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120回国会参議院1991/02/21

農林水産委員会 第2号

発言数
209
登壇者
29
会派数
6
開催日
1991/02/21

会議録

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨年二十日、三上隆雄君が委員を辞任され、その補欠として稲村稔夫君が選任されました。     ─────────────

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) 農林水産政策に関する調査のうち、平成三年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題といたします。  本件につきましては、前回既に説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 大臣、御就任おめでとうございます。大変なときの大臣でございますけれども、ひとつ日本の農林水産業を守るためにしっかり頑張っていただきたい、そのように思います。  初めにちょっとお断りしておきますが、十九日が当初の予定でございましたが、きょうになりましたので、きょうは実は十一時から参議院改革協議会、十二時から議運がありますので、私は質問が終わりましたらちょっとその時間帯抜けますことを前もってひとつ御了解いただきたい、このように思います。  まず初めに、農業基本法の見直しの問題についてお伺いをいたしたいというふうに思います。  農業新聞だとか、あるいは読売新聞等を見ますと、農業基本法見直しへということで、昭和三十六年に制定された農業基本法、これを何か見直しするかのようなことが出ておりますが、そういうことなんでしょうか。そのところをまずお尋ねしておきたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) お答えをさせていただきます。  昭和三十六年に農業基本法ができてから今日の状態を考えてみますと、社会的環境も経済的環境もまた消費的な環境も、あらゆる農産物を取り巻く環境は変わってまいりましたので、私自身が一度農業基本法を勉強してみたいな、記者会見のとき質問にお答えしてこういう発言をしたことが大変大きくニュースになって取り上げられてまいりました。そういう心境で目下私が勉強させていただいておるというのが現実の状況でありまして、私が勉強した結果によって事務当局には検討のお願いをいたしたいというそういう気持ちで、今私自身が勉強させていただいておるということでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 農業基本法というのは、私が申し上げるまでもなく農業政策の憲法です。それが実は私も所信を何回も読み直してみたんですが、この農業基本法についてのことは一切記述がない。今のように勉強してみたいということが見直しへということの報道になったのかどうかわかりませんが、事務次官も「農業基本法に基づいて毎年公表される農業白書の作成作業のなかで、農業を取り巻く情勢変化を見極めた後、必要に応じて基本法の見直しもあり得ることを示唆した。」というようなことが出ているわけです。こういうような ものを見ていきますと、見直しのための準備作業といいますか、そういうことに来年度入るということになるのかどうか、その点はいかがでしょうか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 作業に入るか入らないかは、事務当局が組織の中で勉強しておるということ以前の実は私の発言でございまして、率直に言って、準備をして記者会見をしたわけではありませんで、質問が出ましたので、私はかねがね大臣就任以前から基本法を一度勉強しておかなければいかぬほど大変環境が変わってきたなということを考えておったものですから、勉強を実はいたしておるということでお話をしたわけでありまして、私もそんなにいつまでも勉強しているわけにまいりませんので、結果として必要性があれば事務当局に検討してもらいたいと思っておりますし、今のところは私自身が基本法の勉強をさせていただいておる、こういうことであります。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 いずれにしても、これは重要な問題です。そんなことで、最近の、特に農業の問題について環境問題だとかあるいは食品の安全性だとか土地問題などへの視点が今の農業基本法には欠けているというようなことなども指摘をされているということについては知っておりますが、そういう準備作業に入るかのような報道があるものですから、その点について具体的にどうなのかということを私はお尋ねをしたわけで、これほどのことをやられるのであれば、やはり所信の中で述べられるべきではなかったのかというようなことを感じましたので、この点についてお尋ねをいたしました。  今、農業基本法農政ということで進めてきておるわけですが、農業基本法の目標には「農業の自然的経済的社会的制約による不利を補正し、」、そして「農業の生産性が向上すること及び農業従事者が所得を増大して他産業従事者と均衡する生活を営むことを期することができることを目途として、農業の発展と農業従事者の地位の向上を図ることにあるものとする。」というようなことが掲げられているわけですが、いろいろ勉強されるということですから、今の段階でどうこうということはないのかもしれませんが、今私が申し上げましたような今の農業基本法の目標について、その精神については大臣はどのようにお考えでしょうか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 今までの農業基本法の果たしてきた役割というのは、農業基本法に基づいて構造政策なり畜産振興なり、あらゆる法律がそこから生まれてかなりの生産体制というものが進んできたことは事実だと思います。そういう体制を私が念頭に置いて勉強するというよりも、全く消費環境なり社会環境なり、その新たな分野というものが非常に多く出てまいりましたので、そういうものを含めて何か勉強して、変える必要があったら変えなきゃならぬのかなということを考えて、先ほども申し上げましたように記者の質問に答えたという現在そういう段階であります。  また、このことが大変大きく取り上げられて、このことによって新しい政策がつくりにくくなったり、あるいは関係者に不安を与えたりしないように慎まなければならない、そう今は感じておるわけでありますし、もう一つは、気のついたことを部分的にお話を申し上げるということはそういう面でも非常に危険だなと、こう感じておるものですから、衆議院の予算委員会でも、総体的に全体がまとまったとき、事務当局で検討する必要があったら、その折私が総体に考えておる要点だけでも御参考に御批判をいただきたい、それまで少し時間をかしていただきたい、そういうことで目下勉強させていただいておるわけであります。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 大臣の考え方はわかりましたが、目標の中で、先ほど私が申し上げましたように、農業従事者が所得を増大して他産業の従事者と均衡する生活を営むことができるようにということは農業基本法の中にうたわれているんですが、この精神についてはどのようにお考えでしょう。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 全く異存もなければ、今もそう考えておりますし、今後もそうあらねばならぬと思っております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 そこで、私は北海道なんですが、北海道の専業的農業における一人当たりの農業所得、あるいはまた農家所得は他産業従事者との間の今申し上げた均衡が図られているかどうかということになると極めて問題だというふうに私は思うんですが、これは均衡が図られているというふうに農林水産省としては思っておられるのかどうか。これは事務当局にお聞きした方がいいと思いますが。

鶴岡俊彦農林水産省大臣官房長

○政府委員(鶴岡俊彦君) 数字的に平成元年度で北海道につきまして農家と勤労者世帯を比較してみました場合に、全農家平均で農家所得は七百六十三万円、勤労者世帯が五百七十四万円ということで、農家が総所得では勤労世帯を約三割上回っております。これを農業だけ見ますと、専業農家につきましては農業所得が六百三十六万円で一割上回っておりますし、第一種兼業農家につきましては四百八十三万円ということで二割下回っている水準でございます。全体としては所得は均衡しているというふうに考えていいんではないかというふうに理解しております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 全体としては農業従事者と他産業の従事者との間は均衡しているのではないかと思っているというのが詰めて言えば今の事務当局の考え方ですね。そこに私は今日の農業の置かれている問題があると思うんですよ。例えば労賃一つとりましても、農業労賃と他産業の労賃との間には大変な差があるわけでしょう、ざっと言えば三分の二ぐらいしか農業労賃というのは見ていないわけですから。それでもおおよそ均衡されているという認識だというんですから、そこのところはまた別な機会にこれはがっちりやらないとならない問題だというふうに私は思っております。  その問題についてまたやりますが、ちょっとその前に、農業基本法の問題について大臣が勉強されているということで、必要があれば事務当局に指示をしていろいろそのことについて作業を進めるというようなことになるだろうと思いますが、これは大事な農業の憲法ですから、大臣が決意をされて事務当局に何か指示をされるような段階には、我々農林水産委員の方にもぜひひとつ大臣が決意をされたということを連絡していただいて、これは我々も直接農業政策にかかわる者として、それから農業をやっておられる農民団体、そういういろいろなかかわりのある人たちの意見を聞きながらつくり上げていかなきゃならない問題だというふうに思いますので、ぜひその点についてはお願いをしておきたいというふうに思いますが、よろしゅうございますか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) ぜひそうあらねばならぬと思っておりますし、私の考え方がまとまればまたお願いも申し上げたいと思いますし、もとより諸先生方の御意見をお聞かせいただきたい、各界各層の、また他省庁の意見も聞かなきゃならぬところもたくさんあろうかと思いますので、ぜひ私からお願いを申し上げたいと思っております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 そこで、今官房長の方から所得はおおよそ均衡されているというようなことで答弁があったわけですが、農家所得と担い手の確保の問題についてそのこととのかかわりで質問をいたしますが、農業の国際化だとかあるいは自由化攻勢、それによる内外価格差問題、それから国の財政事情などから行革審の答申、こういったような方針に基づいて国内の畜産物の生産抑制だとか、あるいは政府支持価格の連続引き下げが行われてきた。それは今の話のようにおおよそ均衡されている、その前は若干農業がよかったというようなこともあったのかもしれませんが、そういう引き下げが行われてまいりました。しかし、農業用の生産資材価格は円高等が十分に反映されないで、逆に最近は値上げに転じて割高で高値安定の状況下にあります。価格は引き下げられる、生産資材は上げられる。そうなると、だれが考えてみても農家の所得が減るのは当然ではないかというふうに思うんですね。価格引き下げはこれは生産性が向上したから、農家の人たちが一生懸命頑張って生産性向上に努力したやつは価格引き下げの分に 回されてしまうというような状況ですね。努力しても努力しても農家の所得というのはふえない。生かさず殺さずという徳川時代の政治に逆戻りしてしまうようなことになっていっているのではないかとさえ私は思わざるを得ないわけです。  このために北海道では、今の価格引き下げの政策がずっと続いていくという中で農家所得が二〇%から三〇%も減少しているというような状況になっています。ここのところ北海道の農業は食糧基地だということをよく言われているわけですが、私も本当にそう思いますが、このような状況の中で農業の将来展望に欠けて、特に若い将来の担い手は生産意欲を失っています。農業の後継者が育たない、その確保率は他の都府県よりも低い状況にあるわけですが、こういったような状況について大臣はどのようにお考えか、そこをまずお伺いいたしたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 今先生から二点御指摘があって、農業所得と、その中で後継者が育ってこないではないかという二つが一つに関連する問題でありますけれども、所得だけがすべてではない後継者の分野も実はございますので、両面でお答えをさせていただきたいと思うわけであります。  日本の農産物は概して国際価格では高い位置づけをされておるわけでありますけれども、私はある意味では、土地条件その他品質を考えるとある程度高くてもやむを得ないのではないかなという感じを持っているわけであります。しかしながら、一方、消費者のニーズからすれば、安全でいいものを安く求めたいという気持ちにもまたこたえていくというのが私どもの大切な仕事であります。そういう意味合いでは農家の所得を減らさないでどうやって価格を引き下げていくかというのが私どもの支援をしていかなければならない対策だと思っておるわけであります。細かい計算は別としても、一般の農家の皆さん方というのは、労賃も上がり資材も上がり、時折飼料、肥料というものが上下したこともありますけれども、そういう全体的な感覚からすると、生産性に大変な努力をしてきたけれども、それは価格で全部持っていかれてしまったという感覚でいられる農家が非常に多いんではないかなという認識を実はいたしておるわけであります。  ですから、コストを下げるために政策的に努力をした分あるいは農家自身が努力をした分というのを何かもう少し説明してあげて、皆さんの努力の分はこうやって皆さんの手取りになりましたよと説明できぬのかなということを政治家として今まで実は考えてきたわけであります。その点少し生産農家に説明のできるようなことを工夫してみたいなと私は現在思っておるわけであります。  もう一つは、後継者の問題は、所得が何よりも生活の面から魅力でありますけれども、今の若い人たちは必ずしも所得だけで農業に従事をしていただけない三Kなどというような問題が大変流行してまいりました。そういう三K問題をどうやって解消するかというのは、稲作あるいは畜産においてもかなりの機械が導入されるようになりましたけれども、畑作はいま一つという感じではないか、こう思いますので、畑作におけるところの機械開発を急いでやらなければならないなと。畑作の面積がだんだん減少しているところを見ると実は心を痛めておるわけでありますので、そういう面を予算的にも措置をしていかなければならないなと。  もう一つは、農村全体の環境というもの、生活面におけるところの何か魅力を持たせるような村づくりというものをしていかなければいけないんではないかなと。所得だけではこれから若い人たちに満足をしていただけないんではないか。私たちの年代までは豊かさでかなり満足できるんですけれども、今の若い人たちは楽しいとかおもしろいとか愉快だというところがないとなかなかその地域に住んでもらえない。  そういう意味では、村づくりというものに、今ちょうど多極分散であり、ふるさと創生というようなことがうたわれてきておりますし、あわせて地球環境問題が取り上げられて、空気や水や緑がまた価値観を高めてきておるわけでありますから、都市に住んでおる人たちのあこがれの村づくりというようなものをして価値を高めてやることによって、そこに若い人たちにまた生活をしていただけるんではないだろうか。そんなことを総体的に考えていかないと、今金融政策みたいなもので農業そのもの、生産に対する支援だけでは不十分になってきたんではないかなと。そういう考え方で、できるだけ本年度の予算もある程度そういうことを念頭に置きながら使わせていただきたい、そう考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 四百三十兆円の生活関連の経費をどういうふうにこの農林水産政策の中に入れていくのかという点は、まさに大臣が後段におっしゃられたことだというふうに思います。前段で大臣がおっしゃられたことについては全く私も同じで、大臣がそういう感覚でいられるということは、大変農家にとっても、よく我々の気持ちをわかってくれているという点では私は評価をいたしたいというふうに思います。  ただ、現実的にはなかなかそうはなっていない。そこが大きな問題で、例えば後継者の問題なんかも調べてみますと、昭和六十三年度で、北海道は稲作では後継者を確保しているのが三六%、しかし都府県は五一%ということなんです。それから雑穀だとか芋、豆類をつくっている畑作農家は北海道では二九%しか後継者の確保ができない、他の都府県では三七%。野菜農家は北海道では二五%、他の都府県では五三%。酪農は北海道四八%、他の都府県では五九%ということになっております。  しかし、例えば酪農なども、実は私全国乳価共闘会議の議長をやっておるものですから、きのう幹事会を開きまして、幹事で来られた方々の状況などを聞きますと、もう百頭、二百頭と飼っている中核農家あるいは大規模というところが、まさかあそこがというところがもう酪農をやめると。なぜかといいますと先行きの見通しがない、今のうちなら何とか借金も返せるだとか、あるいは多少借金が残っても今のうちならまだそれほどけがをしなくても済む、あるいはリゾート開発で土地を買うんで、今これに乗れば何とかなるというようなことで、特に本州の中国地方でしょうか、向こうの方は大変な状況で、果たしてことし、畜産物価格は三月にまたやりますが、要求される乳量を確保できるかどうかという心配もしているような状況が生まれてきているというふうにきのう報告がありました。これは私は大変なことだなというふうに思います。  大臣の所信の中で、「活力ある農村、足腰の強い農業を確立するため、新現就農者を含め、若く意欲にあふれ、経営感覚や技術にすぐれた農業後継者・担い手の育成確保に努めます。」というふうにうたわれております。いつもこれは大体こういうようなことで言われるんですが、現実はそうはなっていかない。言葉のようになっていかないところに今日の農政の難しさが私はあるんだと思いますが、もうこのまま放置しておくわけにはいかないのではないかというふうに思うんです。  そんな意味で、これらのことについて平成三年度は具体的にこんなことをやるぞという二、三の例があれば示していただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(安橋隆雄君) 後継者対策といたしまして平成二年度には後継者対策室を設けたところでございますが、平成三年度におきましては市町村が後継者確保のための方針をつくりまして、それに基づきまして後継者になろうとする方々に対します研修でございますとか、あるいは入植型の場合におきましては入植整備事業といったものを具体的にやっていただくというような形で、まさに市町村段階で後継者確保のための対策を講じたいということで四億二千万ばかりの予算で後継者・若い農業者育成確保特別対策というのを新たに実施したいと考えて所要の予算を要求しておるところでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 突然のお尋ねですから、まだたくさんあるんだろうとは思いますけれども、きょうはその程度で結構でございますが、ぜひこれは真剣に取り組んでいただきたいと思いますし、先ほど官房長が余り他産業の従事者と差がないのだというようなことを言われると、農村へ行ったら本当に上を向いて歩かれないような状況になるんじゃないかというふうな農家の現実ではあると思いますよ。  農林水産省で統計をとる場合に、農業といったらみんな押しなべてやられるんですが、そうなると、今の中では農家の収入とそれから負債との関係、貯金と負債との関係なんというと貯金の方が多い、だから農家は大したことないんだ、こういうことをよく言われるのですよ、私のところにも質問取りなんか来た場合に。都市近郊の二兼農家であればそういう状況というのは私はあると思いますが、しかし、北海道のように専業農家が多いような地域はそんなことにはなっておらぬ。かつては農業の形態で一番安定していると思われていた稲作農家でさえももう負債の方がずっと多くなってきているというような状況なんですね。ですから、そういう総体的なことで対応するということは私は間違いを犯すと思うんですよ。もっと個々の農業の実態というものもしっかり踏まえながら対応してもらわないと、そういう言葉の端々からくる農政に対する不信というものが農家の中に出てくるのではないかというふうに思いますから、その点についてはひとつ心して今後対応してもらいたいと思います。  こういう担い手の問題を含めて農業が大変な状況になっている、そういう中で食糧の自給率の問題についてちょっとお伺いをいたしますが、食糧農産物の自給率は年次を重ねるごとに低下をしてきている。特に供給カロリー自給率、これは平成元年度の速報値では四八%となっておりますね。それで、このカロリー自給率の問題について、「農産物の需要と生産の長期見通し」、これは昨年の一月に閣議決定されましたが、あの閣議決定時の食糧のカロリー自給率は何%だったんでしょうか。

鶴岡俊彦農林水産省大臣官房長

○政府委員(鶴岡俊彦君) 四九%でございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 平成元年度は、策定したときは四九%、元年度の速報値で四八%ですね。まあ速報値ですからどこまでがどうかわかりませんが、大体この程度。そうすると、平成十二年度までに五〇%の見通しを立てているんですが、五〇%というのは四九%より一%上げなきゃならぬのですが、逆に下がっているというような状況ですね。そんなことを考えていくと、非常にここのところも今の日本の農業の置かれている問題があるのではないかというふうに見ざるを得ないわけです。本当にこれで日本の農業がいいのかというようなことですが、平成十二年度に五〇%、これは我が国の食糧の安全保障を確保する最低の水準として考えてよいのかどうか、そこをお尋ねいたします。

鶴岡俊彦農林水産省大臣官房長

○政府委員(鶴岡俊彦君) 確かに御指摘のように、平成元年度の食糧自給率は前年に比べまして一ポイント低下したわけでございます。前々国会でもいろいろ予算委員会、当委員会等で御論議いただきまして、ああいう長期見通しもそういう議論の中で策定したわけでございますけれども、基本的にこの低下というのは、日本の食生活が外国に見られないような変化を急激に行ったことに対応した供給ができていない、国土条件の制約からできないところに要因があるわけでございます。    〔委員長退席、理事北修二君着席〕 具体的に見ますと、一人当たり供給熱量はほぼ横ばいで推移する中で、自給品目であります供給熱量の二六%を占めます米の消費が引き続き減少した、それから供給熱量の二八%を占めます畜産物、油脂類の輸入が増加したこと、それからまた最近外食でありますとか業務用でありますとか、そういう消費が増大しているわけでございますけれども、そういうものに対する原料面での供給というのが対応を十分にし切れていない等々の理由からこういう現象になっております。  前国会でも御論議いただきましたように、今後できるだけ持てる力を利用して自給率を維持し少しでも上げていけというのが大方の御意向でございますし、また農政としてもそうあるべきではなかろうかというのでああいう目標を設定したわけでございますけれども、それに向けまして、食生活につきましても、最近、脂質の消費が若干伸びておりまして、従来型のたんぱく質、でん粉質、脂質の食糧バランスが、赤とは言いませんけれども、黄色信号みたいなこともございますし、そういう面での改善というのが、これは食生活ですからなかなか行政的に誘導するわけにいきませんけれども、消費面での宣伝といいますか、そういうことをやっていく傍ら、生産面では米につきましてもいろんな用途を開発し、できるだけ減退に歯どめをかけていく。  あるいは大豆でありますとか小麦でありますとか、小麦等は残念ながら従来の需要先でありました日本めん用ですらオーストラリアのものがいいというふうなことが言われておるわけでございますけれども、そういうことにつきまして品質面での改善とか生産性を上げるための対応とか、そういうことを進めていく。あるいは、これはまたなかなか容易ではございませんけれども、畜産物につきましても粗飼料その他自給飼料の割合を高めていくとか技術開発その他等によりまして最近、それからまた今後とも需要が増大することが予想されます外食用とか業務用需要に極力対応していくとか、そういうあらゆる努力を着実に積み重ねながら何とか自給率を維持していきたいというようなことが今後いろんな部面での政策の基本になってやっていく必要があろうかというふうに考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 カロリー自給率なんですが、一九八五年度の統計があるんですが、アメリカは一二七、オランダが九八、西ドイツ九三、それからイタリアが七九、イギリスが七七、スイスが六五、こんなことで出ているんです。日本が平成十二年度、あと十年で五〇%というのは、五〇%あれば食糧安保の観点でいいという五〇%なのか、努力しても大体五〇%しかいかない、ここに目標を置いておけば何とかそこまでやれるだろうという目標なのか、あるいはもうちょっと上げなきゃならぬが平成十二年度は五〇%なんだということなのか。その辺を端的に言ってください、時間がありませんから。

鶴岡俊彦農林水産省大臣官房長

○政府委員(鶴岡俊彦君) ちょっと端的にと言われましてもなかなかあれでございますけれども、これだけの狭い国土で一億二千万の人口を擁しているわけでございまして、その一億二千万の国民に供給していくには限界がありまして、日本の立地条件、気象条件に適しましたものについては極力自給率を高めていく。例えば米でありますとか、あるいは野菜とか果実とか、極めて風土、条件に適したものについては高めていく。また、四方を海に囲まれていますから魚についての対応をしていく。それから肉等につきましても、えさは確かに穀物については外国に依存せざるを得ないわけでございますけれども、そういうものにつきましても、えさの安定輸入をしながら国内で合理的な生産ができるものについてはやっていくというようなことで何とか半分は維持したいというのがねらいでございます。  ただ、全体として国民の食糧の安定供給をやるためには、優良農地を確保していろんな場合に備えていくということをあわせて念頭に置いて行政を進めていきたいと思います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 目標といったって、速報値で次の年にそれよりも下がっちゃっているわけです。だから、本当に五〇%というのが努力目標なのか、これしかできないのか、もっと他の国のように上げなきゃならぬというふうに思っているが十二年度はここまでは何とか努力してやれるんじゃないかということなのかということを聞いたんですが、そのことをやっているとまた時間がかかりますから、きょうのところはこの程度でやめますけれども、そういうことを私は端的に聞いているんで、あれが適しているだとか適していないだとか、そんなことを私は聞いているんじゃないんですよ。その見通しの問題はまた別な機会にやらせてもらいます。  ガットの問題で、特に私も乳価共闘にかかわっている関係で、乳製品それからでん粉、これについては本年四月以降ガットルールに適合した措置を求められて、今後日米二国間協議を行うことになっておりますが、乳製品だとかでん粉は米と同じような北海道における大変な基幹作目なんです。この結果によってはもう北海道の農業がどうなるかというようなことで、北海道の農業がおかしくなれば日本の農業がおかしくなってしまうんじゃないかという思いで私はおりますが、今のガットの関係で現行輸入制限措置の堅持、これはもうぜひとも必要だというふうに思っておりますが、二国間協議の中でどのような姿勢で臨むつもりなのか、時間も余りありませんからひとつ端的にお答えください。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○政府委員(岩崎充利君) 現在ガット・ウルグアイ・ラウンドで十一条二項の明確化を提案しているということでございまして、私どもといたしましては、そのガット・ウルグアイ・ラウンド交渉の結果を踏まえて対応を考えていくという基本方針で臨んでまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 先ほど言いましたように、米と同じように北海道においては特に大事な基幹作目だということを局長も北海道におられてよくわかっていると思いますので、農民も大きな期待を持っておりますからひとつ頑張っていただきたいというふうに思います。  次は林業の問題でありますが、地球環境を守ろうという声は、これは宇宙船地球号に住むすべての人たちの声だということはもう私が今さら申し上げるまでもありません。地球環境の保全に当たって森林の果たす役割はますます重要になってきておりますが、世界の木材貿易の二割を輸入している我が国としては、国内の森林資源の一層の充実を図ることが必要になっております。そのことがとりもなおさず我が国の自然環境の整備と国土の均衡ある発展に貢献することになるわけでありますが、我が国の森林資源造成にとってはものの計画としての全国森林計画、これはありましたが、それを裏づける投資の長期計画というものがなかったわけであります。平成三年度の予算編成で平成四年度から森林整備五カ年計画が策定されました。従来にも増して森林整備について投資をするべきだというふうなことでおるわけですが、それについてまず大臣の決意をお伺いいたしたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 大変今日まで関係者に御努力をいただいてまいりましたけれども、今まさに累積債務が二兆円、一日の利息が三億五千万の利払いというような現況に立ち至ってまいりまして、みずからが通常の経営で自助努力してもとても返すということが不可能になってまいりましたので、大変また諸先生方からも御協力をいただきながら、組合の現場の皆さん方からも御協力いただいて、今回林政審から答申の出てきたものに即して私ども法整備の改正をさせていただきました。  その内容に至っては質問にございませんのでお答えをいたしませんけれども、今お話しのように計画は十年ございますけれども、投資を幾らやるべきかという計画がございませんので、先生今御指摘のようなことで本年度一千万の予算で調査、準備をさせていただいて、平成四年から五カ年計画を発足させるということで準備を本年いたしたいと、こう思っております。その担保になるべき法改正は、この国会に今御提案を申し上げて御協力をいただこうと思って準備をさせていただいておるところでありますので、よろしくまたその節御協力をお願いしたいと思います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 国有林野会計の赤字ということで、私どもが現地調査に行きますと、局長だとか署長だとか、そういう人たちがもう本当に縮こまっちゃっているんですね、申しわけないような顔をして。何もあなたがつくったわけじゃないんだからもっと元気を出していい山をつくるために頑張ってくれということを私どもも激励してまいりましたが、今まさにそういう態勢が政治の面でも国民的にも大きく盛り上がってきているということを踏まえて、何としても国有林の問題について我々としても一層の努力をしていかなければならぬ、このように考えております。  国有林野事業特別会計の再建では、私どもも法案を用意しながら何度も委員会で質疑応答をし、政府折衝などもやってきたわけであります。年末に林政審議会の本答申、閣議了解など一定の方向が出たことは本当によかったというふうに思っております。ただ問題は、累積債務対策として一般会計からの助成の拡大などによって財政再建を図るだけでなく、国民の山にふさわしい責任を果たせる運営ができるかどうかということにかかってきているのではないかというふうに思うんです。こういった面で、字数の関係もあったんでしょうが、大臣の所信表明では財政再建に重きが置かれていたわけですが、この財政再建の見通しと国有林野にふさわしい経営についての大臣と長官のお考えをできるだけ簡潔にお願いしたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 簡潔にと、こういうことでありましたけれども、ではできるだけ簡潔にお答えをいたしたいと思います。  長年にわたって累積債務と経常事業を分割したいという念願というものはかねがねございましたけれども、ようやくここにきて機が熟したと申し上げますか、全体的な大変な努力によって累積債務を一般会計からも援助をするよと、こういう形ができ上がったことでありますから、大きな荷物を一つ、しょい切れない荷物をおろしたわけですから、経常事業の分についてはまた労使一体になって御努力をいただかなければならない、そのことで国民の今関心の高い山にこたえていただかなければならぬと思っております。  累積債務の方は、自助努力なり資産を売却するなり、あるいは今までの借入金の元利を一般会計から補てんするなり、そういう形で大体二十年を目安にしながら、経常事業の場合には大体十年ぐらいを目安にして、そしてそれから累積債務に協力できるところを協力していきたいと、そういう考え方で計画を立てさせていただいておりますので、これなら私は通常の経営については努力をすればやっぱり報われてくるものではないだろうか、こう思っております。

