大蔵委員会 第8号
- 発言数
- 101 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1991/04/09
会議録
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 去る三月二十九日、予算委員会から、本日午後半日間、平成三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行について審査の委嘱がありましたので、本件を議題といたします。 ─────────────
○委員長(大河原太一郎君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日、参考人として国民金融公庫総裁吉野良彦君、日本開発銀行総裁高橋元君及び日本輸出入銀行総裁山口光秀君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(大河原太一郎君) それでは、委嘱されました予算について大蔵大臣から説明を聴取いたします。橋本大蔵大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 平成三年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入予算額は七十兆三千四百七十四億一千九百万円となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、租税及び印紙収入は六十一兆七千七百二十億円、雑収入は二兆九千七百六十一億四千八百万円、公債金は五兆三千四百三十億円となっております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は十八兆七千四百三十二億九千三百万円となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、産業投資特別会計へ繰り入れは一兆三千億円、国債費は十六兆三百五十九億八千万円、政府出資は三千百二十五億円、給与改善予備費は一千三百五十億円、予備費は一千五百億円となっております。 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。 造幣局特別会計におきましては、歳入歳出とも三百五十八億七千二百万円となっております。 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。 国民金融公庫におきましては、収入四千八百七十六億八千八百万円、支出五千八十二億八千二百万円、差し引き二百五億九千四百万円の支出超過となっております。 このほか、日本開発銀行等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。 なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。 なお、お手元に配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○前畑幸子君 きょうは三総裁がおいでということで、金融自由化時代に入ってまいりましたけれども、そうした中でこれからの公的金融機関のあり方についてもいろいろと重要な検討をされるべき課題があると思いますが、こうした金融自由化の流れの中で公的金融機関としての国民金融公庫、日本開発銀行、そして日本輸出入銀行がそれぞれこうした流れをどのように受けとめているかということと、そして今後どのように運営を行っていこうとされているのか、今後の方針をお聞きしたいと思うわけです。 金融自由化の流れの中で、民間金融機関におきましては、同じ金融機関内でいろいろな業種、種類がたくさんございますけれども、そうした業種に応じて人員構成なども変えていると思われるわけでございます。しかし、公的金融機関の昨年の財政投融資使途別構成比率というものとか、それから政府系の金融機関の職員数増加率というのなどを見ますと、産業とか農業、林業、漁業というようなのは財政投融資における使途別の構成はどんどん下がっていて、住宅とかそういうものが上がっているわけですけれども、人員構成においては全然変わりがないというような状況のような気もいたします。そうした資金の使途別分類の変化が見られる中での人的配分などがどのように考えられているかということもちょっとお聞きしたいと思います。
○参考人(吉野良彦君) 私どもがお預かりいたしておりますのは国民金融公庫でございます。 申し上げるまでもなく、国民金融公庫は、根拠法でございます国民金融公庫法にも定められておりますとおり、銀行その他一般金融機関から資金の融通を受けることが難しい方々に対しまして円滑に資金を供給する、いわゆる補完金融でございますが、そういった使命を本来持っているわけでございます。公庫の融資対象になっております主体は中小企業でございます。でございますから、ただいま委員御指摘のいわば農林、中小企業云々といったような政策分野別にお考えいただきます場合には、中小企業政策の分野に属するかと存じます。 人員とおっしゃいましたので、私ども国民金融公庫の職員の定員に関するお尋ねかとも存じますが、大ざっぱに申しまして私ども今約四千八百人の職員を抱えて全国で仕事をしているわけでございます。ここ数年、御承知のように、政府全体として政府及び政府関係金融機関の定員の削減ということが行われておりますが、その削減を忠実に実行してまいりますと同時に、年々定員の増加も反面お願いをいたしまして、結果といたしましては四千八百余人の定員はここ数年維持をされているという状況でございます。 こういった定員事情のもとで、私どもといたしましては業務を極力効率的に能率的にやっていくということを心がけておりまして、例えば事務の機械化、合理化、そういった面で特段の意を用いておりまして、この四千八百余人という職員で何とか私どもに課せられました仕事はこなしているというふうに考えている次第でございます。
○参考人(高橋元君) 開発銀行でございますが、先ほど金融自由化の中での政策金融機関のあり方いかんというお尋ねでございますので、お答えをさせていただきます。 金融の自由化は、申すまでもないわけでありますけれども、これが進展してまいりますと金利が自由化されてまいる、また、従来は間接金融と申しますか銀行からの出資金の調達であったものが資本市場からの直接的調達というものもあらわれてくる。こういったことで、企業側にしてみますと、金利が安く借りられる、また場合によっては証券形態の調達もできる、こういう道が開かれてくるわけでございますけれども、金融機関側は金利が自由化してまいりますと従来よりは経営が難しくなってまいる、また、資産の安全を確保するためにいわゆる銀行の自己資本比率規制というようなものも国際的に行われているわけでございますが、したがって金融の自由化が進んでまいります場合に、民間の金融機関だけで十分なサービスが提供し切れない、そういった民間の分野がだんだんふえてくるというふうに思うわけであります。 経済社会の発展に必要なプロジェクトではありますけれどもリスクが高い、したがってそれはなかなか企業として金が借りられない、また、もっと長い金が要るのに短い金しか調達できない、それから低利で低い利潤しか上がらない、したがって企業化するのがなかなか難しい。そういったことで、経済の発展のために必要なプロジェクトでありますが、リスクが高い採算が低いというために、いわば市場からの資金の調達の道が細まっているということが起こりがちかと思うわけであります。 私どもの開発銀行は、政策金融機関といたしまして、特定の政策目的を実現するために、今申し上げましたような市場原理に基づく民間金融だけで供給し得ない資金、こういうものをサポートしてまいるということになっておるわけでございます。いわゆる補完奨励金融でございます。したがって、長期固定金利の良質で安定的な資金の需要というものが現にふえておりますし、これから自由化が進んでまいりますればますますふえてくると思うわけであります。 政策金融でございますから、その時代時代の趨勢に応じた政策課題に対応して業務を進めてまいるということが大変大事になってまいるわけで、現在では都市基盤整備でございますとか基幹交通の整備でございますとか、そういった生活関連の社会資本整備を最重点といたしまして仕事を取り進めさせていただいておるわけであります。 お尋ねの職員でございますが、現在千百人をちょっと切ったぐらい、千八十六人でございます。それで、資金量はこのところ需要に応じて伸びているわけでございますが、人員の方はこれはどうしても行政全体の比率ということの中でございますので、年間数名、三名ないし四名という増加でやらせていただいておるわけで、それぞれの職場にあるものの能率を向上する、職場の規律を高めるということで対応をしてまいっております。政策課題が変わってまいりますのに応じて政策の対象になります融資項目についても変化してまいるわけで、そういった仕事の重点の置き方に応じて内部での人員配置を適切にしてまいる、今後ともそうしてまいりたいと存じております。 以上でございます。
○参考人(山口光秀君) 私どもは日本輸出入銀行でございます。輸出入銀行と申しましても、実際にはもう少し広い範囲の業務をやっております。一言で申せば、我が国の対外経済政策を金融面で担う政策金融機関の一つであるということが言えようかと思います。 最近、我が国の世界に対する貢献ということが強く言われているわけでございますが、その一つの大きな柱として我が国が世界に公約いたしました資金還流という措置がございます。これの主要な担い手として国際金融機関とも協力しつつ金融支援を実施しております。それから我が国経済の国際的発展の面では、これはつとに御承知のことではございますけれども、対外不均衡の是正あるいは我が国経済の構造調整を推進しなければならないといったようなことが言われているわけでございますが、輸入の促進でございますとか、我が国の企業の活動をグローバル化するという動き、つまり対外直接投資でございますけれども、それへの支援を行うといったような仕事も大変ウエートを増してまいりました。 輸銀は政府の政策それから内外の経済情勢の推移に応じまして機動的に対応してきておるつもりでございますが、今申しましたような役割の重要性は今後とも変わらないものと考えております。 私どもの業務は国際的な金融取引分野での活動でございます。この分野では早くから自由化が進展してきておりますことは御承知のとおりでございますが、したがってそういう分野で金融情勢に対応して業務を行ってきておるというふうに存じております。 今後における我が国の金融自由化の進展に応じましてもいろいろ私どもの仕事に関係する分野も出てまいると思いますが、適切に対応してまいりたいと思っております。例えば、私どもは最近ではかなり外貨貸し付けを行っております。毎年の融資承諾の一割近くになっております。その資金も外債で外国の市場で調達する、これも資金調達の約一割を占めるようになってきておる、そういう事情も一つの例として御参考になるのではないかと思います。 人員についてのお尋ねでございますが、私どもは六兆数千億の残高を持っておるわけでございますが、実施に当たっている人員は五百数十人でございます。国際金融機関その他外国の例に比べましても大変少数で大きな事業量を扱っているということで、むしろ称賛の目で見られる例が多いわけでございますけれども、政府におかれましてもこういう事情をお考えいただきまして、定員削減を除きました差し引きいたしましたネット増で大体毎年一%ぐらいの純増をちょうだいしているところでございます。もちろん仕事の合理化、効率化については絶えず念頭に置いて努力しているところでございます。
○前畑幸子君 これから一番大事な世界に向けて需要の多くなる輸出入銀行におかれて、大変だと思いますが頑張っていただきたいと思います。 国民金融公庫は、私の個人的なこれは物の言い方でいけないんですけれども、十年ぐらい前には私ども中小企業、零細企業は大変頼りにしていた公庫なんですね。私も中小零細企業とともに生きてきた税理士でございますので、昔は公庫への融資の申込書などを書いてくれという要望が結構ございましたけれども、ここ七、八年来とんと余り需要がないんですね。高度成長時代に向かって企業もどんどん伸びたということもありましょうし、金融緩和などのために中小企業でも借りやすくなったということもあると思います。そうしたときに、最近では金利が上昇してきまして恐らくお借りになる方もふえているんではないかなと思いますけれども、日本の金融経済構造の変化に伴いまして中小企業の融資がどの程度伸びてきているか。 そして、中小企業を中心に貸していらっしゃる国民金融公庫ですので、本当はこの公庫というものがもっともっと伸びていかなきゃいけないと思うんですけれども、私の感じでは、最近、公庫からお借りになる中小企業の方が少ない。それで、私どもにもいい企業がありましたら御紹介をいただきたいという支店長さんのごあいさつ文が来るんですけれども、そんなことも含めまして、最近金利が上がってきましたからまた変わってきたかもしれませんけれども、金融環境の変化について国民金融公庫さんとしてはどのようにとらえていらっしゃるか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
○参考人(吉野良彦君) 先ほども申し上げましたとおり、私どもの使命は中小企業の方々に補完機能を通じましていろいろなニーズにお答えをするということでございます。 御指摘ございましたように、確かに我が国の金融全体がかなり緩和をされました昭和五十八、九年ごろから私どもの公庫の資金に対する需要は低迷をいたしておりました。これは先ほど申しました私どもの補完機能という点から見ましてある意味では自然な動きかというふうに思うわけでございますが、実は一昨年の半ばごろから全体として金利の水準も上昇ぎみになり、金融全体としても引き締まりぎみに推移をしてまいっておりますが、そういう状況のもとにおきまして、私ども公庫に対します資金需要もかなり最近は活発になってまいっております。 数字で大ざっぱに申しますと、私どもの普通貸し付けの残高で申しますと、昭和六十二年度におきましては前年度に対しまして三・一%のプラスというような状況でございましたが、その後六十三年度におきましては七・八%のプラス、さらに元年度には一三・二%のプラス、平成二年度は二月末現在の数字しか現在手元にございませんけれども、これがプラスの一二・四というようなことで、私どもに対する資金のニーズもかなり活発になっているというふうに認識をしているわけでございます。 先ほど申し漏らしましたが、私どもが対象にいたしております中小企業は申し上げるまでもなく経営の基盤が総じてかなり脆弱でございまして、最近のように経済全体が多様化し高度化し、あるいは情報化するというような急激な環境の変化に対しましては、なかなかついていきにくいという面もあることは否定できないわけでございます。そういった意味から、私どもの政府金融機関である公庫に対します中小企業の期待はますます高まっているというふうに認識をいたしております。そういう意味で、これからもいろいろな変化に対応いたしまして適切に対応して、これらの中小企業の方々のニーズに対応していきたいというふうに考えている次第でございます。
