内閣委員会 第8号
- 発言数
- 437 件
- 登壇者
- 44 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1991/04/25
会議録
○委員長(井上孝君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は前回既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小川仁一君 官房長官の御都合もありますし、またきのう政府の掃海艇の正式閣議決定がございましたので、最初に掃海艇問題について御質問を申し上げます。私も大きな声を出しますから、官房長官もひとつ大きな声でお願いを申し上げたいと思います。 ペルシャ湾への自衛隊の派遣についてお伺いをいたします。 今回の措置は他国あるいは国連の機関、国際機関からの要請に基づいておやりになるのですか、それとも我が国の独自の判断によるものですか、簡単に御説明願いたいと思います。
○国務大臣(坂本三十次君) 今回の掃海艇の派遣というものは、我が国の自主的な判断によって、これが国際貢献に十分にお役に立つということで決断をしたわけであります。しかし、湾岸諸国からも日本の掃海艇派遣によってあの辺の運航が安全になるということになればまことに結構なことであるというようなそういう気持ちはもちろんこちらの方には伝わっておりますけれども、自主的判断ということがこれは基本であります。
○小川仁一君 重ねて伺いますが、ペルシャ湾への艦隊の派遣は、湾岸戦争に対する我が国の貢献策としておやりになることでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(坂本三十次君) それは御承知のとおり四月十二日をもって正式に停戦が成立をしました。平和が回復をしたということであります。そのような平和が回復をして、そして放置された機雷を掃海して世界の通商路を世界の船が安全に航行してもらう、我が国の船ももちろん安全に航行させねばならないというような目的でやったわけでございまして、いわゆる湾岸戦争時代というものはもう既に終了をした後でありますので、戦争に巻き込まれるというような心配もない。もちろん、武力の行使を伴うことを目的にするものでもないということについては明確に申し上げられると思います。
○小川仁一君 今回のペルシャ湾の掃海艇派遣の法的根拠というのを昨日いただきました。 派遣の目的として掲げられている我が国船舶の航行の安全確保、今長官もお話しになりましたが、こういう言葉がございますが、自衛隊の今までの討議で言えば、警察行動の一つとして我が国固有の権利の発動として行うものであるというふうに書かれておりますが、それでよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(坂本三十次君) 自衛隊法第九十九条に基づく措置として、我が国船舶の航行の安全を確保するということが目的であります。
○小川仁一君 警察権行動ということはお考えになってませんか。警察行動というふうな格好で政府は考えているかどうかということだけなんです。官房長官、今までの政府の統一した答弁の中には警察行動という考え方がありましたが、これがありますかということを聞いているんです。
○国務大臣(坂本三十次君) 自衛隊法第九十九条ということはこれは警察行動ということで差し支えないと思います。
○小川仁一君 それじゃ変わった質問をしますが、総理は二十三日の党首会談で我が党の土井委員長の歯どめ策について文書で示すようなお話があったと聞いておりますが、いわゆるこれまでいろいろな声明その他を見ても今後の歯どめ策というものが示されておりませんが、官房長官は今後の歯どめ策というものを考えておられましょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(坂本三十次君) 党首会談におきまして、社会党の委員長から文書で政府の見解を示してもらいたいというような御意見があったことは事実であります。そういうことでありますので、これに対してはあなたのおっしゃるのは歯どめ策、私どもの言うのはいわゆる根拠であります。そして、その根拠の中の第一はきのうも総理も記者会見で申し上げ、また閣議でも政府声明を決定いたしました。その政府声明の中に、我が国のいわゆる憲法九条あるいは憲法前文に基づく海外派兵は行わないというこの精神というものは絶対に揺るぐものではないということを明言をしてあります。そのほか、これは戦争が済んでからいわゆる平和、ポスト湾岸のために国際貢献もするけれども、当然日本のための船舶安全航行の警察活動にもなっております、九十九条という法的根拠もございます、そういうようないわゆるあなたがおっしゃる、あなたのお立場で言えば歯どめもちゃんとつけてありますということを申し上げたわけであります。
○小川仁一君 法的根拠だけが歯どめ策というふうなお話でございましたね、ただいまのお話は。出された法的根拠が歯どめ策にもなる、こういう考え方であったようでありますが、具体的な歯どめ策というものはお示しにならない。したがって、今回限りであるということは何ら保証されていないわけであります。こういう状態は今回限りかどうかということについてお考えがあったらお聞かせ願いたい。掃海艇の派遣が今回限りかどうかということをお聞かせ願いたい。
○国務大臣(坂本三十次君) 現在の掃海艇派遣というものは、ただいま申し上げましたように、正式停戦ができて、そしていわゆる戦争に巻き込まれるという心配は一切ないというような現在の時点において、そして世界の航行の安全を守る、ペルシャ湾における安全を守るというようなために行ったものである、我が国にとっても非常にこの通商路を守るためには大事なことである、喫緊の問題であるというようなことを受けて安保会議を開き、閣議においてもシビリアンコントロールを踏まえて、いわゆる九十九条に基づく措置としていろいろなきちっとした歯どめというものを考えた上でのこれは措置でありまして、これを政府声明としたわけであります。そして、総括的には海上に遺棄されたと認められる機雷を除去するものであって、武力行使の目的を持つものではなく、これは憲法の禁止する海外派兵に当たるものではないという信念のもとに行ったものであります。 そういうことでございますから、このようないわゆるこれと同じような状況とか、全く武力行使ではない、そして我が国のためのみならず国際貢献にも役に立つというようなことがまた二度と起これば、それは決して武力行使ではないのでありますからそれはまた考えられると思いますが、そうそうこういうペルシャ湾のような事態がいつもいつも起こってくるとも考えられませんけれども、まあ今回のこの事態に備えて、そして我が国の貢献としても、国民生活を守る上からいっても、これだけのことはやった方がいいという決断をしてきのう閣議でも決めたわけであります。
○小川仁一君 今回に限りではなくて、今後も同じような事態が起こるということは、一連の総理の発言と非常に食い違った感じがいたします。非常に大きな問題だと思います。個別的ななし崩しでどんどん法律解釈を拡大し、事態に対応して今後もこのように自衛隊、掃海艇が艇隊を組んで海外に出ていくということは到底承認できません。 そういう方向であるから、例えば中国でも新華社通信は、奇妙なことに戦争が終わった後も思いをめぐらせ派兵をもくろんでいるとして、海外派兵の一歩として批判をしているわけです。私は、ここに政府のいわゆる今回限りという形で当初表明していながら、なし崩しで今後もいろいろやっていくという形をとるところにアジア諸国の非常に厳しい反応があると思いますが、このアジア諸国の反応に対してどうお考えになりますか。海部総理は過剰反応だなどと言っておりますが、過剰反応ではないと思うんですが、この点についてお伺いします。
○国務大臣(坂本三十次君) 委員のおっしゃるように、アジア諸国の考え方というものについてはやはりよく配慮をいたさなければならぬと思っております。我が国の半世紀前の歴史を振り返って反省をしてみれば、やはりアジア諸国に対し大変な迷惑をかけたということは、これは歴史の示す事実であります。大体殴った方は忘れるけれども、殴られた方は覚えておるのは、これはもう人間の本性なんであります。そういう点は十分やはり警戒をせにゃいかぬ、私はそう思っておりますし、その反省の上に立ってこそ初めて日本国憲法、平和憲法というものができたというこの原点はしっかり私ども押さえておるつもりであります。 しかし、今回の掃海艇派遣ということはこれはやった方がよろしいという決断をしたわけでありますが、その決断に先立っては、アジア諸国に対しては出先の外交ルートなどを通じて丁寧に誠心誠意説明を申し上げるということは十分私どもやったなと思っております。ASEAN諸国全体については非常に好意的な反応でありまして、今度また総理がASEANへ行かれますので、そのときにまた十分我が国の立場も説明をしていきたいと思っております。 問題は韓国、中国の態度であろうと思いますが、我が方からも十分説明をいたしましたが、韓国政府よりは、今回の掃海艇派遣は湾岸戦争後の戦後復旧の一環として機雷除去という制限された目的のために派遣されるものと理解するという旨の発言も来ております。また、中国の政府からは、自衛隊の海外派遣については従来と同様慎重に対処してほしいという立場でありましたが、我が国が湾岸地域の復興に参加すること自体には理解を示しておるというわけであります。
○小川仁一君 やはり我が国のこの前の大戦において非常に大きな損害をかけたアジアの諸国民の感情の中には、日本の軍事力に対する非常な不信感がある、このことはおわかりいただいていると思います。したがって、過剰反応とか、あるいは経済援助をするから言うことを聞くだろうとかというふうな安易な状況でこの問題を取り上げますと、やっぱりアジアからの厳しい問題が出てきます。そのほか教科書問題等も含めていろいろ批判があるわけでございますから、再び不信感を増幅するということは非常に困ったことでございます。そういう立場も含めて私たちはこの掃海艇の派遣に反対だということを申し上げておきますので、お考えおき願いたいと思います。 官房長官、ありがとうございました。 じゃ、続いて防衛庁の方にお伺いいたしますが、長官に一問用意しておりましたが、それは長官がお見えになったときにお聞きをすることにして、今回の派遣は自衛隊法第九十九条に基づいて行われるということでございますが、今回の派遣では他国の領海、例えばサウジとかクウェートなどの領海内での機雷の処理は想定しておりますか。
○政府委員(畠山蕃君) 現在、現地におきます具体的な掃海作業がどのような形になるかということは、各国の掃海隊とも協議をして定める必要もございますので、具体的なところは現段階ではわかっておりませんが、いずれにいたしましても他国の領海につきましては当該国の同意を得てこれは行うことができるということでございますので、その可能性も当然あり得るというふうに考えておるところでございます。
○小川仁一君 可能性ありですね。 じゃ、内閣法制局に伺います。自衛隊法九十九条について、これまでの政府、法制局の解釈を整理して御説明願いたいと思います。
○政府委員(大森政輔君) それでは、私どもの考えておりますところを整理して申し上げたいと思います。 まず、九十九条に基づく掃海が武力の行使に当たるのか当たらないのかという議論があったわけでございますが、九十九条による機雷の除去に関しては、遺棄されたと認められる機雷について、それが我が国船舶の航行の安全にとって障害となっている場合に、その航行の安全を確保するためにこれを除去する行為は憲法九条にいう武力の行使に当たらないということが一点でございます。 そして、先ほどもお尋ねがあったわけでございますが、それでは自衛隊法九十九条に基づく掃海はいかなる性質の国家作用であるかということについて申し上げますと、それは我が国の領海内における船舶の航行の安全確保並びに公海における我が国船舶の航行の安全確保を図るための一種の警察行動を定めた規定であるというふうに解しているわけでございます。 そこで、今回のケースについて、先ほど申し上げました基準に照らしてなぜ可能であるかどうかということにつきましては、まず第一点は、安保理決議六八七号に基づく恒久的停戦が成立した。第二点は、ペルシャ湾には湾岸危機の間にイラクにより多数の機雷が敷設され、これらがその海域における我が国のタンカーを含む船舶の航行の重大な障害とたっている。イラクはみずから機雷を除去せず、他の国が除去することを当然の前提として機雷の敷設状況についてのデータを当時の多国籍軍側に既に提供している。このようなことから、既に海上に遺棄されたと認められる機雷であろうということでございまして、我が国船舶の航行の安全を確保するため必要であるとして、同条に基づく派遣が可能であるという判断に達したということでございます。
○小川仁一君 もう一度防衛庁に伺います。 ただいまの解釈によりますと、我が国の領海及び公海上というお話がありました。ペルシャ湾へ行って他国の領海へ入っていくことを想定しているというのはどういう理由ですか。法的根拠を示していただきたい。これは防衛庁が想定しているというから防衛庁です。
○政府委員(大森政輔君) ちょっと先ほどの答弁を付加いたしたいと思います。 ただいま私の方から答弁申し上げましたことは、六十二年九月二十九日付で出しております政府答弁書の内容を敷衍しながら答弁したわけでございます。御承知のとおり、そこでは公海上の遺棄された機雷の除去について触れているわけでございますが、ただいまお尋ねの他国の領海内においてどうかということにつきましては、先ほど防衛庁当局からも答弁がございましたように、領海国の同意があれば公海上における機雷の除去と法的には同じ評価を受けるものであるというふうに私どもも考えております。 以上でございます。
○小川仁一君 そうする場合に、例えば今まで掃海艇でも朝鮮戦争のときに事故が起こって死んだ人もあったし、負傷者もあった。他国の領海内で他国の要請を受けて機雷除去等をした場合に、もしそういう事故が起こったときにはどの国がどう補償するんですか。それをやるためには当然その国との間に補償条約等があってしかるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 外国におきます裁判、司法の管轄権の問題になる面もあろうかと思いますので、私どもの方からそこについて完全な形で御答弁申し上げるのは適当かどうかわかりませんけれども、いずれにいたしましても、要請があったという今お話がございましたが、先ほど来申し上げておりますのは、他国の了解といいますか同意があった場合ということでございまして、その場合には公海における機雷の掃海と同じ状態に法的にはなるということでございますので、それはまさに私どもが公海において行ったと同じような法律関係に相なろう。したがって、補償というような、同意を与えた外国の補償の義務というようなものは当然に生ずるというふうには考えるべきではないというふうに思います。
○小川仁一君 私の聞いているのは司法、裁判の問題を聞いているんじゃないんだよ。領海内で事故が起こったらだれが補償するかと聞いている。法制局、見解があったら述べてください。
○政府委員(大森政輔君) 先ほどのお尋ねは他国の要請に基づきという言葉を使われたと聞き取っておりますが、他国の同意があって領海に入る場合には公海上における掃海と同じ法的評価であると私は先ほど申し上げたつもりでございまして、他国の同意に基づいて領海国の領海に入り機雷を掃海した場合もあくまで九十九条に基づくわけでございますから、我が国の船舶の航行安全の目的で我が国が行う行為でございます。したがいまして、公海上におけるものと仮に事故が起こった場合の処理も何ら変わりはない。決して他国の委託を受けてやるものでない、他国との条約、国家間の合意に基づいて他国の委託を受けてやるということになるわけじゃないという点を御了解いただきたいと思います。
○小川仁一君 きのうの衆議院の外務委員会での答弁とかなりニュアンスが違います。 それで、はっきりしておきたいと思いますが、今言ったように要請があったという場合には、当然それらのことに対する条約、取り決め、そういったようなものもなしに、ただ要請があったから入っていってやるということはできないでしょう。
○政府委員(大森政輔君) 具体的にどういう事態になるかどうかについては私ども承知しているわけじゃございませんし、また予測し得る立場にもないわけでございますが、ただ、今お答えいたしておりますことは、公海においてはいずれの国の同意も要さず遺棄された機雷を除去することは警察行動として我が国独自の行為としてできるということと、領海に立ち入る場合でも、我が国の船舶の航行安全確保のため、必要な場合にはその領海国の同意があれば公海におけるのと同じ立場で掃海ができるということを申し上げている次第でございます。
○小川仁一君 これちょっとひとつ政府で統一見解を出してくれませんか。わからなくなってきた、今までの答弁の一連の流れの中で違った考え方になった。領海内に入る場合には同意があれば入れるという問題や補償の問題が当然事故があった場合予想されますから、こういうものを含めて、ただ同意があれば入れるというだけで領海というものに入っていけるものかどうか。こういう領海内の航路といいますか、入っていく場合、作業する場合、いろいろ国際的な課題があると思いますから、ひとつ質問が終わるまでに統一見解を出しておいてください。私が言っているのはおわかりと思います。
○政府委員(大森政輔君) 委員お尋ねの想定されている場合と申しますのは、他国の領海内で、我が国の船舶の航行の安全を確保する必要がないのに、相手国の委託を受けて我が国が委託掃海を行うというようなそういう場合ですと、その相手国との間の国家間の合意というものが介在するのであろうと思いますが、今私が申し上げておりますことは、我が国の船舶の安全航行の確保のための警察行動として我が国独自の立場で掃海を行うということでございますので、その点に関する限りは見解を統一する必要はないと私は考えます。
○小川仁一君 黒柳さんの質問に出している答弁の構成要件は三つですよ。公海上です、それから遺棄された機雷です、それから我が国の船舶の航行の安全、この三つですよ。新たに領海という問題が入ってきている。領海は航行の船舶の安全のために行けるというふうな話になったら、これはどこまで拡大解釈をするかちょっと私には想像がつきかねますので、黒柳答弁とのかかわりの中において領海という問題をきちんと整理して出してくださいと申し上げているんですが、今のままでいいというのであれば私は了解できません。 領海というのはそれぞれの国の主権の及ぶ範囲です。――了解できないものの了解か、どうも調子に乗ると……。領海というのは、海の方ですよ、それぞれの国の主権の及ぶ範囲内であります。したがって、そこへ軍隊が入るということはそう簡単なことじゃない。しかも、今までの黒柳答弁の三つの要件とは明らかに違った解釈になっている。領海という言葉は今までなかった。したがって、ここはどうしても統一的に領海という問題に対する権限、補償そういう問題を含めて、あるいはこっちが事故を起こしたんじゃなくて、機雷が爆発して相手の方に損害を起こす場合だってあり得るんですから、我が国の航行船舶だけを考えて、そばにいたよその国の船に損害を起こしたらどうなりますか。あるいは領海内の施設に影響があったらどうですか。こういう問題がありますから、きっちり答弁をしてもらいたいということなんですが、それでもなお変える必要がありませんか。
○政府委員(大森政輔君) 従前、公海における我が国船舶の航行安全の確保という言葉を主として使ってきたことは御指摘のとおりでございますが、他国の領海であっても領海国の同意を得て入る場合には、それは公海と法的に同一評価を受ける問題であるということでございますから、他国の領海の場合には同意あるときは公海と文字を置きかえて御理解いただければ十分であろうかと思います。
○小川仁一君 まだ聞いているんだ。もし機雷爆破によって、こっちの船じゃなくてその領海を持つ国に被害を与えたというふうな場合はどうなりますかと聞いている。これは我が国の立場でやっているから、入ることは同意を得たとしても、損害を与えることはこれは補償の対象になりますが、そういう場合には補償しなきゃならないでしょうね。
○政府委員(大森政輔君) 仮定の問題でございますので、余りそれについて今断定的なお答えを申し上げることは差し控えたいと思いますが、海上自衛隊においてもそういう他国の領海において他国に損害を与えるような掃海を行うというようなことは考えられませんので、その点は仮定の問題としてはなお研究をさせていただきたいと考える次第でございます。
○小川仁一君 じゃ、ついでにお伺いしますが、九十九条は、条文において公海という形で地域は特定していない、しかし平時、戦時という時期は特定していますか、いませんか。
○政府委員(畠山蕃君) 九十九条の条文自体においては特定なされておりません。おりませんけれども、ちょっと敷衍させていただきますと、先ほど来御答弁が法制局の方からもございます質問主意書に対する答弁書はおいて、それの部分について解釈的な敷衍がございまして、遺棄されたと認められる機雷ということでございまして武力の行使には当たらない、こういう形になっているわけでございますから、いわばその意味におきましては我が国はもちろんのこと、相手国におきます掃海をする対象地域においても戦争に巻き込まれるおそれがないという意味において平時というふうな理解をすることもできるかと思います。 なおまた、三条との関係で言いましても、三条に基づく規定とは別個に第八章においてこれが規定されているということから見ましても、いわゆる武力行使とは全く関係のない事態を想定した規定であるということが言えると思います。
○小川仁一君 簡単に答えてくださいよ。 法制局に伺います。時期は戦時、平時を特定していますか、いませんか。第九十九条において時期的なものとして戦時、平時を特定しておりますか、おりませんかと聞いているんです。それだけに答えてください。
○政府委員(大森政輔君) 戦時か平時かという端的なお尋ねに対して端的にお答えするのは誤解が生じようかと思います。 先ほども申し上げましたように、遺棄された機雷の除去がなぜ武力の行使に当たらないのかという理由が問題でございまして、外国により武力攻撃の一環として敷設されている機雷を除去する行為、これは外国に対する戦闘行動として武力に当たるんだというふうに一般的には考えられます。それに対しまして、遺棄された機雷であれば武力攻撃の一環としての意味を失っており、したがってこれを除去する行為は外国に対する戦闘行動ではありませんので、要するに単に海上の妨害物を除去するという性格のものにとどまりますから武力の行使には当たらないということでございまして、遺棄された機雷になったかどうかということの判断の一つのメルクマールとして戦時か平時かということが大きな要素になるということでございます。
○小川仁一君 端的な言い方で端的に答えてもらわないと時間ばかりたちますが、私は、時期的な問題は、平時か戦時かという問題についての九十九条に対する特定はされていないかどうかと。いないんですね。政治的判断は除いてください。
○政府委員(大森政輔君) 端的にお答えいたしますと、九十九条の規定の文言上はそういうことは要件とされておらない。しかしながら、戦時においては武力の行使になる場合もあり得る。しかし、平時においてはそれは遺棄された機雷になるかどうかの判断上非常に大きな意味合いを持つ要素であるというふうに言えようかと思います。
○小川仁一君 時期的な平時、戦時が九十九条に特定されていないということだけは今の答弁ではっきりしていますから、今後の解釈上九十九条というのは非常に大きな問題を残すと思います。日本船舶の航行の障害除去ということであれば、公海、領海、そして平時、戦時を問わず九十九条ではやれるという結果に拡大解釈されるおそれもあります。私は政治的判断は除いていますよ。こういうことですから、こういう非常に危険な九十九条の拡大解釈については絶対同意できませんから、また承認もできませんから、この点ははっきりしておきます。 あと一、二問でこれを終わりますが、これで掃海艇が現地に行った場合、これはアメリカ軍の指揮、多国籍軍との共同作戦になりますか。
○政府委員(畠山蕃君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、どういう形で具体的に掃海を他国と行うのかという点については、現段階でははっきりいたしておりませんけれども、いずれにいたしましても、御承知のとおり現在八カ国から約二十隻の掃海艇等が出ておりますので、それらの国との事務的な調整、協議を行った上で分担を決めて掃海を行うということになろうと思っております。アメリカ軍の指揮に入るということは、いずれにいたしましてもそういうケースはあり得ないことでございます。
○小川仁一君 続いて質問しますが、そうなりますと、我が国の船舶という特定されたものを対象にした掃海とは異なってまいりますから、この点は非常に大きな問題であると思います。 法制局にお伺いしますが、この前九十九条についての地理的範囲といいますか、これは明文の規定はないが、ただ警察行動の性格に基づくということを和田静夫議員に答弁しております。警察活動としての機雷の除去をペルシャ湾で行うということなんですが、機雷除去というのは警察行動に入るんですか。
○政府委員(大森政輔君) 先ほども御答弁いたしましたように、この九十九条に基づく機雷の除去及びその処理という権限は、我が国の領海内における船舶の航行の安全確保並びに公海における我が国船舶の航行の安全確保、この場合の公海というのは、他国の領海である場合には同意があることということになればこの公海という方向でお読みいただきたいと思いますが、そのような安全確保を図るための一種の警察行動を定めた規定であるというふうに説明され、私どももそのように理解しているわけでございます。
○小川仁一君 防衛庁に伺いますが、先日まで質問したら準備中あるいはまだ決まっていないということではっきりしておりませんでしたが、二十四日に決まったらもう二十六日の朝には出発する、素早いものですね。 それはいいですが、今回の派遣の予算の見積もりを御説明願いたいと思います。
○政府委員(畠山蕃君) 今回の掃海艇の派遣につきましては、まだ現地におきますどのぐらいの期間作業を行うかといったような点について流動的でございますので、全体の予算額がどのぐらいかかるかという点については明らかにならないということでございます。
○小川仁一君 派遣して、二十六日に艦隊が出ていくのに予算が決まっていないなんて、そんなばかな話がありますか。そんな答弁で済むと思っていますか。だめですよ、それじゃ。
○政府委員(畠山蕃君) いや、答弁の問題というよりも、実際派遣の期間が決まっておりませんので総額の予算が計算ができないということを申し上げているわけでございます。
○小川仁一君 それじゃ、ペルシャ湾まで到達する予算を示してください。そこははっきりしているでしょう。
○政府委員(畠山蕃君) ペルシャ湾まで到達するための予算とおっしゃいますのは恐らく燃料費と人件費だと思いますけれども、恐縮でございますが、そこの点についてだけ計算ということは行っておりませんので、必要だということであればその部分の計算はすることはできるかと思います。現段階では、今手元にはそういうものは持っておりません。
○小川仁一君 予算問題は、この前聞くと角田さんもはっきり言っておりましたから、準備しておると思いますがね。今出ていくのに予算が決まっていないなんて、そんな話がありますか。普通の官庁だって出張するときは出張旅費を出してやるんだ。こんなばかげた答弁でここは通らない。予算を出さないうちは私はとにかくこれ以上質問するわけにいきませんから、早く出してください。
○政府委員(畠山蕃君) 先ほど来申し上げていますように、ペルシャ湾へ派遣して掃海作業を行う全期間の総予算額を示せということであれば、それは期間が決まっておりませんし、物理的に計算ができないということを申し上げているわけでございます。 さはさりながら、おっしゃるように出発するについては必要な金は必要なわけでございます。これは既定の予算の中から必要なものを積算して支弁するということになるわけでございますけれども、これはなぜかといいますと、今回の掃海作業に要する費用といいますのは、先ほども申し上げましたが、油といったような燃料費、それから給与、手当といった人件費というのが大宗を占めるわけです。ほとんどそれで占められるわけでございますが、これは掃海艇を派遣しなくても、こちらにいても通常、全体イコールとは言いませんけれども、ほとんどかかる経費でございますので、その意味で特段この派遣経費という形で積算をするということがなされていないということでございます。
○小川仁一君 ここへ私は予算書を持ってきていますが、海上自衛隊のところをちょっと読んでみますと、例えば特殊勤務手当というのがあって、四つの項目に分かれています。爆発物処理手当というのがありますね。これは向こうへ行って作業をする場合には当然隊員に支給されるものですか。それは作業をしている日のうち全部を出すものですか、それとも機雷を一つ爆破したときに出すものですか。
○政府委員(坪井龍文君) お答えいたします。 ただいま御指摘のありました爆発物取扱手当というのは一時間当たりで出ておりますので、作業の時間に対しましてその額を掛けて支給するという格好になります。
○小川仁一君 一つの事業というものは、どこの官庁でもその予算内でやるものですよ、これは官庁の当然のことだと思うんです。幾らかかるかわかりませんなんという予算執行がありますか。防衛庁は恥ずかしいと思いませんか。 じゃ、派遣費用の支出に該当するものについて、予算書にある目の区分ごとに金額を説明してください。
○政府委員(村田直昭君) 先ほど来防衛局長から答弁しておりますように、それを積み重ねた額についてはわからないということを申し上げておるわけでございます。 それぞれの予算書上の科目につきましては、先ほどやはり防衛局長からお話ししましたように、日本の国内あるいは日本近海において同じような作業をしておるあるいは訓練をしておるような事態においても必要なわけでございまして、それらについてそういう費目を申し上げれば、例えば航海手当でありますとか、それからいろいろな先ほどから言われております人件費、食糧費、光熱水料費、それから油購入費等々の費目が予算書あるいは予算参照書、各目明細書に出ておるわけでございますが、それらの費目の中から支弁をしていく、こういうことでございます。
○小川仁一君 今は時間がありませんから、正確にそれを文書で示してください、よろしゅうございますね。予算なしで一つの仕事をするという官庁会計というのは私は理解できませんから、予算の範囲内でどれだけのことがかかってどうするかということを後で文書で説明してください。 質問を終わります。要求だけです。
○政府委員(村田直昭君) 今、先生のお尋ねのように、幾らかかったか後でということであれば、それは期間が決まってまいりますし、そういう意味で御説明はできるかと思います。
○小川仁一君 私は決算と言っていませんよ、予算と言っているのです。こんな使い方をするから参議院で決算が否決になるのです。防衛庁はかなり責任がありますよ。まず、いいから、出せと言うのだから出してください。 次に入ります。 行革審の答申によって今度の問題が、いわゆる整理統合一括法案が出てきたわけでありますが、一つだけお聞きしますが、今度の法律改正案もこれは国会で委員会を含めて審議されます。当然答申というものは国会の議決を要するわけでございますが、今まで行政の合理化のために、特別に国会で議決を要さないという種類のものが行革審の答申の中であったでしょうか。
○政府委員(増島俊之君) 臨調行革審の答申、意見といいますものは、二十本今まで出ております。その中には法律改正を要するもの、単独立法を要するもの、あるいはまた政令、省令あるいは通達、そういう措置によるものあるいは運営改善によるもの、そういうもろもろ多数含まれております。
○小川仁一君 行革審の委員の方々は我が国の良識ある方々でございますが、これは国会議員と違いますね。直接国民から信任を受けていない、政府の諮問機関にしかすぎません。したがって、国会の決定した政策とか諸決議について言及、変更するなどの答申を求めるようなことはないと思いますが、諮問される総務庁長官としてはいかがでございましょうか。
○国務大臣(佐々木満君) 行革審は、お話ございますとおり、これは内閣総理大臣の諮問機関でございまして、諮問機関以外の何物でもない、まさに諮問機関でございます。 ただ、私どもは政府として政策を決めます場合に、有識者の皆様の幅広い御意見をちょうだいしたいということで設けさせていただきまして、御検討いただいて諮問をいただいておるわけであります。ただしかし、それが直ちに国の政策になるものではございませんで、政府としてそれを最大限に尊重して政府としての考え方をまとめた上で国会というところで十分御論議をいただきまして、そして国の基本政策が決まる、こういう形のものだろうと私は考えます。 具体的には、予算を通し、あるいは法律案を通しまして国民の代表である国会議員との間で、あるいは国会等の中で十分な論議を深めて国の方針が決まる。また、そういう国の方針に基づいて国会決議というものももちろんあるわけでございますが、これはもう国会の最高の決議でございますから、当然これを我々は最大限尊重して国政を進めていかなきゃならない、こういうふうに思っておる次第でございます。
○小川仁一君 鈴木さんという行政改革審議会長がその立場でいろいろ発言をしておられます。まだ行革審の内部討論ができていないのにもかかわらず、米の自由化だとか掃海艇を派遣すべきだとかというふうに発言をされておりますが、これは国会で審議することなんです。きょうも掃海艇の問題を言いました。米は農水委員会でやるでしょう。こういうことへ行革審の会長という立場でお話をなさるということはちょっと不謹慎だと思いますが、総務庁長官が言って、ただすべきはただして、お話はその範囲内にとどめるようにというふうなことはなかなか言いにくいものでございますか。
○国務大臣(佐々木満君) 大体小川さんと私と考え方はそう違わないと思うのですけれども、今申し上げたように国政の重要課題はこういうところで国会と政府が議論をして、そして予算の必要なものは予算を通して、あるいは法律案の必要なものは法律案を通して、そして議論をして固めていくわけであります。ただ、私どもが行革審にお願いをしておりますのは、将来をいろいろ展望して、そして日本のあり方についていろいろ御論議をいただきたいということでございますので、その過程の中でいろんな御論議がある、私はこれは大変結構なことだと思っておるのでございます。 ただ、それが即、国の政策になるものではもちろんございません。最大限に尊重して政府は政府としての考えを決めますが、その政府の考えも国会と議論をして最終的に国の方針として固まるわけでございますので、私は行革審の有識者の皆さんが個人としていろいろ自由な御意見を発表していただくということは、それ自体は私は大変結構なことだ、こう思っております。ただ、国会における議論とか国政の基本的な政策とか、そういうものにつきましては行革審の先生方も十分念頭に置いていただいて御論議をいただいておる、こういうふうに私は理解をいたしております。
○小川仁一君 とにかく、土光会長以来ずっと行革審を見ておりましたが、ちょっとニュアンスといいますか、物の言い方の内容その他違うようでございますから、この点は受けとめる方でもしっかり受けとめていただきたいと思います。 さて、きょう議題となっております整理合理化法案についてですが、これは十省庁三十四の法律でございます。これを一緒にしろと言われても、私はなかなか他の省庁の内容について熟知いたしておりません。 また、そのつくられた法案自体も賛否両諭があって、多数決で決まるものもあれば、満場一致で決まるものもある。こういうものですから、まとめて出されるということは私たち審議する委員の方も大変でございますが、総務庁の方も質問に対してお答えなさるのに大変だろうと思うんです。そして、実際問題としては、各省庁の方々をここに連れてこなければ質問に答弁できない、こういう実態でもあるわけでございます。数の中にもし修正するもの反対するものがあるというと、またまた三十四法案ではちょっと扱いも困難になります。したがって、今後こういうような法律案というものはもう今回限りにしていただきたい、こういう要望でございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(佐々木満君) 私どもは、提案理由でも申し上げましたけれども、趣旨、目的が一致しておるものでございますのでこういう形式をとらせてもらいましたけれども、小川さんの御懸念は私はごもっともな節もあると思っております。今後の立案に当たっては十分検討して対応をしてまいりたい、こう思っております。
○小川仁一君 きょうも私は建設問題やろうと思って、建設省に来てもらわなければ総務庁はやっぱり困るでしょう。意地悪するんなら来なくてもいいから総務庁の担当説明官に質問してもいいんですけれども、そうやったって意味がないわけでございますから、何とかこれはおやめ願いたい、こう要望申し上げます。 さて、時間がなくなりましたのでその他の質問に入れませんでしたから、建設省並びに総理府にその他のことを聞こうと思いましたが、お待ち願って質問をいたさないで済みませんでした。おわびを申し上げて、私の質問を終わります。
○翫正敏君 冒頭、先ほど小川委員からも質問がありました自衛隊のペルシャ湾への派遣の問題について少しだけお尋ねしておきたいと思います。 自衛隊法第九十九条による機雷の除去の問題については、浮遊しているか定置されているかを問わず、公海上に遺棄されたと認められる機雷については、それが我が国の船舶の航行の安全にとって障害となっている場合、その航行の安全を確保するためにこれを除去する行為は武力の行使に当たるものではなく、自衛隊法上可能である、こういうのが政府のお考えでありますけれども、こうした場合の九十九条は自衛隊法三条による自衛隊の主な任務というものには当たらない、こういうことだろうと思うんですが、こういう解釈だろうと思うんですが、その場合、遺棄されているものではない、つまり設置されている機雷を除去する場合は自衛隊法三条の適用を受ける作戦行動になる、こういうふうに政府は考えているわけですね。それでよろしいですか。
○政府委員(畠山蕃君) 御質問の趣旨が、遺棄されていないケースというのが……
○翫正敏君 敷設されている機雷。
○政府委員(畠山蕃君) 敷設されている状態といいますのが、交戦中であって、相手国がそれをまさにその交戦相手国の船舶等に被害を与える目的を持って敷設されている状態ということでありますならば、それはここで言いますところの遺棄されたということに当たらないということでございまして、それについて我が国がどういうことができるかというのはこれはまた別問題でございますけれども、ここの先ほど来申し上げております答弁書におきます遺棄されたということでない状態というのがそういうことでございます。
○翫正敏君 だから、自衛隊法九十九条で言っている機雷の除去というものはこの答弁書に書いてあるような状態なので、これは第三条の自衛隊の主な任務には当たらないということで、前回私が質問をしましたときにはこの第三条は雑則のところには適用がないんだ、雑則以前のところ、つまり条文で正確に言いますと九十六条までが第三条の適用範囲であって、第八章雑則、九十七条以下のところはこの第三条の自衛隊の主な任務、第三条が自衛隊は専守防衛と、こう政府が言っている、私は自衛隊そのものは憲法違反だと思っておりますけれども、それは別として、ともかくとして、そういう政府の法律解釈である、このように解理してよろしいですか。
