商工委員会 第6号
- 発言数
- 121 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1991/04/16
会議録
○委員長(名尾良孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十五日、庄司中君が委員を辞任され、その補欠として野別隆俊君が選任されました。 ─────────────
○委員長(名尾良孝君) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。坂本内閣官房長官。
○国務大臣(坂本三十次君) ただいま議題となりました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 独占禁止法は、公正かつ自由な競争を維持、促進することにより、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発展を図るものであります。政府は、国民生活を一層充実し、我が国経済を国際的により開かれたものとするため、独占禁止法違反行為に対する抑止力の強化を図ることを重要課題の一つと位置づけております。その一環として独占禁止法で禁止されている不当な取引制限等に対して課せられる課徴金を強化することとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一に、課徴金額は、売上額に一定の率を乗じて算定することとしておりますが、この率を現行法の原則一・五%から原則六%に引き上げ、小売業と卸売業についても、それぞれ二%、一%に引き上げることとしております。また、企業規模の小さい事業者に対しては、別に率を設定することとしております。 第二に、課徴金の算定の基礎となる実行期間については、現行法では特に限定がありませんが、法律関係の社会的安定等を図る観点から、三年を限度とすることとしております。 第三に、現行法では課徴金の額が二十万円未満の場合には納付を命じることができないとされておりますが、この額について、経済実態の変化等を踏まえ、五十万円に引き上げることとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
○委員長(名尾良孝君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日行うことといたします。 ─────────────
○委員長(名尾良孝君) 次に、再生資源の利用の促進に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○谷畑孝君 それでは、ただいまより割り当てられた時間におきまして、再生資源化促進法案につきまして幾つか質問していきたいと思います。 この再生資源化促進法案の審議に当たりまして、まず初めに、現在の時代認識が非常に大切だと思っています。特に、あと九年で二十一世紀になるという今日の中で、子供や孫たちにどのような自然と環境を残していくのか。また、地球の生態系の維持、そして限りある資源の保護が非常に重要だと思っています。今多くの地域で市民がリサイクル運動に取り組みを始めておりますし、その背景にもやはり地球環境の保護という関心が大きくなってきた。そういうことの中で、このリサイクル運動というものが大きなボランティア活動としても活発になってきておる、このように思っておるわけであります。 その中で、地球の温暖化の問題だとか、あるいはフロンガスなどによるオゾン層の破壊、こういうことも過日の商工委員会で議論をしたところでございます。また、私どもはそういう観点の中で、今日地球そのもの自身が森林の伐採によって砂漠化が進んだり、あるいは酸性雨が大きくなってきましたり、あるいは森林の破壊によって大洪水を起こすという、そういうようなことで、今日地球の環境保全ということが大きなテーマになっておると思うわけであります。 そこで、特に日本は、世界の陸地面積の〇・二八%という非常に世界の中から見ますとわずかな日本の領土、土地、こういうことでありますけれども、しかしどう言いましょうか、世界の資源というものを輸入していることにつきましては、これはもうGNPが世界で第二位でありますし、あるいはまた世界の資源貿易総額の四分の一に当たっておる、こういうことであって、約十七億トンを毎年輸入し、加工貿易しておる。こういうことから見ますと、今回の法案におきましてそういう地球的環境保護といいましょうか、そういう観点というのは非常に大事な時期にあるのじゃないか、そういうことを私自身が痛感しておるところでございます。 そこで、中尾通産大臣にお聞きしたいんですが、こうした地球環境の保護の緊急性と貿易立国日本の責任について、今回の再生資源化促進法案の中ではどのような位置づけをされておるのか。法律第一条の立法目的とこの法案の成立後の効果について、通産大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) 近年の経済ないし社会状況というものを見ますると、国民経済の発展や消費生活の多様化あるいはまたライフスタイルの変化等に伴いまして、再生資源の発生量が極めて増加しており、その相当部分が利用されずに廃棄されている状況にあるということは、ただいま委員御指摘のとおりでございますが、このような状況を放置することは資源の大きな損失であるとともに、廃棄物の発生を増加させ、環境の悪化を招くことにもなりかねないこともまた論をまたないところでございます。 通産省としましては、従来からも省資源、省エネルギーを実施しながら国民生活の向上を図るために各般の諸施策を講じてきたところではございますが、昨年末に産業構造審議会からいただきました答申に示されましたように、再資源化を一層強力に推進していくことが緊急の課題となってきていると認識をしている次第でございます。 このような認識のもとに、今般再生資源の利用の促進に関する法律案の提出を行っていると御考量賜りたいと思うわけでございます。この法律に定める諸措置による再生資源の利用を促進し資源の有効利用を図ることは、環境の保全に大いに資することとなると考えておる次第でございます。 以上でございます。
○谷畑孝君 この第一条の立法目的の中に、先ほど私が言いましたように、地球的環境保護という認識といいましょうか、そういう観点に立つならば、「国民経済の健全な発展」という表現の中に、地球環境の保全が含まれるということをやはりきちっと明確にしていくことが非常に大事じゃないか、このように思っておるわけであります。 と申しますのは、後ほど条項なり条文を審議していくわけですけれども、そのときにおいても必ずその点について常に出てくるわけであります。例えば、有用であるとかあるいは科学技術の発展の度合いだとか、そういうことの枠組みをはめられた中における再生資源化という、そういうところが各条項に出てくるものですから、ここの第一条の立法目的については、そういう地球的環境保護という点というものはきちっと押さえられるのかどうか、その点ひとつ、政府委員の方で結構ですから、お答えをしてほしいと思います。
○政府委員(岡松壯三郎君) この法律におきましては、再生資源の利用の促進に関する所要の措置を規定しているわけでございますが、資源の有効な利用を確保することに加えまして環境の保全に資するということも明確に目的の一つに規定しているわけでございます。これは第一条に、「資源の有効な利用の確保を図るとともに、廃棄物の発生の抑制及び環境の保全に資する」というふうに書いてあるわけでございまして、こうすることによりまして「国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」ということでございますが、このような形でこの健全な発展というのを究極の目的と位置づけているわけでございますが、この中に、この前段にございます「環境の保全に資する」ということも含まれているということでございます。
○谷畑孝君 そこは、午前中も連合審査の中で私どもの同僚委員もこの点については時間を割いて議論しておるわけでありますけれども、もう一度私から申し上げましても、「国民経済の健全な発展」という表現の中に、地球環境の保全が含まれるという答弁でございましたけれども、私どもやはり日本経済の世界への影響力や今後の国際貢献を考えた場合、この法案の目的として地球環境の保護を明確にすべきだということだけ私自身として申し上げておきたい、このように実は思います。 次に、特に今回の法案は廃掃法との関係、リンケージという、これも連合審査の中で再三言われてきたんですけれども、私もその立場で質問していきたいと思います。 私は、ぜひひとつ地球環境保護基本法というようなもの、例えば土地で言えば、土地の高騰によりまして国土庁が中心になりまして土地基本法というものが割と大きな委員会で議論がされた経過があります。それと同じように、今回のこの再生資源化法案もとりわけ廃掃法の改正の問題ともリンケージをさせたような基本法的な議論が必要じゃないか。特にこのあたりは環境庁などがきちっと位置づけされた中で進めていくのが非常に大事なことじゃないか、このように思っています。 と申しますのは、やはり今日の大量生産あるいは大量消費あるいは大量廃棄という、そういうサイクルそのものを根本的に省資源、省エネルギーの循環型社会システムに変革をしていくという、そういう一つの大きなきっかけでございますから、そういう点の大きな考え方の発想もそうだし、システムもそうだし、そういうようなシステム転換が必要だ、そういうことなので基本法的なものが必要じゃないか、こういうふうに思っているわけであります。 そこで、再度中尾通産大臣に、地球環境保護とリサイクルのための基本法の必要性、また廃棄物処理法と再生資源化法案のリンケージと一括審議について、その点について通産大臣として、どのように考えておられるか、そのリンケージの問題についてどのようにお考えをされておるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) 再生資源利用促進法案と廃棄物処理法改正案とは、それぞれ独自の目的及び役割を有しておりまして、それぞれの役割分担のもとに廃棄物処理あるいはまた再生資源化へ対応を図るものでございます。このうち再生資源利用促進法案は、まず第一に再生資源の利用の促進の基本方針、第二点として事業者、消費者、国、地方公共団体の幅広い協力を要請する部分、あるいはまた、第三点としまして事業者の努力を最大限引き出すための規定等から成り立っておるわけでございまして、これらの諸規定は再生資源の利用を促進する上で必要かつ十分な規定であると考えておる次第でございます。本法案が成立し適切な運用がなされれば、全体を束ねた基本法を制定する必要性には乏しいものと考えておる次第でございます。 以上でございます。
○谷畑孝君 いずれにしても、この法案の審議に当たっては地球環境保護の観点が非常に大切だと私は思っているわけです。生産、流通、消費という物の流れを回収、分別、再生、処理という観点からとらえ直すことが非常に重要だということだけ申し上げておきたいと思います。 それでは、本法案に入っていきたいと思います。 この法案の二条で、再生資源、それから特定業種、第一種指定製品、第二種指定製品、副産物という用語の定義をしているわけでありますけれども、まず最初に、それぞれの言葉の定義と内容、想定している品目を具体的に例示して説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(岡松壯三郎君) まず、再生資源でございますが、第二条第一項に規定してございますように、一度使用されもしくは使用されずに収集されまたは廃棄された物品というものと、それからいわゆる副産物と言われるようなものでございますが、製造段階等に伴いまして出てくるもの、こういうもののうち有用なものをとらえまして、これが原材料として利用することができるもの、あるいはその可能性のあるもの、若干ただし書きがつきますが、そういうものを再生資源というふうに考えておるわけでございまして、これはこの法案を貫く根幹的な定義でございます。 そして、特定業種につきましては、第二条の二項で規定しておるわけでございますが、これにつきましては技術的、経済的に再生資源を利用することが可能で、かつ利用することが当該再生資源の有効な利用を図る上で特に必要なものということで政令で指定することになっておりますが、その指定はどういう範囲かということでございますけれども、紙・パルプ製造業、ガラス瓶製造業などを念頭に置いているということでございます。 それから、第一種指定製品につきましては、定義は第二条三項にございますので割愛させていただきますが、具体的に考えておりますのは大型家電製品、自動車、ガラス瓶などを念頭に置いております。 第二種指定製品につきましては、スチール缶、アルミ缶というようなものでございますし、指定副産物、五項でございますが、これは鉄鋼スラグ等を考えているということでございます。
○谷畑孝君 そこで、特に再生資源についてここでは定義をしているわけでありますけれども、とりわけこの再生資源と廃棄物の区別は一体どのようにしてつけられておるのか、そこらをお伺いしたいと思います。 例えば、厚生省の廃棄物の法律では、お金を支払って処理してもらうのが廃棄物、お金を受け取って売り渡すことができるのが再生資源、このように私ども理解をしておるわけであります。一方、通産省の再生資源化法案では、これを読んでみますと、物品や副産物のうちで、一つは有用なものであると、二つ目は、原材料として利用することができるもの、またはその可能性のあるものを再生資源とする。だから、有用であって、しかもそれが原材料として可能性のあるもの、こういうものが再生資源だと、このように書いてあるんです。 そこで、通産省の定義で、原材料として利用することができるもの、またはその可能性のあるものについては具体的に想像できますが、有用なものというのは何かよくこれわからぬわけでありまして、有用である、有用でないというのはどういう状態なのか。有用であるかないかは一体だれがそういうものをまた判断するのか。そういう点について詳しく御説明を願いたいと思います。
○政府委員(合田宏四郎君) お尋ねの再生資源と廃棄物の関係でございますけれども、再生資源は、先生御指摘になりましたように、使用された物品や副産物について、それらが廃棄物として処理、処分される以前に原材料として有効に利用できるもの、あるいは一たん廃棄物として処理過程に入りましてもその後に原材料として再び取り出される、例えば廃棄物の中から磁力回収装置でもって鉄くずを取り出すというような場合は再生資源となるわけでございます。一方、使用された物品や副産物が利用されないで処理、処分をされる過程に入ってまいりますと、それは廃棄物ということになるわけでございます。 有用物か有用物でないかという概念でございますが、それは一般の市場が決めるわけでございまして、経済的な価値を持つものが有用物でありまして、そうでないものが廃棄物というふうになるわけでございます。 ─────────────
○委員長(名尾良孝君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、野別隆俊君が委員を辞任され、その補欠として庄司中君が選任されました。 ─────────────
