商工委員会 第3号
- 発言数
- 172 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1991/03/26
会議録
○委員長(名尾良孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○梶原敬義君 オゾン層の保護に関する法律案を審議するに当たりまして、まず最初に中尾通産大臣の基本姿勢を伺いたいと思います。 従来から、職務柄もあると思いますが、歴代の通産大臣におかれましては、公害問題や環境問題に取り組む場合において、国民には後手、後手というか、やや半身になっているような受けとめられ方をしてきた感がするのでございます。地球環境問題がこれほど厳しく重大なときを迎えまして、通産大臣としてはこれまでの姿勢を変えて積極的に対応すべきだと考えますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(中尾栄一君) 通商産業問題というのは余りにも多岐にわたりますからそのように受け取られがちでございましょうし、同時にまた歴代大臣もそのようなことでかまけているわけではなくしても、この問題について積極果敢に取り組んでいるような姿勢が受けとめられないようにお見受けになられる場合もあったかもしれません。私といたしましては、特に戦後四十五年間を見ますると、非常に多岐にわたって変化したものがございますけれども、環境の大きな破壊というものに対するチャレンジと申しますか、これこそが一番大きな問題、課題ではないかなと感ずる次第でごさいます。 生産が激しくなり、また経済が非常に躍進すればするほど反比例をして、このような形における環境の破壊、あるいはオゾンの今回取り上げていただけるような問題に対する問題点がクローズアップしているというような感じがございます。それだけに、私どもは真剣にこの問題に対して対応していかなければならない。そしてまた、真剣に、対応すること自体がある意味においては次の二十一世紀の世界を救っていく一路の道にもなる。そのようにも考えておりますので、私はそのような姿勢で取り組んでいきたい、このように考えている次第でございます。 以上でございます。
○梶原敬義君 ありがとうございました。 これは、通産それから環境庁、外務省にわたるかもわかりませんが、オゾン層保護のための歴史的な経緯についてお尋ねしたいと思います。 国際的な取り組み、国内の取り組み、各国の取り組みの状況を簡単に総括的にお願いをいたします。
○政府委員(内藤正久君) オゾン層を塩素を原子として含みましたフロンが破壊するのではないかという議論は、委員御案内のとおり一九七四年の六月ごろから議論が始まりまして、その結果フロンを規制すべきであるというコンセンサスが得られまして、現在の条約及び議定書が一九八五年及び八七年につくられたわけでございます。それでなおかつ十分であるのかという議論がその後も検討され、その後の科学的知見が蓄積されるに従いまして、現在の規制では十分ではない、したがってそれを規制強化しようということになってきたと理解しております。 それで、現在の議定書あるいは条約ができました段階では、オゾンの破壊とフロンとの関係については、かなり推計的な部分が入っておりましたけれども、その後の知見では明確なる因果関係があるという考え方が知見となりまして、これに基づいて規制を早めるということで、二〇〇〇年に半減という予定を全廃という方向に持っていったということでございます。 その中で、特に科学的知見で大きな議論のポイントになっておりますのは、一九八九年の十一月にNASAのワトソン、プレーザー両博士がシナリオをつくりまして、それが二〇〇〇年撤廃の基 本的なポイントになっておると理解いたしております。
○梶原敬義君 厚生省、環境庁等に関係する問題につきましては、後から逐一質問を続けていきたいと思いますが、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案のポイントについて概略説明をお願いいたします。
○政府委員(内藤正久君) 現在、特定フロン及びハロン八品目を規制の対象といたしておりますけれども、それに新たなオゾン層への影響のある十二品目を追加いたしまして、二十品目に規制内容を拡大するということが一つでございます。 それから、いわゆる第二世代フロンと言っておりますけれども、第一世代と言われておる炭素、弗素、塩素、その化合物に水素を添加することによって、より分解が容易になるという第二世代フロンというのがございます。これにもやはり塩素が含まれておるということで、オゾン層の破壊に影響があるということでございますから、それを今後ウオッチしていこうということで、届け出を行うとともに、新たな排出抑制・使用合理化指針等をつくって指導していこうというのが三十四品目加わったというところでございます。 その二点が中心でございますが、より軽微な案件といたしましては、原料として用いられる場合、それは環境中に放出されませんので、環境汚染にはつながらないということで、それは生産規制の対象にするということがございます。
○梶原敬義君 法律案要綱並びにこの法律案の中にも出てくるんですが、表現の中にやたらと「ものとする」というのが法律案要綱の中にはたくさん出ております。 例えば、いただきました法律案関係資料集の法律案要綱一ページ目の「定義等の改正」の4のところに、「オゾン破壊係数を乗じて得られる値を合計した数量とすること。」、こうなっておるんですね。それから、第二の「基本的事項等の公表に関する改正」のところでは、「その数量の実績を公表するものとすること。」。要するに、「すること」と「ものとすること」と、そして「なければならない」、こういう表現が出てきておりまして非常にわかりにくい。 それから、法律案の中を見ますと、法律案の第三条の3ですか、四ページになるんですが、読んでみます。「通商産業大臣は、指定物質について、毎年、その製造数量その他通商産業省令で定める数量の実績を公表するものとする。」、こうなっております。それから、第十七条、これは「特定物質の輸出を行つた者は、その種類ごとに、通商産業省令で定めるところにより、毎年、前年の輸出数量その他通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出なければならない。」、こうなっているわけです。十八条も同じように「通商産業大臣に届け出なければならない。」、このようになっておるんですね。 そこら辺の「ものとする」と「なければならない」、これはわたしどもが一昨年消費税の廃止法案を出したときに、「しなければならない」と「ものとする」というので随分議論がありました。内閣法制局長官と参議院の法制局の局長との見解も分かれましたし、非常にこの辺が紛らわしいんです。特にここでは、先ほどの法律案で言いますと、第三条の「実績を公表するものとする。」と。「しなければならない」と「ものとする」と意味が随分変わってくるんですが、この点について、後で気がついたことですが、お尋ねします。
○政府委員(内藤正久君) 一般的な理解でございますけれども、「ものとする」といった場合には、政府、通産大臣はというふうな、「政府は、」「ものとする」というのは、政府が行うということを宣明しておる。したがって、その場合により客観的な議論の余地のない場合には、「されるものとする」という受け身の使い方をすると思っております。他方、一般国民に義務を課するという場合には、「しなければならない」ということで、一般国民の義務の場合と書きかえております。政府の場合に、「するものとする」というのは、「する」という宣言であり、国会の御審議を経た話ですから、それを実行することには変わりがないというふうに理解をいたしております。
○梶原敬義君 私どもが消費税廃止法案を出したときに、これは質問された側、かつて自治省の事務次官等をしている方は、自治省通達とかそういう知事や市町村に対する何々「ものとする」という表現というのは、たしか私の記憶に間違いがなければ、これは義務を課すけれども、しかしやや拘束性が薄れることも意味している、このようなことも質問され、そういう解釈もあったんです。この「通商産業大臣は、」「数量の実績を公表するものとする。」ということは、通産大臣はここでは必ず公表する、そのように解釈を断定できるようにしてもいいですか。
○政府委員(内藤正久君) 結構でございます。公表するということでございます。
○梶原敬義君 次に、現行特定物質法審議の際に、罰則規定云々ということを審議したのをちょっと思い出すんですが、立入検査をするとか、あるいはもし削減計画をやらない場合には罰則規定をやる、こういうような議論もした経緯があるんですが、この点についてはいかがになっておるでしょうか。
○政府委員(内藤正久君) 例えば、製造の許可を得ないでそれを超えて製造をしたというふうな場合には、百万円以下の罰金または三年以下の懲役に科せられることになっております。それから、届け出に不正があった場合にも罰金刑が科されることになっております。そういう形で罰則による担保、それを徹底していきたい。ただ、現実には現在の法施行後、そういう事例はございません。
○梶原敬義君 今まで八特定品目については、そういう立入検査とか、あるいは届け出をしないで生産をしたというようなケースはないということですね。 現行の特定物質の削減スケジュールの前倒し、要するに二〇〇〇年までに全廃するという本改正案については法の運用で行う、こういうように説明されておりますが、この点について一体どういうことなのかお尋ねしたいと思います。
○政府委員(内藤正久君) 法律の中に、基本的事項というものを通産大臣、環境庁長官で告示をすることになっておりますけれども、その中で削減スケジュールを明記してあります。その根拠は、議定書で決められたスケジュールをそのまま国内法に移しかえて徹底するということでございます。そういう法律の構成にしていただいたものですから、告示という行為で行いますので、スケジュールの前倒しはすべてその告示の書きかえで行われる。したがって、法律改正をお願いしなくても運用ができるという形でございます。
○梶原敬義君 そこは、法律改正でやった場合の方が拘束力が強くなるんじゃないかという気がするんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(内藤正久君) 議定書の中でも、対象物質をどうするか、対象物質の規制の方式を変えるかどうかというスキームの変更については、関係者全体の合意によるとなっておりますけれども、決まった品目のスケジュールの前倒しにつきましては、調整規定ということで、各国の批准を要することなく発効することになっております。そういう意味で、議定書の中でそういう差がついております。 それで、その決まりましたことを誠実に遵守いたしてまいりますので、法律で拘束をされる場合と効果としては同じことを国内的には必ず実行していく。ただ、その差というのは議定書の反映ではなかろうかと推測いたしております。
○梶原敬義君 わかりました。それでは、次に移りますが、ちょっと簡単なことから二点お伺いします。 フロンガスという言葉は、どうも世界共通の言葉でないようなことを聞きましたが、海外ではどのような言葉で使われているのか、国際的な名称の統一の必要性はないのか、その点いかがでしょうか。
○政府委員(内藤正久君) 委員御指摘のとおり、フロンガスというのは日本語英語でございまし て、国際語ではございません。国際的にはクロロフルオロカーボン、CFCということを言っておりますけれども、日本のフロンガスは、このCFCのほかにHCFC、ハイドロクロロフルオロカーボン、それも含めまして総称をいたしております。 なお、日本でフロンガスということを言われるようになりましたのは、一九三一年に商業生産を始めて、販売しましたのがデュポンでございまして、そのときの商品名がフレオンと言ったということで、そこから日本語になまってきたものではないかと推測いたします。
○梶原敬義君 次に、オゾンとは一体何なのか、そしてオゾン層とは一体どういうことなのか、もう一度原点に返ってお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(古市圭治君) 酸素原子が三つ結合いたしましてO3というのがオゾンでございます。このオゾンは、短波長の紫外線を吸収しますと壊れて酸素原子が出ていきますし、またほかの波長を吸収いたしますとそれがくっついてまたオゾンになる。そういう関係で、成層圏の中で生成と消滅とを繰り返して一定のバランスをとっているという状況でございます。大体地上から、地表から二十五キロメートル付近を中心といたします成層圏で比較的オゾンの濃度が高い層がございまして、これをオゾン層と称しております。この層のおかげで、太陽から降り注ぎます紫外線の中で、波長がやや緩いB領域の波長の有害紫外線がそこでシャットアウトされまして、我々地表の生物には影響を及ぼさない、こういうことで保護をしている役割を果たしているわけでございます。 このオゾン層の状況いかんということでございますが、世界各地の観測所で観測されておりまして、この全量、全地球的な分布については、一般的に赤道の方では少なくなりまして、高緯度地方になると多くなるということでございます。また、季節的には冬の終わりから春にかけて最大となってくる、秋から初冬にかけて最小になる、こういうようなことを繰り返しております。国際的にUNEPとWMOが中心になりまして、科学パネルというところを組織して検討した結果、一九六九年から一九八八年にかけまして、北半球で殊に冬季にこれが三から三・五%減少したということが報ぜられまして、いろいろ言われておりました全地球的に、殊に高緯度地方、それから南極等におけるオゾン層の減少傾向というものが非常に心配されておりまして、それに対して、先ほど申しましたCFC、各種のフロンが影響しているということが明らかになったわけでございます。 なお、このオゾン層でございますが、成層圏に広く分布しているといいますが、これをあらわす場合にドブソン単位というのではかっておりますが、これを地表の一気圧、零度Cの状況までもってきますと、このオゾン層というのはわずかに二から五ミリぐらいの量でございます、この我々の頭の上で。これが成層圏に行きまして気圧が低いという形で非常に広く分布しているということでございまして、これをドブソン単位というので表現しているということでございます。
○梶原敬義君 幼稚な質問をしますが、昔よく海岸に行けばオゾンがある、森林浴のところにも酸素が多いしオゾンがある、こういうことをよく聞いておりましたが、この点は真っ赤な偽りというか間違いですかね。
○政府委員(古市圭治君) 私どもの子供のころもそうでございましたが、先ほど申しましたように、このオゾンが我々に直接身近な問題だったのは、対流圏、身の回りの海岸とか山とかのオゾンでございました。 今問題になっておりますのは、地表から二十キロ以上の成層圏のオゾンでございまして、これは善玉オゾンでございます。人間、生物に非常に大事で、有害な紫外線をカットしている。しかし、地表で我々の身の回りにありますオゾンの方は、どちらかというと悪玉オゾンでございまして、これは光化学スモッグ、オキシダントの原因になりますし、過剰になりますといわゆる農夫症、皮膚のしわからいろいろひどい場合には皮膚がんになる。これが体にいいと言われましたのはO3でございますから、酸素原子を放出したときに活性酸素という形で、これはごく微量な場合には生物のいろんな活動を刺激するわけでございますが、量が多くなると老化を促進するとかいろんな悪い影響を与える。 まあ大ざっぱに申しますと、成層圏オゾンは非常に重要であり、対流圏オゾンというのはこれは少ない方がいい。これが現在の測定では、逆に地表で我々の近辺のオゾンが量がふえまして、成層圏オゾンの方が減っている、相殺して全量は余り変化がない、こういうような状況になっております。
○梶原敬義君 いいことを聞きました。その辺のPRもひとつぜひこの際国民にしていただきたいと思います。 そうしますと、もうちょっとついでにお聞きしたいんですが、酸素というのは善玉とか悪玉とかいうのはないと思うんです。我々の吸う酸素は、よく木がCO2を吸って酸素を放出してそこに酸素が多い、体のためにいい、こういうことをよく聞いてきたんですが、酸素そのものは、そういう考え方からすると、どういうように生成されて、森林浴とか何かが、果たして言っているようなことがあるのかどうなのか、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(古市圭治君) 酸素のことを深く勉強せずに参りましたけれども、私どもの空気の中は主にその大部分が窒素と酸素でございます。酸素は約二〇%、それでほかは窒素が主でございます。これは御承知のように、私どもは酸素を取り込んで炭酸ガスを吐き出す、それを植物の方が光合成で炭酸ガスを吸い込んでもう一度酸素に変えていただく、こういうことでございます。そういうことで必須の物質でございます。 先ほど、酸素は全部いいかということがございましたが、これも医学的には酸素をとり過ぎたら体に有害でございます。とり過ぎるというのは、我々の吸っている酸素は問題ございませんが、よく酸素吸入なんかをいたしますし、殊に赤ん坊が未熟児で生まれました場合には保育器の中に入れて酸素を供給するわけでございますが、それは御承知のように、酸素を供給し過ぎて未熟児網膜症、結局レンズの中に硝子体ができていわゆる失明されたというのがございます。酸素濃度も適当にコントロールする必要があるということでございます。そういうことで、あらゆる物質がやはり量を過ぎると、どちらかというと悪の方になっていくという傾向は否めないのではなかろうか、このように思っております。
○梶原敬義君 いろいろと勉強になりました。 そこで、環境庁の局長にお尋ねしますが、オゾン層の保護に取り組む環境庁の基本姿勢、あるいは環境庁がこれまで情熱を注いできた経緯についてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(古市圭治君) この法律は、やはりフロン、CFCがその原因でございまして、これを所管されております通産省の方でその面はきちっとやっていただいている、また環境の測定、影響面については環境庁、また気象庁の方でやっていく、こういう構成になっておりまして、共管という形でお願いしているわけでございます。 これがストックホルム等で議論になりまして、また科学パネルで明らかな影響が出てきたということで、昨年の六月にロンドンで第二回のモントリオール議定書の締約国会議がございました。このときには関係省庁出席いたしましたが、私どもの当時の北川環境庁長官がこの会議に出まして、国際的にも日本の非常に先進的な技術、また経済大国としての責任を果たして、まだ加盟を渋っていた大口の例えば中国とかインド等に積極的に働きかけた。その結果、そういう国もいわゆる加盟をする方向になってきたということでございます。 また、通産省とも歩調を合わせまして、発展途上国への技術移転、知識の普及ということも我が国の役割だということで、各種の予算あるいはJ ICAの予算等を使いましていろんなセミナー等を通じて技術移転に努めていると。今後とも、この法律を改正していただきましたならば、この法律にのっとりまして普及啓蒙活動を続けていきたい。さらに、各種の観測研究を通じまして実態を明らかにして世界にも貢献していきたい、このように思っております。
