決算委員会 第2号
- 発言数
- 296 件
- 登壇者
- 47 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1991/04/22
会議録
○委員長(及川一夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十九日、陣内孝雄君、鈴木省吾君及び二木秀夫君が委員を辞任され、その補欠として須藤良太郎君、藤田雄山君及び成瀬守重君が選任されました。 ─────────────
○委員長(及川一夫君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(及川一夫君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に猪熊重二君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(及川一夫君) 昭和六十二年度決算外二件を議題といたします。 本日は総括的質疑の各省大臣及び内閣総理大臣に対する質疑を行います。 それでは、これより各省大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○千葉景子君 おはようございます。きょうは昭和六十二年度決算の総括質疑ということでございますので、六十二年度、大分振り返って考えなければいけませんが、まず、六十二年度の財政運営などについて質問をさせていただきたいと思います。 昭和六十二年度経済を今振り返ってみますと、表面的には、経済成長率もほぼ当初見通しに対してもそれなりの成長を示しているということで、それほど極端なぶれがなかったということも言えるように思います。しかし、その後の経済情勢を見ておりますと、やはり大きな波乱のもとがつくられた、そういう年度でもあろうかというふうに思います。その後に大きな課題、あるいは経済、財政運営への大変重要な分岐点であったのではないか、こういうことを指摘せざるを得ないわけでございます。その当時は私どももなかなか十分にその後の情勢というものを予測できたというわけではありませんけれども、部分的には指摘がなされていたこともあり、また、今後やはり過ちを繰り返さないという意味もございますので、三年前を振り返りまして、今の時点でその当時の政策決定が妥当なものであったかどうか、その点について反省点などを含めてお尋ねをしてみたいというふうに思います。 まず第一に、昭和六十二年度当初予算の編成については、円高の動向をむしろ余り深く読まずに、財政再建に傾斜した緊縮の予算編成が行われたということをまずもって指摘しなければならないと思います。そのために、予算成立後直ちに緊急経済対策が作成をされまして、公共事業の前倒し、そして二兆円余の公共事業を中心とする補正予算の編成が直ちに行われたということになっております。このおくれた政策転換ですね、これが経済の振れを大変大きくいたしまして、土地、株式の暴騰によるバブル経済をもたらし、その後国民の中に大変大きな資産格差をもたらしてきたということが、今振り返ってみますと言えるのではなかろうかというふうに思います。 その点について、この六十二年度の財政運営振り返りまして、政策転換のおくれなどがあったのではないか、その点についてぜひ大蔵大臣の御所見を伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) その当時を今振り返ってみますと、昭和六十年九月のプラザ合意以降円高が急速に進展をいたしておりました。その中におきまして、経済活動が停滞する一方で物価は安定基調で推移しておりましたために、内需を中心とした景気の拡大をいかにして図るかということが、当時政策運営の大きな一つの問題点であったと思います。その結果、財政金融両面にわたる内需を中心とした景気拡大を図るということから、六十一年以降公定歩合も五次にわたって引き下げられておりました。そして今振り返ってみますとこうした政策の効果がありまして、昭和六十一年末に一応景気は底を打ったという状況であったと思われます。そして、それが今日まで息の長い景気拡大を続けてくる要因をつくっておったと申せましょう。 しかし、昭和六十二年当初の日本経済を考えてみますと、国内需要は確かに緩やかに増加をし始める一方でありました、一方円高の進展の影響などもありまして、製造業を中心とした業況判断というものは停滞をし、雇用情勢も厳しいという景気の二面性を伴った緩やかな拡大局面というものでありました。そして当時の財政運営について申し上げますと、六十二年度当初予算におきましては、一般歳出の伸びは五十八年度以降五年連続で対前年度同額以下といたしますと同時に、公債発行額も四千四百五十億円前年度に対し減額をし、公債依存度を一九・四%に引き下げる財政改革を強力に推進する一方で、公共事業費につきましては、国費は抑制しながらも事業費につきまして名目GNPの伸びを上回る伸びを確保する、当時の厳しい経済情勢に対して適切な対応をすべき措置を講じておったと思います。 また、今委員からも御指摘がありましたように、六十二年の五月には、主要国との政策協調を推進しつつ内需を中心とした景気の拡大の積極的な対応を図ると同時に、特に対外不均衡の是正、また調和ある対外経済の形成に努めるということが急務であり、総額六兆円を上回る財政措置を伴う緊急経済対策を実施いたしました。こうした政策をとりました結果、日本の経済は外需が減少しましたものの個人消費が堅調に推移する、民間投資、公共投資ともに増加するなど、内需が引き続き増加をいたしましたことにより回復から拡大局面に転じた、そして昭和六十二年度の経済成長率は名目五・〇、実質で五・四%という高い成長率を達成をいたしました。 私は、六十二年度予算というものを振り返りまして、当時の財政、経済運営というものは、その当時の経済情勢に対して適切かつ機動的に対応したものと言えると思います。ただ、その中に全く問題がなかったかという御指摘であれば、確かにこの局面におきまして、景気拡大などを背景にいたしまして株価及び地価が上昇に転じており、一部大幅な上昇に転じておった部分もございます。 ただ、たまたまこの時期私は運輸大臣として閣内におりまして、その当時の論議を今思い起こしておりますが、実は、今日言われるようなバブル経済というものに対しての懸念と申しますよりも、閣僚として国会の御審議を受けて御答弁をいたしておりました立場からいたしますと、雇用情勢をいかに回復するか、あるいは公共投資、特に公共事業によりまして非常に地域的に復活の足がかりをつかみ切れていない地域、こうした地域にいかに公共事業を配分することによって地域経済を停帯から拡大の方向に持っていくか。そのための手法としての公共事業の追加をどの程度行えばいいか。さらに、不況の中で生産が非常に縮小されておりました一部建設用資材、棒鋼でありますとかあるいはH型鋼でありますとか、こうしたものをいかに各地域にその需要に応じて配分をし得るかといった議論の方が非常に盛んに閣議でも行われておりましたし、また国会における御論議というものも、そうした地域の非常に深刻な不況というものから離脱する手がかりを公共事業に求め、そのための適切な資材配分といったものを求められる声の方が強かったように記憶をいたしております。 むしろ、そうした意味ではなお足りないというおしかりをしばしば受けた記憶が当時私もございますけれども、問題としては、バブルに転ずるそのきっかけを我々が確実に押さえ切れなかった、あるいはその地域における対応策が全体に波及してしまったというところを見落としたという点に我々の一つの責任はあったかと思いますし、その背景となる土地神話というものを破壊し切れていなかったということに認識が足りなかったという点は、今私自身が当時の閣僚の一人として反省をいたしている点であります。
○千葉景子君 これは、きょうは日銀にも来ていただいておりますので、その当時を振り返っていただきたいと思いますが、この当時は、金利が最低水準まで引き下げられていたときでございます。しかしながら、六十二年の秋以降もやはり土地価格の上昇などが顕著になる中で、金利を引き下げたまま推移したというような点が、日銀としても振り返りましていかがなものであったか。これについては日銀内部でも反省の意見、三重野さんの御発言なども最近取りざたされているところでございますけれども、日銀といたしましては、この当時を振り返りましてどう考えていらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) お答え申し上げます。 ただいま大蔵大臣からも御答弁がございましたとおり、六十年九月以降、つまりプラザ合意以降の数年間の日本の経済政策は、やはり何と申しましても物価の安定を確保しながら、それを大前提といたしまして、日本の経済を内需主導型の望ましい姿に転換させていく、その過程を通じていわゆる対外不均衡の是正を進めていく、それを大きなテーマとして政策運営をするという中にございました。その中にありまして、日本銀行の金融政策も特に物価の安定確保ということに重点を置きながら、やはり経済の内需主導型転換、その大きな構造転換に金融政策も望ましい効果を発揮していくということを念頭に置きながら進めたわけでございます。 そのために、ただいま委員から御指摘のとおり、六十一年の一月から六十二年の二月にかけまして、合計五回にわたって公定歩合の引き下げが行われたわけでございます。当時やはり急速な円高進行のもとでございましたので、経済活動全般が相当停滞いたしまして、いわゆる円高不況という言葉が叫ばれたのがいまだに耳に強く残っておりますが、そういう状況から早く日本経済を立ち直らせ、同時に構造転換をしていく。幸い原油価格の低下、当時の情勢に恵まれた面もございまして、金融政策の効果もそうした方向では極めて円滑に効果を発揮していったというふうに振り返ることができるように思います。 ただ、委員御指摘のとおり、あるいは我々も振り返りまして、一つの大きな問題を残した点は、一つの副作用ということが言えるかと思いますが、不動産関連の価格が非常に上昇したということでございます。これはやはり当時の金融緩和が一つの原因、一因となったことは否定できないというふうに思います。ただ、地価の上昇につきましては、いろいろな要因がこれに絡まっているということは各方面からつとに指摘されているところでございまして、申すまでもなく、首都圏への経済機能の集中等を背景とした実需の増加、根強い土地神話、土地関連の税制、あるいは法制その他規制、各般の土地総合対策の効果いかんというふうなこととも絡まって出てきた問題であろうかと思います。 しかし、いずれにいたしましても金融緩和がその一因をなしたということは事実でございまして、私どもも、今から振り返りながら、あるいは今後とも常にあのときの金融政策の運営を振り返りながら、将来につながる望ましい金融政策のあり方ということをよく考えてまいりたい。そういう意味で重要な反省材料といたしているところでございます。 繰り返しになりますけれども、やはり円高不況からの立ち直り、物価の安定、そして内需主導型への構造転換、対外不均衡の是正、それから六十二年は、今から思い返しますと、後半いわゆるブラックマンデーというのが起こりまして、その後の経済情勢への対処の難しさというものは、日本だけではございませんで世界各国共通にこの難しい問題に直面した。これらすべての問題を含めて、すべての点で百点満点の政策効果を現出させることができる金融政策があったかどうか、引き続きこれは慎重に再検討し、あるいは反省し、重要な材料だというふうに受けとめております。
○千葉景子君 六十二年を振り返りながら今お話を伺ったんですが、それが現在まで続いてきているのが経済金融状況でございます。 最近の問題を少し伺わせていただきたいと思うんですが、日銀の方にお伺いしますが、最近大分経済界などでも金利の引き下げを望む声も高まってきているようでございます。しかしながら、日銀の方では当面公定歩合引き下げの決定というものはなされないようでございまして、多分物価の問題、この安定ですね、それからまだ、地価抑制に対する懸念、こういうところにやはり金利引き下げをちゅうちょするといいますか、見合わせている要因もあろうかと思うんですが、その点について、今後の見通しなどをお伺いさせていただきたいと思います。
○参考人(福井俊彦君) 一昨年の春から日本銀行におきまして金融引き締め政策を継続中でございますが、最近のマネーサプライ伸び率の急速な低下に代表されておりますとおり、引き締め効果はそれらを通じて経済各方面に今順調に浸透中の段階ということでございます。 実際、日本経済の最近の動きを振り返ってみますと、昨年の秋ごろから、いろいろな経済指標の指し示すところは、景気は極めて緩やかながら減速過程に入ってきているという状況でございます。これも引き締め効果浸透の一つのあらわれということでございますが、ただ景気は、このところ緩やかに減速しつつあるとは申せその基調はまだ堅調でございまして、経済活動の水準も高ければ経済のリズムもよいリズムが失われていない、そういう状況でございます。特に、経済活動のレベルが今なお高い。企業家の言葉を拝借いたしますれば、かつての超フル操業からフル操業に転じつつある段階というふうに聞かせていただいておりますけれども、経済指標の面から見ましても、製品労働需給の状態を端的に指し示します設備の稼働率とか、求人倍率あるいは失業率というふうな数字を見ますと、ともになお歴史的にかなり高い水準にございまして、依然として経済の中でのいわゆる需給がタイトという状況が続いている状況でございます。 それに加えまして、日本経済の今の実態をのぞきますと、経済の成長を支えております内需の二つの柱、設備投資と個人消費でございますけれども、設備投資につきましては技術革新の進展あるいは人手不足への対応といったことで、景気のサイクルとはやや独立的な誘因によって支えられた設備投資が底がたい。それから、個人消費につきましても良好な所得環境が保持されているという状況でございますので、この先とも、景気はスローダウンの過程にあるとはいえ、大きく下方屈折する心配は今のところ小さいと判断いたしているわけでございます。 一方、物価でございますけれども、国内卸売物価は、昨年のいわゆる湾岸危機発生以前の段階ですと前年比〇・五%程度の上昇でございましたのが、最近は、委員御承知のとおり二%台半ばまで上昇率が高くなっております。消費者物価の方が国民生活的にもより重要な指標でございますが、これは同じく昨年の夏ごろまでは二%台でございました。それが最近では四%前後の上昇ということでございまして、これらの物価指数が着実に下がっていく環境をやはり整備しなければならないということでございます。今の物価情勢は、湾岸戦争も終わりまして石油価格が下がった、したがって国内物価の面でも石油関連製品は毎月のように下がってきているわけであります。 しかし、これがなぜ物価指数にすぐに素直に反映されないかと申しますと、やはり先ほど申しましたとおり、経済の内部において非常に需給圧力が強くて、石油関連以外の品目の物価のじり高が続いていて、これを打ち消しているという状況でございます。幸い、企業、家計ともインフレ期待を抱くというふうな物価情勢の悪さに結びついていない、そういう望ましい状況にありますだけに、この環境を保全しながらいま少し引き締め効果の浸透を図ることによって需給圧力を緩和し、先行きの物価に確信を持てるような状況に持っていくべき段階というふうに思うわけでございます。 なお、土地価格等資産価格の状況につきましても、ようやく上げどまり、所によりましては鎮静化の方向という好ましい影響が出てきておりますが、物価情勢を中心に眺めまして、いましばらく引き締め効果の浸透をさらに図ることによって、そうした資産価格の落ちつき等についてもより定着度合いの強いものにしていき得る効果も期待できようかというところでございます。したがいまして、以上のような情勢判断のもとに、私ども、金融政策はいましばらく効果の浸透状況をなお見守るべき段階だというふうに判断をいたしております。
○千葉景子君 大蔵大臣にもちょっとお聞きしたいんですが、時間の関係もございますので、また後ほど、時間がございましたらお尋ねさせていただきたいと思います。 ところで、一点、国の情報公開制度にかかわります問題についてお尋ねをしたいと思います。 私ども、国でもぜひ情報公開制度をきちっと整備すべきだということを一貫して主張してきているところでございますが、このようなことに対して、政府は大変消極的、そしてまた不明確な姿勢で終始されています。こういうものが、今自治体とか市民の間に大変大きな混乱をもたらし、あるいはまた怒りを買っているという状況が生まれておりますので、その点について、これは防衛施設庁に係る問題でございますので、一点お聞きしたいと思います。 問題は、神奈川県にある米軍の相模補給廠、そこに建設中の米軍倉庫の図面の公開請求がございました。これについては、市は国と協議をいたしまして、この図面を公開するかどうかについて態度決定をしてきたところでございます。ところが、これは最初市の説明によりますと、国と調整をしたところ大部分が非公開にしろという指示を受けた、そして非公開にしたと。ところが市民の側は、そんな部分が非公開にされるのはおかしいということで、直接ハワイにある米陸軍の太平洋軍司令部へ請求をいたしましたところ、非公開にされていた部分がどさっと全部、これは別に非公開にせずともよろしいということで公開され、その資料がちゃんと手元に届きました。そうしまして、市民の側もおかしいということで公開請求の訴訟などを起こしましたところ、今度は市から、またもう一回国から、公開してよろしいという指示が来たので全部公開します、こういう話になったということなのでございます。これは、相模原市としては国と相談をしてこういう結果になったということで、大変国の態度がいいかげんではないかということで市当局も怒っている、そして市民の側も、一体国の態度はどうなっているのかということで、大変今問題になっているところなんです。 それで、一体防衛施設庁は、本当にこれはきちっと米軍などと協議をしているのか。あるいは、途中で態度が変わってしまったというのは一体どういうことなのか。米軍が最初は悪いと言っていたのがだんだんよくなってしまったのか。それから国としても、やっぱりこういう問題に対して一定の基準なり持ち合わせて対処をしていきませんと、その場限りの対応策しかとれないということになろうというふうに思うんですが、この辺の経緯、一体国は明確にこの点について御説明できるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(児玉良雄君) 今お尋ねの、相模原市の提供施設整備に係る計画通知書のことにつきまして経緯を申し上げます。 この計画通知書は建築基準法に基づく手続でございますけれども、この文書は日米合同委員会の関係の文書として、日米間で原則として不公表の扱いになっていること、また、公表に際しましてはアメリカの合意が必要とされるものでありまして、さらにこの文書は、米軍に提供されることを目的として整備される施設であるということから、米軍の駐留だとか運用だとかに関する情報にかかわるものであるということで、アメリカの同意がなくして公開できないというふうになっております。 この件につきまして、米側と協議をいたしまして、さきに、平成元年でございますが、合意の得られたものについて相模原市に通知をしたところでございます。その後、今お尋ねの中にありましたような経緯を踏んでおりますけれども、これらの経緯を受けて私ども改めて米側と調整をしたところ、最近になりまして、米側の合意が得られなかった資料についても公開することについて合意に達したということで、その旨を相模原市に通知したというのがこの事案についてのこれまでの経緯でございます。
○千葉景子君 お聞きしても全然わかりませんで、これは国の方できちっと米側と協議をしていなかったのではないか、そういう疑いも持ちますし、もしそうでないとすれば、米側が最初とそれから次には態度が逆転をしたということを意味するとしか言いようがございません。こういうことを繰り返しているようでは、やはりきちっとした行政の透明性というものが確保されないということでございますので、この点については再度私の方でもまた整理をさせていただき、きちっとした対応をとっていただきたいというふうに思います。 時間がございませんので指摘だけさせていただいて終わりにしたいと思います。
○会田長栄君 会田でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 高齢者保健福祉推進十カ年戦略いわゆる高齢者福祉のゴールドプランは、高齢化社会が到来している今日、緊急かつ重要な政策であることを私も痛感をしております。その意味で内容を検討させていただきましたし、厚生省はこの案を提出するに当たりましては大蔵大臣、自治大臣と協議の上提示されたと、こう承知しております。 したがいまして厚生大臣、関係局長にお伺いいたしますのは、このゴールドプランというのは、在宅三本柱の充実、寝たきり老人ゼロ作戦、長寿社会福祉基金の設置、施設の緊急整備など七項目、そして事業規模、具体的整備目標の設定をしております。それに対する財政的な裏づけというのも、昭和五十五年度から平成元年度までこの種の事業に投入してきた投資額合計約一兆七千億円。これに見合って国は二兆円、地方自治体など含めて四兆円、約六兆円でこのプランを進めていくということになっておりますが、この計画を推進するに当たって、私は、何といってもこの事業を推し進めるのは第一線で働くところの人材だと思うんですよ。ところが、この人材養成、人材確保という問題については明確でありません。 そこでお伺いいたします。厚生大臣、このゴールドプランのもとになりましたところの福祉事業問題につきましての人材確保の今日の現状と問題点、そしてその改善策をいかように考えているかお聞かせ願います。
○国務大臣(下条進一郎君) ただいま委員からお尋ねがございましたゴールドプラン達成に関する人材確保の問題でございますが、この問題につきましては、私の方でも非常に重要な要素であるということで、真剣に取り組んでいる次第でございます。 御承知のように、この問題では、保健医療・福祉マンパワー対策本部というものを設けまして、これによりまして鋭意対策を講ずるために御検討をいただきまして、この三月に中間報告をいただいた次第でございます。その中間報告に基づきまして、平成三年度の予算におきましてもその充実を図るために諸施策を盛り込んだ予算を確保した次第でございまして、今この問題については精力的に取り組んでいる次第でございます。
○会田長栄君 はっきりしませんね。 そこで、寝たきり老人の介護あるいは生活していくための家事援助、実はこの第一線で働いている人たちというのは家庭奉仕員と言われる人たちですね。私は、この現状と問題点、そして改善策をもっとはっきりしない限りこれはゴールドプランではなくて、ある特定のところではゴールドプランになるかもしれないが、全国の三千三百の地方自治体にとりましてはプアプランになるおそれがある、そういう気がしてなりませんからお尋ねしているわけでありまして、財団法人老人福祉開発センターというところ、これは厚生省も関係しているところでございますね、ここで「家庭奉仕員派遣事業実態調査報告書」というものが出ているんです。これを厚生大臣は見たことありますか。見たというか、読んだことはありますか。
○国務大臣(下条進一郎君) 概要は承知いたしております。
○会田長栄君 それじゃこの実態調査報告書の中で、いわゆる家庭奉仕員が今どのような給与で、どのような勤務形態で、どのような身分で、どのような労働条件の中で寝たきり老人の介護をやっていますか、生活援助をやっていますか。簡単にひとつ特徴を挙げてみてください。
○政府委員(岡光序治君) まず、勤務形態でございますが、約四三%が常勤で、五七%が非常勤でございます。 それからホームヘルパーの所属でございますが、市町村に所属をしておる、市町村の職員という形をとっておる人たちが約五八%、それから社会福祉協議会であるとかそのほかのところに勤めておりまして市町村から委託を受けている、そういうタイプの方が四二%、そういうふうな勤務状態だというふうに把握をしております。
○会田長栄君 私が聞いているのは、労働条件、家庭奉仕員の身分、給与実態、こういうものを一体どう押さえているかとお聞きしたんです。これ、大事なことですから率直に答えてくださいよ。
○政府委員(岡光序治君) 身分は、今申し上げましたように、市町村の職員の身分を持っている人は約五八%でございます。 それから、ヘルパーの経験年数を考えてみますと、一年半以下の人が一二%、それから一年七カ月以上六年以下という人が二五%、六年以上十二年以下というのが約四〇%、こんなふうな勤務の経験年数になっております。 それから、給与につきましては、国の方で手当の補助基準を示しておりまして、それに従いまして各市町村で御判断の結果その手当が設定をされておりますが、現在の国の補助基準で申し上げますと、平成三年度、今年度の予算におきましては、月額で二十一万円という介護を中心にしたタイプと、それから家事援助を中心にしたタイプで月額で十四万円余りと、こういうような二つのタイプに分かれておるところでございます。
○会田長栄君 私は、この中身を読んで寒々としましたよ、寒々と。だから、この実態を解決せずして福祉十カ年戦略を立ててゴールドプランと言っても、私はそれは福祉推進の実はなかなか伴わないと思うから聞いているんですよ。例えば給与。これ、一年雇用、常勤雇用、非常勤雇用とありまして、ほとんどの町村は一年限りの雇用ですよ。身分はいろいろある。地方公務員並みに扱うところ、あるいは社会福祉協議会の職員として扱うところ、もう一つは全く非常勤雇用という形で位置づけているところ。したがって給与は全部違う。勤務、労働条件は、非常勤雇用は別にしてほとんど同じです。 そこでお伺いしたいんです。十五年研修を積み重ねて家庭奉仕員をやっていて、十六年目の人たちの給与というのは、この社会福祉協議会の職員としますか、平均したら大体幾らだと思いますか、一カ月。
○政府委員(岡光序治君) 平成二年度で申し上げますと、全体の平均では月額で、いわゆる介護を中心にしているような人たちにつきましては二十万三千円余り、それから家事援助を中心にして仕事をしているような方につきましては十三万五千円余りとなっております。
○会田長栄君 それでは後ほどぜひ、その資料を欲しいですから、お願いいたします。私の検討している中身ではなりません。どういう特徴になっているかというと、なるほどこの家庭奉仕員の国の助成額、上限というのは平成三年度二百五十二万五千円になっていますよ。上限ですからね、これ。しかし実際は、二分の一国庫、四分の一県、四分の一市町村、こうなっていますからね。上限でありますから低く抑えればその額は小さくて済むんですよ。だから、平均で二十万円になっていますなどという話は、私の資料にはございませんから、後ほど資料ください。よろしくお願いいたします。 もう一番低いところは六万、次の段階は八万、十万、十二万、十四万。二十万などというのは、いわゆる市町村職員に準じて給与を設定しているところです。それも労務職として位置づけているところです。これ一例でありますから、どうぞよろしく今後検討してください。どうしたってこの計画を推進していくためには、看護婦の問題あり、施設の寮母の問題あり、家庭奉仕員などの問題あり、この人材の確保と、この人たちが誇りを持って働けるようにしてやらない限り私は進まないと思うから聞いているんです。だから、国の助成が平成二年度から平成三年度、上限六万一千四百円、生活援助型で六万円、これプラスになりました。なったけれども焼け石に水ですよ。 そこで、こういう状況を踏まえてひとつ自治大臣にお伺いしたいわけであります。 地方公務員の給与をラスパイレス指数で出して、一〇〇以上超えているところには国家公務員と準じて整理しなさいと、そうでないと助成のとき考えますよみたいな零囲気の指導が過去になされました。しかし低いところには自治省も目をつぶりました。ラスパイレス七〇なんというところには、無理して上げることないみたいに知らぬふりをしていました。いまだにラスパイレス八〇のところもあるし八五のところもある。しかしこの問題は、これ自治大臣も厚生大臣と協議してよろしいと、こうなったわけですから、そういう問題についてどのように今後推し進めようとしているのか、ひとつお聞かせください。
○政府委員(滝実君) まず、ラスパイレスの問題でお話がございましたから、これにつきまして私の方から申し上げたいと思います。 おっしゃいますように、かつて地方団体の給与水準につきましては、国家公務員を大幅に上回るような実態がかなり見られたところでございます。このような観点から、こういった問題については大変住民の批判も強い、こういうことでございまして、そういう意味で給与水準の適正化ということが課題になってまいったわけでございます。その結果、現在では国家公務員の水準に全般を通じてかなり近づいていると、こういう実態でございます。 今お話しのように、その反面で、国家公務員に比べますとおっしゃいましたようにラスにして例えば七〇とか八〇とかという極めて低い団体もわずかながらあるのが実態でございます。私どもとしては、このような団体につきましては一律にこういった問題について引き上げるということはいかがだろうかと、こういうふうに思っているのでございますけれども、その実態を見てまいりますと、給与制度上認められている制度を適切に運用していない、こういう結果極めて低い水準になっている団体が見受けられるという実態でございますので、私どもといたしましては、極端に低い団体については都道府県を通じて適切な給与運用を、低い団体については特に注意をしてやるようにと、こういうようなことで取り組んでいるところでございます。
○会田長栄君 それは前段、前置きであったんです。肝心なところは、聞きたいのは、社会福祉協議会に所属しているいわゆる家庭奉仕員、介護人、奉仕員、こういう人たちというのは、実はみんな自治体の長が会長なんですよ。だから自治省にお尋ねしたのは、そういう勤務、労働条件の実態であるにもかかわらず、その点について見て見ないふりしているんですかということですから、そうだというならそうだと、こう答えてください。
○政府委員(小林実君) ゴールドプラン関係の施策につきましては、厚生省が中心になりまして十カ年戦略をつくっていただきました。 私どもといたしましては、ホームヘルパーにつきまして申し上げますと、国が二分の一、地方が県と市町村でそれぞれ持ち合いまして四分の一になっておりますので、交付税措置で全額基準財政需要額に算入をいたしておるわけでございます。勤務体系がいろいろでございまして、私どもといたしましては、今後とも厚生省とよく協議をしながら適切に運営されるように努力をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○会田長栄君 この問題はこれからも続けさせていただきます。 次に移りまして、建設大臣並びに関係局長にお尋ねいたします。 全国都道府県から要請の出ている国道昇格の路線というのは何キロおありでしょうか。 それから、要請の出ている路線についてのデータの評価は終わったでしょうか。 そして、国道昇格の指定というものについて検討が終わったのでしょうか。 それからもう一つは、国道整備五万キロという上限が今日までの計画の中にあって、地方からこういう要請が出てもこたえられない環境にあると聞きます。そこで、この国道整備五万キロ、これ時代の変化と要請にこたえてもっと、六万五千キロとか七万キロとか、こういうような検討がなされているでしょうか。 私も短くしましたから、短く答えてください。
○政府委員(藤井治芳君) それでは、国道昇格の状況につきまして御説明をいたします。 一般国道は現在実延長で四万六千八百五キロございます。五十七年に八十三路線、五千五百四十八キロの追加指定を行いました。その後、社会経済活動の発展あるいはニーズの多様化、高度化に伴いまして、こういう道路交通の需要が非常に、特に地方を中心に増大してまいっております。そういう状況の変化の中から地元からの御要望が強い。昇格要望は約一万二千キロとなっております。現在、この要望路線全部につきまして各県、私どもの地方建設局等々において全部調査をいたしました。その調査結果をもとに、道路法第五条第一項に定めてございます国道の要件等を踏まえて、さらに地域のいろいろな問題、あるいは国道網の疎密の状況等々、いろいろな角度から検討させていただいております。 私ども、いずれにいたしましても平成三年度中には国道網の再編成を行うべく、今一生懸命作業をさせていただいている状況でございます。
○国務大臣(大塚雄司君) 国道昇格につきましては、ただいま局長がお答えをしたとおりでございます。 先生御指摘の五万キロ整備目標というのは、昭和四十二年第五次道路整備五カ年計画のときに決めたものでございまして、その後、御指摘のように我が国の経済規模は三倍になり、自動車保有台数は五倍になるなど、車社会の進展が著しく進んできたわけでございます。特に四全総におきまして多極分散型の国土形成を進める上におきましても、幹線道路網の整備は非常に重要であると思っております。お話しのように五万キロの策定につきましては、今後社会経済の変化や国土政策上の要請を踏まえまして、道路審議会にも諮りながら将来の国道網の規模や質について検討を進めてまいりたいと考えております。
○会田長栄君 時間があと三分しかありませんから、質問の方を簡潔にします。 これは物価上昇の問題です。ここに缶詰が一個あります。サバの水煮です。これは三月三十一日まで卸九十円小売百四十五円、四月四日から卸百四十八円小売二百円、外税、こうなっております。これは、食料品を中心にして物価の上昇というのが非常に激しくなってきているものですからこれを一例に出しました。その点、経済企画庁はこういうものを一体どう押さえているか、これをお尋ねいたします。
○国務大臣(越智通雄君) 物価全体としては現在落ちついた情勢で推移していると認識いたしておりますが、先生御指摘のように、加工食品、これにつきまして流通の関係、人手の関係、また今お示しの魚の場合には、魚の種類による収獲の差等がありましてそのような事態が起こっているのかと思われますが、御指摘ございましたので、そうした方面とよく相談をいたしまして、実態を調査させていただきたい。 全体といたしましては、便乗値上げその他がないよう、物価担当官その他を使いまして全国的にチェックをいたしておりますが、さらに当該の問題については、調査の上御報告させていただきたいと思っております。
