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120回国会参議院1991/03/12

商工委員会 第2号

発言数
184
登壇者
27
会派数
7
開催日
1991/03/12

会議録

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る二月十九日、喜岡淳君及び倉田寛之君が委員を辞任され、その補欠として吉田達男君及び藤井孝男君が選任されました。     ─────────────

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  産業貿易及び経済計画等に関する調査のため、本日、参考人として日本銀行企画局長小島邦夫君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  前回の委員会において聴取いたしました所信等に対し、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 中尾通産大臣は前に一度経済企画庁長官の折にお目にかかりましたが、今回また通産大臣就任おめでとうございます。  就任はもうずっと前ですが、委員会では初めてでありますから、中尾通産大臣の憲法観、憲法第九条との絡みも考えて、想定をしながら憲法観をお伺いしたいと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) 日本国憲法は国の最高法規でございまして、すべての国民が、国民主権あるいは自由主義、平和主義、国際協調主義等、その崇高な理念を尊重するとともに、内容を擁護していくべきものと考えておるものでございます。特に国務大臣につきましては、国政の運営に当たりまして憲法を尊重し擁護しなければならないと、すなわち憲法第九十九条に明記されているところでございまして、通産大臣としまして、その尊重、擁護に不断の努力を払わなければならないと強く認識しておる次第でございます。  九条の問題ということをあえて出されましたけれども、私はかつて芦田元総理にお仕えをし、その芦田修正案というのも御案内のとおりあったわけでございまして、そのときに私もお手伝いをさせていただいたものでございますだけに、その問題につきましても、多少個人的な見解はございますけれども、このような憲法を遵守するという面におきましては、何ら全く変わりはないという気持ちを申し上げておきたいと思う次第でございます。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 ありがとうございました。  次に、通産大臣の所信表明演説によりますと、エネルギー問題に触れておられます。特に、原発問題につきましては、「安全性の確保に万全を期しつつ原子力発電及び核燃料サイクルを強力に推進する」ということがうたわれておりますが、特に、その後に「このような中で起きた関西電力株式会社美浜発電所二号機の自動停止等に係る事象については、徹底した原因の究明と再発防止対策の確立に全力を尽くしてまいる所存であります。」、このように演説をされておりまして、きょうの新聞にもその報告がなされております。  報告書もいただきましたが、そのことにつきまして後ほど同僚委員の方から詳細に質問があると思いますが、私はこれまで予算委員会や決算委員会、商工委員会等を通じまして資料の公開、これらの問題について何度も質問し、また同僚委員が質問する中で、どうも電力会社はもちろんでございますが、通産省の側もなかなか資料の提出を拒んでこられた、こういう傾向があります。この点につきまして、大臣の演説そのものではどんどん進めていくという内容になっておりますが、同時に公開性をもう少し高めるように大臣の決意を最初に承りたいと思います。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○政府委員(緒方謙二郎君) 原子力発電を推進するに当たりましては、安全の確保に万全を期するのはもとよりでございますけれども、国民各位の御理解、御協力を得ることが不可欠でございます。  そういう意味で、原子力に関する情報の公開につきましては私ども従来から極力努めてきたつもりでございます。原子炉設置許可申請書を公表する、あるいは故障、トラブル等が発生した際にその関連情報を広く公開するということに心がけてきたつもりでございます。今後とも情報公開について、例外的に制限をされます核物質防護関係、あるいは財産権の保護に関連するような事項、あるいは個人のプライバシーに関するようなこととかというような点で問題のありますものを除き、広くわかりやすい形でこういう原子力関係の情報の公開に今後とも努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 関西電力の美浜原発二号機の事故原因調査が十一日まとまった。そして、細管の振れどめ金具が設計どおりに取りつけられていなかった。また加圧器逃がし弁が働かなかったこと。さらにまた、空気中に放出された放射能の量は、当初は〇・一三キュリーと言われておりましたが、実際にはその五倍、〇・六キュリー、このような数字が出ております。これらのことは当初放射能の量にしてもそんなにたくさん出ていないというような話をしておった記事も情報も随分流れておりましたが、これらのことがやっぱりこんなに食い違ってくるというのも非常に国民としては不信感を抱かざるを得ない。この点について後の時間との関係がありますが、若干お聞きをしたいと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) 委員にお答えさせていただきます。  美浜発電所の二号機の蒸気発生器伝熱管の損傷の原因そのものにつきましては、伝熱管の振動を抑える振れどめ金具が設計どおりの範囲まで入っていなかったということのために、疲労により破断に至った蓋然性が極めて高いと判断されたところでございます。また、加圧器逃がし弁が開かなかった原因につきましては、人為ミスであることも判明をいたしました。今後さらに事実確認に努めまして、明らかになった原因に応じて必要な再発防止対策を確立してまいりたいと考えておりますが、詳細にわたっては政府委員に答弁をさせたいと思います。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 いいです、その答弁は後で。  それでは、また重ねて大臣に、公開性、資料の公表、こういうものは少なくとも要請があった場合には国会に積極的に出してもらう、こういうことを大臣に要請しまして、あと同僚委員から質問がありますから、そこで詳しく御答弁をお願いしたいと思います。  次に、大臣の所信表明演説の中で、「東京一極集中を是正し多極分散型の均衡ある国土の発展を図っていくことも、豊かな国民生活の実現に寄与する重要な課題であります。」云々と、このようにうたわれております。私は地方出身でありますし、地方と国会を毎週行き来しておりますが、まさしく言われているように痛感をしているわけでございます。今労働力が非常に不足をしてきた、こういう状況のもとでやや経済合理主義を中心にしてそういう動きが出つつありますが、この際思い切って産業の再配置をもう一度抜本的にやれないか。東京一極集中だけではなくて、首都圏を中心とするここに産業が非常に集中しておりますから、これらの再配置を思い切ってやれないか。そして、そこに今度は、これも近くに労働者が、安い立派な住宅を公の力でつくって、そこから快適な生活が都会の人はできるように、あわせてそういうメリットもつくっていただくように、このことを切にお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) これは考えてみますると、もう三年くらいほど前でございますが、ベテランでいらっしゃいます梶原先生から大変に御指摘も賜っておりまして、「世界とともに生きる日本」という題におきまして、私も経済企画庁のころこの問題点で特筆をさせてこの問題点を入れた覚えもございますが、これは私の日ごろの考え方でもございます。その点においては全く同感であることをまずもって申し上げておきたいと思うのでございます。  まさに御指摘のとおり、多極分散型の国土形成の推進のためには、産業の再配置の積極性を図っていくということが極めて重要であると私は思っておるわけでございます。ある意味における中央集権、一極集中的でありますということの理由の一つには、情報の不足、そういうことも相当にあるようでございまして、そういう点においては、多極分散型において再配置を考えていくということは極めて重要でございましょう。このために通産省としましては、従来から工業再配置促進法に基づく工場の地方分散施策、あるいはそれに加えてテクノポリス、また頭脳立地等の産業の集積促進というものの施策を講じているところでございます。  平成三年度の税制改正におきましても、工場の地方分散を一層促進するという観点から、大都市圏から地方への移転を促進するために移転促進税制というものを創設することとしたわけでございます。今後とも、工場の地方分散の推進、あるいは魅力ある地域づくり、あるいは活性化した地域づくり、このようなことを表題にいたしまして、地域的な大きな拠点づくりというものの施策を講じまして、産業の再配置を積極果敢に進めていこうというのが私の考え方でもあり、また経済省を担当いたします私の使命でもある。また同時に、通産省もその施策に沿って進めておるということを申し上げておきたいと思う次第でございます。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 よろしくお願いしたいと思いますが、その際にどうしても考えなければならないのは、やはり地方における社会資本の充実、これが非常に大事でありますし、その面の御努力を側面から通産大臣もぜひしていただきたいと思います。  それから二番目に、文化面が非常におくれているから、中央から地方へ行って非常に寂しい思いをする、こういう文化面の問題。それからスポーツ施設等が非常にまだ貧弱であります。この辺の施設の問題。それから大学がどうしても東京の大学、中央へと、こういう志向が非常に強いわけですから、ここを一体どうするか。工場再配置、経済 面だけではなくて、そういう周りのものも組み合わせていただくようにお願いを側面から申し上げたいと思います。  次に移りますが、ガット・ウルグアイ・ラウンドの成功云々というのが大臣の演説の中にあります。私はよく理解できますが、ただ、我が国で今譲ってはならないことは、だれから言われても譲ってはならないことが二つあると思うわけです。一つは我が国の憲法。先ほどお話がありました。もう一つは国民の主食であります米だけはこれはやはり国内でつくる。このように私はこの二つだけは譲ってもらいたくないんです。あとはもうそんなにこだわりませんが、このお米の問題、どのようにお考えでしょうか。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) まず、米の問題でございますが、米の問題につきましては、国会における決議などの趣旨を十分に体しまして対処していくことは基本方針として考えております。  私も、御案内かもしれませんが、私の属する政党におきましては、もう今やただ一人の総合農政調査会の顧問になっております。この間までは皆様方の同僚議員でございます桧垣徳太郎さんも顧問でございましたが、今おられませんものですから、私自身が顧問になっておりますが、これは国会決議の尊重ということは当時から申し上げ続けておりました。  他方、自由貿易の利益を多く享受している我が国といたしましては、国際経済秩序の主要な担い手といたしましてウルグアイ・ラウンド交渉の成功に全力を傾注していくことが極めて大事であるということは私の強い認識であるとともに、また、通産省挙げて成功裏に導くようこの問題には努力を払っている次第でございます。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 終わります。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 中尾通産大臣に質問をいたしますが、大臣の所信表明の中にはエネルギーについて積極的な御提言がありまして、さきに梶原委員が申し上げましたように、原子力発電の強力な推進をうたっておられますし、またエネルギーの安全、安定供給ということも表明なさっていらっしゃいます。  最近原子力関係の事故が相次ぎまして、美浜の二号炉の事件がありましたし、また、仙台の女川あるいは新潟の柏崎、先日は東海村の再処理工場が自動停止したというような相次ぐ事故が起こっております。こういうことを見ますと、さきに大臣が表明されたエネルギーの安全、安定、供給を原子力に頼るということと、強力に進めるということと相矛盾するような現象が起こっている、これについてどういう見解をお持ちか伺いたい。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) まず、基本的な私の理念を申し上げますと、私は原子力というと一般の国民がすべて原爆に結びつけていくような発想、これは当然のこと、日本の国だけが唯一の被爆国でありますから理の当然のことかと思うのであります。  それだけに、世界の趨勢を見ますると、今やもうあらゆる角度で原子力というものは平和利用に付せられております。二十一世紀に向かっては必ずさらにそれは増進するでありましょう。そういう観点からいきますると、平和利用あるいは代替エネルギーとしての原子力というものを考えずして将来の発展というものはなかなか難しいことである。そういうことからしますと、この原子力の平和利用というものに対する認知、またこれに対するキャンペーン、これに対する推進というものは、これは同時に図らずして行われていかなければならぬものであるというのが私の深く認識するものであります。しかし、さはさりながら、ただいま御指摘のとおりの問題点というものは、これは黙過できるどころか大変な問題としてとらえなければならないことは申すまでもありません。  そこで、新エネルギー等につきましては、昨年十月に閣議決定された石油代替エネルギーの供給目標におきましては、官民挙げて最大限の導入促進を図ることを前提として五・三%見込んでいるところでございます。同目標を受けまして、通産省としましては、従来からサンシャイン計画等新エネルギーにかかる技術開発に努めるとともに、新エネルギー設備導入に対する税制上の措置を講じてきたところでございますが、平成三年度政府原案におきましては、これらの措置を拡大し、また金融上の措置を追加するとともに、新たな未利用エネルギーの活用に関する支援措置を盛り込むなど、施策の強化に努めているところでございます。  しかしながら、これらのエネルギーは一般にエネルギー密度が希薄で自然条件に左右されること等から、現時点ではコストが割高になっておりまして、そこに問題点が存在をいたします。同時に、現在及び近い将来におきまして、これらのエネルギーが我が国のエネルギー供給の大宗を担うことであることだけは不可避と考えられるわけでございます。一方、原子力は供給安定性、経済性、環境の問題の観点からすぐれた特性を有しておりまして、電力需要というものが増大する中で、我が図にとっても必要不可欠なものと認識したことは、先ほど私の申し述べたとおりでございます。  いずれにしましても、通産省としましては、今後ともこれらの施策を推進することによって、新エネルギー及び未利用エネルギー等の導入を最大限促進するとともに、安全確保というものに万全を期しつつ、原子力開発を推進することによって適切なエネルギー供給構造の構築に最大限の努力を傾注してまいる所存でございます。先ほど御指摘を賜りましたように、このような時期に不安的要素というもの、少なくともウオーニングといいますか、警報があったという段階の中において即応するような対応というものに欠けておったことは、十分これは私どもは反省しなければならぬ大きなことでございますから、この点における監督は直ちに私も下命を申し上げ、資源エネルギー庁も相当強くこの問題に対しては勧告もし、なおかつ、今日まで調査の任に当たっておる次第でございます。  昨日、事務当局からこの問題については中間報告が出ましたから、詳細に述べておきました。私はけさその問題にフォローして、テレビを通じても申し述べておきました。さらに、大きな結論が詳細にわたって出た暁には、また委員各位の方々にも十分に御説明をさせていただく所存でございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 もう一つ通産大臣に重ねてお尋ねいたしますが、原子力の平和利用については私どももやぶさかではない。しかし、原子力発電所の持つ機構上のいろいろな問題が大きい不安を与えておるというのも事実である。その中の電力行政としての扱いに遺漏があってはならぬが、その機構上の解明等についてこれから質問をしたいと思います。  先立って、大臣が新エネルギー等々に触れられましたので、私は一つの考え方を同調して申し上げたいんですが、湾岸問題の教訓を受けてもやっぱり資源、エネルギーの問題が背景にある。エネルギーは、原子力発電を非常に強力に推進するということよりも、あれこれ考えるとむしろ多様化、クリーン化していく、こういう点で大臣の答弁を聞いたので、せっかくサンシャイン計画等々は積極的に推進されたいと思う。  それについては、質的にも革新、改革されなければなりませんが、量産体制等々でコスト低減を図らなければならぬ。これになると、例えば電気事業法等々の改正もしなければならぬ。例えば、独占的に電力会社が電力供給をそのエリアにわたって約束されておりますけれども、例えばサンシャインでごみ処理、焼却等々によって起こる自家用電力を自治体等が特別契約をして電力会社に供給しておりますが、そういうようなことをもっと啓蒙、普及する、こういう体制がなければならぬと思う。そういうことによって大量消費の方途が立てられるならば、大量生産設備の方もまたコスト低減につながっていく、こういう環境づくりをされたいと思う。あるいはまた、別な観点からいえば、さらに太陽光電池の開発とか、あるいは波力発電とか地熱発電とか、こういう問題についてもさらに積極的な取り組みをされたいと思うん です。  大臣の表明を見ると、一点集中、原子力発電の強力な推進があるので、あえて平和利用は私はやぶさかではないけれども、そういう観点で臨まれたいと思うんですが、この考えについてはどうですか。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) 今の考え方は基本的に私は全く同調でございます。  といいますのは、あえて原子力発電、原子力の平和利用ということだけが一点集中的に私は代替エネルギーだとは思っておりません。ある意味においては、先ほどの太陽熱のもっと高度利用化、その他の問題等も含めまして、大体石油そのものの消費量も、もうずっと第一次石油ショック以来考えてみますれば、いかようにも減ってきておるわけでございますが、それにしましても今からの問題点は、環境の整備は図りながらも、なおかつ資源というものに対する大きな多面にわたった利用化というものは非常に促進されるべきものである。何も原子力だけを一点集中的に考えるな、こういう御指摘そのものは私も素直に受けとめたいと考えておる次第であります。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 それでは、梶原委員が先ほど質問で触れたことに続行して具体的な質問をいたしたいと思います。  二月九日の美浜原発の事故の原因について一月かけた。そして昨日、この細管が破裂した原因は金属疲労による、その金属疲労のまたもとになったのはとめ金具の不備である、こういうことが公表された。しかし、この一月の間これについての言動は、資料等々でも振動をしておる、担当者はこれについてどのような調査をして今日になってこの結論を出したのか、納得いくように説明願いたい。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○政府委員(緒方謙二郎君) 関西電力美浜原子力発電所二号機につきましては、御指摘のとおり二月九日にトラブルが発生したわけでありますけれども、私ども直ちに徹底した原因の究明ということを指示し、私どももそのような体制に入り、その後私どもは調査特別委員会を設置して技術的な専門家の方々十八名にお集まりいただいて検討する体制をとったわけでございます。  そして、現場の方では破断した細管を取り出しまして破断面を分析するという作業にかかったわけでございます。非常に大きな装置の中の奥の方にあるものでありますので取り出しにかなりの時間を要しまして、三月二日の日に取り出しまして東海村にありますホットラボ、放射能を帯びたものをそのまま分析できる研究所に持ち込みまして電子顕微鏡で破断面を観察し、データの分析等を行っていたわけでありますが、その結果が昨日私どもの方に報告をされてまいりました。そして、先ほど申し上げました調査特別委員会にその旨の報告をしたわけでございます。その段階では、破断面の電子顕微鏡写真で判断をする限り、金属疲労によって形成されたという推定がされたわけでございます。  他方、関西電力の側では、いろいろ過去の点検の記録、あるいはその後蒸気発生器細管の中を電子的に調べるいろいろな検査を進めておりますけれども、その結果、これまでに破断面の観察の報告とあわせまして過去の記録の再点検の報告がございました。その中で、問題になりました蒸気発生器については、伝熱管の振動を抑制するために取りつけられるべき振れどめ金具、AVBと言っておりますが、これが設計どおりの場所まで入っていなかった、要するにある深さまで入れていなければいけない金具がそれより少し上のところでとまっていたと推定されるという報告があったわけでございます。したがいまして、そのことにつきましても昨日の調査特別委員会に報告をしたわけであります。  昨日の調査特別委員会では、主としてその二点について検討した結果、振れどめ金具が設計どおりの範囲まで入っていないために高サイクル疲労によって破断に至ったという蓋然性が極めて高い、こういう技術的な所見を示されました。私どもの方では、その結果を公表させていただくとともに、振れどめ金具が設計どおりの範囲まで入っているか否かの事実を確認する必要がありますので、関西電力に対して、実地検査によって至急これを確認しろと。と申しますのは、昨日報告がありましたのは、電波で調べて蒸気発生器の中からECTという装置によって検査をしたものでございまして、現場で外から目視して確認をしたものではありませんので、それを至急確認しろという指示をし、あわせて同じようなタイプの蒸気発生器を使っております他の電力会社についても、それらの過去の記録を再点検して、そういう疑いがないかどうか大至急点検をしろ、こういう指示をしたところでございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 今、直接はとめ金具の不備ということを指摘して、他の原子力発電所にも及んでこれを確認しておるということですが、この検査は定期検査として去年の七月にやって、今半年たったところですね。その中で健全という評価を受けている施設でありますね。これが破断ということになって、緊急冷却装置によってやっと大惨事を免れたというところまでの事故が突然起こったんだが、そういうことになると、あの細管の一本じゃなくてほかの細管も同じような条件下に置かれている、ほかの発電所のものも置かれている。これはとめ金具だけを見ればいいということじゃない。渦電流探傷の方法でやって健全だということが出ておるわけですから、とめ金具の検査というポイントじゃなくて、そのことについてやるならば、これは検査方法そのものにも問題があるのじゃないかと思う。そういう点についてはどう考えますか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。  先生おっしゃるとおり美浜二号機は昨年七月定期検査が終了したわけでございます。定期検査におきましては、蒸気発生器の細管全数につきまして渦電流探傷検査というのをやったわけでございますが、これは応力腐食割れ、SCCと言っておりますが、それと粒界腐食割れ、IGAと言っておりますが、いろいろな細管の損傷のモードがあるわけでございます。これらにつきましては、渦電流探傷検査によりまして早期に検知でき対応ができているというわけでございますが、今回の美浜二号機、これは比較的急速に事態が進展した、それで細管が破断分離したということでございまして、これまでの損傷形態とは異なるものでございまして、先ほど申し上げましたとおり高サイクル疲労による破断、この蓋然性が高いということでございます。  それで、先ほど申し上げましたように振れどめ金具について、設計どおり入っているかどうかということの確認を指示したわけでございます。我々といたしましては、この報告を踏まえまして、明らかになった原因に応じまして、定期検査の方法の見直しも含め必要な対策を検討していきたいというふうに考えております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 定期検査の方法を再検討する、この破断に対しても有効な探傷方法を開発してやる、こういうことですね。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) 今回の事象につきましては、先ほど申し上げましたように高サイクル疲労の蓋然性が高いということでございますので、これにつきまして十分調査をいたしまして、どういう配慮をすればよくこの事象が事前につかまえられるか。設計段階の議論もあると思います、構造的な問題もあると思います、それから今先生おっしゃったような検査方法についての議論もあるかと思います。そういうことで、先ほど申し上げましたようにこれから調査をいたしてまいる中で、明らかになった原因に応じまして、定期検査の方法の見直しということも含めて必要な検討をしていきたいと考えております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 現に、事故が発生したほかの六千四百本の細管がありますね。そのものは同じような状況であるけれども、それは今とまっておるわけだけれども大丈夫か、こういうような点について緊急の問題として対処しなければならぬ。現在稼働しておるわけです、ほかの類似のものは。それについてまた同様な事故が起こるという蓋然性 もあるわけです。危険性があるわけです。これについてはとめて調査をしなければならぬわけで、これについてどう対処するのか。ほうっておいて、今やっと、破断の原因は盲点になっていたとめ金具だというようなことがとってつけたように起こってきたのだが、そういうようなことでほかの危険を防ぐという責任が全うできるのか、重ねてお答え願いたい。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) 今申し上げましたように、今回の件、鋭意調査しているわけでございますが、その前に二月十九日でございますが、先生御承知のとおり、今回の事象にかんがみまして運転監視の強化ということを指示しております。これは二次側の放射能の濃度を測定いたしまして、有意な変化が認められた場合は、原子炉の運転を停止する等の措置を講ずるという指示をしているわけでございます。したがいまして、現在とめ金具の過去の記録につきまして再点検をしているわけでございますので、この報告を踏まえまして必要な対策を検討していきたいというふうに考えております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 とめ金具に当面はこだわってやっておるわけだけれども、とめ金具が確実になっていれば、事故が絶対に起こらないということになるかどうかについては、また次の問題がある。  ノースアンナの事故と類似している経過から見て、あのものはとめ金具があったと想定されているが、それにもかかわらず破断が起こっている。だから、これにとめ金具があれば破断は絶対起こらないという保証もない。そこについての見解はどうですか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) 今先生御指摘ございましたノースアンナの件でございますが、これは蒸気発生器の細管を支えております支持板の部分にデンティングという現象があったということと、もう一つは蒸気発生器の中の循環比、水がぐるぐる回る循環比を高めていたということで振動が起こりやすい状況もできていたということもございまして、円周方向の破断ということが起こったわけでございます。  それで、我が国のものにつきまして、こういうようなノースアンナの件を踏まえまして、デンティング現象があるかどうかというような調査もいたしまして、デンティングというのはないという確認を当時したわけでございます。そういうことで、ノースアンナの件につきましても、今回原因究明あるいは対策を考える場合には、再度十分勉強をしたいと思っておりますが、ノースアンナの件と全く同様ということではございませんので、やはり今回の件を十分調査いたしまして必要な対策をとっていく必要があるというふうに考えております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 事故が起こってはいかぬが、事故が起こったらそれを教訓にして素直に受けとめてやらぬといかぬ。ノースアンナのデンティングのことについて、それが今回の事故にどのように生かされた上で起こったのかということに疑いを持っておる。例えば、デンティングが起こっておることを調べたのは、支持板との関係であなた方は見ておったわけです。きのう起こったのは、その支持板が強化されれば振動が減るだろう、こういうことであって、支持板におけるデンティングのところについては、今調べた経過はどうなっておるか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) 我が国の場合、支持板の部分についてのデンティングというのは起こっていないわけでございます。これはECTの検査をやります場合に、プローブが通らないぐらいにデンティングがノースアンナ等は起こっていて、わかったわけでございますが、調査の結果そういうのは起こっていないわけでございます。  今先生がおっしゃったように振動の問題を考えます場合、当該支持板の部分が、ちょっと専門的になって申しわけございませんが、ピン支持であるかどうかあるいは固定支持になっているかどうかというふうなことで振動モードが変わってくるわけでございます。そういうことで、我々としまして今回の件は、こういうようなことも踏まえて、今おっしゃったようにノースアンナの件も十分踏まえまして対応していきたいというふうに考えております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 これは危険が背中にあるので、急いで調査の結論を出して対策を立てなければならぬ。いつごろになるのか。その間、同機種について危険があるから操業をとめてやるべしという意見が強く出ておった。これの扱いについては、電力の供給という電力行政に大きくかかわることであるから、その点についての会社側の責任者の発言も、良心的に言えばそのような危険を回避する努力をしなければならぬけれども、電力をそのために供給しないということになると、これは一会社の次元を超える大きい問題になる。  これについては、行政当局が電力行政として停電をしてでもやるべしということになれば、当然しなければならぬが、その辺の判断が背景にあると思う。これについては、当局というか要すれば大臣でも判断を聞かせてもらいたい。それがなければ今のとめての調査というのはならぬと思うわけです。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○政府委員(緒方謙二郎君) 同種の炉について早急に点検せよということで私どもも指示をしているところでございます。