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120回国会参議院1991/04/18

大蔵委員会 第9号

発言数
114
登壇者
19
会派数
7
開催日
1991/04/18

会議録

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、下条進一郎君が委員を辞任され、その補欠として野村五男君が選任されました。     ─────────────

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  本日の議案審査のため、参考人として国民金融公庫総裁吉野良彦君及び日本開発銀行総裁高橋元君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 日本開発銀行法等の一部を改正する法律案、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案及び国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案の四案を便宜一括して議題とし、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。橋本大蔵大臣。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました四法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  まず、日本開発銀行法等の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。  我が国の経済、金融を取り巻く環境変化の中で政策金融機関においてもその役割を適切に果たすことが期待されておりますが、日本開発銀行等の政策金融機関について、社会資本の整備を適切に進める等の要請にこたえ得るよう、その機能の整備を行うため、本法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして、御説明申し上げます。  第一に、日本開発銀行は原則として設備の取得者に対して融資を行っておりますが、社会資本の整備に係る事業につきましては、完成後、譲渡することを予定して整備を行う場合であっても融資が可能となるよう、地域の経済社会の基盤の充実に著しく寄与する施設の建設または整備に必要な資金を貸し付けの対象に加えることといたしております。  第二に、日本開発銀行の債券による資金の調達をより機動的かつ確実なものとするため、従来の外国通貨建て債券に加え、外国において円建ての債券を発行し得ることといたしております。  第三に、日本開発銀行、北海道東北開発公庫及び沖縄振興開発金融公庫の業務について、社会資本整備の促進のため、従来、NTT株式売り払い収入を活用して行っていた無利子貸付制度を拡充し、その対象事業に準ずる事業に対し国からの無利子の貸付金を財源の一部として低利の貸し付けを行うことができることとするほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。  次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。  国際通貨基金は、昨年六月、債務問題の解決等に向けた国際通貨基金の資金基盤強化の要請にこたえるため、その出資総額を五〇%増加させる第九次増資を行うことを決議いたしました。同決議においては、我が国の出資額を現行の四十二億二千三百三十万特別引き出し権から八十二億四千百五十万特別引き出し権に増額することが提案されております。  今回の増資により我が国の出資比率は、現在の第五位からドイツとともに第二位に上昇することとなります。さらに、我が国といたしましては、世界的な資金需要への対応等に果たす国際通貨基金の重要な役割にかんがみ、国際通貨基金の第九次増資の発効が喫緊の課題であるとの見地から、今回の増資の提案を受け入れることとしたいと考えております。  本法律案は、この出資額の増額に応ずるため国際通貨基金に出資することができる金額を引き上げる等、所要の改正を行うものであります。  次に、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。  最近における国際経済情勢にかんがみ、国際的な資本交流の一層の円滑化を図る等の観点から、対内直接投資及び技術導入に関する外国為替及び外国貿易管理法上の手続をより開放的でかつ透明なものとするよう、関連する規定の見直しを行うため本法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、現行法のもとでは対内直接投資につきましてすべて事前届け出制がとられていますが、これを改め、国の安全保障等に関係する業種や例外四業種に係るものについてのみ事前届け出制を維持しつつ、これら以外の業種に係るものについては事後報告で足りることといたしております。  第二に、事前届け出がなされた対内直接投資を制限する場合等の取り扱いの基準につきまして、対内直接投資を広範に制限できる現行の規定ぶりを改め、多数国間の条約等において我が国が制限することが国際的に認められているものについてのみ制限し得ることを明示した規定とすることとしております。  第三に、技術導入につきましても、対内直接投資と同様の考え方により事後報告制を導入し、事前届け出に係る取り扱いの基準の明確化を図ることとするほか、所要の措置を講ずることとしております。  最後に、国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。  近年、大学、高等学校等において教育を受けるために必要な資金の負担が増大してきている中で、国民金融公庫等の政策金融機関における融資制度の改善要請にこたえ得るよう、本法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  現在、国民金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫において行っている進学資金貸付制度を教育資金貸付制度に改正し、進学する際に必要となる資金のみならず、在学中に必要となる資金も貸し付けることができるようにする等、所要の改正を行うことといたしております。  以上が四法律案の提案の理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 ただいま審議に付されました四つの法律の改正案につきまして御質問を申し上げるわけでありますが、それに先立ちまして大蔵当局の考え方を伺っておかなければならない、こう思うものでございますので、まず法案の内容に入ります前にお聞きをしたいと思います。  四月十一日の新聞報道で、今年度予算については歳出を一部凍結するという大蔵省の方針が決まった、そして十二日の閣議で橋本大蔵大臣が各省庁にこの考え方を示す、こんな内容の記事が載っておりました。  十一日の新聞でありますから、前の日の十日ということでありましょう。そういたしますと、十日はまだ本院の予算委員会は審議の最中であります。予算委員会でどのようにこれらのことを御説明になったのか、御説明になった上でのことなのかどうかということもひとつ伺っておきたいと思いますし、また、九日の日には本委員会が開催をされまして、税収等についての心配等が委員の中からも出されていたわけでありますが、大蔵大臣の御答弁は、たしかそのような心配に対しては否定的な立場で御答弁になっていたというふうに記憶しております。本委員会でも何らの了解もといいましょうか、問題として出ていたものに対していささかもこうした問題は出されておりませんし、予算の審議の最中、そして審議が十日で終わって十一日は採決だけということでありました。  こういう時期に、内容は事務的な経費を中心にして凍結ということであるのでありますが、しかし、それは新聞記事によりますと、「六十一兆七千七百二十億円の税収を見込んでいるが、土地高・株高が沈静化し、この数年続いていた「自然増収」が期待できないうえ、」「景気の減速から法人税の落ち込みも予想され、計画通り税収が確保できない懸念がある。」、こんなふうに書かれているわけであります。といたしますならば、当然国会審議の中でそういうことが政府の方から私どもに知らされていてもよかったのではないか、それによって審議の仕方もまたいろいろと出てくるのではないかというふうに思うわけでありまして、なぜこのような形になったのか、事実このように凍結という方針をとられているのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員の御指摘でありますけれども、まず第一点として御説明を申し上げたいのは、十日の時点において云々ということでありますけれども、予算成立直後の閣議に要請をいたしたということが不謹慎のそしりを受けるとするなら、これはおわびを申し上げなければなりません。  ただ、同時に、本院におきましても従来から税収の見積もりの正確さをしばしば私どもは御要求としてちょうだいしてまいりました。そして、平成三年度予算編成に際しまして、私どもとしてはできる限り手に入ります資料を使い最大限の努力をし、少なくとも誤りの少ない見積もりを行った上で予算編成をしてきたつもりであります。その中には、確かに今委員のお言葉にもありましたように、三高二安と言われる我が国の経済の一角に変化を生じている情勢というものも、当然のことながら検討の対象として私どもは歳入を見積もってまいりました。そして、従来のように安易なという御批判を受けるほど税収の見積もり誤差が生ずると私どもは考えておらないことは、本院においてもしばしば私自身も御答弁を申し上げてまいったつもりであります。  ところが、御承知のように平成三年度予算におきましては、先般平成二年度第二次補正予算として御審議をいただきました湾岸の平和回復のための一兆一千七百億円の支出に伴いまして、政府自身も努力をすべきであるという厳しい御論議に対し私ども自身の努力として幾つかの措置を講じてきたわけでありますが、その中におきまして、二千億円の予備費を減額修正し、一千五百億円の予備費をもって平成三年度予算を御審議いただいた次第であります。  そしてその際、予備費の減額について問題はないのかということを御指摘いただいてまいりました。そして、予備費について、非常に厳しいが政府自身できるだけの努力をしこの予備費で足りるような努力を続けてまいりますということも申し上げてきたわけであります。  今回、私が十二日の閣議におきまして、年度途中におけるさまざまな予想される追加財政需要というものに対し厳に慎重な態度で臨んでまいりますと同時に、一千五百億円しかない予備費の中で仕事をしていくために各省庁にぜひ御協力をいただきたい、そして行政経費について凍結留保のお願いをいたしたいということを発言したことは、そうした状況を踏まえてのことでありますし、政策経費について云々はいたしておりませんが、政府自身努力をするという院の御要請をも踏まえた形の中で、政府としてできる努力を行政経費の節減留保という形で対応したい、そのような発言は確かにいたしました。  タイミングがもしけしからぬということでありましたら、これはおわびを申し上げますが、予備費の減額に伴い政府自身の予算運営が非常に難しくなります中で我々自身も努力を払ってまいりますということは申し上げてきたつもりでありますし、その努力の一環として私は各省に今回このような要請をいたしたということであります。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 大蔵大臣は手続上のことではわびるというふうに言っておられるわけでありますが、しかし私は、国会の審議権とのかかわりの中で極めて考えさせられる問題があると思うわけであります。  といいますのは、先ほども言いましたように本委員会でも税収についての心配というものが提起をされていたわけでありますし、その際に今大臣が言われたようないろいろな懸念というものが具体的に提起をされ、そしてこういう措置もとらなければならないかもしれぬということが私どもに十分に理解ができていれば、そうすれば、それなりの私どもの審議の仕方もあったであろう、こんなふうにも思うわけであります。  それからもう一つは、やはり予算委員会という委員会でかなりの時間をかけて審議しているわけでありますから、その審議をしているものが仮に事務的経費をということで言われるにいたしましても、予算として数字としてきちっと出ているものがあるわけであります。それを中心にして審議をしているわけでありますから、そうすると、一体国会審議は何のためにやるのかということも極端な議論としては出てくると思うわけであります。  いずれにいたしましても、私はこのような形で予算の成立直後の十二日の閣議で提起をされたことも随分時期が早過ぎて問題だというふうにも思いますけれども、しかし、その閣議にかける前には、閣議にかけなきゃならぬということ、そういう事情というものをもう大蔵当局としては持っていたわけであります。ということになれば、その直前の委員会等では少なくともそういう考え方が政府の側から出されてもよかったのではないか、私はこんなふうに思うわけであります。  従来からも多少のことはありますけれども、今回の場合は従来の何倍か、今までは大体この新聞記事でいけば四、五百億円、それが今度は千五百億円程度になるというようなことでありますから、かなりの削減へ続く凍結、こういうことになるんだろうと思うんです。今後の問題ということもありますので、私はこれはもう一度大臣からその辺のところを伺っておきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これはおしかりを受けるのであればおわびを申し上げますけれども、私どもとして予算を御審議いただいておりますその内容と申しますものは、それなりに事務的に精査をし、ぎりぎりの必要の金額を見積もっておる、その限りにおいて私はおしかりは甘受しなければならないと思います。  しかし同時に、その範囲内で少しでも行政経費を節減し簡素にして効率的な政府を目指すというのは、これは私ども自身の当然のことながら払うべき努力であると存じます。そして、湾岸危機という異常な状態の中から国民に新たな御負担をお願いし、その中で動いていく平成三年度予算というものの性格を考えますときに、年当初から政府としてその決意を国民に御理解いただくという措置をとることは、私は間違ったことだとは考えておりません。  ただ、院に事前に正確に御説明をしなかったということでありますならば、私自身といたしましては、予備費の減額について御懸念を示されましたときにも、非常に厳しいということと同時に、その中で政府としての努力をいたさなければならないという決意も申し上げてきたつもりであります。また、自然増収とよく言われます税収の見積もりの誤差を大幅に生じてはならないという院からの御注意も我々は一生懸命受けとめて、歳入の見積もりにできる限り正確を期しながら努力をしてきた中の措置として、御理解をいただきたいと私は思います。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 橋本大蔵大臣がこういう点で非常に努力をして、むだがないようにする、あるいはそのために国民の負担がむだに使われないように大変心がけておられる――いや、むだと言ったら語弊があるかもしれませんが、節約をして頑張っていこうという努力をしておられることは、それはそれでよくわかります。特に今度も、これも新聞報道で恐縮でありますけれども、七カ国の蔵相会議に出られたときにも、アメリカ側から特に九十億ドルの目減り分について何とかしてもらいたいという要望があったやに報ぜられて、それを大臣はきっぱりと断られたというようなことなども書かれておりますし、そういう点では私どもも評価をしているわけであります。  しかし、手続上で大変恐縮でありますけれども、手続上の問題といたしましてやはりきちんと国会の方にそのことがわかった段階で報告をしていただいて、これは審議のやり方が変わってくるという面もあるわけでありますから、そういう点はきちんとしていただきたい、このことをまず強く要望を申し上げておきたいと思いますが、これはよろしゅうございますね。  それでは、法案の内容に入らせていただきたいと思います。  最初に、開発銀行法等の一部を改正する法律案と国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案について、伺っておきたいと思います。時間の関係もありますので必ずしも通告をしていたものを全部聞けるということにはならないと思いますので、また私の聞き方が下手かもしれませんが、できるだけ要領よく御答弁をいただきたい、こんなふうにお願いをあらかじめしておきたいと思います。  そこで、まずこの二つの法律改正案ということにかかわりまして、政府系金融機関のあり方についていろいろと検討しなきゃならないそういう時期に来ているのではないか、私はこのように思っております。特に金融自由化ということとの関連の中で、こうした政府系金融機関にもいろいろな影響が出てくるのではないか、こんなことが懸念をされるわけであります。  また、金利の自由化後の問題といたしまして、例えば資金運用部の資金の問題について心配も出てまいります。御承知のように、資金運用部の資金、これは郵便貯金とか厚生年金とか幾つかのものがあるわけでありますが、その中で一番大きいものは郵便貯金資金ということになるわけであります。金利の自由化ということは、一面では、郵便貯金の場合でも他の金融機関の場合でもそうでありますけれども、自由化ということに伴って資金調達のコストが上がってくるのではないか、こんなふうに見られるわけであります。資金調達のコストが上がりますと、従来どおりの形で資金運用部でこれを活用するというやり方の中に懸念が生まれてこないかどうか。  こんなことでございますので、まず郵政当局がどのように見ておられるかお聞かせをいただきたいと思います。