○谷畑孝君 ここでも、もちろんそれは通産省という行政上当然のことだと思うんですけれども、再生資源化されていくに当たって有用であるか有用でないかということは、基本的にはこれは、今先ほどの答弁の中でありましたように、市場の経済における度合い、こういうことが有用であるかどうかの基準だと、こういうように私自身が聞いたわけですが、それで間違いありませんか。もう一度だけちょっと確認のためにお聞きしたいと思います。
○政府委員(合田宏四郎君) 有用であるというのは、先ほど申し上げましたとおり、市場から見て価値があるものでございまして、経済的価値を持つものを有用なものであるというふうに定義をいたしておるわけでございます。
○谷畑孝君 先ほど一番最初に、立法目的のところで議論させてもらったわけでありますけれども、今日の地球環境保全といいましょうか、いわゆる地球の環境保全の問題だとか、あるいはリサイクルの問題だとか、そういうのが必要な今日の状況といいましょうか、そういう考え方の中で、通産行政においても、例えば今の時点では有用でないかもわからないけれども、しかし環境保全だとかそういう立場においては、将来それを行政の力によって有用なものに誘導していくといいましょうか、そういうものもあり得ると思うんですけれどもね。その点はどうですか。
○政府委員(合田宏四郎君) 御指摘のとおりでございまして、そのまま放置をしておきますと、再生資源というのは新規資源と比べますと品質も悪いし、また価格も場合によっては回収コストが高くなることによりまして高くなるわけでございまして、先生御指摘になりましたように、技術的な水準が上がってまいりますと、従来は廃棄物として処理をされておったものが再生資源として有効に活用できるということで事情が変わってまいるわけでございます。 この法律は、したがいまして、従来の経済原則だけにゆだねていたのでは十分な再生資源化が進みませんので、それをこの法律によりまして強力に再生資源の利用を促進する、そういう観点から再生資源の需要面、供給サイド両方の面からいろいろ事業者に対する義務を課することによって、放置をすれば廃棄物となるもの、つまり価値がなくなってしまうものを有用なるものに変換せしめるという観点からの法律であるというふうに御理解いただきたいわけでございます。
○谷畑孝君 例えば、こういうことが言えると思うんですけれども、自動車の廃車のことで言いますと、タイヤが外されて、そしてこれを回収する手間が非常にかかるという状態で放置されている場合は、これはやはり有用でないということにもなりかねないと思うんですね。また、例えばの例として、時にはその廃車を処理するのに相当遠隔地に運搬をしなければならない、こういう場合でも、経済の市場だけで判断をすると有用でない、こういうことになると思うんですね。だから、そこらの点を、これは例がもっといい例があればいいんですけれども、先ほど申しましたように、ただ単なる有用であるか有用でないかということだけに基準を置いていきますとなかなか狭められたものになっていくのではないか、こういうように思うんです。だから、それを有用にしていくために、もちろん技術開発の問題が必要であったり、あるいはリサイクルセンターの設置が必要であったり、さまざまなそういう総合的な施策の中で、いわゆる有用なものへということも非常に大事なんですけれども、そこの判断はケース・バイ・ケースだろうけれども、非常に私は大事だと思うんですけれども、もう一度一つだけそれでどうかということをお聞きして、次に進みたいと思います。
○政府委員(合田宏四郎君) それぞれの物質が有用であるか有用でないかという点につきましては、当該物質の原材料としての先生御指摘になりました利用技術があるかないか、利用技術の状況とか、それから市場で競争いたしておりますから、当該物質が同様の性能を持つ他の類似物質との競合の状況でございますとか、それから使うのは消費者でございますので、消費者の意識なり価値観等、さまざまな経済的な条件によって有用であるか有用でないかというものは、時によって変化をしてまいるわけでございますので、この法律の運用に当たりましては、その物質を製造し加工し販売をしておるその事業の所管省庁がこのような状況につきまして常時情報を集めまして、適切にチェックをしながら弾力的かつ柔軟に対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
○谷畑孝君 それでは、次に進んでいきたいと思います。 第二条の第二項では、特定業種について次のように定義をしております。「「特定業種」とは、再生資源を利用することが」技術的に可能であり、経済的に可能であり、「当該再生資源の有効な利用を図る上で特に必要なもの」を「再生資源の種類ごとに政令で定め」、その業種を定めるとしています。 ここで、通産省に聞きたいんですが、「経済的に可能」というのは、原料として経済的に採算が合うことを意味しておりますのか。この場合の採算とは、企業内部での原料コストの採算性だけでなくて、再生されずに廃棄物となったときの処理費や、環境保護に必要な社会的費用も含めた国民経済としての経済性を考えに入れるべきだと思いますけれども、通産省の解釈はどうですか。そのあたりお聞きしたいと思います。
○政府委員(合田宏四郎君) 今、御指摘になりました法律の第二条第二項の規定は、特定業種を政令で指定いたしまして、再生資源の利用を促進するということでございますが、これは先ほどもお答え申し上げましたように、経済原則だけにゆだねておりましたのでは十分な再生資源化が進みませんので、法律によってより強力に再生資源の利用を促進しようという趣旨からの規定でございます。 しかしながら、経済的におよそ不可能なものまでを行おうということはまた現実性がないわけでありますし、仮にやったとしても長続きがしなく、また実効が上がらないわけでございますので、政令指定要件として、再生資源を利用することが経済的に可能であるという旨が規定をされているわけでございます。 したがいまして、特定業種の指定に当たりましては、法目的にあります「資源の有効な利用の確保を図るとともに、廃棄物の発生の抑制及び環境の保全に資する」旨の規定を踏まえて、本来の経済原則に合致する範囲だけに限定いたしませず、事業者の相当な努力によって初めて可能になるようなものも含めて法の対象として措置を講じて、廃棄物の発生の抑制なり環境の保全に資するというつもりでございます。
○谷畑孝君 今のお答えの中でもおっしゃっていましたように、常に経済的に可能であるということ、それと同時に、経済的に可能でなくても再生資源化をしていかなきゃならぬ、子孫のためにも残していかなきゃならぬという、その枠組みを広げていかにゃならないということとの、二つの矛盾したといいましょうか、二つのことを同時に今おっしゃっているわけでありますけれども、私どももちろんその点については当然そうだろうと思います。全く経済を抜きにしてもこれまたリサイクルシステムというのは成り立たないと思います、もちろんそのためにもまた技術等含めて開発しながら、そういう市場ベースにも乗っていくような努力も必要だと思うんです。 私は、あえて質問事項にして取り上げておるのは、にもかかわらず、やはり将来子孫に残していかなきゃならぬ資源というものを、さらに枠組みを大きくしていくために、もっと広範な形の特定業種を広げていくといいましょうか、そういう考えも必要だと思うんです。 そこで通産省として、業種や品目の指定に当たっては、環境保護の緊急性や資源の有限性を考えに入れ、できる限り広い範囲で指定することが必要だと考えているわけでありますが、できる限り広い範囲で指定することが必要だと考えるかどうか。また、科学技術の急速な進展に対応して、定期的に再生資源化の技術と経済コストを調査し、対象品目や業種の拡大をさらに図っていく考えがあるのかどうかについて、お伺いしたいと思います。
○政府委員(岡松壯三郎君) ただいま御質問いただきました点でございますが、本法の指定に当たりましては本法の目的に沿いまして、再生資源の利用を促進するという目的にかなう限りできるだけ広く指定するというのは申すまでもないわけでございますし、その際に、技術の進歩を織り込みながら対処していく、あるいはコストも勘案しながら対処していくということで対応してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○谷畑孝君 それでは次に、基本方針について幾つかお伺いをしたいと思います。 第三条では、再生資源の利用の促進に関する基本方針としまして三つの点が定められております。一つは再生資源の種類ごとの利用の目標、二つ目は再生資源の利用促進の意義に関する知識の普及に係る事項、三つ目がその他再生資源の利用の促進に関する事項、この三つが定められておるわけでありますけれども、この方針を定めるための判断基準として、「再生資源の利用に関する技術水準その他の事情を勘案して定める」、このようにしています。 そこで質問でございますが、方針策定の判断基準として、「再生資源の利用に関する技術水準その他」と書いてありますが、「その他」とは何を意味しておられるのか。地球環境保護の緊急性やごみ減量の必要性といった観点は、この基本方針の中でどのように盛り込まれているのか。再生資源の利用目標については、将来の技術革新も考慮に入れて、できる限り高目に誘導することが必要ではないのかということについてお聞きしたいと思います。これも一番最初の目的のところの議論をしたところともかかわることでございまして、高目に誘導するという必要があるのかどうかという点についてお聞きしたいと思います。
○政府委員(岡松壯三郎君) 基本方針の中身につきましては、先生御指摘のとおり、大きく分けて三つの事項があるわけでございまして、これを定めるに当たって、「技術水準その他の事情を勘案」ということでございますが、この勘案すべき事項といたしましては、やはり資源の問題でございますので、他の代替原料の状況でございますとか、あるいは当該業種の置かれている経済情勢等が含まれるというふうに考えておるわけでございます。 それから、環境保全という御質問の点もあるわけでございますが、この点につきましては法律の目的に即しまして、この環境の保全に資するものとして資源の利用の促進の意義に関する事項の普及というところで、環境保全についての事項については当然盛り込まれるというふうに考えておる次第でございます。
○谷畑孝君 基本方針は、先ほど言いましたように、いわゆる「再生資源の利用に関する技術水準その他の事情」という、「その他」が私は非常に大事だと思うんです。 と申しますのは、技術水準とかそういうことにかからない範囲でも、「その他」というところにおいてある程度範囲が広められていくと思うんですけれども、その点についてどうですか、「その他」というものの基準といいましょうか、考え方の範囲そのもの自身が非常に大きく左右してくると思うんですけれども、もう一度お伺いします。
○政府委員(岡松壯三郎君) 多少繰り返しになって恐縮でございますが、「その他の事情」ということでございますが、ここは他の代替原料の状況でございますとか、それから当該特定業種にかかる経済情勢等がこれに含まれるというふうに考えております。
○谷畑孝君 次に行きたいと思います。 基本方針は、どこで議論をして、だれが決めるのか、主務大臣がそれぞれ基本方針を策定するということになると思うんですけれども。 そこで、再生資源の利用促進を本当に図るためには、消費者を初め地域でリサイクル運動をしている人や再生資源業者、メーカーや流通販売業者などの民間の人たち、また地方自治体の代表者などが入った公開の諮問機関、そういうものから主務大臣が決めるに当たっては聞くということになるのかならないのか、その点どうですか。
○政府委員(岡松壯三郎君) この基本方針を定めるに当たりましては、この法律の目的でございます「資源の有効な利用の確保を図るとともに、廃棄物の発生の抑制及び環境の保全に資する」という規定の趣旨を踏まえて策定すべきものであるというふうに考えております。 この策定に際しましては、各事業所管大臣、ここでは六大臣おりますが、及び環境庁長官がそれぞれの所管行政における経験と知見を結集いたしまして、再生資源の利用の促進に万全を期す観点から共同してこれに当たるということとしておりまして、この事業所管大臣六大臣ということはすべての事業をカバーしているというふうに私ども考えておるわけでございます。 また、環境庁が加わることによりまして環境の観点も踏まえまして、さらに幅広い視点を踏まえた内容となるというふうに考えている次第でございまして、したがいまして、このために、先生御指摘のような声を反映させる法律上の規定を設ける必要はないというふうに考えている次第でございます。
○谷畑孝君 その点は少し意見が違うんですけれども、今日の再生資源化法案について一番大事な点は、ボランティアの回収参加であったり、あるいは地方自治団体の、とりわけごみを回収していく清掃労働者の経験だとか、そこに持っている問題点だとか、そういうものがもっと反映をされて、そういう中で、例えばプラスチックだったらこうだ、あるいは古紙であったらこうだ、あるいはこれだったらこうだというさまざまな経験があり、実際に行われているところにやはり蓄積されているわけであります。 だから、そういう意味では最近はやりのボトムアップといいましょうか、上から下へというんじゃなくて、下から上へということにもつながると思うんですけれども、そういう意味で、ぜひこの基本方針というものがもっとボトムアップの精神をより生かされた中で、実際にそれに携わっている人々の声が聞こえるようなものを反映することはできませんですかね。それはどうなんでしょうか。
○政府委員(岡松壯三郎君) 資源というものにつきましてどのように対応するかということでございますが、産構審の部会の答申にございますように、やはり資源あるいは廃棄物といってみても、結局個別のものにさかのぼって対応していく、そしてものを紙なら紙、缶なら缶、瓶なら瓶あるいは鉄くずなら鉄くずということで追っかけていって、そしてそれをごみとする前に、何とか資源として引き戻してくるということが大事だという点は御指摘のとおりでございます。 その意味で、それぞれの事業所管相といいますのは、その資源をいかに有効に使うかという観点で、従来も対処しているわけでございますが、さらに本法制定の暁には、そのような観点を踏まえて事業所管大臣は対応していくということでございまして、各事業所管大臣が責任を持って、広い視野から基本方針を設定するに当たりましては、末端の声も吸収していくように努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○谷畑孝君 ぜひそのボトムアップの精神で、実際に携わっている人々の声を聞いた中で、その基本方針が策定されていくということにぜひひとつ期待をしていきたい、こういうふうに思います。 次に、各論に入っていきたいと思います。 けさも連合審査会で議論されておりました第九条、「地方公共団体の責務」ということで、「地方公共団体は、国の施策に準じて再生資源の利用を促進するよう努めなければならない。」、このように書かれてあります。これは、「国の施策に準じて」ということなので、地方公共団体がそれぞれの工夫を凝らしてリサイクルについてさまざまのことを現実に応じた中で、むしろ国の施策以上に行った場合どうなるのかという質問が連合審査の場でもございました。私もその連合審査を聞いておりまして、ここの点については非常に実は心配もしますし、どうとらえておられるのかということをもう一度確認したいと思います。 と申しますのは、先ほどの基本方針におけるボトムアップを聞いていただきたいといったことと同じように、やっぱり地方公共団体の果たす役割は非常に大きいと思うんです。とりわけ、回収システムの問題にしたって、あるいはごみの清掃労働を担っておるのも地方公共団体でございますから、その点についての第九条の、これはえらい済みません、通告しておりませんけれども、午前中の連合審査と同じでございますが、ぜひひとつその点を聞きたいと思います。
