内閣委員会 第6号
- 発言数
- 351 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1991/04/18
会議録
○委員長(井上孝君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小川仁一君 昨日、ゴルバチョフ・ソ連大統領が国会で演説をされました。これは日ソの歴史上初めてのことであります。長官もお聞きになっておられたと思いますが、国会を通じて国民に語りかけられたこの演説は真摯なもので、率直に自分の考え方を述べられたものと私は感じました。 そこで、長官はゴルバチョフ大統領の演説をどう受けとめられたのか、今後の日ソ両国の平和条約を含む友好関係を樹立するという立場からもひとつ御感想、御所見を伺いたい。
○国務大臣(池田行彦君) 昨日のゴルバチョフ大統領の国会における演説、私も議場で聞かしていただきました。ただいま委員御指摘のとおり、ソ連の国家元首が我が国に初めてお越しになりまして国会の場でなさった演説でございます。 また同時に、その内容におきましても、ゴルバチョフ大統領がペレストロイカというものを不退転の決意で進めていこうというお気持ち、またそれが単にソ連の国内だけの問題にとどまらず、世界史的な位置づけの上でその持つ意義あるいは進めていこうというお考えを述べられたということでございまして、私も深い感銘を持って聞いた次第でございます。また、日ソ両国の友好関係の増進につきましても、みずから来日してこの問題に真剣に取り組もうという姿勢、それがまた昨日の演説の中にもあらわれておったというふうに考えます。 しかしながら、両国の関係の間には領土の問題も含めましてまだまだ解決しなくてはならない課題があるわけでございますから、昨日の演説はまことに重要でございますが、今後両国がさらにそういった懸案というものを解決して真の友好関係を築くために多くの努力を積み重ねていかなきゃならない、このような感想を持った次第でございます。
○小川仁一君 まだ交渉も総理を中心に進められておりますし、またきのうのきょうでございますから、十二分な御検討はなかなか大変だと思いま すが、この演説の中で軍事問題、防衛問題にかかわる問題提起に対して防衛庁長官のお考えをお伺いしたいと思います。 ゴルバチョフ・ソ連大統領は安全保障体制を訴えられました。これはきのうの配付資料の二ページでございますか、その基本的な要素として核兵器の廃絶と防衛に十分なぎりぎりまでの通常兵器の制限、その他の事項を述べておられましたが、防衛庁長官はこの面に関して肯定的に受けとめられましたか、それともどういうお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 昨日の演説の中で安全保障の問題についてもかなりの部分で言及がございました。今お話のございました「防衛に十分な限度ぎりぎりまでの通常兵器の制限、」云々というところはそういった関係の一番最初の部分にあったかと存じますが、これは今回新たに発言されたのではなくて、ペレストロイカを開始したときからそういう考えで進んでおるんだというそういうコンテクストの中でお話しになっておったかというふうに思います。 そのほか、ゴルバチョフ大統領は昨日も、安全保障分野におきましては多くの会議、例えば日米ソの三国間協議であるとか、あるいは中国、インドを加えた五カ国の会議であるとか、あるいはアジア・太平洋諸国の外相会議、さらには北東アジア、日本海水域における安全保障協力会議というふうにいろいろ多様な会議の開催について御提案があったわけでございます。私もそういったところを注目して聞いておりましたけれども、しかしながら、そういった御提案が具体的にどういうふうなものをお考えになっておるのか、昨日の演説では必ずしもつまびらかにいたしません。大統領が安全保障についてその持っておられる意欲のあらわれとしては受けとめさせていただきますけれども、具体的にその内容を十分把握しないままに私どもの方から今これについてのコメントを申し上げるのは差し控えさせていただいた方がよろしいのではないか、このように考える次第でございます。 それからなお、ソ連自身の軍事力についてもいろいろのお話がございました。これまでこのような削減を実行してきた、あるいはこれは計画的にいっておるというお話がございました。そういった点につきましては、私どもずっと見ていましたら、これまでにいろいろな機会にソ連側で表明されてこられたものをいわば集大成といいましょうか、集めて御発言されたような感じでございまして、特に新しいものがきのうの演説で出てきたというふうには考えておりません。 そしてまた、そういうふうなソ連の軍事力削減ということそれ自体は私どもも評価するものでございますけれども、しかしながら、現在においても依然として極東におけるソ連軍の軍事力の水準というものが自国の防衛に必要な力をはるかに上回る高い水準にあるということには変わりがないわけでございまして、この点につきましては、ソ連側におきましてさらに一段といわばユニラテラルな削減の御努力を期待したいな、このように私は考えておる次第でございます。
○小川仁一君 総括的にお答えをいただきましたが、個々一つ一つ幾つかの点をお伺いしてみたいと思います。 まず、日ソ間の問題に移りたい、こういうふうにゴルバチョフ大統領がおっしゃって、「わが国の新たな軍事ドクトリンは、当然東方正面にも適用されるものであり、それは専守防衛を建前としております。」とも言っておられるんです。 そこで、昨日のお話の中で一連のこの軍備の廃棄、例えば中距離ミサイルの削減等のお話もなさいましたが、これは防衛庁としては従来からの考え方と大きな食い違いがありますか。また、こういったような軍備の縮小、軍縮の事実はどのように評価しておられるか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 実は私も今委員から冒頭に御指摘のありました、ソ連としても「新たな軍事ドクトリンは、当然東方正面にも適用される」、そしてその次に、「専守防衛を建前としております。」というそのくだりを聞きまして、ちょっといわば耳をそばだてたわけでございます。 御承知のとおり、我が国は専守防衛ということでやっているわけでございますが、ソ連も専守防衛と言われますと、核兵器を保有し、攻撃型空母や長距離を飛ぶミサイルなどを装備しておって、そういった態勢と専守防衛という言葉がどういうふうに結びつくかなといった、素直にと申しましょうか、素朴な疑問を持った次第でございますけれども、その後、会議の後でちょっと聞いてみましたら、何かこの部分のロシア語とは専守防衛というよりもむしろ合理的十分性というふうに翻訳した方がいいんじゃないか、そういうことを私はロシア語の知識のある人から伺いました。そういう言葉になるならば、なるほどわからないことはないな、こんな感じを持った次第でございます。 さて、それで引き続きましてその後に、今御指摘のINF廃棄条約にかかわる問題であるとか、あるいは地上軍あるいは艦艇の問題等々につきまして具体的なソ連の削減の努力についての言及があったわけでございますが、これは私先ほども申しましたけれども、概括的に申しまして特に新しいものはない、これまでいろんな場でソ連側から表明され、私ども承知しておったものが大部分だと思います。 ただ、強いて申しますならば、「太平洋艦隊の戦闘艦艇一六隻が退役し」という部分は、これは従来から言われておりましたけれども、「その内訳は大型水上艦九隻、潜水艦七隻」という部分は、これは新しくこの演説で明らかになったんだというふうに私は承知しております。さらに申しますならば、カムラン湾の利用も減少しておる、これはもう事実としてみんなが承知しておることではございましたが、ソ連の首脳の口から直接そういった発言があったということは、それは新しいことかな、このように思った次第でございます。
○小川仁一君 まだまだ具体的な問題を討議するには問題があると思いますが、もう一つソ連とアメリカと日本の三国間協議というお話をしておられます。アメリカもソビエトとの間で軍縮交渉を行って次々と一定の成果を上げておられますし、みずからも基地削減、軍縮問題を熟思しておられるわけです。軍縮問題についてこういう三国間の話し合いというものに対して、日本としてはこれに積極的に取り組んでいくというお考えがございましょうか、長官としてのお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) この点は先ほども申し上げましたが、昨日の演説では、日米ソ三国間の協議のほかに、五カ国間の会議であるとか、さらには広くアジア・太平洋諸国の外相会議等々というようにいろいろな提案をされておりますし、その具体的な中身が必ずしも明らかじゃございませんので、今の段階で私どもとして具体的にどういうふうに対応するか申し上げられる段階ではないんじゃないかと考えます。 しかし、一般的に申し上げますならば、それは世界で、とりわけアジア地域での緊張緩和がさらに進むとか、安定化の努力が積み重ねられていくということは、これは望ましいことではございますけれども、しかしながら、御承知のとおりここのところ急速に進んでおります世界の安定化の努力の中でも、ヨーロッパに比べますとアジア地域につきましてはいろいろ複雑な要因がございますし、またいわば軍事面でというよりもその前に政治面でいろいろ努力を積み重ねる必要があるというふうなことが一つあるわけでございます。 それからまた、さらに申しますならば、先ほど来御答弁申し上げておりますように、ソ連の極東地域に持っております軍事力というのは自国の防衛に必要な水準をはるかに超える膨大なものであるということでは依然として変わらないわけでございます。その言葉も大切ではございます、それはやはり安定化のために努力をしようという気持 ちの、意図のあらわれが言葉でございますから、その重要性を否定するものではございませんが、しかしやはりその前にいろいろな政治の面での具体的な努力あるいは軍事力の具体的な削減をさらに進めていただくという、そういった行動が期待されるところでございます。
○小川仁一君 国会を通して日本国民に呼びかけられたということですから、それはそれなりに私は大統領の真意というものをまともに受けとめていいと思います。したがって、防衛庁としてもこれを正面から受けとめる姿勢を堅持していただきたい。他のいろいろな要素がありながらそれの進行がそれだけで進むと私も単純には考えておりませんけれども、ぜひ正面から受けとめてこれらの問題に対処していただきたいと思いますが、そういう考え方と理解してよろしいかどうか。 また、ことしの夏、ソ連太平洋艦隊の軍事演習の招待がありました。こういったようなものにはどう対処なされるか。これはこれからの一つのアジア・太平洋地域の安全保障という問題を考える場合には一つ一つに私はまじめに対処していっていいと思うのですが、長官のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) まず第一点でございますが、昨日の演説でも示されました、大統領のこの地域の安全保障のために努力をしようというその意図あるいはそういった演説の言葉を真っ正面から受けとめるべきである、それはそのとおりでございます。しかしながら、先ほども申しましたように、言葉とともに行動というものもやはりお互いに伴わなくては本物の安全保障にはつながらないんじゃないかと思っております。 それから二つ目、具体的な問題としてソ連の演習の関係でございますけれども、これはたしか昨日の演説の中では、「この夏に実施されるソ連太平洋艦隊の演習に外国軍のオブザーバーを招くことを計画しております。」という話でございまして、具体的に日本に来てくれという言葉ではおっしゃってはおらないわけでございますし、またその演習そのものが一体どういうものなのかも演説だけではわかりません。そういったものが具体的に招請があるとか、あるいはその中身がどういうものかということがある程度明らかになった段階で、我々としてはどういうふうに対処してまいるか考えてまいりたいと思います。
○小川仁一君 いずれにしても軍縮というのは世界的な傾向でございます。したがって、防衛庁長官としてはなかなか言いにくい面もあると思いますけれども、やっぱり世界的な潮流に対応して日本の態勢というものもぜひ軍縮方向でお考え願いたいということをお願い申し上げておきまして次に移ります。 これに関連しますけれども、いわゆるソ連の潜在的脅威論というのがございますが、昨年九月に出された九〇年度版の防衛白書から、十年間にわたって自衛隊増強の理由であったソ連の「潜在的脅威」という文字が消えました。やっと防衛庁も世界の趨勢がわかったのだな、こう思ったのですが、同年六月二十九日の安全保障会議において防衛庁が出した資料では、極東ソ連軍の存在はと書いて、我が国にとって「潜在的脅威」と説明しております。この白書と説明の落差について御説明願いたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 私どもといたしましても、ソ連がここのところ、何といいましょうか、ヨーロッパにおいてもあるいはアジアも含めて、世界的にいわゆる新思考外交と言われるような現実的な外交を展開し、従来とは違った行動をとっていることは承知しておるわけでございまして、我々としてもそういった現実的な新思考外交がさらに大きく展開されていくこと、あるいは具体的には極東ソ連軍のさらなる実質的な削減が進む、こういったことを期待いたしまして、昨年の防衛白書におきましては「潜在的脅威」という表現を使用しなかったものでございます。 しかしながら、現時点における極東ソ連軍のレベルをあるいは力をどういうふうに見るかという点につきましては、先ほど来私も申し上げておりますし、先般委員御指摘の我が方の資料におきましても述べておりますように、ソ連の極東地域を防衛するに必要な力というものをはるかに超える水準にまだあるのじゃないか。確かに削減の方向には進んでおるけれども、量的な面でもまだまだ過大なものである。ましてや、質的な面を見ますと、近代化をどんどん進めておるわけでございまして、そういった意味では極東ソ連軍の力がなお大きいということは事実としてあるのだと思います。
○小川仁一君 私たちもいろいろなものを読んでわかっているつもりでございますが、防衛庁というか、我が国の政府の認識はどうもちょっと世界の常識とかけ離れているような感じがいたします。昨年七月のNATO首脳会議ではソ連をパートナーと位置づけております。また、その直後のヒューストン・サミットでも政治宣言からソ連の脅威は消えております。この宣言には日本も署名しております。ソ連軍の評価、とりわけ極東ソ連軍の評価について、近代的、質的向上等を今お話しになりましたが、戦力等もあわせて御説明願えればありがたいと思います。
○政府委員(畠山蕃君) 極東ソ連軍についての現状についての御説明でございますが、確かに量的には一九八九年をピークといたしまして若干の減少が見られていることは事実でございます。 例えば地上兵力、兵員数で言いますと、大綱策定当時三十万であったものが、一九八九年に三十九万になっております。しかしながら、一九九〇年、現段階と考えていただいていいわけでありますが、三十六万という形にわずかながら下がった程度であります。それから、師団数にいたしましても、大綱策定当時、一九七六年に三十一個師団であったものが四十三個師団に一たんなり、それが現段階では四十一個師団というような状況でございます。それから、海上兵力につきましても、大綱策定当時七十五隻であったものが百隻になって、現段階で九十隻になっておるということでございます。潜水艦についても同様の傾向が見られます。作戦用航空機につきましてもほぼ同様の傾向でございまして、現段階で二千二百四十機という膨大な機数を擁しているところでございます。 こうした事実を認識いたしますと、先ほど来防衛庁長官から答弁申し上げておるとおり、自国あるいはこの地域におきます防衛という任務をはるかに超える能力を依然として擁しているものと言うことができるかと思います。 なお、さらにつけ加えますと、これらの量的な問題以外に、第四世代の飛行機とか原子力潜水艦のウエートが高まったとか、そういう質的な向上にさらに配意しているという事実において変わりがないということでございます。
○小川仁一君 NATOとかサミットでそういう状況が出たことと、日本の対応というものの違う政治的な意味がございましたら、長官何かお話ししていただきたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 先ほど来申し上げておりますように、ヨーロッパにおきましては、現実にベルリンの壁も崩壊し、そしてNATOとワルシャワ条約機構との間の対立という構図も崩れてきておるわけでございます。また、これは軍備管理の面におきましても、具体的な軍縮の交渉が進みましてもまだあちらこちらで障害になっておるところがございます、若干難渋している部分はございますけれども、現実に削減が進んでおる、こういうことがございます。 しかしながら、ウラル以東におきましては、そのような軍事面での具体的な話にはまだいってないわけでございますし、さらに、先ほども申しましたけれども、その前段階にまず政治的な面でいろいろ解決しなくちゃいけない諸問題があるのは御承知のとおりでございます。とりわけ我が国との間におきましては、北方領土という問題を解決した上でなければ、まだ平和条約の締結にもいってないわけでございますので、まだまだこちらの方では政治的な面での積み上げが必要であろうというふうに考えております。 それから、先ほどから申し上げておりますよう に、極東ソ連軍の軍事的なレベルは自国の防衛に必要な力のレベルをはるかに上回るものであるというのも現実でございます。したがいまして、先ほどおっしゃいましたNATO等におきましてパートナーという言葉が使われたとするならば、それはヨーロッパの現実を踏まえた上で、そういったことはあり得るかと思いますけれども、私ども、極東あるいはアジア地域におきまして、将来的にそういう方向に進んでいくということは期待するわけでございますが、現段階におきましては、やはり冷厳な事実というものを踏まえた上でそういった事実をどういうふうにいわばいい方向へ進めていくかということを考える段階じゃないか、こう思っております。
○政府委員(内田勝久君) ただいま委員の方からヒューストン・サミットでのサミット諸国の見解について言及がございまして、大臣から答弁がありましたとおりでございますが、事実関係につき一点だけ補足させていただきますと、ヒューストン・サミットの場におきましては、極東ソ連軍を含むアジア・太平洋地域の情勢がヨーロッパとは異なっているということにつきまして議長声明の中でも言及されております。その点について若干引用させていただきますと、この議長声明は、「アジア・太平洋地域においては、欧州において東西関係を特徴づけてきた和解、兵力引き離し及び緊張緩和というプロセスと同一のプロセスがいまだ見られていないことにつき」云々とございまして、この点についてのアジア・太平洋方面における懸念と申しますか、問題点の指摘をしているということでございますので、補足させていただきました。
○小川仁一君 今、防衛局長から話があった極東ソ連軍の戦力、どうも私が調べたのと防衛白書のデータがかなり大きく違っております。例えば、主要水上艦艇をとってみても、九〇年度の白書は九十隻となっていますが、アメリカ国防省の出している「ソ連の軍事力」では六十二隻、ミリタ」丁・バランスでは六十九隻、ジェーン海軍年鑑では七十七隻、こういう食い違いが出ているんです。こういう問題はどうお考えになっておられますか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(内田勝久君) 私ども、防衛白書を通じて国民の皆様に御理解をいただいている各種そういう事実ないし情報でございますが、これは防衛庁あるいは日本政府として得た各種の情報に基づいて確認した事実を私どもなりに総合的、客観的に分析いたしまして、一定の基準に基づいて取りまとめて公表させていただいているものでございます。 ただいま委員御指摘の「ソ連の軍事力」あるいはミリタリー・バランスあるいはジェーン海軍年鑑というようなものもございますが、こういった資料につきましては、それぞれの発行の機関が、あるいは米国政府が独自の基準とか手法、そういったものに基づいて軍事力の算定をしておりますので、我が国の基準と若干差が生ずることはやむを得ないというように私ども考えておりますが、私どもといたしましては、大きな流れとしてといいますか、傾向として、私どもが指摘している事実とミリタリー・バランスあるいはSMP、「ソ連の軍事力」で述べられていることと大きく方向がかけ離れるといったことではないのではないか、そのように考えている次第でございます。 いろんな事実関係についての私どもなりの分析をしているわけですが、その分析をするに当たっての定義と申しますか、一つの基準というものが若干異なったところがございます。必ずしも彼らのといいますか、それぞれの機関の持っている一定の基準あるいは定義というものを承知していないということも事実でございますが、私どもは私どもとしての一定の基準、一定の定義に基づきましてこれを公表している、こういうものでございます。
○小川仁一君 じゃ、基準とおっしゃいますと、日本の基準、定義、そういうものを示していただきたい。例えば主要水上戦闘艦艇の世界的な定義は排水量で一千トン以上というのが常識的になっておりますが、日本の基準はどういうふうになっておりますか。
○政府委員(内田勝久君) 各国それぞれ定義を持っている、あるいはそれぞれの発行機関による基準というものがあるということに尽きると思いますが、ただいま委員御指摘の主要水上艦艇というのはほぼ一千トンというのは、特に決まった定義というのは存在していないと私ども承知しておりますが、ほぼ一千トン以上ということは委員御指摘のとおりかと思います。
○小川仁一君 じゃ、そういう基準その他についてございましたら、後で文書でお知らせを願いたいと思います。基準があいまいのままにいわゆる装備内容を比較いたしますと、やっぱり食い違いが出て、お互いに疑念を持ちますから、お願いをしておきます。
○国務大臣(池田行彦君) ただいまの資料の御要請でございますけれども、私どもといたしましてもできる限り調べまして提出させていただきますけれども、先ほどの基準あるいは定義という問題も、これはソ連の側において十分なトランスパレンシー、透明度と申しましょうか、きちんとした公表をしていただいておりますならば我々もきちんとわかるわけでございますが、御承知のとおり、グラスノスチと申しましても、まだこういった軍事の分野におきましては十分な透明度がないということも、先ほどから御指摘のあるようないろんな見方が分かれてくる原因にもなっているわけでございます。私どもとして努力はいたしますけれども、そういった意味で必ずしも御満足いただける基準になるかどうかという点はお考えいただきたいと思います。
○小川仁一君 私は日本の基準を示していただきたいと申し上げたので、まあいいです。後で文書でいただきます。 それでは、次に新中期防関係について質問いたします。 去年の十二月十九日に「平成三年度以降の防衛計画の基本的考え方について」というものを閣議決定なさいました。四次防を決めるときはこんなことはなかった。今回に限ってこのような基本的な考え方を閣議決定した理由をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(米山市郎君) 昨年の十二月十九日、新中期防を決定するに際しまして、今のお話にございましたような「平成三年度以降の防衛計画の基本的考え方について」というものを閣議決定いたしているわけでございます。これは、平成三年度以降の防衛力整備に際しまして、政府として国際情勢の変化についての認識を示し、これと大綱の基本的考え方との関係を整理したものでございまして、今後の防衛力整備に当たっての指針となるそういう性格のものとして閣議決定をし、これによりまして新中期防を策定したということでございます。
○小川仁一君 今御説明をいただきました基本的な考え方、これでは「極東ソ連軍の動向については、質的向上は依然として続いているものの、量的には削減傾向がみられる。」というところがございます。先ほど指摘したように、アメリカやイギリスのデータでは既に何年も前から極東ソ連軍の主要な装備の減少を指摘していますが、やっと共通の認識にたどり着いたというのが日本の今の現状のようでございます。ところが、防衛庁長官の所信表明では「ソ連軍の膨大な軍事力の存在がこの地域の軍事情勢を厳しいものとしていることに変わりはありません。」と述べておられます。ですから、基本的な考え方と防衛庁長官の所信表明でおっしゃられたところにちょっと食い違いがあるというふうに感じますが、長官、いかがですか。
○国務大臣(池田行彦君) 食い違いはないわけでございまして、私どもはそういった量的な削減が進んでおるということはちゃんと認めておるわけでございますけれども、しかし依然として高いレベルにあるということは否定できないわけでございます。 それから、随分前からそういった極東ソ連軍の 削減が続いておるんだが、やっと今になって日本がという御趣旨の御指摘ございましたが、決してそうではございませんで、先ほど防衛局長の方も答弁いたしましたけれども、例えば地上兵力で申しますと、大綱策定時の一九七六年時点では兵員数三十万であったのが一九八九年には三十九万とピークになり、それが現在三十六万になっている、こういうことでございますし、作戦用航空機なんかで見ますと、大綱策定時には二千三十機だった、それが一九八九年には二千四百三十機になり、それが現在二千二百四十となった。依然として大綱策定時に比べればまだ一割程度の高いレベルに量的にもあるわけでございます。さらに、その中で質的に見ますと、航空機について言えば第四世代のものが大体半分ぐらいを占めたということになっておる等々の質的な向上もあるわけでございます。 そういった意味で、私どもは、量的な削減がなされておるということはそれはそれとして評価するけれども、それもまだ十分ではないし、そしてまた全体的な水準として極東ソ連軍の防衛に必要な軍事力をはるかに上回るものを持っているということは変わりないわけでございます。(「そうだ、そのとおり」と呼ぶ者あり)
○小川仁一君 そちらから賛成の御趣旨の御意見があったようでございますが、しかし基本的な考え方というものと、それから国際情勢の認識というもの、大綱の中にある国際情勢の認識というものはやっぱりこれは食い違いがありますよ。「対話と協調」、こういう考え方では、現在の大綱を修正するか大綱の別表を下方修正しなければならないと考えますが、この点についてはいかがですか。
○国務大臣(池田行彦君) まず申し上げたいのは、大綱が策定された当時の世界情勢がどうであったかということでございます。一九七六年、昭和で見ますと五十一年でございますが、その二、三年前から、例えば米ソの首脳間の相互訪問なんていうのが行われるようになりましたし、また軍事会議の面でもSALTIが締結され、それからSALTIIが交渉が始まるというのがああいったあの時期の動きであったと思います。それから、さらに申しますと、昨年、例のパリ宣言というのが採択されたわけでございますが、それのいわばきっかけになりますヘルシンキ宣言というのがやはりその時期あったんだ。そういうことでございまして、大綱の策定された時期というのは、まあいわば何と言いましょうか、デタント花盛りというような、非常に緊張緩和のムードが世界的に広がった、そしてまたそのための努力も広く行われておった、そういう時期でございます。 そういった世界情勢を踏まえまして、我が国の防衛力をどういうふうに整備するかということで大綱が定められた。そのときに、そういった世界の安定化に向けての流れというものを踏まえて、そうしてさらに、専守防衛はもとよりでございますけれども、平時における十分な警戒態勢と、それから限定的かつ小規模な侵略に対して有効に対処するという、それだけの防衛力を整備しようというので決められたのが大綱の防衛力整備の考え方であったわけでございます。 その後、世界の動きはいろいろございました。一時期、若干またデタントでなくて後戻りと申しましょうか、少し緊張感が強まった時期もございましたけれども、いろいろなことがございまして、現時点におきましては世界が対話と協調の時代に入っている、大きな歴史の転換点に入っているというのは私どもも十分承知をしております。だから、大綱策定時がデタント花盛りだったから今と同じだとは申しません。さらに進んだ形で現在は安定化の努力が広がっておる、こう思うのでございます。 しかし、そういった大綱策定時の国際情勢の認識、そうして現在の国際情勢の姿というものを十分検討いたしまして、具体的には大綱で定めております防衛力整備の水準は現在の国際情勢のもとにおいても妥当である、こういう結論に達した、第でございます。
○小川仁一君 どうお聞きしても、やっぱり基本的な考え方と大綱における情勢分析との食い違いがございます。したがって、三年後に見直すとかあるいは五年後に見直す、こう言っておりますけれども、新中期防自体の考え方の基本や別表も含めてこれは当然見直すべきだと思います。現在の世界的な軍縮の流れの中でいつまでも日本だけが、例えば別表の中に数字はあるけれども、海上艦艇だと総トン数がないとか、飛行機にも機数はあるけれども、飛行機の質は言ってないとか、幾つもの問題があるわけですから、そういうものも含めて別表の見直しをもやるべきだと考えて、次の問題に入りたいと思います。 次は掃海艇の、問題についてでありますが、長官、掃海艇を派遣すべきとお考えですか。
○国務大臣(池田行彦君) 掃海艇の問題につきましては、御承知のとおり、湾岸の情勢でございますけれども、先般正式に停戦ということになりました。しかしながら、まだあの地域の復興のためにはなさなくちゃいけない努力が、事柄が多々あるわけでございまして、そういった問題に日本としてどのように協力していくかということは、これは政府全体として、あるいは日本の国全体として考えていくべき問題だ、このように考えております。 掃海艇云々の問題につきましても、そういったものの一環として考えていくべき物事でございますけれども、事実として申しますならば、ペルシャ湾に多数の機雷がイラクによって設置された。そして、現在数カ国の努力によりましてその除去作業が行われておるわけでございますけれども、なおかなり多数、数百個の機雷が存在するんではないかと見られますし、そのことが我が国の船舶も含めまして航行の安全に障害になっておるということも事実でございます。そういったことに対して、我が自衛隊には掃海のための力というものはあるわけでございますが、これを活用するかどうかということはこれから政府としてもよく考えてまいりたい、このように考えて検討していく問題でございます。
○小川仁一君 長官自身の明確な腹が決まっていないような感じでも受け取れたんです。 さて、六隻もの艦隊になるようでございますね、掃海艇四隻、母艦、補給艦、こうなりますと。しかも人数が、お聞きすると五百人以上の人になる。こういう部隊を訓練として、あるいは南極以外に海外に派遣した例がございましょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 自衛隊を海外に派遣した事実はいろいろなケースで多数存在するわけでございます。例えば南極観測の場合も自衛隊を隊を組んで派遣しているわけでございますし、それから遠洋航海、これも演習航海の隊を組んで派遣しているわけでございます。それからまた、アメリカにおきます各種の訓練のための派遣も行っているところでございます。御承知のとおりリムパックも二年に一度行われておるというようなことで、これらはいずれも自衛隊として活動する場合には必ず部隊という形の編成を行いまして、相当な人数規模で行っておるところでございます。人数について申し上げますと、例えばホーク部隊の年次射撃訓練、これは約八百人程度でございます。それから、海上自衛隊の訓練等につきましても五百人規模以上のものの部隊を派遣した例は多々ございます。
○小川仁一君 訓練は予算に決められておりますし、南極手当も予算に出ていますが、今回の部隊が海外に行くために出せる予算は防衛庁には私はないと考えています。防衛庁の予算の中に海外にこういう形で行くために使われる予算はどこに盛られているのですか。
○政府委員(村田直昭君) 掃海艇の派遣の問題については、先ほど来御答弁がありますように、現在まだ決まっておるわけではございませんで、私どもとしてはまだ経費の積算というものを行っていない状況でございます。
○小川仁一君 そういう質問じゃないんです。どこの予算費目の中に海外派遣の部隊があるかということを聞いている。あるかないかだけ言ってく ださい。
