外務委員会 第5号
- 発言数
- 301 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1991/04/09
会議録
○委員長(岡野裕君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る四月三日、真島一男君及び田村秀昭君が委員を辞任され、その補欠として鳩山威一郎君及び久世公堯君が選任されました。 ─────────────
○委員長(岡野裕君) 去る三月二十九日、予算委員会から、四月九日の午後半日間、平成三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 中山外務大臣から説明を求めます。中山外務大臣。
○国務大臣(中山太郎君) 平成三年度外務省所管一般会計予算案の概要について御説明申し上げます。 外務省予算の総額は五千七百六十三億五千五十九万七千円であり、これを平成二年度予算と比較しますと四百二十四億二千六十一万八千円の増加であり、七・九%の伸びとなっております。 国際情勢は、東西関係の変質という状況のもと、昨年来の湾岸危機、ソ連、東欧情勢の変化、さらには欧州における国際関係の変革等、新たな国際秩序への模索が始まっております。このような中で、我が国は、世界の平和と繁栄をより確固なものとしていくために幅広い分野で積極的に貢献していかねばなりません。これは国際社会に枢要な地位を占めるに至った我が国の重要な責務であると同時に、世界の平和と繁栄の中でより豊かな国民社会を形成していくために必要不可欠な道であります。かかる観点から、我が国外交に課された使命は極めて重要であり、従前以上に強力な外交を行っていく必要があります。平成三年度においては、定員等の増強、在外公館の機能強化、国際協力の推進の三点を最重要事項とし、その他情報機能、海外邦人対策を加え、予算の強化拡充を図る所存であります。 外交強化のための定員の増強につきましては、平成三年度において百十名の増員を得て、外務省定員は合計四千四百十九人となります。また、機構面では、在マイアミ総領事館及び在ストラスブール総領事館を開設することとしております。 在外公館の機能強化に要する経費としては、在外公館施設の整備拡充、現地補助員の待遇改善及び不健康地対策の強化等百九十九億円を計上しております。 次に、国際協力構想を中核とする国際協力の推進に関する予算について申し上げます。 国際協力構想の三つの柱は、政府開発援助の拡充、国際文化交流の強化、そして平和のための協力の強化であります。 まず、平成三年度政府開発援助一般会計予算については、政府全体で対前年度比八%の増額を図り、ODA第四次中期目標に盛られた諸施策の着実な実施を図るため特段の配慮を払いました。このうち、外務省予算においては、無償資金協力予 算を対前年度比五・七%増の二千百二十五億円計上しておりますが、その内訳は、経済開発等援助費が一千七百二十六億円、食糧増産等援助費が三百九十九億円であります。このほか、技術協力予算の拡充に努め、なかんずく国際協力事業団事業費は、対前年度比七・三%増の一千三百四十一億円を計上しております。 次に、国際文化交流の強化でありますが、世界の異なる文化間の相互交流を促進し世界の文化をより豊かなものにするとともに、近年の対日関心の高まりへの積極的な対応を図ることが求められております。そのため、国際交流基金事業の拡充及び実施体制の強化、文化協力の促進のために百六億円を計上しております。 平和のための協力の強化につきましては、我が国は国力の伸長に伴い、経済協力の分野のみならず、世界の平和と安定のために貢献し相応の国際的責任を果たすことが必要との認識に立ち、対前年度比二十四億円増の百七十九億円を計上しております。 さらに、人類共通の問題への対応として、全地球的規模で顕在化しつつある環境問題あるいは麻薬問題に対し国際機関を通じて積極的貢献を行うべく、四十二億円を計上しております。 このほか、情報機能の強化及び海外邦人対策の整備拡充に配慮しております。 以上が外務省関係予算の概要であります。 よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
○委員長(岡野裕君) 以上で外務大臣の説明は終わりました。 この際、お諮りいたします。 外務省所管平成三年度予算の大要説明は、これを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(岡野裕君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 ただいま議題となっております本件の審査のため、国際協力事業団理事数原孝憲君を参考人として出席を求めることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岡野裕君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮澤弘君 最初に、外務省の平成三年度予算について伺いたいと思います。 湾岸危機が発生をしましてから八カ月ばかりたちました。これは我が国にとって最初の経験だったと思いますし、外務省とされても最初の経験で、いろいろな教訓、あるいはまた反省もされたと思うんですが、そこで、湾岸危機にかんがみて平成三年度の予算で特に危機管理対策として新たに加えられた事項、延々と言っていただく必要もございませんので、簡潔に、どういう項目が新たに加えられたか、それをひとつまず御説明願いたい。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 湾岸危機との関連での外務省の危機管理体制いかんということでございますが、宮澤先生御承知のとおり、私ども通常の予算要求の中におきましても、いわゆる緊急の事態に対応した場合に、特に在外公館においてどういう対応ができるかということは常々頭に置きながら予算要求をしてまいったわけであります。主として昨年の八月二日以来の湾岸情勢というものは、私どもこれは非常に極端な例だというふうには思いますけれども、かような事態に対しても十分耐えていくだけの在外公館の施設あるいは人的要素等を整備しなきゃならぬということを私どもも非常に強く感ずるわけでございまして、そういう情勢を踏まえて新たにどういう目を立てたか、こういうお尋ねかと思います。 私ども昨年来の予算要求の中で、湾岸情勢ということを特に念頭に置いて予算要求の過程に入っていたわけではありませんけれども、私どもとしては通常の予算要求の中で、在外公館施設の整備拡充ということを従前以上に強調をした次第であります。そういうことで、在外公館施設の整備拡充ということでは前年度比一〇・三%増の予算の査定をまずいただいております。 それから、同様に昨年の湾岸情勢においても感じたわけでありますけれども、通信施設の整備ということで一つ貴重な経験をさせていただいたわけでありまして、私どもとしても緊急事態に対処するだけの通信網というものを新たに整備しなくてはならぬだろうということで、既存の公館、七十八公館でございますけれども、それにさらに十公館を加えて、通信体制の整備を図るということをさせていただいたわけであります。 それにもう一つ、強いて申し上げますと、やはり自分で耐える能力を持っていかなきゃならぬということで、細かい話ではございますけれども、自家発電の増設であるとか、あるいは在外公館員が大使館に籠城して仕事をすることも可能になるような緊急備蓄というものも考えていかなきゃならないということで、緊急備蓄用に新規の予算、一千五百万ばかりでございますけれども、計上させていただいた次第であります。
○宮澤弘君 今細かいことと言われたけれども、私は細かいことが緊急事態に対して非常に重要だと思うんです。 それで、今官房長も在外公館の緊急備蓄を言われたんですが、私もこの前予算委員会でそれについて質問をしまして、承りますと、千五百万円ばかりの予算で平成三年度から三カ年計画で整備をする。それは何かといいますと、在外公館の館員の人が十日分持ちこたえられるだけの食糧と水を備蓄される、対象が百二ぐらいの公館で、それを三カ年ぐらいで実施をする、こういうお話であったわけです。 私は予算委員会でも申し上げたんですけれども、どうもそれは甚だなまぬるいのじゃないかと思うんです。これは食糧と水ですからね。食糧と水がなくなればもう外交もへったくれもない、何もできなくなってしまうんですから、それを三カ年計画でおやりになるということは私は大変なまぬるい。しかも、そのときに大蔵大臣も御答弁になっていたんですけれども、自家発電機の整備というようなことで今回五台を追加する、また有事の無線網の整備拡充は既に七十八公館終わってこれから十公館を整備する、こうおっしゃっていますね。 在外公館の、例えば公邸のペンキを塗りかえるとか庭を整備するんだったら何カ年計画でずっと回ってやられるということはわかるけれども、緊急事態で水と食糧を整備するのに三カ年計画でおやりになる。しかも、一カ年の経費が何十億とかかるのなら別ですけれども、千五百万なんですね。 ですから、私はこれは三カ年計画なんということをおっしゃらぬで、ことし、来年度の予算はここへ提出されておられますから、ぜひひとつ補正予算の機会があればそこで一気に緊急対策に対するこういうものは整備をされなければいけない、補正予算の機会がなければ、少なくとも四年度に全部なさるぐらいのつもりでなければいけないと思うんですが、この点について、ひとつ大臣のお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 委員御指摘のとおりだろうと思います。早急にこの緊急体制の整備を急ぐことは、我が国の在外公館における外交活動の機能向上に大きく資すると考えております。積極的に努力をさせていただきたいと思います。
○宮澤弘君 ぜひお願いをしたいんです。飲む水と食い物がなければこれはどうにもなりませんし、それから発電機なりなんなり、電源がなければ通信もできなくなるということでありますから、これはもう基本的な生活費だと思いますので、ぜひ三カ年計画と言わずに早急にひとつ整備をお願いいたしたいと思います。 その次に、一般的な外交問題について幾つか承りたいと思います。 このところ外務大臣は東奔西走で、大変御苦労でお疲れであったと思いますが、最近中国へ行かれて中国の外相とも懇談をされました。そのことに関して二、三承りたいと思うんです。 北方領土の問題で向こうの外務大臣と話し合いをなすったということを新聞で承っておりますが、北方領土について中国は、以前は反覇権主義というのでありましょうか、覇権に反対をするという立場を非常に強くとっていて、我が国の四島返還を支持するという姿勢であったと思うんですけれども、この前、大臣の前に通産大臣が行かれたときから、新聞によりますと、支持ではなくて日本の立場に同情し理解をするですか、そういう言い方になっている。今度外務大臣が行かれたときも、新聞によりますと何かそういう表現であったというように報道されておりますけれども、我が国の北方領土返還に対する中国の態度というものは、これは変わったというふうにお考えですか。
○国務大臣(中山太郎君) 私は従来どおり変わっておらないという認識を持っております。委員御指摘のように、日本の立場を理解し同情すると述べましたけれども、同時に中国の立場は何ら変わっていないということを再三強調しておりまして、私どもとしては、従来の我が国の立場を支持しているという姿勢には変わりはない、このように理解をしております。
○宮澤弘君 向こうは変わっていないと言われればそれまでだと思いますが、ああいう文字の国といいますか言葉遣いに大変注意をする国ですから、支持をするというのと理解と同情というのは、私はやっぱり何かデリケートに感じ方が違うんじゃないかと思いますけれども、しかし大臣が従前と違っていないというふうに受け取られているということであれば、それはそれで結構だと思います。 それからもう一つ、武器輸出の規制について、これも新聞では話し合いをなすったように伝えられております。これについての中国の態度というのはどういう態度でございましたか。
○国務大臣(中山太郎君) 中国に対しまして、この湾岸戦争におけるいわゆるイラクの軍事大国に達する経過において中国初め多くの国が兵器を輸出しているということで、私どもは将来の湾岸戦争以降の中東の安定及び世界全体の安定のために、中国が武器を輸出する、武器輸出国の大きなシェアを占めておられる、これを自粛してもらいたいということを要請いたしました。 これに対して中国は、武器輸出に関し従来より厳しい自己規制を行っているという発言がございましたし、国際社会で兵器移転についての透明性、公開性を高めることに対しては反対をしない、国連で制度をつくる場合にはさらに突っ込んだ検討をしていきたい、このような返事を受けております。
○宮澤弘君 中国自身が他国に対する武器輸出をこれからは少し抑制的に考えるというようなニュアンスの発言はなかったですか。
○国務大臣(中山太郎君) 私どもの発言に対してそのような今申し上げたようなことを答えておりますけれども、なおカンボジアの各派に対する武器の供与はもう中止しているということを申しておりました。
○宮澤弘君 中国は世界の中では武器輸出大国だと思いますので、どうかひとつ、我が国のそういう立場を中国に対して今後とも機会あるごとに粘り強く説得をしていただく必要があると思います。要望をいたしておきます。 次に、ゴルバチョフ大統領の訪日も近づいてまいりましたので、日ソ関係で領土問題等を中心に幾つか伺いたいと思います。 過日のこの外務委員会でも、我が党の小沢幹事長がソ連に行かれた、それに関して二元外交になりはしないかというような意味の御議論があったと思いますけれども、二元外交になるかどうかは別にいたしまして、外交というのは手のうちを余り見せるものじゃないと思うんですね。やはりギブ・アンド・テークですから手のうちを見せるべきではない。まあ世の中には誘い水とかあるいは探りを入れるというようなこともありますからそういうことであったのかもしれませんが、やはり外交ですから手のうちを見せちゃもう話し合いになりません。きょうもいろいろ承りたいと思いますが、機微に触れる問題についてあえて御答弁を求めようとは思いませんけれども、国民がひとしく関心を持っております事項でありますので、差し支えない限りひとつ御見解を承りたいと思います。 そこで、領土問題の話ですけれども、どうも新聞を見ましても、あらゆる問題を話し合うというようなことを向こうは言ってみましたり、あるいは向こうの外務大臣が来られたときの話では決断のときであるというような、そういう抽象的な表現は報道されておりますけれども、さあ具体的に向こうがどういう態度に出るかということは、私どもが新聞各紙で知る限りどうもはかり知れないのであります。 まずそこで伺いますが、領土問題でありますけれども、一九五六年の日ソ共同宣言、これは我が国としては一応当然のこととして領土問題を話し合われるということであろうと思うんですが、そうでありますんでしょうか。
○政府委員(兵藤長雄君) 今先生仰せのとおりでございまして、私どもは北方四島一括返還を基本方針として対ソ交渉を続けてきているわけでございますけれども、その出発点となりますのは日ソ共同宣言でございます。もう釈迦に説法でございますが、日ソ共同宣言第九項に歯舞、色丹群島の平和条約締結後の引き渡しが約されておる。したがって、交渉の中核となるべきものは残された国後、択捉両島の主権帰属をめぐる交渉である。まさにそういう基本的な認識のもとに交渉を続けてまいっておるわけでございまして、中山外務大臣がゴルバチョフ大統領と会談をされて一時間余りにわたって領土問題についても議論をいたしたわけでございますけれども、まさにそういう認識から出発してゴルバチョフ大統領と会談をしていただいたところでございます。
○宮澤弘君 つまり、共同宣言を再確認する必要は全くないのであって、これは既に我が国としては両国間で合意したことである。したがって、我が国としては、話し合いを始めるとすれば次の二島のことから話し合いを始める、こういうふうに理解してよろしいですね。
○政府委員(兵藤長雄君) 日ソ共同宣言は、御承知のように両国で批准をされました国交を再開いたしましたときの基礎的な文書でございます。したがいまして、私ども日本政府といたしまして、この文書の有効性について私どもみずからが疑義を差し挟むというようなことを申したことは過去にもございませんでしたし、これをあくまでも最重要条約の一つという基礎の上に立って交渉を続けていくというのが基本的な政府の立場だと思っております。
○宮澤弘君 それから、領土問題に関連をして当然経済協力の話題が出てくるであろうということは予想されるわけですが、これも小沢さんがソ連に行かれたときのことに関する新聞の報道として、ソ連は経済協力の問題を先行して議論をしたいというようなことを言っているように報道されましたけれども、我が国の態度としてはそういう考えは全くとるべきでないと思うんですが、外務大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(中山太郎君) お説のとおりだと思います。
○宮澤弘君 それから、経済協力と並んで、北方領土返還ということになりますと北西太平洋の安全保障の問題ということが当然提起をされるだろう、こういうふうに思いますけれども、こういう問題も当然領土問題に関連をして議論の対象になるというふうにお考えでございましょうか。どうですか。
○政府委員(兵藤長雄君) 昨年の九月にシュワルナゼ外務大臣が参りましたときに中山外務大臣との間で、日ソの外相会談では初めて、アジア・太平洋全域の安全保障問題、これには戦略問題も含めた広い意味での安全保障問題を正式に議論しようということで日ソ間の議論が始まったわけでございます。その議論は政策企画協議という事務的なレベルにおきまして継続をするということも九月の中山・シェワルナゼ会談で合意をいたしまして、その議論が続いているわけでございます。今回、ベススメルトヌイフ外務大臣が訪日されました日ソ外相会談でもそういう議論は引き続き行われたわけでございます。 〔委員長退席、理事山岡賢次君着席〕 当然のことながらその延長線上として、今回ゴルバチョフ大統領がお見えのときにもそういう議論が先方からも提起される可能性は十分にあるであろうというふうに考えております。
○宮澤弘君 それに関連をして、北西太平洋の安全保障問題を討議する機構のようなものを設置しようじゃないかという提案もするかもしれないという情報がありますけれども、そういう提案があることを予想しておいでになりますか。あるいは、あった場合どういうふうに対処なさいますか。
○政府委員(兵藤長雄君) 先方がどういう提案をするであろうかという予測は差し控えたいと存じますけれども、中山外務大臣が日ソ外相会談におきまして強調をされましたのは、まず最初に日ソ間で議論すべきは、総合的な観点からのアジア・太平洋における安全保障というものをどういうふうに考えるべきかというスタートラインの認識の問題でございました。 中山外務大臣の方からは、ヨーロッパとの対比を念頭に置きつつアジア・太平洋地域におけるヨーロッパとは違ういろいろな特殊な条件、もっと掘り下げますと、アジア・太平洋と一口に申しましても、一人当たりの国民所得がドル換算で三けたの国もあれば四けたの国もあれば五けたの国もあるというこの一事からもおわかりいただけますように、経済発展ということが基本的な問題として横たわっておるということから出発をいたしまして、ヨーロッパとのいろいろな違い、例えばカンボジア問題、朝鮮半島、なかんずく日ソ関係が政治的に安定した基礎の上にないという状況、したがって日ソ関係を一日も早く平和条約を締結することによって政治的に安定した基礎に置くということの必要性等々を強調されたわけでございます。 それに対しまして先方は、どちらかといえば軍事戦略理論を志向した議論を展開し、その中で信頼醸成措置八項目提案という御承知の提案もしてきたという経緯があるわけでございます。私どもは、まだそういう機構づくり、フォーラムづくりという段階に進むのはアジアの現実からいって早過ぎる、まずはそういうことに進むためのいろいろな条件というものを一つ一つ積み重ねて整理をしていく、整えていくという努力を積み重ねる必要があるということを、先ほど申し上げましたようなロジックで強調をしたわけでございます。
○宮澤弘君 北西太平洋の安全保障問題、当然それはソ連の方からは話題として提起をされると思うんですが、今のお話はわかりました。しかし、私はこの問題は、我が国として重大な関心を持っているばかりでなくてアメリカとしても大変重大な関心を持っていることではないかと思います。したがって、それらについてアメリカとの間ではかなりいろいろな話し合いをなすっておいでになりますか。
○政府委員(兵藤長雄君) 仰せのとおり、アジア・太平洋の安全保障というものを考えます場合に、例えば我が国の周辺の問題を取り上げましてもヨーロッパと基本的に違いますところは、やはり海、海軍力という問題が中核をなす。そういたしますと、例えばこの面における何らかの管理ということを考えるとすれば、これは米国というものとの対話なくして不可能なことでございます。そういう事情にございますので、私どもは、アジア・太平洋の安全保障の将来をどう考えるかということにつきましては米側と緊密な連絡をとりながら今日まで考えてきたつもりでございます。
○宮澤弘君 外務大臣に伺いますけれども、今度のゴルバチョフ大統領の来日で四島返還の問題で具体的な進展があるというふうに見ておいでになりますか。私が申し上げるのは、いや、まあこれからもよく相談しようやとかいうような原則的な話し合いだけで終わるのか、そうでなくして具体的な、二島か四島か、あるいはその時期とか、いろいろ具体的な問題がございましょう、そういう具体的な成果を期待しておいでになるのか、その辺について外務大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 日本政府としてはゴルバチョフ大統領との首脳会談において、領土問題、また一般の日ソ関係、あるいはまた国際情勢、あるいは安全保障の問題とかいったようないろんな幅広い議論をするということでございますが、領土問題の話し合いがないということは考えておりません。しかし、ソ連がその会談においていかなる提案をされるか、これは全く現在のところ予測をすることは難しい、このように考えております。
○宮澤弘君 わかりましたが、しかし、具体的な成果が上がることを期待はしておいでになりますでしょう。
○国務大臣(中山太郎君) 期待をいたしております。
○宮澤弘君 内政審議室の方、見えていると思いますが、沖縄返還のときは数年前から関係閣僚会議をつくって返還に備えているいろ調査研究、準備をしたわけですね。今度は、どういう話し合いが行われるかわかりませんけれども、北方領土の返還に関してそういう関係閣僚会議のような仕組みをつくることを考えておいでになりますか。
○説明員(橋本逸男君) 我が国固有の領土であります北方領土の返還は我が国民の悲願でありまして、その実現に向けて従来から政府、国民が一丸となって取り組んできているところでございます。したがって、現在はまず北方領土の返還を実現させることに全力を傾注すべき時期であると考えますが、御提案は上司にも、官房長官にも報告いたしたいと思います。 いずれにしましても、北方領土に関する諸問題につきましては今後の返還交渉の進展の状況を踏まえながら、御指摘のような点も踏まえまして、関係省庁と連絡をとりつつ引き続き適切に対処してまいりたいと存じます。