○梶原敬義君 お聞きしますと、生産、消費面は通産省の指導、そうして一方では気象庁が観測をやる、長官は海外に出ていって議定書の締結に向けて頑張った、こういうことでございます。そうしますと、環境庁のオゾン層の保護に取り組む主な仕事というのは、もう少し要約しますとこうするんだというのを、決意みたいなものをお聞きしたいんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(古市圭治君) いわゆる国際的な条約というものが議論されますときの会議の場というのは、各国とも主に環境庁長官クラスの人たちがお見えになっているという状況でございます。そういうことで、私ども日本といたしましては、通産省それから場合によっては気象庁と一緒に、国際会議でこれが議論されますときに日本の立場を表明して、また国際的な貢献を図るというときに中心的な役割を果たすというのが一つでございます。 それからもう一つは、国内的には、この法律の中におきまして、通産省の方で現行規制物質の前倒しの数量をどうしていくか、また新規規制物質の追加を製造業者にどのように周知徹底していくか、それから過渡的物質についてどうやるか、これは一緒になって協議して法律改正ということに当たるわけでございます。それができました後で、これらの物質についてのいわゆる使用合理化、それから再生、回収というものの指針をつくっておりまして、これにつきましては環境庁とそれから通産省と両省庁一緒に出しております。殊に、また私どもの範囲といたしましては、いわゆる地方自治体等が環境濃度を測定していくという場合には、これは通産省のらち外の分野になりますので、各自治体が例えば製造工場の周辺のフロンの濃度を測定して公表していくというようなことは、私どもの方で行わさせていただいているという状況でございます。
○梶原敬義君 次に移りますが、ローランド教授らがフロンによるオゾン層破壊の仮説を発表したのは今から十七年前の一九七四年、そしてオゾン層保護対策の実施の必要性等について国際的な検討の結果モントリオール議定書が採択され、特定フロン及び特定ハロンについて国際的な生産等の規制が行われるようになったのは一九八七年、そして我が国では昭和六十三年に本法が成立をいたしました。その間にも莫大な量のフロンが大気中に放出されてきたわけでありますが、各国はなぜもう少し早く何らかの対応ができなかったのか、この点についてお尋ねをいたします。
○政府委員(内藤正久君) フロンが本当にオゾン層を破壊しているかどうかということについての因果関係がその段階では明確でございませんでして、推定に基づいて予防的な措置をとろうというのが前回の法律をお願いした段階での科学的知見でございました。 ところが、その後学問的な進歩の結果、明確にフロンに含まれる塩素の濃度とオゾンの破壊との間に因果関係ありということが、八八年の三月ごろのオゾン・トレンド・パネルの議論から始まりまして、それが確定してきましたのが八九年五月ごろでございますので、その後その分析がさらに進んだ。したがって、塩素濃度とオゾン層の破壊との因果関係を定量的に分析して、その結果現在の一応のシミュレーションに基づく規制が行われるようになったということでございます。したがいまして、御質問の点については、科学的知見の深まりということが南極におけるオゾンホール等の拡大という自然現象を別途確認をしながら進んだ、その結果であるということだと理解をいたしております。
○梶原敬義君 今言われましたように、ちょうど六十三年の法案の審議に当たりまして私も質問をいたしましたが、そのころはまだはっきりしない、けれども疑わしいのでやるというような、そういうような雰囲気を審議の中で感じましたですね。 そのときにつくられた法案の内容を見ますと、「ものとする」というのがあちこちに出ている。例えば、改正前の十八条を見ますと、「特定ハロンを輸入しようとする者は、外国為替及び外国貿易管理法第五十二条の規定により、輸入の承認を受ける義務を課せられるものとする。」、このようになって、「ものとする」というのがやたらに出てくる。そこは少しあいまいな部分で、一気にこれで締めつけていくというのに少し不安を感じながらつくられた法律ではないか。そういうように憶測をし、そして本改正案についても、この要綱の中には「ものとする」がやたらに出てくるわけですが、その点はそういうことはないですか。
○政府委員(内藤正久君) そういうことはないと思っております。少なくとも、その後の法律の運用をごらんいただきますれば、「ものとする」ということを書いたところが自信がないということで緩い運用をしたという実績もございませんし、今後ともそういう運用を全然考えておりません。したがいまして、「ものとする」というのは、行うということでございます。
○梶原敬義君 それでは、次に移ります。 この議定書の改定は科学的な研究、検討した結果ということですが、規則強化となった科学的な根拠みたいなものがある程度説明できるんでしょうか。
○政府委員(内藤正久君) よく引用されますのがNASAのワトソン、プレーザーという二人の学者のつくった論文、これが例えば一九八九年十一月のジュネーブにおきますアセスメントパネルでも提出されまして、それが現在の規制のむしろ中核的な考え方になっております。これは塩素濃度とオゾンの破壊との関係をモデルをつくりましてシミュレーション分析をしたものでございます。 その考え方によりますと、一九七〇年代前半には南極におけるオゾンホールのような現象は全くなかった。ところが、一九八五年ごろにはそういう状況があらわれてきたということでございますけれども、一九七〇年代のオゾンホールがなかった時期における塩素濃度は二ppbというふうに一応想定されておりまして、それが一九八五年になりますと三ppbになった。それから、九〇年、これは実測値ではなくてシミュレーションでございますけれども、シミュレーションいたしますと三・六ppbになる。それで、現在世界で大体百十万トンぐらい毎年生産しておりますが、それを二〇〇〇年まで続けたということで、しかもそれが全量成層圏に行ってしまったという推計の非常に安全サイドをとったシミュレーションをいたしますと、二〇〇〇年ごろにピークになりまして四・七ないしは四・八ppbになる。したがって、その段階で全廃ということになりますと、その後それが減衰をしていくわけでございますが、フロンの寿命は非常に長いということで、例えばフロン11であると六十年とか、あるいはフロン12でございますと百二十年とか言われておりますので、減衰の期間が非常に長うございますから、それが目標といたしております一九七〇年代前半の二ppbになるには、要するに二十一世紀中には完全に自然のサイクルに戻るというのが現在の分析結果でございます。それに基づいておるのが現在の新たな規制内容でございます。
○梶原敬義君 次に移ります。 オゾン層の破壊によりまして、具体的には皮膚がんとか白内障の発生率の増加、あるいは生態系や農作物への悪影響があらわれる、このように言われておりますね。特に、成層圏のオゾンが一〇%減少して地上の中波長紫外線が二〇%増加した場合に、悪性皮膚がんが三〇%程度ふえるだろう、このように予測をされているようですが、環境庁この辺はいかがでしょうか。
○政府委員(古市圭治君) 幾つかの疫学データ、それから地域の状況、報告等から見て、そのような推定が学問的に報告されているということでご ざいます。量はともかく、そういう傾向が出るというのはもう明らかに認められているということでございます。
○梶原敬義君 そうしますと、二〇〇〇年までずっとふえ続けて、それが大体平行移動を何年かして、少しずつ下がってきて、二一〇〇年にはもとに落ちてくるということですが、そういうことになれば、もっとさらに厳しい削減の努力というものが世界的になされなければならないんではないか。特に、議定書に入っていない中国や韓国あるいはインド、そういう途上国の関係の規制というもの等も世界全体で勘案して、もっと削減の速度を速める必要があるんではないか、このように考えますが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(内藤正久君) オゾン対策だけに絞りますと、規制が早ければ早いほどいいということは御指摘のとおりでございます。かつ、かけがえのない地球でございますから、環境問題をまず優先するということは、これはみんなが考えなければならないことだと思っております。 ただあわせまして、フロンを利用していろいろな経済活動をやっておられる人たちが非常に多い。中小企業を含めて数が非常に多いわけでございますから、それとの調和を考えなければならない。そうしますと、大前提は地球環境の維持でございますけれども、現在可能な技術で地球環境と両立し得る限りにおいてフロンの使用を認めていくという環境問題と、生活を踏まえた技術開発、その調和点というところでぎりぎりの線でできてきておるのが現在の規制内容でございます。 したがいまして、その両要請を見ました場合には、現在の形は現時点の科学的知見に基づいては最適のものだと思っております。ただ、科学的知見もいろいろ変化いたしますので、それは十分にフォローアップをしながら、それには素直にこたえていかなければならないと思っております。 それから、地球的規模の問題でございますので、一国が幾ら頑張ってみても問題解決にならない。その場合に、委員御指摘のようなインドとか中国、そういう大国が参加してもらうということは重要なことだと思っておりますので、それらの国が加入できるような環境をつくること、あるいはそういう国が理解を深めてもらうこと、そういうことが重要だと思っております。まず、環境づくりといたしましては、一応基金を設置いたしまして、それらの国が加入された場合に新たなアディショナルなコストが要るという、そのコストに対しての資金供与のスキームのための基金を関係国で合意したわけでございます。そういうことで、入りやすいような資金的援助ということを考えておるのが一つでございます。 それからもう一つは、啓蒙普及でございますので、ぜひ理解を深めてもらいたいということで、一九八九年の五月でございますけれども、世界に先駆けまして、日本政府が国連大学、UNEP等と協力いたしまして、オゾン層保護アジア太平洋地域セミナーというふうなもので三十人ぐらい世界から集まっていただきまして議論をいたしました。昨年の十月には、フロン等削減技術の普及を図るために、十六カ国から集まってもらいまして、国際協力事業団でセミナーをいたしております。そのほかの一般的な理解普及のために、環境庁の方でもまた国際協力事業団を使ってセミナーをやっております。そういうことで、普及の啓蒙を一方でやっておる。 それから、委員御案内のとおり、議定書及びその条約の中では、新たに入りました国が、なお経済成長をするためには、フロンの使用が必要であるということの猶予措置といたしまして、一人当たり〇・三キログラム一年使用という量の供給は、参加しても十年間可能であるというふうなむしろ入りやすいスキームをつくっております。したがいまして、あれやこれや合わせまして、地球環境、地球規模の問題でございますので、関係者が十分に参加し得るようあらゆる努力を講じておりますし、今後ともそういう努力を続けてまいりたいと思います。
○梶原敬義君 今、局長のお話で大体理解できるんですが、外務省おいでですから重ねてお尋ねします。 表現は悪いかもわかりませんが、我が国初め先進国と言われるところは、こういうフロンやハロンの恩恵を非常にこうむって、生活水準やあるいは生活環境を非常によくしていった、経済もそれで非常に伸びた。ところが、開発途上国はこれからというときにいよいよそこに規制がかかってくるわけでございます。しかし、それでも規制をしていかなければならないという状況ですが、我が国といたしましては、そういう状況を勘案しながら、どのように開発途上国あるいは世界に向けて貢献をしていこうとしているのか、その点についてお尋ねします。
○説明員(藤本進君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、中国、インド等はこれから経済成長を遂げようという国でございまして、将来フロンの需要が急速に増大するということが予測される国でございます。ただ、こういう国々におきましては、その必要性は認めるわけでございますけれども、実際上必要な技術がない、またはそれをやるとしますと追加的なコストがかかるというようなことで、必ずしも従来から議定書にすぐ入りましょうというような対応はしてこなかったわけでございます。 ただ、先ほど通産省から御指摘ありましたように、オゾン層破壊問題は、いわゆる地球環境問題というものでございまして、その害悪が地球的に及ぶ、そして同時に、対応をするにも全地球的にやらなければ解決がつかない問題であるという分野でございますので、こういう途上国を含めまして全地球的な取り組みが必要であると考えております。そういう観点から、昨年六月にロンドンで締約国会議があったわけでございますけれども、この中におきまして、そういう途上国の努力というものを支援して、その途上国がこの議定書に入りやすくなるような形の援助をしようではないかということが決まったわけでございます。 この仕組みでございますけれども、一つは世界銀行、そしてあとは国連環境計画、そして国連開発計画、この三つの国際的な機関が実行機関となっているわけでございますが、それを統括いたしまして執行委員会というのが設けられております。この執行委員会におきまして具体的な基金の運営の仕方、いろんなガイドライン等を検討することとなっております。我が国はこの執行委員会のメンバーになっておりまして、今後この執行委員会を通じまして基金が適切に、効果的に運営されるように貢献してまいりたい、こういうぐあいに考えております。 また、同時に二国間ベースにおきましても、種々のセミナーを行いまして、途上国がこの問題につきましてより理解を深め、対応の必要性について認識が深まるようなことを推進しておる次第でございます。そして、多国間基金につきましては、我が国といたしまして平成三年度予算に約十億七千五百万円を計上いたしまして、日本としてこれに積極的に貢献しているところでございます。
○梶原敬義君 先ほど数字をいただいたんですが、特定フロン、そして今回特定フロンに追加されました物質等の我が国の国内の生産量の推移、これはもう推移は結構ですが、大体のトータルの量についてお尋ねをします。そして同時に、世界の製造量、第一世代フロンの製造量、その中に占める我が国の割合、これらについて簡単で結構ですが、トータルとしてお尋ねをいたします。
○政府委員(内藤正久君) 特定フロン五品目の生産でございますけれども、オゾン破壊係数で換算後の数字で、平成元フロン年度、八九年七月から九〇年六月でございますけれども、生産量が十一万九千トン、消費量が十一万トンでございます。 なお、議定書に基づきます日本の生産・消費可能量は、それぞれ十二万トン及び十一万八千トンでございますので、それを下回っておるわけでございます。 それで、世界の生産でございますけれども、大体大まかに生産量は百十万トン見当と見ておりま すので、日本は一割強のシェアを占めておるという実績でございます。
○梶原敬義君 これはまるきり角度が変わった質問になると思いますが、これだけの生産量を全廃するということになりますと、我が国の経済成長とか、あるいはそういう経済の動きに対して与える影響、こういうものはどのように把握をされておられますか。
○政府委員(内藤正久君) フロンが非常に多様な用途に使われておるということで、一応三万三千件くらいの第一次ユーザーがある。それが消費財等となって一般の消費生活に広く浸透しておるという実態でございますので、その規制の及ぼす影響というのは国民生活全般に影響が出てくるということでございます。それで、ただこれを規制しなければならないということでございますので、短期的にはいかにそれの節減を図っていくか。比較的価格が安いものでございますから、かなり浪費されていたということがございますので、その節減を図ることによって経済の実態には影響を与えないというのがまず初めでございます。それから、中長期的には代替品を使っていく、あるいは生産工程を変えて代替技術で賄っていくというふうなことが基本的な考え方になるかと思います。 それで、具体的に申し上げますと、四つぐらいの分野が中心的だと思っておりますが、一つはエアゾールの分野でございます。ここの分野では、高圧ガス取締法に基づきます規制の改定等を行いましたので、LPガスであるとかあるいはジメチルエーテルというふうなものに代替がどんどん進んでおります。あとは医療品、例えばぜんそく治療薬のようなもので、どうしても安全性を完全に確保しなきゃならないという特定の分野を除きまして、ほぼ転換が今年度中にも進んでいくもの、完了していくものと思っております。 それから、冷媒分野でございますけれども、これはカーエアコンに関連いたしまして、これも高圧ガス取締法の規制を昨年改定いたしましたので、むしろ再利用、回収を促進するという方向が一つございます。それから、代替品への技術開発をいろいろ進めておりますということで、一般の冷蔵庫等も含めて今開発が進んでおります。 それから、発泡分野でございますけれども、これは発泡の結果断熱材等ができるということで、非常に地球温暖化等に対してはプラスの効果があるわけでございますけれども、ここにフロンをできるだけ使わないで、水あるいはブタン等で発泡の効果を上げていこうという方向が進んでおります。 一番難しいのは洗浄分野でございますけれども、電子産業あるいは町のクリーニング屋さんというふうなところでの転換ということを促進するために、回収装置、あるいは水で洗浄するとか、電子部品の洗浄をしなくていいようにするというふうな工程変化等々を議論いたしております。要するに、経済活動に対して決定的なマイナス要因は与えないで、しかし地球環境は当然に守るという両立を各方面で努力しておるところでごさいます。 その中で、特に我々気になりますのは中小企業でございますけれども、中小企業につきましても、大企業の系列のものは大企業で技術が開発されますとすぐに転換されるということで、それを促進するように我々要請いたしております。さらに、数多くの独立した中小企業につきましては、そういう具体的な例をいろいろ集めましてマニュアルにして普及を図るとか、あるいは講習会をするとかということで、最先端のそういう転換技術が十分に一般中小企業にも広がるように今努力いたしておりますし、今後とも努力してまいりたいと思います。 なお、それに伴います支援措置としての税制、金融面での措置も一応講じて後押しの体制を整えておるところでございます。
