予算委員会第六分科会 第3号
- 発言数
- 348 件
- 登壇者
- 43 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/03/13
会議録
○相沢主査 これより予算委員会第六分科会を開会いたします。 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算及び平成三年度政府関係機関予算中通商産業省所管について、一昨日に引き続き質疑を行います。 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局に申し上げます。 質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。簗瀬進君。
○簗瀬分科員 予算委員会の分科会という大変すばらしい機会を与えていただきました先輩諸兄に、まず感謝をいたします。 今世界は大変激動いたしております。そして、この激動の時代にリーダーシップをとっていくのは、例えば行政部局のうちでどこが最適かというと通産省である、経済が世界を動かしているわけでありますから、通産省に頑張っていただきたいという気持ちは切なるものがございます。ということで、きょうは従来の質問パターンにとらわれずに、かなりマクロの視点から、大臣の率直な御意見、私の日ごろ考えていることをお訴えをしていきたいと考えております。 世界が激動していると今申し上げましたけれども、激動の要素を幾つか挙げてみますと、第一に米ソの冷戦構造が終えんを迎えた。そして、もしかしたら湾岸戦争後に、米ソの冷戦構造から軍事面をてこにいたしましたアメリカの一極支配構造というようなものが新しく生まれてくるかもしれない、そんな予感がございます。 それから第二番目が、さりながら米国の体力が非常に低下をしている。すなわち、慢性的な貿易赤字そして財政赤字を抱えている。このアメリカの世界最大の債務国に転落をした状況というようなものは、大変心配なものがございます。 第三点に、これに比較をいたしまして、日本の経済的なプレゼンスが世界の中で飛躍的に向上をいたしている。したがって、世界は日本に対して大国としての責務を求めるという、そういう一般的な傾向になってきているわけであります。 第四番目は、ECが新しく九二年に統合をするということであります。ECの統合をした後の国家のGNPを合算をいたしますと、世界最大のGNPの国になる、そういう経済圏になるということでございますので、特にECが伝統的に持っている一つのブロック経済的な性格というようなものが非常に強くなってまいりますと、世界の自由な経済、自由な貿易、そしてそこに寄りかかる形でここまで経済を伸ばしてきました日本にとっても、非常に心配な影響ももしかしたら出てくるかもしれない。 以上、四つの激動の要素を私は挙げさせていただいたわけでありますけれども、こういう中にありまして、特に今ボーダーレス経済と言われております。この日本の新しい世界戦略、このような、世界が激動後に新しいフェーズに入ってきた、それに向けて、経済的見地から見ての、ボーダーレス経済の中での通産省の世界戦略はどんなことをお考えになるべきなのか、率直な大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。 そして、その一方、先ほど申し上げましたように、これから世界はアメリカ、アジア、そしてEC、こういう大きなトライアングルの中で日本がいかにかかわり合いを持ってくるのかというようなものが非常に重要になってくるわけでありますから、この新しい世界の三極構造の中で日本は経済システムの面でどういう取り組みをしていったらいいのか、率直な大臣の御感想、御意見を聞かせていただきたいなと思います。
○中尾国務大臣 日ごろ大変国際的視野に立って物をお考えになる簗瀬委員に対しましてお答えさせていただきますことは、光栄でございます。全くもう言われるとおり、流れのとおりでございまして、そして国際経済外交というものをモットーに考えていくべきだという御指摘も、本当にありがたく拝聴させていただきました。 物、金、情報、あるいはまた人などの経済の全域にわたるボーダーレス化の進展に伴いまして、今後はウルグアイ・ラウンドの推進を通じまして、自由な物の貿易の流れを一層強化していく、こういうことが大事であろうと思いますし、また、新たに、海外投資、サービス、あるいはまた知的所有権等さまざまな経済活動に関する国際的なルールに基づく国際経済システムの構築が必要となってきておる現在でございます。さらに、日米構造協議に見られましたように、可能な分野での各国の構造上の問題の解決がこれまた重要と考えております。 また、通産省としましては、日米欧三極の政策協調を基本としつつ、今後の国際経済システムの形成に取り組んでいく所存でございます。なお、ECの市場統合を初めといたしまして、世界の各地で地域経済統合あるいは地域経済協力の動きが進められておりますが、これらが委員御指摘のいわゆるブロック経済化していくような、そういう多極化構造の中における、なかんずく三極化構造のようになっていくというその御指摘に対しては大変憂いがございまして、これらが閉鎖的なものになってはならない、多角的な自由貿易体制を補完するような形になっていくことを期待するものでございます。 我が国としましても、アジア・太平洋地域におきまして、当地域の諸問題を解決し、好調な経済成長を持続するため、開放的協力を行っていくことを目的とするAPECと申しますか、アジア・太平洋経済協力を積極的に推進していく所存でございます。 ありがとうございました。
○簗瀬分科員 先ほど世界の変動ということを申し上げました。その延長線上に今回の湾岸戦争の問題もとらえていくべきである、このように私は考えているわけであります。湾岸戦争については、マスコミ等の指摘を受けるまでもなく、私に言わせていただければ、我が国のいろんな制度的疲労が集中的にあらわれてきた問題としてとらえるべきである、このように考えております。この反省の大きな点を二つにまとめてみますと、今湾岸戦争についての日本の貢献の世界的な評価が非常に低い。その低い理由にももちろんつながってくるわけでありますけれども、二点あるんではないかなと思います。 第一番目は、これに対する対応が決定的におくれおくれであった。例えば、九十億ドルの支援について、国会の半分である衆議院が通過した段階でもう既に戦争が終わってしまっていた、これが象徴的なことであると思います。対応が決定的におくれた。 それから第二番目は、我が国なりに大変自主的に考えて判断をしたつもりでありますけれども、外国から言わせてみれば、どうも日本は本当の意味で自主的な決断をしなかったのではないか。先ほど大国と申し上げましたけれども、経済的には大きな体を持ってしまったにもかかわらず、どうも頭脳とハートの部分がいつまでも小さいのではないか、このような批判があるのではないかなと思います。 なぜこういうふうなことになったのかということを考えてみますと、私は三つに分析をできるのではないかなと思っております。 政治の体制も行政機構自体も、米ソ冷戦構造になれ過ぎてしまった。対米追随の発想に長期間どっぷりとつかり過ぎてしまって、それを一歩もまだ抜け出していない、こういう問題点が第一であります。 第二番目として、縦割り行政のいろんなロスというようなものが集中的に出てきたのではないか。外務省にしても防衛庁にしても、あるいは通産にしても運輸にしても、それぞれが対応が非常にばらばらで、なかなか統一がとれた行動ができていないから、お互いに相手の足を引っ張るようなぐあいになってしまって、対応が非常にのろくなった、こういう問題点があるのではないか。 このように考えてみますと、第三番目として指摘をしたいのは、すべての行政セクションを一本にまとめ上げるような日本の国家戦略というようなものが欠如しているのではないかというのが私の結論であります。 そのように考えますと、内閣に直ちに各セクション、それを統合的に調整をし、一つの方向にぐっと引っ張っていくような世界戦略、日本の世界における国家戦略、これを策定するようなそういう部局というようなものをぜひとも置くべきではないか。 そして、これについては、先ほど来申し上げておりますように、これからの世界は何といっても経済が中心になって運ばれていくわけでありますから、経済分野での世界戦略について長い間の企画力を大変鋭敏にお持ちの通産省が、あるいは経済企画庁等がリーダーシップをとって、世界戦略策定のためのアクションを起こしていただきたい、私はこのように考えているわけであります。これについて大臣はどのようにお考えになるか。
○中尾国務大臣 大変にインストラクティブな御指摘を賜りまして、感謝申し上げております。 我が国の国際社会での位置づけそのものが高まっている現在、国際政治の急激な変化への対応、我が国の総合的な戦略の策定のための体制を強化する必要性が指摘されていることは十分承知しておるわけでございまして、全く委員の申されたとおりだと思っております。 このたびの湾岸危機への対応に当たりましても、内閣官房に湾岸危機対策本部を設置いたしまして、政府部内の情報の連絡体制の整備を行うとともに、また各省が十分な連携をとりつつこの問題に適切に対処していたところでございます。 当省といたしましては、通商政策、産業政策、エネルギー政策等、我が国の今後の戦略を考えるに当たりまして重要な事項を担当しているという認識のもとに、各省ともまさに委員御指摘のとおり十分な連携をとりつつ、積極的に使命を果たしてまいる所存でございます。そういう総合的なグローバルな戦略的な体制というものこそ必要だと言いましたが、これも大きな課題として考慮に入れるべき問題であろうと考えます。
○簗瀬分科員 今日本には国家戦略が欠如をしているということを申し上げました。私なりにまたいろいろな文献等をそれなりに読んで勉強させていただきまして、一つの提言をさせていただきたいと思います。 これからの日本が国際社会においていろいろと大きな責務を果たしていかなければならないわけでありますけれども、そこにおける国家戦略を一体どこに置くべきであるか、私は、この点については国際的な相互依存の徹底化、相互の依存を骨がらみに、相手は必ず日本を無視できないようなぐあいにまで相互依存の関係を深化させてしまう、これを自覚的に日本の国家戦略としてきちんと位置づけるべきではないかなと思っております。すなわち、すべての分野で日本の意思あるいは日本の政策を無視できなくさせてしまう、こういう観点が国家戦略の根幹に置かれるべきではないかなと私は考えております。 例えて言えば、それぞれのブロック経済が仮にできるとし、あるいはそれぞれの国があるとし、その国とのいろいろな取引をする中でそれぞれの弱点といいますか、これについて日本が嫌というふうに言えばもう相手はぐうの音も出ない、こういうふうな状況にまで相手と相互依存関係を深化をさせてしまう、こういう観点が必要ではないかと思います。これは、日本が世界に対して頼られる、また日本にとっても今度は世界を頼りとする、こういう意味での相互依存関係をがっちりと構築することができれば、非常に世界に無視されることあるいはおとしめられることもなくなってくるはずでありますし、日本の発言権も徐々に徐々に高まってくるはずであります。 これが例えば、端的に言いますと、通産省の今までの行政に置きかえて考えてみれば、貿易不均衡の是正ということに集約をされるかもしれません。しかし、ややもすると、今までの貿易不均衡の是正というようなものは、ある国から赤字が多過ぎるからこれを解消せよというふうな、非常に消極的な対応の中で貿易不均衡を解消していくという、そういう非常に追い込まれた形でのスタンスでしかなかったわけであります。それを逆転をさせまして、その国にとって不可欠の友人になるためには一体どういうふうな対応をしたらいいのだろう、こういう観点で積極的に貿易不均衡を是正をしていくという、そういう戦略が必要ではないかなと私は考えておりますが、この点について大臣のお考えを聞かせていただきます。
○中尾国務大臣 簗瀬委員にお答えいたします。 既に世界経済は、貿易、投資、金融等の面におきまして極めて深い相互依存関係を形成しておることは間違いないわけでございまして、今後とも各国の相互依存関係はますます深まっていくものと認識する次第でございます。これは我が国を初め各国の安定した国際関係にとりましても重要ではあります。 この際、我が国としましては、より一層自由なおかつ多角的な貿易体制の維持強化を図っていくことが極めて重要と考えておるものであります。また投資、サービス等国際的交流が拡大されている分野につきましても自由な流れが確保されるための努力を行ってまいりたい、このようにも考えます。 なお、欧米との関係におきましては、特に、相互依存関係の増大に当たりまして、投資、研究協力等の産業協力を積極的に進めていくことが肝要かと思います。そのような意味におきまして、委員の御趣旨も十分体し、考えていきたいと考えております。
○簗瀬分科員 残念ながら、ブッシュ大統領の訪日がどうもまだ日時が決まっていない、それから、つい最近起こったことでも、小沢幹事長を中心といたしますミッションが、向こうの輸送の協力が得られなくてクウェートにどうも入れそうもない、経済的なプレゼンスの中で非常に大きな経済的な負担をしている割には、日本の存在というようなものがもう一つ世界にアピールをされていないし、大切にされてもいないような感じであります。恐らく今後こういうふうな状況が続くとすれば私は非常にたまらない感じがするわけでありまして、それを解消する意味でも積極的な相互依存関係の構築、その中で日本の存在を無視できないような状況を相手にアピールをして、またそれを感じさせる、こういう政策が必要だと思いますので、どうか御理解の上、よろしくお願いをいたしたい、このように考えております。 そして、もう一つODAというものがあるわけでありますけれども、通産省の関係でも相当なODAが出ているわけでありますが、今までどうもODAについても、先ほど私が申し上げた日本の国家戦略の中での位置づけというものがもう一つはっきりとしていないような感じでありました。あるいは逆に、その色づけをはっきりとさせてしまうと、後進国から要らざるアレルギーを呼んでしまうということで、かえってそれを伏せていた部分があったのかもしれません。 そういう意味で、非常に御苦労の点は見えるわけでありますが、今後のODAは、今までの場当たり的な恩恵というのではなくて、世界との相互依存関係を深化させるという、そういう意味での世界経済戦略あるいは日本の国家戦略の一環としてきちんと位置づけて、自覚的に選別をしていくべきではないかなと思いますが、この点について当局のお考えをお伺いをさせていただきます。
○中尾国務大臣 ODAの御質問がございました。しかも的確な考え方だと私も考えております。 我が国は、従前より相互依存関係の認識と人道的考慮という普遍的な理念に基づきまして、発展途上国の経済社会開発あるいは民生の安定、あるいは福祉の向上というものに貢献することを目的として援助を実施してきた次第でございます。 特に昨今、累積債務問題の深刻化等に見られますように、発展途上国経済と世界経済の密接不可分な関係、その密接不可分性が一層認識されるとともに、発展途上国との貿易量が増大しつつある我が国経済が、発展途上国を含めまして世界経済との間に緊密化の度合いを深めているという認識に立ちまして、相互依存関係の観点というものは今日においてはその意義というものをますます増大させているのではないか、このように思います。 我が国としましては、このような状況を踏まえながら、アジア重視の姿勢を維持しながら、今後とも発展途上国の自立的な経済発展を通じた世界経済の安定的発展に貢献していくために、援助のみならず投資、輸入をも視野におさめた総合的経済協力を積極的に展開していく所存であり、また、今からもそのように推進していく次第でございます。 委員御指摘のとおりODAが単なるばらまき政策にならないような、本当に有効、しかもなおかつ、その国に対しても資すると同時に、それが将来にわたる大きな種まきとなっていくという支出こそが基本的な理念でなければならない、これは十分考えていくつもりでございます。
○簗瀬分科員 もう一つマクロの意味でお聞かせいただきたいのですが、心配するのは対米関係の変質ということが予測されるのではないかということであります。 先ほど米ソ冷戦構造が解消したと申し上げました。このような中で、今までアメリカのいろいろな傘の下で我々生きてきたわけであります。そして、そのアメリカとの関係を良好に保っていくことが一番重要だ、このような認識でやってきたわけでありますけれども、これについては今後は大分変質してくるのではないかな。場合によってはアメリカと相当緊張関係が激化する、そして夫婦げんかに例えれば離婚の危機に直面するような場面ももしかしたらあるかもしれない。そのようなときに、仮に離婚してもやっていけるような経済システムというようなものも考えておく必要があるのではないか。場合によっては、離婚のダメージはどの辺なのかということぐらいはきちんと考えておくべきではないか、そのように私は考えておるのですけれども、この点について大臣の御所見を伺いたいと思います。
○中尾国務大臣 ただいま、アメリカとも離れ、なおかつ、また俗な言葉で離婚のような形になっていっても自立していく経済の道というものを模索すべきであると御指摘でございますが、目下の段階では、何としてもアメリカは日本の非常に大事なパートナーでもあり、イコールパートナーでもあると思います。 実は、きのうも米国の商工会議所会頭以下各位がお見えになられまして、そして日米間の先行き不安というものも訴えておりました。先ほど委員御指摘の湾岸問題で九十億ドルの支援をさせていただいたにもかかわりませず、なおかつアメリカにおいては湾岸戦争後の日本に対する評価の低下三〇%、そして評価の上昇一九%、ドイツが日本よりもレスに応援しているにもかかわりませず、その評価の上昇二五%、評価の低下二二%ということを考えますると、ある意味におけるアメリカの日本に対する考え方、コンセプト、あるいはまた日本のキャンペーンの非常な不足ということも十分に考慮に入れながら考えていかなければならぬと目下の段階では思います。 そういう意味では、もちろん日本の国が自分の足によってきっちりと立っていくという土壌も必要でございましょうが、対外政策を立案、遂行するに当たりましては、国際社会の中で経済大国として担うべき役割を果たしつつ我が国の国益の確保、推進を図っていくことが現在の基本でなければならぬ、このように思うわけでございます。 例えば、御指摘のございました多国籍軍に対する追加的資金協力九十億ドルにつきましては、累次の国連安保理事会の決議を踏まえまして、我が国としましては、国際的な秩序の維持、平和の確保を図る活動を支援していくことが、国際的地位にふさわしい役割を果たすとともに我が国みずからの理念に照らしましても必要との観点から、政府として自主的に決断したものであることは申すまでもございません。 また、例えば日米構造問題協議におきましても、その過程で米国からさまざまな議論が提起されてきたのも事実でございますが、一方、我が国といたしましても米国に対しまして、財政赤字削減問題や米国経済の競争力強化等主張すべきことは主張すべきでございまして、また現在主張もしておる次第でございます。かつ、いかなる措置を講じていくかの最終的判断は、それぞれが独自に行ってきたところではございます。 さらに、米国通商法の三〇一条やスーパー三〇一条のように、米国の一方的な判断で制裁措置を講じ他国に圧力をかけるというようなアプローチに対しましては、ウルグアイ・ラウンドの場などを通じまして、その是正が図られるべき旨、今日まで主張し続けてきた次第でございます。 日米関係は、我が国のみならず世界にとりましても最も重要な二国間の関係の一つでもございますし、今後ともその健全な関係の維持、発展を図っていかなければならないことは申すまでもございません。このためにも、我が国全体としての国益の維持、推進を図る観点から、主張すべきことは主張しつつ、米国とは胸襟を開きながらなおかつ対話を行いつつ、そのダイアローグを通じながら対米通商政策を遂行してまいりたい、このように考える次第でございます。
○簗瀬分科員 ありがとうございました。 大分時間も迫ってまいりまして、あと二点ほど聞かせていただければと思うのです。 第一点は、大店法規制緩和の対策として商店街のインフラ整備等かなり多方面にわたる施策が講じられましたが、これを地元に投げてみますと余り評判がよろしくない。その原因を聞いてみますと、第一点は結局後継者不足等のいろいろの問題がありまして、商売も余りうまくいかないからということで新規の投資意欲が非常に低下をしている。また第二点といたしましては、案外、中心商店街というのは地価の高いところに立脚しておりまして、これを売却すれば新しい事業資金が得られてすぐ転業もできる、こんなところからどうも新規の投資意欲がわかないという状況にあるのではないかなと思います。また、その商店街の新しいモールを中心街から別のところにつくるという動きが出ますと、中心部のドーナツ化現象が余計加速されてしまう、こんなおそれも持っているようでございます。中小商工業者に対する十分な施策というようなものをもうちょっと踏み込んで考えるべきではないかなと思っておりますが、この点について御意見をお伺いします。
○西川政府委員 我が国の流通産業を取り巻く環境が近年大変変わっておりまして、そういうことを踏まえ、日米構造協議の最終報告では大店法の規制緩和に関する措置が盛り込まれたわけでございます。この措置を実施しようといたしますと、率直に申し上げまして中小小売商業者にとりまして相当な痛みを伴うということも予想されるわけでございまして、これらに対応するため、私どもといたしましては、平成二年度の補正予算、それからただいま御審議いただいております三年度の予算案におきまして総額一千六百二十一億円のいろいろな支援措置を予定しているわけでございますし、また関係の諸税制におきましても支援をしておるわけでございます。 これらの措置によりまして、個々のお店の魅力向上というのはもとよりでございますけれども、商店街の振興、これはコミュニティーホールとか駐車場とかいろいろ商業関係の基盤施設と言われるようなものを整備するというようなことによりまして商店街全体の魅力を向上するということ、それと同時に、中小小売店と大型店の共存共栄を図るような形でこれを振興していくというようなことがポイントになっているわけでございます。 ただいま委員から個々のお店の後継者あるいは土地の問題等の御指摘があったわけでございますが、個々のお店が置かれている状況は、商店街全体の状況あるいはそれぞれの商店、あるいは家族と言ってもいいかもしれませんけれども、置かれている状況はさまざまでございまして、それぞれに応じていろいろな悩みがあろうかと思うわけでございますけれども、それの状況に応じましていろいろな支援をきめ細かく行おうと考えておりまして、商工会や商工会議所のいろいろな指導あるいは都道府県の指導というような形もございますし、それから実際問題として集客力向上のためにお店を新設したい、増改築したいということにつきましては、そのための低利の融資制度も創設いたしました。それから、事業をもう転換してしまおう、あるいは新しい分野に出て今後を切り開いていこうというお考えの方もいらっしゃるわけでございますけれども、そういう方々に対しましても同様に超低利の貸付制度も創設しているわけでございます。 そのほか、商店街の計画策定だとか、あるいは計画策定に当たって必要な人員あるいはノーハウがないということを補うためにアドバイザーを派遣するとか、いろいろないわばソフトの面の制度もつくったわけでございます。 また、これらの諸施策を総合的に実施するために所要の法律も別途提案して御審議をいただくことになっているわけでございます。 以上、るる申し上げましたが、それぞれの商店街あるいは小売業者の置かれている立場は相当異なっているわけでございますけれども、幅広いメニューを御用意きせていただいておりますので、いろいろな形でそれぞれの実情に応じた援助施策を講ずることができるのではないかと私どもとしては考えております。特に、我が商店街はこうしたい、あるいは我が小売商店をこういうふうにしたいというはっきりした意欲のある方、あるいはどうしていいのかわからないんだけれどもこれに取り組みたいんだ、何か相談に乗ってほしいというようなはっきりした考え方があられる方につきましては、我々の御用意させていただきました施策で相当の効果を上げ得るものと私どもは考えております。これから予算が成立いたしましたら、これらの用意いたしましたツールが十分に中小企業者の方々に御活用いただけるように、PRとか指導とか、そういう点で万全を期してまいりたいと思っておるわけでございます。
○簗瀬分科員 質疑持ち時間が終了いたしましたので、用意した質問の最後の部分を要望という形で申し上げまして終わりにしたいと思います。 それは中小企業基本法に言う中小企業の概念でございます。その概念が資本金と人数の面で、そして業態ごとに規定をされているわけでありますけれども、どうも実態に合わなくなってきている。特に資本金が例えば製造業の場合一億円以下が中小企業ということでありますけれども、実態的に例えば三百人近い企業でありますと資本金が一億を超えるのはざらにあるわけでございまして、そういう地方の企業が言うならば中小企業としてのトップを走っている。これが中小企業から抜けてしまいますと、いろいろな中小企業施策を講じても肝心な部分が除外されてしまうという傾向もありますので、どうか今後その中小企業概念を実態に合ったように柔軟に改正をしていっていただきたい、このように要望申し上げまして私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○相沢主査 これにて簗瀬進君の質疑は終了いたしました。 次に、鈴木久君。
○鈴木(久)分科員 私は、エネルギー政策の問題について質問をしてまいりたいと思っております。 エネルギー需給の安定的な供給といいましょうか、そういうためには現状は大変差し迫った幾つかの難問があるのじゃないだろうか、こんなふうに思っております。二〇一〇年目標年度の長期エネルギー需給見通しから見ても大幅な需要の伸びが見込まれておりまして、特に電力の総需要ということで計画されている数字で見ますと一兆八百億キロワット、これは一九八八年度と比較して一・六倍くらいになるんだ、こんなふうに目標が設定をされておるようでございます。こういう大幅な需要の伸びに対して安定的に電力を供給する、そういう役割と任務が通産省にはおありになる、こういうふうに思うのですね。ただ、その背景に地球温暖化の問題があって、いわゆる石油からの脱却という一つの大きな問題もございますし、同時に、新たに原発百万キロワットクラスで四十基くらい新設をしないと間に合わないという計画にもなっております。 ところが、原発は御承知のとおり東京第二のあの原発の事故の問題、今度の美浜の事故の問題などなど、先行き大変厳しいものがあるのじゃないだろうかというふうに思っております。同時に、原発がつくられて古いところではもう二十年を超えている。これはちょうどこの二〇一〇年ころまでには廃炉問題というのが具体的に日程に上らざるを得ない。これを含めますと原発のいわゆる四十基分では足りなくなってしまうのではないか、こういうことなども考えますと、この二〇一〇年の目標というのはまことに厳しいのではないかなというふうに私は感じております。 昨年の夏のピーク時は完全に限界ぎりぎりのところまで首都圏は来たと思いますね。こんなことを考えますと、新しいエネルギーの開発や未利用のエネルギーの問題等々、いろいろとこれから対策を練られていると思いますけれども、まずその長期見通しの問題について、一つは、長い目で見てどういうふうに見直したり再検討するのかということがあるのかどうか。それから急激に昨年の夏のようにピーク時にぎりぎりになっていますから、そういう当面する対策ということでどんなふうに考えておられるのか、まずこの点からちょっとお伺いしたいと思います。
○緒方政府委員 長期エネルギー需給見通しにつきましては、昨年の六月に通産省の総合エネルギー調査会で、それまで約一年議論をして取りまとめたものでございます。御指摘のとおり二十一世紀初頭、二〇一〇年までを展望して、あるべきエネルギーの姿というものを描いたものでございます。 御指摘のように長期エネルギー需給見通しを策定しましたときの背景として、エネルギーの安定確保の問題に加えまして、地球環境問題でございますとか、経済成長と環境とのバランスの問題でありますとか、いろいろなバランスを考えながらこれをつくったわけでございまして、そのために石油に対する依存度を低減させていって、かわりに非化石エネルギー、その主力は原子力になりますが、原子力、それ以外にも新エネルギー等非化石エネルギーのウエートを増大をさせてバランスをさせるという見方に立っているわけでございます。もちろんその前提にはエネルギー利用の効率化、省エネルギーの推進というようなことも織り込まれてつくられたものでございます。そういう意味で、これは官民挙げての努力をして達成すべき二十年先の二〇一〇年を目標年次にする長期の見通しでございますので、いろいろこれから政策的努力をして達成をしていこう、こういうものでつくったわけでございます。そして、その中の原子力の見通しについては、御指摘のように二〇一〇年までに発電規模におきまして四千万キロワット程度の増設を見込んでいるわけでございまして、これも相当の努力をしなければいけないという目標になっているわけでございます。 その意味で、いろいろ見直しをすべきではないかというような御指摘がその後出ているわけでございますけれども、私どもはこの長期エネルギー需給見通しは、やはり政策的努力をして達成すべき長期の目標というものを掲げたものでございますので、それについてこれからいろいろ政策的努力をして目標を追求していくんだという考え方に立っておりまして、湾岸危機が起こったからすぐにやはり石油は問題ではないか、あるいは美浜の原子力のトラブルがあったからといってすぐに原子力の問題を見直す必要があるのではないか、そういう短期的要因によることで見直しを云々するのは適当でないというふうに考えているところでございます。 なお、それでは短期の昨年の夏の電力の需給の厳しさというものをことしの夏どうするんだという点でございますけれども、これは長期の見通しとはやや離れた短期の問題でございまして、これについてはそれぞれの電力会社の供給余力、それをどういうふうに見込んでいくのか、それから需要面で省エネルギーあるいは大口需要家の夏場の休暇をどれだけ交代でとっていただくかとか、そういうような需給面での御協力の問題などとあわせて、それぞれの電力会社ごとに検討していくべき問題、このように考えておるところでございます。
○鈴木(久)分科員 私の地元は文字どおり選挙区全部が電力の一大基地でございまして、稼働中の原発十基、それから火発も常磐共同火力や広野火発、計画中の原発が小高・浪江、さらに火発で相馬と原町に建設中ということで、猪苗代周辺の水力発電あるいは只見の電源と合わせますと、福島県全体としては文字どおり東京をかなり明るくしている一大基地だ、こういうふうに認識をいたしておりまして、そういう意味では、今後の発電所の建設計画等に極めて私は注目をしたりいろいろと考えているところもあるわけでございまして、順次具体的な中身についてお尋ねをしたいと思うのです。 特に、新たに電源地帯中核工業団地ということで相馬市にいわゆる相馬共同火力というのを今建設中でございまして、この地域にとっては、いろんな意味でこの建設というのは地域振興のためにも役立ってきておるわけでございますけれども、一号機は既に平成二年八月に着工して六年に運開という見通しのもとに今建設を始めております。 二号機の問題でございますけれども、先般のマスコミなどでは、前倒しを含めて当初の計画より少し早めて着工するんだというふうなこともちょっと載っておりましたけれども、四月の平成三年度の施設計画に当たってこれらの、特に新地二号の当初の目標を前倒しして計画を早めるのかどうかというふうなことについて、まず確認の意味で質問をしたいと思います。
○川田政府委員 御指摘の相馬共同火力発電所につきましては、お話しいただきましたように、一号機は平成二年八月に着工済みでございます。二号機は現在までのところ着工準備中ということで、今年度の施設計画上では、一号機は平成六年七月、二号機は平成十年七月に運転開始予定と相なっておりましたが、昨今の電力需要の急増に対応いたしまして、東京電力株式会社は、一号機は着々とこの予定で進めたい、二号機につきましては計画の前倒しをしたいという方向で検討しておるというふうに私どもも承知をいたしております。 現在、お話しいただきましたように、明年度の施設計画、供給計画について電力各社と私ども検討を始めておるところでございますけれども、その検討の中でもそういう方向が打ち出されておりますので、これから具体的に内容をよく聞いてまいりたいというように考えております。前倒しの方向で検討されております。 〔主査退席、野坂主査代理着席〕
○鈴木(久)分科員 それから、常磐共同火力の勿来発電所の六号機が今まで運転をしておらなかったわけですけれども、ピーク時対策というか、そういうことで再運転をするというふうなお話もございますけれども、これが事実なのかどうか。 同時に、一号機から四号磯の跡地に新たに十一号、十二号の新設計画があるんだというふうなお話もちょっと漏れ承っておるのですけれども、これは具体化をしているかどうか確認をさせていただきたいと思います。
○川田政府委員 お答え申し上げます。 常磐共同火力の勿来発電所につきましては、御指摘のとおり第七号機から九号機までが稼働中でございます。そして六号機は休止中でございます。この休止中の六号機につきましては、先ほどと同じ昨今の電力需要の急増というところから、電力会社ではこれを立ち上がらせるというか運転再開をする方向で検討しておる。これはことしの夏ということでは必ずしもないようでございますけれども、もう少し先かと存じますが、そういう検討をしておるというように聞いております。具体的中身につきましては、先ほどと同じように明年度についての施設計画、供給計画を今検討中でございますので、その中で聞いてまいりたいというように考えております。 それから、お話のございました新たな増設ということにつきましては、私ども承知をいたしておりません。
○鈴木(久)分科員 それから小高・浪江原発の、これは東北電力でございますけれども、建設についてお伺いをしたいと思うのです。 これは、実はもうこれを建設する浪江町というのが誘致を決議してから二十三年になります。東北電力自身が建設計画を決定してからでも二十年を過ぎている。これは強烈に反対している地権者がおりまして、特にいわゆる原子炉本体を設置をするところの中心地が地権者の反対の人たちの用地であるというふうになっておりまして、最近は県の委託をしております土地開発公社が用地の取得を行っておりますけれども、極端な話をしますと、この人たちの人件費分も土地は買えないという状況が続いておりますね。ですから、こういう状況を考えますと、もう既に二十何年このまま、これから先もほとんど、原発建設という立場からいえば見込みは極めて難しいというふうに私は思っておりますけれども、皆さん方のまず認識から承っておきたいと思います。
○川田政府委員 まず全体の状況につきまして、先ほど長官からお答えさしていただきましたとおり、これからの電力需給、需要面で相当努力をしていきましても、供給力増大、安定供給のための努力というのが非常に厳しい状況になってきているというように全体として承知をしておるところでございます。 その中でも原子力発電につきましては、電力全体の安定供給の確保、それから供給コストの低減といったような各電源の特性を踏まえたバランスのとれた電源構成構築を目指すという見地からも、私ども目標に向かって着実な開発を進めていくことが重要であるというように認識をいたしておるところでございます。電力会社においても、全体としてはこういう考え方に基づいて、個々の立地地点の状況などを踏まえながら各社の判断として個別の電源開発を進めていただいているわけでございますけれども、御指摘の浪江・小高地点についても、状況が御指摘のようにかなり厳しいということは電力会社の方もよく承知をしておるようでありますけれども、先ほど来申し上げましたような全体の方向の中でひとつ原子力開発計画ということで進めていきたいということでございますので、私どももその方向を支持をして、一緒になって計画がうまく進んでいくように努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○鈴木(久)分科員 実はこの誘致決議をした町、小高と浪江。まあ私どもの浜通り全体がほとんどの町村に火発にしろ原発にしろ誘致をして、それをもとにしてかなり町の振興を図っているということなんでして、ここだけがいわゆる原発の建設ができない。 実は小高、浪江、隣の双葉という三町でこの開発を当てにしたと言ったら語弊があるかもしれませんけれども、当然見込んで、三法交付金あるいは固定資産税などを見込まれたと思いますけれども、大規模な農地整備事業をやったのですね。この誘致、その後すぐ大柿ダムというダムをつくりまして、土地改良、水利事業をやってまいりました。多分この交付金が入れば町の財政は大丈夫だろうという認識があったのだと思いますけれども、農家負担は一切させないということで工事を始めまして、当初は大した負担にならないだろうと思ったのが、当初の計画の五倍くらいになりまして、百七十億から、現在の返すお金は百八十四億なんですけれども、十七年間で百七十億を最初返済する予定でおりました。こうなりますと、町が完全に破産状態になるのですね。浪江町というのは全体で四十五億くらいの予算規模ですから、そこから一年間に四億も五億も返すということになったら、これはとても何の事業もできない、こういうことになりまして、償還期間を二十五年に延長して、一年に返すお金を少なくして、県が補助金を出していろいろやって、やっと今、二十五年間これからこの負債を返していく、大体一年間三億近い金を返すという難行苦行が続くわけですよ、この町は。 この出発点は、どうも小高・浪江の原発が来る、こういうことなんですね。だから、皆さん方のいろいろな責任の問題とか何かという意味で私は言っているのじゃない。東北電力がそういうことをやる、町も誘致をした、そしてそういう町振興計画もそれを中心に進めようというふうになってきてやってきた。ところが、三十数年とんざしたままということなんです。 私は、ここで今皆さん方に判断していただきたいと思っているのは、確かに個別の原発や火発の開発というのはそれぞれの各社が判断するのだろうとは思いますけれども、これが原発でなければ反対運動もはっきり言っておさまるのですね。それで、今日まで反対派と賛成派の町の対立というのは感情的なところまでまいりまして、今もって町の雰囲気は悪い、こういうものの解消にも実はこれはなるわけです。ですから、私は前から、県議の当時から、この問題についてはもう原発じゃなくて火発にかえたらどうだ、そして建設をしていくという方向へ切りかえたらいいのじゃないか、こういうことは町の議会の人も言っておりますし、私どもも言ってまいりました。しかし、なかなかその決断をできないでおるわけでございます。それは電力の供給という立場からいっても、見込みのない原発をいつまでも引きずっていくよりは、これはもうそろそろその判断をしなければならない時期でもあると思うのですよ。二十数年もたっていまだ建設もできないでいるわけですから、土地も買えないのですから。 そういう意味で、私は確かにその判断は電力事業者にあるというふうには思いますけれども、指導官庁としてこれらの問題についてしっかりした指導をしていただきたい、私はこういうふうに思っているのです。今の事情、いろいろ申し上げました。その中で、エネ庁としてどんなふうに本問題について考えておられるか、改めてお伺いをしたいと思います。 〔野坂主査代理退席、主査着席〕
○川田政府委員 ただいま先生からいろいろお伺いをさせていただいたところでございます。 この地点においても、確かに御指摘のとおり、用地関係などについてかなり厳しい状況にあるということはよくよく私どもも聞いておるところでございます。しかしながら、先ほど来長官、私、両方からお答えさせていただきましたとおり、これからの電力の安定供給確保というためには、目標に向かって着実な努力をしていく必要がある。原子力各地点、全国の各地点とも、そう昔と比べて立地がたやすく決まるというところは少なくなってきておるところでございまして、いろいろなところで電力会社努力をしながら、地元との協調関係、御理解を得ながら進めていくという努力をしておるところでございますので、私どもとしては、お話いろいろいただきましたが、やはり電力会社がここで原子力計画を推進したいということであれば、ぜひともそういう方向に向かって努力を今後とも続けてほしい、私どもも側面からそれをできるだけ支援していきたいという方向でいましばらく進めさせていただきたいというように考えております。
○鈴木(久)分科員 今の時点ではそういうお答えなんでしょうけれども、これは町の将来のことを考えてみても、それからこの開発そのものが、どうもどう考えてみても、もう二十年たってこの状況が続いているわけなんでして、将来ともずっとこんな状態を続けていくというのはいいことじゃない。ある時期にきちっとやはり判断をする時期が私は必要になってきていると思う。それはそんなに長い時間じゃないんじゃないか、そういうふうに思うのですね。ひとつその辺を十分にこれは指導官庁としても認識をしていただいて、今後の地元のいろいろなそういう判断、考え方、要求、そういうものをしっかり踏まえて、事業者に対しても、余りこだわってだけいないで、これはやはり原発にこだわるということだけじゃなくて、別な角度で再検討するというふうなことを私はやってもいい時期が来るのじゃないか、こういうふうに思っていますので、きょうはこれ以上ここで議論をしても、その問題でいわゆる新たな角度からの検討という形での回答にはならないと思いますので、私は私の主張を申し上げて、今後の皆さん方の検討の素材にぜひしていただきたいということを強く要求をしておきたい、こういうふうに思います。 時間がありませんから最後になりますけれども、いわゆる石炭のガス化プラントという新しい角度での開発計画がされておりまして、これも地元の常磐の共同火力発電所にプラントが今設置をされておりまして、いろいろ聞きますと、熱効率の問題等々考えても今までにない画期的なプラントなんだというお話でございました。 これは、今後のいわゆるガス化プラントの計画の進行状況といいましょうか、どういうふうに具体化していくのか、そしてまたこのガス化プラントの特徴といいましょうか、そういうものについてもぜひお示しいただきたい。そして、実際これが商用化して全国的に普及できる見通しというのはいつごろになるのか、あわせてお尋ねをしておきたいと思います。
○川田政府委員 石炭ガス化複合発電につきましては、従来の微粉炭火力と比較いたしまして熱効率が高く、経済性にすぐれているものでございますが、そのほか多種類の石炭を燃料として使用できること、硫黄酸化物などの環境面への影響を少なく抑えられることなど、多くのすぐれた特性を有する発電方式であるというように認識をいたしております。 このため、従来から当庁として、新エネルギー・産業技術総合開発機構、通称NEDOと言っておりますが、ここにおいて昭和六十一年度から石炭ガス化複合発電方式の開発プロジェクトを進めてまいっておるところでございます。これに対して国として補助を行ってまいっております。 このプロジェクトでございますが、現在パイロットプラントの建設が完了したところでございます。このパイロットプラントの建設地点は、お話しいただきましたように常磐共同火力発電所の敷地をお借りして建てさせていただいております。このプラントにつきまして三年度から実証運転に入るということで考えております。 この実証運転、すなわち動かして試験をしていくということでございますが、平成六年度までこれを進めてまいりたいと考えております。目標といたしましては発電効率を四六%、現在が四〇%、火力発電所の平均ですと現在三八%でございまして、四六%というのは非常に高い効率に相なるわけでございます。それから、この方式はユニットをかなり大きくできるという特徴がございまして、一ユニット二十五万キロワット級のプラントの実用化を目指して開発を進めてまいりたいと考えておるところでございます。 こういうことでございますから、現時点でいつごろ実際の実用化になるのだというお尋ねに明確にお答えできる状況にはないわけでございますけれども、ただいま申し上げましたような開発を鋭意進めてまいりますことによりまして、二十一世紀初頭には実用機を導入するというところまで持っていきたいと考えておるところでございます。
