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120回国会参議院1991/02/18

大蔵委員会 第2号

発言数
103
登壇者
16
会派数
7
開催日
1991/02/18

会議録

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る十二日、井上哲夫君が、十三日、大島慶久君が、また十六日、古川太三郎君が委員を辞任され、その補欠として古川太三郎君、下条進一郎君及び高井和伸君が選任されました。     ─────────────

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  租税及び金融等に関する調査のため、本日、参考人として日本銀行理事福井俊彦君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 次に、租税及び金融等に関する調査を議題といたします。  去る十二日の委員会におきまして、財政及び金融等の基本施策について橋本大蔵大臣から所信を聴取いたしておりますので、これより大臣の所信に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 私は、先日行われました大蔵大臣の所信表明について、特徴的な問題について、時間が短いものですから絞って御質問したいと思うんです。  何といっても今世界をにぎわしております中東問題というものが重要な問題だと思うんです。二月の十五日、イラクが条件つきとはいいながらも国連決議六百六十号を受諾をするという発表が行われたところでございます。我が党は、前から即時停戦、そして双方の撤退、中東地区の恒久的な平和ということについて主張してまいりました。このイラクの発表というのは、そういう面からすると大きな私は変化ではないかと思っています。したがいまして、九十億ドルの問題にも絡みますので、このイラクの発表に対する大蔵大臣の認識をまずお尋ねしておきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 十五日夜八時半からの第一報を聞きました瞬間、私も本当に一瞬ほっとした気持を抱きましたことは事実でありました。その時点に告げられましたものは、御承知のように国連決議六百六十号を受諾する用意ありということだったわけであります。ところが、その後イラク革命評議会の声明等を取り寄せて調べてみますと、さまざまな条件がついているということを知りまして、その一瞬、ほっとした気持ちは再び落ち込んでしまったという言葉が一番正確でありましょう、非常に残念な気持ちに私自身はなりました。  しかし、少なくともイラクの革命評議会による声明というものが初めて安全保障理事会決議六百六十号、そして撤退の用意に触れたということは注目されるものだと今も考えております。  この声明の内容が、残念ながら国際社会が安保理決議六百六十号においてイラクのクウェートからの無条件撤退を要求しているものと結果的には相入れないということについて非常に残念な気持ちを持っておりますとともに、きょう早ければ夕刻にも行われると聞いておりますソ連大統領とイラク外相との会談というものに今私は非常な注目と期待をかけております。これが文字どおりイラクのクウェートからの無条件撤退というものに導かれるならば、再び平和に向けての足取りが本格的に始まるものと、そのように考えておりまして、我々としては、まさにクウェートからイラクが無条件に撤退するということについての言及が行われることを本当に願っております。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 我が党としても、このイラクの武力によるクウェート侵攻という問題については絶対に認めることはできません。そういう態度を我が党もとっております。しかし、現実に戦争が行われて人命が失われるということに対しては、戦争の即時停戦と不拡大の問題に対して我々はやはり留意をしていかなきゃならぬと思う次第でございます。したがいまして、日本政府としてもそのような観点から、ぜひ大蔵大臣から総理に伝えられて、対応を急いでいただきたいと思います。  ところで、そのイラクの今の状態がどのような状態にこれから進行するかということは予測ができませんけれども、ここでお尋ねしておきたいことは、巷間伝えられてはおりますが、この九十億ドルという問題は、この算出根拠からも皆さんが答弁なさっていたように、三カ月という前提が置かれて九十億ドルというのが算出されたと私は理解しています。したがいまして、この戦争が三カ月以内に停戦が成立したというようなときには、この九十億ドルは引き下げられて拠出されることがあり得るんでございましょうか。その点について見解を伺っておきます。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、日本政府がこの九十億ドルの追加支援を決定し支出をいたそうとしておりますのは、湾岸情勢の現状と同時に我が国が国際社会に占める地位にふさわしい支援ということでありまして、これを総合的に勘案して金額を決定したわけであります。その方向はまさに湾岸の平和と安全を回復するため行動している関係諸国が当面必要とする経費に充てるということで対応することを決断したものでありまして、湾岸平和基金というものに対して支出をする方針をとっておることも御承知のとおりであります。  私どもは本当に中東に一日も早く平和が戻ることを心から願っておりますけれども、この方針を変更するということは現在考えておりません。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 三カ月以内に停戦が行われても、九十億ドルはそのまま支出をするということですね。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 三カ月というお話が大変よく出てまいりますけれども、私ども三カ月ということを想定しこの支援措置を決定したわけではございませんし、本院におきましてもまた衆議院におきましてもしばしば御論議がありましたが、例えばその期間内により多くの要請があったときに応ずるかという御質問に対しましても、平成二年度内においてこれ以上の追加の用意はないということを申し上げてまいりましたと同様に、当然のことながら、平和が戻りましたならば戻りました後の経費というものも必要でありましょうし、私どもとしてこの九十億ドルという金額をお約束し拠出するという姿勢をとりました中において、平成二年度内において追加をいたすことも、また早期に終了したからといってそれを減額するといったことも、双方ともに考えておりません。むしろ一日も早く停戦が行われ、クウェートからイラクが撤退をいたしました後において、その平和の回復のためにその費用が使われることを心から願っております。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 その問題はその問題でまずおくとして、昨日ですか、熱海で自民党の婦人部の研修会が行われましたですね。この研修会で海部総理が、九十億ドルよりもこれから戦後復興が行われることや民生を豊かにするためにさらに追加支出をすることも考えている、こういうような報道がきのうのテレビにもありましたし新聞にも出ていますね。それは大蔵大臣とはもう御相談済みなんですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) たまたま実は私は昨日全く別途のことで忙殺されておりまして、正確に総理がどういうふうにお述べになりましたか確認をいたしておりません。  しかし、恐らくこの戦闘が終結をしクウェートが解放されました段階におきまして、クウェートの国内をもとの状態に戻すにいたしましても、国際的に大変多額な費用を要するであろうと私は思います。また、それはクウェートのみならず、ある意味では自分がまいた種ということになるのかもしれませんけれども、イラクの国内においても当然相当な復旧に対しての経費は必要になるでありましょう。さらにこのイラクのクウェート侵略という行為から派生をいたしました周辺諸国、石油を産出しておりません低中所得国に対しましても、その経済的な影響というものは極めて大きなものがあると思います。  こうしたことに対しまして、当然世界はその復旧のために力を合わせていかなければならなくなるわけでありますし、そのためには日本もまたそうしたことに対する協力が必要になろうかと思いますが、ただ、それが例えばODAの世界の中で対応のできるものなのか、あるいは別途そのための資金枠を必要とするものになるのか、現時点においては全く想定ができません。それだけに、総理としては国際的に日本が責任を果たしていく用意ありという意思を述べられたものと私は理解をいたしますが、そういうことでありますならば、政府関係者それぞれにそれぞれの役割の中でおのずから想定をする部分はあろうかと存じます。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 九十億ドルに関しては、政府がどんな言い回し、答弁をされようとも、これはお金に色がついているわけでもないんですから、どこの国から拠出されたものも総枠においてはやっぱり戦費と見ざるを得ない。私どもはそういう態度をとっておりまして、九十億ドルの戦費調達については反対の態度は今でも変わっていません。  ただ、私が述べたいことは、復興であるとか平和のためとか戦後処理とか、そういうものに対しては惜しみなく資金を拠出するというようなことは大切なことだと思うんです。したがいまして、総理がどういう気持ちでしゃべられているかわからぬですけれども、仮にそういうようなものが大切だというのであれば、国会の審議の中にも早目にこういうようなものにこれだけ出したいというようなことを提示するような用意、検討などを今からでも私はしていただきたい、こういう希望をまず述べておきます。  ところで、この特別臨時公債の発行についての償還財源の調達のあり方について質問をするんですが、二月十五日に従来の国会運営には全く例を見ない党首会談というものが海部総理から呼びかけられました。橋本大蔵大臣もかつては幹事長をなさった方でございますから、国会の運営というものに対しては大変慎重に、また各党の意見などを大切にしながら運営されてきたと思うんです。ところが、全く例を見ない党首会談、その党首会談に、参議院には連合という会派があるんですが、その連合の会派は呼ばれていないんじゃないですか。そういうようなことで、参議院というものを全く軽視するような党首会談というものが行われたと私は思うんです。  なおかつ問題にしなければならぬことは、公述人というものがありますね。公聴会が十六日、十八日に設定されているのに、つまり国民の意見を聞く前に政府みずから予算案が修正されるような、これは平成三年度の予備費ですが、そういうものについて、まあ片方の償還財源の調達方法については法案が出ているわけではありませんからいろんな意見が仮にあったとしても、平成三年度の予算にかかわるようなものが既に提示されておりますね。その提示されているものについて公述人はいろんなことを述べるわけでしょう。その国民の意見というものを聞く前に政府みずからが修正の意見を出すということは、一体これはどういうことか。  私は、政府みずからが修正案を出したという前例についてお尋ねしたいし、修正した場合に国会にはどういうような状態で審議することにしてくるのか、その経過について若干知らせてください。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 過去に政府自身が提出をいたしました予算案をみずから修正した前例というものにつきましては正確を期しますため事務方から補足をさせたいと存じますが、予算修正というものは第二次世界大戦後十回行われていると聞いております。そのうち七回は政府自身がみずから修正したと聞いておりますが、これにつきましては事務方から過去の経緯等を正確に御報告をさせたいと存じます。  そして、今委員が御指摘になりましたように、この九十億ドルの追加支援の財源措置について去る一月三十一日、臨時的な税制上の措置を講ずるということを基本にしながら政府の考え方というものを取りまとめておりましたが、この十五日に、今国会になりましてからの御論議などを踏まえながら、すべて増税措置ではなく政府として従前にも増した歳出の節減合理化などぎりぎりの努力を行うという決断をいたしました。これはまさに国会における今日までの御論議というものを踏まえて私どもなりに決断をいたしたことでございます。  そこで、今委員から御指摘になりました問題点は二つございます。  まず公聴会との関係について御指摘がございましたが、私どもとしては平成二年度補正予算(第2号)、三年度予算修正及びこれらに関係する諸措置を一括した法律案につきましては、十五日に閣議了解が行われました改正後の大綱に基づいて所要の事務的作業を早急に進めるということで準備をいたしまして、提出の準備が整い次第国会に提出させていただきたいと考えております。  また、公聴会につきましては、これは私の立場として何らかのことを申し上げる立場にはございませんけれども、五十二年度予算の修正の前例におきましても、公聴会が行われました後予算修正書を国会に提出したその後、公聴会をもう一度開くことなしに衆議院で審議、可決をしたという例等もあるようであります。これは過去の例としてそのようなものがあるという事実関係のみに私からの御答弁はとめさせていただきたいと存じます。  また、党首会談の点について御指摘がございましたが、本来、政党対政党の話し合いにつきまして政府の立場からこの是非を申し述べるのは僣越な話でありますけれども、あえて元幹事長という立場での意見をと委員から仰せられますならば、確かにこうした党首会談が大変異例なものであるということは御指摘のとおりだと思います。  しかし同時に、イラクのクウェート侵略以来の今日までの経緯というものそのものが異例続きでありまして、これだけ国際社会の一致結束した願いにもかかわらずクウェートを手放そうとしないイラクに対して、クウェートの原状回復のために多国籍軍が武力を行使する事態に立ち至った、これ自体が大変異例な事態の推移でありまして、そうした異例の中における議論、国会における御論議というものを踏まえ、政党間の話し合いの中から示されてまいりました問題点に対し、党対党という立場において与党の党首がお答えをするという責任もまた私はあろうかと存じます。  そうした中において、政府・与党として一つの結論に達しました時点で緊急に党首会談をお願いを申し上げたということにつきましては、私は必ずしも否定すべきことではない、むしろ党首会談というものがもっとしばしば行われることによって与野党の論議が生かされることの方が将来のあり方としてはより望ましいものではないか、私はそのように感じております。  