○政府委員(合田宏四郎君) 先生御指摘のように、再資源化の中で地方自治体が果たす役割というのは非常に重要でございまして、先ほど事例に挙げられました分別回収の問題でございますとか、あるいは住民への集団回収の働きかけの問題、あるいは教育活動、広報活動、いろいろ重要な役割を担っていただいておるわけでございます。 第九条は、この条文でいいますと、第六条の資金確保の規定でございますとか、第七条の技術開発の規定、あるいは第八条の国民の理解を深めるための教育、広報活動、これは当然国においても一生懸命やるわけでございますけれども、地方自治体では、先ほど申し上げましたように、地域の実情、特殊性、特色を十分踏まえまして、さらに国より場合によっては進んだ措置も講ずることができるという意味でございまして、準ずるというのは、全くイコールということではなしに、それと同等あるいは類似の施策を講じても構わないという意味でございます。 したがいまして、第九条がありますがゆえに、国より進んでいる先導的な地方の取り組みを抑制するというような事態はまずないものである。むしろ、基本的には地方自治体がそれぞれの実情に応じて施策展開をやっていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○谷畑孝君 そうしたら、準ずるということは、イコールではない、それぞれ地方公共団体が工夫を凝らした再生資源の利用を促進するための施策については、歓迎をするということでいいのですね。イエスかノーかだけで結構です。
○政府委員(合田宏四郎君) そのとおりでございます。
○谷畑孝君 それは、通産省として通達なり含めて行うと思いますので、そういう通達だとかそういうところにまたそういう考えが反映されたら非常にありがたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。 次に、第一種指定製品についてお伺いしたいと思うんですけれども、第一種指定製品については、リサイクルしやすいように、解体するときに分別が簡単な構造と部品にするように設計して製品化するということがこの法案のねらいだと思います。そして今、この第一種指定製品についての説明もお伺いしたわけでありますけれども、自動車や大型電化製品を対象に考えているということで説明をされたわけであります。 そこで、通産省にお伺いをしたいんですが、自動車メーカーなどに示す判断の基準となるべき事項は具体的にどのような内容のものになっていくのか。とりわけ、ガイドラインといいましょうか、どういう形で再生資源化率を高めることができるのか、この法律の効果も含めて、そこらありましたらひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(山本幸助君) お尋ねの自動車につきましては、まだ指定するかどうかについてはもちろん決まっていないわけでございますけれども、有力候補であるということでございますので、仮に指定された場合について、そのイメージを少しお話ししたいと思います。 基本的には、やはり製造業者が生産段階において再資源化しやすいような構造設計、あるいは材料構成、あるいは組み立て方法についていろいろな対策を講ずるということになろうと思います。例えば、樹脂を使うような場合につきましては、リサイクル可能な樹脂の開発ができないか、熱で溶けるとかそういうことですね、あるいは樹脂材料について余り異種のものが入らないような統合化ができないか、あるいは材料識別のためのマーキングが実施できないか、あるいは解体しやすいような構造の開発ができないか、こんなことを今研究いたしております。
○谷畑孝君 例えば、西ドイツのベンツ社では自主的にリサイクルしやすい車づくりを計画しているということを私ども聞いているわけであります。昨年十二月に発表された「メルセデス・リサイクリング」というレポートでは、スクラップ段階の廃材の七五%、これは非常に高いんですね、七五%をリサイクルできるように製品設計を進めておるということが言明されているわけであります。また、分別しにくいプラスチックの混合部品を減らし、自然分解するプラスチックを使うようにしておるという報告も聞いています。また、メッキや塗装においても、有害な塗料を極力使わずに化学溶材の廃棄を減らす工夫をしておるということであります。その結果、解体する際の再生資源の分別の手間が大幅に省けるだけではなく、再生不能な部品数も大きく減らされる、こういうことであります。 大臣、どうですか、あるいは政府委員からでも結構ですが、こうしたベンツ社の取り組みについて、通産大臣は御存じだったら、御存じだということでお伺いしたいのですけれども。また、通産省がこれから定めようとしている「判断の基準となるべき事項」は、ぜひこのベンツ社のレポートに負けないような、そういうリサイクルがしやすい素材を使って、そして七五%ぐらいに仕上げていくという、こういうガイドラインがひとつつくれるものかどうかということもお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) 通産省も諸外国のそういう情勢を踏まえて負けないように勉強しておりますが、各論に至っては政府委員から答弁させます。
○政府委員(山本幸助君) 今先生がお挙げになったベンツの例あるいはアメリカでもかなりいろんな勉強をいたしております。先ほど私申し上げました勉強、これも一例でございますけれども、アメリカ、ドイツに負けないように今鋭意業界を中心に勉強しているところでございます。
○谷畑孝君 結局、このベンツ社も設計段階にそのようにしてリサイクルがしやすいようにということで、私が説明しましたようなことに今しておるわけでありますが、ここにもきっちりと初めに地球環境の保護だとかあるいは資源の節約というものが一つの前提にあって、そういうことに取り組まれたということでございます。だから、ここでも判断基準を単に技術水準だとか有用だとか、そういうところだけではなかなかこのような七五%ということになっていかないと思うのです。ぜひひとつ日本においてもそういう観点の中でリサイクルの率を高めるガイドラインをつくっていただきたい、こう思います。 そこで、再度政府委員の皆さんに、この判断基準作成に当たっては、このベンツ社の先進的な取り組みがあることを踏まえて、環境保全や廃棄物処理費用や環境破壊の弊害についても、ぜひ判断の基準として入れていただいたら非常にありがたい、こう思うのですが、どうですか。ガイドラインの判断、リサイクルしていく判断基準ですね。
○政府委員(岡松壯三郎君) ガイドラインを決めるに当たりまして、経済原則だけでなしに、今お話に出ましたような廃棄物の処理費でございますとか、その他の環境的なコストをどう見ていくかということでございますが、この再生資源の利用という問題を考えます場合に、経済原則だけで処理していこうとすると、やはり新規の原料の方が得やすくしかも安いという場合も間々あるわけでございます。 したがいまして、今回法律で定めまして強力に再生資源の利用を進めるに当たりましては、経済的におよそ不可能なものをやるというのはこれは無理でございますけれども、単に経済原則だけでなしに、もう少し広い見地から物を考えていくというのが本法を制定する趣旨でございますので、ガイドラインの制定に当たりましてもそのような考え方で処理をしてまいりたいというふうに考えております。
○谷畑孝君 日本は輸出大国でございまして、自動車にしても電化製品にしましても輸出をやっておるわけでありますから、日本の技術は最高の水準だということでございますので、そのような環境保全という観点に立って、リサイクルをしやすいようなものをつくり上げるということも、一つは世界にやはり褒めてもらえることになるのではないか、こう思いますので、そういう観点の中でガイドラインをどんどんできる限り上げていく努力をぜひひとつしていただきたい、こういうふうに思います。 次に、電化製品や自動車は外国からの輸入品も非常に多くなっております。環境保護やごみの減量化にとって、その製品が国内産か外国産かという区別は意味がないと私は思います。輸入品についてもこうした判断基準をクリアするように指導をする必要があると思います。 そこで、外国製品に対してこの法はどのような影響を及ぼすのか、外国企業や日本へ輸出している国に対してどのように趣旨を周知徹底していくのか、説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(合田宏四郎君) 輸入品も国内で使用いたしますと、これは再生資源として利用されない限りは廃棄物となる点は国内品と全く同じでございますので、この法律の措置は日本国内においては内外無差別で適用することに考えておりまして、第一種指定製品とか第二種指定製品についての措置は輸入品についても適用をされることになっております。 この点につきましては、この法律を検討する段階で、日本にございます主要大使館でございますとかあるいは経済団体等にもその旨を説明いたしまして意見を求めましたところ、現在までのところ特段反対というような意見はなしに、十分御理解をいただいておるものと考えております。
○谷畑孝君 わかりました。 それで、もう一つ関連でありますけれども、輸出品についてはこの法律の適用を受けるのかどうか。それと外国で商品生産をしている日系企業についてはどうなのか。法の適用範囲とならない場合でも、この趣旨を徹底して指導していく考えがあるのかどうか、関連をしてもう一度お願いしたいと思います。
○政府委員(合田宏四郎君) まず第一に、海外へ輸出する輸出品についてこの法律の適用があるのかどうかというお尋ねでございますが、輸出相手国でありますところの各国は、それぞれの国における再生資源の発生状況とかあるいは利用状況を踏まえまして、それぞれ独自のリサイクルに関する規制ないし施策を実施いたしておりますので、輸出品についてはこれらの輸出先国の規制に従うのが適当であると考えております。 しかしながら、この法律は国際的に見ましても先駆的な取り組みであると私どもは考えておりますので、政府といたしましては、各国におきましてこういう取り組みがなされていくように、さまざまな場を通じて呼びかけてまいりたいというふうに考えております。 それから二番目に、我が国の企業が海外生産をいたします場合にこの法律の適用があるのかというお尋ねでございますけれども、本法におきましては、第一種指定製品として政令指定をされたものにつきまして、その製品が使用された後に再生資源として容易に利用されるように製造業者に対して、主務大臣が判断基準をつくりまして、指導、助言等を行ってまいるわけでございますが、こういう法的措置の対象となりますのは、国内にある企業の国内の事業活動に対してでございます。 我が国の企業が海外において生産をいたします場合に、進出先国の資源の有効利用を図ったりあるいは環境保全にも資するような努力をするということは当然必要であるとは考えておりますけれども、そういう努力はそれぞれの進出先国の国情等に応じまして、かつそれらの国が採用しております規制でございますとか政策の実態に即して行われることが必要でありまして、一律に我が国の法律を海外に立地しておる企業に義務づけを行うことは適当ではないというふうに考えております。
○谷畑孝君 確かに、相手国の事情だとかそういうことがあるわけですけれども、できましたら、リサイクルがしやすいというせっかくのいい法案でございますので、輸出に当たっても、いいものは事情によってはできる限りそれを適用していくということが大事だというように思います。 次に、建設省について、第十八条から二十条にわたるところの指定副産物についてお伺いをしていきたいと思います。 政令で定める業種として、鉄鋼スラグや建築現場から出るコンクリートガラなどを指定する意向ということを聞いておるわけでありますけれども、四つの点についてお伺いをしたいと思います。 一つは、産業廃棄物の中で建築廃材は非常に量が多いということがあります。また、最近の建築廃材の発生量、その中でのコンクリート廃材の占める割合が最近ではどういうようになっておるのか、リサイクルはどのように行われておるのかということをお聞きしたいと思います。 二つ目は、この法案の成立によって、コンクリートガラのリサイクルについて、建設省として具体的にどのように推進していかれるのか。 三つ目には、この法案の第七条では、再生資源の利用の促進のための科学技術の振興、研究開発の推進などを行うとしていますけれども、コンクリートガラ等のリサイクルが経済的に採算がとれるような技術開発計画と予算措置などはどうなっているのか。 そして最後に、コンクリートガラの再利用を促進するためには、地方自治体も含めた公共工事での廃材の積極的活用が必要だと思いますが、そのために地方自治体や業者にどのように周知徹底するつもりなのか。 以上、簡単に説明をしていただきたいと思います。
○説明員(木下博夫君) お答えさせていただきます。 まず、先生御承知のとおりでございますが、建設産業は現在国民総生産の約二割という我が国の経済の中におきます大変大きなシェアを占めております。したがいまして、今回の法案につきましても、私ども、通産省ともども、建設業の置かれております状況を十分認識した上で、この法案について参画させていただいておるわけでございます。 先生の幾つかの御質問ございましたが、コンクリートにつきましては、御承知のようにいろいろな建設廃材の中でも大変代表的な建設副産物だというふうに私ども認識しておりますが、残念ながら正確な数字を現在私ども手元に最近の数字として持っておりませんが、一番こうした産業廃棄物としての問題が多い首都圏におきます最近の例でいきますと、コンクリートガラの発生量が年間に直しまして一都三県で約七百六十万トンということでございますが、幸いといいますか、かなりの努力をしておりまして、この約四割以上が例えば路盤材などに使われているというのが実態でございます。もちろん我々はこれに満足しているわけではございませんで、これからもこの方向をさらに推進していかなければならないという認識は持っております。 建設省は、かねてよりコンクリートガラにつきましては、再生利用につきましても技術開発やあるいはその使用のための技術指針というのを定めておりますけれども、時代が随分変わっておりますし、それぞれ技術的な検討も重ねてきておりますので、今後さらにこうした技術開発や技術指針というものにつきましてはさらに我々も鋭意努力してまいりたいと思っております。 研究部門につきましても御質問ございましたが、これにつきましては、実はちょっと細かくなりますが、私どもの方で総合技術開発プロジェクトというのをかねてより、この産業廃棄物問題だけではございませんけれども、種々の先を見通した技術開発をやっておりまして、この中で今回本年度につきましても約五千万円の予算を取りまして、コンクリート用骨材につきましての再生利用という観点から研究をやってまいりたい、こういうつもりでおります。 なお、最後にお話がございました公共工事につきましての地方公共団体なり業界でございますが、建設省といたしまして私ども担当しています業行政の以外に、発注者サイドでございますけれども、これは主として良質な社会資本を整備するためにいろいろ施工条件の点で考えていかなければならないと思っていますので、そのための必要な費用あるいは積算という点で、建設省所管の事業に当たりましても必要な内容を指示いたしまして周知徹底を図るということで、こうした分野の促進を図ってまいりたいと思っております。
