運輸委員会 第3号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/04/09
会議録
○委員長(中川嘉美君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 去る三月二十九日、予算委員会より、四月九日午後の半日間、平成三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 運輸省関係予算の説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○渕上貞雄君 政府全体としての総合交通体系の確立について御質問申し上げていきたいと思います。 運輸問題を展望するに当たって、やはり長期の展望が不可欠であろうと思います。現在の運輸政策審議会の答申は昭和五十六年のもので、現在の日本が抱えております経済、社会、自然という観点に立ちますと、地球環境を保全する観点や都市構造、それから交通体系等の社会資本の整備の充実、それから物流分野を中心とした労働力不足問題や自動車交通量の抑制、それから大気汚染、通勤混雑など、交通をめぐる環境が基本的に変化をしてまいっておると思います。 したがいまして、大臣も所信の中で二十一世紀を展望した九〇年代の交通政策について述べられておりますが、前回五六答申との対比の中で九〇年代という時代をどのように把握されておるのか。例えば、五十六年の場合は軽薄短小などということでもって表現をされておられるようでございますので、それらの問題について時代認識というものをどういうふうにされておるのか、ひとつ大臣の御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(村岡兼造君) 一九九〇年代を迎えまして、我が国の経済社会は国民生活、国民意識が高度化、多様化しつつあること、高齢化が進展していること、地域構造、産業構造の変化が進んでいることなど大きな変革の過程にあると思っております。また、我が国経済の発展に伴い、経済、文化、日常生活のすべての面にわたって広範な形での我が国の国際化が進展しておる状況であります。 九〇年代は、このような経済社会の変化が進行する時代であり、運輸省としてはこうした変化に対応して国民生活の質の向上を図り、多極分散型国土の形成を進めるため、鉄道、空港、港湾等の運輸関係社会資本の整備を進めるとともに、国民のニーズに対応できるよう輸送サービスの高質化を図っていくことが重要であると考えております。
○渕上貞雄君 それらの認識の上に立ちまして、現在運輸政策審議会でそれぞれの課題に対する問題について審議中ということでございますけれども、物流関係につきましては昨年の十二月に答申が出されておるようでございますけれども、他の項目についてはいつごろ答申が出される予定になっておるのか明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(中村徹君) ただいま御指摘のございました運輸政策審議会に対する諮問、「二十一世紀に向けての九〇年代の交通政策の基本的課題への対応について」でございますが、これは平成元年の十一月に行ったものでございまして、その後部会を四つ設けまして、総合部会、地域交通部会、物流部会、国際部会、そしてその部会ごとに政策課題を設けて審議するということでございますが、本年の五月から六月ぐらいを一応答申の時期というふうに考え、それを目指して現在作業を進めているところでございます。 なお、物流部会につきましては、御指摘のとおり、昨年十二月に「物流業における労働力問題への対応方策について」ということで答申がなされております。
○渕上貞雄君 それでは次に経済企画庁にお伺いしますけれども、昭和四十六年に総合交通体系の答申が出されまして、その後六十三年には二十一世紀の総合交通体系研究会の中間報告などの研究がされていますけれども、答申が出されてから約二十年を経過していますし、現状を踏まえての答申というのは、若干の手直しなどを含めての報告はされていますけれども、運輸省が運輸行政の指針を運政審に諮問するのは、これは当然のことでございますが、それとともに、やはり総合交通政策担当として経済企画庁は、二十一世紀に向けた総合交通体系を抜本的に見直す、そういう作業をするべきではないかと思うし、検討していくべきではないかと思いますけれども、経済企画庁としては一体どのようにお考えになられておるのか御質問します。
○説明員(藤森泰明君) ただいま先生御指摘のとおり、昭和四十六年に総合交通体系に関しまして臨時総合交通問題閣僚協議会というところの場におきまして総合交通に関する基本的な方針、いわゆる四六方針というものが取りまとめられたところでございます。 この指針の中におきましては、総合交通体系形成の考え方といたしまして、交通政策の総合化と体系化による柔軟な対応というものを図るほかに、受益者負担の原則、各種交通機関の適切な競争と利用者の自由な選択による交通分担関係の確立といったことを内容としているものでございまして、自来この方針に従いまして各般の交通政策が進められてきているところでございます。 最近におきましては、「世界とともに生きる日本―経済運営五カ年計画―」でございますとかあるいは第四次全国総合開発計画等におきましても各種交通機関の適切な競争と利用者の自由な選択を通じて、全体として効率性、整合性が確保されるということを基本として交通施設の整備等の具体的な交通政策の方向を示しているところでございます。 今後ともその四六方針に示されました基本的な考え方を踏まえまして経済社会の情勢に柔軟に対応しながら各種交通機関の特性を生かしまして、全体として効率的で整合性のとれた交通体系の形成が図られるように努めていくことが必要であるというふうに考えているところでございます。
○渕上貞雄君 その必要性は認めた上で経済企画庁、そういう方針を出していくという考え方はお持ちですかどうですか。
○説明員(藤森泰明君) 現在のところ確かに昭和四十六年に四六方針というものが策定され、さらに昭和五十六年に政府の中におきましてこれの見直しについて検討したところでございますが、その五十六年の見直しにおきましても四六方針については基本的にその考え方を踏まえてこれからを進めていくということにされているところでございます。 なお、現時点におきましては、この方針を見直すかどうかということにつきましては私ども具体的な検討を進めているという状況ではございません。
○渕上貞雄君 運輸大臣の所信でも明らかなように、現在の運輸を取り巻く環境というのは大きく変化しているという認識で一致をしているわけでございますので、やはり新たな交通ビジョンというものを作成していく必要というのが私はあるのではないかというふうに思っているところでありまして、とりわけ運輸大臣は所信の中で、物流分野を中心とした労働力不足の問題、それから地球環境の問題などを指摘されています。 大臣の指摘のとおりに、その中にも分析がありますが、効率的な輸送、自動車交通量の抑制など交通環境が変化しつつある中で、従来の各交通機関の競争と利用者の自由な選択を基本としつつも、特に物流を中心にした従来の交通機関の分担関係といいましょうか、そういうものに変化を生じさせるような税体系などの誘導措置といいますか、そういうものを講じる必要があると思うのですが、運輸関係技術の開発、とりわけリニアの実用化、それから海におけるテクノスーパーライナーなど技術の開発を促進するとともに、それらの与える影響についての予測や必要な措置、それから現在の開発状況、また、どういう問題について具体的に検討しておられるのか御質問申し上げたいと思います。 同時に、財源問題につきましては、四全総のように国土の開発利用の面から見た交通体系のあり方だけではなく、今述べましたように、労働力不足の問題や地球環境の問題や物流における分担関係の確立の仕方や技術開発、同時に財源対策を含めた新しい交通ビジョンが必要ではないかというふうに実は思うわけです。特に、財源問題につきましては、大臣は所信の中で一番最初に「運輸関係社会資本整備の充実」を述べられておりますし、鉄道整備関係につきましてはこれからの審議になりますけれども、今回特に鉄道整備基金による整備の推進が実は可能になっております。その一方で道路整備だけを非常に突出して進めているという今日の状況は、やはり交通投資全体として整合性のあるものにしていかなければならないと思いますし、交通投資全体の整合性の確保という視点からは、やはり中長期的な財源問題が運輸関係社会資本整備の充実のために必要でございます。 特に、四六答申による総合交通体系で提言をされておりました開発利益の還元といいましょうか、それらの問題について具体的に政府全体としての取り組みが不可欠であると思っているところでありますけれども、それらの問題が具体的にどう進んでおるのか、経済企画庁と運輸省はそれらの財源対策について今後どのようなお考えを持っておられるのか質問しておきたいと思います。同時に、今申し上げましたように、新たなといいましょうか、経済企画庁の方はそれぞれの段階で答申を見直し、抜本的に見直す必要はないというふうに言われていますけれども、運輸省としてはこの段階におけるやはり新しい交通ビジョンといいますか、そういうものを提出していくべきではないかというふうに考えていますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(中村徹君) ただいまの先生の御指摘、三点ほどあったと思うわけであります。 まず、現在の環境問題あるいは労働力不足の問題ということを背景に、特に物流業を中心にいわゆるモーダルシフトを図って、鉄道その他エネルギーの効率使用あるいは労働力の効率的な使い方ができる交通機関にモーダルシフトをすべきではないかという点が第一点であったかと思います。 この点につきましては私どもも全く同じような考え方をとっておりまして、先ほど御答弁申し上げました物流についての答申の中でもそれを強く主張しているところでございます。この点につきましては、我々はこの答申に従いまして今後積極的に推進してまいりたいと思っております。 それから運輸技術の開発、これが将来に与える影響あるいは効果というものはどうかという点が第二点の御質問かと思います。 交通政策を展開する上で技術施策の果たす役割というのは私ども極めて重要と考えておるところでございまして、先ほど申し上げましたのと同様に、この問題を運輸政策審議会の中でも、また運輸技術審議会の中でも議論をしていくべきだと考えているところでございます。今後こういう新しい技術が実現して実用に供されますと、これからの高速化時代に対応して人流や物流分野において大幅な時間短縮効果が達成され、経済活動や国民生活に大きなインパクトを与えると、こういうふうに考えております。 そこで、こうした高速化に対応する技術施策を含めまして、今後の技術施策のあり方を明確化する観点から、現在、「二十一世紀を展望した運輸技術施策について」ということで運輸技術審議会に諮問しておりまして、御審議をお願いしておるところでございます。これもやはり答申の時期は先ほど申し上げました運輸政策審議会の答申の時期とほぼ合わせ、六月上旬ぐらいに答申をいただきたいというふうに考えておりまして、それによって将来の施策の方向を出してまいりたいと、かように考えております。 第三は、運輸関係社会資本、特に鉄道の整備につきまして何らか財源措置を考えるべきではないかという御質問であると思います。 この点につきましては運輸政策審議会の審議の中でも重要な課題の一つとして考え審議をいたしておりますが、緊急に整備が必要な鉄道の整備の促進を図るという見地から、今回鉄道整備基金の設立その他を提案させていただきまして、法案のお願いを申し上げておるところでございます。そういったことを通じまして所要の財源の確保を図ってまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。 なお、開発利益の還元につきましては、これも重要な課題であると考えておりまして、具体的にどのような方法を通じてこのような開発利益の還元を図っていくかということでございますが、これはなかなか難しい課題でございまして、現在我々が唯一可能な方法として考えておりますのが、地方公共団体が鉄道事業者に対して出資及び補助、貸し付けその他の助成あるいは鉄道用地確保への協力、請願駅の費用負担等、こういうことを通じまして広い意味での開発利益の還元を行っておる、こういったことをさらに進めていきたいと考えておるわけでございます。さらに、その他開発利益の還元の各種の方策につきましては今後引き続き検討を続けてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
○説明員(藤森泰明君) ただいまの先生の御質問は社会資本整備、とりわけ交通関係社会資本整備に伴います開発利益の還元についての政府の取り組みについてということかと思いますが、御指摘のとおり、開発利益の還元ということは大変重要な課題であるというふうに思っております。 このことに関しましては、昭和六十三年五月に閣議決定されました経済計画「世界とともに生きる日本」におきましても、社会資本整備の財源確保のために、「社会資本整備により生じる地価上昇等の外部経済は、事業の複合化その他により適正な還元を図る。」というふうにしているところであります。さらにまた、平成元年十二月には土地基本法が制定されまして、その中に開発利益の還元についての基本的考え方や施策の方向が明らかにされたところでございまして、これをもとにいたしまして、本年一月に閣議決定されました総合土地政策推進要綱におきましても、開発利益の還元につきまして、「適切な受益者負担を課すため、」「既存の取組みの一層の拡充を図るとともに、新たな方策について検討する。」というふうにしているところでございます。 社会資本整備に伴います開発利益の還元ということは、社会的公平の確保ということと、さらに社会資本整備を推進させるために必要な財源の確保という両面の観点から極めて重要でございまして、そのためのさまざまな施策の推進が必要であろうというふうに考えているところでございます。
○渕上貞雄君 その開発利益の還元の問題については大体具体的な認識が一致してそれぞれの協力が得られるような体制といいましょうか、そういう状況にあるのか。それともまだ検討を加えて、これから先具体的に実施していこうとしているのかどうか、そこら辺がわかれば明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(中村徹君) 開発利益の還元という考え方そのものは、もう既に一般的にかなり理解を得られた認識であるというふうに思っております。ただ、具体的にそれをどのようにして還元するかという具体策になってまいりますと、これが非常に困難であるという状況ではないかと思っております。 そこで、先ほども御答弁申し上げましたように、私どもとしてはやはり地方公共団体というチャネルを通じて実質的に何らか開発利益の還元に資するような方策をとってまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○渕上貞雄君 それでは経済企画庁並びに運輸大臣、これから先の九〇年代は二十一世紀を見据えた総合的な交通政策問題について中長期のビジョンを出し、これから先の交通政策問題についての方向を明らかにして積極的に取り組んでいただきたいことを要望しておきたいと思います。 次に、平成三年度の予算の関係に移らせていただきます。 まず、生活関連重点化枠要求は二千億円の粋が設定されたわけでございますけれども、その生活関連重点化枠の二千億円につきましては巷間いろいろ言われておりますけれども、固定化された公共事業の配分比率を突き崩すねらいで設けられた。それからまた、公共事業予算の中身の洗い直しなどとも言われておりますし、三年度の予算の概算要求基準で新設した生活関連の枠はシーリングの性格を大きく変える要素を持っていると思われますけれども、その生活関連重点化要求の経緯といいましょうか、それを明らかにしてもらうことと、もう一つは、生活関連重点化の意味するところ、すなわち国民生活の質の向上を目指す、そのために積極的な政策を反映していくという位置づけがされているのではないかというふうに私は思うわけでありますけれども、その生活関連重点化枠の意味するところを財政当局、明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(原口恒和君) 我が国の公共投資の水準につきましては、フローの面では一貫して欧米諸国に比して高い水準を維持しておりますので、我が国の社会資本の整備水準についてはかなりの改善が見られるところでございますが、なお欧米諸国と比較してストックの面では必ずしも十分ではない分野があるということで、今後本格的な高齢化社会が到来する二十一世紀を見据え、中長期的展望に立って適当な水準を確保しながら着実な社会資本の整備、特に生活関連分野の充実を図っていくことが必要であると考えております。 まさにこのような観点に立ちまして、平成三年度概算要求基準におきましては生活関連重点化枠二千億円を設け、生活に密接に関連する投資的経費については各省庁の要望を踏まえまして、予算編成終了時までにその二千億円の範囲内で調整を行うということで概算要求基準を設定したところでございます。 その配分に当たりましては、公共投資基本計画等に示された考え方を参考にしつつ、既に公共事業等の実績のあるものを基本としながら、御指摘にもありましたように、真に国民の日常生活の質の向上に密接に結びつき、直接に効果の上がる事業に限ることとして各省庁の要望の内容を念査しながら具体的な配分を行ったということでございます。
○渕上貞雄君 それでは運輸省の概算要求についてお伺いしますけれども、運輸省の概算要求について生活関連重点化枠でどのような要求をされたのか、主たる項目と要求総額をひとつ示していただきたいと思います。
○政府委員(松尾道彦君) 運輸省の生活関連重点化枠でございますが、三つほど要望事項で主なものがございます。 第一点は、まず鉄道関係でございますが、整備新幹線、地下鉄等の整備でございます。それから、第二点目でございますが、港湾関係につきましては廃棄物埋立護岸あるいは緑地、離島港湾などでございます。それから第三点目は空港関係でございますが、空港周辺環境整備の一環としての緩衝緑地の整備あるいは離島空港の整備などとなっております。 そのほかの要望項目を幾つか合わせまして、運輸省所管分全体で総額千七百三十五億円の要望を行ってまいりました。