○梶原敬義君 環境庁になるんですか通産省になるんですか、ちょっとわかりませんが、確かにこの便利な商品をオゾンの保護のために使用を削減する、廃止していくということですが、国民にはどこに一体フロンが使われており、ハロンが使われておりということは、まだ一部の人しかわかっていない。この点に対する啓蒙ですか、そしてこれは違うものに変えていかなきゃならない、そういうものをできるだけ使わないようにするという宣伝、PRが非常に不足をしているというか、足らないという気がしますが、特に環境庁、そういう面ではどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(古市圭治君) オゾン層の保護に関します普及啓発の状況でございますが、各種の施策を各関係省庁やっておりますが、環境庁の方でもやっております。 まず、オゾン層保護対策推進月間、これは通産省と共同でございますが、七月をこの月間に当てまして、各種の普及啓発をやっております。それからまた、平成二年度に環境庁で実施した事業を紹介いたしますと、地方公共団体の関係職員に測定や監視、そういうものをよくやっていただくということで、全国的な行政セミナーというのを開催しております。それからまた、そのときに用いていただくような各種のステッカーの作成、配布等をやっておりますし、屋外広告というんですか、政府広報を通じてのPR等をやっております。また、オゾン層保護対策産業協議会というところが作成いたしましたポスター、これも使用しておりまして、これらの活動の後援もするわけでございます。 あと、通産省がお答えあると思いますが、通産省も類似のものをそれぞれの所管のところを通じてやっていただいていると、このように承知いたしております。
○政府委員(内藤正久君) 基本的には今環境庁の方からお答えになったとおりでございますけれども、両者が一体になりまして七月一カ月間をオゾン層保護対策推進月間ということで、そのときに特にPRを集中いたしております。それから、そのほかに政府広報によっていろいろ媒体を用いての広報をやっておる。あるいは通産局ごとに講習会をやっておる。あるいは、先ほど出ましたオゾン層保護対策産業協議会、これは五十五団体、フロンを使う団体というのは一応ほぼ網羅いたしておりまして、その団体に対しまして横断的にマニュアルを活用し、講習会を実施する。あるいは、非常に数多くのビラ、ポスター等を配布するというふうなことをやっております。 したがいまして、我々の現時点において考えられますところでは、いろいろPRをやっておりますけれども、何分にもそれはまだ十分であるかどうかというところについては議論が分かれますので、引き続きぜひ努力を重ねてまいりたいと思っております。
○梶原敬義君 この法律が可決されましたら、一番いいのはNHKか何かへ局長が出ていきまして、それでオゾン層保護の問題の経緯という、地球があって上に太陽が降り注いでオゾン層がこうある、これを行って一度よく説明をされるのが一番いいんじゃないかと思うんですが、参考までに、お願いをしたいと思います。 次に、関連として先ほど出てきました洗浄用フロン113ですか、この洗浄用のフロンの生産量というのは非常に大きいわけで、特に半導体工場等で使用されているのが非常に大きいんです。この状況、あるいは大気にフロンを出さない努力、そういうものはどのように今なされているのか、進んでいるのか、その点についてお尋ねします。
○政府委員(内藤正久君) 御指摘のフロン113が洗浄用に使われておりますけれども、この代替というのがなかなか難しいというのが一番のポイントでございます。 それで、フロンの消費構造を世界的に見てまいりますと、例えばヨーロッパでございますと、エアゾール用が四〇%強を占めておりまして、非常に削減が比較的容易でございます、代替品がございますので。ところが他方、アメリカ等でございますと、冷媒用が四〇%程度使われるということで、これも順次転換が可能でございます。日本の場合は、五二%を洗浄用が占めておるというのは産業構造の反映でございまして、電子機械工業あ るいは精密機械工業、その製造過程における洗浄にフロンが使われておるということで、その活動に非常に影響がある。その決め手になっておるものがフロン113であるということでございます。 それで、まず代替品の開発でございますけれども、フロン225というものが現在開発が進んでおります。それから、例えば一部クリーニング用等には141bというふうなものも検討されるということで、それらの新たに開発されましたフロンにつきましては毒性検査を、引き続き安全性検査を実施しておると。これは国際的な協調のもとに現在いたしております。ただ、その前にその使用をより削減していくべきことは当然でございますので、まず一つは回収・再生利用装置を導入させるということで、八九年末の段階で大体千五百台ぐらいが既に設置されておるのではないかと思います。 ところが、約二年前に全廃の方向がずっと進んできたということで、回収、再生利用するよりは、むしろそれを使わない脱フロンの技術を開発すべきだという方向に非常に動いております。例えば、電子工業では水洗浄、でき上がった製品を水洗浄をするとか、あるいは洗浄しなくても製品としての信頼性、将来のさびどめができるというふうな技術開発を行っております。したがいまして、IC産業をとってみますと、一九八八年から九〇年の間にフロンの消費量は約六五%ダウンになっておるということで、非常な努力が進んでおります。 むしろ企業の方としても、公害防止に非常に協力的な、地球環境に協力的な企業というのが企業イメージとしていいということで、非常に努力を集中しておる。その結果、大体大手企業でございますと、九六年ごろにはこれを使用しない方向に動きたいというふうなことで進んでおります。したがいまして、一番難しいと言われてまいりました洗浄分野についても、大手企業及びその系列企業については、ある程度のめどが立ちつつあるという実態でございます。ただ、独立した中小企業、これに対する対応というのは十分に役所側で考えていかなければならない問題だと思っております。
○梶原敬義君 今お話がありました中小企業に対する対応ですね、その予算あるいは税制上の助成の手段、やり方、これはさらに、今までの特定物質が八品目でありましたが、それに上積みをしてこれから取り組んでいくということでしょうか。
○政府委員(内藤正久君) 中小企業に対しましては、新たな脱フロンあるいは省フロン技術を知識として情報としていかに提供していくかというソフトの面が一つございます。それからもう一つは、設備を新たに導入されて回収をする、あるいは脱フロンをするというふうな設備導入に対する支援という二つに分かれると思います。 後者につきましては、今委員の御指摘の八品目に新たな品目がつけ加わって支援措置を強化したのかという御質問に対しましては、まず財投で、従来脱フロンあるいは脱トリクロロエタンというふうなものは当然対象になっていなかったわけでございますけれども、今回それを対象にする。それから税制では、トリクロロエタン、これが新たな品目としてつけ加わりましたので、しかも特に洗浄用に使われるという難しい分野でございますので、それに対する税制上の措置を今回受けられるようにするということで、今国会でお願いをしておるところでございます。
○梶原敬義君 次に移りますが、ハロンのことをお尋ねします。 議定書の第二回締約国会議において、現行規制物質である特定ハロンの生産量及び消費量に関する削減スケジュールの中で、必要不可欠な用途を満たすための量を除くとなっておりますが、具体的にはどういうことでしょうか。
○政府委員(内藤正久君) ハロンは主として消火剤に使われるわけでございますけれども、泡消火あるいは炭酸ガス消火等々はいろいろ難点がございまして、ハロンにまさる消火剤がなかなかないという実態でございます。したがいまして、そういう状況の中で、エッセンシャルユースという今おっしゃっておられます必要不可欠な用途の部分、これは今後検討して決めていこうということでございます。したがって、現在は国際的な合意がまだできておりませんで、枠組みとして必要不可欠な部分は生産を認めていかざるを得ないということになると思います。 それで、今後の議論といたしましては、やはり代替品に転換していくということが本来の基本でございますので、エッセンシャルユースという部分を必要最小限にし、望むらくはゼロにしていく、全廃をしていくというところがポイントでございます。それで、日本ではハロン生産量が少ない、かつ企業数が三つに分かれておるものですから、研究開発が率直なことを言って十分に進んでおりません。ただ、世界的にはアメリカのグレート・レイクス社とかあるいはイギリスのICIとか、そういう企業で、現在のハロンの中に水素原子を定着させるという形で、第二世代フロンと同じような考え方の第二世代ハロンが既に生産、商業化はしておりませんが、開発されております。その辺の有効性とエッセンシャルユースの分野というのがあわせ今後評価されていくことになるのかと思っております。
○梶原敬義君 次に、フロンの回収状況について、先ほど自動車のカークーラー、家電製品等に関するお話がありましたが、なかなか言うはやすいがこれらの廃棄物の回収というのは大変だろうと思うんです。これをどのようにこれから指導を強めていかれるのか、もう少し具体的な面がわかればお聞きしたいと思います。
○政府委員(内藤正久君) フロンの回収で、例えば洗浄用のものでございますと、その作業をするフロンが蒸気になって上がってきます距離をむしろ長くとってその間に冷却をする、あるいは活性炭素等で吸着をしてそれから脱着をするというふうな方法がいろいろあるわけでございます。したがいましてその辺は、例えば設置台数で言いますと、千五百台ぐらいの先ほど申し上げましたような回収装置が既に導入されておりまして、それによる成果を上げつつあるのだと思います。 それから、その回収以前に、むしろむだ遣い防止というのが今の段階では非常に効果が多いと思っております。ただ、回収の中で特に問題になりますのは、廃自動車あるいは廃家電、廃冷蔵庫というふうなものから出てくるフロンが回収できるかどうかということでございますけれども、それについてはなかなか非常に難しい問題点がございます。ただ、廃自動車から出てくるフロンが大体年間千数百トンくらい、あるいは廃家電から出てきますものが四百トンくらいということで、量的には必ずしも大宗ではないわけでございます。 ただ、環境対策との関係で言えば、要するに生産制限をいたしておりますので、生産を抑えること、それで生産即放出であるということで、それによって環境対策は完全に目的を達するということで、利用が非常に広くわたるものですから、生産のもとの蛇口を締めるというのがこの考え方の基本でございますから、その限りにおいては達しておるわけでございます。ただ、御指摘のもう一つの柱であります回収、再生利用というふうなことを進めることも非常に重要な柱でございますから、それはそれなりに可能な限りの努力をしてまいりたいと思います。
○梶原敬義君 ぜひ努力をしていただきたいと思います。 もうちょっと時間がありますから、先ほど出ました中小企業対策等をひっくるめまして、三万三千件ですかこれにかかわっている企業がある。その中の大多数が中小企業だと思うんです。昭和六十三年に特定物質を指定して制限を開始して以降、これらの政府の支援措置を利用している状況というのはあるのかどうなのか。その点について、これは質問通告もしておりませんでしたがわかれば、わからなければまた後ほどで結構ですが。
○政府委員(内藤正久君) まず、税制、金融上の措置でございますけれども、税制上では特別償却の恩典を受けた減税額が最近年度で約七億円強と 思っております。それから、それに伴う固定資産税の免除が七千万円見当と記憶いたしております。それから、融資額でございますけれども、これは件数は必ずしも多くございませんでして、中小企業金融公庫、国民金融公庫等で数件、トータル一億弱程度の融資が行われておるという状況でございます。 したがいまして、中小企業の支援は、先ほど申し上げましたような脱フロンあるいは省フロンというふうなものについての技術提供というところがむしろ評価されておるという実態かと思っております。
○梶原敬義君 これから二〇〇〇年に向けて全廃をしていくということですから、恐らくこれからたくさん出てくるのではないかと思いますから、その点につきましては、特に中小企業対策に向けて指導、その辺の目配りをよくしていただきたいと思います。 次に、フロンの温室効果というのが言われております。フロン一分子当たり炭酸ガスの一万倍の温室効果がある、このように言われております。今地球の温室効果問題等との絡みでフロンはどのように考えればいいのでしょうか。
○政府委員(内藤正久君) 御指摘のとおり、フロンは温室効果が大きいことは事実でございます。 それで、同じ単位ごとに見ました場合に、今御指摘の一万倍とか、品目によっては二千倍だとか、あるいはフロンの種類によっては二万倍というふうなことがございますけれども、その中で温暖化効果を測定した過去の例を調べてみますと、ちょっと恐縮でございますけれども、例えば現時点における大気を一応断面としてとりまして、その中に含まれておる物質の量に応じて温暖化をはかる、それを一定の期間の比較の中においてはかるという、何か放射力による測定と言っておるようでございますけれども、RFと言っておるもの。それからもう一つは、グローバル・ウオーミング・ポテンシャルということで、潜在的な温暖力、同一の物質が大気中に存在し続けた場合における温暖化効果ということで、温暖化効果は二つのはかり方があるようでございます。その前者の方のラジエーティブフォーシングという形ではかりましたものが、IPCCとかあるいは一九八九年八月のナイロビにおきますフロンに関しての環境問題のアセスメントなどで出ておりますが、一九八〇年ないし一九九〇年の増加分でフロンの温暖化効果が全体の温暖化効果の二四%という過大な数字が出ております。それから、それを一七六五年から一九九〇年としますと一二%、それからGWPでとりますと、一九九〇年で一一・五%ということで一割、普通であれば一割程度、特殊なとり方をすれば二割五分程度というのが温暖化効果の寄与度だと思っております。 それで、委員御指摘のとおり、温暖化があわせての問題でございますので、フロン対策の観点から考えますと、まず第一世代フロンを第二世代フロンへかえていくということになりますと、第二世代フロンは温暖化効果が大体五十分の一ないし十分の一でございますので、温暖化効果をより悪化させない。温暖化を悪化させないという意味では非常に一つ意味があると思っております。それから、第二世代に転換していくものが約四〇%と想定しておりますので、残りの六〇%は全くフロンを使わない方向に転換していくと想定しておりますから、これは全く温暖化に影響を与えない。それから、その中で例えば断熱材等に利用されるとかいうものを今度は考えてまいりますと、冷凍の倉庫でありますとかヒートポンプでありますとか、そういうものを一定期間使った算定をいたしますと、フロンを使った断熱材を使ったそういう温度調節施設を用いなかった場合に比べますと、温暖化量が約三割程度で済むということで、いろいろエネルギーを多消費するよりは、フロンを使って断熱材をつくってエネルギー消費を少なくするということの方が効果があるということがございます。 そういうことで、いろいろ申し上げましたけれども、まずフロンが温暖化効果に影響があるという点は御指摘のとおりでございますので、その中で第二世代に転換し、第二世代の量を少なくし、それでそれを有効活用することによってむしろ積極的な効果を期待して、温暖化効果の面でも両立するように考えていきたいと思っております。
○梶原敬義君 それでは、時間が参りましたからこれで質問を終わりますが、最後に希望といたしまして、私どももこの法案に対しましては全面的に賛成でございます。この法律ができました以上は、本当に効果が生まれますように、地球のオゾンの保護ができますように念願をして終わりたいと思います。
○吉田達男君 続きまして、本案について質問をいたします。 現行のフロン規制の法律のもとで目的を設定して、二〇〇〇年に五〇%に抑制するという規制を続けているわけですが、その目標に対して現行の制度の実施の状況はどういう段階にありますか。
○政府委員(内藤正久君) 二〇〇〇年に五〇%に削減するという目標を着実に実施しているというのが結論でございます。 それで、数字的に申しますと、一九八六年の基準で、一九八九年七月から一九九〇年六月までの生産を抑えるというのが義務でございましたけれども、その場合に抑えるべき数量は、オゾン破壊係数調整後で、生産で十二万トン、消費で十一万八千トンでございました。ところが、実際上の成果は、十二万トンの生産枠に対しまして十一万九千トンの生産でございましたし、十一万八千トンの消費枠に対しまして十一万トンでございました。したがいまして、現在議定書で決められておる内容を少し上回る形で着実に実施しておる。 それから、この前こちらで御議論いただきましたときに、価格についても安定的に推移して行えという附帯決議をいただいたわけでございますけれども、その点についてもモニターをいろいろいたしておりますが、価格も安定的に推移をし、かつ使用量も減らすんだということで着実な実施を行っておるものかと思っております。
○吉田達男君 この目標設定に対して効率高く実施できたということは喜ばしいと思うのです。 このフロン対策というものの手法を見ると、むしろ初期ではわりかし対策が、打つ手があったという業界の意見も聞いたりいたします。今後、二〇〇〇年に全廃ということになると、むしろ難易度の高い洗浄等々の問題がクリアできるかどうかというようなことを抱えておれば、二〇〇〇年に向けての全廃の相対的な、技術的なものや規制の強化あるいは世界的な動きというものから見て、見通しはいかがですか。
○政府委員(内藤正久君) 委員御指摘のとおり、この規制が始まりました段階では、今までかなり浪費しておった部分を節減するということで、かなり効果が上がったということは事実でございます。したがいまして、これからがまさに削減していくための難しい努力になるわけでございます。従来五〇%の生産量にとどめるという考え方であったところを全廃というところに考え方が世界的に変わったものでございますから、むしろ使用量を削減するよりは、使用を全くしないでやろうということで脱フロンという状況に非常に動いておるというのが実態でございます。現在の主要分野ごとの見通しを聞いてまいりますと、二〇〇〇年には削減できるというふうに思っておりますし、しなければならないと思っております。 それで、御指摘の特に難しい洗浄分野でございますけれども、電子機械工業、例えばプリント基板の製造工程において洗浄をする。それで、これは技術的になって恐縮でございますけれども、製造過程におきましてさびを防ぐ、酸化物を防ぐという意味で、フラックスという松やにの樹脂を使っておるわけでございますが、その中にハロゲン元素が入っておる。それをむしろ排除するということで、ハロゲン元素を排除すれば、フラックスはそもそもでき上がる製品の酸化物を除去して将来ともさびないということで、信頼性を保つためにどうしても使わざるを得ない製品なんでございますけれども、その中にハロゲン元素が入ってお り、それをハロゲン元素をいかに少なくするか、かつそれを洗浄を水で洗浄しても信頼性を損なわないようにするには、どうしたらいいかというふうなことを研究してきたということでございまして、その辺が今緒につきつつある。したがって、新たにできる工場というのは、ほぼフロンを全く使わないという、新設工場は大体そういう方向になってきております。 それで、その技術をいかに中小企業に均てんしていくかということが今後実効を上げる一つの重要なポイントであろうと思っておりますので、その点について今後ぜひさらに努力をしてまいりたいと思っております。