玉井弘明郵政省貯金局資金運用課長

○説明員(玉井弘明君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、金利自由化の進展に伴いまして、郵便貯金の資金調達コストは上昇していくものと考えております。一方、財政投融資制度は、社会資本の整備、国民生活の質の向上、国際社会の貢献等の政策要請の強い公的分野におきまして引き続き重要な役割を果たしていくべきものと考えられますことから、国営事業である郵便貯金といたしましても、今後ともかかる公的分野への円滑な資金供給を行っていく必要があるものと考えております。  郵便貯金といたしましては、事業経営の効率化や積極的な営業活動の推進に努めますことはもとよりでございますけれども、郵便貯金が金融自由化に適切に対応するために設けられました金融自由化対策資金というものがございますけれども、その対策資金は平成三年度末には十五兆円の規模になる予定でございますが、その対策資金の運用規模の一層の拡大、あるいは運用対象の多様化を図ること、また資金運用部預託利率につきましてもその改善を図っていくなど、資金運用制度の改善充実に最大限努力していくというようなことによりまして金利自由化に伴いますコストアップを極力吸収し、公的分野への低利で安定的は資金供給を行っていくという郵便貯金の基本的な使命は今後とも十分果たしていくことができるものと考えております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 今のようないろいろな手当てをされて、それで資金運用部に郵便貯金の資金が従来どおり仮に入ってくると仮定をいたしましても、今度はそれを貸し出す貸出金利の方も上げなければならない、こんなことが起こってくるのではないかというふうに思うわけであります。そうすると、資金調達コストの上昇、そしてまた今度はその運用部資金を利用する場合の金利の方も上げていかなきゃならなくなる、こんなことがこれから繰り返されていくというそういう心配はないかと思いますけれども、その辺について大蔵当局のお考えを聞きたいと思います。

篠沢恭助大蔵省理財局長

○政府委員(篠沢恭助君) ただいま先生から、金利自由化の進展につきまして郵貯の問題を中心としまして私どもでやっておりす財政投融資、特に資金運用部の資金の調達面、あるいは運用面、この両面からの御質問があったわけでございます。  その調達面につきましては、ただいま郵政の方からお答えがございましたように、昭和六十二年度にいわゆる金融自由化対策資金を設けまして、この資金を市場において有利に運用をしていただき、また郵貯事業の健全な経営を心がけていただくということの中で、この金融自由化対策資金の最大限の活用によりまして郵貯が金融自由化の進展に適切に対応していただきたいというふうに考えておるわけでございます。  一方、ただいま御質問がございました、運用面といいますか貸し出しの面ということでございますが、金利の自由化が進展してまいります状況のもとで、同じく六十二年の三月に運用部への預託金利の法定制を廃止いたしまして、国債の金利その他市場金利を考慮するとともに、預託者の事業等の健全かつ適切な運営に配慮して、政令で機動的、弾力的にこの預託金利を決定するということをいたしましたことの中で、この運用面につきましても必要な機動的、弾力的な対応ということは行われたわけでございます。  それではその機動的、弾力的という中でどんどん金利が上がっていってしまうのではないかという御質問かもしれませんが、基本的な考え方といたしましては、私どもといたしましては、国債クーポン、国債の金利というものが一つの基準にあって、そこから財投の運用金利というものも考えていけるという状態にこれを維持していける、こういうふうに考えておりますので、私どもとしては、引き続き財投が金利面での魅力を維持しながらその機能を十分果たしていくことができるのではないか、またそのように努めていくべきもの、そのように努力をしていきたいというふうに考えているわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 ちょっと時間の関係がありますから、私はここでこの質問をいたしました理由と私の持っている懸念を意見として申し上げておきたいと思います。  それは、政府系金融機関というものはコマーシャルベースに乗りにくい分野への低利融資、そればかりということは言いませんけれども、というようなものを私は担っていると思うわけであります。そうして、その低利融資の継続ということについて、金利自由化ということがいろいろと影響してくるのではないかということを心配するわけであります。しかもそれは、そうしたこととのかかわりの中で政府系金融機関の今後のあり方というものについてもいろいろと影響が出てくるのではないか、見直し論などというようなものもあるわけでありますし、金融制度調査会の金融制度第二委員会の中間答申等で見てまいりましても見直しが提起をされているわけであります。というようなことなどもあって、私はこの点を伺っているわけであります。  そこで最後に、そうした政府系金融機関の見直しについて、金融制度調査会で指摘をされているそういう点について大蔵当局はどのようにお考えになっておりますか、お聞かせをいただきたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○政府委員(土田正顕君) ただいま委員から御指摘がございましたように、昨年及び一昨年の金融制度調査会金融制度第二委員会中間報告というものがございますが、その審議の過程で政府系金融機関についても検討を行うべきであるとの指摘がなされたわけでございます。  その中身でございますが、平成元年の中間報告の例を引用いたしますと、「政府系金融機関については、財政制度、社会制度、経済制度等からの諸要請を受けて形成されたものであり、金融制度のみの観点からの検討はその一面を捉えているにすぎないものではあるが、この問題について検討を行うべきであるとの指摘が当委員会の審議の過程でなされた。」というような位置づけでございます。  ただいま御披露いたしましたように、広く財政制度、社会制度、経済制度などの観点からの検討が必要でありますし、大蔵省といたしましても、今回の金融制度の見直しなども踏まえ、必要に応じただいま申しましたような政府系金融機関の幅広い性格にも留意しながら、長期的な観点からこの問題の検討を行うことも考えてまいりたいと思っております。  それから、金融の自由化との関連での問題意識でございますけれども、やはり民間金融機関は自由化が進展いたします過程で従来以上に幅広い分野で多様な金融サービスを提供していくことが期待されます。一方、いろいろ競争激化その他経営面の事情を勘案いたしますと、やはり民間金融機関のみでは十分な金融サービスを提供することが困難な分野が残るということは、今後とも避けられないように思うわけでございます。私どもは、この経済情勢や金融環境の変化の中で政府関係金融機関に期待される役割を不断に見直すということによりまして、引き続き民間金融機関を補完して適切な役割を果たしていくように期待してまいりたいと存じます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 銀行局長にお願いをいたします。これからも御答弁いただく場合、注文をつけて申しわけありませんけれども、時間の関係もありますので、御丁寧な御答弁いただくのは大変ありがたいんですが、最後におっしゃったところが大体結論になっているんだと思いますが、私どもも承知をしている部分も結構ありますので、その点はひとつできるだけ簡潔にお願いをしたいと思います。  そこで、開発銀行、北東公庫の今後のあり方等について、それに関連をして私は伺いたいというふうに思っているわけであります。これは私は最初に政府の見解を聞きたいと思ったんですが、時間の関係もあり急いでおりますので、私の意見を言いながら開発銀行さんの方からお答えをいただければ大変ありがたい、こんなふうに思っております。  それは、BISの自己資本の規制というものがあるわけでありますけれども、これによって、今後の民間金融機関の貸し出しは、この規制とのかかわりの中で結局効率的なリスクの少ないものにどうしても重点がいきがちになってくる。そういう格好の中で貸出量そのものについても多少制約をされてくるんではないだろうか、私はこんなふうにも思っているわけであります。  いずれにいたしましても、民間の金融機関の融資というのはリスクの少ないものにいくのは当然なんでありますが、その評価をしていく場合に、やはり今後は政府系金融機関の融資というものが前提になって、協調融資をやることによって審査のリスクを軽減しようというような方向へどんどんいくんではないだろうか、そんなふうにも思うわけであります。  そこで、これから政府系金融機関の審査能力の強化というのが一つ大きな課題なんではないだろうか、こんなふうに思うわけでありますが、この点についてはどのようにお考えになり、またどういう対応をこれからしていこうとしておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

高橋元日本開発銀行総裁

○参考人(高橋元君) 便宜開発銀行からお答えをさせていただきます。  ただいまお話がございましたように、BIS規制が全体の金融の需給にどういう影響を持つか、これは大蔵御当局からの御見解が後ほど伺えるかと思うのでございますけれども、私どもの窓口からしましても、リスクの高いものに対する資金の供給が求められているということは事実だと思います。政策金融の機能は、先ほどもいろいろお話がございましたけれども、いわゆるコスト補完だけではございませんで、リスクの高いものに対する金融をつけていく場合の補完機能と信用の低い事業者に対して貸し付けを誘導するというそういう信用補完機能、そういったことにこれからかなり重点が移行していくんではないかというふうに考えておるわけでございますが、私どもの銀行は、リスクがあるプロジェクト、または十分体力はないけれども事業主体がぜひやりたい立派なプロジェクト、そういうものを取り上げて、それに対して資金供給を行うことによって金融を通じて政策課題の遂行に努める、こういうことでございます。  そうなってまいりますと、今も非常に適切な御指摘をいただいたわけでありますが、社会資本整備のプロジェクトとか技術開発プロジェクトとか非常にリスクの高いものがふえてまいります。ところが、法律上御案内のとおり私どもの銀行は償還確実性ということを強く要求されておりまして、私ども銀行が補完をし民間の金融機関から金が出てくる全体のプロジェクトの償還が確実なものでなければならないという点で、従来から本店にもございますが、各支店にも審査課というものを置きまして、事業ごと、プロジェクトごと、または会社ごと、いろいろな審査能力の充実に努めております。  そのほかに、最近ではかなり懐妊期間の長いプロジェクトが登場してまいりまして、これは金もかかりますしリスクも高いものでありますが、そういうものにつきましては、いわば胎児の段階から民間の金融機関、地方公共団体、地方の財界などといろいろ話をしてまいりまして、立派なプロジェクトフォーメーションというんでしょうか、プロジェクトづくりというものをやっていくということをかなり一生懸命やっております。そういうことで、審査能力の向上といいますか、持ち込まれた案件についての審査能力を高める。従来から審査能力というふうな系統の能力のアップで対応してきておるわけですが、プロジェクトをつくる段階からいろいろ事業の見通しとか経済の今後の見通しという情報を提供しまして金融判断に間違いのないプロジェクトをつくって、それに対して民間も私どもの方も一緒になって金融をつける、こういうようなことをかなりやっております。それによって社会資本整備その他現下の喫緊の政策課題にこたえられるように、かつその償還確実性が確保できるような、そういう金融を今後とも努力してまいりたいというふうに思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 私は今後の問題といたしまして、今いろいろと御答弁をいただきましたようにリスクの問題というのがついて回る、そうすると、それなりに回収可能ということを前提にいたしますと、確かにおっしゃるように立派なプロジェクトをつくってというお話はそのとおりだと思うんですけれども、しかし、これからの開発の関係なら開発の関係を考えていったときにはかなり融資ができる範囲が限定をされてきてしまうのではないだろうか、そういう心配もするわけであります。  私がこんなことを申し上げますのは、例えば産業に結びつく、あるいは社会資本、例えば道路であるとか港湾であるとかダムであるとかそういう目に見えてどこかでメリットが返ってくるような事業はいいわけでありますが、これから例えば地球環境の問題などが非常に大きな問題になってくる。その地球環境の問題というのは、言ってみれば投資はするけれども返ってこないというんでしょうか、全体の見方として人間の生きていく全体の中で返ってくるかどうかというような哲学的な見方をすればそれは返ってくることになるでしょうが、実際にお金の流れとしては返ってこない、あるいはくる可能性が少ない、そういったものでかなり巨大なプロジェクトというようなものも今後は考えていかなきゃならない時代を迎えているんじゃないだろうか。そうすると、それこそ民間金融機関ではどうにもならないそういう問題というのは、特に政府系金融機関が果たさなきゃならない役割という意味でいったら、これから大きなプロジェクトを対象にして考えていかれる開発銀行等として、特にそういったことについてこれからどういうふうにして考えていったらいいのかというようなそういう展望をお持ちでございましたら、お聞かせをいただきたいと思います。

