大蔵委員会 第1号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1991/02/12
会議録
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る八日、古川大三郎君及び下条進一郎君が委員を辞任され、その補欠として井上哲夫君及び大島慶久君が選任されました。 ─────────────
○委員長(大河原太一郎君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、租税及び金融等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(大河原太一郎君) 次に、租税及び金融等に関する調査を議題とし、財政及び金融等の基本施策について、橋本大蔵大臣から所信を聴取いたします。橋本大蔵大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先般、再び大蔵大臣を拝命いたしました。内外ともに解決すべき課題が多い中、引き続き財政金融政策の運営の任に当たることとなり、その責任の重大さを改めて痛感いたしております。今後とも財政運営に遺漏なきよう全力を尽くしてまいる所存でありますので、よろしく御指導をお願いいたします。 今後における財政金融政策の基本的な考え方につきましては、先般の財政演説において所信を申し述べたところでありますが、本委員会において重ねて所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。 まず、最近の内外経済情勢について申し述べます。 現在、我が国経済は、設備投資と個人消費を両輪として内需を中心とした自律的拡大を続けております。物価につきましては、総じて安定的に推移しておりますが、労働力需給の引き締まりや不安定な原油価格の動向などもあり、今後の動向には細心の注意を払っていく必要があります。対外面では、不均衡の是正は着実に進んでおります。 国際経済情勢を見ますと、先進国においては、アメリカ、イギリスなどで景気後退の様相があらわれてきており、また、湾岸情勢という不透明な要素はあるものの、総じて持続的な経済成長が続いております。他方、主要国間においては、着実に改善が進んでいますが、なお対外不均衡が存在しております。累積債務問題につきましては、前進が見られるものの、なお解決に向けての努力を必要としております。ソ連・東欧諸国におきましては、困難な経済環境のもとで市場経済への円滑な移行が大きな課題となっております。 このように激動を続ける国際情勢のもとで世界経済の安定を確保していくためには、各国が協調して対応していくことが極めて重要であると考えます。先日開催されました七カ国蔵相・中央銀行総裁会議におきましても、湾岸情勢を初めとする国際経済及び金融上の諸問題につき意見交換が行われ、改めて経済政策協調の枠組みを堅持することが確認されたところであります。 私は、今後の財政金融政策の運営に当たり、我が国を取り巻く状況を踏まえ、これから申し述べる諸課題に取り組んでまいります。 第一の課題は、内需を中心としたインフレなき持続的成長を確保していくことであります。 このような見地から、平成三年度予算につきましては、公債依存度の引き下げを図るなど、財政改革をさらに推進するとの考え方のもとに編成いたしました。公共投資につきましては、公共投資基本計画の初年度として着実な第一歩を踏み出すため、特に国民生活の質の向上に密接に関連する分野を中心に社会資本の充実に努めたところであります。 金融政策につきましては、今後とも、内外の諸情勢を総合的に勘案して適切かつ機動的な金融政策の運営に努めてまいりたいと考えております。 また、今後とも、主要国との政策協調及び為替市場における協力を通じ為替相場の安定を図るとともに、金融・資本市場の動向を十分注視しその安定を期してまいりたいと存じます。 第二の課題は、財政改革を引き続き強力に推進することであります。 平成三年度予算におきましては、新しい中期的財政運営の目標のもとでの初年度の予算として、各般にわたる努力の結果、公債発行額を可能な限り縮減し、公債依存度を低下させるなど、我が国財政の健全化に向けて新たな第一歩を踏み出すことができました。 しかしながら、公債残高は平成三年度末には百六十八兆円にも達する勢いであり、国債費が歳出予算の二割を超えるなど、我が国財政は依然として極めて厳しい状況にあることに変わりはありません。 将来の我が国の安定と発展にとって、財政の対応力の回復を図ることは緊要の課題であります。 このため、今後の財政運営に当たっても、後世代に多大の負担を残さず、再び特例公債を発行しないことを基本として、公債依存度の引き下げ等により、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げることに引き続き全力を傾けてまいる所存であります。 第三の課題は、土地税制の総合的な見直しなど税制上の諸問題に適切に対応することであります。 土地税制につきましては、土地基本法の理念を踏まえ、土地に関する税負担の適正・公平を確保しつつ、土地政策に資するという観点から、保有・譲渡・取得の各段階にわたり総合的な見直しを行い、地価税の創設を初めとする所要の措置を講ずることとし、今国会においてそのための法律案の御審議をお願いすることとしております。 地価税の創設は、固定資産税及び特別土地保有税の見直しと相まって、土地の保有コストに対する意識を高め、土地の有効利用の促進等土地対策に資する上で極めて大きな意義を有するものと考えます。 なお、土地問題は現下の内政上の最重要課題であり、その解決のためには、税制面のみならず、土地基本法の趣旨に沿って各般の措置が講ぜられる必要があることは申すまでもありません。 消費税を含む税制上の諸問題につきましては、国会の税制問題等に関する両院合同協議会において、消費税の必要性を踏まえつつ、建設的な合意が得られることを期待しており、具体的な合意が得られれば、その趣旨に沿って誠実かつ迅速に対応してまいる所存であります。 第四の課題は、調和ある対外経済関係の形成と世界経済発展への貢献に努めることであります。 昨年六月、日米構造問題協議の最終報告が取りまとめられましたが、その中に盛り込まれた措置は、両国の構造調整の推進に資するものであり、我が国としては国民生活の質の向上という観点からもその着実な実施に努めているところであります。 