○政府委員(畠山蕃君) 第三条といいますのは自衛隊の本来の任務を定めているものでございまして、正確に「直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛すること」と、それから「必要に応じ、公共の秩序の維持に当る」ということが規定されているわけでございますから、これに見合います具体的な自衛隊法上の規定は第六章の規定だということで御理解賜ればよろしいかと思います。
○翫正敏君 前回、防衛庁長官の御答弁にもありましたように、第八章以下は雑則なので第三条の主な自衛隊の任務に当たらない、こういう御答弁があったことは間違いありませんね。
○政府委員(畠山蕃君) 雑則なのでという、そこが理由でという意味合いではなくて、雑則という第八章に規定している部分は三条の適用を受けないということについては間違いございません。
○翫正敏君 したがって、九十九条の機雷の除去は受けないという解釈であるということなんでしょうが、第百条はどうですか。
○政府委員(畠山蕃君) 先ほど申し上げましたように、第八章に規定されております各条は、百条は第八章の一つでございますので、同様に三条との直接のかかわり合いはないということでございます。
○翫正敏君 そうしますと、百条の五の「国賓等の輸送」、これは政令はもうなくなったわけですけれども、この条文そのものですが、ここで言っている「国賓等の輸送」についてもこの第三条の適用を受けないわけですから、これは日本の領土、領海、領空というところに行動範囲は限定されない、解釈としてこういうことになりますね。防衛庁の解釈としてはそういうふうになるんですね。
○政府委員(畠山蕃君) まず、第三条はまさに我が国の防衛を目的としたものでございますから、我が国、我が国土、我が国の領海、領空等、それを守るということが多いかと思いますが、従来政府として答弁申し上げておりますのは、自衛のため必要な限度においてその自衛活動が、自衛行動が公海にも及び得るということは申し上げているとおりでございます。まず、そこの前提がちょっと違うわけでございます。ただし、これは我が国の国土の防衛、我が国の防衛という限度におきますから、極めて限られた場合にあるいは部分になるかと、その点についてはそのとおりだと思います。 それとは別に百条の五という御指摘でございますが、百条の五につきましては、この第八章に位置されているからということよりも、まさに、これはまさに百条の五がつくられましたときにも政府から答弁申し上げておりますとおり、これは他国、海外をも含み得るということをるる答弁を申し上げておりまして、政府の解釈としては、ここは三条とのかかわり合いはなく、かつ海外にも及び得るということでございます。
○翫正敏君 だんだんと海外の活動、自衛隊の活動範囲が広がっていくようで心配でならないわけです。 これはどうですか、そのずっと後の方のところに自衛隊は不発弾の処理をするというのがございますね。これはいかがですか。
○政府委員(畠山蕃君) これも第三条との直接のつながり、かかわり合いはないということでございます。
○翫正敏君 そうしますと、この不発弾の処理をするのは陸上自衛隊ですね、陸上自衛隊が不発弾の処理をする場合においても第三条の主な任務の規定に当たらないわけですか。どの辺までできるんですか。活動範囲がどれくらいになるんです
○政府委員(畠山蕃君) この不発弾のどこの不発弾を処理できるかという御質問か思いますけれども、附則において特段に暫定的なものとして「当分の間」として規定されている趣旨から考えまして、我が国における不発弾の処理というふうに今までのところは解釈されていたものであろうと思います。これについて政府として確定的な解釈を申し述べたことはございませんし、現在も検討しているところでもございません。
○翫正敏君 これはこの雑則以下のところに書いてあるわけですから、政府の先ほどおっしゃった機雷処理の第九十九条の解釈というところからいけば、別に日本の国土、領海、領空ですか、領空に不発弾があるかどうかはちょっと別として、そういうところに限定されるということにならないという解釈に必然的になるんじゃないですか。ならないんですか。ここは従来の国土の、日本の国の中、こういうことになるんですか。
○政府委員(畠山蕃君) 第三条とのかかわりがない、第三条のいわば直接の関連がないということと、その雑則以下の規定がどこの地域の限定をどう考えるかということとは必ずしも直接のつながりはございませんで、その各条においてその法の趣旨に従ってそれは地域的に限定というものは理解すべきものというふうに思います。
○翫正敏君 つまり、第三条が発動されるのは戦時である、有事である、こういうことをおっしゃりたいんだと思います。 じゃ、平時というふうに言います。平時において、紛争時でないとき、そういう場合でしか九十九条における機雷の処理ができないわけでしょう。紛争時はできないわけでしょう。ですから、そういうふうにいきますと、平時においては自衛隊の不発弾処理も地域的限定を受けない、こういう解釈には――ならない、ならなきゃ結構ですけれども、もう一遍念を押しておきます。
○政府委員(畠山蕃君) ちょっと御質問の趣旨が必ずしもよくわからないんですが、不発弾の処理というのは、この附則の方の十四項というところに書いてございまして、「当分の間」という形で書いてあるわけでございますので、その必要な限度において解釈すべきものというふうに思います。
○翫正敏君 今ほどるるおっしゃったような言い方で、法律を拡大、ねじ曲げ解釈をして自衛隊を海外に派遣するこの政府のやり方に強く私は抗議を申し入れたいと思うんです。 従前の、例えば昭和四十七年五月二十四日の国会答弁などを見ますと、佐藤内閣総理大臣及び江崎国務大臣は、はっきりと、ベトナムなどというところは自衛隊が出かける領域ではない、こういうふうに言っておられます。日本の海上自衛隊なり海上保安庁が掃海作業に協力するようなことはないのでしょうねという質問に対して、佐藤内閣総理大臣は、大体、自衛隊が出かける領域ではない、かように思う、こういうふうにおっしゃっておられて、ベトナムよりもさらにずっと日本から遠く離れたペルシャ湾まで、一千海里以上離れたところにまで出かけていって自衛隊がそれも艦隊をもって行動を起こす。 防衛白書などを見ましても、海上自衛隊の行動として、立派な作戦行動として書かれておるわけであって、機雷を敷設することや機雷を除去することは機雷戦という作戦行動である、このように防衛白書にも書かれている、こういうことであります。今ほどお答えのことだったら、来年からは防衛白書の中に二章を別に設けて、機雷の除去の場合はこの作戦とは違うんだというようなことをきっとお書きになってごまかすんだろうと私は思います。しかし、従前の白書はずっとこういうふうに、機雷の敷設と除去は海上自衛隊の作戦行動である、そして艦隊で行うものである、こういうふうに言ってきたものを、こうやって突然に状況の変化などという言葉で今回派遣しようとしていることに強く抗議を申し入れたい、こう思うんですが、何か御見解があれば、一言言っていただいて、これで終わります。
○政府委員(畠山蕃君) ぜひ御理解賜りたいと思うのでありますが、平たく言いますと、機雷の除去ということについては二種類あるとお考えいただいたらあるいはおわかりいただけるかなと思います。 一つは、三条に根源を持ち、第六章の最初の第七十六条で防衛出動を行う場合の機雷の除去、これが今御指摘の白書に書いてあります機雷敷設戦、対機雷戦という二つの作戦行動がありますということの説明につながっていく、いわば防衛出動の一環としての機雷の除去ということでございます。 今回のはそれとは別に、第八章で規定された九十九条に基づく平時におきますいわば一種の警察行動としての機雷の除去、こういうことでございますので、これは作戦行動云々という話ではございませんで、もし仮に今度の九十九条に基づく行動が今御指摘の対機雷戦とか機雷敷設戦といったような軍事行動というふうになるんだとすれば、それは九十九条という規定は要りませんで、七十六条という規定の中から当然にそれが出てくることに相なってしまうわけでございまして、そのことを見ましても七十六条とは別に別段機雷の除去という点だけを取り出して第八章に規定しているということは、逆に言えばこれは七十六条といったような武力行使とは全く関係のない規定であるということが反対解釈として当然お読み取りいただけるのではないかというふうに思います。
○翫正敏君 全く私の理解の及ぶ範囲ではありませんので、再度抗議を申し入れて、本題の法案の質疑に移りたいと思います。 行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律案でありますけれども、二十三条のところでは地方自治法の一部改正が書いてあります。また、戻りまして二十一条のところには、許可認可等臨時措置法を廃止するということが書かれておりますが、この二点についてその趣旨を簡単に説明してください。
○政府委員(増島俊之君) 二十三条、地方自治法の一部改正の趣旨でございますけれども、この改正内容につきましては、第二次行革審の答申の指摘事項の一つでございます、それを実施するものでございます。昭和二十七年以降の都道府県行政の実情というのを考慮しまして、人口区分の合理化を図りつつ標準局部数を実情に合ったものに改める。それから、例示されておりましたけれども、局部の例示につきましては、そういう内容がこの制度創設後都道府県行政の内容もほぼ定着するに至っていることにかんがみましてこれを廃止する、そういうものでございます。さらに、一部事務組合及び地方開発事業団の規約の変更のうち、名称それから事務所の位置及び経費の支弁の方法に係る変更につきまして、現行の都道府県知事等の許可を届け出に改める、そういうものでございます。 それから、本法二十一条の許可認可等臨時措置法の廃止の関係でございますが、これは許可認可等臨時措置法につきましては、いろいろ従来から議論がございまして、昭和十八年に大東亜戦争遂行のためにつくられた法律であり時代にそぐわないものであるという議論が一部あったわけでございます。 これにつきましては、「大東亜戦争ニ際シ」とありますのはこの法制定の契機ないし動機を示したものであり、行政の簡素化という趣旨は今なお重要である、それとともに公益法人や公益信託に対します許認可権限の知事への委任根拠となるなど、この法律は実効性を有している、そういう旨を説明してまいりましたけれども、昨年六月の参議院内閣委員会の御質疑の際に、この法律につきまして、社会経済情勢の変化に対応していないじゃないかという指摘がございまして、そのときに総務庁長官から、この効力を生かしつつ新しい法律をできる限り早目につくっていくべきではないかという旨の答弁がございまして、また総理からも、総務庁中心になって取り組むような御指示がございまして、今回のこの立法を御提案をしたわけでございます。
○翫正敏君 それに関連して、次に長官にお伺いしたいんですが、その前に私の意見を述べさせていただいた上で、長官の御見解を承りたいと思います。 そもそも、この許可認可等臨時措置法は、近鉄の特急料金改定申請を許可した陸運局長の処分、その許可の取り消し、国への損害賠償を通勤客らが求めた近鉄特急料金訴訟の一審判決において、判決の中で憲法違反と、こういう判決も受けた法律であります。 さらに、戦前の地方自治制度について見ましても、一八八八年、明治二十一年に市町村の自治制度を定めた市制町村制の立法の理由書には「政府ノ事務ヲ地方ニ分任シ、又人民ヲシテ之ニ参与セシメ以テ政府ノ繁雑ヲ省キ併セテ人民ノ本務ヲ尽サシメントス」と、こうありまして、当時の地方自治は臣民の権利というよりも国政に協力する義務、こういうふうにされていたわけです。大正デモクラシーの時代はかなり自治も進展したわけですが、元来憲法に地方自治の保障がなかったために、昭和の戦時国家体制に入りますとたやすく改変をされてしまったわけです。許可認可等臨時措置法が制定された昭和十八年といいますと、市制町村制改正によって市町村会の権限が小さくなり、逆に市町村長への国政事務の委任は法律、勅令に限らず省令でもできることとされ、この時点で日本の地方自治は法的にほとんどゼロと、こういうことになったと言われております。 新しい日本国憲法第八章の「地方自治」は、このような戦前の中央集権体制への批判として、反省として設けられたものであります。第九十二条には、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」、こうありまして、この条文から「地方自治の本旨に基いて」という語句を取り去ってこの第九十二条を読むなら、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、」「法律でこれを定める。」となってしまい、地方自治についても基本的なことは全国一律に、画一的に法律で物を決めてしまえることになってしまうわけであります。つまり「地方自治の本旨」という言葉の持つ重みがどれだけ重いかということを意見として申し上げたいわけであります。 この言葉は法律学的には一種の不確定概念であり、内容がなかなかはっきりしないとも言われておりますが、大体、さまざまな地方自治のあり方の選択において、住民自治、団体自治の強化、拡充の方向を命ずる傾向的概念ということと解されているようであります。いわば自治体の人権保障、こう言えるものでありましょう。ですから、地方自治法二条十二項には、「地方公共団体に関する法令の規定は、地方自治の本旨に基いて、これを解釈し、及び運用するようにしなければならない。」、こうあるわけです。たとえ国の法律であろうとも、地方自治の本旨に合わぬものは排除されるべきである、こういう意見を申し上げながら、次に御見解を承りたいんです。 行政事務の合理化あるいは簡素化と申しましても、合理化とか簡素化ということ自体が絶対的によいというわけではもちろんありませんで、民主主義という立場からいいまして、往々にしてある地位の高い人のツルの一声で物が決まってしまうということがないような手続、これが必要であります。許可認可等臨時措置法のごとく戦争の遂行のための簡略化というようなものもあれば、さきの裁判例のように、それを用いて通勤客、住民の不利になる値上げが合理化されるというようなこともあるわけです。要は、その合理化を推進する理念が地方自治の本旨にかなうかどうかが大事なことであると思います。 この十年間の行政改革というものの本質を見ますと、自律、自助とか相互連帯とかの美名のもとに、実際は福祉、教育、農業など、国民生活に密着した分野における行政施策の縮減、また西側諸国の一員としての外交、防衛、経済面でのより積極的な貢献、こういう言い方をされまして、逆に教育とか福祉、農業などを削って軍事の方面を拡大していくという新しい形の中央集権化が見られる、こういうふうにも言うことができると思います。 行革は、さきに挙げたかつての市制町村制の立法理由にあるように、ただ政府の煩雑を省くためにだけなされるのではよくないと思います。この法案が地方自治の本旨にかなう行革となっているのかどうか、長官の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(佐々木満君) 大変幅広い御質問、御意見でございますけれども、私はまず率直に、不勉強だったんですけれども、許可認可等臨時措置法というものがあるということを知りませんでした。最近になってこれを教えてもらったわけでございますけれども、これはおっしゃるとおり、昭和十八年でございますか、戦時中につくられたものだそうでありますけれども、それはもう立法の趣旨も、それからその背景も今日とは全く違う、私はこういうものであろうと思うわけでありまして、本当なら、本来ならばもっと早く今の時世に合うようにこういうものを廃止するなり直すべき筋合いのものだったんだろう、私は率直にそう思います。 ただ、背景とか趣旨は違いますけれども、ここに盛られている地方へ権限を委譲しようとかそういう手続面は、これは趣旨、目的は別とすればなお生きているし、またそれはそれで新しい意味を付していけば十分機能するものだ、こう私なりに考えておるわけでございまして、今回、これを廃止して、この中は盛られておった権限委譲とかそういうものだけをひとつとらせていただいて、それを新しい時代に合うようにして、今回各法律でそういう手続をつくらせていただいた、こういうように私は理解をいたしております。 それから、行政改革あるいは合理化、これは全く国の手間を省くとかそういうそのであってはならないわけでありまして、国としても合理化は必要ですけれども、特に権限委譲とかそういうものになってきますと、私は地方自治を生かすという方向でこれは考えられるべきものだ、こういうふうに思います。私も地方自治の本旨というのは、具体的な意味内容を余りはっきり存じませんけれども、団体のことは団体が決める、その団体の意思は住民が決める、団体自治とか住民自治とかそれが基本だろうと思うのでありまして、そういうことで、私は、地方はそれぞれ多様な特色があるわけでございますから、その特色を生かした多様な国づくりをしていくということがこれからの政治、行政の方向でなければならない、そしてそれを国がお手伝いをしていく、こういう仕組みにすべきものではないだろうか、こう思います。 片一方では過疎問題がある、片一方では過密問題がある、こういうことは本当に国全体としても不経済と申しますか、うまくないわけでありまして、やっぱりそれぞれの地方、みんな人が住んで生活しておりますから、それぞれの地方でみんな特色のある町づくり村づくりをする、そういうのをお手伝いしていく、これがこれからの政治、行政の方向ではないか、こういうふうに思っております。まだまだこれは不十分だと思いますけれども、そういう方向で微力ながら努力をさせてもらいたいな、こう思っております。
○翫正敏君 今の長官のお考えなどに基づきながら、関連して、自治省の方にちょっと確かめておきたいんですけれども、町内会などの地縁による団体の法人格取得が四月二日からできるようになりましたけれども、現在まで取得した団体はないと承っておりますが、その理由、これをどんなふうに見ておられるのか、そのことをちょっと御答弁ください。
○政府委員(浅野大三郎君) ただいまの地縁による団体の問題でございますが、法律施行が四月二日でございます、まだ日が浅うございますものですから私どもも全般的な調査というものもやっておらないわけでございますが、まずまだ実際に法人化したものはないんではなかろうかと思っております。 と申しますのは、多分そういうのがありますれば、いろんな手続その他もありますから、これは認可は市町村がやるわけでございますが、初めてのケースでございますとある程度市町村、県の方からも、これで本当に手続がいいかというようなことの問い合わせなんかもあるんじゃなかろうかと思います。そういう問い合わせ自体は具体のものは今のところ受けておりませんものですから、そういうことでまずまだないのではなかろうかというふうに見ております。
○翫正敏君 町内会など地縁による団体が法人格を得れば土地の登記とかそういうものができるわけですからプラス面がふえてくると私は思うんです。 これに関する自治省の通達などを見たりしまして、一、二点ちょっと尋ねて確かめておきたいんですけれども、構成員の資格に関する事項というものを規約に定めなければならないと書いてございますが、この構成員の資格というものには日本国民、国籍、こういうものはないと考えてよろしいですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 地縁による団体、自治会、町内会等と言われるものでございますが、基本的にそれは住民の方々が自発的につくったものであると考えております。ですから、できるだけそういうものに対して法律上あるいは行政上の規制は加えないのがよろしいかと思います。 ただ、一方で法人化をするということとの関連においてどうしても必要な規定もありますものですから、そういうものは法律に規定しております。そういうことの一環で実は構成員に関することも法律に規定が置かれておるわけでございますが、そこでは「市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体」というような表現がありましたり、それから「その区域に住所を有するすべての個人は、構成員となることができるものとし、」というような規定を置いたり、あるいは「その区域に住所を有する個人の加入を拒んではならない。」というような規定を置いております。ただいま申し上げましたように、これはいずれも住所を有する個人というふうにとらえておるわけでございますから、当然国籍は問題にならないというふうに考えております。
○翫正敏君 この通達を見ますと、正当な事由がない限り加入を拒んではならない、こうありますが、正当な事由というのはどういう場合を考えておられるんですか、つまり加入を拒むことができる正当な事由というのは。
○政府委員(浅野大三郎君) 私どもとしては実際にはそういうことはほとんどないであろうと思っております。ですから、私ども政府提案でこの法案を出させていただきまして、提案した側としては一種のセービングクローズというような気持ちも持って書かせていただいたところでございます。 ですから、実際にそういうことがあるかどうかということでございますが、例えばその自治会なり町内会に入ってわざと混乱をさせてその団体をむちゃくちゃにしよう、そういうような意図を持って仮に入る人があるとすれば、そういうものはやっぱり拒めるということでなければおかしいだろうというふうに考えております。
○翫正敏君 今の答弁も難しいことが起きるのじゃないかなという心配もできます。昔からずっと住んでいる人が構成員になるということを拒めないというのはいいんですが、新しくその地域へ転居してこられるような人の場合に、何か今おっしゃったような町内会を混乱させるために入ってくるというようなことになると、これは何といいますか、町内ぐるみで選挙運動をするようなのは田舎の方へ行くとしょっちゅうあるんですけれども、そういうのでいざこざとか混乱というのはよく起こっています。そういうようなことなどで、あれがこの町内に入ってくるのは町内の和を乱すためであるというようなことにひょっとしたらなるんじゃないかという不安を持つんです。 今おっしゃったようなことは特段に通達しておるようなことではなくて、すごい混乱状態が起きたようなときには正当な事由ということになり得ることもあるということであって、原則としては地域住民は皆そこに入る、本人がいやな場合は別ですけれども、本人が希望すれば入れる、こういうのが大前提であると承ってよろしいですね。
○政府委員(浅野大三郎君) おっしゃるとおりであると考えております。とにかく加入を拒んではいけないというのが大原則でございます。極めて例外的にひょっとしたら拒める場合もあるかもしれないというぐらいでございまして、とにかく加入の自由ということが大原則でございます。
○翫正敏君 次に、同じく自治省に条例ということについてお伺いしたいんですけれども、例を一つ挙げさせていただきますと、窪川町の方で、原子力発電所設置についての町民投票に関する条例というのが昭和五十七年にできたわけですけれども、「この条例は、窪川町における原子力発電所の設置について、町民の意思を明らかにするための公平かつ民主的な手続を確保し、もつて町行政の円滑な運営に寄与することを目的とする。」ということでつくられております。これは一つの例として挙げたわけですけれども、市町村におけるこういうような条例というものの効力というもの、これは国に対してとか当該自治体の中に住んでいる住民に対してどのような効力を持つものと考えればいいんですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 一般論でございますけれども、条例でございますから当該地方公共団体の区域内において効力を有するということであろうかと思っております。
○翫正敏君 どのような効力ですか。条例の効力というのは国における法律と同じ効力なんですか、当該自治体の中において。
○政府委員(浅野大三郎君) 私は、いわば地方公共団体における法律というような感覚でとらえてもよろしいのではないかというふうに思っております。
○翫正敏君 次に、自治体がつくる計画というものについての効力、これをお尋ねしたいんですが、これも例を挙げてお聞きをします。 石川県の方で原子力発電所の建設に関連して石川県原子力防災計画というものが今素案が発表されて策定されつつあるわけなんですけれども、これが制定されました場合にこういう計画というものの持っている効力、これはどういうものはなるんでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) 今お示しの原子力防災計画というような具体の計画になりますと、その点については直接そういう関係の行政を担当しておる者からお聞き取りいただいた方がよろしいかと思いますが、一般的に計画ということで申し上げさせていただきたいと思います。 それはやはりいろいろございますものですから物によって違うこともあるんですけれども、いわゆる法律とかなんとかが強制的な効力を及ぼすというような形での効力というのは計画については余り考えられないのではないかなという気はいたします。ただしかし、そういうものを当該地方公共団体の意思として決めました場合には、特別合理的な理由がない限りはそういう計画に向かってお互い力を合わせていこう、あるいはそういう計画に従っていろんなことをやっていこうという意味での効力はもちろんあるとは思うわけでございますが、どういう言い方で言えばいいか、なかなか難しゅうございますが、そんな感じがいたします。
○翫正敏君 条例の場合は当該地方自治体における法律と同じものだということに比べれば、計画の効力は弱いけれども、しかし計画だからといっても、こういう特に原子力発電所の防災計画のようなものは国もそれに関与するわけでありましょうからやはり相当な効力を持つ、そういうふうに理解してよろしいですね。
○政府委員(渡辺明君) 具体的な石川県原子力防災計画の例を挙げましてのお尋ねでございますが、この計画は石川県の地域防災計画の一部をなすものでございまして、都道府県が災害対策基本法第四条などに基づきまして都道府県地域防災計画を作成いたしまして実施する責務を有するものとされておるところでございます。 この地域防災計画と申しますのは、その作成の過程におきまして各種防災関係法令との調整も十分に行われるものでございまして、災害に強い安全な地域づくり、また災害時の迅速かつ適切な応急対策の実施に大きな役割を果たすなど地方公共団体の総合的な災害対策の基本となる、このように考えておるところでございます。
○翫正敏君 そこで、まだ計画の途中でありますが、内容にもわたって二点ぐらいだけお尋ねしておきたいのですが、「実施すべき地域の範囲」というものが書かれておりまして半径十キロメートル以内、こういうふうになっているんですが、これをもっと広げてほしい、こういう要望が住民の中から出ているわけですけれども、もっと広げるというわけにはいかないんでしょうか。
○政府委員(渡辺明君) 御指摘の原子力発電所からの半径十キロメートル、この距離につきましては、昭和五十五年原子力安全委員会におきまして決定された「原子力発電所等周辺の防災対策について」、これにおいて示されておるところでございまして、防災対策を重点的に実施すべき地域の範囲の目安といたしまして原子力安全委員会において専門的な立場から種々検討されたものと、このように承知しておるところでございます。
○翫正敏君 スリーマイル島における発電所の事故や、ましてやチェルノブイリにおける事故などを見ますととても十キロというようなことではない、もっと広大な地域に重大な災害が及ぶわけですから、この十キロ以内における範囲というものをさらに大幅に広げるということをぜひ検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。 別のところを見ますと、原子力発電所上空の飛行規制というものも書かれてあるんですけれども、なぜ原子力発電所上空の飛行規制というものが必要なんでしょうか。
○政府委員(渡辺明君) 我が国の原子力発電所につきましては通産省等安全規制担当官庁、ここにおきまして厳重に安全規制というものがなされておるというふうに承知しておるところでございます。御指摘の原子力発電所の上空の飛行規制につきましてもそのような観点から十分配慮されていると、このように承知しておるところでございます。
○翫正敏君 その次のページのところに事故が起きたときにどうするかという災害緊急対策というところがあるんですが、過日起こりました美浜原発の事故と比較してちょっと具体的にお尋ねしておきたいのですが、この美浜原発の緊急炉心冷却装置が作動した事故というような場合と、この防災計画に述べられている事故というものとは同じものなのか違うものなのか、違うのならばどういうふうに違うのか、そこをちょっと説明してください。
○政府委員(渡辺明君) 美浜原発の事故の通報が行われなかったということについての具体的なお尋ねでございますけれども、原子力発電所の責任者は、事故が発生いたしまして、その影響が周辺地域に及ぶまたは及ぶおそれがあるという場合には、地域防災計画に基づきまして直ちに国、知事、関係市町村等に通報することとされておるところでございます。 今回の美浜発電所の件につきましては、微量の放射能の環境への放出はありましたものの、周辺環境への影響は認められなかったために地域防災計画に基づく通報は行われなかったということでございますが、別途安全協定に基づく通報が関西電力より福井県それから美浜町になされた、このように承っておるところでございます。
○翫正敏君 美浜町の方に出向いて承りましたところ、通報がおくれたということを非常に憤慨しておられましたので、やはりこうした緊急炉心冷却装置が働くというような事故の場合には、この防災計画にいうところの事故とは違うかもしれませんけれども、しかし速やかに自治体への連絡がなされるべきだ、こういうふうに思いますので、それを強く要望しておきたいと思います。 次に、自治省に重ねて条例の効力のことについてお伺いしたいのですが、公害防止条例というようなこういう条例をつくった場合、それはどのような効力があるのかということをお尋ねしたいのです。 これもちょっと具体的な例を挙げておきたいと思いますが、名古屋地域で、ある製鋼所のばいじん公害が発生して、それについて裁判にもなったわけなんです。大気汚染ですね、この問題で判決なども出ているところなんですけれども、この大気汚染、ppmの条例、こういうようなものがどんな効力を持っているのか、一般論としてちょっとお答えいただきたいと思います。
○政府委員(浅野大三郎君) 条例と法律との関係ということでよく問題になるわけでございまして、まさに一般的に議論しますといろいろと問題点も指摘されるわけでございますが、ただいま具体例としてお示しいただきました大気汚染防止の関係でございますと、これは法律で明確に条例との関係が書いてございます。それで、「条例で」「きびしい許容限度を定める排出基準を定めることができる。」という規定を法律が置いておりますものですから、少なくともこの規定に基づきまして条例で法律で決めている基準よりも厳しい基準を決めることができるということについては問題はないと思っております。
○翫正敏君 具体的には、この名古屋地裁でのある製鋼所のばいじん公害事件の判決を見ますと、条例に定められている値は規制基準であるというこういう判決にもなっているわけですけれども、これは自治省としての考え方と合わないわけではないんですね。
○政府委員(浅野大三郎君) ばいじん等の場合につきましては、法律で明確に条例で排出基準を決めるということを認めておりますから、全く問題ないと思います。
○翫正敏君 それでは、自治体が企業とか国とかと結ぶ協定、この場合はどういう効力になるのでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) ただいまお示しの協定、例えば公害防止協定と称されるようなものでございますが、これにつきましては法律上特別の位置づけがございません。したがいまして、それは法律の一般的な原則によってどういう効力を持つかということが解釈されることになると思います。それは最終的には裁判所の判断にまつということになると思いますので、私どもも行政を担当しておる立場で明確にこうだということを言い切ることはなかなか困難なんでございます。 いわゆる公害防止協定につきましても学者によっていろいろな説があるようでございます。ただいま申しましたように、政府として行政法規で定めておることではございませんで、一種の司法的分野に属するようなものではないかという感じを私どもは持っておるわけでございます。そういう意味で明確にこういうものだということを申し上げることが困難なんでございますが、一種の司法的な効力と見るのがいいのではなかろうかというふうに思うわけでございます。
○翫正敏君 結んだ自治体と企業の間の例えば公害防止協定ならその当事者間において、それから自治体と国の間でもし結んだとするならばその当事者間において、それは司法上の契約と同じである、そういうことですか。それはそういう見解である、さっきから言いました計画、国が関与してつくる契約とか自治体がつくる条例とかというものとは違って、当事者間同士で結ばれるものであって、それを守るか守らないかも当事者間同士が決める、こういうような趣旨ですか。もうちょっと協定というものは強いものじゃないんですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 公害防止協定と条例というのは私はやっぱり違うと思います。条例というのは一種の法的拘束力を法律と同じような意味で持たし得る、条例の中身にもよると思いますけれども、そういう性格のものでございます。公害防止協定というのはあくまでも当事者間の意思の一致によってできているものであることは間違いないんじゃなかろうかというふうに思うわけでございまして、条例とは違う。 ただ、そうかといって、それでは協定を結んだ相手方の企業がそれを無視していいというようなものでは全くないと思います。そういう協定がある以上は、企業はそれを守るべぎだということではあると思います。
○翫正敏君 環境庁に関連してお伺いしておきたいんですが、環境基準ございますね、これはどんなものがあるのかということ。そして、環境基準というのはそもそも部屋の中においてはかるというような性格のものじゃなくて、屋外において測定してはかるものであるということが原則ですね。それはそういう理解をしてよいかどうかをお答えください。
○説明員(西尾哲茂君) お答え申し上げます。 環境基準にどんなものがあるかというところでございますが、公害対策基本法第九条に基づきまして、現在大気の汚染、水質の汚濁、騒音について環境基準が定められているところでございます。このうち大気の汚染や水質の汚濁は汚染物質の種類などに応じて定められております。それから、騒音につきましては、一般の環境基準、これには道路騒音を念頭にした沿道の基準も含まれておりますけれども、これのほか新幹線鉄道、それから航空機騒音につきましては、特にその発生源の態様に応じた環境基準が定められておるところであります。 それから、その達成をしたかどうかということはどこにおいて考えるのかということでございますが、大気の汚染あるいは騒音というものに係ります環境基準につきましては、これは屋外において測定をいたしまして、それが環境基準値に照らしてどうかということで適否を判断するということでございます。
○翫正敏君 環境基準というものの効力はどういうふうになるんでしょうか。
○説明員(西尾哲茂君) 環境基準は、公害対策基本法上「人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持されることが望ましい基準」として定められるものでございまして、政府はその「基準が確保されるように努めなければならない。」ということでございまして、行政が努めなければならない目標であるということでございます。
○翫正敏君 環境基準は行政の目標値であり望ましい基準値である、こういうことなんですが、その環境基準の値をある地方自治体が企業や国との間で協定を結びましてその環境基準を守る旨の約束、協定を結ぶとしました場合は、その効力につきましては、環境基準が望ましい基準である、行政の目標値であるというところから、協定によって結ばれたということによって効力において変化が生ずると私は思うんですけれども、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○説明員(西尾哲茂君) 環境基準の性格につきましては、先生御指摘のとおりでございます。 それで、例えばという例であろうかと思いますが、個別の地域とか、そこでの環境の影響の状況に応じまして、環境問題の解決のために、御指摘のように環境基準値を引用した形で特別の協定などを結ばれる場合というのはあるかもわかりません。これは法律的な拘束力の問題は先ほどから自治省のお答えのとおりだと思いますけれども、私ども環境行政を進める立場から見まして、これはその環境問題を解決するために関係者間で約束をされたわけでございますから、一般的には当然その約束というのは当事者間で守っていかれるべきものだ。したがいまして、環境基準という努力目標に向いて行政は努力はしなければいけませんけれども、それに加えて、協定などの当事者においては、それはその約束をしっかり守っていかなきゃならないということが一つ加わってくるんではないかというふうに理解しております。
○翫正敏君 法的拘束力云々については自治省と同じでという意味はどう同じなのかというと、裁判において決めるしかないという意味で同じだ、こういうことですか。
○説明員(西尾哲茂君) 当事者間の協定でございますので、環境基準のような意味合いの法律上の意味とか、あるいは規制法のような命令をしたり罰則ができるといったようなそういうことはないわけでございますので、そういう協定というものを実際に履行するとかというようなこと、あるいは守らない者に対してどうやって履行させようかといったときには、その裁判によるような意味じゃないかということでございます。
○翫正敏君 時間がないんですが、文部省にも来ていただいていますので、ちょっとだけ用意してあるのをお願いします。 教育行政のあり方について文部省に質問をしたいんですが、ことしの四月三日に長野県中野市のある小学校の入学式で日の丸・君が代をめぐって事件が起こっているんですけれども、このことについて、時間がないのでごく簡単に説明してください。
○説明員(近藤信司君) 御指摘の長野県中野市の小学校の件でございますが、長野県教育委員会からは概要次のような報告を受けているところでございます。 この四月の三日に中野市立延徳小学校の入学式が行われたわけでございますが、その際、日の丸・君が代反対というゼッケンをつけた一人の父親が日の丸反対と大声で叫びまして正面のステージに向かって走り出した。そこで教職員がそれを制止しようとしたわけでありますが、その父親の方が暴れたために、このままでは正常な入学式ができないと校長が判断をいたしまして、妨害者を式場から出してもらうために警察に連絡をしたということでございます。なお、この警察への要請につきましては、入学式を妨害する行為があった後行われたものであります。 その後、入学式は一時中断をいたしまして児童を教室に入れ、その後再び式場に入れて入学式を再開した、こういう報告を受けておりますけれども、こういった小学校の入学式におきましてこういった混乱が起きたことは大変残念なことである、そのように考えております。
○翫正敏君 その残念な事態が起きた理由というか、原因と言った方がいいですね、その原因は一九八九年に改訂された学習指導要領で、日の丸・君が代、「国旗」、「国歌」というふうに書いてあるようですが、これが従来「望ましい」と、こういうふうになっていた表現から、これを「指導するものとする」というふうに変わったことによって、特別活動の指導方針、これが発動されるようになってきた、これが原因であるというふうに理解してよろしいですか。
