社会労働委員会 第10号
- 発言数
- 256 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1991/04/24
会議録
○委員長(福間知之君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案及び中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案を便宜一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○対馬孝且君 それでは、今委員長から提起をされました二法案に関しまして、限られた五十分の時間よりございませんので、できるだけ答弁も簡潔明瞭にお願いしたいと思います。 まず最初に、地域雇用促進法からお伺いいたします。 地域におけるミスマッチ現象、とりわけ中小企業の人材確保の困難な状況が現状でございますが、今後のこの改善見通しについて、大臣の認識をお伺いしたいと思います。 そこで、地域雇用開発等促進法並びにいわゆる中小企業労働力確保法に関しましては、基本的な取り組み姿勢、現状の問題に触れながら若干申し上げておきたいことは、一つは、最近の雇用情勢についてでありますけれども、近年の景気の持続的な拡大によりまして、平成二年度の完全失業率が大体二・一%から二・二になっておりますが、有効求人倍率も一・四倍ということになっております。これは全国平均でございますけれども、後ほど北海道のことを、地域性がありますので申し上げます。こういう改善をされているわけでありますが、しかしながら北海道、東北、四国、九州、こういう地域におきましては依然として改善のテンポが遅いと、こう言わなければなりません。したがって、地域間、年齢間、職種間、産業間での労働力需給のミスマッチ解消をいまだにされていないというふうに私は考えております。 一方、中小企業においては、昭和四十年代以来の人手不足の状況に見舞われておりまして、大企業との労働条件、雇用管理の面の格差がますます拡大をいたしております。こういう中で今度の法案が提出をされましたので、労働力確保という切実な課題につきまして、地域の労働力需給のミスマッチ対策、中小企業の人材確保という観点について、まず基本的な大臣の姿勢をお伺いしたいと、こういうふうに思います。
○国務大臣(小里貞利君) 先生も御指摘ございましたように、景気の持続的拡大傾向を背景にいたしまして、例えば有効求人倍率に象徴されるがごとく大変高い水準で推移いたしております。特に多くの地域におきまして、中小企業を中心にいたしました人手不足感、御案内のとおりでございまして、言いかえますと、中小企業の最大の経営上の問題になっていると、かように指摘ができるかと思う次第でございます。 また、一面におきましては、しかしながらその一方で、北海道、九州等一部の地域におきましては有効求人倍率が一倍を下回っている、依然として雇用失業情勢の改善は進んでいない、緩慢であると、こういう状況もあるわけでございまして、お話がございましたように、全国的に見てまいりますと地域間、職業間あるいは年代間のいわゆる雇用機会の格差というものが依然としてある、こういうことは御指摘のとおりでございます。 総量としてのいわゆる雇用機会の不足が解消されたと見られる地域におきましても、良質な雇用機会が乏しい、そういうことから若年者が中心になりまして域外に出ていく、労働力が流出をする、そういう状況でございますので、今後においては労働力人口の伸びの鈍化もまた加えて考えられるところでございまして、全体としては労働力は需給関係におきまして不足基調と、こういう一つの状況でございますから、あくまでと申し上げますか、依然として中小企業のいわゆる労働力確保は構造的な問題となってまいっておると、こういうふうに考えられる次第でございます。良質な雇用機会が之しい地域からの労働力の流出が続くことも懸念されるところでございます。 このような状況の中で、雇用の安定と労働力の確保を図るために、中小企業や地域における人材の確保あるいは定着のための施策を積極的に推進してまいらなければならないと、こういうふうに考えております。
○対馬孝且君 地域雇用促進法が六十二年に最初の提案がされたときに、私も当委員会で約二時間ぐらい質問をいたしておるのでありますが、そのときの状況を顧みますと、今大臣もお答え願っておりますけれども、六十年代というのは急速な円高の進行という現象と、それから地域の構造的不況の深刻化、それに伴う労働力需給の地域間の格差ということが当時の重要な法律制定の目的でございました。私も質問してそのようなことを思い出しておるのであります。 その中で私は、今回の改正の特徴といいますか、この法律の目玉というのは、いわゆる雇用環境整備地域というのが新たに法律に加えられている点だと思いますが、この雇用環境整備地域の新設の経過と施策の具体的内容はどういうものであるかということをお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 最近の雇用失業情勢は、先生ただいま御指摘のように、一部の地域を除きまして全般的に改善をしておるわけでございますけれども、地方圏におきましては、全体としての求人数は十分あるわけでございますけれども、地元に就職を希望する新規学校卒業者などがその地域において職業につくことを希望する者の能力にふさわしい雇用機会、そういうものが不足しておりますことから、やむを得ず他の地域に就職をするという傾向がございます。また、Uターンを希望なさる方も多いわけでございますけれども、そうした勤労者の能力等にふさわしい職業の雇用機会が乏しいということで、なかなかUターン就職が進まないという状況にあるわけでございます。 そこで、新たに雇用環境整備地域を法律の対象地域に加えることといたしまして、これらの者の能力等にふさわしい職業の雇用機会を創出していきますために、地域雇用環境整備計画に沿って地域雇用開発に特に資する事業所を設置または整備する事業主に対します必要な助成及び援助、雇用促進事業団の行います施設等の設置に関します特別の配慮、雇用促進住宅の入居範囲の拡大及び事業主に対します資金の融通の円滑化等の業務を行うための基金の造成への支援等の措置を講ずることといたした次第でございます。
○対馬孝且君 その点は改善の今回の大きな課題でありますが、この改善策の中に出てくるのは雇用保険法の六十四条が重要な内容になっているというふうに私は考えます。 これを見ますと、雇用保険法の雇用福祉事業、第六十四条によりますと、一から六まで法律を見ますと、就職の住居の問題、それから就職、雇い入れ、配転あるいは施設の援助、それから教養、文化、体育施設、レクリエーション、求職者に対する資金の貸し付け、今後の労働者の職業に対する適応性の調査、研究など六項目挙がっておりますね。言うなれば、こういうものを具体的に裏づけをすると、この環境整備地域に対して。端的に言うと、たくさんあるんだけれども、基本の柱はそこである、こういう理解をしていいんですか。この点、ちょっともう一回お伺いします。
○政府委員(若林之矩君) 今回の法律におきましては、こういった地方の地域において若い方々の定着を進めたり、Uターンの方々を進めるという場合に、まず一つはそういった方々を引きつける魅力ある職場があるということが一つでございます。それからその地域において福祉施設等の整備がなされるということが重要でございます。 そういった観点からいたしまして、雇用促進事業団の設置いたします福祉施設、住宅等について特別の配慮をするということが一点でございます。そしてまた、雇用促進住宅でございますけれども、公共職業安定所の紹介でない場合でございましても、Uターンをするような人については入居を認めるというような形で進めてまいりたいというふうに考えております。
○対馬孝且君 ぜひテンポを速めて、効率的に成果が上がるように実施計画を促進してもらいたいと特に申し上げておきます。 そこで、北海道の地域の問題をちょっとお伺いしますけれども、地域雇用開発等促進法の施行をして、これまでも労働省もそれなりの雇用開発の対策、特に雇用創出効果というものを目的にしましてやってきたことは認めます。ただ、今日の離職者、労働者が就職をする機会を得られた状況なんでありますけれども、雇用開発の人員の実績、また地域間の人員実績もございますけれども、とりわけ北海道の、端的に言いますと、産炭地域あるいは当時の構造不況でありました鉄鋼地域、それから二百海里時代を迎えての漁業の関係の地域、こういった状況をどういうふうに把握されておりますか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(伊藤欣士君) お答え申し上げます。 現行の地域法が制定されましたのは昭和六十二年でございますけれども、現在まで雇用機会の開発を促進する必要のある地域として指定されました雇用開発促進地域におきまして、事業所の設置、整備に伴いまして求職者を雇い入れる事業主に対しまして地域雇用開発助成金というものを支給しておるわけでございますけれども、この助成金の支給対象人員は、昨年の末でございます平成二年の十二月までに全国で約二十二万人に達するなど、地域における雇用機会の増大に大きく貢献してきたものと考えておるところでございます。 また、先生御質問の北海道におきます支給対象人員は、同じく昨年の十二月末までに約一万五千人に達しておる、こういう状況でございます。
○対馬孝且君 そこで、具体的にお伺いしておきますけれども、いわゆる産炭地の離職者対策の現況は、私は今なお相当のおくれがあるんではないかと言わざるを得ないんです。 これは北海道庁が発表しています平成三年三月末「炭鉱離職者の職業紹介状況」というのがありますけれども、第八次政策でこれまで五山の閉山になっておりますから、離職者数は七千八百二十七、求職の受理数あるいは要対策者数と出てきておりますが、今なお千二百二十五名が現実の離職者として存在している。とりわけ岩見沢、夕張地帯が多いという現況です。今はもう春ですからね。四月に職業がないとどうなるか。きのう私提案理由申し上げたんですけれども、北海道特有の二十六万人の季節労働者、こういうところへ全部行かざるを得なくなるんですよ。 一面では人手不足なんて言っているけれども、今なお千二百二十五名の方々がまだ離職をして就職についていない。これは北海道庁の最近の数字ですけれども、こういう問題に対する緊急な対策、もちろん職業訓練もやっていることは承知していますが、もっと具体的に思い切った対策をとらないと、相変わらず片っ方では人手不足だ、片っ方ではこういうミスマッチ現象が起きているという、この対策についてどういう今後取り組みをするのか、積極的な考え方をお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 石炭の離職者の問題につきましては、ただいま先生御指摘のように、まだ全国でも私どもの公共職業安定所でお世話をしている方が二千二百名を上回っておるわけでございますし、北海道につきましても、先生ただいま御指摘のようなことでございます。そして寒冷地でございますので、その地域におきます雇用失業情勢は大変厳しいものがございます。したがいまして、これらの地域につきましては、現行の地域雇用開発等促進法においてとられております直接的な手厚い措置というものを今後も引き続きとってまいりたいというふうに考えておりますし、また元年度から導入いたしました大規模の雇用開発のプロジェクト、こういったものも北海道地域においてはスタートをいたしておりますけれども、こういった制度も十分に活用いたしまして、そういう大変産業的にもまたいろいろ気候等の関係からも厳しい雇用情勢にあります地域につきまして、できる限りの努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○対馬孝且君 これは通産省の関係も出るんですが、当時、高橋中小企業庁長官は石炭部長でございまして、一番そのことは詳しいわけでありますが、率直に言って、山を閉山する時点では、もう雇用対策は万全を期しますといういつもの言葉なんですよね。ところが、山がつぶれてしまったら雇用対策はいかがなものかというと、今なおこれだけの離職者がいるというのが現況でございまして、政府は政府なりに努力したことは私も認めますけれども、そこで問題は、思い切った地場産業、企業誘致、ここらあたりは積極的に取り組まにゃ、これは労働省の問題ではありませんけれども、そういう地域における雇用開発ということが非常に大事なことであります。 今度の法律改正がそこにあるんですけれども、その点をこれから積極的に、もちろんこれは道並びに市町村の自治体の首長がえらい努力はしていますけれども、とりわけ九州、北海道という地帯に優先的な企業誘致の促進とか、あるいは現地の企業興しという対策を積極的にタイアップしていかないと、ただ労働環境だけ整備しましたからといったって働く場所がなきゃしょうがないんだから。何よりも雇用場所の安定ということが一番大事なんだから、そこらあたりを含めてこれから、中小企業庁長官おりますので、直接のあれではありませんけれども、この機会に長官の決意、考え方をお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(高橋達直君) 御指摘ございましたように、産炭地域におきましては、炭鉱というものがいわば企業城下町のようなものを形成しているわけでございまして、その炭鉱が閉山するということに相なりますと、関連の中小企業あるいはサービス業、住民にも大きな影響を与えるわけでございます。ただいま労働省の方からお答えございましたように、雇用対策が推進されると同時に企業の誘致あるいは企業興しというものが進められていかなければいけないわけでございまして、通産省といたしましても企業誘致等につきましてはできる限りの支援策を講じているところでございます。 また、中小企業という観点から見ましても、地場の産業興しという面では何と申しましても中小企業が地域の活性化の基本になるわけでございますので、その点につきまして、特に地場産業センターというものを都道府県と一緒になりましてつくりまして、その地場産業センターを中心にしまして技術あるいは商品開発あるいは情報力というようなものを共同して充実していくということを中心にいたしまして、特に地場の産業興しに力を入れているわけでございますけれども、御指摘の点も踏まえまして、私どもとしても今後一層努力をしてまいりたいと考えております。
○対馬孝且君 今高橋中小企業庁長官からございましたので、そこらあたりをきめ細かい積極的な行政指導といいますか、こういうのをやっていただきたいということを強く申し上げておきます。 そこで、今回のこの法案のもう一つの目玉というのは、何といっても雇用環境整備地域、今も触れましたが、都道府県が地域雇用環境整備計画を策定する、そして労働大臣の承認を受けることが要件となっているということが法改正の目玉の一つになっていますね。つまり都道府県が計画というものを出して、それを労働大臣が承認をすれば直ちに行政的な行動を起こすことができるということなんですが、この都道府県が計画を定めることを求めたねらいといいますか、趣旨というのはどういう考え方に立って法制定をしたのか、この点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 雇用環境整備におきまして、魅力のある雇用機会を開発いたしまして若い方々などの地元の就職とかUターン就職を促進していきますには、地方公共団体等の地域関係者の自主的な創意や努力が不可欠でございます。国といたしましては、こうした地域の自主的な創意とか努力を支援する形で施策を講ずるべきものだというふうに考えております。したがいまして、雇用環境整備地域としての客観的条件を満たしていることのほかに、このような地元の熱意と努力、創意の上に立った自主的な計画の策定を求めまして、国としてこれを承認いたしまして、それによって援助、助成を行う、こういう考え方に立ったわけでございます。
○対馬孝且君 つまり、これまでの地域の画一的な計画から、地域の自主的自立というものを計画を出させてそれをもっと即効性的に生かしていく、こういう意味だと今説明を聞きまして理解しました。そういう点でのこれから積極的な地域性というものを生かすように労働省として推進を図っていただきたいということを強く要望しておきます。 そこで時間もありませんので、機構改革について、これは本年五月一日から労働省の職業安定局の機構改革が行われる、こう聞いております。地域雇用対策課になる一方で特別雇用対策課が建設・港湾対策室ということになると聞いているわけであります。今までは特別雇用対策課がございまして、農村地域工業導入あるいは季節雇用の労働者対策、私も知っていますけれども、地域雇用対策課という計画がされているんでありますけれども、この建設・港湾対策室は文字どおり建設、港湾でありまして、その対策等を行うことになるんだと思うんでありますが、そこで質問するんでありますが、特に全港湾、この前の法改正になったときに私もここで質問したことがあるものですから、関係労働組合で非常に、課が室に降格するということによって、職員が削減をされることによって港湾運送事業に対する指導を今までどおり行うことが果たしてできるのかという心配をかなりされて、ぜひこの地域促進法にまつわる機構改革についてこの点をひとつきちっと政府に答弁を求めてくれということでございますので、これをちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(伊藤欣士君) 五月一日から予定しております職業安定局の組織の再編につきましては、地域の雇用対策をより的確、効果的に行うべく地域にかかわる雇用対策を一元化しまして地域雇用対策課を設けることと、あわせまして建設・港湾対策室という形で建設労働対策、港湾労働対策に特化した実施体制の強化を図ることとしたわけでございます。従来特別雇用対策課でやっておりました季節労働対策等につきましても、地域対策の色彩が強いということで一元的に地域雇用対策課でやっていただく。従来特別雇用対策課でやっておりましたうち、建設労働対策、港湾労働対策に特化いたしました体制を整備するという意味で、先生御指摘の港湾労働対策につきましても、これを後退するということではなくそれを専門的にやっていただくというようなことで、今後港湾労働対策の一層の推進を図りたいと考えているところでございます。 また、労働省といたしましては、従来から港湾におきます雇用秩序の維持、確立を図るために関係行政機関、関係労使を構成員といたします港湾雇用秩序連絡会議というものがございますけれども、これをますます活用いたしまして、港湾におきます雇用秩序の維持、確立をどんどん図ってまいりたい。また港湾労働法の遵守強化旬間というのがございますけれども、そういうものを中心といたしました共同パトロール等の雇用秩序の対策を重点的に実施してきたところでございますけれども、今後、先ほど先生お話しございましたように、今回の組織の再編を機にいたしまして、体制を弱めるということじゃなくて港湾労働対策をますます強化していく、そういう意味で最善の努力を図っていきたいと考えているわけでございます。
○対馬孝且君 今の答えはむしろ弱体化するより強化していくんだ、また後退するんじゃなくて前進していくんだという答弁ですが、そうだとすれば、なぜ懸念を持つかというのを言わなきゃならぬのは、これは第百十二回通常国会で港湾労働法の改正の審議の際に、時の中村太郎労働大臣はこういう答弁をしているんですよ。「その雇用秩序を確保するために公共職業安定所の組織体制を整備しなければなりませんし、またかてて加えて、港湾運送事業主への立入検査、やみ雇用等の防止のための指導を初めといたしまして、法案成立を機会に労働省としましては決意を新たにいたしまして、真剣に諸般の問題に取り組んでまいる所存であります。」と、こう時の中村労働大臣が述べているわけであります。 具体的に雇用調整手当の業務を担当していた係官を就職促進指導官に回して立入検査を強化することにしていたが、違法雇用の取り締まり体制というのは強化されたということよりもむしろ今日の取り締まり体制が弱まっている、こういうことを全港湾労働組合から指摘を受けているんですよね。だから私はあえて言っているわけだ。強化強化と言葉ではそう言うんだけれども、当時の中村労働大臣がそういう決意を言ったにかかわらず、現実には今全港湾が調べてみるとこういう港湾事業の違反行為に対する取り締まりが逆に弱まっているという現象が具体的にはたくさん出てきている、時間がありませんから申し上げませんけれどもね。 そういう現実があるものだから、あえて私は機構改革を行うに際して、強化をするのであればその係官とかあるいは立入検査だとか、そういう業務体制はむしろ強化されるべきであって、それが減っていくということになったんでは、これはかえってマイナスの結果になるんじゃないかと、こういうふうに思われるものですから、この問題については大臣から新たなる決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 先生の御指摘になる趣旨はよく了解できるところでございます。先ほど局長が答弁申し上げましたように、実質先生が懸念いただくようなことにならざるよう、十分考慮して進めてまいりたいと思います。
○対馬孝且君 当時の中村労働大臣もそういう決意を申しているんでありますが、結果はそうではないという強い指摘ですから、そして今大臣が答えられましたように、しかとひとつそういう体制の機構改革に伴う強化をするのであるということで、確かな実績を上げてもらいたい、強く要望しておきます。 それでは、時間もなくなりまして、中小企業労働者の関係につきまして若干の質問をさせていただきます。 中小企業労働者の福祉向上のためには、中小企業労働者を直接の対象とする中小企業対策がもちろん基本的な姿勢なんでありますけれども、私は随分、私自身も中小企業後援会三百六十社ぐらい北海道に持っているんです。よく聞くことは、中小企業対策というのはいろんなことを言うんだけれども、これは労働省にちょっとお伺いする、建設省の関係にもなりますけれども、基本的には一番何が問題かといったら、元請から下請に仕事が渡るときに単価がたたかれる。その単価がたたかれて孫請に行ってまたたたかれる。しょせん今労働力不足の現況の中で、賃金、労働条件はもちろん、福祉施設、そういうものはないから、結果的には労働力がいなくなるんですよ。 何が問題かといえば、一番問題は単価制度のあり方なんだよ。これは私も建設委員長を昨年一年やりまして、かなり建設省に厳しく、大臣にも申し上げたことがございますけれども、基本的な労働省の姿勢として、こういう元請、下請、孫請に行く段階での労働条件に対する行政指導というか、こういうものの具体的な取り組みあるいは行政指導の基本的な考え方をどういうふうに考えているか、聞いておきたいと思います。
○政府委員(佐藤勝美君) ただいま御指摘のように、例えば建設業におきますように元請から下請に至る段階でいろいろ単価の問題等がある。そのことが労働条件にも影響を及ぼすという実態があることは認識をしている次第でございます。大きく申しますと、建設業あるいは造船業といった下請構造が一般化しております業種につきましては、例えば安全衛生の問題につきましては元請に一定の責任を持たせるというような措置も講じておりますし、また労働時間短縮を進めるに当たりましては、これは下請の中小企業だけをとらえて指導するということでは済まないということも認識しておりまして、私どもはそういった業種につきましては元請といいますか、発注企業と、それから下請の企業も含めました一群を集団としてとらえまして指導をやるように心がけているところでありまして、施策の骨組みとしましてもそのようなことを心がけている次第でございます。今後とも御指摘の点を十分認識をした上で、諸般の労働条件改善対策を進めてまいりたい、かように考えております。
○対馬孝且君 私も建設省関係は随分手がけてきましてわかるんだけれども、これは佐藤基準局長もう御存じだと思う。三省賃金、御案内でしょう、きょうは時間ないから建設省呼んでないんだけれども、三省賃金がどこまで守られているかということですよ。あるいは有給休暇、はっきり言うけれども、これだって同じ。現実の問題としては、孫請、下請に行けば行くほど有給休暇なんかとってないんだよ。とられる仕組みになっていないんだ。三省賃金だって全国平均の、型枠なんといったら今建設省が行政指導しているのは一万八千円から二万と指導していますけれども、現実になってないでしょう。北海道なんか今なお八千円から一万そこそこですよ。 そういう問題も私は具体的に指摘しておるんだけれども、例えば退職金共済制度、これだってこういう今の行政指導からいけば積極的に退職者を指導して加入率が前進しなきゃならぬでしょう。現実に今北海道の中小企業退職金共済制度加入率何ぼだと思いますか。実態把握していますか、ちょっと参考までに聞きたいと思います。
○政府委員(佐藤勝美君) ただいま御指摘の北海道におきます中退金の加入率については、ただいま手元に数字がございません。存じておりません。
○対馬孝且君 今なお北海道がいいと言っているんだ、全国四十七都道府県では。いいというところで四三%ぐらいですよ。だから、こういう問題が人手不足につながるんだよ。どうあれ、あんた三省賃金は守られてない、一番今世の中で言われている危険、汚い、きついという三Kの労働者が三省賃金は守られない、有給休暇は与えられない、今私が言った退職金制度は全く促進されていない。これではいなくなるのは当たり前の話でしょう、私に言わせれば。そういう問題について私は先ほど基準局長からお答えありましたけれども、より積極的な、もちろん労働省だけじゃないけれども、関係省庁含めてそういう行政の取り組みをしないと私は成果は上がらないと思いますよ。これは前から言っていることだけれどもね。それはひとつ強く申し上げておきます。 そこで、人手不足の関係につきまして申し上げたいのでありますが、最近不動産投資や財テクの失敗ということで非常に大型倒産になっていますね。人手不足による中小企業の倒産が目立ってきているわけでありますが、人手不足が中小企業に与える影響は構造的に深刻化して人手不足倒産が前面に登場してきているわけであります。日本の企業の倒産史、歴史をちょっと私なりに考えてみましたが、ちょっと最近のあれは前例がないんだね、今までの歴史の中ではね。 例えば、不況の危機が何回かあったけれども、あるいは労働力の問題何回か歴史的に繰り返していますけれども、どうも今日の人手不足の現象というのはこのままで行くと、率直に私お伺いしたいんですが、見通しの問題なんだけれども、これは日本生産性本部が出した二〇〇〇年を目標にしてどのぐらい労働者不足が起きるかといったら五百万と言っているんですね、五百万。それから生命保険会社が出した見通しで言いますと、二〇〇〇年時代には今の労働力不足というものは五百四十万最低不足になるだろうと。こういう問題を現実に想定しなければならぬと思いますよ。 こういう一つの考え方に対して、人手不足対策というものについて今後どういう行政指導をとられるのか。その点を答えてもらいたいということと、それから中小企業庁長官として、これからこういった人手不足対策に対する中小企業庁の立場から、通産の立場からどういう行政的な対策をとられるのか、この二つをそれぞれお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 今後の中長期的な労働力の需給の問題でございますけれども、出生率の低下等の影響で若年労働者が減ってくるというようなこともございまして、労働力人口というもので見ますと、一九九〇年代の前半の毎年の伸び率が〇・八ぐらいになるだろうというふうに考えております。また一九九〇年代の後半は大体〇・四%ぐらいの伸びになるだろうというふうに考えておりますので、人手不足基調で推移するということでございます。 こういった中で、私ども学者の方々に試算をお願いいたしておりますが、四%程度の成長というものが持続するとして考えました場合に二〇〇〇年の失業率というものは大体一・八%ぐらいになるだろう、こういう試算でございます。依然として人手不足基調でございますし、中小企業にとっては特に労働力という問題で厳しい状況であるというふうに考えておるわけでございます。 ただ、こういったことにつきましては、省力化を強力に推進いたしますとか、何よりもまたミスマッチがあるわけでございまして、高年齢者の雇用の促進をいたしますとかあるいは女性の働きやすい環境を整備いたしますとか、あるいは能力開発というような形で人材の育成を図るというようなことでございますとか、あるいはさらに生産拠点の移転というようなものをすべて総合的に強力に推進をしていきますれば、そこには活路があるというふうに考えている次第でございまして、そういった施策を総合的に推進してまいりたいというふうに考えております。
