環境特別委員会 第2号
- 発言数
- 19 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1991/02/20
会議録
○委員長(上野雄文君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る一月九日、松浦孝治君が委員を辞任され、その補欠として木宮和彦君が選任されました。 また、去る一月十四日、山崎竜男君が委員を辞任され、その補欠として中村太郎君が選任され、また、去る一月二十五日、山東昭子君及び中村太郎君が委員を辞任され、その補欠として大島慶久君及び真島一男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(上野雄文君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上野雄文君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に木宮和彦君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(上野雄文君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。 まず、先般当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。森山眞弓君。
○森山眞弓君 先般の委員派遣について、御報告いたします。 去る一月十六日から十八日までの三日間、湖沼の水質汚濁対策、国民公園の管理、廃棄物問題とリサイクルシステム、交通公害対策、公害防止技術の開発状況等に関する実情調査のため、上野委員長、田渕理事、沓脱、中村、山田各委員と私、森山の六名で、滋賀県、京都府及び大阪府へ行ってまいりました。 日程の第一日は、滋賀県より概況説明を聴取した後、水質調査船みずすまし二世に乗船、琵琶湖上にて湖の水質並びに水質調査の実情を視察したほか、滋賀県琵琶湖研究所、湖南中部浄化センターを訪れ、琵琶湖水質の研究状況と浄化施設を視察いたしました。 日程の第二日は、京都府及び京都市より概況説明を聴取した後、京都御所と京都御苑に足を運び、午後は再資源化施設である横大路学園と京都市南清掃工場第一工場を視察いたしました。その後、大阪府に入り、大阪府及び大阪市の概況説明を聴取いたしました。 なお、日程の第三日は、当初、関西電力堺港発電所の排煙脱炭装置、大阪市内の自動車排出ガス測定局及び日立造船の沿道排気ガス処理装置の開発状況等を視察する予定でしたが、湾岸戦争の勃発に伴い、当日、本会議が開かれることになりましたので、すべての日程を取りやめ、急ぎ帰京した次第です。 以下、調査事項のうち主要な点について御報告いたします。 まず、琵琶湖の水質汚濁対策について申し上げます。 琵琶湖は我が国最大の淡水湖で、その豊富な水量は京阪神千三百万人の貴重な飲用水源でありま すが、昭和三十年代後半以降の高度成長に伴い、滋賀県においても工業化や人口増が顕著にあらわれ、水質の悪化が顕在化いたしました。 特に、赤潮の発生は県民に大きなショックを与え、昭和五十四年には琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例、いわゆる琵琶湖条例を制定するなど、県当局においても、各種の条例制定や水質保全体制の整備に努められました。琵琶湖条例は、工場排水等の窒素、燐を濃度規制するとともに、燐を含む合成洗剤の使用や販売等を規制した画期的な条例でしたが、近年、アオコの恒常的な発生や水草の大量繁茂などが見られ、また、湖沼水質保全特別措置法による湖沼水質保全計画の水質目標の達成も困難と見られることから、琵琶湖の水質は予断を許さない厳しい状況にあるとのことでした。 滋賀県では昭和六十三年度から、汚濁の著しい南湖の水質改善を図るため、南湖水質改善総合対策事業に着手するとともに、汚濁負荷の約三分の一を占めている生活排水の対策に取り組んでいます。 また、滋賀県下では、市町村、婦人・消費者団体、商工会議所、労働組合等百三十八の団体により、石けんの使用推進、水環境保全のための啓発活動等の「びわ湖を守る水環境保全県民運動」が展開されているとのことでした。 