大蔵委員会 第7号
- 発言数
- 297 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1991/03/26
会議録
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑は前回終局しておりますので、これより討論に入ります。 別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大河原太一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 鈴木君から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木君。
○鈴木和美君 私は、ただいま可決されました国の補助金等の臨時特例等に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合及び参議院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について配慮すべきである。 一 本法で講じられた措置のうち、公共事業等に係る補助率等については、平成五年度末までに、体系化・簡素化の観点から、総合的検討を進めること。 一 当該措置については、国・地方の機能分担及び費用負担に十分配慮するとともに、国会における審議の経緯等をふまえ、地方財政運営に支障が生じないよう適切に措置すること。 一 国の補助金等の整理合理化に当たっては、その事務・事業の性格・内容に照らし、地方行財政の自主性・総合性の確保に努めること。 一 地方公共団体の自主性に委ねるべきものについては、一般財源への振替等を行うよう努めること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(大河原太一郎君) ただいま鈴木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大河原太一郎君) 多数と認めます。よって、鈴木君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、橋本大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。橋本大蔵大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
○委員長(大河原太一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(大河原太一郎君) 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。橋本大蔵大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、租税特別措置について、土地基本法の理念を踏まえ、土地に関する税負担の適正公平を確保しつつ土地政策に資するという観点から土地税制を見直すとともに、当面の政策的要請に対応するとの観点から住宅対策、中小企業対策等早急に実施すべき措置を講ずるほか、租税特別措置の整理合理化等を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、土地税制につきましては、個人の土地等の長期譲渡所得に対する税率を引き上げる一方、国または地方公共団体への土地等の譲渡、優良住宅地の造成のための土地等の譲渡等に係る長期譲渡所得に対する軽減税率を引き下げるとともに、法人の土地譲渡について短期所有土地等または超短期所有土地等の譲渡以外のものに対しても新たに重課する措置を講ずるほか、特定の資産の買いかえの場合等の特例制度及び農地等に係る相続税の納税猶予制度の見直し等の措置を講ずることといたしております。 第二に、住宅取得促進税制につきましては、主として一般サラリーマンを中心とした持ち家取得を一層促進する見地から控除対象となる借入金等の年末残高の限度額の引き上げ等の措置を講ずることといたしております。 第三に、商店街等の活性化に資する商業施設等について特別償却を認める措置を講ずるとともに、中小企業における労働力の確保及び定着のための設備投資について税制上の措置を講ずる等、所要の政策的措置を講ずることといたしております。 第四に、企業関係の租税特別措置等につきましては、平成三年度におきましても、政策目的と政策効果との観点から見直しを行い、特別償却制度等の整理合理化を行うほか、移転価格税制について更正の期間制限を延長する等の措置を講ずるとともに、交際費等の損金不算入制度の適用期限の延長を行うことといたしております。 その他、山林所得に係る森林計画特別控除、住宅用家屋の所有権の保存登記等に対する登録免許税の特例等適用期限の到来する特別措置につきまして、実情に応じその適用期限を延長する等の措置を講ずることといたしております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○前畑幸子君 ただいま御説明のありました租税特別措置法の一部を改正する法律案の提案について、社会党・護憲共同を代表して質問させていただきます。 まずその前に、三月十九日の新聞報道によりますと、やっと平成二年分の所得税の確定申告が三月十五日に終了いたしました。そして、「バブル崩壊で税収減の恐れ」という見出しで、土地譲渡所得の落ち込みが予想以上に大きいということから、平成二年度の税収に響くのではないかということでございます。大蔵省は確定申告の集計を大変注視されているということでございますが、いかがでしょうか。 好調な景気を背景にして法人税収の増加、株、土地による有価証券取引税、土地譲渡所得税の伸びによる自然増収が続いてまいりましたけれども、その勢いが少しなくなり、むしろ取引減による印紙収入の減少が見受けられるということでございます。金融引き締め、地価税創設というようにバブル崩しのために努力してこられました大蔵省でございますが、その成果が税収の減少というような形ではね返ってきているような皮肉な現象が出たということでございます。こうしたことは財政運営の上でも影響が出るのではないかと心配をいたしますが、平成二年度の税収見込みは達成できているのでしょうか、また平成三年度の税収動向というものをどのように見ていられるか、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 平成二年度の税収の状況でございますが、ただいままでのところ、まだ一月末現在の数字しかわかっておりません。委員から御指摘がございました確定申告につきましては、三月十五日に終了しているわけでございますけれども、その結果につきましてはまだ私ども承っておりません。 一月末現在で申し上げますと、平成二年度の補正後予算額は元年度の決算額に対しまして七・七%の伸びを見込んでいるわけでございますけれども、一月末現在の累計で、前年同期に比べまして一二・六%の増という状況になっております。しかしながら、法人税の税収が三月未決算の法人に偏っているということ、それから御指摘のように申告所得税の状況等がまだ判明しておりませんので確たることも申し上げられないわけでございますが、現状はそういうことになっております。 それから、御指摘の譲渡所得でございますけれども、確かに種々の土地対策を講じてまいりました結果、土地の取引は細っているわけでございます。価格の値下がりということとあわせまして取引数が減るということは税収に非常に大きな影響を与えるわけでございますけれども、所得税は御承知のとおり暦年課税でございます。去年の秋ごろから土地取引が細ってまいってきておりますけれども、去年の前半、四分の三ぐらいの間は御承知のような活発な土地の取引がございました。したがいまして、現在の見通しとそんなに大きく平成二年度につきまして狂うということはないのではないかというように私どもは考えております。 それから平成三年度でございますが、私ども利用し得る限りの資料を利用いたしまして、また大法人等につきましては、いろいろと個別に意見を伺ったりいたしまして見通しを立てているわけでございます。精いっぱいの努力をしておりまして、土地の譲渡所得等につきましてもある程度落ち込みがあるということを見込んでいる状況でございまして、最大限の努力をしたところでございますので、それと余り狂うことがないように期待をいたしているところでございます。
○前畑幸子君 下半期数カ月が大変落ち込んだわけですので、去年の税収にはそんなに響かないかとも思いますけれども。 次は、今度のこの租税特別措置法の見直し状況についてちょっとお聞きしたいと思います。 平成二年の七月二十八日の新聞報道によりますと、平成三年度税制改正には企業の優遇という批判もありますので、そうした法人関係の租税特別措置を全面的に見直す方針を固め関係省庁に伝えたということが新聞に載っておりました。租税特別措置の見直しについては大企業向けのものを中心に不公平税制として批判があるわけでございますが、与野党間でも是正を求めて検討されてきた問題であると思います。 大蔵省の積極的に整理に乗り出すという姿勢は私どもも評価するのでありますけれども、平成二年度に期限の切れる三十四項目は原則廃止の方針ということでした。しかし、今回の改正は抜本的見直しと言えるものでしょうか。少し疑問があるような気がいたします。平成三年度は廃止が五項目、改正が四十一項目、そして創設五項目で、例年の見直しと余り違いのない同様な改正のような気がいたしますけれども、検討の経過をお伺いしたいと思います。また、今後の見直しについて新たな見直しの方針があるのかどうかも、お伺いしたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 租税特別措置につきましては、御指摘がございましたように特定の政策目的を達成するということで大変意義があるものでございますけれども、その反面におきまして、税負担の公平性でございますとか制度の簡素性というものを犠牲にしながらそういう政策目的を達成しようという面もございます。したがいまして、その個々の政策目的と税負担の公平性などの調和を図るという見地から、あり方について吟味を続けているところでございまして、御指摘のように、税制改正の要求がございます時期に各省庁に抜本的に検討してくれということをお願いしているわけでございます。 平成三年度の税制改正に当たりましても、企業関係の租税特別措置につきましてはそのようなお願いをいたしまして、また各省庁と十分に検討を続けました。そして、三項目廃止、二十六項目について整理合理化ということをいたしたわけでございます。 租特の整理合理化は、昭和五十一年度以来連年にわたり厳しい見直しということで行ってきているわけでございますけれども、今後とも税負担の公平確保の観点から、社会経済情勢の変化に即応して見直しを進めてまいりたいと考えております。
○前畑幸子君 今回の改正の最も大きなものとして土地税制改革がありますけれども、この土地税制改革の考え方についてお聞きしたいと思います。 数年来の土地の異常な高騰というものは、社会経済に非常に深刻な問題を投げかけております。この土地の問題解決が我が国の最も緊急で最大の課題であると私は思います。 昭和六十一年から東京圏を中心にしまして地価が随分上昇し、そしておくればせながら平成元年十二月二十二日に土地基本法がやっと成立したということでございますけれども、この土地基本法にうたわれている四つの理念、一つは公共の福祉の優先、二つ目が土地の適正かつ計画的利用、三番目に投機的取引を抑制する、そして四番目が受益に応じた負担、こうした理念を実現していくための政策として土地税制が重要な役割を果たす必要があると思いますし、政府税制調査会の答申にもそのようにうたわれているわけですけれども、今回の土地税制改革でこうした目的が達成されるのでしょうか。そしてまた、税制の全体的な流れをお考えになっているのか。資産、消費、所得のバランスをとる必要があると思いますけれども、その中でどのようにこの目的を達せられていくのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員からも御指摘がありましたように、地価高騰という状況に対応して土地政策全体が非常に大きな問題に今なっておることは御指摘のとおりであります。 そうした中におきまして、今般の土地税制の見直しといいますものは、地価高騰を背景として、土地を持っておられる方と土地を持っておられない方の間の格差が拡大をし、土地利用の不均衡、非効率というものが深刻化するなどさまざまな問題が生じておりまして、本当にこの解決が急務となりました。また、土地が有限で公共的性格を有する資産であることなど、土地に関する基本理念を定めました土地基本法がおかげさまで成立をいたしました。その趣旨を踏まえた土地税制の総合的な見直しが求められていたことがございます。そして、御指摘のように先般の税制改革が目指しました所得、消費、資産などの間に均衡のとれた税体系を確保するというためにも、土地という資産に対する課税のあり方について総合的な見直しが求められておりました。こうした中で、私どもとしては土地税制の抜本的な改革を図るという考え方で今日これに取り組んでおるわけであります。 その際には、土地という資産につき、保有や譲渡にかかる格差の拡大に適切に対処するために土地に対する税負担の適正公平を図るという観点、同時に、土地ほど有利な資産がないという人々の意識、すなわち土地神話が形成をされ土地の利用価値よりも資産価値が重視されている現状の中で土地の資産の有利性というものを縮減するという観点、これらを基本的な考え方として踏まえながら、土地の保有、譲渡、取得の各段階にわたり総合的かつ抜本的な見直しを行おうとしたものでございます。 こうした考え方の中で、具体的には国民のための有限で公共的性格を有する土地という資産に対し、毎年資産価値に応じた統一的な評価基準に基づいて負担を求める国税としての地価税を導入する。税負担の公平性の観点と土地の資産としての有利性縮減という土地政策上の観点から、個人、法人の土地譲渡益に対する税負担の適正化を図りますとともに、優良住宅地の供給や公共用地の確保、多極分散などに配意した土地政策を推進する観点から、この目的にかなう土地の譲渡については優遇措置を拡充する、三大都市圏の特定市の市街化区域内の農地について土地に対する負担の適正化を図る見地から農地にかかる相続税と固定資産税の特例について見直しを行う、そういった措置を講ずるものであります。 もとより税制だけで地価問題が解決をするわけではないことは、もう委員も御承知のとおりであります。我々は過去二回、地価が上昇いたしました時期におきまして、土地神話を破壊するということなしにこの問題の解決を図っておりました。これが今日私どもを非常に厳しい状況に追い込んでいる最大の原因であると私は思います。金融政策その他の施策等、私どもの役所の中だけにおきましてもこの税制改革とあわせて進めていかなければならない努力の分野がございます。また、関係各省庁におかれても払われる努力というものがあるわけでありまして、今これらが総合されて目的を達成することを心から願っておる次第であります。
○前畑幸子君 今おっしゃったように、土地税制改革の役割とその効果、目的を、私たちが願っているように、税負担の公平ということと、それからほかの資産を持っているよりも土地を持っていれば有利であるというようなことではいけないわけで、土地が将来必ず上がるというものであってはならないと私も思いますので、この税制が土地神話の打破という目的を達せられるように、施策の目的をきちっとしていただきたいと思います。 それから、今回の改正の中で大きな改正の一つに事業用資産の買いかえの特例があります。その買いかえ特例の改正の中で法人の特例、いわゆる十五号特例というものがありまして、その適用期限が平成三年の三月三十一日までとなっていたわけですが、今回の提出法案によりますと、その適用期限を平成三年十二月三十一日まで延長するということになっております。十五号特例は適用期限をもって廃止になるのではないかというちまたのうわさで、その対応に際して不動産業界、建築業界、そして土地を持っている人たちの間で大変関心が寄せられていた法案でありますけれども、どういう意味でこの特例がこういうふうになったかを御説明いただきたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 特定の事業用資産の買いかえのうちいわゆるその十五号買いかえというのは、長期に十年以上にわたりまして土地を保有いたしました場合それを減価償却資産に買いかえることができる。その際生じた利益というのは利益の八割まで課税の繰り延べができる。この制度を利用いたしまして、値上がりをした土地を売り、そして例えば大都市におきまして建物を買ったり工場を買ったりというようなことが行われて、それがいわば過大な需要をつくり出している。そういうようなことから、今回、現在我々が与えられている国土利用政策、土地政策の見直しという課題から考えますとこれは問題が多いということで、廃止することにいたしたわけでございます。 委員御指摘のとおり、この制度は平成三年の三月三十一日で終了することになっていたわけでございますが、ただ、事柄の性格上、この制度によりまして土地を売り、そしてそれによって工場を建てかえるというような計画を立てている企業があるわけでございます。何といいましても、この制度を廃止するということは企業経営にとりましては大変大きな問題でございますので、現在計画を立てているようなそういう買いかえにつきましてはいわば経過的な措置が要るということで、附則によりまして平成三年十二月三十一日まで期限を延ばして、それまでに長期所有土地等を譲渡した場合には従来どおりの買いかえを認めるということにいたしたわけでございます。 もうちょっと詳しく申し上げさしていただきたいのでございますけれども、平成三年十二月三十一日までに長期所有土地を譲渡した場合、長期所有土地などにつきまして平成三年十二月三十一日までに契約ができていて譲渡代価の二〇%以上の受け取りがあるというような場合につきましても、平成四年一月一日から平成五年十二月三十一日までに譲渡、取得が行われた場合にはやはり買いかえを適用するということにいたしております。 逆に、買いかえでございますから売る方じゃなくて今度は買う方の話がありますが、平成三年十二月三十一日までに買いかえる資産を先行取得した場合につきましても従来どおりの制度を適用することにいたしておりますし、また平成三年十二月三十一日までに買いかえ資産となる減価償却資産の取得に係る契約が締結されておりまして、かつ購入代価の二〇%以上の支払いが行われている、あるいは建設の着手が行われているというような場合につきましても、平成四年一月一日から平成五年十二月三十一日までにその取得、譲渡が行われた場合には買いかえを認めるということになっております。 ただし、このような場合につきましては税務署長に対しまして所定の届け出が必要になるわけでございますが、そういう経過措置を講じました上、いろいろ問題が多かった十五号買いかえにつきまして今回廃止をするということにいたしたわけでございます。
○前畑幸子君 土地が大都市を中心にして近郊都市でも非常にはね上がったというのはこの買いかえが原因だということも言われているわけですので、大幅に縮減したり廃止されたり見直しが行われるということは私どもとしてはいいと思いますけれども、今お聞きしたように、長期所有土地等から減価償却資産への買いかえについての意図というものがそういうことを原点にしてあると思います。しかし、数ある買いかえ特例の中でもこの特例というのは群を抜いてその事案が大変多く、利用されている圧縮額というものも平成元年では全体の七〇%を超えているようであります。この改正によってあらわれる効果と影響をどのように考えられているか、伺いたいと思います。 といいますのは、私どもの見ております中小零細事業者、とりわけ構造的な制約要因のある産業等にとりましては、構造要因による損失、そうしたものを自力で補てんしながら体質改善の設備投資を行ってきているわけです。それは事業上にも社会的にも、それから従業員に対しても寄与していると考えるものなんですけれども、企業にとって自分の土地に手をつけることなくそういう設備ができればそれにこしたことはないわけです。しかし、事業環境がよくなく体力の弱い企業におきましては、自分の身を削る思いで必要やむを得ない行為として行わなければならないことであることもわかっていただきたいと思うんです。そういうのを利用してよからぬことをする一部の人のためにこうしたことが見落とされるのではないかなということを懸念いたしますが、その辺をお聞きしたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 確かに企業経営の面から申しますと、委員御指摘のとおり、企業の経営に問題が生じましたときに、含み益を持っている土地があってその土地を売ることによって赤字を補てんしたりあるいは新しい設備に買いかえるというようなことができるというのは、大変企業経営としては望ましいことであろうというように存じます。しかしながら、他面、土地政策という点から考えますと、実はそのような慣行といいますか経営上の一種の物の考え方がございまして、土地の手当てをするときはできるだけ広く手当てをしておく、そして値上がりを待って、機械設備が古くなって更新するころになったらその土地の一部を売って新たな投資に充てるというようなことがよく考えられるわけでございますけれども、実はそういう考え方がいわば土地神話を生み出しているのではないかというように考えるわけでございます。 つまり、企業が土地を買って工場を建てますときに、先ほど委員が御指摘になりました土地基本法的な土地の利用という点からいいますと、必要にして十分なものだけではなくてそれ以上に土地の手当てをしておいて将来に備えるというのは、これはやっぱり一つの土地のスペキュレーションでございます。いろいろなところでそのような手だてが講じられますと、国全体としては土地の利用という点からいいますと非常に不効率なことになるわけでございます。 土地などには余り投資をせずに必要最低限にしておいて、設備にお金をかけ一生懸命汗水垂らして働いて、その設備の利用によって付加価値を生み出していく。そういう努力よりも、土地を余計に買っておいた方が将来の頼りになるというような風潮こそが土地神話ではないか。しかるがゆえに、企業に土地が集まっていくというようなことになるのではないか。そういうことを考えてみますと、土地政策という観点からはこの十五号買いかえというのは問題があったと考えざるを得ません。 私ども、実はこの改正をやりましたと同時に、例えば騒音規制地域の内から外に買いかえをする、事業用の買いかえ特例の一項目としてこういうことが認められているわけでございますが、そういう場合には、従来ですと、外へ出ていって土地と一緒に建物も取得するというようなケースであると買いかえが認められなかったわけでございますけれども、今度は、十五号買いかえをなくします関係で、土地がついていなくても全部建物のような償却資産に買いかえるという場合でありましても、騒音規制地域の内から外へ出ていくというような、そういう目的のはっきりしているものにつきましては従来以上に広く認めるという考え方をとりまして、そのような改正をお願いしているわけでございます。 今までの十五号買いかえというのは、土地利用の目的、移転促進のための買いかえであるとか、あるいは誘導しているところに行くための買いかえであるとか、そういう土地政策を離れてただ買いかえるということが認められていたものですから、それに伴う土地政策上の先ほど申しましたいろんな問題点、土地神話に絡んでくる点、それからむしろ既成の市街化区域内で買いかえが行われる点、そういうような問題点を考えまして、今回廃止をお願いしているわけでございます。そして、先ほど申しましたように、事業の経営にとりましては現在計画がございますと大きな問題になってくるわけでございますから、そこは経過措置を設けまして、その経過措置の間に現在考えておられる計画を達成していただきたいというように配慮したところでございます。
○前畑幸子君 今御説明にあった、企業がいいときに値打ちな土地を買っておいた遊休土地であったものを売って償却資産にかえた場合のこと、これは私は廃止になっていいと思うんですけれども、私は愛知県の一宮というところがすぐそばでございますので、戦後、機屋さんが大変だだっ広い二階建てなり平家建ての木造の工場を設備を整えて三階、四階建てにする、そのために自分の庭の一部を売却して償却資産にかえるのを見ております。 これは特殊な事例で少ないわけですから、今おっしゃったように一年間の猶予のある間にすればいいということですけれども、そういう問題を抱えている企業もあるわけで、自分の庭先を売ってかえるという人もあるわけです。お年寄りなどが例えば自分の庭先を半分売ってマンションを建てて、それで自分の老後の収益にしていくというような場合もあるわけですので、一概に全部が今おっしゃるようなふうにはならないと思います。 それはそれとしまして、そうしますと、今おっしゃったような「買いかえ資産となる建物、構築物等について、土地等の取得に伴い取得する場合に限るという要件を廃止する。」とここにありますが、その理由をお聞きしたいと思います。 それから、市街地内の土地を売却し償却資産を市街地の外に買った場合、買いかえ特例はそうしますと効くということになるのでしょうか。もしそうなると、実質的に償却資産の買いかえというものが残ったような気がいたしますけれども、その辺の御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 特定の事業用資産の買いかえは、実は一号から今御指摘の十五号までいろいろあるわけでございますけれども、それは土地政策上の目的に沿うように、例えば移転促進のための買いかえについてその特例を認めるとか、先ほど私、騒音規制地域の内から外の例を申し上げましたが、そのほかに例えば大気汚染規制区域の内から外でありますとか、それから航空機騒音障害区域の内から外でございますとか、逆に誘致促進からいいますと農村地域工業等導入地区内への買いかえでございますとか、そういう望ましい、来てほしいというところへの買いかえ、それから今回新たに認めましたのは工業再配置促進法の移転促進地域、これは既成市街地などとほぼ同じ概念でございますが、その移転促進地域から誘導地域等に工場を移転する場合、そういうようなことも新たに認めまして、これは圧縮割合が通常八割でございますけれども、それを九割まで圧縮できるという優遇までいたしました。これは移転促進でありかつ誘導地域であるものですから、そういう優遇をするというようなことにいたしております。 それから、既成市街地内におきましても、例えば土地の利用が非常に低度でありましたところを建物を高層化して高度利用にする場合、その土地を売りまして高層の建物の一つのフロアに移るというようなものにつきましても事業用の資産の買いかえを認めるというようなことをいたしておりまして、いわば土地政策に沿って望ましい方向に動くというか目的がはっきりしているケースにつきましては、先ほど申しましたように、土地と結びつかない償却用資産でありましても買いかえを認めるということにいたしているわけでございます。 したがいまして、十五号買いかえは、ただ単に長期に所有した土地を償却資産に買いかえるというだけのことでございまして、土地政策とのつながり、望ましい方向への誘導というつながりがはっきりしていなかったものですから、非常に利用しやすい制度ではあったわけでございますが、土地政策上は問題があったということでございます。 ただいま申し上げましたような移転促進でありますとか誘致促進でありますとか、そういう地域の計画に結びついて行われることでありますと、従前の土地から償却用資産の買いかえに当たるようなものでありましても今回認められることになりますので、ぜひそのような制度を御利用いただけたらと存ずる次第でございます。
○前畑幸子君 もう一つは、対象となる譲渡資産について、その範囲を事務所等の用途に供する建物及びその敷地に限ることとするとなっていますけれども、この「事務所等」の「等」にはどういうものが入るのでしょうか。福利厚生施設とか店舗とか駐車場なども入るわけですか。その辺をお伺いしたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 事業用資産の買いかえの一号買いかえというのがございまして、これは既成市街地等の内から外への買いかえという制度でございます。既成市街地等というのは、東京都の区部でございますとか大阪市、名古屋市などの地域を言うわけでございますが、その内から外へ買いかえる場合にはこの制度が適用されるということになっていたわけでございます。 ところが、既成市街地等の内から、いわゆる近郊整備地帯と言っておりますが、首都圏でございますと例えば調布市でありますとか市川市でありますとか、大宮市でありますとか、そういうようなところにも買いかえができるということになっておりまして、ちょっと出ていくだけで買いかえを適用する、それがむしろ都心の値上がり、地価の上昇を周辺に振りまいたと言われている一つの原因になっているわけでございます。 したがいまして、この制度を廃止したらどうかという意見もございまして随分検討を重ねたわけ、でございますけれども、やはり既成市街地等から外へ出ていくという制度は残したいということで、近郊の整備地帯に行くようなものにつきましては圧縮割合を現行の八〇%から六〇%にするということによりまして、いわば課税の繰り延べの範囲を小さくするということでそれを規制することにしたわけでございます。 その際に、御指摘のようなこと、つまり買いかえる資産につきましては、実際に事務所として使っておりましたもの、あるいは工場とか作業場とか研究所、店舗、倉庫、そういうような営業に直接用いられているものを売って出ていく、そういうケースだけに限ったわけでございます。他人に貸している施設でございますとか福利厚生施設のようなものは、この適用対象から外すということにしたわけでございます。
○前畑幸子君 そうしますと、福利厚生施設とか駐車場というものも、これを営業に使っていた場合はどうなるんでしょうか。福利厚生施設というものは営業ということには見られないわけなんですね。
○政府委員(尾崎護君) 直接営業に用いていたものであれば、営業所の一部でございましょうから、多分該当することになると思います。
○前畑幸子君 わかりました。 それから国土庁の方にここでお聞きしたいんですけれども、こうして税制上はとにかく土地の値を下げるという方に努力をしているわけですけれども、国土庁におかれましても、規制監視区域というものができまして、私ども名古屋でも随分下がった金額で取引を指導されているわけでございますけれども、その反面、例えば今まで一億で売っていたものが七千万でしか売れないわけでして、どうしても売り主の方が渋る場合に、この二、三年、景気のいい中で土地を取得される方たちが広告費、宅地造成費、補償費などといういろいろな名目のもとに別のお金を出していらっしゃるんですね。しかしこれは、本人同士の取引でありますし、土地の譲渡価格として取引をされているわけではないので罰則が与えられないと思います。しかし実体は土地価格とみなさなければならないのではないかと思います。そうしたものに関して国土庁はどれだけ実情をおわかりいただいているか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(伊藤威彦君) お答えいたします。 国土利用計画法におきましては、当事者が届け出した予定対価の額を超えて客観的に土地等の対価とみなされる金銭等の授受を行った場合、これは虚偽の届け出または無届け取引となりまして、このような違反行為が行われることがないよう罰則により担保しているところでございます。このため国土庁におきましては、従来より、届け出等の処理後におきまして契約状況等の報告の徴収、関係者への事情聴取等によりまして届け出どおり実際の取引が行われているかどうかについて把握に努め、国土利用計画法違反を発見した場合には厳正に対処するよう各都道府県等を指導してきているところでございます。 今後とも、悪質な違反事例を発見した場合には、告発も含めまして厳正に対処するよう都道府県等を指導してまいる所存でございます。
