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120回国会衆議院1991/03/11

予算委員会第六分科会 第1号

発言数
223
登壇者
29
会派数
4
開催日
1991/03/11

会議録

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢主査 これより予算委員会第六分科会を開会いたします。  私が本分科会の主査を務めることになりましたので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  本分科会は、総理府所管中経済企画庁並びに通商産業省所管について審査を行うことになっております。  なお、各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。  平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算及び平成三年度政府関係機関予算中通商産業省所管について審査を進めます。  政府からの説明を聴取いたします。中尾通商産業大臣。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 平成三年度通商産業省関係予算の予算委員会分科会における御審議に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。  世界は大きな歴史の転換点を迎えております。変化は、きしみを伴うものでありますが、同時に躍動の源にもなります。現在、極めて流動的な情勢の中で、新たな国際秩序を構築すべく各国が努力を重ねているところであります。  すなわち、イラクの力による不法な支配に対し、国際社会はかつてない協力体制を築き、平和と安全を回復しつつあります。また、保護主義的な動きを排除し、二十一世紀へ向けた自由貿易体制を確立するため、ウルグアイ・ラウンドを初めとする種々の交渉に積極的に取り組んでいるところであります。さらに、東西融和を確固たるものとするために、引き続き様々な努力が払われております。こうした中で、我が国は国際社会におけるその地位の高まりをみずから認識しつつ、責任ある対応を進めていかなければなりません。  国内に目を転じますと、我が国経済は既に四年を超えて内需主導による景気拡大を継続しておりますが、米国における景気動向など不透明な状況もあります。我が国は直面しつつある広範かつ多様な変化に柔軟に対応し、中長期的に経済の活力を維持し、国土の均衡ある発展、豊かさを実感することのできる国民生活を実現していかねばなりません。  私は、このような認識のもとに、関係諸国と協力しつつ湾岸地域における経済、技術面での国際協力に適切に対処するとともに、次の項目を重点に全力を挙げて通商産業政策を推進してまいる所存であります。  第一は、新たな流通産業政策の展開であります。第二は、魅力ある労働環境の形成であります。第三は、廃棄物処理、再資源化対策の推進であります。第四は、東京一極集中の是正と地域の活性化であります。第五は、国際貢献の充実と産業活動のグローバリゼーションへの対応であります。第六は、資源エネルギー施策の着実な推進であります。第七は、活力に満ちた中小企業の育成であります。第八は、科学技術の振興であります。第九は、情報化の推進であります。  平成三年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画の作成に当たっては、このような基本的方向に沿って諸施策の実現を図ることとした次第であります。  この結果、一般会計は、七千八百六十一億三千五百万円を計上しております。特別会計につきましては、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計六千二百五十億二千七百万円、電源開発促進対策特別会計三千八百八十六億三千二百万円、特許特別会計六百二十四億五千四百万円等、当省所管の五つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しているところであります。  また、財政投融資計画につきましては、財投規模ベースで七兆二千九百七十八億円を計上しております。  通商産業省関係予算及び財政投融資計画の内容につきましては、お手元に資料をお配りしてありますが、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。  何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。ありがとうございました。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢主査 この際、お諮りいたします。  ただいま中尾通商産業大臣から申し出がありました通商産業省関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ─────────────    平成三年度通商産業省関係予算及び財政投融資計画について  平成三年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画について御説明申し上げます。  まず、平成三年度における通商産業省の一般会計予定経費要求額は、七千八百六十一億三千五百万円であり、前年度当初予算額七千二百六十三億四千二百万円に対し、五百九十七億九千三百万円、八・二%の増加となっております。  財政投融資計画は、財投規模ベースで七兆二千九百七十八億円と前年度当初計画額六兆七千六百二十五億円に対し七・九%の増加となっております。なお、この中には産業投資特別会計からの出融資五百八億円が含まれております。  次に、重点事項別に、予算及び財政投融資計画の概要につき御説明申し上げます。  第一は、新たな流通産業政策の展開であります。  消費者ニーズの変化、都市化の進展、大店法の改正等の流通産業を巡る環境の変化に伴い、流通産業構造の変革が求められております。このため、小売商業の健全な発展、大型店と中小店との共存共栄の観点を含めて消費生活に密着した魅力ある商店街・商業集積づくりのための総合的対策を講ずることとし、コミュニティホール、イベント広場、商店街駐車場等の商業基盤施設整備に対する補助に百十五億六千五百万円、産業基盤整備基金が行う商業集積整備に係る債務保証の実施に必要な出資等に十億円、中小小売商業者の体質強化のための設備近代化資金の貸付等に必要な原資の補助に二十億円など、全体で百七十六億一千八百万円を計上しております。また、地域生活向上型中小流通業育成貸付制度を創設するため、産業投資特別会計から中小企業信用保険公庫に対し、二十億円の出資を予定しております。さらに、産業投資特別会計社会資本整備勘定からの無利子融資、中小企業事業団による中小小売商業活性化のための高度化出融資及び産業基盤整備基金による商業集積運営支援のための出資を行うこととしており、このため、合計五百九十億円を計上しております。  第二は、魅力ある労働環境の形成であります。  現在の深刻な労働力不足は、特に中小企業にとって死活問題となっております。このため、労働時間の短縮、魅力ある職場環境の形成、福利厚生の充実等を進め、もって中小企業における労働環境の改善を図り、その人材確保の円滑化に努めるため、労働力確保を推進する組合に対する補助及び指導等の中小企業労働環境改善対策に十一億百万円、中小企業の労働力不足克服のための技術開発等に十二億六千万円、下請企業の労働時間短縮のための下請中小企業振興法等に基づく親企業への指導強化に二億円を計上しております。  第三は、廃棄物処理・再資源化対策の推進であります。  我が国経済の目覚ましい経済成長やこれに伴う多消費・大量生産へのライフスタイルの変化により廃棄物の排出量が増大し、最終処分場の不足等その処理が深刻化しているとともに、資源の有効利用の必要性が高まっております。  このため、再資源化実証プラント事業、モデルリサイクルシステムの実施等の省資源・再資源化対策に六億二百万円、古紙再利用促進に二千五百万円、アルミ・廃プラスチック等の基礎資材再資源化促進に一千百万円を計上しております。  第四は、東京一極集中の是正と地域の活性化であります。  国土の均衡ある発展を図り、内需主導型の経済成長を定着させるため、産業機能の地方分散を一層促進し、魅力ある地域拠点の形成を図るとともに、地域の活性化に向けた自主的な取組みを支援することが必要であります。  このため、産業再配置促進対策に五十一億一千万円を計上するとともに、工場のみならず、オフィスの地方分散を図るため一千八百万円、地域振興のための人材確保対策として二千二百万円、工業用水道事業費に他省庁計上分を併せ百九十一億五千百万円を計上しているところであります。このほか、産業投資特別会計から、いわゆる「頭脳立地」促進施策に十八億円、情報処理振興事業協会の地域ソフトウェア供給力闘発促進事業等に二十億円の出資を予定しております。  第五は、国際貢献の充実と産業活動のグローバリゼーションへの対応であります。  人類共通の重要課題である地球環境問題に関しては、経済大国、技術大国であるばかりでなく、環境保全と経済発展の両立に最も成果を上げてきた我が国としては、地球環境保に日本貿易振興会事業として一億六千九百万円、現地研修事業の実施等東欧支援に四億四千九百万円を計上しております。  他方、技術大国としての我が国にとって、国際社会の一部に技術面における我が国に対する警戒感が高まるなか、科学技術面での国際貢献の推進が喫緊の課題となっております。このため、日・米・欧等による次世代高度生産システムの構築のための国際共同研究プログラムに二億七千三百万円、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの推進に十五億一千五百万円などを計上しております。  また、保護主義的な動きが高まる中で、自由で開放的な経済体制を堅持していくためには、引き続き対外不均衡是正に向け、貿易面、投資面において努力を行っていく必要があります。このため、対日輸出有望商品発掘専門家派遣事業等に十四億円、対日投資促進事業に五千百万円を日本貿易振興会事業として計上しております。  第六は、資源エネルギー施策の着実な推進であります。  脆弱なエネルギー供給構造を有する我が国としては、湾岸危機発生後の不透明な国際石油情勢、地球環境問題を巡る国際世論の高まりをも踏まえ、省エネルギーの一層の推進を図るとともに、エネルギーの安定供給の確保を図るため、原子力発電、核燃料サイクルの推進、新エネルギーの開発、未利用エネルギー活用システムの推進等による非化石エネルギーの開発・導入等総合的なエネルギー政策を着実に推進していくことが必要であります。  このため、まず、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計につきましては、総額として六千二百五十億二千七百万円を計上しております。  本特別会計の石炭勘定につきましては、第八次石炭政策の下で、石炭鉱業合理化安定対策を推進するほか、鉱害対策、産炭地域振興対策を実施するため、一千二百八十億一千万円を計上しております。  また、石油及び石油代替エネルギー勘定につきましては、四千九百七十億千七百万円を計上しております。  なお、同勘定のうち、石油対策としては、国家備蓄の着実な推進を始めとする石油備蓄に三千二百六億三千百万円、石油公団による探鉱等投融資事業等の石油開発に一千七億二千万円、石油産業体質強化対策等に三百四十六億三千三百万円など、総額で四千六百億二千七百万円を計上しております。  他方、石油代替エネルギー対策としては、未利用エネルギー活用地域熱供給システム普及促進を始めとする導入促進対策に八十二億百万円、技術開発に二百五十六億五千万円など、総額三百六十九億九千万円を計上しております。  次に、電源開発促進対策特別会計につきましては、三千八百八十六億三千二百万円を計上しております。  本特別会計の電源立地勘定につきましては、増大する電力需要に対応した安定かつ低廉な電力供給を確保すべく、バランスのとれた電源構成を目指し、一層の電源立地の促進を図るため、総額で一千七百八十七億三千三百万円を計上しております。  また、電源多様化勘定につきましては、電力供給の安定化を図る観点から、原子力、石炭火力を始めとする電源多様化を促進するため、総額二千九十八億九千九百万円を計上しております。  一般会計につきましては、省エネルギーを推進するため一億八千三百万円、また、資源の安定供給を確保すべく国内・海外鉱物資源探鉱開発、備蓄を始めとするレアメタル総合対策等を推進するため九十五億九千三百万円を計上しております。  第七は、活力に満ちた中小企業の育成であります。  我が国経済の活力の源である中小企業は、内外経済の一体化が進む中で競争の激化、高齢化の進展、情報化の進展等様々な課題に直面しております。これらに対応するため、中小企業対策費について、政府全体で一千九百四十九億六千五百万円、うち当省で一千三百六十七億百万円を計上しております。具体的には、先に述べた流通対策、労働力確保対策における抜本的な施策の拡充に加え、地域中小企業の技術力・デザイン力の強化のための地域中小企業創造力形成事業に十四億一千五百万円、中小企業大学校の地方展開等による人材養成に十二億四千七百万円、小規模企業指導事業に対する補助に五百二億四千万円を計上しております。  第八は、科学技術の振興であります。  二十一世紀に向けた長期的発展基盤を確保するためには、技術開発の積極的な推進により経済社会のニューフロンティアを開拓することが不可欠であり、先端技術分野、基礎研究分野における官民の技術開発を一層推進していくことが必要であります。このため、医療福祉機器技術研究開発に六億八千九百万円、重要地域技術の研究開発に二億七千六百万円、大深度地下空間技術の研究開発に十三億二千三百万円、標準化事業の推進に七億九千百万円などを計上しております。  また、産業投資特別会計からは、新エネルギー・産業技術総合開発機構が行う研究基盤整備事業に二十四億円、基盤技術研究促進センターが行う出融資事業に二百八十六億円の出融資を予定しております。  第九は、情報化の推進であります。  高度情報化社会の構築に向けて、その基盤整備を図るため、総合的な情報化人材育成策、情報関連技術開発の一層の推進及び生活分野における情報化の推進等、情報化施策を積極的に推進していくことが必要です。このため、より人間に近い情報処理技術の研究開発の可能性についての調査に新規に九千六百万円、第五世代コンピュータの研究開発及び応用についての国際共同研究に七十二億一千ニ百万円、電子計算機の相互運用性の確保等の研究開発に十四億三千七百万円、「メロウ・ソサエティ構想」の推進に八千五百万円、「フレンド二十一構想」の推進に一億八千九百万円などを計上しております。このほか、産業投資特別会計から情報処理振興事業協会の高度プログラム安定供給事業に対し、三十億円の出資を予定しております。  以上のほか、特許特別会計につきましては歳出予定額六百二十四億五千四百万円、アルコール専売事業特別会計につきましては歳出予定額三百十三億九千六百万円、貿易保険特別会計につきましては歳出予定額一兆一千二百四十三億五千万円を計上しております。  以上、平成三年度通商産業省関係予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明いたしました。     ─────────────

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢主査 以上をもちまして通商産業省所管についての説明は終わりました。     ─────────────

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位にお願いを申し上げておきます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げます。  質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本拓君。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 福井県全県区選出の山本拓でございます。  きょうは小さいときからテレビでしか見たことがなかった中尾大臣を前にして質問させていただきまして、光栄に感じるところでございます。  そういう中で、きょうは私の地元であります美浜二号機の原発事故、実は私は県会議員を二期やっておりましたので、県会自民党という推進の立場で地元では役割を担ってまいりました。そういう立場できょうはちょっと質問させていただきたいと思うのですが、今回の事故につきましては、今究明中とのことでありますけれども、新聞によりますと、高サイクル金属疲労とか共振現象が原因とかいろいろ報道されております。きょうの時点で原因は一体何だったのか、わかる範囲でひとつ答えていただきたいと思います。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  今美浜二号の件につきましては鋭意調査している段階でございますが、三月二日に、破損しました伝熱管につきまして抜管、抜き取りまして、金属組織的ないろいろな調査をやっている段階でございます。それで、きょう時点でいろいろな破面観察等の結果も出てきております。それで専門家の委員会等でも議論をしてきておりまして、ある程度の方向が出つつある段階でございます。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 こうやって新聞にどんどん出ているのですよ。先日の科学技術委員会でも原安委員長がはっきり認めていますね。どうしてそんな答えになるのですか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 専門的に申し上げますと、破面を観察したりあるいは金属組織を見たり、いろいろなことで総合的に原因が究明されるわけでございます。しかし、今入手しておる情報で破面を観察しますと、疲労破面的なものが出ているということでございますので、そういう方向で我々原因究明をさらに進めているところでございます。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 一日も早くはっきりした結論を出していただきたいと思います。  ところで、この事故というか事象というか、私は故障だと思うのですけれども、そういう中で地元の敦賀市長を先頭に全国原子力発電所所在市町村協議会から三項目にわたる申し入れがなされております。そしてさらには、三月六日、福井県議会が全会一致で原子力発電所の安全確保に関する決議を四項目にわたって出しております。その後、何か新聞によりますと、京都府議会が決議をいたしております。京都府議会の決議はいかがなものかな、一斉にとめるという話はどうかなと思うのですが、とめるならば停電してもやむを得ないという決議も一緒にしないと、これはちょっと片手落ちだなと思うのです。  ちなみに言っておきますけれども、福井、富山、石川、北陸電力には原子力発電所は今まだ一つもないのですね。今能登の方で一つ準備しておりますけれども、だから今とめたって福井県はさほど関係ないのです。若狭は一部関係ありますけれども、若狭くらい使っているのは知れていますからすぐカバーできる。すべて関西、京都の方への電力供給基地としての役割を担っているわけでありますから、そういう中で今回の事故は非常に地元の吹っ切れない感情があるわけでございます。  また、ここで私、今後原発の論議ではっきりしておきたいのは、何か事故が起きるとすぐオール・オア・ナッシング、原発は危ないからすぐやめてしまえとか、そして、やはり原子力でなければだめなんだというのじゃなしに、私は去年の総理府の世論調査を見ましても、国民の六五%以上の人は原発は必要なんだと認めているわけですね。やはりそういう上に乗っかって原子力行政を進めていかなくてはならない。具体的に申しますと、現在稼働している原発の中でもこれはだめだ、これはいい、こうやって仕分けしていく必要があると思うのです。全部一括してかばうのじゃなしに、一人できの悪い息子ができたら、うちの子に限ってといって全部そういう疑いを根本的に否定していくという今までの国の姿というのは、私は変更すべきだな。やはりこれはだめです、これは全部改めましょう、これは絶対安心ですよ、そういう態度をこれからエネ庁自身が示していく必要があると思うのですが、そういう中で、今の原子力行政の中で国民の信頼にこたえて、これがいい、これが悪い、こういうけじめをつける役割は、やはりシステムを見ておりますと原子力安全委員会じゃないかなというふうに思うのですね。独立した機能ですから。  きょうは実は原子力安全委員長さんに来てくださいとお願いしたのですが、何かお忙しいということで代理人をお願いしている。だれか来ていますね。ちょっとお尋ねしますけれども、私はやはり原子力委員会というのはそういう役割、つまりアメリカにおけるNRCのような役割を担うべきだ、そういうふうに思うのですが、そういうものではないのですか。

谷弘科学技術庁原子力安全局原子力安全課長

○谷説明員 御説明申し上げます。  原子力安全委員会は、御案内のとおり原子力基本法の中に原子力安全委員会がどういう活動をするべきかということが書かれておりまして、安全の確保に関する事項について企画し、審議し、及び決定するということでございまして、それで昭和五十三年に原子力基本法が改正されましたけれども、原子炉等規制法に書かれておりますように、いわゆるダブルチェック、設置許可の段階で必要なことを行政庁がチェックしたものをもう一度チェックする。これに加えまして、当時の国会の附帯決議にもございますように、原子炉設置許可以降の各段階においても原子力行政機関が行う規制全般について原子力安全委員会は必要に応じ調査、審議をしていくというような位置づけが法令上も国会決議でも出されておりますので、私ども原子力安全委員会の事務局としましては、こういう法律の考え方あるいは国会の決議の御指示に従って業務運営をやっているところでございます。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 原子力安全委員会というのは約三百七十六名ほどおられるのですか、メンバーが。そういうふうに数字に出ているのですが、中身を見ますと、安全の確保に関する事項について企画、審議及び決定する権限を有する。この権限のもとにおいて内閣総理大臣に進言したら、それを総理大臣は謙虚に受けとめてすぐ所管の関係省庁の長に指示することができる。これは大変な権限ですね。私はきのうおととい、地元へ帰りまして国政報告会をやりましたときに、やはりこの問題が出てくるのです。特に今統一地方選挙が、敦賀の市長とかになるとこれは大変なんで、敦賀なんか共産党の人が強いですよ、本当に。そういう中で安全論議、各省庁に対してだめだ、いいというのはやはり安全委員会ではないか。安全委員会が全然機能しておらぬじゃないか。私が言うたのじゃないけれども、まるで今回の湾岸戦争の日本のようじゃないか、全然目立たないじゃないか。やはりいち早く安全委員会がとんと出て、通産省ないし科学技術庁にけしからぬ、しなさいと。やはりアメリカのNRCですか、ああいったところはぼんとやるわけですね。そういう役割が非常に欠けている。今の法体系の中で十分な役割を果たしているとは思われないという批判がいっぱいあります。その点どうですか。

谷弘科学技術庁原子力安全局原子力安全課長

○谷説明員 先生が御指摘になりました安全委員の人数でございますけれども、本委員は五名でございます。これは法定されておりますが、今先生のお触れになりました数は専門委員を含めた数になろうかと思います。  それで、安全委員会は、五十三年の法律改正のときにも御議論ございましたように、二つ議論がございまして、一つは行政の一貫化ということでございます。それぞれの所管行政庁、今回の発電所の場合でございますと通産省でございますけれども、そこが最初の設置許可の段階から運転管理に至るまで責任を持って通産大臣が所管される、この原則が第一段階でございます。これに加えまして安全委員会がダブルチェックの役目を果たすという二つの役目がございました。ここがアメリカのNRC、原子力規制委員会と違うところでございまして、アメリカのNRCの場合には第一義的に規制行政そのものを担当するというところで、日本とアメリカの制度の違いがあろうかと思います。  ただ、そうは申し上げましても、原子力安全委員会は決してじっとしているわけじゃございませんで、今回の件につきましても、既に所管行政庁であります通産省から六回にわたっていろいろ事情を説明していただいておりまして、実はきょう七回目、ちょうど現在でございますけれども、委員長が出てこれないのはまさにその理由でございますが、二時から、きょう七回目の委員会を開いて審議をしております。先ほど国会の附帯決議の御紹介をいたしましたけれども、それも踏まえまして、安全委員会の中には既にこの問題の検討のための特別ワーキンググループをつくっておりまして、十一名の先生方で既に検討をスタートしておるところでございますが、先ほども御説明しましたように、第一次の行政庁であります通産省での検討を進めておられますので、それと並行した形で我々検討させていただいているというところを御理解いただけたらと思います。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 原子力安全委員会というのは、安全規制、いわゆる原子力基本法のもとで安全規制を独立して担当するように、独立させているわけですね。だから十分その機能を発揮していただかなくてはなりませんし、ここで一つだけ聞いておきますが、要するに原子力安全委員会が決定した事項について、これは総理を通じて各関係行政の長に勧告することができるというのが大きな仕事ですが、この関係する行政機関の長というのは具体的にどこになりますか。

谷弘科学技術庁原子力安全局原子力安全課長

○谷説明員 第一次の行政庁は科技庁の所管であります内閣総理大臣、これは研究炉等でございますが、それから実用発電炉を所管されます通産大臣、それから、現在はございませんが、実用の舶用炉を所管されます運輸大臣、この三名でございます。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 これは科学技術庁長官はなかったですか。

谷弘科学技術庁原子力安全局原子力安全課長

○谷説明員 科学技術長官は、内閣総理大臣の部分を法律に基づきまして委任を受けて、その分を分掌するという形になっております。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 当然科学技術庁長官にもそういうものはいきますね。  ところで、私ちょっと不思議なのは、おたくの事務局は科学技術庁がやっているわけですね。まさしくおかしいと思いませんか。私はシステム的に事務局というのは、別に科学技術庁が憎いわけじゃないですけれども、科学技術庁を外して全くもって独立した形できちっきちっとやらないと、例えば原子力安全委員会で科学技術庁にも物申しましょうと決議する、その原案を技術庁の安全局長がつくってそれを長官のところへ持っていく。これははたから見たら八百長にしか見えません、素人から見ると。原子力についてはみんな素人ですから、だから素人に対してきちっとわかりやすい形にしておく必要があると思うのですが、その点どうですか。