○宮澤弘君 ちょっとお答えがよくわからないんですが、そういう閣僚会議のようなものをおつくりになるおつもりがあるんですかないんですか、私の質問はそういうことを承っている。
○説明員(橋本逸男君) ただいま申しましたように、今後の状況の進展を見ながら、関係の方面とも連絡をとりながら検討してまいるということでございます。
○宮澤弘君 どうも大変わからない御答弁だと思いますが、これ以上承ってもしようがありませんので結構でございます。 もう時間もございませんので、最後に。 今度国連の軍縮会議が京都で開催をされます。それについて承りたいと思うんですが、これは総理も出席をされるように承っておりますし、ちょうど湾岸戦争後の軍備管理という問題が大変取り上げられているときでありますので注目をすべきだと思いますが、どんな議題で会議が行われるのでございましょうか。
○政府委員(丹波實君) この軍縮の京都会議は、大量破壊兵器の不拡散の問題、それから通常兵器の移転の問題が二つの大きな柱になろうかと思います。ポスト冷戦の文脈をも踏まえつつ、このような二つの柱を柱として幅広い国際的な討議が行われることを期待しております。
○宮澤弘君 単に言いっ放し話しっ放しでなくて、今おっしゃったように具体的な討議が行われ具体的な提案が行われることを期待をしたいので、場合によっては京都宣言のようなものができ上がることが私は望ましいと思うんですけれども、とにかく今我が国としては非核三原則、武器輸出三原則というような世界に誇るべき原則をもって軍備管理についてリーダーシップをとる必要があると思いますので、どうかひとつその京都会議においても具体的な成果が上がるように、これは国連の会議でありますけれども、外務省としても御配意を願いたいと思います。 それからもう一つ、今度は京都で開かれますけれども、広島市がかねてから国連の軍縮会議を招致したいという希望を持っておりまして、一昨年京都で開かれました際も、会議の後大部分の方を広島市に御招待して原爆の実態を見てもらったり講演会をいたしたりしまして、ことしもまた御招待をしていると思います。そして、広島市は次回の会議をぜひ被爆地である広島で開催してもらいたいということを国連の事務当局の方にも現在要請をしている現状だと思います。ひとつ外務省といたしましても、現地にそういう希望があることを頭に置いていただいて協力をしていただきたいと思うんです。 最後に大臣に。一つは、京都会議というものが単なる言いっ放しの会議でなくて、こういうちょうどいい時期に日本で開かれるわけでありますから、我が国の非核三原則なり武器輸出三原則というような軍備管理についての非常に高邁な一つの旗印というものを背景に、ぜひこの会議が具体的な成果が上げられるようにお力を尽くしていただきたいということと、それから次の会議が広島で開かれるようにひとつ御協力をいただきたい、この二つについて御見解を承りまして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 第一の御意見でございますが、軍縮に関する京都宣言を発出してはどうかという御提案がございました。国連は、本件会議はあくまで非政府間会合でございますこの種の会議の前例に倣いまして、議長による議論の取りまとめという形で会議を締めくくり、これを公表する考えであるというふうに現在のところ考えております。 第二点は、次回に国連軍縮会議を開く場合には広島市のかねてからの要望にこたえて、それについて政府としては努力せよという御趣旨であったかと思いますが、御要望の御趣旨はよく理解をいたしましたので、今後国連側より次回会合を日本で開催したいとの希望表明がある場合には、委員が御指摘の広島を候補地として検討するということも一つの資料として提案をいたしたい、このように考えております。
○堂本暁子君 きょうは、今御説明いただきました一般会計予算案の概要の中でもODAが今年度は八%の増額、それから国際協力事業団の事業費も前年度比で七・三%増ということなので、ODAを中心に伺いたいと思っておりますが、その前に、いろいろ国際情勢も動いておりますので少し伺いたいと思っております。 まず最初に、これは大臣にぜひ伺いたいんですけれども、今クルド難民が飢えと寒さに苦しんで国境を越えております。今まで政府は、もっと見える援助をということを主張していらっしゃいました。今回一千万ドルの拠出をUNDROになさった、そのことは決まっているわけですけれども、どうしてこのときに緊急に救援隊を送ることをなさらないのか。今、食糧や薬品を必要としております。この前もスローとかスモールとか言われた日本でございますけれども、戦争もしていないときですし、どうして今、ほかの国が出てからではなく、日本としていち早く決断なさらないのか、その点を外務大臣に伺いたいと思います。
○政府委員(川上隆朗君) お答え申し上げます。 クルドの難民につきましては、御指摘のように、難民の数等につきましての極めて正確な情報はございませんが、少なくとも報道で報じられている限りは相当多数の難民がトルコ及びイランに入っているという状況にあるということでございます。 この状況を踏まえまして、先ほど御指摘の資金的な協力を行うことを決めましたほかに、現在先方政府にどのような緊急援助としてのニーズがあるのかということにつきましての照会を行っておりまして、基本的にはその先方側のニーズ、要請を受けましてしかるべき人的な協力を行う方向で鋭意検討しているところでございます。
○堂本暁子君 大臣に伺いたいんですけれども、検討しているうちにいつも出おくれるのが日本なんです。もうこんな緊急なときに、アメリカもイギリスもみんな行っているし、実際テレビで見ますと金髪の看護婦さんたちがどんどん治療にも当たっている。こういうことは相手の要求を受けてからとか検討している間にもう出おくれてしまって、結局日本は、この前は憲法のせいだ、でもこういう事態でもやはり来ないんだというふうに思われる。私は行く絶好のチャンスだと思うんですね。 大臣の政治的判断でこれはもう今すぐ出せと、そのことが今まで日本が協力しないと言われてきたことの考えを変えるチャンスなんだということでぜひ大臣に政治的な決断をしていただきたいと思うんですけれども、これからそういう御決心をしていただけないでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) この緊急援助隊を出す件につきましては現在既に検討を行っておりまして、近くイランにおります避難民に対しての緊急援助を行うために隊員の派遣を現在準備中でございます。
○堂本暁子君 どのような計画で、いつごろ、どういうふうに実施なさるか、決まっていたら教えてください。
○政府委員(川上隆朗君) 今外務大臣より御答弁申し上げたとおりでございまして、現在先方政府の要請をいま一度確認し派遣の方向で準備中ということでございますが、隊の構成等につきましてまさに検討しているところでございまして、具体的に、例えばどういう方が隊長になってくださるとか、そういうところまでも含めて検討しているところでございます。
○堂本暁子君 いつごろまでに結論が出るんでしょうか。
○政府委員(川上隆朗君) できるだけ早く、可及的速やかにやりたいと思います。現在鋭意やっているところでございます。
○堂本暁子君 では、次に移ります。 先ほども宮澤委員から、外交においては手のうちを見せるべきではないというお話もございました。私も交渉を前にしていらして伺えないことも多々あるかと存じますけれども、一週間後にゴルバチョフ大統領の来日を前にして、幾つか確認させていただきたいと思います。 今、五六年の日ソ共同宣言を出発点にして、このことはもう基本的な認識が両国の間でできているという欧亜局長のお話でしたけれども、その次に、一九六〇年にグロムイコ外相が日米安保条約の締結を理由に、日本から外国の軍隊が撤退しない限り歯舞、色丹は返還しないという覚書を一方的に日本によこしています。これは確かに一方的なソ連側の不履行宣言でありましょうし、日本側からも直ちに抗議をしているということですけれども、この六〇年の覚書をソ連側が取り消すことを要求なさるようなことはないのか、それともその必要がないと考えていらっしゃるのでしょうか。
○政府委員(兵藤長雄君) 六〇年のグロムイコ覚書の主たる論点は、今先生が仰せのとおり、外国軍隊が日本の領土内に存在する限り共同宣言第九項の規定は実施し得ないという見解を表明したものでございまして、それは念頭にありましたのは、当然のことながら日米安全保障条約に基づきます米軍の駐留であるわけでございます。 その点につきましてはその後のいろいろな国際情勢の変化を経まして、最近では正式に外相レベルの公式の場におきまして日米安全保障条約という存在そのものを認めてきている。それと締結されることとなるべき日ソ平和条約というものは両立し得るものであるという明確なお答えがあるわけでございます。私どもはそういうことで事実上日ソ共同宣言に戻っているという認識を持っているわけでございます。
○堂本暁子君 確認させていただきますが、そういたしますと、ソ連側はこの対日覚書については はっきりもう問題としないということを表明しているわけですか。
○政府委員(兵藤長雄君) まあ、ソ連政府にはソ連政府の体面もあろうかと思います。ある時期に発出したものについて、これが間違っていたかどうかということを正式に問いただすという方法もあるかもしれませんけれども、私どもは、事実上日米安全保障条約という存在を容認し、これと平和条約というものが相矛盾するものではないということを確認いたしましたので、実質的に――つまりグロムイコ書簡に言われているもの、条件というのはまさにそこだけでございます。外国軍隊の日本領域内における駐留ということでございますので、事実上その問題は原点に戻っているという認識を申し上げた次第でございます。
○堂本暁子君 次に進みたいと思いますが、戦前戦後を通してソ連の元首が訪日されるのは今回が初めてのことということですけれども、領土問題の決着というのはそう早いものではないだろうというふうに思います。沖縄の場合も佐藤総理が三回渡米をされた、そして長い歳月がかかったわけですから、これからどういう段取りを考えておられるでしょう。
○政府委員(兵藤長雄君) 私どもがまず求めておりますのは、北方四島の基本的な問題、つまり主権の問題についての決着でございます。もしこの問題に決着をつけることができますれば、その後の具体的な問題、これはいろいろなあらゆる問題が出てくるわけでございますけれども、その具体的な問題というものについての話し合いに入ります過程で一体どういう形で返還が実現されるのかということが決定されていくのであろうというふうに考えます。したがいまして、今この時点でどういう対応でどういうふうにということをお答えすることは、事実上困難であろうかと思うわけでございます。
○堂本暁子君 今四島の主権ということでおっしゃいました。今までは四島の一括即時返還そして政経不可分、去年から伺っていることなんですけれども、これを原則としていらしたわけですが、これを変えられる、特に政経不可分ということを変えられるおつもりはありますか。
○政府委員(兵藤長雄君) 本格的な大規模な経済協力ということを実施するためには何と申しましても安定した政治的な基礎が必要である、それはとりもなおさず平和条約の締結であるという基本的な考え方、この考え方は政府として今変えるということはございません。その考え方は、かつては政経不可分という言葉で呼ばれ、現在では拡大均衡という表現の方がより使われておりますけれども、その基本的な認識というものは私どもは変える必要がないということでソ連との交渉に臨んでいるわけでございます。
○堂本暁子君 今おっしゃいました経済協力の方に話題を移したいと思いますが、日本側としては、経済協力という言葉が今いろいろと取りざたされておりますけれども、具体的にはどういう対象を考えていらっしゃるか。
○政府委員(兵藤長雄君) それは仮に平和条約が結ばれることになった場合ということを想定してのまだ仮定の御質問でございますから、お答えをすることは大変困難でございますけれども、一口に経済協力と申しましても、そういう政経不可分という原則のもとにおきまして、過去におきましても相互の互恵の原則、ケース・バイ・ケースで、例えばエネルギーの分野におきましてはシベリアにおきまして原料炭の開発を日ソ双方で行うというようなプロジェクトは現在も進行中でございますし、原料炭が毎年確実に日本に入ってきている、そういうプロジェクトもあるわけでございます。したがいまして、およそ経済協力と名のつくものは全部やらないというそういうことで臨んできているわけではございません。 あくまでも基本的な考えのもとにございますのは、本格的な大規模な経済協力ということを進めるためには政治的に安定した基礎がどうしても必要である。ドイツの場合にも長期経済協力協定というのを結んだわけでございますけれども、やはり基本的な問題についてある程度のめどをつけ決着をつけた後でそういう段階に進んでいるという実例に徴しましても、日本の場合にはやはり何と申しましても安定した政治的な基礎、平和条約の締結ということがその基礎になるであろうという認識は変わらないだろうというふうに考えます。
○堂本暁子君 先ほどから今までの認識を変えない、言葉が変わっても変えないということで平和条約の締結ということをおっしゃっていらっしゃるわけですが、そういたしますと、平和条約の締結をいつするかということが今度問題になるかと思います。例えば四島全部が実際に返還された時点なのか、それとも二島が返還されて残る二島の返還の時期がはっきり示されたときなのか、それとも四島をいつ返還するという約束ができたときなのか。その平和条約の締結というのはどういう時期を考えておられるのでしょうか。
○政府委員(兵藤長雄君) 日ソ共同宣言の第九項には、歯舞群島、色丹島につきましては平和条約が締結されて初めて現実に引き渡すことが可能であるということが規定されておるわけでございます。先ほど御説明申し上げましたごとく、日本政府の立場は、残る国後、択捉両島の返還を求め一括して返還を得る、四島一括返還、こういうことでございます。 したがいまして、国後、択捉両島の基本的な問題について解決を見ました場合には当然のことながら歯舞群島、色丹島と一緒に、という意味は、平和条約の締結ができましたときに初めてこの四島の返還というものが現実の課題として実現され得ることになるという認識で来ておるわけでございます。
○堂本暁子君 日ソ共同宣言には歯舞、色丹しか入っていないわけですから、そういたしますと残る二島については、平和条約の締結をして、なおかつ、あと二島に関しての返還の約束ができたときという意味で今おっしゃったわけですか。
○政府委員(兵藤長雄君) そもそも平和条約と申しますものが日ソの場合にはなぜ結ばれなかったかという経緯をひもといてまいりますと、突き詰めていえば、国後、択捉両島の帰属をめぐって日ソ両国政府の間の意見の調整がつかなかった。 〔理事山岡賢次君退席、理事岡部三郎君着席〕 したがって、もしつけば、そこで平和条約というものが結ばれて決着をしていたわけでございますが、その決着がつかなかったために、共同宣言という形の文書によってとりあえず国交を回復する。あわせて、松本・グロムイコ書簡というものが出ておるわけでございますが、二島については継続して審議していく、こういう形になったわけでございます。 その経緯にかんがみますれば、来るべき平和条約というものは、日本政府の立場からいたしますれば、当然国後、択捉両島も含めた北方四島についての決着がその中で最終的に図られていなければならないというのが基本的な認識でございます。
○堂本暁子君 よくわかりました。そういたしますと、実際にゴルバチョフ大統領が見えて四島の返還について発言されない限り事は動かないと見ていいわけでしょうか。
○政府委員(兵藤長雄君) 四島の主権の問題が明確になるということが、これが日本政府の従来から進めてまいりました四島一括返還という基本的な立場でございますので、先生の仰せのとおりかと存じます。
○堂本暁子君 そういたしますと、もしゴルバチョフ大統領が見えまして四島に触れられなかった場合には、来日されても北方領土の問題については余り意味がなかったということですか。
○政府委員(兵藤長雄君) あと一週間でゴルバチョフ大統領がお見えになるわけでございます。この段階におきまして私どもの方から平和条約締結交渉についての見通しをここで申し上げることは御容赦いただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、政府といたしましてはただいま申し上げてまいりました四島返還を求めるというそ の基本姿勢に立って、海部総理からその立場を強くゴルバチョフ大統領に主張していただくということがこの平和条約締結交渉のまさに中核であろうと考えております。
○堂本暁子君 今それ以上伺うことは、これからまさに交渉に入られる、本当にいい交渉を外務省にしていただかななければならないときなので、ぜひよろしくお願いをしたいという気持ちでいっぱいです。 今の御答弁を土台にいたしまして経済の問題を少し考えたいと思うんですけれども、いろいろ新聞等でも、日本の側から、経済協力という言葉だけではなくて、例えば二百六十億ドルですとか二百八十億ドルですとか、いろいろ数字すら飛び交っているわけなんです。これが民間による投資なのか、あるいは融資といったものもあるかもしれません、そして政府資金もあるのかもしれないんですけれども、そういったものについて、特にきょうの話題でありますODAとか政府資金について確認をさせていただきたいと思うんです。 ODAの有償扱い、あるいは輸銀からの信用供与、輸出信用というような形のもの、どういう形のものを実際にはお考えなんでしょうか。
○政府委員(兵藤長雄君) 先生の仰せの経済協力の案件と申しますかプロジェクトと申しますかが、一時期新聞で報道されました二百何十億ドルというそういう中身のものであるといたしますと、これは先刻来御答弁申し上げておりますけれども、私ども外務省、政府は全く関与をしていないものでございますので、その中身につきまして私どもからお答えをする立場にはございませんということでございます。
○堂本暁子君 今伺いましたのは、これから政府資金として、民間の資金もあるかもしれませんが、政府資金としてのそういった経済協力の場合、その場合に例えばODAの円借款が考えられるのか、それとも輸銀の輸出信用というようなことをお考えになるのか、それはどちらでしょうか。
○政府委員(兵藤長雄君) もし先生のお考えの経済協力が、平和条約締結後、つまり私が申し上げました新しい基礎ができたというときの場合を想定してのお考えでございましたら、まだ政府部内でもその問題につきましては正式な検討あるいは結論は何ら出しておりませんので、それについては現在お答えをすることはできない状況でございます。
○堂本暁子君 日本企業の貿易代金の未払い分が大変あるというふうに聞いております。これはどのぐらいの額か、外務省ではつかんでいらっしゃいますか。
○政府委員(兵藤長雄君) 正確な額を私どもはまだ把握しておりませんけれども、私どもが聞いております概略は、四億ドルを少し超えた程度のお金がいわゆる貿易上の焦げつき債権として残っているというふうに承知をいたしております。
○堂本暁子君 決して少ない額ではないと思いますけれども、貿易保険でこういったものを担保するのか。比較的中小企業が多いのじゃないかと思いますけれども、さもなければ、もし今ソビエトの方に支払い能力がなければ輸銀などからそれこそまた新しい信用供与をなさるのか、そういった方針はもう出ていますか。 〔理事岡部三郎君退席、委員長着席〕
○政府委員(兵藤長雄君) 今その点につきまして私の方からお答えする段階にはないというふうに申し上げてよろしいと思います。
○堂本暁子君 もう一つ、これもお答えになれるかどうか私にはちょっとあれですが、先ほどシベリアの問題をお話しになりました。大変すぐシベリアというふうに言われがちな昨今でございますけれども、実際にシベリアに日本の企業なりが進出した場合に、これは相当収益が上がると申しますか企業ベースに乗るというふうに政府の方ではお考えでしょうか。
○政府委員(兵藤長雄君) 非常に一般的な御質問でございますので、一般的なお答えを差し上げるのは大変に難しい問題でございます。一般的にお答えし得ることがあるとすれば、シベリア極東地域におきましては最も投資の基礎になります基礎的な条件、インフラと申しますか、そういう基礎的な条件がなおまだまだ不整備な状況にあるというのが一般的な状況でございます。個々のケースに当たりませんと、一般的にそれが利益をもたらすものであるかもたらさないものであるかということにお答えすることはなかなか難しい状況にございます。
○堂本暁子君 先ほど来大変まさに政経不可分の領域をきちんと守ってお答えくだすっているように私感じるのですけれども、一方で、もう報道の中でも、それからいろいろな実際の調査団が行ったりというようなことでも、随分と経済の動きというのは活発なように思います。確かに六〇年以降政経不可分の原則にずっと立っておられるわけですけれども、余りこの原則に固執し過ぎてしまうとさまざまな交渉事が逆にうまくいかなくなるようなことはないのか。もっと前向きあるいは建設的に政経可分にすることはできないのか。 例えば経済領域でヨーロッパとかアメリカに日本がおくれをとってしまうことがないのかとか、特に今ゴルバチョフ大統領が国内的に大変、領土問題について決定的なことを日本で決めることができる立場に実際にあるのかどうかという問題も絡めて考えますと、その辺のところは相当前向きであってもいいのではないかというふうに考えたりいたしますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(兵藤長雄君) 政経不可分という言葉の持つイメージが、先ほどちょっと申し上げましたとおり、北方領土で前進がなければ経済については一切物事は動かさないのだというふうに受け取っておられる方もおられるわけでございますけれども、過去の日ソ間の経済貿易関係の実績をごらんいただきますと決してそういうことではございませんで、互恵の原則というものに照らして、ケース・バイ・ケース、かなり弾力的な運営をしてきている面もあるわけでございます。 例えば貿易の面におきましては、日本はアメリカ合衆国よりもはるかに多い貿易量を日ソ間でずっと維持し続けているわけでございますし、西側の諸国の中でも三位、四位というその辺の地位を常に保っているわけでございます。最近について御報告申し上げれば、まさにペレストロイカというものを積極的に支援していくというペレストロイカ技術的支援という分野におきましては、日本政府は西欧と比べましても最も熱心に援助を推進しているものと私どもは考えております。 例えば、労働生産性本部というものに学びたいといえばすぐにそれに応じて担当部長さんに行っていただくとか、あるいは銀行制度というものを抜本的に改善したいといえば、日本の最も中枢的なところにいらっしゃる方々に代表団を組んでいただいてソ連に行っていただくとか、相当数の代表団をソ連に派遣いたしておりますし、今後もそういう状況を続ける。ゴルバチョフ大統領が参りますときにはそういうものの全体の仕組みを定めた条約を結ぼうという話まで進んでいるわけでございます。 それからさらに、人道的な援助、チェルノブイリの原発事故に対しまして援助をいたす、これは補正予算で二十六億円の御承諾をいただいているわけでございますけれども、さらにその先も続けていこうということでやっているわけでございますし、緊急援助としての食糧、医療援助でございますとか、必要なものはその都度御相談をさせていただきながらソ連に対しては援助も行っておるという状況であるわけでございます。