今、連合参議院につきまして委員から呼ばれていなかったという御指摘がございましたが、これは率直に申しまして大変失礼な言い方でありますけれども、政府におります私が党首会談の中にどの党とどの党をお呼びしたか、私自身もその席に参加をいたしておりません人間でありますので、この点についての見解をただされましてもお答えをする資格を持ちませんので、御理解をいただきたいと思います。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 大蔵大臣という立場でございますから、なかなかお答えにくいことはよく承知しています。しかし私は、総理総裁である海部さんにぜひ伝えていただきたいと思うんです。  今回の党首会談という問題は二つの問題点を私は含んでいると思うんです。  その一つは、手続です。  手続の問題というのは、また中身が二つありますね。  一つは、私が申し上げたとおり、公聴会が設定されているのにその前にそういうことが行われたということは、国民から意見を聞くということは一体どうなっちゃったのか、こういう手続上の問題が私はあると思うんですね。  もう一つの手続上の問題というのは、党首会談に持っていく。私は党首会談に決して反対しているわけじゃないけれども、五十二年のときの修正というものは、一番最後に来ての修正ですよね。審議中に修正が行われたというのはないんですよ。つまり、平成三年度の予算について予備費というものが三千五百億組まれておるわけでしょう。財源調達法案の方はまだ提出されていないからそれはそれにしても、平成三年度にかかわる予備費というものは厳然と組まれておって、そのことを前提にして国会は審議しているわけでしょう。その審議期間中にそういうことが行われるということは、私はやっぱり手続上間違っていると思うんですよ。これは自衛隊派遣法の問題についても同じですね。  だから、私が言いたいことは、最近の自民党のやり方というものは、湾岸だけが異例ではないんですよ。異例といえばいろんなことがあるわけですよ、その国会その国会に。だから、イラクの問題が異例だというんじゃなくて、国会の運営、国会の審議というものはやはり手続、慣行、これをちゃんと守ってやるべきだということを言いたいんですよ。ところが、巷間伝えられるように、ねじれ現象であるとか参議院の審議を見ればとか、そういうようなことで国会の運営、審議に障害になるようなことはやるべきでないと思うんですよ。党首会談をやることを私は決して反対していませんよ。けれども、国会に提出し公聴会を設定しておきながらあの時期にやるということは大きな問題点があるんじゃないかということを私は指摘しておきたいと思うんです。  もう一つの問題は、配慮という問題ですね。  連合参議院を呼ばなかったことは、大蔵大臣として釈明することではないでしょう。けれども、政党間のそういう話し合いが必要であるというのなら、参議院の存在というものをきちっと見定めた上でやってもらわないことには、そのときそのときの場当たりでは私はいかぬことだと思うんですよ。そういう意味で、国会審議のあり方に対して最近の自民党のやり方は必ずしも手続、慣行、そういうものに従っていないじゃないかということを私は指摘しておきますので、この点の答弁は要りませんけれども、もしも感想があれば聞かしていただきますが、どうぞ伝えていただきたいと思うんですよ。  それから、ついでで恐縮ですが、質問ですが、仮に予備費の二千億ということが修正されるというのであれば、修正予算書が提出されるのはいつごろですか。それから、予備費が二千億だとは言うけれども、政府の予備費の自由裁量権というものが妨げられるでしょう。突発事故が起きたときにどうするのかということになるわけですね。そういう問題についてもお答えをいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今の院と政党のあり方についての御指摘につきましては、たまたま政府・与党首脳会議に出席をされます自由民主党の国会対策委員長もこの席におられるわけでありますから、私からももちろん補足しお伝えはいたしますけれども、院の中における御論議から出てきたものとして参議院国会対策委員長から政府・与党首脳会議あるいは党の役員会等に御報告をいただくのが至当であろうと存じます。これにつきましては私がお答えをする分野ではございませんので、御了承いただきたいと存じます。  今御指摘のありました財源修正を加味いたしました補正予算の提出につきましては、現在所要の事務作業を早急に進めておりまして、できるだけ早く国会に提出をさせていただきたい。今努力中でございます。今月二十五、六日ぐらいをめどにしながら今努力をいたしておると承知をいたしております。  また、予備費につきまして御指摘をいただいたわけでありますが、私どもは平成三年度予算を編成いたします際に、従来から本院におきましても御指摘を受けました公務員の給与勧告に対する財源を計上すべきであるという御指摘に対し、これを予備費に任せるというのはいかぬという大変強い御意見もちょうだいをいたしておりましたので、これを給与改善等予備費として別途計上をさせていただきました。過去最低の人事院勧告よりは多少厚めという形でございます。それとは別に、従来から一般会計の予備費として計上いたしておりましたいわゆる予備費というものにつきましては、予算規模に対する計上割合あるいは諸般の情勢などを総合的に勘案いたしながら前年度同額の三千五百億円を計上いたしてまいりました。  今回、湾岸地域における平和回復活動というものに対し、我が国の支援の財源の措置として大変厳しく、本院におきましてもまた衆議院の御論議におきましても、政府自身の努力ということを迫られました中におきまして、私ども歳出の節減合理化などに対しましてもぎりぎりの努力ができないかどうかを検討いたしました結果、予備費を二千億円減額する決心をいたしたところであります。  予備費は憲法及び財政法によりまして予見しがたい予算の不足に充てるために使用することが認められておる制度でありますし、確かに委員が御指摘になるような面はございます。しかし、確たることは申し上げがたいことでありますけれども、予備費使用に当たりましてできる限り効率的な使用に努めていくことによって、何とかして千五百億円の予算の範囲内で対応するように全力を尽くしてまいりたいと存じます。恐らくそれで大丈夫かという御指摘があると思うんですけれども、今後の予算の執行に当たりまして経費の節減合理化というものに一層努めていきながら、予備費使用そのものについて可能な限り効率的な使用に努めていくことによりまして、この枠組みの中で努力をしてまいりたい、そのように今決心をいたしております。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 もう一つ事務的なことですが、今度、赤字国債が九千七百億円出されるわけですね。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 赤字国債は出していないでしょう。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 財源調達の方法として聞いておきたいことは、新聞によりますと、三月、四月に入札方式で赤字国債九千七百億円を出す、こういうふうに報道されておりますね。  私は、手続上の問題としては、最初に俗称TBと言われる蔵券を出しておいて、それからそれを償還するというような手続になるのかなと思っておったんですが、今回の場合はそうならぬのですね。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 今回の措置に伴いましての財源といたしまして、国民に負担を求める、ただその税収の入ってくる時期にずれがありますので当面つなぎ国債として授権をいただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  そのつなぎ国債の性格でございますけれども、法律的には財政法第四条の建設国債原則と申しますか、そういうものに対する例外となりますので法的根拠が必要でございますので、現在検討しております一括の補正関連の法案の中でそういう授権をお願いいたしたいというふうに考えております。ただ、これは公式な用語ではございませんけれども、償還財源が確定しておるという意味では従来の赤字国債とは全く違う性格のものでございますので、我々はこれはいわゆる赤字国債ではない、特例の国債ではあるけれどもつなぎのための国債であるというふうに考えております。  この国債の発行でございますが、もちろん予算案を通していただき法案もお認めいただければ、形式としてはいわゆるTB、短期国債の形で調達いたしたいと思っております。市場の状況等を見ながら調達いたしますので、三月末までに全部というのもかなり無理がございますので出納整理期間内にも一部ずれ込んで発行させていただきたい、これも法律上の授権をいただきたいというふうに考えております。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 事務的なことですが、そうしますと、赤字国債というか特例公債というか特別国債というか言葉は別にして、その関係する法律案、つまり発行を認める規定、それと中央競馬会からの納付金の特例というのがあるわけですね。それから、平成三年度における石油税の臨時増税と法人税の臨時増税というものが一括した法案としてこれから出てくるというように理解していいんですか。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) おおむねそのとおりでございます。  補正関連の法案の中で一括してそういうことを規定したいと思っておりますが、ただ委員が御指摘になりました中で中央競馬会につきましては、これは現在の中央競馬会の歳入状況、収納状況を見込んで今年度中にこれぐらいはまだ増収があるだろうということでやっておりますので、法律事項ではございません。  ただ、外国為替資金特別会計からも収入をいただくことにいたしておりますけれども、この分につきましては法律根拠が必要でございますので、やはり一括法の中で処理をいたしたいと思っております。  先生御指摘の増税関係の部分については、当然一括の中に含まれるということでございます。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 大蔵大臣にちょっとお尋ねしますけれども、NTTの株がありますね。あれは国債整理基金に帰属するとなっておりますね。それで、今五百万株売らないで持っているわけでしょう。これを使えば別に増税とか何かということはやらなくとも済むように私は思うんですが、それを使うということはできないんですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) NTT株の売却につきましては、従来からも当委員会を含め本院におきましてもしばしば御指摘を受けてまいりました。そして、現実の株式市場の状況等は委員がよく御承知のとおりでありますし、その中におけるNTT株の評価と申しましょうか、値動き等につきましてもよく御承知のとおりでございます。  その中で、市場における不透明さを払拭するために、御承知のように今後の売却方針というものを政府が発表いたしております。しかし同時に、それは市場の状況その他を十分に考えながら放出をしていく必要があるわけでありまして、平成三年度の予算におきましても、そうしたことから売却の予定の株数はお示しをいたしながら、それを予算として計上しておらないということをまず申し上げたいと思うのであります。  今回、この湾岸支援に対する財源措置ということに藉口してこの枠組みを仮に崩しますことは、私は、NTT株というものの市場における情勢を一層混乱させる要因にこそなれ、安定のための望ましい姿には必ずしもならないのではないか、率直にそんな感じを持っております。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 大臣、ちょっと今のところなんですが、うがった見方ですけれども、これからもっと金を出さにゃいかぬというようなことも総理が言っておるので、これから増税などまたやられたら大変だというようなことなども考えると、確かに予算化していないということはわかりますけれども、NTTの株で手当てはできるんだけれども後の分としてとっておくんだというようなうがった見方も世間様ではしておるんですが、出さないということは値の問題ですか、市場混乱をさせないために出さないんだということが主なんですか、それとも後の金にとっておくというのが主なんですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 率直に申して、私はそこまで知恵を働かして考えたあげくに今回NTT株の売却を財源に充てなかったわけではございません。  多少安定を取り戻してきておるとは言いながら、NTT株の値動きはまだ、最高潮のときとは申しませんが、一般的に国民が評価をいただいておりました時期に復しておらない状況であることは委員が御承知のとおりでございます。そして、私自身の立場からいたしますならば、予定どおりにこれを売却することができ一層民営化の実の上がることを心から願っておりますし、電電公社からNTTへの経営形態の変更のプロセスに携わった者は、恐らく私ばかりではなく皆同様な考え方を持っておると思います。  そうした中におきまして、実は私としては、これを財源に活用しようという考え方は全くこの準備を進めてまいります間にも出てまいりませんでした。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 持ち時間の関係がございますのでいずれまた法案が出てきたときに審議はさしていただきますが、本件については、我が党としては九十億ドルはどう言われても戦費であるから反対だ、この態度は変わっていません。  それからもう一つは、国会審議、国会運営などなどに関してどうも釈然としないものを私は持ちます。予算修正書がまだ提出されていないということだとすると、何をもって審議するのかという審議の前提もはっきりしないという面もございまして、気持ちの上では大変審議に当たって釈然としないという気持ちだけ伝えておきたいと思うんです。  さて、次の問題ですが、金融政策について若干御質問いたします。  わざわざ日銀理事においでいただきまして、ありがとうございます。  最初にお尋ね申し上げますが、最近アメリカでは金利の引き下げが行われ、ドイツでは金利が上げられたというような状況でもありますし、それに加えて湾岸とか何かいろいろな問題があるのでございますが、我が国において設備投資とか個人消費というのがどうも鈍化の傾向にあるような気がしてならないのでございます。したがいまして、そういう客観的な条件から見ますと金利の引き下げというような時期が今熟しているように私は思うのでございますが、日銀としてはどのような認識にあるのか、所見を伺っておきたいと思います。