○政府委員(村田直昭君) 海外派遣の予算というような特定の予算を組んでいるわけではございませんで、自衛隊の予算の場合には、それぞれの活動に必要な、部隊の維持運営に必要な経費ということで予算書に計上されておるわけでございます。
○小川仁一君 専守防衛を前提にした自衛隊が海外に行く予算は当然別途に組むべきですよ、こういう平時の場合。こういう場合に予算の中では、私が知っている範囲では積算基礎から何からいっても海外派遣の予算はない、こういうことをはっきり申し上げておきますから、その点について、もしあるならある、ないならないということを明確に答弁してください。
○政府委員(村田直昭君) 自衛隊がその任務を遂行するために必要な経費、自衛隊の任務は既に法的に自衛隊法で決められておるわけでございますが、自衛隊がその任務を遂行するに必要な経費については各種の予算費目によって認められておるわけでございますが、例えば先ほど申し上げましたように、部隊の維持運営に必要な経費という項目がございます。それに従って自衛隊は任務を遂行するわけでございまして、問題は自衛隊の任務の規定があるかないかということであって、その費目は予算化されておるわけでございます。
○小川仁一君 終わります。
○翫正敏君 最初に、外務省の方にお聞きしますが、前回の質問のときに国連の安全保障理事会決議、いわゆる湾岸戦争に関する決議につきまして質問しまして、答弁が明確でなかったように思いますので、もう一度確かめさせていただきますが、私が平成三年二月十四日付で国連安全保障理事会決議六七八の有権的解釈に関する質問主意書というものを提出をいたしまして、それで三月一日に内閣総理大臣海部俊樹から答弁をいただいたわけであります。その文章を見ますと、 国際連合安全保障理事会決議六七八を採択した千九百九十年十一月二十九日の安保理において、冒頭、議長である米国のベーカー国務長官が同決議案について発言し、その中で、同決議案の「必要な手段」には武力の行使を含む旨の見解を述べ、それに引き続いてすべての安保理構成国代表が発言したが、ベーカー国務長官が示したこの見解に反対する発言はなかった。 こういう答弁書をいただいたんです。これはちょっと事実誤認か言葉足らずかいずれかではないかということを御質問しましたんですが、前回のときには明確にお答えがありませんでしたが、こういうことでよろしいかどうか確かめさせていただきます。 国連安保理決議六七八を採択しました一九九〇年十一月二十九日の国連安全保障理事会において、冒頭、議長である米国のベーカー国務長官が同決議案について発言をしました。その中で、同決議案に言う「必要な手段」には武力の行使を含む旨の見解を述べたのに対しまして、マレーシア外相が、いかなる武力行使の提案も国連憲章第七章の特定の条項に従い安保理の事前の承認を経なければならないが、本決議六七八にはその点が明確に反映されていない旨の発言がありました。この決議案は採決に付されましたが、イエメン、キューバの二カ国が反対、中国が棄権をし、他の十二カ国の賛成によって採択をされた、こういう事実経過として理解してよろしいでしょうか。
○説明員(高須幸雄君) お答え申し上げます。 決議六七八採択の経緯は基本的に委員御指摘のとおりでございます。
○翫正敏君 じゃ、それはこれで終わりまして、次に行きます。 中期防に関連して質問していきたいと思うんですけれども、まず平成三年三月四日付の参議院予算委員会の議事録を見ますと、これだけではありませんで、さまざまなところで総理大臣の国連というものに対する見解が述べられているんですけれども、その中でも代表的な部分だと思って読み上げますが、総理大臣はこのようにおっしゃっておられます。 国連が世界の平和の枠組みづくりの中心になって戦後四十五年ぶりに初めて機能したというこの事実をとらえましても、私は今後の平和の枠組みは国連を中心に行われるべきである、こう考えております。また、特に今回の湾岸における平和回復活動に国連が果たした役割というものは、私はこれは評価されてしかるべきものである。こう考えますから、国連の事務総長が今後中心となって、世界の恒久の平和のためにどのようなことを国連が役割を果たしていかなければならぬか、日本としても積極的にこれには参加をして、協力をして、貢献もしていかなければならないテーマであると考えております。 という、こういう見解が述べられているところであります。 我が国の「国防の基本方針」というものを見ますと、外務省の方にまずお答えしていただきたいんですが、後から防衛庁長官の見解ももちろんお伺いさせていただきますが、我が国の「国防の基本方針」を見ますと、昭和三十二年に閣議決定されておりますが、その第一に、「国際連合の活動を支持し、国際間の協調をはかり、世界平和の実現を期する。」ということが第一にあって、あと二と三とあって、四番には「外部からの侵略に対しては、将来国際連合が有効にこれを阻止する機能を果し得るに至るまでは、米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する。」、このように書かれているわけでございます。さらにもうちょっと言いますと、日米安全保障条約そのものの中にも第十条に、「この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。」のだと、このように書いてあるわけですが、今ほど私が述べましたことに間違いがあるかどうかを外務省の方からお答えください。
○説明員(森敏光君) 先生御指摘のとおり、昭和三十二年に閣議におきまして決定された「国防の基本方針」、その第一項において国連、第四項におきまして、「外部からの侵略に対しては、将来国際連合が有効にこれを阻止する機能を果し得るに至るまでは、米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する。」と述べております。また、女全保障条約第十条につきましても、先生の御指摘のとおりでございます。
○翫正敏君 外務省としては「国防の基本方針」にある、四番に書かれていることと安保条約第十条とは矛盾していない、整合性があるというふうに認識しておられますね。
○説明員(森敏光君) 基本的に「国防の基本方金」第四項の考え方と安保条約第十条の考え方とは軌を一にするものと思っております。
○翫正敏君 防衛庁長官にお伺いしたいのでありますけれども、海部総理大臣の再三にわたる国連中心という考え方が述べられてきております。そして、今ほど言いましたように「国防の基本方針」があり、日米安保条約の第十条の規定もあるということを踏まえられて御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 御指摘のとおり、「国防の基本方針」あるいは日米安保条約におきまして将来的に国際連合が中心になって世界の平和が維持されるというそういう状況を期待し、そして、まあしかしその当時の世界国際情勢の中でやはり我が国として外からの侵略に対応するためにこういう力を、防衛力の整備をしなくちゃいかぬ、こういうことでございます。一方、海部総理の御答弁にもございますけれども、今回の湾岸危機に際しての国際的な努力、その中心に国際連合があったということはそのとおりだと思いますし、今後ともそういった国際連合の役割というものを、世界の平和を維持するための役割というものを強めていかなくちゃならない。そして、日本もその中に、そういった努力に積極的に協力していかなくちゃいけない、このように考えております。 しかしながら、確かに国連の役割は今回の湾岸 危機に対して非常に大きいものがございましたけれども、しかし、世界の平和なり安定の維持のために国連が本当に文字どおりその中心になり、国連の力によってそれがきちんとできているというところまではまだいっていないんではないか。これは、今回の湾岸危機に際しても、例えば憲章第七章に基づく国連軍がこの解決に当たったわけではございませんで、御承知のとおり国連安保理の諸決議、こういったものを踏まえて多国籍軍というものが解決に働いたということを見ましても、国連の役割は大きくなったけれども、まだ憲章制定時に、あるいはそれを頭に置きながら「国防の基本方針」なり、日米安保条約第十条で想定したようないわば理想形の姿にまでは国連の活動はいっていないんじゃないか、このように思います。
○翫正敏君 今ほどの長官のお考えを承りましてちょっと感じたんですが、国連決議六七八に基づいて武力行使が行われたということについて、憲章第七章の明文の規定に基づく行動というものではなかったということについて若干批判的なお気持ちを持っておられるようにも承りましたけれども、アメリカの軍事行動についてはこれを全面的に支持するという一方の政府の方針も出されているところでございますが、その辺の整合性はどのようになっておるんでしょうか。
○国務大臣(池田行彦君) 決して私は今回の多国籍軍の活動について批判的な考えを持っているわけではございません。 これは、ただいま委員御指摘のとおり、我が国政府といたしましては、今回の問題についての国際連合安保理事会の諸決議、そしてそれに基づくいろんな行動、その中には多国籍軍の活動もあるわけでございますが、こういったものを確固として支持していくという、こういう基本方針があるわけでございますので、私が第七章に基づく国連軍でないと申しましたのは、事実問題としてこれは国連憲章第七章に基づく国連軍でないのはそのとおりでございますし、現在の国際情勢の中ではそういうものがまだできる状態ではない。しかし、現在の状態の中であの問題を解決するために国連の払った努力、その中には多国籍軍の活動も含めて、これは我が国として全面的に支持しておることでございますし、また適切なものだった、こう考えております。
○翫正敏君 私は、もちろん今度の湾岸戦争における米軍などの多国籍軍の行動についてこれを支持する立場ではございません。つまり、それは憲章に基づいていないということ、決議だけではこれを行うことはできないと私は考えているわけでありますし、また武力制裁を行うということが必要不可欠になった場合においても、直接に紛争地域になっているところから遠く離れた首都のところにまで空爆が行われたということは、これはもう大変遺憾なことであって、国際法にも違反するのではないか、そのようにも考えているところであります。 それはそれといたしまして、国連中心主義というものへ今後政府としてスタンスを変えていく。そして、安保条約第十条に基づいて国連の機能が十全に発揮されていく事態になるならばやがては安保が破棄されていくというのか、自然になくなっていくのかはそこはわかりませんが、そのような方向になっていくという方に向かって我が国政府としてのスタンスが徐々に変わりつつある、そういう方向に向かっているんだ、このように理解してよろしいのでしょうか。それとも、やはり安保堅持が第一であるということで、きのうミッドウェーの方へわざわざお出かけになって、そして英語で歓迎のごあいさつをされた。アメリカ一辺倒と私は感じましたけれども、そのような姿勢が今後とも基調になっていく、こう受けとめてよいのか、どちらの方にスタンスがなっていくのかをお答えいただきたいと思います。
○説明員(森敏光君) 我が国は一九五六年の国連加盟以来、一貫しまして国際の平和と安全の維持を初めといたします国連の目的及びその活動に積極的な支持を与えてきておりまして、このような姿勢は日米安保条約、さらには「国防の基本方針」におきましても確認されているところでございます。今後とも、我が国といたしましては、国連が果たしているこのような重要な役割にかんがみまして、その国際的地位、国力にふさわしい国際的責任を遂行するために、国連の諸活動に対する協力を積極的に推進していく考えでございます。 他方、現在のように国際情勢が大きく変動しておりますけれども、日米関係は引き続きまして我が国の外交の基軸でございます、極めて重要な関係でございます。また、この日米の協調と協力は、単に日米両国にとってのみならず、世界にとりましてもますます大きな重要性を持ってくるというふうに考えております。また、この中で日米安保条約は日米関係の基礎をなす強固なきずなでございまして、抑止と対話による平和の追求がこの安保条約によって可能になっているわけでございますし、また我が国を含みますアジア・太平洋の平和と安定にとりましても不可欠な枠組みとして機能していると考えております。 したがいまして、このような日米安保体制に基づきます日米関係、この意義と重要性というのは今日もいささかの変化もございませんし、政府といたしましては、今後ともこのような考え方にのっとりまして日米安保条約を堅持し、その円滑な運用のために努力していく考えでございます。
○国務大臣(池田行彦君) これから国連に我が国として期待すべきところ、我が国として協力すべきところ、そしてまた、現在の国際情勢の中で我が国の安全保障のために日米安保体制が果たす役割につきましては、ただいま外務省から御答弁申し上げたとおりでございます。 さて、昨日私が横須賀へ参りまして、ミッドウェーの将兵の労をねぎらい、謝意を表してきた、こういうことでございますが、これは御承知のとおり今回の湾岸危機、世界の平和に対する大変大きな脅威であったわけでございますけれども、それが国際連合を中心とするいろいろな国際的な努力によって停戦という段階にまでこぎつけたわけでございます。そういった一連の国際的な努力の中で、多国籍軍に参加いたしました米軍の将兵が我が身の危険を省みず、世界平和のために非常に大きな働きをされたということは厳然たる事実でございますし、そのことに対しては世界じゅうが、そして我が国日本といたしましてもその労をねぎらい、その行動を高く評価する、そして平和を守るために尽力していただいたということに対しましては謝意を表するということはそれこそ素直な、自然な我々の気持ちの発露であったというふうに御理解いただきたいと思います。
○翫正敏君 日本国民の中には、我が国の平和主義というものを非常に大事に考えて、アメリカや多国籍軍の武力行使にも非常に疑義の念や反対の気持ちを持っておられた方もたくさんおいでになるわけであります。そういうことから考えてみまして、あのような形で戦争から帰ってきたアメリカの艦隊を防衛庁長官が歓迎するというようなことは初めてのことだと思いますけれども、私はテレビでその報道を見まして非常に疑問を感じております。こういうことを国民の代表として申し上げさせていただきたいと思います。 それで、中期防のことにつきまして聞きますが、決定過程につきまして一つお伺いしたいんですが、五六中業のときの防衛庁から出ておりました文書を見ますというと、防衛計画の大綱とい・ものができましたことによって一定期間を限った第何次防整備計画といったものを作成する方法は今後はとらない、年々必要な決定を行ういわゆる単年度方式を主体とすることにする、こういうふうになっておりまして、防衛計画の大綱以後は王在の中期防やまた新中期防のようなこういう中長期的な防衛計画はつくらないんだ、それは防衛言画の大綱で明確になったんだ、こういうことが防衛庁の資料に書かれております。しかしながら、前回そして今回と中期防という中期の計画がつくられて発表されたんですが、この辺はどういうふうに理解したらよろしいんでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 確かに、大綱ができましてから単年度予算で防衛予算を計上する、決めていくという形がしばらく続いたことは事実でございます。しかしながら、現在といいますか、前中期防それから今回の中期防からまた五カ年計画という形に戻ったわけでございます。それは、やはり防衛の装備というものは調達に数カ年を要するということが一つございます。したがいまして、それを計画的に国民の前に明らかにするということの方がいいのではないかということが一つでございます。 それからまた、実は五九中業が現在の中期防にいわば格上げされたときの経緯を御説明いたしますと、これはまさにシビリアンコントロールの確保ということから、むしろ政府で責任を持って判断した方がシビリアンコントロール上いいのではないかということから、そういう経緯をたどって政府計画にいわば格上げされたということでございまして、その装備の調達に要する期間の長さということと文民統制の確保ということとの両点からこういう中長期的な計画を定めるということにした次第でございます。
○翫正敏君 説明はそういうふうにされるだろうとは思っておりました。しかし、大綱ができたとき、つくったときの政府の意図というもの、防衛庁の意図というものは、こういう長期的なものができたんだから後は単年度で、こういうことであったろうと思いますが、中曽根内閣のときに突然中期防というふうになった。こういうことで、それがまた今度新中期防ということでやる、こういうようなことは私は甚だ遺憾である、このように申し上げておきたいと思います。 それで、この新中期防、これをつくるに当たって安全保障会議が十二回開かれました。そのときの記録の内容について、先ほど小川委員からも質問がございましたが、私もちょっと重ねてお聞きしたいんです。 第三回目の六月二十九日の安全保障会議に防衛庁から提出されました資料を見ますと、これ一回きりしか防衛庁の方からは国際情勢についての資料提出はなかったようなんですが、極東ソ連軍の状況について一貫して軍事力を増強しておる、簡単に言うとこういう報告をしておられるわけであります。それが、新中期防の「基本的考え方」、十二月十九日の閣議決定、その前段に安全保障会議が開かれておりますが、これを見ますと、ソ連極東軍の動向については量的には削減傾向にある、このようになっておりまして、ここに非常に大きな矛盾があるんですが、これを説明していただきたいんです。 一応参考資料として、例えばこういうふうなことも参考になったのかどうかをお尋ねしたいんですが、昭和六十一年、六十二年、六十三年、平成一年、平成二年のそれぞれの航空自衛隊の緊急発進、スクランブルの状況を見ますというと、八百二十回から八百七十何回という回数であったものが、平成二年度で六百四回というふうにスクランブル回数ががくっと減っているということが資料として新聞にも出ていますけれども、こういうようなことなどもこの事実の中にあるのかどうかなど、どうしてこの認識が半年ぐらいの間に変わってまとまったのか、それをちょっと御説明ください。
○政府委員(畠山蕃君) 御指摘は、まず第一には昨年の六月二十九日に出されました安保会議の発表文の中の「極東ソ連軍の状況」のところであろうと思われます。これによりますと、「欧州のような厳しい軍事的対峙がないにもかかわらず、一貫して軍事力を増強。」「ソ連全体の四分の一~三分の一に相当する戦力を配備。特に、我が国に近接した地域に重点的に配備・展開。」という点につきましては、今度の新中期防をつくります際の極東ソ連軍についてのいわば一般的な認識としては変わるところがないわけでございます。 ただその際に、ここに書いてございます「我が国にとって潜在的脅威。」というふうに述べている点につきましては、その後の実態においての認識は変わりはないけれども、今後のソ連におきますここの地域におけるさらなる前進を期待してそういう表現はとらないとして、その後九月に発行されました防衛白書においてはこの表現は取ったということで、今御質問の中には直接ございませんでしたが、「潜在的脅威」という叙述についての差についてはそういうことでございまして、時点のずれ、それで表現をそういうふうに変えたというだけのことでございます。実態認識につきましては、一般的認識においては、この平成三年度以降の防衛力整備の基本的考え方の前提となっております実態認識と、ここに述べられております認識とは基本的には変わるところはないわけでございます。 それから、御指摘のスクランブル回数の減少というのが、その変化と先生が指摘されましたことに影響があったのかという御指摘でございますが、その平成二年度の実績が出ましたのはつい最近でもございますし、それが実態として背景になったという事実はございません。 なお、付言しますれば、平成二年度にスクランブル回数が減ったのは、いわゆるチームスピリット等の大規模な演習が少なくなったことに伴って、これに対するいわば視察のための、監視のための、あるいはそういうオブザーブするための飛行がソ連側において減少したということの一つの結果でございまして、これが必ずしも一般的傾向として今後続くかどうかについてはまだ確認できる状況ではございません。
○翫正敏君 我が国の航空自衛隊のスクランブルの回数が数十%減ったということはソ連の行動が減ったということのあらわれであるということは間違いないんですね。それはそれでいいんでしょう。簡単に答えてください。 〔委員長退席、理事板垣正君着席〕
○政府委員(畠山蕃君) 平成二年度においてそうなったということは、それが大きく関与していることは間違いございません。
○翫正敏君 次に、三年後の見直しということに関連してお聞きをしたいんです。 平成三年度予算から一千億円の防衛費削減ということがなされるということになっているんですが、実際は十億円程度だということなんです。ともかく、例えば二月二十八日の衆議院大蔵委員会などの答弁を見ますと、畠山政府委員は、「今回の削減措置といいますのは、平成三年度におきます契約ベースあるいは歳出ベースについての措置でございます。このことは直ちに新中期防と運動するというものではないというふうに私は理解をいたしております。」、こういう御答弁がありますのでこのとおりだと思いますが、一方また別の、これは二月二十二日の予算委員会ですけれども、これを見ますというと、畠山政府委員は、「主な削減内容といたしましては、九〇式戦車二両、対戦車ヘリコプター二機、それから輸送ヘリコプター一機、ミサイル艇一隻、練習艦一隻、輸送機C130一機、中等練習機T4一機などでございます。」、こういうふうになっているんです。こういう削減したものが中期防のいわゆる別表の中の数量、これに連動するものではないということはここに書いてありますからわかりました。 一方また、私が平成三年二月十八日の参議院外交安保調査会で質問しましたときに畠山政府委員は、「近隣諸国の軍事情勢、特に極東ソ連軍の状況が大幅に変わるというような状況があれば、それに応じて今度は中期計画の装備の内容」、この中期計画は新中期防のことだと理解していますが、「内容等に立ち至った変更があり得ることでございます」、こういうふうに御答弁しておられますので、その辺をちょっと確かめたいと思うんです。つまり、具体的に申し上げまして、アジア・太平洋地域、特に極東地域においてのソ連軍の大幅な軍縮、また今後の日ソ関係において日ソ平和条約の締結というようなものが実現するというような可能性、場合、こういうような場合にはやはりこの中期防の三年後見直しというのが行われるというふうにこれを読む限り理解をしますけれども、その場合の見直し幅というようなものはどういうようなことを考えておられるのか。 見直しされることはもう間違いないと思います、先ほど読んだ資料でも確実なんですから。見直しはされるんでしょうが、これが千億というと大体〇・四%ぐらいなんですね。減っても千億円だと〇・四%ぐらいなんですけれども、大体どれくらいのものを見直しというふうな、ソ連の極東の状況が大幅に変更した場合はということで言いますと、どのようなことを想定しておられるのか。千億というものが中期防の削減だと、こういう〇・四%程度のことを考えておられるのか。もっとソ連の削減に応じた、スライドしたような削減を考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) それは文字どおり、三年後の見直しにおきましては、中期防にも書いてございますけれども、その時点の内外情勢あるいは経済財政の事情、それからさらには各国の軍事技術の水準の動向でございますね、そういうことを考えて見直すわけでございますので、そういった諸情勢がどのようにこれから変化していくか、それを見きわめませんと現在の段階では何とも申せないわけでございます。ただ、千億円の削減措置というものを、その見直しのときに重要な要素として勘案してまいるということはこれまでも申し上げておるところでございます。 〔理事板垣正君退席、委員長着席〕
○翫正敏君 要するに、見直し見直しと言っておられるけれども、それはいわゆる千億円の削減の話なんですか。それをちょっと畠山さんお答えください。私に答えられたでしょう、安保の調査会のときに、極東ソ連軍が大幅に減った場合は見直しするんだという、この場合の見直しも千億円をするかしないかという話なんですか「どうですか。
○政府委員(畠山蕃君) まず二つに分けてお考えいただきたいと思うのでありますが、まず、千億の問題が出る以前から私どもは中期防、新中期防におきまして三年後の見直しあるべしという規定を置いているわけでございます。したがいまして、千億円の削減の問題とこの問題とは当然に直接つながるというものではございません。したがって、私が答弁したこととの関連で申し上げますと、これは計画策定後の国際情勢、技術的水準の動向、経済財政事情等の内外の諸情勢を勘案してということの一つの端的ないわば例としてお答え申し上げたと思います。 そういう場合にどの程度削減するのかということにつきましては、今長官からも御答弁申し上げましたように、将来まさにそういうことが具体的に起こるのかどうかも含めまして不確定な様相でございますから、それに基づいての幅というのは、この辺申し上げることは当然不可能でございます。それとは別に、その際に、あわせてこの千億の削減というその後生じた事実も重要な勘案要素の一つになるであろうということを申し上げているわけでございます。
○翫正敏君 次に、その新中期防の中で購入されます早期警戒機四機についてお尋ねしますが、これは機種はE3Aですか。
○政府委員(畠山蕃君) E3Aタイプのものということでございますが、これにもいろいろな種類のものがございますので、個別的には特定できるものではございません。
○翫正敏君 金額からいいましても、四機で千三百億円ということですから、割り算しますと一機三百二十五億円ということになりますので、現在のE2Cではないことだけは間違いない。 これでちょっと聞きますが、E2Cを導入しましたときにはこんなように防衛庁の方の資料に書いてあるんで、少し長いんですが、 昭和五十二年五月、航空自衛隊は、米国に調査団を派遣し、E―2C及びE―3Aの運用、経費等に関する調査を行い、これを専門的、技術的に分析、検討した結果、早期警戒機の機種は、E―2Cとすることが適当であると判断し、その旨、同年七月十九日、航空幕僚長は、これを防衛庁長官に報告した。 さらに、E―2Cとバッジ・システムとの連接の可能性についての資料を得るため、昭和五十三年五月、あらためて調査団を派遣し、その調査結果によって、E―2Cとバッジ・システムとの連接は十分に可能であるとの結論が得られたため、防衛庁として早期警戒機の機種をE―2Cとすることが最適であるとの判断をかため、昭和五十三年八月、庁議においてこれを決定したものである。 こうなっておりまして、「E―2Cが適当である理由」というのがるる述べられておりますが、「洋上の低空侵入目標探知能力に優れている。」というのがあって、あと幾つかありますが、時間がないので省略します。 「E―3Aが適当でない理由」というのが書いてございますね。これだけちょっと読んでみます。 本来、戦術統合作戦の指揮統制用のものであり、作戦司令部戦闘指揮所等の代替機能を含むものであるため、低空侵入への対処という限定された運用要求をはるかに上回るものである。 重量約一五〇トンという大型ジェット機であるため、飛行場の施設等に大幅な改修を必要とする。 E―2CとE―3Aの単価を比較した場合、初度部品を含み、E―2Cは約八六億円、E―3Aは約二九六億円で、E―3AはE―2Cに比較してはるかに高価である。 こういうふうに書いてあるんですが、このことは書いてあるとおりですから間違いないと思いますが、どうしてE3Aをまた導入することになったのか、それで飛行場も変えなきゃならないと書いてありますが、どこの飛行場に配備するのか、それは直すのかどうかとか、それをちょっとお答えください。
○政府委員(畠山蕃君) E2Cを導入する当時に、今御指摘のような見解を防衛庁から責任を持って申し述べたことは御指摘のとおりでございます。 それでは、なぜ今回AWACSといいましょうが、E3Aタイプのものを導入することになったのかということでございますが、一言で申しますと国際軍事情勢といいますか、諸外国の軍事技術の動向に大きな変化が見られたということでございまして、当時E2Cを導入しましたときには、なぜこれが必要かにつきまして議論した際に、地上のレーダーサイトの覆域ではカバーし切れない部分についてその覆域の足らざるところを補完するという程度の必要性があったわけでございます。それを補完するためにはE2Cで必要かつ十分であったということであったわけでございます。 しかしながら、現在周辺諸国の軍事動向を見てまいりますと、航空機、航空爆撃機等のいわゆる航続距離が大幅に伸び、かつ将来において伸びると予想されるところでございます。それにさらに加えて、ミサイルが極めて射程が伸びておるということでございますので、この地上レーダーサイトないしはE2Cの覆域をさらに低空でかいくぐって我が国の主要地域、首都圏等も含めましてそういうところにまで進出して、洋上から遠く離れて、いわゆるスタンドオフ攻撃というようなことが可能になる事態になってきているわけでございます。したがいまして、そういう軍事情勢の変化ということでありますると、我が方の態勢といたしましてもこれに対応する形の防衛が必要であるということで、事情が変わったことによって必要となった運用要求を満たすべきものということで必要になったわけでございます。 第二点目の飛行場の問題でございますけれども、これは二つございまして、飛行場の長さの問題と重さの問題というか、厚さの問題がございまして、長さの問題につきましては、これは当時からAWACSの方の性能がいわばエンジンがパワーアップしまして短い区間で離発着が可能になったということで合格になる飛行場が圧倒的多数になってきた。重さの点につきましては、当時から完全にだめだというのは一空港だけが重さに耐えられないということでございました。重量制 限をしながら離発着する限りにおいては可能な飛行場が多数あったわけでございまして、そこは若干の増厚をすることによってそこでも対応は可能であろうというふうに考えておりまして、どこを母基地とするか等につきましては現在まだ決まっておりません。
○翫正敏君 そういう説明、るる長々と時間を割いて聞きましたけれども、E2Cの方がうんと安くてE3Aはうんと高額なわけでしょう。それで、当初E2Cを導入したときにはこれでなきゃならないんだ、E3Aはだめなんだと言っておいて、数年たったらころっと手のひらを返したように変えるというのは国民として納得できないわけであります。 ちなみに聞きますが、E2Cというのはどこ製で、E3Aというのはどこ製ですか。
○政府委員(畠山蕃君) E2Cがグラマンで、E3Aがボーイングでございます。
○翫正敏君 アメリカの方からの買いなさいという、そういう強い圧力があって防衛庁の方針が変わった、こんなようなことでございましょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 私ただいま、先ほどの御質問にお答えするにも後ろに振り返って聞いたくらいの話でございまして、その辺の会社の方を詳しく知らないくらいでございまして、そういう事実はございません。
○翫正敏君 じゃ、次に掃海艇のことをあとちょっと時間の範囲で聞きたいと思いますが、海上自衛隊の掃海艇をペルシャ湾に派遣して機雷を除去するというこの問題、まだ決まっておらないようでありますが、そういう前提でお聞きをしますけれども、自衛隊法八十二条に例えば規定してございます海上における警備行動、これの範囲はどこまでが法律的に許される範囲なのかお答えください。簡単にお願いします。
○政府委員(畠山蕃君) 法律上特段に、公海にも必要に応じ及び得るわけでございまして、特段の制限は明確に規定されておりません。
○翫正敏君 公海上どこまでも出ていけるということですか。 じゃ次、八十四条の領空侵犯に対する措置、これは法的にどこまで許されているんですか。事前に通告してあるでしょう。
○政府委員(畠山蕃君) 御質問は八十二条と領空侵犯の問題でございますけれども、これは規定の趣旨からいいますと、要するに我が国の防衛に必要な限度において公海公空等に及び得るということでございまして、どこまでということが具体的に決められている、ないしは解釈として確定しているというものではございませんで、あくまでも自衛隊の任務として規定されておりますこれらの規定の目的を達成するために必要な限度においてという御理解を賜りたいと思います。
