔵省主税局長

○政府委員(尾崎護君) お答え申し上げます。  租税及び印紙収入補正予算の説明におきまして、当初の見積もり、それから今回の補正につきまして、それぞれ対比して掲げている次第でございます。  御質問の利子につきましては、所得税の中におきましてそれぞれの金額を示すとともに、最近までの課税実績と預金金利の水準等を勘案いたしまして見込み額を変えたということを記述してございます。なお、一番最近の金利の情勢につきましては、付表といたしまして後ろの方に添付いたしてございます。  法人税につきまして御指摘がございました。確かに、当初見通しと比べますと記述が極めて簡単になっているわけでございますが、御承知のとお り、当初の見積もりは各種のマクロの資料等を用いて行いますが、補正につきましては最近におきます実績をもとといたしまして大法人等から聞き取り調査等をいたしまして、それによりまして見積もりを立てております。実績中心でございまして、今回、御承知のとおり、電力でございますとか銀行でございますとか証券でございますとか、収益の悪化しつつあるところがございますので、それらを勘案して記述してある次第でございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 これは資料のつくり方の問題ですから、次に気をつけていただきたいという要望にとどめまして、スポーツ振興基金について文部大臣に質問をいたします。  さきからの議論のように、スポーツ振興の趣旨には我々は賛成なわけでありますが、本案を補正予算として提出している緊急性ということについて、どういう内容なのか御説明をいただきたい。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○国務大臣(保利耕輔君) これは財政法二十九条に言います「特に緊要となつた経費」というのに相当すると私ども考えたわけでございます。以下、理由を若干申し述べさせていただきます。  御承知のように、日本の国際競技におきます競技力というのは、このところ長期に低落をしてきつつあるという感じがいたしております。ちなみに、大変恐縮ですが、例を引いて申し上げますと、一九六四年、昭和三十九年に東京オリンピックが開かれましたときの全メダル、金銀銅の獲得数は、日本は二十九ありました。十二年後のモントリオールでは二十五個になりました。さらに十二年後のソウルのオリンピック、これは一九八八年、昭和六十三年でありますが、十四と減っております。二十九、二十五、十四、これはメダルの数だけで云々するのはいかがかと思いますが、一つのシンボリックな数字としてごらんをいただきたいと思うのであります。  ところで、ことしの九月に北京でアジア大会がございまして、期待をいたしておりましたいろいろな選手等がやはり十分な力を発揮できませずに、金メダルの数を二十個減らすということになっておりました。  ところで、御承知のように、再来年、平成四年の二月にはフランスのアルベールビルというところで冬季のオリンピックが開かれます。さらに、再来年、平成四年の夏にはバルセロナでオリンピックが開かれることは御承知のとおりでございます。さらに、その前に、来年になりますと世界三大スポーツの一つであります世界陸上が東京で開催をされることになっております。こういったようないろいろなスポーツイベントが緊急に迫っておりますが、そこでいろいろ北京大会のありさまその他を考えまして、選手の強化により一層力を入れていかなければならないということを考えたわけでございます。  そこで、JOC、日本オリンピック委員会が緊急行動計画を立てまして、できるだけ早く選手の養成をしなれば長期の低落傾向に歯どめがかからないという危機感を大変持ちまして、民間や国の財政的な支援をアピールなさったわけであります。それに応じまして、経済界もこれに協力をするという表明がつい最近なされました。そこで、財政当局とも御相談を申し上げ、さらにはまた、多くの党派の議員が所属をしておりますスポーツ議連でありますとか、あるいは武道議運でありますとかの先生方の御決議もいただき、財政当局と御相談をいたしまして、特に緊要となった経費としてこれは補正予算に入れていいのではないかということで、ここに計上させていただいたわけでございます。  この基金ができ上がりました暁は、これは選手の強化だけではなくて、やはり国民全般の体位の向上のためにも配慮して使用するということもあわせ考えながら、この予算の計上をさせていただいたわけであります。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 当面する国際大会の選手強化ということが前面に出ておりまして、後段にやや説明があっておりますが、我々は日本人の健康あるいは一般的なスポーツの底辺の広げ方等々について尽力を願いたいと思って、それも前提としながらしっかりやってもらいたいと思っております。  時間がありませんから一つ言いますが、先般日中卓球大会があって北京に行きましたときに、北京のアジア大会は大成功だった。これは中国が圧倒的に強かったから大成功だったというのではなくて、アジアの民族があの中で生き生きして、特徴的な民族的なセレモニーを初め大会を盛り上げたということが成功だと言っておる。  その後を受ける広島大会では、地元の者が出れば負け、出れば負けしても困るけれども、平和の町の広島、首都でないところでアジアで初めて開く広島大会、これについては単なるオリンピック種目だけでなくて、小型オリンピックじゃなくて、もっと特徴のある、平和の町の広島、東洋の民族的な特徴のある盛り上がりの中にやられたいということで計画書も出ておる、十種ほどの新しい種目も検討されておる。こういうことについて積極的な取り組みを願いたいと思うが、文部大臣はどうか。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○国務大臣(保利耕輔君) 北京のアジア大会の開会式には私も出席をさせていただきまして、そのありさまをつぶさに見せていただきました。大変立派な開会式であったと思いますし、またその運営も滞りなく行われたと思っております。次は、四年後は広島でございまして、これにつきましては私どもも成功をしますように心から願っておるものであります。  こうしたものに対する援助措置とかそういうものでございますが、この基金の中でどうかなということにつきましては、これは申請がありますれば、日本体育・学校健康センター、これは基金の管轄団体として予定をいたしておりますものでございますが、これが発足をすることになりますれば、ここの中で判断をしていくべきことだと思っております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 時間がなくなりましたので、総理大臣にお尋ねをいたしますが、日米構造協議の中で、四百三十兆の公共事業を日本でやる、こういうことで取り組んでおられるところ、二千億円の生活関連ということが今目玉のようになっておる。しかし、この四百三十兆という大きな金を日本の中でどういうふうに使うかについては、単なる二千億の生活関連じゃない、日本の国土の均衡ある発展を期してやるという大黒柱は総理の方針として示されなければならぬと思う。  これについて、総理の国づくりについてのお考えを伺いたい。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 四百三十兆を十カ年間にどうするのか、これは公共投資基本計画というものを政府はそのために作成いたしまして、豊かさの実感できるような国民生活の質の向上ということも一つ視点に置いておりますし、また多極分散型国土の形成ということも大きな視点に置いて、国土の有効利用を図っていくためには社会資本の整備を計画的に進めていく必要がある、こう考えて計画をつくってこれに当たっていこう、こうしておるところであります。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 以上で角田君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 次に、藤井孝男君の質疑を行います。藤井君。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 私は、自由民主党を代表いたしまして、平成二年度の補正予算の審議に関連いたしまして、当面する国政の重要課題あるいは我が国の将来にとって大変いろいろな問題が山積している中で、国民生活に密着するテーマについて、総理を初め関係閣僚に御質問をさせていただきたいと思います。  まず初めに、総理にお伺いいたしたいと存じます。  総理、総理に御就任されてからはや一年四カ月たたれました。この間、国の内外の変化というものはまさに予想だにしなかった出来事が数々あったと思います。そういう一年四カ月の激動の間を過ごされまして、エネルギッシュに活動されたことは御承知のとおりでございますが、現在、一年四カ月たたれて、またもう十二月になりまして余 すところ半月余りとなったわけでございますが、そうした中におきまして、この一年四カ月を振り返りまして、まず総理の現在の御心境をお伺いいたしたいと存じます。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 今御質問を承りながら率直に私の頭の中を駆けめぐりましたことは、この一年四カ月の間に最も劇的であったことは、大きく言えば、ベルリンの壁がなくなって、ことしの一月に私がコール首相と首脳会談をしましたときに、東西ドイツの統一は平和的に行う、それは条約共同体から始めて緩やかな連邦国家をつくると、数年がかりのようなお話をこの一月にされたばかりなのに、現実はもっと劇的に、もっとスピードが速く欧州では東西両陣営の対立が完全に乗り越えられつつある、非常に好ましい歴史の方向が出てきた、それを体験できたということ。同時にまた、アジア地域においても、六月にはカンボジア和平の東京会議を招集しましたが、カンボジアでも戦火がおさまって平和になっていくように、安定していくように、日韓の首脳会談も経験させていただきましたが、南北朝鮮にもいい兆しが出てきている。  そういうすばらしいいい動きの中で、八月の二日にはイラクのクウェート侵攻という全く別の面の問題も起こってきた。世界は東西の対立さえ緩和すればいいなんという単純なものではなくて、やっぱり民族的な地域的な紛争に対してはそれぞれ一つ一つの対応をしていかなければならぬけれども、とにかく世界的には劇的に変わっておるなということを実感いたしました。  また、国内におきましてもいろいろとございました。けれども、御即位の礼に伴う百五十八カ国の首脳、二つの国際機関の代表が来日されて即位の儀式が滞りなく行われましたが、そこに私も同席をいたし、また多くの国々の首脳と対話ができたということ。また、国内の政治の中では、そういう国際的に高い地位を与えられる日本が国際社会に対してはどう協力していくのかという厳しい現実にぶつかったこともございました。  しかし、各界の国民の皆さんの御理解と御努力もあり、四十八カ月間という長期にわたって内需中心の経済拡大基調がずっと続いてきておったということに支えられて、昨年は一年間でアジアの地域から六百四十億ドルの輸入をすることができた。これはアジアの国々の人々がそれぞれ口をそろえて、日本のそういったアジア地域の経済に対する大きな貢献というものがあるからアジアが今世界の平均以上の成長率を持つことができた、そういった役割を今後も一層果たしてほしいというような強い期待を寄せられもいたしました。  あれこれ考えますと、ちょうど議会政治も百年の原点でありますから、私はこの際やはり民主主義の原点を見直して、健全な議会政治のためにさらに一層思いを新たにして努力をしていかなければならぬ、率直な心境でございます。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 まさに私もそのとおりだと思います。特にソ連のペレストロイカに始まりまして、今総理がいろいろ述べられましたが、東欧の民主化、あるいはベルリンの東西の壁が崩壊する、こういうことでございます。まさに激動の一年四カ月ではなかったかなと思っておるわけであります。  このことはどういうことかなということを私なりに考えさせていただいたわけですが、その一つには、西ドイツが東ドイツを吸収合併するような形で統一をされる、あるいは共産主義体制が崩壊する、こういう事態は、まさに中央集権的な計画統制経済、いわゆる社会主義ノーという答えが出て、まさに個人の自由が保障され、創意工夫が生かされる、そしてまた市場原理が働く自由主義、資本主義体制というものがまさっている、すぐれているということが私は世界的に立証されたのではなかろうかと思うわけでございます。  また二つ目には、やはり先ほどおっしゃいましたベルリンの壁の崩壊によって、東西の対立というのが一つの終えんを迎えたと思うわけでございます。したがって、それは対立から協調へ、あるいは軍事から経済への移行が確実になったということではなかろうかと思うわけであります。  こうした動きを見ますと、我々がさきの大戦を経験いたしまして、そして戦後自由と民主主義という道を選択したわけでありますが、私はこの選択がいかに間違っていなかったかということに誇りを持つものでございますけれども、総理のお考えはいかがでございましょうか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の自由と民主主義の価値というものが今世界的に大きな共通の価値として改めて脚光を浴びつつあるということは、私も実感としてそう思います。  私が国会議員に当選しましたその年にちょうどベルリンで壁ができました。同じドイツ人を西と東に分けて、こちらは自由と民主主義、こちらは共産主義、統制経済ということで分けて、二十八年間たったらあれだけ差がついたということで、そして統一も、西ドイツのお金がそのまま通用してもいい、西ドイツの社会の仕組みがそのまま適用されてもいい、むしろその方がいいんだということで統一が早まったという結果等も、やはり今後自由と民主主義、市場経済というものはより一層世界の共通の目標として確保されていかなきゃならぬと確信いたしております。  最近、ソ連から帰っていらっしゃった方の話をいろいろ聞いたりいたしましても、あれだけ軍事的な面では世界を二つに分けて超大国で一方を支配し、また宇宙産業といいますか宇宙科学といいますか、人工衛星とか宇宙開発面ではあれだけすぐれたものを開発したんですが、今国営売店に食糧の影がない。しかし、豊作であったんではないかという情報もたくさんある。要するに、流通が悪いんじゃないかとか、あるいは自由主義体制に変わるといってもそんなに簡単に手のひらを変えるようには変われないんだろうという、実態について見てきた方々のいろんなお話を私は聞いております。  そういったときに世界を一つにしていくためには、ペレストロイカを成功させること、自由主義の価値というものが人間を明るく豊かに幸せにする道なんだということを、西側の国々は力を合わせて今いろいろな協力体制もしいておる、日本もできるだけそういったことには協力もしよう。ソ連の方も日本を見て、近代化をするときには日本の経済がどのように戦後歩いてきたか、それを調査した方がいい。経済改革調査団とか、日本の価格メカニズムというのはどうやって決めておるのか、あるいは行政のあり方というのはどうしておるのか。名前は一々違いましたが、この一年間に四回にわたって調査団も来られる。こういった方面の専門家を渡してほしいというので、物の流通の専門家とかそういった人も行って盛んにお話をしておる。  だんだんそういったことが世界の価値として定着してきたことを思いますと、私は、我々がまだ大学を出るころでしたが、全面講和か多数講和かという議論があって、日本は自由民主主義の陣営に入っていくことをそのとき選択するかどうかの大きな議論がありましたけれども、ちゅうちょすることなく自由民主主義の一員になることを選んだ先輩方の選択は間違っていなかった、このことは申し上げさせていただきたいと思っております。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 そうした我が国が平和主義、自由主義というものを選択したことは間違っていなかった、これは確かだと思います。そして、今東西の対立が協調へという、そういう時代に入ってきた。  しかしながら、一方では、いわゆる第三世界における八月二日のイラクの突然のクウェートに対する侵攻というのが行われた。この行方につきましてはまだまだ予断を許さないところもあります。十一月二十九日には国連決議がなされまして、いわゆる武力行為も含めてこの解決に当たるという決議もなされたわけでございます。私はこのイラク問題が平和的に解決することを望んでおるわけでありますけれども、しかし私はまだまだ決して楽観は許されないと思っております。これからアメリカとイラクとの直接対話が始まるわけでありますけれども、これのいかんによっては不測の 事態も考えられると思うわけであります。そして、そのことがもし起きれば、まさにドルの相場あるいはアメリカの経済、あるいはソ連そして日本も大変な影響を受けるわけでございます。  そういう意味におきまして、これからの世界というものは、確かに対立から協調へ、そういう時代に入っていくと思いますけれども、一方ではこうした紛争も起きやすいという、まさに予測がなかなか難しい時代になってきたのではなかろうか。しかるに、こうした中にあってまさに日本が世界に対してどう対応するか、あるいは貢献するかというのは、非常に重要な役割と責任を負っているものと私は思うわけであります。  そこで、日本は経済大国になりましたけれども、果たして経済至上主義でこうした時代に対応できるかどうか、私は非常に疑問に思っておるわけであります。そういう中で、この一世紀に一度とも言えるような転機、そして世界情勢、そうしたものに対しまして日本がどうあるべきか、どう役割を果たすべきか、いま一度総理のお考え方をお述べいただきたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 日本は戦後の国際社会の中で経済生産力の面からいけば確かにおっしゃるように非常に強い大きな位置を占めるようになってきました。粗っぽい言い方でありますけれども、二十兆ドルの世界の総生産の中で、アメリカが五兆ドル、EC全部合わせて五兆ドル、日本は三兆ドル、一国で。日米二国を合わせれば四〇%という世界のGNPを出しているわけですから、この二国の協調関係とか、この二国の態度というものが国際経済に大きな影響を与えることは、これは言うまでもありません。  その意味で、日本はきょうまで果たしてきたそういった世界経済の、特に先ほど触れましたようにアジアからの貿易の中心、アジアの一員としてのアジアに尽くしておる役割などを変わらないよ,うに維持し続けなきゃならぬということもこれは当然なことでありますから、その意味において日本の置かれている立場は非常に大きいということが一つであります。  