沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1991/04/09
会議録
○委員長(田沢智治君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨八日、岡田広君が委員を辞任され、その補欠として須藤良太郎君が選任されました。 また、本日、大木浩君が委員を辞任され、その補欠として井上章平君が選任されました。 ─────────────
○委員長(田沢智治君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のうち、北方領土問題の解決促進に関する件を議題といたします。 この際、便宜私から自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、参院クラブの各派共同提案に係る北方領土問題の解決促進に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 北方領土問題の解決促進に関する決議(案) 我が国固有の領土である歯舞、色丹及び国後、択捉等の北方領土の返還は、国民すべての悲願である。しかるに、戦後四十五年を経た今日においてもなお、北方領土問題は、依然未解決であり、日ソ両国間に平和条約が締結されていないことは、誠に遺憾である。 日ソ両国関係の抜本的改善は、両国関係のみならず、アジア・太平洋地域、ひいては世界全体の平和と安定に寄与するものと確信する。そのためには北方領土問題を解決し平和条約を締結することが、不可欠である。 このたびのゴルバチョフソ連邦大統領の訪日は、同国最高指導者として初めてのことであり、これを歓迎するとともに、同大統領の訪日が日ソ関係の抜本的改善のための突破口となることを期待する。 政府は、日本国民の総意と心情に応えるため、北方領土問題に関する我が国の基本方針に基づき、両国最高首脳の直接対話を精力的に行い、北方領土の返還を実現して、平和条約を締結し、日ソ間に真の安定的な平和友好関係を確立するよう全力を傾注すべきである。 右決議する。 以上であります。 なお、決議案の作成の過程におきまして、北方領土の概念につき意見がありましたことを申し添えます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたしたいと存じます。 それでは、これより本決議案の採決を行います。 本決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田沢智治君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、中山外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中山外務大臣。
○国務大臣(中山太郎君) ただいまの御決議に対して所信を申し述べます。 政府といたしましては、ただいま採択された御決議の趣旨を十分に体しまして、今月予定されますゴルバチョフ大統領の訪日を通じ、北方領土問題の解決と日ソ平和条約の締結のため全力を傾注しつつ、一層強力にソ連との交渉に当たる所存であります。 ─────────────
○委員長(田沢智治君) この際、御報告いたします。 去る三月二十九日、予算委員会から、四月九日午前の半日間、平成三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち、総務庁北方対策本部、沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫について審査の委嘱がありました。 これより本件を議題といたします。 まず、佐々木総務庁長官から説明を求めます。佐々木総務庁長官。
○国務大臣(佐々木満君) 平成三年度の総務庁北方対策本部関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 平成三年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、総務庁北方対策本部関係予算要求額は十七億二千五十二万四千円であり、これは前年度の予算額十六億五千八百三万円に対し三・八%の増となっております。 主な内容につきまして御説明申し上げます。 まず、北方対策本部に必要な経費として、職員の人件費等八千五百三十三万六千円を計上しております。 また、北方領土問題対策に必要な経費として十六億三千五百十八万八千円を計上しておりますが、その主な内訳といたしましては、北方領土問題対策協会補助金六億二千百三万七千円及び北方領土隣接地域振興等基金造成費補助金十億円であります。 北方領土問題対策協会補助金は、同協会が北方領土問題について啓発等を行うために必要なものであります。具体的には、前年度に引き続き、全国青年フォーラムの開催、青少年向けのブロック単位での啓発事業、北方領土ふれあいひろばの開催等を行うとともに、新規の啓発事業として北方領土返還要求特別事業を実施することとし、全国集会の開催等に必要な経費を計上しております。このほか国際シンポジウムの開催、返還要求運動の推進基盤である県民会議の運営、北方地域元居住者等に対する援護措置等に必要な経費を計上しております。 また、北方領土隣接地域振興等基金造成費補助金でありますが、これは、昭和五十八年から施行された北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律に基づき、北海道が設置した基金の造成に対して国がその一部を補助するための経費であり、平成三年度には十億円を計上いたしております。これによりまして、北海道拠出分を含めて同基金の規模は総額百億円となり、法律で定める期間より一年早く目標の百億円が達成される見込みであります。 以上をもちまして、平成三年度の総務庁北方対策本部関係予算の説明を終わります。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(田沢智治君) 次に、谷沖縄開発庁長官から説明を求めます。谷沖縄開発庁長官。
○国務大臣(谷洋一君) 平成三年度沖縄開発庁予算の概要について御説明申し上げます。 平成三年度沖縄開発庁予算は総額二千六百二十億円でございまして、前年比一〇四・九%となっております。 沖縄振興開発事業費につきましては、平成三年度は第二次沖縄振興開発計画の最終年度に当たっておりますので、計画目標の達成並びに諸懸案の解決に向け所要の予算額の確保に努力いたしまして二千四百五億円、前年比一〇五・二%となっております。 その内訳につきましては、公共事業費、特に治水、道路整備の推進に努力しておりますし、教育の振興にも意を用いております。また、保健衛生等の対策も重点施策としております。最後に、農業の振興に当たりましても、今後の農業政策について重要課題として考えております。 次に、沖縄振興開発事業費以外の問題といたしましては、戦後処理費の関係、沖縄振興開発計画の総合調査費の関係、沖縄振興開発金融公庫の補給金の関係等でございまして、その合計は二百十五億円となっております。 なお、沖縄振興開発金融公庫の貸付計画につきましては、千六百十八億円を確保しております。また、地場産業への出資計画につきましては三億円を予定しております。 沖縄開発庁の予算並びに沖縄振興開発金融公庫の概要につきましては、お手元に配付申し上げました詳細な書類によってごらんいただき、御審議を賜りたいと思います。 以上、委員の皆様方の慎重御審議をお願い申し上げまして概要の説明とさせていただきます。
○委員長(田沢智治君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹村泰子君 初めに、北方問題につきまして御質問申し上げたいと思います。 昨年、初めて択捉島への墓参が実現いたしましたが、ことしも北方四島すべてへの墓参が実現するように政府は大いに努力をしていただきたいと思います。 ところで、総務庁は平成三年度の予算折衝で北方墓参のための船のチャーター料を国の負担とするよう求めておりましたけれども、運輸省の練習船などを便宜供与の形で無償提供してもらうことで決着することになりました。これは国の支援を実質的に認めたものとして大変評価できると思いますけれども、昨年と比べてどのくらい多くの人が墓参できる見込みなのか、お知らせいただきたいと思います。
○政府委員(池ノ内祐司君) ただいまお話しございましたように、今年度の北方墓参につきましては、運輸省の練習船を便宜供与いたしまして、昨年よりも人員を拡大した形で実施をしたいということで今準備を進めておるところでございます。人員といたしましては、これもまだ確定ではございませんけれども、昨年が約百二十名ということでございますので、二百名程度を目標にしてやりたいということで現在準備を進めております。
○竹村泰子君 本当に旧島民の方たちのごく一部分しか行けないということなんですね。ですから、これからの十分な対策をお願いしたいと思います。 来週十六日にはゴルバチョフ大統領がソビエト最高首脳として初めて来日されるわけです。その際には北方領土問題が解決に向けて大きく前進すると期待されるところなんですけれども、先月に北方四島で行われました領土返還問題に関する住民投票、これでは返還に賛成する住民が択捉島でこそ一割弱だったものの、国後、色丹、歯舞の三島では二割を超えていた。特に色丹島だけでは二七・五%が返還に賛成をしているという結果が出ておりますけれども、この結果につきまして、総務庁及び外務省の御所見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(兵藤長雄君) お答え申し上げます。 今先生お述べになられましたように、ゴルバチョフ大統領があと一週間後に来訪されるという大変微妙な時期でございます。そういうこともございますので、この北方領土におきます調査の結果につきまして公的に政府の評価というものを申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。 私も個人的には今先生の仰せになった二割を若干上回る回答が出たということには注目しているわけでございますが、いずれにいたしましても、政府の従来の立場、すなわち歴史的にも法的にも北方四島は我が国固有の領土であるという立場にはいささかも変わりがないということでございます。
○政府委員(池ノ内祐司君) 調査結果につきましてはいろいろ見解があるかと思いますけれども、この調査結果によりまして、長年私どもが推進してきました北方領土問題の我が国の基本方針、すなわち北方四島の一括返還を実現して日ソ平和条約を締結するという方針はいささかも変わらないというふうに私どもは考えております。
○竹村泰子君 北方領土問題の解決のためには、現実に北方四島に居住しているソ連住民の領土返還後の法的地位について検討することも必要ではないかと思いますが、北方四島のソ連人住民の中には、領土が我が国に返還されると自分が生まれ育った島を離れなければならないのではないかという理由で反対をしている人もいるというふうに思われます。この問題に対する我が国の対応を早期に決め、表現し、ある意味ではソ連人居住者を啓蒙することも必要じゃないかと思いますけれども、外務省、法務省の対応はどうなっておりますでしょうか。
○政府委員(兵藤長雄君) 北方四島の主権の問題について、仮にこれに決着がつくということになりました場合には、先生御指摘の問題も含めましていろいろ解決しなければならない実際的な問題が多々あろうかと思うわけでございます。しかしながら、そういう問題についての議論に入りますということは、とりもなおさず今私どもが続けております返還交渉の内容自体にも立ち入っていくことにもなりますので、今この場で政府としては仰せの問題についてどう考えるかということを表明させていただくことは差し控えさせていただきたいと思います。 いずれにいたしましても、私どもは、先生仰せのような問題も含めてもし根本的な問題について決着が図られるという場合には、いろいろ解決しなければいけない実際的な問題が多々あるということは十分に承知をいたしておるところでございます。