○渕上貞雄君 生活関連重点化要求の枠は国全体で二千億でした。ところが今お話にもありましたように運輸省一省だけで一千七百三十五億を要求するというのは、今までの予算要求では一体まじめに要求しておったのかどうかというふうにも思われる額でもありますし、またどう見ても多少過大な要求ではないのかというふうに思うわけでありますけれども、大臣いかがでございましょうか。 もう少しやはり運輸省として、今述べられた三点なら三点だけを重点にして、しかもここは国民の生活の質の向上になるというのを大きく国民に訴えることによって、なるほど運輸省は頑張っているんだという印象を国民に与えると思うんでありますけれども、とりわけそれらのものが本当に必要だったのかどうか。したがって、国民生活の向上に必要という部分について大蔵省が削ったとは思いませんけれども、概算要求自体国民がなるほどと、運輸省が言うのはそのとおりだと、我々の税金もきっちり使われている、我々の生活のためにと、こういうようにやはり思うような要求の絞り込みでなければならないのではないかと思いますが、そこら辺はいかがでございましょうか。
○国務大臣(村岡兼造君) 運輸省関係一千七百三十五億円、この要望を行ったと聞いておりますけれども、これについては生活関連として運輸省関係にとって必要な要求ではなかったかと、こう思っております。 ただ、先生がおっしゃいますように、総額で二千億しかございません。私も当時予算要求の方に回ったのでございますが、各省とも二千億、一千五百億、一千億となりまして一兆円以上になった、こういう状況でございますが、その当時記憶しておりますことには、各省が必要なところを出せば二千億が少し倍になったり、こういうことであるんじゃないかということの期待感もあったと思います。しかし、運輸省としては千七百三十五億、今まで鉄道であれ空港であれあるいは港湾であれ抑えられておりますので、こういうものはぜひとも要求したい、こういうことでやむを得なかったのではないかと、こういうふうに感じております。
○渕上貞雄君 また後ほど質問いたしますけれども、これらの生活関連重点化枠の要求という予算の仕組み、これについて財政当局の方にお伺いをしますが、来年度以降もこのような状況というのを続けていくのかどうか。同時に、来年度以降も続けていくとするならば、やはりこれらの枠についてこれだけ多くの、今大臣言われたように必要だから要求したんだと言われていますが、必要ならばそれらの枠について、そもそもこれの持っている性格というものも先ほどお伺いしましたように明らかでありますから、やはり財政の面でもそういう事業をやっていく面においても広げていくべきではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○説明員(原口恒和君) 来年度の概算要求基準に関してのお尋ねと思いますが、来年度の概算要求基準のあり方につきましては、昨年三月の財政制度審議会報告におきましても、「時代の要請に応じて効率性の高い歳出構造としていく努力が引き続き必要であり、そのためには、今後とも概算要求基準の設定により、概算要求段階から制度改革、歳出の節減・合理化を進めるべきである。」というような御指摘をいただいております。また、我が国の財政状況は、三年度予算におきまして公債発行額を可能な限り縮減し公債依存度を引き下げることができたものの、三年度末の公債残高は百六十八兆円程度を超える見込みでございまして、また、国債費が歳出の二割を超えるなど依然として極めて厳しい状況にございます。 こういう状況でございますが、いずれにせよ今後具体的にどのような概算要求基準を設けるか、また、その中で生活関連重点化枠をどうするかといったことにつきましては、そのときどきの財政事情あるいは今後の経済情勢等を勘案して今後慎重に対処していく課題であるというふうに現在のところは考えております。
○渕上貞雄君 来年続けますか、続けませんか。
○説明員(原口恒和君) その点も含めまして、今お答えしましたように、現時点ではまだそういうことも含めて慎重に検討していくということでございます。
○渕上貞雄君 ぜひとも必要だからと思いますので続けていただきたいと思うわけですが、運輸省の生活関連重点化枠の要求で認められた具体的な事項と予算の額をひとつ示していただきたいと思います。
○政府委員(松尾道彦君) 運輸省全体で二千億のうちの生活関連枠でございますが、地域官庁分を含めまして百四十五億円お認めいただいております。 その内訳でございますが、まず公共事業関係費でございますが、港湾関係で九十四億円、空港関係で二十九億円、それに非公共事業関係費で地下鉄の建設費補助といたしまして二十二億円が認められております。 若干内容でございますが、これらの問題は今後の実施計画の策定過程で具体的配分が行われるわけでございますが、まず、港湾関係につきましては、廃棄物等海面処分をするための廃棄物埋立護岸の整備あるいは豊かな生活環境を確保するための緑地の整備、地域住民の生活全般と極めて密着したものとなっている離島辺地の港湾施設の整備等でございます。空港関係でございますが、緩衝緑地等の空港周辺環境整備、離島空港の整備などでございます。それから地下鉄でございますが、新規採択路線の整備というふうなことでございます。
○渕上貞雄君 金額についてはわかりましたけれども、生活関連重点の予算を見る限り、運輸省の部内の配分として鉄道、港湾、空港に対するそれぞれの配分の率を今示していただきましたけれども、港湾事業が金額だけ見ると何か非常に多く優先的に取り扱われているような気がします。 したがいまして、これは地下鉄二十二億、港湾九十四億、空港関係に二十九億と言われましたけれども、その比率を見ますと、何か特別港湾事業が優先されているようにも思われるわけですが、そこらあたりの理解は私ども生活関連枠というふうに考えた場合、どういうふうに理解すればいいのかお示し願いたいと思います。
○政府委員(松尾道彦君) 具体的な数字は先ほど申し上げましたとおりでございますが、これらの額でございますが、生活関連の全体の枠やそれぞれの事業の必要性などを勘案いたしまして決定されたものでございます。運輸省といたしましてもこれらの配分を踏まえまして、国民生活の質の向上に向けて必要な公共事業費、その他の事業への積極的な対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
○渕上貞雄君 地下鉄の補助金が生活関連重点化枠の中で認められたというのは、やはり地下鉄の建設費が非常に高くつく、それから、大都市圏の交通混雑の緩和に役立つとか通勤通学の混雑緩和対策という側面が強いのではないかというふうに思うわけでありますけれども、地下鉄の補助金が生活関連重点化枠の中で認められたという理由についてどういう経緯があったのか、そこらあたりも明確にしていただきたいと思います。
○政府委員(佐々木建成君) 平成三年度予算案におきまして、地下鉄の建設費補助金につきましては前年度の四百一億から六百五億円へと五一%の大幅な増額をするというふうになっておりまして、この中には生活関連重点化枠として地下鉄の新線建設に対して交付されます補助金が二十二億二千万円計上されているということでございます。 この理由でございますけれども、昨年六月に策定されました公共投資基本計画にも示されておりますとおり、地下鉄は「円滑で快適な交通の確保に向けて、地域の日常的モビリティーを支える」「地域交通基盤」であるということともに、地下鉄への投資が「国民生活の質の向上に結びつく」「生活環境」にかかわる公共投資であるというふうに認められたことが、地下鉄補助金の一部が生活関連重点化枠として認められた背景にあるものというふうに考えております。
○渕上貞雄君 通勤混雑の緩和ということにつきましては、現在やっぱり運輸関係の課題の中では最も重要な課題だと私は思っています。 現在の経済状況を見ましても、一人当たりのGNPは世界一と言われていますけれども、どう考えてみても豊かさを実感できるような状況ではないと思います。その原因はいろいろあると思いますけれども、土地、住宅問題とともに通勤混雑問題をやはり指摘しておかなければならないと思うわけでありますが、通勤混雑を緩和させるための大都市圏の鉄道整備に対して、生活関連の枠などを含めて運輸省として積極的にひとつ予算の要求をしていくべきではないかと思います。 そこで、運輸省としての通勤混雑に対する決意というものを表明していただきまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(村岡兼造君) 通勤通学の混雑につきましては、私もこの前渋谷駅等を初め実情を目の当たりに見てまいりました。どうしてもこれは運輸行政の一つの大きな課題として通勤通学の混雑緩和というものをやっていかなきゃならない、こう思っております。 大都市圏における通勤通学輸送の混雑緩和を図るためには、地下鉄等の都市鉄道を着実に整備していくことが不可欠であると考えております。このため、平成三年度予算案において鉄道整備基金の設立を盛り込むとともに、都市鉄道整備に対し従来よりも一層手厚い助成を行うことといたしております。運輸省といたしましては、今後とも鉄道整備基金を活用する等により、都市鉄道の総合的かつ計画的な整備に努めてまいりたいと考えております。
○櫻井規順君 私は、タクシーの運賃改定に伴う行政指導のあり方、それから地方バスの運行確保、この二つの大きな柱で今から質問をいたします。 最初に、タクシー運賃の改定に伴う行政指導のあり方から触れてまいりたいと思います。 私もタクシーに乗ることは非常に多いわけでありますが、私の地元のタクシーの運転手から聞きますと、月間の労働時間はマキシマム二百七十五時間、十八、十九の出勤回数と、まことに異常な長時間労働になっているわけであります。このマキシマムも完全にマキシマムで守られているようでは実態はないようでありまして、これを超すことしばしばであるということを聞かされるわけであります。賃金の方も月額二十五万から三十万確保するということはこのマキシマムに挑戦しない限り実現できないという実情をいろいろと聞かされるわけであります。 そんなわけで、旅客の一番身近な輸送手段であり、ドア・ツー・ドアという非常に便利のいいタクシー輸送の安全性という面から見ても非常に今深刻な事態にきているというふうに思うわけであります。そういう意味で、かなり抜本的な改善がなされるべき、とりわけ労働条件について抜本的な改善がなされるべきときにきているというふうに思うわけであります。それで、昨年の三月来、今月にかけて全国的に運賃改定がなされているわけでありますが、これはその一つの基本的な対応だというふうに思います。 最初に、タクシーの運転手の労働条件、とりわけ労働時間とそれから労働賃金が全産業との比較でどんな位置にあるのか公式に御答弁願いたいことと、今人手不足の中で実車率というのはどんな傾向にあって、現状どうなのかということを数字で示していただければありがたいと思います。
○政府委員(佐々木建成君) まず、労働条件の関係でございますけれども、労働省の平成元年度の賃金構造基本統計調査によりますれば、全国のタクシー運転者の年間平均給与額は三百七十一万円というふうになっております。それから、それに対しまして全産業の男子労働者の平均が四百八十万円でございますので、それと比較しまして百九万円低くなっているということでございます。また、同じ調査による全国のタクシー運転者の月間労働時間は二百二十四時間というふうになっておりまして、全産業男子労働者の平均の百九十九時間と比較しまして二十五時間多くなっているという状況でございます。こういった労働時間が長いこと、それから賃金が低いことということが原因になりまして運転者の定着に問題が生じて、運転者不足が生じているということでございます。 今実車率というお話がございましたけれども、これは車が走っている間にお客様がどれぐらい乗っているかということでございますので、ちょっと労働力の問題とは直接関係ないかと思いますが、東京なんかでいいますと、今五三、四%ということだろうと思います。なお、実働率といいますか車がどれぐらい動いているかということでありますれば、全体の九二、三%というふうなことが多いかと思いますが、足りなくなりますと、もう九〇%を切るというふうなことになるかと思います。
○櫻井規順君 り私は稼働率、実働率で聞いたものですから、それで結構でございます。意外に高いということを知らされました。 それから、運賃改定の問題でありますが、七十九の運賃ブロックのうち何ブロック今日まで値上げをしてきたのか。そして値上げの理由、根拠ですけれども、従来は高度成長期の設備投資、増車に伴う運賃値上げ、あるいはその後は燃費の値上がりによるところの運賃値上げということがその根拠になっていたわけですが、今回は当然なことですけれども、何年ぶりでしょうか、六年か七年ぶりに運賃改定がなされた。従来は二年ごとに見直して、二年ごとの改定システムということが一つの原則化していたわけですが、それは燃費の問題や人手不足、設備投資の減と横ばいというような状況ではなかったかと思うんですが、今度の値上げの根拠が何なのか。労働条件の引き上げということがポイントだということは承知しておりますけれども、その値上げの根拠について説明願いたい。
○政府委員(佐々木建成君) 先生が今御指摘になられましたように、昨年の五月に東京地区で運賃改定を実施しまして以来、全国でタクシーの運賃ブロックは七十九ブロックあるわけでございますが、このうち現在までに五十八ブロックにおいて運賃改定が行われたわけでございます。この目的は、先生今お話ございましたように、運転者の賃金の引き上げや労働時間の短縮等、労働条件の改善を図ることによりまして良質な運転者を確保して深夜の輸送力不足への対応を初めとするタクシーサービスの改善向上を図るということを目的としたものでございます。 それで、御承知のように、タクシー事業におきましては人件費が総原価の中で大体八〇%を占めるというようなことになっておりまして、東京におきましても運賃改定をします際の原価計算対象事業者三十五社の六十三年度における総経費五百五十七億円中、人件費は四百四十四億円というふうになっておりまして、総経費に占める人件費比率は約八〇%であるわけでございますが、そのほかにもいろんな費用があるわけでございますので、そういったものにつきまして一定の、人件費でいえば人件費の上昇率あるいは時短のコストへの反映といったことを計算しまして運賃改定の原価計算をやったということでございます。
○櫻井規順君 今度の値上げ率は全国平均でどのくらいになるかということは出ていますでしょうか。
○政府委員(佐々木建成君) 地域によって相当ばらつきがあるわけでございますが、東京につきましては昨年五月に行いましたものが九・六%というようなことであります。それから、大きな都市について申し上げますと、名古屋が昨年の秋やりましたが一〇・〇、それから神戸につきましても一〇・〇、大阪について先般やりましたけれども一一・二というようなことで、大都市につきましてはそんなようなものが例として挙げられます。
○櫻井規順君 平均で出ていませんか。
○政府委員(佐々木建成君) 平均という出し方はちょっとしておりません。
○櫻井規順君 人件費比率が八〇%ということですが、今度の値上げ分は当然かなり共通した値上げ根拠に全国的になっているかと思います。 その場合に、例えば関東運輸局の値上げに伴う業界に対する通達文書を見ますと、文書構成は、第一にサービスの改善、それから二番目に輸送力の充実、三番目に労働条件の改善、四番目に安全性と、こんなふうになっているわけでありますが、値上げ分は八〇%の人件費比率なら当然八〇%は人件費にはね返っていいというふうに思うわけでありますが、今回の場合は、特に長時間、低賃金という事態の中で労働条件改善ということを根拠にした値上げでありますので、八〇%にとどまるのでなくてほぼ全額が労働条件の改善に還付されるべきものだというふうに理解してよろしいでしょうか。
○政府委員(佐々木建成君) タクシーの経費に占めます人件費の割合が相当高うございますので「運賃改定による増収分につきましては基本的には労働条件の改善にもうできるだけつぎ込むべきだという指導をいたしておりますけれども、一〇〇%かどうかというのは、ほかの経費等もございますから一概に言えませんけれども、今回の改定のねらいがまさにそうでございますので、労働条件の改善につぎ込むべきだと考えております。
○櫻井規順君 今度の値上げは、関東運輸局の業界に対する指導を見ましても、労働条件並びに労働賃金を含む労働条件への還付ということがとにかく前面に出ていまして、そういう根拠になっているのは当然なことだというふうに思うわけであります。 それで、その後衆議院の運輸委員会で、前任者の早川さんでしたか、この運賃値上げ、特に関東運輸局の認可に伴う対応というのはそういうふうな理解でよろしいかどうかという問いに対して、昨年の八月末と、それから本年の四月に、この運賃値上げに伴う実際の労働条件引き上げの実施状況について各事業者に報告を求めるという答弁がされているわけですが、それはなさったのかどうか。そして、昨年の八月のものはもう統計が出ているというふうに思うんですが、労働賃金、労働時間等への対応がどうなされたのか、かいつまんで御報告いただければありがたいと思います。
○政府委員(佐々木建成君) 昨年、東京のタクシーの運賃改定をやりましたときに、今先生御指摘のとおり、その実施状況につきまして平成二年の八月末と、それから平成三年の四月末までに報告をとるということを関東の運輸局長から業界の方に指示してきているということでございます。 それで、八月といいますと、改定後まだそれほど月数がたっておらないものですから中間的なものになったわけでございますが、その後いろいろ私どもの方でさらに追加の調査をしたりしまして現在把握している状況を申し上げますと、推計額になるわけですけれども、東京地区では平均四十八万円程度の賃金の上昇が行われているということが一つ。それから、時短につきましても週四十六時間制への移行のための就業規則の改正、それから、勤務ダイヤの改正というようなことが行われておるわけでございます。 最終的な結果は、四月末の報告を待ってということでございます。