一刻も早くと思っておりますが、具体的に何日までということはちょっと今の段階で申し上げられる状況ではございません。一日も早くと思っております。  その間どういうことになるか、その間心配ではないかという御指摘かと思いますが、二つ申し上げたいと存じます。  一つは、先ほど審議官も御説明しましたように、その間の運転につきましては、細心の注意を払って運転をするということでありまして、いささかでも疑わしい現象が認められた場合には直ちに原子炉をとめるという、通常とは非常に違う運転を求めております。具体的には、二次冷却水の水の中の放射能の量をモニターしておりまして、これが二割程度変化するという場合、その段階でとめなさいということを言っております。  今回の美浜のケースに引き戻しますと、美浜で破断が起こりましたのは午後一時五十分ぐらいでございますけれども、それよりも一時間以上前の十二時四十分ぐらいの段階でそういう状態、今申し上げたように二割程度ふえるという現象が発生しております。その段階でとめろということを言っているわけでございまして、その段階でとめれば破断には至らないと私どもは考えております。  それから二番目には、とめて点検をしないのは、電力の需給上問題があるからではないかという御趣旨の御質問かと思いますけれども、実はそれ以前にとめなくても、今の段階で振れどめ防止金具が入っているかどうかはチェックできるわけでございます。先ほどのECTの記録をそういう目で分析いたしますと、振れどめ金具が所定の位置まで入っているかどうかは点検できるということでありますので、そういう技術的な方法で現在早急な総点検をやらせているところでございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 これは押し問答になろうかと思うので、調査中にとめろということについては強硬に言っても押し問答だと思うが、調査の結果危険がやはりある、あの種の事故が同機種で起こり得ると、こういう結果が出た場合は直ちにとめなければならぬ。これについて大臣はどう思うか。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) このケースは、もう安全第一でございますから、そのときにはそれに対する緊急措置として対応する、こういう形で委員がお考えのように私どもは早急な措置をとるという形で対応をしようと思っております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 それでは、こういうようなことが運転上起こり得るということで、運転技師としての職員の研修を施設を持ってやっておる、シミュレーションをしてマニュアルをつくってぱっとやっておる。その対応が今回の事故に生かされておったかどうか、こういうことです。  例えば、逃がし弁が作動しなかった、これは何か。こっそりコックをとめておったというようなことですね。そういう人間の先入観支配とか偏気 というものが人間というものの中にあり得る。このマニュアルを今の反省に立って再検討すべきことが多々あるんじゃないかと私は思うが、当局はどのように検討しておるのか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) 今先生御指摘の加圧器逃がし弁の元弁を閉めていたということ、確かにこれは運転員が誤認して閉めたものでございます。そういうことで、我々といたしましては、関西電力に対して厳重に注意をいたしますとともに、主に三つのポイントで改善策を要求しております。それは、作業チェックシステムの改善、二番目が操作しない弁につきましての施錠管理、それから三番目が運転員の教育訓練の徹底ということで、再度関西電力に対して強く指示し、その報告を求めているというところでございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 この現在の研修施設によって研修していたことが、人間として本当にああいうような場合に動転せずにやれるかどうかということになると、今の改善のだけで大丈夫なのかどうか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。発電所全体の研修、訓練という観点で申し上げますと、まず運転員につきまして資格認定制度というのを設けております。これは国の認定を受けた運転の責任者、これは各発電所に設置するように義務づけております当直長クラスでございますが、これにつきまして認定を受けて三年ごとに能力をチェックしております。そういうふうな認定制度と、それから今我々、本件にも関係ございます一般の運転員、それから保修員、これにつきましても電気事業者が運転訓練センターあるいは保修訓練センターというのを設けておりますが、それで研修をしてきて、所定のコースを終わった者が配置されているというわけでございます。  それで、今回の美浜二号の全体の事象、これで運転員がとった措置ということを考えてみますと、いろいろ現在までの調査の結果、プラントのパラメーターの確認あるいは状況の把握、これらに努めて事象が安全に収束しているわけでございます。そういうことで、我々といたしましては、この判断は妥当であったというふうに考えております。しかし、いずれにしましても、明らかになった原因に応じまして、運転員の訓練のあり方、これも含めて対策を考えていきたいというふうに考えております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 技術的には、専門家であるから遺漏のないようにさらなる検討を願いたいと思う。  私は、関係住民の方に伺ったところ、これは原子力に対する一つの警鐘ではあろうと思いますが、本当は通産省が大変に厳格な指示をし、それに基づいて運転をしているから大丈夫だ、こういうことが背景にあって、そういうチラシを流して不安を宣撫しておるような経過もあるから、それはそれだけの責任を通産省がかぶらぬといかぬ。ただ、そういう住民に対して、あのように主蒸気逃がし弁からぱっと出たことにびっくりした、びっくりしたけれども、そういうようなことを見学に来ていた者に対して、特に誘導して避難させるとか、知らせるとかいうことはしなかった。  県下への通報に対してもこれも遅滞をして、翌日担当課長補佐が安全宣言を早くもしたけれども、そのときのデータは、先ほど梶原委員がおっしゃったように、今日において見ると五分の一ぐらいのものをもってやっておる。こういうようなことは住民に対して不安をかき立てるものであるし、そういうような点においても、運転というマニュアルと同時に、そういう点のマニュアルについてもさらに検討を願われたいと思う。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○政府委員(緒方謙二郎君) 御指摘のとおり、地元への通報の問題、それから見学者への対応の問題、この二点で今回のケースには反省すべき点があると考えまして、関係の電力会社に対してはそういう点の改善をするように指示をしたところでございます。  具体的には地元への通報、これは立地をしております美浜町並びに福井県に対しては通報が比較的迅速に行われたわけでありますけれども、隣の敦賀市に対する連絡がおくれたと申しますか、欠けておったというようなことでございまして、やはり適切を欠くだろうということで、これは改善をいたしております。  それから、見学者に対する措置でありますが、これはなかなか難しい問題といいましょうか、今回の場合、恐らく外部に対する環境に放出された放射能の量が無視し得る程度の微量であるということから、隣のプラントを見学しておったようでございますが、直ちに打ち切る等の措置はとらずに、説明もせずにお帰りいただいたということのようでございます。御指摘のとおり、ECCSが実作動するというような日本では初めてのケースの事態が起こっているわけでありますから、見学者に対して何も説明をしない、何もやらないというのは、やはり適切な対応ではなかったんだろうと考えております。  私ども、十九日の日に関西電力を初め加圧水型炉を有する電力会社五社に対しまして、異常事態事象が発生したときに、見学者に対して迅速かつ適切な対応をするように指示をしたところでございます。上記五社からは、各発電所において見学者への対応に関し、当面とるべき措置を決めて実施しているというような報告が来ているところでございます。いろいろこういうソフトの、いわゆる何か起こったときの事後措置といいましょうか、ソフトウエアについて反省すべき点については、私どももそれは改善に大いに努力をしてまいりたいと考えております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 時間が参りましたのでまたの機会と思いますが、安全第一ということで対処願いたいということを要望して、終わります。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 中尾通産大臣にお伺いをしたいと思います。  先月、総選挙の国際監視団ということで福田参議院議員を団長にいたしまして、私を入れて六名の国会議員団がバングラデシュを訪れる経験をさせていただきました。そして、日本に帰ってまいりまして、とりわけこの日本の生産のあり方やあるいは消費のあり方について幾つか考えさせられたことがございます。  皆さんも御存じのように、バングラデシュというのはアジアで一番貧しい国である。一年間の所得が平均二万円、このような状況でございます。町の中はごみ一つない。言いかえるならば、可燃性のごみは子供たちがそれを集めて燃料に使う、また空き缶は空き缶で子供たちが袋を持ち歩きながらその空き缶を再生資源に売る中で少しでも生活の足しと、こういうことで町にごみが一つもない、こういうことなんです。もちろんアジアで一番貧しいからということにも起因はするわけでありますけれども、一たび日本の社会を振り返ってみましたならば、まさしく大量生産そして使い捨て、このような状況でございます。  過日、社会党の調査団ということで東京の夢の島へ参ったわけでありますけれども、まさしく海の埋め立ても計算以上に早く埋め立てられていってしまう状況である。ごみ戦争ということで大きな社会問題と実はなっております。そのときにも関係者のお話を聞いておりましたら、スーパー等を含めていわゆる流行おくれの真っさらな服であろうと衣類であろうと、そういうものがたくさん捨てられていくんだと、そういうことを実はおっしゃっておりました。まさしく、裸で行っても帰りしなにはぴかぴかの服を着て帰ってこれるという、そういうことでございます。私は、そういうような状況の中で、そういう社会のあり方がこれは本当にいいのかどうか、とりわけ最近地球の温暖化の問題だとか、あるいはオゾンの問題だとか環境保全の問題とか、こういうことで非常に大きな社会問題になってきたわけでございます。  もちろん厚生省にも大いに関係をすることであると思いますけれども、中尾通産大臣から通産大臣としての所見をお伺いしたい、このように思います。よろしくお願いします。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) ただいま委員からバングラデシュの話が出ましたけれども、ちょうど私もバングラデシュの独立運動のころに櫻内義雄現議長とインドに行っておりまして、そのさまを目の前で見たわけでございますが、まだある意味に おいては大変に貧しさにあえいでおられる実情というものに痛みを持って考えておるわけでございます。  私は、基本的には、今のお話を聞いておりまして、日本の経済は戦後四十五年の間に画期的に世界の中で全く冠たる経済力をつくっていったわけでございますが、経済力の大きな伸展というものは、世界の中においてある意味においては奇跡とも言われるような、私どもには喜ばしい現状ではありながらも、先ほど委員御指摘のようなオゾン層の問題であるとか環境破壊の問題であるとか、あるいはまたリサイクルの問題等に関連する、まさに私どもが四十数年前には考えることのできないようなそんなものまでも、先ほどの空き瓶のような問題ではございませんけれども、たくさん出てきておるという、この矛盾というものの相克にこれまた悩まされるわけでございます。  それだけに、私どもは近年の経済社会現況というものを見ますると、国民経済の発展あるいは消費生活の多様化、あるいはまたライフスタイルそのものの変化に伴いまして、廃棄物の発生そのものを増加させるような問題がそのまま生じておるという状況というものを放置することは、資源の大きな損失にもつながっていくということも考えざるを得ないわけでございまして、またそれは環境の悪化というものにもつながっていくものだと認識をしておる次第でございます。  通産省としましては、従来から省資源、省エネルギーを実施しながらも、国民生活の向上を図るために各般の諸施策を講じてきたところではございますが、昨年末にも産業構造審議会からいただきました答申にも示されておりますように、再資源化をなお一層強力に推進していくことが緊急の課題になってきたということを私どもの強い認識として受けとめておる次第でございます。再資源化をなお一層強力に推進していくためには、消費者等の協力を得ながらも事業者の努力を最大限に引き出すことがこれまた肝要である。これは最も基本的なファンダメンタルな問題にもなりますから、そういう点ではそこに思いをいたし、今般、再生資源の利用の促進に関する法律というものを提案したところでございますが、同法を初めといたしまして各般の施策を総合的に講じていかなければならない、委員の御指摘のとおりに考えておる次第でございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 また後ほど、再資源化促進法案ということで、その法案のときの審議で各論をやってみたいと思うのですけれども、その前にもう一、二お伺いをしまして、この問題を終わっていきたいと思います。  日本が第一次あるいは第二次の石油ショックを経験いたしまして、もちろんこれはエネルギーの面におきましては、石油からいわゆる水力発電等を含めて相当大きくエネルギー政策を変えてきておるわけでありまして、同時にまた、一次、二次オイルショックの中で省資源といいましょうか、リサイクル、そういうことも含めて大きな教訓であった、このようにも思うわけであります。  その中で過日の湾岸戦争が起こりまして、ここで一次、二次オイルショックの経験の教訓、そしてこの湾岸戦争の場合も同じく省エネ、省資源、こういうことで通産省も指導しておったわけでありますけれども、例えば冷暖房を調整しようとか、あるいは国会におきましてもライトアップをやめてやっていこう。ところが、これはいいことか悪いことなのか、備蓄もよく効いておったり、あるいは昔のような買い占めということにもならなかったり、これは一面それだけのまた違った意味の教訓という中で生かされたと思うのです。しかし、日本人の生活のライフスタイルのあり方といいましょうか、そういうことについての教訓はどうであったのかとなってきますと、片や湾岸戦争が行われておっても、相変らず使い捨て文化というその基調についてはなかなか教訓ということになっていかない、こういうふうに実は私も判断をしているわけであります。  その中で二つの点についてお伺いをしたいんですが、一つはリサイクル問題、先ほどの省資源を含めてのリサイクル問題の中で、特に最近は大型ごみ、とりわけ自動車などとかあるいは電気製品を含めて、そういう大型の産業廃棄物が大きな問題になっております。そういうものが時には瀬戸内海のいわゆる国立公園の指定されたところに投棄されたり、いろいろさまざまな社会問題が起こっているわけであります。私は、そこでただ単にそれを解体業者や産業廃棄物業者だけに処理を任せたり、そこだけに責任を押しつけるということではなかなか問題は解決しないんではないか、そういうふうに実は思っているわけであります。くず鉄の市況が下がったり、あるいは解体手間がふえる一方の中で、業者そのもの自身が景気の動向によって減ったりふえたり、そういうような不安定な状況にも実はあるわけであります。  そこで、やはり生産者、流通業者、消費者、行政が責任を適切に分担をしながらやっていく必要があるのじゃないか。とりわけ、そこにおきまして通産省としては、物を生産していくメーカーや流通業界に対してどのような指導をしていくのか、一番根本のごみを出していくそういう生産者に対する通産省としての指導のあり方、そういうものが大きな問題になってくるのじゃないか。これが大臣に対する一つの質問であります。もちろん再資源化促進法案ということが準備されておりますから、それに触れていただいて回答をいただきたいなと思っております。  次に二つ目の問題は、もちろん排気ガスだとかそういう大気汚染、それから道路の交通渋滞、そういう環境の問題もありますが、もう一つは、中小零細企業におけるゆとりある生活というものを阻害していく、いわゆる週休二日制等のできないような状況をつくり上げてしまっている大企業と中小零細企業とのかかわり、こういう形の中で自動車業界に始まったかんばん方式というものがあるわけであります。このかんばん方式に見られるような問題が、今やその業界だけではなくて、大きく流通業界にもどんどんどんどんその問題が広がっている。そういうことによって、先ほど言いましたように、道路の中に倉庫があるというふうな感じになってしまって交通渋滞が起こったり、時にはボルト一つのために夜中でも中小企業は走らなければならぬとか、さまざまな形で結局しわ寄せになってくる。言いかえれば、大企業においてはその中で合理性を追求されて、そこの世界においてはそれなりに生産性も上がるだろうけれども、しかしそれがもたらす社会的影響といいましょうか、そういう問題というのは僕はやっぱり大きな問題があるのではないかと思いますので、そういう点を聞きたいと思います。  それはなぜかといいますと、過日、経済同友会の代表幹事であります石原会長が、三月八日の新聞の記者会見などを見ておりましたら、「日本の会社では、経営者に権力が集中し、何でもできる体制になっている。」、その権力を背景にした経営者の意思に従って企業が動き、社会的な問題が起き、影響も大きい。だからこそ企業そのものをチェックしていくもっと組織的なそういうものが必要なんだ。これは経営者自身が倫理という問題についておっしゃっているわけなんです。私は、この倫理という問題から、もう少し大企業が社会に対して果たす役割といいましょうか、いわゆる企業市民として生きていく役割というそういう形の中で、さまざまな形で今後とも検討していく課題が多々あるのではないか。  その中において、先ほど申しましたようにこのかんばん方式について、一つの例ということで、大臣はどう考えておられるか質問をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) 三点ほど御質問があったと思いますが、最後の問題点から入っていきたいと思います。  私は、確かに今日の隆盛をきわめてきたその背景の中に大企業の果たした役割はもう甚大なるものがあったと思います。恐らく、戦後の四十五年の中における涙と汗と血の結晶であろうとさえ言っても過言ではないくらいのものかもしれません。一面、経営者自体の努力、これも本当に何とい いますか、手形を切っているときの姿なんてものは我々の仕事と違いまして、言葉で答弁をするんじゃなく、そのまま倒産につながるわけでございますから大変なものでございましょう。しかし、なおかつそこに、ある意味における経済的倫理性と申しましょうか、御指摘のとおりのものが存在しなければ、これは全く意味をなさないのであります。私は、大量生産、大量消費、使い捨てというような昨今の風潮というものは、近年の国民生活の質の向上あるいはまた消費者個人のライフスタイルというものの変化によるところが大きいと考えざるを得ないのでございます。いつの時代でも、そういう意味においては省資源、省エネルギーの重要性には変わりはない。この基本認識は私も全く同感ではございます。  しかし、先ほどの第一点の問題になりますが、自動車メーカー等のいわゆるかんばん方式につきましては、中間在庫と申しましょうか、その圧縮等を通じまして生産の効率化等に資するものが絶大であると、こう考えておるわけでございます。かんばん方式の実施が、下請等中小企業に対して不当な負担を強いる結果とならないように、引き続き自動車メーカーというものにも指導してまいるのが私の考え方でもあり、通産省の全体にわたってこれを各般指導しなければならぬ方針である、こう私は思っておる次第でございます。  また、交通渋滞等の問題につきましても緩和を図っていくということが大事でございまして、道路等交通容量増大対策あるいは交通管制の高度化等、既存の道路の有効利用対策、公共輸送機関の活用等、道路の交通需要の低減対策等、総合対策を全体として政府でとらえ、なおかつ推進していく必要があろうと考えておる次第でございます。  また同時に、第二点の問題でございましょうか、くず鉄の問題などを含めた問題でございますが、まず自動車につきましては、従来から市場メカニズムを通じてその再利用、再資源化が行われております。今後とも、既存メカニズムを活用して再利用、再資源化を進めていくことが適切であろうと思料するものでございます。また、自動車の再利用、再資源化に際しまして、各段の取引段階における価格形成につきましても、基本的に当事者間で適正な価格形成が行われていると考えておりますが、自動車に関しましては再利用、再資源化を確保し、かつ促進する観点から、御指摘いただきました点を十分に踏まえまして、今後とも必要に応じて適切に対処していく所存でございます。  なお、自動車製造業者、販売業者等は、既存メカニズムを補完する観点から、通産省の指導に沿いまして、第一点は、廃棄希望の車両の販売店等を通じた回収体制の整備というものが必要になってくるんではないか。それからまた、路上等に廃棄されました廃棄自動車の処理に関する市町村単位に対する協力体制といいますか、各地方自治体というものの協力体制、これも必要欠くべからざるものである、このようにも認識する次第でございまして、自主的対策の具体化を鋭意通産省としては進めてまいるという考え方でございます。  以上でございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 ぜひひとつ大企業の社会的責任ということで、リサイクルの問題におきましても、またかんばん方式に見られるような中小企業と大企業とのかかわり、そういう点につきましても通産省という立場の中で強力なる指導をしていただきたい、このように思います。  また、後ほどに法案が参りましたら、機会がありましたら各論をやっていきたいと思います。  次に、大臣の所信表明の中で非常に大きな時間を割いて述べられております大店法の関係について、これもまた後ほどに機会がありましたら各論をしたいと思うんですけれども、きょうは大臣の所信表明ということでございますので、二つほど絞ってお伺いをしたいと思います。これはできましたら通商政策局にお伺いをしたいと思います。  大店舗もこれはやはり大企業ということで、進出すると中小零細企業である小売店なり商店街、こういうところに影響が大きい、こういうかんばん方式とある一面においては同じ性格を持つわけなんですが、昨年五月に大店法の運用通達が出されました。そして大店法の規制緩和が進んだわけなんです。もう大分たってまいりましたので、全国的に大型店の出店がふえ、地元の商店街は非常に危機感を強めているわけでありますけれども、通達後の大型店出店の状況を数字などを入れていただきながら報告をしてほしいということと、同時に通産省は今後地域の商店街にどういう影響が出てくると予測しておられるのかということもあわせて、通商政策局の方から知っている限り答えていただきたいと思います。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○政府委員(坂本吉弘君) 委員御指摘の昨年五月に導入いたしましたいわゆる大店法運用適正化措置でございますが、御承知のとおり出店調整の処理期間を一年半にするというところを基本とするものでございます。今日までに私どもの手元に得られております数字では、約八カ月経過いたしておりますが、その間に新たにいわゆる出店表明というものが各通産局に対して出されました件数は、合計で千三十三件ということになっておるわけでございます。  その月別の動向をごくかいつまんで申し上げますと、規制緩和が行われました直後の六月及び七月、七月は特に二百二十五件、一月に二百二十五件ということで大変高いペースでございました。ただ、その後出店の動向はマイルドになってまいりまして、本年の一月では九十八件、それから先年の十二月では九十二件という状況でございまして、まだ例年に比べてペースとしては高うございますが、全体として非常にマイルドな状況になっていると思います。  少し詳しくなりますが、いわゆる一種と二種ということで分けますと、一種が四百五十三件、そして二種が五百八十件というような状況でございます。  その出店の内容を少し業態別に見てみますと、最近の特徴といたしましては、いわゆる百貨店とか大手のナショナルチェーン、全国的に展開をいたしておりますスーパー、例えばスーパーのうち上位二十社、こういう大変大きな企業という角度から見ますと、その出店のテンポというのは従来に比べて比較的スローダウンいたしておりまして、最近、消費の動向を反映したところではございますけれども、いわゆる専門店というのがございます。衣料品のみ、電気製品のみ、あるいは場合によっては音響機器といったようなものを専門に売る大型専門店というものが大変今各地の需要に即応いたしておりまして、こういったものの出店傾向が非常に高い状況にあろうかと存じます。  一方におきまして、昨年の五月三十日時点で、それまでに出店表明をいたしておりましたものをすべて五月三十日出店表明なされたものということでとらえましたら、千三百五十九件ございました。しかし、そのうち約三百五十二件というのは出店の取り下げがあったわけでございます。これは一つには、事業者の方で出店調整処理期間が一年半という非常に確定した見通しが立ったということに伴いまして、従来必ずしもはっきりした年限もしくは日数というものが見通せなかったものでございますから、安全のために出店しておいたような案件もあったろうかと思います。そういった案件を取り下げるというようなことがございまして、全体としては、非常に出店の内容が、何と申しますか、かっちりしたものを前提に出店が行われるという傾向が出てきたように思います。  その後、出店調整の処理につきましては、各地の商工会議所に置かれておりますいわゆる商調協、商業活動調整協議会において、それぞれの案件につきまして約半年の事前説明及びその後の事前商調協という手続を現在踏んでいただいておるわけでございます。全国的に見ましたところ、各地の皆様の御努力によりまして、手続は大変順調に事前説明を終え商調協の段階に入っているという状況でございまして、私どもといたしましては、昨年五月に導入いたしましたいわゆる運用適正化措置というものが、特段の混乱もなく進んでいるというふうにとらえているところでございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 審議官は、混乱はなくというふうに 五月の通達はとらえているということなんですが、過日、私は大阪選挙区なものですから、いわゆる市場の皆さんだとかあるいはそれぞれのかかわっておられる学者の先生方だとか、いろいろな関係者と半日にわたって事情聴取というかシンポジウムということでさせてもらったんです。  もちろん、市場自由原理ということの中で、大型店が進出するということについて、法的にあなたはだめですということでペケになかなかこれはしにくい。そういうことで、商調協があったりしていろいろと地元との話し合いをしながら、基本的にはいろいろと縮小したりして進出する、こういうことになるわけであります。進出する限りは、必ず購買力範囲も距離数もふえてまいりますから、大きさによってふえてまいりますから、その周辺において、それは恩恵をこうむる小さな商店街もあるだろうけれども、圧倒的多数は被害を受ける。こういうことについては、どれだけしてみたって現実としてこれは残るわけで、不安なわけでございます。  今回は、聞くところによりますと、大店法の改正ということを政府としても準備しているということでもあります。また、それに基づいて中小零細の商店街を含めての活性化ということで、それぞれの予算も組んでおられるということなんです。私は、幸か不幸かこの二年間で三回大阪選挙区の選挙をやりまして、大阪府下を回ってきた中で、もう回るのは大体商店街が多いですから、よくはやっておる商店街もあるし本当に閑古鳥の鳴いている商店街、そんなことも幾つか実は見てきたわけなんです。いずれにしても、中小零細の商店街については非常に大きな不安を持っておる。こういうことについては、これから準備されていく法案については、十分ぜひひとつ考慮をしていただきながらやっていく必要があるんじゃないかというように思います。  もう一度、これは大事な問題ですから中尾大臣の方から、これから新しく出されていく大店法の改正ということになろうかと思うんですが、いずれにしましても、地元の意思を尊重する意思があるのかどうかということと同時に、大型店の出店の影響をきちんと事前に評価をしていくことになるのかどうか、そういう点につきまして意見をお伺いしたいと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) 確かに委員御指摘のとおり、大型店が出ることによってその地域の周辺が非常に活性化して、それがために、私どもが思っていた以上に周りがまたある意味において一面、全体的に全部潤うというわけじゃございませんが、活性化していき、人口がふえ、なおかつまた人々の集まりがよくなる、またそこにおいて購買力も高まるということによっていい面もございましょう。また同時に、ヨーロッパの町並みなどにも見られるように、非常にキャラクタリスティックな、非常に個性的な店というものが残っていくという、そういうような傾向も見られるようでございます。ヨーロッパなどを調べてみても、相当に個性的な店はそのまま繁栄していく、さはさりながら、非常に淘汰されていく店も出てくる。そこにいろいろと協調する悩みというものも出てくるのでしょう。  それだけに、先ほど委員の御指摘のとおり、出ていく場合においても、強制的にどんどんやっていくというのじゃなく、そこに話し合いという、俗に言う協調的な話し合いというものが当然必要になってくるわけでございます。そういう点においては、十分に話し合い、俗な言葉で談合というような言葉がございますが、談合というよりも、本当にネゴシエーティブな話し合いを継続することによって調和のとれた、バランスのとれた、それも非常に大きな意味においてグローバルなバランスのとれた発展につながっていくものでなければ、何の意味も持たないという考え方に立っておりますので、私もそのような意味における大店法の問題というもののとらえ方は一にするものでございます、基本的には。そういう点で、私どももこの問題点にいろいろと長い間の話し合いを続けてきたという考え方に立っておるわけでございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 ありがとうございました。  時間がございませんので、いずれにしましても、地元の声がますます遠ざかるのではなくてよく反映をされた、そういうような形での政策論議をしながらいい方向でしていただきたい、こう思います。  実は、幾つかまだ質問を準備しておるんですが、時間がなくなってきましてので、湾岸戦争の影響ということで、とりわけ大阪におけるカーペット業界の問題だとかさまざまな問題を準備しておりましたけれども、これは飛ばしていきたいと思います。  次に、通産省の生活産業局長にお伺いしたいんですが、現在のガット・ウルグアイ・ラウンドにおける皮革それから革靴の輸入に関しての交渉状況と日本政府の方針について簡単にお願いしたいと思います。