○谷畑孝君 とりわけ建設業界というのは、下請とか孫請だとかそういう割と複雑に絡んでおりますし、同時に建設業界から出されていく廃棄物というのは非常に量も多いですし、最終処分地における投棄におきましてウエートも非常に大きなものだと思うんですね。 特に最近では、不法投棄だとかこういうものが非常にクローズアップされて大きな社会問題化されているわけでありますから、その中でぜひ建設省としては、孫請下請を含めても、あるいは産業廃棄物をいわゆる投棄する場合においても、不法投棄でなくて、きちっとされていくような入札単価といいましょうか、もともとそれを受けるに当たっては、そういう常に産業廃棄物というものの処理にお金がきちっと要るということですね。もちろん、要るということで今なっておるんですけれども、それをさらに値切ったりいろいろな形をやっていきますと、それ自身が不法投棄の一つの原因になってしまう。不法投棄そのもの自身は、業者自身については許されるわけでもなくて、問題なことなんです。しかし、一方考えていきますと、そうせざるを得ないようなコストの問題だとかそういう問題があると思うんですね。 だから、その点について、建設省として業界へのそういう無理なコストダウンをしないような点の指導が要るのではないかと思いますけれども、その点についてはどうですか。
○説明員(木下博夫君) 建設省の方では、今先生おっしゃったように、私ども局面的には発注者と建設業者という間の問題、それから建設業者の中でもお話がございました元請と下請の関係、この二つの局面でこの問題も当たらなきゃならないと思っております。 ただ、言いわけ的になるかもわかりませんが、建設業の特色は、言うまでもないことでございますが、移動生産でございまして、かつ総合組み立て産業という特色を大変持っておりますので、我々は今回のこういう問題につきましても、双方のやはり役割分担というものをしかともう一度確認しながら、例えば契約の問題、おっしゃった費用等を含めた積算の問題について当たらなきゃならないと思っております。 実は先般、私どもも、建設業界の今日置かれております環境の中で、入札契約問題につきまして一定の方向づけを出しまして、その中にはやはり必要な費用、これは社会的に建設業が果たしていく役割の上では十分見るべきものは見なきゃいけない。しかし、見ていただいたものについては、今おっしゃったように、しっかりと適正にそれが使われるという姿勢を示していかなきゃならないと思っておりますので、発注者につきましても、建設省だけじゃなく、国のレベルあるいは都道府県のレベルでの多くの発注者もいらっしゃいますし、建設業者もいろいろ総合建設業者あるいは専門工事業者ございますので、これらの広範な範囲の関係者に対して、今お話のございましたようなことも含めて、これから徹底してまいりたい、こう思っております。
○谷畑孝君 そこで、建設省にもう少し、それに関連することですけれども、あと二つほど質問していきたいと思っています。 一つは、先ほど言いましたように、いわゆる大手ゼネコン、それを受けたところのゼネコンさん自身がきっちりと、産業廃棄物になっているコンクリートガラとかあるいは廃材板だとか、板だとか、木材だとか、廃材だとか、そういうものをその場においてできる限り技術革新の中で、コンクリートならコンクリートとして再生されて建材としてまた使われていくという、そういう努力もこれは非常に企業としてその問題につきしても責任を負うていく姿勢が必要だろうし、同時に、今のお話にありましたように、とりわけ建設業界におきましては、地方公共団体とかあるいは国自身が発注することが非常にウエートも大きいと思います。これからまた四百三十兆円の公共事業ということで大きく発展をしていくわけですから、そこにできましたら、入札基準といいましょうか、企業自身の技術的な、あるいは資本関係におけるランクだとか、そういうことが入札においては非常に大きな基準になっておるわけでありますけれども、これも答えられる範囲の中で結構ですから、できましたら入札基準の中に企業の社会的責任といいましょうか、グッドエンプロイヤーといいましょうか、いわゆるきちっと再生資源の促進化に努力している企業かどうかとか、あるいはそういう産廃等を含めて不法投棄がされてないのかされておるのか、そういうふうなことなどが入札の中に少しでも加味できるようなことができないものでしょうか、そのあたりはどうでしょうか。行政自身が直接指導できる部分からいえば直接的なウエートの大きなものだと思いますので、その点についてはどう考えておられますか、お聞きしたいと思います。
○説明員(木下博夫君) お答えいたします。 先生入札とおっしゃいましたが、少しくどくなりますが、建設業者は三つのスクリーンを通して選別されておりまして、許可をとる段階、それから発注者に自分の仕事を欲しいと希望を出す指名参加願い、そして発注者の方がその業者の中から適切な業者を選ぶという指名の段階ということでございます。お話は指名の段階でのお話ではなかろうかと推察させていただきますが、指名の場合は、当該工事に関しての業者として適格性を問うのが一応建前といいますか原則でございます。しかし、その場合には当該工事での判断でございますから、工事に対しての施工能力といいますかそういう面で審査するわけでございますが、一方では業者のかなり長い期間におきます過去の工事実績などについても、業者としての比較をいたす際には、発注者はそれなりに検討しておりますので、今回お話がありましたようなこうしたリサイクルに対しての取り組み姿勢は、例えば技術的能力あるいは各業者が持っております施設の問題等、そういう面で当然業者としての種々の比較をいたす際には考慮の中に入ってくると思いますが、これも新しい時代を迎えまして、こういう側面で我々としてこれから取り組んでいかなきゃいけないという課題を持っているというふうに私ども認識しておりますので、さらにこれからも検討を重ねてまいりたいと思っております。
○谷畑孝君 流通部門で言いますと、消費者が例えばスーパーだとか百貨店だとかそういう企業に対して、今日も市民運動がはやりでありますけれども、地球に優しい環境保全とかそういうことを行っているスーパーなのか流通業界なのか、あるいは貧しいアジアの人たちに対する基金運動とか、そういうものをしておられるかどうかというのが最近では買い物のチェック事項になっているということが新聞を見ましても報じられておるわけなんです。 そういう観点から見ますと、建築の発注の責任者が公共団体であったり国であったりする場合は、そういう流通に見られるような消費者運動とリンケージするようなことと同じように、私は国としてぜひひとつ、環境問題や建築廃材の再生化、適正処理に対する各企業の取り組みの評価というものが、入札といいましょうか、発注するプロセスとして大いに加味をされていけば、すぐれて建設業界における再生資源化の状況は一挙に解決をしていくのじゃないかと思うんですが、その点はもう一言だけもしもありましたら伺って、次に進みたいと思います。
○説明員(木下博夫君) 私ども基本的に建設業者に対しては、今お話しの問題だけに限らず、広く国民にこたえる建設業者にしていかなければならないと思っております。したがいまして、建設業者は環境問題に対する関心もおのずと社会的責務を果たす一つとして十分認識しなきゃいけない課題でございますので、その点から発注者としてもいろいろ工夫はしてまいる所存でございます。
○谷畑孝君 次に、通産省にお聞きしたいんですが、これは建設業だけにかかわらず、すべての産業廃棄物を出している業者にもかかわることだと思うのですけれども、企業の社会的責任について、とりわけ産業廃棄物を含む不法投棄について企業責任を明確にするための提案をしたいと思います。 例えば、委託あるいは請負での契約書の中で、発注企業と廃棄物運搬処理企業との契約条項として、不法投棄か不正処理が行われた場合、発注企業は契約履行点検義務違反として、処理企業は契約不履行として、両方が廃棄物の処理と原状回復が義務づけられるように契約書の中で明記するようにする。関係省庁が各企業にこういう契約を結ぶよう指導してはどうかということを言いたいわけでありまして、これは質問通告を出してなくて、朝の連合審査のヒアリングをしている中でこの点は大事だなということで思ったものですから、答えられる範囲で結構ですから、ひとつお願いしたいと思うのです。 よくこういうことがあるんです。不法投棄をしますと、その不法投棄者がさまざまな伝票だとかさまざまな状況で発覚した、その業者を捜しますと、その業者の会社はつぶれておった、そしてその業者に頼んだ元請の企業があった、こういうことですね。元請企業は委託契約をしておりますので、私は関係がないと。言いかえれば、産業廃棄物というのは自分の手元から一刻も早く離れること、ごみというようなものは自分で抱えておるのは見るのも嫌だと、ある意味で言ったら。早くそれを処理したいということで委託業務の中で業者に任す、後は知らない。そういうことだけではこの問題については解決しないと思うんですね。 そこで、私は、そういうことじゃなくて、むしろ委託契約の中に、委託契約というのは民間同士の随意契約になるものですから強制的にすることはできないかもわかりませんが、できましたら通産省として、リサイクルなり不法投棄の防止のためにも、この委託契約の中に先ほど言いましたようにそういう二つの点、発注企業は契約履行点検義務違反ということが一つ、それから処理企業は契約不履行ということ、そういうものが絡んでいくような委託契約ということを指導できないかどうか、それだけ一つお願いしたいのです。契約は民間における随意契約ですから、行政が指導しろといってもなかなかそれは法的には難しいと思いますけれども、行政指導ということはできないものかどうか、答えられる範囲で結構ですからお願いしたいと思います。
○政府委員(合田宏四郎君) 産業廃棄物の不法投棄の問題につきましては、昨年十二月の産業構造審議会の廃棄物処理・再資源化部会の答申の中で、「具体的事例に即しつつ、」産業廃棄物の「最終処分場を確保するための諸方策を検討するため、産業界、行政等の関係者からなる場を設置し、速やかに検討を行うことが必要である。」と書いてございます。そしてまた、今先生御指摘の不法投棄をなくするために廃棄物の移動を最後の末端の段階まで監視をしていくことにつきましては、いわゆるマニフェストシステムについて付言をいたしまして、「産業廃棄物の処理処分を処理業者に委託する場合には、」「廃棄物の特性を踏まえた効果的かつ効率的なものとなるよう所要の工夫」を行いながら、処理業者による処理処分が適切に行われることを確認できるような措置、こういうものが必要であるというふうに産構審の答申の中で指摘を受けておるところでございます。 通産省といたしましては、この答申を受けまして、片や厚生省におきまして今国会に廃棄物処理法の一部改正案が提出されておりまして、その中で特定の性状を持つ産業廃棄物につきまして特別管理産業廃棄物と新たな区分を設けまして、いわゆるマニフェスト制度を実施しようということになっておりまして、通産省といたしましても、この答申の趣旨が生かされるような形で運用されていくことを期待いたしておるという状況でございます。
○谷畑孝君 私は、いわゆる企業市民といいましょうか、やっぱり企業自身もこれからそういう地球に優しい企業でなきゃならぬし、また地域社会に生きていく、消費者のリサイクル運動をしておられる皆さんたちにも喜んでもらえるような企業にならなきゃならない。そういう点で、建設関係ではグッドエンプロイヤーという環境保全という観点も入れたような入札、発注の要件、あるいは先ほど言いましたように委託契約についてもそういうような観点が必要じゃないか。 こういう二つの点について私が知っている例を挙げて質問しているわけなんですが、その点先ほどの議論の中でも、通産省のこの法律案につきましても、重要であったり、技術の可能なものであったり、あるいは経済的なベースに乗っていくものが再生資源化しやすいということは次々に出てくるんですけれども、しかし、その中においても常に出てくるのは、環境保全との綱の引き合いといいましょうか、そこの点が常に境目になっているわけなんですけれども、それを大きく助けるものはこの企業市民ということだと私は思うんですけれども、その点についてどうですか。企業市民といいましょうか、国民に開かれた企業といいましょうか、そういうことについては非常に大きな効果が働くと思うんですけれども、その点について意見をお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(合田宏四郎君) 先生御指摘のとおり、企業が一個の市民として、よき市民として社会活動あるいは経済活動を営んでいくというのは非常に重要な問題であると私どもは考えております。我が国の企業の環境保全への取り組みも最近は極めて積極化しつつあると私どもは考えております。 例えば、経団連が昨年の十一月に、省エネルギー、省資源の観点も含め、環境に過大な負荷を与えない、環境に優しい経済社会システムの構築が不可欠であるという旨の提言を発表いたしましたのもこの一つの証左でございますし、本年の一月に定められました、同じく経団連の一九九〇年代を通じた活動の基本指針の中においても、地球環境問題解決への貢献とリサイクル社会の構築に積極的に貢献をしていく旨を定め、その実践に努めているところでございます。 また、個々の企業におきましても環境保全を念頭に置いた事業活動に積極的に取り組み始めたところでございまして、通産省といたしましては、最近のこういう企業の動きにつきまして非常に望ましいものと考えておりまして、積極的に支援し、一層の取り組みを促していきたいと考えております。
○谷畑孝君 それでは、次の質問に入っていきたいと思います。 次に、特定業種について質問をいたします。 紙・パルプ業界、アルミ製錬業などを対象として指定する意向のようですが、紙・パルプ業の古紙利用の計画と目標値について簡単に説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(南学政明君) 紙・パルプ業におきましては、古紙の利用率は現在五〇%程度と世界の最高水準になっております。しかし、今現在紙・パルプ産業は、現状に満足することなく、これをさらに高めようと努力をしておりまして、我々としてもその方向で側面から支援をしているところでございます。
