大蔵委員会,土地問題等に関する特別委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 167 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1991/04/24
会議録
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから大蔵委員会、土地問題等に関する特別委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。 地価税法案を議題といたします。 本案の趣旨説明につきましては、去る十九日の本会議において聴取しておりますので、これを省略し、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○村沢牧君 土地基本法の成立を踏まえ、政府は今後の土地政策の基本指針として本年一月総合土地政策推進要綱を決定しました。この要綱は三つの目標と盛りだくさんの施策を掲げていますが、具体的にはほとんど今後検討するというものであります。 今回、土地税制の一環として地価税法案、それに関連する法律改正案が提出されましたが、土地対策は土地税制に加えて国土利用政策、土地取引規制、土地利用計画の整備、土地関連融資規制、土地に関する情報の整備等、その他施策を総合的に推進しなければ実効を上げることはできません。これらの政策をどのようなスケジュールで具体化されようとするのか、国土庁長官に伺いたい。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。 総合土地政策推進要綱においては、需給両面にわたる各般の施策を広範に網羅してございます。おのおのの施策につきましては、具体的には所管省庁が責任を持って対応するものと認識をいたしております。 一方、これらの施策の実施状況のフォローアップにつきましては、土地対策関係閣僚会議を活用しながら適切に行ってまいりたい、このように思っております。 なお、国土庁といたしましては、土地政策審議会に対し、今後より詳細に検討すべき個別項目として、一つは土地利用計画の整備充実、二つは開発利益の還元、三つは土地に関する情報の整備、以上の三つのテーマについて調査検討をお願いしたところでございます。
○村沢牧君 国土庁としてはそのような検討をしているということでありますが、それはいつごろ成案を得るんですか。
○政府委員(藤原良一君) 個々のテーマによりまして成果を見る時期は異なると思いますが、早くできるものについてはここ一両年のうちにできるだけ見通しを立てていく、そういう腹づもりで私ども対応してまいりたい、そういうふうに考えております。
○村沢牧君 一両年のうちにその成案を得たいというようなことで随分ゆっくりしているんですけれども、まず何をやるんですか。
○政府委員(藤原良一君) 政策推進要綱には十の項目にわたりまして当面進めつつある課題について積極的にその活用を図っていくという課題もございますし、また今後検討すると、検討課題になっております事項もございます。それぞれの項目につきまして、検討すべきものは具体的な結論を得るように努力する、また実施の段階に入っておりますものにつきましては、準備しました制度を積極的に活用する中で具体的な実を上げていく、そういうことかと考えております。
○村沢牧君 そのようなことが推進要綱に書かれていることは承知をしているんですが、せっかく土地基本法ができた。基本法はいわば宣言法であり、土地の憲法である。これを直ちに実行に移すことをしなければ基本法の目的を達成することはできない。一両年のうちにやるなんて、そんなゆっくりもたもたしておるようじゃだめだと思うんです。国土庁長官、これは促進すべきだと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(西田司君) 委員もご承知のように、土地基本法を踏まえて、ちょうど去る一月二十五日に総合土地政策推進要綱をただいま局長がお話を申し上げましたような中身に沿って閣議決定をいたしたところでございます。土地問題というのは今日的急を要する課題でございまして、国土庁のみならず、政府挙げてこれらの個々の問題を一つ一つ整理をしながら具体的に取り組むようなことで鋭意進めておる次第でございます。
○村沢牧君 進めておることはわかるけれども、もっと早くやりなさいと強く要請しておきましょう。 三月に発表された平成三年の地価公示によると、平成二年一年間に住宅地では全国平均一〇・七%の値上がりをしており、特に地方の中核都市では二〇%以上も値上がりをしておる。地価高騰の波が全国的に波及する状況にあります。東京都心部などの一部では値下がりをしているものの、地価は依然として値上がり傾向を続けておりますし、予断を許さない状況にあるというふうに思います。地価は鎮静化の方向に向かいつつあると言えるんですか。国土庁長官は地価の現状をどのように認識しているのか、またこれまでの政府の土地対策が実効を上げていないことについてどういうふうに思いますか。
○政府委員(藤原良一君) 平成三年地価公示の結果から最近の動向を見ますと、先生ご指摘のとおりのような状況でございますが、全般的には去年の秋以降、多くの地域で上昇が鈍化しまして、横ばいから地域によりましては下落傾向に転ずるところが出始めております。この傾向は昨年末から本年年明けにかけて強まっていると考えております。しかしながら、昨年前半に高い上昇率を見ましたので、昨年一年間で見ますと、全国の住宅地の平均上昇率は一〇・七%の上昇となっておるわけでございます。 国土庁としては、地価については、依然として強含みのところもございますし、そういう意味では予断を許さない状況であります。また、大都市圏等では依然として地価が高い、そういうふうに認識しておるわけであります。 ただ、昨年秋からの鎮静傾向が認められるに至った要因といたしましては、大阪圏のように一昨年極端に上げ過ぎた、その是正という面もございますが、平成元年半ばから金融が引き締め基調になったことに加え、不動産業向け融資の総量規制が行われたこと、監視区域の積極的な運用等各般の土地対策が進展していること、さらに昨年秋以降の土地税制の見直し論議等によるアナウンスメント効果等、こういった総合的な土地対策の成果の兆しも見え始めているのじゃないかと認識しておるわけですが、まだまだ予断を許さないという基調でございますので、一層地価の動向には注目していかなければならないと考えておる次第でございます。
○村沢牧君 土地対策の成果を上げるには、国土利用計画による監視区域制度の運用が重要だと思いますが、この指定が後手後手に回っておりまして十分な効果を上げていないのではないか。また、土地取引の事前届け出に対しまして適正でない価格、すなわち取引中止を勧告する指導価格は公示価格の何%以内に抑制するように指導しているのか。逆に地価が値下がりしているところでは指導価格が実勢価格よりも高く、地価の下支えをするというような弊害も発生しています。こうした地域に対しては指導価格を下方修正するような指導をすべきであります。監視区域制度の運用改善と指導価格について伺いたい。
○政府委員(藤原良一君) お答えいたします。 監視区域の運用につきましては、かねてから後手に回ることがないように的確に行うように指摘されておるところでございまして、私どもも先行して届け出対象面積の適切な設定、それに指導価格について厳正、的確な運用、この三つに特に配慮しながら努めておるところでございます。 平成二年の監視区域においてなされました届け出について見ますと、その約四割について価格の引き下げ等の指導が行われておりまして、そういう面ではかなり効果を発揮しているのではないかというふうに考えております。 ただ、御指摘の価格の変動が激しい地域におきまして価格指導がなまぬるい点があるのじゃないか、特に鎮静化あるいは下落に転じている地域については指導価格を適切に引き下げながら指導すべきである、そういう御指摘だと思いますが、まさにそのとおりでございまして、私どもも東京圏、大阪圏、下落の見え始めた地域あるいは鎮静化しつつある地域につきましては、できるだけ直近の地価動向を把握しまして、そういう状況を盛り込んで指導価格を修正するように通達を発しておるところでございます。ついこの間の地価公示の際にも再度通達をして、そういう方向で的確な運営が行われるように努めておるところでございます。
○村沢牧君 地価が値下がりをしているところと、逆にまだ下がっておらない、そういうところの指導価格について公示価格のどのぐらい以内に抑制をすることが必要なのか、どういう指導をしているのか、そのことについての答弁がないわけですが、いかがですか。
○政府委員(藤原良一君) 具体的な指導価格の水準につきましては地域によって異なるわけでございます。したがって、地価公示に比べまして例えば何%の余裕を持って指導しているのか、そういった具体的な数字が表に出ますと、その指導価格の天井に張りついた届け出がなされるおそれが多分にございますので、具体的な数字は御容赦いただきたいと思いますが、ただ地価公示時点と届け出時点に時点の差がございますので、そういった中で、先生御指摘の地価が下落しているところにつきましては、その下落の傾向を反映した時点修正をするようにしております。上昇のところはある程度そういう上昇機運を見込んで対応せざると得ないわけであります。 それともう一つは、確かに監視区域制度は著しく適正を欠く場合にのみ価格指導をするということになっておりますので、ある程度許容範囲を見ながら、果たして著しく適正を欠くのかどうか、そういった判断もしております。そういった事柄につきましては、取引事例を十分選択しながら、直近の地価動向を常に把握する、そういった努力も含めて行っておるところでございます。
○村沢牧君 私は、土地基本法審議の際に土地利用計画の積極的な活用を求めたところ、当時の石井国土庁長官は、効果の弱い監視区域制度と効果が強過ぎて容易に発動されない規制区域との中間的な制度、すなわち準規制区域と言うべきようなものを設けたいと述べていましたが、国土庁はどのような検討をされていますか。
○政府委員(藤原良一君) 確かに御指摘のように監視区域というのは一応対症療法的な対策でございまして、地価が著しく上昇する際にその上昇をできるだけ抑制するという制度でございます。一方、規制区域は全取引を許可制にしておりまして、区域指定の段階で価格も凍結し、また取引が認められる利用目的は法律で列挙されましたみずから居住の用に供する場合その他でございます。そういったこともありまして、現在のところこの規制区域について運用された実績がないわけであります。そういう両制度の問題点を指摘されまして、当時の長官もできるだけ取引規制が有効に作用するように、働くように何かもっとよりよい制度がないか検討をしたいという趣旨で御答弁になったわけであります。 私どももその答弁を受けまして国土庁の中にプロジェクトチームをつくりまして、両制度の指定要件あるいは規制内容、法律効果、そういった点についていろいろ検討したわけですが、現段階でこの制度がよりベターだという具体的な結論を得るに至っていないわけであります。ただ、昨年十月土地政策審議会から答申されました総合土地政策推進要綱の中におきましても、より実効ある土地取引規制を行うために仮需要等を土地市場から排除し、適正な需給関係の形成を図るために需要選別機能を強化すること。需要選別機能の強化というのは利用目的審査をより厳しく行うこと。それと第二点は、開発利益の発生や地価高騰等が予想される大規模プロジェクト予定地等において、開発利益の還元措置とあわせて開発利益の発生を未然に防止することを目的として規制区域制度の積極的な活用を図る方策を考える、そういうふうな御答申をいただいておりますので、今審議会で具体的な方策についても検討を進めていただいておるところでございます。
○村沢牧君 次は税制問題について伺います。 土地を計画的に利用するためにも、社会的不公平をなくするためにも、また土地神話を打破するためにも土地税制は極めて重要な手段として位置づけなければならないというふうに思います。土地基本法が成立した現在、土地税制は土地政策の補完的手法ではない。もちろん税制ひとりが主役ではないといたしましても、他の政策とも相まって税制は重要な役割を果たさなければならない。大蔵大臣、土地政策における税制の位置づけについて伺いたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は土地問題に対処をいたしますに当たり、税税がこれは重要な手段であるということを決して否定するものではございません。ただ、本来ならば土地利用計画あるいは都市計画が先行して、例えば西独のような形がありましたならば、私は今日のような異常な地価高騰自体がある程度防げたのではなかったか、そのような思いがいたしておることも事実であります。そして、土地基本法ができまして土地の公共性の優先という概念が理念として定着をいたします中で、私は土地税制は今まで以上に地価対策、土地政策の中における役割の重みを増したと、そのように考えております。
○村沢牧君 政府は、総合土地政策推進要綱で、土地政策の目標を中堅勤労者が相応の負担で住宅を確保できる水準まで地価を引き下げることにしていますが、国土庁長官、「相応の負担」とは具体的にどのような負担を目指すのですか。
○国務大臣(西田司君) 大都市圏における現在の日本の中堅勤労者、この平均年収の大体五倍程度、このくらいを考えております。
○村沢牧君 今答弁があったように、年収の五倍以内で住宅を確保する。ところが、白書にもありますように、東京都心などは年収の八倍もかかっているんです。五倍以内で住宅を確保するためには地価水準を引き下げなければならない。土地税制は地価を引き下げる上で極めて重要な役割を果たすものであり、国民は実効ある税制を期待しているんです。提案されている地価税法案の内容を見るとき、これで地価が下がるのかと大きな疑問を抱くのは私一人ではないというふうに思うんです。大蔵大臣、地価税は地価水準を下げることができますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 結論から申し上げますならば、私は地価税は私どもの期待するような働きをいたすと考えております。もとより地価税だけで地価を下げろと仰せになるならば、今の内容を大きく変えなければならないでありましょう。しかし、今国会におきまして税制全体の中で土地に関連する各部分につき大蔵委員会の御審議を経て既に実行に移しつつあります。また、私どもの役所の所管から申しますならば、金融の役割もあるわけであります。そして、さらに固定資産税の評価の適正化、こうしたものが行われます上に新たに地価税は創設されるわけであります。そうして考えてみますと、大変恐縮でありますが、多少の時間をいただきたいと思います。宅地が我が国土の面積に占める割合というものは四%にしかすぎないのに、これを土地価格で見ますと、全国で約二千百兆円の八〇%を価格の上では占めているという状況の中で、東京都の資料を拝借して申し上げますならば、東京都区市部における宅地の所有法人のうちで一万平米以上の宅地を所有している法人が所有法人数で全体の一・七%、しかし法人所有面積では全体の五一%を占めている。こういう状況を見ますと、私は地価税は十分な役割を果たし得る、そのように考えております。
○村沢牧君 もちろん、土地政策は税制だけでもって効果を上げることができないことは承知しています。地価税でもって地価を下げることができるのか、地価引き下げに地価税は大きな役割を果たすのか、どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は結論からと先ほど申し上げましたように、今申し上げましたようなマクロ的な土地保有の状況から考えてみますと、一見限定的に見える地価税は、実はいわゆる大法人を中心にして資産価値の高い大規模土地保有者に対し相当の負担を求めるものになっておると思われます。また、ミクロ的に考えますと、土地の資産価値に応じた税負担を求めるという地価税の仕組みから、例えば地価水準の高い地域を中心に広い土地を保有する者、例えば年の目抜き通りにビルを構えて事業を行っているような者あるいは地価水準が低い地域でありましても大規模な土地保有を展開している者に対して相当な負担を求めることになる。つまりミクロ的には地価税は土地保有額の大きい者にかなり大きな負担を課すことになるわけであります。私は地価税の役割としてこれは十分な役割を果たしてくれると考えておりますし、それが他の税制と組み合わせられて税体系全体の中で土地政策に資していく、そのように考えているわけであります。
