予算委員会第六分科会 第2号
- 発言数
- 127 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1991/03/12
会議録
○相沢主査 これより予算委員会第六分科会を開会いたします。 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算及び平成三年度政府関係機関予算中総理府所管経済企画庁について審査を進めます。 政府から説明を聴取いたします。越智経済企画庁長官。
○越智国務大臣 平成三年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算額は、四百六十四億七千万円余であります。 また、財政投融資計画につきましては、海外経済協力基金に係る分として、七千二百七十億円を予定しております。 以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。 第一に、生活のゆとりと豊かさを重視した施策の積極的展開に必要な経費として、二十六億七千万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、国民生活センターの商品テスト施設の整備・拡充を図り、輸入品や先端技術を用いた商品の安全性、性能等に関する消費者情報の収集・提供を充実する等、消費者保護を推進するために必要な経費であります。 第二に、調和ある対外経済関係の形成と世界への貢献に必要な経費として、三百五十八億二千万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、海外経済協力基金に対する交付金三百五十五億円余であります。本基金の平成三年度の事業規模は、政府開発援助の第四次中期目標の着実な実現を図るため、九千百億円を予定しております。このための資金としては、一般会計において、前述の交付金のほか出資金二千七百三十億円が計上されておりますとともに、財政投融資計画において、資金運用部資金等からの借入金が七千二百七十億円となっております。なお、出資金は大蔵省に計上されております。 第三に、適切かつ機動的な経済運営と調査・分析の充実に必要な経費として、二十七億五千百万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、内外の経済動向についての情報の収集・分析、物価動向のきめ細かな調査・監視などに必要な経費であります。 第四に、二十一世紀へ向けた経済政策の推進に必要な経費として、一億四千九百万円余を計上しております。 以上、平成三年度における経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。
○相沢主査 以上をもちまして経済企画庁についての説明は終わりました。 ─────────────
○相沢主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位にお願いを申し上げておきます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。 なお、政府当局に申し上げます。 質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小森龍邦君。
○小森分科員 きょう私のお尋ねをしたい向きは、日米経済構造協議の状況、つまりそれの今日的な取り組みがどこまで到達しておるかということ、そしてそのことの持つ意味についてお尋ねをいたしまして、経済構造の問題が我が国社会の社会構造とか文化とかそういうものに深いかかわりを持っておりますので、そのことの関連におきまして被差別部落の解放ということに論及をさせていただき、政府の見解を尋ねたい、かように思います。 まず質問の第一点は、日米構造協議、これは昨年の春、非常に激しいやりとりが行われて厳しい展開があったわけでありますが、この構造協議の問題というのは、他国から、つまり具体的に言いますとアメリカから言われて、どうも仕方がないからやるというような性格のものか、あるいはなるほどそういう指摘は外からあったが、国際収支のインバランスの是正を図り、日本の経済の二重構造と言われるものを近代的な構造に改革をして、そして国民生活の向上を図る、そういうことのためにもこれは必要なものである、こういうふうにお考えになっておられるかどうか、改めて政府の見解をお尋ねしたいと思います。
○越智国務大臣 先生御指摘のとおり、これは一昨年の五月の二十何日かだと思いますが、ブッシュ大統領がお互いの国の間のいわば貿易障害というような受けとめ方で御発言になりました。ストラクチュアル・インペディメンツ・イニシアチブという言葉が使われまして、私その直後二カ月ほど経済企画庁長官をさせていただきましたときに、最初に取り組んだ者の一人として、これはもう先生のおっしゃるとおり、アメリカから言われたことではございますが、むしろインペディメントという言葉が気になる、本当から言えば我々自身も今日までの経済成長をしてきた中で考えなければならない経済の構造改善というものを積極的に取り上げていかなければならない、そういう意味ではアメリカの受けとめ方とまた一枚違った受けとめ方で我々も真剣にこの問題に取り組んでいくべきものだ、このように考えて当時スタートしたものでございます。
○小森分科員 私の同感するところでありまして、非常に結構なことだと思います。 問題は、経済の二重構造ということについて既に二十数年前に、直接経済問題にかかわって出た答申ではございませんが、同和対策にかかわって出ました答申の中に非常に重要なことが提起をされております。それは、 わが国の産業経済は「二重構造」といわれる構造的特質をもっている。すなわち、一方には先進国なみの発展した近代的大企業があり、他方には後進国なみの遅れた中小企業や零細経営の農業がある。 これは、昨日私は農林水産省と議論をしたところでございます。零細経営の農業という問題について若干のやりとりをいたしました。 そこで問題は、この答申の中に書いてあるのは、 なかでも、同和地区の産業経済はその最底辺を形成し、わが国経済の発展からとり残された非近代的部門を形成している。 こういうふうに指摘しておるのです。したがって、この問題との真正面からの取り組みなしには、これまで二十数年間いろいろ形を変えて法律的に取り組んでまいりましたが、事の根本的解決にならないのであります。 そういう意味で、国民のために、よそから言われてやるというようなそういう性格のものではなくて日本が進んでその問題を解決しなければならない、こういうことで、非常に結構な御答弁をいただいたわけでありますが、先ほど私が申しましたようなこの同和対策審議会の答申の分析についてはいかがお考えでしょうか。
○越智国務大臣 同和対策の問題につきましては、ここ二十年来、大変大事な内政上の問題として位置づけまして、法律もつくり、何度か法の改正というか延長と申しますかそういうことを重ねてまいったわけでありまして、それなりの成果は上がっているのじゃないか、このように思っております。私どもの省では直接の窓口ではございませんが、そうした意味でこうした問題の解決に経済の運営の中でも十分に配慮をして今後も進めさせていただきたい、こう思っております。
○小森分科員 同和対策は、経済企画庁の直接の所掌するところではないことはもちろんでございます。しかし、経済問題にかかわっていろいろと知恵を出し、それに対して政府の立場から総合的に物を考えていくという立場からしますと、今アメリカとの関係で日本の経済の構造ということを問題にする限りにおいては、さて二十数年前から取り組んできておったこの同和問題で、冒頭のところでかなりのスペースを割いて、日本の経済構造の前近代性、二重構造、一方に大企業あり、一方に前近代的な中小企業あるいは零細企業、さらに零細経営の農業などがある。これとの関係はどうなるかなということに思いをいたしてきたかどうか。そしてまた、所管の省庁ではないけれども、同和問題というのは国の責務であり、またもう少し理念的なことを申しますと人類普遍の原理ということでございますから、それなりの判断をしながらいかなければいかぬと思うのでありますが、一体、この経済の構造の問題を考える場合に、そういう視点から、同対審が指摘したような視点から経済の構造というものを考えたであろうか。そういう点についてお尋ねをしておるわけであります。 今まで二十年余り、いろいろな法律、つまり三回法律が変わっておりますけれども、それをやってきたことは私も十分承知しておりますし、また外側に見える建物など、箱物といいますが、箱物とかあるいは道路とか、立ち上がってこの問題を要求した地域については解決の方向にあることは私も十分承知しておりますので、そういう問題でなくて、経済の構造の関係についてお答えをいただきたいと思います。
○越智国務大臣 私の頭の中では、日本とアメリカとの交渉と申しますか、この関係におきましては、実は先方とのいろいろな手続の中で一応六項目というのが出ておりまして、その中では、先生御存じのように貯蓄・投資パターンとか土地利用、流通、排他的取引慣行、系列、価格メカニズムという分類になっておりまして、それなりの各省で分担をして日米間の交渉と申しますか話し合いをいたしまして、この五月にはちょうど取り決め一年ということで、それのフォローアップの取りまとめをしなければならないということになっております。そんな中で、大企業と中小企業という問題には直接的に論及されておりません。 しかしながら、私ども、先ほど申し上げましたように、この際、経済の全体の成長とか全体の物価とかということの裏側にある、そうした構造的な、大企業と中小企業とか地域格差とか、いろいろな問題についても配慮しながらやっていかなければならない。その一環として、先生御指摘のように、大企業、中小企業問題は、通産省と協力しながら、中小企業、殊に中小小売商の問題が流通関係で影響を大きく受けますものですから、平成三年度の、当庁の予算ではございませんが通産省を主とした方面の予算で、一応従来になく重い配慮を払ってきたところでございます。 そうした中で、特段に同対法の考え方をどこにどう出したかということにつきましては、それはやはり担当省からの御要請その他を受けまして今までもやってきたものと思っておりますけれども、私、ただいまの段階で、こうでございますということの御答弁まで至っておりませんが、よろしくお願いします。
○小森分科員 きょうの、答弁をいただく主たる役所の関係は経済企画庁長官でございますので、同和問題を本論とするということは、私も少し場所的に考えなければならぬ点があると思います。しかし、きのうまで私は六つの分科会を全部議論をしてまいりました。最終的にあす総務庁とやるわけでありますが、今大変大きな虚構がまかり通ろうとしておるわけであります。 それは、二十数年法律があったから同和問題は解決をしたということを、どこらが震源地で出たかということについて私はおよそ見当がつくわけでありますが、言いふらしておるわけであります。したがって、昨日農水の関係でもお尋ねをしましたが、農業の零細経営とか、あるいは漁業の関係における大変な前近代的な、形は漁業組合という形になっておりますけれども、そこの経営のあり方というものが非常にトラブルが多い。トラブルが多いということは、人間関係の大変な封建的な問題がある。それと経済の構造とがどうかかわっておるかということについてもお尋ねをしましたが、結局は十分なる答弁もできないし、局長と大臣との間でもちぐはぐになっている。最終的には大臣は書いたものを読み上げるということで、その場の雰囲気に全く合わないようなことになってしまった、こういう経過もございまして、結局私はきょう大臣にその辺のところをきちっと答えてもらうというよりは、それぞれの省庁が、これはやはり経済構造の問題としては理解をせずに二十年間ほど素通りをしているな、こういうことを、私なりに知識を整理したい、こういうふうに思いまして、実は先ほどのような質問をいたしたわけであります。 同和対策審議会の答申、二十数年前に提起をされておって、冒頭に書かれておることがなぜ素通りをしたかということは、これからのまた議論とさせていただきたいと思いますが、できれば経済企画庁長官におかれても、閣僚の一員として、そういう議論があった、少しは目を通してみようか、こんな気持ちになっていただきたい、かように思います。 さてそこで、次の質問でありますが、最終報告が出ましてから、政府としてはどのような経済構造の調整に取り組んでこられたか。時間がありませんから、ごく簡単にひとつお願いしたいと思います。
○冨金原政府委員 先ほどの先生の御質問にございましたように、構造調整問題というのは、アメリカ側に言われてやるという性質のものではないと私ども考えているわけでございますが、日米構造協議が構造調整問題を進める一つの契機にもなっていることは事実だと考えております。 手短に申し上げますが、私どもは、経済計画「世界とともに生きる日本」というものを政府で閣議決定をいたしておりまして、現在この計画を進めている段階でございますが、毎年進行状況についてフォローアップをいたしております。これは、、現行計画というのは、端的に申し上げれば、国際収支の不均衡を一方で是正しながら国民の生活をより豊かなものにしていきたいという考え方に立脚いたしまして、内需主導型の経済を実現するように諸般の施策を進めていくということを柱にしているわけでございますが、最近のそのフォローアップ報告におきまして、インバランスの改善とかあるいは産業面の構造調整はかなり進んできたけれども、国民の生活面における構造調整はまだ不十分であるというフォローアップ報告をいただいているわけでございます。 その中身といたしましては、先生も御承知のとおり、一つは何といいましても地価が非常に高い。この地価の高騰によって首都圏ではなかなかサラリーマンが家も買えなくなっているという問題について、これは非常に大きな問題だという認識を持っているわけでございますが、こういった問題に対しての取り組みをしているわけでございまして、この点は、既に政府としても土地基本法に基づきまして諸般の政策の具体化を進めようとしているわけでございます。昨年来、幾つかの進展が見られたわけでございますけれども、一つは地価税を創設しようということも、地価対策の上から税制を活用していこうという意味で非常に大きな進展だと思いますし、金融についても不動産融資について特に厳しい規制を行うとか、いろいろな施策を進めているというふうに理解をしております。まだ十分だとは言いませんが、進展は見られているのではないか。 それから、やはり国民の生活を豊かにするためには社会資本の整備を進めなければいけないということで、これも先生御承知のとおり、構造協議を契機にいたしまして、四百三十兆円の公共投資、社会資本の整備を今後十年間にわたってしようということを政府で意思決定をしているわけでございまして、それに基づいて、特に生活に関連する社会資本の整備を進めようということで、着実な計画を進めている段階でございます。 それから、労働時間の短縮につきましても、計画の中ではできるだけ早く千八百時間の方に持っていきたい。年間総労働時間を千八百時間に持っていきたいということを掲げております。大きな流れといたしましては、時短の動きが着実に進んできているのではないかと考えております。実績的に見ますと、最近年で二千五十二時間ということでございましてまだまだでございますけれども、例えば政府としましては隔週週休二日制をやる、あるいは金融機関が毎週週休二日制に移行するというような形で着実な歩みが見られているのではないかと考えております。 もう一つのポイントは、内外価格差の問題でございます。物価の安定ということは非常に大事でございますが、さらに国際比較をいたしました場合にいろいろ物価差がある、これをもう少し縮めることができないかということで幾つかの施策を進めているわけでございます。基本的には、政府・与党内外価格差対策推進本部というのがございまして、そこで内外価格差の是正について総合的な取り組みをしようということでいろいろなことをやってきております。例えば実態把握をして定期的に対外的に発表するとか、あるいは御承知のとおり大店法等についての流通の規制の緩和を進めていく、あるいは独禁法の厳正な適用をするとか、公共料金等でも電話料金の引き下げなどもやっておりますし、さらに情報の提供をするとかいろいろなことで努力をしている段階でございます。結論的に申しまして着実に進んでいると思いますけれども、まだこの面について一層の努力が必要ではないかと考えているわけでございます。
