地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 242 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/03/15
会議録
○委員長(野田哲君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 地方行政の改革に関する調査を議題とし、地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○栗村和夫君 おはようございます。 きのうの質問とりの方にお話ししておきましたが、大体六点について約一時間の見当で質問したり意見を言ったり、こういうことにさせていただきます。 最初に、吹田自治大臣の御健闘をこれから御期待申し上げますので、よろしくお願いいたします。 それで六点というのをちょっと列挙しますと、大臣の所信表明の継続性といいますか、それが一つ。二つ目は補助金の交付率のカット、例として農水省所管の土地改良法の改正などを例示しながら若干質問します。三つ目はふるさと創生事業。四つ目が、自治省と地方公共団体の人事交流。五つ目が、予定されております新暴力団取締法といいますか、それにかかわる若干のこと。最後が、国会の移転決議を自治省としてどう受けとめるか。これは関連しますので国土庁にもお願いしていますが、最後の国会移転のことについては若干時間をとって申し上げたい、こういうふうに思います。 その前に、きのう最後にちょっと通告しましたが、緊急な問題が広島で発生しましたので、きのうからテレビにかじりつき、それからけさの新聞を見てまさに慄然たる思いをしましたけれども、あの広島の新交通システムのケースであれだけの大惨事が起きたということのてんまつを現在つかまれている範囲で御報告をいただきたいのと、もし見解がまとまっているとすれば、なぜああいう大工事で交通規制をしなかったのか、これは法律その他のこともあると思いますが、そのことについて冒頭お尋ねいたします。
○政府委員(國松孝次君) 本件は、昨日午後二時五分ごろのことでございますが、広島市安佐南区のモノレールの橋脚工事現場におきまして、長さ約六十三・五メートル、重さは約六十トンでございますけれども、鋼鉄製の橋げたを設置するための作業をやっておりましたところ、その橋げたが道路上に落下をいたしまして、折からまことに不幸なことに県道上を通行中の車両十一台が押しつぶされるなどいたしまして、車両に乗車していた方々あるいは工事関係者等十四名がお亡くなりになり、九名が重軽傷を負うといった事故でございました。 広島県警におきましては、直ちに警察本部長を長とする対策本部を設置いたしまして、被害者の救出活動、現場の交通規制などの初動活動を行うとともに、被害者、目撃者あるいは工事関係者などからの事情聴取、それから現場検証などいたしまして、事故の概要の把握と事故原因究明のための捜査を推進中のところでございます。
○政府委員(関根謙一君) 当該道路につきましての道路使用許可の状況につきまして御説明を申し上げます。 この工事の施工に必要な道路使用につきましては、道路管理者、工事施工業者等と十分に協議をした結果、工事の安全性、交通量、迂回路の状況等を総合的に判断した結果、橋脚の北側、南側等それぞれ工事帯を設けまして、その工事帯に必要な部分につき道路使用の許可をすることとし、さらにその工事の作業帯内で工事を行うことでありますとか、工事区間の両端及び迂回地点には交通誘導員を配置し誘導整理に当たらせること等、十項目ほどの許可の条件を付して工事を施工してもらうようにしたとの報告を受けているところでございます。 しかしながら、これで十分であったかということについては深く反省させられるところがございますので、これから捜査の状況等を踏まえまして、今後この種の事件が起こることのないように十分に配意してまいりたいと存じます。
○栗村和夫君 善処方についてはひとつ全力を挙げていただきますが、余りにも高価な代償でしたけれども、これを教訓として、ああいう種類の作業についての交通規制「事故防止、これは本当に万全を期していただきたい、こういうふうに希望しておきます。
○国務大臣(吹田愰君) ちょっとその点について大臣から答弁します。 国家公安委員長といたしまして、けさの閣議におきましてのことにつきまして状況を御説明申し上げますと、この事故発生問題につきまして建設大臣から特に発言が求められまして、まことに遺憾なことであるということで残念な意思表明と、亡くなられました御遺族に対する哀悼の誠をささげるお言葉と、同時に、負傷されました方々が一日も早く御健康を取り戻していただけますような願いを込めてのごあいさつがあり、特に建設省関係としましては、公団その他がいろいろと工事をやっておりますこういった橋梁関係の仕事、特別に交通関係にもかかわっておるような仕事については厳重に注意をし、さらに今先生のお話がありましたように、今後こういったことが再び起きないような工法その他についての研究を進めるようにという指示をいたしました。 こういうことが閣議で報告されまして了承したところでありますが、私の方も今担当の政府委員が申しましたような点について状況等もよく把握していかなきゃならぬと思いますが、いずれにしましても、これは政府一体になりましてこうした問題が起きないように配慮していくことを痛感しております。
○栗村和夫君 わかりました。ひとつ善処方、重ねて万全を期していただきたいと思います。 第一点ですが、私が一昨年参議院に出てきましてから、おおむね選挙の後改造があるわけですが、大臣が吹田さんで三人目です。 そこで内閣改造に伴う大臣の所信表明というのは、内閣の方針もありますが、やはり大臣個人の抱負経綸をうたい上げる、こういうものであるべきです。しかし、行政の継続性からして前の大臣がどう言ったのか、その前の大臣がどういう所信表明をしているのか、そういうことも継承しながら、こういうことになろうと思います。その辺、余り遡及しませんが、奥田さん、渡部さん、前大臣、前々大臣の所信表明のどういうところを特に継承されていこうとしたのか、その辺のところをひとつ率直に伺わしてください。
○国務大臣(吹田愰君) ただいまの栗村先生のお言葉、ごもっともなことでありまして、特に自由民主党政府でありますだけに政策は一貫性を持たなければなりませんし、また、一貫しておるわけであります。特に自治省の場合におきましても、その点は地方行政を担当しておる立場からいたしますと、地方行政というものの基本は政党政治というような考え方で進めるものではないのでありまして、あくまでもその地域社会の発展と住民の福祉ということがその前提条件でなければならない。しかも、自主的に自律的に事を進めていくということが基本でありますから、そういった精神に基づきまして、地方自治の問題につきましては前大臣あるいは前々大臣の言われたことも私は十分心得ておりますし、また、それは一貫したものでなければならない。 ただ、そのときそのときで新しい時代に即応する体制問題はあります。したがいまして、そういう体制には順応していかなければなりませんし、それをいち早く先取りしていけるような、そういう行政能力というものを持っていくという指導はそれぞれ関係機関に対してする必要があろう、こう思っておるわけでありまして、決して手違いの起きないようにやっていかなきゃならぬ。特にふるさと創生ということはずっと以前から、みずから考え、みずからこれを推進する、それに政府は応援をする、援助を申し上げるということでありますし、さらにまた、地方分権というような方針につきましても、少しでもそういった分権制度の確立というものを図っていくような努力をしていく必要があろう、こう思っております。
○栗村和夫君 わかりました。 そこで、大臣の所信表明から何点かピックアップして私なりにおおむね一時間に整理したのが通告した質問の項目なんですが、私の言う行政の継続性というのは、政党政治でありますから自由民主党内閣だと、そういう側面はもちろん強いが、仮に野党が政権をとったにしても、その省庁の持つ行政姿勢というのは変わっちゃいかぬものがいっぱいあるわけです。そういう視点でも御質問申し上げたわけですから、ひとつ一貫して自治省はこういう方針でいっている、こういうことをこれからもお示しいただきたいと思います。 第二点の補助金の交付率のカットの問題ですが、これは衆議院でもあるいは参議院の本会議でも議論になっておりますが、もう一度確かめておきたいのですが、一つはやっぱり国が地方にうそをついちゃいかぬということです。昭和六十年度からカットするとき一年限りだとか、今度だけだとか、暫定だとかといって、なるほど便利な言葉はあります。情勢の変化とか財政事情が厳しくなったとか、こういうことがあったにしても、そういうことを要素に入れながら行政というのは執行しているわけでして、やっぱり地方公共団体などが怒っている点は、何だうそをついている、こういう気持ちがあるわけですね。 そこで、ただ正面切って都道府県知事や市町村長が政府に対してけしからぬというわけにもいかぬ、あるいは公共事業の貸し付けなどについても、貸し付けが多くなったから結局昔に復元するというのはなかなかできなくなったとか、いろいろな財政事情があるわけでして、そういうことがあるにしてもやっぱり非常に遺憾だと思います。今度は平成五年まで三年間、六十一年ベースでいくということですが、基本的には五十九年度のベースに戻すべきだと私は思いますし、地方公共団体の人も強く希望しております。自治大臣は特におわかりだと思いますけれども、例えば事業の種類によって違いますが、十分の五・五というのと三分の二では相当な開きでございます。この辺について五十九年度のベースに戻すことについてどうお考えなのか。 それに関連して、奥田自治大臣のときに交付税の五千億円の減額特例措置、これには自治省としてはとんでもない話で抵抗する、こういうお話だったんですが、最後の予算編成の詰めの大臣折衝のとき、自治省にかかわる部分ではこれも重要な項目になってのまざるを得なかった、こういうことですが、何か大蔵に押されっ放しのような感じがします。特に地方債の残高が六十七兆円余もあるという現実からすればもっと踏ん張ってほしい、こういう気持ちなんですね。この点について御見解、腹構えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(吹田愰君) 詳細にわたりましては政府委員が答弁いたしますが、まずお尋ねの最初の段階でありますが、政府が地方にうそを言ってはならぬ、これはそのとおりであります。何でもそうですけれども、うそを言うことは一番悪いことですから、うそを言ってはならぬと思います。そういう意味では、政府が言ったことについてはきちっと守っていくということが大事なことだと思います。 ただ、この場合の補助金のカット問題につきましては、決してうそを言っておるというほどの問題として大きく地方公共団体からおしかりを受けておるというふうには私ども受けとめていないのでありまして、今回は、まず最初に財政的な問題として六十一年度ベースまで引き戻す、そうしてある一定の期間、三年間程度の暫定期間を置いて、その間に逐次戻せるものから戻していこう、こういう構えであります。我々としましては、まさに地方自治体をいかに自主的に主体性を持ってやれるようにしていくかということに常に心を砕いておる省庁でありますだけに、その点だけは誤解のないようにしていただきたいと思っておりますし、大蔵省に押されつ放しに押されておるという状態ではないのでありまして、私は関係省庁からすれば大蔵省に対して最も強い省庁が自治省であるというふうに思っておりますし、対等の立場で十分話し合いのできる、むしろ時と場合によれば大蔵省の方が我が省に頭を下げなきゃならぬという場面がしばしばあるわけであります。それだけに、いわゆる政治のあるいは行政の国の単位である地方自治体というものを担当しておる自治省の力というものを大蔵省は十分認めておると私は思うのであります。 そういった意味から御理解をいただきたいと思いますが、詳細にわたりましては政府委員から答弁いたさせます。
○政府委員(小林実君) まず、国庫補助負担率の取り扱いのお話でございますが、国庫補助負担率につきましては、六十年度以降三回にわたりましてカットが行われまして、前回の暫定期間切れのときには、生活保護等につきましては一部復元いたしまして、そのほか厚生省関係を中心といたしまして経常経費系統のものにつきましては財源を確保しながら恒久化をいたしたわけでありまして、そのときにも公共事業等につきましては相当議論がございました。これは関係省庁も多く、その補助体系が非常に複雑でございまして、一方事業量を確保してほしいという要請も強くて、二年延長いたしたわけでございます。今回の折衝に当たりましても、私どもといたしましては、地方団体の意を体して大蔵当局と折衝いたしたわけでありますが、公共事業につきましては事業官庁もついておりまして、なかなか話が難航いたすわけでございます。 今回におきましては、特に新しい要素といたしまして、公共投資基本計画四百三十兆という問題が出てまいりまして、これは一種の国際的公約でもあるわけでございます。そういうことで、国当局におきましては、概算要求段階で四千億のシーリソグに特別枠を設けましたけれども、その半分は補助金カットに、あと半分は生活関連重点化枠に回す、こういうことで臨んでまいったわけであります。そのような中で、一部とはいえ、今大臣からお話がございましたように、補助率を六十二年度カット分につきましては復元をいたしまして、三年ということでお願いをいたしておるわけでございます。 今回の三年間の中におきましても、従来と異なりまして、自治、大蔵だけの了解ということでなしに、建設省、農水省、運輸省も入りまして覚書を交換いたしまして、暫定期間内に総合的検討を進める、こういうことになっておるわけでございまして、結論を得るよう最大限の努力をし、可能なものから逐次実施に移す、こういうことでございます。 今後とも自治省といたしましては、国と地方の信頼関係が損なわれることのないように適切な補助負担率となるよう全力を尽くす考えでございますので、御了解をいただきたいというふうに思うわけでございます。 第二点は、交付税の五千億の特例措置の問題であります。 国庫補助負担率のカットの話とこの話が平成三年度の地方財政対策におきましては一番大きな話になったわけでございます。基本といたしまして、私どもといたしましては、毎年度の地方財政対策におきましては、地方団体が地域地域におきまして当面しています諸課題に対しましての十分な財政措置を確保できること、しかも長期的に見まして安定的に、交付税で申し上げますとその総額を確保できるという基本の考えに立って臨んでおるわけでございます。 平成三年度におきましては、最終的には国庫当局に協力をするという形になったわけでありますが、まず歳出におきましては、重点課題でございますふるさと創生関連の地域づくりの事業につきまして、一番中心の事業につきましては、ソフト、ハードにつきまして八千億程度の財源措置を確保することができたということでございます。 もう一つは、公共投資基本計画に絡みまして、地方単独事業につきまして一〇%の増を見込むことができた。地方単独事業の大幅な増、約一兆二千億増になりまして、地方財政計画ベースでは十三兆三千億の仕事をし得るような見込みになったわけでございます。それに関連いたしまして、公共事業を円滑に実施いたすためには、土地開発基金、土地の先行取得が必要でございますので、その五千億の財政措置も話がついたということであります。 最後に、歳出面で大きな問題といたしましては、高齢者保健福祉推進十カ年戦略がございまして、これは厚生、大蔵、自治と仕事をいたしているわけでございますが、この事業に関連いたしまして地方の単独事業も必要となってくるわけでございます。それに関連いたしまして、昨年といいますか、平成二年の交付税法の採決のときに、特別決議で福祉基金の創設ということを決議していただいておるわけでありますが、そういうことで地方単独で地域福祉のための施策ができるように地域福祉基金二千百億の財政措置もし得る、こういうようなことになりました。私どもといたしましては、歳出面でふるさと創生、それから公共投資といいますか社会資本の整備、それから福祉関係の施策の面で大きな伸びを見込むことができたということが一つであります。 それからもう一つは、地方財政の健全化を進めておりますが、交付税特別会計におきまして過去借金をいたしておりまして、そのピーク時には六兆一千億ほどの借金がございましたが、それをほぼ実質的に解消する、五千億の関連で四千五百億ほど残っておりますが、それ以外は実質的に返済できる見込みになった。それから個別の地方団体につきましては、やはり五十年代あるいは六十年のカット以降、個別の地方団体が増発を余儀なくされております地方債につきまして、将来償還のための基金を積み立てるための財源措置もできることになった、こういうことでございます。そうした上でこの五千億を協力するという形になったわけであります。そういう措置を講じても、なお地方財政の歳入構造を見てみますと、地方税、地方交付税を合わせました一般財源の比率が六九・五%ということで、地方財政計画をつくるようになりましてから一般財源比率がこれほど高くなったことはないわけでございます。過去最高というようなことになってまいりまして、私どもといたしましては、以上述べましたようなことがございましたので協力できるのではないか、こういうことで考えてまいったわけであります。 特に、この五千億につきましては特例措置で減額ということになっておりますが、そのうちの四千五百二億は交付税特別会計に残っております借金の肩がわりというような形、繰り上げ償還のような形でございまして、交付税特会に残ります四千五百億につきましては、将来国の方から交付税の方で加算をしていただくという約束になっておるわけでございます。残りの約五百億につきましては、これは六十年度の補正のときに国の方に借りております交付税の借金がございまして、なお返し足りないものが七百億近くございます。そのうちから今回返済をした、こういうことで、五千億の実質的な内容は過去の借金の繰り上げ償還ないしはその肩がわりの形での協力、こういうことでございまして、実損をかけていないということで協力をいたすことにいたしたわけでございますので、御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○栗村和夫君 大臣、うそついたというとちょっときつい言葉になりますけれども、結局、補助金交付率をカットするときに、今年度限りだとかそういうことでスタートしてきた、これは数年以上前の話だからもう過去のことだということにはならぬ、そういう意味なんです。そういうふうにみんな思っていますから、市町村は。 それからもう一つは、答弁要りませんが、結局、一般財源比率が過去最高になったと言っても、弱小な自治体、つまり過疎地帯とかそういうのが圧倒的に多いわけですね。それと、東京都とか東京の特別区とかじゃんじゃん税金の入るところとならして議論してもこれはいかぬと思うんで、その辺やっぱりきめの細かい財政論というものを持たなくちゃいかぬだろう。それで新過疎法とか何かいろいろ出てくるわけですけれども、そういう視点でひとつ御指導いただきたい、こう思います。 三点目、ふるさと創生事業、これは私は積極的に評価する立場です、過去の自分の体験からいっても、周りを兄渡してもですね。これはさっきの大臣の所信表明について前大臣のを継承する部分の極めて重要な柱になっていましたけれども、このみずから考えみずから行う地域づくりというやつを、一億円のあれだけで終わるんではなしに、あれがおもしろいんですから、ちっちゃな町もでっかい市も一億円やるぞというあの発想がおもしろいんで、それも総括すればメリットとデメリットがあると思います。何でも両面があるようにあると思いますが、これからさらにどういう形で発展させようとされているのか。例えば雇用ですね、まちづくり特別対策事業の、これはさらに相当多目に思い切ってやれとか、あるいはリーディングプロジェクトの対象事業をぐっと拡大していくとか、こういうようなことについて中身としてお考えになっていることがあれば二、三お話しいただきたい、こう思います。
○国務大臣(吹田愰君) ただいまふるさと創生問題にお触れになったわけですが、これは竹下内閣時代にこの問題が取り上げられまして、日本全国津々浦々すべてふるさとであるという建前に立ちまして、それなりの特色を生かし、みずからひとつ自分の町はどういうふうに将来に夢を持っていくかということについての考え方、こちらから官製的に押しつけるんでなしに、自分たちが考案して自分たちがこれを推進する、それに政府は財政的な援助をいたしましょう、こういうことでありますが、それは今日依然として続いておるわけでありまして、現在もソフト事業で三千三百億というものが交付されていくわけでありますし、またハードの事業も、それなりに地域においての考案されたいろいろな考え方について、我々はそれに対する起債と申しましょうか、地域総合整備事業債というものを出しまして援助する、そうしてまたこれに対しての財政的な元利償還に対してもそれなりの財政的援助を加えていく。こういうふうにして、やはりその地域地域、三十八万平方キロというものが日本列島のすべてでありますけれども、条件がみんな違う。その条件が違う中で町長さんや市長さんやあるいは議員の皆さんが住民から選ばれて、自分の町はどういう点に重点を置くか、どこをどういうふうに活用して他の町村に先んじて特色ある町をつくるかということを努力される、そういうことについての御援助をしようということがこのふるさと創生であります。 さらに最近におきまして、政府の方も二月二十一日に活力ある地域づくり推進本部をつくりました。これは活力倍増プランと言っておるわけでありますが、海部内閣になりまして、第二次海部内閣でこれを打ち出してきておるわけであります。これは、ひとり自治省のみならず、政府全体で活力倍増運動というものを進めていこうではないかということに相なりまして、どういう問題をとらまえてでも活力をつくっていくということが必要ではないかというような話になりまして、私はそれをその席でも言ったわけでありますが、活力倍増ということは、わかりやすく言えばやる気倍増だということが基本でなければだめだということを前提に、いわゆるふるさと創生の哲学というものをその基礎に置いて活力倍増運動をやっていくんだ、やる気十分、やる気倍増ということで事を進めれば立派な地域社会ができるんではないか。特に、今先生御指摘になりましたが、日本列島の大部分が山村でありあるいは漁村であるという、条件の必ずしも整備された状況でありません。そういうところにこれからますます社会資本の充実を図って地域の環境を整えていくということから始めていかなきやならぬと思うんです。それが地方の問題だと思います。そして、距離と時間とを縮めていくということが率直に言って大事なまず第一歩ではないかなと思っております。 それから、大都市においての問題も自治省の担当でありますが、東京都にしましても大阪市にいたしましてもそうでありますが、非常な過密状態になっておる状況というものは、都市計画の上からしましても、すべての面から総合的に判断してみまして、これから近代的な都市として生まれ変わっていく多くの問題があります。それには、住宅問題もございますし、道路整備の問題もありましょうし、あるいはまた生活関連の事業がそれぞれおくれておりますが、そういった問題等もあります。ですけれども、これ以上人口をふやさないようにするということに重点を置くとすれば、私はむしろ私なりの、これは吹田愰政治家個人として言わせてもらえば、むしろ東京なんかにしましても大阪にいたしましても、緑をふやすということに相当重点を置かないと空間が全くないというような感じがいたしますから、この緑をふやすということも大都市において私は大きな要素ではないかなというような感じを持っておりまして、これから自治省がそういった過密地域と過疎地域の問題、山村地域の問題、あるいは離島の問題を考えてまいりますと、これからさらにふるさと創生の精神を中心としてやるべきことがたくさんそれぞれの地域にありますから、そういったものに対する単独事業に全面的な協力を進めていこう、こう思っておるわけでございます。
○栗村和夫君 大いに意気込みはわかります。この緑をふやすというやつは最後にちょっと議論してみたいと思うんですが、構造改善局の方、見えていますね。 そこで、ふるさと創生事業、これの原資は見てやるぞ、原資は交付税、こういうことになっています。最近、何でもかんでも交付税措置論というのがじわじわと多くなってきているように思うんです。ところが、交付税の総枠というのは決まっていますから、これをやっぱり三二を三五にするとか枠をふやしていくとすれば、当然私は補助金というものはカットされる部分が出てこなくちゃいかぬ、こう思います、財政論の整合性上。 そこで、最近非常に関心を持って議論になっているのは、土地改良法の改正に伴って、特にそういうことを抱えるのは農村地帯が多いわけですが、市町村にも今度は義務づけていく。従来は国と都道府県というやつが、今は現実には任意で負担しているからそれを法律で明確化していく、こういうことなんですが、これきょうは一つの例を引く意味で構造改善局に来てもらっていますので、今度の法改正に伴って必要な市町村の負担の財源は交付税で措置する、こういうことの説明になっているわけですが、その辺を要領よく、自治省との話し合い、法改正の趣旨を説明してください。
○説明員(菊池俊矩君) 現在土地改良法の改正案を御提出させていただいております。この内容でございますけれども、近年農村におきましては農家だけでなく非農家も非常にふえて混住化しておるわけでございますけれども、その中におきまして土地改良事業の役割が農業者だけでなく地域全体にとりましても大変大きなものになっている。また、そういうことにも対応いたしまして、市町村が事業の事業費の一部を負担いただいているという例が多くなっております。こういうような実情にかんがみまして、国営並びに都道府県営の土地改良事業につきまして、市町村の事業費負担を制度的に明確化しようとするものでございます。 具体的に申し上げますと、国、県営の土地改良事業の事業費負担につきまして、現行の仕組みによりますと原則国、都道府県、農家、この三者で分担するということになっておりますが、その中におきましても市町村が同意した場合に限りまして市町村負担がなされてきた、そういうのが現行でございますが、今回の改正によりまして、事業によりまして利益を受ける市町村に事業費の負担をお願いすることができるということを法律上明らかにしよう。具体的な手続でございますけれども、市町村が負担する額につきましては、その市町村の御意見を伺った上、都道府県の議会の議決を経て定めるということといたしております。このような手続を経まして決定いたしました市町村負担につきましては、その後事業費負担の実態を反映した地方交付税措置がなされる、そういう予定であると聞いております。
○国務大臣(吹田愰君) この問題につきましては今農水省からお答えいたしましたが、私も実は山口県の土地改良連合会長もやっておりますし、全土連の理事もいたしておりまして、極めて若いときから土地改良に熱心に取り組んできた男でありますが、もう少しわかりやすく申しますと、一つの例をとって申します。 明治以前からできておる老朽ため池というものが全国にたくさんあります。ところが、最近その老朽ため池が、例えば二十町歩の関係面積のため池であったとしましても、現在その下流部にずっと多くの住宅団地ができておるという地域がたくさんございます。ところが、住宅に入っておる人たちはその上にそんな古い危険な老朽ため池があるというのを知らない。そのままで買って、自分が楽しい我が家としているわけであります。 ところが、実際にはそういう状態の中で、農家の方はかつては二十町歩であったけれども、団地ができたために現在は五町歩しかない、それでもそのため池は維持されているわけであります。そういうことになってまいりますと、もしもそれが決壊するというようなことになりますと、その災害は大変大きなものになってくるんですけれども、農地災害のみにとどまらず人災が起きてくるわけであります。いわゆる人家に対する災害が発生するわけであります。 こういったことから、農家負担にすべてをかけるということを言いましても、従来の二十町歩のときと五町歩になったときの農家というものはもう四分の一になっているわけであります。これに全部負担かけるということは大変なことでありますから、私どもは公共性があるではないか、公共性があるものに対しては農家の負担にするな、こういうものは地方の町村が負担してくれということを言っておるわけであります。 それに対して県がこの際、県営事業ですからこれに対してできるだけの面倒を見ようということにしてくれることに農水省もこの際踏み切ってもらいたいという要望に対して我々の方もそれにこたえよう、こういうことがそもそもの問題でありまして、補助率が低いものですから、さっきの御指摘のように、どうしても我々の方の交付税である程度面倒見てやるということでないと市町村が大変になってくるということからするわけで、まだ市町村営とか団体営の問題までは波及しておりません。その仕事もやがて私はそういう制度で農家負担を軽減していくということに持っていかなきゃならぬと思っておりますが、当面は県営事業ということに、あるいは公団事業ということに絞っておるところでございます。