○翫正敏君 自衛隊法の第三条には、一言で言うところの専守防衛ということが書いてあるわけで、専守防衛ということがここに書いてあるわけでございますから、そういう趣旨からいいまして、今ほどの八十二条及び八十四条のいずれの場合におきましても、これはおのずと限度がある、こういうふうに理解するのが国民の常識だと思うんですが、その常識は間違っていますか。
○政府委員(畠山蕃君) まさにそのとおりでございまして、三条の趣旨に基づいておのずから限度があるということでございます。
○翫正敏君 次に、九十九条のことを聞くんですが、施行令二十五条を見ますと、「部隊をもって編成する。」というふうになっていますから、やはり掃海をするというのは部隊行動であるということ、これも間違いないというふうに思います。それから、機雷等の処理というものは昭和二十七年八月、それまで担当していた海上保安庁から防衛庁に引き継がれましたというふうに防衛庁の資料に書いてございますので、これは沿岸警備というものによってこれを行ってきたものだということも間違いないことだ、こういうことであります。 さらに、別の防衛庁の資料を見ますと、「機雷・対機雷装備」ということについてこのように書いてあります。「機雷を敷設することを機雷敷設戦といい、それを排除したり、無能化することを対機雷戦と呼ぶ。」、こういうふうに書いてありまして、機雷を敷設したり機雷を除去したりすることは作戦であるということもこれも明らかに述べられておるところでございますし、さらに「水中に敷設された機雷を排除するか、無能化する作戦を対機雷戦といい、その作業を掃海という。」、こういうふうに書いてございます、防衛庁の資料に。 ですから、掃海というと何か海を掃除するというようなイメージで受け取る人も国民の中においでると思うんですけれども、掃海というのは対機雷戦という機雷を無能化する作戦であって、それを自衛隊が部隊をもって作戦行動に参加をするということである、こういうふうに理解してよろしいですね。
○政府委員(畠山蕃君) 九十九条に書いてあります機雷の掃海といいますのは、これはいわば雑則の中で、三条とはかかわりなしに雑則として新たに規定されているところでございます。今御指摘の機雷敷設戦ないし対機雷戦というのは、例えば有事におきましての行動ということでございますので、これは当てはめます場合には七十六条の防衛出動という中での行動ということになろうかと思います。例えば九十九条にはまさに機雷敷設ということは書いてないわけでございまして、そうしますと、この機雷の敷設あるいは除去といった一連の行動を我が国の防衛の必要な限度において行うというのはまさに防衛出動にかかわる七十六条の規定の中で読み込むべきケースだと思います。 それとは別にわざわざ九十九条を立てて規定されているといいますのは、これは警察行動として、主として平時において機雷の除去といういわば一般の船の航行の安全確保というような観点から行うべきものをここのところに、七十六条の行動とは別に創設されているということでございます。
○翫正敏君 防衛庁長官にお尋ねしますが、自衛隊法九十九条の「(機雷等の除去)」についての項目は自衛隊法第三条の適用を受けない、こういうことは長官のお考えでもあるんですか、政府の考えですか。
○国務大臣(池田行彦君) ただいま防衛局長から御答弁申し上げましたけれども、九十九条というのはいわゆる雑則の部分でございまして、自衛隊法第三条に基づく諸行動とはまた別途のものというふうに考えています。
○翫正敏君 全く納得できないのでありますけれども、それであればどういうことになるんでしょうか、この機雷を敷設するというときに部隊をもって出ていくわけでしょう。五百人ですか、先ほどの小川議員の質問に対するお答え。人数は出ませんでしたかね。母艦それから掃海艇四隻、それで補給艦一隻ですか、それで五百人と部隊をもってペルシャ湾まで出動するということでありますから、こういう行動が自衛隊法第三条の規定を受けない行動であるということになりますというと、これは大変なことになるんではないでしょうか。それでよろしいですか。
○国務大臣(池田行彦君) 先ほど防衛局長からも答弁申し上げましたけれども、機雷を敷設するということをおっしゃいましたけれども、これは自衛隊法第三条に基づいて我が国を防衛する、そのために必要な防衛行動を、防衛出動を七十六条に基づいてやる。その行動の一つとして我が国の重要地域を守るために機雷を敷設する。あるいは、機雷除去と申しましても、七十六条の関係で行います除去というのは、外敵によりまして、外の勢力において敷設された機雷を除去する、これは国の防衛にかかわること大として七十六条に基づくものでございます。 それで、今問題になっております九十九条の方は、そういった三条の国の防衛とは直接関係あるものじゃございませんで、これはいわば一種の警察行動、活動なんでございます。そういったものとして自衛隊法に基づきましていわば雑則の中で その権限を与えられているところでございます。これはほかにも百条とか百条の二また百条の五というのもございましたですけれども、こういったものも三条とは直接かかわるものではないというのはこれまで政府はずっととってまいった解釈でございます。
○翫正敏君 「(機雷等の除去)」とありますが、この「等」というのは何ですか。時間がないんですぐやってください。
○政府委員(畠山蕃君) 「(機雷等の除去)」というのはいわゆる見出しのところに書いてございまして、法律自体は「機雷その他の爆発性の危険物」、こう書いてございますので、機雷以外の爆発性の危険物を指すわけでございます。
○翫正敏君 もう一点だけ、これで終わります。 先ほどから長官は警察行動警察行動とおっしゃるんですけれども、それにも私は疑問を感ずるんですが、警察行動と名づければどこまででも行けるんですか。じゃ、日本の警察は出られるんですか。ちょっと言ってください。これで終わります。
○国務大臣(池田行彦君) その点につきましては、かねてから御答弁あるいは答弁書でも明らかにしておりますけれども、やはり具体的なケースに応じて判断すべき問題でございますけれども、地理的にはこれは公海にも及び得る、こういうことを御答弁申し上げております。
○翫正敏君 終わります。
○山口哲夫君 先ほど、小川理事のソ連の太平洋艦隊の演習に自衛隊側が招待されたときにどうするか、そういう質問がありましたけれども、長官のお答えは、その内容が明らかになっていない、明らかになった段階で考えましょう、そんな答弁だったんですけれども、しかし昨年ですか一昨年ですか、現に招待されているわけでしょう。それでもう内容ははっきりしているわけですよ、その時点で。だから、そういう招待があった段階で考える問題ではこれはないと思うんです。ゴルバチョフ大統領が招待を考えているというんですから、具体的に出てきたときにどういう態度で臨むのかというのは今から考えておくべきことではないですか。
○国務大臣(池田行彦君) 二つ申し上げます。 一つは、先ほども小川委員の御質問に対してもお答え申し上げましたけれども、昨日のゴルバチョフ大統領の演説の中では、「この夏に実施されるソ連太平洋艦隊の演習に外国軍のオブザーバーを招くことを計画しております。」、そういう表現でございました。したがいまして、まだこれでもって具体的に日本に対する招請、招待があったとは言い切れない、これが一つございます。 それから二つ目は、委員御指摘のとおりこれまでにも演習についてオブザーバーを送らないかというそういった話があったのは事実でございますが、これはいろいろな事情で実現いたしませんでした。だから、毎年同じではないかとおっしゃいます。しかし、それはやはりそのときそのときに行われる演習におきまして態様も違うわけでございましょうし、またそのときの状況におきまして、我が方としてもそういったことを観戦する必要性あるいは妥当性があるかないかということはやはり具体的な事案に即して考えてまいるべきものか、このように思います。
○山口哲夫君 中身の問題ではないと思うんです。日ソの安全保障ということを考えたときに、一番大事なことはお互いに信頼をどう高めていくかということで、そういう考え方があれば、中身なんかは大体決まっているんですから、そういう招待に応じて、あるいは日本側としても軍事演習をやる場合には招待をする、そういう信頼関係を高めていく気持ちがあるかないかにかかっているんです。だから、それを受けないということは、そういう信頼関係を高める必要はない、そういうふうに判断しているということですね。
○国務大臣(池田行彦君) 私の申しておりますのは、受けないとは申しておりませんので、具体的な中身を見まして検討させていただきたい、そして適切に対応してまいりたい、こういうふうに申し上げている次第でございます。 それから、もとよりソ連に限らず各国との間の信頼関係は高めていかなくちゃならないというのはそのとおりでございます。しかし、そのためにはいろんなことがなされなくてはならない。ソ連との間では、やはり領土問題もあるわけでございますし、まず政治的な面でのいろいろなステップがまだあるんじゃないか、これがやはり信頼醸成のための一番の基礎になるんじゃないかということもございます。それからまた、ミリタリーの面で申しますと、先ほど来申しておりますように、極東ソ連軍の力というものは確かに量的には削減が進んでおりますけれども、依然として非常に高いレベルにあるということは否定できないわけでございますので、私どもとしてはさらにその面でのソ連側の一段の削減努力を期待しておきたい、こういったことも信頼の高まりに資するのではないか、このように考える次第でございます。
○山口哲夫君 軍事力を削減するとか、これはそういう量とか質の問題じゃないんです。あくまでもお互いに信頼関係を高める意思があるのかどうなのかというそこにかかっている。だから、信頼醸成措置というのはたくさんありますけれども、その第一歩がそういった軍事訓練に招待をするということではないんですか。そのほかのことはなかなか今すぐ手をつけられないかもしれないけれども、世界の今常識になっている軍事演習をやる場合にはお互いに招待しようじゃないか、これは信頼醸成措置の第一歩ですよ。それさえやらないということは、どうも日本側にはそういう信頼醸成というものをお互いに高めていこうという意思が全くない、そういうふうに判断せざるを得ないです。 残念ながら三十分しか時間がありませんので、本論に入りたいと思います。 航空自衛隊の次期支援戦闘機FSXについてでございますけれども、これは最初、日本が国産で新型機を開発しようという考え方だったんですけれども、どうもアメリカの圧力で共同開発になったようですね。それで、共同開発というのは、参加国がコストとかリスクを分担する、手持ちの技術をお互いに持ち寄る、開発の果実というものは両者が利用する、これが正常な姿だと思いますけれども、そうでしょうね。
○政府委員(関收君) 先生の今御指摘の共同開発のケースでございますが、共同開発をいたしましてその成果を両方が使うという場合には先生御指摘のような面はあろうかと思いますが、今お話のございますFSXにつきましては、我が国が現在使用いたしております支援戦闘機の後継として我が国が使うというものとして開発をしているものでございます。その開発の中においてアメリカのすぐれた技術も活用してやっていこうという意味での共同開発でございますので、そういう形で行われているということを申し上げたいと思います。
○山口哲夫君 確かにFSXの開発ということでしょうけれども、しかしお互いに研究し合って、日本の技術というのをアメリカでもやっぱり得るわけでしょう。そうすると、そのときにアメリカ側としては、将来アメリカがつくっていく戦闘機にこの共同開発で得た技術というものは全然使わないわけですか。
○政府委員(関收君) FSXにつきましては、16という今アメリカが生産をいたしております航空機をベースにいたしまして開発をしようということでございますので、日本としてはそのF16に関する各種の技術情報、これを導入するということになるわけでございます。 一方、これからの話でございますけれども、開発をいたしましていろいろな成果が新しく出ました場合に、これは御案内の武器技術供与の枠組みの中でアメリカに供与をしていくということもあり得るということでございますが、これは将来のお話でございますので、現在の段階でははっきり申し上げられないということでございます。
○山口哲夫君 やはり将来は使うかもしれない。アメリカ側だって日本の技術というものを欲し がっているわけですよ。だから、今の開発の中で得た技術というものを、今あなたがおっしゃったように将来使うかもしれない。そういうことから考えたら、開発費というものを全額日本が負担するのはおかしいんじゃないですか。
○政府委員(関收君) FSXにつきましては、我が国が使用いたす予定の次期支援戦闘機の開発ということでやっておりますので、日米共同開発という形をとっておりますが、それにかかわる費用につきましては日本側が負担をするという形で約束ができておるところでございます。
○山口哲夫君 いや、前段のお答えの中で、今の共同開発の中で日本側のすぐれた技術をアメリカ側としても初めてわかったと、それは将来のいろいろなものに使うかもしれないというふうにおっしゃったわけでしょう。だから、共同開発というのはそういうものだと思うんです。FSXの共同開発だから、それだけのものではないわけです。だから、本来であれば当然そういったコストというのはある程度分け合うのが当たり前なんです。それを全額日本が負担するなんというのはこれは私は非常識だと思いますよ。 それで、当初はこれは一千六百五十億でしたね。それが二千八百億にはね上がったというふうに報道されていますけれども、事実ですね。
○政府委員(関收君) 経緯を少し申し上げたいと思うのでございますが、FSXにつきましては種々検討いたしました結果、日米の防衛協力の重要性あるいは取得の確実性、費用対効果等の観点から、アメリカが生産をいたしておりますF比をベースにいたしまして、日本とアメリカのすぐれた技術を結集して共同で改造開発をすると昭和六十二年十月の安全保障会議で決定されているわけでございます。その際、開発総経費につきましては、アメリカからの技術援助をもとにいたしまして日本がすべて改造開発をするという前提で、先生御指摘のように千六百五十億円程度という見込みを立てたところでございます。 しかしながら、その後、日米間における交渉によりまして、この共同開発にアメリカ側も本格的に参加をするということ、それからもう一つは、飛行制御プログラム、フライト・コントロール・システムと言っておりますが、これにつきましてはアメリカ側からの技術供与がないということで、これは自主開発をせざるを得ないという観点から、先ほど申し上げました千六百五十億円を算定いたしました際の前提と変わってきておるということでございます。 そこで、その後、日米間の交渉を進めました後、平成二年三月から実は日米共同設計チームがスタートいたしまして本格的な開発作業に着手したわけでございますが、その後におきまして、新しい前提のもとでの見積もり作業の改定ということをやっております。現在まだアメリカ側と調整をいたしておりまして、前提が変わってまいりますので金額は変わると思いますけれども、現段階で幾ら幾らというような額が確定しているという事実はございません。
○山口哲夫君 共同開発というのは、お互いの技術を持ち寄るわけでしょう。日本だけがアメリカのF16を改造するのだと、日本だけで研究するものじゃないわけでしょう、共同開発ですから。だから、初めからアメリカ側が一緒に参加するというのは決まっているじゃないですか。そういうことが後から決まったからふえたのだと、今そういうようなお答えに聞こえたのですけれども、そうじゃないと思うのです。だから、共同開発の原則が初めからきちっとしていなかったことにまず問題があると思うのです。たった二年間に七〇%も共同開発費がふえるなんというのは、これは非常識、常識では考えられません。アメリカに一方的に押し切られたというふうにしか解釈できないと思いますけれどもね。
○政府委員(関收君) 重ねての御答弁で恐縮でございますが、最初におきましてはアメリカ側からのF16の開発、これもどれぐらいの額かは存じませんが、多額の開発費をかけて開発した航空機の技術を導入いたしまして、それをベースに日本の実情に合うものに日本側で開発をしようという計画でございました。その後、開発作業の段階にもアメリカが入ってくるということで、今見直し作業を行い、アメリカ側の協力も得ながら調整を行っておるということでございますので、その辺の事情を御理解賜りたいと思う次第でございます。
○山口哲夫君 理解はできませんけれども、FSXというのは、これはF1戦闘機の後継機です。それで二年おくれたわけですから、F1というのは一九九七年には耐用年数が来てしまうのです。そこでF1の配備機数の不足、これは約二十機というふうに言われているのですけれども、二十機なのかどうなのか、これもお答えいただきたいと思うのですけれども、そのF1の配備機数の不足を今度は要撃戦闘機であるF4を代替使用するということになるわけです。そのF4をF1の代替使用するわけですから、そのF4が今度は不足になる。それはどうするかと言えば、同じ要撃戦闘機であるF15を今度は新たに購入するわけです。その数からいくと、F15もやはり約二十機だと思うのですけれども、それは二十機でいいのかどうなのか、その購入費用は一体どのぐらいになるのでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) まず、今度のFSXの開発のおくれに伴います支援戦闘機部隊の不足に対してF1が足りなくなるのでF4を転用する、さらにF4の欠の部分についてF15を転用する、いずれも二十磯部隊として行うという点の御指摘、それはそのとおりでございます。
○政府委員(関收君) 価格について私からお答え申し上げたいと思いますが、F15の機体の単価でございますが、平成三年度予算ベースで申し上げますと、約九十一億五千万円でございます。なお、この値段は初度部品等も含めた値段と御理解を賜りたいと思います。
○山口哲夫君 総額幾らですか、千八百三十億ですか。一機が九十一億五千万、二十機ですから千八百三十億でしょう。そうすると、二年間おくれただけで開発費が千百五十億もふえている。そのために耐用年数が来てしまうために順繰り順繰りで代替使用して最終的にはF15を二十機買うんだから、それを足しますと二千九百八十億、約三千億円、たった二年間おくれたために金を便わなきゃならないという計算になります。これは大変な金額だと思うんですけれども、これだけの違いというものを増額しなければならないということを考えた場合に、こういう開発の二年おくれというものは余りにも影響が大き過ぎる。どうしてこれ日本側としては突っぱねることができなかったのですか。
○政府委員(畠山蕃君) まず前段の、二年の開発のおくれに伴ってF15が膨大な費用がかかることになるという点についてでございますけれども、私ども確かに先ほども申し述べられましたような経緯でF15を買い増しすることも必要でございますけれども、F15は戦闘機を調達しなきゃならないというのは、これは要撃戦闘機部隊の能力向上とか態勢の長期的な維持に資するというようなこともございまして、調達に要する費用は本来不要であったにもかかわらずFSXの開発作業のおくれのためにのみ追加的に生じたというようなことではございません。なお、次期防期間中といいますか、新期防期間中にF15は、それのみの問題ではございませんで、ほかの要因からも全体で四十二機を計画しているところでございまして、その総額についてはおおむね三千億から四千億の間になろうかというふうに考えているところでございます。 それで、それとの関連において、次期支援戦闘機の開発の問題について、最後になぜ突っぱねなかったのかというお話でございますけれども、支援戦闘機の今度は必要性の問題でございまして、支援戦闘機部隊というのは三個飛行隊が大綱にも定められておりまして、これを必要なものとして維持していかなければならない。そういたしますと、その中での最も一番いい選択肢として定められましたのがこの日米共同開発に基づきますF16 の改造開発であるということで、そこのところが大幅に変更しなければならない事情に現在まだ立ち至っていないというふうに我々は考えているところでございます。
○山口哲夫君 少なくとも、二年間共同開発がおくれなければ、そういったF1の順繰りの費用というものは持つ必要はなかったと思うんです。そういうことからいけば、たった二年間おくれただけで大変な金額を負担せざるを得なかったということは事実だと思うんです。 確認しておきますけれども、もうこれ以上おくれるという心配は絶対ないでしょうね。
○政府委員(関收君) 当初の開発の予定との関係で申し上げますと、一つは六十三年度から開発をスタートする予定でございましたが、その後日米共同開発、本格的なアメリカの参加ということでアメリカ側との調整をいたしておりまして、それで開発の着手が約一年半おくれたというのが現在の段階でございます。平成二年三月以降、先ほど御説明いたしましたように日米共同設計チームがスタートいたしておりますが、おおむね二百人程度の日米の技術者が共同で今鋭意やっておりまして、順調に開発は進んでおるわけでございます。 もう一点は、先ほどちょっと御説明申し上げました飛行制御プログラム、これにつきましてアメリカ側の供与がないということで、日本側の自主開発を今後スタートするということでございまして、それを加えまして平成七年度末におきまして約二年のおくれが見込まれるという意味での二年間のおくれということでございますが、私どもは、今も順調に開発が進んでおりますし、今後鋭意努力をすることによりましてこの二年間のおくれの範囲内で新しい支援戦闘機の開発をすべく全力を尽くしてまいりたいと考えておるところでございます。
○山口哲夫君 もう一つ、開発費用がまたアメリカ側から言ってきてふえるなんということも絶対ないですね。
○政府委員(関收君) 開発費用につきましては、先ほど申し上げましたように、今アメリカ側と調整をしつつ取りまとめ中でございますが、あらゆる機会をとらえて私どもはアメリカのみならず日本企業に対しましても経費の節減合理化ということについては最大限の努力を払うように要請し、またそのためのいろいろな手続もとっておりますので、我々としては極力経費の節減に今後とも努力をすることは当然だと思っておるところでございます。
○山口哲夫君 絶対これ以上おくれないということと、開発費用はこれ以上ふえないという、それだけは確認しておきたいと思います。 それで長官、私はもうこの共同開発というのは意味がなくなっているように思うんです。政府がお互いに取り決めたことまでアメリカの議会が今度はいちゃもんつけてそれをひっくり返すわけでしょう。こんなばかな話ないですよ。全くアメリカのやっていることは筋が通らない、私はそう思うんです。このまま続けていきますとだんだんこの開発というのは私は泥沼化していくような、そんな危険を感じているんですけれども、どうですか、この際もう中止してみたらいかがですか。
○国務大臣(池田行彦君) 私どもといたしましてもFSXの開発計画がこのようにおくれたということは残念なことだと思っておりますけれども、しかし諸般の情勢を考えましたとき、やはり次期の支援戦闘機といたしましてこのFSX、F16をベースにいたしました日米共同開発によるものが最適であるという判断は今でも変わりませんので、この計画は先ほど来御答弁申し上げておりますように、おくれを極力少なくする、また経費の面につきましても極力節減に努めていくという努力をしながらこの計画そのものは進めてまいりたい、こう考えております。
○山口哲夫君 きのうゴルバチョフ大統領の演説がありましたですよね。その中で特に極東方面ですか、それの陸海空についての軍縮も考えているということを数字で明らかにしていましたですね。それで平和条約もいずれ締結されるでしょうけれども、FSXが入るのはこれから七年後ですか、一九九九年、八年後になりますね。一九九九年、そのころになりますともう世の中随分変わっていると思うんです。日本の防衛政策も大変な変更を余儀なくされていると思うんです、八年も先の話ですから。それのためにこんな膨大な金をかけて、そのときになったらFSXはもう無用の長物でしたなんということにもなりかねないと思うんです。だから、こういう泥沼化するような問題について、私はこの機会にやめておいた方が将来のためになるというふうに思います。長官にはやめる意思はないというふうにおっしゃっていたので、私はそう思っていることを申し上げておきたいと思います。 それから、防衛庁が九一年、ことしの四月十二日に発表したスクランブルの関係ですけれども、航空自衛隊のスクランブル、緊急発進というのは随分平成二年度は減少していますね。発進件数が六百四件、前年度よりも二百八件も減っております。これは昭和五十二年度の四百九十六件以来の低い数字になっているわけです。その理由は何かといえば、ソ連機が偵察活動を縮小したことだと思う。それで、一個飛行隊というのは大体四、五年前までは十八機でしたですね。それがスクランブルが非常に多くなったということで二十二機にふやしたわけです。そうしますと、今のように物すごくスクランブルが減ってきたわけですから、もとの十八機に一個飛行隊を戻すということが常識だと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 現在、御指摘のとおり、航空自衛隊の要撃戦闘機部隊の航空機の定数につきましては、対領空侵犯措置任務、錬成訓練等の所要を考慮しまして一個飛行隊当たり十八機から二十二機という形になっているところでございます。 御指摘のとおり、航空自衛隊の戦闘機によりますいわゆるスクランブル、緊急発進回数は平成二年度はかなり減少しているところでございます。しかしながら、大綱策定当時と比べますと引き続き高い水準を続けているわけでございまして、特に一年間だけの減少というのが特別の事情、つまり先ほどもちょっと別の議員からの質問に対して触れましたけれども、チームスピリット等が小幅化したというようなことでソ連の偵察活動が減ったというようなことが大きく響いているということもございます。 したがいまして、全体として見ますと、大綱策定当時に比べますと引き続き高い水準でございますこともあり、このために要撃戦闘機部隊のパイロットあるいは整備員の負担が増加するということもまだ変わらない事実でございます。所要の訓練量を確保することが十八機態勢ですと困難というようなこともございますので、今後とも所要の機数を確保していくという政策を続けてまいる所存でございます。
○山口哲夫君 きのうのゴルバチョフ大統領の演説等を考えましても、日ソ間の安全保障体制というものが少なくともよくなっていくというふうに考えるのが常識でしょう。そうすると、スクランブルはこれからふえますかね。私は同じようにどんどん減っていくと思うんです。そういう見方というのは正しくないですか。
○政府委員(畠山蕃君) 将来のことにもなるわけでございますが、基本的な見方としてそのような傾向になるであろうことを期待するところでございます。
○山口哲夫君 それじゃ、来年、再来年と、少なくとも二、三年間くらいは減っていったときには一個飛行隊の機数を減らしますね。
○政府委員(畠山蕃君) 大変恐縮でございますけれども、その時点におきまして、状況を見ながら判断させていただくということにさせていただきたいと思います。
○山口哲夫君 防衛庁の答弁の常用語というか、その時点で考えさせてもらうと。しかし、こういう問題は、とにかく今までスクランブルがふえてきたから機数ふやしたわけでしょう、減っていったら減らすのは当たり前じゃないですか。そんな ものは将来もし減るんであれば、当然そう考えますと答えるのが当たり前じゃないですか。その時点で考えなくたってわかり切ったことじゃないんですか。
○政府委員(畠山蕃君) 確かに、スクランブルといいますか、緊急発進回数の問題というのは編成の機数の一つの大きな要素であったことは事実でございますけれども、そのほかに錬成訓練の必要ということがございまして、航空機の高性能化とかあるいは搭載武器の高性能化、そういったようなことから錬成の必要性からくる所要の機数の確保ということもございまして、一概には今直ちにそうなったらどうというようなことを仮定の問題としてお答えするということは適当でないように考えておるところでございます。
○山口哲夫君 仮定の問題ではないと思うんです。基本的な問題だと思うんですね。長官どうですか、国民の常識から考えたら、スクランブルがふえたときにふやしたわけでしょう、減ったら減らすというのは常識でしょう。そんなものその時点で考えるものではない。基本的な考えとしてどうなんですか。
○国務大臣(池田行彦君) 平成二年度におきますスクランブルがかなり減ったのはそのとおりでございますけれども、先ほど来答弁申し上げておりますように、これは例えばチームスピリットの規模が非常に小さくなったというふうな特殊な要因に対応した部分がございます。現に、地域別に見てまいりますと、チームスピリットなんかの関係で西の方ではかなり大幅に減っているのでございますが、北部ではむしろ回数がふえておる、こういう事実もございまして、このスクランブルが減るという傾向が定着するとか、あるいは今後ますます進んでいくとは少なくともその事実を見る限りはまだ言い切れない段階でございます。 それから、さらに申しますならば、ソ連に限らずいろいろな何といいましょうか、緊張が緩和していき、そして信頼関係が深まっていくというのは当然それは大切なことでございますし、そのように努力しなくちゃいけないわけでございます。そしてまた、現在、ソ連のいろんな政治の動きであるとか国内の体制から見まして、そういったいろいろな意図の面に、気持ちの面におきまして従来よりも格段にそういった望ましい方向に行っておるということは、それはそのとおりだと思います。 しかし、現実にまだ力の方では、先ほど来申しましたように、例えば航空機一つとりましても作戦用航空機が大綱策定時に比べて一割ぐらいは上がった水準である、しかも性能はよくなっている、こういうことでございますので、意図は減ったとしてもなお力がある。そこで、具体的にこの力の方も、機数がさらに格段に減ってくるということがあるならば、これはなるほどソ連の行き方というものが事実の面でも明らかになったなということで我々としてもいろいろと考えていけると思うのでございますけれども、まだ現段階ではちょっとそこまで読み切れないというのが実情でございます。 それから、防衛庁の言い方は、そのときにいろいろ様子を見てというのがその常套句だといった趣旨の御指摘がございましたけれども、私どものあり方というのは文字どおり専守防衛でございまして、諸国の情勢、これを見ながらそれに対応していくわけでございますので、我々の方から我々はポジティブにあれこれ力を蓄えていくという方針をとっていないということで、あくまで受け身でいろいろ考えていくというのは我が国の防衛政策のあり方からして当然のことかと存じます。
○山口哲夫君 一言。これは地域別に減ったとかふえたとかという問題ではないんです。日本全体として、防衛庁として考えなければならないのであって、こっちがふえたし、こっちが減っているからなどという問題とはこれは違うと思います。
○国務大臣(池田行彦君) いや、それは全体をわかりやすく……
○山口哲夫君 全体で考えた場合に、減ってきた場合には減らすのが当たり前なんです。防衛庁に軍縮の考え方があれば、待ってましたとばかりに減らすと思うんですよ。それを、条件が出ているのに減らさないということは、軍縮に対する考えは全くない、できれば軍拡をしていきたいというそういう思想があるから我々の今申し上げたようなことに対しても全然対応できないわけです。時間が来ましたのでこれでやめますけれども、まことに遺憾であります。また、三年後やりましょう、減ったときに。
○委員長(井上孝君) 午後一時に再開することとし、これにて休憩いたします。 午後零時十二分休憩 ─────・───── 午後一時二分開会
○委員長(井上孝君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○三石久江君 私は、中期防衛力整備計画の中で、同僚議員の方々は主として正面装備のことを質問されましたので、私は後方の支援施設などについてお尋ねいたします。 今までの防衛計画といえば飛行機が何機とかミサイルだとか船が何隻とか、いわゆる正面装備が論議のほとんどではなかったかなと思われます。しかし、それら装備を動かすのは人間であり自衛官なんです。そこで、自衛官の人権を十分保障しているかどうかという観点から質問をさせていただきます。 まず、自衛隊の隊舎、宿舎などの施設についてお尋ねいたします。自衛隊の施設は旧軍隊の施設跡を使用しているのがほとんどと聞いておりますが、旧軍隊の建物を使用しているのは現在おおむねどれほどあるのかお尋ねいたします。また、隊舎も旧軍隊の建物を使用しているのかどうか、お尋ねいたします。