高橋元日本開発銀行総裁

○参考人(高橋元君) 今、地球環境問題に対してどう対応していくんだというお尋ねをいただきました。  私どもは昭和五十年ごろに非常にたくさんの公害防止投資というものをやっていたんです。全体の年間の資金量の二五%を超えたものが公害防止だったんですが、現在では一兆五千億の貸し出しのうちで六百億であります。公害に対して冷たくなったのかということをしばしばお尋ねをいただくわけですが、そうじゃございませんで、産業なり社会の状態が公害を出さない形に既になってきているわけですから、昭和五十年代の初期の公害防止投資というものはその効果を結んだ。これからは公害防除、あらかじめ出てこないような防止投資というものに向かっていかなきゃならないわけですが、Sが出ますとかNが出ますとかいうことを離れまして、それが地球レベルの環境にどう影響するのか、また資源の利用度をどんどん上げていく、資源のリサイクルを促進していく、そういうことも非常に広く見た環境投資であろうというふうに考えております。  ただ現在では、それは基礎的な研究開発段階に属しておりまして、例えばフロンの問題でも本当の有害でないフロン、代替フロンと呼んでおりますが、それをつくりますのはまだ研究段階であります。その辺のところから融資を始めておりますが、それは企業化されさらには売り出されるわけですから、そういう段階に必要な設備投資を通じてこれから事業をしていくわけでございますが、おっしゃるとおり非常にリスクが高くてかつ事業の規模も大きいのであります。  こういうものに対する融資の機構が従来どおりでいいのかということのお尋ねだと思いますが、もちろん全く収益性が伴わない、償還ができないというもの、これは財政にお願いするというのが本則でございましょう。ただ、かなり大きいものでも、幾つかの事業者が集まって連合して開発していけるものというのもかなりあると思います。そうなりますと、民間金融と私どもの提携と申しましょうか、補完関係というものを通じて、ただ非常にリスクの面で工夫を加えなきゃいけませんし技術的なさまざまの勉強が必要になってくるわけでございますが、これに十分対応していけるように努力をしておりますし、これからも努力を続けてまいりたいというふうに考えております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 ぜひこれからの新しい時代に対応したそういう体制づくりをいろいろと工夫をしていただきたいというふうに思います。  さらにもう一点伺っておきたいのは、今度の法律改正で、開銀は原則として設備の取得者に対して融資を行ってきているわけでありますが、社会資本の整備に係る事業について完成後譲渡するということを予定して整備を行う場合も今度は融資が可能だということになるようであります。これは東京湾横断道路を想定してのことではないかというふうに思うんですけれども、だといたしますと、そういうあれはめったにあることではありませんし、何か横断道路のためだけにこの部分をこんなふうに改正をする必要があるのであろうか、ほかにもいろいろと工夫の仕方というのはないんだろうか、こんなふうにも思うのでありますが、その辺はどのように考えているのか、これは大蔵当局から伺った方がいいでしょうかね。

土田正顕大蔵省銀行局長

○政府委員(土田正顕君) 冒頭に大臣から提案の趣旨で御説明申し上げましたように、開発銀行は原則として設備の取得者に対して融資を行っているわけでございますが、社会資本の整備に係る事業につきましては今後ともいろいろな対応が考えられ、またその中で民間の創意工夫その他なども利用するようないろんな新しいタイプのプロジェクトが出てまいるというようなことも考えまして、その一つが確かに委員御指摘のような東京湾横断道路事業でございますが、ただ、そのためのみにこのような事業を行うことができるような法改正をしたということではございません。今後ともおいおいいろいろ需要が出てまいればということではございますが、例えば多目的ホールとかコンベンション施設など、そのようなものにつきましてもこのような譲渡方式事業を組み立てることが可能になるのではないかと考えております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 いずれにいたしましても、開発銀行ばかりではありませんが、政府系金融機関のこれからのあり方については、いろいろと今ここで出した疑義だとか懸念だとかあるいは見通しだとか分析だとかというものばかりではなくて、非常に多くのいろいろな新しい対応が求められている分野があると思います。そうした時代に対応できるように今後も心がけていただきたい、こういうことを要望申し上げておきたいと思います。  開発銀行の関係については以上で結構でございますので、どうぞ御退席をいただいて結構であります。  NTTの融資実績の問題だとか立ち上がり資金の貸付制度の利用状況とかいろいろと伺いたいことがありましたけれども、それは時間の関係で割愛をさせていただきます。  北海道開発庁に一点だけ伺っておきたいのは、北東公庫の本店が移転をするということにどうもなるようでありまして、函館などという話もあるわけであります。私は新潟県に住まっておりますのでいろいろと利害関係も出てくることにも相なりますが、なぜ本店を移転しなければならないのか。そして移転した場合のメリット、デメリットをどういうふうに考えておられるのか。

松野一博北海道開発庁総務監理官

○政府委員(松野一博君) 御指摘の北海道東北開発公庫につきましては、昭和六十三年の国の行政機関等の移転にかかわる閣議決定におきまして、移転を要請しその実現を図る機関とされておりまして、平成元年八月の閣議の報告におきまして移転先の候補地として函館市が政府提案されております。  函館市とした事情につきましては、公庫が北海道並びに東北両地域を業務の対象としているというような観点から、その中間に位置いたします青函地域の函館市を取り上げる、こうしたわけでございます。  北東公庫は、現在、資金調達、運用などの政府金融機関としての機能を損なわず、かつ北海道、東北両地域の利用者の利便を確保する、そういった観点から、今お話がありましたような移転地にかかわるメリット、デメリットなどの諸問題を現在検討しているところでございます。  北東公庫の移転問題につきましては、北海道、東北地域の公共団体や経済界などの関係機関とも十分調整しつつ今後とも対応してまいりたい、このように考えております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 利用の立場というのを踏まえながら十分にそこのところは御検討をいただいて、それぞれが便利なようにひとつ御決定をいただきたいと思います。  ちなみに、私のところから行きますと、東京は新幹線が通っていますけれども、函館には直接は飛行機も行っていません。いろいろとそういう便、不便というのがあると思いますから、十分に御検討をいただきたいと思います。  以上で開銀法等については終わりたいと思います。  次に国民金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫についてですが、この改正点は言ってみれば教育資金の貸し付けという一点のようであります。  そこで、この貸付限度額の百五十万円というのが社会的常識から考えて一体適当なんであろうかどうであろうかというようなことを私は感ずるわけであります。といいますのは、この間の首都圏の調査でも、私大で自宅外通学者の場合は入学までに二百万円もかかるというようなことでありまして、在学中に融資をされるということは前進でありますから大いに評価をするところでありますけれども、百五十万円ということです。入学をした学部によりましては、例えば理工系であるとかあるいは医学系であるとかいうところへ進学をする者はかなりたくさんの経費がかかる、こういうことにもなるわけであります。一律ということにもいろいろと疑問を感じますけれども、いずれにしても、ちょっとこれでいいんだろうかなという感じがするわけであります。百五十万円程度とされたのはどういうことでありますか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○政府委員(土田正顕君) 百五十万円という御提案を申し上げておるわけでございますが、なおこれは、別途教育積立郵便貯金の積立完了者はこれも百五十万円までの限度で融資を受けることができますので、両方足しますと最高三百万円となるわけでございます。  この百五十万円という金額でございますが、確かに委員御指摘のような教育費の負担状況もいろいろ勘案したわけでございますけれども、やはり実際に自己資金でカバーされる部分もかなりあると考えられます。いずれは返していただかなければならない金であるということも考えなければいけない。それから、限られた資金を幅広い層に利用していただく必要もあると存じます。さらに、いろいろな民間金融機関の方の金融も行われておるわけでございますので、政策金融機関として補完を旨とするという立場もあるのではないかということなどを踏まえて設定いたしたものでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 まだちょっとそれでは納得できないところがありますが、新たにこういう制度ができたというところを大きく評価をいたしまして、もうこれ以上聞かないことにいたしましょう。  ただ、懸念がありますのは、この制度をつくりましても、国金の支店が直接取り扱う場合は問題は余りないと思いますが、それぞれ都市銀行であるとかその他との提携でもってやられるということになります。その場合に、それぞれの銀行もみんな今進学ローン、そういう商品を持っているわけですね。そうすると、国金の資金というのを積極的に本当に活用してくれるんだろうか、こういう懸念もありますけれども、その辺の対策なども考えておられましょうか。