○説明員(小山潔君) 北方領土返還に伴いますところの同地に在留いたしております外国人の法的地位の問題でございますけれども、ただいまの段階ではまだ仮定の問題ということでございまして、返還が具体化した際に検討されるということになろうかと思います。 ただ一般論的に申し上げますと、その返還の内容によりましては、現在の入管法の適用ということについて問題が出まして検討されるということになろうかと思います。
○竹村泰子君 もう一つ法務省にお尋ねいたしますけれども、北方領土隣接地域、北海道側においてはゴルバチョフさんの訪日が近づくにつれて返還後に向けてのいろいろな動きが見られます。 その一つとして北方四島の不動産登記簿の閲覧数増加が挙げられますけれども、所有者約四千三百人のうち既に半分以上の方が亡くなっておられる。千島連盟の調査で判明しているにもかかわらず、その相続手続を終えている人は約六百人にすぎない。領土返還後直ちに不動産登記を行える状況にはないのですけれども、この問題に関して法務省は広報活動などによってきちんとお知らせをするような、早期にそういう手続が行われるように対応していらっしゃるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○説明員(山崎潮君) ただいま委員御指摘の点につきまして、釧路地方法務局根室支局におきまして北方領土のすべての登記簿について厳重に保管をしているところでございます。 現在、私どもの日本の行政権が北方領土には事実上及びませんので、実際上の登記事務はできないということになっております。しかしながら、将来相続等の問題が起こりますと資料の散逸等がございますので、そういう点に備えまして、昭和四十五年五月一日以降登記簿に準じまして相続関係がございましたら、その相続人につきまして登記名義人の相続人からの申し出によりまして相続に準じた登記手続をすべて受けつけているところでございます。 この点につきましては私どもの方も通達も全部発しておりまして、毎年それなりの相続人の申し出がございまして、その点は十分周知されているというふうに理解をしているところでございます。
○竹村泰子君 まだまだ足りないというような気がいたしますので、十分対策をお願いしたいと思います。 それでは沖縄の問題に移りたいと思います。 政府は、昭和四十七年の本土復帰以降、本土との格差是正並びに自立的発展の基礎条件の整備ということを目標に二次にわたり振興開発計画をしてこられました。財政に依存する経済体質、全国最下位である県民所得、そして全国平均の二倍となっている失業率など解決されなければならないことがたくさんあるんですが、本年はその最終年に当たる年でもあり、新たな振興開発計画策定に向けて本格的な取り組みが期待されるところでございます。 予算面について見れば、平成三年度は沖縄振興開発事業費として二千四百五億円計上されておりますね。前年度予算に対して五・二%の伸びとなっておりまして、その点政府の強い意欲を感じるわけですけれども、県においては第三次振興開発計画大綱を決定して国に働きかけていると聞いております。こうした県民の期待にこたえる第三次振興開発計画に向けて長官の積極的な御所信を伺いたいと思います。
○国務大臣(谷洋一君) ただいま委員御指摘のとおりに、四十七年五月に本土復帰いたしまして以来、第一次振興計画、第二次振興計画を立てまして、もう二次振興計画は本年のみとなったわけでございます。そういうことでございますが、何といっても県民の皆さん方のたゆまざる御努力と政府の施策とが相まちまして本土との格差は是正されてはおりますものの、御指摘のとおり、四十七都道府県では最低であるということは事実でございます。 そのほか、水問題、離島問題等々、沖縄でなければならない課題、難題もあるわけでございまして、そういうものを踏まえて第三次振興開発計画に向かって努力したいと思っております。沖縄県から先般お寄せいただきましたものは沖縄県の立場での考え方でございますので、沖縄振興開発審議会の議を経ましてその御意見に従いまして沖縄開発庁といたしましての意見をまとめたいと思っております。しかし、今後十年間の計画でございますので、ユニークな希望の持てるものをつくる必要があろうかと思っております。
○竹村泰子君 リゾート乱開発防止における沖縄開発庁の役割ということについてお伺いしたいと思いますけれども、沖縄の今後の開発の方向としては、既に今も長官のお話にもございましたように多くの指摘がございます。沖縄の特色を生かした産業の振興ではないかと、それは私も訪れましてよくわかったんですけれども、その有力なものの一つがリゾート産業である。第三次振計においても観光の振興は重要な位置づけがされるものと思いますが、現在においても乱開発及びそれに伴う土地の高騰、水の需要の増大、ごみ、下水処理能力の限界、これらのことが非常に危惧されるわけでございまして、長期的な展望に立った、そして地域社会と調和のとれた開発を遂げるために沖縄開発庁は積極的に調整を行うべきと考えますが、開発庁の御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(造酒亶十郎君) お答え申し上げます。 先生も御存じのとおりでございますが、第四次全国総合開発計画、いわゆる四全総におきましては、沖縄地方整備の基本的な方向といたしまして、豊かな亜熱帯・海洋性自然と特有の伝統文化、それから歴史的蓄積を活用いたしました国際的規模の観光・保養地域の形成を図るとされているところでございます。このようなことから、国際的な評価にたえ得る特色あるリゾート地域の形成を図っていくということは、先生御指摘のとおり、沖縄振興開発におきます重要な基本的な方向の一つである、このように認識をいたしているところでございます。 しかしながら、ただいまお話がございましたように、これらリゾート地域の形成に当たりましては、沖縄の貴重な自然環境の保全、それから地域社会との調和に十分な配慮を払っていくことが何よりも肝要と考えているところでございます。現在、沖縄県におきましては、総合保養地域整備法に基づきます基本構想の承認申請を国土庁初め主務省庁に提出しておりまして、この構想の承認に当たりましては、自然環境保全や地域との調和につきまして関係の各省庁の間で十分に検討されるものと考えている次第でございます。 それからまた、沖縄県自身におきましても、リゾート開発適地以外におきますリゾート開発の抑制、それからリゾート開発の段階的な推進ということを図りまして、秩序と調和のとれた適正なリゾート開発に配慮するように市町村に対して指導を行っている、このように伺っているところでございます。私ども沖縄開発庁といたしましても、以上の観点を踏まえまして今後とも沖縄県に対する助言、指導に努めますとともに、関連する交通基盤その他必要な施設の整備に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○国務大臣(谷洋一君) ただいま委員から御指摘ございました観光リゾートということにつきましては、沖縄県は最もふさわしい地域だと思っております。何といっても我が国における亜熱帯地域としての歴史的、地理的、また気候的な風土から考えまして最もいいところだと思うわけでございまして、リゾートといたしましても我が国では唯一の全県指定ということを希望していらっしゃると伺っております。そういう点から非常に大切だと思うんですが、無秩序な乱開発ということが一番困るわけでございまして、先般も私お伺いしましたときに、今沖縄では一番観光リゾートの着目されております恩納村に参りまして村長自身から直接長時間にわたってお話を聞きましたけれども、確かに今委員御指摘のとおりの悩みも多いようでございまして、そういう点では今後の沖縄振興計画全体に十分そういう無秩序な乱開発にならないような施策を沖縄開発庁としてもしなきゃなりませんが、何といっても市町村と県と開発庁とが一体になって今後の観光リゾートをやらなきゃならぬということも十分理解しておるつもりでございます。
○竹村泰子君 長官、今お言葉でございますけれども、あの狭い島で今のところ三十九のリゾート地が開発されているわけですね、もう既にできているものも含めまして。これはもうやっぱり環境破壊がされない方が不思議だと私は思うんですけれども、十分そういった調整をお願い申し上げたいと思います。 同じく関連ですが、赤土の流出防止です。 赤土の汚染が沖縄の環境、漁業資産に甚大な影響を与えております。これは私この前のサンゴ礁のときにも申し上げましたけれども、何よりも漁業資産に大変大きな影響を与えているということが大きな問題です。これは土地改良事業という農業振興とも関連しておりまして、解決が極めて困難であるというふうに考えます。しかし、問題の重要性、沖縄の土壌のいわゆる赤土、マージと呼ばれる赤土、この特殊性を考えますと、原因の解明、防止技術の開発、汚染情報の収集のための研究センター等、環境庁はこの問題について現状をどのように認識しておられますか、お伺いしたいと思います。 農水、建設省と共同研究をするというふうなマスコミ発表もございますけれども、また、公共事業の実施主体である開発庁は、公共事業の積算の中に赤土の防止に要する費用を含めるように持っていくべきであると思いますが、開発庁長官の御所見も伺いたいと思います。
○説明員(小林光君) 沖縄県を初めとする南西諸島の沿岸域におきましては、内陸部から流出した赤土が、委員御指摘のとおり、サンゴなどの海域の自然環境に影響を及ぼしていると聞いております。環境庁といたしましては、各種の開発に当たりまして赤土の流出がないよう事前に十分配慮することが必要であると考えております。 また、今御指摘がありましたように、環境庁としましては、環境庁に一括計上されている各省庁の国立機関公害防止等試験研究費というものがございますが、その中で赤土の流出の発生機構ですとか防止技術、それからサンゴ礁、生態系への影響、モニタリング技術などに関する研究を推進しているところでございます。
○政府委員(水谷文彦君) ただいま御指摘いただきましたように、赤土の問題、これは沖縄の自然環境の保全問題あるいは漁業資源の問題あるいは観光資源の問題等から大変重要な問題であると私どもも認識をいたしております。 この赤土の流出問題、これは御指摘ございましたような特殊な土壌に加えまして各種の開発行為、この中には公共事業の実施とかあるいはリゾートの開発といった狭義での開発行為のほかに、例えば日常的な営農活動、つまり農業活動等からも生じてまいりまして、その意味で大変根の深いあるいは広がりの大きい複合的な問題であると考えております。 そうしたことで私どもは全県的な取り組みが必要であると考えているわけでございますけれども、特に私どもはまず公共事業の実施主体でございますから、私ども自体がいろいろと工夫を凝らさなければいけないということで、例えば土地改良を実施するに際しましては沈砂池を設けるとか、あるいは土砂どめの升を設けるとかいろいろ工夫をいたしておりますし、またダム等の施工に際しましても、緑化工事を早くするとかといったいろんな工夫を凝らしているわけでございます。 ただいま直接の御質問といたしましては、公共事業の予算の中にそうした赤土砂対策というものを積算すべきではないかという御指摘でございますけれども、この点は当然工事を実施します際にそういった赤土砂のための対策費が必要でございますので、それは公共事業の実施の中で見ておりまして、その点では特に支障がない形になっているわけでございます。
○竹村泰子君 これは非常に大きな問題ですので、どうか十分に対応していただきたいと思います。 次に、在沖米軍用地の返還と強制使用代行問題についてお尋ねしたいと思います。 まず最初に、この前も私質問をいたしましたが、キャンプ・ハンセン内の恩納村都市型戦闘訓練施設の撤去の問題についてお尋ねをいたします。 この施設は、住民地域やリゾート施設の間近にあるため、かねてから地元で問題となっており、国会でもたびたび取り上げられてまいりました。このような強い反対運動の結果、昨年西銘前知事の時代に移設することが合意されました。今年度予算にもその費用が計上されることとなりました。しかしながら、悲惨な地上戦を体験し、もう二度と戦争は御免だという沖縄の皆さんの県民感情を逆なでするようなこのような施設は、移設などではなくて、即時撤去すべきであります。大田新知事も先月防衛施設庁長官に撤去の申し入れをされたそうでありますけれども、新たに選ばれた知事のこの要求は沖縄の県民の皆さんの民意を反映したものである、私はそう思います。防衛施設庁は、米軍に対してこの施設の撤去を申し入れるべきであります。撤去ということになれば、施設庁が予算計上した移設のための費用が不用額となり、予算の未執行問題が生ずることになります。しかし、このような役所のメンツにこだわるべきではないのではないでしょうか。予算はあくまでも納税者である国民、県民のためにあるのですから、たとえそれを余らせても、それが国民、県民の皆さんのためになり、御要望にこたえるものであれば、その方がよいのではないでしょうか。防 衛施設庁は、今後この施設の撤去を申し入れる考えがあるかどうか、はっきりお答え願いたいと思います。