○政府委員(宝珠山昇君) お答えいたします。 現在自衛隊が使用しております隊庁舎の建物などでございますが、これを旧軍が使用していたというような形でのつかまえ方というのはちょっと、大変長い時間を要するものでございますので、お許しいただければ戦前という、旧軍時代ということで御説明をさせていただきたいと思いますが、そういうことで申し上げますと、昭和二十年を含めて戦前ということで整理させていただきますと、既に四十五年を経過しておるわけでございますが、約十万平方メートルに達しております。これは平成二年度末で申し上げますと、大体約四%に相当する量でございます。
○三石久江君 隊舎の方は。
○政府委員(宝珠山昇君) 隊庁舎、隊舎と庁舎一緒になっておりまして、厳密にはまだ区分できていない状況でございます。将来につきましては生活スペースと勤務スペースとを分けたいということで平成三年度からこの事業に着手しておりますが、現在はまだ、ある部分を隊舎に、ある部分を庁舎、事務スペースにということで使っておりますので厳密な区分が現在できておりませんで、先ほど申し上げましたのは隊庁舎ということで御理解賜りたいと思います。
○三石久江君 わからないほどたくさんあるというわけなんでしょうか。 そこで、隊舎ですけれども、現在使われている建物はいつごろつくられたものか、隊舎の建設年度別の面積と構造、木造とかコンクリート別とかをお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(宝珠山昇君) 大まかに分けさせていただくということでお願いをしたいと思いますが、既に建設をいたしましてから二十五年以上というものが面積にいたしまして約九十五万平方メートル、建物の棟数で三百七十九棟。これを鉄筋コンクリートづくりということで見ますと、九十三万平方メートルでございます。棟数は三百五十七棟、それから、コンクリートブロックづくりということで約一万平方メートル、棟数で十七 棟、それから鉄骨づくり、これは万に上がりませんで〇・三ということで三千平方メートル、棟数で四棟、木造が一棟だけございます。これは法規制で恒久建物を建設できないということではありますが、木造建物として改修しながら使わせていただいているということであります。 それから、二十五年未満で二十年以上ということでは、四十五万平方メートル、棟数で百四十四棟。これを鉄筋コンクリートづくりということで見ますと、約四十五万平方メートル、棟数で百四十二棟でございます。その他コンクリートづくりが若干ございます。それから、二十年未満ということでは、面積、これは平成二年度の工事が進捗中でございますので若干数字が確定できないものがございますが、おおよそで申し上げますと、約百四万平方メートル、棟数で四百三十三棟。このうち鉄筋コンクリートづくりが百四万平方メートル、棟数で四百三十二棟、それと鉄骨づくりがごく一部、一棟ございます。以上でございます。
○三石久江君 隊舎の総面積は二百四十四万平方メートルのうち九十五万平方メートル、約四〇%が二十五年以上の古い建物で、二十年以上二十五年までのものを含めると約六〇%になるということです。 そこで、「平成三年度防衛力整備の概要」四の中に隊員施策の推進、生活関連施設の充実が挙げられておりますが、隊舎の整備充実はどのように進められるのか、また平成二年度は二百八十八億円、三年度は三百五十九億円で、既設隊舎の改修と隊舎の新設を行うとありますけれども、具体的に言えば隊舎の改善では、位で言いますと、士は七人部屋から四人部屋に、曹は四人部屋から三人部屋に改修するということですが、その改修面積及び新設隊舎の面積、老朽建てかえ面積並びに経費を示していただきたいと思います。
○政府委員(宝珠山昇君) まず平成二年度について申し上げます。平成二年度は増設、それから部隊を新編するものに伴います新設などが平米数で十五万平方メートルでございます。それから、非木造の改修が約四万平方メートルでございます。木造の建てかえは平成三年度では契約額で三百五十九億円、面積で二十五万平方メートルをお願いしているところでございますが、今、区分につきましては調べさせていただきます。
○三石久江君 後から調べてお出し願いたいと思います。 そこで、二十五年以上たった老朽隊舎が九十五万平方メートル以上あります。それを一カ年十一万平方メートルの改修、建てかえでは、この計画で見ますと十年くらいはかかるんですね。新設を含めて新中期防計画の年度内ではどこまででき上がるのでしょうか。
○政府委員(宝珠山昇君) 先ほどの平成三年度予算での新設などの区分けについてまず申し上げさせていただきます。新増設など十四万平方メートル、それから老朽改修などが六万平方メートルでございます。それから平成三年度から、先ほど御指摘がございましたように、個人のプライバシーを重視した準個室化という一人当たりの占有面積の増大あるいは一室当たりの居住者の減少ということでもありますが、これを進めることに対応いたします改修を五万平方メートルということで予定いたしております。 それから、御指摘のとおり古い建物を今のスペースで建てかえあるいは改修を進めていくということになりますと十年とかそういう計算に単純にはなるわけでございますが、昭和六十年代から後方といいますか、隊員の生活、勤務環境の改善というものには努力をいたしてきておりまして、逐年スピードが上がっているところでございます。現在の中期防の期間内に何とか先ほど申し上げましたような新しい基準におおむね対応し得るものに隊舎については改修あるいは新設、増設を進めてまいりたいという希望は持っておりますが、これはこれからの年々の予算編成でお決めいただくことになるわけで、今はっきりといつまでということは申し上げられないことをお許しいただきたいと思います。
○三石久江君 自衛隊の隊員が住む家ですから、できるだけ早く完成することを希望します。 次に、冷房の新設が計画されておりますが、今まではなかったんですか。そして、これからどれほど設備されるのかお聞きします。
○政府委員(宝珠山昇君) 冷房につきましては、沖縄あるいは小笠原というところを中心に進めてきているところでございまして、ほぼ完了していると理解しております。
○三石久江君 ほぼと言われますと、沖縄と小笠原はほぼ完成なんですか。
○政府委員(宝珠山昇君) その地区につきましては、冷房を実施するという考え方で進めてきております。これはほぼ完了いたしております。 それから、今後ということでございますと、若干広めてまいりたいという考え方は持っております。
○三石久江君 大変暑い日本ですので、よく我慢したなと思うわけです。 次に、厚生施設の整備充実とありますけれども、予算を含めた具体的な内容を明らかにしていただきたいんです。
○政府委員(坪井龍文君) お答えいたします。 厚生の中で、私の担当している厚生センターというものを各駐屯地につくるようにしておりますが、これは隊内での隊員の生活の利便性の向上を図るという観点から五十四年度から始めておりますが、一カ所に食堂であるとか喫茶室、理容室等を含む売店であるとか、それからさらに談話室とか図書館等のいわゆる厚生施設を一つの建物に総合的に集中しまして、これを我々厚生センターと言っておりますが、これを全国的な規模で設置するということで逐年計画でこれまでやってきているところでございます。これまで既に八十一カ所ほどつくっておりますが、まだ何といいますか、所要としまして百カ所前後残っておりますので、これにつきましても逐年計画で実施していきたいというふうに考えております。
○三石久江君 予算を含めた具体的な内容と言ったんですけれども。
○政府委員(坪井龍文君) 国庫債務負担行為でございまして、契約ベースで申しまして約二十八億を要求しているところでございます、お願いしております。
○三石久江君 もっと詳しくお聞きしたかったんですけれども、まあ次に移ります。 次に、宿舎についてお尋ねをいたします。まず、防衛庁所管の宿舎の総数と構造、その建設年度並びに充足数をお尋ねいたします。
○政府委員(坪井龍文君) お答えいたします。 便宜、昭和四十年度以前に建設したもの、いわゆる二十五年以上たったものと、それから二十年から二十四年のもの、それから二十年末満というふうに分けさせていただきまして、一部民間の借り上げもございますが、トータルで自衛隊の官舎といたしまして五万七百五十七戸。これを内訳別に、木造宿舎というのが三千九百九十一戸、それからコンクリートブロック宿舎、これが六千二百七十八戸、それからさらに鉄筋コンクリートでできているもの、これが三万五千四百九十二戸という状況でございます。そして、充足率で申し上げれば、平成二年度末で九〇%ということでございます。 年度別で申しますと、ちょっと説明の仕方が悪くて申しわけございませんが、四十年度以前、要するに二十五年以上たっているものの戸数は四千八百九十七戸でございまして、うち、木造八百六十四戸、コンクリートブロック千五百十二戸、鉄筋二千五百二十一戸。それから二十年から二十四年経過しているものにつきましては、総戸数が一万三千八百二十二戸、うち、木造が千七百五十四戸、それからコンクリートブロックの宿舎、これが二千九百九戸、それから鉄筋コンクリート九千百五十九戸。さらに二十年末満のもの、これが総数で二万七千四十二戸、うち、木造が千三百七十三戸、コンクリートブロック千八百五十七戸、鉄筋コンクリート二万三千八百十二戸ということでございます。
○三石久江君 大変老朽な宿舎が非常に多いというふうに思うんですけれども、その建てかえ及び改築、新設の計画はどうなっておりますか。整備の数及び経費の詳細について示していただきたいと思います。
○政府委員(坪井龍文君) お答えいたします。 先ほど、冒頭先生からも御質問がありましたとおり、新しい中期防では後方施設を重視するということで、宿舎の経費というものもかなり多く計上しておるものでございますが、平成三年度から七年度までの五カ年計画で、宿舎設置戸数としまして一万六百三十戸を計画しております。 予算で申し上げますと――ちょっと済みません。(「しっかりしろ」と呼ぶ者あり)ちょっと今手持ちで総経費が出てきてないんですが、申しわけございません。
○国務大臣(池田行彦君) お答え申し上げます。 宿舎関係につきましては、中期防では、先ほど局長から答弁申し上げましたとおり一万戸余りの整備を考えておりますけれども、そのうち平成三年度におきましては、予算額で申しまして三百四十一億ということでやっておりますけれども、これは宿舎だけでなくて後方全体で申しますと、平成三年度から七年度の間の中期防の期間中に、歳出ベースで見ますと九兆一千五百億円、これで伸び率として五・九%、こうなっております。そしてまた、契約ベースで見ましても、実質平均伸率で見てたしか七・七%の伸びになっておると思うのでございます。 そういった中で、先生御指摘くださいました老朽の隊舎であるとかあるいは宿舎の整備についても進めてまいりたいと思っております。ただ、中期防中の宿舎それから隊舎についての予算額というのは、ちょっと今手持ちございませんのでお許しいただきたいと思うのでございますが、そういった中で現在充足率が九〇%でございますけれども、これは一般職の公務員の場合に私はたしか九六%だというふうに記憶しております。大変格差があるわけでございます。これが中期防で予定どおり整備されますならば、現在の各省庁の平均である九六%の水準にまでようやく到達する、こういうふうに考えております。 それから、隊舎の方につきまして、先ほど戦前のものが四%程度であるという答弁を政府委員の方から申し上げましたけれども、そのほかに戦後、自衛隊創設までに、昭和二十年代、三十年までに整備されたものも含めますとこれは大体二六、七%になっておりまして、そういった面でも非常に老朽なものを我慢して使っておるという実態であることは御指摘のとおりでございます。 さらに、厚生施設につきましても、厚生センターについて御答弁申し上げましたが、そのほかに例えばプールであるとか体育館であるとか、こういったものは厚生目的ばかりではございません。もちろん訓練等の場面に使うわけでございますけれども、やはり厚生目的にも資するわけでございます。こういったものの整備が大分おくれておりまして、なかなか進んでおりませんで、雪の降る地域では体育館等も早くから整備しておりましたけれども、西日本からそちらの方につきましては今ようやくそういったところも整備が進み出した。こういう状態でございます。 それから、冷房の話もちょっとございましたけれども、私も先般ある陸上の師団の隊舎を、見てまいりましたけれども、平均で言いますと七人部屋ぐらいと言っておりますけれども、中にはまだ八人部屋とか十人なんというところもあるわけでございます。それからまた具体的に、最近自衛隊でも婦人の自衛官がだんだんふえておりますけれども、その婦人自衛官用の隊舎ということを見ましても、一階に、しかも冷房がないのでございます。そうすると、夏など暑いんだけれども閉め切っていなくちゃいけないというので、そういった意味では随分御苦労かけているなと、こんな感じがいたしました。 そういった意味で、今後、後方、その中でも隊舎とかあるいは厚生施設、宿舎等につきましてはなるべく世間並みにまず追いつくように整備を急いでまいりたい、こう考えております。
○三石久江君 いろいろとたくさん御返答いただきました。 そこで、御返事の中に一般公務員の充足率が九六%ということに対して、九〇%を九一・三%に上げるということは平成三年度の計画で、五年後には一般公務員と同じレベルまで上げるということなんでしょうか。それと、現在のまだ不足している数、どれだけで、どう対処しているのかということをお聞きしたいと思います。宿舎です。
○政府委員(坪井龍文君) 今、長官からも御答弁申し上げましたように、一般省庁並みに九六%に達したいという計画でもって新しい中期計画で計画しております。ただ、今先生から御指摘ありました九〇%、五万何戸があるわけでございますが、九〇%ということで、その分は結局民間の宿舎を借りるとかそういったような方法で補っているということでございます。 隊員にとりまして宿舎の状況、特に都市周辺の場合には、やはり自衛隊の場合も同じようにさらに充足の状況が、個々の駐屯地によっていろいろ違うわけでございますが、厳しい状況にございますので、そういったところを重点的に取り上げながら、先ほど申し上げましたような戸数を建てて、一刻も各省庁並みに追いつきたいということで努力したいというふうに考えております。
○三石久江君 とにかく五年後には一般公務員と同じレベルにということなんですね。 そこで、次に宿舎の貸与基準についてお伺いしたいんです。宿舎の貸与基準は階級で決まっているんですか、それとも年齢、家族数で決まっているのですか。そのおおよその規格とその面積、貸与者の資格を示していただきたいと思います。
○政府委員(坪井龍文君) 宿舎の貸与につきましては宿舎関係の法令等がございまして、公務員につきましては一定の基準によりまして貸与されているということは御案内のとおりと思いますが、自衛官につきましても同じように宿舎の貸与につきましてはそういった法令等に従いましてやっております。具体的には「国家公務員宿舎関係法令等に規定する行政職俸給表(一)の職務の級に属する職員等に準ずる職員の取扱いについて」という通達がございまして、そこに示された基準によって貸与しておるところでございます。これは、基本的には先生御指摘になりました子供の数であるとか年齢とかということではございませんで、職務の階級、自衛隊の場合で言いますともちろん階級、一般職の場合だと職務の級でございますが、階級によって一応の基準というものがありまして、それに従って貸与しているということでございます。
○三石久江君 この基準を見させていただいているんですが、私は自衛隊の士とか曹とか尉とかというのがなかなかのみ込めなくて、その人たちがどういう方なのかというのを随分勉強させていただきました。 そこで、一般公務員の場合は係員、係長、課長、あるいは俸給表の一級から順次昇級するので、年齢とか家族構成に見合った宿舎が割り当てられておりますが、自衛隊の場合は階級で基準が決められる、家族構成の実情に合わない不合理が生ずるのではないかと思うんです。この見取り図で見ますと、例えば三尉までは一般公務員の三級、すなわち主任、係長クラスの五十五平方メートル以下ですから、中学生、高校生を抱えている曹クラスの方はかなり多くが不自由しているのではないかなと思うんです。貸与基準は国家公務員宿舎規則及び関係法令に示されている基準に従っているとのことですけれども、自衛隊の階級の特殊性を考慮して、階級によらない家族構成、生活の実情に合った貸与ができないものなのかと思うんですね。 私は公務員宿舎というところに入っていたことがあるんです。そのときに、自衛隊の方とPTAなんかでお話ししますと、そのときに、何の位の方かはわかりませんけれども、その奥様という方が、うちの息子には勉強をさせなきゃならない、それで息子に言うんです、お父ちゃんのようにな るよ、勉強しないとと言われたんですね。そのときはそのまま聞いていたんですけれども、一般社会でもそれはあるかもしれませんけれども、お父さんのようになるよというのはいい方向にではないんですね。ということは、とても部屋の数が少なくて、六畳二間にお勝手、そしておふろというような中に四人も五人もいる、そういう生活を今もしているのではないかな。 このbクラスというんですか、曹の方のクラスを見ると一番人数が多いんです、それで一番家族数が多いんですね。それを自衛隊の中で何とかしていただけないものだろうか。私は庶民の味方ですので、庶民がやはり幸福に過ごしていただく、憲法の二十五条にありますけれども、楽しい生活をしていただくということで、そこのところを考えていただけないかと思ってお伺いしているんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(坪井龍文君) 今の先生から御指摘があった点はまことにごもっともなことでございます。ただ、自衛隊の組織というものを考えました場合に、士の位から昔の下士官である曹の階級、それから幹部といくわけでございますが、曹の場合もまさにこれは非任期制といって一生の仕事として五十三の定年まで勤められるわけでございます、その階級で。でございますが、一番若い曹、三曹なんといいますと、これは恐らく二十一、二歳でもうその階級になるわけですね。それで大多数の曹というのはかなり若い年齢であろうと思います。 ただ、定年といいますか、定年前の方になってきますと、今おっしゃいましたように年齢もあれし、かつ子供さんも大きくなるという状況にありますが、自衛隊の場合、曹の階級の方々というのはそれぞれブロック、北海道なら北海道あるいは九州なら九州といったような大きなブロックの中での異動ということはございますが、幹部のように全国を異動するということは比較的まれでございます。少のうございます。そうしますと、曹の方々が自衛隊を一生の仕事として、これまた一番重要な自衛隊を支えている階級なんですけれども、彼らが自衛隊の職業を選んで一生をそれにささげた場合に、大体その地元に家をつくられるとか、それからまた、例えば若いときは北海道に行っていた人が九州に戻るとか、九州の人が北海道に戻るというような、郷土の方に配置がえするというようなことで比較的曹の方たちはそういう意味では御自分の家を持っていたりする場合が多いということで、今先生がおっしゃいました非常に大きなお子さんを抱えた人たちが狭いところにというのは大分解消されているんだと思います。 ただ、先生の御指摘にもありましたように、このb規格という五十五平米未満のところというのが三万戸からございまして大変多いわけでございます。しかも、これは自衛隊が草創、昭和三十年代の初めのころ、そしてさらに四十年代にかけまして急速に部隊ができたわけでございますが、そのときに宿舎をたくさん建てた。そしてまた、それは大体鉄筋であったりするわけでございますので、その大部分が現在でもまだ二十年ちょっとしかたっていないというようなことで、これを広くするのにすぐ短期間でもってそこが解消するということは――また、その当時を考えてみますと、一般の社会におきましても住宅事情というのは大変悪うございまして、五十五平米でもその当時であればそれなりの広さだったと思います。また、私どもの部隊は、先ほども充足率が低いということも御案内のように、まず戸数、必要な戸数が必要だ、質を改善して広くするという方向も当然あるのでございますが、まず戸数が必要だというようなことで、そちらに重点を置いてきたということで現在のような結果になっておりますが、今後におきましては、そういう広さの点につきましても建てかえ等において徐々に広いものを多くしていくという格好になろうかと思います。 ただ、お父さんみたいになっちゃいけないというような話につきましてでございますが、自衛隊のそれぞれ第一線の部隊の隊員、曹を中心とした隊員というのは大変、何というか健全だといいますか、我々から見ましても士気も高うございますし、立派な職業として、例えば北海道なんかの場合でも子供さんがまた自衛隊に入るというような、昔は北海道は大変少なかったので九州から隊員を割と配置するというようなことが多かったわけですが、最近は随分北海道出身の隊員もふえているというようなことでございまして、私どもとしてはもちろん処遇の改善に努めなければいかぬと思っておりますけれども、現地一線の隊員というのは健全であるし士気も高いということを申し添えさせていただきます。
○三石久江君 大変高い意識でこれからもやっていただくということは大変結構だと思いますけれども、最近の国民の生活環境というのはかなり改善されております。快適な生活を営めるように変わってきています。自衛隊といえども、最高とは言えなくてもプライバシーを侵されることのない、また自由にテレビを楽しんだり勉強する環境を望んでおることと思います。冒頭でも申し上げましたが、幾ら高価な正面装備を整えてもそれを動かす隊員が生活に不自由であったり不満を持っていては、その正面装備も宝の持ちぐされになるのではないかと思うんです。防衛庁としては、目に見えた正面装備をお考えでしょうけれども、人間を大事にすることを最優先させていただきたいと希望いたします。
○国務大臣(池田行彦君) 委員からは、先ほど来隊員の処遇についていろいろ御理解のある御質疑をちょうだいしております。また、御指摘のとおり、優秀なる装備を整備いたしましてもやはりその隊員、それを使います人間がしっかりしていかなくては国の安全保障にも万全の体制がとれておるとは言えないわけでございますから、その点はこれからも十分留意してまいりたいと存じます。 それで、宿舎の点について申しますと、先ほど来人事局長がいろいろお答え申し上げましたけれども、今鋭意その整備を進めているところでございます。端的に申しまして、例えば昭和六十一年度の予算における宿舎関係の予算は三十八億円だったわけでございますけれども、平成三年度は、先ほども御答弁申し上げましたが、これが二百三十二億円と飛躍的にと言っていいぐらい拡充させていただいております。これを新しい中期防の期間中にさらに進めてまいりたいということでございまして、後方全体としては中期防全体の二十二兆七千五百億円のうちの九兆一千五百億円を考えておるわけでございます。それに対して正面装備の方は、ほば大綱で想定いたしました水準を達成したということもございますので、更新、近代化を中心としてやりますので、五兆一千億というふうに予定しておるというところでも、先生御指摘のように、後方、つまりは隊員の処遇についてもこれから十二分に留意してまいりたいと存じます。
○三石久江君 今後じっと見ていきたいと思います。 そこで、次に平成二年五月六日の産経新聞の「オピニオンアップ」によりますと、「自衛官の命九百万円也」という見出しです。ごらんになった方も多くあると思います。非武装中立を願っていた私ではありますが、現実には自衛隊が存在しております。その自衛隊に強制されて入ったわけではなく、みずから選んで入隊した職業とはいえ、自衛隊の自衛官の待遇が余りよくない、その上きつい危険な職業だと思うわけです。昨年一月十七日の事故は、交通事故の被害者を搬送するために出動した飛行機が墜落して、三人の隊員が死亡したときの防衛庁の賞じゅつ金が九百万円だと書かれています。二階級特進して一千七百万円にすることも可能だったのですが、前例がないということで見送られたとの記事ですが、いかがでしょうか。 自衛隊が発足して以来、公務中に殉職した数は平成二年現在で八百八十四人と書いてあります。このように公務中に死亡したり負傷した場合の補償については、新聞報道の方が事実なのでしょうか。
○政府委員(坪井龍文君) 今、先生が御指摘にな りました沖縄の災害派遣中に殉職した隊員につきましては、実は九百万でございませんで、賞じゅつ金の通常の最高額でございます一千七百万円を授与しております。ただ、階級の方につきましては、一階級特別昇任、特昇ということでやっております。 それから、先ほど先生の御指摘になりました公務災害の補償につきまして、自衛隊員も当然一般職の国家公務員の公務災害補償法にのっとりまして私どもそれを適用しております。したがいまして、国家公務員としての差があるということは全くございません。 ただ、今一部賞じゅつ金という、任務の遂行に当たりまして特別に危険な状況下あるいは本来職務自体に極めて危険な要素がある、爆発物の処理であるとか航空機に搭乗して訓練するというようなものにつきましては、賞じゅつ金あるいは特別弔慰金というものが長官から授与されるという形になっておりますが、これはあくまでも公務災害の補償という形ではございませんで、功績とか公務についての危険度とか、そういったものに着目して長官から特別に授与されるというものでございます。
○三石久江君 ただいまの御答弁では一千七百万円支給したということですけれども、昨年衆議院における国連平和協力に関する特別委員会で明らかにされたように、警察の場合には公務死亡者に対し賞じゅつ金のほかに内閣総理大臣特別ほう賞金の制度があって一千万円以下の支給があり、さらに警察庁長官賞じゅつ金二千万円以下、都道府県の救慰金が二千万円から四千万円、合わせると少なくとも六千万円もの補償金があるとのことです。その際、警察官、消防に比べて自衛官の公務災害に対する補償金が一千七百万円というのはアンバランスであると思うんです。そのときの中に、防衛庁長官も鋭意検討すると述べておられます。 そこで、もう一つお聞きしたいのは、賞じゃつ金というのは私は広辞苑というのを調べたんですけれども、ないんです。あったのは「恤兵」というんですか、そこで「恤」というのは何かと思いましたら、「恤兵」の中に「物品または金銭を寄贈して戦地の兵士を慰めること。」と書いてあるんです。これはもうそろそろこういうお言葉はおやめになってはいかがかと思います。 さっきのことでちょっと続けるんですけれども、朝日新聞の本年二月三日の記事には、自衛隊員が事故などで死亡したり障害が残るような場合に支給する慰労金を大幅に増額する方針を決め、総務庁など関係省庁と協議に入ったとありますけれども、実際に協議されたのですか。また、協議の結果はどうなったのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(坪井龍文君) 今警察官、消防士という地方公務員の身分を持った者との比較でのお話がございました。先生御指摘になったのはまさに事実でございます。 ただ、先ほど来申し上げましたように、賞じゅつ金というものが直ちに災害補償というか、そういうものではないという意味で、自衛官の場合はもちろん、警察官の場合でも国家公務員としての警察官はまさに同じだと思いますし、それ以外の海上保安官だとか同じような職務をする者につきましては全く同じでございます。ただ、身分が地方公務員であるということで、地方自治体というそういった自治体からも、先ほど御指摘のような金額の賞じゅつ金であるとか救慰金とか名前はいろいろございますが、条例等に基づいて支出しているというふうに私どもは承知しております。 これは私どもその状況につきましていいというふうに考えているわけじゃございませんので、その辺につきましての、何と申しますか、非常に割り切れなさは持っているわけでございますが、ただ、理論的にその問題がどういうふうに解決したらいいのかというのは、これはもう大変難しゅうございまして、実は私どもこの問題、長官からも御指示がありまして、私どもの方に防衛庁職員給与制度等研究会という部外の大変有識者の方々の研究会が過去からあるわけでございますが、そういった研究会におきまして至急御議論をいただき理論づけをいただいたりして改善するという方向にいきたいというふうに考えているところでございます。 それで、先ほどのC130派遣の際の報道につきましては、私どもも隊員の処遇につきましては万全を期さなきゃいけないということで、これも長官からの特命がございまして、関係方面と鋭意調整しました。しかしながら、結局派遣するということに至りませんでしたので、何らかの政令の改正であるとか訓令の改正であるとか、そういうことには至っていないということでございます。
○三石久江君 余り時間もありませんので、やはり人間を大切にするということを主に置いていただきたいんです。 この問題は今回の湾岸戦争を契機にして出てきたものだと思いますけれども、平和時においても早くから決めておくべきことではないかと思うんです。私は、防衛庁、自衛隊が主に正面装備に力を入れ、後方の特に人間に対する思いやりに欠けているんではないかと思うわけです。平和な日本ですから、正面装備をだんだん減らしてもよいではないか、正面装備を幾ら充実しても、それを扱う人間の質の向上、意識の高揚がなければ、先ほども防衛庁長官がおっしゃいましたけれども、意識の高揚がなければ仏をつくって魂入れずですから、正面装備を本当に削ってでも後方、特に隊員施設の充実、処遇改善を図るべきです。湾岸戦争で今回出動しなかった海外派兵にしても、今回もまたどうなるかわからない掃海艇派遣にしても、人間を大事にしないやり方、一番大事なことを整備しないで出動だけを考えるということは人権の問題であります。このようなことでは、この産経新聞にも書いてありますけれども、パイロットが続々と離職したり、防衛大学校卒業生の任官拒否としてあらわれ、自衛隊の内部崩壊に及ぶのではないかと書かれています。中期防衛計画では後方の充実をうたっていますが、正面装備にこだわって、後方についてはまだまだ不十分と思いますので、ここで防衛庁長官の御所見を伺って、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(池田行彦君) 我が国の安全保障を万全にするためには防衛の態勢を整備しなくてはならない。しかし、その防衛の態勢と申しますのは、御指摘のとおり、装備だけではございませんで、後方も含めたバランスのとれた姿でなくてはならない、このように考えております。そして、これまでいろいろな事情で後方の方の体制の充実が、とりわけ隊員の処遇面での対策が必ずしも十分でなかったということは私どもも感じておりまして、現在、先ほどから御答弁申し上げましたように、鋭意その充実に努めているわけでございます。今後ともその方向で進めてまいりたい、このように考えます。
○三石久江君 終わります。
○永野茂門君 長官、昨日のミッドウェーなど、米海軍への感謝訪問、まことに御苦労さまでございました。ありがとうございました。 今、三石先生から後方重視の問題あるいは人の重視、さらに言えば心を大切にというようなお話がありましたが、私も後でこの件に触れますけれども、全くこれらを重視するということには同感であります。しかしながら、最初に三石先生がお嫌いになったかどうか知りませんけれども、取り上げられなかった方の正面装備の方について承りたいと思います。 湾岸戦争が終わりまして停戦が発効しました。よくこの戦争はハイテク戦争と言われております。確かにそういう面が強いわけでありますが、その核心をさらに考えてみますと、勝敗を決定したものはあるいは勝敗の大勢を決したものは、まさにミサイル戦争における勝敗が大勢を決した、こう言っても過言ではないと思います。翻って、我が国周辺のことあるいは我が国の防衛のことを考えてみましても、この件は重要な考慮要素であろうかと私は思います。 そこで最初に、我が国周辺のミサイル脅威、脅 威という言葉を使いたくなければ、我が国に対する攻撃能力を有するミサイル、こういうものの状況をどういうように防衛庁は評価しておられるか、どういう能力があるかということを含めまして伺いたいと思います。