○政府委員(渡辺修君) 将来の労働力需給見通し等に関します基本認識は今労働省の方でお答えいただいたのと全く同じでございます。 これに対する対策といたしまして、基本的には労働力をより高める方向、つまり高齢者とか女性労働者等を投入することと、もう一つは労働者需要を少なくすること、つまり合理化投資、省力化投資を行っていくという、この大きく二つの方法があるんだろうと思うのでございますが、我々といたしましては、特に後段の省力化投資、合理化投資等を進めることによって企業の人手、労働力に対するニーズを低めていくというのに全力投球しておるわけでございます。 中小企業について申しますと、平成元年度から労働力関係の緊急な省力化投資等に要する低利融資制度を始めましたし、また平成二年度からは中小企業金融公庫等から同じく労働環境整備貸し付けという制度を導入したわけでございますが、なおかつ現在中小企業と大企業との間の魅力ある職場環境の状況というのが全然違っておりますものですから、今回、中小企業によりその格差を是正するための法案をお願いしておると、かように考えておるところでございます。
○対馬孝且君 今、労働省、通産、それぞれ答えがございましたが、それも一つあれだと思うんだけれども、最近労働力不足の問題で関係各界の労使並びに学識経験者などの懇談の記録をちょっと私読ませてもらったけれども、こう言っているんですよ。なぜ今中小企業に人が集まらないか。今中小企業三ない欠陥と、こう言っているんだ。三ないの原因があると、三ないというのはないということですよ。どういうことが三ないかといったら、こういうことなんだ。 休暇が少ないということだ、福利厚生施設が足りない、職場の環境がよくない、これを称して中小企業労働者の三ない要因と、こう言っている。全くこのとおりだと私は思うんですよ。三ない要因というのはこのことを言っているんですよ。だから、省力化あるいはそれなりの合理化投資をしていくと、高齢者でも年いっても省力化することにおいて仕事につけるとか、それも一つのやるべきことだと思うけれども、それよりも基本的に何が問題かといったら、今言った私は三ない条件が満たされなければ、これらの中小企業労働者の確保というのは困難である。これは座談会にも出ています、私持っていますけれども。このとおりだと思うんだな、私、現実に聞いてみても。 問題の焦点をここに置いて解決をするという、これからの行政の強化をしていかないと、それは省力化も必要だしあるいは合理化も必要でしょう。それだけではないということで、むしろここに問題の一つの基本的な要因があるということをきちっと踏まえて対処すべきではないかと、こう思いますので、この件についてひとつ大臣から所見と感想をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 全く先生三つの三ない、一つの原則をお話しいただきましたが、そのとおりだと私どもも平素認識をいたしております。 また、それぞれ対応措置は講じておるところでございますが、不足の分は十分補いまして対応したいと思います。
○対馬孝且君 それから、いま一つの問題は、私はまだたくさん質問残っているんですけれども、時間が来ておりますので、私はこのことをちょっと申し上げておきたいと思うんです。 よく法案改正というときには強化あるいは前進のためにといつも言うんだよな。正直に言うと、中小企業関係法律というのは調べたら、私が知っている限りでは三十二本ぐらいあるんだな。そして提案するたびに改革、前進と言うんだけれども、依然として今なお三十数本の法律をつくっていながら、それほど中小企業の問題は改善されていない、これは実態認識として出ているんです。だから、私があえて言いたいのは、中小企業の歴史を言うなら今私が指摘したことなんでありますが、こういうことをきちっと踏まえて、法律が数あるからこれで対策になっているというんではなくて、もっとそこに本質的なものがあるんじゃないか。 それは今日の労働環境、労働力不足というものの原点は一体何だということを考えると、労働省が人間尊重というここを最優先に施策の基本を据えるというこの考え方が、通産であれ労働であれ必要じゃないでしょうか。そういう姿勢があって具体的なものが出てくる。何か法律を改正するたびに強化策だ前進だとは言うが、一向に中小企業の問題はそれほど改善されていないという点を、いま一度今ある法律を見直してみて、何が問題かということを整理してみる必要がある、こういうふうに私は感じます。この点の所見があればお伺いしたい。 それからいま一つは、労働省に関係省庁連絡会議というのがあるでしょう、労働対策の中で。特に私は建設省に申し上げてもらいたいのは単価なんですよ、元請、下請、孫請の場合については。現に労働省は立派なことをやったんだ。四年前札幌市に御案内のとおり中小企業勤労者福祉センターと通称言われる、あれは労働省は立派なことをやったんです。 立派なことというのはどういう意味かといったら、この間もちょっと雑談で申し上げましたけれども、北海道の季節労働者の通年施工をやったんです。なぜできたかというと答えは簡単なんだ。単価を二割アップしたということですよ。単価を二割アップして大体雪降るまでに上物を全部つくって、そして冬場になってもちゃんと仕事があって通年施工でやった。内容を充実して仕事は立派なものができて、労働者の雇用対策に道が開かれて一石二鳥じゃないですか。それは何だといったら、何のことはない、単価なんですよ。 私はなぜこれ言うかといったら、北海道開発庁という、御案内のとおり建設、運輸、農水省でしょう。今八千億ですよ、北海道開発予算というのは。戦後最高です。八千億突破したんです。それは御案内のとおり、日米構造協議の四百三十兆円に伴う公共投資計画というのは結構なことですからいいんだけれども、私の言いたいのは、この間も建設省に申し上げました。前の綿貫大臣に私申し上げたことがあるんですが、せっかく日米構造協議で公共投資の改善策が出たのであれば、この機会に単価、そういうものを改善していってむしろ将来の労働力不足に対処していく、こういう姿勢があっていいんじゃないかということを申し上げたことがございます。綿貫前大臣も、いやまさに認識は一致するし、これからもそういう改善策に努めたいとは言っているが、この機会に最後に申し上げたいのは、ここらあたりを省庁連絡会議というものがあるわけですから、労働大臣、ひとつ積極的にそういう改善策をすることが中小企業労働者確保につながる。それは元請が下請にしわ寄せし、下請が孫請にしわ寄せする。ひいてはそれが労働条件に全部影響していくことになる。ここに当面の最大の中小企業労働者確保の重要な課題がある、とりわけ建設労働者について。 この点を私は申し上げたいと思いますので、大臣にこれから新たなる決意で対処してもらいたい、この答弁を聞いて、私の質問を終わります。
○国務大臣(小里貞利君) まさに産業優先の時代から労働力尊重の時代、これは私ども日ごろ労働行政を預かる者として基本的に重要に心得なければならないことだと思っております。ただいま先生御指摘ございました関係省庁の連絡をもっと密にしていくべきではないかというお話でございますが、関係省庁にも積極的に御相談申し上げるべきは相談をしてまいりたいと思っております。 なお、また労働省の賃金単価の問題等御指摘いただきましたが、日ごろ通年雇用の問題とあわせまして、いろいろ連絡とっておるところでございますが、さらに一段と留意いたしてまいりたいと思います。
○政府委員(高橋達直君) 対策の推進につきまして、各省連携をとるということについては、ただいま労働大臣からお話がございましたように、私どもも鋭意努力をしてまいりたいと思うわけでございます。 さらに、先ほど対馬委員から御指摘のございました中小企業関係、法律をつくるときは一生懸命だけれども、つくってしまうとなかなか進まないというお話もございましたが、要は仏をつくって魂も入れよという御教訓をいただいたというふうに受けとらせていただくわけでございまして、私どもといたしましても、そのときどき時代に合わせて努力をしているわけでございますが、なお一層努力をさせていただきたいと思うわけでございます。 労働力確保の問題につきましては、当面はこの法律を通していただきまして、いろいろと総合対策を用意していただいているわけでございますので、要はまずこの制度を皆さんに周知徹底していく、そして協同組合などがこの問題に取り組む場合の我々としてはいろいろアドバイスをして実効を上げていきたいと、かように考えているところでございます。
○対馬孝且君 終わります。
○委員長(福間知之君) 両案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時一分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(福間知之君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 午前に引き続き、地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案及び中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○菅野壽君 中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案が出ておりますが、それに関して質問を申し上げます。 我が国の中小企業でございますが、今日いわゆる大企業と言われるものの成り立ちを見ますと、初めはみんな中小零細企業から成り立っているものと思います。もちろん、官営の工場から出発したものは例外でございますが、例えばここにおられます福間委員長の御出身であります松下電器産業は典型的な例ではないかと思うのであります。創業者の松下幸之助さんという方が創意と工夫、営々と努力されて、それこそ町工場から出発されて今日の大松下になったのであります。特に中小企業においては、何と申しましても事業主の魅力が企業経営を左右するものだと思います。 ところで、ある調査によりますと、我が国百年の企業の歴史を見ますと、企業の繁栄のピークを維持できるのは三十年程度であるということであります。これは経営者の体験に基づく実感ともマッチしているものではないかと思います。また、国税庁の調べによりますと、我が国で新たに設立された法人企業数はざっと年間十万件だそうでありますが、しかし、その一方で年間八万社も消滅を余儀なくされていると聞いております。 去る十九日、通産省から平成二年度の中小企業白書が提出されました。最近の中小企業については人手不足、地価高騰等の問題が指摘されておりますが、もう少しその実態について御説明いただきたいと思います。
○政府委員(高橋達直君) いわゆる中小企業白書でございますが、中小企業基本法に基づきまして毎年国会に提出をさせていただいております。 今回の白書におきましては、ただいま委員から御指摘のございましたように、人手不足問題を非常にクローズアップしてございまして、平成二年度の問題といたしましても、総じて中小企業の景況が好調であった中で人手不足問題が深刻な問題としてクローズアップされてきたこと、そしてそれだけでなく、長期的に一九九〇年代を通じましても、中小企業の課題として本問題が最大の課題であることを指摘しているところでございます。関係機関のアンケート調査などでも、最近十期連続で経営上の最大の問題として経営者が人手不足問題を挙げておりますし、また最近時点では、全体の四割の方々が最大の問題ということで求人難を挙げているというようなことも指摘しております。 また、これらに関連いたしまして倒産動向も顕著でございまして、倒産件数全体が相対的に数年前よりも低い水準であるにもかかわりませず、いわゆる人手不足倒産ということで、従業員の退職や後継者難等人手不足を主因とする倒産が非常にふえておりまして、民間の調査でございますが、昭和六十三年には五十七件であったものが、平成二年には三百八十一件というふうにふえているわけでございます。また長期的にも生産年齢人口の先行きが一九九〇年代の半ばをピークにいたしまして減少傾向にあること、また若者の勤労意識などの変化などから見まして中小企業の人手不足問題というのが中長期的かつ構造的にも大きな問題であるという認識を指摘しているところでございます。 特に白書では、勤労者の意識調査を実施しておりまして、現役の勤労者の方々が職場をどうとらえているかということで、特に生産現場等現場部門の勤務を嫌うという傾向が出ているわけでございまして、これからはどうしても本法案などの支援を得まして魅力ある職場環境を実現していかなければいけないというふうなことに相なるわけでございます。 一方、御指摘の地価の高騰の影響でございますが、白書におきましては、地価の上昇が担保価値を上昇するということで借り入れが容易になるというような企業経営にとってのプラスの面もあるという指摘もございますが、他方におきまして事業所用地の確保が困難になるなど事業展開に当たりましても大きな制約となるということで、また地道な経営努力の意欲をそぐということで長期的な成長の阻害要因になっているという指摘をしておりまして、総じて地価の高騰というのが中小企業にとりましては、プラスマイナスあるわけでございますが、マイナスの影響の方が大きいという指摘をしてございまして、地価問題につきましては、中小企業の経営にとりましてもその適正化が望まれるという指摘などをしているところでございます。
○菅野壽君 次に、中小企業と外国人労働者問題についてお伺いしたいと思いますが、現在、中小企業の人手不足は深刻なものであります。企業経営者は労働力確保に躍起となっていることは御承知のとおりでございます。我が国の将来の生産年齢人口が一九九五年をピークに減少に転じ、二〇一〇年には若年労働力を中心に大変な数の労働力不足を来すと予測されております。女性や高齢者を活用するようにしても相当の労働力不足を来すところであります。 そのために、中小企業者の集まりであります日本商工会議所から昨年三月二日に「外国人労働者問題に関する要望」が提出されております。その骨子は、政府はいわゆる未熟練外国人労働者の就労を認めない方針を打ち出している。技術移転を目的とした研修制度の受け入れ枠拡大の方針を示しておりますが、その具体的方法には各省間の整合性がない。政府は就労と人材育成、技術移転の目的を同時に達成することを目指した具体的かつ実効ある対策を一日も早く打ち出すべきであると言っております。また同時に、政府間協定の締結、受け入れの条件等について外国人労働者熟練形成制度というものを提唱しております。 このような要望書が提出されていることは、中小企業における人手不足の切実さを表現しているものと思われます。この点についてどのような御見解であり、また研修制度の受け入れ枠の拡大ということについてどのようにお考えか、お話を承りたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 外国人労働者問題につきましては、私ども労働力不足対策として外国人労働者を受け入れるということにつきましては、労働面を初めといたしまして我が国の経済社会全般に及ぼす影響等にかんがみまして慎重に対応することといたしておるわけでございますが、他方、人づくりを通じた国際協力という観点からの外国人研修生の受け入れにつきましては、今後積極的に推進していく必要があるというふうに基本的に考えております。 ただいま御指摘になりました日本商工会議所からの御提案でございますけれども、これは外国人労働者問題に関して、最近の人手不足の深刻化とかあるいは不法就労の急増に実効的に対処するために、さきに東京商工会議所から提案されました外国人労働者熟練技能形成制度の実現に向けた具体的な検討を政府に要請しているものでございます。 この御提案におきましては、外国人労働者が就労しながら一定の技術、技能を習得して熟練形成を図るということでございまして、受け入れの全期間を通じまして労働者として受け入れるということを前提にしておるわけでございまして、そうなりますと、外国人労働者の受け入れと区別することが基本的に大変難しいということが一番基本的な問題点ではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。 私ども、先ほど申しましたように、人づくりという観点から、外国人研修生の受け入れは積極的に推進していく必要があるというふうに考えておりまして、このため、関係省庁と連携を図りまして、中小企業を初め、研修生受け入れ企業等に対して、新たに設立予定の財団を通じまして各種の指導、援助等を実施するなどいたしまして、研修生の受け入れ体制の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
○政府委員(渡辺修君) 昨年提案されました商工会議所の提案に対する考え方とか、外国人労働者問題に対する現在の政府の方針は、今労働省の方からお答えになったとおりでございます。 今、その中で関連いたしまして、御質問に中小企業の外国人研修生の受け入れ状況いかんという御質問がございましたので、これにつきまして一言御説明申し上げたいと思います。 昨年の六月に改正されました入管法の改正に従いまして、中小企業の商工会議所とか商工会あるいは中小企業組合等が行いますしっかりした監督のもとに行われる外国人研修生の受け入れというものにつきましては、特に中小、小さい企業の職員数の企業についても弾力的に研修生を取り入れることができるような特例措置を設けられたわけでございますが、これを活用いたしまして、現在既に実施されておるもの、あるいはその後、今近々発足するもの合わせまして、二十に少し欠けるぐらいの団体が既に取り入れを行っておる、あるいはもう今行おうという状況でございまして、引き続き今後予定しておる、計画しておるものも幾つかございます。 我々といたしましては、中小企業が民間ベースで外国人の職業の訓練、技術トランスファーを行っていく一助といたしまして大いにこの制度を活用できるよう、側面的に支援してまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○菅野壽君 次に、中小企業と労働時間短縮についてお伺いしたいと思います。 中小企業は、一般に労働時間が長いのは当たり前だと思われておりますし、資料によりましても、企業規模が小さいほど労働時間が長くなっておる。中小企業においては労働時間の短縮について、労働基準法上猶予措置が認められております。しかし中小企業の中には、大企業と同じように時短を実施しているところもあると伺っております。 また、労働時間短縮をめぐる理屈をよく考えた場合、中小企業の方がむしろ条件がよい。時短の進んでいるところはやはり技術力、製品力がすぐれているところがある。その意味では、どれほど時短を進めているかということは中小企業の企業力を推しはかる格好の指標であると言えようと言う学者もおられるようでございます。 何よりも技術力、製品力をつけた中小企業にならなければなりませんが、この中小企業と労働時間短縮について労働省、中小企業庁はどのような対策を講じておられるのか、また今後どのような対策を講じようと思っておられるのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(佐藤勝美君) ただいまの御指摘のように、中小企業といいましてもいろいろ業態あるいは経営の内容、違うものがあろうかと思います。押しなべて申しますと、中小企業におきましても、六十三年に改正労働基準法実施以来、労働時間は着実に減少してきているところでございますけれども、押しなべて経営基盤が十分でないというような問題もある。それから横並びでほかの中小企業が行わないと自分のところだけ時間短縮をやるわけにはいかないというようなこと、あるいは発注元であります大企業との関係から、自分のところだけで進めることはできないというようなのが大体中小企業と労働時間の問題についての難しい問題の存するところであろうと思います。 そういうようなことから現状見てみますと、中小企業におきましては、例えば週休二日制の普及が大企業に比べてかなりおくれているというようなことから、所定内の時間が長いという状況にございます。こういうような現状でございますので、労働省としましては、中小企業の集団的な時短への取り組みを助けるという意味から同一業種あるいは同一地域といったグループをとらえまして、集団的な取り組みを促進するために例えば時間短縮アドバイザーといったようなものを派遣するというような方法での指導、援助を行っておりますし、また発注元との関係では、親企業も含めました系列企業ごとに集団的に週休二日制の導入等に取り組むように指導、援助を行っているところでございます。 こういうことで平成二年度におきましては、同一地域、業種等の団体、集団としては約六百三十、それから親企業を含めました集団としては約五十の集団を対象に指導を行ったところでございます。またこのほか、個別の企業に対しましても労務管理の専門家を派遣をする、あるいはそういった人たちによる診断を行うというようなことによりまして指導、助言を行っているところでございます。 今後とも引き続きこのような枠組みを中心に中小企業の労働時間の短縮に向けて全力で取り組んでまいる所存でございますけれども、ただいま御審議をいただいております法案が成立をいたしま すれば、さらに中小企業団体のこの問題に関します取り組みが一層充実するというふうに期待をいたしておるところでございます。
○政府委員(渡辺修君) 中小企業が時短を推進してまいりますためには、当然のことながら省力化投資、合理化投資が必要不可欠でございます。先ほど先生御指摘ありましたように、最近それに積極的に取り組む中小企業がふえてきておるわけでございます。 こういった客観情勢をつかまえまして、平成元年度から我々国と都道府県とが一緒に協力いたしまして、地域の中小企業に対する中小企業人手不足対策緊急貸付制度というのを全国二十八都道府県で開始をいたしました。また、平成二年度からは中小企業金融公庫とそれから国民金融公庫、政府関係金融機関でございますが、この二つから今申し上げましたような省力化投資、合理化投資を行う中小企業者に対しまして労働環境整備貸付制度というのを発足いたしまして、これに対して今大変たくさん申し込みが来、貸付制度が動いているわけでございます。 今申し上げましたように、意欲的に職場環境を改善しよう、それを売り物にして人手不足を解消しようという中小企業の意欲的な取り組みが非常に最近出てきておるものでございますから、今回御提案いたしております労働力確保法によりまして、従来と比べまして飛躍的にこれらの動きを支援してまいるようなスキームをつくりたいと、かように考えておるわけでございます。
○菅野壽君 次に、下請中小企業の実態についてお伺いしたいと思います。 時間短縮や週休二日制がなかなか進まないところは、親企業との関係からいえば、下請方式の関係にある中小企業に多いのではないかと思います。 親企業の方では時間短縮や週休二日制はどんどん進んでおりますが、下請中小企業ではなかなか進まない。親企業からは工費も工期も決められてどんどん仕事を持ってくる。下請中小企業の方では仕事が押せ押せで、特に年度末の状態では土曜も日曜もないくらい忙しい実態ではないかと思います。 一方、技術力、製品力にすぐれている企業経営に自身がある中小企業は、時間短縮なり週休二日制は取り入れていると思います。私は中小企業において時間短縮なり週休二日制が進まない中小企業というのは、このように親企業との関係で構造的なところに問題があるのではないかと思います。 そこで、下請中小企業における時間短縮についてどのような対策を講じているのか、御説明をいただきたいと思います。
○説明員(田中信介君) 御指摘のように、下請中小企業の時短の推進については親企業の発注方式の改善が重要な課題でございます。こうした観点から、昨年の十月以降中小企業近代化審議会下請企業部会で本問題について御審議をいただきまして、本年二月に下請中小企業振興法の振興基準を改正いたしまして、親企業の発注方式等の改善を図ることとしたわけでございます。 改正のポイントは大きく四つございます。一つは、週末に発注して週明けに納入をさせる、終業後に発注して翌朝に納入させる、あるいは発注内容の頻繁な変更、こういった時短の妨げとなる発注等の抑制でございます。 二点目は、下請中小企業の計画的生産、発注平準化への協力でございまして、将来の発注計画についての事前の情報提供をする、加えまして、その事前の情報提供と確定発注との乖離を縮小させるということでございます。 三点目は、コストへの反映ということでございまして、納期の長短、納入頻度の回数あるいは発注内容の変更等を配慮して、必要となった費用を十分に単価に反映をさせるということでございます。 四点目といたしましては、親企業、下請企業共同の取り組みによります生産、配送システムの見直し、こういったところが改正の大きなポイントでございます。 本改正振興基準につきましては、二月二十五日付で親事業者等約三千に通達を出しました。今後はこの改正振興基準の周知徹底に万全を期す構えでございまして、パンフレットあるいは説明会の開催、業種別マニュアルの作成あるいは実際に親企業の発注方式が直ったかどうかのフォローアップ調査、こういったことを平成三年度以降予定をしておりまして、周知徹底に全力を挙げたいと、かように考えております。
○菅野壽君 次に、官公需の発注と労働時間短縮についてお伺いしたいと思うんですが、建設省それから運輸省の方、お見えでいらっしゃいますか。――建設省にお伺いしたいと思いますが、建設省ではさまざまな公共事業を民間の企業に発注しておられますが、建設業界のすそ野は非常に広く、工費、工期にどれだけの休日が見込まれているかは大きな影響力を持つと私は受けとめております。 そこで、お伺いしたいのですが、建設省が公共工事を民間の企業に発注する際の工費、工期の設定におきまして、労働者の労働時間、週休日数はどのように見込んでおられますか。また公共事業もたくさん抱えている自治体などに対しては一体どのように指導されておりますか。あるいは自治体は自治体で建設省の方針と全く関係ないような立場に立っておられるのか。 また、この四月から労働基準法の法定労働時間が週四十四時間に短縮され、適用猶予事業所においても短縮されたわけでございますから、私としては当然工費、工期の積算にも反映されるべきだと思いますが、具体的にお答え願いたいと思います。 それから、運輸省も港湾や空港等の公共工事を抱えておられます。そこでやはり建設省同様質問させていただきますが、公共工事発注の際の労働時間、週休日数の算定は運輸省ではどのようにしているのでしょうか。どのような方法で周知徹底させておられますのか、教えていただきたいと思います。
○説明員(澤井英一君) 建設省が公共工事を発注いたします際には、建設労働者の休日日数といたしまして日曜、祝祭日、それから月二回の官庁の土曜閉庁日、いわゆる四週六休に相当いたしますけれども、そういったことを見込んで工期を設定しております。 また、工費につきましても、機械損料などこういった休日日数に対応して計上しているところでございます。 また、自治体に対しましては、所管事業の執行通達による指導を初めといたしまして、あらゆる機会を通じまして緊密な連携をとってやっております。 なお、この四月から、御指摘のように法定労働時間がほとんどすべての建設業で四十八時間から四十六時間になったわけでございますが、工期につきましては、ただいま申しましたように既に四週六休ということでやっております。 なお、建設労働者の賃金、公共工事で使う場合の賃金、これにつきましては取引実例価額を調べてこれを決めるということになっておりますが、この四月からは法定が四週五休相当、四十六時間になっておりますので、そういう前提の単価を採用しているところでございます。