○栗村和夫君 私は、事業の必要性のことを言っているんではないんです。財源措置のことを言っているわけでして、何でも安易に交付税で措置をする、こういうことが蔓延していきますと、交付税そのものがたんだん、これ一定の枠しかありませんから、本来のものが狭まっていってしまう。それをちょっと恐れている。 それで、土地改良はたまたま今いろいろ話題になっているから例に引いたんですが、いろんな福祉施設も物すごく金食うんです。本来なら国、都道府県なんですよ、ああいう福祉施設というものは。それも今度は市町村あるいは広域行政、こういうような形でどんどん市町村に来ているわけです。 ですから、それも償還のときに交付税で見ましょうとか、いろいろな形で自治省もやり合ってはいらっしゃると思いますが、そういう安易な交付税措置論をとっていると、やっぱり交付税そのものがだんだん窮屈になっていく。交付税というものは、私はふるさと創生事業のようなみずから考えみずから行う地域づくり、こういうものにこそばしゃんと充てていく、こういうシステムが非常に精神としても生かされるのではなかろうか、こういうことなんです。 そこで、構造改善局きょう来ていただきましたので、私もかつて何年も十何年も、あるいは何十年もと言ったらいいか、土地改良の国営に町から補助を任意に出すとか、そういうことをずっとやってきましたが、とても耐え切れなくなってきているんですよ。それから、農家にこういう米価の状態で農家負担なんてとても言い出せるものじゃない。後継者はいない、それから収入は全く上がらない。しかも水稲単作地帯なんかには多いわけですから、かん排事業自体。そういう実情からして、安易な交付税措置論を、ひとり土地改良のことだけじゃないんですが、言ってもらっては困るぞと、そういうような警鐘を鳴らす、そういう意味で申し上げたわけです。おわかりいただけましたか。
○国務大臣(吹田愰君) 私が言っておりますのは、交付税を安易に云々するという意味ではないのでありまして、特にこうした土地改良等を推進する地域というのは農山村でございますから、そういうところの環境整備というものが今一番要求されておるところですから、そういった環境整備の一環として土地改良事業というものは地域がみずから申請をされることでありますから、我々の方から土地改良をやりなさいとかやりなさんなとかということを言っておるわけじゃありませんから、みずから申請をしてくるわけでありますから、そういったことが地域の環境整備に非常に大きな影響が出てまいります。 こういった意味において、土地基盤整備とかあるいは集落排水等いろいろ問題もございますものですから、こういった点に我々の方は、交付税というのは市町村が持っておる固有の財源であるという建前に立てば、ある程度の援助をしていくということは当然ではないかなと思っておるのでありまして、ただ安易に出すという気持ちでは毛頭ございません。
○政府委員(小林実君) ちょっと補足して申し上げたいと思いますが、地方財政計画でいろいろな経費を積んでまいりますが、そのときに国庫補助負担事業と単独事業というのがあるわけです。今土地改良の話は国庫補助負担事業についてのお話でございますが、御承知のように地方財政法十一条の二というので国庫補助負担事業の裏の地方負担については基準財政需要額は算入しなさいという規定がございまして、従来、土地改良事業につきましては、その算入の仕方が標準事業費方式といいまして、耕地面積あるいは農家戸数に応じて算入をするという方式をとってまいったわけでございます。今回法律改正が行われるわけでございますけれども、土地改良事業に係る地方負担の総量は従来と変わるわけではないわけでございまして、従来、必ずしも国、都道府県、市町村、農家の間の負担区分というのが明確でございませんものでしたから、この交付税措置は標準事業費方式で行ってきたわけでございます。 ところが、最近の厳しい農業環境等もございまして、また土地改良事業につきましては、事業によりましてはある年度にある団体に事業が集中いたしまして、そのときに当該地方団体の負担が大変である、こういう事態が出てきたわけでございます。一年かけまして農水省の方でこの土地改良事業につきましての国、県、市町村、農家の間の負担割合につきまして研究をいたしまして、ガイドラインを出すことになったわけでございまして、そういう標準化が図られるということになったこと、こういうことを考えますと、ある意味では土地改良事業の中でもダムとか排水施設等の公共性の高いものにつきましては、河川事業等のほかの公共事業と同じように事業費補正方式を導入してもいいんじゃないかということになってきたわけでございます。 そういうことで、従来から問題になっておりました土地改良事業につきまして、ある程度ガイドラインというものが示されることになりましたので、今回、事業の実態に合わせる、地方団体の実負担と交付税措置がある程度見合うような形での措置をする、こういうことになったわけでございます。この措置は、あくまでも地方団体の事業選択を前提にいたしておりますから、私どもといたしましては、交付税につきましての基本的性格を変えるものではないというふうに考えておりますし、従来からいっております交付税措置、総額が変わるわけではなくて、実際に事業を行う団体につきましてある程度きちっとしたルールがつくられてくるというふうになりましたものですから、それに見合った措置を一部導入しようということになってきているということを御理解いただきたいと思うわけです。
○栗村和夫君 どうも長州と奥州で言葉がちょっと行き違いになるようなことがあるようですが、僕が言ったのは、交付税で措置して、あるいは見てやるからそれを市町村も負担してもいいのじゃないか、こういうものが次々に出てくると困る、こういうような意味なんです。安易というのはそういう意味なんです。それじゃ交付税で措置をしてもらえるから安心してぼんぼん補助金、負担金出してもいいんじゃないかといっても、これはとても一〇〇%とかというわけにもいかぬわけでして、それを市町村では相当懸念されている、こういうことなんですが、きょうは一応当事者の構造改善局の立ち会いでその辺を少し確かめておきたいと思ったので申し上げました、例に引きました。どうもありがとうございました。 次に第四点目は、自治省と地方自治体との人事交流。これは天下りだとかいわれる人事交流、あるいは地方自治体から本省、本庁の方に来る出向職員、それからこれは人事交流ということではないかもしれませんが、自治省出身の知事はもう既に三分の一、十六名に達していますね。こういうようなことを見て、人事交流の持つ弊害の面と積極的に評価される面とあると思います。私は、人事交流というのはもっと活発はやっていい、ひとり自治省のみならず、そういう考え方なんです。 そこでお間きしたいのは、キャリア組とかそうでない人とかという区別は余り要らぬと思うんですが、下の方からいうと、都道府県の地方課長だ、財政課長だ、総務部長だ、副知事だ、こういうふうになる。副知事のまま選挙に立てば強いから自治省出身の知事が多くなるというのは選挙力学上も権力構造上も当然の話なんです、これは選挙でクリアされているわけですからそこまでは触れませんが。もう少し、むしろ人口五万人あるいは十万人以下ぐらいの市、そういう市町村、これは三千二百の自治体のうち圧倒的に多いわけですが、そういうところの助役でも経験させて、そして議会をまとめるにはどんな苦労が要るかとか、さてペーパープランを立てたけれども用地買収というのはどんなに苦労があるかとか、こういうものを直接体験させた方が役人として将来を担うにも非常にいい勉強の場になると思うんです。ですから、いろいろありますけれども、きょうはその辺の、市町村、小規模の市町村との人事交流の実態その他について若干御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(吹田愰君) ただいまの先生のお話は非常に大事な問題であります。けれども、考え方を間違えますとむしろ大変なことに発展するというふうにも考えられるわけでありますので、これは十分注意しなきゃならぬことだと思っております。 地方公務員と国家公務員との交流ということは、それなりに非常に意義がある。いわゆる第一線というものを、住民と直結しておるところ、その勉強をするということは中央においても大事なことであり、また地方の地方公務員が中央に来て、中央でどういうような作業がされてこういった仕事ができておるのか、国会とのつながりはどういうふうになっておるのかということを勉強する意味からも、私は極めて大きな意義があると思うんですね。 特に一つ例をとって申しますと、地方公共団体の県あたりでも、電気通信とか電波とかという面には全く素人の方が多いわけであります。それかといって、それじゃ郵政省はどうかというふうなことを調べてみますと、郵政省は一部事務組合という言葉すら知らない職員さえいるわけであります。それだけ地方自治体のことについて、地方行政のことについて疎いわけです。なぜかなれば、ここで郵政省の批判をするわけじゃありませんが、郵政省というのはただ我が道を行く場合が非常に多いものですからどうしても、今まで行政とのつながりがなかったという点もありますね。 そういう意味で私は人事交流というのを従来から提唱しておったんですが、そういうことになりますと、地方自治体の県庁の中にも電波の問題あるいは通信の問題に専門家が入って、そこでお互いに勉強をすれば非常にすばらしいものになり、その自治体から郵政省に入ってくれば郵政省に地方自治体の行政というものを教えることもできるということから相互の勉強に役立つと思っておりますから、そういう点では私は非常にいいと、特に今先生のおっしゃる小規模の町村の助役でどうだというようなお話がありますが、全く私も賛成であります。住民と直結してやれば、難しい問題が第一線にはどれだけあるかというのをよくわかってもらえますから、非常にいいことだと思いますね。 ただ、あとは、私の方から押しつけるものでもなければ、そういった問題は強制的にやるものでもありませんので、要請にこたえてということがまず一つである。それと、適当な数字でないと、余りにも大幅な問題になってまいりますと、行政が、これは上級官庁でありこれは下級官庁であるというような問題にまで発展するようになってまいりますと非常に遺憾な点が出てくるわけでありますから、そこらは注意しなきゃならぬ問題だと思いますが、趣旨としては私は賛成であります。
○栗村和夫君 一時間を少し突破するな。これからいいところが残っているんだが。篠崎さん、ちょっと少し食い込みますが、これは内輪だからいいでしょう。 それじゃ暴力団の取り締まりに関してですが、これはちょっと質問したいなと思ったんだが相当カットしまして、青少年の、最近のテレビ、新聞などの報道を見ていて、中学生のときから少し元気のいい坊主どもが暴力団の誘いに乗ってそれが予備軍になっていってしまう、その傾向がふえている、こういうようなことを非常に憂慮していますが、その辺のところがどうなのか。それから、資金の面で根を断ってしまうというのが今度の新しい法律改正というか、新法のねらいなんですね。そういうときはテキ屋とかヤシ、こういう者までも対象になるものかどうか。それから、それに関連して、公安委員会で指定するということになれば、指定された暴力団は悪くて指定されないのは社会的に認知されたということになっていってしまって、わかりやすく言うとですよ、そういうようなことのややこしさが出てこないものかどうか、この点お話しを。
○政府委員(國松孝次君) まず青少年の問題でございます。ただいま委員御指摘のような憂慮すべき事態がございます。ちょっとそれを数字で申しますと、昨年警察庁におきまして逮捕、勾留をいたしました四百五十三名の暴力団員から面接調査をいたしたわけでございますが、これによりますと、四百五十三名のうちの百四十一名、三一・一%に当たるわけでございますが、これが暴力団に加入をいたしましたのが二十歳未満のときであったという実態がございますし、さらに暴力団員との交際が始まったという者につきましては二百七名、四五・七%に上ることになっておりまして、青少年と暴力団との関係というのは大変憂慮されるところでございます。 こういった問題につきましては、もちろん私どもといたしまして、現行法の枠組みの中におきまして積極的な暴力団に対する取り締まりの反面、少年の補導活動や相談活動を通じまして暴力団から青少年を守るということを推進することがよろしいと思いますけれども、またこれとあわせまして、少年が暴力団に加入することなどを防止するための新たな法的な仕組みについても検討する必要があるのではないかというように考えております。 それから、テキ屋とかヤシ、こういう者についてのお尋ねでございました。現在確かに暴力団対策のための法律につきまして立案中でございますが、まだ政府案ができていない段階でございますので、その内容につきましてお話をするのはちょっと差し控えさせていただいた方がよろしいのではないかというように思いますけれども、とにかく検討中の法律案におきまして対象といたします暴力団と申しますものは、民事事件にどんどん介入をしてきて一般の市民の方々に迷惑をかけるような暴力団、あるいはけん銃などを発砲いたしまして一般人を巻き込んで死傷させるということを恬として恥じずにやっておるような悪質な暴力団、そういったものを何とか新しい法律で新たな規制をかけてまいりたいということで検討中の法案でございます。 したがいまして、テキ屋あるいはヤシと呼ばれているような方の中にもなるほど一般的にはやくざであるとか暴力団であるとかいう形で呼ばれるような者がおるのかもしれませんが、あくまで私どもの今考えております暴力団立法と申しますものはそういう枠組みが一つきちっとかかっておるわけでございますので、縁日などでいろいろとやっておるテキ屋、ヤシなどが直ちに入ってくるというようなことはないというように考えております。 それから指定の問題でございますけれども、指定をすると申しますものは、暴力団と申しましても今申しましたようにテキ屋、ヤシのたぐいから、非常に悪い山口組といったような完全に民事介入をし、対立抗争をする暴力団までいろいろございます。その中である程度一定の要件をかけて、この法律の枠組みはここであるということをやる法律でございますから、いわば土俵をどうしても定めなければならない。その土俵を定めるという意味で指定を行うというわけでございまして、この指定の意味の中に何らの価値判断もないわけでございます。したがいまして、指定されたのは悪くて指定されないのはいいとかいうようなことではなくて、あくまでこの土俵を定めるということでございます。なるほど、指定をするところには悪い者というものが中心になるのは間違いありませんが、だからといってそれの指定がなかったからいい暴力団というようなことはないわけでございまして、それはあくまで現行法の中で、集団的、常習的に暴力的行為を繰り返すというような集団であれば、そういう観点からそういった指定から外れた暴力団につきましても当然現行法の枠内で厳しく取り締まっていくということでございますので、その辺もう少し法案の枠組みができました段階で当委員会におきましてもいろいろと御答弁さしていただくことがあるのかもしれませんが、現状ではその程度でとどめさせていただきたいと思います。
○栗村和夫君 まだありましたが、わかりました。 特に青少年のこれには万全を期して、やはり地域ぐるみの運動になっていますから、僕らもよく現場でやってきましたけれども、暴力団の取り締まりの中の資金だけの問題でなしに、そっちの方がむしろ憂慮されると思いますので、ぜひ御奮闘いただきたいと思います。 それから最後ですが、国会の移転決議を衆参でやりました、百周年を記念して。私は最初、こんなできもしないことを決議して、政治改革みたいにいつまでも抜本是正抜本是正ばかり言ってしょうがない、こう思っていましたが、そのうちに社会党の遷都問題等調査特別委員会の中に組み入れられて、やっぱりこれは賛成しないとためだぞということになって、そういうものか、こう思って賛成の意思表示をしたわけですが、このことを決議されました。された以上、これは国会の問題と行政庁と一緒になってやっていく。所管は国土庁。しかし私は、首都機能の移転とかそういうことについては自治省はやっぱり主役を演ずるべきだと、中身の問題で。役所にはそれぞれ役所の縄張りに足を踏み込むことはしない、これは鉄則ですが、当然のことなんですけれども、そこでまず、この国会決議を受けて国土庁はどういう対応をしているか、それについてお尋ねします。
○説明員(野見山恵弘君) 昨年十一月七日に各党派の合意によりまして国会等の移転に関する決議が行われたことにつきましては、その決議の際の総理の御答弁にもありましたとおり、国会が率先して一極集中是正のきっかけを与えていただいたと理解しております。 国土庁といたしましても、昨年一月より大臣の主宰する懇談会を開催いたしまして、国土政策の面からの首都機能移転問題について検討を行ってきたところでございますが、首都機能移転問題は第四次全国総合開発計画にありますとおり、国民生活全体に大きな影響を及ぼすことでございまして、国民的規模での議論も必要とするものと認識しております。 今後とも、国会の決議を受けまして総理が開催しておられます有識者会議の検討と連携を図るなど、決議の意を体して検討を進めてまいる所存でございます。
○栗村和夫君 それでは、まだあったんですが、二人合わせて二時間で、十分食い込んでしまったので今おしかりを篠崎委員から受けていましたので、ここからあとは希望です。 一極集中の根源というのは何でもかんでも東京もうでしなくちゃ用が足せないということなんです。補助金、許認可などなど陳情政治の弊害きわまれりという感じがするわけですけれども、自治省は、こういうものの地方への多極分散についても、やっぱり地方省庁を活用するとか、ブロックの都道府県議会、知事会議とか、そういうものを活用していくとかいろいろな形でひとつ考えていただきたい。行政の仕組み、そういうことについて希望して終わります。
○篠崎年子君 時間が少なくなりましたので前置きは省かしていただきますが、自治大臣の所信表明の中での、二十一世紀に向け時代にふさわしい地方自治の確立のため、最大限の努力を払ってまいりますという御決意のほど、今後ぜひともそれを実行に移していただきたいとお願いいたす次第でございます。 そこで、公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案というのが後で審議されることになっておりますが、同法案に対しまして少しお伺いをいたしたいと思っております。 本法律のいわゆる公害財特法というのは、昭和四十五年の第六十四回国会、公害国会と言われていたものでございますけれども、そこの中で十四本の公害関係法が制定されまして公害関係制度の体系化が進められ、その後を受けて公害対策基本法第二十三条の財政措置、同第十九条の地方公共団体の公害防止計画の担保として昭和四十六年四月に十年間の時限立法で制定をされたものでありまして、昭和五十六年三月に延長されまして今日に至っているものですけれども、本法に基づきます事業の実績並びに財政措置の実績をお示しいただきたい。そして、それによりましてどのように公害対策が進んできたかということの成果を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(小林実君) 公害財特法の過去十年間の実績についての御質問でございます。 過去十年間におきまして公害財特法の適用を受けました総事業費は約四兆二千億でございます。また、補助率のかさ上げ額は二千四百億、こういうことになっておるわけでございます。この法律のかさ上げ対象事業は、下水道あるいは廃棄物処理施設、河川、港湾の浄化、公害対策に絡む土地改良事業等々あるいは公害監視、測定施設、設備等につきましてかさ上げをいたしておるわけでございます。 この法案が契機となりまして、その後、この法を最初に制定して以後、下水道につきまして補助率が上がったりいたしましたし、また廃棄物処理施設につきましては四分の一とか三分の一とかいう低い補助率でございますが、それを二分の一に引き上げておりまして、これによりまして地方団体が果たすべき事業につきましては大いに進んだ、その結果、水質とかあるいは大気の汚染防止、それを改善することに大きく寄与したというふうに私どもは思っておるわけでございます。
○篠崎年子君 ただいまの御説明で、かなりの金額を投入しているということでございますけれども、その中の一つ下水道の普及ということを見てみますと、これが入りましてから特別に下水道の普及が伸びたということにはなっていないので、年々大体一%ぐらいずつの伸びではないかと思うんですけれども、この辺での御努力はいかがでございましょうか。
○政府委員(小林実君) この法案ができました四十六年当時におきましては、公共下水道事業につきましては補助負担率が十分の四でございまして、この法律ができまして二分の一になったわけでありますが、その後建設省の方で四十九年に制度改正がございまして、国庫補助負担率につきまして三分の二とか十分の六とかいうふうに率が上がったわけでございます。そのときにはやはりこれからは下水道事業の時代ということで、公害防止計画区域だけでなく全国につきましてその補助負担率が上がったわけでございます。 地方財政関係の財政措置の仕方としていろいろあるわけでありますが、公共下水道関係につきましての国庫補助制度、それからその裏の地方負担につきましての地方債、交付税措置のぐあいというのは、他の事業に比べまして非常に理論的にもそれから財政措置の内容につきましてもほぼ満点に近い措置になっているというふうに私どもは思っております。 しかし、それでもなお不十分ということでございますので、平成三年におきましては特に普及率向上に資する地方単独事業につきましての交付税措置を若干高めまして、普及率向上に資する事業を大いにやってもらおう。といいますのは、幹線のパイプ部分だけやって普及率につながる末端のパイプ事業をなかなかやらないという地方団体もあるものですから、そういうところにつきましては若干交付税で当該年度に措置いたします内容を高めるというようなことを考えたらどうかということを考えておりますし、それから議員立法でお願いをすることになると思うのでありますが、過疎地域につきましては、都道府県によりまして建設事業を代行するというようなことも制度的に改善をするようなことをいたしております。 御指摘のように、遅々として事業が進まないという御印象をお持ちかと思いますが、今回の五カ年事業におきましても相当の事業量の伸びになっておりますので、私どもの財政措置もそういったことで着実に内容を高めまして、その普及率向上に資するように努力をしたいというふうに思っているわけでございます。
○篠崎年子君 一〇〇%の努力だというふうにおっしゃっておりますけれども、今御説明がありましたように、下水道の場合には確かに本管布設ということについてはいるいる補助の対象になっておりますけれども、やはり今お話しになっておりますように、地方公共団体ではそこから末端の方へ引く管渠、ここのところでどうしても費用がかさむので普及率が進展しないという状況にあるかと思いますので、今後この点についてのさらに御努力をいただきたいと思うわけでございます。 ところで、今回また十年の延長ということになってまいりますけれども、今後の事業費ないし財政措置の見通しほどのように立てていらっしゃるのでしょうか。それからまた、あわせまして国、地方公共団体の今後の公害対策の取り組みについて御説明いただきたいと思います。
○政府委員(小林実君) 下水道につきまして若干補足して説明をさせていただきたいと思いますが、下水をきれいにする、生活排水をきれいにするということで、農水省関係の農業集落排水事業とかあるいは漁業集落排水事業等につきましても数年前から改善を図ってまいりまして、下水道事業と全く同じ措置で財政措置をするということにいたしております。地域地域に応じまして大規模な公共下水道あるいは今の農水省の補助制度を使う、あるいは厚生省のシステムもありましてそれを使うということで、大中小それぞれ地域に応じたやり方で事業を進めていただくようにお願いしたい、それに対しまして我々といたしましても努力をしたい、こういうふうに考えております。 それから、今後十カ年の見通しはどうかというお話でございますが、この法律の補助対象の事業は公害防止計画をつくりました地域が中心となるわけでございまして、これはまだ十年間の事業計画ができておるわけではございませんで、せいぜいこれから二年先とか四年先とか五年先ぐらいまでの事業計画しかないわけでございまして、確たる数字を申し上げることができないわけでありますが、平成二年度の実績から申し上げますと、それを単純に十倍すれば事業費では四兆五千億程度、かさ上げ額は二千四百億程度、こういうことになるわけで、これは対象地域の事業計画その他によりまして大きく変わってくるものでございます。
○篠崎年子君 公害対策につきまして大変御努力をされた結果として今下水道の一つの例を挙げられたのですけれども、水質保全とかあるいは大気の汚染の防除とか、そういうことにもかかわってくるかと思いますけれども、今後大いに努力をしていただきたいと思うわけです。 それで、これは要望ですけれども、下水道の施設となりますとどうしても大きなものになりがちになってまいりますが、小さな集落等におきましての先ほどの農村集落の施設とかあるいはある団地での合併浄化槽とか、そういったことについても今後国として大いに補助対象にしていただきたいというふうに思うわけでございます。 ところで、総理府広報室の世論調査が昨年の七月に行われまして、そのテーマは「生活型公害に関する世論調査」ということでございましたけれども、その調査の中で、「我が国の公害問題は、以前(十~十年前)と比べて改善されたと思うか」という問いに対しまして「改善されたと思う」と答えた者の割合が二八・二%、「どちらとも言えない」と答えた者の割合が三五・二%、「改善されたとは思わない」と答えた者の割合が三〇%というふうになっておりまして、わずかではありますけれども、「改善されたとは思わない」と答えた人の方が多いわけです。それと「どちらとも言えない」というのもありますので、「改善されたと思う」という人が三分の一しかないということは大変少ない数字ではないだろうかと思うわけです。これをその前の調査、六十三年一月にも実施されておりますけれども、それと比較いたしますと「改善されたと思う」と答えた者の割合は低下をしており、「改善されたとは思わない」と答えた者の割合の方が上昇してきているわけです。 そうしますと、せっかくこれまで財特等も使いまして公害行政をやってきたということが国民に余り評価されていないのではないだろうかと思うのですけれども、これについて当局の方あるいは大臣はどのようにお考えになりますでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(吹田愰君) ただいまの数字を伺いまして意外に思っておるわけでありますが、それは下水道の場合でしょうか、それとも全般の環境の問題でしょうか。
○篠崎年子君 公害全体です。
○国務大臣(吹田愰君) 環境の問題全般になってまいりますと、私はお話しになりましたことはよくわかります。下水問題などというのは生活環境の上で非常によくなってきておるという状況でありますし、それから農村におきましても相当改善されつつあります。全く白地のところにつきましても建設省が下水関係をやっておりますし、また農水省が構造改善局で集落排水に非常に意欲的に取り組んでおりますし、だんだんとある程度まで規模の小さいところから大きいところまで取り上げてくれるようになってまいりましたし、これは相当改善されつつあるということを私も承知しております。 ただ、今お話しになりました中の要素として言えることは、大気の問題それから湖沼の問題、いわゆる沼が非常に汚染されておるという問題です。そういう生活雑排水等が出まして非常に汚れておるという湖沼をどうするかという問題、あるいは大気の特にCO2という固定発生源から出る問題とNOx、移動発生源から出る自動車のいわゆる排気ガス、こういったもの等からしますとこれはもうおっしゃるとおりでありまして、生活環境は非常に悪くなっておると言ってもいいと思います。特にその中でも大都市圏の五つの都市圏におきましては、これは非常に悪くなっておるというふうに申し上げて私は過言でないと思うのであります。そういう意味で環境庁も非常に熱心に取り組んでおりますし、私もかつて環境問題でそういう点をずっと取り扱ってきましただけに憂慮しておるわけであります。 そういったことから、ぜひひとつこうした大気の問題と水質汚濁の問題についてさらに一層の努力をしなきゃならぬというふうに思いますし、また自然環境の破壊という問題がいろいろな形で出ております。ゴルフ場の問題やその他で出ておりますが、こういう問題もこれから大いに守っていかなきゃなりませんので、そういう点も含めて自治省で果たすべき役割があるとすれば関係省庁との御協議によって協力をしていかなきゃならぬ、かように考えるわけであります。