○櫻井規順君 昨年の八月末の報告をどういうふうにまとめられていますか、まとめたものをぜひ後でいただきたいと思うんですが、よろしくお願いします。 それから、関東運輸局の場合に、東京、武蔵野市、三鷹市のブロックについてでしょうか、各事業者、事業団体とそれから労働組合に対して労使の覚書を、個別企業ででしょうか交換するように指導しているという情報を得ているわけですが、実際にそういうことが関東運輸局の仲介のもとであるいは行政指導のもとでなされているのかどうか。 それは非常にいいことだというふうに思うわけでありますが、こういう、運輸省がいわば運賃値上げに伴う労働条件へのはね返りの問題でしかるべき行政指導ということ、仲介の労というのは非常にいいことだと思うんですが、こういうことが関東運輸局でなされているとすれば、それは全国的にもこういうものは進められてしかるべきだと思うんです。これは別に使用者側と労働組合というとらえ方でなくて結構なんで、使用者側と従業員代表、労働協約的な観点と就業規則的な観点とあると思うんですけれども、就業規則的な把握の仕方でもって、これは全体的に運輸局でそれなりの行政指導、これは労働省との協力の問題が出てくるかと思うんですけれども、まず関東における扱い、そして全国的な行政指導の問題でいかがでしょうか。
○政府委員(佐々木建成君) 関東運輸局の関係で申し上げますと、東京都特別区、それから武・三地区を例にとりますと、会社ごとに労働組合と経営者との覚書を締結させまして、これを提出させるというようなやり方をとっておるわけでございます。 ただ、他の地区につきまして、ほかの局も含めてでございますけれども、基本的には労使間の合意に基づく覚書の締結ということが望ましいわけでございますけれども、それぞれの地域の実情に即した方法ということで、いずれにしましても、確実に労働条件の改善が図られるようにするための方策を各運輸局で講じているということでございます。
○櫻井規順君 ちょっと運輸局としても行政指導の限界というものがあると思うんですけれども、その辺は労働省と連携を密にして推進を願いたいというふうに思うわけであります。 むしろ、各運輸局あるいは支局において業者に対する指導、それが大事だというふうに思うわけでありますが、業者に対する指導というのはどうなっていますでしょうか。そして、今度の運賃改定の趣旨が、私は地方におりまして、ほとんど運転手は恩恵を受けていないと異口同音にそう言うわけでありますが、今回の運賃改定を労働条件の引き上げ、改善にしむけていない業者というのがかなりあるのではないか。こういう業者に対してどう指導していくのか、その辺をお伺いいたします。
○政府委員(佐々木建成君) 今回の運賃改定の目的の大きな部分が労働条件の改善でございますので、認可に当たりまして各運輸局長から業界に対しまして通達を出しまして、労働条件の改善等を強く求めますとともに、その実施状況につきまして各事業者から報告を求めるとかあるいは機会あるごとに事業者を指導するというようなことで、運賃改定の趣旨を実現するように今指導しているところでございます。 その中で改善状況が不十分だというような事業者が見つかりました場合には、またそれについては運輸局の方から個別に強力に指導を行うというようなことで、現在鋭意各運輸局で努力をしているところであります。
○櫻井規順君 先ほど触れました運賃改定に伴う各事業者からの報告を求めるのは、これは全国的な行政指導でしょうか。
○政府委員(佐々木建成君) 運輸局によって多少そのとり方、時期とかいう違いがあると思いますけれども、ある時期に報告をするようにということはやってございます。
○櫻井規順君 これは全部各運輸局の指導になりますか。
○政府委員(佐々木建成君) タクシー事業の指導監督の権限は運輸局長に委任されておるものでございますので、運輸局がやるわけでございます。
○櫻井規順君 一々面倒で申しわけないんですが、運賃ブロックによって全部時期が違うわけでして、大体関東運輸局が行ったように運賃改定後三カ月か四カ月後あるいはほぼ一年後に行うという本省からの方の指導というのはあるんですか。あるいは実態はどういうふうに各運輸局はなさっているのでしょうか。
○政府委員(佐々木建成君) 関東につきましては昨年五月に運賃改定を実施しまして、八月に中間的な報告を求め、ことしの四月末に最終報告を求めるというようなことになっているわけですが、他の運輸局につきましても、多少の違いはあるかもしれませんけれども、こういうような運賃改定実施後一定の時期を経過したところで把握するというふうにやっているわけでございます。
○櫻井規順君 それから、平成三年度に週労働時間を四十六時間に持っていく、その上において今回の運賃改定は位置づけられているというふうに思うわけであります。それよりも何よりも、現在は週四十六時間とははるかに実態が離れた労働条件の改善にあると思いますし、旅客に対するサービスの向上というところに大義があると思うわけでありますが、問題は平成五年に向けて週四十四時間の労働時間に持っていくという課題も至難な課題だというふうに思うわけであります。 現状は各事業者からの報告を待って実態を見きわめなければなりませんが、平成五年の四十四時間体制、これに向けて、運賃改定二年ごと見直しの原則ではありませんが、平成四年あたりにかなりやはり運賃改定を伴う労働条件の改善をやらないと展望は開けないと思うわけであります。 しかし、運賃は改定、値上げをすればいいというものじゃないわけでありまして、同じような業種というのもあると思いますので整合性も問われると思いますが、それは一応おきまして、タクシー部門をとってみた場合に、やはりもう一度運賃改定というのは、これはどうしても避けられないのではないか。ただ、その場合には、今言ったようなわけで国民的なコンセンサスが得られなきゃならぬわけであります。とりわけ労働条件の問題については、国民的なコンセンサスを得る上で運輸省と労働省とのかなり綿密な協議、あるいは国民的な合意を得る上におきまして、公益代表の学者さんとか利用者代表とか行政側とかあるいは運転者自身とか経営事業者というような構成でそういう審議機関を設置する等々を含めまして、国民に対する啓発という問題が非常に大きなウェートを占めると思います。 いずれにしても、平成五年の四十四時間体制に向けて基本的な方向というものを確立するときにきているわけですが、私の今の提言を含めましてどんなふうにお考えになっているかお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(佐々木建成君) 先生御指摘のように、平成五年四月からタクシーの週労働時間が四十四時間になるということでございまして、労働時間の短縮が重要な課題になっているわけでございますが、そういった労働時間の短縮を含めました労働条件の改善につきましては、先ほどから御答弁申し上げておりますように、運賃改定等の際に、事業者に対してその実施方を強力に指導してきているわけでございます。 また、その運賃改定をどういうときにやるかと申しますと、事業者の収支状況をまず見る必要がありますし、それから利用の実態を見る必要がありますので、そういった実態を見きわめながら適時適切に実施していくということが重要であるというふうに考えております。先生の御指摘の点は十分念頭に置いて対応してまいりたいと思います。 なお、国民のコンセンサスを得るための審議機関等の御提言でございますけれども、現在タクシーの運賃の改定をやります場合には、標準原価制度というのを設けておりまして、標準的な経営をやっておりますタクシー業者三十数社とかというようなサンプルを設定しまして、それに基づきまして厳正に原価計算をして処理しているということでございますので、今後ともこの方式は堅持していきたいというふうに思っているわけであります。 それから、中央におきます労働省との連携といいますか意見の交換などはやっていく必要があると思いますし、また、地方におきましては制度的なものではございませんが、例えば東京等におきましては事業者団体の主宰による公聴会、民間公聴会などと称しておりますけれども、そういった利用者の方々等の声を聞く会なども開催しておりますので、そういったことで幅広く関係者の理解を求めながら実施していきたいというふうに思っております。
○櫻井規順君 ただいまとにかく七十九のブロックでずっと運賃改定の作業が進んでいる最中でございますので、その進行も見きわめながら、またこの問題でいろいろと提案をし、審議を進めてまいりたい、こんな気持ちでおります。どうもありがとうございました。 その次に、地方バス運行の確保というテーマについて質問をいたします。 平成三年度の予算の中でも、昨年よりもやや増額をいたしまして地方バスの運行確保の予算措置がなされたわけであります。これは評価をし、その努力に感謝するものでございます。 問題は、この百十七億の平成三年度の予算で平成三年度の各事業者、各県からの地方バスの運行確保の要望は満たし得るのかどうなのか、そこのところをお聞きします。
○政府委員(佐々木建成君) 地方バスの運行維持というのは私どもの大きな行政目的の一つでございまして、地域住民の生活上必要不可欠な路線の維持につきましては最重要課題として地方公共団体と協力しながら対策を講じているところでございます。 地方バスの補助金の額、先生今百十七億とおっしゃいましたけれども、平成三年度百五億ということで、前年度が百三億六千二百万だったと思いますが、対前年度比一・三%増ということでございます。 これまでも年々予算額については増額を図ってきておりまして、こういった補助金によりまして、維持が不可欠でありながら事業者の経営困難のために維持が困難となっているバス路線の維持を図っていくということが大事だと思っておりまして、現在までも所要の額の確保の努力をしてまいりましたし、これからも制度の充実等、所要額の確保に引き続き努力していきたいと思っております。
○櫻井規順君 今度の運輸省の予算の中でもこの地方バス確保の予算措置というのは、バスの路線廃止なりあるいはバスの乗客減少に大きく歯どめをかけている上におきまして非常に大きな貢献を果たしているというふうに思います。ですから、これは今後とも重視をしていただきたいと思うわけであります。 念のため、昭和六十四年、平成元年でこの地方バス運行確保の予算がそれぞれ立てられているわけでありますが、各県から出されている要求の予算執行の結果ですが、ぴったりと要求を満たしたのかあるいは不足額、不用額が生まれたのかどうなのか、その辺いかがでしょうか。
○政府委員(佐々木建成君) 地方バスの補助金について、まず昭和六十三年度でございますけれども、不用額三千百万円を計上しております。その年は余ったということでございます。 それから、翌年度の平成元年度につきましては事業者に経営努力を求める等によりまして過不足なく執行したということでございます。
○櫻井規順君 私は、全国的な市町村が単独事業でやっている実態というのは少しわからないわけです。そこも聞きたい点なんですが、まだまだ地方バスの運行確保の面でこの制度を活用しなければならない対象路線というのは実態としてかなりあると思うんです。 そこで、二種、三種という生活路線を一定の要件のもとで設定しているわけであります。運輸省では、例えば、株主配当一〇%以上のところはこの適用の対象にしない、あるいは公営バスの場合もそういうふうになるのか私よくわかりませんが、そういう制約要件があります。そういう制約要件を除いて五人未満の乗客率だとか五人から十五人の乗客率とか運転回数の制限、そういう一定の基準から見て、二種、三種に対応する路線というのは全国で現実にどのくらいあるのかという調査をなさったことがあるのかどうか。そして、そういう対象路線のうち、こういう要件のもとで国が補助をしている補助路線というのは何%くらい占めるのかということがおわかりでしょうか。
○政府委員(佐々木建成君) 昭和六十二年度の調査でございますけれども、全国の乗り合いバス事業者の乗車密度が五人以上十五人未満のバス系統数、これはいわば二種に対応するわけでございますが、このバス系統数が二万七千七百二十三系統、それから三種に相当します五人未満のバス系統数が九千三百六十系統でございます。 それで、そのうち現実に昭和六十三年度に国の補助の対象になりました第二種生活路線が四千六百四十七、それから第三種生活路線数が五百四十三ということでございます。 パーセンテージで申し上げますと、四千六百四十七というのが一六・八%になります。それから、五百四十三路線が五・八%になるわけですが、それを差し引きますと、いわば地方バス補助が、それを差し引きますと、いわば地方バス補助の対象になっていないものが出てくるわけです。第二種生活路線、第三種生活路線相当のバス系統数は、それぞれ二万三千七十六系統、それから八千八百十七系統というふうになっております。
○櫻井規順君 それをどういうふうにごらんになりますかということを聞きたいわけであります。現実に住民サイドは立ってみますと、会社が一〇%株主配当しているから、その余力があるならば住民の足の確保のために会社が金を負担しなさい、こういう精神になると思うんですけれども、実際に住民サイドに立ちますと、廃止されていくものは廃止されていっちゃうわけなんですよね。 そこでお聞きするわけですが、ここ三年間でもいいんですけれども、廃止路線、休止路線の実態と、それから、特にその廃止路線に対して三種が適用されていたのが何%あるかということはわかりますか。
○政府委員(佐々木建成君) ぴったり合う数字になりにくいかもしれませんが、平成元年度末におきます休止のキロ数が七千三百キロメートル、それから元年度中に廃止したものが二千五百キロメートルというような数字になっております。 それで一方、廃止路線代替バスの補助の交付状況でございますけれども、平成元年度の廃止路線代替バス補助の対象となっている系統数が千八百七十九系統ということでございます。
○櫻井規順君 それは、ゆっくり数字を分析したいものですから、ひとつまた後でお示しください、お願いします。 それで、私の言いたいのは、そういう二種、三種の要件を満たしていないところを市町村が単独事業でかなりやっているわけです。 市町村の傾向としては、私も余り多くを見ていませんが、従来は国と同じように要件を立てていたけれども、実際にどんどん黒字会社でも廃止をしていっちゃうわけですから、国の事業補助も受けないでとにかく廃止をしていっちゃうわけですから、住民は大変なんですね。そこで、各自治体はそういう要件を外して市町村独自に生活路線の維持のための施策を講じて結構な予算を使ってやっているわけですね。静岡県だけでも三千万円くらいの予算を県が単独補助で、それを受けた市町村の方はもっと大きな金額になるわけでありますが、恐らく一億近いお金が全県的には投資されているというふうに思うわけであります。そこで、国の方もその辺、対象路線の枠をもう少し市町村が行っている実態を見て広げていく必要があるのではないか、その点を指摘しておきたいというふうに思うわけであります。 そこで、その生活路線維持のための市町村単独事業の実施状況というのは運輸省は把握されていますでしょうか。
○政府委員(佐々木建成君) 今の市町村単独補助路線の御答弁を申し上げる前に、国の補助制度について若干御説明させていただきたいと思いますが、運輸省の、国からの補助制度の考え方でございますけれども、乗り合いバス事業が赤字でありまして、かつ配当率が八%以下という事業者を補助対象にして、このような事業者にかかわる平均乗車密度十五人以下のバス系統について都道府県及び市町村と協力して所要の補助をやっているわけでございます。したがいまして、バス事業が黒字だとかそれから配当が八%を超えるというようなものにつきましては、独自に路線を維持するという考え方に立って対象にはしていないということでございます。さらに、補助対象になる路線につきまして維持できなくなるというようなことになりますと廃止になるわけですけれども、廃止しました場合に廃止路線代替バスという補助をやっているということでございます。 このような現行の補助要件のもとで、維持が不可欠でありながら事業者の経営困難のために維持が困難となっているバス系統の維持を図っていけるというふうに考えているわけでございますが、今後とも今申し上げましたような制度の趣旨に従いまして制度の充実と所要額の確保に努力をしてまいりたいと思うわけですが、それ以外のものにつきましてはいろいろと事業者の自主性も尊重しなければならないこともありますし、それから、公共団体と地元関係者と十分話し合うというようなことで維持をどうするかということを検討するということになるのだろうと思うわけでございます。 それから、今御質問の市町村、地方単独の補助を行っているものがどれぐらいあるかということでございますが、平成元年度の日本バス協会の調査によりますと、国以外のもの、これは大部分は公共団体でございますけれども、国以外のものの補助によって維持されているバス系統数が千四百七十九系統でございまして、元年度の補助金額は五十七億六千八百万円程度というふうになっております。
○櫻井規順君 国の枠組みは大体承知しているつもりですが、かなり要件の問題でも――話が発展するとなんですが、乗り合いバスの会計は赤字だけれども、会社は黒字で配当率が一〇%という会社はかなりあるのではないかと思うんですね。ですから、制度的にもちょっと見直すものがあるのじゃないかなという感じがしないわけではありませんが、いずれにしても、全体的にはこの地方バス運行確保の制度というのは非常に整備をされ、もう長年にわたって積み重ねてきたかなり熟した運輸省の制度だというふうに思うわけであります。そういう意味で非常に公共バス確保において大きな貢献をしているというふうに思うわけであります。 現在は、この制度は要綱によって指導されているわけでありますが、この要綱を法制化するときにきているのではないか、法律、政令というふうに整備をして。余り法律で拘束してしまうのもどうかと思いますが、運輸省の方ではぜひ積極的に大蔵省に向かって予算措置をとる上においても法制化措置をするというときにきているのではないかと思うんですが、大臣の見解を聞いて質問を終わりたいというふうに思います。
○国務大臣(村岡兼造君) 地域住民の生活上必要不可欠な地方バス路線の維持につきましては、運輸省といたしまして従前より最重要政策課題の一つとして地方公共団体と協力して対策を講じているところであります。 地方バス補助制度につきましては、制度創設以来、状況の変化等に対応して機動的にその充実を図りつつこれまで安定的に継続してきたところであります。また、法律補助といっても補助金額は毎年の予算で決定されるので大幅に増額になるとは限らないと思っておりますが、一方、地方バス補助金は予算補助ではありますけれども、厳しい財政状況にもかかわらず年々予算額の増額を図り、平成三年度予算案においては対前年度比一億三千八百万円増の百五億円を計上しているところであります。 なお、予算補助のもとにおいても状況の変化に応じて柔軟に対策を講じ、所要額を適切に確保しているので、現行の予算補助の仕組みで適切と考えております。 以上のようなことから、地方バス補助制度の法制化につきましては、その必要性についてなお慎重に検討してまいりたいと考えております。