南学政明通商産業省生活産業局長

○政府委員(南学政明君) ウルグアイ・ラウンドにおきましては、これまで先進国、発展途上国双方から我が国の関税割り当て制度につきまして、それを撤廃してほしい、あるいは高率の関税を大幅に引き下げてほしいというような強い要求がなされてきております。これまでのところ、我が国としましては、国内産業の厳しい現状にかんがみまして、交渉相手国に対し我が国の産業の実態、現行制度について理解を求めるべく最大限の努力を傾注してきたところでございます。  御高承のとおり、ウルグアイ・ラウンド交渉は、ブラッセル閣僚会議では合意に至らずに、先般二月二十六日に交渉再開が宣言されたわけでありますが、これから引き続き我々としては、交渉の早期妥結に向けて努力をしていくことになるわけでございます。この中で、皮革、革靴の関税引き下げにつきましては、今後とも我が国の国際的な立場を踏まえながら、国内産業への影響を十分配慮して対処していきたい、このように考えております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 ウルグアイ・ラウンドの交渉の結果、どういう形になるか、ちょっとまだ見通しはこれからだと思うんですが、いずれにしても一番影響を受けやすいのは皮革のなめし業者やあるいは革靴製造業者。特に、皮革だとかあるいは靴の製造業者というのは歴史的観点から見ましても、同和地区の部落産業でございますし、またこういう被差別部落のそういう主要な産業を実は担っておるわけでございます。業界の底辺で同和地区の業者や従業員が産業を担っている、そういうことだと思います。  そういう中で、これは中尾通商産業大臣にお伺いしたいのですが、通産大臣は、皮革、革靴産業の部落産業としての歴史的事情などについて、どのように認識をされておるのか、これも簡単で結構でございますので、よろしくお願いいたします。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) 我が国の皮革あるいは革靴産業は、東京、大阪、兵庫、奈良あるいは和歌山等を主産地とするわけでございまして、地場産業でございます。歴史的、社会的にも非常に困難な問題を抱えておりますとともに、中小零細企業が大部分を占めていることも事実でございます。技術力、国際競争力も大変脆弱な立場にございますから、経営基盤も脆弱であると認識しなければなりません。そこで、同産業は地域改善対策の特別措置法、正式には地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律と言っておりますが、この対象地域の重要な産業であると考えております。  通商産業省といたしましては、我が国の皮革あるいは革靴産業が国際競争に耐え得るような産業基盤を早期に整備することが必要であるとの考えのもとに、従来から中堅技術者に対する技術研修、あるいは地域の中小零細企業への技術指導、あるいはまた商品開発や技術開発等、皮革、革靴産業の振興の諸施策を講じてきているところでございます。  今後とも、これらの施策を強力になおかつきめ細かく推進していかなければならない、このように考えておる次第でございます。  以上です。

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 谷畑君、時間ですから簡明に願います。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 もう時間でございますから、いずれにしましても五年前の関税交渉で従来のIQ制度からTQ制度ということで移行してきましたし、その中で皮産連に三十六億円の基金ということになってまいりました。今後とも、また二十四億円の上積みがあるということでございますけれども、私もぜひひとつこの皮産連の基金が各産地で十分に活用されるよう、通産省としての指導をお願いしたいということと、同時にその際におきましては、部落産業である皮革産業は、地域の地場産業ということで、関係の地方自治団体との密接な関係の中で指導をしていただきたいということをお願いいたしまして、オーバーをいたしましたので終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 通産大臣が御予定で退席をなさいますので、まず先に通産大臣に御質問を申し上げます。  今回の湾岸戦争が早期終結をいたしまして、大変私どもも喜んでおるところでございます。とりわけ、世界経済に及ぼす影響も極めて最小で食いとめ得たことをまことに御同慶の至りと思っておるところでございます。そこで、今回の湾岸戦争はいろいろな意味で私どもに教訓をもたらしたと思います。特に、エネルギーというような立場から見ますと、依然として世界に対するエネルギーの供給というものは不安定でございますし、とりわけ資源を持たない我が国にとりましては、極めてその経済の脆弱性が改めて認識をされたように考えておるところでございます。  そこで、まず今後の石油需給と価格の見通しについてお尋ねをいたしたいと思います。  御承知のように、クウェート、イラク両国から長年にわたり石油の供給を受けておるわけでありますが、年間約一二%を占めておりまして、当分両国からの輸入は不可能ということでございますので、この不足分を今後どう埋め合わせていかれるのか。また、石油価格は、紛争当初いっとき急騰いたしましたが、我々の常識に大変反しまして、世界の良識が価格を下落させたということにもなるのかもしれませんけれども、今日バレル十七ドル前後と存じておりますけれども、極めて安定した価格の推移でありましたことは幸いなことでございました。  こういうような状況ではございますが、ただいまOPECの閣僚監視委員会が開催をされて、できればバレル二十ドル台に価格を持っていきたい、こういう観点から生産調整をしていく、二百万バレルあるいは三百万バレル生産コントロールをしようではないかと。この会合がどう推移するかはさておきまして、今後の石油価格のお見通しについてどういう御見解をお持ちになっておられるのでございましょうか。  さらに、戦争によりまして、イラク、クウェートのそれぞれ石油精製工場が破壊をされ、世界的に石油製品の不足が懸念をされておるところでありますが、これらの需給や価格等のお見通しもあわせお聞かせをいただきたいと思います。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○政府委員(緒方謙二郎君) 昨年八月に湾岸危機が発生いたしましてから、ただいま先生がお述べになりましたように、原油価格はその後非常に急騰いたしました。これは主として心理的な要因に基づく部分が多かったのではないかと思いますが、九月、十月大変急騰いたしました。その後やや落ちつきまして、一月十七日の戦争発生直後は、多国籍軍が圧倒的優位に戦況が展開しているという報道が行われたこと、また供給不足が生ずる場合に備えまして、アメリカ、日本等が協調して石油の備蓄の放出を決定して、西側諸国の石抽の安定供給が確保される、こういう安心感が広がったことなどがありまして、御指摘のとおり原油価格は大幅に下落をしたわけでございます。  その後も比較的落ちついた動きをしているわけでありますが、今後の動きにつきましては、御指摘のように現在ジュネーブにおきましてOPECの閣僚監視委員会が開かれて、いろいろ議論を始めておりますけれども、なかなか議論がまだまとまるような状況ではないようでございます。会議はなお続いております。  こういう流動的要素がいろいろございまして、価格の推移を見きわめることは大変困難なわけでありますけれども、幸い季節的にこれから夏場に向かいまして石油が不需要期に入るということもありまして、それからイラク、クウェートでの原油の落ち込み分というのは、御案内のとおりその後サウジあるいはUAE等の他の産油国によって増産、肩がわりされておりますので、マクロで見ました場合、原油の需給に大きな逼迫は来していないというようなことがありますので、当面原油の価格が大幅に急激に変動するという可能性は少ないのではないか、このように考えております。  なお、石油製品の方につきましては、原油よりもなお需給に不安定要因がございますので、こちらの方はもう少し動きを注視していく必要があろうかと思います。  いずれにいたしましても、大変流動的な情勢の中で、国際的な石油情勢、需給情勢の動向というものを注意深く見ていく必要があろうかと考えているところでございます。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 大臣も所信表明の中で、新エネルギーあるいは代替エネルギー、それに対応して省エネ政策等にお触れになっておられるところでございますが、二十一世紀のエネルギー政策についての率直な御所信を承りたいと思っております。  元来、化石燃料は有限でありますし、我々人類が今日に至るまでの燃料の歴史を素人なりに考えてみますれば、燃える木あるいはまたその後燃える石、そして燃える水、今日第三の火として核エネルギー、こういうようになってきておるところでございまして、人知の、文明の進歩とともに核エネルギーの平和利用というものは、これは当然避けて通れぬ道であると思っておるところでございます。  そこで、新エネルギーあるいは代替エネルギーの研究開発等々を積極的に推進されていかれる、このように思っておるところでございますが、通産省のエネルギー需給見通しを拝見いたしますと、西暦二〇一〇年までにまず百万キロワット規模の原子力発電四十基新設を必要としておられます。  しかし先般、先ほども御質問がございましたが、美浜原発の事故が我が国の原子力発電に関する国民の不安感を一層増幅したことは否めぬ事実でございます。被爆体験のある我々は特に放射能に敏感でありますし、原子力の事故や故障という問題が報道されるたびごとに原子力発電の安全性すら疑問を抱く。今回の事故も説明を聞いてみますと、三段階あるうちの第一段階の非常用炉心冷却装置が働いて科学的、技術的に事故防止ができた、こういう説明もございますけれども、事故の原因究明というものは徹底的になされるべきだ。  しかも、きのうの発表によりますと、まさに建設当時の技術的なミス、それが二十年間も放置されて結局振動による金属疲労、こういう指摘がなされたところでございますが、まことに残念な出来事であった。この上は、安全管理体制を徹底していただきまして、国民の信頼を失うことのないよう原発立地対応をしていただかなければならない、かように思っておるところでございます。  また一方、国民に対する科学的な、そしてまた原発の認識を深めていただくパブリックアクセプタンスにも積極的に対応をされるべきではなかろうか。  したがいまして、今回の美浜原発の事故の調査結果、そしてまた各種の事故におけるところの経験というものを今後のエネルギー対策上、特に原子力発電を必要とするだけに、十分生かして考えていただかなければならないであろう。  加えまして、今までの原発立地は、電気事業者が中心となって地域との折衝その他で大変苦労している実態を全国各地で承知をいたしております。これらについて、今までの方式でいいのかどうか、本当にそれによって通産省の需給見通しを達成することができるのだろうか、この辺の展望 を大臣からお聞かせいただければありがたいと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) 我が国が、過去二度の石油危機を踏まえまして、エネルギーの安定供給に向けまして、石油代替エネルギーの導入あるいは省エネルギーの推進等を行ってきたところであることは、もう斎藤委員十分御案内かと思うのでございます。このために、今回の湾岸危機に際しましては、冷静な対応がある意味においては可能になったんではないかな、このように私どもは認識しているわけでございます。  しかしながら、我が国のエネルギー供給構造は、約八割を海外に、また原油は約七割を中東だけに依存している、これが全く実態でございまして、その点においては脆弱な構造とも言えるかもしれません。まさに委員御指摘のとおり、今後とも引き続きエネルギーの安定供給の確保は重要な課題である。そしてまた、一方地球温暖化等地球環境問題も顕在化してきておりまして、経済の安定的な発展とともに地球環境保全との両立を図るということが、エネルギーの政策としては一番喫緊な課題であると申すべきことであろうと思います。  通産省では、このような課題を踏まえまして、総合エネルギー調査会の長期エネルギー需給見通しというものを基軸にいたしまして、昨年十月の閣議決定を経まして、二十一世紀初頭を見通しました石油代替エネルギーの供給目標の改定を行ってきたところでございます。本供給目標は、官民ともに最大限の努力を傾注いたしまして初めて達成が可能な長期目標というものの形で誕生できるわけでございまして、エネルギーの利用のより一層の効率化、また新エネルギーあるいは原子力の非化石エネルギーを初めといたしました石油代替エネルギーの積極的な開発、導入を目指すものであると言っても決して言い過ぎではなかろうと思うのでございます。  今後とも、通産省としましては、同供給目標の達成に向けました総合エネルギー、先ほどもああいう意見を聞いて、ただ原子力というものだけに頼るというものではなく、多目的に多角的にこれをとらえまして、先ほど太陽熱の話も出しましたが、そういう点も踏まえまして総合エネルギーの政策に最大限の努力をやっていかなければなるまい。このように、私ども通産省では、全力を傾注していくことに私も下命しておりますし、また全力を挙げて総合エネルギー調査会を中心としてこの点を図っていることも委員に御理解賜りたいと願っておる次第でございます。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 大臣、お時間がもうないようでございますが、最後に一つお尋ねをいたします。  実は、梶原先生からウルグアイ・ラウンドについてお話がありましたが、この問題につきましては、自由貿易体制最大の受益国たる日本としてウルグアイ・ラウンドを成功させなければならないとたびたびお述べになっておられるところでございます。  先般、このウルグアイ・ラウンドについて、アメリカの手続が二年間延長されました。米国ではマルチラテラリズムに対する悲観論まで出てきたと聞いておるところでございます。また、湾岸戦争の終結に伴い、今後は経済問題がアメリカの最大関心事になりまして、湾岸協力に不満、不信感を持っているアメリカとしては対日要求を一層強めてくるのではないか、このように見ておるところでございます。  湾岸戦争が新しい政治秩序をつくるというようなものであるとするならば、ウルグアイ・ラウンドは申すまでもなく世界の経済秩序を新たにつくり上げていこう、こういう努力でございますから、日本はもとよりアジアのNIES諸国のためにも、自由貿易体制の堅持という観点から積極的にリーダーシップを発揮すべきではないだろうか。  あわせまして、最大の争点となっている農業問題、アメリカ対ECの陰に隠れて日本の米問題が今隠れておりますけれども、しかし、必ず近い将来大きな問題としてクローズアップをしてくるのではないか。このときに、どう痛みを分かち合いながら自由貿易体制というものを堅持していくのか、この辺のお考えをお聞かせいただければありがたいと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) 私も、実は今年度初頭からGアンドGといいましょうか、ガルフとガットのウルグアイ・ラウンドの問題、これは非常に強い関心と同時に毎日のように考えておった問題でございます。  考えますれば、一九四八年のガット設立以来この問題はずっと続いていると言っても間違いはないガットの問題でございます。しかし、なかんずくウルグアイ・ラウンドの問題というのは期限がございまして、三月一日に当たりますこのファーストトラックというものが一番大きな我々の目の前にあった問題点でございました。これは御案内のとおり、延長線上に入ったわけでございますが、しかし五月の末にはこれまた結論を出さなければなりません。現在、ブッシュさんの人気が大変な九〇%に近い人気でございますから、ある意味では議会の工作もできるかもしれません。  しかし、かというて、これが延びたから非常に喜ばしかったのかということになりますると別問題でございまして、ある意味においては、今までマルチラテラルでやっておったのが、今度はバイラテラルの問題になってくる。二国間の問題になってくるということになりますると、日本はさらに大きな試練を受けなければならぬ実情に入ってきたことは間違いございません。  そこで、きのうも松永前大使にもおいで賜りまして、アメリカの現在の動き、実情、これも行ってきたばかりの新しいニュースを私も手に入れました。これはまた後ほど話す機会もあろうかと思いますが、そういう意味においては、むしろセネター・ベンツェンのような方は非常にマイルドになってきておるけれども、別の新しい議員族が相当強い勢いでこれをやってきておる。  そこで、問題点は、この間の湾岸のときに五十数%が賛成、四十数%は反対であったということにおいての結論の中で、今や湾岸がこのような形で片づいたという形において、ブッシュの人気が上がる一方、反対であった議員の各位の方々は面目を失った。同時に、アメリカの人気は集中的にブッシュのやってきた方策に賛成であるということの勢いが強くなってきておる。そこで、今度反対に回って、戦争に反対であったということに対応した方々、民主党が特に多うございますが、この方々に対する圧力も選挙区では非常に強くなっておるということも伺っております。それだけに、ウルグアイによって一体どういう対応をするのかというこの対応策も求めていることも、相当に現実の問題としては事実としてクローズアップしてまいりました。それだけに、議会の対日関係は非常に強まってきつつあるであろうということを私は憂えるのでございます。  そこで、結論といたしまして、ウルグアイ・ラウンドに関しましては、昨年十二月のブラッセル閣僚会議で交渉を終結することができませんで、継続ということに相なりましたが、その後、ダンケル事務局長を初めといたしまする関係各国の調整努力の結果、先月二十六日、ジュネーブにおいて公式TNC会合が催されまして交渉が再開されたところでございます。  そこで、米国におきましては、通商法上の一括修正承認手続、いわゆるファーストトラックの延長要請を三月一日にブッシュ大統領が議会に対して行ってきたところでございますが、先ほど申し上げましたように、五月末までの間に議会がこの要請を否認しなければ、最大二年間の延長を認めることとなっておることは事実でございます。しかし、これはあくまでも米国内の問題でございますが、ファーストトラックの延長は事実上ウルグアイ・ラウンドの継続に不可欠な手続でございまして、米議会による承認を期待しているところでございます。  ウルグアイ・ラウンドの成功の重要性に関する認識も次第に国民全般に広がりつつあると感じておるところでございまして、世界経済における我が国の存在が極めて大きいものとなっていることは事実でございます。我が国の果たすべき役割も、 それに対して各国の期待は非常に大きなものがあるということをつとに認識すべきことではないかと私は思うのでございます。こういう状況を踏まえまして、我が国といたしまして当面は、現在ジュネーブにおいて再開されておりまする交渉に適切に対応していくとともに、ウルグアイ・ラウンドの成功に向けて、国際的なイニシアチブをむしろとっていく、発揮していくということこそが、国際貢献の実を上げていくことの一番大きな課題になり、重要なファクターではないか、このように考えるわけでございます。それだけに、今後関係各省庁とも密接な連携を保ちつつ、ウルグアイ・ラウンドの可能な限りの早期の成功裏というものを目指しまして、私どもは一層の努力を払っていきたいものだと考えておる次第でございます。  米の問題は、先ほど申し上げましたように、私も国会での問題点というものを十分に重要であることを認識しながらも対応していきたいと考えておる次第でございます。  以上でございます。

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 通産大臣、退席されて結構です。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 ありがとうございました。  まだ時間があれば、大店法の改正と中小小売商業の共存共栄等についてお尋ねをしたかったわけでありますが、経企庁長官も御出席をいただきましたので、残りあと八分でございますけれども、大きな問題をひっ提げて御質問をさせていただきます。  まず、経企庁長官にお尋ねいたしますのは、実は三点ぐらい用意しておったんでありますが、これはもう一括ということでお尋ねをするよりほかに時間がなかろう、このように思いますのでお許しをいただきたいと思います。  まず、湾岸戦争終結によりまして世界経済が一体どう動いていくか。とりわけ、財政逼迫のアメリカ経済は、軍備調達費等々あるいはまた昨今のファンダメンタルズを調べてみましても、なかなか厳しい状況下にあります。それだけに、いっときリセッションに入ったというようなことになったわけでありますが、湾岸戦争の早期終結から湾岸特需、したがいまして早期回復論というのがここ近々話題になっておる状況であります。しかしながら、世界経済の中心をなすアメリカが今後どのような動き方をしていくかによって世界経済、ひいては日本経済と密接不可分の影響が出てくるわけでありますので、その辺をまずどうおとらえになっておられるだろうか。  また同時に、今月で五十二カ月目に入りました順調な景気、これがイザナギ景気を抜くであろうかどうか。言うならば、本年の我が国の景気見通しを長官はどうおとりになっておられるか。特に、最近のファンダメンタルズの一、二を取り上げてみますと、例えば設備投資等については、民間の調査あるいは三月五日の日銀の短観等におきましては、本年度一・一%前年対比増。従来、ここ三年間、毎年一四から一六%アップの設備投資をしてまいりましたのが急速な減速をしておるところでありまして、これらが今後日本経済の前途にどういうような影響をもたらすのか、非常に懸念をされる数字が出てきておるところであります。  また、あわせまして、物価も極めて世界の最優等国の日本ではございますけれども、消費者物価はここ一、二カ月、一月は四・二%、二月は東京の都区部で三・八%、近来まれに見る高水準。こういうような問題から、人手不足、高賃金あるいは高金利がコストにはね返るとか、いろんな問題がありまして、今後物価の先行きも予断を許さないのではないかとなりますと、アメリカ経済、世界経済、そして日本経済の今後の趨勢いかにということを長官にお尋ねしたい。  五分で御答弁いただくのは申しわけありません。よろしくお願いいたします。

越智通雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(越智通雄君) 藤山先生のもとで薫陶を受けられました経済に強い斎藤先生でございますので、心してお答えしなきゃいかぬかと思っております。  湾岸がああいう格好で終わりまして、世界経済のマイナスファクターは余りなかったんじゃないか、こう思っております。ただ、湾岸がなくても、実は世界経済ここ数年間、ともに国によって違いこそあれ好況を呈していましたので、ここへ来てちょっと先行きが各国とも心配でございます。しかし、それに対しましては、OECDでございましたか、関係者の会議もございまして、本年、一九九一年世界好況という格好にはなるまい、このような見通しでございます。  殊に、先生のお問い合わせの米国に関しましては、昨年の十月―十二月からリセッションに入りました。アメリカ政府の答弁では、大統領経済諮問委員会のドクター・テーラーという方、この方はナンバーツーでございますが、一月に東京にお越しいただきまして私もお話をいたしましたときにも、彼はアーリーサマーという言葉を使いましたが、まあ六月ごろをイメージしているんじゃないかと思いますが、リセッションから抜け出すと、こういうことを言っておりました。大統領の教書におきましても年央という言葉が使われておりまして、リセッションから脱却できる。九一年がマイナスの〇・三、九二年はむしろプラスの三%ぐらいの経済成長を見込む。ただ、湾岸の動きの中で経済企画庁の審議官を派遣いたしまして方々各国に聞かせましたところ、ちょっとそれは延びるんじゃないか、アーリーサマーがアーリウインターになるんじゃないかという懸念があったんでございますが、湾岸の終わり方がこういう格好でございますので、恐らくアメリカ政府の言うような格好でリセッションが終わるんじゃないかと、このように感じております。  ただ、いわゆる双子の赤字の中で、国際収支の方がわりかしまだ改善の努力が見えられるんですが、財政赤字の方は大変厳しい。グラム・ラドマン法をこの間改正いたしました。改正したグラム・ラドマン法では、いつになったら財政赤字がゼロになるかということが書いてございません。現状においての対策はいろいろ書かれておりますけれども、将来的な見通しとしては大変厳しいんじゃないか。そういうアメリカのファンダメンタルズが表面化してきますと、アメリカ経済どうなるかなと思っておるんです。  実は、ここ数日間は大変なドル高でございまして、一ドルが百三十八円ぐらいまでいったかと思います。私ども逆に懸念いたしまして、日本の物価対策としてもちょっと困るし、そのような数字がもしかして反動安が来ると、反動ドル安が来ると怖いなという意味では注意して見ておりまして、昨日あたりから各国の協調介入が始まったという報道もございますが、私まだ確認はいたしておりませんので、対処の仕方を慎重にやっていきたい、こう考えております。  第二に先生の、日本経済の見通しについてでございますが、私ども三・八%の経済成長を平成三年度見込まさせていただいておりまして、これは過去二年間五%以上の成長をした方からいいますとかなり減速感は出てくる。高速道路から時速四十キロのところへ出たぐらいの感じは出てくるんじゃないかなと。成長がマイナスということはめったに日本の経済でなかったんですが、プラス二%でもかなり不況感が漂います。全国平均二%というのは、地域によってはマイナスが立ちまして、あるいは業種によってはかなりマイナスが立ちますものですから、二%まで近づいては困る。ただ、今日の世界経済の中で、日本経済が五%を二年続けられたというのは大変よかった方でございまして、五を超す数字も考えられない。まあ三・八というあたりが一番いいところじゃないか、こう思っております。  その中で、先生御指摘のように、設備投資が確かに一番心配な点でございまして、これはあえて言えば経営者の主観的な判断で決まるものですから、今各銀行あるいは新聞社等の出しております平成三年の設備投資に関する経営者の意向調査、大体一%プラスから二%プラスぐらいでございます。ただこれが、プラスが立っているときには、まあどちらかというと上方修正しまして、昨年でも 十何%になりましたけれども、年初の見込みでは五、六%と答えた方が多かったわけでございますので、ある程度まで上がってくれるかなと、昨年のような設備投資の上昇はありません。そもそも私どもの方では六・八%までしか見込んでおりません。まあ五、六%まで設備投資が上がってくれればいいなと。ただ、これには実は、利益率が下がってきて金利が上がっていますと、利益率マイナスの金利という数字が経営者としては設備投資のときの非常に大きな判断要素でございますので、そこら辺の設備投資誘導の環境もある程度状況によって整えていかなきゃなるまい、このように感じているところでございます。  最後に、物価についての御質問がございました。  確かに、消費者物価はかなり数字が高い。その点では心配いたしておりますが、昨年一・六と考えましたのが三・一%ぐらいに、平成二年度分でございますが、なりそうでございます。原因としましては、昨年前半の円安傾向、それから後半の石油高、そしてこの第四・四半期に入りまして冬場の暖冬異変、これらがいずれもマイナスに悪い方に影響いたしておりますが、本年は、まあ石油の値段に関しましては紛争以前よりもより低い状態に入っておりまして、何とか考えている二・四%いけるんじゃないか。生鮮食料品の影響はこの三月中旬で脱却できると見ております。石油もクルードオイルが下がっておりまして、ただ一時ナフサを中心に石油製品が下がっていなかったものですから、これの引き下げを、通産省初め皆様の御努力で原油とかなりくっついてきました。  あとは一番心配な労賃でございますが、これは春闘が労使の健全な御判断で済めば、本質的な生産性といいますか、そうしたもので吸収できるようなものであれば、このこと自身が大きなインフレ圧力にはなるまい、このように感じております。ぜひとも、物価を安定的に、消費者物価で二・四、卸売物価で横ばいという平成三年度の目標達成に努力をさせていただきたいと思っております。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 ありがとうございました。