谷弘科学技術庁原子力安全局原子力安全課長

○谷説明員 御指摘のとおり、独立の事務局を設けるべきではないかという御議論も従来あったように聞いておりますが、現在とっております仕組みは、御案内のとおり有沢先生を座長といたしまして内閣総理大臣の諮問機関としてつくられました有沢行政懇の結果を踏まえて、行政の効率化等も含めて現在の仕組みがとられておるというように私ども理解しておるところでございます。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 あなたにこの問題をどうのこうの言うても仕方ありませんから、ただ私が要望しておきたいのは、やはり独立させてだれが見ても中立公正だなという形にしておいていただかないと、そんな科学技術庁の安全局が事務局を握って、そしてその結果科学技術庁長官に勧告なんか出すような話は、これはおかしいですよ。私はそう思います。そういう感じで、これはだれに言うたらいいか知らぬのですが、強く要望いたしておきます。大臣、そう思われませんか。お願いいたします。  それでは続いて、先日三月六日に、福井県議会が四項目にわたって原子力発電所の安全確保に関する決議を行いました。私は、去年の選挙で県会自民党の推薦をいただいて当選をして来ましたので、そういう立場で一つ一つお聞きしたいと思うわけでありますが、まず第一に、いわゆる安全協定の法制化についてでございます。これについて長官、御所見をお願いいたします。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○緒方政府委員 原子力発電所を運営する上で安全性が大前提であることは今さら申し上げるまでもありませんけれども、安全性の確保については、先ほど来御議論のあります原子力安全委員会を初め国の規制その他非常に多重なシステムができておるわけでございます。  安全協定と申しますのは、そういう安全確保を直接担保するというよりは、立地をしている企業と地元の町村との間で安全に関連をするもろもろの取り決めをされるということでございまして、従来から慣行的に相当広く行われていることでございます。地元の方で、これを法制化したらどうだというような御議論が従来からあることは承知をしておりますけれども、法律上担保しなければいけない安全に係る基本的な事項というものは既に行政の中で相当程度達成をしてやっておりますので、今この時点で安全協定を法制化しなければならないという必然性についてはいろいろな立場からの御議論があるのではないかというふうに思っているわけでございます。これは決して安全性を軽視するとか地元との協調をないがしろにしていいという意味ではございませんで、法律にすべきなのか、法律にしなければ実効を担保できないのかどうかという観点からの議論をさせていただいておるわけでございます。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 従来のとおり原子力発電所は国が一元的に管理する。安全協定というのは紳士協定ですから、紳士協定というのは破られても何の根拠もないわけですね。今までも、実は去年も科学技術委員会でこの問題、県から要請が出てきたのでどうだと、安全局長はそんなことをしなくても私が責任を持って守らせると言った明くる月にまた違反事故が起きて、知事が正式に抗議を出しているのです。だから、もう二十年間切りがない。やはり国が守らせると言ってきた安全の根拠は、定期検査をするから安全なんだという論法が今までありましたね。今回は、蒸気発生器の細管のギロチン破断に加えて、加圧器逃し弁の故障ですよ。この加圧器逃し弁の故障というのは、スリーマイル事故の事故原因になった一つです。ダブル事故が起きた中で、しかもこれは定期検査を終えた後の話ですから。今まで私ども地元において、いろいろ定期検査をするので安全なんです、人間の体でいうと定期検査をしているからがんは起きませんと言っておったのが、人間の体でも定期検査してもがんは起きますね。人間の体の場合は一人その人が死ぬだけですからほかに迷惑はかけぬのですけれども、こればっかりは全体に不安を与えますので、そういう点で根本的に定期検査を全面的に見直す必要があります。  だから、私が申し上げたいのは、言っては悪いけれども、国が責任を持って任せなさいという話は地元サイドではちょっと信用できない。やはり多重防護の思想の上で、多重チェックが必要だ。国がチェック、そして地元市町村もチェックする、多重チェックすることによって地元は安心して運営、共存共栄できるということです。エネ庁が一元化一元化と言うけれども、別に悪口を言うわけではないですよ、審議官のところへ電話をしたって忙しくていたことないし、たまにいたって女の子が出てきて今出るところですとかいうような、国会に対してそんなですから、地元には何をかいわんやですよ。そんなこと、きちっと責任持って対応するシステムと申しますか、ましてやこれから二十基も三十基もふやそうというのでしょう。これは、エネ庁の管理体制、責任体制、また増員体制、どのような計画を持っているのですか。きょうの時点ではもう否定されたわけですから、これからそれを信頼回復しようとしたら、今まで以上に国が一元的に十分にやるというなら――地元にも少し権限を与えて、地元でも、県でも立派な専門職は何人も雇っているのですから。そうした人たちにもきちっと管理させる権限は絶対に与える必要はないということですから、それだったらおたくらの方でもっと充実した機能強化をする。  後から出てきますけれども、地元サイドの不満をあえて言わせていただきますと、全部国に任せなさい、地元は必要ありません、法制化必要ありません、では事故が起きたらどうですかといったら、事故が起きたときは地元でやりなさい、事故が起きたら、地元の災害ですから地元の知事やら市長にやらせなさいという答弁でしょう。原子力の災害だけは普通の火事とか地震とかと違って、目に見えない、においがしない、耳に聞こえない、何にもわからないのですよ。これだけ、何ベクレルですか、出して、西へ走れ東へといったって、風向きでどっちにも変わるし、どっちに逃げたらいいのかどんな発生源かわからないのに、事故が起きたときだけ地元でしなさい。だから地元は、そこまで一元的に国が管理する、地元へ権限を認めないというならば、せめて逃げる方法も国が責任持ってマニュアルをつくってください、事故が出たときに通報してもらったってどうやって逃げたらいいかわからぬのですから、その通報体制もきちっと災害法をつくりなさいというのも、これは県議会、福井県民一致の要望事項なんです。やはりそういう形がきちっとないところへ持ってきて、すべて県が抱えます、安全協定とかそういう法的な権限は生じたらだめです。そこまで言い切るのなら、やはり避難訓練よりも――避難訓練といったって逃げるところがないですけれども、やはりマニュアルもここまで責任を持つ必要があるのじゃないですか、そう思いませんか。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○緒方政府委員 いろいろ御指摘をいただいて、多年にわたりまして地元で原子炉の安全問題について深くお考えをいただいている山本先生ならではの御指摘なんでございますが、若干議論になりましたので議論をさせていただきますと、原子力の安全の確保というのは、実は検査だけで担保するというのは私は間違っていると思います。検査はもちろん大事ですけれども、人の健康にお例えになりました。定期検査さえ受けていれば人の健康は達成できるのじゃなくて、やはり健康を保持するためにみずからが気をつけ、みずからが健康管理をする、何か体操をするというようなことをやることが必要なのでありまして、検査だけで何か悪いところを見つけるというようなことで原子力の安全を担保するシステムには日本の場合はなっておりません。  これは要するに、多重防護とおっしゃいましたけれども、設計の段階、審査の段階、製造の段階、運転の段階あるいは検査の段階、これらを一貫して安全をどうやって確保するかという思想が流れているわけでございます。多重防護というのはまさにそういう考え方の思想の問題でございまして、それを設計の段階から全部体現しているのが日本の原子力行政になっているわけでございます。  この点が実はソ連のチェルノブイルの原子炉と決定的に違うものでございます。構造が違うとか黒鉛電極炉だから違うとかいう点はもちろん違いますけれども、思想が違います。そういう意味で、悪い子が一人いたら全体をかばうのではなくて、悪い子は悪いと言えという意味ではチェルノブイルの原子炉は悪い原子炉でございます。そういう意味では問題でございます。それで他方、TMIで起こりました原子炉というのは日本と同じような加圧水型の原子炉でありますから、これが起こしました事故というのは日本で非常に深刻な影響を与えました。その結果、非常に多くの教訓を学びまして改善がなされております。その事故の教訓というものは日本の現在の行政に生かされていると私は思っております。  それで、一元的行政と申し上げたのは、原子炉を設置する段階は従来は科学技術庁がやっておったわけですね、五十三年以前は。そして、でき上がった後で運転なりなんなりについての監督は通産省がやるということになっていて、途中で責任が動くことになる、これはまずいということで五十三年の法改正で一元化をしたものでございます。  それから防災、避難の問題についてお触れになりました。これも従来から先生初めいろいろ地元で御議論のある点で、私どもも重々承知をしております。この点はなお今後ともいろいろ議論をし、検討していかなければならない課題と思いますけれども、万一、チェルノブイルのようなことはあり得ないわけでありますけれども、仮に避難を要するような故障が、事故が起こったときにどうするのかという点について、現在は防災対策基本法の体系によって地元の消防団その他の指示に従って避難をする、そういう防災計画をつくっていただいております。これはやはり個別の交通事情なり季節性の問題なりなんなりを一番よく御存じなのは地元の自治体であるからという考え方でできているわけでございますが、国の側でいろいろそれに対してアドバイスをし、協力をし、お手伝いをする必要性は指摘をされておりまして、現にそのようにいろいろ必要な機材の提供、計画の策定に当たってのアドバイス等はやらせていただいているわけでございます。  いずれにしましても、安全性の問題については地元の公共団体と、あわせて国の方でも関係省庁ございますけれども、一致協力をして安全に心がけていきたいというふうに考えておるところでございます。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 今長官がおっしゃったことは二十年間私どもも言い続けてきたのです、そのとおりということで。その結果、昨年の総理府の世論調査で、六五%の人が原発は必要と認めながら、九〇%の人がやはり不安感を訴えているのです。そしてまた今日のような事故が起きて、福井県は風評被害が物すごいのです。だから、やはりそういうことを踏まえてあえてお願いをしているのです。  時間がありませんから、今度は時間をゆっくりとって一時間でも二時間でも一遍やらせていただきたいと思うのですが、そういう中で私が申し上げたいのは、まず地方自治体にこれだけ不信感を与えたわけですから、やはり自治体の専門家、そして電力会社そしてエネ庁ですか、国、そこがやはり議論の場が必要なんですね。その議論の場がないのです、専門官同士の。  福井県の場合、私が県議会のときにもこういう話が出たときに、国に申し込んではおりますけれどもなかなか忙しいと言って取り合ってくれませんという課長の報告があったのですね。そんなのでは不信感ばかりなんです。やはりそういう議論の場を設けるつもりはないですか。これはもう時間がないから、イエスかノーか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 今回の美浜の二号の件につきましては、我々鋭意調査検討をしているわけでございます。その結果につきましては、地元の方々に十分御理解いただくように最大限のいろんな努力をしていきたいと思っております。いろんな議論の場等があるかと思いますので、我々はそれにどんどん出ていろいろお話をさせていただき、御意見も聞きたいと思っております。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 国の方がリーダーシップをとって、忙しい人は国ですから、偉い人の方からきちっとこの日この日と、これはこれからずっとやっていくことですからやはりそういう場所をつくって、地元の意向というものを十分に反映できる形にしておかないと、もうこれからはだれも協力しないということになりますよ。  そしてもう一つ、連絡体制ですが、連絡体制の強化については先日長官も関電側とかに指令したのですが、これは日付はいつごろ、答えはいつごろまでに区切っていただけますかね。というのは、今できます今できますと言って十年も待たされたこともありますから、ことしいっぱい、半年、やはりそこらのめどをきちっと、連絡体制の周辺を含めためどを、期日だけ教えてください。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  今、連絡体制につきましては各社に徹底いたしまして、そういうような美浜二号の件のようなことがないようにという指示はしたわけでございますが、しかし個々具体的にいろいろ各電力との関係、地方自治体との関係もあるわけでございます。そういうことで、具体的なものにつきましては今後鋭意早急に詰めて、皆さんに御理解いただけるようにしていきたいと思っております。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 もう一つ、ちょっともう時間がありませんのではしょって聞きますけれども、一つだけ。  今回の事故の的確な把握と再発防止策のために通産省が設置した事故の調査特別委員会というのがございますね。それに対して県の方から、地元の代表者を参加させてくれ、その人物は知事が指名するなりなんなりしますからきちっとした人を参加させてくれという要望が来ておりますが、これについてはイエスかノーか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  現在、美浜の二号に関しまして調査特別委員会を鋭意やって検討しているわけでございます。これは専門的、技術的な事項について調査をいただいているというわけでございまして、その結果を踏まえて我々通産省が調査報告書対応というのをまとめるわけでございます。そういうことで、そのまとめました結果については、通産省として先ほど申し上げましたように最大限御説明申し上げ、御理解をいただく、そういう方針で進めたいと思っております。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 すなわちノーということですね。  いわゆる原子力発電所の基本政策というのは、まず平和利用があって、そのあと民主、自主、公開の三原則がありますね。地元サイドに言わせると全くそれは守られていない。専門官、専門官というけれども、福井県にも立派な専門官がいっぱいいるわけです。県の職員で。そういったものを絶対に認めないということですね。わかりました。  そしてもう一つ、もう時間がありませんから、最後に大臣に一つお願いを申し上げます。  今回の事故は実害がないのですが、風評被害がすごいです。先日東京から帰るときに敦賀の駅で前に座っていた人が、敦賀の駅にこっちは小浜行き、美浜行きというのがあるのですね。ああ、ここはあの例の事故のところなの、だれも危なくてあんなところへ行けないわねと言っているのですね。大体ある意味では風評被害というのは、結局新聞なんかに各社とも、美浜が事故、そして、昔はキュリーというのを使っていたのですが、最近はべクレルですか、一キュリーは三百七十億べクレル、億単位ですよね。だから、何億のあれが出たというと億単位の量が出たのかと勘違いされるのだけれども、昔の単位を使えば一キュリーなんですね。やはりそういう配慮が全くないわけですが、それはそれとして、魚は売れない、極めて観光イメージは下がる。福井県として年間七億円の観光キャンペーンをして、要するに敦賀の海はきれいですよ、魚はうまいですよとやっているのに、一発の事故で全部すっ飛んじゃったのですよ。  しかも、これだけは認識していただきたいのですが、確かに原子力発電所を誘致したことによっているんな交付税があります。しかし、従来のいわゆる地方交付税をいただいてプラスアルファの原子力関連のあれならいいのですけれども、自治省はそういう財源豊かなところには交付税はやりませんということで削減されてしまって、そんなにありがたいものじゃないのですね。だから、そこらを十分踏まえてこの問題については、ましてや国が一元的にやりますということですから、一元的ならば国の一元的責任のもとでそういう風評被害の――この被害は県独自の施策では取り返しがつきません。時間がかかります。そういう意味で、これからひとつ福井県の振興策について――高規格道路の設置とかいろいろと財源対策についても要望していることがございます。通産大臣として、福井県の振興策に特に力を注ぐ、応援をしてやるというふうにひとつ明言していただけないでしょうか。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 私は、先ほど来山本委員のお話を聞いておりまして、感ずるところが多うございました。  山本委員は、私にとりましても大変になつかしい思いでございますのは、私も出ましたときにはちょうどあなたの御年齢ぐらいのときで、無所属でございました。しかもあなたは県議会の中で幹事長をやられて、そしてその中から生まれてきたわけですから、何となく親近感を感じざるを得ません。それだけに、質問自体にも微に入り細に入り、しかもなおかつ環境問題、公害問題、この原発の問題、福井県全域にわたって一番熱心にやられておるということも私も知悉しております。それだけに、この風評被害に対する考え方は、実害は現在ないといたしましても、そういうものにおいての大きな、グローバルな見地からいけばこれは実害にも近いものになりますよと警告を発せられる気持ちもわかります。  そこで、風評被害そのものは、原子力発電所に何らかの異常現象が生じた場合、当該異常現象と直接な因果関係がないにもかかわりませず、その事象に対する誤った情報やあるいは知識というのに基づきまして、生産物の市場価格の低下あるいは出荷停止などを通じまして生産者に経済的な損失を与えていることは事実です。したがいまして、通産省としましては、こういった風評被害というものの発生を未然に防止する策は何か、こうお尋ねもございました。先ほど、事象ではなくて事故だと思う、こう言っておりましたが、全くそういう意味におきましては、今の全体の流れのお言葉を全部我々も受けつけまして、そして十分にひとつ原子力発電に対する正しい知識を普及するという点においては委員も一致でございますから、これを正しい方向でもって位置づけるためにも広報活動を積極的に展開する必要がある、そう私どもは認識いたしますので、全力を挙げて、委員のそういういろいろの質疑応答等十分参考にさせていただきながら、私も通産省全域にわたって下命するつもりでございます。ありがとうございました。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 ぜひとも全般的にわたって応援していただきたい。  最後に一つだけ。この県議会の要望事項で、十三、十四日に知事、県議会議長、県議会自民党会長などが陳情に上がるのですが、通産大臣にコンタクトをとったら通産大臣は忙しいからだめだと断られたらしいのですね。(中尾国務大臣「ちょうど湾岸のころじゃないですか」と呼ぶ)そうですね。だから、別に時間はかかりませんからぜひとも受けつけていただきたい。それがやはり誠心誠意な態度じゃないかなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢主査 これにて、山本拓君の質疑は終了いたしました。 次に堀込征雄君。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込分科員 それでは私は、中小企業対策、とりわけ通産行政の中の同和対策事業について質問させていただきます。  現行の地対財特法の期限切れが来年三月三十一日に迫っているわけであります。総務庁を中心にしながら、地域改善対策協議会、地対協も一年半ぶりに再開をされてきた。法期限後の対応についてそれぞれ検討されているわけであります。  通産省が担当されてきましたこの同和行政につきましては、被差別部落の産業の育成、発展などの面が中心になされてきたわけでありますけれども、こうした今までの同和対策事業の施策が十分に効果を上げてきたかどうか、成果を上げてきたかどうかという点について、まず通産省の認識をお示しいただきたいわけであります。  例えば一九八五年に総務庁が地域啓発等実態把握調査を実施された。中小企業庁も独自に補足調査をされているわけでありますけれども、これによりますと、被差別部落においてはまだまだ全産業にわたって零細性、つまり零細である、あるいは生産性においても低い、あるいは後継者問題や高齢化問題など、さまざまな問題を抱えていることが明らかになっているわけであります。つまり、これまでの事業が一定の成果を上げてきているのは確かでありましょうけれども、まだまだ多くの課題をこの同和地区においては抱えている、こういうふうに認識をいたしますが、まず通産当局の認識について御説明をいただきたいと思います。

西川禎一中小企業庁次長

○西川政府委員 対象地域の産業の実態でございますが、中小零細企業がほとんどを占めている、したがって経営基盤も脆弱であるということは、ただいま委員御指摘のとおりでございます。  私どもこの二十年近くにわたりまして、産業の振興を通じて対象地域の経済力の涵養を図るということで、いろいろな対策をとってまいりました。例えば経営の合理化でありますとか、設備の近代化でありますとか技術の向上、こういったことを対象地域の中小企業の実態に即しつついろいろな形で実施してきたわけでございます。予算的に申し上げましても、平成三年度の予算案を含めまして約三千億強の予算を投じておりまして、いろいろな施策を実施してきたということでございます。  その結果どうなのだという御質問でございます。私どもは、毎年の予算実施に当たりまして、その実施に関しましていろいろ主体となってやっていただいております各府県あるいは市町村からその実情をいろいろヒアリングさせていただいたり、あるいは私どもが直接現地視察などを行いまして実態を十分把握しつつ予算を実行する、また必要あらば予算内容も適宜時代に合ったものに見直しを図るというような形で対応してきたわけでございます。  御指摘のように、まだまだその零細性とか生産性の低水準とかそういった問題は残されている点はあろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、これまでのそういった政策実行によりまして、一般産業との間の格差の改善という点では一定の寄与をしてきたと考えているわけでございます。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込分科員 今認識が示されました。確かにそういうことで三千億円強の投資、それから実態把握をされながらいろいろな努力をされてきたという点は私ども認めるわけであります。しかし、今までの事業は、設備近代化資金等の貸し付け等によって企業の共同化だとか協業化だとか、通産行政としてはそういうところにつまり重点を置かれてきたというふうに思うのですね。そういう点では一定の成果を上げた。しかし、近年非常に厳しい企業競争だとか、あるいは経済環境の変化が著しいわけであります。そういう意味では、これからの企業はより高い経営のノーハウだとか技術力だとか、そういう面により重点が移されていかないと、本当の意味でこの同和地区の企業が立派なものになっていかない、こういうことがあるんではないか。つまり、より合理的な、能率的な企業経営の実現をせしめていくということが求められているのではないか、こんなふうに考えます。  いずれにしても、これからまだ消費構造などがどんどん変わる、あるいは規制緩和などが行われて競争が激しくなる、あるいは情報化だとか技術革新だとか世間の流れが非常に加速をしていく、こういうものにせっかくここまでやってきた同和地区の企業がついていけるかどうかという点を私は大変心配をするわけであります。そういう意味で、これから、今まで通産行政として努力をされてこられたこの貸し付け等による企業対策からさらに一歩踏み込んで、もう少し中身に踏み込んだ経営の改善だとか技術革新だとか、少し微に入り細に入りの対策が必要なのではないか、あるいはソフト面を重視した対策が必要なのではないか、こう考えますが、いかがでしょうか。

西川禎一中小企業庁次長

○西川政府委員 御指摘のように、経済の伸展に伴いましてソフト面の政策が重要だということはだれしも認めるところでございまして、私どもも、中小企業政策全般を遂行するに当たりましてもそちらの方に近年非常に力を入れているわけでございます。対象地区の中小企業政策におきましても、ソフト面の重要性ということは全く同様でございます。  私どもこれまでやってきました事業の中でソフト面の政策にかかわりが深いものがございますので、これを御説明させていただきますと、一つには、府県の商工会連合会あるいは商工会議所に地域改善対策担当経営指導員が配置されております。この指導員の方々が、対象地域の小規模事業者の経営改善を図るために、例えば金融でありますとか、あるいは税務でありますとか経理でありますとか経営、労働、そういったことに関連いたしまして大変きめ細かな指導を現在行わさせていただいていると考えております。  それからもう一つは、都道府県の方に委託をいたしました事業として、巡回相談事業というのがございます。これはやはり対象地域の中小企業者の経営合理化、技術向上を図るために巡回しながら事業を行うというものでございまして、これにつきましても地区数の増加という措置を近年鋭意やらさしていただきまして、例えば平成三年度の予算案で御審議いただいておりますのは二百十地区ということで、昨年度の百八十四地区より大分ふやさせていただいております。  それからもう一つ内容的に申しますと、御指摘がございました後継者の育成研修事業というようなことが大変重要な課題となっておりますので、これは平成二年度に新たに事業内容に追加させていただいておりますし、平成三年度におきましてもこれを件数を増加するという案を提出させていただいておるわけでございます。  それから、ソフト面にさらに関連することと申しましては、中小企業製品の需要開拓を促進するということで、新商品あるいは新デザインの開発、あるいはその試作、また展示会の開催、あるいはそのPRのためのいろいろな広報、これは駅のポスターだとかテレビのスポット放送等、こういったものの予算をだんだんふやしてきておりまして、私どもとしましてもそのソフト面での政策について充実を図ってきたというふうに考えておりまして、これらがよき成果を上げるように期待いたしておるわけでございます。  また、今後ともソフト面の政策に関しまして一層工夫できないか、いろいろと努力、検討してまいりたいと考えております。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込分科員 もう一つ、同対審答申が出されて全国的にいろいろな事業をやられてきたわけでありますが、約一千地区に上ると言われています事業の未実施地区があるわけですね。私も群馬県で一カ所見せていただいたことがありますけれども、当時のままの姿で非常に悲惨な状態をとどめているところがあるわけであります。これは有名な新潟地裁の例の神林村訴訟における判決でも、そういう未指定地区であってもやはり生活環境の安定向上を阻害されている地域には同和対策事業を実施する必要がある、こういう判決が下されているわけですね。ですから、そういう面でこれらの地域の対策がよりきめ細かに行われる必要がある。例えば、そういう未実施地区だけではなしに、地区指定をされている地域でもまだ環境改善事業が大変おくれているというところも全国的にはあるわけであります。  こうした実態は、特に地方公共団体の消極的な姿勢というものがもたらしているわけでありますけれども、いずれにしても大変劣悪な状態に置かれている同和地区というものが全国に一千カ所にも及んでいる、こういう実態があるわけであります。こういう地域に対する対策、これは同対審答申でも特別な配慮をもって実態把握して行う必要があるんだ、こういう趣旨からいってもやはり強化をされるべきだ、何とか対策が立てられるべきだ、こういうふうに考えますが、いかがでしょうか。

