沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1991/03/26
会議録
○委員長(田沢智治君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田沢智治君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に及川順郎君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(田沢智治君) 次に、沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、平成三年度沖縄及び北方問題に関しての施策について、関係大臣から所信を聴取いたします。 まず、谷沖縄開発庁長官から所信を聴取いたします。谷沖縄開発庁長官。
○国務大臣(谷洋一君) 先般、沖縄開発庁長官を拝命いたしました谷洋一でございます。 委員長を初め委員の皆様方にはよろしく御指導、御鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げます。 続きまして、沖縄開発庁長官として、所信の一端を申し述べます。 国は、昭和四十七年五月の沖縄の本土復帰に伴い、第一次沖縄振興開発計画を策定し、本土との格差是正を図るため、各般の施策を積極的に講じてまいりました。 さらに、昭和五十七年には、平成三年度までの二次振計を策定し、現在、沖縄の振興開発を鋭意推進しているところであります。 沖縄の本土復帰以来、十九年の間、県民のたゆまざる御努力もあり、社会資本の整備が大きく前進するなど、沖縄の経済社会は総体として着実に発展してまいりました。 しかしながら、生活・産業基盤の面でなお一層の整備を要するものが多く見られるとともに、解決を要する多くの課題を抱えております。 沖縄開発庁におきましては、残すところ一年余となった二次振計に基づく諸事業の着実な推進を図り、地域特性を生かした振興策を積極的に展開しているところであります。 平成三年度予算に関しても、公共事業費を中心に約二千六百二十億円の予算を確保したところであります。 また、昨年七月、これまでに実施されてきた諸施策、事業全般について広く総点検を行った結果、計画期間中には解決されない種々の問題があることが明らかになりました。沖縄振興開発審議会においても、現在、鋭意総合的な検討を行っていただいているところであり、沖縄開発庁として、今後の沖縄の振興開発のあり方を検討していく必要があります。 私といたしましては、今後とも沖縄県の実情、沖縄県民の御意向を十分に踏まえながら、県当局及び県民と一体となって沖縄の振興開発に積極的に取り組んでまいる所存であります。委員長を初め委員の皆様方の一層の御理解と御協力とをお願い申し上げまして、私の所信といたします。 ありがとうございました。
○委員長(田沢智治君) 以上で谷沖縄開発庁長官の所信表明は終わりました。 どうぞ御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。 次に、佐々木総務庁長官から所信を聴取いたします。佐々木総務庁長官。
○国務大臣(佐々木満君) 先般、総務庁長官を拝命いたしまして、同時に、北方対策本部長として国民的重要課題でございます北方領土問題の解決促進に取り組むことになりました佐々木満でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 この際、北方領土問題につきまして、所信の一端を申し述べたいと存じます。 我が国固有の領土であります北方領土が、戦後四十六年を経た今日もなおソ連の不法な占拠下に置かれ、いまだに返還の日を迎えていないことは、まことに遺憾なことであり、この問題を国民の総意に基づき解決することは、国家の基本にもかかわる重要な課題であります。最近、日ソ両国間におきましては、対話や交流が拡大され、深められてきておりますが、両国間の最大の懸案でございます北方領土問題に対するソ連の態度には実質的な変化は見られません。 本年四月中旬には、ゴルバチョフ大統領の訪日が予定されており、北方領土問題に関する日ソ交渉は正念場を迎えようとしております。去る二月七日の北方領土返還要求全国大会におきましても、ゴルバチョフ大統領に対し四島一括返還の英断を求めるメッセージを採択するなど、返還要求運動もかつてない盛り上がりを見せております。総務庁といたしましても、北方四島の一括返還を求める国民世論をさらに結集し、返還要求運動をなお一層盛り上げることが必要であるとの認識に立ち、広報・啓発の充実、返還要求運動の全国的な発展強化を図るなど、国民世論の高揚を図るための施策の一層の推進に努めてまいる所存であります。 平成三年度予算におきましては、北方領土返還要求運動関係者による全国集会の開催など、重要な時期にある北方領土返還要求運動の一層の推進を図ることとしております。 また、北方領土隣接地域振興等基金の造成については、来年度十億円の補助金を計上したことにより、法律で定める期間より一年早く目標額の百億円が達成されることとなりました。基金造成後は、その運用益を十分活用して隣接地域の振興等各種事業の充実を図るよう指導してまいります。 私は、北方対策本部長として北方領土問題等の解決の促進を図るための基本方針に基づきまして、今後とも国民世論の啓発、元居住者に対する援護、隣接地域の振興等の施策を鋭意推進してまいる所存でございます。 委員長を初め委員の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げる次第でございます。 ありがとうございました。