○村沢牧君 政府税調の答申は、地価税の税率や課税最低限について具体的な数値に触れてはおらないけれども、税調の土地税制小委員長は、納税者数は三十万ないし四十万社、税率で〇・五%から一%の間というのが常識的な線だというふうに述べておられたことがあります。 日本社会党も、土地税制の改革については精力的に検討いたしまして、高額土地資産保有課税の創設を提唱しました。これは中身がたくさんありますから詳細に申し上げることはできませんが、その骨子は、税率は〇・五%から〇・八%である。また、控除額は五億円もしくは五百平方メートル。一定の居住用地や農地、小規模事業用地、公共用地、公益用地等については課税対象から除外する。また、法人税法における損金算入は認めないというような趣旨のものであります。 大蔵省も、地価税が自民党税調で論議をされていた段階で、税率は〇・七ないし〇・八%、基礎控除は五億円という考え方を固めたことが新聞で報道されておりました。ところが、提案された地価税法案は御承知のとおりの内容であります。つまり地価税法案は自民党税調の審議の段階で骨抜きにされてしまった。これは明らかに土地対策を犠牲にして企業を優先した結果であるというふうに思うんです。 このように骨抜きにされた地価税は、地価対策としての有効性を損なうばかりでなくて、広い土地を持つ企業や地主の土地神話を温存させることになる。大蔵大臣、なぜこのような内容の保有税になったんですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変恐縮でありますが、私はその御議論には承服いたしかねます。 と申しますのは、マスコミが報道されること、これはいろいろなものがございます。しかしまた、今委員が仰せになりましたけれども、この新税というものが土地の資産価値に応じて新たに毎年負担を求めるものでありますし、国土資産額のかなりの部分が宅地に集中をし、その宅地の相当部分を少数の者が保有しているという我が国の土地保有の状況。そのもとで新税が実質的に大規模な土地保有者に対して適切な負担を求めるものである。委員が仰せになりましたように、大企業を保護するとか、そういうものとは真っ向から逆さでありまして、大規模な土地保有者に対して新たな負担を求めておるわけであります。 また、新税の課税標準とされる相続税評価が地価公示価格に対する評価割合を引き上げ、適正化を図るとされておるわけでありまして、地価税の実質的な負担水準と申しますものは、今後地価の下落がない限り、現行の評価水準を前提に現在一般に想定されておるものより高まることになるわけであります。さらに、新税の導入に加えて固定資産税評価について一層の均衡化、適正化が行われるわけでありますから、全体として土地の保有コストはかなり増大をするわけでありますし、これは有効利用の促進、住宅地の供給促進、当然のことながら地価抑制、低下などに相応の効果を上げるものであります。委員が御指摘になりましたような特定の大企業あるいは金持ちを優遇すると言われるのは極めて実態と逆さのお話ではないか、私はそのように思います。
○村沢牧君 実態で逆さまだというお話があったんですが、後ほど私は例えば企業の含み利益だとか遊休土地についてもまた指摘をして、そのうちに論議をいたしましょう。 そこで私は大蔵事務局に対して、政府税調の答申のように、土地保有税による収益性低下分だけ理論地価が低下する、そうだとするならば、〇・八%の税率ならどのように低下するのか、また法案のように〇・三%で基礎控除を設けている場合にはどの程度地価が低下するのか、もちろん他の要素もかみ合って地価には影響することは承知していますが、こういう検討をしてくれましたか。
○政府委員(尾崎護君) お答え申し上げます。 保有課税が行われますと、その分だけ将来の期待収益に影響を与えることになりますから、それを現在価格に割り引きましたいわゆる現在の地価というものが低下するというのが基本的な考え方でございまして、しかるがゆえに地価の下落のためには保有課税の強化が一番いいんだ、こういう議論がなされていたわけでございます。 基本的にはそのとおりだと思うわけでございますが、それじゃ、それが定量的にどの程度の地価の引き下げに連なるのかというのは一つのモデル計算を要するわけでございますけれども、実際上いろいろ検討をしてみたわけでございますけれども、多くの学者の方々が示されているような極めて大胆な仮定を置いて計算をするということは、どうも政府の立場として非常に無理があるように思います。現実の土地の供給の状況等を考えてみますと、例えば将来の期待収益率というようなものを一体どのように見るのかということ一つでもなかなか定説はございませんし、それからそういうモデルというのは土地の供給は一定であるという前提で、ケネー以来そういう考え方で行われているわけでございますけれども、しかし確かに国土の面積というような点から言えばそうかもしれませんが、実際上一番の問題であります宅地などは、例えば原野を切り開いて宅地にするというようなこともあるわけでございますから、そこに供給が行われる。その他もろもろの転換の問題でありますとか、いろいろ考えてみますと簡単にモデル計算はできないわけでありまして、そこでそういう定量的にお示しできる状況になっておりません。そこはお許しいただきたいと存じます。 ただ、先ほど大臣も申しましたように、私どもこの土地基本法を受けまして税制を見直しまして土地問題に取り組みますときに、単に保有税だけの問題ではないというように考えておりまして、譲渡課税からさらには市街化区域におきます農地の問題の相続税あるいは固定資産税、もろもろの分野におきまして見直しを行っておりますので、これらが総合的に働いて地価の抑制あるいは下落という方向に働くことを期待しているわけでございます。
○村沢牧君 私が仮定を置いて計算を示してもなかなか計算ができない。したがって、地価税法案とそれに関連をする法律改正案で地価が下がるということはなかなか言い切れない、こういう実態だというふうに思うんです。 提案されている地価税で、課税対象すなわち納税者数はどのくらいになるのか、また税収はどの程度見込んでいるんですか。
○政府委員(尾崎護君) これまた歯切れが悪くて恐縮でございますが、非常に限られております土地関連の資料等をいろいろ活用いたしまして、また若干個別にそのデータを提供していただいたりいたしましていろいろ検討しました結果、まずおおよその見込みでございますけれども、納税者の数は五万人程度ではなかろうかというように予想をいたしております。 税収の方でございますが、これは平成二年度におきます土地価格、土地の利用状況等を前提といたしまして、平年度ベースで三千億から四千億程度というように見込まれると考えております。 しかし、くどいようでございますが、あくまで現時点における見込みでございまして、今後一層土地情報の収集に努めてまいりたいと存じますので、この後異動することがあり得ることをお許しいただきたいと存じます。
○村沢牧君 大蔵大臣、今までの答弁を聞いていれば、この地価税はなかなか土地の値下がりに期待を持つことはできない。ところが、地価の鎮静化に名をかりた新しい税収財源を求める、そんな気持ちはないというように思うんですけれども、しかし今答弁がありましたような税収は、地価税の役割、創設の経緯から見て、当然土地対策の費用に使うべきだと思いますが、どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 地価税の税収の使途につきましては、税制調査会が土地税制のあり方についての基本答申を私どもに下さいました段階で、土地税制の見直しは増収を目的とするものではない。土地保有税(仮称)を創設する際には、所得課税の減税をあわせて検討することが適当である。なお、新税の税収について、その一部は、所得課税の減税とあわせ土地対策等に資するという観点から、歳出を通じ国民生活に還元することが適当ではないかという意見もあったという御提言をいただきました。また、平成三年度の税制改正に関する答申におきましては、「土地税制の見直しは増収を目的とするものではない。土地保有税による純増収分の使途については、基本答申に示した考え方に沿って、平成四年度の税制改正・予算編成時までに検討すべきである。」と提言されております。私どもはこの答申を踏まえて今後作業していくわけでありますが、今委員が御指摘になりましたような視点も私は一つの視点であろうと思います。 同時に、衆参の今日までの地価税の御審議の中におきましては、さまざまな御意見を私どもはちょうだいいたしてまいりました。こうしたいろいろな御論議をいただきますことは、我々が今後この目的を考えていく上で非常に有効である、有益な御指摘であると考えております。同時に、政府の税制調査会に対しましても、本院における御論議を含め国会における御提言というものはそのまま私どもは正確にお届けをし、税制調査会の審議の上にも活用していただく方針をとっておりまして、今委員からの御指摘も含め、私は税制調査会に御報告をしたいと考えております。 いずれにいたしましても、私どもとしては税制調査会の答申を踏まえ、国会での御議論というものを参考にしながら適切に対応していきたいと考えております。
○村沢牧君 土地税を算定する場合において、土地評価は重要であります。土地評価は実勢価格のほか、国土庁の公示価格、自治省の固定資産税評価、国税庁の相続税算定の基礎となる路線価、都道府県の基準地価、一物五価になっている。これはどんな事情があるにせよ、合理性がないと思います。土地基本法審議に当たって我が党は公的土地評価の一元化を強く要請をし、基本法に公的土地評価の適正化の条項を追加する修正を行っておるんです。土地評価の一元化、適正化に政府はどういう努力をしているのですか。国土庁長官、また自治省からもお伺いしたい。
○政府委員(藤原良一君) 公的土地評価の問題につきましては、土地基本法の規定を受けまして総合土地政策推進要綱におきましても、相続税評価については地価公示価格を基準として評定する考え方に立ちまして、評価割合の引き上げ等その適正化、均衡化を図ることとしております。また、固定資産税につきましては、基準地等に係る路線価の公開をできるだけ多くの地点で実施するとともに、相続税評価との均衡にも配慮しつつ、速やかに地価公示価格の一定割合を目標にその均衡化、適正化を推進することとしているところであります。 なお、地価公示につきましても新しい不動産評価基準にのっとってより適正な評価を行っております。国土庁といたしましては、今後こうした方向で適正化、均衡化の促進に努めてまいりたいと考えております。
○政府委員(谷口恒夫君) 公的土地評価につきましては、それぞれその目的や性格等に相違がありますので、これらのものを直ちに一元化するということは困難だと思いますが、私どもが所管しております固定資産税につきましては、従来からその評価に当たりましては売買実例価格はもとよりでございますが、地価公示価格あるいは相続税路線価の動向、そういうものを総合的に勘案いたしまして、土地基本法の趣旨に沿って評価の適正化、均衡化に努めてきたところでございます。 しかしながら、最近の地価高騰の影響を受けまして、地価公示価格と固定資産税における土地の評価額の間には、特に大都市地域においては大きな開きがみられることも事実でございます。このため、今後の固定資産税評価に当たりましては地価公示制度の改善とも相まちまして、その一定割合を目標に評価の均衡化、適正化を推進しなければならない、このように私どもは考えておるところでございます。こういう考え方で推進することが直ちに一元化に結びつかないといたしましても、公的土地評価相互間の均衡と適正化を定める土地基本法の趣旨に合致するものというふうに考えておるところでございます。
○村沢牧君 私が指摘したように、この一物五価なんということはどう考えても合理性がない。したがって、直ちにはできないとしても、長期的展望に立って一元化を図っていくという努力を政府はさらに積極的にすべきだと思う。 そこで、地価税が導入されることによって、地価税は時価ということになっていますが、具体的には相続税評価額による、これを算定する路線価ですね、これは正確には時価を反映していないと思う。実勢地価よりもかなり低いものとなっている。そこで大蔵省は地価税の課税基礎となる土地の評価額の適正化についてどういう方針で臨んでおるのか。また、自治省も一定割合という答弁があった。また国土庁も公示価格の一定割合と、そういう答弁があったんですが、一定割合とはどの程度のことを指すんですか。もう具体的に検討しておると思いますが、答弁してください。
○政府委員(山口厚生君) お答え申し上げます。 御承知のように、昨年十月、政府税制調査会の基本答申がございまして、「土地税制のあり方についての基本答申」でございますが、ここにおきまして、土地の有利性を縮減し、不要不急の土地需要を抑制するために、土地の相続税評価、これは路線価評価でございますけれども、これの現行の評価割合七〇%をある程度引き上げていく必要があることが答申されたところでございます。また、本年一月には総合土地政策推進要綱におきまして、土地の相続税評価につきましては地価公示価格を基準として評定する考え方に立って、平成四年分の土地の評価から評価時点を一月一日に変更すること、それから現行の評価割合の引き上げを図ること、及びこれに伴う相続税の負担調整等について平成四年度税制改正において検討することが閣議決定されたところでございます。国税庁としましては、この閣議決定の趣旨に沿いまして、評価割合をどの程度引き上げるかについて今後鋭意検討してまいりたいと存じます。
○政府委員(谷口恒夫君) お尋ねの固定資産税の一定割合でございますが、御承知のように、地価公示価格には将来におけるある程度の期待価格を含んでいるということ、また昭和五十年代の地価安定期には固定資産税の土地の評価額がおおむね地価公示価格の七割ぐらいであったということを踏まえますと、例えば地価公示価格の七割程度の水準ということも考えられるわけでございますが、具体的数字を決めるにはまだ今後いろいろ流動的要素がございますので、なお検討を行う必要があるというふうに考えておるところでございます。
○政府委員(藤原良一君) それぞれ税務御当局から答弁がありましたように、税の性格を考慮しながら検討されるべきだと思っておりますが、いずれにいたしましても国民にわかりやすく、また国民に信頼され得るようなものにすることが大切だというふうに考えております。
○村沢牧君 先日発表された土地白書によれば、土地取引に占める法人の割合は約五〇%。件数、面積とも年々増加している。この五年間ではほぼ倍増していることが明らかであります。これは法人の土地の取得、保有が個人に比べて著しく優遇されており、土地を投機の対象にしている結果であります。国土庁、法人土地所有にかかわる含み益について聞きたい。
○政府委員(藤原良一君) 含み益をどうとらえるかにつきましてはいろいろなアプローチの方法があると思われますけれども、ちなみに一つの目安としまして、国民経済計算における民有地のうち、法人企業の平成元年末の土地資産額から法人企業統計における金融、保険業を除く法人の平成元年度末の土地勘定残高を差し引いて計算しますと、約五百十兆円となります。
○村沢牧君 その年のGNPは幾らですか。
○政府委員(藤原良一君) 今手元に資料がございませんが、四百兆円には行ってないと考えます。
○村沢牧君 国土庁はそうした資料をいつもつくっているんですから、GNPと比べてどのくらいということはひとつ頭の中に入れておかなくちゃ、これは統計にもならないと思うんですね。 国土庁長官、法人の含み益は五百十兆円もある。GNPは今答弁があって四百兆円にも達しておらない。いかに大きいかということがわかるんですね。土地の値上がりによる含み益については、売るときまでは譲渡益課税はかからないけれども、しかしこの土地を見合いとして借り入れを行ったり有利な資金調達を行って実質的な利益を受けているんです。土地を持つ者と持たざる者との格差はますます大きくなっている。税制改革について、土地の資産としての有利性をなくそうとするならば、含み益に対して何らかの税制措置を講ずるべきではないかと思う。国土庁長官に聞きたい。