○前畑幸子君 最初は、そういう不正があった場合には名前を公開する、そしてその取引に立ち会った取引業者、不動産業者をも名前を挙げて罰するということを聞いておりましたけれども、現実にはそういうことを私どもまだ聞いておりません。 ところが、私はもう三件ほど事例を見ております。市の指導価格で契約書もでき仲介手数料も払われておりますので、市の指導価格と契約書の価格はぴたりと合っていると思います。しかし、税務署への申告が契約書だけでなされている方と、それからもう一つは、譲渡価格プラスそういう附帯した費用を一時所得なり何らかの形で計上して課税の対象にしている人と、二つに分かれているような気がいたします。ですから、現実にどこまでそういう事案を国土庁としては把握していらっしゃいますか。
○説明員(伊藤威彦君) 国土法担当部局といたしましては、届け出等の処理後におきまして契約状況、販売状況等の報告を徴収することとか、あるいは関係者への事情聴取を行うなどによりまして、届け出どおり実際の取引が行われているかどうかにつきましては把握に努めているところでございます。
○前畑幸子君 現実に契約をして、その後のお尋ねがあったこともないですし、それから税務署への申告に雑所得として申告してありますが、これは同じ年度に調べに来ればすぐわかるわけで、どうしてこれだけの多額の金額が一時所得として上がっているかということは、申告状況を見れば土地代金に類したものであるということは私はわかるような気がいたします。しかし、それに対するお尋ね、そういうものは今までに一切ないわけです。 そういうことがまかり通って、次から次から裏取引、そういうものがなされないと売らなくなってしまっている状況、そしてどのくらい裏が出るんだということが横暴になされている現状を私は知っております。もうこの三月で規制を受けてから四回の申告がなされているわけですけれども、きょうまでにそういう事案は一件もないでしょうか。
○説明員(伊藤威彦君) 運用の実情におきまして、すべての土地取引について実態を把握するということは、確かに御指摘のとおり困難が伴うことも否めないわけでございますけれども、先ほど申しましたように、私どもといたしましては、届け出どおり実際の取引が行われているかどうかについては今後とも把握に努めるよう努力してまいりたいというふうに思っております。
○前畑幸子君 土地譲渡に絡む脱税が今ワーストツーということで、大変悲しいことなんですけれども、そうした陰にそういう取引があるのではないかなという気がいたします。土地の単価を直すということはできないわけですので、脱税行為の温床となるものがあるのではないかなという気がいたしますけれども、今までの脱税行為から上がってくる事案としてそうした譲渡価格と見られるべき違う名目で入っている金額というものに対する国税庁と国土庁とのお話し合いというか、そういうことはきょうまでに一回もないんですか。
○説明員(伊藤威彦君) 税務情報の活用ということだと思いますけれども、税務当局においては徴税事務上の問題等もあるということでなかなか困難であるというふうに考えられますので、先ほども申しましたように、私どもとしては、届け出どおり実際の取引が行われているかどうかということで把握の努力をしているところでございます。
○前畑幸子君 私は名古屋市名東区というところに住んでいるわけですけれども、名古屋市で一番二束三文の土地と言っては言い方は悪いんですけれども、その土地が大変に上昇した。そこはインターチェンジも控えておりますので、大変に大企業が求める地域で、そうしたことが往々に、実際にされているところまでは私も確認はできませんけれども、例えば十億の取引ですと一億近いもの、それからことしの春におきましては、五千万ほどの取引の中で宅地造成費という名目のもとに五百万の別契約書が取り交わされているんですね。 ですから、私どもとしては税務署に対してだけはきちっと譲渡価格の一部とみなして納税をさせているわけですけれども、国土庁がそうした指導をしている以上、やはりきちっとそういう不正な行為が取り交わされているものを挙げていただかないことには、まじめな者がばかを見てしまうようなことでは困ると思いますので、これからきちっと把握していただきたいと思います。今、土地が大変下がっておりまして、売らなくなっているわけです。ですから、もう少し値上がりするのを待つという売り側の態度に対してどうしても欲しい場合に、そういうことが現実に行われております。 そしてもう一つ、不動産業者というのは売り手と買い手から三%ずつ仲介手数料がいただけるわけですね。それが、売り手が惜しむ場合に、そういう価格を要求するために、買い主の方が六%の手数料を負担をして売り主の方は一切手数料を払わない。それは経済供与を三%分受けたということになるわけですので、取引上は片方だけからもらっても悪くはないんだそうですけれども、そういう形で片方を有利にさせているというのが土地価格に反映しているんではないかなという気がいたします。今後はそういうことも含めて取引の形態というものをきちっと把握していただいて、一括して金銭が授受されている場合には手付として違う名目のものが払われているという形態もあるような気がいたしますので、今後気をつけていただきたいと思います。 それからもう一つ、土地に関連する節税策の問題をお聞きしたいと思います。 一時、ワンルームマンションの購入というのが随分行われました。この不動産所得の金額の計算上生じた損失をほかの所得と通算するとか、借入金の利子によって給与所得に対する源泉所得税を返してもらうというようなうたい文句で、大変もてはやされた税制でございますけれども、これが今度はその不動産所得の金額の計算上生じた損失を土地等の取得に係る借入金利子の額は通算をできないということになりました。これによってマンション投資が節税対策とならないということですので、大変私どもはいいことだと思います。 昨年の税制改正でもこの問題は大変持ち上がったのですけれども、今回のこの措置は土地等に限定されて、建物は除外されているわけです。そこに私どもはちょっと悲観をし実効性に疑問を持つのですけれども、その辺のいきさつをお聞きしたと思います。 それから、マンション取得価格に占める土地の割合が大きい東京とか名古屋、そういうところは今回の効果が余り期待できないわけですけれども、取得価格に占める土地の割合が少ない地方の都市におきましては、まだこのワンルームマンション投資というものは投資対象として成り立つのではないかなという気がいたします。地域によって節税封じの効果が異なってくるということはよくないのではないかなという気がいたしますので、今回の措置によってどの程度効果が期待されておりますか、業者に対してどんな影響が出てくるか、その辺をお聞きしたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 不動産所得の損失の通算ということで節税が図られている、それが問題であるということでいろいろ議論が行われてきた経緯につきましては、委員御指摘のとおりでございます。 ただ、議論を進めてまいりますと、すべての不動産所得の損失について他の所得からの控除を認めないということといたしますと、一番それが厳しいわけでございますが、このような節税策あるいはワンルームマンション等に対する仮需を防ぐという点からいきますとそれが一番いいと考えられるわけでございますけれども、自分が持っている土地を活用いたしましてそこに借家を建てて貸すというようなケースを考えていただくと一番よろしいわけでございますが、それはいわば優良な賃貸住宅をふやすという意味で非常に望ましい行動であるのでありますが、これも損益通算を認めないということになってしまいますので、そういう住宅対策上あるいは土地政策上望ましい行為がこの損益通算制度の見直しのために阻害されてしまうというおそれも、他面あるわけでございます。 今回の土地税制の見直しは不要不急の投資的な土地需要を抑制するという点が一つの大きな目的であったわけでございますから、そういう見地からいたしますと、土地の取得に係る借入金の利子を制限すればいいのではないかという結論に至ったわけでございますが、御指摘のワンルームマンションなどでありましても、これまた御指摘のとおり、土地の高い地域につきましては購入価格に占めます土地部分の割合というのは相当程度のものになっておりますので、相当の抑制効果が期待できるというように考えております。
○前畑幸子君 今、土地を持っていても建築費が大変高くなりまして、一つマンションを建てますと三億、五億という時代になってきましたので、その利回りを考えますと、金利の安いときはいいんですけれども、今のように金利が高くなりますとマンション経営も余りメリットがなくなって、最近建てる人が少なくなっております。その反面、リースものとしてテナントを入れる、事務所とか倉庫とか、そういうものに皆さん走られるわけですけれども、マンション、昔は新築貸し家住宅の割り増し償却というようなものが大変多くとれまして、国の政策として民間の土地を持っている人たちにマンションやら貸し家を建てさせてそしてそれを値打ちに貸すために利子補給などというのもありまして、民間に住宅を建てさせるというのを奨励していられたと思います。 ところが最近では、土地がどんどん上がるということもありますけれども、大変採算が合わない商売になってきましたのでだんだん少なくなっているわけです。このワンルームマンションというのは、不動産業者が、お金のある方に持っていただいて、そして損益通算ができるよということをうたい文句にしてここ数年来大変伸びた業種の一つなんですけれども、今、ワンルームマンションを建てる業者もそしてまた買う人も少なくなったということなんです。特にワンルームマンションを建てるというと近隣の非難も出てなかなか建てられないという状況の中で、今逆にワンルームマンションの需要が大変多くなっているんですね。 東京に転勤、名古屋に転勤、なかなか家族を連れて動くわけにはいかないということでワンルームマンションの需要が大変、こんなところでこんなにあるのかというような状況になりつつある中で、急にこういう厳しいことができてきてその計画に戸惑いを持っていらっしゃる方もあるわけですけれども、それは仕方のないことだと私も思います。 それから次に、三大都市圏の特定市の市街化区域農地について、一定の経過措置を講じた上で保全すべき農地については明確に位置づけ、そして二十年の営農による相続税の免除要件を廃止する、農業継続要件は強化する方向で見直すということでございますが、果たしてこうしたことによってどれだけ宅地に変わって宅地問題の解消につながるかなという私は疑問を持っているわけですけれども、その辺をどうお考えになっているかお聞きしたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 市街化区域内農地の問題につきましては、いわば都市における土地問題の典型的な例として議論をされてきているわけでございます。 今回、三大都市圏の特定市の市街化区域内農地につきまして、営農する農地といたしまして都市計画法上位置づけられる生産緑地法に規定する生産緑地区内にある農地を除きまして、相続税の納税猶予の特例を廃止するということにしたわけでございます。あわせまして、御承知のとおり、地方税の方では固定資産税につきまして、長期営農継続農地制度を廃止するというようなこともいたしております。 他面また、その納税猶予を既に受けております者につきまして一定の、例えば昭和六十年一月一日以前に相続をしたようなケースにつきましては、農地としてではなくて、例えば住都公団に貸し付ける、あるいは住都公団の建てました建物を自分が買い取ってそれを貸す、あるいは公園等に提供する、そういうような特定の目的に限りますと、農業以外のことに充てる場合につきましてもそのまま納税猶予を継続するというような措置も講じておりますが、そういうことによりまして他方でインセンティブを与えているということでございます。 したがいまして、三大都市圏の特定市の市街化区域内にありまして一体どれだけの方がいわゆる生産緑地地区として農業を継続するのか、あるいは、ただいま申し上げましたような新しくできました制度を利用して住宅等特定の目的のためにその土地を供給するということをお選びになるのか、今の段階では何とも私ども判断つきかねます。しかし、このような措置を講ずることによりまして、従来大きな問題として社会的に指摘をされておりました市街化区域内農地の問題が一つ解決されていくものと期待をいたしておりますし、また当然のことながら宅地に転用されてくるわけでございますから、都市対策、住宅対策上もいい効果を持つであろうというように期待をいたしているところでございます。
○前畑幸子君 農地を放出していただいて、そういう公共的なものに貸すなり住宅を建てるということにどんどん使っていただくように指導していただきたいと思います。 そして、ここに「この特例の適用を受ける農地に係る農業収入等に関する書類の提出を求める。」ということが書いてありますけれども、この「書類の提出」というのはどのような程度のものを考えていられるのでしょうか。
○政府委員(尾崎護君) ただいま申し上げたとおり、三大都市圏の特定市にあります農地につきまして、生産緑地地区といたしまして農業を継続するということを選択いたしますと、従来どおりの納税猶予の制度の適用があるわけでございます。しかし、本当に目的どおりに利用しているかどうか、その特例の適用者につきまして、三年ごとに特例の適用を受ける農地等につきまして農業経営に関する事項を記載した届出書を提出していただくということにいたしております。 その内容についてのお尋ねでございますけれども、具体的に申しますと、特例の適用を受けている所在地の異なる農地ごとの各年における農業に係る生産、出荷の状況、それから収入金額を記載して税務署長に提出していただくということにいたしております。
○前畑幸子君 今でも農業所得というのを申告しておられますけれども、ことしのあなたの純所得金額はこれだけですよというのを、名古屋市近郊の場合は農協が数字を出して証明してくれるわけです。それによって青色申告なり白色申告なりほかの所得と通算して申告をされているんですけれども、本人が記帳をしている状況ではない。農協が要するにその人の土地、農地を全部管理し、そこで上がる収益からいろいろな固定資産税、ガソリン代、種代、そういう費用を引いて、そしてあなたの所得はこれだけですという証明を出してくるんです。 その証明を見ますと、土地に対しまして七万二千五百円だとか十万四千円だとか、ちょっと考えられないような大変低い数字の所得金額を出してまいりますけれども、その辺に対して大蔵省はどんなお考えを持っていらっしゃるでしょうか。
○政府委員(尾崎護君) 国税庁の分野のお話でございまして必ずしも正確じゃないかもしれませんけれども、農業収入が非常に低いというのは、一つは単位当たりの土地の収入の問題もございますし、大部分の方は大変規模が小さいということがあろうかと思います。また、所得率も比較的低いものでございますから、所得を計算いたしますとそういう低いことになっているのではないかというように今思います。 農業所得者というのは非常に限られた数になっているところから推察いたしますとそういうことであろうと存じますが、ちょっと実務の問題でございまして、国税庁ただいま参っておりませんので、もし御必要でございましたら後刻国税庁の方から御連絡をさせたいと存じます。
○前畑幸子君 ちょっと細かいことをお聞きして申しわけないんですけれども、実は申告者がそういう農業所得の明細書を持ってくることがあるんですね。例えば名古屋市の中村区と名のつくところでも千坪から千二百坪ぐらいの土地で、例えば今申し上げたような十万四千二百円とかという所得金額を持ってくるわけですね。それをほかの給料と合算申告するわけなんですけれども、どの程度で生産緑地として営農をしていると認めるのかというその基準が知りたかったんです。 例えば一生懸命つくってお金にしなくても、現実につくっておればそれでいいものなのか、それとも出荷をして何がしかの収益を上げることを業としていなければいけないのか。「収入等に関する書類の提出」ということになりますと、多少自分で年間どれだけの売り上げをした、それに対して経費がどれだけかかったという決算書を添付するものなのか、私はこれこれの所得を上げましたというその農協の証明でいいのか、それによってちょっと違ってくるような気がしたものですから、どの程度の書類を頭に描いていらっしゃるのかなと思ってお聞きしたかったんです。
○政府委員(尾崎護君) 政令上手当てをしたいと考えておりますのは、生産及び出荷の状況並びに収入金額ということでございまして、先ほど申し上げたとおりでございます。 出荷の状況等につきまして農協の証明などということも考えられることでございますが、基本的にはその生産緑地におきます農業経営を選択なさいましたその御当人、農業者の方からそのような届け出を税務署にしていただくということでございます。
○前畑幸子君 そうしますと、これは地方税の固定資産税も絡んできますので、そんなに甘いものではないと思います。 それからもう一つ、今回商法の一部改正に伴いまして、平成三年四月一日から五年間、八年の三月三十一日までに株式会社の利益または利益準備金の資本組み入れという問題が出てくるわけですけれども、これが最低資本金の額一千万に達するまでの部分に相当する金額にかかわる配当所得については所得税を課さないという特例措置が設けられたことは、中小零細企業にとりましては大変ありがたいことだと思います。 最低資本金制度が適用されて一千万円にどうしてもしなければならないわけですから、このことに関しては私どもとしてはありがたいと思いますが、株式会社の増資の登記にかかわる税率というんですか、法務局に登記するときの印紙に関しても今回同じように軽減されるということですが、組織変更とかの場合もそういう措置は受けられるんですね。
○政府委員(尾崎護君) 例えば株式会社から有限会社に組織変更するというような例でございましょうか。
○前畑幸子君 はい。
○政府委員(尾崎護君) その例で申し上げますと、有限会社の設立登記につきましては、本則千分の一・五の登録免許税をいただくことになっておりますけれども、それを千分の〇・七にするというような軽減措置を講じております。 それから、例えば解散登記につきましても、本則三万円でございますが、それを千円にするというように、組織変更につきましても今回特例措置の対象といたしております。
○前畑幸子君 そうしますと、株式会社をやめるという解散も、一千万にできないからという理由があれば全部これはできるということですね。
○政府委員(尾崎護君) さようでございます。株式会社を解散いたしまして、今有限会社の例を申し上げましたが、例えば合名会社にするあるいは合資会社にするという場合には、その合名会社、合資会社の設立登記は、現在本則六万円でございますけれども、それを特例で千円にする、その際の解散登記の方は先ほど申しましたように三万円を千円にするというように、それぞれの組織変更につきまして特例を設けているところでございます。
○前畑幸子君 ありがとうございました。 もう法になって全部歩いている税制をお聞きするので、何かもう変えることができない税制ばかりのような気がいたしますけれども、今度の長期譲渡の税率を段階的に引き上げていって将来的に長期、短期の区分をなくすというような案も一時あったようですね。税率を上げれば早く今のうちに売った方がいいんではないかというようなことで土地供給が早まるのではないかなという気がしたんですけれども、今回一応市民税を含めて三九%という四割近いものになるわけですね。一時は四〇%ぐらいまでという案もあったようにお聞きしておりますけれども、その辺のいきさつはどんなふうで下がったのでしょうか。
○政府委員(尾崎護君) 譲渡所得につきまして、現行制度は非常に軽減をされている形になっております。 この譲渡所得の取り扱いはかなりいろいろな経緯を経てきているわけでございますけれども、基本的に現行制度がかなり低い税率になっておりますのは、やはり供給面のことを考えてきているわけでございます。それが最近の土地高騰におきましては一つの土地神話をつくり出している要因になっている。つまり、土地を買っておけばそれを売りましたときには得た利益にかかる税率が低いということが、いわば土地に対する仮需要をつくり出している。供給面の配慮だけでなくて需要面の方を重く見ていくということによりまして、今回の譲渡所得の税率を上げてきているわけでございます。また、それと同時に、額に汗をして働いて得た勤労所得等とのバランスから考えまして、勤労所得等は最高税率が所得税で言いまして五〇%になるわけでございますが、それに対しまして土地を売って得た利益の方は二億三億というような利益が上がりましても最高税率二五%ということでございますので、そこのバランス、公平の確保という点もあったわけでございます。 しからばどの辺のところまでこれを上げていったらいいのか、このことについてはいろいろ議論がございました。段階的に上げていくことによってかえって土地の供給を促進するのではないかという委員御指摘のような議論もございました。しかし、現行最高二五%の税率を三〇%にするということでも税額といたしましては二割ふえてくるわけでございますから、やはり相当な影響を与えるわけでございまして、いろいろと議論のあった末、今回この段階にしようということになったわけでございます。 それから、超短期、短期、長期、同じ税率でいいのではないかというような議論も確かにございました。しかしながら、現在までのところ、土地を売ったり買ったりといいますか、土地転がしというようなものに対して重い負担を求めていくという方が現状に合っているのではないかということで、そこにつきましては従来どおりの制度をとっているわけでございます。
○前畑幸子君 もう一つ、特定市街化区域の農地を譲渡した場合の特例がありましたんですが、これが五年から廃止になるわけですけれども、これはどういうお考えからでしょうか。
○政府委員(尾崎護君) これまでございました制度は長期営農継続農地以外のものを売った場合に適用されていた制度なのでございますが、そのもととなります長期営農継続農地制度が廃止されたわけでございますので、したがいましてその特例も廃止するということでございます。
○前畑幸子君 長期営農として認めたもの、二十年の営農で十年以上過ぎているものは、今は続いて認められるわけなんですね。そうしますと、それも今後は、十年たったものはみんなだめになるということですね。今回、例えば営農二十年の許可を受けていて今十年たったものに対しては、そのまま認めていくということですね。
○政府委員(尾崎護君) 先ほど申し上げましたように、固定資産税の長期営農継続農地制度というのがございまして、その長期営農継続農地制度に乗らないものは宅地並み課税されたわけでございます。その宅地並み課税されたものを売った場合につきまして軽減税率を適用するという制度であったわけでございますから今委員が御指摘の話とちょっと逆になるわけでございますけれども、今回その対象となります長期営農継続農地制度そのものが廃止になってしまいましたので、その長期営農継続農地制度以外の宅地並み課税を受けていた農地というような存在、その両方の区別が固定資産税の上でなくなってくるわけでございます。 したがいまして、そのような制度改正を踏まえまして、それから従来の制度が譲渡した後の跡地の利用が単に宅地であればいいというようなことであったものですから、その譲渡が計画的な土地利用という点から見て必ずしも望ましいものではないという問題点がございましたし、それから優良な宅地の供給や公的な土地取得を促進するという観点からいたしますと、優良住宅地等のための軽減税率の特例というのが今度一五%ということで大いに軽減されたものがあるわけでございますから、そういう制度に乗っていただきたいということで廃止をすることにいたしたわけでございます。
○前畑幸子君 ちょっと私も勘違いしていました。地方税じゃなくて、相続税の方のものを受けている土地のことを思ったんですけれども、ちょっと私も自信がありませんので、ありがとうございます。 今回の税制改革では住宅地の供給を促進するというために大変厳しい土地に対する措置が講じられていますけれども、この税制改革による土地供給の措置と効果について最後に橋本大蔵大臣にお聞きしたいと思います。 課税強化されたことによって土地供給が促進されるのでしょうか。税だけではいけないと思いますけれども、今後の税制と土地の供給をどのようにかみ合わせていくのか、今後の方針をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今までさまざまな角度から御質問をいただいてまいったわけでありますが、私どもが目指しておる方向について御理解をいただいておりますことにまずお礼を申し上げます。 私どもは、今後御審議をいただこうといたしております地価税法案を含め、土地税制全体の見直しが土地の有効利用、ひいては宅地の供給の方向に全体を動かしていく効果というものに心から期待をいたしております。しかし、これは他の施策と相まって効果を生ずるものでありまして、税制のみにおいてどれだけの新たな宅地を供給できるかといったことについて定量的な数字がお示しできるものではないことも御理解のいただけるところであると思います。 私どもといたしましては、今後、この御審議をいただいておりますものを含め、土地税制全体の根本的な見直しの効果、そして我々の守備範囲で申しますならば金融政策、さらに国有地の有効利用といった施策に努めてまいりますと同時に、各省庁におけるそれぞれの立場からの土地政策というものの推進の効果が近い将来に出てくることを心から願っております。 今日、市場におきましては、そろそろ緩むのではないかといった期待が高まっているといった声も出ております。私どもはあくまでも今回土地神話というものを破壊するというところまでこの政策のそれぞれの分野における努力を傾注してまいりたいと考えておりますので、今後ともの御協力を心からお願いを申し上げる次第であります。
○前畑幸子君 ありがとうございました。
○峯山昭範君 私は、非常に短い時間でございますので、端的にお伺いをしたいと思います。 まず、租特のきょうの趣旨説明の中の第二番目の住宅取得促進税制の問題について初めにお伺いしたいと思います。 これは、本当は建設大臣に、我が国の住宅政策というのはどういうふうになっているのか、そのことをお伺いしなければいけないんですけれども、これは建設大臣じゃございませんから結構です。 〔委員長退席、理事梶原清君着席〕 いずれにいたしましても、従来私どもが国会の中で議論をし質問してきた範囲内で申し上げますと、少なくとも持ち家制度というのをずっと推進をしてきた、したがって住宅取得促進税制というのも、サラリーマンの皆さん方がマンションを買ったり自宅を取得したときの税制上の優遇措置、そういうふうな面で国としてはそれなりの対応をしてきたわけです。住宅を取得するための住宅金融公庫とか、住宅を取得するための資金を借りるとか、それなりの役目を果たしてきたことは私も十分承知をいたしております。 しかしながら、最近の土地の高騰によりまして住宅を取得したくても取得できない人たちがいる。そういう人たちのために何かできることはないのか。マンションあるいは自宅を買える人たちに対しては国がそれなりの支援をしておる。ところが、買えないでマンションに賃貸で入っている人たちには一体どういう税制上の優遇措置があるのか。それは税制上の優遇措置があるというのは私も知っておりますが、それとは別にやはり何らかの措置を考えるべきではないのかということで、私どもは昨年から住宅控除とか住宅補助とかいろんな名前をつけて一生懸命今やっているわけであります。 そういうようなわけで、その点について、きょうは建設省の担当の課長さんがお見えになっていらっしゃいますので、実情がどういうふうになっているのかということをお伺いしてみたいと思います。 そこで、簡単で結構ですが、政府の住宅政策は今どういうふうになっているのか、それから賃貸住宅と持ち家の割合が大体どういうふうになっているのか、概要を御説明いただけますか。
○説明員(五十嵐健之君) お答え申し上げます。 第二点の方から最初にお答え申し上げます。 賃貸と持ち家の関係でございますけれども、昭和六十三年に住宅統計調査が出ております。これによりますと、持ち家が二千二百九十五万戸であります。それから借家が一千四百一万戸で、いわゆる持ち家率が六一・三%ということになるわけでございます。 それから住宅政策についての御質問でございますが、住宅政策の基本といたしましては、国民の住宅に対します需要を踏まえまして、持ち家対策と借家対策をバランスよく総合的に展開していくというのが基本的な考え方でございます。しかし、委員が今御指摘になられましたように、特に大都市等におきましては地価の高騰によりまして賃貸住宅へのニーズが非常に高まっているというようなこと、それからストックの方を見てまいりますと三人ないし五人ぐらいの標準世帯用の借家のストックが不足しているというような実情にございまして、これから良質な賃貸住宅を供給していくことが重要であると考えているところでございます。
○峯山昭範君 一千四百万戸の借家、賃貸ですね。 賃貸住宅、借家の皆さん方に対して補助をする場合に、どういう種類があるかということをわかっていないとやりにくいわけでありますが、賃貸とか借家とかいうのには概要どの程度の種類があるんですか。
○説明員(五十嵐健之君) 賃貸住宅の種類、分け方はいろいろあろうかと思いますが、供給主体別に分けてまいりますと、地方公共団体が直接供給する住宅、地方住宅供給公社が供給いたします賃貸住宅、それから住宅・都市整備公団が供給いたします住宅、そして民間が供給いたします賃貸住宅、大体この四つぐらいに分かれるのではないかと思っております。 〔理事梶原清君退席、委員長着席〕 具体的には、最初に申し上げました地方公共団体が直接供給いたしますものにつきましては公営住宅、都道府県首とか市町村営がございまして、また一種、二種というのがございますけれども、そういう公営住宅、住環境の整備を行います改良住宅、それから公営住宅を補完するものといたしましての地域特別賃貸住宅等があるわけでございます。 地方住宅供給公社につきましても、直接公庫の融資を受けまして供給いたします賃貸住宅でありますとか、あるいは先ほど申し上げました地域特別賃貸住宅があるわけでございます。 住都公団につきましても、財投資金をお借りしまして賃貸住宅を供給しておりますが、それ以外にも土地を借り上げて供給いたします賃貸住宅、あるいは土地と建物を民間から借り上げて供給いたします住宅等があるわけでございます。 さらに、民間につきましても公的な助成が行われる賃貸住宅が幾つかあるわけでございまして、住宅・都市整備公団関係では民営賃貸用特定分譲住宅というようなのがございますし、もちろん住宅金融公庫融資を受けて賃貸住宅を供給するというやり方もあるわけでございます。さらに、農地所有者等がその農地を転用いたしまして賃貸住宅を供給いたします農地所有者等賃貸住宅、あるいは土地の所有者が同様にやります特定賃貸住宅、そういったものがあるわけでございます。 なお、建設省所管ではございませんけれども、年金福祉事業団でありますとか雇用促進事業団等が融資を行って建設されます給与住宅でありますとか等々の賃貸住宅があるわけでございます。 以上でございます。