○小森分科員 数項目にわたっての説明を聞かせていただきまして、かなりの配慮をもって進めようとしておる姿勢をうかがうことができます。 そこで私は、先ほどお答えがございましたことに対してすべてについての考えを申し上げることはできませんけれども、例えば労働時間の問題です。これほどの生産性の高い我が国において、労働時間の問題はなおヨーロッパ、EC諸国に比べても大変な見劣りがする。この間私ある運送関係の労働組合の大会がございましてあいさつに参りまして、運動方針書を見ると、労働時間の短縮を図って二千五百時間にするということを目標にする、実際は二千六百、二千七百の時間を働いておるわけでありまして、私自身もびっくりしたようなことでございますが、要するにこの労働時間の短縮について、やはり我が国の経済の二重構造というものが、どういう近代的な産業部門に携わっておるか、どういう中小零細企業に携わっておるかということで、また親会社、通常その協力会社と言われております下請け、孫請け、ひ孫請けの関係でどうあるかということで、そこに格差があるわけであります。したがって、先ほど私が同和問題で経済の二重構造ということを申しましたが、こういう実態というものが国民各層にそれぞれ、言葉は少し露骨でありますが、牛ぐその段々のような形の差別意識というものが定着をしてくるのであります。したがって、ぜひそういう点に目を向けていただきたい、こういうふうに考えます。だから、労働時間の短縮ということは、比較的力のある者のところから労働時間の短縮が先導的に行われるのはこれは事の当然なんでありますけれども、しかしそれを政策的に調整して、つまり力のない者のところも労働時間の短縮ができるように、できるだけ経済政策でもってそこをフォローするということを打ち出していただかなければ、私はその経済構造がそのまま社会構造に反映し、社会構造がそのまま文化、思想に反映し人々の観念を形成する、こういうことになると思いますので、その点は私の考えを申し述べておきたいと思うわけでございます。 また、土地問題というのが大変な大きな問題でございますが、しかし結局これはせんじ詰めてみると、海外の資産を購入するとかいろいろなことをやっているのは大企業でありまして、その大企業が海外に投資をし、さらにそれでも金が余るから東京、首都周辺の土地に投資する、それがどんどん値上がりする、したがってそれだけでもまだ金がうまく利殖を生むような方向に金を持っていく、その金の余りがあるから中小都市に及ぶ、こういう関係だと思うので、これ自体がまた我が国の経済の二重構造の反映だと思います。したがって、アメリカは要するに国民生活向けのフォローアップが足りないと言っているのは、恐らく内政の干渉になるから具体的に細かいことについてまでは言わないと思いますけれども、しかしそこのところを大まかにアメリカ側が危惧しておるのではないか、こう思いますので、これは私の考えとして経済企画庁長官に申し上げておきたいと思いますから参考にしていただきたいと思います。 私が実感をいたしましたことでは、例えば運送業の認可というのか許可というのか、これについては随分まあ難しいことを言って、そしていつその審査をして認可を与えるのか、なかなか雲をつかむような話で、つまり大店法と同じような形でうまくいっていなかったですけれども、最近はやはりあのことが起きてから、審査だけは早くやる、しかし実際の運営というか、実際の運送業務は厳しくひとつ規制は守ってもらう、入り口はたやすくする、こういうような形に変わりつつあるようでありまして、これはだんだん成果が上がってきておるなというふうに思います。 それで、結局そこのところをなぜ私が問題にするかといいますと、我が国の経済構造を反映しそれが社会構造となり、社会構造が人々の意識に影響を持ちまして文化とか思想とか、ごく極端なことを言うと差別観念に影響を持つわけでございますから、やはり政府あるいは地方自治体の、まあ権力といいますか、その権力の恣意性というものをいかに民主的に変えていくか、ここが非常に大事な問題なのでありまして、私は大店法の問題も経済の調整を図ろうと思って少しぐずぐずしたんだと思いますけれども、あるいは各種認可、許可業務も経済の安定を図って、例えばタクシーの認可とかあるいは今の貨物運送の認可とかいうような各種認可業務というものがたくさんあるということは、経済を調整しようと思ってやっておることだと思いますけれども、そこに恣意性が入ってくるとこれは大変な問題だ。その恣意性が、実は長官にぜひ聞いておいてもらいたいことは、我が国の全体的な前近代的非合理的感覚、言葉をかえて言えば封建的なものをこの社会に持ち込んでいる、こういうこととの意識、観念の関係になってまいりますので、その辺をひとつぜひお考えをいただきまして、これからもこの問題に真剣に取り組んでいただきまして、経済の調整は社会の文化、思想に影響する、こういうことで取り組んでいただくことをお願いしておきたいと思います。 なお不徹底な点は、例えば建設業の下請なんかはいまだにもって契約書を取り交わさず、最終的に思い違いがあったというてちょっとトラブルが起きる、トラブルが起きると弱い方が負ける。これは金を出す方が強いという関係になりまして、それがまた世の中というものはこんな不合理なものだということを是認して、長いものには巻かれろという意識に次第に変わっていく、こういう関係になりますので、どうぞその辺を留意して今後の取り組みを進めていただきたいと思います。 そこで、もうあと時間が余りございませんけれども、物事を典型的に見ていくために御質問申し上げるわけでありますが、かつて我が国の円というものは、ずっと前は三百六十円の固定のレートでございましたが、変動のレートになりまして、数年前、あるいは十年近くなるかもわかりませんが、二百五十円とか二百六十円という時代がありまして、その時代に、例えば自動車の輸出などはまあ何とかやっておった、黒字を出しておった。これが百二十円とか百三十円になって、つまり入る金は半分になった、だからこれは大変なことだと思って私も心配をしておりましたが、しかしながら何とかやっておるというよりはむしろあのころよりも黒字は大きいのではないか。そうすると、一体その間の差というものはどういうふうにやって解決されたと長官は思われるか。 これはもう時間がありませんので私の考えをちょっと申し上げておきますが、それはやはり親会社からいえば中小の協力会社の協力だ、こう言うのですけれども、その協力というのはもう天から降ってわいたような形ですぐに手のひら返すことにはならぬのでありまして、下請の方がかなりの出血受注、そしてそれが出血までいかなければやはり働く者の労働の強化、労働時間短縮というのがありますけれども、なかなかそうはいってないのでありまして、下に下にしわ寄せがされる、こういうふうな問題によって切り抜けておるのではないか、しかし、国際競争力には勝たなければいかず、さりとてそういう形の一方的な解決策で乗り切っているとすれば早晩また大きな社会問題が生まれてくる、こういうふうなことを考えますし、私自身が大きな問題としております同和対策を進めていく上でもこれは非常に障害になる、無権利なものが苦しめられるということは障害になることでありますから、その点について長官のお考えを聞いておきたいと思います。 私の時間の使い方がまずくて、せっかく準備をしていただいております各関係の、きょう答弁に予定されている方々に質問することができませんでしたけれども、ひとつ長官の方からお答えをいただきまして終わりとしたいと思います。
○越智国務大臣 手短にお答えさせていただきます。 長年その方面で御努力いただいております小森先生からいろいろと実態に即したお教えをいただきまして、大変感銘しながら伺わせていただきました。 最後の御質問でございますが、円相場は、プラザ合意で当時二百四十二円でございましたものが約半値になりまして、今日現在百三十八円ぐらいでございます。構造的には、日本の輸出は原料を輸入して加工して輸出するというものでございますので、為替は輸入の面ではプラスに働く面もございます。また加工の面では、本来は生産性の向上によって吸収すべきものでございますが、先生のおっしゃっているような下請関係その他にしわが寄っていないかどうか、私どももその点はよく確かめ、またその改善のために努力をさせていただきたい、このように考えているところでございます。
○小森分科員 ありがとうございました。
○相沢主査 これにて小森龍邦君の質疑は終了いたしました。 次に、沢田広君。
○沢田分科員 予算委員会を通じまして大変御苦労さまでありました。ただ、経済企画庁というところには余り質問も集中しないで、ある程度負担が軽かったんじゃないかと思うのでありますが、そういう意味で若干またお伺いしていきたいと思います。 順は不同になりますけれども、いわゆる経済企画庁というものがどういう時点を国民に示していくのが本来の使命と考えておられるのか、簡単に言うと、この平成三年だけの問題ではない、経済企画庁はもっと二年、せめて三年、四年、ある部分においてはもっと長期のものも考えて、言うならば経済の骨格を示して、希望なりあるいは期待なりそういうものを国民に与えていく、そういう役割が基本的にあるのではないか。白書なんかを見ましてもいろいろ書いてはあるのですけれども、問題は、実際の行動と書いてあることとの結びつきが弱いということになるとどうも軽くなる。だから現実的に、こうあらなければならないと思いながらも、これしかできないと思ったらやはりそこで割り切って、向こう三年は三年でこれでやるんだといったものを内閣に示していく、そのかわりそれは実行してもらうということが必要になるのではないのかなということで、まず第一に、有能な大臣が生まれたわけでありますから、ひとつ内閣のリーダーシップを発揮してもらいたい、こういう期待を込めて今の点についてお答えをいただきたいと思います。
○越智国務大臣 沢田先輩から一番根本的な御質問をいただきまして恐縮いたしております。 経済企画庁は予防医学じゃないか、あるいは健康診断ではないか、私はこのように思っておりまして、例えて申し上げますと、土地の値上がりしたときに、本当は一番早くに土地の値上がりの警鐘を乱打する必要があったのは経済企画庁じゃないか、そうしたメソッドをつくっておきたいということで今地価インデックスのことも検討してもらっております。また、そうならないようにするための予防医学についてもいろいろなアドバイスをしなければいかぬ。今日の時点で申しますと、五十一カ月の景気がいつアップカーブのスパイラルからダウンカーブのスパイラルに移るかという臨界点をしっかり認めていかなければいかぬ、認識していかなければならぬ、それを早目に警告を出していかなければならない、非常に大事なところに来ているのじゃないか、こんなふうに思っております。 そのために、実は今まで経済企画庁は一年ごとの経済見通しをやってまいりました。それから五年ごとの経済計画を正式に決定してまいりました。今日は六十三年決定分が三年分を終わろうとしているところでございます。相沢前長官のときに、さらに長期のものをつくらなければいけないということで二〇一〇年委員会というのをつくっておりまして、これが今作業に入ったところでございますが、二十年分の一応の計画、これは公式に閣議決定とか何かに至るものとは思いませんが、先生おっしゃるように長い目で見た、二十年を見た上で五年を考え、五年を見た上で一年を考える、こういう仕組みで今作業をしているところでございます。
○沢田分科員 社会主義であろうと資本主義であろうと、部分的にはやはり社会政策というものを必要とする分野が必ずあるわけですね。ですから、東欧諸国の今日を迎えたのもその処方を誤った結果だったと思うのですね。ですから、資本主義ならば何でもいいやということではなしに、その中にやはり地味な計画というものが確立されることを期待して、次の問題に参ります。 日米構造協議というのはこれで終わったわけではないですね。今度の四百三十兆、これからどういうふうに変わるかわかりません。日本の円で考えているようなわけには、円高ということになればもっと金額が変わってくる、円安になればまた変わってくる、そういう変動要素がありますが、実際の実行性というものは、これは最終的には自治省あるいは各自治体がやるのかもしれませんが、経済企画庁としてはそれをチェックしていく、下水道がどうなっているか、湾岸が、TPで言うならば東京湾の水位で六メートル五十は確保できるとか、そういうもののチェックは経済企画庁としてはやられるのですか、どうですか。
○越智国務大臣 先生の御質問は、公共投資の四百三十兆円の問題かと思いますが、先生御指摘のとおり社会主義経済じゃございませんので、国として、あるいは地方公共団体として、さらには民間としてどういうふうにこれからの社会資本の充実に働いてもらうか、その旗振りが経済企画庁の役割だ、国の行います公共事業につきましてある程度強力に担当省にお声もかけていかなければならない、また地方団体につきましては、それほど強くないかもしれませんが、そうした誘導策はとっていかなければならないのじゃないか、こんなふうに考えております。
○沢田分科員 ただ、アメリカとの約束でしょうから、言うならば国際的な信義というものがあるわけですから、どこの省も半端というわけにはいかないだろう、やはりどこか国の機関でそのチェックをしていく。先がありますけれども、ことしは始まりだからいいんですが、やはりそれをきちんと整理して中間報告をしないとまたアメリカから次の要求が出てくる、こういうことになってくるんだろうと思うのですね。ですから、随分裏方になって苦労するわけでありますが、経済企画庁あたりがいわゆる金と実行とをチェックしていかないと、またアメリカから日本は不誠実だと言われる危険性もあると思います。この点はどこの省が全部やるのか、はっきりしていないのですね。二千億は大蔵省で金は出したけれども、それ以外は各省庁である、こんなような若干あいまいさも残っていますから、ひとつ経済企画庁あたりがそういうもののチェック機能の機関として、たまには中間報告をさせるというようなことが必要になってきているのじゃないか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○越智国務大臣 実態をちょっと御説明させていただきますと、四百三十兆はこれから十年でございますが、過去十年間は二百六十三兆でございまして、四百三十兆の中の弾力枠が十五兆ございます。平均伸率で伸ばしますと大体六ないし六・三%年々ふえていかなければならない。これは地方の単独まで含めた数字でございますから、国費ベースの公共事業を大体七兆円と見ますと、六%伸ばして四千億平成三年度は上積みいたしまして、その四千億の半分、二千億を地方負担分の削減を、圧縮していた分を、負担を多くしていた分を今度は戻す、途中の段階で戻す。というのは、国費でたくさんつけましても補助裏が負担できない地方団体が出てくるものですから、二千億をまずそうまして、残り二千億を各省の公共事業に割り振ったというのが平成三年度の予算でございますが、各省に対しましては私どもでつくりました公共投資基本計画、昨年の六月でございますが、その中で十年先のある種の目標を示しておりまして、例えば住宅でいえば一世帯当たり百平米までいかなければだめだというか、いってほしいという目標をやっておりますから、各省ともそれを目指して動いていただければ四百三十兆を私どもは達成できるのではないか、こんなふうに考えております。
○沢田分科員 次に、これは予定してありますバブル現象の解消なんでありますが、土地の暴騰は大臣のところもえらく痛感をされたことだろうと思うし、この四月に始まります固定資産の縦覧期間には異議の申し立ても相当出るのじゃないか。あきらめちゃっている人も多いかもしれませんが、出るのじゃないかと思うのです。 それで、バブル現象の状況が出ているのに二つだけ私の方で申し上げたいのは、ノンバンクの七十三兆ともいうべき金が出ている。銀行からも出ている。対不動産を合わせると百五十五兆とも言われ、あるいは金融機関の総貸し出し状況額が五百二十三兆とも言われているわけですね。これは見方の問題があってそういう数字の差が出ているのだと思うのですが、ただノンバンクの七十三兆はほぼ間違いないようですね。そうすると現在の土地の価格というものをより安定させ、そして衣食住という人間の最低限度のシビルミニマムを満足させるためにはこのバブル現象をさらに圧縮しなくちゃならぬ。ですからノンバンクの処理が一つある。きょうも新聞の主張にも載っていますね。 それからもう一つは金利の問題が、また大臣があっちこっちで、五月とか六月あたりには下がるのじゃないか、アメリカとの金利の連動の問題もある、だから六月ぐらいになったらこれ以上厳しくすると困るから下げなくちゃいけないんじゃないかというようなことを言っている人もいるのですね。そうなると、じゃ、あと二カ月何とかやりくりを自転車操業であろうとなかろうとやっていればそのぐらいになったら下がる、そうすると何とかもっているものは持ちこたえられるといった発想を与える要因になるのです、これは。 ですからこれは、閣内においてもよく土地の価格の動向というものは、確かにほかで痛みを感じているものもありますよ、今の高金利は。そのことはそのことであるが、今当面の日本の政治のもとがやはり土地の安定であるということだと思うので、そういう意味においての金利の問題、それからノンバンクの問題、この点については一方は進め、一方はそういう発言については十分配慮してもらうということが大変大切なんじゃないかというふうに思います。この点はいかがでしょうか。
○越智国務大臣 二点御質問ございまして、まず金融と土地の関係でございますが、先生おっしゃるとおり土地の異常な高騰は金融の資金流動性が高過ぎたということですね。これについては日銀自身も反省いたしておりまして、今日では通貨の供給量はひところの約半分ぐらいのペースに下がってきたのじゃないか、七%ぐらいですね、当時一三%増まで上がったことがあったと記憶いたしておりますが、こんなふうに考えております。殊にその中でも不動産業向けの分はさらに伸び率を下げるという方向でやっておりまして、私どもの出している月例経済報告でも、不動産業向け貸し出しの伸び率は特記するように当時からしているわけでございます。 ただ、ノンバンクの話はこれは大蔵行政の中でございますけれども、規制の体制がうまくとれていなかった。しかし、ノンバンクの裏を探っていくと、実は裏に銀行もあるのですね。そういう意味ではまさに銀行行政がもっとしっかりしないと、銀行が実は土地とか株とか、殊に資本市場で一番大きかったのは六十三年、平成元年の債券の発行でございますので、三千億ぐらいやったと私ども認識いたしておりますけれども——三千億じゃないです。もっともっと大きいです。数字をちょっと間違えました。やっておりますけれども、そうした意味で、金融行政にもっと厳格な姿勢が必要なのではないか、こう思っております。 第二の点の金利でございますが、私は十二月二十九日着任以来、日本銀行にお任せする、全体の経済の動向は三月の数字を見てみないとよくわからないのじゃないか、いましばらく待ちたいということで言っておりますが、実際問題はいろいろな金利がやや低下ぎみ、公定歩合じゃない、ほかの金利でございますね、低下ぎみでございます。市場追随型で動く場合もあり得るかもしれませんし、もう一つ、御存じのとおりアメリカが下げて日本と同じようになりました。そしてさらにフェデラルファンドが同じところまで来てしまいましたので、アメリカの金利が先行き下がるのではないかという予測は、二度目でございますが、かなり強くなっております。そうしますと、やはり為替というものを頭に置いての金利政策でございますので、そうしたムードが醸成されてくるかもしれない。むしろその点では、金融政策当局が量の方で一段と締めなければならないとお考えかと思いますので、量の方がむしろ土地、不動産関係の方ではよりきつく効いてきているというふうに今見ているところでございまして、先生のおっしゃるバブル経済が手を放したことによってもとに戻ることのないよう、十分注意していきたいと思っております。