○説明員(高橋通夫君) 港湾、空港などの運輸省所管の公共事業につきましても、平成三年度から法定の労働時間の短縮を考慮した工事費の積算を行っているところでございます。 また、工期の設定につきましても、同様に法定の労働時間の短縮に見合ったものとして対応いたしているところでございます。 これらのことにつきましては、国の出先はもとよりですが、関係の地方の公共団体等へもその旨文書で通知いたしまして適正な事業の執行に努めているところでございます。 以上でございます。
○菅野壽君 次に、中小企業で働く人々の満足感について、中小企業の従業員を対象とした意識調査によりますと、会社選択の理由として第一に最もウエートが高かったのは、自分に合った仕事、能力を発揮できる機会、責任ある仕事などの仕事関連と、第二にウエートが高かったのは将来性のある会社、活力のある会社、社長個人の魅力、職場環境のよさなど社長の経営方針や考え方によってもたらされた組織関連、そして転勤が少ない、ない、交通の便のよさという地元関連等が続いております。 私は、この法律の対象になろうとしている中小企業の従業員の意識調査による二番目の活力ある会社、職場環境のよさという組織関連に着目しておるものであります。そしてこの点、支援の手を差し伸べて中小企業を活性化しようとする法律であることを理解するものでありますが、そのような理解でよろしいかどうか伺いたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 中小企業と申しますものは、ただいま先生御指摘のように、働いている人にとりまして本当にやりたい仕事ができるといったような魅力を持っているわけでございまして、そういった魅力を求めて職場に入ってくる方が多いわけでございますけれども、しかしその職場環境というものを見てみますと、労働時間の問題でございますとか、福利厚生施設の問題でございますとか、あるいは職場環境の問題でございますとか、こういう点で立ちおくれがあることは事実でございます。 こういった面を魅力あるものにいたしますれば、中小企業を目指す人はさらに多くなってくるわけでございまして、今回の法律もこういった点に着目をいたしまして、労働時間の短縮、職場環境の改善、福利厚生の充実、こういった雇用管理の改善に積極的に取り組む中小企業者を総合的に支援をすることによりまして、先生の御指摘のような期待される中小企業、魅力ある職場にしていく、こういうことを目的としておるわけでございまして、御指摘のとおりでございます。
○菅野壽君 法律案の提出の経緯についてちょっと伺いたいと思います。 この法律の目的は「中小企業の振興及びその労働者の福祉の増進を図り、」云々となっております。通商産業大臣と労働大臣の共管になっております。二つの省が共同して中小企業とその労働者のために施策を推進することは、私は極めて意義あるものと思っております。 この法律案は、労働力の確保を図るために雇用管理の改善に関する計画を策定する、積極的な意欲のある団体等に対し支援するという、雇用立法としては初めてのケースであると思っております。 そこで、労働力の確保対策が求められている背景、その実態、さらにこの法律案の提出の経緯について御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 先生ただいま言外に触れていただきましたように、中小企業振興政策、通産省の豊富な経験、そしてまた私ども労働省の労働雇用政策ということにかける意欲、これらをミックスいたしまして基礎的連携のもとに今度の立法行為に至ったわけでございます。 先生もお話しのとおり、中小企業におきまする労働力の不足は極めて長期的な、そしてまた構造的な一つの問題として対応していかなければならない、かように思っておりまして、そのような観点からも私は時宜を一応得たものである、かように考えております。 また、中小企業が労働力を確保していくためには、いわゆる大企業に比べましておくれておりまする諸問題がございます。数多く先ほどからいろいろ御指摘いただいておりまするように、労働時間の問題あるいは雇用管理の問題、職場環境の問題等々、それぞれ率直に申し上げまして格差が大きゅうございますから、それらの点にも十分留意しながら対応していこうという観点も一つございます。 さらにまた、中小企業におきまする労働力確保、定着対策につきましては、中央職業安定審議会あるいはまた中小企業近代化審議会等の議論を踏まえまして、そして本法案の要綱につきましては、中央職業安定審議会にお諮りをいたしまして、おおむね妥当との結論を得ましたので、労働省と通産省が共同してこのようなことに至ったわけでございます。
○菅野壽君 次に、基本指針で定める事項内容についてお伺いしたいと思います。 通産大臣及び労働大臣が策定いたされました基本指針の中に定める事項について伺いたいと思います。 法案第三条第二項の第二号で規定している「中小企業者が行う雇用管理の改善に係る措置の内容に関する事項」と、三号の「その他中小企業者が雇用管理の改善に係る措置を行うに当たって配慮すべき重要事項」とは、具体的にどのような内容を定められるのでございましょうか、伺いたいと思います。
○政府委員(伊藤欣士君) 本法に基づきまして策定いたします基本指針は、中小企業が労働力の確保を進めていく上で非常に重要だと考えられます雇用管理の改善の基本的な方向と、それを実現するための一般的な方法を示すものでございます。 基本方針に盛り込みます内容といたしましては、まず、法三条の第一号に書いてございます「中小企業における経営及び雇用の動向に関する事項」というものを前提といたしまして、御質問ございました第二号につきましては、労働力を確保していく上で必要な雇用管理の改善の基本的な方向といたしまして、例えば労働時間の短縮、職場環境の改善、福利厚生の充実また従業員の募集方法の改善等を定め、それらを実現するための事業協同組合等ないしは個別企業が行うべき措置の一般的な方法、例えば労働時間の短縮につきましては、連続休暇制度の採用、省力化投資の実施等を記載し、また三号のこの「雇用管理の改善に係る措置を行うに当たって配慮すべき重要事項」といたしましては、本法にかかわります国の施策を活用すべきこと、改善事業の内容を関係労働者に周知すべきこと、そのほか中小企業者が雇用管理の改善に係る措置を行う場合に留意すべき事項を記載する予定でございます。
○菅野壽君 基本指針と中退金制度と財形制度の加入促進についてお伺いしたいと思います。 第二号の雇用管理改善措置の内容に関する事項と第三号の配慮すべき重要事項の中に、中小企業ではまだまだ普及が進んでいない中小企業退職金共済制度と勤労者財産形成制度への加入促進についてぜひとも書き入れるべきではないかと思いますが、積極的な答弁をひとつお願いしたいと思います。
○政府委員(伊藤欣士君) 先ほどお答え申し上げましたように、本法の基本方針は労働時間の短縮、職場環境の改善、福利厚生の充実等今後の雇用管理の改善の基本的な方向を示し実現するための方法を示すものでございまして、このうち福利厚生の充実につきましては、社宅などの福利厚生施設の整備とともに、御指摘のような中小企業退職金共済制度への加入であるとか、勤労者財産形成促進制度の整備等も重要であると考えておりまして、これらにつきましては、御指摘のように基本方針に盛り込む方向で検討を進めたいと考えておるところでございます。
○菅野壽君 次に、知事の認定基準と政令で定める基準の内容についてお伺いしたいと思います。 中小企業団体が改善計画を策定し、その改善計画を都道府県知事が認定するわけでありますが、知事が改善計画を認定する際の基準について、どのようなことを考えておられるか。 もう一つは、また法案第四条第三項の第四号で規定している「政令で定める基準」とは具体的にどのような内容でございますか、教えていただきたいと思います。
○政府委員(伊藤欣士君) 改善計画を認定します基準の内容といたしましては、まず法律上で三点明記されておるわけでございます。 まず第一に、改善事業の目標、内容及び実施時期が基本指針に照らして適切なものであるかどうか。二番目が改善事業の内容、実施時期、資金の額等が改善事業の目標を確実に達成するために適切なものであるかどうか。三点目は、従業員の委託募集を行う場合にありましては、当該募集にかかわります労働条件が適切であり、かつ労働者の利益に反しないものであるかどうかということが法律上明記されております。 そして、法第四条第三項第四号の「政令で定める基準」といたしましては、改善事業を実施するために必要な資金の額等が改善事業を遂行する上で適切なものであるかどうかというようなことを考えておるところでございます。
○菅野壽君 次に、労働災害の防止等安全衛生面の改善についてお伺いしたいと思います。 若者の離職理由について見ますと、労働時間の長さ、不規則さ、休日の少なさと並んで仕事のきつさ、作業環境、安全衛生の悪さ等が多くなっております。これらの点は、大企業に比べて中小企業においてその取り組み方がおくれている点であり、まさにこの点が中小企業による労働力確保、定着を困難にしている大きな要因ではないかと思います。 例えば、労働災害、特に死亡災害の規模別発生状況を見てみますと、平成二年では三百人未満のところに勤務する労働者の死亡災害が全体の九七%を占めております。特に規模五十人未満のところでは全体の八割以上を占めております。 今回のいわゆる中小企業における労働力の確保法案において、これらの点を含めて中小企業における全般的な職場環境の改善を図り、労働力の確保を促進しようとする事業主への支援を行うのであると理解しておりますが、そこで大臣にお伺いしたいのでございますが、作業環境、安全衛生面についてどのような考えに基づき具体的にどのような指針をお定めになりますか。また、大臣の指針に沿って事業主団体が策定し、知事の認定を受けることとされている雇用管理の改善に関する計画においては、作業環境、安全衛生に関しては具体的にどのように御指導なさるのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 基本指針の具体的内容でございますので、私からお答えをさせていただきます。 作業環境の整備等の職場環境改善は、中小企業におきます職場の魅力向上の重要な要素であるというふうに認識をいたしております。したがいまして、この法律に基づきます基本指針におきましては、中小企業が取り組むべき雇用管理の改善について、改善の基本的な方向及びその実現するための一般的な方法を定めることにいたしておりますけれども、職場環境の改善は重要な事項と認識いたしておりまして、基本指針におきまして改善の方向と方法を明らかにすることを予定いたしております。 また、事業協同組合等は基本指針をガイドラインといたしまして、雇用管理に関します事業について改善計画を作成することになるわけでございますが、職場環境の改善に関します事業の内容といたしましては、例えば協同組合等につきましては研修会の開催でございますとか、職場環境の改善に資します設備のリース等の事業あるいは構成いたします個別の中小企業者につきましては、職場環境の改善に資する設備の整備、作業方法の改善等の事業が考えられるわけでございます。
○菅野壽君 ゆとりと豊かさの実現、産業優先から人間優先などは九〇年代に向け国民的課題であり、労働時間短縮や魅力ある職場づくりは単なる労働力確保の手段として考えるべきではない。現在の人手不足状況にはそうした方向を全社会的に定着させていくチャンスとも思われます。この際、この法律にとどまらず、業界を挙げて時短に取り組むべきであると考えますが、通産省の御意見を賜りたいと思います。
○政府委員(棚橋祐治君) 産業構造審議会が通産相の諮問機関としてございますが、先般、そこで九〇年代の通商産業政策のあり方についていろいろの御提言をいただいている中で、特に国民生活のゆとりと豊かさの実現が我が国における国民的な課題であるという御提言をいただいております。このゆとりと豊かさのある生活を実現するには何といいましても、労働時間の短縮が必要不可欠でありまして、当省といたしましても、労働省と御一緒に御提案をしておりますこの法律を初めとしていろいろの取り組みを強化しているところであります。 やや具体的に申し上げますと、一昨年来通産省に時短経営問題懇談会を設置をいたしまして、各界の権威者に集まっていただきましていろいろの御提言をいただきましたが、中小企業につきましては、この法案に盛られております諸般の対策を講じて環境を整備する。大企業等の産業界全体につきましては、それぞれ鉄鋼、化学、自動車等々業種ごとの特殊性もございますので、それらの事情を踏まえながら、業界全体で自主的な時短推進体制の一つのルールといいますか、ガイドラインの構築をまずぜひお願いしたい、こういう要請を個別具体的にお願いをしたところでございます。 今回の春闘の結果を拝見しますと、賃上げ問題と並んで時短問題が本格的な取り組みとしては初めて経営者側と労働者側において大きな課題として取り上げられまして、大きな成果を、進展を見ておるわけでございます。特に鉄鋼業界、電機業界等におきましては、具体的な中期プログラムの中での目標時間が設定をされておりますし、その他の主要業界においても時短促進のための労使問題懇談会が設置されるということになっておりまして、通産省としましてもこうした動きを大いに歓迎をし評価をするものでありますが、さらに我々はこの動向を踏まえまして、労働省とも御協力をして時短が一層進展し、我々の大きな目標であるゆとりと豊かさのある国民生活実現のためにでき得る限りの施策を展開していきたい、このように考えておる次第でございます。
○菅野壽君 先ほど建設省と運輸省にお伺いしましたが、官公需の発注と労働時間短縮について申し上げましたけれども、あのときに建設省から御返事をいただきましたけれども、どうかそれは口頭の指示にとどまらず、ぜひとも通達文書などで関係官庁や自治体に周知徹底させていただきたい。よろしくお願いします。 それから、終わりでございます。これは私のあれでございますが、私は大正年代の生まれでございます。戦前、戦中、戦後を知っております。我が国のこの大発展したいわゆる経済力、そしてこの発展は中小企業の努力があって初めてなったのであります。あの見渡す限りの大焼け野原からこの東京が立ち上がったのは、大企業がそのままみずからがなったんじゃありません。何といっても中小企業の努力の積み重ねが今日この大松下のごとき大発展をしていったのでございます。 中小企業に対して、どうか労働大臣、もっとお若いでしょうけれども、そういうことにも思いをいたされまして、この法案の、そしてまたこの指導を全うされんことを最後にお願いいたしまして、終わります。
○堀利和君 私は、地域雇用開発等促進法に関してお伺いしたいと思います。 この法律が制定されたのは昭和六十二年でございます。当時は、円高不況によりまして失業対策、再就職の問題が地域によって大変大きな問題になったわけでございます。そのことから見ますと、今回改正になる内容では当時の円高不況とは全く事を別にしまして、大変また違った対策が講じられなければならないということになろうかと思います。 最近、労働力不足ということが叫ばれておりますけれども、先般労働省で外国人労働者の受け入れのあり方について調査、研究の報告をされたものを読ませていただいたわけですが、この内容ではおおむね将来にわたって労働力は何とか確保できるだろうというようになっていたかと思うんです。今後高齢者あるいは女性が労働市場に参入してきて、企業においても省力化、合理化等で何とかそういうことで乗り切れるだろうというような内容だったと思います。ただし、地域あるいは業種によってはどうしてもミスマッチ等で労働力が不足するということも否めないということもございましたけれども、こういうような状況であろうということにかんがみて、基本的に今後労働力そのものが不足するのかどうか、地域あるいは業種によって不足するような形、アンバランスのような形で労働力不足問題が起こってくるのか、この辺がまた一つの見どころだというふうにも思うわけです。 経済企画庁が「労働力不足時代」という報告、「現状と展望」というような副題をつけて昨年九月に出しております。これなど見ましても第三次産業、特に情報産業においては、拡大しておる関係から、いい人材なり人が集まってきてもまだまだ足りないという状況なんですね。ところが、建設や製造業関係では、いわゆる三Kと言われるように、なかなか人材が集まらない。労働力が集まってこないという、産業構造におけるアンバランスというのが見られます。このことが同時に、東京という大都市の問題と地方の問題とが類似したようなものになっているように私は思えるんですね。つまり、大都市では労働力需要はどんどん拡大しているんですけれども、流入してくる労働力があってもそれに追いつかない。ところが地方ですと、労働力が流出していくためにそれほど大都市に比べて拡大はしていなくてもそもそも労働力が不足してしまうという、いわばそういった関係にあろうかと思うんです。 そういう点で、まず大臣に、この労働力不足というものを社会経済、産業構造の今日的変化の中でどういうように認識されているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) ただいま先生の御指摘をお聞かせいただいたところでございますが、最近のいわゆる失業情勢を見てまいりますと、有効求人倍率は高い状態で続いておる。そしてまた完全失業率は低い水準で推移をいたしておる。そういう中で中小企業を中心にいたしまして企業の人手不足感というのはどんどん拡大をしておるという、そういう状況は否定できないところでございます。 労働力の確保が困難となっている要因、これもただいまちょっとお触れのようでございましたが、まず何と申し上げましても内需中心の景気拡大、この傾向が続いておる。したがいまして、企業の旺盛な労働力需要が存在することになる。加えまして企業の若年者志向が依然として強い。あるいはまた労働条件、雇用条件あるいは職場環境、もろもろの状況におきましていわゆる魅力が乏しい業種への就業希望者というのは減少をしておるという、もう先生の御指摘のとおりでございます。そういうようないわば地域間、職業間あるいは年代間の雇用機会の格差というものが歴然と出てまいっておるわけでございまして、いわゆるミスマッチ現象と、こういうふうに私どもは判断をいたしておるところでございます。 今後、中長期的にいわゆる労働力人口の伸びが鈍化すると、一九九五年を一つのピークとして。御承知のとおりでございますが、労働力不足はそういう不足基調で推移することが見込まれておるわけでございまして、各種の労働力需給のミスマッチの解消を、先ほど申し上げましたようなさまざまなものの解決を図ると同時に、特に中小企業における魅力ある職場づくり、高齢者の雇用促進、あるいは女子の就業環境の整備、そしてまた地域における魅力ある雇用機会の創出、拡大、そういう雇用政策というものを積極的に展開してまいりたい、こういうところに今回の立法の根拠があると、こういうふうに御理解いただきたい次第でございます。
○堀利和君 私も大臣が言われたとおりだと思うんですね。特に私としても関心があるところは、よい労働環境をどう整えることができるかということが一つの大きな中心課題だろうと思うんです。例えば今厚生省の方でもマンパワー対策で頭を痛めておりますけれども、なかなか医療あるいは福祉関係に人が集まらない、働いてくださる方が集まらないということがあるわけですが、これもやはりどうも福祉あるいは医療関係の労働のきつさもあるし、社会的評価も低いというのも大きな原因だろうと思うんです。 最近聞きましたところによりますと、長野市ですか、ホームヘルパーが全国的にはなかなか集まらない状況の中で、社協におきまして公務員並みの労働環境を整えたらホームヘルパーになりたいという方が多く集まってきたというんです。これは、ホームヘルパーそのものの仕事がきついというだけではなくて、そこに対する賃金も含めた評価、ここが大きな問題だろうと思うんですね。これが中小企業においても、あるいは地域におけるこういった問題においても通じる問題だろうと私も思うわけです。そういう点で、この二法は大変重要だと私は認識しております。 そこで、具体的にお伺いしていきたいと思います。 この雇用促進法の中での地域雇用開発指針というのが策定されることになるわけですけれども、この指針がどういうような内容で策定されるのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(伊藤欣士君) 地域雇用開発指針の内容といたしましては、雇用環境整備地域における地域雇用開発の促進に関する基本方針及び地域雇用環境整備計画の指針となるべき事項でございます。 具体的には、一番目に地域別に見ました有効求人倍率など労働力需給その他の雇用の動向、二番目といたしまして適性、能力等にふさわしい職業につくことを促進する必要があると認められる求職者の特定及び職種、労働条件、福利厚生水準等を含めました開発が望まれる雇用機会の内容など、当該地域におきます地域雇用開発の方向についての基本的な考え方、さらに職業能力開発の推進を含めました地域雇用開発の目標達成のための方策、また計画期間の定め方等を記述する予定でございます。
○堀利和君 こういう指針の内容ですから、当然労働省のみでといいますか、労働省だけでこの指針策定というふうにはならないと思うんです。そういうことから各省庁との連携ということも必要になってくるかに思いますが、その点はどうなんでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) 地域におきます雇用問題は、産業政策等と連携の深い問題でございます。したがいまして、地域雇用開発を進めていく上では産業政策等関連諸施策との連携を十分に図っていくことが必要であるというふうに考えております。したがいまして、地域雇用開発指針の策定に当たりましては関係行政機関との協議を行うことといたしておりまして、これによりまして関係省庁の諸施策との連携を十分に図ってまいりたいというふうに考えております。
○堀利和君 行政間の横の連携というのを十分やっていただきたいと思います。 次に、この指針も今度は具体的に都道府県が策定する計画との関係になりますので、その点につきましてお聞きしたいと思います。 都道府県、東京都というのは余りないと思うんですけれども、特に道府県における計画策定に関して、地域振興施策との連携を盛り込むようにというような内容の指針を策定していただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) 地域雇用環境整備施策を円滑に展開いたしまして、それぞれの地域におきます地域雇用開発を効果的に進めていきますためには、ただいま御指摘ございましたとおり、地域振興施策等関連施策の連携が重要であるというふうに考えております。そのために、地域雇用環境整備計画の指針となるべき事項を定める地域雇用開発指針の策定に当たりましては、計画を定める際には各種地域振興等との有機的連携を図っていくべき旨をこれに定めることを考えております。
○堀利和君 まさに計画を策定する指針となるものですから、そういう点では地域雇用開発指針というのは大変重要な内容を持つと思うんですね。 したがいまして、この指針の内容についてもう少しお伺いしたいと思いますが、週休二日制の推進等の労働条件の整備、あるいは職業訓練の科目、そういった具体的なものも指針の中に盛り込むべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○政府委員(伊藤欣士君) 御指摘のとおり、週休二日制の推進等労働条件の改善であるとか、人材育成のための能力開発体制の整備ということは、魅力ある地域の雇用開発にとりまして非常に重要な要素であると考えておりまして、地域雇用開発指針の中の地域雇用開発の目標に関する事項の中に位置づけたいと考えておるわけでございます。
○堀利和君 そこで、次は指針が十分なものとして策定された上で、それでは大臣が承認するに当たっての計画というものがどういうふうにつくられてくるか、これがまた大きな問題になろうかと思うんです。せっかくいい一つの指針が示されても、それに基づいてよりよい計画の内容が上がってこないことには大臣も承認のしようがないと思いますので、そういう点では計画というものについてどういうようなお考えなのか、いかなる内容を想定していらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(伊藤欣士君) 都道府県が策定いたします地域雇用環境整備計画は、国が定める雇用開発指針に沿ってつくられるものでございますので、都道府県の計画の内容といたしましては、労働力の需給状況や人口の推移、その他雇用の動向に関する事項、また労働条件等魅力ある雇用機会の開発など地域雇用開発の目標に関する事項、当該都道府県の当該地域におきます地域雇用開発の目標に関する事項、またその計画の期間、あるいは地域雇用開発を促進するための方策に関する事項等を予定しているところでございます。
○堀利和君 特に地域における雇用機会の創出ということでございますから、いわゆる道府県レベルの上から市町村と相談するとは思いますけれども、上から見回して計画を立てるということではなくて、やはり地域の関係者の声というものが十分反映されなければならないというふうに私は思います。そこで、一つには労使、特に労働組合といいますか、労働団体の意見というものも反映されなければならないというように思います。 私は、民間の調査、データなのでどこまで信頼度があるかどうかわかりませんけれども、民間の雑誌に載っておりましたので、その点で御紹介しながらお願いしたいんですが、労働組合のある会社では労働者の移動というのが割合少ないんですね。定着率が高い方なんです。もちろん労働組合があるところというのは、往々にして企業が大きければ大きいほど組合というのがありますし、組合そのものがいわゆる臨時とかパートの方々が入らないというものがありますから、そういう事情があろうかと思いますけれども、その民間の調査、データを見ましても、労働組合のあるところの方が定着率が高い。 これはどういうことかといいますと、社会的あるいは企業の中で労働組合がそういった役割も果たしていると私は思うんですね。そういう点で、道府県レベルにおける計画を策定する際にも、そういった社会的あるいは企業の中で役割を果たしている労働者の声というもの、労働者の代表の声を十分反映できるようにすべきだと思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) 雇用環境整備地域に関します施策と申しますものは、地域の自主的な創意及び努力を前提といたしまして、地域のさまざまな自主的な動きを支援しようとするものでございまして、その効果を高めるためには地方公共団体、労使関係者等地域関係者が広く協力することが肝要であるというふうに考えております。 地域雇用対策につきましては、従来から労働組合関係者にも参加をしていただいている地域雇用開発協議会でございますとか審議会等の場を通じまして関係者の協力を得て施策を進めてきたところでございまして、この計画の策定に当たりましても、こうした場を通じまして関係者の意向が十分に反映されるように配慮してまいりたいと考えております。