○会田長栄君 最後ですが、子供の権利条約というものが国連総会で採択されて、日本も賛成をして一年五カ月過ぎました。もちろん日本政府は署名をしております。 そこでただ一点、この子供の権利条約、いわゆる国連総会で採択されたものを、どうして外務省は日本語訳にしてそれを私どもの前に提示できないのか、お伺いします。
○政府委員(丹波實君) 先生おっしゃるとおり、児童の権利条約につきましては、昨年の秋、九月でございますけれども、日本政府として署名いたしております。 現在、できるだけ早くこの条約を国会の審議におかけ申し上げたいということで、私たち事務的な作業を関係各省庁と協議の上進めてございますが、和訳の問題につきましては、まさに現在作成作業の段階にございまして、政府として確定した段階におきまして、和訳につきまして御提出申し上げたいというふうに考えております。よろしく御了承方お願い申し上げます。
○会田長栄君 署名する以上、中身をちゃんと政府は押さえているんでしょう。それを私どもの前に提示できないというのではこれ困ります。一日も早く提出できるようにここで要求をして、私の質問を終わります。
○種田誠君 昨年度の湾岸戦争以来、日本の国際貢献ということが極めて問題視されてまいりました。今日PKO法案なども極めて重要な課題になっているわけでありますが、少し視点を変えまして、国際貢献ということについて外務大臣にお伺いしたいと思います。 私は、二月二十五日から三月二日まで、自民党の福田宏一先生に団長になっていただきまして、超党派でバングラデシュの第五回の総選挙の監視活動などをしてまいりました。そこで、在バ日本大使館の多くの皆さん、そしてまた南西アジア課の皆さん方の御協力のもとに、この選挙監視活動は、バングラデシュの政府はもとより国民そしてまた近隣アジアの方々にも大変大きな反響をもたらして、一面感謝もされてきたわけであります。そこで私は、今回の選挙監視というのは決してPKO法案に基づくものではありませんが、実際選挙監視活動を行ってみますと、世界の先進国のNGO団体が、国会議員を先頭にして活躍をしているわけであります。特にアメリカのNDI、米国民主主義国際研究所、モンディールさんを会長といたしまして、NGOとしては過去の深い経験のもとに大変大きな力を持って選挙監視活動を展開しておりました。振り返って、じゃ日本にはPKO法案がなくても日本国民が国際選挙監視活動などに協力できるようなNGO組織があるのだろうかと顧みたところ、全くそういうものは存在していないという、日本の国際貢献が求められる中において何か寂しい思いをしたところでもあります。 そういう意味で、今回私どもは、先ほど来申し上げましたように福田さんを団長にして活動してまいったわけでありますが、この活動状況について外務省の方から外務大臣に対しても一定の報告がなされておるかと思うんですね。外務大臣のまず所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 先般、福田先生を初め委員も一緒にバングラデシュの選挙の監視に御出張いただきまして、私どもは、大変有意義な監視活動をやっていただいたということを高く評価をいたしております。 なお、現在まで日本は、このような選挙監視活動というものについて積極的な行動は、NGOの形ではやっておりませんでした。しかし、このバングラデシュにおけるNGO的なこのような選挙の活動を通じて大きな成果が得られたわけでございますから、今後ともこのようなことをどのように進めていけばいいのか、現在関係部局で検討している最中でございます。
○種田誠君 この選挙監視活動についてもう一点だけお伺いしたいと思うわけであります。 実は、五月の十二日にネパールで第一回の民主的な選挙が行われることが予定されております。私どもバングラデシュで活動しながら、福田先生などにも同席していただいて、アメリカのNDIチームらと意見を交換いたしました。その際にも、ぜひ日本の国会議員の方々が中心になって、また多くの民間の方と一緒に選挙監視活動などを手伝ってもらえないだろうか、こういうような要請を受けていたところであります。多分今日において、もう日時が迫っておりますから、外務省等にもこのネパールの選挙を成功させようといういろいろな団体から要請などもあろうかと思うんですね。もう既にアメリカ、ドイツなどは、国会議員を先頭にしてNGOの監視活動を展開すると、こういうふうなうわさも聞かれております。 そういう意味で、五月の十二日に選挙が行われるわけでありますが、外務省としてこの問題に関してどのように取り組まれるお考えがあるのか、まず伺いたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) ネパールにおきまして、昨年来の民主化の進む中で、今委員お示しのように、五月十二日に約三十年ぶりで総選挙が行われることに相なりました。関係NGOを母体とした国際選挙監視団受け入れのための準備が進められておりまして、我が国を含む各国に対して同視察団への参加の要請が来ております。 このような中で、我が国はこの参加にどのような協力ができるかということにおきまして現在検討いたしておりますけれども、この日本ネパール友好議員連盟及び日本ネパール協会と相談をしながら、これに参加をする方向で今後とも推進してまいりたい、このように考えております。
○種田誠君 南西アジアの担当の方には大変な御協力をいただくことになると思いますが、やはりアジアにおいて国会議員が先頭になって、みずからジープに乗ってその国々の隅々を駆けめぐる、そして民間の国民の方と一緒にやる、極めて重要なことだと思うんです。そして、そのことがやはりPKO法案などを支える、国民全体が国際貢献という形の中に参加していける道を開くことになると思うんですね。そういう意味で、ぜひとも外務省もこの問題に関しましては、アメリカやヨーロッパなどには参考になるような事例がたくさんあるかと思いますので、ぜひ協力推進方をお願いを申し上げておきたいと思います。 続きまして、NGOに対するODAのことについて伺いたいと思いますが、昨年あたりから日本のODAもNGO団体にかなりの支援をするという形がとられているようでありますが、今後私はODAの特に人的な貢献、さらには人材の育成というようなものが強く求められてくるということになりますと、単にこれはダムをつくったり発電所をつくるということではなくて人が介在することになると思いますので、そうなってきますと、このNGOという団体に対するODAのさらなる上積みということが求められると思うんですが、その辺のことについての外務大臣の方のお考えをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) NGOの方々の活動が、相手国で大変高く評価を受けているということも事実でございまして、そのような実態を踏まえまして、外務省が昨年に引き続き今年は二億八千万円の予算を御審議いただき、御承認をいただいたわけでございます。 こういう形で、今後ともNGOの活動がますます活発化するように、外務省としては一層努力をしてまいりたい、このように考えております。
○種田誠君 そこで、このNGOへのODAの上積みということによって、人材の育成また人的な貢献というようなことがさらに推進されるわけでありますが、そういう中で、今ここで政府の方においてもODAのあり方、供与基準、そういうものを見直そうというようなお考えがあるようでありますが、実際自分の足でアジアの国々を、国民の方々と接しながらいろいろ日本の海外援助の点を話し合ってみますと、これまでの日本の援助が、道路や発電所や先ほど申し上げましたように橋などをつくるということに関して一定の成果をおさめてきたことは高く評価する、しかしながら問題は、今途上国において必要なのは、経済の自立を進めなきゃならない、そうなってきますと、今までのような援助も極めて重要であるけれども、それ以上に企業における企業活動のノーハウとか技術の問題とか、さらには労務管理の問題とか、こういうものも極めて重要になってくるんだ、こういうふうなことをよく指摘を受けるわけであります。きょうは浦部参事官もおられますけれども、多分、バングラデシュで選挙の活動をしながら多くの政府関係者や国民の声を聞いたときに、そういうふうな声をやはり聞いておると思うんですね。 そういう意味で私は、この日本のODAがこれから途上国の経済の自立化へ向けてどのような態勢をとっていくお考えがあるのか、その辺のことについて伺わせていただきたいと思います。
○政府委員(川上隆朗君) 今後のODAのあり方、さらに、従来からの大規模な援助のみならず草の根のレベルに至るまできめ細かくやっていくべきだという基本的な先生の御趣旨は、全くそのとおりではないかと我々も認識いたしております。 我が国のODAのあり方といたしましては、御案内のとおり、相互依存と人道的な配慮というものを基本といたしまして、とりわけ多数の開発途上国が、現在、食糧や医療、保健、教育といった基本的な社会サービスにすら事欠いて困窮しているという事実がやはり出発点になって、このような開発途上国に対しまして経済社会開発、すなわち貧困の除去、人づくり国づくりといった点についてお役に立ちながら世界の平和と安定に貢献していくというのが基本的な考え方でございます。 その際に、御指摘のとおりみずからの、我が国自身の経済発展の過程、経験を生かしまして、各途上国の発展段階あるいはニーズといったものに即した援助、先生御指摘の自立のための援助、それはそういう方向ではないかと思いますが、そういう援助に心がけてまいりたいというのが基本的な考え方でございます。
○種田誠君 まあ指摘によりますと、ドイツにおいても一九六〇年代までは日本の今日のODAのような形態で、かつ省庁などのかかわりも、何か日本の援助のあり方と極めて似ていたと、こういうようなことも言われているようであります。一九六〇年代でありますが、そのドイツにおいてもその後援助体制も一元化されて、そして人材の育成やいわゆる技術協力、こういう点にウエートが置かれてきているわけであります。もちろん日本の海外援助も近年このような傾向をとっているわけでありますが、いつまでもドイツの六〇年代の援助をやっている、こういうようなことを言われるようなことがあってはちょっと寂しいものですから、一日も早くこの辺のところを、世界の先進国にふさわしい、しかもきめの細かい、しかも途上国から高い評価を受けるような、こういう援助体制にぜひ改めていってもらいたい、このようにお願いを申し上げる次第であります。 時間がありませんので、最後の質問に移らせていただきたいと思います。 そういう途上国の経済の自立化を図る上で、実はこのバングラデシュにおいては、ジュートという草があるわけでありますが、これは百二十日で成長いたします。農家の方が田んぼに種をまいておきますと自然ともう百二十日で成長するわけでありますが、実はこのジュートから、日本の技術開発はもとよりフランスなどの技術開発によって良質なパルプがつくれる、こういうふうなことが確立されているわけであります。そして、私も外務省の方の御協力を得まして過去の事情などを調べてみましたらば、実は一九八二年にJICAの調査団からバングラデシュ政府にあてて、ジュートからパルプをつくるのは極めていいことだというような報告がなされておる。そして、経済的にもペイするだろうと、こういうふうな形になっておるわけでありますが、このジュートからパルプをつくることが企業化された場合、あの資源の何もないバングラデシュにおいて、まさに大変な経済力を回復することができるわけであります。 このことについて、その後事業化は進まなかったわけでありますが、今日におきまして、日本のアジアの森林破壊というような問題から再びこの問題が今重要視されているわけでありますが、こういう問題が提起された場合、外務省としてはどのようにお考えを持っておられるか、まずその点を伺いたいと思います。
○政府委員(川上隆朗君) 御指摘のジュートよりパルプを製造する構想につきましては、御指摘のとおり、JICAが一九八二年にフィージビリティー調査を実施した経緯がございます。 バングラデシュのエルシャド前政権が事業化計画を有していたということは事実でございますが、新政権が樹立の後、現在の段階ではバングラデシュ国内で、この案件のみならずほかの経済社会開発全般につきまして、優先順位の見直し及び計画の絞り込みというような作業が行われておるものと承知いたしております。したがいまして、その結果バングラデシュ政府が本件の計画を取り上げ、我が国に対しまして協力を要請してくる場合には、要請内容をも踏まえまして、計画の技術的経済的妥当性について検討してまいりたいというのが基本的な姿勢でございます。
○種田誠君 このジュートパルプという企画は、今申し上げましたように、バングラデシュにとっては今後の国の消長を決するような極めて重要な企画にもつながるだろうと思うわけです。そういう意味で、ぜひとも十分なる御配慮をお願い申し上げたいと思います。 そしてさらに、冒頭申し上げましたが、今アジアでは先ほど申し上げたようにネパールで、またインドでも総選挙が行われる。随所で民主化の新しい流れが生まれてくると思うんですね。そういう意味で、外務省においても十分なる配慮のもとに鋭意努力をしていただきたい。さらには日本の国会議員に対してもそのような行動をむしろ外務省の方からも促す、私たちもそれにこたえていく、そういうような体制をとっていきたいと思いますので、この辺のことについて極力御支援方をお願い申し上げまして私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○喜岡淳君 中央競馬会の渡邊理事長さんには、きょうはありがとうございます。時間が非常に少ないものですから、答えの方は簡単に、要点のみお願いをしたいというふうに思います。 最初に、中央競馬会の方にお尋ねをいたしますが、競馬法の二十八条では、学生生徒及び未成年者の馬券購入を禁止いたしておりますが、どうして未成年者の馬券購入を禁止するんでしょうか。
○参考人(渡邊五郎君) お答え申し上げます。 競馬法におきまして未成年者並びに学生生徒の投票券の購入を禁止されておるのは御指摘のとおりでございますが、これは教育上その他未成年者なりについて影響するところが大きいという御判断でそうなっておるものと考えております。
○喜岡淳君 教育上の影響を考えて未成年者の購入を禁止しておるということで、教育上の問題というのがよくわかりました。 そこで、未成年者が購入した場合は違法行為になるわけですが、そういう違法行為が起きないように中央競馬会の方ではどういう対策をとられておるんでしょうか。
○参考人(渡邊五郎君) お答えいたします。 学生生徒、未成年者につきまして投票券の購入が禁止されているということにつきましては、各種の私どものテレビなりによる報道あるいはパンフレット等、機会あるごとにこの趣旨は伝えておると同時に、場内及び場外につきまして、学生生徒、未成年者が投票券の購入等をしないよう注意いたしまして、これまで、私どもの整理あるいは警備の担当者がこうした未成年者等に対する補導を行ってきております。
○喜岡淳君 これは毎日新聞の三月二十六日夕刊であります。これ、大きい記事で載っておりますが、東京警視庁の管内でことしの三カ月間既に八百六十五人の中高生を補導した、去年一年間の補導数を既に三カ月間で大幅に突破をしておると。 異常な状態が起きておりますが、この未成年者の違法購入の実態について警察の方ではどういうふうに把握をされておりますか。
○政府委員(関口祐弘君) 先生お尋ねの競馬法の第二十八条の違反、すなわち「勝馬投票券の購入の制限」の違反でございますけれども、この違反といたしまして家庭裁判所に書類を送致した未成年者の数、全国で平成二年中六百七十七人というふうなこととなっております。 なお、勝馬投票券を購入しまして補導された者というふうな、補導、注意、指導を受けた者というものの全国的な数字は把握しておりません。
○喜岡淳君 中央競馬会の方は大変一生懸命されておるということでありますが、六百七十七名もの未成年者が家裁送りに遭っておるわけであります。本当にまじめにやられておるんですか。
○参考人(渡邊五郎君) 私どもの補導の状況について申し上げます。 昭和六十一年、二年当時においては、千二百七十人、千七百五十九人ということでございましたが、平成の年次に入りまして、平成元年三千八百二十七名、平成二年には九千六百六十六名を私どもでは補導いたしております。
○喜岡淳君 まあ毎年毎年大量の補導をしなければならないということは、この競馬法二十八条というのは、実態としてJRAの方できちんとなされていないという事実が私はあるだろうと思います。そういう意味では、私はまじめにやっておると思います、決して手を抜いておるとは思いませんけれども、大変たくさんの未成年者が引き続いて違法購入を続けておる。取り締まりをしても来るということには、何かもっと本質的な問題があるんだというふうに思います。 そこで私は、この競馬の監督官庁であります農水省の責任についてお尋ねしたいと思いますが、農水省にはこういう結果的に違法行為を認めておるというような強い批判もございますが、農水省の方はどういうふうに受けとめておられますか。
○政府委員(岩崎充利君) 学生生徒、未成年者の問題につきましては、私ども常日ごろ競馬会に対しまして、未然に防止する方法、方途等につきまして指導しているところでございます。例えば、場内や広報メディアを通じて競馬法の趣旨を徹底させるということとともに、場内の警備を強化して未成年者等の勝馬投票券の購入を未然に防ぐように指導しているところでありまして、今後ともそういう措置の拡充等々につきましても、さらに、社会的批判を浴びることのないように努めるよう指導してまいりたいというふうに考えております。
○喜岡淳君 未然に防ぐように指導しておるというお答えでありましたが、私は全然信用できません。なぜかといいますと、先月、三月二十七日のことでありますが、監督課、きょうお見えでありますが、お尋ねいたしました。あなた、きのうの夕刊を見ましたか、東京で八百六十五人も補導されて、監督課は何をしておるんですかと。新聞読みましたかと聞いたところ、読んでいないと答えました。じゃ、監督課でほかの方はだれか読みましたかと聞いたら、だれも読んでいないそうです。全然関心ないんじゃないですか。監督できていますか、本当に。
○政府委員(岩崎充利君) 私どもも常日ごろ競馬会に対しましては、やはり未成年者等の馬券購入につきましてはできるだけ未然に防ぐことが一番重要であるという観点から、指導しているところでございます。
○喜岡淳君 していないとは言えないと思いますから、そういうお答えだろうと思うんですよ。翌日の朝聞いたって、新聞読んでいない。こんな大きい記事でさえ読んでいないわけですからね。小さい記事なら当然飛ばしておるでしょう。監督をしていないんですよ、実際は。 ですから、JRAの方も中央競馬会の方も違法行為はないようにやっておると言うけれども、子供は実際どんどんどんどん行って、家庭裁判所に七百数十名が送られておる、六百七十七名ですか。監督官庁の責任者である農林水産省監督課の方も新聞さえ読んでいない。春休みになればどんどん来るというのは、今までの経過から御承知のはずですよ。夏休み、冬休み、いつも休みのたびに小遣い持った学生が来るではないかと今まで何回も指摘をされておりながら、三月二十六日のこの春休みのさなかに何も手を打っていない、新聞も読んでいない。学生生徒は行き放題じゃないですか。全然やられていないわけですね。 ですから私どもは、この中央競馬会あるいは農水省のこのあり方のままでは、これからいろいろ場外馬券売り場をつくろうと予定されておるようですけれども、非常に心配でなりません。 例えば、皆様方は既に御承知かと思いますが、香川県高松市の田村町に中央競馬会が場外馬券売り場の設置を予定されております。既にこれについては高松市長、きのう当選いたしました脇市長は、この場外馬券売り場は教育環境上好ましくないので私は反対すると。もう一人の市長に立候補した方も、これについては全面的な見直しをすべきだと。いずれにせよ、二人とも反対の立場で市長選挙に臨まれまして、脇さんの方が当選をされました。この高松の田村町におきます場外馬券売り場の計画についてJRAの方は、猛反対されておる、しかもそれが教育問題の上から反対されておる、こういう地元の事情については御承知ですか。
○参考人(渡邊五郎君) 私の方から高松場外の経過について御報告いたします。 高松場外については、申請者からの要請を受けまして、これを予定地とすべく今考えておりますが、それには町内会の同意、あるいは建築申請、あるいは警察協議等の所定の手続は済んでおります。おおむねそうした状況にはなっておりますが、なお昨年の暮れ、教育関係の方々が教育上の点から御心配になるということで、私ども、教育関係の団体と誠意を持ってお話し合いをするということにいたしまして、これまで十数回にわたりまして団体の方にお話し合いをすべく申し入れしておりますが、残念ながらいまだにお話し合いができないというような状況になっております。
○喜岡淳君 その皆様方が予定しております予定地の二百五十メートル先に、小学校、中学校があります。この地域につきましては、既に教育困難校ということで十数年来、学校、警察、PTAはもとより住民、学校一体となって教育環境の整備、教育困難校の汚名を返上するための日夜を分かたぬ努力が続けられております。しかし、残念ながら今なお香川県教育委員会は青少年健全育成モデル地区に指定をしたままでありますし、高松市に至っては、緊急指導対策校に指定をしたところであります。 こういった、教育困難校の極めて目と鼻の先に、教育環境上非常によくないと一番最初におっしゃられた、その懸念をされた場外馬券売り場をつくるということについて、全国各地でこういった例は既にありましたか、今までに。
○参考人(渡邊五郎君) お答えいたします。 ただいま御指摘になりました小学校、中学校、私どもの方からとらえますと直線距離で約四百メーター、道路沿いではかりますと五百メーターないし六百五十メーターで、私どもの従来の場外の設置からいたしましたらかなり離れているというふうに認識いたしております。 通学路等の関係もございまして御心配になる向きについて、私どもはお話し合いをいたしたいということで、誠意を持って申し入れをいたしておりますが、いまだに御回答がなく、私ども十数回に及びましてお話し合いの機会を持つべく努力をしておりますが、まだ応答がないというのが私どもの状況でございます。
○喜岡淳君 時間稼ぎの答えはやめてくださいね。私が聞いたのは、これほど行政も教育委員会も心配をしておる、緊急対策校に指定したようなところの目と鼻の先につくった例があるかないかと言っているんですよ。時間稼ぎはやめてください。
○参考人(渡邊五郎君) 私どもは、具体的な事例としてはそういうのは聞いておりませんが、調べてみます。
○喜岡淳君 ないんですね。
○参考人(渡邊五郎君) 調べてみます。
○喜岡淳君 いつぐらいまでにお答えいただけますか。
○参考人(渡邊五郎君) できるだけ早い機会にとらえたいと存じます。
○喜岡淳君 おたくは調査室があって全国各地の例は調べているはずでしょう。だから今までにそういう例があったのかなかったのか、わかるでしょう、そういうことは。
○参考人(渡邊五郎君) 私どもは、学校のそういう制度についてまだ確認はしておりませんけれども、学校との距離としてはさらに至近の小学校、中学校がある例がございます。私ども、学校との距離については問題はないというふうに考えております。
○喜岡淳君 そういうずらしたような答えはやめてくださいね。教育困難校、緊急対策校に指定したような、そういった教育環境の学校の目と鼻の先につくった例があるかないかを調べていただきたいと、こう言っておるわけですよ。距離の問題を言っているんじゃないんですよ、私は。すぐそれ調べてください、ほかにこういう例があるのかないのか。 そうすると、御承知でしょうが既に教育団体が何回も陳情に来ておりますから、県も市も来ておりますから、どうしてこういった教育環境の極めて心配される、目と鼻の先をよしと考えておられるんですか。
○参考人(渡邊五郎君) 私ども、学校のこともございましょうが、周辺町内会の同意も得られております。また、教育上の観点について、御心配の点についてお話し合いをするということで、お話し合いを私ども呼びかけておりますが、いまだに私ども接触できないということの状況になっております。
○喜岡淳君 時間が来ましたので、この自治会の同意を得たという、こういうインチキな話については、二十五日の農水委員会でまたお尋ねをいたします。 最後になりましたのでお願いだけしておきますが、ぜひ、この計画については市長さんも反対をいたしておりますので、これは高松市民の総意でございますから、直ちに撤回の方向で見直しの検討をしていただきますようにお願いをして終わりたいと思います。
○秋山肇君 皆様も御案内のとおり、首都圏を中心とした今回の地価高騰はこれまでにない速さで地方へと波及し、その結果、国民の住宅確保を困難にし、道路建設用地等の取得難など社会資本の整備に大きな支障を及ぼしてきております。最近では鎮静化の兆しが出てきているとはいえ、土地を持つ者と持たざる者との資産格差が拡大したり、わずかの土地のために相続税に苦しむ人など、我が国の社会経済面において重大な問題を引き起こしております。 このような中で、先日、国土庁から平成二年度の土地白書が報告されたわけですが、この内容について、国土庁長官はどのような所感をお持ちでしょうか。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。 地価は、昨年秋以降鎮静化の兆しが見えておるわけでございますが、なお高騰が続いている地域が見られております。大都市地域においては、水準自体が依然として高いものだと認識をしております。地価高騰の結果、住宅の取得難、住宅立地の遠隔化、社会資本整備への支障など、我が国社会経済に深刻な影響があらわれていると思っております。 先般、国土庁におきましてアンケート調査を行ったわけでありますが、その中で、現に大変困っている、ないしは今後困るであろうと言われる方々が大多数を占めておりまして、また、地価につきましては多数の方々が下落を希望されておる、こういう状況になっておるわけでございます。 土地問題につきましては、こうした現状にかんがみ、内政上の最重要課題であるとの認識をいたしておりまして、構造的かつ総合的な土地対策を一層推進していくことが大変必要である、こういう認識をいたしております。
○秋山肇君 この土地白書を見て、今まで取り組んできた政策が、どの程度効果を上げてきたと判断されておりますか。
○政府委員(藤原良一君) 地価の動向につきましては、ただいま長官から御答弁申し上げましたように、昨年前半まではかなりの上昇が見られましたが、昨年の秋以降、一部の地域を除きまして全般的に地価の鎮静化が見られつつあります。しかしながら、まだ東京・大阪圏は高水準でありますし、地方部では上昇を続けているところがございまして、予断を許さないというところでございます。 ただ、最近の鎮静化傾向の原因といたしましては、今回の地価上昇の背景の一つとなっております金融状況が引き締め基調に推移してございますし、特に、土地関連融資については総量規制が実施されていること、また昨年秋以降、地価税の創設を初めといたします土地税制の見直しの論議を背景としていわゆるアナウンスメント効果等もあらわれ、買い控え等市場を冷やす要因になっておること、さらには監視区域の積極的な運用等、各般の土地対策の効果も徐々にあらわれつつあるのではないかというふうに見ております。 しかしながら、冒頭申しましたようにまだまだ安心できませんので、今後さらに閣議決定しております総合土地政策推進要綱に従い、税制、金融、土地利用計画等につきまして総合的な対策を強力に進めていく必要があると考えております。
○秋山肇君 二、三日前ですか、日経新聞にミサワホームの研究所の方の論文が載っておりましたけれども、土地は今が最低で、これからまた上がるんじゃないかというような予測記事が出ていましたよね。 そういうことを踏まえて続けますが、私は従来から予算委員会等においても、土地を持っていればもうかるという土地神話を打破し二度と地価高騰を生じさせないために、政府一体となって取り組みを展開する必要があると申し上げてきました。我が国において土地は貴重なもので、社会経済活動を行う上で必要不可欠なものであります。それゆえ、土地を持っていればもうかる、損をしないという土地神話が定着しているのでしょうが、この土地神話を打ち崩す政策を実行しなければ、一度鎮静化してもまた上昇するおそれがあると考えますが、大臣、その点についてはいかがお考えですか。
○国務大臣(西田司君) 土地基本法を踏まえた今後の総合的な土地政策の基本として、総合土地政策推進要綱を一月二十五日に閣議決定したところでございます。土地政策の目標の一つとして、ただいまお話のございました土地神話の打破を強く掲げておるところでございます。現在の高い水準の地価を適正な水準にまで引き下げていくためにも、またもう一つ、今後二度と地価高騰を招来しないようにするためにも、土地神話を打破することが大変重要であると認識をいたしております。 このためにも、今後ともこの要綱に従って、税制、金融、土地利用計画等について構造的かつ総合的な対策を一層強力に展開をしていく必要がある、このように思っております。そうして土地政策の目標の早期達成を図ってまいりたい、こういう決意で取り組んでおるところでございます。
○秋山肇君 確かに地価の動向は予断を許さないところであります。現在の地価は依然として高い水準にあります。一月には土地基本法を踏まえた今後の総合的な土地政策の基本方針として総合土地政策推進要綱を閣議決定されましたが、それも含めて、今後総合的な土地対策をどのようにお進めになりますか。
○政府委員(藤原良一君) 土地対策は、対症療法的な応急的な対策も必要でございますが、より構造的な対策も重要だというふうに強く認識しております。そういう視点に立って先ほど申し上げました総合土地政策推進要綱も決定されているわけでございます。 その中から幾つか例示させていただきますと、土地取引規制といたしましては、現在、監視区域の的確な運用に努めておるところでございまして、公共団体も積極的な取り組み姿勢を示していただいておるところでございます。できるだけ先行的に早く指定し、また届け出対象面積も厳しく、しかも窓口でも厳正な指導をしていくという姿勢が必要だと思っております。また、今後大規模プロジェクトの予定地におきましては、場合によっては規制区域を積極的に活用する、そういう対応も必要だと考えておりますので、開発利益の還元方策も含めて、より積極的な対応が可能なような方策について現在審議会等でも検討をお願いしておるところでございます。 土地関連融資につきましては、御承知のとおり、現在総量規制で相応の効果を上げていると思いますが、今後とも、土地関連融資の増大によって地価が反騰する、そういうふうな場合には常に的確に対応できるようなシステムを創設していく。あるいはノンバンク融資についても、指導のあり方を大蔵当局でいろいろ御検討いただいておるところでございます。 また、都市計画につきましても、今回の地価高騰の反省の上に立ちまして、より居住空間と業務空間が調和のとれた形で利用可能なような方策につきまして、建設省で、都市計画中央審議会等で基本的な問題点も含めていろいろ御議論をいただいておるところでございます。 さらに、供給、有効利用を促進するという側面も非常に大切でございますので、新しい宅地の供給策あるいは工場跡地等の低・未利用地の有効利用促進、さらには三大都市圏の特定市の中の市街化区域農地の計画的な整備、活用の方策、そういった点につきましても、必要な法制度等を整備させていただきながらこれからいよいよ効果的な実施を図りまして実を上げていく、そういう段階に来ておると考えております。そういう方針に従いまして、着実に効果を上げてまいりたいと思います。そのためには、それを支える基盤的な条件整備も必要でございますので、土地情報の総合的な整備とかあるいは公的評価の適正化、均衡化、そういった課題にも取り組んでまいろうとしているところでございます。
○秋山肇君 そうしますと、監視区域制度の効用というのは相当あったというお答えですが、いろいろな地方自治体の大型プロジェクト等を含めて規制区域の積極的な活用等あると思うんですが、国土庁では、現在の地価の動向というか今後の見通し、さっき私は、上がるんじゃないかというあれがあったというふうに新聞に出ていましたけれども、その点を踏まえてどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(藤原良一君) 先般公表させていただきました平成三年地価公示で見ましても、昨年一年を通じて見ますと前半部分の上昇が大きかったものですから、全国平均で住宅地の価格が一〇・七%上昇しているわけでございます。ただ後半、特に秋以降鎮静化が各地で見られまして、例えば昨年十月から十二月の三カ月間の短期動向で見ますと、大阪圏では大体五%、三カ月で五%程度の下落となっております。また東京圏でも、東京都や神奈川県では、三カ月でわずか一%でございますが、下落に転じておるわけでございます。 しかしながら、まだまだ地方部全体を見ますと予断を許さないわけでございまして、監視区域等をできるだけ先行的、的確に運用していこう、そういうことで、昨年六月に監視区域制度の運用指針を通達いたしまして、この指針に基づいてできるだけ先行して、また実効ある届け出対象面積の設定、厳正かつ的確な価格審査等に心がけておるところでございます。 現在、関係地方公共団体におきましては、大変厳しい行財政事情の中ではございますが、懸命にこの方向で取り組んでいただいておりまして、平成三年四月二十二日現在では千百六市区町村で監視区域の運用が行われております。このうち届け出対象面積を百平方メートル以上の取引で運用している公共団体が二百三十二市区町村に上っております。ちなみに、これを面積ベースで見ますと全国の市街化区域の約四分の三以上が既に監視区域に指定されておりまして、このうち約半分が百平方メートル以上で運用しているわけでございます。 しかしながら、これから先行き地価の動向に細心の注意を払いまして、できるだけ後手にならないように今後ともこの制度を運用していきたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