○篠崎年子君 今から質問しようと思っておりましたことを大臣が先取りしてお話しになりましたのでちょっと言いにくくなってきたわけですけれども、確かに今のお話のように、大気の汚染あるいは湖沼の汚染ということがなかなか改善をされていかないという状況でございます。これはただ一つの環境庁だけがどんなに努力をしてもだめですし、各省庁がやはりお互いに横の連絡を密接にしながらこのことに取り組んでいっていただきたいと思うんです。 念のためにちょっとお尋ねをいたしたいと思いますが、昨年の十二月十八日に環境庁が発表いたしましたが、環境基準を満たしているかということにつきまして、二酸化硫黄あるいは一酸化炭素、これは大体環境基準を満たしているようでございますけれども、今ちょっとお話がありましたように、二酸化窒素、NO2については環境基準の目標達成が大変難しい状況になっていると伝えられているようでございます。 環境庁の各排ガス測定局三百七局が調査いたしましたのでは、基準の下限〇・〇四PPm未満が一九・六%しかなくて、上限の〇・〇六ppmを超えたところが三四・五%、百六局もあるというふうに調査で発表しているようでございます。このことを見ます限りでは改善されたという感触は持ち得ませんし、特に昭和五十三年には一日平均〇・〇二ppmというのを大幅に緩和して、これは七年以内に達成をいたしますということで〇・〇六ppmを超えない、こういうふうになったんだと思うんですけれども、これが三四・五%も超えているところがあるということではまだまだ努力が足りないと思うのですが、その原因及び今後の改善方策について御答弁いただきたいと思います。
○説明員(浅野楢悦君) ただいま篠崎先生、数字を挙げてお話しございましたように、大気汚染物質の中でも窒素酸化物によります大気汚染の状況は改善がはかばかしくございません。今篠崎先生お話しの数値は全国の数値でございますけれども、先ほど吹田自治大臣からお話がございましたように、特に大都市地域におきましてはさらに厳しい状況でございます。 端的に具体例を申し上げますと、私ども測定数値を一般環境大気測定局と自動車排出ガス測定局に分けて測定をいたしておりますけれども、後者は道路沿道の排ガス測定をしている局でございますが、東京都の平成元年度のデータで申し上げれば、自動車沿道におきましては、測定局二十八ございますうち環境基準が達成できたところは一カ所もないという厳しい状況でございます。 私どもも、環境規制の面では、固定発生源に対する規制の強化あるいは自動車排出ガスにつきましての規制の強化に鋭意努力をしてまいっておるところでございますが、やはり近年は特に自動車交通量の伸びが著しゅうございます。特にまた、自動車の車種の分野におきましても窒素酸化物排出量の非常に多いディーゼル車の比率が高まっておるということもございまして、私ども従来鋭意努力をしてまいりました規制の強化なりあるいは道路交通対策、これはバイパスの整備とかあるいは交通流の円滑化対策といったものの努力をいたしておりますけれども、やはりそういう努力が相殺された結果としてなかなか改善状況がはかばかしくない、あるいはやや悪化の兆しすら見られるという状況でございます。 私どもこういう状況に対応いたしまして中央公害対策審議会にも諮問を申し上げ、特に自動車からの排出ガスの規制強化の方策について御検討いただいたわけでございますが、一昨年十二月に、自動車の単体規制と申しまして自動車一台一台ごとから出ます排出ガスの規制の強化につきまして長期的な御方針をいただきまして、特にディーゼル車を中心に三割から六割窒素酸化物の排出量を削減するという方針をいただきまして、その実施に向けて鋭意技術的な検討を進め、逐次可能なものからこれを規制強化していくということで作業を進めているところでございます。 ただ、この自動車一台ごとの排出規制の強化だけでは、交通量の伸びを見込みますとやはり東京等の大都市地域では環境基準の達成が不十分というふうに見込まれますので、さらに別の施策ということで実は二つばかり大きな柱を考えておるわけでございます。 一つは、電気自動車等の低公害車の普及ということでございます。これにつきましては平成三年度の予算措置におきましても、環境庁サイドでも地方公共団体への助成ということで予算計上をいたしておりますけれども、自治省当局でも吹田自治大臣非常にこの問題に御造詣が深うございまして、特に御指導いただきまして地方公共団体での公害パトロール車とかあるいはごみ収集車、さらには公営バスの分野での低公害車の導入について地方交付税なり地方債の上での特別措置ということも平成三年度から新たに講じていただけるということで、地方公共団体中心に大変普及が進んでいくのではないかと思っております。 さらに、地域全体の自動車排出ガス総量をまた新たな施策によりまして抑制すべく制度的な検討を進めておりまして、これも私ども検討会を設けて学者先生等を中心に非常に突っ込んだ検討をいたしておりますけれども、新たな施策というものの具体化にも取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○篠崎年子君 私は一昨日、日産の迫浜にあります自動車の中央研究所に行ってまいりまして、いかにして排気ガスから公害を減らしていくかということの研究をしているということで、そこを見学させていただきました。それぞれの会社が、一つだけではなくてそれぞれの会社が少しでも排気ガスを少なくするように、公害を少なくするようにと努力をしておられる御様子を拝見いたしまして大変感激して帰ってきたわけですけれども、今お話がありましたように、これは一つの会社だけではなくて国全体ということを考えました場合には、やはり国としてもそれなりの補助も必要かと思います。先ほど来からの地方自治体あるいはそういったような研究所に対しましての今後のさらなる御指導、御援助をお願いを申し上げたいと思うわけでございます。 次に、さっきも大臣おっしゃっておりましたけれども、湖沼についてのことで少しお尋ねいたしたいと思います。 これは、水質汚濁防止法に加えまして昭和五十九年には湖沼水質保全特別措置法というのが制定をされまして、こうした法令等に基づいて水質保全対策効果というものが上がってきたかと思われておりましたけれども、昨年の十一月に総務庁の行政監察が行われておりまして勧告が出されております。これはもうごらんになっているかと思いますけれども、その監察結果を見てみますと、「各指定湖沼について、環境基準の達成状況をCOD値でみると、すべての湖沼において未達成となっており、昭和六十三年度現在の水質は、なお環境基準の一・九~四倍の水準にとどまっている。」とされておりまして、「依然として水質汚濁に起因した上水道の異臭味等の利水障害が毎年のように発生している。」など厳しい指摘があっております。このことは新聞等にも「尻をたたかれた環境行政」というようなことで昨年の十二月の二日ぐらいに取り上げられているようですけれども、生活排水対策を中心にした総合的な水質保全対策の一層の充実が望まれるわけです。 さらに、「生活排水対策の効果的実施」あるいは「産業(工場・事業場)排水に対する規制の強化」、「窒素・燐の排水規制の強化等」あるいは「湖沼水質保全計画の見直し及び水質保全対策の総合的実施」などを行うようにという勧告が加えられているようでございます。 そこで、この監察結果の受けとめ方、またこの勧告に基づきます今後の具体的な方策について御説明をいただきたいと思います。
○説明員(浜田康敬君) 湖沼の水質保全に関しますお答えでございます。 先生御指摘のとおり、湖沼は本来非常に汚濁物質がたまりやすい、また一度汚濁されますとその改善が困難であるという特性を持ったいわゆる閉鎖性水域でございまして、水質汚濁防止法に基づきまして規制等を中心に推進をしておりましたが、そういう特性を持っているために湖沼につきましてはなかなか改善が困難であったということもありまして、昭和五十九年にお話しのとおり湖沼水質保全特別措置法が設けられました。これの趣旨は、今申し上げましたように、非常に改善の困難である湖沼、また重要な水域であります湖沼につきましては国が指定をいたしまして、そこで総合的な対策を講ずるという制度としてこの法律ができたわけでございます。 六十年十二月以来現在までに琵琶湖、霞ケ浦を初め九湖沼を指定しておりまして対策を総合的に進めてきたわけでございますけれども、これは最初の計画が五カ年の計画でございまして、本年度がちょうど五年目に当たっておるわけでございます。その計画におきましては、環境基準というのが最終的な目標ではございますけれども、五カ年でとりあえずどこまできれいにするかという水質目標を定めまして五カ年の事業を進めてきているわけでございます。今までの水質の経緯を見てみますと、確かに先生御指摘のとおり、例えば琵琶湖あるいは児島湖のように、対策は講じてきましたけれども、周辺の人口増加あるいは産業の活動が予想以上に活発化したというようなこともありまして改善がはかばかしくないものもございますが、全般的にはさっき申し上げました五年の目標に着実に近づいている湖沼が多いというふうに考えております。 そういう状況を踏まえまして、これも御指摘にありましたように総務庁から勧告があったわけでございますが、これは法律制定後五カ年の定期調査という形でお調べになりまして、私どもを含め関係省庁に勧告という形で出されたものでございます。そういう状況を踏まえまして一層努力すべきであるということから、特に関係省庁との連携の強化あるいは対策の充実を今後図るべきであるという趣旨の勧告でございます。 環境庁におきましてはこれを十分踏まえていこうということでございまして、ことし一月には特に生活排水対策事業に関係します建設省、農林水産省あるいは厚生省の課長の会議を開催いたしまして、勧告を踏まえてどう対応するのかということを早速に協議を始めているわけでございますけれども、このように関係省庁の事業と非常に関連のある対応でございますので、今後こうした省庁と十分連絡をとりながら、下水道の整備あるいは農業集落排水施設の整備あるいは各家庭の合併処理浄化槽の整備といった水質保全事業をさらに重点的にこういった地域に投入していただく、あるいはこの法律に基づきます各種規制制度、特別の規制制度が設けられておりますので、これにつきましてもさらに強化ができないだろうかという方向で努力してまいりたいと思います。特に本年度で最初の計画の終期を迎えます五湖沼については、そうした観点から十分今までの対策の効果あるいは問題点を分析いたしまして、実効ある次の計画に移っていけるように関係府県を指導しあるいは支援してまいりたいというふうに考えております。
○篠崎年子君 指定湖につきましてもそういうことで今後努力していただきたいと思いますが、私の住んでおります長崎県に大村湾というところがありまして、これは閉鎖性水域になっているわけですね。ここはやっぱり下水道の整備が今一番急がれるんじゃないだろうかということで、実はここに大村湾の写真があるんですけれども、大変このごろ水質が悪くなりまして、魚が死んでいるとかあるいはアオコが発生をしているとか、そういう状況がありますので、今後下水道行政に特に力を入れていっていただきたいと思うわけでございます。 次に、斜面都市についてお尋ねしたいと思います。 一昨年、国際斜面都市会議、そしてことしの二月には国内の仮称・斜面都市連絡協議会というものの設立準備会が長崎市で開催されました。御存じのように、この会は特殊な地形的条件にある都市が町づくりについて意見交換をして今後の行政に反映させていくということを目的にしてつくられようとしているものであります。 私の出身県長崎県、その中では特に長崎市、佐世保市が典型的な斜面都市でございます。中でも長崎市は、人口四十五万、県庁所在地でもありますし、三方を山に囲まれて港を一望のもとに見おろせるグラバー園は観光客をたくさん呼び寄せているところです。これは眺めは大変よろしいのですけれども、ここに来た方々で初めて長崎に来た人たちは、山の上までびっしり家が建っているということにまず驚かれるわけですね。そして、そういうことについて、まあよくあんなところに家が建ったものだ、ああいうところで暮らしている人たちはどうだろうかと、観光でそこの美しさを見ると同時にそこに生活をしている人々のことを思いやっていただけるわけですけれども、生活をしている人々にとりましては大変たくさんの問題が出てまいります。情緒豊かに歌われております長崎の町、坂の長崎石畳、こういうふうに言われておりますけれども、ここで大変問題になっておりますことを幾つか挙げていきたいと思うわけです。 まず、全体的に見てまいりますと、公共施設をつくったりあるいは福祉施設をつくったりするときに今は段差の解消ということで車いすでもスムーズに入れるような建物をつくらなければならない、こういうふうになっておりますが、どうしても段差の解消ということはなかなかできません。また、子供たちの遊び場をつくろうと思いましてもその面積をなかなかとることができませんで、子供たちが一番好きなキャッチボール、これさえ近所の窓を割ったりするので迷惑になるから、この広場ではボール遊びをしてはいけませんという立て札が立っております。また、子供たちが大好きな自転車乗りにいたしましても、これも非常に地域が限られておりまして、なかなかそこでゆっくり自転車乗りをして遊ぶことができないということもございます。 そこで、まず公園の問題をお尋ねしたいと思うんですけれども、公園の場合は、傾斜地でありますので眺めは大変よろしいという公園ができるわけですが、一方では公園の基準面積が確保しにくいという問題と、それから造成工事に伴う整備費が非常に割高になってまいります。通常の一・五から二倍近くの事業費がかかっておりますので、これは地方交付税の関係ですけれども、地方交付税の基準財政需要額のところでの積算の算定においてこういったような斜面都市について特別な配慮はできないものだろうかということをまずお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(小林実君) 交付税の基準財政需要額に算入する場合には、公の資料といいますか、そういうもので、公信力があると言っていますが、他に公信力のある資料に基づく基礎数値がございませんとなかなか普通交付税にはなじまないものでございます。 今御質問のありました事業等につきましては、例えば建設省の事業の場合にも恐らくそういった割り増しの経費を含めての採択とかということが行われておるのでありましょうし、それから私どもが行っております最近のふるさと創生関連の事業等につぎましては、そういった割り増しの経費を含めて対象にしてそれを起債措置をする、交付税措置をする、こういうことをやっております。 ちょっと突然のお話で、私もそういったものにつきまして何か公信力のある資料があるのかどうか自信がないわけでございますが、お聞きしたところではなかなか普通交付税でそれを反映させるというのは無理ではなかろうか、こういう感じがするわけでございます。
○篠崎年子君 これは公園だけではなくて河川についてもあるいは道路等についても同じようなことが言えると思うわけでございますので、今後何とかいい方法はないか御検討いただきたいと思います。 特に道路について考えてまいりますと、これは道路の基準、縦断勾配とかあるいは曲線の半径とか、そういう基準を達成するのがなかなか難しいし、その基準を達成しようとすれば道路を非常にジグザグにつくっていかなければならない、あるいはのり面を大きくとっていかなければならないということで大変経費が割高になってまいりますので、今後これは大いに交付税で何とか対処できるように、斜面都市と申しますのは別に長崎だけではありませんで、各地域にたくさんのそういう関係の都市があるかと思いますので、そういう都市につきましてもこのことを考えていただきたいと思うわけでございます。 次に、清掃についてまたお尋ねしたいと思うわけですけれども、ごみ収集あるいはし尿処理、下水道がまだ普及していないところはし尿も収集しているわけですけれども、そういう特殊地形のために例えばごみを清掃車まで引き出す作業が必要となってまいります。平たん地であった場合に比べて物件費で八千七百万円の負担増、人件費では七億四千万円、約百名の人員増を余儀なくされていると言われております。ごみ収集車の所要人員は運転手、作業員等合わせまして三人必要なんですけれども、地方交付税の算定では二・六人になっておりますが、長崎は三・一七人ということで先ほどのような数字になってくるわけですので、このことにつきまして今後検討の中に入れておいていただきたいと思います。 また、消防につきましても、同じように坂であるために消防車が入りにくいということ、あるいはホースをつなぐのにどうしても人手が要って、二本も三本もつながなければ上まで行けない、こういうこともございまして、こういうところについては特別な方法を講じていただけないものだろうかと思うわけです。 ここに大変見にくい一つの写真があるんですけれども、建築資材等を運びますのに、馬が背に建築の資材、例えばセメントの袋とか、そういうものを乗せて運ばなければならないような道が幾つもあるわけなんです。こういうところについてはやはり特別な措置をお願い申し上げたいと思います。これは要望にかえておきます。 次に、時間がありませんので、少年非行の問題についてお尋ねをいたしたいと思っておりましたけれども、先ほどちょっと栗村さんの方からも触れておりましたが、後でまた別の機会にこれは質問させていただきたいと思います。 次に、最近いろいろな中小企業の中で人手不足が叫ばれております。例えば一番不足をしている看護婦さんの問題とか、あるいは建設労働者の不足というものは大変典型的なものだと思いますけれども、中でも中小建設業界では今大変人手不足に悩んでおります。これはいろいろな理由があるかと思いますけれども、言ってみれば大変きつい、そして汚れたところで仕事をしなければならないといったようなこともあるかと思いますが、非常に高齢化が進んでおりまして、平均年齢が四十六歳で、四十歳以上の人が七〇%を占めているという状況になってきております。今後若い人たちをこの建設業界に引っ張り込むのにはいろいろな施策が必要ではないだろうか。また、そういう人がいなければこれから先の日本の国の建設も成り立っていかないから、若い人を呼び込むことは非常に必要なことだと思うのですけれども、その中で今までいろいろな問題がありまして、それが若者を引きつけない理由になっているのではないだろうかと思うわけです。 その一つは、やはり何と申しましても、公共工事等を請け負いました場合に年度当初の四月から六月ごろは非常に仕事が少なく、そして後半十月、十二月、一月と、この辺になってくると非常に仕事が混み合ってくる。人数からいくと二倍ぐらいの差になってくるんじゃないだろうかということで、就労状態が安定をしていないということが一つあるのではないだろうかというふうなことを言われておりますので、この年間工事の平準化ということについて何かよい方策はないでしょうかということをまずお尋ねをいたします。
○国務大臣(吹田愰君) この建設業の関係の従業員、これは建設業だけじゃありませんね。最近は山におきましての撫育あるいは造林、そういった山に対する従業員も林業関係の組合が非常に困っているということが言われております。結局はある程度の処遇問題がそこに発生しておると思うんですね。 これは私が自治大臣として申し上げるのじゃなしに政治家としてお聞き取り願いたいんですけれども、はみ出た話になりますけれども、あの従業員の諸君が中小企業にしろ大企業にしろ菜っぱ服を着てやっていますが、これが日給月給であるというのは問題があるんじゃないか、少なくとも完全な月給制にしてやるということにまず一つ考え方を置かなきゃならぬ点があるんではないかなというのが一点私の頭の中にあります。 それから、こういう問題は私が申し上げるのはどうかと思うんですが、かつて私は衆議院の予算委員会で代表質問をしたことがあるんですね。その際に暦年制を唱えたことがあるんですよ、暦年制を。今日の四月に始まって三月に終わるというのは一体だれがつくったんだと。考えてみると、どうも私の長州の伊藤内閣時代につくったような感じがするのであります。そんなことからすると、長崎や山口は同じ気候風土だと思いますが、特に積雪寒冷地域である北海道とか東北、北陸方面においては、四月に始まるというような話になりますと、大幅に事業が遅れてきますともう十二月から工事ができないわけですから、年間一体何カ月できるんだという話になるわけですよ。そのことが出稼ぎを促進したり、あるいはまた地域の経済が公共事業の促進に問題が起きるものですから落ち込みぎみになるということからしますと、私は暦年制をとる方がいいのではないかということで、十二月までに終わって一月から始まるということになりますと、一番寒い、外に出て仕事ができぬ気候の時期に役所においては室内作業に従事して、いよいよ三月から仕事ができるときには現場へ出るということもできるではないかということで、中曽根総理に私が質問したことがあるんですね。 なかなかこれは難しいですというようなことで当時は一蹴されたんですが、今そういう声をぽつぽつと国会議員の皆さん方が、特に北国の先生方が起こしつつあります。私はそういうこともこの長い日本列島の中には問題として考えていくべき要素があるんではないかということを言ったんです。これは全く自治大臣としてではありませんで政治家吹田愰個人として申し上げたんですが、こんなこと等も考え合わせて、発注の問題等は建設省の問題ですから、建設省もいらっしゃるそうですから、私が触れますとえらい変なことになりますからこの程度にしますが、個人的意見としてだけ申し上げまして、あとは建設省に譲ります。
○篠崎年子君 ちょっと時間がありませんので、建設省の方には申しわけありませんけれども、また別の機会にお答えいただきたいと思います。 大臣の今のお考え、私たちも何かそういうふうな方法はないだろうかとちょっと話したことがあるんですけれども、今後の検討課題としていきたいと思います。 次に、給与の面についてお尋ねいたしたいんですけれども、三省協定というのがありまして、前は十月調査でしたか、今は六月調査というふうにちょっと変わってきているかと思いますが、六月、十月に建設労働者の各業種について人件費を調査されるわけです。その調査がもとになって翌年の工事契約のときの人件費にそれがそのまま使われるわけですね。そうしますと、その一年近くの間のずれの中に他の各企業、業種ではベースアップがあるわけです。ところが、この建設業者につきましては前年度の調査がそのまま使われるということになってまいりますと、そこに差が出てまいります。次の年はまたそれをもとにして計算をいたしますから格差がだんだん大きくなっていっているということと、先ほど大臣おっしゃいましたように、日給月給制ということで若者たちはやはり嫌っていくんじゃないだろうか。 そういうことも考え合わせますと、やはりこれから先、公契約に、公共工事契約につきましては特にそういったような点を勘案して何かいい方法はないか、そして若者たちをこの業種にもっと引きつけられる方法はないかということについて御検討いただきたいと思うわけです。 そこで、最後にちょっと一つだけお尋ねいたしたいと思いますが、ILOの第九十四号条約というのがありまして、労働条約になりますけれども、公契約というのがございます。中身はちょっと時間がありませんので申しませんけれども、日本の国はまだこれを批准していないわけなんですね。その批准しなかった理由は何かといいますと、我が国では本条約の内容を実施する国内法上の該当規定はないということでこれを批准していないわけなんですけれども、この該当規定はないということで批准をしなかった理由についてお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(山中秀樹君) 九十四号条約につきまして、今先生おっしゃったように、公契約に基づいて使用される労働者の労働条件を当該地方の関係ある職業または産業における同種の労働者の労働条件に劣らないようにすべきことなどを規定したものでございます。 今先生おっしゃったように、我が国においては本条約を規定している内容を直接実施する法令はございません。ただ、公契約のもとにおける労働であると否とを問わず、民間部門における賃金あるいは労働時間の労働条件につきましては、労働基準法等に定める法定労働条件に反するものは別として、個々の労使の当事者間で自主的に取り決められるものということで、政府がこれに介入することは適当でないというふうに考えておりますので、本条約の批准は非常に困難であるというふうに私ども考えております。
○篠崎年子君 最後に、今の件につきまして、特にこういったような建設業界に働いている人々の賃金がほかのところよりも非常に劣っている、そういうことにならないように今後皆さん方の御努力を期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。
○委員長(野田哲君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 正午休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(野田哲君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方行政の改革に関する調査を議題とし、地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○常松克安君 私は、救急医療体制の充実につきまして各般にわたっての質問を展開させていただきます。 まず、大臣にお伺いいたします。所信の中でも重点的に救急業務あるいはそういう医療体制のことに触れられておりましたが、その御決意のほど、まず伺ってまいりたい、かように存じます。
○国務大臣(吹田愰君) ただいま常松先生の御意見でありますが、この救急業務というのは、もう本当に私が御説明するのはむしろ釈迦に説法みたいな話でありまして、大変御熱心に取り組んでこられた先生に対してあるいは失礼があるかとも思いますが、お許しをいただきまして申し上げさせていただきたいと存じます。 我が国の救急業務の現下の最大の課題であります傷病者の救命率の向上を図る、そのことにつきましての救急隊員の行う救急処置の範囲の充実強化、こういったことについての必要性を極めて強く私は認識いたしております。このために自治省としましては、先般来、救急業務研究会の基本報告を踏まえまして救急隊員の行う応急処置の範囲を拡大することとし、これに対応して新たに必要となる教育訓練の体制の整備を早急に推進することといたしておるわけであります。 以下、このことにつきましては専門家からそれなりに答弁をしていただきますが、私は先ほどから申し上げますように、繰り返しますが、非常に大事な問題であり早急に整備しなきゃならぬというふうに考えておるわけであります。
○常松克安君 衆議院あるいは国会の中におきまして大臣は一、二を争う雄弁家と認識いたしておりますが、しかし、本日、時間もございませんし、最後に大臣でなきゃならぬ答弁がございますので、どうかそれまで答弁は少し御勘弁願いたいと思います。 続きまして防衛庁にお伺いいたします。 実は中央公論三月号に、フジテレビ「スーパータイム」キャスターの黒岩氏が、「知られざる自衛隊医療の実力」、こういうことで論文、一読いただいたと存じまするが、この中でもいろんな非常に重要な観点がございますが、きょうのところは救急医療という一点に絞ってお伺いいたします。 まず一つお伺いしておきたいのは、全国でどのような陣容の病院をお持ちなのか、概略お聞かせ願えれば幸甚と思います。
○政府委員(玉木武君) 防衛庁は全国に十六カ所の自衛隊病院を保有いたしておりまして、これら自衛隊病院は、自衛隊法の定めるところによりまして診療それから専門技術の訓練及び衛生に関する調査研究を行っております。 その診療の対象者は自衛隊員とその扶養家族が主たる者でございまして、そのほかは自衛隊法施行令におきまして定めておりますが、まず隊員であった者で国家公務員災害補償法による療養補償を受けるべきもの、それから隊員であった者で引き続き療養の給付または療養費の支給を受けるべきものとなっておりまして、そういう意味では自衛隊病院は職域病院でございます。なお、こうした診療対象者の診療に支障を及ぼさない限度内におきまして、防衛庁長官の定めるところによってこれらの者以外の方々、すなわち一般の方々の診療も実施できることになっております。
○常松克安君 まことに申しわけございません。時間の関係でなるたけ簡潔に問うことだけおっしゃっていただければ結構でございます。書いたもののずっと後の質問のところを答えておられるものですから。失礼いたします。 消防庁にお伺いします。 例えば、自衛隊には中央病院というのが東京都内にございます、五百床のベッド数。その前で交通事故ないし重病に陥る。救急車が来る。果たしてこの病院に搬送はできるのかどうか、その辺のところをお伺いいたします。
○政府委員(木村仁君) 全国的な実情は承知いたしておりませんが、東京消防庁の管内でございますと、自衛隊関係者の方が特に自衛隊病院に搬送してほしいと申し出られる場合には自衛隊病院に搬送いたしておりますが、救急告示の病院になっておりませんので一般の傷病者は自衛隊病院には搬送していないということでございます。
○常松克安君 といたしますと、五年間で約一千八百億円、一人の防衛医官を育てるのにかかるのは約四億円。ナース、看護婦さんも全部国費、自衛官の給料をもらっている。こういうふうな非常に今日まで国家的な資財を投入してある病院。その病院が、また五百床のベッド数でお医者さんが九十二名、ナースが二百三名、今入っている患者さんは百名を切れる。言うなら、本当に都内に、全国にこんな手厚い病院があるかと思うぐらい、一名の患者に二名のナースさんがつかれる。しかし、それはそれの歴史がございます。目の前で事故を起こしても、自衛隊員本人、家族はそこの中央病院へ行けます。しかしほかの人が、一般の方がそこで倒れても行けない。これは一つの非常に大きな盲点ではなかろうかと。 そして、私は中央病院に、現場へ行ってまいりまして病院長さんの御意見も承りました。皆さん切々として、そういうふうなことは幾らでもやりたい、こういうふうにおっしゃるわけです。一体こういうことのでき得ないネックは何と何か、こう考えてみますと、もう私の方から申し上げますが、一つは、今救急の方は救急告示病院ではない。だからそこへの搬送というものは、一応制度上では、そこへ入れれば助かるのに五分も十分もかかるところへ転送しなきゃならぬ。確かにたまさかその隣には三宿病院というのがありますからそこへ搬送するが、全国でベッド数が約二千、今現在の患者が七百名、全国に陸海空という病院があって国家的な資財全部投入しているのに、これができ得ない。 第二は、それはできないことはないんです。来てもらえばいいんですけれども患者さんが困る。全額実費です。厚生省がそこに対する保険指定というものは認めていない。ゆえに、そこへ入るには全額自分で金を払う覚悟ならいいんです。本当は生きるか死ぬかの思いのときにはもう何ぼでも金出すので何とかしてくれというのが心情。しかし、これは制度上はそういうふうになっておるわけでございまするが、その辺のところ、ひとつ防衛庁の方としてのお考えをお述べいただきたい、かように存じます。