○峯山昭範君 大臣、お聞き及びのとおり、賃貸住宅に対しましては、この間ある団体の皆さん方が種類別にいろいろ分析した資料を私もいただきましたけれども、とにかく細かくて、今課長さんがおっしゃった分だけでも相当あります。分け方はいろいろありましょうけれども、全体では百三十種類ぐらいあるらしい。相当たくさんある。そういう人たちに対してどういうふうな補助ができるか、我々としても相当いろんな角度から検討は進めておりますけれども、非常に難しい問題もたくさんあろうと私は思います。 そこで、二つの面からきょうは簡単にお伺いしておきたいんですが、一つは住宅金融公庫の融資、これは持ち家が中心であろうと思うんですが、賃貸とか借家に対してはどういうふうな門戸を開いておられますか。
○説明員(五十嵐健之君) お答え申し上げます。 賃貸住宅につきましても当然住宅金融公庫の融資の対象となっているところでございまして、先ほど申し上げましたように賃貸住宅のストック、特に家族向けの賃貸住宅が不足しているというようなことから、平成三年度予算におきましても、良質な賃貸住宅につきましては、つまり具体的には六十五平米以上の世帯向けの賃貸住宅ということになるわけでございますが、これにつきまして一戸当たりの融資限度額を五〇%以上ふやしていただくというような措置が盛り込まれているところでございます。
○峯山昭範君 これは大蔵大臣の所轄と違うと私は思うんですけれども、今課長がおっしゃったのは住宅金融公庫の賃貸住宅を建設する部分に対する融資ですね。私が言う賃貸部門というのは、庶民が賃貸住宅を借りる場合に、現在は権利金とか敷金とかいうのが非常に高くなってまいりましたので、そういうふうな部門にも住宅金融公庫の制度自体を枠を広げたらどうなのか、そういうふうに私は思っているわけなんです。後で御答弁いただきますので、こういうことも頭へ入れておいていただきたいと思います。 それからもう一つは、賃貸とか借家の皆さん方に対する税制上の措置はどういうふうに現在なっているのか。これは局長の方から御答弁いただけますか。
○政府委員(尾崎護君) 賃貸住宅の建設の方につきまして割り増し償却制度があることは御承知だと存じますが、借家人の方について税制上の特別の措置というのはございません。
○峯山昭範君 大臣、そういうわけです。したがって、我々はそういうふうな面にも目を向けてこれから施策を施していかなければならないのではないかな、こういうふうに思っているわけでございまして、これは大蔵大臣の所轄でない部分もありますけれども、感想としてこの点についての御答弁をいただいておきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員がよく御記憶でありますように、昭和四十年代から五十年代の前半にかけまして、財形貯蓄制度をいかにして拡大し定着させるかということに国会の論議が集中した時代がございました。そして、その当時非常によく論議の対象になりましたのは、欧米におきましては賃貸というものに対しての国民の意識が非常に大きく日本と異なっている、言いかえれば、日本の場合には持ち家志向が非常に強いのではないか、そして、行政はその持ち家志向の強い国民に対しいかにして持ち家取得が可能かという方向で努力をすべきだ、こうした論議の中から、財形貯蓄制度も生まれて今日に至り、また住宅金融公庫の融資体系というものもその方向が定まってきたような記憶を私は持っております。 そして私は、実は基本的には国民の持ち家志向というものがそう大きく変化したとは感じておりません。ただ、その後における社会経済情勢の変化の中で転勤等が非常にふえてくる。さらに、都市の巨大化により通勤距離の拡大延長というものが社会問題となる。そして、都市自体が過密となる中でその住宅供給に一定の問題を生ずる。そうした中から賃貸住宅というものについて従前に増した強い要請が社会的な問題となってきたということは、私は委員の御指摘のとおりだと思います。そして、基本的に国がその声にこたえていく努力というのは、いかにして優良な住宅供給を促進するか、また公的賃貸住宅の建設を促進していくか、こうした努力が中心であるべきであり、その行動の中において国民に対しより低廉な家賃で入居していただくことのできる住宅を供給していく方向である、そのように考えてまいりました。 今、そうした考え方の中で委員の御意見を拝聴しておりまして、従来から御論議のあります家賃控除の問題になりますと、率直に申して私は御党の御意見となかなか方向がそろわないわけでありますけれども、今の賃貸住宅の借り手に対しての住宅金融公庫のあり方についての御指摘は、私は今後に対する一つの示唆であるという感じで拝聴をいたしておりました。私自身も勉強させていただきたい、そのように感じた次第であります。
○峯山昭範君 我々も今大臣がおっしゃいましたように良好ないい住宅を安い家賃で提供するそういうふうな方向に、また賃貸の皆さんに対しても何らかの方法ができるように、全国レベルでずっと今やっておりまして、全国レベルでの家賃補助とか、これはまだまだ福祉の部門を出ていないと私は思っておりますけれども、例えばお年寄りの皆さんとか新婚世帯とかそういう人たちに幾らかの補助をするというような話がどんどん出てきておりますし、そういうふうな面から何らかの補助ができないかということをぜひお考えいただきたいとも思っております。 そこで、もう時間ございませんので端的に申し上げますが、今回のこの租特は地価税と一体になった部分がある、そういうふうに私は考えております。したがって、今度地価税の審議のときにいろいろとお伺いしたいと思うのでありますが、大臣に一つだけぜひわかっていただきたいことがあるんです。 それは、当委員会とか国会の審議で疑問点とかいろんな問題が出されますね。そうした場合に、そういうふうないろんな意見をぜひ政府税調とかあるいは新しい法律をつくるときの参考にしていただきたい。そのことをぜひお願いしておきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、過去においても恐らく事務当局は院における御論議の主要な御指摘等につきましては、それぞれの機関に的確に反映をしておったと思います。 今後におきましても、私は国会での御論議というものは政府の諮問機関における審議の際においても重要な参考として取り上げられるべきものであると思いますし、御意見等について、政府税制調査会と今御指定がありましたが、税制論議のみならず、他の分野におきましても我々がなるほどと思いました御意見そのままに税制調査会等に反映をしてまいりたい、少なくともそうした御意見があるということをお伝えをする努力はいたしたいと思います。
○峯山昭範君 今回の趣旨説明の中でも小さな字でしか書いていませんが、買いかえ特例の問題、これはいろんなところから陳情もあり、いろんな御意見をお伺いしておるわけでありますが、今回の地価高騰の一つの大きな原因の中にこの買いかえ特例の悪用という問題があったのも事実であります。したがって、こういうような買いかえ特例は廃止すべきである、私どもとしては従来そういう主張をしてきたわけです。 ところが、実際問題として具体的にいろんな陳情をお伺いしてみると、一概に悪い人だけではない。まじめに一生懸命やった人たちもいるというのも事実なんですね。そういう人たちのためにこれはどうしたらいいのかという問題がやっぱり出てくるわけです。前々から、この買いかえ特例を悪用して、いわゆる市街地の中心部から周辺地域の地価の高騰をあおって地価の高騰が周辺地域へ波及した、こういう事実は具体的にあるわけです。あるから、私どもはこういうようなものは早く廃止した方がいいと言ってきたわけです。 ところが、私はきょうはそれをやめろというような逆の意味の質問をしなきゃいかぬわけですけれども、例えばまじめに一生懸命やってきたいわゆる市街の中心地じゃないところの人たちが長年持ってきた土地、その土地があるから安心して事業をやれた。例えば構造不況業種なんかはそうであります。構造不況業種で大変な思いをしている。しかしながら、土地があるから銀行やいろんなところも安心して融資をする。そういう部面があるのも事実なんですね。そういうようなことを考えますと、この買いかえ特例の問題につきましては、非常に重要な問題でありますし、これは何とかしなきゃいかぬなということをしみじみと感じているわけであります。 それで、もう時間がなくなりましたから最後まで全部言ってしまいます。 私は具体的に経過措置の話もお伺いしました。要するに、平成三年度中に契約をしたりあるいは納付をしたりすれば平成五年度までいい、そういう経過措置の話も全部お伺いをいたしましたが、にもかかわらずまだいろいろ問題がありそうなんですね。そういうようなことを考えますと、この問題についてはどこかでもう一回しっかり見直す必要があるのではないか、あるいはまたまじめにこつこつとやってきた皆さんの方の対応をどこかで考えてあげる必要があるのではないかな、そういうふうな気がしているわけであります。そこら辺のところを、多少抽象的に申し上げましたが、大臣の御答弁をお伺いして、私の質問は終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど前畑委員が一宮の例を引かれてお話をされましたときにも感じておりましたことでありますが、実は私はもともと繊維の労働者であります。そして繊維産業の実態というものをちょうど日米繊維交渉の開始された時期に体験をいたしてまいりました。 これはたまたま自分の土地カンがありますので繊維に例を引かせていただくわけでありますが、私は今委員が御指摘になりましたようなケースがあることを私自身も身近に承知をいたしております。と同時に、構造転換のチャンスを何回か与えられたが、土地があったがためにその土地というものに依存をし、構造不況業種として当然どこかで業種転換を図るべきでありましたものが、その土地という資産におぼれて結果としてチャンスを逸してきた企業が相当数あったということも実見をいたしております。 さらに、委員が御指摘になりましたように、まさに本当にいい人の場合とこれを悪用した方と両面があるということも事実であります。そして、今この買いかえ特例が問題になりましたのは、悪用と言ってはいけませんけれども、それを大変知能犯的に利用した、そうした者に対する世間からの批判というものが今日の情勢を生んでいるわけでありまして、私はこの買いかえ特例につきましては、今回御審議をいただいております内容でぜひ進ませていただきたいと思います。 同時に、たまたま私は繊維を例にとりましたけれども、例えば構造不況業種の業種転換でありますとか、あるいは中小企業に対していかなる対策をとるかということ、これは別途の施策をもって私は対応していかなければならないと思います。たまたま中小企業ということでありますと、従来から税制面におきましてもさまざまな工夫をいたしてまいりました。今年度の改正でお願いをいたしております中にも、例えば中小企業における労働力の確保のため労働時間短縮とか職場環境の改善に資する機械など、こうしたものに対して特別償却を認めるといった工夫もいたしております。こうした努力は、我々は当然のことながら今後も払ってまいるつもりでありますし、具体的な業種転換等々に対する対応というものも別途準備をしていくべきである、そのように心得ております。
○近藤忠孝君 本法案には大企業の優遇税制の温存拡大など大変大事な問題が含まれておりますが、私はきょうは土地税制に絞ります。しかも、土地税制のうち、問題点の指摘だけに終わります。本当はその一つ一つについて私の持ち分だけ全部質問をしますと大分深まった議論になるんだけれども、残念ながらわずか十二分ですので、問題点の指摘、しかもそれも全部終わるかどうかわからない、こういう状況であります。 まず土地問題につきましては、土地神話の打破という答弁が先ほどもありました。そして、持つ者と持たざる者との資産格差の是正、もう一つが土地の有効利用の促進、こういうことが期待されておったわけであります。このため、保有段階での新土地保有税の導入を目玉にして保有と譲渡益課税の両面での課税強化、これが政府税調でも提言されておったわけですね。ところが、実際でき上がってきた土地税制の姿はどうであったか。土地税制小委員長の石教授も、かなり不満がある、虚弱児童になってしまった、特に保有税については期待外れ、骨抜きだ、かなり失望した、こう言っておられます。 質問の第一は、地価税も含めた今回の土地税制改革によって地価引き下げ効果がどの程度なのか。幾つか試算があります。一橋の野口教授、それから建設経済研究所の試算、三井銀行総合研究所の試算、あるいは岩田上智大学教授などの試算がありますが、大体共通しております。この試算によりますと、地価引き下げ効果は、一定の仮定のもとですが、大体大ざっぱに見て税率一%ならば二〇%以下の引き下げ効果ということでほぼ共通していますね。 これを本法案に当てはめてみますと、〇・三%の税率でおおむね四から六%程度の地価引き下げ効果ということになるんですが、いずれにしても初年度〇・二%、平年度〇・三%だとかなり小さい。ですから、これも石教授が言っておりますけれども、大山鳴動してネズミ一匹ということになるんじゃないかと思うんですが、大蔵省としてはこの地価引き下げ効果はどの程度と見ていますか。
○政府委員(尾崎護君) ただいまお示しになられましたようないろいろ計量モデルを用いての試算を学者の方々がなさっておられますことは私どもよく承知しておりますし、またそのような学者の方々とお話をさせていただいたりしているわけでございますけれども、しかし、地価を含んだ信頼に足る計量モデルの構築というのは非常に難しい話でございまして、相当大胆に割り切ってやっておられるわけでございます。学者の方々がそれぞれのお考えでおやりになるのにはあるいはそれでよろしいのかもしれませんが、政府として責任のある計量モデルをつくるというのはどうもいろいろ難しいというように考えます。 その理由を申し述べますと長くなりますので省略させていただきますが、そのようなことから、今回の土地税制につきまして定量的にその効果をお示しすることができないのは大変残念でございますが、御指摘の地価税を含めまして、固定資産税の評価の見直しでございますとか、譲渡課税の見直しでございますとか、あるいは都市内の農地における課税の見直しでございますとか、今いろいろな措置を講じております。したがいまして、私どもは今最も望まれている地価の抑制、低下、それから土地の供給促進、有効利用の促進等に今回の土地税制がかなりの効果を持っているものと期待いたしているところでございます。
○近藤忠孝君 議論はできません。 次に、三大都市圏の市街化区域農地の相続税の納税猶予特例の廃止の問題であります。 中身は省略しますけれども、先ほど議論があったように、これによって土地の供給増が期待されるというのですが、ただ、土地の供給がふえれば地価が下がるというものじゃない。この間ずっと農地が随分つぶされてきたけれども、逆に地価は上がってしまったということであります。問題は私は、この特例の廃止は逆の意味のマイナス効果が大きいんじゃないかと思う。というのは、現在の十年間という期間要件ならまだ見通しがありますけれども、三十年間の長期となると見通しが立たないということで、生産緑地指定を申請したいけれども実際は断念せざるを得ないということ。こういった点で、近郊農家の大変強い反対の声が上がっております。 こうした不当に厳しい指定要件をつけた上での納税猶予特例の廃止は、農地の半強制的な放出策になるんじゃないのか。となりますと、近郊農業は新鮮な野菜等の供給、あるいは緑の保全等いろんな意味でプラスの面を持っているんですが、こういう営農意思を無視したやり方というのは、そういう面で効果よりマイナスが大きいんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○政府委員(尾崎護君) 端的にお答え申し上げます。 土地基本法にございますように適正な利用、計画に従った利用というようなことの重要性を考えてみますと、三大都市圏内の特定市の市街化区域内農地というのはつまり市街化区域でございまして、もともと宅地として利用すべきところに農地として残す話でございますから、そこは、御本人の意思もさることながら、計画的な利用という点からいいましてある程度の制限を強めていくということは必要なことではないかというように考えております。そのような考えに沿って相続税の扱いも変えているということでございます。
○近藤忠孝君 ちょっと議論がかみ合っていませんが、残念ながら次に入ります。何しろ問題点を指摘しないといかぬものですから。 次に、既成市街地の内から外への買いかえ特例がさっきから議論になっております。これは政府税調基本答申では廃止の方向が出たのに若干の縮減で存続となったのでありますが、この点について、山本さんという税理士がこう言っていますね。この場合の買い換え土地は「譲渡した土地の面積の五倍までと制限されている。このため、都内の土地を譲渡した法人や個人は、最も効率のよい買い換えを志向して、譲渡した土地の一平方メートル当たり単価が五分の一程度の土地を買い漁った。この結果、福岡、広島、名古屋、仙台、札幌等の地方都市の地価を引き上げてしまったのである。」と指摘していますね。これは政府税調答申でも、「近年、東京都心部における地価上昇が周辺地域及び地方に波及する際の原因の一つになった」と指摘しています。 この既成市街地等の内から外への買いかえ特例が、繰り延べ割合の八〇%から六〇%への引き下げ、それから対象を事務所または事業所用建物及びその敷地に縮減、取得時期による適用除外といった一定の縮減の上存続されたというのは問題だということを専門の立場から指摘していますね。廃止しなかった理由は何か、これが改めて問われるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(尾崎護君) 御指摘のような議論がございまして、私どもこの一号買いかえにつきましては随分と議論を重ねたわけでございますけれども、既成市街地等の内から外への買いかえという考え方は過密の解消対策として引き続き必要なのではないかということでございます。しかしながら、近郊整備地帯等への移転につきましては、先ほど申しましたように 宮とかそういうところ移るわけでございますから、それにつきましては課税繰り延べ割合を厳しくして六〇%に引き下げる。それから委員御指摘のように譲渡資産の範囲を限るとか、あるいは平成三年三月三十一日以前に取得したものに限る、これから先東京都内に買ってそれを売って外に移るというようなのはもうだめですというような制限を加えまして、制度そのものは残したわけでございます。 ただ、一番問題となりました近郊地域、大宮でございますとか市川でございますとか、そういうような東京の周りに出ていくというようなケースにつきましては、ただいま申し上げましたような制限をいたしましたから、従来以上に過密の解消のために過密じゃない地域へ出ていく率は高くなるということでございます。
○近藤忠孝君 残念ながら、これも議論できません。 次に、法人の土地譲渡益課税の強化で新たに一〇%追加課税の問題がありますね。 問題は、この措置の適用対象から住宅、造成宅地等の継続供給事業の棚卸資産を除外したのは問題だと思うんです。端的に言いますと、結局これによって八五年、八六年ごろの地上げ分がすべて適用除外になっちゃぅんじゃないか、一番課税すべきところが除外になってしまうんじゃないかということ、これはどうお答えになりますか。 もう時間がないので、もう一つあったけれども残念ながら問題点の指摘さえできなかった、極めて残念だということを申し上げて、お答えをいただいて質問を終わります。
○政府委員(尾崎護君) その一〇%新たに上乗せをいたしますのは、短期所有土地、それから超短期の所有土地に係ります譲渡益の重課制度の対象とならないものでございますから、最近の地上げのケースのようなものはむしろこの超短期なりあるいは短期の重課制度の対象になってくるのではないかというように思いますが、御指摘の棚卸資産につきましては、これは例えば山林でありますとか荒れ地でありますとか、そういうようなところを造成いたしまして付加価値をつけまして住宅地とか工場用地にしていくわけでございますので、そういういわば通常の生産と非常に似ているわけでございます。それはただ単に土地を買っておいてそれの値上がりを待っていたというケースと違うわけでございますので、これは通常の事業所得より重い法人税負担を求めるのは適当ではないというように考えたわけでございます。 ただその際、棚卸資産というようなことで扱われておりましても、一度自分のところの事業用地、つまり固定資産として利用したことのあるような土地につきましては、これは例外として適用除外としないというような措置も講じておりますし、またその棚卸資産の実体につきまして、例えば見せかけだけの建物が乗っているようなものはだめだとか、それから造成のためのかけた費用が非常に少ないものはだめだとか、制度をくぐり抜けるような例を防ぐための措置を政令上講じていきたいと考えております。
○古川太三郎君 先ほども峯山委員からの御指摘がありましたように、賃貸の方に向かっての税制上の優遇措置も余りないし、また財政的な方策も余り講じられていないというような中で、住宅取得促進税制は余りにも優遇をし過ぎているんじゃないかという気持ちがありますので、その点についてお聞きしたいと思うんです。 先ほど大臣は、日本は持ち家志向だ、そういう政策から来たんだというようなこともおっしゃっておりましたけれども、日本は土地政策がございませんでしたから、それだけに土地の値上がりとかそういった不動産の値上がりを見込んで持ち家志向になるのは当然なことなんですね。そうだからといって、日本人の勤労者がほとんどが持ち家志向だ、これは私は当たらないんじゃないかと逆に思っているんです。 この住宅取得促進税制というのは今本当にその目的がまだあるのかどうか、本当にサラリーマンのためになっているのかどうか、これほどまでの約四千億円ぐらいの減収の見込みの、これは試算ですけれども、そういったお金を使うというか、減税してまでこういった政策を推進しなければならない必要性が本当にあるのかどうか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 住宅取得促進税制というものが適用されます六年間を通じました減収規模が五千八百億円程度となっておりますことは事実でありますし、現下の厳しい財政事情のもとでの税制上の優遇措置として最大級のものだという点については、私自身も十分認識をしておるつもりでございます。 先ほど峯山委員にもお答えを申し上げましたけれども、確かにもう一世代前の時代の日本というのは、さまざまな文献等を見ましても、例えば江戸の庶民において賃貸というのは全く通常のケースであったといったこともあるわけでありまして、私も日本人がもともと持ち家志向だったと必ずしも申し上げるつもりはありません。 ただ、先ほど申し上げましたように、昭和四十年代から五十年代の初めにかけまして勤労者財産形成制度というものがなぜ論議をされ、そしてその結果出てきた財形貯蓄というものの拡大になぜ本院におきましてもしばしば非常に厳しい御論議が重ねられ拡大の方向に進んできたかといえば、少なくともここしばらくの間の国民の志向というものが持ち家志向であったという事実は私は否定できないと思います。そしてその原因の中に、委員が述べられたような部分がなかったとは私は決して申しません。しかし、現実のその持ち家志向というものが否定できない状況の中におきましてこうした税制もいわば国民のニーズに合わせた形で生まれてきたものと、私はそう承知をいたしております。 今後住宅促進税制がどうあるべきかということにつきましては、その政策目的と効果、あるいは税負担の公平といった観点に加えまして、今委員が御指摘されましたような点も含めて今後引き続き検討していくべき課題である、そのように考えております。
○古川太三郎君 この政策を進めていきますと、なおなお土地の値上がりをむしろ促進するのではないか。確かに家を取得するということは内需効果も含めて大事なことかもしれませんけれども、本当に取得しなければならないような状態に追い込んでのこういう政策であっては決して前向きなものではないわけなんで、決して勤労者のためにもならないと私は思うんです。これはむしろ建設会社の販売促進に寄与するような方策であるならば真っ当な政策かもしれませんけれども、勤労者の持ち家の考え方からすれば余りに意味がない、むしろ賃貸の方を優遇すべきだ、こう思うんです。 よく引い合いに出されますけれども、三十歳代で家を買って借金している人と買わないで賃貸していた人、資産を預金とかそういったものにかえていた人、こういった人の間の格差が非常に大きい。ということは、今までの過去の経験から皆知っているから、早く家を買いたい、こういう要求に駆られる。これが、本当にいい家がいつでもあるんだ、恒久的なもので良質な家があるんだということであれば、必ずしも一生を棒に振ってまで家を買いたいという人はいなくなるだろう、私はそう思うんです。そういう意味からも、持ち家制度というものは確かに一つの制度としてはいいことがありますけれども、反面これはインフレ志向、インフレになっても大丈夫だ、あるいはインフレの方がいいんだ、余計に借金すればするほどいいんだ、そういう感覚もできてくるわけなんですね。 だから、四千億、五千億も使ってこういう政策をするよりも賃貸の方をもっと考えるべきだ、こう思うんですけれども、そういう意味から、ここらあたりで方向転換する気持ちはございませんかどうかをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 労働省の大先輩の三治さんがおられるお隣で大変言いにくいのでありますけれども、労働省として労働政策の中から、その時点における労働組合との協議等の中から、私はさまざまな施策が生まれてきたと考えております。そして勤労者財産形成制度、財形貯蓄というものはまさに私はそうした施策の典型であったと考えております。となりますと、私はその国民のニーズ、この原因について私は委員の意見を全く否定するというのではありませんけれども、しかし、そうしたニーズが非常に強かったという事実は、これは私はお認めいただきたいと思うのであります。 そして、先ほど峯山委員が建設当局にお尋ねになり出てきた数字、持ち家率六一・何%でありましたか、言いかえれば四〇%に近い賃貸住宅の需要が現に生まれている、私はこの事実も否定をいたすつもりはございません。ですから、国として公的な住宅の建設の中に賃貸住宅というものに大きなウエートを置いて今その建設を進めておりますのも、またさまざまな助成措置を講じておりますのも、そうした考え方であるという御理解を賜りたいと思います。
○古川太三郎君 最後に、家を建てる人、供給する方じゃなくて、賃貸する側の人、この人たちに税制的な優遇を考えられる余地があるのかどうか。先ほどの所得控除制度ですか、それが税制上少々無理だとすれば、財政的にこれならば、今度二十五万まで最高できるとすれば約月二万円ぐらいの補助になるんですね、賃貸する人にそのぐらいの補助ができるかどうか。むしろその方が気が楽に豊かな生活ができるんじゃないかとこう思うんです。また、供給する方も良質な賃貸家屋を建設する意欲もわいてくるんじゃないかと思うんですけれども、そこら辺をお聞きして終わります。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 国家資金の使途とすれば、委員がお述べになりましたように、現に賃貸住宅に居住しておられる方の所得控除といった方向にその資金を誘導するよりはむしろ公的な賃貸住宅の建設、公のものも含めまして、民間も含めてもよろしいでしょう、むしろ賃貸住宅の建設を促進する方向にその費用を投ずることによって結果的には個々の家賃というものが下がっていく方向に、言いかえれば賃貸住宅の建設を拡大していく方にその資金は投入すべきであると私は思います。 しかし、今日、私は国民の中には依然として持ち家志向は強いと考えておりますし、住宅取得促進税制というものの意味をそこに見出しておりますが、私は委員の御指摘を全く否定するのではありません。しかし、国家資金を仮に投入するとするならば、私は現在の賃貸住宅に居住される方に対してそれをお配りするよりも、むしろ賃貸住宅の建設を促進しその結果として家賃全体が下がる方向に施策誘導をしていくのが国の役割である、そのように思います。
○三治重信君 土地税制と関連で基本的な土地評価の問題については、これは何年かにわたって議論されてきておったところでございますが、今年度の土地評価のいろいろの資料を見ると非常に前進があったような気がして、それでひとつ考え方をまとめてみたいと思っております。 これはいつも言われておるように、実際の売買価格と公示価格、それから相続税評価額、固定資産税評価額、こういうふうに土地評価がいろいろの段階で金額が決まる。したがって、法律上、時価だとか評価額とかこう言ってみても、その中身がえらい違うために大変それが土地の価格について影響するところが違う、こういうふうに思うわけでございまして、それで今回の措置なんかの考え方を見ると相続税評価額なんかも公示価格に近づけよう、こういうような考え方が、しかも二、三年後ですか、にそこまで持っていく、こういうようなことが注として書いてあるわけなんですが、これは大蔵省としては、何というんですか、自治省の固定資産評価額とも関連して考えておられるのか、それとも相続税評価額だけでああいう目標を書いておられるのか、その点は自治、大蔵、また国土庁の三省が相当相談をした上で公示価格の方へこの税制上の価格を決めるように合意をした、こういうふうに理解していいのか。
○政府委員(山口厚生君) お答え申し上げます。相続税における土地の評価に当たりましては、従来から地価公示価格との均衡を保つように努めてまいったところでございますけれども、実際問題として土地の価格には相当の値幅がございます。それからまた、課税上のものであるということ、これが非常に大事でありますので、こういうことを考慮いたしまして地価公示価格と同水準の価格の七〇%程度を目途としてかた目の評価を行っております。 しかしながら、ここ数年地価高騰を背景にこの評価水準が低下していたため逐年評価額の引き上げを行ってきたところ、平成三年分の評価において目途としている七〇%をほぼ達成する見込みでございます。 また、平成四年度以降の評価につきましては、御承知のように本年一月二十五日の総合土地政策推進要綱におきまして、土地の相続税評価については、地価公示価格を基準として評定する考え方に立って、平成四年分の土地の評価から評価時点、これまでは前年の七月一日でございましたけれども、これを地価公示価格の評価時点、つまり毎年一月一日に合わせるとともに、評価割合を引き上げその適正化、均衡化を図る、これに伴う相続税負担の調整等については平成四年度税制改正において検討する、こういうことが閣議決定されたところでございまして、その趣旨に沿って評価割合の引き上げ等を図っていくこととしております。 委員御指摘のように、その評価額を地価公示価格と同一とするということにつきましては、地価公示価格は、一つには一般の土地取引についての取引価格の指標を与えること、さらには公共用地取得の補償基準とすることを目的としておりまして、しかもその公示地は都市計画区域内に限定されております。その地点数も約一万七千点にすぎない。こういうことでございまして、それぞれの評価の目的とかあるいは性格、方法、考え方等に相当な隔たりがあることから、容易ではないと考えております。 しかしながら、相続税評価と地価公示価格との関連につきましては、土地の資産としての有利性の縮減等の観点とあわせまして、今後とも相互の均衡と適正化を図るように努めてまいりたいと考えております。
○三治重信君 今ちょっと御答弁の中になかったような気がするんですが、自治省の固定資産評価額との関連については、おたくの方は指導的な地位というんですか、関連のそういう公示価格に近づけるという固定資産税の評価額の決定については非常に僕は前進だと思うんですが、固定資産税との関連は議論はなっていないんですか。