○説明員(近藤信司君) 今、委員御指摘の学習指導要領の特別活動の部分の改訂でございますが、これは小学校、中学校、高等学校それぞれ平成二年度から適用になっているわけでございます。この小学校におきましては、この長野県の中野市立延徳小学校でございますが、昨年四月の入学式、それから本年三月の卒業式でも国旗を掲揚し、国歌を斉唱したわけでございますが、全く混乱もなく正常に式が行われたということでございます。 今回の学習指導要領改訂の趣旨でございますが、世界のどこの国におきましても、自国や他国の国旗・国歌を大切にし、敬意を表するということは国際的な常識になっている、こういうふうに考えているわけでございます。今後の国際化の進展を踏まえまして、国際社会において信頼し尊敬される日本人を育成するためには、学校教育において国旗・国歌に対して正しい認識を持ち、それを尊重する態度を身につけることが大切である、かように考えているわけでございます。新しい学習指導要領におきましては、そういった資質を育てることを国民として必要とされる基礎、基本の一つとしてとらえまして、入学式、卒業式における国旗・国歌の取り扱いを明確化したわけでございます。御理解を賜りたいと思います。
○翫正敏君 国際的常識云々というお話でしたけれども、日本国内における理由、根拠というものをお示しください。
○説明員(近藤信司君) 学習指導要領の意義でございますけれども、学校教育は……
○翫正敏君 いや、そうじゃなくて、日の丸・君が代の国内における根拠。
○説明員(近藤信司君) 委員御指摘の点は、日の丸・君が代、国旗・国歌の法的根拠はあるか、こういうお尋ねでございましょうか。
○翫正敏君 何の根拠かと聞いているんだ。法的かどうか知りません。何の根拠かと聞いているだけです。
○説明員(近藤信司君) 日の丸・君が代を国旗・国歌であるとする一般的な法令の規定は確かにないわけでありますけれども、日の丸・君が代が国旗・国歌であるとの認識は、長年の慣行によりまして慣習法あるいは事実たる慣習として国民の間に定着をしている、このように考えているわけでございます。この事柄につきましては、文部省だけではなくて、政府におきましても、これまで国会等においてその旨を答弁してきておるところでございます。 こういった点を踏まえまして、学校教育におきましても学習指導要領で日の丸・君が代を国旗・国歌として従来から取り扱ってきておるところでございます。
○委員長(井上孝君) 翫君、時間ですが、いいですか。
○翫正敏君 今、慣習法というのは政府の基本的考え方であるという御説だったので、ちょっと一応反論しておきたいと思うんです。 慣習法というのは、例えば入会権というようなものが典型的な慣習法だと思いますが、こういう場合は、別に地域社会の中で指導をするというようなことをしなくても既に定着をしていて、自然に地域社会の中で親から子へ、子から孫へと伝わっていっているもの、これが慣習という、慣習法というものだと思いますが、殊さらに、今まで「望ましい」、こうなっていたものを「指導する」というふうに改めなきゃならなかったということは、逆に言えば慣習になっていないということを政府みずから認めているものである、このように私は判断するものなんです。慣習になりているんならば殊さらに指導をする必要はないという私の意見についての反論をお聞かせください。これで終わります。
○説明員(近藤信司君) いろんな調査があるわけでございますが、日本の青少年と外国の青少年の国旗・国歌に対する意識あるいは態度、こういうものを比較いたしますと、今幾つかの研究所などの調査をしているわけでありますけれども、例えばアメリカの高校生でありますと、自分の国の国旗・国歌あるいは他国の国旗・国歌、国旗が掲揚され国歌が吹奏されるときに、威儀を正し、それを尊重する態度を示すわけでございます。ただ、残念ながら日本の高校生は、自国の国旗・国歌に対し、あるいは他国の国旗・国歌に対してそういう態度をとる高校生が少ない。今後の国際化等も考えてまいりますと、やはり学校教育の場において自分の国の国旗・国歌あるいは他国の国旗・国歌に対して正しい認識を育て、それを尊重する態度を育てていくということが大切なことであろう、こういうふうに考えまして学習指導要領を改訂したわけでございます。ぜひ御理解を賜りたいと思います。
○翫正敏君 答弁になっていないし、私の聞いたことに対して全然なっていないと思いますが、終わります。
○角田義一君 私ちょっとお伺いしますが、先ほど小川委員の方からも御指摘がありましたのですけれども、この行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律案。一本で非常に多岐なものが出てきておりまして我々も困るのですけれども、若干技術的なことになりますが、まず最初にお尋ねしておきたいと思います。 この法律の条文を見ますると、第一章で「権限委譲等」と書いてありますが、この「権限委譲」の委任の委に譲るという文字の使い方は非常に珍しい使い方なんです。私どもの知っている限りでの法律用語辞典を見ても、委任の委と譲るという字を使ってある法律用語はちょっと私の知る限りでは見当たらないです。これはどういう概念でございますか。
○政府委員(増島俊之君) 「委譲」、この委任の委と譲るという語でございますけれども、確かに法令上まれなものでございますが、例がなくはございません。しかし、この用語につきましては、臨調答申以来でございますが、国の事務を機関委任事務化する、それから団体事務化する、それから大臣の権限を出先機関の長の権限にする、そういう内容を含んだものとして使われてきたものでございます。行革審の答申におきましてもそういう意味内容のものとして使われているわけでございますが、今回の法案は、第二次行革審の答申、そういうものを具体化するということでこの言葉につきましても使わせていただいたということでございます。
○角田義一君 本来これはちょっと法律の構成なりあるいは条文とするとおかしいんであって、これは例えば本来であれば、丁寧な法律であれば、ここでいう委譲とは次のことを意味するとか次の定義だというのがまずきちっとなぎゃいかぬですね。法律の体裁としてもこれちょっとおかしいね。そう思わないですか、どうですか。
○政府委員(増島俊之君) この今回の一括法案でございますけれども、二つの内容、すなわち一つは権限委譲、それからもう一つは国の関与及び必置規制の緩和ということでございます。そういう二つの構成になっているわけでございますが、そういう大くくりのものとして冒頭に出てくるということについては特におかしいというふうには考えておりません。
○角田義一君 あなた、法制局長官によく勉強させてもらった方がいいと思いますよ。こういう法律用語にもないようなことを引っ張り出して、行革審の言うとおりで委譲なんていう言葉を使っちゃうんじゃまずいです。もしもそれを使うなら使うでいいから、ちゃんと委譲なら委譲の定義をまず法律の中でするのがこれは筋なんです。そういう意味では、私はこれはちょっとおかしいなという疑問をちゃんと呈しておきますけれども、もうこういう法律はこれでおしまいだと言うから、おしまいになるぐらいならそれ以上言いませんから、これが一つ。 もう一つ聞きますが、この委譲という言葉を使っておきながら、中を見ると委任だか、あるいは移す、移動の移を使って譲るというふうに書くべきなのか、あるいは全然新たに権限を与えるのか、これはみんなごったごたになっているんです。だから、私はおかしいと言っているんだけれども、そこでちょっと聞きますが、この法律の中で特に六条、それから七条、八条、九条というところに委任という言葉を使っている。例えば信託法なら信託法でいいですけれども、「本法ニ規定スル主務官庁ノ権限ハ政令ノ定ムル所ニ依り其ノ全部又ハ一部ヲ行政庁ニ委任スルコトヲ得」と書いてあります。この「委任」とはどういう意味ですか。
○政府委員(永井紀昭君) 委任という言葉は、一般的には一定の事務処理を他に委託することというふうに言われております。 ところで、民法でございますとかに言われます委任は、法律行為を委任するということで、私法上の契約でございます。これに対しまして、ただいま委員御指摘の六条から九条までに規定する権限の委任というものは公法上のものでございまして、主務官庁の権限であります公益法人の設立許可等の職権を都道府県知事等に委任するものということで、委任を受けた行政庁であります都道府県知事はその事務を自己の職権として行うことになるということでございます。したがいまして、公法上の権限の委任につきましては、私法上の契約であります委任に関する民法等の規定は適用されないということで、区別があるわけでございます。
○角田義一君 その解釈だけきちっと承っておけばよろしいと思うんですよ。一応法律が出てきた以上、これは公法上の委任であると、したがって民法上の委任の規定は適用がないということですから、具体的に言えば、例えば知事が公益法人を認可したといった場合に、主務官庁である例えば建設省なら建設省、ほかのものがそれを取り消すなんということは絶対あり得ないということなんですね。
○政府委員(永井紀昭君) 基本的には委員御指摘のとおりでございます。この公法上の権限の委任につきましては、先ほど申し上げましたとおり、民法の規定は適用されませんので、例えば都道府県知事がいたしました許可等につきましては、主務官庁が一方的に取り消すというようなことはできません。これは、御承知のとおり、都道府県知事等が主務大臣の指揮監督を受けておりますので、もしその都道府県知事等が事務の管理あるいは執行が法令の規定に違反しているとか、そういうような特別な場合がありますと職務執行命令を発して、さらにそれにも従わないときは職務執行命令訴訟を起こすという非常に厳しい一定の手続を必要とするという、こういうことになっております。
○角田義一君 民法の規定、民法の今度は新たな八十三条ノ二をつくるようですが、これは行政庁ということで非常に広い概念だと思うんです。同じ法律の中のほかの条文を見ますと、委任をする相手なりあるいは委譲する相手なりが全部特定されてます。しかし、今私が申し上げたような四つの法律につきましては、行政庁という非常に幅広い概念がかかっておる。しかし、実態は知事なんですね、例えば民法なんかを見ますと。どうしてこういう体裁をとるんですか。
○政府委員(永井紀昭君) 確かに、行政庁というのは一般的に国の行政機関及び地方公共団体の機関で処分権限のあるものを言うわけですから、非常に広い概念です。ただ、例えば今回の民法八十三条の場合の行政庁は、この条文からも明らかなとおり、主務官庁の権限を委任されるという主体になっております。したがいまして、この場合の行政庁は権限を委任する主務官庁、具体的にはそれぞれの大臣と言ってよろしいですが、それ以外の他の行政庁ということになると思います。例えばこの行政庁の中には都道府県知事も入りますし、それから地方支分部局の長、具体的には例えば地方運輸局長でございますとか、あるいは地方航空局長といったこういった地方支分部局の長も入るわけでございます。 ところで、具体的に行政庁をなぜ書かなかったかということでございますが、民法あるいは信託法その他破産法等は基本的には私法に関する基本的な法律でございまして、公益法人に関する例えば許可等の主体につきましても、具体的な行政組織を捨象いたしました主務官庁という表現を使ってきているわけでございます。改正法案につきましても主務官庁に対してやや抽象的ではございますが、行政庁という用語を用いまして抽象的な表現としているものでございます。具体的には各省庁において政令をもって定めるということになろうかと思います。
○角田義一君 これは具体的には政令も使うようなことになるんでしょうけれども、実態は、例えば公益法人は県単位であれば知事さんが現在やっておりますけれども、そういう事実関係といいましょうか、実態というものには手をつけないというか、それはそれで変わりないと、それを尊重して政令なら政令をつくるというふうに承っておいてよろしいのか、それとも全然今までのあれを無視してやっちまうのか、その辺だけはっきりさせておいてもらいたい。
○政府委員(永井紀昭君) 例えば民法に規定をされております公益法人の設立の許可あるいは監督などの主務官庁の権限につきましては、現在臨時措置法あるいは臨時措置令によりまして、ただいま委員のお話しになりましたとおり、公益法人の目的とする事業が一都道府県にとどまるものは都道府県知事等に委任されている場合が多いわけでございます。この主務官庁の権限の委任につきましては、現在でも約七割以上が委任されているという実態にございまして、その実務が長期間にわたって定着しております。また、現在における行政の簡素化の観点からもそれが妥当であろうということから、引き続きその内容を維持するという考え方に立っているわけでございます。 したがいまして、この民法の一部改正等は、従来の許可認可等臨時措置法において同じ内容が認められてきたものでございまして、その内容に変更はないわけでございます。他の信託法等におきましても同様でございまして、実質的な変更は全くないと言ってよろしいと思います。
○角田義一君 じゃ、次の質問に移ります。 天下りの問題ですけれども、一口で特殊法人とこう言われておりますが、閣議決定でさまざまな決定がなされて規制がなされておるんですけれども、その規制の対象になるいわば特殊法人というのは幾つ数があって、そしてその規制の対象になるべき役員というのは数はどのくらいあるのでございますか、正確に言ってください。数だけでよろしいんです。 〔委員長退席、理事板垣正君着席〕
○説明員(浅見喜紀君) お答えをいたします。 特殊法人の数は九十二法人、それから対象となります役員の数が七百七十五人でございます。これは本年一月一日現在ということでございます。
○角田義一君 七百何人ですか。
○説明員(浅見喜紀君) 七百七十五人でございます。
○角田義一君 それで、まず一つお聞きしますけれども、一九七九年十二月十八日の閣議了解、それから一九八一年八月二十五日の閣議決定に基づいて役員の縮減というのが図られたはずでありますけれども、この実態はどうなっておりましょうか。
○説明員(浅見喜紀君) ただいま先生がおっしゃいました閣議了解及び閣議決定によりまして、昭和五十五年四月一日以降三年間を目途に当時の常勤役員の一割を縮減するということで、七十五人の縮減を目標に実施しておったわけでございます。ただ、その縮減計画を実施しておりますうちに、昭和五十六年の八月に、当時の臨調の答申を受けまして、さらに昭和五十九年度までの間に常勤役員数のおおむね二割を縮減するということでその縮減がさらに強化されまして、その結果、当時の役員数の約二割、具体的な数字は百六十人ということでございますが、その百六十人を縮減の目標といたしまして計画を実施いたしまして、昭和六十一年度までに百六十人の縮減が達成されております。
○角田義一君 それでは、次にお尋ねしますけれども、そうすると、ちょっと念を押しますが、七百七十五人というのはその二つの閣議決定に基づく百六十人の縮減の結果七百七十五人になっておる、こういうふうに理解してよろしいんですか。その辺はどうですか。
○説明員(浅見喜紀君) ただいま申し上げた百六十人の縮減というのは昭和六十一年までに達成したわけですが、その後特殊法人の統廃合とかあるいは業務内容の拡充とかによりましてさらに役員数が変化しております。ただいま私が申し上げました七百七十五人というのはことしの一月一日現在ということですので、当時の常勤役員数から百六十人を引いた数がそのまま現在の七百七十五人になっているということではございません。
○角田義一君 そうすると、この縮減の問題についてはまだ若干課題が残っている、今の現状でどうするかという問題はあるということだけ申し上げておきたいと思います。 次に、一九七九年十二月十八日の閣議了解に基づいて天下り比率の縮減計画というのがされているはずであります。 そこで、時間がありませんから端的に聞きますが、あなたの方は、要するに天下りの縮減というものはいわば先ほど言った役員総体、はっきり言えば七百七十五人のうちの約半分でいいという理解なのか、それとも、私の方は各法人ごとにやっぱり半分に抑えるべきだ、それが正しい私は閣議決定の内容だと思うんですけれども、この辺どういうふうに考えているんですか。
○説明員(浅見喜紀君) 特殊法人というのは純粋の民間企業と違いまして、国の業務をある意味では代行しているという面もございますし、それから特殊法人のそれぞれの業務内容あるいは役員の職務分担等によりましてさまざまでございますので、これを一律に個々の法人ごとに約半数ということはなかなか無理があるのではないかということで、当時の閣議了解も、「全特殊法人の常勤役員については、国家公務員からの直接の就任者及びこれに準ずる者をその半数以内にとどめる」ということを目標にやっておるわけでございます。 〔理事板垣正君退席、委員長着席〕
○角田義一君 これは私は非常に異論があるところです。例えばある法人では、こう言っちゃちょっと失礼ですが、いわば天下り的な人が全部を占めておる、一〇〇%を占めておる、片っ方は非常に少ない、一割ぐらいしかいないというアンバラがあっても総体として半分になっていればいいというのはちょっとやっぱり私も理解できないんじゃないですか。すべての法人についてやはり天下り的な人たちについては半分にするような努力をするというものが常識的な私は判断だと思うんですけれども、いかがでございますか。
○説明員(浅見喜紀君) 先生おっしゃるとおり、法人の役員のすべてが直接の国家公務員の出身というものも数幾つかあるわけでございますけれども、これはあくまで、先ほども申し上げましたようにそれぞれの特殊法人、九十二ある特殊法人というのはそれぞれ皆異なった仕事をしておりますので、繰り返しになりますけれども、これを一律にすべての法人について半数以下に抑えるべきであるというのはなかなか難しいと考えております。
○角田義一君 これはこれからいろいろまた議論をしていきたい、きょうは問題提起という程度にしておきたいと思います。 そこで、先ほど七百七十五人役員がおるということのようでございますが、じゃ総体としてこの七百七十五人のうちの半分になっておるのでございますか、どうですか。
○説明員(浅見喜紀君) 七百七十五人のうち、これもことし一月現在でございますが、国家公務員からの直接の就任者あるいはこれに準ずる者という閣議了解の基準で申し上げますと、七百七十五人のうちの三百八十四人が今言ったような人でございまして、これが四九・五%ということで、半数以内の目標は達成しております。
○角田義一君 後でちょっと最後にお願いしたいことがありますけれども、政労連が出しました天下り白書、参事官のところにも行っていると思いますけれども、若干母数のとり方といいましょうか、違うんですね。 それで、これは私は今後の問題として、同じ土俵でやっぱり議論した方がいいだろうというふうに思いますので、この辺の統計のとり方なり、これについて私は政労連と非公式でも何でもいいから協議されて、やっぱり同じ土俵でいろいろ議論する、こういう慣行をつくったらいかがかというふうに思いますが、どうですか。
○説明員(浅見喜紀君) 私も政労運のいわゆる天下り白書を拝見しておりますが、例えば公務員出身者の役員就任というものの中は国家公務員以外に地方公務員出身者も入っているとか、そういう考え方の違いといいますか、そういうものがあるわけなんですが、私どもはあくまでも閣議決定なり閣議了解に忠実に沿って整理をしておるということでございます。
○角田義一君 だから、それはそれであなた方の立場はそれでいいんですけれども、お互い立場立場というものがあるけれども、その政労連の立場なりそういうものを、あるいは政労連の問題提起なりというものをやっぱり受けとめて同じ土俵に着くというか、そういう柔軟な姿勢が私は必要だろうというふうに思っているんですけれども、もう少し柔軟な答弁ができませんか、いたずらに余り突っ張らないで。どうですか。
○説明員(浅見喜紀君) こういった問題については、何といいましょうか事実認識といいますか、そういうところは共通の基盤というものが必要だと私も思っております。ただ、今申し上げましたように、例えば公務員出身者というのを一つとりましても、政労連の方は地方公務員も含める、私どもの方は含めないということで、その違いといいましょうか、そういうものがはっきりしていればそれはそれで共通の土俵にのっているというふうに考えております。
○角田義一君 これは一遍のあれではとてもあなたもはいと言わないようだから、ひとつ粘り強くこれからやっていこうと思います。 それから、年齢制限については閣議決定がいろいろあるんですが、これはどの程度に守られていますか。年齢制限を超えているような人は一人もいませんと言い切れますか、この七百七十五人のうち。
○説明員(浅見喜紀君) 年齢につきましては、これも先生御承知のとおり原則として六十五歳まで、それから総裁等につきましては七十歳に達するまでということでございますが、現在総裁とか副総裁等で七十歳以上の者が九人、それから一般の役員といいましょうか、理事、監事で六十五歳以上の者が八人おります。
○角田義一君 これはあなた方の方に言わせればいろいろ事情がございますということになると思うんだけれども、事情は事情でどこでも事情はあるんです。やはり後進に道を譲るといることも大事だろうし、それから部内から登用するということも大事なんです。やはりこの閣議で決めている年齢制限というものは守らせる、守ってもらうという指導を常にしなければいかぬじゃないですか、どうですか。
○説明員(浅見喜紀君) この特殊法人の役員の人事につきましては、これも閣議決定に基づきまして各省庁が候補者を選考する段階で内閣官房に協議するということになっておりまして、私どももこの協議を受けた場合には厳正に対処しておるつもりでございます。 今、高齢に達している者も合計いたしまして十七名おるわけでございますけれども、これらもそれぞれよく事情を聴取いたしまして真にやむを得ないというふうに判断した結果でございます。
○角田義一君 人材というのは豊富にあるもので、どうしてもその人でなければならぬというのは珍しいんです。余りないんです。だから、やはりここは閣議決定の原則を守らせて今私が言ったようなことをやるべきだというふうに思うんですが、あなた、私の意見を承っておくだけで、それで終わりにするつもり。やっぱりこの閣議決定というのはちゃんと守らしていきたいというように答弁しますか、どっちの答弁しますか。
○説明員(浅見喜紀君) これはこれまで非常に緩やかに運用しているということではございませんで、各省庁に対しては非常に厳しく運用しておりまして、その役員の年齢構成とか年次構成とか、その経歴とか、先ほども申し上げた法人の業務内容、それからそれぞれの職務分担といったようなことを総合的に判断して、真にやむを得ない者に限ってこういう例外を認めているわけでございまして、その結果が十七人ということで約二%以内にとどまっているということだと信じております。
○角田義一君 最後の質問。最後に一点だけ質問します、時間ですから。 こういういわば天下り問題についての閣議決定がいろいろあるわけです。ちゃんとやっぱりこれの機能をチェックして、そしていろいろ指導するということの最高責任は一体だれが負うんですか。
○説明員(浅見喜紀君) 先ほども申し上げましたように、閣議決定で「内閣官房長官に協議する」ということになっておりますので、閣議決定ということですから内閣全体ということにはなりますが、直接の責任者は内閣官房長官だと思います。
○角田義一君 それでは最後に、この問題については引き続いていろいろな観点からやっていきたいというふうに思いますのでよろしく。それだけです。
○委員長(井上孝君) 午後零時五十分に再開することとし、これにて休憩いたします。 午後零時一分休憩 ────・───── 午後零時五十一分開会
○委員長(井上孝君) ただいまから内閣委員会を再会いたします。 休憩前に引き続き、行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山口哲夫君 法案審議に入ります前に、一昨日の質問のときにできなかった問題があるものですから、先に質問させていただきたいと思います。育児休業の問題です。 人事院は四月の一日に国会と内閣に対しまして一般職公務員についても育児休業制度を法制化すべきだ、そういう意見の申し出を行いました。民間労働者を対象とする育児休業法はもう既に三月二十九日に閣議決定をいたしまして今国会に提出をされております。 それで、総務庁長官にお尋ねいたしますけれども、公務員の育児休業はたしか一昨日の閣議で決まるという話を聞いていたんですけれども、何かやらなかったようでございますけれども、いつ国会に提出するんでしょうか。
○国務大臣(佐々木満君) この前から申し上げておりますとおり、人事院からの意見具申に基づきましていろいろと事務的な作業を進めてまいりましたけれども、今日まだ成案を得るまでに至っておりません。そこで私は、今国会にはこれは間に合わない、こういうふうに判断をいたしまして今国会には御提案を申し上げない、こういうふうにせざるを得ないんじゃないか、こう思っておりまして、引き続き精力的な調整を進めまして、次の機会に御提出申し上げたい、こういうことになるんじゃないかと思っておるのが現状でございます。 別に人事院からいただいた意見具申の中身について格別異論があるわけではございませんけれども、いろいろ立法技術の面で現行法との関係をどうするかとか、あるいは関係の各省庁ございますので、その間の調整とか、そういう点でおくれておるわけでございます。 できるだけ早く、私はもっと早く成案ができるんじゃないかと思ったんですけれども、やはり意外に時間を要しておりまして、今日の段階で、今会期末間もなくでございますので、ちょっと御提案申し上げるわけにいかないんじゃないか、今そういう状態でございますので御了承願いたいと思います。なるべく早く成案化をいたしまして御提案申し上げたいと思っております。
○山口哲夫君 人事院の方から出されている申出に対しては特に中身については異論がないということでありますと、あとはいろいろな折衝等もあると思うので、それがまとまれば会期中にでも出せるんでないんでしょうか。中身はほとんどもうできていると思うんですけれども、そういう手続が終わればすぐに出せるんでないかと思うんですが、何とか努力してもらえませんですか。
○国務大臣(佐々木満君) これはもちろんここで検討を中断しているわけではございませんで、精力的に詰めてまいります。ただ、来月の八日でございますか、そういうことを考えますとちょっと無理ではないかなと思っておりますが、引き続き全力を挙げて調整をいたします。
○山口哲夫君 何とか会期中に出せるように一層努力をしていただきたいと思います。 人事院の意見では、女子教育職員、それから看護婦、保母を対象とする現行制度を新制度に取り込むこととするというふうにあります。今、長官がおっしゃったように人事院から出された中身については異論がないということなんで、こういう制度に現行制度を取り入れることについてはよろしゅうございますか。
○政府委員(石川雅嗣君) お答え申し上げます。 人事院からの意見の申出につきましては、先ほど大臣がお答え申し上げましたように私ども特段の異論を持っているわけではございません。したがいまして、人事院の意見の申出の内容に沿って法案を作成するということで現在準備を進めております。
○山口哲夫君 それでは、具体的にお伺いしますけれども、いわゆる特定三職種とその他の職種、これについても差別がないでしょうね。それからもう一つ、特定職種内の男女間における差別もしないでしょうね。これは憲法で性による差別は禁止されておるわけですから、憲法の精神にのっとって差別はないというふうに解釈してよろしいですね。
○政府委員(石川雅嗣君) 人事院の意見の申出の内容といたしましては、一つは現行の育児休業法、この適用を受けている特定職種の方々については、新しい制度の中で現行制度と一本化する際には、現在の育児休業の対象になっている方々、そういう職種についての育児休業給はそのままの形でもって残す、こういうことでございまして、今回の民間の育児休業にあわせて新たに育児休業の対象となってまいります方々について特段育児休業給を支給するというような内容ではございませんので、先ほど申し上げましたように人事院の意見の申出の線に沿って私どもとしては作業をいたしている、こういうことで御理解をいただきたいと存じます。
○山口哲夫君 人事院の意見ではいわゆる女子教育職員、看護婦、保母、こういう現行制度を新制度に取り込むことというふうになっていますね。そうしたら当然、新しく国家公務員の育児休業法をつくる場合にはこの制度を取り入れれば一部有給になるというふうに解釈できるんですか。
○政府委員(石川雅嗣君) 「私どもが理解いたしておりますのは、現行育児休業法の対象となっております看護婦、それから義務教育の女子職員等の特定の職種の方々について新たな育児休業法の中にそれを取り入れる場合に、現行法で規定しているその方々に適用されているものはそのまま特定職種の方々について適用できるようにしていく、こういう趣旨で理解いたしている次第でございます。
○山口哲夫君 それは人事院の解釈と違うんでないですか。今総務庁の局長の言った解釈は人事院の解釈と違いませんか。
○政府委員(大城二郎君) ただいまの点について私どもと総務庁の方の意見の違いはございません。私どもは先生のお話のように現行制度を取り込むというお話の点につきましては、給付の部分はこれは別でございまして、そのほかの部分について現行の特定職種について定められている育児休業の枠組みの中で新しく全体的な制度として取り入れられるものは取り込んでいくという姿勢で作業をした、そういう趣旨でございます。その点について総務庁の方と意見の違いはございません。
○山口哲夫君 一番今問題になっているのは一部有給の問題でしょう。だから、これを外してそのほかだけは人事院の現行制度を適用するんだというんであれば、一番肝心なところを除いてしまったんじゃ何も意味がないんじゃないですか。それはちょっとおかしいんじゃないですか。人事院がそういう考え方を持つこと自体おかしいと思いますよ。
○政府委員(大城二郎君) 確かに給付に関する部分が最大の問題点であることは承知しておりますが、現行の特定職種におきましても給与は支給しないし、原則そのものは法律の規定にはっきり書いてあるわけでございまして、それはそのまま今回も民間の法案との均衡を考えながら検討いたしました結果、それは維持すると。問題のその給付につきましては現行の特定職種についても当分の間の措置として実施してきているものでございまして、それをこの際変更するというまでに至らなかった、そういうことでございます。
○山口哲夫君 三職種の人たちというのは一部給付されているわけでしょう。
○政府委員(大城二郎君) いわゆる育児休業給が支給されているということでございます。
○山口哲夫君 だから、それを今度新しい国家公務員の制度に対してもできないことはないんじゃないですか。
○政府委員(大城二郎君) その点につきましては、現行の育児休業法は特定職種の特定分野における人材の確保、そういうものを目標に、目的にしたものでございまして、今回定めようという一般的な制度とは趣旨、目的を異にしておりますのでそういう別の取り扱いになっているということで、それを今回の制度化に当たって直ちに一般化するということにはならないというふうに理解しております。
○山口哲夫君 人材確保といったらこの三職種だけじゃないですよ、今人材不足なんですから。労働力不足で困っている、そういうことも考えなきゃならない。 それから、時間があれば後ほどお話ししようと思ったけれども、今やっぱり出生率の問題等もあるんです。我々国民生活調査会で随分論議しましたけれども、そうすると女子が出産しやすいように、育児しやすいような制度を改正していかなきゃならないという、こういう国家的な目標もあるわけです。そういうことを考えたときにこの問題だけは別個にするということには私はならないと思うんです。これはぜひ総裁、一回検討してほしいし、総務庁長官の方も、職業によって差別するなんというのは、これはやっぱり憲法の精神にも私は反すると思うんです。女子の中でそういった仕事によって差別するなんというのは国家公務員がやるべきことではないと思うんですね。だから、この点はぜひひとつ長官も総裁も、これからまだ成案をつくるまでに時間があるでしょうから、十分これは検討していただきたい。 特に憲法の十四条で法のもとに平等であるという、性によって差別しちゃならないということがはっきり書かれているのに育児に関しては男と女とは別だという、これは今の常識では通らないです、今の世の中では。男性が育児をしてならないなんということになっていませんので、これは全くおかしいですよ。人事院がそんな考え方を持つこと自体大変なことなので、それはやっぱり改めてもらわなきゃ困ります。
○政府委員(大城二郎君) 先生御指摘になられましたような一般的な社会情勢等は私ども十分検討しておるつもりでございますが、今回設ける一般的な制度としては確かに男女それぞれが育児休業を行うことができるという制度をつくろうとしているわけでございますから、その点については御理解をいただきたいと思います。 現在の特定職種の制度というのは、これはまた別の趣旨、目的でつくられたということで、それは現在まで引き続いているものでございますから、そういう意味ではこれは別の制度として現在まで成り立ってきている、それを現在特段変更するという状況に至っていないというふうに理解しているということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○山口哲夫君 少なくとも人事院は憲法をきちっと守るという立場に立たなきゃならないでしょうし、職業によって差別をつけるなんということは人事行政上これは大変な問題だと思うんです。そういう考え方に立ってやられたのでは我々とても納得できませんので、まだ時間がありますから、こういう意見というのは相当あらゆるところから出ていると思いますので、最終的に詰める段階で十分ひとつ考え直していただきたいということをお願いしておきたいと思います。 それから、社会保険の掛金というのは大きくて、これはばかにならないですね。大体給与の一二%です。育児休業を受ける人の対象賃金というのは二十五万円くらいですから、そうすると年間三十万です。月に直しても約二万五千円です。賃金が入らないほかに二万五千円、これを自分が払わなければ年金から健康保険から切れてしまうということになると、これは生活のことを考えたら退職せざるを得ないような格好になってしまうんです。せっかく育児休業制度を設けているのであれば、安心して育児に専念できるようにこの程度のことは最低限考えるのが常識だと思うんですけれども、これはちょっと検討してみたらいかがですか。
○政府委員(大城二郎君) その点は十分検討してきたつもりでございますが、休業期間中の給付をどうすべきかという点につきましては従来からさまざまな御議論があったところでございます。本院における議論におきましてもさまざまな御意見があり、結論的なものがはっきり出ていないというふうに私ども承知しております。それからまた、労働省の方で民間の制度を御検討なさいました婦人少年問題審議会の御議論の中でも特定の結論を見るに至っていないというふうに私ども理解しております。 そういう状況の中でなお多角的な検討が必要であるという御意見がその審議会の中でも出ているようでございますので、私どももそういう意見をいろいろ踏まえながら検討してきておりますし、今後もそういう意見の展開あるいは民間の状況等を前提にしながらさまざまな角度から必要な検討を加えてまいりたいと考えております。
○山口哲夫君 公務員が人事院に期待するものというのは、やはり公平な立場で世界の趨勢だとか我が国が憲法に基づいてどうあるべきかとか、そういう公正な判断をしてくれるだろうという期待があるわけです。何か政府の、総務庁の言っていることを人事院として勧告するようなそんなふうに受けとめられてしようがないです。おとといの質疑なんか聞いてますと、私がお尋ねしないのに総務庁の方から先に答弁して、人事院の答弁を先に抑えるようなそんなような感じも受けたし、私はそういう点ではやっぱり人事院に物すごく期待しますので、今お話がありましたようにもう少し検討していただきたいと思う。 それで、民間では育児休業制度というのは非常に普及してきていますね。六十二年度で一九・二%、恐らく今日時点で調査したら三〇%くらいの企業が育児休業制度というのはやっているだろうと思うんです。そして、この給与については労使交渉で決めているんですね。有給のところも随分何か多いというふうに聞いております。ちょっと古いあれですけれども、全額負担、一部負担なんというのを合わせますともう既に四十数%、約五〇%くらいのところが一部負担しております。そういうことを考えたら、総務庁の方も法案つくるまでにはそこのところを民間準拠ということを十分考える必要があるし、人事院としても、仮に政府がそういう一部有給にしないような方針を出した場合においても、民間がそういう実態にあるということを把握するならば、当然これに対して必要な勧告というものを行って新しい制度の中に反映させるくらいのことは必要になってくるだろう、そういうふうに思いますけれども、どうでしょうか。
○政府委員(大城二郎君) 私どもも民間の状況には十分関心を持って必要な調査等行ってきております。私どもの昨年の調査結果によりますと、育児休業制度等の制度を持っているというふうに答えられた企業が二二・二%ございます。そのほかに個別に措置するというものが八%程度ございます。ただし、その中に、制度ありと答えた中でいわゆる育児休業という制度を持っております企業は一三・七%でございました。その一三・七%の中で給与等の給付を行っているという企業の割合は二九・三%、支給しないというのが六四・三%で、まだ給付を行われていないというのが大部分であるという状況だというふうに把握しております。 今後、育児休業制度が広く普及していく過程でそういう状況も大きく改善されると思いますので、その辺の状況につきましては、私どもいわゆる民間の勤務条件の調査等を春、秋行っておりますので、そういう中で十分把握して検討してまいりたいと考えております。
○山口哲夫君 今国会に民間の育児休業法が出され、それから国家公務員も出される、そういうことで急激に民間の育児休業というのが進んできていることは事実ですし、そして一部有給についても急激に交渉が持たれて進んでいることも事実なんです。 それで、総裁にお伺いしますけれども、今局長からもお話があったようにこの間変化が急激ですから、その辺の実態を踏まえて、それにきちっと民間準拠で対処できるような対策というものを考えて、その時点での勧告というものをぜひひとつやっていただきたい、そう思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(弥富啓之助君) ただいまいろいろ御議論がございました。確かに、最近におきます女性の社会、職場進出、それから家族構成の変化、出生率の低下その他いろいろな状況の中にありまして、女性の仕事と家庭の調和ということを念頭に置きまして、今職員局長からお答えがありましたように、また先生からの御意見もございましたように、女性に対する育児休業制度等の制度がこれから非常にふえていくであろう、そういうことは予想されるところでございます。 したがいまして、今申し上げましたように、春は主として給与関係、秋は勤務条件その他のことについて調査をいたしておりますので、その民間の調査を見て、しかも一般的な社会情勢に適応するような原則のもとに善処をしてまいる所存でございます。
○山口哲夫君 できるだけ早く調査して善処していただきたいと思います。人事院の関係、結構でございます。 それじゃ、水道法の一部改正に入ります。 閣議決定されております「水道法に基づく水道事業等について、一定規模以下の水源の種別、浄水方法等の変更に係る認可権限を都道府県知事に委譲するとともに、認可申請書の添付書類の簡素化を図る。」、こういう閣議決定がされているんですけれども、これが今回一部改正に出ていないわけです。よろしゅうございますか、厚生省いいですか、間違いないですね、出ていないですね。 それで、何かお話に聞きますと、政令で委譲しているんだというお話なので政令をいただきました。見ますと、人口が五万人を超える水道事業とか、一日最大給水量が二万五千立米だとか、工事費の総額が五千万円以下である、そういうものは委任するというふうになっているんです。これは閣議決定の方はそこまで制限せよというふうには書いていないと思うんですけれども、制限する必要はないんじゃないでしょうか。少なくとも今、自治体の技術力というのは非常に向上しておりますので、一々政府にお伺いしなくたってやっていけると思うので、制限しないでやるということにはならないでしょうか。