吉野良彦国民金融公庫総裁

○参考人(吉野良彦君) お話しのように、最近は民間の金融機関も非常に熱心にこの教育ローンに取り組んでいらっしゃいます。一方、私ども国民公庫の方は、これも今お話ございましたように、御利用なさる方が非常に多うございますので、都市銀行はもちろんでございますが、地方銀行、信用金庫、さらには農協にも取り扱いをお願いをいたしましてやっていただいておるわけでございます。  幸いなことに各金融機関とも国の進学ローンあるいは教育ローンということの意義をそれなりに御理解をいただいておりまして、数字で恐縮でございますが、私どもが民間の金融機関にお願いをしてやっていただいているものの残高を申し上げますと、六十三年度には前年度に比べまして四七・四%ふえまして三百十億円程度、それから平成元年度には三一・四%ふえまして四百七億程度、さらにまた平成二年度は、これはこの二月末の数字が一番新しい数字でございますが、前年の同期に比べますと二五・五%ふえているというようなことでございまして、それなりにお願いをしている金融機関でもよくやっていただいているのではないかというふうに思っております。  ただ、やはり一番肝心なことは、御利用になる方あるいは御利用の必要のある方が国民金融公庫にこういう進学資金あるいは教育資金の融資制度があるんだということを案外まだ御存じでない方もたくさんいらっしゃいますので、そういう方々にこういう制度があるということをよく知っていただくという努力をこれからもよくやっていかなければならない、こんなふうに考えておるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 最後に言われたところが実は私も気にかかっているところなんであります。ということは、確かに利用がふえているということは私も喜ばしいと思いますが、しかし、今のように各金融機関に委託をしてやっておられる。それで、金融機関はやはり進学ローン関係というのは非常に熱心です。そうすると、自分のところの商品を先に皆さんお勧めをする。どうしたって営業ですから、そういう傾向。そうすると、勢い国金さんのこういう制度がありますということの周知徹底が極めて不十分になっていくんではないだろうか。そんなことを懸念をするわけであります。その辺をまたいろいろと工夫をされて、この制度が生きるように御努力をいただきたいというふうに思います。これでもう結構でございます。  以上で開銀法とそれから国金の改正案については終わりたいと思います。  次に、もう時間も随分経過をいたしましたが、外為法改正問題について伺いたいと思います。  昭和五十四年に外為法の改正が行われているわけでありますが、このときに「対内直接投資の運営方針について」という閣議決定がされて、そこで例外四業種が決められたわけでありますが、例外四業種を自由化の方向へ努力をしていこうという方向が出されたというふうに私は受け取っているわけであります。しかしこれは、現在もまだ例外四業種ということで継続をされているわけであります。五十四年から今日までというと随分長いわけでありますが、これはそのそれぞれの関係の省庁の直接的なあれもあるでしょうが、大蔵当局としてこの点をどういうふうに見ておられるのか、まずお聞かせをいただきたい。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○政府委員(千野忠男君) この例外四業種につきましては、直接大蔵省で所管しているわけではございませんので、通産省、農林水産省におきましてこの閣議決定を踏まえまして取り扱いをずっと検討してきておるわけでございますが、我が国社会経済の情勢等に照らせば、現在のところいずれも従来どおり慎重に取り扱う必要があるというふうな御判断でございます。  具体的には、御指摘の四業種というのは、例えば農林水産業につきましては食糧安定供給という観点からの必要性、それから鉱業あるいは石油業につきましては重要物資の安定供給という観点、それから皮革または皮革製品につきましては歴史的、社会的な背景を持つ非常に難しい問題というような面からの観点ということで、こういった点につきましては、現在そのような必要性というものが変わっていないという御判断というふうに伺っておるわけでございます。  大蔵省としましては、これは直接の所管官庁の御判断をもちろん尊重申し上げるということでございますが、同時に、今後とも各省と緊密な連絡をとりながら引き続き同閣議決定の趣旨に沿って検討を続けてまいりたい、かように考えております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 これについては当然引き続いて自由化への方向で努力をする、こういう政府の方針は変わらないということで確認をできるんですか。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○政府委員(千野忠男君) 当時の閣議決定では、従前どおり慎重に取り扱うこととするがこれらについて引き続き自由化を進めるよう努力するということでございまして、その言葉のとおり今後も扱ってまいりたいということでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 慎重にという意味がよくわかりました。  ということで、次へ進ませていただきましょう。  これはこれから御質問申し上げることとも関係をいたしますので、まず伺っておいたわけであります。  日米構造協議が行われたわけでありますが、その日米構造協議について、これはまたその後も後遺症がいろいろと出ているようでありまして、十一日の新聞等では、アメリカは独禁法強化になお不満で法改正などを求めるとかなんとかというのが出ていたりしておりますが、そのことはまた後ほど具体的なことで伺いたいというふうに思いますけれども、この日米構造協議とかかわりまして、対内直接投資と技術導入の契約等に関する日米の主張の相違点、それから日米が一致した点、それぞれあると思うわけであります。これは多分膨大なものですから細かい点は結構でありますが、代表的な全体の流れを知るのに必要なという観点で、その辺を御答弁いただければと思います。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○政府委員(千野忠男君) 米側からは、構造協議におきましては、外為法の規定を見まして、すべての対内直接投資が事前届け出を要するということ、それから、対内直投を審査する観点についての規定があらゆる業種に広範に適用されるということになっていること、これらに着目をいたしまして、これらの規定は対日直接投資の阻害要因になっているのじゃないか、こういう問題提起をし、この抜本的な改革をすべきじゃないかという話をしてきたわけでございます。  これに対しまして日本側からは、いや、外為法の規定はこういうことでございますが、運用の実態、つまり外為法の規定が対内直投等について現行のような規定になりましたのは約十年前でございますが、それ以来の運用の実態を見ますと、それは既にもう十分に開放的になっておって全く対内直投の阻害要因にはなっていないんだろうということで、そのような改正の必要はないという説明ないしは反論を実は行ったわけでございます。  このような議論を踏まえていろいろ議論をしました結果、要するに、それではとにかく現行外為法のもとで開放的な法運用の実態であるならば、それに応じてもっとわかりやすくその実態を明確に透明に書くような表現が必要なんじゃないか、それからまた、事前届け出というのが事実上ほとんど実際には必要とされておらず、大部分が即日処理になっている実態からしてもこの事前届け出は事後報告にしてもいいんじゃないかというお話もありまして、これはそういうことにしましてもそれほど支障がないということを考えまして、この結果、構造協議最終報告では次のようになったのでございます。  簡単に申しますと、一つは、対内直投に係る現行の事前届け出制にかえまして、OECDコード第三条に規定する国の安全保障等に係る業種とか、あるいはそのコードの上で自由化を留保しているような分野に明らかに該当しないものを事後届け出とし、それ以外のものだけを事前届け出とするということ。それから、現在は対内直投を制限し得る規定につきまして広範に制限し得るような印象を与える規定になっておりますけれども、OECDコード上制限することが認められている範囲にのみ限定して適用し得るということを明示するということに合意を得たわけでございます。  それに沿って今回法案をお願い申し上げている次第でございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 我が国の対内直接投資というのが対外直接投資に比べて非常に少ない、これは事実なわけですね。そのことがアメリカは相当頭にきているのかもしれないけれども、しかしこれは、こうした外為法のいろいろな規制などが原因でこうなっているということではない。今お話しのように、事前届け出でも大体一日でもって大方のものは許可になっている。事後にしたって事前にしたってこんなの大して関係ないですよということにもなるわけであります。  そこで、対内直接投資がこのように対外直接投資に比べてうんと少ない原因というのは、これはどこにあるというふうに大蔵当局はお考えになっていますか。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○政府委員(千野忠男君) 四点あると思います。  第一点は、アメリカあるいはヨーロッパ諸国は日本に対する投資よりも欧米の相互間での投資に従来関心があったということだと思います。これは言いかえれば、日本が欧米諸国からの投資先として魅力が生じたのは実はつい最近のことであるということでございます。第二点は、企業の合併、買収というものがどうも我が国の企業風土になじみにくい。特に敵対的な合併、買収というものに対する反発というのは非常に強いという面も一つございます。第三点は、これは近年の株高あるいは地価上昇というものによりまして企業買収あるいは大都市圏における新規の企業設立というものが事実上大変困難になっているということ。第四点は、日本において言葉もでき、いろんな要件を整えた人材というものの確保がなかなか難しい。以上のような四つの原因があるかと思います。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 ということは、日米構造協議の中でも多分日本側としては大いに主張されたと思うわけでありますけれども、私は、ここでそういう主張を前面に出して主張されたんであれば、逆に言いますと、例えばこういう事前届け出が事後報告にというような、言ってみれば全体に影響のないようなことをわざわざ変えるということの方が逆に、変えたんだからということで向こう側にも口実を与えるんじゃないだろうか、おれたちの方が正しかったというふうに向こうに認識をさせるんじゃないだろうか、こんなふうにも思うものですから、逆にこういう改正は必要ないのではないだろうか、そんなふうに私は考えるわけであります。  なお、その中で例外四業種についてもアメリカ側はいろいろと言っているというふうに思います。これに対しては先ほどのお話で大体慎重に方向を持ちながら検討し対応していくというお話がありましたけれども、この例外四業種についてはこれからどうしていこうとしておられるのか。これは四業種ですから農水と通産ということになりますが、きょうは通産に代表して来ていただいておりますので、通産の方からお答えをいただければと思います。

大慈弥隆人通商産業省産業政策局国際企業課長

○説明員(大慈弥隆人君) お答えを申し上げます。  今先生の方から御指摘のありました例外四業種、通産省関係では先ほど大蔵省の方からも御説明申し上げましたように三つございます。いずれも現段階では、いろいろな理由がございますことによりまして、基本的には昭和五十五年に出ました閣議の決定に沿いまして今後とも慎重に対応していく。ただ、そこに自由化に努めるということもございますので、その閣議決定に沿って今後とも適切に対処してまいりたいと考えております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 時間がなくなってきていますので、その辺もう少しいろいろと伺いたいことがありますが、これはもう省略いたしましょう。  アメリカ側が障壁だというふうに感じていることを今四つ挙げられましたけれども、私はその四つのほかにも、ほかにというよりも一番我が国の構造的な一つの欧米との違いだというふうにも思うわけでありますけれども、株式の持ち合いであるとか系列間取引だとかというようなもの、これが欧米とはかなり違う体制になっています。というようなことも、これは私はアメリカ側が障壁だと感じている大きな問題点ではないだろうかというふうに思うわけであります。こうしたことが今度のアメリカ側の独禁法強化などについての不満という形であらわれてきていると思います。  ここでまた大蔵省の意見を伺っていると時間がなくなってしまいますので、問題は、そうした株式の持ち合い、系列間取引等が公正な競争を阻害しているというふうに指摘をされているというのであれば、それなりに私は公正取引委員会がしっかりしたガイドラインを示していくというようなことも一つの方法ではないかというふうに思いますので、公取の方でどういうふうに考えておられますか、お答えをいただければと思います。