○政府委員(山口厚生君) 委員御指摘の点につきましては、相続税評価と地価公示と固定資産税評価額、それぞれの間には目的、性格の違いというのが相当ございます。しかも、その評価方法に相当の隔たりがあるものでございますから、それの公示評価を直ちに一元化にすることは容易ではない、こういうふうに考えております。 御承知のように、相続税評価額というのは相続税の課税標準の形成のためのものでございますから、そういうことで運用しておる次第でございます。
○三治重信君 そこで、自治省にお伺いするんですが、今度地価税に伴って自治省が固定資産税を上げるということで、その目標とするところは固定資産評価を、現在は全国平均で公示価格の三六・三%であるけれども、公示価格の七割程度まで引き上げる計画だというように聞いておるんですが、相続税評価額の方は大体平成四年度で公示価格に近づけるような具体的な計画ができているわけです。固定資産税の評価額を公示価格の七割程度には引き上げるというが、またそれが限度であって、またいつごろまで七割に引き上げるのか、その後さらにどうするかという計画はあるのかないのか。
○説明員(成瀬宣孝君) お答えを申し上げます。 固定資産におきます今後の土地評価に当たりましては、公的土地評価相互間の均衡と適正化が図られるように努めるべきであるという土地基本法第十六条の規定の趣旨を踏まえまして、相続税評価との均衡にも配慮しつつ、地価公示制度の改善とも相まちまして、その一定割合を目標に平成六年度以降の評価がえにおいて速やかに評価の均衡化、適正化を推進しなければいけないというふうに考えております。 御案内のように、固定資産税の評価がえは三年ごとに実施されるものでありますので、次回の評価がえ年度であります平成六年度以降できる限り速やかにただいま申し上げました考え方で評価の均衡化、適正化の課題に取り組んでまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○三治重信君 この三年度のを六年度に一気に上げるというか、持っていく計画なのですか。
○説明員(成瀬宣孝君) ただいまその評価水準の目標数値、一定割合でございますけれども、公示価格には将来におけるある程度の期待価格も含むこと、それからまた、昭和五十年代の地価の大変安定しておりました時期には固定資産税の土地の評価額も、先ほど三六・三%という数字の御指摘ございましたけれども、全国的に見ましておおむね公示価格の七割に近い水準にあったこと、そういうことを考え合わせますと、例えば公示価格の七割程度を目標にやっていくということも十分考えられるわけでございますけれども、具体的数値につきましてはなお検討を行う必要があるというふうに考えておるところでございます。
○三治重信君 やっとやる気になった、こういうような感じで非常に前進だと思っております。 そこで、私は前から、そういうふうに実際の土地の売買価格あるいは公示価格から見て非常に税の課税評価が低いということが土地神話を生んだ大きな原因だと指摘して、評価額を直すように、また政府としてそれぞれ各省庁でやっている三つの制度は何とか一つにならぬかというふうなことを申しておったんですが、やっと緒についた、こういうふうに感じて非常に高く評価するところでございます。 また私は、その裏に、土地評価を上げると税金がえらい高くなる、高くなるのを財政の需要に全部向けるというのはそれは少し、土地神話というか土地の価格を下げるという土地政策でやる税だから、それはひとつ税の全体の中の調整をやるべきだと、いわゆる土地の資産課税に対して所得課税を軽減するという方向でやるべきだと、そういうことをこの関連でずっと言ってきたんですが、これも今回初めて自治省が、六千億ですか、この評価額の改正とともに所得税、住民税を減らすという政策をとられたのは非常にいいと思うんです。 さらに七割まで上げるということのためにはやはりさらに住民税、法人住民税を相当引き下げるということでやらぬと、何というのですか、土地を持っている人が一方的な負担になっていく。地価税と非常に違うわけですよね。固定資産税は零細所有者も全部入ってきて、勤労者にえらいかかってくるわけです。また中小企業もかかってくるわけです。ですから、ぜひそれを上げる引き金としてことしと同じように住民税、法人住民税と引きかえに上げるという方針をしっかり徹底してもらいたいと思うんですが、どうでしょうか。
○説明員(成瀬宣孝君) ただいま申し上げましたように、平成六年度以降の土地の評価がえにおきましては、公示価格の一定割合を目標に評価の均衡化、適正化を行うことといたしておりますけれども、その際には税負担の急激な増加をもたらすことのないよう、特に個人の住宅用地につきましては納税者の負担に配慮しつつ適切な調整措置を講ずることが必要と考えております。 このため、ただいま委員から御指摘ございましたように、平成六年度以降の評価がえにおきます評価の均衡化、適正化により土地保有コストの適正化を図るとともに、税負担が急増すると見込まれます場合には負担調整措置、住宅用地の特例措置などを初めといたしまして、個人住民税の減税を含め地方税体系全体における適切な課税のあり方につきまして総合的に検討を加える必要があるものというふうに考えております。
○下村泰君 まず最初に、消費税論議のときに盛んに言われましたことで、高齢社会において望まれる税制についてここで幾つか確認させていただきたいと思います。 ちょうど一年前になるんですけれども、少し御意見を伺いました。そのときに橋本大蔵大臣から「そういう視点からも、私はまだ論議が」「もっと深められることを期待をいたしております。」、中を抜きまして、「公共福祉サービスに分けられる財源というものはこれからどう考えていかれるべきものなのか、こうした視点からも私は議論がもっと深められるべきものと思います。」というふうにお答えをいただいております。 その国民負担率の中身についてですが、我が国の現状は、高齢社会以前ということもあってか、社会保険料の割合の程度が、社会保険財源を社会保険料中心に調達するフランス・ドイツタイプと租税中心に調達する北欧・イギリスタイプなどございますけれども、そのやや中間じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員の御指摘になりました問題の前に、これからの日本が北欧型の高福祉高負担の国づくりを目指されるのか、あるいはある程度の自助努力というものを前提にされた社会形成を望まれるのか、これによっても私は将来の展望は変わってくると思います。その点におきまして、今委員が御指摘になりましたが、私どもはある意味では日本型の体系ということを今日申し上げるべきであろうと思います。
○下村泰君 そうすると、ややその中間ということになりますね、おおむね。 また、税収に占める直間比率なんですけれども、消費税導入によって若干間接税収は上がっていますが、基本的に直間の税収比は変わっていません。消費税導入は税収構造の質の面で大きな変化を与えたと思いますけれども、量的変化は小さいと言えますが、どうでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今委員がお述べになりましたような論議というものが成立することを否定はいたしません。しかし同時に、先般の税制改革なかりせばその比率がどうなっていたかということも御想起をいただきたいと存じます。
○下村泰君 それから、いわゆる法人負担と個人負担の比率の問題なんですけれども、欧米諸国に比べて法人税収の比率が大変高いわけです。ヨーロッパでは社会保険料の法人負担の比率が非常に高くて、結局大差はないのではないかと思うのですが、さて、こうした議論はこの一年政府内でどの程度なされてきたのか。無論これは国会でなされるべきことなんですけれども、大蔵大臣が議論を深めるべきものであるというふうにおっしゃっているわけなんで、政府としてはどういう考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私自身この一年間ほとんど国会にくぎづけになっておりまして、厚生大臣とこうした問題について特に論議をさせていただくという場面は予算編成の時点を除いてはございませんでした。これはもう率直に事実を申し上げます。
○下村泰君 そのお言葉のついでに、これからはどういうふうにお考えか、論議をなさいますお気がありますかどうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、本当に私自身、この問題ばかりではなく他の閣僚と御相談をしたいことが随分ございます。しかし、なかなか現実には国会が動いております間はそれだけの時間をとれないという事実は否定できません。 そうした意味におきまして、むしろ国会における御論議そのままが、私は、それぞれの省庁がどうせそのときには呼ばれておりますので、各省庁の事務方を通じてフィードバックされ論議の対象となっていく、そのように理解をいたしておりまして、国会の御論議そのものがそれぞれの問題に対する回答を導き出すいわばその糸口を引き出していただいておる、そのように考えております。
○下村泰君 ありがとうございました。 次に、昨年四月から医療費控除の対象となりました温泉利用型健康増進施設の利用料金について伺います。 これは厚生省と国税庁が協力してやったとのことですけれども、今まで大変おかたいことばかりしか考えない役所にしてはすばらしいなと思うんですけれども、この一年のこの制度の利用状況はどうなっていますか、わかる範囲で結構ですが、教えてください。
○政府委員(山口厚生君) 委員御指摘のとおり、温泉利用型の健康増進施設の利用料金、これは平成二年から医療費控除の対象とされております。 医療費控除につきましては、税務当局としましても特に必要性を認めて、ただ何分にも申告枚数が膨大でございまして、平成元年分で約千七百万枚ございまして、そういう膨大であるということから、サンプルを含む調査によりまして医療費控除を適用して確定申告を行った者全体の件数を把握しておりますが、平成元年分についてこの控除を適用して確定申告を行った者は約百六十九万人でございます。 しかしながら、お尋ねの医療費控除の適用と医療費控除の対象とされる医療費の支出明細別の件数につきましては、その仕分けそのものが細かい、しかも各納税者ごとにいろんな治療を受けているわけでございますから、細かい手作業によらなければなりませんので、相当の事務量を要しますことから、限られた事務量のもとにある税務当局としましてはその分析、検討までは行っていないことを御理解願いたいと存じます。
○下村泰君 昨年十二月二十五日のある新聞にこの制度の利用状況が余りよくないという報道があったんです。まだできて日も浅いことでございますから、見込みとの差はあると思いますし、見込みとの差も大きいと思いますが、せっかくこれだけのいい制度ができて利用数が少ない、これを厚生省はどういうふうにお考えになっていますか。
○説明員(田中喜代史君) ただいま温泉利用型健康増進施設の医費費控除の利用状況が低いんじゃないかというお話でございますが、実は温泉利用型健康増進施設の認定の開始が昨年三月でございました。さらに、現在まで全国にその対象施設というのは八施設ということでございます。また、これらの施設の利用料に係る医療費控除制度も昨年四月に開始されたものでございます。そういうことから、私どもといたしましてはテレビ等を通じましてPRはいたしたわけでございますが、ただいま御指摘がございましたように、大変低いという状況ではございます。 いずれにいたしましても、私ども、今後ともこの制度の趣旨や仕組み、利用方法などにつきまして十分国民の皆さんに知っていただけるよう努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○下村泰君 何ですか、ドイツの方では、クアハウスという言葉が、ドイツ語で保養とか療養とかということで、それのやかたというんでクアハウスと言うんだそうですけれども、せっかくこの制度ができても今政府が認定している場所がこれを見ますと八カ所しかありません。私も昔、トーク番組ですけれども、「サンデードクター」というある番組を持ちまして、その中で温泉の博士という方に伺ったんですが、これこれこういう質の温泉はこれこれこういうものに効くんだというふうに発表はされておりまするけれども、人間には個人的な差があって同じ泉質だからといって必ずしもその病気に効くということはないんだそうで、ですから自分の持っている病にぴったり合う温泉の質を探すために日本全国の温泉を探さなきゃいかぬ。これが本当の湯治の仕方なんだそうです。 そういうことからいきますと、これは数も少のうございますし、それから医療費の控除の仕方も、一週間以上でなければだめ、一週間以上というと滞在費の方が控除してもらいたい、そのために利用客も少ないというようなことが今問題にされている。厚生省もおわかりのことだと思いますけれども、行く行くはそういうことも対象にするようなお考えありますかどうか、それを聞かせてください。
○説明員(田中喜代史君) ただいま始まったばかりでもございますし、また通常温泉治療の効果が期待されるものにつきましては連続して一週間以上の療養であるというようなことも言われておることでございまして、いずれにいたしましても、今後とも制度の普及に努めていきたいし、今後これがどういう形で利用されていくかというのを見てまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○下村泰君 もう時間が一分しか残っておりませんので、一つだけお伺いします。 今回の租税特別措置法の中で、医療保健業を営む法人が取得する老人保健施設用建物について、五年間百分の十の割り増し償却が創設されました。その理由、背景と、それによってかかる法人がどの程度負担軽減となりますのか、ちょっと御説明ください。
○政府委員(尾崎護君) 制度の内容は、ただいま委員から御指摘がございましたように、新たに医療法人が取得する老人保健施設に対しまして五年間百分の十の割り増し償却を認めるというものでございます。 これは、今後寝たきり老人等の要介護老人が相当数増加するものと見込まれておりまして、医療サービスや生活サービスなどの提供を行う老人保健施設の充実を図ることが緊急の課題とされておりますところから、税制面において支援することとしたものでございます。しかし、何分にもこれから制度が始まるわけでございまして、その適用がどのような効果を持つかということはまだ十分にはちょっと把握しかねております。
○下村泰君 もう時間でございますので、労働省の方、お呼びしてまことにどうも申しわけございません。お許しください。 終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で質疑は終局いたしました。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。 反対理由の第一は、土地税制の見直しが、譲渡、特別控除、買いかえによる課税繰り延べ制度などについて、今日の地価高騰をもたらした元凶である大企業、大不動産会社などに対し甘く、優遇措置が温存されていることであります。 その反面、地価高騰の被害者である庶民、中小企業、農家などの居住用、生業用の土地などに対する配慮が不十分であります。特に、三大都市圏の特定市の市街化区域内農地に対する相続税の納税猶予特例の廃止、二十年営農による相続税免除の特例の廃止などの措置に対して、都市近郊の農家から批判の声が上がっています。 政府は、生産緑地法改正で転用制限を強化した上で、生産緑地として指定された営農継続農地については引き続き認めるとしていますが、改正後の生産緑地は五百平方メートル以上の面積要件のほか、指定後三十年間経過後でなければ市町村長への時価での買い取り申し出ができないとの期間要件が設定されており、問題であります。都市にとって、緑と防災、生鮮野菜の供給基地の役割を果たしている都市農家の経営を守るため、このような営農意思を無視した課税強化は、断じて容認できません。 第二に、大企業優遇の特別措置は縮減、廃止がわずかで、温存、拡大さえ含まれていることであります。 電波有効利用促進設備に関する特別償却の対象設備拡大のほか、特定電気通信設備やスーパーのスプリンクラー設置への特別償却の新設、地下式または立体式駐車場建設に対する割り増し償却の新設などは、主として大企業向けの特別措置であり、その対策の必要はあっても、あえて優遇措置を講ずる必要はないと言わなければなりません。 このほか、大企業優遇の各種準備金、引当金、特別償却制度などは、ほとんどが軽微な見直しかそのままでの延長となっており、容認できません。 第三は、国鉄清算事業団の土地処分等のための対策税制の新設であります。 国鉄の分割・民営化を契機に進められている国鉄清算事業団の土地処分は、地価を顕在化させないとして一時期とは違った方式を採用していますが、結局のところ、国民の貴重な財産である莫大な旧国鉄用地を大企業に安値で売り渡すことにつながり、こうした土地処分にかかわる登録免許税の非課税措置や、新幹線鉄道施設のJR本州三社への売却にかかわる登録免許税免除、さらには国鉄清算事業団の行うJR各社の株式売却についての有価証券取引税の非課税などは、いろいろ理由はあるにせよ問題であります。 本法案には、法人等の土地の譲渡益課税の強化、国際課税の強化、農業、中小企業保護措置などの評価できる内容も含まれておりますが、以上のような理由により反対の態度を表明し、討論を終わります。
○委員長(大河原太一郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 租税特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大河原太一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 鈴木君から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木君。
○鈴木和美君 私は、ただいま可決されました租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合及び参院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について十分配慮すべきである。 一 国民の信頼と理解に基づく税制の確立のため、今後とも公平・公正の見地から税制全般にわたり不断の見直しを行うこととし、特に不公平税制の是正、資産課税の一層の適正化に特段の努力を行うこと。 一 土地税制については、税負担の公平確保及び土地政策との整合性に配慮しつつ、今後とも適宜見直しを行うこと。 一 貸倒引当金、賞与引当金等のあり方については、引き続き検討するとともに、準備金、特別償却等各種租税特別措置については、更に徹底した整理合理化を進めること。 一 複雑、困難であり、高度の専門知識を要する職務に従事する国税職員について、変動する納税環境、職務の一層の複雑化・国際化及び税務執行面における負担の公平確保の見地から、職員の年齢構成の特殊性等従来の経緯等に配慮し、今後とも処遇の改善、職場環境の充実及び定員の一層の確保等につき特段の努力を行うこと。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(大河原太一郎君) ただいま鈴木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大河原太一郎君) 全会一致と認めます。よって、鈴木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、橋本大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。橋本大蔵大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
○委員長(大河原太一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時四十九分休憩 ────・───── 午後一時三十一分開会
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 欧州復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案、関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び航空運送貨物の税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の三案を便宜一括して議題といたします。 三案の趣旨説明は前回聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○本岡昭次君 まず初めに、関税定率法等改正の問題についてお伺いをいたします。 その一つは、牛肉の輸入自由化に伴う問題であります。 平成三年四月から牛肉の輸入自由化が始まります。この自由化の国内対策として、牛肉等の関税率を、現行の二五%を平成三年度に七〇%、その後四年度に六〇%、五年度五〇%と段階的に引き下げていくことになっております。問題は平成五年度以降の関税率がどうなるかということでありますが、五〇%を維持していくということになるのか、それともさらに引き下げていくということになるのか、そのあたりについての見解を聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(伊藤博行君) 牛肉の関税につきましては、ただいま先生からお話がございましたように、平成元年度の改正におきまして、自由化を行うに伴ういわば移行措置ということで、平成三年度、四年度、五年度と各七〇、六〇、五〇という三段階での移行税率というものを定めております。 御質問の六年度以降はどうかという点でございますけれども、現在の考え方は、平成五年度の関税水準を超えて引き上げられることはなく、またその水準でウルグアイ・ラウンドにおける関税交渉の対象にするというところまでが決められております。実際の自由化はこれからの話でございますので、その段階でどういう形になっていくのかというのは、今後の諸情勢を十分勘案しながらその段階で考えていくという性格のものであろうかと考えております。
○本岡昭次君 オーストラリアやアメリカの食肉関係団体が相次いで来日して、牛肉の関税の引き下げの中身の問題についていろいろ不満を表明しておられますね。そして、将来は四ないし五%程度でなければいけないんじゃないかということを言っておりますが、これについてはどうなんですか。
○政府委員(伊藤博行君) オーストラリアあるいはアメリカの業界関係の方々がそういった趣旨の発言をしておられるということは私どもも承知しております。 ただ、先ほど来申し上げております税率の推移等につきましては、我が国の国内産業の問題、あるいは片や我が国の消費者問題等々を総合勘案して、アメリカあるいはオーストラリアの政府とも十分納得の上で決めた水準でございます。その意味で、私どもとしては既に前々年度で決められました税率水準をもって推移していく、その後の問題についてはその後の諸情勢を勘案しながら決めていくべき問題であるというふうに考えております。
○本岡昭次君 大臣にちょっとお聞きしておきますが、この関税問題は、オーストラリア対日本、あるいはアメリカ対日本というふうに二国間でこれからやっていくのか、それともウルグアイ・ラウンドの多国間の貿易協定、そういうところでやっていくというんですか、その基本的な方針はどうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は今日までの経緯を振り返ってみましても、二国間の交渉においてというよりはむしろウルグアイ・ラウンドのような多国間の話し合いの場で将来ともに議論をされていくべき性格ではなかろうか、そのように考えております。
○本岡昭次君 私もそういう方向で進められていくべきだというふうに思っております。 それで、結局、関税をこういう形でかけていくというのは国内産業の保護ということがあるからでありますが、自由化対策として肉用子牛生産安定等特別措置法というのが既に制定をされて、畜産振興事業団による肉用子牛等の対策を講じることになっておりますが、その財源は関税収入、牛肉等に七〇%かけていくこの収入によるというふうになると思うんですが、この関税をかけることによってどういう収入があり、そしてその収入がこの特別対策事業の財源に全部なっていくのかどうか、そのあたりについて説明をしていただきたい。
○政府委員(伊藤博行君) 歳出面につきましてはあるいは主計局の方からお答えいただけるかと思いますけれども、まず歳入面につきましては、先生お話しのように、牛肉等に係る関税収入につきましてはそれを先ほど来の牛肉対策に用いるということが決められております。その裏といたしましては、平成三年度では約千十億円というふうに見込んでおりまして、歳出面でもほぼ同額が予算計上されるというふうに承知しております。
○政府委員(田波耕治君) 平成三年度における肉用子牛等対策の予算面について若干御説明をさしていただきたいと思います。 この対策は畜産振興事業団による施策と国による施策の両方からできておりまして、若干数字を交えて御説明申し上げますと、まず畜産振興事業団による施策といたしましては、肉用子牛生産の安定を図るための肉用子牛生産者補給交付金等の交付で三百六十五億円、それから指定食肉の価格安定を図るための価格低落時における買い入れあるいは調整保管のための経費として七十四億円、さらに食肉等の生産、流通の合理化等を図るための指定助成対象事業に対する助成として三百五十五億円等によって八百二億円を計上しております。また、国による施策といたしましては、肉用牛生産の合理化、食肉等の流通の合理化その他食肉等に係る畜産の振興に資する施策等が含まれておりまして、二百四億円。合計いたしますと、全体で一千六億円の対策を講じることとしておるところでございます。
○本岡昭次君 問題はそうした対策で牛肉の自由化に伴う国内の畜産農家というものが十分保護されるかどうかということだろうと思います。 私の地元の兵庫県でも、四月以降に大規模な肉の冷凍倉庫をつくって牛肉の自由化に対応するんだというふうなことが始まっておりますけれども、全国的に見て今の対策で十分なのかどうか。これは農水省に聞かなければわからないのかもしれませんが、大蔵省としてこれだけの対策をやればいわゆる関税というものが持っている一つの性格、国内産業の保護という面では大丈夫だろうというふうな感触を持っているのかどうか、そのあたりはどうですか。
○政府委員(田波耕治君) 牛肉の輸入自由化に伴う国内対策といたしましては、六十三年に自由化決定がされたわけでございますけれども、それ以降既にいろいろな対策を講じてきているところでございます。それに加えまして、先ほど申しました肉用子牛等対策ということで、畜産振興事業団あるいは国による助成ということをもちまして私どもとしては十分な対策ができるものと考えておるところでございます。
○本岡昭次君 私は素人なのでよくわからぬのですが、信頼をすることにしましょう。そして、これからの経緯を見ていくことにします。 もう一つ、畜産農家を保護するために関税暫定措置法の中に牛肉等に係る関税緊急措置第七条の六の規定がございますが、この規定の発動条件というんですか、それを明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(伊藤博行君) 御指摘の暫定措置法七条の六で、いわゆる緊急措置を定めております。これは、牛肉の輸入量が急増いたしました場合に関税を二五%引き上げるということをその内容としております。 具体的な発動要件といたしましては二つほどありまして、一つは、輸入量が急増し年度ごとに設定されます輸入基準数量を超えるおそれがある場合に、牛肉輸出国と協議を行いまして、その協議が調えばその調ったところによるわけですけれども、その協議が三十日以内に合意に達しなかった場合、これが第一の要件でございます。それからいま一つは、実際の輸入数量が輸入数量基準を超えること、いわば実績の方の要件。この二つが満たされるということが発動要件になっております。 この要件が満たされた場合には、牛肉輸出国に協議を要請いたしました日から四十五日を経過した日、あるいは実際の輸入数量が輸入基準数量を超えた日の翌々日、このいずれかの遅い日から当該年度の末日、これは三月末でございますけれども、要するにその日から当該年度いっぱいまで二五%の関税を上乗せしたところで関税をかける、そういうシステムになっております。
○本岡昭次君 そうすると、例えばアメリカとの関係で今おっしゃったような事態が生じたとしますと、それはアメリカとの関係だけにおいて現行の七〇%に二五%を加えて九五%の関税を今年度では取る、こういうふうになると理解していいんですか。
○政府委員(伊藤博行君) 仰せのとおり、それぞれの年度の基本税率といいましょうか、そのときに適用されます実効関税率に二五%をオンするということですから、平成三年度であれば七〇に二五を足して九五%の関税を適用するということになります。
○本岡昭次君 それでは次に、特恵関税制度の改正問題について若干御質問をいたします。 特恵関税制度を十年間延長するということであります。そこで、改めて、我が国が特恵関税受益国を選定するに当たってどのような基準をもって選定するのか。今まで十年間やったものでそのままただ踏襲するということでなくて、やはり新しく十年間特恵制度をさらに延長するというんであれば、この時点におけるそうした見直しあるいはもう一度考えてみるというようなことも必要ではないかと私は思うんですが、現状どのような基準でそれを決定しようとしているのか。
○政府委員(伊藤博行君) 御質問は、特恵受益国をどういう基準で選ぶかということかと思います。 現在お願いしております暫定法の八条の二に定めておりますが、それによりますと、我が国の特恵関税制度におきます特恵受益国といたしましては、基本的には三つの要件を満たすということで規定しております。一つは、まず当該国の経済が開発の途上にあるということ。それから、国際連合の貿易開発会議、UNCTADの加盟国であるということ。それから三つ目には、その国が我が国の特恵関税の便益を受けることを希望する国であること。そういう三つの条件を満たした上で、当該便益を与えることが適当であるものを政令で定めるということにしております。 法律上そういう規定にしておりますが、これまでの運用あるいは今後の考え方といたしましても、基本的に特恵制度というのは途上国の経済発展あるいは輸出の振興、あるいは輸出所得の増を通じての経済発展を手助けしていくということから、国連その他いろいろな場におきましてできるだけ広くかつ安定した制度として運営していくべきじゃないかというのがベースにございます。そういった背景を踏まえまして、我が国といたしましても、十年という期限つきではございますが、これまでの経緯を踏まえて引き続き十年の延長ということでこの制度を運用してまいりたいということでございます。 基本的な認定基準につきましては、先ほど申し上げましたこれまでの基本的考え方を今後も踏襲してまいりたいというふうに考えております。
○本岡昭次君 今条件をおっしゃいましたが、二番目のUNCTADですか、国連貿易開発会議、この加盟国に朝鮮民主主義人民共和国は入っているんですか、入っていないのですか。
○政府委員(伊藤博行君) 入っております。
○本岡昭次君 入っておりますね。それで一つの要件を満たしているわけですが、しかし、朝鮮民主主義人民共和国はこの特恵制度の対象になっているんですか、いないのですか。
○政府委員(伊藤博行君) 現行なっておりません。
○本岡昭次君 それは、朝鮮民主主義人民共和国が希望しないから特恵制度を供与してもらえないんですか。
○政府委員(伊藤博行君) これはこれまでのいろいろな経緯等もあろうかと思いますけれども、基本的にはまだ国交等が開かれていないというようなこと、それから先方からの本問題についての関心の度合い等々も含めまして、総体としてこの特恵対象にはしていないということでございます。