○沢田分科員 もう一つは、アメリカ経済の影響だと思うのです。日本は特にアメリカ経済との関係が大きいだけにその影響も大きい。今、アメリカの三千二百億ドルぐらいの赤字のところで国民の預貯金は一千億ドル、結果的にはいわゆるオーバーローンという状況が続いているわけですね。ですから、この状況というものは必ずインフレになるか、失業率も相当高いようでありますから、極めて危険な状況である。ただ、今戦勝気分でちょうちん行列をやっておるような気持ちですから、そういうものを言うならばオブラートに包んで、これから深刻な失業とかあるいは企業の問題もありますけれども、そういうことでアメリカ経済は非常に下降線をたどっておる。 ソ連は、猫の目というよりももっと激しいくらいにくるくる変わっておる。ソ連の経済はどう動くかわかりませんけれども、ルーブルに今三つくらいの価格がある。我々がこの前行ったときに、日本の金を欲しいと言う。では金利はどうなんだ、こう聞くと、今五%だと言うのです。余り長くなるといけませんからこれはまた別の機会にしますが、いずれにしても、では金利をどうするんだと言ったときに、中小企業、マクドナルドが十四年かかったそうですね、あそこで商売やるのに。ただ、物すごい行列が並んでいるような状態で、ほかのところは全然だめなんだ、店がない。そういうようなことですが、果たしてリスクに見合う収益を上げられるのかというと、金で持っていっちゃ困る、物で持っていってもらわなければだめだ、こういう言い分なんですね。そういうふうにソ連全体の中身、ルーブルが三つ、三段階もあるという状況ですから、これからの日ソの経済交流というのは非常に難しい。しかし、やはり極東に対する日本の援助というものは、ある意味においては積極的に進めなくてはならぬ分野だろうと思うのですね。だから、向こうはこういうことも言っていました。五十万人兵隊は引き揚げる、日本はそれに応じて引き上げてもらいたい、これは極東研究所の連中が言っていた話です。 いずれにしても、天然ガスにしても、開発するのに日本は沿海州にある程度の寄与をしないとやはり結果的にはその見返りが来ないということになると思うのです。その積み重ねの中に領土の返還はある、こういうのが向こうの言い分でしたね。ですから、これは余計なことで、報告を含めて長官が頭の中のどこかに入れておいて、極東のこの沿岸の開発というものには特別意を用いていかないと、確かにルーブルももうどうにもならぬし政治体制もがたがたしているが、しかしハバロフ、ウラジオ、そういう方面の人たちは日本の援助を切望しているのが現実である、そのことを頭に入れて、余り後のことを言わない方がいいのでありますが、そういうことで、いろいろ腹の中にはあってもそういう援助を続けていくことがまた領土の返還につながっていくという位置づけだけはしっかり持っていてもらいたい、こういうふうに思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○越智国務大臣 いろいろお教えいただきましてありがとうございます。私も昨年の九月にモスクワに参りましたときに、環日本海構想みたいなことで、ウラジオ、ナホトカ、ハバロフスク、黒龍江沿いで日本との協力を強化したいということで、実はエリツィンさんに会いに行きましたら交通事故で会えなくてロシア共和国の第一副首相と話しましたときに、先方からは、むしろバイカル湖のところへ出てきてくれという要望がありまして、向こうはかなりシベリア開発に日本を期待しているという強さは感じました。 ただ、世銀その他の調査でも出ていますように、技術援助、経済援助ということはできますが、いきなり資金を渡してもそれをうまく使うすべは心得ておらぬと言ったら失礼かもしれませんが、援助の仕方は、日本とソ連ということになるとかなりやり方は難しいなということを当時感じてまいりました。先生のお話などを参考に、ゴルバチョフさん、ちょうど四月にお見えになるとすればこれから詰めていかなければならない段階でございますので、十分検討させていただきたいと思っております。
○沢田分科員 それで、私はそこで先手を、こういう速記録がどんどん抜けちゃうのかどうかわかりませんが、やはり先手を打ってある程度極東開発のプランぐらいは出しておく方が、来る場合に最低限度のお土産がその前に発表されるということになるわけですから、やはりそういうプランの発表が、業界にも協力を仰がなくてはなりませんが、そういうものと合わせて対応をしていくというのは、もう四月ですから今から始めていって、そのときには具体的にこの程度のものはというのが言えるようにしておく必要がある、こういうふうに思いますから、その点は善処されることを期待します。 最後に、前の人がオーバーした分はここで帳消しにしていこうと思っていますが、アメリカの経済がこういう状況である。湾岸戦争の復興資金もこれから必要になってくるであろう。それで、湾岸戦争の復興資金はできるだけそれは物でやることを考えることが必要だろう。これも先手でやらなければだめだ。相手から幾らと言われていくと金になってしまう。金になったらそれはそれだけ出費になるだけでして、日本の経済に何も影響を与えない。だから、例えば今は余剰米があれば余剰米を、これは何も湾岸だけじゃなくても余剰米を出してやる、あるいは物で出す。物になれば一応経済成長率に寄与するわけですから、国内の景気にも関係するわけですから、三・五だ、あるいは三・二だなんていうことを言わなくとも、四%ぐらいの経済成長率も確保できるということになるわけですね。だからそれはできるだけ品物でやれるように今から手を打っておけば可能である。しかしそうではなくて、今度の九十億ドルみたいに生金で出ていくということになれば、これは完全にマイナス、マイナスと言っては悪いですけれどもプラスはない、こういうことでありまして、その点の、アメリカの経済の方向、湾岸への援助等々考えまして、そのやり方、処方というものは十分慎重に、また国内の成長率の向上のために寄与できるような方向で対応してもらいたい、こういうふうに思いますが、いかがでしょう。
○越智国務大臣 先生の御指摘のとおり、ポスト湾岸に日本がどういう協力をするか大変難しいところでございますが、御高承のとおり、一番の戦災を受けましたクウェート、サウジアラビア、それからアラビア半島のイエメン以外の国々六カ国で今後の協議を重ねたいと言っているようでございますが、いずれも大変個人所得の高いところでございまして、資金という格好の援助は恐らく言ってこないのではないか。そういたしますと、イラクを含めましたそれよりも北の方にあると申しますかアラブの国々、こちらでも個人所得が大体二、三千ドルぐらいのところでございまして、アジアに比べるとかなり高い水準でございまして、おっしゃるように、資金という格好よりは技術あるいはプラントとかいろいろな問題が出てくると思いますが、さしあたりは向こうの政情が落ちつくことと、さらにアラブの方々はどちらかというと自分たちの問題は自分たちでよく最初に相談してからよその国に話をしたいという姿勢のようでございますものですから、彼らの言い分をよく聞いて行動を起こしたい、このように考えております。
○沢田分科員 大体時間的にはあれですが、最後に、大臣から見ればとっぴと思われるかもわかりませんが、これは、日本経済をこれから考え行動していく上においては、国際人づくりをしなければならぬ。とにかく日本人は、我々を含めて、外国へ行っても口下手で、時には全然わからないという、言うならば孤独なる日本人に今なっておるわけですね。今日の世界経済の中で駆けずり回るのには、政治家はもちろんですが、商社の人や公務員も含めて外国語に堪能になっていかなかったならば意思は通じない。まだハラキリ、サムライの観念が抜け切らないようなことであれば、これは日本がどんなに経済大国だと言ってみても、そのことはいわゆる夢のごとく消えてしまうわけですね。ですから、その意味において国際人づくりというものをこれからは真剣に考えませんと真実が伝わらない、こういうことになると思いますので、この点は最後に要望をしておきまして、前の人のオーバーした分は二分だったのでありますが、プラス二分ぐらいになりますが余らせて、二分ぐらいのお答えをいただいて、それで終わりにしたい、こういうふうに思います。
○越智国務大臣 私も三年ニューヨークに若いときに勤務させていただきました。ぜひ日本の若い人たちに、外国で生活することによって外国人から頼りにされる日本人になってほしい。ノーと言える日本人ではなくて頼りにされる日本人をつくるために大いに努力をしてみたいと思っております。
○沢田分科員 終わります。 ただ、言ったことに実行性を持ってくださいね、これはここで言ったら終わりというのじゃだめなんですから。その点お願いしておきます。
○相沢主査 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。 次に、新村勝雄君。
○新村分科員 問題の湾岸戦争が短期で終わりまして、世界経済もほっと一息というか安堵しているというところだと思いますけれども、全般的に見ますと、やはり英米を中心として不況感はぬぐえない。日独は堅調であるけれども世界経済全体としては必ずしも楽観できない状況だと思います。そういう中で世界的に経済の停滞をいかにして脱却するかということが大きな課題であると思いますが、日本経済もまた、ドイツとともに堅調であるといっても、今までのような景気は持続できないであろう、場合によっては早期の利下げも必要ではないかというようなことも言われておるわけでありますが、日本を中心とした世界全体の経済の見通しについて、大体どういうお考えでございますか。
○越智国務大臣 新村先生御指摘のとおり、湾岸紛争は終わりましたが、むしろ、従来考えておりました世界経済の心配な点が徐々に実は表面化してくるのではないか、こんなふうに感じております。御高承のとおり、ここ数年来世界各国とも一応それなりの好況感を持って進んでまいりました。それだけに、今どこの国にも、それの持ついわゆるファンダメンタルズの問題が出てきているわけであります。 まず、アメリカの方は、きのう、きょうあたりドルが大変強いようでございますけれども、むしろそれの反動が怖いぐらいな感じでございまして、いわゆる双子の赤字についての解決のめどは立っておりません。国際収支については多少ふえるのがとまったような、出血がとまったような感じでございますが、財政赤字につきましてはいつゼロにできるという目標は今度の新法では出ていないのではないか、グラム・ラドマン法の改正案には出ていないように思いますし、実はあちらで、湾岸紛争が終わりましてから失業率がやはり上がってきているようでございまして、二月下旬で六・四と聞いておりますけれども、そうした点でも、アメリカ経済に、ぜひそうした意味の自分の経済の構造について、これから私もアメリカといろいろな格好で話し合いをする場を持ちたいと思っておりますが、強く向こうに求めていきたい、こう思っております。 イギリスも、おっしゃるように、実は失業率もそれからインフレ率も大変厳しゅうございまして、メージャーさんになって、やはり悪い方の傾向が徐々に強く出てきているという感じがいたします。 ドイツは、先生おっしゃいましたように東独と東欧が今大変に苦しんでおります。資金的な不足もございますし、もともとが社会主義経済がいきなり市場経済へ入っていくというときには大変インフレの危険もございますし、そういうメカニズムを新しくつくっていく上でのノーハウもないという点では、恐らくドイツはソ連と東欧とを抱えて大変苦労するのじゃないか。 このように見ているわけでございまして、世界経済の中で、日本がそういう中では相対的にいい方だということで、いろいろと今後注文をつけられる危険性と申しますか、そういうことは大きいように考えております。 他方、我が国の経済は、一応ことしは何とかうまくやっていきたい、このように思っておりますが、心配なことはないわけじゃございませんで、五十一カ月も好況が続いておりますと、いろいろな面で、成熟したなら成熟したなりに、四十代の健康みたいなものでございますので、元気なようでいて問題がないとは言えない。そこを十分注意しながら、減速感は出ていますけれども、一応好況の局面を続けながら本年も三・八%の成長を達成できるように努力をさせていただきたい。 申しおくれましたが、世界に不況が、世界恐慌が来るのじゃないか、同時不況が来るのじゃないかということについては、先日のOECDだったと思いますが、世界各国の経済政策担当者が集まった席で、それはまずないであろうという否定的な見解が発表されておりますので、それを信じて頑張っていきたいと思っております。
○新村分科員 アメリカでは、湾岸戦争の勝利によって、その勝利感に浸っているということが言われておりますけれども、その勝利の感激といいますか、それが冷めた段階で不況が来るのではないかというようなことも言われておりますし、今世界的に、いわゆるアメリカ、イギリスを中心とした不況、アングロサクソン不況と言われているそうでありますけれども、これが世界経済にかなりマイナスの影響を与えるのではないかという心配をされておるわけです。一方、日独は堅調であるけれども、ドイツは東ドイツを抱えて大変でしょうし、そうすると日本だけがどうやらということで、日本が再び世界の牽引車になるべきであるという声が起こっているというふうに言われております。 こういう中で、片や不況、一方はまあ何とかやっていかれるということの中で、世界経済をどう調整していくかということについて、G7等を中心にして何らかの手を打たなければいけない、あるいはまた世界的な利下げという方向に持っていかなければいけないというようなことがあるのかどうか。それからまた、日本に対してどういう責任というか期待がかけられているか。これは、期待といっても、日本が機関車になってもらいたいというような一般的な希望はあるのだと思いますけれども、そこらの点はどういうことになるんでしょうか。
○越智国務大臣 世界からどのように期待されるかというのは、まだ私、実感を持ってとらまえておりませんけれども、私自身が世界経済に対して一番心配しておりますのはスタグフレーションでございまして、インフレが起こるとお互いにそれを、風邪をうつすみたいにうつりやすうございますので、すごいインフレが起きないことをまず各国に要請し、またみずからも努力していかなければならない。同時に、不況対策に対して、先生のおっしゃいましたような金利という問題などは、現在金融市場が非常に国際化しておりますものですから、一国の金利水準というのは他国に敏感に影響いたします。したがいまして、金融政策上も世界経済をにらんだ格好で動かしていかなきゃなるまい。それ以上に、例えばODAみたいな話で、世界の中の困っている国々に対しての手助けをできるだけ日本にという声が上がってくるかもしれませんけれども、ポスト湾岸も含めまして、そうした中で応分の役割も果たしていかなければならない、こう思っております。
○新村分科員 それからもう一つ、これは米ソの冷戦が終結をして、米ソ対決の構図が変わったというか終わったわけでありますが、冷戦時代には米ソともに南の諸国に対して、自分の勢力を拡張するためにかなりの援助をした。冷戦がなくなるとそれがなくなるから、南北問題は一層激化するんではないかというような見方もあるわけですが、そういった場合に、やはりこれも日本の出番だ、そういうことがあるかもしれません。そういうことで、南北間の問題あるいは南の低開発国間の問題、そういった問題がこれから経済的にも大きな問題にクローズアップされるんではないかという見方がありますけれども、そういう点ではいかがでしょうか。
○越智国務大臣 先生おっしゃるとおり、騒ぎがおさまってみて、南北問題が改めて厳しい話題として上がってくるだろうとは感じております。 個々別々だと思っておりますが、個人的な見解でございますが、中南米は累積赤字が世界で一番大きい国々が多うございますので、中南米問題をアメリカが抱え込まなければいけないんじゃないか。恐らくそれがアメリカ経済にとっては非常に負担になってくるんじゃないか、こんなふうな感じがいたします。それから、ソ連の方は、自分の経済でいっぱいでございますので、東欧諸国の石油の供給などとめてしまいましたものですから、東欧諸国をどうしていくか、これは石油の供給から資金の話から含めて、先ほどお答えもいたしましたが、恐らくドイツが相当かぶらなければならない、あるいはEC統合後のヨーロッパが。まさにあそこは、東欧ではなくて、英語で言いますとセントラルヨーロッパでございまして、チェコとかハンガリーでございますが、ヨーロッパの中心になっているわけですから、それらの国々との関係は、ヨーロッパの諸国、ECなどは相当かぶらなければならない。もちろんその向こうにアフリカがございまして、アフリカも恐らくECの分担範囲ということになってまいります。そうすると、アジアの問題は日本が相当主体的にといいますか、大半をやっていかなければならない、こういう状態になってくるのかな。 ただ、そうしたことが余りにもブロック化してしまいますと、世界経済が一九三〇年ぐらいの感じに戻るわけでございますので、このこと自身がまた政治対立のもとにもなりますので、ブロック化はなるべく避けていきたい。しかし、ある種の、自分たちの責任を持つ範囲は南北問題に限ってはっきりしてくる感じがいたして、その点を注意深くやっていきたいと思っております。
○新村分科員 今おっしゃるように、ソビエトの経済は極端に悪い。まあ報道によるとマイナス十数%ということでありますから、まさにこれは破局でしょうし、さらに、自由化したとはいいながら東ヨーロッパ諸国も恐らくマイナス成長であろうということになりますと、この東ヨーロッパあるいはソ連に対して、ドイツがいかに堅調であろうともドイツの力ではどうにもならない。しかし、ドイツの力がやはり向こうに若干割かれるということもありましょうし、そうなってくると、アングロサクソンは不況である、日本だけがどうやらということになりますと、南の国に対する援助等についてはやはり日本に期待する、あるいはアジアの国もそうでありますけれども。ということになりますと、日本といえどもこれは大変過大な負担を負うことになるわけであります。そういったことの中で、ODA等についても新しい戦略を政府は考えておられるようでありますが、ODA等も含めて、特にこの南の諸国あるいは中東の油の出ない諸国、こういった諸国に対する日本の役割というのは大変重いと思いますし、期待も大きいと思いますが、そこらに対してはどういう政策でいかれますか。
○越智国務大臣 従来ODAの運営につきましては、外務、大蔵、通産、経企、四省が所管でございまして、関係省庁が十数省庁にまたがっております。平成三年度は八千億余のODAの予算を計上いたしまして、対前年たしか八%くらい伸ばしておりますが、これにあと財政投融資その他の運用も含めまして、ここのところ五年間で大体年平均百億ドルベースの活動をしてまいりました。これをさらに拡大をしてやっていきたい。ODAの場合そういう対象はほとんどがアジアでございまして、そういうことを通じてアジアの諸国との経済関係の強化をやっていけるのじゃないか、こんなふうに考えておるところでございます。