○前畑幸子君 借りる方が少ないという原因の一つに、金融緩和をしていたときですけれども、大体都市銀行と一%ぐらい金利が違うんですね。ですから、中小企業のためということなんですが、政府の公的金融機関としては金利がちょっと高かったような気がいたします。これから銀行がどの程度下がってくるかわかりませんけれども、今のところは国民金融公庫と銀行が大体同じぐらいの金利のような気がいたしますけれども、国民金融公庫の金利の決め方というのはどういうところを基準にしていらっしゃるんでしょうか。
○参考人(吉野良彦君) 私どもが御融資をいたしておりますものの大宗を占めますのは一般貸し付けでございますが、この一般貸し付けにつきましては民間金融機関におきますいわゆる長期プライムレートを基準にして決めるというのが従来からの政府におきます一貫したルールになっておるわけでございます。そういうルールに従いまして、私ども公庫も一般貸し付けにつきましては基準金利、つまり民間における長期プライムレートによって御融資をしているわけでございます。もちろんこの一般貸し付けのほかにも特別貸し付けというのがかなりございまして、これはそのときどきの政策的な特に要請の強い分野につきまして項目を定めて御融資をするものでございますが、これらにつきましては基準金利を下回るものもございます。ございますが、大宗はただいま申しましたプライムレートに準拠する基準金利によっているわけでございます。 ただ、委員御指摘のように、プライムレートによっているわけでございますが、このプライムレートと申しますのは、民間金融機関におきましては長期の資金、つまり短期の資金よりも定性的に申しますと比較的金利が高くなる。しかし、公庫の場合には、短期的な資金も含めまして長期資金に適用されるプライムレートを使っているということが一つと、それからプライムレートでございますから民間におきましては最優遇金利でございますが、それを基準にしているということで、水準といたしましては私どもは決して民間と比較して高いというふうには思っていないわけでございます。 と同時に、金利だけではなかなか比較し切れない点がございます。私どもの公庫の資金の特徴といたしましては、いわゆる物的担保なしに保証人による保証だけで御融資をするというものが圧倒的大部分を占めております。あるいはまた、これはあるいは出過ぎたことかもしれませんが、民間の金融機関におきましてはその金融機関といわば預金取引があるかないかというようなことも融資における一つの大事なポイントになるのではないかというふうに想像されますが、私どもは当然のことながら預金をちょうだいしているわけではございませんで、繰り返しになりますが、大部分のものは物的担保なしで、しかも預金もなしでというふうな形で御融通を申し上げているということでございますので、私どもに与えられた使命はこれで何とか果たし得ているのではないかというふうに考えるわけでございます。
○前畑幸子君 これからも中小企業、零細企業に一生懸命融資をお願い申し上げたいと思います。 次に、三総裁にもう一度お聞きしたいんですけれども、今、環境問題に対応するための各金融機関の取り組みがありますけれども、地球規模でのこうした環境問題に対する積極的な取り組みが今後日本においても必要と考えます。そうした取り組みについて各公的金融機関の皆さんはどのような対応をされているかということをお聞きしたいと思います。 まず、国民金融公庫につきましては、私どもも存じ上げているように、融資の中で産業公害防止施設等整備資金貸し付けというのがございまして、その対象として七項目が挙げられているわけですけれども、これらに対する今までの利用者数とか貸付残高、そして今後の動向といいますか、環境問題関連融資ということでどのような対応姿勢を持っていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
○参考人(吉野良彦君) ただいま委員からお話がございました産業公害防止貸し付けでございますが、まずこれの実績を申し上げますと、金額にいたしまして、六十三年度では七億二千一百万、元年度におきましては十五億七千七百万、それから二年度は十二月までしか判明をいたしておりませんが、これが二十億一千万円ということでございまして、いわば大変な勢いで増加をしているというのが現状でございます。私どもといたしましては、環境問題の重要性にかんがみまして、今後ともこういった貸し付けにつきまして積極的に対応してまいりたいと存じます。 なお、ただいま申しました産業公害防止貸し付けのほかに、公害関連といたしましては、いわゆる公害移転に伴う移転を促進する貸し付け、あるいはエネルギー利用の有効化を使命といたしますいわゆるエネルギー貸し付けもございますが、この二つも同様に着実に増加をしているという現状でございます。
○前畑幸子君 日本開発銀行さんにお聞きします。 こちらの方も国民生活改善のうちの公害防止、公害予防ということでお貸しになっていると思いますけれども、こちらの方は公害予防で三百七億円、公害防止で二百九十三億円、工場環境整備で七億、合計六百六億ということで、中にはフロン放出抑制型設備導入促進などはゼロということ、それから廃棄物処理など二億ということですね。それから工場環境の整備でも七億ということですけれども、金額的に見ますと利用状況が必ずしも多いということが言えない面もあるようです。今後どのように推移をしていくか、今後の動向など、それから今後どのような方針を持っていらっしゃるか、対応していかれるかということをお聞きしたいと思います。
○参考人(高橋元君) 今お話のございましたように、平成元年度の公害防止の融資実績は六百六億円でございます。私どもの銀行ではつとに四十年代からいわゆる社会開発ということを融資項目に取り入れてその充実を図ってまいったわけですが、公害防止はその最右翼にいるものでございまして、昭和三十五年に制度を創設しましてから昨年の九月まで三十一年間に約一兆九千億円ぐらい融資をいたしております。 今お話がございましたけれども、当初は、出てしまった公害をいかにして退治するかという、例えば排煙でありますとか汚水の処理でございますとか、こういうことに非常にお金がかかっておりました。それから、苛性ソーダを水銀法から隔膜法に転換するとか、そういうことに非常に融資がかさばった時期がございまして、昭和五十年で申しますと二千億ぐらい、当時の融資規模の二五、六%まで公害防止の融資であったわけですけれども、その後公害規制が着実に効果を上げてまいりまして、また企業の側の設備投資も無公害型という形に徐々に進んできまして、公害の防止からむしろ公害の予防の方へ融資の重点が移ってきております。 そこで、今もお話がありましたように二千億から六百億まで年間の融資が減ってきたわけですが、ただ、先ほどもお尋ねがございました地球環境ということになりますと、例えばフロンの排出抑制装置に対する投資金をどうするかという問題が出てまいります。六十三年に制度をつくったわけですが、現在まだ試験研究からやっと離陸してくる段階でございまして融資実績はございませんが、これはかなり有力な企業でフロン抑制型の設備の導入を今検討または実施を進めておるところでございます。やがて重要な融資対象としてあらわれてくるだろうというふうに思っております。 それから、それ以外のオゾン層の保護対策につきましても融資項目をつくっておりますし、NOx、窒素酸化物の排出対策についても融資制度を平成二年、昨年創設したわけでございます。こういった公害の予防ということ、また、日本一国規模でなくて地球規模という形での発生を防止するための公害防止対策ということに重点を置いておりまして、最近はさらに、単に環境対策というだけではなくて、未利用エネルギーを積極的に利用できることはないかということでエネルギーの利用高度化、それから代替フロンの開発になりますと新技術開発というところに移ってまいりますが、そういった新技術とかエネルギーの利用高度化でございますとか環境対策、そういうものを総合して中長期的な観点も踏まえまして、総合的な環境対策というものに重点を置いて進めてまいりたい、かように考えております。
○前畑幸子君 次に、日本輸出入銀行にお聞きしたいと思います。 おたくの場合は専ら開発途上国の経済開発に対する金融援助というのが重点だと思いますけれども、各国の相互依存が強まってまいりまして、一国の環境問題が即世界共通の環境問題というふうになっていくことは、東欧を中心とする環境問題の深刻化を見たり、それから今度の中東戦争による原油流出とか大気汚染など、こうした目立つ著しい例を挙げるまでもないと思います。経済開発と環境問題というのが表裏一体になってそのバランスをどのようにとっていくかということが、経済協力をしてそして喜ばれていくという重要な課題になるのではないかと思いますけれども、輸出入銀行さんとしてはこういう問題に関してどのように今後対応されていくか、お聞きしたいと思います。
○参考人(山口光秀君) ただいま仰せのとおり、世界的に環境問題に対する関心は高まっております。国際金融機関の年次総会等におきましても、必ず環境に対する配慮の重要性が議論されるところでございます。そして、国際的に一応のコンセンサスに達しているということは、ただいまこれも仰せがありましたが、持続可能な開発でなきゃいかぬのじゃないか、つまり開発の必要というものを認めることはもちろんでありますけれども、しかし環境に対する配慮も同時に行わなければいけない。持続可能な開発という言葉でそれを言いあらわしていると思いますが、そうした考え方の重要性については私どももちろん十分に認識しているところでございます。 私どもの融資に当たりましても、融資の対象となる事業が環境破壊等の問題を引き起こすことのないよう十分配慮しておりますし、融資の実行後におきましても、必要に応じまして事業の実施が環境に与える影響について調査を行うなどフォローをしてきておるところでございます。 具体的には、環境問題専担の職員を置きまして環境面からの審査を充実いたしておりますとともに、各種の必要な情報の収集整理も行っておりまして、これらの成果をまとめまして環境マニュアルというものを取りまとめております。個別案件の審査に当たりましては、この環境マニュアルを活用しながら輸銀みずからも現地調査を行い、あるいは外部の専門家を活用する、あるいは国際機関との情報交換を行う等々の配慮を行っているところでございます。今後におきましても一層充実を図ってまいりたいと存じております。
○前畑幸子君 もう一つ輸出入銀行さんにお聞きしたいんですけれども、先日三月十六日の新聞に「ポーランドの公的債務 実質五〇%帳消し」という記事が出ておりますけれども、このように先日のパリ・クラブにおいてポーランドの二百九十億ドルの公的債務の五〇%削減が基本的に合意されたということでございますけれども、こうしたポーランド債務削減について、開発途上国を援助することに私たちはやぶさかじゃないんですけれども、この基本合意についてどのように受けとめていらっしゃるかということ、そして、こうした事案が出てくることによって次に追随してくる動きもでてくるように書かれておりますけれども、今後このようなことがどんどん多発してきますと輸出入銀行さんとしては運営にも大変支障が出てくるのではないかと思いますが、どのようにお考えでいらっしゃいますか。
○参考人(山口光秀君) この公的債務削減問題というのは、私どもだけの問題ではありませんで、他の政府機関も影響を受ける問題でございます。したがって、本来政府において御答弁いただくのが適当かと思いますが、私どもも関係する一人であり重大な関心を持っておりますので、私の承知している範囲でお答え申し上げたいと思います。 ポーランドの公的債務削減問題でございますが、三月に開催されましたパリ・クラブの場において、三つのオプションで五〇%の削減率を適用することで基本的に合意されたというふうに聞いております。三つのオプションというのは、元本削減が一つ、それから二つ目が金利の軽減、三つ目が利子を元加いたしました上で繰り延べ期間を長期化するというような方式、この三つでございます。そのどれをオプションするか、選択するかはそれぞれの両当事者間の話し合いで決まるということになろうかと思います。したがって、これから具体的な細目についてはなお詰められるわけでございます。 我が国政府は、一貫して元本削減については応じられないということを橋本大蔵大臣はおっしゃっておられます。私どもも元本削減は実はできないわけでございますので、元本削減以外にどういうオプションをとることができるか、政府とも御相談しながらこれから検討してまいりたいというふうに考えております。 そしてまた、この措置はポーランド、エジプトに限って行うという点についてもかたい約束ができているというふうに伺っておりまして、他に波及することは考えられないのではないかというふうに存じております。
○前畑幸子君 大蔵大臣にお聞きします。 大蔵省は、元本の削減は認めず、金利の減免と返済期間の繰り延べで実質五〇%の削減を行っていきたいということのようですけれども、今言われたように今後追随してくるほかの国もあるわけですし、債務国が新規に資金を要請するよりも債務削減要望を優先する雲行きになってきているようなことも書いてございます。今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもは基本的に、公的債務の問題を考えます場合に、その国に対して今後ニューマネーの供与が必要であるのかないのかというところから論議をいたしてまいりました。累積債務国の場合に、私どもが考えます限りにおきまして、民間のニューマネーがなかなか入らない状況の中で、いわば公的資金によるニューマネーの供与が行われてきたのが過去の実態であったと存じます。 その場合に、公的債務が例えば元本まで削減あるいは放棄というオプションを固定いたしました場合に、少なくとも日本の場合には国民からお預かりをしたお金を使わせていただいて運用しておるわけでありますから、当然のことながらその後そのような国に対してニューマネーの供与はできません。しかし、各国それぞれ予算の仕組みその他に違いがありますために、場合によってはニューマネーの供与よりも元本の削減あるいは放棄の方がその国の経理処理としては行いやすい国があることも事実であります。そして、昨年のヒューストン・サミット以来この議論は何回か繰り返されてまいりましたが、我々としては元本削減あるいは放棄というオプションはとり得ないということを言い切ってまいりました。 先般、パリ・クラブにおきまして、ポーランド並びにエジプトに限定をし、他のオプションを含めた選択肢の中でそれぞれの国が何ができるかを考えるといういわば意見の集約が行われまして、その中には、私どもが他の債務国にその措置が連動しないようないわばファイアーウオールを設けるとかさまざまな要望をいたしておりましたものが一応基本的に認められております。今後なお詳細の詰めを行わなければなりませんが、そうした範囲におきまして、私どもは五〇%までの範囲内における今後の対応というものを考える各国との合意をいたしております。 しかし、これはあくまでもこの二カ国に限定した措置でありますし、我々は累積債務国の経済の今後の開発のプログラムを考えてまいります場合に、ニューマネーの供与が行われない状態で債務削減のみが行われて引き続き経済発展を遂げられる状況にある国は非常に少ないと考えておりますし、いずれにしても、日本として元本削減を含む公的債務の放棄あるいは削減という手法は採用し得ない、そのように国際社会に対しても明言をいたしておるところであります。