○政府委員(増島俊之君) 今回の百四十二事項の中の一つにあるわけでございますが、法律によりますものと、それから政令あるいは省令等によりますものとがございます。それで、政令、省令によりますものにつきましては、主管の厚生省において今検討していただいております。
○山口哲夫君 平成二年十二月二十七日で各都道府県知事あてに水道環境部長名で文書が出ているんです。方針が決まっているんです。中身を制限しているんです。だから、そこまで制限しなくたって自治体はやっていけるんですから、制限しない方がいいんじゃないですかという質問なんです。厚生省の方、何かきょう水道環境部長さんが出ると言ってましたのですがね。
○政府委員(長谷川慧重君) 私の方は医療施設、保健所等の業務を所管いたしておりますので、水道の関係につきましては残念ながらちょっとお答えする能力がございませんので、お許しいただきたいと思います。
○山口哲夫君 何か行き違いがあったようです。厚生省の方からどなたか出ていただけるものと思っていたんです。 それじゃ、局長にお願いしておきますけれども、厚生省からこういう文書をいただいたけれども、制限を加えられているんで、制限する必要はないんじゃないかという質問をしますからねと言っておいたんですけれども、これは十分よく検討してみていただきたいと思うんです。政令で出される内容が薄められてしまったんでは意味がないと思いますので、お願いします。 それから、次は下水道の方です。 第二十一次地方制度調査会では、「市町村の下水道事業の事業計画の認可その他の監督に関する事務を」「都道府県に移譲する。」というふうにあります。これに対して新行革審は、「下水道事業計画について、主要な管きょの配置等の変更に係る認可権限を都道府県知事に委譲するとともに、下水道事業計画と都市計画事業計画の様式の統一等事務の簡素合理化を図る。」、こういうふうに出しているわけです。ところが、これもせっかく閣議決定されているんですけれども、今回の法案では出てこない。時間がないから冒頭質問しなかったんですが、三十三項目を行革審ですか、閣議決定している中でほんの一部しか今回提案していない。非常に問題があると思うんです。閣議決定したらそれを全部きちっと法案で出すのが当たり前なのに、ほんの一部しか出さない。悪い言葉で言えば、どうでもいいようなものばかり出してきて、肝心なものはさっぱり出してこないという、これは一般的に言われていることなんです。 建設省に聞きましたら、これも政令で六月ごろに出したいというようなお話がありました。これはまさか内容を薄めるようなことを考えないでしょうね。
○政府委員(増島俊之君) 建設省のお答えの前に、先ほど先生のおっしゃいましたことの事実関係につきまして御説明させていただきたいと思います。 二次行革審の答申で出されました指摘事項は百四十二項あるわけでございますが、法律改正を要する事項といいますのが二十九事項ございます。今回、二十九事項のうち十七事項が一括してこの法案の中にあるわけでございますが、既に老人福祉法等の一部を改正する法律による措置で三事項が措置されております。また、国民健康保険法の一部を改正する法律による措置で一事項、四事項改正されております。また、今国会で出されましたものが一事項ございます。全体の法律事項の八割につきまして既に措置をされている、ないし今提案中であるということでございます。
○説明員(福井経一君) 公共下水道の事業認可の権限の委譲につきましては、新行革審の勧告を踏まえまして主要な管渠の配置等の変更に係る認可権限を都道府県知事に委任することといたしております。できる限り早い時期にこの下水道法の施行令を改正する予定であります。 それから、ただいま先生の御指摘にありましたように、薄めるんではないかという御指摘ですが、この行革審に出ております「主要な管きょ」については政令に入れるつもりでございます。 それから、事務の簡素化についてでございますが、これは本年の一月に通達を出しておりまして、既に簡素化を図ったところであります。
○山口哲夫君 下水道事業というのは地方自治体固有の事務ですね。それで相当技術も向上していると思うんです。新行革審も下水道事業計画について権限を委譲せいというんですけれども、そこに「主要な管きょの配置等の変更に係る」というふうに書かれているんですが、これも私ちょっと解せないんです。自治体固有の事業でありまして、それだけ技術が向上しているのであれば自治体に事業計画なんかはもう任せてもいいと思うんです。それを一々国まで上がってきて点検してもらって許可を得なければそれが進められないという世の中ではないと思うんです。そういう意味で、もっと事業計画そのものを自治体の方に権限委譲をしてもらいたい、政令もそこまでやっぱりやってもらいたい、薄めてもらっては困るということなんです。
○説明員(福井経一君) ただいま御指摘の、私どもが今考えております主要な管渠の配置というふうに申し上げましたが、ただいま御指摘ありましたのは全面的ということでございますが、ただ下水道は公益的な水質保全の観点から各市町村がそれぞれの事業に整合を持って進めなきゃいけないというふうに私ども考えておるわけでございます。したがいまして、全体の事業認可はまだそこまではいかないんじゃないか、主要な幹線管渠の配置等の変更にかかわる部分については委任してもいいんではないか、かように考えておるわけでございます。
○山口哲夫君 大分考え方が違うと思います。私たち、自治体の立場からいけばそのくらいのことは任せてもらって十分やっていける。だから、言いたくないんですけれども、どうでもいいものだけ先に委譲しておいて、むしろそういうきちっとした権限を委譲してもらいたいというものはいつまでも委譲されないという今のやり方について問題があるなと思っているわけであります。 下水道の方は終わります。 保健所法の一部改正ですけれども、今回の保健所法の改正は、都道府県の保健所について二つ以上の保健所ごとに一つの運営協議会を置くことができるように設置基準の一層の弾力化を図るんだ、こういうふうになっております。しかし、現場から見ますと、運営協議会というのは大体一年に一回か二回程度しかやっていないのが多いんですね。それで、保健所が用意した資料なんかを説明するだけで、どうも余り委員の方からは活発な質問や意見が出ない。それはきちっと出ているところもあるでしょうけれども、全体的にはそういう傾向にあるように私どもは把握しております。 しかし、地域では保健所に期待している人というのは多いんです。例えば中小企業の業界の方であるとか、それから子供たちを持つ親だとかお年寄りを持つ家庭の方々だとか、それからたくさんの従業員を抱えている、その労働条件の改善に当たっている労働組合だとか、そういう人たちというのは非常に保健所に対して多くの意見も持っているようなんです。私は、やっぱりそういう人たちをもっとメンバーの中に加えて、そして二つを一つにするのでなくして、それぞれの保健所ごとに運営協議会というものをやっていった方がむしろ活発化するだろう、そういうふうに思います。何かそういうものに逆行するような、二つの保健所を一つにして運営協議会をつくってもいいんだというようなやり方というのは私はちょっと逆行だなというふうに思うんです。どうでしょうか。
○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。 今回の保健所法改正につきましては、先生がお述べになられましたような内容で各都道府県の保健所につきまして各保健所ごとに運営協議会を一つずつ持つというものを一部緩和いたしまして、二つ以上の保健所ごとに一つの運営協議会を設ける。これは六十年の政令市、特別区のときにもそのように緩和いたしたわけでございますが、それと同様な形で都道府県の判断によりまして協議会設置の弾力化を可能とするものというぐあいに考えているわけでございます。これによりまして、それぞれ都道府県におきまして効率的な保健所の運営協議会がつくられ、そして催されるものというぐあいに期待いたしているところでございます。 それから、先生お話ございましたように、現在の運営協議会の委員は三十名以内ということで組織されておりまして、その委員につきましては市町村なり関係行政機関、医療関係団体、医療施設、学校、社会福祉施設、事業場等の代表者または職員、それから学識経験者その他適当と認められる者のうちから設置いたします地方公共団体の長が任命するという仕組みになっているわけでございます。それぞれの地方公共団体におきましては、地域の各界の適任者を委員とすることによりまして、保健所運営に地域の意見が十分反映されていくものということで各自治体の長がそれぞれ委員を任命されているというぐあいに承知いたしております。 先生の御指摘のように、保健所の活性化がますます大事な問題でございますから、そういう面でこの委員の任命なり運営協議会のあり方につきましては今後とも適切に指導してまいりたいというぐあいに考えております。
○山口哲夫君 ぜひ現場の意見等を調査してみてください。運営協議会というのは意外に形骸化しているようですよ。やっぱり厚生省としても大いに活発化した方がいいと思いますので、できるだけそういう人たちを入れて活発化してほしいなと思います。 特に、二つを一つにしますと、大きな都市と本当に小さい村と一緒になるようなことだってあり得るわけですね、運営協議会がね。そうすると、どうしても話が出にくいという心配があるんです。だから、そんなようなことを考えたときに、これはやっぱり原則は一保健所一運営協議会の方が私は好ましいと思いますので、その点も――どっちでもこれはいいと思うんです、今度の法律は必ず二つを一つにせいというわけじゃないでしょうから。それはそれぞれの自治体の中でも大いに決めていただければいいことですから、なるべく今言ったような考え方でやっていただいた方がいいんじゃないか。それは十分今後詰めてみていただきたいと思っています。 それから、財政問題なんですけれども、保健所の基準財政需要額、たしか保健所法で保健所というのは十万人に一カ所ということになっていますね。ところが、交付税算定の標準団体、県は百七十万人を標準団体としているわけです。法律からいきますと、百七十万人の人口に対しては十七カ所の保健所が必要だ。ところが、昭和六十二年度はそれが十五カ所になっております。そして、その翌年の六十三年度を見ますと十四カ所というふうにまた一つ減っているわけです。これは保健所法の法律に比べてちょっと違うんじゃないでしょうか。
○政府委員(遠藤安彦君) お答えを申し上げます。 地方交付税の単位費用を積算する場合におきまして、今先生御指摘になりましたが、標準団体人口百七十万ということで計算をいたしておるわけでありますが、衛生費の中で保健所の数をどのように想定するかという問題でございます。 私ども、御指摘のように六十二年度までは保健所数を十五とし、六十三年度が十四としたわけでありますが、法令の規定あるいは実態、そういったものを勘案しながら毎年度、標準行政規模と申しておりますが、規模をどうするかということの見直しを常にいたしておるわけであります。現在私どもの手元にある資料によりますと、保健所の総数は大体八百五十ぐらいでございまして、これは都道府県で設置するもの、それから政令指定市といいますか、保健所を設置している市がございますが、そういったものを含めて保健所の数が全国で八百五十ぐらいあるということがベースになっておりまして、これを人口百七十万人の団体に置き直しますと、大体十二ぐらいで足りるというような計算になるものですから、そういったことも考えまして六十三年度に十五保健所を十四保健所に落としたということであります。 ただ、実際は保健所を十五にするか十四にするかということは衛生費で計算しております職員の数に影響するわけでございますので、それまで六十二年度は一カ所当たりの保健所の職員数を二十四人で計算しておりましたが、一人ふやしまして二十五人で計算するということで職員数を余り落とさないで単位費用の計算ができるように改正をしたところでございます。 なお、法令上のお話はあるいは厚生省の御担当の方から御答弁になるのが適当かと思いますが、私ども承知いたしておる限りでは、御指摘のとおり保健所法施行令で人口おおむね十万を基準とするということでございますが、ただし書きがございまして、「交通事情、他の官公署との関係、公衆衛生状態、人口の分布状態等を考慮し、特別の事情があるときは、この限りでない。」というように承知をいたしております。こういったこともありまして、交付税の上では実態に近い数字で改めさせていただいた、こういうことでございます。
○山口哲夫君 地方行政委員会ならもっと細かく詰めなきゃならないと思うのですけれども、この単位費用を十五にしたか十四にしたか、我々は十七に法律からいけばするべきだという考え方。 この単位費用というのは、よく御存じのとおり、地方交付税法では、「地方公共団体が合理的、且つ、妥当な水準において地方行政を行う場合又は標準的な施設を維持する場合に要する経費を基準とし、」云々、こうなっているわけです。その「妥当な水準」とは何かということだと思います。今あなたのお答えでは、法令とか国の基準ということを考えなきゃならない、これはもう第一だと思うのです。それだけじゃないと思うのです。交付税そのものが現在の自治体の行政的な水準というものをできるだけ高めていこうというものがあると思うのです。それでなければ意味がない。自治体の行政というものをどう高めていくかという視点の上に交付税というものを交付していかなきゃならない。 ですから、そういう考え方に立ちますと、十万人に一つの保健所が要るんだというのであれば、これはやっぱり交付税でも十七というものをつけてやるべきだと思うのです。現在この統廃合がどんどんどんどん進んできて、後ほど言いますけれども、住民の保健衛生という面から見ると行政水準が低下してきている。それに財政的に拍車をかけるようなやり方というのは、私は政府としてとるべきものではないと思うのです。だから、現状がそのくらいなんだから十四でいいんだというのではなくして、どう行政水準を高めて保健所行政をよりよくしていくかということになれば、法律で決めた十七というものの数字で私は出していくのが当たり前のことだと思う。これは保健所の問題だけに限らずほかのことでもあるのです。 こういう点で、私はこのような数字をどんどんどんどん下げていくようなことについては絶対やめてもらいたい、むしろ高めてもらいたい、こういうことをお願いしたいと思うのですけれども、検討してみていただけませんか。
○政府委員(遠藤安彦君) お話はよくわかります。私どもも標準行政経費としてどういう行政規模を想定していくかということは、法令の規定なり実態なりを見ながら適切なものを想定していかなければならないというように思っているところであります。 ただ、御指摘になりました保健所の問題につきましては、実は実態としては先ほどちょっと申し上げましたが、都道府県立の保健所数、先ほどの八百五十というのは政令市で設置しているものも含んだ数字でございますので、実際は都道府県だけですと六百三十ぐらいの保健所ということになります。これは人口百七十万の交付税の標準団体に落としてみますと十二を切るというような設置数になるわけでございまして、そういう意味では現在の十四というのも実態からいえば十分算入できている数字ではないかなというように私どもは考えている次第でございます。
○山口哲夫君 そういうお考えでこれから進められると、それこそ保健所の数というのを十二まで落とすんじゃないかという不安がつきまとうんです。だから、そうじゃなくして、保健所の機能を、保健行政の効果というものを高めていくためには法律に基づいた十七カ所をつくるのが私は妥当なんだという考え方なんです。それをこれからの交付税の算定をするときにぜひひとつ頭に入れてお考えいただきたいと思います。 そこで、保健所の統廃合というのがある県においては結構進んでいるんですけれども、これは私は結論からいくと好ましくないと思う。村落の多い豪雪地帯では冬期間は交通手段がほとんどなくなる。このようなところこそ保健所が必要なんです。さっき自治省の方がおっしゃったように、ただし書きというのは、あれは減らすだけのただし書きじゃないんです。交通事情が悪いところは逆に保健所をそういうところにこそ設けなさい、設けたって構わないよという、私はそういう解釈だってできると思うんです。だから、減らすことだけ考えられたら困る。 それで、保健所がなくなった市町村でどういう問題が起きているかといえば、高齢者だとか乳幼児の健診、どうしたってこれは隣の市の保健所まで今度は行かなきゃならない。せっかく自分の町に保健所があったのに隣の市の方に統廃合されてしまった。そうすると時間がかかるわけです。負担もかかる。だから、どうしても保健所から足が遠のいていくということから受診率も低下してくるだろうし、相談件数も低下してくる。こういうことがもし起きているとすれば、これは必ずしも統廃合というのは好ましくないということにならないでしょうか。
○政府委員(長谷川慧重君) 先生お話ございましたように、保健所は地域におきます保健なり衛生活動の重要な担い手でございまして、国といたしましても従来からその充実強化に努めてまいっておるところでございます。 ただ、この保健所の設置につきましては、基本的には地方公共団体がそれぞれの地域の特性を踏まえまして判断をいたし、行われるものでございます。国といたしましては、各地方公共団体に対しまして保健所の統廃合について特段の指示はいたしておりません。それぞれの地方自治体におきましてその圏域といいますか、圏内のいろいろな事情を勘案しながら、必要に応じあるいは場合に応じましては統廃合をするなりあるいはさらにふやすなりということをやっておるというぐあいに理解いたしております。
○山口哲夫君 厚生省の方で保健所の統廃合は指導していない、これは大変結構なことだと思いますし、これからもされないと思います。それから、今お話があったように、必要があれば保健所をふやすということもそれぞれの自治体の中では考えるべきだということも大変結構なことだと思います。要するに、保健所の行政というものをもっともっと高めていくという観点に立たれてそういうお答えになっていると思うんです。 そういう考え方から申しますと、今一部で統廃合がされているのを見ますと、例えば老人保健法に基づく健診、これが民間に委託されているんです。なぜかというと、職員の数が減ってくるものですから、なかなか思うように仕事が進まない。昭和五十八年度から元年度までの間に保健所の職員というのは六百四十二名減っております。だから、手間暇がないからどうしても民間に委託するというんですけれども、ところが市町村の立場からいきますと、そういう健診はやっぱり保健所でやってもらいたいというんです。なぜならば、保健所でやりますと、すぐそこである程度結論を出せるわけです。あなたは血圧が高いですよとか、こういう問題がありますよ、近くの病院に行って検査しなさいという指導がすぐできるわけです。それに対して今度保健婦さんもきちっとした指導もできる。 ところが、民間に頼みますと、残念ながら結論出がてくるのに時間がかかるんです、一括やりますから。そうすると、時間がかかって、結論が出てきたころにはもうお年寄りも面倒くさいというようなもので、なかなかそれにきちっと対応していかない。健康行政というのはむしろ追跡していって、半強制的にでも病院にあなたは行きなさいよというくらいの、そのくらいのきちっとした指導体制をとるということが私は一番大事だと思うんです。仮に統廃合によってそういうような問題が起きているとすれば、これは必ずしも保健行政から見れば好ましいものではないというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府委員(長谷川慧重君) 先生御指摘のように、具体的に統廃合によってそういう面での受診率なりあるいは指導面で欠けているというところがありますれば、それは非常に大事な問題でございますから、そういうケースにつきましては私どもそれぞれの都道府県を通じまして十分に指導してまいりたいというぐあいに思っております。 ただ、先生お話ございましたようにマンパワー、特に保健婦さんのお話でございますけれども、保健婦さんの確保につきましては、老人保健事業の実施に伴います増員という形で第一次計画、第二次計画という形で保健婦さんの増員を図っておりまして、そういう面でマンパワー、保健婦さんの増員という形で現在私ども努力いたしておるところでございます。
○山口哲夫君 もう一つだけ例を申しますと、狂犬病対策がありますね。私どもこれは自治体の中で随分やりました。今、統廃合したような保健所の中でどういう問題が起きているかというと、これは一班体制ですから獣医さんが一人と技能員が三人、そして車一台でやっているんですけれども、三つの保健所を担当しているんです。そうしますと、住民の苦情にもう対応できないんです。野犬が出ているから早く来てくださいと言って連絡してもすぐに対応してもらえない。今までなら一つの保健所だから、同じ町にいるものですからある程度勢力範囲というのも決まって結構やってもらえた。ところが三つになったために、それが三つの体制でいくのならいいんだけれども、たった一班体制になってしまえば、どうしたってこれは対応できないと言うんですね。 そのためにどんなことを言うかというと、保健所に電話すると保健所の人が、学校から何とか早く来てくれと言うと、つかまえて縛っておいてくれ、そのうちにとりに行くからと。こういうことじゃ私はやっぱり保健所の本来の役割というものを十分に果たしていると言えませんので、住民の健康を守っていくためにも、今お話があったように、必要があれば保健所をふやしていくこともやむを得ないんだというような考え方でぜひひとつ進めてほしいと思うんです。 ある保健所の所長さんが大変名言を吐いているんです。保健所というのは八百屋と同じでなければならない。八百屋というのは大根一本でも買いたいときに売っている、買える。ということは、要するに地域の住民にしてみたらどんな問題でもすぐ保健所に行って健診を受ける、相談できる、そこへ行けば必ずお医者さんがそういう指導をしてくれる、保健婦さんも相談に乗ってくれるというものでなければいけないんだということだと思うんです。そういう考え方が私は保健所行政の基本だろうと思うんです。ところが、残念ながら統廃合が進めば全然逆な形になっておりますので、そういうことのないようにこれからもぜひひとつ御指導をいただきたい、そのことをお願いしておきたいと思います。決意のほどをぜひもう一度お聞かせください。 そして、保健婦さんが残念ながら今物すごく足りないんです。保健所における保健婦さんを調べてみましたら、昭和五十七年から六十三年までの間に九百八十一名ふやそうという計画だったんです。大変結構なことだと思うんですけれども、実績は六五・六%しか集まらなかったということなんです。今どこでも保健婦さんが足りなくて大変なんです。私も経験ありますけれども、おたくの学校を卒業された保健婦さんを来年は一人ぜひこっちへ回してくださいと言って予約しなければなかなか来てもらえない時代がありました。今もそんなに変わりないと思うので、保健婦さんをどういうふうにしてこれからふやしていかれるのか、計画があればぜひお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(長谷川慧重君) まず、野犬の捕獲の問題でございますが、野犬の捕獲といいますのはそれをやる専門職といいますか、そういう方の確保が非常に難しいという問題もございまして、先生のお話ございましたように三つの保健所を一人の方が担当して順次やっておるというような実情にあることも事実かと思います。そういう面で、野犬の捕獲についてなかなかそれをさらに充実するということにつきましては実際上非常に難しい問題もございますけれども、それぞれの地域に応じまして、府県の方にもよくお話を申し上げまして適切に対応できるように指導してまいりたいというぐあいに思っております。 それから、保健所全般の問題で非常に力強い励ましの言葉をいただきまして本当にありがとうございます。私どもこれからもやはりそういう地域におきます住民の健康、保健の問題につきましては保健所が窓口になりましていろいろ対応していかなきゃならないだろうと。ただ、保健所が全部を担当するのか、あるいは市町村もかなりマンパワーをそろえていろんな体制を整えておりますので、そういう面で市町村とうまく連携をとりながら地域住民に対しますニーズにこたえていくように指導してまいりたいというぐあいに考えております。 それから最後に、保健婦さんの問題でございますが、御指摘のように保健婦さんのかなり養成増も図ってまいりまして、現実問題、保健所あるいは市町村におります保健婦さんの数も増加いたしております。養成の関係で申し上げますれば、昭和五十五年で五十七カ所学校がございまして入学時定員が千八百四十七人でございましたけれども、それが平成二年になりますると学校数が六十三校にふえまして入学時定員も二千三百六名ということで、学校数、定員もふやして努力いたしているわけでございます。 看護婦の問題あるいは保健婦、助産婦といろんなそういう面での分野の需要も高まってまいっておりますので、私どもといたしましてもことしの予算の中におきまして、そういう面の養成所の整備なりあるいは学生に対する奨学金の増額など、そういうマンパワーの確保にさらに努力してまいりたいというぐあいに考えております。
○山口哲夫君 ぜひ努力してください。 それともう一つは、保健所が統廃合されますと、前の保健所に働いていた保健婦さんが今度隣のところまで通勤しなきゃならなくなるんです。もう大変なんですよ。場合によっては、冬なんかになりますと通勤できないから、結局はもうそちらの方に下宿しなきゃならない。保健婦さんは家族を持っていますよね。そうすると家族を置いて転勤するといったって大変なんです。そういうこともあるようです。ですから、そういう保健所の体制の面からも保健婦さんが減ることのないように地域住民の皆さんの意見というものを十分ひとつ取り入れていただきたいと思います。 次は母子保健法なんですけれども、これまた改正になっているんですけれども、いろいろ事前にお話を聞きますと、知識の普及については、今までも市町村もやっているのだからというんですけれども、今までは都道府県が中心になってやっているわけですね。そうすると、こういうふうに今度市町村もやるんだということになりますと、これはやっぱり法改正によってやらざるを得ないと思うんです。ところが、御存じだと思うんですけれども、今地方自治体の保健行政というのはもう大変な状態なんです。老人保健法の関係で相当人手が要るわけです。しかも、職員はさっぱりふえないということでもう対応できないくらい忙しいんです。そこへまた母子保健法の一部改正で知識の普及等について市町村やれということになりますと、一体どうしてくれるんだというのが現場の悩みなんです。 だから、これは総務庁長官にもお願いしておきたいんですが、機関委任事務を権限委譲せいというのは我々の主張でもありました。だから、ぜひやってほしいんですけれども、ただ権限委譲しただけじゃ困るんです。やっぱり人手と金とをつけてもらわなければとてもやっていけないですね。ですから、その辺を十分ひとつ考慮して、委譲するときは委譲を早くしてもらうというようなことでございますので、その辺の決意のほどをお聞かせいただきたいと思うんです。
○政府委員(土井豊君) 母子保健に関する知識の普及の問題でございますが、従来、都道府県、保健所設置市に努力義務という規定を設けておりましたが、今回全部の市町村にこれを拡大するということにいたしました。 私ども、最近における子育てのいろんな問題を聞きますと、若いお母さん方が非常に子育てに悩むというようなケースがありますので、住民に一番身近な市町村でそのような仕事をやっていただくということは大変重要であるというふうに考えております。従来から国の補助事業としてある程度市町村にその種の事業をお願いしておりますけれども、今後ともそういう事業を充実していきまして御指摘のような点に沿ってまいりたいと思っております。
○山口哲夫君 長官、いかがですか。
○国務大臣(佐々木満君) 国と地方の関係の見直しというのは、これはもう行政改革の大変大事な問題であるわけでございまして、けさほど来お話がございますとおり、また今もお話ございましたが、やはり権限を地方へおろす、しかもその地方と申します場合も都道府県から市町村へと身近なところへおろしてそこで処理をするのが一番私は基本的な大事なことだと思うんです。当然これには財源的な手当て、措置もしなければいかぬわけでございまして、そういうことも一緒に考えていかなきゃならない、こういうふうに考えております。
○山口哲夫君 ぜひお願いしたいと思います。 あと二分しかありませんので簡単に申します。実は、以前に機関委任事務を市町村に委譲したものに保育所の費用の徴収があるんです。ところが、費用の徴収を自治体に権限委譲したんですけれども、自治体はほとんどが規則で費用徴収を決めております。これは非常に問題があると思うんです。少なくとも保育所の料金というのは公共料金です。滞納したら差し押さえの対象にもなります。したがって、公権力に基づいて徴収するものです。そういうものが条例でなくて規則でオーケーというのではこれはちょっと問題があります。 例えば河川法七十条、受益者負担金、これははっきり「都道府県知事が負担させるものにあっては当該都道府県知事が統轄する都道府県の条例で定める。」となっています。都市計画法も同じです。受益者負担金については「当該都道府県又は市町村の条例で定める。」、こういうふうになっておる。ところが、児童福祉法はどういうわけか第五十六条で、費用の徴収負担については市町村長は第五十一条第一号に規定する費用をそれぞれ本人またはその扶養義務者から徴収しなければならない、条例でやれと書いてない。そのことをいいことにしてこの規則でもって決めるということは、これは議会の決定を排除することになるわけです。少なくとも公権力で徴収するようなものはそれぞれの自治体の議会できちっと決める、条例化すべきだと思います。 これについては、もう時間ありませんので、一度ぜひ検討してみてください。これは厚生省非常に問題があると思いますよ、この考え方は。公共料金ですから、厚生行政に関する公共料金というのは特に非常に弱い立場の住民なんかを対象にして徴収するものですから、それぞれの市町村議会で徹底的に論議をして決めなければならない問題なんです。建設省関係は全部これは条例で決めろと法律に書いているのに、厚生省関係はどういうわけか簡単に徴収できるようにしておりますので、その辺非常に問題があると思います。時間が参りましたので質問をこれで終わりますけれども、検討しておいていただきたいと思います。 終わります。
○深田肇君 長官、御苦労さまです。よろしくお願いします。持ち時間は三十分ちょっとしかありませんので、よろしく御協力のほどお願い申し上げます。 したがって、一問一答方式でずばずばとやりたいと思いますが、第三次の行革審の鈴木会長が最近の新聞報道によると、米の輸入自由化に踏み切るべきだと述べられて、政府の政策転換を求めよう、こう言っていますが、米問題を行革審で取り上げますか。
○国務大臣(佐々木満君) 行革審では御承知のとおり今政府から、総理から諮問をした事項の審議、それから臨調行革審のいろいろございましたその答申のフォローアップ、推進状態のフォローアップ、そういうのをいろいろやっておられるわけでございまして、現在そういう項目について関係各省庁からヒアリングを実施しておる、これが現状でございます。そういう過程の中で米の問題、食管問題等についての説明があり、それに質問があり、若干の意見の提出がある、これが現在の状態でございまして、今お話のございましたものもそういう過程の中で出てきておる問題だろう、こう思います。 ただ、これからそういうヒアリングを終わってどういう具体的なテーマを論議して詰めていくかということは、これからの問題でございますので、その推移を見守ってまいりたい、こう思います。
○深田肇君 今の話を聞いていると、どうも米をやりそうな感じがするんで大変心配ですが、はっきり言いますと政府や総理は米の自由化のことについては第三次行革審には審議を頼んでいない。頼んでいないと確認できますね。
○国務大臣(佐々木満君) 第三次の行革審に頼んでいるのは御案内のように三つの事項でございます。先ほどから申し上げておりますのは、そういう三つの大きなテーマ、つまり国際化の行政、生活重視の行政、手続の方は別としまして、こういう大きなものを諮問しておりますが、その関連、それから食管制度等のあり方につきましては臨調行革審以来ずっと審議をしてきた経過がございますから、そのフォローアップ、そういう論議の過程でそういう御質問が出たり若干の意見が出ておる段階でありまして、繰り返して申し上げますけれども、新しいテーマで、二つ大きなテーマで具体的に何を課題として絞り込んでいくかというのはこれからの問題でございます。
○深田肇君 米の自由化は諮問していない、こういうことですね。 では、次に行きます。米の国内自給のことについてはもう御承知のとおり国会決議がありますね。一九八八年九月二十日、これは衆議院の本会議、九月二十一日、参議院の本会議で米の自由化反対に関する決議というのがしっかりあるわけでありますから、そういうことを考えますときに、国会決議はそうある、そして総理の方の態度もはっきりしているし、同時に今日段階では具体的にその米の問題について、自由化の問題について諮問をしたことはない、こういうことを踏まえたときに、海部内閣としては統一的な方針を持ってアメリカを初めとする諸外国との間で外交交渉もしているわけですね。 こういうことを交渉しているときに、今のようないろんなことがあるのかもわからぬが、行革審の中でそういったことが、大きなテーマと直接関連があるかどうかわからぬけれども、話が始まりつつあると仮にすれば、これは大変おかしい。国会決議や行政府の態度との間で違うわけだから、そうすると大変おかしい、こう思いますが、おかしいと思わないですか、長官。
○国務大臣(佐々木満君) これはけさほど小川さんの御質問にもお答えを申し上げているわけでございますけれども、国の方針というのは、政府が国会の皆さんと御相談の上、具体的な予算なり法律案を通してあるいはその他の論議を通して決めていくわけでございまして、行革審は内閣総理大臣の諮問機関なんです。諮問機関でございまして、諮問機関以外の何でもないわけです。諮問機関であるだけに私どもは自由に御論議をいただきたい、こう申し上げておるわけでございまして、それを踏まえて政府は政府なりの考えを固めて、そして議会の皆さんとよく御相談をして国の意思を決めていく、こういうことで御理解をいただきたい、こう思います。
○深田肇君 確かに微妙な問題ですよね、行革審というのは別の組織ですから。だから、そこの自主性もなくちゃいかぬですよ。なまじっか行政府の方から介入することがあっちゃいけない、いわんや圧力をかけるようなことがあっちゃいけないということをわかった上で言います。 しかし、そのいわゆる担当大臣でもいらっしゃるわけだから、そうなると長官としては国会決議や今の我が国の政府の態度や、それに基づいて各諸国との間でもアメリカを中心としてやりとりをやっている経過がある段階だから、取り扱いについては大変慎重にせにゃいかぬのだということをお考えになるわけだから、そういったことを私の立場から申し上げると、行革審をいい意味で指導してもらいたいと思う。指導するのは介入になっちゃうから、相手が何をやることも自由だということを強調されちゃうと、どうも国会決議がある問題だけに、ほかの問題と違うから、国会決議があるだけにどうもそこがひっかかるんですが、もう一歩突っ込んだ指導性を明確にしてもらうとありがたいんですがね。
○国務大臣(佐々木満君) 指導するなんというおこがましいことはもちろんできませんけれども、とにかく今の具体の米の問題については政府の方針もはっきりしておる、国会決議にも厳然とある、こういうことで我が国の国としての意思が決まっておるわけであります。このことは指導ではございませんけれども、こうしたことはよく御承知の上で御審議をいただいているものと私はこう理解をいたしております。
○深田肇君 大変わかりやすい説明をいただきましたので、私の方からもう一つ、そこまでおっしゃっていただけるなら、こういうことはどうでしょうか。 いわゆる第二次行革審の段階では十分に論議して一九九〇年の四月十八日の日に最終答申が出ているわけだから、それからまあ言うなら今年まで一年ちょっとの間で第三次行革審の中でいろいろやるわけですから、したがって第二次答申を十分尊重して各委員の方々はやってもらいたいというぐらいのところは担当長官としてはお考えいただいて、できればそういう、まああなたが指導と言っちゃいけないんだ、こちらは指導したらどうですかと言う。あなたの方は、おこがましい、指導しませんと言いながらも、行き過ぎがあっちゃ困るんだとなでることだけやってもらいたいと思いますが、いかがですか。それでもやりませんか。
○国務大臣(佐々木満君) どうもいろんなお言葉を使われるから何でございますけれども、要するに私どもは行革審、新しいのが発足いたしましたときに、行政改革には臨調から始まって歴史がございますから、その経過は十分御説明を申し上げ、その間での御論議、それからそれぞれの段階でいただいた御答申、そういうものは十分御説明を申し上げて、そうした上で新しい課題というものをお願いして、そして御検討いただいている、こういうことでございます。私は言葉が下手ですから何とも申し上げませんが、そういうことで一貫した立場に立って御審議をいただいている、こういうふうに私は理解しております。
○深田肇君 長官のいろんなお話を伺って、それなりの勉強をさせてもらって私が今感じましたことをちょっと一言、二言で申し上げますと、いわゆる行革審というのは政府や総理の方から諮問したことを論議して答申されるものだ、こういうふうに一つ感じますね。したがって、諮問していないことを勝手に論議して、自主性はあるんだが、答申をしてくる、いわんや国会決議を乗り越えてまで、やることはできるかもわからぬが、やることについてはどうも無理があるではないかという印象を持ちましたので、こういうふうによくわかりましたと、ありがとうございましたと申し上げますが、よろしゅうございますか。違いますか。
○国務大臣(佐々木満君) 国会決議を乗り越えるとかそういうお話がございましたけれども、そういうものじゃないと思います。全然次元が違う話でございます。 それから、諮問を申し上げているのはさっき申し上げたように三つございます。事務手続の方は別としても、国際化時代の対応、国民生活重視型の行政、こういう大きなテーマですから、そのテーマが大きいだけにいろいろ幅広い御議論があることは、これは私は当然だろうと思うのでございまして、そういう御議論の中でいろいろなお話が出てきておる、こういうことであります。何回も申し上げますけれども、しからばその大きなテーマの中で具体的に何をテーマを決めて深めていくか、これはこれからの問題でございます。
○深田肇君 時間がないのであれですけれども、もう一つ重ねてそれをやりましょう。米の自由化問題は行革審が取り上げるのは自由で、彼らが何か決めてきてもそれはそれなりにいいんだと、これは諮問する側の政府もそう思うし、政府から聞いている立法府である我々国会側もそれはやむなしとして待っておかにゃいかぬ、こうおっしゃっているんですか。