○政府委員(玉木武君) 今先生御指摘のとおりでございますが、先ほどちょっと申し上げましたように、この自衛隊病院は主として隊員及びその家族、こういうことになっておりますが、一般の患者の診療も行うことができるということになっておりまして、したがって緊急患者の受け入れについても従来から実施いたしております。平成元年度の実績でございますが、診療時間外の患者、いわゆる緊急患者でございますが、約一万五千名の一般の患者を受け入れております。
○常松克安君 それは防衛医科大学なんですよ。防衛医科大学だけなんです、一般の方が入っても保険が通用するのは。その辺のところをどうかお間違いのないように。 しかしながら、参事官にお伺いします。ここにこういうものがあるんです。私これに参加いたしました。「防衛衛生」とあります。この中に出てまいりまするが、もう感動した場面があるんです。どういう場面であるかというと、防医大救急部、そして藤野、岩谷、三村、これは長官表彰ものです。この方々は自主的に、自主的にですよ、救急というものが社会的に大きな問題になっている、これを学ぼう、そうした使命感の上に立って、勤務を明けてその後消防隊員として体験入隊いたしました。何とここに、平成二年一月一日から六月三十日の間に所沢市消防署本署の救急車が搬送した患者九百三十七名について、隊員の処置、搬送時間、診断等について調べた。一緒に乗ってですよ。そして、勤務明けしてまた自分の勤務はおつきになる、こんな御立派な人がありますか。 また、こういうことがなぜ国民の皆さんに知らされないか、防衛庁はPRが下手だ。本当に命のためにここまで自分の犠牲的な精神でやっている。その中の内容がまた適切、さすが医者です、ドクターです。所要時間から現場ないし救急車内での処置、あるいは搬送病院での診断、そして問題点と解決、全部書いてあります。 ところが、もう一方、もっと熱心な人がおる。私はもうこれ一瞬かかって全部目を通したんですから。この中にはどうあるかというと、自衛隊富士病院、永田さんという方です。この方は、実際に救急車にいろんな資機材を、どうしたらこの狭い救急車の中で治療ができるか、どうしたら適切なものか、いろいろな面でこういうことを研究課題に取り組んで、そして研究発表していらっしゃる人。まことに見事でございます。これは参事官のおっしゃるとおり。 いま一つ私自身が思いますのは、なぜこの自治体が救急ヘリというものに熱心にならないのかと思ったら、甘えがありました。平成二年度で少なくとも八百回飛んで、八百人は救っているんです。各都道府県の知事が要請すると、これは人命救助で行かなきゃならない条文がございます。そうすれば、ただですぐ規律正しく早くやってくれる。ところが、自分のところでヘリを持てば一億もかかって整備は三月ごとにはしなきゃならぬ、そんなのより自衛隊に頼むのがええ。こういうこともなかなか国民の皆さんに知らされてない。まことにこういうふうな災害、救急という問題に対しても精魂を傾けていらっしゃるわけでございます。 最後に、もう一度お伺いいたしまするが、そういう制度、御指摘もいろいろございましょうけれども、今後これを、いろいろな病院がたくさんございます。ベッド数の関係もございましょうけれども、どうかそういう立場に病院を置きまして、災害、特に救急となった場合、こういう人たちが受けられやすい――制度のネックほどこにあるのか、それを越えるにはいろんな問題がそこにあることを存じております。地域医師会との問題もございましょう。はっきり申し上げます。そういうこともございましょうが、生きるか死ぬかという、目の前でありながら二十分も三十分も遠いところへ行かねばならぬ、こんな不合理は、国民の立場から見れば愛される自衛隊というものがほど遠いことになってしまいます。どうかそこのところ、難しい政策上の乗り越えなきゃならない問題ございましょうが、まとめてひとつ御決意のほどをお聞かせください。
○政府委員(玉木武君) 今先生の御指摘のとおりでございまして、我々緊急避難的に年間一万人余りのいわゆる自衛隊員以外の患者さんを受け入れておりますけれども、実際これは全額自己負担、自費ということになるわけでございまして、患者さん方にとっては簡単に利用できないということになるわけでございます。 おまけに、防衛医大の教育の一つの方針、また卒後教育の中身としまして、救急医療に関する診療業務が十二分にできるような教育もいたしておりまして、また実習におきましても各地においてそのような対応をいたしております。 そういう意味では、防衛庁関係の施設、それからそこに勤める医師は救急医療には相当な実力的なものがあると我々は考えておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、一般の患者の方々は自己負担の問題がある。いわゆる保険医療機関の指定を受けていないということもございまして、今後の問題としまして医師会側とも十二分に協議させていただきながら、できるところから保険医療機関の指定を受けまして、消防庁の救急隊員の方々が気軽に搬送していただけるような対応もしていかなきゃならない、このように考えております。今後とも努力させていただきます。
○常松克安君 次は厚生省に移ります。 厚生省につきましては救急医療、やはり一番大きな問題点は今日までの論議の中で御存じのとおり、搬送中のホスピタルケア、これをどうするか、これが一番。 第二番目の問題は、今ようにただ消防庁や自衛隊や厚生省やあれやというふうなことじゃなくして、やはりすべからく国民の命をお預かりになる一半の責任ある厚生省、大きな救急医療全体としての構想というものが確立されていない、ここに大きな問題。例えて言いますと、せんだっての予算委員会で前厚生大臣の津島さんに、救命率ほどうだとこう言いましたら、はっきりと、まことに申しわけない、厚生省はお恥ずかしゅうございますけれどもそれについてはございませんと、こう言わざるを得ないようなことをしている。救急医療の問題、あっちかじり、こっちかじりではいかぬ。もはやこれから二十一世紀に向かうものは大枠の中でやっていかなきゃいけないと考えておりますが、その間の経過並びに御意見ございましたらちょうだいしたい。
○説明員(篠崎英夫君) 先生御指摘のとおりでございまして、救急医療対策上、搬送途上の医療の充実は最も重要な課題の一つと認識をいたしております。このため、厚生省に設けられました救急医療体制検討会から、搬送途上の医療の充実のために、まずドクターカー制度の充実、そして新たな国家資格としての救急救命士の創設、救急隊員の応急手当ての範囲の拡大、そして最後に、国民に対して救急法の普及啓発を図ることなどの御提言をいただいておるところでございます。 これらの御意見を踏まえまして、厚生省といたしましては平成三年度からドクターカー制度の充実等を図るため、救急現場医療確保事業を実施いたしますとともに、救急救命士法案を今国会に既に御提出いたしておるところでございます。 これによりまして、医師の指示のもとに高度の応急処置を行う救急救命士制度を創設いたしたいと考えております。さらには、全国八百五十二の保健所におきまして救急法の講習を行うなど、救急医療の充実が図られるよう格段の努力をしてまいりたいと考えております。
○常松克安君 なお、申し上げておきますけれども、きょう質問しましたことを同じ観点から本質的に予算委員会で繰り返してやりますので、そのつもりでひとつどうか後で物議を醸すことのないように慎重に計らって御答弁願いたい。 それでは一点だけ申し上げておきますが、ドクターカーでございますけれども、このドクターカーというのは私が現場へ行ってみましてつくっていらっしゃる方のお声をちょうだいしましてもばらばらなんです、正直言いまして。あっちの病院ではこれがええ、こっちの病院はこれがええ。しまいになってくると、新生児の車と一般のドクターカーというているのを一緒に何とかならぬか。そんなもの積むと四トン車みたいになってしまう。その中でオペをしようというようなことになるというふうに、これは消防庁にも問題がある。こういうふうな救急車についてもドクターカーにしても研究というのは一歩消防庁の方がまだ進んでいますが、厚生省はそこのメカというか、技術車という発想がまだ全然ないんです。この辺のものがいかに問題の提起が多いか。また、前奥田自治大臣がドクターカーは現実不可能とはっきり予算委員会で言明された、裏打ちを私いたしますけれども。それに基づいてまた論議をして、よりよきドクターカーをつくり上げていくようなことには、尽力はやぶさかでございません。その辺のところ後ほどまた委員会でさせていただきます。 じゃ続きまして、建設省はおいででございますか。まず一つお伺いいたします。 平成二年度における高速道路における交通事故で死んだ人、それからけがした人の件数、まずそれをお伺いします。
○説明員(荒牧英城君) お答えいたします。 平成二年度におきまして高速自動車国道上で亡くなられた方は三百七十三名、負傷者の方は九千三百六十三名でございます。
○常松克安君 これ予算委員会だったら大変なことなんですよ。それは一月から十月までのくくりと違いますか。これは警察庁の書類です。これは平成二年度と僕は申し上げた、一年通算しているんです。今そちらがお読みなのは一月から十月末を切ってのデータじゃございませんか。なけりゃないとはっきり胸張っておっしゃってください。
○説明員(荒牧英城君) 私が申し上げましたのは高速自動車国道の上だけの事故でございます。
○常松克安君 これ以上時間もありませんので申し上げませんが、何と言いわけされようとも狂っています。これだけ後ほど調査していただけませんでしょうか。もうそれで済ませておきましょう。 私の問いたいのは、高速道路におけるところの数値は一応警察庁からいただきました平成二年度中四百五十九名死亡なんです、二十四時間です、こっちは。一週間たちますとこれの大体倍近くになるんです。少なくとも七、八百名の方が事故死なんです。死傷者といいますのは合わせまして――今確かに高速道路における三百七十三、それは存じております。こっちの方は、一応高速と言った場合、指定自動車専用道路も入れての計算をしております。その点のところの食い違いは認めます。合わせまして一万五千六百四十七名なんでございます。これに対する救急業務といいますか、一刻も待てない人の命、生きるか死ぬかです、これに対するお答えというものをちょうだいしたいと存じます。
○説明員(荒牧英城君) 高速自動車国道におきます救急業務の体制でございますけれども、高速自動車国道の特殊な構造といいますか、インターチェンジからしか入れないというようなことにかんがみまして、昭和四十九年より救急業務を実施するインターチェンジ所在市町村に対しまして、日本道路公団が財政措置を講ずることによりまして当該市町村における救急業務実施体制の整備をやっておるところでございます。また同時に、市町村と協力いたしまして人命救護にも努めているところでございます。 なお、恵那山トンネルあるいは関越トンネルの二カ所の長大トンネルにつきましては、日本道路公団が専用の車両及び人員を配置した救急基地を設置しておりまして、自主救急を実施しておるところでございます。
○常松克安君 これはもう答えなくて結構ですから、あとは予算委員会でやりましょう。 トンネル二つ、入り口、出口、二十六名委託している。委託した人たちの内容というものが救急業務にふさわしい研修をどこまで受けていらっしゃるのか、あるいはまた消防庁の「適」マークを受けていらっしゃるのか、その辺のところは後ほどまた報告をちょうだいすれば結構でございます。 ただ、私どうしてもわからないのは、高速道路においては一体どこが責任の所在地なんだと。料金を取るだけじゃなくて構造面でやる道路公団。ところがそこで事故を起こして生きるか死ぬか、そのことに関して金ならちゃんと地域の消防本部に出しておると。それだけで済むものだろうか。もう少しそこに人命ということを考えるべきだ。新しい救急というものがこんなに大きな世間の話題になって世論になって、各社社説まで出てきた。しかし建設省、道路公団は、それにつきましては予算を出していると。予算を、金を出すということは責任があるからそこから出しておるんです、裏返せば。そして責任の所在というのはどうするんですかというと、そこはやみくもに大きなベールに包まれてしまって、私自体が挫折を感じております。どうかひとつ、また予算委員会までにいい知恵の論議を重ねて御指導、御鞭撻のほどをお願いいたしておきまして、きょうはこれで終局します。 次は消防庁の方へ参りますが、高機能救急自動車という新しい事業がございますが、これを手短にちょっと御説明ください。
○政府委員(木村仁君) 高規格救急自動車、これは通称でございますが、救急隊員が搬送中に行います応急処置を拡大いたしてまいりますと、それに必要な器具を搭載しなければいけませんし、また必要な応急処置を行うだけの十分なスペースも必要といたします。またそれに所要の高圧の電気等も必要になるわけでございます。そういうことで、現在運行しております救急自動車よりはやや大型の、そういった装備を持ち、かつサスペンションと申しますか、振動吸収装置等も完全な救急自動車を整備していかなければならないと考えておりまして、それを高規格救急自動車と称しております。
○常松克安君 この事業における予算要求もございましょうけれども、一台幾らで何千ccのパワーを持った車を一応想定していらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(木村仁君) 現在、高規格救急自動車の研究会を設けまして、それが二年次でやがて報告が出てくると思いますが、排気量につきましては大きければ大きいほどいいということも言えますが、地域によってもありましょうけれども、三千ccぐらいまでのもの、それからこの大きさにつきましては、従来のものよりもやや大き目で背が高いというようなそういった高規格のものが報告されるものと思っております。救急高度化推進整備事業という補助金を計上いたしましたが、その際には自動車装備等で千五百万ぐらいかかるだろうかという積算をしておりますが、まだこれは現実の積算じゃございませんで一応の仮定でございます。
○常松克安君 うがった考え、これは推測の域を出ませんのでお許しください。 今三千ccという枠で運行いたしておりますのはアメリカ、西ドイツ、フランス、言うなら外車というふうな考えかなという気持ちが一つ。それから、日本ではもうどうひっくり返ってどうしても二千八百。ディーゼルターボだとこれはもう最高でございますけれども、この救急の規定というのがまた難しくて、赤十字かどこかから善意で贈られると、贈られる方の意思が出まして、だんだん大きくなったりこうなったりいろいろします。行政としては一つの規格はお持ちでございますけれども。 そういう中で、例えば社団法人日本自動車工業会、自工会と通称申し上げておりますが、この中で非常にあっと思わせるような文章を初めて明記しております。「なお、現在、交通事故発生後のプレ・ホスピタルケアのあり方について、関係省庁において、より充実させる方向で見直しが進んでいる。こうしたプレ・ホスピタルケアにおいて重要な役割を果たす、救急車内の応急処置の高度化に充分対応可能な、高機能救急車を早急に研究・開発する。」、初めてこれ読むんです、毎年読んでいるんですが。 私が一番憤りを持ちましたのは、全世界に自動車を売って売って売りまくってようけもうけておいて、それで日本の人を救う救急車については研究費は出さぬわ、基礎的なものはどうこう言わぬわ、一体何事だと、全部責任を持って一からやり直せという気持ちが実はあったわけですけれども、ここまで踏み込んだことをはっきりと自工会として出し得るということは、私も先ほどちらっと申しましたけれども、メーカーの意見、考え、こういうものがやっぱり妥当かというふうなものもございます。ですから、その辺のところをよくお考えの上、また対処していただきたいと存じます。 しかし、今ちょっと手元に余り仰々しくわっと広げとうはございませんけれども、相模原のセントラル自動車、ここが日本全国の救急車を大体一手に引き受けている、1B。2Bというのはこれは日産でございます、3Bもございますけれども。そんなことは別にいたしまして、びっくりしましたのはこれ設計図皆一つずつございます。ところが、奇異なことに一台一台設計図が全部違うんです。これには私参りました。何でそんな設計図が一枚一枚違うんですか。いやこれは、実は消防庁の方へ行きまして幅、高さ、長さ、室内、これを単純に改造するなら、お伺いの稟議書を出して印鑑をもらわなきゃ構造改善できません。ただし、そこの中にいろいろなものを入れる、これについてはストレッチャーがどうやとか、これがこうやとか、酸素吸入は上からの方がええ、いや下からの方がええとか、各地方本部の御意見でつくって、言うなら手づくり。手づくりもいいですけれども、もう少しこの辺のところを研究会もお持ちになれば少しまとまった行き方というものができるんじゃなかろうか。そういうふうなお考えにひとつしていただかないと、ただ単純に中東へ日本が送った救急車が右ハンドルとか左ハンドルとか、あれじゃないんです。あのパワーでは砂地で走らぬ、性能が何や、これ荷物運ぶ車ですか、これが救急車ですかと言われているというようなそういう例もございますから、どうか新しい流れも出ているときでございますので、この辺のところの取り組みを抜本的にひとつしていただきたい。 第二点に申し上げます。研究会でいろいろございますけれども、高機能にふさわしい、その中でこれから新しい救急救命士もできる、あるいはそうしていかなきゃいけない、こういうふうなときに載せる質機材の問題でございますけれども、これはどういうところまでお考えでございましょうか。
○政府委員(木村仁君) 消防庁といたしましては、できるだけ早い機会に救急救命士の制度を整備していただきまして、高度のプレホスピタルケアができる救急自動車を走らせたいと考えておりますので、いわゆる救急の三点セット、呼吸の確保、除細動、静脈の確保、こういうことも含め、血圧測定あるいはパルスオキシメーター、心電図、そういう器具。それからそれを医師と交信するための通信機、こういうものをすべて備えたものにしたいと考えているわけでございます。
○常松克安君 これは答弁要りませんよ。こっちから申し上げます。 ぜひその中に、レスキュー隊の油圧機能、これをひとつ入れていただきたい。東消では、今高速事故起こしますと、必ず救急隊と特別レスキュー隊と一緒になって走らせているんです。中に入ってそれをカットするのがもうだめ。ですから、失礼でございますけれども、そちらのデータでは高速における事故の救急車の病院搬送、これが平均三十三分。これはちょっとええところだけより過ぎています。実態を調べますと、最高三時間かかっているところがあるんです。これは仕方ない、ぐにゃぐにゃになっていて出せないんです。カッターがないんです。東消はできますけれども、全国はできません。ぜひ消防庁長官としては、東消のみならず全国的な位置づけで、大変かと存じますけれども、その辺のところをあわせ考えてください。 あるいは浮き袋、そんなもの載せる改造申請もしているんです。何でだと思ったら、その町の救急車、一年間に十人の水難事故が起きる。その現場の声としてそれを特別に設定している。現場へ行きますと現場に知恵ありで、いろんなここでお考えの検討の話からはみ出たところで論議がございます。よく地元の意見を聞いてやってしかるべきものにしてください。 あと一点。消防庁長官お気をつけください。最近、長官の行くところは何か知らぬけれども、大蔵省の主計局がついて回っているそうです。なぜかならば、この車の改造のための今打ち合わせをやっておるんです、すり合わせを。何でその器具が要るんだと。私はそれを聞いてむかっ腹立ったんですよ。どうかひとつ国家百年の計に立って、二度と中で構造改善しないように立派なものになすってください。それがために予算委員会で大蔵大臣に私はぶつけていきますから。この辺のところ、あんな予算や予算や言うとったら人命にかかわる問題が処置できなくなって後でまた問題提起、これは避けてもらいたい。この中に大蔵省いませんか。いたらよく聞いておいてください。以上で次へ行きます。 次に、もう一つ大事なことは救急救命士三点セット、これは予算委員会でまたやります。そして百三十五時間。しかし、東消は、既に赤い服でやっているところへ白い服が出て、そんな者に何ができるというそういう中傷のために歯を食いしばって、一律に本年度は二百五十時間にレベルアップしました。大事なことは、じゃ救急救命士の資格を受けるまで人は助からないのかという問題。それまでに三点セットと九項目と一般、言うなら救急隊員のA級、中級、一般、こういうふうな感じの、この中においては当然消防学校におけるきちっとした勉強をふやしていって即戦に使っていく、こういうように私は確認したいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(木村仁君) 三点セットまで含めた完全な救急救命士が行います応急処置ができるようになるのは少なくとも来年以降になるわけでございますが、私どもとしては、ただいま御指摘がありましたように、比較的簡易で早急にやれるものについては、県の消防学校の教育訓練を充実し、できるだけ早急に基準を改定して実施してまいりたいと考えております。
○常松克安君 ここで大事なのは厚生省。厚生省、今長官がお答えになりましたけれども、同じ質問そっちへ発しますから、ちょっとお考えをお答えいただけませんか。
○説明員(篠崎英夫君) 全国津々浦々で活躍されておられる救急隊員の皆さんに対する国民の期待は大変大きなものがあると認識をいたしております。しかし、現行の救急隊員の応急手当ての範囲では、これらの期待に十分こたえているとは言えない状況にあるということも考えております。 最近の医療機器などの進歩を踏まえまして、生命に重大な危険を及ぼすことのないような行為に限定して十分な教育訓練を受けた救急隊員の皆さんについてはその応急手当ての範囲を拡大していただく必要があると考えております。
○常松克安君 大臣、お待たせいたしました。 最後はもう大臣のお力に頼らざるを得ない問題でございます。 今、自治医大の関係で特にお力添えを願いたいのは、自治医大にこそ救急講座を設けていただきたい、どの大学よりもこの自治医大で救急講座を持つべきではないかという結論の話なんです。御案内のとおり、自治医大にはいろんな都道府県から応援をいただいております。いろんな制約、いろんな設立目的がございますが、今ちなみにその中で申し上げますと、どうしてもそこを卒業して辺地勤務、それがために普通の課程でしたら内科内科で終わります。しかし内科、小児科、外科と少なくとも最低レベル五教科のきちっとした基礎をほかの大学よりはびしっと持って、そして辺地へ行く。言うならば、内科医で、あそこの先生、けがしたときはあかんでは辺地医療対応はできない。言うならば、私はこれが医学の面では一つの地域救急医療にふさわしい、こういうふうに考えておりますので、時間は残り少なくなりましたが、どうかひとつ大臣いかにお考えか、御尽力を賜りたい、かように存じます。
○国務大臣(吹田愰君) ただいままで政府委員と常松先生のお話ずっと伺っておりまして、まことに御造詣の深いことに対し、また非常に深い御理解と熱心な活動を今日までも実際に政治活動の上でなすっていらっしゃり、御勉強していらっしゃることに対しまして敬意を表するわけでありますが、今の問題につきましては、私の方も今検討を、消防庁の方も長官いたしておるようでありますから、必ず御期待に沿うようにいたしたい、かように考えるわけであります。
○諫山博君 広島市の橋げた落下事件について質問します。 新聞によりますと、警察は業務上過失傷害あるいは致死事件で捜査を始めたと言われています。これは当然のことです。しかし、この事件を例えば自動車の衝突事故のようなありふれた業務上過失事件として見るのではなくて、技術上問題はなかったのか、工法上問題はなかったか、労働基準法とか労働安全衛生規則との関係で問題はなかったのか、こういう総合的な全面的な捜査が必要だと思います。そうなりますと、当然被疑罪名も業務上過失致死あるいは傷害だけにはとどまらないということが予想されますけれども、既に警察は強制捜査を行ったそうですけれども、どういう場所でどういう強制捜査を行いましたか。
○政府委員(國松孝次君) 本事件につきましては、昨日、広島北警察署に刑事部長を長といたします捜査本部を設置いたしまして所要の捜査を推進しておるところでございます。 その一環といたしまして、本日、検証及び捜索を実施いたしました。検証は、その開始の場所はその場所でございます。それから、捜索につきましては、この工事を請け負っておりましたサクラダという株式会社の現場事務所など三カ所でございます。
○諫山博君 押収捜索は事故現場以外のところでも行いましたか。
○政府委員(國松孝次君) そのとおりでございます。
○諫山博君 初めに申し上げましたように、これは総合的な全面的な調査が必要だ、そして事故の解明を徹底するということが第一だと思いますから、そういう立場からの捜査を要望します。 ところで、なぜ交通規制を行っていなかったのかということが共通に指摘されております。広島市と業者が警察署の方に道路使用の許可願を出した。許可願は出ましたけれども、それについて交通規制が行われていなかったということが報道されていますけれども、なぜ交通規制を要求しなかったんでしょうか。
○政府委員(関根謙一君) 今回の工事につきましては、工事を開始する以前に道路管理者、施工者等関係者と警察とで十分な協議をいたしまして、その工事の安全性等を含めました交通の安全性、それと交通量等を含めました円滑の確保等の観点から当該工事に必要な最小限の規制を加えるという観点で、今回の場合には三月一日から三月三十一日までの間千二百五十メートルの区間につき、当該道路のそれぞれ作業帯として必要な部分について道路使用の許可をしたというものでございます。その際に、あわせまして、安全性確保という観点から十項目ほどの条件を付したところでございます。 しかしながら、それ以外の部分、道路使用の許可対象でない車両の通行自由な部分につきましては、通常の道路と同様の信号機による規制のみ行っていたと聞いております。
○諫山博君 交通規制を行っていなかったということについて各方面の意見が新聞に出ています。例えば広島市、工法上、安全だと思っていた。全く無責任な言い方です。建設省の街路課長、通行どめにするのが望ましい。京都大学の白石教授、現場の様子を見てあきれた。さらに、交通評論家と称する人は、交通規制をせずにこんなことをするとは。こういう談話です。恐らく広島市が言っているように、安全だと思っていたという思い込みから交通規制をしなかったと思いますけれども、この点で交通局長は反省すべきことはありませんか。
○政府委員(関根謙一君) 先生御指摘のように、確かに非常に痛ましい事故が発生したわけでございますので、私どもの方でもなおなすべき措置がなかったかどうか真剣に検討する必要があると考えているところでございます。そこで、本日、担当官を派遣して、現地で具体的にどういう措置が可能であったかを含めて実地に調査することといたしております。あわせまして、全国の同種の工事現場につきまして、私どもの考えで果たして完全に安全と言えるかどうか改めて検討するように指示をしたところでございます。
○諫山博君 我が党の林紀子議員が事故直後に現場に駆けつけました。彼女が一番強調していることは、横取り工法、一番危険な作業だそうですけれども、せめて横取り工法をしているときだけでも交通規制をすべきだったのではないかということを指摘しています。 交通局長からいろいろ経過の説明、これからの取り組みについては話がありましたけれども、この点で責任を感じるとか手落ちであったという反省はないんですか。
○政府委員(関根謙一君) 私どもの方で、なおなすべき措置があったのではないかということも含めて、現在現地に担当官を派遣しているところでございます。私の個人的な気持ちとしては大変遺憾に存ずるところでございますが、なおその調査の結果を待って、先生御指摘の点も考えてみたいと存じます。
○諫山博君 国家公安委員長に質問します。 橋げたが落下して車の中にいた人が九人死亡した。これは前代未聞な事故です。交通規制がされていればこういうことにはならなかった、これは明らかです。そして、それぞれ専門家は、これほど危険な仕事をするんだから当然交通規制をしておくべきではなかったかと言っております。これからもいろいろこの点は論議されると思いますけれども、国家公安委員長はこの点どう思われますか。