○新村分科員 アジアの諸国に対しては、日本としては五十年前の厳しい反省もありますし、これに対する償いという意味も含めて優先的にやっていかなければいけないわけですが、その場合に、予算委員会でも申し上げたのですが、ODAの方針といいますか経済援助の戦略といいますか、まず軍事大国をつくらない、それからまた麻薬等については麻薬等を栽培している国についてはこれは厳しく警告をしていく、また核を開発しているような国あるいはそのおそれのあるような国については厳しく査察をすると同時に、その核開発については抑制するような方向、こういったものをODAに織り込んで、ODAの戦略というもの、いわゆるODAを通じた日本の平和戦略というものをつくるべきであるというようなことを申し上げまして、外務大臣も賛成をされたわけでありますけれども、大臣はいかがでしょうか。
○越智国務大臣 先生御指摘の点が今非常に問題になっております。ただ、麻薬等はどちらかというと人道的なというか倫理的な観点でございますし、他方核とか武器輸出というのはいわばこのデタントの世界の中に逆行している方向でございまして、そういう意味ではちょっと観点の違う扱いかと思いますが、いずれにしてもODAにつきまして今一つの反省期に来ていると思いますので、経済企画庁としましても、まずは今まで言われてきたいろいろな問題点についてよく反省をし、実態を確かめ、そういう作業を平成三年度にさせていただきたいなと思っておりまして、またそれと並行して先生のおっしゃるような観点が、今後のODAの運営方針の中で当然議論されていくべき問題だと思っております。
○新村分科員 ODAの直接の所管は外務省でしょうか。でも戦略はそちらでおやりになるのですか。
○末木政府委員 事務的な問題ですから、私からお答えいたします。 ODAにつきましては多くの省庁が関与すること、ただいま長官御答弁申し上げたとおりですが、対外的な窓口を統一する必要があろうということで窓口については外務省が一本化しておやりになるのが原則でございますし、それから私どもは経済政策の総合的な企画立案、総合調整という立場、これは各国の産業構造等あるいは世界的な景気の問題等絡む問題でございます。また経済協力基金を所管している立場ということでメーンの四省庁の一つとなっておりますし、それから大蔵省は国際金融という観点で、通産省は貿易、国際的な直接投資等の関連でかかわるものでございますから、主としてそういうことで四省庁が中心になってやっているということでございます。
○新村分科員 経済担当の大臣とされまして、ODAの、何といいますか哲学というと大げさですけれども、基本的な方針について、やはり平和戦略を絡めたというか、平和戦略を基調としたODAの方針をお立てになるように、大臣におかれましても十分御努力をいただきたいと思います。 次に、日本経済でありますが、日本経済は極めて好調に推移してきたわけでありますけれども、国際収支という観点からしますと若干のさま変わりになるということですね。経常収支で見ますと、八六年に九百四十一億ドル、八七年が八百四十五、八八年が七百七十三、八九年が五百三十四、九〇年はどのくらいになるんでしょうかね。まだ確定はしておりませんか、三百五、六十ですか。それから九一年はさらにそれを若干落ちるんじゃないかというようなことに見られております。日本は世界からいわゆる資金供給国として大変な期待をされておりますけれども、一方ではこういう状況で、必ずしも日本の余剰資金というものは無限ではない、無限どころかだんだん細っているというような状況もあるわけです。この経常収支の今後の見通し、それからそれに当然関係してくるわけでありますけれども、資金供給国としての日本のこれからの立場がどういうふうになっていくのか、その見通しはいかがでしょうか。
○越智国務大臣 最初に数字でお答えいたしますと、平成二年の経常収支は約三百二十億ドルと見込んでおりまして、ことし一九九一年三百億ドルの経常収支の黒、こう見ております。世界経済は約二十兆ドル、こう言われておりますが、日本がその一五%、三兆ドル経済でございますので、一%を切りかかっております。もう切ったかもしれません、細かい計算をすれば。そういたしますと、かねてから言われていた、二%ももうけているのは多過ぎるんじゃないかと言われた声に対しては、もう一%のリミットまで来ている、これがもうどんどんもっと減った方がいいんだという議論はなかなか難しいのじゃないかな。やはり経常収支の黒字国が赤字国に転落するときは大変スピードが速うこざいまして、アメリカの転落はたしか三年か四年でございました。逆スパイラルに入っちゃいますとそのままだあっと下がるものですから、アメリカが今約六千億ドルから七千億ドル近い債務国になっているわけでございますが、日本の場合には外貨準備で言えば約七百億ドル、対外資産で言えば約三千億ドルの状態でございますので、これ以上余りそういう、何といいますか貸借対照表といいますか、バランスシートは悪くならない方が日本経済としては運営しやすいのじゃないかな、こう思っておるわけでございます。 そうした黒字幅の減少してきた過程において構造的な問題として残っちゃったのが、日米間だけで見ると、バイラテラルで見ると実は四百億ドルの黒ですから、これがアメリカからいえば日本おかしいじゃないか、こういう議論になるわけでありまして、まさに日米間の国際収支をどう調整していくか、構造上の大きな問題だと考えております。
○新村分科員 落ち始めると非常に速いということのお話でありますが、その調子で落ちていったらこれは大変でありますし、アメリカを初め外国でも、一時は日本の黒字については大変非難ごうごうたるものがあったんですけれども、最近はこの日本の黒字は余り減っては困る、そういうことが外国においても出始めたということが言われております。そういったことで、やはり十分注意をしなければいけないし、外貨保有高は必ずしもこれが国力をあらわすものではないと思います。例えば台湾なんか六百億ドルくらいあるそうですから、台湾と日本との力、実力はもう画然と違うわけですけれども、ですから外貨保有高は必ずしもそれをあらわすものではないのでしょうが、とにかく黒字で困った日本が黒字が減って困るという事態を迎えかねない、こういう状況の中で、経済運営あるいは国際経済に対する対策、考え方は、十分注意をしないといけないのではないかというふうに考えるわけであります。 さらに、今問題になっております中東問題に絡んで、石油製品が必ずしも楽観できないのではないか。今原油の価格は十五ぐらいですか、しかし、この石油製品については必ずしも楽観できないという論評が経済紙あたりにありますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○越智国務大臣 先生御高承のとおり、石油製品は今度の湾岸紛争の始まる前の水準に、途中ぐっと上がりまして、十月半ばが峠というかピークでございましたが、武力行使の始まりました一月十七日現在は、いわば七月三十一日のレベルに戻っております。その後、一月十七日以降、紛争が終わるまでの約一月半の間に、どうでございましょうか、相場のとりようでございますが、バレル約十ドル近く下がった、このように見ておりまして、それはやはりイラクの武力によって油田等が破壊をされる危険を感じていた十月が一番高値になりまして、実際に始まってみたらそういう危険が余りないということから、むしろその間の周辺国の増産が効きまして安値になっておりますが、これはそうした関係国の生産量いかんでは、おっしゃるとおり、また相場は十分変わり得ることでございます。 また、一部物価との関係で申し上げますと、今申し上げたのはクルードオイル、原油の話でございまして、ナフサレベルの値段になりますと、大体十一月まではクルードオイルとパラレルで動いていたのですが、あれからナフサがクルードオイルと少し離れまして、バレル十ドルくらいの価格差が出ましたので、これはビニールとかポリに影響しますものですから、日本の卸売物価にはね返った面がありまして、ナフサの価格の誘導をいたしまして、現在ではかなり原油に近いところまでナフサは下がってきている、このように認識しております。今後もそういう、これは精製能力の関係があるものですから、油井だけじゃない、精製能力との関係でうまく持っていかないといけないのじゃないか、このように考えております。
○新村分科員 次に、個人消費でありますけれども、個人消費はGNPにも大きな影響を及ぼすわけであります。これが元年度、二年度の時期にはほかの要因、例えば所得税の減税であるとかあるいはまた雇用者数が増加しておりますね、その段階では。それから地価、株価が上がったということに対する心理的な影響等があって、かなり順調に伸びていたわけですね。八七年は前年比四・五、八八年が五・〇、八九年がまあちょっと下がって三・二ということでありますが、この個人消費もやはり今までと同じように伸びていくのかどうか。これは若干の停滞があるのではないかという心配がされておりますけれども、これはいかがでしょうか。
○越智国務大臣 先生おっしゃいますように、ここ五十一カ月の好景気を支えた柱は個人消費と設備投資でございます。 その中で個人消費はどちらかというと景気のカーブに対しましてはやや右肩上がりの一直線でずっと上がる傾向が強うございます。景気によって受ける変動を、実は貯蓄の取り崩しないしは貯蓄に向ける分を消費に向けることによって、今のこのレベルにきている国民生活としてはある程度の消費水準を守ろうとする傾向が強うございますので、殊に消費のもとになります雇用者労働力というものは今非常にタイトになってきたものですからふえております。就業者数が全体で六千万を超しておりますし、その中の雇用者労働力、サラリーマンさんが四千九百万ぐらい、これが大体二ないし三%毎年伸びておりまして、いわばその分だけ、所得が入ってくる分だけ消費は確実に伸びていく、このように見ております。殊に日本の場合には定期昇給の分で常にパーヘッドのサラリーが上がりますので、全体としまして雇用者所得は四・四%ぐらい平成三年度でふえるであろう。それにあと雇用者数の増を入れまして、そうした消費が六%以上ふえてくれるのではないか、こんなふうに見込んでいまして、その見込みは達成できるのじゃないか、こう考えております。
○新村分科員 次に、これまたGNPにかなりの影響のある住宅投資ですが、これも着工戸数で八七年には百七十三万、八八年には百六十六万、八九年には百六十七万と大体堅調に推移しておるわけで、これについては地価上昇によってそれが抑制されるのではないかと考えられるわけですが、地価上昇がある面ではかえって住宅投資を促進した面もあるというふうに言われておりますね。これは、土地を持っている者が貸し家を建てるとか買いかえをするとか、あるいは既に改築の時期が来ているというようなこともあるでしょうが、地価上昇が必ずしも住宅投資を抑制するだけの効果というか影響ではなかったということが言われております。それからまた、低金利であったというようなことが言われております。 しかしこれからは、その後金利が大分上がっておりますし、地価は高値安定ということになったわけですが、貸し家、特にマンション等は大分あいている、投資としての住宅投資、自分で住むうちももちろんそうですけれども、自分で住むのじゃなくて、マンション等をつくるとか貸し家をつくるといういわゆる投資としての住宅投資についてはかなり冷えているというようなこともありまして、今後の住宅投資は落ち込むという見通しもあるようですね。これについてはいかがでしょう。
○越智国務大臣 大変見通しの難しいところでございます。トータルの数字としましては、この好景気がはじまります前は年間百二十万戸ぐらいの着工戸数でございましたのが、好景気のこの五十一カ月の間は大体百六十万戸ベースでまいりまりた。これが平成三年度に急激にがくんと落ち込むという見通しはございません。現在の建築業界の声としましては、発注はある、資材も上がっていない、最大の難点がむしろ労働力の確保、したがってつくるのに時間がかかる、そういうぐらいの感じでございます。 ただ、その中身を見ますと、先生がおっしゃいますように、営業としての貸し家業というのは余り成立しないということで、貸し付けのマンションの分がかなり下がっているのじゃないか。一番今値下がりが大きいのは中古マンションの売買価格じゃないかと私は私の東京での経験では認識いたしております。そう思っておりますが、ただ、住環境をよくしたいという希望は大変強うございますので、建て直し等を含めまして住宅建設そのものは依然として今までの大体横ばいぐらいのペースで走ってくれるのじゃないか、こう考えているところでございます。
○新村分科員 時間でありますから以上で終わりますが、内外ともに経済運営大変厳しい中で、しかも日本に対する期待も大変高まっておりますから、大臣の御健闘を期待しております。 終わります。
○相沢主査 これにて新村勝雄君の質疑は終了いたしました。 次に、松浦利尚君。
○松浦(利)分科員 長官、どうも御苦労さまでございます。おはようございます。 質問の通告はしておらなかったのですが、きょうの報道等を見ますと、円が百三十八円と非常に安値の方向に動いておるわけですね。これは極めて不愉快なことだと思いますけれども、現状このまま仮に推移するとすれば物価に非常に大きな影響を与えると思うのですね。これについてどういう見通しを持っておられますかね。 〔主査退席、渡瀬主査代理着席〕
○越智国務大臣 大変難しい松浦先生からの御質問でございますが、私のけさの感想で申し上げますと、困ったなという感じでございまして、大体百三十五円ぐらいが円安の天井で動いてくれている分には心配ないのですけども、百三十五円をさらに円安の方に振れて、かつそれがある一定期間続きますと確かに物価その他にも影響してまいりますので、一時的なものであればいいけれども、そこまで来ているのに対してこれが続くようだといろいろまた考えなければいかぬ。ただ、私もまだ確認いたしておりません。日米両金融当局がどういう手を打たれましたか、報告というかお話は伺っておりませんけれども、これが続くようですと何らかのことを考えていかなければならない、こんなふうに見ております。
○松浦(利)分科員 それで、長官、日銀がヨーロッパ諸国と協調介入しておるという報道もきょうちょっとテレビで聞いたのですけれども、私が一番心配するのは、御承知のように九十億ドル、これが交換公文を今週中に締結をして、約一兆二千億、GCCに円で支払われますね。ドイツもマルクで支払うということで、ほぼ四百五十億ドル近くが払われるわけですね。そうすると、これが一斉にドル買いが入りますとさらに円安に走るという大変な問題が起こってくると思います。ですから交換公文でGCCに九十億ドル、一兆二千億渡すにしましても、現状の百三十八円という為替相場を見ますと、これを一挙にドルに交換をするようなことがないようにある程度ブレーキをかけるようなことを相手側に言っておかないと、非常に物価等にもおもしろくない、我が国の経済そのものにも影響を与える問題が起きてくるのじゃないか、私はそういうような気がしてならないのです。これはやはり経済担当長官として大蔵省あたりに一言あってしかるべきだと思いますが、どうですか。
○越智国務大臣 まず九十億ドルの問題でございますが、これはきょう閣議で交換公文を閣議決定いたしてまいりました。今明日中にいわゆる交換が行われるものと思っておりますが、円で払うことになっておりますので、目減り分がどうという議論はございません。これをいつどういう格好でドルにされるかはGCCの御判断あるいはそれの配分を受けた先の御判断でございますので、今お話しのような点については橋本龍太郎大蔵大臣とも、申し入れということじゃございませんがいろいろお話の機会もあろうかと思っております。 なお、それと関連してポストガルフという意味では、実はクウェート初めあちらの直接戦災のあった国々は大変富裕国でございまして、正確にわかりませんけれども、例えば、クウェートは外貨準備だけで千二、三百億ドル持っている、そう言われております。クウェート政権が回復いたしまして、この資産が凍結解除になりましてこの金が一斉に動き出すと、実はそれだけでももっと大きな、例えば復興資金にぼんと充てられると大変なことになるわけでございまして、今そういう意味では国際金融市場は湾岸に始まる一時的なちょっと予測しがたいファクターがいろいろとうごめいている。したがって私どもはより慎重にこれに対応していかなければならないな、こう考えております。
○松浦(利)分科員 これは日本が提起して、G7がどうなるのか私はわかりません。けれども、やはり経済担当大臣とか通貨当局あるいは大蔵、そういったところが、先進国が世界的な規模で会合を持って早急に何らかの調整をしておかないと、常に長官は我が国の経済は巡航速度でいっております、こういう答弁が来ますけれども、失速するというようなこともあり得るので、その点は一遍海部内閣でお考えいただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
○越智国務大臣 基本的に日本経済は体でいえば病気にかかっておりませんと申し上げておりますが、生身でございますから、風邪を引くこともあるかもしれません、おなかを下すこともあるかもしれません。そういう意味では常に注意をしてやってまいります。中山太郎外務大臣が、来週になりますか、ベーカーさんが諸国歴訪から帰られた時点でワシントンに行かれることになっておりますので、さしあたりはまず中山外務大臣にもよく申し上げて、そうした点での国際協調の中での混乱が起きないようによくお話をさせていただきたいと思っております。
○松浦(利)分科員 それからもう一つは、これも最近の経済指標ですけれども、今新村議員も質問されておりましたが、我が国の景気をリードしてきた設備投資、それから住宅投資、こういったものが落ちぎみなんですね、停滞というよりもダウンですよね。それから個人消費も、確かに堅調ではあったけれども数字そのものは個人消費も足踏み状態。だから国内の経済の情勢も必ずしも楽観できないのですよ。 それで、今年度は高目の経済成長を五・五ですか見ておりますけれども、まあそれくらいは今年度はいくにしても来年度は極めて厳しいと見なければいかぬと思うのです。ここは、長官にお尋ねをしたいのは、やはり景気が拡大基調から巡航速度、さらには言葉は悪いのですが、拡大基調から景気の転換点に来ておるのじゃないか、ですからそういった意味では、言葉は悪いのですが、景気拡大終結宣言というのですか、そんなことを行うべき時期に来ておるのじゃないか。ただ景気がいいぞ、巡航速度だ、大丈夫大丈夫ということで心理的にアナウンス効果を発揮するというのもいいけれども、具体的な数字としては極めて厳しいところに来ておるから、そういうことを検討しなければならない段階に来ておるのではないか。何というのですか、日付検討委員会ですか、経済企画庁のOBやら専門家でつくっておる委員会がありますね、そういうところで当面議論されるということは考えておられませんか。そういう問題について、余りいい話じゃないですけれども。