○説明員(山口金一君) 御説明申し上げます。 米軍は、安保条約の目的達成のため、提供された施設、区域において必要な施設を整備し、訓練を行うことは認められているところであります。本施設の移設については、昨年三月西銘前沖縄県知事から収拾案が示され、これについて恩納村長、恩納村議会議員の方々の了承も得られたものと理解しております。当庁としては、この経緯を踏まえ、米軍の訓練を円滑に行い得るよう、また地元の理解が得られるよう他の場所に整備することとし、このための所要の経費について平成三年度予算に計上したところであります。今後県、地元恩納村と十分調整を図りつつ、他の場所への移設のための作業を進めてまいりたいと考えております。
○竹村泰子君 この問題は今後も国会で取り上げてまいりたいと思います。 次に、那覇軍港の返還問題についてでありますけれども、この施設は一九七四年の安保協で移設を条件として全面返還が合意されておりますが、いまだに返還されておりません。那覇軍港は都市開発上非常に重要な場所にあり、沖縄の産業振興を図る上からも大きな障害となっております。しかしながら、安保協での合意から既に十七年を経過した現在において、沖縄の土地利用状況にかんがみれば、ほかの地域にこれだけ広大な港の適地を求めるのは不可能ではないか、私はそう思います。したがって、移設を条件とすることはほとんど返還はあり得ないに等しいのではないかと思うのです。 十七年前の合意を見直して、移設条件なしの全面返還に向けて外務省と防衛施設庁は米側と協議にとりかかるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(川島裕君) お答え申し上げます。 日米安保条約に基づきます米軍の駐留は、我が国の安全とそれから極東における国際の平和と安全の維持に寄与しておりまして、沖縄における米軍施設、区域の円滑な使用を確保することは、こうした安保条約の目的達成のために非常に重要だと考えておるわけでございます。ただ他方、沖縄におきまして米軍施設、区域の密度が高く、その整理統合について強い要望があることも十分承知しております。したがいまして、施設、区域の整理統合につきましては、従来同様引き続き米側と粘り強く調整していく所存でございます。 そこでお尋ねの那覇港湾施設でございますけれども、昭和四十九年一月の安全保障協議委員会で全部移設条件つきということで返還が了承されたわけでございます。そこで以来日米間で検討を進めておりましたけれども、なかなか移設先の見込みが立たないということが御指摘のとおり問題でございます。 ただ、移設先がないまま撤去できるのかということになりますと、これは何と申しましても、那覇港湾施設は沖縄に駐留しております米軍の補給物資の積みおろし等、補給のために不可欠な港湾施設となっておりますので、それにかわるものがないままこれを撤去ということで進めるということはちょっと難しいというふうに考えております。
○竹村泰子君 今のお答えでは全然満足できませんけれども、今すぐずばりと答えを出せといってもこれは無理でしょうから、また引き続き追及していこうと思います。 米軍用地の強制使用代行問題なんですけれども、来年五月に期限切れとなります米軍用地使用契約の未契約地主に対して、国による強制使用の手続が進められております。現在、使用裁決申請書の公告、縦覧を知事が代行するか否かが焦点となっているわけですね。これは基本的には知事がお決めになることでありますけれども、仮に知事が代行拒否という判断を下された場合に、国としては今後どのような対応をおとりになるのでしょうか。特に、代執行手続を簡略化する地方自治法の改正がつい先日成立いたしました現在の段階におきまして、この地方自治法に基づく手続をおとりになるのかどうかお答え願います。
○説明員(中田唯之君) 御説明いたします。 防衛施設庁といたしましては、県知事による裁決申請書の縦覧等の代行は法律に定められました手続でありまして、速やかにこれを実施していただくよう沖縄県知事の御理解をお願いしているところでございまして、知事がこれを拒否された場合のことについては考えておりません。
○竹村泰子君 開発庁長官は先日沖縄を訪問されたときに、このことについては県の実情を踏まえて行動してほしいというふうにお述べになっておられますが、長官、どうお思いになられますか。
○国務大臣(谷洋一君) 今委員御指摘の関係につきましては、私が第一回の訪問をしたときだと思うんですが、その問題について、お話がございましたように、現実を踏まえて十分熟慮していただきたいという表現をしました。しかし、この問題は防衛庁、防衛施設庁の関係で私の所管じゃございませんので、私の方からこの問題についてお答えすることはできないということを前提にしてそういう希望を申し上げたというのが実情でございます。
○竹村泰子君 知事が公告、縦覧の代行を拒否した場合、第三次振計の策定や沖振法の改正を初めとして今後の県政に対して圧力をかけてくるのではないかということが危惧されておりますし、現に大田知事もそのような事態を懸念して代行問題に関する判断に苦慮しておられるようであります。しかし、これは全く不当な圧力と言うべきであり、基地問題で見解が違うからといって第三次振計を初めとするその他の問題で圧力をかけてくるというのはまさに筋違いの話であり、日本国憲法の掲げる地方自治の本旨にも反する言語道断な行為であります。そのようなことは決してあってはならないと思いますが、開発庁長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷洋一君) 沖縄は昭和四十七年に本土に返還されまして復帰いたしまして以来十九年でございますが、その間沖縄開発庁としましては、第一次振興、第二次振興、それぞれ県民の格差是正、そして住民環境の整備、教育の振興等々いろんな施策をやってきたわけでございまして、今後ともその方針は一貫してやらなきゃならぬ、こう考えておるわけでございます。そういうことは一向に変わらぬわけでございますが、今御指摘の問題につきましては圧力なんという話は全くないわけでございまして、私どもから考えますと、沖縄の県民の気持ちを十分酌んで熟慮していただきたい、それ以外のことはないわけであります。
○竹村泰子君 どうも納得のいく答弁をいただけませんが、国が知事に不当な圧力をかけないように、私どもは今後ともこの問題について国会も私たちも重大な関心を持って注視していくことをこの際はっきりと申し述べさせていただきたいと思います。 次に、沖縄の重大な産業の一つでありますサトウキビの問題についてお伺いしたいと思います。 今後の沖縄振興を図っていく上で大きな柱の一つとなるのはやっぱり農業でございます。中でも沖縄農業の基幹作物であるサトウキビについては、現在その生産性の低さ、農家の高齢化、生産者価格の抑制、平成六年度産からの品質取引への移行等々深刻な諸問題を抱えておりまして、いずれも早急な解決が必要とされております。 さらに加えて、昨年度のキビ作につきましては、生育期におきます雨の少なかったことと相次ぐ台風の襲来とによりまして被害を受けた結果、大幅に収穫がダウンいたしました。沖縄全島平均で対前期比二五%減になるとも聞いております。その中でも特に被害が深刻だったのは宮古地区で、聞くところによりますと、前期に対する減収が三五から四〇%近くでもあったと。そしてその原因は、先ほど申し述べました天候のこともございますけれども、もう一つは、キビの病害虫であるアオドウガネ、これが宮古地区で大量に発生したためであると言われております。 このアオドウガネの大量発生の原因につきましては、台風や堆肥の管理なども指摘されていますけれども、やっぱり何といっても根本的な原因はアオドウガネの天敵である野鳥やカエルなどの生物が減少したためと指摘がされているわけですけれども、なぜ野鳥やカエルが減るのでしょうか。 それはいろいろなことがあると思いますけれども、宮古では最近リゾート開発が急激に進んだために森林が急激に減少している。つまりリゾート開発が今までの自然の生態系のバランスを破壊してしまった。それが回り回って沖縄農業の基幹作物であるサトウキビに被害を与えることになった。まさにブーメラン現象と言われる。このまま推移すれば、今後アオドウガネがさらに大量に発生する事態も指摘されているわけです。誘殺灯の増設とか応急対策を緊急に講じるとともに、根本的なもっと基本的な問題としてこれまでのリゾート推進一辺倒の政策を見直す必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。リゾートの開発とアオドウガネ発生の因果関係、今後の対策について環境庁、農水省、そして沖縄開発庁、順次お尋ねをいたします。
○説明員(小林光君) 御説明申し上げます。 昨年のサトウキビの収穫量の増減に関しましては、農作物の問題であるということもありまして、環境庁といたしましては、その原因が森林の破壊による鳥の減少が関与しているかどうかにつきまして特に承知していないというのが現状でございます。 一般論で申し上げますと、御指摘の森林の減少が野鳥の生息に影響を及ぼすこと、また野鳥が害虫をとらえるということによって農業に寄与することがあるという点については承知しておりますが、実際の自然界におけるさまざまな現象というのはいろんな要素によって複雑な因果関係を持つものでありますので、沖縄のサトウキビとその害虫であるアオドウガネの発生がリゾート開発による森林破壊と具体的にどういう関係を持っているかということについては、なかなか難しくて、我々その事実関係というか、因果関係について承知をしていないというところでございます。 いずれにいたしましても、リゾート開発により森林が大幅に減少するということは好ましくないというふうに考えておりまして、環境庁といたしましては、今後とも総合保養地域整備法、いわゆるリゾート法に基づく基本構想の協議が参ります際に、リゾート地の自然環境を損なうことのないように、そういう協議の場を通じまして十分調整を図るよう努力しているところであり、今後とも自然環境の保全の観点から適切に対処していきたいと考えております。
○説明員(関口洋一君) 先生御指摘のアオドウガネでございますが、もともと沖縄の土着の害虫ということで全域に発生しているわけでございます。 ただ、実際にサトウキビの被害という面で申しますと、特に宮古島の関係でございますが、この数年は発生面積としては大体横ばいという状況ではございますが、やや増加の傾向にあるというふうなことでございまして、私どもといたしましては、これまで誘殺灯等の整備を図りまして防除に力を注いできたわけでございますけれども、サトウキビの重要な害虫であるということもございますので、今後とも病害虫対策事業等を通じまして防除の指導の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
○政府委員(水谷文彦君) サトウキビの問題でございますけれども、やはり沖縄の農業の基幹作物でございます。しかも、数年後には品質取引に移行するというような時期にございまして、お示しになりましたように、サトウキビの生産性が低いとかあるいは圃場整備のおくれでございますとか、いろいろ問題を抱えている。その意味で、私どもの予算で申し上げれば、土地改良事業あるいは農水省の各種の構造改善事業等によりまして、その点につきましては十分配慮していかなければいけないと思っております。とりわけ生産性の低さという問題では谷大臣も大変御心配をいただきまして、特に機械化を積極的に進めなければいけないということを日々私ども言われているわけでございまして、その点は農水省と一緒に考えていかなければいけない問題でございます。 ただ、ただいま御指摘いただきましたアオドウガネの問題、特にリゾート開発と野鳥の減少、それとアオドウガネの問題、御指摘ございましたように、その因果関係は私どももよく承知いたしません。ただ問題は、御指摘にありましたように、リゾート開発というものがいろんな自然環境等と調和をして進めなければいけないということはまことにそのとおりでございまして、その点は冒頭に大臣の方から、乱開発はいけない、必要対策を進めたいということを御答弁されましたが、そのとおりに私どもも考えてまいりたいと考えております。