○堂本暁子君 今おっしゃいました条約というのは国会に提出されるような条約でしょうか。どういう内容のものでしょうか。
○政府委員(兵藤長雄君) これはそういうカテゴリーの条約にはならないと思いますけれども、今度ゴルバチョフ大統領が参りますときに、少なく見積もりましても十二、三の取り決めあるいは協定、名前はいろいろさまざまでございますけれども、文書に署名をいたす予定にいたしておりますが、今申し上げましたペレストロイカの技術支援 に関します取り決めもその中の一つというふうに位置づけているわけでございます。
○堂本暁子君 それは行政協定のようなものですか。
○政府委員(兵藤長雄君) いわゆる条約というものを分けて考えます場合には、行政取り決めの枠内の取り決めであるというふうに理解をいたしております。
○堂本暁子君 平和条約がまだ締結される前に、そういったものが国会の審議を経なくても手続上はいいんでしょうか。
○政府委員(柳井俊二君) いわゆる条約の締結手続でございますけれども、一般的に申しますれば、国際約束という言葉を私どもは使っておりますが、名称のいかんにかかわらずその内容によりまして国会の御承認を経て締結すべきかどうかということを判断するわけでございます。現段階におきましては日ソ間でどのような国際約束ができるかということは、物によっては相当輪郭が見えておりますけれども、最終的な判断はその内容で決めるわけでございます。 御承知と思いますけれども、昭和四十九年にいわゆる大平三原則というものが衆議院の外務委員会で示されまして、それ以来この原則に従って、どのような国際約束の締結について国会の御承認をいただくかということを判断しているわけでございます。 大変長い答弁でございますのでポイントだけ申し上げますと……
○堂本暁子君 存じております。
○政府委員(柳井俊二君) 御存じであればあれですが、それに照らして判断していくということでございます。
○堂本暁子君 私としては、大平三原則がいつも出てきて、何かいささか国会よりも行政の裁量の方が大きいような気がするんですけれども、その議論になるともう幾ら時間があっても足りませんので、日米首脳会談の方に移りたいと思います。 日米首脳会談でブッシュ大統領は米市場の開放を強く求めたということで、ウルグアイ・ラウンドの中でともに解決するように努力していきたいということを海部総理は答えていらっしゃるわけですけれども、どのような解決内容がこの会談ではあったのかお答えいただけますでしょうか。
○政府委員(林貞行君) 今先生御指摘のとおり、この問題は先ほどの日米首脳会談で取り上げられました。まずウルグアイ・ラウンドの問題が取り上げられまして、ウルグアイ・ラウンドの成功が日米のグローバルな協力の面で極めて重要であるという点で両首脳の意見が一致したわけでございます。 その関連でブッシュ大統領より米について言及がありまして、総理よりは、ウルグアイ・ラウンドの早期かつ成功裏の終結を目指して日米で協力していきたい。農業交渉の重要性も認識している。他方、我が国は世界最大の農産物純輸入国として自給率が極端に低いこと、米については各国が抱えている困難な問題、例えば輸出補助金とか米国のウエーバーとかECの可変課徴金とか、そういうものとともにウルグアイ・ラウンドの中で解決していくよう努力したい。さらに、その際、我が国にとり米が食生活及び農業等において格別の重要性を有していることに十分配慮した解決でなければならない、こういうことを総理から伝えたわけでございます。
○堂本暁子君 外務大臣に伺いたいんですけれども、今のウルグアイ・ラウンドの中での解決といいますのは、結局はそこで米市場の開放を指すのではないか。押し切られたという形になるのかどうかわかりませんけれども、今出たウエーバー条項ですとか欧州共同体のとかいろいろありますけれども、そういった中でやはり日本も米市場を開放しなければならないというところになるんだと思うんですね。この辺は大臣はどうお考えでいらっしゃいますか。
○国務大臣(中山太郎君) 米については、従来、米及び稲作の重要性にかんがみて国内産で自給するという国会の御決議の趣旨を踏まえてやっておりますし、このような島国ではやはり国民は食糧の安全保障ということに敏感でございますから、その点は踏まえて、ウルグアイ・ラウンドで日本の主張を出していくということが大切だろうと思います。 私は率直に申し上げて、まだアメリカもECも自分たちが主張していることをちっとも変えておりません。つまりこの輸入課徴金、それから国内支持、輸出補助金、これはまだ全然わかりましたというところへ来ていないわけですし、アメリカもウエーバーがございますし農業保護の法案も出しておりますから、やはりお互いが国内の農家の保護という問題、特にECの場合は統合される十二カ国全体に莫大な農民がおるわけですから、そういうことを考えますと、輸出補助金一つとりましても、日本は輸出しておりませんから輸出補助金はございません。ところが、アメリカもECも全部輸出補助金をつけているわけです。 これをどうするのか、こういう問題を実際はこれからジュネーブで、お互いが持っている難しいところをどこでどうするのかという詰めをやるわけでありますから、そこで協議をしよう、そしてそこで解決していこうと、一言で言うとこういうことでございます。
○堂本暁子君 大臣に一言で伺いたいんですけれども、その場合、日本が押し切られるというようなことなしに交渉なさる自信はおありですか。
○国務大臣(中山太郎君) これはガットのウルグアイの会議で各国がどういう考え方でそのすり合わせをするかということが、まだ今の段階では始まっておりません。
○堂本暁子君 私ども国民は、確かに国会の決議もありますし、お米だけはという思いがありますけれども、一方で、現実の問題としてもうぎりぎりのところへ来ているのではないかという考え方もあると思うんです。そういった中でもし仮に部分的な開放に応じたりする場合には、国内価格と国際価格の落差が大変に大きいとか、いろんな混乱を招いてしまう。政府がずっと国会の完全自給を基本とするという決議は絶対守るという態度で本当に最後まで貫き通せるのであればそれはそれで考えようがあるんですけれども、どうも今度の日米首脳会談ではその解決を、そういった外圧と申しますか、大変平らな言葉で言えばそういった方へ持っていってしまったように見受けられるんです。 その辺はむしろ率直な、そして実際に今大臣が判断していらっしゃるところを国民に示すことの方が政治的には正直なのではないかという気がいたしますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 率直に言ったらどうかと、こういう委員のお尋ねでございますが、私先ほどから率直に申し上げているわけです。 それで、農家というものはヨーロッパであれ相当な数の農民がおりまして、この間私が十二月にガット・ウルグアイに参りましたときは物すごいデモが起こって投石があったというようなことがございます。ヨーロッパの場合は各国から農民がその会場へ集まってくる。日本からも来ておられましたけれども、こういうことで、どこの国も今まで農村保護というか農民保護という政策、これは非常に国内政治と関係が深うございます、アメリカの場合も。だから、お互いに譲れるところと譲れないところが実はそこに共存しておりますから、そこのところの協議というものをどうするか。 しかし、一方、ガットのこの会議を不成功に終わらせますと、日本というのは自由貿易で生きている国家でございますから日本が被害というものを一番受けるわけで、ここらのところで、政府は農民の、いわゆる何といいますか保護を捨ててやるということはなかなかできない。ここらが、実際問題として申し上げますと、さっき申し上げましたようにヨーロッパだけで考えアメリカだけで考えれば、輸出補助金をどうするかということが彼らの大きな悩みですし、いわゆる関税化ということを彼らは絶えず考えていますけれども、この問題も率直にまだ最後の案を突き詰めているわけ ではございませんから、我々はこれから協議を始めていくと。 というのは、これは一度延会になりまして、二月二十六日からTNCが始まったところでございます。いろいろの難しい問題がございますが、政府としては、食糧安全保障ということを根幹に我々は交渉を続けていくという考えでございます。
○堂本暁子君 もう一つ、日米首脳会議の間で伺いたいことがあるんです。 海部総理が渡米される前の予算委員会で伺いましたときに、イスラエルにはODAは出さないというお考えだったと思います。グラントエレメントが低いからその資格はない、もっと非常に裕福な国であるというお答えだったと思いますが、また再度イスラエルとの関係強化という内容が出てきました。再度確認をしたいのですけれども、イスラエルにODAを出すというようなことはないということを確かに確認できるでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) ODAをイスラエルに行うという考えは、現在持っておりません。
○堂本暁子君 輸銀の輸出信用ではいかがでしょうか。
○政府委員(川上隆朗君) 実は私、直接の所管ではないわけでございますが、輸出入銀行の資金協力ということのお尋ねかと存じますけれども、これは基本的には、もちろん政治的な問題はあるわけですが、ODAと同じようなラインで考えるべき問題だと思います。
○堂本暁子君 どうもありがとうございました。やはり大変な軍事大国ですし、今ガザ地区ですとかパレスチナの人たちの人権侵害も起こっているような状態の中で、日本の政府資金がどういう形で使われるかということが大変気になりますので、その辺、よろしくお願いしたいと思います。 では、次に、世界遺産条約のことについて、先日もお隣りの清水委員が質問されましたけれども、文部省と環境庁から簡単に、今どう考えていらっしゃるかお考えを教えてください。
○説明員(西尾理弘君) 世界文化遺産及び自然遺産の保護条約につきましては、その趣旨は望ましいものと考えておるところでございまして、文部省としては、文化財保護法との関連でも内容的な問題はないものと考えております。
○堂本暁子君 環境庁はいかがですが。
○説明員(永瀬誠君) 環境庁におきましても、この条約につきましてはその趣旨は望ましいものと考えておりまして、加盟につきましても問題はないというふうなことでございます。
○堂本暁子君 先日清水委員への御答弁で、国内の措置という関係で省庁との間の協議に時間がかかっているということなんですけれども、実際に今関係省庁はこういうふうに賛成しておられる。それで、どのぐらい待ったらいいんですかという質問については両三年というふうにお答えになったんですけれども、私は余りにも遅いのではないか。やはりこれだけ環境外交ということをおっしゃっているとき、そして実際に遺産委員会の事務局長や委員長がことし見えたときにも、日本はどうしてこれを批准しないのかと。もう世界の百十六番目になるわけですね、批准すると。 余りにも遅いんですが、清水委員もお聞きになりましたけれども、どうしても私は、もうほかの役所は賛成しておられるのに外務省としては三年もかかる、両三年というふうに考えて勉強したいというふうにおっしゃっているんですが、余り勉強する必要のない条約のように私には思えますので、再度これは大臣から、もう一刻も早く批准に持ち込むということで手続をお始めいただくということの御返事をいただけないでしょうか。
○政府委員(丹波實君) 実はこの条約に日本が加入した場合の国内の実施体制の問題につきましては、ことしの一月にも外務省と環境庁、文化庁の担当官が勉強会を開いたりしておりまして一生懸命努力しておるわけでございますので、できるだけ早い機会に国会におかけするように私たちとしては努力していきたいと考えております。
○堂本暁子君 再度、両三年をもう少し短くしていただくことはできないでしょうか。
○政府委員(丹波實君) 両三年をできるだけ短くするように努力はいたしたいと思います。
○堂本暁子君 できるだけではなくて、どのぐらい短くしてくださいますか。
○政府委員(丹波實君) 確定的な年月をお示しすることは御勘弁願いたいと思いますが、できるだけ両三年を短くするように本当に努力したいと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
○堂本暁子君 ぜひよろしくお願いいたします。 それでは、やっと本命のところへたどり着きましたが、JICAさんから「開発と女性」という報告が出ました。一年間かけての報告ですし、高橋展子さんが会長でいらしたんですね。それで途中で亡くなられて、もし御存命だったら、ぜひこういうことをもっと実行に移してほしいと、多分そういう思いを持っていらしたのではないかというふうに私は思います。大変尊敬もし親しくもしていた高橋さんの思いというようなものが伝わってくるような気もいたしますが、女性の分野で大変活躍された高橋さんが、志半ばにと申してはあれですが、おつくりになった小冊子というか、お出しになったこの御報告についてきょうは質問したいと思います。 これが出たことを大変高く評価したいと思います。後はいかに具体化をしていただくかということのお願いをいろいろしたいと思うんですが、まず、外務省の経済協力局は何人中何人女性がいらっしゃるか、お聞かせください。
○政府委員(川上隆朗君) 平成二年度末現在の外務省経済協力局の全職員、定員でございますけれども、これは百四十三名でございます。そのうち女性の職員数は十六名となっております。割合は一一・二%でございます。
○堂本暁子君 JICAさんはいかがでしょうか。
○参考人(数原孝憲君) 三月一日現在の数字ですが、一三%となっております。より詳しく申しますと、職員の数が千百六十六に対しまして女子の職員が百五十三名、一三%ということになっております。
○堂本暁子君 何を比較の対象にするかというのも大変難しいと思いますけれども、決して多いとも言えないというような気がいたします。開発と女性の問題で一番おくれている点というのはどういうことかといいますと、女性の人数と申しますよりも視点、あえていえば、女性の視点よりも、むしろ福祉ですとか生活ですとか教育ですとか環境、さらに人権、そういった視点が入っていないということに置きかえていいのではないかというふうに思います。 ただ、たまたま女性の問題ですとか子供の問題に置きかえてお話をした方がお話がしやすいので、きょうはそういうことで特にこれを取り上げさせていただくんですが、この中にも、米国を抜いて世界一位になった日本のODAであるけれども、他のDACメンバーの国のように、開発と女性に関して包括的な行動計画及び具体的な実施案は作成されていないということを十一ページに書いておられます。さらに十七ページには、開発と女性援助の視点に対する認識が十分であったとは言えず、八〇年代の半ばまでに独自の開発と女性ガイドラインを作成した他の先進援助国と比較すると、この点における取り組みは遅れていたことは否めないというふうに書いておられるんですね。 それで、それも実態だというふうに私も思いますけれども、外務省としては、これだけ援助の予算がふえ、まさにきょうふえているわけですから、そういう中で、これからこういった側面を積極的に開発するようなそういった意思はおありになりますでしょうか。
○政府委員(川上隆朗君) 先生御指摘の点でございますけれども、まず、政府といたしましても開発における女性の役割、WIDの重要性につきましてはつとに十分認識している次第でございます。 今回、JICAのもとに設置されました「開発と女性」援助研究会より出されました報告書につきましては現在一生懸命勉強させていただいているところでございまして、我が国の援助においてWIDというものを、これは報告書にもございますように、開発の各分野、横断的なセクター的な分野においても、それから援助の調査、実施あるいは事後の評価といったような縦断的な側面におきましても、女性の開発の受益者としての役割だけではなくて、女性の開発の担い手としての役割を十分視点に据えて援助をやっていかなければいけないというふうに基本的に認識している次第でございます。
○堂本暁子君 この中にある一つの指摘に、全部の分野にそういった視点を入れてほしいということが提言の中に書いてございます。そういった認識はお持ちでしょうか。
○政府委員(川上隆朗君) ただいま申しましたように、開発のいろいろなセクター、これは先生御案内のとおり、女性の問題というものは、どのセクターに関係が深いということはありますが、ある一定のセクターには全く関係がないという分野は恐らくないのじゃないかと思います。全部のセクターに関係している。 そういうことが当然視点にあるわけでございますが、さらに進んで本当にWIDに直接関係したプロジェクト、例えば母子の保健の分野、あるいは医療分野、それから環境の分野、これは例えばまきを切るというのは、アフリカなんかでは女性の仕事ということで認識されているようでございますが、これが非常に環境問題に関係してくるとか、いろいろな最近の国際的な議論もございます。そういう議論を十分踏まえながら、恐らく全分野に関係するであろうこの視点というものを十分踏まえて対処してまいりたいというふうに考えております。
○堂本暁子君 ぜひお願いしたいのは、最初に申し上げましたように、女性と書いてありますけれども、確かに受益者としての女性が無関係ではありませんが、むしろそういった側面よりも、従来の日本のODAというのは、各途上国の経済成長の重視、それから我が国の輸出振興という目的が当初ございました。賠償から始まったという歴史的な経過もございます。そういった中で、どうしても発電所ですとかダムですとか工業団地といったインフラ整備に円借款が大変多く供与されてきた。これはもうだれしもが認めざるを得ない事実だし、そういう方針のもとに日本のODAは進んできたということも事実だと思うんです。 そこで、逆のやり方をしていた国もあるわけですね。例えばスカンジナビアの国、ノルウェーなんかは総理大臣も女性だし閣僚の半分が女性だし国会議員の半分が女性、そういうところは、WIDなんということを一々意識したりこういう討論をしなくても、もう既に最初からそうなっている。国内的な福祉の政策もそうですし、対外的なそういった、援助という言葉は使いませんけれども経済協力についても、そういった先進国と途上国との平等、そしてあらゆる意味での平等という視点からすべてをやっていくということで、大変日本と逆の極のような国もあるわけです。日本の場合にはやはりそこが大変欠落していたと申しますか少なかった。担い手もコンサルタントやそれから企業の方がどうしても多かったということにも原因はございましたでしょうし、そういったところに女性も出ていっていなかったということもあるかもしれません。 そこのところで、今おっしゃったような点で申しますと、例えば先日ここで問題にしましたパプアニューギニアの森林、それからフィリピンの銅精錬所、それからカラカの発電所、そういつた大きいプロジェクト、これを本当にこの中に書いてありますように、ここにはどう書いてあるかといいますと、十九ページです。援助を進める際に、プロジェクトのまず計画、それから立案、実施、これは建設の段階です。それから評価、これは事後評価の段階です。こういったすべてのプロセスに開発と女性の視点を反映させることが大事だと。つまり開発の受益者としてだけではなくて、積極的な開発の担い手としての女性の役割を重視した開発と女性の視点が援助の始まりから終わりまで一貫して組み込まれることであるということが提言されているわけなんですね。 これは本当に大きいプロジェクトになりますと五年、十年という歳月がかかります、ダムとか発電所でも。その場合でも最初から終わりまでそういった視点を組み込むということが、例えば私がここで御報告したケースでいいますと、実際に開発後にそこで公害が起こって女性たちが生活の糧を失う、子供たちは公害病になる、あるいは自然が侵されて環境破壊で、ヤシの葉で家を建てたくてもそのヤシが減ってきたとか、そういった具体的なケースがもうアジアの国々にはたくさんございます。インドネシアを見てもフィリピンを見ても、タイを見てもパプアニューギニアを見ても、もう数限りなくあるんです。 そういったことも、もし本当に最初から終わりまでそういう視点、もしまだ女性の職員がいなければ少なくともそういう視点を開発に組み込んでいけば、ここではインテグレートという言葉で言っていますけれども、そういうことがきちんとできれば、よほど予防もでき、むしろ住民に喜ばれたのではないかと思うんです。今局長が言われたような意味での狭い意味の女性のプロジェクトではなくて、これからはこういった本質的なところにこの開発と女性の視点を入れていく方針がおありになるかどうか、その点を確認させていただきたい。
○政府委員(川上隆朗君) 私が先ほど御説明申し上げましたように、我々も女性のまさに開発の担い手としての側面に非常に注目いたしておりまして、決してプロジェクトの狭い、女性直接関連のプロジェクトというもの、こういう視点のみに入れていくということではございませんで、先ほど申しましたように、すべてのプロジェクトが当然のことながら女性に関係しているという意味において、これらのプロジェクトの実施、実施というよりもむしろ計画、立案、それから先生おっしゃいました評価に至るまでの一連の段階でその視点をこれからできるだけ反映させていくべきではないかというふうに考えているわけです。 これをどうやってやっていくかということにつきましては種々我々の部内でまず検討をして、これは組織的な問題もございますし、そう一朝一夕にできるほど容易な問題でもないという認識もあるわけでございます。しかしながら、つい先日いただきました極めてコンプリヘンシブな報告書をまずじっくり勉強させていただきまして、それに基づいて対策を考えていきたいという姿勢で今おるわけでございます。