福井俊彦日本銀行理事

○参考人(福井俊彦君) お答えを申し上げます。  最初に結論めいたことを申し上げて大変恐縮でございますが、日本銀行といたしましては、現在行っております金融引き締め政策、その効果の浸透状況を引き続き冷静に見守るべきそういう段階にあるというふうに思っているところでございます。  そこで、現在の経済情勢について、ただいまお尋ねのございました点に沿って、私どもがどういう判断を抱いているかということをごく簡潔にお話し申し上げたいというふうに思っております。  金融引き締め政策そのものは、金融面から金利あるいは流動性の状況の変化を通じて実体経済に影響を及ぼしていくものでございます。したがいまして、現状におきまして金融面の状況がどういうふうなことになっているかということをまず申し上げますならば、金利水準が相当に高いところに来ておりまして、企業の資金需要のある部分に対しては資金需要を幾ばくか慎重ならしめる方向に作用してきているというふうに思います。  またそれだけではございませんで、資金を供給いたします金融機関のサイドにおきましても、資金の調達コストが上がっておりますし、資金の貸し出しを行いました場合のいわゆる与信リスクも高まってきているというふうなことがあって、資金を提供する金融機関サイドの態度もだんだん慎重化してきている。  それから、最近は企業の資金調達ルートは自由化市場の発展の中で大変広がっておりまして、真っすぐ金融機関から借金をしなくてもマーケットから、つまりCPの発行とかあるいはエクイティーファイナンスの市場から、資本市場を通じての資金調達のパイプが広がっておりますが、そうしたところを見ましても、やはり金融引き締め効果が幅広く浸透してそうしたルートでの資金調達パイプも次第に細りつつある。最終的に、企業の手元流動性とかあるいは私どもが金融面の指標として比較的重視しておりますマネーサプライの指標というふうなものを見ておりますと、マネーサプライの伸び率が各期あるいは月を追って伸び率が下がってきております。  委員重々御承知と思いますので多少蛇足になると思いますが、その点だけ数字を申し上げますれば、いわゆるM2プラスCDという形で見ておりますマネーサプライの伸び率は、昨年の四―六月がピークでございまして前年比一三%、それから七―九月が一一%に落ちました。十―十二月が一〇・一%、またもう少し落ちまして十二月単月では八・六%というところまで下がってまいりました。間もなく一月の指標が出てくると思いますが、多分十二月の指標よりはもう少し下がっているのかなというふうに期待を込めて今見ておる、こういうふうな状況でございます。  そういうふうに金融面の姿が少しずつ変わってきている中で実体経済の方はどうかということでございますが、ただいま委員からまさしく御指摘がありましたとおり、いろいろな経済指標の中で例えば自動車の売上高、あるいは経済企画庁の方で取りまとめておられる家計の状況の調査がございますが、その中で家計消費の動きなど拝見しておりますと、景気の動きが少しずつ減速しつつあるのかということを示唆する経済指標がこのところ出てきていることは事実でございます。しかし、それ以外の経済指標とか現実の企業の生産・出荷活動等広く拝見いたしますと、全体としての足元の景気動向は引き続き堅調であるというふうに、私どもは判断を基本的には変えておりません。  そして、先行きにつきましても、ただいま御心配になられました我が国の経済の牽引力になっております設備投資動向、個人消費動向、これが非常に大事でございますが、それぞれにつきまして、例えば設備投資動向について考えますと、景気循環的と申しますかサイクリカルな物の見方をいたしますと、あるいは多少減速傾向にあるのかなという感じは否めませんが、最近の設備投資動向にはまた別の面から、つまり技術革新の強い潮流の上に乗っている部分、あるいは人手不足に対応して景気循環側面とは少し独立的な判断で投資がなされている部分、そうした強い支えが今後とも大きく崩れる心配はなさそうだということが一つございます。  それから個人消費、これまたGNPの中では非常に大きなウエートを占めてきておりまして、日本の場合にも個人消費の動向が一番大事だと思えるところでございますが、自動車売上等多少動きに変化が出てきていることは私どもも正確にこれをとらえておりますけれども、一方、日本の経済の場合には消費性向が非常に安定いたしております。したがいまして、個人所得の動向がどうかという点が一番今後の消費動向を占うポイントでございますけれども、この点につきましては、個人の所得環境は今後ともかなりしっかりと保全されていて、この点でもまた大きく基盤が崩れる心配は今のところ少ないんではないかというふうに見ているところでございます。  これを全体として申し上げますれば、景気の減速を多少示唆する指標が出てきているから私どもも十分注意深く見なければならないけれども、足元なお堅調であり、先行きもいろいろな不透明要素がありますから一層注意深く見なければいけないとは思いますけれども、今の景気の腰の強さ、そして個人消費、設備投資について、今私が申し上げました論点から見まして、景気が大きく下方屈折する懸念というのは今のところ小さいと思っているところでございます。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 ありがとうございました。  もう一つだけ聞いておきたいのですが、きょうあたりは百三十円割るか割らぬかというような為替の動向です。急激にここのところ円高とマルク高が進行しているわけでございますね。もちろん湾岸の問題も世界経済の問題もいろんなものが相互関連していると思うんです。それで、為替に対する介入というか協調というかそういうものがこれから重要視されてくると思うんです。そういうことから考えて日銀としては特別に介入、協調するような手だてというものを具体的に何かお考えがございましょうか。簡単でよろしゅうございますが。

福井俊彦日本銀行理事

○参考人(福井俊彦君) 為替政策の面におきます日本を含めて先進主要国の協調体制につきましては先月のG7におきまして再確認されたところでございますし、その後も現実の為替市場におきましてその協調行動がいろいろな形で実行され、市場の方でもその協調行動の強さというものを次第に感じ取ってきている、現実の為替相場の動きにもドイツマルクを見ても円相場の動きを見てもそれが反映されつつある、こういうふうに思いますし、ごく最近では当月のBISの中央銀行総裁月例会議がございまして、その場におきましても、G7の空気をさらに引き継いで為替市場における協調体制の重要性、当面の経済情勢のもとにおきましては各国中央銀行とも為替の安定が非常に重要だという認識を強く交換し合ったというふうに伺っております。  したがいまして、今後とも為替市場におきましては、いろいろな手法を通じて為替安定化のための努力が、日銀だけではなくて各国の中央銀行からなされていくだろうというふうに思っております。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 最初の方の利下げの問題については、今のところ慎重に動向を見定めたいという態度であるというふうに承ってよろしゅうございますか。私はもう時期が来ているんじゃないかと思うのですが。

福井俊彦日本銀行理事

○参考人(福井俊彦君) 景気の面、物価動向の面では、引き続き足元の景気堅調をバックにいたしまして商品、サービスそれから労働力の需給、非常にタイトな状況が続いておりまして、物価情勢は引き続き目を離せない、したがいまして金融引き締め政策の効果の浸透を一層図っていく必要があり、その効果の浸透状況をなお見守っていかなければならない、したがいまして当面利下げを検討する時期にはないということでございます。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 どうもありがとうございました。  大臣にお尋ね申し上げますが、時間が時間なものですから、時間があったらばもう一回金融に戻りますが、消費税の問題についてちょっと聞いておきたいと思うんです。  両院合同協議会が開かれまして、各党それぞれの意見が発表されて、その中で幾つか各党合意というものができ上がったわけでございます。政府は迅速かつ誠意を持って何か対応すると所信表明に書いてありましたけれども、そういう面から見ると、合意されたものだけでも平成三年度の税制改正に盛り込まれるべきじゃなかったのかというように私は思っているんですが、そういう考え方はなかったのでございましょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 長い経緯を申し上げるつもりは全くありませんけれども、私どもとして両院合同協議会から、構成する各党の御意見がまとまり政府に対してこの部分についての早急な改正をという御指示をいまだ得ておらないという事実をまず申し上げたいと存じます。また、昨年の十二月十四日の協議会、十七日の幹事会において決せられたと聞いておりますことは、引き続き協議を継続するということであったというふうに私どもはお知らせをいただいております。  引き続き、私どもとしては建設的、具体的な合意が得られることを期待しながらその御協議の状況というものを見守っているわけでありまして、その結論をちょうだいいたしますならば、それに沿って誠実かつ迅速に対応していこうという決意に変わりはございません。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 もう一つお尋ねしますが、現行の消費税については、政府・与党も各党もこれでいいんだという認識にはなっていないわけですね。それぞれ見直し法案とか欠陥とかいう言葉が使われておりますが、今大臣の対応の姿勢を聞いておりますと、現行の消費税はお互いがこれではよくないよという認識で一致しているわけですから、これからも引き続き協議をするということになっているので、そこで協議ができて何らかの合意ができれば早急に対応するというように承ってよろしゅうございますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 政府自身も昨年消費税を見直した上でその時点における見直し法案というものを提出させていただいたわけでありまして、分娩費等に代表されるどこの党も御異論のない、私どもも医療保険制度と税制のはざまにあって仕切るべき対応に今となりまして反省しておる部分があることも事実でありまして、これを全く否定いたしませんが、ただ、政府の立場からいたしますと、合同協議会ができまして両院の御意思によってその方向を決めるという方針が院から示されました以上、我々がそれを無視して勝手に院の意思をそんたくして行動する自由を持っておらないわけであります。  それだけに、我々としては両院の合同協議会が消費税の存続ということを前提に論議が進むことを心から願っておりますけれども、そうした方向の上で建設的な御意見がちょうだいできれば、これは早急に当然実施に移すべく誠実、迅速な対応をすべきものと、そのように心得ておるということであります。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 何が建設的な意見か、みんな建設的な意見だと私は思っているのですが、橋本さんから見れば建設的でないのかもしれませんけれども、みんな建設的な意見だと思うんです。  そこで、さっき言ったように、私が思うのは、政府税調の方にフォローアップ小委員会というのがございますが、あそこで述べられて一致したものと、合同協議会で各党が合意したものがありますね、益税問題とか。そういうものは政府の意思も国会の意思も一致しているんだから、政府がもっと積極的に取り上げて先に法案というものを別になぜ出せなかったのか、出したらいいんじゃないのかということが一点です。  それからもう一つは、逆進性の問題とかいろいろ問題があろうけれども、この国会中に両院合同協議会が開かれてそこで何かまとまるというのであればそれはそれなりに対応するということなのかということを聞いておりますので、ずばっと答えていただければ大変ありがたいのですが。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一点につきましては、私はやはり、合同協議会が生まれました以上、政府が政府税調の答申との関連において勝手にそれをそんたくして行動することは慎むべきものだと思います。  第二点目につきましては、まとめた結論をお示しいただきますなら我々は誠実、迅速に対応をいたすつもりであります。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 それはそれなりに理解はしました。  もう一つ大臣にお尋ねしておきますが、土地税制のことです。  先般の税制改正のときに、所得の格差というんでしょうか、高額所得者の税率というような問題をいじり、他方で消費税という問題が入ってきましたですね。ところが、最近土地の値段がべらぼうに上がっちゃっているものですから、例えば法人と個人の差が出てきますね。それから個人間でも、持っている者と持っていない者との格差が出ておりますね。そういう状況から見ると、公平感ということを重要視して前回とった税制改正というものは、今日から見ると逆な方向を私は歩んでいるんじゃないかと思うのですよ。  そう考えると、先見性の問題がちょっとおかしかったのじゃないかなというように見られるんですが、見解はどうでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員がお述べになりましたような見解というものが全く成立する余地がないとは私も思いません。そして、それはまさに土地を持つ方と持たない方、またその土地も東京を中心とした一部の地域に土地をお持ちの方とお持ちでない方、こういう分かれ方もすると思います。  さらにそれは、例えば東京とか関西圏、中京圏といった特に値上がりの激しい地域に、個人、法人を問わず、こうしたところに土地をお持ちの方とその他の地域に土地を持っておられる方、また持っておられない方、その間における資産の上における不公平というものが出てきたということは、決して私も否定をいたしません。そして、その点について御指摘があるなら、これは政府の一員として甘んじて受けとめなければならないと存じます。  にもかかわらず、私は、先般の税制改革の内容というものが基本的には国民の中にあった税に対する不公平感というものを相当程度に払拭したと考えております。非常に勤労所得者層に負担が偏っているという感じを強く与えておりました税制から変化をしたということは、私は大きな出来事だったんではないだろうかと思っておりますし、この土地に絡む部分を除きまして全体的に私は評価をいただいておると考えており、その方向が間違っているとは考えておりません。  ただ、土地政策における先見性のなさというものが税体系の中にも問題を持ち込んだという意味で、これは税制上の問題というよりも政府の土地政策についての御批判と受けとめるべきでありましょうし、その影響が税制の上にもあらわれておるという御指摘は、私は素直にちょうだいをしたいと思います。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 もう一つ土地税制でお伺いしますが、今回の地価税法案、あれを見たときにだれもが言っていることは、地価税はもう骨抜きになっちゃった、それから譲渡所得の方は課税が強化されるというようにみんな見ているんです。したがって、この税制という問題から考えて、一番我々が重要視しておった土地の供給という問題があります。土地の放出でもいいです。それがこの税制のために結果としてできなくなっちゃったんじゃないか、そういう見方をしている人もございますけれども、これに対する見解はいかがですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員の御指摘でありますけれども、私は必ずしもそういう見解が正しいものだとは考えておりません。  と申しますよりも、私は、地価税だけによって土地政策を動かすということはもともと無理だ、税は大事なものではあるけれども土地政策の本来の主役ではないということを申し上げてまいりました。そして、近年の地価高騰の中におきまして確かにいろいろな問題があったことは、決して私も否定をいたしません。そして、その中で土地神話というものを砕かなければならないという大目的がありましたことも、そのとおりであります。そうした中から、土地の保有というものについて資産価値に応じた税負担を求めることが土地の有利性を縮減するために必要であるということから、この地価税というものを創設することに私どもは踏み切ったわけであります。  今度の土地税制の改革の中には、地価税の導入、固定資産税の評価の適正化、均衡化、また譲渡課税の負担の適正化、さらに農地課税の見直しなど、保有、譲渡、取得の各段階にわたりまして統合的かつ抜本的な見直しを含んでおります。  さらに、今回の対応策というものは税だけではありませんで、一月二十五日に閣議決定をいたしました総合土地政策推進要綱に示しておりますようなさまざまな施策も相まって、私は、これら全体が一つとなりまして、土地というものの資産としての有利性を縮減する、また有効利用を促進する、仮需を抑制する、住宅地の供給促進等が図られる、その結果として地価が抑制され低下につながっていくものと理解をいたしております。  私どもとしては、これらの諸施策が一本となりまして、土地に対する負担の適正、公平という問題についての答えが出されると同時に、資産格差の是正というものにも有効に働いてくれることを願っておるわけであります。