○国務大臣(西田司君) 今御指摘になりましたことは法人の含み益の問題だと思いますので、私がお答えをするよりも大蔵大臣からお答えをさせていただきたいと思います。
○村沢牧君 国土庁は、これまた土地基本法審議の際に、法人保有土地に対する新税の創設ということで、土地の保有・維持負担について、広く個人と法人との均衡を確保する観点から、法人所有の土地に対して一定の負担を求める新税を創設すると、法案審議のときにこういう資料を出しているんです。そのことも含めて答弁いただきたい。
○政府委員(藤原良一君) 私どもも土地対策の観点からいろいろ税制改正要望の際には検討したわけでございます。その検討の過程でいろいろな案を一応俎上にのせながら考えたわけでありますが、ただ、私どもが考えておりました新土地保有税の考え方と、今回御審議をお願いしております地価税の基本的な考え方というのは軌を一にしているというふうに考えております。 先ほど土地増価税の話がございましたが……
○村沢牧君 長々と答弁は要らないですよ。
○政府委員(藤原良一君) そういうことでございます。
○村沢牧君 こういう資料を出しているんですから。何もやってないじゃないか。言ったことと違うじゃないか。 ですから、土地基本法を審議するときにはこういう資料を出して、今度はまた今違ったような答弁をしていることは全くけしからぬと思う。 そこで大蔵大臣、含み益は御承知のとおりです。これは税法上放任することは許されないと思う。含み益課税をしなくても地価税でカバー、代替できるというふうに思うんですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員が展開された御議論、私はそれが理解できないと申し上げるつもりはありません。しかし同時に、その含み益課税というものは前から論議をされてまいりましたけれども、古くから保有されている土地には負担は求めることができるが、一定の資産価値を有していても、最近取得された含み益のない土地に対しては負担を求めることができないという点から、負担の公平性あるいは中立性の観点から問題があるというのが一つ指摘をされておりました。また同時に、いまだ実現をしていない値上がり益に対して、理論的には所得の概念に含めて考えることができるといたしましても、現実の収益を伴っていないわけでありますから、支払い能力などの点からこれに対する課税というものはおのずから限界がある。こうしたことから、やはりこれに対する課税は適当ではないと考えております。 しかし同時に、保有土地の資産価値に応じて毎年負担を求める地価税というものは、結果的には土地の含み益に対しましても一定の負担を求める機能を有する、そう見ることもできると私は考えております。
○村沢牧君 大蔵大臣の見解と私は違うんですけれども、時間がありませんから、そこで論議していたら随分かかってしまいますから、いずれかの機会に譲りたいというふうに思います。 そこで、国土庁に伺いたいのは、事業用土地に占める未利用地の割合及びその利用予定時期、また販売用土地に占める未着手土地の割合及びその着手予定時期について述べてください。
○政府委員(藤原良一君) 私どもが行っております企業の土地取得状況等に関する調査の平成元年度の結果によりますと、法人所有の事業用土地に占める未利用地の割合は六・九%、具体的利用計画のあるものは三一・七%、具体的利用計画が現にないもの六八・三%であります。販売用土地につきましては、未着手土地の割合は四七・〇%、具体的着手計画があるもの四九・六%、ないもの五〇・四%であります。
○村沢牧君 国土庁長官、今答弁があったように、法人の占める販売用土地で具体的にどのように利用するか計画のないものが五〇%以上、あるいは事業用土地については六〇%以上もあるんですよ。こういう実態をほうっておいて、公共の福祉を優先し、土地を適正に利用し、需要と供給のバランスがとれる、そんなふうに思うんですか。低・未利用地、遊休地に対して適正な措置を税制も含めてやらなければいけないと思いますが、長官、どういうふうに思いますか。
○国務大臣(西田司君) 未利用地等の利用の問題につきましては、土地問題に解決をつける大変重要なポイントだと考えておりますので、私どもといたしましても、的確適正な指導を強化していきたい、このように考えております。
○村沢牧君 これまた国土庁の資料でありますが、平成二年六月七日、特別土地保有税の見直しをする、課税期間十年の撤廃を行う、また遊休地制度の創設とあわせて一定の要件に該当する遊休地については課税対象とする、こういう資料を出して国会でも答弁をしているんです。国土庁長官はその当時長官ではなかったというふうに思いますけれども、これについては現在どうなったんですか。
○政府委員(藤原良一君) 今回の土地税制の総合的見直しによりまして特別土地保有税の強化が図られております。三大都市圏の特定市における免税点の引き下げ、すなわち二千平方メートル以上の低・未利用地が課税対象になっておったわけですが、それを千平方メートルに引き下げております。また、市街化区域における課税期間は取得後十年間でございましたが、この十年間を撤廃することといたしております。また、都市計画上の遊休土地転換利用促進地区、この制度は法律改正をして創設されたわけですが、この地区制度とリンクした遊休地課税の創設が図られておるところでございまして、こういう制度と相まって土地の有効利用を促進してまいりたいと考えております。
○村沢牧君 若干の手直しはされているけれども、国土庁が従来国会で答弁したような内容になっておらないんです。ですから、国会でこういう資料を出して答弁をしたならば、それが実現をするように努力するのが国土庁であるし、また政府は一体となってやらなければいけない。ですから、先ほど来何回も申し上げますけれども、基本法審議の際にはこういう資料をどんどん出してこういうふうにやりますと。しかし、基本法を実践していく具体的なときになると答弁どおりになっておらない。国会を軽視するのも甚だしいと思うんです。 建設省に聞くけれども、建設省はこの市街化区域の未利用地に対する方針として、有効利用の勧告制度、勧告に従わなかった土地の譲渡で一定期間内に土地の有効利用が行われない場合には、当該譲渡所得について重課する、課税を強化する、あるいは三大都市圏の遊休地についてはこういうことをするという、これも建設省の資料として出しているんですが、これはどういうふうになっていますか。
○政府委員(内藤勲君) 御質問は前国会で成立いたしました都市計画法の改正に伴いましてできた遊休土地転換利用促進地区制度かと思いますが、私どもといたしましては、大都市における遊休地の利用促進ということでこの制度は非常に生かされてくるのではないかと思います。まだ具体の指定はこれからでございますが、地方自治体の指導を進めていきたいと思います。具体には、例えば東京二十三区などでも私どもの想定では地区対象としては百五十件くらいが想定されるわけですが、具体の指定につきましては各自治体と調整していきたいと思っております。
○村沢牧君 こういう制度があることは承知をしているけれども、「勧告に従わないで行った土地の譲渡で、一定期間内に土地の有効利用が行なわれない場合においては、当該譲渡所得について重課する。」、税金を重くかける、それは大蔵省との話はどういうことになっていますか。
○政府委員(内藤勲君) 勧告制度との絡みで、建設省といたしましては、遊休土地の指定後二年程度して有効な利用が図られていないという場合には計画を出させまして、その計画がその地域の土地利用の状況に合っていない場合には、ともかく利用してほしいという、そういう勧告をするというところが建設省の役割でございます。
○村沢牧君 勧告するのは建設省の役目だけれども、あなたたちが国会に対しては重課をする、税金を重くかけるということまで答弁しているんです。あれはどうなったんですか。
○政府委員(横内正明君) お答え申し上げます。 ただいま御説明を申し上げました遊休土地転換利用促進地区につきましての税制でございますけれども、今回の土地税制の見直しの中で新しい税制ができております。これは転換促進地区内の土地につきまして時価の一・四%で特別な課税をするという重課制度ができております。これは譲渡所得ではございませんけれども、土地の保有につきまして通常は課税評価額、固定資産税ではなくて時価を対象といたしまして一・四%という重課制度を設けております。
○村沢牧君 大蔵大臣、今まで答弁があったように、遊休地が非常に驚くべきような数字があるわけなんです。これを放任することは許されないと思うんです。土地の資産価値に着目した地価税法というならば、あるいは税制改革というならば、なぜこうしたことに着目をして、土地税制を講じないのか、大蔵大臣の見解を簡単にお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 余り簡単でなくなるかもしれませんけれども、きちんと申し上げたいと思います。 これは地価税というものが、公共的性格を有する土地に対する適正公平な税負担を確保しながら土地の資産としての有利性を縮減するという視点から、土地の資産価値に応じた税負担を求めるものであります。ですから、地価税は、一定水準以上の資産価値を有する土地保有、これにつきましては、遊休地であるかないかにかかわらず、その土地利用の状況を問わず税負担を求める性格を持っております。 もしお尋ねの趣旨が、例えば平米三万円以下の非課税措置によって地価の低い地域において遊休地が地価税の対象から外れるということを含んでおられるのであれば、これは遊休地としてそれを着目して地価税の対象から外しているのではありません。平米三万円以下という地価の低い地域、土地は、そもそも土地としての資産価値そのものが有利性が極めて限定されているということで非課税の措置をとっておるわけでありまして、私どもは、その土地の利用状況ではなく、土地の資産価値に応じた地価税を今御審議いただいておるということであります。
○村沢牧君 私の時間ももうそろそろ終わりになりますから。 土地に対するもろもろの対策の中で金融機関の問題等が重要な問題であると思いますが、この中で一点だけ伺っておきたい。 ノンバンクの融資は年々増加している。不動産向け融資残高の総融資残高に占める割合は銀行の三倍を超えているというんですね。したがって、貸金業規制法を改正してノンバンクの過大な不動産融資に対して指導監督を強化すべきである。どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在自由民主党を初め各党で貸金業規制法の改正案の検討を進めていただいておると承知をいたしております。大蔵省といたしましても、ノンバンクに直接指導を行うために貸金業規制法の整備がなされることは望ましいものである、そのとおりに願っております。
○村沢牧君 議員立法ではなくて、こんなことは大蔵省、政府自体がもっと率先してやらなければならないことだというふうに思います。そのことは指摘しておきます。 以上いろいろ指摘をしましたが、地価税法案は土地対策上十全な法律とは私は言えないと思う。先ほど指摘したように、含み益だとか遊休地対策、今後検討しなければならない課題も多くあると思います。中途半端なものもあるというふうに思います。したがって、総合的な土地政策と相まって望ましい土地税制を確立するためには、さらに努力を続けて、地価税についてもいろいろ今後の地価の動向等を踏まえて見直しあるいは機動的、弾力的に検討する、こういうことが必要だというふうに思うのであります。 大蔵大臣の見解を伺って私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御審議をいただいております地価税の法案そのものの中に、見直し規定として少なくとも五年ごとに固定資産税評価の適正化の状況や地価の動向等を勘案しつつ、土地の保有に対する税負担全体の状況などを踏まえながら検討する旨の規定を設けております。もちろん、少なくとも五年ごとの見直しでありますから、地価の高騰など見直しの緊急性が認められますような場合には、五年にとらわれず機動的、弾力的にその見直しに努めていかなければならない、そのように心得ております。
○村沢牧君 終わります。
○種田誠君 ただいま提案されております地価税に関しまして、私も引き続いて質疑をさせていただきたいと思うわけでありますが、今回の地価税は土地基本法の理念を受けまして、まさに高騰状態が予想を超えて発生してしまった、そういうのをいかに公平に、かつ土地の有効利用をこれから図るか、そういう意味で極めて重要な課題を持っている法案であります。 しかしながら、先ほど来の質疑の中にもありましたように、当初この法案に期待されていた国民の土地に対する大きな夢というのが何か大きく後退してしまった、そういうふうな印象を私も受けておりますし、そのようなことがまたマスコミなどにも大きく報道をされてきたところでもあります。しかしながら、この法案が今審議をされて成立していくことは土地政策に対する大きな前進になるだろうということと、それからこれからの日本の土地のあり方に関する大きな問題提起をしていくだろう。そういう意味で、この法案の今後の運用や、それから時宜に合った見直し、こういうことを伴う中で適切に実行されていくならば、私は一定の成果を上げるのではないだろうかな、そのように期待もしているところであります。 先ほど来、大蔵大臣の方からこの地価税のほかに固定資産税の評価がえの問題や、それから三大都市圏の市街化区域内における農地の宅地並み課税の問題、さらには特別土地保有税の強化の問題、そういうものと相まって私は効果が発揮できるのではないだろうかなとも思うわけです。そういう一つの大きな目的がある法案です。 それに対して問題は、昨年秋にNHKが土地問題プロジェクトチームというのをつくりまして、大分長い間にわたって「地価は下げられる」というような報道をしたと思うんですね。その中で、当時の佐藤国土庁長官、さらには綿貫建設大臣なども出演しておりまして、五年以内に五〇%地価を下げたい、下げられますと、こういうような報道が何回も何回もされておるわけです。この雑誌を見ますと、克明に今日でもその事実は残っているわけであります。そういう意味で、総合的な税制の改革が大きく展開されましてほぼでき上がりつつあるなと思うこの時期に、そのほか都市計画等今から私が伺うことに関する課題はありますが、この時点で大蔵大臣として昨年のこの両大臣の発言を担保し得る税制だと、こう言い得るでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はその番組に出ておりませんけれども、その発言があったことは承知をいたしておりますし、同じ内閣の一員として共同の責任は負わなければならないものと思います。 その上で私から率直に申し上げますならば、税制だけにその役割を期待されることは無理であります。これは前から何遍も私は申し上げてまいったことでありますが、私は土地政策というものの本来のあり方は、都市計画であり、国土利用計画であり、こうしたもののルールがきちんと働くことによってある程度私権を制限しながら土地の利用というものが図られていかなければならない。その中において税制もまた金融も、さらには例えば公的な住宅供給も適正に行われることによって、私は本来あるべき地価に水準を戻していくことができるものと考えております。しかし、今日私どもの所管する部分は税制であり、金融であります。その範囲内において我々は全力を尽くすつもりであります。