○鈴木(久)分科員 時間になりましたのでこれで終わりますけれども、重ねて申し上げますけれども、小高・浪江の原発の問題については、長官も今聞いておられたと思いますので、地元の状況を十分認識され、町がこれから二十五年もそういう状態が続いていく、それも出発点が電源開発につまずいたということでございますから、そのことも十分、一大電源地域であるだけにその住民の気持ちや町の振興という問題を考えたときに、ただこだわりだけでこの問題をずっと続けていってほしくない、あの地域が電力供給地として本当に大きな役割を果たしているだけに、その地域の人たちの希望というものを十分に生かしていくことが将来とも大事になってくるのだろう、こういうふうに思っておりますので、かたくなにこだわるだけでなくて、どうかある時期に、近い時期に決断をしていただくように要望して、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○相沢主査 これにて鈴木久君の質疑は終了いたしました。 次に、山内弘君。
○山内分科員 まず、大店法の意義と目的についてお尋ねをいたします。
○坂本(吉)政府委員 大店法につきましては、その法律の目的に明記されているところでございますけれども、大型店の立地、出店に当たりまして、その周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保し、また当然のことながら消費者の利益の保護に配慮するということをもって、大型店の立地と周辺の中小小売業との健全な関係を維持するために、大規模小売店舗における小売業の事業活動を調整するという目的に出るものでございます。
○山内分科員 地域との健全な協調体制、この問題は極めて重要な意味を持つわけでございます。私は大店法の施行に当たってこの点を特に重視をしたいと思うわけでございますけれども、この点に関して今通産省で受けておるもろもろの被害、もしくはまた地域において大店法の施行に伴う弊害というものが相当数出ておると私は聞いておるわけでございます。地域零細企業もしくは中小企業との共存を図る、こういうふうな点に対して特に注意すべき諸課題、この点について私は通産省の考え方を特にこの際お尋ねをしておきたい、こう思うわけであります。
○坂本(吉)政府委員 ただいま御指摘の周辺中小企業との調整という問題につきましては、この法律の骨格でございます。もちろん、大型店の出店が周辺の消費者の利益にも十分資するものであるということが前提でございまして、いたずらは大型店によって周辺の中小企業が影響を受けるということだけで大型店の進出を拒否したりあるいはそれに対して不合理な調整をするということはこの法律の予定しているところではございませんけれども、周辺の消費者への利益を十分確保するという範囲において中小の小売業との調整が十分図られる必要がございまして、そういった観点からこの法律及びそれに基づく運用の手続を定めて適正な調整を図りたいというのが、この法律運用の重要な課題とされているところでございます。
○山内分科員 審議官の答弁は極めて正常な場合における答弁でありまして、その点については別に異論を差し挟むものではございません。 それでは、具体的にお尋ねをいたしますが、今、青森県の柏村に進出を予定しているジャスコの店の問題でございます。これは聞くところによると極めてこそくな手段が用いられておるわけであります。 まず第一に、一方平米、原則として一万平米以上の場合は広域商調協の審議が必要なわけでございますが、柏村では九千九百五十平米、五十平米だけ切って九千九百五十平米というふうな建物を一棟建てる。そのほかに、八メーターの農道、これをわざわざ村議会に働きかけをして村道に格上げをし、通産省の通達にある公益性を持つ道路を挟んだ場合もう一棟建てて差し支えない、こういう解釈のもとにS棟、N棟に分けてこれまた九千九百五十平米、こういうふうに非常にこそくな手段をもって強引に柏村に出店しようといたしておるわけでございます。これはまさに大店法の悪用も甚だしいと言わざるを得ない。 しかも、後で申し上げますけれども、津軽平野の中で最大の町と言われる五所川原市、この五所川原市の商工会議所を完全にボイコットしておるわけでございます。ちなみに、審議官掌握しておるかどうかわかりませんが、柏村というのは最小の村であります。この最小の村に二万平米に及ぶジャスコの大規模店舗をここに開くということは、まさにこれは社会道義上からも、また地域の活性化どころではない、地域破壊の元凶と言ってもいいのではないかと私は思うのであります。 この点につきましては審議官が通産省でどのような掌握をされておるかわかりませんが、私はまずこの点について所見を求めたいと思うのであります。
○坂本(吉)政府委員 ただいま御指摘の青森県柏村のジャスコの出店計画につきましては、その事実関係に即して申し上げればただいま山内委員の御指摘のとおりかと存じます。 ちなみに簡単にこの出店手続その他を申し上げますと、昨年の十二月に建物設置者からの届け出、三条届け出がなされたわけでございますが、その前に昨年の八月七日に東北通商産業局に対してジャスコから出店表明がなされまして、その後の事前説明を経まして十二月に建物設置者からの届け出がなされたわけでございます。内容は、ただいま御指摘のとおりS棟、N棟に分かれておりまして、総店舗面積、それぞれがいずれも九千九百五十平米という内容になっておるわけでございます。 この点につきまして、ちなみに現在の出店調整の手続を申し上げますと、三条に基づく建物設置者による届け出がなされて以降、本年の一月半ばからいわゆる商調協というのが地元において開かれておりまして、昨日までに七回にわたって商調協が開催されているところでございます。
○山内分科員 審議官、商調協七回開いたからいいというものじゃないんだよ。商調協が開かれなければならないその意味というのは、二万平米というこの建物を建てる場合、大店法の精神にのっとって、その地域に及ぼす影響、これを地域全体のいわゆる広域商調協によって審議されればこれはそれなりの意味はある、私はこう言っているんですよ。ところがこれをS棟、N棟に分けながら、一万平米を五十切ることによって、九千九百五十にすることによって柏村というその地域最小の村に設置をすることをこの広域の審議から外す、この非常に知能的なやり方、僕はこれを聞いているんですよ。こういうふうなことが法にあるからといってまかり通る場合、果たして社会正義が通るのかどうか。社会正義ばかりじゃなくて、大店法の持つ意味合いというものが、全部そういうふうなことをやればいいんだということになれば、これは泥棒が天下御免で走り回ってまさに真っ暗やみの日本になるのじゃないかと思うのですよ。だから、そういうふうなことを許していいのかどうか、まずこれをひとつ聞きます。
○坂本(吉)政府委員 ただいま御指摘の点につきまして改めて法制的な考え方を申し述べるのもいかがかと存じますが、念のため私どもの法律及びその運用の解釈につきまして申し上げますと、先ほど委員御指摘のように一万平方メートル未満であるという建物でございます。また、それぞれが法制上一つの建物であるというふうに認識せざるを得ない状況でございます。したがいまして、これが委員御指摘のような広域商調協にならずに柏村商工会における単独の商調協という形式で調整が行われるに至りましたことは、大店法三条八項の解釈に照らして、それに関していえば単独商調協が設置されて、そこで調整が行われるという形になるのはやむを得なかったと思うのでございますけれども、しかしながら実態的な側面につきましては、その二つの店舗の有する周辺への影響あるいはまた周辺の五所川原市その他木造町の商工会も含めた周辺の商工会議所等からいろいろな意見が出されているということも事実でございます。 現地の東北通産局におきましては、県の当局の意見もいろいろその都度伺いながら、こういった情勢を踏まえた上で例えば事前説明を周辺の商工会などに行わせるなど、また、その後周辺からこの建設計画に対してもろもろの観点から意見が出されているということを踏まえまして、例えば柏村商工会と周辺会議所等との話し合いの場を持ってもらうように指導するとか、これは県がされたわけでございますけれども、また、県と通産局と周辺商工会議所との話し合いの場を持つとか、一貫してこの商調協においても周辺の事情というものを可能な限り反映されるような、少なくともそういう事情というものが把握できるような態勢をこれに対して要請し、また指導をしてまいったというのが実態でございます。
○山内分科員 今審議官も相当、事が事だけにただそのままの解釈じゃなしに、そこに法の解釈における良識、良心的な解釈の部面も出しておるわけであります。今後そのことに対する、その延長線上における行政の指導、私はその点を強く要望したいと思うのです。 ただ、それだけではありません。この問題については、二棟の問題の中で非常に決定的なそういう拡大解釈、こそく手段、作為的な方法、これを用いた元凶というものがあるわけでございます。それは農道であった八メートルの道路、これを村議会に働きかけをいたしまして村道に格上げをしたわけでございます。これによって公益性を持たせる、そこにS棟、N棟二棟建てる、この理由を確立したように見受けられるわけでございます。しかし、八メートルの道路、そこにでっかい九千九百五十平米の建物を建てた場合、その間果たして自動車を通すことができるかどうか。これはS棟とN棟の連絡道路にしかならない。これは危なくて自動車なんか走れるものじゃありませんよ。私はそこに何の公益性があるかと言いたいわけであります。 ですから、こういう乱暴な計画を立てるところに私はジャスコの反社会性、また言っちゃ悪いけれども非常な強引さというか、悪い言葉で申しわけないけれども知能程度の低い、犯罪でいえば知能犯罪であるようでないような非常におかしいやり方がここに存在しておるような感じがしてならない。中尾通産大臣なんかはこれは本当に怒っていいのじゃないかと思うのですが、聞くところによると、後で大臣の答弁もいただきますけれども、こういうことに対しては正義感の非常に強い方であるというふうに聞いておるわけでありますけれども、本当に私は憤慨にたえないわけであります。あえてこの問題を通す、これは小さい村でありますから、五所川原市の場合であればこんなことはできませんよ、小さな村でありますからこういうことができたと私は思うのです。農道を村道に格上げするというこんな乱暴なことを、しかも村道に格上げしたキロ程というのは、いいですか、そこだけですよ。これで村道の持つ意味合いというものがあるわけですか。これは村議会で決定すればできるわけでありますけれども、その点に対してどう考えますか。
○坂本(吉)政府委員 事は道路を、従来の農道を村道に格上げするという、いわば村の決定でございます。村議会にも諮った上でこの措置がなされているということでございまして、私どもといたしまして、その道路というものが、現実に先生が御示唆しておられるようなそのお店に来る人だけのためになるのかどうかという現実の問題と、それから村道である、公道であるという性格との兼ね合いと申しますか、そこをどう判断するかということでございまして、私どもといたしましては一応それが形式的、手続的に村道になった、あるいはなるという前提で諸要素を判断していくという立場にならざるを得ないかな、ただ現実にその道路がどういうふうになっているかというのとはまた別ではないかと思うのでございますけれども、この道路の持つ性格というのは村道、したがって公共の用に供されるものというふうに考えざるを得ないのではないかというふうに思っております。
○山内分科員 これは道路の法律がありまして、審議官、道路というのは、そこからそこまでのキロメーター、村道だからといって意味はなさないのですよ。道路というのは、ぼくは建設常任委員会に所属していますが、目的があるのですよ、ちゃんと。だから、ジャスコが言うようにそのN棟とS棟を分けるために、公共性を持たせるために村道にしたからといって、村道にはならないのですよ。村道というのは、公益性のある道路というのは、例えばある目的からある目的まで行く何十キロという、そういうのを総じて格上げしていかなければならないわけですよ。これは間違えたわけですよ。研究してごらんなさい。それはそういうふうになっていますから。だからあなたは、たった百メーターなら百メーターの道路を村道に格上げしたからといって、これは公益性を持たせるものだというふうな解釈は間違いですから、それは訂正してください。
○坂本(吉)政府委員 本件につきましては、柏村当局の説明によりますれば、柏村の将来の開発計画というものを考えた上で当該路線の沿線の将来計画というものを踏まえて決定をいたしたということでございまして、村議会において村道を認定するに至った背景というのは、こういったいわば将来の計画というものを踏まえて村道に編入したものであるというふうに村の方から聞いておるところでございまして、少なくともそこは形式的に村道になったという事実を前提にして我々としては対処せざるを得ないということを重ねて申し上げたいと存じます。
○山内分科員 だからそれは、人から物を聞いて、そう言ったからそうなりましたの答えであればいいけれども、少なくとも行政官として、国の行政の責任ある立場として、村道というものはそういうものなんだという認識はもう少し勉強してくださいということを言っているのですよ。そういうふうな判定のもとに村道だから公益性を持ちましたなんという答弁は、あなたそんなことを、きょうは黙って聞きますけれども、もう少し勉強してくださいよ。道路法にはそういうものはないんだよ。何キロから何キロということもないんだよ。目的がなければならないのです。村の人がどこからどこまで歩く、こういうふうなことでだれでもわかり切ったことでなければならない。そこを百メーター村道にしたから村道なんだ、そんなことじゃないのです。 時間もないからもう急ぎますけれども、大臣、太宰治が「津軽」という小説を書いていますけれども、この津軽平野、しかも五所川原というのは津軽の奥座敷の玄関、こう言われておるわけです。そして、今の問題の柏村というのはその中でも一番小さな村なんです。ジャスコがなぜそこへ店を出すかというのは、五所川原の中で一番近い村でもあるということです。また一番小さな村でもあるということです。そして、そこに九千九百五十平米という建物をつくるために今の農道を無理やりに村道に格上げさせた。これは格上げに問題はありますけれども、そういうふうなことで、五所川原の商工会議所の会頭がこのトラブルをおさめようとして一生懸命努力をされておる。今、商工会議所の青年部は赤旗を立てなければならない、鉢巻きを締めなければならない、農村の青年部の方々はこれに応援しなければならない、まさに不穏な状況の中にあるわけでございます。ですから、私の質問というのは非常に注目をしておるわけであります。 私が事務方と折衡した段階では、今柏村の商調協がいろいろと何回もやっているんだ、こう言っておるわけでございますけれども、昭和六十三年の四月十一日、出店に関する説明会、ジャスコの担当部長は五所川原商工会議所の説明聴取を断っております。したがって、今審議官が言っておられるように、商調協の中で柏村との、地域とのいろいろな話し合いを続けながら七回も進めておる、こう言っておりますけれども、実情は全く合わない。一方的に進められておるというのが実情であります。また、青森県の水産商工委員会では、この大店法に係る広域的な審議をやるということで、五所川原市を含めてこの請願に対して満場一致でこれを採択をいたしておるわけでございます。これも今のジャスコの問題に対する、強引なやり方に対する県議会の反発であります。また、東北通産局の部長の問題もありますが、これはあえて割愛をいたします。この問題はここで言わなくても審議官も大分わかっておるようでありますので、この点は割愛をしておきます。 しかし、今五所川原の商工会議所の会頭がこの中に入って、二店ではだめだけれども、大は大なりの商売をしなければならない理由もあるだろうし、小は小なりに生きていかなければならない理由もある、こういう大局的見地に立った考え方を述べておられるわけでございます。私は、このことに深い敬意を表しておるわけでございます。何とか中尾通産大臣はそういう大局的見地に立った指導、今ここでどういう結論を出すかということは言えないと思いますので、私の言わんとするこの状況に対して十分な審議もしくは大店法という法の精神にのっとった正しい指導、そしてまた、私が今提起したような問題に対して、また五所川原の会頭の提起に対して御理解を示していただきたい、こう思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○坂本(吉)政府委員 実務的な側面につきまして、先に簡単にお話をさせていただきたいと存じます。 委員御指摘のように、本件につきまして現在事前商調協の審議が進められておるところでございますが、先ほど申し述べましたように、通産局におきましては出店表明以降一貫して、周辺の市町村の商工会議所等の意見というものを踏まえて慎重に調整が行われるべきであるという立場を地元に対して伝えているところでございます。事前説明会の開催あるいは商調協に対する指導、そういったことを進めているということをお話しさせていただきたいと存じます。
○中尾国務大臣 もろもろ山内委員からお話をずっと承っておりました。私も、現場にも行ったことがございませんが、私ども青春時代に大変にその名を謳歌いたしました太宰治先生の地域でもあり、また五所川原、そのころから名前をよく存じておりました。それだけに、その思いやいかにという気持ちでも承っておりましたが、いずれにいたしましても御指摘のとおり、出店調整に当たりましては県関係者の意見を可能な限り聴取いたしまして、そして把握しながら調整が行われるのが基本である、このように考えておる次第でございます。したがいまして、このような考え方に立ちまして柏村の出店計画につきましても、現在進行中の事前商調協の審議におきまして、ただいまも審議官から答弁をいたしましたが、意見は十分に吸い取っている最中でございますが、そういう点で周辺の市町村等の意見を十分把握しながらなおかつ慎重に調整作業が進められていくよう、これを私としても強く期待もし、また通産省としても全体をグローバルな見地でじっくりと踏まえてバランスのとれた形で解決していくように図っていきたいものだ、このように考えておる次第でございます。
○山内分科員 終わります。
○相沢主査 これにて山内弘君の質疑は終了いたしました。 次に、関晴正君。
○関分科員 冒頭、美浜原発のその後の事情の変化と申しましょうか、発展した事故の現象の状態について御報告いただければと思います。
○緒方政府委員 美浜原子力発電所の二号機の事故でございますが、これにつきましては、今週の月曜日でございますが、私どもの調査特別委員会を開会をいたしました。 それまでにそこに二つの報告が行われたわけでございます。一つは、それまでに破断をいたしました蒸気発生器細管を東海村のホットラボで分析をしておりましたけれども、それの中間的な報告、電子顕微鏡写真その他の中間的な報告が寄せられまして、それを委員会に提出をいたしました。それからもう一つは、関西電力の方でその後過去の検査記録等々いろいろチェックをし直しまして分析をしておりましたけれども、その結果、AVBと言っておりますが、蒸気発生器細管の上の方、第六支持板から上の方について、それが振動することを防止するための器具でありますけれども、それがどうも設計どおりの位置まで挿入されていなかった疑いが濃厚であるという報告がありましたので、その二点を報告をいたしました。 委員会で検討した結果、そのAVBが所定の位置まで入っていなかったことに基づいて金属疲労が進行して、高サイクル疲労が進行して破断をした蓋然性が非常に高い、そういう意見になったわけでございます。 そこで、私ども行政側といたしましては、関西電力に対しましては、そこのAVBが入っていないということについて確認をするように指示をいたしましたとともに、同じ型のSGを使っております他の四社につきましても大至急、そのAVBが所定の位置まで入っているかどうか、過去の検査記録等をチェックして至急確認するように、こういう指示をしたところでございます。 もちろん現在稼働中の原子炉につきましては、従来から御説明しておりますように、非常に注意深い運転、すなわち二次側の冷却水中に放射能の濃度が少しでも変化した場合、わかる程度、有意な差があると認められる場合には直ちに原子炉の運転をとめるようにということで、注意深い運転をするように指示をしているところでございます。
○関分科員 その振動を防ぐとめ金の件なんですけれども、これは点検をした際にはそういうところまでは見ないようになっているのですか。見ても見なかったということなんですか。その点はどうなんです。
○緒方政府委員 定期検査等においてチェックする項目には含まれていないようでございます。したがいまして、過去の定期検査の際にそれが所定の位置に入っていることについて確認をしたということではございません。
○関分科員 そうしますと、設計上あるべきものがなかったということで、でもこの発電所は許可になっているのですけれども、その設置上あるべきものがなかったということは、許可の条件において不適切であったということになりますか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 今先生御指摘の振れどめ金具の件でございますが、これは設置許可あるいは工事計画認可というものには対象にはなっていないわけでございます。それで、法規的には通産省の技術基準というのがございます。これに「一次冷却材又は二次冷却材の循環、沸とう等により生ずる振動により損傷を受けないように施設しなければならない。」という規定になっておりまして、電気事業法によりまして電気事業者にその維持を求めているところでございます。 以上でございます。
○関分科員 求めているのはわかりますし、そういうことになっているものと通産省も思っておるのでしょう。なくてもいいとは思っていないのでしょう。そういうものがないということがわかって、事故が今発生したということになれば、これはどこが一番の責任を怠ったということになりますか。その点だけ聞いておきます。
○向政府委員 今申し上げましたように、振れどめ金具が設計どおり入っているということで我々いろんな保安体制が成っているわけでございますが、工事の関係でそういうものがなされていなかったというのは大変残念でございますし、やはりそういう前提で成り立っておりますので、我々設計どおりに入っていなかった今回の事項にかんがみ、まず、美浜二号につきましてはECTという検査方法で入ってなさそうであるという確認をしたわけでございますが、実地に、ファイバースコープというのを入れまして入っていないことを再度確認をやりたい。それから、ほかのPWRにつきましては、過去のECTの記録によりまして設計どおり入っていることを確認しなさいという指示をしたところでございます。我々、その報告を待ちまして、適正な措置をとっていきたいというふうに考えております。
○関分科員 現在運転中の発電所で今のような状態のものを調査して、調べろ、調べて入っていなきゃ入れろ、こういうことなんだろうと思うのですが、そういう作業というものは簡単にできるのですか。
○向政府委員 まず、設計どおり入っているかどうかというのを過去のECTの記録等によりまして調べるわけでございますが、時間がかかるわけでございますし、それから、入っていないということになれば、どういうような状態で入っていないかというのをよく吟味しまして、それで設計どおり入っていない状態を是正させるというのは我々やらせたいというふうに考えております。
○関分科員 非常に大きなミスがここに発生した、私はこう思っております。 きょうそれに取り組んで質問するという予定にもなっておりませんが、とにかく原子力発電所は安全である、原発は絶対に間違いがない、こういうようなことで国民には普及宣伝、莫大な金を使って今おやりになっているわけであります。先般私ども美浜の原発へ参りましたときも、美浜の町長は、この美しい浜、名前のとおりの美浜がすっかり汚されちゃった、イメージダウンも著しいものである、一汚名挽回するためには大変な時間がかかるし、我々はこれまで絶対安全だからということで信頼してきた、絶対というものがないんだということもまたわかった、こう言われておりました。私はそのときに関西電力の方に申し上げましたし、これは何も関西電力だけに限りません、今日の原子力発電の仕事をされておる電力会社は何で絶対絶対と言わなきゃならないんだろうか、絶対というよりも、間違いもあるし事故もあるんだ、こういうことで国民にも意識を持たせておかないと大変な誤りを犯させてしまうと思うのです。ですから、絶対ということはない、絶対という神話はもう崩れちゃったんだということです。 それから、よく事故と言わないで事象と言いますね。事故が起きたら事象なんという言葉じゃなくて、率直に事故と言って認めて、事故の起こらないように当たった方が私はきちんとしてうまくいくと思うのです。あたかも、とにかく事故の起こらないということを余計に宣伝し絶対視させるために言葉をかえて事象事象と言う。本当にわかりにくいやり方です。そうして、事故がないかというと起こっちゃう。ですから、絶対ということはないんだ、原子力産業に従事する方々に、また通産省として宣伝、普及に当たっても、絶対ということで物を進めていくことは絶対慎んでいただきたい、私はこう思うのです。 特に私どもの青森県の場合は、低レベルの廃棄物で今いろいろ心配しております。ここにも絶対事故はない、絶対水の被害はない。じゃちゃんと実験したかといえば、何にも実験していない。言質に照らして、そういう実験もしていないでなおそういうことを言うんです。ですから、大臣ここにおられますが、我が国のすべてのエネルギーの大宗は原子力なんだということで構えておられますけれども、この構えの中にも絶対安全ということが大事なんであって、絶対事故はないんだという、それを目指すことはわかりますが、ないんだということはないんだということで見ておかないと大変な間違いを起こすのではないだろうか、私はこう思います。 そこで、とにかく原子力発電というもので今日三十年近く動いてきた。だが、ここにも一つの限界が来て、金属疲労といったり、私は、とにかく気のつかないようなことが今のようにぽんぽん出てきた日にはかなわないと思うんです。日本のエネルギーの未来をもなお原子力に依存していかなきゃならないという考え方も、この辺で考えなきゃならない。そういう意味からいきますと、やはり新しいエネルギーを開発しなきゃならない、ここにぞっこん国費を投入する、そういう方向に体制を持っていく必要があるんじゃないだろうか。特に、大気汚染が著しくなっておる地球を守らなきゃならないという全世界的な人々の要求がまたここにあるわけなんで、したがって、私どもの日本も、まず日本の科学の粋をもって新エネルギーはこれで行こうや、そしてクリーンエネルギーもこれで進めようや、そういうことのためには何が必要なのか。 もっと具体的に申し上げますと、太陽光発電の時代に入ってきておる。ソーラー飛行機も飛ぶようになった。ソーラー自動車も走るようになった。ソーラーボートもこぐようになったんです。この太陽電池というものを大幅に活用して、ソーラーハウスの普及ということもまた大きく進めなきゃならないことではないだろうか。しかし、我が国の基本方針が原子力原子力ということになっております。しかも私どもの青森県には、使用済みの燃料を再処理をして、そこから生ずるプルトニウムを利用して、そして電気は使えば使うほどまた生じますよという大宣伝をこれまた専らやっておるわけなんです。じゃいつプルトニウムを使うんだ、こう聞きますと、そういう使用に供する時代というのは高速増殖炉の時代で、その高速増殖炉の時代というのは四十年も後なんだ。そんな後のことにこんな危険なものを使って進めるということは適当ではないんじゃないか。 私は、特に大臣にはよく聞いていただきたいというのは、ここの点なんです。また、この大臣ならば取っ組んでいただけるんじゃないだろうかという期待も私は実は持っているわけでありまして、一兆円ほど新しいエネルギーの開発につぎ込んで試算してみたらどんなことになるか。ずっと進むと思います。太陽電池を利用して家庭に取り入れるようにさせたならばどうなるだろうか。それがためには、太陽電池の値段をぐんと下げて、下げるのに国費を投ずる。お互いに、そうして企業の努力というものもまたあって、国民がまたこれに協力していくという体制をつくっていけば、十年かからず我が国の家庭における電気というものは相当これによって賄っていけるんじゃないか。その分だけ原子力に頼らぬでもよいことになる、その分だけ火力に頼らぬでもいいということになるわけなんで、ぞっこん取り組む方針を持っていただくと同時に、具体的なことについても、今NEDOがやっているようなことについてもどの辺までおやりになっているのか。この予算というものも、私から見ると大した予算ではないな、こう思うのでありまして、いずれにいたしましても我が国の未来、また国民の求めているニューエネルギー、クリーンエネルギーというものの創出、開発のために、やはり通産省が担当している部面の限りを尽くして私は当たっていただけないものだろうか、こう思いますので、とにかくその部面についての大臣のお考え、また担当省のお考えをいただければ、こう思います。
○中尾国務大臣 先生御指摘への絶対の答弁になれるかどうかわかりませんが、いずれにいたしましても太陽電池等の新エネルギー、御指摘賜りましたが、一般にエネルギー密度がやや希薄でございまして、自然条件に左右されることなどから、現時点ではコストが比較的に割高の問題が存在するということは否定できないところではないかなと考えておるわけでございます。 このような課題を克服するためには、通産省としましては、従来からサンシャイン計画等を通じまして、太陽電池の効率化あるいはコストダウン等の各種新エネルギーに係る技術開発に努めるということが大前提でございます。太陽光熱の、あるいはまた光発電等新エネルギー設備導入に対する税制上の措置は講じてきたところでございますが、平成三年度、これらの措置を拡充しまして、また金融上の措置を追加する等、施策の強化に努める所存でございます。 太陽電池等の新エネルギー等につきましては、昨年十月に閣議決定されました「石油代替エネルギーの供給目標」におきまして、二〇一〇年度において一次エネルギーの供給の五・三%というものを見込んでいるところでございまして、この目標は官民ともに最大限の努力をより一層強化をして初めて達成が可能なものではないか、こう考えて認識をしておるわけでございます。 今後とも新エネルギーの開発及び導入に最大限の努力を傾注することは申すまでもありませんが、委員のこの問題に対する三十年来の取り組み方の誠意そのものも一生懸命考慮に入れながら私どもも考えていかなければいかぬというような気持ちで、現在のところでも五千億円くらいのものは投入しておるわけでございますけれども、(関分科員「何に」と呼ぶ)後で事務レベルからこの問題は詳細にわたってまた御答弁をさせますけれども、そういうような方向で考えてやっておりますが、最大限の努力を傾注してまいる所存であることは申し添えておきたいと思う次第でございます。
○緒方政府委員 関先生からいろいろ御指摘をいただいたわけでございます。 今大臣お答えしましたとおりなんですが、やや補足して御説明をしますと、全体のエネルギーの中での原子力の位置づけ、あるいは新エネルギーの位置づけということでございますが、御案内のとおり長期エネルギー需給見通し、それに基づく代替エネルギー開発目標というものを昨年通産省は定めております。これで、二〇一〇年のエネルギー供給構造でございますが、原子力は全体のエネルギー、日本の一次エネルギーの中の一六・九%を担うもの、こういう位置づけをしてございます。ちなみに現状、八九年の実績では八・九%でございます。そして、御指摘になりました太陽エネルギーその他の新エネルギーでありますが、これを二〇一〇年には五・三%にする、こういうことになっております。 この原子力あるいは新エネルギー、それからあと水力、地熱というようないわゆる非化石エネルギー全体でありますが、これは八九年が一次エネルギーの一四・九%でありますけれども、これを二〇一〇年には先ほどの原子力の一六・九を含めて二六・八に持っていきたい、その反面、石油依存率というものを下げていきたい、こういう絵をかいているわけでございます。決して先生おっしゃいますように、一次エネルギーの相当部分を原子力でやってしまうというような、そんな大それたことを考えているわけではございません。いろいろなエネルギーを総動員して日本のいろいろな観点、供給の安定性、それから地球環境問題、これらにとってバランスのとれた体制に持っていきたい、こういうことでございます。 その原子力の中で、これはもう先生とは昨年来いろいろな場で論争させていただきましたけれども、いわゆる再処理をしてプルトニウムの形で再利用するということが原子力政策の上で非常に重要であるということは、大分論争させていただきましたのできょうは省略をさせていただきますが、依然重要だと思っております。そして私ども、原子力について一生懸命やっているわけですが、新エネルギーの開発利用について決して軽視しているわけではございません。工業技術院長も来ていただいておりますけれども、昭和四十九年から新エネルギー開発のサンシャインプロジェクトというものを始めております。後にまたムーンライトという省エネルギー関係のプロジェクトもスタートさせております。この年々の予算額というものは、ずっと四十九年以来現在も続いているわけでありますが、その二つのプロジェクト、サンシャイン計画とムーンライトプロジェクトでこれまでに投入した金額が約五千億円ということでございます。先ほど一兆円ぐらい投入したらどうかというお話でございますけれども、それぐらいの規模で進めているわけでございます。 それではその成果の方はどうかということなんですけれども、太陽についてはサンシャイン計画でやっておりますが、二〇〇〇年時点で既存の発電システムと同程度の経済性を有するレベルまでコストダウンをしたいということを目標に、太陽電池の製造コストの引き下げであるとか、発電効率の向上であるとか、耐久性、信頼性の向上という技術開発を今工業技術院を中心にやっていただいているわけでございます。 第二番目には、これは私ども資源エネルギー庁として技術開発ができた段階でこれを実用化していくことが必要でございます。そのために、立ち上がりの初期の市場を創出することが必要でございますので、これはいろいろなモデル事業、補助事業でやっていく必要があるという観点から、ローカルエネルギーモデル補助制度というようなものをつくりまして、各種のモデル事業を推進しております。また、税制でバックアップするということも必要でありますので、本年度からエネルギー環境変化対応促進税制という中に太陽光発電設備等を対象に加えるということをやっておりますし、また平成三年度からは地方税の方でも、地方税の軽減を内容とするローカルエネルギー税制に太陽光発電設備等を追加するというようなことをやっておりまして、技術開発と相まって普及に努めてまいりたいと考えております。その結果、二〇一〇年には五・三%まで持っていきたい、こういうことでございます。
○杉浦(賢)政府委員 ただいま緒方長官から非常に広範囲なお答えがございましたので、技術開発も大体含まれるのでございますけれども、一言、これからの技術について私どもが考えていることをちょっと述べさせていただきたいと思います。 今、太陽電池のお話が主でございますので、御指摘がございましたように、太陽電池をこれからいろいろなところで実用化していくためには、非常に大きな問題はコストでございます。このコストにつきまして、サンシャイン計画がスタートしたときに一ワット二万円というのが、現在約八百円になっております。それだけの成果は出てきたのでございますけれども、これを実際実用化するのにはさらに五分の一ぐらいに下げないといけないわけでございますが、技術的には製造コストを下げるという話と、もう一つは、高効率にすることができないかということが非常に大きな技術的なポイントになっております。そういう意味で、超高効率太陽電池の開発、そういう研究開発の目標を設定いたしましてこれから入っていきたいと思っております。今のような価格低下をするためには、何かブレークスルーをしっかりと求める必要がある、こういう認識からでございます。
○関分科員 先ほど大臣から五千億と言ったのでびっくりしたところなんですが、四十八年から今日まで二十年近い間にかけられたトータルの話でありましたから、トータルかなということで聞きました。 そこで私は、今御答弁がありました、ワット二万円から八百円まで来たが、では八百円からどのくらい下がってきたか、熱の交換率もどのくらい下がってくるだろうか、この問題で、一ワット当たりの値段がどのくらいになればこれを国民に普及していくときになるであろうか。そういう意味では、百円ぐらいになったら一番いいだろう、こうも言われますが、八百円から百円までというのにはどうしたらいいだろう。現実には今もっと下がっているはずだと思います。八百円というのは前の値段であって、今はずっと、五百円ぐらいまで下がったのじゃないだろうか、こう思います。私はそれがさらに下がって三百円になる、二百円になる、百円まで行けば一番いいと思いますけれども、そこまで行かぬ場合はやはり国民の負担はそのくらいにして、国の援助、助成ということも考えていかなければならないときが来るのではないだろうか。 それから、熱交換率の比率も一〇%まで目指していくということになっているわけなんで、そういうときも間もなく来るのではないだろうか。そういう時点は二〇一〇年ということを期待していいのではないだろうか、こう思うのですけれども、そういう点からいって私はもっと早くする方法がないだろうか。そういう点について、大臣に、なるほどそのくらいまで下がりつつあるのか、もう一押しで国民は何も高い太陽電池を使わないでずっと安いところまで行けるんだな、こういうことで御理解をお持ちになっていただければ、あと一押したと思うのです、そういう一押しのところを押せば、何も四十年後のプルトニウムに依存しなければならないようなことも、用がなくなってしまう。 私は、この太陽光発電の時代をつくることが今の日本の世界に貢献する最大の仕事だ、こう思っております。それは日本であればできる。日本がでかせば、これはまた世界に貢献できるのです。今日、世界的に太陽電池を使うジェネシス計画というのが生まれております。これをも支援していく動力に我が日本はなるんだ、こう思うのでありまして、そういう展望も皆さんの方でもお持ちになっておられるだろうと思うので、ジェネシス計画のことについても考えていることがあるならば国としてもやはり力こぶを入れる、こういう方針をとっていただけないかと思いますので、その点でのお答えをいただきます。
○杉浦(賢)政府委員 先生の今御指摘ございましたジェネシス計画でございますけれども、これは砂漠も含めまして地球上にたくさんの太陽電池を設備いたしまして、大量の電力を発生して超電導送電で世界を結ぼう、こういう大変な夢のある計画でございまして、民間においてこういう計画が提唱されているということを私も承知いたしております。 ただ、先ほどからお話がございましたように、この計画をこれから進めていくといたしますと、やはり要素技術でまだ幾つか開発努力をしないといけない問題があるかと思います。その一つは太陽電池のコストダウンで、ほかのエネルギーと競合できるところまで持っていくということがございますし、もう一つは超電導技術でございますが、超電導の研究開発は大変進んでおりますけれども、電力系統との関係での超電導技術の開発はまだ緒についたばかりでございます。ただ、通産省におきましては、今お話のございましたサンシャイン計画で太陽電池の研究開発をいたしておりますし、省エネルギー技術の研究開発でございますムーンライト計画におきましては超電導技術を電力技術との関係で研究開発を進めておりますので、こういうような技術が確立していくということはこういうようなプランのバックアップにもなる、こんなふうに考えております。
○関分科員 大臣、太陽電池の普及方をどうしたらいいだろうか、そして今いいところまで来ているわけだから、この一押しの力を押して、そしてまた技術院の方々に対する予算措置等についても十二分に配慮してあげて、私はこれからのエネルギーというのは太陽光発電の時代になるんだと思いますし、そうしていかなければならない必然性があるわけですので、十二分に力こぶを入れていただきますことを希望して、終わりたいと思いま す。
○相沢主査 これにて関晴正君の質疑は終了いたしました。 次に、渡部一郎君。
○渡部(一)分科員 私は、先日総理大臣が予算委員会の席上でおっしゃいました日本のODA供与の条件として、軍事目的、紛争当事国及び紛争を助長する者への供与は技術を含めて禁止されているし、武器の輸出入国へのODA供与の見直しについては傾聴すべきものがあるとして、今後武器の輸出入が非常に大きい国々に対してはODAの供与を見直すぞという基本的な方向を示唆されました。また、五月におきましては京都において軍縮に関する会議が行われるそうでもございますし、戦後の我が国の外交の中で、国際関係に対して経済大国日本がいよいよ責任を持つという意味で非常に注目すべき御発言であったと理解しておるわけであります。 しかし、それを実際に実行するに当たりましては、いろいろな官庁もございますけれども、とりわけ通産省の御所見、ノーハウ、立案等が非常に大きな問題になることは明らかでございます。我が国は既に武器禁輸三原則を有しており、私どももその成立のために努力した議員の一人といたしまして甚だ名誉に感じているわけでございますが、この武器禁輸原則を持っている国は外国にもないわけでありますし、これを国際的に広げていこうという大きな野心、大きな希望、大きな日本の平和外交の取り組みというのを考えますと、通産省が何を考えておられるかは非常に大きな意味があるのではなかろうかと思うわけであります。 きのうの予算分科会において外務省に対して克明に承ったわけでございますが、非常に困難な問題がたくさんあるものですから、すべては通産省待ちというに近い御答弁がるるございまして、しからば通産大臣に御見識のあるところを伺わねばならぬというのが私の本日の趣旨と申しますか見出しであります。 したがって、まず武器禁輸、ODAの見直し論についてどうお考えであるか、その辺あたりから通産省の御見識、経済企画庁の御見識、また大蔵省の御見識を承っておきたい、こう思うのであります。