○秋山肇君 国土法の届け出の値段では取引がされないで、もっと下がってきているというのが今東京の現状だと思うんですね。ですから、逆にいうと国土法の方が高い線を出してしまうということのないように、十分連携をとって指導していただきたいというふうに思います。 次に、建設省にお伺いしますが、私は、大都市の活性化を図るためには、開発より住宅宅地供給を最優先させるべきであると考えます。といいますのは、首都圏で住宅宅地供給ができなければ、何十キロも離れたところにばかり供給があっても、結局は首都圏はビルばかりの索漠とした、人が住めない都市と化してしまうと思います。 そこで、大都市地域における住宅宅地の供給促進策についてお伺いいたします。 まず、大都市地域における住宅宅地供給基本方針を策定したと聞いていますが、その策定に当たっての基本的考え方をお伺いいたします。また、大都市地域における住宅宅地供給方針における住宅宅地の供給促進のための具体策はどのようになっておりますでしょうか。
○政府委員(立石真君) 本年三月に決定されました大都市地域における住宅及び住宅地の供給に関する基本方針は、国、関係地方公共団体などが大都市地域の住宅宅地問題の解決に一致協力して取り組むための共通の指針となるものでございまして、また、関係都府県の定める供給計画における重点供給地域の指定、さらに都市計画との連携などによる即地的、総合的な施策によって住宅宅地の供給促進を目指すものであるというように考えているところでございます。 このため、三大都市圏におきまして、今後十年間に合計、住宅七百四万戸、住宅地四万六千三百ヘクタールの供給を行うことを目標としておりまして、供給基本方針を策定したものでございます。この基本方針におきましては、勤労者が通勤可能な立地におきまして適正な支出で居住できる価格あるいは家賃の良質な住宅を確保できるようにすることを基本目標としておりまして、国及び関係地方公共団体が一体となって良質な住宅宅地の供給を促進していくこととしております。 具体的な施策でございますが、まず第一に、供給基本方針における供給目標量を達成するために既成市街地の有効・高度利用、低・未利用地や市街化区域内農地の計画的な土地利用転換、また新市街地の計画的な開発など、地域の特性に応じた対策を講ずることによりまして、関係都府県と一体となって供給の促進を図ることとしているところでございます。 個別の施策の概要としましては、第一に関係都府県によります住宅宅地供給計画を早期策定すること。公営、公団などの公共賃貸住宅の供給を促進すること。さらに、住宅地高度利用地区計画等の都市計画制度、あるいは住宅土地税制等を活用いたしまして、各般の施策を講じて目標を達成していきたいと考えているところでございます。
○秋山肇君 限りある土地をいかに効率よく有効に活用するかが土地基本法の精神でもあると思います。 この土地の有効・高度利用方策についてですが、市街化区域内農地が宅地として高度利用されるよう、建設省としてどのような方策を考えておりますでしょうか。特に、先般住宅地高度利用地区計画制度が創設されましたが、この制度の活用方法も含めてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 市街化区域内農地につきましては、宅地化するものと保全するものとを都市計画で明確に区分するということで、保全するものにつきましては、先般そのシステムの一つでございます生産緑地地区制度を改正することといたしまして、生産緑地法の改正が成ったわけでございますが、宅地化するものにつきましては、ただいまお話がございますように、特に大都市圏における住宅宅地供給の促進を図るためにも計画的な宅地化を図ることが極めて重要であると認識しておるところでございます。 市街化区域でございますので、用途地域を適切に指定いたしまして、開発許可制度あるいは建築確認の制度をもちまして、良好な宅地化、市街地形成に私どもは誘導してまいる必要があると思っておりますが、基本的には、やはり何といいましても街路、公園等の都市基盤施設の整備をきちっとやること、それから土地区画整理事業等の事業もしっかり行うことが肝要であるというふうに思っておるところでございます。 その中で、ただいまも御指摘ございましたが、昨年、都市計画法及び建築基準法の一部改正の際に、住宅地高度利用地区計画制度が創設されております。この制度は、主として市街化区域内農地に焦点を置きまして、これにつきまして高度利用を図りまして良好な中高層住宅が建てやすいように、いろいろな高さの制限あるいは容積率等につきまして緩和を行いまして良好な住宅市街地の形成が図られることを目途としておる制度でございます。 平成三年度の予算におきましても、この住宅地高度利用地区計画制度が積極的に活用されまして、土地利用転換がスムーズにいくことを目的といたしまして、新市街地土地利用転換促進事業と命名しておりますが、それに関する予算の充実も図ったところでございます。さらに、関連の公共施設の整備等も積極的に活用するために、緊急住宅宅地関連特定施設整備事業という新しい制度も創設してございます。 税制の見直し等も含めまして、私どもといたしましては市街化区域農地の計画的な宅地化推進に積極的に取り組んでまいるつもりでございます。
○秋山肇君 都市計画、建築規制の整備充実についてお伺いします。 外国の例を見ましても、都市計画や土地利用計画をきちんと策定、実行している都市ほど町づくりがうまくいっていると思います。土地基本法にもありますように、土地利用計画を詳細に作成することが重要と考えますが、我が国の都市計画における詳細な土地利用計画の制度として昭和五十五年に創設された地区計画の策定状況はいかがでしょうか。また、地区計画がより活用されるための方策についてお伺いいたします。
○政府委員(市川一朗君) 御指摘ございました地区計画制度は、昭和五十五年に創設された制度でございます。平成二年三月末までの数字でございますが、全国二百十三市区町村におきまして五百三十二地区が決定されております。最近は特に、毎年新たに決定される地区数がふえておりまして、平成元年から平成二年の一年間では百二十二地区が新たに追加されまして、五百三十二となっておるところでございます。 しかしながら、私どもの観点からいたしますと、現状はまだまだ十分に活用されているとは言いがたいわけでございまして、今後この制度の積極的活用を図ることが重要であるというふうに認識しております。地区計画策定のために、地方公共団体におきましてもPRのためのパンフレットを作成したり、あるいはいろんな形での補助制度を含める支援措置も講じておりますが、国レベルにおきましても市街化区域への編入、あるいは土地区画整理事業の実施等に際しましては、この地区計画制度を積極的に活用するように指導してございますし、また制度面では、例えば建築物に対する住宅金融公庫の融資におきまして、地区計画に適合したものに対しましては優遇措置を講じております。 また、先ほど住宅地高度利用地区計画制度についてお話し申し上げましたが、そのほかに再開発地区計画あるいは用途別容積型地区計画など、地区計画のバラエティーもいろいろふやしておりまして、より利用しやすいような形で地区計画制度が普及するように私ども望んでおるところでございます。
○秋山肇君 大都市圏なんかでは特に区画整理予定区域の中でこの地区計画の導入が宅地の供給に大きな威力を発揮するんだろうというふうに思うんですね。だからぜひ今お答えのように、いろいろな方策がありますけれども、積極的に進めていただきたいというふうに思います。 建設省は、現在山積している土地問題の解決のために都市計画や建築規制の整備充実を図るお考えがおありでしょうが、また、住宅宅地供給促進や都市計画、建築規制の整備充実を進めるに当たり、他省庁や地方自治体との連携を密にとりながら情報交換をし、きめ細かな対応をしていくことが必要だと思います。 大臣は東京選出でありますから特によくおわかりだと思いますが、大臣のお考えをお聞きして質問を終わります。
○国務大臣(大塚雄司君) ただいま数々の御論議を拝聴をさせていただきました。御指摘のように、それぞれ地価対策は極めて重要でございまして、土地基本法の中にも四つの柱がございますが、その中の一つに地域に応じた都市計画の利用をしっかり進めろということになっておるわけでございます。その一環としまして、ただいま局長がお答えしましたように、住宅宅地の供給に関しましては三大都市圏七百四万戸、四万六千三百ヘクタールの土地の供給、この目標に全力を挙げていくわけでございますが、何としましても住宅宅地の供給に欠かせないのは、特に大都市地域におきましては都市計画がしっかり決められていくこと、またそれに沿った都市基盤整備が非常に重要である、こういうふうな認識を持っておるわけでございます。 とりわけ、今回私は一月二十三日に都市計画中央審議会に、ともかく経済社会も大きく変わってまいりましたし都市の姿も変貌を遂げていくわけでございますから、その都市計画のあり方をどうするかということも諮問もさせていただきましたし、また諸制度もいろいろ昨年来充実をしていただいてきておるわけでございますので、これらをフルに使いまして、住宅宅地を供給するにいたしましても都市基盤整備と整合性を持った供給ができるように、環境の保全も、自然環境を守ることも一方で考えながら、いわゆる大都市の住宅供給はどうあるべきかを模索しながら、あわせて地価の対策にも資するような計画を進めてまいりたい、このような決意でおるわけでございまして、特に、先生も東京でございますが、東京のみならず全国でございますけれども、いろいろ御指導をいただきながら強力に進めてまいりたい、このように考えております。
○委員長(及川一夫君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 正午休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(及川一夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和六十二年度決算外二件を議題とし、総括的質疑のうち、各省大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○木庭健太郎君 まず最初に、現在世界的に注目を集めておりますクルド人難民の問題について、幾つかお伺いしたいと思います。 私も湾岸調査団ということで公明党で行きまして、やっぱり難民問題これから大きくなるなと思っていたやさきに、心配していたとおりクルド人百五十万人が難民としてイランとかトルコに出ていくというような状態になってまいりました。 〔委員長退席、理事千葉景子君着席〕 日本といたしましても、緊急に援助を決められたり、また医療調査団第一陣、第二陣までもう既に出されているということを聞いております。また、新聞報道ですけれども、政務次官を現地に送ろうとか、イラク政府に対して外務省の方から申し入れをなさるとか、さまざまな対策をなさっていることを聞いて、非常に、いつもよりは前進しているんじゃないかなと思っているところでもございます。 ただ、やはりこういう問題、日本としてお金の問題だけじゃなくて人を送ることが大事だし、それがまた目に見える貢献として世界には映ります。そういった意味で、今第二陣まで緊急援助隊を送ったわけですけれども、今後どんな形で人的貢献をなさろうとされているのか、まずその点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 今回のクルド人の避難民に対する対策といたしまして、現在まで医療チームを総計十八名出しております。そのうちには医師四名、看護士九名、あと調整員等で構成をされております。この医療チームは、各国政府から派遣した中では日本のチームが一番早く現地に到着をしておりまして、十七日からイラン・トルコ国境近くの西アゼルバイジャン州の病院でクルドの避難民の診療開始、さらにイラン政府からの要請を受け、十二名から成る医療チームをイランへ派遣、同チームは同日イランに到着をしております。トルコは、鈴木外務政務次官を近く現地に派遣をいたしたいということでございまして、現在トルコ側と協議をいたしている最中でございますが、避難民の診療等の実態を通じまして今後必要があればさらに支援を強化したい、このように考えております。
○木庭健太郎君 もうすぐ第一陣も戻られるということをちょっとお聞きしているんですけれども、ぜひ実情を聞いてやはりこういう問題は、私思ったんですけれども人道上の問題になるとやっぱり世界というのは動き方がすごいなということも思うんですよね。大がかりなこともやるし、お金の問題でも非常に取り組んでいくし、そういった意味で日本が今一番世界に対してアピールできるのは何かといったら、やっぱり私はこういう人道上の問題が日本としても取り組みやすいしやらなくちゃいけない問題だと思うんです。 そこで、大蔵大臣に一言だけ聞いておきたいと思うんですけれども、この前ロンドンでアメリカのブレイディ財務長官ともこの問題でお話しなさったようでございます。また先日緒方さんが日本の方に、今現在お見えになっております。そういった問題で、いろんな形で今から国連からの要請なりいろんな形が出てくると思いますけれども、私としては、これはもう前向きに検討していくべき課題だし、ある意味じゃもっと協力することで世界に対してPRするいろんな方法を今回ぜひやっていただきたいと思っているんです。大蔵大臣として、この点についてお考えがあれば一言聞いておきたいんですけれども。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今外務大臣からも御答弁がありましたように、今月の十一日に国連災害救済調整官事務所、UNDROから、関係国際機関を代表して総額四億ドルに上る難民救済のための資金協力アピールを受けております。その中でいかなる支援が可能か、現在政府部内で検討をいたしております。当然のことながら、今委員がお述べになりましたような趣旨で私ども努力をしてまいらなければなりません。 ただ、今たまたま緒方さんのお話が出ましたが、先刻この休憩を利して緒方さんにお目にかかりまして現地の状況等を伺いました。その上で御依頼を受けまして、まあ大蔵省としてではなく今私が少々頭を抱えておりますのが、実は日本の医薬品というものが、非常にすぐれたものでありますけれども輸出が非常に少ない分野であります。そのために薬の説明書、能書が外国語で書かれておる医薬品が非常に少ないということがございます。そのために、みすみす現地で必要とする薬を日本で生産をしていながら、説明書が日本語しかついておりませんために、提供をしても使えないという問題がございます。 実は、私はカンボジア難民の最盛期、厚生大臣で同じ問題で苦労しまして、随分関係の企業にも外国語の説明書をつけるように当時からお願いをいたしましたけれども、状態は今回も必ずしも改善されておりません。そうした中で緒方さんから御相談を受けまして、緒方さんが日本におられます間に、日本の医薬品メーカーでとにかく外国語の説明書を添付している医薬品のリストを早急にまとめ、必要があるものないもの当然混在しておりますけれどもそのまま緒方さんにお渡しをして、むしろその中から使える医薬品を選定してもらうという御相談を先刻いたしました。 こうした点におきまして、実は思いもかけないところに日本が非常に経済大国であり、その豊かな食生活の中における医療というものを中心としているその日本の医療と、現実にこうした大量の難民を発生させる国々とのギャップというものに、ただいま私自身が遭遇をいたしておるところであります。 しかし、そうした壁を越えて、できる限りの努力を当然のことながら外交当局と御相談をしながら努めてまいるつもりであります。
○木庭健太郎君 大蔵大臣は厚生大臣経験者ですから、そういう意味じゃ、相談を受けても単に金を出すんじゃなくて、そういうきめの細かい形でできるというのはこれからやっぱり大切になっていくと思います。 そこで、湾岸問題では対策本部がありましたけれども先日大きな形の改編をいたしました。ただその対策本部、新しくできたのを見ていると、これはある意味じゃ湾岸の復興に貢献するための本部というような形になっているように私には思えるんです。私はやっぱりこういう問題が起きたときに日本としてどうPRするか。自主的にお金も出し、医薬品も出し、人も出してこれから日本はこの問題について貢献しようという考えが少なくとも外務大臣にあると思います。それならば大臣としてぜひこのクルド人難民の、まあ対策本部というふうに一本表立って立てられるのか、もしくは今湾岸問題のそういう対策本部もあるわけですから、それの頭にきちんとクルド人難民についてもやるんですよということを明記する。新聞流に言えばクルド人難民・湾岸復興対策本部みたいな形ですよね。やはりそういう形の、日本としてもこの問題決して軽視しておりませんと、湾岸戦後今一番大きな問題はこの問題だと認識しているということをきちんとPRする必要が私はあると思います。 まあ午後からどうせ掃海艇の問題なんかもいろいろな方が論議されるんでしょうけれども、あの問題にしてみても、ある意味じゃ日本のタンカーが通るための問題、結局日本は日本人のためにしかしないじゃないかというふうに受けとめられるのが私は日本の一番の問題だと思うんです。それと全く関係ない、全く人道上の面から日本としては取り組んでいるんだということをぜひきちんと看板を掲げて取り組むべきだと私は思います。 大臣もその一員でございますから、ぜひそういうことを積極的にやっていただきたいと思うんですけれども、その点についての見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) クルド人難民対策という看板をかけろという委員の御指摘、それがまた対外的にも大きな広報になるんじゃないかと。十分御意見を踏まえながら、これからやってまいりたいと考えております。
○木庭健太郎君 それと、午前中も少し論議が出ておりましたけれども、NGOの活用の問題でございます。これはサウジアラビアの油回収の問題でボランティアグループが行きたいということを言っておりまして、ようやくこれがサウジアラビア政府も受け入れるということで実現したようでございます。また、こういう難民問題についても、先般の湾岸戦争が起きたときも、ボランティアの方でたとえ危険であってもやりたいという人が随分出ておりました。そういった意味で、そういうNGOの人たちをやはり育てるなり、それからそういった問題が起きたときに政府としてもお手伝いしてあげて、またそういう問題に携われるような体制をつくる必要があると思いますけれども、その点についてはどうでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) NGOの組織というものは、これは元来が政府と関係なく民間団体が、民間の方々が自主的にやるというのがNGOの本質でございますから、本来は政府と無関係であるべき立場であることが原則だろうと思いますけれども、さはさりながら、こういうふうな気持ちを持った方々が行動していただきやすいように政府としてはいわゆる予算を二億八千万円御承認をいただいたわけでございます。 私は外務大臣として率直に申し上げると、日本でこういうふうな国際貢献、国際的な協力をする人たちの登録するセンターをつくるべきではないかというふうに考えております。何か事件が起こるたびに政府は人を集めるのに苦労をする。今国際緊急援助隊は二百名ばかりの方々が登録をしていただいておりますけれども、これも全部医者ということじゃございませんで、医者はごく一部でございます。そういうことから考えますと、日本人がこれから国際社会に貢献をしていくという国民全体のコンセンサスをつくるためにも、いわゆる国際貢献をするための一つの情報センターというもの、あるいはセンターをつくってそこへ登録をする、例えば血液を献血する人たちが登録するようなものでございまして、そういう意思のある人たちが登録する。ただしその意思のある方々の中でやはり言語の問題あるいは健康の問題、年齢の問題、職業の問題、いろいろとございますから、それぞれの何といいますか、資格あるいは年齢差というものも全部分類をして、どのようなときにどのような方に連絡をすればNGOとして御協力をいただけるかといったようなことを国家としてもそろそろ考えなければならない時期に来たのかな、こういうふうに私は外務大臣として実は考えており、そのことも検討するように今役所の人たちにも話をしておる最中でございます。
○木庭健太郎君 ぜひそれは推し進めていただきたい。もうそのことがある意味じゃ本当に日本のボランティア、NGOを育てることにもつながっていきます。またそういう人たちを訓練するようなシステムをぜひつくっていただいて、早急にそういうことができるようにお願いしたいと思います。 話を変えまして、ODAの問題で一つお伺いします。 インドネシアスマトラ島のコタパンジャンダムの問題です。最近新聞を見ておりましたら、このコタパンジャンダムのODA供与について、相手国に、住民福祉、環境保全にまで踏み込んだ条件を課したというような報道がなされておりました。もちろん日本のODAが進む方向で非常にこれは重要なワンステップだなと私は受けとめたのですけれども、事実そういう条件を付したことがあったのかどうか、確認させてください。
○政府委員(川上隆朗君) 御指摘のコタパンジャン水力発電所の建設計画でございますが、昨年の十二月にインドネシアに円借款として百二十五億円の円借款供与というものを交換公文で行っております。 本件に関する円借款供与の決定は、事業の妥当性につきまして総合的に検討を行った結果でございますけれども、特に御指摘の環境面への影響の点につきましては、我が国政府部内の検討において、環境配慮のためのOECFガイドライン、これは基金のガイドラインにございますが、これに沿いましてインドネシア側の取り組みにつき確認を行うとともに、OECFのミッションが移転候補地や移転予定の村落を視察するといったような調査を行っております。我が国としましては、検討の過程におきましてインドネシア側に対しまして環境配慮の重要性というものを強調しておりまして、環境、住民移転等の諸点につきましてはインドネシア政府が具体的措置を講ずる旨を種々の段階で確認するということを行っております。 その進捗状況について今後とも環境面の影響を含め事業の進捗を注意深く見守ってまいりたい、かように考えている次第でございます。
○木庭健太郎君 日本としては、そういった形まで踏み込んだのは私は初めてのケースじゃないかなと思うんですけれども、もしそういった資料があれば、ぜひどういった形まで踏み込んでやったのかというのがあれば提示していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(川上隆朗君) ただいま申しましたとおり、先方との話し合いの種々の過程においてこちら側から問題提起し、先方と意見交換をして新聞報道のような形になってきたということでございますが、この確認の文書そのものにつきましては、討議の記録という形で文書の形式にいたした次第でございますけれども、ただいま現地では補償問題等住民移転の交渉が進行中でありますわけでございまして、その点の問題と、それから非公開を前提に先方政府と取り交わした討議の記録ということでございますので、この場での説明は御容赦願いたいと思います。この点は別途概要を御説明させていただきたいと思います。ただし、中心は当然移転の問題それから補償基準等の問題でございます。
○木庭健太郎君 本当は、そういうやつは確認でぜひ見たいんですけれども、まあ非公開ということでは……。 確認ですけれども、この問題だけじゃなくて今後外務省としてやっぱり住民の強制移転みたいなことについて歯どめ、また環境保全の問題については今後もこういった形で踏み込んでいくケースが多々出てくるというふうに認識しておいてよろしいですか。 〔理事千葉景子君退席、委員長着席〕
○政府委員(川上隆朗君) 私ども、先ほども申しましたように、このようなダムの案件、水力発電の案件というものにつきましては、実施機関であるOECF、基金でございますが、それからJICA、国際協力事業団等におきましてそれぞれ環境に関するガイドラインというものをつくっておりまして、それに基づきまして、先ほど申しましたように今後環境面、住民移転の面等々を中心としまして先方政府と実施に当たっては十分協議を行い、確認すべき点は確認してまいるという姿勢で対処いたしたいと思っております。
○木庭健太郎君 時間が来ておりますので、ナルマダの問題で少し確認をさせていただきたいと思います。 ことしもインド援助国会議が多分七月なりに開かれると思います。このナルマダの問題も、住民移転の問題とかで去年も随分論議をいたしました。そして現地では、昨年十二月からことし一月にかけて反対のロングマーチなんかも行われるなど、決して状況は好転していないと私どもは思っておるんですけれども、このインドの援助国会議において、日本としてはどういうようなこのナルマダ問題については表明をなさるおつもりなのか。また、昨年日本としてはこのナルマダの問題については事実上援助を一たん中断しておりますけれども、この姿勢をことしはこのまま堅持されるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(川上隆朗君) 御指摘の、インド援助国会合につきましては、現在まだ確定いたしておりませんが、インドの総選挙の関係で日程が例年の六月よりも大幅におくれるという予定になっているようでございます。このため、同会合において我が国がいかなる対応をとるかということにつきましては現在検討中でございまして、本件プロジェクトの取り扱いも含めまして、具体的な方針はいまだ確定していないわけでございます。 水力発電所建設に係る住民移転、環境問題につきましては、インド政府より種々の対策が講じられるということになっておるわけでございますが、ダム建設の実施をめぐりまして、先生御指摘のように現地で住民による反対運動等が起こっておることは政府といたしましても十分承知いたしておりまして、我が国としても、本件計画の影響が大きいということにもかんがみ、事実関係の把握も含めて慎重に対応する必要があるというふうに考えておる次第でございます。
○木庭健太郎君 最後ですけれども、大臣にもぜひお聞きしておきたいと思うんです。 やはりナルマダの問題を進めるときもきちんと、本当に現地の状況を掌握して、インド政府が言うことだけでなく、それはもちろん重視していただきたいけれども、実際現場で何が起こっているのかというのをきちんと確認した上でこの問題については態度を決めていただきたいと思っておりますけれども、最後に、御所見があれば伺って終わりたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 御指摘のナルマダの問題は、現地でもいろいろと問題がございます。政府といたしましては、現地の事情を十分調査して判断をいたしたいと、慎重な姿勢をとっているわけでございます。
○林紀子君 私は、市街地での土木工事における公衆災害防止策についてお伺いしたいと思います。 三月の十四日、広島市では工事中の新交通システムの橋げた落下事故が起こりまして、二十三人の方々が死傷いたしました。先週の土曜日には広島市で合同慰霊祭も行われましたし、遺族会もつくられました。私は改めて亡くなられた十四名の方々に心から御冥福をお祈りするとともに、けがをされた方々の一日も早い全快を願っております。 犠牲者の一人の弟さんは、葬儀のときにこういうふうにおっしゃっております。雨も雪も空から降るが、兄の場合は死が空から降ってきた。ただ悔しゅうございます。こう言って絶句したということです。私も事故発生直後現地に赴きまして、二度とこのような痛ましい事故を引き起こしてはならないと痛感いたしました。 事故の原因究明につきましては、警察庁、建設省、労働省がそれぞれの立場から進められていると聞いておりまして、今、刑事責任上の捜査状況、また労働安全衛生法違反の疑いについてお聞きいたしましても鋭意調査中ということなので、これにつきましては厳重な捜査とそれに基づく責任の追及を改めて要求したいと思います。 そこで、こうした事故を二度と引き起こさないためにどのような防止対策を講じているのか、お伺いしたいと思います。 建設省では、三月の二十五日付で「供用中の道路上の工事に伴う安全確保について」という通達を出しまして、この中で「事故の原因が明らかにされ、これを踏まえた措置が講じられるまでの間」として、「主桁を単体で上下方向に移動させる場合には、その作業時間内は影響範囲について、通行規制を行うこと。」とされています。しかし、これは特殊な工事に限って一時的な交通規制を行っているにすぎないのではないかと思いますがいかがでしょうか。
○政府委員(藤井治芳君) お答え申し上げます。 今先生がおっしゃいました広島新交通システム工事中の事故は、三月十四日の午後、動物園口駅の西側において架設工事中の橋げたが下の県道に落下いたしまして、信号待ちをしていた車の中の方々を含め、十四名の死亡者と九名の重軽傷者が出るという大事故となったものでございまして、御遺族の方々に対し、まず深く哀悼の意を表する次第でございます。 事故原因につきましては、現在広島市が設置しております広島新交通システム事故対策技術委員会において調査中でございますが、建設省といたしましても、この委員会に私どもの土木研究所の専門家を参加させまして原因の徹底究明に当たらせております。さらに事故発生の翌日には、道路管理者等に対し、供用中の道路の上空における橋梁架設工事の施工状況を緊急に点検するようにすぐ指示いたしました。その結果、そのときに行われておりましたすべての箇所におきまして、適正に実施されているという確認をいたしております。 またさらに、先生が今御指摘の事故再発防止のため、三月二十五日付で建設省所管の公共事業の事業者あるいは建設業者団体、機械施工関係業者団体にあてまして、市街地土木工事公衆災害防止対策要綱等に基づいて、建設工事において安全確保の徹底を図るように指導したところでございます。 さらにまた、今回の事故により一般の道路利用者にも重大な被害が生じたということにかんがみまして、道路管理者そのものに対しましても事故の原因が明らかにされ、これを踏まえた措置が講じられるまでの間、一般の道路利用者に対して一層の安全の確保を図るという視点から、まず第一に、供用中の道路上の工事につきましては、道路交通に対する安全に留意し、安全対策について事業実施者を指導する等、必要な措置を講ずるようにいたしております。また、これに加えまして、特に今回の事故がいわゆる横取り工法により主げたの横取り移動を行った後、主げたを単体で上下方向に移動させる作業中に発生いたしましたことから、同様の作業の際には関係機関と協議して、その作業時間内は影響範囲について通行規制を行うことを当面の措置として通知したところでございます。 このようなことで、私ども、あらゆる工事を実施している者、あるいは道路管理者が十分留意するよう指導しておりますので、一般の道路利用者に被害が発生するような事態は防げるものと考えております。 さらに、今後一層の施工上の安全の確保を図る観点から、事故原因の究明にあわせまして日本道路協会に特別委員会を設けまして、橋梁工事における架設計画、架設上の留意点、安全対策等の調査検討も行っていただくように依頼をしているところでございます。
○林紀子君 答弁は簡潔にお願いいたします。 今お話を聞きましたら、確かに通行している人たち、車に対しては交通規制を行うということなんですが、今度は労働省の方にお伺いしたいわけですが、今回の事故でも五名の下請労働者が犠牲となっているわけです。作業をしている労働者の安全というのは確保されているのか、労働省は、事故の原因が明らかにされこれを踏まえた措置が講じられるまでの間労働者にどのような安全確保のための対策を講じているのか、伺いたいと思います。
○政府委員(佐藤勝美君) まず、労働者の安全確保対策でございますけれども、労働災害を防止して、働く人々の安全を守るためには、事業を行う者、それから労働者、国、それが一体となって取り組むことが必要でございます。このため労働安全衛生法が制定をされているわけですけれども、これによりまして、例えば事業を行う者の義務といたしまして、安全管理者を選任をする等の安全責任体制の整備、それから危険な作業を行う場合の措置、あるいは機械設備につきましては構造規格を定め、あるいは物によってはその運転についての就業制限を定める等の措置がとられているところでございます。 このように、事業を行う者が法令の基準を遵守することはもちろんでございますけれども、自主的に災害防止を進めるべき立場にもある。このため災害防止団体による活動等も欠くことのできないものでございます。国といたしましては、このようないろいろな法令上の措置を踏まえまして、昭和六十三年には第七次の労働災害防止計画を策定しております。これの推進を図るとともに、労働基準監督機関がその遵守を確保するために監督指導を行う。それから災害防止団体への援助、事業者の自主的な労働災害防止活動の促進等の施策を講じているところでございます。 なお、御質問でお触れになりました、最近続きました災害に対する当面の措置でございますけれども、橋梁の架設工事につきましては、同種事故の再発を防ぐという見地から、三月十五日に作業計画の適正な作成、それから足場の点検、補修の徹底等につきまして安全総点検の実施を関係業界に要請をいたすとともに、三月二十日から二十七日までの間、全国の労働基準監督官を動員いたしまして、同種現場に対します緊急監督を実施したところでございます。また、クレーン等の事故が続発をしたと報道されておるわけでございますけれども、これにつきましては三月二十六日に建設業界に対しまして機械の安全性の確認、作業時の安全確保等につきまして安全総点検、それから運転者等に対する安全教育の実施を要請したところでございます。 今後とも労働省といたしましては、まず的確に監督指導を行う、それから業界団体への指導の強化を行うというようなことによりまして災害の防止に努めてまいりたいというふうに考えております。
○林紀子君 先ほど建設省の方からお話がありましたが、今回事故の起こった工法というのは横取り工法というものでやられていたということですが、この技術的な面について問題があったのかどうか、これも調査を行っているわけですか。
○説明員(玉田博亮君) ただいま事故調査委員会におきましては情報収集に努め、多角的に事故の原因の究明に当たろうとしております。さらには、事故の情報収集のみでは不十分な場合におきましては模型実験を行うということも検討しているというふうに伺っております。 事故の発生につきまして、詳細はこれからでございますが、横取り工法一般につきまして簡単に申し上げますと、この工法は、橋の架設方法としてはかなりの実績を持っている工法でございます。原因の究明の内容にもよりますが、私どもといたしましては、横取り工法におきましては、万全の施工体制がしかれていれば、特段問題がある工法ではないのではないかというのがただいまの技術的な判断でございます。
