環境特別委員会 第5号
- 発言数
- 226 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1991/04/24
会議録
○委員長(上野雄文君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨二十三日、山田勇君が委員を辞任され、その補欠として小西博行君が選任されました。 ─────────────
○委員長(上野雄文君) 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。愛知環境庁長官。
○国務大臣(愛知和男君) ただいま議題となりました鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国においては、鳥獣の保護繁殖を図るため、環境庁長官が定める狩猟鳥獣以外の鳥獣の捕獲を禁止するとともに、鳥獣保護区等を設定し当該区域における鳥獣の捕獲を禁止するほか、鳥獣保護事業を実施する等の措置を講じているところでありますが、特定の用具を使用した鳥獣の違法捕獲が絶えないことから、これを防止するための新たな措置を講じていくことが課題となっております。 この法律案は、このような課題を踏まえ、鳥獣の保護繁殖を図るため、狩猟鳥獣の捕獲のために使用することを禁止されている網またはわなのうちその使用により鳥獣の保護繁殖に重大な支障を及ぼすものを所持し、または販売する等の行為を規制しようとするものであります。 以下、改正案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、狩猟鳥獣の捕獲のために使用することを禁止されている網またはわなのうちその使用により鳥獣の保護繁殖に重大な支障を及ぼすもの(特定猟具)は、特定の事由により環境庁長官の許 可を受けて行う場合を除き鳥獣の捕獲の目的で所持してはならないこととしております。 第二に、特定猟具は、特定の事由により環境庁長官の特定猟具の使用による鳥獣の捕獲の許可を受けた者に対する場合及び輸出用の特定猟具をあらかじめ環境庁長官に届け出た場合を除き、販売し、または頒布してはならないこととしております。 この特定猟具は環境庁長官が定めることとしており、かすみ網を定める予定といたしております。 なお、この法律の施行につきましては、公布の日から起算して六月を超えない範囲内で政令で定める日としております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(上野雄文君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○篠崎年子君 四月二十二日はアースデー、五月十日から一週間はバードウィークとなっているようでございますが、私たちが住んでおりますこの地球には四十五億の人類と数多くの鳥獣、昆虫あるいは植物などが生育をしていて、お互いに持ちつ持たれつの関係を保ちながらそれぞれの生を維持しているのではないだろうかと思います。 そういう中で、人間だけが生活を豊かにするためにそのほかのものを犠牲にしてよいといったようなおごった生活をしていると、そのツケが私たちの子孫にはね返ってくるのではないだろうか。オゾン層の破壊や地球の温暖化、あるいは水質汚染などいろいろな問題もありますけれども、本日は人間の生存と他の生物との関係について長官はどのようにお考えになっていらっしゃるか、まず長官の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(愛知和男君) 私も基本的には今委員がお述べになりましたのと同じような認識でございます。いわゆる野生生物と申しますのは、我々人類にとりまして、地球という生態系の中でともに生きる共存者でありますし、我々の環境の状況を的確に示す指標でもありますし、そうして人類に多くの恵みを与えてくれる資源と申しましょうか、資源という言葉が適切かどうかわかりませんが、そういう意味合いもございます。決してこれを絶滅させてはいけない存在だと思います。 したがいまして、私といたしましては、このような立場に立ちまして、ともに生き続けていく道を国内的にもまた地球規模でも求めていくべくあらゆる場で主張し、努力をしていくつもりでございます。
○篠崎年子君 長官はそういうふうにお考えになっていらっしゃると思いますけれども、やっぱりそれを実行に移すべくいろいろな努力がなされなければならないと思うわけです。ところが、我が国の今までの様子を考えてみました場合に、本当にそうなっているんだろうかということを大変心配するものでございます。 まず、我が国の鳥獣保護の法制ということについて考えてみますときに、これはもう御存じだと思いますけれども、一八九五年に最初の狩猟法が制定され、免許制にして、捕護してはいけない保護鳥獣を決めたのが始まりだというふうに言われております。その後、一九一八年に狩猟ができる鳥獣だけを指定して、ほかの鳥獣はすべて保護する制度に改正されております。戦後さらに、一九六三年に鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律と改正され、狩猟から保護の立場が重視されるようになったというふうに聞いているわけです。なお、この鳥獣行政につきましては一九七一年に農林省から環境庁に移されたと聞いておりますけれども、現在の保護政策の現状と問題点について環境庁の方から御説明いただき、その後でそのことについての長官の御見解なり御感想をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(伊藤卓雄君) 鳥獣保護施策の現状あるいは今日抱えております課題といった点についてのお尋ねかと存じますが、鳥獣保護行政についての特に法制面での推移につきましては、ただいま先生から御紹介いただきましたとおり、現在鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に基づきましてやっておりますが、それに至る経過はまさに狩猟法に始まりまして時代とともに鳥獣保護の視点を加えて今日に至ったというところかと存じます。私ども現在そういう観点で、鳥獣保護及び管理という点で意を用いておりますけれども、さらに全般的な課題といたしまして野生生物にかかわる問題も抱え込んできておるというのが現状でございます。 まず第一点の鳥獣の保護、管理の点でございますが、従来は狩猟の適正化ということで、これは現在も引き続いておるわけでございますけれども、さらに加えまして絶滅のおそれのある鳥獣の保護増殖対策、これの充実ということが一つ大きな柱になっております。それからもう一つは、いわば人間と動物の生活の調整といいますか、現在の日本におきます自然環境というのは、鳥獣の生息環境といたしましては非常に難しい状況になってきておる。特に人間生活とのかかわり合いあるいは接点におきましていろいろな問題が起きております。御案内のとおり、カモシカの問題がしかり、それから猿とか一般的なシカの有害駆除の問題であるとか、あるいは都市部におきましてはカラスとかドバト等の問題などが出てきておりまして、これはまさに我々の生活との間をどう調整するかという問題かと思います。 それからもう一つ大きな柱であります野生生物の問題でございますけれども、昭和六十一年に野生生物課というものが認められまして、私どもとしてもそこを中心にいろいろ施策を練っておるところでございますけれども、野生生物施策をどう考えていくかということについて、まだ実は体系立った考え方を整理しかねております。それから今後におきましても、それらを仮に法律なり制度なりで裏づけていくとしたらどういうふうにしたらいいのか、基本的な考え方を整理しながらそういった今後の施策、対策の体系づけもしていきたいと現在検討を進めている段階でございます。 以上でございます。
○国務大臣(愛知和男君) 野生生物との共存関係、こういうことだと思うのでございまして、今までこういったような問題を正面から我々が認識し、あるいは取り上げていくような環境に必ずしもなかったように思うのでございますが、つい最近、環境庁といたしましても、環境と文化に関する懇談会と称しまして幅広い方々にお集まりをいただきまして、いろいろ御討議をいただき、ついせんだって提言をいただきました。その中でも、環境を分かち合うというそういう気持ちがこれからの人間の生き方として大切なのではないかという御提言をいただきました。 この問題もそういった部分と非常に関連をするわけでございまして、私どもの生き方の問題に関連をする話だと思いますが、とにかく野生鳥獣との共存関係をどういうふうにつくり上げていくか、その中で環境庁として行政の立場でどういうふうな役割を果たしていくのが適切か、これから真剣に取り組んでまいりたいと考えております。
○篠崎年子君 それでは、本日議題となっております鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案についてお伺いをいたしたいと思います。 先ほどの趣旨説明の中にもありましたように、「かすみ網を定める予定といたしております。」と、こうなっておりますので、かすみ網のことについてお尋ねをしたいと思うわけでございます。 私、実はかすみ網というのを今まで見たことがございませんでしたので探してまいりましたら、やっと一つ見つかりました。初め説明を聞いたときには、女の方が頭にかぶるネットのようなものだと聞いたんです。ぴんと来ませんでしたので、実物を何とかして手に入れたいと思ったんです。こういうものでございまして、これがかすみ網。このところどころに黒い大きい糸が入っているわけですね。これがいわゆる棚糸というものだそうでございます。これがかすみ網です。 そして、こちらにありますのは、スーパー等で売っておりましたけれども、これは防鳥網といって売ってございます。これが防鳥綱ですけれども、広げてみますと、こういうふうになっていて、このかすみ網との区別というのは全然ないわけですね。 実は昨年の五月三十日にこの環境委員会で久保田委員が質問されましたときに、「かすみ網と申しますけれども、」という答弁の中で、「実はその網自体と申しますのは漁業用に使われております」というふうなことで製造禁止ができないんだというお話だったんです。それで私は、漁具屋さんに参りまして、漁業用に使っている漁網というのはどんなものかということをお尋ねいたしました。色についてお尋ねいたしましたところが、水の中に入りますと黒い色というのは非常に目立つんだそうでございまして、漁具として使う場合には、魚の種類によって少し違うかもしれませんけれども、大体白っぽい色あるいは透明なもの、そういうものが使われているんで、こういうものが漁具として使われるのは大変特殊な場合だということなんですね。 こういうふうにかすみ網というのはやはり特別なものですし、特にこれと違って棚糸を張らなければかすみ網としての使用ができないということは、この写真にも出ておりますけれども、結局棚糸を張ってたるませておかないと鳥がかからない。ぴんと張っているとはねてしまってかからないので棚糸をつける。そういうところが非常に違っているというので、これは売っているものが何にでも使われる、防鳥網としてだけ使われるというようなものじゃなくて。もっと早く規制すべきものではなかっただろうかと思うのです。 このことについては、一九五〇年、昭和二十五年ですが、学術研究など特別の理由がある場合を除いて使用が禁止となっていたわけですね。ところが、それから四十年たった今なお使われていて、そしてやっとことしになってかすみ網というものが禁止をされる、こういう状況になってきている。なぜ今までこれが禁止できなかったのかということについてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(伊藤卓雄君) なぜ四十年もできなかったのかというお尋ね、大変つらい御質問でございますけれども、実は長年問題になりながら、やはりある特定の地域におきましては、禁止される以前から地域独特の猟法として存在しておったということと、それからもう一点、かすみ網につきまして非常に容易に入手できるし、また実際のかすみ網の設置の場所が山奥であるとか、あるいは時間的にも早朝に行われるというふうなことがありまして、非常に取り締まりの形態としても難しいということがずっと続いてきておったわけでございます。 それからもちろんかすみ網自身についての漁網なりとの区別がつくかどうかという技術論もございましたし、いずれにしてもいろんなことが重なりまして今日に及んだわけでございますが、特に昨年来いろいろな御指摘もありまして、私どもとしては今回、従来使用禁止という取り締まりの技術面からいっても非常に難しい形態から一歩進めまして、一歩も二歩も進んでいると思いますが、その準備段階である所持あるいはそれを引き出す、惹起する販売といったようなものについてまで規制をするという新たな施策を打ち出すことができましたので、これで非常な進歩、取り締まり、抑制の進歩になるだろうというふうに考えておるところでございます。
○篠崎年子君 大変遅きに失した感はありますけれども、一応の進歩だということで、ぜひともこれは厳重に取り締まっていただきたいと思うわけです。 ところで、この網によってかかる鳥、これは大体どういう鳥が多いんですか。
○政府委員(伊藤卓雄君) かすみ網による密猟の対象といたしまして、一つは食用を目的とした密猟と、それからもう一つは愛玩用の飼い鳥を目的とした密猟がございまして、食用を目的とした密猟の場合には一般的に秋に行われるわけでございますけれども、渡り鳥をねらいまして捕らえられております。例として申し上げますと、ツグミとかシロハラあるいはカシラダカといったようなものがその対象になっております。一方、飼い鳥を目的とした密猟の対象といたしましては、メジロ、ウグイス、オオルリ、こういったものが対象でございます。 ただ、かすみ網というのは、御説明差し上げておりますとおり、無差別に鳥を捕獲するということでございますから、こういったもの以外にもひっかかってくるということがよくございまして、生息数が少ないハイタカ、オオコノハズクといったような猛禽類やクロジ、ムギマキといったような小鳥類もひっかかったという例が報告されております。
○篠崎年子君 そうすると、そのかかりました鳥はどんなふうに処分というか、処理されているんですか。
○政府委員(伊藤卓雄君) これも伝聞によるところでございますので正確ではありませんけれども、密猟者自身が自家用に消費する、特に食用の場合でございますけれども、自家用に消費するというものもあると思いますけれども、大半は中間の業者を経由いたしまして料亭とか焼き鳥屋とか、そういったところに販売されているというふうに言われております。
○篠崎年子君 そこで、私たちの生活を豊かにするためにということでそういうふうに鳥を処分していいのかということについて考えてみますときに、野鳥一羽が年間に食べる昆虫類などは十万匹にも上ると言われておりまして、このことによって森林が保護されているという一面もあるのではないだろうか、こう考えてみますと、これは大変大きな問題だろうと思うんですね。 そこで、これは、国内だけの問題ではなくて、国外の問題でもあるかと思うわけです。国際的な鳥類保護機関である国際鳥類保護会議、ICBPは八四年の十月に環境庁に対して、かすみ網の販売と輸出を規制すべきであると抗議文を送っていたと聞いておりますけれども、そうでしょうか。簡単にお答えください、そうかそうじゃないか。
○政府委員(伊藤卓雄君) 抗議文ということではございませんで、ICBPの総会において採択された同様の趣旨の勧告をこちらに送付してきたということでございます。
○篠崎年子君 また、九〇年の十一月二十一日から二十七日まで、ニュージーランドのハミルトン市でICBPの第二十回総会が行われておりますけれども、そこでまた、かすみ網の製造、販売、所持、使用、輸出入を禁止する等の決議が採択されたということです。今回のこのかすみ網の問題、出されました法案の中には、確かに所持、販売、頒布は禁止されておりますけれども、海外輸出あるいは輸入、輸入することはないと思いますが、輸出が入っていないわけですね。ところが、聞くところによりますと、焼き鳥屋さんなどで「ツグミあります スペイン産」、「ツグミあります キプロス産」とかというふうな札がかかって売っているそうです。そのことは海外の人々から、やっぱり日本の国はというふうに批判を受けているんじゃないだろうかと、こう考えるときに、やはり今度の法案の中に海外輸出という項目を入れるべきではなかったかと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(伊藤卓雄君) 御案内のように、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律は国内の野鳥の保護を図るというのが法目的でございまして、これは法技術論といたしましてそこまで書くのはなかなか難しいということでございますけれども、私どもとしては、輸出をするものがはっきりしたものにつきましては届け出をして、それが確実であるかどうかの確認をするという方途を考えたところでございます。
○篠崎年子君 四十数年前に制定された法律が四十数年間もちっとも守られていなかった、そういうことから考えてみると、やはり法案の中にそういうことを明記していなければこれは実効が上がらないんじゃないかと思います。これは私の感想 でございます。 次に、カモシカのことについてちょっとお尋ねしたいと思います。 ことしの一月二十一日に山形市からニホンカモシカ駆除を県に申請して、県はこの生息状況の調査を行って国に申請して、二月二十二日に環境庁と文化庁と林野庁がこれを認めたということですけれども、そのとおりでしょうか。
○政府委員(伊藤卓雄君) 結論的に言いますとそのとおりでございますけれども、ちょっと経過を申し上げたいと思います。 カモシカによる農林業への被害というのはかねてから問題でございまして、現在では環境庁、文化庁、林野庁、いわゆる三庁合意というのに基づきまして、カモシカによる被害の非常に深刻な岐阜、長野、愛知の三県において保護地域外における個体数調整ということでやってまいりましたけれども、今回、山形県におきましては非常に農業被害が深刻だということで許可したところでございます。 これは、県におきましては非常に被害が大きいということで、ただ大きいからだけではございませんで、私どもとしては実態調査をよくしろということ、それからほかの対策がないかということで防護ネット等の設置について強力に指導して、それによってもなかなか被害が防止できないというような状況を踏まえまして、さらに実際に今後ともどういう形で保護対策をやっていくかということをいろいろ県、市ともども検討させた前提で許可をしたところでございます。
○篠崎年子君 ちょっと時間がないものですから、続いてお伺いしたいと思います。 このカモシカの問題については三庁合意ということが行われておりました。文化庁、環境庁、林野庁で取り交わした行政上の覚書ですけれども、その中で特に文化庁の方は今どういうふうな態度をとっていらっしゃるんでしょうか。
○説明員(吉澤富士夫君) カモシカにつきましては、昭和五十四年の八月にいわゆる三庁合意というものを制定したわけでありますけれども、そこにおきましては、御指摘のカモシカ、これは現在種の指定になっているわけでありますけれども、それについてはおおむね次のように定められております。 第一に、「カモシカについては、その生息状況、被害の状況、森林施業に関する計画等を勘案しつつ、その安定的維持繁殖を図るため、地域を限って天然記念物に指定し保護する方向で対処するもの」とするということに第一にしておりまして、第二に、この第一の措置に至る過程として、「保護地域を計画的かつ可及的速やかに設ける」ということで、現在文化庁では、この保護地域の設定に努力しているということと、それから保護地域における食害の防除に対して補助金などを出してその被害を防止するよう努力しているというところであります。
○篠崎年子君 ただいま保護地域のお話が出ておりまして、この保護地域については、実際の生息の状況と保護地域の指定とが少しずれているんではないだろうかというのを、これは東北大学の高槻先生の資料からいただいたんですけれども、ちょっと見にくいと思いますが、こういうふうな形になっておりまして、(資料を示す)これが九州山地ですね。それから紀伊山地、北アルプス、それから南奥羽山系と、こういうふうになっているわけです。今大変問題になっております山形市は南奥羽山系に入っていると思うんですけれども、この赤で塗っておりますところが大体カモシカの生息地域の分布です。こっちは高さなんです。そうしますと、指定地域というのと分布地域というのが非常にずれてしまっているということで、やはり捕獲されている数がだんだんふえてきているんじゃないだろうか。 こう考えますときに、では一体どうしたらいいのか。確かにその地域の人にとってはカモシカの被害というのは、例えば林業生活者やあるいは農業をなさる人々にとりましてカモシカの被害ということは大きな被害を受けることになりまして、生活にかかわってくる問題だと思うんです。しかし、せっかく天然記念物に指定をされておりますカモシカですから、やはり私たちはそういう生物も子孫のために残しておかなければいけないんじゃないだろうか、こう考えるときに、もう少し研究をされるべきではないだろうかと思うのですが、その研究体制というのはどんなふうになっているんでしょうか。
○政府委員(伊藤卓雄君) いわゆるカモシカ等によります食害防除の調査研究の体制でございますけれども、私どもとしては、従来文化庁あるいは都道府県の方でいろいろ調査研究がなされておりますので、これを参考にいたしながら対処をしているところでございます。
○篠崎年子君 そこで、これは提言でございますけれども、今のところは、こういったようなカモシカが出てきていろいろ害を与えるという場合には、その地域の狩猟者ですか、これはもちろん許可を受けた方だと思いますけれども、許可を受けた方々が射殺をする、あるいは捕獲をする、そういうことになっているわけですね。やはり生物を保護するという立場から考えてみますと、もう少し生物を保護する目的でもって射殺しなければならないときは射殺をするというふうなシステムをつくるべきではないだろうかと思うわけです。 それには、外国でもありますように、例えば野生生物管理官、カモシカならカモシカ・レンジャーと、こういったような方々を、嘱託でもいいでしょうし、あるいは指定をしてもいいと思いますけれども、そういった方々によってカモシカの被害を防ぐような射殺の方法なり捕獲の方法なりということを考えるべきではないだろうかと思うのですけれども、この点についてはいかがお考えでしょうか。
