科学技術特別委員会 第2号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1991/02/15
会議録
○委員長(和田教美君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る一月九日、吉川芳男君が委員を辞任され、その補欠として永野茂門君が選任されました。 ─────────────
○委員長(和田教美君) これより理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(和田教美君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に永野茂門君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(和田教美君) この際、山東科学技術庁長官及び本村科学技術政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。山東科学技術庁長官。
○国務大臣(山東昭子君) このたび、科学技術庁長官を拝命いたしました山東昭子でございます。 科学技術振興の重要性が強く指摘されるこの時期の就任に、その重責を痛感しております。 申すまでもなく、科学技術の振興は、二十一世紀に向けて、我が国はもとより、世界が平和で豊かな社会を築いていくために必要な最重要課題の一つでございます。 特に、創造性豊かな科学技術の振興は重要であり、この分野において世界に貢献する日本の役割はますます重要になってきております。 また、原子力についてもエネルギーの安定供給に不可欠な主力エネルギーとして、安全確保を大前提に、着実な推進を図るとともに、宇宙、海洋、ライフサイエンスなど先導的な研究開発についても積極的に推進していくことが重要であります。 このような政府に課せられた重大な使命を果たすべく、科学技術行政の責任者として、微力ではございますが、全力を尽くしてまいりますので、委員長初め委員の皆様におかれましても、よろしく御指導、御鞭撻のほどを心からお願い申し上げて、ごあいさつといたします。(拍手)
○委員長(和田教美君) 次に、本村科学技術政務次官。
○政府委員(本村和喜君) このたび、科学技術政務次官を拝命いたしました本村和喜でございます。 先ほど長官のごあいさつの中にありましたように、科学技術の振興の重要性につきましては十二分に認識をいたしておりまして、今後とも科学技術の振興に、微力でございますが、一生懸命努めてまいりたいと思っておるところでございます。 長官を補佐しながら職務を全うしたいと考えておりますが、委員長初め各委員の先生方の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、私の就任のごあいさつにさせていただきます。 ありがとうございました。(拍手) ─────────────
○委員長(和田教美君) 次に、科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。 まず、山東科学技術庁長官から、科学技術振興のための基本施策について、その所信を聴取いたします。山東科学技術庁長官。
○国務大臣(山東昭子君) 第百二十回国会に当た り、科学技術庁長官といたしまして、所信を申し述べさせていただきます。 科学技術の振興は、世界が二十一世紀に向けて平和で豊かな社会を確立していくために、また、私たち一人一人の夢のある国民生活を実現していくために、欠くことのできない最重要課題の一つです。 今日、科学技術が、国力の向上の原動力であるのみならず、人類共通のさまざまな課題の解決に大きな役割を果たすものであることは、世界共通の認識でございます。 特に、創造的・基礎的研究の振興は、その成果が人類共通の知的資産となるものであることから、今後とも積極的に進めていく必要があります。 また、国際社会において我が国が果たすべき役割がますます大きくなりつつあることを踏まえ、本分野においても国際貢献を一層進めていくことが重要です。 平成三年度におきましては、かかる観点に重点を置きつつ、次のとおり各種施策の積極的展開を図ってまいります。 第一は、活力ある経済の維持発展を図り、より豊かな社会と国民生活を創造するため、新たな科学的知見を開拓し次の世代の技術を培う創造的・基礎的研究を積極的に進めることでございます。 とりわけ、基礎的研究においては、研究者個人の独創性に負うところが大きいことにかんがみ、新たに独創的個人研究育成制度を発足させ、すぐれた発想を持つ研究者が主体的に研究できる環境の整備を図ってまいります。 第二は、科学技術を通じて国際社会に積極的に貢献することです。 特に、地球温暖化等人類の生存基盤に深刻な影響を及ぼすおそれがある地球環境問題については、英知を結集してその科学的解明等を進めてまいります。 