山田昭雄公正取引委員会経済部調整課長

○説明員(山田昭雄君) 公正取引委員会は、消費者利益の確保あるいは市場の開放性を一層確保するという観点から、系列取引を含みます我が国の流通取引慣行に関しまして、流通取引慣行に関する独占禁止法上の指針、いわゆる先生がおっしゃいましたガイドラインの作成作業を今行っているところでございまして、本年一月にこれを開示いたしまして、六十日間の期間を置きまして内外の関係機関からコメントを求めて、非常に多数集まりまして、これを今検討しているところでございます。これらのコメントを十分参酌の上、指針を作成、公表する予定でございます。公表後はその周知徹底に努めまして、独占禁止法に違反する行為が認められた場合にはこのガイドラインに沿いまして厳正に対処してまいる所存でございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 大蔵省はこうしたアメリカ側の不満というものに対してどう対応をされるおつもりですか。今、公取は公取でこういうふうにして指針をつくって対応をきちっとされるということでありますが、大蔵省としては、これは今度は、日米構造協議の後処理の問題として不満を示しているわけでありますが、こういうことに対してはどのように考えてどう対応をしようとしておられますか。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○政府委員(千野忠男君) 米側の関心事項はいろいろあるわけでございまして、各省にまたがるものが多いのでございます。各省にいろいろ御協力をいただいて鋭意御検討をいただいておるわけでございますが、うちの関係で言いますと、例えばディスクロージャーの改善というようなことについて非常に大きな関心が示されておりまして、これらにつきましては、関連当事者間の取引についての情報の開示範囲の拡充でございますとか、連結財務諸表の有価証券報告書本体への組み入れでありますとか、あるいは個別財務報告で総収入の一〇%以上を占める主要顧客別の売上高の開示でございますとか、いろいろと具体的な措置を進めつつあるところでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 私は、そうした対応と同時に、アメリカ側の持っている問題点にももっともっと積極的にいろいろと対応をして反論をしていくということも大事なんじゃないだろうかというふうに思います。  これも私は聞こうと思いましたけれども、むしろ私の方で意見として申し上げて要望にさせていただきたいというふうに思います。  それは例えば、アメリカ側は日本に対して貿易障壁がいろいろとあるということを随分声高に言いますけれども、アメリカ側だって日本に対するいろいろな障壁になっているものを持っているわけでありまして、それらのものについてもちろん今までも指摘をしてこられていると思いますけれども、もっと積極的にいろいろと言っていくことが大事なんじゃないだろうか、そんなふうにも思います。  それからまた、さらに、アメリカ側の障壁の中で今後の問題としていろいろと私どもが心配をいたしますのは、例えば日本のハイテク製品というようなものがアメリカの軍用にいろいろと転用されるというようなケースというのが非常にふえてきております。また、日本のそうした技術を随分欲しがっているという側面もあります。しかし同時に、アメリカは、もろ刃のやいばですから、自国の企業の衰退にもつながるという懸念などもいろいろとしている向きもあるようであります。いずれにしても日本の技術とか製品とかというものを必要としている。  しかし、それは一たん軍用に転化をされますと、例えば民生品で使っていたものをそのまま使うときは問題ないですけれども、そのために多少の改良が加えられていくと、それはもう全部軍用という軍事機密の中のブラックボックスの中に入れられてしまう。知的所有権についても同じようなことが言える側面を持ったりしているわけでありまして、むしろ私は、これはアメリカ側が我が国に対する障壁だというふうにも思うわけなんであります。技術上の問題などはいろいろな雑誌や何かでも指摘をされている面でありますし、学者などもいろいろと言っているところでありますので、そうした点もとらえながらアメリカ側の不当性についても積極的にチェックをしていくべきである、こういうふうに御要望を申し上げまして、時間ももうなくなりましたので、外為法については終わらせていただきたいと思います。  最後に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律について、もう時間がありませんから、ほんの幾つかの点だけを伺っておきたいと思います。  問題はIMFに五〇%の増資をするということでありますけれども、まさに今世界は大変な資金不足の時代になっている、こんなふうにも言われる時代になってきております。そういう中で、五〇%程度の増資ということでこうした世界的な資金不足に対応できるんであろうか。学者によっていろいろと計算の仕方が違うようでありますけれども、例えばある学者は、その中で特にアメリカの資金不足というのが非常に大きいというような評価などもしているようでありますけれども、そのことを含めて、湾岸問題あり、ソ連・東欧問題あり、大変な資金不足になってくるようであります。そうすると、五〇%程度の増資ということでこうした世界的な資金不足というものに対応できるのであろうかどうか、この点についてどうお考えでしょうか。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○政府委員(千野忠男君) 今回の増資が発効いたしますと約四百五十六億SDR相当額の資金が新たに払い込まれるわけでございますが、その中で実際に利用可能なものというのは、つまりIMFの方で利用可能通貨という指定をしているのがございまして、実際に需要のある資金ということでございますが、そういうものとかSDRといったものは全体で約三百億SDR程度になるわけでございます。つまり約三百億SDRが今回の増資によって実際上利用可能になるというふうに考えていいかと思います。  ところで、八六年から九〇年までの五年間のIMF資金の一年当たりの平均利用額というのを見ますと、大体約四十億SDR程度でございます。それからまた、九〇年末のすべてのIMFの融資の残高が約二百三十億SDR。こういうことを考えますと、今回の増資によって利用可能となる約三百億SDRというものはかなり大きいものであり、これはIMFの資金基盤の強化に大いに役立つということでございます。無論、御指摘のように東欧等の経済改革とか湾岸復興とかに要する資金需要というものは非常に大きいと思いますが、しかしまた不確定で計算できないものですから、したがって、今回の増資をもってそのような資金需要に対して十分であるかということは確定的に申し上げることはできませんけれども、今申し上げましたような数字からしますと、相当程度これに対応できるものじゃないかと考えております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 もう時間がなくなりました。伺いたいことは随分いろいろとありましたが、大体こうやって四本を一遍にやるということ自身に相当無理がありまして、これはもうやむを得ないのでありますけれども、この程度にします。  そこで、これは大臣に伺いたいのでありますけれども、十六日の新聞で竹下元総理の構想というのが報じられておりました。この竹下構想、要するにSDRの特別な枠をつくって云々と言われているものですが、これをどういうふうに見ておられるか。それから、この間の委員会で大臣は、たしか和田委員でしたでしょうか、湾岸の対応を中心にしていろいろ考えていったその資金対策として、IMFだとか世銀だとかの利用をまず考えてそれから基金へ、そういう二段階のことを考えられるのかと聞かれたときに、大体同様な御意見を持っているやに御答弁になっておりましたけれども、この辺とのかかわりというのはどういうふうに理解したらよろしゅうございましょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 湾岸の戦後復興に伴います資金需要の問題というのは、開発途上国、また東・中欧を含めました世界全体の増大する資金需要にどう対応するかという問題の一環として考えられるべきものだと思っておりますし、事実またそうした国際的な論議も始まろうとしつつあります。  竹下元総理の構想は私も新聞で拝見をいたしましただけでありまして、ちょうど欧州開銀の総会に出席中でありましたためにまだお目にかかって具体的な内容を伺うに至っておりません。  しかし、いずれにしても日本としては、湾岸復興を含めまして今後の世界的な資金需要の増大に対応するためには世界的な貯蓄の増強に向けて努力をすることが必要という基本的な認識を持っております。その上で、IMFにおいて当面の国際流動性の状況及びこれに対する方策について検討が行われる場合には、我々も積極的に議論に参加していかなければならないと考えております。  そこで、一点補足させていただきたいと思いますが、たまたま欧州開銀の総会に参りましたとき、G7各国の大蔵大臣、もちろん中・東欧の大蔵大臣もでありますが、さらに湾岸地域の蔵相のうちの何人かも参加をしておられ、いろいろな機会にお話し合いをすることができました。その中で共通して言えますことは、本年の一月に行われましたG7のコミュニケの中には、成長のリスクとインフレのリスクというものを両にらみで強調いたしております。ところが、その時点から今日までの間に、セブンの国々ばかりではなく各国の認識が少しずつ分化し始めている。成長の鈍化に対する心配を始めている国とインフレを心配し始めている国、これが少しずつ分化し始めている、そんな印象を持ちました。そして、その中におきまして、それぞれの地域が非常に自分の国の存在するエリアに対する資金供給というものに対してさまざまな心配をいたしております。  ただ、時間がありませんでしたこともありまして突っ込んだ論議はできませんでしたけれども、いずれ私は、次に行われるG7等におきましては、国際流動性の状況といったものをも踏まえながらの議論が相当真剣に行われる時期が近づいたのではなかろうか、そのような印象を持って帰ってまいりました。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 私が御質問したいと思うことは稲村委員が大部分聞かれてしまったので、まあ重複は避けますが、質問通告の内容と相当変わりますから御承知を願います。簡潔に答弁をお願いします。    〔委員長退席、理事梶原清君着席〕  まず第一にお聞きしたいのは、今行われておりますゴルバチョフ来日に伴う日ソ首脳会談との関連で、対ソ金融支援という問題についてお尋ねをしたいと思います。  第三回目までの海部・ゴルバチョフ会談の経過は、新聞報道によりますと、領土問題については余り進展をしていない、日本側は北方領土問題については返還を前提に四島への主権の確認を求めておるということですけれども、ゴルバチョフさんの方は今後の関係改善の中で解決を図るということを基本としておるというふうに報道されております。きょうも午前中に第四回会談をやって、さらに共同声明なども出るようですから、まだはっきりしたことはわからないわけでございますが、一言で言えば北方領土問題についての前進はないというふうに言ってもいいんではないかというふうに思います。  そこで、大蔵大臣にお聞きしたいんですけれども、この対ソ金融支援という問題については、政府は今まで基本的には政経不可分で、要するに領土問題が解決あるいは大きく前進しない限りは対ソ金融支援まで大幅に踏み切ることは難しいという判断をされておったと思うんです。しかし、自民党の中には前幹事長のようにちょっと違った動きもあるようにも思いますけれども、その点について大蔵大臣は、さっきおっしゃったロンドンでも、ソ連が北方領土返還を言い出さない限りは日本から支援問題を持ち出す必要はないというふうなことをおっしゃったということが報道に出ておりました。基本的には政経不可分論だろうと思うんですが、そのスタンスは変えることはできないというふうにお考えかどうか、その点をまずお聞きしたい。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これはもう申し上げるまでもなく、対ソ金融支援というものにつきまして、日本の場合、他国とは異なり北方領土問題という特別な問題を抱えているわけであります。そして、この問題を棚上げにしたまま経済関係のみを進めるといった無原則な政経分離の方針はとらないという方針を今日までも堅持いたしてまいりました。今日もその方針は私は変わっているとは思いません。  そして、仮に領土問題に進展がありました場合も、対ソ金融支援というものにつきましては、政治経済改革の推進あるいは連邦と共和国の責任関係の明確化などといったソ連の国内における政治経済情勢に十分留意する必要があるということは、昨年、サミットの首脳間の合意に基づきましてIMFを初め国際四機関に依頼をしソ連経済の分析を行った結果のリポートにおいても指摘をされておる状況でございます。私どもとしては、このような考え方を今後ともにとっていくべきもの、そのように心得ております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 きのうゴルバチョフ大統領は日本の経済団体との昼食会で演説をして、いわゆる民間の経済協力、石抽、天然ガスなどの資源開発、ナホトカを中心とする極東開発、こういう問題についての協力を頼むというふうなことを言ったというふうに報道されております。    〔理事梶原清君退席、委員長着席〕 今の政経不可分ということであれば、こういう問題についても政府として政府資金を使って云々というふうなことはなかなか難しいということかもしれませんけれども、領土問題の解決にこれからさらにいい状況をつくっていくという意味で、そういう民間経済協力をもし民間がやるという意思が出てくればそれをバックアップする、例えばソ連との投資保証協定を結ぶとか、あるいはまた保険による政府の保証とまでは言えないけれども何らかのバックアップ、そういう形でとにかく支援をしていく、そういうことも含めてやらないということでございますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在、首脳会談が進行しておる過程でありますので、その支障になるようなことを私どもとして申し上げることはできないと存じますが、私どもとしてはこの北方四島の返還というものがこの首脳会談において明確化されることを心から願っております。  そして、それとは別の次元におきまして、昨年のヒューストン・サミット以来、財政当局として各国と連携を持ちながら進めてまいりました問題というのは別途存在をするわけであります。  要は、そうした従来からのスタンスをかなぐり捨ててソ連に対する経済支援が行えるような状況が首脳会談で生まれ、そしてより高度の次元における政治判断が行われる場合を除きまして、私どもとして従来からのスタンスを変える状況にはないということであります。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 欧州復興開発銀行の設立総会に出られてロンドンで大蔵大臣は記者会見をされまして、この対ソ支援問題について、今月の末にワシントンで開かれるG7で真剣な論議をすることになるだろう、そして主な議題になるんではないかというふうなことをおっしゃったと報道されております。ところが、どうも各国の状況は、日米英は大体金融支援には慎重で、一方、ドイツとかフランスは積極的だというふうに私は受け取っておる。これはあるいは僕の判断間違っているかもしれませんが、その辺のところをどう判断されるかということと、一体この月末のG7でそういう問題について大体一致した足並みができるというふうに予想されておるのか、その辺のところをお聞かせ願いたい。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年のヒューストン・サミットが主要七カ国の中で対ソ経済支援というものについて本格的な論議を行った最初の舞台であると私は考えております。そしてその際、大陸諸国は対ソ経済支援というものに対して非常に積極的であり、それに対して、北方領土問題を抱える日本、またアメリカ、イギリスが慎重論であったというのは、委員が御指摘のとおりであります。  しかし、本年一月二十日から二十一日に行われましたG7において、当初予定されていた議題の中では対ソ経済支援というものは国際四機関のリポートをもとにして行われるはずでありましたものが、バルト三国の状況の変化の中で、その議題を先送りにしようと発言をし議論をせずに先送りすることの合意の取りつけの中心に動かれたのは、ヒューストン・サミットにおいて積極的な対ソ経済支援の必要性を唱えた大陸諸国、なかんずくフランス、ドイツであったという事実をまず御報告申し上げなければなりません。  そして、今回も実は私は、中央銀行総裁を欠いておりますから大蔵大臣だけの会合として為替とか金融という問題はテーマにならない、その席上で出てくるとすれば、その四機関リポートの扱いというものは当然想定しなければならないという前提のもとに、ある程度の議論をする覚悟で現地に参りました。しかし、従来非常に走っておりました欧州勢自身が対ソ経済支援というものを全く議題に供しようとしない雰囲気であります。そして、欧州開銀の設立総会におきましてソ連のパブロフ首相が、EBRDにおけるソ連に対する融資の規制が加えられておりますものを他国と同じにしてほしいという相当強い発言をされましたのに対しましても、ほとんど反応がないというのが現在の状況でありました。  しかし、私は同時に、ロンドンのサミットの時点までこの問題を完全に棚上げにしたまま議論をせずにいけるかといいますと、そうはいかないと思います。国際四機関にソ連の経済分析を首脳レベルで依頼しその結論が出た以上、少なくともロンドン・サミットにおいてはこの取り扱いを議論しなければならないわけであります。その場合、事前の調整なしに議論をした場合にはこれは非常に対立する可能性を秘めておりますだけに、四月のG7というものはいわば各国の議論のすり合わせの場としていや応なしにこの論議はせざるを得ないのではないか、私はそのような見通しを持っております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 その問題については、なかなか微妙な問題ですからこれ以上は申しません。  さて、法案ですけれども、まずIMF第九次増資に関する法案につきましては、今もお話しございましたような世界的な資金不足というふうな状況に対応してIMFの資金基盤を強化するということでございますから、これは必要であるし、我々も賛成でございます。  そこでお伺いしたいんですけれども、この世界的な資金不足、中東あるいはアメリカもそうですし、それから東欧、ソ連というふうなものを含めますと、いろんな資金不足についての見積もりがありますけれども、例えば一例を挙げますと、大場智満国際金融情報センター理事長がこの間どこかの雑誌に書いておったと思いますけれども、大体潜在的な資金需要が全部で合計二千九百億ドルぐらいになる、それに対して日独など黒字先進国を中心とする資金供給、いわゆる供給サイドの方が二千四百億ドル、差し引き五百億ドルぐらいが絶対的な不足になるというふうな数字を挙げておりました。しかも問題は、先進国、アメリカなどは資金不足といっても何とかかんとかいってファイナンスできるわけだけれども、結局ファイナンスができないというのは例えば東欧でありあるいは中南米、そういうところにしわが寄っていくというふうな問題があるんだろうと思うんです。  そこでお聞きしたいんですけれども、このIMFの増資ということに関連して、政府としてはIMFなど国際機関を中心にこういう資金供給ということを考えていくのか、日本もなかなか資金の問題についてはそう潤沢でもなくなってきているわけですからそれを中心に考えていくというスタンスをとるのか、ケース・バイ・ケースあるいは二国間の関係を中心に考えていくという方針をとるのか、あるいはまた地域的に今まではアジア中心ということを言っておったんですが、グローバルな必要性ということも言われておりますので、その辺についてどういう基本方針をとられるのか、お伺いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 基本的な条件につきましては、今委員が御指摘になりましたような前提を私どもも心配をいたしております。ただ、JCIFの大場理事長が述べられた数字というものを私どもは検証する手段を現時点において持っておりません。  そこで、率直に申しますと、地域によって、また日本のその国に対するノーハウのあるなしによって対応は変わらざるを得ない、私はこう考えております。ですから、先日の欧州開銀のスタートの時点で、私は、地理的、歴史的に縁故の薄かった日本は中・東欧諸国に対する支援というものは欧州復興開発銀行を中心に行っていきたいという意図の表明をいたしました。また、中南米諸国につきましては、アメリカのエリアということもありましてアメリカとの相談も必要でありますが、歴史的に非常に日本とつながりの深い国もございます。これは米州開銀等を通じるケース、また二国で対応するケース、双方が生じ得ると思いますし、アジアは一層その傾向を深めると私は思います。要は、地域を前提に置きつつ、日本とその国との間における歴史的、地理的、あるいはその国に対するノーハウのあるなし、こうしたことでケース・バイ・ケースによって判断をしていくということにならざるを得ない、私は率直にそのように考えております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 資金量はどのくらいの見積もりでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) それは現時点において想定は不可能だと思います。