○政府委員(伊藤卓雄君) 現在、カモシカを含めまして野生鳥獣のいわゆる個体数調整とかあるいは有害鳥獣駆除ということをやっておりますけれども、これについては各市町村が実施主体でございまして、単に撃っておるだけではございませんで、市町村が実施主体となりまして、実際の捕獲業務等に例えば鉄砲を使う場合にはそういった狩猟免許を持った方を動員するという形で、いわゆる公的機関の関与のもとにやっておりまして、そういった捕獲作業関係については特別の専門職員を置く考えはないと思います。基本的には野生動物の保護管理の考え方を確立する必要がありますけれども、確立した上で、それに沿って専門的な知識を駆使いたしまして保護管理ができる職員、こういった者は当然必要になってくるだろうと思います。今後の保護対策を進めていく上での検討課題というふうに考えております。
○篠崎年子君 せっかく環境庁というものができているわけですから、私はやはり今後、市町村だけに任せるのではなくて、環境庁自体としてそういうことを考えていっていただきたいと思うわけです。 そこで最後に、近年カモシカとか猿とかあるいはクマなどが出てくる、いろんな被害が起こってきているということですけれども、これはそういったような野生生物がすんでいる地帯へ人間が入り込んでいってその環境を破壊している、そういうところに野生生物と人間との摩擦、あつれきが起こってきているのではないだろうかと思うわけです。私たちは、あらゆる努力をしてそれらの問題を克服して、やはり共存の道を探っていかなければならないと思うわけです。 もし我が国を代表する保護動物ですら殺りくすることでしか共存できないとすれば、健全な自然観を次の世代に引き継げるとは考えられません。カモシカは一つの例でございますけれども、こういったようなことを例にして、これから先、野生生物保護行政の歴史に汚点を残さないように、そして私たちの子孫に恥ずべき自然観を残すことがないように、環境庁が大いに主導権をとってこういう行政に取り組んでいただきたいと思うわけでございます。最後に環境庁長官の御感想をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(愛知和男君) 先ほども申し上げまし たけれども、人間とこのような野生生物とが共存するためにどういう方法があるか、大きな課題だと思います。 先ほどのカモシカがすんでいるところに人間が出かけていってそこを荒らしたんではなくて、カモシカの方が人間の住んでいるところにやってきたわけでございまして、それでああいう問題が起きてしまったということですが、どこでどう調和をとるかということは大変難しいと思いますが、とにかくしかし共存共栄、共生と申しますか、大事な課題だと思いますので、私どももこの問題につきましては大いに決意を持って、また重大な認識を持って取り組んでまいりたいと思います。
○篠崎年子君 ちょっと一言だけ。 今長官は、人間が住んでいるところにカモシカが入ってきているとおっしゃったけれども、そうではなくて、カモシカがすんでいたところに人間が入り込んでいくとか、あるいは人間が森林を伐採するとか、そういうことによって人間の生存域とカモシカの生存域とが重なり合ってきたんだと私は思っております。
○高桑栄松君 それでは質問をさせていただきます。 かすみ網の件につきまして、私も去年の五月三十日に質問をさせていただいております。そのときのをもう一度読み返してみますと、かすみ網の使用を禁止しているというそういう法律がありながら、ただいまも前委員の質問にありましたように、使用を禁止されているにもかかわらず、かすみ網は法の網をくぐり続けて四十年ということで、法網とかすみ網との間の関係が極めてかすんでしまっているのではないかと。つまり実効が上がっていなかったということを私は指摘しておったんですが、そのときの私の感想としては、法があっても守られない、要するに実効が上がっていないんだから、これはやっぱり教育ということが一番ベースになければならぬのかなと、こんなことを申し上げたと思います。いずれにしましても、その昨年の質問のときに比べまして大変何というか、使用禁止だけではなくて、所持禁止、販売禁止という非常に強力な段階ができましたので、私は賛成の立場で非常に喜んでいる次第でございます。 ところで、今申し上げました点を踏まえて質問をさせてもらいたいんですが、法律を見ますと、「特定猟具」ということが書かれておりまして、かすみ網という今まで使いなれていた言葉ではない。まず、「特定猟具」としたそういう定義というか、かすみ網という言葉を使わなかった理由を承りたいと思います。
○政府委員(伊藤卓雄君) 今回の改正に当たりまして、法律に具体的な猟具としてかすみ網というのをどう書くかということでございましたけれども、やはり大量無差別に鳥獣を捕獲いたしましてその繁殖等を妨げるものというのが基本的な考え方でございますので、そういった猟具もかすみ網だけでなくてあり得ると、考え方としてあり得るという前提に立ちまして、今後そういったものも含み得るような形で、猟具の種類とかあるいはそういうものを時代時代に応じてというと変ですけれども、書けるようにということでやや抽象的な表現になっております。そういった具体的なことは法律に掲げられた要件に基づいて告示で弾力的な対応ができるようにした方がいいんではないかということで委任をする形をとったわけでございます。
○高桑栄松君 今承っていると、やっぱり何だかよくわからない部分があるわけです。そうすると、かすみ網というのは一般に普及されている名前ですが、例えばそれの類似品みたいなものもこれでカバーしようということになるわけですか。
○政府委員(伊藤卓雄君) 類似品といいますか、かすみ網というものはきちんと定義をいたしませんと、これは法律で罰則までかかる規定でございますから、その辺を告示で細かく書くという形になります。
○高桑栄松君 それでは、その点かすんでしまわないようによく国民に周知徹底してもらいたいという注文をさせていただきます。 そこで、通産省に伺いたいのでございますが、今お話ししましたが、使用禁止されてからもう四十年たっている。にもかかわらずこれが売られている。これは昨年の秋に環境庁が調査したところでは、全国の小売店というか、ペットショップだとかいろんなところで調べたところ、三割の店でかすみ網が売られていたと。篠崎委員が買われたのもその一つではないかと思うわけでございます。(「そうですよ」と呼ぶ者あり)売っているということであります。一枚約千円前後で売られていたと、こう書いてございました。大半の小鳥店は禁止猟具であることを認識していたというんだから、やっぱりなめられているというか、非常に情けないことではないかと思うんです。しかし、これは事実でございますから。 これは通産省に伺いたいのは、製造・販売・所持禁止、今もちろん製造はできないわけなんでしようが、そういったことを踏まえますと、同じようにこういう禁止をしてもやっぱり売られるんじゃないか、どうせ潜れるんだからというふうな気持ちがいたしますが、通産省はどんなふうにお考えでしょうか。
○説明員(長島英雄君) お答えいたします。 先生御案内のとおり、かすみ網につきまして通産省としては、従来から鳥獣保護法の趣旨を踏まえまして、まず網をつくっておりますメーカーに対しまして、不正な使用者に対しまして製造あるいは販売しないようにという指導を行ってきた実は経緯がございます。さらに、なかなか密猟が減らないということもございまして、昨年はこれに加えまして流通段階の業者に対しましても販売の自粛を要請したという、実はそういう流れがございます。 それで先生の御質問でございますが、今回改正法が通りまして販売、所持、これが禁止されましても相変わらずまた売られるんじゃなかろうかという御心配でございますが、改正法が施行される際、通産省といたしましてもこの趣旨を関係方面に周知徹底させまして、こうしたことがないようにしてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○高桑栄松君 法が改正されることが報道されたら、それを承知していて、それで駆け込み小売などで値段が上がったというのが新聞にも載っているんですね。ですから、法律さえ完備すればちゃんとやれるんだという法律屋さんのお考えというのは非常に性善説に基づくものでありまして、何とでも逃げようと思えば逃げられる。だから、かすみ網というものはどうしても名前のようにかすみにかかってよくわからない部分が出てくるということであろうと思うんです。しかし、今お話しになりましたように、やはり製造、流通業界により一層厳しい指導、それから法の周知徹底を図っていただきたいということを注文させていただきます。 ところで、先ほど篠崎委員が言われましたが、転用を防止するということが一つの大きなテーマであろうかと思うんです。私が質問いたしました昨年の答弁を読み返してみますと、網地をかすみ網に仕立てるのには簡単な工程で済む、だから極めて簡単なんだ、したがって把握がなかなか難しいという環境庁側の答弁がございました。しかし、だからしようがないというのではやはりこれはしようがないんでございまして、まず水産庁の方に伺いたいんですが、一番問題にされているのは、漁網がかすみ網に簡単に模様がえをされていると、これについては何か対策をお考えでしょうか。
○説明員(石原葵君) お答えいたします。 先生御質問の点につきましては、かすみ網と漁網との構造上の問題、棚糸がある、ないという問題でございますけれども、そのほか漁網は通常黄色または透明でございます。色の違い、こういう問題もございまして、実際上漁網がかすみ網に転用されることはまあないと我々は考えております。しかしながら、例えば色の点につきましても染めるということもできるわけでございますし、棚糸をつけるということもできるわけでございま す。そういうふらちなやからが出ないとも限りません。こういう場合には、関係当局によりまして改正法に基づきまして厳しい取り締まりがなされるものというように我々は理解しております。
○高桑栄松君 もう一つ、農水の何係というのか忘れましたが、防鳥網がかすみ網に転用されているという御指摘がさっき篠崎委員から実物で見せられたわけですが、これについての対策というか、お考えはどうでしょう。
○説明員(関口洋一君) 先生今御指摘の防鳥網がかすみ網に転用されるというふうなことでございますが、通常の防鳥網と申しますのは黄色あるいは別の色が使われておりまして、通常の形ではかすみ網になるというよりも、逆にかすみ網を防鳥網として使うという事例があったやに聞いております。したがいまして、私どもといたしましては、昨年の十月に都道府県知事に通達を出しまして、そのようなことがないようにというふうな指導をしてございます。 現実的には、万が一先ほどの逆のケースがあったといたしましても、私どもの病害虫防除のための組織といたしまして都道府県に病害虫防除所というものを設置してございます。その組織におきまして現実的な末端への指導ができるというふうなことでございますので、今回のさらなる法律改正の趣旨も踏まえまして指導を徹底してまいりたいというふうに考えております。
○高桑栄松君 篠崎委員が示されたのは、あれは防鳥網として売っていたんでしょうかね。ちゃんと色が違いますよね。だから防鳥網にもいろいろと色があるんじゃないでしょうか。これは防鳥網で黄色い色じゃないんですね。だから法律をお決めになったからそのとおりいくとお考えになるのは、非常に国民を信頼されているということでございまして、やっぱりそうはいかないんでありまして、現場をちゃんと見ていただく必要があるのではないかと思います。 今、防鳥網とそれから漁網とのこと、漁網も同じです。漁網はかすみ網に使う。かすみ網が漁網とか、かすみ網が防鳥網というのは私の聞いた範囲では知らないんです。やっぱり一方的にかすみ網の方でございますから、私の注文は、この両方をはっきりさせることができないかということを両方に伺いたいんです、漁網の方と防鳥網と。
○説明員(関口洋一君) 先ほど申しました通達の件でございますが、実はその時点での情報と申しますのは、かすみ網を防鳥網として販売しているというケースがあったというふうなことから、そのようなことのないようにという意味でございまして、今後告示の段階でかすみ網の定義が定められますれば、そのあたりもはっきりしてくるんではなかろうか。私どもとしては、それに従いまして指導を徹底してまいりたいというふうに考えております。
○説明員(石原葵君) 漁網の問題につきましても、ただいまの植防課長の答弁と同じでございますけれども、基本的にかすみ網の定義等が明確にされれば、その点で心配は、漁網につきまして何らかの改造を加えましてそれをかすみ網として使う場合でございますけれども、その点につきましては、先ほどもお答えいたしましたように、関係当局により厳しい取り締まりがなされるものと我々は理解しております。
○高桑栄松君 これは何遍申し上げても同じだと思いますが、今までかすみ網が密猟に使われたというのは、使用禁止のものが、本来売られないはずなんですから、やっぱり売られていたと。それは今言ったような転用なんですね。ですから、ここは、今申し上げましたが、農水省では両方やっておられるわけですから、これはぜひひとつこの二つの区別を、私はどうしたらいいのかよくわかりませんが、何かはっきり許可、許可というのか何か知りませんが、スタンプみたいなものをばっちりつけるのかわかりませんが、何らかの形で区別をするようにしてもらいたいなと、こう思っております。これは御検討いただきたい。 その次、それでは文部省に伺いたいんですが、かすみ網を村ぐるみで何十年ももう使っているので、これは村でやっている施設ではないかと思っているぐらい村ぐるみで黙認をしているところもあると。なるほど、お正月に必ずツグミを食べるとか、何かそういうところもあるやに聞いておりますので、そういった意味で、子供たちもかすみ網は普通のものであって禁止されているのは知らないというぐらいの認識であるようであります。 こういうことはやっぱり学校教育を徹底してもらわないと、逆に申しますと、子供がその気になって村の人に、例えばお父さんこれはだめなんだよとか、お母さんあれはだめなんだよとかいうことを子供を通してPRをするというのは非常に説得力があると思うんです。だから罰するということとプラス生態系、まあちょっと高等な言い方をすれば生態系なわけですが、そうでなくて、野鳥をかわいがるというか生命を大事にするというか、そういった倫理的な意味の学校教育というもので、今の法律が新しくなったのに加えてPRを、教育を強めていただきたい、こんなふうに思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(近藤信司君) お答えいたします。 委員御指摘のように、この法律の趣旨を生かしていくためには、私どもといたしましては、学校教育において鳥類を保護しようとするそういう精神を培っていくということが大切であろうと、こういうふうに認識をしておるわけでございます。鳥類保護を含めまして動植物の保護につきましては、小中学校の児童生徒の発達段階に応じまして、生活科でありますとか理科あるいは道徳、こういったところで学校の教育活動全体を通じて指導することにしておるわけでございます。 文部省といたしましては、今後ともそういった鳥獣保護あるいは愛護の精神というものを児童生徒に確実に身につけさせることが子供たちの豊かな人間形成を図る上でも大切なことだろうと、そういうふうに考えております。今後ともこの面の指導が一層充実して各学校の現場で行われますように私どもといたしましても努めてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
○高桑栄松君 今のは大変倫理的な教育で、もちろんそれがベースですけれども、同時にこの法律ができたんだから、かすみ網についての項目を一つ入れておいた方がいいということを申し上げたいんです。村で仕掛けていたあれはいけないんだということを子供によってパトロールしてもらえるのではないかと、こういう意味でございますから、どうぞひとつ御検討いただきたいと思います。 そこで、私が今申し上げたのは広報活動とその販売規制の件をいろいろと伺ったわけでありますが、環境庁に一つ要望いたしますのは、関係省庁と都道府県と一体となりまして、なおかつ自然保護団体とも協力をされて広報活動を強化し、法の周知徹底を図っていただきたい。同時に、項目だけがふえていったので予算だとか人手だとかが大変だろうと思うんですが、そういう予算措置はお考えだろうと思いますが、どうなっているのか。その二点について環境庁にお伺いします。
○政府委員(伊藤卓雄君) 新しい法律改正に基づく周知徹底についてでございますが、御指摘のとおり、非常に大事なことだと思います。私ども、幸いにこの法案が成立いたしますれば、いろんな形でPRをしたいと思っております。まず、組織的な面で言いますと、当然我々の形といたしましては、都道府県のいわばブロック会議といったようなものを持っておりますので、そういったところを通じましてできるだけ早く末端まで通じるようにしたいということでございます。それから、あと各省庁、関係団体の御協力もそれぞれ今までいただいておりますので、しかも今回の法律改正について非常に期待を持たれているところでもございますから、そういったところにもできるだけ早くこの情報を流し御協力をお願いするという形で組織的にはやっていきたいと思います。 それから二番目に大きな柱といたしまして、マスメディアをどう使うかということでございます。五月十日からバードウイークも始まりますし、その後にもいろいろ、自然に親しむ運動であるとか、我々チャンスがございますので、そういった 機会に、従来あります政府広報その他の中に、いわば割り込む形になりますけれども、具体的にかすみ網問題という形で取り上げていただくようにしたいと思っております。 それから、特に渡り鳥が日本に参ります秋になりますと、従来やっておりますけれども、かすみ網密猟防止強化月間というのを例年十月十五日から一月間持っておりますので、こういったところでは今回特に強力なキャンペーンをやっていきたい、そのためのポスター等もつくってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○高桑栄松君 予算。
○政府委員(伊藤卓雄君) 予算につきましては、この法改正を前提とした予算というのは特段持っておりませんけれども、各県とも鳥獣保護広報予算を持っております。それを有効活用するように、それからさらに、一般の広報予算の中に割り込むと言ったら変ですけれども、そういう形でこの点を強調するようにという指示をしたいと思っております。
○高桑栄松君 時間のこともありますので次に入りたいと思いますが、やっぱり問題は密猟者をどう取り締まるかということだろうと思うんです。 警察庁に質問をさせていただきますが、実効が上がっていないという指摘があったわけで、その実効を上げる監視体制が問題でございますが、しかし、今までは捕獲現行犯を捕らえないと取り締まりにはならないということであったわけですが、それが今度販売禁止、所持禁止でございますから、その意味では取り締まりのステップがぐんと上がったんだろうと思うんです。ここで一網打尽という、かすみ網を使ってではございませんが、一網打尽の取り締まりが期待できるのではないかと、こう思うわけです。 そこで、まず一つ希望いたしますのは、ただいまお話ございましたが、密猟防止月間がございますね、一カ月ございますが、このときに環境庁だけじゃなくて警察当局も取り締まりに本気だぞということをデモンストレーションなさる計画はないか、なかったらお考えいただきたいということで質問させていただきます。
○説明員(中田好昭君) お答えいたします。 警察では、従来から密猟に関します実態把握等その容疑情報の収集に努めて効果的な密猟の取り締まりに努めてきたところでございますが、今回の法改正後におきましては、新たに捕獲目的の所持なり特定猟具の販売、頒布が禁止されるということでございますので、より効果的な取り締まりを進めてまいりたいと思います。ただいま委員御指摘の密猟取り締まり月間におきまして、これも従来から警察の関係機関と協力をとりながら集中的な取り締まりを行っておるところでございますけれども、今回の改正の趣旨を踏まえまして、従来以上に取り締まりの実の上がるよう努力をしてまいりたいと考えております。
○高桑栄松君 やっぱり取り締まりというと人手が要りますし、殊に密猟というのは山間、山林の中であるようですから大変困難だろうと思うんです。私よくわかりませんが、例えばヘリコプターで見えないのがかすみ網なのかどうかわからないんですけれども、見えるのならヘリコプターの方が便利なわけで、(「見えない」と呼ぶ者あり)見えないんですか。見えないんなら困るなと思うんですが、中部六県プラス二県に集中しているということでありますから、そういった意味のパトロールの予算なり人手なりというのはどうでしょうかね。
○説明員(中田好昭君) お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、いろんな形での効果的な取り締まりに努めておるところでございますが、今までの各県からの報告によりますと、場合によってはヘリコプターを活用しての取り締まりも行っておるということでございますが、これは上空からかすみ網を確認する意味じゃなくて、そこにいる、設置した者を捜すという意味で、そういう上空からの捜査を行うというような趣旨でやっておるわけでありまして、この点今後、状況に応じて、必要でありますれば人員なり予算面を含めまして取り締まりの体制の整備等にも配意してまいりたいと考えております。
○高桑栄松君 林野庁に伺いたいんですが、国有林における密猟パトロールを前々から強化しておられたようでありますが、この法律を機会に再度強化を図って取り締まりを徹底してもらいたいということですが、いかがでしょうか。
○説明員(川村秀三郎君) お答えいたします。 国有林野におきましては、経常業務の一環といたしまして、年間を通じまして職員によります森林パトロールというものを実施しておるところでございます。この森林パトロールといいますと、かすみ網の問題も含めまして高山植物等の森林窃盗であるとか、あるいは森林汚染の防止、そういった森林保全管理業務の一環としてやっているわけでございます。また、特に秋の野鳥、鳥類の移動の最盛期におきましては、先ほどもお話のありましたかすみ網密猟防止強化月間というものと歩調を合わせまして、かすみ網によります密猟防止に重点を置きまして、また民有林とも連携のもとに、特別森林パトロールというものを実施しておるところでございます。今後も、この法案の成立を受けまして趣旨を徹底し、これら森林パトロールというものを通じまして積極的に取り組んでまいりたい、そういうふうに思っております。