○堀利和君 多少前向きのお答えではあったと思うんですけれども、もう少しそこのところを突っ込んで具体的にお聞きしたいというふうに思うんですね。 地域雇用開発協議会、こういったような組織を、同様の組織をつくって、そこに具体的に労使の声が反映できるような、具体的な仕組みとしてやっていただきたいなと。これはもちろん道府県地域のレベルのことにはなるんでしょうけれども、具体的な仕組みとして労使、労働団体の声が反映できるように、もう少し突っ込んだお答えをいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) 雇用環境整備地域におきます施策の推進に当たりましても、地方公共団体、労使関係者等の地域の関係者の意向が十分に反映されることが必要であると考えておりますが、その具体的な仕組みにつきましては、やはりそれぞれの地域においてそれぞれの実情に応じて判断すべきものであろうというふうに考えております。その際、そういう労使の関係者の意向というものが十分に反映されるように、そういった指導はしてまいりたいというふうに考えております。
○堀利和君 指導いただけるということでございますけれども、もう一度繰り返しになりますが、労働団体の代表の方、労使の方々がこの計画策定に当たり、計画をつくる側の道府県の方に反映するようにしますよということで、やはり具体的にするようにと。その具体的な内容は、当然地域が決めることですから、余り上から労働省がこうしなさい、ああしなさいと言うのは望ましいとは思いません。ですが、具体的に考えるように、というような指導でぜひお願いしたいと思います。 次に、地域雇用環境整備基金というのが創設されるわけです。この基金創設については高く評価したいと思います。ただ、これもいろいろ問題を感じるわけですけれども、基金の目的あるいは使途、基金創設への援助措置というものがどういうものなのか、まずお聞きしたいと思います。
○政府委員(伊藤欣士君) 雇用環境整備地域におきます地域雇用開発を促進するためには、地方公共団体等地域関係者の主体的な取り組みが不可欠であるわけでございますけれども、この基金は地域関係者の主体的な取り組みを財政的な面から推進するものであると考えているわけでございます。 この基金によって行う業務といたしましては、地域雇用環境整備計画というのが前提としてあるわけでございますけれども、その計画に沿いまして、債務保証、雇用情報の提供等の人材確保事業ないしは地域雇用開発環境整備のための調査研究を予定しているところでございます。 具体的に申し上げますと、債務保証業務は、雇用開発に当たり雇用環境整備をするために福祉施設を設置、整備することなどが重要であるわけでございますけれども、それにつきます債務保証を行う。雇用情報の提供等の人材確保の事業につきましては、当該地域の求職者のための雇用機会を開発する一方で、その地域の求人情報を入手することが困難な大都市圏の求職者など当該地域以外に居住する求職者に対してそうした求人情報を提供する。調査研究業務といたしましては、当該地域におきます雇用開発を促進するための方策について調査研究を行うということでございます。 この基金創設への援助措置といたしましては、基金への出捐を行う地方公共団体に対しまして、三年間で四億円を限度といたしまして補助率二分の一の補助金を交付することといたしておりますほか、基金に対しまして負担金を支出いたします事業主等に対しましては税制上の特例措置を適用することといたしております。
○堀利和君 この基金というのは、大変重要なものになろうかと思うんです。計画実施をするに当たってもこの基金というのは大変重要になりますので、先ほど来から同じようなお願いともなりますが、この基金の管理運営に当たりましても、できる限り地域労働団体の参画、まあ参画というと少々厳しく聞こえるとなれば、何らかの形で管理運営に関与できるような方向で考えられないものかどうかということなんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) この改正法の二十一条の四の基金は、基本的には雇用環境整備地域の関係市町村、県、地元事業主等が自主的に資金を拠出いたしまして造成することを予定しておるわけでございます。この基金を設置されます団体としては、基金によって行う予定の事業を適切に実施することが見込まれてかつ適正に基金の管理をなし得ると認められる公益法人を想定いたしております。この基金の運営に当たりましても、労使関係者等地域の関係者の意向が反映されますように、そういう配慮をしてまいりたいというふうに考えています。
○堀利和君 計画策定に当たりましても、この基金の管理運用に当たりましても、労働団体の声が十分反映されるように配慮するという答弁なんですが、先ほどからも言っていますように、地域、道府県が策定する計画が順調に進み、地域が活性化する、こういうことをやるためにも、行政サイドのみではなくて、まさにこの対策の対象となるべき労働者、労働団体の声が十分反映されることで、国、行政、道府県あるいは労使、こういうことでうまくいくかと思いますので、ぜひその点は強くお願いしたいと思うわけでございます。 先ほど私は、労働団体あるいは労働組合の役割が決して労使の対立ばかりではなくて、労働者、従業員の移動を何とか食いとめ、定着率の高いような形で企業内においても社会的な役割も果たしているということを言わせていただきましたけれども、こういった労働団体、労働組合の社会的な役割からいいましても、計画策定なり基金の管理運用について参加ないしは関与ということが私は大変重要なことだろうと思うんですが、そういう視点からひとつ大臣にこの点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 先生今おっしゃるように、労使関係者の皆様方もその産業、地域社会の有力な構成メンバーであるわけでございます。その人たちのみならず、先生のおっしゃるような趣旨も重んじながら、広く地域社会の世論を注目して、そして納得をいただけるような形で推進する、これが原則であると思っております。特にこの問題は、いわば地域づくりでございますから、その地域の皆さんが主体的に考える、そして計画を立てるということが大事なことではなかろうかと思います。 さらにまた、地域雇用開発を進めていくためには、いわゆる地方公共団体、それから先生おっしゃるように労働組合を含めた労使関係者等、広く地域関係者がこれに対しまして協力することが肝要であるわけでございますから、御指摘のようなさまざまな段階で関係者の御意向を随時お聞きする、このことは大事なことであろうと、こう思っております。
○堀利和君 どうもありがとうございます。 それでは次に、いわゆる大都市圏から地方へのUターン希望者の問題についてお聞きしたいんです。 この法律は、地域から県外へ若者たちが流出していく、若年労働者たちが出ていってしまう、これを食いとめるということが大きな柱であろうかと思いますが、同時に大都市で働いている中高年者が自分の出身地地方に戻ってのんびり豊かな生活も送りたいなという方もいらっしゃるわけで、こういう方もまた対象にされているわけですけれども、求人求職の問題で言いますと、職業安定所では二割程度の役割を果たしているんですね。民間の求人情報の果たしている役割といいますと三割ぐらいですか、そしてコネによるのが二割で、学校等そういった施設の果たす役割が三割ということで、公共職業安定所の果たす役割というのは低いわけです。こういうことから見ましても、Uターンを希望されている中高年者に対して、またそういう方々に対する対策というものはどういうように今行われているのか、その点をまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(伊藤欣士君) 現在、全国で約六百の公共職業安定所、出張所があるわけでございますけれども、それをコンピューターでオンラインで結ぶ、いわゆる総合的雇用情報システムというのが動いておるわけでございまして、例えば東京の方がふるさとでの求人を東京の安定所で引き出すというようなことは可能になっているわけでございます。 そういうシステムを使いながら、当然Uターン等についても御協力を申し上げるわけでございますけれども、特に平成元年度から人材地方還流促進事業というものをスタートさせまして、その実施機関といたしまして、東京都内の飯田橋の公共職業案定所の中に人材Uターンセンターというものを設置いたしまして、地方の職業安定機関との密接な連携のもとに、中高年齢者を含めましてUターンを希望している方々に対しまして、地方における企業の求人情報とか、新たな企業の立地の情報であるとか、技術革新等によります地場企業の新たな事業展開等、人材の需要についての情報提供であるとか御相談を申し上げますとともに、他方、地方におきましてUターン希望者を採用しようとしている企業及び地方の方に進出していこうというような場合にUターン希望者の採用を希望している企業等に人材の情報を提供する、採用についての相談等を行うというような事業を実施しているところでございます。
○堀利和君 大都市から出身地地方へのUターンを希望する方々というのもまた多いわけでございまして、ただいま現状をお聞きしたわけですが、これからこういった施策をとられる中で、それではUターンしよう、出身地地方へ帰ろうという方々に対してどのような支援措置がとられるのか、これがまた問題だろうと思うんです。大都市で働いていて、地方に比べて賃金は多少高いところで働いていても、通勤時間が長い等いろいろ問題があろうかと思うんですね。そういう中で、Uターンに踏み切る方にとっては、その職場をやめて新たな企業に採用されるわけですから、当然そこでは将来における退職金の問題とか年次休暇の日数の問題とか、さまざまな不利益な問題も覚悟の上で恐らくUターンすると思うんです。 これは確かに労使のといいますか、企業と中途で雇われる方との問題ではあります。しかし、そういったUターンの方々に対してこの法改正によってどういうような支援措置がとられるのか、行政としてどういうことが考えられるのか、その辺をお聞きしたいと思うんです。
○政府委員(伊藤欣士君) Uターン対策の一般的な対策は先ほどお答え申し上げたとおりでございますけれども、本法に基づきまして、都市圏勤労者のUターンを促進するための具体的な施策といたしましては、例えば雇用環境整備地域において造成されます先ほど御指摘のございました基金が、地元の学校やUターン就職希望者の両親等の情報源に基づきまして、当該地域のUターン就職希望者が求めるきめ細かな情報等を提供する。また、魅力ある地域の雇用開発に特に資する事業主に対します各種の助成及び援助。 さらに、Uターンの方々が戻られる場合に住宅の確保が非常に困難であるというような事情等もございます。そういうことで、雇用促進事業団が設置いたします移転就職者用宿舎の設置について当該地域について特別の配慮を行いますとともに、入居の要件を緩和する。といいますのは、従来公共職業安定所の紹介により広域的な移転を行う者についてのみ入居を認めていたわけでございますけれども、この地域の事業所に雇い入れられる場合に、宿舎が必要と安定所長が認めるときは安定所長の紹介を要件としないというような形で、自主的なUターンにつきましても円滑に住宅の貸与が行われるような、そういう措置を用意しておるところでございます。
○堀利和君 出身地地方へUターンするというのも一つの決断だと思うんですね。今いる職場、今いるところを離れて、いかに生まれ育ったところといえども、そこを変えるということは当事者にとっては人生における大変な決断だろうと思うんです。それがUターンしてみて後悔につながらないように、その辺の支援措置は十分お願いしたいと思います。 そこで、地域における雇用機会の創出、地方の活性化という点から見ましてどうしても一つ重要なことは、職業能力の開発、職業訓練ということになろうかと思うんですが、私はできる限り地域に根差した、その地域でなければ得られないような地場産業的な問題から見ての職業訓練、職業訓練科目というものが必要だし、そういったところを十分することで魅力ある地域というものがまたできるかと思うんですけれども、この点につきまして公共職業訓練というものはどんなふうに現状行われているのか、またこの法改正によってどういうように今後進めようとしているのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(菊地好司君) 御指摘の公共職業訓練施設でございますが、現在、地域のニーズを踏まえながら職業訓練を積極的に実施してきているところでありますけれども、特に近年の経済社会の変化に的確に対応していくために例えばME関連訓練科を設けたり、あるいは地域において必要とされる高度の技能労働者を養成するために職業訓練短期大学校を設置するなど、その整備充実に努めて今日に至っております。 ところで、今回御審議いただいております法律案により指定された地域におきまして公共職業訓練を実施する場合におきましては、地域の訓練ニーズの把握を十分に行いまして、御指摘の訓練科目あるいは訓練の時期、訓練の期間、長さ等につきまして特に配慮をすることといたしたいと思います。 なお、今後地場産業の振興あるいは若年労働者の地域定着等の地域ニーズに対応した職業能力開発を図っていくために、公共職業訓練施設の果たす役割が重要であると認識しておりまして、今後の公共職業訓練のあり方も含めまして、訓練全般のあり方について現在公労使から成ります関係審議会で鋭意御議論をいただいているところでございます。その成果も踏まえながら適正に対処していく所存でございます。
○堀利和君 これまでいろいろお伺いしたわけですけれども、冒頭にも申し上げましたように、この法律が六十二年に制定されたわけですが、このときには円高不況、失業対策ということからこの法律が制定された、そういう目的があるわけです。今般の改正ではその点がかなりさま変わりしまして、魅力ある地域をつくる、そういった地域づくりをするという観点からの法改正と言ってもいいと思うんです。そういう点では、法の目的におきまして、失業の予防とか再就職に対する対策というのが六十二年当時の内容になっておりますけれども、これをやはり魅力ある地域づくり、雇用機会創出という観点からもう少し積極的な、今回の法改正に見合ったような内容にすべきではなかったかなと思うのでございますが、いかがでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) 今回の改正は、ただいま御指摘のように従来の施策と異なりまして、全体としては雇用機会の不足が解消されました地域について魅力ある雇用機会をつくることを促進していこうというものでございます。御指摘の目的規定につきましては、やや技術的な御説明で恐縮でございますけれども、今回第一条におきまして新たに雇用環境整備地域についても地域雇用開発のための措置を講ずることが明記されたわけでございまして、さらにこの地域雇用開発の概念について二条におきまして、従来の内容、つまり総量として雇用機会が不足している地域について雇用機会を創出するという従来の内容に加えまして、この地域雇用開発の概念に魅力ある雇用機会を創出することを含み込むように措置をしたわけでございます。 いずれにいたしましても、これらの施策はいずれも究極の目的といたしましては、労働者等の職業及び生活の安定に資することを最終的に目的としておるわけでございまして、現行法の目的規定に十分それは含まれているということで、特段当該部分について改正する必要はないというふうに判断をしたところでございます。
○堀利和君 そういうことでしたら、今般の改正の内容を十分生かすような形で積極的にお願いしたいと思います。 時間がもう余り残っていないようですので、最後に大臣にお聞きしたいと思います。中小企業の人材確保の方は二、三用意しておったのですけれども、時間の関係で、最後に大臣にお聞きして終わりたいと思うんです。 雇用政策といいますと、往々にして産業政策の後追い的になってしまう傾向があろうかと思うんです。労働省の研究会報告でも、大臣も言われましたように労働力尊重の時代なんだと、これからはそういう時代として位置づけているということでもあるわけです。やはり一人一人の勤労者、労働者が豊かにゆとりを持って暮らすということ、そのための経済であり産業であろうかと思うんです。そういう点で、各省庁とのいろいろな調整も大変でしょうけれども、むしろ労働力尊重の時代ということから、大臣、ひとつ積極的に労働省がこの労働力、労働力というのはつまり働いている人の問題だと思いますので、働いている人の生活の問題、こういう視点から各省庁を引っ張るぐらいの積極的な対策というものをまたお願いしたいと思います。その辺の決意をお伺いしまして、終わりたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 先生の論調の中に流れておりますように、産業展開の中におきまする労働者の位置づけというものがますます重要な一つの役割を担ってまいりつつございます。殊に、今日の労働市場の構造的な変化を踏まえて考えてまいりますときには、まさに御指摘の中にありましたように、産業優先も大事だよと、同時にまた産業優先の時代から労働力を尊重しなければその産業の新たな展開はあり得ない、こういう基礎的な一つの認識というものは極めて重要であると、そういうふうに私は認識をいたしております。同時にまた、人間中心の雇用システムの構築を基本に据えた雇用政策というもの、先ほど先生も若干お触れになっておりましたが、非常に大事な根本であろうと思います。 さらにまた、地域雇用開発等促進法の改正もいわゆる労働力尊重という観点から魅力ある雇用機会を創出して地域を活性化していこうという目的が明確に唯一であるわけでございまして、そのような観点に立ちまして、また先生からお聞かせいただいたようなことなども参考にしながら対処してまいりたいと、かように考えております。
○堀利和君 ありがとうございました。
○木庭健太郎君 最初に、地域雇用開発等促進法に関連してまず何問かお聞きしたいと思います。 まず、現在の雇用失業情勢、特に地域別に見た雇用状況の現状をどう認識されているのか、また今後の見通しについてどのように考えているのかをまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 今日の雇用失業情勢というものを見てみますと、求人倍率というものは一・四倍台でございまして大変高い水準にあるわけでございます。失業率も二%でございまして人手不足基調が広がっておりますし、特に中小企業において人手不足問題、大変に重要な問題になっているということでございます。ただいま御指摘ございましたように、これを地域で見てまいりますと相当なアンバランスがあるわけでございまして、求人倍率が二を超えているところがあるという一方で、一をかなり切っているというような地域もあるわけでございます。そういった面での地域のアンバランスというものは大きな問題であるというふうに考えております。
○木庭健太郎君 地域的に厳しいところというのはどこら辺ですか。
○政府委員(若林之矩君) これはやはり北海道、青森等とそれから九州の各県でございます。特に北海道、沖縄等の求人倍率は依然としてまだ低い状況にございます。
○木庭健太郎君 今おっしゃったように地域で非常にばらつきがある。私は福岡でございまして、大臣は鹿児島と、どちらかというと雇用失業情勢、回復テンポが非常に緩やかな地域でございます。 そうした地域というのはこれからも引き続き地域雇用対策というのを強力に推進しなくちゃいけないと思うんですけれども、今回の改正によってこのような地域に対する施策がどんなふうに影響を受けていくのかというのをぜひお伺いしたいと思います。
○政府委員(伊藤欣士君) ただいま局長がお答え申し上げましたように、北海道、九州等の一部の地域につきましては依然として厳しい雇用失業情勢が続いておる、地域間格差はむしろ拡大しているというような感じじゃないかと認識しているところでございます。 こうした地域はいわゆる総量としての、全体的な数として雇用機会が不足している地域でございまして、休職者がなお多数滞留している地域であるわけでございます。改正法のもとにおきましても、引き続き雇用機会を増大させるための直接的な手厚い援助措置を講じることにより、地域雇用対策を強力に推進していくということでございます。
○木庭健太郎君 法との関係を今ちょっとお聞きしたんですけれども、それで直接的な手厚い援助措置を行うということなんですが、具体的に実際地域雇用対策としてどんな施策を展開していこうと考えていらっしゃるのかをお伺いしたいと思います。
○政府委員(伊藤欣士君) 現行法は昭和六十二年に制定していただきまして、雇用機会を増大するための強力な法律であったと理解しておるわけでございますが、その中で構造的に雇用機会が不足している地域に対します地域雇用対策としては、従前に引き続きまして事業所の設置、整備を行い、雇用機会の拡大を行う事業主に対します地域雇用開発助成金を支給していく。また、地域関係者が一体となって推進する大規模で良質な雇用機会を開発するための取り組みに対しまして援助し、効果的な雇用開発の促進及び地域の活性化に資するためのいわゆる大規模雇用開発モデルプロジェクトを引き続き推進していく、あるいは過疎地域等、雇用開発の必要性が特に高い地域に対しまして、ノーハウの提供等を行います地域雇用開発プロジェクトというようなものを引き続き推進していきたいと考えておるわけでございます。
○木庭健太郎君 特に格差のあるところについてはぜひそういう施策を、余りいろいろあるのでそれがどううまく有効に機能しているかというのがなかなかわかりにくいんですね、はっきり言うと。でも、具体的にそういうものを積み重ねてやっていただかないと確かに厳しい現状は変わりませんので、ぜひそれはお願いしておきたいと思います。 今回の法案の中で一つ、雇用機会増大促進地域に係る指定期間について短縮規定を設けることとしておりますけれども、指定期間の短縮を行う場合には慎重にやっていただきたいし、またもう一つは関係者とかそういう関係各機関の意見や実情をよく配慮していただきたいと思うんです。またその場合、経過措置みたいなものも必要なんじゃないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) 指定期間の短縮につきましては、雇用失業情勢が著しく改善するなど、その地域の雇用構造が改善されたと認められることをその条件とすべきであるというふうに考えております。 その指定期間の短縮の際には、関係者の意見をよく配慮すべきであるとの御指摘でございますけれども、御指摘のとおりでございまして、この点につきましては、中央職業安定審議会の意見を聞きますほか、法律上も都道府県知事の意見を聞かなければならないということになっているわけでございます。 さらに、経過措置ということでございますが、指定期間が短縮されます場合には、この二十七条の規定に基づきまして所要の経過措置を設けるということにいたしております。
○木庭健太郎君 それでは、もう一つの方の中小企業人材確保法の件に移りたいと思います。 まず、今回労働省と通産省が共同でこういう法案を出してこられる、すばらしいことだなと正直思います。普通、省の壁はなかなか取れませんから、その意味では非常に評価をいたしております。ただ、一言言いたいのは、中小企業動向調査を見ましても、経営上の諸問題のうち求人難を訴えるのが今でも全体の三七・三%ですし、八八年七月―九月期以降九期連続してずっと問題点のトップに人材不足という話がなっているわけです。そういう意味では、こういう人材確保の問題というのは我々も訴えておりましたけれども、本当はもっともっと早く出しておくべきだった、ようやく出てきたかというのが正直な感想でもございます。 ただ、先ほど大臣もちょっとおっしゃっていましたけれども、こういう労働力不足の状況、今度の中長期的見通しも先ほど話されていましたが、今後の経済を考えていく上でこの労働力不足というものの兼ね合いの問題、これをどうとらえて今後展開していこうかというところをぜひ最初にこの問題でお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 労働省といたしましては、雇用政策を担当する省として景気の動向あるいはまた労働力の需給の変化等を踏まえながら、できるだけ機敏にしかも的確に対応してまいらなければならない大きな責任があるわけでございます。そういう気持ちで雇用政策の実施に努めてまいったつもりでございますが、今後とも情勢の変化等に的確に対応するように雇用政策を推進していかなければならぬ、こういうふうに心得ておりますところ、たまたま今次通産省と相提携をいたしましてこのような法案の提出に至った。その背景については先ほどから申し上げておるところでございます。 なおまた、今後の労働力の需給についてちょっとお話がございましたが、景気の動向にも左右される性質のものであることは御承知のとおりでございますが、近年の出生率の低下等も十分踏まえながら、労働力人口の伸びの鈍化も予想されますから、基本的には言うなれば労働力不足基調、そういう厳しい一つの基礎的な認識のもとに対応していかなければならない、かように思っております。
○木庭健太郎君 午前中から論議を聞き、なおかつ大臣がいつも言われている言葉で非常に好きな言葉がございまして、人間中心の雇用システムであり、これからは労働者優先、尊重の時代が来ているんだと。それが本当にすべて具体化していったらすばらしい時代が来るなと。特に、人間中心という意味でいけば、やはりどんな人であってもきちんと雇用機会が得られる、そういうシステムも大切だと思うんです。今もちょっとお話しになりましたけれども、人手不足解消のためには、これからポイントになっていくのは高齢者とか女性、障害者、これらの方々にもぜひ働く場をきちんと確保しなくちゃいけないということだと思っております。元来、中小企業は、規模が小さいということもございますし、小回りがきくということで高齢者、障害者の活用を積極的にやってきております。 ただ、今回の法案、そうではないんでしょうけれども、一見すると、この法案がターゲットにしているのは、目指しているのは、若年者を何か今度は大企業じゃなくて中小企業に奪い取るんだというようなふうに見えないこともないんですよ。もちろん若年者は重要です。そういう人材がということも大切なんですけれども、それだけじゃ無理だと思うんです。そういう意味じゃ高齢者雇用、それから障害者の雇用、女性雇用の問題というのは非常に大事な点だと思うので、私この法案を見ていて、特に高齢者を念頭に置いた部分というのは一体この法案の中でどこなんだろうかなと、あるいは高齢者雇用にこの部分が役立つんだというような具体的箇所があれば指摘していただきたいんですけれども。
○国務大臣(小里貞利君) 労働力需給関係の傾向は厳しく、先ほど申し上げたところでございますが、中でもその対策として高齢者対策、ただいま先生がお話しになったとおりでございまして、言 うなれば高年齢者の安定した雇用の機会を創出する、確保する。同時にまた、中小企業の労働力確保を通じて私どもは活力ある経済社会を維持していかなけりゃならぬ、こう思っておるところでございますが、特に本法におきましては、認定組合等及び構成企業者が改善事業の一環として高年齢者の就業の円滑化を図るための措置を講ずる場合にはこれも支援措置の有力な対象となる、こういうふうに考えておりますので、ただいま御指摘のこと等については特に留意して進めていきたい、こう思います。
○木庭健太郎君 中央職業安定審議会の建議を見ましたら、国が「高年齢者・女子の能力が有効に発揮できるような諸条件の整備等の雇用面の改善」について「指針となるべき事項を定める。」というふうになっておりますね。具体的にどんな事項をこれは盛り込もうとされているのか。 また、具体的な改善計画の策定をやられますよね。その策定に当たって高齢者関係ではどのような内容が盛り込まれるのか、その点お伺いできればと思います。
○政府委員(若林之矩君) ただいま先生御指摘のように、高年齢者及び女子の円滑な職場への進出を図っていきますことは、中小企業の労働力の確保を通じまして高年齢者及び女性の安定した雇用機会を確保いたしますこと、そしてまた、それがひいては我が国の活力ある経済社会を維持していくこと、この二つの観点が極めて重要な課題であるというふうに認識をいたしておりまして、この法律におきましても基本指針におきまして、中小企業者が取り組むべき雇用管理の改善に係ります措置の中に高年齢者及び女子の就業の円滑化を図るための措置を含めまして、認定組合等及び構成中小企業者が改善事業の一環としてこのような措置を講じます場合にはこの支援措置の対象となり得るというふうに考えておるわけでございます。 高年齢者及び女子の就業の円滑化を図るための措置といたしまして、基本指針や改善計画に盛り込まれます事業といたしましては、例えば高齢者の問題につきましては六十歳定年制の普及でございますし、また六十五歳までの高年齢者の継続雇用の促進のための措置でございます。また女性につきましては、女子の再雇用制度の導入等が考えられるというふうに存じます。