○国務大臣(吹田愰君) ただいま先生おっしゃっておられますが、広島におけるこうした事故、私も昨日衆議院の予算委員会を開いておる途中に情報として大臣席におりましたら警察庁長官からちょうだいいたしました。直ちに総理や関係大臣にもその回覧をいたしたわけであります。 いずれにしましても、けさの閣議におきましても建設大臣から極めて遺憾の意を表されましたし、これからの同じような橋げた作業をやっている工事については、関係の公団を初めとする事業に対して厳重に、事故のないように、再びこうした悲惨な問題が起きないように今注意をしてきておるところだというような報告もありましたが、私も亡くなられた方々に対しまして心からの御冥福をお祈り申し上げるとともに、入院していらっしゃる負傷者に対しましても、本当に気の毒であると思っております。 ただ、どうしておったらどうだというのは、起きてから後の話になってくるわけでありますが、いずれにしましても、それは確かに作業をやっておる下にだれもいなければ落ちたってけがはないわけですから、率直に申し上げて、それが一番いいというのは間違いありません。ただ、あの現場というのは非常に交通の激しい場所であります。私も現地をよく承知しておるわけであります。ですから、交通規制をするとすれば、またこれに通勤者やその他の関係者の方々からそれ以上の大きな日常の不平が出てくるという問題も起きるわけでありましょう。そういったこと等もいろいろ勘案して、広島市としても、あるいはまた関係者としても協議の上でこういったことに相なったのではないかと思うのであります。 いずれにしましても、作業としては非常に危険な作業であったということだけは間違いないわけでありますし、こうした事故が起きるということは、本当に予想もしなかったことじゃないかと思いますが、残念でたまりません。ただ、このことで交通規制をしなかったからどうであるこうであるということについては、もう少し状況を把握してからでないと、委員長として申し上げるということはいかがであろうか、こう思っております。
○諫山博君 これを刑事事件として徹底的に捜査して、刑事的な責任を明らかにする、これは第一です。同時に、やはり交通行政のあり方として問題はなかったのかということを全面的に検討する材料だと思います。私はこの際、この種の工事は全国各地で行われていると思いますから、全面的に点検をして、こういう事故が再び起きないように手だてを講ずるということが必要だと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(関根謙一君) 先生御指摘のとおりかと存じます。そこで本日、全国の同種の工事を行っている場所を管轄する担当者に対しまして、交通の観点から、安全という点で絶対大丈夫かどうかもう一度検討してもらうように指示をしたところでございます。
○諫山博君 地方自治法の改正問題について質問します。 機関委任事務を減らすべきだという方向は行革審でも既に打ち出されています。政府もその立場で努力するという答弁を繰り返しています。ところが、実際は機関委任事務というのは一向減らないんですね。政府として果たしてやる気があるのかという批判が出るのもやむを得ないと思うんです。 そこで、自治省としてはこの問題に現在までどのような取り組みをしてきたのか説明してください。
○政府委員(浅野大三郎君) 私どもといたしましては、機関委任事務の問題は、これは国と地方の適切な機能分担という観点から考えるわけでございますから、基本的に機関委任事務の数は最小限にとどめるべきであろうという立場をとっております。それで、一つは既存の法律につきまして、可能なものはできるだけ整理をしていくということであると思いますし、もう一つは、新たに事務をやる場合に、その性質によってこれは国の事務としなければいけないものもありますし、地方の事務とできるものもありますけれども、我々としては可能な限りできるだけ地方の事務として取り上げていってもらうようにする、こういうふうに考えておるわけでございます。これまでにこれは行革番審でもいろいろ御論議をいただいて一括整理法というものを二度にわたって御提案申し上げまして、そこで機関委任事務の数も減少はさせたわけでございますが、一方でいろいろと新たな事務も出てまいっております。 例えば、これは公害環境対策、高齢者対策あるいは消費者保護対策がありますが、そういう新たな事務も出てきております。そういう新たな事務を全国的な統一性の必要性等からどうしても国の事務と観念した場合に、じゃ一体それは直接やるのか、地方公共団体の長等にゆだねるのがいいかという話になってきます。そこがやや我々としてもジレンマがあるわけなんでございますけれども、その事務そのものをできるだけ地方団体の事務にするという立場でいきますけれども、やっぱり事務の性格上、国の事務としてやっていかなきゃいけないという場合には、なろうことなら、それはやっぱり実施上は地方公共団体の機関が関与してやった方が、総合性でありますとか、あるいは住民の声もよく反映できるということもありますものですから、それは国の出先機関に委任するんじゃなくて、機関に委任したらどうだというような面もあるわけでございます。 そのような状況もございますものですから、おっしゃるとおり、確かに一方では減らしておりますけれども、総数がふえておるということは事実でございます。
○諫山博君 新しい制度がつくられるときになるべく機関委任事務はふやさないということを意識的に努力していただきたい。私は国が仕事を吸い上げよということを言っているんじゃないんです。地方の事務としてきちんと整理したらどうかということで、これは要望にとどめておきます。 今度の地方自治法の中で自治体首長の罷免制度を廃止するというのは当然のことです。知事にしても、市町村長にしても、住民の選挙で選ばれるわけですから、任命権を持たない人たちが罷免をするというようなのは、もともと地方自治の本旨に反します。ですから、この点は、職務執行命令の取り扱いがどうであれ、私は全面的に賛成です。 ところで、知事や市長が機関委任事務を執行しないという場合が過去にもなかったわけではありません。例えば、砂川町長あるいは裁判直前までいった田川市長、この例を調べると、ただ機関委任事務の執行をサボったというのではなくて、自治体の首長としてこの立場が正しいという信念あるいは選択のもとに機関委任事務の執行をしなかったというのが現実ですね。そうなりますと、自治体の首長の立場は非常に微妙だと思う。自分は住民から選ばれた首長だ、この立場が正しいと思う、ところが国の方は違ったことを求めてくる、こういうときに裁判の問題が出てくるわけです。そして、非常に教訓的なのは、田川市長の場合、今考えてみると日朝国交回復というのが現実的な課題になってきたわけですから、あの田川市長の抵抗というのは正しかったのではないのか。むしろ、現在の情勢を先取りした見方ではなかったのかというような気がします。 機関委任事務を執行しないというのは、単にサボるということではなくて、大体そういう問題が発生していると理解していますけれども、どうでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) 私も一々詳細にどういう場合にどういう形で機関委任事務が国の方針とその委任された長の判断と食い違うかということを承知しているわけではございませんけれども、例えば砂川町の事件なんかを見ますと、これは法律ではっきり手続として何をなすべきかということが書いてあるんではないかと思うわけでございます。行政上の判断が入ってくる余地がある、そういう判断の問題でそこに異なった考え方があったというよりも、法律上ある手続をするということはもう明確に書いてあるわけでございますから、そういう意味では必ずしもただいま御指摘のようなことだとも言えないんではないかという気はいたします。
○諫山博君 職務執行命令の裁判を廃止してしまわなかったという点では私は賛成です。 ただ、今度の修正案で私たちが到底賛成できないのは、今まで二回裁判があったのを一回の裁判に減らすだけだ、こういう考え方は正しくないと思うんです。現在の職務執行命令の訴訟の第一段階というのは執行を命ずるための裁判、第二段階というのは、知事などが執行を命ぜられたことを期限内に行わない、そのときに行わない事実を確認するための裁判です。この裁判では、執行命令を行わない事実があったかどうか、そういう事実があったとしてそのことが違法不当であるのか、あるいは代執行とか首長罷免というようなことまで許容するそういう性質の事実であったのかどうかという判断を裁判所にゆだねているわけです。ところが、第二段目の判断を裁判所にゆだねていいたのに、今度は国なり知事がそのことを決めてしまうというのが今度の修正案だと思うんです。つまり、同じような裁判が二回あったのを一回に縮めたというのではなくて、性質の異なる二つの裁判があったのを後のものを削り取ってしまうという点で、量的な違いではなくて質的な違いが残されているなというのが私の感想です。 もしこの法律が成立するとして、これを執行するのは政府の方になりますけれども、大変憂慮されるのは、今までは不履行の事実があったかなかったかということを裁判所が慎重に審理することになっているのに、この手続がなくなる、実際の運用でどうなるだろうかということです。この点は自治省としてはどういうふうに理解しておられますか。
○政府委員(浅野大三郎君) 法案成立後の運用の問題でございます。 実はこれは政府案としてそういう条項を入れてございますが、また修正後におきましてもその条項は入っておりますが、代執行に持っていくその基本的な要件といたしまして、まず、そういう方法によって是正する以外に是正をすることが困難であるかどうかということ、そこのところの見きわめをつけることが一つ。それからまた、そういう不執行という状態を放置することにより著しく公益を害することが明らかでなければいけない、こういう要件も入れておるわけでございます。 ですから、実際の運用といたしましては、仮に国の方針に反しまして機関委任事務が執行されないというような場合にも、現実にはそれは国と関係の知事さんなり市町村長さんの間で種々いろんな話し合いが徹底的に行われるだろうと思いますし、説得も行われるだろうと思います。その上に立って、今申しました今度法案に入っておりますこの二つの要件を満たしているかどうか、あくまでもそれ以外にやる方法がないのかどうか、著しく公益を害するかどうかということをまって初めて次なる手続に進んでいくということになろうかと思います。
○諫山博君 自治省に対するこの点での要望を申し上げます。 初めに申し上げましたように、知事や市町村長が機関委任事務を執行しない場合というのは、単にサボるということではないわけです。例えば、革新市長が保守の知事と意見が食い違う、大いにあり得ることです。革新県知事が政府の意見と食い違う、これも大いにあり得ます。例えば、新しい軍事基地をつくるのかつくらないのかとか、そういう問題になりますと意見が食い違うのは当たり前です。そういう場合に、住民から選ばれた市長の立場を飛び越えて国なり知事が直接やろうというんですから、本当にこれは慎重でなければならないということです。今まで二回の性質の異なる裁判の手続を経なければそれはできないということになっていましたけれども、修正案が通るとすればそれは一回でいいということで、大変心配です。今、慎重にやるんだという説明がありましたけれども、機関委任事務の執行というのはそういう性質のものだということを十分検討した上で運用に当たっていただきたいということを要望いたします。これはもう要望しますから。 次に、警察庁に質問します。 この間、千葉地方裁判所で東金事件の判決がありました。事件の内容を紹介します。 四年前の一月十五日、成人の日です。民青同盟の青年たち十六名が、東金市中央公民館前道路上で「成人式おめでとう」のビラを配りながら核兵器廃絶の署名を訴えていました。ところが、その現場に警察官が来て、いろいろやりとりがありましたけれども、結局、青年が逮捕され勾留される。弁護人が接見を申し入れてもいろいろこれを妨害する。こういうことで国家賠償の請求訴訟を起こしましたけれども、ことしの一月二十八日、千葉県に対して百万円の損害賠償を命ずる判決が下されました。そういう事実はありましたか。
○政府委員(関根謙一君) 御指摘のような判決があったことは十分承知しております。
○諫山博君 私はこの事件の弁護人から裁判記録を借りて詳細に調査しました。非常に驚いたのは、現場の取り締まりに当たった警察官が、道路上でビラを配るときには原則的に許可を得なければならないんだというふうに思い込んでいたようです。 道路上でビラを配るときにどういう要件があれば許可を得なければならないのかということは、有名な有楽町のビラまき事件というのがあります。一九六六年、東京高等裁判所が起訴された被告に無罪の判決をしました。この中で高等裁判所は、ビラ配りで許可を要するのは二つの要件がある場合だ。一つは、交通の頻繁な道路におけるビラ配りだ、もう一つは、一般交通に著しい影響を及ぼすような方法でビラを配る場合だ。つまり、場所とビラ配りの方法を規制しています。そして、あの人通りの多い有楽町でのビラまき事件で無罪の判決をしました。これが現在高等裁判所の唯一の判決だし、道路交通取り締まりはこの判決の立場で行わなければならないと思いますけれども、警察の立場はどうですか。
○政府委員(関根謙一君) 有楽町事件に対する判決の趣旨にのっとってビラ配り等についての規制も行う必要があり、行わなければいけないと考えております。
○諫山博君 刑事局長に質問します。 実際にこういう取り締まりに当たるのは刑事局長の所管の警察官ではなかろうかと思います。刑事局もこういう立場で取り締まりに当たっていますか。繰り返しますと、交通の頻繁な道路であること、ビラ配りの方法が一般交通に著しい影響を及ぼすような場合、これ以外にはビラ配りに許可は要らない、署名活動にも許可は要らない、これが東京高等裁判所の判決ですけれども、刑事局長もその立場で処理に当たりますか。
○政府委員(國松孝次君) 私どもの刑事局と申しますか、刑事一般の各警察の刑事がそういう場合にやる場合というのはかなり少ないのではないかと思いますが、絶無でもないと思います。しかし、やる場合には、先ほど交通局長の答弁のとおり、理解をしてやっていると思います。
○諫山博君 私もしばしば繁華街でビラを配ります。署名活動をやります。資金カンパを求めることもあります。そのときに、警察はもう例外なしと言っていいぐらい干渉しますよ。許可をとっていますか、許可をとってなければやめてください、こういう干渉をします。恐らく同僚の議員の方もそういう経験をされたことがあるんじゃなかろうかと思います。つまり、第一線の警察官は、ビラを配るとき、署名活動をするとき、募金を求めるときには、交通は支障があろうがなかろうが、許可をとらなければならないんだと思い込んでいるんです。その点はどうですか。これは刑事局長の方から説明してください。――じゃ、交通局長でいいです。
○政府委員(関根謙一君) ビラ配りに関する規制は道路交通法七十七条を根拠とし、各都道府県のこの七十七条一項四号の規定に基づきます公安委員会規則で定めておりますので、私から御答弁をさせていただきたいと存じます。 先生御指摘のように、都道府県の公安委員会規則ではビラ配りについての規制を許可にかからしめるという形で定めており、その点甚だ規定の内容があいまいでございます。そこで、先ほど御指摘をいただきました東京高裁の判決がありまして、要件をかなり明確に絞った基準を示されたわけでございます。しかしながら、それでもなお実際にこれを現場に当てはめようとしますと、いろいろ問題が出てまいります。例えば、これはビラを配ろうとする場合には許可を要する場合があるというようなことになってまいりますが、その許可を要する場合というのは、先生御指摘のように交通の頻繁な道路であることという要件のほかに、道路交通法の七十七条一項四号の柱書きにありますような要件がさらにかぶってくるということでございます。その上、東京高裁の判決を見てみますと、そのときの具体的な交通の条件というものも判断の基準に加味されているように受け取ることができるわけでございます。 そういたしますと、ビラ配りをするときに、交通がどのくらい著しい影響を受けることになるかどうかということが事前にあらかじめ判断できないといいますか、判断することが極めて困難な事態がございます。そこで、極めて明らかという場合には、国民の方々はこの法律及び規則に基づきまして警察署長の許可を求めてくると存じますが、そうでない場合には、国民の方々も、これはあらかじめ許可を要する行為なのかそうでないのか、よくわからないということがあろうかと存じます。そこで、そのような場合には警察官の方で、あらかじめこれは許可を要する行為ではないかどうか、あるいは事前に交通の円滑を確保するような措置を警察に講じさせる必要があるかどうかについて警察の判断を求めてくださいというような形で現にビラを配っている方々に忠告をされることもあろうかと存じます。そのような趣旨で私ども考えているところでございます。
○諫山博君 あなたは東金事件でいささかも反省してないんですね。警察官の行為によって県が百万円の賠償を命ぜられたんですよ。この判決は確定しましたよ。そして、ビラ配りが裁判所で争われたのは、私たちの承知している限り三つです。一つは、有楽町のビラまき事件、これは東京高裁で無罪。一つは、大阪で事件がありました。鉄道営業法にはひっかかりましたけれども、ビラ配りを道交法で規制してはならないというのが大阪の裁判所の判決です。そして、三番目がこの東金事件。 そして、私が紹介しましたように、逮捕に当たった警察官は、ビラ配りはすべて許可を要するものだと思い込んでいるんです。あなたの説明を聞いていると、何か一般国民に責任があるような感じを受けますけれども、ビラ配りというのは原則として許可は要らないんだ、交通に著しい影響を及ぼす場合に限って許可を要するんだ、この立場をなぜ徹底しませんか。私はこれを第一線の警察官にまで徹底させることを要求いたします。そうでないと第二の東金事件が起きますよ。長い説明はいいですから、簡単に答えなさい。
○政府委員(関根謙一君) 現行法の規定に基づきまして法律及び公安委員会規則で定めがあること、それからその公安委員会規則の定めも、東京高等裁判所の判決によりまして、その規定自体が違法であるとは言えないという判断があること等から、すべてのビラ配りについて自由に許された行為であると私どもが断言するのはいかがかと存じます。
○諫山博君 各地の公安委員会規則に道交法に違反する点があるんじゃないかということが指摘されています。あなたが言った東京高等裁判所の有楽町ビラまき事件の判決は、公安委員会規則が無効とまでは言えないけれども、しかしやはりすべてのビラまき行為に許可が要するという立場をとってはならないということを言っている。そして、判例時報などの解説では、これは公安委員会規則の再検討を求めた判決だということが言われているでしょう。 そこで、国家公安委員長に要望しますけれども、問題は今言ったとおりです。実際は、すべてのビラまき行為、すべての署名活動に許可が要るんだという取り扱いが第一線でされていますよ。ところが、法律の立場によればそうじゃない。著しく交通に影響を及ぼす場合だけ許可をとれと書いている。あの有楽町の繁華街でビラをまいていたのが無罪になったんです。ですから、第一線の警察官にこの趣旨を徹底させなければ大変だと思う。法律違反が平気で行われる。関根交通局長の説明を聞いておりますと、どうもその立場を徹底させるように聞こえませんけれども、これはこういう問題が起こらないようにぜひ教育をお願いしたいんですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(吹田愰君) 今先生のお話を伺っておりますが、東金のことは私もよく承知しませんものですから限定して云々はできませんが、一般論として申し上げれば、道路というものは天下の公道でありますから、これはいかなる人も交通を妨害されてはならないわけであります。したがいまして、交通をスムーズに流すように警察官は交通整理を行っておるというのが現状だと思うんですね。さりとてまた一面、ビラをまく側からすれば、本人の意思の表明というのはこれまた自由ではないか、意思を多くの人に示したいという気持ちでやることは自由ではないかということもあるんだろうと思います。それにいたしましても、やはり多くの方々がそこで自由に行動をして一つの目的に向かって動いておるという状態に対して、著しいというのがどの程度ということになるかという問題はありますけれども、できるだけスムーズにこれを流していくということが、交通整理の上からいきましても、交通秩序の上からいきましても大事な要素じゃないかと思います。 いずれにしましても、こういうことにつきましては今後十分検討し、今お話がありましたように、教育ということはどうかと思いますが、対処してまいるように努力していきたいと思います。
○諫山博君 交通局長が主として答弁されましたけれども、実際これの運用に当たるのは刑事局の警察官が多いわけですね。私は東金判決をもっと深刻に受けとめてもらいたいと思うんです。現場の警察官の誤った行為によって百万円の国家賠償が命ぜられた。これはゆゆしい出来事ですよ。だから、私はこういう問題が再発しないように善処してもらいたいということを申し上げましたけれども、東金事件の裁判というのは調べようと思えば自由に調べられるはずですから、ぜひ深刻に研究してください。 次の問題に移ります。 佐賀市の天祐一丁目というところに、日本共産党から県会議員選挙に立候補する予定のむとう明美の後援会事務所がつくられています。これは後援会の地域におけるたまり場です。ここに三月九日、下田派出所の警察官、野中という人が訪ねてきました。そして、たまり場にいた二人の人に、住所は、氏名は、何をしているのか、家主はだれか、いつからいつまでいるつもりか、現金は幾らあるか、ほかの人も来るのか、選挙事務所を二つ以上つくれば選挙違反だ、こう言って帰った例があります。これは一見して選挙のたまり場とわかる構造です。ポスターが張ってあるし、チラシも山のように積んであります。そこに警察官が来て、私が指摘したような発言をした事実はありましたか。
○政府委員(関口祐弘君) 御指摘の事案でございますけれども、本年の三月九日に佐賀県警察の外勤警察官が巡回連絡を実施いたしまして、以前空き家になっていた一軒を訪問したところ、後援会事務所であるということがわかったという事案かと存じます。 先生から御指摘いただいたいろいろな御質問の事項というものにつきましては、巡回連絡の趣旨といたしまして、防犯上あるいは事故防止の立場から幾つかの御質問をさせていただいた、かように聞いております。
○諫山博君 今度は別の問題です。 同じ佐賀市の新栄校区の自治会が地元出身のむとう明美を推薦するということを決定しました。ところが、私服の警察あるいは制服の警察官が、自治会長や自治会連合会の会長のところを訪問して、どういう経過でむとう明美を推薦するようになったのかということをいろいろ聞いております。そして、帰るときには、警察官が来たことはほかの人に話さないでくれということまで言っています。そういうことがありましたか。
○政府委員(國松孝次君) お尋ねの件につきましては、佐賀署の署員が犯罪捜査活動の一環といたしまして聞き込みを行ったというように報告を受けております。
○諫山博君 共産党の県会議員選挙に出る予定者が後援会の事務所をつくった、あるいは地域の代表から推薦を受けた、そのことに対して警察がとやかく介入するというのは不当ですよ。あなたの方は単なる巡回だとかそういう言い逃れをしますけれども、明らかにこれは政治活動に対する介入です。 次の問題を質問します。 東京都の台東区下谷警察署で、昨年二月十八日投票の衆議院選挙で、赤旗日曜版を配達している人の跡をつけて日曜版の読者のところに一軒一軒警察官が訪問しました。そして、選挙の話をしたのではないかというようなことを根掘り葉掘り聞いておる。十三人ないし十四人の人から供述調書をとっております。この捜査には東京地方検察庁も参加いたしました。私たちの調査では、警察が尾行し、選挙の話をしたのではないかと介入された人の数は約三十軒。そういう事実がありましたか。
○政府委員(國松孝次君) お尋ねの件は、警視庁下谷警察署におきまして、昨年の二月実施された衆議院議員の選挙に際しまして所要の捜査活動を行ったものと報告を受けております。
○諫山博君 もっと大きな声で答えてください。 この事件は送検されずに終わったと聞きましたけれども、そうですか。
○政府委員(國松孝次君) そのとおりでございます。
○諫山博君 赤旗日曜版の読者のところを配達のために訪問する、集金もする、これは当たり前のことです。ところが、なぜこれを戸別訪問だということで調べたんですか。
○政府委員(國松孝次君) 犯罪の容疑がございましたので、犯罪捜査活動の一環として所要の捜査活動を行ったものでございます。
○諫山博君 刑事訴訟法によれば、全件送致主義という原則があります。つまり、警察が捜査したら原則として検察庁に送らなければならない、これが法律の原則だし実務上もそう行われております。ところが、これは相当広範な捜査が行われたのに検察庁に送致されなかったということですけれども、なぜ送致しなかったのですか。
○政府委員(國松孝次君) 一般論として申しますれば、警察は常に検察庁と緊密な連絡をとりまして捜査活動を行っておるところでございますけれども、警察におきまして立件送致できるまでの犯罪事実の把握に至らなかった場合におきましては、検察庁に送致しないこともございます。
○諫山博君 投票は昨年二月十八日です。この捜査が集中的に行われたのは十七日、十八日、十九日です。つまり、投票の前日から全面的な捜査が始まって、投票の当日も捜査が行われた。この捜査には検察庁も関与しているはずですけれども、法務省来ておられますか。
○説明員(松尾邦弘君) ちょっとお尋ねの趣旨がよくわからないのですが……。
○諫山博君 検察庁はこの捜査には関与しなかったんですか。
○説明員(松尾邦弘君) 検察庁も今お尋ねの件については、捜査活動といいますといろんな意味に使われましてあれなんですが、その点だけちょっと先に申し上げさせていただきますと、捜査活動ということはかなり広い意味に使われまして、犯罪の嫌疑があるかないかということについての事実を調査する段階から、犯罪の嫌疑がありますと捜査手続に移行するわけでございますが……
○諫山博君 じゃ、もっと具体的に聞きましょう。検事が下谷警察署に行ったことはありますか。さらに、関係者の供述を求めたこともありますか。
○説明員(松尾邦弘君) それはございます。
○諫山博君 この種の事件では投票前には調べはしないというのが常識だと思います。そういう常識なり原則は検察庁にはないんですか。買収などの現行犯の場合は別です。
○説明員(松尾邦弘君) 本件につきまして具体的に申し上げるのは差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げますと、確かに先生のおっしゃるように、選挙の際には投票日前にいろいろな活動を行うことについては十分慎重な配慮をして行っているところでございます。
○諫山博君 警察に聞きますけれども、投票は十八日ですよ。十七日から全面的な調べに入ったでしょう。どうして投票が終わるのを待つことができなかったんですか。私は調べること自体がけしからぬと思いますけれども、投票の前日から調べに入るというのは選挙妨害そのものじゃないですか。
○政府委員(國松孝次君) 事実の認識に若干差異があるように思われますが、私どもにあります報告では、投票終了後いろいろな捜査活動に着手したという報告を受けております。
○諫山博君 これはうそですよ。 結局、犯罪の嫌疑はなかったんですか。
○政府委員(國松孝次君) 立件送致できるまでの犯罪事実の把握に至らなかったと報告を受けております。
○諫山博君 佐賀のむとう明美の問題についてもそうだし、下谷警察署の問題にしてもそうですけれども、警察官が日本共産党の政治活動に介入するということは許されませんよ。選挙だったら選挙自由妨害罪というのもあります。厳格な意味で選挙自由妨害罪になるかどうかは別として、警察が後援会員のたまり場に出かけていろいろ聞きただすとか、推薦決定をした自治会長の家を訪問してどういう経過で推薦を決めたんですかというようなことを聞く、そんなことが警察にできると思っているんですか。こういうことは悪いことだとは思いませんか。
○政府委員(國松孝次君) 警察はこれまでも、犯罪捜査活動の観点から、公職選挙法違反の場合につきましても犯罪捜査活動をやる過程で厳正公平に捜査活動を実施しているところでございます。今後ともその立場を堅持してまいりたいというように思っております。
○諫山博君 結局、佐賀の後援会員のたまり場の問題にしても、むとう明美を自治会として推薦決定した問題にしても、何らの犯罪もなかったんでしょう。そして、下谷警察署があれほど全面的な取り調べをして、赤旗の読者のところを回って供述調書までとって、なおかつ検察庁に送ることはできなかったんでしょう。処罰しなかったからもともとだというような考えだとすれば、これは大変な間違いですよ。あなたは下谷警察署の問題について反省すべき点はありませんか。
○政府委員(國松孝次君) 特に下谷警察署の問題につきまして、私どもといたしまして事件の捜査活動につきまして反省すべき点があるかということにつきましては、ないのではないかというように考えておるわけでございます。