○越智国務大臣 申しわけありません。景気拡大終結宣言なんか毛頭考えておりません。 それから、景気の判断をする委員会、ちょっと正確な名前は忘れましたが、まだやっておりません。発足させておりません。 それで、基本的な考え方で申し上げますと、この昭和六十一年の十二月ごろから始まりました、今五十二カ月目ぐらいかと思いますけれども、好景気によりまして大体五%がらみの成長をしてまいりましたから、かなりレベルとしては高いところへ来ておりますので、アップカーブとしては三・八でも結構なスピードだ、このように思っておりまして、それをぜひ維持したい。心配なのは、経済というものが自動的に上がっていくときはスパイラルで上がってまいります。殊に日本の場合には外需依存型ではなくて内需依存型にずっと切りかえてきました、前川リポート以来、内需主導型をまさに着実にやってきました。内需主導型の経済を累積してきた過程においては、実はそのスパイラル要素がより強くなっておるわけで、外の影響じゃなくて自分のところの感じで上がっていくわけですから、これが一たんダウンカーブのスパイラルへ入ってしまうと困るものですから、その今のアップカーブとダウンカーブのいわば臨界点、峠、ここがいつ来るか、これは経済ですから何百年もそのまま行くよという話ではございません。したがいまして、今までのイザナギ景気を抜くか抜かないかというのは、単なるレコードの問題じゃなくて、景気の長さというものは一体どのくらい続けられるのだろうという心配から申し上げているわけで、その意味では、日本経済としては前にやれたことが今度もやれるんじゃないか、こういう思いで、なるべく長く、緩やかに、丘が高くなっているだけに緩やかなカーブで持っていく、もし浅瀬に入るとしたら、それが短くて浅いものにしなければならない、こういうことを念頭に置いてやっていますが、今年におきましてはまだなだらかな丘を越えて歩いていきたい。 先ほどおっしゃいました三つの要素がございますが、設備投資と住宅と個人消費ということで言えば、今申し上げた順序で私は実は心配いたしておりまして、設備投資が一番心配だ、こう思っております。 なぜならば、設備投資のカーブをずっと見てまいりますと、割と景気に敏感でございます。やはりこれは経営者の判断にかかわるものですから、トレンドとそのときそのときのファクターと二つの面があるわけですが、トレンドとしては、今設備投資というのは求められているわけで、まさにハイテクじゃないと戦争も勝てない、ハイテクじゃないと商売も勝てない、これは今度の湾岸戦争のテレビを見ていた経営者のいわば印象でございますから、ハイテク化していかなければならない。そういう意味では設備投資に対する傾向としての需要、これは大変高いんじゃないか、こう思っておりますが、そのときそのときのファクターとしては、土地が手に入らないとか銀行から金を貸してくれないとか、あるいは業界の中でこれ以上拡販しても売れるめどがないとか、そういう判断が響いてくるわけでございますので、その面でのそのときそのときのファクターをなるべく設備投資誘導型に構築していく必要があるんじゃないか。 今、正直言いまして、利益率が下がってまいりまして、金利が上がってきたものですから、利益率から金利を引いた残りが大変少なくなってまいりました。この数字が実は、設備投資というか、やろうかやるまいかと思っている経営者の判断としてはかなり響く問題でございますので、そこら辺を考えながら設備投資をプラスで持っていきたい。大体経済新聞とか銀行の調査では、見込みで、マイナスを立てたところは一社でございまして、ほとんどが〇・幾つとか一・幾つという設備投資のプラスカーブを描いております。御存じのとおり過去三年間一〇%を超しておりますが、そういう設備投資の伸びはあり得ない。経済見通しでも六・八%の見込みにしておりますが、六・八%まで何とか行ってくれぬかな。これもレベルで言うと、設備投資が約九十兆円で、六十一年が四十兆円台でございますから倍の高さに上がっていますので、そこで六%くらいのカーブに持っていきたい。少なくともマイナスになってしまってはいかぬ、プラスの何%か持っていきたい、その中で、産業間のばらつきがかなり大きくなってきたなという感じで見ているわけでございます。
○松浦(利)分科員 質問通告しないことで申しわけなかったのですが、いずれにしても、経済運営は非常に難しいときに来ていると思うのですね。ぜひひとつ、大臣並びに経企庁の的確な経済運営をお願いをしておきたいと思います。 それでは続いて、これは長官、ある程度お聞きをいただきたいと思うのですが、経済企画庁は製品についての安全管理というのを一生懸命国民生活局等でやっていただいておるのですが、今国民の間で非常に問題になっておるのが輸入食料品の安全問題なんです。それで少しく時間をいただいて、ポストハーベストの問題について、農薬について質問させていただきたいと思うのです。 最初に厚生省にお尋ねをしたいのですけれども、実はあるお医者さんが、病院の院長ですが、子供さんのアトピー性皮膚炎が最近非常に多いということで、最近行われる方法として、専門用語で私たちは余り的確にはわからないのですけれども、除去食療法というのを行うんだそうですね。大体その子供さんに、食べておるものから次々にいろいろなものを、共通したものを除いていって皮膚炎の状況を判断をしていく、そういう除去食療法を試みたところが、最終的に、三千六十四人の患者さんの中で大豆の関与率が高いということがわかったというのです。大豆の食品というのは豆腐とか揚げとかおみそ汁とかたくさんありますね。ですから、大豆の関与が高いことはわかったが、その大豆の含有である油脂そのものなのか、あるいは輸入大豆、九九%を外国に依存していますから、その輸入大豆のポストハーベストか、あるいはその他の原因か、この三つだ、こういうふうに言われておるのです。ところが、今までは日本大豆等を使った食品というのは日常我々は食しておるわけですから、それがどうも外国から輸入する大豆のポストハーベストに原因があるのではないだろうかという推定をこのお医者さんはしておるのですね。だから、断定的なものじゃないのです。 ですから、そういうことを考えていきますと、このポストハーベスト農薬というのは極めて重要な問題だから、もっと徹底的に調べ上げてみなければいかぬ、こう思っておるのです。 そこで、今申し上げたアトピー性皮膚炎に大豆の関与が高いのではないかというような、こういう研究発表等については厚生省で把握しておられるかどうか。
○牧野説明員 ただいまアトピー性皮膚炎の御質問でございますけれども、アトピー性皮膚炎の原因につきましては、ハウスダスト、家のほこりでございますけれども、それからダニであるとかあるいは花粉、それから食べ物でいきますと大豆、牛乳などの食べ物が言われておりますけれども、いまだ不明な点が多うございまして、厚生省におきましてもその診断基準、それからメカニズム、あるいは治療法等の研究を行っておるところでございます。 今御指摘のアトピー性皮膚炎と輸入大豆に使用されました農薬との関係でございますけれども、この因果関係に関する科学的知見につきましては私ども承知してないわけでございます。ただ、輸入大豆に使用されております農薬に関しましての実態調査はただいま私ども進めておりまして、平成三年度中、来年度中におきましては、農薬に関する残留農薬基準を設定すべく現在検討しているところでございます。
○松浦(利)分科員 長官、今お聞きになりましたとおり、こういった一つをとってみても、残留農薬の問題というのは極めて新しい一つの病気の原因として問題になってきておるという状況だと思うのです。そこで、今私がこれからお尋ねをしたいと思いますことは、実は我が国の輸入食料品に対する安全性の行政の問題なんです。 そこで、一つ二つお尋ねをしますが、日本とアメリカでは使用する許可農薬基準が違うのですね。これはもう当然のことだと思うのです。例えば、ジャガイモを一つ例にとりますと、日本では一応十五品目が使用許可になっておるのですね、これ以上あるかもしれませんが。アメリカでは七品目が使用許可になっておるんです。ですから、ジャガイモに関しては日本の農薬の使用許可数の方が多いわけですね。ところが、アメリカが使っておる農薬の七品目と日本が使っておる農薬十五品目は全然ダブらないのですね。お互いに全然違うものが使われているのですよ。ですから、ジャガイモを持ち込んできても、仮にアメリカが七品目の農薬を使ったとしてもチェックする方法がないのですよ。日本は十五品目しか許可しておりませんから、十五品目の残留があるかないかのチェックだけですから七品目は全然検出が不能だ。それから今申し上げました大豆ですね、日本の場合は六品目の農薬が許可されている。ところが、アメリカは大豆に八品目が使用許可されているんです。これも使う農薬が全然違うんです。六品目と八品目で全く違う。ですから、農薬として農林省が許可をする、そして厚生省が何といいますか身体に大丈夫だということで許可をするその農薬と、アメリカが使用する農薬では、種類が、数量じゃなくて全く使っておるものが違うということで、これまた検出が不能だ、こういう状況になってきているのですね。それでこの点についてどういうふうに考えるのか、厚生省から御見解を承りたい。 それからもう一つは、農林省にお尋ねしたいのは、アメリカは要するに保存、貯蔵するときに虫がつかないように殺虫剤の意味を込めて収穫後に農薬を使う。だからポストハーベスト農薬というのは非常に使われる量が多い。ところが日本の場合は、生産過程でつかないように、収穫後はなるたけ使わないようになっておる法体系なんですね。その点について農林省のお考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○牧野説明員 まず輸入農産物の件でございますけれども、厚生省では輸入農産物の安全性確保の観点から、平成元年度より収穫後使用農薬、ポストハーベスト農薬でございますけれども、この収穫後使用農薬対策といたしまして輸入農産物におきます残留実態調査を進めてございます。今、御指摘の大豆も含めまして穀物などの主要農産物につきましては平成三年度を目途に、そのほかの農産物につきましてはその後の輸入実態の動向を踏まえまして順次、残留基準の整備を進めていく考えでございます。また、これにあわせまして国内で使用されてございます国内登録農薬につきましても昭和六十年度より残留実態調査などを行っておりまして、これまでの調査結果に基づきまして今後食品衛生法に基づきます残留基準の設定に努めてまいりたい、かように思っております。
○関口説明員 先生御指摘のアメリカの農薬の使用の実態と日本のポストハーベストの関係でございますが、やはり農作物の種類、あるいは生産から消費に至る過程におきます流通、いろいろな問題があります中で、日本におきましては生産から消費までの時間的な制約も短いというふうなこともございまして、また病害虫の発生状況も違うということがございますので、ポストハーベストの農薬の使用と申しますのは極めて限られた分野に属するわけでございます。 現在登録のあるポストハーベスト用農薬は七種類でございますが、現実に使われておりますのは五種類ということで、それも、海外から侵入いたします病害虫の侵入防止という観点から植物検疫の現場で使われているというのがポストハーベストの現状でございます。
○松浦(利)分科員 今長官お聞きになりましたように、日本とアメリカを含む諸外国とでは農薬の使い方が全然違うのですね。使っておる農薬そのものも違っておるのです。 もう一つ。今度は残留基準値もアメリカと日本では違うのですよ。輸入しておる小麦を例にとりますと、マラソンという農薬の残留基準は、許可基準は日本の場合は〇・五ppmなんです。ところが、米国は八ppmなんです。今度はレルダンというのがあるのですが、このレルダンというのは残留基準値が、お米は日本は自由化しておりませんけれども一つの例として申し上げると、日本の場合は〇・〇一ppm、アメリカは六ppmなんですよ。マラソンの場合は、お米を例にとりますと、日本が〇・一ppmに対してアメリカは八ppm。ですから、食生活も違うし食文化も違うのですが、日本の場合は非常に低いところで残留許可をしているわけですね、それ以上はだめよと。ところがアメリカは大変高い残留農薬を認めておるのです。 こういう状況でどんどんアメリカから日本に食糧が入ってくるということになれば、大変な状況になると思うのです。さっきのアトピー性皮膚炎と同じような状況が必ず起こってくるだろうと思うのです。 そこで厚生省にお尋ねするのですが、厚生省は一九八九年から九二年にかけてポストハーベスト農薬の残留基準を作成するということを公表されて、昨年から予算がついて、ことしも大分予算がふえておるやに聞いておるのですが、この残留基準値を九二年度までにどういう形でおつくりになるのですか。厚生省、どうですか。
○牧野説明員 残留基準値の設定の計画でございますけれども、予算的には平成元年度より計上されまして、現在作業を進めておりますのは、平成三年度を目途にいたしまして小麦、大豆、バレイショにつきまして基準を設定すべく現在検討しているところでございます。その後につきましては、農産物の輸入実態の動向を踏まえまして順次整備をしていきたいと考えております。 以上でございます。
○松浦(利)分科員 基準を整備しなければならぬということはわかるのです。ただ、長官、突然の質問で恐縮ですが、今まで我が国は、いずれにしても農薬の残留基準値というのは、人間の体だということで非常に低いところで安全を確保しておかなければならぬということで基準値を低くしておったのです。ところが、今厚生省が言われるように、それではなぜポストハーベストの残留基準値を作成しようとし始めたのかといいますと、御承知のようにアメリカがこれを非関税障壁の問題として取り上げてきたわけです。日本はチェックを厳しくして輸入を許可せぬじゃないか、おれのところで許可しておるのに何であんたのところで許可せぬのかと、こういうやり方で極めて厳しく日本に迫ってきたために、渋々か積極的か私はわかりませんが、予算をつけて九二年度までに基準値をつくろうということになったのです。日本の場合は要するに、原則としてポストハーベスト的な農薬は使わせなかったのですよね。農林省そうでしょう。どうですか。
○関口説明員 先ほども御説明いたしましたように、日本の場合、農薬は圃場で使われるのが一般的でございまして、ポストハーベストとして使われますのは主として植物検疫の分野に属する場面で使われるというふうに言えるかと思います。
○松浦(利)分科員 言えるかじゃなくて、大体余り許可しておらなかったのですよ。 ところが、厚生省にお尋ねしますが、厚生省の前の食品化学課長の内山さんがこんなことを言っているのですよ。今はもう違いますよ、あなたじゃないのですよ。諸外国から非関税障壁と批判を受けないようにするため、国際的に認められているポストハーベスト農薬の基準を導入する必要がある、だから、安全じゃなくて非関税障壁としていろいろ言われるからポストハーベストの基準を導入しなきやならぬということを前の食品化学課長が言った。さらに、こういうことも言っている。輸入食品と国内の食品の残留農薬基準を分けるというのですよ。輸入するものについてはポストハーベストの基準値はこれこれだけれども、国内のものについては別だ、こういうふうに分けてやろう、こういうことも言っておられるのですよ。これは、今の課長さん、このとおりやられるつもりですか。
○牧野説明員 まず、残留基準の設定の考え方でございますけれども、先ほど先生御指摘ございましたように、農薬の使用方法であるとかあるいは食生活パターンなどが各国によりまして異なっているところから、残留基準値も国によって当然異なっている現状でございます。 私ども厚生省といたしましては、農薬の残留基準の設定につきましては、それぞれ農薬について得られている安全性に関する知見に基づきまして、日本人の食生活パターンに従って食品を摂取した場合に安全性が確保できる基準値を設定すべきであると考えておりまして、国際基準値あるいは諸外国の残留基準値を科学的根拠なくそのまま採用することは考えておりません。 それからもう一点の、輸入農産物と国内の二つの基準をつくるのではないかという御質問でございますけれども、現在そういう考えは持っておりませんで、あくまでも食品の安全を確保する観点から基準値を定めていこうという考えでございます。 以上でございます。
○松浦(利)分科員 要するに、原則としてはこんなポストハーベスト農薬というものは使わせないのだという大前提に立った上で基準値というものは決めてもらいたい。 今、我が国はカロリー計算にして七〇%近くを諸外国に依存をしておる状況ですから、しかもどういう農薬が使われておるかということがさっぱりわからない、決めてみたら基準値の高いところで決められた。そうすると、催奇性疾患なんというのはこれは長期的に立ってみなければわからないことですからね、催奇性が起こったときにはもう遅いわけです。ですから、こういった農薬の使用というのは厳重にチェックされてしかるべきだと私は思うのです。大体生きておる虫が死ぬわけですから。植物に虫がつかないように、生きておる虫を殺すわけでしょう。我々人間もどういう障害が起こるかわからないのです。ですから私は、非関税障壁の中にアメリカが入れてきておるということ、そのことが極めて問題だと思うけれども、これは自由貿易の建前上、世界がそういう趨勢であればやむを得ないと思いますが、少なくとも厳しく、低いところで基準値というのはつくるべきだ。先ほど言ったように、マラソンとかレルダンの許可基準を見ましても大変な差があるでしょう。そんな差のあるものを高いところで決められたのじゃたまったものじゃないです。 長官、ひとつこういった問題について、所管外かどうか私わかりませんが、国民生活局を担当しておられる以上は消費者の立場に立たなきゃいかぬと思いますので、今言った問題は、基準値を今厚生省つくりかかっているのですよ、ぜひ経済企画庁長官も厚生省あたりとこういった問題について意見を交わしていただきたいと思うのです。