○谷畑孝君 古紙のリサイクルについて一番大切な位置を占めておりますのがやはり回収業者だと思うんです。日本の古紙のリサイクル率は世界一と言われておるわけでありますけれども、それは長い歴史と伝統を持つ古紙回収業者というものがやはり日常不断に回収をしておるという、またそういう伝統的な産業があるということによって私は非常に高い回収率を誇っておる、こういうふうに思われるわけです。 そこでお伺いしたいんですが、最近、回収業者においても非常に景気の変動によってもうふえたり減ったり、そういうものが非常に大きいわけでありますけれども、その点について古紙業界についての問屋さんだとかあるいは寄せ屋さんだとか、そういうものにおけるもしもデータがありましたら、その状態ですね、ありましたらひとつ教えていただきたいと思います。
○政府委員(南学政明君) 古紙回収の実態につきましては、古紙の発生源によってかなり異なっております。 すなわち、例えば家庭から発生する新聞や雑誌などの場合には、ちり紙交換業あるいは買い出し人によって回収されますし、また最近では、学校とか町内会等における集団回収が進んでおります。こうして回収された古紙は、中間業者等を経て直納業者に集められ、この直納業者から製紙メーカーに納入されているのが通常でございます。 また、事業所から出てくる古紙、この中二つございますが、一つは商店街や小規模ビル等から出るものにつきましては専門の買い出し人が、また印刷、製本工場あるいは新聞社等、大規模に古紙が発生する事業所等からのものにつきましては坪上げ業者が古紙を回収しまして、回収された古紙は直納業者を経由して製紙メーカーに納入される、このような形態になっております。 さて、このようにいろいろな形態があるわけでありますが、古紙回収業全体に従事する従業員及び事業所数について見てみますと、三年ごとに調査される商業統計がございます。最も新しい調査時点の昭和六十三年で見てみますと、全国で従業員数は約二万一千人弱、事業所数は三千九百弱となっておりまして、その調査時点、これは六十三年でございますが、その三年前の調査時点、六十年に比べてともに微増となっております。
○谷畑孝君 やっぱり古紙の回収をしていこうと思えば、先ほど言いましたけれども、PTAだとかあるいは学校のボランティアなどを通じて回収していくということは、最近はどこでも自治体で行われておりまして、非常に効率もよくなっているわけでありますけれども、またこれは言いかえれば、古紙業界の皆さんからいいますと、それは商売がたきになりまして、いつもそうなると地元の仕事自身も量が減っていくということもあったりして、大阪でも寄せの回収をしていく業者自身が非常に減ってきているんですね。非常に高いときには五千から六千の回収業者がおったわけですけれども、最近では八百名ぐらいということで落ち込んでしまっていると、こういう点があると思います。 それには、やっぱり一番の大きな原因は、もちろんそういうPTAだとかそういうことを云々というよりも、古紙価格が非常に変動が激しいと。そういうことなので、だから業者として成り立たないということが言われておるわけなんですが、最近の状況というのは、どういう状況になっているんですか、価格は。
○政府委員(南学政明君) 御指摘のとおり、近年古紙価格は低位安定状況にあります。これは、古紙に対する需要が増加している反面、古紙の効率的な回収も進んでおって、古紙の需給バランスに大きな変化がないということによるものと思います。 なお、先生御指摘のただいまの集団回収の点でありますが、古紙回収業者の事業を圧迫するのではないかという御指摘の点につきましては、集団回収は一戸一戸の家庭等を回収して歩く手間が省けるということから、回収に要するコストを最小限に抑えることができまして、回収業者にとってもメリットは大きいのではないかと。私どもは、この集団回収と回収業者とは両立し得るものと、このように認識をいたしております。
○谷畑孝君 それはおっしゃるとおりで、ある業者は手間が省けていいんだけれども、ずっとマイク放送しながら回っている人が行くと、それはもう終わってしまっていることがあって、自由競争になっていないという、そういうことがあるんです。まあしかし、それは質問の本意ではございませんので。 いずれにしても、回収に当たっては、どうしても市場の価格が安定をして、やはり回収業者が安心して業として成り立っていくということが私は一番回収率を高めていくことにとって大事だと思うんです。 そこで、通産省にお聞きしたいんですが、その価格の変動というものをなくしていくためにそういう基金制度だとか、あるいはもっといい何かそういう知恵というもの、そういうものがあるのかどうかひとつお聞きしたいと思います。
○政府委員(南学政明君) 通産省といたしましては、古紙の価格は基本的に需要と供給のバランスの中で決まるべきものでありまして、政府が人為的な価格形成に介入するということは適当でない、このように考えております。 当省としては、古紙価格の安定のために基本的に重要なことは、何と申しましても古紙に対する需要をさらに拡大し、これを定着させていくということであろうかと思います。したがいまして、ユーザーに対する古紙の利用促進の啓蒙普及、あるいはメーカーに対する古紙の利用促進の指導、こういうことを一生懸命今やっているところでございます。
○谷畑孝君 わかりました。 それで、通産省としては基金は出せない、経済市場の自由の中で価格は暴落してもしなくてもとの発言だと思うんですけれども、結局まぜればごみということでありますから、幾ら新聞紙であってもそういうものはまぜていきますとごみになって、基本的には地方自治体の清掃業者の仕事となって焼却されていく。御存じのように、焼却するには大変な税金がかかる、こういうことでありまして、だから、言いかえれば少しでも古紙を、家庭ごみの中におけるウエートも大きいですし、それを回収していくということは焼却自身も軽くしていくということにもつながると思うんですね。そういうことの中で行政自身が、地方公共団体独自でそれに対する基金を出しているところもあるんですね。 だから、そういうこともありますので、ぜひ通産省としては、地方自治体も入った、そして古紙回収業者も入ったような第三セクター的な、そういうさらに回収を仕上げていく、そういうところに対する補助金制度というものは考えられないものかどうか。価格は経済市場でありますけれども、そういう第三セクターとかそういう形における援助ということにはならないものだろうかどうかということで、再度お聞きしたいと思います。
○政府委員(南学政明君) 今お話をしましたとおり、私どもは、古紙の価格安定のために最も重要なことは古紙の需要を拡大していくことだ、それに全力投球しているところでございますが、先生御指摘のような国の財政によるいろいろな価格面での支援措置というのは、相当な財政負担を伴うことも予想され、現下の財政事情を考えると極めて難しい、このように認識をいたしております。
○谷畑孝君 そうしたら、一応要望ということで、次に進んでいきたいと思います。 朝の連合審査から私も参加をさせてもらいまして、やはりこれからは大量生産それから大量消費というサイクルから、そうではなくて、廃棄物というもの、そして物は大切だ、すべての物は再資源化できる、こういうような考え方、発想という形の中での基本的な論議に私ども参加をさせてもらったわけでありますけれども、しかしその中で、リサイクルにしても、あるいは最終場所である投棄場所あるいは焼却場の場所の場合におきましても、一番僕は忘れてならないのは、そういうことに携わる産業であり人々、静脈産業と言われるわけでありますけれども、それらに対する役割というものが非常に大事だと思うんですね。だから、生産、消費、廃棄という物の流れから、生産、消費、分別、回収、再生という流れにする必要が私はあると思うわけであります。 そこで、お伺いをしていくんですが、自動車や電化製品など大型廃棄物の場合は、これを解体工場や廃棄物処理場に確実に運ぶことが大切であります。路上放置や大型処理困難ごみとしないために自動車や大型家電製品を回収する静脈の役割はだれが行うのか、通産省の方針をお伺いしたいと思います。特に、業界そのものがきちっと販売業者を通じて回収していくという、これは割と日本におきましては高い率で家電におきましても自動車におきましてもそういうことに実はなっているわけでありますが、しかし放置されたものだとか、あるいはけさも連合審査のときにも出てきましたように、引っ越しのときにそのルートに乗らなくて出すごみだとか、さまざまなそういう問題があるわけなんですけれども、その点についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(合田宏四郎君) 先生御指摘の廃棄物を回収する人がいないと再資源化が進まないということはそのとおりでございまして、私どもといたしましては、廃棄物問題の解決あるいは再資源化問題の解決と静脈産業の発展というのは非常に密接な関係があるというふうに考えておりまして、静脈産業分野での事業が円滑に進みますことが再資源化の一層の進展と軌を一にしておるというふうに考えております。 このために、今御審議をいただいておりますこの法律が適正に運用されまして再生資源の利用が進みますると、それが結果として静脈産業が発展する上での好ましい事業環境につながっていくものであるというふうに考えております。
○谷畑孝君 結局、静脈産業という、私自身この審議に参加するに当たって厚生省の審議会答申あるいは産構審のものも読ませてもらったんですけれども、その中をめくっておりますと、いわゆる産構審の中においても、静脈産業自身を育成する、これは大事だということがこれを僕が見た限り一行も出てこないんですね。だから、基本的にはこの通産省の法案におきましても、リサイクル化をしやすくしていくために部品がすぐリサイクルしやすいための形を指導したり、そういうことがずっとこの法案にも書かれてあるんですけれども、しかし、確実にそれを担っていく産廃業者であったり、そういうことを育成するということについては一行も載っていないんですけれども、私自身がこれはどこか見過ごしておるのかどうか、その点もしもありましたら教えていただきたいと思うんですけれども、どうですか。
○政府委員(合田宏四郎君) 先生御指摘のように、この産業構造審議会の答申の中では確かに静脈産業について明確に触れてはおりませんが、ただこの答申の中に脈々と流れております精神といいますか、それはやはりごみは分別すれば資源化できるというような観点から、例えば「消費者への提案」の中にも、分別の勧めでございますとかあるいは「有価ごみの集団回収に参加しましょう。」とか、あるいはもっと重要なことは、「再生資源を用いた商品を使いましょう。」ということで、古紙等を使った製品の需要拡大に資するような運動を国民運動として展開しようというようなことがこの答申の中にも非常に強くうたわれておりまして、これが結果として再生資源の需要拡大にもなり、また供給体制の整備にもつながっていくというふうに考えております。
○谷畑孝君 ということは、私が読んだように、産廃業者だとかそういう静脈産業に対する育成ということは産構審のには載っていないわけですね。載っていないかどうかだけですから、それは今の答えでも載っていないということであったと思うんですけれどもね。 僕は、これは重大な問題だと思うんです。やっぱりリサイクルをしていったりいろいろしていくに当たっては、そういう産業の育成といいましょうか、そこがきちっとして、そこの中で先ほどの古紙の回収の業者のことにつきまして私言及をさせてもらいましたけれども、そういう業者が頑張っておられることによって回収率が高まるということでございますので、そこらにおいては、この産構審に載っていなかったらそれを加えるなり、加えることが無理だったら、それは行政の中で静脈産業の育成ということについて強く方策を立てていただきたいと思いますが、どうですか、その点は。
○政府委員(合田宏四郎君) 昨年十二月に出されました産構審の答申の今までにない新しいポイントは、生産なり流通なり消費の段階にさかのぼって再生資源化を進めていこうという点を非常に強く打ち出したわけでございまして、そういうところから、先ほど再生資源に対する認識が改まるとか、あるいは再生資源への需要がふえるとか、あるいは再生資源を供給する体制が整備をされるということで、再生資源が非常に流れやすくなるというようなことが結果となって、いわゆる静脈産業の方々の事業展開にも非常に好ましい事業環境が整備されることになるであろうという点を申し上げたわけでございます。
○谷畑孝君 次に進んでいきたいと思います。 このごみ問題あるいは産業廃棄物の問題を考えていくに当たって、私一つ気がついたことなんですが、例えば一般の家庭ごみにおきましても、ごみはただであるという意識、私どももいつも毎週二回ごみの日ということだけは記憶にあるんですけれども、これはその日は出さなきゃならぬ、家庭においてもごみは一日も早く自分から離れてほしい。だんだん夏になってきますとにおいもしてきますから、これはもう一刻も早くという気持ちもありますから、何曜日ということは忘れないといいましょうか、その日を忘れるともうえらいことになるんです。 そこで、つらつら思うんですが、ごみというのは、これは金がかかっているんだということについて、これを私自身も忘れてしまうということなんです。だから、きょうもここの八条の「国民の理解を深める等のための措置」の中で、「国は、教育活動、広報活動等」、こういうように言っていますけれども、しかし一番早いのは、家庭ごみでも有料化といいましょうか、ごみは金がかかっている、もちろん間接的には皆さんの国民の税金でやっておるんですけれども、むしろ私は、大きな負担でなくてもいいですから、少し勉強させていくきっかけになっていくために、一定の量を超えた家庭ごみでもそれはやっぱり有料であるという、これはあくまでも議論でございまして、それは賛成とかそういうことじゃなく、そういう認識の中で議論をしていくことが大事なんです。 それは言いかえれば、私がもっと言いたいのは、まず消費者の側から次にもっと言いたいのは、実は企業に言いたいわけでございまして、それは企業だってつくりっ放しというのは、これはやっぱりいかぬ。だから、企業も自分たちが出していく産業廃棄物については相当金が要るんだ、こういうお互いが、行政もそうだし、消費者もそうだし、事業者もそうだし、そういう点を考えることによって、相当違った意味で発展するのじゃないか。そのいい方法というものはどうなのか。今いろいろな議論もあるわけですけれども、私ももうどれがどうだということではございませんけれども、そういう点については、どういうものでしょうか、御意見ありましたら。
○政府委員(合田宏四郎君) ごみに金がかかっている、そういうことを十分消費者なり国民が認識をすべきであるという御指摘はまことにごもっともでございまして、一方で厚生省から今国会に提出されております廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正案の中でも、その点につきましては第六条の二の第六項で、手数料を徴収することができる、しかもその手数料の額は、粗大ごみ等ごみの性状に応じた、先生今御指摘になったまさにかかったコスト分と見合って取ることができるという規定が新設をされるようでございます。 また、今のごみにお金がかかっているという点につきましては、産業構造審議会の答申の中でも、ごみの中には、ごみは宝の山とは言っておりませんけれども、有価物であるというようなことで、うまく集めてこれを活用すれば資源として再びよみがえらせることができるという点も強調いたしておるところでございます。私どもといたしましては、この産業構造審議会の答申をいろいろな例えば財団法人のクリーン・ジャパン・センター等を通じて、消費者、国民一般に浸透するように努めてまいりたいというふうに考えております。