○諫山博君 ある著名な元警察官、警視監までした人が著書でこんなことを言っています。日本共産党と警察は相入れない存在だ、警察は共産党に反対する勢力の票をふやすことはできない、しかし共産党の票を減らすことはできる、こういうことが言われているということが元警視監の公刊された本の中に書かれております。恐らく御存じでしょう。警察はこういうことを否定しますけれども、今やっていることはまさにそのとおりじゃないですか。共産党に反対する勢力の票をふやすことはできない、警察はそう言っております。しかし、共産党の票を減らすことはできる。まさにそのとおりのことが行われているじゃないですか。私はこういう問題について国家公安委員長が厳正な指導をされることを要望いたします。意見を聞かしてください。
○国務大臣(吹田愰君) 警察が特別に選挙妨害、選挙干渉をするとか、あるいはその他の選挙行動について障害が起きるようなことを殊さらするとかというようなことは私はあり得ないと思うのでありますが、犯罪捜査を初めとする警察活動において適正かつ公平に職務を果たすということは警察官の本旨であります。そういった意味から今後もそういった基本的な姿勢で行動をとってもらうということにつきましては、私も今後も、一般論ではありますけれども、国家公安委員長として対処してまいりたいと思います。
○諫山博君 警察庁長官にまとめて聞きます。 ビラ配りを弾圧したという問題で、第一線の警察官が誤った認識を持っているのではないか。ビラ配りはいかなる場合でもすべて許可を要するものだと誤解しているんじゃないかという問題について、何らかの指導をお願いしたいけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(鈴木良一君) ビラ配りの点につきましては、東金事件の判決があるわけでございますから、これに基づきまして警察官をよく指導、教養してまいりたい、かように考えております。
○諫山博君 私、佐賀市の共産党の候補者の問題と台東区の下谷警察署の問題を取り上げました。こういう例を拾えば無数にあるんです。警察は単なる内偵調査だ、犯罪捜査まではまだ行っていないというふうに言うかもしれません。しかし、警察官が共産党の後援会のたまり場に行くことそのものが大問題なんです。赤旗読者の跡をずっとつけて訪問するということ自体が赤旗活動に対する妨害です。どうもそういう認識が全くないように思うんです。私は、不偏不党という原則を守るためにも、政治活動、選挙運動に対するこういう誤った介入はやめるように指導してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(鈴木良一君) 私どもはこれまでも不偏不党、厳正公平な立場で警察活動を進めてきたつもりでございます。先ほどお話の中でいろいろ御指摘がありましたけれども、一点御了解いただきたいのは、捜査活動というのはやはりまとまるものもあれば、残念ながらまとまらないものもあるわけでございまして、その点はぜひ御理解をいただきたい、かように考えます。 いずれにいたしましても、警察官の職務執行を適正妥当に行わなければならないことは間違いございませんので、そういう形で今後とも警察官を指導してまいりたい、かように思います。
○諫山博君 別なことです。 ことしの二月一日、山形県弁護士会が山形県警本部に警告書を出しました。これは酒田市立第一中学校でロッカーが荒らされたという事件で生徒の指紋をとったという問題です。弁護士会は、調査した結果、酒田市教育委員会と山形県警本部に警告書を出しました。教育委員会はこれを受領いたしましたけれども、山形県警本部はこれを突っ返しました。今、弁護士会で大問題です。突っ返したという事実があったかどうかだけ答えてください。
○政府委員(國松孝次君) 警告書の送付を受けましたので、それを返送いたしております。
○諫山博君 ことしの二月、福岡県弁護士会所属の小島弁護士と梶原弁護士が贈収賄の告発事件に関して意見書を福岡県警本部に提出しました。そして、県警の庁舎内にある記者クラブで記者会見をしようとしましたが、県警本部はこれを認めませんでした。記者クラブで記者会見をすることはできないと言って記者会見ができませんでした。そういう事実がありましたか。
○政府委員(井上幸彦君) 本年の二月七日に……
○諫山博君 あったかなかったかだけでいいです。
○政府委員(井上幸彦君) そのような事実、丁重にお断りしたという事実はございます。
○諫山博君 丁重であろうがなかろうが、とにかく記者クラブがあるのに記者クラブで記者会見することを認めなかった、こういうことがありましたから、警察庁に聞きました。全国的にこういう取り扱いがされているのかと聞いたら、県警本部には大体記者クラブがある、しかし記者クラブで記者会見をすることはすべて認めていないという説明がありましたけれども、そのとおり間違いありませんか。
○政府委員(井上幸彦君) 記者クラブと申しましても、これは警察が管理する警察施設の一部でございまして、これを部外者が利用して記者会見をしたいということになりますと、やはり警察の立場、すなわち何か癒着があるんではないかとか、あるいは特定な便宜を計らっているんではないかというようなことで誤解を招く、いわば警察活動についての疑惑を招く、あるいは警察の本来持つべき公平、中立性という立場が損なわれるおそれがあるということで断っております。
○諫山博君 警察庁長官に要望しますけれども、今答弁は求めません。 私は、かつて当委員会で、弁護士会が警察に警告書とか要望書を出す場合に、受け取らずに突っ返すというのは非常識じゃないか、非礼ではないか、もっと国民の声に耳を傾けるべきだ、こう要望したことがあります。これは日弁連でも今大問題ですよ。そのときの警察庁の説明では、内容証明を受け取って黙っておれば、そこに書かれたことを認めたことになるというような言い方がされているんですね。これは非常識ですよ。内容証明に書かれたことを、突っ返さなければ、認めたことになる、そんな常識は日本にはありません。あるとすれば警察だけです。だから、弁護士会などが警察は何らかの文書を出したらやはりそれは受け取るべきだ、この点をぜひ検討していただきたいと思います、いずれ私は聞きますから。 もう一つは、記者クラブの利用の問題です。 日本の官公庁にはどこに行っても記者クラブがあります。裁判所にもありますし、検察庁にもあります。裁判所で聞きましたら、記者クラブの利用はもう記者クラブに一任している、こういう説明です。法務省では、記者クラブはやはり記者が使うわけですから、記者の取材活動に矛盾しない限りその使用は全部記者にお任せしています、こう言っています。これが常識です。恐らくどこの官庁に行ってもそうだと思います。ところが、警察だけは違うんですよ。今言われたようなへ理屈で記者会見を認めないんですね。あなたの言われたような法律関係は、裁判所だろうが法務省だろうが同じことですよ。日本じゅう同じです。ところが、警察だけは、せっかく記者クラブがあるのに他人をそこに入れない、記者会見するんだったらどこか外に出てやってくれ、こういう取り扱いがされている。これは単に非常識とか国民を敵視しているというだけではなくて、警察の閉鎖性のあらわれだと思うんです。 私は、さしあたり弁護士会などが内容証明郵便を出したら突き返すような非礼なことはやめなさい、警察の中にある記者クラブに例えば告発状を出した人が入るというようなことは認めなさい、このことを新しい長官でぜひ検討していだたきたいと思います。これは長い経過がありますからここで即答は求めませんけれども、検討してくれませんか。
○政府委員(鈴木良一君) 検討いたします。
○諫山博君 終わります。
○高井和伸君 大臣の所信に対する質疑と法律案の問題をあわせて一括して御質問させていただきます。 地方自治の根幹法である地方自治法の改正を足場に何点か御質問したいと思いますが、まず、現行の職務執行命令訴訟制度が設けられた、古い昭和二十二年のことでございますが、その理由はどういう理由であったのか、ちょっと教えてください。
○政府委員(浅野大三郎君) 現行の職務執行命令訴訟制度は、旧憲法下における地方制度にはこれに相当する制度はございませんでしたが、戦後、地方自治法制定当初に設けられました弾劾裁判制度にかわって昭和二十二年の地方自治法の改正により導入されました。 その立法趣旨につきましてでございますけれども、これはその法案を提出したときの提案理由説明を引用さしていただきたいと思いますが、「国政事務の処理が法令の規定、若しくは主務大臣の処分に違反し、又は著しくその職務を怠る等の場合におきましては、その遂行を確保する措置を講ずることは、これ亦国政の運営と地方自治行政との間の調整を図る上において、特に必要がある」、したがいまして、「司法裁判所による公正な事実認定を基礎として、国政事務の遂行を強制し、確保する措置を規定することといたした」、こういうふうに述べております。
○高井和伸君 地方自治法の改正で、政府原案ということで申し上げますが、司法における判断が省かれた、こういう政府原案でございました。その後修正案がございますが、その政府原案のところで今の司法の関与が省かれた理由を中心に御説明ください。
○政府委員(浅野大三郎君) 若干経過にわたることをお許しいただきたいと思いますけれども、もともとこの話は行政改革推進審議会におきまして、国、地方公共団体を通ずる行政改革の一環といたしまして「機関委任事務制度全体の見直しが議論されたというところから発しております。その中身としまして、この職務執行命令訴訟制度でありますとか、地方議会の検閲・検査権でありますとか、いろんな議論をやったわけでございますが、そういうものが全体一体となして答申されたということでございます。 その後、地方制度調査会におきましても、やはり機関委任事務制度全体について議論がされまして、ほぼ同じ結論がそこで示された。 そこで、なぜそれじゃ職務執行命令訴訟制度をこういうふうに変えたかという部分につきましては、これは地方制度調査会の方の答申の中を引用させていただきたいと思いますけれども、その答申におきまして、「我が国の現実は立法時に想定された迅速な処理が期待し難く、緊急な処理を必要とする場合にも制度として動かない、」「との批判がある。」とした上で、「地方公共団体の長の意見を十分尊重しつつ慎重かつ適切に機能しうる制度として、」ということで、大体私どもが提案しましたような仕組みをそこで答申をいただきました。それをもとに法律案を提案させていただいたということでございます。
○高井和伸君 そうすると、緊急性、スピードの問題が第一の理由だ、簡単に言えば、地方制度調査会の意見そのものを政府としても取り上げた、こういうことになろうかと思いますが、そうであれば、過去においてそういったスピードを侵害された、スピード性において欠けたというような事案はたくさんあったんでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) 私も、実際に機関委任事務について委任された機関の側でなかなか執行しないで事務がおくれているという例が結構あるんではないかと思いますが、そちらの詳細はよく承知はいたしておりません。 実際に裁判になった例といたしましては、これは砂川町の事件があるわけでございますが、若干この経過を申し上げますと、実はこれはもともと昭和三十一年に知事の方から町長に対して職務執行命令をしたのでございますけれども、それが実施されなかったということで裁判になりまして、これは市町村長に対する職務執行命令でございますものですから管轄裁判所は地方裁判所になっておりましたが、地方裁判所の結論が出されましたのが昭和三十三年でございます。ただ、このときはちょっと判断の仕方その他という事情もあったのではございますが、ともかくそれが最高裁まで上がりまして、最高裁の判決が出たのが昭和三十五年でございます。さらに、その最高裁は地裁に差し戻しておりますものですから、差し戻された地裁でさらに判決が出たのが昭和三十八年と、こういうような経過をたどっております。
○高井和伸君 今の事案が一つのようでございますが、こういった事案でなるほど時間がかかったことはわかりますけれども、先ほどの答弁によれば、ほかの法律のもとにおける機関委任事務の中でそうおくれた事案については余り把握されておらないようなお話でございますけれども、そうすると、なぜこんな地方制度調査会の答申が出たんでしょうか。その点について。
○政府委員(浅野大三郎君) 行革審もそうだと思いますし、地方制度調査会もそうでありますけれども、制度論の議論をされたということだと思います。そういう職務執行命令訴訟という制度そのものについてどう考えるかという観点からああいう結論を出されたんだと思います。 なお、私先ほど申し落としましたけれども、政府提出案におきましても裁判所の関与が一切なくなるわけではございませんで、これは法案をごらんいただいてよく御承知のとおりとは存じますけれども、知事等に対して職務執行が内閣総理大臣からいよいよ命令されましても、そういう不服があります場合には、これは知事の方から裁判は忌避できるというシステムはとっておりますので、そこは決して訴訟がなくなっているわけではございませんので、ちょっとつけ加えさせていただきたいと思います。
○高井和伸君 制度論として私も反発しますが、先ほどおっしゃった政府原案において裁判所の関与がなくなったわけじゃないと言われますけれども、それは事後手続であって、事前手続における制度とは大違いでございまして、質的にも全く違うわけで、ただ裁判所の関与という面ではそれはあることは間違いないわけで、その点は認めます。 さすれば、次の問題、制度論として、じゃ、なぜ今度罷免制度を廃止したのか、その理由を言ってみてください。
○政府委員(浅野大三郎君) これは先ほど二つの審議会を申し上げましたけれども、行革審、地方制度調査会、ほぼ同じような見地から廃止する理由を言っておりますが、要は住民が選んだ首長さんというものを、間に訴訟とか何とかいろいろありますけれども、それにしても住民でない人が罷免するということが適当でない、こういうことであろうかと思います。
○高井和伸君 今度の改正の中で、今の観点からいえば、ある意味では住民が選んだ知事、首長などを罷免する制度をやめたということは、憲法の地方自治尊重の立場からは結構なことだろうと私は思うわけでございます。しかしながら、従前の立法趣旨からいえば、必要性があってそういった罷免制度があるから、ある意味ではこわもての条項としてかなり機能していたこともまた物理的に事実だろう、こう思うわけです。そういったことをやめたというのは、何によってそうなったかということになれば、制度論をもう一回論じたらこうなったんだということで、これはもう当初からそうあってもよかったんだろうとは思いますけれども、改むるに遅過ぎるということはないという点から賛成したいと思っております。 〔委員長退席、理事渡辺四郎君着席〕 続きまして、今の問題で、やはり国の行政が執行されることを確保するという意味からこういった罷免制度もあったわけでしょうから、そこでお尋ねしたいんですが、先ほども諫山議員の方からお話がございましたけれども、機関委任事務が地方自治法の別表の二と三でしたか、たくさん載っているわけですけれども、これはノーマルな状態なんでしょうか、普通の状態なんでしょうか。ある姿としてはいいんですが、この価値評価をした場合に自治省の行政担当としてはどのようにお考えなんでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) ノーマルかどうかという言い方はなかなか難しいような気がするわけでございますが、私どもといたしましては、できるだけ整理をする努力をしていきたいというふうに考えております。
○高井和伸君 制度論としてお尋ねしますが、各省庁が事務の自己所掌の国家の行政の一部を地方の機関に機関委任したいというような法案を作成する場合、当然合議があるというか、協議があるはずでございますが、そのようなときに自治省としては、いかぬということで、そこでふやしてくれるなということでかなり現実的にやれるんじゃないかと思うんですが、関与なしにどんどんふえているとは思えないんですが、このふえた結果は自治省も仕方ないというようなことでお認めになった結果だろうと思うんですが、そこらの具体的な政府部内におけるやりとりの現実はどのようなものなんでしょうか。 〔理事渡辺四郎君退席、委員長着席〕
○政府委員(浅野大三郎君) 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、二つの場面があるわけでございまして、そもそも新たに事務をいたします場合に、それは国の事務としてやるのか、地方公共団体の事務としてやるのかというところがございます。それからもう一つは、国の事務だという整理がされた場合に、その実施機関をどう考えるのか。つまり国が直接やるかどうか、あるいは知事なり市町村長に委任するかという二つの側面があるわけでございます。 それで、まず最初の国の事務か地方の事務かということにつきましては、私どもの考え方としては、これはもうできるだけそれは地方の事務として取り上げてもらったらどうでしょうかという主張を常にいたします。ただ、しかしこれはやっぱり事務の性質、なぜそういうことを取り上げるか、国がやる必要があるかどうかということとかかわりがあるわけでございまして、無原則に何でも地方にというわけにいかないこともまたこれは確かでございますから、その事務が特に全国統一性が必要であるとか、いろんな理由からこれは国の事務として決めるべきだというようなことも多いわけでございます。そういうことで、国の事務か地方の事務かという点につきましては、私どもはもちろんこれは理屈がつかなければいけないわけですけれども、できるだけ地方の事務として構成したらどうであろうかという意見を申し上げます。 それから次に、今度は、じゃ国の事務となったものをだれが実際に執行するかという話になりますと、これはどちらかといいますと、各省は、法律上は大体大臣の権限として書くわけでございますから、大臣の権限という形で法律案をおつくりになる場合が多いように私は思います。どちらかといいますと、結局これは機関委任事務になるわけですけれども、やっぱり住民にいろいろかかわりもあるわけですし、それから地方公共団体でございますと、いわば総合行政としていろいろやれるというところもあるわけでございますから、私どもとしては国の事務であるとしても、それはできるだけ知事なり市町村長、そのほかの執行機関もございますけれども、そういう機関に委任していただいたらどうでしょうか、こういう意見を申し上げることが多いということでございます。
○高井和伸君 そうすると、自治省としてはできるだけ地方自治団体の仕事をふやしたい、もしそれができないときは残念ながら国の機関でやってもらうんだけれども、それじゃ寂しいから機関委任事務としていただこう、したがって機関委任事務はたくさんふえていく、こういうような三段階の問題なんだということがわかりました。 しかしながら私が言いたいのは、本来国も地方に出先機関をいっぱい持っているわけでして、その機関を使わずになぜに地方公共団体に機関委任事務を回すのかということを考えるときに、非常に基礎的な議論になるかと思いますが、国が勝手におやりになればいいんじゃないか、こういう発想で割り切ってしまうと、先ほどおっしゃいました総合行政ができないというようなことをおっしゃいましたけれども、割り切れない理由は何なんでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) これは地方行政の現実というところから一つはあろうかと思いますが、住民の方々は、この事務が国の事務であるとか県の事務であるとか市町村の事務であるということは普通余りこだわりになりません。それで、実際に市町村長あるいは知事の立場でありますと、国の事務であろうと何であろうと、とにかく町長さん何とかしてください、知事さん何とかしてくださいということで住民の方々からいろいろ要望が出てくるわけでございます。 また、そういうものを処理する場合に、これは事務の性格によっても違います。例えばほかの行政とほとんど関連がないようなもの、高度の専門性があるようなもの、そういうものはあるいは別かもしれませんけれども、大体の場合はいろいろ行政というのはかかわりがあるものですから、機関としては国の機関でありましても、地方公共団体の長でございますから、ほかの行政もいろいろ担当しておる。そういう中で、全体としてよりよい形で住民の要望も処理できるというような面も現実にあるわけでございます。
○高井和伸君 ちょっと観点を変えまして、こういった機関委任事務の経費というものは、地方交付税の算定要素の中にたくさん含まれて結果的に反映されているんだろうと思いますが、こういった機関委任事務をふやすときに、一々に経費の問題も同時履行で検討され、手当てされるんでしょうか。
○政府委員(小林実君) 機関委任事務の経費につきましては、これは地方団体自身の固有事務、団体事務と同じに地方財政法では原則といたしまして全額地方公共団体がその経費を負担する、こういうことになっておりまして、例外規定が四つほどあるわけですが、お尋ねのお話は、新たに事務がふえてきた場合どうかということでございまして、これは地方財政法十三条というのがございまして、それにつきましての財政措置が必要なわけでございまして、時に新たに国庫支出金制度ができる場合もございますし、既に地方団体が実施している事務と非常に関連がございまして、交付税で措置する場合もあるわけでございます。
○高井和伸君 今地方公共団体の固有の財源的な発想でやると言いましたけれども、国としては何らかの措置として裏づけ的なもっと深いところでの配慮はなされていないんですか。
○政府委員(小林実君) 国と地方国体の財源配分の話だと思いますが、そういう基本的な観点から地方税、地方交付税制度がございまして、全体をひっくるめてのお話になりますと、それは毎年度の地方財政計画を策定するときに、私どもは歳出の方でこの程度必要である、国庫当局はそれほど必要ないという議論を重ねまして、私どもといたしましては全体として財政需要を賄うに足りる財源が確保できればそれでよしということで、毎年地方財政対策を講じて地方団体が事務執行に支障のないようにしておるわけでございます。
○高井和伸君 今の財政面から見れば、国として機関委任事務をふやすときは、大変幅広く豊かに地方公共団体の方が受け入れてくれるから余り行政経費を考えなくても済むという、ある意味ではアバウトな世界のことになるから、機関委任事務がどんどんふえていって、本来的な地方におろすべきものまでもそこへ行ってしまうんじゃないかというようなおそれはないんでしょうか。
○政府委員(小林実君) 全体の話として地方財政計画を通じての議論をしているんだということを申し上げたわけですが、個別の法律ができましての議論のときには、これは相当厳しい議論のやりとりになるわけでございます。最近できます法律につきましても、特に地方公務員の数がふえてくるようなものに絡むものにつきましては、やはりそれを機関委任事務として行いたいという省庁におきましてちゃんと財源を確保していただく、いわゆる国庫支出金として例えば委託費というようなことで確保していただく措置をとってもらうことも多いわけでございまして、それは役所同士では相当の交渉をしておるわけでございます。
○高井和伸君 またちょっと話が低レベルになりますけれども、国の行政を委任する場合、地方公共団体に委任するのも一つの手でしょうけれども、例えば、これは地方自治の御担当の方に伺うのもおかしなことですが、郵便局に任したらどうなんでしょうか。地方自治担当の行政としてはどのようなゆがみが出るんでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) 郵便局はこれは申すまでもなく国の機関でございますので、私どもが機関委任事務と言う場合は国が地方公共団体の機関に委任する場合をとらえて言っておりますものですから、そういう意味で一般の機関委任事務とは違った類型のものになるのではないかと思います。あとは結局国家の行政組織の中をどう考えていくかということではないであろうかというふうに思っております。
○高井和伸君 続きまして、「地縁に基づいて形成された団体」、以下「地縁による団体」でございますが、この点について質問いたします。 この改正案を見ますときに、ある意味では今まで認知されていなかったものを一人前のものに認知するというような雰囲気があるわけでございます。その対象が自治会、町内会、そういうような住民の任意団体だったものをある意味では法人成りにする、個人企業だったものを会社組織にするというような意味合いの改正案だというふうに私理解しておりますが、自治省としてこういった自治会のような任意団体をどのように認識しておられるか。要するに、望ましく見ているのか、もっと制度的に取り入れてしまおうと考えているのか、いや一歩離れて、一定の距離を置いて認識しておるのか。なかったら困るしなというようなことになるんだと思うんですが、そこらの、改正のことは別として、自治会的なものに対してはどのような基本的なスタンスにおありですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 自治会、町内会と言われるものはいわば任意的につくられたものでございます。それが実態としていろんな活動をしておられるということでございます。私ども大体この自治会、町内会は日常生活レベルでの連帯意識と相互扶助の精神に基づいて地域的な共同活動を行っておられるんだろうというふうに思います。それはそういう活動をやっておられるという点において大変意義ある団体である、こう認識をいたしております。 ただ、あくまでもこれは住民の方々が任意につくっておる団体である。ですから、私ども行政がこれに手を加えて、これをこっちの方に持っていくとかあっちの方に持っていくというようなものではないであろう。あくまでも任意に住民が自発的、自主的にやっておられる団体である、こういうふうに考えております。
○高井和伸君 そうしますと、今度の法案の基本的な改正、この「地縁による団体」改正はそういうスタンスでなさったんでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) 端的に申しまして、今自治会、町内会が一番困っておられるのは、不動産を持っておるが、それが法人格がないためにその団体としての名前での登記ができない、そこからいろいろ財産のトラブルが起こるということでございます。私どもとしては、自治会そのもののあり方というものは、もうこちらが手をつけることではないと思っておりますが、しかし、そういう現に困っておられることがありますものですから、その困っておられることを解決する道をつくるために改正案をお願いしたということでございます。
○高井和伸君 具体的に登記をする場合、町内会のものは例えば町内会長さんの個人の名義でするより登記のしようがない。したがって、町内会長さんが亡くなったり世代交代すると、後に来た人が自分のものだと思ってしまったり、いろいろトラブルが起きたりするということなんだろうと思いますし、相続税という問題もかかってきたり、いろんな面で不都合だということの現実に合わせる改正だということはわかりました。 そこで、あとちょっと細かいことで聞いておきますが、地縁という概念が初めて法律にあらわれたんじゃなかろうかと思うんですが、この地縁という概念はどういうふうにとらえたらよろしいでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) 広辞苑等では、地縁という言葉につきましては、住む土地に基づく縁故関係、こういうような説明をしているわけでございますが、私どもが法律案をつくりますときに、やはりそれがどういう団体であるか、ほかの任意の団体もいろいろあるわけでございますから、そういうものとどこが違うのかということを何らかの形で区別しておかなければいけないということでございます。 そうすると、結局そういう自治会、町内会といいますのは、一定の区域に住所を有するというつながりに基づいて成り立っている団体であろう。また、そういうとらえ方をいたしますと、例えば青年団でありますとか、何らかのスポーツの同好会でありますとか、そういうたぐいの団体との区別はできるわけでございまして、関係機関とも御相談いたしまして、大体そういう地縁ということでとらえた規定を置けばそれはそれでいいんではなかろうかというようなことでございましたものですから、こういう規定の仕方をさせていただいたということでございます。
○高井和伸君 それから、地縁のほかにいろんな要件を加えて法人格を付与しようという要件の中で気になる条項がございまして、二百六十条の二第二項第一号、法人格を付与するための要件の一つとして「現にその活動を行っている」、「住民相互の連絡を行う」などの現に行っているという、先にまず自然的存在ありきという条項がございます。ちょっとこれが修正案でどうなったか、一応念のために確認します。変わっていないはずです。「現に」というところは変わっていませんね。「現にその活動を行っていると認められること。」を要件にした理由はどういう理由なんでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) これは、端的に言えば、事柄の性格上現実に自治会、町内会としての実体を備えているものについてそうであるということをいわば公称するといいますか、認定する、そういうことによって登記もできるようにするというのがいいと考えたからでございます。事柄の性格上というのは、説明しますとややくどくなるのでございますが、一応そういうふうにお答えさせていただきたいと思います。
