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120回国会参議院1991/02/14

逓信委員会 第2号

発言数
3
登壇者
2
会派数
2
開催日
1991/02/14

会議録

一井淳治日本社会党・護憲共同

○委員長(一井淳治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  郵政行政の基本施策について所信を聴取いたします。関谷郵政大臣。

関谷勝嗣自由民主党郵政大臣

○国務大臣(関谷勝嗣君) 逓信委員会の委員各位におかれましては、郵政行政の適切な運営につきまして、常々格別の御指導をいただき心から御礼申し上げます。  この機会に、郵政行政の基本的な考え方について、私の所信を申し上げます。  御案内のとおり、今日、世界は、ソ連、東欧圏、中近東などそれぞれの地域において激動の時代を迎えております。我が国としても、こうした変化に適切に対応し、その国際的地位にふさわしい責務を果たすことによって、国際社会の調和ある発展に貢献していかなければなりません。  また、国内においては、快適で潤いのある生活環境を創出し、真に豊かさを実感できる社会を建設していくことが求められております。とりわけ、東京一極集中を是正し、多極分散型の均衡ある国土の発展を図っていくことが重要な課題であります。  国民生活と極めて密接なかかわりを持つ郵政行政は、このような内外諸情勢の動向に的確に対処しつつ、高度情報通信ネットワークの整備と全国二万四千の郵便局ネットワークの活用とによって、豊かで住みよい地域社会づくりや諸外国との協調、協力関係の構築等の課題に積極的に貢献していくことが必要であります。  以下、当面の重要施策について申し上げます。  まず、電気通信行政関係であります。  第一に、電気通信格差是正事業の推進であります。  地域の情報化につきましては、テレトピア計画や、いわゆる民活法に基づく施設整備事業等の施策が、地方自治体を初め関係者の積極的な活動により全国各地で実施推進されております。しかし、さらに積極的な施策をとることが必要であり、平成三年度予算案において、生活関連重点化枠の公共投資として、電気通信格差是正事業費補助金十億三百万円を計上するに至りました。  本予算案をお認めいただければ、自動車電話等の移動通信サービスの利用ができない地域や、民放テレビジョン放送が一波も良好に映らない地域を解消すべく、移動通信基地局用鉄塔やテレビジョン放送中継局を公的に整備することが可能となります。  この事業は、国民の生活の場の隅々にまで情報通信基盤を整備していくことにより、採算性などの点で展開が困難な地域においても、通信事業者等民間企業がサービスを提供していくことを支援し、拡大する一方の情報の地域格差をいささかなりとも是正することを目的とするものであり、実現を期してまいりたいと考えております。  第二に、電気通信基盤充実事業の推進についてであります。  情報の地域格差を是正する上では、情報化に対応する施設面、人材面においても地域の実情に応じた支援が必要であります。このため、当省としては、新しい基幹通信網の整備及び人材育成機能等の地方展開の拠点整備を行う電気通信基盤充実事業を今申し上げた電気通信格差是正事業とともに実施することにより、地域における情報の円滑な流通を促進し、情報化の均衡ある発展を図りたいと考えております。  第三に、電気通信市場の活性化であります。  昭和六十年の電気通信制度の改革以降、事業者の活発な参入が進み、料金の低廉化及びサービスの多様化が進展しております。  今後とも、事業者の健全な事業展開を通じて、より一層良質で低廉なサービスが提供されることを期待するとともに、制度改革の成果が広く国民利用者に還元されるよう、引き続き公正で有効な競争ができる基盤づくりを推進し、活力ある電気通信市場の形成に努めてまいる所存であります。  また、一昨年来論議を重ねてまいりましたNTTのあり方に関する問題につきましては、昨年の三月末に政府措置を決定しました。これは、公正有効競争の促進、NTTの経営の向上等を通じて、国民利用者の利益の最大限の増進を図ろうとするものであり、引き続きこの措置の着実な推進に努めてまいる所存であります。  さらに、最近における電波利用ニーズの増大、高度化等に適切に対処するため、周波数資源及び新たな電波利用システムの開発を推進するとともに、地域活性化のための電波利用策を推進するなど電波の有効利用策を積極的に講じてまいります。また、電波を利用した通信が安心して行えるよう電波利用秩序の維持に努めるとともに、新しい海上遭難安全システムの構築についても適切に対処してまいる所存であります。  第四に、基礎的・先端的技術の研究開発であります。  電気通信は、極めて技術先導性の高い分野であります。二十一世紀に向けて高度で多様なサービスを実現するためには、今後とも長期的視野に立った基礎的・先端的研究開発を積極的に推進していく必要があります。このため、利用者本位の通信を目指し、機器の小型化や人工知能の活用、電気通信フロンティア研究開発等の技術開発施策を今後とも積極的に推進してまいる所存であります。  