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時七分休憩      ─────・─────    午後一時二分開会

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

庄司中日本社会党・護憲共同

○庄司中君 午前中には経済動向とか、そういう点でお話しになりましたので、私は最近とみに懸念を増しております物価問題を中心にして質問をいたしたいと思います。  御承知のとおり、日本の経済は緩やかな調整過程に入っておりまして、そして湾岸戦争も終わりましたし、そしてバルブの調整も行っている。そういう点では健康体を取り戻しつつあるというふうに思いますけれども、一つだけ懸念材料となっておりますのはやはり物価問題であります。先ほど長官の方から大まかな説明がございましたけれども、あの説明を踏まえまして、少し具体的な点に触れてみたいというふうに思います。  まず、御承知のとおり物価が去年の暮れから急に騰勢を高めてまいりました。例えば、国内の卸売物価をとってみますと、十一月から二%で高目の上昇傾向を見せている。先ほどからもお話がありましたように、特に私は問題となりますのは消費者物価だろうと思います。消費者物価も十一月から騰勢を強めてまいりまして、十一月には四・二%、そして一月にはまた四・五%、あるいは東京都の速報でも三・八%というふうに、非常に高い方向に向かっているということでございます。  先ほども長官から説明がありましたけれども、大体そんなに心配することはないんじゃないかというお話でありまして、企画庁の方からはもはや物価の峠は越えたんだというお話も流れてくるわけであります。そうしますと、峠を越えた理由というのは一体何だろうかと。どちらかといいますと、国内的な要因によって動いてきているというふうに見えますので、峠を越えたという理由は一体何だろうかという点をまずお話しいただきたいというふうに思います。

田中努経済企画庁物価局長

○政府委員(田中努君) 最近の物価動向を見ますと、今お話がございましたように、消費者物価につきましては、二月の東京の総合指数で前年比で三・八%の上昇とこういうことでございまして、かなり高い数字になっておるわけでございますけれども、この中身といたしまして生鮮食品の高騰がかなりきいておるわけでございます。二月の東京について申しますと、前年同月比九・七%の上昇になっておるわけでございますけれども、これが一月には二割の増加というようなことで、二割、一割、こういう生鮮食品の高騰が続いております。  そこで、この二月につきまして生鮮食品の上昇分を差し引いて考えますと、前年同月比では三・四%ということになりまして、総合指数でごらんいただくよりは低い数字になるわけでございます。これはもちろん生鮮食品、特にその中核となりますのは生鮮野菜の急騰でございまして、これはかなりの部分が天候の要因に基づくものでございます。昨年の九月からの台風、それからその後の冬における暖冬、それからその後の寒波というふうないろいろな天候の要因が重なりまして急騰しているわけではございます。これ自体非常に重要な消費者物価の要素でございますので、いろいろ対策を打ったりしておりまして注視しているところでございますけれども、これも春野菜の出回り期を迎えまして、漸次落ちつきを取り戻すであろうというふうに一つ考えておるわけでございます。  この生鮮食品を除いた部分につきましても、まだかなり高いではないかということがあるわけでございますが、その一つの要因はやはり湾岸危機に基づきます原油価格の高騰でございます。これが八月から既に原油価格が急騰をいたしたわけでございますけれども、元売の仕切り価格が上昇に転じましたのは九月、十月でございまして、十月が原油価格という点でのピークであったわけでございます。十一月には元売仕切り価格がほぼ据え置きの状態になりまして、十二月以降これが低下の局面に入ったわけでございます。  それで、これはまず卸売物価にあらわれますが、それに続きまして消費者物価におきましても、十二月の下落が消費者物価段階では東京、全国ともに一月から低下ということになったわけでございます。原油価格の急騰に伴います石油製品の消費者物価における動向、これは石油製品三品目ほど物価指数に含まれておりますが、これで見ますと、一月にマイナス一・六、二月にマイナス一・八ということで、連続して既に低下の局面に入っているわけでございますが、元売仕切り価格の方は少なくとも三月までは下落が続くということでございまして、これが四月までの消費者物価に反映されてくる。  そういたしますと、石油の影響はマイナスがこれから続いてくる、こういう状況でございます。そういう点におきまして、今回の湾岸危機に基づきます原油価格の急騰、それに伴ういろいろな波及効果、これは既に峠を越えて、むしろ影響としては物価を引き下げる、消費者物価を引き下げる方向に働く局面に入っている、これが私どもの見方でございます。

庄司中日本社会党・護憲共同

○庄司中君 今のお話を聞きますと、主として国内の卸売物価、つまり物ですよね。主として原油の話でありますけれども。  もう一つ、例えば経済がサービス化を強めてまいりまして、サービスの経済に占めるウエートが大きくなっている。大きくなってきますと、消費者物価に影響してまいりますのは、卸売物価は物が中心でありますからそれはそれでいいわけでありますけれども、原油の動向である程度抑えることができるということは言えるだろうと思います。消費者物価になりますと、経済のサービス化が行われておりまして、サービスの動向によって消費者物価が非常に影響を受けやすいという状況 が片方においてはあるだろうというふうに思います。今はまだ卸売物価、原油の動向だけが原油から石油製品へと、それから消費へという形で説明がありましたけれども、もう一面のサービス価格の動向ということをやっぱり押さえる必要があるだろうというふうに思います。  それで、きょう特に日銀にお願いをいたしまして、日銀が最近開発をされました例の企業向けサービス価格指数といいますか、SPIという問題につきまして、私非常におもしろい指数じゃないか、これからの物価動向を見る上で非常に意味があるんじゃないかというふうに思いました。  それで、日銀の方にお伺いをいたしますけれども、SPIを最近開発されまして発表されたわけでありますけれども、かなり前からの動向をとらえていらっしゃる、あの統計を見ますと。そうしますと、去年の四月ごろからサービス価格の騰勢が、上昇傾向が顕著になっているというのがございます。私が見ました場合には、これは前年比でございますけれども、四―六月が三・六%、七―九月が三・五%、そして十―十二月が三・九%というふうに、かなり高い数字にサービス価格が動いていっているというふうに思いますね。  そして、またさらに品目をとってみますと、下がっているのは金融とか保険とか通信、これはもう料金が下がりましたし、自由化が行われましたから、当然そういうことになるだろうというふうに思います。しかし一方では、上昇しておりますのが諸サービスであるとか不動産賃貸、オフィスの需要、不動産の部屋の需要が非常に窮迫していますから賃貸料が上がってくるとか、あるいは情報サービスであるとか、あるいは物流に非常に関係を持っております運輸とか、そしてさらに広告というのが上がってきているわけであります。特に、この背景をとってみますと、やっぱり人件費の影響が大きいんじゃないだろうか、物流費が非常に上がっているというふうに考えますと。つまりサービスの場合には、製造業と違いまして、何といいますか、生産性でカバーすることが非常に難しいわけですね。人手がどうしても要る。特に、情報サービスやなんかは専門的な仕事ですから、やっぱり需給関係というのは非常に難しいということになります。  ある方面からの話によりますと、例えば不動産の賃貸というのは遅行指標じゃないのかという、つまり消費者物価の先行指標じゃなくて、遅行指標じゃないかという声も聞かれます。オフィスの部屋代が上がりますと、それは当然価格に転嫁をされるということになります。日銀がこのSPIの性格を規定しておりますように、消費者物価指数については先行指標である、卸売物価指数については補完指標であるというふうにあの本の中には規定をされておりますけれども、例えばSPIの最近の動向、そしてあくまでもSPIというのは消費者物価の先行指標であるというふうな性格づけをされておりますが、この先行指標という意味、今でもいろんな議論がありますけれども、そういうふうに思っていらっしゃるのかどうか。その点お聞きしたいと思います。

小島邦夫日本銀行企画局長

○参考人(小島邦夫君) お答え申し上げます。  企業向けSPIでございますが、我が国の経済のサービス化が進展する中で、企業間で取引されるサービスの価格動向を総合的にとらえるという目的で私ども開発した指標でございます。ただいま御指摘のとおり、いわば物の価格動向を示す卸売物価指数のサービス版というふうな格好になろうと思います。  そこで、お尋ねいただきました企業向けSPIと消費者物価指数との関係でございますが、SPIとCPIとの関係がどの程度安定的かといった点につきましては、実はこれSPIを発表いたしましたのがついことしの初めでございまして、過去五年間程度にさかのぼってしか計数がとれておりません。その程度の限られた計数でしか遡及できないということのために、もう少し今後データの蓄積を待って分析を重ねる必要があるかというふうには考えております。  ただ、ただいま先生御指摘のSPIの対象でございます運送料でありますとか、電話料でありますとか広告料でありますとか、それからリース料でありますとか、さらには不動産賃貸料というものにつきましては、CPIの対象品目の製造だとか流通だとかの過程におきまして経費項目として含まれてくるということでございまして、そういった点から見ますと、やはりSPIはCPIに対してある程度の先行性を有するというふうに考えられるというふうに考えております。  以上でございます。

庄司中日本社会党・護憲共同

○庄司中君 SPIを消費者物価指数の先行指標だというふうにしますと、これからの消費者物価指数について一つの懸念材料となっていくというふうに受け取ることができるだろうと思いますけれども、その辺はそういうふうに受け取っていいのかどうかお答えいただきたい。

小島邦夫日本銀行企画局長

○参考人(小島邦夫君) ただいま委員御指摘のとおり、昨年の十―十二月の企業向けSPIでございますが、前年比で三・九%の上昇ということでございまして、その前の期が三・五%の上昇ということでございます。上昇率をやや高めているということでございます。さらに、人手不足の深刻化でありますとか全体としての製品需給の引き締まりの状況が続いておりますので、こういったことが今後物価をめぐる動きということについて引き続き十分注意していく必要があるんではないかというふうに私どもは見ております。

庄司中日本社会党・護憲共同

○庄司中君 ありがとうございました。  それでは、物価に作用します個別な要因につきまして質問をしてみたいというふうに思います。  企画庁の方のさっきのお話ですと、原油の動向というお話がございました。午前中の質問の中にもその点がかなり触れられておりまして、そう心配するような状態ではないというお話でございました。一つだけこれから原油の価格が上がっていく要因を考えた場合に、例えばOPECで今会議をやっておりますけれども、それ以外に考えられる条件といたしましては、アメリカが新エネルギー政策を決定いたしました。そして、その新エネルギー政策の中で、前にアメリカはやったわけでありますけれども、ほっぽり出したわけですけれども、国内のエネルギー開発をやっていく。つまり、国内の石油の開発をやっていくという政策が入ってきております。国内でエネルギーを開発する。アメリカの場合ですけれども、コストがやっぱり中東とは違いますから、国際的な価格がある程度高くなければ開発が進まないという条件がありますよね。そして、ある専門家の話によりますと、その価格というのは二十ドルを超える。ある人によりますと、二十五ドル以上でないとアメリカの国内のエネルギーの開発は進まないだろう、こういうふうな指摘も実はあるわけであります。  湾岸戦争でアメリカが主力になりまして終結に向かったわけでありますから、中東に対する影響力という点からいきましても、戦前よりもはるかにアメリカの影響力が強くなっているというふうに考えられます。ですから、これからの原油の価格の動向の中で、つまりアメリカの新エネルギー政策、国内のエネルギー開発問題、これがやっぱり大きな影響を持っていくんじゃないだろうかというふうに考えられますけれども、この点につきましてはどういうふうに見ていらっしゃるかお話しいただきたい。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(黒田直樹君) 原油価格の先行きについてのアメリカの政策との関係という御質問でございますが、まず基本的に今原油価格というのは、先生御承知のように大体スポット価格、要するに市場での価格に連動して決まるシステムになっております。そういうことで、結局市場での需給関係というのがベースになっていくわけでございますけれども、そのほかにいろいろな心理的要因その他市場でいろいろな要因から決まっているのが現状でございます。  それで、今先生の御質問の中に、今ちょうど石油の需要というのはこれからごく短期的にいわゆる不需要期、石油の需要が少なくなる時期になっていくわけでございまして、そういう状況の中で OPECの閣僚監視委員会というのが開かれているわけでございます。この動向は、今はまだ真っ最中でございまして、どういう形で結論が出されていくかというのはまだわからないわけでございますが、そういう要因のほかに、今先生御指摘のようにアメリカの問題がございました。  確かに、石油の開発という面で見ますと、やはりどうしても中東のコストが一番安いわけでございまして、アメリカの油田、特に小規模な油田開発ということになりますとコストが非常に高くなります。しかも、それがある長期的な見通しのもとで高いレベルが維持されていくということになりますと、なかなか開発、投資意欲というものも出てこないわけでございます。そのレベルがどれぐらいかというのは、いろいろデータあるいは議論があるわけでございますが、むしろ産油国側の方でそういった小規模な油田開発等が行われるようなレベル、あるいは石油以外へのエネルギーに転換していくような限界的な価格のレベルというのは大体二十五ドルから三十ドルぐらいと言われているのが一般的でございます。  それで、今先生はアメリカの政策が価格にということでございましたけれども、最初に申し上げましたように、市場の中で決まっていく、それから全体の需給というのが問題になっていくわけでございます。逆に、例えばアメリカの方で生産がふえるということになりますと、世界の全体の需要がそのときどうなっているか、それからアメリカ以外の生産がどうなっていくかということにもかかってくるわけでございます。例えば、大きないわゆる中東の産油国が大量に生産をし続けるというふうな状況ですと、またそのときの需要によってはそういった価格の維持が難しくなるという面もあろうかと思います。結局、世界の需要と、今申し上げましたようなOPECあるいは非OPEC、いろいろな産油国との供給の状況との相関関係で基本的には決まってくるのではなかろうか、こういうふうに思っております。

庄司中日本社会党・護憲共同

○庄司中君 需給関係で価格が決まるというのは、大体今までも石油ショックの後そういうふうになってきましたけれども、一方的においては、やっぱり上がったり下がったりは困るよという話も実はあるわけですね。そしてまた、それを支える幾つかの要因も実はあると思うんですよ。  そこで、もう一つ考えられますのは、これもいろんなところから言われておりますけれども、サウジが今まではシェアを問題にしていましたよね。おれのところの石油産出量が全体の中でどのぐらいの位置を占めるかということが、やっぱりサウジの一つの経済構造の特徴だろうというふうに思いますね。最近では必ずしもそうじゃないんじゃないか、シェアの問題と価格志向という二つの面をどうもサウジは持ってきているんじゃないかということになりますと、原油が余り上がったり下がったりするのもやっぱり困ると、産油国にとりましては。そして、さっき言ったアメリカのような比較的長期の政策が入ってきますと、恐らくこれからは今のような十ドル台半ばであるとか、そういう状態はちょっと考えにくいんじゃないだろうか。  ですから、需給だけで問題を見るんじゃなくて、比較的これからは中期ぐらいの目で例えば物価を抑えるにしましても考えていく必要があるんじゃないか、私はそういうふうに考えます。消費国にしましても産油国にしましても、需給関係で上がり下がりはある程度あってもいいわけですけれども、あんなひどい大きな流れというのは必ずしもいいことじゃないというのがあると思います。そういういわば中期的な見通し、需給関係だけじゃなくて、今までのパターンじゃなくて、それはどういうふうに押さえていくか答弁願いたい。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(黒田直樹君) 先生御指摘のとおり、物価あるいは経済政策全般の面からも、それから私どもがやっておりますエネルギー政策の面からも、やはり中期的あるいは長期的な見通しのもとに政策を進めていく必要があるということは、もう御指摘のとおりだと思っております。  それで、湾岸危機が始まる以前の状態として世界で一般的に言われておりましたのは、世界の石油の需要というものが特に発展途上国の需要を中心に着実に増加している。伸び率自体がそれほど大きいというわけではございませんけれども、まあ微増という形で世界全体としては需要がふえていく。これに対しまして、産油国の供給というのがだんだん追いつかなくなっていくんではないかというようなことが一般的に言われておりました。したがって、国際エネルギー機関、IEAの議論の中などでも、九〇年代の半ば以降ぐらいにはだんだん逼迫していく可能性が強い、こういうような見方が示されていたわけでございます。  ただ、そういう中で産油国が実際に持続的にどれぐらい生産できるのかという能力につきまして、必ずしも確たる産油国側が情報を提供いたしておりませんでしたものですから、その辺の見通しについていろいろ議論があったわけでございます。今後この中長期的な石油情勢を考えていきます場合に、やはり世界の埋蔵量の三分の二が中東の五カ国ぐらいに集中しているわけでございます。そのうちの二カ国は今回紛争になりましたクウェートとイラクというところでございますけれども、御承知のように、クウェートの油田の復旧というものも、まだはっきりした状況はございませんけれども、もとの水準に戻るにはやはり二、三年とか数年とか、そういった見通しもあるわけでございますし、イラクの方はちょっとまた別の事情にあるわけでございます。  そういうことで、そういった状況も考えながら、しかも一方では、先生御指摘ございましたように、いわゆるOPECの諸国の中での穏健派と言われているところは、いろいろな二次にわたるオイルショック以降の経験と申しますか、そういったものから、どちらかといえば価格の安定性というようなものも志向しつつあるようにも見受けられるわけでございます。  そういうことから、私どもといたしましても、できるだけそういった主要な産油国とは意思疎通をよくしながら、場合によってはいろいろな協力関係の強化というようなものも進めながら、今後とも石油の安定供給に遺漏ないように努力をしてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。

庄司中日本社会党・護憲共同

○庄司中君 これからの原油の需給関係、当面の需給関係だけじゃなくて、恐らく湾岸戦争後の各国の政策みたいなものが絡まって、これが価格の形成にかなり大きい作用を及ぼすんじゃないかというふうに考えられます。  それから、私が物価に非常に懸念を持ちますのは、何といいますか、原油だけじゃないわけですね。例えば、為替レートの問題も非常に大きいわけであります。物価に影響を与えるというウエートから見ますと、こっちの方が大きいだろうというふうに思います。そういう点で、午前中もお話がありましたように、湾岸戦争が終わりましてアメリカ経済の早期回復というやつがはやされまして、そして円が非常に弱くなっている。日銀が介入したという報道もございますけれども、ドル高の傾向が出てきておりますね。アメリカ経済には基本的なところで問題がありますから、これが一直線に進むというふうには思いませんが、原油の問題と為替の問題が複合したらやっぱり大きい。  そして、さっきの日銀のお話にもありましたように、サービス価格がどうも上がってきておる、懸念材料だということがあるわけでありますから、これからもこれらの点につきましては、注意深く素早く見ていかなければならない、物価問題というのは大きいわけであります。設備投資がどうも伸びが小さいということになりますと、頼りになるのは消費でありますから、消費に物すごく影響を持つのはやっぱり物価だろうというふうに思います。この辺は長官を含めまして非常に慎重に、しかも素早い対応をお願いをしておきたいというふうに思います。  もう一つは、物価要因の一つの問題としては、先ほどもちょっと話しましたように、物流費にしましても情報サービスにしましても、やっぱり人件費の問題、人手不足という問題が非常に大きい だろうというふうに思います。これも中期にとってみますと、これは労働省が策定していますように、九〇年代の後半になりますと労働力の供給というのは非常に狭まってまいります。今でさえこれ窮迫していますから、非常に大きい影響を与えていくだろうと思います。  例えば、労働省が集計しておりますような有効求人倍率なんかをとってみましてもずっと去年から一・四ですね。つまり、人が欲しくても採れないという状態が続いているわけでありまして、その点でも物価の問題、物価に影響を及ぼす問題、とりわけ物価のコアの部分として人手不足あるいは賃金の上昇ですね。賃金が上がることは、長官がさっき言いましたように生産性が上がればかえっていいわけでありますけれども、サービス業の場合には必ずしもそういうふうになっていかない。特に、この問題については注意を払っていただきたいというふうに思います。  時間がありませんので先へ急がしてもらいまして、内外価格差問題について二、三お尋ねしてみたいというふうに思います。  三月の五日に最近の調査、去年の十一月から十二月に行われた調査についての報告が出てまいりましたけれども、私もこの報告をずっと読ませていただきましたけれども、総体的には余り変化がありませんね。昨年の三月のと今度の十一月のと変化がございません。そして、そういうことを踏まえましてちょっと質問をしてみたいわけでありますけれども、一番大きい問題というのは、どうも流通に問題がありそうだというふうに思います。例えば、アメリカの銘柄を日本とそれからヨーロッパで売る価格をとってみますと、日本とヨーロッパでは余り差がないんですね。逆に今度はヨーロッパの銘柄をアメリカと日本で比較をしますと、アメリカの方が猛烈に安いわけですね。つまり、流通問題をとってみますと、アメリカと日本を比較した場合に日本はかなり大きい問題があるんじゃないだろうか、こんなふうに思います。  そういう点で、これは通産と公取にお聞きしたいわけでありますけれども、例えば輸入総代理店問題というのが提起をされましてかなりもう長いわけですね。長いわけでありますけれども、例えばブランド商品を見てみますと物すごく違いますね。アメリカと日本では価格の差がありますね。プラザ合意からもう六年ぐらいたっているわけですが、円高は進みましたけれども、それがどうもうまく解決をされていないというふうなことがございます。そういう点で、通産の方が去年の六月に商慣行の改善指針というものを出しましたよね。改善指針を出しましたけれども、実際にはこの周知を図るということだけでありまして、この改善指針が実態面に本当に影響しているのかという問題がございます。これは通産にお答えいただきたい。  それからもう一つは、独禁法の観点からいきますと、公正な取引が行われているのかどうかというのが問題だろうというふうに思います。例えば、公正取引委員会も不公平、不公正な取引方法の規制に関する運用基準、これはまだ原案でございますけれども、去年も提起いたしましたけれども、事実やっぱり価格の差が大きいわけであります。特に、ブランド商品についてはそのことが言えるわけでありますが、本当に公取はその運用基準の原案を出したからいい、それで済んだというふうにお思いになっていらっしゃるんじゃないだろうか。もっとしっかり監視をするとか摘発をするとか処罰をするとかという具体的な手を打つ必要があるんじゃないだろうか。この点について通産と公取の方から御返事をいただきたいというふうに思います。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○政府委員(坂本吉弘君) ただいま御指摘のうち、商慣行の改善に関する私どもの取り組みの状況でございますけれども、昨年六月に商慣行改善指針というのを私ども出しまして、民間の事業者の方でこの指針に沿ってそれぞれこれを実行してもらいたいということで、通産省所管の百四十一団体に周知徹底を図るということをいたしたところでございます。  内外価格差問題を生ぜしめている幾つかの要因の中で、一つの想定ではございますけれども、商慣行の中で、例えばブランドイメージを背景にした希望小売価格あるいは建て値どおりの販売といったようなこともその一因ではあろうかというふうに考えまして、これも一つの改善の要因として策定をいたしたわけでございます。そしてまた、業種別の指針でございますから、私どもの方で、それぞれについて懇談会を設けてその周知を図ろうといたしているところでございますけれども、やはり価格の形成に関しましては、これだけですべてというものではございませんで、そういった点ではこの点も含めて、私ども今後とも各団体及び各企業に商慣行の改善を迫ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