○林紀子君 特段の問題がないところでこういう事故が起こったというところが大変重要なことだと思うわけです。 今回の事故原因の一つとして、一九九四年に開催されるアジア・オリンピックに向けて急ピッチで工事が行われていたという指摘がされているわけです。地元の新聞によりますと、毎日新聞によりますと、工事が二日おくれていた、また、現場の工事に当たっていた作業員がジャッキの位置がおかしいということを現場責任者に意見を言ったら、そのまま作業をしてくれということで作業を続けさせたと。調べに対してこの責任者は、進行状況を報告する期日が迫っており、次の工事の段取りもあって焦っていた、大丈夫そうに見えたので工事は続けたのだと、こういうことを言っているということなんです。 こういう横取り工法が安全と言いながら事故が起こったにもかかわらず、今広島市では、横取り工法は工法上の問題はない、これを継続するということで、この工法でそのまま工事を続けようとしているわけです。横取り工法によるこの事故の本当の原因はどうだったのかということが明らかになるまで、この工法でそのまま続けるというのは中止をするべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(市川一朗君) 広島の新交通システムの事業でございますが、これは広島都心部と市の北西部地域との間の交通サービスを高めるものとして建設しておるものでございまして、あわせまして、ただいま御指摘ございましたようにアジア大会開催時の主要な交通手段としても期待されておるものでございます。 ところで、事故以後の状況でございますが、事業主体としての広島市におきましては、現在けたの架設工事以外の工事もすべて中断してございます。したがいまして、それぞれの工事につきまして、市及び施工業者におきまして具体的な安全点検を行いまして、当面コンクリートの打設とかあるいは塗装などのいわゆるけたの架設工事以外の工事を再開するという方針と聞いております。 それで、今後でございますが、けたの架設工事等につきまして、いつごろからどういう形で再開するかという問題につきましては現在検討中でございますが、基本的には先ほど御答弁申し上げましたように、横取り工法におきましてもさらなる、けたの横転防止の強化とか、あるいは工事中の通行どめ等の交通規制等もあわせ講じまして、当面万全な対策を講じた上で工事を再開するということも可能なのではないかという方向で検討しておるわけでございます。
○林紀子君 万全な対策というふうにおっしゃるわけですけれども、その原因というのがまだ究明されていない。その原因に沿ってこれをなくすために万全な対策というのならわかるんですけれども、原因がまだはっきりしていない時点でこういう工法をそのまま続ける。アジア・オリンピックがあるからということで急ピッチでやるということは、これが一つ今回の大もとの原因だったのじゃないかというふうにも思うわけです。ですから原因究明の上に立って万全の対策をしていただきたいということを私は改めてお願いしたいと思います。 あと、クレーンの事故につきましても質問をしたかったのですが、ちょっと時間がなくなりましたので、最後に、市街地で施工する土木工事につきましては十分な審査と監督が求められているにもかかわらず、建設省の職員数、国の定員削減により監督、検査を受注業者に任せてしまうような自主管理施工や、また監督、検査を民間派遣の現場技術業務委託労働者に任せる、こういう合理化が進められているということを聞いております。また労働省においても、地方基準局、監督署の定員はこの二十年間に約五百人削減され、一方労働災害防止に重要な監督実施率が半分に減少している。こういう中で昨年一年間の労働災害による死亡者二千四百七十人で、前年より五十一人増加をしたということを伺いました。また、昨年七月三十一日に、全国で危険と思われる建設工事現場五千六百十四カ所を一斉点検したところ、何と半分以上の五二・三%に当たる二千九百三十六カ所で労働安全衛生法違反や労働基準法違反が見つかったということです。 けさのニュースでは、東京、大阪に特別司法監督官というものを配置するということも伺いましたが、これも一つですけれども、事故の再発防止、安全確保への抜本的な措置の一つとして職員の大幅増員というのがどうしても必要ではないかと思います。ぜひこの大幅増員を行うようにということを要求いたしまして、建設、労働両大臣の御見解を伺って私の質問を終わります。
○国務大臣(大塚雄司君) 広島の事故を初め公共工事の事故は絶対に引き起こさないようにしなければならないことは申すまでもないわけでございます。大変不幸にしてあのような事故が発生しまして、生命を絶たれた方々に心から哀悼の意を表します。 二度と発生しないように建設省としましては各種の機関を通じましていろいろと指導をしてまいったわけでございますが、広島のことにつきましてはまだ捜査中でもございまして、まだ事故原因の調査が的確に報告を受ける段階でございませんので、断定的に、人手不足であるとかそういうところに原因があるというふうには言えないわけでございます。しかし、労働環境は非常に厳しい状況でもございますが、事故発生につながらないような配慮は当然これからも続けてまいるわけでございます。 特に、自主管理のことについても御指摘がございましたけれども、そもそも請負工事というのは請負工事契約によりまして現場の安全管理は請負業者が的確に責任を持ってやるということになっておるわけでございますが、その指導をする我々としても、そのことが結果的に事故に結びつかないように今後十分対処をして配慮をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○国務大臣(小里貞利君) 労働省といたしましては、先ほど局長からも御答弁申し上げたところでございますが、建設業につきましては、率直に申し上げまして、また先生御指摘のとおり、全産業と比較をいたしまして残念ながら労働災害多発業種でございます。それだけに建設省とも相提携申し上げながら、これらの事故防止のために優先的かつ積極的に取り組んでまいっておるところでもございます。 重点的に監督、指導をいたしておるつもりでございますが、ちなみに平成元年におきまする建設業に対する監督、指導の総件数を申し上げますと約七万事業場となっております。これは労働基準監督機関におきまする一年間の全監督件数の約四三%にも達しておるかと思うわけでございまして、私どもといたしましても監督、指導を最重点的に行っておる、かように申し上げられるかと思う次第でございます。 なおまた、先生が後の方で御指摘になりました労働災害は、何といいましても、率直に言いまして一義的には労働の現場におきまして労働者を使用する事業者がその責任におきまして防止を図ることがまず主体的でなけりゃならぬ、かように思っております。私どもは、労働安全衛生法その他の関係法令を遵守し、かつ、工事の安全施工に必要な措置をみずから講ずるように、労働災害防止の一つの基本的なところを督励申し上げていかなけりゃならぬと思っているところでございます。
○高井和伸君 まず、郵政省にお尋ねしたいと思います。 六十二年度の決算におきまして、私は行政手続の統一法制を目指すというような方向から、侵害処分というものをお尋ねしてまいりました。その中で、郵政省の方で侵害処分を、法律の中にあるものを挙げてくださいという要請をしましたところ、数にして数件挙がってきました。ちなみに十二件でございましたけれども、その中に第三種郵便物の認可の取り消しという問題については殊さら挙がってきませんでした。そこで、侵害処分であるかどうかという概念論争はさておいて、現実的に、第三種郵便物の認可及びその取り消しというものの実態をお尋ねしたいと思います。 まず、過去三年間、最近三年間の実績はどのような件数になっておって、その手続はどのようになっているのかお尋ねいたします。
○政府委員(小野沢知之君) お答えいたします。 第三種郵便物の認可件数でございますが、昭和六十二年度が四百三件、同六十三年度が四百七十八件、平成元年度が五百八件となっております。 それから認可の取り消しでございますが、郵便法令上の条件を具備しなくなったときに行いますが、その件数は、昭和六十二年度が百九十件、同六十三年度が百三十九件、平成元年度が二百八十一件となっております。 次に、認可及び認可の取り消しの手続について申し上げます。 郵便事業は、国営事業として常にお客様の信頼にこたえるサービスを提供していくことを使命としておりまして、日常私どもそれを心がけておりますが、第三種郵便物の認可及び認可の取り消しは、広く差出人及び受取人の方々に大きな影響を及ぼすことから、お客様の立場に立ったきめ細かな対応を行いまして、お客様の利益が一方的に損なわれることがないように措置しているところでございます。 認可につきましては、認可条件、認可に要する期間は郵便法及び郵便規則に明確に規定されておりまして、さらに認可条件や認可申請に必要な手続、資料等を詳細かつわかりやすく記載した冊子を作成いたしまして、認可申請に先立って照会のあったお客様にはこれをお渡しして詳しく御説明し、また御相談や御質問に応じているところでございます。仮に不認可とするときにも、郵便法、郵便規則に列挙されておりますどの理由に該当するかということを明示した文書により、通知を行っているところでございます。 次に、認可の取り消しを行うに際しましては、事前に、当該刊行物の発行人に対して改善すべき事項について文書または口頭により注意を喚起し、疑問等がある場合のため担当の部署の連絡先等を通知し、発行人からの質問、相談等に応じるなどして、認可の取り消しを受ける方については告知を行うとともに、弁明の機会がきめ細かく確保されているところでございます。また取り消しの通知は、郵便法、郵便規則に列挙されているどの理由によるものかを明示した文書によって行っております。 以上でございます。
○高井和伸君 時間もございませんので、予告していたのを一問飛ばしまして、最終段階に行きたいと思います。 今お話しのとおり、事前に改善すべき点をいろいろ通知しながらやっているというお話でございましたが、そういった中で、今政府、特に総務庁の関係で、行政手続の制定ということでいろいろ精力的に行われているようでございますが、その中で特に公平性、透明性を手続において与えるべきだという見地から、特に事前手続、そして告知、聴聞、あるいは理由付記、そして文書の閲覧というような観点がいろいろ言われているわけでございます。 そこで郵政省としましても、今お客様という概念をお使いになって説明されましたけれども、そういった方々の利益を守る上で、今のは実務上の取り扱いだろうと思いますが、行政手続全般横並びで、そういった法制を含めた整備というようなこと、あるいは実態面において行政手続の侵害処分の手続の明確化という側面での歩調では、どのようなことをお考えなのかお尋ねします。
○政府委員(小野沢知之君) 先生御指摘になりましたとおり、郵便事業は国営事業としてお客様の信頼にこたえられる良質な郵便サービスをあまねく公平に提供することをその使命としておりまして、そういう努力を重ねております。 第三種郵便物の認可及びその取り消しに当たりましても、そのことが広く差出人及び受取人の方々に大きな影響を及ぼすことから、認可及びその取り消しの条件を定めた法令に基づいて的確に措置してございますが、そうしたことにとどまらず、例えば認可につきましては、認可の条件や申請に必要な手続、資料等を詳細かつわかりやすく記載した冊子を作成いたしまして申請者にお渡しして説明を行っているほか、質問、相談にも親切丁寧に応じるように、全職員が常に留意しているところでございます。 また、認可の取り消しにつきましても、そうした取り消しを行うに先立って、当該認可を受けた方に対し具体的に何を改善する必要があるのかを通知して注意を喚起するとともに、当該認可を受けた方からの質問、相談に応じており、一方的な、また形式的な運用とはならないように配意しているところでございます。 したがいまして、お客様に対するこれらの手続面での公平性、透明性は十分に担保できていると考えておりますが、なおこれらの点の確保につきましては、ただいまの先生の御指摘を契機に、さらに今後とも十分配意していきたいと存じます。
○高井和伸君 ありがとうございました。 それでは総務庁にお尋ねします。 第三次行革審の中における公正・透明な行政手続部会というところでいろいろ精力的に審議が行われ、いろいろ調査が行われているというふうに聞いておりますが、その進捗状況についてはどうなっているのかお尋ねします。
○政府委員(増島俊之君) 第三次行革審の中に行政手続部会というものが設けられまして、一月二十一日に初会合を開きまして、既に十三回会合を持っております。その間に有識者からのヒアリング、あるいはまた関係省庁からのヒアリング等、精力的に審議を行っておりまして、現在のところ、申請に対する処分手続、取り消し処分のようないわゆる侵害処分手続、それから行政指導手続、それにつきましては、まあその重点の置き方についてのいろいろの考え方はございますけれども、具体的な検討を進めるということで意見の一致を見ているところでございます。
○高井和伸君 今おっしゃられました、各省庁のヒアリングを行ってきたところだということでございます。私もこの決算委員会で、各省庁所管の法律全般について一応それなりにさっと見たつもりでおりますが、そういったヒアリングの中で明らかになってきた行政手続法制への障害となるような点、どんな問題点が浮かび上がっているのか、簡潔にお答え願いたいと思います。
○政府委員(増島俊之君) 各省庁から、今まで主要省庁、これは行政手続法制という面の主要省庁でございますが、十省庁からのヒアリングを行いました。 それで、その結果でございますけれども、こういう公正、透明な行政手続を設けるということにつきまして異論を唱えているところはどこにもございません。これは重要な課題であるという認識を持っておられます。いろいろ御意見の中には、こういう行政手続法制を設けることによって行政の効率性あるいは行政執行の円滑さ、そういうものの確保を損なうということがないように配慮が要るということが一つございます。それから、かなり個別法と、恐らく数百の個別法の関係が問題になってくると思いますけれども、やはりそういう各行政分野の特殊性、あるいは制度の定着度合い、そういうようなものをよく考慮していただきたい。要するに統一的な行政手続法の画一的な適用というようなものは避けてほしい、そういうような御意見がございます。また、命令制定手続、要するに政省令をつくります手続について統一的な手続法の適用につきましてやはり過大な負担になるのではないか、これについては慎重な検討が要る。そういうような御意見が出ております。
○高井和伸君 総務庁長官に最後にお尋ねしますが、ただいまのような進捗状況という中において、問題点も幾つか出ているようでございます。もし今後の法制への御決意があれば、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(佐々木満君) 私は、行政に対します国民の信頼を確保してまいりますためには、行政の中身も大事でございますけれども手続というものが非常に大事である、こういうふうに考えておるわけでございまして、とかく従来透明性が少ないとか公正さに欠けるのじゃないかとか、いろいろなそういう疑念も出されておる向きもございますので、ぜひこの機会に手続の公正さ、透明さ、そして国際化時代の日本の行政、国際化にたえるようなそういう立派な手続を整備をしていく、こういうことが今大変必要であろう、こう思いまして、専門の部会に専門的な御検討をお願いいたしておるわけでございまして、十二月中には御答申がいただけると伺っておりますので、御答申をいただきましたら早急に立法化、法制化の準備をいたしまして国会の御審議をいただきたい、こういうふうに考えております。
○高井和伸君 期待いたしまして、私の質問を終わります。
○三治重信君 まず、建設省にお願いいたします。 最近新聞等の報道で、日米協議で公共事業の入札について特別の便宜を図る、こういうようなことが出ているんですが、日本が米国の入札なんかに特別の便宜が図られるということを聞いたことがないわけなんです。なぜこういうことが問題になるのか、それが一つ。 それから、最近田舎へ帰って聞いてみますと、中小市町村の公共事業の入札に設計が非常にずさんなのが多くて、工事をやっていくと、設計と実際上が非常に合いにくいということを中小業者が言うわけですね。中小の市町村が自分で設計をやっていないことが大きな原因じゃないかと思うんです。そうしたら、工事の施工者が設計、工事を一緒にやった方が効率がいいんじゃないか、こういうような問題があるわけですが、その二つについてお願いいたします。
○国務大臣(大塚雄司君) 日米の建設協議につきましては、一九八八年の五月の合意以来、外国企業が我が国の公共事業の入札制度に習熟をしてもらう――この間予算委員会でもお答えをしましたが、十七プロジェクトを指定いたしまして特例措置を決めておるところでございます。今日まで、それらのことにつきまして我々は、発注の基本である指名競争入札の制度を前提としまして、外国企業の審査に当たって外国実績と国内の実績とを同じように評価するとか、あるいはまた長期の見積もり期間を定めるなど、いろいろと対策を講じてまいりました。現在、第七回のレビューをワシントンでやっておりまして、建設経済局長を派遣しているところでございますけれども、日本時間で今晩ごろから本格的な協議に入るようであります。アメリカからは手続の修正等の要望もなされておりますけれども、我々としましては、やはり我が国の入札制度を尊重するという前提に立ちまして適切な対応をしてまいりたい、このように考えております。 二番目の、いわゆる設計・施工分離の原則で今日まで公共工事は行ってきたわけでございますけれども、確かに先生御指摘のように、市町村等におきましては技術者の不足等から設計のチェックが十分でなくて、例えば施工段階で手戻り等が生じているというふうな指摘も、さきの公共事業における入札・契約制度に関する懇談会においても指摘を受けたところでございます。 建設省としましては、従来都道府県ごとに建設技術センター等を設置しまして市町村等における適切な積算の指導をやってまいりました。さる三月二十五日に発表いたしました入札契約制度の改善に関する建設省の対応にもお示しをいたしましたが、市町村等における技術者不足に対応したチェック体制の充実や、適正な設計積算のあり方及び多様な発注方式等について、中期的な課題として検討をいたしたいと考えております。建設技術センターは、昨年、平成二年の十月現在で二十七県に設置しておるわけでございまして、適切に対応してまいりたいと存じます。
○三治重信君 建設省、どうもありがとうございました。 次に、農林水産省にお尋ねします。 米の開放論議はとにかくとして、水田の減反ももう限度に来ているのではないか。しかも米が過剰になろうとしている。こういうときに、水田の減反割り当てを三大都市圏の周辺部に集中して、そういう減反の水田を宅地化する。そして農業振興地域というような農業専業地域の減反を削減して、総合的に米の生産性を高めるようなことと宅地供給とをあわせて国民にアピールするような政策を打ち出してほしいと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(近藤元次君) 今委員御指摘のようなことはかねがねいろんなところからお話がございますし、私どもも、願わくは適地適産の方向であらゆる農業を営んでいくことが将来展望として正しい考え方ではないだろうか、こう判断をいたしておるわけであります。 米の減反問題に触れられても、全国平均では三〇%。そして今、都市周辺ということでありますが、そういう傾斜的な配分で東京では五四%、神奈川四〇%、そして大阪三七%。宮城県のようなところは一九%というようなことで、傾斜的に、その趣旨を体して配分を行っておるわけであります。大体基準を十項目ぐらい設けて都道府県別には配分をいたしておるわけであります。 都道府県内につきましては、それぞれ都道府県の地域性を考えながら、あるいは市町村あるいは農業団体と相談をしながら、県以下の配分については地域の特性を生かして配分をしていただくようなことで進めさせていただいておるわけであります。
○三治重信君 どうもありがとうございました。 次に、労働省にお尋ねいたします。 最近企業の倒産も、いわゆる中小企業では労働力不足が原因ということもニュースでよく論ぜられておるわけなんですが、一般の外国人労働者の輸入について、無技能労働者の輸入は厳禁をしているという方策は了承しているわけなんですが、何とか中小企業の労働力不足対策、あるいはさらに言うと、技能労働力の不足対策ということから考えていくと、私はどうしても外国の若い労働力を計画的に輸入して、そして技術訓練なりなんなりしてでもやはり相当若い労働力を輸入して、また日本にも一部は技能労働力の定着化を図らぬと、とてもじゃないが今の労働力は、十年たつとまあ大体半減するんですよね、青少年が。半減をする。日本の技能労働力というものが供給が半減してそれでやっていけるか。こういうことを中長期的に考えて、労働力政策を、至急対策を講じていただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(小里貞利君) 先生、時間の点もおありのようでございますから、簡潔にお答え申し上げます。 まず、今日、多面的な見地から外国人労働者をどうするか。先生お話しのように、積極的に受け入れてしかるべきではないかというお話もたくさん聞かされるところでございます。しかしながら、先生御承知のとおり、今、我が政府といたしましては、専門技術的な能力あるいは外国人ならではの能力を有する外国人労働者は可能な限り受け入れております。実数におきまして七万五、六千前後、そういう実績を示しておりますことも御承知のとおりでございます。 しかしながら、単純労働者につきましては、これを受け入れる、そしてまた幅を広げていくということにつきましては、功罪それぞれの立場でいろんな議論が展開されておることは御承知のとおりでございまして、さらにまた先進国、特にヨーロッパ等におきまする外国人労働者を、特に単純労働者を過大に取り入れたるがゆえにいろいろな国内問題等も惹起いたしておりますことも御承知いただいておると思います。 なおまた、私ども労働省といたしましては、近年、先生のおっしゃるようないわゆる人手不足感が手伝いまして、そういう要請もあったものですから、外国人労働者が我が国の労働市場に及ぼす影響等についても、専門家の皆様方にお集まりをいただきまして、集中的な相当熱心な御討議をいただきました。その結果におきましてもやはり、要約して申し上げますと、外国人労働者に依存することなく国内の雇用改善、あるいは先生お話しのように若年技能者の養成をもっと集中的にやるべきではないか、こういう指摘がございました。あるいはもう一つは、やはり外国人労働者を入れると社会的コストが過分にかかってくるよと。その社会的コストについて、負担について、本当に是なるのか非なるのか、そのべかりしことべからざることをきちんと論議して、そして一つの国民的コンセンサスを形成することが大事なことではないか。そういうような一つの御注意などもいただいておりまして、非常にその問題についても私どもは決して置き去りにいたしておるつもりではないのでございます。 なおまた、先生お話しの研修制度の問題につきましては、私ども関係省庁におきましてただいま連携をとりながら、これを強化して推進していこうという方向にありますことも申し添えさせていただく次第でございます。
○三治重信君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(及川一夫君) これをもちまして、総括的質疑のうち各省大臣に対する質疑は終了いたしました。 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。 質疑時間等につきましては、理事会において協議し、各質疑者に御通知申し上げましたとおりでございます。 それでは、これより質疑に入りますが、まず私が、各会派のお許しを得て、決算委員長として若干の質疑をいたします。 その第一は、決算審査の促進と内閣の対応についてでございます。 決算の重要性は今さら申し上げるまでもございません。今日ようやく六十二年度の決算につきまして総理を迎え、最終の段階に参りました。六十三年度並びに平成元年度の決算についてはいまだ残っているところでございますが、各党の理事及び委員の皆さんに御協力をいただきまして、六十二年度決算審査の最終段階に参ったわけでございます。しかし、国民の目から見れば、今は平成三年の四月の下旬、何を今ごろ六十二年度決算を審議しているのか、それでは審査結果を予算に反映できないではないかという厳しい批判があることは事実でございます。 その原因はいろいろとあるのでありますが、一つとしては大臣の確保、あるいは法案、予算の優先審議ということで国会運営がなされていること等たくさんあるのでございますが、いずれにしても、この問題に対する責任は国会にも十分あるのでありますが、一方内閣も責任はあるはずでございます。 したがいましてお尋ねしたいのは、総理として、昭和六十三年度、平成元年度の決算が残り、今まさに六十二年度の決算審査が終わろうといたしておりますが、決算の是認というものがなされずに予算だけが先行していく、こういう事態について、予算の執行者である内閣総理大臣として、この事態をいかように受けとめておられるか、まずもってお聞きしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 決算の重要性については、ただいま委員長の指摘されたとおりだと認識をいたしております。 また、政府といたしましても、予算の適正かつ効率的な執行に留意してきておるつもりでありますが、予算編成に当たっても決算の成果を十分に反映させるよう努めておるところであります。 今後とも決算審査の重要性を十分に認識し、その審査についてはできる限りの協力を行うという政府の基本姿勢で対処してまいりたいと、なお一層の努力を続けてまいります。
○委員長(及川一夫君) 次に、解決策の一つとして、私は決算の早期提出を求めたいというふうに思うのであります。 総理も御存じのように、民間では企業の大小にかかわらず決算の承認は絶対であり、決算承認なしに事業計画も人事承認も存在しないことは言うまでもありません。地方議会においても、通常、予算審議の前に決算の審議が行われ、承認があって初めて予算の審議になるのであります。この立場から見て私どもは、先ほど指摘をした問題点の解決のためにはまずもって決算の早期提出、つまり、現在九カ月かかって決算が内閣から国会に提出をされるわけでございますが、この九カ月という期間を短縮をすることが私は極めて重要ではないかと思っております。大蔵省に直接御相談をしましたが、首をかしげているような状況でございますけれども、しかしこれはあくまでも今日の財政法、会計法の立場をとって、短縮することができないという言い分だと私は思っております。しかし内容的に見てみますと、この今の財政法、会計法の前提は、そろばん中心、あるいは大八車で会計簿を大蔵省に持ち込み、そして作業をするといった大正時代のものそのものが九カ月という形であらわれていると私は思わざるを得ないのであります。したがって、決算の仕方を月ごとにするとか、端数処理を工夫するとか、あるいはコンピューターによる決算処理をするとか、工夫を加えれば、今日の事務処理の発展の状況から見ても可能だと私は思うのでありますけれども、この点、総理大臣として、決算の重要性と、決算の審査を充実させる、審議を促進する、こういう意味合いから、決算書の早期提出の問題について、短縮という意味合いを含めて対応できないかどうか、総理のお考えをお聞きしたいと存じます。
○国務大臣(海部俊樹君) 決算書を国会に御提出することについて、従来からできるだけ早期に御提出するよう努力をしてきたところでありますし、また、そのために必要な手続である内閣から検査院への送付は、法律では翌年の十一月三十日までとなっておりますが、従来からこれを一カ月半ほど繰り上げて、十月中旬には送付をしてきておるところでございます。 決算業務の適正化あるいは現代の要請に応じたものにしていくという努力は行っておるところでありますが、決算の国会提出時期にはおのずから限度がありますけれども、ただいまの委員長の御意向等も踏まえ、今後とも早期提出について工夫を凝らして政府としての努力も続けてまいる考えでございます。
○委員長(及川一夫君) 次の質問は、昭和六十一年度決算の否認という事態に対する政治的責任の問題でございます。 六十二年度はこれから採決に付される状況にございますが、いずれにしても、決算の否決という事態に政治的責任をどのように果たすのか、ここが問われているように思います。今日まで大蔵大臣の辞任とか主計局長の更迭などということがあったとは聞いていません。したがって、海部内閣総理大臣の立場で、決算否認というものに対する政治責任の問題についてのお考えをお聞きしたいと存じます。
○国務大臣(海部俊樹君) 六十一年度の決算につきまして、衆議院では御理解を得られましたが参議院では御理解を得られなかったことにつきまして、まことに遺憾なことであったと受けとめております。 政府といたしましては、国会の御審議、御指摘を踏まえ、今後とも予算の適正かつ効率的な執行に努めて、国会の御理解をいただけるように適切に対処してまいりたいと考えております。
○委員長(及川一夫君) 次の問題点として、予備費支出の事前協議の問題でございます。 湾岸問題に関連をして政府は約百三十億ドルの支出をいたしておりますが、そのうち十億ドルは予備費支出ということになっております。 予備費の支出問題についても、その審査は決算委員会の担当ということになっているのでありますが、この十億ドルを予備費から支出することについてなぜ決算委員会などに相談がなかったのだろうか、一つの疑問を持ちます。憲法八十三条から見ても疑問を持つのであります。災害などはあらかじめ予備費の中に一応の想定がなされているにもかかわらず、災害が発生した場合には災害対策特別委員会で協議をした上に予備費の支出行為を行っている実態もあわせて考えますと、十億ドル、つまり予備費のおおむね半分程度になる額、その支出について、決算委員会ないしは決算理事会等に全く御相談がなかったという点については大きな疑問を持つのでありますが、この点は総理大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 予備費につきましては、その対象が政策的な経費でありましても、予見しがたい予算の不足に充てるとの要件で法律上内閣の責任において使用することが認められておるものでございます。ただいま御指摘をいただきました湾岸における平和回復活動に対する協力につきましては、この予備費の要件に該当し、また可及的速やかに国際社会における我が国の地位にふさわしい貢献を行う必要があったことから、国会の議決をいただいた予備費の金額の範囲内で手当てすることといたしたものであります。 政府といたしましては、予備費の適正な使用について常に留意しておりますが、今後とも適切に対処してまいる考えでおります。
○委員長(及川一夫君) 時間の関係もあって、なかなかやりとりが難しいのでございますけれども、今の御答弁はちょっと私の立場から質問したことには直接答えておられないように思いますが、後ほど各党の皆さんの御質問もあるようでありますから、その中でただしてまいりたいというふうに思います。 次に、脱税の防止について簡単に御意見を伺っておきたいと思います。 六十二年度では四百六十六事項、十一億円を超える金額の指摘が脱税としてなされています。いわゆる脱税白書によれば、悪質な不正事犯が百七十二件告発され、発見された全体の所得隠しは八百八十億円、重加算税を含めた脱税総額は六百三十九億円に上っております。しかも、理由が所得隠しということが極めて多いということを考えますと、税金を納める立場にある国民全体の考えからいえば、こうした不当なやり方に対しては厳しく追及されるべきだと私は思います。 そういう立場に立つのですが、総理大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 納税者の大部分は適正に納税していただいているものと認識をいたしておりますが、お触れになりましたような悪質な脱税事案に対しましては、重加算税の賦課、検察官への告発など、厳正に対処しているところであります。 今後とも脱税のない社会の実現に向けて、一層の努力をしてまいりたいと考えております。
○委員長(及川一夫君) 次に、情報収集に関連をいたしまして、外務省の体制強化、在外公館における体制強化の問題について質問いたします。 急転を続けた湾岸情勢への政府の対応には、少なくとも国内には多くの批判があり、日本外交の弱さを世界に露呈したものと言われています。外交は正確な情報を迅速に入手し、相手国の動静や意図を的確に分析することが基本となります。第三次行革審も在外公館の情報収集に焦点を当て、日本外交のあり方をテーマに取り上げていると言われています。 そこでお聞きしたいのは、我が国の外務省を中心にした情報収集体制、他国に比較して量的、質的にも強化をしなければならないと、私は数字の上からも明確に言えるのではないかというふうに思いますが、その数字は総理大臣自身御承知のはずでございます。体制的には、各国に比較をしておおよそ半分の人員でもって収集活動をやっている、外交活動をやっているというふうに私は認識をしているのですが、外務省を中心にしたこの情報収集体制強化について、内閣総理大臣としてのお考えをお聞きしたい。
○国務大臣(海部俊樹君) 外交実施体制の問題につきましては、各国との数を比較いたしますと、日本の外交官は一人一人がそれぞれ幅広く多くの責任を果たしながらよく頑張ってくれておるということを私はしみじみ感じます。しかし、物にはおのずから限度というものもございますので、私どもはこの数年間外交の重要性がますます増大しておることにかんがみて特段の配慮を行ってきたところでありますが、新たな創意をもって外交実施体制を整備しつつ、積極的な外交を展開することが必要であると認識をいたしております。 御指摘をいただいたその点を十分に踏まえて、今後とも体制の整備には十分政府として配慮してまいりたいと考えております。