同時に半面、これは率直に申し上げると、日本は戦後みずからの安全保障という面は、日米安全保障条約という世界の中で全く例外的な、ある意味ではでき過ぎた幸運な状況のもとで、バシデンバーグ決議の唯一の例外としてきょうまでずっと参りました。それは日本にとっては非常に幸運なことでありました。けれども、今日ここまで日本の国際的な責任も高まれば、せめてアジア地域の平和と安全とか国際社会の平和と安全というものに対しては、日本もそれなりの協力をし貢献をしていかなければならないというわけであります。  その具体的な方法とか、どのような形があろうかということは、今いろいろな議論のさなかでありますけれども、例えば国連中心の行動の中に今まで行ってきた問題、例えばこの間の湾岸でも難民の救済問題等についてはもう世界の分担費用の半分を出していろいろな努力もしてきた、そういったことに対しては非常に評価もあるわけでございますので、今後はどの方面でどういう役割を世界のために果たすことができるのか。  特にアジアの今日を見ますと、ヨーロッパと違ってまだまだ不安定な要素が多いわけであります。東西関係が片づいたというならばアジアでも東西関係は終わらなきゃならぬわけですから、アジアに残っておる東西関係の残滓というものはたくさんありますが、日本とソ連の間に北方領土問題をめぐって平和条約締結の問題がある。そういったことを考えますと、その問題に真剣に取り組むとともに、朝鮮半島やカンボジアやその他の地域のいろいろな紛争やアジアの混迷のためには、積極的に地域紛争の解決という形で日本も技術協力や経済協力で手を差し伸べながら、政治的な努力も積み重ねていかなければならぬだろう、新しい秩序づくりに貢献していくべき責任もある、こう考えております。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 確かに今総理がおっしゃられるとおりのことを私も痛感しておりますが、そこには、中東貢献策、後ほども触れますけれども、金ということだけ、物ということだけでなく、人的な面、まさに総合的な、いい意味でのアジアにおけるあるいは世界における模範となる国にならなきゃならない。そういう意味におきましては、総理も積極的にそうした総合的な観点から、また高い次元から、そして世界から評価される援助なり協力なりをすべきだと私は思っておるわけであります。  そこで、協力、援助といった観点からひとつ御質問させていただきたいと思いますが、外務大臣にお伺いいたします。  ソ連への援助問題というのが今非常に盛んに言われておるわけであります。新聞報道その他におきますと、ソ連の食糧事情というのがかなり悪化しておると。一方では、本当は大豊作だと。しかしながら、公設の市場に出てくる品物はほとんどない。自由市場の方では豊富な食糧が出回っている。しかしながら、地域別にも違うかもしれませんけれども、全体としては、私はそういう意味において大変ソ連が危険な状態にあると思っておるわけであります。そうしたソ連の食糧事情について、外務大臣からちょっと状況を御説明願いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 現在ソ連におきましての食糧事情につきましては、委員も御指摘のように、今年はソ連は豊作でございました。そういう情報がございます。一方、生産地から消費地への輸送がうまくいっていない、そのために穀物の腐敗等が起こっている、こういうこともございますし、一方では冬が来る、そういうところで食糧事情が悪くなる、こういうことから食糧の買い占めが起こっている。こういうことで、従来のいわゆる中央集権的な農業政策でやってきた流通機構というものがもちろんうまく作動しなくなってきたわけでありますが、一方では自由マーケットのマーケットメカニズムがきいていない。そういうはざまにあってソ連の人たちは、食糧の備蓄をやりながら、一方では食糧の不足、困難に対する不安が極めて高くなっているというふうに認識をいたしております。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 そこで、来年の四月にはゴルバチョフ大統領が訪日されるということになっております。そこでは、先般の本会議の代表質問で梶原議員からもこの点については質問があったんですが、北方領土の問題というのは我が国の最優先課題だろうと思います、この解決に当たりましては。また同時に、シベリアの抑留者の問題についてもしかりだと思うわけでございます。  そういう問題はそういう問題としてまたこれは当然解決をしなければならないと思いますけれども、今私が申し上げましたように、やはり困っていることは確かだろうと思うわけです、ソ連が。そして、これは昨日の新聞でございますけれども、アメリカが対ソ経済支援を決定した。十億ドル規模の穀物の信用供与というような形で行うと。また、来年六月までには最恵国待遇を与えるような話も予定されておるわけでず。そういうことでアメリカ自身も、まさに米ソの対立というのは非常に融和をしてきたことは事実でありますけれども、しかしイデオロギーの面ではまだまだいろいろな対立もあろうかと思います。そういう中で、日本も今のソ連への食糧援助ということにつきましては、私はできる限り援助すべき点が多々あるんじゃないかなと思っておるわけです。  最近一つの、これは援助とは直接関係はございませんけれども、記憶に新しいことでございますが、ソビエトのサハリン州から大やけどを負ったコンスタンチン君というのが札幌医大に参りました。この緊急事態に対応して、札幌医大はもちろんのこと、適切な措置をされて立派に回復されて、そしてまた祖国へ帰られた。しかも、我が国国民の善意というものが集約されまして、それが金額にいたしましても四千万以上の寄附金が集められた。私はこのニュースを見まして日本人として大変誇りに思い、また感動いたした次第でございます。そういう中で、私は、対ソ援助というものはイデオロギーを超えた形ですべきではなかろうか、こういうふうに思っておるわけでございます。  確かに今度の補正予算におきましても、チェル ノブイリの原発事故に対する救済措置、これはWHO、世界保健機関にもたしか二十六億円を計上いたしております。また、医薬品につきましても、五億円の規模で提供するというふうに決定をいたしております。それはそれといたしまして、大変困っているそうしたソ連の状況について、私は食糧援助をすべきではなかろうかなと思いますけれども、外務大臣の御所見を伺いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 今委員もお示しのように、ソビエトは我々の国にとりましても隣国、この隣国に対して、隣国が困っているときに人道的な立場で協力をするというのは、国際社会においても当然考えなければならないことであろうと思います。  ただ、御案内のように、アメリカが最恵国待遇を与えると言っておりますけれども、日本は既に一九五四年に最恵国待遇をソ連に与えておりますし、民間貿易も六十億ドルに上って、西側陣営では上位から三位のところにランクされている。航空機も自由に往来している。こういう中で、問題は平和条約がない、ここに一つの大きな両国の悩みがあろうかと思います。また、平和条約をつくるためには、衆参両院における国会決議によって領土問題を解決するということが国民の大きな念願でございますから、この問題をきちっとやはりゴルバチョフ大統領が来られるときに、ソ連政府も日本の国民の大きな願望をひとつ十分御承知をいただいた上で、これからの日ソの親善友好に努めていくように努力をしていただきたい。我々の国も人道上の観点からすべきことがあればやらなければならないと考えております。  なお、今医薬品の問題にお触れになりましたが、政府は国際赤十字を通じまして、どのような医薬品がソ連に不足をしているか、そのようなことの情報を日本赤十字を経由してただいま入手しておる最中でございまして、そのようなものがそろいましたならば、政府といたしましても、国民のとうとい税金でそのような善意の贈り物をすることが両国のために極めて有効であると考えております。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 確かに北方領土の問題は最優先課題だと私も申し上げました。それはもちろんそのとおりでありますけれども、こうした隣国で非常に深刻な問題になっているということにつきましては、私はやはり積極的に援助すべきではなかろうか。  大蔵大臣にお伺いするつもりはございませんですが、これは財政の問題もありますので、いろいろ難しい問題はあろうかと思いますけれども、大蔵大臣にもその点の御理解をぜひここで要望をいたしておきたいと思っております。  ただ、北方領土の問題、いわゆる政経分離という形になるんだろうと思うんです、今の外務大臣のお話は。私もそのことはよくわかります、その原則を崩さないと。確かにある面から見ますと、北方領土と経済援助というものはリンクされるものかされないものか。そこが逆に分断されるということになって、北方領土問題の解決がまた先延ばしになるようなことがあってはならない。その辺のバランスというのは大事なことだと思います。しかしながら、でき得る範囲内、日本はいわゆる飽食の時代と言われていますし、また本当にそうした中にあって隣の国が非常に困窮しておる、そういう立場に立てば、やはり日本がやるべきこともあるんではなかろうかなと思っておるわけでございます。  さて、総理、今国際問題といいますか、ソ連の問題等々を見まして御質問しましたけれども、一方、目を転じますと、国内問題も大変大きな課題が山積いたしております。政治改革の問題、地価対策の問題、消費税の見直し、あるいは高齢化対策等々いろいろございます。総理はこの国内問題につきましても大変精力的に頑張って努力されておることは、私は確信をいたしております。また、総理がよくおっしゃられますように、一生懸命やっている、こういうことでございます。そのことが国民にも御理解いただき、先般の衆議院総選挙でも我が党は圧勝することができたのではないかと思うわけでございます。  いずれにいたしましても、これから国内の問題、二十一世紀に向かって乗り越えなきゃならない問題は山積いたしております。それにはやはり総理の強いリーダーシップというのが必要ではなかろうかと私は思うわけでございます。私よりは若くはございませんけれども、若さあふれるエネルギッシュな総理でございますから、ぜひその点頑張っていただきたい。最近、内閣改造の問題も取りざたされておりますけれども、このことも総理の専権事項でありますから、総理がやるならやる、やらないならやらないとしっかりとリーダーシップをとって、これからの我が国の政治の課題、いろいろな課題に取り組んでいただきたいと思いますが、この点についての総理の御所見を伺いたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 対外的ないろいろな諸問題はここで今御議論なされておるとおりでありますし、また国内的には、先ほど私も申し上げましたように、国会開設百年の今、政治改革に取り組まなければならぬというので、自民党の政治改革大綱、それに基づいていろいろな案、政府が出しました選挙制度審議会の答申、それを踏まえてのまた新しい政治改革要綱を党の改革本部で決めてもらって、今党の方でも鋭意議論を願っております。私は、あそこに示されておるように、やはり政策本位の、政党中心の、そして先進工業国も既にやっておりますような選挙制度をつくることによって、政治と政治資金の問題、その他についても解決をしていかなければならない。これは今非常に大きな節目でありますから、今こそ民主主義の原点に立ち返って、思いを新たにしてこれは取り組んで片づけなければならぬ重大問題だと受けとめております。  また、土地改革の問題も御議論はございましたが、土地保有税だけでございません。ほかの問題もいろいろ総合的に含めて、有効利用とか、あるいは関連融資の問題とか、当面取り組んでおることもございます。  しかし、それらの問題を含めて、やはり公正な心豊かな社会をつくって高齢化社会を迎えていかなければならぬといういろいろな問題を抱えて、私も先頭に立って努力、検討をいたしますから、どうぞ御理解とお力添えをいただきますように心からお願いを申し上げておきます。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 そのとおり、また私が申し上げましたとおり、期待をいたしております。まさに総理のリーダーシップと、そしてエネルギッシュな行動力をぜひ発揮していただきたいと思います。  さて、先ほど総理もちょっと触れられましたけれども、ことしは今上陛下御即位の礼がございました。総理も国を代表して出席されたわけでございます。十一月十二日には天皇陛下の即位の礼が行われ、百六十カ国近い国々の首脳が訪日されて、そしてまた御列席をいただきまして厳かに行われたことは御案内のとおりでございます。内外に信望の厚い天皇陛下を中心として、日本国の平和と繁栄を象徴するものとして大変私は結構なことだと思っておりますし、慶賀にたえない次第でございます。同時に、日本の固有の文化、伝統を広く世界にも御理解いただく見地から本当によかったなと思っております。  私も、即位の礼、そして大嘗祭に出席をさせていただきました。大変光栄でございました。残念ながら他の政党で大嘗祭に出席をされなかった政党もあるようでございますが、私本当に残念に思う次第でございます。  また、十一月二十九日には議会制度開設百年という記念すべき日を迎えまして、総理はその式典で、「民主主義の原点をみつめ」「国会が国民の負託にこたえつつ、さらなる第一歩を踏み出されることを念願する」と発言されております。これからの議会制度、新しい世紀を迎えたわけでございます。そしてまた、大変激動の時代でもあるわけであります。  ことしの即位の礼、大嘗祭、あるいはこうした激動期を迎えられて、本当に私は総理の心境というものを察するわけでございますが、こうした即 位の礼、大嘗祭についてもしお考えがあればお伺いしたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 日本国憲法に、天皇の地位は、日本国の象徴であり、国民統合の象徴であり、国民の総意に基づくと、こうなっておりまして、その皇位継承の儀式が行われたわけでありますから、私もこれは厳粛な気持ちで、即位の礼実行委員長ということで取り仕切らせていただきましたけれども、世界から参列された百六十に近い国々の首脳たちが、日本の歴史や文化や伝統とともに、天皇陛下の即位礼というものが厳粛に行われた、しかも非常に見事な日本的な儀式であったと、事ごとに賛辞を浴びせておられたということに私も喜びを感ずるわけであります。  皇室の伝統行事として大嘗祭は行われたわけでありますが、その後、外国の人々も皆帰られましたけれども、非常にいい印象を持ってすばらしい思い出であったという連絡もたくさんもらっております。私はそういった意味で、今後ともますます日本の国の中においてああいった文化的な伝統行事が続いていきますように心から願っておる次第でございます。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 そこで、天皇陛下におかれましては、この一連の諸行事が無事完了したわけでごさいます。  これは外務大臣にお伺いいたしますが、諸外国では天皇陛下の訪問を希望されている国が多いと思います。報道では、来春には東南アジア訪問が検討されているようですが、お差し支えなければ、発表願えればお聞きいたしたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 天皇陛下の御訪問につきましては、ただいま政府並びに宮内庁といろいろ協議をしながら、相手国とも協議をしている最中でございます。現在、具体的に日程等についてまだ申し上げる段階にはなっておりませんけれども、私どもはぜひ天皇陛下に明年は御訪問を願いたい、このようなことで作業を進めている最中でございます。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 皇室外交をされることによりまして、一層我が国への理解、そういうものが私は促進されるのではなかろうかと思いますので、ぜひ具体化されるように希望いたしておきます。  それから、議会制度百年に当たりまして国会の移転決議がなされました。これで近く政府では、首都機能移転問題を考える有識者会議というものを設置するということを聞いております。総理、国会移転というものにつきまして、どういう基本的な考え方をお持ちなのかお伺いいたしたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 国会を初めとする首都の機能を移転しようという問題は、かねがね議論されてきておったところでございますし、また超党派の議員の皆さんがつくっておられる新首都問題懇談会の中においても随分御議論をいただき、それが煮え詰まってきたのではなかろうか。そして、衆参両院で御決議もいただきましたが、このことは東京一極集中への基本的な対応として政府は大切にこの決議を受けとめさせていただいておりますので、今後国会と歩調を合わせながら、同時に国民的にも御理解をいただくために、国民意識を高揚していただくためにも各界のいろいろな御議論を聞いていかなければならない。  そこで、政府にも首都機能移転有識者会議をつくりまして、各界の代表の方にお集まりをいただきながら、そこで国会の御決議の趣旨も踏まえて、また超党派でできておる懇談会の方針等とも方向は同じでございますから、三年ぐらいかけて、まずどうしたらいいかということを政府の方は決めていきたい、こう考えております。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 国会移転あるいは首都機能移転ということは、つまりこれはかつて大平元総理が田園都市構想というものを出されまして、それからいわゆる地方の時代と言われて久しいわけです。言ってみれば、四全総でも言われておりますように、まさに国土の均衡ある発展、開発というものが課せられた課題ではなかろうかなと思います。そういう意味では、やはりバランスのとれた国土開発、そして中央集権的になった一極集中を何としても排除しなければならないと思っておるわけであります。  地元のことを申し上げて大変恐縮でございますが、中部圏におきましても、中部新国際空港あるいはリニアモーター、中央エクスプレス、こういう問題が今計画されておりますし、切望もいたしておるわけでございます。これも一つの首都機能移転あるいは国会移転にも関係する問題ではなかろうかと思います。  そこで、運輸大臣にお伺いいたしますけれども、現在のリニアモーターカーの進捗状況、これからの見通し、あるいは中部新国際空港、中部圏のそういった開発につきまして、御担当でありますので、もし御所感をいただければありがたいと思っております。