○竹村泰子君 私たちが小さいころに遊んだ小川や森や田んぼや林やそういったものがどんどんどんどん消えうせつつある。そこで育っていくオタマジャクシやカエル、そして野鳥とか虫とか、そういうものがどんどん減りつつある。これは全国的な問題でありますけれども、特に沖縄の場合、あの狭い島で沖縄の中に基地があるのではなくて、基地の中に沖縄があるんだと言われるような状況の中で、それに加えてどんどんとリゾート開発です。長官、これはやっぱり少し考えていただかないと、計画をよほど慎重に遂行していただかないと大変なことに、つまり沖縄の人々の暮らしを死滅させてしまうということになりかねない非常に大きな問題でありますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、サトウキビの機械化の問題、今ちょっとお触れになられましたけれども、私も訪問いたしましたときに、サトウキビは機械化がなかなかできないんだというお話を伺いましたが、サトウキビの機械化、開発に成功、小型ハーベスターといううれしいニュースが伝わっておりますけれども、農水省は今年度からその購入費の六割を補助し、共同利用施設を整備する事業をスタートする予定であると伺いました。これは事実とすれば本当に朗報であります。 そこで、農水省にお尋ねいたしますが、小型機械の開発の現状と新規事業の概要についてお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(市之宮和彦君) お答え申し上げます。 サトウキビにつきましては、耕起でございますとか防除、こういう一部の作業を除きましてほとんどが手作業に依存をしている、こういうのが実情でございまして、大変に多くの労力を要しているわけでございます。特に先生御指摘の収穫作業は労働時間の半分を占めているという状況になっておりまして、これの機械化を進めることがサトウキビ作の生産性向上にとって非常に重要である、こういうふうに私ども考えているところでございます。 このような状況にかんがみまして、これまでごく一部の大規模な栽培地域につきましては、刈り取りから裁断、脱葉、こういうものを一貫行程で行います外国産の大型のハーベスター、こういうものの導入を支援いたしましたり、また中小規模の栽培地域につきましては、中型ハーベスターの導入でございますとか、あるいは小型の刈り取り機と脱葉機、搬出車、こういうものを組み合わせました小型の機械化作業体系、こういうものの普及を進めてきたわけでございます。ただ、これだけではやはり不十分であろうということで、現地の方から大変に強い小型の収穫機の開発要望というものもございましたので、こういうものを受けまして、沖縄県の圃場条件に合致いたしました小型のハーベスターの開発を進めるということで、六十三年度から国の事業といたしまして現場段階での試験を進めてまいりました。その実用化のめどが立ったということでございます。 また、これとあわせまして、沖縄県におかれましても外国産の中型ハーベスター、これを試験的に導入されまして、地域の実情に対応した収穫機器の実用化に取り組まれている、こういうような状況でございますので、今後これらの機械の普及 に積極的に取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。 このために、平成三年度予算におきましては、収穫機の普及というものを中心といたしますサトウキビの機械化作業体系の普及に要する対策事業の拡充ということで、共同利用によります収穫の機械化あるいはその他これに必要な営農用機械等を一貫して導入していただくための予算の拡充ということに努めているところでございます。
○竹村泰子君 県民の皆さんの期待にこたえて十分事業を推進していただきたいと思います。 ところで、もう時間がなくなってしまったんですが、最後に一つだけ質問させていただきたいと思います。 軍転特措法案の問題なんですけれども、三次振計を決定して実行することにより飛躍的に沖縄が本土との格差を是正することになっていきますが、米軍施設、区域を整理、縮小させることが引き続き必要と考えますが、そのためには、返還軍用地の跡利用のための具体的な措置を明確にすべきである。国は沖縄県における駐留軍用地等の返還及び駐留軍用地跡地等の利用の促進に関する特別措置法案、略して軍転法案の成立に積極的に対応すべきではないでしょうか、御見解を伺いたいと思います。
○説明員(小澤毅君) ただいま先生からお話がございました軍転法に絡む問題でございますけれども、御案内のように、防衛施設庁という役所は、日米安保条約及び地位協定の規定に従いまして、在日米軍に対しまして施設、区域の提供またはその返還に関する事務を行うというものを所掌してございます。したがいまして、返還された跡地の利用に関するというような、御指摘のような法案についての一般的なコメント、これは現在まだ仮定の問題でもございますので、コメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○大城眞順君 竹村委員の御質問にお答えいただきまして、沖縄開発庁長官が沖縄のビジョンというものを示していただいたわけでございますけれども、やはり沖縄開発庁だけでは沖縄の振興はできないと思います。そして、やっぱり夢を見ながら現実を踏まえていくということも大事だと思います。その現実の中で、戦後処理もまだまだたくさん残っております。あるいは各省庁における沖縄の本土との格差、むしろその幾分かは差別と言ってもいいぐらいのやつがあるわけであります。こういったものを抜きにしては、頭が出てしりが抜けちゃうというようなことでは沖縄の振興開発は私は達成できない、このように考える立場から、その格差とは何か、差別とは何かを二、三例示いたしたいと思います。 政府は、沖縄の厚生年金の本土との格差是正について県民の強い要請を受けまして、一九九〇年、去年四月一日から沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特別措置等に関する政令を改正していただきました。このことにつきましては一歩前進ということで評価をいたしますが、残念ながら抜本的改正にはなっておりません。この改正によっても、厚生年金は本土の約七一%までしかたどり着いていないという現状であり、まだまだ大変な格差があるようであります。この問題は、国の責任において解決しなければならない最大の戦後処理の案件であります。その原因は、復帰時における政府の措置が十分でなかったということであり、このことは年金審議会を初め政府自体認めるところでありました。これが本土と完全に公平、平等になるまで要求し続けるため、今まさに県民運動が大きく盛り上がっているところであります。 本院は平成元年十二月五日の内閣委員会においてこの問題を取り上げ、詳しく数字を挙げて議論をし、いかに格差がひどく、大きいかを指摘し、追及してまいりました。そのときの議論の結びといたしまして政府は、「現実に沖縄県民の方々が厚生年金を受給している額、そしてまた本土の方が現実に厚生年金を受給している額、ここに格差があって、今回の措置によってその格差が完全に解消してしまうという形にはならないかと思っております。それは事実であろうかと思っております」、格差があるということは十分承知しておりますと答弁され、格差が現実に存在することを認めました。であれば、それを是正するのは当然のことであって、やらなければ沖縄県民を法的にも政治的にも、また社会的にも経済的にも差別することに相なるわけであります。我々はこの格差是正は加入年月日を昭和二十九年五月一日まで遡及しなければ抜本的解決にはならないと思いますが、この件について、まず厚生省のお考え方を簡略に示していただきたいと思います。
○政府委員(加藤栄一君) 沖縄の厚生年金制度発足が沖縄の占領という歴史的な経緯によりましておくれました。そういう特殊事情については、厚生省といたしましても十分認識しているつもりでございます。こういうような特殊事情にかんがみまして、本土復帰時におきましても、本土の中高齢十五年加入の特別措置をさらに四年から十四年に短縮する措置を講じまして年金受給権の確保を図ったところでございます。また御存じのとおり、二十年分の定額部分の保障、これを図ってきたところでございます。しかし、各先生方を初めといたしまして大変地元の方の御要請もございまして、昨年から保険料の特例納付を認めることによりまして、その定額部分の上の報酬比例部分につきましても十五年分の年金額の保障を行ったところでございます。
○大城眞順君 簡潔に願います。
○政府委員(加藤栄一君) これによりまして、中高齢特例の対象者につきましては、沖縄と本土の年金額の格差は是正されたものというふうに考えているところでございますが、今御指摘のありましたさらに二十九年、厚生年金保険法が施行されましたときまでに遡及するということにつきましては、制度に加入していなかった期間につきまして遡及適用するということは、社会保険の制度をとっております厚生年金制度といたしまして、これは大変困難なことでございます。また、これまで制度改正によりまして途中から年金に加入されました方の受給権の確保につきましても遡及適用という措置は講じていないわけでございまして、これに対応するために今申し上げましたようなできるだけの措置を工夫して対応しているところでございます。そういうことで二十九年、過去にさかのぼるということは大変困難であるということを御理解いただきたいと存じます。
○大城眞順君 昭和二十九年までさかのぼるということは極めて困難である。私もわかっております。困難は不可能とは意味が違います。沖縄のこの問題に対する県民会議から出された方法を用いるならば、これは決して不可能ではないと思います。問題は政府の年金というものは何なのか、そこに不平等があっていいのかという一つの姿勢から出てくるべき問題であって、困難であるということだけでは私は答えにはならぬと思います。 ということは、現時点において県民から要求されているこの問題について何も検討していないということですか、やっているということですか。やっているやっていない、それだけで結構です。
○政府委員(加藤栄一君) 県の方の県議会の御意見等もその後賜っております。そういうことも受けまして、従来とりました措置をおさらいをしたわけでございますが、やはりそれを超える措置というものは私どもとして今のところ考えておりません。そういう状況でございます。
○大城眞順君 この問題はまた次に譲りたいと思います。 次に、軍用地返還後の跡地利用問題についてお伺いいたします。 米軍基地提供の歴史は本土と沖縄は全く違います。県民や関係地主の意思とは関係なく、戦争から引き続き二十七カ年の占領行政によって次々と強制的に接収され、復帰以後も継続使用されてまいりました。本土の基地と異なり、個人有地が多く、また国有地であっても、県民からすれば戦争のどさくさに紛れて極めて不合理な方法で取り上げられた土地が多く、民法上のノーマルな契約でなく、全くアブノーマルな形で賃貸契約が続いてきたことは御承知のとおりであります。それで、戦争で多大なる未曾有の犠牲を強いられた上に、勝手ほうだいに土地の提供を強いられ、それでも我慢しながら日米の安全保障に協力してきたにもかかわらず、土地を返還する段になりますと、たったの三十日前に予告され、返還と同時に地料はなくなる。それでも固定資産税は払わなければならない。地籍明確化法によって図面上による地籍はおかげをもちまして確定いたしましたけれども、しかしながら、物理的に現場に行って自分の土地がわかる地主はおりません。したがって、これを物理的に明確にし、利用計画を樹立するのには金融面を初めとし長い年月をかけて幾多の問題をクリアして初めて有効利用できるのであって、今の制度はまさに地主にとって大きな不満と不安を抱えており、今日まで返還された土地は利用計画が立たず、地主に大きな経済的損失を与えてきております。事実、返還された広大な土地が十数年から二十年余も遊休化しているのであります。 それで、防衛施設庁長官にお伺いいたしますけれども、まず沖縄における提供軍用地の歴史的経緯に対する認識、本土とどう違うのか、あるいは沖縄の歴史においてどのような形で軍用地になってきたのかという認識と本土との相違点について御所見を賜りたいと思います。——長官どうした。