○高桑栄松君 環境庁に伺いますが、これまで長い間、密猟パトロールには人手が要るわけで、民間自然保護団体あるは野鳥の会などの貢献が非常に大きかったというふうに私は聞いております。こういう民間団体に対しましては、パトロールを強化する上でも、あるいは広報活動におきましても、今後とも一層の協力が必要だと思いますが、物心両面での支援をお考えいただいて一層の協力をしてもらいたい、こんなふうに思いますが、お考えを伺いたい。
○政府委員(伊藤卓雄君) 御指摘のとおりでございます。今回の問題については、特に民間団体のいろんな形での情報提供その他御協力いただきましたので、今後ともよろしく御協力を賜りたいと考えているところでございます。
○高桑栄松君 次に、長官に伺いたいのでありますが、昨年の十一月九日に岐阜県で現地調査をするということが公に新聞に出た。ところが、その翌日か翌々日の新聞には、公表されているにもかかわらずちゃんとかすみ網が張られていた、なおかつ、当日の未明四カ所に新しく設置されたということが新聞に出ておるんですね。現地調査を環境庁もいたしますよ、県事務所もいたしますよ、野鳥の会も一緒に来ますよというふうなことが書いてありました。それなのに網が張られているというのは大変なめられた話じゃないかと、私もちょっとあきれているところでありますが、取り締まりというのはだからよほど腰を据えてかかってもらわないとできないんだということをこの記事は示していると思うんです。 そこで、長官には、その意味で実効のある方策を検討してもらいたい。長官の御決意というかお考えを聞かしていただきたい。
○国務大臣(愛知和男君) 法律を改正したから直ちに実効が上がるということではございませんで、やはりこの趣旨が徹底するためには国民の御理解と御協力が不可欠でございます。先ほど来局長も答弁申し上げておりますとおり、関係省庁、都道府県はもとより民間団体、あるいは新聞、テレビ、ラジオ等のマスメディアの御協力なども得まして密猟防止の啓発を積極的に進めてまいりたいと考えます。ことしも、去年に引き続き、かすみ網密猟防止強化月間を十月に考えておりますが、そういう場所などで私も先頭に立ちまして、その啓発運動に取り組んでまいりたいと考えます。
○高桑栄松君 では輸出関連の質問をさせていただきますが、環境庁にまず伺います。 国外輸出用の特定猟具の販売については届け出義務を課しているということでありますが、その目的はどういうことでしょうか。
○政府委員(伊藤卓雄君) 国外に輸出されるということでございますけれども、これにつきましては私どもとして、この法律が国内の野鳥の保護と いうのが目的の法律でございますので、国外に出るものについては規制するすべを持たないわけでございますけれども、輸出用だと称して国内で売られる場合だってあり得るというようなことで、いずれにしろ正式に出るものならばそれなりの手続を輸出に関する法令でしているはずでございますから、その確認をして、国内で違法なものに使われないように届け出で確認をしようということでございます。 従来、輸出に関していろいろ言われていますけれども、私どもとしては、かすみ網の定義自体もはっきりしておりませんし、輸出上の統計にも何ら出てこないという形で全く手がかりがなかったわけでございますが、今回こういう形でとらえることにより、輸出の問題もある程度解明できるし、国内での違法捕獲の問題も規制をできるというふうに考えておるところでございます。
○高桑栄松君 では通産省に伺いますが、今の国内で輸出用と称するものと、今度直接輸出をする場合を考えますと、貿易管理令の見直し等が要るのではないかと思うわけですが、いかがでしょうか。
○説明員(長島英雄君) お答えいたします。 この委員会でも先ほど来いろいろ御議論いただいておりますけれども、日本から輸出いたしましたかすみ網による海外での野鳥の大量捕獲といいましょうか、そういったことについて国際的な野鳥保護の機関といいましょうか、そういったところの日本に対する抗議、非難等の国際的な動きが出てきているということは十分認識しております。また、加えまして、今回の鳥獣保護法の改正によりまして先進国の中でも先駆的に所持、販売まで禁止をするんだということで大変事態が大きく変わっているというふうに認識しております。したがいまして、通産省としては、今御指摘のございました外国為替及び外国貿易管理法及び輸出貿易管理令に基づきまして、かすみ網の輸出を規制する方向で鋭意検討を進めているところでございます。
○高桑栄松君 次は環境庁に伺いますが、外国で我が国のかすみ網あるいは密猟についてどのような見解が示されているかというと、野鳥の密猟は渡り鳥保護条約の違反であるという点が一つあろうかと思います。先ほど来お話がありました国際鳥類保護会議、ICBPから日本に対しては異例の要請があったと。それから、新聞によりますと漁網と偽ってスペイン、キプロスなどに輸出してあったというから、輸出してあったのでとった鳥が輸入されたんではないかなと。先ほどキプロス産とかって書いてあったというからそのもとが我が国から輸出した漁網ではなかったかということがございます。 ともかくそういったことで、外国からは日本はエコノミック重点であって、できれば何でも潜っていこうというふうに思われるイメージが必ずしもないとは言えませんので、これについては私は、我が国は新しい法律をつくって貴重な小鳥の種の保存、そして自然保護に一層力を入れているんだ、そのために新しい法律ができた、こんなふうにやっていますというのを巧まずして外国にPRして、日本の自然保護に対するイメージダウンをやはり防止していく必要があると、こう思いますが、環境庁いかがでしょうか。
○政府委員(伊藤卓雄君) 本件につきましては世界に先駆けてやる政策だと我々は判断しておりますけれども、各種の条約会議あるいは国際的な鳥類保護会議等がありますので、そういったところで説明をしていきたいし、この問題について決議などを行ってきましたICBPに対しましては、本法案成立後早急にその内容を通報いたしまして、それが各国に周知されるように要請をしてまいりたいというふうに考えております。
○高桑栄松君 長官にまた伺いたいんです。 先ほど長官、密猟防止強化月間では先頭に立つとおっしゃっておられたんで、私もそれをお願いしようと思ったんですが、ちょうど長官のお話もございましたが、公明党・国民会議は昭和六十一年十二月に既に現地調査を行っておりまして、話を聞きますと国会議員では初めてだったと、現地でも大変喜んでくれておったんです。そして、そのころもう既に環境庁、通産省に申し入れを行いましたが、幾ら喜んでもらっても効果が上がっていなかったということはやっぱり事実のようであります。ですから、先ほど申しましたが、ちょうどこの密猟防止強化月間に長官が先頭に立たれて密猟多発地帯を特に重点的に巡回していただくとかPRをしていただく、できれば警察当局も加わっているということもデモンストレーションする必要があると私申し上げたんですが、まとめてひとつ御決意を承りたい。
○国務大臣(愛知和男君) 先ほども申し上げましたけれども、私も先頭に立ちまして啓発運動に力を注いでまいりたいと考えます。 なお、ツグミを食べるという習慣そのものを最終的には変えていくということが基本的には大事なんではなかろうかということがあります。これを食べてはいけないということを言うというのは、なかなかこれは難しいことではございますが、その習慣が残っておりますと、何か抜け道が出てきたり輸入をしてみたりということになってしまうんではないかという気がいたします。従来伝統的にツグミを食べるというのは、たんぱく源として貴重だったという時代があったようでございまして、歴史的には必然性があったようでございますが、まあ時代も変わっておりますし、そういう習慣を変えてほしいと、こういう面での啓発、これはなかなか難しいかもしれませんけれども、そういった面をやりませんと基本的な解決にはならないんではないかな、そんな意識をもとにいたしまして啓発運動の先頭に立っていきたい、このように考えます。
○高桑栄松君 もうちょっと時間がありますので、かすみ網をちょっと離れまして、ときに佐渡のトキはどうなっているかというのを伺いたいと思います。
○政府委員(伊藤卓雄君) 御心配いただいておりますトキにつきましては、日本のものとしましてはキンというものとミドリという二羽しかいないわけでございますけれども、現在ミドリを、これは雄でございますが、中国に送りまして、昨年の三月から北京動物園で中国の雌トキとのペアリングを試みておるわけでございます。昨年は残念ながら繁殖に成功しなかったということで、その原因は中国の雌が成熟していなかったという判断でございますけれども、ことしも同じケージで飼われておりまして、現時点では朗報はまだ届いておりませんが、何とか成功を期待したいと思っております。
○高桑栄松君 佐渡のトキ保護センターで二羽しかいなかったんですね。その雌と雄は人間でいえば何年ぐらいに当たるというんでしたか。
○政府委員(伊藤卓雄君) 難しいあれですけれども、雄が四十五、六歳、雌が七十数歳、そんな感じでございます。
○高桑栄松君 時間いっぱいひとつ私の駄弁を聞いていただければと思います。 三、四年前に新潟の県会議員から私は相談を受けたんです。私は、鳥類学者でございませんのでわからないけれどもと見解を述べたんです。それは、どうしても日本でトキの子供を産ませたいというので中国から若い雄をお借りしてきたわけだ。しかし、今おっしゃいましたね、雌は七十歳ぐらいだと。人間と鳥類とわからないところはそこでございますが、同じ動物ですから、卵の出るのも同じですから、片方は卵子で片方は卵だと。ですから、やっぱり七十何歳の雌では排卵機能がもう多分ないと思うんですね。鳥類学者に聞いてもらわぬとわからないんで、私そこは何遍も申し上げながら言うんですが、多分これはだめだと。私は、何でそれを借りてきたんだと。雄の方は幾つになっても、まあ人間でございますけれども、いいわけですよね。 だから雄を向こうにやったらどうだと、その方がまだ可能性がある。どうしてここで、雌から生まれなければという、それは雄を信用しているかいないかはあるかもしれませんが、雄だろうが雌 だろうが遺伝は二分の一で、間違いなく佐渡が二分の一で中国が二分の一なんです。雄をやったっていいんです。だから私は、雄をやる方が可能性があるはずだと。こっちはだめだよと言ったら、二年ぐらい置いていたでしょう、結局だめだった。だめだったので雄をやったというんで、ちょうど私の言うとおりになりまして、これでうまくいかないと私の提案もだめかなと。雄で四十何歳というお話ですからまだ若いですよね、頑張ってもらえるんじゃないか、こう思っております。何か御感想がございましょうか。
○政府委員(伊藤卓雄君) 学者の方々が懸命に知恵を絞って前回そういう判断をし、やはり先生のおっしゃるとおりうまくいかなかったということで、次の手段で雄を向こうに送ったという経緯があるようでございますけれども、我々としても期待するのみでございます。
○高桑栄松君 終わります。 ありがとうございました。
○沓脱タケ子君 今回の法改正というのは待望久しいところでございました。かすみ網の使用禁止に加えて、今回、所持、販売、頒布も禁止をするということによって密猟が根絶をされて野鳥の保護に資するということになるでありましょうし、特にそのことを切望してこられました日本野鳥の会を初めとする三十九万人に及ぶ方々の請願が実ることになったという点で大変うれしく思っておるわけでございます。 そこで、法改正の施行に当たりまして、その啓発活動という問題、今も同僚委員から随分丁寧な御質問がありましたので簡単にお聞きをしておきたいと思いますが、この啓蒙活動というのは本当に実効が上がるようにして、混乱のないように努めるということが非常に大事だなと思うんです。長官も先ほど御答弁でお述べになっておられましたけれども、一部の地方には昔から食習慣になっておるというところがあるわけでございますから、そういう点を含めて親切なPRが必要だと思うんです。そうしませんと、食習慣があってその地域の人が食べるためにとったと。それが捕まって罰則にひっかかって、大量に密猟をやっている連中の底が抜けているというふうな結果になったんでは大変ぐあいが悪いと思いますので、そういう点では親切なPRというのが非常に大事だなと思うわけです。 特に、一般への啓蒙のほかに、先ほどからも既に出ておりましたけれども、暴力団の介入というのがありますから、これはこういう、介入をして悪質化しているという点でのその分野の取り締まりの強化、それからそのための、さっき財政の話はさっぱり出なかったんですけれども、財政措置なんというようなことは必要ではないのかなと思いますので、これらについて環境庁の対応について簡潔に伺いたいと思います。
○政府委員(伊藤卓雄君) 周知徹底のためにはいろいろな方法があるわけでございまして、簡単に申し上げたいと思いますけれども、一つは、組織的に都道府県あるいは各省庁、関係団体を通じてやる。これは非常に具体的で末端まで達しますので、これを期待いたしたいと思っております。それから、特に都道府県の中で中部六県というのは密猟多発地帯と言われておりまして、例年その時期になりますとその中でも関係機関を集めて会議をやっております。その前段階で、私どもがその六県の、関係県の担当者を呼んで、ことしはこうやれというような指示もしております。今回は特にこの問題を取り上げて強く指示をしたいと思いますし、先生御指摘のように、食習慣も恐らくその地域では重なっておると思いますので、そういったことの是正についてもPRをするように申し上げたいと思います。 特に今回の法改正に当たりまして私どもとして心強く思っておりますのは、各県だけでなくて各県の議会もぜひやってくれという意見書を出していただいているぐらいでございますから、そういった各県から各県の議会への働きかけといったこともあわせてお願いしようかと考えております。
○沓脱タケ子君 それはぜひ遺漏のないように対応していただきたい。 従来からかすみ網が大量輸出をされて密猟に使われているということが海外からも批判をされておるのは、もう先ほども出たとおりでございます。本法改正によって、国内法としては、これは輸出を目的とした販売または頒布をあらかじめ環境庁に届け出るというだけになっているんですね、環境庁の関係では。一方、通産省が、さっきもお話がありましたが、貿易管理令等で輸出を規制することによって密猟目的のかすみ網の輸出というのは基本的にとめられることになるのかどうか、その辺はどうなんでしょうか。さっきのお話を伺っておりましても、もうひとつちょっと頼りないなと思ったんですが、それはいかがでしょうか。
○政府委員(伊藤卓雄君) 御案内のように、我が鳥獣保護法の方では立法技術上限界がありましてこういう形になっておりますけれども、かすみ網の輸出によって諸外国の鳥類の生息に影響を与えるということは非常に好ましくないという認識、これは私どももそれに立っておりますし、今までこの問題について実は通産省ともいろいろ議論をしてきておりますが、十分理解をしてくれております。輸出自体の取り扱いについては、輸出関係法令の中で、具体的には貿易管理令になりますが、ここでどういうふうに規定していくのかまだ技術的に詰め切れておりませんけれども、諸外国の法令等との突合などをやって、より正確なものにしていくということになろうと思います。この法律を通していただきますと六カ月以内に施行されますので、その間には十分それに向けての準備ができるというふうに考えております。
○沓脱タケ子君 外国から非難を受けないようにぜひ対応してもらいたいと思います。 本改正案のかすみ網による密猟の主な対象というのがツグミなどの渡り鳥ですね。これが被害を受けておるようでございますけれども、それに関連をしまして、渡り鳥など水鳥の生息地である湿地、湿原、干潟というのが最近のリゾート開発などで大きく悪影響を受けて、鳥獣保護の立場からも、また人間と自然との触れ合いの場を確保するという面からいいましても、問題になってきているようでございます。そこで、我が国が締約国になっておりますラムサール条約の締約国会議ですね、九三年に釧路でこれが開かれる予定になっておるようですが、これに関連してちょっと一、二お聞きをしておきたいと思います。 国際水禽調査局というんですか、IWRBの一九八九年のまとめによりますと、渡り鳥などの水鳥の生息状態から見て、日本には国際的に見て非常に重要な湿地が少なくとも七十五カ所あると。そのうちの重要な湿地として二十四カ所が数えられていると聞かされておりますが、その重要な湿地の一つに挙げられている和白干潟というんですか、博多湾ですね。この博多湾について、たまたま福岡に在住されるイギリスのバードウォッチャーが、博多湾の自然というのは世界から見ても大変貴重だ、とりわけ和白干潟の鳥の多さには感激をしたなどと言われているようなんですが、こういうところが開発によって破壊されてしまうのではないかという心配も出てきております。 ラムサール条約には一九九〇年の十月五日現在六十カ国加盟しているんだそうですけれども、この締約国が登録をしている湿地の総数というのは五百八カ所あるというんですね、私も余り知らなかったですけれども。ところが国別の登録数というのは、ベストファイブがイギリス四十五、イタリア四十五、オーストラリア三十九、デンマーク三十八、カナダ三十カ所となっている。日本の登録湿地数はわずか三カ所なんですね。これはひどいことだなと思うんです。 時間の都合がありますから詳しく申し上げられませんけれども、二年後に日本で開かれるという締約国会議を前に、少なくともIWRBという国際水禽調査局が日本で特に重要な湿地があるといって取り上げている二十四カ所、この程度はひとつ登録をして積極的な構えというんですか、姿勢を示す必要があるんじゃないか。会議だけは日 本でやるけれども登録は三カ所だというのではちょっとお粗末過ぎやしないかなと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(伊藤卓雄君) 御指摘のとおり、現在我が国の登録湿地は三カ所でございまして、この数をできるだけふやしたいという気持ちは同じでございますけれども、昨年開催されました第四回の締約国会議で湿地に関するクライテリアというのが示されております。これを参考にいたしまして、我が国での登録ガイドラインというものをできるだけ早く明らかにしたいと思っております。これに基づきましてそれぞれの湿地自体を評価いたしまして、実は登録する場合に国内法での担保が必要でございますので、例えば自然公園法あるいは鳥獣保護法等で何らかの裏打ちがあるという状況をつくりまして、あるいはそれがあることを確認いたしまして、地元自治体等と相談をし、ふやしていきたいというふうに考えております。 当面、今作業を進めておりますのは、北海道の苫小牧にウトナイ湖というのが、これは地元からの要望もありますし、既に国設鳥獣保護区に指定されておりますので要件としては満たしておりますので、本年中に登録にこぎつけたいと考えているところでございます。
○沓脱タケ子君 そういう積極的な構えをお持ちのようでございましたら、今おっしゃったウトナイ湖だとか、あるいは愛知の藤前干潟、徳島の吉野川河口干潟、先ほど御紹介申し上げた博多湾の干潟、こういう有力な登録候補地などというのは自然保護団体からもいろいろと強い御要望があるようでございますから、その辺はぜひ対応を積極的にお願いしたいと思います。 さらに、最も重要なのは、今もちよっとお触れになりましたけれども、「貴重な湿地保全のためには法制度が要るのではないかということで自然保護関係者の中からは強く要請が出ているようでございます。事実ラムサール条約の登録三カ所のところでも、水鳥生息の前提条件である生態系の破壊というのが既に起こり出していると。現行の国内法では汚染防止や動植物の採集の規制にとどまっておって、湿原の生態系に対する広い対応が望めないという問題が既に出ているやに聞いております。したがって、哺乳類、それから両生類、爬虫類、鳥類、魚類、昆虫、植物、微生物などの湿地の生態系全体を対象とした法制度、例えば野生生物保護基本法などといったようなものをつくって名実ともに実効を上げるというふうなことの御検討が要るのではなかろうかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(伊藤卓雄君) ただいま御指摘の湿地の生態系を守る法律というのがどういう組み立てになるのかちょっと私としてはまだ不勉強でございますけれども、実は現在ございます鳥獣保護法あるいは自然公園法、自然環境保全法、こういった中でもそういった生態系のことも念頭に置いて指定がなされております。また、外国でもそういった形のものが多いように聞いております。 実は国際的にも生物学的な多様性をどうやって守っていくかというのが話題になっておりまして、私どもとしても、そういった全体的な守り方は一つ考えなければいけないということで、現在野生生物対策のあり方をいろいろ検討しております。先ほどお話も出ておりましたけれども、人間と野生生物の共存の理念といいますか、わかっておるようでなかなか議論すると難しいようでございますが、そういった理念とか、生物学的な観点からどのような保護対策が望ましいか、こういったことを現在専門家にも御議論をいただいているところでございますので、この結論が出ましたら、これを施策に反映していきたいと考えております。
○沓脱タケ子君 それじゃ最後に、大臣に総括的にひとつ御決意をお伺いしておきたいと思います。 それは、鳥類保護問題というのはいろいろあるわけですけれども、例えば今絶滅の危機に瀕しているという特殊鳥類になっているオオタカ、これは私もよく知らなかったんですけれども、マスコミで盛んに報道されて問題になっています。今日ゴルフ場の造成などで、リゾート開発によってオオタカの保護というのが各地で問題になっております。そういう地域が首都圏では、埼玉県に三カ所、神奈川県に一カ所、栃木県には二カ所ある。関西では京都、兵庫等にあるんです。特に神戸市では、ゴルフ場の予定地の中央が生息地になっているということが確認されて、地権者も何とか保護してほしいというような求めが出ているわけでございます。 こういう事態になっておるということをひとつ御認識いただいて、特にさっきも触れましたけれども、来年の三月には京都でワシントン条約の締約国会議が予定されているそうですね。ラムサール条約は締約国会議が再来年引き続きやられるというわけなので、締約国会議が日本で次々に開かれていくということで、外国のお客をもてなす、会議の場所も提供するというようなことだけに終わらないようにしてほしいなという関係者からの声も上がっておるというあたりをひとつ念頭に置いていただきたい。 大臣自身、先ほども先頭に立ってということで積極的におっしゃっておられました。年頭所感でもお述べになっておられるように、身近な自然保護などの分野で、抽象概念でなく、目に見えるような成果を出すように具体的に取り組んでいきたいということを年頭所感でもお約束をされておりますから、そういったお立場で総括的に自然保護について御決意を簡潔に伺って、私の質問を終わりたいと思いますが、どうでしょうか。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(愛知和男君) 御指摘のとおり、来年三月にはワシントン条約締約国会議、再来年にはラムサール条約締約国会議が開かれるわけでございまして、これも非常にいい機会でございますから、国民の意識をさらに高めるためにこの機会も大いに活用いたしまして、私、先頭に立ちまして啓発運動に取り組んでまいりたいと考えます。 なお、ラムサール条約につきましては、先ほど日本の国内の取り組みのことを局長から答弁申し上げましたが、実はアジアということからいいますと、アジアで加盟しているのは日本とベトナムだけでございまして、ほかの国はまだ参加できておりませんので、日本の役割の一つとして、日本の国内で推進するのももちろん大切でございますが、なおアジアのほかの国々にも呼びかけましてこの条約に加盟をしてもらいたい、こういうことも大切なのではなかろうか、こう考えまして、実は昨日、たまたまアジアの国々の在京の大使館の人たちとの懇談会をしたわけでございますが、そういう機会などをとらえましてそのことを要請いたしました。また、私も、そういう機会をとらえながらぜひ日本がリーダーシップを発揮していきたい、このように考えます。