○種田誠君 その意味で、ぜひ全力を尽くしてもらいたいわけであります。 先ほど村沢委員の質問に最後の段階で大蔵大臣も、この法案には五年をめどに見直しの規定があるんだと、こう答えておりました。さらにまた、いや、それは五年を待たずしてという言葉もありましたが、実際五年という単位は土地の価格の変動というのを見た場合にはちょっと長い単位ではないだろうかな、やはりもう少し地価の変動というのを正確に把握した上で、短期のうちに見直しを行っていく必要があるんではないだろうかなと思うわけであります。さらには、この見直しは税率ばかりではなくて、課税対象などにも及ぶと思いますので、私は五年単位というのはちょっと長過ぎると思いますが、この時点で、大臣の方で見直し期間についていかなる所見を持っておるか伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもが五年という一定の時間を、少なくともという形で見直しの期間として御提案を申し上げましたのは、一つにはある程度中期的に地価の動向を眺めたい、また固定資産税評価の成り行きと合わせていく等々の考え方があったことは事実であります。そして、今委員の御指摘でありますが、私は五年間見直さないで済むぐらいの地価の動向になっていくことを本当に願っております。 しかし同時に、それは不測の事態というものを全く我々は想定しないわけではありませんし、その場合に、地価の上昇等がうかがわれるような事態というものがもし出てきますならば、これは私はそれこそその年数にかかわりなしにいつでも見直す、その準備だけはしておかなければならない、そう思っております。
○種田誠君 実はこの見直しというのは、地価が高騰したときに見直すというのではなくて、それも入りますが、問題は地価対策を行っていく上で思うように地価が下がらない。先ほど冒頭伺いましたように、昨年あれだけテレビ番組で全国民に当時の大臣が約束をしているわけでありますから、少なくとも五年間で五〇%ぐらい下げるのに向かって、それが国民の目に見える、こういう形をつくることができないならば、やはりこの地価税にもどこか欠陥があったんだということにもなるかと思うんです。そういう意味で、思うように地価が下がらなかったというときにおいても、これを見直すということはあり得るんでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はその場合、地価税のみの問題ではないと思います。地価対策全体、土地対策全体がうまく機能せず、地価が低下傾向をたどらないという場合には、私は一地価税の問題ではない、むしろ土地政策全体の中で政府として考えるべきものであると思います。その中において地価税がその時点どう扱われるか、これはまた別の議論でありましょう。 しかし、今委員の述べられましたような時期に、ただ単に地価税のみを見直したところで私はそれが解決するとは思いません。むしろ土地政策全体を政府として考えるべきことと、そのように思います。
○種田誠君 私も地価の適正な価格をこれからつくっていく上では税制だけにすべてを期待するという考えを持っておりませんし、むしろやはり土地の利用、都市計画、そういうこととうまくリンクして初めてこの目的が達成される。また、先ほど来大臣も西ドイツの例を挙げられました。西ドイツにおいても、まさに税と計画がリンクしているわけです。そういうことが今回極めて重要だと思うわけです。したがいまして、今回の地価税の大きな効果が生まれるとするならば、まさに都市計画などに関する新たな対応が必要になってくる、その点は私も同じなんです。そういう意味で、むしろきょうはこれから都市計画並びに土地対策などについて私は質問を続けさせてもらいたいと思うわけであります。 先ほどの大臣のお話、まさに西ドイツに都市計画あり、その中での税制だったということなんですけれども、決して日本にも都市計画がないわけじゃないわけであって、都市計画法という立派な法律がつくられておる。そしてマスタープランもありますし、西ドイツのBプランに劣らないような立派な地区計画も制度としては存在しているわけであります。そういう中で、今回地価高騰の引き金になってしまった商業地域の住宅地域への侵食ということがなぜ起こってしまったのか、そのことについて簡単で結構ですが、まず答えていただきたいと思います。
○説明員(林桂一君) お答えいたします。 都市におきます土地利用規制のあり方につきましては、各国の社会的、歴史的あるいは経済的諸条件に応じてそれぞれの国にふさわしい制度を適用しているわけでございまして、我が国では八種類の用途地域と、それからさらに地域の状況に応じて用途制限の強化または緩和を行うことのできるような特別用途地区、あるいは先生御指摘のようなドイツの計画制度を参考にしまして導入いたしました地区計画制度、そういったものを適切に組み合わせることによりまして的確に対応していっているところでございます。 そのような都市計画の土地利用の規制の問題と地価の形成のことについてでございますけれども、都心あるいはその周辺部で住宅と商業業務地が併存し得るような用途地域が指定されているような地域におきまして、やはり商業業務受けを期待した地価形成というものがなされているのではないかということを私どもも認識しておるところでございます。しかしながら、今回の地価の高騰のように金融、税制等の要因が広範に複合して起きました地価の上昇という場合におきましては、例えば低層住宅以外の用途は基本的に認められない一種住居専用地域というものもございますが、この一種住居専用地域にありましても、土地利用規制によって具体化される個々の土地の利用価値を超えたような著しい地価の上昇も見られておるというふうに認識しておるところでございます。したがいまして、このような場合においては土地利用規制を厳格化することのみによっては地価の絶対的な水準を防止することはできなかったのではないかというふうに考えているところでございます。
○種田誠君 今金融の諸事情や金余り現象を前にして対応できなかった、こういうふうな答えがあったわけでありますが、それじゃ、欧米に関してもこういうふうな状況が発生したときに都市計画上の諸制度が対応できなかったのかというと、欧米においてもうしばらく土地高騰というのはないわけですね、今世紀の初めのころに幾つかの土地高騰がありましたが。そういう意味で、同じような制度を持っていながらなぜ日本の都市計画においてこれを許してしまったのかというところに問題があるんですが、そのことについて答えていただきたいと思います。
○説明員(林桂一君) 先ほどの先生の御指摘の中にもありましたが、西ドイツでBプランという非常に厳格なあるいは詳細の内容を持ちます計画制度というのを採用しております。我が国の都市計画におきましても、このドイツの都市計画の制度を参考にいたしまして昭和五十五年度に地区計画制度というものを設けたわけでございます。 それで現在までに全国で二百十三の市町村におきまして五百三十二地区、面積にいたしまして一万七千四百ヘクタールが決定されているということでございます。毎年新たに決定される地区数も着実に増加してきているという実態ではございますが、まだ用途地域の一%強ぐらいといったような水準にとどまっておりまして、ドイツでBプランの指定が約三割から五割、都市によって若干違いますが、というような形で指定されているのと比べますと、まだ普及の程度は低いというふうに私どもも認識しております。 こういったことの原因でございますが、制度が発足いたしましてからようやく十年ということで、地区計画制度についての住民へのPRといったものも不足しているということでもあろうかと思いますし、また町づくりに関しまして規制が詳細化される、あるいは強化されるということで、むしろ住民の方々からそういった規制についての反対の意見もかなりあるというふうに伺っております。また、市町村の方の計画行政の体制の問題ということも原因になっているかと思います。 そういうことで、まだまだ不十分な状況でございますけれども、しかし都市の良好な環境の形成保持とか、あるいは土地の合理的かつ健全な高度利用等の課題にこの地区計画が非常に有効であるというふうに考えておりますので、その積極的活用を図るように市町村を指導していきたいというふうに考えております。
○種田誠君 今答えたことは、昨年のテレビでも建設大臣が、実は地方自治体の皆さんの御理解がもらえないんだ、住民の皆さんの合意がないので、反対があるのでできないんだ、こういうふうな答えがあったわけでありますね。できないといってそれを放置しておく、そのことによって今回のような土地高騰や、まさに土地開発の乱立というような状況を生んでしまっているわけですね。そうであるならば、このまま同じ状態を続けていくならば、結局同じことがまた繰り返されてしまう、私はそのことを非常に危惧するわけであります。さらに地区計画にしても、先ほど十年間で市街化地域の一%強の地区詳細計画ができたと。しかし、西ドイツでは多い多いといっても五〇%なんですね。五〇%の地区計画ができて効果があるわけですよ。日本で五〇%に達するのに何年かかるか。今までの十年間の実績からいいますと、二百五十年からもしかすると五百年かかるんじゃないか、こう言われているわけであります。ですから、同じような状態でやっていくならば、二百五十年たってやっとドイツ並みの五〇%の地区詳細計画。こういうことでは何のための都市計画なのか、私は極めて疑問に思わざるを得ないわけであります。何としても用途指定のあり方、地区詳細計画のあり方に関しては、今回の地価高騰を十分に反省して、真正面からこれを認識して取り組んでもらいたい、そのようにお願いをするところであります。 と同時に、今回の地価高騰を生んでしまった都市計画の誤りにはもう一点あるということを私は指摘したいと思うんです。それは都市計画、用途指定、地区詳細計画とございますが、その中で昨今、残念ながら容積率アップということがアップゾーニングという形で進められてまいりました、中曽根さんの民活導入以来でありますが。私も都市再開発とか都市の高度利用という視点に関しては、目的的な意味での容積率のアップというのは、これは当然必要だろうと思うわけであります。ところが、これが都市の全般に対して容積率のアップとなってしまった場合にどういうふうな結果をもたらすか、そのことについて答えてください。
○説明員(林桂一君) 容積率の問題についてのお尋ねでございますが、一般的に言いまして容積率を引き上げるということになりますと、その土地の利用価値が高まるということでございますので、程度の問題はあるかもしれませんが、その周辺の引き上げをされていない土地との相対的な関係におきましては地価は上昇していく、その土地の個々の地価が上昇するということはあり得るかと思います。しかしながら、都市全体について考えますと、容積率を全体的に引き上げていくということによりまして住宅供給に寄与するといったような面での総体的な供給増という効果も期待できるということでもございますので、その意味で地価の安定的なものに寄与するというふうな考え方もあろうかと思います。しかしながら、現実に一律に容積率を引き上げるということになりますと、何といいますか、その引き上げられた容積率を有効に活用されないという形でただ容積率が引き上げられたというふうな結果だけが残るという面もございますので、最近ではやはり優良なプロジェクトの提案のあったものにつきまして容積率を個別に引き上げるような制度、例えば都市計画で特定街区の制度とかあるいは総合設計の制度とか、それから六十三年度に導入いたしました再開発地区計画の制度、こういうような制度の中で優良なプロジェクトにつきまして容積率を引き上げていくというような方針でもって現在は対応したいというふうに考えておるところでございます。
○種田誠君 実はこの問題は極めて重要な問題をこれから引き起こすだろうと思われますから私よく聞いておきたいと思うわけでありますが、土地の保有税の強化がなされる。そうしますと、土地の経済的な利用を高める。そして、その上で容積率の緩和がありますとどういうことが起こってしまうかということになりますと、今まで例えば容積率一〇〇%、これが三百万ぐらいの値段だったとすると、容積率を一〇〇〇%にすると、それだけでもって値段が十倍の三千万まで認められるということで、実際土地の市場価格――不動産屋さんでは更地価格じゃないんですね。今売られているのは容積率幾らで値段が決まるわけなんですよ。そういうことになってしまいますと、この容積率ということに関してしっかりした用途指定、地区詳細計画、その中でこの地域は容積率をこういうふうな必要性があるから上げるんだとか、この地域はもう住居地域として上げないんだとか、そういうふうにしないと、この土地税を上げることによってそこにすべてしわ寄せがいってしまう、決して土地が下がらないという、こういうふうなことになりかねないので、何としてもアップゾーニングから、これからはむしろダウンゾーニングという形で、いわゆる大都市、東京や名古屋や大阪のような大都市に関しては、都市のこれからの政策をいかに管理し、抑制していくかという、そういう視点に立っての政策をつくっていただきたいと思うんですが、この辺に関しての建設省における新たな試み、研究等がありましたらば述べていただきたいと思います。
○説明員(林桂一君) 都市計画の制度あるいはその運用におきまして、容積率につきましてはアップゾーニングではなくダウンゾーニングを行うべきではないかという御指摘でありますが、現在、都市計画中央審議会に一月二十五日でございましたか、経済社会の変化を踏まえた都市計画制度はいかにあるべきかという諮問をいたしまして現在御検討いただいているところでございますけれども、その中で適正な用途規制のための方策ということにつきまして検討いたしておりますが、用途規制のみならず、容積率の規制のあり方も含めて検討しているところでございまして、そのような中で今の容積率をどういう形で指定するかということについての検討もしたいと思いますが、ダウンゾーニングということになりますと、既存の権利で認められている容積率をそれを二分の一とか、またそれ以下に下げていくという内容でございますので、そういった既存の権利との調整といった面でも難しい面があろうかと思いますけれども、そういった点も含めまして検討をさせていただきたいというふうに考えております。
○種田誠君 まさに先ほど来西ドイツやアメリカの話が出たわけでありますが、そこにおいて地価の高騰が今日まで起こっていないというのは、土地の利用に関しての厳格なマスタープラン、さらには地区詳細計画が実効ある形で維持されているということが一つと、それから都市について地方都市のように成長、発展させなきゃならない都市と、それからもう既に管理、抑制しなければならない都市と、こういうことに関してダウンゾーニングにいく都市、それからアップゾーニングにいく都市、こういうようなものがもう選択されてきている。そういう中で初めて私たちは住んでよかった都市、快適な都市、そういうのに住めるようになるんだろうと思うんですね。したがいまして、この辺のところをしっかりと押さえてもらわないと、税制が――私は大蔵省を持ち上げるわけじゃありませんが、大蔵省はこの半年の間にかなり税制に関して土地政策を推進し、土地の価格を抑制するような視点を取り入れていると思うんですね。これにこたえるのは、次は建設省の今申し述べたような視点だろうと思うわけでありますので、ぜひともその点は頑張ってもらいたいと思うわけであります。 さらに、実はここで今建設省さんが新たな試みを早いうちに提起していきたいと、こういうことでありますから私もそれを期待しておるのですが、そうなってまいりますと、今度次に大蔵省の方の出番になってくるわけなんですね。まさに今度の地価税などにおいては、これは徴税、増税のための税ではないんだと、土地の適正な利用、土地の有効利用を図る、公平な利用を図る、そういう税制なんだとなった場合、これを的確に実行できるのは決して国ではないということなんですね。むしろ地方自治体が、先ほど申し上げたような都市計画や地区計画や、さらにはこれからの都市をどうしよう、そういうふうな視点の計画をつくり上げる中でこの税制というのが問題になってくるわけなんで、そうすると、その使い道もまさに減税だとか、土地の利用のためにとか、そういうふうに使われてくるようになってくるのであって、この問題は今建設省さんが抱えている課題に十二分にこたえられるような形になった場合には、地価税の権限を地方の固有権――配分を国で権限を持つならば、少なくともその配分の半分ぐらいは地方に回すとか、そういうふうな形をつくっていかないと地価税の本来の役割というのはないと思うんですが、大蔵大臣のその点の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先刻村沢委員にもお答えしたところでありますけれども、税制調査会の御意見どおり、私どもは平成四年度の予算編成時、税制改正時までにこの使途についての結論を出そうといたしております。そして、今固定的な考え方、この分野にとか特定のことを私どもは念頭に置いておりません。そして、本院を含めまして今日までの御議論の中にはさまざまなその使途についての御提言がございました。私どもはそれを正確に政府の税制調査会にもお届けをし、税制調査会の御論議も願いたいと思っております。同時に、私どももまた、その御議論というものを念頭に置きながら政府自身の検討を進めてまいりたいと考えております。 本日の時点におきましては、内容について結論を出す時期ではございませんので、この程度でお許しをいただきたいと思います。