また、人類共通の財産となる基礎的知見の蓄積を目的としたヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムを初め、国際的な研究交流の促進を図ってまいります。 第三に、先端的・基礎的研究のための大型放射光施設の建設、地域における研究開発機能の高度化、科学技術情報流通の促進等研究開発基盤の整備を図っていかねばなりません。 第四は、科学技術振興調整費の拡充、科学技術政策推進機能の充実強化等により、科学技術行政を総合的に進めることでございます。 第五は、原子力の研究開発利用につきまして、我が国のエネルギーの安定供給に不可欠な基軸エネルギーとして、安全確保を大前提に、着実に進めていくことでございます。このため、核燃料サイクルの確立、新型動力炉の開発、国際熱核融合実験炉の工学設計活動への参加を初めとする核融合の研究開発等を進めるとともに、安全確保対策の一層の充実強化を図ってまいります。 さらに、国民の悲願であるがんの撲滅のため、画期的な治療法である重粒子線によるがん治療の体制を整備いたします。 第六は、人類の新たな活動領域である宇宙の開発利用につきまして、技術基盤の確立を基本とし、人工衛星、ロケット等の開発を推進するとともに、国際協力による宇宙ステーション計画へ参加する等により積極的に取り組んでまいります。 第七は、海洋開発につきまして、「しんかい六五〇〇」等を活用した深海調査研究、地球規模の環境変化に大きなかかわりを有している海洋変動現象の実態解明を目指した海洋観測技術の研究開発等を多角的に進めていくことです。 第八に、人工衛星等を利用した地球観測技術の研究開発、地球規模で発生する諸現象の解明研究等を進めるとともに、首都圏直下型地震の予知のための広域深部観測施設の整備等防災科学技術の研究開発にも力を入れてまいります。 第九に、技術革新の先導的役割を果たしていくことが期待されている物質・材料系科学技術に関し、超電導材料、インテリジェント材料等の研究開発を進めていくこととしております。 第十は、広範な分野で人類の福祉の向上に資するライフサイエンスに関し、がん関連研究、ヒトゲノム解析研究、生体機能解明研究等基礎的・先導的研究開発等を積極的に推進いたします。 このような科学技術の振興を図っていくためには、国民の理解と協力を得ることが重要であることから、原子力の分野を初めといたしまして、きめ細かくわかりやすい広報活動等を一層充実強化してまいります。 以上、平成三年度における科学技術庁の施策に関しその概要を申し述べましたが、我が国の科学技術のより一層の発展のために、私といたしましても誠心誠意努力してまいる所存でございますので、委員各位の一層の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
○委員長(和田教美君) 次に、平成三年度科学技術庁関係予算について説明を聴取いたします。平野官房長。
○政府委員(平野拓也君) 平成三年度科学技術庁関係予算の概要を御説明申し上げます。 平成三年度一般会計予算において、科学技術庁の歳出予算額三千八百九十五億一千六百万円を計上いたしており、これを前年度当初歳出予算額と比較いたしますと、百九十六億七千八百万円、五・三%の増加となっております。また、電源開発促進対策特別会計において、科学技術庁分として歳出予算額一千二百九十二億四千五百万円を計上するほか、産業投資特別会計から日本科学技術情報センターに対し、三十八億円の出資を予定いたしております。以上の各会計を合わせた科学技術庁の歳出予算額は、五千二百二十五億六千百万円となり、これを前年度の当初歳出予算額と比較いたしますと、二百七十七億八千六百万円、五・六%の増加となっております。 また、国庫債務負担行為限度額として、一般会計一千四百四十四億七千九百万円、電源開発促進対策特別会計百七十二億三千万円を計上いたしております。 さらに、一般会計予算の予算総則において、原子力損害賠償補償契約に関する法律第八条の規定による国の契約の限度額を九千百九十億円とするとともに、動力炉・核燃料開発事業団法第三十四条の規定により、政府が保証する借り入れ等の債務の限度額として二百四十七億円を計上いたしております。 次に、予算額のうち主要な項目につきまして、その大略を御説明申し上げます。 第一に、創造的・基礎的研究の充実強化のため、百一億二千七百万円を計上いたしました。 まず、真に独創的な発想を持つすぐれた研究者を厳選し、研究者個人に自由に研究を実施させる独創的個人研究育成制度を創設することとし、このために必要な経費として五億四千万円を計上いたしました。 また、創造科学技術推進制度等の基礎的研究推進制度、基礎科学特別研究員制度及び科学技術特別研究員制度の拡充等に必要な経費として九十五億八千七百万円を計上いたしました。 