○堂本暁子君 この報告書の中で一番大事なこと、それは女性であればいいということではないと私は思っています。男性でもいいわけで、そのことも書いてあります。これは決して女性特有の問題ではない。男性の視点を排除することではなくて、それを含む多元的な視点を意味するものであるということで、決して女性ということだけではないんですね。 ですけれども、最初に申し上げたようなむしろ開発によるマイナス面を防止するという意味で、持続的な開発と申しますか、管理と言った方がいいかもしれません。そういったことの理念だと思うんですね。ですから女性がふえるということだけではだめであると。 まず二つのことをぜひ提案したいんですけれども、一つは、何としても急いで人材を養成していただく。そのために、もうこれだけ大予算があるわけです。この大きな予算で、三百億使おうが四百億使おうが、そこでその地域の方に日本が嫌われて反日感情を持たれたのでは、私たち税金を出す側としてはもう泣くに泣けないという思いでございます。それをやはり予防するためにそういった視点で、むしろそこに、優しさという言葉は余り好きではありませんけれども、何かもっと行き届いた本当にきめの細かいやり方が加味されるのであれば、私はその人材養成に相当大きなお金を 思い切ってつける。ことしはもう無理ですけれども来年度予算につけていただきたい。そのことが一つです。 それからもう一つは、今申し上げた視点でございまして、女性であればいいというものではない。それから、今局長おっしゃったようにとても一朝一夕にはと。日本には大学もありません。イギリスやカナダやスカンジナビア、ヨーロッパの国と違って開発教育、国際理解教育というのは大変おくれております。そういったときに今ぜひ一刻も早くやっていただきたいこと、それは、そういう意味で進んでいる国、オランダですとかカナダですとかイギリスとかいろいろありますけれども、そういったところの大学なりNGOなりにぜひ一年でも二年でも、もっと少なく、たとえ半年でもいい。 そういうことをやりたいという日本の女性はもう数限りなくいるんですね。そういった人たちが実際にどういう視点でこのことをやったらいいか。この中にもどういう国が進んでいるかということは書いてありますので、そういった国にぜひ留学生を出すということが人材を非常に早く養成できることではないか。それと同時に、国内的にはどんどんそういう先生たちを呼んできてトレーニングをする。それから実際に外国のNGOの現場に出すというようなこと。 非常に早くそのことをやらないと、ここのプロジェクトの周りではこういった公害が、こういった人権侵害がということを何度も何度も繰り返されていって、何のために日本がこれだけの大きなODAをしていながら嫌われ批判されなければならないのかということがあると思うんです。 そういうことで、「開発と女性」、これはJICAの方でおつくりになったことですが、政府の側でむしろ進めてくだすった仕事なんですけれども、大臣からもぜひそういう意味で女性を、そして女性という言葉だけではなくてむしろそういった開発のソフト面と申しますか、ドクターでいらっしゃる大臣には特に申し上げたい医療ですとか福祉の側面での配慮というようなものを強化するために、ぜひ来年は人材を強化するということをここでお約束いただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 私もこのWIDの報告書を読ませていただきまして、発展途上国における女性の生活環境というものが相当すさまじい問題だということはよく理解をいたしました。そういう意味で、今委員から御指摘のこのような援助における女性への配慮というもの、そういうものをやるための人材育成に明年度の予算では積極的に取り組んでまいります。
○堂本暁子君 大変心強い御答弁でうれしく存じます。局長方も皆さんいらっしゃるところですので、ぜひ実行していただきたいと思います。 それで、具体的なことで私一つだけ、どうしても忘れられないことがあるのでここで申し上げたいんですが、去年の予算委員会でフィリピンのレイテ島の銅精錬所のことをお話し申し上げました。そのときは銅精錬所のプロジェクトのことに関しての問題点を指摘したわけですが、今度は逆の立場でその周りにあった状況をきょうはぜひお聞きいただきたいと思うんです。大変貧しいレイテ島でして、フィリピンの中でも一番貧しいんですが、そこに三百二十八億のインフラストラクチャー、発電所ですとか道路ですとか港湾ですとか、そういったものが日本の円借款で整備されました。そこで忘れられないことが幾つかございます。 一つは、栄養失調で子供がどんどん死んでいっているということです。年収二万円の最貧層が大半、およそ半分を占めるような地域です。そのために、亡くなるだけではなくて、視力を失い聴力を失うということで障害児がどんどんふえていっている。そこでの福祉担当官から、日本は三百二十八億ものお金をここに出しているが、せめてその一%をもしそういった福祉に回してもらえたら、恐らくこの子供たちはもっと幸福になれるというふうに言われました。 それから、病院がありまして、これはレイテの州立の病院なんですが、一億円で建設を予定しているんですけれども、そのお金がないために、財政的に逼迫しているために三分の一しか建っていません。残り三分の二は工事中でした。私が行きましたのはたまたま産婦人科の病棟だったんですが、もう患者さんが栄養失調のために、本当に廊下とか外にまであふれている。手術台といいますか、分娩台というのは五十年前のが三台あっただけでした。しかも電気が一つしかないんですね。赤ちゃんはよく夜産まれますから、そうするともうほとんど暗がりでの手術になってしまうというドクターの言葉でした。 三百二十八億も出してこれだけ道路をつくる。ほとんどの人は車を持っていないんですから、今は工場へのトラック輸送に使っております。将来もっと経済的に豊かになったらその道路が役に立つと思いますけれども、今はあんな幅の広い道路は必要のないところなんですが、その道路建設に大変な何十億というお金が使われた。だとすれば、五千万あればこの病院は完成する。それから、恐らくもう二十万か三十万で電気もつくし、それから手術台もつくれるという話でした。 私は帰ってきてすぐ日赤とかいろいろお願いに参りましたけれども、それだけになってしまいました。こういうことはお願いすれば、一時的にどこからか手術台の三台とか電気ぐらいは出るかもしれません。しかし、これはむしろ構造的な問題だと思います。こういったところを、もし発電所をつくるのであれば、発電所をつくることに私は反対なのではないんですけれども、それのペアで必ず総合的な開発をすると。今カラバルソン計画というのがあって、それは日本のコンサルタントがやっていますが、そこではそういったふうな方向性をとっていますけれども、これから、女性が大事ということ以上に、必ずそういうことをやるというふうにすれば、日本は悪口を言われずに済むのではないか。 私はそこで住民調査をいたしましたけれども、今でも忘れられない一つの言葉は、日本というイメージは何かと言ったらば死と言われたんですね。こんなに心が痛む言葉はなかったんです。せっかく税金を使っての援助をしておきながらそこでそういうイメージを住民から持たれるというのはもう日本国として大変マイナスで、外交的にも余り得策ではないということで、こういった「開発と女性」というこれが出たのをチャンスに、ぜひそういったソフトの面というのをお考えいただきたい。そういたしましたらば、先日ありましたパプアニューギニアの森林伐採で住むところをなくした女性や子供たち、それからフィリピンのカラカの発電所の周りで病気になっている人たち、そういったところもすべて解決をしていくのではないかというふうに思います。 それから、次の問題ですけれども、大臣は子供サミットのときもたしかニューヨークに行っておられたと思いますが、もう一つの問題は、女性や子供が大変に貧困によって直撃されると申しますか、一番の被害者になっているということなんです。私はやはりとても大きいと思いますのは、妊娠する機能を持つ女性ですね、栄養失調だとどうしても乳児死亡率だけではなくて産婦の死亡率もふえております。 このレポートで欠けている点といいますと、そういった現在の南北の経済構造による女性や子供の置かれている局面というのを余りえぐっていないというのがちょっと私は物足りなく思いましたけれども、ユニセフのレポートですと、御巣鷹山に落ちました五百人乗りのジャンボジェット機が毎日二・七機落ちているだけ、妊娠出産で女性が死んでいっています。年に五十万人。そして、その五十万人死ぬ女性のために百万人の子供たちが母親を失っている。 やはりこれは先日も日本に見えましたユニセフのグラントさんという事務局長が、三年、四年前の白書からおっしゃり出したことなんですが、これは構造的な問題であると。累積債務が多くなって、今や一兆三千億ドルの金利支払いが行われて いる。そのために開発途上国はどうしても金利のためにお金を使うので、福祉ですとか教育ですとかそういった方にお金が使えなくなってきている。こういった世界の南北の構造的な問題、そのためにこれだけ女性と子供が被害を受けているんだということの報告がここのところ三年ぐらい述べられています。 子供サミットの場でも、二〇〇〇年に向けて子供を救うための行動計画というのがございました。大臣にもう一度ここで、今女性が参加する方の側の大事さというのは比較的わかりやすいことなんですが、日本の残念なことは、こういったストリートチルドレンになっている子供たちとかそれから妊娠出産のために非常に苦しむ女性たちとか、そういったプロジェクトに余りにも日本が積極的ではないというところがございます。ここにもやはり日本としては積極的にアプローチすると申しますか、平和のため環境保護のため、そして女性や子供たちがもう少し幸福になるために日本のODAを使っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 大臣はサミットに行っていらしていかがでしたか。子供のための行動計画、二〇〇〇年までの中で、子供の権利条約というのもそういう中で出てきた条約だと思います。近く批准されるということで大変うれしく思っておりますが、子供の権利条約、あれは国内法の整備よりもむしろこういうことのためにできた条約だということは、ジュネーブで人権委員会に出ていれば大変よくわかることなんですけれども、であれば、日本の援助という中から子供の権利条約をどう地球の中で普遍化していくか、世界で普遍化していくか。そのことはもっと子供や女性のために日本のODAが機能していいのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 子供たちに対するODAの適用ということはこれから考えていかなければならない一つの大きなテーマだと思いますけれども、日本は国際機関に、女性と子供に関する国連等のマルチの国際機関に相当な金額の拠出をしている。 私はこのWIDの報告書を読んでみても、乳幼児死亡率が千人に対し百五十人ぐらい、ひどいところだとそういうことになっていると。私は今回中国へ行ってみて中日友好病院を視察してみたんです。そこへちょうどJICAから日本人の看護婦が、九州の方でしたかお越しになっていまして、この小児科病棟での特徴は何か、あなたはどういうことを感じていますかと質問いたしましたら、中国は一家族一人子供制、これを推進しているためにみんなが子供を大切にする、こういう話を実は聞かされたのです。そういうものを聞いてまいりますと、問題は出生率をいかに落とすかということが私は健全に子供たちを育てる一つの大きな方途ではないか。 そういうこととあわせて、言えば家族計画でしょうね、家族計画をシステム的に協力しながら教えていくと同時に、生まれた子供たちの保健と栄養を確保するためにこの施設をODAならODAで出していくということをやらないと、私は一方で猛烈な出生率になってくればもう対応し切れないと思います。そういうことを今回中国で肌身に感じて帰ってきたものですから、今委員のお話を聞きながら、やはりそういうことをやる場合に、一つのモデルを考えて、どういう方策で日本はやったらいいかということをこれから検討すべきだと考えております。
○堂本暁子君 中国の逆がケニアで、四%の最高の出生率でございますが、どうしてかしらと思いましたけれども、やはり子供を減らすということは大変に難しいようです。日本のJOICFPからの家族計画の方たちなんかもそういうところで働いていらっしゃいますけれども、やはりまだ、貧困というのは子供を多く持つことが労働力ということでそこが堂々めぐりしている。 卵と鶏のような感じがありますけれども、今大臣がおっしゃいました、まさにきょう調べていただいていると思うんですが、そういったユニセフですとかそれから女性関係の国際プロジェクト、そういうところに日本は確かに大変大きな拠出しております。それから、最初に伺ったクルドの人たちについても国際機関には大変な拠出を、一千万ドルですか出していらっしゃる。ところが、さっきフィリピンのことでるる申し上げたように、そういうものは見えないんですね。政府がおっしゃっているように、やはり私たちは日本の旗ではなくて日本のもっと具体的なプロジェクトがないと、結局これは悪いことだけが日本の方に全部来てしまうということがあります。 ということで、多分お調べいただいていると思いますけれども、女性の国際機関への関与、この予算はどのぐらいになっていますでしょうか。
○政府委員(丹波實君) 婦人問題、特に開発途上国における婦人問題に関しますところの国連の機関といたしましては、非常に重要なものとして二つあるわけでございます。一つはいわゆるUNIFEMと言われる国連婦人開発基金、もう一つはINSTRAWと言われますところの国際婦人調査訓練研究所でございます。 この二つの機関の活動は大変高く評価されておりますけれども、まず日本政府といたしましては、UNIFEMにつきましては平成二年度が四十三・八万ドル、三年度につきましては十万ドルふやしまして五十三・八万ドルを計上してございます。これはちなみに八九年の数字をとりますと、世界の拠出国の中で第八位ということになっております。それからINSTRAWにつきましては、平成二年度が八万ドルを拠出、三年度も同額を計上してございます。これにつきましては、八九年度の数字をとりますと五位になっております。
○堂本暁子君 ありがとうございました。 このように、国際機関には八位とか、もっと多いものでいえばユニセフなんかも大変多いと思いますけれども、しかし実際にNGOですね、女性の問題、子供の問題に関与できる女性のNGOですとか国際NGOですとか、そういったところ、もう具体的に金額を伺う時間がちょっとなくなってまいりましたけれども、国際機関には文部省からの子供関連のユネスコ経由のものとかそういったものも多く出ているんですが、具体的なプロジェクトを日本が持っていないというのが現実だと思います。 私が最近大変着目したことの一つは、郵便局でボランティア貯金というふうに書いてあるんですね。これはまた一つの、今までの外務省がやっていらしたODAと違うのではないかということで、きょう郵政省においでいただいていると思いますが、まずこれはどういうことで、今どういう対象者があるか、対象者というかプロジェクトがあるかというようなことを聞かせていただきたいと思います。
○説明員(安岡裕幸君) 国際ボランティア貯金につきましては、預金者の皆さん方の通常郵便貯金の利子の一部を寄附いただきまして、民間の海外援助団体、つまりNGOでございますけれども、への配分を通じまして開発途上地域の住民の福祉の向上に充てていこう、こういう仕組みでございます。 寄附金の配分は、先ほど申し上げましたように草の根の海外援助に充てていこうということでございまして、いわば営利を目的にしない団体に充てていこう、こういう考えでございます。
○堂本暁子君 今具体的には、どういうような申し出と申しますか応募者がありますでしょうか。
○説明員(安岡裕幸君) 現在いわゆる公募の期間中でございましてまだ実数を把握できておらないわけでございますけれども、正式に受理した件数につきましては数件程度でございます。ただ、事前のいわゆる照会でございますけれども、これはかなり来ておりまして、五十を超える団体から申請がある、こういうふうに見込んでおります。 その事前に照会がございました援助事業の中身につきましては、先ほど来の議論にありますように、例えば飢餓といいましょうか、食糧の援助の関係でございます。それから、医療であるとか衛 生、教育、農村開発、あるいは職業訓練、環境保全、それから難民救済でございます等々、かなり幅広い分野での照会がございます。
○堂本暁子君 ぜひ女性とか子供のことも配慮していただきたいと思います。 大臣、きょうはJICAでおつくりになったこれでもっていろいろ伺ってまいりましたけれども、やはり日本のこれからの一つの援助のあり方、これだけの巨額になりますと、ある意味でいうと、大変いい面だけではなくてそれがマイナス面ともろ刃のやいばのようなところが必ずあると思うんですね。一方のそこのところを手当てしない限り、やはりまたいろんな形の批判を受けてしまう。 そういう意味で、ちょうど今転換点に来ているのではないか。これだけもう、一兆二千億という大変大きな額でもございますし、その中の相当大きい部分を思い切って、きょうはそういった女性の視点という形でお願いをいたしましたけれども、女性の視点だけではなくて、もっと相手の立場に立った、そして住民の立場に立った多様な対応のできるようなそういった領域のまず人材養成。 そして、実際にそういうものを必ずもう最初の段階から、環境とか人権とか衛生とか福祉とか教育とか、そういった総合的なプロジェクトの組のような形でできるところまでぜひお考えいただきたいということをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 委員の御指摘並びにWIDの報告書の持つ価値というものは、私それなりによく認識をいたしております。 問題は、援助を受ける相手国があるわけでございまして、相手国政府にもそのようなことを日本政府の意思としてこれからは十分伝えるように努力をいたしたい。私はこういうことで初めて、委員が考えられているような環境を整備しながら援助をやるということができるのではないか、そのように認識をしておりますので、そういう方向性をつくるように努力をいたしたいと思います。
○堂本暁子君 今大臣おっしゃいました相手国、やはり行政的にも大変弱かったり、それから、女性の視点はむしろ途上国の方が比較的入っているような気が私はいたしますけれども、それでも今まで環境ですとか福祉は途上国の責任ということで考えられてまいりまして、しかし三百億ですとか、それからタイの臨海開発なんかになりますともう一千億のけたになります。そういった巨額の資金が非常に弱い経済基盤しか持たない開発途上国に送り込まれますと、そこに住んでいる人たちは自己主張ですとかそういったこともできません。相手国政府の責任も問いながらも、やはり援助する側の私どもの責任も非常に大きいと思うんですね。 私自身もこういう認識を持っておりませんでしたけれども、むしろ途上国の方たちから、日本にもう少し体質を変わってほしいとか、それから実際にいわゆるWID先進国と言われる国々の援助の仕方を見て、そこで働いている女性の方たちから学んで、もう本当に一皮一皮むかれるようにして、そういった日本のどちらかというと合理性ですとか効率ですとかそれから経済の成長ですとか、そういった理念の方が優先しているものと逆の立場のものをいっぱい教えられたような気がいたします。そして、ぜひこれから援助を実際に御自分でなさる方たちにそういうところを学んでいっていただきたいという思いが大変強いので、大臣の今のお答えは大変うれしく存じます。これからもよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。終わらせていただきます。
○竹村泰子君 日本の地球温暖化防止計画についてお伺いしたいと思います。 日本政府が昨年十一月、世界気候会議において地球温暖化防止計画を発表してCO2の排出量の安定化を打ち出したことは、確かに一歩前進と言えると思います。しかし、国連総会の決議を受けて一九八八年十一月WMOとUNEPが設置したIPCC、気候変動に関する政府間パネルはその報告書の中で、温室効果ガスの排出量を削減しない限り、世界の気候は今後二十年から三十年間で過去一万年の歴史でいまだ地球が経験したことのないような気温上昇を経験することになるというふうに結論づけて、地球全体の人間活動によるCO2排出量を即座に六〇から八〇%削減する必要があるとしているわけです。 そこで、質問ですが、日本の行動計画は地球温暖化防止計画と銘打ちながら、実際にはCO2排出量の安定化しか約束していないんです。しかも、二段構えの目標設定のうち第一の目標は、一人当たりのCO2排出量の安定化、すなわち人口の増加により実際には二〇〇〇年には五から六%の増加となってしまいます。排出量の安定化では大気中の二酸化炭素量はひたすら上がり続けて、人類がまだ経験したことのない温度上昇の領域に達することは避けられません。これでは温暖化防止計画とは言えないのではないでしょうか。いかがですか。
○政府委員(丹波實君) 地球の温暖化問題解決のためには、全地球的な取り組みというものがどうしても必要であろうと思います。各国が自国にとり最も適切な戦略ないし目標を設定し、それの実現に努めるということが非常に重要であるという考え方に立ちまして、先生がただいま指摘された地球温暖化防止行動計画というものを、関係各省庁間で十分協議の上、二酸化炭素排出量を少なくとも二〇〇〇年以降おおむね一九九〇年のレベルでの安定化に努めるという閣議決定で作成したわけでございます。これは従来の考え方からすればそれなりの努力目標を示したものであるということで、一定の評価というものがなされるべきものではないかと考えております。 先般、御承知のとおりワシントンにおきまして気候変動枠組み条約の第一回交渉会議が開催されまして、日本も主導的な役割を果たしたつもりでございますけれども、今後そういう条約交渉を踏まえて日本のあり方というものを考えていきたいというふうに考えております。
○竹村泰子君 来年六月ブラジルで開かれます環境と開発に関する国連会議において締結される予定の今おっしゃった気候変動に関する条約、これは地球上のCO2排出総量の削減を約束するものでなければならないと思います。例えば、その国際協定が実効性を持つためには、IPCC作業部会科学的知見の報告書のような現段階で最も信頼性の高い科学的勧告に沿った形で地球上の温室効果ガス、中でもCO2の排出総量の削減がされるように国際条約の中で保障されなければならないと思うんです。 日本政府の行動計画の中には、我が国はすぐれた技術力と環境保全の豊かな経験を背景に、国際協力を通して世界の取り決めの先導的役割を果たしていく必要があるというふうに書かれております。しかしながら、ことし二月ワシントン郊外で開かれた気候変動に関する枠組み条約交渉において、日本は先進工業国に対するCO2排出量目標を地球規模で設定することを最後まで支持しませんでした。世界人口の二〇%しか占めていない先進国が温室効果ガスの八〇%の原因をつくり出している。こういった姿勢は世界の取り組みの先導的役割という意思表明とは矛盾していないでしょうか。いかがですか。
○説明員(柳下正治君) 先般二月に開催されました第一回の枠組み交渉会議でございますけれども、議題として討議されました内容は、今後数回にわたって行われますこの枠組み条約交渉の手続面、あるいは議長の選出、あるいは条約案作成のための作業部会の設置など、今後の交渉に当たっての体制の整備に関する議論でございました。したがいまして、目標設定などに関する具体的な議論は二月の交渉会議では行われなかったわけでございます。 なお、今回の会議におきましても、アジア諸国から我が国の温暖化問題に対する取り組みが高く評価され、我が国の条約交渉におけるリーダーシップに対する非常に強い期待が表明されるな ど、この問題について改めて我が国として責任を感じた次第でございます。