○前畑幸子君 湾岸援助の問題もありますし、いろいろ入り用が多いわけですので、こうした債務交渉の波乱がどんどん起こってくることも考えられますけれども、きちっと日本としての対応を進めていっていただきたいと思います。 時間がなくなってしまいましたので、私はここで終わらしていただきます。ありがとうございました。
○稲村稔夫君 きょうは予算の委嘱審査ということで、先ほど大臣からの御説明もあったわけでありますが、しかし本来委嘱審査ということで審査をするならば時間も十分とって議論しなければならない、そんなふうにも思うわけであります。 そこで私は、きょうは、大蔵省の所管をしておられる仕事の中で特に金融行政について、金融行政全般でもまたかなりいろいろと幅が広くあるものですから、その中でも特に銀行のというか金融機関の公的な性格と社会的責任を中心にいたしまして御質問を申し上げたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。 そこで、最初にお聞きをいたしたいと思いますのは、ここのところ金融機関の絡んでおります事件がいろいろと多く出ているわけであります。私は代表的なものとしてこんな事件があるのではないかということで通告の中には幾つかの事例を挙げておきましたけれども、そのほかにもまだいろいろとあるわけであります。そこで、こうした不詳事件とでも言うべきもの、これはなぜ起きたかということ、その基本的な原因の解明が必要であろう、そしてそれをどのように指導をされたか、また今後の対策としてどういうふうにしていかれるか、こんなことをまずお聞きしておきたいというふうに思うわけであります。 いろいろなものがありますけれども、発生してきた不詳事件は大体共通点を持っているものもあるのではないかと思いますので、その辺をどのように把握しどうして起きたというふうに考えておられるか、そしてそれをどういうふうに指導されたか、ここのところをまずお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員から御指摘を受けましたけれども、金融機関が基本的な問題として、その業務運営のあり方あるいは不詳事件の未然防止というものに対して考えていかなければならないことにつきましては、従来から数次にわたり通達等を発出しながら指導してまいりました。しかし最近、御指摘のように金融機関に関連する不祥事、また土地、株式資金への融資などにおきましてさまざまな御批判を社会から受けております。当局としてもこの点は十分承知をいたしておりますし、本当に遺憾に思っております。 こうした状況を起こしました原因というものはなかなか一つにはまとめ切れないと思いますが、例えば金融緩和基調のもとで金融機関の貸し出し競争が激化をした、そして貸出資金も資金需要の強い分野、すなわち不動産でありますとか財テク等非製造業部門に向かうなど、融資構造が急速に変化をいたします中にあり、一部の金融機関において安定的な営業体制を立て直す間がないままに安易に業容を拡大し収益第一主義に向かったことが大きな原因ではなかろうかと考えております。 こうした状況の中で、従来から大蔵省といたしましては、金融機関の融資等にかかる情報などを入手した場合、金融機関の健全経営や適切な業務運営の確保などの観点から事実関係を調査し把握することに努めてまいりました。個別の金融機関の個別融資にかかる問題に触れるわけにはまいりませんけれども、通例、行政あるいは検査を通じて、経営管理、業務姿勢、融資の審査管理など是正すべき事項がありましたなら厳しく改善を求めてきたところでございます。 金融機関というものはその本来の公共性にかんがみまして社会的責任を自覚した業務運営を求められているわけでありますから、第一義的にはみずからが業務の健全かつ適正な運営のため努力していただかなければなりませんけれども、当局としても引き続き厳正な指導、また奥深い検査の実施に努めてまいりたいと考えておりますが、具体的な部分につきまして銀行局長から補足して御説明することをお許しいただきたいと思います。
○政府委員(土田正顕君) 基本方針はただいま大蔵大臣から申し上げましたとおりでございます。 これを受けまして、私どもは具体的には、例えば日々の行政を通じまして、従来にも増してマスコミの情報とか顧客の苦情情報などを活用いたしまして厳正な調査を実施してまいりたいと存じます。また、その内容面につきましても、もちろん貸し出しなり預金なりの取引内容に従来どおり目を配るわけでございますが、そのほかに内部管理体制とか事務管理などに問題が認められますような場合には、その改善方につきましても厳しく指導をしていく考えでございます。 なお、万一不祥事件が発生したような場合におきましては、従来にも増して事件の究明、経営責任の明確化などにつきまして厳しい態度で臨んでいく考えでございます。 さらに、このような日常の行政活動と並行いたしまして、金融検査の面におきましても具体的な対応をさらに考えてまいりたいと存じます。
○稲村稔夫君 今大臣の御答弁を伺いながら私も同じような共通の認識があるわけでありますけれども、やはり起こってきた事象そのものは土地への投資をめぐって、あるいは株というものをめぐってそれぞれ起こってきているのが、大体多くの場合の共通している面ではないかというふうに思うわけであります。したがいまして、その辺のところを考えていきましたときに、ただいまの局長の御答弁のように厳正な調査はもちろん必要でありますし、内部管理体制等に適正な対応態勢がとれるようにという御指導をなさるのは当然だというふうに思いますけれども、やはり根本的なよってもって起こってきたその最大の原因のところ、これの対策をどうするかということをきちっとしなければこの問題に対する根本対策というふうにはならないのではないか、こんなふうに考えますので、そこで、なぜそれでは金融機関が土地や株などいわゆるバブル経済と言われている象徴的なものに金をつぎ込んできたというそういう現実が起こったのか、ここのところを少し解明をしなければいけないんじゃないだろうかというふうに思います。 大体、片仮名になりますと、少し日本人というのは、何か抽象化され、きれいにといいましょうか、そういうふうに見えるという性格を持っているようでありますけれども、辞書を引けば、どの辞書を引いたってバブルといえば泡とかあぶくとか出ている。昔からあぶく銭という立派な日本語があるわけですが、そんなことなども連想しながら、特に金融機関が土地とか株とかという、いわばあぶく銭の行き来が、というふうに言われるそういうものに金を注ぎ込んできたのか、そこら辺のところをどういうふうにお考えになっているんでしょうか。
○政府委員(土田正顕君) まずバブルという問題で何をイメージするかということにつきまして、若干難しい問題があると思うのでございますが、私どもも特別明確にそのバブルという問題を定義しているわけではございません。ただ、いろいろな物の本の一例として御紹介を申し上げますと、バブル経済というのは資産の水膨れ的膨張によって生じた経済状況を指す、こう書いてあるわけでございます。 それで、我が国の場合でございますが、それは具体的にどういう現象であらわれておるかというと、殊に金融資産、金融総資産総額が非常に大きな金額となったそのときの膨張の主たる代表格の原因は株と土地であるというようなことが指摘されておるわけでございます。そのように金融資産が急膨張する背景にはそれを支える経済活動があったということでございますし、その経済活動が頻繁になりますときに、その間に潤滑油的な効果を持つものとして金融活動が介在するということは当然であろうかと思うのでございます。ただし、この金融活動の結果弊害が起これば、それを是正しなければならないわけでございます。 そこで、当面の問題といたしまして、地価高騰現象というのがございまして、それと金融との関係がよく議論になるわけでございますけれども、私どもは今回の地価高騰は都心部におけるオフィスビル用地の需給不均衡などさまざまな要素が複雑に絡み合って生じたものであるというふうに基本的には考えております。ただその際に、金融緩和を背景といたしまして経済全般に潤沢な資金が供給され、それで土地に対する需要が支えられたという意味で、金融的な側面も否定できないところでございます。 そこで、そのような面につきましては、昭和六十一年以来金融機関の土地関連融資の指導を繰り返しており、また昨年四月からいわゆる総量規制を導入するなどの手段を講じております。それからさらに、大きな問題意識を持ってとらえてまいりますと、昔から言われておることでございますが、結局それは銀行の公共性というものの重要性を改めて認識させられたということでございまして、昔から銀行の公共性、それから銀行も私企業でございまするから私企業としての自主性の尊重、こういう二つの性格を調和させていかなければいけないというのが銀行行政の基本的な考え方でありますし、それは金融自由化のもとでも何ら変わることはないのでございますが、いろいろと変わってまいります金融環境の中で、経営の自主性なり自己責任の原則を維持しながら公共性の要請にこたえさせるようにどのように行政として考えていかなければならないかというのはまことに大きな問題でございまして、今後いろいろな具体的なケースを通じましてさらに勉強してまいりたいと存じます。
○稲村稔夫君 今局長が御答弁になりましたように、今の地価の暴騰の原因というのは、これは一つではないことは間違いありません。しかし、今お認めになったように、金融もその一端を担ってきていたということは事実だと思うんですね。そしてそれは、結局これも今御答弁の中にもあったように、やはり内需拡大というそういう経済政策全体の流れの中で金融緩和ということがあり、一方では製造業等は自己資本を整備していくということで銀行からの借り入れを減らしていくという方向が出てきていたわけであります。銀行も貸し出す場所を中小零細とか個人にとどんどん広げていかなければならなかったという、そういう側面を持っていたと思うんです。 そういう事情の中で、もう一つ私は少し今後の課題として検討しなければならない問題点として、そうした銀行あるいは金融機関が貸し出しをする際に、我が国のならわしとしては有担保融資というのが常識になっているわけですね。有担保といったときには、結局土地が一番安全であるというような形が現実にあったと思うんです。局長は先ほど都市部を中心にしてというお話でありましたが、私どもの住むような地方におきましても、金融機関が貸し出しをする場合にはほぼ土地の担保というのが常識になっておりました。そして、倒産などということが起こったときは、融資のために親戚だとかなんかのために田んぼを貸していた農家がそばづえを食って大変な重荷になったというような例も決して少なくないわけであります。 ということになってまいりますが、土地の担保融資というのは特に我が国が特徴的であるというふうに聞いているわけであります。特徴的というのは、どこもやっていることでしょうけれども、特にそれに集中的にという形になっているということです。欧米は信用貸しというようなものもかなり大きいというふうにも聞いておるわけであります。 その辺のところは、この問題、私は金融機関が貸し出しをするときに安全を求めてリスクをしょい込まないようにしたい、そうすると必然的に土地という担保ということになって、それがまた言ってみれば土地の価値を高めるというような、そういう役割を一方では担ってきたんじゃないだろうかというふうにも思うわけです。そうすると、これは今後何らかの対応を考えなければならない問題点ではないだろうかというふうに思いますが、その辺はどのように把握しておられますか。
○政府委員(土田正顕君) 土地担保融資の問題は非常にいろいろ多くの問題を含むように思いますが、まずその前に事実関係について御説明を申し上げます。 全国銀行の担保別の貸出残高を見ますると、最も新しいところでは平成元年三月末の数字を持っておりますが、不動産抵当貸し付けの総貸し出しに占めまする比率は二三・九、約四分の一でございます。そのほかは有価証券担保、その他担保、保証となっておりまして、それからそのような担保保証によらない信用貸し出しが三七・六%という数字を持っております。なお、この不動産抵当貸し付け二三・九%という数字は、昭和五十年ごろの数字から見ますとかなり実はシェアとしては低下しておるわけでございます。昭和五十年三月におきましてはこの比率は三一・二%でございました。 傾向的に見ますと、このように総貸し出しに占める不動産担保貸し付けのウエートが低下しております。その反面、信用貸し付けのウエートはむしろ増大しておりますが、この原因は大企業を中心として借入者側の信用力が高まってきたものを反映するものと一応は考えております。ただ、何と申しましても約四分の一近くはなお不動産担保貸し付けでございます。この貸し付けの中で、大企業に比してあくまでも相対的な問題でございますが、特に中小企業とか個人のように信用力が十分でないような取引層向けの融資におきましては、やはり土地担保融資というものは活用されておるのであろうと考えられます。 それから、外国は日本のようなことがあるのかというお話でございましたが、例えばアメリカなどでは余り一般的にすぐ不動産担保融資ということにはなりませんで、個人向けの住宅資金貸し付けとか、それからいわゆる不動産用貸し付けとかそういうようなものは不動産担保をとるようでございますが、一般の商工業貸し付けは、格付というようなものが発達しておる国であるということもあずかりまして、日本ほど担保貸し付けというものに依存してはいないようでございます。しかし、例えばイギリスなどでは、不動産担保は銀行貸出担保の最も伝統的な形態であると聞いておりますし、それから西ドイツなどでも不動産担保比率は、これはたまたま数字が一つわかっているのがございますが、一九八九年六月現在、銀行の貸出残高に占める不動産担保比率は三六・一%という数字を持っております。日本よりも数字はむしろ高いわけでございます。それぞれ国情がございますが、我が国のみが不動産担保融資の割合が高いということは必ずしも言えないのではないかと思います。 ただ、そういう不動産担保融資への依存という問題のほかに、昨年来いろいろ承りました議論は、その担保のとり方なり評価なりにいろいろと問題があるのではないか、その点は昔の落ちついた時代と比べてやや不正常な傾向があるのかないのかというようなこともございました。この点はすぐれて技術的な問題でございますので私どもにもよくわかりかねるわけでございますが、その後銀行界におきまして研究会をつくりまして、不動産担保のあり方について議論をしておるというふうに承知をいたしております。