昨年末、交渉が継続されることとなったウルグアイ・ラウンドにつきましては、その成功裏の終結に向けて、各国と協調しつつ一層の努力を継続していくことが肝要と考えております。 関税制度につきましては、本年度末に適用期限が到来する特恵関税制度の期限をさらに十年延長する等の措置を講ずることとしております。 経済協力につきましては、開発途上国の自助努力を支援するため、政府開発援助の着実な拡充と資金還流措置の実施に努めております。 累積債務問題につきましては、新債務戦略を積極的に支持し、所要の協力を行っていく考えであります。 東欧諸国につきましては、一昨年来の民主化・自由化の動きの中で、我が国としても西側諸国の一員として相応の協力を行ってきております。今国会には本年春に設立が予定されている欧州復興開発銀行への加盟のための法律案を提出することとしており、東欧諸国支援の軸として同銀行に対し積極的に協力していく所存であります。 第五の課題は、金融・資本市場の自由化、国際化を着実に進めていくことであります。 これまでにも、預金金利の一層の自由化、外国金融機関のアクセスの拡大などの措置を逐次講じ、短期金融市場、国債の発行・流通市場、先物市場の整備拡充などに努めてまいりました。証券取引につきましては、内外の信頼をさらに深め、取引の公正性、市場の透明性を高めるため、内部者取引規制の整備、株券等の大量保有の状況に関する開示制度の導入など所要の措置を講じてまいりました。 今後とも、信用秩序の維持、金融機関の健全性の確保などを図りつつ、我が国金融・資本市場の自由化、国際化を着実に進めてまいる所存であります。 さらに、今後の我が国の金融制度のあり方、資本市場のあり方及び保険事業のあり方等につきましては、引き続き関係各審議会において鋭意審議が進められております。 次に、平成三年度予算の大要について御説明いたします。 平成三年度予算は、真に必要な財政需要に適切に対応しつつ、公債依存度の引き下げを図るため、歳出の節減合理化や税外収入の確保等、歳入歳出両面にわたる見直しを行うことにより公債発行額を可能な限り縮減することとして編成いたしました。 歳出面につきましては、一般歳出の規模は三十七兆二千三百八十二億円となっており、これに地方交付税交付金及び国債費等を加えた一般会計予算規模は七十兆三千四百七十四億円となっております。 次に、歳入面におきましては、平成三年度の税制改正として、土地税制の総合的な見直しのほか、住宅取得促進税制の拡充等当面の政策的要請に対応する措置を講ずるとともに、租税特別措置の整理合理化を行う等の改正を行うこととしております。 公債発行予定額は、前年度当初予算より二千五百二億円減額し五兆三千四百三十億円となっております。なお、借換債を含めた公債の総発行予定額は二十三兆六千七百十六億円となっております。 財政投融資計画につきましては、社会資本の整備、住宅対策、国際社会への貢献等の政策的要請にこたえ、資金の重点的、効率的な配分に努めており、その規模は三十六兆八千五十六億円、このうち資金運用事業を除いた一般財投の規模は二十九兆一千五十六億円となっております。 次に、湾岸地域における平和回復活動に対する我が国の支援に関して一言申し上げます。 政府は、先般、湾岸平和基金に対して、従来の拠出分に加え、新たに九十億ドルの資金を拠出することを決定いたしました。このための財源措置につきましては、石油税、法人税及びたばこ税の一年限りの臨時的増税措置により所要額の確保を図ることとし、税収が入るまでの間はつなぎのための臨時的な短期国債を発行することとしております。これらの措置につきましては、今後、別途、平成二年度補正予算(第二号)及びそれと一体をなす法律案を提出し、御審議をお願いする考えであります。 以上、財政金融政策に関する私の所信の一端を申し述べました。 ただいま述べました平成二年度補正予算と一体をなす法律案のほか、既に本国会に提出したものを含め御審議をお願いすることを予定しております大蔵省関係の法律案は、平成三年度予算に関連するもの七件、その他三件であります。今後、提出法律案の内容について、逐次、御説明することとなりますが、何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で所信の聴取は終わりました。 ─────────────
○委員長(大河原太一郎君) この際、上杉大蔵政務次官及び持永大蔵政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。上杉政務次官。
○政府委員(上杉光弘君) このたび図らずも大蔵政務次官を拝命いたしました上杉でございます。 誠心誠意与えられました職責を全ういたす所存にございますれば、皆様の御指導、御叱正を心からお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。 ありがとうございました。
○委員長(大河原太一郎君) 持永政務次官。
○政府委員(持永和見君) 今般、大蔵政務次官を拝命いたしました衆議院の持永でございます。 財政情勢大変厳しい折から、私も一生懸命頑張らせていただきたいと思います。どうかひとつ先生方のよろしくの御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。 ─────────────
○委員長(大河原太一郎君) 次に、平成二年度の水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案を議題といたします。 まず、提出者衆議院大蔵委員長平沼赳夫君から趣旨説明を聴取いたします。平沼赳夫君。