○竹村泰子君 アジア・太平洋地域における温室効果ガス、中国を除く最大の寄与国であり経済技術大国である日本の温暖化による最初の被害者となる低海抜の国、バングラデシュや太平洋の島嶼国に対する責任についてお伺いしたいと思うんですけれども、IPCCの作業部会の報告書、気候変動の潜在的影響力という報告書によれば、何も対策をとらなかった場合、結果としては四度から五度Cの範囲で地球の平均気温が上昇して、海面が二〇五〇年までに〇・三メートルから〇・五メートル、二一〇〇年までには約一メートル上昇するとされております。 海面が一メートル上昇すればバングラデシュの国土の一五%が浸水し、メコンデルタの水田と農地が崩壊状態に陥り、人が居住している多数の環礁が浸水する。また、国土のほぼ全域が海面から三メートル以内の高さしかない島嶼国、モルジブ、マーシャル諸島、ツバル、キリバス、トケラウなどに五十万人が住んでいます。太平洋、インド洋、カリブ海のほかの列島や島国は海岸や耕作可能な土地をたくさん失うであろうと言われております。 一メートル海面が上昇すれば、島嶼国の中には居住不可能となるところもあらわれ、数千万人が住むところを失ってしまう、このようなことが言われているわけですけれども、昨年十一月の世界気候会議では、太平洋、インド洋、カリブ海など島国十四カ国がAOSIS、小さな島嶼国同盟を結成して、IPCCの報告書の結果を非常に重視して六項目のことを求めております。日本政府は昨年秋モルジブに対して多額のお金を防波堤建設のために約束されたと聞いていますが、本当でしょうか。もし本当ならば、多くの島国の中でなぜモルジブなのでしょうか。
○政府委員(川上隆朗君) 先生御指摘のモルジブの案件でございますけれども、御指摘のとおり、マレ島南岸護岸建設計画というものに対しまして先方から要請があったのにこたえまして我が国は八七年度から八九年度三カ年にわたりまして計二十・五一億円、これは約千五百万ドル程度になりますが、の無償資金協力を実施いたしまして、九〇年七月に完成いたしております。 これは基本的に、今申しましたようにマレ島の高波、波浪被害からこれを守るという目的で行った援助でございますが、モルジブ以外にも、台風等自然災害よりの復旧及び漁港整備の一環といった目的で、例えばトンガ、フィジー、パラオ等に対しまして防波堤の建設を含む施設整備計画に対して協力をいたした実績がございます。
○竹村泰子君 こうした対症療法をしてくださるのは大変結構なんですが、対症療法的な対策のための援助のみではなく、温暖化の影響の中で海面の上昇は一部でしかないこと、また、先ほど申し上げましたAOSISの国々が第一に先進国のとるべき責任として挙げているのは、これまで、現在、そして今後もしばらくは温暖化のほとんどに責任を持つ先進国が果たすべき役割、つまり温暖化を防止すること、すなわちCO2の大幅削減、つまり予防措置なのではないでしょうか。この点はどうお思いになりますでしょうか、環境庁。
○説明員(柳下正治君) これまでのIPCCにおける各種の検討あるいは先般の第二回世界気候会議の閣僚レベルでの宣言などで、国際的にこの問題についての考え方はかなり整理されてきたように感じられます。 まず、温暖化が環境や社会経済に与える影響についてはまだ不確実な部分も多いというのも事実であります。それから、排出抑制等の予防的対策の経済的影響、それから海面上昇等の影響に対するコストについても必ずしもまだ十分な知見が現在得られておりません。こういったような実情にかんがみまして、例えばIPCCの報告では次のようなことを指摘してございます。 まず一つとして、エネルギーの効率的利用や持続可能な森林の管理等、現在直ちに正当化される対策は直ちにやりなさい。すなわち、排出抑制対策を開始しなさい。一方、災害の防備、沿岸地域の管理等、直ちに正当化される一方の影響への対応対策についても可能な限り早期に着手しなさいということで、抑制対策、適応対策は可能な限りコスト効果的であるということも頭に置きまして、両者を一体として進めていくということが必要ではないかというふうに考えてございます。
○竹村泰子君 例えばIPCCの第二作業部会は温暖化が起こった場合の対策コストにも言及していると思うんですが、海面が一メートル上昇すると三十六万キロメートルに及ぶ海岸防波堤が必要になる、今後十年間に五千億米ドルの経費がかかるというふうに書かれています。しかも、この計算には将来の維持費や生態系の価値など含まれていません。報告書はこうも言っています。環礁の島では年間のコストはGNPの一〇%から二〇%に上ることも考えられる。海岸防備の年間コストがGNPの五%以上に上る国は十カ国あり、そのうち九カ国は島国である。 現在、こうした予防処置にかかるコストと地球温暖化が起こったときにかかるコスト、これははかり知れないものだと思うんですけれども、日本政府はどのように認識しておられるのでしょうか。
○説明員(柳下正治君) ただいま先生の方から御指摘ございました、例えば一メートルの海面上昇に対応するために今後約五千億ドルのコスト、三十六万キロの防波堤に対して五千億ドルのコストという指摘も確かにございますが、IPCCの報告書をよく読んでみますと、これは一つの試算として仮説を設けて試算を行ったものでございまして、これに関して必ずしも確定されたというふうには理解はしておりません。 いずれにいたしましても、温暖化対策については非常にその生存基盤を根底から揺るがすような問題、これは必ずしも金の問題ではなかろうと思います。そういった観点から、特に低い島嶼諸国あるいは沿岸地域に関しましてはその住んでいる居住民の基盤を根底から覆すような問題が起こりかねませんので、こういった問題に関して我が国としても的確に対応すべく、従来も先生御指摘のIPCCの第二作業部会につきましては副議長を出すなど、温暖化の影響を科学的に解明して、あるいはその影響についての科学的知見を整理すべく最大の貢献をしてきたわけでありますけれども、今後ともこの問題に関して、例えばモニタリングあるいは調査研究の推進等も含めて、できる限りの協力を進めていくことが重要であろうというふうに考えられます。
○竹村泰子君 予算面ですけれども、きょうここに外務省の予算をいろいろ細かくいただいておりますが、外務省としては、これの最後のところにあります全地球的規模で顕在化しつつある環境問題あるいは麻薬問題に対して国際機関を通じて積極的貢献ということで四十二億円、この項目にこの地球温暖化の問題は入るのでしょうか。 どこでその予算をとっていらっしゃるか、ちょっとこれは予告してないんですが、環境庁、それから通産省も、どういう名目でどんなふうな予算をとっておりますということがもしおわかりになれば教えていただきたいと思います。
○政府委員(丹波實君) 外務省に関係しますところのものは、今先生が読み上げられた項目の中に入るわけです。
○竹村泰子君 ここでいいですね、四十二億円。
○説明員(若杉隆平君) 補足的に御説明させていただきます。 私ども、地球環境問題につきましては特に技術によるブレークスルーが非常に重要であるという観点から、地球環境の保全と経済の成長を何とか両立できないかという基本的な考え方に基づきまして、技術開発についての最大限の努力を傾注しているところでございます。 技術に関します予算でございますけれども、エネルギー関係等も含めまして約一千億強の予算を計上している次第でございます。
○竹村泰子君 どういう項目ですか。
○説明員(若杉隆平君) 例えば、地球温暖化防止 のための技術開発を積極的に進めるために昨年の七月に財団法人地球環境産業技術研究機構というものが設けられたわけでございまして、この機関を中核的な機関としましては、例えば二酸化炭素の固定化、有効利用というような積極的な技術開発等も行っているわけでございます。それから、新しいエネルギー、再生可能なエネルギー技術というようなことでサンシャイン計画、あるいは省エネルギーという観点からのムーンライト計画というような既存のプロジェクトにつきましても地球温暖化の防止という観点から着実な推進を図ってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○竹村泰子君 環境庁はわかりますか。余り環境庁の予算の中にはこの地球温暖化のプログラムに対する予算がないというふうにお見受けするんですが。
○説明員(柳下正治君) 平成二年度から、地球環境研究総合推進費という名称の新しい地球環境の研究推進のための予算が計上されております。平成二年度十二億円、平成三年度十七億円ということでお願いをしているわけでありますが、この研究費は各種の国立の研究機関あるいは民間等も含めて総合的に地球環境に関する各種調査研究を推進しようという目的でありますが、その中で例えば地球の温暖化問題に関しましては、実績の方でまいりますと平成二年度は約四億円の研究をやってございます。 国立環境研究所、公害資源研究所、それから国立の例えば港湾技術研究所ですとか土木研究所ですとか、ありとあらゆる関係省庁の研究機関を総動員いたしまして分担をしながら研究をいたしてございまして、全部で研究項目としても十四本の研究項目がございます。例えばその中で海面上昇につきましても……
○竹村泰子君 いえ、時間がありませんので、細かいことは見ますから結構です。 それでは、しっかりとお願いしたいと思いますけれども、日本人一人当たりのCO2排出量は先進国の中では下から三番目だとか四番目だとかというふうなことをよく日本政府はおっしゃるんですが、日本のエネルギー集中型の重工業は既に多く海外に移っています。これに加えて、熱帯雨林伐採など日本が国外で大量に出しているCO2をどうとらえるのでしょうか。また、こうしたCO2排出の削減にどう対処していくおつもりでしょうか。できれば大臣から、どうお考えになりますでしょうか。
○説明員(大慈弥隆人君) 今先生御指摘の海外に進出いたしました日本企業の行動でございますが、進出先国の環境保全基準を遵守した行動をとるというのは当然のことでございます。それに加えまして、地球規模での環境保全に配慮した企業行動をとるようにということは先生の御指摘のとおりだと思います。 この場合、まず現地活動は、現地法人としてのステータスがございますので、進出先国が定めている環境保全のための諸規制をまず準備する。これに加えまして、我が国から進出をいたす場合には我が国企業としての行動という観点から、まず民間経済団体におきまして、特に経団連を中心といたしまして自主的に海外投資行動指針というのを策定いたしておりまして、その中におきまして投資先国の生活、自然環境の保全に十分努めるという申し合わせをいたしておりますし、特に昨年の四月には、環境保全に対して積極的に取り組んでいくという海外進出に際しての十の環境配慮事項というのを民間で取り決めております。 政府といたしましても、適切な環境配慮が行われ、かつ地球規模での環境保全が図られるようにいろいろ指導をしてまいっておる所存でございます。通産省の場合には産業構造審議会の方でまとめました十の行動基準というのがございまして、その中に環境保全に十分に努めるようにということを答申として受けてございまして、これを企業の方に周知徹底していくということをいたしております。今後とも、日本企業が海外現地社会の環境保全に努めるということとそれから地球環境に配慮した行動をとるようにということで、さまざまな機会を見つけて働きかけてまいりたいと思っております。
○竹村泰子君 私、昨年海外進出企業の問題を取り上げましたときに、今お答えになったそのことは十分承知しておりますけれども、でもそれが今お答えになったように立派に守られていないんですよ。まことにお粗末というか、この委員会でもたびたび取り上げられておりますが、外へ行ったらもう恥のかき捨てじゃないけれども、日本でできないことを外でやっているわけですね。そういうことで、だから十分にこのことは日本の政府としてきちんと政策あるいは対処をしていただきたいということで外務大臣にお尋ねをしたわけなんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 今通産省からお答えをいたしましたような方策を具体的に実施するように、外務省としては政府と十分協議をしてまいりたいと考えております。
○竹村泰子君 私たち人類は産業革命以来長い間、まるで大気や海を無限のごみ捨て場のように扱ってきた。その目に見えないごみの量は、大量消費文明を基盤にふえ続けるばかりなんですね。 それで、資源エネルギー庁の長期エネルギー需給見通しには、例えば七三年から八八年にかけて既に倍になっている家電需要がどこまでいけば飽和状態に達するかなどといった計算はもちろん全く含まれていないと思います。四年ごとの自動車のモデルチェンジ、使い捨て商品、アルミ缶、オール電化など、日本社会はエネルギー需要を大量につくり出し、そして商品を大量に消費するメカニズムをつくり上げてしまっています。しかも、この消費構造は、一部日本企業による熱帯雨林の伐採やアジアのほかの国々での大量の公害排出の上に成り立っているということを忘れてはならないと思います。 CO2の固定化などの技術革新や防波堤の建設などの対症療法だけではもう乗り越えることのできない転機に我々は差しかかっていることを教えてくれているわけですけれども、脱温室効果社会とは脱大量消費社会であり、地球温暖化問題はすなわちエネルギー問題なのではないか、私は強くそう思うんです。この問題は外務大臣がリードしていただいて、環境、通産各大臣と総合的かつグローバルな視点を持って積極的に進めていただきたい、しかも日本がその先導的な役割を果たしていただきたいと強く望むところでございます。 それでは、時間が余りないのですが、次の問題に移りたいと思います。 日本の外国人登録者数のうち七割近くが永住資格を取得している者で、そのほとんどが日本で生まれた二世、三世だと思います。現在、永住者が旅行等で日本を一時的に離れる場合、彼らの日本への帰国を保障するものは再入国許可制度だけです。これはただいま衆議院の方で審議されております出入国管理及び難民認定法、特別法に規定されるものですけれども、これを得ず出国すれば新規入国者として扱われてしまうというものですね。 一時出国の自由はその国に帰る権利が保障されていて初めて達成されるものと私は考えます。現に、年に膨大な数の日本人が海外へ旅行するにもかかわらず、外国人である二世の青年が再入国許可が得られないために生まれてこの方日本を出られずにいるという現状があります。 国連の人権小委員会において起草作業が進められている出国・帰国の権利宣言、この権利宣言の第十一条が合法的永住者の居住国への帰国権を掲げているのですけれども、そこで、お尋ねしたいのですが、日本政府は出国・帰国の権利宣言草案に対してその削除を勧告しましたね。 宣言草案が現在国連人権小委員会における作業部会で審議中であり、合法的永住者の概念がまだ国際的に議論されていなくても、当該権利の削除を勧告するに当たっては合法的永住者の概念につきそれなりの見解があったはずだと思いますが、日本政府が合法的永住者というのはどういう概念だととらえておられるのか、明らかにしていただ きたいと思います。
○政府委員(丹波實君) 先生おっしゃるとおり、この問題は現在まだ差別防止・少数者保護小委員会におきまして審議中でございまして、そういう意味では、この概念の意味、合法的永住者の意味について確定はしておりませんけれども、少なくともここで言おうとしていることは、合法的永住者というものが当該国にとって外国人であるということを前提として議論がされているというふうに理解しております。
○竹村泰子君 私が昨年十一月に出しました合法的永住者の居住国に帰る権利に関する質問主意書の中でも、政府は、「合法的永住者」の概念自体具体的に何を意味するかも明確でないので、我が国において「合法的永住者」にどのような人々が当てはまるかを列記することはできない。」というふうに答えていらっしゃるんですけれども、一国に永住し、そして住居、家族を有し、職業その他で社会の構成員になっている外国籍の個人あるいは非国籍国で生まれ育った二世以降の個人にとっては、居住国に帰る権利を否定される場合にこうむる当人の実質的な被害、これは国民が国籍国に帰る権利を否定される場合と比べて異なるとお考えか否か、異なるとお考えならば具体的にどういう点において異なるのか、またその理由も明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(柳井俊二君) ただいま御指摘の答弁書におきまして今先生がおっしゃったようなくだりがあるわけでございますが、さらに、御承知のとおりでございますけれども、答弁書の後の方で、「合法的永住者の居住国への帰国権」については、「合法的永住者」といえども外国人である以上、そのような者がいったん出国した後再入国することも、基本的には外国人の他国への入国に当たるものである。」云々という考え方が出ているわけでございます。 考え方といたしましては、いわゆる合法的永住者がその居住国といろいろ生活上のつながり等があるという点につきましてはまさしく先生御指摘のとおりでございますけれども、基本的な考え方としてはやはり外国人の入国の問題である、そして実定国際法の問題といたしましては、外国人の入国につきましてはその入国の対象になる国の裁量の問題であるという考え方でございます。 したがいまして、具体的にどのような方がこの宣言の十一条に当たるかという点につきましては、先ほど国連局長が答弁いたしましたようにその範囲が明確でないということはございますけれども、基本的な考え方としては今申し上げたとおりだと思います。 なお、この作業部会におきまして我が国と同じような考え方を示した国が幾つかあると承知しております。例えば西独、これは当時コメントを出したときはまだ西独でございましたが、などは、本件は入国の権利の一側面であるが反対されるべきものであって、十一条の削除を提案するということを言っております。また、フィンランド、英国も同様な考え方からこの十一条に対する疑義を呈しております。
○委員長(岡野裕君) 竹村君、時間が参っております。
○竹村泰子君 ちょっとお答えが長いものですから時間を少しオーバーしてしまって、最後に一問だけ聞いて終わりたいと思います。 逆に、日本における永住者の日本への帰国を権利として認めた場合どんな不利益が生じるのでしょうか。不利益が生じるとお考えならば具体的にどういう点においてであるかお答えいただいて、終わりたいと思います。
○説明員(小山潔君) 基本的には、先ほど外務省の方からお答えがありましたように、やはり現在永住者といえども外国人であるということでありまして、これを全く日本人と同じようなわけにはまいらないということでございます。 ただ、それを実質的に補完するような意味合いにおきましては先生先ほどおっしゃられましたように再入国許可制度というのがございまして、また、この再入国許可制度と申しますのもやはりこれは法務大臣の裁量でございますけれども、いろいろそういった外国人の在留状況だとかあるいは渡航目的とかそういったものを総合的に勘案しまして、なおかつその永住者等につきましてはそういったことまでも十分にしんしゃくいたしまして許可するというように行っておりますので、大体余り不便のないようにはなっておるのではないかというふうに考えております。
○竹村泰子君 全然私の聞いたことに答えていないですが、次にしましょう。 終わります。
○中西珠子君 私は、平成三年度外務省所管一般会計歳出予算各目明細書、これにつきまして少し細かい質問をさせていただきたいと思います。 まず、一ページ目の「外務本省一般行政に必要な経費」の中の人件費というものについて伺いますが、外務省では諸外国との時差の関係などから夜間も勤務せざるを得ない職員の方も多いと思います。殊に湾岸危機、湾岸戦争の間は昼夜を分かたず多忙をきわめられたと思いますが、超過勤務手当というものがどのようになっているかお聞きしたいわけです。 その一ページ目に夜間特殊業務手当というのがありますが、この夜間特殊業務手当とただの夜勤手当との相違点、特殊業務とはどういうものですか。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 夜勤手当と夜間特殊業務手当についてのお尋ねでございますが、いずれの手当も給与法に基づく手当であることには変わりありませんけれども、手当の中身はそれぞれ給与法の定めるところによって別個のものでございます。 すなわち、夜勤手当でございますが、正規の業務時間として午後十時から翌日の午前五時までの間に勤務することを命じられる職員に対して支給されるもの、これが夜勤手当でございます。 それから、夜間特殊業務手当でございますが、これも給与法に定めがございますけれども、著しく危険、不快、不健康または困難な勤務その他の特殊な勤務に従事する者に支給される特殊勤務手当、その一つの形態がこの夜間特殊業務手当ということになります。
○中西珠子君 夜間特殊業務手当はわかりましたのですが、危険とか不健康とか困難なということは、具体的に例を挙げていただくとどういうことですか。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 外務省の場合は電信課の夜間輪番勤務者、すなわち、二十四時間体制で電信の発電授受をしておりますから輪番制をとっておりますが、この夜間輪番勤務者がまさにこの夜間特殊業務手当に該当する勤務者でございます。
○中西珠子君 超過勤務手当というものはフルに支給されていますか。支給についてシーリングがありますか。
○政府委員(佐藤嘉恭君) お尋ねの超過勤務手当につきましては、もちろん一定の積算のもとに計算をされておりますけれども、なかなか勤務時間とのバランスの関係もございまして現実には十分な状況でないということは、残念ながら申し上げざるを得ないと思っております。
○中西珠子君 平成三年度は百十名増員なすったわけですけれども、限られた定員の中で外交を強化していらっしゃるにはどうしても超過勤務というものが必要になると思うんですが、それにつきましてはやはり十分な予算をとっていただいて、手当を全然もらわないで、いわゆる民間でサービス残業といいますね、ああいうものが多くては大変お気の毒だと思いますので、この点はフルに超過勤務手当は出すという方針でやっていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 御趣旨を踏まえて、今後勤務時間等について十分配慮いたしてまいりたいと思います。
○中西珠子君 お願いいたします。 それから、大変細かいんですが、ちょっと私が好奇心に駆られておりましてお聞きいたします。 五ページの庁費の中に外交用器具等購入費とい うのがあるんですね。五億八千九百九十六万円入っておりますが、外交用器具というのは一体どういうものでしょうか。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 細かい表示で恐縮でございますが、その中で主要なものは、在外公館と外務本省間の通信にかかわる各種器材、そういうものを想定しているわけでございます。