鈴木和美日本社会党・護憲共同

○鈴木和美君 もう時間が参りましたので、私はさっきの金融の問題、自分の意見だけを述べておきますから、ぜひお考えいただきたいと思うんです。  日本の金融制度というものが現状のままでいいというように私は思っていないんですが、金融制度調査会の報告によりますと、五つの方式を挙げて、業態別子会社が一番いいというように大蔵省が何か御指導なさっているように聞いておるんですが、この方式をとっていくと、大きいところは大きいところなりにうまくいくかもしらぬけれども、第二地銀とか信金とか信用組合とかというようなところが、吸収合併ということに耐えられないまま、もうあしたどうしたらいいのかというような、そういう不安というものを今大変感じている状況にあると思うんです。  それから、金融制度を見ると、銀行と証券の垣根争いとか利害関係とかというのばかり報道されておって、一番の目的である利用者とか国民とかそういう観点が忘れられちゃった議論がいつも報道されるということは、私は遺憾なことだと思うんです。したがって、一番大切な利用者とか預金者保護とか、それから第二地銀とか信金とか信用組合とか、そういう地方で今までなじんできた人たちが生き延びられるような適切な指導を行っていただきたいと思う次第でございます。  ちょうど時間が来ましたので、いずれまた法案が出てきたときとか別なときに議論させていただきたいと思いますが、どうか今の点は御考慮いただきたいと思います。  以上で質問を終わります。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 クウェートからの条件つき撤退を表明いたしましたイラク革命評議会の声明につきまして、ソ連は最初はこれを評価したんですけれども、その後満足すべきものでないということでトーンダウンをしてきております。一方、ブッシュ米大統領を初め多国籍軍側は無条件撤退でなければ交渉には応じられないということで、拒否の姿勢で戦争を継続しております。状況が新しい展開を示しておるということは確かだと思いますが、我々はこの機会に何としてもイラク軍のクウェートからの撤退、そして停戦を実現するように心から願うものであります。  しかし、実際に停戦に動くのかあるいは多国籍軍の地上戦に突入という非常に悪い事態になるのか、この点につきましては、先ほど大蔵大臣もお触れになりました日本時間のきょう午後行われますゴルバチョフ大統領とアジズ・イラク外相の会談の結果の後の展開を待たなければならないというふうに思います。  先ほどこの声明についての大蔵大臣の見解はお聞きいたしましたけれども、そこで私が聞きたいのは、湾岸戦争が日本経済に一体どういう影響を与えつつあるかという問題でございます。  先日の大蔵大臣の所信表明の中でも「湾岸情勢という不透明な要素はある」という一言はございますけれども、どうもこの所信表明の中から湾岸情勢についての判断はうかがえない。強いて言えば、ごく短期に終わって大して影響はないという判断ではないかというふうに私は推測をいたします。  しかし、例えば中東向けのプラント輸出が大きく減少しているとか、あるいは自動車メーカーが米国向けの輸出を削減し始めて、設備投資削減計画の下方修正をやり出しているというふうな動きもあるわけでございまして、影響は既にじわじわと出てきているという見方もできるわけで、もし湾岸戦争が長期化するということになれば、これはもう大変な影響だと思います。その点をどうお考えになるのか。また、そういう非常に激変要素のある今の情勢の中で大蔵大臣として経済運営、財政運営についてどういう心組みで臨まれるおつもりなのか、その点もお聞きしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員から大変本質的な点についての御指摘をいただいたわけでありますが、八月二日のイラクのクウェート侵攻以来、正直申しまして私は事態を楽観したことが一度もございませんでした。一番和平の機運が浮かんでいると言われた時期でも、実は私は半分以上戦闘に突っ込むんではないかという観測を持ち続けておりました。今も、今夕からのソ連とイラクの接触の中で和平に向かってくれるのかどうか確信が持てないままに、本当に祈るような思いであります。  しかし、こうした中におきましても、所信表明でも申し上げましたように、日本の経済それ自体は設備投資と個人消費を両輪として内需を中心にして自律的な拡大というものを続けてまいりましたし、今日も続けております。そして、先ほど日銀当局からも日銀の見方が公表されましたけれども、またさまざまな民間機関が想定されていろいろな試算を公表しておられるわけでありますが、この湾岸情勢の動向そのものが不確定でありますために一定の仮定を置いた試算しか出されておらないというのが現実であります。  ただ、少なくとも間違いなしに私どもが申し上げられること、それは、過去二回の石油危機というものを経験してきた日本がその後の努力の中におきまして石油依存度というものを大幅に低下させてきていること、同時に現在百四十二日分の石油備蓄を有しておることが非常に国民の中にも安心を持ってこの事態を眺める余裕を持たせていること、こうしたことを考えてまいりますと、過去の二回の石油ショックに比べて小さな影響にとどまる公算は私は大きいと考えております。また、実は開戦直後に一時期瞬間的に原油価格が上昇気配を見せましたが、最近、湾岸危機発生前に近い水準で原油価格が動いておりますことも注目すべき点であると考えております。  こうしたことを考えてまいりますと、まず第一に一日も早く本当に平和が戻ってもらわなければならないということはもちろんでありますけれども、不安定要因を計算に入れましても、なお私は日本経済は非常に底がたいものがある。同時に、今後の推移によりまして日本の経済が非常に急激なショックを受けるような状態というのは、実は原油を生産しない低中所得国にとっては本当に命を絶たれるような経済情勢になることを意味するわけでありますから、むしろそうした事態にならない努力とともに、先進七カ国を中心とした各国の財政当局、また金融当局というものができる限り従来以上に密接な連携をとりながら国際経済に対しての対応を進めていく必要がある、そのように私は考えております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 多国籍軍に対する九十億ドルの追加支援の財源措置につきまして、政府は当初の九十億ドル分全額を増税によって賄うという方針を大きく転換しまして、防衛費を含む五千億円規模の歳出削減などの案を我々に提示いたしました。我々公明党・国民会議としては、この政府の転換を評価いたしまして、九十億ドル支援を中心とする第二次補正予算案に賛成する方針を決めました。  我々が九十億ドル追加支援をやむなしとしております理由は、まず、戦争反対の平和支持は堅持しつつも、同時に国連を軸とした湾岸の平和回復のための国際貢献は必要だという判断に基づくものであります。  我々は、基本的には今回の多国籍軍の武力行使は国連決議に基づくものだという認識を持っております。その点は、デクエヤル国連事務総長の言明からも明らかだと思います。しかも、国連決議六百七十八号は、すべての国がこの決議を履行するためにとられる行動に対する支援を要請すると言っております。したがって、九十億ドル支援はこの国連の要請にこたえるものであって、その前提で湾岸平和基金に拠出するというふうに考えておるわけでございます。  しかし、全額増税で賄うということは到底容認できないということで、この点を強く主張してまいりましたところ、政府もほぼ全面的に我々の主張を受け入れて五千億円に上る歳出削減、増税の圧縮などに踏み切ったもので、我々はこれを評価するものであります。しかし、十五日に政府が示した新たな修正案、財源措置の内容につきましてはなお不明確な点もありますので、その点について二、三質問したいと思います。  第一は、政府の歳出削減案によりますと、平成三年度予算の防衛関係費約一千億円を減額するというふうになっております。しかし、これには「国庫債務負担行為に係る平成四年度以降の支出予定額も含む」というふうになっております。防衛庁の説明によりますと、この一千億円削減は歳出ベースではなくて事業費ベースであるということで、九二年度以降数年間で支払う予定分を含んでいるということでございます。ところが、正面装備の調達費などは国庫債務負担行為がついておりますから、実際には平成三年度予算の歳出削減額は契約の頭金に当たる十億円程度だというふうにも言われております。  そこでお聞きしたいのは、事業費ベースの今回の一千億削減というのは今後後年度の予算ベースで復活されるという可能性がないかどうか。つまり、平成四年度以降の予算に上乗せして復活するということはあり得ないと考えていいのか。と申しますのは、五年間の防衛費総額を決めております新中期防衛力整備計画は修正しないと同時に政府は言っておられるわけですが、そうなると、理屈の上では今回の削減分が新中期防衛計画の期間中に後で復活する可能性が残されておるというふうにも見られるわけで、その点はいかがでございましょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員から御指摘をいただきました防衛関係費につきましては、今回の措置によりまして契約ベースで一千億円以上の削減になります。この結果、当初政府案に比べまして今後四年間で支出されていくはずの経費は、平成三年度の予算編成という時点で考えてみますと、現実に一千億円以上減額をされるということになります。  今御指摘がありましたように、歳出予算としての十億円という御指摘はそのとおりでありますが、内容的には後年度におきまして今申し上げたような数字に相なります。  中期防との絡みで御指摘がございましたけれども、この計画というものは五年間の事業と総額の限度として定められているものでありまして、実施に当たりましては、各年度の予算の編成に際し、そのときどきの事情を勘案した上で精査を行い、一層の効率化、合理化に努めてまいりまして、極力経費を節減、抑制するように努力しながら決定されるものでありますし、新しい中期防そのものの中におきまして、三年後にはその時点における国際情勢、技術的水準の動向、経済財政事情等内外諸情勢を勘案し、この計画に定める所要経費の総額の範囲内において必要に応じ計画の修正を行うとしております。  こういう状態を想定して考えたものではございませんけれども、総額の範囲内においてということは、計画は見直して縮小することあり得べしということを組み込んでおるわけでありまして、委員の御心配を煩わせるようなことにはならない、私はそう考えております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 次に質問いたしたいことは、たばこ臨時特別税の取りやめ、石油税、法人税の臨時特別税の増額幅の圧縮、これによって当初の案よりもどれだけ減収になるのか、それから今回の修正案による増税額は結局幾らになるのか、各税目及び総額について見積もりをお聞きしたいと思います。  また、石油臨時特別税は現行石油税の五割相当額ということになっておりますが、この分は最終的には消費者価格、小売価格への転嫁はやむを得ないというふうに政府は考えておられるのか、それともこの程度のものは石油関係業界の内部努力によって吸収できるというふうに考えておられるのか、その点もお聞きしたいと思います。  また、法人臨時特別税は法人税額のうち三百万円を超える部分について二・五%の税率で課税するというふうになっております。当初案において大蔵省では、大体課税所得七、八百万円以下のものに、つまり利益のある中小企業の大体三分の二はこの税金はかからないというお話でございましたけれども、修正案の場合には中小企業について大体どういうことになるのか、この点も御説明願いたいと思います。