○衆議院議員(平沼赳夫君) ただいま議題となりました平成二年度の水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。 この法律案は、去る六日、衆議院大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出したものであります。 御承知のように、望ましい水田利用形態に可能な限り誘導する見地から、政府等から稲作転換を行う者等に対し水田農業確立助成補助金を交付することといたしておりますが、本案は、平成二年度の同補助金に係る所得税及び法人税について、その負担の軽減を図るため、おおむね次のような特例措置を講じようとするものであります。 すなわち、同補助金のうち個人が交付を受けるものについては、これを一時所得の収入金額とみなすとともに、転作に伴う特別支出費用等は一時所得の必要経費とみなし、また、農業生産法人が交寸を受けるものについては、交付を受けた後二年以内に事業の用に供する固定資産の取得または改良に充てる場合には圧縮記帳の特例を認めることといたしております。 なお、本案による国税の減収額は平成二年度において約六億円と見込まれるのでありまして、衆議院大蔵委員会におきましては、本案の提出を決定するに際しまして内閣の意見を求めましたところ、稲作転換の必要性に顧みあえて反対しない旨の意見が開陳されました。 以上がこの法律案の提案の趣旨とその概要であります。 何とぞ速やかに御賛成あらんことをお願いを申し上げます。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○稲村稔夫君 ただいま御提案をいただきました水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律といいますのは、毎年議員立法の形で提出をされ、そしてそれなりの対応がされてきた、こういう経歴を持っているわけでありますが、その審議に当たりまして、私は前もって農林水産省の考え方と大蔵省の考え方をいろいろ伺っておきたい、このように思うわけであります。 そこで、まず最初に農林水産省にお伺いしたいのでありますが、大きな項目で言いますならば、水田農業確立対策というのをいつまで続けることになるのであろうかということであります。これは、水田農業確立対策という名前のものは全部で六年間、前期と後期とに分かれるという形になって、今、後期に入っているわけであります。しかし、今後もこういういわば減反政策というようなものが続けられるのであろうかどうか、こういうことを知りたいわけでありますが、そういう中で、特に前期の三カ年の転作目標面積が七十七万ヘクタールでありました。ところが、これが後期の平成二年度からは八十三万ヘクタールというふうに面積が拡大をされておるわけであります。これは拡大をした理由というのが何かあると思うのですが、そこを御説明いただきたいと思います。
○説明員(武政邦夫君) お答えいたします。 昭和六十二年から平成元年まで実施されました水田農業確立の前期対策、先生が今おっしゃられた前期対策でございますが、これは期の中央年度、六十三年でございますが、この米の需要量を一千二十五万トンと見込んでおります。そのために転作目標面積を七十七万ヘクタールといたしているわけでございます。 その後、米の需要が減少してまいりましたが、その減少等を勘案いたしまして後期対策、今実施しているわけでございますが、後期対策では期の中央年度、平成三年といたしておりますが、米の需要量を九百八十五万トンと見込んでおりまして、これが今日の転作目標面積八十三万ヘクタールになっているわけでございます。
○稲村稔夫君 米の需要量が減少した、そこで八十三万ヘクタールにふえた。ということになりますと、まずこれからの米の需要量の見通しがどうなるのか、そういう問題がありますね。需要量がふえるのであれば減反面積は減らしていってもよろしい、需要量が減るのであれば減反面積はさらにふやさなきゃならない、こういうようなことになるんじゃないかと思いますが、その辺はどんなふうに考えていますか。
○説明員(武政邦夫君) 今後の米の消費の見通しでございますが、ただいま確たることを申し上げるということは難しいのでございますけれども、平成十二年を目標年次といたします農産物の長期見通しでは年間一人当たりの消費量を五十九から六十二キロと見込んでいるわけでございます。それから、先生方もおわかりになりますように、食生活の面で洋風化をしてきている若い人たちが将来の人口の主体となるというふうに考えられますので、こういうことを考えますと、米の消費というのは基本的には引き続き減少していくのではないかというふうに考えているわけでございます。ただ一方、生産力もふえてまいりますし、同時に壊廃による水田の減少というものも考慮いたさなければいけないのではないか、こういうふうに考えております。 こういう状況でございますので、今後どのように対処していくかということは大変難しい問題ではございますが、後期対策における水田農業のあり方としましては何らかの対策が必要だというふうに考えておりまして、今後の米の需給動向や後期対策の進捗状況、水田農業の健全な発展等の観点からさらに助成の問題も含めまして慎重に検討してまいりたい、こう考えている段階でございます。
○稲村稔夫君 そういたしますと、米の消費は減少するという見通しにある、その反面生産力が上がって単収が上がってくるということになってくる、そしてさらに壊廃面積が減ってくるということになってまいりますと、むしろこれからもさらに減反面積というのは拡大をしていかなければならない、こんなことも考えられ得る、こういうことなんではないかというふうに思うんです。 そこで、さらにもう一つは、今度の後期の場合は八十三万ヘクタールということになりておりますけれども、この八十三万ヘクタール、これは後期は全部八十三万ヘクタールなんでしょうか。
○説明員(武政邦夫君) 後期対策は平成二年から四年の三年間になっておるわけでございますが、転作等の基本目標面積につきましては、米の需給均衡を図るという観点に立ちまして、期を通ずる米の需給計画というのは一応八十三万ヘクタールと定めております。ただ、作柄や在庫数量等大幅な変動がある場合にはこれに対する調整を行うというふうにいたしております。
○稲村稔夫君 そうすると、一応原則的には八十三万ヘクタール、そうなっているけれども、今のように需要が減るとか生産力がうんと上がったとかいろんな要素が組み合わさって、そしてまたさらに米が過剰であるなどという、過剰かどうかいろいろな議論がまたあるんでしょうが、きょうは農政の場ではありませんから大まかな伺い方をしますけれども、そういう事情によっては修正をすることもあり得る、こういうふうに理解をしてよろしいですね。 そのほかに要素として私どもが考えなければならない問題として、外からのいろいろな事情の変化というものがあり得ると思うんですね。例えば今ウルグアイ・ラウンドで農業交渉が、積極的にというとあれですけれども、我が国は米は輸入をしないという立場で政府も一生懸命頑張っておられる、こういうことでありますが、この辺のところは国際的な影響ということなども含めて、ウルグアイ・ラウンドで全世界的な検討という形になっている間はいろいろな利害関係も各国で絡まってくるでしょうから持ちこたえていけるとしても、今後特にアメリカとの二国間交渉などに持ち込まれてくるとその辺がかなり厳しいのではないかという見方もあるわけでありますが、その辺のところはどのようにお考えになっておりましょうか。