○稲村稔夫君 確かに国によっていろいろな違いもありますし、今局長が言われたような傾向が一つあるということは承知もしているわけであります。 しかし、いずれにいたしましても、不動産担保あるいは有価証券、株、そういうものに対しての担保を求めるときも、今担保のとり方にいろいろまた検討の余地があるんではないかという意味のことも言われましたが、まさにそのとおりだと思うわけでありまして、そうした担保をとっていくときに、今度はその担保という目に見えた形の上でリスクが回避できるという理解ができるものを対象にしているということで、私は信用貸しに比べて安易な方法ではないだろうかというふうに思うわけです。 信用貸しということになりますと、今度は審査能力などが非常に大きな問題になってくるわけであります。我が国の銀行の場合には、よく言われてきたものに、情報のあれでいけば、どちらかというと企業の方が情報を的確につかんでいて銀行はその外に置かれているというようなことなども言われていたような時期もあったと記憶をしておりますが、いずれにしても、審査能力を高めてそして信用貸し付けというようなものを重点に考える対応というものを今後検討もしていかなければいけないのではないか、そんなふうにも思うわけでありますが、この辺はこれからの課題ということで私はきょうは意見程度にとどめさせていただいて、次の課題に入りたいと思います。 こういう金融緩和の中で金融機関が土地、株、そういうバブル経済の象徴と言われたものに金をつぎ込んできたということは、私は、大蔵省が今まで指導をしてこられた金融機関の経営の効率化という観点からいえば、これはリスクをできるだけ減らしてということにもなるわけでありますから、今の体制の中では必然性を持っていたのではないかというふうに思いますけれども、その辺はどのように感じておられますか。
○政府委員(土田正顕君) 金融機関の経営の効率化というものを長年課題にして行政をやっておるわけでございますが、この経営の効率化と申しますものは、金融機関の経営基盤の強化を通じまして全体としてはメリットがあるものというふうに私どもは考えておるわけでございます。すなわち、それによって取引先、利用者へのサービスが向上するとか、あるいは預金者の財産の保護にもプラスの影響があるというふうに考えております。そのような意味で、殊に金融の自由化が全般的に進みますような金融環境にあっては、やはり経営の効率化は一層の努力を必要とするというような情勢に事実問題としてなっておると思います。 ただし、ただいまの御指摘にもございますけれども、経営の効率性の追求というのと別に社会的信用とか社会的要請との調和というものもまた考えていかなければなりませんし、それから、銀行は一般企業と違いまして非常に公共性が高い業務を行っておるというふうに社会からも認められておるわけでございますから、そのような社会的な要請と経営の効率性との二つの要請を調和いたしまして、公共性を十分踏まえた総合的な観点から金融機関の経営を行っていかなければならないというふうに考えております。 私どもも、これはなかなか各論になりますと難しい問題が多々あるわけでございますけれども、全体の方向といたしましては、このような総合的な観点から金融機関に対して指導を行っているつもりでございます。したがいまして、経営の効率化というものを追求すれば、昨今見られたようなマイナス面が出てくるというふうには一概には言えないものと考えておるわけでございます。
○稲村稔夫君 局長が言われるように、確かに銀行法第一条からも公共性、社会的責任、それから私企業としての立場とが調和がとれるようにならなきゃならぬということで、そのとおりだと思うわけであります。しかし、効率化ということが間違いではないが、銀行も私企業であるという観点に立つと効率化のところにどうしてもウエートがいきがちではないか。そうすると、その辺のところをチェックしていくというのがやはり行政としては大事な側面になるのではないだろうか、そんなふうに思うんで、きれいに言えば局長の言われたようにきれいな話になるんですが、しかし、これから先そううまくいくんでしょうかねという気がいたします。 ちょっと話題が飛びますが、金融機関の合併とか合同、業務提携というようなものが次から次へとまたこれも起こってきているわけであります。なぜそういうことが起こってきているのか。都市銀行同士の合併なんかもありますし、そういう水平的な合併ではなくて、垣根を越えてと言うんでしょうか、垂直的な合併、吸収合併みたいなことが行われたりしているわけであります。なぜ合併ということになったのかということについて少し掌握しているところとお考えを聞いておきたいと思うわけであります。 時間の関係もございますから、都市銀行の方も聞きたかったんですが、これはちょっと省略をさせていただきまして、都市銀行というようなところに中小金融機関が吸収合併をされる例がここのところ続いて起こっております。このことについてどのように考えておられますか。
○政府委員(土田正顕君) 手短にまず事実関係につきまして申し上げますが、確かに最近、新聞記事に出ますようないろいろな合併を見ますと、まだ発表段階でございますが、三月十二日に発表されました東海銀行と三和信用金庫の合併、三月二十日に発表されました近畿銀行と大阪復興信用組合との合併、四月二日に発表されましたスルガ銀行と熱海信用組合との合併などのように、いわば垂直合併と申しますか、都銀または地銀によりまして協同組織金融機関が合併されるというような例がこのところ相次いでおります。 しかし、これまでの経過を総合的に考えますと、実は金融機関の合併転換につきましては、我々が合併転換法と言っております法律がございまして、それが昭和四十三年六月から施行されておるわけでございますが、これは今日までの実行ベースでございまして発表をしてまだ実行されてないものは含んでおりませんけれども、実行ベースでの数字を申しますと、同種合併、同じ種類の中での合併の実行済みのものは百五十一例でございます。これに対しまして垂直を含む異種合併の例は四十一でございまして、同種合併の方がケースとしてははるかに多いわけでございます。 また合併のほかに、ただいま多少お話もございましたが、業務提携というのがございまして、ごく最近は第一勧業銀行と城南信用金庫が業務提携の契約に調印したというようなお話もございますけれども、そのほかに個別の業務提携の例は私どもも一々把握しておらないほど極めて多いものと思います。さらに業界全体を通ずる業務提携といたしまして、キャッシュディスペンサーとか自動預金受け払い機などのいわゆるオンライン提携につきましては、都市銀行から地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農協というような非常に幅広い組織、業態間での提携が実現をしております。 このような合併なり業務提携についてどう考えるかでございますが、やはりそれぞれの金融機関が経営の合理化、効率化を進めて金融の自由化に対応した経営基盤の強化を図る、またそれを通じて地域金融にあっては地域金融の一層の充実に努める、それから中小企業、個人など取引先に対するサービスの向上を図る、その方策の一つとしてこういう合併なり業務提携は位置づけられ得るわけでございますので、前向きの効果が期待できるものであれば当事者間の自主的な経営判断を前提といたしましてこれを前向きに受けとめたいと私どもも従来から考えてきているところでございます。
○稲村稔夫君 局長の御答弁はこれまたすべてきれいにお答えになっているわけでありますが、お金に絡んでいるものというのはそうきれいなものではなくて、内面はなかなかどろどろしているのがいっぱい多いわけでありますが、時間の関係もありますので、私の意見を中心にして申し上げて、あとは局長なり大臣なりの簡単な御答弁がいただければというふうに思っております。 一つは、今の東海銀行と三和信金の合併については、これはエコノミストの三月二十六日号に載っておりまして、これによると、三和信金はバブル経済の崩壊で経営が急速に悪化した、こういうことのようであります。そして「三和信金の経営悪化の速度が予想をはるかに上回り、慌てた大蔵省が、短期間でまとめあげた合併劇だ」、これは事実かどうかわかりませんけれども、そう書いてあります。いずれにしても、「ある大手信金幹部は「信金が自ら都銀を選んだのでもなく、都銀が積極的に信金にアプローチしたわけでもない」」というようなことでいろいろと書かれているわけであります。 そのことで一番私が問題にするのは、バブル経済の崩壊で経営が急速に悪化したところを吸収合併したという形になっているということなんでありますが、バブル経済で、結局私は、国民の中に持てる者と持たざる者との格差をつくっていった、そして財テクがうまい者がうんともうけて一般の人たちは置き忘れられている、そういう形のものがあったというふうに思うわけでありまして、大蔵省がこれを救済するために何かあわててやられたというようなことになると、これは一体どういうことなんだろう。端的な言い方をさせていただけば、金融自由化の時代を迎えてこれからいろいろと大きな問題がいっぱいあるわけでありますけれども、そういう中で、国の財政政策の一つとしての金融政策の中では、本当に生きていく個人といいましょうか国民の側をというよりも、何か組織あるいは機関を大事にする、そういうような方向で物がやられているのではないかというふうに思われて仕方がないわけでありますので、国の財政政策というのはどんな方向を向いて対応しておられるのか、この辺のところをお伺いして、私は質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) たまたま今雑誌の記事を御引用いただいたわけでありますが、その中に書かれておりますことが事実無根であるということだけはまず申し上げさせていただきたいと思います。 それぞれの金融機関がその経営についての自主判断をお持ちの中で将来に対しての青写真を描いていかれる。これらについて大蔵省が介入をし、大蔵省としてかいた絵図面に一方的にそれをはめ込んでいくといったようなものでないことだけは、どうぞ御信頼をいただきたいと思うのであります。 そこで、今委員からさまざまな角度から御指摘のありましたことに的確なお答えができるかどうかわかりませんが、しかし私どもは、財政というものが果たしていくべき役割と申しますものは、民間部門にゆだねていては適正な供給が確保し切れない、例えば道路でありますとか防災でありますとか、いわゆる公共財の提供を行う資源の配分機能、また市場経済において実現される所得配分というものを公平の観点から調整するいわゆる所得再配分の機能、また経済の安定化機能といったものがあり、財政運営に当たりましてはこうした機能が適切に発揮されるように努めていくことが大切だと考えております。 今地価というものからバブルに、そして金融のあり方についてという幅の広い御意見をちょうだいいたしたわけでありますが、冒頭に申し上げましたように、こうした中において私ども自身として反省すべきところがないと申し上げておりません。そして、そうした反省の上に立ち、今後ともインフレなき持続的成長を確保すると同時に、効率的な資源配分、また公平な所得再配分の実現などを通じまして適切な対応をしていきたい、そのように考えております。
○稲村稔夫君 終わります。
○峯山昭範君 それでは私の方からは、短い時間でございますので、二、三点お伺いしたいと思います。 平成三年度の経済見通しですけれども、きょう私どものところにも資料が配られているわけでございますが、これは経済企画庁が一月二十五日に予算と一緒に出された資料です。この資料をずっと読んでいましても、政府の実質経済成長率が三・八%、こういうふうに見込まれているようであります。しかしながら、最近の湾岸後のいろんな情勢等を踏まえていろんな新聞報道等たくさんあるわけでございますが、政府の経済見通しと民間の経済見通しと比較してみますと今までは大概民間の経済見通しの方が政府の見通しよりも高い。ところが、平成三年度の経済見通しを見てみますと、政府の方が非常に高いわけです。それで、一般的に相当減速をするんじゃないかということで心配をしているわけであります。日本経済研究センターの経済見通しによりましても三%ぎりぎりじゃないかというふうな見通しもあるわけでございまして、ここら辺のところはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、まずお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在の日本の経済というものは、これまでのやや高めの成長というものに比べますと確かに景気拡大の速度というものが減速はいたしております。しかし、なお景気の腰は強く全体として自律的な景気拡大を続けているものと、私はそのように考えております。そして、そういう判断をいたしますにつきましては、例えば湾岸における平和回復、それが原油価格の上昇にブレーキをかけたとか、さまざまな要因が考えられるわけであります。 今後につきましても、個人消費が雇用者所得の順調な伸びなどに支えられて堅調に推移すると見込まれておりますこと、あるいは省力化、合理化投資といったものを中心にしながら企業の設備投資意欲というものが根強いことなどから引き続き堅調に推移するものと見込まれておりまして、私どもは政府経済見通しで想定いたしております実質経済成長率プラス三・八%程度というものは十分達成可能であると今日考えております。