小澤普照林野庁長官

○政府委員(小澤普照君) ただいま大臣からも申し上げたことでございますけれども、私どもこの国有林の新しい方向をしっかりさせて経営の改善に努力してまいりたいと思っております。その中で特に国有林が持っております役割でございますが、これは国土の保全でございますとか水資源の涵養でございますとか、特にまた最近は自然の維持でございますとか空間利用という問題も出てきております。また、木材の安定的な供給も図っていかなければいけない、また地域の振興の問題もございます。こういう役割が十全に発揮され得ますことを念頭に置きまして改善の努力をしていくわけでございます。したがいまして、累積債務の処理と経常事業というものをはっきりと区分いたしまして、その中から国有林の新しい経営をやってまいりたいと思っております。そのためには時別措置法の改正を国会にも提出させていただいているところでございますけれども、この法案の早期成立を待ちまして新しい改善計画をしっかり組み立てまして、全力を挙げて改善に努めてまいりたいと考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 閣議了解では組織の縮減だとか民間実行の徹底などが言われておりますが、また一方では山村の活性化のために国有林野事業の持つ組織だとか機能を活用すべきだというような地域の世論もあるわけですね。したがいまして、国有林野事業の改善を進めるに当たっては地元自治体だとか、あるいは労働組合や職員などと十分に意思疎通をして、納得を得て進めるようにするべきだというふうに思うんですが、その点についてはいかがでしょう。

小澤普照林野庁長官

○政府委員(小澤普照君) 先生おっしゃいますように、まさに改善の道を歩むということになりますと、組織機構の簡素化、要員の調整の問題も実はあるわけでございます。そのようなことを努力を行いながら一方で国有林の使命を果たしていかなければいけないということでございますので、私どもはこのような経営の改善を行う際にはやはり労使間でも十分な話し合いを行いまして、労使一体となって取り組んでいく、また、地域とも十分に対話をさせていただき、また意見の交換もさせていただきながら取り組んでまいりたいと考えております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 水産関係について一問だけ質問いたします。  サケ・マス交渉、これは二月二十五日から始まるわけですが、これについての政府の決意を伺いたいというふうに思います。  あわせて、減船の目標が五〇%、これはなかなか達成できないような状況などもありますから、これらの点。あるいは地域市町村に対する援助だとか放流事業などを含めた地域振興対策、こういったようなことなどについて、私は五十四分までの時間ですから非常に短い時間で申しわけございませんが、よろしくお願いいたします。

京谷昭夫水産庁長官

○政府委員(京谷昭夫君) お話しございましたように、今月の二十五日から一九九一年のソ連産サケ・マスの漁獲にかかわります日ソサケ・マス交渉がモスクワで開催される予定でございます。海洋漁業部長を日本側代表として派遣をすることにしておりますけれども、御承知のとおり、かねてから一九九一年以降沖取り禁止、さらにまた御承知のとおりソ連、アメリカ、カナダの連合で新たな北太平洋におけるサケ・マス資源の保存・管理体制というものをつくるための論議というのが始まっております。  そういう背景を考えますと、今回の協議におきましてもソ連側は大変厳しい対応が予想されるわけでございますけれども、我が国のこれまでのサケ・マス漁業の実情あるいは日ソの関係を考慮して、我が方の立場を主張しながら最終的には双方が受け入れ可能な決着を図るべく最大限の努力をしてまいりたいと思っております。  それから、ただいま申し上げました厳しい情勢を背景にいたしまして、御承知のとおりサケ・マス漁業については減船を含む再編整備対策を具体化をしております。これによって平成二年度から平成四年度にかけての減船の方針も出しておるわけでございまして、本年度の予備費におきまして三百二十二億円の減船救済対策費を計上して既に減船に着手をしております。  今回の交渉の結果あるいはまた先々の情勢変化を踏まえて関係漁業者とも十分御理解を得ながらこの基本方針の円滑な執行にさらにまた努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 終わります。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 初めに、新ラウンド交渉再開をめぐる状況について伺いたいと存じます。  農業交渉は、二月二十日ダンケル事務局長主宰の非公式会合で再開されました。きのうの会合ではダンケル事務局長は、国内支持と市場アクセス、輸出競争三分野ごとの合意づくりを目指す意向を示したと言われております。  ところで、そうした報道とともに、けさの日本農業新聞を見てみますと、「米国・EC「農業」で密約の懸念 今月末まで妥協探る」という見出しで水面下の話を報道しております。要点だけ読んでみますというと、「在ジュネーブのガット筋の情報によると、米国と欧州共同体は難航している新ラウンド農業交渉の打開に向けた水面下の調整を続けており、今月末までに妥協に向けた草案を作りあげる見通しが出ている。このためケアンズ・グループや日本などから「密約」成立の懸念が強まっている。」、こう述べているのであります。そしてまた同時に、「これまでのところ、農業交渉の進め方について、保護の水準を測る総合的計量手段の扱いや、輸出補助金の定義など技術問題の交渉を先行。削減幅や国境措置、輸出補助金などといった政治的課題はファースト・トラックの延長後に本格交渉に入る「二段階方式」の採用が有力になっている。」、こう書いております。こうしたことを述べながら、同時に日本農業新聞は、「このため、日本は米の自給を柱にした食糧安保が無視される可能性がある」、こう言っております。極めて重大なことであります。  そこで初めに外務省に伺いたいのであります。  こういう動きがあることは既に前からわかっておりました。わかっておったが日本政府は果たして蚊帳の外であったのかどうなのか、初めにその事実はどうなのかということについて簡潔に述べていただきたい。

須藤隆也外務省経済局次長

○政府委員(須藤隆也君) お答え申し上げます。  ウルグアイ・ラウンドの再開に向けて今週の月曜日十八日から昨日の二十日にかけまして、ダンケル・ガット事務局長を中心といたしまして、主要国との間で二国間の協議が行われまして、それを……

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 いや、それはわかっておる。だから、私の方から先言ったんだよ。日本政府は蚊帳の外なのかどうなのかということを伺っておるんです。

須藤隆也外務省経済局次長

○政府委員(須藤隆也君) アメリカ、ECとの間でいろいろと難しい問題がございまして、両者間で折衝しているということは日本政府としても十分情報を得ておりますし、アメリカ、ECそれぞれと直接あるいはガットの事務局を通じてどういう折衝をしているかということについても逐次情報収集に努力をいたしますと同時に、日本の立場を逐次主張してまいっておりまして、昨日のダンケル事務局長の非公式農業グループにおける会議におきまして行われたステートメントにつきましてもあらかじめ情報を得て、日本の立場も反映されるように努力してまいった次第でございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 そうしますと、そうした動きがあることは承知をしていた、黙って見ていただけ、こういうことですか。

須藤隆也外務省経済局次長

○政府委員(須藤隆也君) 日本の立場が反映されるように、ダンケル事務局長のステートメントにつきましても、あらかじめダンケル事務局長あるいは関係の諸国に対して十分に接触し、日本の立場を主張してまいった次第でございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 いいですか。きのうダンケル事務局長が国内支持、市場アクセス、輸出競争の三分野ごとの合意づくりを目指すという意向を示した、これは去年の十二月の閣僚会議で示されたものを参考にしたものですよ。つまり、アメリカやケアンズ・グループの主張を反映された、そういうものだと受けとっていい。表舞台にそういうものが出ている。そして、裏舞台ではもっとひどいものが出ているわけですね。これについて何らの手も打とうとしなかった、そういうことですか。

須藤隆也外務省経済局次長

○政府委員(須藤隆也君) 表舞台と裏舞台ということが具体的に何を意味されているのか必ずしも承知いたしませんが、昨日のダンケル・ステートメントにおきましては、いわゆる三分野につきまして具体的かつ拘束力のあるコミットメントを達成するために交渉するということが確認されると同時に、我が国の強い主張であります食糧安全保障等の非貿易的関心事項につきましても、そのようなことへの配慮等が盛り込まれております中間見直し合意の枠組みを通じて農業貿易の改革を進めることについても言及されておりますし、別途食糧安全保障についても配慮されるということも言及されておりますので、我が国の立場は反映されていると承知しております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 我が国の立場が反映されているというのはちょっと私には理解しかねるんですがね。  そこで、外務省、農水省、両方に伺いたいのでありますが、アメリカとECの水面下の動きということで、こういう報道がもう既に出ておるわけであります。技術的問題と政治的問題に分けた場合、政治的問題として挙げられるのが削減幅の問題や国境措置や輸出補助金などだろう、こう見られておるわけでありますけれども、そうなってくると食糧安保は一体どうなってくるのか、私どもは非常にその点を心配するものであります。  それからまた、先日大臣がこの席で所信表明された際に、ガット・ウルグアイ・ラウンドに臨む態度の一つとして、基準年のとり方の問題、このとり方いかんによっては日本は大損をこうむる場合があるわけでありまして、そうした点等が心配されるのでありますが、どう対処していかれるのか、この点について農水省とそれから外務省、もう一度見解を承りたいのであります。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 今お話がございました農業新聞の「密約の懸念」という見出しが出ておりますが、これについて私どもは承知しておりません。しかも、こうした動きがあるというふうにも私どもは感じておりません。それはそういうことを申し上げたいと思います。  それから、今お話がございました問題を今後どういうふうに取り扱っていくかということにつきましては、今のところ定かになっておりません。今お話もございましたように、技術的な作業を直ちに開始するということと高い政策決定レベルの協議を行うということになっております。その高い政策決定レベルの協議の場合には、必要に応じ、こういうようになっておりまして、今後こうしたスケジュール、それからもっと言いますと、こうしたことをお話しする場面をどういうふうにつくっていくかということのお話し合いがまず先行することになるだろうと思っております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 川合局長、日本農業新聞に報道されているこうしたことは承知していないと言われるのは、事実ではないという意味ですか、それとも知らなかったということですか、どっちですか。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 二国間の話ですので、私どもが十分に承知していない点はあろうかと思いますが、私どもはこうしたことはあり得ないのではないかという感触を持っております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 あり得ないというのは、これから先もこうしたことにはならぬということですか。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 交渉でございますから先行きのことは予断できないわけでございますが、今までのところから見ますと米国、ECの対立といいますか、この問題点というのはなかなか難しい問題であるということは私ども考えておるところでございます。    〔理事北修二君退席、委員長着席〕

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 特にこの際要望申し上げておきたいのでありますが、中間合意の中でも食糧安保を含む非貿易的関心事項ということが明記されており、さらにまた、ヒューストン・サミットでも同趣旨のことがうたい上げられておるわけであります。そうした経過からしても、食糧安保の問題というのが俎上にのってこないということは常識的には考えることはできません。のって当然だと私は理解する。そういう立場で農林水産大臣も今後新ラウンド交渉再開にひとつ当たっていただきたいということをお願い申し上げておきたいのでありますが、いかがでありましょうか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 二十日の会合までに至る点についてはもう委員御承知のとおりでありまして、プラットホームづくりに事務局長は大変御努力をいたしましたけれども、プラットホームを、たたき台をつくるに至らずして再開せざるを得なくなったという状況であります。  そこで、私の報告を受けている段階では、中間合意を基本にして今度の会議を再開いたしたい、こういうことであります。中間合意の中には食糧安保も基礎的食糧も入っておるわけでありますから、それを基本にしてこれから会議が持たれる、こういうふうに私は理解いたしておるわけであります。従来もう何回も申し上げておりますように、食糧安保、基礎的食糧、十一条二項の(c)、そして今先生からも御指摘のありましたように、基準年をいつにするかというこの三点については、我が国の基本的な交渉姿勢でありますから、全力を挙げて輸入国としての我が国の意見が反映をできるように努力してまいりたい、そう思っております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 そこで、大臣に伺いたいのでありますが、大臣は二月の十二日の閣議後の記者会見で次のように述べられております。米だけを世界の貿易流通対象にしないというのは相当厳しいことだというふうに認識を示した上で、だから各国が抱えているものと一緒に相談しようとしていると、新聞報道によりますというと以上のように大臣が述べられたようであります。この大臣発言は、前に羽田農林水産大臣がアメリカのウエーバー関連品目なども含め国際的に普遍的ルールをつくるべきだというふうに語ったことに共通しております。  そこで、大臣に伺いたいのでありますが、大臣はこれまでの日本政府のガットへの提案、それからガットでの主張、これを変えたのかどうなのかということであります。簡潔にお答えいただきます。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) もう少し正確にお話しさせていただきたいと思うんですが、それも羽田元農林水産大臣の発言にこういうのがありましたが大臣どうなんですかと、こういう問いが新聞記者さんからありましたので、それは米一つが残ったときは大変厳しいことになります、これが私の正確なお答えで、それ以上のものもそれ以内のものもない。米一つが残れば大変だなというそういう、記者会見で羽田さんの関連質問に対する私が答えた表現でございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 そうしますと、各国が抱えているものと一緒に相談しようとしているという御発言はなかったんですか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 我が国は食糧安保を米を念頭に置いてやっておるわけでありますから、それぞれの国の大事なものがあれば、それぞれの国がまたそういう基礎的食糧というようなものがあれば、それはその国が主張して出てくればいいことでありますから、そういうものが出れば私どもそれまた一緒に話し合いには応ずる気持ちです、こういう話をいたしました。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 くどいようですが、そうしますと、羽田元農林水産大臣がおっしゃったアメリカのウエーバー関連品目なども含め国際的に普遍的ルールをつくるべきだ、それとは全く違った話だったということですね。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) そのときの記者会見のことは一言一句つまびらかには覚えておりませんけれども、私が考えていることを今それじゃお答えにかえさせていただきたいと思います。  それはもう御案内のように、我が国が食糧安保、基礎的食糧という米の重要性というものが考えられて、同じ農産物の中でも特別だよという主張をしてその国境措置をつくりたい、こう思って主張しておるわけであります。いずれの国でもそういうものがあったらまたそこで議論してくれればいいじゃないですかと私は考えておるわけであります。  しかし、他の国の農産物の重要性と我が国の米の重要性というのはおのずから重みの全く違うぐらい、比較にならないぐらい重いものだという認識を私はしておるわけであります。しかし我が国が米は重要だということを主張すればよその国がこれが重要だといって主張してくるものを拒否する立場じゃございませんから、それはそれで議論させてもらいたい、実はこう思っているわけでございます。御理解いただきたいと思います。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 私が伺っていますのは、何度も申し上げるようですが、羽田元農水相の発言とは違うということですね。それと共通した発言ではないですね、共通したお考えはありませんね。

鶴岡俊彦農林水産省大臣官房長

○政府委員(鶴岡俊彦君) 私も横で聞いていましたのでちょっと補足しますと、羽田先生の発言に対して大臣どう思うかということについて答えたわけです。そのときも大臣は、羽田先生から直接聞いたわけでないのでよくわからないけれどもということを前提に先ほどみたいな話をされたわけですけれども、ほかとの共通の問題として対応していかなければいけない、これはもう羽田先生の発言として言われた中で、大臣がそれについてとやかくどうこう言ったわけでなくて、大臣の発言は先ほど言ったものでございまして、それをいろいろ新聞記者の方が組み合わせてああいう原稿を流したというふうに私は承知しています。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 それならここで改めて私から大臣に伺いましょう。  アメリカのウエーバー関連品目と日本の米というのを同一のテーブルにのせて議論するのは私は公正ではないと思うんです。といいますのは、世界最大の農産物の輸出国であるアメリカにウエーバーという特権を無期限、無制限に与えてきたガット体制そのものに基本的な問題はありますけれども、それは一応さておくとしても、世界最大の輸出国がウエーバー外しで受ける影響と、世界最大の農産物の純輸入国である日本、そして日本農業のいわば最後のとりでともいうべき米が受ける被害というのはまるで違う。同じ土俵にのせて議論する性質のものではないというぐあいに私は思うのですが、大臣はいかがでしょうか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 今回のガット・ウルグアイ・ラウンドは、すべての農産物を一応テーブルにのせて議論するというのが基本的にルールにあるわけなんです。ですから議論をすることがどの農産物は議論をする、どの農産物は議論しないということにはなかなかまいらぬと思うわけでありますけれども、私は、アメリカのウエーバーとそして日本の米とは、輸入、輸出国以前の問題としてももう全然違う重みのものだという認識をしておるわけですし、当然輸出国と輸入国との意見の相違というものが常識的にあって当たり前なことですが、それ以上に今回の場合には私はもっと対立関係というものが出てくるだろう、こう思っておるわけであります。数は少ない先進国の輸入国であるだけに相当腹を据えて交渉に当たらなければ、全体がまとまったとき多勢に無勢なんという話にならないように、あらゆる機会を、先ほど先生がお話しのようにECとアメリカと裏取引があるように思うという話もありましたけれども、それも常に私ども警戒して心がけておかなきゃならない大事な点だ、こう思ってもおります。  ですから、議論はお互いがする分野においても、ウエーバーをどうするから米がどうだという話の交渉には、私ども重みが違うし、重要性が違うという、そして輸出国、輸入国というそれもまた立場が違う、それをわきまえて交渉に当たる、そういう決意であります。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 次に、今後の交渉に臨む方針と対策について若干伺いたいと存じます。  農業分野をめぐってはアメリカとECとが御承知のように輸出補助金競争、これを激しくやっておるわけであります。そういう状況を見てみましても、短期的に決着をつけるというのはこれは無理だろうというふうに見られておるところでありますが、そこのところを無理して急ぎますと輸入国にとって不利な合意となる可能性もまた極めて大でありましょう。結論次第によっては長期的にはさまざまな影響が出る農業交渉を拙速にやってはならぬ、拙速にやれば歴史的に禍根を残すということを私は強調させていただきたいのであります。  そこで伺いたいのは、日本政府が主張してきた農業の果たすさまざまな役割についてこれまでガットは議論らしい議論をしてこなかったのではないのか。そのこととの関連で次の二点について伺いたいのであります。  まず第一点は、食糧安保とガットの問題について国際的フォーラムをラウンド交渉の内部に開催し、さまざまな議論ができないかということであります。湾岸戦争が起こりました。そういう中で日本政府の言う食糧安保というのはどういう意味を持つかということが明らかになってきておりますし、それからまた第三世界の人口の増大、そして中進国などにおける畜産消費の伸び、こんな状況を目の当たりにいたしまして、最低限の自給確保を求めるのは当然だという主張が国際的にも成り立つのではないでしょうか。国際的合意づくりに向けてのリーダーシップを発揮しやすいそういう状況になってきていると思うのです。そういう意味で、食糧安保とガットの問題について国際的フォーラムをラウンド交渉の内部に開催する、これは大変思い切った話でありますけれども、あるいはまたそれに準ずるような方法を考えることができないのかということについてお尋ねをいたします。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 安全保障問題と申しますか、これを含む非貿易的関心事項につきましては、先ほどもお話しいたしましたように中間合意の中に取り上げられているわけでございます、御承知のとおりでございます。これが今回のステートメントの中にもその枠組みの中でやっていくというお話になっているわけでございまして、今お話しのようなフォーラムというようなものを新たにウルグアイ・ラウンドにつくるというようなことは、今お話をお聞きしたところでございますが、正直申しまして非常に難しいことではないかと思います。  ただ、この非貿易的関心事項につきましては、御承知のように各国それぞれ置かれた農業の事情によりましてその関心の度合いは違うわけでございますが、今までにも農業交渉の中でいろいろな形で議論がなされております。そうした議論が今回のステートメントを契機に行われていくということは当然予想されますし、また、私どももそうしていかなければいけないというふうに考えているところでございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 中間合意の中でも先ほど来申し上げてきておりますように非貿易的関心事項、この点についてECも同じように関心があるはずであります。さらにはまた昨年のガット閣僚会議を見てみましても、世界の家族農家が総団結という状況でもってガットに押しかけているというような状況もありましたし、そしてまた、そうした世界の家族農家のアメリカ政府提案反対運動とともに、世界の環境団体等々がこれを支持するといったような新たな動きなども生まれてきておるわけでございます。  こうした点も踏まえて、ぜひひとつ食糧安保問題をめぐっての国際的な合意を得ることができるような努力をお願いしたいということを再度申し上げておきたいと思うのでありますが、大臣、いかがでありましょうか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 湾岸戦争が今起きたばかりでありますし、私も現場でまだ交渉に当たっていないで、この四年間、米を提訴されたときに取り下げの運動をしてきた一人でもありますし、牛肉・かんきつの交渉のときにも党代表で行った経験等々を踏まえて、交渉のテーブルに着くと、どちらかというと先生の今御提案があったような幅広い議論をされる場というのはまず余りないように今まで感じてまいりました。今日まで四年たってきたわけでありますから、その段階でもそんなに幅の広い問題として取り上げるという機会はそうないのではないだろうか。これはFAOのような世界食糧会議みたいなところではしょっちゅうこの議論をしておるのですけれども、そのことが当面の交渉という場面で、気持ちの中や念頭に置いて当事者は交渉しているかもわかりませんけれども、そういう議論を闘わすことが余りなかったわけであります。  今日、米ソの緊張緩和が起き、また、湾岸戦争というものが起き、そしてソ連に食糧援助が起き、湾岸にもやがて食糧援助というのが出てくるだろうと思うので、この交渉が、先生今御指摘のように延びる可能性が、いつまでかはわかりませんけれども、そういう機会があればそれも我が国の輸入国という立場で、自給率の低い国の立場では主張してしかるべきことだ、こう理解をしておりますので、会議を持てるまでの力があるかどうかはわかりませんけれども、提案と発言だけはさせてもらいたいと思っております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 日本政府の言う食糧安保論の問題と関連いたしましてもう一つの問題は、農産物の貿易自由化と環境問題を結びつけた議論をガットの場でできないかということであります。  この点につきましては、昨年の十一月の二十二日に本院のこの農林水産委員会で私質問させていただいたところ、川合経済局長から御答弁をいただきました。当日、川合局長が言っておられたのは二つありまして、一つは非貿易的関心事項の一つとして議論されることがあるということであり、もう一つは国内の支持、補助金で、環境問題に関する補助金は青としていくことができるだろうし、そうなければならぬ、以上のような二つの面でひとつ対処していきたいという見解が表明されました。  改めて私からもう一度申し上げたいのは、農産物の場合、貿易合戦で打ち勝つためには際限なき規模拡大、そして低コスト化競争が必要になります。それによってどんな事態が生まれてくるのか。一つは土地が滅んでいくという問題もあるでありましょう。そしてもう一つには、農業生産自体が危険な薬剤づけになっていくという問題等々もあるでありましょう。さらにまた窒素問題について言うならば、一方は窒素が流亡し、なくなっていく、片方は、輸入国は窒素が堆積されるといったような問題等々も指摘されてきているところであります。降限なき農産物の貿易拡大競争をやっていきますというと環境破壊につながってくるという問題がもはや明らかなのであります。したがって貿易の自由化にも農産物の場合については、環境との絡みからおのずと限界があるということが明らかなのではないでしょうか。ガットはそうした大事な点をほとんど議論をしていないように思われます。その種の議論をガットの中でぜひしていただきたいと思うが、いかがでしょうか。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 私、昨年もお答え申し上げましたように、率直に申し上げまして、ウルグアイ・ラウンドの場で環境問題という取り上げ方をされているのは、特に農業に関して申し上げれば、先ほど先生御指摘のような観点からだと思っております。アメリカの九〇年農業法などにも環境問題についての新しい規則が出されていることは御承知のとおりでございます。そうしたことで、各国そうした問題についての関心が徐々にではございますが出てきておるわけでございますけれども、ウルグアイ・ラウンドの場ということをとらえますと、なかなかそうした議論が主力になるというところにはいっていないというのは先ほど大臣がお答えしたとおりだと思っております。  私ども機会をとらえてこうした問題を言っていくということになりますと、今の枠組みの中ですと、先ほど来のお話でございますけれども、非貿易的関心事項という農業の持つ多目的、多機能の一つとして非常に大きなものだというとらえ方で今後の対応をしていくということがまず一番最初の現実的な対応ではないかと思っております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 そうしますと、私が申し上げていることについては局長どうなんですか、積極的にやっていくということがどうなのか、いろいろな難しさはあるけれども、一生懸命やっていくということなのかどうなのか、どっちなのですか。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 私どもといいますか日本国といたしましては、従来もその点は非常に重要な問題だとしてとらえてやっておりますので、今後ともそうした立場は貫いていきたいと思いますし、今の流れというものを私ども十分踏まえまして取り組んでいきたいと思っております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 来年の六月にはブラジルで御承知のように世界各国、国連加盟の首脳が集まっての環境会議が開かれるというような話になっており、ことしはそこへ向けてさまざまな環境問題に関する国際会議が開かれる年でもあります。  そういう流れの中で、問題は環境問題を商売で稼ぐエコビジネスの方へ持っていかれてしまうのか、それとも農業や林業を環境保全型に切りかえながら、農業や林業を守りながら地球環境を守っていくのか、どっちの道を選択するんだというような時代にも来ておるわけであります。ガットという場がなかなかそういうことが議論しにくい場であることは私もよく承知をしておるのでありますけれども、時代がそういうふうな流れにもなってきておるのでありますから、ひとつ格別の努力をお願いしたいということをこの際申し上げておきたいと思います。  それから次に伺いたいのは、動植物の検疫問題であります。  食生活はそれぞれの国々によってさまざまであります。そういう状況の中で、ガットの交渉の中では国際基準をつくって、言うなれば農産物貿易を盛んにしようという論議が行われておるやに聞いております。  私、昨年の十一月の二十二日に、そういう国際基準をつくるということはいかがなものか、どうしてもつくることが避けられないとするならば、それぞれの国によって食生活のあり方、衛生状況その他の状況の違いがあるわけでありますから、独自基準をつくるということについて努力をすべきではないかという御質問を申し上げたところ、厚生省の方からありましたのは、食生活等の実態にかんがみ、国際基準より厳しい独自基準をつくることも認めよという主張をしており、そしてその点について合意が得られるのではないかと思うという御答弁をいただきました。その点について変化はないのかどうかということがまず第一点であります。  それから第二点目に伺いたいのは、国際基準ができた場合、それに輸入農産物が合致していればその国の国内基準に合わなくとも暫定的に輸入ができるようにしようという論議がガットの中にありますという話を承っております。これはとてつもない議論だと言わなければならぬと思います。そうした議論があるとするならば、日本政府としては当然反対していくべきものだと考えるが、厚生省はどう考えておるか。  以上、二つの点を承りたいと思います。