尾崎護大蔵省主税局長

○政府委員(尾崎護君) 計数につきましてなお整理中でございまして、精査の結果異動を生ずることもあり得るということで、百億円単位で申し上げたいと存じます。  当初の増収見込みは一兆一千九百億円と考えておりました。今回それを六千七百億円としておりまして、五千二百億円の税収の減と相なります。  個別に申し上げます。  法人臨時特別税につきましては、当初案は五千九百億円と見込んでおりましたが、今回四千四百億円と見込まれます。差し引き減は千五百億円でございます。それから石油の臨時特別税、当初四千六百億円と見込んでおりましたが、今回その半分の二千三百億円となります。減収額二千三百億円でございます。たばこの臨時特別税は、御承知のとおり当初千四百億円と見込んでおりましたが、これは取りやめといたしますので、減収額が一千四百億円ということになります。  石油臨時特別税につきまして転嫁についてのお尋ねがございましたが、これは間接税でございま すので当然転嫁されるものというように考えております。あわせまして、便乗値上げなどのないよう、しかし転嫁は適切に行われますよう、閣議了解の中でも触れられているところでございます。  それから、特別法人税の修正案は税額に対しまして税率二・五%で課税するわけでございますが、その際に基礎控除がございまして、当初二百万円というのを今回三百万円といたしております。御指摘のとおり当初二百万円で所得に換算いたしまして七百万から八百万の間ぐらいでございましたが、今回の三百万でこれが所得換算で約一千万ということに相なります。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 次の質問ですけれども、今回の修正案によりますと、平成三年度以降の財源措置のためにつなぎの臨時短期国債を発行する、そういうことが書いてございます。そうなりますと、つなぎのこの短期国債の発行額は結局幾らになるんですか。さっきは御答弁がございませんでした。  また、短期国債をどのようなタイミングで発行されるのか、全部市中で消化されるということになるのか、増税によるつなぎ国債の償還は何年間で行うのか、また、臨時増税の税収はさきの方針どおり国債整理基金特別会計に直入するという方針を引き続き続けるのか。  さらに、一兆一千七百億円の資金調達を全額臨時のつなぎ短期国債で賄うというのが当初案でございましたけれども、その場合には、今のような金融引き締めの状況のもとでそれだけの債券を市中で消化することになれば民間の資金を圧迫する、そうしてクラウディングアウトのような状況が起こる可能性があるというふうな経済専門家の指摘もございました。今度の場合にそういう民間の資金を甚だしく圧迫するというふうなことは避けられるのかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。

篠沢恭助大蔵省理財局長

○政府委員(篠沢恭助君) ただいま先生から平成三年度の財源措置というお言葉がございましたが、今回つなぎ国債を出しますのは、当然のことながら、平成二年度中にこの追加支援というものの支払いが行われていくであろうということに対して、まずさしあたりその財源を確保するために発行するわけでございます。その発行額は、平成二年度中に一部歳出削減あるいは税外収入の確保等がございますから、その分を差し引きました九千七百億円でございます。つなぎ国債の総発行額は九千七百億円を予定しております。  まずその消化の仕方でございますが、これは先般来大蔵大臣が御答弁申し上げておりますように、全額市中公募入札の方法によって発行することが適当であると考えております。  それから、発行のタイミングでございますけれども、法案の成立後、金融資本市場の状況を見ながら早期に発行したいと考えておりまして、九千七百億円ということでございますとかなり大きなロットでございますが、これを一度に出すのかあるいは若干分割をした形で消化をするかということ、それからまた、法案の成立後ということで検討させていただきますが、年度末に差しかかりますので、その辺の金融情勢全般を検討いたしますと、先ほど主計局次長からお答えしましたように若干次の年度の初め、つまり二年度にとっては出納整理期間ということになろうかと思いますが、その期間というものを活用させていただくようなことが必要になろうか。その辺のところ全般は状況を見定めながら決定をさせていただきたいというふうに考えております。  それから、償還を何年でするかというお尋ねがございましたが、この償還は、平成三年度あるいは四年度あたりがほとんどこの償還になるわけでございますが、たまたまこのつなぎ国債を償還いたします財源措置の中で、先ほど先生から御指摘のございました国庫債務負担行為の減額等が実現されてくる分は平成六年度まで必要になるわけでございますので、それを前提といたしますと、つなぎ国債の全部の償還というものが終わりますのは最終的には平成六年度までには可能であろうというふうに考えておるわけでございます。これは、ごく一部分だけそういうふうに長く続くというふうにお考えいただきたいと思います。  それから最後に、市中消化だと民間の資金需要を圧迫することにならないかというお尋ねでございましたが、ただいま詳しくは申しませんが、先生御承知のとおり、現在我が国の短期金融市場は非常に規模が大きなものになっております。これまでの短期金融市場の需給状況から見ますと、発行時期あるいは発行方法等に配慮いたしますれば円滑な消化が可能と思っておりまして、さして大きな影響を与えるということにはならないと思います。ただ、先ほど申しましたように、時期的に年度末等の資金繁忙の時期にも重なりますので、その辺の状況全般、悪影響が生じないように万全を期して判断をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 景気見通しあるいは公定歩合の引き下げ問題というふうなことについてもお聞きしたいと思っておったのですけれども、先ほど日銀から詳しい説明がございましたので繰り返しませんが、一つお聞きしたいのは、今の景気判断については政府も日銀と大体同じなのかどうか、それから公定歩合の引き下げについても、まだ今の時期は金融引き締めを緩和すべき時期ではないというふうな日銀の見解と大体同じなのかどうか、その辺について、どなたでも結構ですから、まとめてお答え願いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど日銀当局から述べられました考え方とおおむね差異はないものと、そのように心得ております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 さて、湾岸戦争が幸いに早期に終結するということになった場合に、中東諸国への復興援助問題というのが非常に大きくクローズアップされてくるだろうと思うんです。総理もその問題について既に言及をされておりますけれども、我々もそれはもう一生懸命やらなきゃいかぬというふうに考えておるわけでございます。  これまでエジプト、ヨルダンといった周辺国援助に中心的な役割を果たしてきました湾岸危機資金支援調整グループ、これを拡充発展させる案が日米欧各国の間で浮上してきている。そしてベーカー米国務長官は、中東復興銀行構想というふうなことも唱えられておるというふうな報道もございます。  政府もポスト湾岸には積極的に関与していくという姿勢だろうと思うんですけれども、この戦後復興というふうな問題について、アメリカは今大変な財政赤字であるというふうな状況から見て、実際にはどうしても日本とかドイツというふうなところに資金の多くの部分を要求されるというふうな事態が十分考えられるんではないかというふうに思うんです。しかもドイツの場合には東欧あるいは東独という一つの荷物があるというふうなことから、日本がやっぱり一番中心になるというふうなことも覚悟していかなければならないんではないかと思うんですけれども、経済援助のこれからの展開、その辺について大蔵大臣はどういうふうに考えておられるのか、また日本の財政事情から見てどの程度が負担できると考えておられるのか、お答えを願いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これはまだ政府部内におきまして論議を尽くした問題ではありませんし、また大蔵省そのものにおきましても内部の意見が取りまとめられているという状況にはございません。そうした状態でありますので、あくまで私見として意見を申し述べることをお許しいただきたいと思います。  私は、今委員が御指摘になりましたように、ドイツがソ連に対する経済援助までも含めて非常に大きな負担を既に行っている情勢の中で、今後早急に中東に平和が戻りました段階におきましてドイツ一国としてそう大きな支援のできる状況にあるとは必ずしも思えません。しかし、これは恐らくまたECという枠組みの中から突出することもなかなか困難であろうと思います。そうした中におきまして、日本の役割が当然大きなものになるであろうということは想像にかたくないわけでありますし、また我々はそれだけの努力をしていかなければならないとも考えております。  ただ、それを前提にして、今さまざまな構想が打ち上げられておりますけれども、私は、恐らく平和が回復した直後からその作業は動き始めるであろう、その場合に新たな枠組みをつくり直している時間があるだろうか、率直にそう感じております。  となりますと、やはりIMF、世銀といった既にあります国際機関というものを中心にこの作業に当たることが即効性があり現実味を持つものである、私はそのような感じは個人的には持っておりまして、今後政府部内におきましてこの点についての論議をいたす場合に、こうした点も私個人としては述べてみたい。また、事務方の諸君との間で意見を交わしていく段階におきましても、私は、早く対応するということが必要であればIMF、世銀といった既にある国際機関を活用してどこまでやれるかということをまず考えてみたい、そのように考えております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 もう一分しかありませんけれども、税金の問題などはまた別の機会にどうせゆっくりやれると思いますので割愛をいたしまして、金利の自由化の問題について一言だけお聞きしたいと思います。  先日開かれました日米金融協議で四月からの定期性預金金利の自由化をアメリカは去年と同じように強く迫ったというふうなことが言われております。日本はとても応じられないということだったと思うんですが、これと関連があると思うんですが、アメリカの議会の上下両院に日本を標的とした金融報復法案も提出されてきている、今度はあるいは成立するかもしれぬというふうなことが言われておる。  こういうふうに対米関係の金融摩擦というものはかなりシビアになってきているというふうに見ざるを得ないんですけれども、そういうことが金利の自由化のスケジュールを早めることになるのか、それとも定期性預金の金利の自由化あるいはそれに続く流動性預金の自由化というような問題は今まで言われていたようなスケジュールどおりに進むことになるのか、その点をひとつ、銀行局長ですか、お答え願いたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○政府委員(土田正顕君) 預金金利の自由化につきましては、委員御高承のように、昭和六十年に大口の定期性預金の自由化に着手しまして以来、順次、秩序を保ちながら、我が国の金融環境にふさわしい手順によりまして信用秩序の維持に配意しながら進めてまいっておるところでございます。  小口預金金利の自由化につきましては、殊にその定期性預金につきまして、昨年六月以来、今後三年間程度の期間内に自由化の定着状況などを見きわめながら定期性預金金利の完全自由化を図るべく努力するというようなことを最終目標にいたしまして、当面の自由化のスケジュールを公表しております。また、流動性預金の金利自由化についても研究中でございます。  このような状況の中で、先般日米の金融協議におきまして、米国から委員御指摘のような早期に日本の預金金利の完全自由化を実現するように要求はございましたが、これに対しましては、我が方から、預金金利の自由化はあくまでみずからの意思で、我が国の金融環境を踏まえて、自由化に伴う混乱を招かないように環境整備を図りながら着実に進めていく考え方を表明したところでございます。今後とも中小金融機関の自由化への対応その他国内にいろいろな我々として注目していかなければならない課題がございます。  他方、日米間の協議もなお続くことかと思われますが、この両面の要素も見比べながら主体的に着実に進めてまいりたいと考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 大蔵大臣に質問します。  湾岸問題について、日本は和平のイニシアチブをとるべきだったと思います。その基本はクウェートからイラクが撤退することで、その上でパレスチナ問題を含む中東の国際会議を開く。この点については、これはフランスの提案でありますけれども、海部総理も賛意を示されておるんですが、しかし、結果的にイニシアチブを全然とれないまま、むしろアメリカに追随する形で来てしまった。極めて残念です。  これからが質問です。  まず第一は、既に支出された二十億ドル、それから追加支援の九十億ドル、これは全部戦費ではないか。この九十億ドルについては、二月十四日の衆議院予算委員会で我が党の東中議員が明らかにしましたけれども、「砂漠のあらし」作戦に使用されたものである。これはアメリカ予算歳出法に明記されております。そういう額も結局アメリカの要求によって決まってきたのではないか。そういう意味で私は追随だと言うんですが、どうでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 日本政府は、湾岸における平和回復活動に対する協力のために湾岸平和基金に拠出をいたします。アメリカ政府に拠出をするわけではございません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 実質的にどうかについてはまた後で聞きますが、この二十億ドルにつきましてアメリカのフィッツウォーター大統領報道官が二月十三日に八月から十二月までの作戦に関する同盟国の戦費負担の結果を発表しておりますが、その中身は御存じでしょうか。  時間がないのでこちらで指摘をしてしまいますと、これは全部戦費で、その戦費のうち日本は十七億ドル、アメリカは十四億ドル、同盟国の分担の七〇%が既に現金で支出されているというような指摘がありますけれども、結局、日本から既に二十億ドルは全部、まだ未提出分もあるようですけれども、戦費に使われている、こういう指摘についてはどうですか。ちゃんと最近発表しているんですがね。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 先ほど大蔵大臣から御答弁申し上げましたように、既に決定されております二十億ドルの使途につきましては主としてGCCに拠出されております。  その二十億ドルがどう使われたかということでございますが、我々が受け取っております報告では、まず最初の予備費で手当てをいたしました十億ドル、日本円にいたしまして千三百七十億円でございますが、政府が民間航空機、船舶を借り上げ輸送協力を行うための経費として百十八億円、医療団の緊急派遣体制の整備として二十三億円、残りました千二百二十九億円は、先ほど申しましたように湾岸平和基金へ拠出いたしております。合計千三百七十億円でございます。  その後、先般の補正予算で十億ドルの手当てをしていただきました、日本円にして千三百億円でございますが、これは全額資金協力及び物資協力に充てるためのものとして湾岸平和基金に拠出いたしております。  結局、湾岸平和基金への拠出金は合計いたしますと二千五百二十九億円でございますが、それはすべてもう基金に対して拠出済みでございまして、基金の方ではこの拠出済み額の約三分の二を支出ないし契約済みとしておるというふうに報告を受けております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 湾岸平和基金に拠出をされた、アメリカに対してではない。これは形式です。実質は、中心であるアメリカ軍への拠出である。  それから、日本が独自に決定した。それはそうでしょう。独立国ですから、決定権は日本にあるのは当たり前で、最終的に日本が決定したのは当然で、私はそこは疑っていません。そうなったらおしまいですからそうは言っておりませんけれども、問題は、アメリカからの要求に基づき、アメリカの要求に沿って決めたのではないか。これは衆議院の予算委員会でも積算根拠について聞かれましたね。具体的に言えないのは、結局アメリカからの要求によって額が決まったからです。  そこでお聞きしたいのは、アメリカからどのような要求があったのか。これは答弁拒否できないです。だって、あなたはその交渉の当事者だから、答弁する義務があると思います。いかがですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員の御指摘は、どの部分についてでありましょうか。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 二十億ドル及び九十億ドル、すべてです。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 一番最初に予備費で支出を決定いたしました十億ドルは、私は交渉の当事者では全くございません。  補正予算でお願いをし、御了承を得まして支出をいたしました二度目の十億ドルは、たしか九月の七日ごろであったと思いますけれども、ちょっと正式な日時は今思い出せませんが、アメリカ大統領の特使としてブレイディ財務長官が訪日をされました際、総理、外務大臣、そして私、それぞれと個別会談をいたしました。そしてその中において、周辺国支援とあわせ多国籍軍に対する資金協力の要請がありましたことは事実であります。  また、今回決定をいたしました九十億ドルについては、私はブレイディ財務長官に、ことしの一月二十日であったと思いますが、G7を前にしてお目にかかりましたときに、確かに協力の要請を受けました。そして、相応の協力を惜しまない旨の発言もいたしました。しかしその数字は、その場で出たとよく言われますけれども、当時アメリカに戦費についての見積もりが存在しなかったことをお考えいただければ、その席上でアメリカ側が特定の数字を提示できる状況になかったことは御理解がいただけることであると思います。  各国の状況等々を踏まえながら、私はその感触というものは確かに日本に帰りましてから総理にお伝えをし、さらに政府・与党首脳会議で議論をいたしましたが、最終的に総理の決断によって九十億ドルというものの支出を決定いたしました。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は具体的証拠で申し上げます。  これは九月十七日の読売の夕刊であります。ブレイディ長官が九月十六日、ABCテレビでインタビューをされました。九月七日に訪日、外務大臣、大蔵大臣と相次いで会談した際、それまで日本政府が決めていた十億ドルでは不十分だ、あくまで四十億ドル、借款も含めてでしょう、に増額するよう具体的数字を挙げて迫った、十四日にあっさり満額回答があった、要求した額は少な過ぎるのかもしれない、ちゃんとインタビューでこう答えております。  それから、これは最近でありますけれども、二月七日、ブレイディ財務長官がアメリカの下院予算委員会で証言いたしまして、アメリカ軍中心の多国籍軍への日本の戦費分担はアメリカが九十億ドルを要請し日本がこれを了承したものであると、これ明らかになっておるんですね。アメリカの国会の証言というのは、日本の国会でもそうあってしかるべきだと思うけれども、なかなかうそをつけないところのようですね。  そこで、こういう証言が出ている以上、文字どおり、特に一番大きな九十億ドルについて、合わせて百億ドルについては交渉の当事者ですからね……