○中西珠子君 それから、六ページに招へい外国人滞在費というのがございまして、これは国・公賓等滞在関係経費というので三億二千九百五十三万円入っていますが、大体何名を積算の基礎になすっていらっしゃいますか。何名の御予定ですか。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 平成三年度、国公賓につきましては、まず国賓及び公賓でございますけれども、年間八件分の予算を計上しております。それとあわせまして、公式実務訪問賓客、こう申しておりますが、何回も御訪問になる国公賓クラスの方、政府首脳の方がございます。そういう方を実務的にお迎えするというような趣旨も含めたものでございますけれども、国公賓に準じまして、来年度年間七件分を計上させていただいておるわけであります。 そのほか、非公式に来られる方もございますが、その際実務的な会談を持たれるというような希望もございます。あるいはまた、外務省の賓客という形でお招きをするという形式もございますから、その分として十七件を計上させていただいておるわけであります。
○中西珠子君 その次に、文化人等招へい費というのがございますね。その各国報道関係者招へい費というのはこれは何名ぐらいを予定していらっしゃるんですか。
○政府委員(佐藤嘉恭君) いわゆる中堅指導者招聘制度というふうに申しておりますけれども、私ども、将来対外関係を担っていく上で重要な役割を期待されるという実務者が多々おられるわけでありますが、そういう方々をお招きして我が国の実情の視察あるいは我々政府関係者との意見交換というものを持っていただき相互理解を確認したいということで……
○中西珠子君 ちょっと、私時間が少ないので、何名ぐらいを予定しているか、積算基礎は何名かと言ったんですから、それを答えてください。ほかのことはわかっております。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 全体で二百八名でございますが、内訳は省略いたします。全体で二百八名でございます。
○中西珠子君 それは各国中堅指導者招へい費ですね。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 中堅指導者についての総数が二百八名でございます。
○中西珠子君 じゃ、報道関係者は。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 報道関係者につきましては百五十八名でございます。これは個人でございますが、テレビのチームとして招待している件が十二チームありまして、三十六名でございます。
○中西珠子君 はい、どうもありがとう。 その次に、国有資産所在市町村交付金というのがあるんですけれども、この国有資産というのは何ですか。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 具体的には私どもの公務員の宿舎になりますけれども、これは御案内のとおり国有資産等所在市町村交付金法というのがございまして、その法の定めによりまして、東京都区あるいは関係の自治体に交付するものでございます。
○中西珠子君 はい、どうもありがとう。 それから、やはり六ページの外交運営の充実に必要な経費というところに報償費というのがありまして十八億千六百三万円計上されておりますけれども、これは何のための何に対する報償ですか。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 御案内のように、報償費につきましては一般に、国が事業を効果的に遂行するため当面の任務と状況に応じそれを機動的に使用するというのが経費の趣旨でございますが、外務省について申し上げれば、情報収集及び諸外国との外交交渉ないし外交関係を有利に展開するために使用しているものでございます。
○中西珠子君 それは外務省職員だけを対象としていますか。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 外務大臣のもとで外務省職員が使用しているものでございます。
○中西珠子君 職員だけを対象にしているんですね。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 対象は外部の人間ですが、使用するのは外務省職員のみでございます。
○中西珠子君 はい、どうもありがとう。いろいろ細かいことをお聞きいたしますが、これは私が随分よく勉強したということですからお答えください。 十二ページに国際協力に必要な経費という事項があるんですが、これは先ほど軍縮会議のことが出ましたから、質問するつもりでしたけれどもやめます。 それで、十三ページに国際友好団体補助金というのがありますね。合計四千七百四十万円と書いてありまして、それで日本国際連合協会と日本ユニセフ協会への補助金と書いてあるだけでそれぞれの金額が書いてないわけですが、ただ定額と書いてありますけれども、できれば金額を教えていただきたいんです。
○政府委員(丹波實君) 先生のお勉強に大変敬意を表しますけれども、この定額と書かれておりますのは、一つは日本国際連合協会に対しまして二千九百八十一万円、それから日本ユニセフ協会に対しまして千七百五十九万二千円を補助金として交付するものを載せてございます。定額と書いておりますけれども、今申し上げた二つの額は昨年と同額でございます。
○中西珠子君 それから十五ページになりますが、NGOに対する補助金がことしちょっと上がりまして二億八千万円計上されていますね。これは昨年が二億二千万円だったんですが二億八千万円になっているということで、少ないながらも増加されたことは結構だと思います。しかし、これにつきまして、NGOの自己資金、自分が集めた資金とか補助金というものに対する税制上の優遇措置があるのかないか、これが一点です。 それからもう一つ、最近総理大臣の諮問機関である対外経済協力審議会、こちらで環境問題とODAに関する報告書をお出しになりまして、その中に、債務の自然保護スワップ、これに対して民間がもっと協力できるように税制上の優遇措置をしてほしいということが盛られていたわけでございますが、大蔵省はこの二つの点についてどのようにお考えになり、どのような対応をなさいますか。
○説明員(神原寧君) 民間による経済協力の分野に関する税制上の措置といたしましては、開発途上国に対する経済協力を目的とする一定の公益法人が特定公益増進法人制度の対象とされておりまして、当該法人に対して、その企業や個人が拠出する寄附金については損金算入上その優遇をすることとされておるわけでございます。 御指摘の御質問は、例えば経済協力等を行う任意団体についても特定公益増進法人制度の対象とすべきではないかというような御趣旨と思われますが、任意団体に対して直接税制上の優遇措置ということになりますと、税制上の特例措置を適用する以上はやはり公益性を担保しなきゃいかぬと。そういう観点から考えますと、例えばその寄附を受ける側の運営、組織とか経理が適正であることとか、あるいは相当と認められる業績を持続できることとか、あるいは受け入れた寄附金により役員等が特別の利益を受けないこと等その運営基礎の適正を求める必要がございまして、そういった観点から、対象につきましては公益法人であるものということにさせていただいているわけでございます。 したがいまして、そのようなチェックのきかない任意団体に対する寄附金については直接税制上の優遇措置を講ずることは困難ではないかというふうに考えております。
○中西珠子君 もう一つのスワップの方はどうですか。
○説明員(神原寧君) 対外経済協力審議会の報告書に指摘をされております債務の自然保護スワップにつきましては、その仕組みあるいは問題点等について関係省庁で検討が行われるものと聞いておりまして、したがって税制上の措置につきましては現段階では云々できませんですが、今後具体的な御要望があれば、その段階で検討すべき問題と考えております。
○中西珠子君 次に、外務省のODA予算、経済開発等援助費というものについてお伺いいたします。 十五ページに経済開発等援助費というのが千七百二十六億円計上されていますけれども、これは対前年度比六五%の伸び率ということで結構なんですが、一体どんなことをなさるおつもりなのか。これを拝見しますと、「うち国庫債務負担行為の歳出化」とあって、そして平成元年、二年、三年というふうに並んでおりますけれども、一体どのような国に対してどのような分野の援助をなさるのかさっぱりわからないわけです。御説明ください。
○政府委員(川上隆朗君) 先生御指摘の経済開発等援助費、これは基本的には無償資金協力の予算になるわけでございますが、無償資金協力は、開発途上国に対しまして自国の経済社会開発に役立つ施設の建設または資機材の購入のために必要な資金を供与するということでございます。開発途上国の中でも比較的開発のおくれた諸国を中心に無償資金協力を実施しているわけでございます。 まず、地域別でまいりますと、我が国と政治、経済、歴史的に緊密な関係を有するアジア諸国というものに重点を置いておりまして、毎年約五割の実績がございます。また、深刻な経済危機に陥っているアフリカ諸国等の地域に対する援助拡大にも政府は近年努力をいたしておりまして、アフリカに対しまして約三分の一程度の援助が無償資金協力としていっております。 本年度につきましては、いまだ予算を御承認いただいていない段階でございますけれども、具体的援助案件につきましてはほとんどすべての援助国におけると同様でございますが、我が国におきましても、国会で承認をいただいた予算の範囲内で政府が外交交渉の一環といたしまして相手国と交渉して決定するという方法で実施しているところでございます。 現時点で予算の内訳等の詳細について申し上げるわけにはいかないわけでございますが、アジア及びその他の地域の援助要請には十分こたえていくという観点から実施してまいる所存でございまして、予算の御承認をいただいた上は、基本的には従来の地域別配分のラインに沿った形で無償資金協力の実施を行ってまいりたい、こういうふうに思っております。
○中西珠子君 平成元年度の国庫債務負担行為、平成二年度の国庫債務負担行為、これについては国とか分野とかはわかっているはずでしょう。――時間が経過しますから、後で委員長のところに提出していただくようにしていかがでしょうか。今探していられるんじゃ困ります。これは私通告しておいたんですから、国庫債務負担行為について一体どういうことをどの国に対してやるのか。示すことができないということじゃないんでしょう。
○政府委員(川上隆朗君) ございます。
○中西珠子君 じゃ、それは後で提出していただくことにします。
○政府委員(川上隆朗君) かしこまりました。
○中西珠子君 これは毎年毎年ふえていて世界一になっているODA予算ですが、ほとんどが国民の税金なんですね。ですから、やはり政府は使途を明らかにする必要がある。そういう義務がある。ODA予算にはもっともっと公開性と透明性が必要だと思います。大臣、いかがですか。
○国務大臣(中山太郎君) ODAにつきましては、国会を初め、「我が国の政府開発援助」といったような白書等も国民に広く出版させていただいておりまして、できるだけ公開性、透明性を大きくしていくということが大事だと思っております。
○中西珠子君 外交の機密に属すことを出せと言っているわけじゃないんですね。既にもうやっている国庫債務負担行為を公開できないはずがない、こう言っているわけですから、委員長に御提出ください。 それから、平成三年度の政府ODA関係予算というのは、一般会計では全体の合計が八千八百三十一億円、これは八%の増加ということで大変結構なんですね。政府全体の事業予算としては一兆五千二百九十五億円ということで五・五%増しとなっております。 ところが、このODA予算というのは十八省庁にまたがって、それぞれの省庁がODA予算を要求しているわけですね。これの法的根拠は何ですか、これがまず第一の問題。それから、このODA政府予算全体に対するそれぞれの省庁のODA予算の比率、これはどうなっていますか。これは大蔵省、お答えくださるでしょう。
○説明員(田谷廣明君) お尋ねの平成三年度のODAの一般会計予算でございますが、ラウンドで申し上げますと、全体のうち約半分が外務省、それから三六%ほどが大蔵省、この二つで九割弱を占めておりまして、残りの一割強が残りの十六省庁という構成になってございます。
○中西珠子君 私も計算してみたんですけれども、警察庁が〇・〇一、総務庁が〇・一八、経済企画庁が〇・〇四、科学技術庁が〇・〇六とか、ずっとこうなっておりますね。今おっしゃったように九割弱が大蔵と外務で占められている。外務が一番多いということでございますが、こういう予算要求を十八省庁がなさる法的根拠は何ですか。
○説明員(田谷廣明君) それぞれの省庁が自分のいわば設置法に基づきまして権原が分かれているわけでございまして、それぞれに従って自分の所管分野について予算要求をし、私どもの担当の係がそれを査定しているという形になってございます。
○中西珠子君 大蔵省の主計局が、各十八省庁が設置法に基づいて予算要求をしてきたものを査定なさるわけですね。その査定なさるときにおいて、政府全体のODA予算を総合調整していらっしゃるということが言えますか。
○説明員(田谷廣明君) その点につきましては私ども主計局も問題意識を持っておりまして、中の話でございますが、私ども、経済協力担当という担当がございまして、そこで経済協力ないしODAという観点から予算を査定した方が効率的な財政運営ができるというものにつきましては極力一元化を図ってございまして、ちなみに、私どもの係でほとんどのものを見ておる。 ただ、中には、今先生御指摘ございました例えば警察庁でございますとかそういう細々した小さいものにつきましてはそれぞれの予算の担当係が見た方がいいというものもございますので全部私どもの係が見ているわけではございませんが、ほとんどのものが私どもの係で見ておりますというのが実態でございます。
○中西珠子君 経済企画庁の設置法の中には、経済協力に関する総合調整をやるという一項が入っているんですね。ですから、数年前に予算委員会で質問したときに、私のところでやっていますというお答えを経済企画庁長官からいただいたんです。 それで、外務省の方は外交交渉から交換公文の締結から何からすべてなさいますのですから、総合調整は自分のところでやっていますというお答えをそのころ大臣からいただいたわけでございますが、今回の外務省から御提出になりました国会に対する説明の中でも、総合調整は外務省でやっているというふうにお書きになっているわけでございますけれども、大臣は総合調整をやるのは結局外務省の仕事だと思っていらっしゃいましょうか。
○国務大臣(中山太郎君) ODAの実施につきま しては、対外関係の運営そのものに当たるため、外交一元化の見地から外務省が中心となって関係各省庁と協議の上調整をして相手国と協議をする、このような実施体制をとっております。
○中西珠子君 そうすると、経済企画庁は設置法に書いてあっても何もやっていない、外務省がやっていらっしゃるというのが事実だということですね。 とにかく、援助行政というものはやはり一元化していかなくてはいけないと思っているんです。十八省庁それぞれの設置法に基づいて予算要求なさるのも結構だし、それをまた大蔵省が査定なすって財政の面から総合調整をなすっていることも結構なんですけれども、やはり援助行政というものを一元化していかないと、これまで何回も指摘されているようないろんな問題が起きてくるわけですね。 そのような私どもの要望にこたえて、援助行政一元化と称して経済協力関係閣僚会議というのができましたね。発足以来、何回会合していらっしゃいますか。
○政府委員(川上隆朗君) 御指摘の対外経済協力閣僚会議でございますが、六十三年の十二月に設置されておりまして、設立以来六回開催されております。
○中西珠子君 どのようなことを御審議になりましたか。
○政府委員(川上隆朗君) これまでの審議といたしましては、毎年のODA予算等の我が国の経済協力の基本政策、サミット等の国際会議におけるODAに関する議論等、重要事項につきましてさまざまな角度から活発な意見交換を実施してまいったと承知いたしております。
○中西珠子君 そこには野党は締め出しですけれども、自民党の対外経済協力部会の部会長さん初め、お出になっているわけですね。
○政府委員(川上隆朗君) そのように承知いたしております。
○中西珠子君 三月二十九日の日本経済新聞に、ODA実施で政府は四指針を決めた。これは来月と書いてありますから四月に発表する。軍事費、武器輸出入、核兵器、民主化という四つの柱から成る指針をODA実施に当たっての指針として発表なさるということが出ておりまして、そのほかマスコミではいるんなODAに関する記事が今出ているわけでございますけれども、この四指針というのは本当にお出しになるつもりですか。
○政府委員(川上隆朗君) 一月以来の国会でいろいろな角度から、ODAとそれから軍事費との関係、ODAとそれから核兵器等大量破壊兵器との関係、それから武器輸出入等との関係といったような点につきまして御審議をいただいているわけでございまして、この点につきまして御案内のように海部総理より、これらの点をODA政策に反映させていくという御答弁がございまして、それに基づきまして政府部内で鋭意検討をいたしてまいっております。 今詰めの最終段階に入っているというところでございます。可能な限り早くこれを外に発表いたしたいということで準備いたしておるところでございます。
○中西珠子君 現在この四つの項目につきましても御検討中だということを伺って結構だと思いますけれども、今いろいろODAの要望が出ているときでございますから、こればかりでなく、やはり開発途上国の国民の草の根の人たちに届くようなきめの細かいODAをやっていくということも指針の一つとしてお入れいただきたいし、人権を制約しているような国とかそれから武器輸出をしている国、または武器を輸入して軍事大国になったイラクのような国という例も最近ございますけれども、そういうところに対してはODAを差し控えるというふうな、とにかくODA全体の理念と基本原則というものをそろそろ明らかにしたものを法律としておつくりになっていいのじゃないかと私は思うんです。 そして、十八省庁にまたがっている援助行政も総合調整をして効率的に運営していくということが必要だと思いますので、そろそろODAの基本法というのが日本にあっていいのじゃないか。国際的貢献を一層効果的にするためにはそういうODA基本法というのが必要だと思うんですけれども、大臣はどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 先ほど大蔵省からも御答弁がありましたが、実際ODA運用に当たりましては大蔵と外務とで大体シェアの九〇%を占めているということでございまして、私どもはそういう意味では予算の確保あるいは執行について現状でも外交的には余り大きな問題がない、そういうことで外務省が中心になってODAを今日まで進めてきたわけでございますが、新しく法律をつくってどうするといったような考え方は現在持っておりません。
○中西珠子君 ODAの理念や基本原則だけでも明らかにしたものをつくるということはどうでしょうか。そういうものもなしに、世界じゅうで一番多額の予算を使ってそして国民には余り知らされないという状況は非常に不透明であり不明朗と思いますが、どうですか。
○政府委員(川上隆朗君) 我が国のODAの基本的な考え方といたしましては、既に過去何度も政府の考え方を申し上げる機会があったかと存じますけれども、基本的には、南北問題の座標軸の原点でございます相互依存という視点、それからもう一つは、まさに政府開発援助を供与するもう一つの大きな視点でございます人道的な考慮、この二つの観点から我が国のODAを基本的な考え方として実施いたしておる次第でございます。 その目的といたしましては、先生も既に御案内のとおり、経済社会開発、民生の安定、福祉の向上といったようなことを目的といたしましてこれを実施いたしておる次第でございます。そのほか、日本のODAの基本的な原則といたしまして、例えば国会でも御決議をいただいておりますように、軍事的な目的のためにはこれを供与しない、さらには紛争を助長するようなODAは行わないといったような考え方も政府といたしましては累次御説明申し上げている次第でございます。
○中西珠子君 参議院において決議を採択しているんですが、今おっしゃったようなことは全部入っております。とにかく法的な根拠というものをつくるためにやっぱり基本法というものが必要だと私は考えているんですけれども、意見が相違しているということを認識いたしました。 それから次に、十六ページから十七ページに移りまして、国連関係です。 国連中心主義外交とおっしゃっている、その国連中心主義外交は非常に結構なんですけれども、マイナス日米関係というのがくっついているという批判もあるわけでございますが、とにかく、国連関係の機関に対する分担金とか拠出金の中で日本が世界第一位を占めているもしくは第二位を占めているのはどこですか。
○政府委員(丹波實君) まず、分担金の方でございますが、日本が一位を占めています国際機関の中で主要なものを例示いたしますと、ユネスコ、国際熱帯木材機関、国際エネルギー機関などがございます。また、日本が二位を占めている国際機関の主要なものとしては、国際連合本体、経済協力開発機構、国連食糧農業機関、国連工業開発機関、国際原子力機関などがございます。 拠出金につきまして日本が一位を占めている国際機関といたしましては、ESCAP基金、国連人口基金、国連障害者の十年基金などがございます。二位を占めております国際機関としては、UNHCR、中東難民救済計画、国連環境計画、国連人間居住財団などがございます。
○中西珠子君 国連人間居住財団は一位と聞いていたんですが、二位になりましたか。
○政府委員(丹波實君) 私が現在手元に持っておる資料では二位になっておりますけれども、チェックして、後刻先生に確認申し上げたいと思います。
○中西珠子君 今お示しになったように、国連機関に対する日本の分担金、拠出金というのは非常 に多額に上っておりまして、一位もしくは二位というのが多いわけでございますが、そういう状況にあるにもかかわらず、時々変なことを言われるんですね。 例えば、UNEPなんかも最近非常に拠出金がふえまして、UNEP国連基金というのがございますね、国連環境基金、これは予算書によると二十一億もお出しになるということになっております。それが来年の六月にブラジルで開催予定になっているUNCED、国連環境と開発会議、これに別途拠出を求められているんですか、私は別途拠出を求められているということをちょっと聞いておりまして、日本が拠出すると言っている額が大変少ない、こういうことも聞いているんですけれども、これはどういうことになっていますか。
○政府委員(丹波實君) 来年のUNCED、いわゆる国連環境と開発に関する国連会議の費用の問題につきましては、事務局の方から昨年の秋に至りまして拠出の要請が各国になされまして、日本の予算の作成過程との関係で必ずしも具体的に対応できませんでしたので具体的な金額は計上されておりませんが、今後どの費目から日本が拠出していくかということにつきましては現在検討中でございまして、国連環境基金の拠出金から出すことも排除はされておらないと。しかし、具体的な金額をどの費目からという点につきましてはいましばらく検討させていただきたいという状況にございます。
○中西珠子君 このように国連関係機関に多額の拠出をしているにもかかわらず、日本は国連の安全保障理事会の非常任理事国にもなっていないのですね。過去において六回なったそうでございますが、現在選挙に敗れてなっていないということはどういう理由なのでしょうか。