○委員長(及川一夫君) 最後になりますが、原子力船「むつ」についてお伺いいたします。 「むつ」は、去る二月十四日運輸省の船舶検査合格証書の交付を受け、二月二十五日最後の実験航海のため関根浜を出港いたしました。「むつ」の経過を振り返ると、昭和三十八年の開発計画では、四十四年に実験航海を開始する予定でありました。しかし、出力上昇試験では放射線、通信機器等のトラブルが相次ぎ、さらに再三にわたる地元の母港拒否もあり、二十二年の大幅おくれでようやく実験航海となったのであります。このため、開発費は当初計画百四十億円に比較して七、八倍に膨らみ、今日までの総投資額は千百億円以上となっているのであります。 このように長期にわたり巨額を費やした背景として、計画策定に当たっての安易さや計画遂行に当たっての見通しの甘さ、母港問題等の地元対策の政治判断の誤り等が指摘できるのであります。「むつ」は史上まれなむだ遣いであり、国の決算面からもこのプロジェクトを進めた政府の責任は重大だと私は考えます。 かかる事態を繰り返さないために、政府は「むつ」について厳正に総括する必要があると思いますが、総理の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 原子力船「むつ」につきましては、昭和四十九年の放射線漏れ後の修理及び新定係港の確保のため開発計画の遅延を見ましたことは、まことに遺憾でありました。しかしながら、世界有数の造船海運国である我が国は、将来に備えて原子力船に関する技術、知見の蓄積、涵養を図ることが重要であり、このため政府としては「むつ」による研究開発の推進に最大限の努力を払ってきたところでございます。 「むつ」は本年二月に原子力船として完成し、現在、最終段階である実験航海を実施しているところでありますが、今後とも万全の体制で実験航海を実施し、「むつ」の所期の目的を達成することが政府としての責務であると認識をいたしております。
○委員長(及川一夫君) 以上で私の質疑は終わります。 それでは、質疑を続けてまいります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○千葉景子君 海部総理大臣、日ソ首脳会談につきましては大変精力的に頑張っていただきまして、お疲れさまでございました。この会談につきまして二、三お尋ねをさせていただきたいと思います。 今回のゴルバチョフ大統領と海部総理の一連の首脳会談では、今後日ソ間でより一層友好関係を増進をしていく、そして平和条約締結を目指して協議を継続していこうと、こういう点などが合意をされたところでございます。しかしながら、参議院の決議にもございますし、多くの国民の期待でもございました領土問題については、具体的な解決というところには至りませんでした。これについては、日本側としては一九五六年の日ソ共同宣言をきちっと再確認した上で、少なくとも残りの国後、択捉に対する主権を認めてもらう。そして歯舞、色丹返還を具体化をするというところが目標ではなかったかと思いますけれども、一気にそこまでいくことは難しい状況でございました。これはなかなか外交の難しさということもございましょうし、やはりソ連の内政状況などを背景にしてみますと、これまで会談前の読みの甘さもやはりあったのではないかと言わざるを得ないところでもございます。 しかしながら、この北方の四島の問題が残っているということが確認されたということは一応の確認点かと思いますが、しかし歯舞、色丹の引き渡しを認めた一九五六年の日ソ共同宣言の内容については大変玉虫色のような形でどちらにもとれるような共同声明の文章でもございます。共同声明後の記者会見などをお聞きしましても、大統領とそして海部総理との認識に、やはり若干の食い違いがあるのではないか。こうなってきますと、今後日ソ間で交渉を続ける際にもその前提が大変相互で食い違ってくるというようなことにもなりかねない。一歩後退をしてしまったのかとも危惧されるところもあるわけでございます。 そこでやはり、今後の交渉を進めるに当たって、この一九五六年の日ソ共同宣言について、一体海部総理としてはこの会談の中でどういう相互の認識がされたのか、そこをどう考えていらっしゃるのか、ここを確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) ソ連の元首が訪日されるということは歴史上初めてのことでございましたし、また、日本とソ連の間に安定的な信頼に基づいた友好関係を確立するためには、どうしても領土問題を解決して平和条約を締結しなければならない。これに対して、日ソの関係を質的に変えていきたい、私はそういう強い気持ちをもって日ソの首脳会談に臨んだわけであります。そして、国会でも御決議をいただきましたように、日本側の持っております領土問題の大前提は四つの島の返還であり、それに基づいて平和条約を締結することである、この基本的立場を私も十分に踏まえまして交渉をいたしました。 具体にお触れになりました一九五六年の日ソ共同宣言は、当時日ソ両国によって批准され、発効した日ソ間の条約であります。ソ連が一方的な通告によって条約に基づく義務から免れることができないことはこれは国際法上の当然のことでありまして、したがってソ連は、同宣言第九項に規定された、我が国に対して歯舞、色丹両島を引き渡す義務に依然拘束されていると考えます。今次日ソ共同声明においては、第四項第四パラグラフの、日ソ両国が「戦争状態の終了及び外交関係の回復を共同で宣言した千九百五十六年以来長年にわたって二国間交渉を通じて蓄積されたすべての肯定的要素」という表現の中に、一九五六年の日ソ共同宣言は当然に含まれていると考えており、また私も、ソ連側に対してそのことを明確に申し述べたつもりでおります。しかし御指摘のようなことになるとすれば、――私は法律論とか本質論に照らしてこのことを強く主張をいたしました。共同声明の前提には、その項の冒頭には歯舞、色丹、国後、択捉の帰属についての問題がきちっと、「領土画定の問題」として明記もされたわけでありますから、四島返還という基本原則に従ってこれからも粘り強く、誠意を持って交渉に当たっていかなければならぬと考えております。 御指摘の記者会見の問題につきましても、私は日本側の主張を申し述べ、私としてはこれは含まれておるもの、こういう認識を申し上げました。同時に、ソ連の方がこのことについて否定はしなかったわけです。けれども、おっしゃるよう明確な確認もされなかったわけであります。このことは――これから先は推測になりますけれども、ソ連の国内事情というもの等もあって、今回ここで明確に書くことをしなかったというふうに私は受けとめております。 いずれにしましても、四島の問題をめぐる平和条約交渉は加速化しなければならぬというところで両首脳で一致しておりますから、今後ともこの原則的立場を踏まえて努力をしていく決意でございます。
○千葉景子君 ぜひそこに両者の共同した認識が成り立ちますように、よろしくお願いをいたします。 さて、具体的な領土問題は進展ができなかったところでございますけれども、評価できる点も多々ございます。今回もソ連側から、これらの諸島に配置されたソ連の軍事力の削減に関する提案もございましたし、また無査証の枠組みについての提案などもございました。これはこれからのアジア・太平洋地域の軍縮、平和、こういうものに貢献するという意味からも大変歓迎すべきことであろうというふうに思います。そういう意味では、これに日本としても積極的なまた日本側としての対応もこれから講じていく必要があろうかというふうに思いますけれども、これらの提案につきまして今後協議を続けていくということでございますが、海部総理としての取り組み、方向、それについてお尋ねをさせていただきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 今回の会談で、アジア・太平洋地域の問題の議論の中で、北方四島における軍事力の削減ということをゴルバチョフ大統領が言われました。私はそのときに、我が方が強く求めたいのは撤退でありますから、撤退をしてもらうと非常にいいということも言ったのでありますが、結局ソ連側としては、削減に関する措置を近い将来とるという旨の提案を書き込むがどうか、こういうことでございました。私は、アジア・太平洋地域の緊張を緩和していくためにはいろいろ必要な問題があり、またこういったことはソ連側が具体的にいかなる時期にいかなる措置をとって削減をしてくれるかということもこれは明らかでございませんでしたので、その御提案を受け入れて、今後引き続いてこれらの問題について話し合いを続けていくということを申し上げたわけであります。 いずれにしても、我が国としては基本的に北方四島の主権を確認をし、北方四島の返還を求めるという立場で始めた交渉でございましたので、削減の方向性はそれはそれとして歓迎しつつも、やはりできれば撤退をしてもらいたい。四島からは全部撤退されることをこちらは非常に望んでおるんだという私の考え方も率直に伝えたところでございます。 引き続いて話し合いをしていくつもりであります。
○千葉景子君 抑留者の問題につきましても具体的な提案もございました。これについては今後実施がされていくということだと思いますけれども、具体的な方向性、めどなどについては、御見解ございますでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 抑留者の問題につきましては、会談の冒頭に私から、ハバロフスクの抑留されて亡くなられた日本人墓地に花輪をささげてこられた、そしてそれは哀悼の意を表明する行為だと言われたことについては、私も、歴史のわだかまりを解くためにそのような行動をされたという、歴史の見直しをされたということ、それを評価いたします、こう申し上げましたし、また、ソ連政府からは、抑留者の名簿の一部と思いますが、最終日の文書の調印のときに引き渡しを受けました。 今後も、人道上の見地から早期に解決すべきとの立場であり、ソ連政府に抑留者の問題については全部話してきたわけでありますけれども、基本的枠組みについての協定が今回調印され、また先ほど名簿のことを申し上げましたが、埋葬されている墓地の資料の提供もあったところでありますが、これまで必ずしも順調に処理されてこなかった抑留中死亡者問題の解決に向けて前進があったものと私は受けとめております。 これを機会に、関係遺族の御心情を踏まえて本問題の解決に向けてさらに真剣に取り組んでいきたいと思っております。
○千葉景子君 ほかにもお聞きをしたい点はございますけれども、時間の関係もあります。今後も友好関係をより積極的に増進をしていく、そしてまたその中で相互理解を深めていくという、そういう積み重ねが必要であろうというふうに思います。経済支援などについても、今回は難しい点もあったかと思いますが、いろいろな技術援助の問題などもお取り決めが行われました。今後の長期的な展望、総理のこれから先の日ソ関係についての展望などございましたらお聞きしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) ただいま、いろいろな立場でソ連の調査団を迎え入れたり、あるいはこちらから専門家を派遣したりしておりますのも、ソ連のペレストロイカを成功させるための日本としてのできる限りの技術的支援である、これはもう順次行っておることは御承知のとおりでございますし、また、人道的支援の立場でチェルノブイリ原発事故用の医薬品、機器とかあるいは食糧支援とか、その他いろいろな幅広い日ソ関係というものが行われておることも御承知のとおりと思います。また、貿易、経済に関しましても、貿易開始以来基本的には拡大傾向を続けており、また、合弁事業も三十余件、数は少ないんですが着実な活動を行っております。 こういったことから、今後文化とか人的交流とかいろいろなことを拡大均衡の基本に従って行っていくつもりでありますけれども、今次会談における話し合いで一番大事な政治的な基本的な安定関係をつくり出すためには、領土問題を片づけて平和条約を締結するということがあらゆる可能性をさらにダイナミックに発展させていく必要な入り口になる、こう思っておりますから、今後とも四島返還による平和条約の締結ということを原則として、ソ連と引き続き交渉を続けていきたい、一日も早くここに新しい関係を樹立したい、こう念願いたしております。
○千葉景子君 それでは、ちょっと別な問題に移らせていただきたいと思います。 一九七五年国際婦人年以降、女性の地位の向上、権利の拡大、これについては国の内外を通じまして国際機関、そして政府、民間団体、いろいろな角度からその実行が進められているところでございます。我が国におきましても、総理の諮問機関でございます婦人問題企画推進有識者会議、ここが一九八七年に、昭和六十二年ということになりますが、意見を提起をいたしまして、そしてまた今回、前回の意見に続きまして、六十二年の基本を維持はしながらも、新しい観点に立って、積極的な行動の必要性を指摘した意見を出しているところでございます。これには大変盛りだくさんの内容が含まれておりますけれども、特に一九九〇年代においては世界的にも女性の地位の向上、それについての実施のペースを速めるということが求められておりまして、この意見もそれを受けてより一層、これまでより積極的な施策を講ずる必要性を指摘しているところでございます。 この「変革と行動のための五年」と、こういう意見でございますけれども、総理としては、この意見を受けられましてどのようにお考えになっていらっしゃるか、まず、基本的な御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 去る四月十日でございましたが、私は婦人問題企画推進有識者会議に参りまして、今後五年間に取り組むべき重点課題につき、貴重な御意見を承ってまいりました。推進本部といたしましては、このいただきました意見を尊重しつつ、できるだけ早い時期に、今後五年間に講ずべき具体的施策を中心に、昭和六十二年に策定されました新国内行動計画の改定を行っていきたいと考えております。 そして、あらゆる分野での男女の共同参画の推進と同時に、国の審議会等で女性の委員の皆様にも御活躍をいただくということ、国際協力の中で開発と女性問題についての取り組みをしていくということ、そういったようなこと等について、ただいま鋭意努力を続けておるところであります。
○千葉景子君 ぜひこれまで以上に積極的な取り組みをお願いしたいと思います。 今総理の御発言の中にも触れていただいておりました審議会の問題ですが、これなども、政策・方針決定への女性の参画という意味では大変重要な問題でございます。昨日初めて女性の市長さんが新しく誕生されたということもございますけれども、本来ならば、国内行動計画では平成二年の末までに一〇%、二〇〇〇年には一五%まで女性の参加というものを実現をしていこうということでございましたが、平成二年度でまだ八・二%と、そういう統計もございます。そういう意味ではもっともっとこれは積極的な取り組みを講じていただく必要がございますけれども、具体的な計画などがございますればお話しいただきたいというふうに思います。 それから、もう一点でございますが、この中で、最近の結婚や家庭、家族、そういうものの役割の変化、あるいは意識の変化などの中で、夫婦の別姓を検討すべきであるという指摘などもございます。これは法制審議会などでもこの問題が既に取り上げられ始めているところでございまして、こういうものはなかなか普通考えにくい問題ですけれども、二九・八%の人がこれは入れてもいいのではないか、都市部の女性になりますと四九・六%という約半数の方が別姓の制度を選択的に採用することも必要ではないか、こういうことも調査などで出ているところでございます。 これらの点などについて、ぜひ総理の積極的な働きかけをお願いしたいところでございますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 前半の御質問の、審議会の御婦人の数をふやすということは、御指摘のとおりの努力目標でございまして、おっしゃったようにただいまのところ八・二%でございます。けれども、毎年毎年努力をいたしてまいりまして、一%ずつ着実に上がってきたという経緯もございましたから、このことにつきましては引き続き努力を続けていきたいと考えております。 また、後半の夫婦別姓の問題等につきましては、そういったことを求める声があるということは私もよく耳にするところでありますが、国民世論の動向を踏まえて慎重に対応すべき問題と考え、現在、法制審議会において婚姻及び離婚に関する民法の規定全般の見直し作業が進められているとのことであります。当面はその審議を見守る考えてありますけれども、世論の動向を踏まえながら考えていかなければならないテーマであると受けとめております。
○千葉景子君 その他にもさまざまな問題がございますけれども、やはりこういうものを総合的に取り組むに当たりましてはナショナルマシーナリー、いわゆる国内本部機構というものの重要性というものが指摘をされているところでございます。これまでも本部を中心に取り組みをされているところでございますけれども、より一層こういう総合的な取り組みのできる機構を強化していただきたいというふうに思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) これにつきましては、私は男女の出会いと家庭生活というものは極めて厳粛に考えなきゃならない大切なものだと受けとめておりますので、その中においてこういった別姓の御議論がどんどん進んでくるということになれば、それは受けとめて、それぞれのお考えを認めていくような方法にもなろうかと思いますが、いずれにしましても、ただいま詳しい専門家の間で御論議も願っておるテーマだと思いますので、私はその成り行きを注意深く見詰めさせていただいていこうと思っております。
○千葉景子君 ちょっと趣旨に外れたような気がいたしますけれども、いずれにしても、今後二〇〇〇年に向けましてぜひより一層の御努力をお願いをしたいというふうに思います。 それでは次に、部落開放、同和問題について二、三お尋ねをしたいというふうに思います。 これは、一九六五年に同和対策審議会答申が出された以降、国、地方自治体などによりまして長年の努力が重ねられてきております。その点については私も十分に認識をさせていただいているところでございますけれども、これからより一層、これは国のやはり人権の基本的な課題でもございますし、この答申からもありますように、やはり国民的な最重要課題の一つでもございます。そういう意味で、まず今後もやはり基本的に実態をきちっと把握されたその認識の上に立った施策を講じていただきたいというふうに思いますので、二、三確認をさせていただきたいというふうに思います。 まず、いろいろなハードの面ですね。住宅、道路、こういうような改善の面についてはそれが大分進んできているというところは私も十分理解をしているところでございますけれども、実際にその改善状況というのはどんな実態にあるか、総理としてはどのように認識なさっていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) いわゆる同和問題に関しましては、憲法に保障された基本的人権にかかわる重要な問題である、こういう認識のもとに、今御指摘のように、政府としては昭和四十四年以来二十年余りにわたって三たび特別措置法に基づき今日まで関係諸施策の推進に努めて一定の成果を上げてきたところであります。 最終の特別法である現行法が失効する平成四年四月以降の方策については、地域改善対策協議会において一般対策への円滑な移行について審議されておりますので、その御意見を尊重し、検討してまいりたいと考えております。 なお、御指摘のようにハードの問題等につきましてはきょうまでもできる限りの努力を続けてまいりました。今後ともこういった考え方に立って、この仕事がきちっと円滑に移行されていくようにしなければならないと考えております。
○千葉景子君 まあ総理に直接にどのような部分を見ていただいているかわかりませんけれども、私の認識からしますと、やはりこれは財特法からも千近くの地区が指定事業対象から排除をされている、あるいは対象地区においてもその改善というのはまだまだ不十分であるというのが私は実態であろうというふうに認識をしているところでございます。そういう点、ぜひもう一度再確認をしていただきたいというふうに思います。 そしてさらに重要な点は、教育とか労働、生活、就労、こういう面についての実態をどのように把握をされていらっしゃるかということかと思います。その点について、総理としてはどんな御認識をお持ちであるか、御存じであればお聞かせをいただきたいと思います。
○説明員(萩原昇君) 総務庁の地域改善対策室長でございます。 地域改善対策事業の物的な側面につきましては、先ほど総理から御答弁ありましたように、かなりの改善を見ておるということでございまして、これは地域改善対策協議会の意見具申あるいは最近におきます会長談話というものの中でもこういうふうに申しております。 同対審答申で指摘された同和地区の生活環境等の劣悪な実態は、大きく改善をみ、同和地区と一般地域との格差は、全般的には相当程度是正され、また心理的差別についてもその解消が進み、その成果は、全体的には着実に進展をみている。 こういうことでございます。しかし、物的なものに比べまして心理的な差別、御質問にもありました就職あるいは教育、ソフト面と申しますか、こういうところには課題がなお残っておるというふうに考えております。 政府といたしまして、これまでもこういうソフト面につきましての事業についても力を入れてまいったわけでございますけれども、今後とも人権尊重の立場で啓発等の活動を粘り強く推進してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○千葉景子君 今、心理的な差別についても啓発を進めていくということでございます。それはもうもちろん当然のことでございますけれども、これは審議会答申にもございますように、やはり心理的なものというのは実態的なものが作用している。そしてまた心理的なものも実態的なところに作用するという、そういう相互関係になっているということはもう御承知と思いますし、これまでの質疑などの中で総務庁長官もこの点についてはそのとおりだという御理解をいただいているところでもございます。 そういう意味では、やはり今後も実態的な部分、これはハードの面もソフトの面も当然でございますけれども、そこを改めて、きちっと調査、認識をいただいて、そしてそこから本当の意味でのそれぞれの人権が、そして平等な人間らしい生活ができるような取り組みを講じていく必要があろうと思います。単に啓発と言っているだけではこれはきちっとした対応がとれないというふうに私は思いますが、これらの面をもう一度再認識をいただきまして、この問題はやはり政府一体として取り組むべき重要課題だというふうに思いますので、総理にも、ぜひ今後ともそういう観点に立った取り組みを行っていただきますように、一言お願いをさせていただきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 最初に申し上げましたとおり、これは憲法に関する、基本的人権にかかわる重要な問題であると認識をいたしておりますので、ただ単にハードの面のみでなく、やっぱり大切なことは人の心の中にそういった基本的人権を大切にする、こういう大原則をきちっと踏まえていかなければならぬということでありますから、ソフト面についてもさらに政府も一丸となって徹底をさせていくべき問題である、このように受けとめ、そのような努力をしていくつもりでございます。
○種田誠君 私は、実は千葉理事さんに十分間だけ時間をいただきました。と申すのも、一昨年国会に送っていただいて、その決算委員会において幾つかの質疑などをしてきたわけでありますが、この時点でぜひ内閣総理大臣に、決算審議のあり方、そしてまた会計検査院のこれからの課題などについて理解を示していただきたい、そういうことで時間をいただいたような次第であります。 先ほど、決算に関する総理の考え方などについては委員長質問にもありましたが、御承知のように今昭和六十二年度の決算が審議されているわけであります。平成三年度の予算をつくられるに当たって、総理が申されるように、決算や決算審議の結果を予算に反映してきたと、こう言うならば、結果的には、昭和六十一年度の決算や決算審議の内容を平成三年度の予算に反映した、こういうふうにならざるを得ないわけであります。そういう意味で、こういう状態では、この非常に時の速い時代に、四、五年前の決算をもとに、予算に反映させて体系化するというのは、余りにも決算が形式化されておるし、総理の述べる言葉も非常にむなしく聞こえてしまうわけであります。 そういう意味で、総理の決算に対する基本的な考え方、そして今日の状況に関してどのような御見解を持っておるか、それを改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、決算は予算の執行の実績でありますから、国会においてその審査は、予算の執行が所期の目的を果たしているかどうか、それらについて審査、検討されるもので、極めて重要なものと認識をいたしております。 政府といたしましては、従来から決算に関する国会の審議、議決等にかんがみ、予算の適正かつ効率的な執行に留意をいたしてきてはおりますが、また、予算編成に当たっても、決算の成果を十分反映させるよう努めてきているところであります。 御指摘の御意向等も踏まえて、今後ともそのような点には十分意を配って努力をしていきたいと考えます。
○種田誠君 昭和六十二年度の決算を見ましても、実は会計検査院からの指摘で二百九件、百七億円余のむだ遣いなども、これはしばらく前の新聞等に報道されているとおりでありますが、このことについても実はかつて土光さんが、会計検査院の直接の審査というのは八%ぐらいだ、それでもこの数百億円というむだ遣いなどが出ておるので、これが一〇〇%的確な検査ができたらば増税など要らないんじゃないか、こういうことを発言されたというふうなことを聞いたことがあるわけなんですが、そういう形で年々こういうことが続いておる。この辺で会計検査院の機構改革なども含めてあり方なども考えなきゃならないだろう。もちろんこれは会計検査院みずからが本来行っていかなきゃならないことでありますが、これはやはり総理の会計検査のあり方に関する基本的な考え方に大きく依拠すると思うわけです。 そういう意味で、今日会計検査院の充実を図るためには、検査官のいわゆる交流を、各省庁との交流を図って専門的な知識を身につけさせていただくとか、さらには予算も、どうも極めて少ない予算の中で、限られた人数で、対象省庁を前にしてこの何と四万件の検査をしているというわけですね。これで果たして会計検査院が十二分にこれらの目的を達成するような機能を果たしているのかどうか。これからまさに複雑化していく会計検査に関して、これで取り組めるのかどうか。その辺のところに関する総理大臣の見解などをいただきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御承知のとおり、会計検査院は内閣から独立した機関としての立場から、検査体制の充実強化に努める必要があるという御指摘は私も率直に受けとめさせていただきます。 この点から、定員、予算の確保についても内閣は十分配慮してきているところでありますが、会計検査院の予算については、検査要員に対する高度の研修経費、検査資料情報の収集管理等の検査の充実強化などの経費、コンピューター等を利用した充実経費などを計上しているところであります。 また、定員につきましては、昭和五十年以来、ほぼ毎年一名ないし二名程度の増員を図ってきており、これにより実地検査の施行率も徐々にではありますが上昇しているものと承知をいたしております。 いずれにいたしましても、昨今の厳しい財政事情のもとで、予算、定員等について充実を図っておりますので、今後とも会計検査機能の充実に配慮をしていかなければならないと考えております。
○種田誠君 さらに、これは本来国会の問題であろうかとも思われるんですが、やはりこれについても総理の基本的な考え方、このことがこれからの決算審議などにも大きく影響するだろうと思われますので、ぜひお伺いをしたいところであります。 聞くところによりますと、私どもよく決算部会を開くんですが、衆議院の決算委員会に行きますとほとんど出席者がいないんだというような話も聞いております。非常にむなしく、形式化されて決算委員会が進められておると。そういう形で、何か決算委員会というものが予算委員会と比較してその二番せんじのような形で位置づけられているのではないだろうか、こういうようなこともちまたにも言われているところであります。 そういう中で、私は先ほど来総理が言っておられるように決算が、これからますます厳しい財政の中でいかに効率よく、しかもいかに経済的に予算を執行していくかということに関しては、極めて重要な機関になってくると思うんです。そうした場合、何としてもこの決算委員会、これは閉会後も私たちは一年間を通して審議をさせられているわけでありますから、やはりこの委員会こそ花形委員会として充実し、十分な機能を果たす必要があると思うんです。そういう意味で、まずこの決算委員会に私はテレビ中継をぜひ実現すべきではないだろうかと思いますので、その点ひとつ御提案申し上げます。 それからもう一つ、やはり年間を通して決算を審議してもらうといっても、昨年の十二月に審議をしましてから、また今六十二年度の審議をするわけですね。私ども、昨年の十二月に勉強して、今審議しようと思ってももう一度ゼロからやり直さなきゃならないわけであります。意気込みも異なってまいります。また審議の中身も異なってくると思うんです。そういう意味で、二つ目には、決算委員会の審議を、毎年一月末の予算委員会が始まる前の十日間ぐらいに集中して決算審議をやる、そしてそれが終わってから予算審議に入ってもらうという、こういう仕組みをこれからつくり上げていくことが私は極めて有用なのではないだろうかと思うわけであります。そういう意味で、これは本来国会の任務かもわかりませんが、総理としてのお考えなども伺いたいと思います。 その二点お願い申し上げます。
○国務大臣(海部俊樹君) 御意見、謹んで拝聴いたしました。 衆議院の方でも多くの委員の方がいろんな角度から御質問をいただき、政府もそれに真剣にお答えをしてきておるつもりでおります。 なお、最初の御提案の問題、テレビ中継の話は、私も議院運営委員長という仕事をさせていただきましたが、各党の代表がお集まりになる議院運営委員会で御議論をし、お決めになるべき院の問題でございまして、政府としてここでとやかく意見を申し上げることは、これは差し控えさせていただくべき問題だろう、こう思います。 また、なるべく早く提出をして御議論を賜るようにしろと、これにつきましても、どうぞいろいろな角度から各党間でお話しを賜れば、政府としては決算の御審議については、最初にも申し上げたように最大限の御協力をしていかなければならぬという基本的な立場を踏まえて対処をしてきたつもりでございます。
○種田誠君 終わります。
○会田長栄君 会田であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。 まず、質問に入る前に、総理に一言お願いを申し上げておきます。 ソ連のゴルバチョフ大統領を迎えての日ソ首脳交渉に尽力されました総理には、心から敬意を表します。とかく今回の首脳交渉を成功か不成功かと多くの論評がなされていることも事実でありますが、私は、戦後四十六年の不幸な日ソ関係、まことに今日まで我が国の外交の中にあっては多くの重要な課題であったことは間違いございません。その意味では、日本とソ連の首脳による本格的な首脳交渉が展開できたこと、まさしく今日の国際的関係の中にあって日ソが新しく扉を開いた、歴史的な一ページを開いたというところは私も強く認識をしているところでございます。どうぞ今後とも外交に当たって、今回の首脳交渉のように原則を大事にして取り組んでほしいということでございます。 とりわけ原則を大事にしながら、的確な情勢判断と柔軟な対応を方針として今後進めてもらいたいということでございます。そして、ソ連との平和条約が一日も早く締結されるように御尽力をお願いしておきたい、こう思います。今日は、日ソ関係に限らず国際政治の関係で日本の立場や考え方というものを、外交に当たってその原則をきちっと示して、情勢を判断しながら柔軟に対応するということでは非常に大事な時期に来ているものと、こう思いますから、まずこのことを最初にお願い申し上げておきます。 さて、私はきょう総理にお尋ねするのは、一つは、今日地方自治体、いわゆる都道府県、市町村が政府に対してどのような要望なり政策的要求を持っているかということを大事にしなければいけない、こう思っているんです。そこで総理が、地方自治体が今日中央政府に政策的にも制度的にもあるいは生活的にもどのような要望が出ているか、その点についてどう把握しているかということについて御所見を、まず第一に承りたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 最初に、御激励を賜りましてありがとうございました。御指示のとおり、私も原則を踏まえて一日も早く真に日ソの安定的な関係ができ上がるように、領土問題、平和条約の解決に全力を挙げてまいりたいと思っております。ありがとうございました。 また、御質問についてでございますが、私は、地方自治というものが民主政治の基盤であり内政のかなめであると受けとめております。近時の社会経済情勢の変化に対応しながら住民福祉の向上を図るためには、地方公共団体の自主性、自律性の強化を図ることが必要であります。 このような観点から、地方自治の充実発展に努力をしていかなければならないと考えており、地方公共団体が地域の特性を踏まえて、それぞれに地域の実情に即した行政を進めておられることはよく承知しておりますが、今後とも行政が進められるために、地方公共団体との間では十分に自主性、自律性を踏まえた話し合いを政府は進めていかなければならない、このように受けとめております。
○会田長栄君 それでは、私が把握している範囲で、幾つか見解をお聞きしたい、こう思います。 その一つは、今地方自治体から切実な声として出ているのは、許認可権限の委譲をもっと精力的に、具体的に進めてほしいという声であります。この点についてはどういう見解をお持ちですか。
○国務大臣(海部俊樹君) ただいま御指摘の、許認可権限を地方へもっと委譲をしろというお話でございますが、国と地方を通ずる行政の簡素化、合理化及び地方自治の尊重の観点から、住民に身近な行政は住民に身近な地方公共団体が処理できるよう、臨調答申等に沿って権限委譲に努めてきたところであります。 平成元年十二月に第二次行革審が「国と地方の関係等に関する答申」を取りまとめ、地域活性化を図るなど幅広い観点から四十七項目の、権限委譲など国と地方の関係について各般の改革方策を提言されました。 政府は、この答申を最大限に尊重し、直ちにその実施方針として改革推進要綱を閣議で決定をし、関係法律の一部改正を一括法案として取りまとめ、今国会に御提案しているところでございます。要綱の「基本的方針」に従って、国から地方への権限委譲等に努めてまいる所存でおります。