○中尾国務大臣 長い間、日ごろずっと兄事しております渡部先生の御見識は常日ごろ知っておりますので、私もここでその線に沿いまして、基本的な問題だけにちょっと触れてみたいと思います。 基本的な姿勢の問題といたしましては、みずからの国を防衛する権利は尊重されるべきであるということは申すまでもないのでありますが、国民生活を差しおきまして膨大な軍事支出を使って武器を大量に輸入しているような国があるとするならば、その国に対しては、経済協力を行うに当たり十分しんしゃくをした上で臨むべきであるという考え方は、前提として、基本路線として私どもは考えております。特に、委員御指摘のODAのそういう点においては見直すべきである、これは総理の答弁を私も一緒に聞いておりましたから、私も同感の思いで聞いておりましたが、先ほど述べましたようなことから、十分しんしゃくした上で臨むべきだと考えておりますが、各国の武器の実際の輸出入量の立証等が容易ではないという現実があることも委員の御賛同をいただけるのではないか、このように思料するものでございます。しかしながら、このような点につきましては、今後の我が国の経済協力の基本的取り組みの中にいかに反映させていくかということが政府部内で検討されていくことがベーシックに必要になってくるんじゃないかな、このようにも考えるものでございます。 以上でございます。
○森説明員 大蔵省といたしましても、ただいま通産大臣よりございました答弁と基本的に同じ考え方でございまして、先生御指摘の問題は、我が国の経済協力の基本的取り組みの中でいかに反映させていくか政府部内で検討していくことが重要であると考えております。
○畠中説明員 ただいま先生御指摘の点につきましては、昨日局長の方からも御説明申し上げましたが、ただいま通産大臣御答弁の趣旨と私どもは基本的に同じような考えで、今後いろいろ制約はございますけれども、いかに私どもの経済協力の政策の中に反映していくかということで検討を進めてまいりたいと思っております。
○渡部(一)分科員 ただいまのお話を伺って安心いたしました。三省のニュアンスは通産大臣のおっしゃる方向と全く同じであり、また通産省が武器の輸出入量の実証というのは非常に難しいけれども研究したいとおっしゃいましたし、また今後経済協力の上でこれについてはしんしゃくする、反映さすという方向でやるという方針を述べられましたことは画期的な御発言であり、総理のおっしゃることをまた一歩前進させたものと、私はもう大見出しで評価したいと存じます。あしたの新聞には恐らく大きな大きな見出しで出ると期待しております。よろしくお願いします。 さて、この研究を今度は具体化していくためには各省庁のお打ち合わせをしなきゃならぬだろうし、そのお打ち合わせの結果として幾つかの原則というかパターンができてこなきゃならぬ。したがって、それをどうするかについて多少前もっての議論をさせていただきたいと思っているわけであります。 私はまず政府に、この研究はどのくらいの時限でいつごろまでにやっていくかということを最後にお尋ねしたいと思いますが、その前に、三月九日の「米、武器売却を提案 中東向け百八十億ドル以上」というフィナンシャル・タイムズ、イギリスの新聞でございますが、「対イラク多国籍軍に参加したサウジアラビア、エジプト、バーレーン、アラブ首長国連邦、トルコに対し総額百八十億ドル以上の武器売却を提案」したということを言われているわけですね。私はこれと全く別に百二十億ドル分は売りさばくことができた、アメリカの産業界としては、今度の戦争は非常に簡単に言うともうかったという報道をアメリカの方から聞かしていただいたこともあるものですから、これはけしからぬなと。この湾岸地域に対して油を買う、その代金を武器で相殺するというようなやり方をしていくということは、もう一回湾岸危機、湾岸戦争の火種をつくることになる。アメリカ政府がアメリカ財界を見て武器産業というのを養成していかないと輸出入インバランスというものを甚だ回復しがたいという状況にあることは承知いたしておるわけでありますが、こう手放しで戦争でみんなぶち壊したからあと百八十億ドル分の武器を売りつけた、こういうことでよろしいのかと言われると、これはこれを見過ごすわけにはいかぬような気がいたしておるわけであります。この辺いかがでございますか。
○畠山(襄)政府委員 私もたまたまそのフィナンシャル・タイムズの記事自身を拝見いたしました。百八十億ドルの武器をあの辺に供給するためにいろいろやっておる、その内訳はサウジが百億ドルとか、たしか出ていたような気がいたします。また、トルコに対しましても、例えば今F16があそこにあるわけでございますけれども、その百六十機を倍増するんだということで計画が出ているというようなことも新聞報道で承知をいたしております。 そういうことと、それから私どもが堅持してまいりました武器輸出三原則あるいは武器輸出の禁止方針というものについてどう調整をつけていくのかということは、無論あの地域の安全保障のあり方の今後の議論とも関係をしていくのだと思います。まあ一国が武器をたくさん持っておってほかの国が持っていないという状況のときに均衡をしないと困るということがあるわけでございますけれども、私どもとしては、できるだけ縮小均衡といいますか、そういう方向での議論ができないかなというふうにも思っているところでございまして、政府部内で、先ほど来の大臣の御答弁にもございましたような政府の中の話し合いの中でいろいろ議論をしていこうというふうに思っているところでございます。
○渡部(一)分科員 これは朝日新聞の記事でありますが、「湾岸で衝突”兄弟兵器”世界が育てたイラク軍」と書いてありまして、せっせと武器を売り込んでそれをせっせとぶち壊したのを皮肉って書いてあるわけであります。また「兵員百万、世界第四位の軍事大国イラクを生んだのは、イラン・イラク戦争中に各国が与えた軍事援助である。」ことは自明のことでございますが、「一九八四年からの五年間に、イラクが購入した兵器の総額は、二百九十六億五千万ドル。半分がソ連から、以下フランス、中国、ブラジルなどが、売り手の大所だ。」しかも「その資金の大半を供給したのがクウェートとサウジアラビア。」であります。そうすると、一体、今度その資金を提供した者と武器を提供した者が、そして提供された者とが敵味方に分かれて殺し合いをした。これはもう今世紀最大の漫画であると言うしかない。これは私どもは厳格に追及すべき立場にあります。こんなものを許容しておいていいはずがない。 したがって、武器をどの国からどこの国へ向かって売るかということについて、私どもは日本国内でも材料を集めなければいけませんけれども、国連の諸機関は各国の統計類について全部資料を今集めていて、基本的にきちんとした統計をした上から世界の各国のバランス、共存共栄、平和というようなことは生まれるということで資料統計やっているはずなんです。ところが、武器の問題だけはオミットされておる。我々は国連のおしりをたたいて、そういうことの統計を公開するあるいは一国に対して一国から怒濤のように行くとか、特殊な支配目的のために一国が一国に対して武器の代金を供給するとかということに対してブレーキをかける能力を持ち合わせておる。それは情報の公開というやり方ででき得る。それを日本が何もしない。国連に対しても言わない。声も小さい。我が国はアメリカの統計なんか見て、にっと笑っておる。外務省が演説するとき、八八年の統計によればなどというすごいことを平気で言う。これは事実上この問題に対する日本の政治大国としての行動を放棄していると言わざるを得ない。この辺はちゃんとやっていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○畠山(襄)政府委員 御指摘のとおり、あの武器の統計についてはなかなか秘匿されている部門がございますけれども、他方、各国のシンクタンク、戦略研究所ですとか、そういったところでいろいろ、まあ推定も含めて発表もしているということがございます。したがいまして、特に通常兵器の分野での手始めは今御指摘の統計の明確化といいますか、透明性の確保ということが非常に重要だろうと思いまして、外務省も同様の御意見のようでもございますので、まず手始めにそういうことでこの作業に取りかかっていったらどうかというようなことを考えているところでございます。
○渡部(一)分科員 大変いい御答弁をいただいて大変うれしく思っているのでございますが、次に、化学兵器の拡散防止、これはアメリカが設備二十三種を輸出規制する、化学物質、五十品目に拡大する、すぱんと述べております。これは直接我が国に対しても絡んでくる点です。これに対して日本として影響があるわけでありますが、この報道が行われた途端に、日本の企業はプラント輸出に対する影響が懸念される、こういうことを言うから、ギャング的なエコノミックアニマルよ、世界の責任を何も感じていないよと言われるのですね。企業としては影響があるのですかと言われたら影響があると答えなければならぬのかもしれないけれども、世界じゅうで戦争をやめようというとさに、私の商売のプラント輸出への影響が懸念される、こんなことを言う商売人どもがおるということに対して、通産省はもうちょっと的確に指導していただかなければいけない。いつでも自分の商売だけですね。こういうことをペラペラしゃべる商社、どこの商社かはお調べになればすぐわかると思いますけれどもけしからぬ。 もう一つは、このアメリカの言う言葉にはもう一つ背景がある。それは化学物質を五十品目に拡大したことと設備二十三種の輸出規制について、アメリカ側の財界は競争能力が極めて劣っておる、日本の方が圧倒的に出せる能力がある。これは一つの嫌がらせの面がある。もう一つは、核兵器を持っているアメリカに対して、貧者の核兵器と言われる化学戦争を許容しろという議論が発展途上国の側にある。それに対してこれだけ抑えるということは、アメリカの支配体制をひたすら強化しようという作戦だというふうに見えてしまうもう一つの面がある。だから、我々としてはこの化学兵器の基礎になる、拡散防止をしないように、化学物質を変なことに使われないようにするために、世界じゅうの発展途上国や貧しい国々に対してその安全を保障するというのが第一にいかなければいけない。安全保障が第一である。その次に、化学物質をそういうものに変容されないように膨大な検証措置をつくらなければいけない。この検証措置をつくるのは、ちょうど軍縮会議のお話を横で伺っていたので余り正確ではありませんが、三億ドル毎年要る。三億ドルの費用はだれが面倒を見るのかでもう暗礁に乗り上げておるのですから、我が国として、その化学兵器三億ドルの検証に対して十分貢献する用意があるということが次に出てこなければいけない。それが三億ドルかどうかまだわかっておりませんよ。ですけれども、三億ドルならばそういうふうに言わなければならない。それから、今度は化学物質の拡散防止に対して我が国は賛成であると言わなければならない。それから、日本の御商売人たちに対して説得をする用意があるということを説明しなければならない。ブッシュさんが声明した途端に、日本の外務省と通産省がやらなければならぬことはそれだけあったのですね。ところが、何も言わない。そうするとどうするか。化学兵器を売りたくてうずうずしている日本人と、その後ろに潜む通産省と、それをいつも弁解する役の外務省というふうに思われてしまうではありませんか。いかがですか、この点について。
○堤政府委員 化学兵器プラントというような大量かつ非人道的な武器につきましては、我々も通常武器以上に問題点を強く感じておる点でございます。この化学兵器につきましては、元通産大臣でございました三塚大臣時代に、我々は三塚イニシアチブという言葉を申し上げまして、今回アメリカがやりました十一品目から五十品目に前駆剤物質を拡大するというような話は既に実は日本は実施済みでございまして、アメリカよりもずっと先に行っておって、今まで、アメリカを含めたオーストラリア・グループというのがございますが、その中ではこれは法規制に移行すべきではないかということで、むしろアメリカよりも先行しておった部分もあるわけでございます。 今回アメリカの考え方は、さらに前駆剤物質をつくる製造プラントあるいは化学兵器をつくるための汎用品というような分野に規制を広げていこうという考え方でございまして、基本的にはこれはオーストラリア・グループで今後討議されるということになると思いますけれども、我々としてはむしろ前向きな態度を示しておるわけでございます。 ただ、アメリカの方でも常に注意しておりますのは、汎用品なり製造プラントということになりますと、正当な権限のある輸出、通常な輸出を阻害することのないようにということは、アメリカの今回の発表の中にも、今までのアメリカ側の説明の中にも常に入っていることでございまして、日本の商社がそこだけを取り上げるのは委員のおっしゃるとおり問題だと私は思っておりますが、そういう注意すべき事項が入っておる点は、また単なる武器だけでなくて、汎用品まで広げていくという観点があるところは注意事項の一つであるとは思っております。しかし、全般としましては、これは我々としては化学兵器という非人道的なものに対しては前向きな対応をしていきたいと考えておる次第でございます。
○渡部(一)分科員 大臣、これは遠慮なく申し上げるわけだけれども、国務大臣として、もしそれほど日本が化学兵器の問題について、三塚イニシァでそこまでやったのだったら、日本は湾岸戦争が終わったときに発言すべきだったですね。自分の国だけはきちんとしていますよ、うちの中の掃除だけはできているのです、表はどんなに汚くてもいいのです、世界はだれのためにもない、うちは座敷の中だけ掃除しておけば、あとはごみの山でも結構なんだという精神はよくないのではないか。日本が今問われているのはそのポイントだと思うのです。だから、この問題については、むしろ日本から先に言って世界に対して働きかける。ああ、日本は戦後いろいろといいことを言ってくれるな、そして自分もやっているんだそうだ、立派だなあ、こういう記事を我々は外国の通信社を通して見たいと思うのですが、大臣、いかがですか。
○中尾国務大臣 先ほど来委員の言っておられることは全くそのとおりでございまして、これは日本が先に、自分自身は平和憲法を持っておるわけでございますから、それに対応、即応しながらその問題点をとらえ、なおかつその理念をむしろ輸出するくらいな気持ちでもっていかなければいかぬ、このように委員も言われておるわけでございましょう。私自身も全くそのとおりだと思っておりまして、国際的な平和と安全の確保のためには、国際的な軍備管理あるいはまた武器の移転の規制をすべきであるという議論がある一方、通常兵器の輸出規制につきましては、各国が自国の安全保障のために武器調達を行っていること、あるいは各地域における軍事バランスの確保といった複雑な要素が絡んでおりまして、多くの国々に消極的な対応が見られていることも事実であると私は思っておるわけです。 通常兵器の輸出規制を進めていくことにつきましては、これら各国の立場を十分に理解して、その懸念を払拭していくことがまず前提である。そのためには世界的な軍縮の推進、地域的な安全保障体制の確立等、武器の輸出を必要としない環境を構築するということがまずベースでなければならない。野放しの武器拡散を防止するためにも、透明性と公開性の増大を図ることも必要である。また、先ほど三塚イニシアの話が出ましたが、これも継承しながら、むしろ完全に前面に押し出していく精神こそが必要である、これも御指摘のとおりでございます。 政府としましては、厳格な武器輸出規制を実施する我が国の考え方につきましてはまず諸外国の理解を求めるとともに、国連の場で、その透明性や公開性の増大を図ることや各国による適切な管理の強化を図ることの必要性につきまして諸外国の理解を求めていく所存であることもつけ足して申し上げておきたいと思います。
○渡部(一)分科員 立派な御返事をいただいて恐縮なんですが、私がもう一つここのところで指摘をしておきたいのは、アメリカの軍需産業の軍需比率が極端に大きいことであります。例えば、日本の防衛庁調達額一位、二位の三菱重工、川崎重工でも二〇%にすぎない。ところが、八九年の軍需比率でいきますと、アメリカのグラマンですと七九%、マーチン・マリエッタというのは七五%、ロッキードが七四%、ゼネラル・ダイナミクスに至りますと軍需比率は全売り上げの八四%であります。これらの国々において軍需産業に対する政府支出が切り落とされた瞬間、ほとんど衝撃的な人員切り捨て、それから雇用の不安が発生するわけです。そうすると、ここのところで明らかに言わなければいけないのは、ゼネラル・ダイナミックスさんよ、今後減らしますから、少しずつ少しずつカットして小さい兵器に変えていきますよとか金額の低いのに変えていきますからとか、民需に切りかえる計画をお出しにならぬといけないんではないですかということをアメリカ政府が言わなければいけない。そして、アメリカ政府がそれを言うと同時に、民需について発展するための余地というか経過措置をとり続けなければいけない。通産省がいつもおやりになっている手がほとんど全部必要なんです。ところが、アメリカの方は自由競争だからといってそれをばっさり切り落として、レイオフだ、地域ではわっという大声が起こる、そうすると政治家がやってくる、今度の選挙までに私は戦車をこの地域に三百台つくれるようにいたしましょうという演説が、人の心をくすぐるというふうになってしまう。すると、これはアメリカの例だけでは悪いのですけれども、こういう軍縮の余波で軍縮でき切れない国々というのが先進諸国の方にあり過ぎる。この軍縮の余波を受け過ぎて、その衝撃が政治圧となってはね返りそうな国というのはいずれも先進軍需産業国家であり、いわゆる化学工業の上でも先進諸国である。その先進諸国が足並みをそろえて軍縮に抵抗を始めたら、軍縮できない状況にある。 だから、ここのところで大臣にぜひともお願いしたいのは、御研究の中で、日本政府は、軍需産業主体の先進諸国を民需産業主体にどうしたら切りかえられるか世界に呼びかけなければいけない。日本は、民需産業の方では威張っておるわけですけれども、だれもいなかったから大きく威張っておるわけであって、そこのところへわざわざ自分の損も顧みずにこっちへ、軍需産業国家を民需産業国家へと移動させるための提案をしなければいけない、それが国際的に認知されるというひどい面倒くさい手続を一つはやらなければいけないのじゃないか。 それから今度は、自分が軍需産業を抱けなくて、ともかくもらうか、それから売ってもらうかして、近隣の諸国からの不安、内政上の不安を抑圧しようという発展途上国を主力とする部隊、要するに国家予算の中で、日本からもらったODA以上の軍需品を買ってしまうような恐るべき経済的施策をとり続けている国家に対して、戦争しなくていいんだよという安心感を与えるための大きな外交政策が要るのではないかと思うのです。これがないと、一つずつの施策が全部ひっくり返ってしまう、何さわっても効果がない、逆に現況をむしろ固定化する。第一次大戦の後にロンドン条約とかパリ条約において五、五、三の比率で戦艦が縮小された、あるいは二〇、二〇、七の比率で巡洋艦が縮小されたとき、そして兵員が大幅に、半分というふうに荒っぽく削減されたときに、先進諸国、その条約に日本も含めて加盟したすべての国で失業者が増大して、そして先進軍需産業がつぶれて、そして大騒動になって、それが第二次大戦の方向へ向かって爆発した悲劇的な状況を考えますと、我が国の施策というものが自分の中だけに向いていてはまずいのではないか、こう思うわけです。この辺をひとつ御研究をぜひいただいた上で、日本のODAに対する発言も含めて、そして世界に対する軍縮提案をしていただきたい。しかもひどくわかりやすい形で何項目かにして言っていただきたい。そして日本は少なくとも平和を推進する国になるための御研究を、これはただの簡単な研究ではできないと思いますので、ぜひお願いしたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○中尾国務大臣 渡部委員は長い間外務委員会の大ベテランでいらっしゃって、私もともどもずっと席を同じゅうしたものですから、考え方は全く同じ考え方に立つということが私の前提で話を申し上げたいと思うのです。 おっしゃられるとおり、確かにアメリカでもそうでございますが、一つのコーカスグループといいましょうか、議会の中に族議員がおりまして、そういうようなところの圧力というものが一種の軍需産業等にも圧力を加えている、実際にこれは事実でございます。この点も加味いたしますと、その今の委員の御指摘されたような図式というものが当然出てくる。これはODAのことも触れられましたが、そのODA自体も、ODAで開発途上国に応援をするためにしたものがかえってあだになって返ってきて、それがまた軍事力拡大になってくるなんということになったらば、全く何のための外交であり何のための支援なのかということになりますので、こうした国際的な武器輸出の管理というものを強化していく過程の中にも、武器輸出国における軍需産業の民需産業への転換について仮に我が国に対し協力要請がなされる場合は、かかる転換が行われ、かつ軍需産業への再転換が行われないのであるならば、極めて意義のあることと考えられますので、我が国としても所要の協力を行うべきことである、こういう考え方をまずもって示していかなければいかぬと考えておる次第でございます。
○渡部(一)分科員 ありがとうございました。 それでは、時間が参りましたので、またにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○相沢主査 これにて渡部一郎君の質疑は終了いたしました。 次に、辻一彦君。
○辻(一)分科員 私、きょうは、北陸産地の繊維問題と美浜の原発の調査委員会、それから非立地市町村の要望点二、三点を質問したいと思います。 まず第一に繊維の問題ですが、北陸の繊維産地は、合化繊では今までも日本の輸出の大部分を占めておりました。それから産地としても、世界的にまた日本の産地であったと思っておりますが、この状態は今も余り変わらないのでありますが、内部を見ると、設備投資、こういう点で非常に変化が来ている。それは、大事な日本の繊維産地にとってやはり心配な点が一つあるのです。それをちょっと指摘をしたいのです。 一番代表的なのは、何といってもいわゆる自動織機、革新織機と言われるウオータージェットというのがありますが、それがどういう台数で設備をされておるのか、こういうことを見ますと、これは昭和六十二年末の数字をちょっと読み上げてみますと、北陸三県福井、石川、富山で二万四千九百台、それが平成二年末で二万四千五百九十七、これは逆に減っている方ですね。これはふえるだけがいいとは思わぬのですが、横ばいである。韓国は六十二年に一万三千九百五十が、九〇年度で、推定でありますが、二万二千五百、台湾は一万四千八百五十が、八九年度で一万八千というふうに推定される。全体の台数においても、いわゆる韓国、台湾が大きく追い上げてきておるのです。大事なのは、更新してから五年以内のいわゆる新しいウオータージェット、自動織機がどういう状況にあるかというと、これは六十二年末の数字でありますが、北陸三県では、五年以内のものは二九%。ところが韓国は四七・七%、台湾は六二・三%。これは六十二年末でありますから、その後の約三年の推移、これを見ると、この開きはもっと大きくなっているのじゃないか、こういう感じがするのです。 そこで、新しい優秀な織機が韓国や台湾にはどんどん割合がふえてくる。北陸産地は今なお世界的、日本的な産地ではあるけれども、中身を見ると、懸念すべき点がある、こういう点を考えた場合に、繊維の元締めである通産省としてどういうふうにこれを見ていらっしゃるか、まずお伺いいたしたいと思います。
○南学政府委員 御指摘のとおり、化合繊分野におきましても韓国、台湾等が新しい織機の大幅な新増設を図っておりまして、我が国を追い上げてきているというのは事実だろうと思います。 我が国繊維産業がこのような状況に対処しながら新しい発展の道を歩んでいくためには、私は二つ重要なことがあろうかと思います。第一は、国内の需要の高級化、多品種、少量、短サイクル化といった事態に対応をし得る供給体制を整備していくことでございます。第二は、さらに進んで繊維産業がみずから積極的に新しい商品を開発し、新しい需要をつくり出していくという、生活文化提案型産業へ脱皮していくということでございます。 このために、平成元年に、国会におきまして繊維工業構造改善臨時措置法を改正、延長していただきましたが、私どもは、この法律に基づきまして、今三つの政策を主として推進をしているところでございます。まず第一は、実需対応型補完連携、すなわちLPUという新しい構造改善事業の推進であります。第二は、繊維リソースセンターの整備でございます。第三は、繊維産業の情報化の推進でございます。 通産省としては、今後とも、この法律に基づきましてこのような施策を積極的に展開し、近隣NIES諸国にも負けないような新しい繊維産業の発展の道を見つけていきたい、このように考えております。
○辻(一)分科員 私も新繊維法の論議には、一昨年でしたか、参加をしていろいろな問題点を指摘をしておいたのです。まさに新繊維法は、こういう状況に対応するためにつくられたといいますか改正されたと思っております。 そこで、せっかくのこの新繊維法による構造改善の実施要領がかなり、我々も注文をつけてできる限り緩和をされておるのですが、なお産地としては十分乗っていくにはまだ条件が少し厳しい、もう少し緩和できないか、弾力的な運営ができないか、こういう要望が強いのです。 ちょっと例を挙げてみたいと思うのですが、今お話しのLPU、これは福井の産地ではまだグループとしては二件しか承認を受けていないのですね。ということはこれからだということですが、二グループという状況にすぎない。 そこでひとつ、例えば一つの例ですが、今まで取引があったグループがなければ、実績がないと認めないということですが、新しく、若い人で繊維に打ち込もうという人もまた出てきて、そういう中で、これから四件、五件、そういうグループをつくることができるならば、そういうのもひとつ拡大して認めていくというようにできないか。これは、そういう方向にあるということも聞いておりますが、確認をしたい。 それから二として、認可の期間がなお少し長い。これはかなり縮まったのですが、新しい少量、多品種の生産に取り組むには、申請してから今八カ月ぐらいなんですが、これをできる限り短縮してほしい。 そういうことが実現されると、産地としても新繊維法によるこの構造改善の実施要領に十分乗ってやっていけるという、いろいろな改善要求点があると思うのですが、それらを含めて、より弾力的な運営をひとつできないか、こういうことについてお尋ねしたい。
○南学政府委員 繊維産業の内外両面にわたる厳しい環境変化に対処していくためには、先ほど申し上げましたように、新しい構造改善事業計画を推進していくということが極めて重要だと私ども認識いたしておりまして、このために努力を重ねてきているわけでございます。 繊維業界におきましても、このLPUの形成に積極的に取り組んでいこうという姿勢が見られておりまして、これまでのところ十七件の構造改善事業計画を承認したところでございます。福井につきまして、先ほど委員から二件というお話がございましたが、現時点では三件でございます。 ところで、構造改善事業計画の承認基準につきまして、使いづらいというような御指摘でございますが、私ども、繊維産業の直面する厳しい状況にかんがみまして、今までも相当思い切った弾力化を行ってきたと思っております。 例えば、計画の実施主体の点でございますが、これまで、従来は繊維工業に属する事業、すなわち製造業と卸業に限られていたわけでございますが、現時点では、卸業のみならず小売業も含めまして販売の事業を行う者というように拡大をいたしております。それからまた、先ほどお話がありました取引の相手方の条件でございますが、従来は、相互に取引の過半を取引していることというようなことでございましたが、現時点では、将来的に相手方が最大の取引先となる予定というような緩和をいたしておりまして、基本的に先生の御指摘の方向で実施をしているところでございます。 また、承認に長い期間を要するというような点につきましては、我々といたしましても最大限努力をしてきておりまして、本省での処理期間は、今平均一カ月半ぐらいでございますが、これからも迅速な処理に最大限努力をしてまいりたいと思っております。
○辻(一)分科員 時間の点からきょうは多くを論議できませんが、ぜひそういう産地の声にできる限りこたえてもらいたいと思います。 もう一点は、今度登録制に一応窓をあげたわけなんですね。新規の参入者は自動的に登録が認められる、こういうことになったわけです。これは規制緩和という方向からいけば避けられない方向であると思うのですよ。 問題は、大きな力を持つメーカーが、言葉はどういう表現がいいかわかりませんが、これに悪乗りをしてやっていった場合に、自分の工場の中に新しい織機をどんどんふやしてやるということになると、輸送費は要らないしコストは安くなる。そうすると、せっかく育ってきた、長い歴史を持つ産地が非常な打撃を受け、場合によればつぶれかねない。既に、東レは、イギリスに二百四十億か二百五十億の投資によって北陸型の産地を形成しようとしている、こういう動きがある、それからユニチカは、フランスに百三十億ぐらいの投資を行って同様の産地形成、北陸産地に匹敵するようなものを今イギリスやフランスでつくろうとしているわけですね。こういうやり方をもし国内で、メーカーが力に任せてやれば、せっかくいろいろな技術、経験を蓄積してきた重要な産地が非常に打撃を受けて、場合によれば崩壊していく懸念もある。こういう点で、私はメーカーに対する適切な行政指導が必要ではないかと思いますが、時間の点から余り詳しくは言えませんが、ちょっと要点をお伺いしたい。
○南学政府委員 設備登録制につきましては、現状固定的な仕組みというのが企業の設備近代化あるいは構造改善を妨げているというような批判もありますし、また日米構造協議等においてもいろいろ問題にされたという状況にかんがみまして、今般も改善措置を講じたところでございます。例えば絹、人絹織物業につきましても設備新設の弾力化措置の実施、そしてまた複数登録制の導入を図ったわけでございますが、ただ通産省といたしましては、先生御指摘のとおり中小企業に対する悪影響というのを大変心配をしておりまして、繊維産業を営む中小企業の経営の安定に重大な悪影響を及ぼすことのないよう、これからも配慮していくということを方針といたしております。 また、主要な合繊メーカーからヒアリングをいたしましたが、国内において大規模な新規参入の計画は、今のところ聞いておりません。なお、改善措置を講じてから現在までのところ、現実に大企業の新規参入は一件もございません。万が一大企業の大幅な参入等により需給の混乱が生じた場合には、この弾力化措置の運用停止等を検討する方針でございます。
○辻(一)分科員 その点はひとつ大いに努力をしてほしいと思います。 それから、登録制によって各産地は穴があくことに大変不安を持っておったのですが、そういう論議の中で、通産の方も一緒に考えていきたい、そして穴があいてもいろいろな対策をともに考えていきたい、こういうような空気があったというように聞いておるのです。 今アンケートをいろいろまとめていらっしゃるという過程のようでありますが、ちょっと大筋だけ、これについてどう考えていらっしゃるか、伺いたいと思います。
○南学政府委員 設備登録制につきましては、先ほど申しましたようないろいろな内外の事情から、今後とも制度の漸進的な改善を図っていく必要があろうかと思います。ただ産地組合におきましても、こうしたことから中長期的に設備登録制に依存しない組合に脱皮していくことがこれから重要だと思っておるわけでございます。このため、私ども通産省といたしましては、関係業界と協力しながら、今それぞれ組合活性化委員会というのを設置いたしまして、今後の組合のあり方について検討をしているところでございます。まだ結論は出ておりませんが、当省としても、今後とも業界と協力しながら新しい組合のあり方について精力的に検討を進めてまいりたいと思っております。
○辻(一)分科員 今五工連に対してアンケート等によって調査中のようでありますから、そういう声が上がったらできる限りそれを取り入れて努力をいただきたいと思います。 繊維問題で最後の一点を伺いたいのです。 私はことしの正月に県の繊維業界の新年の集まりに出たのです。湾岸戦争の前という非常に緊迫した状況の中であったのですが、なかなか活気があった感じがしたのですね。これはどうも聞いてみると、長繊維といいますか、新合繊の開拓、産地の経験やそういうものが結びついて新しい開拓にかなり進んでいるというような感じがしたのですが、そこいらのことを考えますと、これからの日本の産地は、北陸に限らずに全国に有数な産地があるのですが、こういうメーカーと長年築き上げた主要な産地の歴史ある技術や経験というものを生かして、新しい繊維の開発、開拓を図っていくことが大変大事だと私は思うのですが、これについての所見を伺いたいと思います。
○中尾国務大臣 辻委員にお答えさせていただきます。 全くただいまの御指摘のとおりだというのを結論として申し上げてもいいぐらいに私は共感しているわけでございます。 北陸産地につきましては、新合繊の登場とその生産に必要な技術力等が産地に集積してまいりましたことから生産は順調に推移しておりまして、業況は比較的良好であると私どもも承知しておる次第でございます。通産省としましては、繊維産業が現下の厳しい状況を打開いたしまして新たな発展を実現していくためには、この北陸産地のように、技術力の向上と新商品の開発等が必要だと考えておりまして、各産地におきましてもこのようなことが実現できますように、まず第一点は、実需対応型供給体制、いわゆるLPUを構築するための構造改善事業並びにこれに対するところの産地組合等の支援事業の推進、また第二点としましては、繊維産業の商品企画機能あるいは情報収集発信機能の向上のための基盤施設たる繊維リソースセンターの整備等を積極果敢に進めていくべきことだな、このように考えておる次第でございます。 以上でございます。
○辻(一)分科員 限られた時間ですので、繊維問題はこの程度にとどめたいと思います。 次に、美浜の原発事故については予算の総括、一般等でも随分論議をしてきたわけでありますが、限られた時間でありますので、二点だけお尋ねしたい。 それは今、非立地の市町村、自治体が今回の経験にかんがみて安全協定の締結を強く求めております。一つは、二月二十二日に非立地の七つの市町村の町村長、それから市長、それから議会の長が集まって、一つは通報がなかったということは大変遺憾である、それからもう一つは立地市町村に準じて安全協定を結ぶべきである、こういうことを決議している。そして、この中身を私は代表からも聞いたのですが、今まで国のエネルギー政策に無条件に協力をしてきた、過去に敦賀の日本原電の放射能漏れ、あるいは三方等では梅にコバルトがあるというようなことが騒がれて非常に迷惑を受けたことがある、その中で非常に協力をしてきた、にもかかわらず今回のような状況はちょっと我慢できない、このままならばもうこれからは協力はできなくなる、こういうことを率直に言っておるのですね。私は、やはり原子力行政、エネルギー政策は地域の安定した協力、支持、理解がなければ長続きしない、こういう点でこの声は十分に聞かなくてはいかぬのじゃないか。そういう点で、安全協定をぜひ結びたいということで関電と県に強く申し入れをしておるのですね。 それから、三月四日でありますが、国会の我々科学の委員会として委員視察で関電に、現地に入りましたが、関電本社は質問に対して、安全協定については県の指導を得て市町村と相談したい、こういう姿勢を示しておる。 それから第三は、福井県の議会も県会の最終日に原発の安全確保を決議しまして、安全協定の法的な裏づけを求めている。非常に関心を持っている。 それから、三月十日に私は福井県の知事に対して所見を求めたところ、この点については県は関電と非立地市町村の仲を取り持って安全協定を結ぶよう努力したい、こういう所見を述べている。 私はこれらの状況を見たとき、法律的にも交付金等の場合には立地市町村に対して隣接市町村という項目があって、これによって準じた扱いがなされている。これらを考えた場合、この非立地近辺の市町村、自治体の声にこたえて安全協定を関電と結ぶように指導すべきではないか。既に全国で五カ所、北海道の泊あるいは浜岡等々非立地市町村が、近辺市町村が電力企業と安全協定を結んでいる例がある。これらの点から、過去の論議も踏まえて前進させることができないのか、この点についての所見をひとつ伺いたい。
○緒方政府委員 先生御指摘になりましたように、原子力発電を円滑にやっていく場合に地元の住民の方の御理解、信頼関係というものを築き上げていくというのが長続きをさせる何よりも不可欠なことでございまして、そういう意味で、その一助とするために安全協定を結んでいる例が多いわけでございます。 ところで、その安全協定をどういう範囲の市町村と結ぶのか、どういう内容の安全協定を結ぶのか、これは実は一概に決めがたいところもございまして、ここは電気事業者と地元自治体との間の交渉にゆだねていて、国が一律に何かガイドラインを示して指導するというようなことはちょっとなじまないのではないかなと従来思っていたところでございます。 いずれにしても、事の本質は先生御指摘になりましたように地元との信頼関係をどうやって築いていくかということでございまして、その場合の地元というのはもちろん立地市町村だけではなくて隣接のところも含めてそういう信頼関係というものを築いていかなければいけないわけでありますから、そういう地元の方々の理解、信頼が得られるような努力を電気事業者がすべきである、こういう意味での指導はもちろん私どもやらしていただいているところでございます。 なお、通報がなかった云々ということが今回問題になって、まあなかったこと自身非常に遺憾なケースがあったようでございますが、これについては会社側を指導いたしまして、例えば今回の美浜でありますれば敦賀市に対しては常識的に当然連絡すべきものと思いますので、これは早速是正をさせたところでございます。これは協定がなければ連絡ができないということでは決してございませんので、こういう通報については協定の締結の有無とはかかわりなしに、それはそれできちんと連絡をするように指導してまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○辻(一)分科員 通報の件はそういう努力が、改善策も具体的に今次とられておるということを承知しておりますからいいと思うのですが、安全協定は、県がせっかくそういう考えを持っておるのですから、県の考え方を後押しをする、こういう立場をとってもらえば具体的に結び得ると思うのですが、その点大臣踏み込んで、いかがでしょうか。
○緒方政府委員 原発の所在市町村の協議会の方々ともお会いしましたし、実は福井県の知事を初め関係の方々ときょう午後私お会いすることになっておりますので、いろいろ地元の御意見、御希望というものは私じっくり聞かせていただいて、その上で考えてまいりたいと思います。
○中尾国務大臣 私も今そのことについての実質的な報告もまだ受けておりませんものですから、これは十分に調査の結果を踏まえまして、そこで私も関連各位とともにこの判断を下したい、こう思っております。ありがとうございました。
○辻(一)分科員 二月二十五日の一般質問においても私はこれに触れて、大臣も通報問題は一応別としても前向きに考えていきたい、こういうような御発言もあったわけでありますので、それらをひとつ踏まえて県の努力、そして市町村の声を最大限聞けるようにこれから努力をいただきたいと思います。 最後にもう一点は、きょう福井の知事が上京してお会いするようでありますが、この福井県の議会が、さっき言いましたように、最終日に原子力の安全性確保に関する決議をして、その中で福井県の代表を通産省が設けた調査委員会の中に加えてもらいたい、こういう決議をしたのです。そして、それを持ってきょう知事が上京して通産省と科学技術庁に申し入れをしたい、こういうことを福井の方で知事も正式に記者会見をやって発表して、きょう来るという状況ですね。 そこで、自治体がいろいろ調査したりする権限があるのですが、法的に言うと独自の調査権、そういうものは必ずしも法律的な裏づけがあるわけじゃないのですから、県が独自に発電所の状況を調べようとしてもおのずと限界があるわけですね。したがって、今日の状況の中で、私は県の代表を、これは県で選べば一番いいと思うのですが、それを通産省の今設置する調査委員会の中に加えて、かねて論議をした公正、強力な人を外部からも加えてやっていく、そういう委員会にすればより信頼を集め得るし、それからまた、地元の福井県も、現地調査に限界があってもこの委員会を通して正確な理解ができれば、私は地元の信頼を深めていくためにも大変いいのではないか、こういう点でぜひ福井県の代表を調査委員会に加えるべきであると思いますが、いかがですか。
○緒方政府委員 美浜の事故の原因の徹底究明というために、私ども専門的、技術的検討を行うために調査特別委員会を設置したのは先生御指摘のとおりでございます。この調査特別委員会は、その目的のために、委員としてはそれぞれの関連技術分野の専門家、例えば金属材料でありますとか、非破壊検査の専門家であるとか、原子炉工学、放射線とかいう技術の専門分野の方々を十八名お集まりいただいて、そこで専門家の専門的な知見を伺いながら通産省として徹底した原因究明を行っていく、こういう進め方をしているわけでございます。 そこで、地元を代表する方に入っていただいてという構成になっていないものですから、私どもそういう技術の専門分野の方にお集まりいただいて検討しているわけでございますが、いずれにいたしましても、地元を初め国民の方々の信頼が得られるような公正な調査を行いまして公正な判断をしていくために、節目節目で地元も含めまして情報を提供しながら、徹底的な原因の究明というものを図ってまいりたいと考えているわけでございます。 なお、先生が御指摘になりました地元に対するより詳細な情報の提供、公正な判断というような点については、専門調査会に代表にお入りいただくという形ではなくて、むしろ現実には、これは御案内と思いますが、福井県には福井県安全管理協議会というものが県の主導のもとに設置をされておりまして、明日開催されることになっております。これには、県からの御要請もございましたので私ども資源エネルギー庁の担当の課長を派遣をして、これまでに判明しておりますいろいろな今回の事象の原因等についてできる限りの御説明をし、地元の御要望などを承ってくるというようなことをやることにいたしておりまして、むしろそういう形で地元の皆様方に対する情報の提供というものはしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○辻(一)分科員 ちょっと一、二分超過しますが、御理解いただきたいと思います。 二月十二日に私は、予算の総括質問において総理並びに通産大臣の見解をただしましたが、そのときに総理も通産大臣もいずれも、徹底した調査をやるということが非常に大事だと共通の認識を示されたわけです。そこで私は、航空機事故調査委員会に匹敵するようなしっかりしたものをつくり、公正、強力なメンバーを外部からも入れてやるべきじゃないか、こういう質問に対して大臣は、いろいろお話がありましたが、要は、人事は決して偏っていないと思うけれども、確かに委員の指摘もあるので、こういう点も踏まえて十分作業を行ってまいりたい、こういう御発言であります。私はやはり、今言ったそういう大臣の答弁の趣旨を生かすためにも、これは福井からせっかくこうして――先ほど申し上げました、自治体としての権限が実質的にはなかなか電力企業に及ばないという状況の中で、ぜひこの委員会に参加をしていきたいという声は受け入れていくということが公正、強力な方向になるのではないかと思いますが、これはもう長官の意見はわかりましたから、大臣の見解を伺いたい。
○中尾国務大臣 前段の方の見解でありますが、予算委員会でも私も十分に記憶しておりますけれども、総理ともども同答弁をしておりますが、これはあくまでも、今問いただしましたが、各官庁で横の連絡をとり合いながら、そして私のところに報告を持ってくる運びになっているようでございます。したがいまして、これは十分に委員の御指摘を充足するような形で私も報告をさせていただきたいと思っておりますが、後段の方の委員の件につきましても、それも含めましてさらにまた検討を行ってみたいものだ、こう思っておりますので、ひとつ時間的な余裕を与えていただければありがたいと思っております。