なお、滋賀県から、水環境問題に関する国連施設、いわゆるUNEP淡水センターの誘致問題について、大阪市の施設とあわせて、その実現方の要請を受けました。センターの設置に伴う土地の提供と施設の建設については、県が準備をするとのことでした。 次に、国民公園の管理について申し上げます。 今回視察いたしました京都御苑は、皇居外苑、新宿御苑とともに国民公園の一つとして、昭和四十六年七月の環境庁発足後は環境庁が所管、管理しているものです。 京都市のほぼ中心にあって、南北に千三百メートル、東西に七百メートルの長方形の区域で、京都御所、大宮御所及び仙洞御所を取り巻く面積約六十五ヘクタールの敷地は、松を主とした樹林と芝生の緑地などから成っております。入苑時間に特段の制限もなく、都会の中の憩いの場として広く市民に親しまれています。また、苑内には子供たちが自然に接する機会をより多く持てるよう「母と子の森」が整備されており、自然教室等に活用されているとのことです。 次に、廃棄物問題とリサイクルについて申し上げます。 再資源化施設京都市横大路学園は、昭和六十二年、精神薄弱者福祉法第十八条に基づいて京都市が設置した精神薄弱者授産施設です。京都市では昭和五十七年から京都市飲料容器の散乱の防止及び再資源化の促進に関する条例、いわゆる空き缶条例を施行していますが、この施設では、各家庭から分別収集された空き缶を鉄類、アルミ及び混入物に選別する作業を行っていました。手作業による選別作業では、注射針等の医療廃棄物によるけがが絶えないとのことでした。医療関係者の十分な配慮が望まれるところです。 また、京都市南清掃工場第一工場は、焼却能力日量六百トンの最新設備を備えた工場として昭和六十一年に完成したものですが、その建設に当たっては、焼却能力の増強に加えて、環境の保全を重要課題としたとのことでした。大気汚染防止装置、水銀回収装置等の設置など公害の防止はもちろん、工場周辺及び構内に約一万本の植樹を行うなど、周辺の緑化に努めていました。さらに、余熱により最大八千キロワットの発電を行うとともに、高温水を工場及び隣接する体育施設の熱源として供給していました。 急増する廃棄物とリサイクルの現場、多目的処理施設を目の当たりにして、ゴミ問題は総合的な環境問題であると痛感いたしました。 次に、交通公害対策について申し上げます。大阪府では、近年、二酸化窒素の環境基準の未達成局が増加しています。大都市城では単体規制の強化のみで環境基準を達成することは難しく、大阪府からは、事業所に対する自動車排出ガスの総量規制を検討しているが、国においても法的基盤の整備をお願いしたいとのことでした。 最後に、滋賀県、京都府及び大阪府から要望書をいただいております。これらを会議録の末尾に掲載していただきたく、委員長のお取り計らいをお願いいたします。 以上、報告を終わります。
○委員長(上野雄文君) これをもって派遣委員の報告は終了いたしました。 なお、ただいま森山君の報告中、御要望のありました滋賀県、京都府及び大阪府からの要望書につきましては、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上野雄文君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(上野雄文君) 次に、公害対策及び環境保全の基本施策について、愛知環境庁長官から所信を聴取いたします。愛知環境庁長官。
○国務大臣(愛知和男君) 第百二十回国会における参議院環境特別委員会の御審議に先立ち、環境行政に関する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いしたいと存じます。 我が国は、今や世界経済と深くかかわり合いながら高度な経済活動を営んでおり、国民一人一人の生活が地域のみならず地球の環境に大きなかかわりを持つに至っています。したがって、「地球規模で考え、地域から行動を」との考え方に立って、さまざまな環境問題に対し一貫した包括的な環境政策を展開することが求められています。 まず、オゾン層の破壊、地球の温暖化、熱帯林の減少、有害廃棄物の越境移動等の地球環境問題は、全人類の生存基盤にかかわる問題として世界各国の重要な政策課題となっており、我が国として世界の主導的役割を果たしていくことが強く期待されております。 