○谷畑孝君 その点については、私もごみ問題が国民的課題だということで、どういう形の責任のあるやり方があるのかということは、これはお互いのさまざまな立場の中でさらに研究をしていかなきゃならないな、そういうふうに思います。 しかし、有料化するかしないか、そういうことは別にして、いずれにしてもこの産業廃棄物だとかごみという問題については、大きなお金が要っているのだ、これだけの認識は私は必要だと思います。それはもちろん企業においても社会的責任は負うていくべきものだ、そういうことをしない限り、なかなかこの問題は発展しないなということをさらに申し上げておきたいと思います。 そこで、先ほどの静脈産業の育成についての中で、少し私発言が漏れておりましたので、問題意識等追加をさせていただきます。 私は、この間の産業廃棄物にかかわる業者あるいは最終処分場において投棄をする業者を含めての記事を見ておりまして、つくづく感ずることがあるんです。きょうの朝の連合審査の場合でも、やはりこの業者は悪徳だと。例えば、瀬戸内海の国立公園のところにほうってはならないのに、法違反の不法なそういう投棄がされているということがマスコミで大きく取り上げられてくる。あるいは県域を越えて広域に自然破壊をしている、そういうことが取り上げられていくんです。 そこで、私はこういうふうに思うんです。もちろん私自身、その不法投棄業者を擁護したり、そういう立場じゃないんです。もちろん、地球の環境を破壊しているわけですから、私は厳重に罰しなきゃならぬ、こう思うんです。しかし、私は一方それを考えてみますと、先ほど言いましたように、それをまた逆に社会意識といいましょうか、ごみというのは自分が一日も早く汚いものは出していきたいのだという意識に乗っかっていく中で、静脈産業に従事している人たちは、今日はやりの三Kを担っている。汚いあるいはきつい、案外そういうところだけがクローズアップされて、しかも不法投棄者の取り上げ方によっては、その産業全体の立派な一生懸命にやっておられる産廃業者に対してそういうイメージを植えつけてしまう、こういう要素が私は余計あると思うんです。そういう要素になってしまいますと、結局静脈産業を育成しようということが社会世論としても弱くなってくる、そういうことにも私はつながると思うんです。 そういう点をひとつ追加といいましょうか、私の問題意識として補足しておきたいと思うんです。 そこで、ならばもう一歩譲って、なぜそうした不法投棄が起こってくるのかということも、もう少し行政においても、国の行政の施策においても分析する必要があるのじゃないか。 例えば、先ほどの私の前段の質問の中にもありましたように、委託契約の中で採算が十分とれるようになっているのかどうかとか、あるいは最終処分場が十分確保されているのかどうかとか、さまざまなそういう条件というものの中であるのじゃないかと思うんですけれども、この点についての意見はどうでしょうか。単に悪者という、もちろん悪いんですけれども、それは罰しなければならないですけれども、しかしその背景について、もう少し掘り下げていく必要があるのじゃないかと思うんですけれども、どういうふうに思いますか。
○政府委員(岡松壯三郎君) ただいま御質問の不法投棄の問題でございますが、不法投棄といいますと、産業廃棄物もありますし、その他自動車あるいは大型家電のような問題もあるわけでございます。 これらにつきまして、確かにコストの問題あるいは持っていっても売り先がないという問題もあるわけでございますが、やはりそういう不法投棄が行われた結果環境が侵されるというようなことがあってはならないわけでございますし、また不法投棄が行われた結果道路の交通を阻害するというようなことがあってはならないわけでございますので、やはり合法の範囲内で行われるということが基本ではないかというふうに思うわけでございます。 しかしながら、そのようなことが起こってくるバックグラウンドは何かということを考えてみる必要があるのではないかというのが先生の御趣旨かと思うわけでございまして、今後私どもがこの法律によってねらっておりますところは、直接不法投棄を云々ということは規定にはないわけでございますけれども、資源をできるだけ活用していくという体制をつくり上げることによりまして捨て場に行くごみの量を減らす、これは法律の目的にも書いてあるわけでございますが、あるいは「環境の保全に資する」、これも法律の目的に書いてあるわけでございます。そういうものを通じて、不法投棄の問題についてもできるだけ抑えるという方向で効果があることを期待をいたしておるということでございます。
○谷畑孝君 例えば、私が知っている限りでそのいい例が京都の八幡市の自動車解体業者、八幡の一つの地域産業として、その村全体が解体業の仕事でほとんど生計を立てている状況でもあるわけなんですけれども、自動車の解体業を業としているわけなんですけれども、その自動車のタイヤを野焼きしておりまして、その周辺から公害だと、こういうことになりまして、その中でどうしたものかと。その仕事をしない限り、村のほとんどがその仕事に携わっておって、ただ単に野焼きをしている、公害だ、けしからぬと言われたのでは、自分の生活として成り立たないと。 そういう状況の中で、地方自治体とも相談をしながら、特別措置法という法律もございましたから、地方自治体とよく協議をした中で、いわゆる行政の補助金という形の中でタイヤを焼却していくという設備をつくっていくという、そういうことでこの問題が解決した。地方公共団体と通産省、そしてその解体業者、そしてまた自動車の上部の業界という形での話し合いも進んでいく中で、時には業界の方も、その自動車自体解体するのに少し財政的援助をしましょう、あるいは行政もしましょうという形の中でスムーズに解体事業ができ上がっていると、こういう話を聞いたわけです。 私は、ぜひひとつこのように、いわゆるもっとボトムアップといいましょうか、その地域地域ごとで静脈産業を据えた中で、何が問題が起こっておるのか、そういうことで地方自治体の役割だとかあるいは業界の役割だとか、その他の状況の中で解決していったいい一つの例じゃないかと私は思うんですね。それらをさらに発展をさせていくことが大事じゃないかな、そういうようなことを思います。 そこで次に、大臣に、朝から連続ですからお疲れだと思うんですが、私どもの大阪で「にんげん」という副読本、部落差別をなくしていこうということで副読本があるんです。 その中で、こういうものがあるんですけれども、小学校への通学途上、パッカー車で家庭ごみを収集している自治体労働者に聞こえるように、一生懸命にごみを集めている自治体労働者の清掃労働者が作業しておるわけですけれども、そこへ家族連れが横へ通りまして、きちんと勉強せぬと、しっかり勉強せぬとあのおっちゃんみたいになるでということを言って通り過ぎていったと。これに示している問題は一体何なのかということでございまして、先ほどのお話のように、ごみは汚いもの、そしてそれを扱っている者はやっぱりという、職業差別といいましょうか、そういうものが私はあると思うんです。 そういうことで、ここの八条のところに、「国は、教育活動、広報活動」ということで書かれてあるんですけれども、「理解を」ということがあるんですけれども、私は、そういう静脈産業という問題は、職業に貴賤がなくてそういうようなものが大事な仕事だという、そういうものをどう認識されるか、またそれが大事だと思うんですけれども、大臣、そのあたり、今のエピソードの中でどう思われるか、ひとつ意見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) ただいま委員が非常に具体的な例を出されまして申されましたのは、私どもの心にある一面別の意味で響くわけでございまして、そういう何といいますか、差別的なこの対応、ビヘービアというものは、人間としてどうも私ども全くなじめないビヘービアかなという感じはいたします。 しかし、それは子供だから仕方がないといえばそれまででございますが、この背景には、何も通産省だけの責任じゃございませんで、これはやはり教育の問題もありましょう、家庭教育の問題もありましょう、環境の問題もありましょう。ありとあらゆることがございますが、それはそれといたしまして、通産省の見解として申し上げますならば、古紙あるいは金属くず等の再生資源の回収業、あるいはまた廃棄物処理業等の静脈産業について、中小零細企業が大部分を占めておることは事実でございまして、経営基盤も脆弱でありますし、産業に従事する者の作業環境が厳しいことは十分私どもも承知しておるつもりでございます。 しかしながら、これらの産業そのものが我が国の国民生活や産業活動にとりまして不可欠な産業と認識しておりまして、通産省としましては、昨年十二月の産業構造審議会廃棄物処理・再資源化部会答申というものを踏まえまして、国民全体が減量化あるいは再資源化に取り組む社会の構築に向けまして努力を傾注する中で、その重要性が広く国民に理解され産業のイメージの向上が図られるとともに、静脈産業そのものの円滑な発展が図られることを期待しておる次第でございます。 また、再生資源利用促進法の適切な運用によりまして再生資源の利用が進むことは、結論として、あるいは結果としてと言った方がいいでしょうか、静脈産業の重要性が認識されるとともに産業が発展する上での良好な事業環境をもたらすことにもつながりまして、産業としてのイメージの向上が図られるものと私どもは考えておるものでございます。 以上です。
○谷畑孝君 いずれにしましても、一つの例でございますけれども、ぜひ静脈産業そのものに対する育成、そしてそこに働く労働者にもそういう人権的な観点の中で、静脈産業は非常に大切なものだ、こういうことの啓蒙の中においてもやはりそういうことがされていく必要がある、こう思いますので、ひとつ御努力をお願いしたいと思います。 それともう一つは、地方公共団体に働く、家庭ごみ、一般ごみを含めて、清掃労働者のそういう職場の環境も含めて、それらもさらに仕事ができやすいような状況に推進をしていただきたい、こういうように思います。 もう大分時間が来ましたので、あとまとめ的に二、三申し上げて、いきたいと思います。 最初の基本方針のところでも触れましたが、リサイクルに関する科学技術の進歩と資源相場は日々刻々と変化しています。したがって、基本方針や製品、業種指定をした後も随時再生資源の回収状況や利用状況についての調査を行い、データを公開することが必要だと思います。これに基づいて、必要に応じて基本方針の変更や業種指定の拡大が速やかに行われるようひとつお願いしたいと思います。固定概念にとらわれるのじゃなくて、その都度都度の科学技術の進歩だとか情報とか、そういうものに合わせながら間口を広くしていくことについての努力をお願いしたいと思います。 また、地方自治体や地域の市民による自主的なリサイクルの取り組みに対して、国や地方自治体が積極的に援助することを希望していきたいと思います。その場合、地方自治体が地域の事情に合わせてより先進的な取り組みを行っている場合も国の援助を期待していきたいと思います。 今後、できるならば、各自治体ごとにリサイクルを進める市民が交流する拠点としての地域リサイクルセンターや連絡室のようなものが設置できるよう、来年度予算の概算要求を視野に入れた取り組みを政府にお願いしたいところでございます。その点、大臣どうですか、もう最後でございますので、ひとつありましたら。
○政府委員(合田宏四郎君) 最初にお尋ねの基本方針、これは時々刻々世の中の状況が変わっておりますし、かつ再生資源の利用に関する技術水準、あるいはそれと競合関係にあります代替資源の状況が変わっておるわけでございますので、その状況に応じて適宜適切な改定をやってまいりたいというふうに考えております。法律の第三条第三項でもその旨のことが規定をされております。 それから、二番目に御指摘になりましたリサイクルを行っている市民運動の交流のための組織づくりというお尋ねであったかと思いますけれども、再生資源の利用の促進を図るためには広く消費者の協力を得ることが不可欠でございまして、国や関係団体の行う普及啓発活動に当たりましては、自主的な市民団体あるいは消費者団体の活動を十分に念頭に置きまして、必要に応じて連携を図ることといたしておるわけでございます。 このような市民の自主的な活動を一層活発なものとしていく上で、相互交流あるいはネットワーク化というものは非常に有意義なものと考えておりまして、再資源化に関する情報収集あるいはこういう団体に対する情報の提供とか、あるいはネットワークの核となるような人材の育成事業等を通じまして、相互交流やネットワーク化が自発的に進むための環境整備を行うことが重要であるというふうに考えております。
○谷畑孝君 最後に、この法案で私どもは、地球環境の保護、リサイクル社会建設のための第一歩を始めてきたばかりでございます。これからやはり大量生産、大量消費、大量廃棄のライフスタイルから生活様式を改めるためには、廃棄物の処理、資源の再生、資源の分別と回収といった観点から生産、流通、消費のあり方を見直していくという、そういう第一歩にこの法案が大きく寄与することを期待いたしまして、私の質問として終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○市川正一君 通産大臣に冒頭お伺いいたしたいと思います。 大臣は、この法案の提案理由の説明で、廃棄物をめぐる問題が深刻化しているというふうにおっしゃいました。具体的に何が深刻なのか、またその原因はどこにあるのか、まず認識をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(中尾栄一君) まず、廃棄物問題につきましては、昨年十二月の産業構造審議会廃棄物処理・再資源化部会答申におきまして、まず第一に、「近年、廃棄物の排出量が増大し、既存の焼却施設・最終処分場の処理・処分能力は限界に達している。」、また第二点として、「また、排出された廃棄物の処理・処分を行うための費用は、今後も増大することが予想される。」、第三点は、「このまま放置すれば、環境悪化を招くとともに、廃棄物に対応するための国民全体の費用負担が増大し、国民生活や事業活動にとって大きな隘路となる。」旨指摘されておりまして、通産省としても同様の認識を持っておるわけでございます。 近年の廃棄物の排出量の増大にはさまざまな要因が挙げられますけれども、主要なものとしては、まず使い捨てライフスタイルの進展による家庭からの排出量の増加、また第二といたしましては、産業構造の変化により拡大しつつある第三次産業やOA化しつつある事務所からの排出量の増加、また第三点になりましょうか、円高及び一次産品価格の下落に起因する再資源化の停滞、また第四点としましては、耐久消費財の大型化、プラスチック系廃棄物の増加等の廃棄物の質的変化、あるいは第五点としましては、廃棄物の焼却施設、最終処分場の建設の停滞等の要因などが考えられるのではないかと思っておる次第でございます。 そのような意味を持って、廃棄物問題がだんだんだんだん、一遍にとは言いませんけれども、時、日というものがたつごとに深刻になりつつある問題になって、今日このような問題になった、このように解釈するものでございます。