野村瞭厚生省生活衛生局食品保健課長

○説明員(野村瞭君) お答えを申し上げます。  ガット・ウルグアイ・ラウンドにおきましては、食品衛生規制につきましても、動植物検疫と同じグループでございますけれども、ただいま先生から御指摘になりましたように、国際基準に基づく各国の基準の調和の問題でありますとか、あるいは基準設定手続の透明性の確保といった問題が話し合われているところでございます。  我が国といたしましては、科学的根拠に基づき、食品の安全性の確保を前提として対処しているところでございます。先ほど先生から過日の厚生省からの基本的な姿勢についても御発言がございましたが、国際基準に基づく調和につきましても、原則的にはこの必要性につきましては理解するところでございますが、各国によりまして食生活が違っておりますし、また地理的状況等も異なっているということで、国際基準よりも厳しい措置をとることも認められるべきということを強く主張してまいりまして、ほぼ私どもの考え方に沿って結論がまとめられつつあるということでございます。  それから次に御質問いただいたわけでございますが、国際基準に合致しておれば暫定的に輸入を認めるべきではないかという議論があるのではないかという御質問でございました。確かに一部の国からそのような意見が出されていることは事実でございますけれども、これにつきましては、先ほど申し上げました国際基準への調和の問題と違いまして、各国の意見がさまざまということでございまして、まだまとまっていない状況下にございます。  我が国といたしましては、先生お話しになりましたように、このような暫定輸入を認めるということは食品の安全性確保の上から大きな問題でございまして、当然このような考え方に対しては反対の意見を主張しているところでございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 それでは、次に林業問題について伺いたいと思います。  菅野先生から先ほどいろいろと質問がありましたので、私の方からは担い手対策について伺いたいと思います。  これまでの林業政策を見てみますというと、林業だけじゃなくて農政もそうでありますけれども、押しなべて大蔵主導型であったというのが偽らぬ私の感想であります。それかといって農林水産省にも責任がないかというと決してそうではありますまい。これまでの農林水産行政の主流をなしていたのは物をいかにつくるかということが中心でありまして、人をどう確保するかということについては欠けていたのではないかと思います。 その帰結がどうなったかというと、林業労働者は十二万人、そしてその六割近くが五十歳以上。昨年の高校卒で林業に携わった者はわずかに二百二十九人と伺っておりますから、言うなればゼロも同然という状況になってしまったということであります。  一方、森林の方はどうかというならば、一千万ヘクタールの人工林が育ちまして、ようやく国産材時代が来る、こう言われておるところであります。そういう時代を迎えるに当たって林野庁長官はどのような担い手確保対策をやろうとしているのか伺いたいのであります。

小澤普照林野庁長官

○政府委員(小澤普照君) 先生ただいま御指摘のように、山村の過疎化あるいは林業の担い手が減少し、また高齢化していくという事実がございます。一方で、戦後特に造林を進めてきました一千万ヘクタールの人工林、これが今成長しておりまして、近い将来にいよいよ国産材時代を迎えようとしているわけでございますが、そのような状況に対応していくためには森林の整備と同時に林業の担い手の育成確保が最重要課題であると我々も考えておるところでございます。  これの対応策でございますけれども、昨年の十二月に林政審議会から答申をいただいておりまして、林業事業体の体質強化でございますとか、あるいは高性能機械の開発、導入、こういうことを推進しつつ、また他産業と同程度の労働条件を確保するために、林業労働力対策を緊急かつ効果的に講ずるべきだという提言をいただいているわけでございます。  このことを踏まえまして、林野庁といたしましては、今後、まず流域を単位といたしまして、緑と水あるいは国産材の安定供給に向けまして民有林、国有林一体となって森林整備に取り組む中で、月給制及び社会保険加入の促進など、林業労働者の就労条件の改善や若年労働者などの技術向上を図ってまいりたいと考えております。また、高性能機械の導入、さらにまた事業の共同化、こういうことを推進するために、林業事業体の体質強化など地域の林業の担い手の育成確保を図るために総合的な対策を講ずることといたしております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 担い手対策について林政審がどう言っているか、これは長官御承知のとおりでありますけれども、ここで改めてひとつその部分について読ませていただきたいのであります。  「林業労働者の育成確保を図るため、」「労働基準法の完全適用等少なくとも他産業と同程度の労働条件が確保されるよう、林業労働者の技能職員化、就労条件の改善、雇用の通年化対策を緊急かつ効果的に講じていく必要がある。」、こう述べております。  林野庁がこれまでいろいろ努力をされてきておることは私自身もよくわかるのでありますけれども、答申の言う「緊急かつ効果的」という対策が果たして講じられているのかどうかということになってくると、私にとっては疑問なしとしないのであります。  もう時間もなくなりましたから特に一つだけ強調させていただきたいのでありますが、労働基準法の完全適用、これがどうなっているかということであります。昨年の五月二十四日の参議院の社会労働委員会で、我が党の糸久議員の質問に対して林野庁がお答えになっているのは、詰めて言いますというと、労働基準法の完全適用については、実態を調べ、労働省と相談してやっていきたいという回答をいただいております。そうした状況が今どのようになっているのか、ともかくも労働基準法の完全適用、これをめぐって今どのような努力をされているのかについて伺いたいのであります。

小澤普照林野庁長官

○政府委員(小澤普照君) 確かに答申を受けまして、私ども担い手対策を進めなければならないという観点で新しい施策を考えるということで、これは平成三年度予算案の中に林業労働力育成確保特別対策事業でございますとか、あるいは林業事業体体質強化対策事業を新たに盛り込んでいるところでございますが、今先生お尋ねの労働基準法の適用の問題でございますけれども、法律の中では、農林水産業の業務というものが天候でございますとか気象等の自然的条件に影響を受けるという産業であるために、労働時間の問題あるいは休憩及び休日に関する規定は適用除外となっておりまして、この適用につきましては解決すべき課題は大変多いと我々も考えておるわけでございます。  しかしながら、この問題は、林業労働者の就労条件の改善を図るということから考えますとまさに基本的な問題でございますので、私どもとしては本年度から調査に入っているわけでございます。これは平成二年度、三年度と二年かけて実はやりたいということで諸調査を実施しておりまして、この調査の結果はまだまとまっておらないわけでございますけれども、現在調査中でございますけれども、このような調査を急ぎまして、この結果を踏まえてさらにまた労働省ともよく相談をさせていただきたい、このように考えているところでございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 長官、その点はしかとお願いをしておきます。  最後に大臣に伺いたいのであります。  担い手確保対策というのは、伺いますと、結局強い林業事業体の育成と労働条件の改善という二本立てでやっていきましょうという考え方のようであります。だがしかし、農業もそうでありますけれども、林業の場合でも林業内部だけの努力では私は限界があると思うわけです。最近は、だれでも自然は大事だと言ってくれるようになりました。それなら自然の担い手はだれなのか。農家であり、林家であり、そして林業労働者であります。山は土をつくり、そして水をつくる、そして国土と環境を守る。言うなれば、川上の村がつぶれますと川下の村がつぶれる。そしてそれは同時に都市の存立基盤を危うくする。林業、農業の担い手が失われていったとき、そういう事態が出てくるということであります。  最近のECの動きを見ていただきたいのであります。条件不利地対策ということで、その条件の不利さの度合いに見合って所得補てん政策をとるようになってきました。若い皆さんの就労についても政府自身が助成措置をとるというような状況になってきました。また、最近のECの農政改革では、農産物支持価格は下げるけれども零細な農家に対しては所得補てん政策をやっていこうと。つまり、従来は山間を守るというところに力を入れてきたが、今度は平場にも同じような施策をやっていこうというような考え方が出されるようになってきました。  やっぱり今つぶれかかっている中山、山村など過疎化に歯どめをかけていくのに思い切った施策をやらなきゃ不可能であります。例えばECのそれに学ぶ、こういうふうな施策をとるということも大事でありましょうし、さらにはまた、身近なことで言うならば地方交付税の見直し、これなども、人頭割ということが何といっても柱になっておるわけでありますから、言うなればもう少し面積割的な発想を取り入れた見直しなども私は必要なのではないかと思うんです。ともかくも都市集中型の人の流れを逆流させていく、それが担い手対策の基本に据えられなきゃならぬのであります。そしてまた、超過密化した都市からも、農村を見直す、山村を見直すというような空気も生まれてきておるわけでありますから、やはり抜本的な施策を講じていく必要があると思うのです。従来の農政の枠だけでは問題の解決は私は難しいだろうと思う。そういう意味で抜本的対策についてひとつ大臣にこの際お願いをしておきたいし、この際大臣の所見をいただきたいのです。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 今委員御指摘のような認識を私も同じゅうする一人でございまして、大臣に就任すると同時に、国土の面積からいっても、まあ私は九四と言っているんですけれども事務当局は九七だと言っているんですが、いずれにしても都市集中と言われるのはわずか三%しかないとDIDの計算方式で出ておるわけですから、それが日本で活力を持たなければ日本全体の国民的な活力というのは生まれてこないんだという認識に立って、もう地球環境問題も含め、環境問題が大変大きくクローズアップすることが、また農山村における価値観というものの新たな見直しを国民にしていただくようなそういう時期になってまいりました。  とりもなおさず、先ほども御答弁させていただいたように、所得だけではなく生活環境、そして村全体の環境、地域全体の環境ということになると農林水産省だけでこの役割を果たせるかというと大変困難だと思います。それで、就任以来、各省庁がふるさと創生、環境問題でいわば予算を取っておるものが、我が省が所管をする農山村に対してどのようなことをやっていただいておるのかということを、私の方から指示して今調査の取りまとめをさせていただいております。  我が省の農山村の皆さん方が、働きながら、生活しながら社会政策上必要なものを守っていただいておることとあわせて、そこにさらにふるさとをよみがえらせて活力を持たせるというのを、各省庁今環境、ふるさと問題をやっていられるので、総合的に私ども今点検をさせていただいて、我が省が中心になって総合的にひとつ村づくりをやらせていただきたい、そう思っているわけでございますので、いましばらくまとまった見解というのに時間をおかりしたいと思っておりますが、認識の上とそれからこれから進めていこうというのは私が今申し上げたような形で進めさせていただきたい、こう思っております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 終わります。

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) 午前の質疑はこの程度とし、午後零時五十分まで休憩いたします。    午前十一時四十九分休憩      ─────・─────    午後零時五十分開会

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査のうち、平成三年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 近藤農林大臣の御活躍を心から同県人としてお祈り申し上げます。  大臣の所信表明の中に「農業・農村の整備につきましては、生産基盤の整備とともに、農村の生活環境の整備等にも重点を置いて推進してまいります。」という項目がございますけれども、私は、きょうは生活関連につきまして、農村の下水道整備のこれからの促進についてぜひお伺いをしていきたいと思いますのでよろしくお願い申し上げます。  農水予算は三年ぶりに増額をされたわけですけれども、一般歳出に占める比率は年々減少を続けてきています。これはそのまま農林水産業に対する政府の姿勢をあらわしていると思われます。今回、予算の編成の焦点の一つに、昨年決着をした日米構造協議で約束をした公共投資を十年間で四百三十兆円に拡大するということを受けて設けられた生活関連重点枠というのがあります。総額二千億円のうち農水省に配分をされたのは二百七十七億円、このうち公共投資に回されるのが二百四十億円、そして非公共が三十七億円ということになっておるわけですけれども、この二百四十億円の中で百四十億円が農業集落排水事業費に充てられるということになっているわけでございます。公共の部分で比較をすると、農水の配分比率は一三・七%ということになります。総額二千億円の中の二百四十億ということで一三・七%。ところが、今まで公共財源に占めている農水省予算というのは全体枠の中の二二%、これがあったわけでございますけれども、この生活関連予算においてもこの二二%が確保できなかったかどうかまずお伺いをいたします。

鶴岡俊彦農林水産省大臣官房長

○政府委員(鶴岡俊彦君) 従来から公共事業につきましては、その年によって若干の変動はありますけれども、今先生御指摘のように二二%程度の枠でございまして、今回の生活関連枠は、その特別の枠を設定された趣旨が、直接生活に関連するもの、生活の質の向上というような観点から各省でいろいろ詰めまして調整した結果がああいうことになったわけであります。従来、農林水産省はむしろ農業、林業、水産業の生産基盤のウエートが公共事業の中で高かったというようなこともありまして、生活関連ということになりますと、住宅でありますとか下水道でありますとか公園でありますとか、それから一部道路というようなことで、そういう点での積み上げがでかくなったわけでございます。  農林省につきましても、そういう意味から、先ほど先生御指摘のように、集落排水事業というようなものを一般予算と生活関連と合わせまして倍増するというような重点的な配分を行ったわけでございますけれども、この趣旨が今申し上げましたように直接生活の質の向上に密接に関連するものというような結果でことしのような予算の編成になったわけでございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 生活関連予算枠においても当然公共事業関連シェアの二二%というのを確保されてしかるべきだと思います。  農水省で行っている事業が今まで順調に推移をしてきて、農村の社会基盤というのがちゃんと充実をしてきたというふうにはどうしても思われないわけでございます。若者が定着をし、嫁不足を解消させるためにも、今農山漁村では下水道の普及ということを早期に望む声が非常に高まってきております。人口千名以下の集落において農業集落排水事業による下水道整備というのが進められるわけですけれども、今後ますますこうした小さな集落に対する下水道整備の声というのは高まってくるわけでございます。  こういう中で、生活関連枠の部分、これが農水省の部分で少し下がっているということは納得ができないわけでございますけれども、平成三年度のこの集落排水事業に係る予算ですけれども、農水省は前年度の二倍を確保しているわけなんです。それを見ましても、このことにかける農水省側の意気込みというのはわかるわけでございますけれども、そういう枠の中でこの関連枠が一三・七%というのはわからないわけでございます。大臣、いかがでございますか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 公共事業二二%、生活関連一三・七%、他共事業と生活関連枠と同じ比率でいかなきゃならぬということもないので、そうであるとしたら、公共事業の中でまた同じシェアで伸ばしていけばいいんですけれども、別の目的を持って生活関連枠として、どちらかといえば生活をもう少し環境をよくしようということで特別の枠を設定した、こう理解をいたしておるわけです。そういう意味からして、農村のおくれておる生活環境からすれば、公共の配分より率がよくなってもいいという認識は私も持っておるわけであります。  しかし、赤字国債脱却以来今日まで、ずっと予算がゼロシーリング、マイナスシーリングということで、何といっても一義的には我が省としては生産性の向上を中心にして基盤整備等の予算を守り抜いてきたわけで、この時期に改めて生活関連枠というのを誕生させていただいたことを大変歓迎するわけでありますが、しかし生産を中心にしてきておるものですから、直接生活関連枠というものが新しくできて、そこに私どもどういう政策を出すかというのに準備が十分であったとは必ずしも言えない面があったのではないだろうか。農村の生活環境をよくしていくということが非常に大事な時期を迎えておりますので、今後また引き続いて努力をしていきたい。その熱意の一つの象徴的なこととして集落排水に倍額の予算を私ども今度御提案をしておるということで、熱意だけはお酌み取りをいただきたい、こう思います。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 来年度の生活関連予算の獲得のときには、そういう今の御発言をよく考慮なさっていただきたいと思います。  生活排水汚染の深刻化や生活意識の向上から、先ほども申し上げましたように、農村の生活環境整備を求める声は本当に高まっています。私も農村集落に住んでいる者の一人でございます。まだ私の家も下水道は完備しておりません。そういう中にあります。環境整備といえば下水道は都市に比べて格段に劣っているのが農村です。  建設省の下水道事業は三十年間にわたって続けられてきましたが、現在その普及率、これは百万人以上の大都市におきましては八九%でございます。ところが、五十万から百万人の都市になりますと五六%に下がります。以下、三十万から五十万人の都市が五〇%、それから十万から三十万人が四六%、五万から十万人の都市に至っては三一%、そしてそれより小さい、いわゆる五万人以下の小市町村に至っては八%の普及率というのが現状でございます。都市と農山漁村との差はこういうところにもはっきりとしているわけでございますけれども、農水省の下水道工事、これは先ほど言いましたように、農業集落排水事業という名のもとに行われているわけですけれども、昭和四十八年から開始され、十八年間で九百七十五地区千二百集落で事業が行われたと聞いております。しかし、この千二百集落というのは全体に占める普及率で言いますとわずか一%、農水省で行った事業はわずか一%にすぎないということでございます。  ちなみに、一九八九年の三月三十一日現在の東京都の普及率は八四%、農業県と言われる我が新潟県は一五%、こういうことになっているわけでございます。建設省は、現在のこの平均普及率四四%を五四%に引き上げようとしていますが、建設省の事業対象は都市部に集中をしている傾向がございます。それを是正するためでしょうか、特定環境保全公共下水道であるとか、あるいは自然保護下水道、農山漁村下水道、それから千人未満のところには簡易公共下水道、こういうような名前の事業がありますけれども、これらと農水省の扱う農業集落排水事業の違いというものがあるんでしょうか。建設省さんにお聞きをしたいと思います。

仲津真治建設省都市局下水道部下水道企画課長

○説明員(仲津真治君) 建設省が進めております下水道は、下水道法に基づく下水道というものでございまして、水質が法令によって担保され、また下水道が供用されますと、つまり下水道の管渠がまいりますと、各家庭は全部これに接続しなければならないという義務がございます。それ以外の下水道、集落排水とかがございますけれども、これにつきましては下水道法に基づくものではございませんで、そういう意味での接続義務はございません。また、水質の担保も法令上特にないということでございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 建設省で行う事業は、その事業が決まった時点でそこの関係をする地域の人たちは強制的に加入しなければならないというお答えでしょうか。農業集落排水事業にはそういう義務がない、こういうことでございます。その違いだけでございますか。

仲津真治建設省都市局下水道部下水道企画課長

○説明員(仲津真治君) 下水道法に基づく下水道につきましては、ただいま申し上げましたように、また先生もお話しになりましたように、下水道が供用されましたら各自がこれを必ず接続しなきゃならぬという義務があるということと、下水道が処理いたしまして排出される水質につきまして、法令による義務づけ、これ以下の水質にしなければならないものがあるという点で他の施設とも違いがあるということでございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 じゃ、排出基準とかそういうものについてはいかがですか。その排出される水の基準というものが農業集落排水事業と建設省の行う下水道工事というものでは違いますか。そこらはどうでしょうか。

仲津真治建設省都市局下水道部下水道企画課長

○説明員(仲津真治君) 下水道について申し上げますと、下水道法の八条に基づきまして各項目が掲げられておりまして、一定水質以下のきれいな水にして放流しなきゃならないということが義務づけられております。他の施設については承知いたしておりませんが、下水道につきましてはそういう明瞭な法令上の義務づけがあるということでございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 当然、農業集落排水事業に対してもそういう排出の基準というものが設けられておって、きれいな水質が保たれているというふうに私は認識していますけれども、そうだとしますと、農水省で管轄をする下水道事業と建設省で管轄をする下水道事業をなぜ分けなければならないのでしょう。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 農水省で実施しております農業集落排水事業、これは主として農業振興地域の農業集落を対象にして実施をするというものでございます。この事業の目的といたしましては、農業用の用排水の水質保全とか、それからまた農村の生活環境の改善、こういうものを目的にいたしておりまして、建設省の方でやっております、主として都市計画事業ということで都市地域を対象にしている事業とは基本的に性格を異にしているわけでございます。  ただ、先ほど先生御指摘のように、建設省の下水道事業でも都市計画区域以外でも実施しているということもございますので、集落排水事業を実施する段階におきましては、県なり市町村のところでいろいろ事業の調整をして、集落排水でやるところ、それからまた下水道事業でやるところ、こういうものを市町村段階、県段階で調整をして実施しているということでございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 利用させていただく側になって考えますと、どちらの事業にいたしましても一日も早く施工されて下水道を使わせていただく設備が整えばいいわけでございますので、そこら辺の利用者の住民の側の立場から主張をいたしますと、建設省側で行われる公共下水道あるいは農水省側で行われる農業集落排水事業というものの違いというのは全く見えてこないわけですね。なぜここが分けられて行政で別々にやられていなきゃならないか。先ほど建設省の答弁がありましたように、一たん公共下水道の認定を受けた地域では、もう遅々として進まない事業をずうっと待ち続けていなきゃならないというような状況が出てくる。そうすると、集落排水事業でやれば、小さな区域でやれますからすぐにできるというような矛盾も大きく出てくるわけでございます。そうした問題をちょっとこれからしばらくの間検討させていただきたいと思います。  建設省が今行っている流域下水道、これは主に事業主体は都道府県でやるわけでございますけれども、国庫補助対象率が九三%と非常に高い事業でございますが、これについてちょっと問題を投げかけてみたいと思っています。  この流域下水道は、大変大量の排水を流すために幹線管渠が必要です。そのために建設費がとても高くつきます。一キロメートル当たりの建設費は一九八一年の実績では十一億五千万円、一メーターに換算しますと百十五万円。一九九〇年の実績では七億七千六百万円と言われています。流域下水道の管渠延長距離は長い区域では百キロメートル以上に及ぶことがあります。平均でもおよそ三十から五十キロメートルぐらいの長さになると言われています。その管渠の延びの実績は一九八八年では二百八十五キロメートル、一九八七年が三百二十八キロメートル。一区域当たりで見ますとわずか一から三キロメートル、一つの工事区間に対して一から三キロメートルぐらいしか延びていない、こういうことでございます。これを見ていただきますと、大変長い間、いわゆる数十年単位で、その下水道の一つの工区が完成するまでの間、時間がかかるということになります。  それとともに、排水が地下の下水管を通るために地域の河川が干上がるという問題も起きてまいります。そしてまた、終末処理場で集中的に放流するために下流水域へ大きな影響を与えているということもわかってまいりました。種々の工場排水や家庭排水の混合水を処理するために処理効率が非常に悪くなっているということも事実でございます。数十年単位の長期計画であるために、途中でその計画自体に問題が生じてもなかなか修正しにくい。合併浄化槽など他の方法による柔軟な処理システムの採用を妨げているということでございます。  国費の補助対象率が六一・五%の公共下水道に比べまして、流域下水道の場合は、先ほども言いましたように、補助対象率が九三%と大変高いんです。人口密度の低い地方自治体でも、このような国庫補助金を目当てに流域下水道計画に参加して、結果として自治体の財政を圧迫しているというような事態が起こってきはしないでしょうか。  下水道建設費の用途のうち、公共下水道では管渠費に七〇%、流域下水道では管渠費に四九%もの財源が充てられていると言われています。管渠のところに費用を費やす、これがこんな大きなパーセントを占めていたんでは、本質的に処理場の方へ充実していく財源の確保が可能なんだろうかというような疑問も残ってまいります。  これらのさまざまな疑問点や批判のことについて建設省はどのように受けとめておられますでしょうか。