大野明自由民主党運輸大臣

○国務大臣(大野明君) 超電導磁気浮上式リニアモーターカーは、御承知のとおり、東京—大阪間五百キロを一時間で結ぶという夢のような超高速鉄道でございます。その夢を夢に終わらせず実用化しようということで、本年度から山梨県において実験線に着手した。これは技術開発等所要の問題がございますし、それを一日も早くということで、先月二十八日に着手式を行いました。  また、中央エクスブレスは、全国新幹線鉄道整備法によって基本計画路線として策定されておりますから、現在鉄建公団あるいはまたJR東海が中心となって、全ルートの地形、地質の調査を行っております。そういうようなことで、この調査の結果、そしてまた技術開発の進みぐあい等を検討しながら、一日も早く実用化し、また同時に開業できるように鋭意努力をいたしております。ちなみに、先生の選挙区である岐阜までは三十分ぐらいということになっておるようでございます。  また、中部国際空港は、中部地域というのはこれまた御存じのように近年人口も大変にふえまして、また産業機能の集積も非常に大きくなってきた。いずれにしても、将来中部地域に国際空港が必要だということは万人が認めておるところでございます。そこで、六空整の中間取りまとめにおきましても、名古屋圏におけるところの航空需要というようなものとか計画であるとか、あるいはそれに伴う採算性あるいはまた費用の負担、それから空域、まだいろいろな問題がございますけれども、これらを地元の皆様方とより一層緊密な連携をとりながら六空整の趣旨に沿って策定していきたいと思い、現在これも鋭意進めております。しかしながら、空港というのは、地域との密接性というか非常に多岐にわたっておりますので、これらも踏まえまして、これも現在の三大プロジェクト、成田、羽田、関空とございますけれども、やはりこれらでは対応し切れませんし、一日も早く中部につくることが日本のためと考えております。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 よくわかりました。我田引水のような感もなきにしもあらずかもしれませんけれども、しかしこれはそうではなくて、やはり均衡のとれた国土の開発、そういう観点からぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。  次に、先ほど社会党の委員からも質問がありましたけれども、防衛庁長官にお伺いいたしますが、次期防につきましていろいろ防衛庁長官からも御披瀝がありました。今年度で終わる防衛整備計画にかわって来年度から新しい次期防が政府の安全保障会議において大体の方針が固まったと聞いておりますが、新たな国際情勢をどのように認識されて策定するのか、基本的にお伺いいたしたいと思います。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石川要三君) 最近の国際情勢に対する、あるいはまた軍事情勢に対する認識を問われたわけでありますが、この点につきましては総理からも本院におきまして、国際情勢等についてたびたび詳細に触れられました。私は基本的にそれと全く同じ認識を持っているわけであります。    〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕  特にヨーロッパにおきましては目に見えるような画期的な歴史的な変革、と同時に、やはりアジアの地域におきましてもそのような変革をぜひ望 みたい、こういうふうに思っているわけでありますが、そういう大きな変革を前提にいたしまして、これから我が国の持つべき大綱に従っての必要な次期防を策定していきたい、かように考えております。もちろんこれは、私もそのメンバーの一人であるわけでありますから、私が策定するわけではないことはもう申し上げるまでもないわけでありますが、そういう基本的な認識のもとにメンバーとしてこれから努力をしていきたい、かように思っております。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 私もそのとおりだと思いますし、特にこれまでの中期防は、防衛計画大綱に基づいて正面装備は大体確保できたと思うんです。先ほどの委員への答弁の中でも長官はおっしゃられておりましたけれども、やはり量より質、こういう方に私は行くべきではなかろうか。質といいましても、特に今度の中近東の問題につきましても、情報の収集、それからまた隊員の処遇改善、この点に私は重点を置くべきではないかと思いますが、長官の御所見をいただきたいと思います。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石川要三君) 防衛を担当いたします立場といたしまして、今先生が御指摘をされたような正面装備におきましては量より質と、そしてまた全体的には後方の整備、この二点に重点があると言っても決して差し支えない、私はかように考えております。事実、私ども時間の許す限り各部隊を視察してまいりましたが、宿舎等を含めましての隊員の処遇につきましては、本当にこれでよく我慢して今までやってきたなというような感を深めているわけでありますので、そういう点をできるだけさらに整備をしてまいりたい、かように考えております。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 長官、それはぜひ頼みたいと思います。今、後段のお話でございますけれども、隊員の士気高揚、まさに日本の国の生命と財産を守ろうというそういう隊員の気持ちに沿って、岐阜県にも各務原基地がございますけれども、これは通産大臣の御地元でございますが、やはり宿舎を見ますと本当に目に余るものがある、こんなひどいところでよく生活しているなという感じがするわけでありますから、その点はぜひこの次期防においても御配慮願いたいと思います。  時間がございませんので、先へ進ませていただきたいと思います。中東問題についてお伺いをいたしたいと思います。  先ほど来いろいろお話をいたしまして、その中で十一月二十九日の国連決議がなされたということで、このイラク問題はひとまず大きな危険が遠のいたという感があるわけでございますが、まだまだ私は楽観は許されないと思いますし、平和的解決はぜひともお願いいたしたいところであります。  そして、先般、人質となった方々、そしてイラクに在住の方々もほとんど帰国されたということは、これは大変喜ばしい限りだと思うわけでございます。と申しますのは、ここで私ごとを申し上げて大変恐縮なんでございますが、八月二日の勃発以来、人質となりあの灼熱の中で不便な生活を強いられたということは、私は人質の皆さん方は大変な御苦労があったと思うんです。私は実は今から二十年ほど前、アラビア半島で実際に石油開発の会社に勤めておりまして、二年余り生活をいたしておりました。当時はまだ第一次オイルショック前でございまして、家族とともに二年余りの生活でございましたけれども、夏になりますとよく停電をするんですね。そうすると、気温が五十度にもなるわけでございます。もちろん体温よりは高い。  そして、当時はまだ湾岸諸国はそれほど近代化されておりませんでしたので、すべて生活は電気に頼っておったんです。そしてまた、いつ停電が直るか。これは何日間も、長いときは一週間ぐらい停電するわけであります。食料もすべてだめになってしまう。そうすると、我々家族は本当に、過ごすだけでも、生活するだけでも大変なんです。体温より気温の方が熱いものですから、一つの例でございますけれども、恥ずかしい例でありますが、一番涼しくなる方法というのは、親子三人が素っ裸になりまして、台所がタイル張りでございましたので、そこで肌をすり寄せて寝るのが一番涼しいということも発見したわけであります。そういう状況の大変厳しい気候風土の中で不自由な生活を強いられた人質の皆さん方がこうして無事に帰られたということは、私は大変よかったなと思うわけであります。  そのことはそのこととして私は結構なことだと思いますが、ただ私はここで勘違いをしちゃいけないことがあると思うんです。日本人の人質が全部帰ってくれば何かひとつほっとしたという雰囲気が今流れて、もちろんそれは結構でありますけれども、それですべて解決したわけではございません。それは当たり前のこと、当然のことで、むしろ遅きに失したイラクの行為ではなかろうかと私は思うんです。もっと早く解放すべきであったんではなかろうかと思うわけであります。  我々が忘れてならないことは、先ほど来総理もおっしゃっておられましたけれども、やはりイラクが不当にも武力によってクウェートを占拠したこの厳然たる事実は絶対に忘れてはならないと思うわけでございます。そういうことで、これからまだアメリカとイラクのいわゆる対話が始まりますけれども、そうした東西冷戦後初めて起こった中東危機というものを総理は一体どういうふうにとらえられておるのか。もう言わずもがなかと思いますけれども、お答えをいただければと思っております。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 現状の認識につきましては藤井委員と私はほとんど同じ考えでおりますが、将来見通しをどうかと、こう言われますと、かくすればかくなるというなかなか断言のできない不確実な面が残っております。せっかく人質解放という第一段階といいますか、第一歩は踏み出されたわけですから、この次はイラクの決断によってクウェートからの撤兵とクウェートの正統政府の復活、これが国連決議に基づく三つの原則でありましたが、その原則を貫いてアメリカとイラクとの直接対話が今行われようということに、お互い提案されて生まれてきておるわけですから、そこで当事者同士が平和のためにどうすべきかという話をしていくのが平和解決に向かっては一番いいことだと思うんです。  ただ、背景を見ますと、湾岸危機の以前にもムバラク提案というのがあって、エジプトは一生懸命あの辺の恒久平和に努力もしました。また、ベーカー提案があったことも御承知のとおりです。  アラブの国々も、イスラエルを不倶戴天の敵だというようなとらえ方でしておったのが幾らかだんだん変わってきた。例えば去年PLOのアラファト議長を日本に招きますときに、日本の政府賓客として首脳会談をやっていいのかどうかという問題がございましたが、そのときアラファト議長の方にいろいろな変化があって、今までイスラエルを国家として認めない立場でありましたが、今後はイスラエルを国家として認める、同時に今後テロ行為はしない、二つのことをPLOはきちっとするんだ、そういう前提条件もありましたから、私は会ってお話もし、ぜひそのように、テロはしない、イスラエルは認める、そういう立場で行動されることが望ましいと、いろいろなこともしてきました。今度局面が打開されて、イラク、アメリカとの間でクウェートの問題が解決をすれば、まさに中東恒久平和というものがあの地域の平和と安定のための大きなテーマになってくるだろうと思います。  私は、日本もきょうまでの立場、国連決議の二百四十二号に立脚した日本の考え方で、どのようなところでどのような解決をしていくかということはまだ具体的にここで申し上げられるような確固たる見通しはありませんけれども、とにかく皆がそこで話し合いをする、あの基本原則に従って中東に恒久和平をきちっと打ち立てていく、そのような努力をしていかなければならないと、こう受けとめております。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 そこで、日本も対応、貢献策というのが必要である。さきの国会では残念ながら国 連平和協力法が廃案になってしまった。それにかわって自公民三党による合意がなされて、それに基づいてまたどう対応していくか具体的に詰めていくということであります。こうしたことがまた起きないという保障はないわけです。今の問題も解決しておりませんけれども、起きないという保障はない。そういうためにはやはり早急に、一刻も早くそうした具体的な方策を講じていただきたいと思います。  そこで、私考えますのですが、やはり危機管理という問題が私はまだまだ日本はおくれているんじゃないかなと思っております。先ほどお話にありましたように、いよいよ第二段階へ入ったということでございますけれども、中東にはまだまだ多くの日本人の方々が大勢働いていらっしゃいます。私がかつてお世話になったアラビア石油のカフジ基地、これはクウェートとの国境から十八キロしか離れていないところで、今現在約百人のアラビア石油の日本人社員が働いて石油の開発をし、生産をし、そしてその七割、約二十万バレルが日本に向けて輸出をされておるわけであります。今一段落、人質は解放されたけれども、そうした方々がもし万一といったときにどうこれに対応するか、いわゆる情報、そして輸送、そういった問題について私はこれからまだ早急にやらなければならないのだと思っております。  そこで、郵政大臣にちょっとお伺いいたしたいんですが、今般人質となった方々が情報不足で悩まれたということでございます。しかし、その中で国際放送が唯一の情報収集の源だったと。大変私は結構なことだと思いますけれども、これも危機管理に大変重要なポイントだと思います。この点について、郵政省、郵政大臣といたしまして今後国際放送についてどうお考えになっていらっしゃるか、お伺いいたしたいと思います。

深谷隆司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 従来から、日本の状態を世界に知っていただくために、また世界に散らばって各所で働いている日本人のために、国際放送は有効に使われてきたわけでございます。今回のような中東危機で改めてこの国際放送が注目されたということはいささか残念な思いもいたしますが、これを機会に多くの方々の御理解をいただいて充実させていくことが非常に大事だ、そんなふうに思っております。  中東危機が起こりましたときに、それまでガボン中継であちらには一日三・五時間放送していたのでありますが、NHKと協力いたしまして徐々に時間を延ばして十一時間にさせていただきました。九月六日以降は、家族の声であるとかあるいは個人あてのメッセージなども届くように努力をいたしたわけであります。  ただ、そのときに、一体現地の日本人に伝わっているのであろうか、私たちは非常に心配をしていたのでありますが、昨今お帰りになった人たちに聞きますと、唯一最大の情報機関として非常に大事に使われていた。短波放送ですから移動するという点でも非常によかったんです。そこで、乾電池が切れるのではないかということも含めて皆さんで研究しまして、例えばラジオを聞くときには大勢の人が集まって一緒になって聞くとか、一人の方が聞いて、それをワープロで打って日本人に配って歩くといったようなそんな使い方もしてくださいまして、お帰りになった方々のお話を聞いて本当によかったなと思ったのであります。したがいまして、まだまだ充実させていくことが肝要だというふうに痛切に感じました。  今、南西アジア方面ではまだ十分聞き取れないというところもありますから、来年の一月にはスリランカに中継基地をつくります。また、茨城県の八俣のも平成三、四年にはさらに発信のスケールを大きくしたいというふうに考えておりますが、どちらにいたしましても本当に大事なことでありますから、藤井委員の御協力もいただきながら、郵政省としてはその拡大充実のために全力を尽くしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 私は何も世界の紛争を望んでいるわけではございません。もうこれはないにこしたことはないわけでありますが、ただ、こういったことが起きたときにやはり情報というのが一番大事だと思いますので、郵政大臣、ぜひこの点の充実に御努力をいただきたいと思います。  また、輸送の面につきましても、これも大事だと思います。例えば船舶、航空、これをどう救援するかということで、これは担当は外務大臣だと思いますけれども、実際はこの問題についての具体的なあれは運輸省だと思いますが、この点について運輸大臣、この危機管理の面において輸送の面、そういった面についての考え方を御披瀝いただきたいと思います。