○説明員(小澤毅君) ただいま長官ちょっとこちらの方に向かっておる最中でございますので、もしお許しいただければ、私の方から御答弁申し上げたいと思います。お許しいただけますでしょうか。——それでは、恐縮でございますけれども、私の方から御答弁させていただきます。 ただいま先生からるる沖縄の提供施設の経緯についてお話がございました。沖縄の復帰が昭和四十七年ということでございます。その間、長期にわたり沖縄の施設、区域等につきましては米軍の施政権下に置かれてきたという事情がございます。さらに現在におきましても、沖縄県に所在いたします米軍施設の区域、これは日本の米軍施設、区域の約七五%という大変大きなものになっており、またさらに、過去の歴史的なゆえんからの施設、区域のほとんどがまた民有地が多いというような状況になっております。そのようなこと、基本的にはただいま先生から御指摘のような状況が含まれているものと私ども承知しておる次第でございます。
○大城眞順君 今長官の御到着が間に合わなかったので改めてお聞きいたしたいと思います。これはやはり極めて高度な内容になっておりますので、ぜひ長官にお伺いいたすわけでございますけれども、一遍に四問参りますのでお答え願いたいと思います。 今答えていただきましたけれども、沖縄と本土のいわゆる米軍用地の接収のあり方、その歴史的な経緯、どういうふうにしてその土地がそのようになったかというところの認識と本土との相違点、これについてひとつお伺いいたします。 二番目に、返還跡地の有効利用が計画的かつ円滑に推進されるよう、返還に際しては三十日前にぽっと知らせるんじゃなくて、数年ぐらいの予告期間を設けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 三問、有効利用されるまでの相当期間、土地所有者の受ける損失について適切な補償を行うよう措置すべきだと思いますが、どうお考えですか。 四問、軍用地の跡地利用に対する施策を検討するため、施設庁のみならず、関係の外務省あるいは開発庁、国土庁、建設省等々の参加で協議会または委員会をつくる必要があると思うがいかんという四問について、簡略にひとつ御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(児玉良雄君) 今四つお尋ねがございましたので、順次お答え申し上げます。 初めに、沖縄県におきます軍用地の歴史的な経緯のことでございますが、沖縄県の軍用地は、第二次大戦終了後米軍の施政権下で米軍が使っていたところの大部分が、引き続いて提供施設として米軍が現在使用しているという状況にあり、その面積は、日本全体にあります米軍施設、区域の七五%、沖縄県の県の面積に対しまして全体で一〇%ちょっとを占めておるというような……
○大城眞順君 接収の仕方を聞いているんです。面積じゃない。接収の仕方、強奪の仕方。
○政府委員(児玉良雄君) そういうような経緯で現在まで沖縄県におきます米軍の提供施設は使われておりまして、本土との違いというか特徴といいますと、本土にあります米軍の施設、区域に比べて民有地の占める割合が多いというふうに考えております。 それで、返還された場合の跡地の問題でございますが、現在は、先ほど先生言われましたように返還をするということになりますと、私ども大部分の土地所有者との間に賃貸借契約を結んでおりますが、三十日ということになっております。これを長くしろということでございますけれども、事務手続に必要な期間でこの三十日というのが出ておるわけでございまして、制度としてはこれを延長することは難しいかと思います。しかし、現実的な措置として地主の方が跡地利用その他便益が図れますように、返還などの情報などについてはできるだけ早く所有者にお知らせすることによって、事実上それ以前から何らかの準備ができるように努力をしているところでございます。 それから、有効利用されるまでの間に土地所有者が受ける損失についての補償の問題でございますが、駐留軍の用に供する目的で提供施設として使っております土地の返還をする場合に、それまで賃貸借契約で私ども使用させていただいておるわけでございます。この契約に基づいて賃借料を支払っておりますが、返還をされた後になりますと、原状回復あるいは返還土地が所有者によって使えるようになるまでの間についての補償はいたしますけれども、それ以降のことになりますと、賃貸借契約で今まで地主と国との間であった関係でございますので、補償ということになりますと、今の制度の上からでは困難ではないかと思っております。ただ、先ほど申し上げましたように、現実的な措置としては、土地所有者の利便を図るためにできるだけ早く情報などを入手いたしまして、土地所有者が返還後の土地をできるだけ早く有効に利用できるように私どもできる範囲で努力をしているところでございます。 跡地利用の問題につきましては、これまでも累次お答えをしておりますけれども、沖縄県の振興開発であるとか、そのほか各種の問題とも関係がありますので、私どもとしては関係機関とも十分連絡をとって、できるだけ今先生言われましたような趣旨に近くなるように私どもなりに努力をしてきたところでございます。 それから、四番目に協議機関とおっしゃいました。私どもの方は、今まで申し上げておりましたように、米軍の用地として使用する場合には賃借人という立場で地主の方との関係でございますけれども、その跡地をどうするかということになりますと、今申し上げましたように、沖縄の振興開発その他各般の問題とも絡む問題でございまして、もしそのような機関が設立された場合には、私どもとして私どものできる範囲で努力をしていきたいと考えております。
○大城眞順君 いろいろと述べられておりましたけれども、いずれにいたしましても、本土の土地接収の経緯と沖縄とは随分これは百八十度違うわけですね。だから、それを法律の運用の中でこれはできませんと言ったら、もう政治も何もないんですよ。行政運営上できるところがあるのかないのか、なかったらどうすればいいのかということで前に進めてもらわぬと、県民は絶対にこの問題に対しては承知しませんよ。これからの真剣な御検討をひとつちょうだいいたしたいと思います。 いわゆるこの軍用地の跡地利用問題は沖縄振興の総合施策の上からも極めて重要な課題だと思います。開発庁長官はこれについてどうお考えか。そしてまた、ポスト二次振計につきまして、もう五月をめどに沖縄振興開発審議会の審議経過もまとめるという報道もされておりますけれども、二十一世紀のビジョンを確立するこの三次振計の内容につきまして、これから長官といたしましてどういった理念で作成されていくか。 特に長官はまた、報道によりますと、ユニークですばらしいものを期待するとおっしゃっておりますけれども、私はそのユニークに非常に関心を持っておりますので、ユニークでなくちゃならない、このように考えておりますけれども、もし特別の意味があるならば、どういった振興開発計画に持っていきたいか、ひとつ理念だけでも結構ですからお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(谷洋一君) 今御指摘になりました第三次振興計画、次の計画についての関係でございますけれども、私はただ積み残し分を今後やるという考え方、あるいは今懸案になっておる問題を取り上げるという考え方、それ以上にこれから十年先の振興計画でございますので、この十年間における地域の発展、生活環境の変化、そういうことを考えますと、相当すばらしいユニークなものをつくらなければ県民の期待にこたえることができないじゃないか、こう考えておるわけでございます。 そこで、これは何といっても県民の皆さん方の意欲というものが一番大切でございましょうし、また市町村、県との連帯を深めましてそういうものが実現するように努力をすることが必要だろうと思います。何はさておきましても、この十年間の計画というのは実施計画というふうにとらえておりますので、ただ理想を追うというだけでなく、今は大きな理想のように見えても、現実に実行するということになるとそれぞれ実現ができる、こういうものでなければならない、こういうふうな考え方でユニークという表現をしております。
○及川順郎君 時間に限りがありますので基本的な問題を二、三伺っておきたいと思います。 まず、ゴルバチョフ訪日で、日本政府としては領土問題解決に向けて鋭意努力をしているところでございますけれども、少なくとも日ソ関係の歴史的な転機になることは事実である。こういう状況の中で北方領土周辺、特にこれまで積立基金としてやってまいりました北方領土隣接地域振興等の基金、北方基金の造成、それからまた、北方地域旧漁業権者救済措置に対するいろいろな要望が出されておりました。こういう問題を日ソの新しい転機とあわせまして善隣交流を含めてどのようにリンクさせて発展的に活用していこうとしているのか、その基本的な考えをまず伺いたいと思います。
○政府委員(池ノ内祐司君) ただいま北方基金のお話が出ましたので、北方基金との絡みで御説明申し上げたいと思います。 北方基金につきましては、北方領土問題の解決に資するために基金が設置されたわけでございます。したがいまして、北方領土問題が解決をいたしますと、これは法律に基づきまして基金が廃止をされる、こういうような使命を担っておるわけでございます。したがいまして、北方領土の返還が実現するまでの間は基金の有効利用に努めていきたいというふうに考えております。
○及川順郎君 これは極めて政治的な問題でありますので、長官の方で基本的な考え、姿勢がございましたら所見を承りたいと思います。
○国務大臣(佐々木満君) いわゆる北方基金につきましては、今審議官からお話がございましたとおり、これを活用していろいろな施策をやっておるわけでございますけれども、これは法律に基づきまして、返還が実現を見たときにはこれを廃止するということになっておるわけでございまして、私どもそれまでの間ひとつこの基金を有効に活用できますように引き続き努力をしてまいりたい、こう考えております。
○及川順郎君 次に、総務庁に伺いたいのですが、北方領土が返還された場合、これは仮定論になりますけれども、四島の土地は相続以外に所有権の移転はできないと聞いておりますけれども、水面下では地権やそれから漁業権につきまして旧島民と業者との間で売買する念書が交わされているというようなうわさも出ております。実態を総務庁としてどのように把握しているのか、この点をまず承っておきたいと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(池ノ内祐司君) 漁業権の問題になりますとむしろ農林水産省、それから土地の問題ということになりますと、登記の関係になりますと、先ほど話がございましたように、法務省がそれぞれ所管することになるのではないかと思います。 そういう立場でございますけれども、総務庁として現在そういう面につきまして実態的な調査は行っておりません。
○及川順郎君 それでは、旧島民の中で領土返還後どれだけの人々が例えば移住を希望しているのか。この点について現在調査しているのかどうか、また、もししていないとしたならば、これから調査する計画がございますかどうか。 それからさらに、四島の現地の実態調査につきまして、今年度予算でどのような調査項目を考え予算措置をなさっているのか、この点もあわせて承っておきたいと思います。
○政府委員(池ノ内祐司君) まず、旧島民の移住の希望調査でございますが、これは行っておりません。いずれ北方四島の返還が確実になるという段階におきまして検討すべき課題ではないかというふうに考えております。 それから現地の実態調査でございますが、今年度予算におきまして、ランドサットによる空中撮影でございますが、それによります現地の地況の実態調査というものを調査するということで今年度に予算を計上してございます。