○委員長(田沢智治君) 以上で佐々木総務庁長官の所信表明は終わりました。 どうぞ御退席いただいて結構でございます。 次に、中山外務大臣から所信を聴取いたします。中山外務大臣。
○国務大臣(中山太郎君) 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、外務大臣として一言ごあいさつを申し上げます。 まず北方領土問題について申し述べます。 日ソ関係の抜本的改善は、日ソ二国間のみならず、アジア・太平洋地域の平和と安定の強化、さらには世界全体の平和と安定の確保の観点からも不可欠であります。そのためには、北方四島の返還を実現し、平和条約を締結して日ソ関係を政治的に安定した基礎の上に置き、あらゆる分野で質的に新しい両国関係を構築することが必要であります。このような認識に立ち、政府としては来月のゴルバチョフ大統領訪日を日ソ関係の抜本的改善の突破口としたいと考えております。 先般の私の訪ソの際にもこのような我が国の考えをソ連側に明確に伝え、ソ連側の英断を求めるとともに、我が国としてもできる限りの努力を行う旨強調いたしました。今後、大統領訪日までの間、今月末にべススメルトヌイフ外相の訪日が予定されておりますところ、引き続き種々の分野で日ソ双方で真剣な準備作業を進めていくとともに、我が国としては、何よりも北方領土問題解決のためこれまで以上に強力に交渉してまいる所存であります。 このような強力な対ソ交渉を行っていくに際しましては、何よりも揺るぎない国民世論の支援が不可欠であります。この意味において、北方領土返還を求める国民世論が日ごとに高まりを見せていることは、外交交渉に当たる者として心強い限りであります。政府といたしましては、累次にわたる北方領土問題解決促進に関する本委員会の決議を踏まえて、ソ連との交渉に全力を傾注する所存であります。 次に沖縄に関する事項について申し述べます。 日米安保条約に基づき我が国に駐留している米軍の存在は、我が国の平和と安全並びに極東の平和と安全に寄与するものであり、政府としては、米軍施設・区域の円滑かつ安定的使用の確保は、日米安保条約の目的を達成するために極めて重要であると考えております。 同時に、政府といたしましては、米軍の活動に伴う住民生活への影響を最小限にとどめることが重要と考え、種々の努力を払ってきているところであります。 沖縄県におきましては、米軍施設・区域の密度が特に高く、沖縄県民の方々よりこれまで御理解と御協力を得てまいりましたことは、政府といたしましても感謝いたしております。また、沖縄の米軍施設・区域の整理統合について強い要望があることも十分承知しており、右整理統合計画の実施の一層の促進のため、米側との間で鋭意検討を続けてまいりました。 その結果、昨年六月、二十三の事案、面積でおおむね千ヘクタールについて、返還に向け日米双方が所要の調整手続を行っていくことが確認されました。 今後とも施設・区域の整理統合に対する沖縄県民の方々の要望をも踏まえ、米側と調整してまいる所存であります。 政府といたしましては、安保条約の目的達成と地域住民の要望との調和を図りつつ、沖縄における諸課題の解決のため、今後ともさらに努力を払っていく所存であります。 最後に、本委員会の委員の皆様より御協力、御助言を賜りますよう切にお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。
○委員長(田沢智治君) ありがとうございました。 以上で中山外務大臣の所信表明は終わりました。 どうぞ御退席いただいて結構でございます。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 次に、仲村沖縄開発政務次官及び井上総務政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。仲村沖縄開発政務次官。
○政府委員(仲村正治君) 先般、沖縄開発政務次官を拝命いたしました仲村正治であります。 この時期は第二次振興開発計画の総仕上げの極めて重要な時期であります。私は、谷沖縄開発庁長官の御指示のもと、沖縄振興開発のために全力を尽くしてまいる所存であります。 委員長を初め委員の皆様方にはよろしく御指導、御鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げまして、就任のごあいさつといたします。
○委員長(田沢智治君) どうぞ御退席いただいて結構でございます。 井上総務政務次官。