西川禎一中小企業庁次長

○西川政府委員 現在の地対財特法のスキームから申し上げますと、これは特別対策から一般対策への円滑な移行を図るための時限的立法措置ということになっておりまして、旧地対法で残されました事業を円滑かつ迅速に実施するための財政上の特別措置を定めた法律ということになっております。したがいまして、その事業が実施できる地域は、旧地対法の失効までに対象地域として事業が実施された地域ということに相なっているわけでございます。これは現在の法律の考え方を申し上げたわけでございます。  それで、私ども通産省といたしましては、これとは別に、と申し上げて適当かどうかわかりませんけれども、中小企業施策を中心に産業施策振興の観点から、いろいろな政策、手段、あるいはツール、あるいは予算措置を持っているわけでございます。仮に御指摘のようなところにおいて何か事業を行う必要があるんだというようなケースがございましたら、その実情一件一件に当たりまして、いわば一般施策といいましょうか、そういったことを最大限に活用いたしまして対応していくという考えでおるわけでございます。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込分科員 そういうことで今特に未指定地区の問題は認識が示されたわけでありますけれども、そういう実態が全国に現にある、しかもその判決も出ているという中では、やはりこの同対審答申の趣旨からいってもきちっとした対策が講じられていかなければならない、私はこういうふうに思いますし、何らかの具体的な施策を実施していかなければならないというふうに思うのです。これは通産省でありますが、特に各省にわたる問題でありますから、新しい法律の中でこういうものが消化されていかなければならないというふうに考えます。  いずれにしても、あと一年間の法律の中で残事業もでき得ない、あるいは残事業だけではなしに、全国に一千地区も未実施の地区がある、こういう問題を抱えているわけでありますから、全体として同和対策事業をどうすべきか、そういう地域の問題をどうすべきかということをこれからもっともっと掘り下げて、これは通産省だけではなしに全体的に議論をし、政府の責任としてやっていく、こういう姿勢をつくっていただきたい、こんなふうに思います。  少し角度を変えます。  そこで、部落産業としては例えば皮革産業だとか食肉産業、代表的な産業の一つでありますけれども、これらも非常に零細である。牛肉の自由化なんかも控えて大変な状況が一つある。あるいは部落産業の中で非常に多くの専従者を抱えている土木建設業、これらも業界ランキングとしては一番下の方にランクされている、こういう実態があります。しかも、最近は中小大手建設業界が非常に地方へ進出しておって、非常な締めつけもあってなかなか経営が大変になっているわけです。そのほか履物だとか繊維産業、いろいろな産業が多かれ少なかれ同じような事情を持っているわけであります。  そういう意味で、部落産業特有のそうした零細企業についてはこれからも特別な施策が実施されなければならない。この辺の実態把握とこれからの展望について、お持ちでありましたら聞かせてください。

西川禎一中小企業庁次長

○西川政府委員 ただいま幾つかの業種を挙げて御指摘になったわけでございまして、確かに大変規模の小さい、零細なものが多い産業でございます。先ほど冒頭に御説明申し上げましたようなことで、経営改善普及事業あるいは需要開拓事業あるいは高度化事業等の推進を通じましてそれらの事業の改善に取り組んできたわけでございます。その結果は格差というようなものは相当程度改善されてきたと思っているわけでございますけれども、一方、例えばウルグアイ・ラウンドにおきます関税引き下げ交渉とか食肉の輸入自由化といったようないわば諸情勢がございまして、大変厳しい状況に対象地区の産業が置かれているという面もあるというふうに私どもは認識をいたしているわけでございます。  今後どういうふうに進めていくかという御質問がございましたけれども、私どもといたしましては、こうした地域産業の実態を十分踏まえながら、さらに一層地域産業の振興に取り組んでまいるという考え方を申し上げさせていただきたいと思うわけでございます。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込分科員 そこで私は、今通産省の認識を示されてきましたが、きょう主として同和対策事業の質問をしているわけであります。私は、この問題はこれからの日本の政治のあり方にかかわる問題だというふうに思うわけであります。つまり日本の経済、これは海部総理も何度も今度の国会で演説をしていますけれども、自由競争あるいは市場経済を基本とした経済構造が日本を今日まで発展せしめてきた、その自由競争の活力を基本にしながら日本経済の発展があった、こう言われてます。確かに競争の原理によって活力が生まれ、日本経済が発展をしてきたわけであります。この重要な部分を担ってきたのが通産行政でございまして、そういう意味では私は、日本の経済をここまで、世界一のレベルまで発展せしめた通産省の力あるいはその指導力に敬意を表するわけであります。  しかし、自由競争の経済というのは必ずその競争に敗れる者があるわけでありまして、今日、ある程度価格競争に敗れた企業もほかのどこかで競争に勝ったりして、全体として企業の活力が続いてきているわけであります。しかし、その競争の一番下の方で非常に圧迫を受けているそういう国民の生活だとか、非常に下の方の弱者というものがやはり社会には存在するし、そういう零細企業も社会の中には存在する、こういうふうに思うのです。  私は、部落産業の多くはそういう実態の中にあるんではないか、こういうふうに思うので、今までの通産行政は確かに競争条件を整備することによって非常に大きな力を発揮してきた、しかし、本当にそういう弱い者に光を当てるというか一隅を照らすというか、そういう通産行政もこれから必要なんではないか。もちろん今までやってこられたというふうにおっしゃるかもしれませんが、日本の産業全体をコントロールしていく通産省として、一方でそういう弱者といいますかそういう対策をどう進めていくかという点で、通産行政の今後の理念としてお持ちでありましたらお聞かせをいただきたいと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 政治の絡む大きなポイントでございますから、特に私から答弁させていただきたいと思います。  私は堀込委員に全く同感でございます。特に同和問題というのは、これは憲法に保障されました基本的人権にかかわる重要な問題でございますから、そのような認識で私は進めておるわけでございますけれども、日本の経済、戦後四十五年を振り返ってみましても、確かに御指摘を賜りましたように、活力と、敗戦の灰じんの中から本当に立ち上がっていく皆さん方の御努力、汗、涙、血というようなものの結集力によってできたことは間違いありますまい。しかし、それと同時に、委員のお言葉をかりて言うならば、そこに光の当たらない、そういう存在もあるということも忘れてはならぬ、これは私も確かにそう思います。  すなわち、政治というものは、力のある者とかお金のある者とかというのは何も政治の力をかりなくとも生きていけるのです。しかし、本当に政治の力、愛情を必要とするのは、未組織の農民であるとかあるいは未組織の労働者であるとか、あるいは先ほど一隅を照らすという言葉がございましたが、照らし得ない、そういう角度の中で燃えている方々、こういう方々こそ政治の愛情を必要とするわけでございまして、その点においては全く同感の至りでございますので、私もそのように全力を挙げて、そういう中で通産省の指揮に当たっていきたいと考えております。どうもありがとうございました。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込分科員 大臣から大変力強い答弁をいただいて意を強くしているわけです。  そこで、もう一点だけ。  今まで通産省として、四十年の例の同対審の答申に基づいていろいろな施策を講じられてまいりました。特に四十一年から、先ほど答弁ありましたように経営指導員だとかそういうものを置きながら、高度化事業だとか経営改善の普及事業だとか産業振興調査事業だとか、いろいろな事業を進められてきたわけでありますね。これは私も敬意を表するわけであります。それで、今まで指導事業をやられた、あるいは市場開拓の事業もやられた、海外調査事業もやられた、非常に意欲的な事業をやられてきたことは私もそのとおりだというふうに思うのです。ところが、こういう事業、各県によって非常にぱらつきが一つはございますね。例えば経営指導員なんかも、多い県は三十名以上いるとか、少ない県はもう全然いなかったり一名だけだったり、そういうばらつきが一つはあります。そういう問題が一つある。  それから、今までの事業は非常に成果を上げてきたのですけれども、地区の貧困克服といいますか、そういうところに焦点が当てられてきた。貧困の克服から、私は、同和対策事業はやはり地区の住民の生活水準の向上だとか文化水準の向上だとか、そういう面にこれから意を注いでいかなければならない段階に来ているのではないか、こういうふうに思うわけです。そのほかにもいろいろな課題が存在するわけでありますけれども、私はそういう事情を踏まえて、相当新しい角度からこれから同和行政というものは進められる必要があるのではないか。  特に私が一番大事だと思うのは、先ほどの質問で答弁ございましたが、やはり人の確保をどうしていくのか、リーダーをどういうふうに育成していくのか、こういう問題にやはり尽きていくのではないか、こういうふうに思うのです。その意味で、これから特に、さっきも経営指導員をふやしていくとか後継者対策に意を注いでいくという答弁ございましたけれども、もう少し踏み込んで、この同和行政に対する地区のリーダーあるいは後継者、そういうマンパワーの問題で具体的な対策ございましたら、お聞かせをいただきたいと思います。

西川禎一中小企業庁次長

○西川政府委員 人材の重要性について御指摘があったわけでございますが、私どもも全く同感でございまして、これまでも対象地域におきまして中小企業の経営そのものを担う経営者、それからこういった経営者を指導する立場の指導員、この両面の人材育成ということについて、これを重要なテーマと考え意を注いできたわけでございます。  具体的な例で申し上げますと、先ほど巡回指導ということを申し上げましたけれども、それは地域の実態に即した経営や技術に関するノーハウをつけるということでございまして、これはある程度、地区におきまして長期にわたりまして具体的な指導をするということで、これまでも皮なめしとか鉄くず回収業とか、こういった分野におきまして一定の事業を行わせてきていただいております。  それから対象地域の次代を担う後継者ということにつきましては、先ほどお答えしたとおりでございまして、今年度制度を創設し、来年度その増加をお願いしているところでございますけれども、今後とも一層充実をしてまいりたいというふうに考えております。  それからもう一つは、経営指導員の資質向上を図るという観点から、地域改善対策担当経営指導員連絡会議というものを開催いたしまして、種々の事業を行い人材の育成に努めているわけでございまして、経営指導員のばらつきというようなことの御指摘ございましたけれども、そういった会議を通じまして個々の指導員に対する教育等を十分行ってまいりたいというふうに考えます。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込分科員 時間が来ましたので、最後の質問をさせていただきます。  今まで質問してまいりましたけれども、非常に同和行政進めてこられた、しかしまだまだ残事業もある。特にこの未指定地区などという大きな困難な問題がまだ残っている。こうした実情を踏まえると、現行法の期限切れになる三月三十一日以降も何らかの対応が必要だということは全体の認識として私は一致できるというふうに思うのです。  それで、いろいろな認識の仕方はあろうかと思います。私、実は大臣の隣の長野県でございますけれども、最近非常にまた差別事件が頻繁に起こっているという実情がございます。JRの駅に落書きをしたり、あるいは最近多いのは学校現場でいろいろな差別事件が起こっていまして、非常に心を痛めて、長野県の教育委員会なども含めて挙げて今対策をやっているところでございますけれども、そういう差別事件も従来よりも何か最近ふえているというような実情がございます。どうしても根絶をしていかなければならないわけであります。このほかにもまだ就職をめぐってだとか、結婚をめぐってだとか、たくさんの差別事象があるわけでございます。そういう実情の中で、同対審答申の具体的な実行がこれからも図られていかなければならない、こういうふうに思うのです。  私は、地対財特法の期限切れが一年後、こういう状況でございますけれども、今申し上げましたようにすばらしい経済社会を日本は実現した、これから国際社会でそれにふさわしい貢献をしていかなければならない、こう思うときに、どうしても日本が人権社会として世界に誇れる社会を一方で国内的に積み上げていかなければならない、こういうふうに思うのです。そういう意味からしても私は今、例えば長野県でいいますと、来年以降の法について、県会も、百二十二市町村長野県にございますけれども全部の市町村で、実は新しい法律を、特に人権を基本にした部落解放の基本的な法律をつくるべきだというような決議もしているわけでありまして、国民的な世論も盛り上がっているわけであります。ぜひ新法をそういう意味でつくっていくべきだ、そして人権尊重の社会をつくっていくべきだ、こういうふうに考えますが、いかがでしょうか。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 私は、長野県御出身の堀込委員に同じ言葉を返すようでございますが、全く同感の思いでございます。人間というものは、個々別々にこの社会構造の中に生きていて、紆余曲折もございましょう、あるいはまた男の場合は特に艱難辛苦に耐えなければならぬ場合もございましょう、山あり川あり谷あり、あらゆる人生航路もありましょう。そういう中にあって、ただ人間としてどうしても生き得ないのは自分自身が差別待遇を受ける、そういう中にあって恥の中に生きるということはなかなかできるものではありません。私はそういう信念においても変わりは全くございません。そういう点においては私自身はただいま、人間尊重の精神と申しましょうか、差別のない心と言いましょうか、それこそが基本的に政治の理念でなければならない、私は絶えずそう思っております。  そういう観点から、最終の特別法でございます現行の地対財特法が失効する平成四年四月でございますか、以降の問題でございますが、委員が御指摘のとおり、一般対策への円滑な移行につきましての問題が今審議されておりますが、その意見も踏まえ検討し、前向きにこの問題は考えていこう、このように決意をしている次第でございます。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込分科員 終わります。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢主査 これにて堀込征雄君の質疑は終了いたしました。  次に、春田重昭君。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 私は、本日は公害問題と学習塾の問題、この二点についてお尋ねをいたします。限られた時間でございますから、ひとつ答弁者は簡潔に御答弁いただきたい、こう思います。  最初に公害問題ですが、産業活動でばい煙とか汚水排水、騒音、振動、粉じん等一定の公害の発生施設を有する特定工場は、その規模によりまして公害防止の統轄者、公害防止の主任管理者、公害防止の管理者の選任を法律で義務づけている。ところが近畿管区行政監察局が立入検査して調査した結果によりますと、かなりの工場で選任すべきところの特定工場が選任していない。いわゆる法律違反の工場が挙げられました。そこでまず、全国で特定工場等に対する公害防止管理者がいまだ設置されていない工場数がどれくらいあるのか、またその中に大阪府はどれくらいあるのか、この実態をお述べいただきたい。

合田宏四郎通商産業省大臣官房審議官

○合田政府委員 先生お尋ねの公害防止管理者の選任状況の数字でございますが、平成元年度末時点におきます公害防止管理者等を設置すべきいわゆる特定工場は全国で二万四百二十二工場でございまして、そのうち公害防止管理者を選任している特定工場が一万五千八百六工場でございまして、その割合は七七%でございます。  それからもう一点お尋ねの近畿通産局管内での状況でございますが、同じく平成元年度末で特定工場の数が三千四十四、それから選任されております工場の数が二千三百四でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 平成元年度、近畿管内が三千四十四に対して二千三百四、大阪府はその中で千三百六十四で八百九十二、こうなっております。大阪府だけを取り出して前回六十三年と比較して選任者数がどれくらい伸びておりますか。

合田宏四郎通商産業省大臣官房審議官

○合田政府委員 選任者の数の状況でございますが、前年度末、六十三年度末で八百二十一でございましたものが元年度末には八百九十二というふうに増加をいたしております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 三年間でわずか七十工場しか伸びていない。全体でも選任数は六五・四%ということで、大阪の中ではまだ未選任が三五%ある、こういう実態です。こういう選任していない工場に対しては通産省としてはそれなりの御指導をなさっていると思うのですが、いまだこうして三五%未選任の工場があるというその理由ですね。どういう理由なのか、どんな指導をしているのか、お答えいただきたい。

合田宏四郎通商産業省大臣官房審議官

○合田政府委員 いわゆる未選任工場の場合は中小規模であることが多く、一つには環境保護、あるいは公害に対する認識が十分ではないとか、事業経営上従業員に資格を取らせるだけの余裕がないとか、その他いろいろ挙げられますが、そういうことがその理由になっておるのではないかというふうに考えております。  それに対する対応策でございますけれども、一つは、未選任の工場に対しまして公害防止管理者を選任するよう都道府県を通じて指導を強化することが必要であると考えておりまして、通産省といたしましては従来から都道府県を通じて未選任工場に対する指導の強化を図ってきたところでございます。  それからもう一つは、先ほど申し上げましたように未選任工場としては非常に中小企業が多いわけでございますので、それに対する対応策として、一つは中小企業が公害防止管理者を容易に確保できますように、主として中小企業を念頭に置きまして三日間程度の講習で国家試験と同等の資格が得られる、我々の言葉でいいますと資格認定講習といっておりますけれども、こういうような講習を年に三十回程度各地で実施をいたしておりまして、平成二年度の場合、大阪府でも五回実施をいたしておるところでございます。  それからもう一つの対応策といたしまして、法律によりますと、公害防止管理者は原則として工場ごとに常駐させるということが義務づけられておるところでございますが、中小企業につきましては、事業協同組合とか商工組合等の組合が組合員企業共通の公害防止管理者を設置して業務を行わせる場合には一人当たり十工場まで兼任してよろしい、言うなれば例外的な措置を認めまして中小企業に対する配慮を行っているところでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 今答弁がございましたように、やはり問題は中小零細企業だと思うのですね。御答弁があったように、それなりに今通産省はいろいろ対応をなさっているわけでございますが、数字的には余り伸びてない。これは中小零細企業がそれだけ雇うだけの力がないし、また現社員を講習に、また試験に参加させるだけの余裕がない、こういった面があろうかと思うのです。そういったことでたまたま選任することが不可能な特定工場については協同組合方式をとりまして、公害防止管理者の共同選任が認められているわけでございます。こうした組合の設立というのはこれから非常に大事になってくると思いますし、設立されたその組合に加入させることが非常に大事になってくると思うわけでございます。通産省としてはやっていると思うのですが、結果としては数字的には伸びてない。こういった面で私は、国の財政的な助成をして、そういった組合に入りやすい助成をやっていくべきじゃないか、こう思っているわけでございます。それぞれ今日まで、試験に参加しやすいような要件の緩和とか受験料の軽減とか、資格を取った人に対しては会社で優遇するような指導を徹底されておりますが、必ずしも数字として伸びてないという点から考えて、国としてももっと手厚い保護というか、助成をやはり考えていくべきではないかと思うのですが、どうでしょうか。

合田宏四郎通商産業省大臣官房審議官

○合田政府委員 公害防止への努力は、ばい煙だとか汚水等を発生させる事業者がその責任において行うというのが原則でございまして、大気汚染防止法等各種の規制法もこの原則に基づいて施行をされておるところでございます。公害防止管理者制度についても、このように事業者の責任において行うというのが原則でございまして、公害防止管理者の設置自体についても一般的にはそういう意味合いから助成を行うことはなかなか困難でございます。  しかしながら、政府といたしましては、こういう原則によりつつも中小企業の立場に十分配慮をいたしまして、中小企業を念頭に置いて、先ほど申し上げました資格認定講習の実施でございますとか、あるいは中小企業の組合員企業のための共同設置等の例外的措置を講じているところでございます。今後とも財政事情の許す限り、このような措置の実施なり公害防止管理制度に対する情報の周知徹底について最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 協同組合を例外的にお認めになっているわけですが、さらに一歩踏み込んだ国の助成を私は求める、こう主張しておきます。  さらに、資格を取る制度に国家試験と講習制度がございますが、国家試験の合格率を見れば二一・二%、講習会参加者は九二・七%ということで非常に高いのです。この講習会の場合は三日間参加しなければならない。こういう点で、やはり中小零細にとっては三日間休まれると痛いという点もあろうと思うのですね。そういった面で、三日を二日ぐらいに短縮して濃密なスケジュールのもとでやっていくことはできないか、また、現在年一回しか行われていないこの試験制度、講習会制度を年二回ぐらいに広げることはできないか、それによって資格者をふやしていく、こういったことも考える必要があるのではないかと思うのですが、この点どうでしょうか。

合田宏四郎通商産業省大臣官房審議官

○合田政府委員 資格認定講習の受講資格の要件の問題でございますけれども、これは政令で技術士等の技術資格を有することとか、あるいは一定以上の実務経験及び学歴を有することが求められておりまして、ほかの資格要件と比較いたしましても特に厳しいという状況ではございませんし、かつ、この認定講習を受けますと国家試験と同等の資格が与えられるということから要件緩和は通当でないというふうに考えております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 こうしたかなり例外措置で協同組合を設けたり、講習制度も設けて資格者をふやす、そういった努力を通産省はなさっております。しかし、責任者が誕生しても、その管理者がいながら非常に形式的であるという問題も提起されております。  例えば、この公害の測定器を設置しながら正確に測定しないというのですね。これは、直接私は現場の方から意見を聞いたのですが、水濁法ではシアンとか六価クロム等、こういった有害物があれば、基準をオーバーすれば、これは当然報告しなければならないのだけれども、少しの基準オーバーであればちょっとごまかしたり、また調査員が本日は濁っておるな、また次にしていこうかという形で、いわゆる特定工場と調査官がなれ合いになっている。こういったことも現場の声として上がっているわけでございまして、非常になれ合い、甘いのじゃないか、こういうことが指摘をされております。また、水質や騒音の改善指導を受けながら十分な措置をしなかった等のことも上がっているのですね。こういった実態を通産省は御存じですか。

合田宏四郎通商産業省大臣官房審議官

○合田政府委員 今具体的にどういうケースを念頭に置かれて先生が御指摘になったのか、ちょっと私も個別ケースについてはつまびらかにしておりませんけれども、いずれにしましても、大気汚染防止法とか水質汚濁防止法、その他いろいろ公害規制立法がございますけれども、それは企業がこれを遵守するように我々としても厳正にその執行が行われるように心がけてきたところでございますし、今後ともそういう方向で企業を指導してまいりたいというふうに考えております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 企業の指導は通産省は文書でやっているのですね。実態調査は地方自治体に任せる、こういうことになっているのですが、やはり通産省当局としても抜き打ち的に実態調査をすることも必要ではないかと思うのですよ。そういった点で、全部が全部じゃないのですけれども、そういったなれ合いというか非常に甘い面が現場の声として、また行政監察局の結果としても上がっているわけですから、公害というのは、今地球的な規模の公害問題が戦争問題でも大きく取り上げられているわけでございますが、国内においても私たちの生活の身の回りのこういった小さな公害というものもやはり大事にしていかなくてはならない、その公害を未然に防止していくというのが非常に大事になってくるわけですから、そういった面でこの制度があるわけですから、この制度の充実を、通産当局としては机上でやるのじゃなくして、また地方自治体に任すのじゃなくして、要するに通産当局として一歩前へ踏み込んでより強化していただきたいと私は思っておるわけでございまして、最後に大臣の御決意をいただいてこの問題を終わりたいと思っております。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 先に政府委員に答弁させます。