○辻(一)分科員 これで終わりますが、検討ということですから十分ひとつ内部で御検討いただいて、せっかくの自治体の声を生かしていただくようにお願いしたいと思います。終わります。
○相沢主査 これにて辻一彦君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時九分休憩 ────◇───── 午後一時開議
○金子(一)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 通商産業省所管について質疑を続行いたします。金子徳之介君。
○金子(徳)分科員 私は、我が国の繊維業界、服飾も含めてのアパレル業界、とりわけニット業界、絹業界等もあるわけですが、ニット業界を中心に若干のお伺いをいたしたいと思います。 アパレル産業というものは素材産業とも言われておるわけでありますが、非常に底辺層の広い、そしてまた国民の多様なニーズにこたえていかなければならない、そうしたきめの細かい生産体制と流通体制をとらなければならない業界であるわけであります。とりわけ最近では、非常に多様化、そしてまた個性化、この傾向が消費需要の中で強く見られるようになったことは御承知のとおりでございます。そうした中で、生産体制としては小ロット・短サイクル、そしてまた高級・多品目化ということの影響が非常に強く見られておりまして、とりわけニット業界については、文字どおり日本の場合は高級化をしないとやっていけないというような状況でございます。 また一方、経営構造の中でいろいろ隘路も出てまいりました。やはり労働力の不足、非常に景気のいい企業に地場企業のような繊維産業の場合はどんどん吸収されていく、賃金格差もある、労働条件も非常に不安定だというようなこともあるかと思います。そうした中で、後継者も不足しておる、そういう現況であるわけであります。 しかし、ニット業界では付加価値の高いものをこれから一生懸命つくっていこうと努力をいたしておるところでございまして、そこの中で湾岸戦争のような中東問題も発生しましたし、いろいろありましたが、何といっても通産省御当局が我が国の経済を支える適切な力として中小企業対策というものをしっかりとやってこられたことに、まず私は心から敬意を表したいと存じます。 とりわけG5、これは円高不況が始まった時点でございますが、それぞれ英知を絞って執行されました産振法、私も産振法の中で、このニット関係を市場調査するためにヨーロッパからアメリカまで、産地の二世を引っ張りまして団長として見て歩きました。プレミエール・ビジョン・ショー、これは七年前だったと思いますが、パリへ行ってきたわけでありますが、非常にこの産振法の役割というものは大きかったと思います。また、引き続いて特定地域中小企業対策臨時措置法というものをいち早く継続してつくられ、これも時限立法でありますから平成三年で切れるわけでありまして、この役割もまた大きかったわけでございます。また、そうしたことで、この切れる前の、オーバーラップしながら今度は新しい政策もつくられていくというようなことで、まことに時宜を得たそれぞれの対策、私はそういった意味では、非常に高くそれぞれの事業の執行の適切さということについて感謝をいたしておりますし、とりわけ期待されるのは地域産業創造基盤整備事業、こういったものがそれぞれつくられてきておるということについては、産地イコール自分自身であるぐらいに考えておるだけに、感謝をいたしております。 ところで、新しい情勢としては、ガット・ウルグアイ・ラウンドの中で十年後の完全自由化や、MFAの廃止の問題が出てきておりまして、これから国際経済社会の中で自由競争市場に打ちかっていこう、産地づくりをやっていこう、そういった若い後継者たちにちょっと水をかけるいろいろな要件というものが出てきているわけであります。 まず伺いたいのは、一昨年、韓国から日本へ横編みセーターの輸入が集中豪雨的にありました。一年に一億六千万枚も入ってきたこともございました。韓国から国民一人一枚ずつセーターを買わなければいけないぐらいの量が入ってきて、非常にオーバーフローしてしまった、市況が低迷したという実態もあったわけでございます。これは、日本側のニット工連等の関係団体が中心になってダンピング提訴をいたしましたが、御承知のとおり幸いに政治的な御配慮をいただいて、韓国側の自主規制ということで結論を見たところは本当に評価をいたしたいと思っているわけでございます。 実際、最近のニットの輸入状況を見ますと、現在は低迷状況にちょうど入ってきたようであります。八五年から五年ぶりに、増加の一途をたどっておった特に横編みのセーター類で申し上げますと、韓国が二八・六%減、台湾も二九・一%減、香港が三七・四%減ということで、輸入の状況が大きく落ち込んできたわけであります。業界で言っておりますのは、九〇年はいわば踊り場の年であって、九一年はこれからどうなるのだろうかという心配もいたしているわけでありますが、不況になりますと、どちらかというとニット業界というのは今まで活況であっただけに、海外のこれらの集中豪雨的な輸入というものが今後我が国のニット業界にどのように影響してくるのか、あるいは布帛も入れたこのアパレル業界にどんな新興工業地域、NIESからの影響が出るか、あるいは発展途上国からの影響が出るかということをどのように確認しておられるか、まず伺いたいと思います。
○南学政府委員 NIESからのニットの外衣の我が国の輸入の動向でありますが、先生御指摘のとおり、過去趨勢的に増加傾向をたどってきておりますが、平成元年におきましては対前年比八・一%減、それからまた平成二年におきましては対前年比二二%減と、現在のところ落ちついた状況に相なっております。 この原因が何であるかにつきまして幾つか理由が挙げられると思いますが、まず第一は、例えば韓国における労働賃金の上昇、ウォン高等によって韓国のニット製外衣が相対的に競争力を失ってきたのじゃないかということが一点でございます。第二点が、我が国の消費者の嗜好が高級品を望み、あるいは多様化しているというようなことで、韓国製品がそれになかなか追いついていけない、こうした構造的な要因もあるのではないかと思います。 しかし、中長期的に見ますと近隣の発展途上国からの繊維の輸入というのはふえていくことは否めないと思いますので、私どもといたしましては、何といっても我が国の繊維産業が足腰の強い繊維産業に発展していくようにしなければならない、このようなことで、今、LPUの形成であるとか、あるいは繊維リソースセンターの整備であるとか、さらにはファッション化、いろいろな施策を積極果敢に展開しているところであります。
○金子(徳)分科員 現状認識として極めて厳しい予測も入れてそれぞれ対応されておられるようでありますから、どうか、これからもそういった観点も幅広く含めての対応をいただきたいと思います。 次に、仄聞の域といいますか、自由民主党の繊維対策特別委員会の中でもちょっと話題になったわけでありますけれども、ガット・ウルグアイ・ラウンドの中でマルチ・ファイバー・アレンジメントの廃止、それから十年後には完全自由化というようなことが話題になり、また、検討をされる、そうしたテーブルに着かざるを得ないという状況の報告を伺ったわけでありますが、これについて、今後どのような対応、対処をしていくか、これも先ほどのお答えと非常に関連いたしているわけでありますが、総体的な流れとして伺っておきたいと思います。
○南学政府委員 御指摘のとおり、世界の繊維貿易は、昭和四十九年から長い間MFAという特別の国際貿易のルールのもとで実施されてきておりまして、ガットの一般原則の適用から除外されてまいりました。今回のウルグアイ・ラウンドにおきましては、この繊維貿易をガットの一般ルールのもとに戻すべきだという発展途上国からの強い要請に基づきまして、昨年、精力的な交渉がジュネーブの場を中心に行われたわけでございます。残念ながら、昨年十二月初めのブラッセルの閣僚会合においては結論を見るに至りませんでしたが、引き続き交渉再開ということで、これからまたこのMFAの今後のあり方についての交渉が行われていくわけであります。 昨年末までの交渉の結果、大体十年程度の期間を置きまして、今のMFAを廃止しまして繊維貿易もガットの一般ルールに移そうという意見が今大勢となっておりまして、これをもとにまた議論が展開されるわけでございますが、こうした方向は、世界の繊維貿易の発展、発展途上国の経済の発展等を考えますと、我が国として望ましい方向ではないか、こんなふうに思い、我々として、この繊維交渉グループの妥結に向けて、発展途上国と先進国の橋渡し役を務めながら臨んでいくつもりでございます。
○金子(徳)分科員 抜かざる宝刀MFAと言われたわけですが、あれがあることによってまた保護された面もありますし、今御答弁のありましたその方向は、私も間違いではないと思っております。今後の全般的なそうした動きの中でのウルグアイ・ラウンドというものを、どうか力を入れてお願いをしたいと存じます。 次に、ちょっと具体的な例を申し上げて大変面映ゆいわけでありますが、私はニットの福島産地出身でございまして、しかも、今年まで施行されております特定地域中小企業対策臨時措置法の中で、最終年次になったわけでありますが、昭和六十二年六月九日に第三次の指定を受けている地域であります。川俣、飯野の羽二重産地、これは絹業関係でございます。それから保原、梁川がニット関係。 福島産地というのは、ニットでは大体この福島東部地区に集中いたしておりまして、多いときで工業出荷額で約五百億まで行ったときがありますが、今は低迷しておりまして、約二百五十億程度に落ち込んでいるわけであります。しかし、この制度は大変よろしかったという実績を得ているわけでありまして、私も田舎の首長をやっておりまして、このニット産業におんぶしている底辺の広さ、二万五千の町ですけれども、そこの中でニット関連の住民が幾らいるか数えてみましたら、何とそれの四〇%強というような下請の底辺層を持っているわけであります。 そういったことで、この業界が不況になりますと大変なことになる、どうしても新鮮な産地としてこの業界を守っていく必要があるというふうに見ておるわけでございます。この新分野進出事業によって新しい商品開発に積極的に取り組んでおるところでありますが、とにかくこの措置法が平成三年で終わるわけでありますから、それとオーバーラップして二年前からやっております新しい対策、いわば地域産業創造基盤整備事業と平成三年度からの地域中小企業創造力形成事業という、そうした御朱印をぜひちょうだいいたしたいと思いますけれども、これについて、この新しい新センター的な形のものの内容、それから、これからどのように指定をし、それを拡大していくのか、あるいはどのような形で終わるものか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 今先生から御指摘いただきましたように、特定地域対策は、昭和六十年秋以降の急激な円高に対処いたしまして、特定地域で著しく疲弊しておる中小企業対策ということで特定地域中小企業対策臨時措置法というのをいち早く制定いたしまして、各種の対策を講じてきたわけでございます。 今御指摘のありました福島県の伊達東地域でございますが、ニット業界が業界一丸となって厳しい経済環境に対処いたしまして、新商品、新技術の開発等の新分野進出事業に極めて精力的に取り組んでおられたということは私どもよく承知いたしておりまして、福島県ニット工業組合が昭和六十三年度から平成二年度まで三年間にわたって複合糸を利用した新素材の開発等々、大変意欲的な事業を展開された、これを我々もサポートさせていただいたわけでございます。 今御指摘いただきましたように、この臨時措置法は本年十二月で期限が到来することになっておりまして、ほぼ円高が始まる前の状況を上回るような景気の回復を全国的にいたしたわけでございます。したがいまして、特段の情勢の変化がない限り、期限切れと同時にこの施策はなくなるわけでございます。法律はなくなるわけでございますが、我々といたしましては、それらの地域において今申し上げましたように非常に意欲的な、新産業、新事業開発のために中小企業の皆さんが御努力されておられるわけでございますから、これに対しましては、意欲的な中小企業の組合と産地に対して引き続き積極的な支援をしていきたいということで、現在御審議いただいております平成三年度予算に、地域中小企業創造力形成事業という思い切った地域の中小企業の活性化のための予算を組んだわけでございます。この予算と平成元年度からの地域産業創造基盤整備事業を、平成三年度には、今申し上げましたような意欲的な新技術開発あるいは新素材開発あるいは商品化等々の事業を行う地元中小企業に対しましては、実情をよくお伺いいたしました上で引き続き全面的なサポートをしていきたい、かように考えておるわけでございます。
○金子(徳)分科員 大変力強い御答弁をいただきましたが、現在、今まで行われておる地域産業創造基盤整備事業と地域中小企業創造力形成事業で、既にどれぐらい指定されておるのか、そして、新しく指定する予定など、もし御予定されておる、計画化の中に要望として出ておる、そうしたことがあればお聞かせいただきたいと思います。
○渡辺(修)政府委員 現在御審議いただいておる平成三年度予算の中身でございまして、これは予算が成立し次第、この地域中小企業創造力形成事業で対処していきたいと考えておりまして、現在、おおよそ十四億円ぐらいの予算規模を考えております。それで、地域的には、まだ具体的にはこれからの問題でございますけれども、相当数の地域を拾えるのではないか、かように考えておるところでございます。 また、地域産業創造基盤整備事業については、およそ六億円ぐらいの予算規模を考えております。
○金子(徳)分科員 単年度で国が一カ所五千万ぐらいずつというような内容の、前の基盤整備事業のあれが出てきましたが、二年間継続事業をしますと一億限度ぐらい。そうしますと、六億といいますと十二カ所分があるのかなというふうに思ったわけでありますけれども、私、もし混乱しているとすれば後でその資料等をいただきたいと思うわけであります。 どうかこういったものについては、特にアパレル産業というものはファッショントレンドをつくっていかなければならない、そうした情報発信を、産地でもって今までの伝統の上につくっていかなければならない。そうでないと近代化はあり得ない。従来どおりの伝統工芸の域の中に閉じこもったのでは、産地間競争の名のもとに大手にどんどん市場が占有されてしまうというか、私が一番心配しておるのは、このアパレル業界全体の今までの歴史からいって、ニットのようなものはこうした形で残ったわけでありますけれども、絹業関係ではもう既に機を、生産調整のために金を、補助金を出しながら壊しているという、まことに悲しい現実があるわけです。自助努力ではもう既に限界に来ておるような現況でございます。 そうした意味で、リソースセンターについて伺っておきたいわけでありますけれども、これの存在は非常に大きい。伺うところによりますと、既に大阪、そしてまた東京では今度墨田の方でこれが建てられる。また、愛媛の今治、静岡の浜松、これが決定しておる。そしてまた山形産地でも、これは繊維関係として名のりを上げているというようなことも伺っておるわけであります。この配置の条件とでもいいますか、これに伴って今後その予定の場所等を、もし差し支えなければ教えていただきたい。年次的にどのようになっているかということをまずお伺いしたいと思います。
○南学政府委員 我が国の繊維需要の多品種・少量・短サイクル化等に対応して繊維産業が発展していくためには、やはり先生御指摘の情報収集機能、情報発信機能、商品企画力等を飛躍的に高めていく必要があるだろう、このような認識に基づきまして、こうした機能のための基盤施設といたしまして、平成元年度から繊維リソースセンターの整備を進めてきておるわけであります。 これまでのところ、四カ所の設置についての支援を政府として決定いたしたわけでありまして、現在検討中のところというのは、まず第一に東京都墨田区が設置の方向で鋭意検討を進めております。そのほか、先生御指摘の山形あるいは一宮、岐阜、福井、京都、こういったところで、その土地の繊維業界が中心となっていろいろ検討を進めているところでございます。どのようなテンポでこれが具体化するかというのは、各地における検討状況にも関連いたしますので、今のところ何とも申し上げるわけにいきませんが、大体一年間三カ所程度設置する方向で我々は考えているということを申し上げておきたいと思います。
○金子(徳)分科員 時間がなくなりましたので一部要望にとどめたいと思いますが、ニットなどの地場産業の新商品の開発あるいはデザイン開発の能力の向上等を図るためには、どうしても地域産業創造基盤整備事業や地域中小企業創造力形成事業により応援をしていただくほかないわけでありまして、どうかこれの充実を図っていただきたいし、また予算化については、こういう地場産業育成のためには総力を挙げて当然やるべきだと思いますし、ぜひお願いをいたしたいわけであります。 最後に、私が大変尊敬をしております中尾通産大臣にお伺いをいたしたいと思うわけでありますが、こういう国際経済時代に入りまして、最近の流れというものが、ここのところ、今まで独立して一貫生産をしておった、ニット関係で申しますと製販業者と私ども言っておるわけです。年間工業出荷額で、全国レベルでもそんなに大きいものはないわけでありますが、私どもの方では、大きいもので約六十億程度であります。特定した名前を挙げますと一千億、あるいはアパレル全般で数千億という会社も多数あるわけでありますけれども、地方の地場産では五、六十億というのが限度でありまして、あとは大体三億から七億、十二億、これらの細々とした工業出荷額を上げている中小企業が非常に多いわけであります。 これが最近は、受注が急速に減っている。減ると同時に、素材産業でありますから、中東湾岸戦争が出た途端に、例えば高級品化のために入れておったカシミアとかあるいはアンゴラとか、そういったいろいろな素材が非常に値上がりしたということは御承知のとおりだと思います。そうした中で、やはり大手商社、いわば流通の方が優先して、そして製販業者は、先ほど御答弁ありましたが、それぞれ小ロット生産ということで、枚数まで規制されて原料をよこされて細々と下請をするというような現況、下請化の傾向というものが非常に強くなってきておる。これからの産地づくりというものは、どうしたってみずからの手で、その伝統の力を利用しながらファッションを創造していく時代でありますから、そういう地域のアイデンティティーといいますか、個性を生かした活動を活発化することで後継者育成にもつながってまいります。 そうしたことで伺っておきたいのは、そしてまたお願いをいたしたいのは、もう新しい、近代化するためのあらゆる手だてをやっていただいておりますので、消費需要の方が川下とすれば、川上の方の製造業者の方をいま少し尊重していただく政策が出ないかなという考え方を私自身はいたしているわけであります。したがいまして、急速な下請化というものは地方にとってはひずみを残すのみでありますので、これを是正するためにも、こうした情報化社会でありますから、こういうリソースセンターや各般のあらゆる事業を利用していただいて育成をしていただく、そしてどうか流通優先でない、製造業にひとつ目を向けた形の、それぞれの個性を生かした産地づくりにぜひ御指導を賜りたいというふうに考えております。この点につきまして大臣からお言葉を賜りますならば幸いに存じます。
○中尾国務大臣 私とは長い間といいましょうか、ちょうど委員が、ある意味においては縁の最も深うございました亀岡高夫先生、蚕糸問題でございましても、このような問題でございましても、亀岡先生が会長、私が幹事長という立場で二十年近くやっておりましたものですから、何とも縁の深きことを今さらながら感ずるわけでございます。その後継者というよりはむしろ実質的な遺志を継ぐ、衣鉢を継ぐその御精神でおやりになっているお姿は、今もずっといろいろとお教えをなさっている中に盛り上がるものを感ずるわけでございまして、心から敬意を表する次第でございます。 ニット産業というものは実は私の県にも存在するわけでございますが、一層発展するためには内需の高級化あるいはまた多品種・少量・短サイクル化に対応し得る供給体制、はっきり申し上げて、実需対応型補完連携、いわゆる先ほど申し上げているLPUを構築するということとともに、さらに進んでは、みずから情報発信を行うことによりましてファッション化を進めていくことこそが肝要であると考えておる次第でございます。近年幾つかの産地においてもこのような意欲的な取り組みが見られるわけでございまして、デザイン、ファッションその他のことがおくれをとるばかりに、非常に品がよくても、ある意味においては欧米、特に欧州社会から見ると格安になってしまうというようなこともあり得るわけでございます。そういう中にありまして、さらに先ほど委員御指摘の、下請にそのまま甘んじてしまって本当に大企業のしわ寄せだけを受けてしまう、このような形になっては発展の可能性もありません。 そういう中にあって、通産省としましては、かかる意欲的な取り組みを支援するために、まず第一には、実需対応型供給体制を構築するための構造改善事業等の推進、第二番目といたしましては、繊維産業の商品企画機能あるいは情報収集発信機能の向上のための基盤施設たる繊維リソースセンターの整備、それから第三点としましては、繊維産業のファッション化を担う人材を育成するための財団法人ファッション産業人材育成機構の設立等を積極的に、その旨を体しまして進めてまいる所存であるということを申し上げておきたいと思う次第でございます。
○金子(徳)分科員 まことにありがとうございました。 終わります。
○金子(一)主査代理 これにて金子徳之介君の質疑は終了いたしました。 次に、永井孝信君。
○永井分科員 冒頭に、随分以前のことになりますけれども、同和対策という問題についてその基本的な取り組みがどうなっているかということをお尋ねしてみたいと思うわけであります。 御案内のように、同対審の答申が出ましてから四分の一世紀が経過をしているわけでありますが、いまだにこの部落差別という問題はほとんど現実的には解消していない、こういう状態に置かれていることは大臣も御承知だと思うのですが、まず、マクロの意味で御認識をお伺いしたいと思います。
○中尾国務大臣 一九七五年すなわち昭和五十年以降、政府としましては一九八五年十一月に同和地区の一万世帯を対象に実態把握を行っておりまして、これを踏まえまして六十一年十二月に地対協意見具申が出されております。これに沿って政府は六十二年三月地対財特法を制定いたしまして、地域改善対策に係る特定事業を実施してきたところでございますが、対象地域の産業そのものは中小零細企業が大宗を占めております。それで、経営基盤が脆弱であるということから、当省としましては、産業の振興を通じまして対象地域の経済力の涵養を図るために、対象地域の中小企業の実態に即した経営の合理化、設備の近代化、技術の向上等を促進するための施策をこれまでも講じてきたところでございます。 これらの事業の実施につきましては、これまで毎年各府県市からのヒアリング及び現地視察等を行いまして対象地域の実情を把握しながら、適宜事業内容を見直しながら、事業実施に必要な予算の確保あるいはまた事業実施に努めてきたところではございますが、一般地域の産業との格差改善に寄与しているものと、私どもはそれによって目的意識を持ち、また行動もしておるということを申し上げておきたいと思います。
○永井分科員 大臣、恐縮ですが、私が質問しましたのは、同対審の答申が出されて二十五年も経過してきた、全体的に差別が解消したと思うのか、差別は依然として残っているのか、マクロ的にその認識を伺いたいということを伺ったわけでありまして、そのことは触れられなかったわけですね。今大臣がお答えになったようなことは具体的にはこれから聞きますから、政治家として、閣僚としてどう認識されているかということを一言で答えていただければいいのです。
○中尾国務大臣 これは全く二十五年間放置されたということになりますと、ちょうど私自身の政治生活の年数と全く同じでございまして、その間放置されておったということになりますと問題意識はいやが上にも高まらなければいかぬ、私自身もきょうはそのような場としてじっくり話し合いをさせていただきたい、こう思っております。
○永井分科員 政府もいろいろな施策を講じてきました。国会でも対応してまいりました。しかし余りにも不十分過ぎて、いろいろな面でかなり予算を使ってきたわけでありますが、現実的には差別という問題はなくなっていない。残念なことでありますけれども、なくなっていない。その認識が共通の土俵に立てるのであれば、その共通の土俵に立ってこれからどうするのかということになってまいりますので、そのことをお聞きしたわけでありますが、大臣としても必ずしも差別がなくなったとは言っていらっしゃらないので、差別が依然として存在をするという前提で、大臣もそう認識をされておるという共通の認識の上に立って私はお尋ねをしていきたいと思うわけであります。 同対審の答申が出る前、この同対審の産業・職業部会報告というのが一九六〇年五月に出ています。今からもうざっと三十年になるわけですね。そのときに、今の同和対策事業を初めとしていろいろな法律で対応してきたのでありますが、そのことの根本的な問題になる点をこのときにきちっと整理をして部会報告がされています。釈迦に説法になるかもしれませんが、ちょっと簡単に御紹介申し上げますと、最前もちょっと大臣が触れられましたけれども、「部落の企業は全体として、わが国中小企業の最下層を形成する零細企業である。」こう指摘しています。たくさん項目がありますから全部紹介することは避けておきますが、「部落の中小企業は零細な自己資金によるものが大部分であるが、金融機関の潜在的差別観念と信用程度や担保能力が弱いため市中銀行からの融資を受けがたく、公共金融機関の利用度もきわめて低い。」こういうことも指摘をしています。あるいは「会社・組合の経営はきわめて少なく、個人経営が圧倒的に多い。」「前近代的な問屋制も残っており、固定した店舗を持たない行商人や露店商人が多い。」こういう項目を幾つか当時指摘をしているわけです。その指摘をした上で同対審の答申が出されました。 その同対審の答申は、この「通商産業省の事業」という資料を見ましても、このように受けていますね。同対審答申が「まさに、我が国産業経済の二重構造の最底辺を形成している」ということを前提に述べて、「社会開発と経済開発を並行的に行い、地区を近代的に整備する。」「地区内の停滞的過剰人口を近代産業部門に就労せしめる。」三つ目には「地区の経済開発は特別の配慮をもって行い、実態を把握して特別の助成等により育成すべきである。」このように同対審の答申は具体的にこれを受けて報告をしているわけです。これに基づいて通商産業省の対応策がずっと並べられて、現在の地対財特法に至るまでそれなりの対応をしてこられたと私は思うのですね。ところが、現実はどうなのか、冒頭に大臣触れられましたけれども、そのことが明らかに評価できるような成果を上げているかどうか、このことをお伺いしたいと思うのであります。
○西川政府委員 三たびにわたります特別措置法に基づきまして、いろいろな諸施策を推進してきたわけでございます。現在、依然として地域産業は中小零細企業が大宗を占めております。また、経営基盤も脆弱だという実態は残っておると思いますけれども、この間なされました諸施策によりまして、やはり一定の成果は出ているのではないかと私ども思っております。先ほど御指摘の社会開発あるいは職業訓練に関連するような事項もございました。こういうものはほかの省庁におきます御努力もございまして、そういう面でも一定の成果が出ているのではないかと私どもは考えておるわけでございます。
○永井分科員 中小企業庁が六十一年の九月に出しました「昭和六十年度地域啓発等実態把握調査結果について」というのがございます。これで見ますと、これは中小企業庁が出したものですから、中身は先刻御承知でありますから御紹介しませんけれども、そこのポイントだけについて言いますと、「企業規模」というのは昭和六十年度の調査において「全ての業種において、対象地域内の企業は零細である。」中小企業庁がそういうふうに整理をされていらっしゃるわけです。あるいは「事業後継者の有無」という問題については、「後継者問題においては、対象地域の企業に問題が大きい。」こういうふうにまとめていらっしゃいます。あるいは事業の、いわゆる部落産業ですね、部落産業と言われている産業でありますが、その「事業の継続意志」については「対象地域内の企業は、全地域に比し、廃業したいと答えた企業の比率が高い。」このように中小企業庁は言われているわけです。そのほかにもいろいろな問題がありますが、主としてこの三つを今改めて私の方から御指摘申し上げました。 今御答弁があったように、それなりに第三次にわたる特別措置法で大変な予算も使ってきたことは事実ですし、これで一定の成果がなかったとしたら、これはもう論外ですね。だから、一定の成果があったということは当たり前のことなんですが、その一定の成果というものが実際に差別の解消に役立っているだろうか、このことをやはり率直に私は問題の検証をしてもらいたいと思うので す。 例えば、皮革関連産業や再生資源業あるいは食肉業といったような産業は部落産業の代表のように言われてきたわけですね。これは何も好んでそういう産業を部落に定着させてきたのではなくて、そこにはもう長い歴史を持つ差別意識、あるいは現実的な差別問題からそういう仕事しか与えてもらえなかったと言っても過言ではないと思うのです、長い歴史の中で。そして通産省の言葉で言うと停滞的過剰人口と言うのですが、その停滞的過剰人口を利用してこれらの産業は成り立ってきた。そしてその産業は、今言ったように一人親方であったり内職であったり家内工業であったり、そういう生業的な零細企業が中小企業庁の調査でも明らかなように大部分を占めているわけでありますから、その産業自体が地域ぐるみの産業になっているわけですね。いわば部落産業と言われてきた産業が地域全体の経済基盤になっている。このことは現実に否定しがたいわけです。 ところが、今やその経済基盤も逆に崩されようとしている。例えば皮革関連産業でいいますと、いろいろな大企業がそういう産業に介入をしてきて、私の地元もそうでありますが、大変大きな皮革産業地帯であります。その皮革産業地帯で、今までその地域における産業が受け持っておった産業の分野のほとんどを大企業が資本力に物を言わせて手をつける。そして残されたのは何かというと、大臣、その皮革産業の中でも最もだれしもが嫌がる仕事だけが部落産業と言われている産業に残されてきた。これで地域がよくなるわけがないのですよ。大企業が乗り込んでくる。資本力に物を言わせる。それに零細企業が太刀打ちできるわけがないのであって、そこに太刀打ちできるようなそういう援助の手を行政としてきちっと加えていくことが本来のあり方ではなかろうかと思うのですが、そういう問題について大臣、どのように御認識されますか。 〔金子(一)主査代理退席、石田(祝)主査代理着席〕
○中尾国務大臣 委員の今のお言葉どおり、確かにそういう形でいい仕事といいましょうか、きれいな仕事というとおかしいのですが、そういう仕事というものは大企業が入ってしまって、残された仕事だけがそういう形で取り残されていく形で残存するということになりますれば、それだけでももう十分大きな問題を抱えておりますが、それがなおかつ圧縮された形において、営んでいくことさえも困難になってくるということになりますと、財政措置だけでは片づき得ないような問題さえもあるわけでございますから、これは問題と言わざるを得ません。これはもう率直にそう思います。
○永井分科員 ところで、そういう部落産業と言われている産業の実態を、私の承知しているところでは総理府が主として調査をしてきているのですが、一九七五年に全国的な実態調査をしてから実施をしていないのですね。事前に通産省にそのことを調べておくように私は言っておいたのでありますが、一九七五年の実態調査をした以降実施をしていない。その間に三次にわたる特措法が施行されてきた。実態を知らずして、実態を把握せずして、問題点がわかったりその解決のための手だては講じることができるのか、これは単に総理府だけの問題じゃなくて内閣全体の問題でしょう。これはどういうふうにお考えになりますか。
○西川政府委員 総務庁が過去行ってまいりました大規模な調査、五十年が最後だということは私どもも承知いたしております。これは総務庁の御方針でそのようなことになっているわけでございますが、通産省といたしましてはいろいろな形で実情把握に努めているわけでございます。これは地方公共団体あるいは地方通産局という現場により近いところの機関もございますが、そういったところから産業の実態について念入りなヒアリングをする、あるいは我々もまた現地の視察をさせていただくという形で、我々は最大限対象地域の実情把握をいたしてきたつもりでございます。またその結果、助成する事業の内容の方につきましてもこの間幾つか見直しを行いまして、より現代的、今日的な意義の高いものに政策をふやしてくるというようなことをやってきたわけでございまして、私どもといたしましては、実態を無視して、あるいは実態を見ないで物を考えているというようなことは決してないようにという自戒をいたしているつもりでございます。
○永井分科員 通産省が通産省としてそれぞれ地方の出先の機関を最大限に活用して調査をされる、それは努力をされていることは私は先刻承知をしています。それは評価をしておきましょう。 しかし、この差別問題というのは、同対審の答申に明らかなように、差別をなくすることは国の責務だと明記しているわけです。単に通産省だけの問題ではないわけでして、内閣に、きょうは総務庁を呼んでおりませんから大臣恐縮なんですが、総務庁に同和対策室というものが置かれている、そこが一応の取りまとめをやっているとするならば、全国の実態調査を行ってその上において各省庁が対応するということをなぜ通産省としても総務庁に求めなかったのか。これは、通産省は通産省、総務庁は総務庁という問題ではないと思うのです。ここに縦割り行政の一番まずいところが出ているのであって、国を挙げて差別をなくするための取り組みをするという姿勢に私は疑問を持たざるを得ないわけです。そういう形でずっと各省庁がてんでんばらばらにやってきていることが、同対審の答申が出て二十五年、同和対策事業特別措置法ができてから現在の地対財特法に至るまで二十二年になるわけですが、その間にそれなりの成果はあったとしても、見るべき差別の解消ということにははるか到達していない。こういう現実が存在すると思いますから、私はあえてそのことを申し上げているのです。部落産業の問題からいえば、通産省がもっと積極的に内閣全体の取り組みによって実態を明らかにしてその問題点を解消するというぐらいのことがないと、私は現実に対応できないのではないかと思います。 時間の関係がありますから走って恐縮でありますが、いわゆる部落と言われている地域の皆さんの就職状況や教育実態、環境問題を見てみると、歴然として他の地域とは格差があるわけですね。例えば大学の進学率にしても、あるいは就職している企業にいたしましても、職種からいって大変な格差が置かれているわけです。これは自転車操業と一緒で、いい仕事につけないから生活のレベルが上がらない、生活のレベルが上がらないから立派な教育を受けさせることもできない。この悪い方の循環がいわゆる部落と言われているところの実態になっているわけですね。だから、三Kと言われますけれども、私は社会労働委員会におりますから労働問題をいつもやるのですが、三Kというのは、危険、きつい、汚い、これが三Kなんです。ところが、いわゆる部落産業と言われておるところに行きますと、三Kは三Kでも、一つ臭いというのがつくのです。いわゆる皮革産業とかそういう産業が多いということからそういうふうに言われるのです、残念ながら。しかし、裏返して言えば、そういう仕事にしかつけないような社会環境は一向に改まっていないのです。社会環境をちゃんと整備し、差別をなくすることが本当に成果として上がってきたら、そういう三Kの仕事ばかりではなくなっていくはずなんですが、現実はそうなっていない。 しかもそこに、例えばこれは国会で取り上げられた問題でありますが、最近の事例では、アメリカの国内でつくられて日本の国内でも販売された「忍者の国」というゲームがあります。このゲーム一つとりましても、解説で部落語を使って身分と職業を結びつけることで人間としての優劣を決めていく、そして自然にゲームを展開する中で身分差別意識があおられていくという内容になっている。このことだって、具体的に部落解放運動を進めている団体が取り上げるまでは一向に政治問題になってこない。現場からの告発があって初めてそういうことがあったのかとわかるような実態なんですね。 大変時間を気にしながらしゃべっているのです。時間がありませんから走りますけれども、そういうことは単にこの問題だけじゃなくて、古い話で言いますと、かつて同じような問題がありますね。例えば、オーストリアの連邦産業院が株主のように実際にタッチしているインターナショナーレ・ヴィルトシャフトという難しい名前の新聞、業界紙というのですか、そこに、日本からのいろんな輸入製品のことについて批判の記事を書いた中に、えった集団がつくったものは日本としても援助できないという趣旨のことが書かれた。そういうことがかつてありました。もう今から十年前の話であります。 そういうことは氷山の一角でありまして、そういう産業政策を通した中でも随所に厳然として差別を助長するようなことが相次いでいる。これに対して、そういうことを除去するための役割というものは、貿易関係においてもそうでありますが、私はやはり通産省が大きな役割を担っていると思うのですが、これについてどのようにお考えになっていますか。
○西川政府委員 三Kプラスもう一つの要素というようなことで対象地域の産業イメージがとらえられている、それはそういう実態があるからなんだという御指摘でございます。 私どもは、産業の実態を最大限改善いたしまして、そういう産業イメージが払拭できるようにしていかなければならない、それが地域の産業振興につながるものであるというふうに理解をいたしておるわけでございまして、これまでも、そういう実例が幾つもあるわけでございますけれども、工場集団化によりましてその地域のいろいろな工場その他が大変きれいになっているというようなことが実現した例もございます。そういうことで、いわばハードの面での実績も上がりつつあるわけでございますし、またあわせて、ソフトの面と申しましょうか、産業イメージの向上のために、経営指導員によりますいろいろな指導あるいは府県に委託して行っております巡回指導等によりましても、そういう面の改善が図られるような努力をさせているところでございます。 また、世の中の産業界の理解を促進するということで、地域改善対象地域産業振興懇談会というものも毎年開いておりまして、業界関係者の地域産業に対します理解を是正し、また正しく持っていただくという面での努力をさせていただいているわけでございまして、通産省の産業行政全般にわたりましてこういう意識の浸透ということを図っているわけでございます。
○永井分科員 それはそれなりの努力をしてもらわなければいかぬわけですが、私が冒頭に申し上げましたように、地区の社会開発と経済開発を並行的に行って、地区を近代的に整備すると同対審の答申もうたっておるわけでありますが、そのことが経済開発に重点が置かれて、産業の社会的地位の向上としての社会開発、いわゆる部落産業及び部落産業製品に係る啓発の必要性を産業対策の中から欠落させてしまっておったということが今の現実の姿になっているのではないかと思います。 あるいは少し次元が違うかもしれませんけれども、同和対策事業特別措置法ができてから、その地区におけるいろいろな改善事業についてはその地区における建設業者が中心となってやってきたことは事実です。最近はどういう現象が起きているかというと、私は地元もそうでありますが、だんだんとそのための事業も少なくなってきたのだからいつまでも、ここが大事ですよ、いつまでも部落の者にいい目をささぬでもいいではないかということで指名から締め出してしまうとか、あるいはいわゆる部落における建設業界は非常に零細企業が多うございますから、まともにいったら資本の大きいところにはなかなか太刀打ちできない、だからせっかく地域全体のレベルを上げるための役割を果たしてきたそういう建設業界一つとってみても、今や三分の一ぐらいは倒産のやむなきに至ってしまって、地域の経済基盤もまたもとのもくあみに落ち込んでしまっているという現実があります。 そういう問題にどう対応するのか。あと一年残った地対財特法で、今私がずっと三十分にわたって触れてきたような問題が果たして解消できると思いますか。大臣、どうですか。
○中尾国務大臣 先ほど委員御指摘のとおりに、三Kプラスワンがあるような形というものは、これはもう何とも、聞いていてもそのとおりそのまま、昔の因襲みたいなのが存在しているのだなということは共感せざるを得ないので、これはどんなことをしてもインプルーブしていかなくてはいかぬという気持ちに燃えるのでございますが、御指摘のとおり、対象地域の産業は小規模で零細なものが多くございまして、このために通産省としましては、経営改善普及事業あるいは需要開拓事業、高度化事業等を実施してきておるわけでございます。こうした施策の結果、対象地域の産業は一般地域の産業との格差が一定の改善をされてきているものと考えられると思っておるのでございますが、食肉の輸入自由化であるとかあるいはウルグアイ・ラウンド等における関税引き下げ交渉といった諸情勢のもとで対象地域産業は厳しい状況に置かれているという側面も、これは忘れてはならぬことだなと認識する次第でございます。 通産省としましては、このような対象地域の産業の実態を存分に踏まえまして、また同時に、同和問題の一日も早い解決のために対象地域の産業振興に積極的に取り組んでいくという決意を固めておる次第でございます。
○永井分科員 言いかえれば、今大臣が言われたような決意を実行してもらうためには一年間の期間ではできないことはもう一〇〇%明らかなんでありますから、必要なものは必要に対応できるような体制をつくる、そのことが同対審の答申に言われている国の責務だと思うのですね。このことを再度私は申し上げておきたいと思うのです。 また今までの議論の中で、今までの二十二年間にわたる特措法の対応によって一定の成果が上がったということを冒頭にも言われました。今も中小企業庁の方から言われたわけでありますが、百やらなければいかぬものを一つできてもこれは一定の成果なんですよ。五十できても一定の成果なんだ。私は、一定の成果という言葉で表現を済ませることのないような成果を上げてもらわなければいかぬ。そのことが本当の部落差別をなくすることができたということの証明になっていくわけでありまして、今の通産省の対応というものは、その面ではまだまだ大臣、不十分なんですね。 時間がなくなりましたから、最後にお願いしたいと思うのでありますが、こういう私がるる申し上げてきたような今の現状から、大まかに分けて次の四つの問題について通産省としてどう対応してもらえるか。 項目的に言えば、一つは、大企業本位の経済政策に対置し得る部落産業、企業の立場に立った業種対策、企業対策の確立と推進。二つ目には、部落産業及び部落産業製品に係る啓発の抜本的な強化。三つ目には、施設設備の大型化といったハード面中心の事業から情報、技術、経営能力の向上といったソフト面を中心とした事業への転換。四つ目には、産業基盤の強化と社会的地位の向上。今まで時間をかけて私いろいろなことを申し上げてきましたけれども、実態的なことを認識してもらったと思いますから、この四つの点について、通産省として思い切って対応するという決意を大臣からぜひ伺いたいと思うのです。