○喜岡淳君 運輸大臣を初め、運輸省の皆様方に最初にお礼を申し上げたいと思います。 先般の瀬戸大橋の、JR四国が騒音テストを無断でやろうといった例の問題でありますが、JR四国の社長に対して皆さん方の方から、しっかり地元と協議をした上で合意を得てテストを行うようにという御指導をいただきまして、地元の関係者も大変感謝をいたしております。私も先般、瀬戸大橋の下にあります三つの島、岡山県側から順番にいきますと、櫃石島、岩黒島、与島、この三つの島の方へその旨報告に行ってまいりました。よろしくお伝えくださいとのことでございました。どうもありがとうございました。これからもJR四国の監督官庁として、引き続いて御指導をお願い申し上げたいというふうに思います。 さて、少し古い資料しか手元にありませんでしたので申しわけございませんが、一九八七年、厚生省が身体障害者実態調査というのを発表いたしております。これによりますと、我が国の存宅成人障害者は約二百四十一万人と書かれておりました。我が国は、それに加えて十八歳未満の障害者の方が約十八万人いると言われておりますので、総数で約二百六十万人の障害者がいるということになります。 この障害者の皆さん方にとってみますと、交通の不便さというものがよく言われるわけでありますが、去年の夏アメリカで、障害を持つ米国人法、いろいろ訳され方があるようでありますが、ADAという法律が成立したのは御承知のとおりだろうと思います。このADA法は、障害者が社会参加できるようにさまざまな条件を整備していくべきである、こういう非常に画期的な法律であったというふうに受けとめております。この法律では、バスにリフトをつけてみるとかあるいは駅のエレベーター、スロープなども義務づけるなど、これによってアメリカでは障害者の交通移動手段が画期的に確保されるんではないかという期待も強まっております。他方、「国連障害者の十年」というものも行われ、取り組まれておりますが、この計画期限がいよいよ来年、一九九二年に切れるという状況も差し迫っております。 そこで、きょうは大臣に、障害者の交通対策についてお尋ねをしたいというふうに思います。 一番最初、具体的にお尋ねいたしますが、これは実際にあった話なのでぜひ大臣にお尋ねしたいんです。 電車の駅に駅長さん一人がいます。その駅のすぐ近くに障害者施設があるわけですね。ところが、この駅にはスロープもない。したがって、車いすの子供が電車に乗れなかったという具体的な事例がありますが、これは障害者に対する差別として受けとめられますか、あるいは別にそれは障害者に対する差別というものではないというふうに受けとめられますか。
○国務大臣(村岡兼造君) 今、障害者の方々に対してのスロープが駅になくて乗れなかった、これを差別として受けとめるか受けとめないかと、こういうことでございますけれども、私自身、従来の観点からいえば、ほとんどの駅にそういうような障害者に対しての施設というものの充実がなかったと。近年やはり我が国の考え方も変わってまいりまして、年々この障害者の方々が便利に行動できるような考え方に立ってきたのは、間もなく、まだ時間もたっておらないと。しかも、全国的には私鉄あるいはJR含めまして大変多数の駅がございまして、年々その充実には努めているようでございますけれども、まだ資金の部面、あるいはまた駅によっては構造面、いろんな面で先生がおっしゃるとおりおくれている、こういうような状況でございまして、私どももそれについてまた指導してまいりたいと思いますが、決して差別しているとは考えておりません。 ただ、現状までは、戦前から今日まで考えて、そういうような施設をつくる余裕がなかったと、これから鋭意努力してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○喜岡淳君 私は、お言葉を返すようですが、この場合の考え方は、やっぱり障害者に対する差別が事実として行われておるというふうに反省をすべきではないかと思います。 なぜならば、公共交通ですからだれだって利用できるということを前提にして運輸省は認可をされたというふうに思うわけですね。障害者も健常者の人も同じように利用できる、同じように電車に乗れるという権利を保障する、これが実は差別をしないという態度ではないかというふうに思うわけです。ですから、私は、この場合はやはり障害者も含めて健常者と同様に乗りおりができる、そういう整備をして初めて公共交通機関、公共性ということが言えるのじゃないか。したがって、私は、こういう今言った例については、やはり残念ながら電車が障害者に対して差別をしておった、今の例で言いますと、実はそういうふうに思うわけです。 それでは次のことでありますが、先般、運輸大臣がいわゆる精神薄弱者の皆さんに対する運賃割引の問題について平成三年度に実現する方向でという非常に積極的なお答えをいただいたわけですが、これで一つは解決しましょうが、まだまだやはり課題は残っておると思います。 例えば、従来ずっと国会にも請願が出されてまいりましたし、委員会でも議論がよく行われてまいりました難病の方ですね、約十六万人ぐらいと言われておりますが、この難病の皆さん方に対する運賃割引については検討されているんでしょうか。
○政府委員(中村徹君) 私ども大臣の御指示を得まして、精神薄弱者に対する運賃割引についてただいまそれを実施する方向で検討いたしておるわけでございますが、やはりこれにつきましては、交通機関を利用する際に身体障害者と同じように、基本的には常時介護者による付き添いを必要とするということについて、バランス上精神薄弱者に対しても身体障害者と同様に運賃割引制度を適用する、すべきであるという考え方に立って、今回その実施の方向でただいま検討を進めているところでございます。 しかしながら、基本的には、やはりこういった割引制度というのは社会福祉政策の一環として実施すべきであるというふうに考えておりまして、難病患者等の問題につきましては、もちろん将来の課題としてこれに取り組んでいかなければいけないということではありますけれども、これらにつきましてはやはり慎重な検討を要するということで、社会福祉政策という観点から慎重な検討をしてまいりたいと考えております。この点につきましては厚生省と我々とやはり一緒になって検討を進めなければいけない、かように考えております。
○喜岡淳君 ぜひ難病の方の問題についても積極的な検討をいただいてやっていただきたいというふうに思います。 この障害者の運賃割引の問題について関連をいたしますけれども、例えばJRの場合ですが、介護者と同伴の場合は五〇%の割引、そして介護者がいない場合は片道百一キロを超えた場合が割引の対象になるわけですね。介護者がいない場合は百一キロ以上でなければ割引しない、こういうふうになっております。それから、民鉄の場合も同じように一定の距離制限というものが行われております。どうしてこの百一キロというものに限定され、百一キロ制限をするのか、少しこれを教えていただければと思います。 諸外国の例なんかを見てみましても、ヨーロッパの場合、スペイン、ドイツは距離制限をしておるようですけれども、それ以外は一般的にヨーロッパの国々では距離制限をやっていない、それが実態であります。そういう意味で、私はいろいろヨーロッパと日本の違いがあるかとは思いますけれども、この距離制限についてはやっぱり撤廃するということで検討を始めていいのではないかというふうに思いますけれども、この点はどうでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 先生御指摘のように、本人、介護者ともに乗車する場合には五〇%引きでございますが、割引は経緯的に、その後、単独で乗車する場合も、百一キロ以上乗車する場合には御本人の負担力等を考えて五〇%引きにするというような制度を取り入れたわけでございます。 ただ、現在割引制度の運用につきまして、基本的にはJRの経営判断の問題であると考えており、本来公共政策の遂行のための費用を他の利用者に負担させることは基本的な問題がございますので、JRも身体障害者の割引について、今御指摘の距離制限の問題等について撤廃することは困難だと判断しており、現状以上に拡大することは今のところ難しいと思っております。
○喜岡淳君 難しい難しいということはわかりますけれども、やはりJRの経営がよければやろう、経営が厳しければできないだろうというのでは福祉政策として私は一貫性がないだろうというふうに思います。 そこで、同じように障害者の中から問題が出ておりますのは、特急料金あるいは新幹線の問題がかねてから言われておると思います。先ほどから何度も二十一世紀に向けた交通ビジョン、総合交通体系の中で運政審の問題も触れられておったようですが、高速化の問題、これは時代の流れとしてますます今後強まっていくわけですから、障害者の人たちだって特急に乗ったりあるいは新幹線に乗ったりするというのはもう時代の流れなんですから、ぜひ障害者の人たちに対する特急料金の割引、新幹線の割引、これを当たり前の問題として理解していただきたいというふうに思うわけですが、どうでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) ただいまの御指摘の特急料金あるいは新幹線等の割引の問題につきましても距離制限と同様の問題がございます。これらの割引について福祉政策と運輸政策との兼ね合いをどう今後考えていくか、そういう点について慎重に勉強させていただきたいというふうに思います。
○喜岡淳君 多分そういうふうにお答えされるだろうというふうに思っておったんですが、そのとおりの答えで非常に残念だというふうに思います。 障害者の人たちだって新幹線、特急に乗るというのは、もう本当に時代の流れです。それで、地方の場合でも、例えば地方から東京やあるいは他の大きな都市へ出ていく際だって、主要な公共交通機関は新幹線以外にあるでしょうか、実際の話として。例えば高松の人が東京の障害者の集会に行くとかあるいは障害者の問題で陳情に行くとかいったって、在来線はもうほとんどがたがたで、乗りかえ乗りかえ行けるような駅になっておればいいんですけれども、今運輸大臣おっしゃったとおりですよ。駅の構造さえできてないんですよ。乗りかえなんかできないじゃないですか。そうしたらやっぱり新幹線に乗っていかざるを得ないんです。 国の運輸政策上新幹線を利用せざるを得ないようにここまでつくっておいて、どうしてこれについては、JRの経営がどうだからということで新幹線の障害者割引について消極的な発言をされるんでしょうか。全くそれは論理の一貫性がないと思いますよ。現実と違いますよ、現実と。
○政府委員(大塚秀夫君) 福祉対策の充実強化、その重要性について私ども決して軽く考えているわけでございませんが、鉄道事業の経営とこのような福祉対策ということについて、どの行政分野でどのように今後担当していくのかというようなことについて十分検討していかなければならないと考えているわけでございます。
○喜岡淳君 今のお答えは、交通の実態、今日の現状、それから、ますます高速化して新幹線網が整備されていく今後の状況など、これからのことも踏まえた上での発言としては、私はまことに頼りない答えだというふうに思えて残念でなりません。 そういうふうに今も採算性の問題とかJRの経営の問題とかということがずっと言われてきたんですが、それでは、これからのことも考えてひとつお答えをいただきたい問題があります。 例えば、ヨーロッパの場合で言いますと、ドイツの場合は、割引による鉄道会社の減収は連邦政府の財源でカバーするということが明記されております。また、ドイツ連邦鉄道がやっている五十キロ以内の無賃輸送については州政府が補助する、こういうふうにさまざまな政府による補助というものがヨーロッパの場合では通例化いたしております。ECの統合になりますと、ヨーロッパ全域がやっぱりそういうふうになっていくという時代が来るだろうと思いますね。 そういう意味では、我が国でもそろそろ国の役割あるいは地方自治体の役割、それぞれの公的助成制度について検討をされておるんではないかというふうに当然思うわけですけれども、この公的助成制度についてどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(中村徹君) ただいまの先生の御指摘は、身体障害者等に対する運賃割引制度についての公的助成の問題でございますが、私ども基本的には社会福祉政策においてこれを行うべきであるというふうに我々の立場を申し上げておりますのは、要するに公的助成によってそのような補てんを行い、すべてを利用者の負担にするのはおかしいではないかという基本的な立場を前々から申しておりますので、考え方そのものは先生のおっしゃるとおり、やはり公的助成なり何なりでやるべきであるとは思っております。しかし、現実問題として、これは長期間にわたって実現できないできていることもこれまた事実でございますので、そこのところで現実の問題として利用者負担においてでき得る最大限のところでただいまできることをやっておるということでございます。 先ほど私ども厚生省と社会福祉政策との観点から今後慎重に検討すべきであるというふうに御答弁申し上げましたが、やはりそういったことで、これから社会福祉当局とそういった事柄について、今後の政策展開について検討を進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○喜岡淳君 それは国民が聞いて理解できる御答弁ではないと思うんですね。発言されて自分でわかるでしょう、おかしいというのは。そうするのは原則はわかる、しかしできていないんだと。もうやっぱりそろそろ踏み切ってどこかで区切りをつけて、はっきりとした行動に移るべきじゃないですか。 例えば、一九九二年という年は「国連障害者の十年」が終わる年ですよ。来年ですよ、終わるのは。じゃ日本は何をしたかと問われますよ、これは。日本は何をしたのか。もうずっと長年の懸案であったこの問題に対して、まあわかりますけれどもまだできていないんです、こんな国会答弁ですか。こんな審議ですか。これは私ちょっとおかしいと思いますね。そこまでわかっておられるんだったら、やっぱり具体的に踏み込む検討をされておると私は思いますけれどもね。
○政府委員(中村徹君) 私どもは交通関係の、交通の当局でございまして、そういう意味で、我々のなし得る範囲において本来社会福祉割引でやるべきと考えております身体障害者等に対する割引、これを利用者の負担において実施しているということでございまして、やはりこれは本来社会福祉政策である以上、公的助成の対象とするのであれば、公的助成の対象として厚生省においてこれを実施していただかなければならないわけでございまして、私どもが厚生省と今後検討をするというのはそういう意味合いで御答弁を申し上げておるわけでございます。
○喜岡淳君 それはおかしいと思いますよ。社会福祉だから厚生省がするべきだ、それは確かにそうでしょう。じゃ戦傷病者の特別援護法というものは、これは厚生省がやっているのではなくて運輸省が負担をされておるわけでしょう。できないことないんじゃないですか、交通関係にかかわる問題は運輸省がやっていいわけですから。 今度の障害者割引の問題だって厚生省がやるのか運輸省がやるのか、そういう水かけ論になって、結局だれもが前に出ようとしない。逆に言えば、悪く言えばお互いが足を引っ張ってブレーキをかけてやらさないようにしておるんではないか、こういう言い方をする障害者もおるわけですから、ぜひ運輸大臣はこの障害者問題について、二十一世紀が来る前に課題を残さずに決断をやったというぐらいの歴代に残る運輸大臣として頑張っていただきたいという気持ちでありますが、どうでしょうか。
○国務大臣(村岡兼造君) 今運輸政策局長とのやりとりを聞いておりまして、私ども、今まではいろいろな予算の制約の面においてなかなか充実してこなかったけれども、またJRとも話をしながら、この障害者対策あるいは過日私が要請申し上げました精薄の問題も段階的に着実にやっていかなければならぬと、こう考えております。 したがいまして、今の先生のおっしゃることにつきましても、今後どうあるべきかということの検討を加えてまいりたいと思いますけれども、現状では先ほど局長が申したとおりでございまして、また、この点について一歩一歩今後検討を重ねながらそういう対策もしてまいりたい。財政上の問題もございますし、いろいろな問題もございますので、これから検討も加えてまいりたいと、こう思っております。
○喜岡淳君 やっぱり財源財源ということがいつも言われ、障害者割引の問題が難しいわけですから、そういう意味では、交通問題にかかわる問題はやはり運輸省が責任を持って、戦傷病者の割引の例もありますから、立法措置をしっかりとって、国の役割、自治体の役割、それから運輸事業主の役割、それを明確にした上でやっぱり立法措置をもって財源を確立していく。そうしないと、私は、二十一世紀の高齢化社会に対応する運輸省の方針はでき得ないと思うんです。 なぜならば、高齢化社会が来るということは、お年寄りがふえるということで障害者がふえるということでしょう。実際の数字で考えてみても、今日本と西ドイツが二十一世紀には高齢化の最も進んだ国になるのではないかというふうに言われております。 その根拠は、ちょっと手元に数字がないのではっきり言えませんけれども、日本の場合だって障害者の多くは年齢が六十五歳以上のいわゆる高齢者になっておるわけですね。日本の場合は、いわゆる障害者と呼ばれる人の四四%は六十五歳以上の高齢者であるというふうに言われております。イギリスの場合も高齢者の三〇%近くが障害者だと、これは常識として言われておりますが、障害者がふえる最大の要因は人口の高齢化だと、こういう指摘もあるわけです。そういう意味では、高齢化社会になればなるほどいわゆる障害者がふえるわけですから、今後の対策としてますます立法措置をもって二十一世紀が来ても大丈夫だと、皆さん安心して長生きをしようじゃないかというふうに言うのが私は運輸大臣の発言ではないかと期待しておったのですが、ぜひ検討をいただきたいというふうに思います。 もう時間がありませんので、最後に一つだげお願いをしておきたいというふうに思います。 運輸省からいただきました「身体障害者用施設の整備状況」というものがございます。これを見ておりますと、平成元年度、車いす用の改札通路はJRの場合一九・二%の設置状況、駅の数で言うと一九・二%。大手民鉄で言いますと七〇・二%が設置されておる。地下鉄に至っては九六・六%が設置されている。あるいは危険防止の転落防止さく、JRの場合は設置駅数が二二・八%、大手民鉄は五一・七%、地下鉄は七六・四%。障害者用トイレに至っては、JRは六・一%の駅、大手民鉄は二四・五%、地下鉄は五六・七%。いずれをとってみてもいかにJRの取り組みがおくれているかというのはよくおわかりだと思います。特に身体障害者のためのエレベーターに至ってはなお設置がおくれております。 そこで、最後にお願いだけいたしておきますが、香川県の障害者たちがJR坂出駅の高架に伴ってエレベーターを要求いたしておりますが、JR四国は金の問題でふらふらいたしておりますJRとしてはエレベーターで対応するのかどうかはっきりした明確な方針を持ってもらいたいわけです。そうしないと、県や市も金を出すところは相談のしようがないわけです。運輸省としては、障害者対策のエレべーターの問題にこれから積極的に取り組んでいただきたいと思いますので、それについて御意見をいただいて終わりたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 現在、JR四国と都市計画事業者の間で具体的な施設計画について協議を進めておりますので、その協議の中でエレべーター、エスカレーターの設置についてもその負担方法を含めて協議するようにJR四国を指導してまいりたいと思います。