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 合わせて百というのは……

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 だから、十億ドルと九十億ドル、あなたが交渉したのでしょう。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私が交渉したんじゃないと先ほど申し上げたでしょう。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 では、九十億ドルでいいですよ。文字どおりこういう証言があるんです。これを前提としてお答えいただきたいと思うんです。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) アメリカの報道あるいは議会証言等によりますもので、私の考えを申し上げたことを補強いたしますならば、何日でありましたか正確な日時は今覚えておりませんけれども、私が帰国をいたしまして、今委員から御指摘のありました九十億ドルという数字を総理が決断をされました後、海部総理は直ちにブッシュ大統領に電話で日本政府の意思をお伝えになりました。その直後にアメリカ大統領のフィッツウォーター報道官が正式に記者会見で述べておられますのは、日本からの九十億ドルの多国籍軍に対する資金協力の意図表明に対して感謝するという趣旨でありまして、九十億ドルという数字は、その大統領報道官の発言の中にもありますように、海部総理が決断をされてアメリカ合衆国大統領に伝えた。しかも多国籍軍に対する資金協力とフィッツウォーター報道官自身が述べておりますことにも御注意をいただきたいと思いますが、そうした経緯で出てきたものであります。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は日本政府が決断したことは全然否定しておりません。そうでなかったら、これ属国だから。  しかし、その決断のもとになったのが文字どおりアメリカからの要求で、額も含めてそれに沿ったものではないかと。今の答弁でも、私の指摘、アメリカでの証言は否定されておりませんから、実質的にはこういう要求があり、これに基づいて、これを根拠として日本政府が決断し決定したものということは、これは私は否定できないんじゃないかと思います。  時間がもうあとわずかなんで、金融行政について簡単にお聞きをします。  住友銀行に対して異例の長期検査が行われましたので、その結果の要点と再発防止についてまず報告をいただきたい。  まとめて言っちゃいます。  金融機関に対する土地関係の総量規制が行われました。しかし、大きな抜け穴がありました。ノンバンクへのチェックができないために効果が上がっていない。また、あるいは在日外国銀行からノンバンク向け貸付額が急増しておるということとか、あるいはノンバンクが海外で起債をしているということで、大きなしり抜けがあるわけですね。その実態はどうなっているのか。特に上位二百社について調査をされておりますので、それを報告いただきたい。  もう一つ、最後の問題は、自民党の金融問題調査会で昨年十二月、ノンバンクの規制のために法改正を行うべきだと。大変結構なことだと私は評価をしております。しかし、なぜこれが立法化できなかったのか。今国会提出予定法案の中に入っていないので、これが見送られた事情、それを端的にお答えいただきたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○政府委員(土田正顕君) 簡潔にお答え申し上げます。  まず住友銀行に対する検査でございますが、これは昨年の九月二十五日、定例的な検査として着手いたしましたものであります。しかし、いろいろ深度ある検査を適当とする事情がございましたので、多少長期化いたしまして、二月十四日に主任検査官から公表いたしました。この公表の中でいろいろと留意いただくべき点についてもお伝えしたところでございますが、さらに正式には今後検査の示達ということによってお伝えすることになると思います。その内容は現在検討中でありますし、また個別金融機関に関する問題でございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。  ただ、一般論といたしましては、例えば不祥事件の再発防止策について、第一義的にはみずからの業務の健全かつ適切な運営のための努力というものに期待をいたしたいと存じます。当局といたしましても、一般論として今後いろいろと指導、検査の実施に努めてまいりたいと存じます。  次にノンバンクのお尋ねでございますが、これは土地問題の重要性にかんがみまして、ノンバンクが行っております土地関連融資につきましても、私ども金融機関を経由する間接的な方法で可能な限りその適正化を図るべく努めてまいりました。これにつきまして直接的にいろいろと調査をする方法はないかということも考えたのでございますが、現在の貸金業規制法の目的規定に照らしまして、そこまでは当面困難でございます。  したがいまして、上位二百社につきまして、昨年九月末の時点につきまして多少立ち入った担保別、業種別の残高の統計を作成することにつきまして自発的な御協力をお願いいたしまして、その統計も作成いたしましたが、まだこれは九月末一時点の統計でもあり、その内容、意味その他について現在分析中でございます。  最後に、自由民主党の金融問題調査会関係の提言につきまして御指摘がございましたが、現在のところ、このノンバンクにつきましてはいろいろな態様があり、その実態につきましてもただいま申しましたような調査を含めなおいろいろ研究すべき状況にございます。  ただ、今後のノンバンクのあり方についての検討について私どもは問題意識を持っておりまして、例えばことしの一月二十五日に総合土地政策推進要綱というものが閣議決定されたわけでございますが、そこでは次のように述べられております。「いわゆるノンバンクたる貸金業者の土地関連融資の実態を把握し、より実効ある指導を行えるような方策のあり方について検討する。」、このような趣旨を踏まえまして今後検討いたしたいと考えております。

高井和伸連合参議院

○高井和伸君 大蔵大臣にお尋ねします。  湾岸の平和協力基金としての九十億ドルの算出根拠については、今までの議論もございましたけれども、結局政府の算出根拠は、平和貢献のために国際的地位にふさわしい日本の貢献策として総合的判断で決めた、特に石油輸入の七割を頼っているというような中東地域の紛争であることを考慮に入れた、答弁でこういう算出根拠が言われている、このように私は理解しております。  アメリカの要求に従ったんじゃないかだとか戦費の三カ月分の二割だとかいろいろ言われているわけですが、それはさておいて、総合的に判断をしたならば、それはどういう要素を考慮して決めたのか。日本の国際社会における地位、そのメルクマールをどういったポイントに置いて九十億ドルを算出したのか。計量的に示していただければ一番いいんですが、その考え方をもう少し深く細かく、財政を預かる大蔵大臣の立場からの基本的な見解を伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは本院におきましても既に御論議が一部行われ、また衆議院において引き続いて論議が行われておりますけれども、私どもは日本の立場を総合的に勘案しその中で考えましたと申し上げ、それ以上に細かいどうこうということではないということを総理も申し上げてまいりました。  ただ、私自身が衆議院でちょっと例に引きましたのは、例えばドイツ、今ちょっと正確な資料を手元に持っておりませんけれども、同じように第二次世界大戦に敗れ、そしてその占領下において憲法あるいは基本法がつくられ、それぞれの国の軍事的な国際貢献というものに制約を受けている立場の類似性というものを考えた場合、日本と違いまして、ドイツは直接にまさにアメリカに対する戦費支援として五十五億ドルをこの湾岸の戦闘開始以来拠出を決定いたしました。イギリスに対しては五億四千万ドルであったと存じますけれども、やはり直接に資金協力を打ち出しております。この戦いが始まりましてから少なくともアメリカ及びイギリスに直接それぞれ五十五億ドル及び五億四千万ドルを拠出をいたしております。  しかも、日本は全く人的な派遣というものを行っておりませんが、ドイツはNATO軍としてのエリアの中ということでトルコには作戦機を送り、また対空ミサイル中隊を派遣するといった間接的な軍の移動というものを既に行っております。また、NATO軍としてNATO南欧軍の指揮下に入る予定のもとに掃海艇十一隻、また連邦軍として六隻を派遣いたし、そのほかにイスラエルに対しての武器供与等も行っておるわけでございます。  その場合に、日本の多国籍軍に対する資金協力の九十億ドルが多いか少ないか、これはさまざまな御論議がありましょうけれども、私はここまでの固定した数字を感触としてアメリカでとってきたわけではありませんが、金額についての相当程度の感触は得ておりました。ドイツのワイゲル大蔵大臣とお目にかかりましたりいろんなこともございましたから、そういう状況も頭の中にあったことは否定をいたしません。  また、平和回復活動の中における人的な支援として、多国籍軍に対する兵力の派遣ということとは別に、韓国、フィリピン、ポーランドなどの諸国は医療団として人的派遣をしておられます。日本はこれについても人的派遣をいたしておらないわけであります。  こうしたもろもろの状況を総合勘案をいたして総理が決断をされたものであります。