○説明員(紀内祥伯君) お答えいたします。 ウルグアイ・ラウンド農業交渉は、御案内のとおり昨年の十二月三日から七日までブラッセルにおいて閣僚会議が開かれたわけでございますが、各国間の意見の隔たりが非常に大きゅうございまして、個別事項の検討に入ることなく交渉が継続されるということになっておるわけでございます。さらに本年に入りまして一月十五日にジュネーブにおきまして貿易交渉委員会、TNCと申しておりますが、これが開かれまして、ガットのダンケル事務局長がまとめるべく関係国と協議を続けておるという状況が続いておりますが、関係国間の意見の違いが大きゅうございましてなかなかまとまらないというのが現在の実情なわけでございます。 今後の見通しでございますが、今委員の方からお話のありました二国間交渉になった場合という御発言でございますが、米につきましては日米両国とも二国間協議の対象としないであくまでもウルグアイ・ラウンドの場で取り扱うということで現在まで取り進めてきておりまして、あくまでもこういった考え方のもとに今までの基本的方針が貫かれるよう頑張りたいというのが私どもの考えでございます。
○稲村稔夫君 政府の対応していかれる方向等については農政の面からもいろいろと議論のあるところなんでありますが、ぜひ我が国の農業を守っていく、その国の食糧はできるだけ国内生産をもとにしながらという体制をぜひとも頑張っていっていただきたい、こんなふうに思うわけであります。これは意見でありますから、お答えは要りません。 いずれにいたしましても、そうした国際的なものがどう展開をしていくかということは予測を許さないものが随分あります。そういう中で、今もうウルグアイ・ラウンドの中ではだんだんと国際的圧力が強まってくるなどというようなことも伝えられたりしているわけでありますから、そうした国際的影響というものも、例えば農民、農家の側の生産意欲などというものにも影響してきかねない、そういう側面も持っていると思います。 そういういろんな要素が組み合わさって、農業、特に我が国の基幹作目である米の農業というのは非常に今大変なところに立っているわけでありますが、今の過剰傾向といいましょうか、消費とのバランスといいましょうか、そういう形の中で今後もさらに減反が続けられていかなければならないという、そういう必然性を持っている、こういうふうにとらえることが必要なのではないかと思うわけであります。そういう必然性を持ちながら、農業というものが持っているいろいろな特殊的な要因、今後の税対策ということでもその辺のところがいろいろ勘案されてしかるべきではないか、こんなふうに私は思っておりますので、以下その観点から少しくお伺いをしてみたいと思っております。 水田農業確立対策以降、稲作の収益性の推移を見てまいりますと、収益性というのは高まってきている、こんなことが言えると思います。しかし同時に、農業所得の観点からいきますといろいろとまた問題があるわけであります。さらに、収益というものをどういうふうに考えていくかという観点からもいろいろと問題があると思うんです。 そこで、私は、生産には必ず生産費がついて回るわけでありますから、その生産費の推移を検討してまいりますと、米の生産費関係は、農林水産省の米生産費調査によってまいりますと、十アール当たりの生産費でまいりましても、特に物財費、これは労働力の経費をどう見るかということはまたいろいろな議論があると思いますから、実際に支出をしなければならない物財費関係を見てまいりますと、確実に物財費は値上がりをしていっている。支出がふえていっているわけであります。それに対して政府買い入れ価格、これは据え置きあるいは引き下げというようなことをされてきているわけであります。というふうに見てまいりますと、稲作についてもいわゆる収益性ということでいけば、生産費との関係で見ていったら、これは低下をして落ちてきている、こういうふうに私は理解すべきだと思うんです。 これに対して、新しく水田農業確立対策で転作をした作目の収益性は実情としては今どのようになっているか、このことをお伺いしたいと思います。
○説明員(武政邦夫君) 稲作と転作作物との収益性の比較でございますが、確かに稲作の収益性は、先生が先ほどおっしゃられましたように、水田農業確立対策の始まった六十二年から平成元年までの生産費調査の結果では、十アール当たりが大体七万円前後で推移いたしております。他方、転作作物の方は、転作の主要作物は麦、大豆でございますけれども、この麦、大豆等も作付の集団化とか生産性の向上努力はいたしておりまして、かなり労働時間はそういうもので減ってまいったわけでございますが、残念ながら先生がおっしゃられました所得の水準で見ますと、面積当たりの所得では米に比べますと大体二割から三割、二〇%から三〇%を賄っている。比較収益性から見るとそんな段階だというふうに申し上げていいと思います。
○稲村稔夫君 そういたしますと、米をつくっていたときに比べて、今挙げられた小麦あるいは大豆の例でいくと、私なりの計算をしてみると、いただいた資料で割ってみると、米に対して小麦だと二〇・四九%、それから大豆で三〇・五六%程度しか収入にならないという形になるわけです。そうすると、転作が進められて、それでも米をつくっていたときの所得には到底及ばない、こういう状況になるわけですね。総合的に所得を補償していくという観点からいったら、これでは農家の側は間尺に合わぬということになるんじゃないですか。米をつくっていたときにほぼ匹敵をするような体制をとってもらえるならばそれはいいですけれども、米をつくっているのよりもかなり所得が落ちるということになるわけです。その辺はどういうふうに考えますか。
○説明員(武政邦夫君) 作物それぞれを比べます比較収益性はそのとおりでございますが、私どもできるだけ現在、麦、大豆につきましても生産性そのものが上がるような努力もいたしているわけでございまして、優良事例ではかなりの収益性を上げるようなものも出てまいっております。しかし、やはり生産性を上げていく過程の中で経費が非常にかかりますので、また収益性の点で落ちるということはおっしゃるとおりでございますので、その面としては現在水田農業確立対策助成補助金といたしまして基本額なり加算額、そういう仕組みでいろんな助成をいたしているわけでございまして、その場合でも基本額並びに加算額の最高の五万円を確保できた農家につきましては大体ほぼ所得に見合うというふうな仕組みに一応なっております。