矢部丈太郎公正取引委員会官房審議官

○政府委員(矢部丈太郎君) 内外価格差の発生する要因といたしましては、委員から御指摘いただきました輸入総代理店のほかにも、公的規制ですとか流通機構の零細性、多段階性ですとか、あるいは各種の取引慣行それから地価などのコストの要因ですとか、あるいはまた我が国の消費者の購買行動などもあるかと思います。公正取引委員会では、こうした内外価格差が発生する背景に競争を阻害するような要因があれば、それを排除していくということが重要であると、こういうふうに考えております。価格カルテルですとか、それから小売価格を維持する行為あるいは総代理店が並行輸入を妨害するような独占禁止法に違反する行為に対しましては、厳正に対処しております。  それからまた、その違反行為に対する抑止力を高めるという観点から、カルテルの課徴金の引き上げに関します独占禁止法改正法案を今国会に提出しているわけでございますが、これに加えまして、今後刑事罰の適用ですとか損害賠償制度が効果的に活用されるための措置をとることとしております。  それから、御指摘のガイドラインでございますが、このガイドラインは、違法となる行為を明らかにすることによって違反の抑止を図る、防止を図るということと同時に、一般消費者や取引の相手方にも周知させることによりまして、それが抑止力として働いていくんではないか、こういう目的で考えているわけでございまして、現在公正取引委員会の原案を示しまして、最終的な作成を現在やっているところでございます。  公正取引委員会では、今後とも流通分野におきます効率性、開放性を一層高め、消費者の利益を確保するという観点から公正、自由な競争の維持に努めていきたいと考えておりまして、こうした施策が内外価格差の解消にも資するんではないかというふうに考えております。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 日米経済摩擦についてお伺いさせていただきます。  湾岸戦争が一応終わりを告げ、米国を中心として世界の安全保障について新たな秩序づくりが模索されている中で、日米の経済関係に再び焦点が当たるものと考えられているからでございます。  経済摩擦についてでございますけれども、今非常に大きく取り上げられておりますが、これは実は古い問題ではなかろうかと思います。中尾大臣の御本を読ませていただいた中でも、若かりしころ二年間ワシントンに滞在されて、アメリカ議会に自由に出入りされ、その仕組みについてつぶさに学ばれたという御体験の中で日米経済摩擦についても触れられていらっしゃいます。そのときお持ちになった問題意識が今とほとんど変わっていないことに、私は非常に感銘を受けたんです。初めは繊維、次いで鉄鋼、自動車というふうに日本の安い製品がアメリカの市場を乱すことからくる個別の品目ごとの摩擦であったと思います、当初。次いで、アメリカ側から今度は日本の市場に参入しようとするときにさまざまな問題にぶつかる。その難しさについてのアメリカ側の不満が高まり、特に工作機械、情報産業、アメリカの得意としていたこの分野においても、競争力において非常なフラストレーションを感じ始めたアメリカは、最終的には日本の政治、経済だけではなくて、政治、社会、仕組みそのものに焦点を当てた話し合 いの場が持たれるべきではないか、そういうことで日米構造協議が開かれております。こうした一連の経過の中で、日本の市場開放は現実には少しずつ進み、関税のみならず非関税の障壁も次第次第に排除されてきたのだというふうに思います。  しかしながら、こうした改善と反比例して日米間の経済摩擦が強くなっている理由は何か。通産大臣そして経済企画庁長官もお考えがございましたらお聞かせいただきたいと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) ちょうど二十三、四年前ころからでございましょうか、私もただいま広中委員に御指摘いただきましたように、三つくらいの段階で日米関係の推移と申しましょうか、そんなものをいつも感じておるのでございます。これは、私の二十代の若かりしころとは別にしまして、国会に出てから二十四、五年たつわけでございますから、そのころからの推移を見届けただけでも三つくらいの起伏があったような感じがいたします。  一つは、やはり日米関係がちょうどある意味において山場を迎えてくるといいましょうか、一番当初私が言われましたのが、かれこれ二十何年か前にアメリカの上院下院を問わず不満の不定愁訴として上がってきたのは、百億ドルのトレーディングインバランスを超えていくような状況の場合には、我々は黙って見ているわけにはいかないというのが大体共通の認識だったような感じがいたします。百億ドルの前までのインバラだったらば、当然のこと疲弊し切った日本がこれだけ回復途上にあり、そして我々はそのオープンマーケットのオープンソサエティーであるだけに、日本の、言うなれば模倣作品であれ、あるいは海外から資源を求めてそれを再加工し、それを外国に輸出する、それを買っていくことに全くやぶさかではないし、それがマーケット、市場であろうという観点から百億ドルまでは我慢できるという認識から少しく脱却してきたころには、その百億ドルをはるかに超えていく時代がそのころであったと思います。  かというて、決してそれによって日米間が行き詰まったというのではなく、むしろアメリカの方が私の観点からは譲歩が相当に見られまして、そしてどちらかといえば再加工し輸出してくることも結構。しかし、すべて原点を追って考えるならば、テレビにしても自動車にしてもハイテクノロジーにしても、もともとはといえばすべて欧米社会でつくっていったものを、いわゆるクリエーティブな頭じゃなく、言うなればブレーンストーミングといいましょうか、日本の国はそれなりに非常にスマートな頭のいい国民ですから、それを物まねする、物まねと言うとおかしな言い方でございますが、まねていく。テレビでも原点は、部品は何ら変わっておらないけれども箱だけを変えるんじゃないかと、そして最後には、それをさらに延長線上に乗っけて、こちらからチャンネルをぱちっとやれば画面もぱっと変わるというようなものまでもつくっていって、今度は再輸出する。そのためにアメリカにはとうとう原点としてのオリジナルなテレビさえもつくる会社がなくなってきたと。テレビをつくる会社がないということを日本人が何人知っているだろうかと言われ続けた時代もございました。  さはさりながら、そのころにはまだ非常にジェネロシティーがありまして、しかし日本の国もそういう問題は抱えておるだろうから、むしろ日本の国のハイテク産業や、あるいはビデオ産業、テレビ産業、自動車産業がどんどんアメリカに進出してきてくれて、そしてアメリカ人を使ってくれればいいんだと。そうすれば、ある意味においては我々自身の生きるべき道もある。そういうコーディネーションというものは考えられないだろうかといった時期もしばらく続いたかと思います。  そのころも、私は非常に危機感を感じておりましたから、もうそれが十四、五年前でございましょうか、私もアメリカの議員団六十三名でございますかね、日本にチャーター機三台でこの国会へ呼んだことがございます。で、ディビジョンを五つに分けまして、農業それから貿易さらに防衛というような問題に幾つか分けまして、科学問題も入りましたが、そこで自由民主党のみならず社会党、公明党、民社党各位の方々に全員いろいろと代表お出になって賜りまして、ちょうどこの国会が閉会中でございましたから、ここを五日間借り切りまして、そしてディベーティングを各ディビジョンでやっていただいたことがございました。  そのときに、私は貿易委員会のメンバーの言葉で非常に思い当たることが一つ二つございました。といいますのは、何名かのアメリカの議員は日本の鉄鋼関係の会社へ連れていってくれと言って、鉄鋼会社に私どもが御案内申し上げましたらば、そのスピードの速さ、生産性の速さ、そしてまた活性化、こういうものに物すごく驚きの声を出しまして、我々はこれではいかに何でも古いものにしがみついておった、我々の方が間違いであったことに気がついたと、こう言ってお帰りになった覚えもございました。そのころの議会人は、十数年たってみますると、昨年私も久方ぶりにアメリカの議会を訪ねまして、ずっと歴訪してみましたけれども、そのころのお年を召した議員の方々はほとんどおやめになっていまして、そしてお若い議員、ジュニアの議員がたくさんお出になられて、ああこんな議員もいたのかというような感じさえも私は当時受けたものでございました。  そのような局面、まだその点は大きなジェネロシティーを持って日本を抱えておったアメリカが、辛らつにしかも深刻に、しかも日本に対してもうディフェンシブな考え方ではなくアタックするような構えで出てきたのは、十年この方ずっと潮のような勢いが続いてきたような感じがします。それが歳々年々そのように続いてきたと私は思っておるのでございます。それが目下日米間の一番大きなフリクションにつながったと私は思うわけでありまして、その意識において私は単にアメリカを責めるという気持ちにはなり得ない。  というのは、私の暫時の体験的な姿からそのように感ずるので、オーバーラッシュ的な日本の、どちらかといえばアメリカの俗的な一般の国民からいえば、一体どっちが戦争に勝ったのか負けたのかと、私の陰でふっと言うようなことをひゅっと耳にすると、アメリカ人もそういう心情はあるんだろうなと思わざるを得ないような心境もございました。かといって、私は決して決してプロアメリカだけではございません。むしろ、国際的視野に立ってなおかつ日本を忘れない、こういう土壌というものをいつも私は若い青年層には訴えておるのでございます。そういう中にありまして、今委員のお言葉でございますから、これは感想として述べろと言いますので、一つの感想として私も申し上げました。  我が国自体は、御案内のとおりに一九八〇年代を通じて累次のアクションプログラムの実施、それから前川レポートに基づく経済構造調整の推進によりまして、日米経済摩擦の解消を念頭に置きつつ市場開放に努めてきたと、こういうわけでございます。アメリカにも問題はございます。しかし、世界の全体的な常識から見て、日米間のどちらが相当得手勝手なことをやっておるかということを俎上にのせられて多国的に訴えられた場合には、相当日本に対する厳しい声が世界にあるということは私は断定しても結構だと思っておるくらいでございます。  そういう中にあって、八〇年代前半に実施されましたアクションプログラムは、主として関税率の前倒し引き下げ等輸入の水際措置を対象としてまいったと思うのでございます。当時のドル高等を背景に日米貿易収支の不均衡がさらに拡大したという観点から、八〇年代後半には前川レポートに基づく内需拡大というものを中心といたしましたマクロの経済構造調整を行ってきたわけでございます。こうした結果、我が国の工業製品の関税率が主要先進国の中では最も低い水準を達成いたしまして、また輸入面でもアメリカからの対日輸出増加額は最近三年間の合計で大体二百三億ドルというわけでございます。一九九〇年のアメリカから英国向けの輸出総額に匹敵する規模になって まいったと、こういうわけでございます。  他方、八〇年代を通じまして、経済活動の国際化、世界貿易の拡大というものが一層進展いたしまして、日米の相互依存関係がますます深まってきましたことから、単なる水際措置あるいはマクロ政策のみではございませんで、日米それぞれの政府のハーモナイゼーションあるいはミクロの国内経済構造にまで踏み込んだ対応が必要となるに至ったと、こういうわけでございましょう。こうした摩擦の性格の変化を背景といたしまして、一九八九年以来日米間の双方向の対話といいましょうか、日米構造問題協議に取り組んできた、またその時代に入ったと、こう言っても間違いはなかろうと思うのでございます。  日米関係は、我が国にとりまして最も重要な二国間関係の一つでございまして、今後ともその相互依存関係を深めていくものと考えられる次第でございます。その過程で、今後とも時には摩擦を生むこともございましょうが、また予測もされますけれども、両国間の緊密な対話、協調、協調というのは極めて大事でございまして、この協調を通じてこれを克服する以外にはない。そして、お互いに相手の立場で考えてやる気持ちと申しましょうか、そういうものを考え合いながら、克服するものは克服し、健全な二国間の関係を発展させていく以外にはお互いのレーゾンデートルはあり得ないというように私は解釈するものでございます。  幾つかの変遷もございました。しかし、決してデスパリットな変遷ではなくお互いにコーディネートしながら、協調しながらともどもコエグジステンスでき得るという可能性というものを十分秘めた日米間の関係である、またあり得ると私は確信を持って眺めておる次第でございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 大変いいお話をありがとうございました。  今現在でございますけれども、アメリカが構造協議で求めているのは何か、日本は具体的にいかにしてそれに対処していけるのか、そういうことについて通産省の側から総括的なお話を伺いたい。

畠山襄通商産業省通商政策局長

○政府委員(畠山襄君) 現在、日米構造協議はフォローアップの段階を迎えておりますけれども、その中でアメリカ側が主張いたしておりますことの主な点は、第一に、日本の経済構造、産業構造の中で系列の問題をどうするかということであります。それから第二に、やはりそれにも関連いたしまして、日本の競争秩序の確立を求めているということ。それから第三に、流通の問題でございますが、この問題については先ほど来御答弁申し上げていますように、大店法の改正その他で手を打っておりますので、主として第一点、第二点の、系列の問題それから競争構造の問題、そういった点が今主眼になっているところでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 これの対応の仕方はどうなんでしょうか、大変に難しいような気がいたしますけれども。

畠山襄通商産業省通商政策局長

○政府委員(畠山襄君) 確かに、例えば系列と申しましても、簡単に申し上げるといい系列、系列のいい側面と悪い側面とあるわけでございまして、長期的な企業の経営視野に基づいて製造業者と流通業者の関係ができているというようなことが、必ずしも否定的なものとばっかり解釈されないわけでございます。したがいまして、その系列の中の悪い側面、例えば仮にそれが独禁法に違反するようなことがあるとすれば、そこについて独禁法の厳格な運用をしていくとか、そういうことで対応していけばいいのではないかというのが私どもの基本的な立場でございます。  それから、無論競争のより一層の促進という観点からは、公正取引委員会が独禁法の改正案その他を、例えば課徴金について強化の方向でつくろうとしているというような対応をしているところでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 いわゆる行政指導とか、それから規制でございますね、それは競争の阻害要因として問題提起されておりますでしょうか。

畠山襄通商産業省通商政策局長

○政府委員(畠山襄君) 行政指導そのものが競争の阻害要因として取り上げられているということはございませんけれども、行政指導が競争を阻害しないようにするということは、今回アメリカから指摘されるまでもなく、従来から私どものとっている方針でもございます。向こうが今特に行政指導に関して言っておりますのは、その透明性の確保でございます。したがいまして、私どももできるだけその行政指導の内容を公表するといいますか、できるだけ文書化もしていくという方向で対応をしているところでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 少々古い話になるのかもしれませんけれども、ウルフレン、オランダのジャーナリストとか、アメリカのファローズとか、プレストビッツ、チャルマス・ジョンソン等、こうしたいわゆるリビジョニストと言われる人たちが日本社会の構造的閉鎖性を指摘しているわけです。日本は自由主義経済というふうに表には言っているけれども、しかし制度的には西側とは非常に違うんだと。向こうのそういう言い方にも理があるようでございまして、私などから見ましても、例えば円高になってもちっとも輸入がふえないとか、それから週休二日制ということになりましても実際の労働時間は減らないということで、つまり生産性は以前にも増して上がってしまうといったようなことで、要するにどういうふうに対応していいか西側としてはわからない。もうこうなったら、これはウルフレンだけの結論かもしれませんけれども、日本に対しては、いわゆる自由主義体制の一員として扱うのはやめて、別口に扱った方がいいんじゃないか、日本には管理貿易をといったような声があるわけでございます。通産省のお立場としては絶対に否定なさりたいところだとは思いますけれども、今度は両大臣お答え、まず経済企画庁長官お答えいただけますか、御感想を。

越智通雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(越智通雄君) 広中先生にお答え申し上げます。  管理貿易という声が一部の国にある時期起こっていたことも知っておりますけれども、もう先生御高承のとおり、日本は原料を輸入して加工して製品を他国に売る、そういう経済の仕組みでございますので、もう世界各国とまんべんなく自由貿易でやらせていただかなければやっていけないという意味におきましては、管理貿易というのはもう何としてでも受けとめるわけにはいかない。今、いわば一種の日本特殊論みたいなのがあるという御指摘もございました。  ただ、アジアの国の中におきまして一番西欧文明に近づいているのは日本でございまして、アジア全体の中では大変開けた格好をとっているわけでございますが、最後にやっぱり西欧の方とアジアの方との間に、何と申しますかフィーリング差というのがあります。そういう点は私どもが心して努力して、それを乗り越えて世界経済の中の一員に本当に認知してもらえるようにしなきゃいけないんじゃないか、このように考えております。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) 私は、広中委員に率直に申し上げますが、二十余年前に田中内閣総理大臣がグアム・ドクトリンというのを当時のアメリカの大統領ニクソン氏と発表したことがございました。その八項目かと私は記憶するんですが、それは定かでございません。  我々お互いにオープンソサエティでいくことを堅持する。しかし、その堅持する中において我々の次のチャレンジは、クローズドソサエティー、閉ざされた社会をオープンソサエティーにもっていくことに我々のチャレンジの意義があるということを確認し合っていることだと思いました。そのオープンソサエティが世界の中における自由マーケットとともに大きな意味において功を奏していることは、この一昨年の出来事以来ずっと見ましても、言うなればそれがナチュラルテンデンシーと申しますか、当たり前の動向であったんだなとも言えると私は思います。  そういう中にあって、米国の一部に日本が米国等と異なったルールで経済が支配されている等の特殊性を特に指摘いたしまして、そして、先ほど言われました対日貿易の管理貿易の導入を主張する声があることは私は十分承知しております。  しかし、もちろん今経企庁長官からお答え賜りましたように、文化面におきましても日本も各国と同様に固有の特色を有するのでございますから、経済面では、日本経済は市場メカニズムという、米国等と同一のルールにより動いておりまして、特殊なものではないと考えておるのでございます。また、日米間における管理貿易の導入は、世界が目指している自由貿易の実現を妨げかねない結果になります。世界経済に深刻な影響を与えるものであることも事実ですし、全く不適切なものと考える次第であります。  したがって、米国行政府も、本年二月の一九九一年大統領経済白書におきましても、管理貿易は経済の弾力性を減じている、生活水準を低下させるとして、これに絶対反対の立場を明快にしておる次第でございます。我が国は、ウルグアイ・ラウンドの成功等を通じて、より自由でより開放的な世界経済システムの実現に向けて、最大限の努力を傾注していくことが最も肝要であろうと考える次第でございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 ウルグアイ・ラウンドにイニシアチブをとるというふうに先ほど同僚委員の御質問の中でおっしゃいましたけれども、日本は具体的にどういうことをなさるおつもりでしょうか。  例えば、農業問題でございますけれども、保護度というんでしょうか、アメリカもECもそれぞれに保護政策をとっておりますけれども、比較をいたしますと、日本がやはり保護の程度は一番高いということでございます。この農業保護に関しては、保護をしてほしい団体というのがいっぱいございます。また、そのほか地場産業、これは農業じゃございませんけれども、先ほどの御質問にもありましたように、それぞれさまざまないわゆる伝統産業と称するそういうところからの反対の声もある。そういう中で、どのように調整していらっしゃるおつもりなのかお伺いいたします。

畠山襄通商産業省通商政策局長

○政府委員(畠山襄君) 農業の各国の保護の状況でございますけれども、今広中委員は日本が一番保護の程度が高いという御指摘でございましたが、まあ最近日本も相当農産物についての自由化は進んでまいりまして、例えば関税率にいたしましても、日本の農産物の平均関税率は九%であるのに対して、ECは一二%でございます。アメリカの場合は御指摘のように三%ということで低うございますが、関税率はECよりは低いというようなことがございます。  また、輸入制限の品目数でございますが、アメリカはウエーバーで十四品目もございます。日本もだんだん減らしてまいりまして、今たしか十七品目かなんかでまあ似たり寄ったりの品目の数になっておる。そして、かつアメリカがよく言いますように、結果はどうなんだということで言いますと、日本は世界一の農産物輸入国ということでもございますので、特定の品目についての御指摘のような閉鎖性の強さはございますけれども、一般的な水準からいたすれば、そうそんな閉鎖的にはなっていないんではないかというふうに私どもは見ております。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) 農業問題は、農水大臣おられることでございますから、これはその担当にゆだねることにいたしまして、特にどうやってイニシアチブをとっていくのかという問題、例えばガットの信頼性を損なう代表例として挙げられる一方的措置の封じ込めのための対応などが挙げられるのではないか、こう思うのでございます。  例えば、一方的措置を封じ込めるためには、まず現在のガットの紛争処理手続の改善強化、このようなものが必要でございましょう。ちなみに、現在の紛争処理手続におきましては、パネル報告の結果について、不利な判定を受けた国を含めて、全参加国の合意がないと採択されない仕組みになっておることは、委員十分御存じのとおりでございます。通産省としましては、こういう問題を迅速にかつ的確に、友好裏に改善して紛争処理を行うことができるように積極的に対応していきたい、こういうようなことが必要だと考えておる次第でございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 ちょっと話をあれですけれども、日米経済摩擦の中で、多くはかなり感情的な部分もあるような気がいたしまして、日本がかつてはアメリカの弟子であった。弟子が先生を超えるといったようなところにかなりのフラストレーションがあるんではないかというような気がします。  アメリカの産業の競争力について、例えばアメリカ国内でもMITIの産業生産性調査会の提言などがございますけれども、日米構造協議の場で日本はアメリカにどのようなことを要求していらっしゃるのか。そして、アメリカという土壌の中でどのようなリーダーシップが発揮されてそれが実行されているのか。  何か日本でマスコミからの情報を伺ってみますと、日本だけが言われっぱなしといった印象を受けるんでございますけれども、アメリカの政府だけではなくて国民全体が、そして政治家もどのように受けとめているのか伺いたいと思います。

畠山襄通商産業省通商政策局長

○政府委員(畠山襄君) 日本がアメリカに構造協議の中で要求している事項の主なものを申し上げますと、まず海外からのアメリカへの直接投資、これがアメリカの産業の国際競争力を強めるわけでございますので、その直接投資に対する制約といいますか、そういうものを除去しろ、あるいは開放的な投資政策を堅持しろということを要求いたしております。これに対しては、アメリカの政府も、主として財務省が中心になりまして、そういう開放的な政策を堅持するということを主張しております。これに対して議会はかなり閉鎖的な法案を時々出している。ただ、アメリカ政府はそれに拒否権を行使しているという状況でございます。  それから、製造物責任制度がございますけれども、アメリカは非常に煩瑣でございます。各州ごとに違いまして、これが企業の競争力を弱めているという面があるものですから、これを少なくとも全国統一されたものにしてはどうかということを提案をいたしまして、先方もそうしようということで法案を出しました。出しましたけれども、この前議会の中では審議未了になっております。これは遺憾な点でありまして、また引き続きそれをやってもらうということで強く要求をいたしているところでございます。  また、メートル法でございますが、アメリカだけがメートル法を採用していないものですから、アメリカの品物が日本のあるいは世界のマーケットに合わないということがありますので、メートル法に統一をしてもらうようにということを言っております。先方は、一九九二年に政府だけメートル法にします、しかし民間についてはまだしません、しませんといいますか、民間の勝手にしておきますというようなことを当初言っておりました。それが最近になって非常に民間側にもメートル法を採用しようという意欲がわいてきているそうでございまして、この点は進歩であろうと思っております。  全般的に米国産業がとかく短期的な利益を追求しがちでございますので、例えば四半期ごとの決算の報告義務がございますけれども、ああいうものを直してはどうか、少なくとも半年に一回とかあるいは一年に一回とかそういう程度に直して、多少長期的な視野で経営が行われるようにしたらどうかということを言っております。これに対しては、しかしアメリカの政府は反対をいたしておりまして、なぜ反対かというと、株主の保議のために必要なんだということを言っております。ですから、私どもとしては、アメリカの貿易収支なりなんなりが一番大事なのか、それとも株主の利益が大事なのかということで、貿易収支の重要性をもう少し重く見てほしいということを要請しているところでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 先ほどアメリカは結果主義だというお言葉がありましたけれども、市場開放を結果主義から見ると、やはり何といっても貿易黒字が解消することだろうと思います。もしそのような方向に行ったといたしましたらば、単にアメリカだけではなくて世界各国との貿易黒字でございますけれども、日本の経済はどのような影響を受けるんでしょうか。

堤富男通商産業省貿易局長

○政府委員(堤富男君) まず、貿易黒字の状況を簡単に御説明いたしますと、一番新しい九〇年の統計では五百二十一億ドルの黒字を出してございますが、これを国別に見ますと、アメリカが三百八十億、香港がそれに続きまして百九、シンガポールが七十一、あと台湾、ドイツ、韓国なんという国が続いております。  それから、時間の流れでいきますと、八五年の俗に言いますプラザ合意、大きな円高への動きがあって以来、大変収支状況は着々と改善をしているわけでございます。特に、輸入の方の改善が大きくございまして、通関ベースでいきますと、当時八五年のとき二百三十九円でございましたけれども、千三百億ドルぐらいの輸入をしておったものが、九〇年で見ますと約二千四百億ドル、約倍増しておるわけでございます。  そういう意味では、黒字という動向が少しずつ改善をしておりますが、まだ依然五百億ドルという数字はそう小さい数字ではないと思っております。これが今後どういう方向で改善していくのかどうかというのが一つの大きな方向となると思いますが、その中でやはり輸入の増加というものを我々が少しずつ図っていく必要があろうかと思っております。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 お伺いしたかったのは、その後の問題で、大変難しい問題かもしれませんけれども、日本が輸入を図っていった場合、輸入を増大していった場合に、国内産業に与えるインパクトを含めまして経済にどのような影響があるかということです。