○会田長栄君 それでは、二つ目にお聞きいたします。 私から言わせれば、地方公共団体は、総理がおっしゃるように民主政治の基盤である。だから自主性、自律性、これを基本に活性化を図らなければいけない、こうおっしゃいますが、実は、今の政治の流れというのは補助金行政というものが中心になっておる。何をやるにしても補助金。国は三分の一、二分の一、四分の一、三分の二、あとは各地方自治体でやりなさい。そして、この補助金行政と同時に必ず政府が実施要綱をつくります。この実施要綱に基づいて政策が進められます、地方自治体で。だからどこに行っても画一的なものだけができ上がっていくという状況になっていて、何とか柔軟性のある、創造性のある地方での取り組みができないかというのも、これ重要な声になっているわけであります。 その点で言えば、どうしても今の財源の再配分というものを見直していかない限り地方の活性化というものがやはり進まないのではないか。進んでいるでしょうとおっしゃるかもしれませんが、どうしてもその進み方は遅い。そういう意味では、もっと積極的に財源の再配分というものを今日の検討課題にする必要があるのではないか、こう思うから、ひとつこの点について見解、あるいは御所見を承りたいわけであります。
○国務大臣(海部俊樹君) 地方公共団体に対する補助金等につきましては、国と地方公共団体が協力して、事務・事業を実施するに際し、一定の行政水準の維持や特定の施策の奨励等のための政策手段として重要な機能を担っているものと認識をいたしております。 しかし、他方において、補助金等についてはともすれば地方行政の自主性、創造性を阻害したり、財政資金の非効率的な使用等を招きやすいという面もあります。真に必要な分野に限定していくことが必要であろうと考え、このような見地から、今後とも行革審の答申を踏まえて補助金等の不断の見直しには、御趣旨を踏まえて努力をしていきたいと考えております。
○会田長栄君 よく言われますが、補助金行政と相まって陳情政治だという言い方をする人もあります。政府の予算編成期、これを中心としての地方自治体からの陳情というものは、これは人的にも財的にも今日大変な量に達していることは間違いございません。その意味で、何とかして陳情政治でなくて、公平公正にそれぞれの地域でそれぞれの創造性と自律性を基本にしながら政府の財源というものを地方に配分していただいて、何とかこの労力といいますか、これ、私は完璧にむだとは言いませんが、浪費とまで言われているこの方式に何とか歯どめがかからぬでしょうかと。この点についても実は地方公共団体の関係者からの大きな声になっていることも事実でございますから、その点についての見解も承っておきたい、こう思います。
○国務大臣(海部俊樹君) ただいま陳情政治という立場でのお話でありましたが、私どもも、予算編成時期等において多くの方々がおいでになること、またそれによって地方自治体がいろいろな所用のために出てこられることについて、私はむだとはちょっと申し上げかねるんですが……
○会田長栄君 私も全部むだとは言わない。
○国務大臣(海部俊樹君) そのようなことを、何とか両者の意思の疎通をもう少し、あのような行為をしなくても、的確につかんでおって、例えて言うなれば電話で意思が通じるとか、あるいは日ごろの資料の交換等でよく実情がわかるとか、あるいは地方がこれだけのことを分担しておればこれで地方のことはできるんだというような、そういったいろいろな角度から視点を当てて、この陳情行為というものについて適正なものになっていくような努力もともに研究してみなきゃならぬテーマである、このように考えながら御質問を承っておりました。
○会田長栄君 では、もう一つお尋ねします。 どうも縦割り行政というものが強過ぎるのではないか、こう思うわけでございます。地方にはそれぞれいろいろ個性があるんですね。したがって、縦割り行政が強過ぎるという問題についての行政の柔軟な対応のあり方というものが今日求められているのではないかと私は思っております。例えば本年度の予算でも明らかなとおり、環境庁は自然とのふれあいの増進というのでやるでしょう。農水省は田園水辺の環境整備でやるでしょう。今度は自治省は何だといったら親水公園、こういうことをやるでしょう。これが地方の自治体にいきますと何となく――これ、どこか総合的に構想を明らかにしてやればもっと個性のあるものができるのではないかと思う例です。 そういう点について、もっと総合的に政府が国民の全体のニーズにこたえるためにはどうあるべきかというような審議をするところをつくって前に進めるというような意見も今日出ているんです。その点についてどうですか。
○国務大臣(海部俊樹君) ただいまの御指摘について、私は、原則的に省庁の縦割りが強過ぎるということに対する御批判は、常にいろいろな角度から承ってもおりますし、また、例えば私が青年局長時代の体験から申しましても、青少年のための施設とか家とか、いろいろなものを考えますときにも、各省にそれぞれ分かれておる面も多くて、何とかこれを一つに合わせて総合的にやって、むだを省いてより効率的になっていかぬだろうかというので、総理府の青少年対策本部で、総合的に各省みな集まってもらって研究、改善をしてもらったこと等を思い出しますが、今後とも御指摘の点については、それぞれ担当の役所でそういった国民のための行政をするということを十分踏まえた対応を検討してもらうように、私から、内閣の責任としてこれは一度考えてみます。
○会田長栄君 午前に同僚の喜岡委員から実は問題提起、質問がありまして、答弁を私も聞いたわけでありますが、これもその一例です。 例えば香川県の高松市で中央競馬会の場外馬券売り場を、私から言わせれば文教地区に開設すると。もちろん中央競馬会を指導監督しているのは農林省。だから、高松市の当局も、市長も、あるいは文教地区の住民も、どうもそれでなくても犯罪が多い。補導、指導が多い地域だから、青少年の健全育成地区に指定する、あるいは特別重点地区に指定する、こう一方で精力的にやっている。ところが一方では、その高松市のちょうど文教地区に、小中学校、幼稚園、養護学校、いっぱいある中心に競馬会の場外馬券売り場を設置する、それで大きな問題になっているという話が午前の委員会で議論になったんです。 こういうのも相対的に両者が連携協力すれば――私の県も競馬場を持っていますからよくわかります。これはとても市内になんて置くものではないというのはもう率直にわかります。だからといって、競馬で余暇を楽しんで過ごしている人もたくさんおりますから、売り場があることが悪いなんて言っているんじゃないんです、私は。要するに文教地区の近くに、関係者がみんな子供の育成のために設けるべきではないと言ったら、縦割りが強過ぎなければ、そういう知恵は私は幾らも出ると思うんですよ。御承知のように交通渋滞は物すごいですからね、福島だって。本当は、できればあれを、場外を持っていってもらいたいぐらいなんですよ。だから、これから新しくつくるところは、そういう意味で連携をして、何とか住民のニーズにこたえられるようにしていったらどうかという話もあったからこの具体例を実は出したんです。そういう意味でありますから、この問題はなかなか、いやそんなことを言ったって先へ進めちまおうという話では困りますので、ぜひ話を聞いて、納得できるようにしていただきたいということであります。 次に、二つ目に総理にお聞きしたいのは、実は前の熊本県知事の細川護熙さんと現在出雲市長をやっている岩國さんの両氏でもって、この「鄙の論理」という本を出したんです。ここで私も共感するところがあるんです。総理がこの本をお読みになっていたら感想を聞きたい。読んでいなかったら感想を求める方が無理ですから、そこは率直におっしゃってもらって結構であります。 私はなぜそれをお聞きするかというと、「国が変わらないのなら、地方から変わってみせる」、「地方から反乱を起こそう」ということなんですよ。それは反乱といっても別に戦をやるわけではありませんよ、政治の仕組みを変えていくために取り組もうということなんですよ。その点ひとつ感想を、あったらお聞きかせください。
○国務大臣(海部俊樹君) 前半の問題につきましては、私、具体的事実を一度よく聞いてみまして、農林水産大臣とそれから文教関係の教育委員会その他の方の問題と、こういうときには事前にどういう調整をされて地方自治体でどういう仕組みになっておるのか、よく私も勉強をさせていただき、両者の意見を聞いてみたいと思います。 それから、後半でお示しになった細川さんと岩國さん、お二方とも私はよく存じ上げておる方でございますけれども、本については、申しわけありませんが、まだ残念ながら読んでおりません。至急に求めて読もうと今思っておるところでありますが、しかし要は、地方がそれぞれの新しい創造的な考え方で国に政策転換を求めたいというようなことでなかろうかと、推測でありますが、思いますけれども、一極集中を排除して国土を有効に、そして均衡ある発展をしていかなきゃならぬ。今政府が取り組んでおりますふるさと創生運動とか活力ある地方を育成していこうとか、要するに地方の活力倍増計画というものを今いろいろなところで考えて、地方の意思により地方の自主的な開発に政府としてはどのような御協力ができるかということを今鋭意取り組んでおるところでございますので、そういった考え方の中で、関係の中で地方独特の御意見をそれぞれ強くお出しになり実行していただくということは、これは歓迎すべき方向ではなかろうかと、こう受けとめさせていただきます。
○会田長栄君 ありがとうございます。どうぞ内閣総理大臣だけでなくて大蔵大臣にも、ぜひ読んでほしいとお願いしておきます。 三つ目は、これは私に深く感銘を与えたことですから総理にお尋ねするんですが、総理は四月二日に、今春新規採用されました国家公務員の研修会であいさつされました。その内容のポイントは、各省庁の職員である前に政府の公務員たれと、中央官庁の縄張り主義をやり玉に上げた。官庁同士が縄張り争いをやっていては国民全体の奉仕者としての責務は果たせない。長い間のしがらみもあるだろうが、皆さんはそれにとらわれないでほしいなどと力説されたそうでありますが、まことに私も同感であります。 その点、今まで質問した中身と共通しているところはあるわけでありますが、私の本当に聞きたいのは、実は総理が新規採用された人たちにそれを望むよりは、かえって次官を初め各局長の皆さん、管理職の皆さんととことんその話を詰めていった方がいいのではないか。それからもう一つは、どうしても省域主義になるというのは、これは人事システムの問題があるんですね。果たして省域主義にならないような人事システムをどうつくっていったらいいのかというのも私は大きな課題だと思いますが、これなどについて、総理の最も言いたいことは何であったのか、あわせて所見をお伺いいたします。
○国務大臣(海部俊樹君) こういうところでは大変お答えしにくい御質問でございますけれども、私は、初めて国家公務員の試験に受かって採用されて研修を受けるために全国から集まってきた人々に対して、初心忘るべからずが大切であるとこう思いましたので、第一歩に当たってそのような決意をし、またそのことが非常に大切だということを総理大臣が日ごろ考えておるんだということを率直に訴えたつもりでございました。 各省のそれぞれのきょうまでの歩みというもの、そして各省の間のいろいろな縦割り行政の弊害というものがいろいろな面で指摘されるんですが、しかしその各省も、人事の交流を通じたりあるいは出向をしたりしながら、それぞれの間の人事の交流を行うとか、あるいは総合的に二つ、三つの省庁が集まって、共通の政策のためにプロジェクトチームのようなものをつくって努力をしていくという、小さな改革、改善への芽は出てきておると私も考えますので、そういったことに、少なくとも新人の公務員は省の公務員ではなくて国の公務員だということを自覚をしながら、そういった指示が出たときにはすぐにそこへ溶け込んで横割りの中での仕事もできるようになってもらいたいという強い願いを込めたつもりでございました。
○会田長栄君 最後でございますが、総理に、日本の外交理念、そして当面掲げておりますところの日本の外交の方針についてどのように押さえておりますか、御所見を承りたいと、こう思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御承知のとおりに、今冷戦時代が終わりを告げて、世界が、自由と民主主義と市場経済の価値というものを普遍的な原理として尊重しながら、間違っても力でもって他国への侵略や併合はしないという大きな旗印を立てて、平和と繁栄の方に動いておるということは、私は極めて望ましい、好ましい方向性だと受けとめております。 そういう中にあって、我が国はこの新しい国際秩序の担い手として、例えばアメリカやECと日本との置かれておるこの立場、地理的な立場は違いますが、世界の経済や世界の平和や世界の安定に貢献しなければならぬということは、日本として重々これは踏まえていくべき問題だと思っております。そのために我が国としては、平和のための協力の強化、民主主義や人権尊重に向けた改革努力への支援、市場経済原理に基づくグローバルな経済開放体制の確立、異なる価値に対して開かれた寛容な態度、こういったものの中で平和主義、国際協調主義の原則に立って我が国のなし得る限りの貢献をしていかなければならない、このように私は考えております。
○会田長栄君 終わります。ありがとうございました。
○大浜方栄君 まず海部総理大臣に、ソビエトの元首として初めて日本を訪れられたゴルバチョフ大統領との息詰まるような会談を終えられたことに対し、心から敬意を表する次第でございます。 その日ソ共同声明でございますけれども、賛否両論、百家争鳴の観があります。一九五六年の日ソ共同宣言の内容を再確認できなかった、また四島の主権を認めさせることができなかったというようなことで、国民の間に不満の声があるのもまた確かであります。しかし私は、日ソ双方が新しい日ソ関係を改善しなければいけない、そのためには日ソ平和条約を締結しなきゃいかぬ、そのためには領土問題を解決しなければいけない、この三つの点で合意をして、その対象になるものは四島であるということを明記したことは、私は大きな一里塚を築いたものだと、こういうぐあいに思っております。 問題は今後の取り組み方であります。問題解決に当たってのソビエト側にいろんな障害になる要因がある。経済問題しかり、軍部の台頭しかり、ソ連邦と共和国との対立しかり、その他いろいろな不透明な要因があって慎重にやれという声もあります。確かにこれはまた領土問題の解決なくして真の友好、真の経済援助は生まれにくいかもしれないけれども、私は、この問題を解くに当たって最も大事なことは、領土問題が解決しなければ対ソ関係のすべては難しいんだと、あるいは領土問題の早期解決を急ぐ余り、そういう面でネガティブになったり消極的になったりということには私は反対であります。その理由は、一にかかってこれからの二十一世紀の世界にとってペレストロイカ路線の継続というのは不可欠であると、こう思っておるものですから、この点にかんがみまして、このたびの日ソ首脳会談を終えられた海部総理の今後の外交方針なり御決意のほどを伺いたい、こう思っております。
○国務大臣(海部俊樹君) 日ソの首脳会談につきましては、御指摘のとおり史上初めてのことでございましたし、また日ソの間には、きょうまで長い間イバラの道が続いたわけで、私は日ソが隣国として本当に信頼できる友好関係のある国交を樹立していかなければならない。それは日ソのためのみならずアジア・太平洋地域の平和と安定のためにも大きな意味を持っておることでありますから、その角度からどうしたら平和条約を締結して真に安定した関係に入ることができるか。それは両国の前に横たわる四つの島の領土問題であるということでございましたから、そのことについては率直に何回も日本の基本的な考え方、立場を伝えました。 同時にまた、一九五六年の共同宣言というのは、先ほどもここで御議論がありましたように、両国の国会できちっとした手続をとった国際約束でありますから、あれについては私は、日本側としてはこれの有効無効を争わなくて、それはもう当然の大前提として確認さるべきものであると、こういう前提に立っておりますけれども、しかし、歯舞、色丹の二島のみならず、国後、択捉の四つの島を含めてが日本の原則的な主張であり、同時にまたそのことについては一八五五年のいわゆる下田条約、あるいはその後の樺太千島交換条約を見ても、いつの時代でも日本の固有の領土であるということは当時の日ソ両政府間で確認されてきておる問題でありますから、それを踏まえての交渉を続けていかなければならぬという基本的な立場を持っております。 そのことについては共同宣言できょうまで領土問題は存在しないと言い続けられた時期もありましたし、またあるときは日米安全保障条約の改定があった以後はこれは質が変わったんだということで、この問題については解決済みの問題だというような時期もございましたけれども、今度の条文においては四つの島の名前をきちっと明記して、この問題を片づけて平和条約交渉を一層加速させることが大事だという共通の認識にも立っておりますから、四島の返還を踏まえてやれという院の御決議や国民の皆さんの世論にも従って、今回は確認できませんでしたけれども、その四つの島の返還を目指して今後とも精魂込めて交渉を進めていきたいと考えております。 同時にまた、協力関係につきましては、人道的な立場あるいは拡大均衡という考え方の中で、チェルノブイリの不幸に対するこちらの協力とか、あるいは緊急食糧援助の問題とか、あるいはあの地域における合弁事業の促進とか、日ソ間の貿易量の拡大とか、なし得ることは拡大しながら均衡をしてきておるつもりでありますし、御承知のように宇宙では人工衛星の中での共同作業から地上ではやけどの坊やの治療まで、いろいろ幅広く日ソ関係というものはいい関係が生まれつつあるという変化もありますから、こういったものを大切にしていい零囲気をつくりながら、さらに解決のために精力を込めて誠意を持って努力を続けていこうと考えております。よろしくお願いいたします。
○大浜方栄君 次は、湾岸危機に対する海部内閣の対応についてでございます。 湾岸危機に際して、国連平和協力法案の廃案を初めとしていろいろ紆余曲折がありましたけれども、しかし最終的に、結果的には私は日本の将来、日米関係あるいは中東問題等にとって明るい展望が出てきた、こういうぐあいに思っております。最も私が評価をしたい点は、経済封鎖あるいは資金援助等で、武力の侵略に対しては断固として排除するという一役を果たしたということであります。それからもう一つは、そういう対策の中においても、憲法を大事にしたいという国民の意見を尊重しながら、その枠内でやったということは、私はすばらしかったと、こういうぐあいに思っております。 ところで、湾岸危機の対応を誤っていたらどうなっただろうかと、こういうぐあいに今反省をしておるところでございますけれども、この湾岸戦争終結後の今でも、米国では、日本は湾岸危機に際して役割を果たさなかったというのがたしか七三%、日本に対する敬意を失ったというのが五六%、こう出ておりますから、経済封鎖、資金協力等の援助協力をやらなかった場合にはどうなっただろうか、こういうことを思いますと本当に身の毛のよだつような思いがします。危ないところだったと、私はこう思っております。 それで湾岸危機の当初、いろいろ国連平和協力法案の廃案、それから医療派遣がだめになった、あるいはまたC130輸送機派遣が日の目を見なかった等で海部内閣は、特に海部総理は、指導力がないんだとか、決断力がないんだとか、外交感覚が鈍いんだとか、こういういろいろなことを言われてきました。内外の風圧の中に耐えて、韓信のまたくぐり、針のむしろで、本当に忍の一字だったと、こう思います。しかし今振り返ってみると、私はよくやったと。妥協なき外交はないのであって、妥協なき政治もないのであって、本当に失礼ですけれども自民党の中でも最小派閥の何とか派から出てこられて、よくもこの嫉妬の海の政界の中で耐えてこられたと、私は敬意を表する次第でございます。終わりよければすべてよしでございまして、本当によかった、こういうぐあいに思っております。 まあしかし、終わりよければと私は申し上げましたけれども、実はまだまだ終わっていないのでございまして、日米首脳会議で、海部総理はブッシュ大統領との間で大きな荷物をまた背負ってこられました。それは、これから先経済摩擦を解消し、これからのウルグアイ・ラウンドに成功するということが一つ。もう一つは、御存じのとおりクルド族に対する救援対策をとる、この二つでございますけれども、私は、こういう国難を乗り越えてこられた海部総理に、今湾岸危機を振り返ってどういうお考えであられるか、簡単にひとつお願いします。
○国務大臣(海部俊樹君) 湾岸の問題につきまては、日本にはできることとできないことがあのだという立場を踏まえて、できないことは力でお役に立つことである、それ以外のことでできることはないであろうか。いろいろ御協力もいただき、努力も政府としてはいたしました。昨年の国連平和協力法案の問題にも御指摘がありましたが、御議論を深めていただく中で、どうしても日本として協力をするにはあのような姿かたちではいけないから、あの法案を強行することをやめて新しい角度から考え直せという公明党、民社党の御忠告と合意事項の作成があり、三党合意の線に従って、今後新しい国際社会に対する協力のあり方はいかにあるべきかということを政府は三党の合意を踏まえながら、国連協力法案の審議の過程を踏まえながら、今鋭意検討をしておるところでございます。 なお、九十億ドルと最初に拠出しました二十億ドルを加えての協力費の問題は、あのとき国連決議に従って、ここに平和の破壊者があるのだと言って、サダム・フセインのイラクがクウェートを侵略した行為に対しては国際社会の世論がこれを許してはならないという決定をして、アメリカを初めとして二十八の国々がいわゆる多国籍軍というものを編成して、力でもって侵略を排除するという行動に出ました。それぞれの国がそれぞれ厳しい国内の経済状況を乗り越えて、またあるときは自分の国の前途有為な青年男女の犠牲をも顧みず国際社会の大義に従った行動をしようというときに、日本は憲法上それはしない、日本の政策として力でもってお役に立てないという、この立場を世界の人々に理解をしてもらうためには、なし得る限りの方法として協力をし、平和回復活動への資金協力をすべきだと決意をして出させていただき、皆様にも御理解とお力添えをいただいて、国際社会に対する協力ができたものと感謝をいたしております。 また、お触れになった第三の輸送機の問題は、内閣の責任と判断において政令で、避難民が本当に自国に帰るときには、そのようなところに民間航空機、軍用機どちらでもいいから出してくれという要請がIOMから来ましたから、その両方の対応をしたところでございます。幸い適切な時期に停戦の実行が行われ、IOMが予期したように避難民が周辺に出てまいりませんでした。出てきた方は日本も民間航空機で既に送り返しをし、喜ばれたことは委員も御承知のとおりでございます。もう四月十二日に停戦合意が成立し、イラク側から回答が来ておりますから、あの地域にはもうこれ以上避難民が出てくるということはなくなったし、出てきても民間の航空機で十分対応できるということをIOMから通告がありましたから、あの輸送機を飛ばすという政令はこれを解消する手続をとっていこうということをこの間決めたところでございます。 また、今回クルド族の問題が起こっております。これに対してはできるだけの対応をするというお約束をして、既に第二陣まで派遣をいたしました。また、それに必要な資金援助等も皆様にお願いしてできる限り提供していくことを、これも非軍事面の人道的な立場ですから、お認めをいただき、日本の役割を果たしたいと思っております。 もう一つお触れになりましたウルグアイ・ラウンドの問題は、これは大きいお荷物でも何でもありません。世界の多角的な自由貿易体制を守るためには、世界の中で大きな立場を占め、またこの自由な貿易の中できょうここまで来た日本ですから、皆さんとともに我々の立場や原則は主張いたします。日本は食糧の最大の輸入国であるということ、輸入をしておるから自給率も下がってくるということ、カロリーベースの自給率が四八%に最近落ちてきておるということも私は率直に言ってまいりました。アメリカやヨーロッパのように百二十何%も自給率のある国と違うわけです。そういう国が食糧の安全保障を考え、また米の国内産での自給を主張したいという気持ちはこれはわかってもらわなきゃならぬし、その原則は踏まえて主張はしてまいります。しかし、アメリカにもECにも日本にも、それぞれ難しい大変な事情や背景がございます。それを共通のテーブルで、ガット・ウルグアイ・ラウンドの場所で壊すのではなくてウルグアイ・ラウンドをまとめていくためには、どうやって共通の認識が得られるように努力をしたらいいかということを、これはアメリカにもやらなきゃならぬことがある、ECにもある、日本にもあるわけでありますから、担当大臣に、それぞれの立場を踏まえてウルグアイ・ラウンドの終結に向けてさらに一層立場を踏まえた努力をするように指示をいたしておるところでございます。 どうぞよろしく御協力をお願いします。
○大浜方栄君 次は、湾岸難民及び開発途上国への医療援助の件でございますけれども、その点は先ほど木庭委員それから種田委員からの御質問もあって、また時間の関係もありますので、私は簡潔に御質問を申し上げたいと思います。 今のクルド族の問題もさることながら、世界の開発途上国の中には結核とか赤痢とかコレラとかチフスとか回虫症なんか、五、六十年前に日本にあった病気がそのままあります。日本は戦後の食糧難とか劣悪な衛生環境を克服してきた実績があって、その日本の実績は世界のかがみとされておりますから、私はこういうような時期には、医療、防疫、公衆衛生活動のノーハウを世界への貢献策としてやるべきであると、こういうぐあいに思っております。特に、今伝染病の危機にある子供たちに対する予防接種の資金は世界の軍事費の一時間分にも相当しないと、こう言われております。日本円にして百四十七億円でありまして、これをもし日本が全額引き受けてやっておったならば、湾岸戦争のときに、日本は金もうけばっかりして血も汗も何も出さぬとか、日本は世界に何をやっているのだとか、日本の役割は何だとかということを目くじら立てて世界から、また日本国内からでも言われないようにできるから、私は海部総理にぜひお願いをしたいことは、平時から、普段から医療、公衆衛生活動に対しては世界に貢 献する日本の役割であるということを国の方針としてやっていっていただきたいと、こういうことでございます。この件は私は参議院の予算委員会、決算委員会等で何回も言っております。 それで、時間の関係もあるので簡潔に、もう総理の御答弁は一、二分でようございますから。
○国務大臣(海部俊樹君) 御質問の御趣旨は私も重々大切なことと受けとめますし、また国際社会にその方面で日本が積極的に貢献をしていきたいと、かように考えております。
○大浜方栄君 次は、沖縄の軍用地の跡地利用問題でございます。 日米外交の優先順位の第一は、何といっても日米安保体制を堅持するということだと、こう思っております。沖縄の米軍基地は、日米安保体制維持に不可欠なものでありまして、県民や関係地主約二万八千人いますけれども、この人たちは長年にわたって多大の犠牲の上で米軍基地提供に協力をしてまいっております。しかしながら、その米軍基地が返還される段になると国のやり方は非常に冷たい、私はそう思う。私だけじゃなくて関係者の方々は異口同音にそう言っている。それはなぜかというと、返される段になるとたった三十日の予告期間しかない。それで、返された後からもたった最大限三カ月の地代しか、地料しか払わないと。また、跡地利用計画に対しても、有効的、効率的、それから計画的でないと、こういうことであります。 私は、軍用地の跡地利用に関して、長い間日米関係を考えて協力をしてこられた地主の方々に対しては、返すときには少なくともその地主の方々の不利益にならぬようなことをするのが国の役目じゃないかと、こう思っております。しかしながら、実際にそういう段になると、外務省、沖縄開発庁、それから防衛庁ですね、先ほどの会田先生の総理に対する御質問にもあったように、官庁の縄張り争いがひどくて、いやこれは開発庁の問題、いやこれは防衛庁が原因をつくったから防衛庁の問題だと言ってなかなか進まない、これは。 それで私は、この際外務省、防衛庁、沖縄開発庁、また建設省や国土庁も交えて、この際合同対策委員会あるいは協議会みたいなものをつくって、きちっとした対応をやるべきであると、こう思っておりますが、海部総理の御見解をお聞きしたい。もう時間もないので簡単にひとつ。防衛庁でも結構ですから。
○国務大臣(池田行彦君) 委員御指摘のとおり、沖縄の大勢の地権者の方々に大変な御苦労、また御迷惑をおかけしております。それがあって初めて今御指摘のような日米安保体制も円滑に運用されておるわけでございますので、私どももそういった地主の方々に対しましては十二分な配慮をしなくてはならない、このように考えている次第でございます。 そして、ただいま先生御指摘のように、賃貸借契約を解約いたしますときは三十日前にお知らせすることになっております。これをさらに前広にできないかと、こういう御趣旨でございますが、その点につきましては、実は米軍の方の事情や米軍の方の事務手続もございますので、なかなかそれを、三十日をさらに早くというのは難しいところがございますけれども、しかし規則は規則といたしまして、実行面といたしましては、例えば返還の情報等が前広にわかりました段階におきましては、できるだけ早い時期にそのことをその所有者の方々にもお知らせいたしまして、現実的にいろいろ事後の対策が立てられるようにこれからも十二分に図ってまいりたい、このようにまず考えておる次第でございます。 それからまた、返還されました後のいわば補償の点が第二点でございました。この点につきましては、現在、原状回復に要する費用を補償しますのはもとよりでございますが、原状回復のためにいろいろと作業をしなくちゃいけない、その期間につきましては貸借料相当額をお支払いしておるわけでございますが、それが三カ月の限度内でというのはこれも御指摘のとおりでございます。ここのところは、賃借人の立場の国としてなかなか難しい点もあるわけでございますけれども、先ほど申しましたように、なるべく前広に御連絡申し上げて、いろいろ対応できるというようなことも組み合わせながら考えてまいりたい、こう考えている次第でございます。 それから第三点でございますけれども、関係省庁でもう少しきちんと連絡をとりながら対応すべきではないか、これもそのとおりだと、このように考えます。跡地の利用なんかにつきましては、もちろん第一義的にはその地域の、いわば地方公共団体の考えますいろいろな開発計画等の絡みもありますので、そのあたりとも十分御相談しなくちゃいかぬのは当然でございますが、国の機関といたしましては、やはり関係いたします省庁の間で従来以上に密接に連携をとりたいと存じますし、また今御提起の、きちんとした協議の機関等をつくるべきじゃないかという点につきましても真剣に考えてまいりたい、このように考える次第でございます。
○大浜方栄君 今の大臣のお言葉でございますけれども、前向きに検討するというぐあいに受け取ってようございますか。
○国務大臣(池田行彦君) 沖縄開発庁、それから外務省とよく御相談しながら、私どもといたしましては前向きに真剣に考えさせていただきたいと存じます。
○大浜方栄君 ありがとうございました。 次は、決算否認と国民の判断についてでございますけれども、この点は先ほど及川委員長及び種田委員からもいろいろ指摘がございましたけれども、私は、及川委員長の御質問の中で、ちょっと反対意見でございます。 それは、決算の否決に対する責任のとり方ということに対しては、佐藤元総理が解散もあるんだ、総辞職もあるんだと。すなわち主権者である国民が最終的にこれは判断を下すものだという政治哲学があります。 昭和六十一年度決算の責任についてでございますけれども、昭和六十一年度決算の議決は、参議院で平成元年の十二月十五日に国有財産関係とともに否認をされております。ところが衆議院では、平成元年の十二月十二日に、警告部分を除いて異議なしと、こういうことになっております。翌年の平成二年一月二十四日国会が解散されました。そのときに総理大臣は施政方針演説を希望したにもかかわらず野党の反対で施政方針演説は行われなかった。したがって選挙の争点というのは、第三十九回衆議院議員の総選挙の争点というのは、施政方針の是非ではなくて過去の自民党政治に対する国民の評価が中心で、すなわち昭和六十一年度決算否認に対する国民の評価、またそれも含む自民党の財政経済の運営及びその個々の実績に対する国民の評価が行われたわけでございまして、その総選挙では自民党が勝ち野党が敗れた。野党の決算否認に対し国民はノーという評価を下したということ、すなわち国民は自民党の決算異議なしを認めたということで、六十一年度決算否認についての政治責任はもう既に決着がついているのに、今ごろ大蔵大臣やめろとか何やめろとかという責任のとり方はどのようなものでしょうかということです。 海部総理のその件に関する御認識をちょうだいしたい、こう思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 大浜委員の御見解を私も承りましたが、政府といたしましては、衆議院で御同意をいただき参議院では御同意をいただけなかったということを心にとどめて、今後とも予算の適正かつ効率的な執行に努めて、国会の御同意をいただけるように鋭意努力をしていかなければならない、かように考えております。
○大浜方栄君 どうもありがとうございました。
○猪熊重二君 総理に、数点についてお伺いします。 まず最初に、会計検査院の組織や職分の強化についてお伺いいたしますが、先ほど総理からの答弁もございましたので、なるべく重複を避けてお伺いします。御承知のとおり、会計検査院は内閣と並んで憲法上規定されている唯一の行政機関であります。それゆえ、人によっては日本の政治体制は三権分立でなくして四権分立だと言う人もいるほどに、会計検査院は財政上必須重要な機関と言わなければなりません。先ほど総理もそのような観点から種々答弁がございましたが、私はここで、先ほどの話に関連して確認しておきたいと思います。 一つは、会計検査院は今申し上げましたような、一般の行政機関と異なって定員の面においても定員法による定員の枠外の問題であるということを明確にしておきたい。 それから、予算編成においても財政法、会計検査院法に基づいて、一般行政機関におけるシーリングの問題等については別個な立場にあるはずだというふうな点について、総理の見解を確認しておきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 会計検査院は、国等の収入支出について、決算内容の合法性と的確性を判断することを職務とする憲法上の機関であります。 この会計検査院の地位については、法第一条に、「会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する。」と規定されているところであります。内閣から独立の地位を有すると規定されている趣旨は、会計検査院が、国等の会計経理の検査に当たって徹底した検査を行い、検査結果について公正適切な判断を行うために、他のいかなる機関からの干渉や制約をも受けることがないものである、このように承知をいたしております。