○沓脱タケ子君 終わります。
○中村鋭一君 今回のこの法律改正で製造禁止にまで踏み切れなかったというのはどこにその理由があるんですか。
○政府委員(伊藤卓雄君) かすみ網につきまして棚糸が一つの大きなメルクマールになるわけでございますけれども、そこまでいきますとかすみ網というのがはっきりしてくるわけでございますけれども、そこに至らない段階、原材料の網地自体がほかのものにも使われるというようなこと、それからもう一つは、かすみ網として学術研究あるいは標識調査のためには非常に有効であるということで、これは製造を認めなければいけないということでございますので、概念的に製造規制まで行うことは難しいということが第一点でございます。 特に禁止は、何が何でも禁止してしまえばいいということではなくて、やはりその第一段階は使用禁止でございますが、これの準備段階であります所持あるいはその販売ということを規制すれば、これで非常に効果的な規制ができるというふうに考えた、その両点でございます。
○中村鋭一君 その棚糸のことでありますとか学術研究のために製造禁止をしなかったということ であれば、研究をすればそれは私はクリアできる点だと思うんですね。 今第一段とおっしゃいましたが、じゃ今回の法改正で製造禁止の点にまで、環境庁としては突っ込んでその点もお考えにはなったわけですか。
○政府委員(伊藤卓雄君) はい。いろんな段階での規制ということの一つとして頭に置いて議論はいたしました。
○中村鋭一君 将来的には私、これはもうできれば製造をやめる方が所期の目的にかなう点だと思いますので、その点も含めて今後御研究をお願い申し上げておきたい、こう思います。 今学術研究とおっしゃいましたが、じゃそのかすみ網で捕まえる学術研究のための鳥の種類でありますとか、時期でありますとか、おおむねの羽数というんですか数、それから捕まえた鳥はどのようにして処理をするか、例えばリングをつけてもう一遍放鳥するとか、その調査結果をどのようにして確認するのか、そういった点についてお教えをお願いいたします。
○政府委員(伊藤卓雄君) 私どもでは標識調査というものをやっておりまして、これは委託費を四千五百万ほど組みまして鳥類の研究所にお願いをいたしております。三十年来の事業でございます。これは鳥に足輪をつけてナンバー等で後でつかまえて判断ができるようにしておりますけれども、これで渡りのルートであるとかあるいは種類であるとか、そういったことがわかる形になっております。これは春と秋の渡りのシーズンに行うという形でございます。既に年間で約十万羽にバンディングをするという形で、全国五十のステーションにおきまして約三百五十人のバンダー、標識調査員による、いわばボランティア的活動によって行っておるわけでございます。 それからなお、これ以外に大学のこういう鳥類の研究者がまた個別に許可を求めてまいりまして、そういった人たちにも許可に基づく調査をお願いしているというところでございます。
○中村鋭一君 かすみ網を輸出する場合は事前に届け出ることになっているんですが、かすみ網という名前を外して、いわば偽って輸出をする。例えば漁網というような名前で輸出をするということも必ずしもないわけではないと、こう思うんですが、その点に対するチェックの方法等は十二分になされ得るものですか。
○政府委員(伊藤卓雄君) 今日まではかすみ網の定義が表に出てなかったわけでございますけれども、今回告示によりましてこういったものがかすみ網であるということを表現ができることになります。そうなりますと、これは国内の場合も国外に出る場合もそうでございますけれども、それが何と称していようとそれはかすみ網であるという形でとらえられることになります。したがいまして、先ほどお話がありました防鳥網と称して実はかすみ綱を使っておっても、これはかすみ網だという形で所持、販売、頒布等が禁ぜられることになりますので、非常に把握がしやすくなってくるというふうに考えております。
○中村鋭一君 そうしますと、その点はもう我々安心していていいわけですね。
○政府委員(伊藤卓雄君) 輸出につきましては、具体的には私どもがかすみ網を定義することによって、それを受けて通産省サイドで輸出に関する法令の中でどう規定するかということでございますが、これも従来、輸出の統計などでも漁網その他、その他という形でとらえられていたものが今後は恐らくかすみ網という形でとらえられますから、仮に外国に学術、標識調査のために出るということであれば、それはそれなりにはっきりとらえられるようになるんではないかと考えております。
○中村鋭一君 ごく簡略で結構ですが、今の密猟の実態、これはこれまでも各委員お尋ねでございましたけれども、時期的なもの、それから地域的なもの、鳥の種類について簡単にお教えを願います。
○政府委員(伊藤卓雄君) 渡りの秋のシーズンにおきましてはツグミなどが代表的な例として挙げられるわけでございますけれども、あとはメジロ等につきましては愛玩用ということで春の繁殖期に割と密猟が行われるということのようでございます。渡りにつきましては、ソ連、朝鮮半島を渡って能登半島から下ってきた鳥が中部地方で散らばっていくというようなことで、中部六県あたりで密猟が多いという実態にあるというふうに聞いております。
○中村鋭一君 そこで、先ほど高桑委員もお尋ねでございましたが、そういった時期的に集中する、地域的に集中する時期がある、渡りの時期で。先ほど六県とおっしゃいましたが、そういったところへ今回の法の趣旨を生かして、これをしっかり取り締まりをしていただかなきゃいけないわけですが、先ほどの高桑委員に対する答えはどうも抽象的でもうひとつはっきりよくわからぬのですが、具体的に取り締まりの実を上げなきゃいけませんが、その点について地方自治体との連携、協力体制、それから警察当局としての監視の体制でありますとか、そういう問題をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(伊藤卓雄君) まず私どもとしては、特に中部六県につきましては環境庁で会議をいたしまして、それを受けて各県が地元に戻って県警等と御相談をする。それで特にそういった県では、一斉パトロールという形で、警察だけではなくて鳥獣保護員あるいは民間の団体の御協力も得ながら、大体この辺に多いというのは山筋でわかっておるようでございますから、そういうところを中心にやっていくということでございます。 ただ、最近は非常にプロ化し組織化しておりまして、我々が行くということがわかれば綱を放置して逃げてしまうということとか、あるいはそういった人たちが踏み込むのを妨げるために木にくぎを刺して怖がらせるとか、非常に悪質化しているというふうに聞いております。現にけがをした人もあるということでございますので、そういった密猟の現場で押さえようとなると、どうしてもそういう危険なり難しさを伴うわけでございますが、今回は販売もいけない、所持もいけないわけでございますから、販売ルートで、去年のデータですと約三〇%のいろいろな小鳥屋等で売られているものがまず規制できます。それから所持といっても、やはり町中でただ持っているだけでは捕まえにくいわけですが、そのシーズンなり場所で大体判断ができるわけです。ほかの持ち物と総合的に判断して、これはもう密猟間違いないというのがわかれば早目に捕らえられるということで、今回は従来と違った形の取り締まりが可能じゃないかというふうに考えておるところでございます。
○中村鋭一君 警察庁、環境庁は今話がありましたように随分熱心のようですが、警察の方はお見えでございますか。お見えじゃなければ結構です。
○政府委員(伊藤卓雄君) 私ども特に中部六県の警察の方には大変お世話になっております。今回の法律改正に当たりましても、具体的にどういう点が難しいかということもいろいろお知恵をおかりしたわけでございますが、既にお話も出ていましたけれども、空の上からかすみ網の設置場所などを確認するためにヘリコプターを飛ばすとかいろいろな形で御協力いただいておりますので、今回もまた新しい法制を踏まえたやり方を考えていただけるというふうに考えております。
○中村鋭一君 終わります。
○委員長(上野雄文君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上野雄文君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これ を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上野雄文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(上野雄文君) 次に、公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○田渕勲二君 それでは最初に、長官から二、三総括的な御見解、所信を伺っておきたいと思います。 環境庁ができまして二十年ということで、六月は環境月間というように聞き及んでおりますが、この環境月間における主たる行事内容ということをお聞かせ願いたいということと、昨日の夕刊を拝見いたしますと、昨日の閣議決定で環境白書が出ておるようでありますが、この環境白書で特に今後重点とされる環境行政につきまして、ひとつ、環境庁長官から所信をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(愛知和男君) 最初に、環境月間の行事内容につきましてお答え申し上げます。 世界環境の日というのを我が国が提唱いたしまして、これが六月五日というふうに決まりました経緯を踏まえまして、我が国では六月五日から一週間を環境週間として毎年環境保全のための啓発運動をやってまいったわけでございますが、ことしは、御指摘のとおり、環境庁設立二十周年でもございますので、週間ではなくてこれを月間にしてさらに盛り上げていきたい、こういう趣旨で環境月間と銘打ちまして普及啓発運動をしていきたい、こういうことでございまして、六月を中心にしました約一カ月を考えております。 具体的には、環境に優しい暮らしの提案をテーマにいたしまして地球環境問題を中心にした展示を行いますエコライフフェアというのを、昨年もいたしましたが、ことしは少し規模を大きくいたしまして、五月二十八日にスタートいたしますフェアを計画いたしております。このエコライフフェア以外に、低公害車フェアあるいは環境教育シンポジウム、それからアジア・太平洋環境会議、エコ・アジア91と称しましたこういう行事、こんなようなことを考えております。 これを機会にさらに国民の多くの方々に環境の問題を認識していただき、またそれを行動に起こしていただかなければなりませんので、そのような方向で国民の皆様方に御理解と御協力をいただけるように努力をしていきたい、これが環境月間の趣旨でございます。 さらに、環境白書につきましてお尋ねでございますので、この点につきましてお答えをさせていただきますが、ことしの環境白書は副題をつけまして、「環境にやさしい経済社会への変革に向けて」、こういうテーマを掲げて出させていただきました。これは地球的視野で環境問題を分析し、環境問題の広がりと深刻さに対応いたしまして、社会経済システムの変革によって環境への負荷を減らしていくことが必要である、こういう認識でこの白書を書かせていただきました。 その中でいろんな問題があるわけでございますが、幾つか具体的にとらえて申しましたのが、自動車の問題とそれから自然の問題、この二つだけではないのでありますけれども、ことしの白書では特にこの点に重点を置いてまとめてみたわけでございます。 細かくは、例えば自動車の問題につきましては、貨物輸送のモーダルシフトの推進とか、あるいは電気自動車などの低公害車の開発導入、自動車排出ガスの総量抑制方策の具体化へ向けての検討などに力点を置いてございます。またさらに、これらの施策につきましては交通体系や都市構造のあり方にまでさかのぼる必要がございますので、関係者の合意形成ということで努力をしてまいりたいというようなことを述べてございます。 また、自然の問題につきましては、環境保全型社会への変革のためには、人類がその中で生存しております地球の生態系を保全していくことと、一人一人の心に自然を慈しむ気持ちをはぐくんでいくことが基本になるということを主にいたしまして、具体的な地球生態系の保全のためには国際協力を進めるとともに、国内における自然の開発利用につきましては、計画の初期の段階から関与して調整を行うということなどをやっていきたい、こういうふうな趣旨、また、自然を慈しむ心をはぐくむためには自然公園の整備充実や自然との触れ合いのための人材の育成などに力を注いでいきたい、こういうことなどを書いてございます。この点につきましては、環境庁といたしましては四月十二日付で自然保護局企画調整課にふれあい推進室というのを設けたところでございまして、行政としてもこういう点をぜひ推進していきたいと考えております。 以上、ごく概略でございますが、御説明をさせていただきました。 ─────────────
○委員長(上野雄文君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、小西博行君が委員を辞任され、その補欠として山田勇君が選任されました。 ─────────────
○田渕勲二君 今長官から環境白書の概要が述べられましたが、私も新聞だけですけれども読ませていただいて、特に中心になるのは、車社会の見直しを訴えている内容になっていると思うんです。そういう意味で、今かなり社会的に大きな問題になっております窒素酸化物による大気汚染、こういった問題で若干御質問をしていきたいと思うんです。 九〇年の十月に地球温暖化防止行動計画ができておりますが、これは二〇〇〇年までに我が国のCO2の排出抑制目標というものを立てているんだと思うんですが、環境庁は二〇〇〇年までに九〇年水準の安定化を図ると言うし、通産省は二〇〇〇年までに八八年実績比で一六%伸びるというように、環境庁と通産省の二〇〇〇年をにらんだ我が国のCO2の排出抑制目標というものに主張の開きがあるように私はあるもので読んでおるんですが、計画の目標設定というのは、わかりやすくここでお答え願いたいんですが、一体二〇〇〇年には幾らの目標を立てておられるのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(加藤三郎君) 今先生がお尋ねにございましたように、まさに昨年の十月に地球温暖化防止行動計画というものをつくりました。これは、地球がだんだん人間活動その他によって暖まってきておる、このまま放置しておくと日本のみならず世界の環境が非常に危機に陥るおそれさえある、そういうことで各国ともいろんな努力をとり始めているわけですが、我が国は政府を挙げてこの問題に取り組むという趣旨で、政府といたしまして昨年十月に温暖化防止行動計画を決めたものでございます。その中には、今先生のお触れになりましたCO2に対する目標ももちろん掲げてございますが、それ以外もいろいろと掲げてあるわけでございます。 お尋ねのCO2につきまして、この作成の過程ではいろんな議論がございました。世界的にもいろんな議論がございました。私どもといたしましては、わかりやすくということで申し上げますれば、二酸化炭素の排出はおおむね一九九〇年レベルで二〇〇〇年以降安定というのを目標にいたしているわけでございます。ただ、その過程といたしまして二つの目標を実は掲げてございます。 簡単に申し上げますと、現在官民挙げての努力によりまして、この行動計画に盛り込まれた広範な対策を実施可能なものから着実に推進していくということで、人口一人当たり二酸化炭素排出量を二〇〇〇年以降おおむね一九九〇年レベルでの安定化を図るというのが第一項でございます。第二項といたしましては、その措置と相まちまして、さらに、例えば太陽光でありますとか、あるいは水素などの新エネルギー、あるいは二酸化炭素の固定化等の革新的な技術開発等が現在予想されている以上に早期に大幅に進展することによりまして、二酸化炭素の排出総量におきましても二〇〇 〇年以降おおむね一九九〇年レベルで安定化するよう努めるというものでございます。 先ほど申しましたように、簡単に申し上げますれば、二酸化炭素の排出をおおむね現状レベルで二〇〇〇年以降安定化するというのが本計画の目標でございます。
○田渕勲二君 それじゃ、九〇年の水準に安定化させる、こういうように理解していいわけですね。
○政府委員(加藤三郎君) 先ほど申し上げましたように、私どもが決めた文言を読ませていただきますと、「概ね一九九〇年レベルでの安定化を図る。」という、そういうことになってございます。
○田渕勲二君 さらに、これに関連をいたしまして、環境庁の大気保全局長の私的諮問機関に窒素酸化物自動車排出総量抑制対策検討会というのがございますが、これが全日本トラック協会からヒアリングを行ったと私は聞いておるんですが、この内容についてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(古市圭治君) お尋ねの件につきましては、私のところで検討会を設けて今検討を進めております窒素酸化物自動車排出総量抑制方策検討会でございます。 この報告書の中間的な取りまとめが昨年の暮れに出されたわけでございまして、これは大都市を中心として自動車一台ごとの単体の規制だけではカバーし切れない汚染状況を改善するための総量規制の方策を練っているわけでございますが、その方法として三つほど案が出されました。しかし、これは影響するところが非常に大きゅうございますので、いろいろ関係省庁、関係団体の意向も踏まえて現実的な案に収れんしていきたいということで関係団体の意見もヒアリングをしているということでございます。 まだ内輪のことなので一つ一つについて申し上げるわけにいきませんが、トラック協会の方からも御意見を先般伺いました。協会の方では、物流というものが非常に鉄道から自動車に移っている。それからまた、物流の人手不足もある。また、大気汚染の原因がディーゼルだということもございまして、その社会的責任というのは非常に痛切に感じており、何らか協力できるような方法があるならば協力したいというようなことで、ただ問題は、物流に大きな影響が及ばないような方策がないだろうかというようなことでいろいろ意見の交換をさせていただいているということでございます。
○田渕勲二君 それに関連して運輸省にお伺いをします。運輸省来ていらっしゃいますね。 これも私、運輸に関する業界の資料を見たのでありますけれども、環境庁で検討されている総量抑制策について、運輸省の貨流局長の自動車排出ガス対策についての見解が述べられているんです。それは、すべての車を一律に対象にするんではなくて、営業用、自家用の輸送効率の違いというものを十分配慮した上で検討すべきだ、こういう発言をされているように伺ったわけで、私もこの考え方は賛成なんでありますけれども、その発言されました理由といいますか、これをこの際、ここで明確にしておいていただきたいと思います。
○説明員(石井幸男君) お答え申し上げます。 窒素酸化物によります大気汚染の厳しい現状、それからこれに対応した環境対策の推進の必要性ということにつきましては、運輸省としても十分認識しておるところでございます。しかしながら、一方で、先生御指摘ございましたように、貨物の輸送需要に対応した輸送力を確保するということは運輸行政の根幹にもかかわる問題でございます。したがいまして、環境対策の方法につきましては、いかにバランスをとっていくかということが課題であろうと思っております。 このような観点から、現在のところ、最新規制の適合車への代替の推進でございますとか、輸送効率を向上させるための方策、あるいはメタノール自動車の実用化のための試験研究等を実施しておりますほか、ジャスト・イン・タイム輸送の見直し等、物流サービスの再構築について検討を行っておるところでございます。 環境庁において検討が行われております自動車の走行量の抑制につながる自動車からの窒素酸化物の排出抑制方策、これにつきましては、貨物の輸送需要との関係もございますので、すべての自動車を一律に規制の対象にするというのは適当ではないのではないか。と申しますのは、営業用トラックと自家用トラックでは相当に輸送効率の相違がございます。実働一日一車当たりのトンキロベースというふうなもので見ました場合に、営業用トラックは自家用トラックの十九倍の効率性があるというふうな数字もございます。こういった点も考慮された上で検討がなされるべきではないかと考えておる次第でございます。
○田渕勲二君 昨年十一月の環境庁の検討会の報告を見ますると、東京、大阪、横浜の三地域の総量規制というのが出ております。それは、一つは事業場ごとに定率に削減をするとか、あるいは使用車種の規制をやる、これは低公害車の問題でしょう。それからステッカー方式による走行規制、こういう検討会の報告が三点ばかり出ているんですが、これを基礎にしたこれからの進め方を環境庁はどのようにお考えですか。
○政府委員(古市圭治君) ただいま運輸省の方からもお話がございましたように、先生御承知のように、この中間報告書におきましても、運送業者の方が輸送効率が高いということから、物流用運送業者に代注することにより交通量の削減、さらには排出量の削減効果があることが考えられるということも書いておりまして、全般的に物流に及ぼす影響というものにも配慮された意見になっているわけでございます。 しかし、具体的な案を出しませんと各界からの意見も出ないということで、一応三案にまとめて出したわけでございまして、先ほど申しましたように、各関係者からの意見も伺いまして実現可能な案に詰めていきたい、なるべく早く成案を得まして御審議をいただきたい、このように思っております。