○峯山昭範君 今大臣がおっしゃいましたお考えは、大蔵省の「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」の中にも、従来の好況な税収の伸び、税収の伸びそのものが現在の日本のいろんな財政を支えてきたわけでありますけれども、平成三年度からはそれが流れを変えていく、従来の考え方からは大分変わっていくということを書いておられますけれども、今大臣がおっしゃった個人消費だけは確かに全体としていいようでありますが、民間の調査機関の報道によりますと、特に住宅投資、民間住宅投資が、政府でもマイナス予想をしておられますけれども、その予想より大分落ち込んでいるんじゃないかという点が一つ。 それから、今設備投資のことを大臣はおっしゃいましたが、これも政府の予想では七・九%程度のプラスを見込んでおられますけれども、この設備投資も大分冷え込んできているということで、前年度比で見ましても相当落ち込むんじゃないかというふうな予想を立てておられるようであります。そこら辺のところは、今大臣は大分心丈夫な話をしておられましたが、実態としてはどうなんでしょうか。
○政府委員(濱本英輔君) ただいまのお尋ねにつきまして、住宅投資あるいは民間設備投資の推移が政府の見通しを下回るといいますか、その落ち込みが気がかりであるという御指摘かと存じます。 確かに住宅投資につきましては、御指摘のとおり、この年初はなお年間百六十万戸の水準で推移しておりましたものが、最近になりまして年間百四十万戸台の着工戸数ということで数字を落としてまいっておることは事実でございますけれども、百六十万戸というのは非常に高い水準でございまして、私どもの方の持っております見通しはこれによって全体的に大きく左右されるという状況に今あるわけではないというふうに感じております。 それから民間設備投資につきましては、先行きの投資予測というものが既にいろんな機関から発表になりまして、これを見ましても、平成二年度に比べますと平成三年度の見通しが相当低いものになっているということは確かに事実でございますけれども、これにつきましてはしばしば御論議もございましたとおり、調査時点が今の時点ということで調査いたしますと、毎年のことでございますけれども、かなり低目な感じ、慎重な感じから出てまいりまして、調査時点が年が進んでまいりまして年末、年度末に近づくにつれましてだんだん高まっていくという一般的な傾向がございますほか、これを調査いたしました時点がちょうどまだ非常に中東問題で先行き不透明な状況でございましたものですから、より一層そういう傾向を強めていることが考えられます。 その証拠と申しますか、その後私どもが関知いたしますところでは、調査時点がだんだんおくれますにつれまして各機関の調査結果の中身を見ましても少しずつ数字が高まってまいっておりますことのほかに、その他のいろいろ耳にいたします情勢からいたしましても、企業の中には設備投資計画を見直そう、少し上積みをしようという動きも出てまいっておりまして、そういうものを全体としてとらえていきたいと考えておりまして、今の段階で御心配いただいておるような状況になっているというふうには思いませんし、政府の見通しを達成し得る路線に大きく申しまして乗っているというふうに感じております。
○峯山昭範君 それならそれでいいんですけれども、私の手元にある資料によりますと、住宅投資が経済企画庁、政府の経済見通しによりますと前年度比で〇・一%程度の微減である、この中にこうありますが、民間の調査によりますと民間住宅の対前年度比は四%以上の減になる、こういうふうな見通しがありますので、相当違うんじゃないかと思って心配をしているわけです。これはこれで結構です。 それからもう一つの問題は、湾岸前の問題であろうと思うんですが、実際問題として湾岸後、九十億ドル出した後、要するにプラス要因があるのかというふうに考えてみますと、余りプラス要因はないんじゃないかと私は思っているわけです。 それからもう一つ心配なのは、最近、法人税の伸びがずっと連続対前年度比五カ月間前年実績を下回るというような報道もありまして、平成三年度の予算の税収を確保できるのかというふうな心配もあるわけでありますが、そういう点については政府としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、これも聞いておきたいと思います。
○政府委員(濱本英輔君) ただいまの峯山先生の御指摘の前半の部分につきまして、もう一言だけ付加させていただきたいと存じます。 余り最近の要素として明るい要素がないではないか、湾岸戦争後みんな悪い要素ばっかりではないかという御指摘でございましたけれども、確かに戦前の去年の年央のスピードに比べますとスピードが落ちてきていることは、これは事実でございます。ただしかし、問題はそれが景気を失速させますとか大きく落ち込ませるおそれがあるかどうかということでございまして、そういう観点から見ます限り、先生に前々からごらんいただいておりますことでございますけれども、例えば個人消費をとりましても、伸びは落ちておりますけれども確実に所得というものの伸びが確保されている、つまり給与所得というものの伸びが確保されております以上は所得が人々の手元に入るわけでございまして、これが相当の消費を約束するであろうということは過去の経験的事実から申しましても我々の判断として誤りがないというふうに思われるわけでございます。 それから設備投資につきましても、先ほどのような状況がございますし、この設備投資と消費が今のようなことで持ちこたえてくれれば見通しを大きく変えなければならない事情にはないというふうに思っております。 なお、詳細なことにつきましてはさらにお尋ねがございましたら申し上げますけれども、次の税収の見通しに引き継がせていただきたいと存じます。
○政府委員(小川是君) 今後の我が国の経済の見通しにつきましては、ただいま申し上げたとおり、経済見通しで想定している経済の姿が今後十分達成されるのではないかというふうに考えており、その前提に立ちまして平成三年度の税収につきましては見込み時点までの課税の実績、あるいはただいまの経済見通し等をベースにいたしまして各税目ごとに見積もったところでございますので、この見積もりは適切なものだというふうに考えております。 なお、お尋ねの平成二年度の税収の状況でございますが、二月までのところが明らかになっておりまして、全体といたしましては平成二年度の累計の税収は前年比で二月末までで一一・四%ということになっております。補正後予算の伸び率が七・七%というところからいたしますと、全体としてはなお補正後予算を上回っているというところでございます。ただ、お尋ねのございましたように、法人税につきましてこれからなおウエートの高い三月決算法人が残っておりますので、そういった点を含めまして、税収動向については十分に注視をしてまいらなければいけないと思っております。 ちなみに、平成二年度の補正予算の作成におきましては、法人税につきまして、主として大法人に対する聞き取り等を踏まえまして一兆円程度の減額補正といたしてございます。平成三年度の予算の見積もりはそれを基礎としておりますので、現時点でこれについて経済との関係で十分実現が可能ではないかというふうに考えているわけでございます。
○峯山昭範君 時間の関係もありますので、あともう一点お伺いしておきたいと思います。 それは所得減税の問題なんですけれども、昭和六十三年度に減税が行われて以降、平成元年、二年と行われてないわけでございます。しかしその間物価がずっと上がってきているわけでありまして、御存じのとおり、平成元年が二・三%、二年が三・一%と物価上昇があるわけでございます。これはサラリーマンの皆さん方の立場からいえば実質増税になっている可能性が強いわけでございます。まず一つは、租税負担率が、六十三年度末、平成二年度末、あるいは平成三年度で考えた場合にどういうようになっているのか、それから所得減税をもうやるべきじゃないのかと私は思うのでありますが、この点についてのお考え、両方をお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(小川是君) まずお尋ねのありました租税負担率でございますが、国税の租税負担率は昭和六十三年度におきまして一七・四%ということでございまして、平成二年度の補正後でこれが一八・三%、平成三年度予算ベースで一八・二%ということになっているわけでございます。 御指摘のありましたように、所得税減税につきましては、昭和六十三年度に三兆三千億の所得税、住民税減税が行われました。またその直前に行われました昭和六十二年の減税と合わせますと、全体規模は約五兆五千億円ということになっているわけでございます。この両方を合わせました画期的な減税によりまして、御指摘のありましたサラリーマンを中心とする負担感あるいは負担の累増感といったようなものは、平成元年以降その効果が効いて大幅に緩和されてきているという現状にあると存じます。ただいまお話もございましたが、このような状況のもとにおきまして、当面所得税の減税といったようなことを考える状況にはないというふうに思っているわけでございます。
○峯山昭範君 それから次に、教育費の減免の問題についてお伺いしたいのでありますが、これは時間の関係もありますので、端的に申し上げます。 私の手元に私立大学新入生家計負担調査というのがあります。これは新聞でも相当大きく報道されましたので御存じだと思いますが、最近の私学に入学する際の教育費の実態というので、いろいろと調査がなされております。これは昨年の私学入学者、全体で十九校、九千三百人の調査です。それで、平均いたしまして、納付金が百五万九千百六十一円、全体の費用が、自宅通学の場合が百三十五万円、自宅外通学が二百万円であります。そしてその次に、特に初年度の入学金が大変でございまして、今の入学の費用をどういうふうにして納めているかというものから始まりまして、親の仕送りが毎月どのくらいかとか、そのために親がどういうふうにその資金を稼いでいるかとか、いろんな角度からの調査がいっぱいあるわけであります。 これを見てみますと、毎月の親の仕送りは十二万円。それで親の収入でありますが、これもありまして大体一千万円以上の家庭が大体三分の一、六百万円から八百万円というのが平均的であります。しかも、この六百万円から八百万あるいは一千万円以上の皆さん方もすべて子供を大学にやるために共稼ぎであります。そういうふうな状況がずっとうたわれております。しかも、大学に入ったならば学生はもうほとんど九九%アルバイト。そういうふうなことです。 実は大臣にお伺いしたいのはそのことじゃなくて、これから出てくる法案の中にあるわけでありますが、国民金融公庫とか郵貯とかいうところでいわゆる進学ローンというのを教育ローンという形にするという話がこれから出てまいります。 そこで、私がお願いしたいのはこの教育ローンでありますが、まずこの教育ローンの利息が非常に高い。国民金融公庫の融資額が百万円から百五十万円になりまして、利息が八・三%であります。郵貯ももちろんありますし、財形貯蓄もあるわけでありますが、いずれにしましても、この利息が住宅金融公庫並みにならないかというのが一つです。これは要するに一般会計からの利子補給が当然必要でありますね。 それからもう一つは、返済期間です。返済期間が現在は最大限が六年、こうなっているわけですね。これは在学中も含めて六年でございまして、四年間据え置きした場合はあと二年間ですべて返す、こういうことになっているわけです。これを、在学中四年を据え置いて、あと六年で返す、最大限十年というぐらいにならないかといういろんな要望がいっぱいあるわけでありますが、ここら辺のところを何とかならないかということも含めましてお考えをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 足りない部分は事務方から補足をしてもらいたいと思いますけれども、今、大学院生一人、大学生一人、私学の高等学校生一人と三人の父兄負担をいたしております私からしますと、基本的には委員の御意見に賛成したい部分も多々気持ちの上ではございます。 ただ、一つの問題は、今教育ローンの金利を住宅金融公庫並みにという御意見でありましたけれども、奨学という意味から超低利または無利子で学資の貸与を行う制度として日本育英会の奨学金制度が現に存在をいたしております。そして、住宅資金と教育資金とでは資金の性格もまた助成の必要性も全く異なるわけでありまして、これを同一金利にという御指摘には私は必ずしも首肯できません。むしろ、育英会の奨学資金についてもっと積極的な対応を求められる方が私の立場として受けとめやすい、率直にそんな感じを持つわけであります。 また、期間につきまして御意見がございましたが、今回の制度改正におきまして貸付期間自体の延長は行っておりませんけれども、据置期間につきまして従来一年以内でありましたものを在学中かつ四年以内に延長するわけでありまして、これは借入者の返済負担軽減の観点から教育費負担が継続する在学中における借入金の返済を猶予する、そして子弟が卒業し就職して教育費負担がなくなってから返済される方法の選択を可能ならしめるものであります。その結果、四年据え置きを選択されました場合には卒業後二年以内に借入金を返済することになるわけでありますが、子弟は既に就職して所得を得ておられる状況にあるわけでありますし、親御さんの立場にとりましても子弟が在学中の仕送り負担がなくなっておるということを考えますと、通常の場合は返済可能ではなかろうか、そのように考えております。
○峯山昭範君 もう時間が参りましたのであと一言で終わりますが、もう一つ私学助成の問題、いわゆる私立大学の経常費の総額と経常費の補助金との問題なんですけれども、これは文教委員会等で絶えず議論されている問題であろうと思いますし、参議院の文教委員会での附帯決議等もあるわけでありますが、要するに私立大学の経常経費というのが毎年相当ふえているわけですね。しかしながら補助金はずっと凍結されている。その差額がずっと広がってきておるわけです。附帯決議の趣旨からいいましても大分、何といいましょうか、経常経費の総額に占める補助金の割合というのは二分の一以内ということですから五〇%ぐらいが限度ということになっているわけでありますが、本来三〇%近くあったのが毎年一八、一七、一六、一五、一四%とずっと減ってきておるわけですね。これはやはり何とかしなくちゃいけないということになってくるわけでございますが、ここら辺のことについて考え方をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私学が日本の教育制度の中に占めております役割は非常に高いものと私ども評価をしております。その人材育成における功績を当然のことながら我々全く否定するものではございません。そうしたことから、従来から私どもは、厳しい国の財政事情や、あるいは累次の臨調・行革審答申等で御指摘をいただきましたけれども、例えば昭和五十八年度には私立大学などの大型研究装置、教育研究装置に対する補助金制度を創設いたしたり、あるいは私立大学等経常費補助におきまして特別補助の充実に努めるなど、その内容の充実に努めてまいりました。平成三年度予算におきましても、大変厳しい状況の中でありますけれども、経常費補助につきましては対前年度三十九億円の増を確保いたしておりますし、引き続き特別補助の充実を図るなど、内容の効率化、重点化にも努めております。 今後ともに財政事情、私学の役割などを総合的に勘案しながら対応してまいりたい、そのように考えております。