○高井和伸君 じゃ、くどくならぬように具体例で言いますと、ある山が団地造成されまして、一戸建ての家が百戸ぐらいできて、宅地造成業者がみんなの町内会の建物用に敷地を残し家を建てた場合、近ごろバブル経済でぱたっといっちゃった、その会社がまだうまく登記やらぬ前に、会社の財産のままになっていて、債権者があらわれてそれを押さえて持っていっちゃうと、こういった場合、まだ実体もないのに予定されていたところがみすみす引き揚げられるというんですか、その会社の財産として認知されちゃって町内会の集会所にならない、自治会の集会所にならないということはよくある例なんですよ。先ほど相続のこともおっしゃいましたけれども、現実的にこれは大規模開発の場面でよくあるわけで、余りこの要件をぎちぎちにされちゃうと制度目的をまた逆に阻害するんじゃなかろうか、こう思うわけで御質問しているわけです。
○政府委員(浅野大三郎君) 具体の事例によってそれぞれ適切な判断をしていかなければいけないであろうと思いますが、そういう意味で一般論でございますから、やや極端な例を引用しての話になることをお許しいただきたいと思いますけれども、例えば団地ができまして、本当のところは三百戸なら三百戸で最終的には一つの町内会になるんであろうけれども、さしあたり三十戸ぐらいしか入っていない段階でそういうのが起こったといたします。そうすると、一体行政当局でここは当然それは三百戸の自治会であるべきだとか、三十戸でも立派な自治会として認めるんだとかいうことを判断するのが果たしていいのかどうかということがあるような気が私どもはするわけでございます。 先ほど来申しますように、自発的に任意につくられたそういう団体、そういう実体を、ただ財産上の問題でお困りだから、そこのところを何とかしようという形で取り組んでおりますものですから、その辺のことを考えますと、ただいま御指摘のようなところ、もしそれが法人格があって早く財産が持てておればそういうことにもならなくて済む、確かに御指摘のとおりだと思うのでございますが、行政側が関与する姿勢としては、やはり実体があるという前提でやった方がいいのかなというふうに考えさせていただいたということなのでございます。
○高井和伸君 わかりました。 それで、余り筋道を違えないように質問していきます。 ただいまの条文の中の五項に「認可をしなければならない。」と、申請があった場合、ある意味では覊束裁量的に、自由裁量じゃなくて、市町村長はそれを認可しなきゃいけないということになっておりますが、これの認可のときに市町村長がある意味ではさじかげんをすることができないような立法趣旨だろうと思いますが、もし市町村長が認可をしなかったらどうなるんですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 立法趣旨はまさに御指摘のとおりでございます。 それで、しなかった場合どうなるかということですが、私どもは、市町村長さんはまあまず合理的に行動していただけると思っておりますけれども、仮にそういうことがあった場合、手続的にはどういうことがあり得るかということでございますが、これはこの法律自体には置いておりません。そういうことを予定して規定すべきものだとまでは私ども判断しなかったわけでございます。 ただ、一般法でございますものですから、一般法でどういうことになるかといいますと、これは行政不服審査法で異議申し立て等がありますし、さらに行政事件訴訟法で当然提起できると思います。 ただ、その場合どういう形の訴えになるかといいますと、多分これは、もし全然認可を与えなければ、そういう不作為の違法を確認するという訴えでいくか、あるいはもし不認可というのがありますと不認可処分の取り消しの訴え、そういうような形でいくことになるのではなかろうかというふうに考えております。
○高井和伸君 続いて、政府原案六項で、修正案七項のところでございますが、「認可を受けた地縁による団体は、正当な理由がない限り、その区域に住所を有する個人の加入を拒んではならない。」と、この「正当な理由」というのは大体どんなふうにお考えなんですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 私は、実際にはそういうことはめったにないとは思うんですが、仮に何か特定の意図を持ってその団体の活動を混乱に陥れようとか、何かそういう極めて悪意を持ったこともないとも言い切れないと。そういたしますと、常に一〇〇%加入ということを書くわけにもいかないだろうということで、一種のセービングクローズみたいな考えで、実際にはそういうことはまずないとは思いますけれども、そういうことを頭に置いて規定を置かせていただきました。
○高井和伸君 続いて、修正条項では九項、原案では七項の特定の政党のためにそういった地縁による団体は利用してはならないということで、中立性の宣言条項なんだろうと思いますが、個人の政治活動の中で、こういった公民館みたいな集落の中の集会所が今の地縁団体のものだった場合、講演会をやるから貸してくれとか演説会をやるから貸してくれといった場面において、この条項はどのように機能するんでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) この条項は直接関係ないと思います。
○高井和伸君 その理由を聞かせてください。
○政府委員(浅野大三郎君) これはあくまでも特定の政党組織と結びついてそのために利用してはならない、こういうことでございますから、そういう意味で、まず個人がおやりになることについてはこれは触れていないというふうに考えていいと思います。そもそも会場を貸すとか貸さないとかという話は全く別の話ではないかという気もいたすわけでございますけれども。
○高井和伸君 質問をもっと予定しておったんですが、時間がなくなりかけたので最後に大臣に、所信表明のことと関連しまして、機関委任事務のことも関係いたしまして、それから地縁団体のことも関係いたしましてちょっと私の考えを述べまして、大臣の所見を伺いたいと思っております。 地方自治というものが今、都道府県と市町村という二重構造のレベルにあります。地方自治が制度的に保障された制度としてこれが普遍のものなのかどうかということをまず大臣にお聞きしたいと思います。 しかしながら、私が言いたいのは、今各市町村の単位というのは別に法定されているわけじゃなくて、歴史的な経過があったり社会的な経過があったり、いろんな住民の利害得失があったりして、小さいままの市町村があったり大きい市町村があったり、そういったところに対してそれを平準化するような制度がいろいろ過去なされているわけでございますけれども、近ごろの交通の発達、通信の発達、そういうことから地方自治の高揚のためにかなり大き目のブロックの地方公共団体というものをセットして、ある意味じゃそこで自活できるというんですか、自立できるというんですか、よその団体がいかれてもその団体だけで飯が食っていけるというような、ちょっと湾岸の非常問題があったものですからそっちの方に頭がいきますけれども、自己完結的なブロックというものをこれから地方自治のレベルで考えていかなきゃならないのじゃなかろうか。 例えば北海道地方だとか東北地方だとか関東地方だとか東海だとか近畿だとか九州だとか四国だとか、そういったかなり大き目の地方行政をやることが、これからの活性化される日本国の政治あるいは住民福祉、そういうために――余りにも今の地方公共団体が歴史的なものに縛られ過ぎているんじゃなかろうか、地縁的なものに縛られ過ぎているんじゃなかろうか。もう少し大き目に国家の非常事態のことも考えたりして、いつも国の中央からすべてやっていないと地方が動かないようなことじゃなくて、かなりの面でもう自治権を与えてしまって、機関委任事務なんというものはいっそのことばあんと地方にあげてしまって、お金だけどんとあげて、あとは勝手にやりなさい、活性化をやりなさいというようなことで、余り中央製の地方自治高揚じゃなくて、やはり地元の自発的な参加による地方自治というものが一番経済的であり、本来的な憲法の趣旨に基づく住民参加の地方自治になっていくんじゃなかろうか。 私は、今の議論の中で機関委任事務というものを考えるときに、自治省の方向はおおよそ私の言うことに近いんですが、やっぱりどうしても各省庁の縦割り行政的なものに翻弄されている側面が強い。先ほどの地縁団体の登記の問題も、もっと細かく検討しますと、ある意味では任意団体というよりもやっぱり公益法人的な方向にどうしてもならざるを得ない、民法の準用などを見ていますと。いろんな面で規制があり過ぎて、ほうっておきゃいいんじゃないかという面がまた一つあるんですが、あちらこちらちょっと分散しましたけれども、私にすれば、そういったもう少し大き目の地方自治団体にしてそこを活性の現場にして日本国は住民福祉がより豊かになっていくんじゃなかろうか、こういうようなことを今の答弁の中で感じたわけでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(吹田愰君) ただいまの高井先生のお話でありますが、地方自治というのは民主主義の基本でありますから、我が国にとりましても極めて大事な政治の基本がここに単位として置かれておるということでありまして、しかもそれに対しまして地方自治に住民が積極的に協力し合っていくということが今日の状況だと思っております。 今大きなブロックで云々というお話がありましたが、私も地方自治に関係してきた者としまして、確かにブロック制度というのはそれなりに今日も非常に大きな意義を持っておると思います。特にこのことにつきましては、地方行政連絡会議法に基づきまして全国を九ブロックに分けて都道府県、政令都市及び国の地方行政機関による会議が持たれておる、こういったこと等もあります。さらにまた、一昨年末の第二次行革審の国と地方の関係等に関する報告というもので、そういったことを前提としまして、地域の振興、社会資本の整備等に関する総合的な計画に基づき関係都道府県の一体的な事務事業の実施を必要とするもの等を共同して実施する、こういったこと等が提言されておるわけでありまして、特に都道府県連合制度というようなものを導入したらどうだというようなことが提言されております。このことにつきましては、それはそれとしてなかなか難しい問題であるなと思ってはおります、私自身としましては。 ですけれども、できるだけ広域的に、これだけ道路網、通信網の整備が図られた今日の状況、そしてさらにこれから社会資本の充実を広域的に処理していこうというようなことになってまいるとすれば、ブロックの制度、いわゆる道州制も含めての問題でありますが、そういった点は真剣に考えられてしかるべきではないかというふうに思いますが、これもやはり我々が押しつける問題でもありませんし、地方自治体の自主的、主体性を持った判断というものもまたやはりそれなりに尊重していかなきゃなりませんから、一概に私がここでこれが適当であるとか、これが適当でないとかということは申し上げることはできませんが、今後ともそういった面につきましては一つのそうした答申が審議会から出ておることも考えあわせて適切な指導はしていくべきであろう、こう思っております。
○高井和伸君 時間が来ましたので終わります。 警察庁への質問は次回でまたやりたいと思います。よろしくお願いします。
○委員長(野田哲君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度といたします。 ─────────────
○委員長(野田哲君) 地方自治法の一部を改正する法律案、公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、過疎地域活性化特別措置法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。 まず、地方自治法の一部を改正する法律案の趣旨説明を政府から聴取いたします。吹田自治大臣。
○国務大臣(吹田愰君) ただいま議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。 この法律案は、地方公共団体の組織及び運営の合理化を図るため、地方制度調査会の答申にのっとり、機関委任事務制度の見直し、監査委員の職務権限の拡大、議会運営委員会の設置等の措置を講ずるとともに、公の施設の管理委託制度の充実を図り、あわせて地縁による団体に関して規定の整備等を行おうとするものであります。 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。 第一は、地方公共団体の事務に関する事項であります。 地方公共団体の処理する事務の例示として、情報処理または電気通信に関する事務を加えることといたしております。 第二は、機関委任事務制度の改善に関する事項であります。 まず、機関委任事務について地方議会の検閲・検査権及び監査請求権を認めることといたしております。 次に、職務執行命令訴訟制度を見直し、地方公共団体の長の罷免の制度を廃止するとともに、主務大臣は、知事の処理する国の機関委任事務の管理・執行について法令もしくは主務大臣の処分に対する違反または懈怠がある場合、知事に対する勧告、命令及び不履行の事実を確認する内閣告示を経て、知事にかわって当該事項を行うことができるものとし、知事は、主務大臣の命令について、内閣総理大臣への不服の申し出、命令の取り消しを求める訴えの提起、その際の執行停止の申し立てができることといたしております。なお、市町村長の処理する国の機関委任事務の管理・執行に関してもこれに準ずることといたしております。 また、監査委員が必要と認めるときは、機関委任事務について監査できることといたしております。 第三は、地方公共団体の議会についての改正であります。 議会の委員会は、調査または審査のため、参考人の出頭を求め、その意見を聞くことができるものとし、また、議会は、条例で議会運営委員会を置くことができるものといたしております。 第四は、監査委員制度の整備に関する改正であります。 まず、議員以外の者から選任される監査委員については、人格が高潔ですぐれた識見を有する者でなければならないこととし、その数が二人以上であるときは、少なくとも一人以上は、選任前五年間において当該普通地方公共団体の職員でなかった者でなければならないものとするとともに、都道府県及び政令で定める市にあっては、一人以上は常勤としなければならないことといたしております。 次に、監査委員は、必要があると認めるときは、普通地方公共団体の事務の執行及び公の施設の管理受託者の出納その他の事務の執行についても監査できるものといたしております。 第五は、地方公共団体が出資している法人と地方公共団体との関係等に関しての改正であります。 まず、普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるものについては、当該普通地方公共団体と請負の関係にある場合であっても、当該普通地方公共団体の長等が取締役等を兼ねることができるものといたしております。 次に、普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるものに対し、公の施設の管理を委託することができるものとするとともに、普通地方公共団体が適当と認めるときは、管理受託者に公の施設の利用に係る料金を当該管理受託者の収入として収受させることができるものといたしております。 第六は、地縁による団体の権利義務に関する事項であります。 町または字の区域その他一定の区域において地縁に基づいて形成された団体のうち一定の要件に該当するものは、当該団体の申請に基づき市町村長の認可を受けたときは、その規約に定める目的の範囲内において、権利を有し、義務を負うものとすることといたしております。 第七は、複合的一部事務組合に関する改正であります。 公益上必要がある場合においては、都道府県知事は、関係のある市町村に対し、複合的一部事務組合を設けるべきことを勧告することができるものとすることといたしております。 最後に、別表の規定の改正等所要の規定の整備を行うことといたしております。 以上が政府が提案いたしました地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 なお、衆議院におきまして、職務執行命令訴訟制度について国が提起する一回裁判とすること及び地縁による団体に関する事項につきまして不動産等を保有するためであることを明示すること等の修正が行われるとともに、複合的一部事務組合に関する事項を削除することとされました。さらに、地方公共団体の休日に関する事項及び地方公営企業職員の在籍専従期間に関する事項が追加されておりますので御報告を申し上げます。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(野田哲君) この際、地方自治法の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分について、衆議院地方行政委員長森田一君から説明を聴取いたします。森田一君。
○衆議院議員(森田一君) ただいま議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、衆議院における修正の理由とその内容を御説明申し上げます。 その一は、職務執行命令訴訟制度についてであります。 政府原案におきましては、主務大臣は、知事の処理する国の機関委任事務の管理・執行について法令・主務大臣の処分に対する違反または懈怠があり、他の方法でその是正を図ることが困難で、それを放置することにより著しく公益を害することが明らかである場合に、知事に対する勧告、知事に対する命令及び知事の不履行の事実を確認する内閣告示を経て、知事にかわって当該事項を行うことができるものとし、他方、知事は、主務大臣の命令について内閣総理大臣に不服の申し出ができ、内閣総理大臣から当該申し出に理由のない旨の通告があったときは、主務大臣の命令の取り消しを求める訴訟を提起することができるものとし、その際、あわせて執行停止の申し立てをすることができるものとするほか、知事の罷免の制度を廃止することとされています。 また、市町村長の処理する国の機関委任事務の管理・執行に関してもこれに準じたものとすることとされています。 本修正案におきましては、職務執行命令が地方公共団体の長に対して行われるものであることにかんがみ、代行は国が提起する訴訟を経て行うものとし、この場合、裁判は現行の二回裁判を一回の裁判とすることとするとともに、地方公共団体の長に対する勧告、命令は著しく公益を害することが明らかである場合に限ること等とし、あわせて罷免の制度を廃止することといたしております。 また、市町村長の処理する国の機関委任事務の管理・執行に関してもこれに準じたものとすることを規定することといたしております。 その二は、地縁による団体の権利義務についてであります。 政府原案におきましては、町または字の区域その他一定の区域において地縁に基づいて形成された団体のうち一定の要件に該当するものは、当該団体の申請に基づき市町村長の認可を受けたときは、その規約に定める目的の範囲内において、権利を有し、義務を負うものとするとされています。 本修正案におきましては、今回の法改正の趣旨を明確にする観点から、当該地縁による団体は、地域的な共同活動のための不動産等を保有するため認可されるものであること、及び認可は、当該認可を受けた地縁による団体を公共団体等の行政組織の一部とすることを意味するものと解釈してはならないことを法文上確認的に明記するとともに、当該認可を受けた地縁による団体は、民主的な運営のもとに、自主的に活動するものとし、構成員に対し不当な差別的取り扱いをしてはならないこと等を規定することといたしております。 その三は、複合的一部事務組合に係る知事勧告権についてであります。 政府原案におきましては、公益上必要がある場合においては、知事は、関係のある市町村に対し、複合的一部事務組合を設けるべきことを勧告することができるものとするとされています。 本修正案におきましては、今後、広域行政のあり方とも関連してなお検討を要するとの観点から、この規定を削除することといたしております。 その四は、特別の休日制度についてであります。 現行法におきましては、地方公共団体の休日は、日曜日及び条例で定める土曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日並びに年末または年始における日で条例で定めるものとされており、これ以外の日を地方公共団体の休日とすることはできないものとされています。しかしながら、例えば、沖縄県の「慰霊の日」や広島市の「平和記念日」など、その歴史的、社会的意義等にかんがみ、地方公共団体の休日とすることに広く国民の理解を得られるようなものもあり、これら一部の地方公共団体に対する配慮が必要と考えられます。 そこで、本修正案におきましては、さきに述べたような日に限り限定的に当該地方公共団体の休日として定めることができるものとする規定を設けることといたしております。 その五は、地方公営企業職員の在籍専従期間についてであります。 現行制度におきましては、地方公営企業の職員が労働組合の役員として専ら従事する期間の上限は、五年とされています。 本修正案におきましては、国営企業の職員に係る取り扱いと同様に、当分の間、七年以下の範囲内で労働協約で定める期間とするとの規定を設けることといたしております。 その他、所要の規定の整備をすることといたしております。 以上が衆議院における修正の概要であります。
○委員長(野田哲君) 次に、公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨説明を政府から聴取いたします。吹田自治大臣。
○国務大臣(吹田愰君) ただいま議題となりました公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別消燈に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律は、国民の健康で文化的な生活を確保する上において公害の防止が極めて重要であることにかんがみ、公害防止計画等に基づいて実施される公害防止対策事業の促進を図るために必要な国の財政上の特別措置を講ずることを目的とし、昭和四十六年五月に制定されたものでありますが、その後、昭和五十六年三月の法律改正により、有効期限は十年間延長され、平成三年三月三十一日までとされております。 政府といたしましては、これまで公害防止計画地域等における公害防止対策事業の促進に努めてきたところでありますが、関係地域の実情等にかんがみ、平成三年度以降も引き続き公害防止対策事業の促進を図るために国の財政上の特別措置を継続する必要があると考えられるのであります。 このため、公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律につきまして、その有効期限を十年間延長し、平成十三年三月三十一日までとすることといたしております。 以上が公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
○委員長(野田哲君) 次に、過疎地域活性化特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨説明を提出者から聴取いたします。衆議院地方行政委員長森田一君。
○衆議院議員(森田一君) ただいま議題となりました過疎地域活性化特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 御承知のように、下水道は生活関連社会資本の中でも最重要の位置を占め、今やナショナルミニマムとなっております。しかしながら、過疎地域における公共下水道整備につきましては、地域の活性化を図るために必要不可欠であるにもかかわらず、千以上の市町村において未着手の状況であり、公共下水道の普及率はわずか二%となっております。このため、過疎地域の活性化を図るとともに、自然公園、上水道水源地域等の広域的な整備の必要性の観点に立って、次のように都道府県が公共下水道の根幹的施設の建設を行うことができる制度を創設することといたしております。 すなわち、過疎地域における市町村が管理する公共下水道のうち、広域の見地から設置する必要があるものであって、過疎地域の市町村のみでは設置することが困難なものとして建設大臣が指定するものの幹線管渠等の設置については、都道府県計画に基づき都道府県が行うことができるものとし、都道府県が行う当該公共下水道の幹線管渠等の整備事業に係る国の補助の割合は、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律の規定の例によるものとすることといたしております。 本案は、平成三年四月一日から施行することといたしております。 本案施行に要する経費としては、平年度約六十億円の見込みであります。 以上が本案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(野田哲君) 以上で三案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 森田委員長、退席していただいて結構です。 これより三案について質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○渡辺四郎君 ただいま議題となりました中での問題で、私は過疎地域活性化特別措置法の一部を改正する法律案の中で、特に運用面について関係の各省庁にお伺いをしたいと思います。 本法改正案の施策の大綱、その目的については、ただいま提案者の方から御説明がありましたように、過疎地域の活性化を目指しての社会資本整備、この重要な位置づけを占める公共下水道の普及促進を図るためのもので、財政効率から見れば、都心部と比較をすれば不経済であるということは想定はできますが、この改正案そのものの目的からして積極的にやはり進めなければならないという立場から、以下数点御質問申し上げたいと思います。 まず第一に、自治省にお尋ねいたしますが、地方自治法の第二条の第三項に示すとおり、公共下水道の整備及び維持管理は自治体固有の業務であると認識していますが、そのことについてお尋ねをいたします。
○政府委員(二橋正弘君) 下水道事業は、今お話にございましたように、住民に最も身近な行政の一つとして市町村がみずから行う事業でございまして、地方自治法第二条による地方公共団体の事務であるというふうに考えております。
○渡辺四郎君 次に、建設省にお尋ねをいたしますが、都道府県代行の目的は、過疎の市町村が独自に公共下水道を設置することが困難である団体をも対象とすることになっておりますが、完成をすればそれは永久的なものになりますし、供用開始後の増改設を初め維持管理は公共下水道の管理者であります市町村が行うことになっております。 そこでお尋ねをしたいのは、恒久的な業務であるため、当該の市町村に流総計画あるいは長期的な財政計画、その立案、あるいは施行管理面での機械とか電気とか水質等に関する職員等が必要になってくると思うんです。そういう職員については当然その管理者であります市町村の中で育成をしていく、こういうことが基本であることを確認をしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(仲津真治君) 今御指摘のとおり、公共下水道は市町村の業務ということに基本原則なってございまして、このたび特別の代行の措置を考えていただくわけでございますけれども、やはり各市町村がその業務を遂行するということは当然の前提でございます。これは原則でございます。したがいまして、代行によってできた設備を後管理していく、あるいは増設改築を行うという場合を含めまして、これは市町村のそれなりの人員、ノーハウを持った人々、職員ですね、それから執行体制というものが組織されなきゃなりませんので、私どもはそれを前提に業務を進めてまいりますし、また、現在でも日本下水道事業団等の研修制度がございますが、こういうもの等を通じまして職員の質の向上に努めてまいりたいと考えております。
○渡辺四郎君 であれば、本改正案が成立した後実施の段階では、改正案が述べておりますように、申請市町村の自主性か尊重されるのは私は当然のことだと思っております。問題は都道府県との協議という中で、今の中小河川の汚濁の実態を見ていますと、家庭雑排水がかなりの大きな要因になっておる。そうしますと、都道府県が河川汚濁防止を目的としてこの公共下水道を組み込んでいくということになりますと、市町村の意見ということでなくて、かなり強制的に都道府県がいわゆる組み込みに入れていくんではないか、こういうことが実は懸念をされるわけですが、そこらについて何か対応を考えておれば、ひとつお聞きをしておきたいと思います。
○説明員(仲津真治君) 御提案いただいております公共下水道の代行制度につきましては、市町村が都道府県と協議した上で建設大臣にその指定を申請するということになってございますので、市町村が基本的にみずからの主体的判断によって行う。その際に県が代行する部分が出てくるわけでございますけれども、それにつきましては協議をして定めるということになってございます。また、この代行として御提案いただいている部分は建設段階のことで、しかもその根幹的部分でございまして、基本的な計画づくりは従来どおり市町村が策定するということになってございます。 このような制度的な担保がございますので、市町村の自主性を十分尊重するということで事業が進んでまいりまして、強制的に県の方から市町村に行わせる、そういうものではないと承知いたしております。