○種田誠君 ぜひ今お答えがあったような形でこの地価税に関しては極めて弾力的な考えのもとに対応していってもらいたい、そのようにお願いをしておくところであります。 さらに、この地価税に関して大臣の方に伺っておきたいんですけれども、今まさに金融関係においては不動産関係の総量規制というのがなされております。そして、これが一定の地価抑制に機能を果たしていることは全国民の認めるところであろうかと思うんですね。しかし、問題はいつまでも総量規制を継続していくわけにはいかぬと思うんです。問題は、地価が上がってしまった、上がりつつあるというときに、適切な規制がこれからできるかできないかということだと思うんですね。今回の規制はやはり後手であったということは、これは否めない事実だと思うんです。したがいまして、今後地価の高騰が起こりそうだというような場合に、あらかじめそのことに関して適切な規制ができるような施策、そういうものをお考えでしょうか。
○政府委員(土田正顕君) 土地関連融資規制につきましてのいろいろな努力を繰り返してまいったところでございますが、現在はただいま委員から御指摘がありましたような総量規制を実施しております。 そこで、総量規制が実施されていない間に地価の上昇その他の動きが起こったときにどうするかという問題でございますが、これにつきましては、ことしの一月の閣議決定によります総合土地政策推進要綱でこのように述べられております。 今後において、総量規制が実施されていない間においても、金融機関の業種別融資状況をみながら、土地関連融資が急増し、地価高騰の恐れが生じた場合に、総量規制がタイミングを逸することなく効果的に発動される仕組みを創設する。 それから、そのほか若干の提言がございますが、そのような問題をいろいろと今後研究してまいりたいと思っております。
○種田誠君 ぜひその辺のところ適切な新たな制度などをつくっていただければ幸いだと思います。 さらに、今回の土地高騰に対しての、大蔵省の方の所管に入るわけでありますが、問題としてあったのが銀行や各種金融機関の過剰融資ということがあったと思うんです。土地の担保価値、交換価値というのがこんなにまで、国民の本来の予定を超えてまで高まったというのはほんのごく最近のことだと思うんです。土地は、交換価値と同時に、むしろ利用価値そのものにもかつては高いウエートが置かれておった。そういうことによって土地の適正な利用というのが過去の日本においては図られてきた経緯もあろうと思うんです。そういう意味で、今回の過剰融資ということに関していろんな角度からの指摘がなされておりますが、大蔵省において、土地担保のあり方ということに関してこれからもう少し考えなきゃならぬなというような、これからの方針などありましたら、ぜひ進めていただきたいと同時に、お答え願えれば幸いだと思うんです。
○政府委員(土田正顕君) 金融機関が融資をいたしますに際しましては、まず貸付先の資産、それから業況、返済能力、資金使途、そういうようなものを考慮して、資金使途に問題がなかったり回収に懸念がないと判断した場合に融資を実行する、こういう筋合いのものであります。ただ、その場合に債権の回収を確実にするため、必要な場合には担保を徴求いたします。担保といたしましては、もちろん預金や有価証券もあるわけでございますけれども、中小企業や自営企業あるいは個人の場合にはそのような資産蓄積は十分でございませんので、土地、家屋、工場などの不動産担保に依存せざるを得ないことが多いわけでございます。したがいまして、土地担保融資について頭からいろいろと規制を加えるというようなことは、中小、自営企業とか個人に対する資金の供給との関係から慎重でなければならないと思うわけでございますが、ただいま委員からも御指摘がございましたように、今回地価高騰に関しまして金融機関の土地担保融資のあり方について種々批判もございましたことは事実でありますので、現在、このような批判を踏まえまして今後の不動産金融のあり方を探る検討作業を始めたいと思っております。 これはかなり実務的な問題でございますので、既に民間金融界におきまして不動産金融研究会というようなものも組織されまして実務的な研究作業が始められておりますので、当面、私どもその検討を見守っていきたいと考えております。
○種田誠君 時間が迫ってまいりましたので最後の質問になろうかと思いますが、今回成立していくだろうと思われますが、この地価税と都市計画の新たな改正、そして今述べられたような金融や土地担保のあり方などによって一日も早く地価が適正な水準にまで下げられまして、多くの国民の皆さんのニーズにこたえられるような、そうなってもらいたいと思うんですが、そのためにもう一つ最後に大蔵大臣に伺いたいのは、今回の地価税の実施のために個人や法人かなりの数に及ぶと思うんですが、名寄せが非常に難しいんじゃないかなと思うんです。しかも今回の法案は間もなく実行されますから期間がない。そういう中でこの作業を十二分にやり切れるかどうか、その辺のところの不安が非常に伴っているわけです。そしてその作業がいつごろ終わるのか、そのことだけお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今国税の担当者がちょっと参っておりませんので、私から概略でありますけれどもお答えを申し上げたいと思います。 委員が御指摘のように、この法律案が通過、成立をいたしました段階から、平成四年度実施に向け、国税庁といたしましてはこの作業に直ちに着手をいたさなければなりません。相当膨大な事務量でありますし、また複雑な作業を要するものにもなります。しかし、事務方として全力を尽くすということで努力をしてくれる、今までも本院におきましてそうした趣旨の答弁を事務方から申し上げてまいりましたので、そのとおりに実行できるように私も支えてまいりたい、そのように考えております。
○中野鉄造君 私は、本法案の趣旨の施行効果についてはかなりの疑問と期待薄の感じを持ちながらも、言ってみればないよりましじゃないのかというような、あるいはこれを足がかりにして地価対策あるいは住宅対策が今後充実されていくのであればという期待を持って質問いたします。 〔委員長退席、大蔵委員会理事梶原清君着席〕 ことしの一月二十五日に閣議決定された総合土地政策推進要綱では、適正な地価水準の実現を土地政策の目標として、「住宅地については、中堅勤労者が相応の負担で一定水準の住宅を確保しうる地価水準の実現を図る。」、こういうふうになっております。先ほどもこの「相応の負担」ということについては同僚議員からも質疑がなされておりましたけれども、その際土地局長は、ここで言う「中堅勤労者」については、総務庁が調査しております貯蓄動向調査をもとにして、京浜地区のサラリーマン世帯の平均年間収入七百六十五万円程度の給与水準の勤労者と、このように答弁されておりますけれども、この七百六十五万円程度というのは、その世帯で何人の勤労者を指すのでしょうか。
○政府委員(藤原良一君) 総務庁の平成二年度貯蓄動向調査報告の速報をもとにしておりますが、京浜地区の年間収入、これは七百六十七万円となっておりますが、世帯の有業人員は一・五七人となっております。
○中野鉄造君 そこで、先ほども申しました「相応の負担」とは、持ち家の場合で世帯の平均年間収入の五倍、つまり四千万円程度、賃貸住宅で世帯の平均年間収入のこれは二〇%、月家賃で約十二ないし十三万円程度と想定されるわけですが、これはその世帯で勤労者が一人だった場合、年収の何倍あるいは何%ぐらいの負担となるでしょうか。
○政府委員(藤原良一君) 貯蓄動向調査によりまして、勤労世帯単位に我々具体的な想定をしておりますので、有業人員がこの場合一・五七人ですが、恐らく主婦のパートとかあるいは子供さんのアルバイト、そういった収入も加味されておるんだと思いますけれども、世帯主だけの所得であればどうなるか、その辺については具体的な試算はしてございません。あるいは建設省の方でそういう点御検討になっているかもしれませんが、私どもの方ではまだそこまでやっていないわけでございます。 なお、少しつけ加えさせていただきますと、世帯主の年齢が大体四十四・八歳、四十五歳近い世帯になっております。
○中野鉄造君 海部総理は、かつて子供を持つ中堅勤労者向けのファミリータイプの住宅供給を東京圏で行う住宅百万戸構想を発表されました。これは今後十年間ということのようですが、政府が総合土地政策推進要綱の「土地政策の目標」で掲げております「中堅勤労者が相応の負担で一定水準の住宅を確保しうる地価水準の実現」というので想定している住宅は、すなわち持ち家の場合マンションで六十五ないし七十五平米で約四千万円程度、通勤時間一時間半以内ということになっているようですけれども、これを実現するためには、住宅地の地価を現在よりも何%ぐらい引き下げることが必要と思われますか。
○政府委員(藤原良一君) 現在東京圏で新規に供給されております物件は、勤労世帯の平均年収の大体八倍近いところにいっていると思います。七・五倍から八倍ですが、先日公表させていただきました土地白書では、一番新しいデータは八倍になっております。それを五倍程度に引き下げるということですから、その辺の数字から御推察いただきたいと思います。
○中野鉄造君 ちょっと御推察と言われても、そこをあなた方の考え方がどの程度を想定されているのか。こっちが推定するのは幾らでも推定しますけれども、あなた方の想定の数字をちょっと聞きたいんです。
○政府委員(藤原良一君) 単純に年収割合で八倍程度を五倍、そういうことになりますと、そのギャップは三割余ということになろうかと思います。ただ、年収倍率との関係ですから、地価だけそういう格好で引き下げをしていくということには必ずしもならないんだろうと思います。あくまでもこれは年収との相関関係ということであろうかと思います。
○中野鉄造君 とにかくそれはさておいて、そのために今回の地価税の導入などいろいろな手段が講ぜられると思いますけれども、その効果が出るのに果たして何年ぐらいかかるのか、その期間と、そして、政府が先月八日に閣議決定された第六期住宅建設五カ年計画、これは平成十二年を目途に全国で半数の世帯が誘導居住水準を確保できるようにする、こういうようになっておるようですが、このことと住宅建設の目標としていることとの関係をどういうようにお考えですか。
○説明員(五十嵐健之君) お答え申し上げます。 先ほど来御質問いただいております百万戸構想につきましては、これを具体化するために、昨年改正されました大都市法、大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法に基づきまして供給基本方針をつくるということになっております。これは首都圏、中部圏、近畿圏、それぞれの圏域ごとにこれをつくるということになっておりまして、三月に、つまり先月でございますが、三月に首都圏、それから中部圏、近畿圏の方針をつくったところでございます。首都圏の場合には十年間で四百三十一万戸を供給するということになっておりまして、この中に先ほど来御質問があります百万戸の供給をしていこうということでございます。 もちろん先生御指摘のように、地価の水準が安定するということを期待しておりますが、私どもといたしましては、今御質問のありました五カ年計画でそれぞれの公営住宅をどれだけやるか、それから公庫融資をどれだけやるか、そういう主体別の戸数を決め、あるいはこれも昨年改正していただきました都市計画制度、それから今回の税制改正、それから平成二年度あるいは三年度にいろんな予算補助制度が設けられているところでありますので、これらをフルに総動員して達成したいと思っております。 それから、今九十五平米あるいは百平米ということとの関係ということを御質問いただきましたが、これにつきましては、第六期住宅建設五カ年計画では二〇〇〇年に誘導居住水準を半分の世帯が達成するということになっております。この誘導居住水準に半分達成というのはなかなかわかりにくいという御指摘がありまして、住宅の規模で説明したらいいのではないかということがございます。 それで、八八年の住宅統計調査によりますと、現在全国で住宅が三千七百四十一万戸ございます。三千七百四十一万戸を平均いたしますと八十九・三平米あるわけでございます。これを二〇〇〇年時点におきます世帯の構成を推計いたしまして、誘導居住水準に平均的な姿になる、つまり五〇%の人がこの誘導居住水準を達成するとどうなるかという推計をいたしますと、百平米になるわけでございます。そこで、二〇〇〇年に百平米になるように今度の五カ年計画では二〇〇〇年までのちょうど真ん中、一九九五年、平成七年度までの五カ年計画になりますので、この一九九五年までに全国のストックを九十五平米まで持っていこうということでやっておるわけでございます。 そういった中で百万戸、もちろん首都圏の場合には先ほど全体で四百三十一万戸、これは十年間の数字で申し上げましたが、全体の半分以上が建てかえになってくるわけでございまして、この建てかえによっても居住水準が上がっていく、それから新規の広い家を供給することによっても水準が上がっていく。こういう構成によって九五年九十五平米、それから二〇〇〇年百平米を到達しようとしておりまして、そういった意味で、百万戸はこの水準向上のために大きく寄与するものと考えております。
○中野鉄造君 時間がございませんので先に参りますが、私は本会議でも今回の地価税による税収の使途について大蔵大臣にお尋ねいたしましたけれども、建設省にお尋ねいたします。 昨年九月に建設省は、一般的な家賃補助制度ではなくて、五十平米以下の狭い借家からそれより少し広い借家へ住みかえた場合には所得税から家賃の税額控除を行うという制度を大蔵省に要望したようですけれども、その内容、そしてその要望が認められなかった経緯についてひとつお尋ねいたします。
○説明員(古屋雅弘君) 昨年度、委員御指摘のとおり、いわゆる家賃控除制度の税制要望をいたしました。内容といたしましては、年間所得八百万円以下の借家の居住者の方が五十平米以上の住宅に住みかえました場合に、住みかえ後の家賃の一定部分を五年間にわたりまして税額控除をいたしたい、こういう要望をさせていただいたわけでございます。 しかしながら、この家賃控除制度につきましては、私どもは住宅政策としてこういう税制の活用の方途はないかということで要望に至ったわけでございますが、当然税制上の整合性の面からのスクリーンがあるわけでございまして、税制面のあり方として、食費や被服費等のいわゆる典型的な生計費と同じ家賃だけを取り出して特別の控除を設けることについては基本的に問題があるのではないかということで実現には至らなかったというふうに理解をいたしております。
○中野鉄造君 欧米各国が家賃補助に力を入れているのはもう御承知のとおりでございますが、まずその力を入れている理由として、一般的には一つには公共住宅の建設が十分でない、そして公共住宅に入居できたとしても、なかなか入居できない人との間に不公平が生じている、あるいは入居対象が非常に限定されている、収入がその後仮に増加したとしても、その入居している人は公共住宅からなかなか退去するということは少ない、そういったようなことでさらに不公平が拡大するというようなことで家賃補助が行われている。それからまた二番目には、低所得者が集団で住む公共住宅をつくれば、これはもう新たなスラム街を形成するような可能性がある。そしてまた三番目には、家賃補助では住民の住宅選択の自由が非常に拡大して、既存の賃貸住宅のストックの有効活用が図れるとか、さらには間接的に民間の賃貸住宅建設を促進する効果がある、こういうことが挙げられているわけですけれども、こうした欧米各国の家賃補助制度というようなものに対して、大蔵大臣はどのようにお考えでしょうか。 〔委員長代理梶原清君退席、委員長着席〕