○田渕勲二君 それじゃ観点を変えまして、通産省にお伺いしますが、今の低公害車の開発状況、これが非常に急がれている問題ですが、これについて概略の説明をお願いしたいと思います。
○説明員(川嶋温君) 御説明をいたします。 現在、いわゆる低公害車と言われております車は幾つかございますけれども、実際に町を走っている車という意味で申しますと、電気自動車あるいはメタノール自動車、天然ガス自動車、それからことしから入る予定のハイブリッド型の自動車というようなものがございます。 電気自動車につきましては、現在電力会社あるいは地方自治体等を中心といたしまして、約千台余りの車が道を走っております。これにつきましては、まだ値段が、通常の同様のガソリン車、石油の車に比べまして、車の価格としまして二、三倍程度になっているという状況でございます。また、一回の充電で走れる距離につきましても、市内の走行でございますと六十キロ前後と言われております。 また、メタノール自動車につきましては、現在テスト段階ではございますけれども、三十二台ほどがオン・ロード・カーとしてテストされております。試験段階でございますので、お値段につきましては幾らということはちょっと申し上げにくい段階でございます。 それから天然ガス自動車につきましては、ガス会社を中心としまして、同じくテスト段階ではございますけれども、二十一台ほどが現在走っております。こちらにつきましては、同様の市販車のやはり二倍ないし三倍ぐらいのお値段の段階に現在はあるというふうに言われております。 それからハイブリッド型の自動車、これはディーゼルエンジンと電気モーターの組み合わせによりまして、特に発進段階でモーターの方を使って黒煙、NOx等の低減を図るというタイプの車でございますけれども、こちらは路線バス用にことし六台ほどの導入がなされる予定と聞いております。このタイプの車につきましては、同様のバス よりはおおむね七百万円ぐらい高いというふうに言われているところでございます。 以上でございます。
○田渕勲二君 この中で一番早く実用化できるのはどれですか。
○説明員(川嶋温君) 何分技術開発の問題でございますので、どれが一番実用化が早くできるのかというところは非常に今の段階では断定しにくい部分がございますけれども、申し上げましたように、現在一番公害との関係で単体としての問題がないものは電気自動車でございます。それから、ある程度の用途を限って見ていけば、現在の六十キロ程度の町中での走行距離の範囲内でも普及の可能性がまだあるものがあるのではないかというふうに考えておりまして、ある程度の需要をつくり出すことによって電気自動車の普及を図るべきではないかというふうに考えているところでございます。
○田渕勲二君 八九年にアメリカのブッシュ大統領が大気浄化法改正案というのを発表した中を読みますと、特に重汚染のアメリカ国内の九都市、ニューヨークとかロサンゼルスとかという都市では、こういう今いろいろ言われましたメタノールを初めそれらの代替車、代替燃料で走る自動車を九五年には五十万台販売しなさい、九六年には七十五万台、九七年以降には百万台の販売を義務づける、こういう発言を大統領みずからがして、非常に督励をしているわけです。 この大気浄化法にかわる日本の法律というのは大気汚染防止法じゃないかと思うんですが、アメリカの大統領のこういう発言を踏まえて、我が国の大気汚染防止法にこういった角度からの改正といいますか、今のこうした代替車の促進を図るような法律というものはお考えになっていないかどうか、これについて御質問申し上げます。
○政府委員(古市圭治君) 米国の大気浄化法の改正で非常に意欲的なことが盛られましたので、私どももその実態について担当者を派遣して勉強させていただきました。一つ疑問だった点は、メーカーに一定割合の電気自動車なり低公害車の販売を義務づける、ここのところが、やはり売る側と買う側があるわけですから、生産で義務づけてもどうして高い値段の自動車が買えるのかというようなこともございました。 しかし、米国の方は法律の建前が従前から、例えば今おっしゃいました電気自動車で申しますと、カリフォルニア州の規制は、もう既に改正前からメーカーに対しての排出基準の遵守の義務づけが課されているという構成になっておりますし、日本の場合には自動車運行者に義務を課しているというようなことがございまして、メーカーに新しい規制を持ち込むという発想は全く新しい考え方であろうかと思います。 しかし、これと同様なことが、先ほど先生お尋ねの大都市における総量規制の中で、例えば(2)の方法で提案させていただいております最新規制適合車への切りかえの義務づけということになりますと、一定年次以内に最新規制適合車、すなわち低公害車の方に台数が移行していくと。同じ結果を生むのではなかろうか、そういうことでございますが、米国の方法もさらに、一九九五年、九八年あたりからに想定されておりますが、動向を見守ってまいりたいと思っております。
○田渕勲二君 ひとつ御努力をいただきたいと思います。 いずれにしても、こういうCO2抑制型の社会構造というものにするためには相当な補助金などもつけてやらないとなかなか進展しないと思うんですけれども、それに関連して申し上げると、環境税というふうな問題を実はいつだったか橋本大蔵大臣が国会答弁されておったと思うんですが、この環境税創設の構想というものについてどういうふうにお考えなのか、それがどの辺まで具体化されるのか、また各国にこういった環境税的なものがあるのかどうか、これについてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(加藤三郎君) 地球環境問題に限らず、環境政策を遂行する一つの手段といたしまして、直接的に規制するほかに、例えば税を使うあるいは補助金を使う、そういった税制、財政上の措置でもって環境政策の目的を遂行する、そういうやり方は日本ももう既にいろんな形でやっておりますし、ほかの国もやっているわけでございます。特にCO2、地球温暖化に絡めましてCO2につきましては、最近、例えば炭素税といったようなものが議論もされ、あるいは幾つかの国で実施をいたしているわけでございます。 こういう税などの経済的手段を環境政策の手段の一つとして使おうという問題につきまして、ことしの一月の末に開かれましたOECDの環境相会議でも議論がされております。私どもの愛知長官もこの議論に参加をされておるわけでございますが、その議論の際にコミュニケが出ておりまして、その中に、こういう経済的手段についておおむねこんなようなことを言っております。 すなわち、税だとか課徴金といったようないわゆる経済的手段といったものの使用が日本を含みますOECD諸国におきまして最近拡大しているというそういう事実を歓迎し、これを強く支持した。そして、経済的手段は技術革新と行動の変化に対し強い誘因を与え、環境上の目標を費用に比して効果的に達成することにつきよい展望を与えることができる。こういうような趣旨のコミュニケになっておるわけでございます。 そこで、私どもといたしましても、これまで直接的規制に加えまして経済的手法もいろんな形で利用しておりますが、もし先生のお尋ねが例えば炭酸ガスを抑制するための炭素税ということであるとすれば、こういったものも今後検討すべき課題というふうに思っておりまして、今申し上げましたようなOECDの流れ、あるいは世界での流れ、そういったものをよく見ながら十分に検討していきたいというふうに思っております。 また、先生のお尋ねのほかの国でどんな状況だということでございますけれども、これにつきましては、既に幾つかの国が、今炭素税についてだけを申し上げますと、炭素税につきましては九〇年にオランダ、フィンランドが既に実施をいたしております。それから本年、九一年よりスウェーデン、ノルウェーが導入をいたしております。さらに、EC全体として、またドイツなどにおいてもこの炭素税の導入を検討中というふうに聞いております。
○田渕勲二君 それじゃ、時間の関係で次の課題に移りますが、次はスパイクタイヤの粉じん防止の問題です。 これは四月一日から施行されておるわけでありますけれども、環境庁は脱スパイクタイヤマニュアルというものを作成されまして関係道府県に配付されたと聞いておるんですが、各地の対応はどういうぐあいなんでしょうか。
○政府委員(古市圭治君) 四月一日からスパイクタイヤの禁止法令が施行に移りましたので、私どもはこの「ノースパイクタイヤまちづくりマニュアル」を千数百部つくりまして関係自治体に配付をさせていただきました。自治体の方では、独自につくったマニュアル、また私どものマニュアルを参考にして各種の行事を展開して、この知識の普及啓蒙に努めていっていただいていると思っております。
○田渕勲二君 地域指定の問題についてお伺いしますけれども、東北、北陸、信越の十一県では五百二十八市町村が指定をされている。大体私たちが見てもほぼ指定されていいところが指定されているんですけれども、北海道ですね、北海道が札幌圏の七市町にとどまって、非常に私たちが期待しておったような状況になっていないんです。 私も先般、統一地方選挙で旭川に参りまして一日宣伝車に乗って走ったんですけれども、もう鼻の穴が真っ黒になるぐらい大変な粉じんが舞っているわけす。あそこは指定されていないわけですね。そういう非常に考えられないような状況になっているんですが、それはどういうことでそういうふうになっているんですかね。普通ならそこらは指定されていいはずのところが北海道ではたくさんあると思うんですが、それはいかがでしょ うか。
○政府委員(古市圭治君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもも甚だ北海道の指定状況というのは、法律をつくった手前から申しましても不本意だと思っておるわけでございますが、やはりこれは、日本の気象条件といいますのが、縦長の地理でございますので、北海道は自然気象条件が非常に厳しいというようなことがございます。そういうことから、私ども現地の担当部局とも話をして、指定地域をなるべく広くとるようにとお話ししておるわけでございますけれども、まだ交通安全との調和、不安というものが北海道においては短期間で十分理解を得るところまで至っていないということもあって、もう少し時間をかしていただきたいというようなことでございました。 ちなみに、札幌中心の七市町でございまして、市町村数と面積から申しますと三%にしかすぎないわけでございますが、その中の管内人口と保有車両数から見ますと、この地域だけでも三十数%というのがカバーされているということから、だんだんと理解が広まって主要都市中心に今年内には指定地域ができるものと私どもは期待しておりますしへそのように関係部局にも申しているところでございます。
○田渕勲二君 法のもとの平等性といいますか、整合性といいますか、せっかく四月から施行されたわけですから、こういった地域指定が非常に偏った状況にならないように、ひとつ環境庁として特段の努力をお願いしておきたいと思います。 それからもう一つ地域指定で気になるのは、非常にまだらになっているんですね、これ。指定しているところとしていないところとを見ますと、ぽこぽこと。そうすると、普通、車に乗っている人がそのまだらのところに行くと入れないわけでしょう。つけかえるのかどうか知りませんが、そんなの不可能ですね。実際にこんなまだらなところを走れといったってこれは無理だと思うんですが、これは何でこんなにまだらになっているんですか。
○政府委員(古市圭治君) 地図で見ますとかなりまだらなんですが、実際幹線道路が通っているところはほとんど指定地域に、該当地域になっておりますので、地図で見た感じほどお困りになるわけではないと思うわけでございます。 それからもう一つは、この法律を審議いたしましたときに全国一律規制という話があったわけでございますが、例えば山間僻地でそれほど車粉の被害がない、また実態としてスパイクを使っていても周囲の迷惑にならないというところまで全部指定するわけにはいかないじゃないかということで、山奥の幹線道路から外れたところまでいわゆる住民の健康と生活環境の保全のためにということにしては、法律上指定するのも行き過ぎであるということもございまして、地域の県知事さん、また市町村長さんの意見を聞いた上で環境庁長官が指定地域にして告示する、こうしたわけでございまして、実態上はそれぞれの都道府県で、北海道を除きまして、ほぼ住民の方も納得していただいているということかと思います。
○田渕勲二君 指定地域と非指定地域が、確かに私も幹線道路を走っているわけじゃないからわかりませんけれども、同じ県内で結局タイヤをその都度交換するなんということはできませんからね。やはりこうしたまだらがないようなことにしなければ実効は上がらないと思うんですが、そういう点ひとつ一層環境庁としても目配りをお願いしておきたいと思っております。 それから、それに関連をするんですが、スタッドレスタイヤというのは、私もこの法律ができるときに盛んに御質問申し上げたんですが、これはどうも余り現在の段階では、特にトラック関係者からはタイヤの性能についてどうも信頼がないように私たちは聞くんですが、きょう運輸省からもお見えになっていただいていますが、スタッドレスタイヤの性能、これについてひとつお伺いしておきたいと思います。
○説明員(樋口忠夫君) お答えいたします。 ただいまの先生の御質問でございますが、まず乗用車につきましてお話し申し上げますと、乗用車等の小型自動車用スタッドレスタイヤのブレーキ性能、この点につきましては、日本自動車タイヤ協会等の調査によりますと、スパイクタイヤに比べまして約九〇%程度の性能を保持しているという結果が出ております。 それから今お尋ねの大型自動車用スタッドレスタイヤはいかがなものかという点でございますけれども、これのブレーキ性能につきましては、この二月に運輸省の指導によりまして全日本トラック協会において実験を行っていただいたわけでございまして、現在その結果を取りまとめ中でございますが、いろいろお話を聞いてみますと、対スパイクタイヤ比でいきまして七〇%程度という結果が出ているということでございます。したがいまして、今後とも大型自動車用スタッドレスタイヤを中心といたしまして、その性能の向上等につきまして関係の役所とも連携しながらタイヤメーカーを指導していきたい、このように考えております。
○田渕勲二君 よろしくお願いします。 時間もありませんから次の問題に移りますが、次はワシントン条約について御質問申し上げます。 これもワシントン条約に関する法律ができましたときに問題になった点でございまして、その後の経過について御質問申し上げるわけですが、一昨年でしたか、スローロリス百十四匹の不法持ち込みに関連をして、日本霊長類学会から八九年の七月に通産省と環境庁に対してワシントン条約国内法強化の要望書が提出されたわけです。一つは、不正に持ち込まれた野生生物は政府が没収をするということ。それから二つ目には、不法輸入、不法取得者には厳重な処罰規定を設けなさい。三番目には、不正に輸入した野生生物は政府が責任を持って原産地に返還し、その費用は輸入業者が負担する。こういう要望があったと思うのでありますけれども、そういった要請を受けて、環境庁はこの法改正、こういうものの必要性についてどのようなお考えをお持ちなのか、この点をまずお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(伊藤卓雄君) ワシントン条約の国内対応法令といたしましては、外為法に基づきます貿管令及び当方所管の絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律、この双方相まって運用しているところでございます。 御指摘の没収の問題あるいは返還の問題等に関する問題点は承知いたしておりますけれども、今日のところ、全般的にはそれなりにしっかり行っておるというふうに考えております。国内法の場合、施行されて三年半たっておりますけれども、実態に即して運用をやっておりますが、本法違反につきましては新聞あるいはマスコミ等での報道もよくなされまして、関心が非常に国民の間でも上がってきているというふうに感じておるところでございます。今後とも国内流通の実態についてもより綿密に把握をいたしまして、規制品目等についてさらに充実を図るようにしていきたいというふうに考えております。
○田渕勲二君 これは不法に輸入したり取得した人の処罰規定というのは今ないでしょう。あるんですか。
○説明員(林洋和君) お答え申し上げます。 ワシントン条約の適用動植物につきましては、外国為替及び外国貿易管理法による輸入の承認を受けずに輸入をした場合には三年以下の懲役もしくは百万円以下の罰金、あるいはこれらが併科されるということになっております。
○田渕勲二君 そうすると、そういうことの規定でもってどしどし処罰ができるわけですね。そうですね。どうもそうでないような感じがするんですがね。いろいろ新聞を見ると、たくさん不法に入れた人、持って帰った人は余り処罰されていないように私どもは見ているんですが、それは的確に処罰されているんですか、本当に。
○説明員(林洋和君) まず、処罰の前の御質問に関係することでちょっとお話をしたいと思います が、偽造許可証による輸入を阻止するため、私どもでは附属書Ⅰの種にかかわる取引については輸出許可証の真偽を外交ルートで確認をする、こういうシステム、さらにそれに加えまして、霊長類につきましては条約の事務局の意見を聴取する、こういうシステムを最近導入いたしております。 一例を申し上げますと、この結果、最近では例えばキンクロライオンタマリンの不正の輸入をこのシステムで未然に防止をしたと、こういうような例もございます。 それからワシントン条約関係の差しとめ件数でございますが、平成二年は二千三百件でございます。そのうち、関税法違反として告発あるいは通告処分を受けた者が三十五件というふうになっております。
○田渕勲二君 もうひとつよくわからぬですが、時間も時間ですからあれしますが、そういうふうに不法に持ち込んできたワシントン条約に違反する動物を結局、任意放棄させるわけですね。その動物を原産国へ返さなきゃならぬのですが、その費用負担ですね、この費用負担はどうなっておりますか。
○説明員(林洋和君) ワシントン条約第八条四項によりますと、輸出国の負担する費用で当該輸出国に返送するということになっております。他方、一九八三年の決議においては、輸入者あるいは輸送会社が負担するよう国内法を制定するようにという決議が出されておりまして、この条約本文と決議との間には矛盾がある、こういう状況になっております。 それで現在の運用におきましては、例えば一般の旅行者が過って輸入した場合などを除きまして、任意放棄ではなくて輸入者に積み戻しを指導しております。善意で入れたのか悪意で入れたのか、あるいは動物の状況がどうなのか、こういったケース・バイ・ケースの具体的事例に応じて、今後とも行政指導によりまして積み戻しを命ずるあるいは任意放棄をさせる、こういったことをやってまいりたいと考えております。
○田渕勲二君 余り時間がありませんから深く追及はできませんけれども、またこれは改めて一遍整理してやりますが、その任意放棄された動物の保管方法でございますけれども、いわゆる保管する施設がないためにせっかく生きている動物が死んだりしている例がかなりあるんじゃないかと思うんですね。だから少なくとも水際の保護施設、こういったものが私はぜひ必要なんじゃないかと思うんですけれども、この点の見解はいかがでしょうか。
○説明員(林洋和君) ワシントン条約で水際でつかまります動物、御承知のように、霊長類あるいはワニ、鳥、熱帯魚、いろんなものがございます。それらの動物についての専門家、あるいはそれらの動物を保護管理いたします施設を一カ所に集めてやるというのもなかなか現実には大変でございまして、現在では日本動物園水族館協会と相談をいたしまして、それぞれの動物の専門家がいる、あるいは施設がある、そういった既存の動物園などに保護管理を委託している、こういう現状でございます。
○田渕勲二君 その現状はよくわかっているんです。だけど、そういう保護施設を水際でつくるとかなんとかということはもう全然検討の対象になっていないんですか。
○説明員(林洋和君) 私どもも、例えばイギリスの例とかそういった例も勉強しておりまして、検討していないということではございません。ただ、いろいろ現実にはなかなか難しい問題もあるということでございます。
○田渕勲二君 最後に監視体制についてお伺いしますけれども、いつも発見される端緒は、民間のトラフィック・ジャパンの方が町で発見をしたり、あるいは通関のときに発見をしたりしているんですけれども、通産省としてそういう監視を専門にするような監視官とか、そういう制度というものはどうなっているんですか。それを拡充するという方法は今お考えじゃないですか。
○説明員(林洋和君) 現在世界じゅうでは、御承知のように、いろいろな野生生物の違法な取引がございます。一般論として申し上げれば、規制をすればそれをかいくぐろうとする人間が出てくるということでございまして、それをいかに防ぐかといいますと、私どもの考えでは、やはり基本的には世界的な情報ネットワークをいかに確立するかということだと思います。 例えば、悪質な動物業者がいて猿をあの国に輸出しようとしているとか、あるいは日本の民間人がどうも野生のものを自分の国から持ち出したので日本の税関でチェックをしてくれとか、こういった種々の情報が各国の管理当局あるいは条約の事務局、さらには民間の自然保護団体から寄せられるようになりました。他方、私どもも逆に各国にもいろいろな問い合わせとかお願いをしているというのが現実でございます。 私どもとしては、やはり実務を担当しております税関あるいは私ども通産省、環境庁、それから各国の管理当局、条約事務局、民間団体、こういったものを含めまして、不正取引をさせない、そして野生生物を守るんだ、こういう立場にある人間が頻繁に連絡をとり合って情報交換を行っていく、こういうことがやはり基本ではないかなというふうに考えております。
○清水澄子君 私は、まずアスベストの管理行政についてお伺いいたします。 まず、文部省にお伺いしたいんですが、三月二十五日に東大工学部の八号館で石綿撤去工事中に起きた石綿汚染の事件なんですけれども、なぜこういう事態が生じたのか、問題点だけ、時間が短いものですからぜひ問題点だけ皆さんお答えいただきたいと思います。
○説明員(西口千秋君) お答えいたします。 東京大学の工学部八号館のアスベスト除去工事で粉じんの飛散事故があったことは、私どももまことに遺憾なことだと存じております。本来、アスベスト除去工事は、粉じんが他に飛散しないよう室内に目張りをして、かつまた排風機を用いまして室内の気圧を低くして行うのが通常であります。報告によりますと、今回の工事についても全く同じような工法がなされております。しかし、今回の事故は、排風機が停止しました夜間に、除去を行っておりました実験室に隣接するパイプシャフト、設備の入っております縦のシャフトでございますが、そこから粉じんが上の階の部屋に飛散したというふうに推定されております。