大野明自由民主党運輸大臣

○国務大臣(大野明君) 今回の湾岸危機に際しましては、関係方面の皆様方の御協力と御理解を得まして、日本国籍の貨物船を二隻と我が国の民間航空機を活用して輸送協力を行いました。そしてまた、その後に救援機を出したわけでございますが、これにつきましてもやはり民間航空機ということでもって対応したわけでございます。  今後、不幸にしてまたこういうような事態になったときには、そのときの状況に応じて今回同様協力いただくべく関係方面に御理解を求め、協力を求めたいと考えております。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 輸送、情報とか通信、そういったものがまだまだ対応が非常におくれているのではないかという感を今回の紛争で感じたわけであります。  そして、もう一つ外務大臣にお伺いしますが、それは在外公館の充実というのが私は必要ではなかろうかと思うんです。人的な拡充というものも大切でありますけれども、やはりこれも質的、情報収集といった問題、こういうことが必要ではなかろうかなと思うわけですが、外務大臣、この在外公館の充実というものについてお考えをお述べいただきたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 今のお尋ねに入ります前に、先ほど私お答えの中で、アメリカのソ連に対する最恵国待遇を来年からというお話がある、日本はどうかということで、日本は一九五四年と申し上げましたが、一九五六年でございますので、訂正をさせていただいておきます。  なお、在外公館の強化の問題につきましては、実は昨日クウェートの日本大使館におられた館員の方々が全員御帰国になりまして、私のところへ来られました。    〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕  そこで私は、現実にイラク軍がクウェートに侵入したときの状態、それからその後邦人を脱出させるまでの大使館のやったこと、それから当時何が一番必要であったかということを具体的に尋ねました。  それにつきまして二点ほど申し上げますと、やはり一番大切なものは、今委員も御指摘のように情報であると。それで、イラク軍は突如として、全く静寂のうちに入ってきた、目が覚めてみたらもう占領されていた。こういう状況の中で、電話線が切られた場合に電話がかけられない。そこで一番効果を発揮したのは無線電話であったということでございまして、我々の国の企業が世界じゅうに進出する、さらに一千万近い方々が御旅行になる、在留邦人もたくさんおられるわけでありますが、これから公館を中心に無線機、無線電話の整備を早急にしなければならないという考えが一つございます。  それに、もし人質とかそういうような問題が起こったときに、日本の現在の憲法また法律のもとでは実力をもってその人質を救出することが現実問題としてできないわけでございますから、これは国家としていかにも手の打ちようがない。やれることは、国連あるいは国際赤十字を通してこの人質の救出に当たる以外に日本国には手段がないということも私どもは経験をいたしまして、こういう場合にどのように公館が機能していくのか、これはこれから真剣に検討しなければならない大きな課題であると考えております。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 今、外務大臣のお話の中で私も思いを深くしているところでございますが、先ほど申し上げましたように、私はかつてアラビア半島 におりまして、カタール土侯国という小さな国におりましたが、やはりクーデターがある日突然起きまして、これは副王が国王に対して反旗を翻したのでございますが、幸いにしてこれは無血クーデターで終わったわけでございます。しかし、やはり数日間全く音信が絶えた。当時はまだクウェート大使館しかございませんでして、クウェート大使館がアラビア湾岸の諸国を兼轄していた。領事館もございませんでした。そういう不安の中で私もやはりそうした経験をいたしておりますので、今後そういった面でぜひ充実を図るべきだと私も思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  エネルギー問題に入りたいと思いましたが、時間が参りまして、まことに申しわけございませんが、通産大臣、また次の機会にお願いいたしたいと思います。  補正関係で数点、大蔵大臣にお伺いいたしたいと思います。  今回の補正予算を作成するに当たりまして、大蔵大臣も歳出歳入両方をにらみながら努力を払われたと思いますが、大臣として努力されたポイントについてお伺いいたしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私が努力をいたしましたというより、事務方の諸君に大変苦労をかけたわけでありますけれども、ここ数年来のような大幅な税収増が期待しがたい状況の中におきまして、昨年度に比べまして本年は災害が多発いたしました。そのための災害復旧事業費は、たしか前年の一・五倍ぐらいに上っていたかと思います。また、人事院勧告の完全実施に伴います給与改善費一つをとりましても、金額といたしましては昭和四十九年度以来のスケールになりました。こうした情勢の中で、御承知のような湾岸の平和回復活動に対する追加協力の支援といった問題が出てまいりまして、非常に厳しい財政状況であったことは間違いがございません。  しかし、こうした中におきましても既定経費二千四百一億円を修正、減少することができまして、そのうち約一千九百九億円につきましては、先般九月十四日でありましたかの閣議で各省庁にお願いをいたしました既定経費の見直しによるものでありまして、例年の一般歳出の見直し額に比べ五割増し程度にまで各省の御協力をいただくことができました。こうした点についての協力にも改めてお礼を申し述べたいと思います。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 よくわかりました。厳しい歳入事情の中で、いろいろな追加財政措置、需要を賄うべく努力されたと思います。  そこで、七千五百億円の建設公債の発行、これはやむを得ないと私は思いますが、しかし公債残高というのはこの二年度末で百六十四兆円を超えるわけでございますし、歳出の二割を超える非常に厳しい状況にあることも事実だと思います。そしてまた、このことは一言で言えば、我が国の財政体質というのはまだ脆弱である、一歩誤ればまた公債に依存しなきゃならない、こういうことにもなりますし、やはり財政改革というのは大変必要だと思いますけれども、それに対する姿勢について大蔵大臣にお伺いいたしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今申し上げましたような財政事情の中、今回の補正予算の中における公債発行対象経費七千七百九億円のうち七千五百億円を建設公債で賄わなければならないというぎりぎりの決断を迫られました。しかし、今委員が御指摘になりましたように、平成二年度でようやく特例債に依存しない予算編成ができたとはいいながら、今申し上げましたような状況に加えて、今年末国債残高は百六十四兆円に達する見込みでありますし、また国債費が歳出予算の二割を超えるという状況の中で、仮に一たび景気の落ち込みといったような情勢が生じ、著しい税収の鈍化が生じました場合には再び特例公債の発行に頼らなければならないという脆弱性から脱し切れていないというのは、これは御指摘のとおりであります。  それだけに、後世代に多大な負担を残さない、また、高齢化のピッチの非常に速い状況の中で国際的な責任を果たさなければならなくなっております日本として財政の弾力性を取り戻しますためには、何としてもやはり特例債を発行しないことは当然といたしまして、建設公債といえどもその発行額を極力縮減する努力をし、公債依存度を下げてまいらなければなりません。  特に明年度予算編成を考えました場合、日米構造問題協議が決着をいたしました後の最初の年の予算でもございます。また一方では、十二月初旬に決着を見ることがありませんでしたウルグアイ・ラウンドの成り行き等も考えなければなりません。さらに中東湾岸情勢の状況がなお不透明な中での予算編成ということでありますので、我々としても全力を尽くしてまいりたいと考えますが、委員における御協力も心からお願いを申し上げます。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 まさに財政改革は次の段階に入ったわけでありますけれども、一歩間違えばこれはまたとんでもないことになる。これは子々孫々にそのツケを回すことになる。こういうことになりますので、やはり我々自身も努力をしなければなりませんが、大蔵大臣におかれても、この点に十分留意されて財政改革を進めていただきたいと思います。  いわゆるスポーツ振興基金ですか、これについてもお伺いをいたしたいと思います。  文部大臣、先ほどもお答えになっておられましたけれども、私は決してメダル数を云々言うつもりはございません。このセンター法の一部を改正する法律案も読ませていただきました。確かにこの委員会にも、小野清子委員のように、かつてメダルをとられた方もいらっしゃいますし、御主人は四つのオリンピックで十四個の金銀銅のメダルをとられた、こういう大変輝かしい実績を持たれておる。大変すばらしいことだと思います。やはりとらないよりとる方がこれはありがたいことでございます。ただし、小野清子委員はたった一つの銅メダルだったそうでございますが、御主人は十四個、こういうことでございます。これは余計なことでございますけれども、もちろん、やはりとった方がいいと思います。  しかし、そのためにはその体制づくり、先ほど大臣は選手の強化と言いましたけれども、私は、この中にも書いてありますが、日本にはやはりコーチといいますか指導者、そうした人のシステムができていない、そうした人たちの社会的地位が確保されていない、私はこう思うのでございますが、文部大臣、いかがでございますか。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○国務大臣(保利耕輔君) コーチの充実を図っていくということは、その国のスポーツの水準を上げるのに大変大事なことだというのは委員御指摘のとおりでございます。また、その制度が必ずしも十分でないということは、私どももそのように感じております。したがいまして、今度のスポーツ振興基金の中におきましては、コーチに対するいろいろな施策というものも考えるように私ども検討をいたしておるところでございます。コーチを充実させて、そしてスポーツ競技力を高めるというふうに考えていきたいと思っております。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 ですから、素質のある選手を育てるということも大事ですが、それをつくるにはやはり総合的なシステムで、そしてそれを育てる指導者、コーチというものの社会的地位がやはりしっかり確立されていなければ、生活が保障されていなければ、なかなかこれはいい選手が育たないだろうと私は思うわけでございます。これは時間がございませんので、これまでにいたしておきます。  税制の問題につきましても触れたいと思いましたけれども、一言だけ、これに関連する言い方じゃないんですが、先ほど社会党の委員の方から税制の問題がありましたけれども、やはり税制も、税だけで土地の問題というものを解決するというのは、これは無理があるだろうと思います。今度の自民党が大綱を出しました新土地保有税というのは、税制の総合的な中の一セットであるわけで、一部分であり、これがすべてでない。これで地価が下がるということではなくて、やはりそれには金融の抑制とか、あるいはまた土地利用計画とか いろいろあるわけでございます。そういうことで、地価を下げるということは、まさに税と金融、そしてまた土地利用、この三点セットで総合的にやるべきではなかろうかなと私は思っております。これは私の意見だけにとどめさせていただきます。  また、地元の問題となりますとおしかりを受けますけれども、これは決して地元の問題だけとは限りません。長良川河口ぜきの問題について御質問をさせていただきたいと思います。これは全国的に論議を呼んでいる問題でございます。地元議員の一人といたしまして、建設大臣にお伺いいたしたいと思います。  この長良川というのは、御承知のとおり、海抜ゼロメートル地帯を流れます日本でも有数な天井川であります。この地域は木曽三川、長良川、木曽川、揖斐川、これは歴史的に、有史以来まさに洪水との闘いでございました。自然を守るということは私は当然だと思いますけれども、自然を守るということは、一方では自然との闘いでもあるわけでございます。江戸時代の宝暦年間には、薩摩藩の藩主によって、多数の犠牲と多大な財政によって治水が行われた。現在でも岐阜県では年に一回、必ず薩摩藩に対して感謝の気持ちを込めながら慰霊祭を行っているわけでございます。そういうまさに洪水との闘いの歴史。そして全国でも河口ぜきはたくさんあると思いますけれども、特に塩水遡上を阻止する、そういった目的、あるいは治水の面、利水の面でぜひとも地元民も期待をしておりますこの河口ぜきに対しまして、これは特殊なものなのか、そうではないのか、どういったものか、建設大臣にまずお伺いいたしたいと思います。

綿貫民輔自由民主党建設大臣

○国務大臣(綿貫民輔君) お答えいたします。  長良川河口ぜきの問題につきましては、建設省の河川行政の中では沿川の住民の生命、財産を守るということが最大至上の命題でございまして、この問題に今取り組んでおるところでございます。ややもすると利水が目的ではないかとか、あるいは自然を破壊するのではないか、いろいろの御心配をいただいておりますが、我々はこの最高至上の命題に取り組むために、もちろん利水の問題も必要でございますが、自然破壊というような問題にならないように、自然との共生に十分に留意しながらこの工事を今進めておるところでございます。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 そのとおりではございますが、自然の保護というのは、だれしもこれは願わなければならない、維持しなければならないことでございます。ただ、この長良川の問題につきまして、ただ環境保全という名のもとだけに、ある面では地域に余り関係のない方々がいらっしゃっていろいろおっしゃられることが多いんですね。先ほど来私が申し上げておりますように、地域住民の生命、財産を脅かすことは断じて許されません。これの完成がおくれまして、もし災害が起きた場合、まさに人災ということになりかねない。  そういう意味で、建設省は、環境庁もそうだと思いますが、自然環境の保全というのはこれは当然のことでありますけれども、やはり安全で豊かで潤いのある生活環境の確立、そしてそういう意味におきまする河口ぜきというのはまさに必要不可欠なものである、このように思っております。その点について、建設大臣、今お答えいただきましたけれども、いま一度、具体的に進んでおりますこの河口ぜきについて御所見を伺いたいと思います。

綿貫民輔自由民主党建設大臣

○国務大臣(綿貫民輔君) 先ほど御指摘のように、長良川というのは天井川でございまして、堤防の下にたくさん人が住んでおりまして、これ以上堤防を補強するということは非常に難しいということから、この流域の掘削をいたしまして流量をふやすことによって治水に努めようということで始めておるわけでありますりしかし、この河口の掘り下げによりまして塩害、つまり塩が上がってくるというのを防ぐために河口ぜきをつくろうということで計画をされておるわけであります。したがいまして、現在の長良川の治水上、現在やっております長良川河口ぜきをつくることが一番いい科学的な方法であるということを信じてやっておるわけでございます。  したがいまして、先ほども申し上げましたように、私どもといたしましては、今、長良川というのは自然に恵まれた川だということも承知いたしておりまして、これらの自然を破壊しないように、共生をするように、ひとつ河口ぜきをつくりながら自然を守り、自然を守りながら河口ぜきをつくっていく、こういう方向で努力をしていきたいというふうに考えております。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 関連質疑を許します。井上章平君。