○本岡昭次君 もう少しはっきり言ってください。説明をもう少し丁寧にお願いします。
○政府委員(伊藤博行君) 北朝鮮との関係の御質問でございますけれども、まだ国交が開かれていないというようなことが基本的にございます。そういったもとで、先方のいわば諸制度等も必ずしも十分明らかにされていない、また先方の意向も必ずしも十分我々に伝わっていないというようなことがございまして、現在のところこの制度の対象にはなっておりません。
○本岡昭次君 今、国交樹立の日朝交渉が行われているわけでありまして、その進展ぐあいによって国交が樹立されれば、そして朝鮮民主主義人民共和国がこの特恵制度の受益国となることを希望すれば、特段このことについての問題はないというふうに理解していいですか。
○政府委員(伊藤博行君) 基本的には、国交が回復されまして、また先方の希望がそういうことであり、先方の制度も十分我々が知るところになる必要があろうと思いますけれども、そういった諸条件、いわば客観条件が満たされれば検討の対象になり得るとは思います。
○本岡昭次君 検討の対象になり得るというようなそういうのじゃなくて、受益国になる条件の問題については問題はありませんかと聞いているんです。
○政府委員(伊藤博行君) 法律上の要件は先ほど申し上げましたように三つプラスアルファと言っていいかと思いますけれども、それらの要件の前提といたしまして、それぞれの問題となる相手国における制度、それから我が国との各種の関係等々を総合勘案して決める、その結果認めることが適当であるという場合に対象にするということでございます。 現時点では、いろいろ想像はできますけれども、必ずしも客観的な情報を十分熟知しているわけじゃございませんので確定的なことを申し上げる段階ではない、そういう意味で検討の対象足り得るという言葉を使わしていただいた次第でございます。
○本岡昭次君 大蔵大臣、政府の立場からすれば、特段その条件が整えば問題にするというふうなことはございませんね。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今日、国交正常化交渉が始まりまして、その進展の過程にございます。その途中において、その結論の出ました後のことについていずれの立場からであれ意見を申し述べるということは必ずしも私はタイミング的に適切ではないと思いますので、この点については答弁を御遠慮させていただきたいと思います。
○本岡昭次君 たくさん質問したいことがありますので、ちょっとこだわりがありますが、そういうことにしておきます。 それで、ベトナムなんですが、これは対象国になっているんですか。
○政府委員(伊藤博行君) ちょっと調べます。
○本岡昭次君 なっているんですが、何か、南だけが対象国だとか。昔は北ベトナム、南ベトナムがあったんですが、今はベトナムということで統一されているんです。それなのに、なお従来の北、南というのは地域的に制限されて特恵関税供与の問題が行われているのですか。
○政府委員(伊藤博行君) 現時点では、ベトナムということで両方含んだところで対象にしております。
○本岡昭次君 細かいことを次々と聞いてなんですが、シンガポール、韓国も、それから香港周辺というふうなことも表記してあります。そこで、第一義的な条件から見るときに、韓国もシンガポールも香港も開発途上国というふうに日本はみなしているんですか。
○政府委員(伊藤博行君) 開発途上国の定義はそれぞれの国で定めるべきものではございますけれども、法律上は特別に途上国の定義はしておりません。先ほど申しましたような言い方になっておりますが、世界的な基準として一つの目安になっておりますものにDACにおける開発途上国の定義というのがございます。そこでのアジア地区について見ますと、今お話しになりましたようなところも含めまして開発途上国の中に入れておるということでございます。
○本岡昭次君 開発途上国の中に入れているというのはいいんですが、実際に開発途上国というふうに日本は見ていくんですか。
○政府委員(伊藤博行君) 開発途上国の中で比較的経済成長率が高い国をどう考えるかというお話かと思いますが、私どもといたしましては、途上国は世界の中での定義に従いながら我々の国、日本としてどう考えるかという問題かと思います。 世界における途上国の定義は、今申しましたように、比較的広うございます。しからば、そういった途上国の中でも相対的に見てより経済成長が進んだ国をどう考えるかという問題がございます。 我が国の特恵関税の適用上の運用といたしましては、途上国である中で比較的そういった成長の進んでおる国をどう考えるかという点でございますけれども、これはやはりそれぞれの国の成長度合いのほかに、それぞれの国の我が国との関係、あるいは貿易収支の動向、そういったものを総合勘案して考えていくべきではないだろうかということでいろいろ御議論はございますけれども、今お話のありました国々の我が国とのいわば関係の深さ、またそれぞれの国々の我が国に対する各種の希望の程度、特恵適用の希望の程度、あるいは我が国とそれぞれの国との貿易収支の状況、そういったものからいきまして、これらの国々を引き続き特恵受益国の中に加えるのが適当ではないかということで考えております。
○本岡昭次君 私はシンガポール、韓国を外せという立場じゃなくて、大蔵省としても政府としても、やはり日本とアジアという関係をしっかりと将来のことも考えながら、日本の経済関係というのをヨーロッパ、アメリカというところに今非常に重点を置かれておりますが、当然それは今後も続けられるでありましょうが、しかしながら、アジアという問題に対してより軸足をしっかり置いて、そしてアジアの一員として日本がこれから発展をしていく、国際的にもアジアの一員として、ある場合にはアジアの代表として発言していけるような、そういうひとつ戦略展望を持ってアジアの問題についてしっかりとこういった経済協力のできる部分はしていったらいいと私は思うんです。消極的ではなくて、そういう積極的な発言をむしろ私は期待しておったということでございますので、念のために申し上げておきます。 今私が言いましたこと、大蔵大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 発展途上国というものの定義をDACの定義によるということについては、私は委員にも御了解がいただけるものと存じます。 それはそれとして、軸足をアジアにしっかりと置くべきであるという御指摘については、私自身もそう考えます。そう思いましたからこそ、私はことし正月に中国にも参ったわけでありますし、今後におきましてもアジアを日本のいわば一番責任を持つべき地域という視点については変わらないもの、そのように考えております。
○本岡昭次君 しかしながら、アジアの諸国というのは大変いろんな国がございます。それは宗教的な問題とか文化的な問題、あるいはまた豊かな土地、貧しい土地、いろいろありますが、しかし、この特恵制度の問題を発展途上国に対する経済支援の一つだというふうにとらまえていくときに、私は、先ほど三つの条件がありましたけれども、それにもう一つつけ加えて、それぞれの国がより民主主義的な国になってもらわなければならない。逆の意味では、人権抑圧、非人道的な行為が政府の手によって行われているようなそういう国、あるいは大衆が飢餓や貧困の中にのたうち回っていて一部の人たちが豊かな暮らしをしている、そういうふうな国に対しても同じように経済支援の一環としてやっていくことについては、私は疑問を持つわけであります。 戦争が起こるというのも、言ってみれば、そういう民主主義というものが非常に不十分な国あるいはまた人権抑圧、人権侵害が権力の手によって行われているというふうなところに発生するわけで、したがって、そうしたこともこれから特恵供与をしていく政府の判断の一つとして私はやっていくということも大事じゃないかと思うんですが、大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員が御指摘になりましたような視点、あるいは以前に本院におきまして御論議のありましたような例えば武器輸出についての考え方を日本の援助基準の中に加えるべきであるというような御議論、さらには他国から民生安定のための資金協力を得ながら大量の武器購入に走っている国に対する資金協力のあり方を考えるといったような御指摘、それぞれに私は意義のあることであると思います。 ただ、この特恵関税という世界にそれを当てはめました場合に、果たして私はそうした原則がUNCTADにおける合意の精神というものと背馳する結果を生じないであろうかという懸念を現実の問題として持ちます。そして、当該国との貿易状況、また我が国に対する差別的な取り扱い、あるいは国内産業への影響など幅広い観点から考えていかなければならないものであり、同時に貿易上の制度として関税体系は安定していることが望ましいということも判断の視点として大切なものである、そのように考えます。
○本岡昭次君 また、今の問題は総合的な議論をするところで私の意見もさらに述べさしていただきたいと思います。 それでは、次の問題の海上貨物通関システムを改正するという問題について若干お伺いしてまいります。 ことし十月から航空運送貨物のオンライン通関システムに加えて海上運送貨物にもこの通関システムを適用する、すなわちコンピューター化するということになります。しかし、このシステムの円滑な導入を図るために、関係業界はもとより、税関職員の研修や実地訓練等十分な期間を必要とすると思います。だから今法律を改正してことしの十月というふうに六カ月の期限が置いてあるんだと私は思っておりますが、どういうふうな準備を今考えておられますか。
○政府委員(伊藤博行君) ただいま先生からお話しございましたように、現在既に航空貨物について行っております電算システムを海の貨物、海貨にも適用したいということで今回法案の成立方をお願いしておるわけでございますけれども、これの段取りといたしましては、ただいまお話にありましたように、本年の十月にはスタートしたい、そのためにはシステムの設定と同時にいろいろな訓練等も要ります。私どもの中の職員の訓練、そして関係する業界への説明といいましょうか、そういった両面での訓練を行って十月にスタートということでやってまいりたいというように考えております。
○本岡昭次君 具体的に今どういうことを考えておられますか。
○政府委員(伊藤博行君) 一つはシステムを開発するということですけれども、いろいろ勉強してきております。それから、空の方のシステムの経験がございますので、それを海の方にも適用するということでこれは比較的従来の路線の延長という格好でいくと思います。 問題は、それを実際に運用する際の職員の訓練、それから業者サイドの端末あるいはシステム全体の理解を求めるということが一番肝心でございます。言うなれば、システムを利用した業務処理方法についての訓練と端末機の操作、この二つを重点にいたしまして、五月から七月にかけて、一つは私どもの中の職員に対する研修、それからいま一つは関連する業者への研修、二本立てでやってまいりたいというふうに考えております。
○本岡昭次君 今おっしゃったことと、もう一つ問題があると思うんです。 海上貨物の通関システムの導入をする場合に、従来港湾労働者というのがいたわけでありまして、その港湾労働者全体に対して大きな影響を及ぼすんじゃないかと思います。その雇用問題とか、働く場所の職域の問題とか、あるいはまた労働条件というようなところに何か大きな変化があるんじゃないかと思うんですが、この点はいかがですか。
○政府委員(伊藤博行君) 海上貨物の電算化は、言葉をかえて申し上げますと、いわば税関手続の部分を電算化するということでございます。基本的には私どもの業務の合理化、効率化という点がベースにあるわけですけれども、全体として非常に貨物量がふえてきている、それをどう効率的にやっていくかということで、私どもの方のいわば仕事の増に伴う要請ではあるわけですけれども、同時に、そのことは関係業界にとっても大変な仕事量になっておる、それを機械でできるところを機械にし、そうでなくて人手が要るところは人手でやるという意味で、先生がおっしゃるようなそういう意味のメリットは、私どもだけではなくてそれぞれの分野、関係業界にもいくだろうと思います。 しかし、基本的には通関手続、税関手続のところの機械化ということですので、物流全体の大きな流れの中からいえば全体をそう大きく左右するような話ではないというふうに考えております。その意味で、全く労働環境に影響ないとは申しませんけれども、従来の労働関係が基本的に変わるというような性格のものではないというふうに理解しております。
○本岡昭次君 今おっしゃるようなことであれば問題ないんですが、しかし、これから具体的に調整段階に入っていく、また準備作業に入っていく中で、港湾関係の労働者、またそこに関係するそれぞれの組織といろいろなかかわり合いが出てきた場合、そうした団体あるいは労働組合等々と事前の意見調整をやるような事前協議、そうしたことも念頭に置いて、なければいいんですが、そういうことが起こったときは十分そういう事前協議をして事に当たるというふうにすべきであると思います。いかがですか。
○政府委員(伊藤博行君) そもそもこのシステムを開発していくにつきましては、システム開発協議会というのを設けております。これは私ども税関だけではなくて、このシステムに参加いたします通関業界、それから振りかえという問題がありますので銀行も入ってまいります。この三者での協議会というものを設けまして、そこでどういうシステムにするのが最もお互いのためにとっていいだろうかということでずっと勉強してきております。今後もこの協議会で議論していくことになろうかと思います。 それから、先生のお話にございました労働組合からの御意見という点ですが、これはいわゆる協議というたぐいのものではないと思いますけれども、いろいろの御要望等がある場合にはそれぞれのところから御意見を承るべくこれまでもやってまいりましたし、今後とも意見があれば伺っていきたいというふうに思っております。
○本岡昭次君 それから先ほど端末機のこともお触れになりました。それで、私も資料をずっと見たんですが、小規模の通関業者が端末機をそれぞれ独自に持ってということは大変何か難しいような状況も書いてあります。それで、共同でそういう端末機を零細の小規模の通関業者は持って通関業務に当たるというふうなことはできるのですか、また、そういうふうになっていくんですか。
○政府委員(伊藤博行君) これは、できるだけ多くの方に利用していただくということがシステム全体を意味あるものにしていくことになりますので、先生のお話にございましたように、共同で利用するということも含めて、あるいはセンターに使えるようなものを置くとか、あるいは数事業者が共同で使うとかいうことも含めて、今後検討してまいりたいというように考えております。
○本岡昭次君 新しいシステムを円滑に導入できるように関係団体との十分なる調整、また各事業者との準備、問題のないようにやっていただきたいというように思います。 それでは次に、最近の関税関係の法案を処理するときに附帯決議というものがございます。その附帯決議にいつも税関職員の要員問題が出てまいりますので、若干その問題についてお伺いをしていきたいと思います。 もうここでとりたてて言うまでもなく、国際化がどんどんと進行していっておりますから、近年の貿易量は著しい伸びを示しております。また一方、統計を見ましても、コカインとか大麻とかヘロイン、そうしたいわゆる社会悪商品というものの密輸を摘発していくという数値も相当高まっております。それが高まるということは、水際で完全に撲滅をしているということになるのか、あるいは密輸をやろうとするその量が非常にふえたために検挙もふえているのか、両方あると思いますが、いずれにしても問題があり非常に懸念される状況も一方あるわけであります。 しかし、毎年この時期、そうした状況に対して税関職員が果たして十分対応できるのかということが問題になるわけでありまして、昭和五十六年の定員八千三十六人に対して平成二年度は七千八百七十五人ですか、こういうふうに一方その衝に当たる税関職員の定数は減少しているという、この問題は非常に矛盾をしているというふうに思うんです。果たしてこれで十分な関税業務なり社会悪商品の水際取り締まりができているのかという不安を感じますが、大蔵大臣、どうですか、一生懸命頑張っているんだということであろうかと思いますが、税関の業務処理体制という将来の問題も含めて現状をどういうふうに認識しておられますか。 それから、こういう状況の中で、附帯決議に基づいて定員増というものも積極的にしていただかなければならぬのじゃないかと思うんですが、政府の基本的な考え方を改めてことしも聞いておきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私の立場から申しますと、できますならば、税関を代表として大蔵省全体について、どうか定員についての本委員会におけるお力添えというものをお願い申し上げたいというのが、率直な感じでございます。 長い間、もう委員がよく御承知のように、数次にわたる年次定削の続きます中で、要求官庁の立場と査定官庁の立場をあわせて持っております大蔵省は、国税そして税関、この部分における定員増というものをいわば財務畑を犠牲にしながら増員を図ってきたというのが私は実態であったと思います。そしてそれは、簡素にして効率的な政府を求めるという国民の声に対して、行政当局としてできる最大限の努力であったことも私は事実だと思います。 しかし、今日、その財務局系統自体が業務の増加に対し定員の充足が追いつかないという状態にございます。また、新たな税制が採用されますたびに、国税のみならず税関におきましても新たな定員需要が発生することも事実であります。そして、これを少しでも補うために機械化の努力等も進めてまいりました。しかし現実に、特に今御指摘の税関を例にとりますならば、社会悪物品、さらにはワシントン条約、海外渡航者そのものの増、そして商品の流れも海港から空港へと高額商品の流れが変化していくといった状況の中におきまして、税関業務に非常に大きな影響が生じておるという事実を私は率直に認めます。そして、我々なりに努力をしてまいったつもりでありますけれども、それが十分であると私は申し上げる自信は持っておりません。 ただ、職員にも理解を求めたいと思いますのが、二つの性格を持つ大蔵省として、その中でも税関業務というものに対してはできるだけの努力はしてまいったということでありまして、これから先もその努力を怠るつもりはないということとともに、どうぞ税関のみならず他の分野にも当委員会の御支援を賜りたいと心から願うものであります。
○本岡昭次君 さらに具体的な問題をお尋ねしまして、定員問題、要員問題をもう少し詰めておきたいと思います。 成田空港の第二期工事がこれから進んで、これがやがて完成するでしょう。それから、おくれておりますけれども関西新国際空港もやがて完成をしていくでありましょう。そしてこの二大空港が文字どおり日本の世界に向けた玄関になってくるわけでありまして、かなりの要員がここに要るのではないかと思うんですね。私たちの耳に入ってくるのには、成田には三百五十人から四百人ぐらい要るんではないかとか、あるいはまた関西国際空港には伊丹空港をこのまま現存さしておくということで見ると五百人ぐらいの要員が要るのではないかというようなことが、数字として私たちの耳にも入ってきます。今大蔵大臣がおっしゃったように、全体の国家公務員の定数を削減していっているという現実の中でこれは増加要因として大変大きなものであると思いますが、しかし、これはやはりそうした人員を張りつけなければ対応できないわけでありまして、またそれは、その空港ができたから直ちに要員を張りつけても物の役に立たない、これは常識であると思います。少なくとも二年前、三年前ぐらいから、そうした新しい空港ができる、あるいは拡張するときの要員を訓練し研修して、そして万全の体制を開港に対して備えていくというのが常識であろうと思います。そうした事柄についてどういうふうに今取り組みを進めておられますか。関西空港と成田の第二期工事、その問題に絞ってひとつお尋ねをしておきたいと思います。
○政府委員(伊藤博行君) お話のように、成田空港それから関西新空港の完成が数年先には予定されております。したがいまして、それの開港に伴う所要人員がふえるであろうということは仰せのとおりだと思います。 ただ、それぞれの空港につきましての具体的な必要人数につきましては、空港が開港しました後の飛行機等の離着陸の数がどの程度になるのか、乗客数あるいは貨物数量がどうなるのか、いろいろな推計は行っておりますが、率直に申し上げまして、まだ確定的な数字としてこの程度ということを申し上げ得る段階ではございません。現時点におきましてそれぞれの空港における今後の需要動向等を鋭意検討しておるというところでございます。 こういった明らかに将来予想される人員所要増に対してどう対処しておるのかという点が第二の問題かと思いますけれども、私どもといたしましては、基本的には我々の仕事のやり方自身の効率化ということも同時にあわせやっていきながら、そういった所要増に対して可能な限りその中から捻出していくという部分、そしてそれでもどうしても足りない部分は人の手当てということをお願いせざるを得ない。そういう意味で、みずからの努力とあわせて今後この問題に対処していきたいというふうに思っております。
○本岡昭次君 いや、ちょっと抽象的に過ぎると思うんですね。 私は勝手に人数を今出して言ったわけで、それを特にそのとおりだとか違うとか言ってもらわなくてもいいんですが、もう少し現実的な対応の答弁がいただきたいんですね。 というのは、今の話を聞いておりますと、今の要員の中でやりくりしてできることもあるというふうに聞こえるんですが、私はそれは絶対にできぬだろうと思うんですが。
○政府委員(伊藤博行君) 人がふえる側面と同時にそれにどう対処していくかというのを、いわば私どもの組織全体として申し上げたつもりでございます。 その意味で、関西新空港あるいは成田の二期が完工いたしますならば、そのことだけをとれば当然のことながら一つの増要素である。その増要素をいわば税関という組織全体としてどう受けとめていくかという意味で、単に局地的な議論だけではとてもカバーし切れないという問題意識が根っこにあるものですから、我々の税関組織全体の効率化という中で可能な限りの努力をしていく、そして、そういった努力をしてもどうしてもできない部分、これはやはり関係方面の御理解を得ながら現実の人の確保ということもやっていかなきゃならぬ、その両面を申し上げたつもりでございます。
○本岡昭次君 それはちょっとまずいんじゃないですか。やはり空港ができてみなければ離発着がどのくらいあるかとかまだ不明な要素がある、それは事実ですけれども、こうした大きな国際空港がもう開港が直前に迫っているときに、それに対して十分に対応できる要員の確保、その訓練、そうしたものを計画的にやっていくということが、税関で働く皆さんを安心させることにもなるし、またそうした大きな国際空港ができることに対して期待を持っておる私たちに対しても不安を除去していくというふうなことになると私は思うんですね。 大蔵大臣もやっぱり今と同じような考え方でおられるんですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 率直に申しまして、例えば関西新空港ができました場合の旅客の流れがどう変化するか、さらには航空貨物のただいま成田にシフトしておりますものがどう変化をするかといったことについては、私は確たる知識を持ちません。そうした部分において、仮に相当程度が例えば関西新国際空港に移動すると考えるならば、今関税局長が御答弁を申し上げましたように、現状の定員の中でできるだけのことをし、さらに足りない部分についてという言い回しそのとおりの状況が生まれるであろうと思います。これは率直に申して出入の旅客数並びに貨物の動きによって変化をするものでありますから、今確たることは申せません。 ただ、いずれにいたしましても、新たな空港が開設をされ、それが国際空港としての性格を持つものであります限りにおいて、一定の要員は必らず必要になります。その意味において、私は委員が述べられた数字がそのとおり正確に当てはまるかどうかの知識を持っておりませんが、基本的に新たな業務が当然そこに生じ、それには一定の要員が必要になる。しかも、税関業務というものの特殊性を考えますとき、一定の習熟期間が必要であろう。それは異動その他でカバーするにいたしましても、すべてをカバーし切れるわけではない。その限りにおきまして、多少のゆとりを持ってという御指摘に私は異論を唱えるつもりはございません。
○本岡昭次君 今、主要空港の問題の論議をしておりましたが、関連して、ローカル空港も最近非常な大きな変貌を遂げております。いわゆるチャーター便というものが非常にふえている状況を私も目の当たりにします。 それで、ローカル空港におけるチャーター便の通関業務の問題について伺いますが、この件について、上杉政務次官、そこにずっと座っておられて大変気の毒でございますので、ひとつ上杉政務次官の方から答弁をいただきたいと思います。橋本大蔵大臣、ひとつ御容赦を願いたいと思います。 今言いましたように、チャーター便、外国航空便がローカル空港にどんどんとこのごろ離発着をしているんです。そのときに、それは臨時便でありますから、税関業務が通常以上に膨れ上がる、あるいはほとんど日常ないところに通関業務が発生するということで、恐らく周辺の空港に業務しておられる方が、あるいはまた土曜、日曜に集中するということもあって休みの方が、臨時にそこに応援として駆けつけて税関処理をしておられるのではないかというふうに思うんです。 今そうした問題が主要空港だけでなくてローカル空港にも拡大をしてきているわけですが、こういう問題についてはどういう対応をしておられるのか、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(上杉光弘君) ただいまの質問は、定期便でも大変なのにチャーター便が来たらなお大変じゃないか、こういうことだと思います。 地方空港における国際定期便及び国際チャーター便の運航に係る税関業務につきましては、特定の曜日、特定の時間帯に業務が発生をいたしますことから、各地方空港の行政需要等を十分勘案いたしまして近隣署所からの応援を得て円滑迅速な業務処理に支障のないように対応を図っておるところでございます。 現在、国際便の土曜、日曜の乗り入れがございますのは成田、伊丹、名古屋、福岡などのかなり利用客が多い国際空港でございまして、特にCIQの受け入れ体制が十分整備をされました一部の空港に限られておるわけでございます。地方空港におきましては、土曜日及び日曜日の国際便につきましては近隣署所からの応援を得て円滑迅速な業務処理に支障のないように対応を図っておるところでございまして、今後国際便が増加いたしますれば、応援官署における処理体制の見直しなどの問題について検討する必要があると考えております。
○本岡昭次君 現在は税関職員の大変な協力体制があって今次官もおっしゃるように円滑迅速に応援してもらっているから無難に済んでいるということでありますが、最近の特に麻薬とかいう社会悪商品の問題を見ますと、主要空港がだめならローカル空港というふうに広がっていく可能性もありますし、総合的な対策というものをとっていかなければならないわけで、またこの問題も定員、要員の問題に戻っていきますけれども、結局、現在の税関職員の職員としての責務、あるいはまた自分たちのやらなければならない社会的責任、使命感、そうしたものに依拠して、土曜、日曜の休日も自分のいろいろあるものをキャンセルして応援に行っているということに結局なってくるんじゃないかと思います。 全体的な総合的な対応というものを迅速に早急につくり上げていくということが、これから万一何か不測の事態が起こったときにああしまったということにならないために必要ではないかというふうに私は思いますので、そういった点についてもう一度お考えを聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(上杉光弘君) 実は空港関係だけからの署所からの応援ではなくて港湾関係の署所からの応援もあるわけでございまして、そのような意味も含めて極めて機動的に総合的に判断をいたしまして支障のないようにしたい、こういうことでございます。
○本岡昭次君 どうもありがとうございました。 最後に、時短、完全週休二日という問題を伺っておきたいんですが、政府の方針では平成四年に週四十時間、年千八百時間を目標に取り組むようになっております。税関においてもそのような方針で時間短縮を行うということであれば、これを一体どういうふうに現状を考えておられるのか、このことをお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(伊藤博行君) 御案内のように、週休二日制の問題につきましては、既に四週のうちの二回は閉庁になっておりますが、平均していいまして四回のうちの残り二回部分についてどうするかということで、現在トライアルの最中でございます。これは、このトライアル期間を通じてそれぞれのところでの問題点を把握し、それに対してどういう対応をするかの手だてを考えるという趣旨で行われておるわけでございまして、税関もこのトライアルに参加しております。現在それが最中でございますので、まだあらゆる問題を把握し切っておるわけではございません。 今時点で私どもの考えておりますとりあえずの考え方と申しますのは、基本的には政府全体の方針が決まればそういった方針にのっとりながら対応していくべきであろうと思いますが、と同時に、税関という官署の特殊性というのもございますので、各種の公務所の中での税関の特殊性をも十分念頭に置きながらサービスの仕方、提供の仕方に工夫の余地はないかどうか、これからトライアルをやっております各署所から出てくるであろういろいろな問題点を十分分析しながら、克服できる問題は可能な限り克服して、政府の方針が出たとに可能な限り前向きに対応できるようにしたいいう気持ちでおりますけれども、現時点で確定的なことを申し上げ得る段階ではないということだけつけ加えさしていただきたいと思います。