また、国内の環境問題に目を転じますと、自動車等に起因する窒素酸化物による大気汚染、生活排水による水質汚濁等は依然として改善がはかばかしくなく、さまざまな化学物質による環境汚染等の問題も広がりを見せております。さらに、余暇時間の増大や国民の意識の変化に伴い、自然との豊かな触れ合いや生活環境の質の向上の面でもさまざまな課題が生じてきております。 さらに、内外の環境問題を克服し、快適で住みよい社会を実現していくためには、社会経済活動を通じた地球環境への負荷を極力少なくし、環境の保全と経済社会の安定的発展の両立を図っていくことが必要であります。 環境保全は、平和国家を標榜する我が国が世界に貢献するに最もふさわしい分野であると私は考えております。このため、経済社会構造を環境保全型に変えていくことを世界に提唱し、国際的地位にふさわしい積極的な環境外交を進めていくとともに、世界に先駆けて環境保全型社会の実現に邁進してまいる所存であります。 以上の認識に立って、私は次の重点施策の推進に取り組んでまいります。 第一に、地球環境保全のための施策の展開であります。 来年六月、ブラジルにおいて「環境と開発に関する国連会議」の開催が予定されています。私は、世界が環境に優しい社会づくりへの第一歩をしるすものとして画期的な意義を有するこの会議が大きな成果を得るよう全力を尽くすとともに、地球環境保全に関する関係閣僚会議の申し合わせを踏まえた施策を積極的に展開してまいる所存であります。 このため、昨年秋、関係閣僚会議で決定した地球温暖化防止行動計画の推進に必要な施策の着実な実施に向けて取り組みます。 また、地球環境問題に関する調査研究を強化するため、地球環境調査研究等総合推進計画に基づき政府一体として総合的な研究を推進するとともに、昨年設置された国立環境研究所地球環境研究センターにおいてスーパーコンピューターの導入 等による共同研究及びモニタリングの推進体制の充実を図ります。 さらに、温暖化防止、森林の保全等のための国際的枠組みづくりに向けて積極的な役割を果たすとともに、アジア地域、東欧等への環境協力を推進し、持続可能な開発の実現を図ってまいります。特に、開発途上国における環境問題の解決に資するため、日本にUNEP地球環境保全技術センターを設置するべく、引き続き努力してまいります。 また、オゾン層の保護、有害廃棄物の越境移動問題についても、その国内対策に積極的に取り組みます。 なお、先般、ペルシャ湾においてイラクにより原油が放出され、大規模な環境破壊が懸念されております。我が国としても、国際機関と協調しながらこの問題に最大限の貢献をすべきと考え、私自身、一月末のOECD環境大臣会合に出席し、各国の環境大臣と協議してきたところであります。 第二に、自然環境の保全と適正な利用の推進であります。 国民の自然志向の高まりに対応し、自然公園等における安全で快適な利用を促進するため、各般の公園利用施設及び長距離自然歩道の整備を進めます。また、身近な自然や小動物との触れ合いの場を設ける等により自然保護思想の普及に努めてまいります。 また、野生生物の保護については、絶滅のおそれのある野生生物の保護対策の拡充強化を進める等、我が国で開催されるワシントン条約締約国会議及びラムサール条約締約国会議に向け、開催国の名にふさわしい野生生物保護対策を強力に推進してまいります。 また、かすみ網による鳥類の違法捕獲の防止の実効性を確保するための新たな方策について検討を進めてまいります。 第三に、都市環境保全対策の推進であります。 まず、大都市地域における窒素酸化物による大気汚染の改善を図るため、ディーゼル車から排出される窒素酸化物について規制を強化するとともに、低公害車の普及拡大を積極的に推進します。さらに、地域全体の自動車排出ガス総量の抑制方策の具体化に向けて検討を進めてまいります。 また、水質汚濁防止法の改正により制度化した生活排水対策につきましては、同法に基づき市町村が作成する計画に沿って、排水処理施設の整備の推進に努めるとともに、台所等の排水による汚濁を減らす工夫等についての啓発普及を行ってまいります。 第四に、環境に優しい経済社会づくりの推進であります。 地球環境問題や都市生活型公害といった環境問題に対処していくためには、経済構造や国民のライフスタイルにまでさかのぼって、我が国の経済社会を環境に優しいものにしていくことが必要であり、広範な環境教育の推進を図るとともに、国民参加による環境保全活動の普及拡大を図ります。 