○国務大臣(佐々木満君) そういうことじゃございません。政府が諮問したのはそういう国際化なら国際化、生活重視の観点からいろいろやってもらって、それでいろいろなテーマを絞った上で答申がいただける。 その答申を我々は尊重して政府なりの考えを決める。しかし、それが国全体の考えじゃございませんで、国会の皆さんと十分御議論をして国としての方針が決まっていく、こういう性格のものだろう。その中に国会決議というのは重要なものがある、そういうことでございまして、私は行革審の性格あるいは立場、そういうものはそういうものだ、決して国会の決議と一緒にどうのこうのという問題じゃない、こういうふうに考えております。
○深田肇君 同じことをやりとりしても時間がないから次へ進みたいんだけれども、どうしてもこれだけは聞いておきたいのは、行革審のあり方の論争をやらなきゃいかぬことも一つある。しかし、具体的にきょうは入り口から米の問題をやっているんですから、具体的な国会決議のある米という問題を行革審というところで、自主性があるところだからということで全部やっちゃうことができるのかできないのか。それはやはり少しやり過ぎになりゃしませんかということを言っておるので、一般論を今聞いているわけじゃないので、この点は私の方は大変心配している。 そうせぬと政府も困ろうけれども、我々立法府の立場もないじゃないか。いわんやそのために、いろんな意見を持っている農民等々の方々の御意向もあろうという意味合いのことを申し上げているので、ぜひひとつよくよく気をつけていただきまして、できれば中間報告なり、発表できる段階の前の中間報告の中間報告もあるかもしらぬから、という段階の中でよくひとつ気を使っていただきたいということを申し上げて、次に行きたいと思います。 そこで、今度は一般論になります。本当は一般論から入って具体的な問題に行くのがいいのかもわかりませんが、先輩の話を聞いているとそういうやり方が多いんですけれども、私は先にわかりやすい方から入っちゃったんです。そこで行革審の答申ということの、今もありましたね、答申があればそれを云々と、尊重してというお話がありましたが、この答申というのは法的にどのような拘束力があるんですか。これも長官に聞いている。長官でいいでしょう。
○国務大臣(佐々木満君) これは審議会でございますから、当然法的な拘束力はございません。
○深田肇君 そうすると、提案理由の中にもあるように、いわゆる答申を尊重して我々は法律化する、こういうのがありますね、尊重というのは、どういう位置づけになりますか。
○国務大臣(佐々木満君) 法的なことになると私は詳しくありませんから後で補足してもらいますけれども、要するに行政改革を進めていきたい、ひとつお知恵を拝借したいということでお願いをしているわけなんです。そういうことでお願いをしますから、御答申は最大限に尊重してやっていく、こういうことだろうと私は思っております。
○深田肇君 そうすると、簡単に言えば、参考として話を聞いていると。それで政府は政府で、それは参考にして話を聞いていて、それで尊重するという言葉を使っているけれども、参考として聞いているだけで、わしの方はわしの方で自分で考えることをやりますと、こういうふうにとっていいですか。
○国務大臣(佐々木満君) 深田さん、これはちょっと、言葉の意味ですけれども、私ども参考にさせてもらうとかそういうものじゃございません。とにかくお知恵を出していただきたい、こういうことでお願いをしておるわけですから、これは最大限に尊重して政府の政策をつくる場合に資してまいりたい、こういうことでございます。
○深田肇君 そうなると、最大限の尊重をするという言葉は、これは量の問題か質の問題かということだ。質的な問題ということになってくると、政府の上にどうも行革審があるような感じがする。政府の上に行革審があるように、最大限ということが物すごく高いもの、質的なものと考えれば、行革審の、まあ天の声というやじが入っておるけれども、そこまでは別にしても、そういうふうに我々は考えなきゃいかぬのか。それとも、参考に、参考というのは失礼だからお知恵を出してもらっているという程度のものに、まさに参考にして自分たちでもう一遍焼き直しますよという程度なのかというところが大変重要な問題ですね、答申という問題、我々の態度としては。今の米の問題と切り離して、一般論としてどういうことですか、もう一遍言ってください。
○国務大臣(佐々木満君) それは、何回も申し上げますけれども、最大限尊重するということですよ。別に政府の上にあるとか下にあるとか、そういう問題じゃない。私は、かつて税制国会で皆さんから御提案になられた国民税制協議会でございますか、あれが出した結論に、政府、国会は必要な措置を講じなければならない、文章は正確じゃないかもしれませんが、そういう文章がありましたけれども、あれはやっぱり審議会の性格というものを逸脱するものだ、私はそう思っておるんです。この審議会というのはまさに審議会なんで、その審議会に法的に拘束されるものでは決してない。しかし、お願いしてお知恵を拝借するわけですから、いいかげんに扱ってはいけない、最大限尊重しなければならぬ、こういうことでございます。
○深田肇君 わかってきたような気になるわけでありますが、そこでちょっと角度を変えまして、率直に申し上げて、内閣なり政府の側は、そういう審議会の答申を受けて、それを義務とまで言うのは失礼かもしれないけれども、最大限それを尊重して法律化する、こういうことですね。ところが、我々立法府の方はその答申に決して拘束されるものではない、我々は自主的に自分たちの判断でいい悪いを決めたらいいというふうにきちんとこれは確認してよろしゅうございますな。
○国務大臣(佐々木満君) それは全くそのとおりだと思います。皆さんは、けさほどもお話ございましたとおり、国民の総意を代表して国会を構成しておられるわけですから、全く行革審議会とは性格が違うわけでございましょう。ですから、政府は政府で考えを述べますし、皆さんは皆さんで国会として御論議をいただいて御結論をいただく、こういうことだろうと思います。
○深田肇君 そういうところでちょっともう一遍思い出して申し上げますが、米の決議というのは大変大きな決定であって大きな力だということを感じていることをこの機会にもう一遍申し上げておきたいというふうに思います。 そこで、具体的に、せんだって御提案いただきました今回の答申の指摘事項というのが百四十二項目あるというふうに思います。そこで、私の方の調査が足らないかもわかりませんが、調べさせてもらったところによると、法律が三十三本、関連するものがもう一本で三十四本で提案をされているわけなんですが、百四十二と三十四との関係です。ぱっと初めての人間として感じますことは、どうもえらい積み残しがあるなという感じがしてみたり、いやいやどこか政令か何かでいろんなことをやっておられるのかなと思ってみたりいろいろするんですが、この点はどういうふうに考えたらよろしゅうございますか。
○政府委員(増島俊之君) 二次行革審で指摘されました事項は百四十二事項でございますが、法律改正を要する事項といいますのが二十九事項その中にあるわけでございます。それで、今回御提案しています一括法で措置するものがそのうちの十七事項でございます。それから、今国会で提案をしまして既に成立しておりますもの、それが五事項ございます。それで、あとこの答申の中身自体でこの受け皿、要するに地域中核都市という提言がございますけれども、そういう受け皿がきちっとした段階でおろすべきもの、そういうものが四事項ございます。あとは関係審議会でさらに検討を要しておりますものというのは三事項でございます。 したがいまして、法律事項につきましても約八割、それから百四十二事項の中で法律以外の政令あるいは省令、通達等で措置するものがございますけれども、それも全体で、実施予定のものも含めまして約八割でございます。
○深田肇君 済みません、もう一遍ちょっと教えてください。そうすると、二割だけ残っているというのか、八割の二割、八割の二割で四割残っているのか。
○政府委員(増島俊之君) 法律事項もそうでございますし、全体の百四十二事項のベースで見ましても約八割が措置されましたもの、それから措置される予定のものでございます。
○深田肇君 そうすると、俗に言う、正確な用語かどうかわかりませんが、残されたものはこれからどうなるんですか。
○政府委員(増島俊之君) この二次行革審の答申の事項につきまして、フォローアップの責任といいますか中核的責任を持ちますものは総務庁でございます。総務庁がこの事項につきまして、これからもその事項の実現に向かいまして当然フォローアップしていくつもりでございます。
○深田肇君 そうすると、その残った二割のことはこれからもやっていただくんでしょうが、ちょっと国民の皆さんにこんなものが残っているんだというのをぽっぽっぽっと二つ三つ、関心事と思われるものを挙げてみてくれますか。あれ、そんなものが残っているのかと我々が思うものがあるのかどうか、ああその程度のものかと。どうですか。
○政府委員(増島俊之君) 地域中核都市が、受け皿ができますと、その地域中核都市の整備に合わせまして委任する事項は四事項と申し上げましたけれども、それ以外に、例えば国際観光ホテルの登録等の事務を民間団体に委任する、そういうようなものもございます。それにつきましては目下関係審議会等で検討中でございます。
○深田肇君 私の方ももう少し勉強して具体的なことについてよく関心を高めておきたいと思います。 時間がありませんから次へ進みますが、今は答申があったものに対して政府がどう対応するかということをいろいろやりとりさせてもらったんだけれども、この答申とは別に行政なら行政の側、政府なら政府、全体でもあるだろうし、各省の省庁ごとでもみずからが必要に応じて整理をしたり統合したり、好きな言葉じゃないんだけれども、合理化したりするようなことがあるんでしょうが、それは具体的にやっているんですか。それで、どこかへこれから提案されるんですか。それとも、答申したものを通すというこの方程式を重視か、これだけにするんですか、どうですか。
○政府委員(増島俊之君) 臨調行革審を通しましてこの権限委譲、国と地方との関係につきましては一つは基本的な考え方というのが提示されております。その基本的な考え方は、それぞれの各省庁の行政を行いますときのいわばプリンシプルといいますか、そういう考え方としていわば確立している、そういうものがございます。それからもう一つ、各個別の指摘事項でございます。そういう指摘事項も、先ほど百四十二事項といいますものもそういう個別の指摘事項でございますけれども、そういうものもございます。個別の指摘事項につきましては、先ほど申し上げましたようにフォローアップをしていくということでございます。 さらに、その基本的な考え方でございますが、それは基本的な考え方というものを踏まえまして、これは各省庁は要するに行政、所掌事務を遂行するときのその基本的な物の考え方として具体化していく、そういうことであると思っております。
○深田肇君 先輩たちがここで皆さんとやりとりしているのを聞いていて思うんですけれども、今の私の場合も、どうも私の質問の仕方が悪くてあなたが理解してくれなくて余分なことをしゃべっているのかなと思ったけれども、皆さんとのやりとりをそばで聞いておっても、質問とお答えがかみ合わなかったりするんだけれども、もう一遍言います。 私は、指摘された事項以外のことを行政府側はみずからの改革の問題として取り上げてやるんですか、やっているんならこんなことがありますとか、それはやらないんだ、答申だけをやるんだよと。今、話を聞いておると答申の話ばかりされるから、それは終わって次の話に入ったと思わなききゃ。私はやらにゃいかぬと思っている。何でもかんでも答申でなくたっていいじゃないか、みずからやらないからいかぬのじゃないか。 どういうことをやったらいいかという問題になると、私なんかもう直ちに地域改善室のことについて言いたいことがある、聞いてくれないから言うチャンスがないけれども、ということなんかも感ずるんです。どこかから答申が出てこなきゃだめだということではなくて、やらにゃいかぬのじゃないですかということを言いたいんですが、やっておられますか、そういう指導をされているんですか、各省に対してまとめておられる総務庁長官としてはやっておられるんですか、こういうことを聞きたいんです。
○国務大臣(佐々木満君) これはおっしゃられるとおりでありまして、もう自分たちのことですから人様の手を煩わせないで自分たちでやることはやらなきゃならぬと思うんです。その方が行政に携わる者の当然のこれはもう責任だと思います。それでできないこと、もっと検討すべきことがあったらそれは専門家にお願いするんですけれども、私どもはそういうことで総務庁でよく関係各省と連絡をとりまして、事務の合理化なりいろんな問題点の相談事なりそういうことをやっておりますが、これからもそれは進めていかなきゃならない、こう思います。
○深田肇君 次の機会にそのことについて、いかにあるべきかについて私どもの方もそれなりの意見を持って具体的な例を挙げながら意見交換させてもらうことをお願いしておきたいと思います。 それで、残る時間を次の問題に入りたいと思いますが、要するところは今度は地方重視といいますか、地域の活性化のためにといった提起をされてきているわけですから、そのときには何と言ったってやっぱり地方というか現場のことが一番わかるんですよ、はっきり申し上げて。それは人事交流もあるだろうし、それからいろんなことをされていると思うけれども、せんだっての内閣委員会で発言をさせてもらいましたけれども、同和行政のことなんかについても、いわゆる県の同和行政と総務庁の間がパイプが詰まっていると言ったら怒られるかもわからぬけれども、実際知らぬことが余りにもあり過ぎる。忙しくてだめだと言われたって、痛められる側からすれば毎日起きている出来事だからそれを知っておいてもらいたいと思う。 ということですから、私が今強調したいことは、地方や現場の声がどれだけ行革審に吸い上げられ、行革審の指摘の中にどれだけのものがそれが入ってきているかということなんです。そこを聞くために聞きたいんですが、総務庁としては各省を通じていわゆる現場から、地方自治体からどんどん上がってきているものがどのぐらいあって、たくさんあって、今度の行革審の百四十二の指摘の中では大体入っているとお考えですか、それともずれているなと考えられますか、いかがですか。
○政府委員(増島俊之君) 先生の御質問になりましたことを的確にその数値を挙げて御説明できませんけれども、国・地方の答申を作成する、御審議いただきます過程の中で大変その種の努力をしておられるわけでございます。知事会等の地方関係団体あるいは地方行政に通暁する有識者の方からの意見聴取、それから私ども総務庁行政監察局という実態調査機関がございますが、行政監察局によるアンケート調査、実態調査の実施をしております。そういうことを踏まえまして、また参考にいたしまして、この国・地方の答申というものが作成されているというふうに理解しております。
○深田肇君 もう一遍言いますよ。その答申を出した指摘との関係で今お答えがありました。これ以外に総務庁が自主的に各省の現場である自治体や、自治体というのは県があり市があるわけですし、そこでまた働く一般の職員がいていろんなことを、現場の市民の声を聞いているわけですから、そういうことに対しては日常的に総務庁は事情聴取をしたり、今一生懸命やっていると、日本語で書いたけれども、しておられるわけですというふうに、しておられるというのは恐らく答申の方がやっておられることを言っている。審議会がやっていることを敬語で言われたんでしょう。みずからのことを言っているわけじゃないんだから、みずからの方はどういうことをやっておられますか。これからもやるんですか。
○国務大臣(佐々木満君) このみずからの方というのは、私どももそうでございましょうが、各省庁が国の仕事をやっておりますけれども、ほとんどこれは地方公共団体を通して、あるいは地方公共団体の協力を得ていなきゃやれないことですから、日常的に接触がある、またなければいけない、私はそう思っておるわけでありまして、そういう過程で国の考えも申し上げますけれども、地方の考えも十分それはもう意見をいただく、そういう意見の交換の場というのが仕事を通して私は各省庁日常あることだ、こう思うんです。改まって聞くということもそれは必要でございますけれども、そういう過程の中でよく地方の御意見を伺って、そして妥当なものはやはりそれにおこたえをする、こういう態度で行政部内はいかなきゃならぬ、私はこう思っております。
○深田肇君 おっしゃっていることはそうだろうと思いますけれども、きょう時間がなくて実例を挙げて長官とここでやりとりできないことが残念なんだけれども、いわゆる地方の声を聞いておかなければいかぬし、聞いているはずだというお言葉だけれども、実際はそうじゃないです。縦は縦でも詰まっているし、いわんや横との関係もうまく連絡がとれていない。これはお互い認める事実があると思います。 だから、次の機会にこれを出してやりとりしたいなと思うし、別に委員会がなくたって、私の部屋へ来てもらってやったっていいし、私が長官のところに行ってやってもいいわけです。そういうふうにやらないと、おっしゃるとおり物事はきれいに進んでいない。現場の声や市民の声が自治体を通して上がってきて、日本の国会や政治の中で反映できているというほどそんなに市民は満足していないし、よくやっていると思っていないということを率直に申し上げておきます。その点は認められた上でいかにあるべきかということを今後お互いの責任としてやらなきゃいかぬことだというふうに思います。 その意味合いで、いわゆる地方制度調査会というのがあります。こういったものからどんどん意見を上げるということにするべきだと思うんですが、その点、長官いいですか、そういうところの意見を――そういうのが私はわからないけれども、どうして長官じゃなくてそっちにかわらなきゃいかぬのか。それもちょっと説明してもらわないと、一回聞いておけばもう二度と聞かないから。
○政府委員(増島俊之君) 長官の御答弁の前に一言説明させていただきますが、地方制度調査会の御意見といいますものは、国・地方の答申の審議の過程の中でも十分参考にさせていただいております。(「何にもやっていないよ」と呼ぶ者あり)
○深田肇君 時間があるだけ言いますが、何にもやっていないよという声がかかること事実でしょう。我々はそう思っているんです。本当にそのことがきちんと大事にされているだろうかという感じを率直に持っているんです。したがって、これは時間の関係もありますから、もうあとは長官から、大丈夫だよ、しっかりやるよとおっしゃっていただいて時間が終わるわけですから先に申し上げますけれども、今度のようなことについては、現場や自治体の声を大事にしてもらう。そこにいらっしゃる職員の方々が市民の声を全部持ち上げてくる、我々の言ったこともまたそこを通して市民に行くという、まさに民主主義の根源を今語っているんです。 だから、そういう状況のことを語っているわけですから、そのことのためにはやっぱり我々がなすべき課題は、制度としてのそういう調査会などが物すごく活用されるべきだし、それから地方自治体や公共団体の諸団体の意見や、もっと言えばそれは労働組合も含めてもあるだろうが、そういうところの意見をどんどん吸い上げてもらう。それは単なる構えじゃなく、実際上それがなされる。委員に選ばれることも必要だろうし、いろんなことをやってもらうべきものだ。それが、今までで結構なんだ、十分やっているよというふうに言われちゃうと、私たちはそう思わない。 したがって、その点はひとつ積極的にこれから対応しようと、具体的に例を挙げろというなら次の時間に挙げますから、どうぞその意味合いでひとつ積極的な対応を頼みたい。そのことがお互いのために、日本の民主主義のために大変大事なことなんじゃないかということを強調して、最後に長官のお言葉をいただいて終わりたいと思います。
○国務大臣(佐々木満君) 地方制度調査会というのは、御承知のとおり、地方の立場に立った御議論をいただいておるわけでございまして、その御議論、結果というものは当然臨調でも議論していただいて、それで具体的に取り入れたものはたくさんあるわけでございます。これは当然のことだと思います。 それから、日常各省庁それぞれ接触をしてお互いの意思の交換をやっておる、私はそうだと思うのですけれども、これはもちろんこれから深めていかなきやならない。それから、よく地方議会等から意見書等の提出もございますし、それから市町村あるいは都道府県の責任者とお会いすることもございますので、私はそういうあらゆる機会を通して地方の御意見というのをお聞きしてできるだけ反映すべきものだ、これからもそういうことで進めていかなきゃならない、こういうふうに思っておりますので、よろしく御指導願います。
○深田肇君 一分残っています。せっかく残っていますから活用して申し上げておきたいと思いますが、米の問題を最後にもう一遍言います。国会決議を大事にしてもらって、まさに国会の決議というのは民主主義の最高の決定ですから、このことを大事にされて、その状況の中でどういうふうに具体的に物事を進めるかということが必要だと思いますので、ぜひひとつ、長官としては行革審との絡みの窓口として大変な御苦労があると思いますけれども、慎重に物事を進めてもらいたいということをお願いいたしておきたいと思います。あした私やりますけれども、自衛隊の海外派遣の問題や掃海艇の問題なんかも我々の解釈からすると国会決議を超えているじゃないかと思っているわけだから、そういうことがあっては困っちゃうので、米の問題はしっかりと国会決議を守ってもらうということを今お願いしておきたいと思います。以上です。
○太田淳夫君 まず最初に総務庁にお伺いいたしますが、今もいろいろと同僚委員からもお話がありました。それぞれ地方行政に携わられた方々からのいろんな国と地方との問題についての問題点が取り上げられたわけであります。私は直接地方の行政に携わったことがございませんので、いろいろと観念的な部分が多いかと思います。 最初に、国と地方の機能分担あるいは保護、助成、規制、監督行政のあり方などについて論議をする場合に、国の関与という言葉がよく使われるわけでございますが、今回のこの整理合理化法案にも、臨調行革審答申においても国の関与の見直しということが叫ばれてきているわけでございますけれども、この地方に対する国の関与とはどういうことなのか、国の関与という用語の定義というか、意味合いというのはどういうことなんでしょうか。
○政府委員(増島俊之君) 国の関与という用語でございますが、臨調行革審答申におきまして具体的に定義づけが行われているわけではございませんけれども、総務庁でこの国の関与を統一的に把握する際に用いております定義でございますが、それは地方公共団体、この地方公共団体には知事、市町村等の執行機関を含むわけでございますが、地方公共団体が事務を行うに当たって、国の行政機関、都道府県の執行機関が国の機関として関与を行う場合も含むのでございますが、国の行政機関が全国的統一、広域的調整、行政事務の適正な執行を図る等の目的で法律、政令、省令に基づき権力的または非権力的な手段を用いて個別具体的に地方公共団体の行政に関与しているもの、そういう定義のもとで統一的に把握をいたしております。
○太田淳夫君 国の地方に対する関与、これは地方自治体の事務処理の自主性、総合性、合理性を阻害して、事務の簡素化という要請にも反するということは先ほどからもいろんな同僚の御意見の中にもありました。 そこでお伺いしますけれども、国が地方に対して関与する根拠、理由はどういう点にあるんでしょうか。
○政府委員(増島俊之君) 先ほど申し上げましたように、地方公共団体が事務を行いますときに、国の立場から全国的な統一あるいは広域的な調整等を要すると考えられるものにつきまして個別の関与というものが行われているわけでございます。したがいまして、そういう必要性といいますもの、それはやはりあるというふうに考えられるわけでございます。 ただ、この問題が臨調あるいは行革審の中で取り上げられますときには、こういう問題が地方公共団体の行政執行を行うに当たりまして過剰な関与といいますか、そういう形にならないようにいろいろな考え方を提示してこの適正を図るという努力をしているわけでございます。
○太田淳夫君 地方から見ますとそういう点がいろいろと問題になるんじゃないのかと思うんです。長官も実際に地方でいろいろとお仕事をされていた立場から考えますと、どうでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(佐々木満君) これは地方の立場から申しましても、あるいはまた行政全体のあり方から申しても、国の関与というのはできるだけ少なくすべきものだ、私はそう考えます。ただ、国全体としての統一性とかあるいは最低の水準を確保するとか、あるいはいろいろな調整をするとか、そういうような部面は皆無とは言えないのでございまして、これは必要なものも少なからずあると思うのでございますけれども、基本的にはできるだけやっぱり国の関与というものは少なくしていくべきである、そして地方が独自に知恵を出して地域づくりができるようなそういうふうにすべきものだ、私は基本的にそう思っております。
○太田淳夫君 今、長官の基本的な考え方もお聞きいたしましたけれども、確かに第二行革審の答申によりましても、国の関与は可能な限り廃止をする、また今後の法律、法令等の立案に際しても国の関与は必要最小限のものとするなどの指摘を行っておるわけですね。 実際に総務庁の行政監察局が平成二年三月三十一日現在で調査しました国の関与の実態把握調査によりますと、国の関与の総数というのは三千八十三件で、昭和六十三年十二月三十一日における調査に比べますと八件も増加しているわけです。わずか八件の増加と言えば少ないかもしれませんけれども、実際に増加をしている。長官もおっしゃったようなこと、可能な限り廃止をしたい、必要最小限のものにとどめるべきである、そういう行革審等のお考えにもかかわらずこういったふうに増加をしていく、これはどういうような背景にあるんでしょうか。
○政府委員(鈴木昭雄君) ただいま御指摘がありましたように、二回目の調査におきましては一回目の調査に比べまして差し引き八件増加という数字になっております。これをもうちょっと詳しく申し上げますと、新設が十三件、廃止されたものが五件、差し引き八件ということでございます。 それぞれの内訳と申しますか、それぞれの理由を申し上げますと、例えば新設されたものといたしましては、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法、こういう法律が制定されまして、当該法律に定める基本計画が運輸、建設、自治それぞれ三大臣の承認に係る等、こういう事案で七件ふえております。また、廃止されたものを例に申し上げますと、消費税の創設に伴いまして電気税等が廃止され、関連する自治大臣の関与が廃止された、こういうような内訳になっております。 一般的に申し上げますと、社会経済情勢が変化する、そういう中におきまして、全国的あるいは広域的な見地から対処すべき行政上の問題も出てくる、それに対する行政の仕組みを検討していくに当たりまして、その検討の一環として、先ほども大臣の御答弁にも出ておりましたが、全国的な統一性の確保とかあるいは広域的な調整とか、こういうような観点から、見地から国の関与を新設あるいは改廃する、こういうようなものを検討していく、こういうような事情が背景にはあるものと考えております。
○太田淳夫君 第二次行革審答申におきましては、国の関与・必置規制の廃止・緩和等の事項として二十八事項が指摘されておるわけです。今回の整理合理化法案に盛り込まれましたのは、その約半分にもいかない十事項にすぎないわけでございますけれども、この残された十八事項が法案として提出されなかった理由はどういう理由ですか。
○政府委員(増島俊之君) 国の関与・必置規制の緩和で二十八事項答申では指摘しているわけでございますけれども、そのうち法律改正を要しますものが十一事項あるわけでございます。そのうち十項目といいますのが今回の一括法案に盛り込まれているわけでございます。残る一項目につきましては、今現在関係省庁で検討が進められているわけでございます。 そのほかの十七項目でございますが、これは政令あるいは省令等によるものでございます。これにつきましても逐次実施をされてきております。この一括法案が成立をさせていただきますと、全体としてこの二十八事項のうち八割強が実施されるということになります。
○太田淳夫君 次に、公有水面の埋め立ての認可についてお尋ねしたいと思うんですが、まず農水省にお伺いしますけれども、現在第四種漁港の区域内で公有水面の埋め立てを行う場合には、漁港改修計画に基づく以外は、農水大臣の認可を受けて都道府県知事が免許を与えています。この整理合理化法案によりますと、第四種漁港の公有水面埋め立てで航路、泊地等その漁港の利用を著しく阻害しないものについては農水大臣の認可が要らない、こういう改正になっているんですが、今回のこういう改正をした理由はどういう理由でしょうか。
○説明員(坂井淳君) 今回の漁港法の一部改正は、離島その他辺地にありまして漁場の開発とか漁船の避難上特に必要な漁港であります第四種漁港の区域内の埋め立てにつきまして、第一種、第二種と同じように、漁港の利用を著しく阻害しないものにつきましては農林水産大臣の認可を要しないこととするものでございます。 これは、第四種漁港が地元船以外の漁船の利用は比較的臨時的あるいは一時的な利用でございまして、また利用の状態といいますか、利用船の隻数とか水揚げとかというものも比較的小規模でございます。そういうために利用者間での広域的あるいは重大な利害紛争が生じがたいということから、漁港の維持管理について全国的視野からの関与の必要性が比較的小さいということを踏まえたものでございます。 今回の改正によりまして、第四種漁港は百港ございますが、この区域内の公有水面の埋め立てにつきましては、都道府県知事の自主的な裁量の範囲が広がりまして、都道府県の事務の簡素化が図られるということになると思います。
○太田淳夫君 第二次行革審の答申が出されましたときのその内容の中には、権限委譲に関する事項が四十七事項、国の関与・必置規制の廃止・緩和等に関する事項が二十八事項、補助金等の整理合理化に関する事項が六十七事項の合計百四十二事項が指摘されているわけですが、その中にただいまお話のあった第四種漁港に関する公有水面の埋め立ての認可を廃止する内容が盛り込まれておりますけれども、公有水面の埋め立てに関する認可については、権限を地方に委譲すべきものは本当にこの第四種漁港関係だけだったのか、あるいはほかにあるんではないかと思うんですが、その点はどうでしょうか。公有水面の埋め立てに関する認可の委譲について第四種漁港が第二次行革審から指摘された際に、同種の権限の委譲について検討されたかどうか、その点をお聞きしたいと思うんです。
○政府委員(増島俊之君) この公有水面の埋め立ての関係でございますが、第二次行革審答申でございますが、この類似の制度としまして港湾あるいは河川における公有水面の埋め立てがあるわけでございます。それにつきましても第二次行革審が具体的な提言を行っているわけでございます。公有水面埋立法に基づく免許につきまして、甲号港湾その他その利用状況等から見て特に国家的重要度の高いものにこの免許を限定するとともに、乙号港湾に係る認可対象の範囲を港湾の性格に応じて明確化することによりまして、運輸大臣の認可対象の範囲を縮小する、そういう内容のものでございます。また、指定河川の見直しを行いまして、公有水面埋め立ての免許につきまして建設大臣の認可対象の範囲を縮小する、そういうものも含まれております。これらにつきましては既に告示や通達の改正によりまして実施に移されたというふうに聞いております。
○太田淳夫君 河川それから海等の公有水面の埋め立てをしようとする者は、公有水面埋立法に基づいて都道府県知事の免許を受けなければならないことになっておりますけれども、ただ政令で定める一定の埋め立てについては、免許に当たって主務大臣の認可が必要なようですけれども、運輸省、建設省は、この公有水面にかかわる事務権限についてどのようになっているのか説明していただきたいと思います。
○説明員(徳山直君) 公有水面の埋め立ての免許につきましては、公有水面埋立法の第二条の規定によりまして国の事務を行うところの都道府県知事の権限とされているところでございますが、政令で定めるものにつきましては、同法四十七条第一項の規定によりまして主務大臣の認可を受けるということになっているわけでございます。 そこで、主務大臣としての建設大臣の認可が必要なものにつきましては、同法の施行令第三十二条によりまして、まず一つといたしまして建設大臣の指定いたします河川の埋め立ての免許、それから二つ目といたしまして、建設大臣の指定いたします河川の流域におきます水面またはその河川の河口付近における埋め立ての免許、ただしこれにつきましては、その河川に著しく影響を及ぼすおそれのない埋め立てのものは除かれているところでございます。それから、三番目といたしまして、海峡等の埋め立てで航路あるいは潮流等に影響を及ぼすおそれのある埋め立てのうち港湾内のもの以外のものの免許、四番目といたしまして、埋め立ての区域の面積が五十ヘクタールを超えます埋め立てのうち港湾内のもの以外のものの免許というものが主務大臣としての建設大臣の認可が必要なものとされているところでございます。 また、この埋め立ての免許の認可に当たりましては、公有水面埋立法第四十七条第二項の規定によりまして、主務大臣は一定のものにつきまして環境保全上の観点からいたします環境庁長官の意見を求めるということになっているところでございます。
○説明員(大辻嘉郎君) 運輸省関係の御説明をさせていただきます。 公有水面一般につきまして、今御説明がございましたように、公有水面埋立法の第二条によりまして都道府県知事の権限とされているところでございますが、港湾区域内の関係につきましては、港湾法第五十八条第二項の規定によりまして港湾管理者の長の権限とされております。このうち、今の御説明にもございましたように、政令で定めるものにつきましては主務大臣の認可を受けることとされておるところでございます。 主務大臣としての運輸大臣の認可が必要なものといたしましては、第一に運輸大臣が甲号港湾として指定する港湾、これは我が国の経済活動や社会活動において重要な役割を果たす港湾ということでございますが、そういう港湾の埋め立ての免許。それから第二に、運輸大臣が乙号港湾として指定する埋め立て、甲号港湾のような重要性のない港湾でございますけれども、そういう港湾の埋め立てでありまして、その港湾の利用に著しく影響を及ぼすおそれのあるものの免許。それから第三に、埋立区域の面積が五十ヘクタールを超える埋め立てのうち港湾内のものの免許。これらのものについては運輸大臣の認可が必要ということになっておるわけでございます。
○太田淳夫君 次に、公有水面埋め立てに関する事務手続についてでございますけれども、なかなかこの事務手続が大変でありまして、埋立免許に関する認可ということでございますけれども、免許出願前に事業者において関係の権利者との調整が行われていること、さらに免許出願受理後に免許権者において法令等に基づいて公有水面適用利用、災害防止、環境保全上の観点から関係機関への意見照会、調整を行うなどの内容審査が行われている。やっとそれが終わって認可事務手続になるわけですが、またこの手続が非常に長い。 ここにある調査の結果があるわけでございますけれども、それでいろいろ調査したことが出ておりますけれども、所要日数で申し上げますと、例えば甲号、これは重要港湾でございますけれども、この港湾の区域の埋立免許に関する運輸大臣の認可事務は、まず諸官庁との事前調整開始から出願までの期間が七十一日、埋立免許出願受理から免許意思決定までの期間が百十六日、主務大臣への認可申請から認可までの期間が六十八日、合計二百五十五日もかかっている。もう一年近くかかってしまうということです。こういう実態、これは平均的なものかもしれませんけれども、こういうような調査結果があり、ほとんどこれと同じようにかかっているということが実態じゃないかと思うんですけれども、免許認可に関する事務手続についてはこの委員会でももっと短縮できないかということでいろんなお話もあったんですが、これはどうしてこんなにかかるのか、またこれを短縮しようという努力ほどのようにされているのか、お聞きしたいと思います。
○説明員(大辻嘉郎君) 御説明申し上げます。 公有水面埋立免許というものは、もう申し上げるまでもなく、公有水面という国民共有の財産につきましてこれを埋め立てて土地を造成する権利を設定する、これにあわせまして竣功認可を条件として埋立地の所有権を免許を受けた者に取得させる、それに伴いまして公有水面の機能を失わせるという性格を持っておるわけでございます。このため、法律上も出願内容を告示し、あるいは関係地域の住民に縦覧を行うこと、あるいは期限を定めて地元の関係市町村に意見を求めること、さらには公有水面に関し権利を有する者の同意を得ることなど種々の手続を踏むことを定めているところでございます。 その審査に当たりましても、このような法律の趣旨から、慎重を期す必要があるということでございまして、相応の日数がかかることはある程度やむを得ないというふうに考えております。 先ほど先生御引用になりました全国知事会の調査結果、私どもも拝見しております。ただ、運輸大臣の認可までの所要期間につきましては、やはり個々具体の案件ごとに当然異なってくるかというふうに考えられますために、一体どの程度が処理期間として必要なものか、一概に申し上げることができないのがちょっと残念でございますけれども、私どもとしても事務処理の迅速化を図るために従来から各種の努力を行ってきておりますし、今後とも可能な限り事務処理の迅速化に努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
○説明員(徳山直君) 建設省関係の埋め立ての免許につきましても、ただいま御答弁あったとおりでございまして、埋め立ての免許と申しますのは、当然のことながら国民共有のまことに貴重な財産であります公有水面を特定の方が埋め立て、埋め立てた後はその方の所有権を認めるというようなこと等から、慎重な審査を行い後顧の憂いなきを、遺憾なきを期していくべきものでありますので、慎重に審査を行っているところでございます。 公有水面の埋め立てに関します建設大臣の認可までの期間につきましても、やはり先ほど御答弁等もございましたように、個々具体の案件ごとに、地元におきます関係機関あるいは関係権利者等関係方面との事前の調整の状況、あるいは認可権者との事前協議の程度、あるいはこの公有水面埋め立ての事業の規模、あるいは埋め立ての対象となります河川の重要度、あるいは隣接地域への影響度というようなものによってそれぞれ事案ごとに異なってくるわけでございまして、認可申請にかかります処理期間がどの程度が必要とされるかということは一概に申し上げられないと思っているところでございます。 ただ、公有水面の埋め立てに関しましては、この事業を前提といたしまして、その他の各種の事業の予定というものも深く関係しているものでございますので、そういう面からも、できる限り認可までの期間を短くいたしたいと考えているところでございます。
○太田淳夫君 公有水面ですから、それは国民全体の財産ということはよくわかりますけれども、しかし同時に、そういう努力をしていただきたいと思います。 例えば、埋立区域の縮小など出願事項の変更などをしようとしても、これまた大変な日数がかかっているのが現実です。この出願事項の変更でも事前調整期間五十四日、意見照会等の期間が三十三日、認可申請の期間が五十二日、合計百三十九日もかかっているという調査結果であります。また、それだけではなくて、これに要する事務的な負担が地方に非常にかかっているということでございます。出張回数とか延べ出張人員となりますと、事前調整の期間のために出張回数平均が二・六回、延べ出張人員は十・八人、意見照会等の期間は一・八回、しかも出張人員は六人、認可申請の期間は一・三回、三・四人と、これだけ地方にとりましては人的事務負担が大きいと言わざるを得ないと思うんですけれども、運輸省、建設省でこういった免許、認可に関する事務手続の改善についてはさらに検討して短縮できるようにしていただきたいと思います。 次に、重要港湾にかかわる埋め立てにつきましては、港湾計画の策定に際し埋め立ての必要性等については運輸大臣の諮問機関である港湾審議会の承認を得ているため運輸大臣の認可は不要ではないか、こういう意見もありますし、私もそう思うんです。そして、国土利用計画上運輸大臣の認可が必要であるなら、事後関与で足りるんではないか、こういうように思いますが、その点はどうでしょうか。