○猪熊重二君 会計検査院の職務は、会計検査院法によれば、単に会計の数理的検査ではなくして、予算支出の効果の判断あるいは施策の妥当性、改善の要否等、広い意味での行政監察的な機能も法は予定しているわけです。しかし現状では、会計検査院の会計検査報告は数理的会計検査の職務にほとんどを費やされ、予算の効果判断等に及ぶことはわずかであります。このことは毎年の会計検査院の検査報告の状況を見れば明らかなんです。 しかし、行政に対する監察というものは現在ますます必要性を強めております。内閣の内部的な監察機関として総務庁行政監察局があるのはわかりますし、外部的には会計検査院がもう少し施策の妥当性をも含めて行政監察的な機能を発揮するべきである、こう考えますが、これは総理にお伺いするよりも、会計検査院の現状についての問題ですから会計検査院の問題なんですが、総理にいろいろ御認識を深めていただくという意味において、このような会計検査院の行政監察的職分をもう少し実のあるものにするためにはどんなことをやったらよろしいかということを、行政の立場で、御意見があったら伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 国の収入支出の決算の検査を行うほか、会計検査院は法律に定める会計の検査を行い、また会計経理を監督し、その適正を期し、かつ是正を図るという機関でございますから、今御指摘の総務庁の行政監察と役割や目的において基本的に違うところがあると私は考えます。 そこで、両者の機能をそれぞれ果たすことが効果的、効率的で適正な行政運営の実現に資するものと認識をいたしております。
○猪熊重二君 会計検査院の業務執行に関してもう一点だけお伺いしておきますが、行政機関が、会計検査院の会計検査に関して必ずしも協力的な態度をとっておらないということ、資料提出を要求してもなかなか出てこないし、出てきた場合にも不完全で、何回か、これも足りないあれも足りないというふうなことがあるというふうにも聞いております。 総理として、行政各部に対し、会計検査院の検査業務の重要性ということをよく徹底した上で適切に対応するように指導いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 会計検査院の検査に関しましては、各行政機関等は最大限の協力をしているところでありますが、今後とも、各機関の検査が従来どおりスムーズに行えるように配慮をしてまいりたいと考えております。
○猪熊重二君 今までのお話は、総理にいろいろ今後の処置についてよろしくお願いしたいというお願いでございますが、これからは、総理と見解が違うことで非常に申しわけありませんが、お伺いします。 自衛隊法百条の五の政令の問題についてお伺いしたいと思います。 先ほど総理も答弁の中でこの問題に少々触れられましたが、海部内閣は一月二十五日、特例政令を制定しましたが、去る十九日に閣議で廃止を決められました。しかし、私の考えでは、このような特例政令を制定することは、国民主権原理、議会制民主主義に立脚する憲法原則に対する真っ向からの否定である、看過し得ない問題である、こう考えます。たまたま先ほどの答弁のように、状況が変化したために一機も飛ばさないで事は済んだと言いますけれども、事が済んだとか済まないとかという問題じゃないはずなんです。 まず、この問題について伺う前提として、マスコミの報道によると、総理はこの政令制定以前において、本来は自衛隊法を改正することが筋であるがというふうな発言をしておられたということが報道されておりますが、そういうことについては、その事実はいかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) その正確な表現は忘れましたが、私ども廊下を歩いておりますときに、記者団の方に取り囲まれて、いろいろ歩きながらの質問を受けるわけでございます。そのときに、たしかこれは党の方の御意見だったと思いますが、法律を改正してやらなければ輸送機は出せないのではないか、また、政令でやるよりも法律がいいのではないかという御意見がたくさんあるけれどもどうかという角度の御質問であったと思います。それに私は答えまして、法律の根拠がなければそれは法律を改正するのが一かもしれないけれども、しかし法律を素直に読むと、第百条の五というところを読んだら、たしか「内閣総理大臣その他政令で定める者」を運搬することができるという規定が今の法律に既にある。そして、またその政令というのは内閣の責任と判断においてやっていいということは、憲法のたしか七十三条だったと思いますが、書いてあるわけでありますから、そういう手続に従ってやっていくんだというようなやりとりを歩きながらしたことを記憶しております。
○猪熊重二君 どうもはっきりしませんが、要するにもし総理が、本来これは自衛隊法改正でやらなければならないということをおっしゃった趣旨だとすれば、そのお考えは正しかったわけです。その正しかったお考えが途中で変わったところに問題があるんです。 総理にお伺いします。 今から私が申し上げる人々に共通する要素として、どういうことをあなたはお考えになりますか。よろしいですか。国賓、内閣総理大臣、天皇及び皇族、国賓に準ずる賓客、衆議院議長及び参議院議長、最高裁判所長官、以上の人々の名称を読み上げましたけれども、こういう人々からあなたは共通要素として、その内容はどういうことに帰結しますか。
○国務大臣(海部俊樹君) これは、今まで具体的に限定的に列挙をされております第百二十六条の十六に掲げた方をお読みになったと私は思いますけれども、それは必要があると想定をされた人をこの百二十六条の十六には書かれておるものと、そういう共通性がある、私はこのように受けとめます。
○猪熊重二君 それは答弁になっていません。私が今申し上げたこういう人々の中から共通的要素を持ってきたら、どういうことになりますかというのが私の質問で、こういう人が必要だとかああいう人が必要だとか、そんなことは関係ないんです。今申し上げた人々から共通する要素は何とお考えになりますかという質問なんです。
○国務大臣(海部俊樹君) 共通する要素はとおっしゃいますが、例えば国賓に準ずる賓客というのはやはり国賓に準ずる者でありますし、その社会的地位とか使命とかその他についていろいろ、衆議院議長、参議院議長は最高裁判所長官とともに三権の長でありますが、天皇はやはり別に、憲法上の象徴という全く別個の地位がございますからちょっと共通性はないなという感じもいたしますし、とにかく輸送の対象として書いてあるということで共通性があると私は思っております。
○猪熊重二君 これはね、まあ総理とすれば言いにくいだろうけれども、要するに国家機関にとって重要な人物というのがこれに共通する一つの要素でしょう。これはごまかそうたってだめなんです。まあ中学生じゃわかりませんが、高校生に、こういう人々を読み上げてどう思うかと言ったら、偉い人だ、VIPと、こういう答えが出てくるんです。 ところで総理は、この政令を制定するに際して、緊急時の応急的な必要だとか人道主義的配慮だとか措置だとか、こういうことを言っておられました。しかし、今私が申し上げたような人々に関して、緊急時の応急的な問題だとか人道的な配慮だとかなんという概念は全然入ってくる余地はないんです。海部総理大臣が余りお金がないから人道的配慮で自衛隊の飛行機に乗りましょうとか、そんなことはないんです。最高裁長官がどこかに出ていくのに、急にどうしてもあした行かにゃならぬなんて緊急時の問題なんということもないんです。今私が申し上げた人々に共通するものは、先ほどから申し上げているような、国家機関にとって重要な人で、こういう人のために自衛隊の飛行機を使ってもいいというのが自衛隊法百条の五及びこれに基づく従前の政令の規定なんです。これが法律の趣旨なんです。 この法律の趣旨を全く別個な、緊急時だとか人道的だとか、こういうものを持ってきて趣旨を変えることは脱法行為なんです。この辺のことをよくお考えいただかないと困るんです。もし政令がそういうふうに法の制定の趣旨と全く別個に勝手に内閣がつくるとすれば、国民主権原理に反し、国会の最高機関性を侵し、国会の唯一の立法機関性を否定してしまうんです。内閣が法律をつくる、政令という名前の法律をつくることになる。これは憲法原則に対する重大な違反なんです。憲法の破壊なんです。この辺について総理はどうお考えなんですか。たまたま行かなかったとか行ったとかなんという問題じゃないんです。いかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 私は、昨年のイラクによるクウェートの侵略という出来事が起こって、それに伴って、申し上げたように日本は力でもってお役に立つことできませんでした。避難民の人がその周辺地域に出てこられる、それを何とかして本国へ送り返したいというそういうお話、民間航空に最初のうちいろいろお願いをして運んだ経験もございます。しかし、あのIOMから要請の参りました時期は、御承知のように武力の行使が始まっておって民間航空では、想定されるところまで行かれるのか行かれぬのかもわからない。そして、軍用機と民間航空機と両方ともそういう避難民のために提供できないかという要請もありました。私はそういうときに、武力の威嚇や武力の行使ではなく、日本の能力においてなし得ることがあったらでき得る限りすべきであるという、こういう判断に立ちました。 したがって、先ほど来申し上げておるように、第百条の五において「内閣総理大臣その他政令で定める者の輸送を行うことができる。」という規定もございますし、また、私が内閣総理大臣、そして今要請のあった方々はどこの国の方か、避難民。人間という立場で見たら、何とかできることならば手を差し伸べて協力をして対応してあげるのが人道上の問題ではないかという判断に立ちまして、ここにそれに対応することのできる政令を内閣の責任でつくりたいということであの政令を安全保障会議に諮り、閣議決定をして対応を準備をした、こういうことでございます。
○猪熊重二君 内閣がつくり得る政令は、憲法七十三条六号に基づいて、法律の委任に基づき、もしくは法律を実施するためにだけ制定できるんです。今総理がおっしゃったような、ああしてやりたいこうしてやりたいということで内閣が仮に勝手に政令をつくれるとすれば、それは明治憲法下の緊急勅令そのものなんです。そういうふうに天皇大権に基づく緊急勅令というふうな立法形式を明治憲法は持っていたけれども、今の国民主権原理に基づく憲法のもとにおいて、総理が言うような必要性とか政治的配慮とか、そういうことで法律が予定している趣旨を超えて政令をつくったら、もう緊急勅令そのものなんです。そういうことの必要性があることは認めますよ。そういう必要性があったから明治憲法は認めていたんです。しかし、現行憲法はそういう政治の便宜ではだめだと。国会の最高機関性ということを強調して、こういう政令の制定を認めていないんです。 時間が来ましたからこれ以上申し上げません、もういいですけれども、ただ、今回のペルシャ湾に対する掃海艇の派遣も、自衛隊法の容認する専守防衛というものの根幹を揺るがす非常に大問題だということだけ付言しておいて質問を終わります。
○諫山博君 政府と自民党の首脳会議で本日掃海艇を派遣することを決定したという報道がありますが、そのとおりですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 本日の政府・与党首脳会議で私どもが検討をいたしましたのは、最近の一連の出来事の中で、どのような国際貢献ができるだろうか、いろんなことをテーマとして検討いたしました。その中に掃海艇の派遣の問題も含まれておりました。それについては、明日もさらにいろいろと詰めをしていかなければならない問題が残っております。そういうことであります。
○諫山博君 明日、首相が野党の党首と会談をするということは前から予定されていたようです。私は、その会談というのは掃海艇を派遣するかしないかの話し合いだと理解していたんですけれども、単に事後承諾を求めるんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) きょうの政府・与党で私が国対委員長に申しましたのは、日ソ交渉が終わって、その経過、結果、今後のことについて御報告をして意見を聞きたい。それからもう一つは、四月十二日に国連の停戦決議の発効があって、先ほども申しましたように、クルド族に対する新しい対応あるいは重油回収作業、いろいろなことがございます。その中の一つとして、その可能性や必要性やその能力や、それらの問題等を踏まえて今各省でいろいろと検討をいたしておる問題について、野党の党首の皆さんにもその場でお話し申し上げ、意見を聞こうと思っております。
○諫山博君 報道によれば、今月の二十四日に正式に決定して、二十六日に派遣する予定だとなっています。そうすると、明日の野党党首との会談を待てずに、きょう急遽決めた理由は何ですか。
○国務大臣(海部俊樹君) きょう急遽決めたわけではございませんし、また野党党首との会談を開くに当たっても、各党への御連絡を、きょうまで、党首会談を開いたときのそれぞれの経緯を踏まえて手続もとらなければならぬと思いますし、また、政府・与党の間では常に月曜日に政府・与党首脳会議というものを開いておりますので、そういう一連の経緯の中でお話を進めていった、そのテーマの中の一つであったということでございます。
○諫山博君 報道によりますと、自民党の幹部の中にも、自公民合意に影響が出るのではないかという懸念の声があったけれども、首相が率先して派遣を主張したように書かれていますけれども、そのとおりですか。
○国務大臣(海部俊樹君) これは、湾岸における平和回復活動の一環として、私どもは、今あの地域で行われておる重油の回収作業とか油井の炎上に対して人を出し、調査団を出し、いろいろ調査をしております。何が貢献できるものであるか、各省担当にそれぞれ何ができるか具体的に案をまとめて出してほしいと、こう言っております。 私は、でき得ることは国際社会において協力をすべきだという考え方に立って、各省が今検討を進めておることでありまして、明日党首会談、各党がお受けいただければ、そこでそれらのことを、日ソ問題の報告とあわせて一切の湾岸のその後の処理の問題、それをも含めて御相談をし御意見を聞きたいと、こう思っておるところでございます。
○諫山博君 すべての野党が反対すれば派遣はしませんか。
○国務大臣(海部俊樹君) これは、あの地域というものが今どのような状況にあるのか、そして日本は力でもってお役に立てなかったけれども、我が国やあるいは国民生活にとって必要不可欠な問題について、各党がどのような御理解をいただき、どのような御意見をいただけるかということを私は率直に聞きたいと思うし、また私の方からも、その必要性についていろいろな考え方があることを率直にお伝えをしたいと思っております。
○諫山博君 まあすべての野党といっても、賛成の野党もおられると思いますけれども、これは派遣するかどうかを考慮する材料になりますか。それとも単に事後承諾を求めるだけですか、明日の党首会談。
○国務大臣(海部俊樹君) 明日の党首会談は、先ほど申しましたように、日ソ交渉に対するその御報告と、今後どう対応していくかという大きな柱が一つ。もう一つは、原油の回収作業の進捗状況やクルド族に対する支援の問題や、緊急援助隊を出しておる問題や、そういった一連の中で、各界のいろいろなお声や要請も踏まえて、日本のために必要な通商航海路の問題についてどのような考えを持っておるのかということ、それを率直にお伝えするとともに、各党の御意見も率直にお聞きしようと、こう思っておるのであります。
○諫山博君 私は今、掃海艇のことだけを聞いているんです。 そこで私は、武装した掃海艇をペルシャ湾に派遣するということは、憲法に照らしても絶対に承認するわけにはいけません。 そこで、防衛庁に質問しますけれども、掃海艇をペルシャ湾に派遣したとして、どの海域で、どこの情報に基づいて、だれの指揮のもとで掃海作業を行うんでしょうか、この結論だけ教えてください。
○政府委員(畠山蕃君) 御質問にお答えいたします。 まず、どの海域でということは、まだ具体的なオペレーションが決まっておりませんので、そこはどこということは確定されているわけではございません。それから、どこの指揮のもとでということでございましたが、これはどこの指揮のもとに属するものではございません。もちろん、各国が共同して作業を行うということであれば、相互間において調整を図るということは当然あるわけでございますが、どこの国の指揮のもとにということは全くないわけでございます。
○諫山博君 どの海域の掃海作業をするかということは、一定の情報がなければできませんね。その情報はどこから得るんですか。
○政府委員(畠山蕃君) 現段階では、外務省を通じまして今現地の状況がどうなっているかという情報に接しているところでございますが、それに基づきまして、大体北緯何度以上というような大まかの、機雷の集中的に敷設されている範囲を非公式に把握しているところでございますが、実際に作業を行うというときになって、どこの海域をどこの国がどういうふうに掃海を行うかという点につきましては、これから現地に行って、そして各国と協議をして定めるということになろうかと思っております。
○諫山博君 掃海作業というのは、アメリカを中心とした多国籍軍が現に行っているわけでしょう。この人たちと一緒に掃海作業を行うことになるんですか。
○政府委員(畠山蕃君) 一緒にというお言葉の意味が必ずしもはっきりしませんが、共同してこれを、必要な海域について作業を行うということになるわけでございます。
○諫山博君 これは全体の分担もあるはずだし、一定の指揮命令というものが必要だと思いますけれども、中心的にそういうことを決めるのはどこの国ですか。
○政府委員(畠山蕃君) 先ほども申し上げましたように、一定の国が指揮命令をするという関係には全くございませんで、多くの国が同じような作業を行うわけでございますから、相互に事務的な調整を図ることは当然必要でございます。しかしながら、そこに指揮命令系統というものはございませんで、協議を相調えて、作業を分担して実行するということに相なるはずでございます。
○諫山博君 結局、アメリカを中心とした多国籍軍と一緒に武装した掃海艇が掃海活動を行うということになりますね。
○政府委員(畠山蕃君) 特にアメリカを中心としてというお話でございますけれども、御承知のとおり、現在、各国からそれぞれ必要な掃海艇を出して、ここの船舶の航行の安全を確保するという観点から実行をいたしておるところでございますし、我が国も、我が国の船舶の安全な航行を確保するために、掃海艇を派遣する場合にはそういう目的のもとに行うということでございます。 それから、武装をという話でございますが、現在全く平時でございまして、その武装ということが特段の意味を持つというふうには私は理解いたしておりません。
○諫山博君 掃海艇は、武器弾薬を持って行くんでしょう。そして、約五百人の自衛隊員はやはり重火器を所持しているんでしょう。
○政府委員(畠山蕃君) まだ、指示を受けまして現在防衛庁内では検討をしている段階でございまして、具体的に五百名であるとか、あるいはどういう編成で行くとか、そういうことまでお答えできる段階にはないわけでございますけれども、一般的に申しまして、現在、一般論として申しますと、掃海の演習とかあるいは過去の日本近海における実績等からいたしまして、一定の規模で実施するというのが通例でございます。さらにそれにペルシャ湾という遠いところへ派遣するということを考えますと、その場合には当然予備艦であるとか補給的なものが必要であるとか、そういうことから人数規模はおっしゃるような規模に近いような数字になる可能性もあろうと考えておりますが、そういうことで考えているわけでございます。 武器について、重火器というお話がございましたけれども、これは一つには掃海作業そのもののために、機雷を撃つために装備しているものが一つございます。それから、当然ながら、これは有事における態勢でありますならば当然持っているであろう短魚雷あるいは三インチ砲といったようなものもまさに現在装備されているわけでございます。現在平時でございますから、それをまさにそういう自然体のままで、掃海艇としての自然体のままで掃海作業という船舶の安全な航行を確保する限度で行うということでございまして、その武器はどうのという点についてはこの際全く関係がない。むしろ我々が恐れるところのものは、途中ないしは先方におきますハイジャックとかテロとかといったものに対応する限度においては、ある程度のものは当然ながら必要であるというふうに考えているところでございます。
○諫山博君 海部総理に答弁を求めます。 多国籍軍が、湾岸戦争の戦後処理としてイラク軍の解体、あるいは終戦処理の一環として機雷の掃海をしていると思うんです。そして日本の自衛隊、これはとにかく丸腰で行くわけではないわけです。自衛隊の部隊がアメリカを含めた多国籍軍と一緒に任務を分担して掃海作業を行う。まさにこれは憲法違反ではないですか。自衛隊員がPKOに参加することがどうだこうだという議論がされましたけれども、これはまさに現役の自衛隊員が行くわけです。こういうことは憲法上絶対に許されない、やめるべきだと思いますけれども、答弁してください。
○国務大臣(海部俊樹君) 憲法上の問題につきましては、憲法が禁止しておるのは武力による威嚇または武力の行使を伴うものであって、そして力をもって他国の領土、領空、領海に武装部隊が出ていくことはこれはいけない、国権の発動たる戦争を禁止しておるものと私は受けとめておりますから。その他の、例えば自衛隊法九十九条に書いてある行為を警察権の行使として、これは我が国の重要な通商路の安全確保でありますから、戦闘行為をしに行くわけじゃありませんので、私は憲法違反になるとは考えておりません。
○諫山博君 これは当然見解を異にしますけれども、とにかく武装した自衛隊、現役の自衛隊員が五百人も行くわけです。そして多国籍軍と一緒に掃海作業をする。掃海作業というのは軍事行為そのものですよ。(「違う違う」「軍事行動じゃない」と呼ぶ者あり、その他発言する者あり) そこで、次の問題に移ります……
○政府委員(畠山蕃君) 自衛隊法九十九条に定めます掃海行為は、武力行使あるいは防衛活動ではないわけでございます。自衛隊法三条に基づきまして、本来の「自衛隊の任務」という規定がございます、それを受けた形で、第六章という形で「防衛出動」以下の規定がございます。防衛出動をした場合にはこれはその必要な限度で掃海もすべてできることになるわけでございます。 したがって、そこをわざわざ九十九条を立てて書いてあるということは、三条に基づく第六章の七十六条の規定の範疇に属しないからこそ初めて九十九条という特別な規定が要るということになるわけでございまして、これは防衛出動ないし自衛力の行使ということとは全く関係がない規定を九十九条に特別に置いておる、こういうことでございます。したがって、これは主として平時におきます掃海活動が規定されているのがこの九十九条の意味でございます。
○諫山博君 この問題については、先週参議院の内閣委員会で我が党の吉岡委員が詳細に議論しておりますから、私はここで繰り返すことはしません。 そこで、日ソ共同声明ですけれども、これは歯舞、色丹の返還を約束した一九五六年の日ソ共同宣言の内容を確認してはいません。ゴルバチョフ大統領自身が、この共同声明は二島返還を意味しないと言っているわけです。ただ、千葉委員の質問に対して海部首相は、共同声明の中の、「千九百五十六年以来長年にわたって」「蓄積されたすべての肯定的要素を活用」云々というのがそれを指すのだと答弁されました。 そこでお聞きしたいんですが、海部総理はゴルバチョフ大統領との交渉で、共同声明のあいまいな表現ではなくて、歯舞、色丹の返還を約束した五六年宣言を確認してもらいたい、こう要求したわけでしょう。それに対してゴルバチョフ大統領は確認をしなかった。これが交渉の経過ではありませんか。
○国務大臣(海部俊樹君) これは随分長時間いろいろな表現でやりましたので簡単に申し上げることは非常に困難ですけれども、私は、法律論、物事の本質論に従っておっしゃるように確認を迫りましたが、日本の基本的な立場は国会決議にもあるように四島ですから、二島だけの返還の問題よりも、四島の主権を認めてもらうことによって日ソ関係を打開し、平和条約を結びたいというところに重点を置いてこの確認を迫りました。ゴルバチョフ大統領は、御承知のとおりに、これを否定もしませんでしたが確認もなかったわけです。 先ほども申し上げましたように、いろいろソ連の国内事情等もあって確認をすることはできなかったものと推測をいたしますが、しかし五六年に行われたこのことを評価し、しかるべき方向で、方法で平和条約に向け妥当な前向きのものを取り入れていこうと思う、こういう記者会見での発言もあるように、ゴルバチョフ大統領の方から、今おっしゃった「長年にわたって蓄積されたすべての肯定的要素」という表現で共同声明をまとめよう、こういうことになったわけであります。
○諫山博君 私は、五六年宣言からもう明らかに後退している、こう思います。というのは、これは私が言うだけではなくて、例えば東京新聞は、「ゼロ回答どころかマイナス回答」だと。日経は、「「五六年宣言」確認できず」。これがマスコミの評価です。 そこでお聞きしたいんですけれども、二島についての合意は、二島を返還するという合意は成立はしなかった、五六年宣言を確認するという合意も成立しなかった。成立したのは共同声明のあいまいな文章だけだということになりますか、合意として成立したのは。――委員長、交渉の当事者である海部首相から答弁してもらってください。
○政府委員(兵藤長雄君) お答えをいたします。 今総理から御答弁がございましたように、日ソ共同宣言というそのものについて、ここに、共同声明に書かれている事実はないわけでございます。したがいまして、この共同声明によって日ソ共同宣言の効力云々という議論にはならないわけでございます。今海部総理が申し上げましたのは、日ソ共同宣言そのものが今度出されました日ソ共同声明の中において明確な形で確認はされていないという事実でございます。 もう一つは、海部総理が申されましたように、今回の交渉の最大の中核となりましたのは、日本政府が従来から一貫して主張してまいりました四島一括返還という我が国の姿勢、これを明確な形で、この共同声明に書いた国後、択捉両島を含めまして歯舞群島、色丹島の四島の帰属の問題、これが平和条約の中の中核をなす領土問題の交渉の中核である、この交渉を加速化させる、これが平和条約交渉の第一義的な重要性を持つということがうたわれたわけでございます。
○諫山博君 わかりました。 今の点、首相から答弁してもらえませんか。
○委員長(及川一夫君) 総理、今の答弁でよろしゅうございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 今欧亜局長が詳しく御答弁したとおりでございます。
○諫山博君 終わります。
○高井和伸君 私は総理大臣に、行政改革の一環として内閣が積極的に取り組んでおられます行政手続法制定への努力の経過を踏まえた、そういう中で総理の決意を聞きたいというのが私の質問の大意でございます。 私は、この昭和六十二年度の決算審議を通しまして、すべての各省庁における行政手続の実態ということを中心に十回ほど聞いてまいりました。きょうはその総仕上げでございます。各省庁の御意見それぞれございましたし、手続の実態など各法律の中に規定されておりまして、いろんな歴史的な経過、あるいは行政手続も各行政目的に合わせたような特色ある手続がいろいろなされている。しかし、これは統一的な手続にしなきゃいかぬのじゃないかという一般的な方向で、今までいろいろな場面で審議され、検討され、やってこられました。 それで、現在臨時行政改革推進審議会の中で、公正・透明な行政手続部会というところで精力的に審議されまして、きょう午前中総務庁のお話をお聞きしますと、これまで十三回の会合が行われ、十の省庁からヒアリングをし、いろいろ問題点を聞いてきたと。その中で問題点として言われているのは、異論を唱えるところはない、各省庁、十の中の省庁、皆さん行政手続法の制定については異論はない、こういう一般論がございました。しかし、問題点はないかとお尋ねしましたところ、やはり効率のよい行政という面からいうと、余り手続をしっかりやり過ぎると能率が悪くなる、こういう問題点が指摘されています。そしてまた、円滑な行政をするためにも、余り手続を重要視したんじゃいけない、そういう面での配慮が各省庁の方から意見が出ているというお話でございました。また、各手続の中の特殊性というのがあるんだから、余り行政手続法というような一般法で縛るのはいかがなものかというような意見もあったと。そして、過去にいろいろ各省庁が一生懸命考えてきた法律によって行政手続が一定の定着度がある、それをまた行政手続法という後でおっかぶさったような格好でいろいろかき回すのはいかぬのじゃないか、そんなような意見――私の解釈も大分入っておりますけれども、そういう意見があったということになります。また世に言う総論賛成、各論、反対とは言いませんが慎重にという雰囲気が各省庁の回答であった、こういうお話でございます。 私もこの決算委員会の六十二年度の審議の中で、各省庁大体聞いたつもりでございますが、各大臣の御答弁の中は、大体前向きに行政手続の公正性それから透明性を強調なさる方がほとんどでございましたけれども、中には検討しますという簡潔な回答をされる大臣もございました。 こういう中で、そこで総理大臣にお伺いしたいんですが、回答はきっとできないと思いますので私から言いますけれども、こういった、例えば侵害処分というテーマが今テーマになっております。大蔵省の関係ですと、例えば一たん銀行に営業許可を与える、それを取り消すというような場面、外務省の場面ですと例えば旅券を発行したんだけれども取り消すというような場面、厚生省ですと医師の免許を与えたけれども取り消すという、これが侵害処分の代表的な例なのでございますが、こういったのが各省庁の、私がここで把握しただけでも数は、労働省だけ除きまして五百あります。私がここでずっと各省庁から細かく資料を出してくださいということで集めた数字で五百もございました。 その五百もあるような行政手続、先ほど言ったような銀行業務の営業の許可を取り消す、医師の免許を取り消すという場合、それぞれの手続手続が、取り消し手続が詳しく過去の手続の実際として積み上げがある、そういうものをいじるということは大変なことなんだろうと私は実感として考えているわけでございます。そういったところで今までの政府の対応は、長らくの間専門的な方々が非常に地道な努力をなさってこられまして、その結果がせんだって行政手続法研究会というところで第二次報告案が出まして、それを受けて先ほどの臨時行革審の方でいろいろやっておられると。三つの柱の中の一つということで非常に私は頼もしく思っているわけでございます。 そこで私は、五百もある法律について各省庁のお話など聞いておりますと、個別にそれぞれの法律があるんだから個別法優先でやってくれという意見だとか、この手続は特殊性があるから行政手続法がもし制定されたとしても適用除外にしてくれというような逃げ道がいっぱい、逃げ道という言葉はおかしいんですが、それが妥当かどうか別として、行政手続法から逃れられる手がいろいろある、そういった意見を各省庁からも出ているということになります。 そこで先ほど総務庁長官にお尋ねしました。こんなような意見があるんだけれども総務庁長官としてはどうでございますかと午前中お尋ねいたしましたところ、手続が目指す実体的な側面も重要なんだけれどもやはり手続面も重要である、したがって私は元気よくやりたい、そして、国際化を目指した日本、あるいは国際時代の日本が各国に対して恥ずかしくない行政手続を持っていなきゃいけないという側面からも元気よくやりたい、そして十二月中に答申があるからそれを受けたら前向きにやりたい、このようなことがこの決算委員会における総括的な私の理解度でございました。 そこで、やはり各省庁によって、こんなに五百もあるというようなところで省庁がいろんなことを言い出しますととてもまとまらない。しかも行政手続法というのはやっぱり国民から見たら政府がしっかりやってくれるという信用、あるいは政府と国民とをつなぐパイプ、それを制度的に担保する非常に重要な法律だろうと思うんです。しかしながら、私がこの審議で感じたことは、行政手続法という法律ないしはそういった概念については、法案担当の例えば文書課の方だとかそういったところは非常によくわかっておられるけれども、各省庁の現場的なところへ行くとなかなかわかっていない。そういう状況のもとで行政手続法の制定ということになると、先々、総論はいいんだけれどもかなり難しいものが出るんじゃないか、私はこう思っているわけです。 そこで、最後に総理大臣の御決意、あるいはこれからの行政手続へのお考えをお聞かせ願えればありがたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 行政手続の内外への透明性の向上、公正の確保を図るための法制の統一的な整備は極めて重要なものであると考えておりますので、このため、昨年の十月に発足しました行革審に対して、その第一回の会議で私から調査、審議をお願いしてきたところであります。 現在、同審議会においては、御指摘のように本年の十二月をめどに統一法案要綱を含む答申を提出すべく鋭意検討中と承っております。今個々具体にいろいろな幅の広い問題やら、総論には賛成でも各論にはどうなんだという御懸念の表明もございましたが、私といたしましては、この行革審の答申はそれらの問題をも全部含めながら今御審議を願っており、そして法案要綱を含む答申を今年じゅうに出していただけるものと、かように受けとめておりますので、その答申を待って実現に向けて努力をしてまいりたい、こう考えております。
○高井和伸君 終わります。