○西川政府委員 ちょっと先にお答えさせていただきます。 私ども中小企業庁でございまして、日本の産業のバランスある発展という観点から中小企業対策に大変力を入れているということで御理解いただけると思いますけれども、今後ともそういう零細な地域産業の振興に対しまして全力で立ち向かってまいりたいと思っております。 また、啓発の重要性それからソフト面の施策の拡充の重要性、非常にごもっともな点が多いと考えております。 また、社会的地位の向上ということは、関係各省いろいろな施策の総合的な結果としてこれが出てくるものだと思いますけれども、産業の振興という観点から私どもとしては取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○中尾国務大臣 四点挙げられましたが、なかんずく経営の問題あるいはまたハードの問題あるいは産業基盤の地盤の向上の問題等々、そういうことを踏まえまして、私も今四点ここへノーティングしましたけれども、今後とも対象地域の産業振興に積極的に取り組みまして、そして同和問題の一日も早い解決という方向に取り組んでいきたい、このように何らかの措置を必ずとっていきたいということを今後検討してみたい、こう考えております。
○永井分科員 終わります。
○石田(祝)主査代理 これにて永井孝信君の質疑は終了いたしました。 次に、児玉健次君。
○児玉分科員 スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律、これが来月から施行されます。この法律の附則第三条で、バス、トラック等大型車のスパイクタイヤの禁止が「三年を超えない範囲」で猶予されるということになっております。大臣は山梨県でいらっしゃるから厳寒期のいわゆるスパイクタイヤがどんなものを生みだすか御存じだと思いますが、粉じんをつくり出すという点では、大型車は到底乗用車の比ではありません。外国では、どちらかというと大型車から先に規制して、その後乗用車に及ぶ、こういう道筋です。日本はその逆になっている。 通産省もこれまで乗用車のスタッドレスタイヤの開発については随分御努力をいただいた、私はそのように思っております。今度の大型車両のスタッドレスタイヤの開発は現在どこまで来ているか、それをお伺いします。
○内藤(正)政府委員 委員御指摘のトラック、バス等の大型車用スタッドレスタイヤでございますけれども、一九八九年の十一月、タイヤメーカー各社が開発いたしました大型車用スタッドレスタイヤにつきまして市場で一定の評価を得たいということで、一万本の試験販売をいたしました。それの結果をモニターいたしまして、それをさらに不特定多数の人に販売を始めようということで、昨年の十月に六万本の本格販売をいたしまして、完売をいたしております。したがいまして、一応製品としての開発は進んでおるというのが現状でございます。
○児玉分科員 ことしの二月だったと思いますが、北海道の士別市でトラック協会のテストが行われてますね。通産省も委員をお出しになっていると承っておるのですが、そのテストの結果はどうだったか。特に氷上における制動力、それから坂道発進の能力、横滑り、そういった点でどうだったか、伺いたいと思います。
○内藤(正)政府委員 ことしの検査は、トラック事業者団体でございます全日本トラック協会が中心になりまして、運輸省、警察庁、通産省それぞれ委員会に参加いたしまして、かつメーカー団体でございます自動車タイヤ協会の支援も得まして制動性能等に関する試験を二月に実施した点は、場所も含めて委員の御指摘のとおりでございます。 そして、その内容につきましては現在検討中の取りまとめの状況ということで、まだ作業の途次でございます。その中で現在判明いたしておりますことは、氷の上でのとまりやすさを示す、先生の制動性能でございますけれども、それにつきましては、従来タイヤメーカーが開発目標としてまいりました対スパイクタイヤ比七〇%の性能に達しているということで、一応企業が当面の目標としました性能は達成されているという結果だと聞いております。 〔石田(祝)主査代理退席、野坂主査代理着席〕
○児玉分科員 先ほどの御答弁にもありましたが、昨年について言えば、スタッドレスタイヤが大型車両で六万本、スパイクは十八万本販売されたというふうに承知をしておりますが、ともかくかなりのドライバーがスタッドレスタイヤを既に使用している。使用者の評価は今どのようなものでしょうか。
○内藤(正)政府委員 特に委員御指摘の大型車スタッドレスタイヤにつきまして、一万本の試験販売をいたしましたときのアンケート調査が一応出ております。その結果でございますと、十分に満足であるというものが三七%、運転に注意すればまあまあ利用できるというのが六〇%、したがいまして、まあまあ以上というのは九七%というアンケート結果が出ております。
○児玉分科員 乗用車のスタッドレスタイヤの開発のときに、通産省は公的なテストの企画に加わられたりいろいろと御努力なさったわけですが、この後、三年を超えない範囲で大型車についての使用が猶予されている。御承知だと思いますけれども、衆参の環境委員会で、ここでは通産省からも随分審議に御参加いただいたわけです。大型車スタッドレスの性能が十分であれば三年を待たずにできるだけ早くというふうな政府の答弁もあったのですが、この後通産省として、通産省が所管されている大型車スタッドレスタイヤの開発、それをどのように進めていこうとなさっているか、ないしは業界の仕事に対してどのような援助を与えようとなさっているか、その点を伺いたいと思います。
○内藤(正)政府委員 先ほど触れさせていただきました全日本トラック協会における性能の検討の中に通産省もその一員として入りまして、公害問題と安全問題、その両にらみの中でいかなる活用を図っていくかということをやっておるのが作業の一つでございます。 それからもう一つは、タイヤメーカーが、先ほど申し上げましたように、一応目標とした性能を達成できるという段階に来ておりますので、それが安全性との関係でどうなるかという点についてはなお関係省庁と十分に議論をさせていただきたいと思っておりますが、少なくとも制動性能が対スパイクタイヤ比七〇%であるということを念頭に置きまして、慎重に運転に心がければ十分実用し得る段階に達しておるという評価をいたしておりますので、今後とも、性能向上とあわせまして運転方法についてのドライバーへの周知徹底ということで広報活動の強化を行いまして、注意をしながらその利用が普及されるように我々も努力をしてまいりたいと思っております。
○児玉分科員 通産省はそのあたりを十分御承知ですが、凍結した道路におけるスタッドレスタイヤの運転の定全性という点では、性能のいいスタッドレスタイヤの問題、それが一つあります。それから、今北海道で注目されているのが、ブレーキをかけてもロックしないアンチロックブレーキシステム、それの普及の問題があります。それから、四輪駆動車がさらに広がっていくという問題があります。そういったことが総合的に行われれば交通安全という点で心配が非常に少なくなると思うのです。そのあたりの推進についてはいかがでしょうか。
○内藤(正)政府委員 委員御指摘のとおり、運転方法についていろいろ注意をするということが、安全を確保しながら現在の性能で開発されたものを有効利用するというポイントだと思っております。委員御指摘のとおりの、発進時に急加速をしないとか、あるいはブレーキ操作を行う際にはできる限りタイヤがロックしないように踏み込み、ハンドルの操作性を確保するとか、あるいはコーナリングに際して十分に速度を落として走行する必要があるとか、そういうことにつきましてまずメーカーにパンフレットをつくってもらっておりまして、そのパンフレットを広く配布し理解を求める、あるいは運転方法につきましてビデオを作成いたしまして、そういうものを広く配布する、あるいは講習会、試乗会等も広げるということで、そういう運転についての注意が定着するように努力を業界に求めておりますし、我々はその動きを十分にウオッチし、必要があれば十分な相談をしていきたいと思っております。
○児玉分科員 それはよくわかりますし、御努力に期待しておりますが、先ほど私が言った、どっちかというと車のハードの面で、アンチロックブレーキシステムの問題だとか四輪駆動車の普及、そういったものが非常に有効なわけで、この点では自動車産業に期待するところもあるのですが、それをつけてない車に比べて割高であるという問題があります。普及していけば幾らかそうでなくなるかもしれないけれども、そのあたりについての通産省の御指導を私は期待したいのです。
○内藤(正)政府委員 担当は機械情報産業局の方でございますので、私直接ではございませんが聞いておりますところでは、自動車メーカーにおきましては四WD、ABS等の車輪のスリップをコントロールするための技術開発を進める、かつその普及のために、御指摘のように高くない、要するに安価でかつ信頼性の高いシステムづくりに努めてほしいということを通産省は要請をいたしておりますし、各社も安全性確保の重要性ということは十分に認識しておりますので、そういう方向で取り組みが進んでおるものと理解をいたしております。 いずれにいたしましても、今後とも自動車業界を御指摘のような方向で指導してまいりたいと存じます。
○児玉分科員 さて、公害等調整委員会の調停によって、タイヤ協会は昨年の暮れで製造を中止して、ことしの三月三十一日をもってスパイクタイヤの供給をストップいたします。当然これが流通部面におけるスパイクタイヤの販売中止と結びつかなければならない、このように思います。この点について通産省はどのように状況を把握していらっしゃるか、伺います。
○内藤(正)政府委員 販売の停止を既に指導いたしております。したがいまして、四月一日から販売は自粛するということで国内メーカーには十分に周知徹底を図っております。あわせまして、輸入品がございますので、輸入企業に対しましてもそれを自粛するように強く呼びかけておりまして、その動向を常にウォッチし、おっしゃるとおりの効果が上がるように今後とも注視をしてまいりたいと思っております。
○児玉分科員 そのとき一つの心配として今出されているのですが、局長が最後におっしゃった輸入タイヤの問題ですが、特定の業者がスパイクタイヤの並行輸入を進める可能性があるのではないか、こういう危惧がございます。この点はどうでしょう。
○内藤(正)政府委員 並行輸入も含めまして、輸入につきまして国内供給と同じようなスタンスで対応を図っていきたいと思っております。したがいまして、輸入業者、並行輸入も含めましてぜひ同じような対応をとるよう、今後とも要請をしてまいりたいと思っております。
○児玉分科員 国によるスパイクタイヤの使用禁止の地域指定が既に第二次まで行われて、三月中に札幌市を中心とした七市町が北海道では指定されることになるでしょう。宮城県などに比して北海道の対応は必ずしも十分ではない、私はそのことを残念に思っております。今後指定地を拡大していく場合に、ネックになっているのが坂道対策です。 そこで、きょうは建設省にお見えいただいているわけですが、建設省に伺います。 北海道では、本州のように地下水をくみ上げるなどして消雪パイプから路面に水を流して雪を解かす、これは逆に路面を凍らすことになりまして非常に危険だと言わなければなりません。この点で、ロードヒーティングは北海道の条件に非常に合っています。こういった面についての建設省の認識を伺いたいと思います。
○大石説明員 先生御指摘の点につきまして御説明申し上げます。 既に先生御承知のとおり、建設省におきましては従前から積雪寒冷地域におきます冬期交通の確保を図りまして、地域産業の振興と民生に寄与することを目的といたしまして、特別措置法に基づきまして除雪、防雪、凍雪害防止等の事業を推進してまいりました。現在六十三年度を初年度とする第九次の五カ年計画をもちまして推進中でございます。 消雪施設は、これらの事業のうち防雪事業の一部として組み込まれておりまして、現在までに整備されております消雪施設は散水型のものが大部分を占めております。東北、北陸、山陰等の積雪地域を中心に整備が進められております。しかし、一方ロードヒーティングを含む無散水消雪施設につきましては、寒冷の度合いの厳しい北海道等の地域の市街地における急勾配区間で、かつ交差点の前後の箇所などにおいてモデル的に事業を実施しておるところでございます。ただ、ロードヒーティングにつきましては、消雪効果がすぐれておりますものの、イニシアルコスト、ランニングコストがそれぞれ膨大で、維持管理面でも問題が残されていると考えておりまして、したがいまして、この問題は現段階では今後の研究課題であると認識しておるところでございます。
○児玉分科員 建設省に伺いたいのは、今のお話で散水型の消雪施設は北陸、東北などが中心だ。北海道では無散水、すなわちロードヒーティングその他だと思いますけれども散水型の消雪施設は北海道では合わない。ランニングコストの問題は後から触れますけれども、ロードヒーティングが非常に有効な消雪といいますか、交通安全を確保する上での適切な手段である。この点について建設省の認識を伺います。
○大石説明員 先ほども申し上げましたように、ロードヒーティングが消雪効果に非常にすぐれておるということは認識しておりますものの、ランニングコストその他総合的に見る必要があろうかと思います。先ほども申しましたように、北海道等寒冷の度合いが極めて厳しい地域におきましては、急勾配区間あるいは交差点の前後区間において有効な手段として実施されておることは御指摘のとおりでございます。
○児玉分科員 そこで、これは通産省にしろ建設省にしろ、いわゆる法律の主管の官庁ではありませんが、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律、その第三条では「何人も、スパイクタイヤ粉じんを発生させないように努めるとともに、国又は地方公共団体が実施するスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する施策に協力しなければならない。」と、国民に対して義務を課しています。一方、第四条では国の責務として、「国は、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する啓発及び知識の普及、冬期における道路の環境の整備」、以下簡単にしますが、代替タイヤの開発その他こういう点で「基本的かつ総合的な施策を推進するよう努める」、こういうふうに明記されています。 その面で、国のなすべき務めとして私は以下のことを求めたいのですが、今室長からお話があったように、北海道ではロードヒーティングの実施という点は極めて限定的です。あえて言いますが、極めて限定的です。寒さを知らない方は坂道全部をロードヒーティングするんじゃないかと誤解されている人がいるけれども、それは全く事実に合いません。建設省のお話のように坂道がある、坂道の手前に信号機が設置されていて、赤になれば一遍そこにとまらなければいけない。日中は除雪が進んでいて乾いていても、夕方になるとそこが幾らか凍ってくる。坂道を発進するためにタイヤが空転することがある。その熱で水分が解けてしまって、そしてあっという間に文字どおりのアイスバーンになってしまう。こういう箇所でロードヒーティングは設置されています。そのほか発進に危険を伴う踏切の手前だとか急カーブだとか、そういうところでは非常に有効で、これにかわる方法というのは余り考えられません。例えば、札幌では一九九二年度までに今言ったような形で厳選して約百二十カ所、小樽では四十三カ所で整備する計画を立てて、既に実施を始めています。 そこで、ランニングコストの点です。これは後に通産省にもお尋ねすることになるわけですが、従来のロードヒーティングというのは、電気を通す発熱線方式が唯一のものでした。ランニングコスト、経常経費をできるだけ下げようということで、その他のエネルギーとの組み合わせ、例えば札幌でいえば地下鉄排熱をパイプで通すことの検討だとか、それから廃棄物処理の焼却炉の余熱を使う問題だとか、都市ガス、灯油、そういったものなどを一つは組み合わせて使う。もう一つの問題は、これも専門家である建設省は御存じだと思うけれども、外気の温度がどうなっているか、それから路面の温度はどうか、路面の水分はどうか、降雪状況はどうか、この四つの要素を組み合わせて、そして熱を送る時間を制御する方式を既に試験的に採用しておりまして、これらの努力によって維持費を従来の二分の一以下に下げております。自治体としてはますますこの面の努力を強めたい、こういうふうに私は聞いております。 建設省は、これまでも防雪事業における消雪施設の一環としてモデル的に事業を進めてくださって地元から喜ばれていますが、こういった面の努力をさらに今後拡大してほしいと思うのですが、どうですか。
○大石説明員 ランニングコストのことについてお触れになりましたが、先ほど先生御指摘ございましたように、無散水消雪には、ロードヒーティング以外にも温水パイプなど種々のタイプがございます。また熱源も、電気以外に灯油でありますとかあるいは廃棄物処理の際に出る熱を使うというようなこともございますし、それに対する消雪能力も、気温でありますとか雪温でありますとかあるいは地下の水温等の変動によって対処し得る仕組みができ上がりつつあるということは承知いたしておるところでございます。したがいまして、こういった諸条件によりましてランニングコストが変動いたしますものですから特定することはなかなか困難ではございますが、我々が今試験的にやっておりますところのものを、条件によって一概には言えないものの、比較いたしますと、散水型に比べましてランニングコストで約五十倍、それからイニシアルコストで約四倍といったような状況になっておるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、維持管理面の問題も含めまして現段階では今後の研究課題であると認識しておるところでございます。 しかし、北海道を中心にいたしましてモデル的に事業が展開しつつあることも事実でございます。こういったことを踏まえまして、建設省といたしましても取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○児玉分科員 ずばりお尋ねしたいのですが、今まで皆さん、モデル的な事業として推進してこられて、そして十分の六の補助というのをされてきました。自治体としてはあなたがおっしゃる維持費について大いに工夫をして、それをできるだけ節減をしていく。しかし、例えば坂道の多い小樽なんかでいえば、ロードヒーティング、もうこれしかない、そういう形で市民合意のもとで事業が進んでおります。ですから、今建設省が最後におっしゃったように、既にモデル的事業としてはなさっているのだから、その面の取り組みをさらに強めていただきたい、これが私の要望でして、重ねてお答えをいただきたいと思います。
○大石説明員 私の方も重ね重ねの申し条になるかもわかりませんが、先ほど申し上げましたように無散水消雪施設にはまだ経済的、技術的な面で解決すべき課題があるところでございます。しかし、御指摘のように事業といたしまして要望の声が高いことも事実でございます。現在のところは、補助事業といたしましては必要性が高い箇所を厳選して実施しておるのが事実でございます。今後も無散水消雪施設につきましては、防雪事業としての有効性を勘案しながら、個々の箇所について具体的にその必要性を検討しながら事業を実施してまいりたいと考えておるところでございます。
○児玉分科員 では、その御努力を強めてくださるよう要望いたします。 最後に通産省にお聞きしたいのですが、北海道におけるロードヒーティングに適用される第二融雪用電力、北海道電力がやっております、これはどのような経過でつくられたものか、お伺いしたいと思います。
○川田政府委員 北海道を初めといたします積雪地帯の融雪、特にロードヒーティングに対するニーズにこたえるために、昭和四十一年度から融雪用電力制度というのが設けられておりまして、四十九年度にはこれが正式な制度になったわけですが、さらに昭和六十三年度に、原価主義の範囲内で一層これを充実するというところから、ただいまお話しの第二融雪制度というのを設けて制度の拡充を行ったというものでございます。 基本的考え方としては、ピーク時の需要を避けるということで原価が安くなるということに着目をいたしまして、いわば料金が低くなるという制度をつくっておる、こういう性格のものでございます。
○児玉分科員 この点で私も何回となく北海道電力に要請をしまして、今お話しのように、一九八八年に認可されたこの制度によって夏場の基本料金の負担をしなくてもいいということが大きなメリットとして出てまいりまして、自治体関係者から非常に感謝されています。そして北海道電力としても粉じん防止、脱スパイク、こういう世論に対してそれなりに誠実にこたえた措置だ、こういうふうに私は思っております。 今北海道では、第二融雪用電力は約二千件活用されて、そのほとんどが実はロードヒーティングです。今後ますます利用がふえていく見込みです。これをさらに一層充実、前進させるために通産省の御努力をお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○川田政府委員 先生ただいま御指摘のように、第二融雪制度、六十三年の出発でございますけれども、かなり活用されて、地域のニーズにこたえてきているという面があろうかと思います。 これについて、今後どうなっていくか、ますます広がっていくのではないかと私ども思っておるのでありますが、その使用の実態なども見た上で、北海道電力の方でよりいろいろな面での御工夫が仮にあって、その結果について私どもに具体的な御相談が参りました場合には、あくまで原価主義、それから需要家間の公平の原則といった基本原則はございますけれども、慎重に御相談に応じまして適切な指導をしてまいりたいというように考えております。
○児玉分科員 中尾大臣にちょっと申し上げたいのですが、札幌市、私の住んでいるところから約二キロぐらいのところなんですが、月寒中央通というところがあります。国道沿いでして、環境庁の調査によれば、一九八七年から八八年にかけて調査をしましたが、一平方キロ当たりの降下ばいじん量は、九月が九トン、十二月が五十六トン、三月が百六トンです。東京は平均月二・二トンですから、そのすさまじさを幾らか御想像いただけると思うのです。これらの粉じんが住民の生活にどんな影響をもたらすか、さまざまな医学的な知見も既に出ております。 通産省はこれまでスタッドレスタイヤの開発、先ほどお答えもあった輸入スパイクタイヤの規制などについて随分御努力いただいたと、私は率直にその点は評価しております。今後とりわけ、今私が提起しました第二融雪用電力の充実、これが、建設省のモデル的事業の発展と相まちまして、北海道におけるスタッドレスタイヤを使った時期における交通安全の確保という点で決め手になります。そういう意味で、大臣として第二融雪用電力の充実という点で格段の御努力をお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○中尾国務大臣 札幌の模様を私も今承りまして、私の県でもスタッドレスタイヤが最近ずっとはやってまいりました。はやってまいりましたというのですか、ほとんどがつけております。私も実はこの間からずっと使用しているのです。 相当粉じんがあるということは県当局でも問題にしているようでございます。これはちょっとずば抜けて、ちょっと今聞いただけでも百トン以上というのですか、普通のところが二・二だ、こういうことになりますると、けた外れな大きなものだなということを感じますので、これは厳重に私もすぐにいろいろと調査をし、なおかついろいろと関係当局にじっくりその辺話を聞きませんと私自身も何とも言えませんけれども、その上に立って極力対処したい、こういう感じであります。
○児玉分科員 終わります。
○野坂主査代理 これにて児玉健次君の質疑は終了いたしました。 次に、貝沼次郎君。
○貝沼分科員 地域振興が叫ばれてから大分久しくなりますが、最近における消費者ニーズの多様化、高度化、技術革新の進展等、企業を取り巻く社会経済環境の厳しい変化の中で、地域産業を担う中小企業は円滑な対応が迫られておるわけであります。そこでいろいろな研究をして頑張らなければいけないのですけれども、きょうは短い時間でありますので、工業技術院の方に、岡山県からの要望が出ておると思いますので、その点についてお伺いしたいと思います。 岡山県の試験場の場合は、総合試験場なので一つのテーマしか補助を受けられない。例えば広島県なんかの場合は、部門が分かれて、三つのテーマの研究が行われているという状況でございます。現在岡山県の場合は県単、単独事業で、国の補助を受けないで四国との共同研究を行っている状況でございます。 こういう状況でありますので、一機関一テーマの枠を緩和していただけないかというのが要望でございますが、この点について当局の御見解を伺いたいと思います。
○田島政府委員 お答え申し上げます。 通産省におきましては、中小企業の技術力向上のための施策に積極的に取り組んでいるところであり、中でも、先生御質問の都道府県等の公設試験研究機関が実施します中小企業向け技術開発のための研究に対して、技術開発研究費補助金を交付して支援を行っているところでございます。 本補助金のうちに、複数の公設試験研究機関がテーマを分担して共同で研究開発を行う共同研究につきましては、実は一機関一テーマの採択というような制度は設けておりませんで、都道府県からの要望の内容を踏まえまして、中小企業の技術の向上に資するかどうかの観点に立って事業の採択を決めているところでございまして、現に通産省が補助をしている事業のうち、一機関二テーマを採択した実例も幾つかあるわけでございます。
○貝沼分科員 そうすると、これは問題ないということですね。
○田島政府委員 先ほど言いましたとおり、あくまでも中小企業の技術課題、技術ニーズに適した研究開発を公設試験研究機関が行うかどうかという研究テーマに主題を置いて我々は採択しているつもりでございまして、研究テーマの内容が非常によければ一機関一テーマに限らず、二テーマを採択することも可能性としてあり得るということでございます。
○貝沼分科員 それから二番目の問題です。 これは簡単に言いますと、工業技術院筑波地区試験研究機関が公設試験研究機関へ研究者を派遣、技術指導を行う制度の創設をしてもらいたい、要するに、筑波の方から県の方へ直接行けるようにしてもらいたい、こういう要請でございます。この点はいかがですか。
○杉浦(賢)政府委員 工業技術院におきましても、地域の活性化というのは一つの重点施策として進めております。それで地域の人材あるいは技術力を蓄積していくわけで、ただいま御質問がございましたけれども、研究者、技術者の交流というのが非常に重要なことだと考えております。 工業技術院におきましては、地域技術交流促進事業というので公設試と工業技術院の研究所との間の技術者、研究者の派遣、受け入れを行っておりまして、工業技術院から派遣する場合には、工業技術院には七つの地域に研究所がございますので、お近くということもありましてそこを中心に派遣をいたしておりますけれども、私どもこの点は非常に柔軟に考えておりまして、テーマによりましては、ただいまお話がございましたように筑波から直接派遣することも可能と考えておりますし、具体的にそういう例もございます。これからもこの点につきましては柔軟に対応していきたいと考えております。
○貝沼分科員 それでは具体的な例をちょっと挙げてください。
○杉浦(賢)政府委員 この制度は昭和五十九年にできましたので、六十年から実際に運用し始めたわけでございますが、昭和六十年度に筑波にございます機械技術研究所から福島県いわき工業試験場に、それから公害資源研究所から北海道林産試験場に、二件でございます。六十一年度には電子技術総合研究所から大阪府立の工業技術研究所へ、昭和六十三年度には化学技術研究所から石川県の工業試験場へ、この四件ございます。
○貝沼分科員 確認しておきますが、「工業技術院地域技術政策の概要」、これの十ページに「人の交流」というところがありまして、その(1)というところの「地域の研究者・技術者人材の養成、効率的な技術移転等を目的として、公設試等から研究者・技術者を工業技術院地域試に受け入れ、また、公設試へ工業技術院地域試の研究者を派遣して研究現場において技術指導を行う。」というところを、ただいまおっしゃったように運用しながら読む、こういうことですね。
○杉浦(賢)政府委員 考え方といたしましては、先ほど申しましたように、お近くにある、あるいはふだんからのおつき合いが深いということで地域試を中心ということでございますけれども、実際、人物交流あるいは専門分野などを考えますと筑波から行った方がふさわしいという場合には、御指摘のようにそう読みかえまして、先ほど御説明しましたような具体的な例もあるわけでございます。
○貝沼分科員 岡山県としてはその点がそうなるのかならないのか、はっきりしてなかったものですから、そういうふうに読めれば、これはまた要請すると思います。 それから、公設試験研究機関の中小企業向け技術開発研究に対する補助、これについての要請もあると思いますが、これについてはどのようになっておりますか。
○田島政府委員 突然の御質問でございまして十分精査しているわけではございませんけれども、そういうような要望が県の試験研究機関等でございますれば、私どもとしては工業技術院等と相談して、できるだけ十分その要望にこたえるよう種々の御協力をしていきたいというふうに考えてございます。
○貝沼分科員 県の方でもいろいろ考えてはおるようですので、もしそういうのが具体的になった場合には、ぜひ善処方をお願いしたいと思います。 それから、話は変わりますが、先般の関西電力美浜発電所二号炉の事故の件について二、三お伺いしたいと思います。 断っておかなければなりませんが、私は原子力反対ではありません。原子力の平和利用をすべきであるという立場でございます、基本的に。それで、今回のこの問題は非常に深刻な問題だと受けとめております。今までいろいろなことがありましたけれども、これほど深刻なのはないのではないか。そこまで言わなくても、それでは長官の方から、今回はなぜこうなったのか、その点について簡単に御説明ください。
○緒方政府委員 美浜の件につきましては現在まだ鋭意原因の究明中でございまして、最終的な結論が出ているわけではございませんが、月曜日の段階で私どもが設置をしております調査特別委員会で得られました中間的な所見によりますと、設計上入っているべき振れどめ装置、AVBと申しておりますが、これが所定の位置に入っていなかったという疑いが濃厚でございまして、それが入っていなかったために蒸気発生器の細管が高サイクル疲労によって破断をするに至った、そういう蓋然性が非常に高い、こういうことでございます。なお、詳細につきましてはまだ引き続き検討が続けられておるところでございますが、とりあえずの所見はそういうところでございます。
○貝沼分科員 通産省がブリーフィングしたのだろうと思いますが、十一日のこの資料を私今見ておるわけですけれども、ただいま長官がおっしゃったようなことが書かれております。ただ、一番率直な感じは、なぜ運転する前にわからなかったのか。要するに、設計図はあるわけですね、何回も何回も公開ヒアリングやら何やらいろいろやって、許可が出るまで物すごく時間がかかって、そうして一生懸命審査してくるわけですよ。しかも、それがほかのところじゃない、心臓部分です。その心臓部分で蒸気が管の中を熱せられて走ったら、これは振動するぐらいのことは初めからわかっておるわけですから、その振動がどういう振動を起こし、例えばどれだけの圧力があり、それは全部計算済みです、何もかも計算ずくで、そして厚さやら、削るところを削ったり何かを入れたり、あるいはスピードを緩めるとか、いろいろやっているわけでしょう。振動というのがいつも問題になるにもかかわらず、その振動を抑えるための金具、この金具が設計図にはあったと思うのに、それが所定のところになかったということがなぜわからなかったのか。これは、素人目に見てこれほど不思議なことはないのです。どうなんですか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 今先生御指摘の振れどめ金具の法規的な取り扱いということでございますが、設置許可あるいは工事計画の認可の対象ということにはなっていないわけでございますが、通産省の技術基準というのが定まっておりまして、ここで「一次冷却材又は二次冷却材の循環、沸とう等により生ずる振動により損傷を受けないように」電気工作物は「施設しなければならない。」という規定になっております。そういうことで、電気事業法におきましては電気事業者にその維持を求めているという形になっております。 それで、今お話のございました振れどめ金具が電気事業者によっていかなるチェックをされたかということでございますが、御承知のとおり三月十一日に振れどめ金具が設計どおり入っていないことについて徹底して調査して報告を求めております。そういうことで、我々といたしましては、この報告を受けて、電気事業者がいかなるチェックをしていたか等も含めて調べたいというふうに考えております。
○貝沼分科員 ですから、その理屈は矛盾しているのですよ。調べてわかるのならもうわかるのです。ところが、記録がないのでしょう。それでは、実際にスコープか何かで眺めるしかないじゃないですか。ところが設計図というのは、初めつくるときにちゃんとあるのですよ。それから、設計図にないものがついておったらまた問題なのですよ。要するに、つくるべきものでないものになっておるわけですよ。ちょっとこういう例えはよくないかもしれませんが、電気事業者が原子炉というものを購入したわけです。したがって、購入する事業者と物との関係において、これはそのとおりになっていたかなっていないかというのはもちろん一つある。しかしながら、許可をする方も全然見ていないわけじゃないわけですよ。ちゃんと見ておるからチェックできたはずだし、それからダブルチェックだとか何だかんだやって、一番問題なのは安全委員会が見えていないのではないかというところなのです、私が問題にしようとしているのは。 私の考えとしては、原子力発電は平和利用ですから、安全性を第一にしてやりなさい、だけれども、そのためには自主、民主、公開ですよ。自主は、自主技術ですからこれはいいです。あと、民主は、原子力委員会があるじゃありませんか。公開の原則は、民間から選ばれておる安全委員会がわからなければいけませんよというのに、その安全委員会がわかっていないところが問題ではないのですかということを私は言っているわけです。したがって、これから探してみてという悠長なものではないのじゃないかと思いますけれども、どうですか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 今先生御指摘の美浜二号、当該機につきましては、ファイバースコープを入れまして実地にどういうふうになっているのかというのを徹底して調べることにしております。それで各社にも、過去の記録等で調べられることを調べなさい、徹底して調べなさいという指示をしております。その報告を受けまして、明らかになった原因を踏まえまして、振れどめ金具のチェック方法のあり方等についても必要な対策を講じていきたいというふうに考えております。
○貝沼分科員 それはそうしなければならないのですけれども、ただ、それが審査項目に入っていないから書いたものがないのじゃないかと思うのです。そうすると、ほかのところをとめて眺めるのですか。そうじゃないでしょう。ただ、やはり設計図はあるはずですよ。ところが、それが今見えないというのは一体どういうことなのかな。つくったら、それの設計図ぐらいちゃんとあるはずだと私は思うのだけれども、見えないのですか、それはどうなんですか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 それぞれの蒸気発生器につきましての振れどめ金具等についての設計図というのはあるわけでございますが、その設計図どおり振れどめ金具が入っているかどうかというのが今回の問題でございまして、過去の記録によりましてもECTというのをやっております。渦電流探傷検査でございますが、この記録等を見まして、ECTがあれば映っているという可能性が高いわけでございますので、その記録でチェックをいたします。 それから、先ほど申し上げましたように、美浜二号機、当該機につきましては、ファイバースコープ等を入れて現物を実地に確認するということで、設計図はあるわけで、それと実際の工事とのずれというのを徹底してつかみたいと思っております。それによりまして、今回の事象がどういうようなことで高サイクル疲労に至ったか、いろいろ金属破面の調査などもやっております。それを踏まえていろいろ破断のメカニズムというのも徹底して追求し、今後の施策に反映していきたいというふうに考えております。
○貝沼分科員 私は攻撃しているんじゃないのです。安全性が担保されているということをいかにもひっくり返すようなことは困るということを言っているのですよ、ある意味において。 そこで、安全委員会の方はどうですか、そういうことは全然知らなかったのですか。
○谷説明員 ただいま通産省の方から御説明ありましたように、安全委員会の基本的な審査につきましては、基本設計をやっておりますので必ずしも細部まで安全委員会が存じ上げているわけではございませんけれども、同時に、重要な事項につきましては改善をしていくという意味で、種々通産省の方から御報告をいただいて、それに合わせて行政局とは別に安全委員会も審議をしていくということでございまして、今回につきましても、既に通産省から合計七回の御報告をいただいております。 あわせまして、安全委員会としましても今回の問題は非常に重要な問題だということで認識をいたしておりまして、安全委員会の下にございます原子炉安全専門審査会に特別の指示をいたしまして、特別の調査チームを編成いたしまして既に二月二十一日から審議に入っているところでございます。
○貝沼分科員 安全委員会は現場へ行かれましたか。
○谷説明員 現段階ではまだ参っておりませんが、将来的には、必要になれば委員長も参りたいというような意向でございます。
○貝沼分科員 資源エネルギー庁の方は現場へ行かれたでしょうね。
○向政府委員 お答え申し上げます。 二月九日この事象が発生して以来、当方の電気工作物検査官等はもちろん行っておりますが、昨日、調査特別委員会の委員長初め先生方が現地でいろいろ調査をしていただきまして、今後の調査特別委員会での御議論に反映していただくということで現地で調査をしていただいております。
○貝沼分科員 私など素人の議論をするわけですけれども、今私はなぜ行動のことをお尋ねしたかというと、どうもこの問題は大きいですよ。いまだかつて日本ではなかったぐらい大きいです。ですから、安全性がこれだけ担保されており、これだけ役所が熱心であり、そして安全委員会もこれだけ神経を使っているという積極姿勢がなければ大変だろうと私は思うのですね。そのために、一番よく見えるのは、まず現場へ行くということです。それで今私はお尋ねしたのですけれども、報告を聞いているということだけでは、一般の感覚としてはちょっと困るんじゃないでしょうかね。行って何をするんだといったらまた問題があるかもしれませんけれども、話を聞くんでしょうけれども、やはりそれだけの行動というものを示す必要があるんじゃありませんか。長官、どうですか。
○緒方政府委員 私ども、今回の件につきまして決して過小評価しているわけではございませんで、幸い外部に対する放射能の漏出というものは非常に微少でございまして実害を与えるようなものではなかったわけでありますが、緊急炉心冷却装置、ECCSが実作動した初めてのケースになるわけでありますから、これがなぜ起こったのか、その原因を徹底的に究明して有効な対策を立てなければいけません。そういう意味で、私どもは、私自身まだ現場には行っておりませんけれども、今回の事件につきまして重大に受けとめまして、原因を徹底的に究明をし、再発を防止し、類似の炉がほかにもありますので、そちらに対して講ずべき対策があればそれを早急に講ずるように措置をしていきたい、こういう考え方でいるところでございます。
○貝沼分科員 時間がありませんから詳しいことはできませんが、要するに、こういうときは行動をとった方がいいんじゃないかということと、もう一つは、原子力委員会のコメントとしてどこかの新聞に出ておりましたが、死角がやられた。死角、要するに見えないところですわ。こんな大事なところが死角なのかというのはまた問題があるのです。こういう安易なコメントを出されると、むだな反響が出てくるのじゃないかと思いますね。これは申しわけないとか抜けておったとか、はっきり言ったらいいのです。 それからもう一つは、私が心配しておりますのは、この原子炉をつくったときの技術者は、手づくりで炉をつくっているわけですから何もかも知っているわけですね。運転するときでも全部わかっている。しかし、炉自体も今大分古くなってきたということと、それから人間がかわりつつある、世代がかわりつつある。そうなったときに失敗の記録がありません、失敗の記録、ネガティブな記録があれば、これは参考になるのですけれども、それがないためにちょうど米国のチャレンジャーの事件みたいなものが起こりかねない、人間がかわるときに。したがって今が時期的には一番大事な、技術移転もやらなければいけない、経験も移転しなければいけない、いろいろなことをやっておかなくてはならぬ時期に、しかもそういう原子炉の中の心臓部分であるところのとめ金一つが、実はあるやらないやらわからなかったのだ、しかもそれは検査項目でないからいいのですよというような、その開き直った姿勢はよくないと私は思うのですよ。これは重大であるということは、部品はたくさんあるけれども、全部そういうものは管理しながら、これからも万全を期してまいりますという姿勢でないと、安全性が担保されたことにはならぬのじゃないかと私は思いますよ。ただ、これ加えます、これ加えます程度ではとても乗り切れないだろうと私は思いますが、いかがでしょうか。
○緒方政府委員 全く貝沼先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもも率直に、至らない、過去に見落としていた点があったとすれば、それについては深刻に反省をしなければならぬと考えておるところでございます。また、過去の失敗の記録についてそれをとどめることが非常に重要であるという御指摘もまことに当を得たものでございまして、確かな記憶ではありませんけれども、たしか関西電力の中で既にそういう努力が始まっているというふうに承知をしているところでございます。私どもとしても貴重な教訓はぜひ生かしてまいりたいと思っております。
○貝沼分科員 もう時間が来ましたから、あとはちょっと問題提起といいますか、それだけをしておきたいと思いますが、水炉の研究をやって、そして水炉ももうここまで来ました。したがって、その当時は、一生懸命水炉の方をやっているんだからほかの炉の話は余りやらないでくれ、これだけ開発費がかかっているのだからというようなことも正直なところいろいろあった。しかし、寿命の時期が来ると、今度はつくり直しという問題も出てくるわけですよ。そうしたらいつまでも何も水炉だけにこだわっている必要はないのじゃないかと思いますね。 例えば、前から私言っているのですけれども、高温ガス炉、こういうものも原研で一生懸命やっているわけですから考えた方がいいのじゃないか。安全性は軽水炉の大体百倍ですよ。それでああいう暴発をすることはないですよ。ただ、燃えかすの処理はもちろん残るわけですけれども、アメリカの例えばGAテクノロジーあたりではそういうモジュラーをつくって、そして原子炉を地下に入れて上の方は公園でしょう、そういう安全性の高いものですよ。ドイツの方からソ連とかに輸出しようというものも高温ガス炉でしょう。そういう安全性の高いものも、水炉だけでなくそういうものも含めてこれから安全性を高めるために研究していくということ、あるいは利用していくということが大事ではないか、こう思ってきょうは一言言わせていただくわけであります。これを言うと、じゃ軽水炉というのは危ないのかということにすぐつながるわけですから、言い方が非常に難しいのですけれども、そういうより安全なものを選んでいく方向が必要なのではないか、こう思っております。長官か大臣か、どちらからでも結構です。