松井大悟建設省都市局下水道部流域下水道課長

○説明員(松井大悟君) お答えいたします。  最初にちょっと御説明をしておきたいんですけれども、流域下水道と申しますのは、それ自体で機能を発揮いたしません。流域下水道は県が施行いたしまして、それに関連する公共下水道と一体になって初めて機能を発揮するものでございます。したがって、流域下水道は、下水道の根幹部分、処理場と幹線を施行しております。それに関連する公共団体がおのおのの町に住む人たちの下水を接続するということになっております。したがいまして、流域下水道は根幹的施設でございますから、その建設費は高うございます。まずこれを御理解いただきたいと思います。  それから、我が国のように、平地における河川流域は非常に人口が稠密しておりまして、かつ水利用が活発でございます。しかもその間には非常に幾多の公共団体がございます。このような中で下水道計画を立てますときには、必ずしも市町村の行政区界が水の分水嶺と申しますか、水の流れに沿ってございません。そうしたところにおきましてはやはり広域的な下水道が必要な場合もございます。こういった河川のいろいろなバックグラウンドだとか背景を検討しまして下水道計画をつくっております。この中で、やはり広域的に整備をした方がいいというところにおきまして流域下水道を推進しております。  残念なことに、下水道そのものがこれは非常に長期的な建設を要することは事実でございまして、終末処理場を建設し、幹線を建設していくといったことで、処理場から離れるに従いましてどうしてもその恩恵を受ける人たちが遅くなることは事実でございます。残念ながらこのことは事実でございますけれども、しかし、最終的には一歩一歩整備を進めていく以外には方法はないと考えております。  したがいまして、私どもは流域下水道だから遅くなるとか、流域下水道だから高いとか、流域下水道だから何か非常に汚濁の原因になるとか、そういったことは考えておりません。その地域において一番最適な下水道を敷くというぐあいにしております。しかしながら、きょうあすというぐあいに一遍にできないということも事実でございますので、これは、ちょっとの間といっても大分語弊がございますが、私どもは西暦二〇〇〇年にやっと七〇%の普及を目指しておりますので、そういったこともございますし、まだ多少国民の方に辛抱してもらうしかない地域も多いということは事実でございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 今のお答えの中にも、進まない、普及率が上がってこないということをもう少し我慢してほしいということが出ているわけですけれども、毎年GNPの〇・六から〇・八%の巨額な事業費をこの下水道工事に費やしているわけです。それでもなお年間に一%ぐらいしか上がっていかないということは先ほど御答弁になったことだけでございましょうか。

松井大悟建設省都市局下水道部流域下水道課長

○説明員(松井大悟君) 皆さんからよく質問されるわけでございますが、どうして日本の下水道の普及率がこのように低いのか。現在、残念ながら国民百人のうち四十二人しか恩恵を受けないわけでございます。これにつきましては、我が国が古来し尿を農村に還元していた実態と、やはり我が国が急流河川が多くて、海に囲まれておりまして、そういった生活排水に非常に自然条件が恵まれたことがございまして、欧米先進諸国に比べまして下水道の着工がおくれました。その結果、都市の形成の後に下水道を建設していくという事態が生じたわけでございます。  我が国は、昭和三十八年から、そういったおくれを取り戻すように下水道整備の五カ年計画を作成しまして順次整備を進めておる段階でございまして、現在四四%でございますが、毎年二百万人ずつの下水道の処理人口をふやしておりますので、少なくとも近年における下水道の整備の普及の状況は非常に上がっていると。しかし、欧米先進諸国に比べましてその着工のおくれから全体は非常におくれている。私どもは、やはり下水道の着手におくれたということが現在下水道の整備が欧米に比べておくれている、しかし現在その普及率は非常に上がっているというぐあいに理解しております。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 今までは都市の方の下水道整備が非常に多かったわけでございますけれども、これからは人口密度の低い地域に向かって進めているということも普及率というものが上がってこないという一つの原因にもなっておろうかと思いますけれども、ただ、この巨大な一元化システムでやろうとするところに私は無理があるんじゃないかというふうに思うわけでございます。これからの計画、今行っている流域下水道の大型システムといいますか、そういうものを少し見直して、地域地域に即応した循環システムを取り入れていく中の計画に見直していくような方向にはならないんでしょうか。

松井大悟建設省都市局下水道部流域下水道課長

○説明員(松井大悟君) 私ども建設省といたしましては、その地域地域に一番ふさわしい下水道計画を採用しておるつもりでございまして、その中には流域下水道もございますし、先ほど先生御指摘の農村における下水道もございますし、千人以下の簡易の下水道もございます。これらを総合的に展開していきまして我が国の下水道の普及率を上げたいと考えております。  ただし、流域下水道も含めまして我が国の下水道全般に言えることでございますが、下水道というのはどうしても地下に一たん埋めまして、処理場もそうですけれども、用地をある想定をして買収してまいります。どうしても二十年先、三十年先を見越した投資を前提にやっております。こういったことでございますから、その計画を変えることは非常に困難でございますけれども、社会情勢が非常に変わった場合におきましては、私どもは都道府県に対して下水道計画の見直しだとかそういったことは指導しております。しかし、それはやはり社会情勢が非常に変わり、その地域の人口移動が非常に変わったとかそういった場合に限られております。  それで、再度申し上げますけれども、私どもは流域下水道を全国的に展開しようという意思はございません。その地域地域に合った下水道をその地域の住民の要望に応じて展開しようと考えております。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 ぜひそうしたその地域地域に見合った柔軟な対応をしていただきたいことを要望させていただきます。  さて、それではその流域下水道といいますか、大型の下水道によってどういう水の問題が起こってくるかということにちょっと触れさせていただきたいと思います。  今大阪府圏では九〇%の方たちが淀川の水に頼っているという状況でございます。淀川の上流には京都府がありまして、その京都府の排出する下水処理水は桂川に入ってきて淀川に流入をしていくという構図になっています。浄水場で投入をされる多量の塩素によってまずい水がつくられているということはもう皆さんおわかりと思いますけれども、活性汚泥法による下水処理場ではBOD、これは生物化学反応というんですけれども、BODはある程度除去はできるんですけれども、アンモニア性窒素はほとんど処理することができないと言われています。そのため浄水場では塩素の投入によってこの下水処水場から出されたアンモニア性窒素をゼロにするというように努めるわけでございます。そのゼロ地点で塩素がストップをしておれば塩素が残留するということはないわけでございますけれども、それ以上に塩素が投入をされていきますために遊離残留塩素ができてそこにトリクロラミンというものが発生をしてくる。それがカルキのにおいや味になっていくという、そしてまずい水になっていくというそういう構図だそうでございます。  一九八八年、大阪府など自治体の依頼を受けて土木学会が調査を行っております。淀川に関する調査結果の中で土木学会は、水道原水中のアンモニア性窒素による汚染は浄水場での塩素の過大投入を招き、水道水中のトリハロメタンをふやしてしまうので、下水処理場でアンモニア性窒素を除去すべきであるという結論を出しております。トリハロメタンは浄水場で投入をされる塩素と水道原水中のある種の有機物が反応を起こすことによって生成されるものと言われております。このトリハロメタンが大変発がん性の強い物質であることが発表されました。まずくて発がん性のある水道水は、下水処理場で処理されずに排水されるアンモニア性窒素が原因であると言われています。このことについて御担当者のお考えを聞かせていただきたい。

松井大悟建設省都市局下水道部流域下水道課長

○説明員(松井大悟君) 淀川におきます京都市の役割というのは非常に重要でございます。下流に大阪市民を含む上水道の水源がございますので、従来から京都市はその下水道整備に非常に努力を払ってまいりました。  最近、先生御指摘のようにいろんな物質によってそういったトリハロメタンが形成されるという話は聞いております。その物質の原因となるものがアンモニア性窒素に由来するのではないかというふうにも聞いております。こういったこともございまして、現在京都市におきましては、少なくとも処理場の中からアンモニア性窒素が入ったときの濃度よりもふえないように運転をしております。淀川の河川流域にはいろんなアンモニア性窒素が入ってまいりまして、その一部が汚水処理場に入りまして、淀川に出るわけでございますので、最終的にはそういう格好でアンモニア性窒素をコントロールするということになろうかと思いますけれども、現在のところ京都市の処理場におきましてはアンモニア性窒素を増加するような運転は行っておりません。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 京都の方の処理場ではそういう処理がなされておると言いますけれども、全国にそういう御指示は出しておられますか、同じような。

松井大悟建設省都市局下水道部流域下水道課長

○説明員(松井大悟君) 先ほど下水道企画課長の方から答弁がございましたように、下水処理水には放流水の基準がございまして、残念ながらそれにはアンモニア性窒素は一部のところにおきましてございません。だから、そういった指導は行っておりませんが、ただし京都につきましてはそういったおそれがあるということを聞いておりますので、京都市の方で自主的にそういった運転をされている状況でございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 京都においてだけ危険性があるんじゃないんですよ。同じ処理をやっておる下水処理場の処理水ですから、全国どこの処理場でも同じ問題を抱えておると思います。しかもアンモニア性窒素がトリハロメタンの原因であるということは、これはどうしてかといいますと河川や湖の水の中にはトリハロメタンというのはほとんど含まれておらないんだそうです。それらの水に塩素を投入することによって初めて発生してくるというのがトリハロメタンなんです。だから、これが下水処理場の処理水に残留しているアンモニア性窒素が原因であるということはほぼ間違いないところだろうと思うわけです。だから、対応として京都だけはそうして対応をとったというようなことでは納得できないわけでございますので、ぜひ全国の処理場に対してもそういう措置がとれるものであったらとっていただきたい、その下水処理から排出される水の中にアンモニア性窒素が含まれないような措置をぜひやっていただきたいと思うわけでございます。  大型下水道が最良の方法とさっきはおっしゃらなかったわけでございますけれども、私が今までの事業計画を見てきますと建設省が行っている下水道工事には大型の下水道の整備というのが今まで最良の形だということで扱われてきたように思います、予算の使い方なども見ましても。  ところが、計画が立って三十年を経過した今、こうした水汚染の環境問題とタイアップして考えるときに下水道事業をもう一度研究し直す時期が来たんではないかというふうに強く思うわけでございます。  また、これらの大型下水道の工事から取り残されている部分の人たち、見放されている人たち、いわゆる農業集落排水事業も千人以下、二十戸以上の集落という規定があるわけでございます。そうしますと、二十戸以下の集落はそれじゃどういう形で水洗便所にしていくかということになるわけでございますけれども、これは厚生省が行う合併処理浄化槽整備事業というようなものに頼っていかなければならなくなるわけでございましょうが、この合併処理浄化槽整備事業は一九八七年から始まったというふうにお聞きをしております。その当時わずか一億円ぐらいの予算で始まったわけでございますけれども、平成三年度予算の中には五十億円の予算が見積もられていまして、その中に先ほどの生活関連予算が八億円見込まれているということを聞いております。その合併処理浄化槽整備事業ですけれども、これは新設をする場合に市町村に申し出る。そうするとその市町村から施工するところに補助が三分の一ほど出るんでしょうか。補助をした市町村に対して国庫補助がなされていくというようなシステムで、ちょっと直接の補助が与えられるものとは違うわけでございますけれども、特にこの合併処理浄化槽整備事業の対象になるような指定地域というものは決められておりますでしょうか。厚生省の方にお聞きをしたいと思います。

佐藤文友厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課浄化槽対策室長

○説明員(佐藤文友君) 御説明申し上げます。  今御指摘のように、厚生省では昭和六十二年度から合併処理浄化槽設置整備事業という事業を始めております。この事業は、今御説明がありましたように、トイレの排水と生活雑排水をあわせて処理する浄化槽を設置する人がいる場合、その人に対しまして市町村が補助するとき、その市町村の補助分に対しまして三分の一の補助を行っておりまして、その対象といたしましては、雑排水の対策を行う必要性が高い地域において、下水道の計画区域外において整備を進めるという方向で今までやってきております。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 今の厚生省の扱う合併処理浄化槽のほかにも、各家庭で単独浄化槽を設置することによって水洗トイレ化というのが今進められてきているわけでございますけれども、今日本の総人口が一億二千三百六十一万人と言われています。これは昨年の十月一日の国勢調査で、正式な数は一億二千三百六十一万千五百四十一人と言われていますけれども、この人口に対して水洗トイレを使用している人口は七千五百八十万人、総人口比のおよそ六一・八%になっています。下水道の普及率が四四%でございますから、この差額は単純浄化槽あるいは合併浄化槽による水洗トイレの使用ということになるわけでございますけれども、その中でも合併浄化槽による部分というのはごくわずかというふうに聞いております。  そこで問題になるのは、さっきの水質の汚濁指数BODでございます。単独浄化槽ではこのBODの基準が九〇ppm以下であればよろしいという規定になっておる。これは建設省が行っている法令の中に定められていると聞いておりますけれども、その単独浄化槽から排出される処理水が非常にBODの高いものが出されているということに対して、この基準を変えていく方向にはならないのか。まずこれは建設省さん、管轄だそうでございますので、教えていただきたい。

梅野捷一郎建設省住宅局建築指導課長

○説明員(梅野捷一郎君) ただいま御質問ございました浄化槽につきましては、先ほど来お話しございますような下水道その他の公共用の水域の水質汚濁に対する対策と合わせまして個別の建物の側に、公共用水城に直接放流をする場合には浄化槽を通じて放流する、こういう基準になっておりまして、これは建築基準法上そういうことになっておりまして、建築基準法の中におきましてただいまございますような九〇ppmという水質の基準があるということでございます。  この単独浄化槽の性能というものにつきましては……

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 見直すつもりがあるかどうかを聞いています。

梅野捷一郎建設省住宅局建築指導課長

○説明員(梅野捷一郎君) これ自体の浄化槽の性能にはかなり限界がございまして、できるだけ合併処理的な浄化槽というものを普及するという方向で現在まで基準その他も強化をしてきたという状況でございます。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 合併浄化槽に今は進めるような方向づけに厚生省ともタイアップをしてやっているというのはわかりますけれども、もう過去において大変な数の単独浄化槽というのができてきてしまっているんですね。そのことに対して基準をこれから変えていって、その水質を守っていくというような方向にぜひ取り組んでいただきたいことを強くお願いを申し上げておきます。  厚生省サイドからですと、公衆衛生的な面から見て、この九〇ppmという数字というものに疑問はないんでしょうか。

佐藤文友厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課浄化槽対策室長

○説明員(佐藤文友君) 浄化槽の構造基準でございますけれども、これは浄化槽法の四条の規定によりまして、建築基準法に基づいて建設大臣が定めることとされておりますけれども、この基準は全国を通じましての最低限の基準というものになっております。そういうことで、最低限の基準ということになりますと、地域の特性であるとか、あるいは水域の状態等いろいろ勘案した上で、そういう最低限の基準というものが単独浄化槽についてはBOD九〇ppmというように定められているのではないかと思っております。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 公衆衛生上からこの基準に問題がないかとお尋ねをしています。

佐藤文友厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課浄化槽対策室長

○説明員(佐藤文友君) 全国を見ますと、いろいろな地域や、それから放流水を流す水域もいろいろな違いもございます。そういうことを勘案して九〇ppmというふうに定められているのではないかと思いますけれども、トイレの排水と雑排水をあわせて処理する浄化槽については二〇ppm以下という基準が定められておりますので、今後においてはできるだけそういった浄化槽の普及促進を図っていくことが必要ではないかというふうには考えております。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 日本は非常に技術開発が進んでいます。浄化槽についても、このBODの基準を大幅に下回る浄化槽もつくり出されていますし、合併浄化槽につきまして、今二〇ppmと言いましたけれども、二〇ppmでも私は甘いと思います。一〇ppm、五ppm、もっとそれ以下に、飲めるほどの水にして出すほどの、そういう規制というのがこれから行われていかなければならないと思います。厚生省サイドではそういうことに大幅に取り組んでいただきたい、そういうふうに思うわけでございます。  単独浄化槽を使用しているところでは、先ほどおっしゃいましたように、生活雑排水はまだそのままの状態で河川に流れ出ているということは、私自身も自分の周辺の集落を見ればよくわかることでございます。それがとりもなおさず海や河川を汚している、そして水質の汚濁を招いているということは、もうだれが見てもわかることなのでございますけれども、こういう状況を見ていく中で、今まで言ってまいりましたように、建設に大変長い時間と、そして莫大な費用を費やさなければならない。しかも、GNPの〇・八%ぐらいを費やしても、年に普及率が一%ぐらいしか上がらないこの公共下水道、もう待っていられない状況というのが私たち農村集落には来ています。手軽に設置できる合併浄化槽やあるいは集落下水処理場の施設、そういうものの普及促進を急ぐべきだと私は思っています。厚生省側の行っている合併処理浄化槽、この事業をもっともっと今後は大幅に取り組んでいただきたい。今年度の予算で五十億、建設省の先ほどの大型の下水道予算は二兆四千億近くもあるわけでしょう。その中で厚生省の、私たちが望むそうした早くできるようなそういう処理施設というのがわずか五十億円、こういう予算の中で行われているわけです。このことについて厚生省側のこれから臨む姿勢というものをお聞かせいただきたい。  それともう一つあわせて、さっき私はトリハロメタンの発がん性について申し上げましたが、厚生省側からそのことについての御見解もあわせてお聞かせください。

佐藤文友厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課浄化槽対策室長

○説明員(佐藤文友君) 今先生御指摘のように、この事業につきましては昭和六十二年度に始めたばかりでございまして、当初は一億円、やっております市町村も五十五でございましたけれども、生活排水対策への要望の高まりの中でやはり非常に実施する市町村もふえてきまして、平成二年度については約八百の市町村が実施しております。そういうことで、予算につきましても六十二年度は一億円でございましたけれども、平成二年度は三十二億円、それから平成三年度、来年度につきましては五十億円というふうに大幅にふやしましてその要望にこたえていけるよう努めております。

大渕絹子日本社会党・護憲共同

○大渕絹子君 大臣、今まで延々と下水道のことばかりを私は聞いてまいりました。お聞きになりましたように、この下水道工事一つをとりましても建設省、それから農水省、厚生省、こうして管轄が違うところで同じ事業のようなものが行われているというこうした事業計画それ自体がもう大変不合理じゃないかなと私は思います。こうした縦割ら行政のあり方について、地域における柔軟で適切な対処を今最も求められているこの時期、何とか一本化した中で下水道事業というものが確立をされていく方向はないんだろうかというふうに思うわけでございます。このことについて農林大臣にまずお伺いをいたしまして、それから建設省、厚生省の各担当の方々にも、その縦割り行政についての御意見をお聞かせいただきたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 下水道問題というのは、先ほど建設省流域下水道課長から歴史的経過について御説明がございました。私はその地域、地形その他いろんなことを勘案しながらやはり建設省で一元化をしてすべてやることが一番理想ではありますけれども、今日まで集落排水ができたり、厚生省が担当するというようなことを考えてみると、人口の集中したところを中心にしてやるということで、農村に生活をし、あるいは小部落で生活をしておるようなところについていつまで待たせるかというような不満ができて、それぞれ農村を担当しておる省庁というものが知恵を絞って今日幾つかの下水処理ができてきたものだと思うんです。  そして、大都市だけでもいかぬなということで、約十年ほど前に二種流域というのもまたそれぞれ誕生した経過も実はございますので、私は今のようなやり方でいろんな補助率の違いはありますけれども、また補助率だけで比較をできない分野というのは、どこまで補助対象にするかというような問題も実は出てくるわけでありますし、あるいは県営があったり市長村営があったりというような事業主体の問題もあるという状況でありますから、国だけがただ一本化して理想的になればいいというようなことに現実的には現場がなってないんではないだろうか。  そして、一番いいことは一番大勢の人口を一カ所の、処理場に非常に金がかかるものですから、処理場を大勢の人が使うことによって負担が安くなるというのは、工事だけではなくて管理上の問題も一つは出てくるものですから、管理ということになると永久的にその負担をしなきゃならぬという問題が出てくるわけなんです。ですから、私どもの集落排水につきましても、より近いところに建設省の処理場があれば処理場の部分だけはそこへつなぐという調整もするように努めておりますし、また県段階でも、あるいは公共下水にしても、それぞれお互いが調整をしながら、そして私ども担当する農村というのはかなり都市から離れておるものですから、単独で処理場をつくったりするというのは非常に費用がかかる、しかし遠いところの建設省の処理場までつなぐにしても、その間の距離の長さによって処理場をつくっていいのか、処理場を建設省の最寄りのところを利用していいのかといういろんな調整事項が出てくるものですから、先生の御趣旨はよくわかるわけでありますが、現状ではそれぞれの事業がもっとよりよい調整をしながら、普及率はもとよりでありますけれども、地域の住民の皆さん方の負担を余り重くしないということが普及にもつながっていくわけでありますから、心してこれから仕事を進めていきたい、こう思っております。

仲津真治建設省都市局下水道部下水道企画課長

○説明員(仲津真治君) 建設省所管の下水道、これは下水道法に基づくものでございますが、営々と努力してまいりまして、まだ普及率が低いんじゃないかとしかられておりますけれども、最初の五カ年計画を始めましたときはわずか八%でございましたけれども、今年度末、二十数年たちまして四四%というところまで進めてまいりました。そのスピード、進め方については遅いという御指摘もあろうかと思いますが、しかしながら一けた台であったものが四四%まで来た。最近は毎年二百万人強の普及を見ておりまして、年率に換算いたしますと、普及率にカウントいたしますと大体二%ぐらいになってございます。そういう実績を上げてきているということにつきましてよろしく御理解を賜りたいと思います。  また、流域下水道につきましては、二百万人のうちの半分、百万人強が流域下水道の関連で進められておるというところでもございます。  下水道をこれからどういうところに重点を置いていくかという課題になってまいるかと思いますが、大都市は相当普及は進んでおる、しかし中小の都市、いわゆる中小の市町村と言われるところが非常におくれている。先生御指摘のとおり、五万人未満の市町村で見ますとわずか八%という状況でございますので、これは一番問題が多い。しかも、下水道が未着手、全然手をつけていないところが二千近くもございまして、これの解消がやっぱり大きな課題である。新しく五カ年計画を始めようとしておりますけれども、最大の課題は中小市町村への普及ではないかと考えております。中小市町村に大いに普及していくために、従来の補助の枠組みを強化いたしまして大いに支援していく、のみならず計画づくりの段階から市町村を支援していく、今までそういう仕組みが例外ではございましたけれども、それを一般化していきたいと考えております。また、市町村で無理であれば県がかわってやっていくというような手法も用意いたしまして事業の拡大を図ってまいりたいと思います。  さりながら、下水道がすべてカバーするということが適当かというとそれは必ずしもそうではございませんで、先ほど来も御説明で出てきておりますように、集落の規模によりまして、あるいは地形によりましてそういう下水道のようなものが適さないというところもあろうかと思います。下水道はかなり小さいものもやっておりますが、やはり適さないものもあるであろう。またその一方で、下水道が計画されているけれども今すぐには間に合わない、これから何年かかかるところもある、もっと時間がかかるところもあるかもしれない。そうなりますと、その間水洗化の要望にどうこたえるかというようなところがございますので、それにつきましては下水道以外の他の施設、下水道類似施設というようなことを言われておりますが、集落排水、それから合併処理浄化槽等含めまして、そういう他の施設がうまく組み合わさることによって適時適切に水洗化なり汚水対策に対応していく。下水道整備が生活排水対策での私ども基本と考えておりまして、法律上もそれが明確でございますけれども、今申し上げたような規模、地域特性、時期に応じまして適時適切な調整を図っていく、地方公共団体をそういう方向で指導してまいるということでございます。よろしく御理解賜りたいと思います。

佐藤文友厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課浄化槽対策室長

○説明員(佐藤文友君) 厚生省でも、合併処理浄化槽設置整備事業を進めるに当たっては他の事業との調整が必要であると考えておりまして、これまで同事業を実施するに当たりましては、例えば下水道認可区域の外において行うとか、こういったことなどによって下水道や農業集落排水事業との調整を行ってまいったところでございます。  また、将来市町村が今後の生活排水対策をどのように進めるかという方針を立てる際には、やはり地域の実情や生活排水の処理施設の特徴を踏まえて調整を図りつつ、地域の実情に適した対策を講じていただくよう市町村にお願いしております。