井上章平自由民主党

○井上章平君 私は、ただいまの藤井委員の質問に関連いたしまして、災害復旧及び公共事業の執行、特にただいまの長良川河口ぜきの建設をめぐっての質問をいたしたいと思います。  まず第一に、災害復旧について大蔵大臣にお伺いいたしますが、ことしは大変災害の多い年でございました。また、それだけでなく、十二月に台風が上陸したり、また、過般は例のない規模の竜巻が発生して大きな被害が出たのであります。また一方では、このような風水害の間に空梅雨が続いて各地に渇水が起き、国民生活の大きな不安材料ともなりました。  このように気象変化が激しい年であったわけでありますが、これはどうも今まで経験してきた気象の一定の変動幅の中で起きていることではないのではないか。今日問題となっております地球規模の気候の大きな変化の前ぶれ、あるいはその影響下に入ったのではないかという説もあります。これはにわかに即断はできませんが、今後の推移が大変心配されているところであります。  そこで、このような災害を受けて、このたびの補正予算案におきましても多額の災害復旧費が計上されておるところでありますが、私も被災地を視察いたしまして痛感いたしましたのは、早期復旧はもとより再度災害防止のための改良復旧の採択、またそのための関連事業の採択等の要望が非常に強かったわけであります。これらの点につきまして補正予算においてどのように配慮されているのか、大蔵大臣にお伺いいたしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 平成二年の今日までに発生いたしました災害につきまして、これは極力その早期復旧を図るという前提のもとに、初年度の復旧進度を直轄、補助災を含めましておおむね八五%程度にまで高めるとして、所要額につきましては総額六千六百四十三億円、当初予算百六十九億円及び予備費使用額七百九十七億円、残り五千六百七十七億円を補正予算に計上いたしました。また、平成元年度発生災害の過年災につきましても、復旧の促進を図りますためにできる限り復旧の進度を早めるということから、その所要額六百二億円を補正予算として計上いたしております。  また、災害復旧事業は、委員よく御承知のように、被災施設を原形に復旧することを原則としているものではございますけれども、被害が激甚な場合は、再度災害が発生しないようにという見地から、改良復旧事業であります災害関連事業を実施いたしております。  また、降雨等により荒廃し災害発生のおそれが大きい場合、災害防止、民生安定の見地から、施設被害がなくても施行いたします災害関連緊急事業も実施することとしておりまして、今委員もみずから被災地においてその訴えを聞かれたということでありますが、こうした御要望に対しても対応できますように、所要額六百三十六億円を計上いたしました。  また同様に、元年度以前に発生いたしました災害の関連事業につきましても、その促進を図るために所要額七十億円を計上いたしておるところであります。

井上章平自由民主党

○井上章平君 次に、ただいま藤井委員から質問がございました長良川の河口ぜきについて環境庁長官にお伺いいたしたいわけでありますが、長良川の河口ぜきは長良川治水の骨格をなす事業ということで、その建設推進の要望は大変強いものがあります。しかも、この事業は既に着工しており まして、まさに工事最盛期にあると言えます。私は、これを自然保護か建設促進かの二者択一の問題としてとらえるのではなく、建設を進めながら必要な自然環境上の対応も進めるというのが最も現実的な対応ではないかと思うわけであります。  長官は、この問題が取り上げられましてから精力的に現地を視察され、近くこれに関する見解も出されると伺っております。したがって、それを待つべきことかもしれませんが、このように議論のあるところでありますので、この際、長官としてのお考えをお伺いしておきたいと思います。

北川石松自由民主党環境庁長官

○国務大臣(北川石松君) ただいま井上委員の長良川の河口ぜきについて環境庁の考えはどうだという御質問でございますが、御指摘のように、私は過日長良川を見せていただきました。なお、長良川以外に広島県の芦田川、利根川の河口ぜきを見てまいりました。また、今日本で残されておるすばらしい四国の四万十川も見せていただきました。河口ぜきと環境に及ぼす影響をみずからの目で見たいという気持ちで見てまいりました。  もちろん私は、治水という面で、一朝破堤をいたしまして洪水になりますならば、その環境というものはすごい悪い環境を生んでくることは事実でありまして、みずからもまた淀川なり大和川なりの治水対策委員長をいたしておりまして、時の建設大臣河野一郎先生と激論したのを今も覚えております。そういう意味におきましての治水というものの重要性、環境に及ぼす影響、これは人命が失われ、その水のあふれるところ悲惨なものになりますから、この環境の重要性も痛感いたしております。  ただ、このような認識を踏まえながら今工事をされておりますので、この工事に対して云々するよりも、私は環境上の面から見なくてはいけない。それは治水も、また生態系も必要でございます。水三尺流れるや清しと言われたこの水がせきとめられて、特に渇水期に水がとまっていきますならば、その水は必然的に腐り、必然的に汚泥ができてまいります。そこにおるシジミが死んでいくことは、これは芦田川が日本三大シジミ生産地であったにもかかわらず、現在一匹もおりません。  こういう点を見てまいりますと同時に、私は四万十川を見たときに、この河口のところにせきがあったならば、四万十川の美しさはつぶれ、ここで営業している農業もノリもすべてが失われるのじゃないか、こういう思いを、これは長官として、また自然を愛する一人として感じた次第でございまして、もちろんその間、環境庁も建設省も、水資源は同じ政治の一つの中にありますので、このことについてはよく話し合って、円満に、国民の皆さんの声が生かされるようにさせていただきたい、私はこういう思いをいたしております。

井上章平自由民主党

○井上章平君 ただいま環境庁長官のお話を伺いましたが、よく関係者の間で話し合って現実的に対応されるということでありますので、よろしくお願い申し上げます。  以上で終わります。ありがとうございました。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 総理、今の建設大臣、また環境庁長官の答弁を聞かれたと思います。私は、もちろん自然を守るということは当然なことだと思いますし、それはやらなきゃいけないことだと思いますけれども、しかし自然保護の問題を議論する前に、長良川とともに生活をし、洪水時にみずからの生命、財産を危険にさらしている長良川流域に住む人々も六十万人おるわけです。そうした人たちの治安、安全度向上への悲願というのは、これは非常に強いものがあろうかと思います。そういう問題と同時に、また、そうした人たちを代表するこの地域の市町村長及び市町村議会こぞってこの長良川河口ぜきの建設を熱望しておるわけであります。したがいまして、我々地元民の一人といたしましても、長良川河口ぜきの早期完成に期待を熱くしておるものでございますが、総理の御決意をお伺いいたしたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 今るる御質疑がありましたけれども、長良川河口ぜき事業につきましては、治水上の必要性から建設促進を求める強い要望があります一方で、河口ぜきの設置に伴う環境への影響についてさまざまな懸念が表明されておるわけであります。  私は、長良川の河口ぜき事業については、今既に建設工事が進められておりますが、事業者において現段階でとり得る最善の措置を講ずることが必要でありますし、また学識経験者の知見を踏まえて必要な追加調査、検討を行いながら、また取りまとめた結果については関係自治体や関係住民にも十分説明をして、その意見を十分反映させた環境保全上の措置を講ずるべきである、こういうふうに考えております。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 地元流域住民といたしましてはこの早期完成を熱望しておる。もちろん、地元の住民は環境保全のことについて一切無視しているというわけではございません。やはり自分たちの長い歴史の中で、水との闘いというそういった中でこうしたものはぜひ必要だということをぜひ御理解いただきたいと思うわけでございます。  ウルグアイ・ラウンドの件につきましても御質問したかったわけでございますが、もう時間が差し迫ってまいりましたので、ちょっと基本的なことだけお伺いいたしておきたいと思います。まず外務大臣にお伺いいたしたいと思います。  ウルグアイ・ラウンドは新多角的貿易交渉とよく言われておるわけであります。私も、地元に帰りましてそういった問題について、米の問題あるいはいろんな問題がありますけれども、よく聞かれるのは、ウルグアイ・ラウンドというのは何ですかとよく聞かれるんですね。ここにいらっしゃる皆さん方、そしてまた関係者の方々はよく御存じかと思うんですけれども、これは基本的な質問でございますが、そもそもこのウルグアイ・ラウンドというのは一体何なのであろうか。こういう質問はちょっとおかしいかと思いますけれども、やはり国民の皆さん方、関心のない方はこれはよくわからないんですね。しかし、これは我が国にとって大変大事なことだと思うんです。そういう意味で、その基本的なこと、そしてまた今回中断、継続交渉となった理由は何か、その経過と概要、そういった点についてまとめてひとつお答え願いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員も御指摘のように、ガット・ウルグアイ・ラウンドということについてよくわかりにくい、これは簡単に今までの歴史を振り返ってみなきゃならないと思うんです。  一九三〇年代に保護貿易主義というものが世界で台頭いたしまして、そういうところから結局三〇年代の後半に戦争に入っていったわけでありまして、第二次世界大戦を通じて世界の国々は保護貿易主義というものに大変大きな反省をいたしたわけであります。そういうことから戦後つくられましたものが多国間の自由貿易、ガットの協定、さらに戦後の復興のためのいわゆる世界銀行、それから国際金融、為替の安定のためのIMFと、こういったような戦後の自由経済体制の国際的な基礎がつくられた。しかし、それがつくられてからちょうどもう四十年ばかりたっております。そういうたっております中で、この四十年の間に実はいろんな変化が起こってまいりました。  最近のところでは、第一次石油ショックの後、国際的に不況が起こってくる。さらにまた、ヨーロッパでは、構造的な不況、アメリカでは貿易の赤字、日本はこの小さな国でありながら大変強い債権国にのし上がってくる。こういう中で、このガットのルールに合わないで国際貿易が約四〇%ばかり今行われておるわけであります。そして、アメリカにおけるような、スーパー三〇一といったような法律がアメリカの議会で成立する。これはもう一方的な措置でありまして、国内法で国際貿易を規制する、こういうことがあって、このような一方的な制裁措置といったようなものを含めて、何とか国際経済を自由貿易体制を反映させながらやっていくということ、やはりこのほころび始めたガットのルールの再建をやらなければいかぬということで、今日このガット・ウルグアイ・ラウンドが行われているわけでございます。  そういう中で、農業問題が非常に大きな問題になってくる。農業は、一九七〇年代は国際的に農 作物が不足をしておった時代であります。そこで、八〇年代に入って増産に入る、そして農産物の国際的な過剰時代が起こってくるわけです。そして、この過剰になった農産物を輸出するために輸出補助金をつける。そうすると、政府は財政でそれを補てんするわけでありますから、財政赤字が出てくる。また、ECあたりでは、外国から入ってくる農産物に対して、可変課徴金といいまして、国際価格と国内価格の差額を税金で取る。そしてまた、国内の余った農産物を輸出する場合には、輸出補助金をつけて国際価格まで落とした価格で海外に出す。こういったようなことで、いわゆる国際経済の中での自由貿易のシステムが混乱状態に入りかけている。これを何とかこの機会にやらないと国際経済がうまくいかない。  こういう中で、我々日本は、委員も御存じのように、貿易で生きている国でございますから、海外から多くの資源を求めて、そしてそれを加工して世界じゅうに輸出して、その差額を、富を分配して、今日世界一所得の豊かな国家になりつつあるわけであります。こういう中で、日本にとっては、このガット・ウルグアイ・ラウンドが不成功に終わるということは、大変国家のためにも、また国内で生産活動に従事している国民の皆様方にも非常に大きな影響が起こってくる可能性がある。  ここでこれが失敗した場合にはどういうことになりますかと申しますと、各国とも保護貿易時代に入ってまいります。そうすると、輸入規制という問題が一方的に国内法で起こってくる。ただいま鉄鋼とか自動車は、それでなくても二国間の話し合いで規制が行われておりますけれども、いろんなことが起こってまいりますと、貿易立国をやっている日本にとっては大変大きな問題が国民生活に起こってくるわけでございまして、こういうことから考えてまいりますと、この会議というものが、このガット・ウルグアイ・ラウンドというものが日本にとっては避けて通れない大きな問題、こういうふうに御理解をいただければ結構じゃなかろうか、このように考えております。

藤井孝男自由民主党

○藤井孝男君 ありがとうございました。よくわかりました。  いずれにいたしましても、日本は自由貿易の恩恵を一番享受している、そういうことだと思いますし、今回のガット・ウルグアイ・ラウンド交渉が失敗に終わったら、日本の国益はもとより日本経済も多大な影響を受ける、こういうことだと思います。また来春に延ばされたわけでありますが、いずれにいたしましても、通産大臣も御苦労いただきました。外務大臣もそうでございます。また、農林大臣も本当にありがとうございました。そういった問題につきまして、今後とも日本の貿易立国が成り立つようにぜひ御努力をいただきたいと思います。  最後に、総理にお伺いいたします。  冒頭にも申し上げましたように、まさにこれからの世界というのは対立から協調へ、そして軍事から経済力、経済へと、こういう移行でございます。そして総理は、御就任以来この激動の一年四カ月を経られました。これからますます国の内外を問わず日本が果たすべき役割と責任というものはまことに大きいものがあろうかと思います。それだけに、総理に対する期待も大きいと思いますし、また責任も重大だろうと思います。それは十分御認識されておると思いますが、先ほども申し上げましたように、やはりそのためには総理のリーダーシップというものが私は大切だと思います。これまでもしっかりとそういった面で頑張ってこられましたけれども、さらに一層リーダーシップを発揮されて、二十一世紀に向けて活力のある豊かな平和な日本国になっていくようにぜひ御尽力を賜りたいと思いますが、最後に総理の御決意を賜りまして、私の質問を終えさせていただきたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 御激励を交えて御質問いただきましてありがとうございました。将来に向かっては、きょうの御質疑、やりとり等もきちっと記憶にとどめて、私なりに全力を挙げて頑張らせていただきます。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 以上で藤井君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 次に、森暢子君の質疑を行います。森君。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 私は、まず子どもの権利条約の批准の問題についてお伺いしたいと思います。  総理は、ことしの九月二十九日、三十日にニューヨークの国連本部で開かれました子供の世界サミットに参加されました。そしてその中で、「ヒューマニティの教育をめざして」、こういう演説もしていただきました。その前向きの御姿勢には大変敬意を表するところでございます。しかし、いまだ日本は署名のみで批准がされておりません。このことについて、総理はどのようにお考えですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) ニューヨークの子供のためのサミットに参ります前後にはいろいろまた御激励もいただきまして、ありがとうございました。  あの会議に参加をいたしまして、私は御指摘のとおりの演説もしてきたわけですが、児童の権利条約というものにつきましては、これは内容が極めて広範であります。重要なものであります。できるだけ早期に批准するように最大の努力を行っていく所存でございますが、署名はニューヨークの会議の直前の九月二十一日にいたしましたので、できる限り早く批准ができるように作業を急いでおります。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 この権利条約の批准について、では世界ではどれだけの国が署名をし、そして批准をしているか、そういう状況についてお尋ねしたいと思います。

赤尾信敏外務省国際連合局長

○政府委員(赤尾信敏君) 十二月六日現在の署名国数でございますが、百三十カ国が署名いたしております。締約国は五十八カ国でございます。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 海部総理がせっかく参加しながら批准してこられなかったというその理由、またはできなかったとすれば、その理由についてお願いします。