○緒方政府委員 高温ガス炉については、非常に熱効率が高いということ、それから固有の安全性というようなことがあって特徴があるということは承知をしております。我が国初め海外においてもいろいろ盛んに研究開発が行われているということを承知しておりますけれども、先生御指摘のとおり研究開発が今鋭意進められているところでございますので、実用原子炉としてこれをいつ、どういう段階で採択を検討するのかというのは、なおしばらく研究開発の成果を見守ってまいりたいと考えているところでございます。
○貝沼分科員 終わります。
○野坂主査代理 これにて貝沼次郎君の質疑は終了いたしました。 次に、前島秀行君。
○前島分科員 私の方は火力発電の問題で、実は清水に中部電力が二百万キロワットの石炭の火力発電をという話が出ているわけでありますが、何せ二百万キロワットというと膨大なものでありますし、非常に必要性は感じつつも、地域の人にとってみるとなかなか敏感なものを持っているわけでございます。 そこで、全体のエネルギー事情がどうなっているのか、特に中電ですね、別の愛知の碧南の方にも七十万の三基というのがある、それも建設中だという。かなり急いでいるものがあるわけですが、そういう全体のエネルギー事情と中電管内でそれほどのものを急遽つくらなければならないような事情なのかどうなのか。どうしてもあの清水という地域に二百万キロワットという膨大なものをつくらなければいかぬ必然性を持っておるのかどうなのか、その点をまず一つ伺っておきたい、こういうふうに思っております。
○川田政府委員 お答え申し上げます。 まず全体的な状況でございますけれども、卑近な例では昨年の夏、電力需給がかなり厳しい状況に相なったことは御承知かと存じますが、二〇一〇年度までぐらいの中期的タームで見ましても、我が国産業活動の向上、国民生活の向上などに伴いまして、電力需要はかなりの上昇をせざるを得ないという見通しに相なっているところでございます。 そこで、御指摘の清水火力発電についてでございますけれども、今後の中部電力管内の電力需要、先ほど申しました全国と同じように、生活水準の向上に伴う家電機器の普及増や都市化の進展、経済のサービス化などによります民生用需要の増大、それから資金面の内需主導型の安定した経済成長を反映した産業用需要の増大により、中部電力管内における電力需要も引き続き堅調な伸びを示すものと見込まれているところでございます。中部電力の清水火力発電は、こうした電力需要の増加に対応して電力の安定的な供給の確保を図るために必要な供給力として、中部電力が計画をして話を進めているものというように私ども認識をいたしております。
○前島分科員 電調審との関係ですが、これはたしか昨年あたりをめどに、こう言っていたのですが、それも済んでいないように聞いているわけですが、その辺のところのスケジュールといいましょうか、あれはどんなふうになっているのでしょうかな。
○川田政府委員 ただいま私どもが受け取っております最新時点の施設計画、今年度のものでございますが、これによりますと、一号機について平成八年十二月、二号機について九年十二月に営業運転の開始をしたいという計画でございまして、お話しの電調審についてはまだこれからの問題だというふうに承知をいたしております。
○前島分科員 まだ全然見通しないのですか。八年、九年ということからくると、そこまでいつまでもほっておけないだろうと思うけれども、その辺の見通しは。具体的になっていなければ、なっていないでいいのですけれども。
○川田政府委員 今年度内に何とかお願いをしたいという要望はあるようですが、現在の時点で、確たる日付はまだでございます。
○前島分科員 まだ電調審の方も見通しがはっきりなっていないということでありますものですから、私の方は、いろいろ心配している二、三の点を今後のいろいろな施策といいましょうか対策の中でぜひ考えてもらっておきたい。あるいは地域の者を納得するような対応をお願いしたい、その指導をしてほしい。 こういう意味で、一つは廃棄物処理の問題なんですが、聞くところの計画によると、二基が稼働すると年間四百五十万トンの石炭を使うだろう、こういう話を聞いているわけでして、そうすると、かなりの廃棄物、とりわけ石炭の灰が、説明資料なんかによると、一日に千八百トン、多いときには、最大のときには二千五百四十トンぐらいの廃棄物、灰が出るだろう、こうなってくるわけですね。さてそれをどこへ処理するのかということなんでございます。そういう意味から、これだけの膨大な発電所でこれだけの廃棄物が出るとすると、その他の石油だとか、汚泥等々もかなり出るわけでして、まず、これだけの大きな施設を動かすためにはどれだけのスペースがないと処理できないのか。これは当然十年単位で物事を考えるという話も聞いているのですが、どれだけの廃棄物処理のスペースを要するのか。それに対する対応というのは考えているのか。計画の中にどう位置づけられているのかという点、ちょっと心配になりますので、お聞かせを願っておきたい、こういうふうに思うのです。
○川田政府委員 当省といたしましては、電気事業者が石炭火力発電所を立地いたします場合には、先生御指摘のとおり、石炭灰の処分によって環境影響などが生ずることのないように、処分場所あるいは方法に万全を期するよう従来から指導してまいっておるところでございます。これまでに立地されました石炭火力発電所の事例で申しますと、石炭灰はセメント原料などや埋立材として有効利用をされておりまして、いずれも環境影響のないことを確認して進めているというものでございます。 清水火力発電所につきましても、セメント原料としての利用や、そのほかの原料としての利用、県の港湾整備構想による興津沿岸埋立地の埋立材としての有効利用をすることが検討されていると聞いておるところでございますけれども、石炭灰の処分によっていずれにしても環境影響の生ずることがないように厳正な環境審査により確認するということにいたしておるところでございます。
○前島分科員 その興津とか、その周辺というのは十年もつのですか。
○川田政府委員 運転開始後、私どもは、十年間で石炭灰の発生量六百七十万トンほど出てくるのではないかと見ておりますが、今のところで想定されているところ、先ほど申しましたように今後確認をしてまいることでございますけれども、このうち四百四十万トンほどをセメント原料、土木材料等に有効利用し、残りの二百三十万トンは県の港湾整備構想中の興津沿岸部埋立材として利用するということを考えているというふうに聞いておりますけれども、具体的には、清水火力の立地が決定いたしました段階で中部電力と静岡県が協議することになっていくのではないかと私ども思っておるところでございます。 十年後以降の石炭灰については、その後の進展を見きわめながら、いずれにしても環境保全に万全を期すように指導してまいりたいというふうに思っております。
○前島分科員 いずれにせよ、興津のあれも県との関係もあるし、はっきりしてないのですけれども、十年もてばいいところということだろうと思うのですよ。十年たって火力発電所がなくなることではないだろうと思うので、この廃棄物の課題というのはつきまとうわけでございまして、やはりその辺のところの見通しといいましょうか方針というものをぴしっと立てませんとなかなか住民の合意は得られないと思うのです。聞くところによると、碧南の方の問題でもやはりその課題があって、十年単位だけれども、それを追っかけていくのが精いっぱいという状況でありますから、ぜひその点を、これから地域の合意を得ていく上ではぴしっとしたものを、納得できるような対応を指導してほしいと思います。 それから、その他のいわゆる大気等々の関係でございます。これは、特に私はここで一点指摘をしておきたいのは、中電等々からいろいろなデータが出されているのですけれども、やはり説得力がない部分があるのです。というのは、その出てきたデータの条件と清水周辺の地理的条件が必ずしも合わないということなんでございまして、特に私がなぜそこで、清水でなければというふうなあれを言うかというと、あそこは、御承知のように、通った人はおわかりかもしれませんけれども、海岸を挟んですぐ山がずらっと連なっている地域でございまして、非常に数値だけで納得のいかないような地理的条件があるわけでございます。そういう意味で大気の汚染の問題だとか、あるいは温排水の問題、これはやはり沿岸漁業という問題等々がたくさんあります。当然恐らくこれから漁業補償の問題等々も出てくる地域なんですね。特に三保の松原の海岸、中へ飛び出した、入り組んだところに建てようとしているわけでありますから、わざわざ海に飛び出したような構造の中につくるということなんですから、そういう温排水の問題等々非常に課題があると私は思うのです。そういう面で、その他の地域の一般的な大気とか温排水等々の基準だけではいかない部分がある。そういう面では若干地域の皆さんは不安がある部分があるわけです。そういう面で、その辺の公害といいましょうか環境というものについての単なる数字上の基準だけでは処理できない部分があるので、そういう面で、その辺に対する対応、対策というものと、それに対してどれだけの確信といいましょうか、住民を納得するだけのものがあるのかないのか。私の方から、これからの問題があると思うので、十分その辺のところは対応してほしい、こう言うのですが、そういう面で、大気だとか温排水等々で十分環境保全を維持するというものは持っていらっしゃるかどうか、そこをちょっと聞いておきたいと思います。
○川田政府委員 電気事業者が火力発電所の立地をする場合には、立地に先立ちまして、発電所の周辺環境に対する影響の予測などを十分に行わせて、その結果を審査するという形で環境保全に万全を期していくという仕組みにいたしておるところでございます。石炭火力から排出されるばい煙等についてはその拡散などを解析によって予測した結果というのは一つの有力な材料になりますが、このほか、今先生御指摘のとおり、やはり個別地点のその地点における地形などを厳密に反映させる必要があるだろうということから、そういう地形を模擬した風洞実験をしてみるとかいうようなことで、立地地点だけでなく、周辺地域まで含めて大気環境に与える影響をよく調べていく必要があるだろう。それが極めて小さいということを確認した上で話を進めていくということが必要ではないだろうかと思っております。中部電力のこの清水火力発電所に関する環境影響評価に当たりましても全く同じようなことで進めたいということで考えておるところでございますが、現在の時点では、この環境影響評価の結果につきましては当省にまだ未提出でございます。したがって具体的な状況については承知をいたしておりませんけれども、いろいろな綿密な、私先ほど申し上げたような調査が行われているものというように考えておりまして、私どもとしては、提出があった場合には十分慎重に審査をして、皆様に御不安のないような環境面の保全に意を払ってまいりたいというように考えております。 今大気汚染を中心に申し上げましたけれども、温排水問題についても事情は同様でございます。やはり地元の方々の不安のない形で、環境面への影響が極めて少ないということを十分確認した上で仕事は進めてまいりたいというように思っております。
○前島分科員 何せ煙突が二百メートルですから拡散範囲もひどいし、清水という地域とそれからこの東側の方、気象的には西側に流れる分が多いだろうというけれども、風向きによっては東側の方にも流れることは当然あるのでして、東の方は富士、富士宮も当然二十キロ、三十キロ圏内に入りまして、この地域は地域的に非常に大気の状況が悪い地域でありますから、その上にと、こうなってきますと非常に問題がある。それで、歴史的に富士地域それから沼津、三島にかつてコンビナートだとか火力発電等々の計画があったけれどもつぶれた経過というのがありますので、十分そこのところを説得するような形をぜひとってほしいということを重ねて要望しておきます。 それから別の問題として、通産省関係の方ですので貿易研修センターの問題についてお尋ねしますけれども、実は今度の地方議会で、貿易研修センター周辺地域の開発の問題等々で、通産省の頭脳リゾート構想をモデルにした新産業集積ゾーンという構想が県の方から示されてきているわけであります。ただ、貿易研修センターそのものの移転をどうするのか、あるいはそれをどう使うのかについては、これは通産省が考えてくれていることなんでと、こういう前提づきになっていますので、そこで、貿易研修センターの移転をするのかしないかという結論は出ているのか出てないのかということをまずひとつお聞きしておきたいと思います。
○麻生政府委員 貿易研修センターの最近の状況でございますが、大変残念なことに研修生がなかなか集まらない、かつ赤字が大変続いておるという現状でございますものですから、現状のような形で富士宮で研修事業を継続することは難しいというふうに考えざるを得ない状況であります。今こういう状況になっておりますものですから、センター内部で今後どうするかということをずっと検討してまいっておりまして、これまで地元の皆様方からいろいろな協力を得て、これは大変感謝をいたしておりますけれども、湘南国際村の方に移転するという方向で検討を進めておるという状況でございます。私ども通産省といたしましても、そういうような方向でやっていくということについて承知しておるというふうな状況でございます。
○前島分科員 行き先の湘南の方の進行状況はどうなっていますか。
○麻生政府委員 国際湘南村の方は平成二年の十月末に基盤整備工事に着工しておりまして、平成四年の末ごろにこの整備工事を終わりまして、いろいろな建物の着工が可能になるというようなスケジュールで整備が進められております。
○前島分科員 そうすると、貿易研修センターの結論はいつ出るのですか。私が昨年聞いたときは近々出ますと言われたのですよ。近々です。あのころは六月、七月ごろ出るだろう、こういうふうに言われて、近々出ますが全然出てこないで、片っ方の周辺の方の県はもう出てきておるわけですよ。そしてもう予算もついて、四年度、来年度は具体的にプランをつくってと、こういう形ですね。従来からの方針でいきますと平成五年に移転をするという前提で物事が進んでいる、こう聞いている。そうすると、通産省が責任を持ってもらうと言っている貿易研修センターだけが一向に結論が出てこない、見えてこないということになると思うのです。そこのところ、いつですか。これはきょう始まったことじゃないので、いつまでも云々なんということはもう言えないと思うのですよ。周辺の県ももう出ている段階ですから、まず、行くのか行かないのかの結論、それから行くとしたらどういうものを通産省は責任持つのか、その方針はいつ出るのですか。もうこれ以上待てませんよ。
○麻生政府委員 研修センターが移転するに際しましては、地元の市の方から後の対策をきちんとしてもらうということがあるのかという強い質問を受けております。したがいまして、センターの最終的な移転方針を決定するときには、やはり代替プロジェクトのしっかりしたものがあるということがなければ、最終決定するのは適当ではないのではないかというふうに認識をいたしております。その意味で、現在代替プロジェクトを一生懸命研究しておる、探しておるといいましょうか、という状況でございます。したがいまして、いつ最終的な正式決定をするかということになりますと、これはやはり地元の皆さんも納得いただけそうな代替プロジェクトを発掘したときという条件を重視せざるを得ないというふうに思っておるわけであります。
○前島分科員 県の考えておる構想と関連があるのですか。
○麻生政府委員 県の方がお考えになっておりますのは、あそこの貿易研修センターの周辺地域に研究機能あるいは研修機能、あるいは住宅あるいはリフレッシュというような新しいいろいろな機能を複合的に持ったリサーチパークをつくっていこうという基本的な構想というふうに伺っております。その具体的な中身につきましては、今先生が御指摘になりましたように三年度の予算で基本構想をいろいろな角度から策定をするという段階であるということでございます。したがいまして、代替プロジェクトはこの構想そのものではないわけでありますけれども、当然このセンターの周辺地域をこういうふうな形で総合的に開発をしようというわけでございますものですから、代替プロジェクトを検討するに当たりましては、当然県の方が考えておられますこのような構想と調和するようなもの、総合的に効果を発揮するようなものでなければならぬではないかと考えておるわけでございまして、そのような観点から検討をしていき、あるいは調整をしていきたいというふうに考えております。 そういう点もございますものですから、いろいろ県とは十分に連絡をとりながら検討を進めたいと思います。
○前島分科員 そうすると、県の方は予算をつけて具体的な構想に入るということですから、それと連動するといいましょうか、組み合った形だというふうに理解していいわけですね。
○麻生政府委員 県のそのような構想とできるだけ性格が相反しないような、あるいはお互いに寄与するようなものにしたいという考えでございますが、ただ、県は今から基本構想を検討するという段階でございまして、どういうタイミングで具体的にこの構想ができ上がってきて、あるいは実行に移されるのかということが私どもまだよくわからない、また県の方もまだ決めていないという状況でございますから、そのような基本的な関係にあるといたしましても、やはり両者は一応別のものであるというふうに認識をいたしております。
○前島分科員 大臣、これは一地域のことですけれども、僕が去年もここで言ったというのは、説明を聞いてもらっていると思うけれども、この貿易研修センターの設立の経過というのが歴史的にありまして、二十数年前に時の総理、佐藤総理だったですけれども、それから当時の経団連の石坂泰三会長等々が準備委員長等々になり、あるいは当時の、東京銀行だったと思いますが、堀江薫雄さんが立案の方の交流センターの所長になってという形で出発をしてきた機関なのでございまして、それに当時の市長を含めて、地域が国の仕事だからという形で協力をしてきたのですよ。そうしたら、二十年たったら政府の都合といいましょうか、事情の変化というか、地域の事情とは別に、国等々の事情で特殊法人が財団法人になり、そして今度はなくなるよ、こういう経過がありますので、そこのところ、いつまでもほっておいてもらっちゃ困るのですよ。そこのところを、大臣じゃなくてもいいですけれども、経過が経過でありますし、地域の人から見ると、特に二十万坪の土地を提供しているわけなんですね。その土地というのは、個人の土地ならともかく、地域のいわゆる財産区の共有の土地、財産でありまして、それを国がやるということなんだからといって提供してきているわけなんですね。それと、最近の周辺の開発との兼ね合いがあるもので、非常に期待もすると同時に、どうなっているんだ、はっきりしてくれなきゃ困るという形で来ているわけなんですよ。それが行くのか行かないのかはっきりしないのですね。結論としたら行かざるを得ないということを言うのですよ。しかし、最終決定ではない。それは移転じゃなくして廃止だからなんですよ、中身は廃止なんですよ。そうですよね。向こうで、新しいところへ行って、内容は今やっているものとは全然違うことをやるのですよ。だから、貿易研修センター移転だと言っているけれども、事実上あそこは廃止にしちゃって別なものをやろうという中身なんですよ。そこでなかなか方針が出ないのだろう、結論が出ないのだろうというふうに私は見ているのですけれども、そういう取り扱いじゃ困るのです。その辺のところを、大臣でもいいですけれども、ちょっと責任を持ってもらいたいなという意味で、お聞きになっているのならば大臣に所見を承っておきたいと思っているのです。
○野坂主査代理 中尾通産大臣。はっきりした答弁をしてください。
○中尾国務大臣 私も、ちょうど若い議員のころでございましたが、勝間田先生大変御熱心だったですね。それで、佐藤内閣のころ、私も若い議員のころ、それを聞いた覚えがございます。しかし、その後何か地元の構想やその他で変わったというふうに私も聞いておりましたが、そんなようなこともございますから、ひとつ私もいろいろ検討させていただきます。そしてまた、いろいろ事務当局とも話し合いも詰めて見てみたい、こう思います。
○前島分科員 最後に、地元の事情じゃないですよ、そこは大臣ちょっと認識を変えておいてください。確かに、経営的にという面で余りうまくいかない、そこが地理的にあったかどうかという意味だったらそうですけれども、特殊法人が財団法人になり、今回移転するよという方は地元じゃないですよ。これは通産省のいろんな事情ですよ。これはまた説明すると時間がかかるので言いませんけれども、大臣そこは確かめてください。ですから、全く地元の事情じゃなくてそういう方向が出てきたのだから、前の大臣もそういう事情だから通産省が責任持つよと言ってくれているのですから、私はそこは責任を持ってくれていると信じているわけなんですよ。去年も大臣は、責任持つから、方針は近々示すから、こう言ってきたのだけれども、近々が今日まで来ないでまたいつかわからないと言われると困るので、少なくともことしじゅうには一定の方向が出る、こういうふうに思っていていいのか。これは最後の質問で、これに答えてもらって私の質問を終わります。
○野坂主査代理 麻生次長。明確にしてください。
○麻生政府委員 先ほど申しましたように、最終的な決定はやはり代替プロジェクトのいいものをつくるということにあるわけでございます。そのための努力を今重ねておるわけでございますが、できるだけ速やかにこれを見つけまして最終的な方針を決めたいと考えておるわけでございます。
○野坂主査代理 これにて前島秀行君の質問は終了いたしました。 次に、秋葉忠利君。
○秋葉分科員 社会党の秋葉でございます。私は、今回の湾岸紛争、それから湾岸危機に際して石油の値上げということが行われたわけですが、その背後にある石油政策といいますか、その中でも特に零細なガソリンスタンドに代表される小規模な流通小売業者の保護について通産省がどういうような政策を持っておられるのか、またその政策の背後にある基本的な考え方について質問をしたいと思います。 皆さんよく御存じのとおりに、昨年の九月十七、十八と二日に分かれて行われたわけですが、大手の石油元売数社が仕切り価格を一リットル八円から九円上げるということがございました。それに従って系列特約店だけではなくて一般のガソリンスタンドでも販売価格がほぼ同じレベルで、小売のレベルで上がったわけですけれども、この値上がりに当たって、実は、系列特約店は別にいたしまして、それとは関係のないインデペンデントといいますか、そういった零細業者の中で、結局消費者の側のガソリンをできるだけ安く買いたいという、これも自然な要求だと思いますし、それと、元売の方の一定の値段で卸すということの板挟みにあってかなり苦しい経営状況が生じたというケースが幾つかございます。 この点について、実はこの背後に幾つか問題があるんじゃないかというふうに私は考えているのです。例えば、この九月十七日あたりに行われた値上げが何らかの形での便乗値上げではなかったのか。つまり、石油の供給が逼迫しているという説明が客観的には非常に受け入れられやすい状態にあった。ある程度は恐らく逼迫していたであろうということも考えられるわけですけれども、それ以上に、それと同時に、さまざまな業界にあった問題を解決するためにこの時期をとらえてこういった値上げをしたのではないか、こういうことも考えられるわけです。その点について、事実経過並びに問題の認識について通産省はどういうふうに考えていらっしゃるのか、まずその点から伺いたいと思います。
○黒田政府委員 昨年八月二日にイラクのクウェート侵攻に端を発しましていわゆる湾岸危機ということになったわけでございますけれども、御承知のように石油の価格、国際的な市場の中で決められる原油価格が湾岸危機以前の七月あるいは六月ごろでは、例えば日本で非常に基準的な指標として使われますドバイの原油で見ますと、一バレル当たり十三ドルから十五ドルぐらいで推移していたわけでございますけれども、イラクのクウェート侵攻以降八月には十ドルぐらい上がった、九月にはさらに上がった、こういうような状況にあったわけでございます。それで、欧米の主要な消費国ではこれを反映いたしまして直ちに国内での石油製品の販売価格というのも変動して上がっていったわけでございますけれども、我が国におきましては、基本的に石油製品の価格というのは、これはプライスメカニズムということで決定されるわけでございますけれども、石油製品が非常に国民生活あるいは国民経済の上で重要なウエートを占めているということにかんがみまして、私どもといたしましてはかりそめにも便乗値上げがないように、こういう指導を九月の七日付で石油の元売会社に対して行ったわけでございます。 その中で、原油の価格、あるいは日本の場合約二割程度が石油製品という形で石油を輸入いたしておりますけれども、その石油製品の価格の方は原油を上回るテンポで国際市場で上がったわけでございまして、その原油の価格あるいは輸入石油製品の価格の上昇幅に即応したものにしてほしい。それをチェックいたしますために私どもは、各元売会社から具体的にそれぞれの会社が輸入している原油、あるいは石油製品のコストの変動を報告を求めたわけでございます。現実に、先ほど先生おっしゃいましたように、九月の十七日の段階で大部分の元売会社、若干おくれたところもございますけれども、ほぼ一斉に八円から九円の値上げを実施したということでございますけれども、これにつきましては私どももいろいろその段階で情報提供等に努めたわけでございますけれども、各社ともコストの変動の範囲内で大体仕切り価格の改定を行ったというふうに理解をいたしているわけでございます。 それから、ちなみに今申し上げましたのは元売会社ということでございまして、石油製品のいわば卸価格でございますけれども、これが実際には特約店を経由して、あるいは直接にガソリンスタンドその他石油販売業者の方に流通され、それが消費者の手にわたる、こういう過程をとるわけでございますが、石油販売業の方々に対しましてもこれは一々コストのチェックまではできませんけれども、便乗値上げがないように、こういう指導をいたしたところでございます。
○秋葉分科員 それは結構なのですが、私がここで問題にしているのはその間に挟まった――つまり消費者側から考えれば、小売の段階で便乗値上げがあるということは必ずしもいい状況ではないと思います。それから、便乗値上げを大手というか元売の方で行うということもまたよくないわけでありますけれども、同時に、その間に入っている、系列化されていれば話は別なんですけれども、零細ガソリンスタンド、そういったものを経営している人たちの間ではその板挟みに遭って、結局片方は値段をできるだけ低く、もう片方ではできるだけ高くというところの板挟みに遭うのが小売、しかも零細業者なわけですけれども、その零細業者が九月十七日以降の時点でかなり経営困難を来たしている、そういったデータがあるのですけれども、通産省としてはそういった認識をお持ちになっていらっしゃいますでしょうか。
○黒田政府委員 今申し上げましたように、小売業者の方々に対しても、小売業者の団体でございます全国石油商業協同組合等を通じまして便乗値上げを行わないようにというようなことを私ども指導いたしております。ただ、その後私ども、ガソリンあるいは灯油、軽油につきまして毎週一回末端価格のモニターを九月以降やっております。その動きを見ますと、全般的な動きといたしましては、元売の仕切り価格の改定が小売価格の方に大体反映されている、こういう動きを示しているものと全般的には思っております。 ただ、逆に一面、九月、十月の上がり局面の段階では、一方でこのスタンドは本来十円ぐらい上がるべきなのに十五円も上がったというような苦情が若干寄せられたようなケースもございました。それから他方で、今先生のおっしゃいましたようなケースというのは、私どもに苦情は寄せられておりませんけれども、当然石油販売業を実施していきます場合に、一方でもちろんこういう原油の上がり下がり、あるいは卸価格の上がり下がりだけではなくて、人件費が上がったとか近代化の投資をした後であったとか、あるいは金利が上がったとか、いろいろな面で経営上の問題が生じているということはあり得るということだと思います。
○秋葉分科員 例えば九月十七日の段階で公表された仕切り価格、大手の発表したものですと大体百十二円ぐらいになっているわけですけれども、通産省としては、例えばそういった価格が報道された場合にすべてのガソリンスタンド、すべての業者がまさかその値段できちんと売っているというふうにお考えになっているわけではないでしょうね。となりますと、当然ばらつきがある。ということは、九月十七日以前の段階でも同じようなばらつきがあったということです。したがって、それまでの幾つかの歴史的なこういう仕切り価格の上昇というところを見ますと、これは例えば日本経済新聞の記事を拾って読んでいくとわかることですけれども、昨年の九月十七日以前の仕切り価格の値上げの場合には、小売レベルでその値上げが反映されるまでかなり時間がかかっている、かなり調整に苦労しているというところがあるわけですけれども、昨年の場合にはそれが非常にすっきりと動いてしまった。それはなぜなのか、なぜそういったことが起こったのか、どの辺にその原因を求められるのか、通産省の見解を伺いたいと思います。
○黒田政府委員 この辺は取引の実態でございますからなかなか難しいところですけれども、やはり一つにはこういう緊急事態であったというような認識が一般にあったということ、あるいはもう一つは、通常の元売の仕切り価格の改定に比べますと客観情勢が非常に、例えば原油が上がっている、何ドル上がっているというのが明快であったこと等によるのではないかというふうに考えております。
○秋葉分科員 そうかもしれません。ただし、九月十七日という時点では、例えばこれがことしの二月という時点でしたらかなりの情報が流れているわけですけれども、九月の十七日という時点ではそれほど私は情報の力は大きいというふうには思えませんし、それから理解が進んでいたというのにはちょっと抵抗を感じるのです。それよりも非常にすっきりとわかる説明が幾つかあるのじゃないかという気がいたします。 その一つは、やはりこれはある程度通産省がかなり強い指導を行ったのじゃないか。もしこれが違っていたらはっきりと御指摘いただければありがたいのですけれども、その背後にあるのは、例えばそれまでの段階では元売から小売に対する段階で何といいますか、大手の業者が許す特例というのがかなりあったけれども、いわば大手の業者の商売がやりやすいようにと言うと語弊がありますが、そういった形でのある意味での業界の整理をしたのではないか。例えば一つの例を挙げますと、値段の決め方はいろいろありますけれども、先決めで九月の段階で例えば九十五円という値段で買っていた零細業者というのは結構あるわけです。それはいろいろな事情があるかもしれませんけれども、九月十七日の時点で公式には八円値上げということですけれども、それが全国一斉に例えば百十二円あるいはその前後でまとめられてしまった。ですから、仕入れ値段がその段階で八円どころではなくて結局十七円上がっている。しかしながら、全国的に報道された値上げは八円だよということのために、結局小売値段では八円しか上げることができなかった。あとの九円は結局自分で吸収せざるを得ないような立場に零細業者が追い込まれてしまった。具体的にそういう例がございます。 そういったことが起こったのは、その特例を小売の段階で認めないような具体的な措置がとられたのではないか。あるいはそういった零細業者を圧迫するような仕切り値のつけ方に関して、当然何らかの指導をすべきところを放置したといったようなことも考えられるのですけれども、その辺はいかがなものでしょうか。
○黒田政府委員 先ほど申し上げましたように、私ども、元売会社に対しては、原油の価格あるいは輸入石油製品の価格の変動の範囲内で仕切り価格の改定を行うようにということで便乗値上げ防止の指導をいたしたわけでございます。個々の販売業者に対しては、実はガソリンスタンドは業者の数にしますと三万三千ぐらいあるわけでございまして、これは個別に指導ということもできませんので、石油販売業者の団体を通じて一般的な便乗値上げの防止の指導ということをやったわけでございます。 こういうことを行いました趣旨というのは、先生も思い起こしていただくとおわかりかもしれませんけれども、過去、一次、二次のオイルショックのときに、いろいろ石油販売業界が便乗値上げをしたとかしないとか、そういうようなとかくの疑念もあった、誤解もあったわけでございますものですから、私ども、ここはきちんとやりましょうという指導はさせていただきました。しかし、今先生のおっしゃいましたような個々の取引については、私ども一切そういう指導は行っておりません。 ただ、今先生の御質問の中で、こういう点をおっしゃっておるのかなという感じがいたしますのは、石油の販売につきましては、先ほど先生おっしゃいましたように、元売企業というのが今十一社ぐらいあるわけでございますけれども、そういったところが販売契約を結んでおりますいわゆる系列店に流れるものもございますし、需給が若干緩んでおりますと、業転物と言っているわけでございますけれども、直接ではなくていろいろ横から売られるというような例もないわけではございません。したがって、業転物がある場合にはどうしても安い状況になるわけでございますけれども、私どもこの需給を把握いたしておりますと、やはり昨年の八月以降そういった業転物で出回っているものが少なくなってきている、そういうような事情も販売業の仕入れ先との関係であるいはあるのかもしれないのかな、こういう感じを持った次第でございます。
○秋葉分科員 便乗値上げ防止その他、小売の場合には業界団体を通してということですけれども、そういった指導をする場合に、小売レベルでのマージン、大体幾らぐらいあれば適正であるとお考えになった上でそういった指導をしていらっしゃるわけですか。
○黒田政府委員 私ども、そういう具体的なマージンの幅を幾らにして、それ以下ならいいですよとかそういう目安を与えて御指導を申し上げているわけではございません。こういった湾岸危機というものがあったからそれを奇貨として不当に値上げするというようなことはやめてくださいという趣旨で、便乗値上げの防止を指導しているところでございます。
○秋葉分科員 これは通産省の方から伺った数字ですけれども、石油の小売政策その他で一応小売レベルでのマージンというのは一リットル当たり二十円。その二十円というのでは実は四〇%の店に赤字が生じる、そういう値段であるということを伺ったのですが、それは誤りですか。
○黒田政府委員 二十円というのは、石油販売業の方々が要望しておられる数字であるというふうに私ども理解しております。 実態の粗利につきましては、私ども毎年一回調査をいたしておるわけでございますけれども、昨年の三月時点ではリッター当たり十五円ということでございまして、そういう段階で赤字の企業というのは約四割、こういうことでございます。
○秋葉分科員 そうすると、先ほどお答えになりましたそういった具体的な数字を持って指導しているわけではないというところは、お答えとしては撤回されるわけですね。
○黒田政府委員 いえ、今先生のお尋ねで、実態の方は十五円が現状でございまして、石油販売業の方々が要望しておられるのは、二十円くらいはという要望があることは承知しております。しかし、私ども別に、二十円は便乗値上げではなくて、それ以上は便乗だとかそういうことを申し上げているわけではないという意味において、先ほど申し上げましたように、この湾岸危機というものを奇貨としまして、合理的に説明できないような値上げをされることは便乗値上げであろう、こういう趣旨で、便乗値上げはしないようにということで指導しているところでございます。
○秋葉分科員 十五円で四〇%、その値段が幾らでも構わないのですけれども、ともかくそういった数字が具体的にあり、それをもとにしてやはり最終的には石油政策を考えて、考えなければ具体的な最終指導はできないわけでありますから、算定基準というのがどこかで出てこなくてはいけない。便乗値上げか便乗値上げではないのかというところを考えるに当たって、それでは算定基準はどこにあるわけですか。実態は知っている、しかしながら十五円、二十円というところで別に判断をしているわけではないということになりますと、便乗値上げをしてはいけないとは言うけれども、最終的に便乗値上げをしたかどうかという判断基準が全くないままに指導だけをしているということですか。
○黒田政府委員 私ども、絶対レベルを問題にしているというよりは、先ほど申し上げましたように、湾岸危機を奇貨といたしまして、その結果、例えば卸入れする石油製品の購入価格の上昇であるとか、人手不足等で人件費が上がったり、あるいは金利が上がってきているとか、そういった事情で説明できないようなものについては便乗値上げであろう、こういうふうに判断をしておるところでございます。
○秋葉分科員 しかしながら、具体的に数字が出てこないと最終的にはその判断はできないわけですので、そこのところをどういうふうにつなげられるのか、非常に好奇心を持って今考えているところなんですが、ちょっと時間がありませんので、実は私、もう少し申し上げたいことがあるのです。 どういう基準でそういう指導をしているか、それは別といたしまして、現実問題として、零細ガソリンスタンドで、例えば今回の湾岸危機に関する諸値上げによって自分たちのレベルでは吸収できないような経営状態に陥っているところがある。そういう状況があり、これからも恐らくそういった状況がふえるだろうということが考えられるわけですが、それは系列特約店、大手といわば一体になって営業している小売店にとってはほとんど問題にならないところですけれども、系列ではなくて、いわばお父さんとお母さんが自分たちで、英語で言うとパパ・アンド・ママ・ガス・ステーションというような形で言うわけですが、そういった個人経営の零細スタンドで、償却後でも例えばマージンが三十円ないと経営が成り立たない、しかしながら業界から出ている数字が二十円、通産省で考えているのは十五円といったような状況の中で経営が非常に難しくなっている、そういった零細ガソリンスタンドが存在する意義があると私は考えているわけですけれども、通産省はそういったものはある程度犠牲になってもしようがない、消費者ができるだけ安いガソリンを手に入れられればそれが一番大事なんだから、ともかくそのためには犠牲になってもらうほかはないというふうにお考えになっているのでしょうか。
○黒田政府委員 石油販売業のガソリンスタンドは今全国に五万八千強存在するわけでございますけれども、いろいろな経営環境の変化があることは事実でございます。湾岸危機だけではなく、そもそも、ほかの産業もそうでございますけれども、人手不足の問題であるとかいろいろな経営環境の変化があることは事実でございます。そういった経営環境の変化等も踏まえまして、私ども、中小企業近代化促進法に基づきましてかねて構造改善事業を実施してきているところでございます。特に最近そういった環境変化も厳しいものがございますので、平成四年度までということで現在第二次のガソリンスタンド業界の構造改善事業を進めているところでございまして、そういう観点からいろいろな助成についても充実を図っているところでございます。そういう中で、ガソリンスタンドの経営者の方々ができるだけこの環境変化に適応していただくように私どももいろいろ指導しているところでございます。
○秋葉分科員 そういった幾つかの対策があることはわかるのです。それは大切なことだと思いますが、ただ、それはすべての小売業に対して同じように援助を行う、あるいは底上げが同一に行われるということで、ですから、例えば大量の油を売ることになる系列化された特約店、それを一つのグループと見た場合に、それに対して経営規模の非常に小さい、零細のインデペンデントのガソリンステーションは結局価格という点で最終的には太刀打ちできない、こういう状況があるわけですから、そういう意味での不利というのは今おっしゃったような措置では全く軽減されない。したがって、零細なガソリンスタンドは消えていく以外にないというのが客観的状況だと思うのですけれども、それはそのままにしておいていいのか、あるいは何らかの措置を講じて、そういった小さな零細ガソリンスタンド、これはより一般的に言いますと零細の商店でありますとか小売店一般についても当てはまることだと思いますけれども、そういったものを残しておくことが大切だというふうにお考えになっているのか、その辺伺いたいと思います。
○黒田政府委員 ガソリンスタンドがどういう業者かということで助成が、底上げが同じようではないかということでございますが、ガソリン業界は九六%が中小企業でございますし、そのうちと申しますか、全体の七五%がいわゆる一企業で一SSを経営するというような零細な形にあるわけでございます。そういう中で、助成の制度につきましても、もちろん規模だけでということではなくて、実際にはそういった零細な企業の方々の場合には、例えば設備の導入をする場合でもリース事業を活用したいというような方もおられるわけでございまして、そういった設備を一括して購入することが困難な販売業者のためには、リースした場合のリース料の一部を助成するといったような制度も道を開いているわけでございます。 全般的な動向といたしまして、確かにガソリンスタンド業界は大型化と申しますか、あるいは統廃合と申しますか、そういう方向が一つの流れとしてあることも事実でございますけれども、しかし他方で、先ほど先生おっしゃいましたように、ガソリンスタンドの場合、地域に密着した経営形態というのもまた多く存続しているわけでございまして、私どもは別にどちらが優先ということではなく、しかしやはり各事業者の方々の創意工夫といったものを助長していくための支援策は講じているところでございます。
○秋葉分科員 創意工夫に期待するところもよくわかりますが、私が申し上げているのは、石油製品といいましても、例えばガソリンの場合に、その製品の優劣ということはもうほとんど問題にならないわけでして、最終的には売り値しかないというような商品だと思います。その場合に、では売り値を下げる、つまり競争力がつくのは何かというと、要するに大量にボリュームをさばくことによって価格を下げる、その場合には大手の元売が小売の店の系列化を図って、それによってボリュームを上げて値段を下げるという以外にほとんど方法がない、そういう非常に単純な業界だと私は思うのですけれども、事実、そういった傾向が起こっているわけです。 そこで犠牲になる零細企業というものがあるわけですが、それに対してやはり何らかの対策を講じる必要があるのではないか。つまり、極端に言ってしまえば、昔、貧乏人は麦を食えと言った大臣がいましたけれども、石油業界に関してそれと同じような状況を起こすことは避けるべきではないかというふうに思うのですけれども、その辺は原則としては賛成していただけるのでしょうか。
○黒田政府委員 私ども決してどういう業者がつぶれても構わないなんということを考えているわけではございません。先ほど申し上げましたように、やはりそれぞれのガソリンスタンドの役割というものがあるわけでございます。そういうものを踏まえながら、それに適した支援策は構造改善の方向に向けてぜひ充実してまいりたい、このように考えております。
○秋葉分科員 済みません、もう少し伺いたいことがあるのですが、時間が参りましたので、また時を改めていろいろと勉強させていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○野坂主査代理 これにて秋葉忠利君の質疑は終了いたしました。 次に、元信堯君。