○越智国務大臣 先生御指摘の点は本当に大事な問題だ、このように感じます。当省といたしましては先生御指摘のように国民生活局がございまして、ここにございます国民生活審議会では、昨年の十月にポストハーベスト農薬について順次農薬残留基準を設定するという必要性についての答申をしておりまして、かなり長くその点についての注意事項が書かれているわけであります。また昨年、その後十二月の初めに消費者保護会議においても、食品の安全性確保の観点から、ポストハーベスト農薬を含め残留農薬についての順次基準を作成する等、適切な対応を図ることが決定されております。 ただ、今先生のおっしゃっている論旨の中心は、その基準のとり方といいますか、基本的な考え方が一番大事だということを御指摘になっているのだと思います。私も個人的には自然農法の議員連盟に属しておりまして、無機肥料それから農薬、食品添加物、これはそれぞれの段階での問題でございますが、厳しくしていかなければならないという観点でやっておりますので、殊に、おっしゃいますように基準の差が大きいということは、摂取する量の問題、頻度の問題あるいは摂取する人間の体質の問題、これらで違うわけでありますから、こういう点は国際化というよりはむしろ日本にとって何が一番大事かという観点からその基準の選定に当たらなければならないだろう、このように感じますので、関係方面とよく相談させていただきたいと思っております。
○松浦(利)分科員 では厚生省にお尋ねしますが、仮に検査した結果許可しておる以外の農薬が出てきた場合は、これは現行では食品衛生法四条二号に違反するわけでしょう。違反しないのですか、どうですか。
○牧野説明員 ただいまの食品衛生法第四条に違反するかどうかという御質問でございますけれども、食品衛生法第四条におきましては、有害または有毒な物質が含有される疑いなどがある場合は、これを飲食に適当でない食品といたしまして製造あるいは輸入、販売を禁止しているわけでございます。この疑いのある場合の解釈でございますけれども、それは単にその可能性があるだけでなく、相当程度の蓋然性が認められる場合をいうものというふうに従来からされております。したがいまして、仮に農薬が検出されたといたしましても、その農薬の検出濃度等をもとに安全性を評価した限りにおいて行われるべきだと考えておりまして、農薬が検出されたことをもって直ちに食品衛生法第四条違反というわけにはまいらないと思っております。
○松浦(利)分科員 これほどたくさんあるのに、先ほど言ったように日本が許可しておる農薬、外国で許可しておる農薬、全然検出できない農薬を使っておるわけだから。仮にそれが出たときに、全然それは違反ではありません、構いませんということであれば、何もチェックする必要はないじゃないですか。チェックする必要がないということを言っておるのでしょう。じゃ、そう言ってください。
○牧野説明員 食品衛生法第四条に違反するかどうかということの御説明を申し上げたわけでございまして、仮に農産物から農薬が検出された場合には、その検出された農薬の濃度レベル、残留レベル、それとこれまで得られております安全性に関する知見、この両面から評価をすべきだと考えております。
○松浦(利)分科員 そういう基準がないわけですよ、日本で使っておらぬのだから。そういう検査体制があればいいんですよ。チェックができない、検査ができないんだから。たまたまそれが網にかかった場合、それも違反でないの。
○牧野説明員 輸入農産物に危険な農薬が検出された場合の評価でございますけれども、この評価をするに当たりましての安全性のデータ、具体的に申し上げますとADIというものがございまして、これは一日摂取許容量でございます。こういったADIあるいはFAO、WHO、国連食糧農業機関、世界保健機関が定めました国際基準、こういったもの等を参考にいたしまして検出いたしました濃度レベル等を評価するわけでございます。幸いにいたしまして、これまでに報告された検出値は食品衛生法上問題となるレベルにまだございませんでした。
○松浦(利)分科員 だから厚生省というのは余り信用されないんだよ。食べる物についてあんな簡単なことを言っているのだから、自分のところで検査する能力がないにもかかわらず。それは、日本が許可しておらない農薬を使っておってもオーケーだ。だから中には、サクランボや何かにはがんの発生源である農薬まで使われておるということが新聞に、マスコミに報道されたでしょう。それでもどんどん上陸してくるのです。頼りにならないところを頼りにしても仕方がなければ、あきらめる以外にない。ほかに経済企画庁ぐらいしか頼るところがなくなりますね。嫌みで言っておるのじゃないのですよ。今の厚生省の言った発言というのは、輸入農産物の輸入扱いを見たら一目瞭然でわかるのです。一九八八年の輸入食品監視統計、厚生省、書類審査でパスするものが出件数の何%ですか、書類だけで通すものは。 おたくからもらった資料で、私が読みましょう。書類審査でパスするものが全体の八〇%ですよ。六十五万五千八百六件のうち、検査を必要とするものが十三万一千百七十三件なんです。ですから、輸入食品の八〇%は何のチェックもないまま入ってくるのですよ、そうでしょう。これはおたくの資料を私がもらったのだから間違いないと思うのですが、どうですか。
○牧野説明員 申しわけございませんけれども、数字が出てまいりませんが、御指摘のとおりでございます。
○松浦(利)分科員 今申し上げたとおりなんです、長官。だから、八〇%は書類審査でぱあっと通して、二〇%だけしか網にかけないのです。これは大変な問題だと思うのです。もちろん、件数が多くてなかなか検査ができないということはわかるけれども。しかも、この八〇%を書類審査でパスさせて、二〇%の検査のうち、本当に自主検査ということで業者に任せるものが八・九%です。行政でチェックするのは、たった三・七%なんですよ。厚生省が検査をするのは検査をするうちの三・七%、件数にして六十五万五千八百六件のうちの二万四千三百六件なんです。自主検査というのは業者が検査をする、これが五万八千六百六十三件。残りの検査はだれがするのか、全部輸出をする相手の外国の公的検査機関がチェックをするということなんです。ですから、日本のチェック機能というのは六十五万五千八百六件のうちの二万四千三百六件にしかすぎないのですね。 それでは、この外国の公的機関による検査というのはどういうことかといえば、厚生省に登録された外国の公的機関の検査証明があればそれでよろしい、こういうことなんです。だから、検査したかどうかわからぬが、要するに向こうの証明があれば通過させる、こういう状況ですよ、だからあなたがさっき言ったように、そういうのが出てきても食品衛生法四条二号には違反いたしません、こういうのですよ、言わなければどうにもならぬから。逃げ道ですよ。それで何か事件が起こったら、いやそれは検査する段階で四条二号の違反ではないので入れたんですが、結果的にそうなりましたと言えば、官公庁の行政の責任はない。私たちが口にするのですよ。食べる物に対してこういう状況だということについて、大臣、これはどう思われますか、どんなふうに思いますか。現実の姿ですよ、これは。厚生省が私にくれた八八年の統計数字をそのまま申し上げたのです。
○越智国務大臣 段々の御指摘を伺っておりまして、先生の御心配まことにごもっともである、しかしまた、厚生省の方も、ただいまの成田の空港についております例えば輸入食料品の倉庫いっぱいの状況を私も存じておりますが、ああいう中で恐らく人手もその他の機構も十分でなくて四苦八苦しているのであろうな、これはやはり政治の問題として、真正面から取り組んでいかなければならないことだろう、このように思っております。 そもそも輸入時の検疫と申しますか、これがどちらかというと国内に入って病気が直ちに発生しなければいいというような感じで、コレラ菌や何かの入ってくるのを非常に警戒しているのではあるまいか、こういうふうに私ども見ておりまして、先生おっしゃるような残留農薬というのは、最近といいますか、ここ何年かの間に非常にクローズアップされてきた大事な問題でございまして、それの対応がおくれているのじゃないか、こんなふうに思いますので、また関係省庁とよく御相談をさせていただきたい、こう思います。
○松浦(利)分科員 今大臣がいみじくも言われたけれども、関心が少ないのは事実だと思いますね。六十五万五千八百六件も厚生省の検査食品があるのに、食品衛生検査官というのが非常に少ない、微々たるものだということはよくわかります。しかし、毎日毎日国民が食べるものについてチェック機能が存在をしないというのは、これは大変な問題だと思います。ですから、今度はまた厚生省の味方をするような格好になりますが、現在の二〇%の中の三・七%を行政がチェックする場合も、検査官の人に聞いてみましたら、食品の種類、表示、温度、見た目、においなどという人間の官能的な感覚、もうそれによって検査する以外にないというのですよ、余り多いものだから。ですから、腐敗があるかどうかとか、そんなことしか実質的に検査できないのです。ですからこれを検査をし、しかも残留農薬等までもサンプリングして検査をするというようなことになれば、検査官の相当な充実が必要だと思うのです。 それで、非関税障壁だ非関税障壁だという貿易摩擦の対象になって、残留農薬を認めるのもいいですよ、残留値を決めるのもいいですよ、しかし結果は、検査をする人がおらないのですよ。この人員をふやしていく以外に水際で防ぎとめる方法はないと思うのです。 私は、この際、海部内閣時代にどれぐらいのことができるかわかりませんが、三年後には基準値を厚生省で決めるわけですから、これに対応しての検査、チェックができる、あるいは膨大になっている輸入食料品のチェックができる、そういう意味で、検査機能をふやす増員対策というものを図る必要があるのじゃないかと思うのです。これは思い切って、これこれの人をふやすのです、あなた方がいつも食べておるものについてチェックをする検査官をふやすのですといって国民に了解を求めれば、私は了解を得ることは可能だと思うのですよ、安全性の問題がこれほどやかましく言われる時代ですから。ですから、この検査官をふやすことについてぜひ国務大臣として御配慮をいただきたい。特にこれからポストハーベスト農薬というのは重要な問題になってくると思うのです。この際、長官のお考え方を承っておきたいと思うのです。
○越智国務大臣 さきに御報告いたしました国民生活審議会、昨年十二月四日の消費者保護会議の報告におきましても、食品衛生監視員や検査機器の整備を図っていく必要があると指摘をされております。さらには、海外における食品の安全基準を含めた衛生情報の入手に努めなければいかぬ、あるいは海外に行って相手国との協調のもとに安全性の確保を図る必要もあろう、そこまでいわば踏み込んだ提言をいたしております。そうしたものをこれは経済企画庁として受けとめまして、関係省庁に今先生御指摘の点につきまして十分な配慮と工夫をするように一層努力をさせていただきたいと思っております。
○松浦(利)分科員 長官のお言葉で結構ですが、なお最後にこの問題でぜひお願いしたいのは、米の自由化、ウルグアイ・ラウンドでも延期になりましたけれども、恐らくアメリカからまた二国間交渉等で厳しく言ってくると思うのです。日本は厳しく言えば何でも譲歩するから厳しくやれというようなことで、大攻勢をかけてくると思うのですよ、この問題はまた。ブッシュさんも湾岸で力を得て。 ところが、今申し上げましたようにアメリカのお米というのは、要するに虫がつかないように貯蔵庫の中に農薬を入れて、そして攪拌をして保存をしておるのですからね。それを太平洋航路で持ってくるわけですから、この八ppmで済むのか済まないのか、例えばさっき言いましたようにマラソンにいたしましても。ですからそういうことを考えると、アメリカの現在のお米というのは安全性という面から考えてみても極めて危険なものなんですよ、現状のような保存の状況であればこれを輸入するというのは。これが日本と同じようになってくれば別ですよ。しかし現状としては、安全性から見ても極めて国民にとってはマイナスしかないというふうに思っていますので、国民生活を守るという立場からも、こういう状況下のお米の輸入については仮に部分自由化であっても認めないという断固たる措置をひとつ長官に期待をしたいと思うのです。長官ならできると思うのですが、どうですか。
○越智国務大臣 米の輸入に関しましては、何度か国会決議もございますし、現政府といたしましても私どもの国内産米で日本の食糧の安全保障を守っていくという決意は変わりませんので、そのような線で一生懸命努力をさせていただきたいと思っております。
○松浦(利)分科員 私がきょうお願いをする質問は以上で終わりますが、少し時間がありますので最後に一つだけお尋ねをしておきたいのです。 例の前川レポートですね、これはまた予算の総括のときに長官にお尋ねをしようとは思っているのですが、先ほどいろいろ議論してきましたけれども、個人消費の停滞あるいはその他で内需が停滞をしてまいりますと——このいただいた数字をよく見ますと、生産量そのものは余り変わらないのですよね。そうすると、逆に言うと、今までは内需拡大で黒字減らしということでやってきましたけれども、これが内需が足踏み、停滞を始めてきますと、生産量が変わらないということになれば結局また当然外需という形で外に向かって出ていく可能性が非常に強まってくると思うのですね。ですからこういう点についても、これは国際公約ですから、そういった意味ではぜひ長官の、前川レポートに対する経済運営をこれからも継続していかれるという覚悟のほどをお聞かせいただいて、終わりにしたいと思うのです。
○越智国務大臣 これは大変大事な、かつ大きな問題でございまして、内需主導型経済政策の定着ということでここ数年やってまいりました。また、現にその成果は上げていると思っております。 ただ、世界経済の中で今日本に求められているのは、輸出によって他国に迷惑をかけると申しますか他国の経済を脅かすということのないように、その点はもう変わりございませんけれども、今はさらにもう一歩踏み込んで、内需主導型より、日本の国内だけでうまくやっていきますということでなくて、「世界とともに生きる日本」としては本当は世界の方にも日本の工業力、日本の経済力を均てんさせていくということの方がより求められてくるのじゃないだろうか。率直に言いますと、内需主導型経済運営という旗印をもう一遍国際的な色で塗り返す時期が来ているのかなと個人的には思っておりまして、「世界に貢献する日本」という格好をどうやって経済政策上発揮さしていくか、正直言うと今悩んでいるところでございまして、またそうじゃなきゃ日本経済は二十一世紀への橋渡しになれないんじゃないか、こういうふうに考えております。
○松浦(利)分科員 ありがとうございました。終わります。
○渡瀬主査代理 これにて松浦利尚君の質疑は終了いたしました。 午後二時三十分から再開することといたしまして、この際、休憩いたします。 午前十一時二十五分休憩 ────◇───── 午後二時三十分開議
○相沢主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 総理府所管中経済企画庁について質疑を続行いたします。野坂浩賢君。
○野坂分科員 経済企画庁長官にまずお尋ねをいたします。 政府からいただきました、物価につきましては本年度は二・四%程度の上昇というふうな指標が示されておるわけであります。したがって、これを頭に置いて、湾岸戦争は一応の終結を見たわけでありますが、これらに伴いまして、物価に大きな影響のある原油の価格の見通しでありますけれども、きょうの相場ではニューヨークでは十九ドル、ドバイでは十三・九ドルという状況でありますし、OPECはこのような情勢を受けてきょうから会議を開いて減産問題について討議をしておるという状況であります。今後原油の見通しというのは十五ドル程度で推移をするのかどうか、また、この見通しと物価の今後の見通しについて長官からまず御説明をいただきたいと思います。
○越智国務大臣 先生既によく御存じのとおりであろうかと思いますが、一通り御説明させていただきますと、平成三年度の経済見通しにおきまして消費者物価で二・四%増、卸売物価でマイナスの〇・一%ということで見通してございます。 石油の値段、原油の値段に関しましては、湾岸紛争と申しますかクウェート侵略の始まりました八月二日の直前のレベルまで既に一月十七日武力行使の段階で戻っておりました。峠は、大体十月の上、中旬ごろが一番高く上がりまして、先ほど先生のおっしゃいましたニューヨーク相場でいうとバレル約四十ドルまで行ったわけでございます。ドバイ相場でバレル三十五ドルくらいだったかと記憶いたしております。武力行使が始まりましてからこの二月近くの間になお石油の価格は下がってまいりまして、多少の高下はございましたが、全体として下がってきた、このことが日本の物価に対しましては、紛争があった割に上昇要因をつくらずに相済みまして大変よかった、このように思っているところでございます。 その原因でございますけれども、イラクの武力というものに対しての一種の脅威ということから心理的に十月ごろ上がったわけでございまして、実際に武力行使が行われてみますと、石油施設に対する被害、これはもうクウェートなどでは大変なものでございますけれども、サウジその他の産油国に対する被害は恐れていたほどではないということで石油の価格が安定したのではないか、こう見ているわけでありまして、その間、クウェート並びにイラクの油は実際問題世界市場に全然出ておりません。その分をカバーするためにサウジ等が増産したことも事実でございまして、そんな結果がこの価格に反映しているのだと思っております。 今後の見通しにつきましては、今この段階ではにわかに断定できないところでございますが、さりとて、今ドバイ相場でいえば十三、四ドルのものが急騰するということも余り考えられない。さらには、クウェートの炎上しております油井がどの程度で産出可能になるかよくわかりません。半年、一年、あるいはもっとかかるのかもしれませんが、いずれにいたしましても、クウェートのかなり豊富な石油量が市場に出回ってくることでもございますから、今後の石油の価格に対しましてはわりかし安定的に推移してくれるのじゃないか、このように期待しておりまして、その限りにおきまして、私どものいたしました経済見通し、物価見通しについては大きな変動はないもの、このように思っております。
○野坂分科員 物価の動向は安定をして推移するであろうという御見解でございます。 きょう委員長席にお座りになっております相沢委員長は前の経済企画庁長官でありますが、そのときの見通しは、消費者物価の上昇は一・六というふうにお話しになりました。結果的には実績は三・一%になるということはほぼ確定的になりました。したがいまして、常に物価安定という言葉が使われておりますが、安定というのは前年に対比してどの程度までなのか。安定という言葉を漢和辞典で引いてみましたら、いつも決まった状態を示して激変のおそれはないことをいうと書いてありまして、前年度に比べてどの程度が安定というのか、その辺を具体的に数字で示してもらいたいと思います。