高井和伸連合参議院

○高井和伸君 数字的な裏づけとしてドイツなどの具体的な数字が参考資料になっているというようなお考えのようでございました。  財政当局としましては、またどこで国際紛争が起きて日本も国際的な地位に立ってそれに貢献しなければいけない、そのたびごとに税制を変えて増税をする、財源を捻出するというようなことを繰り返すようなことになりますと、国民の生活、安定した税収入というものが見込まれなくなるんじゃなかろうか、こういうふうに思うわけです。  そういったときに、私が特に心配するのは、今回の場合は石油資源という問題が非常に大きく日本の国民生活あるいは経済に関係してくるということでテーマになったわけです。そのほか鉱物資源の問題もあるでしょうし、それから食糧の問題もあるでしょうし、日本の輸出先の国情の問題もあるでしょうし、そういったいろんなファクターが出てくるたびごとに、日本は国際的地位に立って総合的に勘案すればこれこれの金になるというようなことを繰り返し政府当局が決定された場合、財政当局は大変いろんな面で御苦労が多くなるだろうと思うわけです。  私が知りたいのは、今回の場合は国連安保理の決議があってそれの実施という側面があるわけでございます。こういった安保理の決議あるいは国連の要請、そういったものが今後のこういった国際平和回復に貢献するための財源の支出の根拠になる一つであるということはわかると思うんですが、私の心配は、こういったそれぞれのときどきの総合的な判断だけでは国民もなかなかわかりにくくなる。例えばソビエトのバルト三国の独立の問題について何らかの貢献をしなきゃいかぬというときに日本はどれだけのお金を出さなきゃいけないのか、そういうようなことで際限なく広がっていくような気もいたします。  他方、日本の経済力というのはおのずから限定があり、先ほどまでの答弁にありましたように、その財源をどうするかということで大変御苦労なさる。いろんな問題がありますけれども、端的に大きく見た場合、そういったことを考えたときに日本の国際的地位をどのようにとらえるかという、もう少し静的な側面でお聞きしたいわけです。  このたびの大蔵大臣の所信表明の中にもございますように、G7に出ていった場合に日本の国力はどれぐらいの国であるという前提で交渉なさるのか、あるいは欧州復興開発銀行への加盟のために日本はどれぐらいの応分の負担をするのかという場合にどういったメルクマール、どういった基準で日本の国力をはかり、日本の実力というのでしょうか、そういったものをはかっているのか。財政の責任を持っておられる大蔵当局はどのように考えておられるのか。先ほどの御答弁は湾岸中心的な発想でございましたけれども、広く押しなべて国際紛争における日本国の平和回復活動にどういったスタンスで大蔵省は臨むか、大蔵大臣としてはどういう基本的な考えで臨むのか、そういったときのメルクマールは何であったか、このことを聞きたいわけです。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員からお尋ねをいただきました点は、正確なお答えをすることは極めて困難であります。と申しますのは、私自身が就任いたしましてから参加をいたしましたG7会合そのものを振り返りましても、そのときどきの日本の経済情勢等によりまして私どもの立場というものは非常に変わりが大きく出ておりました。  就任直後の一昨年の九月のG7、これは為替の状況も比較的安定をいたしておりましたし、日本の国内経済の実態、例えば証券市場その他も非常に安定をいたしておりました。そして、日本として大所高所論で臨める場でありました。むしろアメリカの財政状況に対して、ドイツの対応策と日本の対応策の違いがあったといったような会合の性格であります。  しかし、昨年の四月のパリのG7、これはまさに日本自身が日本の三市場共連れの値崩れの中で日本の為替の状況を安定させなければならない非常に追い詰められた状態で臨むG7でありました。そして、各国から集中砲火を浴びましたが、辛うじて協調の枠組みというものを維持し、その後為替の底支えをする上での足がかりが得られたという会合であります。  昨年の九月のG7は、湾岸の情勢を反映し、またソ連の経済情勢分析という大きなテーマを抱え、各国がその先行きに自信が持てないためにもう一歩踏み込んだ議論をしないで終わるというG7でありました。  そのときどきにおける状況によって私はその対応というものは変わると考えております。  ただ、そうした点を踏まえてお聞きをいただきたいのでありますが、私は日本がもっと日本独自の考え方というものを国際会議等の場において打ち出すことは必要であると思っております。そしてその場合に、日本が中心として役割を果たすべきものはアジアというものであろうと思っておりますし、そのアジアの声、考え方というものを例えばG7その他の場においていかに吸い上げ、伝え、実現に持っていくかということは、今後ともに我々の頭になければなりません。明らかに日本は第三次円借款というものを挟んで各国の対応と中国に対する対応には変わりを持っておりましたし、そして今日もなお閣僚の公式訪問をどこも行わない中、外交当局を越えて私自身が本年中国を訪問する決断をいたしましたのは、日本としてやはりなすべきことだと考えたからでございます。  しかし一方、例えば東ヨーロッパというものを考えます場合に、我々は地理的にもまた客観的な従来の交流からも比較的交流の薄い場所でありましたから、我々が主導権を持って行動することが地域の復興にベストとは必ずしも思いませんでした。そうした中において、日本としては、やはり日本が経済進出をたくらむといった疑念を生まないためにも、欧州復興開発銀行というものの中で欧州各国と同等以上の負担をする、しかし個別の国々に介入する意思はないということを表明していくことが必要であると考えておりましたし、事実そのように行動してまいりました。  このように、私どもが総合的に勘案と申します場合には、それぞれのテーマ、そのときどきの状況に応じてそれなりの要素を加え、あるいは引いて考えておるということだけは御理解をいただきたいと思います。

高井和伸連合参議院

○高井和伸君 もう時間がありませんが、今のようなお話、私の期待していたことと少しずれているような気もいたしましたけれども、基本的には日本のスタンス、考え方として総体的なスタンスで国際的な各国の情勢を見ながら応分の分担を日本がしていくというお考えのようであることはわかりました。そして、アジアを中心にやっていこうスタンスであることはわかりました。  日本がいろんな面で外国との平和的な関係を維持しなきゃいかぬときに、アメリカだけでのスタンスということに対して非常に今後は変えていかなきゃいけない時代が来つつあるんだろう。アメリカ覇権主義になるんじゃなかろうか、したがってアメリカ中心でいけば大丈夫だというような従前ありがちな日本の、財政面から見た場合でも同じですが、そういった面をアジアに向けていただくことを希望いたしまして、私の質問を終わります。

三治重信民社党・スポーツ・国民連合

○三治重信君 質問の順序を若干変えまして、先ほど同僚の質問にもあったわけですけれども、日米構造協議で金融資本市場の自由化という問題でアメリカがどこをねらっているのか、どうもはっきりしない。アメリカの金融機関を日本にもっと進出させるような機会を与えるというのか、日本の金融制度そのものをもっと自由化しろというのか、その点が私自身よくつかめておりません。  結局、日米構造協議で金融資本市場の自由化、国際化というものを大蔵省は熱心に取り上げられるが、今これからやろうとして残っている主な問題はどんなものなのか。その中で銀行と証券との境界を外せということが本当にできるのかどうか。またこれについてのいわゆる新規参入、今までのものはというと、銀行でも証券でも、今ある会社の統合とか中の業務の改善とかいうことが多くて、新しい外からの参入というものについての自由化というものがあるのかどうか。  それから日本の金融機関で、銀行と証券という大きな枠の相互乗り入れ、それから銀行にいろいろ今、普通銀行、長期信用銀行、外国為替銀行というような種別があるんですが、こういうのも全部外して一般的に何でもやれるようにしようということなのか、どういうメリットをアメリカがねらっているのか、こういうことについて簡潔な御説明を願えれば結構です。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員から日米金融協議に関連して幾つかの御質問がありました。これは事務的に出席した諸君から答えていただこうと思いますけれども、少なくとも私が知る限りにおきまして、アメリカは金融、証券の壁を取っ払えという議論はいたしておらないと思います。むしろアメリカが非常に強く求めておりますのは金利の自由化についてでありまして、これは非常にピッチを上げた要望を繰り返しておると承知をいたしております。  ただ、我々は逆にアメリカ自身がSアンドLを抱え、そうした状況を我々は見ている。そうすると、中小金融機関等の経営というものは、これが安定しないことには国民の利益にもつながらないことでありますから、その準備ができない中で幾らアメリカから要望がありましても、自分の国で現に失敗の例を抱えているような状態を日本にまで輸入することはできないということで物別れておるという状況にあることだけは私から御報告をいたし、あと事務的に補足をしてもらいます。

土田正顕大蔵省銀行局長

○政府委員(土田正顕君) ただいま御指摘のお話の中で最初に構造協議とおっしゃいましたけれども、金融面の問題につきましては、専門的な事柄に属しますので、日米構造協議の場ではなく、むしろ日米金融協議と申しますか、金融関係の実務家のワーキンググループにおいて協議を経ておるところでございます。  その中の最も大きな自由化の要求は預金金利の自由化に係るものであるということは、ただいま大臣から御説明を申し上げたとおりでございます。  それにつきましての我が方の態度は、これも大臣から御説明申し上げましたように、日本は日本なりに預金金利の自由化はあくまでみずからの意思で我が国の金融環境を踏まえて自由化に伴う混乱を招かないようにやっていきたい、すなわちそのための環境整備を図りながら着実に進めていきたい、そういう考えを表明したところでございますし、今後もその方針でまいりたいと思っております。  なお、そのほかに続いていわば銀行、証券の境目の問題とか、それからそういう既存の免許業種に係る金融、証券両業界以外のものからの新規参入の問題とかいうような問題について関心がございました。これは米国からの要求ということではなく、我が国におきまして昭和六十年以来銀行局におきましては金融制度調査会の御審議をお手伝いしながら研究を進めておるところであり、また証券局におきましても証券取引審議会の関連の審議を、これはやや後年度になりますが、昭和六十三年以来進めておるところでございます。  今後におきましても、両局それぞれに立場は異なりますが、我が方の銀行局といたしましては、利用者の利便、国際化、金融秩序の維持、そのような着眼点に留意いたしながら秩序正しく金融改革を進めていく、そのためにどのような方策があるかということにつきまして御検討をお願いしてまいりたいと存じております。  このような問題の関連で、米国その他の諸外国からの日本への進出の希望につきましては、これはもちろん両局とも国際化、国際性という観点を検討の重要な着眼点に置いておるわけでございますので、我が方といたしましても当然前向きに対応いたしたい。  ただ、外国制度との整合性がどの程度図られるかは今後の問題でございますし、また個別金融機関、証券会社の体力ないしは経営方針との関係がございますので、これが一義的に我が国の市場における金融機関や証券会社のシェアの問題での外国のシェアアップを意味するものではないというふうに考えてはおりますが、我が方といたしましては極力開かれた制度をつくってまいりたいと考えておる次第でございます。

三治重信民社党・スポーツ・国民連合

○三治重信君 日米の関係は金利の自由化が主だと、その他の制度的なのは日本独自の自由化、国際化の観点から審議会等で研究されておる、こういうことなんですが、まだはっきりしないのは、どういう目的というんですか、改善というものをねらっておられるのか、どうもそこが、現在の金融制度の合理化、金融機関の合理化だけか相互乗り入れだけか、それとも銀行、証券の相互乗り入れとか銀行相互の異種間の合併、いろいろの目的別の銀行、長期信用だとか外国為替銀行とかいうような別種のものが行われているが、そういうのは垣根を外すような関係で研究調査が行われておるのか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○政府委員(土田正顕君) 広い意味での金融制度の見直しにつきましては、これまで昭和六十年以来数回にわたりまして関係の審議会から、主として中間報告の形にとどまるものでございますけれども、御提言をいただいておりますが、なお検討を深めるために、現在、金融制度調査会、証券取引審議会において検討を続行中でございます。  金融制度調査会の問題意識といたしましては、我が国の金融制度はこれまで、一言で申しますと専門性に根差した分業制でそれぞれの金融機関が固有の業務範囲というものを、互いに重なり合いながらではございますが、専門的な業務範囲というものを持っておりまして、それぞれその長所を発揮することによって全体としての金融システムの効率化を目指すということであったわけでございますが、その後における経済環境の変化、さらには例えば具体的には金利の自由化とか新種金融商品の多様化、業務範囲の多様化、自由化、そのようなものが個別に幾多の懸案として続出するに至りまして、そのような個別の問題を一々議論をいたしますよりも総合的に金融制度のあり方を見直してはどうかということで、これまで毎年にわたりまして御議論をいただいておるわけでございます。  今後とも、その研究の深まりぐあいを見ながら、私どもといたしましても具体的な対応を考えてまいりたいと思います。