○説明員(大辻嘉郎君) 御説明申し上げます。 港湾計画は、港湾管理者が策定する当該港湾の将来のあるべき姿を示すマスタープランでございます。そういうことで、重要港湾につきましては、御指摘のように、国の利害に重大な関係があるということから運輸大臣が審査をしておる、あるいは港湾審議会の方にも諮っておるというところでございますが、その際、この埋立事業を実施するために必要なすべての事項についての審査を行っているという状況ではないわけでございます。 例えて申し上げますと、埋立地の護岸、岸壁の具体的な構造でありますとか、埋立工法、埋立土砂の採取場所、あるいは事業主体、具体的な土地利用等、こういったものも港湾計画では定められていないわけでございますし、漁業者その他の権利者との具体的な調整はまだされていない段階のものでございます。そういうことで、現実に埋め立ての免許が出てきた場合に、その段階でチェックすべき重要な事項というものが多々残されているというふうに考えられるわけでございます。 それともう一つ、港湾計画はおおむね十年ないし十五年の目標年次を定めて策定されるわけでございまして、埋立事業の実施までの間に時間的な経過がございます。そういうことで、その間の諸情勢の変化というものに即した判断も必要になるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、公有水面の埋め立てにつきましては、港湾計画だけで足るということではなくて、やはりそれとは別の立場から免許の基準に照らしてその可否を判断する必要があると考えておるわけでございます。 それから、国土利用計画上運輸大臣の認可が必要であるということであれば、事後関与で足りるのではないかという御意見があるとのことでございます。これにつきましては、港湾という権利関係が非常にふくそうしております水面において、大量の土砂等を集中的に搬入して用地を造成するという公有水面埋め立ての特性がございまして、一たん埋め立てが行われますと、航路、泊地といった港湾の主要な機能に多大な影響を及ぼすほか、環境への影響も大きなものでございまして、事後的には技術的にも経済的にも原状回復が不可能である、こういう実態がございますので、事前にかつ的確に国の関与が必要であるというふうに考えておるわけでございます。
○太田淳夫君 また、先ほども申し上げました埋立区域の縮小等の出願事項の変更の許可につきましても、通達によって主務大臣の認可を受けることにされておるわけですが、当初免許出願に準じた手続になっているため、これについても関与の廃止などを考えるべきじゃないかと思うんですが、その点はどうですか、建設省。
○説明員(徳山直君) 先ほど御説明申し上げましたとおり、公有水面の埋め立ての免許にかかわります建設大臣の認可の対象となっておりますものは、国土の保全上あるいは国民経済上重要な河川あるいは水面の埋め立てあるいは大規模な埋め立てについて行っているものでございまして、これらにつきましては周辺の地域に多大な影響を与えるものでもあること等にかんがみまして、あるいはその内容が国家的、公益的見地から総合的、客観的に慎重に審査を行う必要があるというようなことから、建設大臣の認可を必要としているところでございます。 ただいま御指摘ありました、そういう公有水面の埋め立ての免許を受けた方が、埋め立ての面積を縮小するとかあるいは埋立地の用途を変更するとか、あるいは設計を変更する、いわば免許の内容の基本となりますような事項につきまして免許を受けた後変更しようとする場合、これはやはり都道府県知事の許可を受けるべきこととされているわけでございますが、この場合にも主務大臣の認可にかかわります埋め立てに関しますものにつきましては、当初の認可の趣旨ということを変更というようなことによって逸脱することのないように、やはり主務大臣が関与する必要があるのではないかと考えているところでございます。 ただ、出願事項の変更につきましては、これまでの事例で申しますと、建設大臣の認可に要しましたものは新規のものの認可に要した期間に比べまして相当に短くなっているところでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、この手続の迅速化ということは極めて重要なことでもございますので、許可申請者でございます都道府県知事との協議とか調整ということにつきましても、打ち合わせの効率化というようなことによりまして打ち合わせの回数等を軽減いたしまして、できる限り合理化、簡素化に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○太田淳夫君 最後に総務庁長官にお尋ねします。 農水省は今回、第四種漁港で航路、泊地等漁港の利用を著しく阻害しないものについては農水大臣の認可を廃止した。廃止するにつきましては、行革審答申の指摘があった、そういうことで実施に踏み切ったことは一応評価すべきであると思います。この第四種漁港埋め立てと同種である公有水面埋め立てについての主務官庁である運輸省、建設省関係の認可が廃止されませんと、第四種漁港関係の効果も十分に発揮されないんじゃないか、こう思うわけです。私は、公有水面埋立免許にかかわる主務大臣の認可は、国家的重要度の高い埋め立て、例えば国家事業で国との調整を要するもの、こういうものを除きましては廃止すべきではないかと考えますけれども、総務庁長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(佐々木満君) 公有水面の埋立免許にかかわる主務大臣の認可の廃止、緩和等にかかわります行革審の答申というのは、御指摘のように、国家的重要度の高いものを除いて廃止すべきだ、こういう観点がこの行革審の改革の提言であるというふうに伺っておるわけでございまして、こういう基本的な改革方針に沿ってそれぞれの事業についてひとつ御研究、御努力をいただきたいものだな、こう思っております。
○委員長(井上孝君) よろしいですか。
○太田淳夫君 終わります。
○田渕哲也君 まず、行政改革について総務庁長官にお伺いしたいと思います。 臨調発足以来長年が経過しておりますが、特に行政改革については第二臨調が発足し、そして国鉄等の民営化が行われて画期的な進歩を遂げたというふうに思っておりますが、しかしまだまだ行政改革としてやるべきことはたくさんあると思います。今までの政府の進めてこられた行政改革についての評価と、それから今後の方針についての基本的考え方を大臣からまずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(佐々木満君) 臨調、二次の行革審等からいただきました御答申というものを誠実に政府は実行してまいりましたし、また実行しつつあるわけでございますが、今日まで私は相当な成果をおさめてきた、こういうふうに考えております。例えば、お話のございました三公社の民営化あるいは日航の民営化など特殊法人の合理化の問題でございますとか、あるいは国家公務員の数の適正化の問題ですとか、あるいは総務庁はそのために設置されたわけでございますけれども、こうした行革、行政機構の再編の問題ですとか、あるいは行政の中身として年金の問題ですとか各般のそういう制度の改善ですとか、あるいは財政の改革の問題等々、私は相当の成果を上げてきておるものと、こういうふうに考えております。 ただ、御答申をいただきましたものにつきましても残されておる問題が少なからずあるわけでございまして、例えば国と地方の関係の見直しとか規制の緩和、そういうものを含む数多くのものがやはり残されてございますので、これらをひとつ引き続き誠実に実行してまいらなきゃならない、こう思います。 加えて、新しい第三次の行革審に対しまして、新しい時代を踏まえた行政のあり方ということで諮問を申し上げておりますので、そうした御答申もいただきましたら、今までの分も合わせてひとつ一生懸命に努力をしていかなきゃならない、こう思います。また、行革審にお任せするだけでなくて、私ども日常の業務を通して行政組織の中にあっても常時改革、改善へ向けて取り組んでいかなきゃならない、このように考えておる次第でございます。
○田渕哲也君 私は、行政改革というものは非常に難しい仕事だと思うんです。したがって、最初の臨時行政調査会が発足してから長年たっておるにかかわらず、実態というものはそれほど進んだという感じを皆に与えておりません。ただ、第二臨調が発足し土光さんという人が臨調の会長に就任され、また中曽根総理という強いリーダーシップの総理のもとに三公社の民営化が実現したわけです。これはまさに画期的なことであったと思いますが、同時にそういう政治的な強いリーダーシップだけでは不足なんで、やっぱり国民の関心あるいは国民の支持というものがないとなかなか進まないと思うんです。 当時は国鉄が膨大な雪だるま的赤字を抱えてもうにっちもさっちもいかなくなってきておる。これは国民的大きな課題でもあったと思います。それから、赤字公債というものがどんどん発行されて、財政も破綻しておる。こういう中で私は国民的な支持も、関心も得られたと思います。ところが、三公社の民営化が終わり、財政再建も赤字国債の発行をとにかくとめることができた。こうなりますと、何となく鮮明な目標というもの、国民的な目標というものがなくなったような気がするんです。私はこういう段階ではなかなかこれは難しくなるのではないかと思います。 しかしながら、例えば国鉄初め民営化にしてもまだ発足して間がないわけで、まだ国鉄が完全に民営企業になったとは言えません。株式も全部まだ国が持っておりますし、経営者もほとんどが旧国鉄の人たちでありますし、それから政治のJRに対する関与というものもまだまだ非常に強いものがある。そういう点からすると、そういうものもまだ私は途上にあると思うんです。それから、財政再建の問題にしましても、赤字国債の発行はとまったものの、やっぱり百六十兆円という膨大な債務を抱えておるし、それから、これから高齢化社会を迎えて国民負担率がどんどん上がってきておるわけです。したがって、私は、これらの問題もまだ解決どころか一時の小康状態というような段階ではないかと思っております。 しかし、それだけで行政改革のすべてと言えないわけでありまして、もっと大事なことは、規制緩和あるいは行政機構の改革、中央省庁等の時代の変化に見合った改革、さらには地方分権、こういったことを進めなければならないわけで、そういう点を考えると、道半ばという言葉がありますけれども、行革は半ばまで来ていないのではないかと私は思いますが、この点について大臣の認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐々木満君) 確かに、国鉄の改革の問題ですとかあるいはNTTの改革の問題ですとか、あるいは財政が非常な破局的状態にあった、そういう時代は行政改革について目に見えると申しますか、国民の関心も非常に高かったと思うのでございますけれども、しかし、基本的には、今お話のございましたような一体日本の公的部門というのはいかにあるべきか、特に国民負担との関係、そういうことを考えていかにあるべきかということについて我々は真剣に考えていかなければならない。目に見えるそういうものはなくとも、とにかく社会経済状態は激動しているわけでありますから、そういうものをむしろ先取りをして対応していくということを考えなければなりませんので、これからがむしろ行政改革の正念場を迎えるのではないか、長い目で見ると私はそう思っておるわけであります。 確かに、国鉄の民営化のような劇的なものはあるいはこれからそうないかもしれませんけれども、地味だけれども、非常に長い将来を考えますとそういう大切な問題がたくさんあるということでございまして、これから本当ほ真剣に取り組んでいかなきゃならない、こういう時期ではないか、こう思います。 それにつきましても、確かに国民的な御支持というのが非常に大事なことでございまして、私ども、そういう意味合いからいろいろな手だてを用いまして国民にPRをする、また御意見も伺う、そして行革というものに関心を持ってもらう、こういうことをやっているつもりですけれども、これからも知恵を出して国民の御理解、御支援が得られるようなそういう行革のPRと申しますか、そういうことを続けてまいらなきゃならない、このように考えておる次第でございます。
○田渕哲也君 公社の民営化とかあるいは財政再建という問題は、これはマスコミも取り上げやすいし国民も理解しやすい問題だと思うんです。ただ、本当の中央官庁の統合、整理とかあるいは地方分権とか、こういうことになると、私は一般の国民もわかりにくいし、また関心も薄いと思います。それだけに一つの大きな行革推進のムードというものが起こりにくい。したがって、これからそういうどちらかというと地味な仕事の積み重ねということになるわけですけれども、そういうものを効果あらしめるには、単に事務的な手続を積み重ねるということだけでなくて、やっぱり大きな一つのビジョンというか、それから国民が乗りやすいといえば失礼かもわかりませんが、わかりやすいキャッチフレーズ的なものをつくっていくことが大事ではないか。 先般の都知事選挙では減税の問題が争点になったわけですけれども、これはいろいろの立場からいろいろの批判もあり、賛否両論あると思いますけれども、やっぱり住民にとってはわかりやすい一つの関心事である。そういうものを地方の財政の自律性とか自治とかそういうことに結びつけていく、そういった面では一定の効果というものはあったのではないかという気もします。何かそういうような一般の国民が関心を持ちやすいことで地方の自律とかそういうことを訴えていくことも必要ではないかと思うんです。 今回の法律案は行政改革のための一環の問題でありますから、我々は反対ではありません。しかし、内容を見る場合に、果たしてこれで行革が画期的に進むほどの問題かというと、非常に不十分な気がするわけです。その背景には、やっぱり今言ったような大きなビジョンとかキャッチフレーズとかそういうものがない。それが何となく、民営化の問題が終わり財政再建が終わると行革はもうこれにて終わりというようなムードが政界にも生まれてくる、国民もそういうふうに受け取ってしまうということでは私は問題だと思いますが、この点について長官の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐々木満君) キャッチフレーズと申しますとすぐいい案が浮かびませんけれども、私は、長期的に行政改革を考えてまいります場合には、やはり国民負担との関係というものを一つ頭に置くべきだろうと思います。もう高齢化社会でございまして、国民負担というのは上がらざるを得ないと言われておりますけれども、しかし余り上がったのではこれは活力がなくなってしまう。この国民負担の適正なあり方というもの、それと公的部門とのバランスというものをどういうふうにとっていくか、これが私は行革あるいは国政を考える場合に非常に大事なことだろう、こう思います。 それからもう一つは、今お話もございましたけれども、やはり地方自治と申しますか、国と地方とのあるべきバランスをとっていくと申しますか、そういうことも一つの視点ではないだろうか。何と申しましても、日本の国土を概観してみますと、片方では過疎地域があって困っている、一方では過密地域があって困っている、一極集中、いろいろ言われます。こういうものでなくてやはり国土をバランスをとってやっていく。そういうためには活力のある、多様性のある、そういう地域社会というものをたくさんつくっていかなきゃならない。そういう点から申しましても、公的部門というのは国から、できるものは地方へ、地方の中でも都道府県から市町村へ、そして基礎的な団体であるそういう市町村、地域社会というものを活力のある、多様性のあるものにしていかなきやならない。 私も地方自治の団体で経験がございますけれども、先ほど来いろいろお話がございましたが、地方団体もだんだん勉強してまいりまして、行政能力というものも高くなってきた。また、技術者の養成等も非常に進んで技術能力もついてきた。ですから、やろうと思えば地方自治団体でもいろいろなことができるわけでありますから、そういうものに財政的な基盤も与えて、そして特色のある地域社会をつくっていく、それを国が応援していく、こういうのがこれからの政治、行政の進むべき姿ではないかな、私はこうも思ったりしてございます。立派なスローガンはございませんけれども、私はそういうことはこれからの行政改革を進めていく基本的な視点ではないだろうかな、そのほかもあるかもしれませんが、今そんなことを考えております。
○田渕哲也君 これまで臨調や行革審が国から地方への権限委譲とかあるいは国の関与の制限についていろいろな答申を出されました。その実施状況については先ほどの質疑の中で答弁がありまして、大体八割方は実施されたか、めどがついたものだということでございました。しかし、現在でも国の関与の件数というのは三千八十三件あって、五年前に比べても減っていない、むしろふえておるというような状況であります。また、全体の許認可の件数にしましても一万五百八十一件、これもどんどんふえておるわけであります。 したがって、行革審等の答申自体が百四十二件としましても、こんなものぐらい減らしたって全体の〇・何%減るだけであって、地方の主体性がこれで画期的にふえたというような数じゃないわけですね。むしろ情勢の変化に応ずるために、私は許認可件数にしても、国の関与数にしてもふえつつあるというのが問題だと思うんです。新しい事項が出てくるから必要上ふやしていくんだということになりますけれども、そうするとほうっておくと行政というのはどんどん肥大化するというのは避けられない。こういうことで、せいぜい整理をしても肥大化のスピードを落としておるだけであって、ちっとも改革にはならないのではないかという気がしますが、この点はいかがですか。
○政府委員(増島俊之君) まず、事実関係でございますけれども、先ほどの八割でございますが、百四十二事項といいますのは、第二次行革審が国・地方の関係の答申を出しまして、個別指摘事項が百四十二事項、そしてその中の法律事項につきまして今回御提案申し上げているわけでございます。 その全体を含めまして、今の実施予定のものを含めまして八割というふうに申し上げたわけでございます。臨時行政調査会及び第一次行革審が権限委譲あるいは必置規制、国の関与等につきましての個別の指摘事項を御答申いただいているわけでございますれども、それにつきましてはほぼ一〇〇%近い実施になっております。
○田渕哲也君 私が申し上げたいのは、例えば第二次行革審の出された百四十二項目にしても、全体から見るとごく少数にすぎない。つまり、行革審のこういう答申そのものが非常に矮小化されつつある。というのは、私は各省庁の抵抗の少ないものだけ拾い上げていくという感じさえするわけです。国が現在持っておる権限は許認可で一万件を超える、それから国の地方に対する関与件数も三千件を超える。そういうものについて抜本的なメスを入れるところまでは答申自体がきていないわけですね。 だから言うならば膨大な権限を国が持っておるのに、本当に手放すときは小出しにちょびちょびしか手放さない。こういうことでは、自然にどんどんふえつつあるわけですから、それが減っていくんじゃなくて、肥大化に少しブレーキをかける程度の効果しかないのではないかということを私は申し上げておるわけですけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(増島俊之君) 臨調行革審の中で個別指摘事項以外に基本的な考え方を出しております。国の関与につきましても、あるいは権限委譲につきましても物の考え方を出しております。そういう考え方に基づいて、各省庁が行政執行する場合に当然それを踏まえて実行すべきことであるというふうに考えておりますし、そういう基本的な考え方を踏まえましてこういうフォローアップの任務を負っております総務庁もそれに一生懸命に当たらなければならない、そういう御指摘であるというふうに理解いたしております。
○田渕哲也君 最近は東京の一極集中問題というのが非常に問題になっております。これは主として住宅問題、土地問題等に代表されるようであります。 しかし、こういうハード面の問題だけではなくて、その背後にあるソフト面のことをやっぱり注意しないといかぬ。特に、中央集権が進むとどうしても一極集中になるわけでありまして、都市の発展もそういうふうになるわけであります。例えば地方自治体の長とか議員の人たちがわんさと中央に参勤交代のように頻繁に足を運ばねばならない状況というのは一向K変わっていない。こういうことが東京の一極集中というものを進めるわけであります。したがって、一極集中の問題を解決するにはやっぱり中央集権というものを改めて地方分権というものを進めるという見地からも私は地方分権が必要だと思いますけれども、この点についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(増島俊之君) ソフト面での努力というものが欠くことができないというのはそのとおりであると思います。臨調行革審の中でのそういう個別の指摘事項の実現ということにつきまして一生懸命やってきておりますけれども、さらに基本的なといいますか、抜本的なそういう取り組みが必要である、そういう理解をいたしておりますし、また現在第三次行革審での御検討の中でもそういう方向での努力がなされております。
○田渕哲也君 それから、地方分権に関連しますけれども、我々は前々から第二交付税ということを主張しておるわけです。これも実現するに当たってはいろいろ問題があろうかと思いますけれども、私はキャッチフレーズとかビジョンというもので何かこういう画期的なものを出して、そういうものの実現に向けて障害を取り除くという努力をする必要があるのではないかと思います。 それからもう一つ、一極集中の問題に関連して道州制ということが時々出てくる問題ですけれども、こういうことももはや検討課題にしなくてはならないのではないか。やっぱりそういう画期的な一つの改革のビジョンを挙げていろいろ検討するというのも一つの手法かと思いますけれども、これは大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐々木満君) おっしゃることは私は全く異論を差し挟む必要がないわけでございまして、そのとおりだと思うのでございます。 ただ、例えば道州制の論議、これも私の知っている限りでも歴史の長い論議が続いてきておるわけでございますが、伺うところによりますと地方制度調査会等でさらに議論を深めていかれるというふうにも伺っております。その御論議の結果をまたなきゃなりませんけれども、一方また、私ども田舎で生活をしておるわけでありますが、地方自治と申しますか、本当に住民の自治と申しますか、そういう点から考えて果たして道州制はどうかなという懸念もございます。それは私個人の考えとして、将来を大きく展望したそういうテーマについて論議をして、国民的な関心と申しますか、課題として検討してもらう、こういうことが大変必要なことではないかな、こう思っておるわけでございます。
○田渕哲也君 次に、特殊法人への天下りの問題についてお伺いしたいと思います。 これは午前中の質問でも触れられたようでありますけれども、この問題については今まで幾つかの閣議決定ないし閣議了解があります。昭和五十四年の十二月に行われた閣議了解では、「全特殊法人の常勤役員については、国家公務員からの直接の就任者及びこれに準ずる者をその半数以内にとどめることを目標とする。」というのがあります。しかし、午前中の答弁では本年度でやっと半数を少し切ったというふうに言われておりますけれども、しかし政労連の調査ではまだ半数を上回っておるとも言われております。この辺はどうしてこういう違いが出てくるか、まずお伺いしたいと思います。
○説明員(浅見喜紀君) ただいま先生おっしゃいましたように、ことしの一月一日現在で申し上げますと、常勤役員七百七十五人のうち国家公務員からの直接の就任者あるいはこれに準ずる者の合計が三百八十四人でございまして、四九・五%ということでその半数以内にとどめるという目標を達成しておりますが、これを私どもの同じ考え方で昨年の一月一日現在で申し上げますと、いわゆる国家公務員からの直接の就任者あるいはこれに準ずる者の比率が五〇・七%ということでいま一歩半数以内に及んでいないということでございます。 それからもう一点、政労連の出しておりますいわゆる天下り白書との違いでございますが、これは政労連の方の独自の集計方法でございますので断定はできないわけでございますが、一つは、私どもの方は国家公務員からの就任者ということで考えておりますが、地方公共団体の職員であった者が含まれておるとか、あるいは国立大学の教授とか講師とかいったいわゆる学者先生といいますか、そういうような方、形式的には国家公務員ですが、我々としては公務員というふうにカウントしておりませんが、こういう者も入っているのでそういう違いが出ているのではないかと思われます。
○田渕哲也君 国立大学の方が含まれておるかどうかわかりませんが、地方公務員は別に政労連の方も出しておるわけです。だから、国家公務員として出して五〇%を超えておる、四百五名、これは二年度でそういうあれが出ております。 それから、閣議了解にある直接の就任者というのはどういう者か、それからこれに準ずる者というのはどういう人を指すのか、お伺いしたい。
○説明員(浅見喜紀君) 国家公務員からの直接の就任者というのは、原則として本省の課長クラス以上の職を退職いたしまして直接特殊法人の役員に就任した者という扱いをいたしております。それから、これに準ずる者といいますのは、これも原則として本省の課長クラス以上の職を退職いたしまして民間とかその他の特殊法人以外の法人に勤務して十年に満たない者とか、あるいは役員としてではなくて特殊法人の職員として就職いたしまして、そこで五年に満たない者というような人をこれに準ずる者として扱っております。
○田渕哲也君 いずれにしましても、閣議了解がなされてから十二年たっておるにかかわらずこういうことがずっと続いてきたというのはちょっと理解に苦しむわけですけれども、これは一体どういうわけでしょうか。
○説明員(浅見喜紀君) 特殊法人といいますのは、本来的に純粋の民間企業と異なりまして、言ってみれば国の仕事を一部代行しているというような面もございまして、そういった意味で、ある程度国家公務員からの役員就任ということがあるというのはそれはそれなりに一方では意味があるのではないかと思っております。 他方、幅広く民間とかあるいは特殊法人の職員の方といった人材を活用するというような面で、今言ったような閣議了解ももちろんできておるわけで、それなりに政府としてもいろいろ努力をいたしまして、先ほど申し上げましたようにこれまでも半数に達していないといっても昨年が五〇・七、その前の年が五〇・九といったようなことでほぼ達成しておりまして、ことしの一月一日現在では半数以下に達しておる、こういうことでございます。
○田渕哲也君 私は国家公務員出身の人が特殊法人である程度要ることは当然だと思います。問題は、閣議了解で半数以内にとどめるという方針を出されてから十年余りも改善されていないことがむしろ問題だと思うんです。役員の任期というのはあるわけですから、別の閣議決定でも大体ほぼ六年というふうに決めておるわけですから、そういうことからすると十二年の間には五〇%以下に当然なっていなければいけない、それがなっていないというのは何のための閣議了解かということになろうかと思います。 それからもう一つは、渡り鳥といいますか、そういう者も昭和五十二年の閣議決定で原則としてたらい回し異動は行わない、それから真にやむを得ないものに限って一回限り認めるというようなことが言われております。また、臨調の最終答申でも同様の決定がされておるわけでありますけれども、その後の実態を見てみますと、明らかな違反である二回以上の異動は見られませんけれども、一度にせよ法人間を異動した者が二十九名もいるということになっております。これについてはどう考えられますか。
○説明員(浅見喜紀君) これも、今先生おっしゃいました二十九人というのは、政労連のいわゆる天下り白書に載っている数字でございますが、これもたしか二年、昨年の数字だと思うんですが、その後役員を退職した人などもおりまして、現在私どもが把握しておりますのは、十六人が特殊法人から特殊法人への転任というふうに了解をいたしております。 それで、これはあくまでも真にやむを得ないものに限るということでございまして、各省庁が特殊法人の役員の人選をいたします際に内閣官房の方に協議が来るわけでございまして、その場合にその特殊法人の業務内容であるとか、役員の職務であるとか、その人の経歴であるとかあるいはその特殊法人の役員のいろんな全体の年齢とか、年次の構成というようなことをいろいろ聴取いたしまして、厳正に判断をして真にやむを得ないものというふうに考えております。
○田渕哲也君 それと同じく、閣議決定で在職期間についての取り決めがあります。「在職期間はおおむね六年を限度とすること。ただし、総裁等又は副総裁等の職にある者で特別の事情がある場合は、この限りではないが、この場合においても、原則として八年とする」と、こういう閣議決定があるわけですが、これも政労連の調査によりますと、それを超える人が何人かおります。特にその中には総裁もしくは副総裁でない人が含まれている、あるいは社長または副社長でない人が含まれております。常務とか監査役、監事、理事とかいう人が含まれております。これは閣議決定に反していることになりますね。
○説明員(浅見喜紀君) これもこれまでもお答えしておりますように、原則としてということで、真にやむを得ないものに限っては例外を認めておるということでございます。
○田渕哲也君 真にやむを得ないというのは、どの範囲でそれを決めるかなかなかあいまいな点があると思うんです。 しかし私は、閣議決定というのは我が国の行政権の最高の意思決定であると思います。それが無視されるというのは余り好ましいことではない。国家公務員から民間企業への天下りについては、国家公務員法第百三条並びに人事院規則一四―四によって人事院が審査と承認を行うことになっております。しかし、特殊法人についてはどうかといいますと、これは参議院の内閣委員会で昔の答弁ですが、高鳥総務庁長官が、「特殊法人の役員の人事につきましては、各主務大臣及び内閣官房長官が所掌しておられるところであります」と言っておられます。統一的にどこかの役所がやっぱりチェックしないといかぬと思うんです。私は官房長官のところでこういうものは統括的にチェックして、各省庁に任しっ放しではなくて、閣議決定に違反しているかどうかやっぱり定期的に点検していただき、また違反している場合には勧告をしてもらう必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(大島理森君) ただいま田渕先生の御意見をずっと伺っておりまして、特殊法人のまさに特殊性というのは今お話があったわけでございます。そのために有益な人間を登用していく、国家公務員御出身者の中から有益な方々を登用するということが一方において有益な場合が少なくない。しかしながら、一方、先ほどからお話にございましたように、五十二年、五十四年の閣議決定及び閣議了解で一つの指針あるいは枠、そういうふうなものを決めた。その趣旨は、できるだけ多くの方々の各界有識者から御意見を聞くべきだ、人選するべきだ、こういう二つの問題を整合させたものであるわけです。 実際に私も官邸の中におりまして、いろいろな候補者の選考の段階において御相談を受けるわけでございますが、その協議を受けた場合には、まさに今閣議決定をしたそのことに基づいて厳正に対処しているところでございます。 さらに、官房のところできっちりさらにやれということでございますので、なお私どもその趣旨を体しまして、閣議了解、閣議決定、こういうものに基づいて一層心がけていかなければならぬことだ、このように思っております。
○田渕哲也君 時間も余りなくなりましたが、最後に国有林野事業についてお伺いしたいと思います。 昨年八月に八九年度の国有林野事業決算が発表されましたけれども、これによりますと、五千八百三十九億円の収入のうち自己収入は約半分の二千九百六十二億円、借入金がこれとほぼ同じの二千七百億円、つまり収入の半分近くが借入金であります。一方、支出の方は、総支出五千六百九十億円のうち償還金、長期借入金利が二千六十三億円、人件費が二千六百六十億円、この二つでほぼ八四%を占めております。そして、損失が四百三十六億円、累積債務が実に二兆七百二十六億円に上っております。平成三年度の予算ではこれがさらに膨らみまして、長期債務は二兆四千億円にも上っておる。 こういう状況が続きますと、これは規模こそ小さいとはいえまさに国鉄と全く同じであって、雪だるま式に赤字が膨らんでいく、それから借入金の利子がもう膨大に膨れ上がっていくという結果になります。これについてどのように考え、これからの見通しをどのように考えられておりますか、まずお伺いしたいと思います。
○説明員(加藤清氣君) 国有林野事業でございますけれども、昭和五十三年以降、国有林野事業改善特別措置法によりまして改善計画を定めますとともに、所要の財政措置を講じながら経営改善に全力を挙げて取り組んでまいったわけでございますが、今先生が御指摘ございましたように、平成二年度末で二兆円を超える債務になっております。 この債務残高が増大した要因といたしましては、収入の大宗を占めます木材収入というものが、過去の大量伐採を行ったことに伴います資源的制約あるいは自然保護等の要請から伐採量を減少させざるを得ない経過をたどってきたということと、価格が長期的に低迷してきたという問題がございます。また、幾つかの新規事業に取り組んでおりますけれども、なお緒についたばかりでまだ大きく寄与する段階に至っておりません。 また、幾つかの要因があるわけでございますけれども、今後の経営改善といたしましては、今までは経常事業と累積債務の処理という問題を一緒にしまして経営改善に取り組んできたわけでございますけれども、新しい改善の方向といたしましては、経常事業と累積債務の処理というものを区分しまして、経常事業の方につきましては事業の民間実行の徹底あるいは要員の適正化、効率的な生産体制、経営体制というものをつくって経営の健全化を行っていくということと、累積債務につきましては国有林の持っております林野、土地等というものを機動的に売却していきますとともに、将来の剰余金あるいは別途財源措置としての一般会計というものを投入しまして債務を合理的に処理していくということが基本的な考え方でございます。
○田渕哲也君 最後にお伺いしますが、国有林野事業の赤字体質になった理由は、やはり国有林野事業というものの採算性だけでこれは考えられるものではないと思います。やはり公益性というものがあるわけです。国土の保全あるいは緑の保全、そしてそれには経費がかかるわけでありまして、ただ単に材木を売ってその収入で費用を賄うという考え方では成り立たないということが明らかになっておると思います。 ところが、一般財源からの投入を見ますと、年年ふえてはおりますけれども、極めて少ないわけであります。平成三年度におきましても二百五十億円にすぎない。こういうことでは公益性の問題における適正な費用負担という額にはほど遠いのではないかと思います。この辺の仕組みを抜本的に変えない限りは、私は国有林野事業というものの赤字からの脱却は不可能だと思いますけれども、この点をお伺いしたいと思います。
○説明員(加藤清氣君) 国有林野、先生のお話をいただいたように、単に木材の供給ということだけではなくて、国土の保全、水資源の涵養、あるいは自然環境の保全など幾つかの公益的な仕事をいたしておりまして、国有林野の経営改善を始めますと同時に公益的な機能の発揮を適切に実行していくために重要な造林・林道等の事業施設費、あるいは保安林の保全に関する経費につきまして一般会計から繰り入れを行ってきたところでございます。 しかし、今までは民有林に対する助成水準と国有林に対する一般会計の繰り入れ水準の間に差がございました。平成三年度予算におきましては、造林・林道につきまして一般会計の繰り入れの対象を民有林の補助体系と同一といたしたわけでございまして、またさらにこの四月十九日に成立いたしました法律改正で国有林の行います行政的費用につきましても繰り入れの対象といたしておりまして、今後こういう足場を大事にしまして一般会計の繰り入れというものに努力をしていきたい、このように思っております。
○吉川春子君 ただいま審議されております法案に関しましてはこの後同僚の吉岡議員が質問しますので、私は一、二に絞って質問します。 まず、厚生省お見えでしょうか。今回の法案で保健所運営協議会の設置基準を緩和するということについてですが、厚生省は保健所機能を充実強化していく、その中で地域保健医療を具体化し、地域保健所の各種事業を推進していく、そういう方向で考えておられると思いますが、間違いありませんか。
○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。 保健所が地域におきます保健医療の重要な担い手であるという認識のもとに、従前からもできるだけ保健所の力をつけるために努力いたしているところでございます。先生御指摘のとおりに、保健所をさらに強めてまいりたいというように考えております。
○吉川春子君 そういたしますと、今回の改正で地域住民の意見を保健所運営に反映する保健所の運営協議会を統合するということは、厚生省の保健所機能の強化という方針と矛盾しますし、「地方における公衆衛生の向上及び増進を図る」という保健所法の目的を果たす上でも問題があるんじゃありませんか。
○政府委員(長谷川慧重君) 保健所の運営に当たりましては、保健所の運営協議会の場におきましていろいろ御出席の委員の先生方の御意見を踏まえまして保健所運営を行っているわけでございます。そういう面で、運営協議会を従前は一つの保健所に一つの運営協議会という形でつくってまいったわけでございますが、その地域地域の実情に応じましてやはり地方自治体の方で御判断をいただきまして、二つ以上の保健所におきまして一つの運営協議会でやった方がよろしいということであればそれをできるような形に法案の改正を行っているところでございます。
○吉川春子君 私はその答弁には納得できないんです。地域保健医療が重視されているときに今回の措置はそれに逆行するものである、そういうことを指摘し、私ども修正案も出しておりますので、そのことだけ指摘して、次の質問に移りたいと思います。 国家公務員の育児休業法の法制化は極めて重要な段階にありますので、この機会に幾つかの点で質問をいたします。 まず、総務庁長官にお伺いしますが、先ほど総務庁長官は、法案提出は今国会難しくなったというふうにおっしゃいましたけれども、今週の火曜日に私の部屋に説明においでいただいた担当者の方は、何とか会期中に出したい、こういうふうにおっしゃっておられましたけれども、何か突発事故が起こったんでしょうか。民間の労働省関連の法案は何か今国会成立するということも情報として承っておりますが、国家公務員だけ育児休業の法制化がおくれる、こういうことがあってはならないと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(佐々木満君) 今国会で御提案を申し上げまして御審議を賜りたいということで鋭意努力をしてまいったわけでございますけれども、現在の段階では大変難しい、こう今判断しておりますが、まだ会期が残されておりますので全力を挙げて成案を得るべく努力をしてまいりたい、こう思っております。 なお、民間の方の法案でございますが、成立しますと来年の四月からということに施行がなっているようでございますが、私どもはこれに合わせておくれることのないように、今国会も努力しますけれども、なるべく早く成案を得て、施行日だけは一緒にして同時にスタートしたいものである、こう思って努力をしてまいりたいと思います。