○政府委員(内田勝久君) 委員もただいまミサイル脅威と、脅威という言葉を使うのが適当かどうか、私どももかねて御説明申し上げておりますとおり、脅威と言いますときには能力と意図と両方を考えていかなければいけません。現在、私どもは我が国の周辺に我が国を武力をもって侵略しようとする、そういう意図を持った国が現時点であるとは考えておりませんので、そういう意味におきまして、我が国が現在ミサイル攻撃を直接に受ける危険にさらされているという意味でのミサイル脅威という点については、そういうものが現在あるとは考えていない次第でございます。 ただ、ミサイルの能力という点に限って申し上げますと、我が国周辺におきましては、まず第一にソ連でございますが、ソ連がICBM、大陸間弾道弾あるいはSLBM、潜水艦発射の弾道ミサイル、そのほかにも空中あるいは海中から発射します巡航ミサイルといったものを保有しておりますし、さらに中国でございますが、中国もICBM、IRBM、中距離の弾道ミサイルでございます、それから我々MRBMと呼んでおりますけれども、準中距離の弾道ミサイルといったものを保有しておりますし、さらに中国はいわゆる海中発射の弾道ミサイルでございますSLBMについても開発中というように理解をしている次第でございます。 ただいま申し上げたような地対地のミサイルにつきましては、中国あるいはソ連の領域から我が国の本土に到達し得るそういう射程のものがあるというように認識をいたしております。また、空中とか海中からの巡航ミサイルにつきましては、これはどこまで我が国領域に近接してから発射されるかということにかかるわけでございますが、いずれにしても、これも能力という点においては我が国に直接関係してくる、そういうものでございます。 なお、北朝鮮につきましては、北朝鮮も最近地対地のミサイルの研究開発を進めているというように、そのように見られているということでございます。
○永野茂門君 我が国周辺のミサイル能力について概略のお話がありましたが、私はもう少し五百キロ以下のミサイルの脅威について詳細に分析しておく必要がある。と申しますのは、もちろん長距離のミサイルについて、いわゆる戦略ミサイルあるいは戦域ミサイルの千キロ以上のものについてはいろいろと米ソ間において交渉が持たれ、そして現実に削減も行われておる。しかし、これが戦術、戦域ミサイルの中の短距離ミサイルにはまだなかなか及んでいない。イラン・イラク戦争のときも、結局何で戦ったかと申しますと、お互いにスカッドで戦い、あるいはスカッドの改で戦い、そしてまた今度の湾岸危機においても、我が方といいますか、我々が支援する意図を決めておりました多国籍軍側を悩ましたのもスカッド並びにそのスカッドの改でありまして、今例えば北朝鮮のことを触れられましたけれども、御承知のように、北朝鮮にはスカッドが既に入っておりますし、恐らくこれを改造するだろうと思うんですね。改造は極めて容易である。しかもその命中精度はかなり高くなっている。したがって、こういうミサイル類は決して核兵器を使う必要はないのであって、通常戦力として大変な脅威を与える可能性があるわけですね。 情勢全般が確かに大きな流れとしてデタントの方向へあるいは協調の方向へ動いていることは、これはもちろんそのとおりでありますけれども、全体の流れの中でいろんなことが起こるということについて我々は見逃すわけにいかないと思うわけであります。そういう意味において、能力の分析において、私は脅威という言葉を使いたいんですが、それはやめますけれども、能力の分析において、その付近についてさらに御研究をお願いしたいと思います。 次は、こういうような周辺環境に対して我が国の対ミサイル防御能力と申しますか防衛能力と申しますか、警戒管制組織を含めまして、どういうような現状にありますか。また、新中期防でどのような整備構想あるいは検討構想をお持ちでしょうか、伺います。
○政府委員(畠山蕃君) 我が国の防空態勢につきましては、航空警戒管制部隊、警戒飛行部隊、要撃戦闘機部隊、いわゆるSAM部隊などによって構築されておりまして、レーダーサイトや早期警戒機によって侵攻してきます航空機等をできるだけ早期に発見いたしまして要撃戦闘機部隊またはSAM部隊などが目標を攻撃するということに相なるわけであります。ミサイルによる攻撃に対しましてこのような態勢で対応することになるわけでありますが、その能力につきましては、目標の態様等によって一概に申し上げることはできないところでございます。 なお、一般論として申し上げますと、御指摘のございましたスカッドミサイルのような高入射角で進入してきますいわゆる地対地のミサイル、こういうものに対処することを想定したシステムは整備しておりませんで、空対地ミサイル対処能力についても極めて限定的なものとなっているのが実情でございます。 そこで、新中期防衛力整備計画におきましては、諸外国の技術水準の動向に的確に対応するということから、防空能力のこれまでの態勢の引き続きの充実向上を図っていくほかに、例えばぺトリオットにつきまして、ミサイル対処能力、ECM対処能力等の向上を行うこととしているわけでございます。
○永野茂門君 新中期防で若干の改善を行うと、こういう構想をお持ちのようでありますが、対ミサイル防御というものは恐らくこれからの日本防衛において中心的な課題であろうと私は見ております。そういう観点から、中期防において行われる検討は迅速かつ慎重に、相反する要求でありますけれども、十分行っていただいて、早急に整備していただくように要望したいと思います。 さて、さらにいま一歩進めまして、湾岸戦争でごらんになりましたように多国籍軍が実施しました対スカッド戦闘といいますか、対スカッドミサイル対応、これの重点は、発射されたミサイルに対する防御を実施するというよりは、相手の陣地あるいは相手のミサイルサイトといいますか、これに対する攻撃ないしは反撃に重点が置かれました。これは隠ぺいされた陣地でありますとかあるいは移動式のミサイル等に対する大変に入念なシラミつぶし的な、もちろん結果的にはシラミつぶしはできなかったわけでありますけれども、入念な攻撃を行っていたことが大変に印象深いものでありました。 そこで、私どもがミサイル防衛をやる場合に、日米安保体制を堅持している我が国といたしましては、いろいろな制約からこのような対ミサイル防御に際しての敵基地などへの攻撃は米軍に依存せざるを得ないと思います。この件について防衛庁はどのようにお考えになっておりますか。
○政府委員(畠山蕃君) 今回の湾岸危機におきまして、イラクがイスラエル、サウジアラビア等の人口密集地に対しましてスカッドミサイルによる無差別攻撃を行って周辺諸国に対して脅威をもたらしたということから、多国籍軍側がイラク国内のスカッドミサイル発射機に対しまして繰り返し攻撃を行ったことは御指摘のとおり事実でございます。 我が国有事におきまして、日米共同対処行動に際し、敵のミサイル攻撃に対しましていわゆる発射基地を攻撃する作戦を実施するか否かという点につきましては、対処行動全体の推移や状況、かかる作戦が与えます影響等を十分に考慮して決められるべきものというふうに考える次第であります。
○永野茂門君 米軍のこの種能力による共同対処行動を確保するということは、私は核抑止力の確保と同じぐらいに重要なことと考えております。 その信頼度を高めるということに特段の御努力を継続していただきたいと思います。 最後に、本件に関する最後として、我が国の防衛のためには、このような対ミサイル防御能力をみずから保有し、かつまた米軍による反撃能力といいますか、攻撃能力を確実に保有するということは極めて重要でありますが、同時に周辺諸国のミサイルの軍備管理、特にその削減が必要であると考えます。 一般的に我が国周辺の軍事力と日本自体の軍事力、これは在日米軍の能力を含めまして若干のアンバランスがあり、特に最近強化されているソ連の近代兵器等の能力を考えますと、バランスが崩れたとまでは言いませんけれども、だんだん難しい状況に入ってきておると思います。特に我が国は相手国に対して直接到達するような反撃できるような力は持っていないにもかかわらず、周辺諸国は我が国に対してそれぞれの領海、領空、領土から直接ミサイル等で攻撃力を及ぼすという能力を持っておるわけでありますから、これはまさに軍備管理あるいは軍縮の要求といたしましても、まずは一方的な軍縮を要求する必要があると私は思っております。こういうことを含めまして、軍備管理等について防衛庁長官はどういうようにお考えになっているかお伺いいたします。
○国務大臣(池田行彦君) 一般的に申しまして、現在、世界が対話と協調の時代へ向かって大きな歩みを進めておる。そのとおりだと思います。そしてまた、それが我が国周辺の地域でもさらに一段と進んでいくことが望ましい。これも当然でございます。 そうした中で、今御指摘のミサイルの点につきましても、削減が実施されることが大変望ましいことだ、こう考えております。そしてまた、御指摘もございましたけれども、我が国の保有しております防衛力と申しますのは専守防衛の立場に立つものでございますし、いわば必要最小限のものであり、他国を攻撃するような力、形にはなっていない。それに対して我が国周辺には、その意図はないといたしましても、能力という面で見る限り、ミサイルも含めましてかなり高いレベルの軍事力を持っている、そういったところもあるのは事実でございますので、そういったものがまず一方的な削減をさらに進めていただくということが、この地域の安定のためにも、そしてまた我が国の安全のためにも大切なことである、このように考えている次第でございます。 そういった意味では、大きな対話と協調の時代への流れの中で、軍備管理の面におきましても、昨日のゴルバチョフ大統領の演説でもいろいろな構想等の御提起がございましたが、そういったものがさらに事実でもって進んでいくことを期待したい、こう考える次第でございます。
○永野茂門君 近い将来いろいろ持たれるであろうと思います軍備管理あるいは軍縮交渉において、一般的に今言ったような御趣旨で日本の立場を主張していただきたいと思いますし、特にその中でミサイルについては非常に一方的な能力でありまして大変なアンバランスだと思いますので、重視して措置されるように要望をいたします。 次に、国民意識について防衛庁あるいは総理府に御質問を移したいと思います。 最近数年間同じような傾向がありましたけれども、特に湾岸危機以来自衛隊の募集状況はかなり悪化しております。さらにまた、防大卒業者の任官辞退、これそのものを一〇〇%私はこれに対して拒否的な反応をするわけではありませんけれども、しかし大量の任官辞退者が出るというような状況になっています。 そこで、まず防衛庁の方にお伺いしますが、自衛官の募集状況について簡単に御説明をお願いしたいと思います。そして、将来の厳しい募集環境下において、防衛庁はどのような施策を推進していくのか、その改善策についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(坪井龍文君) 募集状況について御説明申し上げます。 平成二年度におきます自衛官の募集につきましては、陸上自衛隊の八四・五%、海空の九・四%という平均充足率、これは維持することができましたし、その人数は確保したところでございます。 しかしながら、御案内のように、最近におきます自衛官の募集というのは、これは一般の公務員の募集と同様に、民間の景気の拡大等に伴う大幅な求人の増加といったものや、最近の人事院等のあれにもあらわれておりますが、公務離れといいますか、国民意識の変化、そういったもろもろの影響を受けまして、特に私どもとしまして二士男子の中で新しい高卒者、高在生と申しておりますが、この入隊者がかなり減少しているということでございます。さらに、二年度におきまして、いろんな任用区分の応募者も元年度に比しまして約一割程度減少している、そういったような状況がございまして、大変厳しいということは御案内のとおりでございます。 さらに、将来的には我々が採用する対象となる二士男子の募集適齢人口というものが減少していくという傾向が見込まれるわけでございますので、こうしたことも今後ますます募集を厳しくさせていくんではないだろうかというふうに考えております。 そういうことで、こういった募集環境に対処するために、私ども防衛庁としましてこれまでも広報活動を積極的に行いまして隊員の募集をやっておりますが、平成二年度におきましても、就職情報誌の利用であるとか募集広報用のビデオの作成であるとか、時代に即応した新規の広報媒体の活用とか、それから地方連絡部におきましても婦人自衛官等も配置しましていろいろイメージを変えるとか、それからまた募集適齢人口の減少に対処しましては、これまでは上限が二十五歳末満であったものを二十七歳に拡大するというようなこと、それから、これは平成二年度からやったものでございますが、准曹までの生涯管理を前提とした曹候補士制度というものを創設したところでございまして、こういったことは将来にわたりまして二士男子、高在生を確保するのには効果のある制度じゃないかと思っております。 さらに、平成三年度におきましても、これまでのようなことをも含めましてさらに優秀な一般の幹部候補生等も確保したいということで、一般大学出身者を対象としました募集広報制度、例えばカレッジリクルーター制度とかそういったようなことをやったり、就職情報を積極的に大学に流したりするといったようなこと等に力を入れてやっていき、また防衛大学校におきましては、優秀な学生を確保するというような意味から入学試験の制度の改革等も始めているところでございます。 また、さらにこういったことと並行しまして、自衛隊をより魅力ある職場として隊員がその任務に誇りを持ち安心して職務に精励できるようにするために、先ほど来御議論になりました隊舎であるとか宿舎の生活関連施設の充実であるとか就職援護の充実、また、昨年度法律をつくっていただきました若年定年退職者給付金制度といったもの、それからまた平成三年度の予算におきましても、夜間の特殊業務手当であるとか乗組手当の支給率の改定等々といった隊員の処遇改善に努めておりますし、また若い隊員のニーズも踏まえまして、服装の改善であるとか営外居住枠の基準の拡大というようなことで、拘束感というのが一番負担に感じているようでございますので、そういったようなものも見直したりして優秀な隊員を確保するという施策を実施しておるところでございますが、引き続きましてそういった施策を継続して実施し、所要の人材の確保に全力を挙げたいというふうに考えております。
○永野茂門君 お答えが大変に詳し過ぎて時間がもったいないので、防大卒業者の件につきましては質問を取りやめます。 いずれにしろ、いろいろと具体的な施策をお考えであってそれは非常に結構だと思います。しかしながら、一番大事なことは、最後にちょっと触れられました防大生にしたってあるいは一般の自衛官志望者にしたって、一体自衛隊というものがどういうような魅力があるのか、あるいは使命感 を本当に感じるのか、生きがいを感じるのか、そういうことが一番基本的な問題であって、いろいろおやりになることは私は結構だと思いますけれども、その付近についてつまり防衛だとかあるいは安全保障について政府は的確に重視していくとか――過重に重視するのはよくないのでありますけれども、適切に重視していくとか、あるいはまた自衛官の地位をそれに応じてしっかりさせるとかいう抜本的な方が極めて大事なんでありまして、これはあるいは防衛庁自体がやることを越えている面が大きいのかもしれません。 さて、他方、我が国の国際的な人的貢献をやるべきだと支持する人たちでありますとか、あるいは特に自衛隊派遣を支持する、航空機派遣につきましても掃海艇派遣につきましても、あるいはもちろん自衛隊医官の派遣等につきましても、そういう人たちはだんだん国民の間では、御承知のようにふえてきております。五〇%を超す状態になってきております。 また、議員が選挙区に帰っていろいろと国会報告をやりますと、私どもも同じでありますけれども、私は選挙区というのは全国区ですから全国ですけれども、湾岸問題でありますとか国防問題でありますとか安全保障問題でありますとか日本の役割でありますとか、そういうことに対する質疑が非常に多くなって、大体時間的に、これ人によって違うわけでありますが、いろんな人の話を聞きますと、国会報告の中で六割とか七割の時間を占める、こういうような状態に変わってきておるということであります。 しかしながら、これをさらに私は日本が二十一世紀に向かってしっかりとした道を進むためには、こういうことをしっかりと定着させなきゃいけない、こう思うのでありまして、このような状況を踏まえて、我が国の防衛あるいは安保意識と申しますか、さらには国際的な役割でありますとか責任分担についてさらなる国民の理解を得ることが必要であると思います。したがいまして、政府は力強くこのコンセンサスを得、そして意識を高揚するような施策をとるべきである、こういうように考えますが、御見解を承りたいと思います。まず防衛庁長官にお願いします。
○国務大臣(池田行彦君) お答え申し上げます。 我が国の安全保障のためにも、国民の皆様方の中でその必要性についての適切な、また十分な御理解をちょうだいすることが基本であると思います。そしてまた、それは自衛隊員の士気の維持であるとか、あるいは募集、あるいは防大生の任官辞退の問題等につきましても、基本的にはやはりそういったこと、つまり国民の皆様方の中において自衛隊というものが適切に位置づけられるということが一番肝要だと考えております。安全保障面での役割はもとよりでございますけれども、いま一つ御指摘がございました国際社会において日本がどのような役割を果たすべきかという点、これにつきましても、国民の皆様方の中の議論を通じてしっかりした認識が醸成されてくるということ、しかも、その中で自衛隊が役割を果たすことがあるならばそれについても国民的なコンセンサスができていくということが一番大切なことであろう、こう考えております。 私どもといたしましても、一部に御懸念の声がございますように、何か自衛隊がやると、これがまた昔来た道に戻るのじゃないか、その突破口になるのじゃないかというふうな御懸念もございますけれども、私どもはそんなことはない。平和を愛するという日本の行き方というのは、国民の中にも、我々政治家の気持ちの中にも、また自衛官の中にもしっかりと植えつけられておるわけでございますから、そこのところは自信を持って、そしてまた安全保障の面でもあるいは国際貢献の面でもなすべきことはきちんとやってまいりたい。そのような国民世論が形成されていくことを期待したいし、私どももそういった面で努力をしてまいりたいと考えております。
○委員長(井上孝君) 時間ですから締めくくってください。
○永野茂門君 広報室長にお伺いしたいと思っておりましたけれども、時間が参りましたので御意見を伺うのはやめます。 最後に、一つだけつけ加えて終わらせていただきます。これは全然別件でありますが、ペルシャ湾での我が船舶あるいは船員の安全を確保するため、日本の掃海能力が参加して機雷処理を行うことは当然であります。また、関係国の船舶あるいは船員の安全に寄与するためにも極めて重要であると思います。米国などからの要請を待つことなく、関係国と調整して自主的かつ可及的早期に派遣していただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。
○吉川春子君 新中期防について防衛庁長官にお伺いいたします。 ソ連、東欧の情勢の激変とワルシャワ条約体制崩壊の中で、NATO諸国を中心に世界は軍縮の傾向を一層強める中で、日本政府は次期防所要経費を二十二兆七千五百億と決めて、今年度の軍事費は四兆三千八百七十億、前年度比五・五%増、こういう軍備拡大路線を突っ走っています。防衛計画大綱、そして別表作成当時はなかったF15は、P3C、イージス艦など高度の性能を備えた装備に変えながら、別表の数は減らしていません。したがって、能力も飛躍的に高まっています。一九八九年、九〇年のミリタリーバランスで、日本は先進工業国中第二番目に多い軍事費の支出国と指摘されていますが、なぜ憲法で戦争を放棄している日本が世界の軍縮の流れに逆行して軍備拡大を行わなければならないのでしょうか。
○国務大臣(池田行彦君) 我が国の防衛力は憲法のもと専守防衛に徹しまして、我が国を守るに必要な最小限の力を整備しようということで進めてきておるわけでございます。そうしてさらに、現時点におきます防衛力整備の考え方と申しますのは、デタントが非常に進んでおりました一九七六年に策定されました防衛計画の大綱、これを踏まえまして、それからその後の国際情勢の変化というものを十分勘案いたしまして進めようとしているわけでございまして、決して現在の大綱あるいは新しい中期防というものが軍備拡張の計画というものではございません。 その点は、全体としてもこれまでの中期防に比べまして伸び率がずっと落ちておる、実質平均伸び率で三%台になっておるわけでございますし、またその中で、正面については契約ベースで見ますと実質平均伸び率でマイナス二・三%になっているということにも端的にあらわれておるところでございます。 ただ、絶対額として我が国の防衛費がかなり高くつくものだという点はございます。これは御承知のとおり、我が国は徴兵制はとれないし、とっていないわけでございます。そういうこともございますし、いろんな事情がございまして、人件費であるとか糧食費であるとか、そういったものが占める比率が非常に高いということもひとつ御理解いただきたいと存じます。 そして、各国が軍縮へ進む中でというお話がございました。それはそのとおりでございます。大きな流れといたしましては対話と協調への方向に向かっておりますし、それは軍備管理の面でもそういう流れはあるわけでございますが、しかし具体的に見てまいりますと、例えば中国も先ごろ新しい年度の予算を策定いたしましたけれども、一二%を超える単年度の軍事費の伸びを予算に計上しておるわけでございますし、ソ連につきましても、たしか当初予算の段階では削減するという、伸びを抑えるという話であったのがその後修正されまして、たしか三〇%台の軍事費の増大になっておるというふうに理解しております。 そういったあれこれ考えますと、私どもの今考えております中期防による防衛力の整備であるとか、あるいは平成三年度の予算に計上いたしました防衛力が決してそういった軍備拡張なんというものじゃない、むしろ非常に節度のある防衛力の水準というものを維持していく、それに必要最小限のものであるというふうに御理解賜りたいと存じます。
○吉川春子君 二十二兆七千五百億、そして実質 三%の増、これが軍備拡大でないなどというのは、これは全然通用しないと思うんです。長官は軍事費を一千億円削減は痛手だと声を大にしてここで説明されたんですが、この一千億は、ことしは十億しか反映していないんですけれども、これはいつ反映させるんですか。
○国務大臣(池田行彦君) 私どもは軍事費を一千億削減したことはございません。防衛費でございます。
○吉川春子君 いや、軍事費ですよ。
○国務大臣(池田行彦君) 防衛費でございます。 それで、十億だけじゃないかというお話でございましたが、これは、平成三年度の予算におきましては歳出額で十億円カットしたわけでございます。そのほかに国庫債務負担行為というのがございまして、これはやはり予算総則で御審議をいただき国会のお許しをちょうだいしてそれに基づいて債務負担をしていく、つまり契約をしていくというそういう性格のものでございますが、そういった契約権限というものも含めまして千二億の削減になっておるわけでございまして、現実に平成三年度において本来契約を結ぶことができた、それが千億円分減額されているということでございますので、そういうふうにいわゆる千億円の削減というものは実質的に大変厳しい措置であり、我々はそういうことがあっても防衛力の整備にどうやって遺漏なきを期していくか、今大変頭を悩ませているところでございます。
○吉川春子君 この一千億を本当に減らすものやら減らさないものやらさえもわからないわけです。 ソ連の問題についてお伺いいたしますが、ソ連の軍事力は自国の防衛の範囲をはるかに超えている、こういう答弁が午前中もありましたけれども、今度はソ連の意図の方で言うと、意図はもう全くなくなったというふうに見るのか、しかし、意図はなくなったけれども、ソ連が能力の方で防衛庁が納得するぐらい削減するまでは日本は今の水準の軍事費の拡大を続けていく、こういうお考えなんでしょうか。
○国務大臣(池田行彦君) いわゆる意図という面について申しますと、私ども現在、我が国の周辺に日本を攻撃しよう、日本を侵略しようという意図を持っている国があるとは考えておりません。しかしながら、能力という面で申しますと、午前中も答弁申し上げましたけれども、現在極東ソ連軍が持っております能力というものは、あの地域を防衛するに必要な能力というものをはるかに超えているものじゃないかと思います。それは量的にもそうでございますし、それから質的にはますます最近充実されていると思う次第でございます。 そして、でも意図がなければいいじゃないかという御趣旨かと存じますけれども、やはり何と申しましょうか、防衛力あるいは軍事力の能力というものは、これを整備するにはかなりの年月、時間を要するものでございます。それに比較いたしますと、意図という方は比較的短時間の間にこれは変化し得るものでございますので、やはりそういった意味では、意図だけではなくて能力の方も確実に削減されるということが望ましいということは御理解いただけるかと存じます。
○吉川春子君 意図はないけれども能力はあるといえば、アメリカなんか物すごい能力があるわけですよ。アメリカの軍事費の削減も発表されておりますし、また最近外国の基地の閉鎖、縮小計画なども発表されたわけですけれども、アメリカの軍事費の削減、基地縮小、こういうものについてはどういうふうに思うわけですか。日本もまねしたらどうですか。
○国務大臣(池田行彦君) 委員御承知のとおり、我が国は米国との間に日米安全保障条約というものを結びまして、我が国の安全保障のための大きな柱としてその体制を考えておるわけでございます。そういった意味におきまして、我が国の安全を保障していくためにも米国がそういった力を持つということは大切である、こう考えております。 しかしながら、米国自体が現在の国際情勢その他を勘案いたしまして今いわゆる軍備の削減を進めておられるというのは、これはこれで、国際情勢に沿った適切な動きであるというふうに考えております。
○吉川春子君 アメリカが軍備を縮小するのは国際情勢の流れに沿った適切な行為である、しかし日本は軍備拡大をしますと。そしてしかも、中国のような、あるいはその他アジアの諸国のような、全然日本とは額も違うような少ないようなそういう国を例にとって軍備拡大の根拠にするなどということはもう本当に納得できないことで、私は新中期防衛計画なんか撤回すべきだ、この時期にこれだけの軍備を拡大するのは何事か。まして、日本はかつて侵略戦争で東南アジア諸国にも迷惑をかけていますし、掃海艇の派遣問題だって、いまだに日本の侵略の意図を全く否定し切れない、そういう声がわっと吹き出すわけですね。私、時間がありませんので、これは新中期防衛計画を撤回せよと、このことだけ要求して、次の質問に移ります。 佐世保と沖縄の間に米軍専用の海底ケーブルの敷設の問題が計画として出ていますけれども、その内容について簡単に説明していただけませんか。
○政府委員(児玉良雄君) 佐世保基地から沖縄までの海底ケーブルの敷設計画でございますが、これは米軍が現在の米軍の通信システムの能力の向上を図るために、佐世保にあります海軍施設と沖縄の慶佐次通信所の間約八百三十キロメートルを、海底ケーブルと、それから佐世保市街地におきましては県道、市道の区間の地下埋設ケーブルで接続するという計画であると承知をしております。
○吉川春子君 米軍はこれまでNTT、KDDの通信ケーブルまたはマイクロウエーブ、これを利用しているわけなんですけれども、なぜ今海底通信ケーブルが新たに必要になったんでしょうか。一九八五年にアメリカの下院で公表されました米国防総省の日本ディジタル構成計画の具体化なのではないですか。
○政府委員(大原重信君) お答え申し上げます。 米軍の運用に関することでございますので、承知いたしておりません。
○吉川春子君 承知しないで済まないでしょう、こういう重要なものを敷設するのに。承知していませんなんて言いながら、なぜその中身には協力するというような無責任な態度をとるんですか。ちゃんと説明を求めたらいいじゃないですか。 外国軍隊が他国に軍事ケーブルを敷く行為自体、通信主権、国家主権の侵害です。たとえ占領軍であっても、ヘーグ陸戦法規によれば、被占領国の海底ケーブルの押収を禁止しているほどですね。米軍の海底ケーブルの敷設は今回初めてです。日本国民にとって重要な意味を持つこういう内容について今言えないということですけれども、このケーブルの敷設ルートは漁民が操業する漁業海域を通り、陸上部分では長崎県や佐世保市の管理する県道、市道、トンネルの下を五・四キロにわたって通過する計画になっています。こういう重要な日本の国民生活にも影響するものを中身も調べずにどうぞと、それを許す根拠は何ですか、説明してください。
○国務大臣(池田行彦君) 私どもは、先ほども申し上げましたけれども、我が国の安全保障のために日米安保体制が大切である、このように考えておるところでございます。そうして、その日米安保体制の信頼性、有効性を確保するために必要な措置として今回の整備も進めておるところでございます。
○説明員(原田親仁君) 私の方から条約上の根拠について御説明させていただきます。 海底ケーブルの敷設の条約上の根拠は、地位協定第三条及び同第三条に関する合意議事録でございます。 具体的に申し上げれば、地位協定第三条に関する合意議事録第五項におきまして、地位協定第三条一項の規定に基づいて合衆国がとることのでき る措置として、合衆国が使用する路線に軍事上の目的で必要とされる有線及び無線の通信施設を構築することが認められており、これには海底電線、地中電線等が含まれる旨規定しております。
○吉川春子君 その地位協定の三条、今おっしゃった中には「それらの施設及び区域に隣接し又はそれらの近傍の土地」となっていますね。五・四キロも近傍なんですか。
○説明員(原田親仁君) お答え申し上げます。 具体的に近傍がどの程度の距離までを指すかということは、それは問題に応じて合理的に判断されるところであると思います。
○吉川春子君 結局、近傍、近くの場所という意味ですけれども、必要に応じては何キロでも構わないと、こういうことですね。
○説明員(原田親仁君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、地位協定第三条第五項におきまして海底電線、地中電線等を敷設することが認められておるわけでございますから、それを実現するために合理的な範囲内においてはそれを認めるものであるというふうに考えます。
○吉川春子君 だから、この近傍とか隣接なんということは意味を持たなくなってくるわけですね。 それで、仮にこれらの道路等を県や市が米軍に提供する場合、私たちは反対なんですけれども仮に提供する場合、米軍の取得する権利は地位協定二十四条の言う路線権ということになるんですか。米軍が取得する権利の内容です。
○説明員(原田親仁君) お答え申し上げます。 先生、今路線権というふうにおっしゃられたんですが、具体的に第三条の中には路線権という言葉は使われてはおりません。地位協定第三条の一項におきまして、米軍の施設、区域への出入りの便を図るため必要な措置が合同委員会を通ずる両政府間の協議の上とられることを定めておりますけれども、このような措置がとられた結果として米軍の出入りの便のため米側が享有する利益の実体がいわいる路線権であって、その内容は、右の米側が享有すべき利益の実体いかん、あるいはその実現のため我が国内法上とられるべき措置いかんによるところでございます。 したがって、今先生が御指摘になった点が具体的には路線権に当たるかどうかというよりも、直接には第三条一項及び第三条に関する合意議事録の第五に基づいてとられる措置、そういうふうに考えております。
○吉川春子君 ちょっと時間がないのでごまかしの答弁やめてください。 要するに、市や県の道路を使うでしょう。その下に米軍のケーブルを埋設するわけだから、それは二十四条の言う路線権、権利の中身はそういうことになるのじゃないかと聞いているんで、時間がないんですから端的に答えてください。路線権じゃなければ、じゃ何なんですか。
○説明員(原田親仁君) それは第三条一項及び第三条に関する合意議事録五項に基づいてとられる措置でございます。
○吉川春子君 日本の法律に照らすとこれは何になるんですかと聞いているんです。どういう土地の利用形態なんですか、それならば。
○説明員(原田親仁君) 具体的には、米側との協議及び地元の調整については防衛施設庁の方で行っておりますので、外務省の方としては具体的には承知しておりません。