鎌田要人自由民主党

○鎌田要人君 まず最初に、近藤大臣の先般の所信表明の中にもみずから述べておられますように、今、内外の社会情勢の著しい変化の中で二十一世紀に向けて新たな展望を切り開くための大きな転換点に差しかかっております。この時期に大臣の重責を担われました近藤大臣、豊富な御体験と高い御見識で、これから私ども大臣の御活躍に心から御期待を申し上げ、その御奮闘に心から期待を申し上げる次第でございます。  私からは、当面の諸問題につきまして若干お尋ね申し上げたいと存じますが、何分限られた時間でございますので、簡潔にお答えを賜ればありがたいと存じます。  最初は、ウルグアイ・ラウンドの農業交渉の問題でございます。  これにつきましては、既に午前中に同僚議員からもお尋ねがあったわけでございますが、角度を変えまして、この十二日でございますか、アメリカのブッシュ大統領が議会に提出をいたしました経済報告並びに大統領経済諮問委員会の年次報告におきまして、以下引用でありますが、ほとんどの食糧輸入に対して日本は欧州と比較してもより高い障壁を設けているとして、我が国の農業保護政策を強く批判し、米など残存品目の市場開放を強く求めていると伝えられております。これは日本が今や世界最大の食糧の純輸入国であるという厳然たる事実。また、農産物の輸入制限品目、自由化免除の品目につきましても、ウエーバー条項品目を抱えるアメリカあるいはEC諸国、こういったところと比較をしてみましても、残存輸入制限品目等の数は日本が少ない、こういった事実。すなわち大臣みずから述べておられますように、そのような我が国の市場開放の努力、保護削減の努力を重ねていることに対して全く目を覆っていると言わざるを得ないのであります。  この保護政策の問題につきまして私はかねてから奇異に感じておりますことは、日本のマスコミ等の報道が足りないところもあろうと思うんでありますが、何か国民の間には、日本だけが農業保護政策をやって、アメリカとかECとかいうのは余りやっておらないんだ、だから我々はこんな高いものを食わされておるんだ、こういった誤解があるように思えてしようがないのであります。  一九八五年農業法に続きまして、昨年の暮れには一九九〇年農業法が成立をいたしました。農水省の事務方の皆様方から資料をちょうだいして見ておりますというと、この農業法に盛られております生産者に対しまする所得補償制度あるいは価格保証制度を見ておりますというと、こんなことをやっておるのか、日本よりまだこれは手厚いことをやっているな、こういう感じを禁じ得ないのでございます。  さらにまた、この農業法に加えまして、これも先般外電が伝えております、ヤイター農務長官が輸出補助金の拡大を大いに期待しておる。外国から、そのことがまさにウルグアイ・ラウンドの農業保護削減交渉に逆行するものではないか、こういう批判が出されておりますのに対しまして、米国の農業者の利益確保のためには輸出補助金の拡大が必要だ、それがまたガットでもむしろ交渉のためのてこになる、こういうことを強調しておられるという記事を読んで、内心唖然としておる次第でございます。  このような、みずからは手厚い農業保護をやりながら、日本に対しては今申しましたような非常な手厳しい批判をしておる、こういうことにつきまして率直に大臣の御所見をお伺いすることができればありがたいと存じます。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 最初に、大統領経済報告の中と経済諮問委員会の年次報告のことについて新聞報道がなされました。そのことの問題指摘が一点ございました。もう一つは輸出補助金の関係についてのお話がございましたわけですけれども、前段の大統領の経済報告の中には日本の新聞に報道されておるようなことは実は言及されていないということを調査の結果で私ども承知をいたしておるわけであります。  ただ、経済諮問委員会の年次報告については、ECについても韓国についても日本についてももう少し自由化をするべきだということは書かれておるわけですが、日本の新聞は米にも触れられたように書いておりますけれども、米には触れられていないというのが事実でありますので、そこはそれとして御理解をしていただきたいと思うんです。  しかしながら、我が国が農業分野について大変閉鎖的で障壁が多いというようなことを国の内外を問わず言われる人もおりますし、報道にもあっちこっちのってくるということはまことに残念だと私は思っておるわけでありまして、私どものPR不足というか宣伝不足というか、正しい認識をしてもらうための努力が過去において足りなかったのかなという反省もしながらも、しかし余りにも国内の報道にもそういうのが出てくるということは実は残念なことでございまして、今先生御指摘のとおり、農業分野については私は先進国の中でもかなり開放されておる分野だと思うんです。それでいいかどうかは別にしても、今アメリカやECから言われるいわれはない、そういう状態であるというふうに実は理解をいたしておるわけであります。  もう一つは、輸出補助金の問題、国内措置、国境措置、輸出補助金という三本の柱で今度会議が始まるわけでありますけれども、その一つである輸出補助金、しかも、アメリカ側から言われてきた一つのテーマでもあります。そういうものが少なくとも二・五倍にも本年度の予算の中で盛り込まれておるということは、内容的にはある部分理解する部分はあるんです。農産物が下がってきたから今までのルールでやっても予算上はふえていくという部分はあるんでありますけれども、しかし上限を撤廃するというようなことをするということは、今交渉に臨み提案する国としては、まだつまびらかに真意をただしてはおりませんけれども、決していいことではないというふうに実は認識をいたしておるわけでありますから、それが批判の対象になるということはまた当然のことだろうと思っておるわけであります。

鎌田要人自由民主党

○鎌田要人君 ありがとうございました。新聞報道等についても正確でないところがあるというのがよくわかりました。  そこで、第二点といたしまして、これも私の感想が非常に強いのでございますのでその点はお許しいただきたいと思いますが午前中も大臣も輸出国の立場あるいは輸入国の立場ということをおっしゃいました。私も非常にそういう感じがするわけでございまして、このウルグアイ・ラウンドのこれまでの交渉経過を伺っておりますと、米国あるいはケアンズ・グループあるいはEC諸国、いずれもこれは食糧の輸出国でございまして、この交渉の中でそのような輸出国のいわば論理とというものが大手を振ってワンサイドゲーム的にまかり通っておるという感じがしてならない。貿易といえどもこれは相対の取引でございますから売り手と買い手、すなわち輸出国と輸入国というのが対等に同じような立場に立ち、お互いの立場を理解しながら話し合うというのが国際交渉のルールであろうと思うんでありますけれども、どうも輸出国の意見、論理だけが非常に強い。もちろん輸入国も、これはお隣の韓国を初めあっちこっちあるわけでございましょうから、輸入のいわば国内農業に与える影響、特に食糧の安全保障、こういった面等を中心にいたしまして輸入国側の意見、声を結集してぶつける、これはもう当然これまでもこういうことをおやりになっておると思うのでございますが、この点につきましても重ねて大臣の御所見をお伺いできればありがたいと思います。  特にアメリカが米の自由化に強く固執しますのは、日本が米を初めアメリカの農産物の絶好の市場だと、こういうこともございましょうし、あるいはまた新農業法等による財政支出をできるだけ削減したい、いわば日本の自由化というものをかち取ることによって財政支出を削減しようというまさにかの国の国益というものの主張があるわけでございましょうから、このようなワンサイドの主張に対しまして、我々も輸入国としての論理というものを敢然と振りかざして対応すべきではないか、こういう気がしてならないのでございますが、この点につきまして御所見をお伺いいたしたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 先生御指摘のように、今ガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉のマスコミにのってくる情報というのは、どちらかといえば輸出国ワンサイドの論理がまかり通るがごとき交渉の情景が伝わってくるわけであります。しかしながら、我が国としても輸入国である北欧なりスイスなり韓国なりオーストリア等との連携をとりながら、輸入国である立場というものを一つは主張していかなければならないということで今日まで努力をしてきておるわけであります。少なくとも輸入国の意見が反映しなければこの成果は上がってこない、そういう信念を持ちながら、お互いの連携を保ちながら交渉に当たっておるわけであります。  特に我が国は、その中でも主要国最大の輸入国でもございますし、午前中から御指摘がございましたように、あわせて自給率の低い国でありますから、総体的に考えてそういう環境の中で主食である米が自給されておるということで国民全体の食糧に対する不安感をなくしておるんだろうと、そしてこの唯一頼りにしておる米が開放されるというようなことになったら生産者は言うに及ばず消費者も不安になるということを考えてみるときに、農政のただ一つの問題としてとらえるわけにはいかないぐらいの重要性をかんがみております。何もちょうちょう私が言うまでもなく、地域文化なり生活なり、あるいは宗教なりと言ってもいいぐらいすべての国民生活にかかわり合いを持ってきておるということを考えてみても、私は世界の農産物の中で日本の米ぐらい重いものはないだろう、こんなふうに認識をしておるわけでありますから、全力を挙げて交渉に当たっていきたいと思っております。

鎌田要人自由民主党

○鎌田要人君 そこで、この食糧の安全保障の関連につきましても午前中御論議があり、また質疑がございました。    〔委員長退席、理事北修二君着席〕 本来ウルグアイ・ラウンドにおける農業交渉の目的は、世界的な農産物の構造的な過剰を背景として行われた、こういうふうに私ども承知をいたしておるわけでございます。今後長期的にかつ世界的な規模で食糧というものの需給バランスがどうなるのかということを予測してみますというと、確かに現在の段階におきましては地球上の人口に対して食糧の供給総量というものはマクロ的にはやや過剰ということでございますが、その過剰なのは先進国の中での過剰ということでございますし、今後発展途上国を初めとして人口が爆発的に増加してまいるということになりますと、当然食糧が足りなくなるということはこれは目に見えるところでございます。特に年々進んでおりますところの地球の砂漠化あるいはエロージョン、土壌の浸食の進行、こういったこと等を考えてまいりますというと、絶対的にやはり食糧が不足する時代というのは二十一世紀に入って間もない時代に来るのではないだろうか。  そのようなことがございまして、私が承知しておりますところでは、アメリカはかつてみずからの食糧の確保のために必要があるときには大豆の輸出をとめた、そのために私ども豆腐が値上がりをする、食えないということで大騒ぎをしたことはつい最近のことでございますが、このような自国の事情によって輸出の制限をやる、こういったことをやっておる中でございますので、農産物の自由化、米の自由化ということでいつも私どもはそういうことを痛感するのでありますが、何か金さえ出せばいつでもどこでも必要なだけの米を自由化したら売ってくれるんだ、こういった錯覚に基づく議論が非常に多いようでございます。  このような長期的な、また地球的な規模での食糧の不足ということが目に見えておりますときに、安易な米の自由化等をやりました場合に一体だれがそのときに我々の米を初め食糧の確保を責任を持ってくれるのか。全く日本はそういう意味では私は背中が寒い思いがするわけでありまして、一国を守るという防衛も外国にお任せをする、食糧の供給も外国のお慈悲にお任せをする、エネルギーも外国にお任せをする、こういった国は古今東西あっただろうか、こういう気がするわけでございます。そのような長期的に我々の子々孫々に対する配慮をもって現在において我々が敢然としてこの問題に対して立ち向かわなければ悔いを千載に残すという気がして仕方がないのでございますが、この点につきましては大臣も全く同じお気持ちであろうと存じますが、もし大臣に御意見がございましたならば伺わせていただきたいと存じます。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 地球的の人口と食糧問題についての御指摘がございましたし、また御意見もいただいたわけでありますけれども、米についての中心的な御意見がございましたが、私も先生と同じような認識に立っておるわけであって、少なくとも主食である米を一〇〇%自給しておることが安心感を与えておりますし、そのための努力を生産者は、三〇%の減反をしておる、そして価格の引き下げにもこれまた血のにじむような思いをして協力をいたしておる。そういう大切な米がそれでは世界のマーケットにどれだけあるかといえば、わずか三%しか実は世界市場にないわけであります。そこに今頼って開放できるかということを考えてみても、まだまだ米については国内対策もやらなきゃなりませんし、消費の減退の傾向にも向かっておるところでもございますし、これ以上生産者に減反の枠を拡大するなんということはとてもできない状況に立っておるわけであります。これはもう先生の御指摘のとおりの現状でございますので、精いっぱいひとつ御支援をいただいて頑張っていきたい、そう思っております。

鎌田要人自由民主党

○鎌田要人君 次に、残存輸入制限品目の中のでん粉の問題についてお尋ねをいたします。  この問題につきましても、午前中、乳製品、でん粉、こういうことで同僚議員からお尋ねがあり、お答えがあったところでございますし、また私自身も昨年の六月十九日に当委員会でお尋ねをしたのでありますが、このでん粉の問題につきまして伺いますと、去る二月六日、ジュネーブで開催された定例ガット理事会におきまして、米国から、乳製品及びでん粉について、現在の日米合意の期限が切れる本年四月一日以降はガットに整合した措置がとられるべきであるとして我が方の対応をただしたようであります。  この中で私はでん粉、特にカンショでん粉について申し上げるのでありますが、御案内のとおり、我が国のでん粉は、北海道のバレイショからつくります馬でん、それから専ら鹿児島のカンショからつくります甘でん、これから成っておるわけでございます。北海道でもそうでございましょうが、鹿児島の場合でございますれば、御案内のとおり、シラス、ボラ、コラあるいはアカホヤ、こういったいわゆる特殊土壌地帯でございますし、台風常襲地帯である。最近は桜島の降灰のもとにさらされておる。こういった過酷な自然条件の中で古来から生き残っておりますただ一つの作目がカンショでございまして、これを原料といたしましてでん粉をつくる。このカンショ並びにでん粉約五百億というのが、これらの惨めなといいますか、条件の悪い地域でのまさに命綱でございまして、そういったことから、これにつきましては、大臣を初め農水省の皆様方の大変な御努力で、いわゆるガット十一条二項の適用によりまして輸入制限品目ということで今日まで来ておるわけでございますが、これにつきましてもアメリカは自由化を迫る、こういうことでございます。  もしそういうことになりますと、まさにこれらの地域の我々の同胞というのは土地を放棄して、転作の道もないわけでありますのでほかに転業をしなければならない。これはとてもできることではないわけでありまして、何としてでもこのでん粉の輸入制限のただいまの抱き合わせの制度というものは堅持をしていただきたい。みんなが天に祈るような気持ちでおるわけでございますが、この点につきましても大臣の御決意をお伺いすることができればありがたいと存じます。

馬場久萬男農林水産省食品流通局長

○政府委員(馬場久萬男君) でん粉の件についてのお尋ねでございますが、御案内のように、私ども、ガットにおきましては、既にパネルでガット規則違反ということを言われているこのでん粉につきまして、その結論に承服するわけにいかぬということで現在も輸入制限を続けているわけであります。アメリカとの関係ではこの三月までの約束があって再協議をするということになっておりますが、ガットにおきましてただいまおっしゃられました十一条二項(c)、これの要件の明確化、見直しということを提案しているところでございます。これは我が国のみでありませんで、カナダにおきましても、これは乳製品をめぐってでございますが、やはり十一条二項(c)の要件の明確な見直しということをやっておりまして、ガットの場におきましてはカナダと特に緊密な関係を持ちまして提案を関係国に呼びかけているという段階でございます。したがいましてアメリカとの関係におきましても、ガットにおいてそそういうことをしているという基本的な方向の上で、現在の輸入制限措置を継続していくというつもりで対処したいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 今食品流通局長から御答弁をいたしたようなことでありますけれども、先生も経過は御案内のとおりでありますし、地元に大変御心配をおかけいたしておるわけであります。本来からいうと昨年末にガットの交渉が大体終わる、その後にこの問題が二年後にやってくる、そこでそのルールに従って交渉を始めようと、こういうことのスケジュールでありましたけれども、ガット・ウルグアイ・ラウンドがこういうようなことで交渉が延びておるものですから、十一条二項(c)がまだ明確にされていないというのが今日の状況でございます。  しかし、一方では二年前に約束をした三月という日がやってきたわけでありますので、アメリカから交渉をしようという、日取りは決まりませんけれども、話が参りました。これはほうっておくとこのまま自由化されてしまうわけでありますから、少なくとも日本は二年間今日まで十一条二項(c)を明確化をする、生産調整しているものの数量制限はできるということをきちんと明確化をしていこうという主張をしていることはアメリカもわかっているわけですから、そこをアメリカ側にまず理解をしていただいて、その経過を見てその後の交渉に入りたい、こう思っておるわけでありますけれども、なかなかアメリカはまだその点の了解をしていないような状況でありますので、引き続き努力していきたいと思っております。

鎌田要人自由民主党

○鎌田要人君 でん粉の問題につきましては、そういった地域の特殊性という問題を十分に御理解、御認識を賜りましてこれまでも適切な措置を講じていただいておりますが、引き続きましてひとつ従来の態度を堅持していただきまして対応のほどを強くお願い申し上げる次第でございます。  次に農業基本法の問題でございますが、これにつきましても午前中既に質問がなされておりますので、私からは簡単に触れさせていただきます。  昭和三十六年の六月に高度成長のまさに真っただ中におきまして農業と非農業との間の生産性の格差あるいは所得均衡、こういうことでいわゆる基本法農政というのがスタートをしたというのは私どもの記憶に新たなところでございます。早いものでございまして既にことしで満三十年を経過しておるわけでございまして、そういった意味ではやはり基本法の制定後三十年のこの間の経過に顧みて見直しをされることは当然のところであろうと思うわけでございます。  ただ、この点につきまして私も当時の記録あるいはその後の経過等を見ておりまして、例えばこれをつくられた当事者かと存じますが、小倉武一さんたちの御意見でございますれば、この基本法農政というのは価格政策に偏重して構造政策がいわば軽視された、こういったような御指摘もあるようでございます。私どもは構造政策というのがやはり新しい村づくり、こういった中で大きな役割を果たしておることを高く評価しておるわけでございますが、これは見る人のそれぞれの立場によっても違うところであろうと思います。また、あの当時農産物の選択的拡大とか、あるいは自立経営という言葉が言われたこともこれは今なお記憶いたしておりますが、規模拡大を図りながら農業の生産性を高めていく、あるいは技術資本の投入を含めて生産性を高めていく、こういった基本的な考え方というのは今日堅持しながら、先ほども質疑応答がございましたような消費者の立場というものをこれにどう織り込んでいくかとか、あるいは環境問題、あるいは地域振興、こういった新しい要素を入れていくということはこれは当然のことだと思うわけでございます。そういった意味では農業基本法の基本に立ち返りながら今日の時代に合うようにアジャストしていくということであろうと思うのでございます。そのような意味での農業基本法の今日の時代にあっての法律自身の活性化というものが必要ではなかろうかというふうに存じますので、この点につきまして、三十年の歩みの中で大臣も御勉強をしておられるようでございますので、何かコメントをいただくことがございましたらお願いを申し上げます。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 私が自分で基本法を勉強するということが大変大きな波紋を実は及ぼしておるようでありまして、これだけ波紋が及ぶということは私一人のみならず皆さん関心があったのではなかろうか、こういう一面認識をいたしておるわけであります。  当時のことを思い起こせば、工業化社会に入って以来勤労者所得はどんどん上がるけれども、それに農業所得は追いついていかない、そして価格政策に行こうとすればまた構造改善、足腰の強いものを忘れてしまいはしないかということが専門家、諸先輩の頭の中にあられて私はこの基本法がつくられたんだと思うんです。それだけにこれから構造改善事業というのが始まったり、あらゆる事業がこの中から構造政策が生まれておる経過を見ると、今勉強半ばでありますけれども、そういうふうに認識をいたしておるわけであります。そのことの成果は、かなりの努力をしてまいりましたし、価格政策に安住することなく日本の農家は懸命に良質のものをつくるということもともに怠らずやってきたということは、この基本法を初めとして今日まで努力をされた農家やあるいはこれを運営されてきた方に大変私は評価をいたすわけであります。  しかし、今日の食生活の環境にしても外食・加工産業にもう七〇%依存をするというような食生活の変化があったり、環境問題でこれだけの山や農地、農業が見直されるような時代にも入ってまいりましたし、あらゆることの社会的、経済的環境が我々が予測する以上に変わってきたので、さて昭和三十六年当時の基本法だけで対応できるのかどうかなということを私がちょっと頭に考えてきたものですから、私が大臣になる前に言っているときは何にもニュースになりませんでしたけれども、なって話をしたらこんなにニュースになって、今はいささか後悔しているという気持ちもないわけじゃありませんが、しかし自分なりに勉強して、部分的にやると大変不安を与えたり混乱をするものですから、総体の概要がまとまったらまた事務当局にもお願いをするし、諸先生方からまた意見をいただくようにしたい、こう思っておりますのでよろしくお願いします。

鎌田要人自由民主党

○鎌田要人君 大臣、後悔される必要は毛頭ないわけでございます。こういうときでありますからいよいよ大事なことだと存じます。  そこで、平成三年度の農水省の新規施策の中で、これは将来に向かって市町村あるいは農業生産者に対して励みといいますかを与える大きないい種になるなと思っております施策があります。それはいわゆる農業支援機能集積、アグロポリス構想というものでありまして、これにつきましてはこれからいわゆる対象地域を指定されまして、そこで二年がかりで調査を進められるということでありますので、これから中身が詰まりこの構想が熟していくんだろうと思います。  私がこのアグロポリス構想に注目をいたしておりますのは、現在、農林漁業全体通じてそうでありますが、技術革新のときを迎えておる、そういう中で特にバイオテクノロジー等の技術を導入して、いわゆる新しい品種、新しい育種ということを心がけてまいらなければならない、そういった気持ちがあるわけでございます。これは後継者の育成ということにもかかわるわけでございますが、私のささやかな体験で申しましても、地方に御案内のとおり農業高校がたくさんあります。水産高校もあります。そういうところでなかなか生徒さんが応募してくれない。応募してくれないということにつきまして、いろいろ考えあぐねまして、そこでひとつ高校の時代からバイオの芽をまいていこう、こういうことで生物工学科というものを設けてまして、そのために必要な先生方にも大変御勉強いただいたわけでありますが、農業高校に生物工学科を設けましたところが若い生徒さんたちの応募が非常に多くなりまして、またそういう人たちが自分たちがこれからの新しい時代の農業をやっていくんだ、こういうことで意欲に燃えておるわけでございます。  これは私の持論でございますが、農業後継者の問題、あるいは林業、水産業でもそうでありますけれども、やはりこれらの人々にプライドを持たせなければいけない。前にも私は申し上げたことがあるかと思いますが、気象学から土壌学からあるいは生物学から、最近におきましてはコンピューターからバイオ生物工学、こういったことまで、私の大ざっぱな勘定では最低十六、七の学問というものをマスターしなければ農業というものは技術、経営の両面から見てでき上がらない。そういう意味では農業というものは大変な頭脳集約的な産業であるということで、高校生あるいは中学生、小学生の時代から農業というものについて積極的な関心を持たせ、誇りを持たせるような、そういう教育というものが必要だと思うわけでございます。  そういう芽をつくる意味におきましても、新しいバイオテクノロジーの技術、あるいはメカトロ等の技術というものも導入しての新しい時代の農業というものについて、研究開発あるいは情報伝達、ここに皆様方が構想しておられますようなことから、さらには加工、流通、こういった面に至るまでの、まさに農業の近代化を図り生産性を高めていくための頭脳の集約を図っていく、こういうものを各県に一つぐらいずつモデルをつくっていただく、それをまたてこにしながらそれぞれがこれを生かしながら農業を展開していくということで農業の活性化が図れないかな、こういうことで非常に大きな期待を寄せておるわけでございますが、私のこういう期待が見当違いなのか、ひとつ皆様方の率直な担当者としての御所見をお伺いいたしたいと存じます。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘のように、現在国会で審議していただいております平成三年度予算案におきまして、農業支援機能集積構想の策定調査費というものを二億円計上を予定しておるわけでございます。通称アグロポリス構想、こういうふうに称しているわけでございますけれども、この中身につきましてはただいま先生御指摘のように、これから高生産性農業、また高付加価値農業というような先進的な農業を核とした地域振興を図りたいということでこの構想をまとめた次第でございます。  この構想の考え方といたしましては、一定のまとまりのある地域ということで、県内を例えば三、四地域ぐらいに分けたぐらいの広がり、弾力的に考える必要があると思いますけれども、そのぐらいの地域の広がりにおきましてバイオテクノロジーを初めとして先進的なそういう研究開発機能、それから教育研修機能、それからまた情報のシステム化を初めとする情報通信機能といいますかそういうもの、それから生産資材供給機能、販売、流通、加工機能、それからまた潤いと安らぎに満ちた農村空間といいますかそういう生活環境機能というのも非常に重要であるというふうに思いますけれども、こういうような農業を支援する機能を集積するといいますか、そういうような考え方でございます。  アグロポリスといいますのは、こういう農業を支援するいろんな機能を集積いたしまして潤いと活力のある地域社会というものをイメージしているものでございます。平成三年度におきましては構想の策定調査というものを実施することにしておりますけれども、今後この構想実現のために必要ないろんな助成措置とか金融措置とか、そういう具体的な措置をいろいろ検討してまいりまして、この構想の実現に努力してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

鎌田要人自由民主党

○鎌田要人君 ちょっと皮肉っぽいことを申し上げて恐縮でございますが、我が国のこういった施策のたぐいでかつて同じような例がありましたときに、非常に指定陳情合戦がある。そこで口の悪い人は、我が国のこういった問題は陳情に始まって指定に終わるという皮肉なことをおっしゃった方があるわけでありますが、せっかくこれだけの大きな構想で今おっしゃいましたようなことで始まるわけでありますので、それぞれの地域で本当にとことん地についた、地域の特性を生かした開発構想というものをつくり上げていただいて、それに対しましてそれぞれのみずからの努力と同時に国としても総合的な見地からの助成をして、ひとつ立派なものに仕上げていただきますように心から希望する次第でございます。  与えられた時間があと十五分しかございません。私は関連して、山村振興また漁村の振興との関係におきましてそれぞれ林業の活性化あるいは漁業の活性化の問題についてお尋ねをしたいと思うわけでございますが、大変限られた時間でございますので簡単に質問を申し上げたいと存じます。  御案内のとおり、我が国の三分の二は山林原野、こういうことでございますし、特に私どもの鹿児島県は日本で一番の過疎県、九十六市町村がありますが、その中の七十五、四分の三の市町村が過疎市町村。これらの市町村は当然のことでありますが農山漁村でございます。特に山の場合におきましては、もう既に皆様方が身にしみて痛感しておられますように、外材等の関係がございまして木材の価格は低迷しておる、あるいは代替材等の関係で木材需要というものも低迷をしておる。そういう中でやはり山を持ちこたえられない。山村の労働力というものも少なくなっている、残っておる労働力も高齢化をしておる、こういうことで、先ほどから話が出ておりますような山林というものの持つ国土保全あるいは保水あるいはその他の公益的な機能というものも含めまして荒廃にさらされておるところが少なくない、そういうことでございまして、今度十何年ぶりだそうでありますが森林法の改正をおやりになる、あるいは国有林野につきましても累積した赤字解消のための抜本的な対応も講じられるということでございますが、この森林法の改正等のお考えの中にこのような山村活性化と山村振興ということにつきましてのかかわりといいますかねらい、こういうものを当然お持ちであろうと思うわけでございますが、その辺のかかわりにつきましての林野庁としてのお考えがございましたならばお伺いいたしたいと存じます。

久世公堯自由民主党農林水産政務次官

○政府委員(久世公堯君) ただいま先生が御指摘になりましたように、我が国の林業なり山村を取り巻く状況というものは大変厳しいものがあるわけでございます。一方、森林の諸機能の発揮についての国民の期待というものが非常に高まっていることも事実でございます。そこで、現状は今御指摘がいろいろありましたように、森林整備あるいは基盤整備がおくれておりますし、また国産材の供給量が停滞をいたしております。また、特に林業従事者が減少し、高齢化が甚だしくなっております。  したがいまして、今御指摘にもありましたように昨年十二月に林政審議会の答申がございまして、これは本当に森林法制定以来というほどの全面的な指摘がなされているわけでございます。その中には、今御指摘になりました山村の活性化なり、あるいは山村振興についてのいろいろの御指摘があるわけでございまして、私どもといたしましては、何分とも緑と水の源泉でありますところの多様な森林を整備すること、また国産材時代を実現するための林業生産なり加工、流通における条件整備を林政の基本的な課題といたしまして、そのために、今回のこの改正によりますと、民有林、国有林というものを通じた流域管理システムという新しい考え方に基づきまして諸施策を推進していくわけでございますが、ただいま御指摘になりました山村の活性化あるいは山村振興というのも大きな柱として推進してまいりたいと考えている次第でございます。