○政府委員(丹波實君) 先生ただいまおっしゃいましたとおり日本は過去六回非常任理事国になっておりまして、これは安保理のいわゆるP5以外の国といたしましては、理事国になった数としては多い。六回というのは数少ない国に入るわけでございます。 そもそも安保理の常任理事国でないというところに問題の発端があるわけでございますが、この点は国連憲章の成立経緯その他その他から先生十分御承知のところでございまして、敵国条項の問題とともに、問題は容易とは思いませんけれども今後これらの問題に時間をかけて日本が取り組んでいかなければならないという意味で、私は先生の問題意識と全く同じ問題意識を持っておるつもりでございます。
○中西珠子君 非常任理事国に選出されないということは、やはり日本が余り評判がよくないということになるのじゃないかと心配しているんですね。というのは、三分の二以上の票数が要るのですから。 それで、私は安保理のメンバーというものは少な過ぎると思うのです。百五十九カ国も加盟国があるのに、常任理事国が五つ、非常任理事国は十です。ですから、やっぱり国連加盟国の意思がもっと反映されるべきだし、そして将来日本が常任理事国になるというふうなことも含めて、この安保理のメンバーの数をふやさなければいけないと思うのです。 それで、旧敵国条項の削除を求めて外務大臣がもう常任理事国のいろいろな国に協力と理解を求めるために御努力なすっていることに対しては心から敬意を表するわけでございますが、これはやはり将来安保理の常任理事国になっていくための布石としてやっていただいているのかどうかということと、またぜひ近い将来において安保理のメンバーをふやして日本がなっていただきたい、このように希望しておりますが、大臣、いかがでございますか。
○政府委員(丹波實君) 一点だけ事実関係を。 先生、日本が現在理事国のメンバーでないということは日本が国際社会において評判がよくないということでは必ずしもございませんで、これは国連憲章二十三条に地理的な配分ということを考えて理事国をつくれという規定がございますから……
○中西珠子君 はい、それはもうわかっていますから結構です。ジオグラフィカルディストリビューションというのは地理的配分ということですよね、それはわかっているからおっしゃらなくていいんです。今大臣の御所信を伺っている。もう私時間がないのですから、大臣の御所信を伺って終わりといたします。
○国務大臣(中山太郎君) 明年理事国選挙がございますから、これに立候補するために各国に今支持の要請をいたしている最中でございまして、非常にいい環境になりつつあると私は感じております。 それから、将来の憲章改正の問題、これはいろんな国から要請が出ておるということを聞いておりまして、我々としては、積極的に理事国になるとともに、国連憲章の旧敵国条項、これを削除してもらうということで引き続き努力をしたい。そのようなことで我々は国連中心の外交というのが初めて堂々たる形が整ってくるのじゃないか、このように考えております。
○中西珠子君 どうぞ外務大臣、頑張っていただきたいと思います。御健闘を期待しております。 終わります。ありがとうございました。
○立木洋君 湾岸戦争後の中東問題に対する日本政府としての対応について質問いたします。 湾岸戦争の後に、外務省の方ではイスラエルとの関係を強化するということが再々強調されております。また、外務大臣もイスラエルを訪問するということが計画の中に入っておるということですし、先般の日米首脳会談でもアラブ・ボイコットの問題について見直しをするというふうなことが問題になったということも報道されていますが、イスラエルに対して日本政府の対応というのは今後どういう点が変化していくのか。現在のイスラエルに対する基本的な考え方というか方針といいますか、どういうものなのか、まずその点からお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) イスラエルに対して日本は今日までどのような態度をとってきたかということは、一つはパレスチナの、占領しているガザ及びジョルダン川西岸地域からの撤退、これをイスラエルに要請をしております。パレスチナに対してはイスラエルの国家としての存立を認める。一方ではパレスチナの人たちの自決権による国家の樹立ということを認めるようにイスラエルに要請をしている。こういうことでございますが、実際問題としてアラブ・ボイコットというものが存在している。これはしかし民間の問題でございまして、貿易をやる場合の姿勢というのは民間側に大きくよっているということを御理解いただきたいと思います。 また、今後どうするかということにつきましては、今回の中東湾岸地域における平和回復についてイスラエルが非常に慎重な姿勢をとって戦火の拡大を防ぐ効果を上げてきた、こういうことで、日本政府は今までイスラエルとの政治的な対話も非常に少なかったわけでありますが、これから政治的な対話を少し進めていく必要がある、このように実は考えております。
○立木洋君 今言われたようにパレスチナの問題、イスラエルによってゴラン高原だとかヨルダン川の西岸だとかあるいはガザ地区等が依然として占領されている、パレスチナ人の民族の自決権が侵害されているという状態があるわけですね。確かに、先般のイラクのミサイル攻撃に対しては自制をしたというふうなことはありますけれども、しかしこの問題はやっぱりきちっと解決しなきゃいけないと思います。 ただ、今言われた、民間の問題ではあるというもののいわゆるそういう貿易だとか投資等を促進していくというふうなことになるとまた若干変わってくるんじゃないかと思いますし、そういうようなイスラエル寄りの姿勢になったというふうなことが一部の新聞では報道されていますが、そういうふうに理解していいのか、あるいはそうではないというふうに明確に言われるのか、そこら あたりはどうなんですか。
○国務大臣(中山太郎君) 我々の国家が外交方針として大きく転換したという意味合いではないということを明確に申し上げておきたいと思います。 ただ、中東の地域における平和を確立していくためには日本政府としていかなることができるのかということを考えましたときに、やはりこの地域の中で重要な関係を持っているパレスチナ問題の解決のためにイスラエル政府と政治的な対話を続けていくあるいはその濃度を濃くするということは、極めてこの地域の安定のために重要であるという考え方を持っております。 実は昨日イスラエルの国務大臣が来られました。この方と私お目にかかって率直にお話をいたしましたが、この中東地域に対して一体どのような考え方でイスラエルはこれから話し合いを進めようとするのかということについて、やはりイスラエルとしては、例えば国境を接していないサウジアラビアとかあるいは湾岸の国々、こういう国々とは和平交渉のために協議をすることが比較的やりやすい、国境を接した国の方がむしろ難しいというような御意見もございましたが、エジプトとの関係でも、既にかつてのキャンプ・デービッドの話でエジプトとも話がしやすい。そういうふうな日本政府としてできることは、やはりこの地域の安定が必要でございますから、そういう意味で政治的に対話を進めるという考え方を実は持ったわけでございます。
○立木洋君 今答弁の中でお触れになっていなかったんですけれども、アラブ・ボイコットの問題、これについては、御承知のようにアラブ諸国としてはああいうパレスチナ問題というのがやっぱり根底にあって、イスラエルとの関係がああいう占領地域から依然として撤退されないという状況が長く続いている。そういう中で、合法的、平和的な手段といいますか、防衛的な手段としてああいう措置がとられてきた。 だから、アラブ諸国の中でイスラエルとの緊密な経済関係をやるようなことはしないように、あるいはまたアラブ諸国とのそういう経済関係を緊密に持っている諸外国、あるいは軍事的な影響、軍事力に対して向上を与えるようなそういう国々に対してもやっぱり自粛を求める、そういうふうな態度をとってきたわけですね。日本の民間の企業としてもそういうふうなことにならないようにということで一定の自粛をしてきたという経過があるわけです。 今度政府がそれに介入をしてそして投資や貿易を促進してということになると、これは事態がちょっと変わってくると思うんです。だから、そういうふうなことは政府としてはやっぱりやるべきではないと思うんですが、海部総理のアメリカでの発言を見てみますと、どうも介入して投資や貿易をイスラエルと促進してというふうなようにもとれるんですけれども、その点についての政府の基本的な考え方はどうなんですか。ちょっと明確にしていただきたい。
○政府委員(渡辺允君) アラブ・ボイコットの問題につきましては、政府といたしましては従来から、一方において自由な国際経済取引という観点から申しますとこのアラブ・ボイコットというものは自由な貿易ないし国際経済取引を阻害するということにもなりますので、その面では望ましくないものであるという考え方をとっております。他方におきまして、民間の商業上の取引と申しますものは基本的にこれは各企業がそれぞれ判断して行うべきものでございますので、これに政府として介入するあるいは政府として何らかの強制を行うというふうな立場にはないという考え方をとってきております。この考え方は現在においても基本的に変わっていないわけでございます。
○立木洋君 確かに日本政府が自由貿易という見地をとっておられるということはもちろんよく十分承知しているんですが、しかし例えば南アの問題でも、経済的な制裁をとるというふうなことがいろいろ国際上でも問題になってきた。これは自由貿易ということがあってもやっぱり必要な措置をとるという場合には国際的な取り決めとしてそういうこともあり得るわけで、現に今アラブ諸国においてパレスチナの問題が存在し、イスラエルが依然として占領地から撤退しないという状態が続いている中でアラブ諸国の合意としてそれができている。とするならば、そういう問題をやっぱり重視するという見地が一つは必要ではないかと思うんです。 つまり、それは自由貿易を阻害するからということで今度政府が介入して促進するんだというふうなことにはならない。だから、そういう意味では、政府が介入して促進するという意味合いではないというふうに理解していいわけですね、あの海部総理の発言は。
○政府委員(渡辺允君) 事実関係で申し上げますと、日本とイスラエルとの間の貿易関係は八五年から九〇年の五年間で、これは自然に商業上の取引の問題として三・六倍であったと思いますが増加をいたしております。したがって、この問題は基本的にはやはり政府が介入するという問題ではない、商取引の問題を民間の企業の判断によって行うということが基本であろうというふうに考えております。
○立木洋君 それで、この間、例えば一九七三年からの経過を見てみますと、当時第四次中東戦争があって石油危機が発生しましたですね。あの中で、石油を中東に依存している我が国としてはあのときは相当大変な影響が生じた。そういうことからアラブ諸国との関係をどうするかというのが非常に外交上大きな問題になって、それであのとき三木さんが、まだ総理になる前だったけれども特使として行っていろいろやった。 しかし、その問題というのは決して油ごいに行くのではない、中東の公正な平和に日本としてどう貢献するかということが大切なんだというふうになって、それであの当時から、当時の官房長官の二階堂さんも談話を発表して、イスラエルの完全な撤退を求める、そして国連憲章にふさわしい形でパレスチナ問題が解決されなければならない、そういう点から見てイスラエルの態度というのは今後よく見直して検討せぬといかぬというふうな談話を発表された。七九年は、パレスチナの独立国家という考え方を支持するということも大平首相の時代には言われた。 今パレスチナの代表が日本に来ていますが、こういう経過があるわけで、だから、基本的な本当の意味での日本政府のあり方としては、中東に対する対応というのはそのときそのときの情勢だとかあるいはそのときそのときの経済的な利害関係だけに左右されるのではなくて長期的な展望に立つと同時に、中東における公正な平和のあり方、これをやっぱり基本的な柱にすることが非常に大切ではないかと思うんですが、その点は今後とも貫いていくというふうな意味に理解していいんでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 日本政府といたしましては、国連決議の二百四十二を踏まえて、パレスチナ占領地域からのイスラエル軍の撤退ということがかねての主張でございます。
○立木洋君 それで、今回の場合日米首脳会談で、日本の新聞をごらんになったと思いますが、どこの新聞とは言いませんけれども、結局しかしアラブに対する態度をアメリカのブッシュ大統領から要求されて一変して見直してしまうというような、アメリカに対する忠誠心にアメリカ自身がびっくりしたみたいなことが報道されている新聞もあったわけですね。 だから、こういう問題でアメリカがとっている対応については、海部総理の発言によりますと、アメリカは世界の警察官として、そういう意味では果たす国は世界じゅうにアメリカしかないんだというふうな対応でアメリカの態度に接していくというふうなことでは、私は本当の意味での中東の公正な和平へ日本が自主的な努力を発揮するということにはならないと思うんですよ。 今のパレスチナの問題について、これはやはりイスラエルの占領地からの撤退ということを国際的に実現していくことが非常に緊急に問われている問題だと。これはイラクの事態から何を教訓として引き出すかという問題もあるわけですが、イラクが無条件撤退した後中東における問題というのは、これまでの経過を見てみますとパレスチナ問題というのが根底にあるわけですから、これをやっぱり公正にきちっと解決することが今国際的に問われている中東における最も重要な問題だろうと思うんです。 そうすると、アメリカを含めて国連でやはりパレスチナの民族自決権を確立するイニシアチブをとって、イスラエルやパレスチナの当事国を含めて国際会議を速やかに開催すべきだということを日本政府としては積極的に主張することが私は大切じゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。 〔委員長退席、理事岡部三郎君着席〕
○政府委員(渡辺允君) このパレスチナ問題を中心といたします中東和平問題の解決に当たりましては、これは関係当事者も非常に多いことでございますし、この問題は交渉によって安保理決議二四二、三三八を基礎にして解決されるべきである、その交渉の枠組みとしてやはり国際会議というものが支持されるべきであるというのが私ども従来とってきておる立場でございまして、この立場については現在でも変わりはございません。
○立木洋君 これは前にこの委員会じゃなく別の調査会でお尋ねしたことがあるんですが、昨年の十二月六日の国連総会での決議ですね。パレスチナ解放機構を含む紛争のすべての当事者と安全保障理事国の五常任理事国が参加する中東についての国際和平会議の開催を再び呼びかけるということが十二月六日の国連総会での四五・六八決議の内容になっています。これに日本政府は賛成したんですね。反対したのがイスラエルとアメリカだったわけです。だから、今アメリカとしてはこの問題に関しては、イスラエルとの関係、立場を考慮して、早急に国際会議の提唱ということはしない立場をとっている。これはもう局長御存じのとおりだと思います。 日本政府としてはそういう点では明確に賛成しているわけですし、国連の中で百四十四カ国の多数の国々が同意をしている問題ですから、ですからこの点については日本政府が積極的に述べていくということをやるべきじゃないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(中山太郎君) 今、近ア局長が御答弁申し上げましたように、政府の考え方は従来と変わっておりません。中東の和平の回復のために国際会議を開くということについては、我々としてはかねてからの考え方を一貫して言っている、こういうことでございます。
○立木洋君 大臣、その変わっていないということは何回も強調されてわかるんですが、重要なことは、やっぱりブッシュ大統領との会談で海部さんがきちっとこの問題について、中東の湾岸戦争後の事態というのはこの問題が最大の問題ではないか、だから国際会議の開催ということは非常に重要じゃないかということを申し述べて、日本政府の立場としてそれを明確にすることが私は重要だと思うんです。 〔理事岡部三郎君退席、委員長着席〕 イスラエルとアメリカがこれについて賛成をしなかった。問題は、先月でしたかブッシュ大統領とフランスのミッテラン大統領が話し合いをして、このPLOに対する対応と国際会議の問題についての点が意見が違うんですね。それから、ベーカーさんがソ連に行ってベススメルトヌイフさんと会談した場合でも、この問題はえらく意見が違うんです。しかし、それぞれきちっと述べているわけですね。だけれども、日本の場合は日米首脳会談の内容を見ても述べていないんですよ。ただ国会で私たちの立場は変わっていません、変わっていませんと言っても、最大の問題はアメリカ自身がどういう態度をとるかということが問題になっているわけですから、この問題については日本政府がきちっと述べる。 アメリカ自身の態度では今の国際的な状況から見て本当に中東の公正な和平を解決していく道筋になりませんよということをきちっと述べて、その点はもっとよく検討しなさいということを主張することが、私はそういう意味では自主的な立場ではないか。そういうふうにされたら自主的と変えても結構ですよね、松浦さん。だから、私はそういうことを言いたいんです。言うべきことを会談で言わないでいたんじゃだめじゃないかということを言いたいんですが、今後きちっとそういうことを機会あるごとに述べていくというお考えをお持ちなのかどうなのか、外務大臣にお聞きしておきたいと思うんです。
○国務大臣(中山太郎君) 米国にしても、中東の和平については和平が構築されることを期待していると私どもは思いますし、その和平の構築のためにパレスチナ占領地からのイスラエル軍の撤退ということがやはり重要な要素になってくる。私どもはかねてその主張どおり、今後もそういう考え方で進めていきたいと考えております。
○立木洋君 どうしてかといいますと、今度の日米首脳会談の内容を見てみますと、例えば日米経済協議の問題がございまして、建設の問題だとか半導体の問題だとか、記者会見の冒頭ですかにブッシュさんが述べた。だから、どうもこの問題は会談で問題になったようでもないですし、なっていないみたいなことが新聞では報道されていますが、しかし国会ではその問題についてはきちっと、日米経済協議で問題になったことについてはアメリカ側もやらなくちゃいかぬことはやらぬといかぬのだ、そういうことは言ってきますよと海部さんは言ったんだけれども、どうもそれも言ってきていないみたいだというふうなこともありますし、それから中南米の支援基金の問題でも、名古屋での会議では、どうもヨーロッパではいろいろな問題で極めて慎重だし意見が述べられているというけれども、さっと受け入れて海部さんはアメリカの言うとおり言うことを聞いてきた。五億ドルですね。 どうもきちっとした会談が、本当に何のために日米首脳会談を今度やったんだろうかということまで疑わせるような事態にあるわけですから、そこらあたりは、外務大臣、よく考えていただいて、何も中山さんに海部さんを指導してくれなんという意味じゃございませんが、日本の外交のあり方の問題としてはきちっとせぬといかぬということを強調しておきたいと思うんです。 そういう意味で、中東の問題については今非常に重要な時期に来ているわけですから、その点については日本が自主的な姿勢をとれるように再度強く要求しておきたいと思いますが、いかがでしょうか。それの答弁を聞いて、終わります。
○国務大臣(中山太郎君) 日本政府としても、中東の恒久的な和平の実現のために主張すべきことは主張してまいります。
○中村鋭一君 大臣、海部総理がアメリカにいらっしゃいました。この前の委員会で短い時間ではありましたが海部総理に質問の機会を得たのですが、その節私は、ジョージ、トシキとお互いが愛称で呼び合うような仲であるならば、互角対等にいい関係をつくって言いにくいこともはっきりと言ってきてくださいとこの席で総理にお願いを申し上げたんですが、報道されました共同記者会見を見ていますと、ブッシュ大統領は終始一貫プライムミニスター・カイフとこうおっしゃって、一度もトシキとは言わなかったですね。 海部総理は、失礼ながら取ってつけたように、書いた原稿の冒頭にジョージとこう何回か言っていらっしゃいました。何か私ちょっと恥ずかしいような気がしないでもなかったんですが、大臣、どうでしょうか、あの首脳会談は本当に和気あいあいたる雰囲気の中で、しかも言いにくいこともはっきりと言う。ということは、日本の国益を代表して海部総理は主張するべき点はきっちりと主張をして、そのことに対してジョージ・ブッシュ大統領は、トシキと呼びたいぐらいの親愛の情を持ってそのことを真剣にお考えになった、そういう評価をなさいますか。
○国務大臣(中山太郎君) 今回の日米首脳会談につきましては、私は、総理も現在の日本の考え方というものを十分、テタテートという二人だけの会談では主張しているという認識を持っております。それはどういうことをこの会談で言ったかということは具体的に申し上げるわけにいきませんけれども、最近のアメリカの国内の対日批判、それに対する日本の国民の感情、こういったものについても具体的に総理大臣は大統領に対してその問題点を指摘している。 この両国の長い友好関係を堅持するためにお互いが理解し合うという必要性を主張したと私は理解しております。
○中村鋭一君 もし差し支えなければ教えていただきたいんですが、米の問題は、何かアメリカ側の感触では、米の自由化はそう遠くない将来に日本が前向きにこれを処理するということを海部総理が約束したかのような私は印象を受けましたが、海部総理はこれはすべてウルグアイ・ラウンドで決着をつけるんだ、このようにおっしゃっておりましたが、どうなんでしょう、海部総理は米のことについてはどのようにジョージ・ブッシュ大統領におっしゃったんでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 当日日米首脳会談に同席しておりました松浦北米局長がおりますから、北米局長からお答えをさせていただきます。
○政府委員(松浦晃一郎君) 先生の言及されました米の問題でございますが、まさに先生が述べられましたように、それはウルグアイ・ラウンドが取り上げられました際に言及があったわけでございまして、ブッシュ大統領からまず話がありまして、米の問題が日米関係に影を落としている問題の一つであるというコメントがございました。それを踏まえまして、ウルグアイ・ラウンドの成功のために協力してほしいという発言があったわけでございますけれども、それに対しまして海部総理からは、日本としてもウルグアイ・ラウンドの早期かつ成功裏の終結を目指している、そのために日米間で緊密に協力をしていきたい。 それからさらに、農業交渉の重要性も認識しているということ、それから日本が世界最大の農産物純輸入国として自給率が極端に低くなっていること、それから、米については、各国が農業問題ではいろいろ困難な問題を抱えているわけでございますが、これはECしかりアメリカしかりでございますけれども、こういう問題とともにウルグアイ・ラウンドの中で解決すべく努力していきたいということを言われまして、それからさらに、我が国にとり米が食生活及び農業等において格別な重要性を有していることを十分配慮した解決でなければならない旨を言われました。 ちょっと長くなって恐縮でございましたけれども。