三治重信民社党・スポーツ・国民連合

○三治重信君 どうも聞いてもまだ具体的な改善の行動までには至っていないようですが、それでは次の問題に移ります。  同僚の質問で金利政策についての日銀の解明があったようですので、二重をかけての質問はやめますが、問題は、景気の回復とかいう問題もあるけれども、やはり日米のドル安円高、これの関係が非常に今後の日本の財政金融政策で、今まではどっちかというと日米の経済摩擦を解消するために円高ドル安で大筋は対処してきたと思うんですけれども、その間に随分日本も世界一の債権国になって、いわゆるドル債権を非常にたくさん持つようになっている。今後もえらい持つようになるだろう。  そこで、今までのようなドル安円高でやっていけば、毎年毎年貸したり過去に蓄積された日本の債権というものがどんどんどんどん価値が減っていくわけですよね。そういうものについての関連をどういうふうに考えた外国為替政策をやっていくのか。日米のドル安円高で対処するのは非常に簡単だと思うんですけれども、これだけ日本がドル債権をたくさん持っていくと、どうもそこでこのドルを、これが百十円だとかいうようなことが最近言われているわけなんですが、そんなふうに急激に円高ドル安を持っていくというと、短期的にはいいかもしれないけれども、長期的な日本の経済から見ると非常なマイナスになると思うんですが、この点はどう考えておられますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 過去数回のG7の中におきまして私が毎回必ず主張いたしておりますことの一つは、日米のみならず日米欧の三グループの通貨の安定について何かうまい考え方ができないだろうかという問題提起でございます。  私は、基本的に円が対米・対欧州通貨という関係でとらえましたときに、それぞれの国の経済実勢を考えましたときに、もう少し強くてもいいはずだ、そういう気持ちは率直に言って持っております。ただ、同時に我々が避けなければならないことは、急激なドル安というものは間違いなしに世界経済に大きな影響をもたらすことでありまして、これは避けなければならないということを申し続けてまいりました。そして、何とかいわば三極通貨の安定というものについての合理性、合目的性を持った仕組みができないかという問題提起がようやく各国の中にも少しずつ受け入れられ始めてきた状況である、そのように考えております。  委員が御指摘になりましたような視点も含め、我々としては、今後、円がドルとの関係のみならず、具体的には恐らくマルクになるでありましょうが、欧州通貨との間においても安定した水準が維持できる状態が生まれることを望み、その方向に向けて努力していく必要があろう、そのように考えております。

三治重信民社党・スポーツ・国民連合

○三治重信君 時間が来ましたが、ほんの一つだけ確かめておきたいんですが、湾岸支援の協力には湾岸平和基金に一括して支出をする、こういう答弁になっているわけなんです。  しかし、イラクの撤兵があった後の平和回復の問題、その復興資金になると、きょうの新聞でも海部さんは自民党の婦人部会の中で、それは九十億ドルを使う、足りなければまだ追加してもいい、こういうような回答をしておられるんですが、戦争が終わった後の平和回復の措置というものは湾岸基金でやるのはおかしいじゃないかと思うんです。またそれに、平和協力というと、ヨーロッパも世界ももっと入らないと、新しい基金というんですか新しい協力というものがないといかぬから、今の平和基金だけに拠出していくんだという考え方はちょっと再検討してもらわなきゃならぬかと思うんですが、その点はどうですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今回の湾岸平和基金に対します九十億ドルの資金拠出というもの、本院におけるたびたびの御指摘にもかかわらず、湾岸における平和の回復と安定のために拠出するものと申し上げてまいりましたとおりでありまして、その性格を変える必要はないと考えております。ただ、それでとどまるかどうかということになりますと、先ほども申し上げましたように、平和が回復いたしました後の仕組みについて今いろいろな論議がございます。  そして、大蔵省として決定をした意見ではございませんとお断りを申し上げました上で、私は、そんな仕組みをつくっているほどの時間のゆとりがあるのか、むしろIMFあるいは世銀といった既に存在する国際機関を活用しながらいかに速やかに対応するかを考えることが先ではないかという個人的見解を持っておりますが、いずれにいたしましても、今委員が御指摘になりましたような問題が現実の悩みとして私どもが論議をできる状況に本当に一分一秒でも早くなってもらいたいと、今祈るような思いであります。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 私はきょうも障害者及び福祉全体にかかわる大蔵行政について伺いたいと思います。  まず、厚生省に昨年三月二十六日に当委員会でも審議されました特別保健福祉事業資金について伺いますけれども、今年度の状況と来年度の見通しについて説明してください。

大塚義治厚生省大臣官房老人保健福祉部企画課長

○説明員(大塚義治君) 委員お尋ねの特別保健福祉事業でございますけれども、平成二年度、本年度におきましては七百五十億円の予算措置がされております。既におおむね半額を交付いたしておりますが、今年度中に七百五十億全額交付をする予定でございます。  あわせて平成三年度のお尋ねでございますが、平成三年度の政府予算案におきましてこの七百五十億円を百億円増額をいたしまして、総額八百五十億円で助成措置を講ずる予定でございます。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 その際にも問われていたことなんですが、一体いつまでこういう形での対応を続けるのかということなんですが、「当分ノ間」というのは老人保健、老人医療の本格的改革がなされるまでというような当時の厚生省の老人保健福祉部長の答弁があった。私はこの措置について賛成したわけなんですけれども、それは決して積極的なものではなくて、大臣も言われていたように、「政策接点のぎりぎりの選択の中からこういう方式を採用せざるを得なかった、」との判断から、こういうことで、それで私も賛成したわけなんですけれども、それから一年、二月八日でしたか、老人保健法の改正案が提出されました。今回の改正案はおよそ抜本的改革とは言えないと思います。  そこで伺いたいのですが、この一年の老人保健制度の基盤安定化の議論はどのように行われてきたのか。言いかえれば、どういう状態になれば安定化したと言えるのかということを伺いたい。いかがでしょうか。

大塚義治厚生省大臣官房老人保健福祉部企画課長

○説明員(大塚義治君) 老人保健制度の改正につきましては、一昨年の末にこの特別保健福祉事業の措置が予算段階で講じられたわけでございますけれども、その後、老人保健制度のあり方につきまして関係の審議会、具体的には老人保健審議会でございますが、関係審議会を中心に種々議論が重ねられてきたわけでございます。その過程では、例えば学者グループによります長期的な検討も含めましてさまざまな角度から御議論をちょうだいしたわけでございますが、昨年末の予算編成に当たりまして、今後の老人保健制度のあり方について老人保健審議会から御意見をちょうだいいたしました。そうした御意見を踏まえまして、予算編成過程を通じまして老人保健制度の改正案を取りまとめ、今国会に提出させていただいているところでございます。  改正案の内容につきましては御承知のとおりでございますけれども、介護につきまして総合的な体制づくりを進める、あわせまして老人保健制度の長期的安定を図るために公費負担の拡充及び一部負担の見直しを行うものでございますけれども、今回の検討の過程におきましても御指摘の特別保健福祉事業のあり方も含めて御議論を賜りましたが、被用者保険の拠出金負担の現状から見まして、引き続きこの特別保健福祉事業によりましてその負担軽減を図る必要があるものと判断をいたしまして、先ほど申し上げましたように、増額をいたした上で引き続き継続をするということにいたしたわけでございます。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 完全に明確化されるのは無理だとは思いますけれども、この問題はいずれ社労で審議されると思います。ただ、もっとオープンな議論が必要だと思います。厚生省だけで解決できる問題ではないわけですから、広く国民、政府、国会が一緒に考えるような環境づくりをしてほしいと思います。この問題について、大臣、何か思うことがございましたら一言。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 特に思うことはございません。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 厚生省は結構です。  では次に、文部省に税の教育についてちょっと伺いますけれども、現在、学校において税についてどのような形で子供たちに伝えているんでしょうか。いわゆる税教育の実態はどうなっていますか。

福島忠彦文部省初等中等教育局中学校課長

○説明員(福島忠彦君) 税というのは大変重要なものでございまして、社会生活の基礎、基本を教えます学校教育においては十分これを配慮しているところでございます。  小学校におきましては、社会科という科目におきまして、憲法の学習と関連して国民の守るべき大切な義務の一つに納税がある、こういうふうに指導しております。中学校におきましては、同じく社会の公民という分野におきまして、租税の役割と納税の義務について理解を深めるよう指導しているところでございます。高等学校におきましては、租税につきまして、財政の役割に関する学習の一環として指導しているところでございます。  なお、平成元年に教育過程の基準であります学習指導要領を全面改訂しまして、租税教育につきましては一層充実を図ったところでございます。  以上でございます。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 今のは晴眼者、要するに完全に目が不自由でない方々のための教育ですよね。  昨年の八月に佐賀県で中学三年生を対象に「わたしたちのくらしと税金」という副読本をつくった。そして先日、それを点字にして県内の盲学校や福祉事務所に配付したというんですが、これは全国的にはどうなっているんでしょうか。やっているんでしょうか。障害児、特に視覚障害児への対応はきちんとできているんでしょうか。

鈴木宏文部省初等中等教育局特殊教育課長

○説明員(鈴木宏君) 心身に障害のあります子供さんに対します教育につきましては、一般的には障害の種類あるいは程度等に応じまして盲学校、聾学校あるいは養護学校等におきまして特別の配慮のもとに教育を行っているわけでございます。  特殊教育の諸学校におきます教育の内容につきましては、基本的には、先ほどお話がありましたが、小学校、中学校あるいは高等学校に準ずるということになっているわけでございますけれども、特に障害の状況に応じまして、例えば視覚障害でありましたら触覚あるいは聴覚をより活用した教材、教具、そういったものを活用するなどしまして、指導方法等に工夫を凝らしながら適切な教育が行われるように努めてきているところでございます。  先ほどお話がございましたけれども、税の問題につきましても、したがいまして小・中・高等学校と同じように社会科等を中心にいたしまして指導を行っているところでございまして、その指導に当たりましては障害の状態に応じた指導ということでいろいろな工夫がなされているというふうに理解しております。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 第百二国会の決算委員会でもこの点字の確定申告書の問題を取り上げさせていただいたんですけれども、現在点字の説明パンフレットなどもつくられているんですね。けれども、先ほどの税教育のテキストの問題、それに税務相談などで点字で来たらどうしているのかなど、税を納めるために必要な情報が的確に保障されているのか不安になってきます。ケースとしては少ないかもしれませんが、聴覚障害の方への対応としての手話通訳、これは本人が依頼から費用負担までしなくちゃなりませんね。  それから、ちょうど今確定申告の時期なんですけれども、もう税務署の敷居というのは高いんです。私でも高いんです、あの税務署の敷居というのは。嫌な敷居ですね。  さて、二月十四日に次のような報道があったんです。「年金の相談に点字翻訳システム 社会保険庁は視覚障害をもつ年金受給者の相談、問い合わせに対応するため、十五日から社会保険業務センター(東京都杉並区)に点字翻訳システムを導入。」と。これで問い合わせから回答が出る所要期間は、これまで平均二カ月かかっていたのが二、三日に短縮された、こういう報道があるんですけれども、かねがね厚生省や文部省の点字教科書についても同様のお願いをしてきました。大臣はそうした点についてどうお考えですか。いろいろやっていただいていることはよくわかっているんですが、大臣の御感想をお尋ねしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は保険庁がよくそこまで踏み切ったと、あの報道を見ましたとき感じました。というのは、厚生大臣時代にあそこを見て業務の複雑さを知っておりますだけに、ソフトの開発が大変だっただろうと思います。それだ けに、率直に敬意を表したいと思います。  恐らく委員が抑せになりたいことは、それでは大蔵省はということになるんだろうと思いますけれども、これは国税当局から御説明する方が筋であると思いますが、国税庁も今まで税の解説書であります「私たちの税金」を点字によって作成をするとか、ただこれは各国税局、税務署に備えつけるというところから点字図書館、盲学校等への配付までにとどまっておりまして、すべての方々が利用ができるかというところまでいっている状況ではまだございません。それからまた、点字だけではなく、特に活字を大きくした「消費税の仕組みと手続」を作成するなど、今そういった方向へ向けての努力も一生懸命に進めております。  また、視覚障害者の方が御自宅で手軽に利用できるということから考えまして、タックスアンサーと呼んでおりますけれども、税務相談の自動回答システム、そういったコンピューターによる電話サービス等も御相談が受けられるようになっておりまして、これからもそれぞれ研究しながら努力をしていくものと考えております。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 もう時間が残っておりません。市民バンクについてもお伺いしたかったんですが、一分ございますから、ちょっと大臣、市民バンクについて御存じでございますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 知っています。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 時間があればこれについてもいろいろとお尋ねしたいことがあるんですけれども、時間がございませんので、きょうはこれで終わらせていただきます。

大河原太一郎自由民主党

○委員長(大河原太一郎君) 以上で大臣の所信に対する質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十九分散会

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