○吉川春子君 人事院に意見の申出についてお伺いいたしますが、その第九に「女子教育公務員等育児休業法の適用を受ける職員の取扱い」のところで、「現行制度を新制度に取り込む」とありますけれども、これは一本化するという意味でしょうか。
○政府委員(大城二郎君) 新制度を一般的な制度としてつくるということが主眼でございまして、その中に現行の特定職種に係る制度としてできております枠組みの中で取り入れられるものは取り込んでいくというふうに考えているわけでございます。
○吉川春子君 そうしますと、例えば具体的にお伺いしますが、現行の育児休業法が適用されているいわゆる三職種ですね、これは引き続き共済掛金本人負担分を育児休業中も支給するということですが、新たな制度の適用者にはこの支給を認めていないということですが、これでは職員間に不平等を生むわけですね。例えば、同じ病院で働く看護婦さんにはいわゆる育児休業給を支給する、女医さん、検査技師、薬剤師、事務員などには支給されない、こういうふうになるわけですけれども、これでは職場に混乱が起きるんじゃないですか。そういう点についてはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(大城二郎君) 今回設けようといたしております育児休業制度については、全体的に各職種それぞれの職員に適用される制度をつくるということで考えてきているわけでございますが、御指摘のありました特定職種については既に別の趣旨、目的といいますか、そういう形ではありますけれども、既にいわゆる給付を含めた制度があるわけでございまして、その給付に関する部分についてその必要性がなくなったという判断を現時点でするわけにはまいりませんので、その部分は引き続く。その結果として、特定の施設の中で御指摘のありましたように職種間に差が出るということは確かに生ずるわけでございますが、それはそれで制度の趣旨、目的が違うということでやむを得ないのではないかというふうに考えております。
○吉川春子君 必要がなくなったからやめるというふうに私は言っているんじゃないんですよ。そういう答弁のされ方は困ります。そうじゃなくて、要するに適用するんだったらば最低少なくともそのことは新たな人々にも適用すべきだ、そういうふうにしないと混乱が起きるんじゃないかというふうに質問したわけです。 これは混乱が起きてもやむを得ない、こういうふうにおっしゃったわけですが、例えば国公法に「すべて国民は、この法律の適用について、平等に取り扱われ、」云々と、憲法にももちろんあるんですけれども、これとの関係でいくと非常に法律にも憲法にも反すると思いますけれども、その点はどうですか。
○政府委員(大城二郎君) 現在まで行われてきております特定職種に対する給付というのは、その特定分野の必要性に応じてそういう制度が設けられてきているわけでございまして、それと今回新たに全般的な制度ができるということとの関連で言えば、その間にそういう差が生ずることは決して国公法等で規定されておりますような平等取り扱いの原則に反するものではないというふうに考えております。
○吉川春子君 それは反するんですよ。人事院、そういう考え方では困ります。 人事院総裁にこのことはお伺いしたいんですが、一つは今指摘しましたような問題と、もう一つは例えば教師、看護婦などいわゆる特定職種の配偶者が新制度に基づいて育児休業を取得する場合に、共済掛金の本人分の負担というのはないわけですよね。今の説明でないわけです。これではやっぱり育児休業というのは女がとるもんだ、男じゃなくて女がとるもんだ、こういうことになるわけなんです。これは役割分担を女は育児、男は仕事、こういう考え方を人事院がやっぱり唆しているというか、制度の上でそういう方向に持っていこうとしているととられてもやむを得ないと思うんですけれども、これは人事院総裁の人生観として聞いているんです。こういうことが起こっていいものかどうか、もうこれは完全に制度の上からも役割分担を強制することになるじゃありませんか。総裁はそういうお考えをお持ちですか、お持ちじゃないんですか。
○政府委員(弥富啓之助君) 少なくとも男女の間につきまして憲法から、それから今は男女機会均等法、いろいろございます。私は決してそういう考えは人生観としても持っておりませんし、むしろ女性の社会参画ということで尊重をいたしているつもりでございます。 ただいまいろいろお話がございました。これは先生御存じのとおりに、五十一年から施行になりました現行法、これはそのときのやはり人材確保といういろいろな特定の行政目的がございまして、それでずっと続いてきて今十何年続いてきているわけでございます。 一方、今度の場合、一般の公務員にそれを特定職種に限らずに広めていくというのは、これはやはり今の出ております民間の育児休業法に準じて民間準拠ということ、それから一般情勢適応の原則ということから人事院としても立案をしたものでございます。しかも、今の現行法と申しますか、特定職種の法律におきましてもその本則におきましては育児休業中は無給であると、しかし附則におきましては当分の間こういう目的にあるから給付を行うと、育児休業法の本則では無給であっても、そういう特別の事情によって当分の間育児休業給を支給する、こういうふうな法体系になっていることはもう先生御存じのとおりでございまして、これは今度の場合やはり民間で、いろいろ労働省の方で婦人少年問題審議会の方で御議論があったというふうに聞いております。しかも、それは結局一方の方向といいますか、多角的な広範な問題で論議する必要があるということで結局のらなかったというふうに聞いております。 しかし、我が方でも民間準拠のことでございますから、これからその育児休業の問題もいろいろ進展していくことと思います。それを十分に見詰めながら対処をしていきたい、かように考えております。決して私は人生観としても男女を区別したり、むしろ女性尊重であるということを申し上げておきたいと思います。
○吉川春子君 人事院の意見の申出が、結果としてそういうことを促進することになるということを私は指摘したわけなんです。 総務庁長官にお伺いいたしますが、育児休業中の所得保障を人事院の「意見の申出」は一切認めていないわけなんですね。これは非常に大きな問題だと思うんです。これはもう全野党一致してこの有給制ということは要求してきたことなんです。もしこの育児休業期間中に無給であるとすると、例えば赤ちゃんが生まれますとふだんよりお金がかかるんですよ、家族が一人ふえるわけですから。そして、しかも育児休業をとったらお父さんなりお母さんなりの収入がゼロになるということになれば、本当は利用したいんだけれども、利用できなくなるわけなんです。共働きの場合でも大変ですけれども、まして単身家庭というんでしょうか、父子家庭、母子家庭、こういうところではもう事実上とるのは不可能ですし、今のように男性の給料が女性に比べてうんと高い、こういう情勢の中で男性がとることも不可能になるわけです。 そうなりますと、育児休業制度の枠をつくられたことは大きな前進であり、私は敬意を表しますけれども、実質的な点でこの制度の利用を妨げる原因になると思うんです。それで、今法律を一生懸命作成中ということですので、別に人事院の申し出より上回ってはいけないということはないと思うんです。下回ってはもうこれはけしからぬですけれども、上回る法律を出してはいけないということはないんで、総務庁長官、ぜひ有給制の問題について法律の上で御検討いただきたいと思いますが、いかがですか、ちょっと時間がないので大臣のお考え方を。
○国務大臣(佐々木満君) 御案内のとおり、公務員の勤務条件と申しますのは社会一般の情勢に適応をして定める、こういうふうに法律でなっておるわけでございまして、私もそのとおりだと思うんですが、具体的には人事院からの勧告なり人事院からの意見の具申などをいただいてやっておるわけでございまして、私は総務庁の責任者としてそのような方針で対処してまいりたいと思います。
○吉川春子君 大臣、お言葉ですが、十八日の社労委員会で我が党の沓脱議員が、安心して休むために所得保障が必要だと、こういうふうに主張したのに対して、労働大臣は、何らかの温かい配慮があってもいいと、知恵を絞ってみると、こういうふうにおっしゃっているんです。だから、同じ閣僚で総務庁の方は知恵を絞らないというのはこれはちょっと国家公務員に対して申しわけないと思うんで、これは労働大臣もおっしゃっていることですので、知恵を絞ってみていただけませんか。
○国務大臣(佐々木満君) それは大した知恵はありませんけれども絞るわけでございますが、国家公務員法に定められておるとおり、国家公務員の勤務条件というのは社会一般の情勢に適応する、こうなっておるわけでございます。 そして、具体的にどうするかとなりますと、人事院の方で知恵を絞っていただいてそこから勧告なり具申をいただいて我々の方ではそれを実行する、こういうことなのでございますので、この点は私の個人的な意見は別として、長官としてはそういうことでございますので御理解をぜひいただきたい、こう思います。もし社会情勢が変わればまた勧告なり意見具申があり得ると思いますけれども、今般いただいております意見の具申ではそうなっておりませんので、それに従ってやらせていただきたい、こういうことでございます。
○吉川春子君 ちょっとついでにお伺いしますけれども、民間の労働者に対する育児休業法案よりも国家公務員の方が若干進んでいる点もあるんですね。二分の一の期間の算入問題とか代替要員とかそういう点は努力をされたということで私は評価をいたしますけれども、それで足りないところもあるわけですよ、人事院の今のいろんな立場から。そういうものについては後退しないということは人事院のとおりなんですね、大臣、それはそうなんですか。
○国務大臣(佐々木満君) それはそのとおりでございます。私が法案の提出がおくれていると申しましたのは、人事院からいただいた御意見の具申の中身について私の方で格段問題があるわけじゃない、全く立法作業の事務的な面で今おくれている、こう申し上げているわけでございまして、決して勧告から中身を下げるとかそういうことではございません。
○吉川春子君 それで、後退しないのはもちろんですけれども、人事院に悪い点まで、足りない点まで拘束されないで、そこは総務庁長官、大臣なんですから、そこで法律の策定作業のときにやっぱり私はこの有給制の問題は大いに知恵を絞っていただきたいと思うんです。それから、さっきのいわゆる育児休業給も、これは法律じゃなくて規則ですから、そういう点はまだまだ余裕があると思いますので、こういう問題について現行水準より後退させない、今の育児休業制度よりは下回った制度にしないということを強く要望しておきます。 私の最後の質問なんですけれども、定員外職員のことについてお伺いいたしますけれども、この育児休業制度の適用除外になるいわゆる定員外の公務員がたくさんいるんです。私のあれでは一般職で二十万八千人もいる。例えば、前回国立病院・療養所の問題を質問しましたけれども、全体の職員の二〇%もいるんです。一万三千人もいる。こういう方々が今度の育児休業制度の適用除外になる。この方々は三百六十五日の何か一日だけ解雇されてまた続くと。多い方だと十数年同じ仕事をして、職員と全く同じ仕事をしているのに適用除外にされるということで不当だと思うんです。 だから、私は、運用上その適用除外を設けないでこういう方々にもぜひ育児休業制度の適用が受けられる道を開いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(大城二郎君) 今回の育児休業制度の内容におきまして先生御指摘のような適用除外ということを考えておりますが、それは、この制度の趣旨といたしまして、職員の継続的な勤務を促進するという制度のポリシーがございます。それに見合う形で適用するということからいたしますと、任期を定めて任用される非常勤職員でありますとか臨時的任用職員はやはり除外ということにならざるを得ない。その辺のところは民間法案においても日々雇用職員等を除くということで同様な取り扱いになっている。制度的にはそうせざるを得ないのではないかというふうに考えております。
○吉川春子君 実際、定員外職員がいなければ仕事がはかどらないのですよ。この間、厚生省に質問しまして、いわゆる二・八体制がどれだけ進んでいるかという数の中にもちゃんと定員外職員の看護婦さんの数を入れて答弁しているんです。うまいところでは利用しておきながら実際の問題では定員外職員を外すなんというのはもうとんでもないことですし、大体定員外職員自体が、そういうものを定員に組み入れないということ自体問題がありますので、私はこの方々に対しても育児休業制度を適用することを強く要求して、時間ですので質問を終わります。
○吉岡吉典君 私は、廃止が提案されている許可認可等臨時措置法を中心にこれに関連して質問を行いたいと思います。 去年の六月二十六日のこの委員会で、昭和十八年に制定された許可認可等臨時措置法というのは、当時の東条総理の国会での提案理由説明を見ましても、大東亜戦争完遂のための法律だということが述べられておるということで、こういう明白な戦時立法、大束亜戦争完遂のための法律、こういう目的を掲げた法律の存在というのは新しい戦後の日本としておかしいではないかということを私は問題提起いたしました。その日、海部総理から、この問題については検討して処理するという答弁があり、その答弁どおり今回この法案を廃止するということが提案されたということについては、私はその答弁の約束が守られたこと、そしてその後努力していただいたことについては感謝もし、評価もしたいと思います。 それにしても、私がまず今廃止が提案された時点で思いますのは、こういう法案がなぜ今まで続いたものなのかということについて疑問を抱かざるを得ないわけです。法律論争というよりは政治家として総務庁長官、最初にこういう法律が今まで存在し続けていたことについてどうお考えになるか。
○国務大臣(佐々木満君) 私はけさほども率直に申し上げたんですけれども、こういう法律が現在まで生きていたということについては私もびっくりしておるわけでございます。こういうのはいろいろ行政の簡素化という中身も含まれておるようでございますが、それはそれとして、法制定の趣旨、目的、それは当時の状況と戦後の日本の置かれた状況は全く違うわけでございますから、もっと早く廃止するものは廃止する、そしてその中で簡素化ということがこれから必要ならば、それを早目に別な法律をつくるなりしてその簡素化を生かすなら生かしていくべきだったな、私はこう思っている。率直にこの法律の存在をせんだってまで知りませんでした。
○吉岡吉典君 この法律の存在が大変なことだという点では認識が同じだというふうに伺いました。 そうだとすると、いよいよ不思議になるのは、この法律を廃止する機会というのはこれまで幾たびかあったと思います。終戦直後の時期が当然その一つの時期だと思います。同時に、その後日本共産党は衆参両院で、この問題は憲法上もうおかしいじゃないか、こういう法律を廃止するべきだということを何回も取り上げてきました。にもかかわらず、この問題は廃止ということにならないまま今日に至っております。 さらに、先ほども話がありました昭和五十七年の近鉄特急料金をめぐる大阪地裁の判決、これは憲法違反だという判決まで出されているわけです。これは最高裁で逆転するということになっていますが、そういう最高裁で逆転したから云々ということよりは、こういう法律をやはりなくす方に努力するのが当然だったと思うんですが、こういう法律が幾たびか廃止に向かう努力をする機会がありながら今日まで続いてきたこと、これはどういう考え方によるものなのか私は解せませんので、これはどこになりますか、法務省になりますか、ちょっとお伺いします。
○政府委員(増島俊之君) 許認可等臨時措置法につきましてはいろいろな御議論があったわけでございますけれども、この「大東亜戦争ニ際シ」とありますのは、法制定の動機を示したものである、行政の簡素化という趣旨は今なおこれは生きている、そして公益法人や公益信託に対する許認可権限の知事への委任根拠ともなっている、そういうことで同法は実効性を有している、そういう解釈をしてきたということでございます。
○吉岡吉典君 今の答弁は実効性を有していたという法律上の解釈であって、私が何回か質問しました、今廃止したというのは、こういう法律の存在が好ましくないという判断があったから廃止するわけですね。その間はそういう判断もなかったのか、議論も検討も一体なかったのかどうなのか、実効性が法律上有しているからそれでいいんだということだったのかどうなのか、ここがお伺いしたいんです。
○政府委員(増島俊之君) 昨年六月の先生のまさに御指摘の御議論を考えてみますと、たしか昭和六十年だったと思いますけれども、後藤田長官のときにやはり同じような御議論がありまして、そのときにもこういうこの趣旨、法律がまだ実効性を有しているということについての御説明も申し上げましたけれども、当時長官は、やはりこういう方向についていろいろ検討してみたいということでございました。 そういうことで、ただこの問題につきましては、そのときにもたまたま私は官房総務課長でございましたので御答弁申し上げた記憶があるわけでございますけれども、やはりこの法律自体がいわば各省庁共管法のような形になっていて、そして所管といいますか、明確でないというようなところもございました。それからまた、現実にこの法律が生きているということもございまして、しかしそういうことは長官の御発言といいますか、御答弁というものを受けましていろいろ検討をその後重ねておりました。法制局とも御相談もしつつ検討を重ねてきておりました。昨年の六月の先生の御指摘を踏まえまして総理からの、総務庁も中心になってやるようにということもありまして、さらに本格化したわけでございますが、それまでの検討の成果といいますものは生きている、非常にいろんな意味で役に立っているということでございます。 そういう意味で、先ほど大臣が御答弁になりましたように、まだ急速度の、先生がまさに御指摘になりますような速さのところで欠けるところがあったかもしれませんけれども、そういう意味で検討を重ねてきて、そしてそういうものの成果を踏まえまして今回提案を申し上げたということでございます。
○吉岡吉典君 ともかく、遅くてもこういう法律は廃止された方がいいわけですから、そのことについては私先ほど申し上げたとおりなんですね。 そこで、大東亜戦争遂行というのは法律制定の動機だということですけれども、私はやっぱり動機、目的ということは法律を見る場合に非常に重要な要素だと思うんです。法律が有効か有効でないかということだけでなく、動機、目的と離れた、条文だけが生きているんだというふうな法律というのは、法律論としてはどういう答えが出るか別として、そういう考え方ではやっぱりまずいなと私は思うんです。 そうしますと、この法律というのは、先ほども言いましたけれども、東条首相の当時の提案説明によれば「大東亜戦争ノ完遂、大東亜建設ノ完成ノ為ニハ」行政の簡素化が必要だということで、行政の簡素化も何のためにやるかという目的は、大東亜戦争完遂のためにやるんだという目的があるわけですね。その簡素化に役立つから戦後も四十何年そこの部分だけを使っていたということではやっぱりまずい。まずいから廃止ということになったということですけれども、先ほど動機と法律の実効性ということとの関連で答弁がありましたので、私はその点はやはり申し上げておきたい。動機、目的と法律の有効性とは無関係に法律は考え運用するという考え方なのかどうなのか、やはり動機、目的も法律を考える場合に念頭に置かなくちゃいかぬことだとお考えになるのかどうなのか。
○政府委員(増島俊之君) 厳密な法律論につきましては的確な御答弁ができませんけれども、しかし先生がたびたび御指摘になっていますように、やはり法律としてのいろいろ問題点があるという御指摘でございましたし、そういうものも踏まえて、したがいまして今回の改正案といいますか、措置案になったということでございます。
○吉岡吉典君 くどいようですけれども、私は、戦後の日本が諸外国からどう見られるか、太平洋戦争をしかけた日本が諸外国からどう見られるかという問題はしばしば国際的な論議があったものですから、こういう機会にこの問題についても疑問の余地なくきちっとすっきりしておきたいと思うので何回も申し上げるんです。特にポツダム宣言を受諾して、そして憲法さえも変えたわけです。憲法さえ変えた日本がこういう法律が残っていたというのは本当におかしなことだと思いますね。 私、この間、憲法制定議会の速記録をいろいろ読む機会がありました。その中で、これほどのことが強調されながら、憲法制定に関連してなぜこういう法案が手がつけられなかったのかという疑問を持ったんです。当時の憲法制定議会の答弁がありますけれども、ちょっと長いですけれども読んでみたいと思いますが、 今日我が国に対する疑惑は、日本は好戦国である、何時再軍備をなして復讐戦をして世界の平和を脅かさないとも分らないと云ふことが、日本に対する大なる疑惑であり、又誤解であります、先づ此の誤解を正すことが今日我々としてなすべき第一のことであると思ふのであります、又此の疑惑は誤解であるとは申しながら、全然根底のない疑惑とも言はれない節が、既往の歴史を考へて見ますると、多々あるのであります、故に我が国に於ては如何なる名義を以てしても交戦権は先づ第一自ら進んで放棄する、 云々というふうに憲法の九条のところへいくわけですけれども、諸外国から好戦国だ、いつ復讐戦をやってくるかわからないと見られる、それは根拠があるんだ、歴史的にそういうことがあるんだという答弁です。 私は、この姿勢は、憲法制定議会における答弁として本当に当時の認識としては正しい認識だと思いますね。ここまで真剣なる答弁が当時の政府で行われながら、今言いましたように大東亜戦争遂行のためにということで東条首相自身が提案理由を説明した法律が残っていて、それが、動機、目的はどうあれ法律上は有効だったということはやっぱりまずかったことだといういうふうにもう一度確認していただきたいなと思います。
○政府委員(増島俊之君) この法律につきましては、先ほど申し上げましたように現時点においても実効性を有している、そういう考え方といいますか、解釈といいますか、そういうことで今日まできたわけでございますけれども、たびたびのそういう御指摘といいますか、それに対します所管大臣といいますか、当時行管庁長官あるいは総務庁長官の御答弁といいますものは、そういう問題点を持っている、そういう認識でやはり御答弁になったのではないかというふうに考えております。
○吉岡吉典君 そこで、私はやはりこういう法律、今廃止されるのはいいわけですが、今まで残ったことには理由があるんじゃないかなどという気もせざるを得ないわけです。それは、戦後を振り返ってみますと、やはりあの太平洋戦争、当時の言葉で言えば大東亜戦争というものについての憲法制定議会での政府の答弁を先ほど紹介しましたけれども、こういうことで戦後の日本の政治というのは貫かれたというふうには言えない。 ポツダム宣言は受け入れたけれども、やはり本当の意味でのあの侵略戦争への反省がない。ポツダム宣言で指摘した軍国主義体制を打破していくということでなく、できるだけ戦前の体制を残そうということが戦後の政治の中に生き続けてきた。例えば、終戦直後でも治安維持法は残したい、大逆罪、不敬罪等々も戦後も存続し続けようという大変な努力があったが、結局GHQの命令でこういうものは廃止に踏み切らざるを得なかったということは今日多くの書物の中で明らかにされているわけです。ですから、そういう中で一方では憲法制定議会での答弁のようなものがありながら、戦前の体制を少しでも維持し続けようというそういう政治状況、思想状況があったことと、今まで生き続けたこととはこれはやっぱり無関係でないというふうに私は思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(佐々木満君) そういう問題では私はないだろうと思います。それは、戦後新憲法をつくってみんな民主社会ということで頭張っていこう。それはあなたの方と私ではその方法は違うかもしれませんけれども、みんなで民主的な日本をつくっていこう、こういうことでやってきたわけでございますから、私は、戦前の体制をできるだけ温存しよう、その一環としてこの法律がある、こういうふうには考えないわけでございます。 ただ、しからば今までなぜ残されたかと申しますと、これは私は過去のことは存じませんけれども、こういうものは早目に廃止すべきものだったな。先ほども申しましたけれども、その中で行政の簡素化というのは、これは一つの手法です。それを残したいなら民主日本にふさわしい法律をつくって、その中で行政の簡素化の手法を採用すればいいのであって、私はそう考えておるわけでございまして、そこまで、戦前の日本を残すためにこの法律を残したとまでは考えません。
○吉岡吉典君 私は、この法律に限定して戦前の体制を残すためにこれも残したということまでは言おうと思いません。ただ、戦後の日本のいろんな資料が今公開されて研究が進んでいるんです。そういうものを読みますと、戦後、当時の日本の政府、これがいかに戦前の体制を温存しようとしてあらゆる努力をしたかということの証拠文献というのはたくさん出ているわけです。 非常に有名な話では、戦後も治安維持法は続けるという記者会見が行われて、それが当時のGHQの批判を受けて、それで鈴木貫太郎内閣総辞職につながらざるを得なかったというふうなこともあるわけです。そういう思想的な、政治的な当時の日本の政権担当者の考え方というものが、こういうものを探してでもきれいさっぱり解決をつけようというところに至らなかったその一つの土壌になっていたんじゃないかということを私は申し上げたいわけです。 そういうことを私がここで言いますのは、やはり何とかしてそういうものを温存しようということのあらわれだと私が思う一つの事実があるからです。それは皇室法令に関連しての問題です。新しい憲法の施行とともに旧皇室令というのは全部廃止されました。このときに、旧皇室令が廃止された日に宮内庁が通達を出しているんです。これは宮内府長官官房文書課長の名前で出ている依命通牒で、これを見ますと、旧皇室令がなくなって新法令ができているものは当然その条規による、これはもう当たり前のことですね。それから三項目では、従前の規定が廃止となり新しい規定ができていないものは、従前の例に準じてやれ、こうなっているんです。そうすると、旧皇室令は廃止されたけれども、かわりの法令ができていないものは旧法令に従え。これは旧法令は実質上生きていることと同じことになるわけです。廃止された法律が生きているのと同じような通牒が堂々と出されているというのは、私にはこれも解せないことなんです。 宮内庁、この通牒があることはもう紛れもない事実ですからお認めにならざるを得ないと思いますが、この通牒は今は効力はどういうふうになっていますか。
○政府委員(宮尾盤君) 今御質問の中にありました当時の長官官房文書課長の依命通牒というものがあることはお説のとおりであります。ただ、今三項だけを御引用になりましたけれども、これは一項から五項までありまして、例えば三項と四項というのはこれは関連したことを書いております。 それはそれといたしまして、今御質問がありました、これが効力を持っているか、こういうお尋ねでございますが、この通牒は、皇室令がいわゆる新憲法の施行とともに効力を失った当時におきまして、宮内庁、当時は宮内府と言っておりましたが、その宮内府内部における当面の事務処理についてのいわゆる考え方を示したものでありまして、これは法律あるいは政令、規則というようなものではございません。そういう考え方を示したものでありますが、その後現在まで廃止の手続はとっておりません。
○吉岡吉典君 私は法律だとは言っていません。しかし、単純なる考え方というふうなものじゃなくて、依命通牒とされて、この五項目から成るこれを宮内庁の事務の基準にせよというもので出してあるわけですから、そんなことではないと思います。それが今も生きている。生きているからこそ、この間の一連の皇位継承の儀式、例えば登極令に事実上準じて行うという答弁がここでもございましたけれども、そのもとになっているものが私はこの通牒だというふうに判断しているわけです。 それで、廃止された法令に準じてやれというふうな通牒が出るということは、これは法律上どういうことなのか、私はよくわかりませんが、法制局、これはどういうふうに考えたらいいんですか。
○政府委員(秋山收君) 今お尋ねのいろいろな皇室関係の儀式その他でございますが、これは旧憲法のもとではいわゆる宮務法という体系に属していたものでございます。こういうものは、日本国憲法のもとではこういう法体系自体の存在が許されないということでありましたために、昭和二十二年五月二日、新憲法が実施される前日でございますが、全体として廃止されたものでありまして、その際、個々の内容の合憲性につきまして一一審査、判断して廃止したというものではございません。このことは従前法制局から当委員会におきましても答弁しているとおりでございます。 ところで、皇室の行います儀式とか行事につきましては、憲法あるいはその他の法令の規定に違反しない限りは、法令上の根拠がなくても皇室がその伝統などを考慮してこれを行っても現行憲法上何ら差し支えないものでございまして、先ほどの宮内庁の御説明、お尋ねの通牒は三項、四項をあわせ読めば、現行憲法及びこれに基づく法令に違反しない範囲内において従前の例によるべしという趣旨でありますので、憲法上特段問題はないものと考えております。
○吉岡吉典君 私は、今の答弁についてここで議論しようとは思いませんけれども、しかし一般国民から見れば、ややこしい議論は別として、廃止された法律に従ってやれというふうなことが通牒で出されているというのは正常な、正当なことだというふうには思わないと私は思いますよ。これはやはりさっきの大東亜戦争完遂のための法律が今まで残っていた、法律上は問題がないんだという答弁と似たものとしてしか国民には映らない、今の答弁も私はそういうことだと思います。ただし、この問題はきょう中心的に取り上げようということじゃございませんから、それだけ私は申し上げておきたいと思います。同時に、こういうところにもやはり私は古いものを残していこうという心理的な状況があらわれているというふうに考えざるを得ません。 少し話を発展させまして、大東亜戦争完遂の目的の法律はなくなりましたけれども、日本の法令全書なんかをひっくり返してみて私は感ずることですけれども、日本の法律の中には古くからの法律がずっと生き続けておりまして、その中には、まだ今の国会どころか帝国議会もなかった時代の太政官布告とか、あるいは勅令、こういうのが残っている。それから、法律の前文であって専門家の見解では法律ではないとおっしゃいますけれども、しかし法律書に残っている文書では、朕はとか帝国議会とか、そういうふうな今の憲法と全くなじまない言葉がずっと書かれた法律が引っ張り出してみるとやたらにあるわけです。 戦後、憲法を改正して主権者がかわったんです。主権者が天皇から国民にかわるほど、これほど大きい憲法の改正が行われた今、太政官布告だ、勅令だ、朕だ、帝国議会だと、こういう法律は内容も、同時に形式も私は検討に値するものだと思います。これを全部三日や四日で改めろとは、私はそんな無理難題を申し上げるわけじゃありませんけれども、やはり新しい憲法に則して法律の形式、内容とも整備していくことが当然のことであり、戦後新憲法が制定された当時からこういう作業は開始していくのが本来の新しい憲法のもとでの平和国家、民主国家だと言っている日本にふさわしい法律のあり方じゃないかと思います。 第一、我々読んでも読めないですよ。古い太政官布告なんかに出ている法律を読もうと思うと、字引を引っ張りながら読まなきゃいけない。僕には読めても、最近の若い諸君は第一、朕なんという言葉が読めるのは本当に少ないですよ。そういうのを法律にいかめしく残しておいて、これじゃやっぱりどうかなと私は思いますけれども、そういう形式の法律が残っている方が立派で喜ばしいとお考えになりますか、総務庁長官。
○国務大臣(佐々木満君) 私はそういうことを所管する立場にはございませんから申し上げることは差し控えたいと思いますが、個人的に聞かれるならば、私はやっぱり時代に合うようになるべく速やかに、表現方法も片仮名まじりの文語体というんですか、そういう古いものはなるべく国民にわかりやすいように改めるべきものだと、個人的にはそう思っています。
○吉岡吉典君 私、一方的に言いましたから、これは法務省になりますかな。太政官布告、勅令、こういうふうなものが残っている事実はお認めになると思いますが、一括して質問しますけれども、太政官布告、勅令、これは一体どういうことなのか。意味ですね、太政官布告とはこういうものだ、勅令とはこういうものだということ、及びそういうものが一体どれぐらいあるのか、代表的なものにはどういうものがあるのか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(濱崎恭生君) 太政官布告、これは委員も御案内のとおり、明治十八年に内閣制度ができましたが、明治維新後それまでの間においては我が国の最高中央官署として太政官という制度が置かれておりました。太政官布告というのはこの太政官が制定公布した法形式でございます。一般的に申しますと、この時代、成文法として最も権威があるものであったということが言えようかと思います。 それから、勅令でございますが、これは旧憲法下、明治憲法下におきます法形式の一種でございまして、天皇が大権に基づきまして帝国議会の協賛を経ることなく制定公布する命令の呼称であるというふうに理解をいたしております。 代表例を挙げよということでございますが、立法当時の法形式が太政官布告であって、現在一般に公刊されております六法全書に登載されているものといたしましては、爆発物取締罰則、これは明治十七年太政官布告第三十二号でございます。それから、褒章条例、明治十四年太政官布告第六十三号でございます。そういうものがございます。 また、勅令という形式で現在も一般の六法全書に掲載されているもの、これは幾つかございますけれども、例を挙げますと、小切手法ノ適用ニ付銀行ト同視スベキ人又ハ施設ヲ定ムルノ件、昭和八年勅令第三百二十九号でございます。あるいは物価統制令、これは昭和二十一年勅令第百十八号、あるいは予算決算及び会計令、これは昭和二十二年勅令第百六十五号。六法全書に登載されているものとしてそういったものがございます。
○吉岡吉典君 古いものだけ引っ張り出してきて申しわけないんですけれども、私は太政官布告の中で、これは別のことで発見して何と驚くべきことだなと思ったのは、叙勲の法律ですね。これは明治八年太政官布告第五十四号勲章従軍記章制定ノ件、こういう明治八年の太政官布告で今の叙勲もやっているんです。私は、これは本当に一体どういうことなのかなと思います。 それで、いろいろその後のことはありますけれども、私がお伺いしたところ、大体このころからの叙勲に関する法令は今全部廃止はされないで生きているということでした。叙勲のところを見ると、「朕惟フニ凡ソ国家ニ功ヲ立テ績ヲ顕ス者宜ク之ヲ褒賞シ」云々と、こうなるんですね。天皇の国家に功績があった者に天皇が勲章を与えた、これが太政官布告での出発点なんです。それにいまだに準じて勲章を贈っているということは、これがわかると、勲章をもらった人の中におれはもらわなきゃよかったと思う人が出てくるんじゃないかとさえ私は思うんですけれども、これは総理府になりますか、勲章の関係、どういうふうにお考えになっているのか、これもちょっとお伺いしたいんです。
○政府委員(稲橋一正君) お尋ねの太政官布告でございます。明治八年の太政官布告、こういうふうになっておりまして、勲章従軍記章制定ノ件ということで勲章が始まりまして、先生おっしゃるとおり、現在もそれに基づいた勲章が出ておるということでございます。 これの有効かどうかという話でございますけれども、これは再度国会等で議論がございましたが、一つありますのが日本国憲法の九十八条の第一項という点で問題になりまして、その一項を読みますと、「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。」と、こういう規定が憲法にございます。でございますが、この明治八年の太政官布告第五十四号でございますが、その内容において日本国憲法の条規に反するものとは認められないということでございまして、日本国憲法の施行後もこの九十八条一項の規定により効力を失ってはいないんだというのが私どもの理解でございます。 それからもう一点ございます。というのは、昭和二十二年の法律でございますが、日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律というのがございます。この規定によりますと、その第一条に「日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定で、法律を以て規定すべき事項を規定するものは、昭和二十二年十二月三十一日まで、法律と同一の効力を有する」というふうに書いてございます。このことでございますが、さっきの太政官布告の五十四号でございますが、この法律の前文でございます、「日本国憲法施行の際現に効力を有する命令」、これには該当するということでございますが、栄典に関する事項でございますが、これは必ずしも法律をもって規定すべき事項ではない、こういうふうに解しておりまして、したがいまして明治八年のこの仰せの五十四号も昭和二十二年十二月三十一日限りでその効力を失ってはいないんだというふうに私どもは解しております。
○吉岡吉典君 効力を失っていないということを大変張り切って答弁されました。 総務庁長官、これは専門分野でありませんからとさっき答弁がありましたけれども、私はここへいっぱい持ってきているんで、みんなやり出したらあしたの朝までかかってしまいますからもうこれぐらいで終わりますけれども、これは大東亜戦争完遂のためのとは違いますけれども、新しい憲法に照らしてみれば法律の形式としても、それから内容としても、国家に功績があった者というふうなものはやっぱり新憲法にふさわしいものに改めていく努力をやるのがふさわしいと思います。それは、日本が一体侵略戦争を反省しているのかどうなのか、日本の植民地についての反省があるのかないのかということがいまだに国際的な論議が続いている、それも私は根拠があると思いますよ、こういう法律で、太政官布告だ、勅令だ、朕だ、帝国議会だというふうなこういうものが今答弁があったように効力を有して存続し続けておりますということでは。やはりこういうものも検討する必要があると思いますが、総務庁長官、いかがですか。
○国務大臣(佐々木満君) これは私の所管では全くございませんのでお答えできませんということで終わるべきでありますが、個人的には、先ほど申しましたようにやっぱり国民にわかりやすいようなものにすべきものである、私はそう考えます。法律で書かなきゃならぬものはわかりやすい法律で書くべきだ。法律で書く必要のないものはそれは書く必要ありませんけれども、いずれにしましてもわかりやすいものに早急にすべきものじゃないかな、私は個人的にはそう考えております。