○市川正一君 今かなり網羅的におっしゃったんですが、事態について言えば、私は端的に申して廃棄物の最終処理場が足りなくなったということが言えると思うんです。しかし、その主要な原因は、今大臣は五点ほど述べられたんですけれども、確かに一般家庭からの廃棄物の増大ということもあります。ありますが、最大の要因として言えることは、産業廃棄物及び一般廃棄物としての事務所から排出されているOA用紙などの事業系一般廃棄物の増大ということをどうしても指摘せざるを得ぬのです。 大企業を中心とした産業界の廃棄物の増大によって今日の事態がもたらされたということは、例えば東京二十三区の例をとってみますと、この四年間の統計では、家庭系ごみの増は一四%、企業ごみはこれに対して八〇%の増であります。ここにも見られるように、今日の深刻化をもたらした廃棄物問題をないがしろにしてきた大企業の企業行動に、そこにいわば的を当てて、そして産業廃棄物や事業系一般廃棄物の排出をどう抑制していくかということに私は事態解決のかぎの一つがやはりかかっているというふうに思うんであります。 そこで伺いたいのは、この法律で具体的にそういう排出抑制措置がとられているのかどうか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(岡松壯三郎君) 本法でねらいとしておりますのは、あくまでも再生資源の利用の促進をするということにあるわけでございまして、ごみの発生を減らす、それが廃棄物となってごみ捨て場に行くのを減らすという効果はあるのでございますが、先生お話しのように、そもそも量的な減少をもたらすことをこの法律はねらいとしているかということになりますと、本法の直接のねらいではないというふうにお答えをさせていただきます。
○市川正一君 そうすると、そういうような配慮とか措置は含まれていないというお答えなんですね。そこに根本的問題があるんですよ。大体この廃棄物問題に取り組む基本的な視点として、いわゆる廃棄物、ごみの問題とそれの利用の問題というのは、分けることができない、僕は一貫的なものだと思うんですね。私は、厚生省の方が担当しているいわゆる廃棄物処理法の問題と通産省が所管されているこの法案とが、本来一貫性がなければならないのに、それがやっぱり分断されているばかりか、厚生省の廃棄物処理法の作成過程で企業責任の明確化を織り込もうとしたことに対して産業界と通産省がこれに反対した、こう伝えられておりますけれども、そのことをきょうここで主要に議論するつもりはありませんが、そこに僕は根本の問題があると思うんです。 そこで、事業者にもし具体的な措置が要求されるとすれば、この法律の第十条、十三条、十六条、十八条の主務省令で定める判断基準というのが規定されておりますが、そこに結局かかってくると思うんですね。 そこで伺いたいんですが、この省令の内容は昨年の十二月六日の産構審の答申、ここにございますが、ここに二つのガイドがあります。一般廃棄物のガイド、それから産業廃棄物のガイド、このガイドラインで述べていることと同趣旨になるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(岡松壯三郎君) 本法におきます事業者の判断基準は、政令で指定する業種、製品ごとに決めていくわけでございますが、これは、それぞれの生産、流通、消費の実態に即しまして、基準の実効性を確保しながら最大限の事業者の努力を引き出していこうというものでございます。具体的には、答申にございますガイドラインというものは、幅広い関係者の努力の結果生まれてきたものでございまして、その内容は事業者の判断基準の検討に当たりまして十分参考にするに値するというふうに考えているわけでございますが、今後は、具体的にどういうものを指定するかという実態に即しまして適正な判断をしてまいりたいというふうに考えております。
○市川正一君 これは本委員会また国会としても、私は重大な問題を含んでいると思うんですが、結局、この判断基準がどういうものかということは事実上省令にゆだねる、言うならば我々は白紙委任をあなた方にせざるを得ぬというような形にこの法案はなっておるわけです。私は、これはやっぱり今度の法案の一つのかなめの部分が具体的に開示されていないという点は問題点として指摘せざるを得ません。 そこで、しかし議論を進めるために申しますと、今私も指摘し、また御答弁でもお話のあった、ガイドラインがその基準になるだろうとおっしゃった、ガイドラインを見てみますと、産業廃棄物のガイドラインには、その結びのところが結局こうなっているんですね。「研究開発を推進する。」あるいは「啓発活動等に努める。」あるいは「引き続き検討を行う。」、こういう抽象的な文言での対策に終始しておりまして、具体的に例えば排出量をいつまでにどのぐらいの水準まで引き下げるのかとか、そのためにどういう対策をとるとか、あるいは企業にどんな義務を課するのか、こういうことがちっとも明らかにされていないんです。 ですから、これでは私は具体的に排出量を減らすことにならぬと思いますが、しかし御答弁のように、減らすことはわしゃ関係していないんだ、わしゃ知らぬというふうにおっしゃるんだったら別ですけれども、その点どうなんですか。
○政府委員(岡松壯三郎君) 本法におきまして副産物というものは第二条の第一項で定義してございますが、このうち特に政令で定める副産物を「指定副産物」というふうにいたしまして、再生資源としての利用を促進するために事業者の判断の基準を策定いたしまして、これに基づいて指導、以下勧告、公表さらに命令といった措置を講ずることとしているわけでございます。 今御指摘の答申のガイドラインでございますが、これにはさまざまな方向が示されておりますが、本法の運用におきまして指定副産物に対する判断の基準を定める際には、対象とされる指定副産物の特性、実態を踏まえまして、より具体的な内容を有する基準を策定するということにいたしたいと考えております。
○市川正一君 私が言うているのは、例えば鉄鋼業でいうと、「啓発活動等に努める。」、こうなるわけですね、結びは。具体的な中身はあとは省令にゆだねると、こうなるんです。そうすると、どういうことになるのか我々議論しようにもはっきりしないじゃないかという問題なんですよ。ここはまあ信頼せいとおっしゃるんだから今のところは信頼しておきますけれども、そういう問題があるんだ、それは委員会の権威にもかかわる問題だということを指摘したいと思うんです。 もう一つ私は、きょう午前中の連合審査で我が党の沓脱委員も具体的な事実を示してお聞きしたんですが、例の不法投棄の問題なんですね。 事業者が自分の排出した産業廃棄物の処分を委託する場合に、その廃棄物の流れをみずから把握して適切に処分されたかどうかを確認するために、廃棄物の量、性状、注意事項などを記載した送り状を義務づける、いわゆるマニフェストシステムですね、これを全産業廃棄物に拡大してこの法案の中にも織り込む必要があると私は思うんですが、その点はどうですか。
○政府委員(合田宏四郎君) 産業廃棄物の不法投棄の問題が非常に深刻化しておることは私ども承知しておりまして、昨年十二月の産構審の答申におきましても、具体的事例に即しながら対応策を考えていくべきであると指摘をされております。また、マニフェストシステムにつきましても、処理業者の処分が適切に行われたことを確認できるような実効ある措置を講ずるべきであるという答申を受けたところでございます。 ただ、今回の法案との関係につきましては、この法律は、生産、流通、消費の各段階にさかのぼって資源の有効利用を図るとともに、廃棄物の発生の抑制等に資することを目的として、事業者の努力を最大限に引き出すようにいろいろな措置を講じておるわけでございます。これらの措置によりまして再生資源の利用が促進をされまして、結果として廃棄物の発生量が抑制される、そうなれば結果的には不法投棄も減少するような効果を生み出すのではないかというふうに期待をいたしておるわけでございます。
○市川正一君 そんな「風が吹けばおけ屋がもうかる」みたいな、そう結果として期待するというんじゃなしに、僕はやっぱり、例えば廃棄物処理法の方ともかかわってくるにしても、通産省としては、大臣が冒頭おっしゃったそういう深刻な事態を打開するために、マニフェストシステムは採用されるべきである、ないしは、その方向を志向すべきだとか、あるいはそれに向かって努力するとか、何か基本的スタンスをはっきりしてほしいです。そうなったらそうなるであろうということを期待するというような、そんな持って回ったような人ごとの言い方じゃなしに、頼みます。
○政府委員(合田宏四郎君) 決して「風が吹けばおけ屋がもうかる」ということではなしに、既に日本の場合の再資源化の努力というのは、相当世界的に見て高い水準にあるわけでございますけれども、それをさらにこの法律でもって、業界にとってはある程度負担になるようなこともありますが、より最大限の努力を引き出していくということでございます。 それから、産業廃棄物を出す排出事業者につきましては、これは廃棄物処理法の中でマニフェスト制度というのが新しく今回新設されるわけでございますけれども、それを通じて自分が出した産業廃棄物を末端に至るまで十分目を光らせていくというような措置がされるわけでございます。 また、不法投棄の問題につきましては、直接的には決してあれではございませんが、廃棄物処理法の十六条でさらに不法投棄に関しての規定が今回強化されるということでございますので、その両方をにらみながら我々は、上流、下流という言葉は適当ではありませんけれども、ごみの源をたどれば、いずれ副産物でありあるいはそれが利用されない場合には廃棄物となるわけでございますから、副産物を再生資源として利用できるような方途をできるだけ講じていく、そういうことを通じてごみが減れば不法投棄も減るであろう、こういう論理過程を申し上げたわけでございます。
○市川正一君 そうすると、今度マニフェストシステムが採用されるというか適用されていくことについては、結果としてもまた前提としても歓迎するという認識でよろしゅうございますか。
○政府委員(合田宏四郎君) マニフェスト制度は、産業廃棄物の処理、処分を処理業者に委託をいたします場合に、処理業者による処理、処分が適切に行われたことを確認するわけでございますので、先生御指摘の不法投棄の防止には効果があるものだと認識いたしております。
○市川正一君 歓迎すると、ええこっちゃと。
○政府委員(合田宏四郎君) はい、そうです。ただ、対象とすべき廃棄物の種類の違いとか処理方法がいろいろ……
○市川正一君 そういうややこしいこと言わぬと、歓迎するのか反対なのか。
○政府委員(合田宏四郎君) 基本的には歓迎すべきものであると考えておりますけれども……
○市川正一君 ああよろしい。私の時間が進んでいきます。 次に、一般廃棄物のガイドラインの方でちょっとお伺いしたいんですが、これを見ますと対象品目がえらい少ないんですよ。基礎素材的なもので申しますと、紙とそれからスチール缶とアルミ缶とそれからガラス瓶とプラスチック、あとは家電とかこうなっていますね。だから五品目になっているんですね。もう少しこれをふやしてもいいんじゃないかということを感ずるんですが、問題は、数字でここに目標が挙がっております。この数字の目標というのは利用率なんですね。しかし私は、確かに利用率を高めることももちろんでありますけれども、今重要なことは、回収されずに排出されている量が非常に多いということ、言うなれば回収率を高めるということが求められているんじゃないかと思うんです。したがって私は、廃棄物の発生抑制が当面の課題とするならば、また法律制定の目的も本来そこにあるとするならば、回収する量を供給量との関係でどの水準まで引き上げるのか、そのために関係する事業者や業界はどう対策をとるべきなのか、そこを明確にするのが肝要だと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(岡松壯三郎君) 御質問の趣旨は、やはり回収の義務づけを行うということが回収率を上げるのではないかというお考えからの御質問かと思うのでございますが、今回の制度を進めていくに当たりましては、事業者の自主的な努力を最大限に引き出していくということが基本であるというふうに考えておるわけでございます。そして、そのための体制をつくっているわけでございますが、もちろん法文上ごらんいただきますとわかりますように、判断基準を決め、そしてそれをもとに勧告等の措置を決めておるわけでございますので、制度の枠組みとしては極めて強力な指導、さらに命令まで含めた措置を用意しているということでございまして、回収の義務づけを行うということは今回の法律の体制の中では考えていない、こういうことでございます。
○市川正一君 そこのところなんですね。この法律の目的というのは確かに資源の有効な利用なんですが、利用するためには回収せぬことには利用できしまへん。そうでしょう。ですから、私はこの全体としてのスタンスが、やっぱり有効利用を本当に果たすためには回収も高めていくという関係が出てくると思うんですね。 同時に、使われている資材の減肉とかあるいは減量とか、例えば経済効率だけを追求した使い捨て容器とか使い捨て製品のはんらんが今あります。そしてまた、性能的にはほとんど変わらないのに頻繁にモデルチェンジが行われます。そういうものを規制していくとか、あるいは部品が壊れただけで修理ができないというような状況を改善して、修理しやすい構造にしていくとか、そういう具体的できめ細かい対策がそれこそ通産省として必要だと思うんですが、そういうことをこの法律の中に織り込まれるべきだと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(合田宏四郎君) 本法は使用された後の製品とかあるいは工場等で発生いたします副産物、これを有用な資源として再び利用することを促進することによりまして資源の有効な利用の確保を図るとともに、廃棄物の発生の抑制なり環境保全に資することを目的といたしております。したがいまして、先生が今御指摘になられました廃棄物の排出の減量化は本法の直接目的とするところではありませんが、本法による再生資源の利用の促進の結果として減量化の効果が出てくるものであるというふうに考えております。 具体的な例として、使い捨て容器の使用の抑制でございますとか、あるいはモデルチェンジの長期化とか、部品保有の期間の長期化による修理体制の整備等によりまして廃棄物の減量化を図るということは非常に有意義なことでございますけれども、そのためにはまずその前提として消費者がみずからの生活のあり方を問い直し、使い捨ての生活様式、ライフスタイルを改める、あるいは製品の長期使用への意識改革をしていくことが不可欠でございます。こうした対応につきまして法律上の義務づけを課すことはなじまないものと私どもは考えておりまして、企業側のモデルチェンジあるいは部品保有の長期化への自発的な努力と相まって、消費者がみずから意識改革を実践していきまして、そういう結果実現されることが望ましいと考えておりまして、行政といたしましては、必要に応じて普及、啓発等を通じまして、これを支援してまいる所存でございます。