○中村鋭一君 ということは、松浦さん、海部総理は決して将来において米の自由化を認めるということはジョージ・ブッシュ大統領には一切言っておられないわけですね。
○政府委員(松浦晃一郎君) 海部総理がブッシュ大統領に言われたことは、今私がちょっと長くなりましたけれども御紹介申し上げたとおりでございます。
○中村鋭一君 大臣、中国へおいでになりまして御苦労さんでございました。私からお尋ねいたしますけれども、いかがでしたか、感触といいますか、中国の姿勢といいますか、やわらかかったんですか、それともやはりかたい態度だったんですか。
○国務大臣(中山太郎君) 中国式にいえば、熱烈歓迎ということでございました。
○中村鋭一君 とすれば、さっき宮澤委員もお尋ねでございましたけれども、大臣は、しかし基本的には中国のそういった対日、対ソの姿勢等は変化はないというふうにたしか先ほどお答えになったように思うんですが、それはそうなんですか。
○国務大臣(中山太郎君) 対ソ関係という問題は、中国は対ソ関係を今いい状況に維持したいという意思が強いという認識を受けております。また、日本に対しては、中国を孤立させない、天安門事件以来日本政府がとり続けてきた対中政策等を大変高く評価しているということでございます。
○中村鋭一君 外交というのは、単に条約とか一字一字の字句にあらわれない、実際の交渉の場所では相手の表情でありますとか単語の選び方とか笑顔一つでも、その国の大統領や首相が日本という国をどのように理解し評価しているかということがあると思いますので、そういう点で、相手国に対して礼を失しない程度に、私は何遍も言いますけれども我が国の国益というものを念頭に置いて、やはりきちっと主張すべき点は主張すべきである、このように考えるものでございます。 イラクのクルド人の難民の問題が今国際的な一つの大きな議題に浮上してきたわけですが、外務省、どうでしょうか、この中東湾岸戦争が終わった時点でそれから一カ月を出ない間に、一説によれば数百万人、二百五十万から四百万というようなクルド人の難民が発生するということについて一つの予測はありましたでしょうか。
○政府委員(渡辺允君) イラクにおきましては北部のクルド人の問題それから南部におけるシーア派の問題等が湾岸危機後に発生しておるわけでございますが、イラクという国に本来存在するこのような歴史的な、あるいは宗派的、民族的な問題があるということは私どももそういう認識でおりましたけれども、今回の事態というのは恐らくその私どもの予想を超えたものであったというふうに考えます。
○中村鋭一君 現在、きのうもテレビを見ておりましたら、アメリカが航空機で食糧を難民の皆さんに投下しておりました。そういうのを見ておりまして、やはりアメリカというのは立ち上がりが早いというのですか、論議するより先に、現にここで今寒さに苦しんだり食べ物がない人がいれば、とにかくもう理屈を超えてパラシュートに食糧をつけて落としてやるんだというそういう行動力みたいなものがありまして、なかなかいいなと思って見ていたんですけれども、今の日本政府のこのクルド人の難民に対する対応の計画、それから実行の日時といいますか、その早さといいますか、その辺はどうなっていますか。
○国務大臣(中山太郎君) 日本政府はこのクルド人避難民のために、先回の湾岸戦争のときにUNDROに拠出しました三千八百万ドルの資金のうち約千七百万ドルが未使用になって残っておったわけです。それについて、その中から一千万ドル、緊急にクルド人の難民のために振り向けるということを政府として要請をして、それを直ちに実行いたしました。 なお、先ほどの御質問でもお答えいたしましたように、緊急援助隊をごく近い時期に出発させるように現在準備を進めている最中でございます。
○中村鋭一君 こういう立ち上がりは本当に早いほどいいと思うんですね。ですから、今大臣がお答えいただいたのは大変結構なことですけれども、例えばすぐにヨルダン航空の民間機をチャーターして、アメリカと同じように食糧を積んで飛ばして難民の上にさっと落としてあげれば、それは国際的な評価も、今度は日本は立ち上がりが早かったな、現実具体的にこういう行動に出たなといって大変世界の皆さんからお褒めをいただける、こう思いますので、外務省もやっぱりそういう腰の軽さ、行動性みたいなもの、これをひとつお願いをしておきたい、こう思います。 それから、外交には当然ながら一貫性と一元性が必要だ、こう思うんですが、小沢幹事長がおやめになりましたね。直前にソ連に行かれアメリカに行かれ、それでおやめになった。ゴルバチョフ大統領がすぐにお見えになりますから、私はこの間も、これはやっぱり二元外交でぐあいが悪いぞ、こう言ったつもりです。 二元外交でぐあいが悪いのに、今度は全く一貫性がなくなりましたね。じや、小沢幹事長は何のためにソ連とアメリカに行かれたのか。十二分に小渕新幹事長に申し継ぎをされたのかどうか。これは自民党の中でも、きのう副幹事長がそのことを言っておられました。一貫性がありませんから小沢さんにはやめてもらっちゃ困るんだということを佐藤副幹事長が言っておられましたが、この 辺については、大臣、どういうお考えをお持ちですか。
○国務大臣(中山太郎君) 政府と与党自民党との間に考え方のずれはございませんから、そういう意味で、幹事長が今回おかわりになっても従来の方針というものは変わらないというふうに御理解をいただきたいと思います。
○中村鋭一君 それは大臣、私がこうお尋ねすればそのようにしかお答えができないと私は思いますけれども、やっぱりぐあいが悪かったなと私は思いますよ。やめるんだったら、はっきり言って、今日都知事選がこのような結果になることは各種の世論調査でわかっていたわけです。とすれば、じゃ何のために小沢幹事長はソ連とアメリカに行かれたのかという私は疑問を持たざるを得ない、こう思います。 ロシア共和国のエリツィン最高会議議長が、ゴルバチョフ大統領の訪日に関連いたしましてロシア共和国の代表の訪日をお決めになりましたね。外務大臣、どうなんでしょうか、日本政府としては、ゴルバチョフさんがお見えになりまして例えば現実具体的に北方領土の交渉に入った場合、ゴルバチョフさんだけを相手にするんですか、それともロシア共和国の代表も交渉の相手になるんですか。
○国務大臣(中山太郎君) ソ連政府の外交責任はどこにあるかといえば、それはソ連邦のいわゆる政府にあると。言えばゴルバチョフ大統領を中心としたソ連邦の外務大臣、これが外交の窓口であるという御理解をいただきたいと思います。 しかし、この間ベススメルトヌイフ外相が来られた場合にはやはりロシア共和国の外務大臣が同行されまして、私との会談には終始一緒に話をされたということを申し上げておきたいと思います。
○中村鋭一君 ここで私、外交の先見性と外務省の姿勢についてちょっと苦情を申し上げさせていただきたい、こう思うんです。 昨年の六月十四日の当委員会において、私はこのような質問をさせていただいたんですね。これは私の発言――ソ連の共和国が独立をする、その可能性が非常に近い将来にやってくるかもわからない。きのうの新聞を見ていますと、ロシア共和国はロシアのコンスティチューションがUSSRのコンスティチューションに優位に立っている、こういうことを主権宣言という形で採択をいたしました。ですから、連邦法よりもロシア共和国の憲法が優先する、こういうことですね。そうなった場合、例えば平和条約を締結するあるいは領土の返還交渉をするという場合に、交渉の相手国はこれはどこになるんでしょうか。 政府委員都甲さん――今現在ソ連で考えられておりますことは、やはり連邦と共和国との権限関係をもう少し明確にしようという動きが出ていることも御承知のとおりでございます。 中村鋭一――例えば北方領土は相手方はロシア共和国になるのか、そしてその交渉の相手としてはゴルバチョフさんではなくてエリツィンさんになるんだろうか、その場合のことをお尋ねしているんですが。 政府委員都甲さん――世界にはいろいろな連邦があるわけでございますが、ドイツにしてもアメリカにいたしましても、そういう中央政府と各共和国あるいは州の権限というのが明確にされていく中で、そういう問題をどこが究極的に権限を持つかということが決まるわけでございます。云々とありまして、今後のソ連の共和国と連邦の関係も、あるいは、領土主権において外交主権において中央政府が最終的な権限を持つ、そういう関係になっていくかもしれない。そういうことで、現在の時点でこれについて予断をするということは余り有益な議論ではないと私は考えております。 御本人がいらっしゃいませんのであれですけれども、ここで時間が来てしまったんですが、これ、「余り有益な議論ではないと私は考えております。」と都甲さんはおっしゃったんですね。 それは都甲さんのおっしゃることの中には、ロシア共和国がどうなろうが最終的にはソ連邦、ソ連政府が交渉の相手だから、中村さん、あなたが言っているようなことはまずあり得ない。あり得ないというようなことについて推論に基づいて言うことは有害であって全く有益なことではないと、このようにおっしゃっているわけでございますが、これはもう大臣御存じのように、あれから十カ月の間に情勢は全く変わりまして、これは二月九日の朝日新聞ですが、エリツィン議長が発言、北方領土は返さない。北方領土交渉訪日に共和国代表も、エリツィン・ロシア議長大統領に要求、拒否ならば合意は無効。もうこういう報道がいっぱいされているわけですね。 ですから、これは最終的に確定はしておりませんけれども、昨年の六月の当委員会で私が指摘した心配といいますか、ある一つの可能性がこれは現実になっているわけです。だから、やっぱり私は外交交渉というのは、ましてタフな相手ですからいろんな場合を想定すべきである。そのことを私が指摘しているにかかわらず、有益な議論ではないと思いますと、かんで吐き捨てるように私は言われているわけです。 だから、このことについて、やはり都甲さんの発言はこれは政府を代表して言っていらっしゃることでございますから、その先見性のなさにおいて、そしてこういう国権の最高機関である委員会で私の発言を有害無益な発言であるかのようにかんで吐き捨てたことについては、これは釈明もしくは謝罪をしていただきたい、このように思いますがいかがでございますか。
○政府委員(兵藤長雄君) 中村先生の先見性には敬意を表させていただきたいと存じますが、また今の御指摘もございましたので、私は御質問がいろいろございます場合にも、ロシア共和国とソ連邦との関係については、これは今後の流動的な情勢の中で推移を見なければわからないということをお答えしておるわけでございます。 現時点でのお答えを申し上げますれば、大臣から御答弁ございましたけれども、現在の体制の中ではなおソ連邦政府、ソ連邦外務省が対外的な交渉、例えば日本との平和条約交渉はなお取り仕切っておる。その中に先生御指摘のようにロシア共和国の外務省の人たちが加わってきておるというのが現在の状況でございます。
○中村鋭一君 最後に一言。 とにかく、委員会というのは国会議員と政府委員がかんかんがくがく論議を交わすところに国民の負託にこたえる道があるんですから、しかも、私ははっきりと今の現状を十カ月前に指摘をしているわけですから、そのことを有害無益な論であるというふうに切って捨てるというような政府の態度は甚だ好ましからざるものである。あらゆることを想定して、あらゆる状態を想定して外交交渉に臨むのが外務省の態度でありますから、そのことをきっと申し上げて、私の質問を終わります。
○猪木寛至君 七日から名古屋で米州開発銀行の年次総会が行われておりますが、中南米というのは日本から大変距離があるわけですけれども、なぜこの時期に名古屋でこの年次総会が行われているのか、ちょっとお話をお聞きしたいと思います。
○政府委員(川上隆朗君) 米州開銀の年次総会、毎年ワシントン等のところで開かれるわけでございますが、今回につきましては、日本で開催する、特に名古屋で開催するということに意義があるということで、日本が主張して開催に至ったものと承知いたしております。
○猪木寛至君 先日日米首脳会談の中で、もう既に立木委員からもお話がありましたけれども中南米支援という部分で、今回五億ドルですか、そして毎年一億ドルずつということになっておりますが、これは大蔵省のこれまでの一貫した考え方として同基金には支援は困難という立場をとってきたと思うんですが、今ここでなぜこういうふうに中南米に対する理解というか考えが変わったんでしょうか。
○政府委員(川上隆朗君) 基本的な考え方といたしまして、中南米諸国における債務問題の解決、経済再建及び成長回復のためには、米州開発銀行、IDBを初めとする国際金融機関の役割がますます重要になるというふうに認識しておりまして、この一環として、我が国としては同銀行の機能強化に向けて今後とも積極的に支援していくという基本的考えでございます。 今回の開発銀行の中に設けられる基金、これは基金が設けられた暁にはこれに対して前向きに対応すると、そういう姿勢を大蔵大臣は名古屋でとられたものと承知いたしております。
○猪木寛至君 今回の湾岸の問題もそうなんですが、アメリカから言われるとすぐにオーケーをしてしまう。さっき立木委員からもありましたがパレスチナ問題においても。その辺で、今回私は中南米にぜひ支援をしてほしいという考え方を持っておりますが、一つはアメリカが、このニカラグア問題からずっと含めて、非常にアメリカ自体の赤字財政という中で中南米を支援していくというのが大変難しいだろうと、そういうことで日本にそのツケを回してきたんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(川上隆朗君) 中南米諸国は、先生御案内のとおり、長期にわたります軍政と経済的混乱から脱却して民主化と市場経済に基づく国内改革が進行しつつある、進捗しつつあるということで、米国を初めとする先進国からのこれら諸国に対する支援は今の時点で極めて必要性が大であるという認識でございます。 とりわけ、累積債務問題を抱える中南米諸国にとりまして、ソ連、東欧情勢等に世界の関心が集中して米国を含む先進諸国からの支援が期待できないのではないかという危機感があるわけでございまして、このような状況はアメリカとしましても新たに中南米関係構築の好機というような認識に基づきまして、中南米支援の構想をアメリカも積極的に進める。これに対して我が国も、先ほど申しましたような民主化と市場経済に基づく改革を支援するという基本的な姿勢からこれに賛同するという基本的な考え方でございます。
○猪木寛至君 中南米は大変な債務を抱えているという問題と、もう一つ今一番大きな問題となっておりますのは、ちょうどペルーのフジモリ大統領が来日されておりまして大臣はお会いになられたと思いますけれども、先日私どもも毛布の援助をしてほしいということでみんなで毛布を送ったばかりなんですが、今コレラの問題が非常に問題になっております。これに対する支援というのはもう既に行われたんですか。
○政府委員(川上隆朗君) ペルーに対する医療面の協力に関する御質問でございますが、コレラ禍に対しましては本年二月に医療品等から成る緊急援助を実施いたしておりまして、さらに、今般フジモリ大統領からの要請を踏まえまして、コレラ菌の検査薬及びコレラの免疫血清を緊急援助として実施することを決定してお伝えした次第でございます。
○猪木寛至君 一九九〇年の年次報告の中に、これからの実質成長率というのが、前年が〇・八だったのがまたことしは〇・九であろうという報告がなされておりますが、今そういう総会が行われて、これから将来、ブレディ戦略というんでしょうか、そういうものを取り入れている国が多くなってきた。そして、二〇〇〇年には恐らく五%の成長率になるであろうということが言われていますが、一方では、今現実にはそういうマイナス、成長が後退している段階ですが、これについてちょっと。
○国務大臣(中山太郎君) 経済構造自身が非常に悪いということが一つでありましょう。もう一つは、累積債務のいわゆる返済が停滞している。ペルーは二十二億ドル支払いが延滞しているわけでございまして、そういうことで手元に新しい資金が入ってこない。ここにペルーの経済再建の、またペルーに並ぶ南米のいろんな国がやっぱり累積債務が多い、そういうことで経済構造の調整を急がなきゃならないということが一つだろうと思いますし、いわゆるそれを推進していくためのいろんな経済協力あるいは技術協力といったようなものが要請されているという認識を持っております。
○猪木寛至君 全体として見たときに、これから中南米が本当に債務も返済しながら今言うような二〇〇〇年には五%成長を達成するというのは、私は今の状況では不可能ではないか。これから大変資源の豊富なブラジルの、資源のないところもありますが、そういう有効資源を利用するということについて、もう一つにはこのアマゾンの環境問題というものを抱えているわけですから、その辺について日本として、今まで日本が成長してきた、技術もそうですが経済のノーハウというか、そういうものの指導というのは考えておられますか。
○政府委員(川上隆朗君) 御指摘の今後の経済成長の問題でございますが、基本的には主要先進国からの援助それからいろいろな資金の流れといったものが必要であることは言うまでもないわけでございますが、これにプラスすることにやはり各国の輸出面での努力、つまり貿易、それから先進国からの投資といった、いわば援助、投資、貿易といったようなものが有機的に結びついて、今彼らが抱えている困難な債務累積問題を何らかの形で国際協調によって克服しつつ経済成長への軌道に乗せるために各国が協調して努力していくというような姿勢が必要なのではないかというふうに考える次第でございます。
○猪木寛至君 先ほど中国の武器の問題が出ていましたが、今ブラジルの場合を見ますと大変武器輸出国になっております、製造国でもありますし。そういう意味で、先日政府は武器輸出国には援助をしないということを発表されていますが、そうすると、ブラジルに対する援助というのはこれからそれの対象に入ってくるわけでしょうか。
○政府委員(川上隆朗君) 先生今御指摘の点につきましては、先ほどもちょっと御答弁申し上げましたけれども、今現在最終的な政府部内での調整中の段階でございまして、まだ政府としての方針は発表いたしておりません。 しかしながら、先ほども申し上げましたとおり、武器輸出入さらには軍事費の割合が非常に大きな国といったようなものに対するODAの供与というものを今後どういうふうにやっていくのかということについて検討していることは事実でございまして、それを具体的に指針を出しました暁にどういうふうに実施してまいるかというのは実は大変難しい側面がございます。 と申しますのは、ODAを供与するか否かということは、基本的には被援助国と援助国との二国間関係を総合的に判断して決めることでございますから、先ほど申しましたような点が重要であること、基本的な我が国としてのスタンスを持たなきゃいかぬという点についてはそのとおりであるとしても、それを適用するに当たりましてはやはり慎重な総合的な判断が要るのではないかというふうに我々はとりあえず考えている次第でございます。
○猪木寛至君 例えば輸入国に関してはこれはどうなんでしょうか。
○政府委員(川上隆朗君) 武器の輸出、武器の輸入といったものにつきまして、我が国としてはこれは残念ながら自分の統計を持っていないわけでございますが、例えば米国軍備管理軍縮局あたりの統計を見てみますと非常に多くの国が武器を輸出したり輸入したりしている、今、途上国の例でございますが。これはやはり各国ともみずからの安全保障をみずから確保するという権利、防衛の権利というものは持っているわけでございますから、やはり安全保障といった観点からも本件は慎重に判断しなければいけないということでございます。 したがって、武器輸入を行っている、これはまさにみずからの防衛政策の一環でございましょうから、そういう国に対して直ちに援助をどうこうするということでは必ずしもなくて、やはりだれが見ても、その国のある地域における安全保障上の地位からかんがみ、あるいはトレンドから見てその国の武器輸入というものが過大である、不必要に過大であるといったような判断をするときには、我々としてその旨を先方に指摘し何らかの措置を考えることがある、そういうような視点ではないかと思います。
○猪木寛至君 お話を聞いていて、輸出するところがあって輸入するところがある、買い手があるから売るところがあるという、これはやっぱり両面厳重なチェックをした上で考えていただきたいと思うんです。 それで、今回日米欧ということでの中南米支援基金に対して、この配分について大蔵省も一部不満を言われているようですが、これについてはどうでしょうか。アメリカ主導型でやっているにしては、アメリカの出資する分は少ないのではないかなと思うんですが。
○政府委員(川上隆朗君) 先般のIDB名古屋総会におきまして橋本大蔵大臣は、今御指摘の基金が設けられた暁には我が国として応分の資金拠出を行う用意があるという御発言をされたというふうに承知いたしております。その他の点につきましては発言の中には出てきていないというのが私どもの認識でございます。
○猪木寛至君 大臣にちょっとお伺いいたしますが、今後、先ほど申し上げた二〇〇〇年に五%成長ということは、これはその二〇〇〇年になってみなきゃわかりませんが、要するに、今の見通しとして中南米というのは全く希望がないのか、これからそういう支援をしていくことによって、本当に希望の星というか明るい見通しが生まれてくるのか、大臣としてのお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 南米の各国では、かねてからいわゆる軍人の政権が非常に多かったと思います。ここ三年ぐらい前から非常に民主化が進んできて、いわゆるこの新しい経済体制に入っていこうという努力が各国で見られるような傾向が強くなってきたということから考えますと、私どもはその南米が持っている資源の力、そういったものから、個々のそれぞれの国々がこの一つの経済政策を堅持していくということが可能であれば私は現在の経済的な困難を乗り切る可能性は十分ある、このように認識をいたしております。
○猪木寛至君 まあ世界全体を見ますと、もうかった国は大変少なくて赤字を抱えている国ばかりという、この収支は世界全体、地球上全体として見たときに実際にどこがもうかってどこが損をしているのか、損をしたところばかりが目立つわけなんですが、日本はこれから一番の経済大国として支援ということではいろいろ要望が多くなってくるわけですが、特に南米というのは、これ、全部が債務を抱えているという非常に厳しい状況にありますので、もうちょっと私も研究させてもらって、またいろいろ意見を言わせていただきたいと思います。 そういうことで、きょうはありがとうございました。
○委員長(岡野裕君) 以上をもちまして、平成三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十二分散会