また、大量消費、大量廃棄の現代社会のあり方を見直すため、政府、国民、産業界等が一体となって行動することによりリサイクルを促進し、さまざまな社会経済活動を環境保全型へと転換していくためのシステムづくりにも積極的に取り組んでまいります。 さらに、エコポリスの形成の促進や都市地域における環境資源の計画的管理の推進を図ってまいります。 第五に、公害防止施策等の総合的推進であります。 安全で良好な環境を守るため、さまざまな化学物質やバイオテクノロジー等の利用による新たな態様の環境汚染の未然防止を図るとともに、環境基準の達成に向けての各種公害対策を強力に推進します。 大気汚染対策については、新たに制定されたスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律に基づき脱スパイクタイヤ対策に積極的に取り組むほか、アスベスト対策、浮遊粒子状物質対策等についても推進を図ってまいる所存であります。 水質保全対策については、東京湾等において第三次水質総量規制を実施するとともに、海域における富栄養化対策、湖沼等の閉鎖性水域の水質保全施策、地下水汚染対策の推進に努めます。 また、静かで快適な生活環境を保全するため、騒音、振動、悪臭対策を進めます。 さらに、公害防止計画、環境影響評価、公害防止事業団事業等の多角的な環境保全手法を積極的に活用したいと存じます。 第六に、環境保健施策の推進であります。 大気汚染の影響による健康被害を未然に防止するため、健康被害予防事業の推進や大気汚染と健康との継続的な監視体制づくり等総合的な施策に積極的に取り組んでまいります。また、引き続き健康被害の救済にも万全を尽くします。 特に、水俣病対策については、今後とも医学を基礎とした被害者の公正な救済を進めるとともに、相当数の認定未処分者の存在、地域住民の一部にある健康不安等の残された問題の早期解決を図るため、総合的な対策について検討を行ってまいります。 さらに、環境行政の足場を固めるために、国立環境研究所等における環境研究の一層の推進を図ってまいります。 以上、環境行政の主要な課題と今後の取り組みの基本的方向について所信を申し述べました。 昭和四十六年に発足いたしました環境庁は、本年創立二十周年を迎えます。これにちなんで、国民各層の環境行政についての一層の理解と協力を求める運動を展開してまいりたいと考えております。 二十一世紀を目前にし、世界は大きな転換期を迎えております。このような中で、環境庁は山積する環境問題に新たな気持ちで取り組んでまいる所存であります。 本委員会及び委員各位におかれましては、環境行政の一層の推進のため、何とぞ今後とも御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(上野雄文君) 次に、平成三年度環境庁関係予算及び平成三年度各省庁の環境保全関係予算について、順次説明を聴取いたします。森官房長。
○政府委員(森仁美君) 平成三年度の環境庁関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。 平成三年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、環境庁予算要求額は五百三十八億二千三百七十四万円であり、これを前年度の当初予算額四百九十六億八千四百二十二万円と比較すると、四十一億三千九百五十一万円、八・三%の増額となっております。 予算要求額の主要な項目について御説明申し上げます。 第一に、環境保全の企画調整等については、地球温暖化を初めとする地球環境問題に取り組むため、地球環境保全に関する関係閣僚会議が決定した地球温暖化防止行動計画の推進及び国際会議の開催や開発途上国等の環境保全計画づくりの支援等の国際環境協力の推進に努めるほか、国民各界各層に対する環境教育の強化、先端技術の進展と化学物質の使用拡大に対応した環境保全施策の充実を図るとともに、環境影響評価及び公害防止計画の策定の推進に必要な経費など、合わせて九億二千五百六十八万円を計上しているところであります。 第二に、公害による健康被害者の救済等については、従来に引き続き、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を図るとともに、公害健康被害補償予防協会に設けられている基金を活用した健康被害予防事業や総合的な環境保健施策を推進するほか、水俣病の認定業務を促進することとし、これらの経費として二百二十八億千六百三万円を計上しております。 