鎌田要人自由民主党

○鎌田要人君 私の方で、林野庁の施策としてやられております国産材の加工工場、これを昨年一カ所つくっていただきました。また、新年度で内定をいたしておると聞いておりますが、南大隅の地域でこのようなものを続いてつくっていただく。全体的に見て恐らくよその人が見ればびっくりするほどそういうものが地域の皆さんに大きな希望の灯をともしておるわけでありまして、そういうことでこの国産材の活用というものの拠点ができる、またそこで何人かの雇用というものもできる、あるいはそれに関連して、運送からいろんなまた関連したものができる。本当に過疎の市町村にそういうものが一つできることだけでもこれは大きな希望の灯をともしておるということで、きのうも実は地元の皆さん方が非常に喜んでおりました。そういう話を聞いておりますと、せっかくそういうものをやっていただいて、それをてこにしながら地域の活性化を図っていくというあらゆる面での努力の種がまかれるわけでありまして、そういう意味での今後のまた広い視野からの施策の充実を希望する次第でございます。  また、最後になりましたが水産業の問題でございます。私どもの鹿児島の場合でございますれば水産業は昔からカツオ、マグロの基地でありまして、枕崎とかあるいは串木野とか山川とか、そういったところが漁業によって栄えておる。ところが、この遠洋カツオ・マグロ漁業というのが御案内の二百海里問題、これで大変な打撃を受ける、あるいは燃油が高騰をする。こういったことに対しまして、一方では魚食というものがおくれてまいりました。日本人が米を食わなくなりますとその波紋が魚食というところにまで広がっていくわけでございます。  そこで遠洋漁業、これが左前になってまいりますと当然やはり沿岸あるいは沖合に展開をしてまいるということがございますし、あるいはつくり育てるということで栽培漁業、この面につきましてもいろいろの事業というものが行われておる。さらに、拠点といたしましての漁港あるいは関連の附帯施設、こういったもの等の整備が行われるわけでありますが、何といたしましてもまだそれでも農業、林業に比べますと漁業の場合には、私どもの地元の場合には若い人が残ってくれるということでありますが、それでも数としては知れたものでございます。  この漁業の振興ということにつきましても、林業、農業と並んでどうしてもこれは二十一世紀以降に向けての国民の食糧の確保という観点からも大事なところでございまして、その面につきましても漁業の振興、それを通じての地域の活性化ということにつきましてこれからも皆様方の努力をお願いしなければならないのでありますが、新年度の施策といたしましてこのような観点から何か計画をしておられるものがあるのかどうか、お伺いをいたしたいと存じます。

京谷昭夫水産庁長官

○政府委員(京谷昭夫君) ただいま先生からいろいろお話しございましたように、最近の我が国の水産業をめぐる状況、周辺水域におきましては資源状況が悪化をしておる、さらにまた海外あるいは公海に出かける沖合、遠洋等の漁業について二百海里体制の定着、さらに加えて最近におきましては環境問題についての関心の高まりを背景にしまして漁業に対する規制が大変強いものになってきておるというふうな問題に当面をしておるわけでございます。  私どもはこういった状況に対応いたしまして、一昨年来、周辺水域における漁業の振興あるいは漁村の活性化、第二には漁協経営基盤の強化と水産物需給の安定、第三には国際情勢の推移に対応をした国際漁業の再編整備という基本的な柱を持ちまして施策の充実に努め、特に昨年の国会におきましては水産業協同組合法及び海洋水産資源開発促進法の改正をお願いいたしまして御承認を得て、新年度を期して本格的な施行を図りたい。  さらにまた、平成三年度の政府予算原案の作成に当たりましても、周辺漁場をめぐる対策といたしましては、資源管理型漁業の本格的な推進のために総合対策を新たに実施する、さらにまたお話にもございました増養殖活動を活発化させるために従来から進めております沿岸漁場整備事業の内容の充実を図りますとか、あるいはこれからの養殖の展開の場としてもう少し沖合の方に目を転じたシステム開発のための技術開発を進めるとかというふうな新規施策を織り込んでおるわけでございます。  また、国際漁業問題につきましては、先ほど申し上げましたような状況を踏まえまして二国間あるいは多国間での国際協議がいろんな面で進められておるわけでございますが、この中で私どもとしてもそれらの協議に参画をしていきまして、状況に応じて形成される国際漁業管理システムというものの中で、我が国の漁船による操業機会を確保する努力を行っていくと同時に、従来から進めておりますけれども漁業海外協力等を通じまして関係国の理解を得ながら、例えば合弁企業というふうな形での漁場確保といったような新しい試みもとっていきたいということで関係予算を織り込んでおるつもりでございます。  また、お話の中で御指摘のございました魚食普及の問題でございます。確かに大変厳しい食品ごとの競争が進行しておるわけでございますが、その中にありまして水産物全体といたしましてはいろいろ健闘しておるつもりでございますが、かつてのような伸びは見られなくなっていることは事実でございますが、ともかく漸増、わずかずつながら増加をしておるという状態になっております。食料品をめぐるいろいろな競争関係が大変激化していく中で、伝統的な日本型食生活の中でこの魚食が果たしてきた役割というものは決して低くないと思いますし、これからの可能性を秘めておるものでございますので、政府予算の中でもそれなりの魚食普及対策を講じておりますし、また関係諸団体のお力を得ながら関係業界一体となって魚食普及、そしてまたそれが国内の漁業振興につながっていくような努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

鎌田要人自由民主党

○鎌田要人君 終わります。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 質問させていただきます。大臣が今こちらへ向かっているそうなんですけれども、大臣が来るまであれですので、ちょっと順序を変えまして畜産局の方から伺います。  昨年の十二月二十一日に農水省が発表された脱粉とバターの緊急輸入の問題からまず伺いますが、脱粉で五千トン、バターで三千五百トン、生乳換算で七万トンと言われておりますけれども、これを緊急輸入するという発表をなさった。本年度じゅうには全量を輸入するということです。平成二年度といいますか一九九〇年度は、まず立ち上がりの年度当初で四千トンのバターを輸入しました。そういたしますと、これはこの年で生乳換算で合わせて十三万トンに達するということが言われるわけであります。  そこで、こうした緊急的輸入をしなければならない事情、まあもろもろ書かれておりますが、多分厳しい認識に立っておられるだろうと思います。その辺の御説明をお願いします。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○政府委員(岩崎充利君) 平成二年度の当初に、需給計画上バターに比べまして脱脂粉乳の生産比率が高まっているということから、この点を踏まえまして脱脂粉乳に着目しまして需給均衡を図るということから、これに伴いまして不足いたしますバターについての輸入枠をただいま先生がおっしゃったような形で当初計画して輸入した、こういうことでございます。しかしながら、二年度に入りまして、需要面から見ますと主として夏場の猛暑と秋以降の異例の暖かさという予期せぬ天候要因というものによりまして飲用向け生乳の需要が伸びたというような事情がございます。  それから生産面では、夏場の猛暑による牛の疲れなり泌乳量の少ない若齢牛への更新というようなこと等によりまして、逆に生産の伸びが鈍化した。需要が伸びまして生産が鈍化した。こういうような状況から乳製品需給が逼迫いたしまして、ただいまのような緊急輸入を行った、こういう事情でございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 本来この種の問題は、来月畜産品の価格決定のときにやるべきものだというふうに私思ったんですけれども、当面平成三年度の需給計画を立てなければならないわけです。それで当委員会は、その需給計画ができてそして畜産審が開かれる時期ごろにそのことをいつもやるわけです。それでは私たちの考え方が反映されないのではないかということもありまして、貴重な時間なんだけれども、あえてこのことをやらせていただこうと思ったわけです。  平成三年、次年度に向けての需給計画ですが、これはどういうふうな需給計画を立てるのかということが一番の関心事であります。それはなぜかといいますと、八八年、八九年、九〇年と三年緊急輸入をやっているわけです。生乳換算で十万トンを超える緊急輸入をやっている。これは既に需給計画の中に欠陥があるのではないかという指摘がたくさんあるわけです。そうした基本的な問題も見直した上で平成三年の需給計画を立てるのかどうなのか、このことをまずお伺いします。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○政府委員(岩崎充利君) 今度の三年度の需給計画でございますけれども、これは先生が今お話がありましたように、三月末に向けまして生乳の生産事情なり飲用牛乳及び乳製品の需給事情その他の経済事情を考慮して畜産振興審議会の意見を聞いて本年度の三月末までに決定する、こういうことになっておりまして、現在生乳生産の動向なり乳製品の消費動向等を見きわめて検討しつつある、こういうことでございますが、今のようなことを踏まえながら、また年度末、三月末までに決定してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 これから消費の動向を見てとおっしゃるけれども、今まで見てきたんでしょう、一生懸命。だから緊急に輸入したわけでしょう。これは三年連続の緊急輸入です。今までこの種の問題は三月の畜産価格決定のときには随分発言があったわけです。需給計画はこれで間違っていませんか、どうするんですかということがさんざん出てきたはずなんです。その辺のところを参考にされながらこの九〇年、つまり平成二年度分は計画を立てたのかどうなのかということが一つ。  それからもう一つは、大体潜在生産能力、こういうものをどう見ておられるのかという問題が一つあります。午前中菅野委員は、もう北海道あたりの生産現場では要求される乳量も確保できるかどうかわからぬというような御発言をなさっておられたと思います。  そこで、一体今の現状を、どのぐらいの乳が集められるのか、そしてそれを踏まえて輸入量というものを当初立ち上がりからしっかりと需給計画の中に組み込んでいくというようなことも今後していくのかいかないのか、これはまた後で約束の輸入枠の問題にも触れますが、この平成三年の需給計画についてもう一度お伺いします。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○政府委員(岩崎充利君) まず、去年の需給計画でございますが、これにつきましても私どもその当時としてできる限りいろんなデータを収集してやったつもりでございます。ただ、これも私ども別に言いわけするつもりもないんですが、平成二年の気温の推移を見ましても、例えば平均気温と平年値という形でやりましてもかなりの差があるわけでございまして、そのことが非常に需要の増加なり生産の減退等々にもつながったところでございまして、ただいま先生から御指摘がありましたような形になってきたわけであります。当然毎年毎年そういう気候等々につきましてはかなり変化するものですから、私ども一生懸命三月末までにいろんな形で最新のデータを集めてやるつもりでありますが、どうしてもそれは狂いが出てくるということはやむを得ない部分というのがございます。ただ、御指摘にもございましたように、私どもとしても精いっぱいいろんなデータを見ながら三月末に向けまして検討をしていきたいというふうに考えている次第でございます。  それから、実際に生産能力の問題がございます。例えば北海道も六十三年は生産量が五%台伸びておりますし、平成元年度は七・九%ぐらいの伸びがあった。それから、昨年は、四から十二月までの数字でございますが、今のような形でのかなりの天候条件というような形がありましたけれども、全体として一・七%程度は伸びているというような形で、それなりに力はつけてきているというふうに思っておりますが、またこの辺のところをどう見るか。  それから、全国的にこれはなかなか、例えば北海道なり東北なりそれから九州等々についてはそれなりに生産力というのはあると思うんですが、ほかの地域等々もございまして、全体としてどういうふうに生産量をとらまえたらいいのか、その他いろいろ消費の動向をどう見るかというようなこともございますので、三月末に向けましてさらに私ども十分検討した上で決定してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 それでガットの方の話に入るんですが、一九八八年の七月に、先ほど来からでん粉と乳製品の交渉の話がありました、そこで話があったように、パネルでは既にクロであるということになっておるにもかかわらず我が方の主張によって対アメリカとの間、二国間で輸入枠を協定して本年度三月末までの枠が決まっている、そういうことでしょう。  それで、私昨日需給計画の表を八八年、八九年、九〇年ともらったんですが、幾ら説明を聞いてもよくわからないのは、需給計画表に八八年から既に入ってきているこの輸入量はこれはその枠の分も含んでいるものなのかどうなのか。含んでいるとすると緊急輸入はこれの外にある量なのか。ちょっとよくわからないんです。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○政府委員(岩崎充利君) これ二つございまして、一つは例えば沖縄枠とか学給枠というような形で当然年度当初から入れてくる一定の枠がございます。それからもう一つは、そのとき推定されます翌年度の需要と供給というものを見まして、どうしても足りない部分を入れてくるという二つのものを合算して出している、こういうことでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 そうすると、もう当然足りなくなる、だから最初からその輸入量を計画の中に含めてこの需給表はでき上がっているわけですね。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○政府委員(岩崎充利君) 前年度の三月末までに来年度の生産がどうなるか、それから需要がどうなるかというようなことをいろいろ推定いたしまして、それでどうしても足りないということにつきましては輸入を組み込んでいる、こういうことでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 それで、八八年から八九年にかけて、これは項目がえがあったのでこの数字がこういうふうに大きく落差がついたときのうも言っておられるんですが、ここの八九年になってにわかに輸入量が需給計画表の中では数字がふえてきているわけ。それは八八年の七月にその二国間の輸入枠の約束ができて、それが八九年の中に予定の数字として入ってきているのではないのですかと申し上げたいんですけれども、違うんですか。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○政府委員(岩崎充利君) ここで言っていますものについて、例えば沖縄枠とか学給枠とか、そういうようなものについてはある程度固定的に入れているというようなことで入れております。それからもう一つは、先ほど言いましたように需要と供給とのアンバラが出た部分について組み込んでいるというようなことでございます。ただ、先ほど申しましたように、ちょっと商品分類が変わってきたので入り組んできた部分というのもあるようでございますが、基本的にはそういうことでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 いずれにしても、先ほど同僚委員の方からもあったように、乳製品というのは生産者にとってもやはり米に匹敵するような品目であるというようなことから、生産調整をやりながら輸入しているというこの感覚、しかも緊急輸入というのはこれはやっぱりいただけませんね。お天気はいいですよ、お天気もあるでしょう。それは米だって何だってお天気はみんなある。農業は全部そうですから。だけれども、お天気のせいにするんじゃなくて、少しそこのところを需給計画を真剣に見直してみるということ、これは平成三年の分はともかくも、これまでの需要の状況、それから消費の動向等を含めて将来展望を立てていく必要があるのではないかというふうに私思います。  関係者の方に伺いますと、潜在生産力が八百四十二万トン、しかし平成二年は八百十九万トンに抑えました。いろいろな、価格支持政策も動かさなきゃいけないでしょう、後継者対策もやらなきゃいけない。だけれども、国内産でやっぱり生産できるものというのはまだまだあるんじゃないんですか。これはどうなんでしょうか。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○政府委員(岩崎充利君) 昨年、輸入計画で平均値で五万トンの輸入を組みました。これは先ほども御説明しましたように、実はバターと脱粉につきましての生産比率というのが近年変わってきておりまして、バターの生産というのが脱粉に比べて落ちているというような事情があるわけでございます。需給計画を組むときにどちらに合わせて組むかというのはもちろんあるわけですが、やはり余らないということから生産力の大きい方の脱粉についてやりますと、どうしてもバターの方がショートするということもありまして、その分について五万トンを計画上入れ込んだ、そういう事情があるわけでございます。したがいまして需給上はそこでバランスするということでございますので、それ以上の部分については要調整数量という形でここで整理をさせていただいた、こういう事情であります。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 ガットの場では、十一条二項(c)の見直しをしない限りは我が方も他国からの要求ないしはガットの場での要求に応じないという立場を今とっているわけですが、これ状況としては予断を許さないところにあるだろうというふうに思います。将来的にはこの需給計画というのを、輸入量を少しずつ少しずつふやしていって何となくなし崩し的にふやしていっちゃうんじゃないかなという思いがあるものですから、さっきから疑って疑って聞いているわけで、いかがでしょう。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○政府委員(岩崎充利君) 私ども需給計画を立てるときには、できるだけ最新時点の客観的な数字で立てたいというふうに考えておりますし、そういうつもりで努力しているわけでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 時間もありませんので、このことにだけ凝っていられませんのでこの辺にいたしますけれども、私たちは、かつてこの委員会で北海道の酪農家のところを視察したときに、共補償の形で立派な乳牛をみんなつぶしたというようなところを回りました。ですから、かなりの痛みを酪農家に与えているわけですね。これはすぐにまた生産性がぱっと上がるというものじゃないだけに、その辺の需給計画をつくるのに大変だろうと思うけれども、さっきもう生産する意欲がないと言っていた菅野委員の発言のああいう人たちにだって、まだ環境を整えればそれを生産していく意欲というのが出てくるだろうと思う。ぜひこれは何とか国内の酪農家が夢ある農業が進めていかれるような需給計画を立てていくべきではないかということを主張いたします。  それから次に、農地の問題について時間のある限り少しお尋ねをしてみたいんですが、大臣は今回の所信の中で、個別政策の一番最初に構造政策を挙げておられる。その中で、「土地利用型農業の経営規模の拡大と生産性の向上を図るため、農地の貸し借り等による農地流動化や生産組織の育成を促進します。」というふうに表明されておりますけれども、これから先の規模拡大とか、あるいはまたよくある後継者をつくるための中核農家をつくっていくというようなことについてどんな具体策をお示しになられますか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 経営規模を大きくして、そして生産コストを下げるというのは一貫して我が国の農政の基本として今日まで続けてまいりました。しかし、やっぱり農地の資産保有意識というのがかなり我が国の国民意識に強いものですから、必ずしも満足するような進捗度にはなっていない、こう認識をいたしているわけであります。このことは非常に大切なことでありますから、個別経営の規模拡大のみならず、あらゆる手段を講じたい、こういうことで権利譲渡をするというようなことで、自分の農地は持っていますけれども、しかし賃貸をして、また借りた人が規模拡大できて、権利は移譲しないけれども経営移譲だけをするというような規模拡大のやり方も実はございます。  またあわせて、最近では農作業を委託するというやり方、農作業を共同化、協業化していくという規模拡大のやり方とか、順次そういう政策を追いかけながら今日まで推移をしてきているわけでありまして、今後もその意味ではさらにその内容を充実しながら生産性の高い農業をやっていかなければならない。絶えずこのことに努力をしていくことが農家の所得にもなり、また安くて良質の農産物を安定的に供給できるという方向に向かうためには欠くことのできない一つの方針であろう、こう思うわけであります。  しかしながら、それのできない地域というのが意外と中山間地というのに多いものですから、そこの農業をどうするかという、特にそういう地域に行けば行くほど社会政策上の役割というものを非常に大きく背負っておる農家の皆さん方でありますから、そういう地域に対してはまずは基盤整備をするときに負担の軽減をする、あるいは地理的条件に合わせて農作物の選択をしていただく、より高品質のものをつくっていただくというようなことの両面の形で我が国の地理的条件に合わせながら政策を出していかなきゃならぬということで、遅まきながら中山間地の活性化対策というのを昨年スタートさせていただいたというのが今日の状況であります。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 局長にお伺いいたしますが、この種の質問は六十三年にも私同じパターンでやっているんですけれども、「八〇年代の農政の基本方向」、この中で、昭和五十六年から平成二年までの十年間で農地の流動化を九十万ヘクタール図る、それから中核農家を北海道を除いて都府県で二十五万戸、土地利用型農業部門では二十五万戸程度増加させるということが出ているわけです。これ十年間この平成二年で終わるわけでありますけれども、この種の政策がどんな進捗状況にあるのか、どういうふうにこれを集約なさいますか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 先生お尋ねの「八〇年代の農政の基本方向」で示しております農地流動化面積について申し上げますと、五十六年から平成二年で九十万ヘクタール程度という目標でございましたけれども、現在お手元にある資料、五十六年から六十三年までの八年間の資料ができておりまして、まだ平成元年、平成二年の数字が固まっておりませんけれども、この五十六年から六十三年の八年間で、これは所有権移転、貸し借り合わせまして六十九万ヘクタールというふうになっております。これは九十万ヘクタールに対しまして七七%ということで、八年間で七七%ということでございますけれども、最近この流動化の面積が貸し借りを中心に増加傾向になっているというようなこともありますので、ちょうど十年間でほぼ九十万ヘクタール程度になるのではなかろうかというふうに考えております。  ただ、この流動化面積の中身について見ますと、売買による権利移転、これはいろいろ買いかえとか、そういうようなことがありまして、必ずしも規模拡大に全部結びついているわけじゃないというようなこともございます。また貸し借りについてもこれは売買に比べれば規模拡大に結びついているという面が多いわけでございますけれども、一部親戚間の貸し借りとか、そういうものもございまして、必ずしも全部規模拡大の方向に向かっていない面もあるのではなかろうか。この辺は私ども今後いろいろ努力をしてまいりたいというふうに考えております。  それから中核農家でございますけれども、「八〇年代の農政の基本方向」では中核農家の数が平成二年度で七十万戸程度というふうに見通しておったわけでございますけれども、こちらの方は減少のスピードが少し速いというようなことでございまして、平成二年度の実績では六十三万戸、こういうような形になっているわけでございます。  ちなみに、平成十二年度の見通しがございますけれども、平成十二年度には中核農家の数が五十万戸というふうに見通している次第でございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 この前は、十年間で九十万ヘクタールだから、一年間九万ヘクタールずつ動かなければいけないから、八年たったら七十二万ヘクタールなきゃだめねなんていう感じで私は思っていたので、六十九だと少し少ないね、そのぐらいの感じに思いますけれども、まあいいです。  それで、いろいろ農地の問題、関心があるものですから用意したんですが、時間がありませんので、昨日でしたか、農地価格の問題が新聞にも出ましたし、それから資料もいただきました。農地価格の問題についての御認識をちょっと伺いたいんですが、新聞の見出しなんかでは農地価格上昇と大きく活字になっていますけれども、よく見てみると上昇しているのはほんの都市周辺の農地であって、平均すると五%ちょっと上がっているようだけれども、主要な農業地帯では下がっています。だから、こういう問題を考えながら、農村地域においては土地の価格、特に田んぼについて言えば下がっているという考え方を持つのが常道じゃないかと思うのです。  そこであわせて、さっきから賃貸、利用権の設定による土地の移動が主であるというふうにおっしゃっていたので、当然そこに小作料と絡んできますね。小作料も調べてみると農地価格に比例してやっぱり下がっています。  そこでお伺いしたいのは、農地の価格は下がっている、それから価格政策によって農産物の価格も下降ぎみに誘導していく、こういう状況の中で、この前私が六十三年に質問したときに松山局長がこう答えているんです。一・五ヘクタール以上の層で初めて土地純収益が小作料を上回る、つまり小作料が土地の純収益で払えるようになる層というのは一・五ヘクタール以上の層であります、こういうふうに答えておるわけです。ここにある資料で見ると、確かに六十一年度ではそうなっているんです。ところが、六十三年度になるとそれが三から四ヘクタールの規模を持たないと支払い小作料よりも土地純収益は上がらないんです。つまり、土地の純収益で小作料を払えるのは三ヘクタールから四ヘクタールの間の規模でなければ払えないという状況があるわけです。  そこで、小作料の問題について言えば、地価は下がった、小作料も下がった。下がったというのは借り手にとってはいい傾向なんだけれども、基本的にはやっぱりそれでも採算は合わないということになっているわけです。この辺の地価と小作料の関係についてちょっとコメントを局長いただけますか、まだ言いたいことがあるんですけれども。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) まず農地の価格について説明いたします。  農地の価格も場所とか地域によりまして非常にいろいろありますので、一応いわゆる純農村地域といいますか、私どもこれを都市計画やなんかに一切関係のない農村地域のいわゆる農用地区域内ということで、その農用地区域内の水田の平均価格というものを指標にとらえて考えているわけでございますけれども、これが平成二年で全国農業会議所の調査でございますけれども、十アール当たり百八十七万三千円、こういう価格になっております。この価格指標をずっと時系列的に見ますと、全国平均では微増といいますか、そのぐらいのことでございまして、平成二年でも五・一%上昇ということです。過去をずっとさかのぼって見ましても〇・五%から三%ぐらいの上昇というふうに年々来ております。  ただ、これを地域別に見ますと、非常に大きく二極分化をいたしておりまして、北海道、東北、これはもうかなり年々下がっている傾向にございまして、昭和六十年から平成二年で見ますと、北海道はもう既に二割下がっている、東北は一割下がっているというような状況でございます。そのほか下がっている地域は九州とか沖縄とかこういうところ、いわゆる農業に依存する度合いの高いところが下がっている。それに比較しまして関東とか、近畿とか、東海とか、そういうところはいわゆる農用地区域の中であってもいろいろ宅地化の影響とか都市化の影響ということで上がっておりますし、さらに農地でも市街化区域の農地とか市街化調整区域内の農地とかそういうところではもっと極端に上昇しているというのが実態でございます。  それから、小作料につきましても、こちらの方は地価と余り直接関係ないという面がございまして、農地の収益に影響されるというようなことがありますが、小作料の状況を申し上げますと、平成元年で全国平均中田の十アール当たり二万七千六百七十五円ということで、これは二年ごとに調査しておりますので、六十二年に比べまして六・一%の下降、それから六十年に比べてもさらに下降をしている、非常に大きく下降しているという状況でございます。ただ、この小作料も地域別に多少格差がございまして、東北なんかではまだ三万六千円、東海が一番低いんですけれども、一万八千円というような幅がございます。ただ、最近は東北とか北海道、こういうところでの小作料の下落の幅が大きい、一〇%近く二年間で下落しているというような状況でございます。  先ほど先生から、一・五ヘクタールといういわゆる収益分岐点の階層といいますか、そこのところのお話がございましたけれども、これは確かに時代を経るに従いまして収益分岐点といいますか、階層分化の経営規模というものが次第に大きくなりつつあるということでございます。最近の農業センサスの調査で言いましても、都府県でもって三ヘクタール以上の農家数、これはふえているという傾向にありますけれども、三ヘクタール未満の農家数の方は減少傾向ということで、階層分化の分岐点が次第に上がっている、最近では三ヘクタールというのが都府県の状況であるということでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 生産者米価が地代のところの表で見てもだんだんそうなっていきますよね。これは小作料を安くして、そしてたくさん面的集積をしていくんだということになっても、一方で土地の収益性というのは価格政策でずっと下がっていくから、それから土地の価格も下がっているから、だからこの傾向というのはこれからますます大きくなっていくだろうというふうに思うんですね。今言われたように、同じ地域だって、その田の置かれている場所によって違いますけれども、そういう傾向があるだろうというふうに思うんです。  それで、私は一つお伺いしたいのは、ここで農地が下がってきているということ、それから小作料も下がってきているということ、このことの問題をもっと考えて、大臣の所信では、貸し借りによる利用権の設定ということを言われておるけれども、売買による土地の移動というような問題も考えた方がいいんじゃないかというふうに主張してみたい者の一人なんでありますが、それはそんなことを言ったって、やっぱり平均百八十七万三千円とおっしゃった。そこをだから政策でフォローしていくという形でどうなんだろうかという考え方が一つあります。だけれども、なかなか難しいだろうというふうには思うんですがね。  余談ですが、この間テレビを見ていましたら、ローカルの大手のスーパーの社長さん、幾つもチェーン店を持っているみたいなんだけれども、人手が足りない。人を募集するに当たって一番の条件は土地だということに気がついた。それで、この土地を上げるから私の会社に就職してくださいということで広告を出した。非常に応募者があるのだということがテレビに出てきた。我が国もそんなコンツェルンをやったらどうかなというふうに私は思うくらいですね。国が買って土地を上げるというようなことはできないにしても、今さっき大臣が頭で言われた、依然として農地に対する資産的意欲というのを持っているんだというふうに言われたから、逆に買い取って自分のものにしていくという政策も一方で選択肢をつくるべきではないかというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 農地価格の水準でございますけれども、先ほど全国平均で、中田百八十七万と申し上げましたけれども、これを地域別に見ますと、例えば東北は百二十万とか、北海道は四十万とか、そういうかなりの大きい格差があるわけでございます。    〔理事北修二君退席、委員長着席〕  私ども、これを計算いたしまして、例えば百二十万というような水準でこれを水田農家が取得をして、それで収益で償還できるかどうかというようなことをいろいろ算定するわけでございますけれども、例えば現在二ヘクタールとか三ヘクタールある農家が五反歩とかそういう買い増しをする、そういうような条件で考えれば、こういう百二十万ぐらいの農地の価格でも収益で還元できる地価ではなかろうかというふうに考えております。それからまた、北海道の場合なんかでは四十万円ということでございますので、十分収益で還元できる地価の水準じゃなかろうかというような考え方を持っているわけでございます。  ただ、先ほど大臣からもありましたように、農地に対する資産保有意識というものがかなり強いというのも事実でございまして、地域によって多少差がございますけれども、北海道等ではかなり資産保有意識が内地に比べて低いということもありまして、売買による権利の移動というのが内地に比べて三倍ぐらいの移動率といいますか、そういう高い移動率になっているわけでございます。北海道のような場合には、売買による規模拡大というのが現在も進んでおりますし、これからもいろいろ努力をしてまいりたいというふうに思っております。また、東北とか九州の一部の地域でも売買による規模拡大というのは可能であるというふうに思っております。  ただ、大部分の地域ではやはり売買による規模拡大というのは、資産保有意識というのもございますし、地価が非常に高いという面もございますので、やはり貸し借りが中心で規模拡大が進むのではなかろうかということで考えている次第でございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 時間がたくさんないんですけれども、もう一つ、土地の移動をさせるときの調整主体の問題をちょっと伺いたいんですが、この調整主体は私は大変関心がありまして、集落に入ると聞くのです。そうすると、やっぱり一番近代化させていかなきゃならないはずの農業が実は調整主体は農家相対でやっている部分というのが非常に多いということに気がついております。大体、調整主体といいますと、農家相対、集落、市町村の農業委員会、合理化法人、それから農協さんというふうなものが言えると思うんですけれども、これが理想的というものはないだろうと思う。全部ケース・バイ・ケースだろうとは思いますが、しかし非常にうまくいっているケースというか、理想的な形ではどんなものがいいのか、それから将来的にはどういう形のものを考えていくべきなのか。例えば土地、農地等にさほど執着がなくなっている世代の台頭なんかになったときにはそのルールづくりというのをもっと真剣に考えていかなければいけないのではないか、こんなふうに思いますので、最後にそれをお伺いして質問を終わります。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 例えば宅地とか住宅の場合の流通はいわゆる宅建業者というのが町にいるわけでございますけれども、農地の場合にはそういう業者がいないというようなことで、確かに相対で流通しているという面もあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、これはできるだけ公的な主体といいますか、集団的な話し合いを通じて流通させたいということでいろいろ努力をしているわけでございます。  この流通の関与の仕方といたしましては、一つは集落の関係農家が合意形成を図りながら権利の調整を図るということで、地域農業集団とか土地利用改善団体とかいろいろございますけれども、そういう農家の集落におけるいわゆる組織といいますか、こういうものも土地、農地の流動についてのそれなりの関与をしていただきたい。それからまた農業委員会が農地情報の一元的な管理ということで、貸し借りとか売買とかそういう面のあっせん調整、場合によっては農地取得資金の融通とか、そういう面でもいろいろ関与をいたしておるわけでございます。それからまた農業協同組合はどちらかといえば農作業の受委託を推進するというような面でいろいろ大きな役割を果たしているというふうに承知いたしております。それからまた、都道府県農業公社、いわゆる農地保有合理化法人でございますけれども、これは要するに買い手のいないとか借り手のいない農地を一時保留してそれを再配分する機能を有するわけでございますけれども、そういうような場合にはこの農業公社が役割を果たすというようなことで、それぞれ地域の実態に即してそれぞれの機関がいろいろ連携をとりながら農地の流動化というものに役割を果たしていくように指導してまいりたいというふうに考えております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 私はガット・ウルグアイ・ラウンドの問題、特に米の問題をめぐりまして大臣に最初にお伺いしたいと思います。  大臣、就任後いろいろなところで記者会見に臨んだりマスコミに報道をされているわけですけれども、一月六日の記者会見では、「コメでは主張すべきことを堂々と主張している」とお話しになっていらっしゃいますし、また一月十二日に地元入りした新潟市では、日本人が安心していられるのは、主食の米を自給しているからだというふうに記者会見でお答えになっていると報じられています。しかし、一月二十二日の地方農政局長会議では、「「失敗を恐れて問題を先に延ばすことは、ひとまずの安心感を与えるだけだ。きびしくしても、できるだけ早く大胆に問題を解決することが本当の意味の農家のためになる」とのべ、コメ市場開放へ政治決断が必要だとの認識を示した」と報じられておりますし、それから羽田元農水相のコメントに関して意見を求められたときの問題につきましては、午前中やりとりを私も伺っておりました。  先ほど来いろいろお話がありますが、やはり大臣になりますと一挙手一投足、一言一言がいろいろな形で報道されて、大臣の本当の真意というのに外れている部分もあるんじゃないかとは思いますが、この報道を見る限りでは初めとはちょっとトーンが違ってきているんじゃないかという心配があるわけですね。きょうはこの参議院の農水委員会最初の大臣の御意向を聞くチャンスがある場ですので、ぜひこの場ではっきり本音の本音のところをお示しいただきたいというふうに思うわけです。特に、外野といいますか内野といいますか、羽田元農水大臣の発言などにもありますように、ミニマムアクセス、米の一部自由化はやむを得ないのではないかというような発言がちらちら聞こえてくるし、またマスコミもこういう方向に世論を誘導しようとしているのではないかという懸念も私大変持っているわけです。ですから、このミニマムアクセス、一部輸入自由化ということについてはどうなのかと、その辺にもきちんと触れたお答えをぜひいただきたいと思うわけです。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 記者会見なり羽田元農相の発言については後でお答えをいたしますけれども、米はもう言うまでもなく日本の国民の主食であり、また我が国農政の基本でもあるわけでありますから、今まで政府がとってきた方針を私は正しい日本の国の食糧事情、農政を反映した意見だと信じておるわけでありますから、その方針で進みたいとそう思っておるわけであります。  また、私が農政局長のところで、失敗を恐れずに、問題を先送りするなというのは、ウルグアイ・ラウンドの問題を農政局長にしっかりやれというような話をする場所じゃございませんので、国内の諸問題を地域的に抱えておるものを、もう難問であってもきちんと解決をして先へ送るようなことだけはするな、いっときの安心感を与えて将来に不安を残すようなことをしないで、最大限勇気を持って失敗を恐れないでやれ、そしてまた地方の声を本省に上げてきて、それをまた本省は政策として地方にそれぞれおこたえをする、これがなければ問題の解決にならない。私の念頭にあったのは、それぞれ農政局長でありますから、ガット・ウルグアイ・ラウンドなぞは余り念頭になくて、それぞれの地域に合わせた農政を展開していくには、本省としてはどちらかといえば北海道から沖縄まで一律の政策で、なかなか地域に応じた政策を一つ一つやれませんから、そういう枝葉の分は地方農政局から現場の声を中央に上げてこい、そして政策が枝ぶりをよくするために勇気を持ってやれということの趣旨の話をしたんで、後段は新聞記者さんの意見でありまして、私の意見じゃございません。農政局長の場でガット・ウルグアイ・ラウンドを勇気を持ってやれなどという話は場違いの話でございますのでいたしません。  ただ、羽田農相の話については、羽田さんから米だけ守っていくには大変だなという発言があったが大臣どうかと言うから、米一つだけ残ったときには大変交渉が厳しくなると、こう言っただけの話であって、前後があったとしたら、それは新聞記者の報道でありますので、私の意見ではありません。これは当然のことだと思うんです、米一つ残って、それをどうやって交渉するかということは大変厳しいという話をしたわけですから。全体を考えても楽な交渉じゃありませんので厳しいという意見を申し添えたわけであります。  そういう意味で、もうこの席、先生もお聞きのように米の重要性というものをいろんな意味合いで我が国は大切にしてきておるし、世界のどこの国よりも米というものに対する我が国の重要性というのは私は比較にならないほどの重要性だと思っております。そういう歴史的なものと、ただいま現在でもこれだけの自給の低い国で、そして安心しておるというのは、いわば主食である米が自給されていることにいささか国民は安心しておるんだろうと思うんです。そういう意味合いでは、転作をして協力をしていただいて、内外価格差を念頭に置きながら、生産コストを下げることにも、また価格を下げることにも血のにじむような思いをして努力をしてきておるわけであります。  日本の国民の中にも国内で生産調整をするほど過剰な意識があるものですから、世界じゅうお米が余っているような意識を持っておる人もおりますけれども、世界市場にはわずか三%しか、日本人が好むと好まざるにかかわらず三%程度しかマーケットにないものに日本の国民の主食を頼っていっていいかどうかということを考えたときに、米の重要性というのは、生産者、消費者を間わず、国民全体として意思統一をさせていくということが交渉を成功させることだと、こう思って、いろんなところでいろんな角度でお話をさせていただいておるというのがただいま現在の私の心境であります。