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、欧米の実態が委員の御指摘のような方向に向かっておることを否定するつもりはございません。同時に、欧米と日本を対比いたしました場合に、現在私どもが公共投資十カ年戦略を進めておりますように、近年非常に整備が進んでまいりましたとはいうものの、欧米に比べてなお社会資本の充足の低い我が国の現状において資金の有効活用の方向を考える必要があろうかと存じます。 その場合に、税制上の論議、これはまたいろいろな理屈はございますけれども、そして今建設省が述べられたような事務的な問題とは別に、公的な資金の使途として、私はストックとしての住宅の拡大、建設の拡大そのものにむしろ資金を投入すべきではないかという基本的な考え方を一つ持っております。同時に、その方が我が国で現在もう一つの問題であります一極集中を排除し、多極分散型の国土形成をつくる、その方向にも資すると存じております。 家賃補助あるいは家賃控除という制度が我が国の現状に当てはめましたとき、結果的に大都市により人口を引きつける可能性が否定できないこと、さらに地方との格差を生ぜしめる危険性のあること、こうした点が私の脳裏を離れないところであります。
○中野鉄造君 今、一極集中排除に逆行するようなことになるんじゃないかとおっしゃいますけれども、大都市圏への人口集中を助長する、むしろ多極分散型の国土形成に逆行するんじゃないかというようなこともよく言われますけれども、もう既に大都市圏に生活をしておる、あるいは公営住宅やそれから公団のそういう住宅に入居できないで狭い民間借家で暮らしているという人たちは、それじゃ今後一体どういうことになるかということも非常にこれは懸念されるわけですけれども、こういう人たちに対して政府がもっと豊かさを実感できる生活を速やかに何か考えていただくという意味で、私はこの間も申し上げているわけですけれども、そういうやっぱりもっともっと富める人とそうでない人との格差を是正するという意味から、何かそういう意味でのお考えはできないものでしょうか、再度お尋ねいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) そうした点に思いをいたさないわけではございません。ですから、むしろ積極的に私どもはその資金が使われる方向として良質な公共賃貸住宅を従来よりもより速いピッチで供給していく体制をつくる等、むしろ住宅建設そのものの方向に投入した方が効果ははるかに大きい、そう思えてならないと私は申し上げておるわけであります。
○中野鉄造君 我が党は去る一月十一日に住宅基本法案というものを提出いたしております。御承知のように、土地基本法はもう一昨年にこれは成立しているわけですけれども、やはり先ほども申したように、豊かさを実感できるそういう国民の生活というものを実現するためには、居住水準に関する基準だとかあるいは住居費の負担の基準など、そういった住生活の基準をすべての国民が確保できるようにするために、そういう施策を国及び地方公共団体に義務づける住宅基本法の早期設定が必要じゃないか、こう思うんですが、もう既に地方公共団体あたりではこういうものを国よりも先駆けてやっているところもあるわけなんですけれども、この点についての大蔵大臣あるいは国土庁長官のお考えをお尋ねいたします。
○説明員(古屋雅弘君) 御説明させていただきます。 委員御指摘のように、我が国の居住水準はまだまだ立ちおくれておるということでございます。建設省といたしましては、かねてからこういう居住水準の向上のために、住宅建設計画法等に基づきまして住宅建設五カ年計画を策定し、居住水準向上の目標やこれを達成するために公共住宅の的確な供給、あるいは金融、税制等を活用いたしまして民間住宅の供給の誘導といった総合的な施策の展開に努めてまいったわけでございます。 それで、これに加えまして住宅基本法を策定すべきではないかという御指摘でございますが、基本法はその法律の性格上、やはり国民各層の合意が不可欠であろうというふうに存ずるわけでございますが、現在のところ住宅政策の目標をいかに設定するか、あるいは国、地方公共団体のその際の責務というものをどう考えるか、居住費負担の考え方あるいは居住水準の考え方、こういったものについてまだ十分なコンセンサスが得られていないのではないかというふうに存ずる次第でございます。したがいまして、建設省といたしましては、今後ともさきに述べましたような施策を展開、充実させまして居住水準の向上に一層努力してまいりたいというふうに考えております。
○中野鉄造君 長官、どうですか。
○国務大臣(西田司君) 今、建設省の方から良質な住宅供給の観点からお答えがあったわけでございますが、住宅供給という問題は非常に大事な問題でございます。特に質の面において大事な問題だと考えております。 それと並行して考えてまいらなければいけないことは、新しい都市というものをどういう方向でつくっていくか、特に東京のような場合どうつくっていくかということでございますけれども、一つ私どもが着目をしてまいらなければいけないことは、ただいま御指摘になった良質な住宅という問題とあわせて都市の環境という問題、それからもう一つ、都市に起こるであろう防災対策の問題、それから都市全体の景観の問題、こういうことをあわせて今後住宅対策を含めて都市対策を進めていかなければいけないのではないか、こういう認識をいたしております。
○中野鉄造君 最後に一問。 先ほども大蔵大臣おっしゃいました、一極集中を排除するといったようなことの中に、これは例を挙げてなんですけれども、例えばこの間逓信で成立いたしました郵便局土地高度利用特例法案、その中でもこれからは住宅ではなくオフィスビルと郵便局との合築を進めようと、こういう計画があるようですけれども、国公有地の活用という面から考えた場合に、従来も郵政省の職員宿舎との合築は、例えば赤坂郵便局があります。あそこなどは非常に立地条件はいいわけですけれども、東京一極集中を加速させるようなことに、これから仮にオフィスビルを建てたとした場合、赤坂郵便局なんかの場合は下が郵便局で上は職員の住宅になっておるわけなんですけれども、そういうような利用を進めて、いわゆる職住近接の公共的住宅を合築していくべきじゃないかと、こう思うんですけれども、そういうようなオフィスを主としたようなことをすれば、一極集中排除に逆行するようなことになるんじゃないかと思うんですが、いかがお考えですか、国土庁長官。
○説明員(林桂一君) 大都市地域におきまして住宅供給の促進を図るためにも、また業務機能の適正な再配置を図る上でも国公有地の活用は重要な課題であるというふうに認識しております。 そこで、本年一月に閣議決定されました総合土地政策推進要綱におきましては、大都市地域におきます国有地についてその有効利用を図ることとされておりますが、「その際、都市施設、都市再開発及び公共的住宅プロジェクトの用地としての活用等に十分配慮する。」ということが書かれておるわけでございます。また、大都市の都心部あるいはその周辺部に存在します地方公共団体におきましては、そこにおきます定住人口の確保について非常に強い要望がありまして、このために事務所の立地等の際には住宅の附置を義務づける等、住宅の確保のための施策を講じている公共団体もあるところでございます。 したがいまして、国公有地の活用に際しましては、単に業務中心に高度利用を図るということではなくて、都市計画におきましても適正な土地利用が実現されるよう地方公共団体と土地所有者との間で十分調整を行っていただきまして、住宅の供給も含めた良好な都市環境の形成に資するような土地利用の方針を定めるように地方公共団体を指導してまいりたいというふうに考えております。 なお、郵便局の上空を高度利用するこの法律によります高度利用に当たりましては、住宅につきましても公共団体から住宅をあわせて設置するよう要請があった場合はこの住宅の建設も可能なものというふうに理解しておりまして、一極集中がこの法律の制定によりまして促進されるということはないと思いますが、町づくりの観点からも問題が生じないように公共団体等を指導しながら関係省庁とも相談してまいりたいというふうに考えております。
○中野鉄造君 ありがとうございました。
○近藤忠孝君 今の中野委員に対する国土庁の答弁を聞いておりましたらば、年収五倍で買えるのには今からどれほど下げるのがいいのか数字の答弁がありませんでした。しかし、これは計算できるんですね。計算は大蔵委員会の調査室でつくったこの法案の参考資料の百七十九ページ、これで六十一年が大体五倍程度ですからね、そのときの地価の指数とそれから平成二年の指数、六十一年が一〇七・一、二年が二三四・七、これは東京圏です。であれば、これが約五十数%です。千葉はこれが約六〇%。引き算と割り算をやれば出てくるんですね。 なぜこんなわかり切った数字が答弁できなかったのか。察するに、今回の法案の引き下げの効果というのはせいぜい約五%です。だから、恐らくあなたは専門家として恥ずかしくてこんな数字はとても言えなかったんじゃないか、こうお察しするんですが、いかがですか。
○政府委員(藤原良一君) あくまでも総合土地政策推進要綱でも年収取得能力に応じた居住水準の確保ということでありますので、年収倍率で言っておりますから、地価水準と年収の水準との相関関係、そういうこともございますので、必ずしも地価だけで論ずることはできない。そういう要素もございますので、あのような答弁をさせていただいたわけであります。
○近藤忠孝君 今申し上げた数字は地価とそれから所得と両方まざっているんだから、まあ言えないという気持ちはわかります。これ以上追及しません。 きょうもきのうの大蔵委員会に引き続いて、具体的な資料をもって質問したいと思います。 きのうたどり着いたところは、これはお手元にある資料のうちの二枚目の「業種別土地保有税負担の推計」というところで、一番下の数字まで参りました。それで、単純に一%課税の場合には、鉄鋼が一千四百五十億円等とあって、全産業で一兆六千三百七十一億円。それが単価控除があると相当程度負担が少なくなるということで、これはこの資料の一番下の右から数えて五番目と六番目の数字です。鉄鋼が一千四百五十億のところが八百四十六億円に下がる。要するに負担率が五八・三%に、自動車は一九・五%に、不動産は余り効果がなくて九六・九%、全産業で六四・三%というところまで指摘をして、一応の見解を求めました。 さらに、この表をごらんになりますと、これが単価控除をした場合に、一%でもこういう影響がある。それが〇・三%、〇・二%となるとどうなるかというと、これが今の一番下の表の右から三番目、これが〇・三%で、鉄鋼が一七・五、自動車が五・七、不動産が二九・一、全産業で一九・三。〇・二%ですと、ごらんのような表で、全産業で一二・九、税額で二千百七億円、〇・三%での税額は三千百六十億円、こういうぐあいに大幅に免れるわけです。だから、これで免れるのは結局この対象となるべき大企業、大土地所有者でありまして、ここにこれだけの税金をまけてやるんだから、ですから、これはきのうも指摘しましたように、この小委員長だった石教授が本当に慨嘆をした、骨抜きだということを言うのはこのことを指すわけであります。ですから、こういう低い税率はやはり一%に戻すべきじゃないのか、そうしてこそ初めて効果があるし、また公正な税制になるんじゃないか、また、単価控除はやめるべきじゃないのかということを改めて指摘をいたします。 これに対してきのうの主税局長の答弁は、いや、この中には平方メートルの単価が三万以下の土地もあるので、そういうことも考慮をされたらどうかというのもありました。これは、今の資料をごらんになっても平均地価、鉄鋼ですと十二万です。自動車ですと六万、不動産だと百六十万、これは都心部に持っているからそういうのは当然でありますけれども。要するに大体対象になるところのほとんどが三万以上です。となりますと、大蔵大臣、本当に大まけにまけちゃっているんです。これはやっぱりもとへ、最初の議論があったところへ戻すのが私は公正な税制じゃないかと思うんですが、どうです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) そういう趣旨のものでないということは昨日も懇々と御説明を申し上げました。同時に、そういう御主張がありながら、一方で二十五億まで控除を広げろと仰せられる、その趣旨に理解に苦しんでおりますということも申し上げたとおりであります。
○近藤忠孝君 二十五億の控除、なぜかと申しますと、本当は中小企業はこの課税対象から外したかったんです。ただ、法制局の、やっぱり全体の税制の整合性からそれだけじゃちょっと無理なんで、ひとつ金額を入れてくれという要望があったのでやむを得ず入れたようなものでありまして、しかし、元来都心部の中小企業は対象から外すべきです。やっぱり土地で大もうけしたり、利益を上げたり、土地高騰の原因をつくってきた大企業、大土地所有者、そこにこそしっかり課税をすべきだと思うわけです。それに対して私たちの修正案の二十五億円を持ち出しても、これは全然反論にならないんですよ。改めてひとつ。 それから、きのうそういう趣旨じゃないということをるる説明したと申しましたけれども、我々はこういうぐあいに具体的に資料を示して、こんなに大企業に大まけじゃないかと。そこのところに対する答弁がないんだから、ひとつ答弁してください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、二十五億円も土地をお持ちであれば相当な資産家であると思うということだけこの点については申し上げます。 その上で改めて申し上げたいのは、我が国の土地保有状況というものをお考えをいただきたいということであります。国土資産額のかなりの部分が宅地に集中している我が国。しかも、その宅地の相当部分を少数の所有者が保有しているという極めて偏った姿であることは委員もお認めになると思います。具体的には宅地は面積では全国土三千七百七十八万ヘクタールの約四%を占めるにすぎませんけれども、これを土地価格で見ました場合には全国土約二千百兆円のうち八〇%に達しております。東京都の資料によれば、東京都区市部における宅地の所有法人のうち一万平米以上の宅地を所有している法人は、所有法人数で全体の一・七%、法人所有面積で全体の五一%を占めているという状況であります。 このようなマクロの土地所有状況から考えまして、この限定的に見える地価税というものは、委員が御指摘のように、大企業、大法人をかばうのではなく、まさに実質的にいわゆる大法人を中心に資産価値の高い大規模土地保有者に対して相当な負担を求めているものであります。 また、ミクロで考えますならば、土地の資産価値に応じた税負担を求めるという地価税の仕組みであり、地価水準の高い地域を中心に広い土地を保有しておられる方、例えば都市部の目抜き通りにビルを構えて事業をしておられる方や地価水準が低い地域でありましても大規模に土地保有を展開しておられる方に相応の負担を求めるものでありまして、ミクロ的には地価税は土地保有額の大きい方にかなり重い負担をお願いするというものであります。委員の御指摘と相異なりまして、まさに大規模な土地保有者、こうした方々に負担を求めているということを改めて申し上げます。
○近藤忠孝君 通産省の調査では、東京特別区内で中小企業者が相当数課税対象になる、これは二〇%を超えるということですので、やっぱりこれは課税対象から外すべきだということを改めて申し上げて、次の質問に入ります。 お手元にある資料のうちの一枚目、「鉄鋼・自動車・不動産大手企業に係わる有価証券報告書による地価税額の仮定試算」というのをごらんいただきたいと思います。これは元になる資料は、「東洋経済統計月報」の八九年十二月のかなり詳細な各企業別の資料であります「上場千九百八十社の所有土地と簿価」からとったものであります。そこから該当事項をピックアップしまして、調査時点は八九年三月までに到来した最近の決算期。 まず、政府税調基本答申で示された当初案一%を想定した案でこれらの企業について具体的に計算をしてみますと、例えば一%課税で鉄鋼五社で一千百六億円、新日鉄は五百三十四億円、日本鋼管が百九十五億円等々となっております。不動産の場合には、四社で一千四百五十一億円、三井不動産が二百三十九億、三菱地所が四百十六億となっております。それを一%から〇・三%に税率を引き下げるだけで、鉄鋼五社でそれが何と三百三十二億円に下がってしまう。これは当然そうなります、単純計算で。不動産四社で四百三十五億円。要するに、税率引き下げがこの法案の骨抜きの第一の要素であるということがこれは明らかであります。 ですから、これは昨年の十二月十二日の報道で一斉にこれに対して批判が起きております。中でおもしろいのは、日経連会長の鈴木永二さんがこう言っています。自民党税調はバナナのたたき売りのように税率を下げたり、課税控除を設けた。これは皮肉だと思いますね。当初期待された一%が塩川私案で〇・五%下がり、それから最終的には〇・二%、どんどん下がっていきましたですね。この間には渡辺元政調会長の〇・一%から〇・二%、こういうのも出てはきましたけれども。要するに、ともかく当初予定され、また一定の効果があると思われた。一定の効果があるということはきのうも申しましたけれども、それがどんどんバナナのたたき売りのようになってきた。これはやっぱり与党自民党の実際のこの法案が出てくる過程であります。 こういう批判も含めて、この経過をどう大臣としてはお考えになりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、事実関係として正確にさせていただかなければならないのは、政府税制調査会の答申の中に数字は入っておらないということであります。委員がお述べになりましたような数字は、政府税制調査会の答申には入っておりません。また、自由民主党の党内における御論議をわざわざ御紹介をいただきましたが、これは自由民主党が国民政党であり国民に開かれた論議をしている証左と思います。残念ながら、御党の党内における御論議、経過を私は聞いたことがありません。