越智通雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(越智通雄君) 大変設定の難しい議論でございますが、日本の黒字、アメリカの赤字が減る場合に二つあるわけでございますね。  アメリカから日本に対する輸出が大変にふえていくというケースが今御指摘の点でございまして、今向こう側が売りたい物、それは日本の産業に対しましてかなりインパクトの強いものでございます。農産物系統でございます。この格好で日米間のインバランスが直っていった場合には、直した場合と申しますか、日本経済の局所的な摩擦は非常に大きいんじゃないかなと、こういう感じがいたしております。  でも、日本のアメリカからの輸入は一生懸命ふやしてはおるわけでございまして、インバランスが直らない原因は、それにつれて向こうがどんどん買ってくださるからという格好でございますので、もしアメリカ側が日本からの輸入を何らかの格好で非常に制限した場合、それは日本の経済成長に対しまして、一応外需の寄与率は今マイナスが立っている程度でございますから、ひところのような大きなインパクトはないとは思いますけれども、やはりその分だけ大変日本の経済成長にとってはマイナスファクターが出てくると。それ以上に、実はアメリカ経済の方が、そういうことがなかなかしにくいような仕組みにまでアメリカにとっての日本からの輸入がビルトインされてしまっているんではないだろうか、こんなふうに見ておるわけでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 そういうことを私も感じますし、つまりこの貿易の関係を日米間、バイラテラルで見た場合には非常に難しい問題があると思いますけれども、もうちょっと視野を広げて、特にアジアNIESなどとの貿易を考えられたらいかがかと思います。  日本がどのような国に黒字をつくっているかということを見てみますと、結構アジアの国々そしてECの国々があるわけですけれども、そうした特にアジアの場合、日本と競合しないような結構品物があるんではないか。そちらからもっと製品輸入をしてあげることによって、アジア経済を活性化するという形で貢献することができるんではないかと思いますけれども、現実性のあることなのかどうかお伺いいたします。

堤富男通商産業省貿易局長

○政府委員(堤富男君) 確かに、アジア諸国との関係では、日本側が黒字になっているケースが多いわけでございます。  ただ、一方で日本側からの輸出の多くは、アジア諸国のいわば生産財になるような、人間で言いますと筋肉になるような部分を輸出しているということがございます。その結果、アジア諸国のいわば経済発展というのは、最近世界の成長センターと言われるような非常に大きな発展をしておるわけでございます。  他方、アジア諸国あるいは発展途上国からの製品輸入状況を見ますと、これも最近五年間で、製品輸入だけでございますが、百億ドルから三百三十億ドルになる、約三・三倍の増加ということでございまして、これは日本という市場がいわば発展途上国に対して市場を提供するという形での国際貢献をしておるという状況にあるわけでございます。  ただ、こちらに輸入される製品は、例えば繊維製品のような物もございます。これは国内産業との関係でなかなか難しい問題がありますけれども、最近この繊維につきましても二・八倍に五年間で伸びておる。さらに、これは一部日本企業のLDCに投資をした逆輸入という格好をとってきておるのが一部あるかと思いますけれども、機械関係の輸入、部品などの輸入というのも、これも最近五年間で四・五倍という増加状況にあるわけでございまして、大きい意味では、補完関係にある中でアジア諸国との関係は発展をしていけるのではないかと私は思っております。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 私は、国会に、政治の世界に入れていただいて五年目になりまして、最初の入った年でございましたか、予算委員会で初めて消費者の立場から質問させていただきたいということで、予算委員会で質問をしました。  そのときに、円高差益が十分に品物に反映されていない。そのほか、さまざまな消費者の視点から見たらおかしいことがあるわけでございます。なぜなのか、なぜ日本の消費者が余り文句を言わないのかということで、私なりに考えてみますと、円高のおかげで、徐々にではありますけれども、差益も還元された結果なのかどうか。少なくとも物価は長いこと上がらなかったし、そして経済全体が上向きになっていたために給料も高い、そして失業もほとんどないと言っていいほどである。そういう状況の中で、満足度が高いのかなと思ったわけですけれども、しかし何といっても、日本のいろいろな仕組みを見ておりますと、生産者中心というんでしょうか、業界中心であって、消費者が無視されているのではないか、そのような感じを非常に強くしたわけでございます。  経済企画庁としては、消費者のためにもいろいろ御努力なさっていらっしゃるのではないか。例えば、国民生活センターなども設けていらっしゃいますけれども、そのほかどのような努力を今まで払っていらっしゃるのかお伺いいたします。

越智通雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(越智通雄君) 先生御指摘のように、消費者の立場に立っての政治というか、行政があるべきだ、このことにつきましては、佐藤内閣の半ば、昭和四十三年に消費者保護基本法というのをつくりまして、そのときに総理大臣を長とする消費者保護会議というのをつくりました。年々会合をいたしております。特定の官庁を消費者のために考えるというよりは、全官庁の中に消費者のスタンスから物を考える態度を要求した方がよりよかろうという発想でございますので、ほとんど全閣僚に近い十七閣僚を網羅して会議をいたしておりまして、各省いわば各つかさつかさでその考え方を持っていただきたい。しかし、その中におきまして、経済企画庁は国民生活局というのを持ちまして、国民生活審議会をいただいておりますので、その中心としてやっていかなきゃならない。  今おっしゃられました国民生活センターなどではいろいろな事業をいたしておりまして、一生懸命、殊に消費者に対しての情報提供とか、それから不当な売買についてのチェックとかいたしておりまして、平成三年度におきましてもかなり予算を拡充いたしまして、機能の強化を図っているということでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 情報提供ということでございますけれども、どうも十分でないような気がして仕方がないんです。きのう、たまたま国民生活センターから出されている大変いい小冊子がございま して、本当にいいことをいっぱい書かれているんですけれども、その発行部数ということで伺いましたところ大変少ないんですけれども、ちょっと実情を御説明いただけませんか。

加藤雅経済企画庁国民生活局長

○政府委員(加藤雅君) 御指摘の「国民生活」という雑誌は月刊でございまして、発行部数は三千部でございます。ただ、国民生活センターでは、このほかに「くらしの豆知識」という、これは年一回発行しておりますが、二十二万五千部出ております。それから、そのほかにここに「たしかな目」という雑誌がございます。これは今隔月刊でございまして、毎号三万一千部ずつ発行しております。隔月刊でございますので、先ほど大臣が申し上げましたように、予算の拡充に伴いましてこれを月刊にしようというふうに考えております。そのほかにも、ラジオとかテレビ番組を提供しますとか、それからここに「データ・バンク」という雑誌がございますが、こういう雑誌をもちましていろいろな情報を消費者に提供しているところでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 御努力を大変評価いたしますけれども、日米構造協議で非常に危険だと思いますのは、現在の仕組みを強引に変えようと思いますと、どうしても国内の中の摩擦というようなこともあって、それが翻って対米への悪感情になる、そういうふうなこともあるわけでございます。  そういう中で、何かいい考えはないかなと素人なりに考えるわけですが、日本で流通機構が非常に複雑だというふうにされておりますけれども、例えば私は、どこでもよろしいんですが、沖縄でも北海道でもどこの島でも、または幕張メッセでもどこでもよろしいんですけれども、見本市会場のもっと大型のものを、そして直輸入、直販といったような、そういったサンプルをつくっていただければ、わざわざ日本人は大挙して海外に買い物ツアーに行くこともないんではないかと。大変それも楽しみの一つかもしれませんけれども、少々ひんしゅくを買っている部分もあったりでございまして、海外に行かなければそうした楽しみが味わえないというのも残念なことでございますので、そういった新たなお取り組みなどもお願いできればと思うんですが、いかがでございましょうか。

堤富男通商産業省貿易局長

○政府委員(堤富男君) 委員御指摘の点は私たちも大変理解を進めている点でございまして、既存の流通過程をそのまま無理に通して物を売るという点はなかなか難しい点もあろうと思います。したがって、むしろ物を先に見せてそれを消費者にお分けするということになるといいんではないかと。  その候補といたしましては、例えば個人輸入を進める、カタログで注文すると簡単に輸入のそういう商品が買える。ただ、これはまたいろいろにせ商品だとかということでだまされるようなこともあって、信頼性も重要でございますが、そういうことも私たちの方で製品輸入促進協会というのがございますが、そこで大変力を入れてやっております。  それからもう一つは、並行輸入というような格好で進めるという格好もあろうと思います。もう一つ先生のおっしゃった見本市というんですか、見本市で関税をかけずにその場で即売するというのは、今度は関税法上の問題があります。関税法は先ほど御説明がありましたが、必ずしも日本の大きな障壁にはなっておりません。  それで、余りフリーにしてしまいますと、安全性とかそういう点はやはりまた国の目が届いた方がいいという消費者の声もございますので、そういう点は当然チェックをしながら、最近考えておりますのは、国際総合流通センターという今構想がございます。これは全国に十一カ所今名のりを上げておりますが、日本の卸売業者あるいは小売業者と外国の輸出業者とが同じ建物の中に入りまして、その中で自分たちの商品を見せていく、すぐにそこで即売をしていくというような形で、むしろいい輸入品をたくさん集めてすぐにそこで販売ができるというような構想も進めております。  先生のお考え方には我々も賛同しておりますので、むしろこういう構想をよろしく御支援いただければありがたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 午前中も取り上げられましたけれども、去る二月九日に起こった関電美浜原発二号機の事故は、SG細菅がギロチン破断し、放射能を含んだ一次冷却水が大量に二次側に漏れ出し、ECCS、緊急炉心冷却装置でありますが、これが作動するという大事故でありました。もし一歩対応を誤ればスリーマイル島事故のような惨事になるところでありました。  これに対して、私、二月十二日に直接中尾通産大臣にお会いをいたしまして、そして原因の徹底究明と抜本的かつ全面的な総点検、そしてその調査結果の公表などを緊急に申し入れさせていただきました。大臣もそれを約束していただきました。  そこで、午前中の議論の上に立って質問いたしたいんでありますが、細管のギロチン破断の原因は、振れどめ金具、以下AVBと申しますが、これの接着ミスということが報ぜられております。二号機の使用前検査から始まって、これまでの十数回の定期検査の際にこの振れどめ金具の点検はどうなっていたのか、まず伺いたいんです。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。  美浜二号機の件につきましては、まず昨日でございますが、今先生お話のございましたように、原因究明を精力的にやってまいりまして、金属破面の調査の結果、疲労の破面が見えているということ、それからAVBが設計どおり入ってないというような報告がございまして、それをあわせて評価いたしまして、高サイクル疲労による破断に至った蓋然性が高いんじゃないかというふうに評価しているわけでございます。  それで、本件につきましては、今振れどめ金具が設計どおり入っているかどうか確認する必要があるということでございまして、関西電力に対しまして、美浜二号機、これについては実地に検査、調査しなさいと、それ以外のものにつきましては過去のいろんな記録がございます、それについて検査をしなさい、調査をしなさいと報告を求めております。  それで、本件でございますが、使用前検査、定期検査につきましては、まず使用前検査は相当前の二十年前につくられたものでございます。そういうことで、耐圧部分についての検査その他は法令に基づいてやったわけでございますが、AVBについての検査というのは当時ございません。それから定期検査でございますが、定期検査につきましても、蒸気発生器につきましては、細管全数につきまして渦電流探傷装置、ECTというのをやってきて、減肉とかあるいは割れにつきましてはECTで確認をし、必要なプラグ等対策をとってきているわけでございます。  今回の事象につきましては、先ほど申し上げましたように高サイクル疲労という新しい事象でございます。そういうことで、我々といたしましては、こういうような事象を今後調査、検討いたしまして、定期検査において改善すべき点があれば、その対応策の中にぜひ入れていきたいというふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私の方は問題を絞って問いかけをいたしますので、それに即して御答弁賜ったら幸いです。  今お話があったんですが、設計段階でこのAVBを装着する構造になっていたということは、これがもしなければ細管が振動によって破断する可能性が予測できたらばこそそういう設計になっていると、こう理解してよろしゅうございますね。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。  蒸気発生器の頂部、ここは気水混合物でございまして、一般的に振動があるわけでございます。そういう意味で、一般的にAVB、振動振れどめ金具というのを入れて設計され、製造されてきているわけでございます。今回の事象は、先ほどもちょっと申し上げましたが、設計図どおりに振れどめ金具が中まで入っていなかったということでございまして、我々としましては、今後詳細なチェックはいたしますが、振れどめ金具が入っていないことによって高サイクル疲労によります破 断に至った蓋然性が大変高いというふうに認識しております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 これがないといかぬという設計になっているんでしょう。これがなかったら危ないぞというんでしょう。僕は新しい事象とかなんかというようなことを聞いているのと違うんです。設計上それが必要やということで設計されて、本来入っているはずでしょう。それが入っておらぬというんです。だから、安全のためには不可欠だからAVBを設計段階からつけているのに、それが確実に装着されているのかどうかも点検、確認していない、検査もしていないというのは、どうにも理解に苦しむんですよ。きょう私が質問するから急に夕べ、きのう発表した、そんな勘ぐりはしません。しませんけれども、話ができ過ぎている。電力会社や政府が、それは安全性を無視しているいわば典型やというふうに私思うんですが、どうですか。新しい事象やなんかというのはこれは後でやります。設計図にちゃんとあるものがそれが設置されていないというのだから、これはどないなっているのや。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。  今先生おっしゃるとおり、設計図どおり振れどめ金具が入っておれば高サイクル疲労というふうには至らなかったと思われますが、なぜそういう事態になっていたか。それで、現在はECTというもので、どうも振れどめ金具が美浜二号機には当該部分についていなかったということでございますが、我々実地に例えばファイバースコープ等を入れまして、AVBがないことを確認しなさいという指示を昨日したわけでございます。それでございますので、その報告もまって、現物を見まして、どういう状態にAVBが入っていないかというのを、もう少し詳しく我々は今後の検討のために調べたいというふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 夕べになってにわかにそんなあなた、何とかスコープでやるというような、これはどないなっているかという、国民は不安を持ちますよ。  それで、そのことは定期検査の際にも、あそこに数千本の細管があるわけですね、その全数についてECT、要するに渦電流探傷試験、これをしておきながら、設計段階から必要だとして装置されているはずのAVBについては、全くチェックをしていないということになるんですね。これも常識で理解できぬのですよ。ECTを実施すれば、自動的にチェックに必要なデータは手に入るわけです。今回のAVB装着の不備は、過去のECTのデータを確認してわかったことじゃないんですか。私はすぐわかるこっちゃと思うんです、本当にそうならば。とすれば、それを放置した政府の責任は免れぬと思うんですが、いかがでしょうか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。  蒸気発生器の細管につきましては、今までリークというような事象が出てきているわけでございます。何回もありまして、それで我々ECTによりまして割れとか減肉に対して精力的にチェックしたわけでございます。先ほど申し上げましたように、全数の細管についてECTをやっている、これは海外にない厳しい検査をやってきているわけでございます。それで、割れ、減肉に対しては対応をしてきているわけでございます。先ほどから申し上げておりますように、今回の事象は、急速な破断、高サイクル疲労による蓋然性が高いということを申し上げましたが、新しい事象というふうに我々考えておりまして、これにつきましては、今のようなAVBの機能とかあるいは今後の検査のあり方ということについても、十分今後の対応の中で検討していきたいというふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 高サイクル振動による金属疲労が原因で細管が破断された蓋然性が高いと。としますと、実際にそれを示す貝殻模様、ストライエーションですか、あれができていたというふうに報道されています。これは、非常に今後にも重要なデータになると思うんで、私自身も研究もし、勉強もさせていただきたい。それで、この細管の破断面全体の電子顕微鏡写真を資料としていただきたいんですが、向さんでなくてもエネ庁長官でも結構ですが、いただけますか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) 今先生おっしゃいました破断面の観察を電子顕微鏡でやりまして、速報としてきのう報告したわけでございます。これは、まだこれから破面全体についてチェックするわけでございます。とりあえず、チェックをいたしました限りで三カ所に先生おっしゃったようなストライエーションが出ていると、疲労破面が出ているということで我々こういうような原因の方向ということを方向づけしたわけでございますが、そういうことで今後調査で……

市川正一日本共産党

○市川正一君 いや、それを私にくれるんかくれへんか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) はい。ぜひ、こういう顕微鏡写真その他のデータについては節目節目でまとめ、我々通産省としても本件につきましては報告書をつくる予定でございます。それは公表してまいる予定でございます。その中に入れてよくわかるようにしていきたいと考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 おおきに。大臣にも先日以来いろいろ言うておりますので、その写真をちょうだいいたしに参りますから、長官、頼みます。  そこで、念のために確認をいたしたいんですが、このECTによる細管の検査では、縦方向の傷などは発見しやすいし、しかし円周方向の傷は発見しにくいというふうに私聞いておりますんですが、その円周方向の傷も、時間が必要になりますけれども、ECTのコイルを工夫すれば発見しやすいと、こう伺っております。ところが、この金属疲労については、ECTではなかなか発見しがたい、あるいは発見できないというふうにも聞いておるのですが、私は今後の探査の上からもこのあたりの認識を承りたいと思います。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。  今先生御指摘のとおり、ECTは縦方向につきましては、先ほど申し上げました割れ、減肉に対して検出ができまして対応できるわけでございます。それから、最近では周方向につきまして八掛ける一という特殊なECTによりまして、周方向につきましても割れとか減肉タイプについてはチェックできるようになってきているわけでございます。今お話しのように、金属疲労ということでは、なかなか事前に発見するのは難しいことは技術的にそういうことでございますが、こういうような振動、疲労の問題、先ほどもございましたように、構造的にそういう振動が起こりにくいような対応、AVBを入れるとか、解析をして振動の限界がどうかというようなことが必要でございます。そういうことで、そういうような設計的、構造的な対応、それから定期検査等で何かチェックできる方法があれば、そういう方向も今後の検討の中でやっていきたいというふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうしますと、お聞きしたいのは、AVBが装着されるべき細管でそれが装着されていなかったのは、今度破断したあの当該細管だけなんですか。あの破断した一本だけがAVBが外れていた、ほかにあるのですか、ないのですか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) 今、ECTによりましての当該部分八本についてAVBがないような記録が出ております。それで、先ほど申しましたように、それにつきましてはファイバースコープ等で現実に現物について確認しようということで指示しているところでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 本数は別として、あれ一本だけではないんですよ、八本なのかあるいは何百本なのか知りませんけれども、要するに設計上振れどめ金具、AVBが必要とされているのに、破断した一本の細菅のそばにもそれが装着されていないのがあったんですね、あるんですよ。ということは、装着していなくてもそれは破断していない。だとすると、論理的に破断の原因が、AVBを装着しているかどうかということだけに原因を単純に安易に結論づけることについては、疑問が残るということになってくると思うんですね。だとすれば、AVBだけでなしにほかの原因についても、私は、この際公正にというか厳密に原因を調査する必要 があると思いますが、その点はいかがでしょうか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。  今先生御指摘のとおり、細管にAVBが入っていない、それが何本かあるということになりますと、力のかかりぐあいというのが、ピーキングファクターと言っておりますが、あそこら辺の流動の状況によりまして力のかかりぐあいが変わってくるわけでございます。そういう意味で、今回の破損管周辺部分がどういうふうになっていたか、力のかかりぐあいが恐らく小さかったから破損というふうになっていないわけでございますが、そういうことで、我々は先ほどもお話がございました金属の疲労破面をチェックいたしまして、あれによりましてある程度の応力、どのぐらいの力がかかっていたかということが類推できるわけでございます。そういうことで、疲労破面のチェックをいたすことによりまして力の状態が確認でき、それで破損のメカニズムというのが類推できると思うわけでございます。  それで、今回当該一本がなぜそういうふうになったかというのもある程度今のピーキングファクター、いろんな議論で説明できるんじゃないかと思っておりますが、いずれにしても精力的に検討したいと思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 その問題については、最終的に大臣にもお伺いするつもりでありますが、ちょっと視点を変えて伺いますが、SGについては、信頼性実証試験はどの程度実施なさっているんでしょうか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。  蒸気発生器の信頼実証試験、我々いろんな設備について実証試験というのを過去からやってきております。それで、蒸気発生器につきましては、四十七年から四十九年にかけまして、PWRにつきまして伝熱管の腐食等が起こったわけでございます。そういう意味で、昭和五十年から五十五年度にかけまして、大型な設備を使いまして蒸気発生器の信頼安全実証試験というのを実施してきております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 それを伺いましたのは、御承知のとおりにこのSGというのは、原子炉の圧力容器の中に閉じ込めている放射能とかあるいは高温高圧の水などをわざわざ外へ引き出していきます。そして、肉厚がわずか一・三ミリの細管で外部と隔てられているだけでありますから、最も高度の信頼性が要求されております。  実証試験を今審議官がお話しになったようにされているのにもかかわらず、関西電力のある幹部の言葉をかりますと、知見を超えるような事故というふうに言っておられるんですね。予知しない事故だった。知見を超えるような事故がなぜ起こったのか。とすれば、私はその実証試験自体がやはりもう一遍見直される必要があるんじゃないか。もう一遍それをよく研究する必要があるんじゃないか。私もエンジニアの端くれですけれども、その試験結果を資料として本委員会に提出していただきたい。少なくとも、私はそれをもう一遍見直したいというふうに思うんですが、この点緒方さんいかがでしょうか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) 蒸気発生器の実証試験の報告書の件でございますが、今先生おっしゃいましたように、流動試験とか腐食試験とか、いろいろSGに関する当時必要だと思われたような試験が実証試験としてやられているわけでございます。それで、この資料につきましては、先生からも資料の提出のお話がございましたので、早急に提出させていただきたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 お待ちしております。  そこで、大臣に今までの議論のまとめ的に御所見を承りたいのでありますが、今回の事故は、美浜二号機と同じタイプのPWR、普通加圧水型軽水炉というふうに言われておりますが、これがすべて同様の構造的欠陥を持っているんではないかということを思わざるを得ないんです。現在運転中のものは、いつ美浜二号機と同様の事故を起こすかわからないという懸念も、私は率直に表明せざるを得ぬのです。  ここで指摘しなければならぬのは、通産省が今回の事故を美浜二号機固有の原因なんだと、すなわち振れどめ金具の取りつけミスということで解決しようとするならば、それは絶対に許されない。きのうあれが発表されて、けさの新聞を見ますと、関電本社の幹部が固有の原因だということで安心感が見られるとも報ぜられているんですね。今までいろんな事故が外国であった、いやあれは外国のことだ、また炉型が違う。こういうことで、十分な教訓としないままで、このSGについても不良細管が見つかると栓を詰めたり、それからスリーブを当てる、文字どおりこう薬張り的な対策でいわば事を済ませてきた。こういう従来の安全行政を根本的に改めることが今求められているんじゃないか、こう思考いたします。  そこで、問題になるのは、定期検査で不良となった細管に施栓やスリーブを当てた補修をする方法自体重大問題ですが、しかしこれはさておいても、SGそれ自体の構造上、材料上、実証試験上などの諸問題について根本的な再検討を真剣に行う必要があるんじゃないか。そういう観点から抜本的な検討をこれを契機に開始する。あわせて、現在の到達点に立って、すべての同じ型のPWRの原子炉の厳密な点検を行うべきではないのか、こう考えるのでありますが、大臣の所信をお伺いいたしたいと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) 市川委員の大変にこの問題が起こりましてからの御熱心な適切な、また処置方法を要請してまいりましたことは、深く感謝申し上げます。  美浜発電所の二号機の蒸気発生器管損傷につきましては、三月十一日の関西電力株式会社からの振れどめ金具に対する報告を踏まえて調査特別委員会で検討しました結果、振れどめ金具が設計どおりの範囲まで入っていないことから高サイクル疲労により破断に至ったという蓋然性が極めて高いとの判断に至っていることは、先ほど来の御討議の中でも知っていただいたわけでございます。通産省としましては、このような問題にかんがみまして、振れどめ金具が設計どおりの範囲まで入っているか否かの事実を確定することが肝要であると判断いたしまして、関西電力株式会社に対しまして、美浜発電所二号機については実地検査により至急再確認し、その結果を報告するように指示したところでございます。  また、関西電力株式会社を含めまして外圧水型実用原子炉を有する電力会社に対しましても、他の加圧水型実用原子炉の蒸気発生器につき、過去の検査記録の再点検により、振れどめ金具が設計書どおりの範囲まで入っているのかどうなのかという点につきましても、確認をするように行ったところでございます。今後は、三月十一日の指示に対する電力各社からの報告も踏まえまして、実はきょう、けさでございますが、私も再度テレビを通じましてそのことを国民の各位にもお訴えもいたしましたし、同時にまた、きのうはきのうで事務局レベルからこの細かい報告もさせましたし、それから各電力会社一般に至りましても、そのようなことの必要な措置だけは直ちに講じるということの総点検というものを私どもの方から通達した次第でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 大臣は初め私にえらいサービスいただいたんですが、後の方は、さっきからの議論を踏まえて、何ぞもうちょっと踏み込んでいただいたらなおありがたいんでありますが、もう時間もございませんので、もう一点。  今回の事故の際に圧力器の圧力逃がし弁が二つとも作動しなかったという問題があるんです。これまた重大問題なんです。加えて、主蒸気隔離弁も十分に閉まらず手動で閉めたということも起こっているんですね。これは大問題なんですが、一体その原因は何なんでしようか。簡潔に承りたいのですが。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) お答え申し上げます。  加圧器逃がし弁、これが二つとも開かなかったという件につきましては、現場で加圧器逃がし弁を分解点検したり系統をチェックしたりいたしたわけでございますが、この加圧器逃がし弁を駆動します空気を送っております空気の元弁、これが 閉められていた、供給されていなかったということでございますが、これは予備の系統に供給する弁、通常使用しないものというふうに運転員が誤認いたしまして閉められたということでございます。  それで、これにつきましては、関西電力に厳重な注意をいたしますとともに、作業チェックシステムの改善、それから操作しない弁についての施錠管理、それから運転員の教育訓練の徹底、こういう観点から改善対策を講ずるよう昨日関西電力に指示し、改善方を要求しております。  それから、主蒸気隔離弁につきましては、今まで我々は、細管の抜管作業、それから今の加圧器逃がし弁の点検というのを重点的に実施してきておりまして、今後この主蒸気隔離弁についても十分調査したいというふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 今いろいろ改善の方策があったんですが、一番ポイントになるのは、事故時に肝心の弁が作動しない、それは何でかというたら、結局弁を動かす高圧空気のポンプの弁を閉めてしまっていたわけでしょう。この弁は共用のために両方とも動かぬようになった。大臣、これは一遍現場を見ておくんなはれ。これでは加圧器逃がし弁を二つつけているという安全上の本来の役割が果たせないんですよ。一方を閉めてしもうたらこっちもアウトです。それでびっくりして手動でやったというんですが、私は、少なくとも今度の教訓に学んで、加圧器圧力逃がし弁のそれぞれの健全性を改めてチェックするとともに、高圧空気のポンプは共用ではなしにそれぞれの弁に独立に設けるべきではないかと思うんですが、この点はいかがですか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(向準一郎君) 今回の加圧器逃がし弁につきましては、今先生お話しのように運転員が誤認をしたということでございます。そういうことで、我々としては、やはり作業のチェックシステムにも問題があったのではないか。それから、使わない弁というのは施錠管理をして物理的に開かないようにする必要があるということと、それから運転員がシステムについてよくわかっている、教育、訓練という部分も大事でございます。そういう意味で、その三点を中心にしまして改善策を要求しておりますので、それが出てきた段階でまた必要な措置は考えていきたいと考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 時間が参りましたので、この問題の当事者であり責任者でもある緒方長官に決意のほどを承りたいんであります。  私は、原発はまだ未完成の技術なんだと、いろいろな危険性がこれに伴っているし、事故もある意味では予見できない、そういうふうなこれは関西電力の最高幹部の発言ですが、そういう側面があるわけですね。ところが、実際には電力会社なりあるいは通産省が進めている方向は、定期検査はできるだけ短縮して運転時間は長くする。言うならば、安全性よりも経済性を追求する方向に一気に進んでいると思うんです。そうじゃなしに、今回の事故で明らかになった細管の円周方向のECTをすべての原発で実施していないという問題とか、あるいはまた金属疲労それ自体は発見できないというようなことから見ても、やっぱり現在の定期検査のあり方を根本的、抜本的に再検討すべきときではないのかというふうに私は考えます。  その点についての御所見を承って、大臣には先ほど所信をちょうだいいたしましたので、私の方はこれで残念ながら質問を終わらさせていただきます。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○政府委員(緒方謙二郎君) 先生御指摘のとおり、原子力発電というのは非常に巨大なシステムでございます。設計の段階から製造の段階、運転管理の段階まで安全について万全の体制でやっていかなければならないわけであります。  今回のような事件が起こりまして、私ども徹底的な原因の究明をすることがとりあえず急務だと思っております。原因が究明された暁には、これから得られました教訓というものを、万全の対策を講じて定期検査において改善すべきは定期検査に反映をさせる。その他の使用前検査でもしその段階でチェックする必要があるものであるならば、それはその段階の検査に反映をさせるということで、起こりましたことを教訓として、さらに安全性を高めてまいるように心がけていく所存でございますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