○元信分科員 私は、特許制度が昨年の十二月に電子出願制度に移行いたしまして三カ月になるわけでございますが、この制度の現状など幾つかの問題点について通産省並びに特許庁の御認識を伺いたいというふうに思います。 まず、移行三カ月になった現状は、スムーズに移行しているというふうにお思いですか、幾らか問題があるというふうにお考えになっておりますか、現状の認識から伺います。
○植松政府委員 御指摘のとおり昨年の十二月一日から電子出願受け付けを始めたところでございます。現在までのところ、概括して申しますと、先生おっしゃられましたようにほぼ順調に滑り出したというふうに理解をいたしております。 御案内のとおり電子出願につきましては、いわゆるオンラインによる出願それからフレキシブルディスクを使いました出願、さらに、それが困難な場合には書面出願も可能ということで、三本立てで実施をいたしておるわけでございますが、そのうちのオンライン出願につきましては、予想されたとおりあるいはそれ以上のペースでコンピューター端末等も出願人の方に入っておりまして、十二月以来月ごとに、季節変動がございますのでそのまま比較することはなかなか困難かと存じますけれども、大体二〇%から三〇%増ということでオンライン出願が順調に滑り出しております。推計も入りますけれども、現在のところは三カ月間のオンライン出願とフレキシブルディスク出願によります部分がほぼ一対一、全体の出願件数の中で申しますと大体四六、七%がオンライン出願また同じ率でフレキシブルディスクによる出願が行われておりまして、七%程度が書面による出願というような状況で推移してきております。
○元信分科員 一番の問題は、フレキシブルディスクによる出願を行うに当たって、特許庁はJISというフォーマットを採用されたわけですね。これはいろいろ議論があったと思います。問題は、このJISをサポートしているワードプロセッサーなりあるいはパーソナルコンピューターのソフトウエアなりというものが、現状普及しているものから比べてかなり少ない、あるいは値段的に言っても相当高額であって、大企業でなければなかなか一般には使用しがたいというところにあろうかと思うわけであります。 新制度に移行して三カ月たったところで、この問題を改めてどういうふうにお考えになっておるのか。私は、例えば特許庁から業界などに働きかけて、もう少し安い機械が開発されるようにならないかとか、あるいはまた特許庁の方で、一番普及しているのは今のところMS・DOSだろうというふうに思いますから、MS・DOSに対応する受け入れというのはできないか。さらにまた、今、特許庁の外郭団体になるのですか、工業所有権電子情報化センターというものがあって、書面出願の場合はそこへ回してそこで打ち込んでJISフォーマットで特許庁の方へ届ける、こういうふうになっていると承知をいたしますが、ここのところで、普通のMS・DOSからJISフォーマットへのコンバートをするようなことが指導できないか。いろんなやり方があろうかというふうに思いますが、出願者の利便という観点から、今の時点でどんなふうにお考えか、承りたいと思います。
○植松政府委員 御指摘の点でございますけれども、まず、なぜこういったJIS規格を採用したかという点でございますが、一般的に申しまして、こういった標準仕様を使います場合に、御案内のとおり、特許の出願文書というのは、大変難しい発明につきまして特許を付与してもらって権利を保護してもらう、ほかの人はその技術は使えないということになるわけでございまして、いわゆる知的所有権ということで財産権をそれなりに保護するものでございます。そういう点と、それから発明は高度の技術内容を含むものでございまして、特許庁のサイドから申しますと、権利を付与するに当たりましては、その出願の文書の中身につきましては、一つには発明を詳細に説明する発明の明細書、さらには図形、それから権利として認めてもらうべき特許請求の範囲、こういったものを明確に記載していただきませんと権利付与ができないということでございます。 と申しますことは、結局、特許文書につきましては、その内容、それから記載の仕方、特に、単なる文章だけでございませんで、数式ですとか化学式ですとか、さらに図面まで使うということで、そういったものを一定の様式に基づいて出願をしていただかなければならない。一般にいろいろなワープロが現在使用されておりますけれども、そういった一定の仕様の中で間違いなく特許庁の方に電子情報として出願していただきますためには、文章の構造あるいは文字の種類、さらにフレキシブルディスクに書き込むフォーマット等につきまして規格が一体的に定められておるものであり、かつ公開されているものでありませんと、なかなかこれに見合うワープロあるいはパソコンというものが使えないということでございます。 今御指摘の、米マイクロソフト社が開発いたしましたMS・DOSと申しますのは、マイクロコンピューターのための基本ソフトでございまして、今申し上げましたような特許文書に適合するような形での先端技術を説明する種々の数式やら図面、さらに一定の様式における文書形態というものをあらわすためにはこれだけでは不十分でございまして、さらにそれに適合させるためには新たに付加的な仕様を定める必要があったわけでございます。その他のワープロにつきましても同様の問題がございまして、結果として新たに変換ソフトを開発しなければならない。そうしますと、この付加的な仕様に加えて変換ソフトの作成までやるためには、既に開発されておりますJIS規格を採用することが結果として一番安上がりであり、かつまたそのために、それに適合するワードプロセッサー、ハードウエアさらにソフトウエアを開発するためには、かえってそれの方が安く、競争原理も導入されて、ユーザーのためにも比較的安くて使いやすいワープロができるであろう、こういう期待を持ちましてJIS規格を採用したわけでございます。 また、そうは申しましても、今申しましたように特許の出願文書というのは先端技術を克明に、しかも一定の様式の中で説明しなければならないという意味で、それに適合しますワープロ等の汎用機ということで申しますと、かなり高いということも事実でございまして、何とかこれが少しでも安くできないかということで、既存の特許事務所等が使っておりますワープロを調べまして、できるだけそういったワープロあるいはコンピューターに変換のためのソフトウエアを追加するだけで利用できるようにということで、それぞれ関係メーカーにも要請をいたしまして、広く使える変換ソフトウエアの開発を要請してきたわけでございます。 その結果、現在ワープロでは九社七十七機種のワープロにつきまして、またコンピューターの関係で申しますと九社十四種のコンピューターソフトについてこのJIS仕様に適合しますフレキシブルディスクの作成に利用できますような変換ソフトが開発をされるというところまで来ておるわけでございます。
○元信分科員 その辺のことはわかりますが、私が今質問した中に、少し変換サービスとかそういうのを考えたらどうか、こういうのがあります。そこらはどうですか。
○植松政府委員 御質問の趣旨が特許庁の方で変換サービスをということであろうかと存じますけれども、御案内のとおり、こういった特許庁への特許、実用新案等の出願に際しましては、大手メーカーは社内に弁理士を抱えておりますけれども、大半のものは弁理士事務所を経由して代理人を通じて出願するというのが常態でございます。まさに今おっしゃられましたような変換のソフトを使ってのJISに適合します出願ということになりますと、それぞれ弁理士事務所におきまして既に開発されました変換ソフトを使いながら自分の所有しておりますワープロあるいはパソコンを使いまして特許庁に出願をしてくるわけでございます。そういう意味で、ある意味で民業圧迫というような問題もあろうかということで、現実には弁理士にそういった事務を従来からお願いしているわけでございます。 ただ、いずれにしましても有料でございますので、先生おっしゃるとおりできるだけコストを安く出願人のためにということであろうかと思いますので、この点につきましては、現在、発明協会に支部が各県の県庁所在地にそれぞれございます。この支部に共同利用端末を政府の方から補助いたしまして置きまして、JIS仕様以外のワープロで作成した文章につきましてもJIS仕様に変換することができますように、この支部に置かれました共同利用端末につけましたワープロの変換ソフトを使ってJISに適合しますフレキシブルディスクの作成、あるいは直接この共同利用端末を使いまして特許庁へオンラインによる出願ができるようにという手配をいたした次第でございます。
○元信分科員 発明協会の支部で読めるというのは、あらゆるワープロのディスクが読める、こういうことなんでしょうか。
○植松政府委員 全部ではございませんで、先ほど来申しましたいろいろと変換ソフトの開発をいたしておりますが、現在使用されております、世間に出回っておりますワープロのすべてがこれによって変換が可能というわけではございません。ただ、先ほど先生の御指摘になられましたMS・DOSのテキストファイルを含めましてかなりの種類のワープロの文書が、この共同利用端末を使いましてJIS適合型のフレキシブルディスクとして作成ができるようになってきております。
○元信分科員 ちょっと大臣にここで伺いましょう。この新制度を普及するために電子出願指導員制度を設けられましたね。七十人ほどの指導員が委嘱されているというふうに思いますが、どうも大部分が東京あるいは大都市圏に集中をしておりまして、地方には甚だ少ない。例えば北海道でありますとか四国には全くいない、こういうのが実情ではないでしょうか。制度の普及という点ではいま少し努力をしていただいて、全国的に配置する必要があろうかと思いますが、いかがでしょうか。
○中尾国務大臣 元信委員にお答えさせていただきます。 電子出願制度の円滑な導入のために、特許庁といたしましては各般の施策は実施しているはずでございます。こうした施策の一環といたしまして、実際に電子出願を実行する弁理士に電子出願指導員を委嘱しているわけでございますが、必ずしも委員御指摘のとおり全国各地には及んでいない。四国、北海道と言われましたが、そうなのかもしれません。しかしながら、特許庁では、地方における電子出願支援を行うために電子出願モデルルームを九カ所設置している、専門家による電子出願相談事業の実施、これは三十八カ所、それから共同利用端末の設置、これを四十七カ所等の普及支援策を実施しておりまして、これらによりまして全国的に指導体制がやや整備されているのではないかと考えておる次第でございます。 今後ともさらに普及支援策の一層の活用をしていただきたいし、またどうかそのように御活用賜りたいと思料するものでございます。
○元信分科員 ぜひ全国的に配置されるように御努力をお願いしたいと思います。 もとの話へ戻りますが、FD出願をJIS形式でやりますと、ほとんどのワープロ、今おっしゃったもののうち一たんJISに変換をして、そのJIS形式でどういうふうに実際には書かれているかということを確認できないというのが困った点でございます。 どういう点で困るかといいますと、文書で出願をして、先ほど申しました電子情報化センターへ特許庁から回って、そこでJISに変換をされた、こう言われておるわけでありますが、実際にはそれがどういうものであるかということは出願者はわからないわけですね。東京在住の方は特許庁まで出かけて請求をすればそれは見られるようでありますけれども、地方在住者はそのために一々東京へ出てくるわけにはいかない。当初検討もされておったようでありますが、プリントアウトを希望によって出願者に郵送するなどのサービスをするべきではないか、こう思います。どうでしょうか。
○植松政府委員 今御質問の点でございますけれども、私どもとしても出願者が大変不安に思われるというようなことで、不安の解消のために何かないかというのはいろいろ議論をしたわけでございますが、まず、郵送によりまして遠隔地の出願者に直接コピーをお送りするということにつきましては、実は出願内容というものは一年半は秘密にされておりまして、一年半たちまして出願公開されるという制度から、この間は厳重に他人に漏れないように秘密を守らなければならない。そうしますと、郵送でやりますというときには、どうしても相手方の、送り先に対する本人に必ず届く、あるいは途中でだれの手にも渡らない、あるいは目に触れないという形の確実な保証がないとお送りできないわけでございます。そういった点から、現在のところは非常に問題が多くて、そのまま郵送によりお送りするということは難しいというのが現在の結論でございます。 ただ、御案内のとおり、現在特許庁の出願窓口におきましては、御本人がお見えになれば出願内容について閲覧にも応じますし、またプリントアウトした、複写したものをお渡しするということは可能でございます。ただ、遠隔地の人でわざわざ出てくるのは大変じゃないか、こういう点が残るわけでございますが、仮に出願代理人が東京都内とか近辺におられる人、あるいは出願代理人が東京に来られるときに、代理人を通してであれば、本人確認といいますか代理人の確認をすることによりまして代理人にお渡しして、代理人から御本人にしかるべくお送りするということは現在でも可能かと思っております。 なお、ペーパーレス計画が現在も進行中でございますけれども、行く行くはオンラインによる閲覧システムを導入することを予定しております。これが完成いたしますと、遠隔地から直接自分の出願いたしましたものにつきましてオンラインで閲覧が可能になるということでございますが、現段階はまだ中途の段階でございますものですから、今申しましたような方法で若干の御不便をおかけしますけれども、一方ではやはり出願人の出願内容の秘密を守るという観点も大変重要であろうということで、現在のところは今申し上げましたようなやり方しかないのが実情でございます。
○元信分科員 一つのやり方として書留を利用するとかありそうにも思うのです。あるいはまた同様に、フロッピーディスクそのものを返してしまって、あなたのものはこうなっていますよということもあろうかと思うのですが、フロッピーディスクは特許庁の方針では返還しないということになっているそうですが、なぜ返還しないのか、返還しなければ特許庁にフロッピーディスクがたまって困りはせぬかと思いますが、どういうふうに処分されるおつもりなのか、その二点。
○植松政府委員 フロッピーディスクにつきましても同様の問題がございまして、御本人が出頭される場合には本人確認というのはできるわけでございますけれども、フロッピーディスクの中身を入れたままで本人確認ができない者にお渡しするということになりますと、これはやはり秘密の漏えいという問題が出てくるという点から、先ほどの書面出願同様の問題が出てくるわけでございます。それから、従来も実は、書面出願だけの場合におきましても本人閲覧はできるわけでありますけれども、フロッピーディスクであろうと書面であろうと、原則として出願の書類につきましては書類そのものをお返しするという形はとっておりません。そういう点から、特に従来と方針を変えたわけではございませんで、従来どおりということでございます。 仮に、もしもこのフロッピーディスクの例えば資源の再利用と申しますか、そういう観点から、返したらまた使えるじゃないか、こういう議論もあろうかと思うのでございますが、実際に返還をいたしますと郵送料、さらにその前に幾つか多数の出願がなされておるわけでございますので、その整理したものの中からまず取り出すということで、実はこちらの特許庁サイドでもまたそのための人が必要であるという問題、それから、今申しました郵送料の問題等もございまして、コスト的にも問題があるということ。それから、それに加えて先ほど申しましたような秘密の漏えいという問題もあろうかと思いますので、もし一般的に戻すということになれば、その中身について例えば抹消いたしまして、それから空にしてお返しするということになりますと、また現在の出願内容を消すための費用というようなことでコストが非常にかかる。一方、フロッピーディスクの価格自身は、裸の価格で申しますと安い、せいぜい二百円程度とか、そういうような価格で市場で売られているということがございまして、フロッピーディスクをもう一度再利用して使うためには、現在のところむしろコストの方がかかり過ぎるのではないかというふうに考えておる次第でございます。 〔野坂主査代理退席、主査着席〕
○元信分科員 そうおっしゃいますが、物を大切にするというのは僕は世の中のトレンドだと思うのですよ。立派に使えるものを、セキュリティーのためには焼却か何かしなければならぬでしょう。立派に情報機器として使えるものをそんなことすることはない。今お話を聞いていると、本人ならこれは返したっていいように理屈としては聞こえるわけですし、中身を空にするのは磁場をかければすぐ消えることでありまして、別に金のかかるわけでもありません。ちょっと検討してみてください。たくさんフロッピーがたまって特許庁では燃やしているそうだというようなことになっても僕はぐあいが悪いと思うのですね。検討課題としてお願いしておきたいと思います。 それから、冒頭特許庁長官は、まずまずうまくいっておるというような御趣旨でございましたが、ことしの一月、特許庁審査第一部出願課は、「電子出願手続に当たって特に注意すべき事項」という文書をお配りになりましたね。いわばお説教をくれたわけであります。その中で、ここのところを気をつけろとおっしゃっている中に現行の施行規則と整合しない部分があるのではないかというふうに思われます。 例えば書面出願において、願書の中に識別番号という欄を設けるのですが、この欄については、施行規則様式第二十六備考の十一で「識別番号の通知を受けていない者については、「〔識別番号〕」には記入するには及ばない。」というふうにおっしゃっているわけですが、出願課の「注意すべき事項」の中では、識別番号を付与されていない者は項目も含めて何も記載しないとなっているわけです。つまり、規則の方では、識別番号の欄を設けて、そこには番号をもらっていない人は何も書くな、こういうのが規則でありましょうが、御注意の方では、識別番号という欄そのものを書くなと書いてありまして、これはお互いに食い違うのではないかというふうに思われます「注意すべき事項」では、幾つか問題があるが、大部分はふなれによる誤りだなんというふうにおっしゃっているわけでありますが、今申しましたようなケースでは、施行規則どおりに出願文書をつくって持っていくと、「注意すべき事項」に言うところの誤りになってしまうわけですね。これは出願者としてはまことに困ることでありまして、なぜこのような指導をされたか特許庁の真意を知りたい、こういう声が幾つかございます。 実際にはどういうような窓口の対応を行っているのか、なぜこのような指導をするのか、今後どういうふうにするつもりなのか、承りたいと思います。
○植松政府委員 今御指摘のとおりでございまして、現在、工業所有権の手続の特例法の施行規則第二十三条の様式第二十六というところの備考に今先生がおっしゃられたようなことが書いてあるわけでございまして、識別番号の欄にはもしも識別番号の通知を受けてない者につきましては記入するには及ばないというふうに定めておるわけでございます。 現実に特許庁サイドのこの運用がどうなるかということでございますが、出願に際しまして、まだ識別番号の通知を受けていない者、こういった者につきましては識別番号がないわけですから識別番号のところには書きようがないわけでございますが、その場合、識別番号の項目を作成しまして、同欄を空欄にして提出されますと、私どもの方の処理は、電子情報としてファイルに入れます場合に、機械処理上、識別番号を持っている者の記入漏れと同じ扱いになってしまうわけでございます。そうしますと、私どもは出願がされますと方式審査をいたすわけでございますが、方式審査の際に、機械処理が記入漏れということで要注意ということで、チェックが必要ということになるわけでございます。方式審査に参りますと、チェックの必要があるんだ、出願にどこか欠陥がある、ついてはどこに欠陥があるかということについて、識別番号のところだけなのか、あるいはそのほかにも欠陥があるのか、ここは機械処理上同一になってしまうものですから、単に識別番号のところが空欄になっているものであれば、むしろ識別番号という項目を作成しないで出していただいた方が無用なチェックをしなくて済むという便宜が実はあるわけでございます。 その関係で、先ほど御指摘の出願課の方の、わかりやすい説明書ということでお配りしたわけでございますが、そこではたまたま正誤という形で、そういうものが書いてあるのが誤りで、識別番号の項目をつくらない方が正しいというふうにお願いをしたわけでございます。ただ、出願人のためにはいずれにつきましても特に不便をかけては相済まないわけでございまして、たとえそこのところが、識別番号という欄を設けて空欄のまま出されましても、特許庁サイドで識別番号を付与いたしまして方式審査に回し、さらに審査の方に回すということで、出願人の方には迷惑はかけないようにということで処理をいたしております。 ただ、この省令の書き方及び説明書、たとえ仮に説明書と申しましても、今先生がおっしゃられましたような疑問点、不安感が醸成されてはいけないと思いますので、この取り扱いにつきましては、そういった誤解が生じないようにもう少し内部で検討いたしたいと思っております。
○元信分科員 要するに誤りですね。備考の十一というのはこんなふうにしない方がよかったわけです。それならそれで、早くそこを改めて、そして出願者に対しても、これは誤りだなんて決めつけるのではなくて、これはそうではございませんでしたとちゃんと事情を説明して、後がうまくいくような新たな改正をなさるべきであろう。要望しておきたいと思います。 最後に、同様なことでありますが、書面出願において、従来、出願と同時に審査請求をする際は、願書の添付書類の目録の欄に出願審査請求書と記載をして願書の添付書類という扱いをとってきました。新制度のもとでは、出願審査請求書を願書の添付書類とすることはできず、提出物件票を用いて、そこに願書、出願審査請求書双方が提出されるように記すと聞いているけれども、法制では、提出物件票はたしか任意のものであったのではないかと思われます。こういう場合についても、どういうふうにすればいいのかこの際聞いておいて、終わりたいと思います。
○植松政府委員 御質問の点は、書面出願の場合の提出物件票の添付の件だと思いますが、御案内のとおり、フレキシブルディスクで出願されます場合には、郵送されますので、その中に幾つかの複数の出願案件あるいはその他の案件も含まれる可能性があるということで、郵送されます出願書の中に、義務として、その中に入っております提出物件はこういうものであるということの物件票を添付していただくことになっております。一方、書面によります場合には、義務的にそういう形で添付をしていただかなくてもわかりますので、現在、特許法の施行規則におきまして「提出物件票を添付することができる。」ということで、できるとは書いてありますが、義務づけにしていないわけでございます。 一方、特許庁サイドからの事務処理で申しますと、書類による出願の場合でも、複数件出てまいりますものですから、こういう場合に間違いのないようにという意味では、出願者が今回、同一時点で出しました出願案件数はこれとこれだ、あるいはその他の中間手続の書類はこれなんだというリストを入れておいていただきますと、私どものサイドからいいますと間違いなくチェックができるという意味で、義務づけをしないで、お願いベースで、できればそういった物件票もつけておいていただけるとありがたいということでお願いをいたしておるわけでございます。
○元信分科員 終わります。
○相沢主査 これにて元信堯君の質疑は終了いたしました。 次に、玉城栄一君。
○玉城分科員 私は、新エネルギーについてお伺いさせていただきたいと思いますが、大臣は何か所用がおありで、ちょっとお出になるということを伺っておりますので、一点だけ。 地球の温暖化とか酸性雨とか、そういう環境破壊によって、近年いわゆる化石燃料、石炭だとか石油の消費はできるだけ減らすべきであるという声が非常に高まっておりますが、特に湾岸戦争等をきっかけにしまして、石油に対する依存度というものはできるだけ抑えていくべきであるということはそのとおりだと私も思います。 そこで、新エネルギーというものはこれから非常に大事だ、このように思うわけでありますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○中尾国務大臣 王城委員にお答えさせていただきます。 王城委員はこの面においてはもう大変ベテランな議員でいらっしゃいますから、また私以上にその面においては知悉しているわけでございますが、実際今御指摘いただきましたように、私どもが本当に若くして議員になりましたころ、こんなにまで環境問題というのはあったのだろうかと思うような状況が今の状態でございます。例えば今の環境問題、オゾン層の問題あるいは環境破壊の問題、今度の油井、油田の問題、湾岸の問題のようなものもすべてが公害、環境破壊に通ずる。この問題は私どもも全く、何といいますか皮膚感覚的に、これは人類そのものが大きな挑戦を受けているのではないかなという感じがするわけでございまして、グローバルな意味で今から真摯に、積極的に取り組んでいかなければならぬという感じがするわけでございます。 我が国は、過去二度の石油危機を迎えまして、新エネルギーを初めといたします石油代替エネルギーの開発及び導入に努めてきたところでございます。特に太陽光発電等の新エネルギーにつきましては、昭和四十九年以来、サンシャイン計画におきましてその技術開発に積極的に取り組んできたところでございます。昨年七月には、近年の内外のエネルギー情勢あるいはまた地球環境問題への関心の高まり等の状況の変化を踏まえまして、産業技術審議会新エネルギー技術開発部会の中間報告におきまして、新たな技術開発への着手等、今後の新エネルギーの技術開発のあり方の見直しが提言されたところでございます。同報告を受けまして、当省といたしましては今後とも新エネルギーに係ります技術開発により一層努めてまいる所存でございます。 私どもの決意のほどの一端を述べまして、まことに申しわけございませんが、私も今から商工委員会で提案理由説明をしなければなりませんので、失礼させていただきます。
○玉城分科員 ただいま大臣の方から新エネルギーの開発のお話がございました。 それで、具体的な問題として、新エネルギーの開発の一環として、沖縄県にいわゆるエネトピア・アイランド構想というものを皆さんの方で今実施をしていらっしゃるわけですけれども、その概要、概要といいましても例えば施設の概要だとかあるいは立地の地点であるとか、それからプロジェクトの進捗状況であるとか研究開発期間であるとか、それから予算の概算等を御説明いただきたいのです。
○深沢政府委員 お答え申し上げます。 沖縄エネトピア計画、これはもう御承知のところでございますけれども、太陽それから風力エネルギー等の新エネルギー関係の研究開発プロジェクトを自然条件等のすぐれた地域に集めまして実施しようとする、そういう構想でございます。そこで、平成二年、昨年の六月でございますけれども、立地地域といたしまして宮古圏域を決定したところでございます。そこで現在、太陽光発電と風力発電とソーラースターリング発電を導入設備として技術開発プロジェクトを推進中でございます。 それで、それぞれ個々にちょっと申し上げてまいりますと、太陽光発電につきましては、開発のための諸手続は大体終了いたしまして、現在敷地造成中でございます。城辺町の七又でこの辺のところが始まってまいります。太陽電池の組み立て自体ということになりますとこの四月以降進んでまいる、そういう予定でやっております。 それから、次に風力発電でございますが、これは、風況調査によりますテストサイトの選定を今実施しようとしている最中でございます。二百五十キロワット級のものを平成三年度造成着工ということで予定してございます。このテストサイトにつきましては今大体内定の段階でございますけれども、西平安名岬に内定ということで今取り進めておるところでございます。 それから、三番目のソーラースターリング発電でございますが、現地の気象条件調査それからスターリングエンジンの工場内要素研究を今やっておるところでございます。二月以降立地地点の基礎の施工を開始しております。三年度以降機器の設計ということに着手することで予定ができ上がっております。 それから御質問の運転研究の段階がどの程度になるかというところでございますが、早いものにつきましては平成四年度から運転研究に移るというような予定で進めておるところでございます。 今後、平成六年度を目途にしましてこのプロジェクトの完成を予定しているところでございますが、いずれにしましても、新エネルギーのモデル事業としましてこれも積極的に推進していこう、そういう所存でおるところでございます。 それから、ちなみに、所要資金を先生御質問されましたけれども、太陽光発電、風力発電それからソーラースターリング発電、これ全体で、資金規模でいきますと大体三十億円程度ぐらいに相なろうかと思っております。 以上でございます。
○玉城分科員 ただいま太陽光発電、太陽熱発電それから風力発電、ソーラースターリング発電、このほかにも燃料電池であるとか波力発電というのもこの計画の中に入っているように伺っておりますけれども、今申し上げたその点は今後どうなりますか。
○深沢政府委員 今具体的に進めようとしておりますのが先ほど申し上げました三点のものでございます。御質問の燃料電池それから波力発電等につきましては、これはまだ委員会等々としまして検討している最中でございます。
○玉城分科員 検討されているということでありますけれども、沖縄エネトピア・アイランド構想というのは、これは沖縄県の宮古島をアイランド構想としてやっていらっしゃるわけですから、その検討していらっしゃるというのは、こういう波力だとか燃料電池をやる場合はこの宮古島にやっていく、そういうふうな検討をしていらっしゃるわけですね。それとも、それを前提にして、島の中をどこが適地であるとか、そういうことの調査をしていらっしゃるわけでしょうか。
○深沢政府委員 具体的な調査ということになりますと、正直申し上げましてまだそこまで立ち至っておりません。しかしながら、大体やはり宮古圏域というようなところを念頭に置きながら検討を進めてまいる、そんなつもりでおります。
○玉城分科員 それで、波力発電は、我々素人ですから波の力で電気を起こす、そういうふうに理解をしているわけですが、それにはやはり波力の起こるようなところだと思うわけです、素人なりの想像なんですけれども。 今度は燃料電池。燃料電池といいますと、私も本当によくわかりませんけれども、これが研究開発されますと、実用化された場合に、今されている分もあるかもしれませんけれども、どういう用途といいますか、どういうふうに使用されるのでしょうか、簡単に御説明いただきたいと思います。
○杉浦(賢)政府委員 御質問の燃料電池についてお答えいたします。 燃料電池の非常によいところは、効率が余り大きさによらないというところでございまして、小さな設備でも大きな設備でも単位を積んでいくことによって使うことができるということがあるかと思います。それから、いろいろな燃料を使うことができまして、例えば水素、天然ガス、石炭ガスというようなものを使うことができます。それから、効率にいたしましても、四〇%から六〇%ぐらいの高いものが得られますので、大変効率のよい発電をすることができます。 私、ただいま燃料電池で効率が四〇から六〇と幅を持って申しましたけれども、三種類ございまして、その一つは燐酸型の燃料電池でございまして、これは効率で四〇%ぐらいでございますが、現在のほかの発電方式に比べるとこれでも大変効率がよろしいかと思います。これはもう既に開発の段階を過ぎまして、五十キロワットから二百キロワットぐらいのものは既に商業化される見通しでありますし、次世代の溶融炭酸塩型の燃料電池がただいま開発中でございますが、これですと四五以上の効率が可能になります。それから、第三世代の燃料電池として固体電解質燃料電池というのがございますけれども、これですと五〇%以上の効率が得られます。 特徴といたしましては、小型でも高い効率が出る、燃料が多様化できるというようなことが特徴でございまして、その特徴を生かしまして具体的に使うということになりますと、例えばビルの中にこれを設置することができまして、燃料電池から出る熱と電気と両方を使うというようなことが可能になってまいります。これをコジェネレーションと呼んでおりますけれども、こういうようなことが燃料電池の特徴でございます。
○玉城分科員 そういう専門的な知識は全くございませんので、申しわけないのですがよくわかりませんが、大きな病院だとかホテルとか、そういうところに熱と電気を同時に供給するには非常に適しているという話もちょっと伺ったことがあるわけです。そういうものの研究開発をこの宮古島でアイランド構想の中でやっていこうというお話だと思います。 そこで、先ほど、風力発電システム、これは内定で場所は西平安名岬だ、私この島の出身ですから場所はよくわかります、ということですが、この風力発電というのはどういうものですか。これは何本ぐらい建てられて、その規模だとか、その辺をちょっと御説明いただきたいのです。
○深沢政府委員 現在宮古圏域で考えておりますのは、最終的には七百五十キロワットぐらいを目指してつくり上げようとしております。それで、さしずめまず二百五十キロワットぐらいの能力のあるものを入れていこうということで、平成三年度から先ほどちょっとスケジュールを申し上げましたように入れていこう、こういうふうにしております。そういったものを、二百五十キロワット級のものを複数、それから小さいものも合わせまして大体七百五十キロワットぐらいを想定しながらあそこの地域で総体的に動かしていこう、こういうふうに考えております。
○玉城分科員 風力発電総体として発電規模が七百五十キロ、複数で建てたり小さいものを建ててそういうふうに発電規模として考えていらっしゃる。宮古島で、今の風力発電、それから先ほどの太陽光発電合わせて、この計画は発電規模はどれくらいであるのか、今、風力は七百五十とおっしゃいました。どれくらいですか。
○深沢政府委員 三つございますから、まず太陽光発電で約七百五十キロワットです。それから、風力発電で先ほど申し上げましたように七百五十キロワット。それから、ソーラースターリング発電で約二十四キロワットというところでございます。 それで、これは全体から見ましてどのくらいの感じになるかというところでございますけれども、平成六年くらいで沖縄の宮古島の発電設備は大体四万九千九百キロワットくらいだろうと思います。ディーゼル発電で大体そのくらいだと思います。したがいまして、これはまだ必ずしも正規の供給力となるものではないものですから一概には言えませんけれども、先ほど申し上げた量で全体に対しまして約三%強くらいに相当すると思っております。
○玉城分科員 今おっしゃいました宮古島、この島の電力需要量は四万九千キロワット、そしてこの計画が約千五百くらいですか。ですから、その三%強くらいを、これは試験研究のものですから常時供給というものではないでしょうけれども、三%くらい、島の電力需要のうち出力といいますか、供給といいますか、それは試験のための供給なんでしょうけれども。 それで、ちょっと私はお伺いしたい。というのは、こういう新エネルギー発電に対して非常に期待があるわけです。御存じのとおり沖縄県は四十余の有人離島があるわけです。ですから、こういう新エネルギーが開発されますと、沖縄県は沖縄電力が電気を供給しているわけですけれども、離島は非常に電力コストがかかるわけですね。そういういろいろな問題がありますので、これが本当に実用化されるような段階になりますと非常に助かる。私は、エネルギーの供給見通しでも、現時点で総体のうちの新エネルギーの分野というのは一・三、十年後、二〇〇〇年では三・〇%ですね。それから二〇一〇年、二十年後は五・三という数字を見せていただいたわけです。 ですから私がお伺いをしたいのは、これは平成六年とおっしゃいましたが、発電の出力というのは平成四年から徐々に、六年を一応研究開発のめどとされているということですけれども、問題はその後、この研究施設とかそういうものは、あのエネルギー見通しからして新エネルギーはどんどん研究を強化していただいて、それだけの供給体制をつくらなくてはいかぬわけですから、それはつくったわ、六年来た、終わったからもう施設は要らない、こういうわけにはいかないと私は思うのです。むしろ強化、拡大の方向に当然行くべきだと私は思うのですね。せっかくつくった新エネルギーの研究のための施設ですから、そう思いますが、どうですか。
○深沢政府委員 現在NEDOが研究開発のために設置する施設につきましては、この研究開発終了後に適正な処分を行うということになっておりまして、具体的に言えば譲渡とか解体撤去、こんなようなことになりますけれども、いずれにしましても、研究終了時点におきまして地元等の御要望なんかも踏まえながら検討していこう、こんなふうになろうと思います。
○玉城分科員 太陽光発電、これは皆さんからいただいた資料の中には、太陽光発電は、五百世帯、千五百人、七百五十キロワットというような規模の発電だというようなお話を資料からも伺っているわけですが、そのくらいの発電規模です。たくさん島々がありますから、石垣島にもあるいは宮古島にも、多良間島なんかはまさに千六百人ですから、世帯が四百世帯くらいですか、似ているわけですね。ですから、この研究開発がきちっとされて、そういうところにこういうものが設置されますと非常に沖縄の電力状況というのはよくなると私は思うわけですね。それで沖縄本島と離島、離島は今申し上げた四十余の有人離島ですが、電力コストが非常に差がある。いわゆる離島の方はコストが高いと言われておるのですが、どれくらい率として高いのか、そしてその原因、その辺を御説明いただきたい。
○川田政府委員 お答え申し上げます。 個別点ごとの発電原価というのは詳細には把握しておりませんけれども、本島では比較的規模の大きい石炭火力などがあるのに対して、離島では小規模な内燃力発電、ディーゼル発電というのに頼らざるを得ないというのが現状でございますので、全体では離島の発電原価がかなり高くなっているのではないか。 その要因をちょっと御説明いたしますと、キロワット当たりの建設費及び人件費のコストが高くならざるを得ないこと、それから、燃料が普通の場合はC重油ですが、離島の場合はA重油を使わざるを得ないということで、この価格差があること、それから、離島は離島の中でやはりバックアップ電源を持つ必要があって、どうしても利用率が低くならざるを得ないという面がございます。こういったことからかなり大きな差があるのではないかと思いますが、島ごとの数字は必ずしも詳細に把握いたしておりません。
○玉城分科員 先ほどもお話ありましたとおり、宮古島に関して言うならば、電力需要の総体の約三%強は常時供給すれば出せる発電規模を持っているということからしますと、沖縄全体の、沖縄は離島が非常に多いわけでありますから、これは三%ですけれども、むしろ五%に引き上げ、または一〇%に引き上げることは私は十分可能だと思うのです。といいますのは、海底送電をしたり、島で発電施設をつくって自家発電をやるというような状況というものが、こういうものをずっと島ごとに設置すれば非常にいいことだと思うわけです。 それで、これはある意味で夢のある話ですから、例えば風力発電なんというのは西平安名岬あたりに設置される。それからまた池間大橋という橋が近いうちに完成します。非常に観光的、観光というと失礼ですが、そういう島の非常に目玉的な施設としてもっと並行してやれると思うわけであります。そういう意味でも、先ほどのお話で、地元のいろいろな要望等、沖縄電力とも話し合いをしてこの施設をどうするか、あるいはそれを継続してずっと研究体制に生かしていくか、そのときでいろいろお話し合いはされるということでありますけれども、そのように理解してよろしゅうございますか。
○深沢政府委員 御指摘のように、ある意味で広がりを持って考え得る問題かと思います。そのためにも、現在本プロジェクトを研究開発しているものでございますから、これの円滑な推進を積極的に進めていかなければならないと考えております。
○玉城分科員 これは何も沖縄だけの問題ではありませんで、我が国各地域、いろいろな離島もあれば、こういうように新しいエネルギーを使った発電が非常に適している面があると思うのですね。ですから、大臣、これをぜひ、さっき冒頭申し上げましたように、新エネルギーの開発研究が非常に大事だと思うのです。石油とか石炭に依存しないで、こういうものをどんどん開発すべきだと思うのです。大臣もそのとおりおっしゃっているわけであります。それから、NEDOという機構がありますね。この予算とか人員とかこの機会にいろいろ調べてみたわけです。ですから、これからこういう新エネルギーのシェアをどんどん広げていくという体制にしては、このままの状態で果たしていいのかどうか。もっと研究体制を強化して、あるいは予算も強化していくべきではないかという感じも持っているわけですが、いかがでしょうか。
○中尾国務大臣 私は、やはり基本的には裏づけは予算だと思います。その意味においては、これだけの新エネルギーといいましょうか、これだけ今ニーズが世界的に強まっておる。このときに、日本がむしろパイオニアのようになってこれを考えていくのには、予算の裏づけを設けて、きちっと今の世界の動きに沿ってやっていかなければいくまいなという感じかいたしますので、その点に向けては、これは私の責任でもありますから、全力を挙げてみたいと考えております。
○玉城分科員 最後にもう一点、大臣にお伺いしておきたいわけでありますが、こういう研究開発をされますと、これはひとり沖縄だけではありません、風力とか太陽熱とか太陽光で発電していこうという研究体制ですから、当然、研究開発のためには東南アジアとかそういうところが非常に大事だと思うのです。ですから、私はこの前外務委員会でそのことを具体的に話をし、そういうものにODA予算を使って、研修員を東南アジア関係国から呼んで実際にそういうものを研修させるとかということが非常に必要だと私は思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○中尾国務大臣 これは個人的見解も多少含めて申し上げたいと思いますが、ODAも各国、発展途上国に資する大きな要素でございましょう。同時にまた、いたずらにODAをそういう形でもって力を入れて、どうもそれだけの効果が上がらなかったなという面もないわけではないかもしれません。そういう点では、十分それを精査し、調整し、そしてなおかつ、そういうようなエネルギー源などに使うような予算、そういうものに対しては、これはエネルギー源でございますから、先ほども委員がおっしゃったとおり、太陽熱もあれば地熱に至るまでありとあらゆるものがございます。そういうような問題における研究調査には相当力を入れるべきではなかろうかと思うわけでございます。 大プロジェクトとしては、新エネルギーの技術開発が極めて大事であることは申すまでもないわけでございますが、現段階では、御指摘のような観点から特別な計画を有しておるわけではございません。しかし、当面は本プロジェクトの主眼でございます技術開発を円滑に推進することがまず一番大事なことだろうと考えております。その重要な課題としてとらえまして、ただし、太陽、風力等の新エネルギーのモデル事業としてのエネトピア計画の立地地域を沖縄・宮古圏域といたしましたことは、豊富な自然エネルギーの賦存を考慮したものだと思っておりますし、沖縄地域と類似した気候条件を有する東南アジアには、本計画の実施により新たなエネルギーの導入実績が示されれば、なお有効な波及効果が、一波が万波を呼ぶように期待できるのではないか、このように考えるものでございます。
○玉城分科員 時間が参りましたので、終わります。
○相沢主査 これにて玉城栄一君の質疑は終了いたしました。 次に、米沢隆君。