○近藤忠孝君 私は財政についてのチェックのあり方の根本について質問します。 これは三月六日の湾岸支援財源法案審議のときにも指摘しました。国民の税金から大金を出すんですから使途、金額、算定根拠を具体的に明らかにして日本の国会で審議すべきだ、これが財政民主主義の根本であるけれどもその根本を放棄したんだという指摘をいたしました。 きょうはその議論に入りませんが、これは橋本さん、大蔵省としてもこの一兆一千七百億円の算定根拠について詰めて検討すべきだったと思うんです。それをしなかった。できなかった。こういうことが定着しますと国会の機能、また大蔵省の機能、これが果たせないことになる。今後もこういうこと、こういう事態の発生はあると思うんですね。それから、例えば復興への援助などの拠出とか。その場合に今回と同じようなことを繰り返すんでしょうか、まずお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今までこの一兆一千七百億円の支出というものにつきましては、日本が現在の安定した国際秩序の中におきまして大きな経済的繁栄を享受している、また中東地域における原油の依存度七割以上という日本、国際的地位にふさわしい支援を行う必要があることなど、総合的に勘案して決定をいたしましたということを繰り返し申し上げてまいりました。大蔵省は十分機能いたしております。
○近藤忠孝君 私のこの指摘は、私だけじゃなくてかなり多くの人の共通問題意識だろうと思いますし、これは三月十四日の朝日新聞ですが、編集委員の早房長治さんがこういう指摘しています。三つの疑問ということで、第二に橋本さんの行動に関することとして、この決定は蔵相としての立場を踏み外した行為じゃないか、ある中堅幹部は、だれか知りませんが大蔵省の恐らくこれは主計局でしょう、九十億ドルの積算根拠について大蔵省が詰めるべきだった、ところが首相特使や外相ではなくて蔵相自身が決めてしまったので主計局も手を出せなくなった、次の有事までには何らかの査定ルールをつくる必要があると。私は余り有事は賛成しないけれども、また戦争協力費は出すべきでないと思いますが、しかし問題は、こういう指摘が現にあるんですよ。これにはどうお答えになりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ここに大蔵省の中堅幹部どころではない既に上級幹部に足を入れておる方がおられますけれども、大蔵省の事務方は私が勝手に決めてそれを唯々諾々とのむほど甘い諸君ではございません。十分論議をいたした上で決定したものであります。
○近藤忠孝君 しかし、実際にその具体的な問題点が明らかじゃないんで、私はさらに指摘をしたいと思います。 私が前回指摘したのは、例えばアメリカ側の議論の中から見て九十億ドルの積算根拠に水増しがあるんじゃないかなど幾つか、例えば燃料代とか迎撃ミサイルについて指摘しました。それについて大蔵大臣の答弁は、私はアメリカの閣僚でもイギリスの新聞記者でもないんでアメリカの議論は肯定も否定もしないと言うんですが、これ、全く答弁になってないんですよ。私が指摘したのは、日本から出すお金がアメリカの議会で議論になって、水増しがあるんじゃないかという議論をされているんだから、日本が出す根拠が不明確じゃないかという指摘をしたんです。 きょうはしっかり答えてもらいましょう。その後アメリカの議会なりあるいは予算局の段階で過大見積もりや目的外使用が明らかになった場合、日本政府はどう対処されますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、繰り返し申し上げてきたことですが、委員の今の御質問の前提に対して誤解を解いていただかねばなりません。 いわゆる九十億ドル、すなわち一兆一千七百億円の多国籍軍に対する資金拠出というのは、日本政府が決めた数字であります。そして、我々の試算についてアメリカ議会が甘いとか甘くないとか議論しておられるとは思っておりません。
○近藤忠孝君 実際にアメリカではもう既に約百億ドルぐらい余るんじゃないかという議論がされておるんです。ということは、やっぱり甘かったんですよね。 それで外務省、実際四百二十六億ドルの戦費で一応計算がされておったわけですが、アメリカ議会予算局の調査によりますと、前回も指摘したんだけれども、燃料、弾薬の消費を過大見積もりしている、またパトリオットミサイルの補充を政府試算では五百発と見込んでいるが実際に発射したのは二百発未満であるということがあのときアメリカの議会で指摘されまして、それで総額では三百五十億ドルで済むとの見解が明らかになっている。これについてどういう情報を得ているのか。 そして、アメリカの議会には国防省から実際に湾岸戦争にかかわる全支出と財源について報告を求められることになっていますね。その報告書を入手しておるのかどうか、それをどういうぐあいに把握しているか、この点をお答えいただきたい。
○政府委員(松浦晃一郎君) 私どもがアメリカの議会におきます議論で承知しておるところを報告させていただきます。 第一に申し上げたい点は、アメリカの議会におきましては、今回の「砂漠のあらし」関連予算に関しまして補正予算が三月の二十二日に、これは正確に申し上げれば補正の歳出法案でございますけれども、成立しております。それが今先生が言及されました約四百二十六億ドルということでございますけれども、これに関しましてはいろいろな数字がその議論の過程でも、議会側からもさらには行政府側からも出ておりまして、この数字はとりあえずの数字ということになっております。 四百二十六億ドルの内訳の数字がございますけれども、特に戦闘経費を七十八・七億ドルととりあえず見積もっておりますけれども、これに関しまして行政府側からはかなり異論が出ておりまして、戦闘経費に関しましてはまだ数字が行政府としても詰め切れない。したがいまして、議会としてもとりあえず七十八・七億ドルということで計上しますけれども、この数字は最終的にはさらに再検討されることになるんではないか、こういうふうに見られている次第でございます。いずれにしましても、そういう形でとりあえずは補正予算が四百二十六億ドルという形で成立しておりますが、今申し上げましたように、肝心の戦闘経費のところがかなり不確定でございます。 それから二番目に申し上げたいと思いますのは、今先生が言及されました国防省の報告は、恐らく先生が言っておられますのは二月の二十二日に大統領が議会に出しました補正予算の提案で、その要約がホワイトハウスのプレスリリースという形で出ておりまして、私どももこれは入手しておりまして、これは先生方の御要求に基づきまして提出さしていただいておりますけれども、これを指しているんだと思います。いずれにしましても、今回の「砂漠のあらし」作戦全体に関しましてまだ国防省ですらも具体的な数字がはじけない状況でございますので、それに関します詳細な報告が国防省から議会に出されたということはないんではないかと思っております。
○近藤忠孝君 もう出ていると思うんです。ここに国防補正予算支出権限法というのがあります。それで、そのタイトルは「外国の拠出金及び砂漠のあらしについての報告書」、その報告義務について、これは先ほど申し上げたとおり、予算局長が議会へ出す、予算局長が国防総省、国務省、財務省などとの協議の上報告書をつくる必要があると。ずっと後の方へいきますと、報告方法について、第一回報告は本法律通過後十四日以内。この法律が通過しましたのは三月二十二日です。十四日たっているでしょう。四月六日はもう過ぎていますよね。だから、これはもう議会出ているんですよ。出ています。出てないなんてとんでもないですよ。出てますよ。日本からお金もらって使う方のアメリカでさえちゃんとこれほどの厳密にやっている。第二回は二十一日以内です。その後毎月十五日以内に報告をして、最終報告は十一月十五日までと。こういうふうにかなり厳密に、もらって使う方でそうなんです。 ここは日本の国民の税金を出す方の国会です。そこに、どう使われたかを全然出さない。これでは一体何の国会なのか。また、査定する大蔵省、これは査定してないことになるんじゃないかと私思うんですよ、これ水増しがどうなっているかわからないということだから。私は、こういった問題は、この報告書出されたら取り寄せて税金から金を出した日本の国会にまず提出すべきだと思うんです。これはどうですか。
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生が言及されました報告書については早速調査したいと思いますけれども、念のために申し上げたいと思います。日本の拠出に関しましては、先ほど大蔵大臣が申されましたように、一兆一千七百億円を湾岸平和基金に拠出しておりまして、そのうちアメリカに対しましては既に一兆七百九十億円が、これは具体的に六分野、輸送関連、医療関連、食糧・生活関連、事務関連、通信関連、建設関連の諸経費に充てるということでアメリカに支払われておりますが、これに関しましてはアメリカから湾岸平和基金の運営委員会に報告が行われることになっております。それで、報告が参りましたら日本政府に対しましてもしかるべく報告があると考えておりますので、これに関しまして、私ども、今先生が言及されましたけれども、まさに適切な形で国会その他の場で明らかにさしていただきたい、こういうふうに考えているわけでございまして、決して日本が拠出しましたお金がどう使われたか一切報告しないという考えではございません。これはきちんと適切な形で報告さしていただきたい、こう考えております。
○近藤忠孝君 やっと一部私の意に沿う答弁が出てまいりました。 ただ、外務省はいつも遅いんですよ。私が三月六日にワーキングキャピタル・アカウントについて指摘したときに、あなたの答弁は、今アメリカの議会で議論されているところで現段階ではこの口座の詳細なメカニズム承知していないと。だって、私がわかっていることをあなたがわからないなんてとんでもないことですよ。今のだってこれ、私が指摘して初めてこれについて、まあわかっておったんだろうと思うけれども、初めてというようなこういう状況でしょう。やっぱりこれじゃ困るんですね。 時間もあとわずかなので最後に、金余ることは確実だと思うんですけれども、その場合どうするのかということが一つ。 それから、アメリカ議会では二十二日に湾岸戦争に関する補正予算を成立させたんですが、その前日二十一日に、兵士に対する特別支払い、別居手当、住居手当、死亡弔慰金などの増額、また復員兵士に対する生命保険、子弟の教育費補助などの増額を図る総額六億五千五百万ドルの予算を可決しておるんです。この事実はどうか。追加で最初の補正予算にさらに上積みして支出する。ということは、実際、戦費が要するに少なかったので余っちゃって、これはもう大量に返さなければいかぬということになるんで、返す金を少なくしようというので追加的に支出しているという、そんなことになるんじゃないのか。 この二つ、もし余ったらどうするのか、橋本さんに答えてもらいたい。
○政府委員(松浦晃一郎君) 私から二点お答えさしていただきます。 最初の余るんではないかという御質問でございますけれども、これに関しましては、今申し上げましたように、この四百二十六億ドルというのもとりあえずの数字で、特に戦闘経費に関しましてはまだ確定した数字がないということでございまして、余るかどうかということは正直申し上げましてアメリカの政府自体がわからないわけでございますけれども、今までの関係者の発言を見ておりますと、アメリカの政府としては余らないであろうという見通しを繰り返し述べております。ただ、議会の関係者の中に余るだろうという意見を言われる方がおられるのは承知しておりますけれども、行政府はそれを否定しております。 それから、先生御指摘の二番目の点に関しましては、ちょっと私今、現段階での資料を持っておりませんので、早速調べてみたいと思います。
○近藤忠孝君 最後の質問ですが……
○委員長(大河原太一郎君) 近藤君、時間です。
○近藤忠孝君 日本の国民の税金を使っているんだということを十分わきまえて対処してほしいし、橋本さんが答弁されなかったのはやっぱり一番痛いところを突かれているからではないかということを申し上げて、質問を終わります。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員長、挑発に一つだけ乗らせてください。 その審議の際にも、仮にその剰余が生じたような場合において地域の経済復興にも使われるであろうということを申し上げてきております。
○近藤忠孝君 それは間違っている。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 間違っておりません。どうぞ議事録をお調べください。
○古川太三郎君 二つのことについてお聞きしたいと思うんですが、まずその一つは、あした、四月十日になりますので、天皇御即位記念金貨の発行があるということです。昭和天皇御在位六十年記念のときには一千百万枚発行しましたが、今度は、当初は三百五十万枚という予定でしたけれども、実際は二百万枚の発行になっております。昭和天皇のときに比べれば五分の一以下に減っているんですけれども、その理由はどういうことかということです。
○政府委員(篠沢恭助君) 今回の天皇陛下の御即位記念金貨の製造につきましては、昭和天皇御在位六十年記念金貨偽造事件というものが残念ながら起こったわけでございます。この教訓を生かして偽造防止に万全を期することといたしました結果、偽造防止策等の実施に伴う製造機械の調整等に相当の準備期間を要しまして、製造開始が昨年の十一月と大変おくれたわけでございます。製造開始後も、製造工程が複雑化いたしましたために製造能力に限界がございました。昭和天皇御在位六十年記念金貨に比べますとはるかに製造のペースが遅い、大変に時間がかかるという形で偽造防止策等の実施が行われたというふうに御理解を賜りたいのでございます。 先生御指摘のとおり、昨年当委員会におきましてこの記念金貨の製造に関しましての法案の御審議をお願いしました段階では、まだ三百五十万枚の発行というものを予定し、そのつもりを持っておったわけでございますけれども、実際問題といたしまして、平成二年度の発行でございますので平成二年度中に製造し切るものとしてぎりぎり二百万枚が可能になった、このように御理解を賜りたいと思うのでございます。