○越智国務大臣 大変に難しい御質問でございまして何ともお答えしにくいのでございますが、相沢前企画庁長官おいででございますが、昨年のことをまず振り返らさせていただきますと、一・六という消費者物価の見通しが今のところ三・一になりそうだ、その原因はということになりますと、昨年前半におきます円安傾向、それから後半におきます石油の値段の高騰、殊に原油ではなくて石油製品の値段がかなり遅くまで横ばいと申しますか高値で推移いたしました。そして、冬におきます暖冬異変、生鮮食料品の値上がり、これらの要因が相重なりましてそういう結果になったんじゃないか、こう考えているわけであります。 もちろん、先生おっしゃるとおり、物価の絶対的な安定といえば、前年に対して全く水平であるということが安定でございましょう。現に昭和六十三年あたりは一%以下の異動という時代もございまして、その意味ではまさにそれが安定でございまして、それを何%まで安定と言えるかと言われると、大変厳しゅうございますけれども、成長率との絡みで物をおっしゃる学者さんもいらっしゃいます。成長率目いっぱいまでというわけじゃありませんが、成長率に対してある程度のところまでは許容できるとか、あるいは生産性その他とのバランスでおっしゃる方がいますけれども、やはり三%というのが私どもにとっては決して望ましい格好ではないので、三%を切るような努力を一生懸命させていただきたい、このように思っております。
○野坂分科員 三%上限下限を安定というのですか、いかがです。何%までですか。許容範囲について。
○越智国務大臣 先ほど申し上げましたように大変難しい御議論でございまして、方々の要素を加味した上で判断しなきゃなりませんけれども、三%を切れば安定と言えるかというのじゃなくて、逆の言い方をいたしますと、三%を超えているときにはなかなか安定と言いにくいという意味で申し上げたわけでございまして、諸般の情勢を判断してそのときそのときに考えなきゃいかぬことかと思っております。
○野坂分科員 それでは具体的に聞きますが、二・四%は安定の枠内ですか。
○越智国務大臣 私どもとしましては安定的基調のもとに物価が推移する、このように申し上げております。
○野坂分科員 それでは、それはそのぐらいにして、物価の安定について、例えば今春闘が始まっておるわけです。去年は五・九五%賃金は上がったのです。ところが、年収四百万円で家族二人、五百万円、六百万円と出しておりますけれども、この人たちは四百万円の場合には五・九五%上がりまして、物価が政府見通しで一・六%の場合は実質可処分所得というのは三・二二%になるわけです。それから、年収五百万円の場合は三・三九%、これが賃金アップの内容なんです。ところが、三・一%になりますとどの程度になるかということをお聞きしたいのですけれども、時間の関係もありますから私の方から申し上げます。三・一になった場合は、四百万円の場合一・八七%、五百万円の場合は二・一四%です。三・一になったときはそういうことですから、三・二になれば一・七八、三・三になれば一・六八ということになって、五・九五%春闘で上がったにしても可処分所得は二%を切る、そういう状況になるわけであります。したがって、ことしも物価の見通しを聞いておかなければ、どの程度可処分所得があるか、経済にも大きな影響がありますから、経済の動きというのは消費者の支出がどうなるかということが六〇%を超すわけですから、だから非常に重要だと考えておるわけです。 それで、私はこの際伺っておきたいと思うのは、物価の安定のための政府の施策、具体的な施策の中では物価安定の対策とかいろいろありますね。消費者保護基本法に基づく物価安定政策会議、国民生活安定緊急措置法に基づく国民生活安定審議会、関係閣僚会議、消費者保護会議、国民生活審議会、こういうことがいろいろなされております。一年に一遍あるいは二年に一遍、そして政策会議等では割にやられておるという状況もあるわけですけれども、私は、物価の安定というよりも、頭を切りかえて物価安定から物価引き下げに経済企画庁としては進める必要があるのではないか、こういうふうに思います。物価が二・四%上がる、そういう指標ではなしに、できるだけ物価を引き下げるための措置というものは一体どうしたらいいのかということでこういう審議会があるのだろうと思うのですけれども、今日までずっと物価が引き下がるという傾向がない。したがって、労働者の賃金が上がっても豊かなあるいはゆとりのある暮らしや生活ができ得ないというのが現状でございますので、物価引き下げの方法というものが考えられておれば、その点についてお答えをいただきたいし、見解を述べていただきたいと思います。
○田中(努)政府委員 物価を引き下げるということはなかなか容易なことではございませんけれども、一部の部門では実現をしているわけでございまして、例えば技術革新の非常に急速に行われております電気通信の分野、電話の送信料でありますとか国際電話の通話料、そういったものにつきましてはかなりの速度で低下をしているわけでございます。それから技術革新のやはり速度の速い耐久消費財、これらにつきましても、年々どちらかといえば低下傾向で推移をしてきている。これはまた質の向上も非常に激しいわけでございますので、仮に同じ値段でございましても、質の面まで考慮いたしますと、実質的な価格はかなりの速度で引き下げられている。また、かなりのもので実際に売られている販売価格、いわば名目価格そのものが下落をし、かつ質の向上が伴っているというふうなことが多いわけでございます。 これと対象的なのはいわゆるサービスの分野でございまして、中長期的に見ますと、消費者物価全体の上昇率よりも消費者物価の中で占めるサービスの部門、これが約三割強ほどございますけれども、この部門における価格の上昇率は全体の上昇率をやや上回る速度で上昇してきておるわけでございます。この部分は、いわゆる生産性の向上によりまして賃金の上昇、あるいはむしろサービス部門に従事しておられる方の所得の向上それ自身を生産性の向上でカバーし切れない、そういう事情がございまして、経済成長がプラスで、ある程度の速度以上に伸びている、そういう条件のもとでは、サービス業における従業者の方々の所得の向上、これも当然避けがたいわけでございます。それがそのサービス価格の上昇としてあらわれてくる部分がございますので、一言に物価と言いましても、いろいろな部門、いろいろな性格のものがまざっておりますので、これ全体をもって引き上げ、引き下げるというふうなことは事実問題としてはなかなか難しいのではないか、そういうふうに実は考えておる次第でございます。
○越智国務大臣 今物価局長がお答えしました具体的な事例がありますけれども、湾岸紛争が終わってみて、やはり日本経済にとって物価を押し上げてくる要因は労働の問題でございます。それが流通というところで、生産性でのみ込めないという格好で生にぶつかってくる。製造の面ではある程度生産性の向上の中に吸収できている面があるのかと思いますが、したがいまして、流通コストを下げる、このことに努力を重ねていかなければならない。このたび大店法等を改正いたしますのも、流通の中における省力化が進むわけでありまして、お店の人が品ぞろえするのではなくて、お買いになる消費者の方が御自分で品ぞろえをされる、あるいは飲食店等でも御自分で運ばれるというような格好で省力化、機械化、そういうことで、労働賃金が経済活動の各段階に入ってくるのを吸収できないところではそういう格好でしのいでいくという努力は今後とも続けていかなければならない。さらには構造的にそれを直すためには、都市そのものをある程度そういう格好で直すことによって、非常に遠くから通勤されるとか非常に長い距離の物流とか、そういうものの構造的な改善も図ることによって物価の、下げられますかどうかわかりませんが、上がるパワーを抑え込んでいかなければならない、こう思っております。
○野坂分科員 例えば第二次産業については技術革新でコストを引き下げるあるいは企業の努力によってのみ込む、それで物価を抑える、しかし問題はサービス産業のところに焦点を移さなければならぬというお話であります。そして経済成長の基準以上に所得の向上というお話がありましたけれども、今お話をしましたように、物価と賃金とは相対的な相関関係を持っておるわけでして一・七%程度は幾ら少なくても上がらなければ、所得の向上にもなりませんし、ゆとりのある生活ということは実現できない、こういうふうに思うわけです。ことしだって五%台の後半の攻防だと新聞には出ておりますけれども、物価が上がれば可処分所得はない。だから、物価を引き下げればもっとゆとりのある生活ができるのじゃないか、こういうふうに思われるわけであります。 そこで、我々が考えていかなければならぬのは、そういう点を引き下げる方法は一体何を考えればいいか。今読み上げましたように、それぞれの審議会が山ほどありますね。総理大臣が本部長で、あなたが幹事長で、副会長でというのがたくさんあります。しかし、一年に一回報告を受ける程度であっては意味がないじゃないか。春闘を前に去年の七月二日ですが、経団連の皆さんや日経連の皆さんあるいは連合の皆さんが協議して、いわゆる物価を安定というよりも引き下げなければならぬのじゃないか。内外の価格差というものを縮小し、是正し、解消していかなければならぬ。そのために物価引き下げのための実行機関というものをつくったらどうかということを話し合って、あなたのところに、経済企画庁の方に提言をしておるわけですね。これらについてはどういうふうにお考えでしょうか。
○越智国務大臣 昨年七月に日経連の鈴木会長と連合の山岸会長のお名前で相沢企画庁長官あてに文書をちょうだいいたしております。私も十二月に着任いたしまして、その文書を拝見させていただきました。 ただ、先生、先ほど多くの機関のお名前を挙げられましたが、物価に直接関係しておりますのは、まず第一に物価関係閣僚会議というのがございますが、これは実は公共料金等の値上げを関係各省で決裁するためのものでございまして、一月に一遍ぐらい開いたり、あるいは持ち回りで決裁という活動を続けております。これは総理は入っておりません。十四閣僚だったと記憶いたしております。 そして、消費者保護基本法というのは昭和四十三年にできまして、それまでの物価安定推進会議を切りかえたと思いますが、物価安定政策会議という名前に現在なっておりますが、東大名誉教授の隅谷先生が中心で、これはお役人とか政治家が入らない、いわば民間人のかなりの数の方の会議でございまして、総会は年一遍でございますが、隅谷先生御自身が、あれは何部会と申しましたか、政策部会とおっしゃって毎月のように開催されて活発な活動をされていらっしゃいます。 そしてもう一つ、つい最近と申しますか、平成元年十二月に内外価格差が大変厳しくなりましたものですから、これは政府と自由民主党、与党とが入らなければいかぬということで、総理大臣、外務大臣等をお入れいたしました十七閣僚だったかと思いますが、それから自民党四役でございますか、お入れした会議をつくりまして、これは以来一年五カ月ぐらいになりましょうか、その間に三回開きまして、各省庁の取り扱っております内外価格差の縮小に向かって頑張っておりまして、なかなかはかばかしくはいっておりませんが、方向としては縮小の傾向で出ていると思っております。 御提案の趣旨は、そうした官庁も民間も全部一緒にした会議をつくれということだったかと理解いたしておりますが、私どもとしましては、まずは隅谷先生のところで基本的な政策提言をつくっていただきまして、それを関係閣僚の間で実施に移していくという現在の運用をさらに強化することによってさしあたりは推進させていただきたいと思って、今のところ新しい、御提案のような機構をつくる手順までは至っていないのでございます。
○野坂分科員 長官からお話があったわけでありますが、見通しでも毎年物価が下がったということは余りないですね、最近。去年も上がりましたし、その前も上がるし、〇・八%の上昇というのが最近では一番低いところです。来年も二・四%上がる。しかし、二・四%で終わるかどうかということもわからぬですね。例えば金融の面でも公定歩合は引き下げるのじゃないか、引き下げなければ、景気に陰りが出てきたというのは一致した見解だったのですが、一月には卸売物価が二・四%上がるし、消費者物価は四%台に上がってくる。したがって、金融はさらにこのまま持続しなければ、緩和なり公定歩合の引き下げ問題についてはしばらくというような状況下にあるわけですが、これはあなたにも聞かなければならぬわけです。 したがって、下げるという立場に立って一つ一つ、今学者やそういうところでいろいろと資料をいただいております。年何回やって春闘情勢についてとか、消費税導入についていろいろ検討しておるとか、ずっと一覧表をいただいておるのですけれども、時間がありませんから読み上げるというわけにまいりませんが、これらの問題についてなかなか思うようにいかぬ。しかし、経営者と労働者、消費者の皆さん方が話し合って、今ボランティアの時代ですけれども、そういう中で官民一体になって物価の引き下げということに本気で取り組む必要があるのじゃないか。今までの審議会はそれぞれ活動してもらっても結構だけれども、その問題についてやっていく必要があるのじゃないかというのは、みんながそう思っておるわけですね。やれるところは。だから、それらについては、とりあえず政策会議をやっておるのだから、月に一遍やっておるところもあるのだから、あとは持ち回りで判こを押すだけだというようなことでは意味がないので、現場で一つ一つのものを検討して、今田中物価局長が言ったように、焦点を当てながらそういう措置をするということは私はいいことだと思うのですね、そういう提言は。したがって、それらについて検討する必要があるのではありませんか。実施に踏み切る時期は今この際が必要ではないか。こういうふうにタイミングとしてもいいときだ。越智企画庁長官が在任中に早い機会にそれは実施をするということが必要じゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○越智国務大臣 野坂浩賢先生からの重ねての強いお言葉でございますので、よく考えさせていただきます。
○野坂分科員 お座りになっておる前経済企画庁長官相沢英之君のときに、ちょうど私は物価対策の特別委員長をやっておる。そこで、長官等がおられないところで自由民主党から共産党まで、議事録はとりませんが十分に話し合って、物価の問題、内外格差の是正の問題等はぜひ本当の意味の本音で話し合ってほしい、こういうことで一日やったのです。その際に、物価安定対策の強化、いわゆる値下げの問題等についてはこういうことに決まったのです。一・六%の達成の可能性が危ぶまれる状態にある。したがって、強力な物価安定対策、引き下げ対策を確立をして機動的な政策運営を行うとともに、物価安定対策会議等、現存する行政組織も全力を挙げてもらいたい。しかし、各分野の代表者を包含する新しい対策機構の設置等についても検討する必要がある。いわゆる物価引き下げのための日経連や経団連あるいは連合等が相一致して具体的に物価の引き下げをする機関を設置する必要もあろうという結論に達しまして、相沢長官のところに参りましてるる御説明を申し上げました。結構なことです、前向きにやりますという御答弁をいただいたわけであります。 したがって、こういう決議も委員会の総会で確認してもらっておるわけですから、それらを含めて国会の意思、委員会の意思、そして民間の経営者、労働者、消費者、皆さん方の意思が、今物価はやはり引き下げてもらうという方途を我々はつくってもらう。越智経済企画庁長官の時代にそういう広範にわたって国民が全部下げようという大きな背景があれば、サービス産業についても製造業についても、一次、二次、三次とも生産者なりその責任者は全力を挙げていくだろう、そういう背景をつくることが必要ではないか。しかも、第二次産業に従事する皆さん方、いわゆる経営者の皆さん方も、それについては積極的にやろうということでありますから私は提言したのですが、早急にこの問題については対処してもらいたい、前向きに検討して善処してもらえるかどうか、あなたに最後にお尋ねをしておきたい、こういうふうに思うのです。
○越智国務大臣 大変熱のこもった先生のお言葉でございます。私も今の経済運営の中で、物価の動向に大変に心を尽くしておりまして、世界各国が今一番恐れておりますことは、景気がややのめりがちな中でインフレが来たときが一番怖い、こう思っております。我が国はまだそれほどでございませんが、ほかの国ではかなり高いインフレに悩んでいるところもございますので、世界経済の中で日本が一番しっかりしていかなければならない、我が国の経済運営の眼目としての物価対策については、先生のお言葉をよくかみしめまして考えさせていただきたい、こう思っております。
○野坂分科員 しつこいようですが、前向きに検討し善処していただけますか。
○越智国務大臣 はい、わかりました。
○野坂分科員 ありがとうございました。 長官にはおっていただいて、せっかく中小企業庁の次長さんに来ていただいております。こういうところには説明員が来るということでしたけれども、それでは困りますということで次長に来ていただきましたが、私は農業問題を専門的にやっておるわけですけれども、農業というのは曲がり角を通り越しましてがけっ縁に来たという感じがしておるわけです。それと同じように、中小零細企業の展望というのも今越智長官がお話しになりましたように、いわゆる大店法の規制緩和等の問題で消費者が期待するからある程度緩和しなければならぬ。アメリカとの構造協議によってそういうものが進められておる。中小零細企業というのは非常に厳しいですね。 例えば、農業者は、学卒者で後継者というのは五十五万農家のうち二千百人ことしは就農しておる。中小零細企業の商店会等に参りますと、我々も選挙運動で歩きますと、あなたのお子さんはどこですかと言うと、銀行だとか市役所だとかあるいは会社の名前を挙げられて、中小零細企業も農業と同じように長男や次男はみんな勤めて、後継ぎがだんだん少なくなってくるのではないか、そういうふうな感じを今私は抱いて、中小企業も危機だな、弱い者のところにしわ寄せが行くなというふうなことを感ぜざるを得ないわけでありますが、これからの中小企業の展望はどのような展望をお立てになっておるのか、どのように指導し育成強化をされておるのか、お伺いをしたいと思うのです。