合田宏四郎通商産業省大臣官房審議官

○合田政府委員 公害のいろいろな法律がございますけれども、それに関する施行状況につきましては、従来から通産局あるいは県を通じて調査していたところでございますけれども、今後とも先生御指摘のように、より実態を本省においても把握するように心がけてまいりたいというふうに考えております。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 ベテランでいらっしゃいます春田委員にお答えするのもどうかと思いますが、これは先ほど来言っております中小企業問題のみならず大企業も含めてそうでございますが、公害問題というのは一にかかって今日の、戦後四十五年間の大きな発展の陰にはこの公害がつきもののように、発展と同時にこれがまた横たわっておるというような状況で、この問題を無視して発展はまたあり得ない。また公害を無視して発展もあり得ないということになるでしょう。そういう意味においては、私は、この公害の問題は今からの二十一世紀に向かってはますます大きな課題とされていくと言っても過言ではないと思っております。それだけに、本当にこの問題では真摯な前向きな態度で解決するという心があるのかないのかの問題になると思います。  そういう点におきましては、心してこの問題には当たっていこうというのが私の決意でございますし、春田委員のお言葉を十分に参考にさせていただきたいと思っております。ありがとうございました。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 政治は結果をとらえるわけでありまして、通産省なりには頑張っていると言うのですけれども、実態的には六五%しかまだされていないわけですから、そういった面で、法律がそういった形できちっと公害管理の責任者を持ちなさいとなっているわけです。罰則もあるわけですよ。それが現実には一向に進んでいない。この実態をよく厳しく見詰めて、より法律の施行が遵守されるように頑張っていただきたいと思っております。  それでは学習塾の問題についてお尋ねしたいと思います。  学習塾は全国で五万、一説によると十万とも言われておりますし、それに通う児童生徒数は小学校で一六%、中学校で四五%、人数にして四百五十万人と言われている。学習塾も内容によりまして進学塾や補習塾、規模によって法人や個人、大小さまざま多岐にわたっている。ところが、現状は学習塾のいわゆる実態について必ずしも正確に把握されていない。私は学習塾を頭から否定するわけではない。学力の向上とか、また学校教育でやることができない体験交流等非常に大きなプラスがあると思うのですが、その反面、金銭的な問題、また授業時間等の問題、さまざまな問題が学習塾で起こっている。これは見逃すことができない。通産省としてはサービス業としてこの学習塾を扱っておりますが、深くはタッチしていないのが現状ではないかと思います。  一方、学校教育との関係で、私は文部省は当然把握すべきだと思うのですが、現在のところは全くタッチしていない。したがって、学習塾でいろいろ問題が起こる、その問題に対しては国民生活センター、また通産省の消費者相談室等で細々とやっている程度でありまして、この学習塾がこのままでいいのか、放任されていいのかということを憂慮しているわけです。  そこで、きょうは文部省の方もお見えになっておりますので、この学習塾に対する通産、そして文部省の見解といいますか、取り扱いといいますか、それについてどう思っているのか、ひとつ簡潔にお答えいただきたいと思います。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 学習塾につきましては、ただいま議員御指摘のように、数も多うございますし、またそれに通っております生徒の数も大変多くなっておりまして、教育あるいは子供たちに与える影響その他を考えて、私どもとしてこの存在について大変重要なものであると考えておるわけでございます。通産省におきましては、これは先ほど御指摘のように、サービス産業の一つということについて、所管しております業の経営基盤の強化あるいは間々起こります消費者トラブルの防止ということを通じましてその事業の健全化を図りたい、かように考えております。その点につきましては、学校教育の一部を補う側面もございますので、教育のサイドからされる文部省と密接に連携をとりながら、産業的な発展の側面という点につきまして通産省が担当し、教育的側面について文部省が所管される、こういう点から私どもといたしましてはいろいろな施策を通じてこの業の発展が健全に行われるよう今後も対処してまいりたい、かように考えておるわけでございます。

竹井宏文部省生涯学習局生涯学習振興課長

○竹井説明員 学習塾につきましては、私どもはこれは従来から私教育と申しますか、私ごとの分野の教育というとらえ方をいたしてまいったわけでございます。したがいまして、学習塾に子供をやるかどうかということは基本的に保護者の判断だ、こういう基本的なスタンスで仕事をしてまいったわけでございます。しかしながら、ただいま先生から御指摘ございましたように、学習塾に通うということのメリットばかりではなくて、極めて問題点も多い。中には子供の健全な教育、育成という面で全く好ましくない、悪影響もあるというような弊害の問題も指摘されているところでございます。  そこで、二年前でございますが、文部省で通塾につきまして、どのくらいの子供が塾に通っているかという実態調査を踏まえまして、塾に対して教育がどのように対応していくべきかという検討をいたしまして、その上に立ちまして、都道府県の教育委員会あるいは知事に対しまして一定の指導をいたしました。その指導の基本につきましては、例えば受験、いわゆる受験競争の過熱化と言われておりますようなことに一層適切に対処すること、あるいは通塾に伴う弊害を是正するために、保護者に子供の通塾しております塾の実態などについて十分把握をさせ、必要に応じて啓発をしていくこと、あるいは学校の教師あるいは学校当局においても塾の実態、あるいは通塾の実態というものについて十分把握をし、必要に応じて学習塾に対して自粛を求めるというような事柄についても行うべきであるということを指導してまいってきたところでございます。  そういうことで今日まで対応してきておりますが、私どもといたしましてもう一つ考えておりますのは、学習塾で構成いたします団体等におきまして自発的なルールをつくっていただいて、そして自発的な自粛ということをやっていただけないものかという観点で目下いろいろと検討しているところでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 時間がないから、ちょっと簡潔に答弁してください。  公益法人があるのですが、通産省では既に社団法人全国学習塾協会というのを一九八八年十月に認めております。約二千団体が入っているというふうに聞いておりますが、当然文部省の公益法人にあってしかるべきだと思うのですが、現在はない。現在文部省は、民間教育振興協会という任意団体でございますが、ここから公益法人に認めてくれないかという形で申請されているやに聞いているわけでございますが、この辺の検討はされているのですか。そしてその見通し。ひとつ簡潔にお答えいただきたいと思います。

竹井宏文部省生涯学習局生涯学習振興課長

○竹井説明員 ただいま御指摘のありました民間教育振興協会、目下任意団体としてさまざまな活動をいたしております。この団体から平成二年四月の二十一日に社団法人の設立申請が出されております。目下この審査中であるということでございますが、団体のサイドにおきましても今御指摘のありましたような大きな問題を抱えているということで、それに適切に対応できるかどうかという観点から、なおいろいろと検討いたしております。これらの問題が煮詰まりましたならば私どもとしては団体として発足し、いい仕事をしていただきたいと考えておるわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 ひとつ前向きに検討して認可していただきたいと私は要望しておきます。というのは、今学習塾というのは、今言ったように親にとっては教育的負担がございますし、子供にとっては自由時間を奪われるという点でそういった弊害もあります。しかし、プラス面もあるわけです。  ところが、こういった問題は共通の問題ですが、それ以外に私が直接父兄から聞いた問題として例えば誇大広告の問題、それから、一年間先払いした授業料を親の転勤によって返納を求めたらそれも返さない。また友達を勧誘した場合、会員の友達がいわゆる未会員の友達を勧誘した場合塾として授業料を免除する、商品を提供する、こういった問題がある。また、午後十時まで勉強している。特に小学校の女の子というのは、夜十時以降になれば防犯上の問題がある。もうさまざまな問題があるのです。そういった点で、こういう社団法人をつくれば、社団法人は社団法人で一定のルールをつくっておりますから、自主規制をつくりますから、どんどん社団法人に加入させていく、アウトサイダーの学習塾も加入させてその自主ルールを守っていくということが大事じゃないかと思うのです。そういった点で、私は文部省については十分前向きに検討していただきたいと思っているわけでございます。  いずれにしても、具体的な問題を一つ一つ質問したかったわけでございますが、もう時間が来ましたので、こういったいわゆる消費者保護的な立場、また要するに塾の教育の内容、文部省、そして通産省それぞれにかかわっているわけでございますから、十分その辺は話し合いをしながら塾の健全な発展のために頑張っていただきたい、こう思っているわけでございまして、最後に通産大臣から御答弁いただいて終わりたいと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 私もかねがね学習塾のあり方というものを、私は文部省所管でございませんからそういうことを言うこと自体がいかがかと思いますけれども、ある一面この存在価値は認めます。しかしある一面、非常にある意味において行き過ぎた面を指摘せざるを得ないと思っておるのです。それは春田委員が御指摘のとおり、今言うたような授業料を先払いしておいてそれが転勤のために取り得なかった、あるいは勧誘したら云々、これは教育じゃありません。それは心を失ったあり方だと思わなければならぬ。そういう事態で子供をただ缶詰のように教育の分野にぶち込んで、そして脳裏をすべて洗脳するように、もうとにもかくにも勉強だけで、受験のためだけで学習塾に受かったら万歳をするなんてばかばかしい話が世の中のどこにあるのかと私は言いたくなるぐらいの話です。  私はそういう観点から考えて、学習塾の行き過ぎというものは徹底してやっていかなければならない。これは通産省の所管であるというならば、なおかつそういう面においての経済的な立場で、こういうような営利だけを主体にしたような学習塾というものは私はいかがなものかと思う点がございますので、これは監督しなければならぬと思っています。ある学校においては、学習塾に行くことを勧める学校がたくさんあるそうです。このこと自体もいかがなものでしょうか。現在のスタンダードな教育の立場というものを汚すものであるとさえ思うわけでございまして、その点においては同感でございますから、厳しく私も監督してみたいと考えております。ありがとうございました。

春田重昭公明党・国民会議

○春田分科員 さらに突っ込んだ問題については文部省の所管のときにまた質問させていただきたい、こう思っております。終わります。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢主査 これにて春田重昭君の質疑は終了いたしました。  次に、三浦久君。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 通産大臣にまずお尋ねをいたします。  筑豊地区にとりましては、鉱害復旧というのは極めて大事な事業であります。そして臨鉱法の延長というものも強く求められております。この臨鉱法の延長について大臣のお考えをまず最初に承りたい、かように思います。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 今先生御質問になりました臨時石炭鉱害復旧法の延長の問題につきましては、大臣から昨年暮れに石炭鉱業審議会に諮問いたしまして、現在石炭鉱業審議会で審議の途上でございます。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 ただいま政府委員から答弁させましたように、これは昨年十二月十四日に石炭鉱業審議会に対しまして今後の石炭鉱害対策のあり方というものにつきまして諮問を行ったところでございまして、現在同審議会の鉱害部会において審議がなされている最中でございます。  通産省としましては、六月ごろをめどに答申をいただく予定でございますが、その結果を踏まえまして所要の措置を必ず講じよう、こういう考え方に立っております。  以上です。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 延長の方向で検討されているというふうに伺ってよろしゅうございますね。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 いずれにしても、残存鉱害量調査の結果も出ておりますので、それについての処理をどうするかということで検討中ということでございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 いいでしょう。  五十九年を境にいたしまして鉱害認定件数が激減をいたしておるのは御承知のとおりであります。昭和五十八年には四千七百十七件認定がありました。五十九年は、その半分の二千四百十一件でありました。六十年になりますと、さらにぐっと落ち込んで九百三十八件です。それ以後は千台から千台を切る、そういう認定件数になっておるわけですね、これは全国的にです。  そこでお尋ねいたしたいのですが、鉱害認定の基準はどういうことになっているのかということです。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 昭和五十九年度の不祥事の発生以来、鉱害の認定については担当者の恣意によることなく公平適切な審査が必要であるということがら認定審査基準を設けて業務に当たっているところでございまして、その基準の概要につきましては、第一点は石炭採掘との因果関係、第二点は過去の金銭賠償の有無、あるいは過去の復旧等の賠償事跡の有無、要するに過去にそういった金銭賠償がなされていた場合には、臨時石炭鉱害復旧法の対象にならないということでございますので、そういった点の有無、それから第三点は現在生じている効用阻害等の有無、こういった点について総合的に判断をいたしまして、被害を量的側面と質的側面からとらえまして相互に補完し合って被害の実態を的確に把握するという内容になってございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 今あなたがおっしゃった効用阻害と採掘との因果関係の問題等々、また金銭賠償があったかとかまた復旧があったとかそういうような一般的な基準というのは、この五十九年度を境にして変化したということはないわけでございましょう。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 今申し上げました基準の概要につきましては、先生おっしゃったようにこの五十九年度を境に変化したということではございません。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 ところが、この鉱害被害に遭っている多くの皆さんの中では、六十年度から小さな効用阻害の場合には認定しないのではないか、こういう非常に大きな疑いが広がってきているのですよ。これはもう件数を見てもおわかりのとおりなんです。  今ちょっと具体的な事例を申し上げますけれども、これは具体的な事例ですから、この問題に直接お答えになっていただかなくても結構なんですが、状況としてちょっと御説明申し上げたいと思うのです。  例えば田川郡の川崎町に佐藤節明さんという方がいらっしゃいます。この人が所有している家は昭和二十四年の建築で、未賠償です。未復旧です。この地域は昭和三十八年前後に浅所の石炭採掘被害が発生した地域として通産局が認定をいたしまして、古河鉱業が鉱害復旧をしてきたところです。ところが前所有者からこの家屋を五十八年に佐藤さんは買い取ったわけなんです。それで五十九年四月二十六日に鉱害復旧の申請をしたのですけれども、いまだに未認定という状態になっているわけです。では、なぜ昭和二十四年に建てた家が鉱害復旧の申請をしないまま昭和五十九年までほったらかされたのかという疑問が当然わくだろうと思うのですけれども、このいわゆる浅所採掘被害の地域に指定されたときには、前所有者の方は自分の家には効用阻害がないというふうに考えていたのですね。それで申請しなかったんです。ところがそのうち亡くなりまして奥さんだけになったんです。奥さんのときに被害が発生してきたのですけれども、奥さんもそのうち息子のところに引っ越していかれてしまったのですね。それで五十八年にお家をお売りになったわけです。それで買われた佐藤さんが、これは未賠償、未復旧だからというので申請をしているけれども、一向に認定がおりないという状況です。この地域はかなり広い地域として何十軒となく指定されているのです。ところが認定されていないのはこの佐藤さんのお家だけなんです。そういうことなんですね。  それで、ちょっと一般的な質問なんですけれども、通産局が物件について採掘との因果関係がある効用阻害を認めた場合には、その効用阻害が大きい場合であろうと小さい場合であろうと、臨鉱法第二条に基づく復旧工事をしなければならないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 石炭の鉱害につきましては、ただいま臨時石炭鉱害復旧法の認定が問題になっておりますけれども、御承知のように、鉱業法の要するに賠償責任というものもございまして、基本的には他人に与えた損害は鉱業権者が責任を持って賠償する、そういう基本的な体系があるわけです。その中で臨時石炭鉱害復旧法は、御承知のように特に農地とかあるいは公共施設、家屋等について国土保全あるいは民生の安定の見地から公共的必要性の高いものに限って取り上げて、いわば国費を投じて原状復旧を図るという特別措置をやっているものでございまして、そういった点から国費を投じて効用回復を図るべきと判断すべきような、要するに復旧対象とすべき鉱害を限定して認定しているというところがございます。そういった意味で、今先生の御質問のお答えについては、そういう観点から一つの線が引かれているということを御了解いただきたいと思います。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 私は、この程度のことは効用阻害と言えないとか、そういう判断はあるだろうと思うのですよ。それからまた因果関係でいえば、別に採掘とは関係ない、地盤が緩いからだとかそういう判断はあると思いますよ。しかし、採掘との因果関係があって、そしてあなたたちの基準に従って効用阻害がある、こう認定された場合に、その効用阻害の大小にかかわらず、そういう効用阻害を認定した場合には、臨鉱法二条の復旧にのせるのが当然ではなかろうか、こういう質問なんです。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 いずれにしても、効用阻害の有無等についての一定の基準があるわけでございますが、それと同時に、その他の石炭採掘との因果関係あるいは過去の事跡、こういったものを総合的に判断して、全体としての判断として鉱害の認定をしているということでございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 だから、効用阻害があるというふうにあなたたちが認定した場合のことですよ、認定した場合のこと。そうすると、効用阻害と認定した場合には効用阻害が小さかろうと大きかろうと、臨鉱法二条でもって復旧工事をしなければならないのではないかという質問なんです。認定してないものまでやれと言っているわけじゃないのです。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 認定基準についてはいろいろございますけれども、効用阻害の点につきましては、効用阻害があるということになりますればそのあるという範囲内において、大小にかかわらず認定をするということでございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 次は、恐縮なんですが労働省の方にお尋ねをいたしたいと思います。  今、パート問題が大問題になって、パート労働者の労働条件の問題についていろいろな手当てがなされておるわけでありますけれども、北九州市の小倉、門司の競輪場の従事員の有給休暇問題、これについて御質問させていただきたいと思います。  まず、この競走事業に従事する労働者の年次有給休暇について労働省はどのような御見解をお持ちになっていらっしゃいますか。

鈴木直和労働省労働基準局賃金時間部労働時間課長

○鈴木説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘の点につきましては、従来から施行主体の関係でいろんな問題点が出てきておるというふうに承知しております。とりわけ複数の施行主体というような観点から問題になっているケースにつきましては、基本的には労働基準法上は、それぞれの施行主体ごとに労働基準法上の要件に該当するかどうか判断するというのが原則でございます。ただし、採用とかあるいは賃金支払い、そういったものの事務処理が例えば統一的にされているとかそういった諸般の事情を総合的に判断して、実態として同一の施行主体に雇用されているというふうに見るべき事案につきましては、例外的にこれを一つの事業主に使用されているものとして労働基準法三十九条の要件に該当するかどうかを判断する、そういうことになるというふうに考えております。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 複数の施行主体に雇用されている者については、原則としてそれぞれの施行主体ごとに労働基準法第三十九条所定の要件に合致するかどうかを判断する、こうなっていますでしょう。北九州市の場合は、この競輪場の従事員は北九州市と雇用契約を結んでいるのですね。北九州市とだけ結んでいるのです。そして毎月就労しております。ですからこの通達の要件に合致しているんですね。毎月就労しています。そして、所定労働日数は年間を通算して八十二日間就労しているのですよ。ですから、これが同一の施行主体であれば有給休暇を取得する権利がある、こういうことになるのですけれども、しかし、一年間を通じて同一事業者に雇用されておらず雇用の中断がある、こういう理由で北九州市からは有給休暇取得の権利を拒否されているというのが実情なんです。  実態を申し上げますと、北九州市が雇用が中断されているんだと言うその理由ですけれども、この競輪場の開催は北九州市が主催する場合と、あと五市といって直方市、田川市、柳川市、大牟田市、山田市、この五市の競輪組合、これが主催をする場合と二通りあるのです。北九州市が主催するのは年に九回です。そして五市の組合が開催するのが三回。ですから、年に十二回ということですから、大体毎月就労している、こういう状態になっているんですね。それでも有給休暇がもらえないわけです。  労働者は何と言っているかといいますと、私たちは北九州市の採用試験を受けて採用されているんだ、そして北九州市と雇用契約を結んで北九州市から賃金を受け取って、五市の開催であろうと北九州市の開催であろうと何にも実態は変わらないというのですね。実際、そうなんです。それなのに、雇用が中断しているから有給休暇が与えられないというのは納得がいかない、こういうこと を言っているのですよ。  そこでお尋ねしたいのですけれども、ここであなたたちが通達を出している「原則として」ということの意味ですけれども、「原則として」と言う以上は、これは当然例外があるというふうになるのだろうと思うのですが、その例外の解釈、これをちょっと教えていただけませんか。

鈴木直和労働省労働基準局賃金時間部労働時間課長

○鈴木説明員 先ほど、実質的に一つの事業主に使用されているというふうに判断できる場合という点を申し上げました。その事例を申し上げましたが、いずれにしても、個別の案件につきましては個別の事案ごとにその実態を十分調べて判断するのが原則でございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 それでは、ちょっと北九州市の競輪従事者の雇用の実態の特徴を幾つか指摘して御参考に供したいと思うのですが、まず先ほど言いました雇用契約ですけれども、その採用試験は、北九州市の試験を受験して合格した上で採用されております。五市との間にはそういう採用試験とかいうものは全くございません。ですから、五市との間には書面による雇用契約というものは結ばれていないということですね。北九州市とだけは書面による雇用契約が締結されているということです。それでまた、試験を受けるときに、五市共催の競輪があるよということも何にも聞かされていないわけであります。  こういう状況の中で、いわゆる五市の競輪組合、ここと競輪従事者との間に雇用関係が発生しているというふうに見ることができるのでしょうか。

鈴木直和労働省労働基準局賃金時間部労働時間課長

○鈴木説明員 お尋ねの事案につきましては、いずれにしても個別の事案でございますので、先ほど申し上げたのは一つの考え方というのを申し上げました。ただ、個別の事案につきましては、いろいろな条件がございますから、そこら辺を十分総合的に見て判断する、そういうことでございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 では、もう一つ、二つ申し上げましよう。  ここに給与所得の源泉徴収票があるのですよ。これも北九州市だけが発行しているのですね。五市は全然発行していないのです。給料をもらいますね、五市が共催した場合に。それもちゃんと北九州市の給料袋なんですよ。だから労働者は全部北九州市からお金を受け取っているものと思い込んでいるんですね。ただ、五市共催のときには五市から一人ずつ職員が来ます。五人来ます。朝、仕事を始めるときに、きょうは五市共催ですからよろしくお願いしますというアナウンスがあるだけ。そして、従業員の体制はそのままです。当然北九州市の職員も競輪場に配置されていますね。その人々もみんな同じ配置です。そして、いわゆる日々雇用の競輪従事者の人々も同じ配置なんですね。ただ、正規の北九州市の職員は地方自治法による出向扱いになっているのです。ですから、働いている労働者にとっては、賃金は全部北九州市からもらっているという感じですね、内部でどういう処理をしているのかわかりませんけれども。そして、自分に仕事の指示をするのも今までどおり北九州市の職員、こういうことなんですね。ですから、常識からすれば、これは雇用主は北九州市だということになるのではないかと私は思いますが、ここで判断を聞いてもまたきっと同じお答えになると思いますので、もう一つちょっとつけ加えさせていただきますけれども、この五市共催のことが明文化されているのは、一回だけ出てくる。それはいわゆる任用票というものを五市共催の直前に競輪従事者に渡します。これだけです。ですから直前になって初めて、よく見れば、労働者はああ次は五市共催かということがわかる仕組みになっているのですね。しかし、ほとんどの人はわからないでしょう。それでその任用票を見てみますと、表に「あなたを裏面記載の勤務条件で、下記の指定日に任用します」、こういう文言があります。そして五市の競輪組合の組合長名の印鑑が押してあります。そしてその裏を見ますと「賃金、勤務時間等の勤務条件は「北九州市競走場従事員就業規則」および「北九州市競走事業従事員賃金規程」を準用する」、こう書いてあるのです。そうすると、賃金規程も就業規則も北九州市のものをそのまま準用するということなんです。  労働基準法によれば、この就業規則、これは第九十条の一項で労働者の意見を聞く、労働組合ないし労働者の意見を聞くようになっていますね。これは立派な労働組合があるのですよ。しかし、労働組合から意見を聞くとか、また労働者から意見を聞くというようなことはいまだかつて一度もございません、そういう状況になっているわけです。ですから何回も言うように、労働者から見れば何の変化もないわけです。ですから、これは私の意見ですけれども、普通の正規の職員は出向扱いになっておるわけです。もちろん施設は全部その日は貸しているわけです、北九州市の施設を五市の競輪組合に貸しているわけですけれども、同時に市の正規の職員は出向扱いになっている。とすれば、やはりこの競輪従事者も、従事員ですか、競輪従事員もやはり出向扱いだ、出向なんだ、そういうふうに私は認定するのが至当ではなかろうか。それが労働者に有利な解釈になるんじゃないかというふうに思っているわけです。そういう事情をよく御勘案の上、きょうここでイエスかノーかという答えを私は求めませんけれども、よく御研究をいただきたい、このことをお願いしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。