○清水澄子君 ですからこれは、今後こういう事故が起きないように再発防止を必要としていると思うんですけれども、建設省の方にお伺いしたいと思います。 石綿処理工事に際して同じような事態が今後起こらないためには、今度の事故をひとつ教訓的に受けとめて、この処理工事の期間中に負圧を維持しておくこと、また事前調査を十分に行ってダクトなどの開口部を完全にふさぐことが必要だと思うわけですけれども、こういう点が建設省の石綿処理工事マニュアルに書かれていないわけです。それをぜひ今後このマニュアルに追加していただけないか、そして各省庁及び処理業者に周知徹底を図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(十亀彬君) お答え申し上げます。 おっしゃいますマニュアルは「既存建築物の吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針」のことかと存じますが、これにおきましては、アスベズトの除去工事を行う際には、養生作業の後、粉じん飛散抑制剤の吹きつけ作業というところから危険領域といいますか、飛散のおそれのある段階になるわけですが、その段階から養生シートの撤去までの間、工事区域を負圧にし、除じん装置を稼働しておくことと明記してございます。また、事前調査に関しましては、工事前には施工調査を十分行いまして施工計画書を作成するということにしてございますので、現在持っておりますこの指針、この徹底が重要なことかと存じております。 今後このような事態のないように、講習会等におきましてこういった点を強調しながら徹底を図っていきたいと存じます。 以上でございます。
○清水澄子君 その二つの点は書いてあるわけですね。簡単に。
○説明員(十亀彬君) 記述してございます。
○清水澄子君 じゃ、それをぜひ業者に徹底していただくようにお願いをしたいと思います。 ちょっと関連して質問しますけれども、昭和五十五年以降の吹きつけによる建築仕上げ材にはアスベストは含まれていないでしょうか。建設省の方。
○説明員(十亀彬君) 吹きつけアスベストは使われておりません。
○清水澄子君 それでしたら、もう一つ関連してお伺いします。 建設省の石綿処理マニュアルにはアスベストを含有するロックウールの商品名が挙げられておりますけれども、これもアスベストに準じて扱うべきということですね。
○説明員(十亀彬君) ロックウールとアスベストにつきましては、全く別のものでございまして、扱いといたしましても別でございます。
○清水澄子君 全く別ですか。アスベストに準じてではないんですね。マニュアルには書いてあるんですよ。――ない。じゃ、次の質問に移ります。 文部省にお伺いいたしますけれども、東大工学部八号館では石綿を吹きつけた研究室がまだ四十四室も残っていると聞いているわけですけれども、東大には吹きつけ石綿が何平米ぐらいあるのでしょうか。そして、処理実績はどのぐらいありますか。
○説明員(西口千秋君) お答えいたします。 東京大学の建物全体で保有面積が九十八万平方メーターあるわけでございますが、そのうちの約四%に当たります四万平方メーターにアスベストが使用されております。現在までに、緊急度の高い部分から除去を実施するということで、平成二年度までにおおよそ一五%の処理を終えております。
○清水澄子君 それは何平米ですか。
○説明員(西口千秋君) 一五%と申しますと、大体六千百平米程度かと思います。
○清水澄子君 国立大学の吹きつけ石綿三十万平米と言われているうち、どの程度処理されているでしょうか。
○説明員(西口千秋君) お答えいたします。 文部省では昭和六十二年度以降、各学校からの処理計画に基づいて実施をしておるところでございますが、現在、平成二年度までに緊急度の高い七十四校につきまして処理を実施したところでございます。
○清水澄子君 何平米ですか。
○説明員(西口千秋君) 面積で申しますと、おおむね三万平米の処理を行っております。
○清水澄子君 じゃ、公立小中学校の吹きつけ石綿処理はどの程度進んでいるでしょうか。
○説明員(西口千秋君) まず、先に訂正をさせていただきたいと思います。ただいま三万平米と申しましたのは平成二年度の処理量でございまして、累計で申しますと八万平米ということでございます。 それから、今回公立の担当者が来ておりませんが、各地方自治体からの申請に基づきましておおむね処理を終了しているというふうに聞いております。
○清水澄子君 大体八〇%か九〇%ぐらいいっていますね。 そこで、小中学校の処理は進んでいて、なぜ国立大学はおくれているのでしょうか。同時に、小中学校の方にはこの吹きつけ石綿処理費用の三分の一を国が補助しているわけですけれども、今回の東大の場合は、処理面積六千平米のうち、施設整備費から予算がついたのはたった十分の一の六百平米だけで、大部分は研究費と校費を回してやっているというわけです。私は一昨年もこのことを指摘したつもりです。埼玉大学でも学生寮の天井に石綿が吹きつけられておるわけですが、除去工事の予算は半分に削られているわけです。そこで、昨年度と今年度、二年に分けて工事を行っているわけですが、国立大学の石綿処理の予算はなぜこんなに少ないんでしょうか。
○説明員(西口千秋君) お答えいたします。 私ども文部省といたしましては、従前から吹きつけアスベストの処理につきましては、講義室、寄宿舎、食堂等学生等が長時間利用するところ、いわゆる居室という概念に入るようなところ、それと劣化が進んでいるところを優先して実施するように指導してきたところであります。各学校では、それぞれの立場の中で、アスベストの使用場所あるいは劣化の状況を的確に把握しながら、処理計画を立てて申請を出すという形になっております。 たまたまいろいろな形で現在使用中の建物、研究あるいは教育で使っておるということから、一概に全部一遍にできないというようなことがあるものですからおくれているというふうに判断しております。
○清水澄子君 それは理屈のこじつけというものじゃないんでしょうか。この東大の場合も、先ほど言いましたように、予算が処理面積の十分の一しかついていないということは、十分の一ずつしかやれない。それでも足りないから研究費を足してやっているということで、そのために学校の夏休みとかに一遍にやれないわけですね。小中学校の場合には、やっぱり夏休みとか生徒のいないときにこういう工事をする。これは当たり前だと思うんですね。特にアスベストの撤去というのは、これは発がん性があって、大気がそういう物質で汚染されて、これを私たちが吸い込んだら危ないということでこの撤去工事が始まっているわけですから。 それが今回の東大工学部の事故は、みんな研究室に人間が同居する中で工事が行われている。こういうやり方というのは、緊急度が高いなどという理由ではないと思います。それは、やっぱり予算がないためにこういう状態が起きているということだと思うんですけれども、今度の場合も、私きょうはそこの健康の問題までは入らないんですが、雪のように真っ白になったという、そういう部屋に二晩も、その前段のときみんなもやで真っ白だったというんだけれども気がつかなかった、地下の工事から吹き上げていたことを。そこに学生たちは泊っていたわけですね、研究のために。 ですから、そういう事態が起きているという面でも、やっぱりもっと本当に、発がん性物質でこれは非常に有害な物なのだという、もう少し文部省も大学の石綿撤去のために抜本的な予算措置を講じていただきたいわけなんですが、今後もやはりこのままのベースでいかれるおつもりですか。それとも、今度の東大の事故の問題、これをひとつ考えて、今後は抜本的な予算措置を講ずる必要があるとお考えでしょうか。
○説明員(西口千秋君) ただいまお話に出ました工学部八号館につきましても、既に三年ほどにまたがって工事を行っております。それは全体を一度にやれないというのは、使っている状況から申しまして、部屋ごとの単位で選択をしながらやっていくということになっております。そういうことから申しますと、また来年度以降にも八号館でアスベストの除去をしなければならないというふうに聞いております。そのように、研究体制その他の動きの中で必ずしも一遍にできないということがあるものですから、私どもは大学からの処理計画に基づいた要求に従って事業を推進するようにしております。
○清水澄子君 じゃ、大学の方から処理計画があれば一遍にでもできる予算をつけていただけますね。そういうことをぜひお約束してください。 次に進みます。次は、首都高速道路四号線でのアスベスト飛散事件についてですけれども、環境庁にお伺いします。 四月十二日の明け方、首都高速四号線に落ちた石綿は、二百七十キロが飛散して、住宅街にまで飛び散ったわけですけれども、こういう事件が起きたことについて環境庁はどう考えておられるか。と同時に、どういう対策をお立てになりましたか。
○政府委員(古市圭治君) 直接には首都高速四号線の道路管理をしておりますところ、それからまた世田谷区公害対策課というのが第一次的に対応したわけでございまして、環境庁の方はその報告を聞いたということでございます。 環境庁全体といたしましては、先ほどからお話がございますように、関係省庁から必要な通知、要綱等が示され、また自治体でもその実施要綱が示されている、それが的確に運用されるように、必要な場合には状況報告を聞き、指導しているところでございます。
○清水澄子君 ここで話ししているときはそういうゆったりでいいんですが、落ちたときにどこが管理したかというのは、今回のはちょっと時間がないので申し上げられませんけれども、今度調べてみまして、道路は建設省なんですね。道路の上を走っているトラックは運輸省なんです。トラックの上に乗っている荷物は通産省なんですね。運転中に落とした荷物は警察なんです。そして健康被害は厚生省で、一体この問題が起きたときにどこが全体を総合的に調整してそれぞれに指導なさるのかというのが本当にないんですね。ですからこういうことを見ても、今回のように、これは原料ですよね、原料の石綿の三十キロの袋が十個落ちて九個が袋が破れて飛び散ったわけですから、こういう石綿の運搬についてはどの省庁に責任が一番あると環境庁はお考えになりますか。
○政府委員(古市圭治君) 事件の経緯から申しますと、結局自動車の積み荷の状況ということが一番の原因ではなかったろうか、このように思いますが、関係省庁のどこがどうということではございませんで、それぞれ必要なところがそれぞれ対応をしていかなくてはいけない。しかし、直接の原因はやはり積み荷の積み方の問題であったと、このように東京都からの報告は受けております。
○清水澄子君 それでは運輸省にお伺いいたします。 トラック業界は運輸省の管轄だと思うわけですけれども、さっき申し上げたように、石綿が廃棄物になったときのは非常に詳しく運搬の基準が決まっていて、どういうふうにシートを張らなきゃいけないかとか非常に具体的に書いてあるんですね。厚生省のこの廃棄物の運搬のマニュアルというのは廃棄物になったときです。今度は原料なんですね、その前の一番最初の原料。この原料となる石綿は廃棄物よりももっと飛散しやすいわけですね。ですから、そういうものは荷台に覆いをかけるだけでは不十分だと思います。むしろコンテナなど密封容器に入れて運搬する必要があると思うんですけれども、そういう石綿の運搬中の飛散防止についてどのような規制があるのでしょうか。
○説明員(石垣勇君) お答えいたします。 運輸省におきましては、事業用自動車の運行の安全確保を図る見地から、アスベスト等の積載物の落下及び飛散等にかかわる事故の防止を含め、事故防止全般についての体制整備を図ってきておりまして、これまで運行管理者制度等によりまして業界を指導してきたところでございます。また昨年、貨物自動車運送事業輸送安全規則が施行されたところでございますが、この規則の中にも貨物の積載方法につきまして新たに規定し、積載物の落下及び飛散等による事故の防止を図ることといたしました。運輸省といたしましては、こうした規則に基づきまして、今後とも積み荷の飛散防止等について関係業界を指導していきたいと考えております。
○清水澄子君 私は、ここで要請させてください。 貨物自動車運送事業法の「輸送の安全」というところには、一般的な荷物の安全というのは書いてあります。そこに、このアスベストというのはもっと有害物質ですから、ですからぜひ、厚生省も有害物質という規制には、日本ではまだアスベストを有害物質として規制されていないですね、有害物指定が。しかし、厚生省には廃棄物段階でのちゃんと輸送のマニュアルがあるわけですから、ぜひ荷主と積み荷の管理として運輸省も一つマニュアルを加えていただけないか、このことをぜひお願いしたいと思います。 そして、続いて通産省にお尋ねをしたいんですけれども、通産省は一番この石綿業界と関係が深い省なんですけれども、通産省の方には工場の中だけのマニュアルがあります。石綿の原料袋が破れているときはどうしましょうとか。ですから、非常に何か全部部分部分に切れているわけですので、ぜひ今度の場合も、工場の中だけのアスベストの粉じんの排出抑制だけじゃなくて、やはりそれを扱う製造業界、石綿業界全体に対して、この原料となる石綿の輸送全般にわたっても、もう一つ、これに一行か二行、運送のときにも注意をしようというふうなことをぜひマニュアルに入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(長田直俊君) 御指摘の石綿原料の輸送途上の落綿防止でございますが、平成二年二月に私どもの方が作成いたしました「石綿粉じん排出抑制マニュアル」という中で、原料の輸入先及び港湾荷役関係者に対し石綿原料が袋からこぼれることのないよう依頼することとされております。ただし、こういう形で、輸送途上という形で明確には書いておりませんので、昨年度から本マニュアルの周知徹底を図るために講習会を関係者の間で開催しているところでもございまして、この講習会等を通じ、石綿原料の輸送途上の落綿防止について石綿製品製造業者及び石綿原料輸入業者にその周知徹底を図っていきたいと考えております。
○清水澄子君 いろいろひとつぜひ御協力いただきたいと思います。 ところで環境庁なんですが、石綿の問題というのは基本的には環境汚染の問題であると思います。諸外国ではこれらはもうすべて製造の禁止とかそういう状況になっているわけですから、現在、申し上げたように縦割り行政の弊害というのは非常に多いわけでして、これを本当に調整すれば割合にそんなに重大な関係、何というんですか、話し合いをしなくてもお互いに融通し合ったり、それからお互いに協力し合える場というのは幾らでもあると思うんです。ですから、環境庁はこういうふうな汚染事件が二度と起こらないようにやっていただくということを、長官ひとつぜひ決意を述べていただきたいと思います。
○政府委員(古市圭治君) ちょっとその前でございますが、御指摘のように非常な分野に関係するという今の事例のとおりでございますので、私どもは昨年の十月に関係省庁の連絡会議というのを設けまして、必要な対策についての意見の交換等も行っております。きょう先生から直接担当の省庁へ御指摘がございましたので、それぞれの省庁での対策が進むと思いますが、またこの連絡会議でもきょうの話を披瀝いたしまして、いろんな検討について協議をさせていただきたいと思っております。
○清水澄子君 では次に、高知県のマリンタウンプロジェクトの計画についてお尋ねしたいんですが、きょうは時間がありませんので二つだけお聞きします。 この海岸が太平洋の方面で、全部自然の海岸のところを埋め立ててホテルをつくったり、ここは日本列島でも非常に海浜環境では珍しい海、本当に海岸のすぐそこからサンゴがあるとか、それからここには大変貴重な植物、生物があるわけですね。そこを港湾の開発ということで、そして普通の、自然の海水浴場をわざわざ埋め立ててここに人工的な海水浴場をつくる、ここにボートのこういう提防をつくってわざわざこの流れを、全部自然を破壊していくというこういう事態が起きていることに対して、住民の間からも自然の破壊を危惧する声が高いわけです。 これを運輸省に昨年もお尋ねしたんですけれども、そのときにも、日本自然保護協会が実際に環境アセスをやりましたし、それからそこで調査書とか意見書を出しているわけですが、昨年の質問のときに運輸省は、それを今検討中でございますとお答えになったわけです。どのような検討をなさったか、そこだけお答えください。
○説明員(木本英明君) お答えいたします。 昨年の十月に日本自然保護協会の方から私どもの方に御指摘の意見書が提出されておるところでございます。それで運輸省といたしましては、この問題につきましては、このマリーナ建設の計画だとかあるいは整備を実施する主体であります港湾管理者の高知県にいろいろ連絡いたしまして、事情聴取に努めてきておるところでございます。 高知県の御判断でございますが、この自然保護の立場からの御意見につきまして、やはり貴重な意見だというふうに受けとめられまして、環境の各項目について再度いろんな見直しを行われております。必要に応じて専門家の意見も改めて聞くなどされておりまして、その後慎重な検討を行った結果、この計画が周辺の生態系に及ぼす影響は少なく、当初から目標としてきた自然との調和が図られるものと判断され、今後とも周辺の自然環境により一層の配慮を払い、この計画が地域活性化に結びつくように地元とも十分協力しながら取り組んでいく方針である、こういった報告を受けております。 私ども運輸省といたしましては、整備の主体である高知県のこういった考え方、御判断を尊重してまいりたい、こういうふうに考えております。
○清水澄子君 この問題はまた続いてやります。 環境庁は、きのう出されました環境白書によりますと、海岸線については日本では自然海岸線がどんどん開発等によって破壊されて、特に野生生物の生存に不可欠なそういう条件というものがなくなって多くの種が衰退してきていると、非常に明確に現状を認識していらっしゃるわけです。そうであるならば、今回の大手の浜の問題もぜひ独自で調査をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。一言で言ってください。
○政府委員(伊藤卓雄君) この事業は地方港湾整備事業として行われておるところでございまして、こういった事業の実施の際の環境影響の調査、これは事業主体であります高知県の責任において実施すべきものだというふうに考えております。いずれにしましても、この結果に基づいて、ここはリゾート地域でございますので、リゾート法に基づく協議がありますれば、その時点で検討したいと考えております。
○清水澄子君 これもまた後ほどやらせていただきます。 最後に一つ、これは環境庁長官にちゃんとお答えいただきたいんです。長官は、長良川の河口ぜき建設の長島町長選挙、推進派と今やっぱり自然を守るべきだという反対派と真っ向から対立した選挙だったんですが、長官の電報が推進側の町長候補の選挙の集会に、しかも選挙の真っ最中に送られていますね。 まちとひとがちょうわしたゆたかでうるおいのあるまちづくりにぜんりよくをつくすいとうちょうちょうのとうせんをみなさんのちからでかちとってください。かんきょうちょうちょうかん、あいちかずお こういう形で電報が届いているわけです。そして、相手候補はこの電報を皆さんの集会の前で振りかざしながら、前長官の電報は反対候補に行っているかもしれないけれども、私の方は推進派の愛知現職長官から激励を受けていますということで、これを皆さんに紹介をされたそうですけれども、この電報を打たれましたでしょうか。イエスかノーだけお答えください。
○国務大臣(愛知和男君) 私も報道で知りましてびっくりいたしまして、私自身そんなことは全くいたしておりませんし、念のため秘書等を調査いたしましたが、全くそういうことはいたしておりません。
○清水澄子君 じゃ長官、これは不本意であるということでございましょうから、ぜひ長良川河口ぜきの環境保全のために全力を尽くされて、そして疑いを晴らされることを私はここで要請いたします。 終わります。
○須藤良太郎君 初めに、長官初め環境庁の皆さん、まことに多事多難の中、大変な御苦労をいただいておりますことに心から敬意を表したいと思います。 まさに、今地球環境問題はますます深刻になっておるわけでございます。そういう中で、昨年地球環境部が設置されました。また、公害研究所が環境研究所に変わって、その中に地球環境研究センターが置かれまして、地球環境に取り組む体制が一段と整備されたわけでございまして、これにつきましては高く評価をいたしたいと思います。委員会の先生方の御努力も大変だったというふうに思うわけでございます。この部ができまして早速湾岸環境対策に取り組むことになったわけでありますけれども、これは日本の大変な課題であると思いますので、ぜひ全力を尽くしていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。 最近はクルド難民あるいは機雷除去の問題が重要になっておりますけれども、数日前ひしゃくを持って原油除去と、こういう環境義勇軍の話が出ておったわけでございます。やはりクウェートの油井炎上問題、ペルシャ湾の油流出、そしてクウェートの淡水化施設の被害、こういう面につきまして日本国民はまだ非常に心配をしていると思うわけでございます。マスコミも若干下火の報道になっておりますけれども、ごく最近の情勢、そして取り組みの方向、これをお聞かせいただきたいというふうに思います。