○及川順郎君 まず、関連しまして四島における住民の扱いですね、これはどのような青写真を描いているのか。この点に関しまして国後、択捉につきましては特にロシア人が多く居住しておるわけでございますが、これらの居住権につきましては永久にこれを保障するという、つまり日本人と混在を認めていくのかどうか。その場合に、旧島民の有する土地の所有権についてはどうするのかという問題も出てくると思うのですね。こういう点については、どのようなお考えで臨んでおられるか伺いたいと思います。
○政府委員(兵藤長雄君) いわゆる返還という北方四島の主権が固まりました後のいろいろの対応でございますけれども、多くのものが実は返還交渉の中身になるわけでございます。そういうことがございますので、私ども返還が実現した場合には日本政府はこう考える、こう考えるということをあらかじめ公にすることができないという事情をひとつ御賢察をいただきたいと思うわけでございます。
○及川順郎君 状況はよくわかります。 それでは、これも恐らく難しいだろうと思いますが、例えば現在軍事基地がありますね、この撤去について、その費用はドイツの例で見られますように日本側が負担するようなことになるのかどうか。こういう点についても、これはなかなか明かせないところだろうと思いますけれども、そういう問題点を検討なさっているのかどうなのか。この点もだめですか。
○政府委員(兵藤長雄君) 私ども内部の検討の段階では、当然のことながら、主権の問題が決着した後どういう問題があるんだろうかということにつきましては、あくまでも内部でのいろいろな検討はいたしておるつもりでございます。
○及川順郎君 もうこれ以上やりましても余り答えられるような感じじゃありませんので、ちょっと別な問題に移りたいと思います。 沖縄の問題で、一つの新しい振興計画を持っておるわけでございますけれども、本年度の予算措置で今後の沖縄の、いろんなさまざまな問題を抱えておりますけれども、担当庁として最も力点を置いて取り組んでいる課題を一、二点にまとめますとどういうところに力点を置いておられるか、この点をまず承りたいと思います。
○政府委員(造酒亶十郎君) 平成三年度の予算でございますが、沖縄が本土に復帰いたしまして十九年が経過いたしたわけでございますが、沖縄は今日なお多くの課題を抱えているわけでございます。今後とも引き続き沖縄の振興開発を推進していく必要があるというのが私どもの認識でございますが、特に平成三年度は第二次沖縄振興開発計画の最終年度に当たるわけでございます。 このことから、第二次振興開発計画の計画目標の達成とそれから諸課題の解決というのが一つの大きな柱になりまして、そのために生活産業基盤といたしましての社会資本の整備につきまして継続事業を着実に推進いたしますほか、新たなプロジェクトの芽出しに努めますなど、長期的また総合的な観点に立ちまして沖縄振興開発諸施策の積極的な展開を図る、そのための重要な時期である、こういう認識のもとに各方面の御理解、御協力を得まして予算を編成したところでございます。 特に一つ二つ例示をと、こういうお話でございましたけれども、以上の総括的なお答えでお許しをいただきたいと思います。
○及川順郎君 最後に、沖縄自由貿易地域、フリーゾーンの問題で、これは発足以来間もなく三年を経過しようとしておりますけれども、当初の期待とは裏腹に余り成果ははかばかしくない、このような指摘がなされておるわけですね。沖縄開発庁としましてこの現状をどう実績を評価し、その反省に立って問題点をどのように整理なさっているのか。今後の方向としまして、このフリーゾーンの活性化に対して障害があればそれを取り除いて、どのように活性化しようとしているのか、この点を承りまして、私の質問を終わります。
○政府委員(造酒亶十郎君) 自由貿易地域制度は、沖振法に基づきまして沖縄における企業立地を促進いたしますとともに貿易の振興に資する、こういう目的のために沖縄県知事の申請に基づきまして沖縄開発庁長官が指定をするという、そういう制度でございます。なお、関税法に規定いたしております保税制度と企業立地のための税制上の優遇措置を組み合わせた制度になっているわけでございます。 現状でございますが、昭和六十三年六月に二十七社の立地企業が選定されまして、その後各企業におきまして順次専用設備等の設置を行いまして、平成元年六月に至りまして全社がそろって操業を開始したところでございます。 確かに先生御指摘のように、自由貿易地域の入居企業は立地いたしましてからまだ間がないということもございまして、なかなか当初の期待どおりの成果が上がっていないのではないかというような御批判も受けるわけでございますが、私どもこれまでも沖縄県などの意向を踏まえながら大変きめの細かい支援を行ってまいってきたところでございます。これまでも入居企業の要望を受けまして、必要な水産物資の原材料の確保につきまして平成元年七月に県知事から要請を受けて関係各省庁におきまして御検討いただきまして、平成元年度上期から魚介類及びイカにつきましての輸入割り当てが認められたというような事例がございます。また、沖縄県におきましても平成二年度には展示施設の拡大を行っております。 なお、今後この自由貿易地域を活性化するためにどのように考えていくのかというお話でございますが、この自由貿易地域制度の拡充につきましては、沖縄県など関係者の御意向等を踏まえながら関係省庁とも十分御相談をいたしまして、今後次の振興開発計画に向けた検討の中で考えてまいりたい、このように考えている次第でございます。
○市川正一君 谷長官に伺います。 三月三十一日に那覇での記者会見で、沖縄県が国に制定を要望しております軍用地転用特別措置法について、特別に取り上げる必要はないと、こう発言されました。ここに新聞の切り抜きがあります。ところが、県民の強い抗議に遭って二日の記者会見では、所管でないために軍用地転用特措法に対し賛成反対などどうこう言える立場にない、言葉が足りなかったなどと弁明されております。 そこで伺いますが、返還軍用地の跡地利用計画を策定する上でこの新法は必要ないという立場なのか、明確にしていただきたい。
○国務大臣(谷洋一君) 私が三十日並びに三十一日に参りました後、三十一日の日に記者会見をした記事が新聞に出ておりまして、私は全く驚いたわけであります。私の本旨が伝えられなかったのでなくて、全く違ったことを書いております。 といいますのは、そのときの質問は、こういう法律をつくるについてどう思うかということでございましたので、この問題は防衛庁並びに防衛施設庁の関係でありますから私は答える立場ではございません。しかし、沖縄開発庁としましては、軍用地の返還は沖縄振興開発にとっては重大なことと思っておりますので、重大関心を持っております。それから、沖縄開発庁としましては、土地改良事業あるいは区画整理事業あるいは公用地利用等については高率補助金で現在対応しておりますので、問題ないと思いますと、こう言ったんです。そうしたら、新聞を見たらああいうことが書いてあるので、全く私は関係ない。 そこで、閣議の後の記者会見で、新聞というのももっと的確なことを書いてもらわなきゃ困る。三段論法で、ああ言ったらそれは消極的な反対だ、こういうふうな言い方したに違いないと、こう言ったら黙っておりました。それで、その後の記事は今御指摘のような記事になっていると思います。 一々私はその新聞内容については申し上げませんが、今御指摘になったので申し上げるわけであります。
○市川正一君 私の持ち時間は十三分なので、その経過をるるやられたら私はもうアウトですからね。今お聞きしたのは、あなたはそれは必要なのか必要でないと考えられるのかという、イエスかノーかをお聞きしているのでね。 そうすると、今伺った範囲では、反対だということじゃない、こう理解していいんですね。
○国務大臣(谷洋一君) その法律については防衛庁、防衛施設庁の管轄でございますので、私はその問題にお答えするという立場ではないと思うんです。ただ私は、沖縄開発庁の立場からいえば、現在土地改良とかそういうことをやっておるんですから、高率補助金でやっておるんですから、今は皆さんの、県民の立場からいえば必要ない、こう思ったんです。
○市川正一君 論理としておかしいんですよ。だから、あなたは言う立場でないのに結構言うとるんですよ。それで、結論として高率補助があるからということを言うてるんだから、だとすると、その問題を聞かざるを得ぬのですよ。 御承知のように、全国の在日米軍基地の七五%が沖縄にあるんですね。しかも、県土の一一%が基地なんです。その沖縄県で返還軍用地の跡地利用計画というのは、沖縄の振興計画で決定的な課題なんです。だからこそ返還軍用地の有効利用のために、財政措置だけでなしに、高率補助ということだけでなしに、基地の整理縮少等計画的返還、地主における損失についての適切な補償などを織り込んだ財政上の特別措置法が、これは自民党も含めて超党派で求められている。さっき与党の大城理事がこの問題に触れられたのは当然なんです。 例えば那覇市のアメリカの返還用地は八七年に全面返還されて、今いろいろ計画進行中ですけれども、十五年たっているんです。しかし、地主には地代などがまだ入ってこないという事態がさっき大城理事も指摘されたような状況のもとで続いているんです。長官、こういう事態を御承知なんですか。それに対する対応策として特別措置法が道理ある要求とは思われませんか。この一点、思うのか思わぬのか、はっきり答えてほしい。
○国務大臣(谷洋一君) 第二次振興計画におきまして軍用地の返還を求めるということははっきり書いてあるわけでございますから、そのことは十分わかっておるわけであります。しかし私は、先ほども言いましたように、防衛施設庁の管轄については私は答える必要はないと。しかし、沖縄開発庁の担当者としては、返還の後の問題について は今高率補助金でやっておるので、それはいいと思うと、こうやったんです。その関連はそのとおりでございます。
○市川正一君 そうすると、今の御答弁を類推すると、あなたはっきり言われないから、所管外ではあるけれども、沖縄開発庁としては、当然跡地利用の上から必要な特別措置あるいはそういう立法は、新法は必要であるという認識をお示しになったと、こう理解していいんですね。
○国務大臣(谷洋一君) これは沖縄開発庁も防衛庁も、政府の立場からいえば、第二次振興計画にうたってあるわけですから、それは努めて軍用地の返還を求めると、これは間違いないことだと思うんです。
○市川正一君 その後のことを言うてんねん、おれは。
○国務大臣(谷洋一君) それで、後のことは沖縄開発庁……
○市川正一君 後は野となれ山となれでは困るんだ、これは。
○国務大臣(谷洋一君) いや、我々が今やっておる仕事については高率補助金でやっておるので、これはそのまま持続できると、こう思っておるんです。
○市川正一君 そうすると、高率補助金の問題では間尺に合わぬということを言うてるんですよ。その実情をあなた知っているのかということを聞いているんです。さっきそれは大城理事が具体的に指摘したとおりですよ。それじゃもう間に合わぬのですよ。十五年間地主は地代ももらえないんですよりそういう状況を開発庁として、長管としてほっとくんですかと、こう聞いているんです。 しかも、その高率補助というのを考えてみましょう。国は八五年から補助金力ットしているじゃないですか。そして自治体に押しつけているじゃないですか。沖縄だってその例外じゃないんですよ。私の調査でも、この六年間で公共事業だけで五百億円以上の補助金がカットされています。今年度は約百億です。高率補助というならば、この補助金力ットをもとに戻して、この間の六百億円以上に上る自治体の負担を、沖縄のですね、しかるべき措置をとるのやったらまだ大きい顔して言えまっせ。そういうことも手をつけぬと、高率補助高率補助言うたってそれは通らぬと思いますが、どうですか。
○国務大臣(谷洋一君) 高率補助金のカットの問題につきましては、私ども簡単に補助金カットカットと私自身も言っておりますけれども、厳密に言えばカットでなくて、あれは補助金の一部の繰り延べということが現実の姿だと思うんです。 それから、もう一歩前に踏み込んで答えろとおっしゃる。それは踏み込んで答えると、防衛施設庁の担当になっちゃうんです。ですから、防衛施設庁の関係については、私は答える立場じゃないと、こう言っておるわけであります。