○委員長(名尾良孝君) 時間が超過しております。
○市川正一君 時間が参りましたので、最後に一問だけ。 製品アセスメントの問題なんです。これだけは聞いておかぬことには本日の締めにならぬのですが、厚生省所管の廃棄物処理法改正の一部にこの製品アセスメントが織り込まれるようでありますが、この問題は製品の製造段階から、その段階からして廃棄物の削減あるいは処理困難性の克服、再利用の促進、資源の有効利用等々の観点に立つならば、私は本来本法案にこそ取り入れるべきものだというふうに思うんですが、この製品アセスメントについて状況と見解を承って、質問を結ばさせていただきます。
○政府委員(岡松壯三郎君) 本法案の第四条の規定でございますが、ここでねらいといたしておりますのは、事業者に対しまして、製品を生産する段階であらかじめその製品の使用後の再生資源としての利用が可能となるような措置を講ずることを求めているわけでございます。 具体的な措置といたしましては、使用後利用しやすいような構造でございますとか材質というものを判断基準で示していこうということでございます。再資源化法では、このような措置によりまして製品を製造する段階での再資源化に対する製品のアセスメントを推進することが可能である、これによって対処してまいりたい、このように考えております。
○市川正一君 どうもありがとうございました。
○井上計君 朝の連合審査からまた午後の審査で、同僚委員のまことに熱心な質問が交わされまして、また政府側からも非常に詳細に御答弁がありましたから、余り質問することがなくなりましたが、せっかくでありますから二、三お伺いしたいと思います。 古紙の回収率が我が国は非常に高い、再生率も高いということは、先ほどの同僚委員の質問で御答弁がありましたから結構でございます。 さてそこで、昨年あたりから再生紙の利用が非常にふえました。また、再生紙そのものが大変品質がよくなったということを聞いておりますが、ただ、再生紙のコストがバージンパルプを使ったものに比べるとやや高いというふうなことを聞いておりますけれども、現状はどうでありますか。また、何といっても再生紙をつくるためには、古紙の脱墨装置設備がこれはもう重要でありますが、これの導入等についてかなり資金を必要としておりますけれども、それらの設備の導入についての費用負担が大きいわけですが、これについての助成策をどうお考えになっておるか、まずこの二点をお伺いいたします。
○政府委員(南学政明君) コピー用紙等の分野における再生紙の製造におきましては、まず第一に、製造プロセスにおいて脱インクのための設備、すなわち古紙脱墨設備が新たに必要になります。また第二に、投入薬品等に経費が余計にかかるということもございます。第三に、これまでまとまった需要がなかったこと等もありまして、上質紙に比べまして製造コストが一、二割程度高くつくと言われておりました。しかしながら、最近では再生紙に対する需要も逐次拡大してまいりまして、例えばコピー用紙について見ますと、再生紙の販売価格はほぼ上質紙と同等程度に接近してきている、このように承知をいたしております。 政府といたしましては、今後再生紙の製造コストの低下を図っていくために、平成三年度から古紙脱墨設備に対しまして金融、税制上の優遇措置を講ずることといたしておるところでございます。また、再生紙に対する需要を拡大していくということが量産効果によるコスト引き下げにもつながりますので、政府が率先しまして再生紙の利用を行っているとともに、民間企業に対しても再生紙利用の促進を働きかけているところでございます。
○井上計君 次に、アルミ缶の回収でありますけれども、特にアルミは他の再生資源と違って、アルミ缶の場合にはもう省エネルギーという面からしても特に重要なわけでありますが、現在アルミ缶の回収あるいは再生の状況はどのようになっておりますか。今後またこれを促進するために何か新しいいろんな施策をお考えかどうか、それをお伺いいたします。
○政府委員(内藤正久君) アルミ缶は、委員御指摘のとおり、省エネルギーの観点からも非常に効果がございます。バージンアルミをつくるのと比べますと、大体エネルギー消費量は三%程度ぐらいで済むという大変な効果があると思っております。したがいまして、ぜひ回収を促進したいということでございます。 ただ、その実態は、一九八三年に大体回収率が四〇%のラインに達しましてから停滞をいたしておりまして、現在、昨年度も四三%弱という水準にとどまっております。ただ、使用量が全体としてふえておりますので量的にはふえておりますが、回収率は横ばい。これを何とかぜひ上げていきたいということで、平成六年度末にはこれを六〇%に引き上げたいという目標を立てております。 それで、それのために何をするかということでございますけれども、関係者は、経済的にも回収をすることの意味があるということもございまして、非常に熱心になっております。かつ、当然のことでございますが、地方公共団体あるいはボランティア団体、消費者団体あるいは流通業者、それから生活協同組合、それらの方々全部に集まっていただきまして、連絡会も開催いたしております。 そういうことを前提にいたしまして、広く広報、啓蒙活動をやってぜひ回収に協力しようということが基本でございますけれども、具体的には回収ルートを整備するということで、この一年間で百七十一のルートを整備いたしました。今まで約五百ぐらいのところに回収拠点がございましたから、一年間で百七十一ふやしたというのはかなりの意欲のあらわれかと思っております。 それから、表示につきましても、この法律を制定していただきますれば、だれが見てもわかりやすいような表示をして、表示をすれば多くの同一製品のものが集まるということで、再生利用に弾みがつくものだと思っております。 それから、技術開発の面でも、アルミのふたと缶とで成分が違うものでございますから、それを回収するとき、また改めて再利用のときには分けなきゃならないということをいかに技術的に克服していくかというふうなことも考えておりますので、いずれにいたしましても、関係者は非常に熱意を持って回収率を上げたいということで努力いたしておりますので、ぜひその方向をさらに強めていきたい。 それで、政府としては税制上、金融上の支援措置もやりたいということで、例えば空き缶回収設備につきましては、特別償却の制度を今度新たに導入していただくということで効果を発揮するものと期待いたしております。
○井上計君 今促進策についていろいろとお話がありました。大変結構だろうと思いますし、またそれによってかなり回収が促進されるなと、こんな感じがいたします。特に、今のお話にあったように、一目でスチール缶かアルミ缶かわかるという表示はぜひ必要だと思うんですね。なかなか素人ではわかりませんので、だから一緒にしておるというふうなことが多いようでありますから、これは大いに期待をしたいと、こう思います。 そこで、質問通告しておりませんけれども、けさからずっとお伺いしておってちょっと気がついたんで、これは岡松局長にお伺いしますけれども、指定品目にありませんけれども、繊維、繊維製品、これは指定品目に入っていないというのは、廃棄物の中にないからですか、どうなんですか。
○政府委員(岡松壯三郎君) 繊維製品につきましても廃棄物として当然出てくるわけでございます。これを回収してまたより糸の原料にするといったような、打ち直しというとちょっと意味が違うかもしれませんが、使うというようなことがあるわけでございますけれども、実際は回収率が実は悪くなっていて、ぜひ回収率を上げたいという業界の声も聞いたことがございまして、これを法律の対象にするかどうかにつきましては、今後検討させていただきたいと思います。
○井上計君 繊維は、私の知っているところでは、紙だとかあるいはアルミだとかその他のもののように回収してもなかなか再生できないですよね。今まで古着として回収したものがせいぜいいろんな工場でウエスなんかに使われる、そういうふうなことで、今古着を買う人もありません。したがって、なかなか回収しても再生の方法が難しい、そういうふうなことと、それからいま一つは各家庭で今はもう着ない服、衣類、あるいはまだ使えるんだけれども、昔と違いますから人にやる、あるいは売ることもできない、もてあましているという衣類が相当ありますよね。これはいろんな人から聞くわけです、何とかあの衣類をどこかへ上げるところはないでしょうかということを盛んに聞くわけですね。さてといってありませんから、最近ごみの中に古い寝具だとか布団あるいは着るものを捨てている人がかなりふえてきましたね。これは焼却以外にないと思うんです。 そこで、これは大臣、特にお考えをいただきたいんですが、何かそういうふうなものを回収して提供を受けてそれを整理して、今例のイラク国境で大変あの寒さの中で難民が震えていますけれども、あるいは去年ペルーへ行きまして、ペルーの高地にいる人は夜になると大変寒いのに毛布だとか着るものがない、こういうふうな話を聞きましたが、そういう途上国のそういう人たちに送るような方法を何か考えられないであろうか。これはかなり回収にコストがかかりますし、整理あるいは輸送にコストがかかりますけれども、何かそんなこともひとつやっぱり廃棄物を減らすというふうな意味で、これは特にODAなんかの資金でやればできると思うんですが、これは大臣ぜひひとつお考えをいただきたい。これは提言です。 あと具体的な質問、時間もありませんし、また皆さんお疲れでありますから、省略いたしますが、けさからのお話をずっと聞いておって感じますこと、特にきょうの連合審査の中でも二、三の委員から、ボランティア活動等について表彰制度等々についていろんな御提言がありました。大変結構であります。ぜひお考えをいただきたいと思うんです。 そこで、私の思いつきでありますけれども、いろんなリサイクル運動に従事しておる方がだんだんだんだんふえてきました。中には、積極的に参加したいという方もあるんです。それから、小学生あるいは中学生なんかでもかなりふえてきたんです。そこで私は、国がバッジかなんかつくって、リサイクル運動参加のバッジのようなもの、そういうふうなものを配ること、それも方法じゃないかな、こう思うんです。かなりいいものをつくっても、数つくれば一つ十円ぐらいでできるでしょうから、仮に十円でつくると一千万個つくっておけば一億円ですか、そういうふうなものをつくれば一つの流行になって、バッジをつけているからぜひそういうふうな運動に参加しよう、そしてリサイクルをやろうというふうな一つの啓蒙運動にもなると思うんです。 いずれにしても、大変国民生活がぜいたくになりまして、物を大切にするというふうなことはもうほとんどなくなりました。使い捨てが当たり前、あるいは使える物でも捨てていく、こういうふうな時代でありますから、これを防ぐといってもなかなかそうはいきませんし、また物を大切にするといっても、今まで物をやっぱり使い捨てで、消費は王様だなんておだてたことが日本の経済発展を支えた大きな原因でありますから、功罪相半ばするというふうなことになってきたわけですが、今さら物を大切にする運動、物を大切にする教育といってもなかなかそうはいかぬでしょう。 したがって、出たごみを有効に使う、有効に再生をするというためにどうするか、回収するためにどうするかといったことを考えていかざるを得ない、こう思うんです。そういう意味で、ボランティア活動にもっと皆さんに参加してもらえるようなそういう方策をぜひ考えていただきたい。そして、ボランティア活動によって成果を上げてくれた団体、人等についてはいろんな意味での表彰をお考えいただく。 それからいま一つは、日曜日に集まっていろんなそういうふうな紙だとか、いろんなものを回収しておる団体の人の話を聞きますと、困るのは実は場所がないと言うんです。空き地等は特に都会はありませんから、そういうふうなものを集めて整理をして業者に渡すような場所がなくて困っておるんです。といって、公園はなかなか使えませんし、それで学校の校庭なんかをそういうものに使わすようなこともひとつ考えていったらどうかな、こんなふうなことを感じております。 まとまらないような思いつきのことを申し上げましたけれども、そういうふうな面で大臣に一層御努力いただきたいと思いますし、最後に大臣の何か御見解があれば、承って質問を終わります。
○国務大臣(中尾栄一君) 井上委員の非常に建設的な御意見を種々賜りました。 まず、ODAの問題などの、ペルーの先ほどの御援助の話を含めまして、私も党の方でODAの特別委員長もやらせていただいたことがございましたが、確かにそのような点で私どもも欠けている面、人間のやることですからいろいろいいところ、欠陥もございましょうけれども、聞いてみるとこういうことはこのように生かすべきだったなと思うことはたくさんございます。確かに、そのような意味においては、本当に再生資源の活用をさらにODAに結びつけて、もっと活性化して生かしていく、そういう道のりも考えるべきことであろうなという考え方に立ちます。 再資源化に向けた国民の努力を促す上で、表彰制度が重要な役割を担うということは通産省としても十分に認識しているところでございます。特に、先ほどもう少し国が、例えばバッジなどをつけて、そしてバッジをプットしている人というものが誇りを持って当たるというようなことも、そういう意味においては、これはもう前向きに検討すべき課題ではないかなと、私も今聞きながら非常に強く共感したものでございます。さらにまた、そういう意味におきましては、そういう方々が回収していったそういう団体そのものを表彰するという制度も、これも大きく生かしていける問題でございましょう。 また、学校の校庭などのお話も出ましたけれども、ふと私ども気がつきませんでしたが、場所がない日本だけに、そういうようなところを大いに活用、利用していくことも、これは何も通産省だけでなく、文部省その他ともともども協議しながらやっていくことかなという感じはいたす次第でございます。 いずれにしましても、表彰制度につきましては、昨年十二月の産業構造審議会廃棄物処理・再資源化部会の答申におきましても、「実効性ある対策を講じている事業者、消費者、団体関係者を表彰する等の措置を実施することが望ましい。」と指摘されているところでございますし、通産省としましても、従来より表彰制度につきましては、再資源化に貢献した企業の表彰、古紙再資源化の促進に尽力した学校等の表彰を関係団体等を通じて行ってきたところではございますけれども、いまだ完全にそれが満足できる状況にはないのかもしれません。そういう意味におきましては、産業構造審議会の指摘も踏まえまして、委員御提案のボランティア活動に取り組んでおられる方々への表彰を含めまして、表彰制度の一層の拡充については前向きに検討していきたい、このように思っております。 また、表彰制度以外にも、空き缶、空き瓶等の散在性廃棄物の回収及び再資源化を促進するために、ボランティア活動の組織化に対する支援についても努めてまいる所存でございます。 以上でございます。
○委員長(名尾良孝君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時三十七分散会