○喜岡淳君 どうもありがとうございました。
○狩野明男君 大臣及び関係当局に三点質問をさせていただきたいと思います。 一つは常磐新線でありますが、平成二年の十一月に一都三県が合意して本年三月に首都圏新都市鉄道株式会社というのが設立され、そして東京の秋葉原から学園都市間六十キロメートルにわたる鉄道建設が平成四年度以降始まらんとしているわけであります。これは運輸政策審議会の答申に従って第百十四回国会で平成元年六月に成立した大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法によってできたわけでありますけれども、この法律の趣旨と、それからこの法律が目的としているものを説明していただきたいと思います。
○政府委員(佐々木建成君) 先生今御指摘の大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法の趣旨、目的でございますけれども、法律の「目的」のところにありますように、大都市地域におきます著しい住宅地需要にかんがみまして、新たな鉄道の整備によって大量の住宅地の供給が促進されると見込まれる地域におきまして宅地開発と鉄道整備を一体的に推進するために必要な特別措置を講ずることによりまして、大量の住宅地の円滑な供給と新たな鉄道の着実な整備を図りまして、もって大都市地域における住民の生活の向上と当該地域の秩序ある発展に寄与するというようなことを趣旨、目的としている法律でございます。
○狩野明男君 今の説明にありましたように、つまり、この新線については東京周辺への一極集中から地方分散への手段として一つの国の政策であり、また都心への通勤地獄解消にも役立つわけでありますので、この建設は早急に急がなくてはならないということで関係一都三県が熱心に今基本計画を策定中であります。 そういう中で、とにかく平成十二年、西暦二〇〇〇年までに何とか完成させたいということで、これから運輸省に対して、いろんな基本計画の申請はまだしておりませんけれども、申請したならばできるだけこの事業を早く推進していくための一連の手続があるわけであります。つまり、鉄道事業の免許の申請とかそれから工事施行の認可、そういったものをできるだけ早く手続をさせていただいて、そして平成四年、来年には着工ができるようにしたいと思うので、その辺をひとつよろしくお願いしたいと思います。 それと、この鉄道の建設については約八千億の資金を必要とするということでありますけれども、これはどういった建設資金によって行われるのか。
○政府委員(佐々木建成君) まず、第一点の手続の問題でございますが、狩野先生御指摘のように、ことしの三月に地方公共団体を主体とします第三セクター、首都圏新都市鉄道株式会社が設立されまして、常磐新線整備に向けての具体的な事業活動が開始されておるわけでございます。 今後、常磐新線の整備につきましては、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法に基づきまして一都三県が関係市町村等の意見を聞きつつ十分調整しまして、まず、基本計画の作成を行うことになるわけでございますが、運輸省としましては速やかに基本計画が作成されるよう、関係地方公共団体が一層努力することを期待しております。 この基本計画ができましたら、これを速やかに処理するということになるわけですが、第三セクターが鉄道事業の免許あるいは工事施行認可等の諸準備を進めるとともに、都市計画決定や環境影響評価等を行っていく必要があるわけでございます。 運輸省としましては、基本計画の作成を初めとするこれらの準備作業が地方公共団体等、関係者の努力と協力によって円滑に進められることによりましてできる限り早期に着工に至ることを期待いたしますとともに、基本計画の承認申請がなされました場合には、建設省、自治省とも協調しまして速やかに対処するように努力をしていきたいと思います。 それから第二点でございますが、八千億円の建設費をどのように資金調達するかということでございます。 平成三年度の政府予算案におきまして、特殊法人鉄道整備基金の設立と同基金による大都市鉄道整備にかかわる無利子貸し付けの制度の創設が認められたわけでございまして、現在法律案の御審議等をいただいているわけでございます。 この無利子貸し付けの制度は、平成三年度は常磐新線につきましては具体的な工事がないわけでございますので、対象にはならないわけですが、今般第三セクターが設立されたというような具体的な進展が見られたことでもありますので、四年度以降の建設工事について必要な出資が地方公共団体等によって手当てされれば無利子貸し付けの対象になるというふうに考えております。なお、無利子貸し付けの貸付率は助成対象の建設費の四〇%を予定しております。それから、地方からも同等の助成をいただくということで、そのほかに公共団体等を中心とする出資金といったものと、それから一部の有償資金で賄うということになります。 いずれにいたしても、無利子貸付金が助成対象建設費の地方、中央を合わせまして八〇%になると、こういうことでございます。
○狩野明男君 特殊法人の鉄道整備基金については今国会において審議されるわけでありますけれども、今の説明によりますと基金から四〇%、それから地方自治体から四割、あとは残りのいろんな団体からと、こういうことであります。 そういう中で、今度は自治省の方になりますか、用地の確保だとかいろいろ非常に大変な仕事が待っているわけでありますけれども、そういう中でやはり地方自治体にかなりの負担が出てくると思うんです。やっぱり沿線開発で住宅等ができてまいりますと、学校もつくらなくちゃならない、下水道、上水道すべていろんな施設が必要となってまいります。したがって、地方自治体のこの建設については資金の持ち出しが非常にたくさんになってくるわけであります。 そこで、こういった関係自治体の建設資金等々に関するいろんな資金が非常に必要になってくるので、そういった場合に起債の承認とか、それから交付税などで地方自治体の負担が重くならないように、自治省では特に負担軽減のために御配慮をいただきたい。そして、その他のいろんな施設を必要としますので、なるべく地方自治体の持ち出し分が多くならないように十分考慮していただきたい。 特に、先ほどこの法案の趣旨として、東京一極集中からの分散という国家土地政策の一環でもあるわけでありますので、特にその辺を勘案してお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○説明員(香山充弘君) 関係地方団体の財政負担といたしましては、事業主体であります第三セクターへの出資あるいは御指摘の関連公共投資等が予定されておるところでございます。この新線建設の場合は地元に大きな受益が生ずるということが基本になりますので、地方団体の独自の対応というのが基本的な考え方になろうとは存じますけれども、一方でこの事業は国家的な施策でございますし、また一般行政を圧迫するようなことがあってはならないということで、この鉄道の建設の経費に対します財政負担に対しましては、自治省としては地方債による財源措置を行うことを検討いたしております。 この考え方で、既に平成二年度は第三セクター設立のための出資に対しまして地方債の許可をさせていただいたところでございます。また、公共投資に対しましては、所定の地方債、交付税措置等を講じまして、今後ともこの事業が円滑に進みますよう十分配慮をいたしてまいりたいと考えております。
○狩野明男君 次に、第二点目の質問でありますけれども、空港問題であります。 間もなくやってくる二十一世紀初頭には、国内や国際線の航空需要が日本の空港能力の限界を超えると言われており、これは非常に大きな社会問題であると言われております。既に羽田は満杯だし、成田も非常に混雑している。そういう空港を担保するために新たな国際空港、国内空港が必要になってくるのではないかと思います。 そこで、本年二月二十八日、この運輸委員会における大臣の所信表明の中でも、空港整備については第六次空港整備五カ年計画を策定し、中長期的な航空需要の増大に対応しつつ質的な拡充を図る。そして、現在、新東京国際空港と羽田の東京国際空港の沖合展開、関西国際空港の三大空港プロジェクトの完成を最優先として、さらに地方空港の大型化、国際化等についての空港整備を推進していくと言われております。 〔資料配付〕 そこで、お手元に配った資料でありますけれども、この資料を見ていただけばわかりますように、右の方に「一日の着陸回数及び乗降回数」と書いてありますが、成田は一日の着陸回数が百六十三回、一日当たりの乗降回数が五万三千五百五十七人、その下に羽田と大阪とが書いてあります。現在、関西空港を泉州仲に建設中でありますけれども、まだまだ首都圏としてそういった空からの玄関が非常に混雑しているということがこの数字を見てもわかると思います。そして、これは日本の、二重丸が第一種空港で一重丸が第二種空港でありますけれども、こうやって眺めた場合に、首都圏の空港はこの辺が非常に少ない、少ないというかほとんど成田と羽田以外この辺があいているわけであります。 そこで、成田、羽田、関西空港の三大整備事業とともに、あわせて首都圏に第三空港を考えてみるべきではないか。名古屋に新国際空港も考えておられるようでありますけれども、首都圏第三空港整備に向けて何らかの調査とか検討を実施すべきだと思いますが、その辺大臣のお考えはいかがですか。
○国務大臣(村岡兼造君) 首都圏の空港能力の拡充につきましては、平成二年八月に出されました第六次空港整備五カ年計画に関する航空審議会の中間取りまとめにおいて、「二十一世紀初頭における東京圏の国内航空需要に対応するためには、空港能力の拡充が必要であり、東京圏における新規の空港の設置、既存の空港・飛行場の活用等について、用地、空域、環境、アクセス等の諸問題に関する総合的な調査を関係者が連携して進める必要がある。」ことが示されまして、平成三年度政府予算案において東京圏における空港能力の拡充に関する調査費が計上されたので、予算の成立を待って東京圏を対象に調査を開始したいと考えております。
○狩野明男君 今大臣のお話で、この首都圏第三空港の調査、検討を考えているというお話がありましたが、実は内陸部に埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県という四県にわたる空港建設ができるような広い用地があります。渡良瀬遊水池というのがこの四県にわたってあるわけであります。これは土地の面積が大体三千三百ヘクタール。それで先ほどの資料の左上にドイツ、イギリス、アメリカ、いろんな空港の面積が書いてありますけれども、一千から二千、大体一千ヘクタール程度であります。そうしますと、この渡良瀬遊水池は三千三百ヘクタールありますが、ここは自然保護の問題だとかその他水防上の問題だとかいろいろあろうかと思いますけれども、それをうまく構造上ピロティー方式にしてここに空港を設置することを検討してみたらいかがかと提言したいと思います。 つまり、立地条件としては、まず、東京、首都圏から車で一時間。それから東北新幹線が走っている。それから東北自動車道路が走っています。それから茨城県那珂湊からの北関東自動車道がここを通過することになっているし、さらに首都圏を中心とした首都圏中央連絡道にもこのアクセスがかかっている。こういう鉄道と高速道路による交通アクセスの立地条件が非常にいいところはなかなかないわけでありまして、さらにまた、その土地については取得が容易である。つまり公有地であるということでありますし、空港の設置によってその周辺の開発等々については非常にその波及効果が大きいのではなかろうかと思いますので、ぜひとも首都圏第三空港として、さらにまた空の交通緩和問題としてぜひとも御検討をいただきたい、このように考えているわけでありますが、その渡良瀬遊水池についてもひとつ御検討いただきたいということをちょっと……。
○国務大臣(村岡兼造君) 首都圏第三空港問題については先生御指摘の渡良瀬遊水池を含め、現在までに民間団体、経済団体、学界等から海上案とか既存空港の活用等とかいろいろの構想が提唱されておりますが、これらはいずれも一つの発想、アイデアといった段階のものであると理解をいたしております。 運輸省といたしましては、先ほども申し上げましたが、二十一世紀初頭における国内航空需要に対応するためには、東京圏の空港能力をさらに拡充する必要があると考えておりますが、現時点では新空港の設置にしろ既存空港の活用にしろ白紙の状態でありまして、予算成立を待ちまして今後東京圏を対象に所要の調査を行ってまいりたい、こう思っております。
○狩野明男君 つまり、これからの検討課題とする、こういうことですね。
○国務大臣(村岡兼造君) はい。
○狩野明男君 ありがとうございました。 それでは第三番目の質問に入ります。 JRの株式上場の問題であります。 JRも民営化されて六つの旅客会社とそれから貨物会社が発足してことしで五年目に入ったわけであります。この七社とも前年を上回る営業収益が見込まれて、分割・民営後経営者、そして、そこで働いている方々が一体になって努力して経営が順調になってきているということであることは、先ほど配られておりまするこの予算委員会要求資料、これを拝見してもわかるわけでありますが、特に東日本、東海、西日本、それぞれ経常利益で一千億程度が計上されて非常に立派な会社になってきたと思います。 そこで、大臣の二月二十八日の所信表明の中でも、「新幹線鉄道保有機構が一括保有している既設四新幹線を関係旅客鉄道会社に譲渡」、そして「JR株式の処分につきましては所要の準備を進め、その適切な処分を図っていくことにより」完全民営化を目指してまいる所存」であると、このように述べられておりますが、特に今申し上げた東日本、東海、西日本については既に株式上場態勢が整ったんではなかろうかと思われるわけであります。 聞くところによりますと、今年三月期には配当を実施するというようなことも聞いておりますし、また、株式上場基準である一割配当ができるような態勢になっている、いろんな関係法案の成立に伴ってそういう株式上場態勢が整ってきた。この国鉄清算事業団保有の三社の株式、それから土地の売却によって長期債務の処理をしながら、まさにこれからひとり歩きをしていこうという態勢になってきていると思います。 さらに一方、JR株式基本問題検討懇談会においてもこのJR株式については、できるだけ早くこれを放出するということがうたってあるようであります。さらに、これは昨年の十二月十七日に、「平成三年度におけるJR株式の売却に関する意見」というのをこの懇談会が運輸省に上申しているわけであります。 さらにまた、政府としても昭和六十年の十月に「国鉄改革のための基本的方針について」ということで、経営基盤が確立した場合に逐次株式を処分して早く純民間会社としてひとり立ちするようにということの決定がなされ、さらにまた一昨年の十二月十九日に、「日本国有鉄道清算事業団の債務の償還等に関する具体的処理方針について」ということで、JR民営化という国鉄改革の趣旨に沿って遅くとも平成三年度には株式の処分を開始する方向で経営の動向や株式の動向を見きわめるべきだ、こういう閣議決定がなされているわけであります。 そういう中で、国民は、このJRの株式放出についてさきのNTTと同じように非常に注目しているし、関心を持ってながめているわけであります。したがって、この株式放出についてはいつ放出するのか、運輸省の方で考えている放出の時期、そして放出先、どういうところへ放出するのか。それからもう一つは、その数量とか適正と見られるべき価格等を教えていただきたいと思うわけです。
○国務大臣(村岡兼造君) JRの株式につきましては、平成元年十二月十九日の閣議決定を踏まえ、昨年三月より有識者をメンバーとするJR株式基本問題検討懇談会を開催し、具体的な売却方法、売却株式数等について検討いただいているところであり、その検討結果等を踏まえ適切に対処してまいりたいと考えております。 売却の時期あるいは売り渡す対象、方法等いかんというお尋ねがありましたので、この点につきましては総括審議官からお答えをいたしたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 売却の時期、売り渡す対象あるいは方法等を含めまして、今大臣から申し上げましたように、現在JR株式基本問題検討懇談会で有識者において検討していただいているところでございますので、その結果を待って適切に対処していきたいと考えているわけでございます。
○狩野明男君 その放出の時期が平成三年度中という懇談会の意見だとか、それから閣議においてそういう方向づけがされているわけでありますけれども、放出の時期については本年度中に放出されるわけですか。
○政府委員(大塚秀夫君) 平成三年度に処分ができるよう所要の準備、検討を行っているところでございますが、具体的にいつ売却するか等につきましては株式市況等の動向も踏まえつつ弾力的に対応していくということで、先ほど申し上げましたように懇談会で現在検討しているところでございます。
○狩野明男君 時間ですから終わります。