赤尾信敏外務省国際連合局長

○政府委員(赤尾信敏君) 先ほど総理からも御説明がございましたけれども、この児童の権利条約といいますのは非常に広範な分野にわたって児童の権利の擁護、促進等を定めておりまして、各条文につきまして我が国国内法との関係がどうなっているだろうか、あるいは他の人権関係の条約等とこの条約との関係がどうなっているかということを私たち今関係省庁間で厳密にやっているわけです。これは昨年採択されたばかりで、この春以来関係省庁間で毎週のように会議を開いてきまして相当準備は進んでおりますけれども、まだ検討すべき点が残っているという状況でございます。  しかしながら、できるだけ早く検討を進めて国会で審議していただきたいというふうに考えている次第でございます。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 この署名をしたということは批准をするという意思をあらわしたということになるわけですね。  それで、今検討しているとか各省庁間にたくさん問題があるとかおっしゃっていらっしゃるんですけれども、やはりそれが秘密に、何がなされているか国民にはわからないわけです。そういうあたりをもう少し具体的に示していただきたい。何をしていらっしゃるかということを示していただきたいと思います。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○国務大臣(保利耕輔君) 子どもの権利条約は非常に重要な条約だと認識いたしております。今委員から御指摘のように、どういう点を検討しておるかということでございますが、例えばこの条約の二十八条に規定されております中等教育の無償化の導入というような点がございますけれども、これは高等学校を含めた無償化を一律に求めているのかどうか、いろいろな点で検討すべきことがありまして、事務当局で検討を進めているところでございます。その他いろいろとあると思います。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 これから文部省に聞こうかなと思っていたんですが、文部省はやはり子供と相対して一番関係が深いと思いますので、批准するに当た りどういうところに問題があって、そしてそのことについてどうなさろうとしているかをもう少し詳しくお聞きしたいと思います、今二十八条だけ触れられましたが。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○国務大臣(保利耕輔君) 文部省として外務省の条約局等と協議をいたしておりますのは、先ほど申し上げました点、あるいは詳細な点があろうかと思います。詳細な点につきましては、事務当局から御返答させます。

長谷川善一文部省学術国際局長

○政府委員(長谷川善一君) ただいま検討中でございますので、詳細については申し上げにくいのでございますけれども、例えば第十二条から第十六条に至る関係、それから第二十八条、第二十九条の教育の目的等でございます。関係する国内法が非常にたくさんございますし、そういうものとの関連、それから大臣が申し上げましたように、その条約の解釈、そういった点について現在詳細に検討いたしておるというところでございます。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 たくさん国内法に関係があるし、解釈の問題というふうにおっしゃったのですが、私先般の文教委員会で申しましたが、まだ政府の翻訳が出ていないわけですね。ですから、私は子どもの権利条約と申しましたが、皆さん方は児童の権利条約とおっしゃる。チャイルドというのをどの範囲でどう決めるかというのも、これはみんなの問題であるし、政府とすればやはりきちっとした翻訳を出して早く国民の皆さんに知らせる義務があると思うんですが、そういうことについて、海部総理はどのようにお考えでしょうか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) これらの問題につきましては、おっしゃるように子供のサミットなのか子供のためのサミットなのか。私は、子供のためのサミットだと、こう思っておりましたが、そういう議論もあったり、児童と子供をどうするかという御議論もあるし、それから私の聞いておる範囲では、何か優生保護法に関する問題についても議論が残っておるとか、そういうように努力をして解決できる問題とどうしても解決できぬ問題とあるなれば、どうしても解決できない問題は解決できない問題として、それをどう処置したらいいかということにもなるわけでありますから、今その作業は急がせておりますので、どうぞしばらく御猶予をいただきたいと思います。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 作業を急がせているというお話ですし、国内法の整備を今やっているということなんですけれども、やはり期限を切って、こういうことは何年の何月ごろを目標にやろうと、そういうものが必要ではないかと思うんですね。そういうことで、大体いつごろを予定しているかということについて、外務大臣。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 現在、各省と協議しておりますが、できればこの通常国会に、遅くても次の国会には必ず出させていただきたい、批准させていただきたい、このように考えております。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 ありがとうございます。  九月二十九日の子供サミットのときに、海部総理は覚えていらっしゃるかどうかわかりませんが、スウェーデンのカールソン首相がお話をなさっている中に、前を省きまして後の方に、子供の権利がどのように守られるかが私たち自身の未来を決定する、こういうふうな演説をなさっているわけですね。覚えていらっしゃいますか。このことについて、総理はどのようにお考えでしょうか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 未来を支えるのはもちろんどこの国でも子供でありますから、今全地球的な問題の中で子供の健全な発育ができるように、成長ができるように、またあのとき私も一番主張しましたのは、子供に対して識字率をもっと高くするように普及すること、そして一人一人がみずから自立し、物事を考え判断し行動する、そういう能力を身につけるようになることを申し上げましたけれども、それはまさに世界的に未来を支えるために大切なことだと受けとめております。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 今、演説の内容にちょっと触れられましたので、私も演説の内容を——原稿をいただきましてありがとうございました。  その中に、文部大臣としての経験から、教育制度や教育施設を整備する責務を負う国と、それから教師と家庭が調和してその役割を果たしていかなければならないというふうにおっしゃった。つまり、教育制度や教育施設を整備する責任は国にある、このように申されているわけですね。それから、終わりの辺に大事なこととして、第一に教育の普及とか改善は国家の開発計画の中で高い優先度が与えられるべきだ、こういうことも主張なさっておりますし、そのためには義務教育に携わる教員の養成とか社会的地位とか処遇について特別の優遇措置が講じられることを提唱します、このように演説をなさっていらっしゃいます。覚えていらっしゃるでしょうか。  そういうことを踏まえて、しかしそれにつけても国の一般会計全体に占める教育予算、このことにつきまして話を向けていきたいんですけれども、これが五十七年度に一〇%を切ってから年々低下し続けているわけです。それについて、教育予算の推移はどのようになってきたか、または低下し続けてきたその原因、そういうことについてちょっとお聞きしたいと思います。これは文部大臣。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○国務大臣(保利耕輔君) お答えをいたします。  確かに、委員御指摘のとおり、文部省の一般歳出、文部省のと申しますよりは国全体の予算規模に対する文部省予算の比率は、昭和三十九年が一二%でございますが、現在が七・二%と下がってきております。これはいろいろな理由があろうかと思いますが、地方交付税交付金がふえるとか、あるいは国債費が増加しているというようなことがございまして、国の一般会計に占めます一般歳出の割合が減少してきているということと関係があろうかと思います。ただ、一般歳出に占めます文部省予算の割合は、ここ数年一三%台後半を維持いたしております。  私どもといたしましては、今委員御指摘のように、文教の重要性にかんがみて、現下の厳しい財政状況のもとではございますけれども、文教施策の推進に必要な予算の確保に努力を重ねてまいりたい、こういう気持ちでおります。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 文教予算にかかわる予算を増加していきたいという文部大臣の強いお気持ちでありますが、教育予算はその国の国家予算の一〇%程度は必要と考えられるんです。それについて大蔵大臣、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今文部大臣からもお答え申し上げましたように、国債費とかそうしたものを除きました一般歳出の中で文部省の予算というものを見ます限りにおきまして、現在も一三・六%のシェアを保っております。  私は、そうした意味では文部省予算には他省庁に比較して一つの問題があると思いますのは、特色として人件費のウエートの非常に高い予算構成になっておるということであります。むしろ問題点としてこういうところにも一つの問題があるように私は思いますし、教育というものが人手を必要とする仕事でありますから、人件費がある程度ふえていくという中でどう対応していけばいいのかは今後ともに工夫をしていく必要がある部分だと思います。ただ、少なくとも一般歳出における文部省のシェアというものは一三・六%あるということは御理解いただきたいと思います。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 これから国際社会を生き抜いていく予供たちが大きくなってまいりまして、平和を希求し、いろんな人の人権を守っていく子供たちを育てるという観点に立ちますと、教育とか文化というのはこれから大変必要なことであろうかと思うわけです。  しかし、今大蔵大臣がおっしゃいましたように、問題点として人件費を挙げられたんですけれども、やはり教育予算のほとんどは人件費なんですね。つまり、人を育てるのは人なんです、教師なわけですね。教師だけではありませんけれども。そうしますと、これは他の省庁の事業費に相当するものである、この人件費は絶対削れない、このように思うんですけれども、海部総理、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、総理ということでありますけれども、所管閣僚としての財政当局からお答えを申し上げますならば、その人件費が削れないからこそ文部省予算の中における人件費の構成比が非常に高くなっておる、そしてそうした点についての工夫が必要ではなかろうかと私自身感じておるということを申し上げたわけであります。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 ありがとうございます。次に行きます。  学級編制と教職員の定数改善についてお尋ねしたいんですが、来年度、平成三年度は、昭和五十五年度から開始されました公立義務教育諸学校の第五次学級編制と教職員定数改善計画の最終年度に当たります。この計画の完結に向けて、その実施状況、それから実現の見通し、これを文部大臣、お願いいたします。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○国務大臣(保利耕輔君) 第五次の学級編制及び教職員定数改善計画の達成見通しでございますが、平成三年度が最終年度になっております。したがいまして、平成三年度でこの計画が完結するべく平成三年度の予算要求の中できちんと要求いたしまして、そしてこの計画が達成されるように努力をいたしております。  財政当局と今後またいろいろ折衝を重ねなければなりませんが、私どもとしては、法律もあることでありますし、きちんと計画を達成していくということが私どもに課せられた重要な任務であると考えております。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 文部大臣の方は大変かたい決意をしていらっしゃるようでございます。  この定数改善計画の中で考えてみますと、他の教職員という部分があるんです。他の教職員というのは、つまり、養護教員とか事務職員、栄養職員、それから障害児学校というところがあるんですね。それで、小学校とか中学校とか、一般教員の方は八六%とか七二%とかいっているんですけれども、この他の教職員を見ますと、養護教員は五五・三%しか完結していないし、事務職員は四〇%というふうなことで、こういうことで来年度いいようにいくんだろうかという心配を大変しておりますので、その見通しをお聞かせ願いたいと思います、文部大臣。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○国務大臣(保利耕輔君) お答えいたします。  若干計数的な問題もございますので、事務当局から御答弁いたさせます。

菴谷利夫文部省教育助成局長

○政府委員(菴谷利夫君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、全体では今年度までに約七割の、いわゆる完成目標に対して七割くらいの計数で実現しております。  内訳としましては、おっしゃいましたように、学級編制関係で八割、その他の定数改善で六割というような感じになっておりまして、その中で養護教員が五五、事務職員関係が四〇、それから学校栄養職員関係が五五というようなばらつきがございますが、これはいわゆる財政厳しき折から、その中で一生懸命折衝した結果として今日までそうなっております。  それで、平成三年度は最終目標年次ということでいわゆる完成に向けての要求をしておりまして、私どもとしましては鋭意努力するつもりでございます。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 今聞いた段階で、鋭意努力をしますというお答えなんですが、実際できるかなということで大変心配しております。しかし、ぜひ皆さんの御協力を得て、この定数改善計画の完結に向けて努力をお願いしたいというふうに思います。  ゆとりのある教育には学級規模とか学校規模、そういうものが必要でありますが、義務教育における四十人学級というのが自然減をずっと見ていってようやく来年完結するわけです。そして、高校は四十五人ということなんです。しかし、現在進めている四十人学級でも、欧米に比べますと、これで決していいとは言えないという現状があると思うんです。  欧米の現状を文部省は把握していらっしゃるでしょうか。我が国と比較してどのような状況にあるかお聞かせ願いたいと思います。