○稲村稔夫君 これは質問通告をしてなかったけれども、今の答弁の中でちょっと気になったんですが、最高の五万円をもらっている農家、これは地域加算も全部含めてということなんでしょうが、その場合に、例えば小麦をつくっている人は平成元年度で一万四千六百六十九円。これに五万円足したって六万四千六百六十九円。米の七万一千五百八十五円にかなり近づいているわい、こういうふうに言われるかもしれないけれども、しかしこれは、それでは対象になる農家の大体何%ぐらいのものが対象になるんですか、おわかりになりますか。
○説明員(武政邦夫君) 最高の額になっているのは、大まかで申しわけございませんが、現在大体二割程度というふうに私ども考えます。
○稲村稔夫君 二割程度というお話でありますが、これは私は、例えば何割からが一般的だと言っていいのかどうかということはありますけれども、二割といったらほんのごく一部というふうに申し上げていいんだと思うんです。 私がこんなことをいろいろとお聞きをいたしましたのは、実は農業というものが持っているいろいろな特殊性というのがある、その特殊性というものが加味されていろいろと対策が立てられなきゃならない、私はこんなふうに思っているわけです。今、たまたま収益性の問題を中心にしての議論だけをいたしておりますけれども、そのほかに天候の問題、立地の問題、経営者の自由にならないそういう問題がいっぱい農業にはついて回る。第一次産業の持っている一つの特徴かもしれませんが、そういうことがあるわけであります。 それで、そういう中で、今度のこの水田農業確立助成補助金というのが事業収入の一部だと大蔵省は過去の議事録などを拝見させていただきますとみんな認識をしておられるようなんですけれども、事業所得というふうに認識をされているところにちょっと私には合点のいかない部分が一つあるのであります。そうすると、事業というのはどういうふうに定義をしたらよろしいんでしょうか。その辺ちょっと大蔵省はどういうふうにお考えになっているか、お聞かせいただきたい。
○政府委員(小川是君) 所得税法上の事業所得と申しますのは「農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得をいう。」というふうになっております。政令でどういう事業かということをもう一度言っておりまして、その中では「対価を得て継続的に行なう事業」を事業所得の対象とする事業である、こういうふうに言っているわけでございます。したがいまして、農業から生ずる所得というのは、所得税法上は間違いなく事業所得であるということになるわけでございます。 そこで、今回のようなこの補助金を受けた場合に税法上の事業所得というのはさてどういう考えかというお尋ねでございますが、今回のこの補助金というものは明らかに当該農業を行っておられる方に対して収益補償的な、収入を補てんするようなそういう意味での補助金でございます。性格からいたしますと、これはいわば事業所得でみずから稼がれる収入にかわるべきもの、こういう性格の収入はいずれも事業所得の収益に当たる、こういう考え方でございます。
○稲村稔夫君 建前の話はそれで説明をされているように私も伺いますが、ただ、そう言いますけれども、現実に農業というものが利益を本当に生むような、そういう企業経営ができるような体制に我が国が一般的になっていれば、それはそれなりに私もすとんとそのままで理解できるんです。しかし、今の水田農業にしてみても、そういう利益を得ることを一つの目標にして、いわゆる資本制、生産様式というんでしょうか、そういうものが導入できるような可能性というのが極めて小さいのではないか、例外的なのではないか、そんなふうに思うんです。そうした場合に、いわゆる営利を得ている事業の所得とは、同じ事業所得というふうに言われても質的に大きな違いがあるのではないかというふうに思うんです。その辺はどうですか。
○政府委員(小川是君) 事業所得は、ただいま申し上げましたように、通常の例えばサラリーマンのように人に使われてその雇用の対価として得る収入といったものとは性格を異にするわけでございまして、そうした事業の中に今御指摘のように各種のさまざまの異なるタイプの事業があるというのも事実であろうと存じます。それは事業活動あるいは経済活動の多様性ということでございましょうし、税法という観点から見ますと、所得をどのようにしてとらえるかという点に着目いたしているわけでございますので、個々の業種、個々の企業あるいは個々の事業者の方の個別の事情というのは所得計算上の収入あるいは必要経費の計算として出てくる問題でありまして、性格的には事業所得としてとらえるというのが一般的な考え方であろうと存じます。
○稲村稔夫君 ちょっと私は時間配分を間違えていまして、必ずしも十分に伺えないことになってしまいましたが、時間の関係もありますので大急ぎで進みたいと思います。 そういたしますと、事業所得であってもそういう特別な所得であればそれなりに対応策というのはとられているものもあるわけですね、税体系の中でもいろいろと。そうすると、そういう特別な対策というのは大蔵省ではお考えになったことはないんですか。
○政府委員(小川是君) 現在、事業所得のうち農業に関連する所得の非課税といたしまして、開墾地等から生ずる一定の農業所得と肉用牛の売却による一定の農業所得が免税とされております。 開墾地等の免税につきましてはかなり古くからの政策的な税制でございますが、食糧自給力の向上を図るための農用地の造成を推進するという見地から政策的に設けられているものでございます。また、肉用牛の売却による農業所得の課税の特例につきましては、我が国における肉用牛の繁殖、肥育を奨励する、あわせて国内の牛肉価格の形成の合理化に資するという政策目的を持って租税特別措置法で規定されているものでございます。
○稲村稔夫君 それはわかっているんです。 だから、そういうものがあるんだから、こうした減反のために行われる補助金というものについてもそういう特殊事情というものを考慮して、そして大蔵省が政府提案としてなぜ積極的な減免措置というもの、特別措置を提案されないのだろうか、その辺が不思議だということで私は御質問申し上げています。