○片上公人君 去る四月三日の新聞報道によりますと、JRグループがソ連のサハリンに対しまして中古の車両を提供するということが大きく報道されておったわけでございますけれども、いろいろな面で対ソ協力を進めていくことは、これは大変有意義なことではないかと、こう思います。 この話は、今年の一月に運輸省の対ソ物流調査団が訪ソした際にソ連側から要請があったもののうちの一つである、こう報道されておりますが、まず、その調査団の目的、そして、調査結果の概要についてお尋ねいたします。
○政府委員(吉田耕三君) 対ソ物流調査団は、ソ連政府の大統領府、それから交通省の要請に基づきまして官民合同で訪ソしたところでございますが、現段階では政府といたしましては、政府レベルでの物的経済的協力は行わないといういわゆる政経不可分の原則の範囲内で知的支援を行うために実施したものでございます。 具体的には、一つの目的は、国鉄民営化の経験をもとにしましてソ連の鉄道以外の国営企業の民営化を進めるための参考となるアドバイスを行うというのが目的の一つでございました。それからもう一つがソ連の物流システムに関する調査を行ったものでございます。 〔委員長退席、理事谷川寛三君着席〕 このうち、民営化問題につきましては、大統領府とか共産党中央委員会等の関係者に対する講演を行いまして、我が国の国鉄民営化の課題、推進方策、それから民営化の効果等に関する考え方を説明いたしました。それから、もう一つのソ連の物流システムに関する調査におきましては、まず、ソ連の鉄道は貨物輸送全体の約七〇%強を担っておりまして、トンキロベースで日本の約百七十倍の鉄道貨物輸送が鉄道によって行われております。 そういう現状の中で、鉄道輸送のハード面につきましては、これは近代化投資が不足しているということの結果、機関車とか客車、貨車等の不足が著しい、あるいはレール、まくら木の老朽化が目立っているというようなことでございました。さらにまた、鉄道輸送のソフト面におきましては、ドア・ツー・ドアの輸送を可能にするための一貫した物流システムの構築が極めて不十分でございまして、この結果、鉄道貨物ターミナルにおける貨物の滞留などの事態が生じていることなどの問題が明らかになったところでございます。 調査結果の概要は以上でございます。
○片上公人君 鉄道の近代化投資が立ちおくれている、こういうことでございますが、そうであればソ連国内の物流のかなめとなる鉄道を近代化するということは、いわゆるペレストロイカへの支援にもつながると思います。そうなりますと、日本の高度な鉄道技術を生かしてソ連鉄道の近代化を援助する、こういう考えについて伺いたいと思います。
○政府委員(吉田耕三君) 鉄道近代化に対する投資ということについての支援措置ということになりますと、これは知的支援の枠外となりますために、政府として進めるということは困難でございます。政府ベースの援助の対象とするという考えは今のところございません。 しかし、この問題につきましては、既に調査団が訪ソいたしましたときにソ連側から中古車両等の対ソ輸出の申し入れがございまして、これに対しまして民間レベルとしてJRグループが中古車両の輸出は可能であるという考え方を示したところでございます。
○片上公人君 ソフト面としての物流システムそのものも不十分であるということなんですが、日本の先進的な物流システムやノーハウを提供しまして物流システムの改善について支援すべきではないかと、こう思いますが、これについてはいかがですか。
○政府委員(吉田耕三君) 先ほど申し上げましたように、ソフト面としての物流システムについても極めて不十分でございます。その改善につきましては、トラック事業などの一部部門の民営化であるとかすべての部門にわたって独立採算制を徹底しなくてはならぬとか競争原理の導入を図るべきではないかとか、あるいはトラックと鉄道などの複数の輸送機関の連携の強化を通じまして協同一貫輸送システムの導入を図るなどの種々の方策が考えられるわけでございます。 しかし、こういうようないろいろなことを性急に実施していくということではかえって混乱を招くというようなおそれもございます。したがいまして、私どもとしましては、ソ連の関係者が日本の近代的で先進的な物流システムを十分に見て勉強して、そういうものを参考としながらソ連の国情に合わせた物流システムの改革というものを長期にわたって、かつ自主的に進めていくことが望ましいのではないかと考えております。 したがいまして、今後できるだけ早い時期に日本の関係の民間の団体とか民間企業などの協力を得まして、ソ連の物流政策立案担当者を含めた物流の専門家を日本に招待いたしまして、日本の物流事情を視察してもらい、あるいはまたソ連の物流システムの改善のための協議を行いたいと考えております。こういうようなことにつきまして、先般の訪ソ時にもこのような考え方をソ連側に伝えているところでございます。 いつごろ招待するかというような招待の具体的内容につきましては、今後外交ルートを通じて協議を進めることにしておりますけれども、まあことしの前半には実施したいと考えております。
○片上公人君 JRの中古車両を当面サハリンに三百両程度輸出するという話が進んでおるように聞いておりますけれども、運輸省としてはこれについてどのように考えていらっしゃるのか伺います。
○政府委員(吉田耕三君) ソ連の鉄道のゲージは、本土の方は我が国と異なって広軌でございますけれども、サハリンはゲージが我が国と同様狭軌でございます。そのためソ連側からは、サハリンの鉄道を改善するためにJRの中古車両を輸出してほしいという強い希望が示されました。 それで、これは先ほど申し上げましたように、あくまでも民間レベルで進めるべき問題でございますが、現在ソ連の方とJRとの間である程度話が進められているというぐあいに承知しております。 〔理事谷川寛三君退席、委員長着席〕 運輸省といたしましても、こういうことが実現することは物流分野における日ソの友好促進に寄与するものでございますので、評価し得るものと考えております。 ただ、輸出の台数だとかというようなことは現段階ではまだソ連側の方からの話はないようでございまして、今後JRとソ連でそういう台数などについても話が進むと聞いております。その車両を有償で輸出するかどうかというようなことにつきまして、まあ新聞情報では無償というような記事もございますけれども、JRは当然有償譲渡を希望しているところでございます。そのように聞いております。
○片上公人君 ソ連の極東地域は日本から比較的近いですし、手つかずの自然が多く残っておると聞いております。環境問題等はちゃんとこれはせなあかぬと思いますけれども、今後の海外旅行を促進する上からもこの地域の観光開発には日本としても相当支援を行うべきである、このように思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(村岡兼造君) 運輸省におきましても、これまでも各国政府の要請を受け、日本人の海外旅行促進のための官民合同のミッションの派遣等の国際協力を行っております。 ソ連につきましては、調査団訪ソ時に鉄道利用の促進を図るための観光開発促進について交通省から希望が表明されておりまして、今後ソ連の観光行政所管当局等からの具体的な要請があれば、日ソ双方の関心の高い地域を対象に日本から観光調査団を派遣することを含め、ソ連の観光開発に関する知的支援についても検討していくこととしたいと思っております。
○片上公人君 ソ連国内の鉄道貨物輸送だけに限らず、物流関係での他の分野、例えば日ソ間のフェリー等でのそういう協力を、これは考えていないのかどうか伺います。
○政府委員(吉田耕三君) 調査団が訪ソいたしましたときにも、鉄道以外の物流分野、例えば海運関係などにつきましての協力についてソ連側から希望が示されました。運輸省といたしましては、日ソ両国間の相互理解を促進するために、協力可能な分野については具体的対応を進めてまいりたいと考えております。 そのうちで日ソ間のフェリーの問題につきましては、両国の交流促進の観点から望ましいものと考えておりまして、去る二月六日及び七日の両日におきまして東京で開催されました日ソ海運当局間協議での合意に基づきまして、今後日ソ両国の関係海運企業間において航路開設につき具体的な検討が進められることとなっておりますので、運輸省といたしましてはその動向を見守ってまいりたいと考えております。
○片上公人君 次に、鉄道高架下の有効利用問題について伺いたいと思います。 踏切道改良促進法等の諸制度によりまして、昭和三十六年度以来今日までの間に一千四百四十七カ所の踏切が立体交差化されました。また、ことしの二月十二日に決定された踏切事故防止総合対策では、平成三年度以降の五カ年間に約三百キロメートルの連続立体交差化事業を実施するとともに、二百カ所の単独立体交差化、道路及び鉄道の新設等に伴い四百カ所の立体交差化を推進するとしております。 このような措置によりまして相当膨大な高架下スペースが生まれることになります。このスペースは鉄道事業者の所有に属するものでありますから、その利用につきましては基本的には鉄道事業者の判断によるものでありましょうが、しかし、鉄道事業者には公共交通機関としての性格があるわけでございますから、極力公共的な利用を図られるよう努力していただきたいし、運輸省にもそのような方向で指導を行っていただきたい、そういう観点から具体的に伺ってまいりたいと思います。 まず、この鉄道高架下の利用についてでございますが、JR、民鉄ともいろいろの知恵を絞っているようでありますけれども、どのような利用実態になっておるのか伺いたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 各鉄道事業者におきましては、鉄道高架下の空間を有効に活用する観点から、利用の余地のある場所のうち駅周辺など利用価値の高い場所では店舗とか事務所などとして活用しておりますし、それ以外の場所で側道のあるところではそれぞれの場所の特性に応じて倉庫や駐車場、駐輪場として利用しているところでございますが、残念ながら統計的な把握はしておりません。
○片上公人君 私も最近の新聞の報道等から高架下がどのように利用されているのかいろいろ調べてみましたけれども、例えば倉庫とかオフィス、駅ビル、カプセルホテルなど、実に多種多様な目的で利用されていることがわかりました。 そこで、運輸省にお伺いしたいわけですが、鉄道高架下の利用に関しては利用基準のような一定のルールが定められているのかどうか。消防法の関係などの制約条件ではなくして、利用のあり方という観点から答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 鉄道高架施設につきましては、企業体でございます鉄道事業者の財産であり、高架下の運用自体は鉄道事業者の裁量にゆだねられておりますために、国自身が定める利用基準はございません。 ただ、昭和四十四年以降に整備されました連続立体交差につきましては、費用負担を定めました運輸省と建設省の協定によりまして、鉄道施設の増強部分以外の部分で、高架下貸し付け可能面積の一〇%に相当する部分までは公租公課相当額、これは固定資産税と都市計画税の相当額という意味でございますが、公租公課相当額の貸付料で国、地方公共団体が公共用として高架下を利用できることとなっております。
○片上公人君 今大都市における最大の問題は、住宅問題と交通安全、混雑緩和対策だと思います。 この交通問題に対処するための一つとして、政府はさきの国会におきまして車庫法及び道交法を改正して、いわゆる青空駐車の一掃や違法駐車等の取り締まりを徹底的に強化することにいたしました。特に、車庫法の関係では、ことしの七月からいよいよ車庫証明等に関する新制度が発足することになっておりますけれども、これは具体的に実施になりますと大騒ぎになると思うんです。しかし、大都市内における駐車場難というのは、これは一向に緩和する状況ではございません。駐車場探しというのは困難をきわめているのが実情でございます。 このような状況に対処して、大都市及び周辺で進展している、先ほど言いました連続立体交差化事業によって生み出される鉄道高架下の利用につきましては、交通混雑の緩和という政策課題に協力する意味で積極的に駐車場としての利用を促進していただきたいなと、こう思うわけでございますが、御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 公共駐車場の確保につきましては、運輸行政を担当しておる運輸省としても極めて重要な課題であると認識しているところでございます。 そこで、連続立体交差化事業により生み出されました高架下のうち、地方公共団体等から鉄道運行の安全に影響を及ぼさないような措置をして公共駐車場として活用したいという申し出がございましたら、先生御指摘いただきましたように、できる限りこれに協力するよう鉄道事業者を指導してまいりたいと思っております。
○片上公人君 ジェイアール東日本高架開発は、資本金約十四億五千万円、社員数六百人の株式会社で、JR東日本が九〇%、鉄道弘済会が一〇%の出資を行っております。このジェイアール東日本高架開発の高架下開発部門は、平成五年度末の高架下開発面積を五十九・六万平方メートルとする五カ年計画を推進中であると聞いております。 この会社による高架下の利用形態を見ますと、店舗、事務所、駐車場、資材置き場、倉庫、流通センター、駐輪場、レンタル納戸、カラオケハウスなど多種多彩でございますが、駐車場としての利用がどの程度行われているのか、これを伺いたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) ジェイアール東日本高架開発は、JR東日本の高架下用地約百万平方メートルを借り受けまして、ショッピングセンタービルや直営店舗の経営あるいは高架下の開発などを行っておりますが、そのうち駐車場として利用されておりますのは、埼京線武蔵浦和駅付近で約三千四百平方メートル、京葉線葛西臨海公園駅付近で約五千三百平方メートル、常磐線綾瀬―亀有間で約四千百平方メートル、これらが主なものでございますが、合計しまして約十五万平方メートルでございます。
○片上公人君 JR東海、JR西日本につきましても東日本の場合と同様の関連会社を設立して高架下の開発を行っておると思うわけですが、その状況と駐車場としての利用状況を御報告願いたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) JR東海及びJR西日本においても東日本と同様、鉄道高架下を店舗、事務所、倉庫、駐車場等として活用しているところでございますが、利用の詳細について統計的データは把握しておりません。 駐車場につきましては、名古屋市内では笹島及び名古屋貨物ターミナル駅付近で約二千平方メートル。また、JR西日本の場合、大阪市付近では淀川区の新幹線高架下約二百五十平方メートルなどを駐車場として利用している例がございます。
○片上公人君 国鉄の民営化に伴いましてJR会社が発足したわけでありますから、その経済活動を制約することは第二の国鉄をつくるということになりかねませんから、高架下の開発、空き地利用につきましてもJR各社の自主性を否定するつもりはもちろんないわけでございますけれども、地方公共団体や地域住民から特に要請の強いケースにつきましては、駐車場や駐輪場としての利用を積極的に推進していただきたいと思います。運輸省におきましてもこの方向に沿って御指導をいただきたいと思いますが、これについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(村岡兼造君) 自動車及び自転車の利用は、基本的には道路利用であり、地方公共団体または道路管理者において駐車場及び駐輪場の整備を図るべきものと考えるが、運輸省といたしましては自動車や自転車を利用した鉄道利用者の実態を踏まえ、関係地方公共団体と十分協議をし、可能な限り駐車場及び駐輪場の確保を図るようJRを指導しているところであります。
○片上公人君 現在建設が進められておる鉄道の中には、騒音問題や道路交通の円滑化等への配慮から半地下式構造によるものも見受けるわけでございます。また、地形上の問題から切り通しの底を鉄道が走っている場合もかなりあると思われますが、このような場合、線路の上を人工地盤で覆いまして小公園や遊歩道、駐車場として立体的に利用することを考えていただきたい、このようなことも思うわけですが、これについてはいかがでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 鉄道用地を高度利用することにつきましては、運行中の鉄道の安全を確保しながら建設工事を行わなければならないというような点で制約条件も多うございますが、都市に残された貴重な空間を活用するという意味で、我々もこれらの問題を積極的に今後考えていかなければならないと考えており、その一環としてそのような上空を人工地盤等で整備しました場合には、駐車場として利用することも含めて検討していきたいと思っております。
○片上公人君 次は、安全問題について若干伺いたいと思います。 国鉄の民営・分割後四年を経過したわけでございますが、各社別の事故件数をまず御報告願いたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 分割・民営化後のJRの運転事故件数は、六十二年度以来年々各社合計では減少してきております。 各社別では、JR北海道は、六十二年度が四十三件、六十三年度が三十二件、元年度四十五件であり、元年度は踏切事故が多かったために増加したものでございます。 JR東日本は、六十二年度三百七十六件、六十三年度三百十五件、元年度二百八十七件であり、年々減少しております。 JR東海は、六十二年度六十件、六十三年度六十件、元年度六十六件であり、元年度は線路内立ち入り等の人身事故が多かったために若干増加しております。 JR西日本は、六十二年度二百十四件、六十三年度百九十二件、元年度百九十五件であり、六十三年度以降はほぼ横ばいとなっております。 JR四国は、六十二年度五十六件、六十三年度六十八件、元年度六十八件であり、六十二年度に比べて増加したのは踏切事故によるものでございます。 JR九州は、六十二年度百一件、六十三年度百二十三件、元年度百二十三件。 JR貨物は、六十二年度七十七件、六十三年度百十件、元年度百九件であり、ともに六十二年度に比べて増加したのは踏切事故及び人身事故によるものでございます。 JR各社のうち事故の増加した会社については、踏切事故及び人身事故によるものであり、JR各社はこれらの事故の防止に努めている現状にございます。