○木庭健太郎君 中小企業においては大企業に比べて高齢者雇用が進んでいるということをさっき言いましたけれども、その一方で中小企業にとっては高年齢者のための設備投資等の負担の面が大きいこともまた事実でございます。このような現状を考えれば、高齢者雇用に関する助成金の一層の充実、また助成措置の充実というものが必要だろうと思います。特に、中小企業は現在の時点でもう既に高齢者を実際に雇用しているわけですから、その面も考えて助成制度としてはより充実が必要でしょうし、助成金については引き上げが必要じゃないかと思うんですけれども、それぞれ、中小企業庁の方も含めていかがでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) 本格的な高齢化社会を迎えるわけでございまして、高年齢者の六十五歳までの安定した雇用機会の確保を図るということは最大の課題でございます。そういうことで、六十歳定年の完全定着でございますとかあるいは六十五歳までの継続雇用制度の普及のための事業主に対する助成制度の充実というものは重要な問題でございます。 労働省としては、かねてからこういった観点でいろいろな助成制度を設けてまいっておるわけでございまして、御承知のとおり、高年齢者を多数雇用することを促進するための高年齢者多数雇用奨励金でございますとか、あるいは高齢者の雇い入れを促進するための特定求職者雇用開発助成金でございますとか、あるいは高齢者が働きやすくなるような職場の改善を促進するための高年齢者職場改善資金融資制度、こういったもので事業主に対する援助を行ってまいっておるわけでございます。先ほどから申しますように、高年齢者の六十五歳までの安定した雇用機会の確保というものは最大の課題でございますので、今後ともこれらの助成制度、融資制度の活用の促進を図りますとともに、引き続き制度の充実強化についても努めてまいりたいというふうに考えております。
○政府委員(渡辺修君) 高齢者及び女性を活用するような中小企業者の設備投資等々についてこの法律でどういうふうに促進されることになるのかと、こういう御質問でございます。 条文に則して申し上げますと、認定をされました計画に基づいて改善事業が行われる場合に、第六条に「資金の確保」という規定が入ってございます。この規定に基づきまして我々今回設備リース、つまり省力化あるいは省人化のための設備を導入する場合に、これを高度化事業の対象にしまして設備リース制度を創設したわけでございます。あるいは認定を受けた団体の個々の中小企業者が設備を導入するときに六・六%という非常に低金利の金融措置を講じるようにしたわけでございます。 そういう設備の導入に当たりまして、恐らくそこで女性あるいは高齢者をこれからたくさん使うということになりますと、例えば旋盤装置にいたしましても操作の非常に簡単な、キーの数がうんと少ない、高齢者がそれを活用できる操作しやすいような設備とか、あるいは自動検査装置等々を用います場合には、読み取りのところのオシロスコープが非常に大きく出るような機械とか、それぞれの非常にきめ細かい、設備に投影された段階で高齢者なり婦人が操作しやすいようなそういう設備というのがこれから工夫をされていくんだと思います。 さらに我々、現在地域の公設試験研究所を通じます技術開発問題あるいは国が行います技術開発等につきましても、今申し上げましたように非常にきめの細かい、高齢者もしくは女性が活用しやすいような設備、そういう設備にするための技術の開発というところにフットライト、焦点を当てましてこれから取り組んでまいりたい、そういうことが全体としてこの法律の運用の中にすべて反映されてくるんじゃないか、かように考えておるわけでございます。
○木庭健太郎君 高齢者なり女性の問題というのは、法案そのものを見たときに、ああ若年層かなというような印象を、やっぱりどうしても設備関係とかいろんなもので出てくるものですから受けてしまうし、このまま進めていく段階でそういったものを含んでいるよということをきちんと、いろんな時点でどうせやられるでしょうけれども、ぜひそれは再度再度確認してやっていただくとうれしいと思います。 それで、高齢者の問題で一点、大企業における高齢者雇用の問題をちょっとお伺いしておきたいと思います。 平成元年の企業規模別の六十歳以上の高齢者の雇用状況を見ましたら、一人から二十九人規模で百五十二万人でございますけれども、千人以上になりますと二十万人しか雇用されておりません。つまり、大企業における高齢者の雇用に対する努力不足が結局中小零細企業に対するしわ寄せとなってあらわれているような気もいたします。中小企業がある意味じゃ若年労働者不足になっているという原因の一つも、こういう大企業が高齢者活用に非常に不熱心じゃないか、それも一つの原因じゃないかと思うんですけれども、この点について労働省さんどんなふうにお考えになっているのかどうか。そして、大企業における高齢者雇用促進についての具体的施策があったらお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 大企業におきます高齢者の雇用状況を見ますと、確かにただいま御指摘のように、中小企業に比しまして年齢が高くなるに従いまして従前在職していた雇用者の減少する割合が大きくなっておるわけでございます。このような傾向は主として早期退職優遇制度などによります定年前の退職、出向あるいは定年後の転職等に伴いまして大企業から中小企業へ雇用が移動するということによるものでございます。これは長い間の我が国の雇用管理制度によるものでございます。 今後高齢化時代を迎えるわけでございまして、私ども六十五歳までの雇用システムというものを構築していかなければならないわけでございます。特に大企業中心に高年齢者雇用安定法に基づきまして昨年十二月に策定をされました高年齢者等職業安定対策基本方針に示されました目標に向けまして、この目標におきましては、再雇用、勤務延長等の継続雇用制度の普及に努めて、六十五歳までの雇用機会の顕著な増加を図るということがこの基本方針における目標と定められておるわけでございます。したがいまして、先ほど来申し上げましたようないろいろな制度も活用いたしまして、企業に対する啓発、指導を進めてまいりたいというふうに考えております。
○木庭健太郎君 次は、サービス産業の問題をちょっとお聞きしたいんです。 今サービス産業というのが非常に発達いたしまして、これからも第三次産業の重要性というのは高まっていくというふうに思うんですけれども、その第三次産業、小さなサービス店みたいになると中小零細企業が物すごく多いんですよね。小さいゆえに逆に言えば活性化というのが大きな課題になっていると思います。例えば小売業者を見てみても、一方では古くから地元と結びつく人もいれば、従業員がたった一人みたいなところもあってみたり、他方、今コンビニエンスストアみたいな形で非常に発達して、二十四時間営業みたいな形態もあるんです。こういうサービス産業においては中小企業の絶対数が多いだけじゃなくて、今言ったみたいに営業形態も非常に多様ですし、きめ細かな対策が要求されると思うんですけれども、こういった点はどんなふうに考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思うんです。
○政府委員(高橋達直君) 御指摘ございましたように、日本経済あるいは雇用の面におきまして、中小小売業あるいはサービス業の占める役割というのは大変大きいものと私どもも認識しております。特に最近では、消費者ニーズが非常に多様化したり高度化したりしておりまして、そういう消費者に対する直接の接点でもございますので、大変その役割は重要ということで、その振興あるいは活性化が重要でございますが、御指摘ございましたように、いろいろと経済的、社会的な構造変化が起こっておりまして、中小小売商業あるいはサービス業にとっては、現在の環境というのは大変厳しい環境にあるという認識もございます。 私どもといたしましては、こうした中小小売商業あるいはサービス業、非常に日本経済、雇用の面で大きな役割を占めるわけでございますから、最大限支援努力をしていかなければいけない。また御指摘にもございましたように、きめの細かい支援もしていかなければいけないということでございます。 特に、小売商業につきましては、御案内の日米構造協議の中で出てまいりました大店法の改正問題というのも、ただいま国会で御審議をいただいているわけでございますけれども、そういった環境の変化もございますので、平成二年度の補正あるいは三年度の予算におきまして思い切った措置を講じていただいたつもりでございまして、具体的には商店街それぞれに合わせましてきめの細かい計画をつくっていくことについて資金的な助成、あるいは専門家のアドバイザーを用意いたしまして内容的なアドバイスをするという計画の段階から、その計画ができましたら、今度はその商店街を活性化していくためのいわゆるハード面での整備、商業基盤施設整備を補助金あるいは無利子融資等々で手厚く助成をしていくということで、魅力ある商店街、商業集積づくりを推進する考えでございます。また、商店街を形成します個々のお店の体質強化も重要でございまして、この点につきましては、特に低利融資で対応しようということでございます。 また、御議論になっております人手不足問題、この面では小売業も御多分に漏れず大変深刻でございまして、特に後継者難ということもございます。そういったことにつきましては、御審議いただいている法律の活用あるいは中小企業事業団が、中小企業大学校というのがございまして、いろいろと研修制度もございますので、中小小売商業の面にも適応できるようなそういった研修もしているところでございます。 またサービス業につきましても、これからいろいろと成長する分野もございまして、私どもの先般の中小企業白書によりましても、いろんな分野でサービス業が、中小企業が活躍をしているわけでございます。食生活関連あるいは宿泊関連、娯楽関連、スポーツ、文化、教育・学習等々いろいろな対個人サービスの面で活躍をしているわけでございまして、私どもといたしましては、これらの中小サービス業の振興につきまして都道府県とタイアップしましてきめ細かく支援をしていくということと同時に、また既存のサービス業の近代化についての支援もしてまいる、こんな考えでやっております。
○木庭健太郎君 丁寧にありがとうございます。 確かに、こういうものは地域の商店街のいろんな自主性だとは思うんですよ。ただ、それだけではなかなかまとまらずできないケースも実は多いわけですよね。だから、あくまで自主性というのは基本ですけれども、行政としても地域づくりなりいろんな観点、中小企業の育成みたいな面からも少しは積極的指導に乗り出すなり、そういった視点も必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(渡辺修君) 御指摘のように、小売業、サービス業、種々そのお店によって扱っている品物も違いますし、商店街を形成しておりますけれどもいろいろ業種が違います。そういうことでなかなかまとまりにくいんではないかという先生の御指摘、私、通常の場合と比べてそういう難しさは多分にあろうかと思います。 そういうこともございますので、今長官から御説明申し上げましたように、大店法絡みで今回非常に問題になりました商店街の活性化対策の基本としまして、まず商店街の皆さんが自分の商店街が一体どういう方向でこれから地域住民にアピールしていくのか、どういう活性化をこれからしていくのかという計画づくりというのが一番将来にわたって重要になるんじゃないか。そこではっきりまとまったものについてハード面でいろいろな施設補助をしていこう、こういう考え方をとりまして、平成元年度で国から二百六十億、地方から二百六十億、合わせて五百二十億の活性化基金というものをつくりまして、それを元にそこから出てまいります果実で一斉に全国の都道府県からしかるべき商店街にそういう勉強、つまり計画づくりの作業が始まっておるわけでございます。平成二年度の補正予算でも国から三百億、地方から三百億出しまして、したがいまして二年度にわたりまして一千百二十億円という大変大きな基金が出ております。それに基づいて今まさに商店街をどうするか、大店法に対してどうこれから一緒にやっていくかというまさにソフトウエアの勉強が今始まっておるわけでございます。 その過程で、商店街全体の、自分たちが一体どうしようかという意思統一が出てくる。それが出てまいりませんと、ハードの面で幾ら力を入れてもなかなかうまくいかないという出発点になるわけでございまして、その過程で商店街の労働力不足問題というのが今大変な大きな問題になっておりますから、当然将来を見通すときに労働者不足を一体我々どうしようかという話になってくると思います。 そうなってまいりますと、一つの方向を出して、まさにこの法律に基づく商店街が一つになりまして雇用確保の改善に関する計画が出てくるといったようなことにつながっていくんだろうと思いますし、その至る過程におきましては労働力確保推進アドバイザーとかあるいは県の中央会を通じます指導とか、あらゆる面で我々も支援をしていきたい、かように考えておるわけでございます。
○木庭健太郎君 それから労働災害対策について、先ほども質問があって安定局長の方からお答えがあったようでございますけれども、確かにいわゆる三Kに代表される労働災害が起きやすい環境ということが中小企業に人が行かない原因になっているわけです。先ほど聞いていたら、基本指針の中でもちろんそのことをうたうということをおっしゃっていました、雇用管理の面、改善計画の面。実際にそういう対策として労働災害防止のために具体的にどこまで踏み込んでこの法律ではやっていく形になるんですかね。もう少し具体的にしていただくとどんな話になりますか。
○政府委員(若林之矩君) 先ほど申し上げましたように、指針でも盛り込まれるわけでございますけれども、それを受けて具体的に改善事業として、例えば個々の企業が改善事業として安全のための設備を導入する、あるいは例えば粉じんが非常に多い職場を除去するための設備を導入する、これは労働衛生の関係でございますけれども、こういったような目標を立てて行うという場合には、これは融資がなされるわけでございますし、そのような目的が実現をいたしますれば、それに対してのまた助成もなされる、こういうようなことになるわけであります。具体的にはそういうようなものがございます。
○木庭健太郎君 では、時短の関係で少しお伺いしたいんですけれども、中小企業の中で一番人材確保が困難になっている原因の一つは時短の問題だろうと思います。 労働時間短縮については、この四月一日から週四十四時間制に移行したところなんですけれども、中小企業については引き続き特例が設けられておるところですね。このように、いつも中小企業の場合特例措置、特例措置になるんですけれども、逆にこういうことが人材確保という観点からいくと非常に逆行するようなことになりはしないか。育児休業法のときもちょっと特例措置の問題が出ましたけれども、いつも後に送るんじゃなくて、それに至るために何か助成の方法を強化するなり、そんな方法が先なんじゃないかなと思うんです。この点どんなふうに思っていらっしゃるか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(佐藤勝美君) ただいま御指摘のように、法定労働時間を短縮するに当たりまして、最初六十三年に四十六時間になりましたときには、特定の業種、規模の事業所につきましては四十八時間でおく。それからことしの四月一日からも、原則四十四時間になりましたが、一部の業種、規模の事業所につきましては四十六時間ということで、二時間おくれできておるというような猶予措置が決められております。 これは、言ってみれば一種の例外措置でございますから、一般的に申し上げればもちろんそういった例外は少ない方がいい、ない方がいいということは言えると思うんですが、一方においてこの労働時間の問題につきましては、御承知のように我が国の実態はいろいろでございます。そういう点を考えますと、基準法の法定基準として決める場合にそこら辺を考慮しないと、基準自体が不十分なものになるというようなことを考えまして、猶予措置を設けながらある程度高いレベルの基準を設けると、そういう考え方で猶予措置がとられているわけでございます。 もちろん、これにつきましては大変いろいろな御意見がございまして、四十四時間にする場合にも、一方においてはこういう措置はもう即刻廃止すべしという御意見もありましたし、一方においてはこれまで六十三年以来三年間猶予措置がとられてきたので、これからも三年必要だというような御意見もありましたが、結局のところ現在のような形で二年間は猶予措置を存続するというふうにしたわけでございます。 しかしながら、これは決して猶予措置の対象になっている事業所が四十六時間さえクリアすればいいということを意味するわけじゃございませんで、もちろん四十六時間になっておれば罰則がかかるという意味での法律違反にならないというだけのことでございまして、私どもとしては猶予期間の二年の間にも四十六時間はもちろんのこと、できるだけ早く四十四時間を達成するように重点的にこういった業種、規模の事業所に対して指導するという具体的な施策をいろいろ講じておるところでございます。
○木庭健太郎君 もう一つ、年間所定内労働時間を見ましたら、五百人以上規模が千八百二十時間なのに対して、三十人から九十九人規模では千八百八十九時間というふうに、規模が小さい方がいわゆる所定内労働時間が多くなっているという現状ですよね。週休二日制の問題とも絡むんでしょうけれども、実際にずっとこういう状況が続いているということをどんなふうに労働省は認識されているのかということをぜひ聞きたいし、これは抜本的対策をとらないとできないですよね、所定内労働時間の場合は。これについてもどういう対策をとろうとされているのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(佐藤勝美君) 労働時間の状況、実態を規模別に見ますと、今御指摘になりましたように、中小企業では所定内時間が長いけれども、大企業に比べて所定外時間、残業等がむしろ短いというようなことで、結局全体としては規模別に余り違いがないようなことになっている。三十人未満といった零細なところを除きますと、規模の小さい方が少し所定外時間が短いという影響で時間数が短いような実態になっております。 所定内時間は、今言われましたように中小企業は、規模が小さくなるほど非常に長い。そのよって来るところを見ますと、やはり休日が、週休が少ないということでございます。これは週休二日制の普及状況に非常に端的にあらわれておりまして、規模別にまことに大企業から中小企業と規模が下るに従って普及率が大変に下がってくるというような実態でございます。 これは一つには、私どもの認識といたしましては、多くの中小企業の場合には経営基盤が弱い。つまり資本力なりあるいは技術力が劣っているような場合が多い。それから同業他社との競争ということで、自分のところだけやっていられないというような事情あるいは取引先といいますか、発注元のいろいろな措置がその下請である中小企業のこういった問題についての取り組みに影響を与えるというようなことがあろうかと思います。そういうことで大企業に比べまして中小企業がなかなか独自に時間短縮を、例えば週休二日を行うというようなことが難しくなるというふうに考えておるわけでございます。 こうして見ますと、中小企業につきましては、同一業種なりあるいは同一地域等の集団をとらえて、これにつきまして集団的取り組みを促進するというようなことが必要でございまして、そのためにこういった集団につきましては、時間短縮アドバイザーを派遣して指導援助を行うというようなこと。それから発注元あるいは下請という関係のある企業グループにつきましては、そういった系列企業ごとの集団という形でとらえまして、その集団ごとに指導援助をするというようなこと。さらにまた、個別の事業所につきましても、労務管理の専門家を派遣して診断する、指導するというようなことをやっているわけでございます。 ちなみに平成二年度におきましては、地域、業種等の集団につきましては全国で約六百三十、それから親企業系列という集団につきましては全国で約五十の集団を対象にこのような指導援助を行っているところでございます。
○木庭健太郎君 今も原因の一つに挙げられていましたけれども、週休二日制の問題も含めて、中小企業に週休二日制が定着しない、また所定内労働時間の短縮ができないという一つの大きな原因は親企業たる大企業のしわ寄せが下請の中小企業に来ているというのが一番の原因だと思います。午前中も指摘があっておりました。特に週末発注、週の初めの納入の問題等、いろいろ問題点はあると思います。やはり下請企業の時短を進めるということに関しては、構造的問題を解決しない限り絶対にできませんし、ぜひこれは通産省がやるべき一番の課題だと思うんですけれども、親企業に対する指導が何としても必要であり、それがなされなければできないと思います。 先ほど、午前中聞いておりましたら、二月二十五日ですか通達を出されて、週末発注なんかの問題については厳しく抑制するようにということをおっしゃっておりました。ただ、通達、もちろん出すのも大事なことでございますけれども、これをどう実効性あるものにするかというのが課題なんですよね。通達は幾らでも出せますから、その後それを個々にどうきちんと親企業たちが認識しているのかということ、そこまでどんな形で進めるつもりなのか、その通達をどう生かすかという方向でお聞かせ願えるとうれしいです。
○政府委員(渡辺修君) 御指摘のように、時短を推進する上での下請関係、親子の関係をいかに改善するかというのは大変重要な問題でございまして、過去半年間、中小企業近代化審議会下請部会におきましてかんかんがくがく議論してまいりまして、二月八日付で大きく三点の下請振興基準の改正をしたわけでございます。 第一点は、今例にお出しになりましたが、週末発注・週初納入、終業後発注・翌朝納入といったような実質的に時間外をやらなければいけないような発注方式というのはこれから改めていこう。それから第二点は、親企業が下請に発注するときに、あらかじめ発注計画なり発注情報というのを流すことによって下請企業が計画的に生産活動ができるようにしていこう、その過程で時短を取り入れられるようにしていこうというのが第二点。それから第三点は、当然のことながら納期の長短あるいは納入頻度の多寡といったようなものが的確に下請単価に反映されるようにしよう。この三点を骨子にいたします振興基準の改正をしたわけでございます。あとは、これを今一斉に通達を出すと同時に、それを親企業に浸透させ、かつまた中小企業、下請企業に各種の過程を置きまして浸透させていくという、まさに実行の段階に入ったわけでございます。 特に私非常に印象深いのは、この議論の過程で、かつまた二月八日に基準改正をいたしました後、親企業へのそれぞれの指導を行う過程で、通産省には、我々中小企業庁でございますけれども、機械情報産業局とかあるいは基礎産業局とか、それぞれ大企業といいますか、それぞれの業種を所管しておるところがあるわけでございます。そこを通じましてそれぞれの親企業に対するこの徹底指導というのを今やっておるわけでございますけれども、極めて意欲的に省全体、つまり大企業を所管するところも我々も一体となって進められておりまして、今後、説明会あるいは立入検査、それからパンフレットも相当出すことにいたしておりますし、親事業者と下請両方集めて講習会等もこれからやっていくつもりでございますし、さらに主要な、つまり下請のウエートの大きい六業種につきまして、実際にそれをどうやるかというマニュアルを平成三年度にはつくりたいと思ってその予算もとっております。 こういうありとあらゆる機会を通じまして、中小企業の所管当局のみならず大企業所管の当局もあわせまして、全力で浸透、普及を図ってまいりたい、そうすることによって一つでも多く実効を上げるようにしていきたい、かように考えておるところでございます。
○木庭健太郎君 ちなみに、ちょっと教えてもらえれば、親企業というのは今考えていらっしゃるのは大体何千社ぐらい対象にしてきちんとこのことは言っておきたいとか、そういう何か具体的数字は、例えば講習会だったら少なくとも月に何回ぐらいのペースで進めていくんだとか、何かそういうやつがもし今わかっていらっしゃれば、少し教えてください。
○政府委員(渡辺修君) 当面、通達を出しましたのが親事業者及び親事業者の関連団体でございます。例えば自動車でいえば自動車工業会に出したわけでございます。それを一つと考えれば、自動車工業会から全部自動車メーカーにそれぞれ行きますから、そういう団体で一つと考えますと約三千の事業者団体に通達を出しております。 それから、それぞれの所管の事業者団体、つまり工業組合等に対しましては、これからそれぞれ担当しております局を通じましてそこから普及徹底の説明会等やっていっていただこうと思っております。 一例を挙げますと、ことしの六月から七月、全国十二会場、つまりこれ全国下請企業振興協会という公益法人が中央にあるのでございますが、ここが主催いたしまして全国十二ブロックで説明会を開いていこうと思っております。さらに、約四万企業を対象にフォローアップ調査をやっていこうと当面考えておりますし、さらに、あと省略をいたしますけれども、次々と意欲的なアイデアを出しておる段階でございまして、全力投球してまいりたいと思います。
○木庭健太郎君 それでは、ちょっと挟んで聞きたいんですけれども、中小企業投資育成株式会社というのがございますね。これは昭和三十八年に東京、大阪、名古屋に設立されたものですけれども、中小企業の自己資金を充実して中小企業に対する投資等の事業を行うことを目的としたものですよね。非常にいい制度だと思っております。ただ、設立されて三十年になるけれども、いまだにこの三本社だけということでございまして、私としてはこういういい制度はもう少しきちんと広げてやるべきだと思うんです。私は、極論すると福岡とか北海道あたりにはきちんと本社を設けたいんですけれども、そこまでなかなかいかないならば、例えば支社とかいう形で広げていくとか、もっとこれが利用しやすい状況をつくっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○説明員(小川洋君) 投資育成会社の役割は先生御指摘のとおりでございまして、現在東京、大阪、名古屋、三社がございます。 御指摘の九州地区は大阪中小企業投育株式会社がカバーをしておりまして、九州八県でこれまでのところ三十六社投資をいたしております。大阪社全体で四百二十五社これまで投資をしておりますから、八・五%のウエートを占めております。大阪社全体でこれまで十五社が上場いたしておりますが、残念ながら九州地区はまだ上場企業が出てないという状況でございます。 こういう状況にかんがみまして、大阪投資育成株式会社におきましては、九州地区におきます投資先企業の開拓と、それから、これまで投資いたしました企業の育成事業を強化するという観点から、来月半ばに福岡市に出張所を開設する予定になっております。私どもとしましては、今後、今度できます出張所がその機能を十分に発揮いたしまして、九州地区におきます上場意欲のある中小企業がどんどん出てまいりまして投資先がこれからふえ、株式会社といたしまして採算性を踏まえましても、今後出張所の機能の拡充強化が必要だと考えられるような状態が一日も早く来ることを期待しております。