○本岡昭次君 これは非常に重要な関心を皆が持っていると思うんですね。だから、税関関係においてもこれが取り残されるというようなことのないように万全の体制を強く要望しておきたいと思います。 それから、ちょっと時間がありますので大蔵大臣に、この法案と直接関係ありませんが、湾岸平和基金拠出問題について、私も予算委員会でいろいろやりましたが、最近何か嫌な感じがしますのでちょっとお考えを聞いておきたいと思うんです。 私は予算委員会で、九十億ドルを拠出することについては社会党は戦費だから反対だというふうにこう言ってきました。しかし、これは国会で承認されて九十億ドルを出した。ところが、ドル高円安になって目減りして四億ドル足らぬからドル建てでよこせとか、何か不当なことをアメリカが今、せっかく私たちが苦労して九十億ドルを出しているにもかかわらず、その神経を逆なでするようなことを言っているのにどうも我慢がならぬのです。 また戦費の問題も、五百三十億ドルとか四十億ドル要るというようなことを予算計上して、そして議会の中に入ってくるとそれが四百五十億ドルでいいんじゃないかといって百億ドル余りここで削られる。実にずさんなことなんですね。さらにまた、実際に戦争が早く終わったから百億ドルほど少なくて済むんじゃないか。ドイツはドイツで、まだ七〇%しか出してないから決算が済んでから残りを出したらいいんじゃないかというようなことを言っている。私たち日本も、九十億ドルをGCCに出しているんだけれども、アメリカへ振り込むのはきちっと本当にどれだけ要るんやということが決まってからにせよ、もし余ったら返してもらわなくてもいいけれどもGCCのところで、海部総理はこれは中東の復興のところに出すと言うたんだからそちらの方へこれを出すように配分をもう一遍再検討したいとか、もう少し日本としてめり張りのきいたことを言わぬと日本の国民は我慢がならぬのじゃないですか。 しかも、最近になってくると、幕張メッセのところで米を出したとか出さぬとかやっているし、それから木材やビールなどの関税率をさらに引き下げよとか、もう何というんですか、言いたいほうだいを今言われているような気がして仕方がないんですね。 日米間というものは、私は大事にせないかぬと思います。これは国際的な物事を進めていく基調でありたいと私も思うんですね。だけれども、最近の状況というのはちょっと我慢ならぬ、私はこういう気がして仕方がないわけでありますが、大蔵大臣の所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は以前から、何回か本院においても御質問がございましたけれども、補正予算で御審議をいただきました一兆一千七百億円というものを円建てで湾岸平和基金に拠出するということを申し上げております。そして例えば、それが為替レートの変動により金額、拠出額を追加するのではないかというようなお尋ねがありましたときにも、そういう意思がないことを本院で明確にお答えを申し上げてまいりました。 私は委員がお触れになりましたのは先日来の報道等の関係であろうと存じます。先日、中山外務大臣が訪米をされ帰国をされました後、この点につきまして、米側との一連の会談で先方から日本の国内における困難にもかかわらず寛大な貢献があったとしてブッシュ大統領以下関係者から謝意の表明があったということと同時に、為替変動に起因するドル建て拠出額を云々する議論は種々報道されていることは承知しているが米側との会談の中では取り上げられていないという報告を受けております。
○本岡昭次君 時間がございませんので、また改めて……。
○村田誠醇君 私は、欧州復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案についてお尋ねをいたします。 私、大蔵委員になりまして、なかなかこの委員会は守備範囲が広いんだなと思いましたのは、この法律に基づいて出資国債を発行する権限を政府に与えているわけですね。それで、いろいろ国債に関して勉強をさせていただきましたが、どういうふうに分けるか、国債の分類の仕方によっていろいろな種類があるんですけれども、普通、内国債と呼ばれるもの、これは財源債と借換債とに分かれてくるわけです。そのほかに、湾岸で問題になりました特例公債、そして出資国債、それに交付国債等々、いろいろ性格の違う国債がいっぱい出ている。 そこで、まず最初にお尋ねしたいのは、国の借金として出している広い意味での国債というのは一体どのような種類のものが現実に出ているのか、ちょっと簡単に制度の概略を御説明をしていただければと思うんですが。
○政府委員(千野忠男君) 国債の分け方は今委員から御指摘のありましたようにいろいろございます。先ほどお述べになったのも一つのあれでございますが、例えば商品としての国債の種類という面から分けますと、割引短期国債、二年利付国債、五年割引国債、十年利付国債といったような分け方もございます。それからこれを全体ひっくるめまして新規国債と借換債に区分する分け方もございますし、そしてまた消化方式別に言いますと、シ団引き受け、公募入札、運用部引き受け等々といった分類もございます。 いずれにしましても、すべてこれらの国債は基本的には同じ性質のものでございますので、すべて同じ一つの特別会計で管理をしているというわけでございます。
○村田誠醇君 一つお聞きしたいんですが、メキシコが累積しております公的債務を株式化してそれを償還するというやり方をとっているんですが、その際その担保に日本の国債を提供しているというんですけれども、これはその今のいろいろな分け方からいくとどの国債に該当するんでしょうか。
○政府委員(千野忠男君) メキシコ政府が、これは後ほど必要があれば御説明申し上げますが、新債務戦略の適用に必要な円建ての担保の保有を必要としたということで、メキシコ政府向けに期間三十年の割引国債を発行したわけでございます。これは先ほどの分類で言いますと、平成元年度の国債発行計画上予定されておりました借換債十五兆余りの一部になり、かつその形式は割引国債という商品の形になるということでございます。
○村田誠醇君 国債の発行は根拠法から見てもいろいろな法律に基づいて出されるわけですけれども、その種別や目的から見ると、同じ国債と名がついているけれどもかなり性格の違うものが多数存在していると思うんですね。建設国債や赤字国債というのは普通みんな理解しますけれども、今言ったように、メキシコの債務保証で出ている国債、これも国債とこう書いてあるわけですし、交付国債などは昔の、何ですか、農地を買収した費用だとかその支払いに充てたとか物の本にはそう書いてあるわけですけれども、そういう意味では、国債と名がついているけれども一つ一つの性格は皆違うものが出ておる。借金といえばそういう意味では借金なんですけれども、そういうものがすべて国債整理基金に一本になって出てくる。 しかも、予算書を見さしていただきますと、内国債の平成三年度末見込み額として載っている残高が百七十兆と出ているわけです。国債整理基金の方で見ると、通常政府が国債残高と表現をしているのは百六十八兆で、この数字の落差は、注がくっついておりまして、出資国債がこれに入ってないんだということなんですね。そういうことで、国債整理基金という中に数字が計上されているものもあれば、あるいは償還額の中に全部が入っちゃっていて残高の方の計算をするときにはこれが入ってないとか、非常にわかりづらいんですけれども、国債整理基金をもっときれいに整理して勘定科目を分けるなり、あるいは別途何か工夫する必要性がないんでしょうか。
○政府委員(千野忠男君) 確かに私どもも国債の種類がいろいろ異なり性格が異なるということは認識をしているわけでございますけれども、ただ、例えば今御指摘の出資国債といえどもやはり同じ国の借金であり、そして国の債務の償還あるいは返済状況というものをばらばらにではなく一元的に管理をするということは必要ではないだろうか。そういう観点から、確かにわかりよさわかり悪さという問題はございますけれども、できるだけ一元的に全体を見取れる形で管理をしたいということで国債整理基金特別会計ですべてを管理するということにはなっているのであろうかと思います。 資料の出し方がばらばらでございまして、確かに必ずしも一覧性がないということは御指摘のとおりでございますが、公表されております資料、提出をさしていただいております資料を総合的にごらんいただきますと、全体がわかってくるような仕組みになっていると思います。
○村田誠醇君 確かに、総合的に見てみればわかるということで、説明を聞けば、国債統計の方に載っているこの資料を見て、ここの数字を見て、それからこの数字を見ればわかるとかということになっているようですね。だけれども、これからこういう国際機関への協力のための出資、援助等々が多額にふえてくるだろうということが予想されるわけでございますので、そういった部門が一覧でわかるような資料なり統計のとり方等ができないものか。 それをなぜ聞くかというと、出資国債に関してだけ国債整理基金に一部出てくる、償還の方も出てきます。と同時に、外為特会においても出資国債という項目が出てくるわけですね。だから、二つの会計にまたがって出てくるというのは何か特別にあるのか。もし出資国債ということであれば、今言ったように、外為に持っていくのかあるいは独立させるかは別としまして、何かまとめる必要があるんじゃないかと思うんですけれども、その点についてはどうかということと、さっき言いましたように、一本化した資料が出てこないかどうかということを尋ねたいんですが。
○政府委員(千野忠男君) 例えばIMFの出資などの場合には、外為特会から払っておるわけでございます。IMFに出資をしたものがこの外為特会の資産として残るという形になるわけでございます。その他のものについては、一般会計のものは一般会計に計上しているわけでございますが、そこは私どもは、こういうのをいつも見ておりますと、それはそれなりにわかるという感じがするんですが、御指摘のような御趣旨もよくわかりますので、この辺はまたひとつ何か工夫がないものかどうか、担当の局の方にもお伝えしておきたいと思っております。
○村田誠醇君 わかりました。ぜひわかりやすいようにお願いをしたいと思います。 それから、法律案としては欧州の部分が出てきているんですが、当然中東の復興についても予想されるわけでございます。一説によるとクウェートだけでも二千億ドルかかるだろうと言われているわけですし、イラクに関しては、援助するかどうかは別としましても、これ以上の金がかかるだろうと想定されているわけですね。そういうときに日本が、要するにお金の出し手というか援助の担い手としての立場からするとお金をたくさん負担をすることが予想されるのでありますから、何かそれをまとめる会計処理というんですか経理処理というんですか、そういうことをする必要性があるんじゃないかと思うんですけれども、その点はいかがでございましょうか。
○政府委員(千野忠男君) 確かにいろいろな種類の資金が必要とされておりますけれども、結局資金の出ているところは、例えば無償資金あるいは技術協力資金であれば一般会計から出ていく、そして有償資金のうちODAに当たる譲許的な条件による融資であれば海外経済協力基金から出ていく、そしてまたコマーシャルベースのものに準ずる条件での融資であれば輸出入銀行から出ていくということで、いろいろございます。資金の種類が違いますので、いろいろな場合に便宜それらを集めて御説明をすることは間々やることでございますけれども、一般的にそういう何か表現のルールをつくるということになるとそのときの事情によりますのでなかなか難しいかと思いますが、必要に応じてまとめたものをつくるということはよくやっておるわけでございます。
○村田誠醇君 大蔵大臣にお聞きしたいんですけれども、新聞報道によりますと、ポーランドにおける公的債務の削減について、アメリカを初めとして五〇%削減とか七〇%カットしてくれとかそういう要請がきているという報道がなされておりますけれども、これについてお聞きしたいのと、あるいはポーランド以外にその国からじゃなくて他の国からこういう公的債務の減免の要請が来ているところがあるかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) この点につきましては多少の時間をちょうだいして説明をお許しいただきたいと存じます。 私自身がこの問題に最初に逢着をいたしましたのは昨年のヒューストン・サミットの席上、蔵相レベルの会談の際でありました。これはどこという特定国を挙げての論議ではございませんでしたが、東欧の体制改革に伴う経済改革の成功のために公的債務の削減を行う必要が大陸国のうちの特定国からその席上に提起をされたわけであります。 そのときには、まさに私との間に大変な議論になりまして、営々として非常に厳しい財政の中で債務の返済に努めておられる国が現にあり、そうした国と、いわば自助努力を断念し債務削減を求める国、一体いずれに対して手をかすべきか、これは大変激しい論議になりました。そしてこのときには、首脳レベルにおきましてもこの問題は提起をされましたけれども、同様の発言を総理にお許しを得て私から提起させていただき、他の国々も、ある国は同調しつつ、ある国は不満を漏らしつつ、さらなる努力ということで論議はとどまったわけであります。 ところが、昨年九月のG7になりましてから、アメリカが公的債務の削減ではなくむしろ放棄に近い意見を非常に強くその場に出してまいりました。この論拠というのは、累積債務国の中の公的債務を縮減するために債務削減あるいは債務放棄を先進諸国は行うべきである、その公的債務をそのままにしてニューマネーを供与することはその国の経済の実態にそぐわない、言いかえればニューマネーを供与するというのは悪なのかという私の反論を誘い出すような論議が展開をされました。 この折、率直に申しまして私は、ニューマネーを供与することなく公的債務の削減あるいは放棄という手法をとったときに果たしてその国に追加のニューマネーを供与する国は出てくるだろうか、民間の資金供給がままならないからこそ公的な支援が行われている、その公的な債務自体をも放棄あるいは削減しなければならないような状況の国に果たしてその後民間のニューマネーは行くか、そしてニューマネーが出ない中でその国の経済復興はあり得るかという議論をいたしました。これは少々激しい議論になりましたが、結論が出ませんでした。そして、その時点におきましては、まさに元本削減一本の論議でありましたために、我々として折り合いのつけようがなかったわけであります。 しかし、その後におきまして、事務当局の諸君がパリ・クラブその他の場で非常に真摯な論議を続けてくれました中から、今回パリ・クラブで今委員が御指摘になりましたような基本合意が出てまいりました。それは、元本削減だけではありませんで、金利の軽減でありますとか繰り延べ期間の長期化など、オプションの中から債権者が自由に選択する仕組みとなっております。ただ、これもまだ詳細は今後パリ・クラブでなお詰める問題を残しております。 日本といたしましては、元本削減という手法はとるところではない。これは国民のお預かりしたお金を使っておりますわけでありますから、一たん削減等の手法に踏み切りました場合にはその国に新たなマネーの供与はできません。そういう考え方から、元本削減以外にいかなるオプションを選択することが可能かということを、今回の基本合意も踏まえながら今検討いたしております。この中で出てまいりましたのは、一つは東欧の改革のいわばシンボルとしてのポーランド並びに中東のエジプトという二つの国でございます。そして、この二つの国以外にこの論議を広めるという考え方は私の知る限りにおいてパリ・クラブの中にはないと考えております。 私が問題といたしました点の一つは、そういう債務削減という手法をとりましたときにそれが他の国に波及しない歯どめというものをどうつけるのかということでありましたので、こうした点についての一つの合意が成立をいたしました。これから先なおパリ・クラブで議論が詰められていくわけでありますが、おおむね五〇%というところで合意が成立しつつあるようであります。アメリカはその上にみずからの選択として上乗せを考えておられるようでありますが、これは他国を拘束するものではないと私は心得ております。基本的に五〇%の削減、ただしその手段はそれぞれの国のオプションの中から選択を行うということとともに細部はなおパリ・クラブにおいて今後論議を続ける、私は状況をそのように報告を受けております。
○村田誠醇君 五〇%削減をする。そのときに、また別の報道によりますと、日本の国内法の規定がそれぞれございまして、公的債務の削減なのか放棄なのか、を行うと輸出入銀行法等の関係で一般会計からその分を補てんしなければいけないということになる、これでは困るのでODA予算の枠を使ってこれを返済するというんでしょうか、という報道がなされておるわけです。これが事実だとしますと、ODA予算の額面は確かに多くなっているんですけれども、実質使えるものが少ない結果になると思うんです。このODA予算を流用するというこの報道は事実なのかということと、そういうことを含めて検討しているのかどうか、ちょっとお聞きしたいんですが。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員が御指摘になりました報道を実は私は見逃しておりました。 ただ、御質問の以前の問題として、元本削減または元本の放棄といった方法を選択する意思は我々は持っておりません。ですから、元本削減を前提としたただいまのような御懸念は、根っこがありませんので御心配をいただかないで済むと私は思います。
○村田誠醇君 わかりました。 それじゃ、国際機関として世界的なそういう開発計画を立てるのは、IMFを中心にしたグローバルなものがあると同時に、今回提案されています欧州、そのほかにも既存のアジアとアフリカ、ラテンアメリカ、いっぱいあるわけでございます。そして日本もそれぞれの地域開発機関に対して出資しておりますけれども、ウエートをどこに置いて日本の援助というんでしょうか、責任、分担を果たしていくのか。先ほど大蔵大臣は軸足をアジアに置いて、こういうことですけれども、お金が非常に有限の中にあって欧州にも出さなきゃいかぬ、中東にも出さなきゃいかぬ、既存のいろんな国際的な約束もしなきゃいけない、こういうことになってきますと、非常に日本の援助の方針のスタンスをどこに置いてどの機関を中心といいましょうか、IMFとかそういうのは別として、地域開発のそういう機関に対してはどこいら辺にウエートを置いて日本は今後経済援助を進めていこうとするのか、その点について御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、基本的には、それぞれの地域における歴史的なつながり、あるいは地理的な要因、さらには国交関係の親疎、さまざまな要因があろうかと存じます。そうした中におきまして、委員御承知のようにアジア開銀につきましては日本は主導的な役割を果たしておる一つであります。また今度の欧州復興開発銀行につきましては、ヨーロッパの国々と同列の負担をいたしております。これは、東ヨーロッパという地域が必ずしも地理的に歴史的に日本が十分な知識を持っておった地域ではない、そうすれば、この地域の復興、経済体制の変革に対し日本が協力をするとするならば二国間よりはその主役はむしろ欧州復興開発銀行の設立そのものの中で果たすべきである、そのような考え方をとりました。 また、アフリカという地域についても日本自身がそれほどなじみの深かった関係ではございません。そうすればアフリカ開銀は、域外国としてはアメリカに次いで二番だそうでありますけれども、全体としても第六位の出資国ということで、こうした地域開発金融機関というものをその地域の日本の協力の主軸として組み立てておるということであります。 一方、これは外務大臣が本来ならお答えになるべきことでありましょうが、日本の経済協力、二国間協力と申しますものは既に御承知のようにアジアを中心として組み立てられております。IDBの総会が間もなく日本で開かれるわけでありますが、この米州開銀の場合、日本は域外国としては一番の出資国でありますけれども比率としては非常に低い。これは中南米諸国というものに対しアメリカのイニシアというものをある程度尊重しながら日本としては対応してまいった、こうした考え方を土台にして組み立てられている、そのように御理解をいただければ幸せであります。
○村田誠醇君 そこで、いろいろ援助するにも正直言ってお金が要るわけですが、世界的な資金の流れというものを見てみましたときにいろいろな学者が指摘しております。 今まで貸し手であったところの中東地区、俗に言うオイルダラーと呼ばれるものが今度は貸し手から借り手の方に回るだろう、それからもう一つは、貸し手であったドイツは旧東地区の復興と一部ソ連で手いっぱい、日本を見てみると、これは日米関係といえばいい方向なんでしょうけれども、資金の貸し手というか供給源という意味でいけば黒字幅がどんどん減っている。アメリカは御存じのとおり双子の赤字ということで悩んでいる。今年はどうやら貿易の赤字だけは湾岸戦争の協力基金が入ったために、あれは寄附金になるのですか何か収入になっちゃって、アメリカの赤字幅がことしだけは急に小さくなってしまうということですけれども、国際的にはまだまだ赤字の幅が大きいからアメリカは借り手。 というふうになってきますと、資金需要とすればヨーロッパ、中東を中心に借り手はいっぱいいる。しかし、貸し手あるいは供給先である日本、ドイツが非常に少なくなってくることによって、果たしてこの目的とした欧州復興開発銀行のやろうとしている事業がうまくいくんだろうか。うまくいくというのは要するに資金の供給が続くのだろうか、そういうことが懸念されるんですけれども、その点についてはどのようにお考えでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) しばらく前から、湾岸危機というものを想定しない段階において、既に東西両ドイツの統合に伴う新たな資金需要、そして東欧諸国の経済改革、その延長線上にあるソ連の経済改革、こうしたものを一つの論拠として、世界的な資金需要とそれに対する資金不足の懸念というものはG7等においても論議をされてまいりました。そして日本としては、その資金需要が増大していく中で黒字国、赤字国ともにそれぞれ経済政策協調を進めていき世界的により高い貯蓄率をとることが重要であるということを考え、日米構造問題協議の折等におきましてもこうした考え方を主張してまいったわけであります。 こうした観点から、先般のG7におきましても、我が国を初め主要国が今後も健全な財政政策と同時に安定志向の金融政策というものを志向することにより、世界的な金利の低下と世界経済の強化というものをより容易にする環境をつくり上げていく必要があるという考え方で一致をしてまいりました。しかし、その間に中東の問題が発生をし、今新たに中東における復興の資金需要というものが出てまいっております。 こうした中において、一体その金額がどれぐらいになるのかということにつきましては、例えば湾岸戦争後の復興需要だけでも数百億ドル単位から数千億ドル単位まで見通しが分かれておりまして、どの程度その資金が必要であるかということについて確たるものを持っておりません。ただ、その中において日本が果たしていく役割ということになりますと、おのずから一つのルールはあろうかと思います。 それは同時に、公的資金及び民間資金の両方のそれぞれの役割といったことも考えなければならないわけでありますけれども、例えばアジアあるいはアフリカなどの貧困国を考えた場合には、私は引き続き政府開発援助というものが重要な役割を果たしていくべきであると考えておりますし、恐らく外交当局のお考えもそう変化はないものと思います。同時に、東欧諸国のように比較的所得水準の高い市場経済への移行が求められておりますような国々については、むしろ民間の直接投資の促進というものが重要な役割を果たすのではないかと思います。 先日、ハンガリーの大蔵大臣が大蔵省を訪問されましたときにも投資保護協定の促進といったものが一つのテーマになりまして話し合いをいたしましたけれども、私はこうしたことを考えますと、特に東欧諸国につきまして今回民間部門の支援を中心とした欧州復興開発銀行というものが演ずる役割というものは非常に重要なものになると思っております。 また、同じように申し上げるなら、累積債務に悩んでおります中南米の中所得国につきましては、まさに新債務戦略等が適用され経済構造調整が進むことによりまして、再び国際金融市場、民間資金へのアクセスを回復する努力をどう支援していくことになるか、この辺に我々の役割を求めていくべきではなかろうか、そのように考えている次第であります。
○村田誠醇君 それでもう一つ、いろいろな要素を考慮しなきゃわかりにくい部分があるんですけれども、一つは中東復興の金を負担する、それを民間資金で行おうじゃないか。それはなぜかといえば、民間資金は返済を前提としておりますので、返済担保能力というんでしょうか、石油があるところが一番いいだろうということでどんどんと行きますし、クウェートなんかも報道によれば自分の資産を取り崩さずに担保にすることによって借り入れをして復興資金を得ようとしているわけですね。そうしますと、民間資金が一番返済能力の高い中東に集まってくることが当然想定されるわけなんです。 そうなってくると、先ほど大臣も言われたように、公的債務を過大に抱え込んで苦しんでいるラテン・アメリカあるいはアジアでいえばフィリピン、そういうところにまさにニューマネーが行かないんじゃないかというおそれが非常に出てくるわけなんですけれども、そういうふうな観点から見ると公的な融資というか援助をふやさなければいけないだろうということが言われるんですが、その一方で累積債務を過大に抱え込んでいる国に対してとっている新債務戦略、これいろいろな意見はあると思うんですが、非常に緊縮財政であったり、その分インフレでばっと上がっている各国が多いんです。 お金の流れだけ見てみると、実は先進国にどんどんどんどんと資金が流れている。返済額よりも預金という形で流入していく。それはインフレ率が高いために向こうに預けておいた方がいいということで、本来生産活動に行かなきゃいけない部分の金が全部逃避している。こういうことが指摘されているわけなんですが、そういう意味で、IMF・世銀が行っている新債務戦略というのはちょっと厳し過ぎる施策をとっているんじゃないかなというふうに私なんかは思うんですけれども、その点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は必ずしもその点については委員と見方を同じくいたしておりません。 要は、その債務を抱えておられる国々自身がみずからの意思でそれを立て直すだけの意欲をお持ちであるかどうか、私はかぎはここだと思っております。そして、その新債務戦略を志向するにつきまして、国際金融機関とそれぞれの国の間でみずからの国の経済分析を行い、いわば再建計画を立てていくプロセスにおいて確かに一時期非常に厳しい条件があることは私も否定をいたしません。しかしそれは、それだけの意欲を持ちみずからの国の経済を立て直そうとするかどうかというその国の国民の選択にかかることでありまして、私は必ずしもそれが厳し過ぎるという御批判は当たらないと思います。 むしろ問題は、前段で委員が述べられましたように、特定の有利な条件の地域に民間のより有利な資金というものがシフトしてしまう危険性をどう排除するかということであろうと私は思います。こうした点については、私は委員の御指摘は非常に的確なものであると思いますし、我々はそうした懸念に対しての対応策を講じなければなるまい、そのように考えております。
○村田誠醇君 時間が参りましたので最後に一点お尋ねしたいんですが、これは前にも聞きましたし、いろいろな点でこれからやらなきゃいけない点でございますが、一つは、要するにお金だけ出すんじゃなくて人的な協力もしろということが当然言われますし、国際機関に働く日本人の能力をもっと活用しろということが非常に言われております。当然新しくでき上がるわけでございますから、ここにぜひ多くの人を出して協力をしていただきたい。 ところが、やっぱりいろいろな問題がございまして、大蔵大臣に二、三お聞きしたいんですけれども、大蔵省にお勤めの人が休職して出向するんであれば給料が高くなるらしくていいらしいんです。しかし、民間の人から行った場合あるいは国際機関に就職をしてそのままずっと長くそこで勤めるような人は、国際機関から一定の年限が来ますと年金をもらえる形になっているんですが、円高が進めば進むほど、向こうはドル建てで送ってきますので、本来このくらい自分が退職したらもらえるはずだというものがどんどんどんどんと目減りをしていくわけですね。そうすると、受け取る方からするとどうもそれじゃ日本国内にいた方がいいんじゃないかとかいろいろ難しい問題が出てくるわけなんです。 そういう意味で、国際公務員に就職する人とか働く人に対する何らかの手当てというのを、毎年何か外務省では国際機関に勤めている人にアンケートみたいなものをとっているらしいんですけれども、それが具体的に施策として反映しているかどうかということになると全く見えてこないんですが、国際機関に勤める人に対する何らかの手当て、施策というものが大蔵省の段階で考えられないのかどうか。そのことをお聞きをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私は言うべくして非常に難しいと思います。と申しますのは、財政当局の立場とかそういうことではありませんで、私自身国際機関に勤めております友人を何名か持っておりますけれども、彼らの中の生存競争、各国の旗を立てての争いというのは相当なもののようでありますけれども、その処遇面においてそれぞれの母国との給与の差額に相当するようなものを仮に日本が支給をするという仕組みをつくりましたとき、これは相当な反発を恐らく受けるであろうと思います。これは私はなかなか現実には難しい問題ではなかろうか。 ただ私は、国際機関における年金、そしてそれが日本の国内の年金制度との間に通算ルールが行われているかどうかちょっと今存じませんが、場合によってはそうした部分に、例えば年金通算協定が結ばれればその部分を補正する措置をとり得る要素はあるのかな、しかし、通算協定、通算のルールができておらない場合に、果たして現行の国内の各種年金制度というものがうまく組み合わせられるものかどうか、私はちょっとそこは知識がありません。 ただ、おもしろいテーマをいただいたと言っては不謹慎な言い方でありますけれども、おもしろいテーマをいただいたと思いますので、外交当局にその御意見を伝え、実態とあわせて検討してもらおうと思います。
○峯山昭範君 御苦労さんでございます。この日切れ法の審議というのは、非常に短い時間で大事な問題がたくさんあるのに本当に次から次と、大臣も御苦労さんです。 きょうは私は、関税二法に関連をいたしまして、もうほんのわずかな時間ですから端的にお伺いをしたいと思います。 一つは、きょうは警察庁の方もお見えになっていらっしゃると思うんですが、最近、暴力団の武装化というのが進んでいるということで非常に今問題になっておりまして、今国会にも銃刀法改正案が提出をされているわけであります。いわゆるけん銃による暴力事件、特に最近は大阪におきましても一晩に七件も八件もこういう事件が起きたというようなこともありまして、しかも市民が巻き込まれて殺されちゃった、そういうような事件が起きているわけであります。 私は、そういうことがあってはならないし、なぜそんなけん銃がどこから入ってきたのかということを考えてみますと、関税当局が非常に頑張って新聞報道によりましても非常にたくさんの摘発をやっていらっしゃるわけですが、大分漏れているのがあるんじゃないか、そういう心配もしているわけであります。 そこで、このけん銃の事件が概要この一年間どういうふうになっているかということが一つと、それからもう一つは麻薬の最近の摘発状況の概要を、簡単で結構ですから御説明いただきたいと思います。
○説明員(中田好昭君) ただいま平成二年度のけん銃の密輸入事案の取り締まり検挙状況についての御質問でございます。 お答えいたします。 平成二年中のけん銃密輸入事案の検挙状況でございますが、七件十二名でございまして、真正けん銃を十六丁押収しておるところでございます。ただ、これは各年によりまして凹凸がございますので、最近直近の五年間の平均で申し上げますと、ここ五年間では十四件、二十七名、押収丁数が百四十五丁、これが一年間の平均でございます。こういう押収状況になっておるところでございます。 また、このけん銃密輸入の手口といたしましては、航空機利用によろいわゆる旅行者による携帯輸入というもの、それから輸入貨物を利用したもの、さらには国際郵便を利用したもの、こういうものが主なものでございます。
○説明員(鎌原俊二君) 薬物関係の昨年中の検挙状況について申し上げます。 まず、覚せい剤事犯の関係につきましては、昨年一年間で一万九千七百六十五件、一万五千三十八人の検挙をいたしておりますが、このうち密輸入の罪として検挙いたしましたのは百二十二件、百二十四人でございます。覚せい剤につきましては、押収状況を見ますと、一回に一キログラム以上押収したケースが二十件、それで二百四十九キログラムを押収いたしておりますけれども、このうち二百二十七・六キログラム、九一・四%は台湾から密輸入したと思われるものでございます。この密輸入の手口につきましても、例えば冷凍マグロの中に隠匿して持ってきたとか、こういうふうな形でかなり巧妙化しておるものが見られるところでございます。 また、大麻事犯につきましては、昨年一年間で検挙いたしましたのが総数千九百七十二件、千五百十二人を検挙いたしております。このうち密輸入罪といたしまして検挙いたしましたのは百三十一件、百十三人でございます。押収の状況について見ますと、乾燥大麻の押収状況につきましては、一回に一キログラム以上押収したケースが十六件ございまして、百四・八キログラムを押収いたしておりますけれども、そのうちの九五%に当たります九十九・七七キログラムにつきましてはフィリピンあるいはタイから密輸入したと見られるものでございます。 以上のようになっております。