鈴木直和労働省労働基準局賃金時間部労働時間課長

○鈴木説明員 先ほどから申し上げていますが、例外的な取り扱いに属するかどうかというのは、あくまでも賃金の支払いとか採用とかいろいろな面について、それが実態として一つの事業主に使用されているかどうか、そういうものを判断するものでございます。ですから、実態として同一の事業主に使用されているという判断ができますれば、それは労働基準法三十九条の要件に合致するということになるものでございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 次に、競輪従事者の雇用保険の適用の問題について御質問いたしますが、労働省は平成元年の十月一日よりパートタイム労働者に対する雇用保険の適用について適用枠を広げられましたけれども、その内容はどういうことでしょうか。

池田克忠労働省職業安定局雇用保険課長

○池田説明員 いわゆる短時間被保険者といいますものは、一般の被保険者、週二十二時間以上ということになっているわけでございますけれども、三十三時間以下二十二時間以上につきまして新たに短時間被保険者という概念を設けたところでございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 北九州の競輪労働者の場合、この今あなたが言われました一週間の所定内労働時間二十二時間、これに百九分足りないのですよ、一時間四十九分足りないのですよ。そのために、この適用にならないわけですね。こういう状況について、使用者の協力などで雇用保険を受けられるように労使で協議をする必要があるんじゃないかと思うのですが、何かいい方法はないでしょうか。

池田克忠労働省職業安定局雇用保険課長

○池田説明員 競輪場の登録従事者と申しますのは、これはまた雇用保険も実態で適用を考えるわけでございますが、開催日におきます雇用が常態化しているとか、実質的な定年等の措置があるとか、定期昇給が実施されているということで、これは実態として長期雇用の実態にあるというぐあいに私どもは考えておりまして、これは短時間被保険者ではなくて一般被保険者として適用するということにしているところでございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 通産大臣にお尋ねしますが、競輪関係の所管の大臣の一人でもございますので、こうした問題、二十二時間にわずか足りない、そのために雇用保険の適用を受けられない、こういう問題について関係省庁と協議してひとつ改善を図っていただきたいと思いますが、御所見を承って私の質問を終わらしていただきます。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 私もこの問題は全く、今委員との対応をいろいろ聞いておりましていろいろ感ずるところがございました。確かに委員の御指摘、そのとおりかなと思うこともたくさんございますので、私も大いに勉強させていただきたいと思っておりますが、まず競輪場の従業員の雇用保険につきましては、実態を十分調査した上で、その上に立ちまして労働省と相談してみなければならぬ感じもしますので、労働省とも相談し、対応してまいりたい、このように考えております。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○相沢主査 これにて三浦久君の質疑は終了いたしました。  次に、細谷治通君。

細谷治通日本社会党・護憲共同

○細谷分科員 細谷です。私は、有明海及び有明海沿岸地域の海底陥没それから地盤沈下の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  大臣の地元の山梨は海がございませんので、海に対するあこがれとか願望というのがあるんじゃないかと思いますけれども、幸い私の地元は大変恵まれた海がございまして、それは有明海でございます。日本有数の内海の漁場でございまして、豊富な魚介類がとれる海の宝庫と言われておるところであります。ノリの最大の産地ということでございます。  ところが、昭和三十八年ごろから、この有明海大牟田の地先で海底陥没が始まりました。最大で八メーター陥没するというような状況が出てまいりました。そこに図面をお示ししていますけれども、赤い点々のところがそうでございます。その原因が石炭採掘の影響ということで鉱害認定されました。原因者である三井石炭鉱業と有明海漁協との間、漁業従事者との間で協議が行われまして、一つは、漁業補償といたしましては、昭和三十八年から、本格的には五十五年からでございますけれども、現在まで累計で三十六億円。漁場復旧のために陥没したところを埋め戻すという作業をやっておりまして、これは五十六年から累計で百六億円投入されております。これらは全部三井石炭鉱業一企業の負担において行われているということでございます。  そういうことで、実は昭和五十八年の時点で、当時の与党の田中六助政調会長が地元にお見えになりまして、国としても何らかの対策をとるということを約束なさいました。実際は今日まで企業任せという形で、国の施策というのは施されてないと言っても過言ではないと思います。そういう状況にあるということであります。昭和五十九年の三月に衆議院の予算委員会の当分科会でも取り上げられました。これは農水部会で取り上げられました。  まず第一にお尋ねしたいのでありますけれども、五十九年当時から海底陥没の進行状況というのはどういうふうになっているのか、農水省にちょっとお尋ねしたいと思いますけれども、簡単にお答え願いたいと思います。

渡辺好明水産庁振興部沿岸課長

○渡辺説明員 水産庁の沿岸課長でございます。直接の所管ではございませんが、私が承知いたしておりますところをお話をさせていただきます。  漁場の海底変化でございますが、昭和五十四年から六十二年の三月まで平均ゼロメートル線の後退は最大一・五キロ、局所的な陥没は最大マイナス二・三メートル、沈下量は六十二年までで千二百六十万立米というふうに聞いておりまして、ノリの養殖及びアサリ漁業に被害が生じておるというふうに聞いております。

細谷治通日本社会党・護憲共同

○細谷分科員 昭和六十二年の九月に、現地からの強い要請を受けまして、当時、資源エネルギー庁と福岡通産局でも現地視察に入っておられます。そのときの被害の実態報告といいましょうか、そしてその後の対応はどうなさったのか、お尋ねいたしたいと思います。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 御指摘の調査は、昭和六十二年の九月に資源エネルギー庁それから福岡通産局の担当者が出張して行った調査の件であると存じますけれども、本件出張につきましては、陥没地域の地元当事者間で行われております実地調査の方法についてその理解と認識を深めるのを目的としていたものでございまして、その結果何か新しい調査結果が出たということでは必ずしもないわけでございますけれども、いずれにしても、そういう形で地元の当事者間の話し合いが円滑に進むようにということで、現地でいろいろと話し合ってきたということのようでございます。

細谷治通日本社会党・護憲共同

○細谷分科員 通産省は、昭和六十三年度に産炭地域の振興という形で予算化をいたしまして、活性化ビジョン策定費ということで実は予算を計上いたしたわけであります。その活性化ビジョンなるものは一体何であったものか、その後実施状況はどうなっているのか、そして同時に平成元年度以降の予算措置は一体どうなったのか、この辺についてお伺いをいたしたいと思います。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 御指摘の有明海沿岸産炭地域振興ビジョンの策定調査につきましては、昭和六十三年度に通産省から福岡県に委託いたしまして実施した調査でございまして、当該調査につきましては、有明海沿岸産炭地域の現状、産業の特性と課題を踏まえまして、当該地域の特性を生かした産業振興策を検討して、平成元年の三月に福岡県の方から地域振興ビジョンとして発表されております。これを踏まえまして、その具体化について福岡県と地元とも相談しながら、今後の対応を検討していくという状況になっております。

細谷治通日本社会党・護憲共同

○細谷分科員 復旧工事の進捗状況でございますけれども、既に十年間で七百六十六万六千立米の埋め立てが行われている、そして最近ではさらにペースアップしまして、百二十万から百三十万という土砂埋め戻しが行われていると聞いております。  そこで、今後の見通しがどうなるかということを実はお伺いをしたいわけであります。なぜかといいますと、これは大変重大な意味を持つわけでありまして、地元の漁協あたりではまだ九百万立米必要だ、企業サイドに聞きますと、いやあと二、三百万立米ではないかという言い方をしております。実は、この漁場の埋め立てが済んでしまいますと漁業補償は一体どうなるのかという問題がこれに関連しているわけです。ですから大変重要な意味を持ちますので、この埋め立てが今後どういう見通しなのか、行政サイドとしての見通しがあればお聞かせをいただきたいと思います。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 今先生がお話しになりましたように、沈下量は年々少なくなっておりますけれども、依然として毎年の沈下量等について当事者間で会合を開いて、その結果に基づいて埋め戻しの事業をやっているわけでございますが、今先生お話しになりましたようなことで、毎年企業の負担が相当程度続いておるという状況でございます。

細谷治通日本社会党・護憲共同

○細谷分科員 二百万か九百万かわかりませんけれども、仮に局部的な陥没部分は埋めることができましても、今度は全体的な干潟の水深線変化、そこに地図をお示ししておりますけれども、ずっと沖合へ、沖合へ行っているわけですね。全域的な地盤沈下が進んでいるということなんです。この問題はどうしても残ってしまうわけです。もとの豊かな魚の宝庫と言われた有明海は戻らない。私は、これは企業任せの鉱害復旧の視点だけではもう抜本的な改善はできない、魚の宝庫としてのこの有明海は戻らないということを大変心配するのです。ここには七千世帯、一万八千人の漁業を中心とした沿岸住民がいるわけでありまして、この将来をどうしていくのかということは大変重大な問題だというふうに思っております。そして、こういうことでありますから、先行きが暗いということで、後継者を探すのに大変難渋している、こういう状況であります。  昭和六十一年の一月でございますけれども、当時の通産省の石炭部炭業課長が、行政の立場としても、石炭産業、水産業とも大事な国内産業なんだから、調和の中で解決をしたい、こういう発言をしておるのです。そして、先ほど言いましたように、時の政権与党の政調会長が、国としても何とかやりたいということをおっしゃっている。しかし、その後どうも当事者任せになっていて、国としての本当の抜本的な手が施されてないということを痛感するわけでございます。  大臣、もし御所見がございましたら、何か御感想でもお聞かせいただければと思いますけれども。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 その前に事実関係を。  今先生御指摘になりました国として何もしてないのじゃないかという点につきましては、先生御承知のように、基本的にこの鉱害問題というのは鉱業法に基づいて当事者間で解決するというのが大原則でございますが、臨鉱法という形で公共的な観点から、国土復旧等の観点から特に復旧が必要なものについて限定してやっているということでございまして、本件はその臨鉱法の対象外ということでございます。しかしながら通産省といたしましては、例えば会社側に対しましては、企業みずからが行う鉱害賠償等の費用に対して、石炭鉱害事業団を通じまして鉱害賠償資金の貸し付け等による優遇助成策を講じているところでございまして、御承知のように、これによりまして三井三池炭鉱に対する貸付残高は百億円近くにまで上っているわけでございます。そのほか、石炭企業の経営安定化のために安定補給金の交付等各種の支援措置を講じておるということでございます。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 地図まで賜りまして、そしてまた感想を求められましたし、私は確かに山梨でございますから海は全くございませんでした。私の山梨では湖がございましたが、十五まで湖が海だと思っておった、そんな成長でございましたから、本当に海は私にとってはあこがれの的であったことは委員御指摘のとおりでございます。  また、このようなことを申すのはどうかと思いますが、御尊父の細谷先生には大変に私も御指導賜っておりましたので、そのような意味で私自身も今人ごとならぬ非常に重い気持ちで聞いておりました。田中六助政調会長は、私当時党の全国組織委員長で、隣同士で非常に仲よくやっておりましたが、ああいう御不幸でございましたから、自分自身のお気持ちも実現できずにそのままに終わったのでございましょう。しかし、非常に大事な問題ではございます。しかし法律の問題としてなかなか難しい面もございましょうけれども、現在私どもはこれを審議しておる最中でもございますし、この審議を受けて私自身も判断もし、なおかつ、みんなうちの省の身内の中で相談もし合っていきたいものだ、このように考えております。

細谷治通日本社会党・護憲共同

○細谷分科員 今後の漁業補償のあり方についてお尋ねしたいと思いますけれども、仮に埋め戻しが計画量に達するといいましょうか、埋め戻しが済めば、漁場は回復したということになって漁業補償は終わるというふうに考えるべきなんでしょうか。いかがでございましょう。

渡辺好明水産庁振興部沿岸課長

○渡辺説明員 通産省の方からも御指摘がございましたように、漁業補償は従来から、損害を引き起こした者、すなわち原因者と関係漁業者との当事者間の話し合いにより行われてきております。私どもといたしましては、漁業者とそれから原因者との間でお話し合いがついたということになれば、それをもって漁業補償は終結をするというふうに考えておりまして、今後ともそのお話し合いの状況を見守ってまいりたいと考えております。

細谷治通日本社会党・護憲共同

○細谷分科員 仮に、海底陥没の埋め戻しが済んだといたしましても、実際は有明海は大変荒れておりまして、魚介類がとれなくなったためにノリに転業したという実態があるわけですね。したがいまして、もともと魚介類で生業をなしていた人たちの生活保障ということで、いわば共同漁業権に対する補償というものも行われているわけであります。しかし、その埋め戻しが済んでもその実態というのは戻りませんから、その問題はどうしても残るということになるわけであります。  さて、視点を変えてみますと、実は当事者間だという指摘がありますけれども、五百億を超えるような累績赤字を抱えた赤字会社の三井石炭鉱業が、本当に漁業従事者、漁協が納得できるような補償や復旧工事が本当に行われているんだろうかということが実は大変心配だ。これによって復旧の期間が長引いているのじゃないかということも心配されるわけであります。このことは七千世帯の漁業従事者の将来展望に大変重大な影響を及ぼす問題であるわけでありまして、長年にわたって赤字企業に負担を課すということは、いってみればまさに無資力の企業に多大の財政負担を課しているのと同じだというふうに考えてもいいと思うのです。この負担というものは企業にとって大変重荷になっております。今三井石炭で働く労働者というのは民間企業の労働者に比べて、賃金は別にいたしまして、ベアそれからボーナス、みんなほとんど半分なんです。こういう状況です。しわ寄せがその辺まで来ているような気がいたします。同時に、漁業従事者にとりましても石炭政策がどうなるのか――三井鉱業がつぶれればこの補償も復旧工事もなくなってしまうんです。三井石炭はこれは鉱業権者であります。そういうことになる。だから、石炭政策がどうなるかということにもこのことは非常に関連しているということを御指摘申し上げたいと思います。  次に、海面下とはいっても、現に石炭採掘によって海底陥没が発生して漁業権に甚大な影響が出ているということは事実であります。私は当然臨鉱法上の鉱害認定を行って、石炭政策の範疇においてこの処理を行うべきだというふうに考えております。その臨鉱法二条によりますと対象は土地物件という規定がありまして、これは海底だから土地物件に当たらないんだ、こういう解釈のようでありますけれども、権利の属性といいましょうか、単に所有権ということに着目するのではなくて、それによって生活している人というのがいるわけですから、漁業権の補償という意味においても当然対象にしてしかるべきじゃないかと私は思うのです。  この議論はずっと続いておりまして、五十九年三月の予算委員会の当分科会におきまして通産省の見解が示されております。「公共的見地からの復旧になじまないこと等にかんがみ、復旧法の対象とすることは適切ではない。」という石鉱審からの答申が出ているから、残念ながら臨鉱法の対象にするわけにはいかないんだ、法改正になじまないんだ、こういうことをおっしゃっています。しかし、ただし書きで「現時点では難しい」ということをおっしゃっているわけであります。  時あたかも石鉱審において臨鉱法の延長の問題が議論されておるわけでありまして、私はこの土地物件の中にぜひ海底の干潟の部分についても読めるようにして臨鉱法の適用対象にする、そして国の石炭政策の一環としての国の補助というものが当然導入されるべきであると考えますけれども、いかがでございましょうか。     〔主査退席、金子(一)主査代理着席〕

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 ただいま先生御指摘になりましたように、現行の臨時石炭鉱害復旧法上は公共的観点からその対象物件を限定しておりまして、かつ、昭和五十六年の石炭鉱業審議会の答申におきましては、山林原野あるいは干潟に発生した鉱害については、その与える社会的影響から見て、公共的見地からの復旧になじまないこと等にかんがみまして、臨鉱法の復旧対象とすることは適切でないと指摘されておりまして、現在臨鉱法の復旧対象としていないわけでございます。今石炭鉱業審議会で審議しております鉱害対策の中でも、福岡県からこの海底沈下の現象につきまして検討対象にするようにという要望も出ておりまして、現在審議を開始したところでございます。  ただ、この問題につきましては、基本的に鉱害の賠償という鉱業法上の原則を前提としながらも、それと別に特別な意味で、国土の保全、民生の安定という観点から、公共施設あるいは農地、家屋、こういったものに限定して国が主体的に原状復旧を行うという特別措置を講じたという観点からしまして、昭和五十六年の審議会の答申というものもございますので、そういったものも踏まえた検討がなされていくことになるものと考えております。

細谷治通日本社会党・護憲共同

○細谷分科員 大変難しい問題があるようでありますけれども、時あたかも石鉱審においてこの臨鉱法問題というのが議論されておるわけでありますから、絶好の機会でありますし、ぜひ俎上にのせてこの問題をもう一度議論をし直していただきたいと私は思います。  さて、また視点を変えまして、仮にこの有明海の海をまたもとの姿に戻すために、鉱害復旧という観点じゃなくて、もっと抜本的に海の資源を守る、漁業を開発育成するという観点から国の予算を思い切って投入して、漁業資源の開発育成ということで、この漁場の抜本的、構造的な転換を図るということも私は考えていかなきゃいかぬのじゃないかと思います。そういう観点から農水省としてこの問題をどういうふうにお考えになっておりますか、お伺いをしたいと思います。

渡辺好明水産庁振興部沿岸課長

○渡辺説明員 先生御指摘ありましたように、有明海はノリの養殖、アサリ等の漁業が盛んな地域でございます。私どもこのような特徴ある漁業を今後とも発展を図るというのは重要なことであると考えております。福岡県におきましてここ四年間ほど各種の調査を実施いたしております。干潟の海底地形であるとか漁業実態あるいは陥没地の形状、あるいは漁場の再開発手法の検討、私どもこのデータを踏まえまして、また同時並行いたしまして各種の事業を実施をいたしております。具体的に申しますと、沿岸漁場整備開発事業あるいは沿岸漁業構造改善事業、さらには漁港の改修、こういった事業を実施をいたしてきております。今後とも福岡県とも連携をとりまして最大限の努力をいたしたいというふうに考えております。

細谷治通日本社会党・護憲共同

○細谷分科員 次に大臣、そこの図面を見ていただきますと、実は海面下だけじゃなくて地上においても地盤沈下が進んでいるんです。もう時間がありませんから、申しわけありませんけれども、せっかく御答弁を用意されたかと思いますけれども、ちょっとはしょらせていただきます。こちらから申し上げたいと思います。  筑後平野の南部地域に、五十年ごろから三市三町、六千六百ヘクタールにわたりまして原因不明の地盤沈下が進んでおるのです。地域の農業、米どころであります。大変重大な影響を与えている、住民生活にも甚大な影響が出ているわけであります。五十八年に三市三町による地盤沈下対策協議会というのを発足させて、いろいろ地元自治体が御努力をなさっているということであります。特に去年七月に発生しました九州水害では、大変な甚大な被害が発生いたしました。米作、ハウス栽培に大きな被害が出たわけであります。これはある意味で、ある人に言わせますと、農民の方に言わせますと、近年の土地改良事業がどんどん進んで、圃場整備事業がどんどん進んでいったので、貯水機能をなくすことによって逆に被害が大きくなっているという現実があるということでございます。  六十三年の十二月には、農水省がこの地域の農地保全基礎調査ということを行われました。被害の実態というのはわかっておるわけで、一部原因についてはわかっておりますけれども、一部原因についてはわからない、原因不明という形になっておるのであります。  そこでお尋ねしたいのでありますけれども、陸上部分の地下の採掘、石炭採掘というのはなされているのかどうか。石炭の採掘の際には鉱業法の定めによって施業案というものを提出して、それを認可を受けるということになっておるようであります。その段階で地上物件への影響を考慮する。地上の、陸域の地下は採掘されていない、こういうことは本当に言えるのかどうか。農地等地上物件に影響を与えるような認可はしていないと言えるのかどうか。というのは、地元の方々はこれは石炭を掘っている石炭鉱害じゃないかということを言われております。この点についてはいかがでございますか。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 事実関係として申し上げますと、陸域部分につきましては、採掘箇所は近いところでもそこから三百メートル沖合というような状況でございますし、今先生お話ありましたように、鉱業法第六十三条に基づく施業案の認可に際しまして、通産局長がその認可を行っておるわけでございますけれども、沈下が陸域に及ぶことのないように十分技術的な配慮をしているということでございます。

細谷治通日本社会党・護憲共同

○細谷分科員 石炭採掘に際しましては、同時に地下水が年間約千七百万トンくみ上げられているということでありますけれども、この影響はないと言い切れるのかどうか、お尋ねしたいと思います。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 現在、本件につきましては、干拓地住民の一部が国に対して民法に基づく損害賠償請求を行っているところでございますので、具体的な係争中の事案についてはコメントを差し控えたいと思いますけれども、ただ、今お話しの水の影響等につきまして事実関係を申し上げますと、昭和六十二年四月に出されました原因調査の報告書、これは通産局、監督局、それから農政局、県によりまして、四者によって共同で行われた調査でございますが、その中では干拓内の井戸水と鉱内水の水質は形が相違しておって、両者の間に水質から見た関連性は認められないという記述があるという事実がございます。

細谷治通日本社会党・護憲共同

○細谷分科員 実はこの地域におきましては公共事業に対する負担金ということで三井石炭が賦課金という形で負担をしている。これはどういう性格の金かということですね。ある程度部分的に鉱害ということを認めた上での賦課金なのか、協賛金みたいな形なのかわからないわけでありますけれども、時間がありませんからこれはもう結構でございます。  いずれにいたしましても、この中心になる大和干拓というのは現在償還金支払いをめぐって訴訟が行われておりまして、まさに鉱害か、言葉はひどいかもわかりませんけれども欠陥干拓かという論争が行われているところでございます。この訴訟の現状と両者の言い分のポイントについてお伺いをしたいと思っておりましたけれども、時間がございませんので最後の結論のところに参りたいと思います。  まず、問題提起として申し上げたいのでありますけれども、同一のエリアで海岸線を境にして陸と海の違いで鉱害があったりなかったりする。一方で、海底陥没部分については石炭採掘による鉱害であるということを認める。しかし、その負担については臨鉱法上は土地物件に該当しないということで、これは国の補償は一切しない、海底の干潟に対する臨鉱法の適用を認めない、こうなっているわけですね。そして、企業の当事者としての責任で一切の補償や復旧工事がなされている、こういう形です。他方、地上部分については、石炭採掘による影響との因果関係を認めない、結果として一切の救済手段は施されない、こうなっているわけであります。鉱害だ、欠陥干拓だと責任転嫁が行われている。しかしながら、浮かばれないのは実は住民であり、農民であり、関係自治体である、こういう実態であるわけです。陸域の陥没について現実に甚大な被害が出ているにもかかわらず、何ら対策が講じられない。いわば行政、政治のエアポケットになっているのじゃないかと私は思います。こういうところにこそ政治がしっかりと、まさに政治の問題として対処しなければいかぬのじゃないかと私は考えております。  そういう意味におきまして、最後に大臣にお伺いいたしますけれども、有明経済生活圏、産炭地域の一連の問題ということで、この問題を関係大臣とぜひ御相談いただいて、国として何か措置を講ずる、前向きに講じていくということを私はぜひお願いしたいし、その必要があると考えておる次第であります。通産大臣としてのお考えをお伺いしたいと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 私自身もこの問題はよく知悉しているわけでございませんでしたが、先ほど来ふっと細田委員の、すなわち御尊父のこの討論の議事録をちょっと読ませていただきました。しかも、なおかつそれは昭和五十七年三月二十五日、話はさかのぼるわけでございます。しかし非常に、委員のお取り上げになっているその情熱とそのまま全く変わりなく、しかも、なおかつそのことを求め求め続けておられる姿が歴々としてここにあらわれております。また、それに加藤一郎委員が参考人としてお答えになっているというこの議事録を読ませていただきました。そういう意味おいて、臨時石炭鉱害復旧法というものは、公共的観点から特に復旧が必要なものについて復旧対象としておりまして、具体的な対象物件については石炭鉱業審議会の判断によらざるを得ないものだなと考えております。  いずれにしましても、本件につきましては、三井石炭鉱業株式会社が地元有明漁連と話し合いを行いまして、双方合意の上で海底沈下箇所の必要な復旧工事並びにそれに見合う相当額というものを補償を行っているものと承知はしているわけでございます。通産省といたしましては、本件につきましては、基本的には地元漁連と会社側との話し合いによって円満に解決していただくことが一番いい姿だなと考えておるわけでございますが、この推移をじっくりまず見守っていかなければならぬな、こう思っておるわけでございます。  大和干拓の地盤沈下につきましては、干拓地住民の一部が農林水産省に対しまして民法に基づく損害賠償請求を行っていると聞いておるところでございます。本件が石炭採掘に起因している可能性は低いものと考えておりますが、いずれにしましても農水省との間で係争中の案件でもございますから、現段階で私の立場、通産省としてはコメントでき得ませんけれども、早速関係官庁と委員御指摘のようにいろいろと相談し合ってもらいたい、この気持ちはそのまま率直に受けとめます。そして私もまた農水省とも関係はないわけではございません、そちらの方とも話をしてみたいものだな、このように考えておる次第でございます。