○三治重信君 総理、大変御苦労さんです。もう最後ですから。 一つお願いしておきたいのは、今度日ソ会談で大変御苦労であったというのが皆さんの御意見だと思うんですが、私は、日朝交渉、それから今度の日ソでも、事前にいろいろの政治家が行って、外交専権事項みたいなことが非常に新聞に報道されておって、それが国民に相当期待を持たせたり、憤慨させたり、そういうことが出てきてると思うわけなんです。したがって、先ほど来の答弁でも、政府・与党の連絡会議があるようなことを聞いたんですが、もう少し総理として、外交関係の重要な事項については政府・与党の中で、外へ出るのはどの辺までと、外務大臣や総理がやる以外の外交交渉の問題は、やはり外へ出るのにもっと制限をつける必要があると思うんです。 私は、外交交渉というのは、とにかく一般国民から見て政府の専権事項である外交の問題が、その重要なものがぽんぽん新聞へ出るような態勢というのは決して僕はよくないと思うんですが、その点についてもう少し統制を総理からしてとられるべきだと思うんですが、御意見をお伺いします。
○国務大臣(海部俊樹君) 全体として、委員のおっしゃったことに対して、私は外交は国と国との間柄を律する大切な関係でありますから、これは政府に、一つの窓口としての専権事項としてお認めをいただいておるものである、こう思っております。 ただ、議員の皆さん方がいろいろなお立場で日ごろ各国とそれぞれ議員外交を展開をしていただく。そのたびごとに私もいろいろと、例えば今具体的にお触れになりました日朝のときも日ソのときも、いろいろ政府の考え方というものは十分にお伝えをする、同時に政府と国会というものは、日本という立場からいけばこれは一緒のものでありますから、そこにいささかも食い違いがあってはならないと思いますし、また野党の皆さん方も、帰ってこられてからいろいろな報告をしてくださることもございました。 私は、今回の場合のようにいろいろな過剰な期待を持つとか、あるいは交渉が成功したとか失敗したとかいうことよりも、誠意を持って最終的な目的である日ソの信頼と本当の友好関係をつくっていくためには、日本側にも譲れない原則があるので、この原則を踏まえてそれらのことに対して同じ方向性をもって御努力をいただくことは、これ、環境の一つの整備であるという見方もできるわけでありますから、そういったかじとそういった枠の中において御理解と御協力をいただくことを強くお願いをしてまいりましたし、今後ともそのように御理解を賜りたいと思います。
○三治重信君 ぜひひとつ、十分御連絡の上だと思うんですが、やはりマスコミの口はふさがらぬことは事実なんですが、事前に十分、重要な問題についての国民への伝達のあり方というものをひとつ注意深く外交は進めてもらう。これはやはり国民が全部国の代表は政府だ、こういうふうに思っておるわけですから、それが外れるようなことは、だれが交渉をしているのかというようなことのないように、ひとつぜひお願いします。これはまた、マスコミ関係は、私がテレビなんか見ていてもそういうことを言っているテレビも相当あるわけですから、ひとつよろしくお願い申し上げます。 それから、先日外務大臣にも言って、外務大臣から非常にいい御答弁を得たわけですが、国連の敵国条項の廃止の問題ですね。これは、日本は今まで負担の増だけどんどこどんどこして、今やアメリカの次に国連の経費の負担をするようになった。大変喜ばしい、日本は経済大国になったようなことを言っていたんですが、基本的な敵国条項の廃止というものについて政府は最近出しているような気がするんですが、これはどの程度の見通しを持ってこの敵国条項の廃止を決意されたのかどうか。
○国務大臣(海部俊樹君) これは国連のスタートいたしまして以来、日本が憲章第四条に基づく平和愛好国として国連加盟を認められて以来、御指摘のようにでき得る限りの協力、努力もしてまいりました。今、国連の中において認められる国になってきたわけでありますから、敵国扱いというのはこれはやめてもらいたいと、外務大臣を通じて正式に国連の場でも主張をさせておりますし、またそれぞれの国に対して、日本は敵国条項を削除してもらうように強く求めておるところであり、また大方の御理解も得られつつある、このように判断をいたしております。
○三治重信君 これはまあこの場ではちょっとわからぬかもしれませんが、具体的な手続というのはどういうふうな格好になるわけですか。
○政府委員(柳井俊二君) 手続といたしましては、我が国が望んでおります形は、これは国連憲章からの削除というものでございます。 ただ、現状におきましては国連の加盟国、特に国連の常任理事国の賛成が必要なわけでございますけれども、この常任理事国の間にはいろいろ意見もございまして、先ほど総理から御答弁ございましたように、もはやこの敵国条項が意味を失っているということにつきましては大方のコンセンサスがあると思います。また、今回の首脳会談におきましても、そのような趣旨のことが共同声明にも入れられたわけでございます。 ただ、削除するかどうか、あるいは例えば解釈宣言のようなことをするかというようないろいろな方法につきましてはまだコンセンサスが得られていないということでございまして、我が国といたしましては、最も望ましい削除という方向で今後とも努力を続けていきたい、そういうふうに考えている次第でございます。
○三治重信君 最後に一つ。 ODAの経費が世界一になったといって大変経済大国を誇るわけなんですが、私は、これも国民の税金で全部支払われているものなんで、国内の経費は全部会計検査院の検査があるんだが、国外に行ったのはどうも全然こういう経理について、それは外国政府に支払うということではあるんだけれども、やはり援助のいろいろの具体的なものとなるといろいろな問題が起きるわけですから、会計検査院がある程度フォローできるような体制をぜひつくっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(川上隆朗君) 御質問のODAの実施に関する会計検査の問題でございますが、ODAの実施に関しましては、公正かつ適正に執行されることが必要であって、いやしくも疑惑を招くようなことがあってはならないということは申すまでもございませんわけで、従来より、援助の仕組みに応じまして案件の審査やチェック体制、案件評価等の各方面において種々の対策を講じているところでございます。さらには、毎年我が国の関係官庁及び実施機関に対しましては会計検査も行われているわけでございます。 政府といたしましては、その結果を踏まえまして必要に応じて所要の改善措置をとってまいりましたし、今後とも適正執行、効果的な実施に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○委員長(及川一夫君) 他に御発言もなければ、昭和六十二年度決算外二件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(及川一夫君) 御異議ないと認めます。 海部内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。 ─────────────
○委員長(及川一夫君) この際、御報告いたします。 内閣に対する警告案の取り扱いにつきましては、理事会におきまして意見の一致を見るに至りませんでした。 したがいまして、本件決算につきましては、是認するか否かの議決のみを行うことに決定いたしましたので、御了承願いたいと存じます。 ─────────────
○委員長(及川一夫君) これより昭和六十二年度決算外二件について討論に入ります。 それでは、御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○会田長栄君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、昭和六十二年度決算外二件につき是認に反対することを表明し、以下、その理由を述べます。 六十二年度予算は、当初、当時の中曽根首相が前年の衆参同日選挙の公約をほごにして、大型間接税である売上税の導入を企図し、多くの国民の反対の渦の中で売上税法案が廃案となったいわくつきの予算でありました。その後、売上税とともに一たんは廃案となった大衆増税のマル優廃止が強行されるなど、税財政運営には極めて多くの問題があります。 第一に、税収見積もりの大幅な見込み違いの問題であります。当初予算の税収見込みと比較すれば、年度途中の減税額一兆八千億円余を含めて七兆四千億円余の増収になり、実に一八%もの誤差が生じたことになります。当初予算の税収見積もりを低く抑え、売上税とマル優廃止という大衆増税を導入する環境づくりを図ったのではないかと言われても仕方がないものであります。 第二に、円高不況対策を名分に節度のない金融緩和政策をとり続け、株と土地を中心にバブル経済を演出したことであります。六十二年中の資産価値の増加は土地で三百六十兆円、株式で百二十六兆円もあり、実に当該年度の国民総生産三百五十一兆円の一・四倍にも上り、持つ者と持たざる者との格差が増大しました。特に地価の高騰によって、大都市圏を中心に庶民から持ち家の夢を奪ったことは許容されるものではございません。 第三に、財源難と財政再建を理由として厳しい歳出の抑制を図り、社会保障費を初め国民生活にかかわりの深い経費に大なたを振るう一方で、世界的な緊張緩和の潮流に逆行して防衛関係費は六%も突出して増額させ、軍事大国化を推し進めたことであります。中ソの和解、南北朝鮮の対話促進、日朝国交回復交渉の開始、さきのゴルバチョフ・ソ連大統領の来日といった一連の動きを見ても、アジア情勢は不安定であるとか基盤的防衛力整備が必要であるとかいう政府の唱えてきた理由が根拠の薄いものであったことは明白であります。 最後に、後を絶たない税金のむだ遣いについて指摘しておかなければなりません。会計検査院の昭和六十二年度決算検査報告においては二百九件、総額百七億九百四十七万円のむだ遣いが指摘されました。中でも、不当事項は百七十件、四十一億三千九百九十九万円にも上っております。 私は、税金のむだ遣いの最たるものとして、原子力船「むつ」の問題を特に指摘したいと思います。原子力船「むつ」は、当初、建造費等百四十億円で海洋観測船として建造が始まったものであります。それから十八年間にあまたの致命的な故障を重ね、廃船とすべしとのたび重なる国会での指摘にもかかわらず、事業を強行継続したのであります。平成二年度まででも千百二十六億円もの巨費を投じて、実験船としての成果もほとんどおさめることなく、「むつ」はここ一、二年のうちに廃船になろうとしています。見通しの甘い計画に固執し、国民の血税を浪費した政府の責任を厳しく指弾しておかなければなりません。 このような欠陥を数多く含む昭和六十二年度決算外二件は、到底是認することはできません。加えて、是認されない場合は警告書を出すべきではないとする意見については納得できないことを明らかにし、反対討論を終わります。
○守住有信君 私は、自由民主党を代表して、昭和六十二年度決算外二件に対して、これを是認することに賛成の討論を行うものであります。 是認に賛成する第一の理由は、昭和六十二年度の経済運営により、昭和六十一年十一月にスタートした史上第二位の、もしかすれば第一位にまでなりそうな長期経済成長の基盤が固まったからであります。すなわち、昭和六十二年度の経済は、円高による不況からようやく脱した段階に年度初めを迎えましたが、内需を中心とした景気の持続的拡大、雇用の拡大及び地域経済の活性化等の国内経済の課題と、我が国の国際社会の地位にふさわしい役割と責任を担うため、対外不均衡を是正し、自由貿易体制を維持強化するという国際的な課題を背負っておりました。 一年間の経済の実績を見ますと、個人消費が堅調に推移し、民間投資、公共投資とも増加するなど、経済は回復から拡大局面となり、実質経済成長率は当初見通しの三・五%を一・七%も上回る五・二%となり、一方、消費者物価の上昇率は○・五%にとどまるという理想的な姿を示したのであります。また、緊急経済対策の着実な実施により、対外不均衡の是正、調和ある対外経済関係の形成が行われたのであります。 賛成する第二の理由は、この間の財政運営が極めて適切であり、財政の重要な機能である景気調整機能を十分に発揮せしめたことであります。すなわち、予算編成がなされた後、円高が一層進みました。そのときに当たり、緊急経済対策を作成するとともに、その政策の中核として、年度早々ではありましたが補正予算を作成し、公共事業を柱とする需要拡大策を実施したのであります。 また、前年度補正に引き続き、赤字国債依存を避けた新たな税外収入財源として、NTT民営化に伴う株式売却益を財源とし、将来の返済を前提とした無利子融資制度も活用され、その結果、経済は息切れすることなく成長し、雇用及び地域経済にも大きく寄与いたしました。 ところが、この景気刺激策について、土地価格の上昇を生んだという批判をする人もあります。けれども、当時の野党の代表者は、政府の補正では内需拡大に不十分だと論じていました。結果から見まして補正の規模は適切でした。野党の言い分を聞いていれば、土地価格はもっと上昇し、ゴー・アンド・ストップは避けられなかったことでしょう。 賛成する第三の理由は、財政再建がこの年度にめどがついたことであります。 昭和六十五年度を目標に赤字公債から脱却することを目指した新財政再建七カ年計画は、その期間の半ばに達した時点においてもその歩みは遅々としていました。野党の諸君から、増税なき財政再建路線の破綻という批判をしばしば受けたのであります。 しかし、昭和六十二年度後半から税収の急激な伸びがあり、それを利用しての赤字公債発行額の縮小を年度内でも行い、財政再建に重要な一歩を刻みました。税収の伸びは政府も我が党も予期したわけではなく、その意味では幸運に恵まれたとも言えますが、しかし、その幸運の基礎には、長い間ゼロシーリング、あるいはマイナスシーリングによる地道な行財政改革があったればこそであります。 第四に、資源配分が重点的に行われたことを述べたいと思います。 この年度の決算額の対前年度比を見ますと、経済協力費が一七・七%増加しています。予算がふえただけでなく決算においてふえているということは、その執行が順調に行われていることであり、世界一の黒字国として国際社会の一員としての日本の果たすべき義務を適切に果たしたことを示すものとして関係各位に敬意を表する次第であります。また、公共事業費の伸びも五・五%となっていますが、その前の三年度の平均がマイナスの一%であったことから見て、景気の観点からの政策転換の効果を示すと言えると思います。さらに、防衛費において、補正による減額及び決算による不用額を出していますが、これは円高による航空機購入費の節約ができたためであり、とかく予算の枠は消化してしまおうという官庁会計のあしき伝統に染まっていない防衛庁を示すものです。当然と言えば当然で、シビリアンコントロールの成果であります。 なお、財政執行上の個々の問題につきましては、会計検査院の指摘を受けた事項のほか、委員会においても我が党からも繰り越しの増加、看護婦の労働条件等々についても反省すべき点を指摘いたしておりますが、政府は、今後一層財政の効率化と行政の適正化に努め、国民の信託にこたえるよう要望いたします。 以上により、昭和六十二年度決算外二件の是認に賛成の討論を終わります。
○猪熊重二君 私は、公明党・国民会議を代表し、昭和六十二年度一般会計歳入歳出決算外二件の決算関連案件に対し、これを是認しない旨の討論を行います。 反対討論に先立ち、予算と決算審査との関係につき私見を述べておきたいと思います。 予算は、憲法、国会法等に基づき、予算という独立の法規範として定立されたものであります。したがって、すべての国家機関は、たとえ予算の内容に反対であったとしても、既に確定した国家意思として予算を承認、尊重すべき義務を負担していると思います。かかる観点から、決算審査の意義を考えるとき、決算の審査は、予算の内容的当否に及ぶものではなく、既に国家によって確定された歳入歳出予算がいかに適法妥当に執行されているか否かの視点からなさるべきものであると言わなければなりません。 私は、このような立場に立って、昭和六十二年度一般会計歳入歳出決算を審査した結果において、なお、右決算外二件は是認すべきものではないと思料し、是認に反対の討論を行うものであります。 反対の第一点は、不当事項及び改善を要する事項が多数存在することであります。この点につき、会計検査院は会計検査の結果、不当事項として百七十件、不当金額として金四十一億円余、改善要求事案として七件、二十四億円余を指摘しており、これらの指摘はまことに当を得たものであります。しかも、これらの指摘は、会計検査院が検査対象として摘出した決算の中に存在したものにすぎません。したがって、統計的にいっても、検査対象とならなかった決算の中にも多数の不当事項、不当金額、改善要求事項が存在することは明らかです。 このように、本決算に相当と認められない歳入歳出決算が多数項目存在することは、決算としての妥当性を欠くものと言わざるを得ません。 反対の第二点は、内閣の無為無策による土地の異常高騰のために、予算において企図された政策目的が達成不能となっている点であります。昭和六十二年度においても、土地は異常に高騰し、その結果として、住宅政策、道路等公共投資政策の実現のために計上された予算が効果的に使用されず、住宅、公共投資の歳出実績が低下し、所期の政策目的を実現し得ない決算内容となっており、到底承認し得るものではありません。 反対の第三点は、国有林野事業特別会計の債務増加の点であります。政府は、国有林野事業の経常経費の健全化に努め、債務の増加を抑え、累積債務の減少に努力する旨を約束して当該歳出予算を計上しました。しかし、昭和六十二年度においても、結果的に経常経費の赤字体質は全く変化せず、同年度だけで債務は逆に八百五十八億円も増加しております。莫大な歳出予算を費消しながら、何ら政策目的の実現に寄与しない決算を承認することはできません。 以上で私の昭和六十二年度一般会計歳入歳出決算外二件に対する是認しない旨の討論を終わります。
○諫山博君 私は、日本共産党を代表して、昭和六十二年度決算外二件について、これを是認することに反対の意見を表明します。 本決算は、中曽根内閣の悪名高い戦後政治の総決算の仕上げとも言うべきものでありました。それは第一に、一般会計全体では前年度比伸び率をゼロに抑えながら軍事費を突出させ、ついにGNPの一%枠を突破するという歯どめない大軍拡に突き進みました。中身の点でも、OTHレーダー調査費の計上、F15、P3Cなど正面装備、在日米軍への思いやり予算の大幅増額など、日本の防衛とは全く無縁のアメリカ有事の自衛隊参戦体制づくりを一層進めたのであります。これが反対理由の第一であります。 反対理由の第二は、農業や石炭産業、中小企業の切り捨てを内容とする産業構造調整促進を強行し、国民生活関連予算も政管健保への国庫補助を三年連続削減し、保険証がないために病気になっても医者にかかれず死亡するなどの痛ましい事件が相次ぐなど、今日の国民の困難をつくり出したことであります。 本決算は、さらに昭和六十二年七月二十四日と翌六十三年二月二十日の二度にわたる補正予算を執行したものでありますが、この問題に特に触れないわけにはいきません。それは、中曽根内閣がレーガンに約束した緊急輸入や内需拡大で、テクノポリスやリゾート施設整備、みなとみらいなど民活型公共事業の基盤づくりなど、今日の地価高騰や国土のゆがみの原因がこのときから一層進められたからであります。これらの施策の誤りは、今では非常に明らかになっているところであります。これが反対理由の第三であります。 反対理由の最後に、リクルート事件を指摘しなければなりません。本決算に係る予算執行中に緊急輸入されたスーパーコンピューターは、リクルート事件NTTルートの中心的な疑惑を構成するものでありました。そして本決算に係る予算執行中に明らかになった自民党・中曽根内閣の腐敗ぶりは目を覆うばかりのもので、その腐敗は与党だけにとどまらず広く政界を巻き込んでいたことが白日のもとにさらされたのであります。 昭和六十二年度国有財産増減及び現在額総計算書は、国有財産の純増加要因として、軍拡路線を反映した防衛庁の艦船、戦闘機などの新造を含むものであり、このような国有財産のあり方を示す本計算書を是認することはできません。 また、同年度の国有財産無償貸付状況総計算書については、制度自体の意義は否定するものではありませんが、管理運用上の一部にある疑義がそのままにされている状況のもとでは、是認できません。 最後に、昭和六十一年度決算は参議院において不承認とされました。本院の不承認の意思が政府の予算編成にどのように生かされたのか、極めて疑問であります。政府に何ら反省の意が感じられないことに極めて遺憾の意を表明して、私の反対討論を終わります。
○高井和伸君 私は、連合参議院を代表して、昭和六十二年度決算外二件について是認に反対することを表明しまして、以下、その理由を簡潔に述べます。 理由の第一は、土地価格の高騰を抑え切れなかったという点でございます。予算編成当時から地価高騰対策が求められていたにもかかわらず、有効な手だてがなされず、その後の推移から見ても明らかなごとく、サラリーマンが持ち家の夢を奪われたという、そういった点が六十二年度決算を是認できない最大の理由でございます。数字から見ましても、日本の資産としての土地価格の異常さというものを指摘しておきたいと思います。昭和六十二年度の日本のGNPと土地の資産額を対比しますと、GNPを一としますと土地の資産総額は四・八倍。ちなみに前年の六十一年では三・七倍の数字でございました。それをアメリカの同年の数字と比較してみますと、アメリカの場合、GNPを一としますと土地の総額が〇・八倍、同じように六十一年度は〇・七倍ということになります。その後の税収の増加というものも、土地の価格の高騰というものがベースにあるということを銘記すべきであると考えております。 理由の第二は、時代の流れに逆行する防衛費の突出であります。特に予算成立時の対GNP比一%を突破している点、これを指摘しておきたいと思います。他面、社会保障関係費の抑制が国民の生活を圧迫したということであります。 理由の第三は、会計検査院の昭和六十二年度決算検査報告において、多くの不当事項あるいは改善を要する事項が存在して指摘されている点でございます。 以上でございます。
○委員長(及川一夫君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(及川一夫君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず、昭和六十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和六十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和六十二年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和六十二年度政府関係機関決算書の採決を行います。 本件決算は、これを是認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(及川一夫君) 多数と認めます。よって、昭和六十二年度決算につきましては、多数をもってこれを是認すべきものと議決いたしました。 次に、昭和六十二年度国有財産増減及び現在額総計算書の採決を行います。 本件につきまして、これを是認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(及川一夫君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。 次に、昭和六十二年度国有財産無償貸付状況総計算書の採決を行います。 本件につきまして、これを是認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(及川一夫君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(及川一夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(及川一夫君) 次に、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を議題とし、派遣委員の報告を聴取いたします。 まず、第一班の御報告をお願いいたします。会田長栄君。
○会田長栄君 決算委員会の委員派遣第一班について報告いたします。 第一班は、及川委員長、猪熊理事、秋山委員、諫山委員、高井委員及び私会田の六名により構成され、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する実情を調査し、もって昭和六十二年度決算外二件の審査に資する目的で、去る一月十六日から十八日までの三日間の予定で山形県及び宮城県に派遣されました。 第一日は、途中福島で下車し、いわゆる山形新幹線のスタート地点となる福島駅の東北新幹線とのアプローチ施設を視察、説明を受けました。また、山形市にあるそのための改造されている車両基地もあわせて視察いたしました。山形新幹線は、ミニ新幹線と言われるもので、新幹線と同じ標準軌の線路を従来の狭軌を撤去した路盤に敷設し、山形と首都とを直行する特急を走らせ、結ぼうとするものであります。山形県は、その総合開発計画の基本として高速交通時代の到来への対応を重視していますが、その中核の一つがこのミニ新幹線で、時間の短縮と直行の利点により首都圏との直接交流圏を目指しています。 一方、昭和六十一年に特定地方交通線に選定され、第三セクター鉄道へ衣がえした長井線を赤湯において視察しました。現在までは、補助金、地元の支援体制等もあってフラワー長井線として平均一日三千九百三十四人の乗客数であり、営業は苦しいと見受けました。補助金の期間の延長と災害の起きた場合の復旧についての何らかの制度の新設について強い要望を受けました。 山形市内に入り、県庁に赴き、県財政の概況及び県総合開発計画の概要について説明を受けました。引き続いて東北横断自動車道酒田線の建設現場を訪れました。ミニ新幹線と並ぶ高速交通時代を迎えるためのプロジェクトとして県当局が力を入れている事業であります。さらにその日のうちに、地場産業の雄であるオリエンタルカーペット株式会社の本社及び工場を視察し、世界的にその製品の優秀なことが認められている技術及びデザインを拝見しました。 第二日目は、宮城県に入ったのでありますが、県境を越えたすぐ近くにあるニッカウヰスキー株式会社の仙台宮城峡工場を見学しました。みちのくの自然がつくり出す微妙な味わいについての説明を聴取しました。 引き続き、林野庁の造林事業を視察しました。字蕃山国有林の三十四年生アカマツと十五年生杉の造林地を見たわけですが、つる切り、除伐等の手入れが十分なされております。しかし、この地は仙台市の中心街から相当離れている地域にもかかわらず、国有林以外の土地は、民間の開発により宅地造成され、あるいはその進行中であり、林業の施業地として存続できるか否か厳しいものがあると感じました。 県庁を訪れ、そこにおいて東北財務局、仙台国税局、東北農政局及び青森営林局からそれぞれ管内概況の説明を受け、また、宮城県当局から財政状況及び産業の状況等の説明を受けました。これについては後に申し上げます。 その後、県南の角田市を訪れ、農業水利事業の概況の説明を受け、阿武隈川の逆流を防ぐせき門、域内の雨水を強制排水する新旧の施設を見学しました。さらに隣の山元町を訪ね、いわゆる農村下水道と言われる農業集落排水処理施設、千七百二十人を対象とする、小さいながら処理能力の高い施設の維持管理の状況を視察しました。 第三日目は、航空自衛隊松島基地及び大和町にある廃棄物処理施設を視察する予定でしたが、湾岸戦争勃発に伴う本会議がセットされたため、急遽予定を変更し帰京いたしました。視察の準備をしていただいた方々に深くおわびをする次第であります。 以上の視察の状況を報告しましたが、説明を省略した部分のうち、その主なものについて申し上げます。 東北財務局管内の県民所得は、全国平均と比較して八〇・九%であり、しかも長期的にその比率が低下しております。また県財政を見ても、地方税の比率が二〇・八%と全国平均の半分以下であります。就業人口比率も第一次産業が一八%弱と全国の二倍であり、第二次産業のウエートもようやく三〇%に達したところであります。したがって、各県の主要関心事は東京一極集中を是正し、国土の均衡ある発展を目指す総合開発計画の推進にあることも理解できます。 山形県、宮城県ともにそのための高速交通網の整備に力を入れておりまして、国に対しても東北横断自動車道の整備を初めとする交通ネットワーク形成を強く要望しております。また、首都機能の分散、移転の一助として、さきに決議のありました国会移転についても、東北・北海道を結ぶ第二国土軸上に実現することを願っております。 また、国税の平成元年度の収入状況を見ますと、東北地方全体で一兆八千八百五十四億円で、全国の三・三%であります。対前年度伸び率は一三・一%で、全国平均の一〇・一%を上回っていますが、これは、消費税導入及び法人税の伸びによるもので、他の諸税の伸びは全国平均を下回っています。 なお、新土地税制に不可欠の路線価格の状況についての質問が行われ、作業がまだ十分進んでいないが、そのための増員が認められているとのことでありました。 簡単でありますが、以上で報告を終わります。
○委員長(及川一夫君) 次に、第二班の報告をお願いいたします。守住有信君。
○守住有信君 引き続き、第二班の委員派遣報告をいたします。 千葉理事、鎌田委員、木暮委員、陣内委員、大渕委員、三治委員及び私守住は、去る一月十六日から十八日までの三日間、国家財政の経理及び国有財産の管理等の実情調査のため、福岡県、佐賀県及び長崎県に行ってまいりました。 第一日目は、大蔵省福岡財務支局、同福岡国税局、農林水産省九州農政局、建設省九州地方建設局より、それぞれ業務概況を聴取いたしました。また、福岡県より県政概況、九州旅客鉄道株式会社より経営概況を聴取した後、福岡市東部清掃工場、筑豊炭鉱跡地及び宮田工業団地をそれぞれ視察いたしました。 第二日目は、福岡市地下鉄管制センターを視察、また福岡市立博物館を見学、それぞれ説明を聴取いたしました。その後佐賀県に入り、神埼町の吉野ケ里遺跡を視察、また佐賀県より県政概況を聴取いたしました。 第三日目は、諫早干拓事業、大村難民センター等を視察する予定でしたが、湾岸情勢急変のため、日程を変更し、急遽帰京いたしました。 以下、調査の概要について御報告申し上げます。 まず、国の地方支分部局及び県等の業務概況についてであります。 福岡財務支局からは、各省庁の行政財産について使用状況実態調査を実施し、一層の有効利用に努めていること、普通財産については公共・公益の用途使用を優先し、民間への処分は慎重に対処していること等の説明がありました。また、福岡市は金融自由化の激戦地となっており、信用金庫等の置かれている厳しい状況が報告されました。 福岡国税局からは、産業構造に関し、管理機能の集積が顕著な福岡県は第三次産業が、高速道路の貫通した佐賀県は第二次産業が、観光地を抱える長崎県は第三次産業が、それぞれウエートを高めているとの分析がありました。また、納税者の増加と消費税に対応する徴収体制について質疑が交わされました。 九州農政局からは、新品目の産地の拡大、機械の共同利用等を目指す水田農業確立運動を推進していること、また九州地方建設局からは、海の中道海浜ゾーンを国営公園として建設中であること等の説明がありました。 福岡県及び佐賀県からは、財政状況を中心に説明を聴取いたしました。両県とも依存財源が高率を占める中で、公債償還費、人件費等の義務的経費に加え、高齢化社会への対応、地域の活性化対策など新たな財政需要が見込まれており、自主財源の充実強化は共通する緊要な課題でありました。 JR九州からは、昨年七月の豪雨災害が経営を圧迫しているとの説明がありました。新体制のもとにおける経営努力中の大規模被害であり、また、豊肥線の全線再開には秋までの期間を要するとのことであり、民営切りかえ後、最初の大規模災害復旧に当たり関係省庁の積極的な対応が不可欠と痛感されました。 次に、視察しました事業の概要についてであります。 福岡市東部清掃工場は、同市東区に昭和五十一年に設置されましたが、ごみ処理能力が限界に達したため、昨年隣接地に第二工場が増設されていました。同工場は高性能の集じん装置、排ガス洗浄装置等で公害防止に対処し、余熱は冷暖房、自家発電のほか、余熱利用センターで活用しております。福岡市内でも、ごみ焼却灰や不燃物の埋立処分場は年々狭隘になっているため、周辺自治体と協力し、確保しているとのことであります。 かつての筑豊貝島炭鉱の地、宮田町では、地域振興整備公団により大規模工場団地が造成中でした。トヨタ自動車の工場進出が決定し、平成五年より生産が開始されるとのことで、この地域の経済活性化が期待されております。しかし一方で、炭鉱跡に多数残るボタ山や老朽化した炭鉱住宅は生活環境を著しく悪化させており、早急な施策の必要が痛感されました。 福岡市営地下鉄は、昭和五十六年に部分開通し、現在十四・五キロをJRとの相互乗り入れ方式で営業しております。福岡空港ターミナルまでの延伸工事が進行中で、平成五年春には市中心部と空港を結ぶ重要なアクセス手段となりそうです。設備では、CTC、ATCなどの導入で安全の確保が図られているほか、ワンマン運転などによる積極的な合理化に努めており、これからの公共交通のモデル的な存在となっております。 昨年十一月開館の福岡市博物館は、市内西部シーサイドももち地区にあり、建物とともに収蔵品、スタッフの充実には目を見張るものがありました。常設展示は、アジア大陸との接点として発展した福岡の歴史と、人々の生活・文化に焦点を当てた構成ですが、中でも注目されるのが江戸時代に市内志賀島で発見された国宝金印です。 佐賀県の吉野ケ里遺跡でも、九州の歴史の古さを認識させられました。神埼町、三田川町及び東脊振村に位置する約四十ヘクタールの同遺跡は、最大規模の弥生時代の環濠集落跡、巨大な項丘墓、大規模な甕棺墓地等から成っており、いわゆる耶馬台国をほうふつさせるものとして人々の関心を呼んでおります。現在、地元の手で物見やぐらと高床倉庫、竪穴住居が仮復元され、展示室が設置されていますが、佐賀県及び地元の各自治体は、吉野ケ里遺跡の国営公園化を強く要望しておりました。国家的に重要な遺跡であるとの見地から、国の手による同遺跡周辺の本格的、総合的な保存体制を早急に整備する必要があると痛感されました。 以上が調査の概要であります。 御協力をいただきました各位に対し御礼を申し上げ、報告を終わります。
○委員長(及川一夫君) これをもって派遣委員の報告は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十九分散会