第二に、科学技術による国際社会への積極的貢献を図るため、八百三億三千三百万円を計上いたしました。 このうち、主なものを申し上げますと、まず、国際的に積極的な対応が期待されている地球温暖化問題の解決に向け、地球温暖化解明予測を総合的に推進することとし、このために必要な経費として百三億六百万円を計上いたしました。 また、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムについては、プログラムの各事業を着実に実施するための拠出金を充実することとし、このために必要な経費として二十一億九千四百万円を計上いたしました。 また、外国の研究者の受け入れ等国際研究交流を促進するとともに、公共資料・研究情報等の国際流通を図ることとし、これに必要な経費として二十四億三千三百万円を計上いたしました。 このほか、科学技術振興調整費を活用して、効果的・効率的な国際交流を推進するため、新たに重点国際交流制度を創設することとしておりま す。 第三に、科学技術振興のための基盤の整備のため、百四十三億九千七百万円を計上いたしました。 まず、フロンティア研究の地域展開等地域における研究開発機能の高度化のために必要な経費として十一億六千万円を計上いたしました。 また、大型放射光施設について、加速器の製作、建物の建設等を推進することとし、これに必要な経費として四十八億九千六百万円を計上いたしました。 また、産学官の研究交流を促進するために必要な経費として三十三億六千百万円を計上いたしました。 さらに、日本科学技術情報センターにおける科学技術情報の流通を促進するために必要な経費等として、一般会計に十六億四千万円を計上するとともに産業投資特別会計から同センターに対し三十八億円の出資を予定いたしております。 第四に、科学技術行政の総合的推進を図るための経費として百十一億八千九百万円を計上いたしました。 まず、科学技術会議の方針に沿って重要研究業務の総合推進調整を行うため科学技術振興調整費として百五億円を計上するとともに、科学技術政策推進機能の充実強化、科学技術の広報啓発活動の推進に必要な経費として六億八千九百万円を計上いたしました。 第五に、原子力の研究開発利用及び安全対策の推進のため、三千六十四億三千五百万円を計上いたしました。このうち、一般会計において一千七百七十一億九千万円を計上しております。 まず、原子力安全規制行政及び核不拡散対応に必要な経費として二十一億五千六百万円を計上いたしました。 次に、日本原子力研究所においては、国際熱核融合実験炉、ITER工学設計活動参加を初めとする核融合の研究開発、高温工学試験研究炉の建設、放射線高度利用研究等を進めることとし、これらに必要な経費として九百九十六億九千百万円を計上いたしました。 また、動力炉・核燃料開発事業団においては、新型動力炉の研究開発及び核燃料サイクル確立のための研究開発等を進めることとし、これらに必要な経費として五百四十五億三千四百万円を計上いたしました。 また、放射線医学総合研究所における重粒子線によるがん治療装置の建設等治療体制の整備、理化学研究所における重イオン科学総合研究、国立試験研究機関等における原子力試験研究に必要な経費として二百一億四千万円を計上いたしました。 次に、電源開発促進対策特別会計歳出予算額のうち、科学技術庁分として一千二百九十二億四千五百万円を計上しております。 このうち、電源立地勘定においては、国民の理解と協力を増進し、原子力施設の立地を一層促進するための経費として二百八十一億一千五百万円を計上いたしました。 また、電源多様化勘定においては、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の建設、核燃料サイクル確立のための研究開発等を推進するための経費として一千十一億三千万円を計上いたしました。 第六に、宇宙開発利用の推進のため、一千三百十七億六千九百万円を計上いたしました。 まず、宇宙開発事業団において、地球観測プラットフォーム技術衛星等の人工衛星の開発を進めるとともに、熱帯降雨観測衛星の開発研究に着手するほか、HⅡロケットの開発、宇宙ステーション計画への参加等を進めることとし、これらに必要な経費として一千二百八十三億一千三百万円を計上いたしました。 また、航空宇宙技術研究所における宇宙科学技術の基礎的・先行的研究を進めるための経費として二十八億九千万円を計上いたしました。 第七に、海洋開発の推進のため、百六億六千六百万円を計上いたしました。 このうち、海洋科学技術センターにおいて、一万メートル級無人探査機の開発、深海環境研究開発、海洋観測技術の研究開発等を行うこととし、これらに必要な経費として百四億四千四百万円を計上いたしました。 第八に、地球科学技術の研究開発の推進のため、三百五十六億六千二百万円を計上いたしました。 