○市川正一君 ただあなたは、防衛庁も沖縄開発庁も政府として一体でございますと、都合のいいときは一体で、都合が悪くなったらいや別々やと、そういう詭弁が通ると思うたら大間違いだっせ。 時間がもうないんで、僕はせっかく親愛なる佐々木総務庁長官もお見えなんで、今度は領土問題へ移らしていただきます。 日ソ領土問題なんですが、我が党は我が国固有の領土である全千島の返還を目指す。第一に、中間的条約でもともと北海道の一部である歯舞、色丹の即時返還をやらせる、第二に、全千島の返還を内容とする平和条約の締結交渉を引き続き進める、こういう提案を行っております。 最近、一連の世論調査がありました。例えば、根室市民のアンケート調査もそうなんですが、ここに持ってまいりましたのは北海道新聞の四月五日付ですが、日本世論調査会の三月に行った全国調査でも四島一括返還が三六・三%に対して、二島返還を先行させる、そういう言うならば段階的返還論が三七%と上回っているんですよ。このことは、ソ連もかつて合意して二島返還を即時実現し、引き続き国民的合意に基づいて国際的にも筋の通る主張を貫いていくことを求めていると私は思うんですけれども、総務庁長官はこの調査結果にどういう御認識をお持ちでしょうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐々木満君) この北方領土四島の返還の仕方につきまして最近いろんなアンケート調査等がございまして、私も概略承知いたしておるつもりでございます。ただ、私どもはこの四島一括返還というのは今や国民的な世論である、こう認識をいたしております。例えば四島一括返還についての署名、これは今日まで五千五百万人を超えておるわけでありますし、それから返還を一生懸命やっておられる民間団体、百を超える民間団体の連合体がございますけれども、ここからも先般来四島一括返還という強い御要望をいただいておるわけでございまして、私はいろんな御意見をお持ちの方もいらっしゃると思いますけれども、四島一括返還というのは今や国民の世論だと、こういうふうに私は認識をいたしております。したがいまして、従来からそうでございますけれども、今後、特に今回のことに当たりましては、国民的なこの世論、悲願ということを踏まえて一括返還へ向けて努力をすべきだと、こういうふうに考えておる次第でございますので、よろしく御協力をお願い申し上げます。
○市川正一君 私は四島一括論では筋も通らぬし、歯舞、色丹も結果としてはやっぱり返ってこないということを指摘しておきます。 私が今紹介したようなこういう世論の背景には、地域経済の衰退に歯どめをかけたいという根室その他のあの地域の人たちの切実な願いが込められていると思うんです。特に九二年にはサケ・マスの沖取り禁止が予想されております。そうなりますと、例えば根室などの経済は決定的な打撃を受けることは、先般私ども参りまして切実に痛感してきたところです。本委員会として現地に参りました。そういう事態のもとで日ソ漁業における合弁事業が非常に重要な柱の一つになっておりまして、例えば現在あるピレンガ合同を見ましても、ふ化場の施設建設などへの負担金の過重や、操業区域のハンデのために十九億円の累積赤字となっている。地元では日ソ合弁事業について民間任せでなく、もっと政府間で協議してバックアップしてほしいという要望が出ております。これは非常に具体的な問題なので、どう対応されるのか、水産庁の御答弁を伺って、時間が参りましたので私の質問を終わらさせていただきます。谷長官が何か御発言ございましたら、時間外でひとつよろしくお願いします。
○説明員(田家邦明君) 水産庁の田家でございます。時間がないので端的に御答弁申し上げたいと思います。 先生御指摘のとおり、特にサケ・マス漁業につきましては、ソ連二百海里内の操業ということを目指しまして、現在日ソ間で合弁事業を実施しているところでございます。 現在の状況を見ますと、委員御指摘のとおり、必ずしも順調なものと言いがたい状況になっているのは事実でございます。これにつきましては、双方の経済体制の問題、これに起因する経済性に対する認識がまだ十分相互にできていないというような問題がございます。ただ、本件につきましては基本的には民間ベースの行為でございますが、先生御指摘のとおり、今後の北洋漁業の安定ということから考えれば重要な課題の一つでございますので、問題解決に向けた日ソ双方の関係者による話し合いが円滑に行われますよう水産庁としても努力を払ってまいりたいと考えております。
○市川正一君 頑張ってください。
○国務大臣(谷洋一君) 先ほど申し上げましたとおりに、第二次沖縄振興計画におきましては、基地の縮小という言葉をはっきりうたっておるわけでございますから、政府の立場からいえば防衛庁も沖庁も同じ立場だと思うんです。そこで、一歩前に出て言えとおっしゃいますけれども、それを言うとそれは防衛庁の担当になってしまいますから、私は言えない、これで間違いないと思います。
○市川正一君 もっとしっかり頼みまっせ。
○高井和伸君 私は、北方四島の返還と日米安保条約のことについてお聞きしたいと思いますが、今ちょうど外務省の兵藤欧亜局長さんがお見えになりますのでちょっとお尋ねしたいのですが、基本的には今、日ソの間でこういった安保条約の存在あるいは米軍の日本における駐留という問題はどのようなところでどのように出てきているのか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(兵藤長雄君) 領土問題を解決いたしまして平和条約を結ぶ際に一つの問題と考えられましたのが日米安保条約並びにそれに基づきます日米安全保障体制という問題でございます。かつてグロムイコ書簡というものが一九六〇年に出されまして、日本の領土内に外国軍隊が存在する限り、日ソ共同宣言第九項に基づきます歯舞群島、色丹島の引き渡しを実施し得ないという見解を表明した時期もございます。 そういうこともございましたので、私どももシェワルナゼ外務大臣の時代になりましてできました日ソ平和条約作業グループ、さらには外相レベルにおきまして、つい最近では昨年の九月にシェワルナゼ外務大臣が参りましたときに中山外務大臣から、来るべきあるいは結ばれることとなるべき日ソ平和条約と日米安全保障条約並びにそれに基づきます日米安全保障体制とが両立し得るとソ連政府は考えるか否かという点を正式に問いただしたわけでございます。この点は明確にシェワルナゼ外務大臣から、両立し得ると考えるという返事をいただいております。 なお、念のために中山外務大臣が訪ソをいたしましたこの一月に、向こうは外務大臣がかわりましたので、ベススメルトヌイフ外務大臣に対して同じ確認をいたしたところ、同じ肯定的な確認を得ているところでございます。 したがいまして、私どもは平和条約を結ぶ際に、基本的には日米安保体制と両立し得るという前提でソ連側と話を進めておるところでございます。
○高井和伸君 わかりました。そうであっても、やっぱりソ連側の立場になれば、安保条約の存在というものはいろいろな面で、四島の領土問題という面から見た場合、非常に大きな問題になるのだろうと思っております。 そういったようなことで、外務省の問題点の指摘の中にも、北方領土返還の障害としての、北方領土の軍事的、戦略的価値というものが非常に見逃すことができないというか、そのものじゃなかろうかと思いますけれども、軍事的、戦略的価値というのは、具体的にはどんなふうに受け取ればよろしいですか。
○政府委員(兵藤長雄君) ソ連にとりましての軍事的、戦略的価値というものは、私どもはあくまでも推測の域を出ないわけでございますが、北方領土に、先生の仰せのように、ソ連の正規軍一個師団が配備されましたのは一九七〇年代の後半でございます。一九七八年の春からだと記憶いたしますが、その時期に世界の軍事戦略がどういう方向に向かっていたかということを考えますと、いわゆる潜水艦から発射されます弾道弾、SLBMというものですが、潜水艦が戦略上大変に大きな意味を持ってくることになった。オホーツク海がその一つのソ連から見ての重要性を持つようになったということが、恐らく関係があるのであろうということが最大の要因として考えられるというふうに推察をいたします。
○高井和伸君 防衛庁にお尋ねしますけれども、「日本の防衛」、平成二年九月の本によりますと、一個師団と択捉島の天寧飛行場にはミグ23フロッガー戦闘機四十機が現在配備されている、このようなことになっていますが、そのとおりなんですか。
○説明員(北原巖男君) お答え申し上げます。 白書に書いてありますように、天寧飛行場のミグ23フロッガー戦闘機約四十機、先生おっしゃったように現在も変わっておりません。それから、一個師団規模、これも変わっておりません。
○高井和伸君 国民の立場から見た場合、こういったソ連の軍事力の存在というのは、日本の防衛上どのような考え方で把握したらよろしいのか、防衛庁はどのようにお考えになっているのか。
○説明員(北原巖男君) まず、この北方領土に先生御指摘のような規模の部隊が展開していることにつきまして、これは我々といたしましては、極東ソ連軍全体の一部としてとらえているわけでございますが、この極東ソ連軍と申しますのは、御承知のように、この地域でみずからの防衛に必要な戦力をはるかに超えるものを展開している。それによりまして、この地域の軍事情勢を厳しくしている、このように認識しているところでございます。 したがいまして、防衛庁といたしましては、まずこの地域の安定を図り、あるいは信頼を醸成するためには、ソ連が今申しましたような極めて膨大な軍事力をみずからの意思によりまして実質的かつ大幅な一方的な削減をするということが何よりも大事ではないかと考えております。 こうした点からすれば、我々は今北方領土に展開しているソ連軍、これにつきましても、我が国周辺の軍事情勢を厳しくしているものの一つの力である、そのように考えているところでございます。
○高井和伸君 そこで、外務省にお尋ねしますが、今のようなソ連が極東ソ連軍として防衛という側面から見ればはるかに超えるものを軍事力として展開している。要するに攻撃力があるという意味だろうと思いますが、そういったようなテーマで北方領土の返還問題は、今の防衛庁の見解で言えば、その地域における軍事力の安定という問題から言えば、みずからの意思で大幅な削減がなされない限り良好な状況にならない、こういうような防衛庁の見解でございましたけれども、そういった見解でソ連との交渉がなされているのですか。
○政府委員(兵藤長雄君) 東西関係を世界的な規模で眺めますと、御承知のように、ヨーロッパにおいては相当程度の緊張緩和が進んでいるわけでございます。アジア・太平洋地域におきましても、私どもはソ連側に対しましてまさに同じ新思考外交の発想がアジア・太平洋地域にも適用される、その具体的な成果が見られるということがぜひとも必要ではないかという話を実はソ連側とやっているわけでございます。昨年の九月でございましたが、シェワルナゼ外務大臣が参りましたときに、外相レベルで初めていわゆるアジア・太平洋地域におきます戦略問題も含めました安全保障問題を真剣に議論しよう、討議しようという合意のもとにこの議論を始めたわけでございます。 それは具体的には事務レベルでは政策企画協議ということで引き継いでいこうという合意をいたしまして、この企画協議も昨年の十二月に開かれたわけでございます。また、今年の一月下旬に中山外務大臣が参りましたときにも安全保障の議論を進めたわけでございます。向こうはいわゆる信頼醸成措置八項目提案というものをやってまいりましたが、私どもはそういう具体的な議論に入る前に総合的な観点からアジア・太平洋の安全保障をどう考えるべきかという議論から入っていこうということでその議論を続けているところでございます。私どもそういう議論の中で北方領土問題についても並行して交渉を進めてまいっているというのが実情でございます。
○高井和伸君 ヨーロッパ地域における問題と極東地域における問題、要するに緊張緩和のレベルがどうも先ほどの防衛庁の説明によってもかなりギャップがある。このギャップはどう国民は考えたらよろしいのでしょうか、防衛庁と外務省の御見解を聞きたいと思います。