○近藤忠孝君 国会議員の数から見ましても、一々そこまで比較するようなことをこういう場でおっしゃるのは私の質問に対してまともにお答えになれない証左であると、こう思います。 問題は、一%の数字、ないとおっしゃるけれども、じゃ、なぜ後で石教授があれほど骨抜きだ骨抜きだというのか。やっぱり一%というのはいろんな点から一定の意味のある数字だったんですよ。それは期待されている数字なんですよ。どの報道を見たってそれは明白であります。それだけ申し上げておきます。 自民党内のことにまた入ります。 税率を〇・五にするか〇・三にするかという議論があったときに、こういう議論があったようです。固定資産税と土地保有税を足した税収全体を、土地総資産の一%から〇・八%程度におさめる。その場合に新土地保有税の税率は逆算して幾らになるかという、こういう報道がされております。これによりますと、全国土地資産の総路線価は約九百兆円と見ている。それで、課税対象はそのうち約四百兆円程度と見込んで、この新税と固定資産税、税収合計を一%の場合約四兆円、〇・八%だとすると三兆二千億円、この額を一応歯どめにする。この額の中に抑え込もうと。これは八八年度の固定資産税は土地分で約二兆円ですから、この差を差し引くと新税は二兆ないし一兆二千億円。そして税率を算定した。それが最初〇・五ないし〇・三という数字が随分ありましたけれども、こういう報道がされておるんです。報道されている以上、私はそれをもとに質問しますと、一方、これまた報道ですと、大蔵省の方です、税率が〇・五%と、新税の税収と既存の固定資産税の税収が同水準になるレベルで、それ以下だと効果は期待薄だ。だから〇・五%というのは許容できるぎりぎりの水準だと、これはもう再三そういう発言が報道されております。 こういう大蔵省の側から見まして、今自民党の両方の税を合わせて、そして全体の負担を考えよう、それから税率を逆算しようと、こういう考え方については、大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は政府の一員でありまして、自民党内の議論についてお尋ねでありますならば、どうぞ自由民主党に対してお尋ねをいただきたいと存じます。 政府としては、検討の結果最善のものとして今地価税法案を国会に提出し、御審議をいただいておるわけであります。
○近藤忠孝君 政府の一員であっても、自民党でどういう議論があったか、その発想、考え方に対して見解を求めた場合には、やっぱり答弁をするのがこれは大臣の義務であります。 さらに議論を進めましょう。 この全体を二兆円ないし一兆二千億円というぐあいに一応枠を決める考え方、一応の私は考えだと思うんですね。そうすると、そういう考えからいくと、新税の税率は一体幾らでなければならないのかということも逆にやっぱり出てくるのであります。この点では、最初の方の資料、「業種別土地保有税負担の推計」をひとつまたごらんいただきますと、単価控除前ならば全産業の相続税路線価は百六十三兆七千百七億円。ですから、税収二兆で一・二%、一兆二千億円で〇・七%、逆算で求められますね。単価控除を前提とすると税率はもっと上がる。二兆円とすると一・九%、一兆二千億円だとすると一・一%が逆算されます。 つまり、地価税法の枠組みを一応前提とすると、税収二兆ないし一兆二千億円を上げるためには、大体機械的な推計で一・一から一・九という、こういうのが出てくるんじゃないかと思うんです。これについての見解を求めますが、これはあくまでも一九八八年度ベースですから、その後の上昇などを入れるともっと下がってきて、一%というのはそれなりに私は論拠があると思うんですがね。一%という数字、こういった議論も含めて全くそれは架空の数字だというふうには言えないでしょう。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、架空であるかないかというよりも、政府税制調査会の答申には数字は入っておりませんということを申し上げたわけであります。数字についての御質問、必要がありますなら政府委員から答弁をいたさせます。
○近藤忠孝君 それは数字は入ってなかったことは事実ですけれども、しかし、一定の想定された数字というのはやっぱりあるわけなので、それから骨抜きになったかどうかということを議論すべきだと思います。 再び一枚目の資料をごらんいただきますと、骨抜きは税率だけじゃなくて単価控除、これはやっぱり個別企業で見ても明らかであります。一番下のところをごらんいただくと単価控除をした結果がそれぞれ出ています。鉄鋼の場合は平均地価が一平方メートル当たり十二万円、自動車が六万二千円、不動産百六十万、いずれも三万円を超えているからこれは単価控除が問題になるところですね。単価控除によって鉄鋼の場合は四一・七%が課税対象から外れる。自動車では八割。ですから、やっぱり単価控除の威力というのは絶大なものだと。だから、こういう産業が一生懸命陳情してこういうようなものに追い込んだというような報道がありますけれども、これは私はうなずける数字だと思います。 政府税調の答申には、最初の案にはこういう単価控除はなかったわけでありますからね。ですから、私はこういう政府税調のもとの考えを基準にした場合には、これはもうこの表にあるとおり、一%と申しましたけれども、〇・三%だと何と鉄鋼の場合には一七・五%、自動車が五・七%、不動産でも二九・一%。〇・二%だと各一一・七、三・八、一九・四、こういうぐあいに落ち込んでしまうわけであります。だからこそ、これは我々が言うだけでなくて、これは毎日新聞ですが、十二月七日付社説で「保有税の骨抜きは遺憾だ」と、「それにしてもこうもはっきり、政官財の癒着を見せつけられてはかなわない。」こう述べていますし、同じ日の社説は随分あるわけでありますね。ですから、私はこういう論調に十分こたえるべきだと思います。これに対するお答えをいただきたい。 最後に、損金算入もこれは大幅に税収を、税の負担を削るものだと思うんですが、これに対する見解をひとつそれぞれ答えていただきたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 昨日来数字をお示しの上の御質問でございますが、この数字に示されておりますとおり、控除を設けますと課税ベースが小さくなる、税率を低くすれば税収が少なくなる、それは当然のことであります。この数字からそれ以上のことをいろいろ読み取れるのではないかということで、昨日いただいた資料をよく見てみたのでございますが、そのお使いになっております原資料等を見ましても、例えば時価の保有額等につきましても、この資料ではCの欄で二百七十二兆ということになっておりますが、それに対しまして、別の方法で計算すれば四百五十一兆というのも出てくるというような記述がございまして、この種の推計は非常に振れが大きい。これも一つの労作であるとは存じますけれども、なかなかそこが難しいところでございます。 それから、昨日も申し上げましたが、要するに三万円を土地面積に掛けまして、そして全部それを引いてしまっている。しかし、企業がお持ちの土地の中には三万円より安い地価の土地があるわけでございますから、それに三万円を掛けてしまって引いてしまうということは非常に過大に単価控除を示しているという感じがいたします。 一例を挙げますと、例えば造船というのがございますが、そこは地価で平均四万八千円ということになっております。五万円に達しない。造船が四万八千円になっておりまして、単価控除でこれはゼロという計算をしているわけでございますけれども、例えばこういう一つ一つの例をごらんいただきますと、造船なんかには東京の湾岸で非常に高い土地を持っているということでもてはやされている企業などもかなりあるわけでございまして、そういう企業の個別性ということが反映されていないということが一つあろうかと思います。 それから、土地の安いところは固定資産税が土地の高いところと比べまして相対的に実効税率が高いという問題も一つあるわけでございまして、そういういろいろのことを考えてみますと、御労作であるとは思いますが、やはりこれだけではわからない土地の個別性、道路一本隔てまして土地の値段が非常に大きく変わってしまうというような問題があるわけでございますので、そのような点もあわせ考えながらこの資料を拝見するのかなと、そういう感想を持ちました。ただ、おっしゃいますように、控除をすれば課税ベースが落ちるし、税率を低くすればその分だけ税収が減るということは、これは当然のことでございます。 損金算入についてのお話でございました。しかし、これは土地の資産価値を縮減する、資産としての有利性を縮減するということから課税を行うわけでございます。その背後にございますのは、土地の保有というものに対しましてコスト意識を持っていただきたいということ、それが土地の有効利用につながる、むだな土地を持たない、土地の投機をなくすということでございますから、当然そこに企業のコストとして地価税を考えていただくということでございます。そういたしますと、固定資産税と同じようにやはりコストとして利益の計算上損金に算入するということにいたしているわけでございます。
○近藤忠孝君 時間が来たので質問を終わりますが、ただ、個人がやることだから、しかも大ざっぱな議論なんだからそれはいいと思うんです。労作と認めたのでまあまあにしておきましょう。
○新坂一雄君 連合参議院の新坂でございます。サラリーマンの代弁という観点から若干の質問をしたいと思います。 大蔵大臣、お酒をたしなまれますか。今、サラリーマンというのは、こういう表現をする人がいるんですが、サラリーマンは五合どっくり。なぜか。一生つまらないというんです。それで、これの一番もとになっていますのは、やはり首都圏のサラリーマンの夢というのはマイホームでございますが、結局年収の十倍以上払わないと土地が買えない、これが一番原点だと思うんです。 今回の地価税の対象範囲ということで、お話しのやつは五万人ぐらいが対象であって税収も三千億から四千億という程度のものではないかということが出ておりますが、非常に狭い、それと低い税率ということで、これは一つの出発点ではないかということを私は認識しておるのでございます。いわゆるサラリーマンのマイホームの夢は砕けてしまったけれども、この地価税の創設によって夢が再びよみがえるのではないかという地価税の創設でありたいものだなと私は思いますが、大蔵大臣のこの法案にかける決意はいかがでございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 長々と申し上げるつもりはありませんけれども、東京都区市部における宅地の所有法人のうちで一万平米以上の宅地を所有している法人が全体の一・七%でありながら、法人所有面積で全体の五一%を占めているという実例を先ほど来申し上げてまいりました。私は地価税だけで土地対策ができるとは一回も申し上げておりません。従来から繰り返し繰り返し都市計画あるいは土地利用計画というものがあるべきである、そして税はその重要な役割に任ずるけれどもわき役だということを従来から申し上げてきました。そして、今回土地基本法ができましたその条件の中で税制はより大きな役割を負うようになりましたけれども、やはりそれは地価税だけが引き受ける役割ではございません。 今回、各分野における土地税制を見直していただき、大蔵委員会の皆さんに大変な御苦労をいただきながら御審議をいただいてきたわけであります。また、地方におきましても、固定資産税評価の適正化を初め特別土地保有税等見直していただいております。その上に新たな地価税が創設をされたということでありまして、私は税として役割は相応に果たし得るものと考えておりますが、税だけですべてが解決できると申し上げてはおりません。
○新坂一雄君 私も税だけで解決できないことは当然であると思います。いろんな総合的な対策と相まってこれは解決されるべきものであるという認識では一致しておりますが、ただ、大蔵大臣大変謙遜されておられるようでございますが、税の牽引力といいますか、これはやはり一番大きな公的な規制をかぶせるわけでございますから、それは正面切っていわゆるリーダーとしての役割を担うつもりの気構えを持ってやっていただきたいなということを注文しておきたいというふうに思っております。 さて、各論でございますが、大蔵省にお伺いします。 これは税制調査会の資料だと思うんですが、欧米に比べて土地保有のコストが非常に低いというのは、これは資料として出ております。アメリカの三・七%に対して日本は〇・三%というふうな数字が出ております。今回の地価税の導入によりまして土地保有コストをどの程度までに高めていくつもりなのか、適正な土地保有コストは何%なのかといういわゆる一つの目標といいますか、どの辺を見積もっておられるかというのをちょっとお答えいただきたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 土地の保有コストを外国と比較する場合には、全体としての土地の保有コストを考えますので、地価税だけではなくて固定資産税でございますとか都市計画税でございますとか、現在ございます保有税につきましてもやはり加えて考えなくてはいけないわけでございます。しかしいずれにいたしましても、御指摘がございましたように、アメリカ、イギリス等と比べますと、我が国の土地保有コストは低いようでございます。ロンドンとニューヨークにつきまして現地に勤務しております者に具体例を調べさせましたが、やはり同様の結果になっているわけでございます。 したがいまして、どのぐらいのことになるのかという御指摘でございますが、これは非常に大きくかかわりますのは評価がどうなるかということでございまして、新しい相続税の路線価の決定がどうなるのか、それから是正が行われます固定資産税の評価がどうなるのか、そういうこととあわせまして全体の負担を考えてみなければならないことでございまして、何か特定の目的の数値をもってそこに合わせるということではなくて、現在の保有コストが低過ぎるのでそれを上げていく、上げていくことのインパクトによって土地の価格を抑制し低下させていく、そういう保有税の効果をねらっているということでございます。
○新坂一雄君 要するに、パーセントはどのぐらいか具体的にはわからぬということですか。
○政府委員(尾崎護君) 具体的に幾らの保有コストにするということは、これはなかなか難しいと申しますのは、土地の価格が動く、評価額が動くことによりまして、ただいま御指摘になりましたような実効税率が動いてきてしまうわけでございます。したがいまして、現在の保有コストが低過ぎるということから、一つは評価の適正化、一つは新税の導入ということでそのコストを高めていくわけでございますが、一定の数値をもってそれを目指してということではございません。全体的な水準として上げていきたいということでございます。