○米沢分科員 私は、今般租税特別措置の一部改正法案の中で提案されております長期所有土地等から減価償却資産への買いかえ特例の廃止という問題一点に絞って通産大臣の見解をただしてみたいと思います。 まず、これが、廃止が決定されるに至った経緯についてでありますが、こういう特例措置がなくなった場合、中小企業等にどのような影響が出るかという分析ぐらいはなされた上で通産省は大蔵省との協議に臨まれたと思うわけでありますが、一体通産大臣はどのような認識を持って大蔵省と合議に入ったのか、その点を詳しく御説明いただきたい。
○横田政府委員 御承知のとおり、この事業用資産の買いかえ特例、長期保有土地についての制度は昭和四十四年からの長きにわたる制度であるわけでございますけれども、導入当時から、これらの仕組みはいわば国土利用政策あるいは土地政策の観点から特別に課税の繰り延べを認めるということでこれまでも維持されてきたわけでございます。そういう中で、近年の土地問題等の中で、この特例措置がむしろ土地の資産としての有利性を助長するといった問題点が多く指摘されるようになったわけでございまして、今般の土地税制の、保有税制、譲渡税制あるいは取得税制、それぞれの総合的な見直しの中で、むしろ廃止することが適当であるという結論になったものと理解いたしておるわけでございます。その意味では通産省だけの立場でどうということではございませんで、政府全体の大きな土地政策の中の見直しの一環ということでございまして、私どもとしてもそういう中でこの改正を受け入れざるを得ないということでございます。
○米沢分科員 今の御答弁は大蔵省の答弁なら私はよくわかるのです。確かに、この事業用資産の買いかえ特例につきましては、国土利用計画やあるいはまた土地政策の観点からこのような措置がなされてきた。しかし、結果としてはそれが産業政策的にもあるいは中小企業の経営戦略の中でも相当大きな効果を持ってきたことぐらいは通産省としてよく御理解いただいた上で、もしそれが廃止されたならば一体どうなるかぐらいの議論をするのが、私は通産省の立場でなければならぬ、そう思っておるわけでございます。その点、単に今度政府全体として土地税制改革をやろうという議論の中で、そういうものも見捨てていい、看過してもいいという立場に立ってすぐオーケーしたんだというなら、それはそれなりの見解でありましょうけれども、私は通産省という立場からしたら、結果としてそれが、国土利用計画だとか土地政策の観点からなされた特例であったとしても、そのことが中小企業にとっていかに大きな味方であったのかという、そういう観点で、一挙に税金が一〇%ぐらいから六二%に膨れ上がるようなものを座視するというのは、あなた方が怠慢だと私は思うのです。
○横田政府委員 この制度が長く定着していたということもございまして、まさに御指摘のとおり一部の企業の税負担の軽減、そういうものを通じまして、その結果として企業の事業運営等の面にもいろいろな反映がなされてきたことは考えられるわけでございますけれども、何せ基本的に本制度が国土利用あるいは土地政策という観点から導入された十五号の制度というわけでございます。 御指摘のように、私ども通産省の行政を推進してまいる中でも、昭和四十年代の前後から、産業立地政策あるいは産業再配置政策、中小企業政策等々の観点から、税制面の買いかえ特例を含みましたいろいろな措置は講じてまいってきておるわけでございまして、今回の土地税制全体の見直しの中でも、それらの維持、拡充等を含めまして、財政当局と土地税制全般の議論の中でやってまいったわけでございます。ただ、この十五号税制につきましては、その制度の趣旨が、先ほど申し上げましたような国土利用政策、土地政策の観点からの制度であったということで御理解賜ればと思います。 ただ、今回の廃止に際しましては、既に進行しております事業計画に支障を来さないようにという観点を含めまして、所要の経過措置を講ずるなどの配慮も行われておると承知しておるわけでございます。
○米沢分科員 私が通産省に特に聞かしていただきたいことは、これがなくなった場合に一体中小企業にはどういう影響があると認識を持っておられたのか、そのことなんですね。なければないでいいですよ。あるのならば、ある部分については、こういうドラスチックな改正というものは、やはり余りにも変化が激し過ぎやしませんかぐらいなことは言っても、国土政策に何かおかしくなるわけじゃなし、土地の有利性を一挙に助長するような話でもなしということを言いたいのですよ。
○渡辺(修)政府委員 先ほど来、産業政策局審議官の方からお答え申し上げておりますように、本件、昨年来の大変な国民的な声を受けました土地税制の一環として持ち上がってきた問題でございます。 当然のことながら、我々中小企業を預かる者として、それの持つ影響等々について我々なりに議論はいたしたわけでございますし、かつまた、一部企業の税負担が結果的に本制度によって受益する分野があるという点ももちろんございますけれども、しかしながら、そういったことも総合的に考えまして、さはされど、先ほど来申し上げますように、本来この制度が国土利用政策あるいは土地政策の問題で、かつこれの土地保有の有利性の問題がここまで大きくなったこの段階において、我々は全体の大きなマクロの政策というものを考 えながら、この際、これを我々として受け入れた、こういうことでございます。
○米沢分科員 それはだから、政府全体の立場からして通産省も押し切られたとおっしゃるならば、私、ちょっと口が悪い方でございますが、やはり通産省としての、もう少し中小企業を守るという、この特例によって守られてきた利益についてある程度守ってあげるという立場からの議論があってしかるべきではなかったか、本当はそう言いたいのでございます。そうでなければ中小企業はだれに頼ったらいいのですか。こういう廃止される結果としては、もうどこも頼るところもない。通産省も味方にもなってくれない。ただ泣き寝入りですか。またそれが政治不信につながっていっていいということですか。何も、トータルとして全部今土地税制でやろうとする、保有に関する有利性について絶対まかりならぬというわけじゃないわけです。しかし、確かに土地の有利性を縮減する必要性を認めながらも、一挙にこういうものが出てきた際に、それを経営戦略の中の一環としてもう組み入れておる企業にとって、一体それがどう映るのかぐらいは考えてくれるのが通産省の仕事ではないかと私は問うておるわけでございます。 特に、今になってこれは修正しろとか変えてくれというのは、実際のところもう時間がありません。しかし、こういう話が出てくる前に、皆さんはやはり自分たちの所管の業界団体に、こんなものが出ますよぐらいの説明はなさったのでしょう。私は、どんな説明をされただろうかと思うのです、どんな説明を。これはもし現行ならば例えば法人税の一〇%ぐらいで済むものを、今度は追加課税が来て、その上今度はこういう措置がとられたならば六二%の税金になっていくのですよ、そこまで説明されて、皆さんはそれは経営にとってどうでもないですかと言うたときに、みんなそれは賛成でございますと言うはずがないと私は思うのです。せめて何か激変緩和でもしてくれという理屈が立って、そしてその議論を大蔵省の協議の中に持っていくのがあなた方の仕事じゃないのか。
○横田政府委員 今般の土地税制改革は、政府全体にとっても、国民へ各事業者にとりましても大変大きな問題であったと思うわけでございまして、私どもも、かねてより、折に触れましていろいろな角度からの土地税制の改革の問題を議論してまいりました。また、政府の税制調査会等の議論あるいは国会におきます議論を含めまして、マスコミの報道も大変活発になされたわけでございまして、そういう中で、米沢先生御指摘のとおり、事業者団体あるいは中小企業団体等々とも土地税制改革への対応についての議論をしてまいりました。基本的には、今回の税制改正の趣旨が、まさに公正な土地の利用あるいは地価高騰の防止という観点から御理解、御協力をいただくというラインでお話をしてまいった次第でございます。 もとより今回のこの十五号の廃止の問題に関連いたしまして、所要の経過措置等も、先ほど申し上げましたように、不十分かもしれませんけれどもできておるわけでございまして、こういったもののPR等の中で、さらに事業者との話し合いあるいは実態の把握等々はしてまいりたいと思っておりますが、むしろ制度の理解をさらにしていただくことが重要ではないかと考えておる次第でございます。
○米沢分科員 これが公正な土地利用に資する、地価の高騰を防止するために働くということでなされた、これだけの話じゃないと思いますよ。全体の話で、しかし、とはいえそのことが、中小企業が経営改善するにせよ、あるいは構造改善するにせよ、近代化するにせよ、そのあたり、一環の戦略の中に入っておったものを一挙に期待権までとってしまうのはいかがなものかということを私は言っておるのです。 確かに経過措置はとられています。しかし、経過措置を見てわかりますね、この一年間に土地の売買の契約をすればいい、今土地は売れますか、売れる状況にありますか。
○横田政府委員 本年の末までの処分というだけでは不十分な場合に備えまして、契約、約束等で近い将来において処分をする、あるいは償却資産を先行取得しながら将来処分をするといったような対応も含めました経過措置であるわけでございます。現在、具体的に事業の計画を持って進めようとしておられる事業者にとりましては、何とかこの期間の中で制度の趣旨も御理解いただきながら活用していただくことを期待いたしております。
○米沢分科員 確かに経過措置はないよりもあった方がいい。しかし、この経過措置をとったからある程度いいじゃないかというその発想がおかしいと私は思うのです。あなた方は生きた経済を見ておられる人だ、生きた中小企業の面倒を見ておるところですね。そのあたりは現在、例えばこの経過措置を見ましても、平成三年十二月三十一日までに長期所有土地等に譲渡契約がなされる、その契約ができないのですよ、今土地がほとんど動かないから。だから、契約がなされないから金なんか払えないのですよ。ということは、この経過措置を受けられない人も逆に出てくるであろう、それくらいまで皆さん考えてくれないと通産省の仕事じゃないと僕は思うのですよ。口が悪いけれども申しわけない。 そういう意味から、私は、もうあなた方が頭から、業界のいろいろな意見を聞いたってこれはもう土地を全体として政府がやるんだからしようがないんだという理屈で業界の意見を聞くのか、それとも、本当になくなったら困るでしょうね、一体どういう困り方をするのですかと本当に聞いた上で、それが切なるものがあれば、皆さんだって大蔵省の協議の中でそんな話は全然触れないということにはならなかっただろうと僕は思うのですよ、善意に思ってですね。今になってさあどうしよう、どうしようもない。こんなもの、出てきたら、つくってしまわれたら後は難しいのですね。だから、こういうものができるまでに通産省は所管の団体等の意見を聞いて、御意見はありませんかくらいのことをしてもらわなければいかぬ。そのときに本当に細かな意見聴取でもされたならば出てくるはずですよ。しかし、ほとんどされてないですね。されてない。 今になってこれがわかって、大変だ大変だと今全国からいろいろな注文が来たり、何とかしてくれとか、あるいは反対だと言ってきていますよ、僕らのところにも。一体どんな意見聴取をされるのか。つくられるまでが大事なんですよ。でき上がってしまったらもうこれは決まったものですから、もう手続は済んでおりますから修正はできません。先の話、先の話になって、本当に困る連中にとってはいらいらするそのものですね。そのあたりを通産省としても本当に考えていただくならば、やっていただいておるならば、そう軽々に、土地政策政府一体としてやったものでございますから御理解いただいてなんという答弁にはならないだろう、私はそう思うのですよ。特にこういうのは、いわゆる業界という、面で困りますという理屈よりも、それぞれ個々の問題、個々の企業として個々に出てきますから、意見にはなりにくいところがあるのですね。それをおもんぱかって配慮する、考慮するというのがやはり親切な行政と言わねばならぬのではないか、そう思うのでございます。 現に、もうくどくど言うまでもなく、先ほどもちょっと触れましたように、現在一〇%くらいでいいものが、今度追加課税がされて、地方税を合わせた場合約一二%くらい追加されますよ。そうすると大体一二%くらいですよ。本当はこれでいけると思っている連中もたくさんおるわけですね、まだ。まだ気づいてない者もいますよ。ところが、これが結果としては六二%くらい課税になる。 よく皆さんにも何回も申し上げましたように、ある企業が、先代が土地を買って立地される、ところがその周辺はみんなもう住宅になってしまった、ところが、その産業いかんによりますけれども、結果的には三K産業と言われるように、汚い、危ないとかなんとか言われて、できれば同じ地域内でちょっと静かなところに移ろう、そのときには、この住宅地のど真ん中に結果としてなってしまったものを売ってあっちに移ればいいよ、近代的な施設をつくろう、きれいなものにしよう、危険さを排除していこう、生産性を上げていこう、そういうことを考える皆さんにとっては、これは非常に、個かもしれませんよ、個かもしれないけれどもつらい制度になるのですよ。本当につらい制度になると僕は思いますね。ましてやその将来性がないようなものを二代目は受け継ぎませんね。そんな企業はもうやめた、おやじの一代で終わり、こんなに六二%税金取られてもうできない。銀行から金を借りればいいじゃないか、今の高金利で借りられますか、そう簡単に。金融もかなり引き締まってまいりましたよ。そのときにあえて、この自分たちの企業を存続させるために土地を売って新しい立地を求めてそこで新展開しようという意欲を損なうようなものは、すべて、面だとは言いませんよ、個においてそれが救えないとするならば、これは私はあなた方の怠慢だと思うな、あるいは失政だと思うな、こんなのは。
○渡辺(修)政府委員 先ほど来からの米沢先生の、中小企業に対する思いが通産省足らないんじゃないかという強いおしかりでございます。中小企業を強く思っていただく先生の心情、全く我々日ごろ思っているのと同じなんでございますが、本件、実は政府税調の答申が出まして以来、十月末だったと思いますが、大きな土地税制改正の流れの中で、中小企業関連団体に対しましても、大きな土地税制改革の一環としてこういう特例が廃止されようとするというのは我々として問題意識を持ちながら御相談申し上げたことは事実でございます。 しかしながら、同時にその中で、土地保有税制そのものに対する、中小企業に一体どれだけの影響があるのかといったような大きな、つまり中小企業団体にとってみますればより直接的ないろいろな問題もあったわけでございまして、そういった点についての強い御意見が出てきた、声が非常に大きかったというのも事実でございますし、同時に今先生御指摘ありましたけれども、三Kその他労働力不足対策、中小企業は今大変苦労いたしております。そういうことも考えまして、今回労働力確保対策という特別立法をつくり、またそのために必要な一連の時短推進等々職場環境改善のための設備投資に対しましては三〇%の特別償却または七%の税額控除という、基盤強化税制という強力な税制措置も導入するとか、各種各般の手当てを我々なりに全力投球したわけでございます。 そういったもろもろの中小企業対策に努めたわけでございますけれども、同時に、今まさに先生御指摘のあるこの十五号の特例につきましては、先ほど来繰り返しておりますけれども、中小企業の意見も聞きながら、しかしながら国民の大きな声としての土地税制、土地保有の有利性の問題、この問題の大きな流れのうねりの中で我々としても最終的にはこういうことで受け入れたというのが経緯でございます。 そういう意味では、おっしゃるように本件を廃止したことに伴って問題が一切出ていないということを申し上げているわけではございません。確かに結果的にそういう困る中小企業も出てくることと思います。しかし、これらにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、できるだけの経過措置で激変緩和に何がしか寄与できるんではないかということで、それぞれつかさつかさの施策を全力投球いたしまして、トータルとして土地税制の一環として受け入れたということでございます。
○米沢分科員 業界の御意見を聞いたと言うが、まあそれは聞かれたでしょう。しかし、今度の土地税制はもともと地価税をどうするかの方がメーンテーマですから、こんなことまで皆さん本当に詳しく説明されるかと問うておるのですよ。税金はこうなりますよぐらい懇切に説明されたら、そう簡単にできるようなものではない。僕は業界が火を噴くと思いますよ。火を噴いていないというのは彼らが知らないからですよ。あなた方が知らしめるようなことを何も言ってないからですよ。余り反対してもらっちゃ困るというところから始まっておるからですよ。私はそう思えてなりませんね。 そういう意味で私はこの問題、今ここで修正案を出すなんという時間もありません。ただ、これはこれからの話ですね。幸いにしてこれは平成四年の一月一日から始まるということですが、その間においてもっとまじめに業界の意見を聞いてもらいたい。本当にこういう問題は大変だと思っておる皆さんの声をまじめに聞いてもらいたい、それをまた生かすように努力してもらいたいと私は思うのです。できれば私はこんなものは撤回してもらいたいと思っておるのです。そんなものは撤回したからというて土地の有利性云々の議論の中でそんなに大きな障害になるものじゃありません、そんなに次から次に出てくる話じゃないのですから。だから私は、撤回するか、あるいはまた特例措置の圧縮幅を少々縮めてそのまま存続をするか、あるいは実施そのものを延期するか、あるいは経過措置をずっと延長するとか、何らかの措置をとってもらいたいと思うのです、大臣。
○中尾国務大臣 今回の見直しそのものは、本特例によりまして土地の資産としての有利性が助長される等の問題点が指摘されてきたことを踏まえて、土地税制改革の一環として行われたものとは理解はしております。しかし、本件について通産省として中小企業対策あるいは産業政策の観点から、御指摘も十分踏まえながら、今米沢委員が中小企業の立場は一体どうなるのか、あるいは一体これで産業構造そのものの行く末が成り立つのか、こういう諸問題を提起されましたが、それはもう十分うなずける面もございます。そういう点で検討した上で、今後の課題として各関係方面ともじっくり相談しながら検討さしていただきたい。
○米沢分科員 ある程度前向きの答弁だと私は思いますが、先ほどから答弁を聞きながら考えますのは、この土地税制の改革は全体に対してやったんだから仕方がなかったんだということがまず頭の中を占領しておったならば、まあいいじゃないかの方が強くなりますね、これは。かといって、通産省のエゴ的なものだけ言えと僕は言っているのじゃありませんよ。しかし、あなた方はやはり通産省なんだから、政府全体として土地税制を変えていくということにも責任を持っておられるでしょうが、同時に、それが進められたときにこういう問題が具体的に出てきますよということになったならば、その部分を激変緩和してあげるなり実施を延期してあげるなり、そんなことについて大蔵省と協議するのがあなた方の仕事だ。あなた方がしなかったらだれがするのですか、こんなことは。 だから、今後いろいろと現状分析をなさった上で、いろいろな問題がありましょう、あるいはその結果どういう措置の仕方があるかいろいろ議論もありましょう。大蔵省も、中小企業の観点からもし通産の方から問題提起があれば協議するにやぶさかでないと、きょう答弁しています。ならば、皆さん方、もっとその点について、ただ検討しますじゃなくて、例えば来年の年度税制改正ぐらいには持ち上げて協議しますと、そんなところまで声がオクターブ上がらぬものでしょうかね、大臣。
○中尾国務大臣 今の米沢委員の一つ一つの言葉の片言隻句をとらえるわけじゃございませんが、本当に中小企業を思い、また産業構造そのものの基本線を思っての言葉でございますが、これはもう相当にその含みを持たして考えていくことを検討いたします。お約束します。
○米沢分科員 終わります。
○相沢主査 これにて米沢隆君の質疑は終了いたしました。 次に、吉井英勝君。
○吉井(英)分科員 先日資源エネルギー庁の方より関西電力美浜原発二号機の事故について原因究明の状況及び関係電力会社への指示というのが発表されました。その中で「振止め金具が設計どおりの範囲まで入っていないため、高サイクル疲労により破断に至った蓋然性が極めて高いとの判断に至った。」こういう指摘などもありまして、新聞記事などを見ておりましても、資源エネルギー庁の担当の課長の方は、これは想定外の原因であったと、繰り返しそういうふうに表明されたとあります。 私はまず冒頭にお伺いしたいのですが、これは本当に想定外の事故ということで扱ってこられたのかどうか、これを伺いたいと思います。
○向政府委員 お答え申し上げます。 今回の事象、我々は毎年定期検査をやってきておりますが、蒸気発生器につきましては細管全数についてECT、渦電流探傷検査をやってきているわけでございます。それで、今まで蒸気発生器の損傷といいますと、リークとかということでございまして、その原因は割れ、減肉ということでございまして、これに対しましてはプラグをするなりスリーブを入れるなり、いろいろ対応してきたわけでございます。 それで、今回の事象は、我々定期検査をやりまして昨年七月に終わったわけでございますが、その後で起こった、健全管ということで起こったわけでございますが、先ほど先生御指摘のとおり、当該破損細管の金属組織を調査しまして、疲労破面が出ているということ、もう一つは設計的に見ましてそこまでAVB、振動防止板を入れるべきであるということに対して、十分そこまで入ってなかったというような報告がECTの検査記録ということであったわけでございます。それで、当該美浜二号についてはファイバースコープ等を入れてその現状を徹底して調査することにしておるわけでございます。 そういうことで、我々は検査としては一生懸命やってきているわけでございますが、そういうような高サイクル疲労という新しい事象でございますので、今までの検査では把握できなかったということでございます。 それから、法規的にはどういうぐあいになっているかということでございますが、基本設計に関する許可、あるいは詳細設計の工事計画認可という段階での審査という事項ではないわけでございますが、技術基準におきまして、一次冷却材または二次冷却材の沸騰、循環、これらによって生じます振動により損傷を受けないように電気工作物は施設しなければならないというふうに規定しているわけでございまして、電気事業者にその維持を求めているということになっているわけでございます。それで、いずれにしましても本件原因究明を徹底してやりまして、今後の所要の対策をとっていきたいというふうに考えております。
○吉井(英)分科員 いろいろおっしゃったわけですが、一九八八年二月の五日にNRCのブレティンが出されておりますが、これは当然その時点でごらんになられたと思うわけですね。そのときに通産省やあるいは科学技術庁や、きょうは科学技術庁はあれなんですが、原子力安全委員会の委員長にもお忙しいところ来ていただいておりますが、通産省や原子力安全委員会は、このNRCのブレティンが発表されたときにどのように考えてどういう対応をされたのか、これを伺いたいと思います。
○向政府委員 お答え申し上げます。 先生今御指摘のノースアンナ一号機の件でございますが、一九八七年に事故が発生しているわけでございます。蒸気発生器細管の円周方向の破断ということでございまして、それからその原子炉を手動停止した後ECCSが作動しているというようなことでありまして、その後NRCからいろいろなレポートが出ているわけでございます。今先生御指摘のとおりでございます。 それで、原因といたしまして、デンティングが起こっていたということで伝熱管が外部から圧迫されまして、それからさらに、この発電所では蒸気発生器の中にございます降水抵抗板というのを取り外しておりまして、それで再循環比が大きかったということが報告されております。この二つによりまして不安定振動が起こったということで、高サイクル疲労、破断というふうにつながったと報告されているわけでございます。 当時我が国におきましても、そのノースアンナの件勉強したわけでございます。それでまず一つは、先ほど申し上げましたように、我が国、ECTをやってきておるわけでございますが、デンティングが起こっていないということと、それからもう一つは、そのような降水抵抗板を取り外しているというようなことがなくて循環比が小さいということで、当時我々のレビューした範囲では、我が国の発電所では起こらないという評価がなされてきているわけでございます。我々といたしましては、今回の美浜二号の件にかんがみまして、ノースアンナの件についてもぜひ参考にして検討していきたい、再度検討していきたいというふうに考えております。
○吉井(英)分科員 今三つのうち二つおっしゃったんですね。なぜ三つ目を漏らしていらっしゃるのですか。これは振動をとめる金具の欠損ですね、これを三つ目に挙げていたんですね。なぜそれを漏らしていらっしゃったのか。まさに今度はこれも大事な一つであったということになっているんじゃないですか。
○向政府委員 今申し上げました件については、主要なものを申し上げたわけでございますが、デンティングが起こっている施設について今のAVBの有無等をチェックしなさいというふうに続いておりますので、我が国ではそのデンティングということを中心にいろいろ調べまして、要するに起こってないということで対応してきたわけでございまして、AVBについてのそこに書いてあることについて意識的に漏らしている、あるいはレビューしなかったということではございません。
○吉井(英)分科員 これでは高サイクル金属疲労の問題を挙げ、その原因として、当時の状況のもとでいろいろ情報を集めて検討した結果、今おっしゃった二つにさらに三つ目に、これは振れどめ金具の欠損、この三つのことを当時言っていたわけですね。しかも、このNRCブレティンの中では、ウェスチングハウスの蒸気発生器を使っている企業ですね、それから、日本の場合は一つだけになりますが、これはもう一つありますね。この二つの企業の分について四十五日以内に調べて報告をしなさい、過去のデータも調べれば燃料の取りかえのときには一層精密な検査もやるということでやりなさいという指示だったんじゃないですか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 私が理解しておりますのは、デンティングの検出されたプラントについてNRCは以下の措置をとることを要求したというふうに理解しておりまして、今おっしゃったようなデンティングのあるものにつきましてはAVBの挿入深さ位置評価を実施することというふうに記載されていると理解しております。
○吉井(英)分科員 デンティングはあります。それから二つ目が水力学的な解析の問題ですね。三つ目が振動振れどめ金具の欠損、この三つが原因であったということをちゃんと挙げているでしょう。それはお認めになると思うのですね。このブレティンを受け取って四十五日以内に報告をしなさい、まずこの部分はそのとおりなんでしょう。
○向政府委員 お答え申し上げます。 今先生おっしゃったとおり、NRCの指示は、四十五日以内ということで今のような要求事項があったということでございます。
○吉井(英)分科員 ノースアンナの事故を今から注目して検討するというお話を今されたんですが、私はとんでもないことだと思うのです。 私は改めて内田原子力安全委員長にもお伺いしたいと思うのです。 このNRCのブレティンが出たときに、当然委員長も御専門家でございますのでごらんになられたと思うのです。そのときに、まずこういう問題について、原子炉の安全問題の上でこれは重大な関心を持たなければならないという御認識をお持ちになられたかどうか、まずこの点をお伺いした いと思います。
○内田説明員 ノースアンナの発電所の事故に対しましては、その当時行政庁の対応も情報として把握しております。その当時、我が国のPWRの状況からいいまして、水質管理の状況、それから流力弾性振動安定比の評価等を行った結果、同様の事象の発生の可能性は極めて小さいものと評価し、特段の措置をとらなかったという行政庁の判断を聞いております。
○吉井(英)分科員 つまり、行政庁の判断を聞かれて、原子力安全委員会として重大だという認識をお持ちにならなかったということが、私はこれは日本の今日の原子力問題における安全上の極めて重大な問題だ、このことを指摘しておきたいと思うのです。 当時の八七年七月三十日付の原子力産業新聞では、この七月十五日の事故の直後に通産省は早々と、日本では起きないんだという判断を下しているのですね。通産省はそう言い、原子力安全委員会も行政庁のその判断をそのままお認めになっていった、私は本当にこれは恐ろしい、大変なことだということを申し上げておきたいと思います。 次に、ちょっとお伺いしたいのですが、実は蒸気発生器の信頼性実証試験というのをやってこられました。通産省の方が財団法人発電設備技術検査協会に対して、一九七五年から八〇年までの六年間に六十二億一千六百万円の支出をしておられると思いますが、これはどうですか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 今先生御指摘の実証試験でございますが、我々いろいろな原子力の設備について実証試験というのをやってきているわけでございますが、蒸気発生器につきましては、昭和五十年度から五十五年度にかけまして蒸気発生器の信頼実証試験というのをやってきております。ちょっと今予算額を正確に覚えておりませんが、六年間にわたってやってきておりまして、この中で、当時いろいろ起こりました蒸気発生器の事象について試験をしたりいろいろなことをして、それが蒸気発生器としてどのくらいの信頼性を持っているかというのをレビューしてまとめたものでございます。
○吉井(英)分科員 そのお金を受け入れたのはこの財団なんですが、実際に報告書をまとめたのは財団法人発電用熱機関協会ですね。調査研究をなさったメンバーというのは、関西電力などユーザーと、それから都甲泰正先生、現在原子力安全委員会の委員長代行をなさっておられる先生など七名であったと思うのですが、これは間違いありませんか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 蒸気発生器信頼性実証試験、このメンバー、今先生御指摘の都甲先生、これは東京大学の工学部原子力工学科の先生でございます。それからあと科技庁の金材研の先生、電中研の先生、それから関西電力、四国電力、九州電力、こういうメンバーがいろいろ検討してまとめたものでございます。
○吉井(英)分科員 ユーザーとそれから原子力安全委員会の大事なメンバーが入って、それで蒸気発生器信頼性調査実施検討会というのを持たれたわけです。もちろんそこには、この財団法人に実験設備はつくれるわけじゃありませんから、実験そのものは今度は三菱重工なり、三菱重工の神戸造船所とかそういう関係機関に依頼されたと思うのですが、どうですか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 実験計画につきましては我々委託をしておりますので、我々ももちろん関与しておりますし、この検討会でも議論され、実験計画が決められて、その実施につきましては、PWRをつくっておりますのは三菱重工ということでございますので、その協力を得てやっております。
○吉井(英)分科員 結局通産省がお金を出して、ユーザーである電力会社と原子力安全委員会の委員長代行など、そういう方たちがこの研究に携わられて、その実験の下請をやったのがメーカーである三菱重工であったわけですね。そこで出てきたのがこの報告書です。私もこれ読ませていただきました。 そうすると、例えばフレッティング、つまり防振金具ですね、振れどめ金具、これによって、摩擦でへこんだりしちゃいけないから、減肉しちゃいけないからということで防振金具を使っているが、国内ではすべて上記の対策である、外国とは違って角棒が採用されており、このフレッティングについては問題ない、つまり振れどめ金具については問題ないという結論を出していたのですね。それから、デンティングの問題につきましても国内設備についてはこれは発生は見られない。先ほどもおっしゃった水質管理を厳しくしているので、良好な運転成績が得られている、また水力学的解析も行っておられます。これは私も読みました。 結局、通産とそれからユーザーである関西電力などとメーカーである三菱重工、そして原子力安全委員会の大事なメンバーの方も入ってやられた結論が大丈夫だったということですね。そうすると、ノースアンナのこういうブレティンが出てきても日本は大丈夫だという結論を出した、だから大丈夫なんだということで、当時は非常に軽く扱ってしまったのじゃないですか。
○向政府委員 このレポートを見てみますと、流動試験、腐食試験それから伝熱管の破断試験というのを中心的にやっているわけでございます。こういうテーマを選びましたのは、当時、先ほども申し上げました蒸気発生器細管のリーク等がございまして、水管理の問題あるいは割れ、減肉というような事象が起こったことによって、これを実証してみようということで実規模の流動試験設備をつくってやったわけでございます。そういう観点で、フレッティングあるいは今御指摘のデンティングという観点での評価はなされているわけでございますが、今回美浜二号で起こりました高サイクル疲労ということは調査の範囲には入っていないわけでございます。当時起こりましたいろいろな事象について、蒸気発生器の健全性評価と実証試験という中でレビューしたものでございます。
○吉井(英)分科員 私が言っているのはそんなことを言っているのじゃないのですよ。日本では大丈夫だったということでやっているものだから、NRCのレポートが出ても、ブレティンが出ても全く無視してきた。今言われたように美浜の事象は違うとおっしゃるのですね。しかし、このNRCの中でも振れどめ金具の問題もあれば、高サイクル金属疲労の問題を取り上げて、これはちゃんと書いてあるわけでしょう。今からの問題じゃないのですね。そのときにちゃんとしなかったのは、結局通産省も原子力安全委員会もユーザーもメーカーも一緒になってSGの、蒸気発生器の問題をやって安全だ安全だ、日本のは信頼性が高いという結論を出したからこれを軽く扱われたし、また原子力安全委員会の委員長のお話でも、結局この安全委員会の委員長代行、当時は部会長をやられたりした方だったと思いますが、この都甲先生が入ってやっておられるのだから行政が言うように安全だ、結局そういうふうな判断に立ってしまったと思うわけです。 私はその中で、もしそういうことがなければ、本当は定期点検の項目にしても、これは通産省からいただいたのですが、定期点検の項目はこれだけですと、本当はもっとあるはずなんですが、その中には多分原子炉冷却系統設備の中のポンプ、弁等の分解点検という、等という言葉の中に蒸気発生器細管も入れていらっしゃるのかもしれませんが、出てこないのですね。私は、もしノースアンナの事故の後、これは大変な問題だということを認識しておられたならば、点検項目はもっとちゃんとしておったと思うのですよ。せっかく研究費を出しながら、逆に研究費が裏目に出てしまったというところに私は非常に身の寒くなるものを覚えます。 そこで、振れどめ金具がついていなかったということで、これが重大問題だというふうなお話もありますが、これだけが原因というふうに言えるものじゃありませんね。一つの原因の可能性を示唆するものではあっても、これが原因というものじゃありませんね。
○向政府委員 お答え申し上げます。 先ほども申し上げましたが、我々高サイクル疲労によりまして破断に至った蓋然性が高いということで、そのメーンがAVBの有無ということでございまして、今金属組織について鋭意さらに調査をやっているわけでございます。 それで、いろいろ調査をしますと、その破断面にどういうような力がかかったかということも情報が出てくると思いますし、そういうことも踏まえまして、それからもう一つは、支持板の支持部の状態がどういうことかということで振動に大きく影響するわけでございます。そういうことで、そういうような応力状態その他いろいろなことを総合的に勘案しまして、どういうようなメカニズムで破断に至ったかというのをぜひ徹底して究明していきたいと考えております。
○吉井(英)分科員 これからの究明もしっかりやっていただきたいと思うのですが、私は昨年の定期点検の後の通産省の対応も問題があったと思うのです。 これは内田先生にはせんだって科学技術委員会で既に御意見は伺いましたけれども、関電の細管マップですね、もちろんこれはごらんになられたと思います。この中で今回振れどめ金具がついていなかったものの中に既に損傷管、施栓をしておったものが――大体半分に当たる四本は施栓をしておったわけですね。そして振れどめ金具はちゃんとついていたのだけれども、しかし損傷しているということで施栓をしておったのもたくさんありますね。 つまり私が言いたいのは、振れどめ金具がなかったことがこの原因だ、何か工事ミスだと言わんばかりのことで一件落着にするのではなくて、もっと徹底した究明が必要だということと、問題は、科学者、技術者の常識からすれば、これだけ当時施栓、つまり損傷が激しいわけですから、これだけ損傷管が集中しているところであれば、なぜそうなっているのか、振動の問題なのか、デンティングの問題なのか、どういう問題かということを当然その時点で調査をして当たり前だったと思うのです。なぜそのときに徹底した究明を関西電力に対して資源エネルギー庁は指示をされなかったのか、この点を伺いたいと思います。
○向政府委員 今先生御指摘のプラグをしている管についてでございますが、これはECTによりまして減肉現象が認められたということでプラグをしたわけでございます。しかし、今回の事象で破損管がこれに挟まっている、中心部にあるということでございますので、こういうような流動状況について何らかの影響があったかどうかということもいろいろ御議論があるわけでございますので、そういう点も含めて今後の調査で検討していきたいと考えております。
○吉井(英)分科員 ECTによって異常を認めたというわけですが、そもそもこの原発の美浜二号の細管の長さというのは、総延長七十キロメートルでしょう。私は大阪で、生まれは京都ですが、大阪―京都間五十キロメートルよりまだ長いのです。そこで一ミリ程度の、あるいはもっと小さい、文字どおり一ミリ以下の腐食なり問題を見つけなければいけないのですから、これまでやってきたこのECTで、とてもじゃないができないですよ。何か四日か五日ほどで、関電はECTで調べた調べたと言っているのでしょう。これは、時速何十メートルで調査するという計算をやっても、委員長お聞きいただいても、そんなもの四日、五日でできるわけがないということがすぐおわかりだと思うのです。これは手抜きがあるかどうか、今後また究明されるべき問題でありますけれども、とてもじゃないが、そういうことではもともと調べることはできなかったのですよ。その検査のやり方に既に問題があるということをまず指摘しておきたいと思います。 そこで、実は関西電力の方から超小型テレビカメラによる写真をいただきました。これによると、このX45・Y13はというのは、これは支持金具のないところで、施栓をしておった管です。よく見ると、円周上に損傷が見られるのですね。これは今後究明されるべき問題だと思います。それから、支持金具がついておったもので、しかも、損傷がない健全管だと言ってきたもので、X46・Y13またX46・Y14にも、これは傷が入っているか何か、異常が見れるわけです。 私は、これからさらに究明されるにしても、本当に、これまでのエネ庁の安全点検のやり方に根本的な問題があったと思うのです。それから、日本の原子力安全審査の審査体制に非常に大きな問題があったと思うのです。先日来、大臣には、随分心を痛めて、この問題について、これは大変だということで、重大な決意をたびたび披瀝していただいておりますが、私がきょう大臣にお聞き願ったのも、まさにこんな問題を抱えているのだということを大臣によく知っていただきたいというふうに思ったわけです。 そこで、大臣として、日本の場合には、アメリカの場合と違って、独立した権威もあれば権限もあるような原子力規制委員会じゃないのですね。内田委員長の方には、さっき都甲先生がメーカーと一緒にやったという話をしましたけれども、そういう関係を完全に断ち切って、そして徹底的に原子力安全の問題をチェックしていく、こういうことをやっていただくような、そういう原子力安全審査の体制、また、エネ庁にしても、ただ原発推進側ということじゃなくて、行政なんですから、客観的公正な判断を下すような体制をこれを機会にぜひ考えていただきたいと思うのです。これは大臣の方から、内閣などにもコメントいただきたいと思いますので、ひとつお考えを伺いたいと思います。
○中尾国務大臣 吉井委員にお答えいたします。 これらの報告も踏まえ、先ほど来の委員のいろいろなお話もすべて含め、明らかになった原因に応じて、安全審査あるいはまた定期検査方法の見直しをも含めまして、必要な対策を検討してまいりたいと思います。
○吉井(英)分科員 最後に、せっかくスーパー関係の方をお願いしておりましたので、それを簡単に伺いたいと思います。 話は飛びますが、トイザラスの東大阪店の出店計画が今持ち上がっておるわけですけれども、これにつきましては、大規模小売店の進出というその大店法上の問題に先立って、近隣の住宅地から、これは十一の自治会の会長、婦人部長、青少年対策や補導委員会の人たちとか、役員の皆さんがこぞって、この予定地は府立布施高校があり、マンションや住宅地があり、進入路が狭くて一方通行が多くて幹線は常時渋滞なので大変だということで、これはぜひ考え直していただきたいという声が上がっております。 こういう問題について、大店法で御検討いただく前に、まず町づくりの問題が大事ですから、環境を守るということで周囲の人たちとの調和を十分図る努力が業者の側においても必要だ。そして、場合によっては業者の方が考え直していただくとか、まず、大店法による手続上の問題に先立って環境上の配慮が大事だということを伺いたい。 二つ目に、九つの商店街連合会なども意見書を上げておりますが、特にこのトイザラスというのはゼロ歳から十五歳までということで、これまでとは業態の違ったものが出てくるわけなんです。そういう子供たちの衣料、食料、医薬品、玩具、スポーツ用品、図書、家具、こういう問題が出てきますので、子供の生活環境あるいは従来と違う業態による商業環境の変化とか町の変化などについて、新たな業態が生まれてくるときには広く環境影響事前評価とでも申しますか、こういうものを国や県や市もそれぞれに一度やっていくということが大事じゃないかと私は思うのです。 この二点を大臣にお伺いして、私の質問時間が参ったようですので、終わりたいと思います。
○中尾国務大臣 最近の大型店出店に伴う地元への影響が広範なものであるということは承知しておるわけでございまして、交通問題、御指摘の環境問題等につきましても、当該市町村等を中心とする町づくりの計画の中で積極的に取り組んでいくものと考えておるものでございます。 かかる観点から、新たに市町村の基本構想に基づいて町づくりを進める商業集積の整備を促進するための法律を、今回この国会にそのような意味において提出したところでございます。
○吉井(英)分科員 時間が参りましたので、終わります。
○相沢主査 これにて吉井英勝君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして通商産業省所管についての質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 分科員各位の御協力により、本分科会の議事を滞りなく終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。 これにて散会いたします。 午後六時七分散会