菴谷利夫文部省教育助成局長

○政府委員(菴谷利夫君) 現在、文部省で把握しています計数を申し上げますと、学級当たりということで申し上げますが、各国年次がいろいろ若干ずれておりますので完全に正確ではございませんが、日本、一九九〇年ですからことしでございます、一学級当たり小学校、いわゆる初等学校レベルですが、平均しますと二十九・七人。それからイギリス二十五・八、これは一九八七年でございます。フランスが一九八五年で二十一・五、西ドイツが一九八六年で二十一・六。それから中学校レベルを申し上げますと、日本は一九九〇年で三十五人、イギリス二十一・〇、フランス二十六・三、西ドイツ二十五・六、こういうような状況でございます。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 この現行の定数改善計画が完結しました後、一九九二年度以降、次期定数改善計画に向けて文部省は具体的にどのような構想を持っていらっしゃいますか、お聞きしたいと思います。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○国務大臣(保利耕輔君) ちょっとその前に、今の局長の答弁につけ加えておくところがございますが、小学校段階で現在平均二十九・七人になっている、それから中学では三十五人と言っております。  したがって、その数字を見る限りは四十人学級を達成しているような形でございますが、マキシマムが四十人以上を超えないようにしようというのがいわゆる四十人学級の構想でございます。それに向けて努力をしていこうということで、平成三年度完成を目指していわば全力を挙げておるわけでございますので、その計画が達成しました後に私ども検討しなければならないのかなと思っておりますが、現在のところはどうするかということについては具体的な考えを持っておりません。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 しかし、来年度で完結ですので、ぜひ文部省は次の構想、計画を持っていただきたいというふうに思います。  この定数改善計画というのは法律事項なんですね。やはり財政当局においても十分これを尊重していただいて、この法律に反することのないようにお願いしたいというふうに思いますが、大蔵大臣の所見をよろしくお願いします。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 小学生の子供を持つ親といたしましては大変切実な面を持つテーマでありますが、昭和五十七年度以降、御承知のように、臨時行政調査会の答申などを踏まえてこの四十人学級に向けての実施が抑制をされてまいりました。その結果として、この公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に基づく計画の達成を図るためには、平成三年度において非常に多数の定数改善などを行うことが必要となるわけであります。  しかし、先刻来の御論議の中にもありましたように、他の委員の御質疑にお答えをいたしましたように、非常に厳しい財政事情等の中で、今私は苦慮いたしております。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 しっかり悩んで、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  次に、学校事務職員、栄養職員の国庫負担制度のことについてお願いしたいと思いますが、大蔵省は大変悩んでいらっしゃるようで、この学校事務職員、栄養職員の人件費を国庫負担の対象から除外することを検討しているやに聞いておりますが、この問題は大変重い問題でありまして、過去七年間、学校現場の事務職、栄養職員の先生たちを大変不安に陥れている。一人一人の子供の教育を受ける権利を保障するためにもこの国庫負担制度の堅持は当然のことだと、このように思うわけでございますが、総理及び文部大臣の決意をお聞きしたいと思います。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○国務大臣(保利耕輔君) 総理がお答えになります前に、私の方から申し上げたいと存じます。  文部省といたしましては、事務職員、学校栄養職員はいずれも学校のいわば基幹的な職員でございまして、今後も国庫負担制度の対象としていくという考え方に立ちまして今関係省庁と協議をしておるわけでございますが、この制度はずっと歴史的ないきさつもあります。これを守っていかなければならないというのが私の役目であろうと考 えております。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 文部大臣はこのようなかたい決意をなさっていらっしゃるんです。総理大臣、ひとつよろしく。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 私が文部大臣のころに、事務職員の皆さん、栄養職員の皆さん、これは学校の基幹的な職員でありますから、私は教育において大切に考えていきたいと、こういったことを申し上げてまいりましたが、保利文部大臣も同じ趣旨の考えで取り組んでおるものと思います。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 これは全国の自治体の六割ほどがいろんな請願書を上げていらっしゃるわけです。自治体もそういう思いを持っていらっしゃるんですね。私も、私はそんな偉い者ではありません、学校の教師を三十何年しておりまして、学校というところは校長と教頭だけでもいけないし、先生と栄養職員、事務職員、司書の教諭、用務員の人、もうみんなが協力しないと学校運営は立っていかないわけです。それはもう本当に実感いたしました。特に荒れた学校の中で私は二年間悩んでまいりましたが、本当に実感します。そういう意味で、この国庫負担制度を堅持していただきたい。そうしないと学校の中はうまくいきません。  そういう意味で、文部大臣はもう決意なさっているんですから、あとは大蔵大臣、よろしく。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 一番意地の悪いところに何も同郷の先輩として私を当てなくてもいいと思うんですが。  過去の経緯を私は改めて繰り返すつもりはございません。しかし、限りある予算でございます。各種の文教施策のあり方とあわせながら、平成三年度の予算編成過程において検討させていただきたいと思います。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 強くお願いいたします。  次に、学校五日制についてお尋ねいたします。  日本は世界でも最も授業日数の多い国だというふうに批判されておりますが、日本及び先進国の授業日数、いろんな国の授業日数について、ちょっと文部省の方からお聞かせ願いたいと思います。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○政府委員(菱村幸彦君) 日本の場合は、授業日数は年間約二百四十日でございます。これに対しましてアメリカでは約百八十日、イギリスが約二百日、フランスが約百八十日、西ドイツが二百二十五日、ソ連が約二百十日、こうなっております。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 日本の子供は、学校に縛りつけられて一生懸命勉強し、帰ったら塾に行き、本当にゆっくりする暇がない。子供たちにこの学校五日制のことについて聞きました。土曜日があいたらどうするかと聞きましたら、第一番がぼんやりしておりたい、これが第一番です。二番目は友達とゆっくり話をしたい、これです。三番目は自分の好きなことをやりたい。これは何か私どもと共通しているような感じがするわけでございます。子供たちはそう思っているんです。  そういう中で、大人の週休二日制が大分進んでおりますので、子供もやはり子供の週休二日制、つまり学校五日制ということについて前向きに考えていかなければならないと思うんですが、文部省は来年度の予算要求の中で学校五日制の関連予算、これはどのようにお考えでしょうか。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○政府委員(菱村幸彦君) 学校五日制につきましては、私どもで平成元年から調査研究協力者会議を設けて、学校の先生とか行政担当者、外部の専門家、一般有識者に入っていただきまして鋭意研究をいたしているところでございます。その関連の予算と、それからもう一つ、協力者会議の検討には実践的データが必要でございますので、全国に六十八校の調査研究協力校を設けて、これは今年度から具体的な実践に入っております。それの予算がございます。それが両方合わせまして約一千万ほどでございますが、来年度はこの予算を継続しますと同時に、調査研究協力校で今やっております実践データを何らかの形でまとめたいと思っておりますので、その資料作成配付費を六百万円余お願いしているところでございます。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 今お触れになりました九県六十八校、これは全国でそれだけの学校が学校五日制の実験を、実験校として希望した学校もあるんですけれども、今実験しているわけですね。問題点も含めてその状況を知らせていただけたらと思います。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○政府委員(菱村幸彦君) 現在六十八校でこの四月から研究を始めておりまして、まだ一年たっていないわけでございますが、来年の三月には一年間の一通りの検討事項がまとまるであろうと思います。  現在のところ私どもで把握しておりますのは、具体的に実験校におきましては月一回土曜日を休みにしている例と月二回休みにしている例があるわけでございまして、今のところ学校もかなり慎重な対応でございますので、月一回休みにしている例が多うございます。そして、実際に休みにしました場合に、その休みの日の授業時間をどうするかというのが一つの問題点でございますが、これは他の曜日に上乗せをしていく方法ないしはいろんな学校行事等を少し精選いたしましてそれを授業に充てる方法、さらには授業時数自体が標準時数ということで若干弾力性がございますので、その範囲内でいろいろ工夫してやる方法、いろんな方法をとっております。  そしてもう一つの問題点は、実際に月一回ないし二回休みにいたしました場合に、子供たちをどのようにケアしていくかという問題がございます。これは本来は家庭に帰せばいいわけでございますが、これまで土曜日授業をやっておりまして、子供が土曜日休みになるということになりますと、いろいろ共稼ぎの御家庭などもございますし、週休二日制が必ずしも全国的に見ますと高く普及していない地域等もございますので、そういうことで、学校としてはやはり休みにした日の子供たちの取り扱いと申しますか、ケアをいろいろ工夫しております。したがいまして、休みの日の受け皿として、学校を開放して子供たちにいろいろなことをさせるとか、ないしは地域のボランティアにお願いをしまして子供たちの面倒を見ていただくとか、さまざまな工夫をいたして今実践しているところでございます。  したがいまして、来年の三月末になりましたら、これらの実践的なデータがそれぞれの学校で一年分としてまとまってまいると思いますので、私どもはそれをいただきまして、そして文部省でやっております調査研究協力者会議でなお分析検討を深めていきたい、このように考えているところでございます。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 今の状況をお聞きしまして、土曜日を月一回休んで、そしてそれを学校でクラブ活動するとか、そうしますと先生はやはり出てこなきゃいけないわけですね。そうしますと、これが公務員の週休二日制にも関係してくるわけで、その受け皿の問題とか、それから家庭に帰すのか、学校を開放してそこに先生も出るのか、いろいろ問題点があると思うんですが、そのことについて三月にまとめていくというふうなことなんですね。  それを聞きまして、その後どういうふうな手順でこの学校五日制を実施に移していくのか、どういう方向で学校を指導していくのか、どういう方向に文部省は持っていきたいのか、または学校五日制の実施のめど、そういうあたりをひとつ文部大臣からお聞かせ願いたいと思います。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○国務大臣(保利耕輔君) ただいま政府委員からいろいろと御答弁を申し上げましたとおり、現在九都県六十八校を研究協力校に指定しまして、そこでいろいろ研究をやっておるわけでございますが、研究というか、一応研究のための資料を得るように月に一回または二回の試行をいたしておりまして、その中間的な報告を本年度末に一遍取りまとめるということにいたしております。つまり来年の三月、そこで一応のレポートが出てまいりましたものを、さらに調査研究協力者会議に諮りましていろいろ検討していただきます。さらに研究は続けていただきますが、およそ平成三年度末、およそといいますか、平成三年度末までに一応その協力者会議で結論を出していただくということにいたしておりります。したがいまして、平成四年の三月末までに一応のどうするかという結論を 出すことに今予定をいたしております。  実際どういうふうにするかということはその後取り決めていくわけでございまして、その調査研究を今私どもとしては非常に重大な関心を持って見守っておるという段階でございます。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 学校現場は特殊なところでございますけれども、やはり学校五日制、文部省だけが取り残されるという方向になってもいけません。ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。  次に、育児休業制度の法制化についてお願いします。  この育児休業制度については、我が国においてもその必要性など大変世論が高まっております。また、海部総理も演説の中で前向きに取り組むというふうなこともおっしゃっていただいております。政府もその法制化の実施に向けて前向きに取り組むというふうな動きがあるやに聞いておりますが、今後の取り組みについて労働大臣の決意をお聞きしたいと思います。

塚原俊平自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊平君) 極めて重要な課題であるというふうに理解をいたしておりますし、また参議院におきます小委員会におきましても、労働省の方にしっかり検討するようにというようなお話もいただきました。本日、ちょうど今ごろの時間でございますが、婦人少年問題審議会の方に、これは労働大臣の諮問機関でございますが、検討の依頼もいたしております。でき得る限り、いろいろとまだ難しい点はございますが、御指導いただきながら立派なものができるように頑張ってまいりたいと考えております。

森暢子日本社会党・護憲共同

○森暢子君 この育児休業制度については、もう全国の男女の労働者が今か今かと待っている大変期待の高い制度でございますので、ひとつ労働大臣、頑張っていただきたいというふうに思います。特に今まで積み上げてきました参議院の社労にある小委員会、その中身、これは与野党合意事項でございますので、これをしっかり踏まえて前向きに取り組んでいただきたい、このように思います。  これで終わりにしようと思っておりましたのですけれども、最後に、今ちょっと自民党の井上委員、藤井委員の方から長良川の河口ぜきの問題が出まして聞いておりましたのですけれども、前向きに取り組んでいただきたいというふうな強い要望が出ておりますが、しかしこの河口ぜきの建設については、地元では大変不安を持っている人が多いわけです。朝日新聞のデータで見ますと、前向きにしてほしいというパーセンテージというのは大変少ないわけでございまして、そのことにつきまして、私も何人か一緒に長良川の河口ぜきを視察に行かせていただきました。  その中で、やはり環境保護の立場からもういろんな角度の専門家、文化人、写真家、詩人、そういう人たちも反対を訴えておりますし、何か河口ぜきの建設を進めながらそういう話をしていくというのは大変無理があると思いますので、やはり工事を一度中止して、そして反対者、推進者の話をしっかり聞いて前向きに取り組んでいただきたいと思います。特に環境庁長官は、環境の上から見たら大変水が汚れるというふうなことはちゃんと認めていらっしゃるわけでございますので、やはりこのことについては一応中止をして、そして話し合いを聞くという方向でお願いしたいと思います。  以上です。環境庁長官お願いします。

北川石松自由民主党環境庁長官

○国務大臣(北川石松君) ただいまの委員の御質問でございますが、いろいろの見解があるということは、反対、賛成両方の陳情がたくさん参りまして、どちらも長良川を愛していらっしゃるということも十分に私は感知いたしました。  なお、先ほどの御質問の、みずから長良川を見ましたときに、安八の決壊、ああ、これは大きな水圧が曲がった堤防の中に来て溢水せずに破堤したなと、そう思って来たところにこの長良川と木曽川の背割り堤がありました。これは明治九年、まだ土木技術が今のようではないときにあれだけの背割り堤をされた。何だろうと思いますと、これは木曽川の水が勢いが強くて長良川に遡上をいたしました。この水圧によって長良川、揖斐川が決壊した。このように思うときに、私は先人の決断と事業に深く感謝と敬意を表しました。また、薩摩藩士のあの遺跡にも深くこうべを垂れ、碑にお参りをいたしました。  そのときにふと浮かんだのが、先人の遺跡しのびて長良川、こんな思いの中で、私はやはり大自然というものを大切にしながらいかなきゃいけないし、そうしてもろもろのことを考えながら環境庁としてのいろいろの立場を鮮明にいたしたいと、かく考えております。  以上です。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 関連質疑を許します。対馬孝且君。

対馬孝且日本社会党・護憲共同

○対馬孝且君 時間が極めて短い時間でございますから、率直かつ簡明に答弁を願いたい、こう思います。  私は、きょうは日ソ問題の抜本的な問題を中心にと思いましたが、とりわけ今緊急の支援問題に重点を置いて質問申し上げます。  私は、微力でありましたが、このたび社会党の訪ソ団の団長として十一月十八日から二十四日までソビエトを訪問いたしまして、ルキヤノフ最高会議議長、ロガチョフ外務次官、ヤナーエフ政治局員・書記、ファーリン国際部長等にお会いをさせていただきました。五日間、とりわけ政治、経済、領土問題で随分議論をいたしたつもりでございます。  そこで、率直に申し上げるのでありますが、そのときにヤナーエフ政治局員またファーリン国際部長から、端的にお願いをしたい、とりわけ何が問題かといいますと緊急食糧と医薬品の問題でございますと、こういう前置きで、ぜひお願いしたいということで出ましたのが、食料品では米、小麦、インスタントラーメンということでございました。なお、後ほどソビエト大使館を通しまして私に詳しい品目について要請をしたいと。第二に、医薬品につきましては、血圧、心臓病あるいは子供の風邪薬、固有名詞としてはペニシリンという名前も出ましたが、ぜひこれを緊急の措置としてたってお願いをしたい、こういうことでございました。  私も帰りまして早速、微力でありますが、超党派の議員連盟の副会長でもございますので、櫻内議長に要請もし、また超党派議員連盟としてもこの対応を今協議いたしております。とりわけ関係の民間団体、自治体等に呼びかけをしております。一方また、サハリン州の超党派議員連盟もございまして、ここもこの間会議をいたしまして、当面小麦粉あるいは先ほど言った子供の関係の食品などを含めぜひ援助をいたしてまいりたいという対応に今取り組んでおります。そういう意味で、とりわけ自民党の間でも、安倍会長を中心に産業振興議員連盟でも対応いたしました。我が党は党員十万人おりますけれども、とりあえずインスタントラーメン一党員二個運動を今展開しておりますし、北海道では既に社会党、全道労協、日ソ親善協会を総合いたしまして三千万円を目標にして、これもインスタントラーメン、そして小麦粉中心に今応援態勢をとっております。  こういう意味で、政府はひとつ緊急な対応をとるべきであるし、また検討中というお答えが先ほどございましたけれども、今緊急に対応すべきだと思いますが、ひとつ総理と外務大臣にその点を率直に御回答願いたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のようなお話を方々から承って、日本としてはどんなことができるのか検討をするとともに、できるものから実行に移していけということで、今外務省で鋭意作業をしております。  外務大臣からその詳しい実情は御報告いたさせます。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) ソ連の問題について、日本の考え方、基本的なことを申し上げておきます。  我々は、隣国である、平和条約は結ばれていませんが隣国である、そのような立場で、ソ連の人々が新しいペレストロイカの体制の中で食糧、医薬品に大変困っておられるということはいろい ろと情報を得ておりまして、私どもといたしましては、五億円を限度に医薬品を提供するという考え方を固めております。なお、その内容につきましては、外交ルートを通じましてリストをちょうだいしております。今委員御指摘のように、例えば抗生物質とかあるいは白血病の薬とかいろいろございます。  そういう中で、ロシア語がいわゆる提供する医薬品につけてないと使えないという問題がございまして、既に政府は、日赤等に連絡いたしまして、この提供する医薬品の品目とその効用、そういうものについてロシア語をどうするかという問題についても既に検討を始めているということをこの機会に申し上げておきたいと思います。  まだソ連側から緊急援助については政府に対して正式要請はございません。

対馬孝且日本社会党・護憲共同

○対馬孝且君 今、外務大臣、総理からございましたが、私は、当面の問題ということももちろんでありますが、今諸外国で既に相当な緊急物資等、またきょうも出ましたように、アメリカは十億ドル、こういう援助態勢も確立をするという報道がされております。したがって、諸外国がどういう援助をしているのかという実態把握について御報告願いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) お尋ねの外国の例は、ドイツは既に、ベルリンに備蓄しておりました食糧のうち約五億七千万マルクの食糧と軍隊用の医薬品の一部を無償で提供いたしております。  アメリカは今月十二日、米国商品金融公社を使って、十五億ドルを限度として米国よりの農産物の輸出に対して信用保証を与える。これは無償援助じゃございません。  欧州共同体につきましては、総額十億ドルの対ソ食糧援助を今月十四日から十五日にかけて行われる欧州理事会で検討するという予定でございます。  カナダは、十一月に食糧輸出のために一億五千万カナダドルの新規の信用供与を決定いたしておる、このような状況でございます。