○新坂一雄君 国土庁に伺いますが、開発利益を還元する税法上の措置がこれから必要ではないかという気がいたします。今プロジェクトで開発利益の負担金ということで取っておるようでございますが、いわゆる余り実効がないという観点からすると、これからそういう開発利益の税法上の検討が必要になってくるのではないかという気がいたします。隣の韓国では開発利益五〇%を還元しているというようなことでございますが、これから検討されてしかるべきだと思うのでございますが、国土庁の見解を承りたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 開発利益の還元の問題は、社会的な公平を確保し社会資本整備の財源を確保する上で不可欠な課題である、このように考えております。土地の資産としての有利性を減殺いたしますし、適正利用の促進を図るという土地政策の観点からも重要な問題であると認識をいたしております。土地基本法においてもその基本理念に、土地について利益に応じて適切な負担が求められるべき旨定められているところであります。このため、総合土地政策推進要綱におきましては、 大規模プロジェクトの実施地域、鉄道の新駅周辺、高速道路のインターチェンジ周辺などで明らかに公共投資に起因して地価の上昇がみられる地域等において、適切な受益者負担を課すため、土地区画整理事業方式の活用等既存の取組みの一層の拡充を図るとともに、新たな方策について検討する。 こういうことが方向づけられておるわけでございます。 そこで、土地政策審議会においても開発利益の還元について今後の検討課題の一つとして御審議をお願いしているところであり、先生御指摘の点も踏まえながら、国土庁として土地政策上望ましい開発利益の還元の方途を鋭意進めてまいりたい、このように考えております。
○委員長(大河原太一郎君) 答弁者に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、簡潔に願います。
○新坂一雄君 時間が来ましたのでやめます。
○山田勇君 平成三年の地価公示で三大都市圏の住宅地の上昇率が平均で八%にとどまり、しかも都心部などは公示価格での売却は難しいといった例もふえ、地価上昇は鎮静化したというムードが広がり、一時のような狂乱地価に対する一般の関心が薄れているように思いますが、地価の現在の動向をどう把握しておりますか、国土庁にお尋ねをしておきます。
○国務大臣(西田司君) 平成三年地価公示の結果から昨年一年間の地価動向を概観いたしますと、全般的には昨年前半まではまだ上昇傾向が見られておるところが多うございました。三大圏の周辺地域等におきましてはかなり高い上昇を示したわけであります。しかしながら、後半に入ると、多くの地域で上昇は鈍化し、横ばいから地域によっては下落傾向に転ずるところが出始めておりまして、昨年末に近づくに従ってこの傾向が強まっていることが認められるわけであります。
○山田勇君 この地価税は五年後に見直すことになっていますが、見通しがはっきりしないようであれば、地価税の名寄せも本年度中にできる予定のようでありますから、見直しは一年後とか二年後、少なくとも三年後に見直すべきであると考えますが、その点はいかかでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもがこの見直しを少なくとも五年といたしました理由は、平成四年に導入をされ、その後の実施状況を見きわめる必要があること、また固定資産税評価の適正化が平成六年度の評価がえから三年ごとに実施される、同時に地価の中間的な動きを見きわめたいということでございました。ただ、これは少なくともと申し上げておりますように、今後の状況に応じて地価の高騰など見直しの緊急性が認められるような場合はこの五年というものに全然こだわらないということは、私ども何回かお答えを申し上げておるところであります。
○山田勇君 固定資産税の評価額を公示地価の七割まで上げて現行の負担調整措置のままでありますと、法人の固定資産税は大幅な保有地のコストアップとなり、地価税の必要性がなくなります。特にこの地価税は地価のバブル部分にかけることを踏んまえた税でありますから、固定資産税自体が地価のバブルを取り込むことになれば、地価税と固定資産税との二重課税になるということも考えられますが、その点いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、地価税は土地という公共的な性格を有する資産の保有に対する適正公平な税負担を確保しつつ、土地の資産としての有利性を縮減する観点から土地の資産価値に応じた負担を求めるもの、これは固定資産税とはその趣旨や課税範囲を異にしておりまして、私は二重課税という御指摘とは相異なると思っております。同時に、この税制は恒久税制でありますけれども、税制というものが時代の変遷に応じその時期その時期に見直される性格を持つものであることは言うまでもありません。しかし、私はその固定資産税評価が高くなった、そしてそれが企業を直撃した、だから地価税をやめろというような性格のものではない。その点だけは私はそうはっきり申し上げておきたいと思います。
○山田勇君 この地価税は個人が所有する宅地を課税対象から外しておりますね。企業にのみ実質的な負担を求めております。これは取りやすいところに課税すればよいという考え方が余りにも濃過ぎるという声もあります。また、製造業者、大規模小売業者などからは土地騰貴や地価高騰の犯人でもない企業が標的にされるといった不満の声も聞きますが、これらについてはどういう御見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど共産党の委員の方からは逆に企業を優遇しておるというおしかりを受けたばかりであります。しかし、これは土地の資産としての有利性を縮減するという観点から、一定以上の資産価値を有する土地を保有しておられるのであれば、これは保有者が個人であるか法人であるかということを問わず負担を求めるということでありまして、私どもは負担の公平の点からこれは適切なものだと思います。ただ、居住用地については、これはやっぱり生活の本拠に対する配慮として原則として非課税としていい。また、個人や中小企業に対する基礎控除を一般法人より割り増ししておりますこと等も、結果的に確かに地価税の納税義務者は主として大規模に土地を所有しておられる法人が中心になっておる、そういう御指摘であれば、私はそれを否定はいたしません。
○山田勇君 今回の土地関連税制の主なものは、第一が地価税の創設、二番が平成六年度からの固定資産税評価額の引き上げ、三番目が特別土地保有税の強化、四番目が土地にかかわる譲渡益課税の強化、五番目が長期営農継続農地制度の廃止等農地課税の適正化、この五つが挙げられます。これを補完する形で土地関連融資の総量規制があります。土地に対する保有コストを高める、また土地の投機的な取引を排除するという観点からすると、まだ多くの矛盾点があるとはいえ、これは実施されるべきであるとは考えます。これらの五つの土地関連税制の改正等により、トータルとして地価引き下げの効果はどの程度になるのか、経済に及ぼす影響はどうなのか。少なくとも地価税のような全く新しい税を導入するわけでありますから、効果、見通しをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(濱本英輔君) お答え申し上げます。 地価税の導入によりまして経済に対してどういう効果が及ぶかというのは、税制調査会でもいろいろな論議が行われたようでございますけれども、その中の幾つかを御報告申し上げてみますと、当然のことといたしまして、税金がそれだけかかるということになりますと有効利用が促されるということがあろうと存じます。今まで遊んでいた土地が供給になって出てくるということがあろうと存じます。したがいまして、供給がふえれば、例えば家賃とか土地に関連した価格が低下する。また、その低下が土地の予想収益率を下げまして、その分だけ地価を下げるという効果もあるかもしれません。それからまた、地方分散が進むという効果も期待できるかと存じます。それから、当然のこととして土地を価格の中に含んでいるような商品の価格は下がるということもあるかもしれません。さらに居住地と事業地の関係を考えてみますと、事業用地の方にウエートがかかってまいりますので、居住地は外れておりますので、そのことからいたしましても、居住用に供される土地というものに代替していくといいますか、土地がそちらの方に回っていくという効果も期待できようかと存じます。そういったいろいろな効果が総合的に期待できるというふうに考えております。
○山田勇君 ありがとうございました。
○下村泰君 国土庁長官にお伺いします。 私の立場はいつも福祉の方面から質問させていただいております。きのうも大蔵委員会で申し上げましたけれども、土地問題、住宅問題は福祉政策として位置づけ、そうした町づくりをいかに進めていくかということが私は基本的な物の考え方だと思うんです。 そんな考え方から御質問をさせていただきますが、私は町づくりというものをぜひ目標として土地対策の中に位置づけをしていただきたいと思います。そこには幾つかのポイントがあると思います。例えば子供あるいは障害者、高齢者を対象にした視点、あるいは自然をそのまま生かしていくというもろもろの手だてがあると思います。総合土地対策等をうたわれていますけれども、今申し上げたような視点や町づくりというものはその中に明記されておりません。 長官に伺いますけれども、土地は何に使うかで価値が決まると思います。言うまでもなく、生きるものにやすらぎをもたらしてくれる土地利用こそ基本にすべきだと思います。その意味からも、総合土地対策の総合というものをしっかり考えてほしいと思うのですが、長官はその総合というものをどういうふうにとらえていらっしゃいましょうか。そしてこの土地問題をどういうふうにとらえていらっしゃいましょうか、お聞かせください。
○国務大臣(西田司君) ただいまの御質問でございますが、ポイントだけをお答えいたします。 土地利用の総合という問題の中にはまさに御指摘になりました生活という問題も入っておると考えております。そこで特に適正な合理的な土地利用の確保を図ってまいらなければいけませんが、その中で居住する人や働く人や、あるいはまたお年寄りや体の不自由な人や、そういう人たちもともどもに快適な生活が送れる町づくりがやっていけるような方向で土地政策というものは進めていかなければいけない、このように考えております。
○下村泰君 平成元年十二月一日の土地基本法の審議の際に、当時の石井長官にこういうことをお伺いしたんです。「開発利益はその一部を社会に還元し、社会的公平を確保すべきこと」という条項が答申の中に入っておるんですけれども、これをお伺いしたんですが、それに対して石井長官はこういうふうにお答えになったんです。「どこかで新しい道路ができるとか新線ができるということによって土地が勝手に上がる。たまたまそこに住んでおった人は非常な利益を得る。こういうものに対して社会に還元せいという思想でありますから、多少文言は違いましても、今後その精神を受けて、これまでそうでなかったものをそういう形に持っていくもろもろの手法、これはなかなか難しいのでございますけれども、そういうことをこれからつくり出していくということじゃないかな、そう思うのでございますが、いかがですか。」というのが長官のお答えなんです。私はそれに対して「信じたいと思います。」、こういうふうにお答え申し上げたんですけれども、今日この条文はどういうふうに生きているかということをお尋ねしたいんです。
○国務大臣(西田司君) 前長官がお答えになりましたことはまさに先生御指摘のような精神がとらえられておると考えております。現在、国土庁の土地政策の推進の上におきましても、その基本的な考え方というものはいささかの変更もございません。
○下村泰君 昨年三月に国土庁で「地域経済と調和のとれた高齢者の居住環境整備のあり方に関する調査」の報告が出されておりますけれども、この報告書はこれからの町づくりを考える上で大いに参考になっていると思ったんですけれども、簡単に御説明いただけますか。
○政府委員(長瀬要石君) ただいま先生から御指摘いただきました調査は、平成元年度に四全総推進調査の一環といたしまして民間研究機関に委託をして行ったものでございますが、御高承のように、これから急速な高齢化が進むわけでございますので、そのことを念頭に置きまして、高齢者の将来像を明確にしながら高齢化社会に対応した町づくりの具体的な検討を行ったものでございます。 一言で申しまして、二〇〇〇年に向けて高齢者の居住ニーズがどうなるか、老後は居住環境の良好な地方での生活を志向する人が一層増加するだろう、こういう中で町づくりにおきましても高齢者にとっての住みやすさという面への配慮が重要であるということを指摘いたしました上で、これからの地方におけるニュータウンづくりにおきまして四つの点を指摘いたしております。 一つは医療機関等と関連づけながら居住環境やシルバーサービスが充実されるということ、二つにはスポーツ、文化、コミュニティー活動の形成を図るということ、そして三つには良好な自然環境を残した町づくりを行うということ、四つにはシルバービジネスといった地域産業の振興を図る、こういうことでありまして、若者と高齢者が一体となったそういう生活ができるニュータウンというようなものについてのモデル的な検討を行った調査でございます。
○下村泰君 それじゃちょっと伺いますが、どうなんですか、それが現実的に発進するようなぐあいになっているんですか。
○政府委員(長瀬要石君) 私どもこれから九〇年代の国土政策を進めるに当たりまして、地方において職、住、遊、そういうもののバランスのとれた良好な環境づくりをすることが大変重要だと考えておりますので、このような報告というものも参考にしながら地域の振興の指針として活用してまいりたいと考えております。
○下村泰君 実現に向かって頑張ってください。 建設省に伺いますが、障害者や高齢者の方々が使える公営住宅の供給を進めていただきたいということなんですけれども、一つはすべての住宅をそういう仕様にする。例えば大阪市の供給公社が昨年十一月から分譲した全戸高齢者向けの設備を施したマンション、さらにそういう視点で建築基準法を改正する、こんなお考えはないのか、ちょっと伺います。
○説明員(上野公成君) 高齢者向けの住宅につきましては、平成三年度からすべての公営住宅、公団住宅につきまして原則として住戸内の段差の解消とか、便所、浴室に手すりを設置する、こういった高齢者、障害者に配慮した設計を行うこととしております。
○説明員(梅野捷一郎君) 基準法との関係の御指摘がございましたけれども、障害者等に配慮しました建築物につきましては、その種別でございますとか程度とか、そういうことによりまして大変きめ細かな配慮が必要でございますので、必ずしも一律の基準ということになじむかどうかという点もございますので、従来から設計の指針をきちんと決めて、それを皆さんにお使いいただけるようなことでやっていくとか、今のような公営住宅でありますとかあるいは融資というような、そういう面から環境の建築物に対する配慮についての推進を図ってきたということでございます。
○下村泰君 厚生省、来ていますか。――毎回お呼びしてまことに申しわけございませんけれども、障害者が地域で生きていくための住宅施策としてケア住宅を目的として、そしてこういったグループから福祉ホームそれから自立支援事業、こういったものが展開されているんですけれども、自立生活センターへの助成、自立支援事業の弾力運用、拡充を積極的に進めていただきたいのですが、もっと幅のある運用がぜひ必要だと思うのですが、いかがでございましょうか。
○説明員(福山嘉照君) お答えいたします。 先生のお話のような施策を一層推進していきたいと考えておりますが、現在、国連障害者の十年の最終年が来年でございますので、中央心身障害者対策協議会におきまして、障害者の住宅問題も含め、障害者に関します長期計画の推進状況を把握し、また今後の取り組むべき施策について御審議をいただいているところでございます。したがいまして、その検討結果を踏まえながら、私どもとしては障害者の自立と社会参加を促進するため一層努力していきたいと考えております。
○下村泰君 時間が来ました。おしまいにします。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で質疑は終わりました。 本連合審査会はこれにて終了いたしました。 これにて散会いたします。 午後二時五十三分散会