細谷治通日本社会党・護憲共同

○細谷分科員 本問題については今後とも、私は政府の責任において抜本的な、早急な対策が必要だというふうに考えております。地域住民や農民、関係自治体の苦悩がこのままではずっと続くわけでございますので、毎年でも当予算分科会におきまして取り上げさせていただくということを表明いたしまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

金子一義自由民主党

○金子(一)主査代理 これにて細谷治通君の質疑は終了いたしました。  次に、谷村啓介君。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 御質問をいたしますが、いわゆるワールドオアシス計画というものが実は岡山にあるわけであります。岡山県下の中国横断道の久世インターチェンジ付近にハイウエー構想として、パーキングエリアを取り囲むリゾート施設として一九八九年の秋に始まったワールドオアシス計画というものがあるわけでございます。ところが、同じ場所で一年後、昨年の十一月に突如として出現したのが地中夢都市と称する発案でございます。予算規模が最大三百億円、その八〇%が地下部分の工事に充てられるというわけでございますけれども、これは一体いかなる目的でつくろうとしているプランなのかという点、またこのプランを進める主体は一体どこなのか、だれなのか、お伺いしたいのであります。  現地の推進役になっている久世町は中国地域産業活性化センターの企画に基づいて進められているように聞いておりますけれども、昨年六月の発表時点では通産省公益事業部がいわば窓口であり、平成二年度予算で調査費千三百万円が原子力発電安全対策等委託費から支出されていることも確認しているところでございます。地元では高レベル放射性廃棄物等に関係のある施設でもできるのではないか、こういう不安感が広がっておるわけでありますが、この際、この構想についてお尋ねしたいのであります。

川田洋輝資源エネルギー庁公益事業部長

○川田政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のございましたワールドオアシス構想は、岡山県の久世町というところが、中国横断自動車道のパーキングエリアが同町に建設されることを契機といたしまして、その周辺に環境リゾートの一大拠点を整備し、地域の活性化を図ろうということで計画されているものと承知をいたしております。この構想の基本計画を策定したいという地元からの要望に基づきまして、平成二年度の電源地域振興指導事業の一つとして採択をいたしまして、調査が実施されているというように承知をいたしております。この電源地域振興指導事業は、地域振興ビジョンの企画立案といったソフト面から電源地域の振興を支援するために昭和六十三年度から実施をしておるものでございまして、水力発電所が立地をしております同町もその対象となっておるものでございます。  今先生御指摘の予算の項目が原子力発電安全対策等委託費ということになっておりますが、これは原子力関係に限らず水力・火力発電所関係も含んでおりまして、このケースにつきましては、先ほど御説明いたしましたように、水力発電所が立地しているというところから私ども採択をしてこの事業を進めていただいておるものでございます。この実施は、お話がございましたように委託費でございまして、財団法人中国地域産業活性化センターというところが金額千三百万円で進めておるビジョン策定事業というべき性格のものであるというように承知をいたしております。お話のございました放射性廃棄物処理施設とは何ら関係があるものではございません。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 現在、現地の推進役になっている久世町にほど近い久米郡久米町というところがございますが、そこに、今から四年ほど前に三菱商事からジオトピアと称するプランについて話を持ちかけられた経緯があるわけであります。  そこで科学技術庁にお尋ねいたしますけれども、現在科学技術庁で検討されておるジオトピア計画というものは一体どういうふうなものなのか、お聞かせ願いたいと思うわけであります。

干場静夫科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○干場説明員 お答え申し上げます。  ジオトピア計画と申しますのは、高レベル放射性廃棄物処分のための技術開発の成果等を、地底の有する隔離性あるいは安定性、そういったすぐれた特性を利用した先端科学技術開発等の地底利用に多角的、多目的に利用していく、そういうことについて検討するためのものでございます。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 科学技術庁の原子力局核燃料課が出しておられる資料でございますが、同じものを持っておるわけでございますけれども、今おっしゃったように、このジオトピア計画というのは高レベルの放射性廃棄物をどこか、隔離性、安定性といったところを研究しながらそういうものを置く場所といいますか、そういうことを検討しておるというふうに理解してよろしいか。

干場静夫科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○干場説明員 お答えいたします。  ジオトピア計画はどのような場所に置くかということを検討するという性格ではございませんで、ただいま申し上げましたように地底の待つさまざまなすぐれた特性、これを活用するための技術開発、その成果をどうやって活用していくかということについて検討するものでございます。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 このような構想とかプランが、岐阜ではジオフロンティア、茨城ではロックポリス等々さまざまな呼び方で進められておりますけれども、これは一連のものとしてとらえていいと思うわけでありますが、科学技術庁つまり国の責任でこれを進められておるのか、あるいは原子力産業資本任せになっているのか、それとも両者が一体となって連携して進めているものなのか、その辺のところも明確にしていただきたいと思うわけであります。

干場静夫科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○干場説明員 私ども科学技術庁といたしましては、動力炉・核燃料開発事業団において検討しておりますジオトピア計画、これについてのみ関係をしているものでございます。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 私どもの中国地方に限らず全国各地に地域産業活性化センターなるものがつくられているわけでございますけれども、このセンターの設立趣意、組織機構、中央官庁との関係、民間の団体等との相互関係などを関係地域住民のためにもこの際明確に説明を願いたいのであります。

川田洋輝資源エネルギー庁公益事業部長

○川田政府委員 詳細な資料を手元に持ち合わせておりませんが、たしか全国で、ブロック単位で、九州とか中国とかという単位で設置されておる財団法人でございまして、私の承知しておりますところでは、円高差益などが生じましたときに地域にそれを生かしていくということから、それぞれの地域の活性化ということを目指していろいろなプロジェクトを電力会社なども参画した格好で進めていくということで、寄附者のかなりウエートの大きい部分にそれぞれの電力会社がたしか入っておるかと存じますけれども、広く関係者を網羅した財団法人ということで地域活性化を図ろうというものではないかというふうに私は今承知しております。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 我が党を中心に調査研究を進めておる中で、この種のセンターは、原子力開発利用長期計画、一九八七年の六月でございますが、この趣旨に沿って、チェルノブイリ原発の大事故以来不評の原発政策を何とかスムーズに進めるために役立てよう、こういう目的を少なくともあわせて持っているのではないかという疑念があるわけでございますが、この現在の認識を間違いですというふうに言えますか。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○緒方政府委員 先ほど公益事業部長がお答えしましたように、この財団法人は各ブロックで地域活性化のためにつくりました団体と記憶しておりますので、御指摘のような懸念は当たらないと思います。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 私は、ここへ久世地中夢都市、空想遊園地活動イメージ、こういうものを持っておるわけでございますが、本当にほとんどが地下に建設されるという構想です。ほかの同じような計画を見ましてもほぼ同じような形になっておるわけですが、ほぼ同じようなこういう計画というものが出ておるのです。これを見る限り、例えば岡山県は花崗岩地帯が多いのです、県北の方は。したがって、今までもたびたび高レベルの放射性廃棄物が廃棄される場所が来るのではないかという不安が県民の中にあるのです。去年は、そういったものはもう要らないぞという県条例をつくるための運動が広がりました。そして、ざっと有権者の三分の一強、三十四万人ぐらいの人々が署名をされまして、県に条例制定の請求をされましたのも実はそういう背景があるわけであります。人形峠があるだけに大変敏感なんですね。もちろんその条例制定については、知事がそんなものは持ち込ませないということをたびたび言明しておる関係から、条例についてのその制定に同意しなかった、こういう経緯がございますけれども、どうも作北といいますか、県の北の方でいろいろな不動産屋等が暗躍しまして、土地の買収だとかあるいは鉱脈に関する認可だとかいうものが実は横行しているのですよ。したがって、そういう背景があるだけに、私どもはこのワールドオアシス構想等々についても県民の疑惑があるのは当然だろう、こんなことで今皆さん方にただしておるわけでありますが、いかがでしょう。

川田洋輝資源エネルギー庁公益事業部長

○川田政府委員 最初にお答え申し上げたとおりでございます。放射性廃棄物処理施設と何ら関係があるものではございません。町からの御要望に基づいて基本計画の策定をしたいということで進めておるものでございますので、御心配は無用かと存じます。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 そのようにおっしゃいましても、例えば予算書などを見ても、原子力発電安全対策等委託費、その中の電源立地推進調整等委託費から出ているのですか。この備考を見ましても、例えばことし出されました予算説明書の中に、電源立地推進調整等委託費というものの説明には「原子力発電に関する情報サービス・ネットワークの整備」であるというふうに書いてあるのですね。これは政府委員からいただいた資料ですけれども、備考欄にそういうふうに書いてあるのですね。はっきりと「原子力発電に関する情報サービス・ネットワークの整備」だというふうに書いてあるのですよ。こういうものを見ると、あなた方が幾ら否定をされても、やはり原子力に関係のない施設というふうにはどうも思えない。どうもそういうことではないのか。原子力発電についてはハードな面はそれぞれ進んでいる、ですからソフトな面でこういうふうな計画というものがどんどん行われているのじゃないか、そういう疑問というものが消し去れないということなんですね。その点はいかがなんですか。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○緒方政府委員 若干いろいろな偶然の要素が重なり合った結果、御心配が出ているのだろうと思いますが、先ほど公益事業部長が説明を申し上げましたように、まず予算の点でありますけれども、原子力何とか等立地委託費というのは、要するにいろんな項目をどういう名称で代表するかということでございまして、原子力発電の場合も入りますし、水力発電の地点も入ります。通常の発電所の場合も入るわけでありますが、たまたま原子力発電に関する委託費が一番金額が多いということから、大蔵省の方でそれ全体を総合する名称として、役人がよく使う手でありますけれども、右代表として一番大きい金額である原子力云々というのを挙げまして、それに等の字をくっつけて全体を代表するように述べたものでございます。  それから、今最後に御指摘になりました備考欄でありましたのは、その予算の中で一番最近予算の新規項目でとれたものを書いたものでありまして、今回のワールドオアシス構想とは関係のない予算のことを書いてございます。予算書を詳しく見ていくとそういうことでございます。  先ほど先生おっしゃいました全国にできている地域活性化センター、各ブロックにできているもので類似のものがあるとおっしゃいましたが、これは多分先生の思い違いと思います。ほかの、先ほど御指摘をされました岐阜県あるいは茨城県の例などについては、地域活性化センターは何も関与していないものだと思います。各地域活性化センターは財団法人で、地域の活性化のためにいろいろの構想をやるシンクタンクのような役割を果たすものということでございます。今回のワールドオアシス構想については、冒頭先生お述べになりましたように、高速道路のインターができる、それをてこに地域の活性化を図りたい。山奥でございますから、何か特色のあるようなことをやらないといけない。したがって、地下を利用すれば非常に特色のある観光施設の拠点ができるのじゃないか、こういう発想から御提案がされて、地元からの御要望に基づいて調査が始まったというふうに私どもは理解しているところでございます。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 先ほど冒頭におっしゃいましたが、こういう予算を計上してこういう事業を遂行することは、発電とかそういうふうなことについて地域の協力や理解を得るためなんだという趣旨の説明がございましたが、そうすると、久世町のワールドオアシス構想というものは、具体的には、あそこへ持ってきたということはどういうねらいがあるのですか。

川田洋輝資源エネルギー庁公益事業部長

○川田政府委員 電源立地をさせていただいても地域振興ということに必ずしもストレートに結びつかないという懸念が前々からあって、できるだけ地域の開発をひとつ電源立地を持ってきたこととあわせて進めてもらえないかと、要望が各地から出ておったわけでございます。そういう声にこたえるために、電源立地がある地域で地域活性化、地域をよくしていこうというビジョンづくりなどにお手伝いをしようということでこの事業を始めたというものでございます。先ほど申しましたように、この岡山県久世町につきましては、湯原発電所という水力発電所が立地をいたしておりまして発電をさせていただいております。そういう地域の地域活性化を図っていくという見地から、こういうプロジェクトの採択をしようということに相なったわけでございます。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 そういう計画が実際に必要なのかどうかという問題もあるように私は思います。  もう一つは、先ほども質問をいたしましたように、ジオトピア計画、この日経産業新聞に、「最終的な「ジオトピア」のイメージは、高レベル放射性廃棄物の処分施設、貴重物資の貯蔵施設、各種の地下研究施設、地下工場などが複合された総合的な地底利用施設群といったものになることと考えられる。」というふうな記事が実はあるわけでございますけれども、どうも私どもは、このワールドオアシス構想を見まして、このジオトピア計画とイメージがダブって仕方がないのです。全くこれは関係のないものですね。

川田洋輝資源エネルギー庁公益事業部長

○川田政府委員 そのとおりでございます。私はジオトピア計画というのを全く存じませんし、このプロジェクトにつきましても、ワールドオアシス構想につきましても最近勉強させていただいたものでございます。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 全く知らないというのはおかしいのじゃないですか。科学技術庁の方でそういう計画を検討中であるということでありまして、その点はどうなんでしょう。これはないのですか、科学技術庁、こういう計画は。

干場静夫科学技術庁原子力局核燃料課原子力バックエンド推進室長

○干場説明員 ジオトピア計画につきましては、先ほど御質問の際にお答えさせていただきましたように、高レベル放射性廃棄物処分のための技術開発の成果、これを多角的、多目的に利用していくということから、先ほど先生御指摘のございました日経産業新聞でございましょうか、そちらの記事のような展開ということについて、昭和六十二年当時でございましょうか、その記事は展望ということで示したということがあるわけでございます。しかしながら、それはあくまでも高レベル放射性廃棄物の処分に関連する技術開発として、さまざまな地底の持つ隔離性や安定性、そういったすぐれた特性、そういうものに着目してその技術の活用を図っていこうということでして、その展開としてもちろんさまざまなものが関係してくるというのは、これは当然のことでございますけれども、地底に係るさまざまな諸計画、地底といいましょうか、地下といいましょうか、それがジオトピア計画と直接関係しているというような御議論は必ずしも当たらないかと存じております。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 委託費についてお尋ねしてみたいのですが、先ほども御説明がありましたように、原子力発電安全対策等委託費が、平成元年、平成二年度、平成三年度、だんだん大きく、かなり大幅に伸びておるわけでございます。この予算の性格と、先ほども若干お触れになりましたが、その実施状況についてちょっとお伺いしておきたいと思うわけでございます。

川田洋輝資源エネルギー庁公益事業部長

○川田政府委員 先ほど申し上げました原子力発電安全対策等委託費が増大をいたしておりますのは、このビジョン策定事業以外の部分でございまして、ビジョン策定事業につきましては伸びはないようでございます。二年度、このうちの六億七百万円をビジョン策定事業として配賦をいたしておるということでございます。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 視点を変えて、ちょっと人形峠の動燃事業団についてお尋ねしたいわけでございます。  岡山県下の人形峠にある動燃事業団事業所における最近の事業内容と今後の計画等についてお尋ねしたいわけでありますが、資源開発部が環境資源開発部に、あるいは鉱石試験室を環境資源開発課に名称を変更されたことだけは承知しておるわけでありますが、事業つまり研究の内容はどういうふうに変わったのか、あの施設自身がかなり性格が変わってきておりますから、そういう視点からお尋ねしたいわけであります。

佐藤征夫科学技術庁原子力局動力炉開発課長

○佐藤説明員 お答えいたします。  動燃事業団人形峠事業所におきましては、現在、濃縮原型プラントの操業等ウラン濃縮技術の確立を目指しました研究開発を行っておりますし、また六弗化ウランの転換技術開発、ウラン探鉱に係る鉱石試験等を行っております。  今、組織改編につきまして先生から御指摘がございましたが、最近におきます人形峠事業所の組織改編につきましては、昭和六十二年度に、人形峠の事業所内の廃棄物の一元管理等のために、これらの業務を鉱石試験室に統合いたしまして、同室を環境資源開発課といたしまして、また部の名称も、今御指摘のございましたとおり、資源開発部から環境資源開発部に変更したものでございます。また、同年度におきまして、管理部門強化のために管理部の設置等も行いました。その後、平成二年度には、業務状況の進展に合わせまして、製錬課を転換技術開発課に振りかえたところでございます。  今後の人形峠事業所につきましての事業の御質問がございましたが、当面の間引き続きウラン濃縮技術の確立を目指した研究開発等を実施していくこととしているところでございます。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 よくわかりましたけれども、関係の住民の皆さんの間では、ここで高レベル放射性廃棄物の処理処分に関する研究といいますか、そういうものを集中的にやり始めたのではないか、こんな不安感を持つ方もあるわけです。それは先ほど言いましたような背景がございますから、したがってそういう不安感を持つのも無理もないと思うのですけれども、こういう点については、絶対にそういうふうなことはやってないんだということならそれで結構なんです。そういう不安をこの際ぜひ解消していただきたいと思いますが、いかがでしょう。

佐藤征夫科学技術庁原子力局動力炉開発課長

○佐藤説明員 先ほど御説明いたしましたとおり、六十二年度の組織改編におきましては、施設ごとに行っておりました事業所内の廃棄物の管理について一元的に行うことを目的といたしまして、鉱石試験室に統合いたしまして環境資源開発課と改めたものでございます。また、動燃事業団は、高レベル廃棄物の処分に関する研究開発の中核的機関としての役割は担っておりますが、東海事業所等を中心に研究開発を行っております。また、その処分につきましては、実際の実施機関ではございません。動燃事業団は実施機関ではございません。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 そうすると、今おっしゃった答弁は、そういう処理処分に関する研究は行っておるということなんですか。

佐藤征夫科学技術庁原子力局動力炉開発課長

○佐藤説明員 動燃事業団は研究開発の中核的機関として位置づけられておりますので、動燃事業団全体として、特に東海事業所を中心に処理処分の研究開発を行っております。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 私はつまり、人形峠のあの施設について質問しているのですが、いかがでしょう。

佐藤征夫科学技術庁原子力局動力炉開発課長

○佐藤説明員 人形峠事業所におきましては、先ほど申し上げましたとおり、ウラン濃縮技術開発を中心に事業を行っております。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村分科員 時間が来たようでありますけれども、せっかくいらっしゃいますので、最後に大臣に確認をしたいと思います。  先ほども具体的にワールドオアシス計画というものについて質問をいたしましたことは御承知のとおりでございますけれども、御答弁によりますと、それはもう高レベル放射性廃棄物を埋蔵するとか貯蔵するとかそんなことは全くありませんよ、そういう御回答であったわけでありますことは御承知のとおりであります。私はいろいろな疑問があるから御質問を申し上げたわけですけれども、大臣から、それはもうそうだ、そんなことは絶対にありませんよということを御答弁いただいておけばありがたい、こういう気持ちがいたしますが、いかがでしょう。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 私も全部ただいまの御質問にフォローできるほどこの問題点を知悉しているわけではございませんが、私も当時、隣に座しておりますエネルギー庁長官にも、あれはどうなのかと私の方からも種々質問をしておりますが、全くその点は関係はございませんと。  先ほどのジオフロンティア構想というのは、これは通産省の問題でございますが、科学技術庁のジオトピア構想というのとはこれは全く違うらしいものでございまして、この名前が全く似通っておりますが、私も今そのことで聞いたのでございますが、通産省側ではそのことはわからない、こういうことでございますから、その点は責任を持って全く違うものだと答えられると私も思います。  ただ、全体的な構想、現状並びに将来というものにおける展望等、こういうことになりますると私の分野としてもはっきり申し上げておかなきゃならぬと思いますが、大都市地域における社会資本整備の円滑化を通じまして土地の有効、高度利用を促進する観点から、通商産業省としましては地下空間のうち特に大深度地下空間の公的利用について制度面、技術面から検討を進めてきておる次第でございます。しかし、こうした大深度地下空間の利用はいまだ検討の緒についたばかりでございまして、制度面、技術面でさらに慎重に検討を進めている段階でございまして、御指摘のような全国的な構想を立てているということは絶対にございません。  それから、通産省関連の大深度地下空間の利用事例としましては、石油、LPG等の地下備蓄あるいは揚水式発電所等がありますけれども、通産省としましては、必ずしも地上にある必要のない社会資本等の整備が都心部の地下空間を利用しつつ円滑に進むように、引き続き制度面、技術面での検討を進めてまいる所存ではございますが、先ほど委員が御指摘のとおり、これは我々にとってはむだなことだと思うという御指摘がありましたならば、私も調査の結果むだだと判断した場合にはすぐにやめさせます。そのように私自身も通産省にも命ずるつもりでございます。したがいまして、そういう点は、委員がそのようなことは必要ないとおっしゃるならば、この中尾栄一あてに存分に言っていただきまして、私自身もそのときには必要あるべきかあるべきでないか判断をいたしまして、私の判断でそれは形を整えたいと考えておりますから、御指摘ください。

金子一義自由民主党

○金子(一)主査代理 これにて谷村啓介君の質疑は終了いたしました。  次に、山中邦紀君。

山中邦紀日本社会党・護憲共同

○山中(邦)分科員 私は集団クレジット被害事件に対する処理の問題で質問をいたします。  最初に、消費者信用市場の動向と最近の特徴、特に販売信用に着目して御説明を願います。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 我が国におきます消費者信用でございますけれども、経済が安定いたしておりまして、また消費も堅調でございます。そういうことを背景といたしまして、私どもの手元に日本クレジット産業協会の調査がございますけれども、これによりますと、平成元年の販売信用の供与額は、前年に比べまして約一〇・五%増ということで二十三兆三千億円という数字になっておるわけでございます。これはこの十年間に約二・四倍の伸びを示しておりまして、同じ期間における家計の可処分所得の伸び率というものが一・六七倍ということでございますので、これを考えますと、我が国のいわゆる消費者信用市場というものが非常に着実に成長している、ある意味では堅調な消費というものを維持することに寄与しているのではないか、こんなふうに思っておるところでございます。