○峯山昭範君 きょうはもう時間ございませんので、けん銃だけに絞ります。 けん銃ですけれども、税関でカットできなくて、要するに漏れて、今現在、暴力団が持っているけん銃というのは大体どのくらいあるものですか。
○説明員(中田好昭君) 私ども、先ほど申しました検挙をしたもの以外に、実は平成二年中九百六十三丁のけん銃を押収いたしておりますが、そのうちいわゆる真正けん銃というものが八百九十九丁でございまして、押収したものの九三・四%を占めておりまして、これが大部分が密輸によるものというふうに考えておるところでございます。 こういうものが暴力団の手に渡っておるということでございますが、今私ども正確な数として暴力団にどれくらい渡っておるかというところは把握いたしていないところでございます。
○峯山昭範君 これは私の手元にある新聞の社説ですけれども、これによりますと、組員一人ピストル一丁。おたくの白書にも書いてある。ですから、相当なピストル、けん銃が持ち込まれているということになるわけでありまして、これは新聞報道ですから私も詳しいことはわかりませんが、最近は軽機関銃まで持ち込まれている。こういうことになってくると、本当にこれは大変なことだろうと私は思います。 そこで、これはやはり税関のチェック機能もきちっとしないといけないと思うし、それから人員の要求状況等もいろいろと私どもの手元にも参っておりますし、非常に大変な業務をやっていらっしゃるわけですが、税関当局はこういうふうな問題に対して、特にけん銃に絞って申し上げますが、どういうふうにお考えでございますか。
○政府委員(伊藤博行君) 私どもの仕事の中でのいわゆる社会悪物品に対する対処というのは大変重要な仕事の一つであるという認識でおります。これは先ほど来お話ございますように、麻薬を初めといたしましてけん銃の問題、いずれもいわゆる税の逋脱のチェックとあわせまして、あるいはそれ以上にウエートをかけて対処しておるつもりでございます。ただ、残念ながらすべてが水際でチェックし切れているかという点になりますと、結果としていろいろ報道等されておりますように必ずしもパーフェクトではございませんけれども、水際でやることが極めて大切であるという認識のもとに、いろいろ工夫を凝らしております。 具体的には、一つは情報という問題の重要性を考えております。事柄が国内で製造されるものだけではなくて、外国で製造あるいは部品としたものが国内に輸入されるという形でのルートが相当多いというふうに想定されますので、それだけに諸外国における情報を含めまして、また先ほど来の警察当局からの情報を含めまして、できる限りの情報を得た上でのチェックをしていく。そしてまた、ハードの面では金属探知器あるいはX線の検査器といったようなそういった装備を充実いたしまして、できる限り水際で対処していきたいということでやっております。
○峯山昭範君 これは大臣、毎年関税二法を審議するときにこの委員会で附帯決議を毎年つけさせていただいているわけでございますが、これから成田空港の拡張もありますし、関西国際空港もいよいよ完成が近づいてくるわけでございますが、税関の職員、関税の職員の皆さん方が一朝一夕に簡単にできるわけじゃないと私は思うんですよ。それなりの技術を持ったベテランの職員を育てるのは非常に時間がかかると思うんですね。そういうふうな意味では、そういうところにはそれなりのやっぱり対応を、もうやっていらっしゃると思いますが、ぜひやっていただきたいということを私の方からも申し上げておきたいと思います。 それから、もう時間ございませんのでもう一点だけ、これは大臣の管轄と多少違うかもしれませんが、大臣のお考えもお伺いしておきたいと思います。 それは、今回の中東紛争、戦争を境にいたしまして、私どもの日本が、先ほどからいろいろ質問ございましたが、いわゆる国際支援といいましょうか、人の支援、金、物等を含めましてやはり基本的な理念とかあるいは基本的なルールというのが私非常に大事だろうと思うんです。事件が起きてから、やれ憲法だ、やれ法律だというんではもう本当に間に合わない。日ごろからやっぱりきちっとやっておく必要があるんじゃないのか。昔みたいに日本が小さな国のときにはそう大きな問題にならなかったけれども、もうGNPの一〇%以上になってまいりますとそうも言っておれない時代に入っている、そういうふうに私は思うわけです。 そういうふうな意味でも、最近特に新聞報道をずっと見ておりますと、特に武器輸出という問題、軍事技術の流出、そういうふうな問題、いろんな角度から新聞報道もいっぱい出されているわけですが、こういうふうな面からも、日本は特に物を言える部門でもあるわけですから、そういうことも含めて大臣のお考えをお伺いして、私の質問は終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一点につきまして、これは委員の御指摘を受けて、我々としてはなお一層努力をしなければならない点でありますが、要員の増強だけで間に合わない部分がありますことも事実であります。今回、幸いに警察庁の方で法改正を考えていただいたとのことでありますが、従来、例えばけん銃につきまして、これを分解してそれぞれのパーツをばらばらに人が分けて持っておりますとき、組み立てて完成品になるということが証明されない限りこれを取り押さえることができませんでした。今回、けん銃の主要部分と認定できますものは、それが単品でありましても、一部分でありましても、これを税関として押さえるその根拠法を警察として用意をいただいているということであります。私どもはこうした法的な協力というものにつきましても、税関業務の上に非常に大きな援軍と考えておりますし、今後ともに努力を続けてまいりたい、そのように考えております。 また、二点目に御指摘をいただきました点につきましては、この湾岸戦争というものを契機として、特定国に対する大量の武器輸出でありますとか、あるいは核・化学・生物兵器という非人道的な大量破壊兵器の使用の懸念というものが問題になりまして、これらの問題に適切に対応すべく外務省及び通産省が既存の国際的枠組みの強化充実という点に努力をしておられるということを我々も承知をいたしております。そして、武器輸出三原則というものを遵守しながら、武器の輸出に関して厳しい対応をとってまいりました日本としてもこれらの国際的な取り組みというものに応分の努力をしていくべきものと考えております。その中におきまして、いわば水際を守る役割に当たる税関におきましても、法令を遵守しながらこうした問題に全力を挙げて対応していく、そうした決意でおりますので、今後ともの御支援のほどを心からお願いを申し上げます。
○和田教美君 私は、欧州復興開発銀行法案についての質問を二、三いたします。 まず、欧州開銀ですけれども、その目的が民主化、自由化を行っている東欧諸国の市場経済への移行を支援するということでございまして、他の地域開発金融機関にはないはっきりした政治的要素が入っていると思います。そして、この民主化、自由化という概念ですけれども、それを具体化したものとして協定上は複数政党制民主主義、多元主義及び市場経済の諸原則を挙げております。しかし、受益国つまり融資などを受ける国がこれらの目的に合致した事業、政策を実施しているかどうかは一体具体的にはどのような基準で判断されるのか、それが質問の第一点でございます。 それから第二点で、欧州開銀の運営でございますけれども、出資シェアはECの十二カ国プラス二機関、つまりEECと欧州投資銀行、これを加えたEC関係諸国で五一%という過半数を持っております。日本もECの各国と並んで第二の出資国だということでございますけれども、実質的にはこの運営はEC諸国の意向に左右されるということにならないかどうか、その点が第二点の質問でございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員から御指摘ありましたように、一九八九年の十一月にパリで開催されましたEC首脳会議におきまして、当時ECの議長国でありましたフランスのミッテラン大統領から東欧諸国の改革を支援するため銀行の設立が提唱されました。 〔委員長退席、理事梶原清君着席〕 以来、東欧の民主化、自由化というものを前提にした地域金融機関の設立ということで論議を進められてまいりましたものが、まさに今回御審議をいただきますEBRD、欧州復興開発銀行でございます。そしてその中におきまして、先ほど委員が御指摘になりましたような原則、目的というものが定められておりまして、EBRDの投資がこれに合致するかどうかということは、個々の融資に当たりまして理事会で審議をするなど、加盟国間で審議をし決定するということになっております。 また、これも御指摘のとおりでありまして、EC及びEIBの出資シェアが全体の五〇%以下となることはできないこととなっておりますが、これはEBRDの地域性を保持するための措置でありまして、他の地域開発金融機関におきましても同様な基準が設けられておる、私はそのように承知をいたしております。
○和田教美君 次に、設立に関する協定には、当初の三年間はソ連がみずから要請する国という形で、実際に払い込んだ払い込み資本の範囲内に資金供給が制限されるということになっております。そして、これを変更するのには投票権の八五%以上の特別多数決が必要だということになっております。 この対ソ融資の規制という問題は、ソ連がみずからそれを希望したということなのか、加盟各国の間でいろいろ、ソ連に余り分捕られちゃかなわないということで反対意見などが多く出て、その結果、ソ連もやむを得ずこういう態度をとったということなのか、その辺の説明をしていただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私の承知いたします限り、EBRDの構想が本格化をいたしました時点以来、ソ連はこの構想の相談の中に入っておりました。そして、ソ連も含めました全体の考え方の中で今委員が御指摘になりましたような内容となっております。 この中には、委員がまさにお述べになりましたように、膨大な国土の面積を持つソ連というものがいきなり全面的に借款を要請した場合に到底持ち切らないといったようなことがあるいはあったのかもしれませんが、少なくともそういう論議は私は実は承知をいたしておりません。そして、ソ連もこの条件について相談をされた中に入っておられたという事実を申し上げますと同時に、今後これがどう変わっていくかという点につきましては、むしろ三年たちました時点で、ソ連における諸般の改革の進捗状況でありますとかソ連の国内情勢等、今後その時点における状況で判断をされるものになる、そのように私は理解をいたしております。
○和田教美君 次に、この法案とは直接関係ないかもしれませんけれども、ソ連に対する金融支援という問題について、従来我が国は、政経不可分の見地から、北方領土問題が解決しない限りは大々的な金融支援には踏み切らない、抑制するという態度をとってきたと思います。ところが、自民党の小沢幹事長が、北方四島の主権というものが日本側にあるということを認めさせるのを前提として、総額二百数十億ドルに上る大々的な対ソ経済協力という自民党の腹案を固めて、モスクワに行きまして、そして報道によれば、ゴルバチョフに対して四島の返還ということを要求した、それに対してゴルバチョフはあらゆる問題を話し合っていく用意があるという回答をした、こういうことがきょうの新聞に大きく出ております。経済協力問題の具体的な自民党の案というものを提起したかどうかは明らかでありませんけれども、その点も含めて会談の内容というものは大体どういうふうなことであったのか。外務省の方も一緒に行っておられるわけですから外務省からでも結構ですし、あるいは大臣からでも結構ですから、簡潔にひとつ御説明を願いたいと思います。
○説明員(高島有終君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、二十六日にモスクワにおきまして小沢幹事長とゴルバチョフ大統領の会談が持たれたわけでございます。そして、この会談におきましては、日ソ関係の打開を目指した率直な意見交換が行われたというふうに承知いたしております。特に幹事長からは、四島返還を求める我が国の立場を明確に主張されたというふうに伺っております。 今回の会談を踏まえて、四月のゴルバチョフ大統領訪日の際には両国首脳間でさらに突っ込んだ意見交換を行って、ゴルバチョフ大統領の訪日におきます領土問題の解決を目指して突破口にしたいというのが私どもの今の立場でございますけれども、小沢幹事長御自身は自民党の幹事長という立場で現在訪ソされているところでございます。したがいまして、これは政府間の話し合いということではないわけでございますので、これ以上の具体的な話し合いの中身につきまして私から御説明することは差し控えさせていただきたいと存じます。
○和田教美君 なかなか外務省としてはそれ以上言いにくいかもしれませんけれども、それでは、橋本大蔵大臣にお尋ねいたします。 小沢幹事長のもとで自民党が検討しているといわれる対ソ経済協力案の内容ですけれども、各紙がいろいろと報道いたしております。全部合わせると大体二百数十億ドル、相当膨大な規模のものになるというふうな報道でございます。これが実際に提示されたかどうかはまだわからないわけですけれども、しかしきょうの新聞によりますと、大蔵大臣が何か政府の会合でこの案について文句を言ったという記事が出ております。その報道によると、まず第一に何も聞いてないということ、それからこの二百数十億ドルという規模が大きい、こういう問題について大蔵大臣が文句を言った、通産大臣も文句を言ったという報道が、朝日新聞でしたか、ございました。 その点について、大蔵大臣は一体どうお考えなのか。もし全然聞いてないということであれば、仮に四島返還の問題が前進をするということになってこういう経済協力の問題が具体化してくる場合には、新たに自民党案と違った政府ベースの案をつくるということなのかどうか、その辺のところも含めてお答え願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 文句を言ったと言われるのはちょっと私は違うと思います。 昨日、委員会の休憩時間、総理、官房長官、外務大臣、通産大臣、農水大臣、私、中山外務大臣のアメリカから帰ってこられた報告を聞くために昼食をともにしながら席を同じゅういたしました。その席上、私が外務大臣に内容を御存じかということは確かにお尋ねをいたしました。と申しますのは、少なくとも私ばかりではなく大蔵省としてそういう御相談を受けておらないからであります。ところが、外務大臣からも自分も聞いておらないというお話でありましたし、通産大臣からも自分の方も相談を受けていないというお返事がありました。 そこで、少なくともその時点におきましてマスコミに流れておりましたのが、外務、通産、大蔵各省が了承の上の案であるということでありましたから、それは官房長官から午後の定例会見の中で訂正会見をしておいてくださいというお願いを申し上げたという事実がございます。
○和田教美君 後半の部分はどうですか。仮にそれが具体化してきた場合にはこれをベースにやるということになるのか、新たに政府部内で考えるということになるのか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 少なくとも財政当局の立場としては、外交当局から何らかの御相談があって初めてその問題の具体的な検討がなされるものと存じます。
○和田教美君 その問題は時間がございませんからこれぐらいにいたしまして、欧州開銀の融資対象についてお尋ねをしたいと思います。 この融資対象は民間部門が主体で、公的部門は全体の四〇%以下に制限されております。しかし、市場経済への移行が進行中の東欧諸国には民間企業はまだそれほど育ってないというふうにも思いますし、そういう状況のもとで融資対象を民間部門主体としても果たしてどんな仕事があるのかという疑問もちょっと素人には浮かんでくるわけでございますが、具体的にどういう部門が対象になるのか。 それからもう一つ、これは通知をしておりませんけれども、ソ連に対する資金協力という問題は、欧州復興開発銀行ですから欧州ソ連に限るのか、それとも極東ソ連なんかも対象になるのか、その点もあわせてひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(千野忠男君) 御指摘のとおり、EBRDは東欧諸国の市場経済への移行などを支援するという目的でございまして、この公的部門への投融資はその国に対する投融資の四割を超えないということになっておるわけでございます。 ただ、もう少し中身を見ますと、協定上は民営化を計画している国有企業に対する貸し付けとか、あるいは公的金融仲介機関、例えば開発銀行のような種類のものでございますが、そういうものが民間部門に転貸を行うための資金、こういうものについては公的融資とはみなさないということになっております。そういうものには融資ができるということになっております。したがいまして、既に民営化をしております企業が少ない当初の段階におきましても業務運営に大きな支障がないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○和田教美君 もう時間もなくなりましたから最後の質問ですけれども、東欧に対する資金援助のルートとしては、先ほどもちよっと話が出ておりましたけれども、今度の欧州開銀のほかに二国間のバイラテラルな協定に基づくもの、あるいはまたIMF世銀などの既設の国際機関を通ずる援助、いろいろあると思うんですね。幾つかのタイプがあると思うんだけれども、政府としては欧州開銀というものの場合には、これが設立された場合に東欧に対する支援というものはどのルートを中心に考えていくのか。つまり、欧州開銀を中心に考えるのか、それとも二国間援助ということを中心に考えるのか、その点をお聞きしまして私の質問を終わります。
○政府委員(千野忠男君) その前に先ほどの御質問の第二番目の部分、ソ連に対する融資がソ連の西側だけかどうかという御質問でございましたが、これはメンバーとしてソ連邦として参加しておりますので、ソ連邦全体が対象ということに一応なろうかと思います。ただ、実際にどの地域のどのようなプロジェクトに出すかということは、これは設立後理事会などで各国が決めていくということになるわけでございます。 それから、ただいまの御質問でございますが、まず一般論をちょっと簡単に申し上げますと、二国間援助というものは、被援助国との個別の政治関係、経済的関係というものを反映させた援助が可能になる。被援助国側から見ましても、例えばこれは日本からの援助であるということが明確になるというメリットがある。反面、国際機関を通じる多国間援助には国際金融機関の蓄積をされたところの専門知識を活用してより中立的な客観的な援助ができるという意見もあるわけでございまして、マルチ、バイラテラル、双方いずれにもそれなりのメリットがあるわけでございます。 そこで、東欧諸国でございますが、総じて我が国にとってアジアなどに比べますと歴史的、地理的、経済的関係がやや薄い地域でございます。こういう地域につきましては、多国間援助を中心として国際機関の専門知識をフルに活用しながら援助を行うことが効果的ではないだろうかという感じがいたしております。 したがいまして、東欧支援につきましては、今回設立をされるところのEBRDを軸にして行っていくということであろうかと思いますが、そこにはEBRDとか世界銀行とかいろいろな国際機関とも協調しながら、そうして多国間援助のメリットを生かすような形でそれに追加する形で輸銀融資などの二国間資金協力も考えていく、こういうことではないかと思います。
○近藤忠孝君 関税でも随分問題がありますが、質問は欧州開銀に絞ります。またこれも問題点の指摘で五点通告してありますけれども、全部できるかどうか、そういう事態だと思います。 まず第一点は、ソ連が出資の範囲内で融資をするという潜在的受益国の規定であります。国際機関が対象国に差別を持ち込むことは問題じゃないでしょうか。内政干渉になりやしないかという問題があります。これについては、欧州各国は差別を設けるべきでない。ところがアメリカがこの態度に固執をして、日本はこれに同調したんではないのか。これは昨年四月のG7、橋本さんも出席してここでこの問題は議論になったと思うんですが、そこで橋本さんはどういう態度をおとりになったのか。まずこの二点についてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先刻休憩時間中にソ連、ソ連共産党とはけんかをしておられると言われた委員からソ連に対して大変御親切な御質問でありますが、このEBRDの設立につきましては、ソ連自身を含めた加盟予定国の間で協議をいたしました結果こういう制度をとったということが事実であると私は承知をいたしております。 〔理事梶原清君退席、委員長着席〕 また、G7においてということでありますが、昨年四月のパリのG7におきましては、欧州復興開発銀行の対ソ支援のあり方について特に議論として取り上げられてはおりません。
○近藤忠孝君 日本共産党がソ連及びソ連共産党とどういう論争をし、特に大国主義的な介入と闘ってきたかという問題と、今ここで問題になっている本来公正であるべき国際機関が対象国に差別を設けること、これは全然問題が違うということを一つ指摘しておきます。 この法案の中身ですが、東欧諸国が市場経済のよい面を取り入れるとともに、国営企業中心の中央指令型経済を改めて、所有形態の多様化を図って経済活動に関する諸決定を分散し民間活力を取り入れる、競争条件を整備していくなどのことは、私は大変大事なことだと思っています。しかし、民営化すれば何でも解決するといった考え方は間違っているんじゃないか。また、経済改革をどういう方向でやるのか、どういうテンポでやるのか、これは各国それぞれ歴史的条件、経済の発展段階などで異なっているわけですから、これは画一的に性急にやることではないし、またそうするととんでもない混乱に陥るのじゃないのか。もしこれを性急に画一に進めると、東欧諸国は十分な資金もありませんから、どうしても外資に頼らざるを得なくなってしまう。相当数の企業が外資支配に侵されてしまう懸念があるんじゃないのか。また、これら諸国では企業会計制度が整備されていないという面もあって、恐らく土地の評価はほとんど適正に行われないんじゃないかということもある。国有財産が不当に過小に評価されて外国資本に売り渡されるおそれがあるんじゃないか。こういう指摘に対しては、どうでしょうか。
○政府委員(千野忠男君) 民営化の進め方は各国がそれぞれ決めていくことでございまして、また直接投資をどのように行うか、あるいは直接投資をどのように迎え入れるかということも、これまた基本的には当該国が投資家との間で決めていく問題であろうかと思います。そういう意味で、EBRDが民営化を支援するということ自体が今御指摘のような事態をもたらすものとは、必ずしも考えられないと思うわけでございます。
○近藤忠孝君 今ハンガリーが最も民営化が進んでいるところですが、そこでやっぱり具体的に問題が起きていると思うんですね。だから私は申し上げておるんです。例えばハンガリーのハロゲンランプを製造しているツングスラムという会社の民営化で、五〇%がオーストリアの銀行に一億一千万ドルで売却されて、残りは地場銀行に買収されたんですが、数カ月後にオーストリアの銀行は一億五千万ドルでアメリカのGEに転売して四千万ドルももうけた、こういう事例があるんですね。それからまた同じハンガリーですけれども、国営旅行社のイブス、この株式の四割が公開されまして、ウィーン、ブタペストの両方の株式取引所に上場されました。しかし、公募価格七十五ドルというんですが、その三倍の初値がついた。ということは、これ過小評価されておるんじゃないかということで与党の民主フォーラムから異議があったとか、あるいはその他国有財産が安売りだとスキャンダルに発展したとか、こんな例はたくさんあるんですが、こういう事実は御存じか。こういった事例を見て私がさっき指摘したようなことが起きはしないかと、こういう懸念なんですが、どうですか。
○政府委員(千野忠男君) ただいま委員がお述べになりましたような事実につきまして、私どもも把握をしております。 一つは、つけ加えさせていただきますと、ハンガリーではおっしゃったような経験を踏まえまして、この三月一日から国有資産の安売り防止のために国家資産監査機関というものが設置され、私有化のプロセスを監視しまして、株式会社への移行に対するいわば拒否権を発動し得るような法律が発効したというふうに聞いております。 各国やはり長い間市場経済の経験から遠ざかっておりましたから、市場経済のもとで自由な資本の流入をうまく図っていくまでの間には今おっしゃったようないろいろな試行錯誤を乗り越えていかなければいかぬのだろうと思いますけれども、基本的にはそういう各国の努力を前提として、きっとうまく目的が果たしていかれるように希望しておるわけでございます。
○近藤忠孝君 単に希望だけじゃなくて、そういうことをしっかりチェックできるシステムがちゃんと持てるのかどうか、その点はどうですか。
○政府委員(千野忠男君) この辺はやはり被援助国、EBRDのメンバー国の自主的な判断、自主的な努力によるものではないかと思います。
○近藤忠孝君 これからいろんな形で経済改革が進んだり民営化が進んでいくと思うんですが、全体に共通して指摘できることは、いわゆる社会資本、インフラの整備が非常におくれていることだと思うんですね。これを早急に整備しないで民営化ばかり進めると、経済が非常にゆがんだものになってますます混乱が起きる危険があると思います。 そのことが質問じゃなくて、問題は、情報通信インフラについて見ますと、例えばチェコ、ハンガリー、これは電話の普及率が非常に少ない。大体一五から二五%というおくれた状況ですよね。おくれた原因は幾つかあるかと思うんですが、その一つに、戦後早くからとられているココム規制のために西側から交換機などを自由に輸入できなかったということがあるんじゃないかという指摘がされております。そんな問題たくさんあると思うんですが、そこで質問はこのココム規制についてです。 今、東西の緊張が緩和して西側諸国が東欧諸国に対し支援をしていこうというこのときに、依然として時代おくれのココム規制が続けられているというのは私は大変奇異に思うんです。東欧支援とココム規制というのは、片方で規制し片方で応援しようなんというのは、これは相矛盾するのじゃないかと思うんですが、それに対する見解と、そして少なくとも我が国はこういう枠組みを解消していく方向で世界に問題を提起していくべきではないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(千野忠男君) 東欧支援につきましては、まさに東欧諸国の市場経済移行を支援するという目的で西側諸国としてEBRDの設立に積極的に対応してきたわけでございます。他方、ココム規制につきましては、西側の安全保障の確保という基本的な役割は踏まえつつも、昨今のソ連、東欧の歴史的な大きな変化、これを踏まえまして東西関係の変化に適合するような見直しの努力、適合の努力が行われているわけでございまして、東欧向けのココム規制、例えばチェコ、ハンガリー、ポーランドなどについて規制の緩和が検討され、あるいは実施されているというふうに聞いております。
○近藤忠孝君 いや、緩和じゃなくて、この機会に――緩和というのはあるわけですね、そうでしょう、残すわけでしょう。むしろ日本政府としては、橋本さん、こんなものやめちゃえという態度を私は示すべきだと思いますが、それについてのお答えが一つ。 それからもう一つ、ここに「ザ・エコノミー・オブ・ザ・USSR」という書物がありますが、これはIMF、世界銀行、OECD、そしてまだ準備中の欧州開銀の四国際機関が昨年末まとめたものであります。これを読んでみますと、大変大事なことが書いてあるんです。ソ連の経済の状況は非常に危機的状況にあるというこういう分析、そしてそれについてはもっとドラスチックな改革が必要だとして具体的な改革の方向が示されています。その中身を見てみますと、例えば国有企業の民営化についてはほとんどすべての企業を民営化することが最終目的である、それから中小企業については直ちに直接に民営化することを求めて、大企業についてはとりあえず中間的段階としてコマーシャライゼーション、どう翻訳したらいいのか、ともかく中間的な段階、全くの国営企業と民営の中間的なものなんでしょう、という段階を提起している。 ですから、これを見てみますと、最終目的はソ連経済の資本主義化なんですよ。そしてさらに外部からの支援の基準として、改革の準備段階、この段階では技術援助、食糧援助、それからより包括的な改革が進んだ段階ではエネルギー、環境、通信、流通など、そして本格的な金融支援は大規模かつ包括的な改革計画の導入をまって行う、段階的にやっていこう。しかもこれは、もういわばソ連を資本主義化しちゃおうというんだから、大変なものですよね。 この問題、この対ソ経済提言、これをソ連が受け入れたのか。また、ソ連のIMF加盟が問題になっていますが、加盟に当たってこの提言を受け入れることが条件とされているのかどうか。これ、極めて大きな地球規模の大問題なんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一点、ココムについてのお尋ねは、先ほど局長が御答弁を申し上げたとおりであります。 また、IMFなど四機関によりますソ連の経済調査、これは、昨年七月のヒューストン・サミットにおきまして、この四国際機関に対し、ソ連経済に対する詳細な調査を実施して、その改革に関する勧告を行い、西側の経済援助がこれらの改革を効果的に支援し得る基準を確立するよう要請され、それにこたえたものであります。四国際機関は、ソ連当局の協力を得ながら調査を行い、昨年末報告を発表いたしました。 その報告では、ソ連経済の現状について述べた上で、旧来の計画経済システムは崩壊したが、市場経済システムがいまだ確立していない状況のもとで経済改革を漸進的に進めることは困難であり、急進的なアプローチをとるべきであるとしております。さらに、具体的な改革プログラムとして、改革の初期の段階における抑制的な財政金融政策、価格の自由化など、一連の勧告を行っております。 この報告に対してソ連当局から公式な反応は特にないものと私は承知をいたしております。 また、ソ連はIMFへの加盟申請を行っておりません。ですから、具体的な加盟条件について議論する段階にはありません。
○近藤忠孝君 時間来たんで質問は終わりますが、五点目は指摘だけして終わります。 コメコン体制に組み込まれているんで、今まで自体が東欧諸国はかなりいびつですよね。だからそれを直すには本当にかなり長期的展望のもとに取り組まなきゃいかぬ。その長期的展望がないまま民営化を急ぐといびつが余計さらにいびつになってしまうので、そういった点は十分配慮して対処すべきであるということを申し上げて、質問を終わります。