○政府委員(加藤三郎君) 今先生お触れになられましたように、ペルシャ湾岸におきますいわゆる環境破壊といいますのは、前例もなく、そしてまた規模も大きく、まことに未曾有の環境災害、環境等破壊事件というふうに思っております。この事件が報道されますと、すぐに日本政府としても、日本の立場から貢献すべくいろんなことをやってまいりました。我が環境庁におきましては、一月二十八日に大臣の指示によりまして対策本部などをつくるというふうなことをしていろんなことをやってまいりました。 今お尋ねの最近の状況と申しますと、まずクウェートにおきます油井炎上でございますけれども、消火活動も少しなされつつはありますけれども、しかしあの地域に大量に敷設されております地雷それから不発弾などのいわば危険物もまだたくさん油田地帯に残ってございます。また、五百から六百とも言われる油井が炎上いたしておりまして、その周辺の砂地が大変熱くなっておりまして、いわば焦熱地獄のような観を呈しております。そういうことで消火作業も非常に難渋をいたしておるということで、このまま放置しますと一年から二年ぐらい消火自体にかかるのではないかというふうに言われております。 現在この油井火災から出ます煙が、非常に濃厚な煙でございまして、私自身も政府調査団のいわばリーダーといたしましてクウェートの上空を小型機で低空飛行しながらその状況を見てまいりましたが、大変な状況でございます。その煙の影響は、八百キロメーターから一千キロメーターぐらいに及んでおる。もちろんそんなに長きにわたって濃い状態であるというわけじゃございませんが、いわばスモッグ状となって大体千キロ、大ざっぱに言って千キロぐらい影響を受けておるという状況でございます。 したがいまして、そういう状況でございますので、あの地域の生態系はもとよりでございますが、中でもクウェート及びその周辺諸国に住んでおります、クウェートに近いところに住んでおります方々の健康影響が非常に心配されるような状況でございまして、環境庁を中心にいたしまして、我が国の大気汚染と健康影響の専門の第一人者である先生方を中心に、いわばあの地域の健康対策チームをつくりまして、間もなく、二十五日でございますけれども、日本を出てクウェートに参りまして、あの地域の健康対策、健康調査に当たるという、そういう状況になってございます。 一方、油の方でございますけれども、油による海の汚染でございますが、これまた大変な量が流れておりまして、しかも今なおとまっておりません。とまっていない一番大きな理由といたしましては発生源が海上にあるということで、しかもその海上には機雷が多数浮遊しておって民間の調査 とか対策などがとれないという状況でございますので、いわば現時点でもまだ蛇口がとまらない形で油が流れておるという状況でございます。 したがいまして、それによる海岸の汚染、それからその海に住んでおります生物などに大きな被害が出ております。こういう状況を何とか助けるためのレスキュー、野生生物レスキューセンターというのがサウジアラビアのジュベイルというところにできてございまして、ボランティアなどを中心に、油に汚れた鳥とかあるいはカメとか、そういったものを回復させるためにセンターが活動しておったわけでございますが、それに対しましても日本として協力すべく二十二日に日本を出発いたしたわけでございます。私どもの政務次官が団長になって出ている、そういう状況でございます。
○須藤良太郎君 ぜひひとつ頑張っていただきたいと思います。 そこで申し上げたいわけでありますけれども、まだ地球環境部ができたばかりでございますけれども、地球環境の問題を扱う上では今の組織といいますか、陣容は小さ過ぎるんではないか、こういうふうに率直に思うわけでございます。二課二室、二十数名、こういう陣容で地球環境、この問題を扱うということでございますので非常に危惧しておるわけでございます。この間もこの委員会で、この委員会は皆応援団だと中村先生等からお話があったわけでありますけれども、そういう意味では地球環境問題を扱うこの部の強化拡大、これをぜひ来年に向けて大きく要求していただきたい、こういうふうに思うわけでございます。 特に、何といいますか、保全に関する関係閣僚会議ですか、しかも地球環境問題担当大臣を持っておるわけでありますから、非常に役目は重大だと思うわけでございます。そういう意味でひとつ大臣に、この地球環境部あるいは環境庁の大幅な拡大強化、その辺の御決意をお伺いいたしたい、こういうふうに思うわけでございます。
○国務大臣(愛知和男君) 環境庁ができましてことしでちょうど二十年でございますが、ここ数年、環境庁が取り組まなければならない課題というのが急速にふえております。特にその中でも、地球環境問題というのが急速にふえておるのが実態でございます。国際会議もいっぱいございますし、また、今度の湾岸の問題は突発ではございましたけれども、こういうような話というのはこれからも、紛争はともかくといたしまして、いろいろな事故だとかそういうものは起きる可能性もございます。したがいまして、現在の環境庁の体制ではなかなかそういうものに追いついていけないというのが正直なところ実態でございます。 私どもといたしましても、その拡充強化のために精いっぱいの努力をいたしておりますが、一方、政府全体といたしましては、行政改革等のこともございまして、できるだけ小さな政府というような基本方針のもとで定員の削減等々をやったりいたしておりますので、その中で環境庁だけを強化するというのはなかなか難しい面もあるのでございますが、しかし私ども、これは単なる環境庁の立場ということだけではなくて、日本全体としてやはり環境庁を強化していく、また国際的な役割を果たしていくというのは大変大切なことだと思いますので、関係方面にその必要性をこれからも懸命に説きまして、精いっぱい強化を図っていく決意でございます。
○須藤良太郎君 経団連等いろいろな団体、各分野からこの地球環境問題で相当な動きが出ております。そういう意味でも、やはり地球環境問題の進展が異常なほど速いわけでありますから、そういう意味で組織強化も思い切ってやっていいんではないか、こういうふうに思うわけでございますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。 次に、地球環境問題と途上国への対応につきまして若干お伺いしたいと思います。 環境悪化の中で最も解決の困難なものは、やはり温室効果の増大によります気候変動、こういうふうに思うわけでございます。この気候変動の影響につきましては、今熱心に研究が行われておりますけれども、私、最近お茶の水女子大の内嶋善兵衛先生のお話を聞きました。それは主として農業との関係でありますけれども、いろいろ参考になりましたが、なかなか予測等は大変な問題と、こういうふうに思ったわけでございます。 IPCC議長のベルト・ボリン氏によりますと、たとえ科学的調査、研究を尽くしても、この気候変動を完全に理解し予測することは今世紀中には不可能だ、こういうふうに言っておるわけでございます。これは、やはり予測に影響するいろいろな要因なり要件を考えますと、大変難しい問題であると思うわけでございます。しかし、この面も全力を挙げていただきたいというふうに思います。 そこで私は、まず何よりも温室効果増大を抑制することに全力を尽くすべきではないか、こういうふうに考えるわけでございまして、それはとりもなおさずCO2の排出抑制と、途上国ですけれども、森林破壊の食いとめにあるのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。ボリン氏は、二〇三〇年には、現在、途上国が三割、先進国が七割というCO2の排出量が四十年後には逆転して途上国が六割、先進国が四割だと、こういうことを言っておるわけでありますけれども、これはいろいろ資料を見ますと多少変わっております。そういう意味で、環境庁はこの辺はどういうふうに認識されておるか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(加藤三郎君) まさに先生、温室効果ガスなどによります地球温暖化問題の本質に触れる問題を御指摘だというふうに思っております。 〔委員長退席、理事田渕勲二君着席〕 もちろん地球の温暖化はいろんな原因によって起こるわけでございますけれども、一つには、私ども先進国におきますいわば豊かな生活といいますか、そういったものを求めていく過程の中で結果的に出てくるいろんな問題、それからもう一つは、先生がお触れになりました途上国が人口重圧のもとで何とか生活を切り開いていきたいということの中から出てくるいろんな問題、例えば焼き畑農業の問題あるいは工業開発を進めなくちゃいかぬ、その工業開発も比較的低い技術の中でやらなくちゃいかぬ、それで炭酸ガスが非常にたくさん出てくるというようなことでございます。 例えば、私ちょっと試算をしてみたわけでございますが、中国が仮に現在の韓国並みのいわば工業水準といいますか、そういったものになったとしたら、簡単にいえば現在の中国が韓国並みになったとしたら、炭酸ガスの排出量はどのくらいになるんだろうかというふうに見てみましたら、その増加する分だけで現在の日本が出しているすべての炭酸ガスの約三倍になる。中国の工業のレベルといいますか、炭酸ガスの排出のレベルが、現在の韓国並みのいわば工業のレベルになろうとするだけで、その増加分だけで現在日本が出しているすべての量の三倍ぐらいになってしまう。 そういうことでございますので、まさに先生御指摘のように、途上国が非常に大きなかぎを持っているということでございまして、私どもといたしましては、途上国の工業開発を進める中にありましても、できるだけ省エネとか公害対策をやっていただくことによりまして、生活レベルは上がっても地球に与える影響を少なくしていただくという、そういう施策をとりたいということで、昨年十月に取りまとめました地球温暖化防止行動計画の中にも、そういう思想でできるだけ支援をしていくということでございます。 〔理事田渕勲二君退席、委員長着席〕 先ほど先生がお触れになりましたボリンさんのおっしゃるように、現時点では炭酸ガスの約七割を先進国が占めておりまして、途上国で残りの三割ということでございますけれども、確かに先生も御指摘になりましたいろんなシナリオがございますけれども、例えば二〇二五年、つまり今から三十五年程度先になりますと、それが途上国で約四四%、それから先進国では五六%というぐあいに途上国の割合がかなり上がってくるということ でございます。
○須藤良太郎君 いずれにいたしましても、先進国の抑制はもちろんでありますけれども、途上国に対する配慮が非常に重要だと、こういうふうに思っておるわけでございます。 私は、経済活動に対する先進国の調整というのは人的あるいは物的、そういう蓄積の厚い中で行われるわけでありまして非常に実現性は高い、こういうふうに思っておるわけでありますけれども、問題は社会資本の少ない貧しい開発途上国、これはやはり生存ぎりぎりあるいはこれに近い形での調整を求められるわけでありますから、非常にこの調整は苦しいはずでございます。そういうことで、これはもう何度も言われておりますけれども、私もあえてこの途上国の環境保全問題、これを強く主張したいわけでございます。 今、地球温暖化防止に盛り込まれた国際協力の推進問題、ちょっとお触れになりましたけれども、しばらく前に環境庁の地球環境問題政策検討会、ここが「持続可能な開発の実現を目指して」というタイトルで中間報告をまとめております。相当これは途上国について書いてあると思いますけれども、ごく簡単にポイントだけお聞かせいただきたい、こういうふうに思います。
○政府委員(加藤三郎君) まさに私ども環境庁内に地球環境問題政策検討会というものを設けて途上国との関係、特に先生お触れになりました持続可能な開発というものを実際にやっていくためにはどうしたらいいのか、先進国たる私ども日本としてどういう視点でもって途上国とのおつき合いをすべきであるかということについて検討していただきました。そして、基本的に約十項目程度のいわば方向づけをいただきました。 すべてを申し上げますと少し時間をとってしまいますので、幾つかのポイントだけ申し上げますと、先生もお触れになりましたように、開発援助プロジェクトの拡充を今後一層進めるべきである。これは三年間三千億円というのをめどにODAで環境に充てるというそういう方針をとっておりますが、これをさらに拡充していくべきだと。それから環境保全プロジェクト、いろいろとございます。例えば最近、アグロフォレストリーでありますとかあるいはエコ・ツーリズムなどと申しまして、途上国におきます観光事業をできるだけ環境に配慮したような観光事業をやっていこうというエコ・ツーリズムというようなのがございますが、そういうようなプロジェクトも持続を支援しながら途上国が経済的に立ち行くように、つまり持続可能な開発ができるようにしていくべきだといったようなことを言っております。 それから、最近、幸いにいたしまして資金援助の国際的な枠組みがいろいろできております。一番典型的なものを申し上げますと、一つがオゾン層保護のためのウィーン条約がございますが、それを実際に実施するためにはいろんな途上国に対して資金面で支援をしなくちゃいかぬということでファンドができてございます。そういったファンド。それから比較的最近でございますけれども、世界銀行とUNEPなどを中心にグローバル・エンバイロンメンタル・ファシリティー、GEFと称しておりますが、いわば地球環境基金のようなものが世銀を中心にできております。そういうような枠組みづくりに対して日本としても積極的に貢献をすべきだといったようなことなど全部で十一項目触れております。
○須藤良太郎君 どうも国際関係のものは宣言とか声明文で終わるのが多いと思うわけでありますけれども、もうこの段階は、やはりできるだけ実効がある具体策、そういうものを出していく段階ではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。 私は、日本としてぜひ思い切ってやっていただきたいのは、環境保全に対する無償協力の拡大問題だと、こういうふうに考えておるわけでございます。実際に、現実に環境問題というのは余り利益にならぬわけですから、特に途上国は余りやりたくない。そういう面を考えますと、どうしても日本の無償で思い切ってやってやるしかないんじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。恐らく食糧問題も、FAOなりあるいはワールドウオッチの白書を見ましても、まだ相当深刻になると思います。そういう環境面の破壊問題を防ぐのは、やはり無償でいろいろなものをやる、特に日本がこれを率先してやる、そういうことで協力していくことが重要ではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。 私は前から、この無償協力はいろいろ種類がありますけれども、環境無償というものを環境庁の力でつくってこれからの途上国協力を進める、そういうことをぜひひとつお願いいたしたい、こういうふうに思うわけでございまして、ひとつこれは大臣にお伺いいたしたいと、こういうふうに思うわけでございます。
○国務大臣(愛知和男君) 日本の経済協力のあり方の問題かと思いますが、その中で、先ほどちょっと部長から答弁申し上げましたけれども、環境問題に関する援助をふやしていく、こういうことを政府全体としても世界に公約をしているわけでございます。 今の経済協力のやり方というのは、いわゆる要請主義ということで、援助を受ける方からの要請に基づいてこちらから応じていく。こういう基本的なやり方でございまして、そういう中で、こちらからむしろこういうところに援助をするということになりますと、内政干渉的なことになる危険がある。こういうことから要請主義というふうになっているわけでございますが、それを余り貫きますと、なかなか環境問題に関しましては要請が出てこないというそういう現実もございますので、そこは何とか政策対話というようなものをより密接にやっていくことによって、援助を受ける発展途上国の意識が変わってもらわなきゃならない。こういうことでございますので、そういうことなどを含めまして、環境に関する日本の経済協力というものがもっと大きくふえていくように努力をしていきたいと思っております。
○須藤良太郎君 この問題、各国も相当頑張ってくると思いますので、ぜひひとつ日本の環境庁としても頑張っていただきたいというふうに思います。 最後に、二つほど国内問題でお聞きしておきたいと思います。 一つは、水質問題に関する生活排水問題。これは昨年、水質汚濁防止法が改正されて、要するにこれからの生活排水対策になるわけでありますけれども、私の予想以上に、生活排水対策重点地区を指定してひどいところの対策を講じようというこの計画は相当効果を上げているんじゃないか、こういうふうに思っておるわけでございます。いずれにしろ基本的には下水道、集排、そういうものが整備されることが重要でありますけれども、これは本当のところしばらく時間がかかる。 そうなると、相当汚染のひどいところをぜひひとつこの重点地区に指定して、少なくともその地域の住民はそういうものに関心を持ち、また計画が促進できるようなそういうことが必要なわけでありますけれども、それにこの重点地区の指定は非常に役立っているんじゃないか、こういうふうに思っておるわけでございます。最近、地財措置も講じられておるようでございまして、ぜひこれは頑張ってもらいたいと思いますけれども、ごく簡単にことしの指定状況、来年度への意欲をお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(武智敏夫君) ただいま先生がおっしゃいましたとおり、去年の六月に水質汚濁防止法を改正していただきまして、いわば生活排水対策の枠組みを整備していただいたわけでございます。その中の柱の一つが、いわゆる水質の環境基準等が十分に守られていない、そういうような地域につきまして重点的に地域を指定しまして、そこで施設整備なりあるいは住民への啓発普及を進めていくというようなシステムにいたしたわけでございます。 現在までのところ、一応今十五府県、十七地域で九十一の市町村が指定されております。主として、閉鎖的な湾ですとかあるいは湖沼ですとか、 あるいは特定の河川の水域を中心にやられております。例えば長崎県等におきましては、大村湾に流れ込む河川を含んでおる市町村が十一ぐらい指定されておりますし、あるいは愛知県等でいいますと、矢作川に流れ込む河川の四つの市が指定されたり、あるいは滋賀県でいいますと、これは琵琶湖が真ん中にある関係もございまして全市町村が指定されたり、あるいは高知県でいいますと四万十川に流れ込む河川の流域が指定されるというような状況になっております。 現在逐次、日々にといいますか、実は三月いっぱいでできれば指定するようにというようなこともあったわけでございますが、ちょっと地方の選挙の関係もありましてややおくれぎみでございますが、ほかの県も鋭意指定の方向で進んでおると思っておりまして、今年度中に大体今の倍程度にはなるんじゃないかというふうに思っております。とりあえず今年度そういう目標でございますが、今後とも市町村あるいは県と協力しまして、今おっしゃいましたような方向で水質の改善が図られるような方向に持っていきたいというふうに考えておるところでございます。
○須藤良太郎君 いずれにいたしましても、これからは生活排水対策の時代と言ってもいいわけでございまして、ぜひひとつ頑張っていただきたい。殊に、農村部の方でこれは非常におくれておりますから問題が出てくると思います。よろしくお願いをいたしたいと思います。 最後に、水田の環境保全の役割について、一言で結構でありますけれども、お伺いしたいわけでございます。 水田は地球を救うとか、あるいは山は水田をつくったとかいろいろ言われますように、日本の水田というのは単に米だけでなくて、森林とともに、御承知のように土砂の流出、あるいは土壌浸食の防止、洪水調節、地下水の涵養、あるいは水質浄化、特に今くみ上げの地下水は百億トンぐらい全国で使っておりますけれども、このほとんどが水田の鉛直地下水浸透でできる、こういうことも言われておるわけでございます。こういう自然環境保全機能も非常に大きいものを持っておるわけでございまして、今日本の米問題は大変な時期に差しかかっておりますけれども、環境庁としてもこの水田の重要性をぜひ大きくPRしていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。これは答弁は要らないということにいたします。 最後に、大臣に締めくくっていただきたいと思いますけれども、本委員会でも審議の中で、環境庁、特に環境庁長官の強いリーダーシップを望む、そういう声が強いわけでございます。さらに、国内国外を問わず環境問題が人類生存の最大の課題、むしろこれからは安全な食糧と環境問題が二十一世紀の最大の問題ということでございます。湾岸問題も抱えておるわけでありますけれども、特に今回は、前の北川長官も味がありましたけれども、新進気鋭しかも国際通の大臣が見えたわけでありまして、非常に期待が大きいと思います。そういうものも念頭に置きまして、一言締めくくっていただきたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(愛知和男君) 先ほど水田のお話がございましたので、ちょっと一言だけ触れさせていただきます。 私も、宮城県でございますので、水田の果たす役割というのを日ごろ宮城県でのいろんな活動の中で痛感をいたしておりますので、私なりに努力をさせていただきたいと思います。 また、環境庁に対しましては、常日ごろ、これはある意味では与野党挙げて応援をいただきましてまことに感謝にたえないところでございます。私も、甚だ微力ではございますが、さらに研さんを積ませていただきまして精いっぱいの努力をさせていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○須藤良太郎君 どうもありがとうございました。
○中村鋭一君 ただいまは須藤委員が非常に具体的にかつ鋭く質問をなされましたので、水濁法につきまして一点だけお伺いをさせていただきます。 その後、特に家庭雑排水について家庭の皆さん方に対する啓発活動等々は、アフターケアといいますか、実施状況といいますか、そういうものはどのようになっておりますか。 それから、地方自治体もそうですけれども、民間のこういった活動を熱心にやっているいろんな団体があると思うんですけれども、そういった団体に対しては具体的にどのような助成措置をなさっておられますか。
○政府委員(武智敏夫君) 委員御指摘のとおり、去年の六月に法律改正していただきまして、九月に施行を見たわけでございます。その後、環境庁といたしましても、各地でいろいろ、各県によってそれぞれ運動は違っておりますけれども、いろいろ家庭生活排水対策のPRあるいは実践活動をやっておりますので、そういったことのために環境庁でもPR雑誌でわかりやすいパンフレットをつくっております。「おひかえなすって生活排水」と、こういう格好で役人流でないような、なるべくわかりやすい内容にいたしております、 それから各地域におきましていろいろ活動をやっております。それぞれユニークな活動をやっておりますので、これらをほかの都道府県なり市町村に、わかりやすくするために、各地域の事例等についてそれぞれ県なり市町村におろすというように活動をいたしております。 各都道府県におきましていろんなことが行われておりますけれども、例えば千葉県で言いますと、生活雑排水美人というような、名前はいろいろございますけれども、各家庭のストレーナーでごみと水を分けましてきれいにし、かつてんぷら油等につきましては新聞紙に吸収させて、それをまた牛乳パックに入れて捨てる。あるいは米のすすぎ汁につきましては、これは庭のあるところとないところと違うわけでございますが、なるべく自分の庭の植木にまくというような形で、かなり優良な事例等がございますので、そういった方々を表彰するようなことによりまして啓発普及を図るというようなシステムもあります。 それから、例えば先生の地元の滋賀県で言いますと、ほかの県よりもっと細かな目のストレーナーを普及させるようなシステムをやって、それによりまして琵琶湖の水質汚濁を防止するというような形になっておるわけでございます。 それから後半お話のございました各都道府県等に対する助成につきましては、環境庁は予算そのものはそれほど多くあるわけではございませんけれども、予算も全体的には、平成二年度五億五千万だったのを六億にするとか、いろいろ努力はいたしております。新たな計画づくりをする市町村に初めて計画助成をやるとか、あるいは金額的にはそれほど大きくないんですが、下水道の整備によってもできない、あるいは農業集落によってもできないようなところのいわゆる都市の下水路について、またこれもわずかでございますが、新しい予算の芽をとったりいたしておりますので、そういうことをやりまして、それぞれの地域の各河川なり湖沼の汚濁度に応じて補助をしていくというようなことでやってまいりたいというふうに思っております。