○吉川春子君 ちょっと待ってくださいね。外務省はきのうレクに来て、路線権だって言ったんですよ。レクに来て説明したことを覆すようなことは言わないでください。施設庁にはこれから聞きますけれども、路線権じゃないんですか。じゃ路線権になる可能性もないんですか。それをはっきりしてください。
○説明員(原田親仁君) 先ほどから申し上げておりますように、海底ケーブルを敷設するということは地位協定の第三条及び第三条に関する合意議事録第五に基づいてとられておる措置、そのように考えております。
○吉川春子君 じゃ、施設庁どうぞ。
○政府委員(大原重信君) お答え申し上げます。 公道部分につきましては、道路法第三十五条に基づき道路管理者である長崎県及び佐世保市との占用協議によるものでございます。
○吉川春子君 要するに、道路の所有権は県なり市なりがあるわけですね。そういうところにケーブルを敷設するんだから、その土地の利用形態というのは路線権ということを、前、説明しているでしょう。 そうしたら、じゃ外務省に聞きますけれども、これは衆議院の沖特の委員会で昭和四十九年に答弁しています。これは沖縄の問題ですけれども、土地の使用形態として、あのときも、道路の中に埋まっているいろんなもの、それは路線権なんだと、日本語で言えば地役権なんだと。じゃこの答弁は違うんですか、修正するんですか。ちょっと時間がないんで余計なことは言わないでね。
○説明員(原田親仁君) 先生御指摘の言及された議事録、今手元にございませんので私も具体的には覚えておりませんけれども、具体的に問題に応じてそれは路線権の提供ということになるケースもあろうかと思いますが、先ほどから先生が御質問になっている今回のケーブルについては、私が先ほどお答えしたように考えております。
○吉川春子君 そうすると、防衛施設庁に伺いますけれども、道路を、所有権者は別にいて、その土地を使用するわけでしょう、米軍が。そういう場合に、じゃその道路の下にケーブルを埋める場合の使用形態はどういうものが考えられるんですか。民法上でいうとどういう権利が考えられるんですか。
○政府委員(大原重信君) お答え申し上げます。 委員御質問の趣旨が定かにつかめているかどうかはちょっと疑問なんでございますが、私どもは、佐世保市の市道でございますれば市道の占用許可、県道でございますれば県の占用許可というふうに考えております。
○吉川春子君 センヨウ許可ってどういう字です、漢字で言って
○政府委員(大原重信君) お答え申し上げます。 占める用いる許可でございます。協議でございます。
○吉川春子君 それは民法の何条にありますか、占用権というの。法律に詳しい人が答弁してね。占用権と地役権と所有権が区別つかないような答弁はやめてください。
○政府委員(大原重信君) お答え申し上げます。 まことに申しわけございませんが、道路法三十五条ということは承知いたしておりますが、今にわかに民法何条かということはちょっと浅学にして承知いたしておりません。
○吉川春子君 だめですね。ちょっとこれじゃもう全然答弁になってない。外務省も不勉強だし施設庁もだめですから、ちょっと委員長、時計とめてください、答弁になってないもの。
○政府委員(大原重信君) お答え申し上げます。 道路に線をあるいは管を埋設したり、あるいは物を置いたりという場合は民法ではございませんで、道路法三十五条による占用協議、占用許可でございます。
○吉川春子君 それはどういう効果があるんですか。例えばそれは借地契約のような債権なのか。債権的な行為ですか。
○政府委員(大原重信君) お答え申し上げます。 例えばという問題ではございませんで、これはお言葉を返すようでございますが、あくまでも道路法上の占用協議でございます。
○吉川春子君 外務省、さっき路線権的なことになる場合もあると言いましたね。それはどういう場合ですか。
○説明員(原田親仁君) 繰り返しになるかもしれませんが、地位協定上の路線権の内容というのは、右の米側が享有する利益の実体いかん、その実現のため我が国国内法上とられる措置いかんによるものでありまして、路線権なる特定概念による国内法上の権利の設定について規定したものではございません。路線権を米側に供与する手段と しては、例えば地役権の確保といったものが一つの例として考えられますが、そのようなものが具体的に事案に応じてある場合には路線権を供与する手段として考えられると思います。
○吉川春子君 そうすると、地役権というような中身になる場合があるということでしたけれども、施設庁に伺いますが、今度のケーブル埋設工事の土地の利用形態で、佐世保市なり長崎県が地役権のような形での路線権というのはあり得ないんですか。しかし可能性としてはあるんですか。なければはっきりと否定してください。
○政府委員(大原重信君) お答え申し上げます。 地役権のような形での路線権というのはちょっと私理解ができないのでありますが、これは地役権ではございませんで、何度も答弁を重ねまして大変失礼でございますが、あくまでも占用許可でございますから、占用の協議をいたしまして許可をちょうだいするということに尽きるわけでございます。
○吉川春子君 ちょっと不勉強ですね、答弁に出ていらっしゃるには。 そうしたらば、占用権の効果というのはどういうことなんですか。中身は債権的なんですか、物権的なんですか、そこをはっきりしてください。 ちょっとこれ、本当に失礼なんですよ。ちゃんとレクもしてあるし通告もしてあるのに、全然答弁になっていないんですよね。――いや、防衛庁長官、だめですよ、これは。法律論だからだめなんです、政治論じゃないから。
○国務大臣(池田行彦君) 先ほどから事務当局から答弁申し上げておりますように、本件は道路法に基づいて占用の許可を得ましてそういった敷設をするわけでございますけれども、そういった行政行為によって得られる効果というものの中身という関係からいいますと、私法上の地役権契約によって与えられるような効果と似たような、類似のものがあるということは言えると思います。しかしながら、本件についてはあくまでも行政法である道路法に基づいての占用許可というふうに考えた次第でございます
○吉川春子君 じゃ、防衛庁長官、約束してください。これはもう絶対地役権じゃないですね。いわゆる二十四条の路線権、そしてその路線権の中身である地役権、そういうような性格では絶対にないと、今度万一米軍に提供するようなことになっても。そういう性質のものだということを、じゃ約束してください。
○国務大臣(池田行彦君) 先ほどから申しておりますように、これは地位協定三条に基づくものでございますし、国内法的に申しますと、道路法に基づく占用許可によって与えられた権原でございます。
○吉川春子君 地役権的な内容を持つものではないんですね。一言でいいですよ。
○国務大臣(池田行彦君) 先ほど私が御答弁申し上げましたように、そういう占用許可という行政行為によって与えられる効果として、その中身として地役権によって与えられる効果と似たものがあり得ると、こう申しております。
○吉川春子君 これはもし地位協定の二十四条の路線権、そして前に国会で答弁しているような地役権のような中身だとすると大変な問題があるんですね。 ちょっと釈迦に説法ですけれども、地役権だったらば物権ですから、妨害予防請求権とか妨害排除請求権とかそういうものが伴うんですよ。そうするとどうなりますか。承役地の人は米軍が使用することを受忍する義務がある、不作為の義務がある。だから、その下に水道管、下水管、ガス管、あるいはいろんなものを埋めたり都市計画をやろうとしても、その物権たる地役権が物すごい権原を持っていますから、妨害予防請求権とかそういうことで、都市計画その他の住民の利益のために使うべき公の道が物すごく制限されちゃうわけですね。それから、承役地の側に故意、過失がなくても、万一地中に埋まっているケーブルその他にいろんなことがあれば、排除請求権とかいろんなものが生じるわけなんですよね。 だから、これはいわゆる路線権なのかどうか、その中身は地役権なのかどうか、これは重大な問題なんです。こういう問題についてきちんと市の方に説明をして、そしてこの土地を提供するように働きかけているんですか。それともそういう説明、論議は全然なしでやっているんですか。
○国務大臣(池田行彦君) その点につきましては、関係地方公共団体、佐世保市、長崎県等と十分協議しながら進めてまいりたいと思います。私どもといたしましては、ケーブルを敷設いたしましてそれが有効に使える、こういった状態が必要であるわけでございますから、それに必要な限りでいろいろな条件は確保してまいらなくてはなりませんけれども、しかし一方におきまして、住民の方々がその同じ道路をいろんな面で使っていかれる、あるいは地方公共団体がいろんなケースに使っていく、そういった面での必要性があることは当然でございますから、その辺は十分お互いに調整しながら妥当な解決を図っていくという方針で対処しているところでございます。
○吉川春子君 委員長、これで最後にします。
○委員長(井上孝君) 時間を調整していますから、締めくくってください。
○吉川春子君 中途半端になって残念ですけれども、これは話し合いでどうこうするというような問題じゃなくて、路線権で地役権だということになれば、当然その法的効果が決まっているわけじゃないですか。だから、そういうようなことをきちっと、話し合いでどうこうできる問題じゃなくて、隠さずにちゃんと説明すべきだと思うし、これは路線権じゃないんだなどという説明を佐世保の市議会でしているようですけれども、そういう事実に反するような説明は絶対やめてもらいたい。私たちはこういう施設を提供すること自体大問題だ、反対だということを表明して、終わります。
○吉岡吉典君 最初に、午前の論議の中で掃海艇問題は仮定の問題だということが繰り返されました。報道だと、正式決定があればすぐ出せるように内部で準備が進んでいるということですけれども、それは違うのであって、何の検討も何の準備も行っていない、完全に白紙だということですか。
○国務大臣(池田行彦君) 私が仮定と申しましたのは、答弁をするに当たって、まだこれは全体としての決定は政府として全体としてやるべきものであるから、その決定がない以上仮定の御答弁になりますと申し上げた次第でございます。 それじゃ、一体その検討をしておるのかいないのかという点でございますけれども、防衛庁といたしましても、湾岸の停戦が成った、その後一体どういうふうなことを日本としてやっていくか、そういった問題がいろいろあります。そういった中で、掃海艇を派遣して掃海をしたらどうかといった声がいろいろ各方面から出ているのはそのとおりでございますから、そういったことも踏まえながら、かねてから一般的に研究といいましょうか、そういうことがもしあるとするならばそれは事実行為として一体どういうことなんだろうか、あるいは法制面でどうだろうかという一般的な勉強は進めてまいりました。さらに、最近私の方から、決定はまだ、これは先ほど申しましたように政府全体としてなされるものでございますからあくまでそれを待たなくてはならないのでございますけれども、いろいろな状況を勘案いたしまして、従来の一般的な研究からさらに進めて具体的な面でのいろいろな検討を進めるように指示したところでございます。
○吉岡吉典君 掃海艇問題で、少し古くなりますが、日本の掃海艇が朝鮮戦争の際は明確に参加した。旧日本海軍掃海部隊が米占領軍によって戦後も引き続き温存され、当時海上保安庁に所属していましたが、これがどういう規模でどういう活動を行ったか、また死傷者は何人出たか、それの処遇はどのように行われているか、叙勲等も含めて報告してください。
○政府委員(畠山蕃君) 御指摘の朝鮮戦争当時行われました掃海業務に関しますその経緯、派遣隻 数、人員数、死亡者数等の内容につきましては、昭和六十二年に委員が提出されました質問主意書に対しまして政府から本院に提出したところでございます。 その概要について申し上げますと、第一に、その件に関し幾つかの刊行物に種々の記載がなされており、またかつて国会において議論がなされたところでもあるが、今日においては正確に事実関係を調べることは困難である等でございます。 それで限られた資料をもって判明する限りでおおよそのことを申し上げますと、二十五年十月に極東米海軍司令官から日本側に朝鮮半島の掃海業務に関する協力要請がございまして、当時日本政府が占領下にあったことでもあり、これに応じまして、海上保安庁により特別掃海隊の編成、これは計二十六隻というふうに思われますが、及びその下関集結が行われたわけであります。同特別掃海隊は、昭和二十五年十月十日から十二月六日まで朝鮮半島沿岸の各港の掃海作戦に従事いたしまして、二十七個の機雷を処理し、十二月十五日に部隊を解隊したということで、この間、一隻の掃海船が触雷、沈没し、一隻は座礁して沈没して、殉職者一名、負傷者八名というふうに、これは限られた資料からの総合的な判明する限りで申し上げるとそういうことでございます。 最後に、その処遇といいますか、それの叙勲等についてというお話がございましたが、これについては現在、私、手元で明らかでございません。
○吉岡吉典君 時間がありませんから私その叙勲の内容等をここでしゃべることはやめますが、全部きちっとわかるようになっていますからこれは調べてください。 それから、人数は何人ですか。人数だけ言ってください。
○政府委員(畠山蕃君) 千二百七十名が参加人員というふうに記録から判定されるところでございます。
○吉岡吉典君 朝鮮戦争のとき日本の掃海艇が二十六隻、千二百七十人参加した。死傷者が今一名と八名、別の資料では十八人の負傷者という数字もあります。その記録は既にこういう本でも詳しく詳細に出ているところです。 一体、朝鮮戦争の最中にこういう行動をとること、日本の憲法下でこういうことが可能であったかどうであったか。法的根拠は何ですか。
○政府委員(大森政輔君) ただいま防衛庁からお答えがございましたように、昭和二十五年十月から十二月までの間、これは朝鮮戦争に際してということになるわけでございますが、当時、機雷の掃海任務を担っていた海上保安庁の特別掃海部隊が朝鮮海域において機雷の掃海作業を行ったこと、及び、この掃海部隊の派遣というものは、当時連合軍最高司令官の指揮下にある米国極東海軍司令官の指令に基づき行われたものと私どもは承知しているわけでございますが、この根拠につきましては、我が国が当時連合国の管理下にあったということでございまして、我が国としてはこの指令に従わざるを得ない法的状況にあったということであろうと思います。
○吉岡吉典君 指令ということですけれども、指令であると断定できるからには、明白な動かすことのできない指令という形で来た証拠があるんですか。海上保安庁の三十年史では要請があったという言葉もあるので、要請だとすれば日本政府の判断であるということにもなるわけですけれども、命令、動かすべからざる命令であったかどうか。
○政府委員(大森政輔君) 私どもの理解といたしましては、法的に従わざるを得ない指令であったというふうに理解しております。
○吉岡吉典君 まあそれは論争はやめましょう。 それでは、占領下というのは、もう憲法の規定がどうあれ当時の海上保安庁法の法律がどうあれ、それに違反しようがどうしようがそれを実行せざるを得なかったと、そういうことで、憲法というのはもう名分だけであったという状況だったということになりますか。
○政府委員(大森政輔君) 占領下の法的状態、これはいろいろ意見があろうかと思いますが、リーディングケースとなりました昭和二十五年政令第三百二十五号違反被告事件に関する最高裁判所の昭和二十八年七月二十二日の大法廷判決というものがございます。委員既に重々御承知のことと思いますが、その判決中におきましては、連合国の管理下にあった当時にあっては、日本国の統治の権原は一般には憲法によって行われているが、連合国最高司令官が降伏条項を実施するため適当と認める措置をとる関係においてはその権力によって制約を受ける法律状態に置かれている、このような趣旨のことを判示しております。 したがいまして、場合により、日本国憲法にかかわりなく憲法外において法的効力を有するというような事態も存在し得たということであろうと思います。これは今から思えば非常に残念なことではございますけれども、我が国占領下においてはいたし方のない状態であったと肯定せざるを得ない法的状態であったということでございます。
○吉岡吉典君 占領下は日本国憲法も発動しなかったということです。ですから、この朝鮮戦争の際の日本海軍の掃海部隊の仕事というのは、この海上保安庁の三十年史によっても、秘密裏に行われたと、大手を振るってやれることでなかったと。国会のその後の答弁でも、総理以下防衛庁長官等がそういう事実は全然知らないという答弁が速記録に繰り返し繰り返し載せられております。私らの戦後の新しい憲法制定後に、そういう長い間公にできなかった、きょうはお認めになりましたけれども、そういう掃海艇をめぐって歴史的事実があったということを私は念頭に置いた上で、次の問題に進みたいと思います。 私は憲法制定議会のいろいろな論議をこの一、二年詳しく読んできましたが、憲法制定当時、今日の自衛隊のような、名前はどうあろうと、こういう軍事的な組織の創設というものが想定されていたとはどこからどう見ても思えません。その点、今日の解釈じゃなくて、憲法制定当時、今の憲法でそういう軍事組織の創設を想定していたというふうに言えるかどうか、これをまずはっきりさせてください。
○政府委員(大森政輔君) お尋ねの趣旨を十分に理解しかねる点もあるわけでございますが、ただいま御質問の中の軍事的組織というものがいかなるものを意味するのかということについては必ずしも定かではございません。ただ、憲法の九条第二項におきましては、陸海空軍その他の戦力を保持しないというふうに明文で規定しているわけでございまして、そのようないわゆる戦力というものを保持することは憲法制定の当初から予定していなかったものであるということは言えようかと思います。 ただ、そうであるからといいましても、自衛隊を保持することが予定されていなかったかどうかということにつきましてはまた別論でございまして、自衛隊につきましては、我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織であり憲法九条に違反するものではないということは今までもしばしば申し上げているところでございます。
○吉岡吉典君 それはその後言われていることであって、憲法制定議会の論議を見る限り、そのような答えはどこからも出てきません。自衛権の発動としての戦争さえも当時の論議の中では否定されているわけです。 じゃ、それはおきまして、次にお伺いしたいんですが、日本国憲法を制定する当時の論議から見て、当時の日本国憲法は日本が武力あるいは何らかの軍事組織による国際的貢献を想定していたとは思いませんが、この点はいかがですか。
○政府委員(大森政輔君) このお尋ねの件につきましてもただいまのお答えがそのまま当てはまろうかと思います。すなわち、憲法第九条第二項では「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」ということでございますから、そのような戦力による国際貢献というものは当時想定していなかったということはそのとおりであろうかと思います。
○吉岡吉典君 軍事的な国際貢献どころか、当時の論議を読んでみますと、憲法九条による規定というものは、日本がいつ再軍備をして再び世界の平和を脅かすかわからない、あるいは平和を愛好せざる国であるとか日本は好戦国であるというさまざまの疑惑あるいは不信、誤解があるので、そういうものを正すこと、そして日本の平和主義の立場を鮮明にするためにこういうことをやるんだとか、さまざまなことが明らかにされております。武力行使どころか、日本が積極的に国際的な政治的役割を行うことさえも遠慮して、専ら日本の平和的姿勢を示すということが大事だということが当時の論議を貫くものだと私は思っております。 さて、その上に立ってお伺いします。 自衛隊法制定当時の論議も、私繰り返し読んでみました。自衛隊法制定に当たって、自衛隊の任務として自衛隊による何らかの形での国際貢献は想定されていたかどうか。
○政府委員(畠山蕃君) 国際貢献とおっしゃる意味がどういう意味合いを持つか別でございますが、今日湾岸地域における議論を中心としてそういう場で行われております意味の国際貢献という意味でありますならば、当時必ずしも予定されていなかったと思います。
○吉岡吉典君 日本は憲法上も自衛隊法上も、自衛隊による国際貢献というふうなことは想定されていなかった。現在はどうですか。
○政府委員(畠山蕃君) 国際貢献という言葉の定義いかんでございますけれども、恐らく具体的念頭におありであろうのは九十九条の問題だとするならば、これがペルシャ湾におきます機雷の掃海という意味合いを含めて国際貢献とおっしゃるのであれば、それは現在解釈上も法文上も当然にそれが可能であろうというふうに、我々は、政府答弁は従来から繰り返し行ってきているところでもございますので、そういう意味で国際貢献の前提に立っているということであればそのとおりでございます。
○吉岡吉典君 九十九条による掃海艇の派遣が可能だ、合法的だということが従来から繰り返し答弁されているということですけれども、私はそうではないと思います。 自衛隊法制定当時、九十九条というのは、既に繰り返し議論になっていますように、第二次大戦後の、いわゆる第二次世界大戦中に投下された機雷の掃海任務であったということが繰り返し国会でも論議されております。七〇年三月十日、宍戸防衛局長の衆議院内閣委員会でそういう答弁があること、否定されますか。
○政府委員(畠山蕃君) 四十五年の宍戸答弁のことかと思いますが、この答弁があることは事実でございます。ただ、これは自衛隊法九十九条の立法経緯について述べたものと考えておるわけでございまして、これは除去の対象が前大戦残存物の処理に限られるものではないというふうに我々は現段階で考えておるところでございます。
○吉岡吉典君 現在のことはいいです。古くからとおっしゃったから、古い時代の論議を今行っているところです。 そうすると、立法の経緯は第二次世界大戦中の機雷の掃海ということで九十九条が設けられた、これは長官もこの間、予算委員会だったと思いますが、お認めになったと思います。それは確認できますか。
○国務大臣(池田行彦君) ただいま防衛局長から御答弁申し上げましたし、私も予算委員会で答弁したところでございます。 確かに立法の経緯あるいはそのころの立法のきっかけというものはそういうことでございますけれども、そのことと、この条文に基づいてどれだけのことができるかということは別であろうと考えております。そして、私どもは九十九条に基づきましていわゆる国際的な貢献という活動はできる、そういう場合もある、このように考えております。
○吉岡吉典君 現在の解釈は後で一括してお伺いします。 経緯ということですが、自衛隊法ができてから何年もたってもなお同じ趣旨の答弁があります。江崎防衛庁長官が七二年五月二十四日の衆議院外務委員会で答弁なさっている。それは今と相当違うはずですが、どういう答弁か防衛庁の側から説明してもらいたい。
○国務大臣(池田行彦君) 今御指摘の江崎防衛庁長官の答弁は、かなり長いやりとりがございますので必ずしも明確でないところもございますけれども、いずれにいたしましても、あれは当時現に戦争が行われておった、ベトナム戦争に関連しての論議であったというように承知しております。そして、現在私どもが基本的にこの九十九条をどういうふうに考えておるところかということは、むしろ、昭和六十二年の秋だったと思いますけれども、質問主意書に対する答弁書でお答え申しましたところが比較的網羅的な姿になっているかと、このように考えております。
○吉岡吉典君 やはり古い答弁は何とか避けたいらしくて、後で一括論議すると言うにもかかわらずすぐ今の解釈に行かれます。 江崎防衛庁長官は、「国連から要請がありましても、それがいかに平和的なものであっても、現在の自衛隊法に国連の任務に参加していいという任務規定はありません。」、したがってそういう掃海艇派遣という要請があっても参加できないと、こういうことまできちっと言っておられる。 国連の要請があっても、平和的であってもやらない、こういう答弁だったということはお認めになりますか。
○政府委員(畠山蕃君) 四十七年の五月二十四日の外務委員会でそのようなやりとりがあり、江崎国務大臣から今お話しのような答弁があったことは事実でございます。
○吉岡吉典君 同じ委員会では当時の佐藤総理も――同じ委員会じゃないか、昭和四十七年五月二十四日、当時の佐藤総理大臣も同じような趣旨の答弁を行っておられます。 ですから、私は以上の答弁、今その後じゃございませんよ、以上の、戦後日本国憲法を制定するに当たって軍事組織は想定していなかった、自衛隊をつくる際にもこの自衛隊による国際貢献ということは全く想定していなかった、こういう事実。そして、その自衛隊法九十九条にある掃海艇の任務というのは、法律がつくられたきっかけ、経緯、これは長官もお認めになったように、まさに第二次世界大戦中の日本周辺の機雷の掃海ということであった。これはその後も繰り返し同様の答弁が行われ、その掃海という任務での海外派遣、自衛隊の派遣というのは、これは平和的であろうと国連の要請があろうと行わないということが断定的に言われてきていた。以上の答弁のどこからも、今日憲法上も自衛隊法上も、中東に掃海艇を派遣するということが法律上可能だという答えは私は出てこないと思います。 先ほども言われましたが、最初にこれが可能だと言い出したのはいつですか。
○政府委員(畠山蕃君) 六十二年九月十八日の公明党の黒柳議員の質問主意書に対する答弁におきまして、「公海上に遺棄されたと認められる機雷について、それが我が国船舶の航行の安全にとって障害となっている場合に、その航行の安全を確保するために、これを除去する行為は武力の行使に当たるものではなく、自衛隊法上可能である」という趣旨の答弁がございます。
○吉岡吉典君 以前から答弁があったのではなく、従来の答弁が変わったのは、今答弁がありましたように六十二年。六十二年というのはペルシャ湾への掃海艇の派遣がアメリカから要請されたそのときです。つまり、従来の答弁が中曽根内閣のもとで急に変えられて、法律上これが可能だということになったということが事実じゃありませんか。これ以前にありますか。これ以前はないでしょう。
○国務大臣(池田行彦君) 決して私は政府の答弁が変わったというものじゃないのだと思います。江崎答弁あるいは佐藤答弁というときに、質疑の前提になった状況というものが、六十二年の当時 議論になったその前提、あるいは今日ただいまも御論議いただいております前提、前提あるいは想定でございますね、それとが違っているからその答弁の面でもおのずから違いが出ているのだと、このように考えております。 いわば、この九十九条に基づいて国際的な役割を果たすことができるかどうかという問題につきましては、いろいろなことがございましたけれども、六十二年当時に一応の整理ができて、概括的な政府の立場をお示ししたというふうに御理解いただきたいと思います。
○吉岡吉典君 今の答弁、これによりますと、状況の変化に応じて変更ではなくそういう解釈が出されたということのようです。 私は、これまで二、三回、憲法解釈というのは情勢の変化とともに変わっていいのかどうなのかという質問をしましたところ、趣旨は、中曽根元総理大臣及び石川前防衛庁長官も大体そういう答弁でした。私は、憲法、法律の解釈、運用というのが状況の変化に応じて次々変わる、そもそも憲法をつくるときに想定していなかったことさえもつけ加えて変わるということになったら一体本当に法治国と言えるかどうかという疑問さえ提起せざるを得ないんです。 今度の掃海艇問題は変わっていないとおっしゃるわけですけれども、そもそも想定もしていなかった、そしてそういう想定もしていなかった国際的な貢献のために従来の答弁と違ったことができるという答弁ですから、これはどう説明されても変わっていると言わざるを得ないんですが、やっぱりこれは情勢の変化に伴って行政府はそういう解釈を打ち出す、そういう運用をやる権限を持っていると、こういうふうにお考えになるんですか。
○国務大臣(池田行彦君) 情勢が変わったから態度を変えるということを申し上げているのではございません。具体的な検討なり論議の対象になっているケースと言ったらいいんでしょうか、そういったものがむしろ違っているということでございます。先ほども申し上げましたけれども、佐藤総理あるいは江崎防衛庁長官当時の論議というのは、ベトナム戦争が行われている状況のもとで、しかもたしか私の記憶では米軍が敷設した機雷を除去するのがどうかという話であった。それから、先ほど先生もちょっと御指摘になりましたが、国連の要請により国連軍に参加してというようなことを言われました。そういった想定であるならばいろいろな、我々が今考えていることとはまた違った結論も出てくるんだと思います。 現に我々現段階でも自衛隊が例えば国連軍、これ現実にはございませんけれども、憲章七章に基づく国連軍ができる、あるいはそのほかの形でのいわば国連平和維持軍でも何でもできた場合にそれに参加できるかどうかという点につきましては、憲法論議としてはこれは任務、目的が武力行使を伴うかどうかというところで判断していくべきものであって、もし武力行使を伴うということになればそれは自衛隊は参加できない。いや、自衛隊でなくても国の組織では参加できないということは政府が御答弁申し上げているところでございます。 したがいまして、同じ機雷の除去と申しましても、特定の国が敷設しましてまだその権限を放棄していないというものでございましたら、それを掃海することも場合によっては武力行使の一環というふうにみなされることもありますので、そういったケースでは現在でも私は参加できないと思います。それが今回のように完全に停戦になり、公海上に遺棄されて無主物となっているものについては憲法上も可能であるし、自衛隊法九十九条においても可能であろうかと考えている次第でございます。
○委員長(井上孝君) 吉岡君、時間ですから締めくくってください。
○吉岡吉典君 憲法上も自衛隊法上もどういう形であれ、武力行使を伴う伴わないにかかわらず、そういう軍事組織が、自衛隊が国際的な貢献をするということがそもそも想定されていないということが第一の問題です。そういう解釈を、そもそも軍事組織それ自体が持てないというところから、自衛隊容認へまず変わる。自衛隊の国際的貢献なしから国際的貢献があり得るというところに変わる。掃海艇は領海内から中東、ペルシャ湾へまで派遣できるというふうに変わってきた。こういう憲法、法律の次々の解釈によって行われようとしているのが私は今の中東への掃海艇派遣。ちょうど朝鮮戦争のときには、憲法があっても物が言えない、米占領軍の命令でやったという答弁でございましたが、今度は命令ではないがアメリカの強い要請によって血を流せという議論が盛んに行われている、そういうことの一環としてこれが行われるというふうに私は思わざるを得ません。私はそもそも憲法に反する、自衛隊法にも反するものとして、これは行わないように要求して、質問を終わります。
○太田淳夫君 今も同僚委員の方から、ペルシャ湾における掃海艇派遣問題についてのいろんな意見の開陳がございましたし、私も反対の立場でちょっと御意見を承っておきたいと思うんですね。 最初に、十五日ですか、衆議院外務委員会で海部総理は、あの地域の実情や機雷がどうなっているか、除去の必要性なり情報を集めている、慎重に対処していきたいと、こういう御発言をされたという報道がございますね。どうなんでしょうか、機雷の現在の状況について、これは外務省ですか、掌握されているんでしょうか。
○説明員(海老原紳君) イラクにより敷設されました機雷数はおよそ千二百個ということでございまして、現在、米、英、仏、ベルギー、ドイツ、サウジアラビアが掃海作業に従事しておりまして、私どもが得ておりますところでは三月末までに約三百個の機雷が処理されたということでございます。
○太田淳夫君 きのうのある夕刊を見ておりましたら、「クウェート沖の米強襲揚陸艦トリポリで米掃海部隊のベイル司令官が記者団に語ったもの」という記事が載っておりましたね。それを見てみますと、「欧米各国の掃海艇二十四隻とヘリコプター六機が進めているペルシャ湾の機雷掃海作業は十六日までに、七百三十五個の機雷を破壊したことが明らかになった。」、「まだ五百個ほどの機雷が残っていると推定している。」ということですが、これは確認されましたか。
○説明員(海老原紳君) そのような報道は承知しておりまして、事実関係を照会しておりますけれども、まだ確認するに至っておりません。したがいまして、先ほど申し上げました数字が我々が得ている最も新しい数字でございます。
○太田淳夫君 ちょっとわからないよ。もっとゆっくりはっきりとしゃべってください。