なぜなら、湾岸そのものに要する復興経費につきましても百億ドル台から千億ドル台までの開きがございます。また、東欧、中欧の諸国につきましても当初予測されておりましたよりも相当多額の資金量が要請される可能性があるということが既に出ておりまして、私どもは今正確な資金量の数字を断言できるところまで事態をつかんでおりません。これは日本だけではなく、各機関を通じて現状においては同様な状況にあろうかと思います。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 時間もございませんので、次に国民公庫法と沖縄公庫法の一部改正案に関連して、先ほども質問が出ておりましたけれども、教育資金貸付制度のことについて簡単に一、二お聞きしたいと思います。  今度の改正案は、進学者のみならず在学者にも貸付対象を広げるということで一歩前進だと思います。しかし、先ほども指摘がございましたように、金額が百万を百五十万にするということではいかにも少ないんじゃないかという感じがするわけです。  それはともかく、私がお聞きをしたいのは、現行の進学資金の基準金利は長期プライムレートと同水準という考え方に立っておりまして、毎年十一月一日の基準金利を年間を通じて適用しているというふうに聞いております。そうなりますと、現在は八・三%で、政府関係機関が貸し出すこういう特殊な社会政策的な貸し付けとしては大変高いんじゃないかというふうに思うんです。今度の新しい制度が発足するとこれを見直して大体金利は七・七%ぐらいに引き下げるということのようですけれども、それでもまだ高過ぎるんではないか、もっと低利融資を考えるというふうなことについて何か手がないのかどうかというふうなことについての御見解をお聞きをしたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○政府委員(土田正顕君) 金利についてのお尋ねでございますが、これは国民金融公庫、沖縄公庫における教育資金貸し付けの位置づけの議論に関係するわけでございますけれども、先ほど申しましたような限度額を設定するについての議論、着眼点のほかに、やはりこの教育資金貸付制度というのは一時的に集中する教育資金負担についての平準化を図るということを目的とした金融制度であるというように私どもは位置づけたいわけでございます。  それで、もちろんこの借入金のコストの問題について決して軽く見ておるわけではございませんし、今後もよく考えてまいりたいとは思いますが、政府関係金融機関の貸出金利は基本的には民間資金の中の長期資金の最優遇レートと言われております長期プライムレートと横並びのとれたものを基準金利として設定しておるわけでございますし、教育資金貸付の貸付限度額で申し述べましたようなその他のいろいろな事情から考えまして、その仕組みそのものをより低利のものにするということはなかなか慎重を要する必要があるのではないかと考えておる次第でございます。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 今の進学資金を貸し付ける場合に、一名以上の連帯保証人か財団法人進学資金融資保証基金の保証が必要だということになっておって、この要件は今回の新しい教育資金貸し付けについても適用されるのかどうか。もし適用されるとすれば、連帯保証人というのはなかなか大変だということで今までは保証基金を利用される人が多かったんではないかと思うが、そのパーセントはどのぐらいかということ。それともう一つ、保証基金を利用するということになれば当然利用料あるいは手数料が必要になってまいりますが、そういうものを高い金利に上乗せした場合に民間のいわゆる長期ローンと一体どの程度の差があるのか。その辺のところをひとつお答えを願いたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○政府委員(土田正顕君) 保証人の話でございますが、教育資金貸し付けにつきましては、御指摘のように、融資を受けるに当たって一名以上の保証人を立てるか、またはみずから保証人を立てられない者につきましては財団法人進学資金融資保証基金の保証を受けていただくことになるかと存じます。  その保証基金の利用状況のお尋ねでございますが、平成二年四月入学者の場合の実例を申しますと、保証基金の保証を受けたケースが七四・四%、保証人の保証を受けたケースが二五・六%でございます。  その次に、この保証料を込みにした負担の問題でございます。教育資金貸し付けの金利は先ほど申しておりますような長期プライムレートを基準といたします。そのほかに保証料率は、これは若干近年引き下げをいたしましたが、現時点では一・四%でございます。そこで、この一・四%を足したところで民間のいわば保証料込みの貸付利率と比較いたしますと、国民公庫の場合、仮に貸付利率八・三%に保証料率一・四を足しまして九・七%というふうに考えますと、これは民間の教育ローンと大体横並びないしは物によっては民間の教育ローンよりもこれでも安いというようなことであろうかと思います。民間の教育ローンは幅で申しまして大体九%から一一、二%までというようなゾーンで分布しているのではないかと私どもは認識しております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 もう時間が参りましたので一言だけお聞きしたいんですけれども、今度のこの貸付制度をよく見てみますと、進学者、在学中の学生生徒またはその親族が貸付対象者ということになっております。普通は親が借りるんだというふうに我々は理解しておったんですが、この文面からいうと進学者、在学中の学生生徒本人も借りられるというふうになっておるわけですね。  しかし、実際問題としてどうなんですかね、民間の場合には一銭も収入のない学生に金を貸すということは非常に渋るというふうなことがあるんでしょうけれども、国民金融公庫の場合にはそうでなくて、そういうリスクがあっても貸し付けるということなのか。私はむしろ、親が全部面倒を見るということじゃなくて、本人が借りて自分で働いて払う、あるいは卒業してから出世払いをする、そういうふうな状況をもっと取り入れたらどうかというふうに思うんですが、その辺の状況はどうでございますか、またどういうふうになっていくわけでしょうか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○政府委員(土田正顕君) まず貸付対象者の実績を申しますと、これは平成元年度の実績でありかつ国民公庫の直接扱いのものについてとった統計でございますが、親族を対象とするもの、つまり親族が借入人でございますが、これが九九・五三%でございます。それから学生本人が借入者になっておるものは〇・四七%でございます。このように現実はほとんど進学者の親族が借入者になっております。  これは、一般的に考えれば、現実に教育費を負担して借入金の返済を行うことが可能な者ということで、親族が借入人になるということが普通であるということであろうかと思います。もちろんシステムというか手続論としては、入学するときの状況を考えますと未成年の者がほとんどであるわけでありまして、未成年の場合には親の同意を得て本人が借入者となりかつ親が保証するというようなこともできないことはないのでございますが、実際にはさっき申したような数字でございます。  今後の問題でございますけれども、今度はこの進学資金貸付制度を教育資金貸付制度に改めまして、例えば未成年ではなく成年に達した学生が借入人となるという機会も出てくるわけでございますし、それから今回据置期間を延長する、すなわち現行の一年以内から今度は在学中かつ四年以内に延長する、その後、例えば一番長い場合、大学生の場合には卒業後二年以内に返済するということが可能になるわけでございます。そのような場合には、例えば委員から話題が出されましたような、本人がある程度返済をしていくというようなことで、初めからその本人が借入人となって親が保証人となるというようなものもふえてくるのではないかと思うわけでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 最初にIMF増資法案についてであります。  日本は出資シェアが大幅にふえました。イギリスは逆に減りました。その出費シェアの増減に応じて投票権のシェアも変化をしているんです。ところが、アメリカの出資シェアは一九・六六%から一九・四一%に下がるんですが、投票権シェアは一八・八九と変わらない。どうしてそうなるのかというので説明を求めましたらば、基礎票部分が現行どおりで変わらないんで計算上そうなるというんですが、そう聞いてよろしいんですか。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○政府委員(千野忠男君) そのとおりでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そう、そのように端的にお答えをお願いします。  この基礎票制度の趣旨は、出資の少ない小さな国にも発言権を保障しようという考え方から出てきたんだと思うんですね。それで、国ごとに二百五十票ずつ割り当てられる。一九四四年にブレトンウッズでIMFが設立された当時は総投票権の票数が八万三千四百四十五票、そのうち基礎票は票数は一万票で、一二%占めていました。ところがその後どんどん増資が行われて、今回第九次増資で投票総数は百四十万五千三百八十三票、設立当時の十六・八倍もの規模に達しているんですが、基礎票の一国当たり二百五十票は全然上がっていない。そうしますと、投票総数に対する基礎票部分の比率はわずか二・八%に低下をしておって、基礎票制度が最初は曲がりなりにも果たしていた役割がほとんど果たし得なくなったんじゃないかと思うんですが、どうですか。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○政府委員(千野忠男君) 今お聞きしました数字はおおむね御指摘のとおりでございますが、ただ一つ申し上げたいのは、IMF設立以来非常に多くの数の開発途上国が新規に加盟をいたしましたために、途上国全体の投票権シェアというのは非常にふえているということがあるということを申し上げておきたいと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 ふえたから発言権もふえていると恐らく言いたいんでしょうが、それは当然ですよ。当然なんだけれども、本来の趣旨は小さい国の意見を大いに反映する、発言権を保障しようということ。数がふえて発言権も、それは実際ふえていますわね。それはいいんです。しかし、基礎票はずっと減っちゃったんだから、やはり最初のブレトンウッズの精神が生かされていないんじゃないか。また、その運営を不断に民主的なものにしていくためにも、少なくとも増資の割合に応じた基礎票の引き上げが必要じゃないか、こう思うんです。  IMFは債務不履行を理由に加盟国の投票権を制限する協定の第三次改定を行おうとしておりますが、その前に現にあるこういうふうな不合理を正すべきじゃないのか。我が国は念願の第二位の発言権を得ることになったので、橋本さん、やっぱり国際舞台においてその地位にふさわしい尊敬を受けるようなそういう行動を私はやっていくべきじゃないかと思う。  それで、提案いたしますが、今までどうしてもアメリカに追随する政策ずうっとやってきたんですが、今回ひとつ途上国の地位を向上させるというような立場から、今私が申し上げたような基礎票部分をもっとふやすべきだという提案をやったら大変いいんじゃないかと思うんですが、これは握手できるような提案じゃないでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 余り握手ができません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 局長、どうですか。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○政府委員(千野忠男君) かつてIMFで基礎票の見直しが一部の加盟国から提案されたことはあったわけでございます。ただ、これにつきましては、組織の中で多くの賛同を得られませんで、結局これまで協定改正に向けての具体的な動きに結びついたことは一度もございませんでした。  察するに、委員御指摘のような加盟国の発言権維持のためにその辺の手当てをすべきであるという考え方も一部にあったかとは思うのでございますが、やはり同時に、IMFというのは金融機関であり、そうして最も効率的に機能をし組織の決定が責任を持ってなされるというためには、やはり投票権に応じたものを維持しなきゃいけないということもあるわけでございまして、必ずしも小国の発言権の方だけについて着目するというわけにもいかないという面があったであろうということ。それからもう一つは、先ほどちょっと申し上げましたが、IMF設立以来多くの途上国が参加しまして、例えば途上国全体の投票権シェアはこのIMF設立のときは三一%台でございましたが、現在は約四〇%に近いということでございます。そしてまたIMFの業務運営におきましても、実際にいろんな仕事をしております理事会におきましては、二十二人の理事のうち十人が途上国理事でございます。  ということで、途上国の意見は十分に反映されているといったような事情に基づくものと考えられるわけでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 せっかくのいい提案が大変残念であります。  次に、外為法です。  今回の措置がOECDの自由化コードに沿ったもので諸外国も同様に開放しているというのが理由のようですが、果たして実態がそう単純なものなのかどうかということであります。  アメリカでは、国家安全保障の観点から、外国企業による企業買収を制限するエクソン・フロリオ条項があるようです。財務省が実施規制案の改定作業を進めていると聞いておりますが、これは実際どういうものでしょうか。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○政府委員(千野忠男君) このエクソン・フロリオ条項というのは昨年の十月に国防生産法の延長法案が成立しなかったことによりまして現在失効中でございますために、アメリカの政府はこの条項の最終実施規則というものをまだ発表しておりません。実はこの規則の策定作業というものがアメリカ政府の部内での作業でございますために、私どもはその最終実施規則の内容は承知していないわけでございます。  ただ、一昨年公表されました実施規則案というもの、これはその後検討を経て最終実施規則になるべきものでございまして、その最後のものはまだ発表されていないんですが、一昨年公表されました実施規則案というものを見ますと、一つはこのエクソン・フロリオ条項で用いられている取得、アクイズション、それから外国人すなわちフォーリンパースンズというものなどの用語の定義、それから第二にエクソン・フロリオ条項に係る届け出の内容といったようなことを規定しておるわけでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 それからまた、公共性の高い業種については各国とも一定の規制を行っています。例えばアメリカでは、通信、輸送、天然資源などの分野では、株式所有率や役員の国籍などについての規制がある。イギリスでも、鉄道、電力など公共事業などの分野への外国資本の進出は規制されています。また、そのほかのヨーロッパ諸国でも、公共性の高い業種については何らかの規制を設けているところが多いわけであります。  ところが、我が国の場合は、NTTでは外国投資家についての規制がありますが、現在、電気通信審議会ではこの点を緩和しようという議論がなされております。またJRでは、株式の売り払い計画がありますが、外国投資家についての規制は何らない。こういう公共性の高い企業が次々に民営化されていく中で外為法による水際でのチェックがなくなるとなりますと、やはり国民経済的観点から懸念が残るんじゃないかと思うんですが、この点はどうですか。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○政府委員(千野忠男君) 現行法のもとで国の安全を損なうおそれがないかどうかという観点のほかに、公の秩序の維持、それから公衆の安全の保護といったような観点からも審査が行われておるわけでございます。今回の改正案につきましても、この点につきましては現行どおりの事前届け出制が維持されることになっております。  御質問の公共性という観点につきましては、現行法におきましてもまた改正法案におきましても、そういう表現での審査の観点の規定というものは設けられておりませんけれども、しかし今申し上げましたように、国の安全が損なわれ、公の秩序の維持が妨げられ、また公衆の安全に支障を来すおそれがある場合には規制し得るということになっておりまして、こういった観点からの審査によりまして御指摘の公共性の観点もほぼカバーしているのではないか、かように考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 全体が自由化している中でこういった法案になぜ反対するのかという疑問があるかもしれませんけれども、今私が指摘した疑念は今の局長の答弁でも解消できておりませんので、懸念を表明して質問を終わります。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 国民金融公庫法の一部改正案について若干お聞きします。  先ほども和田委員からお聞きになったところでございますけれども、国民金融公庫が教育を受ける人にお金を貸すという発想は、本当に教育を受ける人のためを思ってこういった制度をつくられたのか、あるいはまたこの事業を大きくしておられるのか、若干疑問な点があるわけなんです。パーキンソンの法則ではございませんけれども、国民金融公庫というものが市中銀行までの仕事をとりながら自己増殖していく、ただそれだけの目的ではないのか。本当に教育を受ける人のためにこういう発想をされるならば、本来ならば奨学資金にもっとつぎ込んでいかなきゃならぬのじゃないか。この事業そのものが、八・三%ですか、これから下がるかもしれませんけれども、教育というのにこういう大きな高い金利をつけてしまうということは、これは何の目的でやっているのか本当にわからない。本来ならば二%とか三%、少なくとも物価上昇率ぐらいにすべきものではないか。教育に採算というような観念を入れてくれば別ですけれども、私は教育制度との関連から非常に疑問に思う。しかも据置期間でも、確かに一年から若干延ばされたようですけれども、高校から大学まで行かれるならばこれは七年間猶予したっていいわけなんです、教育を受ける人のためを思っての制度ならば。だから、これは本当に市中銀行の何か後追いをしている、単にそれだけの値打ちしかないんじゃないかというような意味で評価がなかなかしにくいんですけれども、そこら辺の見解をお聞かせ願いたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○政府委員(土田正顕君) 奨学資金のお話は別に文部省の方からお話があると思いますけれども、私どもの国民金融公庫の教育資金貸し付けの位置づけは、やはり教育を受けるために必要な資金は一時的に集中する傾向がございますので、それについての平準化を図るということを目的としたものでございます。それは資金面においては教育の振興に方向としてはつながると存じますが、必ずしも低いコストで提供するという趣旨のものではないというふうに考えておるわけでございます。  ただ、それにつきましては、民間の金融だけで十分であるかということは、これはまことに大切な御指摘でございますけれども、最近の教育の実情といたしまして資金負担が増大しておるということはいろいろ数々の委員からの御指摘もありましたようなところでございますし、それにつきまして民間金融で十分対応できているとは必ずしも言いかねる状況でございます。  そういうこともございますので、政策金融が出ていってもいいのではないか、そのときにどこがやるかということでございますが、国民金融公庫というのは昔の恩給金庫ないしは庶民金融以来消費者金融を手がけてきた実績も持っておりますので、国民金融公庫が扱うことが適切ではないかと考えております。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 先ほどのお話ですと、保証基金の保証で借りている人が七四%もあるというようなお話です。そしてまた、それに保証料を上乗せすると九・七%というのは非常に高い。こういった高い金利で教育という観念が入ってくるのかどうか。こういう高い金利であれば、私は、仮に借りることができても、本当はしちゃいけないという気持ちでおります。  そこで文部省の方にお聞きしますけれども、こういったことをどんどんお許しになるよりも、奨学資金をもっともっと充実されて、大学に入るのに百万の入学金が要るというんならばその百万を大学から貸すような制度、そしてそれは大学を卒業して二年ぐらいたってから返済できるような制度、あるいは高校なら高校でもそれができるような制度、学校で貸すような制度にしたらどうですか。そして、在学中でも少しお金が足りないということであれば学校が貸すような制度、こういったものに置きかえていく方が教育という面でも非常にいいことだし、いま一つは、学校でその枠をつくりますと何も東京に集中しないで各県に学校ができるようになる。そういった、日本全国に大学が同じようなレベルで上がっていくような、そういう教育の面からこういうお金を使ってほしいと思うんですけれども、文部省のお考えはどうですか。