林紀子日本共産党

○林紀子君 今、近藤大臣の御決意を聞きましたので、その上に立って質問をもう一つさせていただくわけですけれども、アメリカ側の米譲歩を迫ってきているその圧力といいますのは、年明けにもますます強まっていると思うわけです。一月十四日には、中山外務大臣との会談の中でブッシュ大統領が、ウルグアイ・ラウンドを失敗させるわけにはいかない、農業問題を含め、各国が納得する形で解決する必要があり、日本も農業問題解決にぜひ協力してほしいということを言ったということが伝えられていますし、その後も、ヒルズ通商代表それからベーカー国務長官もミニマムアクセスに触れながら、米の問題で日本に対して譲歩を外務大臣に対して迫ってきたということが報じられています。  それから、先ほど鎌田委員の方から触れられましたけれども、二月の十二日にはアメリカの大統領経済報告とともに経済諮問委員会年次報告というのが出されたということで、前段につきましては、日本と韓国は、「さらに高い障壁を維持している。」というふうに、鎌田先生お触れになりましたが、その後続いて、「農業保護の削減によって、EC、米国、日本とも経済的利益を得る」、「それにもかかわらずECと日本が農業改革に抵抗している理由の一部は、政治力のある農業団体がいるからである。」というようなことを報告しているというふうに、私はきのうこれをいただいたわけですけれども、これを見ました。しかし、これは全くアメリカ側が一方的にこう断定しているということだと思うわけです。政治力のある農業団体がいるからこのように農業改革には抵抗しているんだというようなことを言っているわけですけれども、これは全く事実に反すると思うわけです。  昨年の十月二十六日の農政審議会の動向部会で、米の生産が三〇%減少すると国内総生産は五兆円減少すると。これは全国で百二十三万人の雇用の減少に相当するという試算も出していらっしゃいますね。これだけ国民総生産が減ったら、「コメの生産減に伴う種々の消費の減退により、地方中核都市等にもかなりの影響が生じる」、農民だけの問題ではないということをうたっているわけです。  また、このことに対して、今米の輸入自由化反対の自治体の決議というのが次々と挙げられておりますけれども、七〇%近くの自治体で米の自由化反対という決議がされている。人口にしては八千万人の人たちが住むところでこういう決議が行われているという調査もあります。ですから、これは決して一部の農業団体のエゴとかということではなくて、まさに国民の総意であるというあらわれだと思うわけです。  大臣も、日本の食糧自給率がどれだけ低いか、農産物がどれだけ輸入されているのか、日本は輸入大国である、特にアメリカの上得意である、こういうような問題についてアメリカの国民はほとんど知らない。そういう意味ではPR不足を解消していかないと日本に有利な交渉環境ができにくいといふうにおっしゃっていらっしゃいますけれども、御就任なさってからまだ一カ月半、間もなく二カ月ということですか、この短い期間ですから、今までどういうことをしたということはなかなかあれかと思いますけれども、今後の問題も含めまして、アメリカに対してどういう形でこれをわからせていくのか、そういうこともちょっとお伺いをしたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 私が発言したことを引用されましたが、そのとおり私は発言をしておるし、そういう認識を実はいたしておるわけであります。米の現状をとらえて全体でお考えをいただければ、生産者とか団体とかいうことではなくて全体に御理解をいただけるんだろう、こう思って私は信じているわけです。  時折アメリカへ行ってみると、何となく国の内外を問わず、アメリカでもそうですが、やっぱり日本は閉鎖的だという印象を持っておられるということを私の感じとして受けとめるんで、私の会う人だけではない、ほかの人もそういう印象を持っておるんではないだろうかな。アメリカの農産物の輸出の二〇%、日本の輸入の三三%の農産物がアメリカから買われておるわけですから、私どもお会いをする人は、そんなに買っているんですかというそういう印象を皆持っておるわけでありまして、そういうことを比較的知らないで、何かをしろ、だめだ、ここの部分だけがマスコミにのっていくものですから、私はそういう意味では、日米関係というのを大切にしていくときに、こういうことだけがニュースとして伝わっていくと反米感情も反日感情も出てきたときに、大変日米関係を大切にしていかなきゃならぬ立場でもまずいことだな、こう理解をしておるものです。  ウルグアイの交渉、いつ私ども出る時期が来るか今定かではありませんけれども、時間があれば、交渉にかかわらずこの問題はアメリカのテレビでも何でも活用して積極的に私はPRをしていかなきゃならぬ、そういう考え方でおります。国内にも広報活動をやる、農林水産省にも部署がありますし、政府にもあるわけですから、国内にもそのことをきちんとやっぱり知らせておく必要がある、こう思っているわけなので、その活動はできるだけ一生懸命努力をしていきたい、こう思っております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 あと一点ですが、現在の湾岸戦争との関係で、ヒルズ通商代表は一月の二十五日に、湾岸問題があるからこそ世界貿易のために新ラウンドを成功させることが大切になる、その重要性を繰り返したということがやはり報道されておりますし、ブッシュ大統領は二月六日のニューヨークで行った経済人への講演の中でこういうことを言っているということです。我々は日本に対し戦車や戦闘機を派遣しろと求めるべきではない、なぜなら、ドイツには農業問題、日本にはすべての市場開放を求めていくことができるからだと述べたというふうに、これは毎日新聞ですが、二月七日に報じております。  現在湾岸問題では実際は九十億ドルもの戦費、五分の一というような膨大な戦費の負担ということが求められているわけですけれども、ブッシュ大統領の認識からすると、湾岸戦争に対する支援というよりも、もっと大きな期待を持って日本に市場開放、米の問題も含めて迫っているというふうにこれからは読み取れるわけですけれども、大臣はこの辺についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 私は、湾岸問題とガット・ウルグアイ・ラウンドの農業の問題を結びつけて考える必要があるかなということの疑問を一つは持ちますけれども、あえてそのことを私が申し上げるとすれば、湾岸戦争があったればこそむしろ国民は食糧の自給ということを意識したんではないかなという印象で私は受けとめておるわけでありまして、湾岸戦争があったから農業の自由化、開放するというそういう受けとめ方、感じ方というのは私自身はできないわけでありますので、答弁になったかならないかわかりませんけれども、私はむしろ自給の方に意識が傾いたという心境であります。

林紀子日本共産党

○林紀子君 そういう意味でもぜひ日本の米の輸入自由化、ミニマムアクセスも許さずということで本当に頑張っていただきたいと思いますし、我が党もそういう意味では本当に今までもそういう気持ちで奮闘してまいりましたので、今後もその面では頑張っていきたいと思っているわけです。  次に、労働省からきょう来ていただいておりますので、ちょっとお待たせをいたしましたけれどもお願いをいたします。  四月から労働災害補償制度が改正されて、農作業事故への労災保険の適用が拡大されるというふうに聞いているわけですけれども、農作業にかかわる労災補償制度の改正点、主な点について御説明をいただきたいと思います。

出村能延労働省労働基準局補償課長

○説明員(出村能延君) 先生御承知のように、労災保険制度におきましては、労働者ではない事業主等につきましても労働者に準じて特別に保護すべき者につきましては労災保険に特別加入できる制度を設けておるわけでございます。  御指摘の農業につきましても従来から一定の農業機械を指定をいたしまして、その機械を使用する作業に限定しまして特別加入を認めてきたところでございます。  今申し上げました指定農業機械にかかります特別加入につきましては、かねてから対象作業をもっと広げてほしいといった要望もございまして、また最近における農業の実態等にもかんがみまして、来年度において一定の規模以上の農業の個人事業主等が行います一定の危険または有害な作業を対象といたしました特別加入制度を新たに設けることといたしているところでございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 その一定の規模以上の農家というのは、もうこのくらいの農家ということは決めているわけですか。

出村能延労働省労働基準局補償課長

○説明員(出村能延君) 一定の規模といたしましては、まず農産物販売金額が三百万円以上というのが一つの条件でございます。もう一つは経営耕地面積二ヘクタール以上ということを現在のところ予定しております。また、対象作業といたしましては、動力機械を使用する際、また高さ二メートル以上の高所作業、それと農薬散布の作業等危険有害な作業を予定しております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 今まで特定の機械にしか適用されなかったということで、同じようなけがをして同じように労災保険に入っているのに保険金がおりなかったというような事例も聞いておりまして、そういう意味では今回の改正というのは農家にとっては一定の前進ということが言えると思いますが、農水省はこれを受けて、農家の方たちにこういうふうに改正された、加入しやすくなったしまたメリットもあるんだということについてはどのように加入推進をしていくかということを伺いたいと思います。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(安橋隆雄君) 不幸にして農作業で事故が起きました場合の補償問題というのは、私どもといたしましても非常に重要な問題だと思っておりまして、農業機械化促進法に基づきます高性能農業機械導入基本方針でも加入の促進についてうたっておりまして、具体的には中央に関係農業者でございますとか関係機関が一体となります農作業安全対策中央推進会議というようなものを開きまして、農作業事故の補償問題あるいは加入促進問題についての周知徹底等をやっているわけでございますが、たまたま今お話しございましたような労災の制度の適用の拡大というのが農作業事故に対しまして行われたということもございますので、こういった既存の加入促進にプラスいたしましてそういう改正が行われますれば、私どもとしても農政局を通じて県の方に改正の内容あるいはそれに伴う加入の促進等について指導を一段と強化してまいりたい、こういうふうに思っているところでございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 それでは最後に、余り時間がありませんが、これはほかの委員の方から大分触れられましたので、私は確認ということで伺わせていただきたいと思います。  畜産局長の方にお願いいたしますが、十五日に開かれた衆議院の農水委員会では、脱脂粉乳の市場開放の問題についてミニマムアクセスというものを畜産局長が導入を初めて示唆したということがこれまた報道されているわけですが、その辺の真意というのはどうなのかということを伺いたいと思います。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○政府委員(岩崎充利君) 先日の農水委での私の答弁は、ガット十一条二項につきましては、生産調整に合わせましてミニマムアクセスが要件となっているということについての一般論を述べたということでございまして、個別品目についてどうということについて言及したということではございません。

林紀子日本共産党

○林紀子君 そうしますと、今後、先ほど来お話がありましたけれども、この脱脂粉乳、でん粉についてはガット十一条二項(c)の見直し、明確化というのを日本は今求めているわけですね。これをガットできちんと決めてから対応をしていくというふうな形でやっていくということでしょうか。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○政府委員(岩崎充利君) 十一条二項(c)について、ガット・ウルグアイ・ラウンドで今明確化を求めているということでございますので、日米再協議に当たりましてはこのガット・ウルグアイ・ラウンド交渉の結果を踏まえて対応していくという考え方のもとに対応していきたいというふうに考えている次第でございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 それでは終わります。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 私も限られた時間でございますが、二点ほど御質問させていただきます。  まずは、大臣御就任おめでとうございます。  大臣のお答えを最後の方に回させていただいてまことに恐縮でございますが、まず下水道の整備のことでお尋ねをいたします。  先ほど大渕委員が下水道の問題についてあらゆる点から御質問をされながら、いま一つ所期の答えがいただけないということのような感じがあったわけでございますが、集落下水道の整備の問題について、端的に言いまして、今回の新しい予算枠では約二・二倍の枠の増加がある、あるいは非常に大きな増加率を見たとかいう説明はるる承っております。  ところで、この集落排水事業による下水の整備というのが五年かかるということでございまして、五年かかるということは、本年度初めて大幅な予算あるいは枠を増加しても効果があらわれるのは数年先ということになってしまう。こういう実態を、もっと工期を短縮とか、あるいは知恵を絞って各省の協力のもとに何かいい知恵がないか、この点を私は尋ねたいと思うわけです。  と申しますのは、合併浄化槽の方も大幅な予算の増があってこれは三日ないし一週間でできる、流域下水道あるいは公共下水道はもう十年か二十年か三十年かはっきりしない。こういうふうなものを大臣も、一元化ということは難しくて、地域地域の特性を生かした中で知恵を出していくしか方法はないんだというお答えがありまして、まさに総論としてはそのとおりだと私も理解をしておりますが、こういうふうな中で下水道の普及率を上げるということは、数字の羅列だけではいかにも四四%が七〇%になるとか、あるいは百万人年間ふえるとかというとなるほどと思っても、現実に本当に農村あるいは漁村で下水道の整備率が向上するのかどうかというと、いま一つ私はそうではないんじゃないかと。こういうふうなことを考えますと、ことしの予算がそれだけ大幅になっても各県の要望の方がはるかに大きくて、もう早くもどこでカットするかどこで満員札どめにするかというふうな実情だということも聞いておりまして、ぜひいい知恵をお聞かせ願いたい。  それで、新潟県は一五%の普及率だと。私の地元は実に六・八%でございまして、この四月一日にはテールエンドになる、今ブービーらしいですが。そういうふうなことで、地元に帰りますと下水道の話でもう立ち往生というふうな実態でありまして、大臣以下あるいは皆さんに伊勢神宮にも来ていただくんですが、何と伊勢市は下水道の整備率は、単独浄化槽はあってもゼロなんです。五十鈴川はきれいでも市内を流れる勢田川は汚水で臭いというふうなことで、大変な論議が起こりつつあるということをつけ加えさせていただいて、農水省のお考えを伺いたいと思います。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) まず、農業集落排水事業の工期の点でございますけれども、いろいろ地区の規模とか地形条件等で左右されておりますけれども、平均いたしますと四、五年というのが現在の工期でございます。ただ、事業の実施に当たりまして汚水処理施設が完成しますと順次管路の延長接続工事を進めておりまして、三年程度で一部供用開始ということもできるわけでございます。今後ともこのような方式でできるだけ事業効果の早期発現に努力してまいりたいというふうに思います。  平成二年度で、総事業費と年度事業費ということで考えますと、平均工期五年という予算の状況でございましたけれども、平成三年度で見ますとこの平均工期三・九年というようなことで、今後予算をできるだけ増額することによりまして工期の短縮ということも努めてまいりたいというふうに思っております。  それから、非常に普及率が低いではないか、こういう御質問でございますけれども、この農業集落排水事業は昭和四十八年から発足したわけでございますけれども、現在までのところ完成した集落の数が約千集落ぐらいということでございまして、私どもの対象としております農業振興地域の集落は約十二万集落あるわけでございまして、それから見ますと一%弱ぐらいの普及率ということでございます。私どもといたしましては平成十二年まで、紀元二〇〇〇年までにこれを、現在の十万人以上の市の下水の普及率四十数%というふうに聞いておりますけれども、そういうところまで何とか十年後に追いつきたいというようなことで、今後予算の獲得に努力してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 この問題で建設省さんにお尋ねをしたいんですが、流域下水道、公共下水道の特徴なりそのよさをいろいろ御説明を受けましてそのとおりだと思うんですが、最大の難点は、非常に長くかかって、担当者が、地元の方々、いわば認定地域で勝手に動かせない、待ち望んでいる人たちに明確に何年何月先にはおたくの地区は来ますということが言えないんですね。明確な答えが言えないということは、行政にとっては、幾ら流域下水道、公共下水道がいいいいと言っても、これは何にもならないと思うんですね。まさに仏つくって魂入れずというか、この点について今どういう状況にあるのか、簡潔にお尋ねの点お答えを願いたいと思います。