このうち、人工衛星等を利用した地球観測技術の研究開発等の推進については、三百二十一億六百万円を計上するとともに、首都圏直下型地震予知のための広域深部観測施設の整備等防災科学技術の研究開発の推進については、三十五億五千六百万円を計上いたしました。 第九に、超電導材料研究マルチコアプロジェクトの推進、インテリジェント材料の研究開発の推進等物質・材料系科学技術の研究開発の推進のため百三十五億四千八百万円を計上いたしました。 第十に、がん関連研究、ヒトゲノム解析研究等ライフサイエンスの振興のため、百八十九億七千六百万円を計上いたしました。 最後に、革新航空宇宙輸送要素技術の研究等その他の重要な総合研究を推進するため、百七十億九千四百万円を計上いたしております。 以上、簡単でございますが、平成三年度科学技術庁関係予算につきましてその大略を御説明申し上げました。
○委員長(和田教美君) 以上で所信の表明及び予算の説明は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(和田教美君) 次に、関西電力美浜発電所二号炉事故に関し、科学技術庁から報告を聴取いたします。村上原子力安全局長。
○政府委員(村上健一君) 関西電力株式会社美浜発電所二号炉において、去る二月九日に発生した事故の概要とその後の状況について御説明いたします。 同炉は、加圧水型軽水炉、PWRで、定格出力は五十万キロワット、美浜一号炉に次いで我が国二番目のPWRとして昭和四十七年七月二十五日に運転を開始しています。 昨年七月に第十三回定期検査を終了し、定格出力で運転中のところ、二月九日午後零時四十分ごろ蒸気発生器ブローダウン水モニター指示値がわずかに上昇し、調査を行っていましたが、その後、午後一時四十分、タービン復水器についている空気抽出器のガス中の放射能をモニターしている装置の放射能レベルが上昇し、警報を発しました。 これは蒸気発生器に漏えいが発生し、一次側の水が二次側に漏れたものと推定されたので、手動停止の操作にかかりました。 この停止操作により原子炉の出力が低下し始めた午後一時五十分、空気抽出器ガスモニターが警報を発信するとともに原子炉内の圧力を一定に保つ役割を持った加圧器の圧力が低下したという信号を受け、制御棒が緊急挿入され、原子炉が自動停止いたしました。引き続き、加圧器圧力低下と加圧器内の水位低下の一致の信号を受け、緊急炉心冷却装置、ECCSが作動いたしました。 蒸気発生器の細管に漏えいが発生した原因はただいま調査中でありますが、現在までに得られた調査結果によりますと、A、B二基ある蒸気発生器のうちA蒸気発生器内の三千二百六十本の細管、これは直径二センチメートル強の逆U字型をした伝熱用の細管ですが、この細菅に何らかの理由で損傷が生じ、圧力の高い一次側の水が二次側に流れ込んだためであることが判明しております。 この結果、不足した一次側の水を補うために緊急炉心冷却装置が作動し、その一部を構成している高圧注入ポンプから原子炉中に水が注入されました。同ポンプは間もなく停止されて、その後は通常の冷却系を用いて原子炉は冷却され、翌二月十日午前二時三十分冷態停止状態、温度約九十三度C、圧力二十・五キログラム・スクエアセンチgになりました。 また、一次側から二次側に流入した放射性物質を含んだ水及び復水器の空気抽出器等を通じ、放 射能を有する希ガスの一部が環境中に放出されましたが、それらの量は年間放出管理目標値に比べ、液体については数万分の一、希ガスについては数十万分の一程度とされております。また、当該発電所周辺に設けられている環境モニタリングの数値は平常値を示しており、周辺環境への影響はありませんでした。 現在までに、破損箇所が水平方向で比較的中央部のX45、Y14の位置にある細管の、下から第六番目の支持板近傍にあることが特定されている状況でありますが、十五日現在、ファイバースコープ等を用いた点検等を行い、破損箇所を確認するための作業が進められております。 今後の予定といたしましては、現在行われている関西電力による原因調査の結果を踏まえて原因の究明が行われるとともに、必要な再発防止対策が講じられることになるものと考えております。 また、原子力安全委員会においては、本事故を重視し、十二日臨時会合を開くとともに、昨日の定例会合においても本件を審議いたしましたが、今後も引き続き所管行政庁等から調査状況について報告を受け、審議を行うこととしています。 当庁といたしましては、今回の事故が環境に影響を与えることはなかったものの、我が国で初めて緊急炉心冷却装置が作動したものであることは重大なことと認識しております。 今後、事故原因の徹底究明が図られ、それに基づいて万全の安全対策がとられることが重要と認識しており、今後努力をしてまいりたいと考えております。 ─────────────
○委員長(和田教美君) 次に、自然休会中、本委員会が行いました委員派遣について、派遣委員の報告を聴取いたします。岡部三郎君。