○吉田達男君 この洗浄用途のものについて超低残渣のロジン系のものを開発していってという方法が、今おっしゃっていました、フロン225を使う場合、それから水洗性のものに返していくというようなことが、技術的に絞ればそのようです。これはやっぱり集中的に技術援助あるいは技術開発について行政のバックアップが必要かと思う。各企業はそれこそ集中的にこれに力を入れているようですが、これについての支援体制はいかがですか。
○政府委員(内藤正久君) 御指摘のとおり、洗浄用の代替物としての225等の開発はむしろ民間企業が独力で行っておるということで、我々は業界の代表に集まっていただいて、例えば日本電子機械工業会から話を聞きますと、むしろ九五、六年には全廃をしたいということで、かなりめどをつけつつあるということでございます。 それで、御指摘の第二世代フロンではなくて、全くむしろオゾン層を破壊しないということで、さらに影響のない第三世代フロン、要するに炭素にかえまして、窒素でありますとか珪素でありますとか酸素でありますとかという元素をそこに入れ込む新たな第三世代フロンという新たな設計思想の開発、これは非常に難しい問題でございます。その点については、国が支援をして関係企業がすべて集まって研究開発をするのがよかろうということで、内外企業十社を集めまして、その開発に対しては通産省からの支援をいたしております。本年度例えば十億円の補助をお願いしようということで今考えているところでございます。
○吉田達男君 あとの冷媒用のフロン12をフロン134aにするというようなことで、これはおおむね実用化の可能性がある。それから、ウレタンフォームなんかのあの発泡剤の分野については、これはフロン123が有力になって、フロンの11をこれに移行する。こういうようなことでやって、実用化のめどがどの程度立っているのか、業界で若干の意見は聞くけれども、行政庁としてどう見通しを立てていらっしゃいますか。
○政府委員(内藤正久君) 今御指摘のとおり、フロン11に代替するものとしてはフロン123あるいは141b、それからフロン12に代替するものといたしましては134a、142b、その辺の開発が既に製品としてはできております。それで、特に134aのようなものについては近々生産が予定されておりますし、あるいは142bについては既存化学物質でございますので、そういう生産も世界的には始まっております。 したがいまして、それをより多用することについての、あるいは特定の用途に使うことについての安全性を審査するというのが今世界的に行われております。安全性の審査は関係企業がすべて協力してやるのがよかろうということで、世界的に十四ぐらいの企業が集まって実施をしておりまして、日本の企業も参加しております。その辺のデータは、安全性審査の観点から、私どもも十分にフォローアップをしておりますし、アメリカのEPA等も十分にフォローアップしておるということで、毒性のない形でかつそれが割と早い時期に、例えばその審査の一番早いものは来年ごろには審査が完了するという形で実用化が進むものかと思っております。
○吉田達男君 規制は二〇〇〇年全廃ということで今度改正をして進むんだけれども、実際の国際会議等の動きについてお尋ねをしたいんです。 一九九二年度第四回会議というものが予定されておりますね。そのとき予想されるのは、九七年には全廃するということがその会議の主要な議題になると、主にECの方がそういう自信を持ちながら主張をされるということを伺うんですが、これについてはどのように掌握しておられますか。
○政府委員(内藤正久君) 九二年にスケジュール等の見直しの会合が行われることは委員御指摘のとおりでございます。そこにおける可能性のある議題として、これはまだ全然議題が決まっておりませんので、推測の域を出ませんが、我々の推測では三点ぐらいあるかと思っております。 一つが、今委員御指摘の二〇〇〇年全廃というのをもっと前倒しできないかということでございます。それで、特にヨーロッパの方が例えば九七年に全廃できないかというふうな議論をいたしております。アメリカ等は、それは実態的に無理であると、しかも現在の科学的知見に基づけば、現在の規制が目的を達し得るものであるという考え方に立っております。その前倒しの可否、もし技術的に可能なものであれば、経済活動に悪影響を与えないものであれば、前倒しをするということは当然にいいことでございますから、その転換が可能かどうかということを踏まえて議論になるのが一点かと思っております。 それから、もう一点はトリクロロエタン、これを二〇〇五年に廃止するということになっておりますけれども、それを前倒しするかどうかということも一つの議論の可能性があると思っております。 それから、現在の規制対象物質について、第一世代フロンについて九三年、九四年の規制の水準をどうするかというふうなことも議論の可能性があると思っております。 したがいまして、いずれにしましても前倒しあるいは規制の強化という方向が一つの流れの中で議論されるというのが九二年の対応でございます。そのときには、当然のことながら科学的知見に基づいて地球環境を守るというのが大前提にありますけれども、その中で代替物の開発等の技術的な開発がどこまで進んでおろか、それによって経済への混乱が回避できるかどうかということをあわせ考えるということで議論が進んでいくものだと想定いたしております。
○吉田達男君 伺いますと、やはり二〇〇〇年前半よりも早いピッチで技術的には進んでいき、それに基づいて経済活動もまた展開がされるであろうというふうに受けとれます。だから、二〇〇〇年全廃ということは可能性としては非常に強いと思います。したがって、規制の法律を通して、その法律でかえって違法状況をつくるというようなことにもならずに目的達成できるだろうとは思うんです。 ただ、日本の工業技術をもって世界の経済国として貢献をしていくという方針から言えば、それは二〇〇〇年ということの規制は否とは言いませんよ、言いませんが、一九九七年の前倒しの可能性が強いという業界の状況に対応した技術的な体制を日本としては、通産省として立てて推進しなきゃならぬと私は思うんです。これについてはより積極的な考え方でもって、二〇〇〇年全廃でいいというのは、これは違法にならぬからいいというような結果を招くだけであって、意気込みとしては私はさらなる積極的なものを持たれたいと思うが、担当省として御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(内藤正久君) 基本的な考え方は、二〇〇〇年を待つことなく全廃に持っていきたいというのが基本的な考え方でごさいます。したがいまして、一応国際的に決まったことだから二〇〇〇年まで引き延ばすんだというふうな考え方は当然のことながら毛頭ございません。 それを実現するために、他方先ほどからるる申し上げておりますように、中小企業を初めそこで働いておられる方、それで生計を立てておられる方があるわけでございますから、その生計を守るということもあわせて当然のことでこざいます。何も環境だけがすべてではない。環境を守ること は基本だけれども、やはり生活を守るということがその中で調和されなければならないという考え方でございます。御指摘の早いほどいいということについての基本的な考え方は全くそのとおりでございますが、そこは現実との調和を考えてまいりたい。 それで、現実的には先ほど電子機械工業等々、大手のところは大体一九九六年ぐらいには全廃をしたいという方向で進んでおります。それから、代替品の利用も、例えば冷蔵庫をとりますと、九四年ぐらいから新たな設計をした新たな冷媒を使ったものを市場に出したいというふうなことも言っておりますので、順次そういう方向で現実的な活動も進んでおる。しかも、企業の考え方が、このごろは地球環境に協力することがいい企業であると、したがってマーケティング上プラスであるという経済的なインセンティブで動いておりますから、これは日本の関係者の努力が相当に加速されていくものだというふうに思っております。
○吉田達男君 局長のおっしゃいましたところは私も大変よくわかるし、特に企業が地球環境を守るということについて、社会的なコンセンサスの中で企業の理念としておるという点については、私は評価したいと思う。それがあるから促進されたんだと思うんです。 ただ、これを開発すると、物質の例えば粘性とかpHとか引火性があるかとか、そういうようないろんな要素があって、これを代替物として活用するという場合にいろんな関連する機器等の変更があり得る。例えば、冷媒を使うコンプレッサーなんかは、粘性が高い物質に切りかえた場合にエンジン、モーターを大きくしなきゃならぬでしょう。それで、コンプレッサーをかえなきゃならぬ。そういうものが、現在あるアセンブリーの中でそれを組み込んでいくという作業を、実用品として世に問うて欠陥のないものとして売る。こういうことについては、単なるフロンにかわる代替の開発ということのみならず、関連するところのものがまた開発されなきゃならぬ。 それだから私は、行政庁としては先行性を持って指導をされたいと、そういう体制も立てられたいと、また国における研究機関もあるんですからその辺の体制も充実されたいと、こう言っておるのでありまして、その点についてもう一度お答えいただきたい。
○政府委員(内藤正久君) おっしゃるとおり、代替品が開発されればそれでおしまいという話ではなくて、それがいかに有効利用されるか。 今おっしゃいました、例えば冷蔵庫の例でございますと、冷蔵庫には冷媒と一緒にそこで用いられます潤滑油が密閉されておりまして、御案内のとおりそれが圧縮、膨張をコンスタントに続けながら十年とか十五年間密閉された中で使われるわけでございます。したがいまして、その冷媒がかわると、冷媒としてのフロンがかわる。例えば、フロン12が134aになるということになりますと、それに見合った潤滑油も開発されなければならない。それをかつ合わせた設計としての冷蔵庫ができなければならないということでございます。その辺を含めて、例えば冷蔵庫用の冷媒の転換が134aになりますとすれば、来年中にその安全性審査が完了いたしますと、一九九四年にはそれを含んだ製品の発売が可能になるというのが現在の商品開発状況でございます。フロンの開発は当然でございますが、それを利用した商品の開発もそれに見合ってスケジュールどおりで今進んでおるという実態だと理解しております。 それで、国がそれに対してやるべきだということにつきましては、民間企業の活力でやれる部分はそれはやってもらったらいい。そのさらに先にある、より環境上問題のない第三世代フロンのようなものについては国がやるべきだということで、役割分担を十分に考えながら、国のやるべき部分は工業技術院の関係研究所等々も活用いたしまして十分に進めてまいりたいと思っております。
○吉田達男君 それでは、価格についてお尋ねいたします。 こういうことでフルに規制がかかると、そのために新しいものをつくるとそれのコストの問題が起こる、開発費も償却しなければならぬ。それを横目に見て外国からの輸入の問題も起こる。この辺の価格について、どのような実態であり、どのように監視体制を持っておられるかお伺いいたします。
○政府委員(内藤正久君) 価格が安定して、かつ使用が削減されるようにという前回の附帯決議をいただいたものですから、それを遵守すべく我々努力をいたしております。 それで、まず価格の監視でございますけれども、ユーザーの需給及び価格についての毎月のモニタリングを当省としてやっております。例えば、フロン11及び12、113、その辺を対象にしておりますが、今後新たなトリクロロエタン等も対象に加えまして、価格については十分な監視体制を今後ともしいてまいりたいと思っております。 それで、その結果でございますけれども、規制が行われればかなり価格は高騰するのではないかということが規制前は懸念されたわけでございますが、結果的には安定的に推移をしておるということで、ここで附帯決議で御指示いただいた点がそのまま実行できたというのが現状でございます。
○吉田達男君 輸入の実績についてはどういう状態になっておりますか。
○政府委員(内藤正久君) 大宗は国内生産でございますけれども、発展途上国等に一部可能な、要するに締約国への輸出をしておるもの、それから従来アメリカの親会社から日本の子会社に輸入しておったもの等々がございます。 それで、御質問の輸入について申しますと、特定フロン全体で一九八六年約八千八百トンでございましたけれども、一九八九年八千九百トンということでございます。したがいまして、ほぼ横ばいというのが輸入の実態でございます。
○吉田達男君 万トンないということでありますから量は少量だと思います。輸出入ということになるとその総量規制の問題で特に輸入が日本の義務としてかかってくるわけでございますが、外国の状況についてお尋ねをいたします。 この議定書に加入をしておられる六十九ヵ国ありますが、そのほかの国のフロンの使用状況についてはいかがですか。
○政府委員(内藤正久君) 国別のフロンの使用状況を必ずしも掌握いたしておりません。しかし、約百十万トンぐらいの生産で、消費は、少しギャップがございまして、統計上は大体百万トン強ということでございます。それで、日本が約一割強、それからヨーロッパ、アメリカがそれぞれ約四割、約三割程度ということで、かなり安定的な状況になっておるかと思っております。
○吉田達男君 オゾン層を破壊しないようにという発想からフロンの規制がかかったという経過でありますから、日本は日本の国として十分その責めを果たさなければなりません。要は、地球を守るために外国のみんなと協調関係の中に進めなければならぬ、こういうことであります。 そこで、現在お隣の辺の国でもいまだ加入、約定なさらずにおられる国もあります。こういう国が今後議定国になって協調できるという体制をつくらなければならぬと思いますが、これについてはどういう働きかけをしておられますか。
○政府委員(内藤正久君) 委員御指摘のとおり、地球規模の問題でございますから、世界のすべての国、それが参加してもらうことが目標であると思っております。その中で、とりわけ委員御指摘のお隣あるいはアジアの大国が入っていないということについては、ぜひ条約、議定書に加入してほしいという期待感を関係国すべてがまず持っておると思います。 それで、それをじゃ具体的にどうするかという点につきましては、それらの国の要望は、基金をつくりまして、フロンを使わないあるいは代替していく場合にアディショナルなコストがかかる、それを経済協力として支援をしてほしいというのが強い要望でございました。それができれば加入 せざるを得ないかなという裏での話もあったようでございます。したがいまして、ぜひ基金をつくりたいということで現在一億六千万ドルの基金を一応つくったわけでございます。それで、期待するような大国が加入する場合には、なおさらにその資金を、これは三年間の基金でございますけれども、積み上げまして二億四千万ドルまで引き上げようというふうなことで、入りやすい経済協力上の資金をつくっておるというのが一つでございます。 それからもう一つは、啓蒙普及を図るということで理解を求めなければなりませんから、一九八九年の五月に行いましたようなアジア・太平洋地域におけるセミナーを日本が主催いたしますとか、あるいは使用技術等について、国際協力事業団を核にいたしまして環境庁あるいは通産省それぞれ協力いたしまして、いろいろなセミナーを昨年も二回開いております。そういうことで理解を求めておる。 それから三つ目は、経済実態としてそれぞれの国の産業に先進国で開発された省フロンあるいは脱フロンの技術が導入されればいいということで、我々としては、まず現地にある日本企業に技術開発が行われればそれを速やかに移転すべきであるという要請をいたしております。各企業はそれに十分にこたえるという状況になっておりますので、民間ベースでもそういう環境をつくってまいりたいというふうに思っております。
○吉田達男君 せっかく努力されて実ることを期待するんです。 今局長の答弁の中にありました国際基金、これは十条の関係でしょうか。もう一度正確にお答えいただいた上、日本がこの一億六千万ドルの中でどれだけ貢献をしており、外国から見てその評価はどうなのか、大変気になる実質的な日本の貢献でありますから、お答えをいただきたい。
○政府委員(内藤正久君) 九一年から九三年に至る三年間に要するとりあえずの資金ということで、一億六千万ドルを関係国が拠出するということになったわけでございます。 それで、この基金をつくります段階でいろいろ反対の国もございました。したがいまして、反対するのであればもうスケジュールの前倒しもまとまらないというふうな局面もあったようでございますけれども、そこは日本が副議長国としてぜひこれを取りまとめて基金を有効活用すべきである。一億六千万ドルの基金でございますけれども、その管理はUNEP、UNDPあるいは世銀というふうなものが実際上の管理をしながら、全体をまとめておりますのが執行委員会でございます。執行委員会は先進国七カ国、発展途上国七カ国で構成されておりますけれども、フィンランドが議長でございます。 それで、日本はその先進国の一執行委員になっておりまして、そういう取りまとめの過程において、要するに普通の経済協力でやれるではないかという国に対して、それとは別枠でそういう基金をつくるべきだというのがポイントでございまして、それを日本が非常に動き回ってそういう基金をつくったということでございます。まず、基金が評価されるがゆえに発展途上国も加入の気持ちがあり、その基金の設立について日本が非常に重要な役割を果たした。 それで、現在の基金に対しましては一三・三九%の見合いの拠出をやるということで合意をいたしております。これは任意拠出ということでございますが、正直なことを申し上げますと、国連の分担金見合いでございます。それで、十億七千五百万円の予算を今要求いたしておりまして、八百三十万ドル相当というものを拠出するということで、日本は拠出金額でも第二番目の拠出国になるということで、我々としては可能な限りの協力及び貢献をしておるというふうに自負いたしております。
○吉田達男君 せっかく外務省もおいでであります。通産省はそのようにして努力をして日本は貢献しておる、こういうことですが、外務省は、また広い分野で外交をなさって日本が肩身の狭い思いをせぬように、経済大国として誇りを持ってリードできるように十分やられたいと思います。 その一三・三九%、十億七千五百万円についてしかるべき評価が本当に与えられそうなのか、与えられておるのか。あるいは隣国の韓国、中国、インドとか、こういうところが加入をされるような促進の外交はどう展開されており、どのような見込みにあるか、外務省として御答弁をいただきたい。