山中邦紀日本社会党・護憲共同

○山中(邦)分科員 数字を挙げての御説明でありますけれども、その構造的な病理現象として集団クレジット被害事件というのが出てまいっております。これとの関連もございますので、クレジット産業において与信管理、加盟店管理がどういう観点で問題になっておるか、またその対処としてどういうことが論ぜられておるのか、お伺いをいたします。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 ただいま御指摘のいわゆる集団クレジットの事件、割賦販売が多いのでございますけれども、こういったことについてのトラブルにつきましては、例えば割賦販売業者におきまして非常に経営基盤が安定しないというようなことのために消費者に不測のトラブルを与えるとかいったようなことがございます。この点につきましては、通産省におきましても昭和五十八年の三月十一日でございますが、「個品割賦購入あっせん契約に関する消費者トラブルの防止について」という指導通達を産業政策局消費経済課長名で社団法人の日本割賦協会の会長あてに出しているわけでございます。  これの要旨でございますけれども、信販会社におきます加盟店の管理がまず第一に必要であるということで、加盟店と契約をいたします場合でも、その加盟店に対する審査を厳格に行うべきである。例えば、販売業者が取り扱います商品とか役務の内容並びに販売方法というものを十分把握して、必要に応じて興信所等の専門機関にその調査を依頼すべし、また、その加盟店の契約を締結いたしました後も、加盟店の債権内容といったものを審査、管理して加盟店の信用状態というものを継続的に把握すべしといったようなことを、いわゆる加盟店管理というものを徹底して行うよう指導を行っているところでございます。  また、商品の瑕疵とかあるいは引き渡し遅延などによります消費者からの苦情とか相談に即応するための社内体制を信販会社において確立することということで、例えば、消費者相談処理体制の整備充実とか消費者に対する相談窓口の告知というようなものを行う必要があるということを述べておるところでございます。  その他、例えば学習教室の開催を条件にした英語教材の販売というのは当時事件が多かったものでございますから、これについても特別の措置を講じるよう述べたところでございます。  また第四番目の範疇といたしましては、加盟店が消費者に対していわゆる詐欺的な行為によって割賦購入あっせん契約を締結させるといったようなことがございましたので、こういうものを防止するために、消費者の契約締結意思の確認といったようなことを厳格に行うこと、そういったことを通じまして信販会社に対して加盟店の管理及び消費者に対する啓発あるいは相談体制の確立、こういったことを通じていわゆるクレジット供与に伴うトラブルというものを防止するよう関係業界を指導してまいっているところでございます。

山中邦紀日本社会党・護憲共同

○山中(邦)分科員 五十八年通達を前提に加盟店管理のお話をされたわけでありますけれども、ただいまのような指導が実際にどこまで徹底しているか、これを問題にしたいわけであります。  私がもう一つお尋ねをしたのは、与信管理の関係であります。この点、特段お答えがなかったように思いますけれども、消費者金融と販売信用合わせた消費者信用市場の新規信用供与額、これは一九八八年で既に四十九兆八千三百六十四億円、このように言われております。その年のGNPの一三・六%に達している、十年間で約三・二五倍に急膨張している、こういうことが指摘をされております。堅実にクレジット産業が発展してきた、それは企業としてはそうかもしれませんけれども、その弊害は相当大きいものがあるというふうに思われます。消費者信用産業が、約五十兆に及ぶ資金を大量に貸し付ける必要がある、そのために企業間の過当競争が出てまいり、個人の需要を無理やりに引き起こして構造的に多重多額の債務をつくり出す、こういう体制になっているというふうに見られるわけであります。こういう観点からも、ただいまお話のありました通達、これを、不十分ではありますけれども、もっと徹底する必要がある、こういうことを述べたいわけであります。  ところで、集団クレジット被害事件、ただいま述べたような問題点の中から発生しているわけでありますけれども、これはいつごろから発生をし、そうしてその増減の推移、現状はどの程度の数字になっておりますか、お聞かせを願いたいと存じます。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 集団クレジット被害事件という御指摘の点でございますが、私どもまた別の名義貸し事件というふうに考えて、そういうふうに呼んだりいたしておるわけでございます。これは、申すまでもございませんけれども、消費者が加盟店からの依頼に応じて自己の名義を貸すために虚偽の意思表示を行って個品の割賦購入あっせん契約を締結するという形態でございます。  これは昭和五十五、六年ごろから発生をいたしておるものでございまして、ちなみに私どもの手元で把握をいたしております推移を簡単に申し上げますと、五十五年、五十六年が一件でございますが、五十七年には全国的に五件起こっております。また、五十八年一件で五十九年にまた五件、六十年に七件、六十一年には四件、その後六十二年、六十三年が一件ずつでございますが、元年にはまた五件発生するというようなことで、全体としては一件の年もございますし、数件の年もございます。六十年が七件でピークであったように思いますが、増減は一様な方向というわけにはまいらないと思います。

山中邦紀日本社会党・護憲共同

○山中(邦)分科員 ただいまの数字はどういう方法で入手をされておられますか。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 当省で関係いたしております大手の信販会社を通じて調査をいたしたところでございます。

山中邦紀日本社会党・護憲共同

○山中(邦)分科員 信販会社側からの情報ということでありますと、加盟店の立場あるいは消費者の立場というものについての配慮はどうなっているかというふうに思うわけであります。私が集団クレジット被害事件と申しましたのは、単に名義貸し事件だけでなしに、加盟店が架空の契約をつくりましていろいろな被害を及ぼしておる、これらをまとめて考えるべきではないか、こういう観点からであります。  事件が浮かんでまいりましたら、これは通産省として事情を調査し、指導し、そうして消費者保護の立場に立つということであろうと思いますけれども、どういう方法で実情を調査されておりますか、また調査の結果は何か報告書のような形でまとめられておりますか。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 ただいま申し上げましたように、大手信販会社を通じて調査をいたしているところでございまして、集団クレジット被害の案件につきまして何かまとめて調査をしておるというものはないのが現状でございます。

山中邦紀日本社会党・護憲共同

○山中(邦)分科員 その点は残念であります。通達もあることでありますので、この通達を実効あらしめるためにぜひ調査を行うべきであるというふうに申し上げたいのであります。把握をしておられる数字が実際の集団クレジット被害事件よりもはるかに少ないというふうに私は思っております。私出身の岩手におきましても、現在遠野ダイハツ事件、それから宮古市における名義貸しの車の関係の事件、水沢市においても同様であります。大量の被害者が発生をしております。これは加盟店が悪いとか消費者が不注意であるということだけの単発的な結果であるというふうには到底思えないのであります。  ところで、五十八年通達でありますけれども、その骨子は先ほどお話がありましたが、基本的な考え方ですね、これはどこに置かれているのか、また、五十八年、この時期にこういう通達が出たということについては、何か特段の動機があったものかどうか、お尋ねをいたします。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 この通達の基本的な考え方につきましては、こういったいわゆる名義貸し事件というのが典型的なケースとして、これに対して信販会社を通じましてできるだけこういった消費者トラブルというものが発生しないように信販会社において基本的に注意すべきこと、あるいは管理すべきこと、こういったことを徹底しようと考えたものでございます。  そういう点で、私どもといたしましてはそもそもこれをつくりましたのは、ただいま御指摘がございました幾つかそういった事件が発生をしたということを背景といたしておるわけでございますけれども、この点につきましては、やはりこういう名義貸し事件というものが改めて発生することのないようにするためには、加盟店においてもこれを注意してもらいたいし、また消費者の側においてもこういったことに余り乗らないように啓発もいたしたい。しかし基本は、信販会社の側におきましてあっせん行為を行います場合には、加盟店の信用状態あるいは加盟店と消費者との契約が行われました場合に消費者に契約に入る意思があるということをよくよく確認するというようなことを通じまして、事前に信販会社が加盟店及び消費者の双方に、契約が真実であり、かついわゆる割賦販売金融を行っても将来余りトラブルがないような事前の予防体制というものを可能な限り講ずるべきであるということを信販会社に伝えたいと思ったものでございます。

山中邦紀日本社会党・護憲共同

○山中(邦)分科員 この通達には、加盟店管理の関係で、加盟店契約締結時に審査の厳格化を図る、また契約締結後も加盟店の信用状態を継続的に把握をする、こういうふうに書いてあります。しかし、集団クレジット被害事件が多発している、そう私は思っておりますけれども、その原因の一つには、この通達の加盟店管理が十分できていないということにあると思っております。加盟店契約締結時にどの程度の調査をし、どのように判断したか報告書をつくらせ、管理をさせる、また加盟店契約締結後も一定の時期において同様なことをさせる、こういう指導をしておられますか。おられなければ今後そういう指導をぜひしていただきたいと思いますが、いかがですか。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 ただいま先生御指摘の点につきましては、信販会社においてこれを行うということを基本にいたしておりまして、私どもの方で改めてこれをチェックするということは余り行っていないのが現状でございます。  それでこの点につきましては、ただいま御指摘のとおり、この通達を出した以降も名義貸し事件というものが、数は少し減ってはございますけれども依然として発生しているということがございまして、それを踏まえまして昨年六月に、割賦販売審議会のクレジット産業部会の中間報告におきまして、クレジット産業の加盟店管理の適正化ということが提言をされているところでございます。私ども通産省といたしましても、こういった問題に対するクレジット産業の取り組み方というものをさらに徹底をし、これを支援するという見地から、平成三年度の予算におきましては、加盟店の情報交換システムというものをつくり上げるための調査研究のための予算を計上してお願いいたしているところでございます。こういうことを通じまして、クレジットを行う会社の相互においてこういう名義貸し事件などがこれから多発しないような、そういういわば情報交換というものが行われるように対策を講じてまいりたいと考えているところでございます。

山中邦紀日本社会党・護憲共同

○山中(邦)分科員 ただいまの情報交換制度は、既に五十八年通達でうたわれているところのものであります。ある意味では、ようやくにしてそれを実現したのか、こういう評価もできるのではないか。単に信販会社に通達を教えて、よしなに計らえということではなしに、ただいま申し上げたような報告書の作成、企業における備置、そうして求めに応じてこれを示すというような対策は講ぜられないか、私はこういう質問を申し上げたわけであります。  同様なことで、この通達には信販会社の電話等による申し込み意思確認のことについても書いてあります。「購入者自身でなければ答えられないような項目を照会する等により、その徹底を図る。」ということがありますけれども、私はこれだけではなお足りないと思います。実態は、相手方の住所、氏名等を確認する点に重きが置かれ、必ずしも契約内容を明確に説明して諾否を求める、こういうことではないように思います。この電話による申し込み意思確認についても実態を調査されたことがございますか。ぜひ調査をしていただきたい。この点はいかがでしょうか。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 御指摘のように、この点についても私ども調査をいたしてございませんので、これから早速に調査をしてみたいと存じます。

山中邦紀日本社会党・護憲共同

○山中(邦)分科員 大型の未解決の被害事件というのは、日本自動車販売、十億を超すと言われております。それから遠野ダイハツ事件、これも十億を超すというふうに言われております。被害者の人数の多いこと、契約件数の多いこと、通産省では大変関心を持っていると思われますけれども、調査を行き届かせておられますか。また、解決についてはどういうことを期待をし、指導をされておられますか。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 ただいま御指摘のうち遠野のダイハツ事件に関してでございますが、これは昭和六十二年七月、岩手県においてダイハツ自動車の販売業者である遠野ダイハツが倒産いたしまして、いわゆる名義貸しの実態が明らかになったわけでございます。  本件に即して申し上げますと、ここに関係いたしておりましたのは信販会社で六社でございます。その後、名義貸しを行いました消費者と信販会社との話し合いが進みまして、四社に関しましては請求放棄ということが行われて和解をいたしておるわけでございますが、現在、残る二社につきましては消費者との間で協議中と聞いているところでございます。私どもといたしましては、当該信販会社から本件の早期解決について努力を行っているというふうに聞いているところでございまして、ただいまその動向を注視しているところでございます。

山中邦紀日本社会党・護憲共同

○山中(邦)分科員 簡単なやりとりでございますけれども、もう少し遠野ダイハツ関係について御説明をいたします。  大臣に感想をお聞きしたいのでありますけれども、ただいま申し上げた諸点について調査を行い、そして専ら信販会社ベースで考えるということでなしに、本来の消費者サイドで考えていただきたい、こういうことを希望申し上げますが、この集団クレジット被害事件については大手の信販会社が必ず顔を出しております。それから遠野ダイハツの関係では、これは名義妄用であります。名義貸しというに当たらないものであります。加盟店がクレジット関係の契約申込書も扱うわけでありますが、本人にその控えは行っていない、本人の署名は、もちろん本人は行っていないし、判こは加盟店がいいかげんに用意をしてきたものを押す、こういうわけであります。クレジット会社の電話確認も形式的なものでありまして、死亡者から確認したような形をとっているものもあります。この点、契約内容を明示しない確認は無効であるという大津簡裁の確定判決もございますので、念頭に置いていただきたいというふうに思います。それから、加盟店は銀行口座も勝手につくりまして、社長が毎日何通もの通帳を持って銀行へ行って入金をしている、こういう状態であります。一番多い人は一世帯で二十三台の自動車を買ったことになっております。被害金額は十五億程度、被害者は五百五十人を超す。架空の契約総数は千五百前後、そうして被害者の中には地方公務員もおれば教員もおれば警察官もいるというような事態であります。請求を受けて、お互いが被害者であるということがわかって初めて組織をつくり、対抗するわけでありますけれども、これがお互いの事情がわからなければ、相談に行っても、利子がかさむばかりだから早く手を打って払いなさいとかいうようなことになりかねないわけであります。  架空の契約はもちろんのこと、名義貸しについても、こういう先ほど冒頭で申し上げましたようなクレジット会社の実態、これにかんがみまして、もう少し消費者サイドの調査を行き届かせる、そうしてせめて五十八年通達の実効を確実にさせるということを要望したいのであります。大臣、いかがでしょうか。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 簡潔に委員にお答えさせていただきます。  消費者保護は、行政において基本的に重要なものであることは申すまでもありません。クレジットに係る消費者保護対策につきましても、これまでも割賦販売法等により適切に対応してきたところでございますが、今後とも適時適切に対処してまいりたいと考えておる次第でございます。

山中邦紀日本社会党・護憲共同

○山中(邦)分科員 委員長、一つだけ。  せめて、調査を確実にやるということだけは決意を表明願いたいと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 そのように考えて、委員のおっしゃるとおり決意をいたします。

山中邦紀日本社会党・護憲共同

○山中(邦)分科員 ありがとうございました。

金子一義自由民主党

○金子(一)主査代理 これにて山中邦紀君の質疑は終了いたしました。     金子(一)主査代理退席、野坂主査代理着席〕

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂主査代理 次に、沢田広君。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 大臣お疲れだろうと思いますが、あとわずかですからひとつ頑張ってください。  大臣は、もう二回目でもありますし、海部内閣の言うならば重鎮ともいうべき実力派の大臣であります。私は、余り細かい材料も言わないで、結論だけ申し上げていきたいと思います。  一つは、言うならば都市ガスとプロパン、このガスの割合というものをどういうふうに考えていったらいいかということの立場で、ちょうど今二千百万の二千百万ぐらい、大体同じぐらいの需要なんですが、基本的に、安全とかそれからこれからのことを考えていけば、都市部は都市ガス、調整区域等の多いところにおいてはプロパン、こういう区分が一番望ましいのではないか。集落等でプロパンが爆発すれば、その被害は非常に大きくなるということになりますので、そういう立場で考えてみると、点在といいますか、非常に散漫に散らばっているわけでありますが、ある一定の統一化を図る必要がある、これが一つですね。  それからもう一つは、共同溝ですね。これは大臣に特に考えてもらいたいのでありますが、下水道、電気、ガス、電話、これからはそういう電話も、株を出したときには、共同溝をつくって下水道も含めながら、水道でも電気でもガスでも、そういうものを包括して整備をしていくということが都市基盤整備に極めて有効である、私はこういうふうに言ったわけでありますが、そういう体制。いわゆる各省縦割りではいつも掘り返し運動をやっているようなもので、一たん掘ったところをまた掘るというような格好でありまして、望ましいことではない。ぜひプロジェクトをつくって共同溝の推進というものを、そうすれば電柱もなくなりますし、町も整理されますし、きれいになりますし、やはり都市というものはそういうものじゃないかと思うのです。それがいまだにできていないということは、世界の大国だなんて言えないと思うのです。  ですから、以上二点の理由で、都市ガスの整備、それからプロパンは、これも二千万戸ぐらいの戸数はあるにしても、量としては天然ガスも大体二十三億ぐらいの量でありますからこれは大体横ばいですし、燃料政策としてどうあるべきかという問題が一つ大臣にあると思うのです。私は燃料政策は多年の主張なのでありますが、正確な燃料政策を実現したい。  これで大体全部言い終わったので、あとは答弁だけ聞けばいいようにしてしまったわけなんでありますが、ひとつ大臣から、決断を持ってお答えをいただければ幸いだと思います。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 全く商工関係にも大ベテランであります沢田委員でありますから、これまた答弁も全く必要ないと私は思っておるのでございますが、現実、今問われてみますと、本音を言うならば、沢田委員と私も全く考え方は変わらないという気持ちなんです。ただし、私も主管大臣でございますから、こっちがいいあっちがいいと言うわけにはいきませんが、私自身も、ただ数値の上からいきますと、需要量からいくと都市ガスが元年度が大体千九百万というように聞いています。それから液化石油ガスの方が二千三百万でございます。そんな状況でございますが、都市ガス及び液化石油ガスはおのおのが国民生活に不可欠だということはもう委員御指摘のとおりでございます。政府としても、それぞれの特色を生かしながら健全な発展を遂げるように指導してまいってきておるところでございます。  他方、都市ガスまたは液化石油ガスのいずれを使用するかということは、最終的には消費者の自由な選択にゆだねられるべきものだろう、これはもうそのように考えるべきものだと思っております。このような基本的観点に立ちまして、都市ガス業界とLPガス業界の円満な調整が図られるように指導をし、また必要に応じ、話し合いの場のあっせん等を行ってきたところでもございます。今後とも、都市ガスとLPガスの調和というものを求めまして、その健全なバランスのとれた発展というものを期待しているわけでございますが、主管法に基づきまして、所要の規制、指導を行ってまいりたい、こう考えておる所存でございます。  また、道路等、これは公共の社会資本という問題にもつながることでございますが、相当金目のものも必要になってまいりますので、これはスロー・アンド・ステディーに、ゆっくりと堅実に、委員の御指摘のとおりの方向で考えていくべきだ。かといっても、スローだと言いながらも、これは世界的に見て、世界各国ほとんど調和のとれた社会資本のもとに相当前からもうやっていることでございますから、日本はおくれがちでございますので、これにも鋭意努力を払うということはお約束させていただきます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 もう本当は終わらせてもいいのでありますが、若干違いますから……。  要すれば、一つには被害の問題といわば近所に対する迷惑というようなもの、それから、別にどちらかを誹謗するという意味ではないのですが、プロパンガスの方は比重が重いですから、どうしても低く問題を起こしていく。いろいろな功罪を見まして、特に減反と同じに、先生は山梨ですから山梨でもわかると思いますが、減反がぽちっぽちっと行われますと雑草が風で非常に散りましてほかの田畑にやはり相当被害を及ぼす。これも同じなんですよね。ですから、市街地の中でそういうものが十軒なら十軒使っていて、そこで問題を起こすと全体に被害が起きる。それで私の言う調整は、ある程度線引きをしていかなくちゃなるまいと。だから市街化区域の人家の連檐地区は、設備費は確かにかかりますが、単価として見ればその方が安くなっていくわけですから、適正な処置というのは、減反も同じですが、今の共同溝までできないにいたしましても一定の市街化区域内においてはやはり一つの路線でまとめていく、そういう方向が金の面でもいいのじゃないのかということと、安全の面でいいのじゃないのかということが言えると思うのです。  今大臣が言ったように、業界なかなか両方強いですから、それは政治家としては余りどっちかに加担すると次の選挙に影響してしまうかもしれない、こう心配するから、大臣の言わんとしていることも、またほかの人の言うこともよくわかるのですが、ただ、それを調整するのには、今言った市街化区域内におけるいわゆる被害の最小限度の防止、こういう目的を考えれば、市街化区域はそういうぐあいにして、それで調整区域はと、こういうふうな形の方が将来の安全性がいい。  さらには将来の展望を考えれば、下水道のときには下に入れるというふうなことが可能になっていくという意味で、私はあえてこの問題に大臣がひとつプロジェクトでもつくってもらって、日米構造協議の中でもこういうことはまた言われてくる問題にもなるわけでありますから、やはりプロジェクトをつくって、通産省だけでできませんから、電力がありガスがあり、水道は厚生省ですから、それに下水道は建設省ですから、そういう各省庁のプロジェクトの中でそういうものを整備していく。政府がそういう方針を出せば、電話の株も、あるいはこれから出てくるでしょうけれどもJRの株も含めながらそういう中にその整備が促進できる、こういう希望が国民に与えられると思うのです。本人の選択でおれのうちはどうしても嫌だと頑張られて、そのために全体に被害が及ぶということは避けたいと私は思うのです。ぜひ方向性として大臣が決断していただくよう、心からお願いいたします。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 安全性の問題もございますから、ちょっと政府委員にも答弁させておきたいと思います。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田政府委員 今沢田先生から、都市ガスとLPガスの関係で安全性等の問題について御指摘があったわけでございます。  基本的な考え方は先ほど大臣が申し上げたとおりでございますが、LPガスの安全の問題、確かに我々やはり保安の確保というものには最大限の努力をしていかなければならないと考えている次第でございます。  それで、LPガスの保安の問題につきましては、先生御承知のように、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律に基づきまして、LPガスの販売業者の許可であるとかあるいはLPガス器具の国家検定等の規制を行うと同時に、消費者のミスによる事故を防止するために、官民挙げまして自動ガス遮断装置を初めとする安全器具等の普及に積極的に取り組んでいるところでございます。この結果、LPガスの消費先での事故というのも毎年着実に減少してきているわけでございまして、平成二年におきましては、十年前に比べますと約三分の一の件数、二百六十九件に減少しているのが実態でございます。現状、先ほど大臣の答弁にございましたように、LPガス、全国の約二千三百万世帯で使用されているわけでございます。今後とも、冒頭申し上げましたように、その保安の確保には万全を期してまいりたいと考えているところでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 そういう答えは、とにかく僕も政治的な質問をしているんだよ、長ったらしい答弁聞こうなんて思っていないよ。あなたプロパンガスの弁護ばかりしているじゃないか。僕はそういうふうなことは言っていないんだよ。もっとグローバルな意味において、将来の展望を踏まえ踏まえながら一歩一歩進めていこうじゃないかという提言を大臣にしているんだよ。そんな余計なことを言うんだったら帰れよ、全く。そういうことでわざわざ円満に物を進めていこうと言っているのに、そういうような、事故は減っているから――では、片一方の事故は何件あるんだよ。そういう一方的な、片一方だけが事故が減っていますからと。もう片一方は事故があるのかないのか、どっちなんだ、言ってみろ。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田政府委員 比較のベースは違いますが、都市ガス事業の場合には平成二年で九十一件でございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 それで、今の同じ年度で言ってみてください。それから落下の事故もあるしね、車両から道路へおっこちた事故もあるのだから、そういうものも含めて。