市川正一日本共産党

○市川正一君 終わります。ありがとうございました。

池田治連合参議院

○池田治君 原子力発電につきましての危険性それから安全性確保についての御議論は、午前中から引き続き市川先生のもとでやられましたので、私は少し方向を変えまして、もっと自然界に流れる再利用可能なエネルギー問題について、若干お尋ねしていきたいと思っております。  湾岸戦争も早期に決着いたしまして甚だ喜ばしい次第でございますが、この戦争の原因は、イラクによる一方的なクウェートの併合、国際法上許されない侵略に対する法秩序の回復とか平和の回復とか、こういうことが言われておりますが、これも否定できない原因の一つだろうと思っております。また、見方を変えまして裏腹を見ますと、やっぱり経済的な側面、すなわち原油生産国であったということが一つの問題でございまして、この石油をめぐる利権の争奪戦であったとも言えないことはないと思っております。  そこで、我が国も湾岸諸国への石油依存度がもっと少なければ、九十億ドルの拠出をめぐっていろいろ大騒ぎをしなくても済んだのではなかろうかと思っておりますが、何せ七〇%という湾岸諸国による石油依存度を持っておる我が国でございますので、これについては無関心でおれるはずはございませんでした。したがって、この石油依存度を何とか減少をしていかなきゃならない、こう私は思っております。  そこで、石油依存度をどう低下させて代替エネルギーを何に求めるか、こういうことになってくると思いますが、ただいまのように原子力発電に求めますとまた危険性というのも出てまいります。そしてまた、石油や石炭のみに求めると今度はCO2が発生して酸性雨が降ってくる、こういう被害も出てまいります。そこで、危険性もない酸性雨のような被害もないもので何らかのものを求めていかなければ、今からの地球の保護、我が国の存立ということもあり得ないではないかと、こう私はかねがね考えておるのでございます。  そこで、通産省におかれましても、従来からサンシャイン計画とかムーンライト計画とかいろいろ施策を練っておられるようでございます。ちょっと私が見ますと、石油ショック、前の二回にわたる石油ショックでございますが、この当時には非常に燃えて一生懸命研究開発をやっておられたようですが、最近はややこれも下火になりまして、原油安ということも手伝ってかだんだん熱が冷めてきたような、日本人の特色であります熱しやすくて冷めやすいということが行われるんではなかろうかと心配をしております。  この点について、通産大臣はいかなる見解をお持ちか、御所見をお伺いしたいと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) 委員の最初の御指摘は、総体的に私も全く同じ考え方に立つのでございます。先ほど申し述べられました太陽熱利用であるとかあるいはまたサンシャイン計画云々の問題、こういうような問題をめぐります前に、といいますよりは、その問題点は多少各論にもなる形として、私よりも知悉しておりますエネルギー庁の方に答弁をさせたいと思っておりますが、総合的な見解だけを述べてみたい、こう思います。  我が国は、過去二度の石油危機を踏まえまして、エネルギーの安定供給に向けて原子力、天然ガスあるいは新エネルギー等の石油代替エネルギーの導入に努めてきたところは委員御指摘のとおりでございます。この結果、我が国の石油依存度が一九七三年度が約七七%でございました。しかし、一九八九年度には約五八%にまで低下をしてまいりました。このために、今回の湾岸危機に際しましても、ある意味においては冷静な対処ができたのではないかなと私は認識しておるのでございま す。しかしながら、我が国のエネルギー供給構造は約八割を海外、また原油は七割を中東に依存しているというのも極めて現実の姿でございまして、この姿においては脆弱であると言わなければなりません。また、今後とも引き続きエネルギーの安定供給確保は重要な課題であると認識せざるを得ないのでございます。  通産省としましては、こうした課題を踏まえまして、昨年十月の閣議決定を経て、石油代替エネルギーの供給目標の改定を行ってきたところでございます。同目標は、石油代替エネルギーの積極的開発、導入を通じまして、二〇一〇年度までには我が国の石油依存度を四五%までに低下させるということを一つの大きな目標値に置いておりまして、同目標は官民挙げての最大限の努力によって達成されるべきものである。これはもちろん省エネの問題も含めまして申し上げているわけでございます。通産省としましては、今後とも同供給目標の達成に向けた原子力を初め石油代替エネルギー政策の推進に最大限の努力を傾注してまいりたいと考えておる次第でございます。  詳細にわたりましては、政府委員から答弁をいたさせます。

池田治連合参議院

○池田治君 それでは、具体的な点についてお尋ねいたしますが、サンシャイン計画というのをやられましたが、これについてはいろいろ内容が含まれておるようでございますが、一つ一つについてお尋ねしていきたいと思います。  まず、原子力発電については、これは含まれておりませんですね。太陽エネルギーの利用という点は含まれておると思いますが、これは現在何カ所で、どういう施設を持って、何キロワットぐらいの出力が可能でしょうか。

杉浦賢通商産業省工業技術院長

○政府委員(杉浦賢君) 御質問のございました太陽エネルギーについて御答弁いたします。  太陽の利用には二つございまして、一つは太陽熱の利用でございます。もう一つは、太陽の光を太陽電池を用いまして電気に変える、そういう利用の仕方でございます。    〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕  まず、太陽熱の方でございますけれども、民生用のソーラーシステムの開発を行いまして、その結果、現在三十三万台の太陽ソーラーシステムが稼働をしております。  それから、もう一つの太陽光発電システムの方でございますが、現在これはまだ研究開発中でございまして、研究開発に伴う現在の様子を御説明したいと思います。独立分散型システムといたしまして、山小屋に太陽電池をつけたシステムが運転研究中でございます。太陽光発電について申しますと、もうちょっと前の段階でございますので、むしろ現状を御説明させていただきたいと思います。  この研究が始まりましてから、一キロワット・アワー当たり二千円でございました太陽電池の発電の原価が、現在では百四十円から二百三十円になっております。さらに、実用化いたしますためには、これをもう半分ぐらいに下げる必要がございますので、現在サンシャイン計画では、中期的な視点に立ちまして超高効率太陽電池の開発というのを進めておりまして、この結果としてもうちょっと実用化が進んでくると思います。そういう意味では、太陽光発電は大変有望でございますけれども、もう一つ研究開発の努力が要る、こういう状況になってございます。

池田治連合参議院

○池田治君 今コストの話が出てきましたが、私が読みました本によりますと、百ミリオンワット・年程度の大量生産によると、既存の発電機と競争可能な二十万円、キロワット単位ですが、二十万円までコストダウンが可能ということが言われております。そうすると、例えば九十億ドルを戦費か後方支援か知りませんが、GCCに払ったものを太陽電池購入に充てたとしますと、現在一ユニット四十八ワットの太陽電池が十四・六万円ぐらいになるのではないか、こういうような計算もしている先生もあるようですが、これも計算可能なわけでしょうか。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○政府委員(緒方謙二郎君) 代替エネルギーの開発で、技術開発については工業技術院が担当し、普及面は私どもの方でやっておりますので、適宜分担してお答えをさせていただきます。  御指摘の経済性の問題につきましては、確かに量産効果ということもあるわけでありますけれども、太陽光発電のソーラーバッテリーについては、まだ技術的に改善の余地がかなりあるようでございまして、ちょっと正確に技術開発によるコストダウンがどれだけ見込まれ、量産によるコストダウンがどうなるかというところまでは御説明できないわけでありますけれども、現在のコストで申しますと、やはり通常の発電に比べて、十倍とは申しませんけれども、数倍程度経済性が悪いというような試算もございます。  太陽光発電については、私どもの手元のデータでは、一九八八年の太陽電池の生産量というのは一万三千キロワットでございまして、これは主として電卓用に用いるようなソーラーバッテリーが中心でございまして、発電用の用途のものは非常に限られたものであります。先ほど工業技術院長がお答えをされましたように、例えばサンシャイン計画では、白馬山荘という山小屋の屋根に取りつけるとか、ガソリンスタンドの電源として甲府でモデル的に行っているもの、これは私どもの方でやっておりますが、沖縄の島でサンシャイン計画で助成をして普及しているものなど、サンプル的に取り上げているものがあるという程度にとどまっております。

池田治連合参議院

○池田治君 沖縄の島の話も出ましたが、ついでに東京農工大の教授の発表した洋上太陽エネルギープラントというのがあるそうでございますが、これは南の海の上に建物を建てて、その上にソーラーシステムのような太陽の光を吸収する装置をつける、そうして太陽エネルギーを吸収しよう、こういう計画のようでございます。これで試算をしておられますのは、五千四百億円ぐらいで建設できるという先生の発表でございますけれども、この程度のものでかなりの出力、ワットが出るならば通産省もお考えになってはいかがか、こういう気もいたしますが、通産省とされましてはまだそんな計画はございませんか。

杉浦賢通商産業省工業技術院長

○政府委員(杉浦賢君) ただいまのお話の詳細はよく存じておりませんけれども、今緒方長官の方からコストのお話が出ましたけれども、仮に今お話のございましたようなものをつくりましても、結局非常にコストが高うございまして経済的にならないんじゃないかという感じがございます。逆に申しますと、そこのところを経済的になるようにするということで開発を進めているわけでございますけれども、その開発と相まってしかるべきシステムがこれから構築されていくのではないだろうかというような感じがしております。  今の島の試算結果につきましては、今すぐ私評価できませんけれども、コストダウンの研究開発が伴う必要があるというふうに感じております。

池田治連合参議院

○池田治君 コストの問題も問題ですが、五千四百億程度でできるのならば、大型原子炉を設置した原発よりもむしろ設置費用は安くなるわけですから、これもひとつお考えになっていただきたい、こう要望をしておきます。    〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕  次に、予算の点ですが、太陽熱利用のサンシャイン計画では、予算がだんだん最近は減っているんじゃなかろうか、こう思っておりますが、八五年から比べて通産省どうですか、予算を減らしているんじゃないですか。

杉浦賢通商産業省工業技術院長

○政府委員(杉浦賢君) 太陽熱でございますか。

池田治連合参議院

○池田治君 サンシャイン全体の中の太陽エネルギーに関する部分でございます。

杉浦賢通商産業省工業技術院長

○政府委員(杉浦賢君) 多少減っているかと思いますが、いろいろなプロジェクトの終了したものあるいは新しい計画等の関係でそのような傾向があるかと思いますけれども、太陽につきましては中長期的視点ということで努力をしているつもりでございます。  ただいまのお答え、もう少し補充をさせていただきます。  昭和六十年に西条につくっておりました光発電 のプロジェクトの建設が終わりまして、それ以降減る傾向にございますが、その運転研究あるいは要素技術の開発ということで予算額としては減っておりますが、私どもとしては太陽エネルギーの研究開発に力を入れ、ぜひ推進したいと考えております。

池田治連合参議院

○池田治君 一九八五年に九一・六億円、九〇年に至りますと七三・二億円と、これは二十億円近くも減っているわけですが、これで熱を入れると言われましても、私は熱は入っていないんじゃなかろうかと、こう感じるんですが、ひとつこの点もお考え願いたいと思います。  それから、次に地熱エネルギー、これにつきましては今どういう開発をやっておられますか。

杉浦賢通商産業省工業技術院長

○政府委員(杉浦賢君) 地熱エネルギーにつきましては、既に二十七万キロの地熱発電が実用化されておりまして、現在さらに地熱発電を進めるために行っております研究開発について御説明をいたします。  まず、全国で地熱の有望な地区の分布図を作製いたしましたが、さらにこれを精密に絞り込んでいくための探査手法の研究開発、あるいは地熱が必ずしも高い温度でない場合がございますので、低い温度でも発電のできるバイナリーサイクルの技術というようなものを現在開発しております。

池田治連合参議院

○池田治君 これについても、予算額は一九八五年をピークとして毎年減ってしまって、七十三・三億円から五十三・八億円、こういう大量に減になっておるようでございますね。これはもう熱を入れてやっているとは考えられませんよ。  次に、石炭エネルギーにつきましてはかなりの予算はとっておられるようですが、これはどういう過程で、どういう方法でエネルギー開発研究をなさっておるわけですか。

杉浦賢通商産業省工業技術院長

○政府委員(杉浦賢君) 石炭エネルギーにつきましては二つございまして、一つはガス化でございます。もう一つは液化でございます。ガス化につきましては、タービンなどに使うわけでございますが、液化につきましては、将来液体燃料の不足を想定いたしまして、石炭を液化する技術の開発を進めておるところでございます。

池田治連合参議院

○池田治君 次に、水素エネルギー、これについて御説明願います。

杉浦賢通商産業省工業技術院長

○政府委員(杉浦賢君) 水素エネルギーは廃棄物が出ない非常にクリーンなエネルギーでございますので、水素エネルギーの研究開発を進めております。その内容を具体的に御説明いたしますと、現在までに電気分解でございますけれども、九〇%以上の非常に高い効率で水を電気分解して水素を得る技術を開発しております。さらに、水素を燃料とした自動車を開発いたしまして、時速百キロメートル以上を得ております。  さらに、これからの問題といたしましては、水素を製造する技術、それを貯蔵する技術、輸送する技術、利用する技術、さらにこれが実用化されるための保安技術などについての研究開発を現在進めているところでございます。

池田治連合参議院

○池田治君 この点につきましては、これは一九八一年の九・四億円から現在は一・〇億円と、もう九分の一ぐらいに予算は減っているわけですが、これほどもう開発の余地がないわけですか。それとも、まだ可能性はあるけれども、予算がつかなかったということでございますか。

杉浦賢通商産業省工業技術院長

○政府委員(杉浦賢君) 水素エネルギーは、非常に重要な開発ということでスタートをいたしまして、いろいろ中規模な研究開発を進めてまいりましたけれども、やはり大変難しい点がございまして、少し中長期的に研究開発をする、こういう形に現在の開発がなっているかと思っております。

池田治連合参議院

○池田治君 サンシャイン計画はこれで終わりますが、せっかく押しの強い通産大臣を迎えたわけですから、予算をがっちりとってもらって、将来のエネルギーのために蓄えていただきたい、かように念じております。  次に、ムーンライト計画でございますが、これは省エネといいますか、熱の効率利用といいますか、こういうことで、これは通産省の立派な御指導によりまして、世界でも優秀な省エネの効率を上げたということでございまして、これはかねがね敬意を表しております。この点についても、もっともっと試行錯誤の中で新しいものが出てくるんじゃなかろうかと思っておりますが、通産省は何か新しい対策を練っておられるんですか。

杉浦賢通商産業省工業技術院長

○政府委員(杉浦賢君) ムーンライトの研究開発におきましては、既に廃熱利用システムなど四つのプロジェクトが終了いたしておりまして、現在は燃料電池、スーパーヒートポンプ・エネルギーシステムなどの五つのプロジェクトを進めております。  成果について簡単に御説明いたしますと、現在までに吸収式ヒートポンプが国内外約九十カ所で実用化されております。それから、燐酸型の燃料電池、スーパーヒートポンプ・エネルギーシステム、新型電力貯蔵システムなどにつきましても着実に成果が上がっていると考えております。

池田治連合参議院

○池田治君 この点につきましては、予算は大体横ばい状態からやや増加しているようでございますが、ODAの伸びや防衛費の伸びと比べればまだまだ少ないんで、これもまたひとつしっかり予算をとって、今からの日本のエネルギーはこれしかないということで頑張っていただきたい、かように念願しております。  次に、まだ未利用エネルギーというのがございまして、河川、海水の温度差のエネルギーとか、発電所や廃棄物処理場から出る廃熱、地下鉄の排気熱、こういうものを給湯や暖房装置にして都市の熱需要を賄う。そうすれば、石炭や原発による電気を起こさなくても多少の助かりはあるんじゃなかろうか、こういうことを考えております。このためには、大型ヒートポンプが必要であったり、パイプラインが必要であったり、いろいろな器具、装置が必要だと思いますが、通産省におかれては、この点はいかが計画をなさっておりますか。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○政府委員(緒方謙二郎君) ただいま先生から御指摘ありましたとおりでございまして、エネルギーについては、その供給の制約、それから地球環境問題というのが非常に深刻化していくわけでありますが、他方では国民生活は快適さを追求していくわけでありまして、民生用の冷暖房需要というものはどんどんふえていくわけでございます。そこで、いわゆる我慢の省エネルギーではなくて、これまで使われずにむだにしていたエネルギー、未利用のエネルギーを有効に活用していこうということで、ごみ焼却場の廃熱でありますとか、河川水が持っております熱でありますとか、地下鉄の熱でありますとか、そういうものを利用いたしまして地域熱供給システムを積極的に導入していくということの必要性があるわけでございます。  その場合、先生御指摘のように、そういうためのいわばインフラストラクチャーの整備に相当のお金がかかるわけでありまして、従来の条件ではほうっておきますとなかなかそういうインフラに対する投資が行われないわけでございます。そこで、通産省では、平成三年度の予算案の中で、これらについての助成制度をお願いしているわけでございます。これは中身としましては、未利用エネルギーを活用した地域熱供給システムの建設に要する費用の一部を補助するという補助金、それから具体的に地域熱供給をやる場合に、いろいろ関係者のコンセンサスをつくる必要がありますので、そういう基本計画を策定するための費用の補助でありますとか、説明会等普及啓発活動をやるための補助、あるいはこれらに関連をする技術開発についての補助をしていくもの等の補助金でございます。  それからもう一つは、設備投資をいたします場合に、補助金だけではなくて、無利子または低利の融資をしようということで、財政投融資についても所要の資金の確保をしているわけでございます。  技術開発につきましては、この未利用エネルギーを大規模、効率的に利用するシステムを実現するために、ヒートポンプあるいは吸収式冷凍機等の熱プラント技術、それから高密度熱輸送システム技術、トータルシステム技術等の開発に取り 組んでいきたいということで予算をお願いしているところでございます。これらの制度を活用いたしまして、平成三年度予算を成立させていただきました暁には、私ども未利用エネルギーの利用に、活用に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

池田治連合参議院

○池田治君 今まで地球上で行われたエネルギー、特に発電の現状としては石油や石炭それに水、こういったものは資源の限界があるわけでございまして、原発もまたウラン鉱の限界というのもあるわけでございますので、どうしても再生可能なエネルギーを考えていかなければ、今からの人類は将来滅亡に瀕するだろう。こう思っておりますので、ひとつ通産省も英知を絞って頑張っていただくようお願いして、私の質問を終わります。

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 速記をとめて。    〔午後三時三十分速記中止〕    〔午後三時四十分速記開始〕