○説明員(藤本進君) お答え申し上げます。 先ほど御答弁が通産省からありましたけれども、この十億七千五百万円といいますのは第二位の規模でございまして、それに加えまして、昨年六月この基金の設立が決まりましたときにおきましても、日本が非常に積極的にこれを支援したということはもう国際的に知られているわけでございます。そういうことも踏まえまして執行委員会のメンバーといたしまして日本が選ばれているわけでございます。 この執行委員会といいますのは、先ほどちょっとありましたけれども、世銀それから国連環境計画、国連開発計画、この三つを統括いたしまして、今後その基金をどういうガイドラインのもとに運営していくか、どういうやり方でやっていけば一番効率的に運営できるかという基本的計画を決めるところでございます。そのメンバーになっておるわけでございますので、この中で最適な基金の運用ということについてさらに貢献していきたいと考えております。 それから、インドと中国でございますけれども、その加入につきましては、昨年のロンドンの会議におきましてこの基金の設立が決まりましたときにおきまして、その両国は非常にこれを前向きに評価いたしまして、加入について前向きに検討したいということを申しております。私どもは、こういう非常に重要な国々ができるだけ早期にここに加入していただけることを期待しているわけでございます。 この多国間の基金の運用に関する貢献に加えまして、二国間の活動におきましても、これらの国々に対しまして種々のセミナー、JICAベースを通じましてセミナーを行っております。この問題に関するそれぞれの国の問題意識、認識を深めていくことによりまして、こういう国々が早期に議定書に加入するということを促進したいものと考えております。
○政府委員(古市圭治君) 先生から国際的に日本の貢献がどのように評価されたかと御質問がありましたので、一言環境庁の立場から補足させていただきます。 先ほどから話題になっております六月のロンドンの会議におきましては、日本の首席代表として当時の北川環境庁長官が出席されまして、みずから陣頭に立ってその基金の創設についての日本の積極的な意思を述べた。なかなか加盟を渋っておったということでございますが、インド、中国等につきましても、そのチェアマンをやりましたイギリスの環境大臣のパッテンさんからの依頼、さらにはアメリカの環境保護庁のライリーさんからの依頼を受けて、日本が先頭になってその大口の国を説得してくれというので、私も行っておりましたが、インドの環境大臣はガンジーさんの孫娘さんでございますが、肩をたたきながら説得したというような情景もございました。そういうことがございまして、会議の終了のときには、中国の副大臣、それからまたガンジー大臣の方から、国に持ち帰って前向きで加盟を検討するという表明がございまして、満場の拍手を浴びたというような情景がございました。 それからまた、環境庁といたしましても、二国間でODAの経費を利用いたしまして、中国、タイ等につきまして平成二年度に既に現地調査をやりまして、その後、来年度は日本でセミナーをして技術移転をするということではなくて、現地の中国なりタイに行ってそこで関係者を集めて、いわゆるトレーニング、ナショナルトレーニングセミナーを開くというようなことももう始めております。こういうことを通じて発展途上国への貢献 をしていきたいと思っております。
○吉田達男君 環境庁にお立ちいただいたんで重ねて質問をいたします。 オゾン層が破壊されている部分的な状況が南極、北極あり、赤道上ありというふうに観測されたりもしておるわけです。そういうような宇宙、地球上の気層上の状況の把握、観測体制、こういうものについて国際的な貢献はどのようになさっておられますか。
○政府委員(古市圭治君) 今回提案させていただいておりますオゾン層保護法に基づきまして、これは我が国におきましても、気象庁長官の方で、オゾン層の状況、大気中におけるCFC等の濃度を観測いたしまして、その成果を公表する。それを受けまして、環境庁長官が、これらの状況を分析いたしまして、年次報告で公表するということになっております。気象庁の方は、国内の四カ所、さらには南極の観測点におきます測定値を報告いたしております。 また、これらの数値につきましては、国際的には世界気象機関、WMOでございますが、これによりまして既に一九五七年から五八年の国際地球観測年、これでオゾン観測を行うように加盟各国の気象機関に要請がされております。これによりまして全地球的なオゾン観測組織ができております。この全球オゾン観測組織のもとに、オゾンの観測が我が国を含めて世界で現在百四十カ所実施されております。それらの観測データは、カナダの世界オゾンセンターに送られまして、一元的に管理をされているということで、我が国もこれに対して気象庁の測定データ等で世界的な貢献をしているということでございます。
○吉田達男君 時間がなくなりましたので、二〇〇〇年にフロンが全廃されるということが進んでも、オゾンホールの存在が確認された一九七〇年代の状況に戻るのは二〇七五年と現在のところ推測されております。ということは息の長い話です。したがって、代替フロンをつくったりいろいろやらなければなりません。現在起こっておる現象に対して、環境庁の先般からの規制、五〇%を目指しての規制は、オゾン層に影響を与えるほどの実績にはなっていないと思うが、観測してつかまえていくんだろうと思います。 そういう事態を踏まえると、積極的にこのオゾン層を保護するという技術、例えば電波をオゾン層にぶつけてオゾンをつくっていくとか、あるいは飛行船でそこの部分的なところにオゾンを発生させるような技術開発とか、こういうもので積極的なオゾン層補修、維持、保護、こういう技術が開発されつつあると仄聞いたしますが、これについてはどのような見通しですか。
○政府委員(内藤正久君) オゾンを人工的に製造するという技術である程度理解を得ておりますのは、アーク放電による方式でございます。アーク放電によりまして酸素をオゾンに合成するわけでございますけれども、それには非常に多量のエネルギーを要します。実験では、一トン当たりのオゾンを生産するために四千億キロワットアワーの電気を要する。日本の一年間の電力消費量が七千億キロワットアワーでございますから、日本の一年間の電力量を使ってオゾンが一・七五億トンできるという規模でございます。この一・七五億トンというのは、オゾンの量は三十三億トンでございまして、日々三億トンが生成消滅しておるということでございますから、日本の一年間の電力量を用いて半日分のオゾンを製造できる。そうなりますと、大変なエネルギーを使いますから温暖化効果上も非常に問題があるということで、技術的には非常に難しいものだと思っております。 それで、先生の御指摘の電波を利用するというのは、実験室段階の仮設としての議論はございますけれども、それをやります場合に、例えば電波を発した場合に、相当大きなエネルギー量の電波を発して、活性塩素を非活性化するというふうなことが実験室段階では可能でございます。それを大気中でやるということになりますと、大変な発生設備をつくらなければなりません。 それで、発生した電波を送ったものが活性塩素だけを非活性化するのか、あるいは酸素もつぶしてしまうんではないか、あるいは窒素もつぶしてしまうんじゃないか、いろいろなところの破壊がございまして、副作用を考えると大気中ではとても利用できないではないかというふうに思っております。それよりは、むしろ代替フロンを開発し、あるいは使用を削減していくという本道を歩むというのが、実態としてはあるべき姿ではなかろうか。もちろん、そういう科学的な実験室段階での仮設というのも十分にフォローはいたしますが、なかなか難しいと思っております。
○吉田達男君 時間が来ましたので、せっかく熱心に聞いていただきました大臣に最後にお尋ねをいたしたいんです。 このフロンのオゾン層破壊を初め、酸性雨の問題とかあるいは温暖化、地球の砂漠化、海洋汚染等々、人間の科学技術というものが地球環境を破壊していくという事実が幾つも累積し始めました。この文明が自然を破壊するということに対して、人間はどう対処すべきかということであります。 仙人のように隠者となって原始に帰って生活しろということは、私は今日的には言えないと思いますけれども、人間の幸福追求というもののあるべき姿を求めなければならぬ。科学で壊れたものは、またそれにまさる科学技術を開発して対応しなければなりません。やはり神を恐れざる自然破壊という文明に対して、人間のありようとしてどのような人生観をお持ちか、大臣にお尋ねをいたします。
○国務大臣(中尾栄一君) 人生観というとあれでございますが、私自身も、確かにおっしゃられるように文明の発達そのものと、それからまたこのような地球環境破壊のようなハンディキャップをそれぞれ感じますると、難しい時代に遭遇したなという感は否めない事実として受けとめざるを得ません。 そういう意味におきましては、先ほどのCO2等による地球温暖化の問題、あるいはフロン等によるオゾン層の破壊等の地球環境問題は、全人類そのものの英知を結集して、全体の枠として取り組んでいかなければならない世界の最重要課題の一つではないのかなという感を強ういたします。 通産省としましては、従来より本問題には積極的に対応してきたところでございますし、環境庁も先ほどの会議の模様なども熱烈なるこれに対する情熱を傾注しておるし、外務省もそれに取り組んでおることは私自身も聞き及んでおりましたが、先ほどの答弁を聞いておりますると、なおかつその感を強うしたものでございます。 本問題の取り組みに当たりましては、世界規模における経済の安定的発展と環境保全の両立を確保するというこの二つの重要な要素がございますから、そのためには技術によるブレークスルーといいますか、そういう現状打破が不可欠であるものと認識するものでございます。 そのような中におきまして、現在通産省におきましては、地球温暖化を初めといたしまする地球環境問題につきましては、第一点としまして、国内的には、昨年十月に決定されました地球温暖化防止行動計画というものに基づく二酸化炭素排出抑制目標を達成するために、省エネルギーあるいは非化石エネルギーの導入を進める等、総合的なエネルギー政策を実施する心算でございます。また、産学官の協調のもとに設立されました財団法人地球環境産業技術研究機構というものを中核といたしまして、地球環境保全に関する革新的技術開発に取り組んでまいろうと考えておる次第でございます。 また、第二点としましては、国際的には、世界各国が協調して、温室効果ガス排出抑制、削減等を行うための行動をとることを一致団結いたしまして、地球再生計画として提唱しておる次第でございます。同計画の実現に向けて努力していくことは申すまでもございません。 今後とも、これらの施策を通じまして、経済の安定的発展と環境の保全との両立がうまく車の両輪のように進め得ますように、地球環境問題の解 決に向けて積極的な役割を果たしていなかなければならない、また役割を果たしていくことが義務である、このように私どもは承知しておるつもりでございます。一層の努力を払うつもりでございます。
○吉田達男君 ありがとうございました。
○委員長(名尾良孝君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。 午後零時七分休憩 ─────・───── 午後一時十三分開会
○委員長(名尾良孝君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○広中和歌子君 オゾン層保護対策の一層の推進は各国共通の課題であり、工業先進国の責任は大であると思います。我が国としても法改正は当然だと存じますが、その内容は規制物質の拡大、削減スケジュールの拡大と前倒し、他の化学物質及び過渡的物質の製造数量の把握などを盛り込んだものであり、今回のそうした法律案に対して非常に評価をしているところでございます。 ところで、その削減スケジュールでございますけれども、目標達成は完全にクリアできるのでしょうか。
○政府委員(内藤正久君) 新たな目標は二〇〇〇年に全廃ということになっておりますし、その間かなり段階的に早い段階で順次削減していくというスケジュールでございます。結論的には、そのスケジュールを実現することは可能であると思っておりますし、少なくとも、完全に達成しなければならないというふうに思っております。
○広中和歌子君 第一世代フロン、CFC五種類は二〇〇〇年全廃という体制で取り組んでいらっしゃるわけです。CFC113ですね、これは洗浄剤に使われ日本では非常に使用量が多いわけですけれども、それについてはどうなんでしょうか、現時点ではむしろ生産量は上がっている、そのように承知しておりますけれども。
○政府委員(内藤正久君) フロンは御案内のとおり非常に多方面に使われるわけでございます。それで、冷媒用あるいは発泡用あるいはエアゾール用、この辺は代替物あるいは代替技術がなかりめどがついておりますが、御指摘のとおり洗浄用フロン113、その代替物が一番の難点でございます。それで、代替物といたしましてはフロン225の開発が進んでおりますので、あるいは一部141bというふうなものも検討するということで、代替物のめどは立ちつつございますが、その毒性検査等を世界的に今やっておる最中でございます。 それで、かつその使用削減につきましても相当に効果を上げつつございますので、使用量は減少いたしてきております。したがって、この分野についてもぜひ実現していきたい。 ただあわせて、ここ二年ぐらい前から全廃という方向が特に従来の二〇〇〇年半減よりは強化された形になってまいったものでございますから、省フロンあるいは代替フロンという方向よりは、むしろ脱フロンということで製造工程を変えるというふうな方向に進んでおります。洗浄用の113につきましても、目的の二〇〇〇年には全廃という方向で実現をいたしたいということで、関係者努力をいたしております。
○広中和歌子君 1・1・1トリクロロエタンですか、これは二〇〇五年までに削減するということですけれども、前倒しは可能でしょうか、これは大いに問題になったところと伺っておりますけれども。
○政府委員(内藤正久君) 1・1・1トリクロロエタン、今回新たに規制に加えていただくわけでございますけれども、洗浄用に使われるのが大宗でございます。先ほど御指摘のございました113の代替技術あるいは代替物というものがこれにも適用可能と思っております。したがいまして、日本の大手企業について言いますと、二〇〇〇年あるいは一九九九年ぐらいには全廃の方向に持っていきたいということで開発を進めておりますので、当然のことながら二〇〇五年には全廃、可能ならば前倒しという方向で努力をいたしております。
○広中和歌子君 冷媒用の代替品として134aという物質がございますけれども、これはオゾン層の破壊という視点から見ますとゼロと考えられておりますけれども、一方地球温暖化への寄与度に関しては、CO2に比べ何千倍というふうな大変寄与度があるというふうに言われておりますけれども、その点についてのお考えをお聞かせください。
○政府委員(内藤正久君) 134aは、12に比べますと、温暖化効果は十数分の一でございます。したがいまして、現状に比べれば温暖化防止に役立つ品目でございます。それで、かつその使用も代替も、全面的に現在のものが代替していくわけではなくて、例えば全然フロンを使わない脱フロンというふうな技術が行われますので、予測では四割ぐらいしかそれが転換していかない、そのうちの四分の三ぐらいがHCFCであるというふうなことでございますので、温暖化効果の点からいえば、現状に比べますと改善が行われます。ただ、委員御指摘のように炭酸ガスと比べますと、同じ容量であれば温暖化効果は非常に大きいわけでございます。したがいまして、その点については現状よりは改善をするということに特に重点を置いてまいりたい。 ただあわせまして、134a等で発泡いたしました断熱材というふうなものが、冷蔵倉庫でございますとかヒートポンプであるとか、いろいろなものに用いられるようになりますと、それはエネルギーそのものをその冷却用に使うというのに比べますと、非常に冷却効果がございますから熱の消費量が少ない。したがって、炭酸ガスの排出量が少ないという効果もございます。そういう意味で、総合的に考えてまいりたいと思いますが、少なくとも現状よりは改善するということでございます。
○広中和歌子君 モントリオール議定書の今回の改定によって、世界がオゾン層の保護のために法整備をするといたしますと、二〇〇〇年までにオゾン層への負荷はどの程度軽減されるのでしょうか。
○政府委員(内藤正久君) オゾン層への影響はフロンに含まれる塩素濃度がポイントでございます。それで、オゾン層が全く正常な状態であった七〇年代前半、したがって南極のオゾンホールがなかった時期というのが二ppbでございましたので、それに将来戻っていくということがねらいでございます。ただ、その間現在の規制スケジュールで進めてまいりましても、二〇〇〇年には四・七ないし四・八ppbになりますので、その間現状に比べればなお大きなオゾン層自然負荷がかかっていくということでございます。その段階では悪化いたしますが、二〇〇〇年後半に向けて本来の自然循環に戻るという規制スケジュールを今想定しておるわけでございます。
○広中和歌子君 私は、一九八七年の三月でしたか、外務委員会でこのフロンについて質問をしているわけです。 ウィーン条約、オゾン層保護条約が採択された後、それは一九八五年三月なんですけれども、その後日本がどのような対応をするかについてお伺いしたときに、通産省を初め各省庁がお答えいただきましたとき、特に通産省は、科学的知見、因果関係がはっきりしないということで、むしろ後ろ向きと申し上げては恐縮なんですけれども、そのような態度でいらしたのが、今どんどん前向きに進んでいらっしゃる。それは大変ありがたいことですし評価いたします。今度の一九九〇年再びモントリオール議定書が改定され、一九九二年にはさらに見直しがあるということで、オゾン層における塩素の量というのは急激に私どもが予想し得ない速度で進んでいるのではないかというふうな気がいたしますけれども、御見解はいかがでしょうか。
○政府委員(内藤正久君) 一九八七年に議定書を御審議いただいて合意をいたしました後、八八年に法律をおつくりいただきまして、法律を的確に遵守いたしてきておりまして、むしろ効果は十分に上がってきていると思います。 それで、その間にも当然のことながらフロンが世界的に放出されておるわけでございます。フロンが放出された場合に、どういう年次経過を経てどれだけの量がオゾン層へ行くかということについては、引き続きいろいろな議論はございますけれども、環境問題を考える場合には、一番安全サイドを考えるというのが必要かと思っております。そういう意味では、生産即放出であるということで計算をいたしますと、一番厳しい自然環境になりますのが二〇〇〇年ということになります。その二〇〇〇年における塩素濃度は、現在のシミュレーションでは四・七ないし四・八ppbになるということで、かなりの量になることと見込まれております。 ただ、その計算の前提といたしまして、本来はここの規制スケジュールにあるような量で生産量が減っていくはずなんでございますが、計算上は現在の生産がそのまま横ばいでされると。しかも、それがそのまますべて成層圏に到着するという、そこでもう一度安全サイドを見た場合の仮定に基づいて推計をいたしております。そういう推計で四・七ないし四・八ということで、理想的な二というところから見れば、かなりの自然に対する負荷がかかるという状況になります。ただ、先ほど申し上げましたように、それが二十一世紀までに回復をするということが現在の規制の内容でございます。