○説明員(海老原紳君) 失礼いたしました。 先ほどの七百三十五個という報道につきましては私どもも承知しておりまして、事実関係を照会いたしておりますけれども、現在まだ確認するには至っておりません。したがいまして、先ほど申し上げました三月末で約三百個処理済みであるというのが我々の得ている最も新しい情報でございます。
○太田淳夫君 今あなたがおっしゃったように、三月末の外務省の掌握でございますので、それから約一カ月近くたっておりますので大分もう掃海作業は進んでいるんじゃないかと、こう思われますね、これは素人が考えましてもね。 そこで、この記事にありますけれども、「クウェートのシュアイバ、アフマディ両港への水路は既に機雷の心配がなくなり、もうひとつのシュウェイク港への水路も間もなく掃海が完了する」と、こう司令官が記者会見で発表しているんですね。これについてはどうでしょうか。
○説明員(海老原紳君) 米国は四月四日付で、あの地域の航行につきましては依然として非常に危険であるので、もし航行する場合にはクウェート政府に通報をして調整する必要がある、場合によってはその情報等について米国としても協力する用意があるということを明らかにしておりまし て、今先生おっしゃるように、もう既に安全に入れる、自由に航行ができるというようなことになっていないというふうに承知しております。
○太田淳夫君 それも随分おくれた情報なんですね、これから見ますとね。ですから、もっと正確に調査を進めてもらわないと、もう何か来週には掃海艇派遣を決める、こう言っていますので、これ重要な問題になってくると思いますので早急に調査をしていただきたい、これは要望しておきます。 私どもの代表の同僚議員が現地に参りましたね。そこで、サウジアラビアでございましたけれども、サウジアラビアでいろいろと政府の方々ともあそこで話し合いました。石油の汚染の問題、環境破壊の問題、いろんなことを話し合いましたね。この機雷の問題についても話しましたけれども、サウジでは、既にサウジの沿岸はほとんど除去は終わった、サウジの港については安全航行ができる、こういうことをおっしゃっていまして、別に日本に掃海艇の派遣を依頼するそういう考えはない、こういうことを私どもの代表の同僚に向かって政府側として話をしているわけですけれども、皆さん方が調査された結果どうでしたか。どうですかサウジは。
○説明員(海老原紳君) サウジにつきましては、特にそのような機雷の危険があるというふうには承知しておりません。先ほど申し上げましたのはむしろクウェート以北と申しますか、上の方の、クウェートそれからイラクの方へ入る航路に沿って危険な地域があるということだと理解しております。
○太田淳夫君 そうしますと、これから掃海艇が参ります――参るかどうかわかりません、架空の話だと言いますからね。架空の話でしょう、まだ決定してないからね。しかし、日本がこれから、どうですか防衛庁、いろいろ準備をされましてこれから出発をされるわけでしょう。いろいろ聞いてみますと、掃海艇は木造船だから十四ノットですか、途中補給されたりなんかして行かれますと約一カ月先になってしまうわけですね。一カ月先になりますと、どうですか、まあ状況わかりませんけれども、掃海作業というのはほとんどもう済んでしまっているんじゃないでしょうか。終了した段階で日本が行くことはかえって、どうなんでしょうかね、褒められますか。対応が遅いんじゃないですか。どうでしょうかね。
○国務大臣(池田行彦君) ペルシャ湾におきます機雷掃海の必要性につきましては、今外務省を中心として鋭意情報の掌握に努めているところでございます。 それでまた、いろいろな報道がなされておるのは事実でございますが、そういった中で先ほど先生御指摘の報道の中にも、たしか、もうここまでやったけれどもまだ数百個残っておってそれを除去するためには六カ月ぐらいまだ要するだろうし、六カ月掃海を続けたとしてもまだ完全に安全にするわけにいかぬのだと、そういう部分もあったと存じております。 それから、先生御指摘のように、ある方はサウジに行かれてその必要性はないと言われたという話でございますけれども、また別の筋からはぜひ日本の掃海艇による掃海をしてもらいたいとかそういう話があったということも伝えられておるのも御承知のとおりでございます。そういったことを、いずれにいたしましても、よく情報を把握しながら政府全体として判断していくことだ、こう思っております。 それからまた、さらに申しますと、機雷と申しますのはやはりなかなか――ともかく当面の航路を開くための掃海は比較的短時間にできますけれども、さらにそれを、その安全性を確保するためにきちんとやっていくということになると随分時間がかかるもののようでございます。私も経験がございませんけれども、日本近海における掃海作業の経験に徴してもそういうことは言えるのだと思います。そういった意味では今後ともペルシャ湾における掃海の必要性はまだかなり長期的にあるというふうに考えております。 それから、仮に我が国の掃海艇がペルシャ湾に行く場合に木造船で十四ノットという話がございましたが、それはそのとおりでございます。掃海艇というのは、機雷にはいろんな種類がございまして、磁気機雷なんというのは鉄鋼船に反応いたしますから、これは基本的に木造船でやることになっておるわけでございます。それからまた、最高速力が十四ノットでございますのでかなりの日数がかかるのは事実でございますけれども、しかしそういった日数をかけて行きましても、まだそういった掃海のニーズにこたえることはできるという状況であるかどうかを今鋭意調査しているところでございます。 いずれにいたしましても、行くかどうかの方針はこれから最終決定する、そのためにいろいろな検討を進めたり情報の収集に当たっているというのが現在の段階でございます。
○太田淳夫君 完全な情報を収集されてから決められても遅くないと思うんです。 今いろんなところからいろんな要請があったと大臣おっしゃっていましたけれども、国連機関とかあるいは湾岸周辺諸国から自衛隊の掃海艇派遣をお願いしたい、こういう要請は具体的にどういうところからあったんですか。
○説明員(海老原紳君) 国連とか湾岸諸国から掃海艇派遣につきましてそのような要請は行われておりません。
○太田淳夫君 防衛庁長官、ここからあなたが。
○国務大臣(池田行彦君) 私が申しましたのも、国際機関等から正式にこうやってくれという要請があったとは申し上げておりません。そういうことは政府としても今まで受けておりません。しかし、先ほど先生の方のお話で、湾岸の戦後の問題についていろいろ個々に行かれた方が話をされたときに環境汚染についての協力をしてくれという話はあったけれども機雷はなかったよというお話がございましたので、それと類似の形であちらへ行かれた方にお伺いしますと、日本の掃海艇に掃海してもらうとありがたいなという話があったとかそういう話はございますということを申し上げておる次第でございます。 だから、実際にそういったニーズがあるかどうかをいずれにしても今把握すべく情報収集にも努めておるところでございます。
○太田淳夫君 ですから、もっと明確にしてもらいたいと思うんですね。例えばドイツは掃海艇派遣を決めました。そのときは、先月の二十七日にコール首相が記者会見をして、ドイツの基本法も改正しますよとはっきり発表していますね。そうじゃないですか。しかも、今回の掃海艇を派遣することは国連安保理事会のあの決定に基づいてやっているんだと明確にしているじゃないですか。あなたの今の話を聞いていると全然そんな話じゃなくて、どこからか要請があったような話だけでやっていらっしゃる。外務省の話では国連の機関から何にも要請はないとおっしゃっている。そういうきちっと明確な、やはり政府としての内外に対する、何というのか、確たる所信表明がなきゃこれはだれも納得できないんじゃないですか。
○国務大臣(池田行彦君) そういうことで私ども政府としては今各方面から情報も集め、そしてまたどういうふうに対応していくか検討をしておるところでございます。 そして、ドイツの話がございましたけれども、私の記憶では、ドイツが基本法改正も考える云々という問題は、これは掃海艇の話ではなくて、たしかNATO域外への武装部隊の派遣について基本法を改正しようかどうかという話であったかと存じております。それから、ドイツが掃海艇を派遣いたしました場合、国連云々というあれがございましたのは、これも決してドイツに対して国連から具体的な個別的な要請があったわけじゃございませんで、私も正確な番号は覚えておりませんが、湾岸問題についての一連の国連安保理の決議の中にやはりそういった事柄についての協力を求める内容がございました。一般的な決議の中でございます。それは、その決議のもたらす努力とい うのはドイツに対しても日本に対しても同じでございまして、ドイツがそれをとらえて国連の要請があるという同じ論法でやるならば、日本も国連のその決議を引用することは可能なわけでございます。 しかし、いずれにいたしましても、ドイツはドイツの基本法、それからこれはまたいろいろな法律に基づいて考えるわけでございますし、我が方は法制的な面について申しますならば、日本国憲法そして自衛隊法を初め日本の法規にのっとって考えてまいるというわけでございますし、私どもは日本国憲法並びに自衛隊法においては法律的に可能であろうと考えておる次第でございます。
○太田淳夫君 それはあなた方は可能であると考えていらっしゃる。先ほどからもいろんな政府の答弁、質問主意書の答弁をおっしゃられましたけれども、決してあれは国会全体が賛成しているわけじゃないんですね。それは行政府で決めたことです。そのことをまず申し上げておきたいと思うんです。 これも報道ですから真実であるかどうかはちょっとわかりません。池田防衛庁長官は、世論調査で結果が出た、その結果を見ましたら賛成が多数であった、だから世論を尊重するならば掃海艇の派遣をすべきじゃないかといって総理に迫ったという勇ましい記事が出ておったのでございますが、これは事実ですか。
○国務大臣(池田行彦君) この問題につきましては、先ほど申しましたように、現在総理を頂点といたしまして内閣全体でいろんな方面から分析し、検討しているところでございます。そして、いずれ適切な決定がなされると考えております。そして迫った迫らないという話でございますけれども、私はそのような迫るなんてことはいたしません。 世論調査云々という話について申し上げますならば、この掃海艇の問題だけじゃなくて、自衛隊のあり方あるいは自衛隊の役割についているんオ御論議がございました。そういったときに私は世論調査を引用させていただいたことがございます。そういった中で、例えば自衛隊機の問題につきましてもいろんな御論議がございましたが、二月の早い段階でございましたでしょうか、NHKの世論調査で初めて派遣しても差し支えないという御意見が五六%になったということがございまして、その後、やはり共同通信でございましたか、それからあとは朝日新聞あたりでも五〇%を超える御支持というのがあったと思います。そして掃海艇につきましては、産経新聞の一週間、十日ぐらい前でございましょうか、それが報道されました中で、積極的に派遣すべし、それから派遣やむなしというのを含めてたしか六二%、そして反対というのが二九%という世論調査があったと思います。 そういった一連の世論調査にあらわれた世論の流れを見まして、国民の皆様方の中で自衛隊の役割あるいは国際貢献についての考え方というものがだんだん認識が深まり御理解をちょうだいできてきているなと、そういうふうに考えている次第でございます。私どもとしても、さらにそういった御理解を深めていただきたいというふうに努力してまいりたいと思います。決して、こういうことがあったからといって海外派兵へつながるとか軍国主義につながるなんというものじゃないんだということも次第次第に国民の皆様方にも御理解ちょうだいできているんじゃないか、このように考えている次第でございます。
○太田淳夫君 先ほど同僚からもいろんな九十九条の問題についての質疑がございました。自衛隊法から見ても派遣は合法的であると答弁されているわけでございますが、自衛隊法第三条、これは本則ですから自衛隊本来の任務というものを定めていると思います。この自衛隊本来の任務規定、これはどのように理解されていますか。
○国務大臣(池田行彦君) 自衛隊の主たる任務は、自衛隊法三条にございますように我が国の防衛でございます。それとの関連で七十六条以下に防衛出動であるとか治安出動であるとか、そういった規定があるわけでございます。そういうことでございまして、九十九条以下は、これは雑則ということになっておりまして、機雷の除去の仕事であるとかあるいは南極観測であるとか国賓等の輸送であるとか、そういったものは自衛隊の主たる任務ではないけれども、自衛隊の有する能力というものを使いましていろいろ仕事をしていこう、そういうふうな規定でございますので、そういった中に位置づけられます九十九条に基づく仕事というのは自衛隊法三条とは切り離して考えてまいったところでございますし、それが適切な法律解釈であると考えております。
○太田淳夫君 九十九条はあくまでも自衛隊に後から付与された雑則と今おっしゃいましたね、仕事であって、本来の任務というのは第三条、この任務をやっぱり守ることがこれが自衛隊のあるべき姿です。 この第三条によりますと、やはり日本の領土、領空、領海に任務を限定しているんじゃないか、こういうふうに私は思っていますが、その点どうなんですか。
○国務大臣(池田行彦君) 自衛隊の主たる任務は、その三条に明記してございますように我が国の防衛でございます。そしてそれの具体的な発動として防衛出動だとか治安出動なんということが考えられるわけでございます。それが自衛隊の本来の任務でございます。したがいまして、その防衛出動なんかにつきましては、基本的に我が国の防衛でございますからその及ぶ範囲はおのずから限定されるわけでございます。 しかしながら、自衛隊のいわば従たる任務として、何といいましょうか雑則として九十九条で与えられています任務というものは、あくまで自衛隊の持つ能力を生かしてやるものでございますから、それが一体どのような範囲まで及び得るかは三条とは直接関係なく考えていくべきものでございまして、そして九十九条につきましては私どもは一種の警察行動として考え、そして我が国船舶の航行の安全等を確保するために機雷を除去する、公海上に遺棄された機雷等を除去するために作業する場合には公海にも及び得る、こう考えております。 ただ、その公海が具体的にどこまで及ぶかは個々具体的なケースに即して考えるべきでございまして、私どもはこれまで検討いたしまして、今いろいろ論議されておりますペルシャ湾の機雷の除去についてはこの九十九条の法的な根拠のもとに可能であろう、こう申し上げておる次第でございます。
○太田淳夫君 ですから、公海上のいろいろなことをおっしゃいますけれども、それは国会で認められた考えじゃないんです。行政側だけの考えでしょう。ですから、あなた方が幾ら言っても反対する立場の国民もいるわけです、その考え方に対して。 あなたはこの間横須賀に行かれましたね。あれは防衛庁長官として行かれたんですか、池田さん個人として行かれたんですか。
○国務大臣(池田行彦君) まずその前段でございますけれども、これは決して私があるいは防衛庁だけがこういう解釈を申し上げたのではございませんで、九十九条においてそういう活動ができるということは、内閣の法制の責任者でございます法制局長官も答弁しておりますし、また先ほども申し上げましたような答弁書においてもお示ししておるところであるということを御理解いただきたいと思います。 それからいま一つの、これはまた別の話でございますが、昨日私が横須賀へ参りましてミッドウェーの米軍将兵等の活動に対しまして労をねぎらいまた謝意を表したという点は、これは文字どおり素直な立場で、素直な気持ちで自然な気持ちの発露としてやったわけでございます。それは、国民の中に私と違う気持ちをお持ちの方がおありのことは否定いたしませんけれども、私は、やはり今回の湾岸危機の解決のために国連の諸決議に基づいて国際社会が結束して当たった、そしてその中でも米軍を中心とする多国籍軍は大きな役割 を果たされた、そのことを評価しそれに感謝の気持ちを持っておられる方は日本の国民の中でも非常に多いものと信じておる次第でございます。
○太田淳夫君 ですから、常にやはり国論が二つに分かれているんです、この問題については。横須賀の問題でもそうです、その場でも反対の立場の方がお見えになりましたと今あなたがおっしゃいましたけれども。 この問題もそうですね。国論が分かれている問題なんです。あなたはいろいろとお仕事のことをおっしゃいましたけれども、それは従なんです、あくまで九十九条は。第三条で規定されたものの範囲内で九十九条というのは考えるべきじゃないですか。では、九十九条にはペルシャ湾に派遣してよろしいなどと書いてありますか。海上における機雷の除去ということは明記されてますけれども、ペルシャ湾まで派遣してよろしいなんて書いてありますか。
○国務大臣(池田行彦君) 国論が分かれている云々というお話でございますと、それは私ども国民の皆様方の御意見、国論というものを十分勘案しながら行政は進めていかなくちゃいけないし、政治も運営されなくちゃならないと思います。しかしながら、一〇〇%国論が一致しなくては動きがとれないというのでは、これはやはり我が国として十分な国際社会での活動もできないわけでございますし、国内の情勢だって同じことだと思います。そういった意味で私は先ほどの世論調査なんかも注視いたしまして、国論の動向というものをよく見ておるわけでございます。 それから、国論として考えますと、まず法律論議としてどうかこうかということも大切でございますが、それと同時に実態論としてこういった湾岸の復興のためのいろんな国際的な努力の中で我が国として一体何ができるだろうか、あるいは何をすべきだろうかということをまず考えていくということが肝要かと思います。それと同時にそういった行動をすることが法制的に可能かどうかということを一方で考えるべき話でございまして、こちらだけの論議では必ずしも我が国として妥当な行動をとることにはつながらないのじゃないかと思っております。 なお、法制面についても、先ほど申しましたように、私どもは十分な法律的な根拠はあるものと確信しておる次第でございます。
○太田淳夫君 もう時間がなくなりましたので私申し上げておきたいことは、やはり第三条に戻りますと日本の領土、領空、領海に任務を限定すべきではないか、しかも本土の限定された周辺というお話もありました。専守防衛ということが自衛隊の本来の任務ですから、その範囲内における九十九条ということでなければならないと私は思います。そこでペルシャ湾まで出動ということになりますと従来の政策変更になるし、拡大解釈というそしりも免れません。したがって、先ほど申し上げましたように、この防衛の問題についてはまだまだ国論が一つにまとまっているわけではございませんので、可能な限りの国民的な合意形成のためにこれは努力すべきであると思います。 また、せんだっての予算委員会でも私申し上げましたけれども、アジア諸国のいろんな反応についてもお話をさせていただきました。日本は法治国家として、先ほどドイツの例もちらっと申し上げたわけでございますが、やはり国民の皆様方にあるべき国際貢献の話、これは私たち別に国際貢献に努めるべきではないなんということは申し上げておりません、国際貢献、これは大いに日本としての役割を果たすべきであることは申し上げております。しかし、今のままのような行政府が、国会という最高のシビリアンコントロールの機関がありながら、それよりも行政府の決定ですべてこういうことが行われてくる、拡大解釈で政策変更が行われてくるようなことでありますと、東南アジアの諸国に対してまた大きなこれは日本の軍事大国化への警戒心を呼び起こすことになるのではないかと私は考えております。 国内的にもやはり国民の大多数の皆さん方も、こういった海外派兵につながるようななし崩し的なことも行われてくるのじゃないかという懸念を持たれる方も多いわけでございますから、その点に対する配慮も必要じゃないかと思います。 ですから、私は、今回は間に合わなくても、民主的な手順とか手続を踏まえながらそういう時代の変化の中で平和憲法の精神を生かし、あるいは自衛隊法の精神を生かす、その中で国際貢献のやはりあるべき姿というのを検討していかなきゃならないんじゃないかと思います。これから将来の国際貢献のあり方について検討していかなきゃならないことは私ども十分考えておりますけれども、自衛隊の皆さんだって、せんだってここの委員会で論議がございました。使命なり、法改正になって立場が与えられて、そういう国際貢献のためにいろいろ仕事をされるときにしましても、やはり自信を持って、誇りを持って国民から送り出されていくような立場であってほしいんじゃないかな、このように私たちも考えているわけです。 ですから、今皆さん方が考えられる、政府がどのように検討されるかわかりませんけれども、いろいろ伝えられるところによりますと、私たちが先ほどから申し上げておるような法の拡大解釈によって、非民主的な手続によって行われてしまうということはこれは避けるべきではないかと思っております。その点ひとつ最後に御意見伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 私どもも先ほど来申し上げておりますように、国民の皆様方の考え方も十分踏まえながら、そうして国際社会で日本が果たすべき役割を果たしていくべきものと思います。そういった意味でこれからも国会で幅広い御論議をちょうだいして、そういった国際的にどういうふうに対応していくかという一般的な考え方というものをぜひ早急にまとめていただきたいな、こういうふうに考える次第でございます。 しかし、本件に、本件と申しますか先ほどから御論議の掃海艇の問題につきましてはこれはこれとして、法律的には先ほど申しましたように決して拡大解釈とかそういうものじゃございません、これは私は十分な根拠があるというふうに考えておるわけでございます。 それから国民の世論だけではなくて、各国、とりわけアジアの近隣諸国に対するいろいろな配慮が必要である、それはそのとおりでございます。私どももそういった御理解を得るようにこれまでも努力しておりますし、そうして、押しなべて申しますと、いろんな議論がある中で、アジアの諸国、一部の国を除きまして、少なくとも政府当局は、これは仮に自衛隊が国際貢献のために外へ出ていくことがあったとしても、決してそれが派兵につながるとか軍国主義につながるというものじゃないんだと、とりわけ現在のように湾岸の停戦が完全になった時点においては、それをどうするかは日本の自主的判断にまつものだと、そういう考え方がアジアの諸国においても大宗になっているというふうに私どもは見ております。 これは、いろんな報道じゃなく、外務省から聞いておりますし、私自身もつい一週間ほど前にもフィリピンの国防長官といろいろお話をしましたけれども、むしろラモス国防長官の方から、私の問いかけに対してではなくて、先方から、こういう状態の中でもし自衛隊が役に立つことがあるならばそれはいいことじゃないかと、それは日本で自主的に御判断なされればいいことだと、こういうふうにはっきり明言されておったということを申し上げさせていただきます。 いずれにいたしましても、私どもは国民の皆様方の御意見も大切にし、また国会の御論議も十分大切に考えながら行政も運営していくつもりでございます。
○磯村修君 日ソ間の信頼醸成措置の問題につきまして長官にちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、「平成三年度以降の防衛計画の基本的考え方について」という文書の中に、「アジア・太平洋地域の情勢は、欧州と比較してより複雑ではあるものの、この地域でも米ソ関係の変化の影響も受けつつ、緊張緩和の方向に向かっての積極的な動きが見え始めている。」ということが書か れておりまして、「米国、ソ連、中国及び我が国の間の関係が、この地域の平和と安定にとり一層重要となりつつある。」、このように書かれております。 きのうの国会でのソ連のゴルバチョフ大統領の演説の中で、ソ連が軍事問題について日本と具体的な対話を開始する用意がある、このように述べておるわけですね。そういう意味合いにおいて、先ほど来一連の長官のお話を聞いておりますと、まだ非常にソ連に対する警戒心と申しましょうか、そういうふうな雰囲気が、お考えがあるかのように受け取れるんですけれども、やはり互いの信頼というものを持ち合って初めて平和というものは確立されていくと思うんです。そういう意味合いにおいても相手をよく知るということが必要であるわけなんですけれども、これからの長官のこういう問題に対する見解というものをまずお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(池田行彦君) 私も基本的に対話と協調の時代に向かっての大きな流れというものがこのアジア地域においても進んでおるというのはそのとおりだと考えております。そしてまた、そういった中で日ソ間におきましてもいろんな面での交流なりを通じまして信頼関係が強まってくるというのは望ましい方向だ、このように考えているわけでございます。 ただ、それが防衛、あるいは向こうで言いますと軍事面でございましょうか、そういった面でどういうふうにそれをやっていくかということになりますと、先ほど来答弁申し上げておりますように、アジアの場合はまだいろいろ複雑な要素がございますし、政治的な面でいろいろまた解決しなくちゃいけない問題、積み上げなくちゃいけないステップがあるだろう。だから、そういうものをまず積み上げて、それをにらみながらミリタリーの面でのいろんな交流は追っかけていくべきものだ、こう考えている次第でございます。 したがいまして、私が申し上げているのは、いろんな御提案がございましても、それがまだ具体的に中身がわかりませんから何とも申せませんけれども、そういった一般的な情勢からかけ離れて飛び上がった形で例えばきちんと正式な仕組みをつくるというのはまだ早いんじゃないのかな、事実上の例えばバイのいろんな交流というのは情勢を見ながら少しずつやっていくというのは、これは必要なことだと考えております。
○磯村修君 そこで、具体的な問題としまして、昨年、前のソビエトの外務大臣でありましたシェワルナゼさんが日本にいらっしゃいましたですね。そのときに八項目にわたる提案をなさっております。この八項目の提案につきましても、やはり僕は積極的に対話を推し進めていくという一つの提案に対してこたえていく姿勢が必要じゃないか、こういうふうに思うんです。この一つの提案としては、軍事的あるいは政治的な問題を話し合うとか、あるいは大規模な軍事演習の相互通報とか、射撃演習のための一定水域間の閉鎖とかの事前措置、こういう八項目にわたっていろんな提案をしているんです。こういう八項目の提案については、防衛庁としては対応できるお考えをお持ちでしょうか。あるいは、もしそれができないとすれば一体どういうことが障害になるのかということをお伺いしたいんです。
○国務大臣(池田行彦君) 私ども基本的には、先ほど申し上げたようにいろいろ情勢を見ながらまずそういった交流なり対話も進めていくべきものと考えております。ただ、八項目の中にもいろんなことがございますけれども、一つはそういった対話を強めていくという手段、話でございますね。それからいま一つは、いろいろ情報を公開していくというような面もございます。 しかし、例えば情報公開の方でも、我が国の方は御承知のとおり防衛白書でかなりの面まで公開しておる、あるいはこのように国会の審議を通じて透明度がずっと高くなっているわけでございますけれども、残念ながらソ連の場合、最近少し透明度が高くなったと申しましても、まだまだわからないところが多いわけでございます。だから、そういった情報の透明度を高めるという話についても、さあ始めましょうというんじゃなくて、今の状態を見ますと、私どもも随分開いていますよ、だからソ連の方もおやりください、そういった中で将来我々として協力できることがありますかどうかということを考えるということではないかと思います。 それから、対話の方につきましても、私ども先ほども申しましたように、事実上の対話はだんだん考えてまいりたいと思います。具体的にも、先般私ども、防衛庁の現職の職員ではございませんけれども、顧問、前の事務次官をされた西廣さん、ソ連の方もおいでになりまして、これもソ連の政府ではないけれども、研究所の方々ともいろいろお話しいただき、いろいろな情報の交換もしておる。また将来的には現職の防衛庁の職員、あるいは場合によっては自衛隊の隊員も含めてそういうふうなことはあり得るのかな、私はこう思っています。また、そういったことを一つ一つ積み上げていった上で正式なフォーラムだとかスキームというものは考えるべきじゃないか、こういう感じでございます。
○磯村修君 こういういろいろな動きがせっかくあるわけですから、できるだけ胸を開いて話し合える機会をつかんで、やっぱり平和への貢献といいましょうか、そういうことをしてほしい、こういうように私は思います。 この問題につきましては、日本の場合は日米安保条約というものもありますし、現実に駐留軍もいるわけです。そういう面を考えて、八項目の提案があったということに対して日本としてはどうするかというふうな問題につきましてアメリカ側と協議したことはございますでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 一般論として申し上げますと、信頼醸成措置といったようなことも含めまして、日ソ間の安全保障上の問題につきまして個別具体的な対応を検討するに当たりまして、我が国と同盟関係にございます米国の考え方、立場といったものを念頭に置くということは当然のことと考えているわけでございますが、今お話しの八項目のソ連側の提案についての具体的な協議というのは行った事実はございません。
○磯村修君 次に、新中期防につきましてお伺いしたいんです。 防衛大綱という非常に難しい中身なんですけれども、私どもだれにでも大綱をわからせてほしい、こういう意味合いで、大綱の水準というものは一体どういう意味なのか。あるいは、水準達成されつつあるとか達成されるとか言われますね。こういう状況はどういう状況を指して言っているのか、その辺が理解に苦しむところなんですけれども、一般の人たちにわかりやすくその辺説明してほしいんです。
○政府委員(畠山蕃君) 大綱に定める水準とはいかなる意味かという御質問だと思いますが、これはまず量的には大綱別表がございます。別表に示されております規模を備える、規模のことを量的な大綱の水準というふうに言えるかと思います。それから、それだけですと量だけでございますから、そうすると質としてはどういうことになるかといいますと、諸外国のそのときどきにおきます技術水準の動向に対応し得るもの、これもそういう技術水準の動向に対応し得るものであるべきことは大綱の文章それ自体に示されておりますので、それを受けまして諸外国の技術水準の動向に対応し得る質のものということで、質掛ける量というものが全体としていわば正面装備に関する大綱の水準ということに相なろうかと思います。 ただ、我が国の防衛は大綱の水準をおおむね達成すると言った場合に、必ずしも正確にそこが使われているというばかりではございませんで、全体としての大綱の水準といいますと後方部分も含むことに相なるはずでございますので、その場合には必要な後方支援体制等、大綱それ自体の文章に書いてありますが別表には書いてない、その部分も含めましてそれも到達しているということが必要であるということになるわけでございます。 正面装備について言いますと、主たる正面装備 については別表に記載されている量が確保され、かつ近代的な技術動向に応じた質のものが装備されているという状況が正面装備についての大綱水準達成の状況というふうに考えられるところでございます。