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 速記を起こして。

井上計民社党・スポーツ・国民連合

○井上計君 大臣もお疲れだと思います。あともうしばらくです。  私自身がきょうお伺いすることについては、けさほどから同僚委員のいろんな質問の中で大分大臣のお考えも承りました。特に、先ほど広中委員の質問に対して、大臣がかなり明快に御所見をお述べになりました。拝聴しておりまして非常に意を強うしたわけでありますが、私は若干立場を変えて、むしろ質問というよりも、私の考えを申し上げて、それからさらに一、二提言といいますか、要望いたしたい、かように思います。  最近、あるところで見た資料で、通産省がスタートした、発足したのが昭和二十四年の五月と知りました。四十二年前であります。サンフランシスコ講和条約の締結は二十六年でありますから、まだ占領下、独立していなかったときであります。そのときに、当時の吉田総理の強い要望といいますか、意向によって、通産省の今後の通産行政というものについていろんなことが示されて、その記録に残っております。その中で、実はちょっとこれを見て、なるほど吉田総理の先見の明といいますか、偉大さに改めて感服しておるわけでありますが、外務省から多くの人材を通産省に加えて経済外交、これを優先する、こういうふうなお考えがあったことが実はわかりました。外務省から何人か見えて幹部に御就任になって、文字どおり日本の復興、産業の復興等々、経済の復興のためには経済外交優先に切りかえをして、外務官僚にも経済の再教育を施して、通産官僚には海外の知識と外国語の再教育を施すべし、このような意向によってその後通産省はずっと行動をされた、こういうふうなことが記録に残っておるわけであります。  当時の昭和二十五年ごろの経済指標でありますけれども、当時我が国の人口は八千四百万人、それからGNPが、五五年価格でありますけれども、二兆三千七百億円というわずかであります。当時と現在と比較いたしますと、おおよその数字でありますけれども、GNPは約百七十倍になっておるわけであります。物価指数はそれに対して約八十倍しかなっておりません。これらを考えると、いかに日本がその後大変な経済成長を遂げたか、それによって国民生活はいかに豊かになったか、いわば国民のほとんどが中産階級的な意識を持っておるかということがうかがえるわけであります。文字どおり経済、経国済民の成果が上がっておるというふうに改めて感じておるわけであります。この当時だれも予測しなかったような今日の日本の繁栄でありますが、この繁栄の原因はいろいろあろうと思います。  私は第一番には、いつも言っておるのでありますが、日本民族が優秀で、そうして勤勉であったということ、それから日本人の教育水準が非常に高かったということ。それからもう一つは、資源のない日本でありますから国民がハングリー精神を多分に持っておった、それによって大変な努力をしてきたということであろうと思います。また一面には、アメリカの一国占領から日米安保が大きく寄与したということもあろうと思います。また、サンフランシスコ講和条約のときに、当時の中華民国の蒋介石総統が対日賠償権を放棄してくれたというふうなことも大きな一因だ、こう思っておるわけであります。  さてそこで、当時は我が国の産業政策というのは、五年、十年あるいは二十先取りした政策が非常に多かったと思うんですね。最近では、残念でありますけれども、直面する問題はもちろん大事でありますし、それから過去の問題を反省する上においての論議も大切でありますけれども、先取りの政策というものがやや薄らいでおる、おざなりになっておるとは言いませんけれども、あるいは冷たい取り扱いをされておるというふうなことがあるんではなかろうかということを多分に感じるわけであります。  時間が余りありませんから演説は短くしますけれども、これから将来のことを考えると、このままで果たして日本は二十一世紀に明るい展望ができるんであろうかということを憂慮するような事態がたくさんあると思うんですね。人口問題でもそうでありますし、労働力の問題でもそうでありますし、あるいは高齢化社会の対応策もそうでありますし、医療費の問題から特に老人医療費の問題、いろんなことを考えると、言えばすべてその解決の根本の方法は何といっても経済力だと思うんです。だから、日本が経済力を持ち続けていかなければ、もっと率直な言い方をしますと、金もうけをしなければ日本はやっていけないんだと。金もうけをするためには、資源のない国でありますから、まず当然のこと、従来どおりあるいは従来以上に輸入した資源を付加価値を高めて優秀な製品をつくって安く海外に売って、それでまたという、これ以外に今後とも日本は永久に生きていく方法はないことはもう当然であります。  ところが最近、物をつくるのはどうも悪だとは言われませんが、物をつくるのなんかどうでもいい、要するに消費があるいは環境があるいは生活がというふうなことが重点になって、生産、製造というのがどうも第二、第三に追いやられておる。あるいは輸出は悪だということで、輸入ということで、このままでいくと私は現在のアメリカの二の舞になるんではなかろうか、五年、十年先。  じゃ、一体日本はどうすればいいんだというふうなことをもっと真剣に考えていかなくちゃいかぬであろう、こう思いますが、国民の中には、そんな先のことはどうでもいい、目先のことでいいんだ、こんなふうなことが強くなっておる。私はその点ひそかに実は憂えておる一人であるわけであります。  そこで、提言といいますかお願いでありますけれども、特に大臣にお願いは、経済外交をさらに積極的に強くしていただかなくちゃいかぬ。大木委員がおられるんで実は言いにくいんですが、外務省は、言い方は悪いですが、経済音痴の方が多いですよね。海外に出ましても、在外公館の外務省の人たちは、無関心とは言いませんけれどもほとんど御存じない。だから、外交とは何ぞやということになってくると、要するに政治外交が主体であって経済外交については余りお考えでないような方が多いんではなかろうか。そして、あくまでも日本はこれから経済外交が主体でなくちゃいかぬわけでありますから、したがって、特に通産省の先ほど読み上げましたようなスタートの原点に返って、従来以上に経済外交を強く進めていただきたい、これがお願いの一つであります。  それからいま一つは、先ほども申し上げましたように、製造業無用論とは言いませんけれども、そういうふうな考え方が多いですね。とにかく消費者さえよければいい、あるいは環境保全あるいは公害対策等々、これさえやっておれば、製造なんていうのは、もうどうでもいいんだとは言いませんが、ほとんど問題にされない。選挙のときでも、五年、十年先にこうなります、したがって自動車の生産をあるいはエネルギーをどうとは言っても、先のことはどうでもよろしいと。けさから原発問題でいろんな論議が交わされておりますけれども、消費者の中には原発なんて要らぬ、やめろと。じゃ、どうするんだというと、そんなものはど うでもいいんだとは言いませんが、そういうふうなことについて無関心の方が非常に多いですね。だから、五年、十年、二十年先の日本の繁栄、安定、まずそのもとは、やはり何といっても経済である。経国済民のためには、今やはりもう一度振り返って、原点に返って製造業、生産者というものを考えて見直していく。そのためには通産省も、従来から御努力いただいておりますけれども、まず製造業に対する政策といいますか、生産者に対する政策といいますか、ひとつもっと強く打ち出していただきたい、これがお願いであります。  通産省、大変御苦労を願っておることを十分承知しております。特に、この数年は日米構造協議、日米摩擦の問題あるいは引き続いてウルグアイ・ラウンド等の大変な御苦労、いろいろ承知をしております。また先ほど、この戦後日本の経済発展の原因の大きな一つは、我が国は何といっても通産行政といいますか商工行政、特に通産省の的確な、適切な指導等があったことを私も大いに評価をしておるわけでありますから、さらに勇気を持って、いろんな雑音がありますけれども、従来以上にひとつそういう面でお考えをいただきたい。きょうは経企庁長官もお見えでありますし、また産政局長も通政局長もお見えでありますけれども、このことを特にひとつお願いをしたい、こう思います。  繰り返しますと、経済外交をひとつ優先するという政策をぜひおとりいただきたい。それから、生産者に対する政策を、先取り政策をぜひ強く出していただきたい。  この二つをお願いして、以上で、私の考え方を申し上げて質問といたします。よろしくお願いします。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) 私は、ただいま井上委員のお話を聞いておりまして、大変深く感銘を受けました。と申しますよりは、私自身も全く同じ思いできたつもりでございます。  昔の政治家は偉かったというのは、私どもの通例だれでもよく言う言葉ではございますが、私も、かつて日本民主党の総裁でありました芦田均先生にお仕えしお供をし、なおかつまた吉田先生も陰ながら見させていただきました。まさに、今言うた経済外交という言葉は、芦田先生もお使いになり、また吉田先生もお使いになり、またここに越智長官おりますが、越智長官の岳父である福田赳夫先生に至るまでが限度だったのかなと思うほど、経済外交ということを今から推進していかなければなるまい、私は常日ごろ思っておりました。なかんずく、今日までの日本の発展の根底、根幹というものを四つ五つ先生は挙げていただきました。その中で、ほとんど挙げ得ない方が多うございましょうけれども、蒋介石総統閣下の偉大さも挙げていただきました。  私は、今顧みましても、やはり当時の新聞、往時の新聞を振り返ってみましても、恩は石に刻めという言葉が私の脳裏の中に、私の青年時代の青春期の心の中にこもっておりました。あれだけの、有百万の柳川兵団と言われるあの軍隊を即座に米二合ずつ持たせて帰してくれたあの蒋介石総統閣下あるいはまた何応欽閣下、こういう方々のあの気持ちというものは絶対に忘れてはならぬ、まさに恩は石に刻めという言葉がありますけれども、私はそのとおり今もって考えております。  しかし、雪に埋もれたのか雨に溶けたのか、まさにその言葉はすっかり忘れ去られたような感じすらいたします。日本の根底、心底というものはそういう中にこそなければ、いかになっても、心もなくしていかに経済だけが繁栄してもどうにもなるものではありません。しかし、経済の根幹があって初めて日本という国の、この世界に冠たる姿というものと、また発展途上国に対する応援、支援というものも重ねてできるわけでございますから、日本の貢献度はそこにかかっていると言っても間違いございませんでしょう。  第二点に先生の言われました製造業、その問題にももっと力を注げ、ある意味においては原点じゃないのか、こう言われました。まさにそのとおりでございます。  委員が中小企業の専門家であることはよく存じ上げておりますが、今アメリカのニューヨークに行きますると、日本人は五万人おります、韓国は大体八万五千から九万人おります。しかし、かつての日本人のあのニューヨークに住んでおった栄光の歴史を振り返ってみましても、彼らはランドリーであるとか、あるいはまたグローサリーショップといいますか八百屋さんといいますか、もう汚れた仕事であれ何であれ、そういうものにいつも手を突っ込んで頑張ったものであります。今や、それが韓国人に全部シフトいたしました。したがって、日本はややハイソサエティー的なステータスを持って、そしてむしろ韓国に抜かれたのであります。私は、韓国の今の青年の目のあの輝きを見ておりますると、日本は一体このままでいいんだろうか、このままの姿で次の世代に渡せるんだろうか、絶えず私も同じ思いで考えておるのであります。  私は、そういう中にあって、この経済外交を推進するのに当たって、本当に参議院の商工委員会の諸先生方のこの一致した姿、みんなが同じ船に乗った日本を憂える姿、これを十分に私は押しいただいても頑張っていく所存でございますので、今後ともよろしくお願いを申し上げまして、私の所感の一端を述べさせていただきました。ありがとうございました。

井上計民社党・スポーツ・国民連合

○井上計君 終わります。

今泉隆雄参院クラブ

○今泉隆雄君 いつもは大概私の質問は七番目ぐらいで最後なんですが、きょうは何と質問者が多くて十番目ということになりまして、ほとんど聞くことがなくなってしまって全部削ったので、非常に短い質問で幾つか大臣にお伺いしたいと思います。  大臣は非常に歌がお好きということをお聞きして、シャンソン、カンツォーネとかカントリーミュージック、非常にお好きだということなので、我が商工委員会も非常に皆さん方カラオケが好きなので、ゼひ大臣をうちの委員会のカラオケのVIPにお迎えしたいと思っておりますけれども。  ところで、そういう文化の問題も含めて、最近の通産のいろんな文章、そのほか発言を聞きますと、ゆとりと豊かさという言葉が非常に出てくるんです。去年の五月十五日の通産省公報によりますと、今後演劇、音楽、映画などのそういう文化事業の提供がやはり通産の性格としてとても大事ではないかということが書かれておりました。これは、ゆとりと豊かさ政策小委員会の記事なんですが、そういう問題も含めて、前大臣の武藤大臣のころもそういうお話が出まして、養成機関みたいなものをつくって人材まで育てたらどうなんだということを大臣がそのころちょっとおっしゃっていたこともあるんですが、そのゆとりと豊かさという問題、そういうものも含めて、大臣がどういうお考えをお持ちかちょっとお聞かせいただきたいと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) 私も、建前、本音それぞれございますが、まずは通産省としての、大臣としての、建前論と言うと怒られてしまいますが、当然流れとしての言葉を申し上げまして、また私自身の気持ちも先生にお訴え申し上げたい、こう思っておる次第でございます。  まず、我が国が経済的に世界の中でトップレベルの地位を占めるに至ったことはもうだれしも否定していないわけでございますが、国民がゆとりと豊かさを実感していない、こういうこともこれまたよく言われる言葉でございます。真のゆとりと豊かさを実感できる国民生活の実現を図るということは、通産政策における主要目標の一つの位置づけとなっておる、こう私は感じます。  そのためには、ゆとりと豊かさ小委員会の報告を踏まえまして、昨年の七月に発表されました通産省全体のビジョンである「九〇年代の通産政策ビジョン」におきましても、「地球時代の人間的価値の創造へ」という基本理念のもとに、ゆとりと豊かさのある生活の実現を主要目標に掲げたところでございます。本目標実現のためには、まず消費者の視点の重視、勤労者のゆとりと豊かさの実現、あるいは長寿社会への対応、また女性の社会 進出の支援等、人間生活の多方面にわたる、また多側面にわたる政策の展開が必要であると思うのでございます。その課題には長期的に息長く取り組むべきものが多うございますが、今後とも消費者ニーズに対応した流通構造の構築、労働時間の短縮あるいは豊かな生活環境を実現する環境対策等、できるものから省を挙げて全力で取り組んでいきたいというのが通産省の、また私どもの基本的な考え方ではございます。  しかし、私はいつも感ずるのでありますが、豊かさと、あるいはまた何といいますか実りの多い、先生の言われましたゆとりと言いますけれども、本当にそういう経済的な行動関係だけで、行動体系だけで一体ゆとりも豊かさも生まれるのか。  私は、戦争中は全く本当に中小零細企業の中に育った、一洋服屋の一きれ屋の息子でございました。しかし、心は豊かでございました。父は輸入業者でございましたから、英国から当時きれを輸入しておりました。私は、きのうも私の秘書官にそんな思い出話をしたんですが、私の父親は怒ったことはございません。怒ったことはございませんでしたが、ただ一回本当にほっぺたを張られ、お蔵というのに入れられました。そして、お蔵の中に英国から入れたきれをいっぱい入れておりました。私の父親は、小学校三年しか出ておりませんから、全く教育を受けた人間ではありません。独学で英語を勉強し、そして英国から戦前に輸入をして、お蔵にきれを入れておったわけであります。  ただ、私が女の子をたたいたという理由だけで、強い子とけんかしてきたならばおれは何も言わない、弱い女の子をたたいたということだけで許せないと言って、私はほっぺたを二つ三つ張られて、きれの上を逃げ回った覚えがございます。私はその父親を忘れません。また、何と申しましょうか、父親があって私がある、この気持ちも忘れません。しかし、その父親を思い出しますと、絶えず思い出しますのは、教育と教養というものは違うという私の考え方であります。学校を出ておるからといって私は尊敬はいたしません。しかし、学校は出ていないからといって教養が高い人もおります。教育が高い、学校は出ておるからといって比較的教養の低い人もおります。私は、その教養の高さを選びます。そして、そういう人を、そのような人間像を、そういう青年像を将来つくっていきたいというのが私の信念であることを申し添えておきたいと思います。  以上です。

今泉隆雄参院クラブ

○今泉隆雄君 どうもありがとうございました。  エネルギー問題でお聞きしようと思いましたが、池田委員からやられてしまいまして、石炭の問題をやろうと思ったのですが、その石炭の問題で池田委員がお聞きにならなかったことだけちょっと簡単にお聞きしたいのですが、第八次石炭政策が終了するそうですが、今後の石炭政策の中で、もちろん海外の石炭の方が安いということは聞いて知っております。日本の国内の石炭の問題、国内の炭鉱の問題、今閉山されている炭鉱など、そういうものに対してはどういうふうに考えていらっしゃるのか、石炭の責任者の方いらっしゃいましたら。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○政府委員(土居征夫君) 国内の石炭の問題につきましては、先生御承知のように現在第八次石炭政策というものが実施されておりまして、これは平成三年度における供給規模の目標をおおむね一千万トンとして、それまでに生産体制の集約化を円滑に行うということで進めてきておるわけでございまして、現在のところ一部部分的に問題は残っておりますが、おおむねその趣旨に沿って進んでおります。と申しますのは、昭和六十一年度に供給規模千七百万トンを超えておったものが、平成二年度の見通しでは、一千万トンを切って九百四十万トンというような状況に来ておるということでございます。

今泉隆雄参院クラブ

○今泉隆雄君 ありがとうございました。  最後に、物価の問題でお聞きしたいと思います。  この間、牛乳を売っているたばこ屋へ行きましたらば、突然三月から瓶の牛乳が一瓶十円高くなったというので、そこのおばさんが言うには、戦争が終わったのにどうしてこうやってどんどん上がるのですかねという言い方をしておりました。いろいろな意味で、日本じゃ食料品が非常に高くて、世界と比べてみますと、約二割、ひどいものは二割五分以上高いというデータをこの間読みました。特に肉なんかは、東京を一〇〇としますと、ニューヨークなんかは三四ぐらい、三分の一ぐらいの状態である、ロンドンでも半分ぐらいの状態である。それから、これは私もなぜかよくわからないのですけれども、日本人の主食である米が、東京を一〇〇とすると、ニューヨークが八〇で、ロンドン、パリでも八四、五であるというような状態なんだそうです。  ですから、消費者にとってみますと、こういう物価がだんだんじりじりと高くなっていく、しかも消費税がある、それから九十億ドルのいろいろな税金の問題も出てくるという三重苦になっていくわけなので、そういう問題も含めて、流通機構のことなんかは、いろいろな政策上の文書とか何かには書かれておりますけれども、大臣がよくおっしゃっているように、先ほども個性のある小売店を育てたいというようなこともおっしゃって、これはもう大変結構なことだと思うんです。どうしても流通機構ということになりますと、日本の場合に流通制度というものを考えていくと、これはやはり一番利益が上がって得をするのは大型店舗に結果的にはなるのじゃないかという気がします。  ですから、消費者としてはそれも非常にありがたいんですけれども、何か共存共栄ということが、言葉の上だけで、どうしても大型店舗と小売店の間に流通機構の問題を考えて非常な矛盾を感ずるわけなんですけれども、その辺はどなたでも結構でございますが。

棚橋祐治通商産業省産業政策局長

○政府委員(棚橋祐治君) 今国会に大店法の関係で五つの法律を提出させていただいておりまして、いずれ御審議を賜ることになっておりますが、その大店法につきましては、御承知のように、日米構造協議が大きなきっかけになりまして規制緩和、言うなれば小売商業サイドから見ますと、ある意味では改悪といいますか、大規模店舗の進出が一段と容易になり、全国で百六十万の小売商業がございますが、相当圧迫されるということで問題があるということでございます。  しかしながら、我々としては、やはり多様化する消費者ニーズにこたえて、この大規模店舗が果たす役割もまた重要でありますし、いわゆる透明性のある、開放された流通構造の中でそういう規制緩和を行っていくことが必要であるということで、あるいはまた輸入コーナーについては、千平米以下の輸入コーナーは調整手続から対象外にするということで、大幅な規制緩和を内容とする大店法の改正をお願いするわけでございます。  しかしながら他方、ただいまおっしゃいましたように、全国の小売商業の持ちます不安、中でも後継者に恵まれて、積極的にこれから消費者のニーズにこたえて、新しい小売商業として生きていきたい、あるいは商店街をつくり直していきたいという方々に対しては、我々はこの際積極的にこれを支援していこうということで、この消費者ニーズにこたえ得る魅力ある商店街の形成を促進する法律というものを別途同時に御審議いただくことで用意をいたしておるわけでございます。この法律案につきましては、また後日いろいろ御審議をいただくわけでございますが、一言で申し上げますと、駅前等あるいは既成の商店街で、全国で現在一万六千の商店街があるわけでございますが、その中で、我々の今までの調査では、三千の商店街はぜひともひとつ思い切った再開発をして、新しい商店街としてやっていこう、こういう意気込みを持っておられます。  それからもう一つ、昨今新しい動きとして、従来は大店舗が来ますと、既成の商店街は圧迫されて、お客を奪われてしまうということで強い反対があったわけでございますが、だんだん最近は、抵抗してそれを全く排除しますと、むしろ大型店が、今マイカー時代でございますので、郊外に立地して、そこにお客さんをとられてしまうという ことで、最近は大規模店舗の持つメリット、よさを生かしながら、それの周辺に特徴のある商店街として一緒になってやっていこう、こういう意気込みに燃えた商店街の人たちもたくさんおられます。こういう方たちは言うなれば商業団地をつくろうではないか、現在既に一部ございますが、森あるいは子供さんたちが楽しく遊べるような遊園地あるいは文化施設等を併設して、そこにスーパーと一緒に、あるいはスーパーがなくて小売商店街だけの場合もありますが、そういう大型の商業団地をつくっていこうというそういう期待もございます。  私ども、そういう両方、既成の商店街の再活性化と大型の商業団地をつくっていこう、こういうことで小売商業振興法の改正と魅力ある商店街の形成の促進に関する法律と、この二法を用意して大店法の改正と同時に御審議を賜りたい。こういうことで、消費者ニーズにこたえながら既成の商店の方々も十分生き残っていける、あるいは発展していける、そういう環境をつくっていこうと考えている次第でございます。

今泉隆雄参院クラブ

○今泉隆雄君 これが最後で、これも物価の問題なんですけれども、先ほども質問で出ましたけれども、内外価格差の問題で、これがやはり非常に大きいと私も感じるんです。  かつて、経済企画庁とか総務庁が調査に乗り出すとか、それから政府と自民党で内外価格差対策推進本部を設置したとかいうような記事は読んでいました。それで、今回通産省で内外価格差研究所という創設を考えられていたらしい。それが急に断念された、一説によるとつぶされたという意見もあるんですが、これはなぜつぶされたというか断念されたのか、その真意をお聞かせいただいて質問を終わりたいと思います。

棚橋祐治通商産業省産業政策局長

○政府委員(棚橋祐治君) 内外価格差問題については、経済企画庁を中心に政府全体としているろんな調査があるわけでございます。また、日米構造協議におきましては、アメリカが一緒になって調査をしようではないかということで共同調査を行ったわけでございます。  我々通産省の分野におきましては、既に例えば、この湾岸戦争で問題になりました石油関連製品につきましては、極めて頻繁にかつ広範に末端の石油とかLPGについての価格調査を行っておりますし、その他鉄鋼とか化学製品とかというような基礎資材についてもいろいろの調査を行っているわけでございます。しかし、私どもとしましては、通産省がやる調査はそれなりに重要だと自負しておりますけれども、学界の方々がむしろ第三者的な立場で、我が国にあります外国からよく言われます内外価格差、特にブランド物等の輸入品については、いろいろの理由がありますけれども、確かに格差があるわけでございますが、そういうものについていろんな角度から、輸入問題、流通問題等を含めて御検討いただくという意味で、一つのそういう調査の仕組みを考えたわけでございます。  別に、内外価格差研究所というものを正式に打ち出したわけではなくて、これはまた既存の適当な団体において、その調査の目的が達成されればいいということで、今考えておるわけでございまして、決して我々はだれからもこれについていいとか悪いとかという指摘を受けたことはございません。ただ、そういう意味で専門の学者あるいは流通業界の関係者等が、そういうところで調査をする必要性は我々考えておるわけでございます。

越智通雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(越智通雄君) 所管行政でございますので、ちょっとこちらから御報告だけさせていただきたいと思います。  物価に関する団体は幾つかございまして、物価関係閣僚会議というのは昔からやっております。これはただし公共料金等の改定のときにいろいろ動いております。また、民間の方ということで、東大名誉教授の隅谷先生を中心とした物価安定政策会議というのがございまして、これまた年に一回総会をし、政策部会という名前のもとに毎月作業をいたしております。  内外価格差の問題につきましては、日米経済構造協議のときにも指摘され、また非常に行政、政治のかかわる面が大きいものでございますものですから、平成元年の十二月に改めて、総理大臣を長とし、私経済企画庁長官を副本部長とする十六閣僚プラス自由民主党の四役を入れました会議をつくりまして、既に三回本部会議を開いております。現在、七十二項目に二十二項目足しまして九十四項目について、規制緩和とかいろんなことをやっております。そんな中で、日米間の交渉でも問題が残りましたのは、調査の仕方、認識のあり方についてずれがあるんじゃないか。こういうことで、今度の経済構造調整のフォローアップ委員会、一年たちましたこの五月の末にもいたしますんですが、両方の意見を集約していく中で、あるいは政府とか、要するに役人とか政治家が関係しない人に調査してもらうのも一つの手かなという議論が出たのかと思っております。  ただ、現在各省でも行っておりますのは、多少スタンスがいろいろ違いまして、通産省でこの間も、三月五日に御発表になりましたものは、日本でつくった物が東京とロサンゼルスで幾ら値段が違うか、あるいはアメリカでつくった物がニューヨークと東京で何ぼ違うか、こういう検討でございますが、本来内外価格差の中には、それだけではなくて、先ほど今泉委員が御指摘になりましたように、東京に住む人間とニューヨークに住む人間が、それぞれの土地においてどういう生活、生計費で差があるだろうか。日本の方が高い物を挙げれば幾つもございますけれども、またお安い物で言えば電気製品等はお安うございますし、旅行者から見ればホテル代はロンドンの方がよほどお高いわけですし、食べ物でも卵は東京の方が安いと、こういういろいろございます。それぞれの国がつくり、それぞれの国民が生活に必要としているものが、どういう価格差があるかということも、非常に内外価格差の問題としては大事だと思っております。そうした生活者の立場からの検討も含めて、今ございます内外価格差対策推進本部でさらに一層調査もし、それからそれをなくしていく傾向で努力をさせていただきたい、このように思っております。

今泉隆雄参院クラブ

○今泉隆雄君 質問を終わります。

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 次に、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。中尾通商産業大臣。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中尾栄一君) 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  オゾン層保護問題につきましては、オゾン層の保護のためのウィーン条約及びオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の採択を受け、我が国におきましても、昭和六十三年五月に特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律が制定され、平成元年七月より同法に基づく特定フロンの製造の規制等を実施しているところであります。  しかしながら、我が国を含めた世界各国によるオゾン層保護問題への対応のあり方について改めて検討が進められた結果、昨年六月に規制対象物質を追加すること等を内容とするモントリオール議定書の改正等が採択されました。  以上にかんがみ、今般本法律案を提案した次第であります。  次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。  まず、製造等の規制の対象となる特定物質にトリクロロエタン、四塩化炭素等を加えることとしております。  第二に、新たにクロロジフルオロメタン等の物質を指定物質として規定し、その製造、輸出または輸入に関し、数量等を通商産業大臣に届け出なければならないこととしております。また、これら指定物質につきましても、特定物質と同様、排 出の抑制及び使用の合理化の推進等に関し、所要の措置を講ずることとしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

名尾良孝自由民主党

○委員長(名尾良孝君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十一分散会

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