○吉岡吉典君 この点は私はきょうはこうするという約束をこの場で求めることはできないと思いますから、ぜひ検討していただきたいということを提起するにとどめておきたいと思います。 さて、そういうことを前提として、私は時間があればもうちょっとやりたかったのは、許可認可等臨時措置法の廃止ということですけれども、戦時中の手続を簡略化したものが実際はこの法律から別の法律の中に実質上移った形で存続しているものがあるわけです。例えば、先ほども問題になりました近鉄特急料金をめぐる裁判の問題ですけれども、あの裁判で問題になった特急料金というものの認可の手続、大阪地裁では憲法違反だという判決さえ出たもの、これは今の許可認可等臨時措置法の中には残っておりませんけれども、新しい鉄道法等では実際上その当時の手続と同じ手続で認可がやれるようになっているとか、あるいは建設省関係で、国会でかつて論議になったことのある都市開発事業というふうなものの認可をめぐっても、当時の戦時国家体制づくりとしてつくられた法律で簡素化されたもの、これが生きている事実があるわけです。 私は、簡素化という場合に、それが国民にとって役立つ簡素化というものは確かにあるわけでして、簡素化は一方では必要だと思います。しかし、国民が権利を侵害されかねないものが非常に簡略化してまかり通るというふうになるのにはやっぱり歯どめをかけなくちゃならないと思うんです、チェック機能がきちっとするように。そういう点、私は運賃とそれから建設関係の国土開発事業、こういうものを通じて幾つか質問しようと思っておりましたけれども、ちょっと時間の関係でこの関係は質問できませんので、それは問題提起にとどめておきたいと思います。関係の方、どうもお呼びして済みませんけれども、それはそういうことにしていただきたいと思います。 それで、私、この法案に関連しての最後のところで、今度の法案の中で出ている問題として農地法の一部改正について若干質問しておきたいと思います。 というのは、今度の法律に関連して私どもが心配する点は、農地の保全というのが一体どう保障されるのかという点について疑問、不安を抱かざるを得ないからです。農地法では、農地の保全を目的にして農地転用についてはそれを制限的に扱うこととして農地転用の制限を設けている。二ヘクタール以上の大規模な農地の転用改廃についてはこれまで国が許可権を持つ、こういうふうに農地法ではなっていたわけです。ところが、農地法の一部改正で、今度、通常の場合には従来の規定を残しながらも、リゾート法、テクノ法等による大規模開発についてはこの認可の権限というのを都道府県知事に委譲する、こういうふうなことになっております。こうなるとやはり農地保全ということが非常に軽んじられている感じを受けるわけですが、農地保全の目的というふうなものはもう余り必要でなくなったという考えに立つものでしょうか。これはどういうふうに考えられているのか。
○説明員(森永正彬君) 今回の一括法によります農地法の関係でございますけれども、御指摘のとおり、農地の転用につきまして、二ヘクタールを超えますものは農林水産大臣の許可ということになっておりますのを、一定のものにつきまして都道府県知事に権限を委譲するという趣旨でございます。 もちろん、農地の転用につきましてはいわゆる優良な農地の確保、スプロールの防止といった観点が重要でございまして、そういった観点が今回の権限委譲に当たりましても問題にならないかどうかという点は私どもも検討したところでございます。しかし、この法律で、今御指摘ございましたように一定の、いわゆる地域整備法につきましてあらかじめ主務大臣の承認等にかかわる計画に基づいて行われるものに限定をしておりますと同時に、その計画なり構想の中で施設なり施設の整備を行う地域が特定されている、そういうものにつきまして委譲をするという考え方で措置することにしております。しかも、そういった計画なり構想に従って実施される、整備されるそういう施設に限定をするということにしておりまして、その主務大臣として農林水産大臣が関与しておりますので、その構想なり計画の承認の段階で十分その点の配慮ができるというものに限定をしたわけでございます。 なお、さらには具体的な転用の許可は都道府県知事に委任されることになるわけでございますけれども、知事が転用許可申請の審査に当たりましては、当然のことでございますけれども、いわゆる農地転用許可基準に従いまして優良農地の確保等に配慮した適正なチェックが行われるということになる仕組みは存続されているところでございます。
○吉岡吉典君 都道府県が今リゾート法などによって大規模開発計画を立てているわけです。都道府県というのはそういう開発計画の推進者なんです。そこに許可権を与えて、それで一体チェックできるのかどうなのか、そういう点は大丈夫だと、農地保全は大丈夫で、大いに農水省としても積極的にそれを支持していく、そういう状況ですか。
○説明員(森永正彬君) 優良農地を確保するということは生産性の高い農業を実現するためにも重要な課題でございますけれども、一方でやはり地域の活性化ということも重要な課題でございまして、そういったものが適正に行われるという仕組みとしていわゆるリゾート法その他の地域整備法があるわけでございます。その地域整備法に基づきます構想なり計画の段階におきまして、主務官庁として農林水産大臣も、優良農地の確保等にも十分配慮されているかどうかという点をチェックさせていただくという仕組みになっているところでございます。
○吉岡吉典君 私、この問題であれこれうんと時間をとろうと思いませんけれども、やはり農水省が農地保全ということについて本当にしっかりしていない限り、農地はみんな転用されちゃいますよ。そういう点で、今の答弁を聞いていると非常に甘い考えで、私は不安をさらに強めざるを得ないというふうに思います。 私、時間があればそのほか幾つか法案に則して質問したかったんですが、ちょっと時間が来て、あと別の問題二、三質問したいので、結論的に行政に当たる場合の基本的な姿勢の問題として述べておきたいんです。 きょうずっと最初から述べてきたことをもう一回振り返りながらの私の意見になりますが、旧憲法下の行政というのは、学問的な研究成果によりましても、天皇の大権であり、行政事務は国民に責任を負うものではなく、天皇に責任を負うものであった。当然、許可認可も天皇が許可するということだったということがいろいろな本に書かれているわけです。 しかし、戦後の新しい憲法のもとで、主権在民の現憲法のもとでの行政というのは国民に対して責任を負うものに変わったんだ、許可認可も当然主権者、国民の基本的人権尊重を貫きながら国民に対するサービスというふうなものを大事にするものでなくちゃならないわけであって、国家が主体になって国家の便宜を中心にするものであってはならないと思います。 そういう点で、やはり法律の面でいろいろ古いものが残っているということを私は指摘しましたけれども、行政の面でもそれと同じようなものを私は幾つか感ずるものがあって取り上げたかったんですが、それは省略しまして、結論的に、新しい憲法のもとで主権在民、国民に対して責任を負う行政というものを貫くということが必要だという点で、そのことを要望して総務庁長官の答弁を求めて次のテーマに入りたいと思います。
○国務大臣(佐々木満君) これは御指摘のとおり、我々は新憲法それから公務員法、そういう新憲法に基づくもろもろの法律に従って誠実に職務を遂行していくべきものだ、こう考えております。
○吉岡吉典君 私は、今の長官の答弁を本当にそのとおり実行していただきたいということを要望して、次に、きょう午前に論議がありました掃海艇派遣問題について二、三質問したいと思います。 まず、この問題はきのう安全保障会議にかけられ、臨時閣議を経て決定されたわけですけれども、これはどういうわけで安全保障会議にかけられたのか。
○政府委員(米山市郎君) ペルシャ湾への掃海艇の派遣につきまして、閣議決定に先立ち安全保障会議を開催し、総理からの諮問を受けまして、この問題につきまして審議、決定をいたしたわけでございます。 その趣旨は、文民統制の見地からこの問題をいわゆるシビリアンコントロールの観点からチェックをするということで安全保障会議に諮り、審議をいただいたものでございます。
○吉岡吉典君 安全保障会議で総理がこれに諮る五項目が定式化されておりますね。それのどれに当たるわけですか。
○政府委員(米山市郎君) 安全保障会議設置法第二条の第一項第五号「その他内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項」に該当する事項としてお諮りをし、審議をしたものでございます。
○吉岡吉典君 そうすると、九十九条で、自衛隊法三条と無関係で防衛とは関係がないんだ、こういう答弁が一方にあり、自衛隊の本来の任務と別の警察権だとか、何か雑則で決められた、あたかも大したことでないことをやるために出すんだみたいな感じの答弁がありながら、今度は国防になりシビリアンコントロールを貫く。これはいいですよ、シビリアンコントロールを貫くのは。しかし、片方では大したことじゃないんだ、領海をちょろちょろするのと大して変わらないことだみたいな解釈で、片方では仰々しく安全保障会議にかけて国防だどうだということになると、ちょっとこれはどういう関係になるのかなという疑問を持つのでお伺いしたんですけれども、それはどうですか。
○政府委員(米山市郎君) 昨日来総理も御説明申し上げておりますように、このペルシャ湾への掃海艇の派遣につきましては、自衛隊法の九十九条に基づいて派遣をするものであるという説明をいたしております。「ペルシャ湾への掃海艇等の派遣について」という閣議決定におきましてもその旨明記をいたしているわけでございます。 この国防に関する重要事項に該当するかどうかという点につきまして、いわゆる自衛隊法第八章に規定をされている機雷等の除去の規定に基づくものでございます。この第八章にはこのほかにもいろいろ、例えば南極観測協力に関する規定であるとか、あるいは運動競技会への協力に関する規定、土木工事の受託に関する規定等いろいろございます。 この中でも特に本件につきましては機雷の除去及びその処理を実施する地域が、平時とは言いながらも海外における事柄であるということ、それから海上自衛隊の掃海艇四隻、掃海母艦一隻、また補給艦一隻、約五百名から成る部隊を派遣するというような、こういう事柄であるということ。さらには、この問題が国会等でもしばしば議論をされておりまして、国民の高い関心を引いている事柄でもあるというような観点から、この事柄につきましてはシビリアンコントロールの観点から安全保障会議を開いて慎重に審議をすることがより国民に理解をいただける道ではなかろうかというようなことで、安全保障会議において審議、決定をしたわけでございます。
○吉岡吉典君 安全保障会議にかけたことが悪いということを私は言うわけじゃなくて、派遣すること自体が悪いというのが私どもの立場ですけれども、今の話を聞けば聞くほど、あの事態というのを法律上合法化するために九十九条で何でもないと言いながら、やはり実際は重大な緊急非常事態だという認識で安全保障会議にもかけたということで、憲法上、自衛隊法上の言い逃れのために九十九条で云々という答弁が成り立たないということが証明される事態だと私は思います。これは私の意見です。 それで、もう一問ですけれども、あとは防衛庁の関係にお伺いしたいと思うのですけれども、午前も論議になったし、これまでずっと論議になってきたことですけれども、私が確認しておきたいのは、日本の船舶航行の安全のためだということだとすると、大体日本の船が通りそうなところだけを掃海しようというのか、それとも機雷が敷設されたペルシャ湾の海域全体を掃海するのか、この掃海に当たる期間というのは何カ月かということは別として、機雷の敷設された海域が全体として解決されるまで、掃海し尽くされるまでということになるのかどうなのか、その点をお伺いしておきたいのです。
○説明員(宝槻吉昭君) お答え申し上げます。 今回のペルシャ湾におきます機雷の除去、処理の作業でございますが、あくまでこれは船舶の航行の安全を図るという目的でございます。しかも、機雷という非常に破壊力の大きいものを処分するということでございますので、その安全が確認されるような作業に責任を持って当たらなければならないというふうに考えております。ただ、今後現地での作業の進捗なりなんなりの状況にかかわる問題でございますので、そういった観点から判断されるべきものであるというふうに考えております。
○吉岡吉典君 安全が確認されるという事態がどういうことかというのが聞きたかったことなんです。それは大体日本の船舶が通る航路だけを片づければいいということなのか、外国の船が通るところなんか全然無関係で日本の船が通るところだけやろうということなのか、やはりあの水域、海域全体を掃海しなきゃ安心して航海、航行できないということなのか。午前の答弁ですと、各国共同して分担もし合ってやるようになるという答弁でしたから、あの海域全体の機雷を取り除く作業だというふうに私はとったのですけれども、それでいいかどうか。
○説明員(宝槻吉昭君) 今、先生の方でもおっしゃったとおり、各国それぞれ協力してやられることだろうと予想をしております。したがいまして、海上自衛隊が具体的にどういった作業を行うかということにつきましても、現地に行きまして、あるいは行きますまでの段階を含めて今後十分調査、調整を行う必要があると思います。どこということを現時点では申し上げる段階ではないというふうに考えております。
○吉岡吉典君 最後ですが、私ほどの海域をやるかということを聞いているわけじゃなくて、海域全体の掃海に当たるのか、その一部分を分担するということになるのかどうなのかということが私の聞きたかった点で、行って、どの海域かということは決まっているのかいないのか、決まっていても言えないのかどうかわかりません。簡単でいいのですが、今の答弁でも私は印象を受けますし、これまで防衛庁の答弁を聞くと、どれだけの機雷がどこにあるかというのがさっぱりわからぬ、全く白紙で、行ってから調べてみるというふうにとれる答弁だったのですが、僕はそんなことはないと思うんです。 きのうの衆議院の外務委員会でも、日本は機雷の危険海域の地図まで米軍から受け取っている。そういうことが認められていて、だからいろいろ調査もしている。だけれども、どこにどれだけあるかということになるとさっぱりわからないという答弁ですけれども、それはそんなことじゃなくて、防衛庁なりにどの程度あるかということを調べているというのなら、その事実を認められるべきだと思うんです。行ってみないと全然わからないのですか、最後ですけれども、ちょっとお願いします。
○説明員(宝槻吉昭君) これはこれまでも政府からお答えがあったかと思いますけれども、私ども外交ルートを通じまして、ペルシャ湾のクウェート沖海域に約千二百個といった多数の機雷が敷設された、またその処分の状況につきましては三月末時点で約三百個ということで、その後進捗していると思いますが、かなり多数の機雷がまだ残っているということを承知しております。 ただ、具体的な掃海ということは非常に専門的な分野になるわけでございまして、そういった観点からどういった種類の機雷がどこに、またどういう海中の状況なりなんなり、そういう具体的な専門的な情報はまだ得ていませんので、今後そういった点も含めて十分調査して、その上で作業の安全性ということを念頭に置いて対応していく必要があるというふうに考えております。
○吉岡吉典君 全然答弁になっていないけれども、終わります。 ─────────────
○委員長(井上孝君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、磯村修君が委員を辞任され、その補欠として星川保松君が選任されました。 ─────────────
○星川保松君 今回の法案の中身はいわゆる中央から地方に権限を委譲するということでありますが、私も国政にかかわるようになってからまだ二年になっていないわけであります。その前は三十年ほどずっと市会議員とか県会議員、市長とかという立場でかかわってまいりまして、中央の権限をもっと大幅に地方に移していただきませんと日本のいわゆる地方自治というものは育たないということを痛切に感じてきた一人でございます。諸外国の地方自治の実態と比べてみますと、日本の地方自治というのは地方自治とは言えないのではないか、いわゆる国の地方行政に近いのではないかという感じさえ受けてきておるわけでございます。 そういう立場から今回のこの権限の委譲ということを考えてみますと、大変私たちとしては不十分ではないかという気がするわけであります。地方自治にかかわってきた者としてはだれしもそう思うのではないかということは、細川元熊本県知事が、第二次行革審の国と地方の関係等に関する小委員会が報告書をまとめた際に、正直言ってこの程度のことかという印象だということをおっしゃったということが報道されておるわけでありまして、私も全くそのような感じがするわけであります。 その第二次行革審が出しました答申をもとにして今回は権限委譲を行うということでありますが、それもこの第二次行革審が出してきましたその答申の全部を今回委譲するというようなことでもないわけでありまして、なお物足らなさを感ずるわけでございます。 そこで、中央集権的な現在の体制を改めていかなければならないということはいろいろなところで言われておるわけでありますけれども、本当に地方自治というものを確立していくためには、総務庁長官としてはどういうことをまずなすべきとお考えなのかお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(佐々木満君) いろいろお話ございましたとおり、これからの国づくりに当たりましては地方がそれぞれ特色を持った活力のあると申しますか、そういう地域として発展をしていくことが日本の国全体としての発展になる、私もこういう確信をいたしております。 そういうことで、国から地方への権限委譲というのはこれからの政治行政の進むべき方向だろう、こう確信いたします。行革審におきましてもそういう基本的な考え方をとっておられるわけでありまして、今までいろいろそういう立場からの御答申もいただきました。できるだけその御答申に沿って逐次実施をしてまいりましたし、またまいらなければなりませんが、なお残されておる問題も私は少なくない、こう思うわけでありまして、今後ともそういう形で、方向で努力をしていかなければならない、このように思っておる次第でございます。 御案内のとおり、日本の現状を見ますと、一極集中と言われる、あるいは片っ方では過疎地域というのがある、その一方では過密地域もある、こういうことではいかぬので、やはりそれぞれの地方が特色を持って発展していく形をとらなければならない。そのためにはやはり各地方自治体、自治体の中でも基本的な団体である市町村というものをまず強化して、そこでまずできるだけのことはやる、そういう形に持っていかなきゃいかぬのじゃないかな、こういうふうに私は考えておる次第でございます。
○星川保松君 地方の立場から見ますと、どうも中央の方は、国は地方を余り信頼していないのではないかというような気がするわけでございます。つまり、権限を委譲いたしますと勝手なことにそれを使いはしまいか、あるいは財源を配分してやっても人件費などに食ってしまうんじゃないかとか、いろいろな仕事をするにもまだまだ企画能力がないのではないかというような地方に対する不信がかなりあるのではないかという気がするわけでございます。 そういう不信感を取り除いていくということが大事だと思うのでありますけれども、それには国が権限委譲する際のいわゆるポイントと申しますか、基準のようなものを示してもらう。そうすれば、その基準に沿うような、自治体が努力をしてそういう能力を備えれば、その基準に達すればそれでは委譲してもらえるんだなどというような、国の方はそういう基準を示して、また地方はその基準を目標にして自治を強化していくという、双方からの努力が行われていくというところに権限委譲のことも不信感を取り払って円滑に進むのではないか、こう思うわけであります。 国が権限委譲等を進める方法として、第二次行革審の中にも言っておりますように、「事務処理の基準等を明示することにより地方において実施可能な事務は、委譲する。」、こう言っておるわけでありますが、その事務処理の基準というものをどのように考えておられるか、また地方において実施可能な事務というのはどのように考えているか、これを示していただきたい、こう思います。
○政府委員(増島俊之君) 国・地方の答申の中で、先生も今お引きになりましたけれども、国から地方への権限委譲を推進する場合の視点というものに言及をしているわけでございます。その視点を三つ挙げておりまして、一つは「事務処理の基準等を明示することにより地方において実施可能な事務は、委譲する。」、それから「事務手続上地方公共団体を経由し、その段階で実質的な調査・審査等が行われている事務については、当該団体に委譲する。」、それから「都道府県が処理する事務についても、住民生活に密接に関連する事務を中心に、市町村の規模、行財政能力等に応じ市町村に委譲する。」、そういう三つの視点というものに言及しているわけでございます。 この最初の一の「事務処理の基準等を明示することにより地方において実施可能な事務は、委譲する。」といいますのは、行政の各分野でいろいろな事務処理基準があるのだと考えられるわけでございますけれども「そういう事務処理基準を明示するということによって、個別に関与するというのではなくて、事務処理基準を明示することによって地方において実施可能な事務があるので、そういう事務については委譲する、そういうことであると考えております。
○星川保松君 そういう抽象的なことでは、地方としてはどういうふうにしたらもっと権限を委譲してもらえるのかという目標が立たないんです。やはり目標というものを示すことによって、こういうことならこれは委譲しますよということで、それに向かって努力しやすいように国の方からやはり明らかにすべきだと思いますが、今後それに対してどう対処なさいますか。
○政府委員(増島俊之君) 事務処理方法の、事務処理の基準等を明示する、これはたまたま今回御提案申し上げております農地法の関係の二ヘクタール以上の場合でも、関係五法ございましたけれども、リゾート法の計画地域にあるものについては大臣権限を都道府県知事におろす、そういう中身でございますけれども、これも一つのそういう考え方といいますか、というものが示されているわけでございます。通常、事務処理の方法等を示す、事務処理の基準等を明示するといいますこの行革審答申の中身は、いろいろなガイドライン等によって、そしてそれを示すことによって全国的かつ統一的な事務処理が確保できる場合には権限委譲することが適当である、そういう考え方を示したものというふうに理解しております。 ただ、こういう事務処理方法等が個々の行政事務によって異なるものでございますので、今先生の御質問に対して具体的にお答えすることができないわけでございますけれども、しかしこういう考え方を各行政分野において積極的に生かして、そして権限委譲を進めなければならない、そういう答申内容であるというふうに考えております。
○星川保松君 具体的にそれぞれの省庁によって違うということはわかりますけれども、そういうような姿勢で各分野で進めていってほしいというようなことをあなたの方でやはり示していただきませんと、各分野での権限委譲が進んでいかないと思うんです。ですから、あなたの方では抽象的なものになるかもしれませんけれども、なるべく具体的に各分野において示していってほしいということをあなたの方から示していくかということです。
○政府委員(増島俊之君) 行革審の御答申というものを受けまして、そしてこれを国・地方の改革推進要綱という閣議決定をしているわけでございます。この閣議決定は、行革審答申のいわば中身といいますものを政府の方針として決めているわけでございます。したがいまして、政府の方針として各省庁のいわば行政といいますか、その物の考え方の基礎になるべきものということになっております。それを私どもも当然こういう推進要綱のフォローアップの任務を負っておりますので、これからもそういう考え方に基づいて各省庁が行政を進めるように努力していかなければならないというふうに考えております。
○星川保松君 それから、地方に権限を委譲するという場合は、やはり国の立場からだけこれを考えて進めていくということでは私はいけないのではないか、こういうふうに思います。地方自治体も、それぞれこういう権限をぜひとも委譲してほしいということはもう年中行事のように要請が行われておるわけでありますから、地方のやっぱり要望を入れて、地方の立場に立って進めていってもらわなければいけない、こう思うわけです。 私は市長をやっておるときに体験したことでありますが、県と市町村の権限委譲のことで国と県の要望に、委譲してほしい、それはやれない、これはやるということをやっておるわけなのでございます。ところが、大幅に権限委譲をしようということになりまして、県から示されたものを見て市町村の私たちが驚いたことがあったんです。といいますのは、委譲してほしいと思っていたものがほとんど入っておりませんで、別に欲しいとも思わないのがいっぱい示されておったのでございます。 例えば、具体的に言いますと、害獣駆除に対する許可なんていうのは、これはいわゆるクマ狩りの許可なんでございます。クマが出た場合に、クマ狩りに猟友会の皆さんが出ていくというのにクマをとってもよろしいという許可を与えるわけですけれども、そんなのが入ってきて、そういうものは一切私どもは要求しておらなかったのであります。ただ、そのためにクマ汁なんかごちそうになったことはありますけれども、これは別として、いわゆる欲しいと思って要求したものが来ないで、別に下さいとも言っていないのが来るというようなことがしばしばあったわけなのでございます。 そういうことで、やはり第一は、権限委譲してほしいというものについて検討を加えて権限委譲をするというふうにしていかなければ、本当の地方自治体の要望にはこたえたことにならないわけなのでございます。今回、県の方から出ております権限委譲に対する要望というものをどのように検討なさったか、それをお聞きしたいと思います。
○政府委員(増島俊之君) 二次行革審の答申を作成する過程でございますが、その調査審議に当たりましては審議期間が一年間あったわけでございますけれども、この審議の密度といいますのも大体週一回のベースで、その一回も三時間をかけるというようなそういう審議の密度でございました。 この過程の中で、国、地方につきましての当然学識経験者、それから地方団体六団体の御要望、あるいはまた直接のヒアリングでございますが、それから行政監察局という総務庁の中に実態調査機関がございますが、その調査、これもかなり大規模な調査でございました。そういう御意見をいわば吸収するということでございます。そのほかに現職の知事の方あるいは市長の方といいます皆様の御意見というものも聞いております。そのほかに、今回の御質問の中にもいろいろございましたけれども、地方制度調査会の指摘、特に十六項目の指摘がございますけれども、そういうものについて、そういう方向を実現するために現時点においてどういうことができるかということについての御検討、これはかなりきめ細かくまた密度濃くなされたというふうに考えております。 そういうものを踏まえまして、百四十二項目の個別指摘の事項の問題もありますし、それから答申のいわば本体であります基本的な物の考え方、そういうものが構築されたものであるというふうに理解いたしております。先生が冒頭に御指摘になりました基本的な態度は行革審の中でもたびたび繰り返されておりました議論でございますし、そういう考え方にのっとりまして答申ができており、そしてまた答申を受けて閣議決定、政府方針としているということだと思います。
○星川保松君 今回の権限委譲ということについて、権限委譲には財源的な裏づけがなければ権限だけ委譲されてもどうにもならないということがたくさんあるわけなんです。 それで、財源の方も私ども自治体、もちろん私の自治体は小さな財政力のない自治体だったんですけれども、仕事に対して財源を張りつけていく。というのは、もう自己財源が極めて少ないものでありますから、補助事業をまず導入して学校とか保育園とか道路とかを新設、改良、そういうものがいっぱいあるわけです。それにいわゆる市負担分をずっと張りつけていくんですね。そうしますとさっぱりなくなるんです。ですから、自治体の単独事業というのはほとんどやれない、そういう状況なんですね。そういうことはやはり私は県の段階でも同じようじゃないか、こう思うんです。単独の本当に自分の自治体の特徴を生かした仕事をやりたいといっても、その財源がないというのが実態だろう、こう思うのであります。 ですから、今回はそういう意味で財源の伴わないものだけを委譲するということにしたのか、またもう一つは、財源をやはり伴って大幅に権限が委譲されなければ自治体の自治能力は大きくならないというふうなことについてどのようにお考えか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(増島俊之君) 今回の措置につきまして、特に財源問題といいますものを手当てをしなければならないという、そういうものは少のうございます。少のうございますといいますよりも、一つありまして、母子健康手帳でございます。都道府県の仕事を市町村の仕事にするということでございますが、これにつきましては交付税の算定基礎の中にそれを入れるということで財源手当てをするということでございます。 基本的な物の考え方としては、財源問題につきましては、やはり地方財政計画上の措置といいますか、そういうものが基本であると思います。
○星川保松君 そういうことで、やはり権限と財源とを大幅に委譲していくというようなことも目標にして今後とも頑張っていただかないと本当の地方自治は確立されない、こう思っておるところでございます。 いわゆる自治体というのは本当に千差万別でございます。考えてもわかりますように、海岸の町、山手の町、川べりの町、平野部の町、それから私の故郷のような二メートルも雪の降る豪雪の町、もう千差万別でございます。ですから、そういうところで本当に生きた町づくりというものを進めるには全部違うんです。雪の降るところと降らないところ、海辺の町づくり、山手の町づくり、全部違うわけなんです。ですから、地方自治というものがある。つまり、それぞれの特徴を一番よく知っているそこの住民がみずから町づくりをしなさいということで私は自治というものはあるんだと思うんです。 ところが、そういう立場から今日の自治体に対する国の施策というものを見ますと、極めて一律なわけです。例えば、私のところのような豪雪地帯では大変な除雪の作業があるわけです。ところが、そういうところの道路も降らないところの道路もほとんど規格が同じような状況になっているわけです。それから、いわゆる都市計画でもそうですし、その他いろいろな面にほとんど一律の施策が多いわけなんです。ですから、そういうこともやはりこれからは手直しをしていっていただかなければならない、こう思っておりますが、その点についてはどうお考えですか。
○政府要員(増島俊之君) 受け手の地方公共団体の体制というものをやはり整備する必要、それは広域都市の制度とかあるいは地域中核都市の制度というのがございますけれども、今先生がおっしゃられましたそういうこと、すなわち非常に各種差のあるといいますか、千差万別という先生のお言葉がございましたけれども、そういう地方公共団体を念頭に置いた、余りにも画一的なやり方というものに対する方式を改めなければならない。それは地方制度調査会の考え方にもございますし、また国・地方の行革審の答申の考え方にもあると思います。 したがいまして、そういうものを踏まえて、より具体的な検討というものをこれからももっと進めていかなければならない、そういうふうに考えております。
○星川保松君 そういうことで、ぜひ権限委譲ということももっとどんどん進めてほしい。それに財源の委譲ということも進めてほしい。それから、行政の各分野にわたっての画一的なことをもっと緩やかに進められるようにやっていただきたい。この三つが本当に順調に進んでいって、私は地方自治というものがもっと育って、そしていわゆる中央集権というものが是正されていくのではないか、こういうふうに思っております。そのことを要望申し上げまして、私の質問を終わります。
○委員長(井上孝君) 他に御発言もなければ質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上孝君) 御異議ないと認めます。 本案の修正について吉川君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吉川春子君。
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律案に対する修正案を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について御説明申し上げます。 行革審答申に基づく国の権限の地方自治体への委譲及び国の地方自治体への関与、必置規制の緩和を進める十八本の法律の一部改正案及び十六本の許可認可等臨時措置法と関連法律の一部改正・廃止法案合わせて三十四本の法律のうち、六法律に関しては福祉、教育等の行政の後退につながるものであり、到底賛成できません。 したがって我が党は、住民犠牲につながる六法律の一部改正案を削除することを内容とする修正案を提案するものであります。 次に、その理由について御説明申し上げます。 二ヘクタール以上の農地等の転用許可を都道府県知事に委譲しようとする農地法の一部改正は、通常の場合に二ヘクタール以上の農地等の転用権限を大臣に残しながら、リゾート法、テクノ法、多極分散促進法等五法律に関する大規模開発についてのみ都道府県知事に権限を委譲しようとするもので、法律上の整合性からも矛盾しており、結局リゾート法等に基づく大規模開発に農地転用を促進することにほかなりません。 指定都市が設置する幼稚園の設置や廃止を都道府県教育委員会の認可から届け出に緩和する学校教育法の一部改正は、幼稚園の統廃合が進められている今日、幼稚園の安易な統廃合につながるものであります。 保健所運営協議会の設置基準緩和を図ろうとする保健所法の一部改正は、地域保健、医療保健の計画策定が言われる今日、地域住民の意見を保健所運営に反映させる上で重要な運営協議会の統廃合を進めるもので認められません。 温泉審議会を自然環境保全審議会に統合する温泉法、自然環境保全法の一部改正は、温泉保護の上で必要な化学、地質学、衛生学等の専門知識や利害調整など独自の審議を軽視し、貴重な資源である源泉保護行政を後退させるものです。 性病の治療、予防等の国庫補助を廃止する性病予防法の一部改正は、性病の予防等が軽視されるおそれがあり、安易な国庫補助の廃止は認められません。 委員各位の御賛同をお願いいたしまして、修正案の趣旨説明といたします。
○委員長(井上孝君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律案に関し、修正案に賛成、原案に反対の討論を行います。 そもそも国と地方自治体の行政は主権者たる国民の負託に基づくものであり、いわゆる許認可事務は国民・住民相互の権利関係を憲法の規定する公共の福祉の精神にのっとって調整することを本旨とすべきはずのものであります。これは、天皇主権のもと、臣民たる国民の権利は法律・命令の範囲内で許容されるのにすぎなかった旧憲法下における許可認可とはその性格を全く異にするものであります。ところが、対米従属・大企業奉仕の自民党政府は、行政の継続性の名によって旧憲法下と事実上何ら変わらない取り扱いをし、憲法の理念を長年にわたって踏みにじってきたのであります。 累次にわたる政府の行政改革が、憲法の精神に立ち返ってこれを根本的に改めるものではなかったことは、大阪地裁においては違憲判決さえ下された大東亜戦争の遂行を目的とする許可認可等臨時措置法が、太平洋戦争敗戦後四十六年も経た今日なお存続していることが如実に示すところであります。 今回、我が党の指摘にこたえ、この悪法の廃止措置がとられるに至ったことは遅きに失したとはいえ当然のことであり、また、本法案による措置中には、我が党としても賛成できる内容があることを認めるにやぶさかではありません。しかし、臨調行革の名による規制緩和、民活路線は、対米従属の強化と大企業の横暴を一層促進し、今日のバブル経済とその破綻、土地高騰、国土の乱開発など国民の苦しみをその極限にまで至らしめ、住民自治の後退と国民の権利侵害を一段と深刻なものとしているのであり、かかる臨調行革路線に基づく本法案を無条件に容認することはできないのであります。 具体的には、今回行おうとしている必置規制の緩和措置等には、福祉・教育行政の後退を招くなど国民の権利擁護の点から見過ごすわけにいかないものがあります。 我が党の修正案は、このような問題点を持つ、農地法の一部改正条項など六条文の削除を行なおうとするものであります。 さらに、本法案は、国会の九委員会、九省庁にわたるものであり、このような三十四もの法律の改正を短時日のうちに十分な審議を尽くさず一括処理するということは、議会制民主主義の見地から極めて重要な問題を有していると言わざるを得ません。 以上、申し述べまして私の反対討論を終わります。
○委員長(井上孝君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上孝君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律案について採決に入ります。 まず、吉川君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(井上孝君) 少数と認めます。よって、吉川君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(井上孝君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 小川君から発言を求められておりますので、これを許します。小川仁一君。
○小川仁一君 私は、ただいま可決されました行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について配慮すべきである。 一 地方公共団体の事務処理に対する国の関与については、現地性、効率性及び総合性という基本的観点に立って今後とも不断の見直しを行い、国の規制については必要最小限にとどめるよう整理合理化を図ること。 一 法令等により地方公共団体に設置が義務付けられている行政機関、附属機関及び特別の資格または職名を有しなければならない職については、今後とも不断の見直しを行い、地方公共団体の自主的な行政改革の促進に資するようにすること。 一 機関委任事務及び許認可等の整理合理化については、地方公共団体等の意見・要望等を踏まえ、今後とも積極的に推進するとともに、機関委任事務の新設に当たっては、制度本来の趣旨に適合するように努めること。 一 国と地方の間の事務配分及び費用分担について、地方公共団体等の意見をも踏まえつつ見直しを進めること。また、地方への権限の委譲に当たっては、地方自治の本旨に則り、地方公共団体の事務・事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないように適切な措置を講ずること。 一 国と地方の事務・事業の配分に当たっては、高齢化社会に対応するため、保健医療、福祉等に係る行政水準が多様なニーズに適合するよう配慮を払い、サービスの充実について、さらに一層の推進に努めること。 一 行政改革の推進には幅広い国民の支持と協力が不可欠である。政府は今後とも国会における諸決議及び国民世論を尊重し、行政改革に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(井上孝君) ただいま小川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(井上孝君) 多数と認めます。よって、小川君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、佐々木総務庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。佐々木総務庁長官。
○国務大臣(佐々木満君) ただいまの附帯決議につきましては、御趣旨を踏まえまして対応してまいる所存でございます。
○委員長(井上孝君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十七分散会