○古川太三郎君 欧州復興開発銀行についてお尋ねします。 今、世界はグローバル時代、こう言われております。そういう中でグローバルに物を解決しなければならないというのが山積しておる。そういうところで気がかりなのは、ブロック経済化が進められておるそういう中でこの欧州の開発といったものが、これは必要性は認めるんですけれども、特に今、欧州での西側の企業は相当投資をしておりますし、また今までにアジア開発銀行だとかあるいは米州、それからアフリカとか、いろいろありますが、そういった開発銀行の業績について余りいい評価がされていないという中で、今またこういう開発銀行をつくらなきゃならない理由があるのかどうか、それが一つ。 それと、先ほど申しましたようにブロック経済化していきますと、特にそのブロック内での親密さというのは非常にいいんですけれども、ブロック外からの排除する力が働くことによって一番先に申しましたグローバル的な問題の解決あるいはそういう経済、IMF体制とかガットの問題、そういった問題まで響いてこないのかどうか、そこら辺のことをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員が述べられましたブロック化傾向というものにいかに歯どめをかけるか、言いかえれば保護主義の防圧にいかに国際的な協力の仕組みをつくり上げるか、これは私は非常に適切な御指摘だと思いますし、まさに今ウルグアイ・ラウンドが目指しておりますものはそうした方向であろう、私はそう理解をいたしております。 ただ同時に、地域の開発のためにそれぞれの事情を持つブロック、ブロックと言いますと非常に言い方が適切でありませんが、地域を対象としてこうした国際金融の仕組みができることは必ずしも私は否定すべきことではないと思います。殊に東欧という地域を考えますとき、日本は地理的にもあるいは歴史的にも比較的縁の薄い地域でありました。そして、それぞれの国からさまざまな角度で日本にも協力要請が参っておるわけでありますが、我々は的確にそれにこたえ得るだけの地縁、血縁ともに、それだけの緑を持っておりません。 そうなりました場合、それなら東ヨーロッパに対する支援を日本が手控えるのか、そういう選択は我々はやはりできないと思います。その場合に、欧州復興開発銀行のような仕組みができるなら、それに日本自身が積極的に参加をすることにより、二国間では行いがたいその地域に対する支援というものをその国際金融機関の枠組みを活用することによって日本も果たし得る。私どもは、ミッテラン提案というものが一昨年でありましたか、これが出てまいりましてから論議をいたします過程で、まさにそのような思考過程をたどり今日を迎えておるわけでございます。 ただ、それが地域主義、保護主義につながらないための努力というものは並行して行わなければならない、これは委員の御指摘のとおりであります。
○古川太三郎君 地域開発金融機関の役割分担というのは一体どういうような仕組みになっているのかいま一つわからないんですけれども、IMFとか世界銀行がある中でこういう銀行をつくらなきゃならぬという理由ですね。
○政府委員(千野忠男君) グローバルな国際金融機関としてIMFがあり、国際開発金融機関として世界銀行がございます。 例えばIMFは、もともとは加盟国の一時的な資金繰りをつけるといったことが主目的であったと思いますが、最近では各国経済についての一番の専門家という立場から、各国の経済の構造改革、債務で非常に苦しんでいる国々がそこからどうしたら抜け出られるかといったような処方せんをつくる役割も実は果たしているわけでございます。世界銀行は、国際資本市場で資金を調達したりいたしまして準コマーシャルベースの融資をいたします。そうして基礎的なインフラストラクチャーとかいろいろな重要産業とかの開発のための仕事を世界的にやっているわけでございます。 これらに加えていわゆる地域開発銀行というものが既に、例えば今度四月に名古屋で総会が行われますが、米州開発銀行、これは中南米の開発金融機関でございます。それからアフリカ開発銀行、それからこれももう二十数年前にできておりますアジア開発銀行、こういったものがあり、それに加えて今回EBRDができるわけでございます。 このEBRDは、何といいますか、世界銀行などのグローバルな国際金融機関が基本的な開発の仕事をやるのに対しまして、地域の特殊性でございますとか――これはアジア開銀ができるときにも例え話として使われたのでございますが、非常に大きな資金を借りるときには世界銀行に行くけれども、日ごろのいろいろ政策の面倒を見てもらったり、あるいはそれほど大きな組織ではないけれどもこの地域にとっては重要な資金の面倒を見てもらうというようなことで、ファミリードクターというようなことを言っておりましたが、そういったようなきめの細かい開発金融の仕事をやるのが地域開発銀行ということで、お互いに協力をしつつ役割分担を果たしているのではないかと思っております。
○古川太三郎君 何か聞きますところによると、最初は百五十億ECUの資本金で出発するというのが百億になったということですけれども、もしそういうことであり大切なものであれば、しかもソ連も含むということになれば、資本金として非常に小さいのではないかという気持ちもするんですけれども、その辺はどういうことでそのようになったんですか。
○政府委員(千野忠男君) それほど重要なものであればもっと大きなものでスタートした方がいいのではないかという御指摘だと思いますが、現在どの国も皆それぞれに財政的にも金融的にも非常に余裕があるという国は大分少なくなっております。そういう中で、しかしみんなで協力をしてとにかくこういうような機関をつくって徐々にこれを今後育てていくということであろうかと思います。例えば私どもが一番縁の深いアジア開発銀行にしましても、スタートは比較的少さな出資金でございましたが、徐々に増資をいたしまして、銀行の必要性、役割が認識されるに従って各国の協力のもとに増資を次々に行って、かなり今大きなものになっているんです。とにかくまず生み出して、そして育てていくということかと思います。 それから第二に、特にEBRD、欧州復興開発銀行につきましては民間部門の育成に特に力を入れるということになっておりまして、結局そういう面にマルチラテラルな公的な資金を入れることによってそれらの被援助国の信認を高め、そしてそういうところへ先進国からの民間資金も入っていくような、いわば呼び水の役割を果たすということも期待されておるわけでございます。
○古川太三郎君 関税のことについてお伺いします。 先ほど申しましたように、一つの大きな世界をつくっていくという意味から関税の撤廃というのが本当は第一に考えなきゃならぬことでございましょうけれども、その中での産業の育成ということもありますが、消費者あるいは生活者の考え方からもっともっと今の関税を日本がリードしてその障壁を撤廃していこうというような気があるのかどうか、そのあたりのことをお聞きしたいと思います。
○政府委員(伊藤博行君) 我が国の関税の税率水準を諸外国と比べてみましても、現状は相当程度いいところにいっておろうかと思います。 さらに一歩進めてはどうかというお話かと思いますけれども、現在の我が国における関税の位置づけが、かつてのようないわゆる財政関税からどちらかというと保護関税という本来の性格に戻ってきております。その中でも、かなりの年数にわたりまして諸外国に先立ってある意味では自発的に引き下げてきております。したがいまして、現状で見ますと国内産業の保護という片一方の要請をもぎりぎりのところで踏まえながら、片や消費者サイドあるいは利用者サイドといいましょうか、その両面をにらんでも相当諸外国と比べてある意味では低い水準に達しているというのが現状かと思います。 今後の動向につきましては、御案内のようにウルグアイ・ラウンドというマルチの舞台で、それぞれの国がそれぞれの国内事情を抱えながら、できる限りマルチのグローバルな世界を築いていこうじゃないかということで議論しておるわけでございますけれども、私どもといたしましても基本的に、ウルグアイ・ラウンドの成功が我が国の国益にかなうという観点から、これの成功に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○三治重信君 関税関係についてちょっとお尋ねいたします。 貿易摩擦の激しかったときには非関税障壁ということで日米間も新聞やマスコミも非常に騒がしくやりとりがあったんですが、最近はそういうことがほとんど出なくなった。関税当局の大変な御努力のおかげだと思っておりますが、また関税率を非常に下げてきたということのおかげだと思って喜んでいるわけですが、税関のそういうことについての効果があった事例があったらまたお知らせ願いたいと思うわけです。そういう意味において関税当局が貿易摩擦から大変な努力をされて、今日関税障壁というものが出なくなったということは私は非常に褒めていいことだ、こういうふうに思っております。貿易摩擦関係からほかの方へ、新しい問題へ移ってきた、こういうことを認識しておる次第でございます。 それで、先日大蔵委員会で九州の方へ出張したときに私は感じたんですが、向こうの方は地方空港を国際化するというようなことで非常に熱心であったわけですが、そういうときにちょっと聞いたのでは、まず最初に、チャータ便を韓国なり香港なりとしたい、ところが税関の方でなかなかそういうときに来てもらえないんだ、こういうことについて何とか便宜を図ってもらうと非常にそういうような国際化がやりいいんだというふうなことがございました。 それは非常にもっともだと思ってこういうふうに一応問題に今しているわけですが、そういう国際空港を開港していくということになってくると、本当に関西の方は人が足らないのかどうか。今まで海が中心だから港には非常にどこもかしこも税関職員が行くのは当然だと思われていたんですが、国際空港を新しくやるということになってくると、その対応は非常に難しいかと思うんです。そういうことについての対処計画、空港はもうほとんど大体ある数はわかっているわけですが、そういうものを国際空港化していく地方の計画に対応していける税関の対応はどうなっているか、こういうことについてお願いします。
○政府委員(伊藤博行君) 私どもの対象としております仕事の大きな流れをかいつまんで申し上げますと、今先生のお話にもございましたように、海の貨物と航空貨物に二分した場合に、非常に航空貨物の増加量が際立って多うございます。その意味で、いわば物流自体がウエートの増大を見ているわけでございますけれども、それに対応いたしまして、私どもといたしましてもできる限りそういった物流の流れに可能な限り機動的に対応できるように対処してまいりたいというのが、基本的なスタンスでございます。 ただ、そうは申しましても、限りある職員の効率的な配置ということ、あるいは効率的な仕事ということを考えますと、世の中のあらゆる要請に全部こたえ切れているかというと、率直に申し上げてある程度のところで折り合いをつけておるというのが現状かと思います。 今お話しの地方空港に論点を絞ってみますと、航空貨物あるいは航空旅客の動きの中でも、基本的にはやはり大きな空港での伸びが多うございます。絶対量としても多うございますし、そこでの伸び率も多うございます。しかし同時に、地方空港を開港したいという要請もかなり強くなってきております。そういったときに私どもといたしましては、それぞれの地方空港での飛行機の到来機数、あるいはそこでの貨物あるいは旅客の扱い量はどうなるであろうかというようなことを判断しながら、人の配置あるいは場合によっては応援態勢でということで、それぞれのケースケースに即して、ある場合にはすべてを応援でやるとか、ある場合にはある程度の人数を置きながら半分以上は応援でやるといったような格好で、それぞれの空港ごとに機動的に対処するということでやってきております。 しかし、率直に申し上げまして、それぞれの地元の方々はそれぞれの港を開港したいという御希望が強うございます。それだけに、そういう要望を一〇〇%満たし得るほど余裕はないというのが実情でございますので、世の中全体の物流の動きの中で相対的により大きな動きのあるところにシフトして人を配置していく、あるいは人を動員していく、こういうことで対処しているのが現状でございます。
○三治重信君 総務庁の方に定員管理の部面でちょっとお尋ねいたします。 政府は毎年定員の査定をやって行政整理をずっと続けておられるわけだから、政府の定員を全体としては減らしていくというのが大きな目的で、それについて異議はないわけでございます。ぜひそういうふうな業務量の増大を現員の中で消化していってほしいと思うんですが、今お聞きのように、非常に国際関係の変化とか仕事の内容が大きく変わってくる。こういうようなことについては、やはりその部面について増員を図らにゃならぬと思うんです。大蔵委員会で審議をしております税務署の職員あるいは税関の職員なんかはその好例だと思うわけなんですが、定員の増減について総務庁の方から御説明を承りたいと思うんです。
○説明員(東田親司君) お答え申し上げます。 先生御指摘の国家公務員の定員管理のあり方でございますけれども、御承知のように、従来から政府全体の総定員の膨張を抑制するという基本的な考え方に立ちまして、その中で各部門ごとの行政需要の伸びといいますか縮みといいますか、その消長を勘案いたしまして、部門ごとに適正な定員再配置を強力に進めていく、こういう基本的な考え方でございます。 それで、ただいま御指摘の税関、国税の関係でございますけれども、まず税関について申し上げますと、国際化等に伴いまして輸入申告件数がふえてきたりあるいは入国旅客数が激増してきたり、こういう業務量の増大が見られるわけでございますけれども、それに対しまして航空貨物通関の電算処理化等の機械化を進めていただく、あるいは業務の重点的な運営をやっていただくというような事務の効率化を一方で進めていただきまして、なお必要とする増員につきまして、従来から主として輸入通関事務の関係とか社会悪物品の監視、取り締まりにかかわる要員の関係などを中心に所要の増員を図ってきたというふうに考えております。 国税について申し上げますと、これも同様に、課税対象の増加あるいは取引の広域・複雑化等が進んでおるわけでございますけれども、ここにおきましても、事務の合理化、効率化を進めてなお必要とする増員について、これまで調査部門などを中心といたしまして格段の増員措置を図ってきたと考えております。 こういう結果、税関、国税両部門を総じて眺めてみますと、厳しい定員事情のもとで近年相当の増員措置が講じられてきたのではないかというふうに私どもは考えておりまして、その点を御理解いただければと思っております。 今後とも御指摘の趣旨を踏まえて、関税、税務行政につきまして業務の円滑な執行を確保するという観点から、要求官庁の要求内容を十分精査いたしまして適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
○三治重信君 最後に一つ。 欧州復興開発銀行については同僚からたくさんの質問が出ておりました。重複してしまいますから、同じことを質問はしません。 ただこの中で、先ほども質問が出たソ連の融資の受け入れ態勢というものを見た場合、あるいはアメリカが規制しているとかソ連自身がまだ十分意識の準備ができてないとかいう判断もあろうかと思うんですが、私はソ連のペレストロイカそのものがこういうものに順応していこうという意欲がないんじゃないかと思うんです。その点について大臣からちょっと感触をお聞きして、質問を終わります。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は今ソ連の国内情勢を細かく存じておるわけではございませんけれども、少なくとも報道で見ておりまして、バルト三国における武力行使等、私どもがペレストロイカというものに抱いておりました幻想を打ち砕くとまでは申しませんが、大きく傷つける事態があったことは事実であろうと存じます。むしろ私は、そうした事態が今後起こらず、当初理想とされた方向にソ連国内が動いてくれることを世界平和また世界経済の立場からも心から願っております。
○下村泰君 いよいよ最後でございまして、委員の皆さんもお疲れでしょうけれども、もう少し頑張ってください。 この今審議中の三法案ですけれども、私は福祉の視点から質問させていただきます。 まず、外務省にお伺いします。 いわゆる東ヨーロッパの国々の体制の変化に伴って、その医療、社会保障の状況も大きく変化してきているように伝えられております。そのあたりの実情と、その中における日本の対応、協力体制についてお教え願いたいと思います。
○説明員(高島有終君) お答え申し上げます。 東欧各国におきましては、例えば平均寿命あるいは健康水準の点などで西欧と比べましてかなりの差があるということは、御承知のとおりでございます。また、これら東欧各国は現在経済改革を進めているところでございますが、このような経済改革を進める過程におきまして失業問題が現在深刻化してきております。また医療の面でも、このような状況の中で保健医療制度等社会保障システム全体を見直すことが急務になってきているというふうに私どもは理解いたしております。 私どもといたしましては、我が国が医療保障等を含めまして東欧に対する医療分野の協力の可能性を調査するために、昨年九月から十月にかけまして東欧諸国に調査団を派遣いたしました。このような調査の結果をも踏まえまして、来年度から医療面での技術協力をすべく現在関係予算をお願いしているところでございます。
○下村泰君 ソビエトでは医薬品が不足していたり、私自身骨髄移植問題にかかわってきて特に関心のあることなんですけれども、チェルノブイル事故に関係しての白血病治療の状況、それから東ヨーロッパでのエイズの拡大など今すぐ対応すべき問題と、長期的に見ていわゆる自由化が進む中での医療を含めた社会保障体制の動向とそれに対する日本の協力のあり方に、大変強い関心を持っております。例えば、ソビエトが老人ホーム建設の現行五カ年計画で七万五千人分を目標にしているのが、この三年で二万九百人分、約二八%しか建設されていないようです。ODA全体の考え方としても基礎生活分野への援助を重視するようになってきたと思いますが、東ヨーロッパは今大きな変動を経験しており国民の中にはさまざまな不安もあると思います。経済、インフラ偏重にならないような支援、協力になるようお願いをしたいと思います。 昨年七月にドイツの東と西の聾唖者が集まりまして、全ドイツ聾唖連盟というものが結成されました。彼らの福祉、雇用問題など気になることなども多々あるんですけれども、どうかひとつ気配りのある方法を考えていただきたいと思います。 大蔵大臣、もしこのことに関して何か御意見があったらいただきますし、御意見がなければそのままでも結構ですが。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 直接私の守備範囲とばかりはまいりませんが、御趣旨のありましたことを外務大臣にもお伝えしておきたいと思います。
○下村泰君 ありがとうございました。外務省もどうもありがとうございました。 次に、厚生省に伺います。 アメリカとの経済協議の中で、医療機器分野における話というのはどういうふうになっていましょうか。
○説明員(和田勝君) 構造問題協議の中で医療用の機械器具そのものについて議論がされたということはございませんのですが、内外価格差問題の一環として医療用機械器具について内外価格差の状況の調査などを行ったところでございます。
○下村泰君 現在、日本の人工関節にかかる医療費が年間約百億だそうです。そのうち七割以上が欧米からの輸入だそうですね。さらに人工股関節の場合、欧米で二十万円程度のものが日本では七十万から八十万もするんだそうです。日本の自主開発製品の低コスト化が進まないのはアメリカ側の影響があるのかなと勘ぐったりするんですが、もっと国内で開発し安いものを普及してもらいたいと思います。こういう点に関してはどうでしょうか。
○説明員(和田勝君) 御指摘ございましたように、医療用機械器具、その中でも人工骨、人工関節につきましては輸入品が八割近くを占めておるという状況でございます。やはりアメリカと日本における患者数の違いといいますか、医療需要の違いといったものがその辺にあらわれているのかなという感がいたします。 他方その価格については、個別具体的な価格について十分調査はしておりませんのですが、一般に輸入品の方が割高であるということは言えようかと思います。人工関節なども含めましてアメリカ製の医療機械につきましては、その流通形態でありますとかあるいは医療現場における使用という点を考えてみますと、例えば流通におきましてもアメリカの場合にはメーカーの直販で行われていたりとか、あるいはそれの医療現場における使用に当たりましても医師に対する使用の指導といいますか装着の指導、あるいは一般の医療機械などでありますと使用過程におけるメンテナンスの費用といったことがその価格の中に織り込まれていたりとか、そういったようなマーケットの違いといったものがありまして、一般に高いということは承知いたしております。 ただ、その辺の価格につきましては、私ども十分実情調査をして、必要があれば価格形成の合理化といいますか、そういった点を指導してみたいなというふうには考えております。
○下村泰君 この間、ベトナムのドクちゃんとべトちゃんというお子さんがおりまして、日本の兵庫の方でしたか、出かけていって大変なすばらしい義足を補助している。補助器具も大変すばらしいものができている。そういうような、結構技術的には国内のものにもいいものがあると思うんですけれども、向こうにまさるとも劣らぬものがあると思いますので、できるだけ何とかひとつよろしくお願いしておきます。
○説明員(和田勝君) 先般発足いたしました出融資制度によります開発の促進の措置などを通じまして医療機械器具の国内開発というものを促進してまいりたいというふうに考えておりまして、そういう観点もありまして実は昨年の十月に厚生省に医療機器開発課というものを設置しておるところでございます。
○下村泰君 どうもありがとうございました。 これ、審議の法案には直接関係のないことをお尋ねしてまことに申しわけないと思うんですが、実は一昨年十二月十四日の当委員会で行われました前払式証票の規制等に関する法律案の審査の中で、通産省に視覚障害者の方々に不便のないように識別その他工夫できないかとお尋ねいたしまして、検討すると答えられたのですが、その後どうなりましたでしょうか。――通産省の方いらっしゃいませんか。通知はしてあったんですがね。いらしていませんか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 通産省の事務当局の代返を私の知る限りでさせていただきたいと思いますが、委員から御指摘もございまして、技術的な観点からプリペイドカードの券面表示の方式につきまして工業技術院で検討していただいておるという報告を受けております。私どもは、その技術的な検討の結果を見きわめながら、例えば将来設立を予定されております業界の自主的団体である前払式証票発行協会において業界のテーマとして検討をしていただきたい、そのように考えております。
○下村泰君 わざわざ大臣から通産省のかわりをしていただいてありがとうございました。 この間プリペイドカードのことで御質問させていただいたときに、紙幣その他を出して大臣にも質問させていただいたんです。通産省の方では大変何かすばらしい工夫をなさってくださったそうで、その報告を受けて大臣に質問しようと思ったんですが、肝心の方がいらっしゃいません。その代返で大体、もうちょっと中身があるような気がしたんですけれども。 そこで、せっかく技術的にそういう可能なことになるように工夫をしてくださってきているんですから、この法案の十二条の表示事項のところに視覚障害者のための識別表示という一項を入れていただきたいんです、私の方は。大臣の方は入れたくないかもわかりませんけれども、私の方は入れていただきたい。今急にというふうにはいきませんでしょうけれども、将来的にそういうことの一文が入れられることが可能かどうかお答え願いたい、こう思います。
○政府委員(土田正顕君) ただいまお尋ねがございました事項は、まさに御指摘のように平成元年十二月十四日に問題を提起していただいたところでございます。その後の進捗状況は先ほど大臣から申し上げましたとおりでございますが、そこでただいまおっしゃいました第十二条の表示事項というのは、プリペイドカードのいわば券面に大蔵省令で定めるところにより次に掲げる事項を表示しなければならないというように書いてありまして、その中で「氏名」とか「商号」とかのほかに、「大蔵省令で定める事項」という規定もございますから、この省令の中に何かそういうような規定が入らないか、法律論としてはそういう問題であろうかと思います。 ただ、このような議論をいたします前提といたしまして、この券面表示はどのような方法がいいのかということにつきまして、まさに技術的な側面で工業技術院で幅広い検討を進めておられるようであります。その作業もしかるべき進捗を見ておるようにも仄聞しておるわけでございますが、その技術的な側面の問題が一つと、それからどのような技術を使うかによりましてコストに非常に恐らく影響は大きいと思いますので、そのコスト的な側面など、いろいろな検討すべき点がございます。 一方、このプリペイドカードなるものは、テレホンカードのように非常に広く普及しておりますマスプロ製品もございますけれども、手づくりこ近いような、極論すれば個人が発行することができるような自家型のカードというものもございますので、いろいろそのような千差万別の発行主体の状況を考えますと、現状においてこれを十分な検討なく義務づけを行うのはいかがかと考えられるわけでございます。むしろ先ほど大臣から御説明いたしましたように、将来設立を予定しておる業界の自主的な団体であります前払式証票発行協会などにおきましてまずその業界のテーマとして研究するようにいろいろお願いしたらどうか、こういうふうに現段階では考えておる次第でございます。
○下村泰君 そうしますと、お役所の方としては考えてないが、そういう協会ができた中でやってみたらどうかというようなお答えということになりますね。そういうことですね。
○国務大臣(橋本龍太郎君) そうではありませんで、むしろ業界に自主的にこうした問題を検討していただくように働きかけてまいりたい、そう御理解をいただきたいと思います。
○下村泰君 時間がありますけれども、労働時間短縮で、ここで終わらせていただきたいと思います。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で三案に対する質疑は終局いたしました。 これより三案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○近藤忠孝君 私は日本共産党を代表して、欧州開銀加盟法案、関税定率法及び関税暫定措置法の一部改正案の両案に反対の討論を行います。 まず欧州開銀加盟法案についてであります。 欧州関銀は、いわゆる西側諸国による東欧支援の一環として設立されるもので、社会主義国が全面的に参加する初めての国際的な開発銀行であります。ソ連、東欧諸国が市場経済のよい面を取り入れるとともに、国営企業中心の中央指令型経済を改め、所有形態の多様化を図り、経済活動にかかわる諸決定を分散化し、民間の活力を取り入れ、競争条件を整備するなどのことは極めて重要な課題であります。 しかし、民営化しさえすれば何でも解決するといった考え方や画一的かつ性急な民営化は、決して好ましい結果をもたらすものではないと考えるものであります。 これら東欧諸国では、社会資本の整備や産業政策の確立など、公的に整備されなければならない課題が山積しています。また、現状では民間貯蓄は不十分な上、土地や企業財産の評価方法がいまだ確立しておらず、このような状況で民営化を性急に推し進めると、国有財産の不当な安売りや外資支配を招き、経済をゆがめ混乱させることになるおそれが十分あります。 欧州開銀の融資は民営化融資が中心であり、また融資に当たっていろいろの政治的条件をつけ、その進行状況が思わしくないと判断された場合には融資をストップするとか、そのために毎年事業の見直しを行うことなどが取り決められております。これらの点は、国連憲章の自決の原則に反し、その運用いかんによっては内政干渉にわたる危険が大きく、このような性急な民営化の押しつけは、これら諸国の健全な経済の発展を損ねるおそれがあります。 次に関税定率法及び関税暫定措置法一部改正案についてであります。 今回適用期限が延長される五千七百六十五品目の暫定税率は、我が国の関税率が既に先進国中最低の水準になっているにもかかわらず、アメリカなどからの一方的な要求に応じて数次にわたって引き下げられてきたものであり、賛成できません。また、皮革・革靴の関税割り当て基準数量の拡大は、国内の零細な関連企業に打撃を与えるものであり賛成できません。石油化学製品製造用原油等の免税・還付制度は、専ら大企業への特権的優遇措置であり賛成できません。特恵関税制度はUNCTADの合意と発展途上国の強い要求に基づくものであり、我が国としても経済協力の一環として重視しなければなりませんが、現状では受益国が韓国、台湾などに偏っていること、海外に進出した我が国企業の逆輸入に利用されていること、我が国関連零細企業に厳しい影響を与えていることなどいろいろの問題が解決されなければなりません。 以上の理由により両案に反対であることを表明し、討論といたします。
○委員長(大河原太一郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより順次三案の採決に入ります。 まず、欧州復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大河原太一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大河原太一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 本岡君から発言を求められておりますので、これを許します。本岡君。
○本岡昭次君 私は、ただいま可決されました関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合及び参院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について十分配慮すべきである。 一 世界経済における我が国の立場を踏まえ、調和ある対外経済関係の形成に努めるとの観点から、積極的な多国間交渉への取組みとともに、自由貿易体制の維持・強化、世界経済の安定的成長に引き続き貢献しうるよう、ウルグアイ・ラウンドの成功に向けて努力すること。 一 関税率の改正に当たっては、農産物の輸入問題、製品輸入の拡大等をめぐる諸情勢に対処するとともに、国民経済的な視点から、国内産業、特に農林水産業及び中小企業等に及ぼす影響を十分配慮しつつ、国民生活の安定・向上に寄与するよう努めること。 一 近年の国際化の進展等による貿易量及び出入国者数の伸長等に伴い税関業務量が増大するなかで、その迅速かつ的確な処理に加え、麻薬・覚せい剤、銃砲、不正商品、ワシントン条約物品等の水際における取締りの強化が、国際的・社会的要請として一層強まっていることにかんがみ、業務処理体制等について一層の見直しを行うことにより、税関業務の効率的・重点的運用に努めるとともに、税関職員の特殊な職務を考慮して、今後とも、中長期的展望に基づく定員の確保はもとより、その処遇改善、職場環境の充実等に特段の努力を行うこと。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(大河原太一郎君) ただいま本岡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大河原太一郎君) 多数と認めます。よって、本岡君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、橋本大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。橋本大蔵大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
○委員長(大河原太一郎君) 次に、航空運送貨物の税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大河原太一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十一分散会