第三に、大気汚染等の防止については、窒素酸化物対策として自動車排出ガス総量抑制方策の検討、低公害車の普及推進等を進めるほか、オゾン 層保護対策としてフロンガス等の監視及び調査研究の推進等、酸性雨対策として監視測定体制の整備等に努めるとともに、未規制大気汚染物質対策、脱スパイクタイヤ対策及びアスベスト対策の推進を図ることとしております。 また、騒音、振動及び悪臭対策についても一層の推進を図ることとし、これらの経費として八億三千七百十三万円を計上しております。 第四に、水質汚濁の防止については、生活排水対策を推進するため、市町村の生活排水対策推進計画策定及び水質保全等施設の整備の助成並びに地下水質の保全対策を推進するほか、水質総量規制の推進、湖沼水質の保全等の対策を推進するための経費として八億八千六百二十六万円を計上しております。 このほか、地盤沈下防止及び廃棄物対策費として一億三千五百六十万円、土壌汚染防止及び農薬対策費として一億八千百七十八万円をそれぞれ計上しております。 第五に、公害防止事業団については、事業団の事業運営に必要な事務費等の助成費として四十億四百二十一万円を計上しております。 第六に、公害監視等設備の整備については、地方公共団体の監視測定体制等の整備を助成するために必要な経費として八億二千八百八十四万円を計上しております。 第七に、環境保全に関する調査研究の推進のための経費については、総額四十九億二千三百七万円を計上しております。 この内訳としては、まず、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究費として十九億二千八百四万円を環境庁において一括計上するとともに、環境保全総合調査研究促進調整費として一億九百万円を計上し、関係省庁が所管する各種の環境保全に関する調査研究の総合的調整を行うほか、地球環境研究総合推進費として十七億円を計上し、関係省庁の所管する国立試験研究機関等が行う各種の地球環境保全に関する調査研究の総合的推進を図ることとしております。 また、地球観測衛星ADEOSに搭載する成層圏オゾン等の観測機器の開発、光化学スモッグや公害による健康被害の解明、その他大気汚染、水質汚濁、自然保護等に関する調査研究費についても十一億八千六百三万円を計上し、必要な調査研究を進めることとしております。 第八に、自然環境の保全対策及び施設整備について申し上げます。 まず、自然環境の保全対策及び自然公園等の維持管理等については、自然環境保全基礎調査を初めとする調査研究を実施するとともに、国立公園等の保護管理の強化を図ることとしております。 また、野生生物の保護対策については、絶滅のおそれのある野生生物種の監視調査等を実施するとともに、国設鳥獣保護区の管理強化等を図ることとしております。 これらに必要な経費として、合わせて十七億二千五百八万円を計上しているところであります。 次に、自然公園等の施設の整備については、国民の快適で安全な利用を図るため、国立・国定公園の利用施設や長距離自然歩道の整備を推進するほか、野生生物保護管理施設等の整備に必要な経費として四十一億八千二百六十二万円を計上しております。 第九に、国立環境研究所については、地球環境問題等環境全般にわたる研究を積極的に推進するため、地球環境研究センターの研究体制の拡充強化を図るために必要な経費として五十五億三千五百八十二万円を計上しております。 また、国立水俣病研究センターの運営等に必要な経費として四億四千百二十一万円を計上しております。 以上、平成三年度環境庁関係予算案の概要につきまして御説明申し上げました。
○委員長(上野雄文君) 渡辺企画調整局長。