○古川太三郎君 時間がないので簡単に答えていただければ結構です。 二百万枚の鋳造益はどのぐらいになるのか、益と言っては何ですけれども、これが一般会計に組み入れられる金額はどのぐらいになるか、あるいはまたそれが何年度に組み入れられるのか、このことをお聞きしたい。
○政府委員(篠沢恭助君) まず、この記念貨の発行に伴います貨幣回収準備資金から一般会計への繰り入れの年度でございますが、これは平成二年度の歳入というふうに相なります。先生御指摘のとおり四月十日、明日の引きかえでございますが、平成二年度の発行でございます。それから、これに伴います財政収入は約七百億円と見込まれております。
○古川太三郎君 六十年御在位の環流枚数が昨年五月末現在では二百七十万枚、こう言われておったんですけれども、現在はどのぐらいふえたのか、またこれは二度と通用しない環流通貨ですけれども、その処分はどうされたのか、お聞きします。
○政府委員(篠沢恭助君) ただいままでの還流枚数の総数は約三百十五万枚でございまして、これを日銀において受け入れておるところでございます。 それから、このような日銀にいわば滞留することとなりました記念貨の取り扱いにつきましては、当面日銀において保管をいたしまして、今後種々状況を見きわめた上でその取り扱いについて改めて検討をいたしたいという所存でございます。
○古川太三郎君 三百十五万枚というのはまだまだふえる可能性もあるというわけですね。 そこで、大臣にお聞きしたいんですが、今後の記念貨幣発行のあり方について、こういった強制通用力を持った法定通貨、しかも大変な高額額面、そういう高額額面で発行しながら実際には流通を予定していない貨幣、こういうようなものをつくる意味がどこにあるのか、その意義はどこにあるか、ちょっとお聞きしたいんです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員からの御指摘が出てまいりますのも、御即位記念貨幣の以前に不祥事が発生をしたということから我が国の発行いたします金貨というものにつきましてさまざまな問題が提起をされたというところにもとがあるものと感じます。そして私どもなりのその責任を御在位六十周年記念貨幣のときの経緯を振り返りながら改めて痛感をいたします。 しかし同時に、記念貨幣というものが国民の中にさまざまな意味で親しまれ、国の行事あるいは特定の地域において非常に歓迎されるような行事の際に国民が求める一つのシンボルであることも、また事実であります。そして、今日までさまざまな単位の記念貨幣を私どもは鋳造いたしてまいりました。そしてそれが、それぞれに現実に通用し得る通貨としての体系の中で発行されながら国民のいわば思い出の品として大切に保管をされているという事実を考えますときに、私はなおこうした記念貨幣というものに対する国民の愛着は本質的に崩れてはおらないと考えております。 問題は、委員が御指摘になりましたような高額の貨幣を記念貨幣として発行することについてということでありますが、やはり私は、御即位あるいは御在位六十周年といった非常に大きな記念すべき行事に限定されて発行される性格のものでありますだけに、今後そうしばしばこうした形態での発行が行われるものとは実は考えておりません。それだけに、その間におきましてむしろ我が国の記念貨幣というもの、なかんずく金貨幣というものに対する信頼が、今回の御即位記念金貨幣の発行によりまして取り戻されることを心から願う次第であります。
○古川太三郎君 こういったことを議論しても時間がございませんが、しかしいずれにしても前は一千百万枚、今度は二百万枚というように少なくなったというのは、せっかく国民に持ちたいという希望があってもそれができなかったという意味は、私はやっぱり金の価値と額面に差がある限り偽造の危険性があるということを指摘したいと思うんです。しかしそれが高額額面で法定通貨である限りその蓋然性は極めて高い、やっぱりこう言わなきゃならぬと思うんです。 また、造幣局の技術と偽造者側の技術とのこれは永遠の競争でもある。造幣局職員に対する過度の要求にもつながるばかりか、何よりも貨幣に対する信用をなくするおそれがあることを指摘申し上げて、この問題は終わります。 なお、平成三年度一般会計歳入予算額のことでございますけれども、それは七十兆三千四百七十四億円強になっております。そのうち租税及び印紙収入が六十一兆七千七百二十億円、二年度当初予算額に対する増加は実に三兆七千六百八十億円、こういうようになっております。この増加した三兆七千六百八十億円の分は法人税とか相続税、有価証券取引税、そういうたくさんの各種租税がありますけれども、その中で特に所得税の増加分がその大部分を賄っている、こう見ていいんじゃないかと思うんです。その所得税の中で特にまた源泉分と指摘されておるものが二年度当初予算額が十六兆四千三十億円、これが三年度には二十兆九百五十億円、実に二割以上の増加になっておる。その増加額が三兆六千九百二十億円、実に膨大な金額です。 そこで、三年度は所得税の制度改正というものもございませんし、また経済成長率も平成三年度は名目成長率においては財政の中期展望の前提条件とほぼ同じであるにもかかわらず、所得税の源泉分だけが異常に増加している、こう言わなきゃならぬ。それは実はサラリーマンに対する実質的な増税ではないか。先ほど峯山委員の質問に答えて、サラリーマンに対する減税を当局は考えていないというような答弁がございましたけれども、一年間に実に二割の実質上の増税になるというようなことは税体系としても非常に異常ではないか。やはり源泉分に対してはもっともっと真剣に考えて、そのときどきに見合わして実質上の減税を行っていかなければ不公平も甚だしい、こう言えるんではないかと思うんですが、見解をお聞きしたいと思います。
○政府委員(石坂匡身君) ただいま御質問がございました平成三年度の所得税の数字でございますが、対比なさいましたのは平成二年度当初予算の数字でございます。確かに伸びの額にいたしますと所得税で四兆強、伸び率にいたしますと二〇%程度の伸び、これは御指摘のとおりでございます。ただ、しかしながら、実はこの平成三年度予算を編成いたします段階で平成二年度の補正予算というものがございました。その段階でこの二年度の税収というものを見直したわけでございます。そのときに出てまいりました大きな増加要素というものが二つございました。 一つは今おっしゃいました源泉所得税の中で特に金利、利子にかかる源泉所得税の分でございます。これは大口定期とかMMCとかそういった自由金利預金、この残高が想定いたしましたものよりははるかに大きな勢いで増加をいたしました。特に十二月で見ましてもMMCなどは前年に比べまして倍増しているというふうな残高の増加がございました。それから公定歩合の引き上げ等に見られましたように金利の引き上げという要素が平成二年度途中でもって生じたわけでございます。こうしたことから、そうした金利等の変動によりまして約一兆八千億円ほど年度途中でもって源泉所得税が増加をいたしたわけでございます。 もう一つは申告所得税でございますけれども、申告所得税の中で土地の譲渡所得の問題がございます。これは実は平成元年度の税収から尾を引いてきた問題でございまして、土地の値上がり等によりまして平成元年度の土地の譲渡所得が実は補正予算よりも約一兆円ほどオーバーしたわけでございます。それが平成元年度の増収のもとになったわけでございますけれども、平成二年度に入りましても地価はかなり後の方になって鎮静化してまいりました。そういうことで、結局この平成元年度の決算でふえました一兆円といいますものをよく内容を分析いたしました上で平成二年度の譲渡所得税の補正でもって上乗せをしてございます。 この両方の増加要素というふうなものが実は平成二年の途中にあったわけでございます。 この増加要素をもとにいたしまして平成三年度の予算を検討いたしたわけでございまして、したがいまして、いわば課税実績見込みというふうなもの、それから経済見通しの数字というものを勘案いたしました平成三年度の税収は、所得税の税収に限って申し上げますと、平成二年度の補正予算に対しまして全体で五・七%の増加、実額にいたしまして一兆四千億弱の増加ということでございます。そうした思わざる変動要因がありましたために、ただいま委員が御指摘になりましたように当初当初で見ますとやや伸び率が高く出てしまったというふうな結果が出ておるということでございます。
○古川太三郎君 まあ三兆七千億ぐらいの増税分になると思うんですけれども、これは当初予算額でですが、そのうち約一兆八千億円が金利とかそういったものだと。でも、そうだとしても約二兆円弱の増税になっていることは確かなんで、やっぱりサラリーマンの減税をもう一度考えてみるということを強く要求して、終わります。
○三治重信君 私は、ことしの景気というんですか、経済成長はこの経済の運営の基本態度で総体として三・八%の経済成長、大体今のところそういうぐらいはいくであろう、こういうようなお考えのようですが、最近、公定歩合の引き下げ問題、景気に対する弱い見込みといいますか、そういうのが時々新聞に載るようになり、日銀総裁もいつも記者会見では、公定歩合の引き下げの問題を非常に意識しながら、公定歩合は当分引き下げない、こういうようなのが新聞に載っているように感じておるわけですが、景気の減速があらわれる心配はないのかどうか、またもしも景気の減速が来た場合に、それはやはり一番最初に公定歩合の引き下げで対処していく方針なのか。また、現在のところアメリカが湾岸後非常に強気なところから円安ドル高になっておりますけれども、大臣がいつも言っておられるように、やはり余り円安になることは世界経済の動向また日本の動向から見ても好ましくない、したがってどちらかといえば為替は円高の方が日本の経済運営にはいいんだ、こういうふうなお考えだと承っておるわけですが、どうも最近景気の減速現象というものを新聞ではやす気配もなきにしもあらず、こういうようなことに対する大蔵大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一点に申し上げたいことは、私どもは先刻も御答弁を申し上げたところでありますが、三・八%の実質成長率を維持するに足るだけの日本経済の足腰の強さは続いているということであります。一時に比べまして確かに減速と言われれば減速をしてきておることを私は否定するものではありません。しかし、なお極めてしっかりとした足取りで日本経済は動いているわけでありまして、それは個人消費の数字にいたしましても、またさまざまな御論議があることを承知いたしておりますが、なお設備投資につきましても、非常に強い底がたいものを持っております。 一方で、私は為替水準がもっと円高がいいんだと申し上げたことはございませんで、日本経済のファンダメンタルズにふさわしい水準であってほしいと願っており、その折々におきまして必ずしも日本経済のファンダメンタルズを的確に反映したとは言いがたい数字が出ましたとき、例えば新聞記者諸君から尋ねられました場合に、今私自身が申し上げましたような言い方を申し上げておるわけであります。 ただ、今委員から公定歩合の問題にお触れをいただいたわけでありますが、これは日銀の専管事項でありまして本来的に私どもが御答弁を申し上げることではございません。ただ一般的に、今果たして経済政策、財政金融についての政策変更を必要とする事態が到来しているのかということでありますならば、私は必ずしもその必要性を認めておらないということであります。 これは、今、物価にいたしましても、私どもは、一方におきまして湾岸の戦闘状態というものが終結をし先行きの安定性を取り戻した中での原油価格の動向というものに注意を払い続けておりますし、また生鮮食料品を中心といたしました季節的な変動要因を別にいたしまして、労働力需給等を反映した輸送コストの影響等々について非常に注目し続けております。こうした情勢の中で、一方ではようやく地価が大都市部においては鎮静し多少下落の傾向も見えてきたと言いながら、全国的に完全に安心のできる状態になっているわけではありませんし、私どもとしては土地神話を破壊するまでなおこの問題について注意を払い続けなければなりません。 こうしたもろもろのことを考えてまいります場合に、財政金融政策についてその方向を転ずる時期では現在はない、それぞれの措置の効果を十二分に注視して見てまいるべき情勢が続いておる、私はそのように感じております。
○三治重信君 大体大臣のお考えに私も賛成でございます。したがって、景気の対策というものを軽々しく変更を言うべきではないんじゃないか、こういうふうに思っております。というのは、まだやはり為替の問題やバブル経済の状況、土地や株高をもっと抑えるべきだ、こういうふうに思っておりますから、そういう意味においてひとつ景気対策については慎重に対処してもらいたい、こういうふうに希望をしておきます。 次に、土地の金融規制との関連でよく報道されておりますノンバンクの規制問題ですが、このノンバンクというのはどうも私は中身がよくわからないので、ノンバンクというのはどんな範囲で、どういうふうにして金を受け取って、どういうふうに資金を運用しておるのか、いわゆるノンバンク問題というふうに出ている中身の状況というものを一遍御説明を願って、これが本当に金融関係にどの程度の影響力があるのかどうか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(土田正顕君) 事実問題を主といたしまして御説明を申し上げます。 ノンバンクという言葉が言われ始めましたのは一昨年ぐらいからではないかと思います。まだ確立した定義というのは存在しないのでございますが、一般的には銀行や保険会社などの免許事業会社を除いた一般の金融関連会社が、金融機関の固有業務でありますところの預金の受け入れとか為替取引業務以外の金融関連分野、例えば貸し出しがいい例でございますが、そのような分野へ広く進出しているケースをとらえまして、これをノンバンクと呼んでいるわけでございます。したがいまして、ノンバンクとはいわば預金などを受け入れないで与信業務を営む会社であると言うことができようかと存じます。 ノンバンクと言われております会社は、消費者金融会社、事業金融会社、クレジットカード会社、信販会社、リース会社など、さまざまな企業形態で活動をしております。その会社は融資業務以外にもリースとか割賦購入のあっせんとか抵当証券業務などをあわせ行っているものも多いわけでございまして、したがいましてその業務範囲は個々の企業によって異なっております。ノンバンクという範疇に入る会社の業務範囲について明確に申し述べることは困難でございます。 次にその数でございますが、いわば貸金業を行っているという面からとらえますと、貸金業規制法の上での貸金業者として登録されております業者の数は平成二年三月末で約三万七千に達しております。ただ、その中で大蔵省が貸金業者の業務実績として統計的に把握しております貸付金残高は平成二年三月末で約六十九兆円でございます。この六十九兆円というのはその時点においてどういうような大きさの数字かと申しますと、その時点におきまする信用金庫の融資残高が全体で五十三兆円でございます。それから例えば全国銀行は四百二十四兆ですが、その中の第二地銀協加盟行、昔の相互銀行でございますが、これは四十四兆円でございます。大体そのような大きさの数字の融資残高を抱えるようになっております。