○片上公人君 最近でもさまざまな事故が発生しておるわけでございますけれども、JR東海における事故と、それからまた東日本、西日本の管内での作業用車の暴走事故、JR東日本、西日本管内の踏切欠陥による事故、JR東海、西日本の新幹線指定席発券ミス、JR九州の香椎線における遠足の小学生を乗せた列車の横転事故など、頻発しておるわけであります。運輸省はこうした事故頻発に対しましてどのように考えているのか、またどのように対応しているのかちょっと伺いたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) ただいま先生御指摘のような事故が発生いたしましたので、これを受け、運輸省としましては、事故を起こした事業者に対しまして原因の究明と再発防止対策の樹立等を早速指示いたしますとともに、各社に対して基本動作の励行の再徹底あるいは施設の再点検等を適宜指導いたしておりますとともに、運輸省とJR各社の安全担当者で構成されます鉄道保安連絡会議を定期的に開催して安全対策の徹底を図っているところでございます。
○片上公人君 民営・分割後の事故原因の調査体制、これはどうなっているのか具体的に伺いたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 鉄道事故の原因の究明は事故の再発防止対策を行う上でも重要な事項であると認識しておりまして、鉄道事業者におきましても事故の状況確認や関係者からの事情聴取などにより原因究明を行っております。また、必要に応じて社内に事故調査委員会を設けて原因の究明を実施しているところでございます。 運輸省としましては、事故原因などについて鉄道事故等報告規則に基づき事業者から報告を求めることとなっておりますが、重大な事故につきましては地方運輸局が直接現場を調査するなどにより、その報告内容の確認を実施しております。 なお、鉄道事故は原因究明に関する過去の経験の成熟度が高く、また、物的証拠や関係者も多いことから、一般に原因の推定は比較的容易な場合が多うございます。そのため、事業者の行った原因究明についての妥当性を判断することは行政レベルとして一般に可能でございますが、必要に応じまして運輸省にございます交通安全公害研究所あるいは財団法人鉄道総合技術研究所等を活用して鉄道の事故究明を行い、安全の確保に努めてまいっている状況にあります。
○片上公人君 民営化の後、事故の届け出に関する報告基準が変更されたというのは、これは事実なのかどうか御報告願いたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 鉄道運転事故の報告につきましては、国鉄改革前後において基本的には変わっておりません。ただ、鉄道物損事故の対象範囲についてのみ五十万円以上から五百万円以上に変更されましたが、物損事故は件数が非常に少のうございますので、統計上は従来とほとんど差異はございません。 また、運転阻害事故につきましては、国鉄時代におきましては運輸省への報告義務がなくて、国鉄が部内用として列車が十分以上遅延した場合または係員のミスにより遅延した場合などを独自に把握しておりましたが、民営化以降は従来の私鉄に適用しておりました報告規程によるものとなりましたので、今度は運輸省に報告されるようになりましたが、この内容は旅客列車が三十分以上遅延した場合等となっております。
○片上公人君 JR東日本が昭和六十三年十二月に中央線東中野駅で大事故を起こしたわけですが、その後の安全対策にこれはどのように生かされ、実施されてきたのか伺いたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) これは大変残念な事故でございまして、この事故の教訓をもとに、JR各社では社内に安全推進委員会などを設置して安全管理体制の確立を図るとともに、教育訓練の充実や設備施設の改善を行うなどにより事故の防止及び安全の確保に努めているところでございます。 特に、事故を起こしましたJR東日本では、本社に安全研究所を設置し、また各地方機関に安全対策室、総合訓練センター等を設置して安全推進体制の充実を図るとともに、設備面ではATS―Pの設置の推進を実施して、同じような事故が二度と起こらないように努力しているところでございます。
○片上公人君 事故があった場合、一つの調査結果をどのように生かしているかというのが大事だと思うんですが、各社ごとではなくてJRグループ全体の安全対策への取り組み、生かしていくというようなことは、これはやっていらっしゃるんですか。
○政府委員(大塚秀夫君) これは先ほどもちょっと触れましたが、運輸省の安全担当の課長、それからJR各社の安全担当責任者、ほかに交通安全公害研究所及び鉄道総合技術研究所の専門家を入れました鉄道保安連絡会議を定期的に開催しておりまして、そこで特に問題となるような最近の事故について事故を起こしたJRから報告をさせ、各JR担当者の間で事故の再発防止等について議論をしているところでございます。そして、その結果をJR各社で生かしていく、再発防止策を考えていくというような仕組みになっております。
○片上公人君 昨年十月、JR東日本において国際鉄道安全会議が開催されたと言われておりますけれども、その内容と、その後どのように安全に生かされているのか伺いたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) JR東日本は、昨年秋に海外三十二カ国の鉄道関係者の参加を得て国際鉄道安全会議を開催いたしましたが、この会議の目的は関係各国の労使代表の参加のもとに安全のあり方及び考え方について意見の交換をするとともに、関係各国鉄道との友好改善を図る場としたと聞いております。 この会議でいろいろな事故防止策、安全対策について各国が意見を交わし、その結果、事故の情報の収集に努めて今後の我が国の安全対策の参考に資するよう、JR東日本は今後努めていくというように報告を受けております。
○片上公人君 最後に、大臣にちょっと見解を伺いたいんですが、最初のソビエトの支援の話のときも、やはりどうしてもだんだん崩れておるんだけれども、政経分離云々の話とか、また、先ほど喜岡さんが質問したときも、身障者の問題も厚生省どうのこうのと。世界じゅうはもうボーダーレスに本当はなっておるわけです、省庁も国も。そして、イデオロギーでももうだめになってきた。そういう中で、国じゃなしに国民というんですか人間のためにどないしたらええか。省庁のためにどうかじゃなしに、国民のために省庁はなかったらいかぬし、また各国もそういうことですね。国のためにあるんじゃなしに、国というのはやっぱり国民のためにあるんだと。 だから、いろんな発想の前提には、障害者の問題をまずちゃんとしようと決めて、どう努力するかという問題。ソビエトの支援についても、まずどれそれを解決してからと言わず、ちゃんとやろうとしてから問題点どうしようか、こういうふうな発想をしなかったら、これは日本は国際的な主導はできないと思う。 私は、運輸大臣がそういう意味では閣内においても大いにそういうところを論じて、運輸省を中心に国民のための省庁全体を含めたあるいは省庁の特徴を生かしたりしながら国民のために、福祉といいますか貢献するような政策の前進をお願いしたいわけですが、大臣の見解を聞いて終わります。
○国務大臣(村岡兼造君) 対ソ協力の問題でございますが、ことしに入りましてからボリメル運輸海運大臣も私のところへ参りまして、今までいろいろな状況で進みませんでしたワニノとかコルサコフとか、こういう両方の港も開港いたしました。私どもの方としては前々から開港もいたしております。したがいまして、今後ソビエト側にもウラジオストクを開港していただきたい、これは今後の検討課題だと。したがいまして、両港につきましては海運会社がそれぞれの担当で定期航路、フェリーをどうするか近く協議がまとまるであろうと、こう思っております。 基本的には、こういう時代でございますから、対ソ協力して大いに積極的にやりたい。ただ、そういう観点の中でソ連のいろいろ、ルーブルと何か交換できないとか、いかに会社に進出しろといってもまだそういう状況でございませんが、何とか私の方でも積極的にいろいろなことをやっていきたい。ゴルバチョフさんも近く参りますし、これは外務省を通じて、従来の関係の改善も大いに進展すると思いますので、運輸省としてもそれをやっていきたい。 先ほどの社会党の喜岡先生のお話につきましても、全般的に国民のための観点に立っていろいろな問題について閣内でも運輸省の立場として発言をしていきたいと、こう思いますので、先生方の御指導をよろしくお願いいたしたいと、こう思っております。
○片上公人君 ありがとうございました。 終わります。
○小笠原貞子君 まず最初に、障害者の航空機利用についてのその規制の問題を取り上げたいと思います。 ことしは国際障害者年の最終年に当たります。この九年間、政府としても長期計画を持ち、終わりの五年間は重点対策としての計画をお持ちになって取り組みをされてまいりました。 障害者の基本理念として、障害者が健常者と同等に全面的社会参加をしていくことが高らかにうたわれてまいりました。とりわけ社会参加していく上で大きな障害となっているのが移動、そして交通機関でございます。運輸部門にかかわる障害者対策の計画、運行状況は極めて重要な部門と言わざるを得ないわけでございます。 そこで、具体的に伺っていきますけれども、まず、飛行機に乗る場合、子供八歳未満は付添人がいないと乗れないということになっておりますですね、その点について。
○政府委員(加藤晋君) お答えいたします。 これは運送約款の方で、八歳末満につきましては付添人が要るというふうに書いてございます。
○小笠原貞子君 飛行機に乗るに当たりまして、障害者に対してはさまざまな制約がつけられているのが現状です。その中で、視覚障害者、全盲の方にはどのような制約がございますでしょうか。
○政府委員(加藤晋君) お答えいたします。 身体に障害がある方、特に今おっしゃいました視覚に障害のある方でございますけれども、こういう視覚に障害のある方も含めまして身体に障害のある方につきましては、航空機の搭乗につきましては万一不時着等の場合がございますので、そういった場合でも安全に脱出できることが確保されなければなりませんので、各航空会社におきまして、航空機の型式別とかそれから付添人の有無によりまして一機当たりの搭乗者数を制限する場合がございます。 今お尋ねの目の見えない方、視覚に障害のある方でございますが、この方につきましては付添人がいる場合につきましては搭乗者数の制限はございません。ただし、付添人がいない場合につきましては、それは航空機の型式等によりまして搭乗者数の制限が行われております。
○小笠原貞子君 具体的な問題を取り上げていきたいと思うんです。 ことしの正月、御夫婦とも全盲でいらっしゃる、そして子供は健康で二人いらっしゃる。この一家が四人で帰省しようとして航空会社から拒否されたということがございました。 拒否されたその理由は、子供八歳末満に付添人がいないという規定からお乗せすることはできないと言われた。両親はそろっている。つまり、全盲の夫婦では付き添いの資格がないと、こういうふうに判断されて拒否されたということなんでございます。こうした例はこの東京の四人の方だけではなくて、同様なことが岐阜県でも、全盲の母が子供と里帰りしようとして拒否された例がございました。そういうことを知っていて子供連れで里帰りもできないというふうに我慢していらっしゃる方も多々いらっしゃるのではないかと、そう思うわけです。 こういうことを考えましたときに、体にハンディキャップを抱えているだけで家族そろって飛行機に乗ることができない。その親御さんにとってみれば、全盲の子供が健康な孫を生んでくれた、それで見せてほしい、会いたいというようなときにも、その子供を連れて全盲の御両親が里帰りすることができないというようなことを考えますと、本当につらくなるんですよね。国際障害者年と言われている中で、こういう方たちが拒否されてお里帰りができない、一家そろって年一度故郷に帰ることもできない。障害者であればこそ、私は、家族とのきずなはもっと深い、普通の人よりもそろって会いたいという要望は強いと思うんですよね。 これは別にお金のかかる問題ではなくて、先ほどから言われているように、そういう障害の方たちももう平等な関係で飛行機に乗ってお里へ帰れるというようなことを何としても私は実現させるべきだと思うんですね。 そこで大臣、今具体的にお話し申し上げましたからわかっていただけると思いますけれども、結局これは何だと言ったら、全盲の親は子供の付添人にはなれないという、それは航空機会社の規定にあるんだそうですね。それで断られちゃうわけ。でも、全盲のお父さんもお母さんも子供を立派に育てていらっしゃるわけですよね。そういうことを考えると、私はこんな規定を今もう本当に見直していただきたいということを切にお願いするわけなんですけれども、大臣いかがでございますか。
○国務大臣(村岡兼造君) 詳しくそういう事例を挙げての御質問でございますが、現在航空会社各社においてこのようなケースの付添人の要件について検討が行われておりまして、七月ごろをめどに結論を出される予定と聞いております。
○小笠原貞子君 これは本当にお金がかかる問題じゃないんですよね。それだけの心やりがあればできることなので、今おっしゃいましたように七月までには必ずそういう規定が取り払われて、ことしはお盆には家族そろって帰ることができるということで期待したいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。 それじゃ、次の問題としてトラック運送事業に関する問題を伺いたいと思います。 物流二法が昨年の十二月に施行されました。と同時に、「物流業における労働力問題への対応方策について」の運政審答申が出されました。中でも、運賃体系を是正し、弾力的な価格体系の形成を行うように指摘していることは大きな問題でございます。どのような検討がなされているのか要点をお話しください。
○政府委員(吉田耕三君) 昨年十二月の運輸政策審議会の答申におきましては、物流事業を取り巻く労働力不足というのは極めて深刻であるということから、一つはどうやって労働力を確保していくかという観点からの提言。しかし、そうはいっても今後労働力人口が減っていくというような時代でございますので、二つ目に、物流システム自体を人手のかからない効率的なものにしなくてはいけないというような観点からいろんな提言がなされているもののうちの一つといたしまして、先生が今御指摘の弾力的な価格体系の導入ということが言われたわけでございます。 この「弾力的な価格体系の構築」ということにつきましては、労働集約型の物流サービスとそうでない効率的な物流サービスとの間のコストの格差を反映するような形での弾力的な価格体系を導入いたしまして、価格メカニズムを通じて効率的な物流システムへの誘導を図っていくべきであるというような観点から行われております。 この提言を受けまして、現在運輸省では検討会を設けまして、学識経験者とか産業界あるいは関係事業者、行政側からも出まして検討を行っているところでございます。 そこでの具体的な検討課題でございますけれども、例えば単位当たりの輸送コストが高いジャスト・イン・タイムサービスのような労働集約型輸送にかかわる料金の見直しとかあるいは需要の平準化、分散化を図るために、閑散期と繁忙期の料金格差を設けるとかあるいは単位輸送量が増大したものあるいは計画的に出荷要請があるもの、そういうものは効率性がよくなるものでございますから、そういうものについては割引をするとかというようなことを課題にいたしております。
○小笠原貞子君 次に、運賃問題の最も課題となっていることは、荷主との関係で運賃の完全収受をすることが大切であるということでございました。 物流二法で認可制から届け出制に規制緩和されました。認可運賃でさえ収受できなかったのに、ましてや届け出制になり、その上今おっしゃったような弾力的運賃ということになりますと、価格体系が多種多様になり、ますます収受できなくなるのではないかということを懸念するものでございますが、その点どのようにお考えでいらっしゃいますか。
○国務大臣(村岡兼造君) 労働力不足を背景に、最近実勢運賃は上がってきているところでありますが、労働集約型でコストが上がったものと効率性がよくなってコストが下がったものとの間で格差をつけるという弾力的な価格体系を導入し、ガイドラインを設けることにより、むしろこれまでなかなか収受できなかった料金等について適正収受の方向へ一歩前進するのではないかと考えております。 今後とも運賃、料金の適正収受を図るため、荷主懇談会の開催等を通じて荷主とのパートナーシップを確立するよう事業者団体を指導してまいりたいと、こう考えております。
○小笠原貞子君 物流二法審議のときに運輸省は、私どもの懸念に対し、秩序ある運賃設定を確保するとおっしゃいました。この業界は中小零細業者が主になるわけですけれども、大手の業者もおります。中小零細は大手の下請化され、大変厳しい経営状況にあります。 こうした中で、原価を償い適正な利潤という現在のトータルな運賃体系とサービスに応じた弾力的運賃との関係には当然矛盾が出てくる。原価主義とかけ離れたものになってくるのではないかと懸念するものでございます。いかがでございますか。
○政府委員(吉田耕三君) 物流二法の施行によりまして運賃規制が緩和されたわけでございますが、そのことによりまして弾力的な価格体系を構築していくということ、つまりコストをより的確に反映したきめ細かな運賃、料金の設定をしていくということがさらに容易になったというように考えております。 そういうことによりまして弾力的な価格体系を構築していくということは、原価主義をよりさらに一層きめ細かに徹底するということであるというように御理解いただきたいと思います。
○小笠原貞子君 運政審の答申では、「物流サービスの見直し又は輸送需要の平準化により輸送の効率性が上昇した場合」「運賃・料金の引下げ、割引等の措置の導入、拡大を図っていく必要がある。」と述べられております。結局、こうしたことにたえられるのは大手だけになるのではないか、弾力運賃という名のもとに自由運賃に道を開き、結局大きい企業のコスト主義が優先され、中小業者は打ち負かされることになるのではないか、やっぱりそういうふうに考えざるを得ないんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(吉田耕三君) 先ほど来申し上げておりますように、労働力不足を背景として労働力コストが上がる、よって全体のコストが上がるというような場面が多くなっております。そういうことを背景にコストの格差をきめ細かく運賃体系に反映させようというものでございまして、従来荷主に対して立場の弱かった中小企業がほとんどを占めますトラック事業者の取引関係において、コストの高いものは高くいただくというような趣旨で、その地位の向上にも資するものと考えております。 コストが高くなったことばかりを言っても問題でございまして、効率性が上がるものはコストが安くなるわけでございますから、そういう意味で、上もあり下もありという意味で「弾力的な価格体系の構築」でございますけれども、あくまでもこれは労働力不足を反映した労働力コストの上昇、あるいは荷物が繁忙期には非常に集中するというような事情を背景にして提言されているものでございます。