○木庭健太郎君 それでは、最後にお聞きしたいんですけれども、中小企業における時短の推進というのは人材確保の手段としてまず第一に必要なことだと思っております。この法案を見ても、時短を含めた労働条件の改善が盛り込まれております。ただ、実効性ということになったらどうなのかなというところも正直あるんですけれども、政府としてはこの法案の成立でそういうことを進めたいということでございましょう。ただ、それだけでは進められないと思うんですよね。だから、総合的な面でこの時短の問題、この法案を核にされても結構です、もちろんそのためにつくられるんでしょうから。核にしながら、いろんな施策で進めることが必要だと思うんですけれども、時短に対する御決意を大臣からお伺いできればお伺いして、終わりたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 時短に対しましては、先ほどもお触れいただきましたように、まず一般的な一つの対策といたしまして、御承知のとおり四十四時間、これを四月一日から踏み切った、これも御承知のとおりでございます。全体といたしましては着実にこれが減少の傾向にありますが、私どもが目標といたしまする一千八百時間、これを達成するためにはまだ相当な決意と具体的手段、そしてまた起伏もあろうかと、こう思っております。 そういう心得で対応いたしてまいりますが、今次の立法に見る、またその目標も先ほどからいろいろお聞かせいただいておるところでございますが、これはまさに今日の私ども労働行政の最大に努力をするべき課題の一つだと、かようにとらえておりまして、努力を続けてまいりたいと思っております。
○木庭健太郎君 終わります。
○西川潔君 本日は、質問の順序を諸先生方に御理解いただきまして、大変ありがとうございます。それでは早速質問をさせていただきます。 まず、私は中小企業での高齢者雇用対策についてお伺いいたします。 我が国では高齢化社会を目前にいたしまして、高齢者福祉への関心が急速に高まっております。人はだれでも年をとります。だんだん体の方も弱くなりまして弱者になるわけですが、先日、厚生省が発表されました「寝たきりゼロへの十カ条」の第九条に「家庭(うち)でも社会(そと)でもよろこび見つけみんなで防ごう閉じ込もり」ということで、「社会とのかかわりをもたず、一日中何もしないで家の中に閉じ込もっていることは、運動機能の低下や意欲の消失を招くことから、寝たきりの前兆とさえいわれています。」「社会、家族の一員として、できるだけ長く役割を持ち続けましょう。」と社会参加の重要性がうたわれておるわけですが、介護を必要とするお年寄りがふえている背後には、元気で働きたいという意欲を持っているにもかかわらず、適当な雇用の場をなかなか探せないでいるお年寄りがたくさんいらっしゃるわけです。肉体的条件が許す限りぎりぎりまで働ける環境があれば働きたいというお年寄りの皆さん方の声を私はたくさん聞きます。 そこで、大臣に、お年寄りと仕事との関係についてどのように考えておられるのか、まず冒頭にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) いよいよ高年齢社会の本格的な到来を迎えまして活力ある経済社会を維持していくためには、やはり高年齢者の高い就業意欲と申し上げますか、あるいはまた豊富な技能、経験が生かされるような社会環境の整備を図ることがまず基本的には大事である、かように考えております。
○西川潔君 いろいろとお考えいただいてやっておられていることも我々も理解をしておるわけですが、次に有効求人倍率を見せていただきますと、即戦力となる三十歳代、総体的に低賃金で適応力もある若年層につきましては有効求人倍率が高いわけですが、しかし高齢者層につきましては急激に低くなっております。現在の人手不足はいびつな形で進んでいるようにも思われるわけですが、先日の中小企業白書でも、今後は労働時間の短縮、職場環境の改善、働く意欲のある女性や高齢者の雇用を拡大することも課題の一つと報告されておりました。中小企業庁に、その職場環境の改善について具体的にどのようなことがおありなのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(高橋はるみ君) 労働力供給の中長期的な動向といたしまして、労働力人口の伸びの鈍化が見込まれるとともに、労働力構成の高齢化、それから女子雇用比率の上昇など労働力供給構造の変化が予想されているわけでございます。 こうした中で、先生御指摘のとおり高齢者の方々、そして女子の部分につきまして供給余力、別の言葉で言いますればその能力の活用の余地が多いというふうなことであるわけでございます。こうした中で、中小企業が人材を確保していく上で就業意欲のある女子、そして高齢者の方々の能力の活用というのは極めて重要な課題であるというふうに考えておる次第でございます。このような観点から、今回の中小企業白書の中でも分析をいたしている次第でございます。 具体的には、女子の雇用拡大のためには、出産、育児に際しましても容易に働き続けることができるよう、これは企業の実情に応じてということでございますが、託児所の整備、それから育児休業制度の導入拡大、こういった育児関連の諸制度の整備を進めることが大きな課題ではないかということでございます。また育児なり家事、そういったことに配慮いたしまして、有給休暇の取得、それから短時間労働を容易にするといったような柔軟な勤務形態、そういった制度を整備すること、また女子に使いやすい設備、機器の導入、こういったことを通じての職場環境の改善も重要であるというふうに認識しております。 また、高齢者の雇用の拡大につきましては、定年制の延長の問題、定年後の勤務延長制度、それから再雇用制度の導入、こういったことが重要であるというふうに白書上分析いたしております。また女子と同様に短時間勤務などの柔軟な勤務形態の制度の導入、また高齢者に使いやすい設備、機器の導入、そういった形からの多方面の職場環境の改善が課題であるというふうに考えております。 こういったことにあわせまして、女子、高齢者に魅力ある職場を提供していくためには、個人の能力そして適性に応じたきめ細かな教育訓練を行うこと、また責任ある仕事を任せることで能力開発を行うことなど多様な育成策、そして人事制度の整備、こういったことも重要であろうということでございます。 〔委員長退席、理事高桑栄松君着席〕 これらの課題に対処するためにも、現在御提案申し上げておりますところの中小企業労働力確保法を十二分に活用されて、中小企業の方々が諸制度を十二分に整備していかれることを期待している次第でございます。
○西川潔君 お年寄りの方はもとより、また同性の立場で女性の方々のこともよろしくお願いいたします。 では次、労働省にお伺いいたしますが、財団法人高年齢者雇用開発協会では、高齢者でも働ける職場づくりのコンテストを行っているということを私も耳にいたしまして、早速お伺いしてみようと、こういうふうに思いますが、どういうふうなコンテストでございましょうか。
○政府委員(伊藤欣士君) 現在、労働省と財団法人の高年齢者雇用開発協会が共催で毎年職場改善コンテストというものを行っているわけでございます。これは企業におきまして高年齢者の安定した雇用機会の確保というものを取り組んでいただくということで、高年齢者の職域拡大のための職場改善の事例を募集し、その優秀作に対しまして労働大臣賞等を表彰いたしまして、広く周知することによりまして企業における高年齢者の継続雇用の促進を図ることを目的としたものでございます。 具体的には、例えばお年寄りの方では体力がだんだん退化するというようなこともございまして、重量物の運搬を容易にするための設備の改善、それからかがんで行うような作業をなくするための作業台の改善というような、高年齢者の特性に配慮してきめ細かな事例が数多く応募されておるところでございまして、また応募総数も年々増加している傾向がございます。そういうことで、次第に企業の関心も高められつつあるのではないかと喜んでいるところでございます。
○西川潔君 ぜひ全国的に広めていただきたいと思います。 私は、お年寄りが働く環境は、体力的な激しさと精神的な緊張感が要求される大企業よりも、適度な緊張感と知識や経験を生かす、そういうことができる中小企業の方が高齢者が働く場といたしましてははるかに適切ではないかなと思います。そのためにも、高齢者が働きやすい快適な職場づくりへの一層のまた支援体制が必要であると思います。中小企業庁長官と労働大臣に御意見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(高橋達直君) 中小企業で高齢者が働きやすい職場づくりを推進せよという委員のお考えでございますが、私どもといたしましても、これを積極的に支援する考えでございまして、通産省といたしましては、特にそういうお年寄りが働きやすい職場づくりのための設備の導入につきまして、資金面あるいは技術開発の面で御支援を申し上げる考えでございます。特に資金面では、中小企業金融公庫であるとか、あるいは国民金融公庫というような政府系の金融機関がございますから、そこからの低利融資、それから都道府県等によります労働福祉診断、これにつきましてもそういった高齢者が働きやすい職場をつくるためのプランづくりにも適用があるかと思うのでございますが、そういったものに対する支援を行いたいと思っているところでございます。 また、技術でございますけれども、職場環境改善あるいは省力化のための技術、これを国としても推進する考えでございまして、これらの措置を通じまして、当省といたしましても高齢者にとって働きやすい職場環境の整備の促進を進める所存でございます。
○国務大臣(小里貞利君) 御指摘のように、中小企業におきまして高年齢者が働きやすい環境整備を図る、これはもう喫緊の課題であると思っております。特に高年齢者、いわゆる職業安定対策基本方針の中に示されました作業施設の改善、あるいはまた職務の再設計等についてのガイドラインの周知等を図るとともに、高年齢者職場改善資金融資制度の活用あるいはまた事業主の職場環境整備の取り組みを積極的に促進をいたしまして、高年齢者が働きやすい職場環境をつくってまいりたい、かように考えております。
○西川潔君 次に、雇用促進住宅についてお伺いをしたいと思います。 雇用促進事業団は、労働力の地域間や産業間の移動を円滑にするために、全国に約十三万六千戸の移転就職者用宿舎、いわゆる雇用促進住宅を設置、運営されておられるわけです。この雇用促進住宅は、公共職業安定所の紹介で住居を移転して就職する方や、転勤などによって住居の移転が必要な方が公営住宅、社宅など他に適切な住宅が見つかるまでの間借りられるものであると理解をしておるわけですが、そこで、まずお伺いいたします。 今回提出されておられます中小企業の労働力確保法案と地域雇用開発等促進法改正案の両方にこの雇用促進住宅について改正が盛り込まれておりますが、それぞれどのように改善されたか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(伊藤欣士君) 従来、移転就職者用の宿舎につきましては、先生御指摘のように、公共職業安定所の紹介によりまして広域的に移動して就職する者に対してのみ貸与しておるということで、したがって安定所の紹介を基本的には要件としていたところでございます。 これに対しまして、今回御提案申し上げております中小企業労働力確保法案につきましては、通常通勤することができる地域以外の地域からいわゆる認定組合等の委託募集に応じて中小企業に就職する者で、宿舎の確保を図ることが特に必要であると安定所長が認めた者に対しては貸与することができる。 また、改正地域雇用開発等促進法案におきましては、いわゆる雇用環境整備地域以外の地域から、当該環境整備地域内の事業所に就職する求職者、一般的にはいわゆるUターン者で宿舎の確保を図ることが特に必要であると安定所長が認める者については、その就職につきまして安定所の紹介がなくても当該宿舎、移転就職者用宿舎の貸与を行うことができるという改正を行ったところでございます。
○西川潔君 そのような改正が行われるとすると、それに見合っただけの雇用促進住宅が確保されている必要があるわけですが、例えば今回新設される雇用環境整備地域内の事業所に就職する求職者に住宅を貸そうとする場合、適正な通勤時間のところに雇用促進住宅が確保されているのですか。それをお伺いしたいと思います。あるいはまた、今回の法律にあわせて新築、増築はいかがでしょう。
○政府委員(伊藤欣士君) 現在、全国で十三万六千戸という多数の宿舎があるわけでございますけれども、今お話がございましたように、求職者が移転してきて就職できるように宿舎を整備することは、地域において必要とされる雇用機会の開発を推進していく上で非常に重要だと考えておるわけでございます。このため、移転就職者用宿舎に関しましては、雇用環境整備地域について優先的に設置したいと考えておるところでございます。
○西川潔君 そこで、若者の流出を防ぎたいということをよくお伺いするんですが、新規学卒者の地元への定着あるいはUターン就職希望者など、若者の労働者への魅力のある雇用機会の確保などが今回の法改正の一つの目玉になっていると思うわけです。そうした若者のためにも、この雇用促進住宅が安い家賃で貸されているというこの意義は大きいわけですが、Uターン就職希望の若者などのいわゆる単身者用の雇用促進住宅はどれぐらい整備されているんでしょうか。
○政府委員(伊藤欣士君) 移転就職者用宿舎は、昨年十一月現在で約十三万余となっておりますけれども、このうち単身者用の専用の宿舎は千三百七十六戸でございます。
○西川潔君 Uターン就職希望の独身の若者が地元に帰り就職をした場合、今度は雇用促進住宅へ入ることができないわけですね。一般的には地元に帰ったわけですから我が家から通えばいいというようなものですが、田舎の方へ帰りますと親とは長男夫婦が生活をしているような場合があるわけです。そうなりますと、なかなか同居もしづらい。このような場合、そのUターン就職希望者に対しては何か施策を考えておられるのでしょうか。それをお伺いしたいと思います。
○政府委員(伊藤欣士君) 移転就職者用宿舎は、全国的には世帯用宿舎として設置しているものが現在のところ大部分であるわけでございます。御指摘のUターン就職を希望しながら住宅の確保が困難な若者等の単身者に対しましては、地域の実情によりまして弾力的な対応ができるよう今後検討してまいりたいと考えておるわけでございます。
○西川潔君 今後、単身者用の住宅を整備していくんでしょうか。整備計画などはございませんのでしょうか。
○政府委員(伊藤欣士君) 現在はやはり世帯用宿舎の新設、居住性の向上に重点を置いて新設しているところでございます。そういう意味で、新設ということは現在のところ考えていないわけでございますけれども、 〔理事高桑栄松君退席、委員長着席〕 現在ございます宿舎に単身者が入居されるような点につきましては、地域の実情なり個々の事情を勘案してできる限り弾力的に対応してまいりたいと思うわけでございます。
○西川潔君 そこでお伺いしたいんですが、雇用促進事業団一般業務方法書というのがあるんですけれども、この三十三条の二に「第一種宿舎及び第二種宿舎は、それぞれ単身者用宿舎及び世帯用宿舎とする。」と、こういうふうにちゃんと明記されているんですが、これはどういうふうにその場合理解すればいいんでしょうか。
○政府委員(伊藤欣士君) 業務方法書におきましては、世帯用宿舎、それから単身者用宿舎を設置することができるという意味で書かれておるわけでございますけれども、高度経済成長を通じ現在まで世帯用の宿舎というのは非常に不足しており、労働力の移動を妨げる要素になっておったというようなこともございまして、世帯用宿舎を重点的に設置してきた。さらに、老朽化したもの、それから当初設置されたものについては、非常に狭隘である、非常に汚れてきた、老朽化してきたというようなこともございまして、当面その居住性の向上に重点を置きたいということでやっておるところでございます。
○西川潔君 これは、単身者の方は生活をさせていただけるということでございますか、入れていただけるという。
○政府委員(伊藤欣士君) 全国に散らばっております宿舎の実情、入居率の問題であるとか、空き家があるかどうか、当該地域の実情、それから戻ってこられた関係、その他もろもろの事情を勘案しながら弾力的に取り計らえるよう今後検討してまいりたいと思っておるところでございます。
○西川潔君 これはその場合、じゃ役所に御相談に行けばいいわけですね。
○政府委員(若林之矩君) ただいま御答弁申し上げてまいりましたように、これまでの取り扱いは世帯用というものを重点にやってまいっておるわけでございますけれども、ただいま先生御指摘のように、今後若い方が地方に定住をする、その場合に御両親がおられても独自に住居が欲しいというような御事情もあるわけでございまして、また地域に展開しておりますそういったような住宅の入居状況等もまちまちでございますけれども、その辺は今後弾力的に対応していきたいと考えております。 この辺のところはなお具体的なことは検討させていただきたいと思いますけれども、その暁には、今申し上げましたように、雇用促進住宅への入居は安定所長の承認というものにかかっておりますから、ケース・バイ・ケースでその地域の実情を安定所長は判断をして決めていくことになろうかと思いますが、なおその辺のところは具体的に検討させていただきたいと存じます。これまでケースがないものでございますから、これからそういったケースについて全般的にどうするか、基本的には弾力的に対応したいと思いますけれども、その具体的な進め方につきましては検討させていただきたいと存じます。
○西川潔君 例えば僕がふるさと高知へ帰りまして、こういう法律を見まして、ああこういうところもあるのか、じゃ親もいるところに、高齢でもあるし帰って親と一緒に親を助けて生活をし、自分も仕事がしたいというときに、僕が若者であって給料も少ないということであれば、ぜひこういうところは活用させていただきたいというふうに本当に心から思うわけですから、TPOに応じてというようなことでの御答弁でございましたが、ぜひこれはいい方向への御指導のほどをよろしくお願いいたします。 時間の関係で、もうこの問題を最後にさせていただきたいと思います。 現在、身体障害者の雇用の促進、安定のために、建設戸数の約一〇%の身体障害者用宿舎を併設しているようでございます。大変結構なことだと思います。そこで、元気で働くお年寄りのためにも、このような住宅を何とか考えていただけないでしょうかということでございますが、これを最後にいたしたいと思います。
○政府委員(伊藤欣士君) 先生お話しのように、移転就職者用宿舎は、昭和五十六年度から身体障害者向けの宿舎を併設するというようなことで運営しているところでございます。この移転就職者用宿舎は、公共職業安定所の紹介によりまして、住居を移転して就職する者に対しまして貸与するものでございまして、たとえ高年齢の労働者であってもこれに該当すれば当然貸与されるものではございますけれども、今後労働力人口の高齢化が急速に進展していく、高齢者の方がふえていかれるというような状況でございますので、高齢者にとりましても居住しやすい宿舎となるよう今後とも努力してまいりたいと思っております。
○西川潔君 ありがとうございました。
○沓脱タケ子君 それでは、中小企業における労働力の確保等に関する法案について若干のお尋ねをしたいと思います。 私は、本法案に関して中小企業者や関係労働組合の方々の御意見を聞いてみたのであります。彼らの意見というのは、中小企業対策に着目をしてこういう施策を出してこられたということについては評価をする、評価をしたい、しかし、残念ながらこの範囲では中小企業の雇用確保や定着化の効果は余り期待できないのではないのかなというのが一致した見方のようであります。 それはなぜかというと、彼らの言うのには、例えば中小企業者向け家賃の補てん制度だとか、あるいは実働千八百労働時間実施の普及という、こういうことをやりますね。しかしそれが定着するまでの間に、千八百時間を実施した中小企業者に対して顕彰して三年ぐらいの間は奨励金を給付するとか、そういう思い切った施策、こういうことがやられる必要があるのではないか。労働力確保をするために労働時間短縮を大いにやって成果を上げてきている、そういう中小企業に対しては報奨金を出すとかなんとか、本当に思い切った施策が必要なのではないかという意見が私、伺った中では出てきているわけです。 そこで、お聞きをしておきたいと思いますのは、午前中からもいろいろと御質疑が出ておりましたけれども、元請、親企業の対応、協力の問題というのが非常に大きいと思うんです。製造業ではもうほとんどが下請関係にある中小企業ですね。中小企業の労働環境改善には親企業の協力は不可欠だというのは、いろんな具体例が既に提示されながら質疑があったと思いますが、これはそうだと思うんですね。中小企業近代化審議会の答申ですか、これにもそういった点の御指摘もあるんですけれども、この辺についてはどういうふうにお考えになっているのか。これまず最初にお伺いしておきたいと思うんです。
○政府委員(伊藤欣士君) 中小企業者が雇用管理の改善、とりわけ労働時間の短縮を進めていく上で親企業の協力を得ることは極めて重要であり、先ほどからも答弁ございましたように、親企業に対する指導につきましては従来から中小企業庁において推進されているところでございますし、先ほど御説明ございましたように、下請企業振興法の振興基準を改正されまして、発注方式の改善等について一層の強化が図られているところでございます。 労働省といたしましても、従来から労働時間短縮のための努力はいろいろな方法でやっているところでございますけれども、今先生御指摘のような観点から通産省とも相協力をいたしまして、労働時間の短縮に現に結びつくように努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○沓脱タケ子君 第三条には通産大臣と労働大臣は基本指針を定めることになっておりますね。この基本指針の中で親企業の協力とか努力というようなものを盛り込むことが必要ではないのかなと思いますが、その点はどうなんですか。そういうことはできるのかできないのか。私はそれはやる必要があるんじゃないかなと思いますが、いかがですか。
○政府委員(伊藤欣士君) 本法におきます基本指針は、労働力を確保するため、雇用管理の改善に取り組もうとする中小企業者に対しまして必要な労働時間の短縮、職場環境の改善あるいは福利厚生の充実等雇用管理の改善の基本的な方向とか、その実現の方法を示すものでございます。そういう性格のものでございますので、みずからの雇用管理ではなく、専ら下請企業の時短等に関する親企業の協力についてこの基本方針の中に記述することはそぐわないのではないかと考えているところでございます。
○沓脱タケ子君 ちょっと具体的にそぐうのかそぐわないのかわかりにくいんですが、実際はもう親企業の意のままになっているわけで、労働時間の短縮も、あるいは職場環境の改善も、休暇もなかなか思うようにとれないというのはもう現実のことですからね。その辺を労働省、通産省の指導指針の中に、そういった元請あるいは親企業がばっちりこういうふうにやらなくちゃならないというふうなことが指針の中にも貫かれていたらもっと中小企業ではやりよくなるんではないかというふうに思うので、特に申し上げたわけでございます。 余り時間がありませんので、次にお聞きをしておきたいのは、本法の運用に関してなんですね。本法では協同組合とか企業組合など中小企業組合の単位で認定組合として助成等の対象にいたしておりますね。ところが、中小企業というのは必ずしもそんなにうまく整った格好での組織化をされているというわけではないんですね。そうすると、近代化や労働環境改善に努力して実績を上げているような企業でありましても本法の助成の対象にならないという事態もいろいろ出てくるわけでございます。 そこで、運用上は本法の趣旨を生かして、中小企業者が任意のグループあるいは団体を結成して改善計画を提出した場合にも受け付けるなどという適用条件の弾力的な運用というのができないものなのかどうか、その辺をひとつ。
○政府委員(伊藤欣士君) 本法におきまして雇用管理の改善のために事業協同組合等が改善計画を作成するわけでございますが、それに基づきましてその団体というのは個々の構成員に対する情報を提供するとか指導助言を行うとともに、また共同福利厚生施設等とか共同福祉施設を設置する、また従業員等につきましての共同募集を引き受ける、あるいは共同の技術開発を行う、あるいは設備リース事業等の実施等をするというようなことになっておりまして、国としてはこのような組合等の取り組みに対しまして財政上、金融上の支援措置を講ずることになっておるわけでございます。ということで、法人格を有しない任意団体につきましては、一般に国等の指導監督が十分及び得ない、ないしは事業の的確な実施を図る上での責任体制等の面で問題があるというようなことでございまして、従来から法の施策の対象としての中小企業団体には任意団体というのは含まれていないというようなことでございます。 本法におきます改善計画の作成主体につきましても、政策資源の中で一定の制約がある中で任意団体がこのような事業を推進する主体として適切であるとはなかなか考えにくいということでその対象に含めないことにしているところでございます。
○沓脱タケ子君 いや、それで冒頭に私が関係者の意見を聞いてみたら、せっかくいい施策をしてくれるようだけれども、我々がその恩恵に浴することはなかなかできないだろうなという意見が出てくるわけです。 そこで大臣一言だけ伺っておきたいんですが、せっかくよい法律、よかれと思ってつくられる法律が、中小といいましても小企業ですね、小企業以下の企業の人たちがその恩恵に浴せないという結果になりかねない。したがって、その運用上の問題については今後の課題としてひとつ十分配慮をしてもらいたいと思いますが、これは簡潔にお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 中小企業なかんずく小企業、これこそ私ども行政の対象として最も力を入れていくべき一つのことである、かように判断をいたしておりまして、御指摘の面、十分注意しながら対応していきたいと思っております。
○沓脱タケ子君 次に、中小企業の労働力確保の問題をやっているんですが、これは確保でなくて反対に解雇事件の問題をちょっとお聞きをしたいんですね。解雇事件というのもちょっとひどい事件ですので、ほんのしばらくの時間をいただいて労働省や通産省に御努力をお願いしたいと思います。 事件の概要は事前に資料等をそれぞれお渡しをしてございますので、よく御承知をいただいていると思いますが、要点だけをちょっと申し上げますと、解雇をしたのは生コンクリートの製造、販売をしている株式会社シンワコーポレーションの社長の田中裕氏です。九つの工場のオーナーですね。それから従業員は生コン部門だけで約三百名。解雇されたのは、即時解雇でありますが、四月の二日に神戸工場で十一名、四月の三日に堺工場で十五名、四月四日北港工場の二十名、計四十六名なんですね。二日、三日、四日と順番に首切り通知を出したんです。四十六名は運輸一般労働組合の関西地区生コン支部の組合員です。 要するに、組合員の首切りということになったんだろうと思いますが、解雇理由は「再々にわたる業務妨害により、就業状況が著しく不良と認め貴殿を解雇する。」と、その通知一枚です。 そこで、労働省にお聞きをしたいんですけれども、解雇というのは、首切りなんというのはゆゆしきことなんですが、こんなに簡単に首切れるものですか。
○政府委員(佐藤勝美君) 労働者の解雇は簡単にできるのかというお尋ねかと思いますけれども、法律上の問題として申し上げますと、解雇につきましては労働基準法等におきまして三十日以上前に予告をすることなどを定めているわけでございますが、そのほか原則として自由とされているものというふうに理解をされております。しかしながら、個々の事例につきましては、裁判例におきまして解雇の自由を前提としながらも、権利乱用の法理を適用いたしまして、解雇が著しく不合理であって、社会通念上相当と認められない場合には解雇は無効であるとされているところでございます。 いずれにしましても、具体的な解雇事例について権利の乱用に該当するかどうかということにつきましては、それぞれの事情に即して最終的には裁判所で判断をされるべき問題であるというふうに承知をいたしております。