○政府委員(小川是君) この補助金は、まさに水田対策確立のための政策的な措置として歳出面において措置をされている補助金でございます。つまり、そこには政策的な配慮が既に働いている財政上の措置であると存じます。これを税法上の見地から見ますと、間違いなく収益補てん的な事業所得の収入である。これにつきましては、重ねて何らかの政策的な配慮ということではなくて、本来的には事業所得として課税されるべきものである。政策的な配慮というのは、恐らくいろいろの議論の末、歳出面において補助金という形でつくられているということであろうかと存じます。
○稲村稔夫君 私の素人なりの非常に粗っぽいことでいけば、補助金というのを出すのは、国民の皆さんからの税金をいただいて、そしてその中から今の収入補てんなりなんなりそういう形でとにかく支出するわけでしょう。そしてまたそこから税金いただきます、これは妙な格好なんじゃないですか。そう私は思うんですけれども、どうですか。
○政府委員(小川是君) 重ねてになりますが、この補助金の性格は、その農民の方がみずから上げた収入ではなくて、いわば政策に協力するという形で農業を営んでおられるその方に対して政策的な補助金として収入をいわば補償するような補てん的な補助金として出されている。それはやはり税法上は税として評価をすべきであるということでございます。
○稲村稔夫君 どうもその辺がわからないんですよね。時間もないですから議論をすることができなくてまことに残念でありますが、これはまた別の何かの機会でやれればというふうに思うんです。 要は、私が申し上げているのは、水田農業確立対策のような減反政策はこれからも続けていかざるを得ないという見通しもあるし、そうすればそれなりに常に対応しなきゃならないものというふうに考えていくというのが自然なのであって、そうすると、そういう中で私はやっぱり政府提案できちんとしたそれに対する減免規定なり減免措置を考えてやるということが正しいのではないか、そういうふうに思うんです。毎年毎年一時金とみなして議員立法でいかなければならないということよりも、積極的にそういうふうに展開をすることが正しいのではないか、そんなふうに私は思っているので、こんなふうに申し上げております。 これは私一人の議論かどうかわかりませんが、提案者であります衆議院の大蔵委員長がどのようにその辺をお考えになっているか、あるいは衆議院でこうした種の議論があったのかなかったのか、その辺のところもお聞かせをいただき、大蔵省には今後ぜひそういう前向きのひとつ御検討をいただきたいという要望も申し上げておきたいと思います。
○衆議院議員(平沼赳夫君) 稲村委員にお答えをいたします。 まず後の方からお答えをさせていただきますと、衆議院の大蔵委員会では、ざっくばらんに申し上げまして、理事懇の段階では御同様の意見が出たことは事実でございます。ただ、私どももさきの大蔵委員会で質疑が一人ございましたけれども、その中では議論としては出なかったわけでございます。 基本的な考え方は、御承知のように昭和四十五年度分から米の生産調整対策の一環として、そして六十三年度からは水田農業確立対策の一環として、いわゆる税負担の軽減ということで所得税、法人税に対しての措置をやってきているわけであります。これは、農業環境が多少変化をしてまいります、その中で適切に農業者のことを考えながら補助をしていこう、こういうことで、どうしても形態的には単年度で処理をせざるを得ないような現状でございます。 たしか六十三年度の当大蔵委員会でも鈴木委員から同様の御指摘があったわけでありますが、その後も引き続いて単年度で処理をさせていただく、こういうことでいろいろ御意見があることは重々承知しておりますし、大いに検討しなきゃいかぬ事項だと思っておりますけれども、今申し上げたような考え方から今回引き続き議員立法として提案をさせていただきましたので、御理解をいただきたいと思います。
○峯山昭範君 川合局長、衆議院の予算委員会を抜けてきていただきまして、まことに恐縮でございます。九分という非常に短い時間ですから、端的にお伺いします。 私は米の問題につきましては非常に重大な問題だと思っておりますし、二十一世紀を目指して農民の皆さん方が本当に張り合いを持ってやれるような農業政策というのは非常に大事である、そういう意味で、私は、もう昨年は一年の約半分ぐらいは農業問題と湾岸問題と税制問題、三分の一ぐらいずつやったんじゃないかと思うぐらい勉強させていただきました。 そこで、端的にお伺いをしますけれども、ウルグアイ・ラウンド、これは一体どういうふうになるのか。要するに、昨年の暮れのブリュッセルにおける状況等もいろいろと話は聞いておりますし、閣僚会議におけるいろんなお話し合いも聞いておりますが、アメリカ、ケアンズ・グループあるいはECとの対立が余りにひどくてどうしようもなかった、余り激しく対立したので日本の米の出る幕はなかったというふうな話も聞いているわけでございますが、いずれにしましても、どういうふうに推移していくのかというのを私どもは非常に注意深く見ているわけでございますが、簡単に現状を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) ウルグアイ・ラウンド農業交渉につきましては、今お話がございましたように、昨年十二月のブラッセルでの閣僚会議が開かれたわけでございます。この農業交渉は、やはり中心的な課題はアメリカ、ECに代表されます輸出競争をめぐる問題でございます。具体的に申しますと、輸出補助金につきましての大きな対立の中で推移していると言っても過言でないと思います。こうしたことから、今お話がございましたように、十二月の閣僚会議は中断ではなく継続ということにはなりましたけれども、ことしに持ち越されたわけでございます。その過程で、本年一月十五日に、いわゆるTNCと申しております貿易交渉委員会が開かれております。 この会合でダンケル事務局長は、プラットホームという言葉を使っておりますが、たたき台をまとめたいという意向を示しまして、関係国との協議に入っております。関係国間のブラッセル以降の立場の大きな相違というのがなかなか埋められないまま推移しておりますので、今もってこの立場の大きな相違がございますために、ダンケル事務局長は交渉を軌道に乗せるために苦慮している状況でございます。 さらに協議を続けるということが現状でございまして、今精力的にこの協議が続けられているという状況であると承知しております。
○峯山昭範君 そのたたき台の中に実際問題として日本の米の問題が入る、例えばそのたたき台の中に食糧安保という問題を入れることができるのかどうかということは、いかがですか。