村上健建設省都市局下水道部公共下水道課長

○説明員(村上健君) お答えいたします。  現在、次期の第七次下水道整備五カ年計画の案を固めまして今後決定していただく予定でございますが、これを決定していただけば、下水道事業実施の市町村に対しまして、各市町村の五カ年計画を策定していただくようにお願いをする予定でございます。これに基づきまして各市町村で下水道整備の基本構想というのをおつくりいただいて、どの範囲はどの程度の期間で下水道を整備するというようなことを明らかにしていただけるようにお願いをしていくつもりでございます。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 今度は厚生省にお尋ねをいたします。  先ほど大渕委員の質問にも出ましたが、合併処理浄化槽事業、今年度は大変大盤振る舞いといいますか五十億で、前年度に三十二億ですか、六十二年度の一億から比べれば五十倍ですか、数字だけ見ると私も大変ありがたいと思うんですが、この合併処理浄化槽事業で五十億ということになって、全国我も我もということで、もう締め切りだというような感じになっているということを漏れ伺っておるわけなんですが、こういう場合に、大臣お答えいただいたように、各地域、各地形の問題はあるにしても、非常におくれているところにはこういう配慮をするとか、あるいはこういう特徴がある地域には整備の普及の推進のためにこういう配慮をするとか、そういうふうな点について何かガイドラインというかお考えがあるんでしょうか、お尋ねをしたいと思います。つまり、もう満杯である、また来年まで待たなきゃいかぬ。それまた来年もすぐ満杯だ、再来年もすぐ満杯だで、これは倍々ゲームをやってもなおそれだけ下水道に対する整備のおくれというものは、数字上出ている以上のものが現場にはあるんじゃないかというふうに私は思いますのでお尋ねをいたしたいと思います。

佐藤文友厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課浄化槽対策室長

○説明員(佐藤文友君) 御説明申し上げます。  合併処理浄化槽の整備事業を進めるに当たりましては、今いろいろお話にもありますように、下水道でありますとか農業集落排水事業でありますとか、いろいろな生活排水処理施設と調整しながら、やはり地域に適した対策というものが必要になってくると思いますので、今言いましたような問題を踏まえまして、市町村が今後生活排水対策を進めるときは、やはり地形であるとか人口密度であるとか、そういった地域の特徴とそれから生活排水施設の特徴を勘案しながら地域に適した対策を進めていくように指導しておりますし、また私どもといたしましても、生活排水対策が特に重要な地域を重点的に整備していくということで対応していきたいと考えております。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 改めてもう一点だけ厚生省の方に今のに関連してお尋ねをするわけですが、時間がかからないという点では最大のメリットがあるわけですね、合併浄化槽推進事業というのは三日か一週間あればできる。言ってみれば最も即効性のある問題だと思うんですが、こういう特徴を持っている点で、今お答えをいただいたんですが、もう少し役所としてはお考えになっている推進の粗削りな方策というものはないんでございましょうか。今のお答えだけだと結局また各県、各要望先まんべんなくなってしまうんじゃないかな。もう少し重点的なお考えは出てこないんでしょうか。特に普及のおくれているところには強力な施策をしていくためにこういう考えだというふうなことがあればお願いをしたいと思います。

佐藤文友厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課浄化槽対策室長

○説明員(佐藤文友君) 従来からこの事業の対象地域というのは、例えば湖沼の指定地域であるとか水源の地域であるとか、あるいは大都市周辺の中小河川で汚れのひどいところとか、やはり重要性の高いところを重点的にやってきております。それで、これからどういうふうに進めていくかということについては、この生活排水対策事業はいろいろあるわけですけれども、直接の実施主体である市町村が今後どういう方向でやっていくかということをちゃんと計画づけていただく、そういうところで、それが適切なものと考えられるところを重点的に補助していきたいというふうに考えております。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 わずかな与えられた時間ですので次の質問に移ります。  もう一点は、実は遠洋漁業で長く海外に出て働いてみえる船員の方の住民税の問題についてお尋ねをしたいと思います。  と申しますのは、私は昨年の十一月三十日、地元での県の産業功労者表彰式というのにお招きを受けまして行きましたところ、十五名の受賞者のうちにたった一人遠洋漁業で四十年も活躍をされ、現在キリバス共和国で日本のODAに基づく地元の漁船員の訓練の指導に当たっているという方が表彰を受けたということを知りまして、その後お尋ねをしましたところ、三重県にはこういう一年以上海外の基地を中心に遠洋漁業でふるさとを離れて働いている方が多いわけですが、その方は、自分たちは一年以上海外で仕事をして水産の分野で頑張っているんだけれども、住民税については、一般の商社員が海外に一年以上出て日本のために働いている方と逆で何ら優遇税制がない、いわば住民税の免除を受けていない、まことに残念なことだと。これについてはそういう遠洋漁業で働いている漁船の乗組員の方をたくさん持っている日本の市町村の中には、本来住民税は市町村に賦課の権限があるから、じゃ私の方は住民税の課税をやめておきましょうということで、そういう功労に報いる税制をとっていただいたところもあるのだけれども、自治省の方から、そういうことでこっちの市では優遇される、向こうの市ではそれがないでは困るということで、また振り出しに戻った。現在は住民税の課税は依然として続けられておる。この問題についてはこれまで自治省もるる回答されまして、私も時間があれば、実は弁護士を二十年やっていたので一時間、二時間やりたいのですが、そういうことは除いて、そういう住民税の優遇税制を地元の市もやりたい、あるいは考えてくれという市議会あるいは町村議会の決議もある。このキリバス共和国で働いてみえる郡義典さんの出身地の南勢町でもそういう町議会の決議があるわけですが、こういう実情にあっても、なお住民税の課税はいたし方ないのだということの簡単な理由を自治省の方から御説明を願い、その後農水省の方からこの問題をどういうふ うに考えるのかを御回答願いたいと思います。

三沢真自治省税務局市町村税課長

○説明員(三沢真君) まず、漁船員の方々に対する住民税の課税関係がどうなっているかということでございますが、御承知のとおり、個人住民税の納税義務者と申しますのは、毎年一月一日現在におきましてその市町村内に住所を有する個人であるというふうに規定されているわけでございます。したがいまして、個人住民税の納税義務を負うかどうかは、その市町村内に住所を有するかどうか、まさにその認定がポイントになるわけでございます。  この点に関しまして、漁船員の方々の住所がどこにあるかということが解釈上問題になるわけでございますけれども、こういった方々の住所につきましては、航海と航海の間の期間、あるいはまたは休暇に際しまして家族のもとにおいて生活をともにする関係を失わないで、かつ本人が船舶及び家族の居住地以外に居を構えてそこを生活の中心としている、そういうような状況がない限りは、その住所は家族の居住地にあるというふうに解しているところでございます。したがいまして、一年以上日本を離れて操業しておられましても、一般的にはその方の住所は家族の居住地にあるというふうに解しております。したがいまして、その結果として納税義務が生ずる。納税義務が生ずるかどうかという問題については、やはり全国的に統一的な解釈をなすべきであるということで、その旨の指導も行っておりまして、先生御指摘のように、そのような形で課税が行われているというようなことでございます。  したがいまして、さらにそれでは、納税義務は生ずるのだけれども、例えば市町村ごとの判断で減免というようなことをしたらどうかということでございますが、地方税法上、市町村民税の減免につきましては、天災その他特別の事情がある場合において市町村民税の減免を必要と認める者とか、あるいは貧困により生活のため公私の扶助を受ける者、その他特別な事情がある者に限り減免をすることができる、こういうふうにされているわけでございます。  この法律の趣旨と、それからもう一つは、やはり住民税というのは所得に応じて負担を求める所得課税である。そういたしますと、同じ所得のある方については同じ税金をお払いいただくというのが税負担の公平という観点から重要であろう。したがいまして、特定の職業に従事しているそのことだけを理由にいたしまして減免をするということはなかなか困難ではないかというふうに考えております。したがいまして、現在こういうような減免措置は地方公共団体においても講じられてないというふうに理解しております。

京谷昭夫水産庁長官

○政府委員(京谷昭夫君) 先生から御指摘のあった問題、実はかねがね私どもも全日本海員組合の方から問題提起をされておる問題でございます。  この問題は、広くは船員行政にかかわる問題でございまして、運輸省が総括をしておりますので、運輸省の方とも私ども内部的な検討をしておりますが、実は二つの問題があるわけでございます。  一つは、ただいま自治省の方からお話がございましたように、税負担の公平性、平等性あるいはまた能力に応じた課税の原則というふうな租税政策上の問題が一つ。それから、船員労働行政上の問題としまして、このような優遇措置をとった場合に、かえって労働行政上問題のある航海の長期化を誘発することにならぬかというふうな問題がございまして、これらの問題をいかに結論づけていくかということについて、まだ運輸省あるいは我々の間での判断をしかねておるという状況が率直な状況でございます。  関係者いろいろ関心は持っておりますけれども、ただ、私どもさらに運輸省とも慎重に検討していきたいと思いますが、少なくとも今の税理論の上では、御指摘のありました外国に駐在勤務する商社員に対する非課税というのは、実は税法上の優遇措置ということではなくて、住所を有しない者については課税しない、そういう税理論に基づいた処遇が行われておる、決して優遇措置として行われておるものではないという理解であることを御留意いただきたいと思います。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 あと一分もないぐらいでございますが、大臣、きょう私も細かいことをお尋ねをいたしましたが、下水道の整備の問題についてはひとつよろしくお願いを申し上げたいということで私の質問を終わります。どうもありがとうございました。

橋本孝一郎民社党・スポーツ・国民連合

○橋本孝一郎君 最後になりましたが、米市場の開設が実施されましてから、これに対する消費者を含めいろいろな期待があります。特に消費者の立場から二、三問題をお尋ねしたいと思います。  市場の開設に当たりましては、消費者の好みやあるいは需要動向を反映するためという目的が唱えられまして、したがいまして消費者は、市場原理が導入され米が安くなるだろうという期待を抱いたはずであります。実際行われました取引の結果を見ましても、これまでトップブランドと言われていましたササニシキ、コシヒカリのうち新潟コシヒカリ以外の大部分は評価が下がりました結果が出たわけであります。このような結果は、当然小売価格に反映されてしかるべきであると思うわけでありますけれども、小売価格に今後どう反映させていくのか、そのお考えをお伺いしたいと思います。

浜口義曠食糧庁長官

○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生お話しのように自主流通米価格形成機構ができまして、二回、東京、大阪で入札取引が行われたわけでございます。この成果は、これまた先生お話しのように、新潟コシヒカリを除きます広域の銘柄については軟調でございましたが、全部上がっておりますもの、東京、大阪それぞれの銘柄の数で申しますと、第一回目が七十三銘柄、それから第二回目が七十二銘柄でございまして、それぞれの前年対比の数字は、ちょうど全く相半ばしていると申しますか、前年に比べまして上がったものが第一回目については三十七、下がったものは三十六、第二回目は三十六と三十六というような結果が出ているわけでございます。そういうことでございまして、具体的にそれが消費者の手にどういう形で反映していくかという問題が次に出てくるわけでございますが、数字的にはこの第一回目の取引が行われた後、それぞれの取引の実態報告というのを時間的な関係から詳細、具体的に数字というものをまだ申し上げる段階に至っておりません。  ただ、食糧庁におきますその数字というものを推測してまいりますと、タイムラグはございますけれども、東北のササニシキ等々の問題が卸売の段階等々におきまして二百六十円ないし八百円、これは六十キロでございますが、そういうことで下がっております。さらに、小売業者から消費者への販売の価格につきまして、これは銘柄ではございませんが、自主流通米が主として使用される特であるとかあるいは上の品位に格づけされるものについては、昨年の十二月と十一月の対比で見ますと、全国平均で、こちらの方は精米で十キロ当たりでございますけれども、特で六円、上で十八円値下がりをしている、こういう状況でございます。  したがいまして、今申し上げました点については、あくまでも一、二回入札をしたものの反映の度合いということでございますし、またタイムラグがございますので、今後それぞれもう少し時間をかけて推移を見させていただければというふうに思っておるところでございます。  なお、もう一度繰り返すようでございますが、銘柄のうちで、例えば北海道のきらら三九七、これは比較的格安のものであったわけでございますが、これは常に上限に張りつきまして、五%ないし七%上がっているということでございます。さらに茨城のキヌヒカリ、佐賀のヒノヒカリ、こういった新しい品種等については、これに対するいろいろな消費者の方々の期待が高まっていると見るべきか、あるいは卸売の業者の方の販売戦略といったようなこともございまして、それぞれ相当の幅で上がっているというふうな実情でございます。

橋本孝一郎民社党・スポーツ・国民連合

○橋本孝一郎君 お答えのように、まだ初期の段階ですから、十分な期待は困難でありますけれども、しかし従来の自主流通米の価格決定は透明性に欠けるということで、今回新たに価格の公開制度をとったということ、これは生産者や消費者によく理解できるような仕組みをとったという意味においては非常に評価されておるわけであります。それだけにまた期待もかけておるわけであります。  さて、そうなってまいりますと、市場の設置が今後米の生産地に大きな影響を与えることは予想されるわけであります。産地としては当然生き残りをかけて市場評価を高め、しかも有利に販売することに全力を傾けるわけであります。農家のこのような努力に対して、それが小売価格に反映されなければ米市場のこれまた意義もないわけであります。加えて消費者にとっても、米市場の導入によって消費者の意思が米の価格に反映されるようなシステムを望んでおるわけであります。そうでなければ、生産者と消費者の対立というようなことになりかねません。したがって、私は、この米市場の導入によって、食管制度は硬直的であるという今までの批判や、米は高過ぎるとかなんとか国際的な比較においてもいろいろな意見もあるわけでありますが、こういった不満等を解消するためにも、価格メカニズムの積極的な導入といいましょうか、例えば米市場への参入業者の拡大を行うのも一つの方法ではないかと考えるわけですけれども、これからの米市場の拡大に対するタイムスケジュールはあるのかどうか。もしないのであれば、今後そういった問題についてどう展開されようとしているのか、ひとつお答えを願いたいと思います。

浜口義曠食糧庁長官

○政府委員(浜口義曠君) ただいまお話しの点は、価格形成機構に参加をされますメンバーの問題でございます。今回の考え方といたしましては、それぞれ基本的に売り手の方につきましては原則として経済連、第二次集荷業者と言われる方々でございますし、また、それに買い手といたしましては、いわゆる卸売業者の方々であります。この問題に関連いたしましては、検討会というものを置きまして十分関係者の御意見を賜ったわけでございますが、その節に今後の問題といたしまして、それぞれ売り手の方につきましては単位農協、いわゆる第一次生産者、あるいは買い手の方については例えば大手のスーパーの方というものも検討していくことということがございます。ただ、現実におきましての銘柄は都道府県単位になっているわけでございまして、そういう意味で現段階におきましては、第一回目から始まりましたそれぞれ経済連を原則にし、さらには卸売業者の方々を原則にするというのが妥当だというふうに思っております。  ただいま先生の御指摘の今後のスケジュールは、そういう意味で始まったばかりの価格形成機構でございますので、これから実態を十分検討していくことに相なろうかと思います。そういう意味では、具体的なタイムスケジュールを持ち合わせているわけではございません。

橋本孝一郎民社党・スポーツ・国民連合

○橋本孝一郎君 米市場の問題は以上にします。  次に、林業関係について、昨年十二月に出されました林政審の答申を踏まえて、国有林野事業を取り巻く現状及び将来のあるべき姿などについて質問いたしたいと思います。  まず、国有林野事業を含め、日本の林業を取り巻く環境は、もう御承知のように大変厳しい状況にあるわけであります。したがって、今後、国有林野事業の経営改善を着実に進めていくに当たりましては、一定の見通しを持った将来のあるべき姿を見定めていくことが国民の理解あるいは改善に当たる職員の意欲を喚起する上からも大変重要であります。もちろん、目まぐるしく変動する経済情勢、あるいはいろいろな国際情勢の中で、超長期的な予測を的確に行うということは非常に困難ではあると思いますけれども、政府は、改善期間の終了する平成十二年度、また、経営の健全性が確立されようとする平成二十二年度において国有林野事業が置かれているであろう、あるいはあるべき姿について、どのような青写真を描いておられるのか、まずこの点について、将来あるべき姿ということでお伺いをいたしたいと思います。

小澤普照林野庁長官

○政府委員(小澤普照君) 先生今御質問の国有林野事業の経営改善のあるべき姿でございますけれども、この点につきましては、昨年の十二月の林政審議会答申及び国有林野事業経営改善大綱に即しまして、累積債務を経常事業部門と区分をした上で、累積債務の処理を除きました経常事業部門でございますが、これにつきましては、事業の民間実行の徹底、要員規模の適正化、組織機構の簡素化・合理化、自己収入の確保、これらの徹底した自主的改善努力を行いますとともに、造林や林道の整備等の経費、さらにまた森林の保全管理等の一般行政的費用につきましての一般会計からの繰り入れの拡充、これらの財政措置を講ずることによりまして、平成十二年度までに財政の健全化の達成、すなわち借入金をすることなく事業運営を行ってまいる考えでございます。  また、累積債務でございますけれども、これにつきましては、林野、土地等資産の処分収入、さらにまた経常事業部門の自主的改善努力の徹底により将来生ずる剰余金を債務処理に充当いたしますとともに、別途財源措置を講ずることによりまして債務の縮減に努め、利子、償還金の軽減化を図りまして、平成二十二年度までに国有林野事業全体としての収支均衡の達成を図っていく考えでございます。このため本通常国会に森林法及び国有林野事業改善特別措置法の改正案を提出いたしまして、この成立後可及的速やかに改善計画を作成いたしまして、国有林野事業の経営改善に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。

橋本孝一郎民社党・スポーツ・国民連合

○橋本孝一郎君 今おっしゃられた御答弁は非常に一つの抽象的な表現でありますけれども、全力を挙げての御努力は期待したいわけであります。  十二月の林政審答申の国有林野事業経営改善大綱では、債務処理に要する費用がなお不足する場合には別途財源措置を行うこととなっております。しかし、平成三年度予算を見ると累積債務対策として百億円が計上されているのみであります。二兆二千五百億円も累積債務があり、平成二十二年度、これも先の話でありますけれども、二十二年度までに国有林野事業の収支の均衡を回復をするとなると、三年から二十二年まで二十年あるわけでありまして、仮に二兆二千五百億円のうち一兆二千億円程度の資産売却による補てんをいたしましたとしても、それでもあと一兆円以上の累積債務が残っていくわけであります。加えて、当然金利負担もどんどんふえていくわけであります。  こういうふうな状況で、不足分は補正予算から繰り入れることになると思いますが、補正予算の場合、景気の変動にこれは当然左右されてまいります。まず一般会計から繰り入れをどう担保していくのかということになるわけでありますけれども、その点についてお伺いを申し上げたいと思います。

小澤普照林野庁長官

○政府委員(小澤普照君) この累積債務の適切な処理というものは極めて重要な事項でございますけれども、このためには今先生もおっしゃいましたように自主的な改善努力で自己資産の処分収入を充てるというようなことはございますが、まず重要なことは、やはり累積債務の処理対策が、これ相当年数もかかるわけでございますけれども、経常事業に影響を及ぼさないようにしていくということがひとつ重要であると我々考えておるわけでございます。同時に、この債務処理につきましては、まさに資産処分収入の優先充当等を行いまして、なお不足する経費については別途財源措置を講ずるということになるわけでございますけれども、この点につきましての平成三年度予算は、確かに利子補給を主として、利子分でございますのでまあ百億という金額を予算案に計上しているところでございますけれども、これから御審議をいただく特別措置法の改正の中で、債務処理につきましては、今後退職金でございますとか、あるいは借りかえに係る償還金の繰り入れという規定を設けさせていただきまして、自主的な債務処理とあわせまして、繰り入れ措置も今後あわせて 行っていただいて債務処理を適切にして進めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。

橋本孝一郎民社党・スポーツ・国民連合

○橋本孝一郎君 時間がありませんので、要員規模についてお尋ねしたいと思います。  国有林野事業を改善する上で要員規模の縮小というのは当然大きな問題になってくるわけであります。特に昭和五十三年の特措法制定以降今日まで具体的な目標を設定して厳しい要員管理が行われてきております。その結果、昭和五十三年度当初に六万五千人であった要員規模が平成二年度に三万四千人、こういうふうに縮小されています。  このような中で、今回の林政審答申では、「今後の要員規模については、」「平成五年度末までに二万人規模とし、その後、業務量及び事業実行形態の見直しを踏まえ、組織機構の簡素化・合理化等も考慮しつつ、国有林野事業の使命達成のための必要最小限のものとする」となっております。将来の要員規模のあり方は、国有林野事業の適正な運営の確保という観点からも重要な課題であります。国有林野事業の運営を担う要員の管理に当たっては、財政再建の重要性を踏まえつつも常に国有林野事業の果たすべき使命を十分に発揮することを念頭に置いて対処することが求められています。  この観点から政府は、人員削減を含めた要員管理のあり方について基本的にどのように考え、また今後どのように取り組んでいくお考えなのか、お示しをいただきたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(近藤元次君) 先ほど先生から累積債務についてのお話がございましたけれども、累積債務と経常部門とを区分をすることがようやく先生方や労使関係の御協力でまとまることができて、法律を今度準備させていただいておるわけであります。  累積債務については一定の一般財源からの繰り入れをすることによって平成二十二年度までに解消していきたいということになっておるわけですけれども、この分野は一定のめどがついて重い荷物をおろされたわけですが、経常事業に新たな債務を発生しないようにどうやっていくかということがいわゆる国有林野が使命を果たせるかどうかということになっていくわけでありますので、その部分についてはこれから我々が最大の努力を払っていかなければ今回区分をしていただいたということの効果が出てこないわけであります。そのために要員調整をする。要員調整をするためにはまた一時的に非常な退職金が出てくる、それもいわば一般会計から御協力をいただくということにしながら二万人体制を平成五年までにつくりたいということを今考えておるわけであります。  組織機構についても要員調整についても、労働組合やそこに存在する地域の市町村との協力体制というものがなければなりませんので、これは最大限の努力をしていかなければ、大変な累積債務を国家の血税をもって補っていただくということで、これから国有林野の役割を果たすことになりませんので、ここは経常事業で今後さらに債務が発生をしないように全力を挙げて取り組んでいきたい、そう考えております。

橋本孝一郎民社党・スポーツ・国民連合

○橋本孝一郎君 最後に、支出の問題ばかりですが、収入の問題についても当然いろいろな方策が考えられているわけでありますが、新しい方策として自己収入の基本を占める林産物の販売収入、これも伐採量との関係があって大幅な期待ができない中で、今後自己収入の確保を図っていくためには、林政審答申でも求めているように、森林空間の総合利用などの新規事業による収入拡大、これも大いに期待されるところでありますが、これまでにもヒューマン・グリーン・プランとかふれあいの郷整備事業とか、いろいろ実施してきておりますが、現在の森林空間都市構想の具体化に向けて検討されていると思います。これもやはりこういう事業は要員との関係も当然絡んでくるわけでありますし、あるいは運営形態もそれぞれ異なってまいりますが、こういった問題についての対策についてどのような見通しをされているのか、最後にお伺いして終わりたいと思います。

小澤普照林野庁長官

○政府委員(小澤普照君) 収入の確保を図りますことは国有林の経営上重要な事項でございますので、これらにつきまして御説明をさせていただきたいと思います。  まず、木材でございますけれども、これにつきましては機動的な販売体制をとってまいりたいというように思っております。なお、機動的なということは、需要動向にいかに対応していくかというようなこと、それからまた、付加価値の向上をどういうふうにしてやっていくかというような観点から鋭意取り組みたいと思うわけでございます。したがいまして、情報システムなどを全国的なネットワークでやってまいりたい。このような中から需要動向を的確に把握いたしまして、最近でございますと木材の乾燥ということが求められておりますから、葉つき乾燥丸太、我々はこれをサンドライというような名前をつけて発売しておりますけれども、こういうようなものをさらに進めてまいりたいというように考えておるわけでございます。  それからなお、森林空間の利用の問題はこれから大きく伸びようとしているわけでございますけれども、これらを適切に実施していく必要がございまして、従来もヒューマン・グリーン・プランというようなことで計画的に森林の良好な環境を生かしまして、国民にレクリエーションの場等を提供していくというようなこと、それからさらにふれあいの郷、先生今おっしゃいましたけれども、これは森づくりに参画したいという方々に滞在するための用地を貸し付けていくというようなことでございますが、さらにまた、新たな考え方としまして森林都市構想ということで現在、研究、検討を進めているところでございまして、これにつきましては平成三年度以降におきまして、ガイドラインの作成でございますとか、どのような形でこれを実施していくかというようなことを検討してまいりたいと考えているわけでございます。  いずれにいたしましても、これらの問題につきましては自然環境の保全にも配慮をいたしまして、また同時に地域振興の観点から、地方公共団体等との調整も十分に行いながら積極的に対応してまいりたいと考えておるわけでございます。

橋本孝一郎民社党・スポーツ・国民連合

○橋本孝一郎君 終わります。

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) 本件に対する本日の質疑はこの程度といたします。     ─────────────

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) 次に、理事の辞任についてお諮りいたします。  村沢牧君から、文書をもって、都合により理事を乱任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に谷本巍君を指名いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十三分散会

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