○沓脱タケ子君 いや、それはゆっくり言うてくださったらそういうことになるんですが、実際この首切りの本当の理由は、組合員が生コンクリートの過積みを拒否したということにあるんですよ。過積載というのか過積みというんですか、過積みが大きな交通災害、事故原因になるということを、あるいはコンクリートの攪拌がうまくいかなくて建設の骨材の不良が起こるというようなことはもう常識になっておるわけですが、とりわけ貨物自動車運送事業法や道路交通法では過積みというのは禁止されているんでしょう。関係省庁から、私もよく知らなかったけれども、見たらしばしば通達も出ていますね。 このグループの車両というのは、生コンの場合は大型の車では四・五立米が限界だというわけです。ところが、会社は五立米を積めいうて業務命令を出しているんですね。初めから過積みの業務命令が出ているんですね。こんなむちゃくちゃなことないと思うんですが、現に出しているんです、書類全部拝見しましたけれども。通産省、こういう過積みは違法と違いますか。
○説明員(長田直俊君) 過積み、いわゆる過積載の問題でございますが、これは道路交通法第五十七条及び同施行令第二十二条におきまして、積載物の重量は、自動車検査証等に記載された最大積載重量を超えないことと定められております。したがって、それを上回る場合において、細かく言いますと、分割できない貨物を運搬する際に、制限外許可証を受けた場合以外には道路交通法違反になると私ども承知しております。
○沓脱タケ子君 いや、それは、丁寧に言うていただきましたけれども、明らかに違法だと思うんですね。 私は、この首切りの話を聞いたときちょっと信じられなかったですよ。何でかというたら、過積みを指示したのが会社で、それではよくないから過積みはやめよういうて断った労働者が首を切られた、どないなっているんやと。法治国家で何ということが起こっている。労働者が、違法なのはわかっているけれどもとにかく余計積みますと言うて走っていかれたというんだったら、また話はわかる。経営者が過積みを承知で業務命令を出すと、そして労働者がそれではよくないということで、そんなことはやめましょうと言うて断ったいうて首を切られているんですね。これはちょっと法治国家では想像もできない事態が起こっているなと思ってちょっと驚いたんです。 通産省、この会社は宇部興産の下請なんです。宇部興産と会社、業界に対して、ちょっとこんな過積みが平気で横行するというようなことをやめなさいということと、そんなことをまともに拒否してまともな重量でいきましょうと言うて、労働者を解雇するというようなふらちなことは一体何だということでひとつ通産省、しっかり御指導をいただきたいと思いますが、いかがですか。
○説明員(長田直俊君) 過積みの問題でございますが、これは私ども通産省だけではなくて、既にかねてより問題になっておりまして、昭和五十四年に六省庁で過積載防止対策連絡会議というのを設置しております。この六省庁がそれぞれ指導を行ってきているというのが現状でございます。 私ども通産省も、過去数度にわたりまして、全国生コンクリート工業組合連合会、それから全国生コンクリート協同組合連合会、こちらを通じまして、窯業建材課長名の文書により過積載防止の 徹底を図ってきたところでございます。それから機会あるごとに私どもいろいろな場を通じまして、この過積載をなくすように指導してきたところでございます。 今回の問題、今係争中とお聞きいたしますけれども、全般的な問題として私ども謙虚に受けとめさせていただきまして、こうした指導をさらに徹底してまいりたいというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 私、一般論でさらに御指導をと言うているんじゃないんです。もう各省庁がみんな一緒にやって、何遍も何遍も注意をしているということを文書で拝見して、よく存じ上げておる。にもかかわらず、全くしり食え観音というんですか、ばかにされているんじゃないですか。 だから、通産省に特に私が申し上げたのは、宇部興産という、大企業でしょうがな、そういう大企業の下請がそんなむちゃくちゃやっているのは困るということをちゃんとやらさなきゃいかんですよ。そこが問題だと言うんです。だから通産省にわざわざ聞いているんです。運輸省には聞いていないんです。そこを、一般論での指導いたしますじゃないんです。宇部興産ともあろうところが、あなたのところの下請がこんなむちゃをやっておるよと、過積みを奨励するということはやめなさいと、それで過積みはいかぬからやめようと言うた労働者を一斉に首切るというようなばかなこと、反社会的なことをやらすなと言うて厳しく指導しなさいと言うて指導をお願いしたいと申し上げているんですよ。 そういう観点でお受け取りになっていただきましたか。
○説明員(長田直俊君) 本件につきましては現在係争中でもございますし、個別企業を通じての指導というのはいかがなものかと思いますが、先生のおっしゃる意図をなるべく酌みまして、私ども先ほど申し上げました二つの組合連合会に再度私の名前で通達を出させていただいて、その結果が傘下の個別企業にまで周知徹底するように、そしてその周知徹底したことが再び私どもに報告されるようにというきめ細かい行政をしてまいりたいと思っております。
○沓脱タケ子君 私、全然無関係で今言っているんでないんで、さっき言ったように元請がちゃんとかまぬと下請になったらどんなことが起こるかということの端的な例なんですよ、これ。それで言っているんですがね。頼りないわな、今の話を聞いておったら。これは通産省頼りになるのかなという感じです、率直に言って。それではあかんのです。 労働省、もう時間がありませんから、こんな事案どない思いますか。私びっくりしたんです、聞いたときに。全くむちゃくちゃやないですか。法律を守ろうと言うた労働者が、法律を破って違法でやれと言うた使用者に首切られるというようなことが今ごろの時代にのうのうとまかり通るというのは無法地帯やないですか。全くこんな首の切り方というようなのは解雇権の乱用だと思いますし、まさに不当労働行為だと思うんです。 四月の十一日に大阪地裁に地位保全の仮処分命令を申請いたしまして、直ちに四月十八日には申請どおりの決定が出ています。しかしそれでも会社は言うことは聞いておりませんが、労働省、ちょっと本腰を入れてほしいんです。事業主を呼んで、こんなむちゃな反社会的なやり方はだめだということで、解雇の撤回等を含めて厳重に指導してもらいたいと思いますが、いかがですか。大臣どうですか、もう時間もありませんから。
○国務大臣(小里貞利君) 先生の御発言、傾聴させていただいておるところでございますが、お話しのように、裁判所におきまして仮処分がなされたばかりで係争中でございますから、労働省として公式に今ここでコメント申し上げるのはどうかと、こういうように思っております。おしかりなきよう、以上申し上げておきます。
○沓脱タケ子君 係争中という問題だけれども、これはもう決定が出ているんですよ。それで、こういうむちゃなことがまかり通ったんじゃ、せっかく中小企業人材確保法をつくったって話になりませんよということの端的な一例なんです。 そこで、こういうむちゃなことがまかり通らないように、労働省としては事業主に対して厳重な指導をなさるという必要があるんではないでしょうか。大臣、おしかりなきようと言われたけれども、ちょっとそんな係争中ですから意見述べませんでは、これはぐあいが悪いですよ。局長どうですか。
○政府委員(清水傳雄君) 御質問のように、不当労働行為事件として仮処分の申請がなされ、仮処分の決定がなされたということでございますが、個別の不当労働行為事件そのものにつきまして裁判所あるいは労働委員会による救済手続というものがございますので、そういった意味合いにおきましては、私どもとしてコメントを差し控えさせていただく以外にはないと、このように存じております。
○沓脱タケ子君 時間もういっぱいになってきましたけれども、私はこんなばかみたいなむちゃくちゃなことが横行していても労働省は大臣以下、いやとにかくコメントは差し控えさせていただきますという状況だから、労働者の権利というのは守られないんです。法律がまともに遵守されないんだということだと思うんですよ。そういう点では、これはちょっと普通の首切りと違うんですよ。私もびっくりしました、こんな話聞いて。もうちょっときちんと労働管理をさせるように対応をぜひやってもらいたいと思いますが、最後に一言伺って終わります。
○国務大臣(小里貞利君) 一般論として基本的な姿勢を申し上げますが、先生のただいまのお話、心情的によく理解をいたしながら、法律に基づき、そして行政の原則がございますから、厳粛にかつ正確に、しかも実効ある行政を期待しながら私どもは取り組まなければならぬ、かように考えております。
○沓脱タケ子君 終わります。
○乾晴美君 私は先に中小企業の労働力確保法案の方をお尋ねしてみたいと思います。 この法案というのは、通産省、労働省が相互に連携をとり合って中小企業における人材確保のために政策をやっていこうということで、共管法案というようなことで提出されたということは私は評価したいと思っております。しかし、この法案が中小企業と大企業との労働条件、それから福利厚生等の格差是正のための対策と先ほどから伺っておりますけれども、すべて網羅しているのかどうかということが非常に気がかりなわけです。そしてまた、この法案では労働者の具体的な人数として将来何人ぐらい人材が集まってくるのだろうかというようなこともはっきりしていないというように思うわけなんですが、こういった気がかりな点について労働大臣のお考えをお願いいたします。
○国務大臣(小里貞利君) これは先ほども御説明申し上げましたように、国が示す指針に基づきまして中小企業者が雇用管理の改善に自主的に取り組むことに対しまして国が支援をする、そして中小企業が魅力ある職場となることを通じまして労働力の確保に結びつけたいというのが基本的なねらいでございます。また、平成三年度におきましておおむね二百五十から三百団体程度が本法に基づき雇用管理の改善に取り組むものと見込んでおり、その波及効果を含めますと中小企業におきまする労働力の確保に貢献できるものと、かように考えております。
○乾晴美君 ありがとうございました。 中小企業の人手不足に対する対応ということで、午前中からも問題になりましたけれども、労働時間短縮だとか職場改善を推進するという必要があって、そのために積極的に進める企業を財政面や税制面でバックアップしていこうというようなことだと思うんです。これは大変結構なことだと思うんですけれども、労働時間の短縮にしても、福利厚生施設の充実にしても、人手が足りないからやるんだといったような消極的なものであってはならないのではないだろうかというように思います。たとえ人手が足りるようになった状況にあっても積極的に進めていかなければならない課題だろうというように思うわけです。短期的な雇用情勢とか景気の変動によって左右されることなく、長期的な課題として施策を推進していくべきだというように思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) 中小企業が大企業におくれております労働時間の短縮、職場環境の改善、福利厚生の充実等の雇用管理の改善を推進していくということは、労働者の八割を占めております中小企業労働者の福祉の増進の観点ということが重要な課題であってこれを進めるわけでございます。そしてそのことは、中小企業の職場としての魅力を高めて、そしてそこに人が集まってくると、こういうことでございまして、何よりもまずそこで働いている労働者の方々の福祉の向上ということが大きな目的でございます。 今後の労働力の需給というものは、これはそのときどきの景気の変動はございますけれども、基本的には人手不足基調ということで進んでまいろうかと思います。いずれにいたしましても、先生御指摘のように、そこで働いておられる方々の福祉を第一に考える。先ほど来大臣が御答弁申し上げておりますように、労働力の尊重の時代という基本的な視点に立ってこの法案が提出されているということを御理解いただきたいと存じます。
○乾晴美君 私は次に、中小企業と大企業の労働面にかかわる格差のことについてちょっとお聞きしたいんですけれども、初めの初任給というところではそんなに、資料を見せていただきましても差はないんですね。しかし在職中の賃金だとか労働時間だとか福利厚生、それから安全衛生などの格差というのは広がっていくわけですね。そして退職後というのは退職金や年金の格差とか、労働の生活のさまざまな場面でだんだんだんだんと広がってきているというようにあるわけですね。こういった格差というのは単に中小企業の労働者が恵まれてないということだけではなく、社会的な面からも無視することはできないのではないかと思うわけです。それは一例として、労働面の格差が大企業の方への願望になっていって国民や学生にそういうことが意識として浸透していってしまうのではないか。いわゆる学歴社会だとか受験戦争の弊害を生む要因になってしまっているのではないかというように思うわけです。 労働面の格差が学生や国民に及ぼす影響について労働大臣はどのように認識されておるか。そしてまたこの法案が国民や学生の意識を変えていく一つのきっかけになるんだというようにお考えなのでしょうか。そこら辺を聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(小里貞利君) 端的に申し上げまして、新規学卒者のいわゆる規模別入職状況についてのお尋ねでございますが、近年、大企業の採用割合は上昇いたしております。同時にまた中小企業の採用割合が低下いたしておるという傾向がございます。他方、中小企業が能力とそして意欲を十分に発揮できるという理由によりまして中堅あるいは中小企業を希望する者も多数存在しておる、そういう傾向も出ておりまして、必ずしも大企業と中小企業の労働面の格差が直ちに学歴社会の弊害を生む要因と申し上げますか、となっているとは言い切れない、そういう判断を労働省はいたしておるところでございます。 本法は、労働時間の短縮等いわゆる魅力ある職場づくりに積極的に取り組む中小企業者を支援するものでございまして、中小企業の職場として魅力ある一つの就労の機会となりますように、学生などの意識を変えていく一つのきっかけとなることを期待いたしておるところでございます。
○乾晴美君 私、先日就職情報誌というのを見ておりましたら、業種とか職種にかかわりなく週休日数、何日休めるかということだったり、そしてまた連続休暇の日数などで仕事の分類がされておりました。労働力の確保の一番の決め手というのは労働時間の短縮なんだなというように見て思いました。この法律のような援助策も重要なんですけれども、すべての企業で一斉に進めようということにするのであれば法的な措置がどうしても必要になってくるだろうと思います。 週四十時間労働制への移行時期については、現行の経済運営五カ年計画では一九九二年度内というようにされているわけですけれども、その目標時期について改めて明らかにしていただきたいと思いますし、また所定労働時間というのが短縮されても残業が減っていかなければ総労働時間が減らないであろう、だから労働省は既に時間外労働についても目安を示しているわけなんですが、年間四百五十時間ということで余りにも長過ぎるのではないかというように思います。これを大幅に見直すべきだと思うんですが、御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(佐藤勝美君) 六十三年に改正労働基準法が実施をされましてから労働時間が着実に減ってきておるわけでございますが、おっしゃるように経済計画の目標を達成するためにはなお一層の努力が必要である、五年のうち三年を経過した現在でございますが、なお一層の努力が必要であるというふうに認識をいたしております。 先ほど来申し上げておりますように、そのために中小企業を中心にいたしましていろいろの施策を講じておるところでございますが、同時に現在、改正労働基準法の附則七条に基づきます見直し、検討の中では週四十時間労働制への移行問題も重要な検討課題であると考えておるところでございます。今後労働時間の動向等も考え合わせながら、労使の意見も聞きながら検討していかなければならないというふうに考えておりますが、特に御指摘のように所定内時間といいますか、法定週労働時間を短縮をしても現在のような所定外労働時間の状況であるというとになりますと、これが全体の実労働時間の減少を達成するためにはそこが一つのネックになるということでございます。日本の場合に所定外労働時間、言ってみれば残業というようなものが雇用の維持のためにある機能を果たしているということも否定できないんですが、ただ恒常的に残業が多いというような状況も見られるところでございます。 私どもは大臣告示によりまして、所定内、所定外時間の上限の目安時間を定めていることは先生も今御指摘になったところでございますが、今年度はひとつこの目安時間につきまして見直しの検討をしたいということが一つと、それから所定外労働時間短縮促進要綱といったものを労使の専門家もお集まりいただいた中で策定をしていただきまして、そういうものの成果を踏まえましてなお一層の指導、援助に努めたい、かように思っております。
○乾晴美君 その次に、中小企業雇用環境整備の特別奨励金ということについて伺ってみたいと思いますが、この特別奨励金というのは中小企業団体の構成員である事業主が職場改善のために要する費用の負担の軽減というようなことでするようですね。それを二十五万円、五十万円、百万円、二百五十万円というような四段階の奨励金になっておりますけれども、概算要求の時点では五十万円から五百万円の要求であったと聞いておりますが、なぜ減額されてしまったのでしょうか。明らかにしていただきたいと思います。 職場改善のために作業施設だとか福祉施設とか整備していこうという事業主が意欲的に取り組んでいこうとしておるものですから、資金負担の軽減措置をとってあげてもよいのではないかというように思うわけなんで、特別奨励金の引き上げについてももっと努力していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(伊藤欣士君) 御質問の中小企業雇用環境整備特別奨励金は、団体としていろいろ取り組んでいただく場合に、中小企業人材確保を中心とする助成金というのはまた別途団体の取り組みに対して助成をするわけでございますけれども、その団体の構成員である中小企業の方が労働時間の短縮等職場の環境の改善に資する設備または施設の設置または整備を行うとともに、あわせて福祉施設を設置し、認定計画に定める目標を達成した中小企業に対して、その費用に応じまして、先生お話しございましたように二十五万から二百五 十万の四段階に分けて支給を考えているわけでございます。 予算の要求段階についてはいろいろ考え方はあったわけでございますけれども、本奨励金の支給につきましては、雇用保険三事業の他の奨励金の水準等も勘案いたしまして決定したものでございます。今御要望ございました点につきましては、これから法をお認めいただきまして施行していく、こういう段階でもございますので、今後実際に運用していく中でその利用状況や政策効果等を見きわめてまいりたいと考えておるわけでございます。
○乾晴美君 役所の仕事というのは多分そうだろうと思うんですが、他の関連として、いい方は見習わないで悪い方へ合わせていくという、非常に残念だと思います。 この法律による改善計画が効果的に進んで、かつ労働者の福祉向上に結びついていくというためには、さまざまなレベルにおいて労使の合意が大変重要だと思います。特に改善事業に基づく省力化投資によって雇用問題が発生するようなことがあっては絶対にならないと思います。その歯どめの意味でも、職場の労働者の意見を踏まえるということが大変必要であると思うんです。 本法の法案要綱答申に先立つ職業安定審議会の報告には、「計画の承認に当たっては、関係者の意見を十分に参酌することが望ましい。」というような見解を示しておるわけなので、やはり労使代表を含む協議会のようなものを設置すべきだというように思うわけです。これはこの法律に係る事業全体の効果を上げていく上でも極めて重要であるのではないかということで、ぜひ前向きに検討していただきたいと思うんですが、労働省と通産省の両方の御意見を伺ってみたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) この法律によりまして促進されます省力化投資と申しますものは、時間短縮でございますとかあるいは職場環境の改善を目的とするものでございまして、単に省力化をして労働者の雇用を減らす、安定を損なうというようなとを全く想定していないわけでございます。 いずれにいたしましても、この法律に基づきます改善計画が事業協同組合等及び個別企業におきまして適切かつ効果的に実施されますためには、関係労使が相協力して雇用管理の改善を進めていくことが重要でございます。 したがいまして、中小企業者が雇用管理改善の目標等を定める場合には、その改善のねらいが労働者にとって魅力のある職場をつくることにあるわけでございますので、必要に応じまして関係労働者の意見を聞くなどの手続をとることは望ましいと考えております。
○乾晴美君 よくわかりましたけれども、中小企業では労働組合の組織率というのも非常に低いということなので、組合がないというようなことも勘案して、計画の実施に当たっての労使の合意形成について特段の周知徹底というのが必要だというふうに思うので、通産省の方もお願いいたします。
○政府委員(渡辺修君) 労働時間の短縮、職場環境の改善等、魅力ある職場づくりを推し進めるに当たりましては、労使双方の理解と協力が必要であるということは御指摘のとおりでございまして、本法の施行に関しましては、さまざまなレベルで関係労使の意見交換が行われることは極めて有益であると考えております。 御指摘の労使にわたる問題に関する政労使間の意見の交換というのは、従来から地域の都道府県レベル等々、地域の実情に応じていろんな話し合いが持たれておるようでございますから、そういった場を利用する等、都道府県レベルでいろんな場を設けていくことができるんではないか、かように考えておるところでございます。
○乾晴美君 労働時間短縮を初めとする職場の改善、それからゆとり、豊かさの実現というようなことで、先ほどから皆さんおっしゃっていましたけれども、労働力の尊重の時代ということで、そのためには極めて重要であるということで、省庁の垣根を越えて進めなければならないと思いますけれども、労働時間の短縮の問題は運輸省だとか建設省、農水省などでも積極的な検討が始まっておるということで、これらを踏まえて総合的な施策の強化が求められておりますので、最後に、労働省、通産省の両省からそれぞれの意見と決意をお伺いしまして、次の問題に移っていきたいと思います。 よろしくお願いします。
○国務大臣(小里貞利君) 御指摘の労働時間短縮の問題等を初め、もろもろの労働条件改善は先生おっしゃるとおり労使の相協議が極めて大事でございます。今次の本法推進につきましても通産省と相提携をいたしまして、これが実効を上げてまいるように努力をいたします。
○政府委員(高橋達直君) 私どもといたしましても、労働時間の短縮は今後の国民生活のゆとりと豊かさの実現のために必要不可欠という認識でございまして、今回労働省と共同いたしましてそのための魅力ある職場づくりが大事であるという認識から、中小企業者を総合的に支援するために本法案を提出したものでございます。 なお、本法案におきまして基本指針を策定するに当たりまして、先ほど委員から御指摘のございました関係省庁、運輸省であるとか農水省であるとか建設省であるとか、そういった関係省庁とも協議する旨、これは条文的には三条の三項にございますが、規定されておりまして、そういった各省との協力も得つつ中小企業における魅力ある職場づくりの促進に努めていく考えでございます。
○乾晴美君 それでは、地域雇用の方に移らせていただきたいと思います。 雇用環境整備地域についての基金の運用も含めて、地域雇用環境整備計画のいわゆる策定から実施に至るまでに労働組合の意見がここでも十分反映できるようにしなければいけないと思います。先ほど堀委員からそういうことで御提案があったと思いますけれども、私もまさにそうだと思うんです。 それは、従来、地域雇用開発協議会などでの労使の意見反映の場があったわけです。けれども、今回の法改正で都道府県の自主的な取り組みで計画が出されるということで、これを労働大臣が承認することによって地域指定がされるということですから、労使の意見反映というのは都道府県レベルで対応するということで、先ほど伺っておりましたら、そういうことです。 それで、雇用環境整備地域においても従来の地域雇用開発協議会のような具体的なものをつくっていただいて、その中に労働組合の意見が十分反映できるようにすべきだと思うんですけれども、労働省も先ほどのお答えの中で十分に反映していきたいというようなお答えでございましたけれども、具体的な手段とか方法とかというのをお示し願いたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(若林之矩君) 雇用環境整備地域に関します施策と申しますものは、地域の自主的創意及び努力を前提といたしまして地域のさまざまな自主的な動きを支援しようというものでございますから、その効果を高めますためにも地方公共団体、労使関係者等の地域関係者が広く協力することが肝要であるというふうに認識をいたしております。ただいま先生御指摘のように、従来から労使関係者にも御参加をいただいている地域雇用開発協議会でございますとか、あるいは審議会等の場を通じまして広く関係者の協力を得て施策を進めてきたところでございますし、この新法の実施に当たりましても、計画の策定段階等に関係者の意見が十分反映されるように配慮してまいりたいと考えております。 ただいま従来の地域雇用開発協議会のようなものを雇用環境整備地域においてつくって関係者の意見が十分反映させるようにすべきではないか、こういうことでございますけれども、これにつきましては、それぞれの地域においてその実情において判断さるべきものであろうというふうに考えております。その際、労使関係者の意向が十分に反映されるように指導してまいりたいというふうに考えております。
○乾晴美君 雇用環境整備地域というのは、地方公共団体等の地域関係者の熱意とか自主的な創意工夫とか努力ということが不可欠なんですよというのはよくわかるんですけれども、地方においてはそういった熱意がたとえあったとしても、幾ら情報化時代だと言われても立ちおくれしているというところもあるわけなんでして、地域においては良好な雇用環境を整備するための種々な施策をつくり出すノーハウというものも不足していると思うんです。こうした現状を踏まえて、労働省として魅力ある雇用機会づくりを中心とした良好な雇用環境の整備のための施設づくりに当たって必要となるノーハウを提供するというような、地方公共団体に対して各種指導とか助言とか援助とかというのを積極的に展開していっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(伊藤欣士君) このたびの地域雇用環境整備地域制度につきましては、先生お話しのように、地元地域関係者の熱意や主体的な創意、努力を前提としておるというのはおっしゃるとおりでございますが、そのためのノーハウが不足しているところもあるんじゃないかということも御指摘のとおりでございます。 労働省といたしましては、従来から雇用開発促進地域におきまして道府県の地域雇用開発協議会ないしは地域の雇用開発会議というのがございまして、地域の雇用開発に取り組んできたところでございますが、特に道府県の地域雇用開発協議会におきましては地域雇用開発の具体的な推進方策であるとか、その可能性についての調査研究を行ってきておられる、あるいは市町村が具体的な雇用開発プランを作成する際のソフト面の技術的な支援をしてきておられるというような実績があり、そういう協議会でのノーハウというのは蓄積されている面もあるわけでございます。 今後、雇用環境整備地域制度の運用に当たりましても、これらのノーハウを地方公共団体等の地域関係者に提供いたしますとともに、各地域の好事例等などにつきましても積極的に地域に対してお示しをする、これを使っての指導、援助に努めてまいりたいと考えておるわけでございます。