○政府委員(川合淳二君) 先ほど申しましたように、この交渉は多国間の交渉でございまして、今御指摘のような個別の品目についての議論が行われているわけではございません。 また、この交渉は御承知のように一九八六年から経過しているわけでございますが、その間中間合意というものもございまして、その中間合意におきまして安全保障などの非貿易的関心事項について配慮するという規定がございます。私どもは、そうした中間合意を踏まえまして、このノンペーパーの中にそうした配慮事項が明記されるようにという主張をしているわけでございます。 今申しましたように、このプラットホームをめぐる交渉はかなり難航しておりまして、したがいまして、それについての帰趨というものは今私が申し上げる段階にはないというふうに承知しております。
○峯山昭範君 局長、そういう事情は十分承知の上で申し上げておりますので簡単にお願いしたいんですが、いずれにしましても、現在の国際情勢というものを判断いたしまして、私どもも前々からミニマムアクセスの問題や農業政策を随分発表してまいりましたけれども、何とかして農民の皆さんを救う方法はないのか、あるいは米農業を何とかちゃんとやる方法はないのかという考え方に立ってやっているわけです。また、一粒たりともとおっしゃっている皆さん方も考え方は一緒なんですよね。 そこで、私どもは、先ほどの社会党さんへの御答弁の中にもございましたように、消費は減少していく、反当たりの収穫はどんどんふえていく、そういう中にありまして減反をこれ以上進めるのも難しいし、非常に厳しい情勢にあるわけです。しかしながら、そんな中でこの農業交渉をやっておりまして、このたたき台の中に、私もいろいろ事情を聞きましたけれども、とんでもない、そんな中に日本の食糧安保論なんという考え方をぶち込むのはとても無理、そういうような中にありまして、いよいよこれは最終決着を迎えるわけであります。 そういうような中にありまして、局長はこれを二月いっぱいに決着をつけることができるとお考えなのかどうか、そして、もし二月いっぱいで決着がつかないとするならばどういうふうな見通しになるのか、そこのところを一遍お聞かせいただきたいと思います。
○委員長(大河原太一郎君) 簡潔な答弁をしてください。
○政府委員(川合淳二君) 先ほど申しましたように、農業交渉の一番大きな問題は、ECそれからアメリカ、ケアンズ・グループの対立事項となっております輸出補助金をめぐる問題でございます。この問題の帰趨がどうなるかということがこの農業交渉を左右するものと私どもは認識しております。したがいまして、現段階で率直に申し上げますれば、このECとアメリカ、ケアンズ・グループの関係がどういうふうに動くかということにかかっているというふうに思っております。
○峯山昭範君 ということは、そのECやケアンズ・グループの動きによってウルグアイ・ラウンドが決着がつくかつかないかが決まる。逆に言えば、私どもが昭和六十三年に参議院でも決議をいたしましたが、三回にわたる決議の経過を私はよく知っているんですけれども、あのときの決議の趣旨は、最終の行の四行前に書いておりますけれども、要するにあの決議を何でしたかというと、二国間交渉はだめだからウルグアイ・ラウンドで決着をつけろ、そのために努力をせいというのが中心のテーマなんです。 だから、日本がどういう具体的な努力をしているのか。よその国があかんから日本の国はどうしようもない、眺めているだけというのじゃ困るのであります。日本がこういうことを言っているという中身は聞きましたし、見ましたし、資料もいっぱい読みましたけれども、要するに、食糧安保論、一粒論から一歩も出ていない。そんなことで通るのか。現在の自分の国だけがよければいい、自分だけよければいいという考え方はもう国際的に通用しなくなってきている。非常に難しい時代に入ってきているということを考え合わせますと、これはもう非常に難しい時代に入っているとしみじみと私は思っているわけです。 その点とあわせまして、さらに二月八日付の新聞報道によりますと、衆参で決議を行う一つの大きなきっかけになったアメリカの精米業者の皆さん方の三〇一条提訴、これは二度目の提訴のときにあの決議をやったわけです。そしてあの却下のときにも、その却下の条件の中にもいろいろ書いてあって、却下をした明くる日に農水大臣がこれはけしからぬという談話を出したのを今でも覚えておりますけれども、そういうふうないろんないきさつから見て、いよいよアメリカも提訴に踏み切る可能性が出てくる。三〇一条を背景に米の問題をやられたのでは、これはもうどうしようもない立場に追い込まれる可能性が非常に強いわけです。 そういうふうな意味で私はもう少し農水省の皆さん方も柔軟に対応していただきたい。まああなたにこんなことを言ったってしようがないわけですけれども、少なくともその責任ある立場の人にと思って私はきょうはこういうふうに申し上げているわけでございますが、そこら辺のところを含めまして、この二点、御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 先生御承知のように、一九八六年以来我が国はこの農業交渉に積極的に参加してきているわけでございます。しかもその一方で、例えば農産物価格の引き下げあるいはこの四月から予定されております牛肉・かんきつの自由化というような開放体制を一つ一つ積んできているわけでございます。アメリカにはウエーバーというような輸入規制措置がございますし、それからECは御承知のように可変課徴金というようなかなり重厚な国境措置をとっておりますが、それぞれの国の中で、日本はかなり積極的に開放体制をとってきた。その結果、自給率その他が御承知のような水準になっていることは御承知のとおりだと思っております。 私どもは積極的に取り組んできているわけでございますが、やはりそうした中で守るべきものは守るということが必要である、それが開放体制というものを守るためにも必要なことだということを主張してきているわけでございます。したがいまして、今後とも私どもは世界最大の純輸入国である立場を各国に理解を求めるべく全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○峯山昭範君 これで終わりますけれども、牛肉やオレンジのときにもそういうことを言っておったんですよ、皆さん方はさんざん。そうして結局、最終的には全部アウトになったじゃないですか。今度もやっぱり同じようなことを言っているわけですよ。急にウエーバーや課徴金が出てきたのと違う。あの当時からウエーバーもあり課徴金もあったんです。あのときだって同じようなことを言っていたわけですよ。結局は最終的にはもうどん詰まりまで追い込まれてしまって、だめでしたなんということになる可能性が非常に強い。ですから私は、そういうようなことじゃなしにもっと柔軟に対応すべきときが来ているんじゃないのか、この点だけは申し上げておきたいと思います。 きょうは局長さんですから、そしてまた御無理をして御出席をいただきましたからこれ以上申し上げませんけれども、やはり僕は、時代の流れというものをよく見ていただいてこれからの国際環境にばっちり合ったような考え方でいかないと、確かに日本が食糧輸入大国であるということも十分承知の上で私は申し上げているわけでございますが、そこらのところはきちっとしていかないとこれから国際社会でやっていけないんじゃないかなんということをしみじみと感じておりますので、私の感想を申し述べてきょうは質問を終わります。