○国務大臣(池田行彦君) ただいまの局長の答弁、極力かみ砕いて説明しておったようでございますけれども、やはり専門家でございますから、必ずしもわかりやすいということでなかったと思います。私の方はアマチュアとプロとの中間でございますので、私の言葉で言わせていただきますと、まず基本的に日本の防衛力のあり方というものは、これは憲法その他で専守防衛でございますね。まず外へ出ていくということはないんだ、外を攻撃することはない、外から攻められたときにこれを守るんだ、これが基本でございます。それが日本の防衛力を考えますときの基本でございますでしょう。しかも、そういった日本の国の安全を確保する上でも、日本独力でそれに十分対抗できるだけの力を持つというのは、これは考えていないわけでございます。そのために日米安全保障条約というのがございまして、場合によってはアメリカの力もかりるということにしております。 それじゃ、日本独自でどれだけの力を持つのかと申しますと、これが平時において十分な警戒態勢がしける、こういうことを一つ考えております。さらに、有事といいましょうか、外部から侵略がある、しかしその侵略も極めて限定された小規模なものについては日本の防衛力、自衛隊だけでまず対応しよう、それがさらに大きなものになれば米国の来援を求めるという、そういうふうな考え方に立っているのが一つでございます。 しかし、そういった考え方の防衛力といいましても国際情勢によっていろいろ変わってくるんじゃないか。それに、今防衛局長が申しましたよつに、各国の持っております軍事力、そういった水準なり性能に応じていろいろ変わってくるだろう。そういうことを十分見まして整備をしていこうということでやっているわけでございます。 それが正面装備の方、簡単に言いますと、武器だとか艦艇だとか戦車とかいう面においては大体考えているところまでいったなということで、これからは各国の技術水準なんかもいろいろ動いてくるでしょうから、それを見ながら更新、そして近代化もそういう対応をしながらやっていくぐらいでとどめようと。それからさらに、そういった正面装備というものが十分に機能するためには、やはり後方と申しますが、情報であるとか通信であるとか、あるいは隊員の体制を整備するために処遇問題も含めましてきちんとバランスのとれた作業をやっていこう、こういうふうに考えている次第でございます。
○磯村修君 その辺はよく理解できるんですけれども、問題は正面装備、やはり水準というのは正面装備と後方、これがいわゆる均衡、バランスがとれて初めて私は大綱の水準というふうに言えると思うんです。そうしますと、今まで水準水準と言われておりますけれども、本当は装備が先行して水準以上のものになっているんじゃないか、こういうふうに私は理解するんです。恐らく多くの方もそう理解しているんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(池田行彦君) 御指摘のとおり、正面と後方とがバランスがとれて初めて十分な機能を発揮するものでございます。しかし、正面が突出していてという御指摘でございますけれども、そういう考え方で申しますと、我々は防衛力の大綱で定めた防衛力の水準、特に正面装備についてそれがようやく概成された水準に達したと思っておりまして、むしろ後方の方は厳格に言いますとまだ少し足らないかな、こういう感じでございますので、こっちが突出しているというよりも後方がちょっとおくれているな、こんな感じでございます。
○磯村修君 そういう意味からいきますと、何といいましょうか、正面が先走って水準以上になってしまって、それから今までお金をかけなかった後方がおくれている、それをもう少し上げようと。非常にアンバランスな結果が今生まれているわけです。新中期防でもって今度はバランスをとるようにするわけでしょう。そうでしょう。 例えば、先日も私お伺いしたんですけれども、自衛隊の隊員の充足率というものが装備に対する充足率というものより下回っているわけですね。そういう意味合いにおいてもやはりこれは隊員と装備というものがバランスがとれて初めて水準じゃないんでしょうか。
○国務大臣(池田行彦君) 正面と後方のバランスをとらなくちゃいけない、それはそのとおりなのでございまして、そういった意味で若干後方がおくれているかなと思いますので、新中期防では後方を重視してまいります。先ほども申しましたけれども、二十二兆七千五百億円のうち後方に九兆一千五百億円、正面装備には五兆一千億円、こう予定しているわけでございます。それはそういう御理解をいただきたいと思います。 ただ、隊員の充足率という点は、これは必ずしもおくれていると我々は考えておりません。これは特に陸上自衛隊に典型的にあらわれるわけでございますけれども、これはやはり師団を幾つ持つ、それでその師団にはどういうふうな装備をもってどういうふうな編成でやるというのを考えまして基本的な防衛力を整備してまいるわけでございますけれども、これは平生から常にそういった装備を一〇〇%活用するような隊員を持っていなくちゃいけないというものじゃございませんで、それは有事のときにそれがきちっと充足できればいいんで、平時にはある程度これを少ない充足率でやっていくというのは我が国自衛隊に限らずどこでもやっておることでございますので、そのことは決して後方の方がおくれておるということではないと考えています。
○磯村修君 例えば別表に数字が表記されていない以上の装備もあるわけなんでしょう。例えば戦車等にもそういう数字があるんじゃないでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 御質問の趣旨、必ずしもよくわかっているかどうか自信がないわけでございますけれども、別表にない装備については大綱との関係で問題があるという御趣旨だとしますと、この大綱の別表といいますのは、各自衛隊の基幹部隊、主要装備等をまず掲げまして、我が国の保有すべき防衛力の具体的規模についてその枠組みを明示しているわけでございます。そして、これに基づきまして主要な必要な装備につきまして別表に掲げているということでございます。 ただ、御指摘のように、お話の中にもございました陸上自衛隊の場合には若干別表の性格も違っておりまして、陸上自衛隊はむしろ中心となるものが人である、あるいは隊であるということでございますので、陸上自衛隊については人間の数、十八万人というものが示されておる。しかも、十三個師団というようなことが示されておる。それに比べてそれに必要な例えば戦車といったような主要であるにもかかわらずその装備品は示されていない。他方、海空につきましては中心となりますものが人というよりもむしろ武器、装備品であるということから、その主要な装備品について数が定められておる。こういうことで若干の示し方の違いはございますが、主なるものについてそれぞれについて別表に掲げてあるということでございます。
○磯村修君 今回の新中期防は二十二兆七千五百億円ですけれども、その中身、いわゆる純粋な中期防自体の総額、それから正面装備とかあるいは後方人件費等の経費というのは大体幾らぐらいになるのかお伺いしたいんです。
○政府委員(畠山蕃君) 今回の新中期防におきます全体二十二兆七千五百億のうち人件・糧食費が八兆五千億円、正面装備が五兆一千億円、後方が九兆一千五百億円という内訳になっているわけでございます。
○磯村修君 それから、装甲車が七三式装甲車あるいは装甲戦闘車、指揮通信車、偵察警戒車の四種類で、合計二百十八両整備するわけですね。総 額が五百億円ということなんですけれども、この四種類の内訳というのはどういう内容なんでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 内訳を申し上げますと、八九式装甲戦闘車四十六両、七三式装甲車七十三両、八二式指揮通信車六十六両、八七式偵察警戒車三十三両で合計が二百十八両というのが一応の計画をつくりました際の念頭にありました内訳でございまして、もちろんこれは具体的には各年度の予算の編成に際しまして精査の上決定されることになるわけでございます。
○磯村修君 それから、海上自衛隊の、ある雑誌記事によりますと、そのほかの艦艇として二十隻三千億円ということだそうですけれども、その内訳が、掃海艦が三隻、掃海艇が七隻、それから掃海母艦二隻とか、練習艦一隻、ミサイル艇三隻、輸送艦一隻、敷設艦一隻、試験艦一隻というふうなことが書かれているんですけれども、こういうことは事実かどうかお伺いしたいと思います。
○政府委員(畠山蕃君) 若干今お話しになった数字と違うように思いますので、これもまさに計画の策定に当たって念頭に置いていた内訳ということで、あくまで参考として私の方から申し上げさせていただきますと、掃海艇が十隻、掃海母艦が二隻、輸送艦が一隻、練習艦一隻、ミサイル艦四隻、試験艦一隻、敷設艦一隻で合計二十隻ということでございます。
○磯村修君 こうした資料をやはり私たち勉強する、あるいは中身を検討していくためにもできるだけ詳しい資料というものを欲しいなというふうな印象もあるわけであります。聞くところによりますと、五三中業とか五六中業のときにはもっと補足資料というものがかなり出ておったという話も聞いているんですけれども、新中期防の場合はそれと比較しますとちょっと不足しているんじゃないかというふうなことのようなんですけれども、何か公表できないような理由があるのでしょうか。
○政府委員(畠山蕃君) 前の中期防に比べまして今回特段同じようなことで公開できないような事情というのはございません。ですから、極力出し得るものは御提出申し上げたいというふうに思っているわけでございますが、ただ、前回のに比べてとおっしゃった意味ではどういうことかよくわかりませんが、前回も恐らく国会での御議論を経て、その中で御提出申し上げたいというものも中にはあろうかと思います。したがいまして、どういう御指摘を受けてということを踏まえまして、極力努力させていただきたいと思いますことが一つでございます。 それからもう一つは、先ほど来申し上げておりますとおり、計画の内訳に入りますれば入りますほどそれはあくまでも参考ということで、計画の前提として念頭に置いたという程度の意味合いしか持たなくなってくるわけでございまして、あくまでも計画でございますから、将来各年度において決定されます予算としてそういうものと同じものが内訳として定まるかどうか、あるいは特に単価等も含めまして、そういったようなことが必ずしも自信を持てないといいますか、性格上そういう種類のものではないということから、必ずしも十分な公開性、透明性がないというふうなお感じを受けることもあろうかと思いますけれども、そういうことでございますので御理解を賜りたいと思います。
○磯村修君 防衛ということにつきましては非常に国民の皆さんも関心を持っているわけですから、できるだけ情報を公開できるような方向でもって検討してほしい、このように思います。 それから最後にお伺いしたいんですけれども、以前から論議されておりますところの空中給油機ですけれども、これは今も検討をなされているんでしょうか。新中期防の中ではこれは導入しないというふうに受け取ってよろしいんでしょうか、お伺いします。
○政府委員(畠山蕃君) 新中期防の中で空中給油機を導入するという計画にはなっておりません。新中期防におきましても引き続きその有用性等について検討するということになっておるところでございます。 大変恐縮でございますが、先ほどその他の艦艇の内訳でちょっと間違った数字がございますので訂正させていただきます。掃海艦十隻と申し上げましたが、掃海艦三隻、掃海艇七隻の間違いでございます。あとはそのとおりでございますが、ミサイル艦と申し上げましたが、ミサイル艇でございます。大変恐縮でございます。失礼いたしました。
○磯村修君 はい、わかりました。
○田渕哲也君 ゴルバチョフ大統領がソ連の元首として初めて訪日をされ、首脳会談が行われました。また、国会での演説の中でも触れておりますけれども、ゴルバチョフ大統領はソ連の新しい軍事ドクトリン、それからソ連の極東における軍縮、それからさらにアジア安保に対する構想等、演説の中でも触れましたし、また首脳会談でも触れられたようでありますけれども、平和攻勢という言葉は適切ではないかもわかりませんけれども、やっぱり一つの平和構築のための戦略を持って日本に来られておると思います。 ただ、日本政府は、ゴルバチョフ大統領に対して日本としてどういうような平和戦略なり構想を持ってこの会談、ゴルバチョフ訪日に臨んだのか、これは本来なら海部総理に聞くべきことかもわかりませんけれども、防衛庁長官もそういう相談には乗っておられると思いますので、防衛庁長官からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 今回ゴルバチョフ大統領が訪日されまして、昨日の国会演説もそうでございますけれども、首脳会談等を通じましても、極東あるいはアジア地域のさらなる安定のためにいろいろなお考えをお述べになり、またいろいろな構想を明らかにしておられるところでございます。そして、私ども日本政府といたしましても、世界全体の大きな対話と協調の時代の流れの中でやはりアジアでも、そしてまた日ソ間におきましても信頼関係が強まってくるということは大切なことだと考えております。 しかしながら、私ども防衛庁が関与する部分になりますと、先生御承知のとおり、アジアの地域においては政治的な面でまだまだ踏まなければならないステップがあるんじゃないかということを考えておりまして、まずそちらの方の進みぐあいを見ながら、我々も一つ一つ考えていく、対応していくことかな、このように考えておる次第でございます。何せ日ソ間におきましてはまだ北方領土の問題も未解決のままあるわけでございますので、これを解決して平和条約を締結していくということで初めて本格的な日ソの新時代も開けるんじゃないかと思います。 そういったいろんな流れを見ながら私どもも適切に対応してまいりたいと考えております。
○田渕哲也君 昨日の首脳会談の中で、総理は、ソ連の軍備について特にウラル以東における軍備増強について懸念の意向を言われたということも言われております。極東ソ連軍の軍事力について防衛庁としてはどのような認識を持っておるかをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 首脳会談におきましても、総理の方から今御指摘のような指摘がなされたというふうに報道されていると私もそのように承知しております。それは先生御承知のとおり、大きな対話と協調の時代の流れの中で、欧州の方では軍備管理あるいは軍縮の面でもかなりの進展を見ているところでございます。しかし、そういった進展の中でも、御承知のとおり通常兵器の削減交渉におきましても、昨年の話が一応妥結しながら、実は削減対象から外すために所属を変えたという話もございましたり、またあるいは対象になります地域がヨーロッパでございますので、ウラル以東へ移動すれば一応それでいいんだということになるわけでございます。そうして、極東地域、ウラル以東につきましてはまだ具体的な軍縮の取り決め、あるいはそういった話も進んでいないわけでございますので、もしそういうものがヨーロッパから移動されるということになります と、大きな流れの中で結果的にはこちらの方はソ連軍の力がふえていくということになってはこれは大変問題でございますので、日本としてそういうことをしてきたところでございます。 そしてなお、現在の段階における極東ソ連軍の力につきましては、概して申しますならば、一九六〇年代ごろからずっと一貫してソ連の軍事力、特に極東ソ連軍の軍事力は強化されてきたわけでございますけれども、それがピークから量的には今日削減が進んでいるのはそのとおりであり、昨日のゴルバチョフ大統領の演説でも具体的に幾つかのケースの御披露がございました。私どもはその点は評価しております。しかしながら、現段階におきましても量的に見てもなお非常に高い水準でございます。例えば地上兵力では現在三十六万でございますけれども、これはピーク時の四十一万に比べれば落ちているけれども、大綱策定時の三十一万に比べれば高い数になる。それから、作戦用航空機なんかも、同じ期間を見ますと、一時二割アップになり、現在一割アップになったということでございまして、いずれにいたしましても量的には削減されたというもののなお膨大である。ましてや質的な面から申しますと、航空機の第四世代が半分になるとか、あるいはミサイル、あるいは原子力潜水艦のさらなる増強等々がございまして、やはりソ連の自国の防衛に必要な力というものをはるかに超える勢力を維持しているな、このように認識しております。
○田渕哲也君 先ほども質問がございましたけれども、昨年の防衛白書から「潜在的脅威」という文言が消えました。しかし、それに対する大臣の見解におきましても、これは期待を込めて取ったんだと。そうしますと、実際的にはまだ潜在的脅威が存在しておるという認識ですか。
○国務大臣(池田行彦君) 私ども、現在の極東ソ連軍の能力あるいはそういう動向につきましては、先ほど申し上げたとおりに考えておるわけでございますが、私どもといたしましては、そういった意味でなおソ連の保有します力がかなり過大なものであるということは考えております。しかしながら、これからソ連におきましてペレストロイカあるいは外交においては新思考外交がさらに幅広く展開されまして、軍備の面でもさらに削減が続くということを期待しておりますので、私どもとしては昨年白書で「潜在的脅威」という言葉は、表現は使わないことにしたわけでございます。現在もそのようなソ連のさらなる努力を期待しておるところでございます。
○田渕哲也君 私は脅威というのは、意図とそれから力だと、戦力だと。戦力の方は若干数は減ったけれども、質的にはむしろ向上しておるから、そんなに低下していないと見るべきである。 問題は意図ですけれども、確かにゴルバチョフ大統領がペレストロイカを進められ、また新思考外交を進められる中でこれはかなり改善しておることは事実だと思います。ただ反面、ゴルバチョフ政権の安定度ということを見ると、これはまだまだ不安定な状態だと思います。特に、湾岸戦争の前と後とでは米ソの関係というものは微妙に変質してきておるし、それからソ連国内においても軍部を初め保守派の力が台頭してきておる。だから、アメリカとソ連との取り決めについてもいろいろ異論が出てきておるというような状況であります。 そういう点を考えると、ゴルバチョフ大統領の理念とかあるいは演説とかそういうものは我々は賛意を表するわけでありますけれども、ソ連の国情から見るとまだまだこれは不安定だというふうに考えるわけですけれども、この点はいかがですか。
○国務大臣(池田行彦君) 私ども、ただいま先生御指摘の点、全く同様な認識を持っております。 ゴルバチョフ大統領、国内的にペレストロイカを推進したり、そうしてまた新思考外交を進めてきたり、そのお気持ちは昨日の国会演説におきましても本当に強く打ち出してきておられたところでございますし、私もその大統領の意図、そうしてそれに取り組む真摯な姿勢というものは高く評価しているわけでございます。しかし、一方におきまして、ソ連の国内の情勢を見ますと、そういったペレストロイカ路線を推し進める大統領の努力が本当にスムーズに進むかどうか懸念を持たざるを得ない面も見られますので、そういった面では、我々としてもそういった大統領の努力が進むように、また実るようにいろんな面で日本としても協力すべき面はあろうかと存じます。しかし、現実になかなか難しい面があるなと、そのとおりでございます。
○田渕哲也君 次に、新中期防についてでありますけれども、この基本的考え方と特徴についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(畠山蕃君) 今回の新中期防におきましては、防衛計画の大綱に従いまして、これの水準がおおむね達成された前中期防の状況を踏まえて、それを維持していこうというのが基本的な考え方でございます。 その特徴について幾つか申し上げますと、計画の総額の限度を平成二年度価格でおおむね二十二兆七千五百億円程度ということで、それは前中期防が五・四%の伸び率であったのに対して三・〇%という低い伸び率に抑えておるという点が第一であります。 第二は、防衛力全体としてバランスのとれたものとするために、隊員の生活環境の改善を初め後方分野の一層の充実を図るということから、経費総額に占めます後方分野のシェアが、前中期防の三三%から今回の中期防では四〇%へと上昇しているということでございます。 第三点目は、主要装備につきましては、大綱に定めます水準がおおむね達成される状況にありますことから、更新、近代化を基本とするということでございまして、このため、新たな調達といいますのは前中期防に比べて大幅に減っているところでございます。これを数字で申し上げますと、正面装備の新規契約額の伸び率は、前中期防は年平均七・七%であったものが今回はマイナスの二・三%の伸率になっておるという点でございます。 それから第四点目は、日米安全保障体制の信頼性の維持向上を図るため、在日米軍駐留支援などの諸施策を行うという点でございます。 五点目に、情勢の変化に一層的確に対応できるよう、三年後には計画の経費総額の範囲内で必要に応じて修正を行うという弾力的な条項を入れておるという点があるいは特徴と言えるかと思われます。
○田渕哲也君 我が国の防衛政策において一番考慮しなければならないのは、やはり国際情勢の変化だと思うんです。これが非常に大きく変化しておることは間違いありません。しかるに、防衛政策の基本となる大綱は、十四年前につくられたものがそのままであって、これは国際情勢の変化に伴って大綱も本来からいえば見直すべきではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(池田行彦君) 我が国の防衛力を考える場合におきまして、国際情勢をどう認識するかというのは御指摘のとおり大変大切なことでございます。そういった意味で、私ども今回の新中期防を策定するに当たりましてはいろいろ国際情勢について分析をしてまいったわけでございます。そうして、そのところは整理いたしまして、昨年の十二月二十日に新中期防は閣議決定したわけでございますが、その前日、十九日に国際関係についての考え方を取りまとめて閣議決定しております。そういった意味におきまして、大綱は変更いたしませんが、大綱にございます国際情勢の認識にかかわる部分は、実質的に十二月十九日の閣議決定をもって変えられたというふうに御理解をちょうだいしたいと思います。 しかし、そういったものが変わったにもかかわらず具体的な大綱で考えておる防衛力、装備なんかの水準等が変わらないのは、という御指摘がこれまでもあったわけでございますが、そこのところは、これまでもるる御説明申し上げましたけれども、国際関係は確かに大きく変わっておると、しかし、大綱を策定いたしました五十一年当時に おきましても緊張緩和の動きが非常に顕著でございまして、あのころはむしろデタント花盛りの時代だったというふうに考えるわけでございます。そういったことでやったということが一つございます。 それから、確かにそうは申しましても、現在の国際情勢というのは、その当時に比べてさらに格段に進んだということは、安定化への努力が進んだということはそのとおりでございますし、イデオロギーや体制の対立というものはもう終えんの方向へ向かっているというので、大きな違いがあると思います。しかし、そういった情勢の変化を踏まえながらも、なお具体的な防衛力の整備の水準につきましては、検討いたしまして、変える必要なしと、むしろこれを維持していくことが適当であるという結論に達した次第でございます。
○田渕哲也君 私は、国際情勢の変化は確かに緊張緩和、安定化の方向だということは言えます。だから、大綱の水準をもっと下げてもいいんじゃないかということを単純に考えると言っている意味じゃありません。もっとほかの要素もあるわけですね。 それで、国際情勢の中で東西冷戦が終結したというのは、これは非常に安全にとってプラスです、平和にとってプラスですけれども、反面、ヤルタ体制の崩壊によって地域紛争というものはまだまだ起こってくる可能性が強いということも考えなければなりません。 それから、もう一つ大事なことは、日本が防衛政策を考える場合に、アメリカとの協力を抜きにしては考えられないわけです、日本の一国だけで完結した防衛態勢というのは持ち得ないわけですから。アメリカのいわゆる前方展開戦略というものが変化があるとするならば、それは日本の防衛計画について、防衛政策に大きな影響を与えるものですね。これがどう変わってくるだろうか。これはもう既に防衛白書の中でも言っておりますけれども、段階的に前方展開戦力を三段階に分けて十年間で削減するということをはっきり言っておるわけでありますから、これがどういう影響を与えるだろうか。 それから、もう一つ考えなければならないのは、今度湾岸戦争という実戦が行われたわけです。これをやはり正確に分析をして、今後の我が国の防衛計画というものの中に生かしていかないといかぬだろう。ハイテク化が進むということも言われておりますけれども、そういう面も大事だと思いますが、私がこれで気がついたことは、日本の場合はやっぱり先制攻撃ができないわけですね、相手から先制攻撃を受けて初めて受けて立つということですから。今度の湾岸戦争はアメリカがイラクに対して、多国籍軍がイラクに対して先制攻撃をかけて、これが私は戦況というものに決定的な影響を与えたと思うんです。また、ハイテク技術も相まって、まず向こうのレーダーサイトをつぶして目つぶしをして、それから空軍基地をたたいた、あるいはミサイルによる対空戦力というものも役に立たなくなった。もし同じことを日本が受けたとするならば、果たしてもつのだろうかという気がします。 それから、抗堪性ということも考えなくてはならない。例えば、レーダーにしろ航空基地にしろ先制攻撃の一波で壊滅的な打撃を受ける可能性が十分あるわけですね。そういう面を考えた場合こ、今の日本の防衛態勢で果たしてたえられるのかという心配をまず持ったわけですけれども、こういうこともこれからの防衛計画の中に生かしていかないといけないのではないか。パトリオットの改良強化ということも言われておりますけれども、これも大事ですけれども、これだけで済む問題ではないのではないかと思います。 それから、もう一つ考えなければならないことは、今回の湾岸危機で示した国連による協力体制、国連軍まではいかなかったけれども、多国籍軍が国連決議に従っていわゆる平和強制行動というものをとったということですね。もしだんだん国連の体制が整ってくるならば、我が国の防衛態勢も日米安保、アメリカと日本の二国間の安保よりもやっぱり国連を中心とした集団安保体制という方向を将来は目指すべきではないかと思うんです、簡単にはこれは実現できないかと思いますけれども。 例えば、日本は平和憲法のもと日本が外国を侵略することは考えられませんけれども、もし侵略を受けた場合に、アメリカが助けてくれるだけでなくてやっぱり国連決議に基づいて多国籍軍なり国連軍に救援してもらうというふうになるのが理想的だろうと思うんですね。そうすると、我が国の防衛にしてもやっぱりそういう国連に対する協力体制、貢献できる体制というものを考えないといかぬだろう。もっとも、武力行使で国連協力ということはできないとしましても、例えばPKOをどうするかとか被災民の救出をどうするとか、あるいは掃海の問題はどうするかとか、あるいは施設部隊、そういうもので協力する、あるいは医療部隊で協力する、そういうことを考えた場合にやっぱり国連、国際的なそういう協力関係ということも考えた防衛計画にしないといけないのではあるまいか。 こう思いつくものを羅列しても、たくさんの国際情勢の変化による考えなければならない要素がふえてきておると思うんです。だから、いつまでも十四年前の防衛計画の大綱でいいんだということにはならないと思うんですが、この点はいかがですか。
○国務大臣(池田行彦君) 今、多方面からいろいろ国際情勢の変化についてお話があり、それに対応してどういうふうに我が国としての防衛力の整備を進めるべきか、大変貴重な御意見をちょうだいいたしました。 御指摘のとおり、確かに冷戦構造は終えんに向かっておりますけれども、それを超える時代に向かっておりますけれども、過渡的にはむしろ地域紛争の可能性が高まっているというのはそのとおりでございますし、それから現に湾岸の危機というあのようなものとして顕在化をしたわけでございます。こういうこともよく考えなくちゃいけないと思います。さらに、我が国周辺のアジア地域の情勢というのは、ヨーロッパに比べましてまだ不透明、複雑な面がございますから、どこに対してということではなくて、ともかく我が国の力が空白になるということになりますと、これがこの地域に不安定をもたらすもとにもなりかねないわけでございまして、そういった意味の配慮も必要かと存じます。 それから第二点目として、我が国の防衛は、お説のとおり米国との協力関係、安保管理体制を抜きにしては考えられないところでございます。そしてまた、米国として今いろいろな軍備の削減を考えているというのは御指摘のとおりでございますが、これはグローバルな形で考えているわけでございまして、アジア・太平洋方面につきましてはなお当面、少なくともそれほど大幅な削減はしないし、前方展開戦略は維持していくというふうに理解しております。しかし、いずれにしても、そういった米国の体制というものを十分考えながら我が国の防衛のあり方も考えなくちゃいけない、このように思う次第でございます。 それから、国連がこれからの世界の平和なり安定を維持していく上で従来にも増したいろいろな大きな役割を果たしていくんじゃないか、私は確かにそういう方向にあろうと思います。そういった意味で、今回の湾岸危機に対する国連を中心とする国際社会の対応というものは大切な試金石であったし、それは見事にと申しましょうか、試金石はきちんと乗り越えたと思います。これがさらに国際社会の中でいろいろ協議が進む中で、国連軍まではいかないかもしれませんけれども、いろんなことがこれから起きてくるのだと思います。それに日本としてどういうふうに対応していくかという問題は、これはこれから、国会はもとよりでございますが、国民の中で本当に真剣に議論をしなくちゃいけない話だと思います。 もとより、現在の憲法は、その任務や目的が武力行使を伴うものである以上、我が国の国の組織が参画することはできないわけでございますけれ ども、それならそれで非軍事の面でどういうふうなことができるのか。個人で言いましても、クエーカーのように良心的徴兵忌避をされる方はそのかわりほかの面で本当につらい、また汚れ仕事もやっていくということでございますから、国としてもあるいはそういったこともあるのかな、こう思いますし、現在PKOの問題につきましては各党間でもいろいろ御相談いただくようになっておりますけれども、このPKOの問題、それからそれ以外の分野も含めまして我が国の国際的な役割をどういうように果たしていくかというのは、日本としてこれから真剣に考えなくちゃいけない、しかも早急に考えなくちゃいけない最重要課題の一つであろうかと認識する次第でございます。
○田渕哲也君 新中期防の中の「その他」のところの二番目に「将来における人的資源の制約の増大等を勘案して、自衛官定数を含む防衛力の在り方について検討を行い、本計画期間中に結論を得るものとする。」とありますけれども、これは自衛官定数の変更も行うということを意味するものだと思うんですが、そうすると、これは当然大綱の見直しということにもつながりますね。これはいかがですか。
○政府委員(畠山蕃君) 御指摘の点につきましては、将来におきます人的資源の制約の増大等という先が確実にやってくると見込まれる事実を念頭に置きまして、その事態に的確に対応するため、防衛力全般にわたる効率化、合理化に配慮しつつ、中長期視点から行うということの趣旨でございます。自衛官の定数も含めまして、現時点においては、どういう形のものになるかというのはこれからの作業でございますので確たることを申し上げることはできませんが、結果的に大綱別表ないし大綱そのものが修正される可能性を否定し得ない、必ずしもこれらの改正等を前提として検討を行うものではないということでございます。
○田渕哲也君 この人的資源の問題も、これは国内の問題ですけれども、防衛計画に影響を与えるべき情勢の変化の一つだと思います。それから、先ほど私が指摘した幾つかの点も当然日本の防衛計画を根本的に見直さなければならない要素の一つだと思います。三年後に見直される場合には、ぜひそういう総合的な検討をされて、国民が納得のいくような、そしてまた防衛に自信が持てるような計画にされるようにお願いをしたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 御指摘のとおり、人的資源の制約それから先ほど御指摘がございましたもろもろの国際情勢の変化、そしてまたこれからのさらなる変化というものは、我が国の防衛力整備のあり方に大きな影響を及ぼし得るものだと考えておりますし、その辺は十分考えてまいりたいと思います。 ただ、今御質疑の中で三年後の見直しというお話がございましたけれども、これももちろん国際情勢とか技術動向等を勘案して見直しをするもので、検討をするものでございますけれども、これは中期防の見直しでございますので、先ほど先生御指摘の大綱の見直しというのはこれはあり得るとしましても、この中期防の期間ではなくてその先の話でございます。人的資源の制約に伴う定員の見直しというものもこの新中期防期間中にかけて検討いたしまして、さらにその先の期間の防衛力整備計画の中で反映されると、だから大綱の見直しがあり得るのもそういったタイミングであるというふうに御理解いただきたいと思います。
○田渕哲也君 終わります。
○委員長(井上孝君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時五十二分散会