対馬孝且日本社会党・護憲共同

○対馬孝且君 そこで私は、日本政府の対応として、当面緊急は、一月なら一月をめどに対応するならするということが一つ、これを率直にお伺いします。  それから第二点の問題は、今やらなければ意味がないんですよ、外務大臣、はっきり言って。これは二月、三月、四月にやったって意味がないんです。ないわけではないが、率直に申しますけれども、私も市場へ行きました。それからモスクワの市街も歩いた。現実にデパートへ行って、牛乳が入った、子供の食品が入ったといったって、ものの四十分でなくなっちゃうんです。今もう二キロぐらい行列をしております。まさに終戦直後、私も戦争経験者ですから、終戦直後の日本の混乱と同じ状態であります。  そういう意味では人道的には当然なんだけれども、そこで具体的にお伺いしたいのは、検討検討はいいけれども、今当面第一弾として一月なら一月にどれだけの緊急対応をするのか。第二点、今私がなぜ具体的に品目を挙げたかと申しますると、例えば小麦粉であるとかあるいはインスタントラーメンであるとか、そういうものを多くを私は申し上げない。今すぐ対応できる簡潔な、余り手間暇かからないですぐ対応できるものは一体何だというあたりを共通認識として考えてもらいたい。この点ちょっとお伺いします。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 医薬品につきましては、既に作業をいたしておりますし、予算も五億円の規模を確認しておりますから、これはもう今作業がどんどん進みつつあるということを御理解いただきたいと思います。  食糧援助、この問題につきましては、ソ連側から正式に政府に対して話があればお話を聞く必要がある。人道的立場でこれに対応していかなければならない。また、ソ連政府から、正直なことを申し上げて、政府間の交渉がございませんから、その点は御理解をいただきたいと思います。

対馬孝且日本社会党・護憲共同

○対馬孝且君 これは政府に正式にないと今外務大臣おっしゃいますけれども、私が帰国をしてチジョフ大使に会いましたら、大使から、政府を含め関係方面にお願いをいたしていますと、こう言っていますよ。これが一つ。  それから二つ目を言います。既に民間団体を含め、超党派の議員連盟だけではない、民間が自主的にもう立ち上がっているんです。北海道も今、道が中心になりまして具体的な対応についてもう検討に入りましたよ。しかも、調査団を現地に、サハリンに飛ばしているんだから、そういう運動が高まっているんだから、正式であるとかないとかの以前の問題として、緊急、人道上の問題というふうに外務大臣がおっしゃるならば、具体的にやっぱり速やかに間髪を入れずに対応する、こういうことじゃないでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 日本政府としては、できるだけ可及的速やかに人道的見地からそのような協力をする考えを持っております。

対馬孝且日本社会党・護憲共同

○対馬孝且君 それで、ソビエトのヤナーエフ政治局員からこういう正式な陳情が私に対してありました。こう言ったんですよ。これは非常に私は印象に残った。ソビエトの人民も国民も、日本の国民も、民族的には困ったときは共通の認識だと思います。困ったとき助けていただければ、必ず最高の貢献として御恩返しをしなければなりません。どうか日本の皆さん、ひとつ協力をお願いしたい。この言葉を私は総理並びに外務大臣はかみしめてもらいたいと思うんです。恥も外聞もなくそこまで言い切ったということは、いかにソビエトの国民が緊急な食糧不足の事態に追い込まれているかということでしょう。この言葉というのは民族共通の認識ではないか。そういうことを積み重ねることがやがて領土問題につながり、やがて政治問題あるいは科学、文化問題の協定のやっぱり前進につながっていく、私はそういう確信を持って帰りました。  その点についてもう一度具体的な考え方を出してもらいたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 日本政府は、御案内のように、要請は受けておりませんが、自主的に医療援助も決めたわけでございます。また、チェルノブイリの被曝者に対する援助も、日本政府が方針を決定してこれをやる。この間、代表団が来られました。機材を提供する、こういうために二十六億円の予算をこの補正でお願いしているわけであります。  食糧につきましては、今お話がございましたように、ソ連の政府からまだ正式に私あての要請はございませんけれども、そのような隣国で、ペレストロイカをやりつつあるソ連が食糧の供給の上で困っているというような状況に対しては、日本政府としてはできるだけ人道的な見地から速やかに協力をする用意がある、この機会にこれを明らかにいたしておきたいと思います。

対馬孝且日本社会党・護憲共同

○対馬孝且君 総理、今やりとりしていますけれども、この段階で私は総理の決断を聞きたいんだ。検討中はわかりますよ。対応もわかります。この辺でやっぱり具体的に、民間レベルで具体的に小麦粉だ、粉ミルクだ、あるいはインスタントラーメンだというものが出ているわけでしょう。こういう具体的なことが出ているとすれば、具体的に総理の決断を私は聞きたいんだけれども、例えばこのくらいのものは品目としては考えなければならないとか、第一弾として一月なり二月に考えなければならないとか、そういう姿勢があっていいんじゃないか。それで今緊急に私は聞いているんですよ。どうですか、その点。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 人道的な立場に立ってできるだけのことを何ができるのか早急に判断してやりましょう、そういう決断はもう既に指示をしてありますから、今外務大臣がお答えしたように、いろいろなことの積み重ねをしておるわけです。  そして、もう一つ調査しなきゃならぬと思うことは、昨日もソ連から帰ってきたばかりのお方にいろいろ話も聞きました。そうしたら、物は確かにあるけれども、あるところで腐っておるものもあるから、それが運ばれるように、そういう協力を早急に日本はしたらどうかという具体的なお話 等があったということも聞いております。そういったようなことを踏まえて、どうしたら一番お役に立ち得るのか、喜ばれるのか、できるだけのことを、具体的に検討しながらできることはやらせるということであります。

対馬孝且日本社会党・護憲共同

○対馬孝且君 私はそのことは実態を全部つかんでいますから申し上げますよ。  今困っているのは、確かに都市部が困っているんだ。具体的に言いますよ。例えばモスクワとかレニングラードとか、こういう地域が非常に困っているんだよ。私は何でもかんでも、具体的に今すぐ対応するにしても、ソビエト国民に全部やれなんて言っているんじゃないんだ。私は、一つの基準を決めて対応してもらいたい。それは、とりあえずモスクワ、レニングラード、ハバロフスク、ユージノサハリンスク、こういうあたりを中心に第一弾やるべきではないかと、具体的に申し上げます。  第二弾、それを受け入れる条件としてどういう体制が必要かといえば、それは既にソビエト大使館から外務省に行っているはずですよ。はっきり言って、中央委員会で組織をして、責任者を決めて、そして受け入れ体制は完了いたしました。もっと言いたいことは、全国民対象ということは困難であるだろうから、率直に訴えられているのは年金生活者、今大体百二十ルーブルから百五十ルーブルですよ。それで、一キロの肉は公定が、国の価格で言えば三ルーブル。私はやみ市へ行ったら三十ルーブル、十倍ですよ。それだって全部にあるわけじゃない。だから、私の言うのは、とりあえず年金生活者、障害者あるいは孤児の方々、こういうものを対象にした対応をするべきではないか、こう私は提案したいんですよ。  第一点は、二月なら二月をめどにする、一月をめどにする。品目は小麦であるとか粉ミルクであるとか、緊急の必要、簡易なものを支援してもらいたい。第三は、対象地区は都市部である。そして第四は、私が言ったように、年金生活者や障害者あるいは孤児院の方々に対してぜひ配慮をしてもらいたい。これについてどうですか。具体的に言っているんだから、私は。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 私どもの立場で申し上げれば、今委員も御指摘のように、ソ連では食糧はことしは豊作であるという考え方が一つあります。ただし、そのアクセスが非常に悪い。だから、都市部に生産地から物が来ない。それに対する一つの不安がソ連の国民の感情の中に起こって買いだめが起こっている、こういう状態があるんだろうと私どもは推察をいたしております。そういう中で、医薬品におきましては東ヨーロッパからの輸入が途絶えている、こういうことで医薬品の不足が都市に起こっておる、こういう認識を持っておりました。  問題は、これはあくまでも政府間で話をいたしませんと、一方的に物を送りましても、その受け入れがどうなるかという問題が一つございます。  そこで、十二月三日にボローニンソ連第一副首相を議長とする人道的援助物資利用委員会というものが設立されたという報告を私どもは入手いたしておりまして、連邦政府の組織として援助物資をどこで受け取るか、あるいは今御指摘のように、だれが責任を持って老人ホームとか子供の家とかいろいろなところへ運ぶかという輸送のシステム、あるいはいわゆる物をとるという人もいるわけですから、それの警備、保管はどうなるのか、あるいは配分を組織化するにはどうするのか、こういうことはやはり民間と政府ということじゃなしに、少なくとも日本政府が人道的な立場でやる場合には政府間できちっと話をいたしまして、そして輸送方法はどうするのか、例えばアエロフロートを使うのか、こういうことの問題がまず出てくるわけでございますから、そういう点について具体的に詰めまして、今委員御指摘のように、一番困るのはこの冬場でございますから、それも政府は十分わかっておりますから、そういう観点を踏まえて私どもは積極的に協力をいたしたいと考えているわけであります。

対馬孝且日本社会党・護憲共同

○対馬孝且君 これは時間があれば基本問題まで触れたいのでありますけれども、どうも日本の外務省は政経不可分の態度をかたくなにやっぱり固執していると私は受けとめざるを得ません。  今私の言っているのは、何も政経不可分の態度を言っているんじゃないんだよ、人道的な問題として緊急に対応していくこと。検討することは結構ですよ。しかも、今外務大臣そうおっしゃいましたけれども、現にソビエトから明らかに表明されました。これは大使館を通して我々に来ているんです。ソビエト中央委員会、十二月三日、大統領令によって緊急に食糧の受け入れを中央委員会でいたします。第二点、委員会委員長は、ボローニン第一副首相を責任者として充てます。第三、モスクワの電話番号が全部入りまして、この飛行機についてもアエロフロート日本太平洋地区支社副支社長ビタリー・クズミン氏をもって充てる。極めて明快じゃないですか、私の言ってるのは。  だから、あなたは盛んに政府間の政府間のと言うけれども、大使館は、政府関係を含め民間団体にお願いをしてありますと、こうはっきり言っているんです。しかも、こういう受け皿まできちっとできたわけですから、私の言いたいのは、そこに向けて緊急な対応を出してもらいたい。その時期が一応一月なら一月がめどだとか、そのことを私は言ってるんですよ。ですから、一月をめどにとか二月をめどにとか、その具体的な品目については大体いつごろまでに出すとか、その点どうですか。理解できるでしょう、その点は。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 今委員が図らずも御指摘のように、この受け入れ体制が決定して発表されましたのが十二月三日でございます。それまでは全然受け入れシステムが明確でなかったわけであります。そういうことを考えますと、せっかく国民の納めていただいた税金で、我々は平和条約のないソ連に対しても人道的な気持ちから提供しようという気持ちでございますから、その提供した物がむだにならないように、政府としてはその点をはっきりとさせてこの仕事をやらなければならない。そして、それがソ連の人たちに温かく受け入れられて、この人たちが日本の気持ちをわかっていただければこれにこしたことはない、私はこのような考え方で取り組んでいるわけであります。

対馬孝且日本社会党・護憲共同

○対馬孝且君 その時期はいつごろがめどですか、ちょっとお伺いします。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 問題は、一番困られるのが一月、二月という認識を持っておりますから、できるだけ速やかに対策を立てたいと考えております。

対馬孝且日本社会党・護憲共同

○対馬孝且君 そうすると、大体一月から二月という目安だ、こう理解してよろしゅうございますか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 一月、二月という考え方で対応させていただきます。

対馬孝且日本社会党・護憲共同

○対馬孝且君 一月から二月で対応するという外務大臣のあれですから、それは結構でしょう。  それから、具体的なその品目についてお互いの共通認識を持った方がいいと私は思うんです。先ほどから私の言ってるのは、何も無条件でどこでも国民にやれと言っているんじゃないんだ。先ほど細かく言ったでしょう。基本的には都市部だ。しかも、モスクワ、レニングラードを中心に、ハバロフスクあるいはサハリン州であるということを言っているわけですから。だから、それに向けて私が申し上げたいのは、当面、簡易にしてすぐ届けられるというものであれば、インスタントラーメンなんか今すぐできますよ。ラーメン外交で成功したら大変なものじゃないですか。ラーメン外交やりなさいよ、外務大臣。インスタントラーメンなんかすぐできておるんだから。ラーメン外交で日ソが改善されたら大変なものじゃないですか。  そういう考え方を含めて、もう一回品目について検討してもらいたいと私は思っておるんです。どうですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) せっかく日本政府として今ここで明確にお話を申し上げたわけでございます。どの都市に一番物が不足しているのかとい う問題は、これは正式ルートで確認をしなければなりません。そして、どういう品目がどの町に求められるのか、これも具体的に協議をしなければなりません。一月と二月の問題をターゲットにして努力をいたしますけれども、具体的な内容については交渉事でございますから、準備もしながら交渉いたしてまいります。  また、緊急の問題につきましても、私どもは既に総理からも前向きの話をするように指示を受けておりますから、その点は、これからの新しい日ソの人間外交といいますか、人道的な観点から、隣国であるソ連と日本の間の長く閉ざされた厚い壁がこの行為によって少しずつ解け始めるということであれば、両国の将来にとっては極めて好ましいことと私は思っております。

対馬孝且日本社会党・護憲共同

○対馬孝且君 最後ですから、総理、今全力を挙げて取り組むという積極姿勢が出ていますけれども、やっぱり日本の外務省の姿勢というのはかたくなだ。私が言うんじゃないよ。これは率直に言わせてもらうけれども、とりわけ今北海道の方々から声が出ているのは、我々民間がここまでやったり自治体でこれだけやっているのに、何だ、旧態依然として徳川幕府時代の鎖国政策で、変わったと言うのは日本の外務省ではないか、こういう声すらあるんです。だから、そこをしかと踏まえて、今大事なことは何よりも日ソの抜本改革のために人間対人間の外交で、先ほど言ったように、それだけ困ったときに助けられれば必ず御恩返しをいたします、こういうことをしかとかみしめてこれからの対応をするよう強く申し上げます。  最後に、総理大臣にもう一度決意をお伺いします。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 隣国のソ連とは真に信頼のできる安定的な関係を築き上げていきたいという基本がございます。そのために、我々は、今本当に安定的な関係をつくるにはどうしたらいいかということで、平和条約作業グループの仕事も続いておりますし、北方領土をめぐる国民的な課題である問題も解決したいということでいろいろ話し合いもし、また、ゴルバチョフ大統領の四月の訪日を抜本的な改善にしたいという基本のもとで、領土問題や条約を横に置いてしまってこれだけということではありません。今、ペレストロイカを成功させたいために、隣国として人道的な立場で日本として援助、協力できる方法は何だろうか、それを速やかに判断し研究して、真に役に立つ方法でやろうというので着手を命じてありますし、その検討の成果の一部を今申し上げておるわけでございますから、外務省も日本政府もみんな相談をして、でき得る限りの人道的な立場の協力はこれはこれとしていたします。

対馬孝且日本社会党・護憲共同

○対馬孝且君 終わります。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 以上で森君の質疑は終了いたしました。(拍手)  本日の審査はこの程度といたします。  次回は来る十七日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十三分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