○広中和歌子君 既にこれまでフロンの生産量というのは二千万トンだそうでございますけれども、今後十年間全廃までに使用される量がかなりあるわけで、それが健康とか生物資源等に与える影響というものはどのようなものと予想されていらっしゃいますか。
○政府委員(古市圭治君) まず、よく言われていることでございますが、有害な紫外線、いわゆる波長がB領域というところでやや短いところでございますが、これが増加するということで、生物界には農作物の品質の低下また収量の低下ということが引き起こされるだろう。これは既に実験でもそれが明確になっておりまして、私どもの環境研究所でもキュウリの発育がもう二分の一になっているというように実証されております。 それからまた、広く海水水面、水界の生態系に対しましては、魚の卵や甲殻類の幼虫、いわゆるプランクトン全体に及ぼす影響が非常に大きい。プランクトンの全量が減少いたしますと、海産物がまた減量するという生物循環が起こりますので、いわゆる海産物のあれが非常に少なくなってくるということが恐れられております。 それからまた、物的にはプラスチック等の劣化が紫外線によって進むということがございます。一番大きいのは何と申しましても人類への影響ということでございます。これは、既に各種の疫学それからまた実験室のデータ等から、皮膚がんを中心とする疾患それから白内障の増加というものが危惧されております。それからまた、動物実験ではいわゆる免疫力が低下して感染しやすくなるということも実証されているということで、広く生物、物性に対して悪い影響が出てくるということでございます。
○広中和歌子君 既に現在製造されているフロンについてでございますけれども、フロンの使用分野はいろいろございます。冷媒、エアゾール、発泡、洗浄、そのほかいろいろあるわけですけれども、それぞれの用途によって、製造過程で空中に放出されるものもあれば、製品の中に固定され、解体しない限り放出されないものもあるわけでございます。 それで、後者の場合ですけれども、解体しない限り放出されないものとして、カーエアコンであるとか冷蔵庫、いわゆる冷媒に使われるもの、それから前者、つまり製造過程の中で空中に放出されてしまうものとして、発泡スチロール、洗浄剤などがあるわけでございます。ですから、用途によってこうしたフロンを再利用したりすること、何というんでしょうか、できるだけ空中に出ないような用途そして再利用、そういうことを図られなければならないと思うんです。まず前者、放出される前にトラップできないのか。そのまたトラップした後の再利用の可能性、そういうものについて、午前中も少し御説明がございましたけれども、さらに説明していただければありがたいと思います。
○政府委員(内藤正久君) 放出される前に回収をするという分野は、まず御指摘のとおりの洗浄の分野が挙げられると思います。それで、洗浄のものを回収するためには、開放系のところでそれが空中へ出ていくということを防ぐために密閉という方式がまずございます。それから、密閉をする場合に、上層部からフロンの気体を取り出す口というところを長く距離をとれば、それだけ回収が容易になります。そういうふうな装置の改善が一つ非常に行われております。それから、それを回収する装置がまたございますが、これはいろいろな方式がございます。例えば、活性炭を用いましてそれに吸着させて、それに後蒸気を吹きかけて回収をすると、それを濃縮するというふうな、要するに回収装置をつけての方法がございます。 それから、もう一つの大きな回収可能分や、冷媒がございます。それで、例えばカーエアコンの場合、これは従来は割とフロン自身が安いものでございますから、自動車の整備工場に持っていきますと、三分の二位はまだフロンが入っている、あと三分の一だけ補充をすればいいという状況であったとしても、全部一度放出しちゃいまして、それで後また全体を補充するというのが行われてきたわけでございます。それは非常に大気への負荷が問題でございますから、昨年高圧ガス取締法の規則を改正いたしまして、そういう残りの三分の一だけの補充をすればいい、三分の二は大気に出させないというふうな措置を講じております。そういうことで、回収可能なものについては最大の努力を払っております。それで、回収が万全かといえば、決して万全と言い切れるものではございませんので、引き続き関係者全員努力をしていきたいということでございます。
○広中和歌子君 例えば、消費者に大変身近なものとしてスプレー、ヘアスプレーとかいろいろございますけれども、それも既に使用を禁止しているんですか。禁止しようとしているのかわかりませんけれども、既につくられたものは店に在庫として残っているわけですよね。例えばユーザーの消費者の化粧棚のところにあるものもあれば、問屋に在庫として残っているものもあれば工場にもある。そうしたものを回収する場所というんでしょうか、回収してくれる場所というのはあるんでしょうか。
○政府委員(内藤正久君) スプレーについては、実はフロンを使わないという方向で徹底をいたしております。そのために、これも高圧ガス取締法の規則を改正いたしまして、今まではLPGの使用を禁止しておりましたけれども、LPGの使用を可能にいたしました。それから、ジメチルエーテルのようなものも使われております。したがって、ほぼエアゾール用のフロンというのは縮減してきたと思います。しかし、フロンを使ったエアゾールの使用禁止ということはいたしておりませんので、おっしゃったようなフロンが入っておるエアゾールを家で退蔵しているというふうなものについては、何ら規制の対象になっておらないわけでございます。 したがいまして、それは家庭で使われれば、これは全く回収不能でございますのでどんどん大気へ出ていく。その点は大気へ出ていくという点で問題ではないかという御指摘があるかと思いますが、それは過渡的な問題でございます。問題は、要するに多くに使われるフロンを供給サイドのところで、蛇口で締めることによって、塩素濃度がオゾンに及ぼす影響ということを今規制の中心に据えておりますから、その限りにおいてはすべてカウント済みのものである。それが少しであれば 少しであるほどいいということでございますので、消費者の中でこれはもう廃棄してしまおうというふうなことがあれば、それは非常に結構なことだと思っております。じゃ、それを集めるような場所をシステムとしてつくっているかということになりますと、そこのところまではまだいっていないというのが実態でございます。
○広中和歌子君 消費者の中には、こうした問題を十分意識している人がございまして、だから使いたくない、しかし捨てるに捨てられない、そういう問題もあるわけでございます。 今回の通産省から提出されようとしている再資源利用法案の中にフロンの回収義務が明記されていないと思いますけれども、通産省はフロン回収についてはどのような対策を、ともかく今蛇口を締めるだけで手いっばい、あるいはその方が効果的だという御視点なのかもしれませんけれども、含む必要があるんではございませんか。
○政府委員(内藤正久君) 御指摘のとおり、回収、蛇口を締めるという生産供給規制のほかに、使用を合理化する、排出を抑制するというもう一つの重要な柱があることは御指摘のとおりでございます。したがいまして、現在の法律の中にそれが二本柱の一つとして位置づけられておりますので、排出抑制・使用合理化指針というふうなものを公表いたしております。それに基づいた、あるいはそれの実行のための努力を関係業界、例えばオゾン層保護対策産業協議会というふうなものを五十五の業界を糾合いたしましてつくりまして、それを徹底しておるというふうなことで排出抑制についても努力をしておる。 ただ、個々の消費者の段階にまでまだ手がついていないというところが、おっしゃる点のまだ手がついていないところでございます。大宗として、抑えるべきところは我々の及ぶ限り努力をしておるということで、蛇口を締めることとあわせて排出抑制についても努力をしておるつもりでございます。
○広中和歌子君 今度のモントリオール議定書の参加国、条約国というんですか、非条約国もあるわけですが、日系企業が海外で工場をつくっている、その生産活動に日本の規制が当てはまるのかお伺いいたします。日本と同じようなフロンの削減スケジュール、また管理基準を適用することが可能なのでしょうか。
○政府委員(内藤正久君) 日本の企業が進出しておる国の状況によって変わってくると思います。締約国であれば当然に条約上の義務がかかってまいりますし、非締約国であればそこはその国の法律規制としてはかかってこない。他方、日本の法律をその企業に及ぼし得るかという点については、域外適用の問題になりますので及ばないというふうに考えております。 それでは、実態的にはどうかということでございますけれども、海外に進出している企業の業界団体、その代表にも周知徹底を図りまして、かつそれらの業界からは進出国におけるフロンの縮減について徹底的に努力をする。したがって、国内で省フロンあるいは脱フロンの技術が開発されますれば、海外の関係会社にも必ず徹底をするということを我々に約束しておりますし、実態的にもそういう形になっておると思います。 それから、確かに海外において冷蔵庫製造工場等でフロンを使っておる業はございますけれども、我々の調べでは年間せいぜい三百トンぐらいということで、それも法律規制が行われる前に進出しておったものである。したがって、法律規制が行われました後の進出というのは、日本では原則としてフロンを使わない方向で走っておりますので、それと同じような製造工程を志向しておるものだと理解しております。 それから、経済的にもフロンそのものの輸入、フロンを含む製品あるいはフロンを使って製造する製品というものが今後輸入の規制の対象になってまいります。そういうものは、経済的にも海外での活動が成り立たないということで、日本国内における技術と同じことが海外における子会社にも行われるというふうに見ております。
○広中和歌子君 これは、フロンだけじゃございませんけれども、さまざまな分野におきまして海外で生産する場合に、いわゆる域外適用というんでしょうか、日本の法律は当てはめない、現地の基準に従うということが原則になっているようでございます。事公害にかかわることでございますと、日本では許されないことが海外で許されるというようなことが知れわたりますと、日本が現在地球環境問題でリーダーたらんとしているそういう現状におきましては、大変に問題ではなかろうかと思います。 そのことについて、通産大臣にぜひ御意見を伺わせていただきたいわけでございますけれども、法律的に必要がなくても、日本の基準をそれは公害の上におきましても、また安全基準におきましても守るようなそうした通産省の基本的な方針を打ち立て、周知徹底していただくわけにはいかないのかお伺いいたします。これは公正の原則にのっとっても大切なことだと思っております。
○国務大臣(中尾栄一君) 広中委員のおっしゃる意味はよくわかりますし、またますます日本の企業進出というものが増大されていきますと、そのような問題がますますエスカレートしていくことはもう言うまでもございません。したがいまして、私どもとしましても、所管官庁としましてそういう各企業にも十分に通達をしまして、それでその地域の中における公害も、これは地球を覆う人類の全体につながる問題でもございますから、これはもう非常に要注意の問題であるということを厳重に指導方針を打ち立てまして、注意喚起を促していこう、このように考えておる次第でございます。
○広中和歌子君 フロン関係の質問をここで終わらせていただいて、けさ気になるニュースをテレビで聞きましたものですから、ちょっと伺わせていただきます。 日本車のシェア規制をということで、アイアコッカ、これはクライスラーの社長でございますけれども、アメリカの大統領に手紙を送って、日本車の輸入規制を実施して、米国工場の生産分を含めた米国内の日本車のシェアを三一%に制限するよう求めたというようなことが言われておりますけれども、現在日本車の輸出台数はどのくらいなのでしょうか。 また、外国車の輸入台数、それからアメリカでの製造台数、日本車ですね。それから、アメリカでの日本車のシェアをお伺いいたします。
○政府委員(山本幸助君) まず、最近のアメリカ合衆国に対する日本車の輸出でございますけれども、最近減少傾向をたどっております。一九八六年度から順次申し上げますと、二百三十万台のものが次の年には二百二十一万台、それから二百十七万台、百九十五万台ということでございます。一九九〇年度につきましてはまだ途中でございますので、四月から二月まで、十一カ月でございますけれども、これで百七十万台、こうなっております。 それから、アメリカ合衆国における日本系のメーカーは現在七社進出しております。この現地生産でございますが、同じように一九八六年度から数字を申し上げますと、三十三万台、四十九万台、六十三万台、八十五万台となっております。九〇年度につきましては、もちろん数字がございませんけれども、見込みで言いますと百八万台ということでございます。 なお、日本への外国の輸入車でございますけれども、現在二十万台強というところでございます。
○広中和歌子君 自動車というのは大変アメリカ人にとっては、車社会でございますから、日本のようにパブリック、公共の交通機関というのは飛行機以外余り発達しておりませんで、非常に大切なものでございます。日本の車が二百三十万台輸入されました時点で、自主規制を求められたことを私は非常に印象深く覚えているわけでございます。 その後、自動車会社が現地生産に次第に切りかえていくというふうなことを伺って、その成り行 きを眺めておりました。現地生産がふえる分だけ輸出が減るのかなと思っていたわけですけれども、次第次第に何かシェアとしては、日本車全体のシェアとしてはふえているということがわかるのではないかと思います。 これは、私は問題提起をさせていただきたいわけでございます。日本の車が非常に競争力があるということ、優秀であるということ、それはアメリカの消費者が一番よく知っていることでございますから、それで買われるんだと思います。しかしながら、同様なことがもし日本で起こったといたします。仮に、台湾が車を生産しているとする。あるいは韓国でも結構です。あるいはアメリカでも結構です。二百三十万台といかないまでもかなりの大量の車が入ってきたとしたならば、通産省としては、その間その過程で、そこまでふえる前にどのような対応をなさったかということでございます。 日本では、フェアシェアということが非常に大切にされます。ここの委員会に座っておりましても、例えば何か過当な競争にならないように、そして弱者というんでしょうか、中小零細企業がその結果として競争に過度なまでに敗れないようにと、そのような配慮がなされているのがフェアシェアの原則ではなかろうかと思います。一方、海外に向かっては、私はフェアプレーなのかもしれないと思いますけれども、一生懸命技術を高め優秀な製品をしかも安い値段で供給している。そういうことで、それはそれなりに通るんじゃないかと思いますけれども、フェアシェアとフェアプレーのギャップがちょっと今問題ではないか。そして、これから貿易摩擦がますますひどくなる中で、これは大いに考えなければならない問題ではなかろうかと思います。 通産大臣は、前回御質問させていただきましたときに、日米経済摩擦に関して非常な危機感を持っているというふうにおっしゃいましたが、どのようにお考えなのかお伺いいたします。
○国務大臣(中尾栄一君) お答えに満足足り得るかどうかはわかりませんが、確かに委員御指摘のとおり、フェアシェアというものとフェアプレーのギャップというものがますます溝が大きくなるというのは、大変恐るべきことだなと思っております。なかんずく、まあ比較的に世界の中におきましても、フリクションの問題でも強くアメリカはフェアプレーを主張なさる国でございます。ちょうどイラク問題のときの人権を主張したように、そういう意味においては、フェアという言葉を重んずる国であることだけは間違いないという感じがいたします。だからというて、全部が全部アメリカの言い分を聞くということが正しいとも思いません。 しかし、私としましては、きょうのアイアコッカの新聞もちょっと拝見いたしました。アメリカの報道官が報じている旨も、これは真実のほどはまだ確かめておりませんが、拝見させていただきました。そういう中にあって、日米間の経済関係そのものは、これまで良好に推移してきたのではないかなとは思っておりますが、最近の米国の世論調査の結果では、湾岸戦争そのものの対応に関しまして、我が国の評価というものはむしろ下がっているんじゃないか。 この間のワシントン・ポストではございませんが、あれだけ私どもはシェアをしたというつもりでおりましても、何やら報道によりますると、日本に対するアメリカからの評価の低下というのが三〇%とするならば、上昇が一九%である。これは余りにもそのギャップに驚くようなものでございまして、日本よりもはるかに少ないと言われておるある国におきましての援助に対してはむしろ評価をしておると。何をもって日本がこんな形で評価をされておるのか私にもわかりかねたのであります。きのう、私どもの重立った閣僚の内部で外務大臣の報告もひょっと聞きましたが、そのギャップは私の思っておったよりももっと大きいものであることがわかりました。それだけに、本当にこれは大変なことだなと思わざるを得ないのでございます。 そこで、一部議会の中では、このままでいきますと、スーパー三〇一条の条項、あれは延長あるいは拡充等、通商問題に関してはえらい強硬な姿勢をとろうとする動きが出ておるということも、これはもう私どもは認識せざるを得ない段階にきておると思うのでございます。しかし、日米間の貿易収支不均衡は、これまでの各般の努力の結果、着実にほんの一歩ではございますけれども改善されております。我々といたしましては、ムードに流されたりあおられたりすることなく、直面する課題に一歩一歩確実に対応していくことが、何よりも大事なビヘービアではないかなというように感ずるわけでございます。 そういう中で、例えば日米構造問題協議につきましては、現在最終報告に盛り込まれております措置を日米それぞれが着実に実施すべきことではないかなと、またそれに努めていくことが大事だなということを感ずるわけでございます。 また、御指摘のございました自動車輸出につきましても、一九九一年度も前年度と同一の措置を継続いたしまして、輸出の減少傾向の定着状況を確認することとしておるわけでございます。先ほど委員のお言葉の中にございましたように、たとえばよその発展途上国から、ちょうどあたかも日本がアメリカに出しているように、日本にどんどん輸出されてきたときの日本人の反応はいかにと問われたならば、私もつとにちゅうちょせざるを得ないわけでございます。確かに、自分だけがよければいいという、そういう反応で物事を律するわけにはいくまいという私自身も感じがするわけでございます。 それだけに、アメリカのこれまた心情も、自分の方がノーハウを持ち、そしてつくる。三十年前の日本のことを思い出せば、ほとんど走っている車は外車だけであった、アメ車だけであったというのが今や、私の故郷のことを申し上げて恐縮でございますが、自動車で私が自分の故郷に帰りましても、中央道を通る車で外車にすれ違う数というのは三台か四台くらいなものでございます。なかんずくアメ車なんというのはほとんどないと言ってもいいくらいなものでございます。そういうことを考えますると、確かに彼らの心理状況もわからざるを得ないという感じもするわけでございます。 なお、米国自動車産業が現在需要不振に陥っていることは全くの事実でございます。本件に関連しまして、米国政府から日本政府に対しまして、特段の要請があったということでは現在はございませんが、つとに我々の腹の中にはしまっておかないと、今からクローズアップしてくる問題であることだけは否めない事実として受けとめておるわけでございます。 通産省としましては、今後とも米国とは真の意味におけるイコールパートナーといいますか、これを基軸としまして主張すべきは主張する、そしてまた聞くべきものは聞くと。その態度は、率直な対話を通じて考えていくべきものではなかろうかと思うわけでございまして、良好な関係の構築に最大限の努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