○政府委員(井上喜一君) 総務政務次官を拝命いたしました井上喜一でございます。 北方領土問題は我が国の国民的課題と言っていい問題でございまして、佐々木長官のもと一生懸命頑張ってまいりますので、委員長を初め委員各位の御指導と御鞭撻をよろしくお願い申し上げまして、就任のごあいさつとさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(田沢智治君) どうぞ御退席いただいて結構でございます。 この際、日ソ平和条約作業グループ会合の進捗状況について、政府委員より説明を聴取いたします。兵藤欧亜局長。
○政府委員(兵藤長雄君) 日ソ平和条約作業グループ会合の進捗状況について御報告申し上げます。 日ソ平和条約作業グループは、一九八八年十二月の東京における第一回の会合から本年二月のモ スクワでの会合に至るまで既に七回の会合を行ってまいりました。 本作業グループにおける議論の中心は北方領土問題であり、また、日ソ間の平和条約に盛り込むべき概念、内容についての議論も行っております。 北方領土問題については、日ソ双方より法的、歴史的議論が行われておりますが、日ソ間で見解に大きな相違があるのは、主にヤルタ協定の性格の問題、サンフランシスコ平和条約の解釈の問題、領土不拡大原則との関係などであります。 まずソ連側の主張の概要は以下のとおりであります。 ヤルタ協定は、ソ連、英国及び米国の指導者が署名し、戦後の日本の領土に関し日本に対して法的拘束力を有する文書である。サンフランシスコ平和条約にヤルタ協定は具現されている。また、日本がサンフランシスコ平和条約で放棄した千島列島に北方四島は含まれている。クリル諸島のソ連への帰属は歴史的にも公正であり、連合国はヤルタ協定が大西洋憲章にもカイロ宣言にも反するとは考えていなかった。 これらのソ連側の主張に対し、我が方より概要以下のとおり反論を行ってまいりました。 ヤルタ協定は、戦時目的追求のためのソ連、英国及び米国の当時の首脳間の戦時了解にすぎず、それ自体で領土移転の法的効果を有するものではない。我が国はヤルタ協定の当事国ではなく、同協定はいかなる意味でも我が国を法的に拘束するものではない。ヤルタ協定の趣旨は、結局サンフランシスコ平和条約の中で確認されなかった。なお、我が国が同条約で放棄した千島列島の範囲については、領土不拡大原則を踏まえた同条約の解釈からも、また、クリル諸島の定義に係る日ソ間の条約の先例である一八五五年及び一八七五年の両条約の解釈からも、さらにサンフランシスコ平和条約の当事国であり、主たる起草国である米国の解釈によっても、北方四島は千島列島に含まれない。領土不拡大原則について言えば、ソ連は、一九四五年八月にポツダム宣言に参加した結果として、同宣言で「履行セラルベク」と定められているカイロ宣言の領土不拡大原則を遵守すべきものである。我が国が領土不拡大原則を引用するのは、同原則が第二次世界大戦を貫く原則であり、戦勝国、敗戦国を問わず適用されるべき戦争の結果を規律する普遍的枠組みであるからである。 以上のように我が方からの明確な反論にもかかわらず、両者の主張は全くの平行線をたどっております。 次に、平和条約の概念について申し上げます。 本件についての議論の要点を申し上げれば、一九九〇年八月に行われた第五回会合において、日本側より、ソ連側の主張を踏まえ日ソ双方の主張の中に以下の四つの共通点が見出された旨指摘いたしました。 (イ)日ソ間の平和条約は、日ソ関係の歴史に立脚し、日ソ関係の戦後処理の問題を最終的に解決するものである。 (ロ)平和条約は、日ソ関係の基盤を強化し、友好関係の長期的見通しを定めるものであり、領土問題解決条項とともに友好条約的側面について合意することは十分考え得る。 (ハ)平和条約には、双方が受け入れ可能なもののみが規定されるべきであるが、現時点で双方が受け入れ可能なものの最小共通事項のみを規定するとの趣旨ではなく、双方が努力して受け入れ可能なものの範囲を拡大し、最終合意に達するものである。 (ニ)平和条約は、両国の安全保証を損なうものではない。この関連で、日本側は、一九八九年五月にシェワルナゼ外相が述べた日米安全保障条約と日ソ平和条約は両立するものであるとの考え方を評価する。 同会合でソ連側も以上の点につき共通の理解を持っていることが確認され、第六回及び第七回の会合においてもこの共通理解に沿ってさらに協議が継続されております。 以上が現在までの日ソ平和条約作業グループの総括的御報告であります。本作業グループの活動を通じて、日ソ双方の領土問題、平和条約の概念に関する相互理解が格段に深まってきており、本作業グループの活動については、日ソ双方が肯定的に評価しております。このように領土問題について双方の間で真剣な議論を行ってきているということ自体が、ソ連側をして領土問題は解決済みとの立場をとり続けることを困難とし、ソ連側も実質的に領土問題の存在を認めるようになってきております。領土問題解決のための政治的決断に向かってこの作業グループが建設的役割を果たせるよう、政府としては一層の努力を傾ける所存でございます。 以上でございます。
○委員長(田沢智治君) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十四分散会