○岡部三郎君 委員派遣の概要について御報告申し上げます。 去る一月二十一日及び二十二日の二日間にわたり和田委員長、三上理事、太田理事、種田委員、吉川春子委員、小西委員並びに私の七名で、茨城県における科学技術庁所管の特殊法人二カ所三研究所と附属機関三研究所においてそれぞれ概況説明の聴取、関係研究施設の視察等、所要の調査を行ってまいりました。 以下、その概要について申します。 最初に、日本原子力研究所那珂研究所におきましては、二十一世紀前半における核融合炉の実現を目標としたJT60は、現在、性能の大幅向上を図るため、平成二年度末完了予定のもとに改造中とのことでありました。また、JT60の次のステップとしての国際熱核融合実験炉、ITERについては、日、米、EC、ソの四カ国共同による概念設計を完了、次いで工学設計の進め方について協議中であり、今後五年間で七百人の共同設計作業、同七億五千万ドル分の研究開発、RアンドD分担が予定されているほか、プラズマを一億度に上昇させるための加熱技術の研究開発等に着手しておるとのことでありました。 次に、同東海研究所におきましては、研究用原子炉三号炉、JRR3については、性能向上のための改造工事を終了し、昨年三月、高性能汎用研究炉として再度臨界に到達し、十一月から最大熱出力二十メガワットで運転が開始され、熱・冷中性子を用いたビーム実験等に利用されております。一方、運転を終了した発電用原子炉の廃止措置に対応した動力試験炉、JPDRについては、昭和六十一年度以降七カ年計画により平成四年度終了予定のもとに原子炉施設全体を対象とした解体実地試験等を行っております。 次に、動力炉・核燃料開発事業団東海事業所におきましては、昭和五十二年に運転を開始した再処理工場については、我が国における再処理技術を確立するとともに、国内再処理需要の一部を賄うため、年間九十トンベースの使用済み燃料の再処理運転を行っております。また、当事業所における高レベル放射性廃棄物の処理のためのガラス固化施設は、平成四年度よりホット運転を開始することとしております。 なお、六十二年に完成したプルトニウム廃棄物処理開発施設においては、可燃性TRU廃棄物については焼却後、その焼却灰をマイクロ波により溶融し、また、金属廃棄物については、エレクトロ・スラグ・リメルター、BSRにより処理するよう設計されているとのことでありました。 次に、防災科学技術研究所におきましては、地圏地球科学技術研究の一環として、関東・東海地域における地震活動に関し、同地域に設置した約八十カ所の観測点により、微小地震、地殻傾斜等を観測し、得られたデータのコンピューターによる自動震源計算などの処理を行っており、また、大地震の前兆現象を自動的に判別するための地震前兆解析システム開発を推進しております。 なお、土木構造物等の振動実験を行うための大型耐震実験施設は、従来から本四架橋の振動実験の実施など共同研究、受託研究等にも活用されているほか、大型降雨実験施設においては、降雨による災害の発生機構解明のための研究などを行っております。 次に、金属材料技術研究所筑波支所においては、省エネルギー及び核融合炉等広い分野に飛躍的な進歩をもたらすかぎとなる新しい超電導技術の開発、具体的には極細多しん線材などの超電導線材、八十テスラ級ロングパルスなどの超強磁界マグネット並びに新しい超電導材料の開発等を推進しておるとのことであります。 なお、当筑波支所においては、現在、平成五年度を目標に中目黒に設置されている本所の移転業務を推進しているとのことであります。 次に、無機材質研究所においては、多数の専門分野の研究者が一グループを構成し、おおむね五年間に研究目標を達成し、また、新たにグループを再編成するという体制により研究を実施しております。現在、三万トンプレス等の大型超高圧装置、一オングストローム超高圧電子顕微鏡等を活用して、半導体ダイヤモンド膜及び高性能エンジニアリングセラミックスの開発を行うとともに、ダイヤモンドに類似した結晶構造と性質を有している立方晶窒化硼素半導体のオプトエレクトロニクスへの実用化促進のための研究開発等を行っております。 最後に、今回、調査いたしました各研究所におきましては、我が国の研究開発振興のため、世界における主要研究機関等との研究交流、国際協力などが活発に行われており、その成果について今後十分期待できるものと考えられますが、一方、最近の研究所をめぐる環境を概観いたしますとすぐれた若手研究者の確保と育成が特に緊要な課題であろうかと存じます。 以上、御報告いたします。
○委員長(和田教美君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(和田教美君) 速記を起こしてください。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時二分散会