○広中和歌子君 大変に含蓄の多いお話をありがとうございました。自由主義経済体制、我が国もそれを望んでおりますし、それからもちろんアメリカも望んでいるわけでございます。その中で、自由主義体制というのがレッセフェール、自由放任とどういうふうに違うかということが、これから問われてくるのではなかろうかと思います。 きょうの質問はこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○市川正一君 午前来論議されておりますように、現行の規制物質である特定フロンと特定ハロンについては、全廃期限が二〇〇〇年と大幅に早まることは私も大いに歓迎するものです。ただ、これらの物質を使用している関連産業あるいは関連分野への影響は決して少なくないと思うんです。 そこで、まず伺いたいんですが、現行法が施行された時点と現在とを比較して使用量はどの程度 削減されたのか、到達点を各業界ごとにあるいは各分野ごとにお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(内藤正久君) トータルでまず申し上げますと、規制が始まります前の段階、前年の生産量が十四万八千トン、消費量が十四万七千トンでございました。法律による規制のシーリングが十二万トンと十一万八千トンでございます。それに対しまして、実績が十一万九千トンと十一万トンでございましたので、要するに二五%程度の消費削減が行われたというのが全体でございます。 委員御指摘の分野ごとでございますけれども、まずエアゾールの分野は、大体数分の一ぐらいの使用量になっておるかと思います。残っております部分は、ぜんそく用の治療剤のような安全がとにかく必要な部分、そういうところが中心でございますので、これはさらなる研究開発が必要になってまいると思います。 それから、洗浄用の中の例えば電子産業、ICの洗浄用が代表的なものでございますけれども、これは八六年程度の最盛期のときに比べますと、約六割五分の使用削減になっていると思います。主な条件としては、排出抑制のほかに、最近特に代替技術でフロンを使わないという方向に動いておると思います。 それから、冷媒用でございますけれども、ちょっとトータルで幾らという数字を今持っておりませんが、例えばカーエアコン用の冷媒が熱交換器の改善等によりまして、従来一台八百グラムぐらい使っておったものを七百グラムぐらいにするとか、そういう改善が非常に進んでおります。かつ、あわせまして代替物の使用が始まっておりますので、トータルとしてもかなりの減少になっておると思います。 それから、発泡剤部分でございますけれども、これにつきましても水あるいはブタン等による発泡ということがかなり使われております。多いものでは半減、あるいはどうしてもフロンの気体としての断熱性をそのまま利用するという硬質ポリスチレンのようなウレタンフォームのような場合には一、二割ぐらいの削減しかございませんが、いずれにしても各分野ごとに相当の削減の努力が行われておるという実態かと思っております。
○市川正一君 今かなり業界別あるいは分野別にお話を伺いました。トータル、すなわち大もとで把握すればいいという段階から、一歩踏み込んで、今のようにかなり詳細に把握なすっていることについて多とするものであります。 今後、円滑にかつ着実に目標を達成していくためには、どの分野でどの程度どういうふうに使われているかということをやはり系統的につかんでいく必要があると私は思うんです。例えば、医療とか福祉とかそういう人の命にかかわる分野で一体どうなっているか、あるいは特に中小零細企業など経済的に弱い立場にある分野では一体どうなのかというふうに、それなりの対応が私求められると思うんです。そういうことについての対策は、どのようにお考えになっていますでしょうか。
○政府委員(内藤正久君) 非常に広く御案内のとおり使われるものですから、きめ細かく個別の分野ごとにどうこうというのは日本の経済運営上難しいと思っております。弱者あるいは必要不可欠なところに価格が上がることなく適正に供給されるということは、基本的な方向として非常に必要なことだと思っております。 そういう中で、例えば大企業と中小企業の関係を考えますと、大体大企業は一九九六年ごろにはフロンを使わないようにしたいというのが、電機関連の業界の共通の目標でございます。そういたしますと、需給が甘くなりますので、そこで使わない部分が中小企業に回っていく。あるいは中小企業の中でも親企業との関係で系列のあるところは、省フロンあるいは脱フロンの技術がそのまま移転される。それから、独立した中小企業については、これは通産省と政府が協力をして産業界と一体になりまして、脱フロン、省フロンの技術を十分に普及していくというプロセスが必要でございます。 したがいまして、そういうプロセスとあわせて基本的には、大企業が使わなくなることによる中小企業の需給が、十分に必要なものは確保できるというふうな形で、プライスメカニズムを通じ、あるいはそれが不十分な部分はそういう指導をあわせ併用することによって、御趣旨のような運営ということについては十分に心がけてまいりたいと思います。
○市川正一君 これは、非常に具体的な措置が必要だと思うんで、手抜かりなく手を打っていただきたいと思うんです。 通産省と環境庁の双方にお伺いしたいんですが、規制物質の排出抑制や使用の合理化あるいはオゾン層の保護などについて、国としてもみずから調査研究するとともに、民間のそういう努力に資金的あるいは技術的援助をするようになっていると思うんですが、これまでの成果あるいは到達点はどうなっているのかを簡単にお聞かせ願いたい。
○政府委員(内藤正久君) 国のまず努力でございますけれども、代替品あるいは代替技術の開発ということについて、国の研究所自身としても、あるいは国の資金拠出によってもやるべきだということで、例えば一つはエタノールの技術研究開発、そういうふうなものを行っております。それから、第二世代フロンの先にございますより安定的な第三世代フロンと称しております、炭素にかえて、窒素、シリコン、酸素等を化合物の中に入れるというふうな研究開発を民間企業を糾合いたしまして、そこに国が金を出すという形でいたしております。 それから、環境影響への評価といたしましては、環境負荷の小さいフロンを開発するための実験室段階の研究ができないかということで、これも工業技術院等で検討いたしております。それから、オゾン層破壊能力あるいは毒性などの環境影響評価についても、国の研究所でやっておりますし、あるいはオゾン層破壊をより精密に分析することによって影響を分析するシミュレーションの基盤ができますので、物理的、化学的過程の解明というふうな基礎的な研究もやっております。 それからもう一つは、フロンの破壊ということに関連いたしましていろいろなところで研究をいたしております。これは、一つはモントリオール議定書上の貢献ということもございますが、さらに将来は、それを有効利用して、不要になって放出する場合のフロンを破壊して自然負荷に悪い影響を与えないというふうなことも考えております。 それからそのほか、後で環境庁の方からお話があると思いますけれども、国立がんセンター等々いろんなところで人体への影響等についても検討をしておられます。そういうことで、国としてやるべきことはまず一つやる。それから、民間の能力をいかに全体に均てんさせるかという点、あるいは日本の技術力をいかに国際的に均てんさせるかという点、そういう点については国の役割と思っておりますので、可能な限りの努力をしておるところでございます。
○政府委員(古市圭治君) ただいま通産省の方からお話がございましたが、その中の幾つかの研究項目は今年度から地球環境研究総合推進費というものが、環境庁の取りまとめで各省庁の研究機関に流れておりますが、全体額が平成二年度で十二億円ございます。その中でオゾン層関係の研究費は二億六千二百万。その中に今申し上げました幾つかの工業技術院公害資源研究所等の課題がございます。そのほかに、国立環境研究所ではフロン代替物質の対流圏分解物質の環境影響評価に関する研究等をやっております。また、お話がございましたがんセンター等も入りまして、紫外線の影響調査を疫学的にやるという班も動いておるわけでございます。 そのほかに、一般予算といたしまして、オゾン層保護対策費というので約四千万でございますが、これでフロン代替品の環境影響評価調査というものもやって、各種の毒性試験等の情報収集、評価等もやる仕掛けをつくっております。それか らまた、環境保全総合調査研究促進調整費というもので、HCFC等の過渡的物質の削減方策の検討、将来を見越した研究もスタートしている、こういうような状況でございます。
○市川正一君 メニューぎょうさん出されましたですが、これがやはりデスクプランじゃなしに実っていくように、今の豊富なメニューが実りますように大臣ひとつ督促を。 そこで、規制物質を二〇〇〇年までに前倒しして全廃することに伴って、現行法の第二十三条第一項の規程に基づく排出抑制・使用合理化指針は改正しなければならないことになると思うんですが、通産省いかがでしょうか。
○政府委員(内藤正久君) 排出抑制・使用合理化指針はかなり一般的なことを書いておりまして、それに伴う数量に関連したことは御案内のとおり書いてございません。したがいまして、その執行をより早めるということが中心だと思っております。今回の法改正をいただきますことの関係では、むしろ新たにつけ加えられます過渡的物質、要するに指定物質でございますけれども、その物質についての排出抑制・使用合理化指針、それをむしろ当然のことながら設定いたしましてその実行を図っていきたい。既存指定物質についての使用合理化、排出抑制につきましては、現在の既に行われつつある研究の方向を加速する、それを指導していくということで、実態的な指導が中心になるかと思っております。 ただ、御指摘のとおり指針そのものを見直す必要はないかという点については、もう一度新たな目で十分に検討はさせていただきたいと思っております。
○市川正一君 現行の指針は、御承知のように特定フロンを使用する作業に従事する者が遵守すべき作業要領を策定するようになっておりますね。この作業要領は本来関連する事業所ではすべて策定されるべきだと思うんですが、現状どうなっておるのか、もしわかれば業種別、企業規模別にその到達点をお聞かせ願います。
○政府委員(内藤正久君) 率直なところを申し上げまして、各企業別、業種別の調査はいたしておりません。ただ、かなり恒例的に大臣みずからが、関係団体を網羅的に代表に集まっていただきまして、その団体の中に意見を周知徹底する、我々も広報等を通じてそれを周知徹底するということをいたしております。したがいまして、それに応じて各企業ごとに相当な管理規定ができているものと思っておりますけれども、サンプリング的には承知いたしておりますが、網羅的には承知しておりません。 ただ、非常に最近の特徴として我々心強く思っておりますのは、地球環境の改善に協力する企業がむしろマーケティング上もいいということで、そういうことを広告にまで出す企業が非常にふえてきたということで、経済的インセンティブのもとにそういう方向に進んでおりますので、ほぼ多くの企業がそういう管理規定等も整備をして努力しておるものだと理解をいたしております。
○市川正一君 この問題は冒頭の第一問とも関連しまして、やっぱり指針の策定状況とその内容を的確に把握していく。脱フロンとかあるいはトータルでとかというふうにおっしゃる。大ざっぱとは申しませんが、大もとで締めているんやから大丈夫やというんじゃなしに、大臣、ここが僕は大事やと思うんですけれども、二〇〇〇年までに全廃できるような具体的指導や援助がこれから求められてくると思うんです。特に、中小企業にはきめ細かな配慮と援助が求められると思うんですが、私はそういう点で、今後の取り組み方についての基本的考え方といいますか、基本的スタンスといいますか、そういうことについて所見を承りたいと思います。
○政府委員(内藤正久君) 基本的には、取り返しのつかない地球環境の問題でございますから、科学的知見に基づいて必要な地球環境保全というのが第一だと思っております。かつ、それを実行する場合に、全世界的な地球規模で行う必要があるということで、国際的な協力要請ということも重要だと思っております。 他方、現実の生活者がいる。しかも、こういう製品を使って、単なる便益ではなくて、生活をしている中小企業の方々等たくさんおられるということは、これまた非常に重要な要素でございます。技術開発をいかに進め、これを使わなくても生計が成り立つような形をいかにするかということを片方で努力いたしまして、大前提としての地球環境の中で、ぎりぎりどこまで前倒しがそういう技術開発の関係でできるかという考え方で対応していきたい。環境と現実の技術開発との調和点の中で最大限の実現を図っていきたいと思っております。
○市川正一君 そこで、環境庁に伺います。 オゾン層の保護を含む地球環境を守る上で、環境庁の果たすべき役割とまた責任は極めて大きいものがあると存じます。今度の目標を達成するための研究開発あるいは規制の進め方、そういう点で環境庁の基本的な立場といいますか、そういうものをこの際確認させていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(古市圭治君) 御承知のとおり、今回の法律の改正というのは、これが立法されましたときに、その製造物を所管する通産省と、それから環境に対する責任を有する環境庁との共管の法律という形で出させていただきまして、条約等の批准につきましては外務省と、関係省庁が一緒になって当たっているということでございます。したがいまして、今回提出させていただいております法律の改正というものが実現しました暁には、これを着実に守っていくということでございます。さらには、一九九二年には国際的にもこのフロンの規制をさらに加速するという目的でもって見直すということがついておりますので、国際会議でもそれがまた議論されることは明らかでございます。 そういうことから、今回決められたことだけでなくて、それに対応できるような体制というものを整えながら、国内的にこの条約というものが十分先進国として対応できるような体制をとっていきたい。また、私どもは製造業以外に地方自治体職員等の各環境濃度の測定ということも担当いたしておりますので、その方からの報告、それから監視能力の向上というものにも力を注いでいきたい。さらに、国際的な発展途上国への協力ということで、それぞれ省庁の持ち分に応じて、技術移転、研修等についても力を注ぎたいと思っております。
○市川正一君 今の所信が遂行されるように御奮闘を期待してやみません。 きょうは法案審議の日でありますが、残余の時間をちょっとおかりしまして、私のふるさとでございます京都の伝統産業の西陣織が直面している緊急の問題について、先日私ども調査に参りましたので、この際通産省にお伺いすることをお許し願いたい。委員長よろしくお願いします。 実は、和装産地はどこでも不振に陥っておりますが、西陣も例外じゃないんです。今「京、ふたり」というテレビが朝やってございますが、去年一年間の生産状況は、数量、金額とも前年を下回っております。そして、賃織りの工賃が安くて、労働条件が切り下げられる一方にある。こういう中では後継者も育たず、歴史と伝統を誇る西陣の将来に深刻な影を投げかけております。 こういう西陣の厳しい状況をしり目に、去年から手織り大手十社による中国蘇州での手織り帯地の生産、同じく大手メーカーの「じゅらく」による広東省における直営工場の生産が本格化しておるんです。こうして生産された低コストの中国産の西陣織が日本に逆輸入されている。そして、西陣産地は今や存亡の危機に立たされていると言っても過言ではないのであります。こうした一部商社と結びついた大手織物業者の海外進出や逆輸入というのは、規制する必要があるんじゃないかという声が高まっておるんですが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(南学政明君) 西陣の帯の生産業者のうちの幾つかの企業が、昨年ごろから中国に投資 を行い、そこで帯を生産し日本に輸入してくるという傾向が出てきていることは私どもも承知をいたしております。ただ、こうした海外進出というのは、基本的には個別企業の経営者の判断にゆだねられるべき性格のものと私どもは認識をいたしております。
○市川正一君 そんな木で鼻をくくったような話を聞くために聞いているんやおまへん。西陣織をめぐるこの種の問題は今回が初めてやないんです。昭和四十年代にもその動きがあったんですが、西陣の業者や関係者が声を上げて、国会でも論議されて、そしてそれを押しとめたんですよ。それでまた、これは本場の大島つむぎの経験もあるんです。本委員会でも私は取り上げまして、これはもう何遍もここでやりました。これも昭和四十年代に大手総合商社が、産地の心ない業者と結託して韓国に進出して、製品を逆輸入して、現になお本場産地に大きな打撃を与えているんですね。これは知ってはりまっしゃろ。首を縦にうなずいているから御存じでしょう。 そこで、西陣織の場合はさらにそれに拍車をかけたようなやり方で、確かに道徳律の問題ではなしに、西陣織のこういうようなやり方を放置すれば、大手業者はなるほどもうかるでしょう。しかし、西陣を支えてきた業者や労働者は切り捨てられていく。こういうことで、繊維産業の振興に責任を持つ通産省として、ほっておいていいんですかということを聞いているんです。そんなのは勝手やというようなそんなことを言うんやったら、何のために通産省はあるのか。そこをちょっとのみ込んで言うてほしいんですよ。大臣の方がよくわかっているようだ。あんた、ちゃんと答えなさい。