○委員長(福間知之君) 乾君、時間が来ていますから、手短に。
○乾晴美君 はい。 地域雇用環境整備構想を推進するに当たりまして、まさに人を扱うという労働担当の大臣としてその御決意のほどをお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(小里貞利君) 経済大国の時代から生活大国の時代へという響きも大きく聞こえてまいります。あわせまして、産業優先の時代から労働力尊重の時代という声も大きく聞こえてくる今日でございます。私どもはそのような基本的理念に立ちまして精いっぱい努力を払ってまいりたいと思います。
○乾晴美君 ありがとうございました。
○勝木健司君 最近の労働力需給の状況とかあるいは人手不足倒産がふえておるということで、そういう状況を考えますと、中小企業の経済社会における重要性を考慮いたしましても何らかの対策を講ずることが今焦眉の課題となっておるわけでありまして、このような状況のもとで今回の法案が提出をされますことはまことに望ましいことであります。 現在の状況を考えますと、中小零細企業における人材不足の問題は、単に個別の企業の問題ではない、日本経済全体の問題と言っても過言ではないんではないかというふうに思われます。特に中小零細企業におきましては新卒の採用が非常に難しくなっており、政府としても、単にこの法律案を提出しただけで満足するのではいけないんじゃないか、中小零細企業における人材確保についてのこの法律の実効性というものの確保を含めまして積極的に施策を推進していくべきであるというふうに考えるわけであります。 労働大臣、中小企業庁長官のそれぞれのまず見解をお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(高橋達直君) 御指摘ございましたけれども、中小企業における労働力不足の問題というのはまさに日本経済全体の問題であるという認識をしておりまして、何とかこの人手不足問題を解決する必要があると考えております。 お話しございましたけれども、中小企業における新卒者の採用が非常に困難になっているという事実も私ども耳にするわけでございますけれども、他方において、最近の新卒者の意識が自分の才能を生かせるところで働きたい、こういう意識もあるわけでございますので、要は職場環境が魅力あるものにどうなっていくかということがポイントになろうかと思っておりまして、本法の成立によりまして職場の魅力が向上するということを通じて中小企業における新規労働者の応募の増加であるとかあるいは現に働いている方々の定着ということで労働力の確保に資するものと考えております。 もとより、この法律をつくればよいというものではなくて、その実効を上げる必要があると考えておりまして、労働省と相協力いたしましてその実効を上げるのに努力をしてまいりたい、かように考えております。
○国務大臣(小里貞利君) ただいま高橋長官御答弁いただきましたことと全く同感であり、また同趣旨の答弁を申し上げたい気持ちでいっぱいでございます。特に私どもは労働省、労働雇用面から労働政策を進めてまいらなけりゃなりませんが、おっしゃったようなお気持ちで努力をしてまいりたいと存じます。
○勝木健司君 この法律の実効性の確保につきまして、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。 事業協同組合等の作成する改善計画についてでありますが、実効性確保のために改善計画の作成に当たって労働者の意見の反映というものが特に重要になってくるというふうに私は思います。この計画は、構成員であります中小企業者の労働力確保を目的といたしておるわけでありますから、当然現場の意見というものも反映されなければ労働力確保も難しくなると思われます。 そこで、改善計画策定を経営者の側だけに任せたのでは実際に働く者が何に一体不満を感じておるのか、あるいはどのように改善をしてもらいたいのかという要望というものについて観点が抜け落ちてしまっているんじゃないかということで、そういった意味で私どもは危惧をするわけであります。この点につきましてどのように考えておられるのか、お伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(若林之矩君) この中小企業労働力確保法に基づきます改善計画が事業協同組合等及び個別企業におきまして適切かつ効果的に実施されますためには、関係労使が相協力して雇用管理の改善を進めていくことが重要でございます。したがいまして、中小企業者が雇用管理改善の目標等を定めます場合には、その改善のねらいが労働者にとって魅力ある職場をつくることにあるわけでございますので、必要に応じまして関係労働者の意見を聞くなどの手続をとることが望ましいと考えております。
○勝木健司君 この法案はさまざまな支援あるいは財政的な援助措置を通じまして、労働時間の短縮あるいは福利厚生施設の拡充などを図っていこうとするものであります。これらの助成金あるいは補助金などが労働者福祉の向上にとって真に本当に役立つように厳格に運用されなければならないことは当然のことでありますが、それとあわせて、この法律に基づいて実施される事業の内容につきまして労働者の側でも十分に理解を示していく、そしてともに力を合わせていくことが重要ではないかというふうに思うわけであります。 その意味で中央の基本指針策定の段階ではもちろん、計画の認定にかかわる県レベル、そしてまた具体的に実施される職場レベルにおきましても、それぞれの段階で労働者の意見が反映されていくことが私は重要であるというふうに思います。特に、規模が小さくなればなるほど労働組合の組織率が低くなっておるわけでありますから、法律の運用の中で労使代表を含む三者構成機関を県段階で設置し、認定していく。そして報告の聴収の段階で開催をしていただく。そして、先ほどの答弁にもありましたように、関係者の意見を十分聞くということでありますから、こういう三者構成機関を設置をいたされまして意見を十分聞いていただくようにしていただきたいと思うのでありますが、見解をお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(若林之矩君) この法律によりまして促進しようとしております魅力ある職場づくりへの取り組みというものは、中小企業経営に当たる者がみずからその必要性を十分に認識いたしまして、労働者の協力も得ながら主体的に促進していくことが必要であるわけでございまして、したがいまして、事業協同組合等の改善計画の策定に当たりましてあえて公労使三者構成の協議会の場を設けるということを義務づけることまでは予定をいたしておりません。 いずれにいたしましても、繰り返し申し上げておりますように、労使がこの目的をしっかりと踏まえて協力していくということが大事なわけでございまして、必要に応じまして関係労働者の意見を聞くなどによりまして、労働者も含めたやる気と合意が重要なポイントであるというふうに考えております。
○勝木健司君 通産大臣、また労働大臣は労働力の確保を図るためにこの基本指針を定めるということでありますけれども、具体的にどのような内容を考えておられるのか。その際、計画の認定及び進捗状況のチェックが可能となるような、より具体的な指針とするようにしていただきたいと思うのでありますが、御所見をいただきたいというふうに思います。
○政府委員(若林之矩君) ただいま申し上げましたように、労使が相協力してこの問題を進めていくということでございますけれども、この基本指針におきましては二つの趣旨を持っておるわけでございまして、第一には、中小企業におきます労働力を確保いたしますためには、中小企業における雇用管理の改善を図ることが重要であることにかんがみまして、中小企業において労働力確保を進めていく上で重要な雇用管理の改善の基本的な方向及びそれを実現する方法についてのガイドラインとなるべきものを広く一般に示す趣旨でございます。 第二に、都道府県知事が協同組合等の作成した改善計画を認定するに当たりまして、計画の内容が労働力の確保を図るために適切かつ効果的なものであるか否かを判断する際の基準となるものでございます。 このような趣旨にかんがみまして、ただいま御指摘ございましたが、本法に基づきます基本指針につきましては、雇用管理の改善の方向とそれを実現する方法について可能な限り具体性のある記述としたい。そういうことにいたしますれば、その状況というものは皆さんがどこまで進んでいるんだろうかということが判断いただける。そういうことで具体性のある記述にしたいというふうに考えております。
○勝木健司君 中小企業庁、特にございますか。
○政府委員(渡辺修君) 今労働省から御答弁なられたのと全く同様でございます。
○勝木健司君 それでは、中小企業において労働者が安心して働き続けるために環境を整備することが必要じゃないか、それで、労働時間を初めとする公正な労働基準というものがすべての職場において明確にされていなければならないというふうに思うわけであります。 そこで、この基本方針にあわせまして厚生、労働条件についてのガイドラインも示すべきであるというふうに思うわけでありますが、御所見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) この法律は、労働時間短縮、職場環境の改善、福利厚生の充実などの雇用管理の改善を図ることによりまして魅力ある職場づくりを進めまして、中小企業における労働力の確保を図ろうというものでございます。 したがいまして、この法律に基づきまして労働力の確保のための雇用管理の改善を進める目的で示します基本指針におきましても、魅力ある職場づくりを進める上で必要となる措置の方向と、それを実現するための一般的な方法を定めることにいたしておるわけでございまして、例えば魅力ある職場づくりのための措置の方向として労働時間の短縮を掲げまして、その実現方法として週休二日制の実施、省力化投資の実施等を示す、こういうふうな、一つの例を挙げますればそういうようなものでございます。
○勝木健司君 この基本指針につきましても、当然見直しをしていかなければならないわけでありますけれども、この見直しの時期はいつごろなのか、そして見直しの発議というのはどのようにされるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(若林之矩君) ただいま御審議をいただいておりまして、この法案が成立をした暁には、私ども各省庁と協議をいたしまして指針を定めるということになるわけでございます。そして、ただいままでいろいろと御指摘をいただきました問題を十分に踏まえてできるだけ立派な基本指針をつくらせていただきまして、そのことによって中小企業をより魅力のある職場にしてまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、まず立派な基本指針をつくらせていただく、これに当面全力を注がしていただきたいというふうに思っております。
○政府委員(渡辺修君) 今、局長から御答弁あったそのとおりでございまして、条文上基本指針を見直しすることができるという条文はございますけれども、当面そういうことは考えないで立派な指針をつくっていきたい、かように考えております。
○勝木健司君 中小企業における労働力の確保を図るためには、当然労働時間の短縮などの労働条件の向上とかあるいは職場環境の改善あるいは福利厚生の充実など中小企業の格差の是正に向けて総合的にきめ細かな施策を展開することが必要であろうというふうに思われます。そういう労働問題の基本は労使関係にあるというふうに思うわけでありますが、労働基準法あるいはまた労働組合法に違反した企業、これを一定期間認定の除外をすることを政令で定めるなど基準に明記をされたらどうかというふうにも思うわけであります。また、認定された対象団体の公開というものを義務づけたらどうかと思うわけでありますけれども、御見解をお伺いいたしたいというふうに思います。
○政府委員(若林之矩君) 構成中小企業の中に、労働基準法あるいは労働組合法違反の企業が多数含まれている、そういう中小企業団体につきましては、この法律に定めます改善事業の目標を達成するために適切であるという認定基準を満たすことにつきまして信頼性が乏しい場合が多いものと考えております。しかしながら、この法律に基づきます改善計画と申しますものは、事業協同組合等の中小企業団体が策定するものでございまして、多くの雇用管理改善に積極的に取り組む企業を対象とした団体の計画を認定することはこの法律の趣旨に合致するものというふうに考えているわけでございまして、やはり事柄の性質上ケース・バイ・ケースで判断していかなきゃならないことだろうというふうに考えております。
○勝木健司君 それでは時間も余りありませんので、次に地域雇用開発等促進法の改正等についてお伺いしたいと思います。 厳しい雇用失業情勢が続いている地域におきましては、引き続き地域雇用対策を積極的に推進していく必要があると思うわけでありますが、現行法に基づく雇用開発促進地域はすべて新法におきます雇用機会増大促進地域に改めて規定をされるのか、お尋ねをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(若林之矩君) 現在の法律に基づきまして地域が指定されているわけでございますけれども、私どもといたしましては、現在ございます地域につきましては新しい法律のもとにおきます地域として指定をしていきたいというふうに基本 的に考えております。
○勝木健司君 それでは、この法律と中小企業人材確保法との関係について、今回の二つの法律案の施策は地域と中小企業にそれぞれ焦点を当てておられるということで地域の自立支援を行うものであります。その実効性が確保されるということが特に重要じゃないかというふうに思うわけであります。 今回のこの二つの法律案の関係についてでありすが、例えば雇用機会増大促進地域の中小企業あるいはその団体または雇用環境整備地域内の中小企業、中小企業団体はこの二つの法律案の施策が両方とも受け入れられるのか、あるいは両法案の施策に重複が生じないよう何らかの調整がなされておるのかということをお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(伊藤欣士君) 地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案及び中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案の両法案に基づきます施策が同一ケースについて同時に講ずべきものとは考えておりませんけれども、御指摘のとおり、重複が生ずる場合も理論上は想定され得るところでございます。したがいまして、かかる場合を念頭に置きまして、重複が生じないよう今後各種支援措置の発動要件の調整であるとか、併給調整等の所要の措置を講ずることを検討してまいりたいと思うわけでございます。
○勝木健司君 次に、公共職業安定所等職業紹介体制のあり方についてお伺いをしたいというふうに思います。 労働省の委託調査によりましても、Uターン労働者採用に当たっては地方圏の企業が挙げている問題点というのは、「Uターン希望者の把握ができない、情報が少ない」というのが六一%でトップであります。また昭和六十二年度の雇用動向調査によりましても、職安の紹介で就職する人の割合は全体の二割にすぎない。そして広告就職が三割、そして縁故が二割、学校その他が三割となっておる状況であります。 このような状況では、産業構造あるいは就業構造の変化あるいは労働者意識の変化等に対して職安が必ずしも的確に対応していないのではないかというふうに思われるわけであります。確かに各職安を電算ネットワーク化する総合的雇用情報システムの創設など評価できる面があるのも事実であるわけでありますが、今後のこういう産業構造あるいは就業構造の変化、情報化、国際化などの時代のニーズにマッチした新しい職業紹介方式についても検討をしていかなければいけないんじゃないかというふうに思うわけであります。具体的な構想があればそれについてもお伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(伊藤欣士君) 労働省では、社会経済情勢の変化に対応いたしまして、公共職業安定所が労働力需給のセンターになり得るよういろいろ努力を重ねてきたところでございますが、今お話ございましたような総合的雇用情報システム、全国をコンピューターでオンラインでネットワークを結ぶ、これにより情報の全国一元化が図られているわけでございますけれども、そういうようなもののいわゆる機械化、情報化に対応する一方、パートバンクであるとか、パートサテライトであるとかというような形で女性の就業意欲の高まりに対応したような形での新しい職業紹介の形態、窓口、あるいは平成三年度におきましては、いわゆる女性専門の公共職業安定所のレディス・ハローワークというようなものを設置するなどのいろいろな努力を払ってきたところでございます。 今後におきましても、労働力不足が予想される分野におきます労働力需給調整機能が安定所にますます期待されてくると考えております。そういう意味で、高齢者、若年者、女性等、それぞれのニーズにこたえていくことが求められておる。また、一番最初申し上げましたように、公共職業安定所が地域の中核的な労働力需給調整機関として国民の期待にこたえられるよう、今後とも職業紹介のあり方等含めまして全般的な検討を行い努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○勝木健司君 就職情報紙誌等の急成長に伴いまして、それに絡んだトラブルというものが社会問題化したことは記憶に新しいわけでありますが、不適正な労働者募集広告によりまして労働者が被害を受けることがあってはならないはずであります。 そこで、これらの就職情報紙誌に対する労働省の基本的な認識について、またさらに、その規制、指導についてどのような考え方を持っておられるのか、お伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(若林之矩君) 就職情報誌などの求人広告につきましては、近年の情報化の進展に伴いまして、これによって入職する者の比率が高まるなど労働力需給調整に占める比重が大きくなっておることは御指摘のとおりでございます。その反面、不適正な募集広告によるトラブルもいまだ見られるところでございまして、業界におきましても広告の審査体制を強化するなど、広告内容の適正化のために自主的に取り組んでいるところでございます。 この問題につきましては、私ども公共職業安定機関を通じまして指導を重ねておるわけでございまして、労働条件等の明示や業務内容等の適格な表示など職業安定法に規定いたします諸事項につきまして、いろいろな機会をとらえまして事業主に対して啓発指導を実施いたしますとともに、募集主やあるいは就職情報誌等の媒体業者に対します指導を進めてまいっておるところでございます。 今後ともこうした対策を進めていくことによりまして、求人広告内容の適正化を図りますとともに、求人側及び就職情報誌等の媒体事業者に対しますなお一層の指導を強化してまいりたいと、このように考えております。
○勝木健司君 最後に、労働大臣にお伺いをして質問を終わりたいと思いますが、地域雇用環境整備構想、これは確かに若年者の地元定着あるいは都市圏勤労者のUターン対策を盛り込まれた内容となっておりますが、東京一極集中を是正していく、そしてまた多極分散を推し進めていくためには、そういった意味での労働行政の果たす役割はますます大きくなってくるなというふうに思うわけでありますので、労働大臣の、この二つの法案を含めまして、決意のほどをお伺いして、質問を終わりたいというふうに思います。
○国務大臣(小里貞利君) 確かに、一極集中を改めまして多極分散、いわゆる社会政策、産業政策に貢献できる本法律案であるということは私どもも信じているところでございますが、必ずしもこの一法のみでこれが達成できるものでもございませんし、これを一つの軸にいたしまして、多面的な努力を払ってまいらなければならないと思っております。
○勝木健司君 中小企業庁長官、何かありますか。
○政府委員(高橋達直君) 中小企業施策の面からも多極分散というものは、やはり地域における地場産業の振興という点で極めて重要な意義を持っておると思うわけでございます。従来からも地場産業の振興につきましては、私ども力を尽くしてきたところでございますが、今後ともさらに充実した対策を講じていく所存でございます。
○勝木健司君 ありがとうございました。 終わります。
○委員長(福間知之君) 以上で両案に対する質疑は終局いたしました。 これより両案の討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより順次採決に入ります。 まず、地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(福間知之君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、田代君から発言を求められておりますので、これを許します。田代君。
○田代由紀男君 私は、ただいま可決されました地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブの各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読します。 地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、地域における雇用問題が地域経済の振興、地域の活性化にとって極めて重要であることにかんがみ、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一、我が国の勤労者が、その経済的地位にふさわしい真の豊かさとゆとりを享受できるような地域社会を実現するため、地域雇用対策を総合的かつ強力に推進していくこと。特に、雇用情勢が改善されていない地域に対する従来の施策及び新たに設けられる雇用環境整備地域に対する施策を積極的に推進していくこと。 二、地域雇用開発を促進するに当たっては、地域活性化のための諸施策と十分な連携を図ること。 三、本法の施行については、関係地方公共団体の意見を十分尊重するとともに、地方公共団体がその自主性を十分発揮できるよう、施策の効果的な運用を行っていくこと。 四、地域雇用対策を推進していくうえでは、労使関係者の意向が十分に反映されるよう配慮すること。 五、地方公共団体と公共職業安定所等職業安定機関との有機的な連携のもとに、Uターン就職希望者等のニーズに即した求人情報等の提供に努めること。 六、地域雇用開発助成金等の各種助成金、融資制度については、地域の雇用失業情勢その他雇用の動向に的確に対応した適切かつ機動的な運用が図られるよう努めること。 七、地域のニーズを踏まえた職業能力の開発が重要であることにかんがみ、公共職業訓練施設の充実・強化、民間各種職業訓練施設の積極的活用等職業能力開発体制の整備を図ること。 八、本法の実効ある運営を確保するため、定員増を含め行政体制の充実・強化を図ること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(福間知之君) ただいま田代君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(福間知之君) 全会一致と認めます。よって、田代君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、小里労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小里労働大臣。
○国務大臣(小里貞利君) ただいま決議がございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。
○委員長(福間知之君) 次に、中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(福間知之君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、対馬君から発言を求められておりますので、これを許します。対馬君。
○対馬孝且君 私は、ただいま可決されました中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブの各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、我が国経済及び雇用における中小企業の重要な役割にかんがみ、中小企業における労働時間の短縮等を促進し、職場としての魅力を高め、中小企業に労働力を確保し、中小企業の振興と中小企業労働者の福祉の増進を図るため、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一、中小企業労働力確保対策を促進するに当たっては、労働政策と中小企業政策との連携をはじめ関係行政の十分な連携の確保を図り、総合的な施策を講じること。 二、本法が目的とする中小企業における雇用管理の改善の実効が確保されるよう、本法の施行に関し労使関係者の意向が十分反映されるよう配慮すること。 三、本法により実施される委託募集が職業安定法の規制の趣旨に反することのないよう配慮すること。また、公共職業安定所の職業紹介の強化とそれに必要な行政体制の充実に努めるとともに、就職情報誌紙をめぐる諸問題に対応するため、掲載企業及び関係業界に対し必要な規制を行うこと。 四、下請中小企業における労働時間の短縮の促進に当たっては、親企業による発注方式の改善が重要であることにかんがみ、下請中小企業振興法の振興基準に基づく指導の徹底に努めるとともに、下請代金支払遅延等防止法の運用強化に努めること。 五、本法に基づく各種助成金、融資、税制については、中小企業における雇用管理の改善が確実に促進されるよう適切な運用に努めること。 六、労働時間の短縮については、現下の国民的課題であることにかんがみ、法定労働時間の適用猶予期間中であっても、できるだけ早期に法定労働時間の水準が実現されるよう、関係中小企業等における労働時間短縮の促進策を拡充すること。 七、適正な商慣行の確立に向けた指針等を速やかに整備し、周知徹底及び指導を強化するよう努めること。 八、官公需の発注に際しては、労働時間の短縮に配慮し、可能な限り計画的な発注を行うとともに、適正な工費、工期を設定するよう努めること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(福間知之君) ただいま対馬君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(福間知之君) 全会一致と認めます。よって、対馬君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、小里労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小里労働大臣。
○国務大臣(小里貞利君) ただいま決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力してまいる所存でございます。 どうもありがとうございました。
○委員長(福間知之君) 両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福間知之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十四分散会