喜多祥旁文部省高等教育局学生課長

○説明員(喜多祥旁君) お答えいたします。  すぐれた学生生徒で経済的理由により修学困難な者に対する援助策といたしましては、日本育英会の奨学金制度がございまして、文部省といたしましてはその充実に努めておるところでございます。  今回の教育資金貸付制度でございますが、日本育英会の奨学金だけでは十分カバーし切れないところがございまして、日本育英会の育英奨学事業と教育資金貸付制度等とが相まって親の経済的負担の軽減に資するものというふうに考えておるところでございます。  日本育英会のほかに奨学金を出していただいております団体といたしましては、民法法人が千ほどございます。また、学校も千五百、地方公共団体が千五百ほどございまして、およそ四千の団体から約二十九万人の学生生徒に対して奨学金を出していただいておるということでございまして、文部省といたしましては奨学金の意義、重要性ということのPRに努めまして、民間資金の導入等に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 このことについて余り議論をしている時間もございませんけれども、こういうお金の貸し方ではなくて、奨学金制度で憲法で保障されている教育を受ける権利というものを本当に充実させるためなら、こんな一〇%に近い金利で貸すということは国そのものが非常に恥ずかしいと私は思うんで、できればこういう国民金融公庫のカバーじゃなくて奨学資金というものの充実によってこういう形をやっていただきたい、こう思います。  この今回の法改正は、悪い言葉で言えば縦割り行政の弊害が出ていると私は思っております。本当に政治というのはもっともっと、省庁とかそういったものの絡みじゃなくて、教育を受ける人にはどうすればいいか、やっぱり教育を受ける人の考えを十分にしんしゃくしてこういう制度をつくってもらいたい、こう思います。  次に、日本開発銀行法等の一部を改正する法律案ですけれども、これは「社会資本の整備に係る事業につきましては、完成後、譲渡することを予定して整備を行う場合であっても融資が可能となる」ということになっております。しかし、お金を貸す、そしてその借りている団体が債務引き受けのような形で譲渡されるというようなことは、これは非常に権利関係を複雑にするとか、あるいはそればかりじゃなく、やっぱりこういった低利のお金を借りるということは非常に魅力ですから、その魅力に群がるようにして汚職の温床にならないか。そういう意味で、この決め方が「地域の経済社会の基盤の充実に著しく寄与する施設の建設若しくは整備に必要な資金」、こういうふうに抽象的で、しかも「著しく」というような制限するような言葉が法律の中に入っている。非常に矛盾したように感じるんですけれども、その点はいかがですか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○政府委員(土田正顕君) この法文の表現でございますが、立法技術面の問題といたしまして、法文上の用語として抽象的、一般的な言葉遣いをすることはある程度やむを得ないという事情も御理解いただきたいとは存じます。  提案しておりますものの気持ちといたしましては、この表現につきましても限定を付する形でいろいろ工夫したところでございます。この今の案文の表現は「地域の経済社会の基盤の充実に著しく寄与する施設の建設若しくは整備に必要な資金」、こうなっておりますが、まず経済社会のうちの地域の経済社会に限定したということで、融資対象プロジェクトの選定に当たっては、それが地域に対する効果をどのくらい持っているか、その大きさに着目する。その次に、基盤の充実に資する施設に限定をした。「基盤」という文字を使います以上は、これは共通的に利用される公開性、公平性というようなものにも留意しなければいけない、それから相当の規模の施設であることが普通であろう、それから相当程度の大きな寄与が認められるものであるということが望ましいであろうという考え方をとったわけでございます。  それから、「著しく」というのは、これは言葉だけではないかという御指摘もあるかと思いますが、やはり直接的かつ明白と申しますか、つまり間接的な波及効果にとどまるものは除かれるというような趣旨でいろいろと工夫をしたわけでございます。  なお、運用に当たりましては、御指摘のような弊害を生じませんように十分節度を持ってやってまいりたいと存じます。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 時間がないようですけれども、一言だけ申し上げて終わりたいと思います。  輸出入銀行のことでございましたけれども、融資の対象に原料、材料等というような形から設備まで含めたということからロッキード事件がちょうどその時期に起きているというような懸念もございますので、これは東京の湾岸道路に焦点を絞っておつくりになったようですけれども、全国的にこういったものがいろいろできてくるということになりますと、岡山市のチボリ公園とかいうは、それは地方自治体がかんでいるからいいんだというような意味ではなくて、やっぱり非常に危険なものがあるから、そのことに十分注意をして運用していただくようお願いして、終わります。

三治重信民社党・スポーツ・国民連合

○三治重信君 重複を避けて一、二、四法案について質問をします。  民社党は、四法案について賛成をいたします。  それでまず第一に、IMFの増資の問題でございますが、この中に増資の払い込みの基金通貨代用証券、こういうようなのもあって非常に難しい言葉になっている。そして、これは国債でいい、こういうぐあいになっているんですが、今までに今度の増資を含めてどれぐらい日本が国債で出資をすることになるのか。そうして、この国債を出資して、この出資した国債の金をIMFが利用する場合には日本銀行がその国債を買い取り、その買い取った国債に対して国庫が利子を払う。こういうぐあいになっているというんですが、国債で出資しているときには利子は一つも払わないで、IMFがその国債、日本円を利用する場合に日本銀行が買って、日本銀行に対して国庫が金利を払う、こういうことで、これは日本銀行の負担にさしていいんじゃないかと思うんですが、その点はどうかという問題。こういうようなことをしてIMFが利用した日本の円資金はどういうふうに利用されておって、金額はどれぐらいで、借り入れ金額の多い国はどのような国かということを一括して御答弁をお願いします。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○政府委員(千野忠男君) 現在までの我が国のIMF出資払込額のうちで基金通貨代用証券で払い込みましたものの額は、約九千二百七十二億円でございます。これに現在御審議いただいております第九次増資の払込額のうちの基金通貨代用証券による払込額を加えますと、基金通貨代用証券による払込額の総額は約一兆五千億円程度となるのでございます。  それから、日銀が買い取りました基金通貨代用証券について、政府が買い取りました日から利子をつけることができるという旨が規定されているわけでございます。その理由は、この基金通貨代用証券の日銀買い取りというものが、間接的にではございますけれども日銀から政府への一時的な資金供与とも言い得るということで、財政資金調達の節度という観点からということが一つでございます。それからもう一つは、中央銀行の保有し得る資産としての適格性という観点からというのが二つ目の観点でございます。こういった二つの観点から、従来政府はこれに相当の利子を支払うということにしているわけございます。  第三点につきましては、調べまして後ほど御報告を申し上げます。

三治重信民社党・スポーツ・国民連合

○三治重信君 それから開発銀行法の関係ですが、今度の改正でユーロ円債券の発行の規定が加わるということになるんですが、今まで日本で外債を発行する場合にはドル建てで、開発銀行もそれをやってきた。ユーロ円債が今度はできる、これは結構なことなんですが、全体的にユーロ円債というものを出すようになった背景、現在のその利用状況、それからドル債の発行とユーロ円債の発行の利害得失関係、これを簡単に御説明願います。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○政府委員(千野忠男君) まずユーロ円債等の発行状況でございますが、我が国企業などのユーロ円債の発行実績は、昭和六十三年はゼロでございますが、平成元年が〇・九億ドル、平成二年が五十三・八億ドルとなっております。  それから、ユーロ市場におけるドル建て債の発行実績でございますが、昭和六十三年が三百十四億ドル、平成元年が六百九十七億ドル、平成二年には二百三十一億ドルというふうになっております。  それから、ユーロ円債とドル建て債の比較、メリット、デメリットでございます。まずユーロ円債でございますが、為替リスクがない、それから一銘柄当たりの発行ロットが大きくても起債ができる、こういうメリットがございます。他方、投資家の方が主として日系の機関投資家に限られておりまして、したがって発行に際して特定の投資家のニーズに左右されやすい嫌いがある、それから、ユーロドル債市場に比べましてユーロ円債のマーケットが小さいということで全体の発行量に限度がある、こういうようなデメリットがあるわけでございます。  他方、ドル建て債の場合でございますが、ドル建て債の場合は、為替リスクが伴うという問題がございますが、他方、メリットとして発行市場が大きい、かつ比較的広く海外の投資家を対象として発行し得るということで流通市場も安定している、こういうメリットがあるわけでございます。 そういうことで、我が国の企業などの発行体としましては、こういう双方の長所短所を踏まえながら、そのときどきの市場の状況を見て発行しているということであるかと思います。  私ども大蔵省としましては、一般論として申し上げますと、ユーロ円債市場が拡大をして円の国際化が一層進展するということは望ましいものであるというふうに考えております。