○渡辺四郎君 では次に、下水道整備が、先ほど言いましたように、財政効率から見ても、特に過疎の地域ですから、都心と比べればかなり不経済になるんじゃないかというのはこれははっきりしたことがわかるわけですが、そういう中でやっぱり特に計画段階で注意を払わなきゃいけない、過大計画にならないように特に配慮が必要だというふうに私は思うわけです。現に今日まで農業集落の排水事業とか、あるいはコミュニティープラントまたは合併処理浄化槽など、その地域あるいは集落の規模によって市町村あるいは集落の皆さんたちの議論の中から主体的に取り組まれてきておる、こういう地域、市町村もあるわけですから、県との協議の段階では、先ほど言われましたけれども、市町村から申請があってというのが前提になっておりますが、私が心配するのは、先ほど申し上げましたように、中小河川の汚濁を防止するために県の方が逆にそれに組み込んで、あなたのところ少しやったらどうかということで強制的に持っていくおそれがなくもないものですから、そこらについてはやはり市町村の意見を十分尊重するということを大前提にやっていただきたいというのが第一です。 それからいま一つは、その中で特に都道府県に対して市町村の財政計画に十分注意を払うことが必要だと。将来に向かって市町村の財政負担や住民の負担あるいは使用料等が過大になって、自治体財政に大変な問題を引き起こしてくる、こういうことにならないためにもぜひそこら付近注意を払っていただきたい。 私はくどいように申し上げますが、確かに今度の改正案は、先ほど申し上げましたように目的がありますし、そして過疎地域という限定もしておりまして、補助率やあるいは都道府県の代行制度も取り入れておる、あるいは財政的な条件ではかなりな異なりがあるということは知っております、現行の公共下水道と比較をすれば。それを承知の上で実は申し上げておるわけですが、地方公営企業年鑑あるいは総務庁の行政監察によりますと、現行の公共下水道の費用は人口一万人の都市で一人当たり九十三万円が必要だと。ですから、先ほど申し上げましたように、いろいろ手当てをされまして、こういうふうに施設にはかからないとされていますが、一方先ほど申し上げました集落排水事業関係については、これは一人当たりが四十五万六千円、それから合併浄化槽の場合は十五万円、こういうことで建設コストが進んでおるわけですから、そういう部分と比較をした場合に、目的があるわけですから、住民の皆さんの希望ということでなく、過疎の活性化という政治目的のもとに実施をするわけですから、そういう立場から見れば、将来的に見て負担あるいは地方自治体の財源に大きな影響を与えることのないように特に私は注意を払っていただきたいというのが第一点です。 特に、その中でも先ほど建設省の方からお話がありましたように、管渠工事が幹線部分を含めて、従来の実績で見ますと大体七〇%が建設費用に割かれておるようですから、ここら付近は都道府県が実施をするということになっておりますからその部分はいいわけですが、今度の改正案の中で、特に十四条の二の第七項で、経費の全額またはその一部を下水道管理者、いわゆる市町村に負担させることができるというふうになっております。もちろん、これは意見を聞きながら、そして管理組合であります市町村の負担を求める場合は県議会で承認までとらなければいけないということで、強制的にならないように押さえはしております。 私は、自治省はわかっておると思うんですけれども、建設省、国土庁の皆さんにも特に申し上げておきたいというのは、特にやっぱり財政力の弱い過疎の地域ですから、費用と負担区分が大きくなればなるほどその自治体は恐らくこれは全額起債に頼ると思う。そうしますと、確かに起債であれば、投資的経費の援助の措置やあるいは下水道関係の経費負担区分の援助の部分もありますが、それでもなおかつ元金の残と金利が残ってくるわけです。それに供用開始後の維持管理費が現行の下水道で人口一万人の都市で立米当たり平均八十円が必要だというふうに言われている。そうしますと、この費用というのは、都心部よりも過疎の方がやっぱり余計かかる。そういう点から見て、くどいようですけれども、計画段階で過大な計画にならないように、特に建設省が担当主管庁ですからお願いをしておきたいと思うんです。そういう点について建設省の方で何か配慮してある部分があればお聞きをしておきたいと思うんですけれども。
○説明員(仲津真治君) 下水道の整備が汚水の対策、それから公共用水域の水質保全等で最も有効なものであるという基本的な認識に立っておりますが、どんな場合でも下水道を行うべきだというふうに考えているわけではございませんで、非常に散在している居住形態、それから地形上適さないとか、そういった場合はやはり下水道以外の方法によって対応するのが適切ではないか。そういうところを除いたいわばかなり集まった集落形態のところにつきまして、しかも規模がそう小さくないというときに下水道というのは整備するべきである、そういうことを前提に市町村が主体となって地域の実情を勘案されながら計画的な整備を進める、これが下水道整備の基本であると考えております。 また、過疎地域につきまして今回代行制度を御提案いただいているのでございますが、とりわけ建設費の国庫補助につきまして、また起債につきましての償還段階の交付税措置等につきまして非常に手厚い保護措置が講じられておりますので、維持管理段階になってまいりましてから住民の負担が過重になるということのないように措置されていると考えております。 今後とも地域の実情に応じた下水の処理システムというものが確立されまして、計画的かつ効率的な汚水対策、その基本である下水道整備はそのように指導してまいりたいと考えております。
○渡辺四郎君 この問題で最後にお聞きをしておきたいと思うんですが、水質問題について、これは生活環境基準でいえば厚生省ということになるかもしれませんけれども、一応公共下水道という立場で建設省の方にお聞きをしておきたいと思うんです。 問題は、やっぱり過疎地域ですから水源地域です。そういう水源地域でもありますから、そこで下水道からの放流水について、現在の公共下水道の水質基準がBOD二〇ppm、こうなっておりますが、一般的な下流の方の放流水じゃないものですから、そこら付近について何か水質規制についてお考えがあるかどうかお聞きをしておきたいと思います。
○説明員(仲津真治君) お尋ねの水質でございますけれども、今御指摘がございました水質基準、例えばBODが二〇ppm以下であるというのは、これは全国共通の一般的基準でございまして、あと具体の下水道計画を策定いたします際に、その地域の自然条件、それから社会的経済的条件、それから下流における取水の状況等を総合的に勘案いたしまして、どのような場所にどのぐらいの規模の放流の施設をつくったらいいか、その放流水質をどう定めたらよいか、また環境基準があれば、それを達成するためにその中でどれほどこの下水道が分担すべきか等々を勘案いたしまして、個々の計画ごとに放流すべき水質を定めているところでございます。現に二〇ppmというのはいわば最低の基準なんですが、実績は大体一〇ppmほどで上がってございまして、私どもそういうことで実効性が上がっているというふうに考えております。 とりわけお尋ねのその水源地域につきましては、下流における取水があるということにかんがみまして、水質の保全に重点を置いた下水道の整備を進めてまいりたい、かように考えております。
○渡辺四郎君 私はきょうの委員会の持ち方がこういうことになったものですから、法律案問題についてはその程度で終わります。 大変失礼と思うんですが、大臣に対して少しお聞きをしておきたい、あるいは大臣の所見をお聞きしたいと思うんです。 実は所信表明の中で大臣は、地方行政は社会情勢に的確に対応し、個性豊かな活力ある地域社会をつくるため役割が増大している、そのためにも国、地方を通ずる行政改革と地方財政の健全化を地方公共団体の自主性、自律性の強化を図りながら進めなければならないというふうにおっしゃったわけです。私は全くそのとおりだというふうに思っております。ところが、その後の中で行政改革の項に入りましたところ、自主的、総合的に取り組みがなされているが、今後さらに事務事業の見直しから始まりいろいろありますが、これらが積極的、計画的に推進されるよう、問題はここからなんですが、「強力に指導してまいりたい」と実は述べられました。 そこで、私はこの間の本会議で大臣からも御答弁いただきましたけれども、今の地方自治体の中で自主性、自律性を強化しながらやっていって何が問題点か、本委員会でも調査に行きました。自治体の幹部の皆さん、あるいは県警の幹部も含めてそうですが、例えば行政から見れば、住民生活に大きな変化が起きておる。あるいはごみ問題が大変な問題だ、あるいは環境問題が大変な問題だ、いろいろと住民の新しいニーズがどんどん出てくる。あるいは警察関係であれば、交通事故の多発の問題、そして犯罪の多発化あるいは国際化、暴力団の広域化、青少年犯罪問題。消防をとってみても、高層ビル、暮らしの中での消防のあり方というような問題で実は各自治体は追われて大変に苦労して、もう大体限界に来たということを首脳部の皆さんが、委員会の調査の中でお互いに御飯を食べながらお話をしますと、そういう悩みを聞くわけです。その原因というのは、やっぱり画一的な行政改革、特に職員定数を減らしていく、そこに私は問題があるんじゃないかという気がしてなりません。例えば国家公務員の場合、五%減らすとか三%減らす。各自治体も実は大変努力をしながら、最小限の職員で、最小の経費で最大の効果をあらわそうと。 土光さんが委員長のころ福岡に土光臨調の公聴会に見えました。そのときに、当時の自治体代表亀井知事さん、それから福岡の助役さんがこういうお話をした。例えば福岡市を見た場合には、国と同じような行政をやっておった場合にはあと三千名ぐらい福岡市の職員をふやさなきゃいけない。しかし徹底して合理化はやってきたんだ。もうこれから後はどんなに絞っても余りないんだということを助役さんが言われたことがあったわけですが、そういう点で各自治体とも、行政改革という国民の強い要望もありますから、最小の経費で最大の効果をあらわすという立場で実は大変な努力をされておる。しかし、現実はなかなかやっぱり難しさが出てきておる。そういう中で自主的に、自律性を生かしながら地方行政を運営しておるというのが私は実態だと思うんです。 そういう中でお尋ねしたいのは、大臣が強力に指導するというふうにおっしゃったこの言葉の意味ですね。わかりやすく言えば、国と地方公共団体というのは上下の関係があるのか、そういうことについてちょっとお聞きをしてみたいと思うんです。
○国務大臣(吹田愰君) 考え方は先生と私とはそんなに開きがあるものじゃありませんで、全く同じだと言ってもいいような状況で、地方自治体というものの自主性を尊重しながら地域住民の幸せというものをつくっていく、あるいは地域の発展というものをさらに進めていくということが地方自治体の本旨だし、それに全面的な支援を加えることがあるとすれば、それは自治省の仕事である、こう思っているんですね。 ただし、この強力に云々というのは、それは表現の問題でありますから、それだけを取り上げて何か特別に意図しておるんだというふうにおとりにならないでください。そういう意味はありません。ただ、お互いにいろいろな面からすれば、自治省の立場からすると、ある程度行政面については指導的立場があるということは、これは御理解いただけると思うのでありますが、特別に強力に押しつけるなどというような意味の強力という意味ではございませんで、言葉の、私の意思の表現でございますから御理解いただきたい、こう思います。
○渡辺四郎君 という大臣の趣旨を理解したいと思います。ですけれども、私がお願いしたいのは、自主性、自律性に立ってやっておるから強力に援助をするというふうに大臣に言っていただけばなお評価ができると思うんですが。 いろいろとお聞きをしたいというふうに思っておりましたけれども、この項については大臣のお考えを今お聞きしましたから、あとは省略したいと思います。 最後に一つだけ。先ほど出ましたいわゆる地方自治法一部改正の中での問題で、時間があればお聞きをするというふうに言っておりましたけれども、少し時間がありますからお聞きをしてみたいと思うんです。 いわゆる町内会等の運営問題で、私は太宰府に住んでおるものですから、町内会の、あるいは区民といいますか、中の町内会運営、町内会長もしておりましたからわかりますけれども、太宰府の場合は非常に学生さんが多い。そうしますと、町内会に入ってもらわないことには、共益的な部分があるわけです。例えば、街灯代とか、それからごみのあっせんなんかもしなきゃいけないものですから、そういうごみ代なんかを私らが集金して回るものですから、そうしますと、隣組費を学生で一戸持っておるところは月に一般家庭の半額もらおうと、あるいは商店の皆さんは生活はしていないけれどもお店を出している。そしてごみなんかも出しておる。あるいは公益的な街灯も一緒に御使用になっておるということで電気料もいただこうと、そういう点から区民費をもらおうというふうにしておるわけです。そういう人たちをいわゆる区としては区民に入れたい、あるいは公民館も使ってもらいたい。しかしなかなか、いえ私らはそういうところには入りませんということで、いわゆる都市化現象の起きておるところについてそういうやっぱり問題点があるわけです。ですから、確かに先ほど提案者がおっしゃったように強制権はないわけですが、そういうところについてのトラブルが私はこれから後ちょっと起きてくるんじゃないかというような気がしてならないわけですが、大体区民の定義といいますか、あるいは区民といいますか、公民館を建てる場合は区で建てたり隣組で建てたりしておるわけですから、その組合員ですね、組合員の定義について政府の原案の方で何か考え方があるでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) 今回の改正案は、もともと財産上のトラブルを回避し得る道を開くというところにあるわけでございまして、実体としてある自治会、町内会というものに変更を加えようというものではございません。ただ、一方で法人格を与えますので、どういう場合に市町村長がこれを認可するのかということは、法律に書いておきませんとできないものですから幾つか書いてございます。 その一つといたしまして、地縁による団体の要素として、「その区域に住所を有するすべての個人は、構成員となることができるものとし、その相当数の者が現に構成員となっていること。」、こういうふうに書いてございます。ですから、端的に言いますと、区といいますか、自治会の区域内に住所を持っている個人が構成員だということを法律では頭に置いておる。ただ、それは要するにそういう実態を踏まえてそういうものを認可するということでございます。そうあらねばならないというところを示しているということではないと思います。
○渡辺四郎君 終わります。
○神谷信之助君 まず、過疎法関係について二点お伺いします。 最初に建設省にお伺いしますが、十四条の二の「過疎地域の市町村のみでは設置することが困難なものとして建設大臣が指定するもの」とありますが、この建設大臣の指定要件、これはどういうようにお考えですか。
○説明員(村上健君) 建設大臣の指定は、過疎地域の市町村のうち以下申し上げます三つの要件に該当するものの中から行うことといたしております。 その要件の第一でございますが、地域要件と称しております。これには五つの項目がございまして、その五つの項目のいずれかに該当することによって地域要件を満足するとしておりますが、この五つの項目の第一は、自然公園――国立公園、国定公園または都道府県立自然公園をいいますが、自然公園が存在する市町村。その二でございますが、湖沼水質保全特別措置法の規定により指定された指定地域が存在する市町村。その三でございますが、下水道法の規定により定められた流域別下水道整備総合計画において下水道を早急に整備すべきとされている市町村。その四でございますが、総合保養地域整備法の規定により承認された基本構想に定められた特定地域が存在する市町村。その五でございますが、下流における都市用水等の取水量が日量三千立方メートル以上存在する市町村。以上の五つの要件のいずれかを満足する必要がございます。 第二の要件でございますが、財政力に関する要件でございまして、財政力指数が各都道府県の過疎地域市町村の平均以下であること。 第三番目の要件でございますが、人口に関する要件でございますが、行政人口が八千人以下であること。 以上の三つの要件をいずれも満足する市町村を指定の対象とする市町村と考えております。
○神谷信之助君 それで、先ほど同僚議員からも懸念が示されておりましたけれども、今の指定要件の地域的要件といいますか、自然公園問題とかリゾート法とか、いずれにしても開発にかかわって流入人口がふえて、そして野放しでなしに下水道を必要とするような要件が発生をするという状況になります。そうすると、やっぱり都道府県のイニシアが、特にリゾート法なんかは大きいわけですね。だから、市町村の方で実際に要求してそれをつくっていくというそういう状態でつくられるんじゃなしに、都道府県の方から環境保全の問題も含めまして必要に迫られてつくるというそういう状況が濃厚になってくる懸念が強い。したがって、都道府県の方も二分の一以内の経費の負担をしてでもやろうかという状況が生まれてくるんだろう。 自治省の方の説明を聞きますと、これができて、それで過疎の市町村の方でできるのを待って、できたらさっと立候補するところがようけあるのかいうたら、今のところまあないでしょうと、こういう状況です。ですから、先ほど同僚議員も言いましたように、県の方の押しつけにならないように、当該市町村の状況というものを、意見というものを十分間くように自治省の方は十分な目配りをしてもらいたい。 その場合やっぱり問題になるのは、せっかくつくってみても、後は維持管理の問題ですから、あるいは将来いろいろまた改修せなきゃいかぬ。そうすると、過疎の人口で、しかも全町、全村は公共下水道をつくるわけではなしに、その中心的地域につくろうということになってきますと、受益者は非常に少ないことになる。それから利用料は当然高くなってくる。それで維持管理費用の財源にしなきゃならぬ、こういう問題が予想されます。その点についての財政措置といいますか、援助の問題が私は修正案の中では非常に不明確だと思うんです。上水道の場合そういう地域に対してわずかではあるけれども交付税措置をしているという状況があります。だから、上水道の問題とはまた性質が違うことは違うんだ。だからそういうことも含めて、そういう地域でもし本当にやろうとするならば十分に考えなきゃならぬ。 先ほども同僚議員が言ったように、水源地が多いんですから、そうやって排水をするのがいいのかどうかというような問題があります。かえって土壌による自然のろ過装置というものが適当だろうというような地域が多いと思いますが、そういった点についてもしやるとして、これを実際に進めていくとすれば、当然私は維持管理についての財政措置を自治省として今後検討して適切にやってもらう、そして県の押しつけにならないように目配りをしてもらいたい。この辺についての自治省の見解を聞いておきたい。
○国務大臣(吹田愰君) 過疎の問題は、これは非常に大きな問題だし、国土庁が一生懸命この問題については配慮してくれておるわけですが、下水の問題一つとりましてもやはり川上になるわけですよ、過疎地域というのは、どちらにしましても。川上が汚れたんでは下流は汚れるわけですから、これはもうたまったものじゃないわけですよ。ですから、私どもから言わしめれば、少なくともまず過疎、川上地区から、郡部から、そういうような環境整備をしておりてくるということが一つ大事な要素ではないかなというような気持ちでおるわけです。もちろん都市は都市なりのきちっとした環境整備をしなきゃならぬことは当然でありますけれども、そういう意味で私はその過疎の問題というのは特に大事に考えております。そういったところにつきましては、もちろん過疎に対する財源措置というのはもうきちっとできるようになっておりますし、特別な措置を講じてやるわけですし、さらに加えて我々自治省としましてもそういうところに対しましてはそれなりの配慮をしていこう、こういう考え方でおります。
○神谷信之助君 時間が限られておりますので次に行きますが、自治法の関係です。これは先ほど諌山議員の方からも質問ありましたけれども、代執行問題について意見を述べましたが、私はそれ以外の部分で二、三お聞きをしたいと思います。 まず、今度在籍専従を現業の場合五年から七年に延長することになりました。私どもは、憲法で保障された労働三権の見地から言うならば、このように専従期間を制限をするということは不当だし、違憲の疑いがあるというように思っています。五年が七年になるということは悪いことではない。しかし、それはなぜ現業だけであって非現業はそうならないのか、この点について自治省の見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(吹田愰君) これは、私の方は原案として五年を出したわけですから、皆さんの方で七年にされたわけですから、どうぞそのように御理解ください。
○神谷信之助君 私は限度を決める必要はない、現業も非現業もまた差をつける必要はない、こういうふうに思っています。時間がありませんから、またいずれこの問題は公務員労働者の労働権に関する問題として議論はしたいと思います。 次の問題に移ります。 今度は兼業禁止の改正の問題、この点でお伺いするんですけれども、今大臣の提案理由説明の中の第五のところで、「地方公共団体が出資している法人と地方公共団体との関係等に関しての改正」の部分でありますが、「普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるものについては、当該普通地方公共団体と請負の関係にある場合であっても、」という、この政令で定めるという内容、その次の公の施設の管理委託の場合の法人の政令で定めるという内容、簡単にそれだけお聞きします。
○政府委員(浅野大三郎君) まず、兼業禁止の関係でございます。こちらは当該地方公共団体の出資二分の一以上という基準にしたいと思います。 それから、もう一つは委託をする方でございますけれども、これにつきましては、まず地方公共団体が、一つでもよろしゅうございますし、複数の場合、全部合わせて二分の一以上出資しているような法人、それを一つの類型と考えたらどうかと思っております。それから、それだけでは不十分だと思いますので、こちらの方は当該法人の業務の内容及び当該地方公共団体の出資の状況、職員の派遣の状況などの、地方公共団体との関係から見て適正な管理が確保できるだろうというものも含めたらいいのではないかというふうに考えております。
○神谷信之助君 長の兼業禁止の緩和の部分ですけれども、従来禁止していたのを今度緩和する、二分の一以上の出資をしている場合。それは今まで禁止をしてきたのは、職務執行の公正を期するため、こうなっております。その部分は、二分の一以上出資していたら職務の執行の公正は担保されるということになるわけですか。
○政府委員(浅野大三郎君) 私どもの考えでは二分の一以上出資しているということは、結局もうその地方公共団体の主導のもとにいわばその地方公共団体の身がわりとして活動しているようなものだと考えてもいいではないだろうかというふうに思っておりまして、まず職務の公正という点で問題が起こるとは考えられないだろうと判断をいたしております。
○神谷信之助君 従来は禁止されていますから、元副知事さんとかそれから元局長さんとか、いわゆるOBの人がそういう社長さんなり頭に座っている。しかし、そういう状況であっても、今東京の臨海副都心の建設をめぐっていろいろ都議会では問題が起こっているわけなんです。五〇%以上の出資を持っていたら取締役会でも多数を握ってやれるわけでしょう。直接長が出ていってやることがいいかどうか。職務の公正さ、その点ではいろいろ問題が私は残るということだけを、時間がないですから、それ以上は議論をする時間がありませんので、次に進みます。 その次は、管理の委託の問題です。この点では利用料金について、あらかじめ公共団体の長の承認を得る、あるいはさらに適正を期するために報告や調査や指示を行う、そういうことができるようにしていますね。ところが、報告したり承認を求める申請する方も公共団体の長で承認する方も長と、こうなるんでしょう。例えば、市長さんが管理の委託の株式会社の社長さんになって利用料金の値上げが必要だと承認をあらかじめ求める、それでわかったと承認する人もまた市長さんだと。肩書は違う、社長と市長と、人間は同じだ。それで、あと今度は調査したりあるいは報告を求めたり指示したりする、これも同じことだというのでしょう。これは一般国民からいうとなかなか理解のしにくい、そういう問題を生むおそれがあると思うんだけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(浅野大三郎君) まず、理論的には、委託する方が市で、それから受託する第三セクターの代表取締役がたまたま市長であるということもあり得るとは思いますけれども、こちらの方は先ほどの兼業禁止とはちょっと違った面が私はあると思うのです。要はそういう利用料金制を設定するというのは、一方で公共性を担保しながらしかし経営上のノーハウを持っているそういうような第三セクターが、例えば宿泊施設の経営を請け負うというような場合でございますと、そういう場合には第三セクターの方で市長さんが社長をやっているというようなケースは余りないんではないかという気がいたしますが、それは理論上はそういうこともあり得るかもしれません。しかし、要は第三セクターの方が持っておるいろんな経営上のノーハウをうまく使っていただく。しかし、一方で地方団体のコントロールもちゃんとやっておるという仕組みであるというふうに考えております。
○神谷信之助君 どうもその点が、今度緩和をすること自身に私は非常に疑問を持つんですよ。 都議会で今盛んに問題になっているのに、竹芝の開発会社の問題があります。これも社長は東京都のOBですね。それで、議会で問題になっているのは何かというたら、建築の申請をする、許可がまだおりないのにどんどん仕事を始めていく。というのは、OBですからお互い知らぬ仲ではない。それで東京都から出向している人もいる。だから、そういう中でのなれ合いといいますか癒着といいますか、そういった問題が一体どうなっているのか、職務の公正が担保されてないんじゃないか、こういう問題が起こっているわけなんです。 現行法での状況でもそういう問題が起こっているという状況で、さらに一層こういうことが行われていくと一体どうなるか。管理の委託をする、これは当然公共性あるいは公益性、したがって利用料金をできるだけ低廉にしてやっていくということが求められていくわけでしょう。しかし一方、株式会社ですから、これは別人格です。だからこの点で、いわゆる自治体が出資をして、しかも二分の一以上であるそういう株式会社に対して、現行法では普通の商法に基づく株式会社として活動をする。しかし、実際は出資して公益性、公共性を求めているんだから、それに対して一定の規制なり一定のコントロールができる体制、あるいは基準というものを私は今は考える必要があるんじゃないだろうか。 いわゆる第三セクターと言われる部分ですけれども、当初は先行投資で土地の開発公社とかそういう開発公社をやります。これは学校なりいろんな施設の土地を確保するために先行投資をやるということで公社になっている。行革に入ってきてから、今度は経費をどう削減するかということで委託から第三セクターへ、こういう経過をたどっている。民活法、それからリゾート法ができてから以後は、今開発のための株式会社というのがだっと出てきているわけですね、それに対して出資をしているという。だから、出資をするなら出資をするで、その地域住民に対する利益が還元をされる、あるいは利益が保証される、そういう仕組みにしないと、片一方は株式会社で自由ですよと。それに対して自治体の側は、コントロールするのは、株、出資した額に応じた株主としての権利、それ以上はどうにもしようがありませんということでは出資した意味がなくなってくるわけであります。 この辺のところの関係というのを私は、自治省としても今まで第三セクターについてはいろいろ研究会もやってきておられるようですけれども、そういったいろいろな提言もそれから出ていますが、しかしそういうものを一遍生かしてもっと検討してもらって、この種の第三セクターに対して今のうちに、問題が起こってからどうするんじゃなしに、やっていかなきゃならぬ。既に岡山のチボリ公園が大問題になっているわけですから、そういったことを含めまして、もう時間がありませんのでいずれ近いうちにまたこの問題で議論しようと思いますけれども、問題点の提起だけしておきます。
○政府委員(浅野大三郎君) くどいようですけれども、今民間委託で立派に業務をやっておられる、これは部分でございますけれども、あるわけでございます。しかし、民間にすべて公の施設を任せるわけにいかぬから公共的な関与のできておるそういう第三セクターに限っては委託を認めようということでございますので、そこのところは我々の意のあるところを御理解いただきたいと思います。この二分の一以上ということは私は十分地方団体の意思が反映すると考えております。
○委員長(野田哲君) 他に御発言もなければ、三案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十六分散会