○政府委員(南学政明君) 西陣の産地が発展していくということは、私どもにとっても極めて重要なことであろうかと認識をいたしております。ただ、先ほど申しましたように、企業の海外進出というのは基本的に自由であるべきというのが私どもの立場でありますが、西陣の産地がこうした輸入品にも対抗できるような競争力のある製品を供給していくということが基本的に重要かと存ずるわけでございます。 私どもとしては、繊維工業構造改善臨時措置法に基づきまして、今国内の繊維産業が新しい発展の道を歩むように、構造改善事業の推進、リソースセンターの設置、情報化の推進等、いろいろな環境整備、側面からの支援措置を講じているところでございます。また一方、中国等からの急速な輸入の増加によって国内の産業が困難な事態に陥るようなことがないよう、中国政府に対し機会あるごとに秩序ある輸出をするように要請をしているところであります。今後とも、こうした秩序ある輸出に向けての中国側の努力を要請してまいりたいと思っております。
○市川正一君 ちょうど時間になりましたので、大臣にちょっと、何も中国へ行って帰ってきたばかりやからお聞きするわけではないんです。 今お聞きのような西陣織の場合、土地も建物も労働者も、原材料である生糸もすべて中国産であるその製品が輸入に当たって原産地表示はされていないんです。そのまま京都の西陣織ということで流通しています。私は、これは不当表示であるし、極言すれば詐欺とも言うべきものやと思うんです。こういうものはやっぱり規制すべきだと思うんですが、最後に大臣の所見を承って、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(中尾栄一君) これは、私もまんざら知らないわけではないのでございます。私の県は、ここに穐山委員もおられますのでともどもそうなんでございますが、養蚕の盛んなところなんでございます。ちょうど私が、二十数年前でございますか、国会へ出ましたときには、その山梨県という小さな県の中で養蚕農家は七万五千軒ぐらいございました。ですから、私も養蚕には一生懸命闘ったつもりでございましたが、それがちょうどもう二十何年も前に、機織り機械とかそういうものをどんどんどんどん韓国、中国に出してノーハウまで教えて、そしてつくったものは買って差し上げるよという、これは日本側にも責任がないとは言えませんですね。そこで、どんどんどんどん入れた。これが大変に今言うたような形で数が多くなりました。私どもの七万軒かつては超えた養蚕農家も今や私の県でも七千軒を切りました。 同様に、中国からあるいは韓国からというものの、あれも一元化輸入法案という法案がございまして、必要量以上のものは外国から入れませんよという法律を農林省主体で議員立法で出したんでございますね。今から十四、五年前でございました。それがまだ生きているわけでございます。ところが、それとはまた別に瞬間タッチ方式みたいな格好でぐるっと回って、織られたものがフィリピン沖でトランスファーされたりいろいろしながら入ってくるようになりまして、非常に今ぎくしゃくぎくしゃくした形があるんです。 そこで、ある政党においてはというとおかしな言い方になりますが、政党の中においても、これはゆゆしきことだということで、織物とそれから養蚕農家の立場と違う場合があるわけでございますね。それを両者一体にさせるために蚕糸議員懇話会というのをつくりまして、養蚕もよくわかるけれども、片や一方の代表は織物関係がよくわかるというのが、一緒になってタイアップしながら委員会をつくったんでございます。なかなかこれもそれぞれの言い分がございましてうまくいかないのでございます。 そこで、答えになるかどうかわかりませんが、これはしょせん、こちらが立てばこちらが立たずということはよくございますけれども、それにしてもめたらやたらに外国からどんどん入ってくるというものは、先ほど局長が答えましたように、これはある一面、日本のレーゾンデートルの問題でございますから成り立たない、仕事ができ得ない、特に西陣なんという伝統産業が、それでつぶれて一体どうなるんだ。日本の美しい文化、伝統もなくなっちゃうじゃないかということからいくならば、これは精査するものは精査しなければいかぬということで、私ども通産省の側でも、ただいま局長が答えましたように、そういう一定限必要量以上のものを入れてくれなさんな、これは困るんだと。 私が今度中国へ行ったのは、それが理由ではございませんけれども、全然違う次元で行きましたけれども、向こうの貿易大臣に会いましても、やや事務レベルではそんな話もしたようでございます。そのようなこともございまして、私どもは、鋭意これはもうその観点で、向こうの方々にも目覚めてもいただく。こちらの方でも、また向こうのものは絶対買わないというようなかたくなな態度でなく、やっぱり話し合いがもっともっと必要になってくるのかなという感じはいたします。 そこで、今のような木で鼻をくくったような答弁になってしまって申しわけないのでございますが、これは単刀直入にそれだけを聞かれるならば、お互いにもう企業関係だけの間で話し合っていく自由貿易の体制でございますからといえばそれまでになってしまうわけでございます。これはそういう意味で、私どもの所管内において十分に監督し、なおかつ、これはもうこのままに放置したならばさらにダメージを受けるということがわかっていながら、野方図に目をつぶっているということはしてはならぬ。こういう気持ちは私ども持っておるわけでございまして、それらの指導方針に徹してみたいものだな、このように私は感じているわけでございます。 ただ、今言うたように、企業間の関係が今のような形でございますから、これは私どもが監督してこうやれという、そういう姿でやり得る立場でない。現時点の中では、そういう立場に置かれているということも御記憶を先生がなさっていただきまして、そして順次そういう問題点は考えていきたい。 現在までのところ、西陣織工業組合によれば、御指摘のような問題は生じていかないと承知しております。いずれにせよ、仮に中国産の製品が日本製かつ西陣織として流通した場合には、不正競争防止法あるいはまた不当景品類及び不当表示防 止法等の違反に該当する場合もあるものと考えられているところでございます。
○市川正一君 きょうはこれぐらいにしておきます。
○池田治君 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律というのは、地球環境を守るという意味で極めて重要な法律の改正だと把握しております。そこで、質問も何カ所か重要事項を取り出しまして通告をしておりましたが、午前中から午後にかけて皆さんが全部質問をされまして、また通産省も適切な御答弁をいただいておりますので、この質問は省略いたします。 それで、全然通告はしておりませんが、もうオゾン層に関する基礎中の基礎に値する問題を二、三お尋ねをいたしまして、私の質問にかえさせてもらいます。 まず第一に、フロンの規制をなさっておるわけですが、フロンというのは、何からとるのか、何が原料か、どういう工程でフロンガスがつくられていくのか、この点をまず基礎的にお尋ねします。話によると、中国の方の石をとってくるんじゃなかろうか、こういう話もございますが。
○政府委員(内藤正久君) 製造工程としては、四塩化炭素に弗化水素を化合させることによって、塩素と弗素と炭素というものを結合させた物質をつくるというのが、基本的な製造工程だと思っております。 それで、弗化水素をつくる段階で、委員御指摘の蛍石に硫酸を結合させまして弗化水素をつくるという工程でございますので、一番中核になる弗素は、委員御指摘のとおり、主として中国から産出します蛍石というものと四塩化炭素を中心にして製造しておるということだと理解いたしております。
○池田治君 これは、主として中国ということでございましたが、国産のものもございますか。
○政府委員(内藤正久君) 私の記憶では、産出不能ではないと思いますけれども、製造の用に供するほどの量は産出していないと思っております。
○池田治君 それでは、ほとんど中国からの輸入に頼っているということでございますね。そうだとすると、フロンの製造を規制しようというより先に、石の採掘を禁止した方が早いように思いますけれども、これはいかがなものでございましょうか。
○政府委員(内藤正久君) 御指摘のとおり、大宗は中国から輸入をいたしております。しかし、一部メキシコ等からも輸入いたしております。そもそも石の切り出しをとめたらいいではないかというのは、フロンの製造を強制的にやめるという点からいえば一つの有効な方法だと思います。ただ、先ほど来いろいろ議論がございますように、これだけ広く使われておる便益のある商品でございますし、それで生活をしている人のすそ野が非常に広いわけでございます。その両立で現在のような形の規制をお願い申し上げております。
○池田治君 確かに、一遍に規制すれば産業界も混乱するし、特に中小企業につきましては死活問題もあらわれてくる。こういう問題もございましょうし、またそこに働いている労働者も就職難で困るといういろいろな現象があらわれてまいりますので、一挙の禁止も難しいかと思います。しかし、もう製造を禁止するなら、原石の輸入を禁止するか採掘を禁止するか、この方がどうしても私は早いと思うんです。中国はモントリオール議定書の中の加盟国ではないということでございますので、これもなかなか難しいけれども、中国にそういうことを働きかけるという日本政府の意思はございませんか。
○政府委員(内藤正久君) 蛍石は他の用途にも使われていることもあると思いますので、その辺のチェックも必要かと思います。いずれにいたしましても、二〇〇〇年に全廃をすれば、かつその後第二世代フロンでございますHCFCが二〇二〇年から二〇四〇年の間に全廃される。その間の使用ということを考えますと、その間も蛍石の生産は実需に見合った形で必要かと思っております。過剰採掘をしてそれが非締約国でフロンについての過剰生産を起こすというふうなことは好ましくないと思っております。他国のことでそれを規制する方法は別にございませんけれども、そういう意見は機会があらば述べさせていただきたいと思います。
○池田治君 次に、ハロンというのもなかなか余りなじみのない言葉で、私どもどこからどういう製造工程でつくられるものかわからないんですが、この点おわかりになりましたら御説明を願います。
○政府委員(内藤正久君) ハロンは塩素のかわりに臭素を付加したものでございますので、四塩化炭素にかわる部分で臭素を含んだ物質を使うということで、工程的には非常に似ておるんだと思います。したがいまして、第二世代ハロンにつきましても、フロンと同じように水素原子を添加するということで考えられておりますので、基本的には同じような製造工程、用途が明確に違うと。ただ、オゾンへの影響は同様であるということかと理解しております。
○池田治君 製造工程と化学の勉強ばかりするわけにもまいりませんのでもうこの程度にします。 もう一点だけ、因果関係の問題ですね。これは、フロンガスが地上からオゾン層へ揮発状になって上がる、それでオゾン層を破壊する、そしてそこに太陽からの悪質な紫外線が入ってくる、それで地表へ来て生態系を破壊する、こういう原理かと思います。そうしますと、フロンガスが上へ上がってオゾン層を破壊するというところの因果関係と、破壊されて紫外線が入ってくるというところの因果関係と二重の因果関係が必要だと思うんですが、こういうことは気象学的に立証をなされておるんでしょうか。観測データか何かあればあらわしていただきたいんです。
○政府委員(古市圭治君) だんだん難しいことでございますが、第一点目のことは、再々出ましたように一九七四年にカリフォルニア大学のローランド教授等によって、このフロン、CFCによってオゾン層が破壊されて紫外線が多くなるだろう、こう言われて、その後各種の測定で実証されてきたわけでございます。明確に直接的にそれを証明したのは、一九八六年から八七年でございますが、それにかけて南極域で大規模な科学調査を行いました。殊に、南米のチリの南端から米国が観測機でもって成層圏の下部を南極に向かって飛びました。この結果をアンダーソンという方がデータを集めたわけでございます。これが南極大陸に近づいていわゆるオゾンホールに入ったところでずっと空気をとってきますと、そこのところでオゾンの濃度というものがだっと下がってくるに従って一酸化塩素の濃度がもう全く成層圏でもってふえてくるというカーブをつくりまして、これで関係者が、もうこれはオゾン層の破壊が塩素によるということを明確に直接に証明されたというようなことでございます。 それから、第二点目のことでございますが、いわゆる各種の光線、可視光線の一番波長の長いところ、赤外線から可視光線になってさらに紫外線とこうなって、その中にもA、B、Cとその波長の長さ短さあるわけでございますが、その各光線が物質によって吸収されるスペクトルがございます。したがいまして、その紫外線のBという領域は明らかにオゾン層のところによって吸収されるという形が明確でございますので、ここが破壊されるとその量がふえる。 問題は、先ほど申しましたように明確に測定したらどうかということでございますが、地上でこのウルトラバイオレットのB領域を測定するというのは現在やっております。これはまだちょっと技術が十分でございませんで、標準的にどういうものを用いて計量していくかというのは現在検討中でございますが、確かに紫外線の量というものもふえてきているという報告がございます。この辺は国際的に統一した手法でさらにデータを積み重ねていかなければならないということでございますが、明らかにオゾン層の破壊によって紫外線のB領域がふえるというのは間違いないということでございます。
○池田治君 もう地上二十キロぐらいの上のことをいろいろ論議しても始まりませんので、私はもうこれで省略をいたします。この法律の改正案の審議としては十分ではないかと思いますので、通産省におかれましてはますます地球保護の観点から力を入れていただくようお願いして質問を終わります。
○今泉隆雄君 先ほどから何回も言われておりますけれども、余り難しい化学の話で、私のかつての仕事というか今も時々やっていますけれども、百八十度以上違うことなのでよくわからないので、非常に単純なことを一つ二つだけお聞きしたいと思います。 一つは、やはり自動車の問題、冷蔵庫の問題などで、自動車は現在使われている場合には再生利用しているんでしょうけれども、使わなくなった自動車とか冷蔵庫なんかが廃棄処理業者の手によってよくその辺に捨てられている場合がありますですね。そういうものに対してのフロンというものはどういうふうに回収するのか、何かお考えがおありでございますか。
○政府委員(内藤正久君) 自動車のカーエアコンに使われておりますフロンの回収は、委員御指摘のとおり使っております段階には、先ほど来の高圧ガス取締法の改正も含めまして、不足分だけを補てんするということで永続的な利用ということを続けております。委員御指摘の廃車の中に入っておるフロンをどうするかという点については、これは基本的に重要な問題だと思っております。 大体ラフに申しますと、自動車メーカー系のディーラー等が引き取って廃車にするというものと、独立系の整備業者が引き取って廃車にするというものと、全くの廃棄業者に渡って廃棄されるという場合と三種類あると思います。 それで前二者につきましては、回収について大気中に放出しないような努力というふうなことが行われておりますし、今後それを徹底していきたい。ところが、第三番目の廃棄業者が引き取って廃棄する場合、それはフロンが必ずしも金目のものではございませんのでつぶして大気中に放出してしまう。それが四〇%ぐらいのシェアを占めておると思います。それをいかに廃車をうまく回収するシステムにするか、あるいは取り外しのしやすいようなことにするか、そういうことは今後の検討事項だと思っております。したがいまして、今後の宿題という点でございます。 ただ、量的には年間大体一千ないし一千五百トンぐらいのオーダーでございまして、全体の十一万トンというところから見ればその程度の量でございますけれども、そうだからといって、放置していいわけではないわけでございます。現在リサイクル法等で廃車の回収等についても、いろいろ議論が進められておりますので、その中の一環ということで今後検討してまいりたいと思います。
○今泉隆雄君 まだあといろいろない頭でこれだけ考えてきたんですけれども、全部質問がダブってしまいましたので、私の質疑はこれで終わります。
○委員長(名尾良孝君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(名尾良孝君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(名尾良孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(名尾良孝君) 次に、産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中尾通商産業大臣。
○国務大臣(中尾栄一君) 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 産炭地域振興臨時措置法は、石炭鉱業の不況の影響を受けて著しく疲弊した産炭地域の振興を図るため、同地域における鉱工業等の急速かつ計画的な発展等を図ることを目的として、昭和三十六年十一月に制定され、本年十一月十二日をもって失効することとなっております。 従来、産炭地域につきましては、本法を基礎として、産業基盤の整備、企業の誘致、生活環境の改善、地方財政への援助等各般にわたる施策を展開し、成果を上げてきているところであります。 しかしながら、依然として、人口、財政力指数が極めて低い水準にとどまっている地域も少なくなく、第八次石炭政策に伴う炭鉱の閉山等の影響を受けている地域においては、新たな閉山・合理化により、地域経済活動の沈滞、地方財政の窮迫、人口の流出等の対処すべき問題が山積しており、経済的社会的疲弊が増大しております。 この法律案は、このような産炭地域の実情にかんがみ、産炭地域振興臨時措置法の有効期限等を十年延長するほか、最近の経済社会のソフト化、サービス化を初めとする諸環境の変化に対応して、産炭地域振興実施計画の原案を道県知事が作成することとすること、地方公共団体の行う税制上の特別措置その他の支援措置の対象を拡充すること等を内容とするものであります。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(名尾良孝君) 以上で趣旨説明の聴取は終了いたしました。 本案に対する質疑は来る四月二日に行うことといたします。 ─────────────
○委員長(名尾良孝君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案の審査のため、来る四月二日の委員会に、参考人として産炭地域振興審議会総合部会小委員長笹生仁君、九州大学経済学部教授・石炭研究資料センター所長矢田俊文君、北海道産炭地域振興対策協議会会長中田鉄治君、全国鉱業市町村連合会会長山本文男君、以上四名の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(名尾良孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十六分散会