また、現在、対策が急がれている地球環境問題については、オゾン層を保護する電波技術の開発、地球環境観測のためのリモートセンシング技術等の研究開発を進めてまいる所存であります。  第五に、国際協調、国際協力の積極的展開であります。  電気通信分野においても他の分野と同様、多くの国との協調精神のもとに協議を重ね、協力関係を構築してきました。中でも日米間の協議は、これまで両国の懸案解決に多大の成果をおさめ、日米友好関係の維持発展に大きく寄与してまいりました。こうした実績を踏まえ、今後とも米国、EO等主要国との政策協議等を積極的に推進してまいる所存であります。  一方、ガット・ウルグアイ・ラウンドにおいては、従来の「モノ」の貿易以上に電気通信を含むサービス貿易の自由化がますます活発に議論される趣であります。いわゆる二国間の国際関係とともに、このような多国間にわたる協調につきましても、その成功に向けて一層の努力をしてまいる所存であります。  また、開発途上国においても電気通信分野への関心には極めて強いものがあり、通信・放送基盤の整備やそのために必要な人材の養成について、我が国からの貢献を期待する声が高まっておりますので、この分野での協力が円滑に行われるよう積極的に対応してまいりたいと存じます。  今後、国家間あるいは国民ベースでの相互理解を深めるためには、積極的な国際交流が必要であります。とりわけ、放送は重要なメディアであり、従来から短波による国際放送の充実強化に努めてきたところであります。今回の湾岸危機のような非常事態に際しましても、国際放送は在外邦人を含む聴取者に対する情報提供手段として有効な役割を果たしており、今後とも御期待に沿えるよう努力してまいる所存であります。  また、テレビジョン放送が世界的にも普及しつつある今日、テレビ映像による情報交流がますます重要になってきております。当省としては、各種の支援体制の整備等を通じて放送番組の国際交流を促進し、国際相互理解の増進と世界の放送の発展に貢献してまいる所存であります。  次に、郵政事業について申し上げます。  郵政事業は、国民の日常生活に不可欠な郵便、貯金、保険などのサービスを全国あまねく公平に提供することを使命としております。今日、我が国の社会経済は目まぐるしく変化してきており、こうした変化や国民の期待に的確にこたえるよう、郵政事業としても一層の経営努力を続けていかなければなりません。  郵便局は、全国津々浦々に配置され、国民の暮らしに密着しておりますので、この郵便局ネットワークの機能が最大限活用されることにより地域社会の振興のお役に立ち、国民にとっての安心のよりどころとなるよう努めてまいります。  以下、各事業ごとに申し上げます。  まず、郵便事業でございますが、郵便物数は、経済の好況を背景に、各種のサービス改善、ふるさと小包の開拓を初めとする職員一丸となった営業努力などにより順調に増加してきております。財政的にも、需要の拡大、事業経営の効率化等により平成元年度まで九年連続して黒字を計上することができました。引き続き平成二年度についても良好な成果が得られるよう努力してまいる所存であります。  今日まで、増大する郵便物を迅速確実にお届けするために、郵便事業に携わる職員は懸命な努力を続けており、このたびの年末年始の繁忙期におきましても、労働力不足等かつてない厳しい状況の中で、これまでにない早期対策に心がけたこともあり、史上最高の年賀郵便物や小包郵便物を滞りなくお客様にお届けすることができました。  今後の施策といたしましては、郵便物の増大とお客様ニーズの多様化、高度化に対応するため、郵便事業の運営基盤を整備充実することが喫緊の課題となっておりますので、要員の確保、施設の充実、事業運営の効率化等の各種施策を積極的に展開してまいりたいと考えております。  また、今日、大都市などにおいて土地の有効利用を図ることが大きな社会経済的要請となっております。当省としても、郵便局の土地の高度利用を図るため、簡易保険福祉事業団の業務を通じて、民間事業者の能力も生かしながら、郵便局の上層部に事業所用のビルを建設して、公用、公共用のほか民間の事務所などに御利用いただけるようにするための措置を講じてまいります。  さらに、辺地から大都市まで地域社会の振興と地域住民の利便の向上に貢献するため、郵便局の窓口での住民票の取り扱い、大都市型簡易郵便局の増置などの施策を積極的に推進してまいります。  本年は、明治四年の郵便創業以来百二十年という記念すべき年に当たります。今後とも、郵政行政の原点の事業として、二十一世紀に向けて、時代の要請に積極的かつ的確に対応し、国民の皆様の期待と信頼にこたえ得るよう努力してまいる所存であります。  次に、為替貯金事業であります。  重要課題でありました定額郵便貯金の集中満期対策につきましては、関係職員の適切なPR活動等総力を挙げた取り組みによりお客様に郵便貯金のよさを御理解いただき、引き続き満期総額の八割強の御利用をいただいております。また、郵便貯金残高は、この集中満期の影響により目減りが続いておりましたが、積極的な営業活動の展開等により、昨年十二月以降好調に推移し、本年一月には平成二年度当初の水準に回復するまで御利用いただいております。  