○小笠原貞子君 見直し、検討の中にジャスト・イン・タイム等が指摘されております。中小関連業者と労働者への負担というのがこれで非常に高くなって、もう限界にきているというふうに言われているわけです。大企業のかんばん方式というのも今大きな問題になって、大幅制限や廃止をすべきではないかという声も出ているわけでございます。 こういう立場に立ってやっぱり大幅制限や廃止を荷主に指導する、このかんばん方式だとかジャスト・イン・タイムなどで結局労働者にしわ寄せされる、中小関連業者に大変しわ寄せが行くという、こういう点について適正な指導がなされなければならないと思うんですけれども、その点いかがでございますか。
○政府委員(吉田耕三君) ジャスト・イン・タイム・サービスに象徴されますように、必要なものを必要な量だけ必要なときに納入しなさいというようなことで、非常に少量多頻度でございます。そうすると、運送事業者にしわ寄せが来るということになりがちであるということでございますので、そういう場合には、答申にも述べられておりますが、できるだけ各メーカーの商品をそれぞれがばらばらに搬入するんではなくて共同輸送を進めるとか、そして少量じゃなくて満杯にして運ぶとかというようなこととか、先ほど来申し上げておりますような価格メカニズムを通じた見直し、是正というようなことを進めてまいりたいと考えております。
○小笠原貞子君 時期を平準化するとかいろいろと、なるほどな、それもいい方法だなとちょっと思うわけですけれども、具体的になって考えてくると、やっぱり不安は消せないんですよね。 例えば、単位輸送量の増大、計画出荷等により効率性の増大した輸送に対する運賃、料金の引き下げというようなことも検討事項に入っておりますよね。そうしますと、輸送量の増大、計画出荷、効率性の増大したというような運賃というのはやっぱり大手で、中小零細企業には適合しない、大手になってしまうというようなことが、きょうは時間がないから一つ一つ問題提起するというんじゃなくて考え方をお伺いしたわけなんですけれども、やっぱりちょっといろいろと心配な点があるということについて、これで心配なくやってくださるのかどうか、その辺大臣としての所感を伺いたい。 それから、御紹介おくれましたけれども、障害者のお父さんがきょう来ていらっしゃるんです、そちらに。先ほど大臣の御答弁を伺って、七月になればそういう制限もなくなると、喜んで聞いていただけたんだと思いますけれども、御紹介おくれたのでちょっとそれも申し添えて、最後に大臣としての御見解を伺って終わりたいと思います。
○国務大臣(村岡兼造君) 今小笠原先生、弾力的な価格体系の導入によって運賃の完全収受はできるのか。この物流体系は大体九割が中小零細、こういうことで、その御心配であろうかと思います。 これは運輸関係とは違いますが、なかなか建設関係でも下請、孫請、ひ孫請というようなことも問題になっておりまして、そういうものもだんだん直してきておりますが、この物流の問題でも大会社だけのメリットということはあると思います。零細企業はなかなかそういうような合理的なものはできないと思います。しかし、工夫によりけりでこれらもやっていかなければなりません。それから、国民のニーズが多種多様になりまして、例えば航空運賃でも三五%の割引制度ありますけれども、外国ではまだ日本よりもうんとあると、こういうような要望も出ておりますし、その要求にもこたえていかなければならない。したがって、物流におきましても労働集約して合理化してコストの下がった部面については、これはやっぱり安くする。あるいはまた、ジャスト・イン・タイムというような問題については、これは今後改めていかなきゃいけないけれども、そういう問題については高くなる。 一方、私は個人の考えでございますが、一定の料金でびんと決めますと多種多様なものはできなくなりますし、料金を決めますと、実はそこに群がって、また逆に、私の方は割引いたしますよ、何とか私の方に下さい、そういう問題も私は起きてくると思いまして、多少の弾力的なものをやりまして、また不都合な問題が出ましたら指導してまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○寺崎昭久君 昨年十二月から施行になりましたいわゆる物流二法について、その運用面についてお尋ねいたします。 新法の施行に伴いまして、例えば、事業者が増車をしたいあるいは代替車両を入れたいという場合の変更許可については、旧法当時に比べますと大変期間が短縮されるようになったというような声も聞いておりますし、また、新規に運送業を営もうとする者が申請する際、必要な条件、基準というものが明示されてきたということは大変結構なことだと思いますし、関係者の御努力を多とするものでありますけれども、この厳正公平な運用というのは大変また難しい面がありまして、運用次第によってはもろ刃の剣になる、そういうところがあると思います。つまり、過度にやると規制強化になりかねないという面があると思うんです。 そういう観点から若干お伺いするわけでありますが、まず最初に、審査基準にあります車両台数について伺います。 物流二法の採決に当たって、附帯決議の中でも、事業を許可するに当たっては、最低車両規模を確保するようにという条件が付せられたことは承知しておりますけれども、実際の地方運輸局によります最低台数基準を見ておりますと、かなりばらつきがあるわけです。 まず、最低車両規模を決める際に考慮した事項あるいは根拠についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(吉田耕三君) まず、最低車両台数を審査基準に入れた理由でございますが、トラック事業は我が国の経済活動や国民生活に不可欠なサービスを提供するものでございまして、非常に重要な役割を担っております。したがいまして、その安全性とか確実性の面におきまして一定水準以上の輸送サービスが提供できるように考えていかなくてはいけないというような観点に立ちまして、その参入に際して、過労運転の防止とかそのほかの輸送の安全を確保することができるかどうかというようなこととか、事業を適確に遂行する能力があるかどうかというようなことを審査しております。その許可の審査項目として最低車両台数を確保することを求めておるわけでございまして、事業者がみずから適確に事業を遂行するということのために、一定事業規模を確保して利用者の多様なニーズに安定的かつ継続的に対応できるようにする必要があると考えて設けられたものでございます。 先生、その際に、最低車両台数が各運輸局ごとに決められていてばらばらの感があるというような御指摘でございましたけれども、先ほど申し上げましたような適確な事業遂行能力というものは、その事業者を取り巻く経済状況に左右されるものであろうと。経済状況が大変大きくいいところ、人口の多いようなところではある程度の大きな規模であることが利用者の多様なニーズに適切に対応し得るものであろうというような、経済状況に左右されるというものでございまして、そういう意味において経済状況を勘案していると、その経済状況が地域によって異なっているということでございます。 そのような観点から、最低車両台数が各運輸局ごとに、運輸局の人口などによりまして変わっているところでございます。
○寺崎昭久君 ただいま安全性とか確実性、過労防止、事業遂行能力、継続性、経済状況といろいろ挙げられますと、どれが一番のポイントになるのかなかなかわからないんですけれども、具体的にお伺いします。 例えば、首都圏区域で営業する場合の最低車両台数というのは十五台になっております。ほかの地域を見てみますと、五台とか三台とかそういうのも最低車両台数の基準にあるわけでありますけれども、十台とか五台では安全が確保できないとかあるいは過労防止にならないんだというのはどうも納得がいかないし、根拠として合理性に欠けるんじゃないかと思うんですけれども、いかがなものでしょうか。
○政府委員(吉田耕三君) 先ほど私が申し上げましたのは、参入に際して審査すべき点が二つあって、一つが安全の問題、二つ目が事業適確遂行能力という問題。この二つ目の問題の範疇といたしまして、適確に事業を遂行することの要件といたしまして一定の事業規模を確保していることが必要であろうということを申し上げた次第でございます。
○寺崎昭久君 なかなかわかりづらい問題なんですが、例えば新潟を営業区域にした場合には五台でよくて、千葉県の場合ですと七台でしょうかになっているわけでありますが、それでもなおかつこの違いというのを必要とされる理由がよくわからないんですけれどもね、今の御説明では。
○政府委員(吉田耕三君) まず、最低車両台数の数字につきましては、運輸行政一般的に各ブロックに分けて地方運輸局ができております。したがいまして、そのブロックごとに一応の基準を決めております。したがって、ブロックごとに若干少しずつ違っているということが基本にございます。 そして、そのブロックの中でも、例えば関東で申しますと、関東の中にある県、そういうものにつきましては先ほど先生おっしゃいましたように、最低車両台数が七両でございます。千葉にあるのは七両必要であるということでございます。ただし、東京都特別区とか横浜市とか川崎市に営業所があるものは十両というように必要最低数を上げております。そしてさらに、関東の中で東京、神奈川、千葉、埼玉をあわせた首都圏全体を営業区域にするというときにはさらに十五両に上げております。 そういうことにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、経済の状況、それを端的にあらわします人口比例というような観点から車両台数を決めまして、それを十五両とか十両とかある程度丸めた数字にしておりますけれども、そういう人口数を主な指標にして最低車両台数が変わっているところでございます。
○寺崎昭久君 結論から言いますと、私は余りこの最低車両台数を事細かに分ける必要がないんじゃないかという持論を持っているわけでありますが、観点を変えまして、旧法で免許を持っておられた方で新事業法によって決められた最低車両台数を満たしていない、そういう事業者は全体でどれぐらいあるのか、わかれば教えていただきたいと思います。
○政府委員(吉田耕三君) 最低車両台数の各事業者ごとの数字の把握と申しますのは、各県単位に、北海道は別でございますが、若干多うございますが、各県単位に設けられております陸運支局ごとに台帳がございまして、それに台数を減らす減車の申請とかあるいは増車の申請がありました場合に記載しております。したがいまして、陸運支局段階では確認しておるわけでございますけれども、私、現在手元にそれを全国的に集計したものはちょっと持っておりませんのでお答えできませんが、一定のある程度の時間がございますれば全国的に集計することは可能でございます。
○寺崎昭久君 また折を見まして、状況がどうなっているかお伺いします。 例えば、運輸省がまとめました規模別トラック事業者の現況という、これは平成元年の統計でありますが、およそ三万八千事業者のうち五両以下の事業者が全体の二割以上を占めているわけです。この方がすべて最低基準を満たしていないとは思いません。しかし、現実には新法による基準を満たしていない方もいるのであろうと推測するわけです。そうした場合に、今回は経過措置として、確認申請をすれば、今は新しい基準を満たしていなくてもそのまま事業ができるようになっているわけでありますけれども、今お話を伺っておりますと、基準を決めたゆえんというのは安全性だとか事業遂行能力ということを判断して決めているんだとしますと、この基準を満たしていなければ問題ありと考えなければいけないと思います。 そういう観点からすると、今後運輸省としてはどのように指導されるのか。期限を切って決められるのか、あるいは期限を経過してもなおかつ条件を満たさない場合には事業者としての登録を取り消すのか、その辺の見解を伺いたいと思います。
○政府委員(吉田耕三君) 最低車両台数に満たない事業者と申しますのは、参入当初はもちろん最低車両台数を満たしていたわけでございますけれども、その後の事業経営の悪化等によってやむを得ず下回ることとなってしまったというようなことだと思います。それがある程度あるというのは、先ほど先生が示された数字の一部であろうかと思います。先ほど来申し上げておりますように、一定規模以上の事業を確保するということが事業の適確な遂行をしていくという観点から大変必要な問題でございますので、従来からこれを重視してきております。 本法案が国会で審議されましたときの附帯決議におきましても、最低車両規模の確保を厳正に行う、そして許可後においてもそれが維持されるように指導監督を強化することというように附帯決議が行われております。そういう附帯決議の趣旨にかんがみまして、最低車両台数を下回った事業者について、これにつきましては、路線トラックは昨年十二月一日施行後三カ月以内に事業計画を確認する、あるいは区域トラックについては一年以内に事業計画を届け出するということになっておりますけれども、そういう場合に直ちに排除するということはいたしませんけれども、附帯決議の趣旨にかんがみまして、最低車両台数をできるだけ速やかに満たすように強力に指導してまいりたいと考えております。
○寺崎昭久君 従来の事業者から許可を取り上げろというのが私の趣旨ではありませんので、ぜひ速やかなる御指導をお願いしたいと思うんです。 それにしましても、こだわるようですけれども、営業区域によってとかあるいは営業所をどこに置くかによって台数が異なるというのは、やっぱり合理的根拠に欠けると思うんですね。ですから、私は、全国一律三台とか五台とかそれ以上持っていれば事業ができるという判断があっておかしくないんじゃないかと思うので、そのことだけ申し上げておきます。 それから、台数じゃなくて、今度は車齢について質問をいたします。 運輸省は昨年の八月二十三日の通達で、貨物自動車運送業を営む場合に必要な条件として、「車両の車令が原則として法定耐用年数を超えないものであること。」とされているわけでありますけれども、言うまでもなくこの法定耐用年数というのは減価償却資産としての耐用年数でありまして、特に技術的、構造的に欠陥があるからこの年数に決めたというわけではないんだろうと思うんです。現に町を走っている車というのは、車検を受ければ十年でも十五年でも乗れると、安全だという前提で更新しているわけでありますから、この通達の趣旨というのはちょっと矛盾しているんではないかと思いますし、この車齢を審査することの意味はないんじゃないかと思いますが、御見解をお願いしたいと思います。
○政府委員(吉田耕三君) この車齢という問題につきましても、先ほどの最低車両台数と同様、従来から行っているものでございますけれども、この車齢が法定耐用年数を超えないものでないといけないという審査基準でございますが、これは事業を開始した後におきまして、継続して円滑かつ安定した経営が行われる必要があります。そのための事業の基盤であります車両につきまして、先生御指摘のような減価償却するための耐用年数でございますが、そういう減価償却できる、まだできるというような車両を購入して、それの減価償却費を積み立てて次の車両代替のための原資を確保するということがその事業の今後の健全経営の確立を図るために必要であろうというような観点から、原則として耐用年数を超えないことということにしておるわけでございます。 従来から行っているものでございますけれども、これにつきましても法案御審議のときの附帯決議におきまして、「最低車両規模の確保等」適切な事業計画を確保するよう、あるいは維持するようというような、この「等」に車齢の問題も入っているということが関係者間の暗黙の了解と申しますか、そういうようなことであったというように伺っております。先ほど申し上げましたような経営基盤の安定化を図るというような観点から、車齢についても審査が行われているものと思っております。
○寺崎昭久君 今お話しの中に、従来から行っている、車齢についても一定の基準を設けているということでしたけれども、需給調整はしない、参入規制を緩和するという趣旨からせっかくこの物流二法をやったわけでありますけれども、運用面を変えなければこの法律の趣旨は生かされないと思うんです。 そういう観点から、今私は、車齢と車両の台数について基準を下げる、あるいは車齢については不必要ではないかという、そういう主張、考え方を申し上げたわけであります。従来から基準の中に入っていたということではなくて、この物流二法の導入をせっかくしたわけですから、運用の面においても抜本的なこの法の趣旨に沿った見直しをぜひお願いしたいと思っておりますが、これを最後に御答弁いただいて終わりにします。
○国務大臣(村岡兼造君) 貨物自動車運送事業に限らず、運輸行政におきましては、従来より国民、利用者に対し必要な輸送サービスを常に安全かつ良好な状態で安定的に提供することが政策目標でありまして、このため必要な公的規制を加えているところでもあります。 委員御指摘の点につきましては、法案審議における参議院運輸委員会の附帯決議において、 貨物自動車運送事業の許可に当たっては、最低車両規模の確保等適切な事業計画及び事業遂行能力が確保されるよう厳正に行うとともに、許可後においても最低車両規模等が確保されるよう指導監督を強化すること。 とされておりまして、この趣旨を尊重してまいりたいと思います。 ただ、一般的には事業規制は必要最小限であるべきと考えており、このような考え方で貨物自動車運送事業法の運用に当たってまいりたいと、こう思っているところでございます。
○委員長(中川嘉美君) 以上をもちまして、平成三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川嘉美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十二分散会