黒田直樹資源エネルギー庁石油部長

○黒田政府委員 昭和五十五年は持っておりませんが、昭和五十六年が二百七十三件でございまして、大体三分の一に減少いたしております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 火災の件数はどうなっていますか、両方言ってみてください。――大臣、いいですよ。そんなものは別に問題にしようとは思わないけれども、私も公正な物の言い方をしているわけですから、何か一方づいた物の言い方をするということはもうまさに癒着の実態を如実にあらわしているのと同じですよ。ですからそういうことは余り言わない方がいい。この場合は両方を必ず比較しながら言っていく、そういうスタイルが、片一方何か特別少なくなったんですなどという誇張した物の言い方をすれば、何のことはないですよね。それは大臣だってそういうふうに思えるでしょう。だから怒るのですからね。  それから、もう時間が、実はやめようと思っていたのですが、これからは水が大変不足をしてきて、湾岸の問題も非常に参考になったというふうに私も思うのです、海水の淡水化プラントが今後は関東平野、大阪あるいは近畿を含めまして、等々にはいや応なしに迫られてくるであろう。そのときに厚生省になるのか通産省になるのかという問題が起きてきます。私は、あえて言うならば、そういうものが日本にもあるそうですね、もう小さいのはあるのだそうですけれども、これは大型に、利根川だけの水に依存はできなくなってくるだろうというふうに思って、今から始めていかなければならぬ。沖縄ではもう五十六日も現実に断水しているわけですからね。東京でももうこれから、もしこのまま続くとすればこの夏の受水というものは極めて取水制限を余儀なくされるという危険性もなくはない。そういう時期には今からこのプラントの準備を進めていかないと大変厳しい状況になってくる。  なお、念のためですが、山梨でおられるからわかると思いますが、地下水もどんどん下がっておる。昔は五、六メートルで井戸掘れば水が出てきた。今三十メートルくらい掘らないと水が出てこなくなる、これは地下水の低下なんです。言うならば関東の砂漠化が進んでいる、こういうことになると思うのです。ですから、そういう意味においてはこのプラントをどうしても進めなくちゃならぬ。そういう研究を進めるようにひとつ通産の方でも十分考えてほしい、こういうことをお願いしたいと思うのです。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 沢田委員の御質問は、この時期、この環境問題を非常に我々が憂慮しなければならぬ時期に適切なものと私も思います。特に、今の水の問題というのはこれは国土庁だと思います、それから淡水化ということになりますと私どもの通産省の所管になると思います、そういうような意味において、確かにこのような所管庁いろいろございますが、連携を事務レベルで十分とらせながら、この問題に最も適切な形で進んでいかなければならない、このように私も考えるものでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 本当は十四分まであるのでありますが、ちょうど六時で定刻になりますから、その分だけ省略して、大臣がそういうつもりで、細かいことはよう言わぬですが、やはりそういう方向をきちんと定めていただきたい、こういうことを願って、やめたいと思います。  どうもありがとうございました。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂主査代理 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。  次に、伊東秀子君。

伊東秀子日本社会党・護憲共同

○伊東(秀)分科員 製造物の欠陥から生じる事故の問題についてこれから若干質問したいと思うのです。  三月八日に、テレビ、ビデオ等の発火が原因で起きた火災についての家電メーカーへの提訴のニュースが新聞等に報道されましたけれども、こういった製造上あるいは設計上の欠陥と見られる商品をめぐる事故が最近多発し、社会問題化しております。しかし、これまで日本では、これらはすべて不法行為責任ということで、メーカーの過失とか、あるいは製品のどこの部分に欠陥があるかとか、さらには欠陥と被害発生との因果関係等について、原告である消費者、被害者がすべて立証できなければ被害者は救済されないという法制になっているわけでございます。  アメリカ等においては、先日、昨年の十二月、かなり大きく新聞でも報道されましたが、昭和電工のLトリプトファンという、健康食品に含まれる必須アミノ酸の一種の製品に不純物が含まれていた、それで約千五百人余りのLトリプトファンを含む健康食品を摂取した者が原告となって昭和電工を訴えた、約四百件余りの提訴事件になっている。その中で昭和電工はいち早く六億円の和解に応じたというようなことが報道されております。  日本の法制であれば、昭和電工の製品と発病との因果関係がはっきりと解明できなければこういった支払い等は全くなされないのが日本の実情であるにもかかわらず、アメリカでは、被害者救済ということを第一義目的とする製造物責任法とか、あるいは被害者救済のための立証責任の転換と見られる厳格責任といった判例法理が適用になっておりまして、いち早く被害者が救済されるという状況にあります。EC諸国でも、一九九二年の統合を前にEC指令が一九八五年に出されまして、各国に対して製造物責任法制を制定するよう命令を出し、これに基づいてEC各国及び周辺国で法制度ができ上がっているというのが実情なわけですけれども、こういった日本の国内で発生した製造物の欠陥商品に基づく事故については日本の消費者は救済されない。ところが、アメリカとかあるいはEC諸国に日本が製品を輸出して、それで製造物責任を問われた場合には、いち早く日本のメーカーは責任を果たしているというアンバランスがあるわけでございますけれども、こういったアンバランスに対して政府はどのようにお考えであるのか、御答弁をお願いいたします。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 ただいま御指摘の点でございますけれども、確かにアメリカにおきましては、既にいわゆる無過失責任を原則とする製造物責任法というものが存在いたします。また、我が国には無過失責任を原則とする製造物責任法はただいまございません。そういう意味で、製造物に基づく事故が発生をいたしました場合に、それに対してどういう裁判制度で臨むかという点については、その方法上の差があることは御指摘のとおりでございますけれども、しかしながら、我が国におきまして従来、製品に関連いたします事故が発生いたしました場合にどういう救済が現実になされてきたかというものを見てみますと、すべての事件について私ども必ずしも把握しているわけではございませんけれども、我が国の会社におきましても、その事故が発生したさまざまな要因というものを考えまして、例えば被害者と企業との相対交渉もございますし、また国民生活センターや消費生活センターへの苦情の申し出と、そういう機関による仲介あるいは訴訟といったことを通じまして、被害者の救済が現実には図られつつあるということであろうかと思います。  いずれにせよ、基本的には、ただいま御指摘のように事故が国内で発生すれば被害者が救済されない、海外で発生すれば救済されるというふうに、被害者救済において差があるということがあってはならないと基本的には考えておるわけでございますけれども、ただいま御指摘のように、その究明の方法につきましては彼我の違いがあるというのは事実でございます。

伊東秀子日本社会党・護憲共同

○伊東(秀)分科員 確かに、日本の消費者がそういった商品の被害に遭遇した場合に、まずメーカーに苦情を申し立てているというのが実情だということは日弁連の「欠陥商品一一〇番」の調査結果にもあらわれておりまして、八、九割がメーカーに申し立てている。ところが、例えば、自動車が一番多い苦情だったという調査結果なんですが、使用の仕方が悪かったのではないかとか、道路が悪かったというようなメーカー側の回答があり、修理を無料で応じた場合にも、そういったどこが悪かったの明示とか説明をきちんと果たすといったことはなされていない。だから、その欠陥が、製造上あるいは設計上のミスなのかあるいは別な原因なのかの原因究明については何ら消費者の側に納得のいく説明がなされていないというのが実情であります。それがメーカーに対する苦情申し立ての場合でございます。  通産省にも事故収集制度というのが確かにございますけれども、それも一般には公表されないというような問題点があるわけでございます。例えば、通産省の消費経済課ですか、こちらの方で事故情報収集制度というようなものを置いているわけでございますけれども、これで事故を収集して調査、分析するということになっておりますが、事故原因についてあるいはその措置の内容について一般の国民にいち早く公表しているのかどうか、その点についてお伺いいたします。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 ただいま御指摘の事故情報の収集でございますけれども、私ども、製品安全協会を通じまして、今まで製品に関連して事故が発生をいたしました場合に、その事故原因が製品に起因するものはどういったものか、例えば専ら設計上または製造上に問題があったもの、あるいは使い方が事故発生に影響し、また製品自体にも問題があったもの、あるいは製造後長期間経過したり長期間の使用により性能が劣化したもの、いわゆる製品に起因するものがどれくらいあるか、あるいは製造のみならず工事とか修理等に問題があったもの、また一方において、事故の場合にも、事故原因が製品に起因せず専ら使う側の誤使用とかあるいは不注意な使い方によるもの、その他偶発的なものといった、事故原因別にどういったものがあるかいうことを各年度ごとにそれぞれのケースに即して事故状況の収集と集計をいたしております。  これは、個々のケースについてどういうことがあったかということはともかく、これらの事故の発生のパターンと、それからその具体的な内容につきましては公表をいたしているところでございます。

伊東秀子日本社会党・護憲共同

○伊東(秀)分科員 公表するということでございますけれども、事故原因についてきちんと国民に公表しているのかどうか。さらには、それが同じような製品に対する、国民がそれを買ったら問題だと思えるような形で発表しているのかどうか。さらに、悪質な事案に対しての何らかの、リコール等の措置まで行っているのかどうか。その点についてはいかがでしょうか。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 私ども公表いたしておりますのは、大数的に件数として全体でどれぐらいの件数があったか、そして先ほどちょっと詳しく申し上げましたが、それぞれの事故原因別の件数を整理いたしまして公表いたしておるというのが実情でございます。したがいまして、個々の商品、個々の製品につきまして、それぞれどういう事故があったかということまでは公表はいたしておらないのが実情でございます。

伊東秀子日本社会党・護憲共同

○伊東(秀)分科員 それであれば、例えば家電製品についても、この製品は今後問題であるというような形で未然に事故を防止するための消費者への警告にはならないじゃないかと思うわけですけれども、その点について、これで十分であるというふうに通産省ではお考えなんでしょうか。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 私ども、こういう製品に関する安全の確保対策という点につきましては、例えば電気用品取締法でございますとかまた消費生活用製品安全法といったようなことに基づきまして制度を運用いたしておりまして、また、ただいま申し上げました事故情報収集制度という点も現実の措置としてやっておるわけでございます。製品による事故から消費者を守るという安全対策につきましては、法制を通じ、あるいは事故情報を知らせるということによりまして製品の安全性に対する注意喚起を行うということでございまして、ただいま現在のところ、これらの諸施策をそれぞれ活用することによりまして、消費者の安全対策というものに万全を期してまいりたいというふうに考えているところでございます。

伊東秀子日本社会党・護憲共同

○伊東(秀)分科員 答弁漏れがございましたけれども、これで十分だというふうに通産省はお考えなのかどうか、さらに、この制度に対して新たにさらに強化するような考えがないかどうか、二点についても御答弁お願いいたします。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 私どもといたしましてはただいま現在、この各般の制度とまた法律その他、予算その他を活用することによりまして最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  ただ、消費者を製品から守る、いわゆる安全性の確保という点につきましては、これでもってすべて万全であるということは一般的に申しましてもなかなか言いにくいことでございまして、これ以上もう何もしないとか、あるいはこれでもう完全であるということを言い切るつもりはございません。ただ、現在のいろいろな手段というものを活用してできる限りの安全対策に貢献をいたしたい、こう考えているというのが実情でございます。  したがいまして、消費者保護の問題につきましては、一般論で申しまして、技術的にも日進月歩でございますし、また安全に対する社会意識というものも、国によって時代によってまた当然変化するものでございますから、そういった社会環境と申しますか時代と申しますか、また技術の進歩といったようなものに即応して、常々消費者のための製品安全対策というものには努力を傾けていくべきだ、かように考えているところでございます。

伊東秀子日本社会党・護憲共同

○伊東(秀)分科員 端的にお伺いしますけれども、商品の欠陥に基づく被害の救済のためには、私は製造物責任法という民法の特別法をつくらなければ、消費者救済については泣き寝入りせざるを得ない状況が非常に多発をしているということが第一点。  さらには、行政機関としても、アメリカの消費者製品安全委員会のように、どんどん国民から無料のホットラインで事故情報を収集し、それをさらに国民にはリコール情報として流し、製造物の欠陥に関する調査研究をどんどん進め、危険の高い商品には販売禁止命令まで出す、そして安全基準の違反があれば、改善あるいは廃棄回収まで決定するような権限を持った行政機関があるわけですけれども、この二つが備わらなければ被害者の救済は実効性を持たないというふうに考えているわけでございます。  この二つについて、通産省の方では、製造物責任法の必要性を現段階でどう考えているのか、さらに行政機関の、アメリカ並みに近づける努力については必要ないと考えているのかどうか、明確に御答弁願います。

坂本吉弘通商産業省大臣官房商務流通審議官

○坂本(吉)政府委員 ただいま御指摘の二点でございますが、まず第一点の方、製造物責任制度についての私どもの取り組み方について申し上げたいと思います。  製造物責任の制度につきましては、申すまでもなく民法の過失責任の原則を修正するものでございまして、この点につきましては欧米では既に法制化がなされているという実情を踏まえて、私どももかねてより、これを我が国に適用することが必要かどうか、また適用するに当たって国民的なコンセンサスが得られるかどうかという点について、調査研究ということを長年にわたって取り組んでまいったところでございます。特に、昨年十一月、私どもの所管団体でございます財団法人の日本産業協会におきまして、消費者団体の方々また産業界の代表者の方から成ります製品安全対策研究会というものを発足させることによりまして、製造物責任制度のみならず製品安全対策全般について多角的かつ総合的な見地から議論を進めてまいったところでございます。この点につきましては、私、こういった製品によって生ずる事故の責任をだれに追及するかという点につきましては、やはり一つの社会なり一つの時代なりの考え方というものに大きく依存するのではないか。したがって、仮にこういった制度を導入するということを考えました場合にも、やはりこれに携わっております産業界、またこれによって救済される消費者、またそれらを運用する裁判制度、そういった関係の方々、また関係する制度といったものが全体としてこういうものを受け入れるに足る仕組みでなければならないんじゃないか、こういうふうに考えておるところでありまして、例えば産業界におきましては、必ずしもまだ無過失責任というものを直ちに受け入れるような状況にはないように思います。これらの点につきまして、諸外国の状況などもよくよく周知せしめながらこれが必要かどうかという点についての国民的な理解というものをつくり上げるのが、ただいま現在私どもの責任ではないかというふうに考えているところでございます。  また、委員御指摘のアメリカに見られます専門的機関というものの設置でございますけれども、アメリカには広く行政委員会というのがございまして、消費者製品安全のみならず、いろいろな分野にこういう行政委員会が専門的見地から直接行政に当たるという仕組みがあるわけでございますけれども、我が国においては、どちらかといえば同じような直接的な対策は関係の各省が当たるということが原則になっております。そういう意味で、いわば取り組む行政機構の性格の差というものがあるように思うわけでございますが、私どもも現状に関して申し上げれば、こういった専門的な仕組みといたしまして特別認可法人の製品安全協会といったようなものもございます。したがいまして、直ちに行政委員会のような専門的機関を設置することが妥当かどうかという点については、私も直ちにお答えするのはなかなか難しいのでございますけれども、私は、原則としては関係の各省において製品の安全対策というものに万全を期するのが、我が国の行政組織としては通常ではないかというふうに考えるところでございます。

伊東秀子日本社会党・護憲共同

○伊東(秀)分科員 日本の消費者保護基本法の二条、十五条ないしは十六条からいきましても、やはり行政は消費者保護のための施策を講ずる義務があるわけでございますので、今言った製品安全協会のようなもので事足りるとすることは行政として大変怠慢ではなかろうか、消費者保護ということ、被害の救済というところにどこまで本腰を入れているのかということに疑問を抱かざるを得ないのではなかろうかと私は思います。  次に、自動車の製造上の欠陥に基づくリコール制度についてお伺いいたします。  昨年の十二月に、運輸省は自動車メーカー・マツダに対してリコールを指示し、さらにはこれまでのマツダの取り扱いに対して厳重な警告をしたという事実がございます。それは、マツダが乗用車の走行中の異常などをユーザーに公表しないまま欠陥隠しを行ってひそかに八十点余りの改善部品をつくって対応していたという事実に対してリコールを指示した、これは定速走行装置の部品に欠陥があるというふうに認定したからというふうに報道されたわけでございます。  こういった事例は、つい最近のそのマツダの事例のみならず、一九八九年の九月、同じようにトヨタ自動車が、コロナなど二十万台のエンジン部分に欠陥があったにもかかわらず、それに対して運輸省がユーザーからの通報で事前に調査したにもかかわらず欠陥はないとにせの報告をして、そして事故を隠していた、その後リコールを指示し、文書で警告したという事実がございまして、メーカー側の姿勢に非常な問題がある、ユーザーの安全の確保という点から見て信頼できない部分があるという事実が発覚しているわけでございます。  現在あるリコール制度というのは、こういった欠陥に関してメーカーに自主判断させて、それで行政である運輸省に届け出をさせるという仕組みになっている。つまり、ユーザーとメーカーと行政の厳しい監視という三つの信頼関係のもとに成り立っているわけですが、こういったユーザーの安全性に対する配慮のないメーカーのやり方に対しては、リコール制度というのがもはや限界というか、機能しなくなってきているのではなかろうか、大変問題があるというふうに考えられるわけでございますけれども、これに対して政府はどのように考えているのか、御答弁願います。

南戸義博運輸省地域交通局陸上技術安全部自動車審査課長

○南戸説明員 お答えいたします。  我が国におきます自動車のリコール制度は、昭和四十四年に制度が発足して以来今日まで、厳正にその運用に努めてきているところでございます。その間に国産、輸入車と合わせまして約七百五十件、台数にいたしますと約千五百六十万台のリコールを実施してきております。そして、自動車の安全性の確保に重要な役割を果たしてきていると私どもも考えております。  リコールにかかわる基準は、道路運送車両法に関連する省令でございます自動車型式指定規則に、自動車の製作者は、当該自動車の「構造、装置又は性能が道路運送車両の保安基準の規定に適合していないことが判明した場合又は適合しなくなるおそれがある場合において、その原因が設計又は生産過程にあると認めたときは、すみやかに、」「運輸大臣に届け出なければならない。」という規定がございまして、欠陥かどうかについては、この基準に基づきまして個別具体的に判断して運用してきているということでございます。しかしながら、最近の自動車の構造、機能の複雑化とか高度化に伴いまして欠陥についての判断も難しくなる傾向がございますが、これまでの実績も踏まえ、リコール制度を今後も的確に運用することにより自動車の安全性の確保に努めてまいりたいと考えております。さらに運輸省としましては、車検時の車両のふぐあいの情報とかユーザー及び整備工場からの情報の収集に努めまして、これに基づく欠陥車の排除と安全性向上の一層の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。

伊東秀子日本社会党・護憲共同

○伊東(秀)分科員 今の御答弁では、運輸省も今のリコール制度に対して十分機能しているとは言い切れない部分があるという御認識かと思いますが、そのように受けとめてよろしゅうございますか。それが第一点。  それから、アメリカの全米交通安全局等、これも行政機関でございますけれども、ユーザーの安全性を確保するために、無料のホットラインを設けてユーザーからの事故情報をどんどん収集し、その事故情報を分析して独自にリコールを命ずるとか、その収集した事故情報をユーザー初め国民に情報提供している、そして、そのような車種を買わないとか、現在保有している人に対しては無料で回収、修理させるような状況をつくっているわけでございますけれども、そこまで必要であるというふうにお考えでないかどうか、御答弁をお願いいたします。

南戸義博運輸省地域交通局陸上技術安全部自動車審査課長

○南戸説明員 最初の、今のリコール制度は安全性の確保等に十分機能しているかどうかという点でございますが、先ほど申し上げたとおり、これまで非常に安全性の確保に重要な役割を果たしてきておるというふうには考えておりますが、なお一層充実をすべき状況にあるというふうに存じております。  二点目の米国の状況についてでございます。  米国においては、先生も御指摘のように、消費者から情報を受け取って、それらの内容を消費者にフィードバックいたしましたり、またそれらに基づいてリコールを実施しているというような状況がございます。  我が国におきましても、先ほどの制度に基づきましてリコール届け出がなされるわけでございますけれども、その際には、この内容について、その原因とか対策について新聞報道での公表等を通じて広く関係者に周知できるようにしておるところでございます。また、常に自動車のふぐあい情報というものを運輸省としても積極的に情報収集すべく、いわゆる「車検整備一一〇番」というような制度を持っておりますけれども、そこからユーザーからの自動車ふぐあい情報を積極的に収集したり、整備工場から同様な情報を収集したり、車検時の車両のふぐあいに対する情報を収集したり、あらゆる機会をとらえて情報の収集に努めておるところでございまして、こういった手段を通じて現在のリコール制度がより一層充実した形で運用できるように今後とも努力してまいりたいと考えております。

伊東秀子日本社会党・護憲共同

○伊東(秀)分科員 最後になりますが、今のお答えを伺っていましても、いろいろな努力はなさっていらっしゃるようですけれども、ふぐあい情報の収集等についてもまだ国民にポピュラーになっていないという問題点がありますし、さらには、今回のマツダの例でもございましたけれども、余りに行政権限が弱過ぎるじゃないか、どのような悪質な事犯に対しても何らかの強制的な権限はなくて、せいぜい警告を発するだけにすぎない、もう少し行政権限を強化する必要があるのではなかろうかということが第一点。  二つ目には、リコールの届け出がメーカーの自主的な判断に基づいてなされる制度になっていて、たとえ届け出をしなくても罰則もないという状況なわけで、良心的なメーカーであればいざ知らず、そうでない場合には国民の安全性は無視されるわけでございまして、罰則を法規上設ける必要があるのではなかろうかというふうに思うわけでございますけれども、その点についての運輸省の御見解を伺いたいと思います。

南戸義博運輸省地域交通局陸上技術安全部自動車審査課長

○南戸説明員 まず第一点目の行政権限の強化ということでございますけれども、現在先生御指摘のような形で法規上決まった基準に基づいてメーカーが判断をし、リコール届け出をしてくるという形ではございますけれども、私ども先ほど申し上げた相当の各種の監視する情報源を持っておりまして、そういった情報で問題があるようなところは、運輸省から積極的にメーカーに対しこれをリコールすべき内容ではないかというようなことについての個別指導をしておりまして、そういったことによってもこれまで相当のリコール実績を上げておるところでございます。  したがいまして、当面は私どもリコールの、自動車の欠陥車とかふぐあい情報の監視制度を充実していこうということで、ことし七月に運輸省としては機構改革をする予定がございますが、その際に自動車関係については自動車ユーザー業務室というような機構を設けまして、自動車ふぐあいの排除とかユーザー保護という観点で機構的にも充実をして、こういった安全の向上のための体制の充実とその目的の達成のために努力してまいりたいと考えておるわけです。  それから、罰則の法的な点についての見直しということでございますが、とりあえずは私ども今申し上げたような行政上の体制の充実をしようということで今動いておりますので、その運用の状況も見ながら今後の検討課題として取り組んでまいりたいと思っております。

伊東秀子日本社会党・護憲共同

○伊東(秀)分科員 終わります。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂主査代理 これにて伊東秀子君の質疑は終了いたしました。  次回は、明十二日午前九時から開会し、総理府所管中経済企画庁について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十七分散会

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