○三治重信君 そうすると、これだけの貸し金、金融のいわゆる入る方はやらなくて貸し付けのことばかりやっていてそれで金額が信用金庫や相互銀行等よりも多いような状況というのは、資金源をどこに持っているんですか。一般の銀行がこれの裏づけをみんなやっているんじゃないですか。
○政府委員(土田正顕君) 実はその辺につきまして明確なことを申し述べがたいのでございますが、ただいま申し上げましたように、ノンバンクと言われます会社は、貸金業もやっておりますが、そのほかに例えばリースとか信販とかそういう業務をやっております。それぞれのところに資金がどう配分されておるのかということはなかなか私どもではトレースできないのでございます。 ただ、会社の全体としてとらえてみますと、今のところ自分の力で資金を調達する能力は限られたものでございますので、全くの自己資金、それから若干例えば海外とか、それから限られた業種につきましては貸金業以外の業務の資金に充てるためにコマーシャルペーパーなどを出しているところもあるかどうかという問題はございますが、それからまた海外あたりで債券を発行している例もあるようでございますが、大体におきまして国内で金融機関などから、「など」というのはノンバンク同士も含むわけでございますが、それからノンバンクの親会社、例えば建設業とか不動産業系のノンバンクであればその親会社であります建設会社とか不動産会社、それから自動車販売などであればその親会社の自動車会社などからの金融を受けておるものもございますので、トータルといたしましては九割以上はいわば他人からの資金に依存していると思います。 その中に金融機関がどのくらいであるか、また実際に貸金業の財源となっておるのがどのくらいであるかということは私ども把握をしておりません。
○下村泰君 まず、寄附金控除の制度についてお伺いします。 その内容、概要を説明していただきたいんですが、法人、個人ともにお願いいたします。
○政府委員(小川是君) 寄附金控除の制度でございますが、現行制度上、教育や科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献等、公益性の高い寄附金については法人、個人を通じまして特別の配慮を行っております。内容はやや複雑になっておりまして、具体的には、教育、科学、文化、社会福祉等の一定の事業を目的とする公益法人につきまして特定公益増進法人として認定をいたしまして、こうした法人に対して個人や法人が拠出する寄附金につきまして一定の優遇措置を行っております。また、学校の建設であるとか重要文化財の修理、共同募金等の公益法人が行う一定の緊急を要する事業に対する寄附金につきましては、個別の指定によりまして指定寄附金として優遇をすることにいたしております。 なお、法人につきましては、ただいま申し上げました二種類の優遇措置はいずれも損金に参入されることになっておりますし、個人の場合には、これらの寄附金につきましては毎年所得の二五%を限度として寄附金控除として認めるということになっております。
○下村泰君 昨年の三月に法人の寄附控除についてはお伺いしましたが、きょうお尋ねしたいのは無認可の小規模作業所などに対する寄附の扱いについてでございます。こういうところ、つまり法人格のない任意団体への寄附の扱いと社会福祉法人への寄附の扱いについて説明をしてください。
○政府委員(小川是君) まず社会福祉の分野に対する寄附金につきましては、一つは、共同募金会その他の社会福祉法人はすべて先ほど申し上げました特定公益増進法人とされております。また、共同募金会に対する寄附で社会福祉事業の費用に充てられるものは指定寄附金の対象とされております。こういった形で社会福祉の分野に対する配慮をいたしているところでございます。 お尋ねの法人格のない小規模作業所に対する寄附につきましては、直接の寄附につきましてはただいま申し上げました特例の対象にはならないということになっております。別にこれは社会福祉の関係だけではございませんで、寄附金の特例を認めますときには、これを受け入れます法人につきまして法人格があるということを一つの大事な要件といたしております。その趣旨は、受け入れました寄附金が公益性が高く、それがその本来の目的に使われるということを全体として担保する必要がある、そういったことから法人格を当然のこととして要求しているわけでございます。 なお、それでは小規模作業所のような人格のない社団のようなものについて全く道がないかと申しますと、それはそうではございませんで、先ほど申し上げました例えば共同募金会を通ずるような寄附につきまして、小規模作業所に対して配分を行うというような形で実質的な免税寄附金を受け入れるという道が全くないというわけではございません。
○下村泰君 本来、国などの行政がきっちりバックアップしていただきたいところで、自分たちの力で社会参加に向かって頑張っている障害を持った人たちも法人施設などで生活している障害者も私の目には違いがないんですが、法人のもとにいるのと無認可でいるのとではなぜか扱いが違う。ここのところがまことに理解ができないんです。この制度そのものが一体どういう目的、意図があるのかわからなくなってきます。 全く無条件に小規模作業所、無認可作業所をすべて福祉法人同様にしろとは、言いたいんですけれどもきょうはそこまで申し上げません。しかし、ある程度の実績があり自治体の認定を受けている小規模作業所もたくさんあるわけです。各自治体が単独事業としてやっているところも随分あるわけです。そうすると、自治体そのものが手当てをしているということは、それだけ認めているということなんですよね、その作業所を。ですから、そういうふうな観点に立てば法人並みに扱うことができないんだろうかというのが私の見方なんですけれども、どうでしょうか。
○政府委員(小川是君) やや繰り返しになりますが、寄附金の制度におきまして特例の対象とするのに法人格を要求しておりますのは、やはり課税を免除する免税の寄附金であるということからいたしますと、全体としてその行われた寄附及び受け入れた側において公益性の高い目的に使われるということが制度的に担保されている必要があると存じます。そこで、これは別に社会福祉だけではございませんで、教育でもあるいは文化の関係でも同じでございますが、その寄附を受ける側の運営組織あるいは経理が適正であるといったことがまず必要でございますし、また相当の業績を持っているということも必要でございます。さらには、受け入れた寄附金により役員等が特別の利益等を受けないといったような形でその事業の運営あるいは使途の適正を求める必要があるわけでございます。そこで、一般論としては、そのような要件を満たす法人格を持っているところが寄附金の受け入れ主体であるということを要件にいたしているわけでございます。 今御指摘のようなケースについて、法人格のないものについても一般的に制度の対象にするということはしたがって無理があるわけでございますが、先ほどちょっと申し上げたように、現状におきましても、例えば共同募金会を通じたような寄附の受け入れ及びその配分というような形で実質的な免税寄附金の受け入れというのが可能になっているという状況でございます。
○下村泰君 その説明はよくわかるんですけれども、こういった作業所のようなものは、その地域その地域で法人組織のシステムに入れない、また入ることができない人たちが多いんですよね。そういう方たちがつくっている作業所なんですから、しかも自治体がある程度認めているというものならば、あなたのおっしゃった御説明の内容にもそれほど私は外れるところではないというふうに解釈するんです。今すぐにやってくれとは申しませんけれども、おいおいそんなような方向に向かっていってもいいんじゃないかと思うんです。 それはなぜかと申しますと、今おたくのおっしゃったように、赤い羽根募金とか何とかいろいろとやります、世間的には。ところが、そういったところには潤滑に来ないんですよ。しかし、地域に住んでいらっしゃる方々がそういう方たちのために善意を差し上げようとしているのにもかかわらず法がネックになってそれができないというようなことでなく、今の社会制度の中でそろそろ日本は日本らしく何か考えてもいいんじゃないか、僕はそんな気がするものですから、ぜひ何かひとつそんな方向に行けるようならばできるだけ行けるように努めていただきたいと思います。 今、一%クラブ、メセナ協議会、それからボランティア休暇なんというのがさまざまの会社で、といっても数は少ないんですが、私ちょっと調べましたらまだ三社ぐらいしかないんですが、長いので二年以内の有給休暇を出して、そして会社の方が社会に貢献しろということで、社会貢献休暇というんですか、そんなようなシステムができている会社もあります。私はこれをボランティア休暇と名づけていますけれども、企業もだんだんとそういう傾向になっている。この間もあるものを調べますと、アメリカの方で、あるスーパーマーケットが売り上げが非常に少なかった、ところが、そのスーパーマーケットは社会的にこれこれこれだけのことを貢献していますよと言ったら、それだけのことをやっているんならとそこへ全部消費者が買いに行って売り上げが一番になっちゃった、そういう話もあるんです。ですから、日本の企業もやっぱりこれからはそういう方向に向いていくべきだと思いますね。 フランスでは一九七七年にビランソシアル、社会貸借対照表と言われる貢献分を数値化した指標を示したものが会計制度として法に想定されているようなんですけれども、我が国にもそうした制度の導入するお考えはありませんか。大臣、いかがでしょうか。
○政府委員(松野允彦君) お尋ねの点でございますが、現在の我が国の企業会計の原則では、法人の行います寄附金につきましては通常、一般管理費あるいは営業外経費ということで経理されているわけでございますけれども、その中で一般管理費あるいは営業外経費の一定割合を超える場合にはそれを区分して明らかにするということになっております。具体的には、例えば一般管理費の五%を超えるというような場合に区分経理をすることになっておりますし、また実際の企業の財務諸表などを見てまいりますと、それに満たない場合においても企業が自発的に寄附金というものを区分して明らかにしているという例もあるようでございます。 お尋ねのような点でございますが、私どもとしてはそういう寄附金等についての社会的な貢献を数字としてあらわすというのが国際的に見て必ずしもまだ一般化されているという状況にもございませんし、また企業が今申し上げたように自発的に対応しているということもございまして、現在のところはこういう自発的な対応を見守っていくことが適当ではないかというふうに考えているところでございます。
○下村泰君 個人の支出する寄附の扱いについては難しい問題があるのはよくわかりますけれども、まだたくさん聞きたいことがございましたけれども、もう時間がきたので、一つ、大臣にお答え願いたいと思います。 先日、日本型福祉ということを言われたことがございますね。大臣のお考えになっている日本型福祉というのはどういうことなんでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先日ばかりではなく、私は、厚生大臣になる前から日本型の福祉社会というものを築きたい、その場合に一体日本の家族同居というものが一体どう変わるのだろうという疑問を絶えず問いかけ続けております。 家族同居ということを申しますと、往々にして、御家庭の中におられる奥さん方あるいはお嬢さんあるいはお嫁さん、そこに負担をかける、そして安上がりの福祉を考える、そうとられることがしばしばございます。しかし、そうではございません。むしろ、在宅福祉というものを中心に世代間同居というものを中核とした福祉社会というものを組み立てようといたしますと、世代間がばらばらに住んで、そのばらばらに家族が住んでいることを前提にして社会保障とか福祉行政を組み立てますよりも、実ははるかに多くの人手を必要といたします。 そして、これは今さら委員に申し上げることではございませんけれども、社会保障というものを大きく分けまして、所得保障と医療保障、そして公的福祉サービスという分け方をいたしました場合、公的福祉サービスの中身が全く変わってまいります。言いかえれば、施設中心主義からあるいは在宅における介護というものを中心にし、さらにそれにケースワーカーとかあるいは医療指導といったものを加えたものを組み立てるか、ここははっきり実は違ってくるわけであります。そして私自身は、世代間同居というものを中心に組み立てていく方が、日本の伝統的な家族制度というものが相当減少しつつありますけれども、依然として強い同居型社会におきましてはより実態に合うと考えております。 さらにそれは、所得保障と医療保障のバランスにも影響いたしてまいります。仮に別々の世帯構成というものを前提に考えますならば、やはり我々は所得保障というものに中心を置いた仕組みを組み立てていかなければなりません。しかし同時に、同居型というものを中心にいたします場合には、その部分については税制その他で対応する部分が相当出てまいりますから、所得保障という形の部分についてはある程度そのウエートを医療保障にシフトすることができます。 こうしたことを考えてまいりますと、私は世代間同居型の社会というものを組み立てることの方が望ましいと考えます。そのためには、今考えております各種のヘルパー、これはお年寄りのみがよく言われますけれども、実は障害児、障害者の同居世帯についても同様でありまして、はるかに実は従来考えられていたよりも手厚いホームヘルパー等の確保が必要になる社会、さらにケースワーカー等各種の相談業務のできる人たちが一定数地域社会に必要とされる社会、そしてそれは同時に施設入所中心の社会の仕組みとは異なったものになる。 長々演説させていただければいっぱい言いたいことがあるんですけれども、簡単に申し上げますとそのようなことになろうかと思います。
○下村泰君 どうもありがとうございました。 厚生省の方、お呼びして済みませんでした。
○委員長(大河原太一郎君) 以上をもちまして、委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十七分散会