○説明員(北原巖男君) まず、最近の欧州を中心といたしました東西関係の画期的な改善という点につきましては全くそのとおりでございます。したがって、ソ連の脅威というものにつきましても、極東地域におきましても、先ほどの画期的な改善ですとかあるいはソ連の国内情勢等々考慮いたしますと、従前に比べまして他国に対する侵略的な行動をとるといったことが困難になっているということは明らかだと思います。 さはさりながら、私どもが注意しなければいけないのは、ソ連の軍事力の実態というものはやはり依然といたしまして核あるいは通常戦力、その両面において極めて膨大な軍事力を有している。そして先ほども申しましたように、特に我が国周辺におきましてはみずからの範囲を超えるような防衛力といいますか、軍事力を展開している。そしてこの地域の軍事情勢を厳しくしているということについては、私どもはそうした見解をとっているわけでございます。ただ、先ほど申しましたように、欧州と同様この地域においても、ソ連の他国に対する侵略の行動といったものについては、それをとることが困難な状況になっている。それは私どももそのように考えているところであります。
○政府委員(兵藤長雄君) 先ほど冒頭に申し上げました、いわば広い意味の東西関係から見ました位置づけということを背景といたしまして、防衛白書におきましても脅威という言葉が落とされているということは、そういう事態を反映したものであると考えますけれども、ただいま防衛御当局からも御説明がございましたように、一番重要なのは事実でございます。何が起こっているかという事実でございます。それを子細に見ますと、私どもが承知いたしておりますところでは、確かに量的にはソ連の極東ソ連軍も削減という事態が進行している。しかしながら、他方で質的な向上というものが続いているというふうに私どもは理解をいたしております。また、その絶対量におきましても、必要量を相当上回る戦力が展開されているという事態は変わっていない、その点の厳しさは変わっていないという点におきまして、私どもは防衛庁と全く同じ認識で対処をさせていただいております。
○高井和伸君 最後の質問をさせていただきますが、今のような軍事情勢と日米安保条約の問題の立場から、北方領土四島の返還の交渉における日米安保条約の変容というのはあり得るのかどうか。具体的に、北方四島を返してくださいと言うだけではいけない、ある程度のいろんな細かい詰めがなかったらできないはずでございます。そういった段階で主権の存在を認めてくれれば、あとはいろいろ各論の世界へ行きましょうというような発想の今後の流れも欧亜局長さんの発言の中にあるようでございますけれども、安保条約が何らかの変容なかりせば北方領土は返ってこないのかどうかという質問に対しては、どのように答えていただけますか。その点を聞いて終わりにします。
○政府委員(兵藤長雄君) 先ほど御答弁申し上げましたように、基本的には日米安全保障体制と日ソ平和条約は両立し得るという明言を得ておりますので、そうである限り、現在見通せる限りで申し上げれば、日ソ平和条約を結ぶ段階で日米安保条約をどうしても変えなきやいかぬ、必要性が生ずるということは、今の段階では想定いたしておりません。
○喜屋武眞榮君 北方領土の問題につきましては、沖縄が復帰して十九年、二十年に差しかかっておるわけですが、沖縄の変革、さらには北方領土の返還なくして我が国の戦後は終わらない、こう認識して、北方領土の返還に沖縄県民も前向きで取り組んでおるということを御理解願いたいと思います。 次に、開発庁長官にお尋ねしたいんですが、沖縄の振興開発を図る上で、在沖米軍基地の存在を国はどのように認識しておられるかということをまずお聞きしたい。
○国務大臣(谷洋一君) ただいま委員から御指摘の沖縄県における軍事施設でございますけれも、沖縄県全体の面積の一一%を占め、沖縄本島におきます二〇%を占めておる軍事基地でございますから、その広大な面積を有しておる軍事施設は沖縄振興開発にとりましては重大な問題だと思い、重大関心を寄せております。
○喜屋武眞榮君 関心だけではだめで、事実は何よりの真実であると私はいつも言うのでありますが、その事実を明確にお聞きしたかったんですが、時間の関係でその事実を確かめるために一点伺いたいことは、米軍基地の認識に対する問題が、私は開発庁長官のかつての沖縄訪問のときお言葉の中で非常に気になることで、一体米軍基地をどのように認識しておられるかということについて伺いたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷洋一君) 沖縄の振興開発にとりまして軍事基地というものが障害になるということはよくわかるわけでございますし、また第二次沖縄振興開発計画におきましては、軍事基地の返還ということについても強くうたっておるわけでございますので、基本的にはその方向に向かうべきだとは思いますけれども、これは防衛庁、防衛施設庁の担当でございますからそれはさておきまして、私はその返還をされた後処理の問題につきまして開発庁の責任でございますので、それは土地改良事業の促進であるとか、あるいは区画整理事業の促進であるとか、公用地利用の問題であるとか、そういう問題を早期に解決することが開発庁の責任だと思い、これは県民の皆さん方とも、また市町村の方々とも十分話し合いをして、そういう方向で今後もいきたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 私が残念に思いますことは、あなたのお言葉の中に、先ほど来記者会見のすれ違いの御意見のように承っておりますが、いかにすれ違いでありましても、政府という立場からは共通の理解の上に立たなければいけないと思います。 と申しますのは、執行面ではそれぞれの窓口があるかと思うんですが、私はここであなたの沖縄の基地に対する認識の点で非常に不満を持っております。本土の基地は面積の一%以下でしょう。沖縄県土は一一%でしょう。沖縄の基地の大部分を占める本島は二二%でしょう。基地の核と言われておる嘉手納基地では八五%でしょう。このように各市町村にも軽重はありますが、この複雑な実情に対して、本土にも基地はあるというお言葉はあなた不用意にも述べられたかもしれませんが、基地があるという条件においては同じでしょう。ところが、基地の内容、密度、ここに行政の、そして政治の立場からの慎重な発言がなされなければ、いいかげんにその場その場ですりかえられたんじゃ、主権在民の、幸せを求める憲法のもとに平等の権利を享受する、この立場から大きなすれ違いがあるということを私指摘したいんですが、いかがですか。
○国務大臣(谷洋一君) 我が国における軍事基地の七〇%以上が沖縄にあるということはよく存じておるわけでございまして、本土も基地があるから沖縄も基地があるというふうな表現は私はしたことはないと思っております。 ただ、その密度の問題、内容の問題等につきましては、これは非常に重大な問題でございますので、その点で、先ほど私が土地改良、区画あるいは公用地等々の返還以後の問題について申し上げましたが、それらの問題について早期に解決しなければ、きょうも他の委員の方から御発言がございましたように、県民の不満というのがあるわけでございますから、早期に解決するような方途をこれから開発庁としては考えていかにゃいかぬということを、私も訪沖いたしまして帰った後、いろいろと庁内では相談をしておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 不満にもそれは段差があるということは御承知でしょう。 平成三年の三月、沖縄県が策定した第三次沖縄振興開発計画大綱では、米軍施設、区域は「計画的な土地利用を阻害し、地域の振興開発上大きな制約となっている」という認識を示しておりますね。ここなんですよ。第三次振計についても、壁は、この軍事基地を避けて通るところには第三次振計の成功はない、こういうことを指摘しております。 そういう見地から、これが県民の意思であり、そして行政責任者である沖縄の知事がこのように述べておることを私は重ねてここで申し上げたいんです。 時間の関係がありますので、次に移ります。 第三次振計においても高率補助の適用はぜひ必要であると私は思いますが、長官の御見解はいかがですか。
○国務大臣(谷洋一君) 次の振興計画を立てる場合も、第一次並びに第二次におきます高率補助というのは当然しなければ、いわゆる四十七都道府県における最低の所得水準、あるいは沖縄が抱える、他の県に見られない濃厚な離島問題、あるいは水資源関係等々、私はやはり高率補助は必要だと、私自身個人的に必要だと考えております。
○喜屋武眞榮君 時間が迫りましたので、二つの問いを述べてコメントを求めて終わりたいと思います。 まず一つは、赤土流出防止対策については、沖縄開発庁長官としてどのように考えておられるか、現地調査の御感想も含めて承りたい。 もう一点は、八重山のマラリア犠牲者に対する補償問題について沖縄県から要請があった場合に、沖縄開発庁といたしましてはどのように対応なさるのか、この二点についてお伺いいたします。
○国務大臣(谷洋一君) 赤土問題につきましては、庁内でいろいろとお話はお聞きしておりましたけれども、現実に沖縄に参りまして現場を見ますと、その状態がよくわかるというよりも、これは大変なことだと、こういうふうな感じを受けたのが事実でございます。 開発庁といたしましては、道路整備あるいは土地改良、そういうふうな問題につきましては、先ほど来答弁がございましたように、あらゆる手段を講じまして、いわゆる設計の中に組み込んでできる限りそういうことが出ないように、赤土の被害を未然に防ぐようなことを考えていくのが当然だと思いますけれども、この赤土問題はやはり総合的な問題と申しますか、開発庁だけでは到底解決のできない問題でございまして、やはり開発庁それから県、市町村、それから個人個人の方々ともにこの赤土問題には積極的に取り組んで、お互いに自然保護の立場から、またリゾート、観光の面からいっても、どうしてもこの問題には誠心誠意総合的な対策で当たらなければならぬのじゃなかろうか、こういうふうな考えを持っておりますので、今後もやはり特に市町村、県、沖縄開発庁一体となってやらなきゃならぬ、こう考えております。 私が見た現場では、沖縄開発庁の職員がいろいろと技術的に科学的な面を追求しましてやっておる努力は多としますけれども、それは沖縄開発庁だからできるんだというのでは困るので、やはり個人の方がいろんなことをやられようとも、いろんな工夫によって未然に防止ができるようなことを考えていかなければならぬだろう、こう思っております。
○政府委員(造酒亶十郎君) マラリア犠牲者の遺族補償問題につきまして、県から要請があった場合開発庁はどうするのかというお尋ねでございました。 平成元年の五月に篠原武夫さんが会長になられましてマラリア犠牲者援護会が結成されまして、軍命でマラリアの有病地に避難させられたということで、厚生省所管の戦傷病者戦没者遺族等援護法の適用など、国家補償を求めておいでになることは私どもも承知をいたしております。ただ、戦傷病者戦没者遺族等援護法を所管しております厚生省では、援護法の適用は大変難しい、困難であるということをおっしゃっておられるようでございます。ただ、いずれにいたしましてもこの問題は戦後四十数年が経過いたしておりまして、当時の状況あるいは生存しておいでになります遺族の実態など必ずしも明らかでない、不明な点が多いというのが実情でございます。 そこで、沖縄県は、平成元年の十二月に補正予算を計上いたしまして、当時の状況あるいは生存遺族の数などを調査されたようでございますけれども、マラリアの犠牲者あるいは遺族補償の支給対象者等々を必ずしも十分に把握することができなかったということで、遺族補償を要請する基礎資料といたしましてはちょっと不十分ではなかろうかということでございます。 沖縄開発庁といたしましては、沖縄県が今後さらに調査をお進めになりますならば、その結果を踏まえまして、厚生省と連絡をとりながら慎重に対処してまいりたい、このように考えている次第でございます。
○喜屋武眞榮君 時間の関係で、前向きで検討してもらいたいと要望いたします。
○委員長(田沢智治君) 以上をもって平成三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち総務庁北方対策本部、沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫についての委嘱審査を終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田沢智治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十二分散会