また、本年一月にスタートいたしました国際ボランティア貯金は、好感をもって迎えられ、おかげさまで既に百万近い口座の御加入がありました。我が国の国際貢献が求められる中でその意義は一層大きくなってくるものと考えられます。今後とも御支援をお願いいたします。  さて、平成三年度には一層の金融自由化の進展が予想されております。お客様のニーズもますます多様化してまいります。四月にMMCの最低預入金額を百万円から五十万円に引き下げるとともに、秋には預入金額三百万円以上の定期郵便貯金金利の完全自由化を実施する予定でありますが、あわせて預入限度額の引き上げ、外貨両替業務などを実施したいと考えております。  二十一世紀に向けて今後十年間、我が国は四百三十兆円の公共投資を行うこととしていますが、その中で郵便貯金資金を主たる原資とする財政投融資計画が重要な位置づけを与えられております。当省としては、引き続き郵便貯金の増強に取り組むとともに、今後とも常に国民、利用者の視点に立って、金融自由化に的確に対応し、郵便貯金制度の改善に努めてまいる所存であります。  次に、簡易保険事業であります。  本年は、簡易保険創業七十五周年に当たります。この記念すべき年を迎えるに当たり、昨年十二月末現在、簡易保険の保有契約件数は約六千八百万件で対前年同期比四・八%増、郵便年金の保有契約件数は約百九十万件で対前年同期比三五・二%増と、ともに堅調に推移しております。  今や我が国は、世界でも最高水準の長寿国家となっております。人生八十年時代を迎え、国民一人一人が健康で生きがいと喜びを持って過ごすことのできる明るい長寿社会を実現することは、二十一世紀に向けて取り組まなければならない国の重要な政策課題であります。このような状況の中で、老後に備える国民の自助努力を支援する簡易保険事業の使命は重大であります。  昨年、簡易保険・郵便年金を統合する運びとなりましたが、これにより本年四月からは、新しい簡易保険制度のもと、一つの契約で生涯にわたる死亡保障と老後の年金を総合的に提供できる生涯保障保険が創設されます。  さらに、年金の加入限度額を年額七十二万円から九十万円に引き上げるほか、効率的な資金運用や加入者福祉サービスの充実などに努め、時代の要請にこたえる簡易保険サービスの改善を図ってまいりたいと考えております。  以上、郵政三事業について申し述べましたが、これら事業はすべて三十万人余の職員に支えられて初めて成り立つものであります。明るく活力に満ちた職場をつくるとともに、相互信頼に基づく健全で安定した労使関係を確立、維持し、事業の発展に一層の努力を払ってまいる所存であります。  ところで、去る一月二十六日、新東京郵便局構内に駐車中の郵便車が盗まれるという事件が発生し、多くのお客様に多大の御迷惑をおかけするに至ってしまいました。深くおわびをいたします。二度とこのような事件が起きないよう万全の対策を講じてまいります。  私は、就任以来、信頼と安定、安心の郵政行政ということを基本方針として職員に示し、国民の皆様にもお誓いしてまいりました。先人が築かれた功績を汚さず、郵政事業に寄せる国民の期待と信頼にこたえるため、職員はもとより委託業者等に至るまで防犯意識の高揚と防犯管理体制の一層の充実強化に努めてまいる所存であります。  以上、所信の一端を申し上げましたが、その裏づけとなります郵政省所管各会計の平成三年度予算案について御説明申し上げます。  まず、一般会計でありますが、歳出予定額は二百九十三億円で、前年度当初予算額に対し二十八億円の増加となっております。  この歳出予定額には、公共投資による電気通信格差是正事業の推進、放送番組交流促進事業の推進、電気通信フロンティア技術及び高度衛星通信放送技術の研究開発等に必要な経費を計上しております。  なお、このほか財政投融資や無利子融資の制度を活用して電気通信基盤充実事業等を推進することとしております。  次に、郵政事業特別会計でありますが、歳入、歳出とも予定額は六兆四千六百五十一億円で、前年度当初予算額に対し四千八百三十七億円の増加となっております。  この歳出予定額には、郵便局の土地の高度利用、住民票の取り扱いによる郵便局の窓口の多様化等郵便の地域社会の振興への貢献と郵便事業運営基盤の整備充実に必要な経費を初め預入限度額の引き上げ、外貨両替業務等の実施など金融自由化への郵便貯金の積極的かつ的確な対応と利用者サービスの向上に必要な経費、年金の加入限度額の見直し、加入者福祉サービスの充実など長寿社会への適切な対応と地域振興への貢献を図るための簡易保険の改善充実に必要な経費その他所要の人件費等を計上しております。  以上が予算案の概略であります。  最後に、以上申し上げた諸施策を適切に行うため、予算案と法律案の御審議をよろしくお願い申し上げます。  委員各位におかれましては、郵政行政の推進のため、一層の御支援を賜りますよう心からお願い申し上げる次第であります。

一井淳治日本社会党・護憲共同

○委員長(一井淳治君) 以上で所信の聴取は終わりました。  本件に関する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十九分散会

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