○西川政府委員 委員御指摘の中小零細企業の厳しさという点、事実である点もあると思います。しかしながら、最近の一般的な情勢で申し上げますと、経済全体が大変好況だということで、中小企業も実感としては潤っているというところではないかと思うわけでございまして、中小企業の経営者が自分の経営がよくなっているのか悪くなっているのかというようなことから計算して求めております中小企業の業況判断指数というのも横ばい、これは高目に横ばいという意味でございますけれども推移しておるというようなことでございまして、現在の時点では総じて堅調に推移しているというふうに私どもは理解をいたしております。 中小企業の歴史を振り返ってみますと、いろいろな経済の変局の過程を経まして、やはり日本経済の重要な部分を占めるものとして中小企業が現在まで発展をしてきているわけでございます。日本経済に占める中小企業の重要性というのは以前にも増して重要と言ってもいいのではないかと私どもは考えているわけでございますけれども、このような重要な中小企業をどういうふうに私どもとして育てていくかということに関します原則といたしましては、私どもは中小企業が自助努力をする、自律的な発展を遂げる、それが可能となるような環境をつくり出していくということではないかというふうに考えているわけでございまして、これまでもそれぞれの時期に応じまして各般の施策をとらせていただいてまいったわけでございます。 来年度の予算におきましても、御指摘の商店街の振興の必要性等の切迫した事態に備えますために、魅力ある商店街、商勢圏づくりのための総合的対策の予算を、総額で一応計算いたしますと千六百億円以上のものとなっているわけでございますけれども、措置をさせていただいております。 また、最近中小企業の経営者の一番と言っていい問題点は、人手不足と申しましょうか生産を拡大したくても労働者が集まらないというようなことがあるわけでございますけれども、これを何とか大企業との格差を縮小するような方向に政策誘導できないかということで、労働力確保のための政策を労働省とも手を相携えまして講ずることにいたしているわけでございます。 私どもといたしましては、最初に申し上げましたような環境づくりという観点に立ちまして、今後ともいろいろな施策をそのときどきの状況に応じつつ実施してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○野坂分科員 次長さん、平成二年度の予算というのは、当初予算が千九百四十三億ですね。そして、補正されまして二千四百二十三億ということになっております。当初予算は全体の構成比から見れば〇・三%程度ですね。そして、中小企業の発展は以前にも増して重要な地位を占めているというふうに今おっしゃった。そして、自助努力、環境を整備してやる、こういうふうに今おっしゃったのですね。ところが、今度の九十億ドルの湾岸支援問題に関連して、通産省の予算の中ではあなたのところだけが十五億六百万円、いわゆる不用額が載って、これだけが減になっておるわけですね。通産省の中で中小企業庁の予算だけが十五億。ほかは無傷。これだけ重要で、以前にも増して重要であるということを言いながら、全予算に比較をすればわすかに〇・三%の予算、それを削る。わずかに千九百億円のものを削っていくということについて私は合点がいかぬのですね。一体どういうわけなのか、それは今度の平成三年度にどのように反映されておるのかということをお尋ねをしたい。
○西川政府委員 今回の補正予算の計上に当たりまして、平成二年度に計上されました中小企業対策費の個々の事業の進捗状況あるいは年度末までに実施の見込み等をいろいろ精査したわけでございまして、その結果、当初計画を下回る額として、約十五億でございますけれどもそれが見込まれるということで修正をいたしたわけでございます。もちろんこれを決断するに当たりましては、当初計上されました予算が中小企業者の皆様方の中で最大限有意義に使われないかということで、その消化と言っては言葉がいかがかと思いますけれども、活用につきまして中小企業者に直接、あるいは都道府県がこの実施に関しましていろいろ関連いたしておりますので、都道府県をも督励いたしまして予算の執行ということを働きかけてきたわけでございますけれども、年度末を間近に控えましてやはりどうしても事業が全部できない部分があるというのも事実ということが確定いたしましたので、予算の効率的な使用と申しましょうかそういう観点からこれを減額させていただいたということでございます。
○野坂分科員 四月から予算が始まって三月三十一日まであるわけですが、たった千九百億円、二千億円程度の金が十五億も余ってくる。ほかのところの省庁はみんな使っておるのに、通産省の中であなたのところだけ。そういうところは、政策の指導というか地域の振興のために、中小企業のところに行けば随分もっと欲しい、もっと欲しいと言うのに、それもよう使い切れぬ。それは平成三年度の方に回すということになるわけですかね。今はできないけれども今度は来年やる、こういうことになるわけでしょうか。
○西川政府委員 不用を立てました項目は幾つかあるわけでございますけれども、例えば、地域資源等活用型起業化事業の補助金というのがございまして、これは当初十一億四千八百万円の予算額でございましたけれども、それを五億二千五百万円に減らすことになったわけでございます。 この事業は、中小企業が、各地域におきまして産業おこしの芽と申しましょうか、いろいろな試作品等ができたものがあるわけでございますけれども、これを実際の事業、商売にしていくためには、やはりなおそれを商品化したり市場開拓のためのいろいろな準備をしなければならないということで、その点に政策的な支援を与えようということでつくりました予算でございます。これは、平成二年度に新しい予算ということで設立したものでございます。 私どもは、予算が大蔵省で大体内定した段階から、この予算をいかに十分活用するかということで、都道府県とか中小企業者に対しましていわば事前の施策普及に努めてきたところでございます。しかしながら、初年度の事業というようなことで、中小企業者側も、この事業の使い方についてややふなれな点もございまして、準備が必ずしも十分行えなかったというようなことがございます。また、最近非常に好況でございまして、人手不足というようなこともございまして、こういった新しい事業開拓はやりたいんだけれども、とりあえずのことの方がというようなことで、やや事業化ということに立ちおくれたという点が影響しているのではないかと思っております。 もちろん、平成三年度におきましても引き続きこの予算を計上いたしまして、国会の御審議をお願いしているところでございますので、これが認められました暁には、二年度目の事業ということでございますので、中小企業者の方の準備もそれだけ進んでいるということで、私どもとしては積極的な活用が翌年度には期待できるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○野坂分科員 概算要求の時点から、それだけの予算は必要なんだ。だから、予算が決まってからそういうアピールをするんじゃなしに、予算の決まる前に、要求があるからそれを取り上げて予算化をするわけじゃないですか。私はそう思う。 しかし、第一次補正をやって二千四百二十三億円になったのですよ。それが十五億だめになるのですよ。不用額になってきた。当初予算が千九百四十三億円に対して、今度の当初予算は千九百四十九億じゃないですか。たった五億じゃないですか。だから、補正予算をしたものよりも下回っておるじゃないですか。あなたが来年度にその五億円等は回す、回すとおっしゃいますけれども、現実に予算は減っておるじゃないですか、平成三年度は。だからそういう結果になるんじゃないかということを私は聞いておるわけですよ。一体どうですか、それは。
○西川政府委員 これは各省とも共通でございますけれども、当初の予算は、前年度の予算をベースにいろいろな検討がなされるということになっているわけでございます。一方、補正予算につきましては、そのときの一種の特別な事情に基づいて予算が計上されるということになるわけでございまして、平成二年度の補正予算は五百三十四億円計上しておりますけれども、これは商店街の新設、改装あるいは事業転換のための低利融資制度を新たに創設するということで計上したものでございまして、本年一月には、これの実施機関でございます政府系中小金融機関に既に予算を執行したところでございます。そういった特別な事情に基づいて計上したものでございますので、平成三年度の予算において、その補正予算が当初予算の前提になるというような性格のものではないというふうに理解をいたしておるわけでございまして、あくまでも前年度の当初予算と翌年度の当初予算を比較して物を考えるというのが基本ではないかと了承しておるわけでございます。 その観点からまいりますと、中小企業予算全体といたしましては近年やや減少ぎみでございましたけれども、平成三年度については、金額は、わずかという御指摘でございますけれども、増加の予算ということになっておりまして、私どもといたしましては最大限の努力をさせていただいたというふうに理解をいたしております。
○野坂分科員 日本の経済の中で、あなたがおっしゃったように中小企業の占める割合は非常に高い。八〇%は中小企業じゃないのか、これが現状なんですね。しかし、七十兆円の予算の中で千九百億円というのは余りにもわずかではないですか。〇・二八%だ。これでは中小企業の振興、人手不足というのは、労働条件が悪い、賃金が安い、経営者から見れば出せない。だから大企業のところには人が集まるけれども、中小企業のところには集まらない、そういう環境を、集まるようにしていかなければ日本の経済は伸展しないではないのかということを私は言いたいのであります。 あなたのところは一体何を考えているのかということを、大蔵省が発刊した平成三年度予算の説明書というのがありまして、あなたのところは二年間通じて一言一句間違いなく同じことが書いてあるのですね。勘定科目の、いわゆる款項目もみんな一緒です。金額が変わっておるだけなんです、これは。何も新味がない。これで中小企業が伸展するだろかということを私は非常に危惧します。これはずっと同じですよ、文章も、中小企業に対する款項目も、説明書全部。金額が、去年とことしとは違うだけだ。これはちゃんとあります、ここにあります、必要があれば見せてあげます、後で。ゆうべ読んだんですから全部。同じことを書いてある。 それでは、中小企業の人手不足の解消や、そして共同化の問題や共同仕入れの問題や、技術革新の問題等を進めてやらなければ、中小企業はやはり農業と同じようにがけっ縁に来ますよ。だから自分のお宅の家業を捨てて、安定をする市役所とか銀行とかに就職をして、その商店街がだんだん寂れてくるのではなかろうかということを心配します。したがって、そういう点については、今は情報化の時代でありますから、手があれば十分積極的に指導してやらせるということになる方途を考えていただかなければならぬではないか、私はそう思うのでありますが、西川次長はどうお考えでしょうか。
○西川政府委員 委員御指摘の点、まことにそのとおりだと思います。 来年度の予算の執行に当たりましては、これは予算が認められたという前提でございますけれども、私どもみずから、県また商工会とか商工会議所とか、広い中小企業の指導的な立場にある機関、人たちがございますので、そういうところと十分連絡をとり、督励いたしまして、本当に中小企業の皆様方が生きた予算としてこれが使えるように最大限の努力をさせていただきたいと思います。
○野坂分科員 最後に御発言をいただきましたが、ぜひ中小企業の振興のために、通産省とけんかをしてでも、経済企画庁長官とやり合っても、予算を取って中小企業の振興のためにやっていかなければ、大手の企業や大きなデパートや、今や構造協議によってそういう規制緩和がされるという事態ですから、それを受けて立てる中小企業対策というものをやっていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。 最後に、経済企画庁長官にお尋ねをしておきたいと思いますが、景気に陰りが生じておるということは一致していますね。この間、公定歩合を下げるんじゃないかというテレビが出ましたけれども、当時一月の物価というものが上がってきた。したがって、三重野さんが予算委員会においでになって、しばらく様子を見たいというふうにおっしゃった。しかしアメリカの情勢は、前にアメリカの公債等を買う場合でもこの利率が随分違っておったわけですから日本の人も随分買ったのですが、今や同じですからなかなか買い出動に出てこない、むしろ日本の方が安定しておるというような動きもあって、陰りの問題と外国との問題とを考えてみて、大手の企業は社債の発行等ができて自分の金を集めることはできますけれども、今お話をしましたように中小企業は容易じゃない、それは。したがって、金融の緩和というのは、いわゆる不動産の問題に端を発しておるわけですけれども、そういう点から考えてそろそろ公定歩合の引き下げといいますか金融緩和という時代に入っていかなければ、インフレもない、デフレもないという安定した経済推移を我々は期待するわけですけれども、経済企画庁長官は、それらの経済の見通しとそして景気の状況と金融の問題とを絡み合わせて、金融の緩和等についてあるいは公定歩合の引き下げ等については、今はそろそろ検討する時期に入ったとお考えかどうか、一応聞いておきたいと思います。
○越智国務大臣 大変難しい、基本的なところでございますが、平成三年の景気を考えますときに現在の延長線上で経済が動いて入っていくわけでございますので、平成二年度の今まさに最後に当たりまして幾つかのファクターを心配しながら注視している、一番成長率にかかわる点では設備投資の動向を注意していなきゃいけないだろう、こう思っております。 幾つかの銀行、新聞等が出しております設備投資にかかわる経営者の意向、これはかなり慎重でございます。昨年の今ごろでございますと四、五%という答えのところもあったのでございますが、現状においてはプラスの一、二%というのが多くの答えでございまして、仮に上方修正いたしましても到底二けたにいくものではございませんで、何とか私どもの経済見通しで見込んでおります設備投資六・八%増というとこら辺までいかせたいな、いきたいな、こんなふうに考えているところでございます。消費は、私どもはまだまだ堅調に推移すると見ております。他面、物価に関しましては、先ほど来御議論ございましたように、来年の二・四%を何とか守っていかなきゃならない。これに対しての物価の基調を大変心配げに見るか、多少シーズナルな季節的な要因で上がったけれども物価の基調としてはまだまだ堅調であると見るかによって、これからの政策の打つタイミング、幅が変わってくるのじゃないか、こんなふうに見ているわけでありますが、金融という面で見ますと一番きいてくるのが、今申し上げました設備投資が一番金融と相関関係が強い格好になっております。 私は、十二月二十九日相沢前長官からお引き継ぎいたしまして以来、まず当面は金融政策に関しては金融政策当局の判断にまだ任せておいていい段階ではないかと言い続けております。 現在でもそのような感覚でございますが、当時から感じておりましたことは、三月の数字をよく確認してみたい、経済各指標を確認してみたい。それは別に三月までに湾岸が必ず終わるという確信があったわけじゃございませんが、一つの時期として考えなきゃいかぬ。また、決算期でございますので企業にとりましてもいろいろな動きが出る時期でもございますし、四月に入りましてから、一月、二月、三月の数字を確認した上で平成三年度の経済運営についてのいろいろな意味での微調整、判断をしていかなきゃならない。金融に関しましては、実は公定歩合は動いておりませんが、諸般の金利はやや下げる方向でいろいろと動いております。世界各国の中でも上げたのは二月一日にドイツがやっただけでございまして、あとはイギリス、アメリカ、それぞれ下げておりますし、アメリカの二段目が近づいているのではないかといううわさもございまして、既にアメリカの公定歩合が日本の公定歩合と同じになったのみならず、フェデラルファンドレートも六%まで下がってきておりますので、向こうのディスカウントレートがどういう動きになりますか、これも目の中に入れて金融政策、日本銀行はお考えだろうと思いますし、これを動かした場合に為替にどう響くかが考え方によりましてかなり方角が違うわけでございまして、日本の金利を動かしたときにどっと金がドルの方に寄るという考え方と、いやそれで結構日本の債券市場が上がってこちらに金が戻ってくるという議論と、さらにはもう一歩突っ込んでいいますと、湾岸復興でドル買いがどう出るかということ、あるいは復興資金としてのクウェートなどの海外資産がどう取り崩されるかということなども為替には影響してきますので、為替も頭に入れながら金融政策が図られるべきじゃないか。その見通しも、今の段階では四月に入ればかなり、何と申しますか先が今よりは見えてくるのかな、こんなふうに思いながら判断しているところでございます。
○野坂分科員 金融緩和の問題はまた大蔵省ともやるとして、設備投資は今年度は実績見通しが一一・七%、今度は六・八%、それから経済成長率はここ五・五から五・三までずっと推移してきて来年度は三・八%、こういう格好になっておるわけですから、景気の陰りが考えられるなという、まあ数字から見れば言える。したがって、インフレなき、デフレなき、あなたの言葉で言えば安定成長、三%は超したらだめなんだ、物価が三%も上がったら五・九%賃金をもらっても一%台に落ち込んでしまいますということも考えて、何としても物価を下げてもらわなきゃいかぬ。それで、物価を引き下げる実行機関はあなた方が指名してもらえば、官民合同で実行機関をやろうという意欲満々たる状況があるわけですから、早期に決断をされましてそのような実行機関を設置されるように強く要望いたしまして、私の質問をこれで終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○相沢主査 これにて野坂浩賢君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして総理府所管中経済企画庁についての質疑は終了いたしました。 次回は、明十三日午前九時より開会し、通商産業省所管について審査することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十九分散会