○近藤忠孝君 この法案には賛成でありますし、議論もありましたので、私は農家の税金という観点から一つ質問をしたいと思います。 これは兼業農家の場合です。ほかで働いて給与所得を得ますと、当然多くの場合に所得税を源泉徴収されますね。片や農業そのものが赤字という場合がたくさんあると思います。となりますと、当然これは、計算すれば納まっている分の相当部分が還付になりますね。 そこでお聞きしたいのは、こういう事例で還付申請件数がどれぐらいあり、実際に還付で戻ったのはどれくらいあるか、まずお聞きしたいと思います。
○政府委員(山口厚生君) お答え申し上げます。 まず兼業農家で農業所得が赤字の場合の還付請求の実態がどうであるか、さらに現実に還付されたものがどうであるか、こういうお尋ねでございますが、平成元年分の還付申告書の提出件数で言いますと、これは六百六十万件という膨大な申告書がございますが、この申告書について営業、農業、その他事業、不動産所得など、そういう多種多様にわたる所得区分別の還付申告書の提出件数は統計的に把握しておりませんので、その点は御理解をいただきたいと思います。
○近藤忠孝君 統計的に把握していないというそのことの中で、取る方はどんどん取ってしまう。これは源泉の中に入っちゃいますね。いや応なしに入っちゃうんですね。しかし、当然権利である還付請求については極めて不熱心。何しろ統計を把握していないんだから。熱心にやっていれば、件数がどれくらい申請がありどれくらい返っているか、当然統計に出てくると思うんですよ。これは私は改善してほしいと思うんです。 実際はなかなか戻っていないんですよ。実際には戻ってないというのは、申告書が棚に積まれたままほうってあるんです。金額は一件一件恐らく少ないでしょうね、兼業農家の給与所得ですから。少ないからかなりの部分が申請さえしないと思うんですが、しかし、申請したうちのかなりの部分が棚に積まれたままだと。ひどいのは三年近くもたまったままで、連絡もない。たまに連絡があるんですけれども、しかし呼び出されたって、これ、一日休まなきゃいけませんね。なかなか行けないと、またたまってしまう。そんなことなんですね。私はこれは、一定の地域でそういう申請が出てくれば、一定の調査を行えばこれは類型的に、一般事業者はなかなか類型といっても出てこないと思うんだけれども、農家の場合は類型的に一定のものが出てくると思うんですね。しかも多くの場合には収支内訳書をつけているんだから、しかも大体毎年申請していますから、前の年の実例もある。となれば、これはもうちょっと簡潔な処理、まあそれは大変だと思いますが、せいぜい何万円程度のそういう扱いだから大変だと思うけれども、私はもっと簡便な方法で、権利は権利なんだから、こういうものはしっかり私はお返しをするということによって初めて税務行政に対する国民の信頼が高まると思うんだけれども、その点どうですか。
○政府委員(山口厚生君) 私どもは還付申告者につきましても早急かつ適切な処理に努めてまいっておるところでございますけれども、先生御承知のように、還付申告書が提出されますと、税務署ではその記載内容、それから添付書類等について審査をいたしまして、その結果問題があると認められるもの、つまり還付金額が過大と認められるものにつきましては還付を一時留保する場合がございます。この還付を留保したものにつきましては、納税者の方の協力を得まして、その問題となっております事項等の解明をいたしまして、その結果を踏まえた上で還付するなど適切に処理しているところでございます。 ただ、先生の御質問の中にありましたように、納税者の中には、税務署から所要の連絡をとりましてもなかなか連絡がつかないとか、あるいはこれに応じていただけないとか、問題となっている事項等の解明ができない、そういう事情もあるようでございまして、その結果として処理がおくれている、そういうケースもあるようでございます。 とにかくいずれにいたしましても、ぜひとも納税者の方々の御協力をお願いしたいと考えております。
○近藤忠孝君 審査をし、かつそれをそのまま返せないものは留保する、これは当然だと思うんです。しかし、それにしたって迅速な処理が必要だし、しかも私が申し上げたとおり、農家の場合は一件一件審査ということが必要ない場合もあるんです。そういう類型的な処理、そういうことができるのじゃないのか。 そういうようなことがなされていない一つの事例として、私は岡山県内の、これは五つの税務署に分かれておるんですが、全部で五十件たまっておるんです、農業組合で調べてわかっただけで。一つの税務署で十件。これはもっと多いと思いますね。わかっただけでこれだけです。だから、そういう意味では、今私が指摘したような迅速な処理、これをぜひしてほしいと思いますが、いい答弁を伺って質問を終わりたいと思います。
○政府委員(山口厚生君) 今先生おっしゃいました具体的な岡山県内の件数につきましては承知をしておりませんけれども、岡山県内の税務署において、税務署の方から所要の連絡をとってもこれに応じてもらえないためにそういう問題となっている事項の確認等ができない、こういうことから結果として還付できない、そういうケースがあるというふうには聞いております。
○委員長(大河原太一郎君) 以上で質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 平成二年度の水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大河原太一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十三分散会