○政府委員(渡辺修君) 各省庁の平成三年度環境保全経費等の概要について御説明いたします。 まず、歳出予算について御説明いたします。 平成三年度における環境保全経費の総額は一兆四千五百十三億円であり、前年度の当初予算に比べ一千百十億円、八・三%の増となっております。 これを事項別に見ますと、各種基準等の設定のために十一億円、監視取り締まりの強化のために六十三億円、公害防止事業助成のために七十七億円、公害防止関係公共事業等の推進のために一兆二千二十四億円、公害防止調査研究の推進のために三百二億円、公害被害者保護対策等の充実のために二百四十四億円、自然保護対策の推進のために一千六百五十二億円、その他として百四十一億円が計上されています。 主要な項目については、次のようになっています。 まず、環境保全経費全体の八三%を占める公害防止関係公共事業等のうちでは、建設省等に計上されている下水道事業費八千七百四十六億円、公共用飛行場周辺及び防衛施設周辺における騒音防止対策等の経費として運輸省、防衛施設庁に一千三百十八億円、さらには、厚生省、運輸省等に計上されている廃棄物処理施設整備費九百四十九億円などがあります。 また、公害被害者保護対策等のうちでは、環境庁の公害健康被害補償対策等経費二百二十八億円、自然保護対策のうちでは、建設省等の公園事業費一千百六十七億円、環境庁の自然公園等施設整備費四十二億円などがあります。 なお、近年の地球環境問題に対する取り組みの重要性にかんがみ、環境保全経費とは別に、環境庁において各省庁の地球環境保全関係予算を取りまとめたところでありますが、これによると、平成三年度における総額は四千八百八億円であり、前年度の当初予算に比べ二百八十五億円、六・三%の増となっております。 これを事項別に見ますと、地球環境保全関係一般経費として七百六十一億円、衛星等研究開発関係費として二百九十六億円、エネルギー対策関係費として三千七百三十六億円、その他関連経費として十五億円となっています。 特に、エネルギー対策、衛星等研究開発関係費等を除いた一般経費は七百六十一億円で、前年度の六百億円に比べ百六十一億円、二六・八%の大幅な伸びとなっています。 次に、公害防止関係財政投融資の概要について御説明いたします。 平成三年度における公害防止関係財政投融資は、貸付規模等において総額一兆八千五百十億円を予定しており、前年度の当初計画額に比べ一千八百三十四億円の増となっております。 機関別の主な内訳としては、公害防止事業団が事業規模で八百億円、日本開発銀行が貸付規模で六百四十億円を予定しているなどのほか、地方公共団体の下水道整備、廃棄物処理等の事業を推進するため、地方債計画において一兆六千三百五十八億円を予定しております。 このほか、中小企業金融公庫、環境衛生金融公庫、北海道東北開発公庫、中小企業事業団等において産業公害防止対策等所要の融資を引き続き行うこととしております。 最後に、今国会において御審議いただく租税特別措置法等の改正案に盛り込まれております環境保全関係の税制改正措置について御説明申し上げます。 まず、リサイクルの促進を図るため、古紙脱墨施設等資源の再生利用に資する設備について特別償却措置を講ずる予定であります。 また、大気汚染に効果的に対処するための軽油脱硫装置に係る特別措置の新設、水質汚濁防止法の改正に伴い新たに規制対象となりました設備に対する特例措置の拡充、特定フロンの排出抑制及び回収設備や電気自動車その他の公害防止設備関係の特例措置の延長等の措置が講じられる予定であります。 なお、地価税の関係でございますが、環境保全の観点から所要の土地について非課税等の措置を講ずることとしております。 以上をもちまして平成三年度の各省庁の環境保全経費等の説明を終わります。
○委員長(上野雄文君) 次に、公害等調整委員会 の事務の概要などについて説明を聴取いたします。勝見公害等調整委員会委員長。
○政府委員(勝見嘉美君) 公害等調整委員会が平成二年中に行った公害紛争の処理に関する事務及び平成三年度総理府所管一般会計公害等調整委員会歳出予算要求額について御説明申し上げます。 まず、公害紛争の処理に関する事務の概要について御説明申し上げます。 第一に、平成二年中に当委員会に係属した公害紛争事件は、水俣病と認定された患者とチッソ株式会社との間で患者個々人ごとに具体的な損害賠償額を定める水俣病損害賠償調停事件、静岡県の住民から山梨県のゴルフ場の事業者に対し、農薬による地下水汚染を理由に建設中止等を求める山梨・静岡ゴルフ場農薬被害等調停事件など合計二十七件であり、これらのうち、平成二年中に終結したものは十五件であります。 なお、以上のほか水俣病損害賠償調停事件については、調停成立後に申請人の症状に変化が生じたときに行われる水俣病慰謝料額変更申請事件が二十四件あり、うち十七件が終結しております。 