○中村鋭一君 大いに結構でございます。私もそのパンフレットをちょうだいしましたが、産排よりも家庭排水の方が例えばCODとか窒素とか燐とかそういうものの汚染の原因の大部分をなしているというのは、御家庭の皆さんもそれはびっくりされるだろうと思うんです。だから、そういう点で今後も大いに努力をしてくださるようにお願いをしておきたいと思います。 次に、先般自然環境保全法の一部が改正されて、あれは要するにサンゴに落書きをしたらいかぬぞ、それからバギー車でその辺をうかつに走り回るなよ、こういうことであったんだと思うんですが、実効は上がっておりますか、それが一つと、実際に検挙の実例があったかどうか。 それからいま一つは、国立公園などの自然保護でありますとか、あるいは公園に対する、皆さんの公園の中の樹木を大事にしましょう、あるいは公園の中で生息している動物たちを大事にしま しょう、そういったことの啓発活動も含めてひとつお答えを時間まで、あと五分ぐらいありますからひとつたっぷりと、ごゆっくりとやっていただきたいと思います。
○政府委員(伊藤卓雄君) まず、第一点の自然環境保全法の改正の問題でございます。昨年お認めいただきました自然環境保全法等の一部改正、これは六月五日付で公布されまして、昨年の十二月一日に施行がなされております。改正の趣旨、ねらいは二点、先生がおっしゃったとおり、第一番目がサンゴ事件に発端があるわけでございますが、動植物の損傷、殺傷行為を規制する。第二点が、四輪駆動車、スノーモービル、モーターボート等の乗り入れ規制の拡大という、この二点でございました。 第一点の動植物の損傷、殺傷事件につきましては、その後類似の事件は聞いておりません。 それから第二点の四輪駆動車等の乗り入れ規制でございますが、北海道知床国立公園を初めといたしまして、全国で十の国立公園の十五地区を定めまして乗り入れ規制を行ったところでございます。ここにおきましては、形どおりでございますけれども、まず標識、制礼を設けるということが基本でございます。さらには関係団体への協力依頼ということでございますが、これが非常に大事でございますので、私どもといたしましては、県を通じ、市町村を通じて行うことと同時に、私どもが所管しております国立公園管理事務所の所長を通じまして地元に徹底させる、特に地元のマスコミへのPRが大事だということでそれをお願いしたところでございます。 その結果もあろうと思いますけれども、例えば北海道の乗り入れ規制につきましては、スノーモービルが激減したという効果を生んでおります。地元のマスコミでも規制効果は上々という表現で報道していただくという形で、非常に効果が上がっておると思います。今後ともこの規制地域の拡大というのを準備しておりますので、逐次進めてまいりたいという考えでございます。 それから第二点の自然に親しむという問題でございますけれども……
○中村鋭一君 特に国立公園ね。
○政府委員(伊藤卓雄君) 国立公園でございます。国立公園、県立、国定公園がございまして、実は自然公園で一昨年のデータですと九・五億人が利用したというデータがございます。ただ、これは本当に国立公園という認識があって行ったのかどうかわからない。いろいろな観光統計から総合して九・五億人ということですが、いずれにしてもそういうふうに自然に触れ合いたいという気持ちは非常に強うございますので、その辺を先生おっしゃるようにきちんとリードしていくというのがこれからの行政であろうかというふうに考えております。 私どもとしては、昨年の予算で重点化枠というのをもらいまして、トイレの整備であるとか、長距離自然歩道が十年以上たったものが非常に悪くなっておりますので、改修であるとかということで施設整備の面でもひとつ進めていきませんと、行ったら悪い、危ないというのではやはり国民が愛着を持ちませんので、基盤整備を行うというのが第一の方向で、もう一つは思想普及といいますか、普及啓発であろうかと思います。 自然との触れ合い方というのはそれなりの知識があればまた変わってくるわけでございますので、これは学校教育が基本でもございますが、私どもも私どものテリトリーの中でやっていこうということで、大きく分けますと三つぐらいの視点があろうかと思います。 一点は、従来からやっておりますが、間もなく参ります四月の「みどりの日の集い」、あるいは五月の「野鳥保護のつどい」、それから夏休みになりますが「自然に親しむ運動」、ことしは岡山県で全国大会をやります。それから十月には「自然歩道を歩こう大会」というようなことで、国が関与しているものだけでもこういう形がございますが、あと自治体等も多彩な行事をやっておるところでございます。さらには、ごみを捨てない、持ち帰るということで、これは全国的に自然公園クリーンデーというものを定めて、これも公園事務所主導型でやっております。 それから、そういう活動の基本になりますのはやはりマンパワーでございますので、自然公園指導員というのが既にございますし、自然解説ボランティアというのがございますので、こういった人材育成にも努めてまいりたいと考えております。現在既に予算措置を講じましてやっております。それから、そういった人たちがいて説明する活動の拠点というものとしてビジターセンターとか自然観察の森、例えば滋賀県の場合ですと栗東町などにございますけれども、あるいはもっと身近なものとして「ふるさといきものふれあいの里」ということで、これも滋賀県の例ですと朽木村などにございますが、そういったものをどんどん整備をしていきたい。 いずれにしましても、こういった一連の活動を統一的に進めるために私どもとしては、大臣からも御紹介がありましたふれあい推進室というものを設けまして、ちゃんとした責任者のもとに進めていきたいと考えているところでございます。 以上でございます。
○中村鋭一君 ありがとうございました。
○山田勇君 御承知のように、環境問題は国ごとの域を越えて地球規模の問題となっています。地球温暖化問題にしましても、二酸化炭素、メタン、フロン、二酸化窒素等の温室効果ガスの大気中の濃度は、化石燃料の大量使用、森林破壊の増大などによる人間活動の増大に伴ってますます増加しています。このことが地球の温暖化をもたらし、気候の変動や海面上昇など、生態系や人間の日常生活にも悪影響を及ぼすことが指摘されております。地球温暖化問題に対して環境庁はどのような態度で臨むのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(愛知和男君) 地球温暖化問題を初めといたします地球環境保全への取り組みは、我が国が世界に貢献するに最もふさわしい分野である、このように考えております。世界に先駆けて環境保全型社会の実現に邁進し、積極的な環境外交を進めていきたい、このように考えております。このために、まず我が国の国内で地球温暖化防止対策を着実に実施して、さらにそれを踏まえて国際的枠組みづくりや開発途上国に対する支援など、地球環境保全に向けた世界的取り組みをリードする必要があると考えております。 このような認識に立ちまして、昨年、我が国は地球温暖化防止行動計画を決定したところでございます。ことしは、この行動計画の初年といたしまして、計画に定められた対策を着実に実施していくとともに、国際的には、世界各国が協調して取り組むための基礎となる気候変動枠組み条約の一九九二年国連環境開発会議における締結に向けまして、できる限り多くの国による合意が形成されるように積極的に貢献をしていかなければならない、こういうことで既に行動を起こしております。
○山田勇君 地球温暖化対策は手おくれになってはどうしようもないと考えます。直ちに実行可能な具体策があるのかどうか、お伺いいたします。また、この問題は発展途上国の取り組みに対しても支援を行うべきだと考えますが、この点、具体的にどうお考えになっているのか、お尋ねをします。 実は、きのう建設委員会で建設委員であります自民党の坂野委員が、この世紀末といいますから十年後にはいわゆる海面の上昇、それが、発表しているところによれば十年で一メートルというふうに言われているそうでございます。それに対して建設、国土庁は今後どういう形で――スーパー堤防の審議の質疑の中ですが、私はそれを拝聴しておりまして、二十何兆かかると言っておられました。一メートル海面が上がるだけで、対応していく防波堤、これはやっぱり川にも潮水入ります、農産物の問題、そういうのがあります。それから河川にも影響が出てきます。そういうことで二十何兆かかって、今からそれをスタートしても十何 年かかるということですね。 だから僕は今、質問の中で、手おくれになったらもうどうしようもないですよと。これは、いやそんなことはないだろうなんて思っているんですが、十年というスタンスで物を考えていきますと、一メートル海面が上昇するとそれだけ大きな国家予算が使われて、それでもまだ完壁ではないというような国土庁と建設省が答弁をなさっておりました。それを聞いたものですから、特にこの問題について手おくれのないように、これは国際的にリンケージをとって何とか対応策を考えてほしい。それは日本が主導権を握れますので、環境庁長官、ひとつこの点についての御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(加藤三郎君) まず、先生、手おくれにならないようにと、全くそのとおりでございます。先ほど大臣の方から御答弁申し上げましたように、昨年の秋に地球温暖化防止行動計画をつくって、そして既に先ほど大臣が申し上げましたようないろんなことに取り組み始めたということでございます。 もうちょっと具体的に申し上げますと、私ども、まず行動計画の内容をよく国民各界各層の人に知っていただかなければならないということで、この前の委員会でも御指摘ございましたようなパンフレットづくり、そういったことも始めておりますし、いろんな各種説明会などやっておりますが、それをもう少し具体的にやるためにモデル地域というのを設定いたしまして、この平成三年度から全国で五地域ほどモデルを選びまして、新潟県、愛知県、兵庫県、広島県それから北九州市の五地域でございますが、このモデル地域におきまして温暖化防止行動計画に盛られたものを実際に実施していく、円滑に推進していくにはどういうふうにしていったらいいか、また何か難しい問題があればどういう問題があるのか、そういったものを見る、そういったことを始めました。 それから効果的な温暖化防止対策を導入するためには、まだまだ社会的なシステムづくりが必要でございます。制度面で見直すべきものもいろいろとございます。そういった社会的システムづくりに関する研究を今年度から開始をいたしております。さらに、単に防止計画、先ほども田別先生からの御質問にもございましたが、炭酸ガスをこのくらいにするという目標を定めて、その目標が単に絵にかいたもちに終わってはいけませんので、実際にどのくらいの排出量であるのかといったものを毎年度フォローアップしていく。これは関係閣僚会議におきまして二酸化炭素の排出の総量とか対策の実施状況につきましてフォローアップをするということで、実際に計画がどの程度進捗しつつあるのかというものを着実に見ながら、先生がおっしゃるように、手おくれにならないように実施をしていきたいということでございます。 それから途上国支援につきまして、先ほど須藤先生にお答え申し上げましたように、まさに途上国をいかに巻き込んでいくかというのが重要なポイントでございます。 私どもとしていろんなことを始めておりますが、具体的に幾つか申し上げますと、例えば本年一月にアジア・太平洋地域の国々を呼びまして地球温暖化防止のためのアジア・太平洋地域セミナーというのを開いております。これには中国、インドなど地球温暖化に非常に大きな影響を与える国々からハイレベルの代表にも来ていただきまして、それから水没するような国、例えば水没するおそれのある国として言われておりますトンガとかそういった国からも来ていただきましてセミナーなどもやっております。 それから途上国支援のためのいろんなことをやっておりますが、例えばタイそれから中国などで無償の研究研修センター、中国の場合には日中友好環境保全センターという表現にいたしておりますが、そういういわばセンターづくりをいたしておりますし、インドネシアなどでもそういうセンターづくりをいたしたいというふうに思っております。それからさらに、こういったものを国連レベルでもやるべく国連のUNEPのセンターを日本に誘置しようと、具体的には滋賀県及び大阪市にUNEPのセンターを誘致すべくそういった努力もいたしているわけでございます。さらに、熱帯林関係では横浜に本部のございますITTO、こういったものを中心に途上国への熱帯林対策に支援をしていくということでございます。 それから先ほど先生お触れになりました海面の上昇でございますが、先ほど十年で一メーターというふうにおっしゃられましたが、これは来世紀末でございまして、いわば百年ぐらいのオーダーで一メーターというふうに言われております。その点だけちょっと申し上げさせていただきます。
○山田勇君 ヒューストン・サミットにおいて気候変動に関する枠組み条約を一九九二年六月までに策定することになっていますが、枠組み条約交渉の現在の状況と今後の我が国の対応についてお聞かせください。
○政府委員(加藤三郎君) まさに九二年六月の、来年のブラジル国連会議までには何とか気候変動に対応できる、人類社会として対応できる枠組み条約といったものをつくろうということで本年二月に、ワシントン郊外でございますけれども、第一回の交渉会議が開催されまして、本格的な枠組み条約づくりの作業が開始されたところでございます。特に第一回の交渉会議におきましては、アジア諸国から条約交渉におきます我が国のリーダーシップに対する強い期待が表明されまして、この問題に対する我が国の対応が大変注目されております。 私どももその責任を自覚いたしまして、温室効果ガスの排出抑制あるいは森林の保全の問題、さらには途上国に対する資金あるいは技術面での援助、そういったもので貢献をしていきたいということで、関係省庁、環境庁はもとよりでございますが、外務省あるいはその他の関係する省庁ともども力を合わせて今これに取り組んでいるところでございます。
○山田勇君 時間も来ましたので最後の質問にしますが、生活排水による汚濁水域の浄化事業等に対する補助、いわゆる水質保全等施設整備費補助ですが、これが五千万円となっていますが、これは前にも言ったんですが余りにも少ない額ではないか。私の一カ月分の小遣いぐらいやというような金額になっております。まず、この点を指摘しておきます。 そこで、生活排水による汚濁の著しい水路や地域のシンボル的な水域を浄化するための施設を設置することにより水質の浄化を図るとともに啓発の推進に資するものとありますが、シンボル的な水域を浄化するというのはどういうことを言っているんでしょうか。それと廃油回収システムの石けん再生施設設置などをうたっていますが、これは民間企業に委託するのか、また民間の環境保護団体などに依頼をするのか、具体的にどうするのか御説明をいただきまして、私の質問を終わります。
○政府委員(武智敏夫君) 委員御指摘になりましたとおり、先般通していただいた平成三年度予算でございますが、その中で、初めてのことでございますが、環境庁の予算として水質保全等施設整備費補助五千万円ということで、非常に微々たるものの予算がそれでもついたわけでございます。生活排水対策は基本的にはやはり下水道の整備なり、あるいは合併処理浄化槽の整備なり、あるいは農業集落排水施設の整備といったような、そういう他省庁、建設省なり厚生省なりあるいは農林水産省、それぞれの協力にまたなければならぬわけでございますけれども、いわゆる都市的な地域で公共団体が独自でやっておるような施設がございます。 小規模の、河川などというようなものではございませんで、小規模の都市下水路的なものにつきまして、人工芝を敷いたりあるいは活性炭を敷設したりしまして、それによって河川といいますか、当該水路の浄化作用を高めるというようなのがございますので、実は要求はもちろんもっとたくさんやっているわけでございますが、いろんな事情で冒頭申し上げましたようなことになったわけで ございますけれども、ある意味では、これは初めてのことでございますので、金額的には非常に小さいわけでございますけれども、我々はこれを大事に育てていく必要があるのじゃないかというふうに思っております。 お尋ねのそのときのシンボル的な水域とはどういうものかということでございますが、これも我々としましては、予算が大きくないものですから余り大きなことを言えないんですが、各地域におきまして歴史的に大事にしたいというような池ですとかあるいはお堀というようなものがございます。そういったものに対しまして、三分の一の助成でございますけれども、やれるような一つの芽ができたというふうに御理解を願いたい。これからまた努力していきたいと思います。 そんなこともございますので、実はその後も自治省の方に働きかけておりまして、まずそういった県なりあるいは市町村単独で事業をやるときに、従来からある程度起債は認めてもらっておったわけでございますが、やはり起債の裏の償還財源につきまして地方交付税を特別に見てもらうというようなシステムも平成三年度からやってもらうようなことにいたしました。それから先ほど来言っております地方公共団体がいわゆる啓発普及する、これは金額的にはそれほど大きくないわけでございますけれども、そういった面につきましても地方交付税の対象にしてもらうというような方向で現在自治省と話しておりまして、大体そういうラインで認めてもらえるというふうな段階にまいっております。 それから二つ目の御質問の廃油回収なり石けんの再生施設に対する補助でございますが、とりあえず我々は市町村を対象に考えております。したがいまして、市町村が一応その施設は持つことになるわけでございますが、いろんな全国的な実態から見ますと市町村が自分でやるのはいろいろ制約がございますので、最終的には市町村が民間団体に委託して運営してもらっているというようなことのようでございますので、結果的に、我々が助成するものについても、そういうような運用になるんではないかというふうに理解いたしております。
○委員長(上野雄文君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(上野雄文君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(上野雄文君) 次に、日本企業の海外進出等における環境への配慮に関する件を議題といたします。 この際、便宜私から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による日本企業の海外進出等における環境への配慮に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 日本企業の海外進出等における環境への 配慮に関する決議(案) 人類の生存と発展の基盤である地球環境が危機にさらされている今日、日本の行動が注目を集めている。それは、我が国が世界経済の一割以上を占める経済大国として、多くの資源を外国に依存するとともに、国内の生産・消費活動及び企業の海外進出、開発途上国への開発援助等の対外活動を通じて、地球環境と大きなかかわりを持っているからである。 したがって、我々は、国際社会において、地球環境保全の分野で強力なリーダーシップを発揮し、積極的に貢献することが、高度な経済力と公害防止技術を有する日本の責務であり、日本の評価を高めるものと考える。 我が国の海外直接投資は一九八〇年代に入って急速に拡大を続け、世界有数の海外直接投資国となっているが、海外進出に際しての環境アセスメントや公害防止対策については、民間企業の自主的努力に委ねられている。 他方、日本国内の環境基準と公害防止技術は国際的に高い評価を受けている。しかし、多くの日本企業は、海外進出に当たって現地法人化しているため、現地の環境基準に従うのみであり、我が国の高度な環境水準や技術を生かしきっていない。高い公害防止技術を持つ先進国日本の企業が海外進出の際、自国の水準に照らして、できる限り高い基準で対処することは大切であり、環境面で真のリーダーシップを発揮する道である。 今後我が国は、国際社会の中で地球規模での環境問題において果たす責任と役割の大なることを踏まえ、次の事項の実現に努めるべきである。 一、国内で規制されている有害物質については、実態を踏まえながら、その輸出規制について検討すること。 二、海外直接投資なかんずく製造業等の海外進出については、受入国において環境問題が生じることのないよう、受入国の基準に配慮しつつ、我が国内の水準に照らしてできる限り公害対策を投資企業においても実施するよう努力を促すこと。 三、政府開発援助による開発については、これによって環境破壊を引き起こすことのないよう環境アセスメントを実施するとともに、受入国の社会的文化的影響を考慮するなど環境への総合的配慮を行うこと。 四、政府開発援助に伴う環境影響の実態把握に努めるとともに、海外直接投資について、現地における環境対策の実態把握に努めること。 右決議する。 以上であります。 本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上野雄文君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ただいまの決議に対し、愛知環境庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。愛知環境庁長官。
○国務大臣(愛知和男君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を体しまして、今後十分に努力する所存でございます。
○委員長(上野雄文君) 本日はこれにて散会いたします。 午後五時七分散会