三治重信民社党・スポーツ・国民連合

○三治重信君 それから、同じ法律の規定で新たに無利子貸付金を財源として低利貸し付けを行うことができる、こういうふうになっているんですが、今までの無利子貸し付けはNTT株の売却財源を使ってやっているわけなんですが、今度はそのNTTの財源と一般の財源を混合して低利に貸し付ける、こういうふうになっているんですが、そうすると、ABCという今までのNTTの貸し付けタイプのほかに新しい低利のタイプの貸し付けをやるというのはどういう種類の貸し付けをやろうとしているわけですか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○政府委員(土田正顕君) ただいまのお尋ねのうち、この無利子貸付金にほかの財源を足しまして低利貸付制度を創設する、まずこの仕組みでございますが、国からの無利子貸付金のほかの財源というのは、御承知のようないろいろな運用部からの借入金とかあるいは外債発行による調達資金などの通常の資金を合わせるということを考えておるわけでございます。  それで、そのような貸付制度を新しく創設いたします理由でございますけれども、これは従来のNTTのいわばCタイプの貸付制度を拡充いたしまして、例えばCタイプの対象事業と一体的に整備されるような施設まで拡大いたしますとか、それから必ずしも第三セクターによらず株式会社形態の普通の会社が行うものにつきましても的確な事業であればそれをとらえ得るようにしようとか、そのような方向の資金需要に対して低利貸付制度によって対応したいと考えているところでございます。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 厚生省の方、来ていますか。この前お呼びして大変失礼いたしましたので、厚生省の方からまず伺いたいと思います。  この四月から二十歳以上の学生も国民年金に加入する、いわゆる強制加入になったわけでございますけれども、ちょうど六年前の年金法改正のときに、私もこのことについてさんざんお願いをいたしました。無年金者で大けがをしたりなんかしますと障害年金がいただけないということで、ぜひお願いしますということを申し上げたことがありました。  今回はまず、免除規定というのがありますが、この免除規定と、それから現在の免除者数、滞納者数とその割合を教えてください。

江利川毅厚生省年金局年金課長

○説明員(江利川毅君) 国民年金制度におきましては世帯単位で保険料を納めていただくことになっているわけでございますが、その世帯の収入が一定限度を超えて少ない場合には免除という仕組みに法律上規定されているわけでございます。  現在、国民年金の適用を受けております人は、平成元年の数字でございますが、約千八百十五万人おります。そのうち免除制度によりまして保険料免除を受けておりますのが二百二十三万人いるということでございます。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 免除規定は。

江利川毅厚生省年金局年金課長

○説明員(江利川毅君) 条文を読み上げたらよろしいんでしょうか。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 はい。

江利川毅厚生省年金局年金課長

○説明員(江利川毅君) 国民年金法の第八十九条でございまして、次の各号のいずれかに該当するような場合には保険料を納付することを要しない、そういうことで、障害年金等を受けているようなケース、あるいは生活保護を受けているケース、それから国立のらい療養所等の施設に収容されているケースが免除できるということになってございます。それ以外に、それに準ずる世帯につきましては申請によりまして免除ができるということになっております。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 世帯主の年間収入というのがあるでしょう。その規定は。

江利川毅厚生省年金局年金課長

○説明員(江利川毅君) 条文の中には金額そのものは出ておりませんが、毎年通知で数字を出してございます。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 新聞の方が丁寧なんですね。「夫婦と子供二人の四人世帯で、国公立大学生が自宅通学していると、年収約六百万円未満は保険料を納めなくても良い。」、それから「私立大学生を二人抱えて下宿させている世帯は、年収約九百四十万円未満が免除になる。」、こういうふうに出ている。ここが問題なんです。  大臣には後でまたお願いするとして、免除を受けるあるいは滞納する理由はさまざまで、そうせざるを得ない事情もたくさんあると思います。ただ、学生について考えますと、本業は学業であって、社会人じゃありませんから本人に納めるというのも何か過酷な言い方だし、かといって収入の少ない親御さんに負担させるというのもまた酷な話だし、しかも最初の年は毎月九千円納めるとしても、次の年になると今度は毎月四百円ずつふえていくわけでしょう。そうですね。そうしますと、親御さんの方もたまらぬ。かといって、学生に、お前ら払え、今はいろいろなアルバイトや何かあるんだからそうやって払うこともできるじゃないかと言うのも、これも過酷な話です。  そこで、先ほどからいろいろお話が出ているんですけれども、国民金融公庫のこういう制度を利用して、免除をされる人間がふえないように、無年金者がふえないようにして、そうしませんとすそ野がどんどん縮まっていきますから、すそ野を広げる意味でも免除する人たちを少なくするために貸し付けをして、そして学校を卒業してからどのぐらいの年限で払わせるとか、ボーナスのときに幾ら取るとかというような方法で、何とかして貸し付けて本人たちにも支払わせるというような方法というのはいかがなものでしょうか。

江利川毅厚生省年金局年金課長

○説明員(江利川毅君) まず年金制度のサイドからのお答えをさせていただきますと、国民年金制度におきましては、従来から二十から六十歳までの人はその人の収入の有無に関係なく被保険者というふうになっておるわけでございまして、本人に収入のない場合には世帯単位で負担をしてもらうという仕組みになっておるわけでございます。ですから、学生が例えば親の世帯と一緒にいますと、当然親の世帯において負担をしていただくということになるわけでございます。別居しているとまた今度は別の考え方で、別の世帯となりますと同居別居で非常に不公平が生じてまいりますので、学生につきましては別居していましても学生の負担能力を学生と親の世帯全体の所得で見るということにしているわけでございます。  そういうようなことで、従前から家族の構成員の負担能力は世帯全体で見るという仕組みになっておるわけでございまして、世帯全体の負担能力が低いような場合には免除するということになっておるわけでございます。  なお、学生につきましては一般の免除基準よりも比較的高い水準、これはこの法律を改正しましたときに国会の附帯決議で親の負担が過大にならないようにという御指摘をいただいておりますので、それに従いまして、先ほど先生のお話にありましたような、国立大学ですと六百万円というような数字を基準にしたわけでございますが、その方が卒業して社会人になって勤めるというふうになりますと、十年間は追納して保険料を納めることができるというようになったわけでございます。したがいまして、免除を受けた学生は例えば二年間はサラリーマンになりましてから追納する、そうしますと、いわゆる免除期間が完全に保険料を納めた形になりまして将来は満額の老齢年金をもらえるという形になるわけでございます。こういう形で、年金制度としては一応完結しているのではないかというふうに思っておる次第でございます。

土田正顕大蔵省銀行局長

○政府委員(土田正顕君) ただいま厚生省の方から御説明がありましたような保険料免除制度が設けられておりますので、これで対応していただくということで、現時点において政府系の金融機関がそのような保険料を融資する制度を設けるということはいかがなものかと存じます。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 そこで、大臣にちょっと伺いますが、今の話は今の話として、障害学生の制度についてお願いしたいことがあります。  物にもよりますが、二百ページぐらいの高校の国語の教科書を点訳しますと、何ページぐらいになって幾らぐらい費用がかかるか、ちょっと大臣、想像がつきますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 費用は想像がつきませんが、かさがどれぐらいになるかはわかります。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 別に私はクイズをやってどうのこうのじゃございませんが、およそ六百ページ、ページ数は三倍にはなります。一枚当たりの点字が三百円ぐらい、そうしますると大体十八万円かかる計算になります、これは大ざっぱな計算ですが。大阪にこういう例があったわけなんです。それに図柄だとかその他そういったものが入っていくと、なお膨大になるわけですね。私立の大学に通う盲学生などには補助金も出ていますが、今申し上げたように大変多くのお金がかかります。普通学校に通う生徒には保障が全然ありません。今あるいろいろな制度を活用しても足りないわけなんです。  ですから、こういうのは本当は国の責任で保障していただきたいんですが、次善の策として、極めて低利かあるいは無利子でそういった費用を貸し付けることができないものなのか、そういう制度が考えられないものなのか。先ほど古川委員からあったお話とやや同系の意見なんですけれども、こういったことが可能でないのか、どうかひとつ大臣に判断をしていただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今御指摘のようなケースが生ずるのは、たまたま委員は点訳を例にとられて視覚障害のケースを挙げられたわけでありますが、想像しますと、聴覚障害の場合にはまた別途の費用負担のかかるケースが生じるだろうと思われます。これは今伺って、とっさにどういう対応が可能なのか、率直に言って私自身よくわかりません。これは事務方から聞いてみますと、国民金融公庫などの教育資金貸付制度の中において、母子家庭と交通遺児家庭については一般の家庭に比べての家計の苦しさという観点から返済負担軽減という趣旨をもって仕組みを講じている部分があるようです。しかしこれは、教育資金貸し付けですと制度の仕組みからいってちょっと対応は難しいだろう、私はそういう感じがいたします。むしろ、個々の学生さんに着目するということではなく、障害を持つ学生をいかに教育機関が受け入れるか、受け入れ可能な状態をつくり出すかという視点から私は工夫をする方が制度の仕組みは組み立てやすいような感じが直観的にいたします。  きょうは文部省は呼んでいないんですか。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 呼んでいません。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) むしろ私は、制度の仕組みを文部省に考えてもらい、その考えを私の方でも聞かせていただきたいと思います。私の方からも井上文部大臣にこういう御提言があったということを伝えますが、下村委員の方からも文部省にお伝えをいただくということにできないでしょうか。私は、障害を持つ個々の学生さんに対する支援措置という組み立てよりも、逆に各種のハンディを持つ学生を教育機関がいかに受け入れるかという仕組みに置きかえて対応策を考える方がどうも実現可能性が高いような感じがいたします。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 ありがとうございました。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 以上で四案に対する質疑は終局いたしました。  これより四案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題になっております日本開発銀行法等一部改正案、国際通貨基金等加盟措置法案、外為法一部改正案の三法に対して、反対の討論を行います。  まず、開銀法改正案についてであります。  開銀は、基幹産業への長期資金の供給を通じて、戦後経済の復興と大企業本位の高度成長に大きな役割を果たしてきました。その結果、我が国大企業は世界でも有数の国際競争力を持つに至り、GNP世界第二位の経済大国になった一方、住宅、環境、下水道、都市公園、そしてごみ問題など、国民生活にかかわる社会資本は極めて貧困なまま放置されています。  したがって、開銀の今日における役割は、その業務を産業基盤優先から国民生活基盤中心に、また大企業優先から中小企業もともに発展する方向へと根本的に転換することによって果たされるのであります。しかし本法案は、東京湾横断道路の建設への融資、NTT無利子融資制度の対象の拡大と大企業への直接融資など、いずれも大企業奉仕、産業基盤優先の一層の拡大を図るものであります。  次に、IMF増資法案についてであります。  IMFは、従来からアメリカ主導、西側先進国本位の運営が行われており、途上国の立場は非常に弱いものとなっています。今回増資によっても、G7諸国の投票権シェアは四七・六%と増資前よりふえることとなっており、従来の基本的性格に変化はないのであります。また、実際の融資に当たっても、債務累積国に対する融資に当たって厳しいコンディショナリティーがつけられてきましたが、近年ソ連、東欧に対する金融支援に当たっても戦略的な色彩が強くなっていることは見逃すことができません。  最後に、外為法改正案についてであります。  我が国への直接投資について、従来は、即日処理されるとはいえ、原則として事前届け出制であったものを、今回改正はこれを原則として事後報告制、すなわちノーチェックの完全開放とするものであります。政府は、OECDの自由化コードに沿ったものであると説明していますが、アメリカではエクソン・フロリオ条項で、大統領が国家安全保障の観点からアメリカ企業に対するM&Aを調査、中止する権限を持っているほか、欧米諸国はいずれも通信、運輸、エネルギーなど公共性の高い産業に関しては何らかの外資規制を行っていることから、今回の我が国の措置は国民経済上懸念を残すものとなっております。  以上の理由から三案に対して反対であることを表明し、討論といたします。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 他に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより順次四案の採決に入ります。  まず、日本開発銀行法等の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、四案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十七分散会

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