現在係属中の事件につきましては、適切な解決が図られるよう鋭意努力してまいる所存であります。 第二に、平成二年中に都道府県公害審査会に係属した公害紛争事件は九十件であり、工場及び近隣の騒音に係る事件や道路、ゴルフ場などの建設反対に係る事件が多くなっております。これらのうち、平成二年中に終結したものは三十六件であります。 公害紛争処理法においては、当委員会と都道府県公害審査会とはそれぞれが独立の機関として職務を遂行することとなっておりますが、公害紛争の迅速かつ適正な解決を図るという観点から、審査会との間での連絡協議に努めるとともに、参考となる情報、資料の提供を積極的に行っているところであります。 第三に、全国の公害苦情の実態についてであります。 当委員会の調査によれば、平成元年度において全国の地方公共団体に寄せられた公害に関する苦情は約七万二千件となっており、苦情件数は、昭和四十七年度の約八万八千件をピークに以後減少傾向を示したものの、五十八年度から再び増加傾向を示しております。 これを苦情の種類別に見ますと、いわゆる典型七公害に関する苦情では騒音に関する苦情が最も多くなっておりますが、いわゆる典型七公害に分類できない苦情も全体の三二%を占め、年々増加してきております。公害苦情につきましては都道府県または市区町村がその処理に当たっておりますが、当委員会としては、これらの地方公共団体に対し、職員に対する研修の実施、苦情処理に必要な情報の提供等を積極的に行っているところであります。 続きまして、平成三年度公害等調整委員会の歳出予算要求額の概要について御説明申し上げます。 平成三年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、公害等調整委員会の歳出予算要求額は四億九千六百万円であり、これを前年度の当初予算額四億六千二百万円と比較いたしますと、七・四%、三千四百万円の増額となっております。 次に、その内訳について御説明申し上げます。 第一に、当委員会に係属する公害紛争事案の審理経費等として四億六千七百万円を計上しております。 第二に、公害紛争の処理を担当する都道府県公害審査会委員等及び担当職員との連絡協議のための経費等として二千九百万円を計上しております。 以上が平成二年中に公害等調整委員会が行った公害紛争の処理に関する事務の概要及び平成三年度公害等調整委員会の歳出予算要求額についての概要であります。 公害等調整委員会といたしましては、今後とも公害紛争の迅速かつ適正な解決を図るため、鋭意努力してまいる所存でありますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○委員長(上野雄文君) 以上で所信及び説明の聴取は終わりました。 本件に対する資疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
○委員長(上野雄文君) この際、小野環境政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。小野環境政務次官。
○政府委員(小野清子君) 環境政務次官の小野清子でございます。 環境特別委員会の諸先生におかれましては、日ごろより環境行政に御理解と御協力をいただいておりまして、この場をおかりいたしまして厚く御礼を申し上げます。 先ほど環境庁長官が申しましたように、昨今の環境問題は、地球的規模の問題から身近な生活環境の問題まで、極めて広範なものとなっております。 環境の保全とは、私たち人類の生きる基盤を守り、次の世代に伝えていく営みであると私は考えております。私は、環境政務次官となりまして環境行政に寄せられます国民の期待がますます高まっていることを痛感しておりまして、長官を補佐し、最大の努力をしてまいりたいと思っております。 特に、環境問題の解決には国民一人一人が足元からとれる行動も多うございますので、私は一人の生活者の立場から、地球に優しい行動をとっていくことにつきまして積極的に呼びかけてまいりたいと思っております。 創立二十周年を迎え二十となります環境庁に、今後とも委員の諸先生の御支援をいただきますようお願いを申し上げて、私のごあいさつとさせていただきます。
○委員長(上野雄文君) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十分散会